JP2021125408A - 導電性複合材料の製造方法 - Google Patents

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博正 後藤
雅之 神田
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雅之 神田
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Abstract

【課題】製造コストを抑えつつ、繊維などの基材上にポリアニリンを強く吸着させることができ、摩擦などによるポリアニリン層の脱落が抑制された導電性複合材料を得ることができる製造方法を提供すること。【解決手段】基材上に、バインダーを介してポリアニリンが吸着した導電性複合材料の製造方法であって、(A)ヒドロキシル基を有する化合物であるバインダーおよびアルカリを含む第1液、(B)アニリン類モノマーを含む第2液、(C)酸を含む第3液、を順次、基材に塗布する塗布工程を含む。【選択図】図1

Description

本発明は、導電性複合材料の製造方法に関する。
ポリアニリンは、半酸化状態にあたるエメラルディン塩基状態においてドーピングを行うとエメラルディン塩となり、これが導電性を示すことが知られている。このため、ポリアニリンは、電子材料や導電材料として各種の分野、例えば電池の電極材、帯電防止材、電磁波遮閉材、光電子変換素子、光メモリー、各種センサー等の機能素子、表示素子などのへの応用が検討、実施されている。
一方で、ポリアニリンは、主鎖の骨格が剛直であるため高沸点溶媒にしか溶けないという特徴があり、加工性等を向上させるために、アルギン酸、デンプン、セルロースなどの各種のゲスト物質と複合化する試みがなされてきた。
また、本発明者は、これまでに、パルプとポリアニリン類の複合体の製造方法について提案している(特許文献1)。具体的には、この方法では、アニリン類モノマーを含有するパルプ分散液中で酸化剤の存在下にアニリン類モノマーを重合させることで、パルプ繊維上にポリアニリン類が付着した導電性複合材料を得ることができる。
さらに、本発明者は、アルギン酸とポリアニリンの複合材料についても提案している(非特許文献1)。
特許第5271558号
H. Goto, Electrically Conducting Paper from a Polyaniline/Pulp Composite and Paper Folding Art Work for 3-D Object, Textile Research Journal, 81, 122-127(2011).
しかしながら、特許文献1などの従来の方法では、パルプなどのゲスト物質の表面上においてアニリンの合成反応が生じるため、分子レベルで内部まで混ざり合った導電性複合材料を得ることは困難であった。
特許文献1などの従来の方法では、バインダーが使用されていないため、ポリアニリンのパルプ繊維への結合が弱く、摩擦などによりパルプ繊維上に形成されたポリアニリン層が脱落する場合があることが改善すべき点であると考えられた。
また、特許文献1などの従来の方法では、ポリアニリン層の作成に関し、パルプ繊維などの基材をポリアニリン合成用反応溶液に分散させ、重合反応の進行とともにポリアニリンを基材の表面上にデポジットさせていた。この場合、過剰な反応溶液およびモノマー材料が必要であるとともに、製造後に繊維上にデポジットできなかった過剰のポリアニリンが沈殿してしまい、これを導電性複合材料の製造に使用することができなかった。すなわち、このような製造過程における材料のロスによって、導電性複合材料の製造コストを抑制することが難しいことが改善すべき点であると考えられた。
さらに、非特許文献1においても、繊維などの基材上でポリアニリンを重合させ、ポリアニリンを基材に強く吸着させるための方法についての検討はなされていない。
本発明は、以上のような事情に鑑みてなされたものであり、製造コストを抑えつつ、繊維などの基材上にポリアニリンを強く吸着させることができ、摩擦などによるポリアニリン層の脱落が抑制された導電性複合材料を得ることができる製造方法を提供することを課題としている。
上記の課題を解決するため、本発明は、基材上に、バインダーを介してポリアニリンが吸着した導電性複合材料の製造方法であって、
