JP2021128639A - 作業管理システム、計測システム、作業管理方法及びプログラム - Google Patents

作業管理システム、計測システム、作業管理方法及びプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】作業者が作業子を繰り返し移動させる反復動作を含む作業について、作業の質を管理しやすい作業管理システム、計測システム、作業管理方法及びプログラムを提供する。【解決手段】作業管理システム10は、作業者X1が作業子を繰り返し移動させる反復動作を含む作業に用いられ、取得部11と、支援処理部18と、を備える。取得部11は、反復動作を行う作業期間において、計測器2の計測結果を取得データD1として取得する。計測器2は、作業子の移動に関する物理量を計測する。支援処理部18は、取得データD1に基づいて、作業者X1に対して作業を支援する支援処理を実行する。【選択図】図1

Description

本開示は、一般に作業管理システム、計測システム、作業管理方法及びプログラムに関し、より詳細には、作業者が作業子を繰り返し移動させる反復動作を含む作業の管理に用いられる作業管理システム、計測システム、作業管理方法及びプログラムに関する。
特許文献1には、手作業により被研磨面に水、研磨砥粒入りの薬剤、保護剤を供給しながら作業対象物(被研磨面)を研磨するための、手動式研磨具が記載されている。
この手動式研磨具は、研磨作業時に作業者により把持される作業子(ハンドパッド)を有する。作業子における作業対象物側には、研磨フィルムが装着されており、作業子の内部には、研磨液を吸収し弾性変形自在の吸水スポンジが組み込まれている。この手動式研磨具を使用する作業者は、作業子を手に持ち、研磨フィルムを作業対象物に押し付けて、研磨操作を行いつつ、操作ノブを押し込んで吸水スポンジを収縮変形させることで、研磨液を押し出すことができる。
特開2017−7055号公報
上述のような手動式の研磨具を使用した研磨等の作業においては、作業者は、作業子(ハンドパッド)を繰り返し移動させる反復動作を伴う操作(研磨操作)を行うのであって、その作業内容は、一見すると単純にも見える。しかし、実際は、作業対象物の面形状等の様々な要素に応じて、作業子の微妙な操作の調整が必要であって、作業者の熟練度によって作業の仕上がりにも差が生じ得る。
本開示は上記事由に鑑みてなされており、作業者が作業子を繰り返し移動させる反復動作を含む作業について、作業の質を管理しやすい作業管理システム、計測システム、作業管理方法及びプログラムを提供することを目的とする。
本開示の一態様に係る作業管理システムは、作業者が作業子を繰り返し移動させる反復動作を含む作業に用いられ、取得部と、支援処理部と、を備える。前記取得部は、前記反復動作を行う作業期間において、計測器の計測結果を取得データとして取得する。前記計測器は、前記作業子の移動に関する物理量を計測する。前記支援処理部は、前記取得データに基づいて、前記作業者に対して前記作業を支援する支援処理を実行する。
本開示の一態様に係る計測システムは、前記作業管理システムと、前記物理量を計測する前記計測器と、を備える。
本開示の一態様に係る作業管理方法は、作業者が作業子を繰り返し移動させる反復動作を含む作業を管理する方法であって、取得処理と、支援処理と、を有する。前記取得処理は、前記反復動作を行う作業期間において、計測器の計測結果を取得データとして取得する処理である。前記計測器は、前記作業子の移動に関する物理量を計測する。前記支援処理は、前記取得データに基づいて、前記作業者に対して前記作業を支援する処理である。
本開示の一態様に係るプログラムは、前記作業管理方法を、1以上のプロセッサに実行させるためのプログラムである。
本開示によれば、作業者が作業子を繰り返し移動させる反復動作を含む作業について、作業の質を管理しやすい、という利点がある。
図1は、実施形態1に係る作業管理システムを含むシステムの全体構成を示す概略説明図である。 図2Aは、同上の作業管理システムが用いられる作業の様子を示す側面図である。図2Bは、同上の作業管理システムが用いられる作業の様子を示す平面図である。 図3Aは、実施形態1に係る計測システムの第1計測器の使用例を斜視図である。図3Bは、同上の計測システムの第2計測器の使用例を斜視図である。 図4は、実施形態1に係る作業管理方法の一例を示すフローチャートである。 図5A及び図5Bは、同上の作業管理システムを用いた場合の、互いに異なる取得データについて、時系列分析の結果と、周波数分析の結果と、を表すグラフである。 図6は、同上の作業管理システムを用いた場合の、画像から得られる取得データについて、時系列分析の結果と、周波数分析の結果と、を表すグラフである。 図7A及び図7Bは、それぞれ同上の作業管理システムを用いた場合の加工画像の一例を示す概略図である。 図8Aは、同上の作業管理システムを用いた作業において、スラリーが供給された直後の状況を表す平面図である。図8Bは、同上の作業管理システムを用いた作業において、作業が進行してスラリーが減少した状況を表す平面図である。 図9は、同上の作業管理方法の生成処理の一例を示すフローチャートである。 図10は、同上の作業管理方法の支援処理の一例を示すフローチャートである。 図11は、同上の作業管理システムにおいて提示デバイスが作業者に対して情報の提示を行う様子を示す概略説明図である。
(実施形態1)
(1)概要
まず、図1〜図2Bを参照して、本実施形態に係る作業管理システム10、計測システム100、作業管理方法及びプログラムの概要について説明する。
本実施形態に係る作業管理システム10は、作業者X1が作業子X2(図2A及び図2B参照)を繰り返し移動させる反復動作を含む作業の管理に用いられる。詳しくは後述するが、このような反復動作を含む「作業」の一例として、作業対象物Y1の研磨がある。研磨のような作業においては、作業者X1は、作業対象物Y1(研磨される物体)の表面をパッド等の作業子X2で繰り返し擦るように、作業子X2を繰り返し移動させる反復動作によって、作業を実行する。この種の作業に際しては、作業者X1は、作業子X2を繰り返し移動させる反復動作を伴う操作を行うので、その作業内容は、一見すると単純にも見える。しかし、実際は、作業対象物Y1の面形状等の様々な要素に応じて、作業子X2の微妙な操作の調整が必要であって、作業者X1の熟練度によって作業の仕上がりにも差が生じ得る。
そこで、本実施形態に係る作業管理システム10では、このように、作業者X1が作業子X2を繰り返し移動させる反復動作を含む作業について、作業の質を管理しやすくすることを目的として、この種の作業を管理の対象とする。
すなわち、本実施形態に係る作業管理システム10は、作業者X1が作業子X2を繰り返し移動させる反復動作を含む作業に用いられ、取得部11を備える。取得部11は、反復動作を行う作業期間において、計測器2の計測結果を取得データD1として取得する。計測器2は、作業子X2の移動に関する物理量を計測する。
この構成によれば、作業者X1が作業子X2を繰り返し移動させる反復動作を含む作業に関して、作業子X2の移動に関する物理量の計測結果を取得することができる。この種の作業においては、反復動作時における作業子X2の移動に関する物理量が、作業の質に影響し得るパラメータとなる。作業管理システム10によれば、このようなパラメータを取得データD1として取得するので、例えば、取得データD1を用いることで、取得データD1から作業者X1の作業を客観的に分析したり、作業者X1の作業を改善したりすることが可能になる。結果的に、作業者X1が作業子X2を繰り返し移動させる反復動作を含む作業について、作業の質を管理しやすくなる、という利点がある。
さらに、本実施形態では、取得データD1を更に作業者X1による作業の支援に利用するべく、作業管理システム10は、取得部11に加えて、支援処理部18を更に備えている。
すなわち、本実施形態に係る作業管理システム10は、作業者X1が作業子X2を繰り返し移動させる反復動作を含む作業に用いられ、取得部11と、支援処理部18と、を備える。取得部11は、上述したように、反復動作を行う作業期間において、作業子X2の移動に関する物理量を計測する計測器2の計測結果を取得データD1として取得する。支援処理部18は、取得データD1に基づいて、作業者X1に対して作業を支援する支援処理を実行する。
この構成によれば、作業者X1が作業子X2を繰り返し移動させる反復動作を含む作業に関して、作業子X2の移動に関する物理量の計測結果を、実際の作業者X1による作業の支援に利用することができる。この種の作業においては、反復動作時における作業子X2の移動に関する物理量が、作業の質に影響し得るパラメータとなる。作業管理システム10によれば、このようなパラメータを取得データD1として、作業者X1による作業の支援に利用するので、作業の質にフォーカスした作業の支援が可能になる。結果的に、作業者X1が作業子X2を繰り返し移動させる反復動作を含む作業について、作業の質を管理しやすくなる、という利点がある。
また、本実施形態に係る作業管理システム10は、計測器2と共に計測システム100を構築する。言い換えれば、本実施形態に係る計測システム100は、作業管理システムと、(作業子X2の移動に関する)物理量を計測する計測器2と、を備える。
また、本実施形態に係る作業管理方法は、上記作業管理システム10と同様の機能を具現化するための方法である。つまり、本実施形態に係る作業管理方法は、作業者X1が作業子X2を繰り返し移動させる反復動作を含む作業を管理する方法であって、取得処理を有する。取得処理は、反復動作を行う作業期間において、計測器2の計測結果を取得データD1として取得する処理である。計測器2は、作業子X2の移動に関する物理量を計測する。
さらに、他の態様に係る作業管理方法は、作業者X1が作業子X2を繰り返し移動させる反復動作を含む作業を管理する方法であって、取得処理と、支援処理と、を有する。取得処理は、反復動作を行う作業期間において、作業子X2の移動に関する物理量を計測する計測器2の計測結果を取得データD1として取得する処理である。支援処理は、取得データD1に基づいて、作業者X1に対して作業を支援する処理である。
また、本実施形態に係るプログラムは、上記作業管理方法を具現化するためのプログラムである。つまり、本実施形態に係るプログラムは、上記作業管理方法を、1以上のプロセッサに実行させるためのプログラムである。
(2)構成
以下、本実施形態に係る作業管理システム10及び計測システム100の構成について、図1〜図3Bを参照して詳しくする。
(2.1)定義
本開示でいう「作業」は、作業者X1が行う種々の作業を含み、例えば、製品の製造に際して実行される作業対象物Y1に対する種々の加工等の作業を含む。このような作業は、例えば、工場、研究所又は事務所等の施設において、電子機器、自動車、衣料品、食料品、医薬品及び工芸品等の種々の製品(部品を含む)の製造のために用いられる。本実施形態では一例として、工場での部品の製造のための作業を想定する。特に、本実施形態に係る作業管理システム10は、作業者X1が行う種々の作業の中でも、反復動作を含む作業の管理に用いられる。
