JP2021128098A - 測位システム、人工衛星、受信機および測位情報提供方法 - Google Patents

測位システム、人工衛星、受信機および測位情報提供方法 Download PDF

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泉 三神
雅行 齋藤
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Abstract

【課題】高精度な測位を短期間で低価格受信機を持って実現することが可能な測位システムを得ること。【解決手段】測距信号を地上へ向けて送信する測位衛星1と、測位衛星1の軌道より軌道高度の低い軌道を周回し、測距信号を観測して得られる観測データを地上へ送信するLEO衛星3−1,3−2と、観測データと測位補強情報を用いて通信衛星の自己位置を算出する測位演算手段と、観測データおよび自己位置をユーザ受信機4へ提供する提供手段と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、測位システム、人工衛星、受信機および測位情報提供方法に関する。
近年、GNSS(Global Navigation Satellite System:全球測位衛星システム)を用いた測位の利用が急速に拡大している。GNSS測位のためにGNSSを用いた測位を、以下、GNSS測位と呼ぶ。今後、GNSS測位によって得られた位置情報の利用が進むことが期待されている。
また、GNSS測位の利用の拡大に伴い、GNSS測位の高精度化の検討も進んでいる。GNSS測位の高精度化の一例として、測位の誤差を補正するための測位補強信号を用いる方法がある(例えば、特許文献1参照)。
GNSS測位で用いられる測位衛星としては、従来から用いられているGPS(Global Positioning System)衛星の他に、天頂付近から測距信号を提供する準天頂衛星(QZSS:Quasi-Zenith Satellite System)衛星、IGSO(Inclined Geosynchronous Orbit)衛星など高仰角の衛星の運用が開始されている。準天頂衛星などの高仰角の衛星は天頂付近にとどまるため、高層ビルの間などに存在するユーザ受信機に対しても測距信号の安定的な提供を図ることができる。また、高層ビルの間などに存在するユーザ受信機では、低仰角のGPS衛星からの測距信号についてはビル壁等の反射波によってマルチパス誤差が生じるが、高仰角の衛星からの測距信号はマルチパスの影響を受けにくい。
特開2014−206502号公報
従来の測位衛星システムでは、cm級の高精度な測位を実現するには、PPP(Precise Point Positioning)測位の場合に6機、PPP−RTK(Real Time Kinematic)測位の場合で5機の測位衛星の測距信号を受信する必要がある。PPP測位の場合、cm級の測位精度を得るためには、十分な測位衛星数からの測距信号を直接受信できる場合において、15分から30分程度以上の時間がかかっていた。これは、ユーザが高価格の2周波受信機を使用して、周波数ごとに異なる電離層の遅延誤差を推定しつつ、受信機から測位衛星までの20000km以上の距離に含まれる搬送波の波長の1億以上の数を推定しなければならないためである。従って、ビルの谷間や橋梁の下などを通過する自動車等の移動体では、受信できる測距信号が途切れた後に、cm級の精度を再び得るまでの時間がかかりすぎ、実用に適しにくいという問題があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、PPP測位においてcm級の測位精度に達する時間を短縮し、かつ、低価格な1周波受信機で、高精度な測位を実現することが可能な測位システム、人工衛星、受信機および測位情報提供方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、測距信号を地上へ向けて送信する測位衛星と、前記測位衛星の軌道より軌道高度の低い軌道を周回し、前記測距信号を観測して得られる観測データを地上へ送信する通信衛星と、観測データと測位補強情報を用いて測位演算を行うことにより前記通信衛星の自己位置を算出する測位演算手段と、観測データおよび前記自己位置をユーザ受信機へ提供する提供手段と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、障害物が存在する環境において受信機が測位衛星からの測距信号が途絶えて測位ができなくなった後に、短期間で高精度な測位への復帰を実現することができるという効果を奏する。
本発明にかかる実施例1の測位システムの構成例を示す図である。 実施例1のLEO衛星の構成例を示す図である。 実施例1のユーザ受信機の構成例を示す図である。 実施例1の測位演算の原理を説明するための図である。 実施例1の測位演算の原理を説明するための図である。 実施例1のユーザ受信機における測位演算処理手順の一例を示すフローチャートである。 実施例1のユーザ受信機における測位演算処理手順の一例を示すフローチャートである。 本発明にかかる実施例2の測位システムの構成例を示す図である。 実施例2のLEO衛星の構成例を示す図である。 実施例2のユーザ受信機の構成例を示す図である。
以下に、本発明の実施例にかかる測位システム、人工衛星、受信機および測位情報提供方法を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。
実施例1
図1は、本発明にかかる実施例1の測位システムの構成例を示す図である。図1に示すように、実施例の測定システムは、測位衛星1、静止衛星2、LEO(Low Earth Orbit)衛星3−1,3−2およびユーザ受信機4を備える。なお、ここでは、測位システムにユーザ受信機4を含めるが、測位システムの定義にユーザ受信機4を含めず、ユーザ受信機4は測位システムから提供される信号を受信するものとしてもよい。