(A)ヒドロキシル基を有する化合物であるバインダーおよびアルカリを含む第1液、
(B)アニリン類モノマーを含む第2液、
(C)酸を含む第3液、
を順次、基材に塗布する塗布工程を含むことを特徴としている。
本発明は、基材上に、バインダーを介してポリアニリンが吸着した導電性複合材料の製造方法であって、
(A)ヒドロキシル基を有する化合物であるバインダー、アルカリおよびアニリン類モノマーを含む第1液、
(B)酸を含む第2液、
を順次、基材に塗布する塗布工程を含むことを特徴としている。
本発明は、基材上に、バインダーを介してポリアニリンが吸着した導電性複合材料の製造方法であって、
(A)ヒドロキシル基を有する化合物であるバインダーおよびアルカリを含む第1液、
(B)アニリン類モノマーおよび酸を含む第2液、
を順次、基材に塗布する塗布工程を含むことを特徴とする導電性複合材料の製造方法。
本発明は、基材上に、アラビアガムまたはポリエチレンイミンを介してポリアニリンが吸着した導電性複合材料の製造方法であって、
(A)アラビアガムまたはエチレンイミン、アニリン類モノマーおよび酸を含む第1液、
を基材に塗布する塗布工程を含むことを特徴としている。
本発明の導電性複合材料は、前記の製造方法で得られる導電性複合材料であって、基材上にアラビアガムまたはポリエチレンイミンを介してポリアニリンが吸着していることを特徴としている。
ゲル環境下の化学重合で得たポリアニリン/アルギン酸(PANI/Alg_chem)の走査型電子顕微鏡(SEM)像である。 ゲル環境下の電解重合で得たポリアニリン/アルギン酸(PANI/Alg-e)のSEM像である。 ゲル環境下の電解重合で得たポリアニリン/アルギン酸(PANI/Alg-e)の紫外可視吸収スペクトルを示す図である。 NMP中で得たゲル環境下の電解重合で得たポリアニリン/アルギン酸(PANI/Alg-e)の紫外可視吸収スペクトルを示す図である。 上段は、Pure Alg acid(アルギン酸100%)の赤外線吸収スペクトルを示す図であり、下段は、PANI/Alg_chemコンポジットの赤外線吸収スペクトルを示す図である。 水酸化ナトリウムによるアルカリ処理を行わずに重合を行った比較例(非ゲル化PANI/ Alg)と、ポリアニリン(Pure PANI)と、本発明の上記方法によるゲル重合を行ったブレンド(Gel PANI/ Alg)の3種の紫外可視吸収スペクトルの比較を示す図である。 iota-carrageenan(以下iCar)粉末のSEM像を示した図である。 ゲル環境下で化学重合したPANI/iCar(以下PANI/iCar_chem)のSEM像を示す図である。 ゲル環境下で電解重合したPANI/iCar(以下PANI/iCar-e)のSEM像を示す図である。 PANI/iCar_chemの紫外可視吸収スペクトルを示した図である。 PANI/iCar-eのUVスペクトルを示した図である。 iCarと、PANI/iCar_chemの赤外吸収スペクトルを示す図である。 PANI/Ray_chemの紫外可視吸収スペクトルを示す図である。 アニリン、レーヨンおよびコンポジットであるPANI/Ray_chemの赤外線吸収スペクトルを示す(図中ではRayon/PANI)図である。 PANI/Ray_chemのSEM像を示す図である。 ゲル中で化学重合した各ポリアニリンユニット(PANI/Alg_chem、PANI/iCar_chem)の電子共鳴スペクトルの結果を示す図である。 PANI/iCar-e のCV スペクトルを示す図である。 PANI/iCar-eの電気化学的に電位を加えながら測定したin-situ UV-vis光学的吸収スペクトルの結果を示す図である。 PANI/iCar-e の電気化学的酸化-還元(ドープ-脱ドープ)過程でのCIEカラースペースを示す図である。
以下、本発明の導電性複合材料の製造方法の第1実施形態について説明する。
この実施形態の製造方法は、基材上に、バインダーを介してポリアニリンが吸着した導電性複合材料の製造方法であって、
(A)ヒドロキシル基を有する化合物であるバインダーおよびアルカリを含む第1液、
(B)アニリン類モノマーを含む第2液、
(C)酸を含む第3液、
(D)酸化剤を含む第4液
を順次、基材に塗布する塗布工程を含む。
(基材)