本開示でいう「反復動作」は、作業者X1が作業子X2を繰り返し移動させるような動作を意味し、作業子X2の完全に同じ移動を繰り返す動作だけでなく、作業子X2の同じような移動を繰り返す動作を含む。例えば、円に近い軌跡を繰り返し描きながら作業子X2を移動させる反復動作であっても、反復動作において、作業子X2が描く軌跡は毎回同じである必要はなく、毎回異なっていてもよい。
そして、作業管理システム10での管理の対象となる「作業」は、このような反復動作を含んでいればよく、反復動作以外の動作を適宜含んでいてもよい。すなわち、作業管理システム10は、作業者X1が作業子X2を繰り返し移動させる反復動作を含む作業の管理に用いられる。
このような反復動作を含む「作業」の一例として、研磨、鍛造、切削、塗装、コーティング、左官及びエステティック等がある。本実施形態では一例として、作業管理システム10の管理対象となる「作業」は、研磨であることと仮定する。より詳細には、本実施形態では一例として、作業管理システム10の管理対象となる「作業」は、作業対象物Y1の表面と、作業子X2としてのパッドとの間に、スラリーY2(図2A及び図2B参照)を介在させた状態で行われる、遊離砥粒方式の研磨である。スラリーY2は、砥粒を混ぜ込んだ液体であって、このようなスラリーY2を用いることで、遊離砥粒方式の研磨が可能となる。
本開示でいう「研磨」は、物体の表面を滑らかにするために、研ぎ磨くことを意味し、作業対象物Y1の表面を、パッド等の作業子X2で繰り返し擦ることによって表面部分を削り、平滑にしていく作業である。ここでいう「研磨」は、機械的な研磨だけでなく、例えば、化学的機械研磨(CMP:Chemical Mechanical Polishing)等も含んでいる。化学的機械研磨は、砥粒自体が有する表面化学作用又はスラリーに含まれる化学成分の作用にて、化学的に作業対象物Y1の表面を溶融又は変質させ、砥粒による機械的な研磨を補助することで、相乗的に研磨の速度及び質を向上させる手法である。
「鍛造」は、金属加工の一種であって、例えば、ハンマー等の作業子X2で金属板等の作業対象物Y1を叩いて圧力を加えることにより、作業対象物Y1の強度を高め、かつ所望の形状に加工する作業である。「切削」は、例えば、「かんな」等の作業子X2を用いて木材等の作業対象物Y1の表面を削る作業、及び「のこぎり」等の作業子X2を用いて木材等の作業対象物Y1を切断する作業等を含む。「塗装」は、刷毛又はスプレーガン等の作業子X2を用いて、作業対象物Y1の表面に塗料を塗る作業である。「コーティング」は、スポンジ又はウエス等の作業子X2を用いて、作業対象物Y1の表面に対してコーティング剤を塗布する作業、及びコーティング剤を拭き取る作業等を含む。「左官」は、例えば、建物の壁又は床等の作業対象物Y1を、こて等の作業子X2を用いて塗り仕上げる作業である。「エステティック」は、作業対象物Y1としての施術対象者の顔又はボディに対して行う全身美容術を意味し、例えば、作業対象物Y1としての施術対象者の顔又はボディのトリートメント等の作業を含む。
本開示でいう「作業対象物」は、作業者X1による作業が施される物体(有体物)であって、例えば、作業が研磨であれば、研磨される物体が作業対象物Y1となり、作業(研磨)によって作業対象物Y1の表面が平滑化されることになる。本実施形態では一例として、作業対象物Y1は、樹脂成型に用いられる金型であることと仮定する。より詳細には、例えば、樹脂ミラー又は樹脂レンズ等の光学部品の成型用の金型が、作業対象物Y1であることとする。
本開示でいう「物理量」は、作業子X2の移動に関する物理的な量(値)である。本実施形態では一例として、物理量は、圧力、位置、速度、加速度、角速度、角加速度及び振動の少なくとも一つを含む。ここでいう「圧力」は、作業子X2の移動に関する物理量としての圧力であるので、例えば、作業者X1が作業子X2を押すことで作業子X2から作業対象物Y1に加わる圧力、又は作業子X2が作業対象物Y1から受ける圧力(反力)等である。ここでいう「位置」は、作業子X2の移動に関する物理量としての位置であるので、例えば、複数のサンプリングタイミングの各々における作業子X2の位置、又は複数のサンプリングタイミングにおける作業子X2の平均的な位置等である。また、ここでいう「速度」は、作業子X2の移動に関する物理量としての速度であるので、例えば、複数のサンプリングタイミングの各々における作業子X2の速度、又は複数のサンプリングタイミングにおける作業子X2の平均速度等である。加速度、角速度及び角加速度についても速度と同様に、例えば、複数のサンプリングタイミングの各々における作業子X2の加速度(角速度、角加速度)、又は複数のサンプリングタイミングにおける作業子X2の平均加速度(角速度、角加速度)等である。ここでいう「振動」は、作業子X2の移動に関する物理量としての振動であるので、例えば、作業者X1が作業子X2を移動させることで作業子X2に加わる振動、又は作業子X2が作業対象物Y1から受ける振動等である。
本開示でいう「作業者」は、作業を行う者、つまり作業の実行主体である。つまり、作業を指示する者と、指示を受けて実際に作業を行う者とが存在する場合には、実際に作業を行う者が作業者X1である。本実施形態では一例として、作業が行われる工場の従業員が作業者X1であることと仮定する。
本開示でいう「作業子」は、作業の反復動作に際して、作業者X1が繰り返し移動させる物体である。作業子X2は、作業の種類によって使い分けられる様々な道具、及び作業者X1の身体の一部を含み得る。例えば、「鍛造」のような作業であれば、作業者X1が操作するハンマー等の道具、又は道具を持つ作業者X1の手等の身体の一部が、作業子X2となる。一方、例えば、作業者X1が道具を使わずに素手で行う「エステティック」のような作業であれば、作業者X1の指又は掌等の身体の一部が、作業子X2となる。本実施形態では一例として、作業が「研磨」であるので、研磨に用いられるパッドが作業子X2であることとする。
本開示でいう「作業期間」は、反復動作を行う期間を意味する。例えば、作業において、反復動作が間欠的に行われるような場合には、反復動作が実際に行われる期間が作業期間と、作業期間の合間の期間とが交互に繰り返されることになる。
本開示でいう「支援」は、作業者X1による作業の助けになる様々な態様の支援を含む。すなわち、作業の支援の態様には、例えば、作業者X1の作業を評価した結果を作業者X1に提示(フィードバック)する態様、及び作業者X1に代えて作業子X2を部分的に自動で操作するような態様等を含む。
(2.2)前提
ここではまず、本実施形態で前提とする事項について説明する。
本実施形態では一例として、上述した通り、作業管理システム10の管理対象となる「作業」が、光学部品の成型用の金型からなる作業対象物Y1に対する遊離砥粒方式の研磨である場合を想定する。すなわち、本実施形態では、図2A及び図2Bに示すように、作業者X1は、作業子X2としてのパッドを操作し、作業対象物Y1としての金型の表面を、作業子X2で繰り返し擦ることによって、作業対象物Y1の研磨という作業を行う場合を想定する。このとき、作業者X1は、手の指先で作業子X2としてのパッドを、適当な力で作業対象物Y1に押し付けた状態で、作業対象物Y1の表面上を滑らせるように、作業子X2を繰り返し移動させることで、作業対象物Y1の研磨を行う。図2Bでは、作業子X2の平面視における中心点の軌跡Tr1を模式的に表している。
ここで、本実施形態では、遊離砥粒方式の研磨を実現するべく、図2Aに示すように、作業対象物Y1の表面と、作業子X2としてのパッドとの間には、スラリーY2を介在させた状態で、作業(研磨)が行われる。スラリーY2は、砥粒を混ぜ込んだ液体であって、このようなスラリーY2を用いることで、遊離砥粒方式の研磨が可能となる。つまり、作業対象物Y1との間にスラリーY2が介在した状態で、作業子X2が移動させられることによって、スラリーY2中の砥粒が作業対象物Y1の表面上を潤滑に移動しつつ、作業対象物Y1の遊離砥粒方式の研磨を実現する。つまり、スラリーY2は、作業(ここでは研磨)に関連する作業関連材であって、より詳細には、作業子X2による作業を補助する補助材料として機能する。
スラリーY2のような補助材料は、作業の進行に伴って、スラリーY2中の砥粒が失われて濃度が低下する等、その状態(量、厚み、濃度、粘度又は色等)が変化し得る。補助材料の状態が変化すると、補助材料としての所望の機能が十分に発揮されないことがある。そのため、スラリーY2のような補助材料については、作業の進行に合わせて、作業対象物Y1の作業部位に適宜供給(注入)されて、所望の機能を維持することが好ましい。
そこで、本実施形態においても、作業は、作業子X2を繰り返し移動させる反復動作の工程に加えて、補助材料(作業関連材)としてのスラリーY2の供給の工程を含んでいる。ここでは、作業子X2を繰り返し移動させる反復動作のみならず、スラリーY2の供給についても、作業者X1が手動で行う場合を想定する。言い換えれば、作業は、複数の工程を含んでいる。具体的には、本実施形態において作業管理システム10での管理の対象となる研磨の作業は、作業子X2を反復動作させる第1工程と、スラリーY2を供給する第2工程と、の複数の工程を含んでいる。より詳細には、反復動作の第1工程は間欠的に行われ、その合間にスラリーY2を供給する第2工程が実行されるので、反復動作の第1工程と、スラリーY2を供給する第2工程と、が交互に実行されることになる。
さらに、金型である作業対象物Y1は、金型基材Y11と、めっき層Y12と、を有している。金型基材Y11は、金型の基材として金型の形状を決定する。めっき層Y12は、例えば、NiP等のめっき層であって、金型基材Y11の表面を覆うように形成されている。このような作業対象物Y1においては、めっき層Y12について研磨が施されることにより、作業対象物Y1の表面が研磨されることになる。
ところで、本実施形態では、上述したように、例えば、樹脂ミラー又は樹脂レンズ等の光学部品の成型用の金型が、作業対象物Y1である場合を想定している。このような金型においては、金型の表面の仕上がりが成型品(光学部品)の特性にも影響し得るため、その研磨は非常に繊細な作業となる。また、この種の金型においては、表面が様々な曲面(自由曲面)を含み、かつ個体ごとにその表面の形状が異なることも相まって、その研磨の自動化を図ることは困難である。例えば、研磨に際しての作業子X2の動きが単調過ぎると、作業子X2の動きの規則性に応じて金型の表面に虹面が生じる等、金型の表面の仕上がりが劣化する可能性がある。つまり、この種の作業(金型の研磨)にあっては、作業対象物Y1の面形状等の様々な要素に応じて、作業子X2の微妙な操作の調整が必要であって、作業者X1の熟練度によって作業の仕上がりにも差が生じ得る。そして、作業(研磨)の仕上がりが成型品の特性にも影響することを考えると、このような金型の研磨等の作業に関しては、作業者X1に、いわゆる熟練者のような比較的高いスキルが要求される。
さらには、この種の作業(研磨)については、熟練者のような比較的高いスキルを有する作業者X1であっても、例えば、作業子X2の軌跡及び移動速度等の具体的な作業子X2の操作を、実証的に行っているというよりも、感覚的に行っていることが多い。そのため、比較的高いスキルを有する作業者X1といえども、この種の作業に係る技術を他者に伝授することは容易でない。結果的に、この種の作業については、高いスキルを習得していない作業者X1が作業を行う場合、その作業の質を担保することは非常に困難である。