測位衛星1は、例えば、高度2000km〜36000km程度の軌道5を周回する人工衛星であり、GNSS測位のための測距信号を地上へ向けて送信する。測距信号はL1信号、L2信号およびL5信号のうちの少なくとも1つであり、C/Aコード、航法メッセージなどを含む信号である。測位衛星1の軌道は、準天頂軌道(QZO:Quasi-Zenith Orbit)、IGSOなどを周回する高仰角の衛星であるが、これら以外の軌道の測位衛星1であってもよい。なお、以下では、測位衛星1がQZOを周回する人工衛星である例を挙げて説明するが、測位衛星1は、測位補強情報の対象となる測位衛星であればどのような衛星であってもよい。QZO,IGSO以外の軌道の衛星であっても、高仰角が高いときに使用されれば、高仰角の衛星と同様にマルチパスの影響を受けにくいため、高仰角の衛星と同様の効果を奏することができる。QZO,IGSOは離心率の小さい軌道であるが、測位衛星1の軌道は、所望の地上領域の上空にとどまる時間の長い楕円軌道であってもよい。楕円軌道の場合、測位衛星1を複数機用いることで、いずれかの衛星は所望の地上領域で高仰角となる。準天頂軌道の測位衛星1の例は日本のみちびきであり、IGSO軌道の測位衛星1の例は中国のBeiDou、インドのNAVICであり、その他の軌道の衛星の例は、欧州のGalileo、ロシアのGLONASS、アメリカのGPSなどである。楕円軌道の測位衛星1の例は、現在計画中のロシアの測位衛星1のようなIGSO軌道を周回する衛星である。
静止衛星2は、測位の誤差を補正するための測位補強情報を含む測位補強信号を地上へ送信する。測位補強情報は、例えば、PPP補強情報、PPP−RTK補強情報などである。測位補強情報は、例えば、測位衛星1から送信された測距信号を複数の観測点である電子基準点で観測することで得られる複数の観測データに基づいて生成された情報である。測位補強方式には、大きく分けて、固定された位置の観測データそのものを用いたOSR(Observation Space Representation)方式と位置依存性の無い(位置が固定されていない)SSR(State Space Representation:状態空間表現)方式とに分類できる。OSR方式は、位置に依存するデータを用いる方式であり、SSR方式は位置依存性のないデータを用いる方式である。本実施例では、測位補強情報は、OSR方式であってもSSR方式であってもよい。なお、図1に示す構成例では、静止衛星2が測位補強信号を送信しているが、測位補強信号は、測位衛星1または他の準天頂衛星から送信されてもよいし、地上のネットワーク経由で携帯電話網から送信されてもよい。測位補強情報は、例えば、測位衛星1の時計誤差(スカラー)、バイアス誤差(スカラー)および軌道誤差(ベクトル)の補正値を含む。
LEO衛星3−1,3−2は、測位衛星1の軌道より軌道高度の低い軌道を周回し、測位衛星1から送信された測距信号を観測して得られる観測データを地上へ送信する人工衛星である。LEO衛星3−1,3−2は、測距信号を受信する機能は有するが、測位衛星1とは異なり自分自身は測距信号を送信しない通信衛星である。なお、図1では、図の簡略化のため、LEO衛星3−1,3−2の2機を図示しているが、実際にはLEO衛星はより多数である。本実施例のLEO衛星を個別に区別せずに示す場合には、LEO衛星3と呼ぶ。なお、ここでは、LEO衛星3は、測距信号を送信しない例を説明するが、LEO衛星3が測距信号を送信する測位衛星としての機能も有していてもよい。
LEO衛星3の軌道は円軌道であっても楕円軌道であってもよく、また、LEO衛星3のすべてが同じ高度の軌道を周回する必要はなく、複数のLEO衛星3間で軌道高度が異なっていてもよい。ただし、後述するように、LEO衛星3が衛星間通信を行う場合には、衛星間通信ができるように軌道が設定される。LEO衛星3の軌道高度は、対流圏および電離層より高い高度であればよく、例えば、400km〜1000km程度である。LEO衛星3の軌道は、後述するLEO衛星の測位演算における電離層誤差の影響を抑制するために電離層より高い高度であることが望ましいが、誤差の許容量によっては、電離層誤差がある程度含まれていてもよいため、電離層を通過する高度であってもよい。すなわち、LEO衛星3の軌道高度は、ユーザ受信機4の位置の算出精度の要求値によって定まる電離層遅延誤差に対する許容値に基づいて選定されてもよい。
GNSS測位を実施するには、ユーザ受信機4から複数の測位衛星が見えている必要がある。QZO、IGSOなどの軌道を周回する測位衛星は高仰角であるため、高層ビルの間、トンネルの近くといった障害物が存在する環境で、ユーザ受信機4から見える衛星だけではユーザ受信機4が測位を行うために十分ではない。従って、高層ビル間やトンネルの近くでは高精度な測位はもとより、測位そのものに失敗する可能性が高かった。この測位失敗後に十分な測位衛星が見える環境に戻ったとしても、従来のPPP補強情報を用いた測位では、再度高精度な測位結果を得るために15分から30分以上の時間を要するため、移動体などへの利用が困難であった。この高精度は測位結果を得るための時間を大幅に短縮するため、本実施例では測位衛星に加え、測位衛星1から測距信号を受信して観測データを得て、地上へ送信する通信衛星であるLEO衛星3をLEO軌道6に配置することで、高精度な測位を短時間で実現する。また、LEO衛星3は、地上へ測距信号を送信する必要がなく、地上への信号の送信において測距信号のための周波数帯を用いる必要がないことから、LEO衛星3が地上との間の通信で使用する周波数帯は、飽和状態に近い測距信号用の周波数帯域ではなく、地上と人工衛星間との間の通信で使用可能な周波数帯であればどのような周波数帯であってもよい。
図1では、測距信号を破線で示し、測位補強情報(PPP補強情報)を一点鎖線で示している。実線は、通信信号を示している。この場合の通信信号は、L1信号、L2信号、L5信号、L6信号など、測位のために定められた信号ではないこと意味しており、送受信を必須とせず、情報が一方向のみに送信される信号すなわち情報が放送される信号も含む。
次に、本実施例の測位システムを構成する各装置について説明する。図2は、本実施例のLEO衛星3−1の構成例を示す図である。LEO衛星3−2の構成もLEO衛星3−1と同様であり、図示しない他のLEO衛星3の構成もLEO衛星3−1と同様である。
図2に示すように、LEO衛星3−1は、GNSSアンテナ30、補強情報用アンテナ31、衛星間通信アンテナ32、GNSS受信部33、測位計算部34、補強情報受信部35、衛星バス部36、通信部37、TTC(Telemetry Tracking and Command)用アンテナ38および情報配信用アンテナ39を備える。
補強情報用アンテナ31は、静止衛星2などから測位補強信号を受信し、受信した測位補強信号を補強情報受信部35へ出力する。補強情報受信部35は、測位補強信号を復調し(デコードし)、復調により得られた測位補強情報を測位計算部34へ出力する。
GNSSアンテナ30は、測位衛星1から測距信号を受信し、受信した測距信号をGNSS受信部33へ出力する。GNSS受信部33は、測距信号を観測して、LEO衛星3における観測データをもとめ、観測データを測位計算部34へ出力する。LEO衛星3における観測データは、疑似距離(測位衛星1とLEO衛星3との間)、搬送波位相などを含む。