基材は、天然繊維、合成繊維および合成樹脂のうちの1種または2種以上であることが好ましい。
具体的には、天然繊維としては、例えば、和紙、綿、絹、ウール、パルプ、植物道管などを例示することができる。また、合成繊維は、不織布などの形態であってよく、例えば、ポリエステル樹脂、ナイロン樹脂、ウレタン樹脂などを例示することができる。合成樹脂は、シートや発泡体などの形態であってよく、例えば、ポリウレタン樹脂、ナイロン樹脂、芳香族ポリアミド樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ABS、ポリカーボネート(PC)樹脂、ABS/PC、アクリル樹脂などを例示することができる。
(第1液)
第1液は、ヒドロキシル基を有する化合物であるバインダーおよびアルカリを水に添加することで得ることができる。バインダーとアルカリが反応して、水中でアルカリ塩が生成し、バインダーが溶解する。第1液は、水溶性コロイドとしてバインダーを含むゾル状液である。
バインダーは、ヒドロキシル基を有する高分子化合物または低分子化合物であってよく、特に限定されない。具体的には、バインダーは、例えば、セルロース、エチレンイミン、アラビアガム、カラギーナン、カードラン、コンドロイチン酸、シゾフィラン、ヒアルロン酸、フコイダン、レーヨン、アルギン酸、ポリエチレンイミンなどのうちの1種または2種以上を例示することができる。
また、バインダーの使用量は、後述するアニリン類モノマーの量などを考慮して適宜設定することができる。
アルカリは特に限定されないが、例えば、水酸化リチウム、水酸化カリウムおよび水酸化ナトリウム等のアルカリ金属水酸化物、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属炭酸塩、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム等のアルカリ金属酢酸塩、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム等のアルカリ金属リン酸塩;水酸化バリウム、水酸化カルシウム等のアルカリ土類金属水酸化物、炭酸バリウム、炭酸カルシウム等のアルカリ土類金属炭酸塩、酢酸カルシウム、酢酸バリウム等のアルカリ土類金属酢酸塩、リン酸バリウム、リン酸カルシウム等のアルカリ土類金属リン酸化物;アンモニア、およびアミン等を例示することができる。
また、第1液中のアルカリの濃度は、バインダーの溶解性などを考慮して、使用するアルカリの種類に応じて適宜設定することができる。
(第2液)
第2液は、アニリン類モノマーを水に添加することで得ることができる。
アニリン類モノマーの具体例としては、アニリン、および、アニリンのアミノ基またはベンゼン環上の水素原子の1以上をアルキル基、アリール基、アルキルエーテル基、カルボキシルエステル基、シアノ基、ハロゲン基等の置換基により置換したアニリン誘導体など例示することができる。
アニリン類モノマーの添加量は適宜設定することができる。具体的には、例えば、第2液中のアニリン類モノマーの濃度は0.001〜10質量%の範囲を例示することができる。
(第3液)
第3液は、酸を水に添加することで得ることができる。
酸は、特に限定されないが、例えば、塩化水素酸、過塩素酸、臭化水素酸、硝酸、トリフルオロ酢酸、トルエンスルホン酸、フッ化水素酸、メタンスルホン酸、ヨウ化水素酸、硫酸、四フッ化ホウ素酸、六フッ化リン酸などを例示することができる。
酸の添加量は特に限定されず、適宜設定することができる。使用する酸の種類にもよるが、例えば、第3液中の濃度が0.01〜10質量%であることが好ましい。
(第4液)
第4液は、酸化剤を水に添加することで得ることができる。
酸化剤(重合開始剤)として、例えば、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム等の過硫酸塩、過塩素酸カリウム、塩化第二鉄、二酸化マンガン、二クロム酸塩、過酸化水素などを使用することができる。
アニリン類モノマーと酸化剤の比は、適宜設定することができるが、例えば、1/1〜1/5(重量比)の範囲を例示することができる。酸化剤の量がアニリン類モノマーに対して少な過ぎると重合反応が十分に進行せず、酸化剤の量がアニリン類モノマーに対して多過ぎると重合反応時に副生成物が多量に生成してしまう場合がある。