本実施形態に係る作業管理システム10及び計測システム100は、以下に説明する構成を採用することで、この種の作業について作業の質を管理しやすくなる、という利点がある。
(2.3)全体構成
次に、本実施形態に係る作業管理システム10を含むシステムの全体構成について、図1、図3A及び図3Bを参照して詳しく説明する。
図1に示すように、作業管理システム10は、インターネット等のネットワークNT1に接続されている。ネットワークNT1には、制御装置4が接続されている。つまり、作業管理システム10と制御装置4とは、ネットワークNT1を介して接続されている。制御装置4には、1ないし複数の計測器2が接続されている。さらに、制御装置4には、1ないし複数の提示デバイス3が接続されている。本実施形態では、作業管理システム10は、計測器2、提示デバイス3及び制御装置4を構成要素に含まない。
本実施形態では一例として、作業管理システム10は、クラウド(クラウドコンピューティング)にて実現される。作業管理システム10の構成について詳しくは「(2.4)作業管理システム」の欄で説明する。
制御装置4は、作業管理システム10での管理対象となる作業が行われる施設(本実施形態では工場)に設置されている。本実施形態では一例として、制御装置4は、1以上のメモリ及び1以上のプロセッサを含むコンピュータシステム、例えば、パーソナルコンピュータを主構成とする。言い換えれば、コンピュータシステムのメモリに記録されたプログラムを、プロセッサが実行することにより、制御装置4の機能が実現される。プログラムはメモリに予め記録されていてもよいし、インターネット等の電気通信回線を通して提供されてもよく、メモリカード等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。
制御装置4は、計測器2及び提示デバイス3の各々と、通信可能に構成されている。さらに、制御装置4は、作業管理システム10とも通信可能に構成されている。本開示でいう「通信可能」とは、有線通信又は無線通信の適宜の通信方式により、直接的、又はネットワークNT1若しくは中継器等を介して間接的に、信号を授受できることを意味する。本実施形態では一例として、制御装置4は、作業管理システム10、計測器2及び提示デバイス3の各々との間で、双方向に通信可能である。これにより、作業管理システム10は、計測器2及び提示デバイス3の各々とも、制御装置4を介して間接的に信号の授受が可能となる。つまり、制御装置4は、ゲートウェイとして機能する。
計測器2は、上述したように、作業子X2の移動に関する物理量を計測する機能を有している。本実施形態では、計測器2は、複数設けられている。複数の計測器2は、第1計測器21、第2計測器22及び第3計測器23を含んでいる。本開示において、第1計測器21、第2計測器22及び第3計測器23を特に区別しない場合には、第1計測器21、第2計測器22及び第3計測器23の各々を「計測器2」ともいう。計測器2は、上述したように、作業管理システム10と共に計測システム100を構築する。つまり、本実施形態に係る計測システム100は、作業管理システム10と、複数の計測器2と、を備えている。
第1計測器21、第2計測器22及び第3計測器23は、作業子X2の移動に関し、互いに異なる物理量を計測する、異なる種類の計測器2である。本実施形態では一例として、第1計測器21は、作業子X2の移動に関する物理量として、圧力及び加速度を計測する。第2計測器22は、作業子X2の移動に関する物理量として、振動を計測する。第3計測器23は、作業子X2の移動に関する物理量として、作業子X2の位置を計測する。これら複数の計測器2(第1計測器21、第2計測器22及び第3計測器23)は、計測器群20を構成する。つまり、計測器群20は、互いに異なる物理量を計測する、複数種類の計測器2を含んでいる。
本実施形態では一例として、第1計測器21は、図3Aに示すように、例えば、作業者X1の作業子X2(パッド)を操作する手の指先に装着される指サック型の計測器2であって、圧力センサ及び加速度センサを含んでいる。第1計測器21は、例えば、作業者X1の指先と作業子X2との間に介在する歪みゲージ式又はピエゾ抵抗式等の圧力センサにより、作業者X1が作業子X2を押すことで作業子X2から作業対象物Y1に加わる圧力を計測する。また、第1計測器21は、例えば、互いに直交する3軸の加速度に対してそれぞれ感度を有する3軸の加速度センサにより、作業者X1の指先にかかる加速度から、複数のサンプリングタイミングの各々における作業子X2の加速度を計測する。
また、第2計測器22は、図3Bに示すように、例えば、作業者X1の作業子X2(パッド)を操作する手の指に装着される指輪型の計測器2であって、振動センサを含んでいる。第2計測器22は、例えば、圧電型の振動センサにより、作業者X1の指にかかる振動から、作業者X1が作業子X2を移動させることで作業子X2に加わる振動を計測する。
このように、本実施形態では、少なくとも第1計測器21及び第2計測器22は、作業子X2の移動に関する物理量を、作業子X2を操作する作業者X1の指に装着されるセンサにて間接的に検知する。
第3計測器23は、本実施形態では一例として、イメージセンサを含むカメラである。第3計測器23は、作業者X1が作業(作業対象物Y1の研磨)を行う作業スペースを撮像するように、作業スペースの上方の定位置に設置されている。この第3計測器23は、作業子X2が移動する作業対象物Y1の表面を上方から撮影することで、撮影された画像から、平面視における作業子X2の位置(二次元位置)を計測する。
本開示でいう「画像」は、動画(動画像)及び静止画(静止画像)を含む。さらに、「動画」は、コマ撮り等により得られる複数の静止画にて構成される画像を含む。ここでは一例として、第3計測器23で得られる画像は、時間経過に伴って変化するフルカラーの画像(つまり動画)である。より詳細には、一例として、画像は、モーションJPEG(Motion JPEG)等の時系列に沿った複数の静止画にて構成される動画である。さらに、画像は、イメージセンサで生成されたデータそのものでなくてもよく、例えば、撮影された画像から一部を切り出す加工、ピント調整、明度調整又はコントラスト調整等の加工が施されていてもよい。
本実施形態では一例として、計測器群20における各計測器2と制御装置4との間の通信は、Wi-Fi(登録商標)又はBluetooth(登録商標)等の通信規格に準拠した、電波を媒体とした無線通信である。つまり、各計測器2は、上述したようなセンサに加えて、制御装置4との無線通信機能、及び電源回路等を有している。
提示デバイス3は、作業者X1に対する情報の提示を行う。詳しくは「(2.4)作業管理システム」の欄で説明するが、本実施形態では、支援処理部18が行う支援処理が、提示デバイス3での作業者X1に対する情報の提示を含んでいる。提示デバイス3での提示の態様には、例えば、表示、音、印刷(プリントアウト)、情報端末への送信、非一時的記録媒体への記録(書き込み)等が含まれる。本実施形態では、提示デバイス3は、複数設けられている。複数の提示デバイス3は、第1提示デバイス31、第2提示デバイス32及び第3提示デバイス33を含んでいる。本開示において、第1提示デバイス31、第2提示デバイス32及び第3提示デバイス33を特に区別しない場合には、第1提示デバイス31、第2提示デバイス32及び第3提示デバイス33の各々を「提示デバイス3」ともいう。
第1提示デバイス31、第2提示デバイス32及び第3提示デバイス33は、互いに情報の提示の態様が異なる、異なる種類の提示デバイス3である。本実施形態では一例として、第1提示デバイス31は、据え置き型のモニタ(ディスプレイ)であって、表示により情報を提示する。第2提示デバイス32は、眼鏡型のウェアラブル端末であって、拡張現実(AR:Augmented Reality)表示により情報を提示する。第3提示デバイス33は、スピーカ又はヘッドホン等であって、音(音声を含む)により情報を提示する。これら複数の提示デバイス3(第1提示デバイス31、第2提示デバイス32及び第3提示デバイス33)は、提示デバイス群30を構成する。つまり、提示デバイス群30は、互いに異なる態様で情報を提示する、複数種類の提示デバイス3を含んでいる。
本実施形態では一例として、提示デバイス群30における各提示デバイス3と制御装置4との間の通信は、Wi-Fi(登録商標)又はBluetooth(登録商標)等の通信規格に準拠した、電波を媒体とした無線通信である。つまり、各提示デバイス3は、制御装置4との無線通信機能、及び電源回路等を有している。
ところで、図1では、1人の作業者X1を対象として作業管理システム10が適用される場合を例示しているが、実際には、複数人の作業者X1を対象として作業管理システム10が適用され得る。すなわち、作業管理システム10は、複数人の作業者X1がそれぞれ行う作業を管理の対象とし得るが、ここでは、説明を簡単にするため、作業者X1が1人である場合を例に説明する。複数人の作業者X1を対象とする場合には、計測器群20及び提示デバイス群30はそれぞれ複数設けられる。同様に、制御装置4は、作業管理システム10での管理対象となる作業が行われる施設(本実施形態では工場)ごとに設置されるので、複数の施設で行われる作業を対象とする場合には、制御装置4も複数設けられる。
(2.4)作業管理システム
次に、本実施形態に係る作業管理システム10について、図1を参照して詳しく説明する。
作業管理システム10は、上述したように、取得部11と、支援処理部18と、を備えている。また、本実施形態では、作業管理システム10は、取得部11及び支援処理部18に加えて、演算処理部12、条件設定部13、基準生成部14、出力部15、状態監視部16、調整部17、通信部19及びデータ格納部111を更に備えている。
取得部11は、上述したように、反復動作を行う作業期間において、作業子X2の移動に関する物理量を計測する計測器2の計測結果を取得データD1として取得する。本実施形態では、取得部11は、計測器群20に含まれる複数の計測器2の各々から、計測結果を取得データD1として取得する。取得部11は、複数の計測器2の各々から、制御装置4及びネットワークNT1を介して、取得データD1を取得する。
演算処理部12は、取得データD1に対する演算処理を実行する。すなわち、演算処理部12は、計測器2の計測結果である取得データD1に、適宜、演算処理を施すことにより、取得データD1を所望のデータ形式に変換する。演算処理部12での演算処理が前処理として施された取得データD1が、後述の基準生成部14又は支援処理部18等に入力される。また、演算処理部12での演算処理が施された取得データD1を「演算後データ」ともいう。つまり、演算処理部12は演算処理により「演算後データ」を生成し、基準生成部14、状態監視部16又は支援処理部18等に「演算後データ」が入力される。