測位計算部34は、測位補強情報と観測データとに基づいて測位演算を行うことによりLEO衛星3の自己位置を算出する測位演算手段である。この測位演算は、例えば、PPP演算、PPP−AR(Ambiguity Resolution)演算などを用いることができるが、測位補強情報を用いた高精度な演算であればどのような演算であってもよい。測位計算部34は、観測データと計算により得られたLEO衛星3の自己位置を通信部37へ出力する。
衛星バス部36は、LEO衛星3の電源となる電力を生成する太陽電池パネル、太陽電池パネルにより発電された電力を蓄えるバッテリ、LEO衛星3の姿勢や軌道を制御するための制御機器、LEO衛星3内の各機器の機能を監視制御する制御部などで構成される。衛星バス部36は、通常の人工衛星のバスと同様でありどのような構成でもよく特に制約はないためここでは説明を省略する。衛星バス部36は、通信部37を介して地上の追跡管制局7から受信する制御信号であるコマンドに基づいて動作し、各機器の状態を示す情報であれるテレメトリを、通信部37へ出力する。図2では、テレメトリおよびコマンドをTTCと記載している。
通信部37は、TTC用アンテナ38を介して追跡管制局7からコマンドを受信し、衛星バス部36へ出力する。また、通信部37は、衛星バス部36から取得したテレメトリを、TTC用アンテナ38を介して追跡管制局7へ送信する。追跡管制局7は、LEO衛星3から受信したテレメトリに基づいて、LEO衛星3の衛星バス部36を制御するためのコマンドを送信する地上局である。
また通信部37は、他のLEO衛星3との間で衛星間通信アンテナ32を用いて衛星間通信を行うことが可能である。通信部37は、LEO衛星3における観測データとLEO衛星3の自己位置とを衛星間通信アンテナ32を介して、他のLEO衛星に送信する。また、通信部37は、他のLEO衛星3から、当該他のLEO衛星3における観測データおよび当該LEO衛星3によって算出された自己位置を受信する。さらに、通信部37は、他のLEO衛星3から、当該他のLEO衛星3における観測データおよび当該LEO衛星3によって算出された自己位置を、衛星間通信アンテナ32を介して、当該情報の送信元以外のLEO衛星3へ転送する。これを繰り返すことにより、複数のLEO衛星3が、全LEO衛星3における観測データと自己位置とを共有することができる。
また、通信部37は、共有しているLEO衛星3ごとの、LEO衛星3における観測データとLEO衛星3の自己位置とを情報配信用アンテナ39を介して地上へ送信する。このとき、LEO衛星3の通信部37は、測位衛星1の測位補強情報についても、観測データおよび自己位置とともに送信する。情報配信用アンテナ39から送信された情報は、後述するように、地上のユーザ受信機4で受信されて測位に使用される。このように、本実施例では、通信部37および情報配信用アンテナ39が、観測データおよび自己位置をユーザ受信機4へ提供する提供手段となる。すなわち、測位演算手段(測位計算部34)および提供手段(通信部37および情報配信用アンテナ39)は、LEO衛星3に搭載され、提供手段は、衛星回線を用いてユーザ受信機4へ観測データおよび自己位置を提供する。情報配信用アンテナ39から送信される情報は、測距信号ではないため、測距信号用の周波数帯を用いる必要がない。また、情報配信用アンテナ39から送信される情報は、測距信号ではなくLEO衛星3において計算された結果であるため、この情報を含む信号がマルチパス経路でユーザ受信機4によって受信されたとしても測位におけるマルチパス誤差とはならない。情報配信用アンテナ39から送信される信号は、通信信号であるため、Ka帯、Ku帯、L帯など通信用に割当てられた任意の周波数帯を用いることができる。
LEO衛星3は、QZOの衛星などに比べて、地上のある個所から見えている時間が短い。このように、衛星間通信を用いて、LEO衛星3が観測データおよび自己位置を共有することで、ユーザ受信機4は、見えていないLEO衛星3の観測データおよび自己位置を用いて測位演算を行うことも可能となる。
なお、以上説明した例では、衛星間通信アンテナ32を介して、全LEO衛星3が、互いに観測データと自己位置とを共有する例を説明したが、LEO衛星3が衛星間通信アンテナ32を備えずに、自身の観測データと自己位置とを情報配信用アンテナ39から送信してもよい。この場合には、ユーザ受信機4は、見えているLEO衛星3からしか観測データおよび自己位置を取得できないが、見えているLEO衛星の数が十分な数であれば、高精度な測位を行うことができる。
次に、ユーザ受信機4について説明する。本実施例では、ユーザ受信機4は、測位衛星1から送信された測距信号を観測して得られる観測データと、LEO衛星3における観測データおよび自己位置と、測位補強情報とに基づいて、ユーザ受信機4の位置の測位計算を行う。図3は、本実施例のユーザ受信機4の構成例を示す図である。図3に示すように、ユーザ受信機4は、GNSSアンテナ41、LEO衛星用アンテナ42、GNSS受信部43、測位計算部44、表示部45、LEO衛星受信部46および外部I/F(Interface)部47を備える。ここでは、ユーザ受信機4が、自動運転車両などに搭載されることを前提として、車載機器などの外部機器と接続するための外部I/F部47を備える例を説明するが、ユーザ受信機4がスマートフォンなどの携帯端末などである場合には、外部I/F部47を備えなくてもよい。また、外部機器で測位演算結果を表示する場合には、ユーザ受信機4は表示部45を備えていなくてもよい。
LEO衛星用アンテナ42は、LEO衛星3から送信された情報、すなわちLEO衛星3における観測データおよび自己位置を含む信号を受信し、LEO衛星受信部46へ出力する。LEO衛星受信部46はLEO衛星用アンテナ42から受け取った信号からLEO衛星3における観測データおよび自己位置を抽出して、測位計算部44へ出力する。
GNSS受信部43は、測位衛星1から測距信号を受信し、測距信号をGNSS受信部43へ出力する。GNSS受信部43は、測距信号を観測して観測データを求め、求めた観測データを測位計算部44へ出力する。測位計算部44は、LEO衛星3における観測データおよび自己位置と、GNSS受信部43から入力される観測データとに基づいて、測位演算を実施し、演算結果を外部I/F部47および表示部45へ出力する。表示部45は、演算結果を表示する。外部I/F部47は、演算結果を外部機器または外部システムへ出力する。外部機器または外部システムは、例えば、自動運転における車載機器、測量システムなどであるが、これらに限定されない。