(塗布工程)
上述した第1液〜第4液を順次、基材に塗布する。塗布方法は特に限定されず、公知の方法を適宜採用することができる。
第1液はゾル状であるため、基材の表面に第1液を塗布することで、基材になじみ、基材の表面上にバインダーの層が形成される。
第1液が塗布された基材に、第2液を塗布する。これにより、アニリン類モノマーが基材上のバインダーに結合する。
次に、基材に第3液を塗布する。これにより、バインダーが不溶化し、基材上に強く吸着する。すなわち、基材上にバインダーを介してアニリン類モノマーが強く結合した状態となる。
続いて、基材に第4液を塗布する。その後、例えば、氷水で冷却し、5〜12時間静置することで、アニリン類モノマーの重合反応が進行する。これにより、基材上に、バインダーを介してポリアニリンが強く吸着した導電性複合材料を得ることができる。
本発明の導電性複合材料の製造方法では、第1液〜第4液を順次、基材に塗布して反応させるため、それぞれの反応液を無駄なく使うことができるとともに、大きな反応容器を用意する必要もないため、効率的に導電性複合材料を製造することができ、製造コストも抑制することができる。また、製造後に余剰の廃液も生じないため、環境への負荷も軽減される。
(界面活性剤)
第1液〜第3液のいずれかに、例えば、ラウリル硫酸ナトリウムなどの界面活性剤を添加することが好ましい。ラウリル硫酸ナトリウムなどの界面活性剤を添加することで、アニリン類モノマーをナノサイズまで微粒子化することができる。ナノ化したアニリンモノマー類はバインダーと親和し、後述する重合工程おいて、ナノサイズ粒子の状態で重合するため、優れた電気伝導性を有し、基材上にポリアニリンが強く吸着した導電性複合材料得ることができる。
(導電性複合材料)
本発明の製造方法で得られる導電性複合材料は、基材上に、バインダーを介してポリアニリンが強く吸着しているため、摩擦などによるポリアニリン層の脱落が抑制されている。また、導電性複合材料は、導電性高分子特有のイオン電導とホッピング伝導による電子伝導が相まって、1〜10S/cm程度の良好な電気伝導性を有している。これは繊維上で重合することによる、MacDiarmidらが提唱する分子レベルでのポリアニリンのコンパクトコイルからエクスパンデッドコイルへのセカンダリードーピングが生じているためである。
この導電性複合材料は、電子材料や導電材料などの各種の用途に好適に使用することができる。
本発明の導電性複合材料の製造方法の第2実施形態について説明する。第1実施形態と共通する内容については、説明を省略する。
この実施形態の導電性複合材料の製造方法は、
(A)ヒドロキシル基を有する化合物であるバインダー、アルカリおよびアニリン類モノマーを含む第1液、
(B)酸を含む第2液、
(C)酸化剤を含む第3液
を順次、基材に塗布する塗布工程を含む。
この実施形態では、第1液に、バインダー、アルカリおよびアニリン類モノマーが含まれている。
この実施形態においても、第1液〜第3液を順次、基材に塗布し、重合させることで、基材上に、バインダーを介してポリアニリンが強く吸着した導電性複合材料を得ることができる。
本発明の導電性複合材料の製造方法の第3実施形態について説明する。第1実施形態と共通する内容については、説明を省略する。
この実施形態の導電性複合材料の製造方法は、
(A)ヒドロキシル基を有する化合物であるバインダーおよびアルカリを含む第1液、
(B)アニリン類モノマーを含む第2液、
(C)酸を含む第3液、
を順次、基材に塗布する塗布工程を含む。そして、塗布工程後、電解重合によってポリアニリンを生成する。これによって、基材上に、バインダーを介してポリアニリンが強く吸着した導電性複合材料を得ることができる。
電解重合の場合も、従来公知の方法に従って行うことができ、電極の種類や電圧などの具体的な条件は限定されず、適宜設定することができる。
同様に、第2実施形態における第3液を塗布する処理(化学重合)に代えて、電解重合によって、ポリアニリンを生成することもできる。
本発明の導電性複合材料の製造方法の第4実施形態について説明する。第1実施形態と共通する内容については、説明を省略する。
この実施形態の導電性複合材料の製造方法は、
(A)ヒドロキシル基を有する化合物であるバインダーおよびアルカリを含む第1液、
(B)アニリン類モノマーおよび酸を含む第2液、