具体的には、演算処理部12は、取得データD1を時間領域において分析する時系列分析と、取得データD1を周波数領域において分析する周波数分析と、の少なくとも一方を、演算処理として実行する。本実施形態では一例として、演算処理部12は、時系列分析と周波数分析との両方を、演算処理として実行する。本開示でいう「時系列分析」は、時間の経過に伴って変化するデータを分析することを意味し、時間領域においてデータを解析することで実現される。本開示でいう「周波数分析」は、時系列データ(時系列分析の結果)に対してどの周波数の成分の波形が含まれているかを解析することを意味し、周波数領域でデータを解析することで実現される。
さらに、本実施形態では、演算処理部12は、演算処理において、少なくとも作業子X2が対象領域に存在する存在時間に関する情報を求める。つまり、演算後データは存在時間に関する情報を含む。本開示でいう「存在時間」は、作業子X2が対象領域に存在する時間を意味し、作業子X2が対象領域に滞留している(とどまっている)時間であってもよいし、作業子X2が対象領域に存在している累積時間であってもよい。本実施形態では一例として、作業子X2が対象領域に存在している累積時間を、存在時間とする。例えば、存在時間のカウントを開始後に、作業子X2が作業対象物Y1の表面上の、ある対象領域内で10秒間移動し続けた場合、この対象領域における作業子X2の存在時間は「10秒」となる。演算処理について詳しくは「(3.3)演算処理」の欄で説明する。
条件設定部13は、作業に係る静的な条件に関する情報を設定する。本開示でいう「静的な条件」は、あらかじめ与えられて作業の途中で変化しない、つまり作業を通じて一貫して内容が維持される条件を意味する。本実施形態のように作業が金型の研磨である場合には、一例として、作業対象物Y1としての金型(金型基材Y11又はめっき層Y12)の材質、大きさ又は形状等の情報が、作業に係る静的な条件となり得る。条件設定部13は、このような条件に関する情報を、データ格納部111に記憶(登録)することにより設定する。
基準生成部14は、取得データD1に基づいて、基準データを生成する。本開示でいう「基準データ」は、作業の基準となるデータである。本実施形態では、作業(研磨)の見本とするべき作業子X2の動き(操作)に係るデータを、基準データとして生成する。具体的には、作業者X1が比較的高いスキルを有する熟練者である場合の取得データD1から、この作業者X1(熟練者)による作業の特徴が、作業子X2の動きに係る基準データとして抽出される。本実施形態では、基準生成部14は、演算処理部12での演算処理が前処理として施された取得データD1(演算後データ)が入力され、演算後データを用いて、基準データを生成する。
出力部15は、基準生成部14で生成された基準データを出力する。出力部15での出力の態様には、例えば、表示、音、印刷(プリントアウト)、情報端末への送信、非一時的記録媒体への記録(書き込み)等が含まれる。本実施形態では一例として、出力部15は、基準データを、非一時的記録媒体への記録(書き込み)により出力し、具体的には、データ格納部111に記憶(記録)する。
状態監視部16は、作業期間において、作業に関連する作業関連材の状態を監視する。上述したように、作業関連材はスラリーY2であるので、状態監視部16は、作業期間にスラリーY2の状態(量、厚み、濃度、粘度又は色等)を監視する。本実施形態では一例として、状態監視部16は、取得データD1に基づいて、作業関連材(スラリーY2)の状態を監視する。本実施形態では、状態監視部16は、演算処理部12での演算処理が前処理として施された取得データD1(演算後データ)が入力され、演算後データを用いて、作業関連材(スラリーY2)の状態を監視する。
調整部17は、作業への寄与度に応じて、取得データD1の重み付けを行う。本実施形態では一例として、調整部17は、取得データD1ごとに作業への寄与度に応じた重み係数の決定を行い、演算処理部12にて重み係数が取得データD1に乗算されることとする。これにより、例えば、基準生成部14にて、複数の取得データD1に基づいて基準データを生成するに際し、これら複数の取得データD1を一様に用いるのではなく、作業への寄与度に応じた重み係数をかけた取得データD1を用いることができる。基本的には、調整部17は、作業への寄与度が高い(大きい)取得データD1ほど、重み係数を大きくする。重み係数は、ゼロ(0)を含んでいる。つまり、重み係数がゼロの取得データD1については、無効化され、基準生成部14又は支援処理部18等に入力されないこととなる。
支援処理部18は、上述したように、取得データD1に基づいて、作業者X1に対して作業を支援する支援処理を実行する。本実施形態では、支援処理は、作業者X1に対する情報の提示を含んでいる。すなわち、支援処理部18は、支援処理として、制御装置4を介して間接的に、提示デバイス群30の提示デバイス3を制御し、作業者X1に対する情報の提示を提示デバイス3に実行させる。具体的には、支援処理部18は、提示デバイス3を制御するための制御データD2を、制御装置4を介して提示デバイス3に送信する処理を、支援処理として実行する。制御データD2は、提示デバイス3に提示させる情報を含んでおり、制御データD2を受信した提示デバイス3は、制御データD2に従って作業者X1に情報を提示する。本実施形態では、支援処理部18は、演算処理部12での演算処理が前処理として施された取得データD1(演算後データ)が入力され、演算後データを用いて、支援処理を実行する。
ここで、支援処理部18は、取得データD1に加えて、作業の基準となる基準データに基づいて、支援処理を実行する。つまり、取得データD1(演算後データ)だけでなく、基準生成部14で生成された基準データについても、支援処理部18での支援処理に用いられる。より詳細には、支援処理部18は、取得データD1に基づく評価用データと、基準データとの比較結果に応じて、支援処理の内容を決定する。本実施形態では一例として、評価用データは、演算処理部12での演算処理が前処理として施された取得データD1、つまり演算後データ、又は演算後データから抽出される各種の特徴量である。
通信部19は、制御装置4と通信する機能を有している。本実施形態では、通信部19はネットワークNT1に接続され、ネットワークNT1を介して制御装置4と通信する。さらに、通信部19は、制御装置4を介して、計測器2又は提示デバイス3とも通信可能である。
データ格納部111は、取得データD1、基準データ及び制御データD2等を記憶する。また、データ格納部111は、取得部11、演算処理部12、条件設定部13、基準生成部14、出力部15、状態監視部16、調整部17及び支援処理部18等での演算に必要な情報等を更に記憶する。データ格納部111は、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)のような書き換え可能な不揮発性メモリを含む。
作業管理システム10は、例えば、1以上のプロセッサ及び1以上のメモリを有するコンピュータシステム(本実施形態では一例としてクラウドコンピューティング)を主構成とする。コンピュータシステムは、1以上のメモリに記録されているプログラムを1以上のプロセッサで実行することにより、作業管理システム10としての機能を実現する。プログラムは、予めメモリに記録されていてもよいし、メモリカードのような非一時的記録媒体に記録されて提供されたり、電気通信回線を通して提供されたりしてもよい。言い換えれば、上記プログラムは、1以上のプロセッサを、作業管理システム10として機能させるためのプログラムである。
作業管理システム10の各部の動作について詳しくは「(3)動作」の欄で説明する。
また、作業管理システム10は、上記構成に加えて、ユーザインタフェース等を更に備えていてもよい。ただし、ユーザインタフェース等は、作業管理システム10に必須の構成ではない。
ユーザインタフェースは、例えば、タッチパネルディスプレイを含み、ユーザの操作の受け付けと、ユーザへの情報の提示(表示)を行う。ユーザインタフェースは、タッチパネルディスプレイに限らず、例えば、キーボード、ポインティングデバイス、メカニカルなスイッチ、又はジェスチャセンサ等の入力装置を有していてもよい。また、ユーザインタフェースは、タッチパネルディスプレイに代えて、又はタッチパネルディスプレイと共に、音声入出力部を有していてもよい。このようなユーザインタフェースは、例えば、ネットワークNT1に接続可能な情報端末(例えば、スマートフォン又はタブレット端末等)にて実現可能である。
ユーザインタフェースは、例えば、作業に係る静的な条件の入力を受け付ける。ユーザインタフェースで受け付けた作業に係る静的な条件に関する情報は、条件設定部13によって、データ格納部111に記憶されることで設定される。
ところで、本実施形態に係る作業管理システム10は、取得データD1に基づいて、基準生成部14にて基準データを生成したり、支援処理部18にて支援処理を実行したりすることが可能である。ただし、本実施形態では、支援処理部18での支援処理に基準データが用いられることもあり、基準生成部14での基準データの生成と、支援処理部18での支援処理とは、同時に行われるのではなく、別々の状況下で行われる。
そこで、本実施形態に係る作業管理システム10は、動作モードとして、少なくとも登録モードと、支援モードと、の2つのモードを有している。登録モードは、基準データの生成のための動作モードであって、登録モードで動作中であれば、作業管理システム10は、取得データD1に基づいて、基準生成部14にて基準データを生成する。支援モードは、支援処理のための動作モードであって、支援モードで動作中であれば、作業管理システム10は、取得データD1に基づいて、支援処理部18にて支援処理を実行する。動作モード(登録モード、支援モード)の切り替えは、例えば、ユーザインタフェースに対する操作によって手動で行われてもよいし、自動的に行われてもよい。
(3)動作
以下、本実施形態に係る作業管理システム10及び計測システム100の動作、すなわち、本実施形態に係る作業管理方法及びプログラムについて、図4〜図11を参照して詳しくする。
(3.1)プレストンの法則
ここではまず、本実施形態に係る作業管理方法で参考とするプレストンの法則について簡単に説明する。
すなわち、本実施形態においては、作業管理方法での管理の対象となる作業は「研磨」であるので、基本的には、プレストンの法則として知られている研磨量δに関連するパラメータを、取得データD1として取得することとする。プレストンの法則では、研磨量δは、係数「k」を用いて下記の式1で表される。
δ=k×p×v×t ・・・(式1)
ここで、変数「p」は「圧力」、つまり作業者X1が作業子X2を押すことで作業子X2から作業対象物Y1に加わる圧力である。変数「v」は「相対速度」、つまり作業者X1が作業子X2を移動させたときの作業対象物Y1に対する作業子X2の相対的な速度である。変数「t」は「存在時間」、つまり作業子X2が対象領域に存在している累積時間である。式1で表される研磨量δは、作業対象物Y1における対象領域の研磨量に相当する。