本実施例では、GNSSアンテナ41およびGNSS受信部43が、測位衛星から測距信号を受信して第1観測データを求める第1受信部である。また、LEO衛星用アンテナ42およびLEO衛星受信部46が、測位衛星1の測距信号を受信して得られる第2観測データを地上へ送信するLEO衛星3に関して、第2観測データに基づいて算出されたLEO衛星3の位置と第2観測データとをLEO衛星3から受信する第2受信部である。
本実施例のLEO衛星3およびユーザ受信機4のハードウェア構成について説明する。LEO衛星3のGNSS受信部33、補強情報受信部35は、受信機であり、少なくとも一部の機能が処理回路により構成されてもよい。測位計算部34は、処理回路により実現される。これらの処理回路は、FPGA(Field Programmable Gate Array)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)などの回路であってもよいし、プロセッサおよびメモリを備える制御回路であってもよい。プロセッサは、例えばCPU(Central Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)などであり、メモリは、揮発性、不揮発性の半導体メモリ、磁気ディスクなどを含む。処理回路が制御回路である場合、処理回路により実現される機能は、メモリに格納されたプログラムがプロセッサにより実行されることにより実現される。LEO衛星3の測位計算部34を実現するためのプログラムは、記録媒体または通信媒体により提供されて実装されてからLEO衛星3が打ち上げられてもよいし、LEO衛星3の打ち上げ後に追跡管制局7からプログラムが送信されてもよい。
ユーザ受信機4のGNSS受信部43は、受信機であり、少なくとも一部の機能が処理回路により構成されてもよい。ユーザ受信機4の測位計算部44は、上述した測位計算部34と同様に、処理回路により実現される。これらの処理回路は、FPGA、ASICなどの回路であってもよいし、プロセッサおよびメモリを備える制御回路であってもよい。ユーザ受信機4の測位計算部44を実現するためのプログラムは、記録媒体により提供されてもよいし、通信媒体により提供されてもよい。
次に、本発明にかかる測位演算の原理について説明する。図4−1,図4−2は、本実施例の測位演算の原理を説明するための図である。ユーザ受信機4の位置、すなわちユーザ位置をRとし、ユーザ位置Rの座標を(x,y,z)とすると、(x,y,z)は未知であることから、ユーザ受信機4が様々な誤差を含んだ観測データを取得する測位衛星1の見かけの(誤差を含んだ)位置Ir1からユーザ位置Rへ向かうベクトルIr1Rは未知である。なお、本明細書では、ベクトルは式中において文字の上に矢印をつけて示すが、文章中は文字の上の矢印を省略する。
一方、ユーザ受信機4が測位衛星1から送信された測距信号を受信することにより得られる観測データOSRIr1Rは、測位衛星1の見かけの位置Ir1からユーザ位置Rまでの距離に対応するスカラー量である。このため、測位衛星1の見かけの位置Ir1からユーザ位置Rに向かうベクトルの方向余弦を(x,y,z)で表し、観測データOSRIr1Rと方向余弦を用いてベクトルIr1Rを表し、後に連立方程式を解くことによって未知数を求める。
まず、ユーザ受信機4は、測位衛星1の概略位置Iの座標(xIe,yIe,zIe)を、測位衛星1からの放送やその他の手段で取得できる測位衛星1のエフェメリスデータから求める。
次に、ユーザ受信機4はPPP補強を測位衛星1から、又は別手段で取得し、その中の軌道誤差ベクトルeを用いて、概略位置Iから測位衛星1の真の位置Ir0を式(1)および式(2)によって求める。測位衛星1の真の位置Ir0が、ユーザ受信機が取得する観測データOSRIr1Rが乗るベクトルと、LEO衛星3が取得する観測データOSRIr1Jpが乗るベクトルが交差する点である。なお、式(2)の下部には、本実施例の説明で使用する記号の定義を示している。
Figure 2021128098
次に、ベクトルIr0Rの単位ベクトルをUIr0Rとし、未知数であるユーザ受信機Rの座標(x,y,z)と測位衛星1の真の位置Ir0の座標(xr0,yr0,zr0)を用いて、測位衛星1からユーザ受信機4に向かうベクトルベクトルIr0Rを、LEO衛星3において以下の式(3)、式(4)で表す。ここでe、e、(e+e)は、それぞれ測位衛星の時計誤差、バイアス誤差、電離層遅延および対流圏遅延とユーザ受信機誤差との和、であり全てスカラーであって長さの単位で表される。また、PPP補強情報から衛星時計誤差e、バイアス誤差eは既知量である。
Figure 2021128098
次に、複数のLEO衛星3のそれぞれは、GNSS受信部33と、PPP測位演算を行うことが可能な測位計算部34とを備えていることから、電離層より上または電離層の影響が少ない軌道において、測位衛星1から受信した測距信号を用いて、観測データOSRIrJpを取得するとともにPPP−AR測位により自己位置を数cmの精度で算出することができる。また、LEO衛星3はユーザ受信機4に対して、LEO衛星3における観測データOSRIrJpと自己位置Jの座標(xJp,yJp,zJp)とを含む情報を通信信号として地上へ送信する。なお、Jにおけるpはp番目のLEO衛星3であることを示し、Jはp番目のLEO衛星の自己位置を示す。上述したとおり、LEO衛星3における観測は電離層より上または電離層の影響が少ない軌道上で行われ、かつPPP−AR測位演算のように高精度な測位演算が行われるため、LEO衛星3が算出した自己位置Jの座標(xJp,yJp,zJp)は、LEO衛星3の真の位置を示すとみなすことができる。
ユーザ受信機4は、これらの情報と、上記式(3)、式(4)と同様な手法を用いて、測位衛星1の真の位置Ir0からLEO衛星3の位置Jへ向かうベクトルIr0を、式(5)、式(6)にて求める。
Figure 2021128098
LEO衛星3の位置Jからユーザ受信機4の位置Rへ向かうベクトルJRは、測位衛星1の真の位置Ir0からユーザ受信機4の位置Rへ向かうベクトルIr0Rから、測位衛星1の真の位置Ir0からLEO衛星3の位置Jへ向かうベクトルIr0を引いたものであるから、式(7)で表すことができる。したがって、ベクトルJRの絶対値の2乗は、式(8)で表すことができる。
Figure 2021128098