を順次、基材に塗布する塗布工程を含む。
この実施形態では、第2液に、アニリン類モノマーおよび酸が含まれている。
この実施形態においても、第1液および第2液を順次、基材に塗布した後、酸化剤を含む第3液を塗布して化学重合を行うか、または、電解重合によって、基材上に、バインダーを介してポリアニリンが強く吸着した導電性複合材料を得ることができる。
本発明の導電性複合材料の製造方法の第5実施形態について説明する。第1実施形態と共通する内容については、説明を省略する。
この実施形態の導電性複合材料の製造方法では、
(A)アラビアガムまたはエチレンイミン、アニリン類モノマーおよび酸を含む第1液、
を基材に塗布する塗布工程を含む。
バインダーとして、アラビアガムまたはエチレンイミンを使用することで、基材にアラビアガムまたはエチレンイミンが良好に親和する。このため、この実施形態では、第1液は、アルカリを含んでいなくてよい。
そして、第1液を基材に塗布した後、酸化剤を含む第2液を塗布して化学重合を行うか、または、電解重合によって、基材上に、アラビアガムまたはポリエチレンイミンを介してポリアニリンが強く吸着した導電性複合材料を得ることができる。
本願発明の導電性複合材料およびその製造方法は、以上の実施形態に限定されるものではない。
以下、本発明の導電性複合材料とその製造方法について、実施例とともに説明するが、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではない。
<1>実施例1
(導電性複合材料の作製)
表1に記載の材料を使用し、以下の手順で合成した。
(1)多糖類とのコンポジット 200 mLの三角フラスコ中に磁気撹拌子とH2Oを加え、これにゲスト物質(アルギン酸、iカラギーナン、カードラン、フコイダン)を加え撹拌した。この状態では、多糖類であるゲスト物質は水に難溶である。そこに、別途用意したNaOH水溶液を加えてアルカリ処理を行い、粉末を水にすべて溶解させた。
次に、蒸留したアニリンモノマーを加え、その溶解を確認した。
その後、H2SO4を加えて酸処理を行い、撹拌を続け、ゲル化させた。
さらに、化学重合の場合は、ここからゲル中にペルオキソ二硫酸アンモニウム(APS, 1.5g/10mL H2O)を加え、これを氷水で冷却しつつ24時間反応させた。その後、吸引ろ過で沈殿物を回収し、水、メタノールで洗浄後真空乾燥させ緑色の固形物を得た。
一方、電解重合の場合は、15 mLバイアル中で上記手順のマトリックスゲルを作成した後、そこへ2枚のIndium-tin-oxide (ITO)コートの導電性ガラスを5 mm間隔で平行に設置し、これを電極として3.0 V電圧を15分間印加した。陽極側に析出したポリマーをITOガラスごと回収し、水、メタノールで未反応ないし未重合の分子を洗浄した後、ドライヤーを用いて数回乾燥、さらに真空乾燥を行った。これによって各種測定へ利用できる電解重合フィルムを得た。
(2)レーヨンとのコンポジット
レーヨンとのコンポジットは別途、異なった方法を採用した。まず、20%NaOH50 mL にNBKP (Needle Branched Kraft Pulp,針葉樹パルプ) 100 % 1.2 gを加えて攪拌した。これに、CS2 15mL を加え、さらに攪拌した。
次に、アニリンモノマーを2 gこの溶液に加え、さらに攪拌した。アニリンモノマーが完全に溶解したことを確認した。
その後、等圧滴下ロートを用いてH2SO4をこの溶液にゆっくりと加えて酸処理を行い、pH = 2とした。H2Oを加え、全体を 100 mLとした。
この容器を氷水で冷やした後、ペルオキソ二硫酸アンモニウムを2.5 g加え、氷で冷却した状態で24時間攪拌し、重合反応させた。その後、これを濾別した後に、大過剰のメタノールで洗浄した。これを濾別し、真空乾燥してポリアニリン/レーヨンコンポジットを得た。
(3)各導電性複合材料を以下のように記載する。
PANI/Alg_chem: 化学酸化重合によりアルギン酸存在下でポリアニリン合成
PANI/Alg-e:電解重合によりアルギン酸存在下でポリアニリン合成
PANI/iCar_chem: 化学酸化重合によりi-カラギーナン存在下でポリアニリン合成
PANI/iCar-e: 電解重合によりi-カラギーナン存在下でポリアニリン合成