要するに、本実施形態では、管理対象である作業としての研磨の評価指標となり得る上記研磨量δに関連する物理量を、計測器2で計測して、取得データD1として取得する。具体的には、圧力「p」については、第1計測器21にて、作業子X2から作業対象物Y1に加わる圧力を計測しているので、第1計測器21の計測結果からなる取得データD1が圧力「p」に相当する。相対速度「v」については、第3計測器23にて、平面視における作業子X2の位置を計測しているので、第3計測器23の計測結果の時系列分析により相対速度「v」が求まる。存在時間「t」については、第3計測器23にて、平面視における作業子X2の位置を計測しているので、第3計測器23の計測結果の時系列分析により存在時間「t」が求まる。言い換えれば、第3計測器23から取得される取得データD1(作業子X2の位置)は、相対速度「v」及びに存在時間「t」に関連する物理量である。
このように、本実施形態に係る作業管理方法では、管理対象である作業としての研磨の評価指標となり得る研磨量δに関連する物理量を、計測器2で計測して取得データD1として取得することにより、作業の質に影響し得るパラメータを取得する。そして、このような取得データD1を用いることで、取得データD1から作業者X1の作業を客観的に分析したり、作業者X1の作業を改善したりすることが可能になる。さらに、このような取得データD1を、作業者X1による作業の支援に利用するので、作業の質にフォーカスした作業の支援が可能になる。
(3.2)全体動作
次に、本実施形態に係る作業管理システム10及び計測システム100の全体動作、つまり作業管理方法の全容について、図4を参照して説明する。図4は、本実施形態に係る作業管理方法の全容の一例を示すフローチャートである。
作業管理システム10は、まずは、図4に示すように、条件設定部13にて条件の設定を行う(S1)。ここで設定される条件は、上述したように、作業に係る静的な条件であって、一例として、作業対象物Y1としての金型(金型基材Y11又はめっき層Y12)の材質、大きさ又は形状等の情報である。具体的には、ユーザインタフェースが、作業に係る静的な条件の入力を受け付けて、ユーザインタフェースで受け付けた条件に関する情報が、条件設定部13によって、データ格納部111に記憶されることで設定される。
その後、作業管理システム10は、作業中か否かを判断する(S2)。作業者X1が作業(研磨)を開始すると、作業管理システム10は、作業中であると判断し(S2:Yes)、計測器2の計測結果を取得データD1として、取得部11にて計測器2から取得する(S3)。このとき、取得部11は、第1計測器21からは、作業子X2から作業対象物Y1に加わる圧力、及び作業子X2の加速度の計測結果を、取得データD1として取得する。また、取得部11は、第2計測器22からは、作業子X2に加わる振動の計測結果を、取得データD1として取得する。また、取得部11は、第3計測器23からは、作業子X2の位置(二次元位置)の計測結果を、取得データD1として取得する。
ここにおいて、本実施形態では、上述したように、作業管理システム10での管理の対象となる研磨の作業は、作業子X2を反復動作させる第1工程と、スラリーY2を供給する第2工程と、の複数の工程を含んでいる。そこで、取得部11は、複数の工程の各々について、区別可能な態様で取得データD1を取得する。つまり、取得部11は、第1工程において計測器2から取得した取得データD1と、第2工程において計測器2から取得した取得データD1と、を区別可能な態様で管理する。本実施形態では、第2工程において取得した取得データD1は、後の処理で特に使用されないため、破棄されてもよい。
その後、作業管理システム10は、演算処理部12にて、演算処理を実行して演算後データを生成する(S4,S5,S6)。そして、作業管理システム10は、状態監視部16にて、演算後データに基づいて作業関連材であるスラリーY2の状態を監視する(S7)。演算処理(S4,S5,S6)及びスラリーY2の状態を監視するための処理(S7)について詳しくは「(3.3)演算処理」の欄で説明する。
その後、作業管理システム10は、動作モードが登録モードであるか否かを判断する(S8)。作業管理システム10の動作モードが登録モードであれば(S8:Yes)、作業管理システム10は、生成処理を実行した上で(S9)、一連の処理を終了する。生成処理(S9)について詳しくは「(3.4)生成処理」の欄で説明する。一方、作業管理システム10の動作モードが登録モードでなければ(S8:No)、つまり、動作モードが支援モードであれば、作業管理システム10は、支援処理を実行する(S10)。支援処理(S10)について詳しくは「(3.5)支援処理」の欄で説明する。ここで、作業の継続中は支援処理(S10)が繰り返し実行されるように、支援処理(S10)の実行後は処理S2に戻る。そして、作業者X1が作業を終了すると(S2:No)、一連の処理を終了する。
また、本実施形態では、一連の処理を終了する度に、例えば、演算後データに含まれる存在時間等、過去に取得した取得データD1、及びそれに基づくデータ(基準データを除く)はリセットされる。
図4に示すフローチャートは、一例に過ぎず、処理の順番が適宜変更されてもよいし、処理が適宜追加又は削除されてもよい。
(3.3)演算処理
次に、演算処理(図4のS4,S5,S6)、及びスラリーY2の状態を監視するための処理(図4のS7)について、図5A〜図8Bを参照して詳しく説明する。
演算処理部12は、演算処理において、上述したように、時系列分析(S4)と、周波数分析(S5)と、を行う。周波数分析は、例えば、フーリエ変換(高速フーリエ変換を含む)によって実現される。
一例として、演算処理部12は、第1計測器21から取得した、圧力又は加速度の計測結果からなる取得データD1について、時系列分析を行うことで、圧力又は加速度の時系列データを得る。また、演算処理部12は、例えば、第1計測器21から取得した、圧力又は加速度の計測結果からなる取得データD1について、周波数分析を行うことで、圧力又は加速度の変化についての周波数スペクトルを得る。
また、演算処理部12は、第2計測器22から取得した、振動の計測結果からなる取得データD1についても、上記と同様に、時系列分析を行うことで、振動の時系列データを得る。さらに、演算処理部12は、第2計測器22から取得した、振動の計測結果からなる取得データD1についても、周波数分析を行うことで、振動の変化についての周波数スペクトルを得る。
その結果、例えば、図5A及び図5Bに示すような、圧力、加速度又は振動についての、時系列データ及び周波数スペクトルが得られる。図5A及び図5Bは、互いに異なる取得データD1について、時系列分析の結果(図の左側)と、周波数分析の結果(図の右側)と、を表している。つまり、時系列分析によれば、横軸が時間、縦軸が物理量(ここでは圧力、加速度又は振動)のグラフが得られ、周波数分析によれば、横軸が周波数、縦軸が強度のグラフが得られる。
そして、このような時系列データからは、物理量(ここでは圧力、加速度又は振動)について、例えば、振幅値、実効値又は区間平均値等の特徴量が求められる。周波数スペクトルからは、物理量(ここでは圧力、加速度又は振動)について、例えば、ピーク周波数又はピーク周波数の偏差等の特徴量が求められる。
また、演算処理部12は、例えば、第3計測器23から取得した、画像内での作業子X2の位置(二次元位置)の計測結果からなる取得データD1について、時系列分析を行うことで、作業子X2の位置の時系列データを得る。さらに、演算処理部12は、例えば、第3計測器23から取得した、画像内での作業子X2の位置(二次元位置)の計測結果からなる取得データD1について、周波数分析を行うことで、作業子X2の位置の変化の周波数スペクトルを得る。ここでは、画像内での作業子X2の位置は、互いに直交するX軸及びY軸を座標軸とする直交座標系で表されることと仮定する。
その結果、例えば、図6に示すような、作業子X2の位置についての時系列データ及び周波数スペクトルが得られる。図6では、上段から順に、X位置の時系列データPx、Y位置の時系列データPy、XY平面内での作業子X2の速度の時系列データSxy、X位置の変化(速度)の周波数スペクトルFx、Y位置の変化(速度)の周波数スペクトルFyを示している。つまり、時系列分析によれば、横軸が時間、縦軸が物理量(ここでは位置又は速度)のグラフPx,Py,Sxyが得られ、周波数分析によれば、横軸が周波数、縦軸が強度のグラフFx,Fyが得られる。
そして、このような作業子X2の位置の時系列データからは、例えば、図7Aに示すように、作業子X2の軌跡Tr1が求められる。図7Aは、第3計測器23で撮影された画像に、作業子X2の軌跡Tr1を重ね合わせた加工画像Im1の一例を示している。ここで、時系列データには、速度(Sxy)の情報も含まれているので、例えば、作業子X2の軌跡Tr1については、各点における作業子X2の速度を含めて求められる。一例として、軌跡Tr1上に一定の時間間隔でドットを付すことにより、図7Aに示すように、ドットの間隔が作業子X2の速度に相当する。このような軌跡Tr1の情報からは、例えば、各点における作業子X2の移動ベクトル、速度変化又は各点(対象領域)ごとの存在時間等の特徴量が求められる。周波数スペクトルからは、例えば、周回運動速度、周回運動速度の偏差、速度のピーク周波数又はピーク周波数の偏差等の特徴量が求められる。
さらに、このような作業子X2の位置の時系列データを用いれば、例えば、図7Bに示すように、作業子X2が対象領域に存在する存在時間に関する情報を求められる。図7Bは、第3計測器23で撮影された画像に、各位置の作業子X2の存在時間を「色」で表してヒートマップを重ね合わせた加工画像Im2の一例を示している。つまり、作業の開始後において、作業子X2が作業対象物Y1の表面上の、ある対象領域に存在している累積時間の長さに応じて、図7Bに示すように、ヒートマップにおける各点の「色」が異なる。このような存在時間が求まることで、作業対象物Y1の部位ごとの作業(研磨)にかけた時間のばらつき、又は作業(研磨)が十分に施されていない部位等を、抽出することが可能である。例えば、図7Bの例では、「色」の濃い部位の存在時間が短い、つまり作業(研磨)が十分に施されていない部位となる。
このように、本実施形態では、管理対象である作業としての研磨の評価指標となり得る研磨量δに関連する物理量を、計測器2で計測して取得データD1として取得した上で、取得データD1に対して適宜の演算処理を施している。これにより、上述したプレストンの法則の式1における、圧力「p」、相対速度「v」及び存在時間「t」の値を求めることができる。
さらに、本実施形態では、演算処理部12は、上述したように時系列分析及び周波数分析等の演算処理が施された取得データD1に対して、調整部17で決定された重み係数を掛け合わせることによって、演算後データを生成する(図4のS6)。つまり、調整部17にて、取得データD1ごとに作業への寄与度に応じた重み係数が決定され、この重み係数を用いて演算後データが生成される。具体的には、作業としての研磨の評価指標となり得る研磨量δに対する取得データD1の寄与度に応じて、重み係数が決定される。一例として、上述したプレストンの法則の式1における、圧力「p」、相対速度「v」及び存在時間「t」のいずれかの項がゼロ(0)となるような場合には、そのときの研磨量δへの取得データD1の寄与度はゼロである。したがって、例えば、相対速度「v」がゼロであれば、そのときの取得データD1は、圧力「p」及び存在時間「t」に関連する取得データD1を含めて、重み係数としてゼロが掛け合わされる。要するに、作業子X2が移動していない場合には、圧力「p」は、その大きさにかかわらず研磨量δには寄与しないため、このときの第1計測器21の計測結果(圧力)からなる取得データD1については、重み係数としてゼロが掛け合わされる。