上記の式(7)および式(8)から、ユーザ受信機4が観測した測位衛星1に関する観測データOSRIr0Rがそのまま保存されて、LEO衛星3からユーザ受信機4の位置Rに向かうベクトルJRに含まれていることがわかる。一方、この観測データOSRIrRは、測位衛星1の時計誤差e(スカラー量)、測位衛星1のバイアス誤差e(スカラー量)、測位衛星1から送信されてユーザ受信機4が受信する測距信号が通過する電離層および対流圏の遅延誤差の和e(スカラー量)、ユーザ受信機4の時計等の誤差e、およびLEO衛星3のGNSS受信部33の時計等の誤差を含んでいる。
次に、ユーザ位置Rの座標(x,y,z)とLEO衛星3の位置Jの座標(xJp,yJp,zJp)とを用いると、ユーザ位置RとLEO衛星3の位置Jとの間の幾何距離|JR|および|JR|は、以下の式(9)、式(10)で表すことができる。
Figure 2021128098
次に、式(8)と式(10)を等しいと置いて式(11)、式(12)を作る。
Figure 2021128098
測位補強情報には、測位衛星1の時計誤差e(スカラー量)、測位衛星1のバイアス誤差e(スカラー量)および測位衛星1の軌道誤差e(ベクトル量)が含まれている。また、ユーザ受信機4の時計等の誤差eは、ユーザ受信機4ごとに固有であるため、電離層および対流圏の遅延誤差の和e(スカラー量)とユーザ受信機4の時計等の誤差eの和である未確定誤差は、1つの変数とみなすことができる。また、LEO衛星3に搭載されたGNSS受信部33の時計塔の誤差eは、LEO衛星3の位置を決定するためのPPP−ARの演算によって消えている。従って、上記式(12)のうち、含まれる未知数は、ユーザ位置Rの座標(x,y,z)と未確定誤差との合計4つである。従って、4機以上の位置の異なる測位衛星1に関して式(12)を求め、連立方程式を解くことによって解が得られる。
なお、上記式(12)の左辺内の観測データは波数不確定性(Ambiguity)Nを含んでいることから、このNを更に未知数として追加し、上記式(12)を解けば、波数Ambiguityも解けることとなる。この場合には、未知数が1つ増え5つになることから、5機以上の位置の異なる測位衛星1に関して式(13)を解くこととなる。
Figure 2021128098
以上説明した原理を用いた本実施例における測位演算処理手順の一例を説明する。なお、上述したとおり、LEO衛星3では、GNSS受信部33は測位衛星1から受信した測距信号を用いて観測データを求め、測位計算部34は、測位衛星1から受信した測距信号と測位補強信号とを用いてPPP測位演算により自己位置を求めるが、これらの算出方法は一般的な手法を用いることができるため、詳細な説明は省略する。
図5および図6は、本実施例のユーザ受信機4における測位演算処理手順の一例を示すフローチャートである。まず、ユーザ受信機4では、図5に示すように、5機以上の測位衛星1の観測データOSRIr0Rとエフェメリスデータを取得する(ステップS1)。
ユーザ受信機4は、各測位衛星1のPPP補強情報を受信する(ステップS2)。測位計算部44は、各測位衛星1のエフェメリスデータから各測位衛星1の概略位置座標(エフェメリス座標)Ie(xIe,yIe,zIe)を算出し、かつPPP補強情報内に含まれる各測位衛星の軌道誤差補正値(ベクトル)を用いて、各測位衛星1の真の位置Ir0を算出する(ステップS3)。測位計算部44は、各測位衛星の真の位置Ir0からユーザ受信機4へ向かう単位ベクトルUIr0Rを測位衛星1ごとに算出する(ステップS4)。
測位計算部44は、ユーザ受信機4における測位衛星1の観測データOSRIr0Rから、観測データに含まれる衛星時計誤差(PPP補強情報にて既知)、衛星バイアス誤差(PPP補強情報にて既知)、電離層と対流圏の遅延誤差にユーザ受信機の誤差の和(未知数)を引いた式に、ステップS4で得られた単位ベクトルUIr0Rを乗じて、測位衛星1の真の位置からユーザ受信機4へ向かうベクトルIr0Rを算出する(ステップS5)。詳細には、GNSS受信部43が、測位衛星1から受信した測距信号に基づいて観測データを求め、測位計算部44が、この観測データに誤差補正を行った上で、ステップS4で算出した単位ベクトルUIr0Rを乗じて、ベクトルIr0Rを算出する。
LEO衛星3における5機以上の測位衛星1の観測データと、LEO衛星3のPPP−AR後の自己位置を、LEO衛星3から受信する(ステップS6)。この際、LEO衛星3は1機で良いが、複数機を用いても構わない。詳細には、各LEO衛星3が互いに観測データと自己位置とを共有している場合には、ユーザ受信機4のLEO衛星受信部46が、1つのLEO衛星3から受信した情報に基づいて、5機以上の測位衛星1の観測データとLEO衛星3の自己位置とを取得することができる。各LEO衛星3が互いに観測データと自己位置とを共有していない場合には、ユーザ受信機4のLEO衛星受信部46が、各LEO衛星3からLEO衛星3の観測データと自己位置とを受信する。LEO衛星受信部46は、取得したデータを測位計算部44へ出力する。
次に、測位計算部44は、LEO衛星3が取得した観測データOSRIr0Rと測位衛星1の真の位置Ir0、LEO衛星3の自己位置(PPP−RTK後の位置)を用いて、Ir0からLEO衛星3に向かうベクトルIr0を算出する(ステップS7)。詳細には、測位計算部44は、ステップS3で算出した各測位衛星1の真の位置Ir0と、ステップS6で受信した各LEO衛星3の自己位置とを用いて、測位衛星1ごとに、測位衛星1の真の位置からLEO衛星3に向かう単位ベクトルUIr0Jpを算出する。次に、測位計算部44は、LEO衛星3における各測位衛星1の観測データから、PPP補強情報から取得した測位衛星1の時計誤差とバイアス誤差(ともにスカラーで長さの単位)を引いた上で、その数値に単位ベクトルUIr0Jpを乗じて、測位衛星1からLEO衛星3へ向かうベクトルIr0を算出する(ステップS7)。
次に、測位計算部44は、ベクトルIr0RからベクトルIr0を引いてベクトルJRを算出し、ベクトルJRの絶対値の2乗を、未知数を含む量として各測位衛星1ごとに算出する(ステップS8)。以上の処理により、|JR(OSR)|が算出される。
次に、測位計算部44は、未知数であるユーザ座標R(x,y,z)とLEO衛星の自己位置とに基いて、ユーザ受信機4とLEO衛星3の間の幾何距離を定式化する(ステップS9)。詳細には、測位計算部44が、式(9)に、ステップS6で受信したLEO衛星3の自己位置を代入する。
次に、測位計算部44は、ステップS8で算出された|JR(OSR)|と、ステップS9で幾何距離を用いて定式化した|JR(GEO)|2とが等しいとした方程式をユーザ受信機4が観測した測位衛星1の数で求め(ステップS10)、その方程式を解いて未知数を算出して(ステップS11)、処理を終了する。詳細には、測位計算部44は、測位衛星1ごとに、ステップS8で算出された|JR(OSR)|と、ステップS9で幾何距離から定式化した|JR(GEO)|とが等しいとした方程式を各測位衛星1に対して求め、これらの複数の方程式を連立方程式として解くことにより未知数を求める。これにより、ユーザ位置Rの座標(x,y,z)を求めることができる。