PANI/Card_chem: 化学酸化重合によりカードラン存在下でポリアニリン合成
PANI/Ray_chem: 化学酸化重合によりレーヨン存在下でポリアニリン合成
PANI/Fuco_chem: 化学酸化重合によりフコイダン存在下でポリアニリン合成
PANI/Fuco-e: 電解重合によりフコイダン存在下でポリアニリン合成
Figure 2021125408
(導電性複合材料の測定・観察方法)
化学重合サンプルは、N-メチル-2-ピロリドン (NMP) 溶液中に分散させて分光測定を行った。電気化学的測定も同様のサンプルと溶液で行った。赤外線吸収スペクトルは、KBr法を用いて測定した。電気伝導度は四端針法を用い、サンプルを圧縮ペレット状にした状態で測定した。電子顕微鏡観察はサンプルに電気伝導性があるため、低倍率の観察ではそのまま、高倍率で行った際は金蒸着を行った状態で観察した。
(結果)
<1>分光測定、電気化学的測定、赤外線吸収スペクトル測定、電気伝導度測定および電子顕微鏡観察
(1)アルギン酸
図1は、ゲル環境下の化学重合で得たポリアニリン/アルギン酸(以下PANI/Alg_chem)の走査型電子顕微鏡(SEM)像である。凹凸構造を示した。これは、ポリアニリンがバルク上のような構造を示すのに対し、アルギン酸が混入したことで構造が秩序化したものであると考えられる。
図2は、ゲル環境下の電解重合で得たポリアニリン/アルギン酸(以下PANI/Alg-e)のSEM像である。成膜性の低かったこの電解重合フィルムに関しては化学重合の場合と異なり、バルク構造が堆積したような形状になった。
このことから、ゲル環境下のポリマーブレンド作成に関して、同様の組成のモノマーブレンドにおいても、重合方法により大きな組織的構造変化が生じることが分かった。微細構造も重合方法により異なるものと考えられる。本方法はアルギン酸ゲルをマトリックスとし、ポリアニリンを転写しながら合成した手法であり、さらにポリアニリンの生成と同時にブレンド化が行われるため、この成長過程が得られたポリマーのモルフォロジーを大きく変えるものと思われる。
図3は、ゲル環境下の電解重合で得たポリアニリン/アルギン酸(PANI/Alg-e)の紫外可視吸収スペクトルを示す図である。
図4は、NMP中で得たゲル環境下の電解重合で得たポリアニリン/アルギン酸(PANI/Alg-e)の紫外可視吸収スペクトルを示す図である。ここで637 nmは、ポリアニリンのエメラルディン特有のポーラロンによる吸収である。
短波長側375nmはポリマーにおけるモノマーユニットであるπ-π*遷移による吸収である。長波長側775nmはポリアニリンのエメラルディン特有のポーラロン (ラジカルカチオン)、1030 nmはバイポーラロン (ジカチオン)である。
図5の上段は、Pure Alg acid(アルギン酸100%)の赤外線吸収スペクトルを示す図であり、下段は、PANI/Alg_chemコンポジットの赤外線吸収スペクトルを示す図である。
3450cm-1はOH伸縮振動を示す。これはアルギン酸のカルボキシ基およびOH基に由来する。2930cm-1はCH2、CH3の伸縮振動である。1562 cm-1はポリアニリンのキノイド構造におけるC-Cの伸縮振動を示す。さらに1475 cm-1はポリアニリンのベンゼノイド構造を示す。1100 cm-1の大きな吸収帯はアルギン酸に由来するCOCエーテル伸縮振動である。これらにより得られたサンプルは、単純なPANIではなくコンポジット化したものであることが確認された。
PANI/Alg_chemコンポジットの電気伝導度は、四端針法によって測定した。サンプルは、圧縮ペレット状にしたものを使用した。
その結果、電気伝導度は1.4×10-1S/cmであった。これはコンポジットとしては比較的高い電導度であるが、その理由としては導電性コイル(コンパクトコイル)がアルギン酸分子に巻きついて伸長した(エクスパンデッドコイル)結果、有効共役鎖長が伸び、キャリア移動度が増大したことによるものと考えられる。これはMacDiarmidらが提唱したセカンダリードーピングがゲル中で生じたためと考えられる。
図6は、水酸化ナトリウムによるアルカリ処理を行わずに重合を行った比較例(非ゲル化PANI/ Alg)と、ポリアニリン(Pure PANI)と、上記方法によるゲル重合を行ったブレンド(Gel PANI/ Alg)の3種の紫外可視吸収スペクトルの比較を示す図である。