ところで、本実施形態では、上述したような演算後データを用いて、状態監視部16にて、作業関連材(スラリーY2)の状態の監視が実行される(図4のS7)。具体的には、状態監視部16は、スラリーY2の状態として、スラリーY2の量、厚み、濃度、粘度又は色等を、第3計測器23から取得した画像にて監視する。すなわち、図8A及び図8Bに示すように、例えば、スラリーY2の量であれば、スラリーY2の量、厚み又は濃度等については、見た目で判断が可能であるので、第3計測器23から取得した画像にて、これらの状態の監視が可能である。例えば、図8AはスラリーY2が供給された直後の状況を表し、この状況では、スラリーY2の量、厚み及び濃度はいずれも十分であって、作業対象物Y1の表面がスラリーY2で覆われた状態にある。一方、図8Bは作業(研磨)が進行してスラリーY2が減少した状況を表し、この状況では、スラリーY2の量、厚み及び濃度はいずれも不十分であって、作業対象物Y1の表面が露出した状態にある。このようなスラリーY2の状態を、状態監視部16にて、例えば、数値化することで監視する。
また、図8A及び図8Bに示すように、作業子X2を操作する作業者X1の指、又は作業子X2には、マーカM1が付されることが好ましい。マーカM1は、例えば、蛍光色のテープ等で実現される。このようなマーカM1が付されることで、第3計測器23で撮影される画像内での作業子X2の追跡が容易になる。
(3.4)生成処理
次に、生成処理(図4のS9)について、図9を参照して詳しく説明する。図9は、本実施形態に係る作業管理方法の生成処理の一例を示すフローチャートである。生成処理は、作業の基準となる基準データを生成するための処理であるので、生成処理が実行されるとき(動作モードが登録モードであるとき)の作業者X1は、比較的高いスキルを有する熟練者であることとする。
作業管理システム10は、生成処理が開始すると、まずは、図9に示すように、データ量と閾値との比較を行う(S91)。ここでいう「データ量」は、演算処理が施された後の取得データD1(演算後データ)についてのデータ量である。ここでいう「閾値」は、基準データを生成するのに必要な最小限のデータ量を規定する値である。
データ量が閾値より大きければ(S91:Yes)、作業管理システム10は、基準生成部14にて、取得データD1に基づいて、基準データを生成する(S92)。すなわち、動作モードが登録モードであるときの作業者X1は、上述したように、比較的高いスキルを有する熟練者である。そのため、基準生成部14は、熟練者である作業者X1についての取得データD1から、この作業者X1(熟練者)による作業の特徴を、作業子X2の動きに係る基準データとして抽出する。具体的には、基準生成部14は、「(3.3)演算処理」の欄で説明した、演算後データ、又は演算後データから抽出される各種の特徴量に基づいて、演算後データ又は特徴量についての基準となる基準データを生成する。さらには、作業関連材(スラリーY2)の状態(量、厚み、濃度、粘度又は色等)についても、基準データに含めることとする。基準データの態様は、例えば、各パラメータについての閾値、テーブル又は関数等、適宜の態様を採用し得る。
その後、作業管理システム10は、出力部15にて、基準データをデータ格納部111に出力することで、データ格納部111に基準データを格納(記憶)し(S93)、生成処理を終了する。このとき、データ格納部111に基準データが既に格納されていれば、出力部15は、データ格納部111内の基準データを更新する。
一方、データ量が閾値以下である場合(S91:No)、基準データを生成するのに十分なデータ量の取得データD1(演算後データ)が集まっていないので、基準データを生成することなく、生成処理を終了する。
図9に示すフローチャートは、一例に過ぎず、処理の順番が適宜変更されてもよいし、処理が適宜追加又は削除されてもよい。
(3.5)支援処理
次に、支援処理(図4のS10)について、図10及び図11を参照して詳しく説明する。図10は、本実施形態に係る作業管理方法の支援処理の一例を示すフローチャートである。本実施形態では、支援処理は、基準データに基づいて行われるので、支援処理が実行されるとき(動作モードが支援モードであるとき)には、生成処理で生成された基準データがデータ格納部111に既に格納されていることとする。
作業管理システム10は、支援処理が開始すると、まずは、図10に示すように、支援処理部18にて評価用データを生成する(S101)。本実施形態では一例として、演算処理部12での演算処理が前処理として施された取得データD1、つまり演算後データ、又は演算後データから抽出される各種の特徴量が、評価用データとなる。そして、作業管理システム10は、支援処理部18にて、評価用データを含む制御データD2を提示デバイス3に送信し、作業者X1に対する評価用データの提示を行う(S102)。このとき提示デバイス3から作業者X1に提示される情報、つまり評価用データは、例えば、図7Aのような加工画像Im1、図7Bのような加工画像Im2等を含む。
ここで、少なくとも加工画像Im2は、作業子X2が作業対象物Y1の表面上の、各部位に存在している存在時間の長さに応じて、各点の「色」が異なるヒートマップを含んでいる。よって、このような加工画像Im2が提示されることによって、作業者X1にとっては、作業対象物Y1の部位ごとの作業(研磨)のばらつき(過不足等)を、加工画像Im2から、認識することが可能である。このように、本実施形態では、支援処理により作業者X1に提示される情報は、作業に係る作業対象物Y1の部位ごとの作業のばらつきを表す分布データを含む。
さらに、作業管理システム10は、支援処理部18にて、評価用データと基準データとの比較を行う(S103)。具体的には、支援処理部18にて、評価用データが基準データで定められる適正範囲内であるか否かを判断する(S104)。評価用データが適正範囲内でなければ(S104:No)、作業管理システム10は、支援処理部18にて、アドバイス情報を含む制御データD2を提示デバイス3に送信し、作業者X1に対するアドバイス情報の提示を行う(S105)。アドバイス情報は、作業者X1に対して作業のための作業子X2の操作をアドバイスするための情報であって、例えば、作業子X2の速度、軌跡、又は作業対象物Y1における作業をすべき部位等の指示を含む。
すなわち、本実施形態では、支援処理により作業者X1に提示される情報は、作業者X1の作業に係る動作のアドバイスを含む。一例として、基準データで定められている相対速度「v」の適正範囲を、評価用データが示す相対速度「v」が下回っている場合には、アドバイス情報は、例えば、「もう少し速く」等のように、相対速度「v」の上昇を促す内容を含む。反対に、基準データで定められている相対速度「v」の適正範囲を、評価用データが示す相対速度「v」が上回っている場合には、アドバイス情報は、例えば、「もう少し遅く」等のように、相対速度「v」の低下を促す内容を含む。他の例として、基準データで定められている作業子X2の軌跡の適正範囲を、評価用データが示す作業子X2の軌跡が逸脱している場合には、アドバイス情報は、例えば、加工画像Im1中の軌跡Tr1の表示色によって、軌跡の逸脱を知らせる内容を含む。
一方、評価用データが適正範囲内にあれば(S104:Yes)、アドバイス情報の提示はスキップされる。
その後、作業管理システム10は、状態監視部16での作業関連材(スラリーY2)の状態の監視結果を用いて、支援処理部18にて、スラリーY2が不足しているか否かを判断する(S106)。具体的には、支援処理部18は、状態監視部16で監視されているスラリーY2の量が基準データで定められる適正範囲を下回ると、スラリーY2が不足していると判断する(S106:Yes)。そして、スラリーY2が不足と判断した場合(S106:Yes)、作業管理システム10は、支援処理部18にて、スラリーY2の供給の指示を含む制御データD2を提示デバイス3に送信し、作業者X1に対してスラリーY2の供給を指示する(S107)。言い換えれば、スラリーY2を供給する第2工程への進行を、作業者X1に指示する。
すなわち、本実施形態では、上述したように、作業管理システム10での管理の対象となる研磨の作業は、作業子X2を反復動作させる第1工程と、スラリーY2を供給する第2工程と、の複数の工程を含んでいる。そして、支援処理により作業者X1に提示される情報は、複数の工程の進行タイミングの指示を含む。複数の工程の進行タイミングの指示(ここではスラリーY2の供給の指示)が終わると、支援処理を終了する。
一方、スラリーY2が不足していない場合(S106:No)、スラリーY2の供給の指示をスキップして、支援処理を終了する。
図10に示すフローチャートは、一例に過ぎず、処理の順番が適宜変更されてもよいし、処理が適宜追加又は削除されてもよい。
ところで、図11は、提示デバイス3が作業者X1に対して情報の提示を行う様子を示す説明図である。すなわち、提示デバイス3は、例えば、表示又は音(音声を含む)出力等の態様で、作業者X1に対して情報を提示する。
一例として、据え置き型のモニタである第1提示デバイス31においては、例えば、第3計測器23で撮影された画像(又は現実空間)に、ヒートマップを重ね合わせた加工画像Im2を表示する。また、拡張現実表示により情報を提示する第2提示デバイス32においては、例えば、第3計測器23で撮影された画像(又は現実空間)に、作業子X2の軌跡Tr1を重ね合わせた加工画像Im1を表示する。また、音(音声を含む)により情報を提示する第3提示デバイス33においては、例えば、音声によりスラリーY2の投入タイミングを指示する情報を提示する。
ここで、提示デバイス3での情報の提示は、作業者X1が作業を行っている作業期間にリアルタイムで実行されてもよいし、作業の合間等に行われてもよい。基本的には、作業者X1の作業の邪魔にならないような提示が好ましいため、例えば、リアルタイムに提示する場合は、第2提示デバイス32又は第3提示デバイス33等での提示が好ましい。一方、第1提示デバイス31に提示される加工画像Im2等については、作業の合間で提示され、作業者X1が確認できればよい。
ところで、提示デバイス3により作業者X1に提示される情報量は、多ければよいという訳でもなく、適切な量の情報が提示されることが好ましい。例えば、圧力「p」、相対速度「v」及び存在時間「t」の3つのパラメータに関する情報のみが、提示デバイス3から作業者X1に提示されることが好ましい。これにより、作業者X1は、必要最小限の情報の提示を受けつつも、情報の提示によって気が散ることなく作業に集中しやすくなり、効果的に作業の支援が実現されることになる。
(4)変形例