ステップS9、S10の定式化は、実際の式に、上述した各値を代入する必要はなく、定式化された連立方程式は、未知数を用いて定義しておくことができる。このため、連立方程式を数値演算で解くアルゴリズムに応じた処理で、上述した各値が代入されて未知数が算出されればよい。
また、以上述べた処理手順は一例であり、同様の結果が得られる手順であれば、上記の例に限らず任意の処理手順を適用可能である。例えば、ユーザ受信機4は、測位補強情報をLEO衛星3からではなく、静止衛星2または測位衛星1から受信してもよいし、地上回線から取得してもよい。また、追跡管制局7から測位衛星1の測位補強情報をLEO衛星3へ送信することにより、LEO衛星3が地上から測位補強情報を取得してもよい。
なお、LEO衛星3の測位計算部34が用いる測位補強情報およびユーザ受信機4が用いる測位補強情報はPPP補強情報であってもよい。また、LEO衛星3の測位計算部34が用いる測位補強情報がPPP補強情報であり、ユーザ受信機4が用いる測位補強情報がPPP−RTK情報あってもよい。
従来のPPP測位においては、ユーザ受信機4では、1機の測位衛星が可視である場合、複数のエポックの測距信号の受信により、連立方程式の解を求める。この場合、測距信号の通過する電離層における遅延誤差の変化が十分大きくなるまで待つ必要がある。ユーザ受信機4から測位衛星までの距離が20000km以上と遠いため、ユーザ受信機4から見た測位衛星の移動速度は遅い。このため、従来のPPP測位では、解の収束に時間を要していた。これに対して、本発明の方式では、電離層遅延の変化がエポックごとに殆ど変わらなくても、LEO衛星3と測位衛星1との距離がエポックごとに大きく変わることにより、式(9)、式(10)における左辺がエポックごとに大きく変換するため、解の収束が早い。
なお、上記の説明では、5機の測位衛星1と1機のLEO衛星3が用いられる例を示したが、ユーザ受信機4からLEO衛星3が複数観測できる場合には、複数のLEO衛星3から受信した情報を用いて処理が行われてもよい。また、Ambiguityを解かない場合は、測位衛星1の数は最低4機でよい。
測位衛星1の軌道高度は2000km〜36000kmであり、ユーザ受信機4から遠いため、ユーザ受信機4からみた測位衛星1の動きは遅い。このため、従来のPPP−AR測位では、2周波対応の受信機を用いて、電離層遅延量の周波数特性の差を利用して電離層遅延誤差を推定しながら、かつ、電離層遅延誤差が有意な変化を得るまで測位衛星方向変化を待って解を収束させていた。このため、cm級の測位結果を得るため15〜30分程度の時間を要しており、準天頂衛星みちびきのMADOCAを含むPPP補強情報を利用するユーザ拡大の弊害となっていた。本発明においては、例えばLEO衛星3が軌道高度400kmの場合のLEO衛星3の軌道周期は約1時間30程度であり、GPS衛星の場合の軌道周期12時間の約1/8である。このため、ユーザ受信機4からみたLEO衛星3の移動速度はGPS衛星に比べて早くなり、上述した式(9)、式(10)の左辺の時間変化が大きくなる。このため、電離層遅延そのものは殆ど変化しなくても、方程式の既知数が大きく変化することから、解の収束までの時間が大幅に短縮でき、1分以内の収束が期待できる。また、大多数のユーザがPPP補強情報を受信可能なPPP受信機を使用するようになるには、受信機そのもののコストが下がらなければならないが、本発明では、電離層遅延誤差も未知数として解くことができるため、安価な1周波受信機で良い。従って、MADOCA等のPPP補強情報の普及とユーザの拡大に貢献できる。
また、軌道高度400km程度のLEOに打ち上げる衛星は、軌道高度36000km程度の準天頂軌道に打ち上げる衛星より、小型でかつ低価格で済むことから、測位衛星として準天頂衛星を増やす場合より、安価な測位システムの構築が可能である。本発明におけるLEO衛星3は、自己位置を測位計算によってcm級で算出することから精密な軌道制御は不要である。よって、上述したLEO衛星3としての最低限の機能を有する小型で簡易な衛星を量産すれば、LEO衛星3の製造コストも、他の測位衛星などに比べて抑えることができる。打ち上げ費用についても、LEOに打ち上げることができればよいため、安価な打ち上げサービスを利用可能である。したがって、例えば、100機程度のLEO衛星3を打ち上げたとしても、製造および打ち上げの総コストは、1機の準天頂衛星の製造および打ち上げの総コスト以下となると予想される。
また、本発明では、LEO衛星3間でLEO衛星3の観測データおよび自己位置を共有する場合には、測位を行うユーザ受信機4から見て地平線より下に位置するLEO衛星3の観測データおよび自己位置も、LEO衛星3がユーザ受信機から可視の測位衛星からの測位信号を取得できている限り、測位に利用可能である。このため、LEO衛星3を効率よく配置すれば、多数のLEO衛星3を用いずに、広いエリアで高精度な測位サービスを提供することができ、システム構築コストの大幅な低減を図ることができる。
また、LEO衛星3が衛星間通信を行う場合、各LEO衛星3の観測データの中に測位衛星1の時刻が含まれていることから、各LEO衛星3が、例えば測位衛星1の時刻に時刻を同期させることができる。これによって、LEO衛星3は精密な時計を内蔵する必要がないため、安価な構成が可能である。また、LEO衛星3が測距信号に基づいた観測データの算出対象とする測位衛星1を、GPS衛星(32機)、Galileo(25機)、QZSS(7機)、GLONASS(30機)としても、せいぜい合計で100機程度であることから、LEO衛星3から地上に向けた観測データなどの情報の伝送速度は、40〜50kbps(RTCM(Radio Technical Commission For Maritime Services)3.2の場合)と小さく、この伝送は安価な通信機器で実現できる。
実施例2
図7は、本発明にかかる実施例2の測位システムの構成例を示す図である。図2に示すように、実施例の測定システムは、測位衛星1、LEO衛星3a−1,3a−2、ユーザ受信機4a、追跡管制局7および地上演算装置8を備える。なお、ここでは、測位システムにユーザ受信機4aを含めるが、測位システムの定義にユーザ受信機4aを含めず、ユーザ受信機4aは測位システムから提供される信号を受信するものとしてもよい。測位衛星1は、実施例1の測位衛星1と同様である。実施例1と同様の機能を有する構成要素は、実施例1と同一の符号を付して重複する説明を省略する。以下、実施例1と異なる部分を主に説明する。
LEO衛星3a−1,3a−2は、測位衛星1より低高度のLEO軌道6を周回する人工衛星である。なお、図7では、図の簡略化のため、LEO衛星3a−1,3a−2の2機を図示しているが、実施例1と同様に、実際にはLEO衛星はより多数である。本実施例のLEO衛星を個別に区別せずに示す場合には、LEO衛星3aと呼ぶ。なお、ここでは、LEO衛星3aは、測距信号を送信しない例を説明するが、LEO衛星3aが測距信号を送信する測位衛星としての機能も有していてもよい。
実施例1では、LEO衛星3が自己位置を算出していたが、本実施例ではLEO衛星3aは観測データを求めて地上に送信するものの、自己位置は算出しない。本実施例では、地上演算装置8が各LEO衛星3aの自己位置を演算する。これにより、LEO衛星3aの構成を簡素化することができ、実施例1に比べてLEO衛星のコストを抑制することができる。
各LEO衛星3aは、測位衛星1から受信した測距信号に基づく観測データを、追跡管制局7へ送信する。地上演算装置8は、追跡管制局7から各LEO衛星3aの観測データを取得する。また、地上演算装置8は、地上ネットワークで配信される測位補強情報(PPP補強情報)を受信し、各LEO衛星3aの観測データと測位補強情報とを用いて、PPP−AR測位などにより各LEO衛星3aの自己位置を算出する。地上演算装置8は、ネットワーク9を介して、ユーザ受信機4aへ、各LEO衛星3aの観測データおよび自己位置と、測位補強情報とを配信する。なお、ここでは、地上演算装置8が、測位補強情報を、地上ネットワークを介して受信しているが、実施例1の静止衛星2などの衛星から受信してもよい。また、ここでは、地上演算装置8が測位補強情報を、ユーザ受信機4aへ配信しているが、この代わりに、実施例1のように、ユーザ受信機4aが静止衛星2などから測位補強情報を受信してもよい。
図8は、本実施例のLEO衛星3a−1の構成例を示す図である。LEO衛星3a−2の構成もLEO衛星3a−1と同様であり、図示しない他のLEO衛星3aの構成もLEO衛星3a−1と同様である。図8に示すように、本実施例のLEO衛星3a−1は、実施例1のLEO衛星3−1から補強情報用アンテナ31、測位計算部34、補強情報受信部35および情報配信用アンテナ39を削除した構成である。
実施例2のLEO衛星3a−1では、GNSS受信部33は実施例1と同様に測位衛星1から受信した測距信号に基づいて観測データを求める。GNSS受信部33は観測データを通信部37へ出力する。通信部37は、観測データを、TTC用アンテナ38を介して追跡管制局7へ送信する。また、通信部37は、実施例1と同様に、TTC用アンテナ38を介して追跡管制局7からコマンドを受信し、衛星バス部36へ出力する。また、通信部37は、衛星バス部36から取得したテレメトリを、TTC用アンテナ38を介して追跡管制局7へ送信する。なお、ここでは、テレメトリと観測データとを同じ周波数帯で送信する例を示すが、LEO衛星3a−1が観測データの送信用に別のアンテナを備え、テレメトリと異なる周波数で、地上へ観測データを送信してもよい。この場合、観測データを受信する地上局は追跡管制局7と異なっていてもよい。観測データを受信する地上局が追跡管制局7と異なる場合、この地上局が、LEO衛星3aの観測データを地上演算装置8へ送信する。
追跡管制局7は、実施例1と同様の機能を有するとともに、LEO衛星3aから受信した観測データを地上演算装置8へ送信する。地上演算装置8は、例えば、コンピュータであり、測位補強情報を提供する図示しない装置、追跡管制局7、ネットワーク9などと通信を行う通信部と、実施例1のLEO衛星3の測位計算部34と同様の機能を有する測位演算手段とを有する。本実施例では、地上演算装置8の通信部が、LEO衛星3の観測データおよび自己位置をユーザ受信機4aへ提供する提供手段である。地上演算装置8は、測位補強情報とLEO衛星3aの観測データとに基づいて、LEO衛星3aごとに、LEO衛星の自己位置を算出する。地上演算装置8は、LEO衛星3aごとの観測データおよび自己位置と、測位補強情報とを、ネットワーク9を介してユーザ受信機4aへ送信する。このように、本実施例では、測位演算手段および提供手段は地上演算装置8に搭載され、提供手段は、地上回線を用いてユーザ受信機4aへLEO衛星3の観測データおよび自己位置を提供する。ユーザ受信機4aはネットワーク9から有線通信によってLEO衛星3aごとの観測データおよび自己位置と、測位補強情報とを受信してもよいが、ここでは、ネットワーク9から無線通信によってこれらを受信することとする。
図9は、本実施例のユーザ受信機4aの構成例を示す図である。図9に示すように、ユーザ受信機4aは、実施例1のユーザ受信機4に地上回線用アンテナ48と地上回線受信部49が追加され、LEO衛星用アンテナ42およびLEO衛星受信部46が削除されている。地上回線用アンテナ48は、ネットワーク9を介して地上演算装置8からLEO衛星3aごとの観測データおよび自己位置と、測位補強情報とを受信し、受信した信号を地上回線受信部49へ出力する。地上回線受信部49は、受信した信号を復調して、測位計算部44へ渡す。以上述べた以外のユーザ受信機4aの構成および動作は、実施例1のユーザ受信機4と同様である。
本実施例では、GNSSアンテナ41およびGNSS受信部43が、測位衛星から測距信号を受信して第1観測データを求める第1受信部である。また、地上回線用アンテナ48および地上回線受信部49が、測距信号をして得られる第2観測データを地上へ送信するLEO衛星3に関して、第2観測データに基づいて算出されたLEO衛星3の位置と第2観測データとを地上演算装置8から受信する第2受信部である。
このように、本実施例では、LEO衛星3からの情報を、追跡管制局7または他の地上局で一端受信した後、地上のネットワーク9経由でLEO衛星3の位置と観測データと配信する。地上のネットワーク9において、Wi−Fi(登録商標)、携帯電話網などを用いることで、ユーザ受信機4aが備える地上回線用アンテナ48および地上回線受信部49は汎用のものを用いることができる。これにより、ユーザ受信機4aの低価格化を図ることができる。また、ユーザ受信機4aは、地上のネットワーク9を介して、LEO衛星3の情報を受信できるため、ユーザ受信機4aにおいてLEO衛星3が可視である必要がない。また、ユーザ受信機4aが、実施例1で述べたLEO衛星3からの観測データおよび自己位置の直接受信を行う機能と、本実施例の地上のネットワーク9からLEO衛星3からの観測データおよび自己位置を受信する機能との両方を有してもよい。この場合、災害時やシステム異常時に備えた冗長性が得られ、可用性、継続性面の性能が向上する。