実施形態1は、本開示の様々な実施形態の一つに過ぎない。実施形態1は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。本開示において説明する各図は、模式的な図であり、各図中の各構成要素の大きさ及び厚さそれぞれの比が、必ずしも実際の寸法比を反映しているとは限らない。また、実施形態1に係る作業管理システム10又は計測システム100と同様の機能は、作業管理方法、コンピュータプログラム、又はコンピュータプログラムを記録した非一時的記録媒体等で具現化されてもよい。
以下、実施形態1の変形例を列挙する。以下に説明する変形例は、適宜組み合わせて適用可能である。
本開示における作業管理システム10及び計測システム100は、コンピュータシステムを含んでいる。コンピュータシステムは、ハードウェアとしてのプロセッサ及びメモリを主構成とする。コンピュータシステムのメモリに記録されたプログラムをプロセッサが実行することによって、本開示における作業管理システム10及び計測システム100としての機能が実現される。プログラムは、コンピュータシステムのメモリに予め記録されてもよく、電気通信回線を通じて提供されてもよく、コンピュータシステムで読み取り可能なメモリカード、光学ディスク、ハードディスクドライブ等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。コンピュータシステムのプロセッサは、半導体集積回路(IC)又は大規模集積回路(LSI)を含む1ないし複数の電子回路で構成される。ここでいうIC又はLSI等の集積回路は、集積の度合いによって呼び方が異なっており、システムLSI、VLSI(Very Large Scale Integration)、又はULSI(Ultra Large Scale Integration)と呼ばれる集積回路を含む。さらに、LSIの製造後にプログラムされる、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、又はLSI内部の接合関係の再構成若しくはLSI内部の回路区画の再構成が可能な論理デバイスについても、プロセッサとして採用することができる。複数の電子回路は、1つのチップに集約されていてもよいし、複数のチップに分散して設けられていてもよい。複数のチップは、1つの装置に集約されていてもよいし、複数の装置に分散して設けられていてもよい。ここでいうコンピュータシステムは、1以上のプロセッサ及び1以上のメモリを有するマイクロコントローラを含む。したがって、マイクロコントローラについても、半導体集積回路又は大規模集積回路を含む1ないし複数の電子回路で構成される。
また、作業管理システム10の少なくとも一部の機能が、1つの筐体内に集約されていることは作業管理システム10に必須の構成ではなく、作業管理システム10の構成要素は、複数の筐体に分散して設けられていてもよい。例えば、作業管理システム10のうちの少なくとも一部の機能は、別の筐体に設けられていてもよい。さらに、作業管理システム10の少なくとも一部の機能がエッジ(エッジコンピューティング)等によって実現されてもよい。例えば、作業管理システム10の全ての機能がエッジ(エッジコンピューティング)にて実現される場合、クラウドコンピューティングには、作業管理システム10の機能が実装されなくてもよい。
反対に、実施形態1において、複数の装置に分散されている少なくとも一部の機能が、1つの筐体内に集約されていてもよい。例えば、作業管理システム10と計測器2又は提示デバイス3とに分散されている機能が、1つの筐体内に集約されていてもよい。
また、実施形態1では、作業管理システム10は、計測器2、提示デバイス3及び制御装置4を構成要素に含まないが、計測器2、提示デバイス3及び制御装置4の少なくとも1つが作業管理システム10の構成要素に含まれていてもよい。例えば、作業管理システム10は、提示デバイス3及び制御装置4を構成要素に含んでいてもよい。
また、作業管理システム10での管理の対象となる「作業」は、研磨に限らず、例えば、鍛造、切削、塗装、コーティング、左官又はエステティック等であってもよい。
また、計測器2として複数の計測器2が用いられることは、作業管理システム10に必須の構成ではない。つまり、計測器群20のように複数の計測器2にて、作業子X2の移動に関する物理量を計測する構成に限らず、1つの計測器2にて、作業子X2の移動に関する物理量を計測してもよい。
また、提示デバイス3として複数の提示デバイス3が用いられることは、作業管理システム10に必須の構成ではない。つまり、提示デバイス群30のように複数の提示デバイス3にて、作業者X1に情報を提示する構成に限らず、1つの提示デバイス3にて、作業者X1に情報を提示してもよい。
また、作業関連材は、作業に関連する物体であればよく、スラリーY2に限らない。例えば、鍛造等の作業においては、鍛造油等の潤滑剤が作業関連材となり得る。すなわち、スラリーY2又は潤滑剤は、いずれも作業を補助するために作業対象物Y1の作業部位に適宜供給(注入)される補助材料であって、作業の進行に伴って、その状態(量、厚み、濃度、粘度又は色等)が変化し得る。さらに、作業関連材は、スラリーY2又は潤滑剤等の、作業を補助するために適宜供給(注入)される補助材料に限らず、例えば、作業対象物Y1そのものを含んでもよい。つまり、状態監視部16は、作業関連材としてのスラリーY2の状態に加えて、又は代えて、作業関連材としての作業対象物Y1の状態を監視してもよい。
また、実施形態1では、作業が複数の工程を含む場合を例示したが、作業が複数の工程を含むことは必須ではない。つまり、作業管理システム10での管理の対象となる作業は、1つの工程(反復動作の工程)のみを含む作業であってもよい。
また、反復動作以外の工程、例えば、スラリーY2の供給等の工程については、作業者X1が行うことは必須ではなく、例えば、作業者X1以外の者が手動で行ってもよいし、自動化されていてもよい。
また、計測器2と制御装置4との間の通信は、無線通信に限らず、有線通信であってもよいし、無線通信と有線通信とが混在していてもよい。つまり、計測器群20における一部の計測器2と制御装置4との間の通信が無線通信であって、残りの計測器2と制御装置4との間の通信が有線通信であってもよい。
また、提示デバイス3と制御装置4との間の通信も同様に、無線通信に限らず、有線通信であってもよいし、無線通信と有線通信とが混在していてもよい。つまり、提示デバイス群30における一部の提示デバイス3と制御装置4との間の通信が無線通信であって、残りの提示デバイス3と制御装置4との間の通信が有線通信であってもよい。
また、制御装置4は、例えば、通信事業者が提供する携帯電話網(キャリア網)又は公衆無線LAN(Local Area Network)等を介して、ネットワークNT1に接続されてもよい。携帯電話網には、例えば、3G(第3世代)回線、LTE(Long Term Evolution)回線、4G(第4世代)回線又は5G(第5世代)回線等がある。これにより、制御装置4は、屋外等であっても、携帯電話網又は公衆無線LANに接続可能な環境であれば、ネットワークNT1に接続可能となる。
また、計測器2は、作業子X2の移動に関する物理量を、作業子X2に装着されるセンサにて直接的に検知する構成であってもよい。例えば、計測器2は、作業子X2に適宜の態様(内蔵等を含む)で付されたセンサにて、作業子X2の移動に関する物理量を直接的に検知してもよい。さらに、作業子X2の移動に関する物理量として、作業子X2の位置を計測する計測器2(第3計測器23)は、一例として、距離画像センサ等を用いることで、作業子X2の三次元位置を計測してもよい。
また、基準生成部14は、取得データD1に基づいて基準データを生成すればよく、演算処理部12での演算処理後の取得データD1に限らず、演算処理部12での演算処理が施されていない取得データD1を用いて、基準データを生成してもよい。同様に、支援処理部18は、取得データD1に基づいて支援処理を実行すればよく、演算処理部12での演算処理後の取得データD1に限らず、演算処理部12での演算処理が施されていない取得データD1を用いて、支援処理を実行してもよい。つまり、支援処理部18は、演算処理部12での演算処理が施されていない取得データD1を評価用データとして用いて、評価用データ(取得データD1そのもの)と基準データとの比較を行ってもよい。
また、実施形態1では、研磨の作業が、作業子X2を反復動作させる第1工程と、スラリーY2を供給する第2工程と、の複数の工程を含む場合を例示したが、この構成は、作業管理システム10に必須の構成ではない。すなわち、研磨の作業は、例えば、作業子X2を反復動作させる工程として、一次研磨工程及び二次研磨工程のように、複数の工程を含んでいてもよい。このような場合に、取得部11は、一次研磨工程及び二次研磨工程の各々について、区別可能な態様で取得データD1を取得することが好ましい。
さらに、作業管理システム10での管理の対象となる作業は、複数の工程を含まず、1つの工程のみを含む作業であってもよい。
また、実施形態1では、支援処理による作業の支援が、作業者X1に対する情報の提示である場合を例示したが、この構成は、作業管理システム10に必須の構成ではない。例えば、支援処理による作業の支援は、作業者X1に代えて作業子X2を部分的に自動で操作するような態様等でもよい。
また、計測器2で計測される作業子X2の移動に関する物理量は、例えば、作業子X2の軌跡の形状(大きさを含む)、作業子X2の動き方、及び作業対象物Y1に対する作業子X2の相対位置を含んでいてもよい。ここで、作業子X2の動き方の一例として、作業子X2の動き方が自転運動であるか、公転運動であるか等を含む。作業対象物Y1に対する作業子X2の相対位置の一例としては、作業対象物Y1の角付近であるか、中央付近であるか等を含む。
また、作業管理システム10は、取得データD1に基づいて、作業の進捗状況を判断してもよく、例えば、作業の終了タイミングを判断して作業者X1に提示してもよい。
(実施形態2)
本実施形態に係る作業管理システム10は、基準データの生成に機械学習を利用している点で、実施形態1に係る作業管理システム10と相違する。以下、実施形態1と同様の構成については、共通の符号を付して適宜説明を省略する。
すなわち、本実施形態では、基準生成部14は、取得データD1に基づいて、作業の基準となる基準データを生成するに際して、機械学習を用いている。つまり、基準生成部14は、学習器であって、機械学習によって生成される学習済みモデルを、基準データとする。ここで、基準生成部14は、演算処理部12での演算処理が前処理として施された取得データD1(演算後データ)を学習データとして入力し、学習データを用いて、機械学習を行う。基準生成部14は、例えば、学習データを用いた深層学習(Deep Learning)により、学習済みモデル、つまり、学習済みの分類器を生成することで基準データを得る。基準生成部14としての学習器は、基準データを生成するための学習器であって、その実態は、例えば、ニューラルネットワークのネットワークモデル、及びハイパーパラメータ等を含む学習用のソフトウェアである。このような学習器に学習データが入力される処理を繰り返すことで、基準生成部14は、基準データとしての学習済みモデルを生成する。
基準生成部14は、いかなるタイプの人工知能又はシステムとして実装されてもよい。本実施形態では一例として、基準生成部14は、分類問題を扱う機械学習を行うのであって、その手法として教師なし学習を行う。分類問題を扱う基準生成部14が適用する機械学習のアルゴリズムは、一例として、混合ガウスモデル(GMM:Gaussian Mixture Model)、又はk平均法(k- means clustering)等である。ただし、基準生成部14が適用する機械学習のアルゴリズムは、これらのアルゴリズムに限らず、例えば、Mean-shift、Ward法、LDA(Latent Dirichlet Allocation)、又はDBSCAN(Density-based spatialclustering of applications with noise)等であってもよい。
また、別の例として、基準生成部14は、作業状態が正常であるか異常であるかを判定するための問題を扱ってもよく、その手法としては、例えば、距離学習(metric learning)による異常検知を行う。異常検知を行う基準生成部14に適用される機械学習のアルゴリズムは、例えば、Triplet loss、又はL2-Softmaxloss等の損失関数を用いて、正常な状態からの距離を求めて、その異常度を判定する。
また、本実施形態では、支援処理部18においても、学習済みモデルからなる基準データに基づいて、支援処理を実行する。言い換えれば、支援処理部18は、学習済みの分類器を利用して、支援処理を実行する。つまり、支援処理部18は、人工知能(AI:ArtificialIntelligence)を用いて、支援処理を実行する。
また、実施形態2の変形例として、基準生成部14が採用する学習方法は教師なし学習に限らず、例えば、教師あり学習又は強化学習であってもよい。
実施形態2で説明した種々の構成(変形例を含む)は、実施形態1で説明した種々の構成(変形例を含む)と適宜組み合わせて採用可能である。
(まとめ)
以上説明したように、第1の態様に係る作業管理システム(10)は、作業者(X1)が作業子(X2)を繰り返し移動させる反復動作を含む作業に用いられ、取得部(11)と、支援処理部(18)と、を備える。取得部(11)は、反復動作を行う作業期間において、計測器(2)の計測結果を取得データ(D1)として取得する。計測器(2)は、作業子(X2)の移動に関する物理量を計測する。支援処理部(18)は、取得データ(D1)に基づいて、作業者(X1)に対して作業を支援する支援処理を実行する。
この態様によれば、作業者(X1)が作業子(X2)を繰り返し移動させる反復動作を含む作業に関して、作業子(X2)の移動に関する物理量の計測結果を、実際の作業者(X1)による作業の支援に利用することができる。この種の作業においては、反復動作時における作業子(X2)の移動に関する物理量が、作業の質に影響し得るパラメータとなる。作業管理システム(10)によれば、このようなパラメータを取得データ(D1)として、作業者(X1)による作業の支援に利用するので、作業の質にフォーカスした作業の支援が可能になる。結果的に、作業者(X1)が作業子(X2)を繰り返し移動させる反復動作を含む作業について、作業の質を管理しやすくなる、という利点がある。
第2の態様に係る作業管理システム(10)では、第1の態様において、支援処理部(18)は、取得データ(D1)に加えて、作業の基準となる基準データに基づいて、支援処理を実行する。
この態様によれば、基準データに基づく、相対的な作業の支援が可能となる。
第3の態様に係る作業管理システム(10)では、第2の態様において、支援処理部(18)は、取得データ(D1)に基づく評価用データと、基準データとの比較結果に応じて、支援処理の内容を決定する。
この態様によれば、基準データに基づく、相対的な作業の支援が可能となる。
第4の態様に係る作業管理システム(10)では、第1〜3のいずれかの態様において、支援処理は、作業者(X1)に対する情報の提示を含む。
この態様によれば、作業者(X1)に対して情報が提示されることで、作業者(X1)の作業を支援可能となる。
第5の態様に係る作業管理システム(10)では、第4の態様において、作業は、複数の工程を含む。支援処理により作業者(X1)に提示される情報は、複数の工程の進行タイミングの指示を含む。
この態様によれば、作業が複数の工程を含む場合に、作業の進捗を作業者(X1)が把握しやすくなる。
第6の態様に係る作業管理システム(10)では、第4又は5の態様において、支援処理により作業者(X1)に提示される情報は、作業者(X1)の作業に係る動作のアドバイスを含む。
この態様によれば、作業に際して作業者(X1)が採用すべき動作を把握しやすくなる。
第7の態様に係る作業管理システム(10)では、第4〜6のいずれかの態様において、支援処理により作業者(X1)に提示される情報は、作業に係る作業対象物(Y1)の部位ごとの作業のばらつきを表す分布データを含む。
この態様によれば、作業対象物(Y1)の部位ごとの作業の過不足を作業者(X1)が把握しやすくなる。
第8の態様に係る作業管理システム(10)では、第1〜7のいずれかの態様において、物理量は、圧力、位置、速度、加速度、角速度、角加速度及び振動の少なくとも一つを含む。
この態様によれば、作業子(X2)の移動に関する圧力、位置、速度、加速度、角速度、角加速度又は振動といった、作業との相関の強いパラメータを取得データ(D1)として取得できる。
第9の態様に係る作業管理システム(10)では、第1〜8のいずれかの態様において、作業は研磨である。
この態様によれば、研磨のように作業の質を担保することが困難な作業についても、作業の質を管理しやすくなる。
第10の態様に係る作業管理システム(10)は、第1〜9のいずれかの態様において、状態監視部(16)を更に備える。状態監視部(16)は、作業期間において、作業に関連する作業関連物の状態を監視する。
この態様によれば、例えばスラリー(Y2)のように、作業に関連する部材の状態をも管理下におくことができる。
第11の態様に係る作業管理システム(10)は、第1〜10のいずれかの態様において、調整部(17)を更に備える。調整部(17)は、作業への寄与度に応じて、取得データ(D1)の重み付けを行う。
この態様によれば、取得データ(D1)を一律で扱うのではなく、作業への寄与度に応じて重み付けをすることができる。
第12の態様に係る計測システム(100)は、第1〜11のいずれかの態様に係る作業管理システム(10)と、物理量を計測する計測器(2)と、を備える。
この態様によれば、作業者(X1)が作業子(X2)を繰り返し移動させる反復動作を含む作業について、作業の質を管理しやすくなる、という利点がある。
第13の態様に係る作業管理方法は、作業者(X1)が作業子(X2)を繰り返し移動させる反復動作を含む作業を管理する方法であって、取得処理と、支援処理と、を有する。取得処理は、反復動作を行う作業期間において、計測器(2)の計測結果を取得データ(D1)として取得する処理である。計測器(2)は、作業子(X2)の移動に関する物理量を計測する。支援処理は、取得データ(D1)に基づいて、作業者(X1)に対して作業を支援する処理である。
この態様によれば、作業者(X1)が作業子(X2)を繰り返し移動させる反復動作を含む作業について、作業の質を管理しやすくなる、という利点がある。
第14の態様に係るプログラムは、第13の態様に係る作業管理方法を、1以上のプロセッサに実行させるためのプログラムである。
この態様によれば、作業者(X1)が作業子(X2)を繰り返し移動させる反復動作を含む作業について、作業の質を管理しやすくなる、という利点がある。
上記態様に限らず、実施形態1及び実施形態2に係る作業管理システム(10)の種々の構成(変形例を含む)は、計測システム(100)、作業管理方法又はプログラムにて具現化可能である。
第2〜11の態様に係る構成については、作業管理システム(10)に必須の構成ではなく、適宜省略可能である。
2 計測器
10 作業管理システム
11 取得部
16 状態監視部
17 調整部
18 支援処理部
100 計測システム
D1 取得データ
X1 作業者
X2 作業子
Y1 作業対象物
Y2 スラリー(作業関連材)

Claims (14)

  1. 作業者が作業子を繰り返し移動させる反復動作を含む作業に用いられ、
    前記反復動作を行う作業期間において、前記作業子の移動に関する物理量を計測する計測器の計測結果を取得データとして取得する取得部と、
    前記取得データに基づいて、前記作業者に対して前記作業を支援する支援処理を実行する支援処理部と、を備える、
    作業管理システム。
  2. 前記支援処理部は、前記取得データに加えて、前記作業の基準となる基準データに基づいて、前記支援処理を実行する、
    請求項1に記載の作業管理システム。
  3. 前記支援処理部は、前記取得データに基づく評価用データと、前記基準データとの比較結果に応じて、前記支援処理の内容を決定する、
    請求項2に記載の作業管理システム。
  4. 前記支援処理は、前記作業者に対する情報の提示を含む、
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の作業管理システム。
  5. 前記作業は、複数の工程を含み、
    前記支援処理により前記作業者に提示される情報は、前記複数の工程の進行タイミングの指示を含む、
    請求項4に記載の作業管理システム。
  6. 前記支援処理により前記作業者に提示される情報は、前記作業者の前記作業に係る動作のアドバイスを含む、
    請求項4又は5に記載の作業管理システム。
  7. 前記支援処理により前記作業者に提示される情報は、前記作業に係る作業対象物の部位ごとの前記作業のばらつきを表す分布データを含む、
    請求項4〜6のいずれか1項に記載の作業管理システム。
  8. 前記物理量は、圧力、位置、速度、加速度、角速度、角加速度及び振動の少なくとも一つを含む、
    請求項1〜7のいずれか1項に記載の作業管理システム。
  9. 前記作業は研磨である、
    請求項1〜8のいずれか1項に記載の作業管理システム。
  10. 前記作業期間において、前記作業に関連する作業関連物の状態を監視する状態監視部を更に備える、
    請求項1〜9のいずれか1項に記載の作業管理システム。
  11. 前記作業への寄与度に応じて、前記取得データの重み付けを行う調整部を更に備える、
    請求項1〜10のいずれか1項に記載の作業管理システム。
  12. 請求項1〜11のいずれか1項に記載の作業管理システムと、
    前記物理量を計測する前記計測器と、を備える、
    計測システム。
  13. 作業者が作業子を繰り返し移動させる反復動作を含む作業を管理する方法であって、
    前記反復動作を行う作業期間において、前記作業子の移動に関する物理量を計測する計測器の計測結果を取得データとして取得する取得処理と、
    前記取得データに基づいて、前記作業者に対して前記作業を支援する支援処理と、を有する、
    作業管理方法。
  14. 請求項13に記載の作業管理方法を、1以上のプロセッサに実行させるためのプログラム。
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