なお、実施例1のように、LEO衛星3が自己位置を算出する場合も、LEO衛星3が追跡管制局7または他の地上局へ観測データおよび自己位置を送信し、これらの地上局からユーザ受信機4へLEO衛星3の観測データおよび自己位置が配信されてもよい。この場合、LEO衛星3は測位計算部34を備えることになるが、ユーザ受信機は本実施例と同様の構成および動作となり、ユーザ受信機4aの低価格化を図ることができ、LEO衛星3が可視である必要がなくなる。また、LEO衛星3からの直接受信と地上のネットワーク9からの受信とを併用すれば、災害時やシステム異常時に備えた冗長性が得られ、可用性、継続性面の性能が向上する。
また、上記の例では、地上演算装置8が、LEO衛星3の自己位置を算出したが、地上演算装置8を備えずに、追跡管制局7または他の地上局が、LEO衛星3から受信した観測データをネットワーク9経由でユーザ受信機4aへ送信し、ユーザ受信機4aがLEO衛星3の自己位置を算出してもよい。この場合、ユーザ受信機4aは、地上で配信される測位補強情報をネットワーク9経由で受信してもよいし、静止衛星2または測位衛星1から配信される測位補強情報を受信してもよい。
また、MADOCA−PPP補強情報は、地上ネットワーク配信も計画中であるが、この地上ネットワークサービスにおいて、MADOCA補強対象の測位衛星1に関するLEO衛星3の観測データを合わせて配信すれば、現在の準天頂サービスの領域(アジアオセアニア)を超えて、MADOCA補強情報が本発明の効果を発揮しながら全世界で使えることとなる。
以上述べた実施例は一例であり、上述した例に限らず、上述した構成および動作を組み合わせてもよく、上述した実施例と主旨が同様の範囲であれば、上述した構成および動作の一部の変更を行ってもよい。
1 測位衛星、2 静止衛星、3−1,3−2,3a−1,3a−2 LEO衛星、4,4a ユーザ受信機、7 追跡管制局、8 地上演算装置、30 GNSSアンテナ、31 補強情報用アンテナ、32 衛星間通信アンテナ、33 GNSS受信部、34 測位計算部、35 補強情報受信部、36 衛星バス部、37 通信部、38 TTC用アンテナ、39 情報配信用アンテナ、41 GNSSアンテナ、42 LEO衛星用アンテナ、43 GNSS受信部、44 測位計算部、45 表示部、46 LEO衛星受信部、47 外部I/F(Interface)部、48 地上回線用アンテナ、49 地上回線受信部。

Claims (11)

  1. 測距信号を地上へ向けて送信する測位衛星と、
    前記測位衛星の軌道より軌道高度の低い軌道を周回し、前記測距信号を観測して得られる観測データを地上へ送信する通信衛星と、
    前記観測データと測位補強情報を用いて測位演算を行うことにより前記通信衛星の自己位置を算出する測位演算手段と、
    前記観測データおよび前記自己位置をユーザ受信機へ提供する提供手段と、
    を備えることを特徴とする測位システム。
  2. 前記測位演算手段および前記提供手段は、前記通信衛星に搭載され、
    前記提供手段は、衛星回線を用いて前記ユーザ受信機へ前記観測データおよび前記自己位置を提供することを特徴とする請求項1に記載の測位システム。
  3. 前記観測データを受信する地上局と、
    地上に設置され、前記地上局から前記観測データを取得する地上演算装置と、
    を備え、
    前記測位演算手段および前記提供手段は、地上演算装置に搭載され、
    前記提供手段は、地上回線を用いて前記ユーザ受信機へ前記観測データおよび前記自己位置を提供することを特徴とする請求項1または2に記載の測位システム。
  4. 前記測位演算手段は、PPP(Precise Point Positioning)−AR(Ambiguity Resolution)演算により前記自己位置を算出することを特徴とする請求項1から3のいずれか1つに記載の測位システム。
  5. 前記ユーザ受信機、
    を備え、
    前記ユーザ受信機は、前記測距信号を観測して得られる観測データと、前記提供手段から提供された前記通信衛星における前記観測データおよび前記自己位置と、測位補強情報とに基づいて、前記ユーザ受信機の位置の測位計算を行うことを特徴とする請求項1から4のいずれか1つに記載の測位システム。
  6. 前記測位演算手段が用いる前記測位補強情報および前記ユーザ受信機が用いる前記測位補強情報はPPP補強情報であることを特徴とする請求項5に記載の測位システム。
  7. 前記通信衛星の軌道高度は、ユーザ受信機の位置の算出精度の要求値によって定まる電離層遅延誤差に対する許容値に基づいて選定されることを特徴とする請求項1から6のいずれか1つに記載の測位システム。
  8. 測位衛星の軌道より軌道高度の低い軌道を周回し、前記測位衛星から送信された測距信号を観測して得られる観測データを地上へ送信することを特徴とする人工衛星。
  9. 前記観測データと測位補強情報を用いて自己位置を算出する測位計算部、
    を備え、
    前記観測データおよび前記自己位置を地上へ送信することを特徴とする請求項8に記載の人工衛星。
  10. 測位衛星から測距信号を受信して第1観測データを求める第1受信部と、
    前記測位衛星の軌道より軌道高度の低い軌道を周回する通信衛星であって前記測距信号を観測して得られる第2観測データを地上へ送信する前記通信衛星に関して、前記第2観測データに基づいて算出された前記通信衛星の位置と前記第2観測データとを受信する第2受信部と、
    前記第1観測データと前記第2観測データと前記通信衛星の位置とに基づいて測位演算を行って自己位置を算出する測位計算部と、
    を備えることを特徴とする受信機。
  11. 測距信号を地上へ向けて送信する測位衛星と、前記測位衛星の軌道より軌道高度の低い軌道を周回し、前記測距信号を観測して得られる観測データを地上へ送信する通信衛星とを備える測位システムにおける測位情報提供方法であって、
    前記測位システムが、前記観測データと測位補強情報を用いて測位演算を行うことにより前記通信衛星の自己位置を算出する測位演算ステップと、
    前記測位システムが、前記観測データおよび前記自己位置をユーザ受信機へ提供する提供ステップと、
    を含むことを特徴とする測位情報提供方法。
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