ゲル化により得られたブレンド(Gel PANI/ Alg)は、僅かながら長波長側にポーラロンバンドがシフトしたことが確認された。これはゲル化によりセカンダリードーピングが起きたためと考えられる。
(2)i-カラギーナン
図7は、iota-carrageenan(以下iCar)粉末のSEM像を示した図である。i-カラギーナンは、アルギン酸と類似した粘土状構造をもつが、それに対して棒状の構造が比較的多いことが分かる。
図8は、ゲル環境下で化学重合したPANI/iCar(以下PANI/iCar_chem)のSEM像を示す図である。
PANI/iCar_chemの表面構造は、iCar100%のサンプルと全く異なり、開いた花弁状構造が見られた。高倍率では立体的な多孔質構造が見られた。
図9は、ゲル環境下で電解重合したPANI/iCar(以下PANI/iCar-e)のSEM像を示す図である。成膜性が良好だったこのフィルムは観察の結果、2層構造を有することが分かった。
円滑な表面の内部に多数詰まったPANIのネットワーク構造がフィルムの広範囲にわたって形成されていることが確認された。フィルムが得られた電解重合直後の段階ではフィルムが膨潤していたことを考慮するとこのネットワーク構造は分散していた糸状分子が乾燥に伴って密集したものと考えられる。昆虫では外骨格を形成する際、液晶が固化するといわれ、その構造を転写する際に多層構造が形成される。内側にファイバー構造、外側に円滑なシェル構造と巨視的な繊維質が得られた今回の手法を応用することで、自然界に存在する複雑構造を有するフィルムを簡便に得ることができる。
図10は、PANI/iCar_chemの紫外可視吸収スペクトルを示した図である。330nmはモノマーユニット中のπ-π*遷移、630nmの吸収帯はエメラルディン特有のラジカルカチオン、および長波長の吸収はバイポーラロンバンドを示す。
図11は、PANI/iCar-eのUVスペクトルを示した図である。370 nmはモノマーユニット中のπ-π*遷移、および780 nmの吸収帯はエメラルディン特有のポーラロン(ラジカルカチオン)の吸収を示している。
図12は、iCarと、PANI/iCar_chemの赤外吸収スペクトルを示す図である。
PANI/iCar_chemの赤外吸収スペクトルにおいて3410 cm-1はOH伸縮、3700cm-1の鋭い吸収帯はνOH(OH伸縮振動)の非会合吸収である。2960 cm-1はCH3, CH2(アルキル基)の伸縮振動、1439 cm-1はポリアニリンのベンゼノイド構造、1563 cm-1はキノイド構造、1100 cm-1はCOCのエーテル (nCOC) 伸縮振動である。コンポジットはカラギーナンとポリアニリンが重なった吸収を示している。このことからカラギーナンとポリアニリンの複合体が生成されたことが分かった。PANI/iCard_chemの電気伝導度は2.1 x 10-1S/cmであった。
PANI/iCar_chemの電気伝導度は、四端針法によって測定した。サンプルは圧縮ペレット状にしたものを使用した。
その結果、電気伝導度は3.6×10-2 S/cmであった。これはコンポジットとしては比較的高い電導度である。これはコンポジット化により分子レベルでの微細な配向が起こり、有効共役長が伸びた結果、キャリア移動度が増大したことによるものと考えられる。
(3)レーヨン
図13は、PANI/Ray_chemの紫外可視吸収スペクトルを示す図である。可視域にポリアニリン由来のポーラロンによる吸収がみられる。
図14は、アニリン、レーヨンおよびコンポジットであるPANI/Ray_chemの赤外線吸収スペクトルを示す図である(図中ではRayon/PANI)。レーヨンとポリアニリンの重なった吸収スペクトルが観察される。
図15は、PANI/Ray_chemのSEM像を示す図である。繊維上にポリアニリンがデポジットしている様子が観察される。
<2>電子スピン共鳴(ESR)
図16は、ゲル中で化学重合した各ポリアニリンユニット(PANI/Alg_chem、PANI/iCar_chem)の電子共鳴スペクトルの結果を示す図である。また、この測定数値を表2に示す。
Figure 2021125408
ここで、DHppはピークの線幅、Nsはスピン濃度を表す。g = 2.004のポリアニリンのポーラロン特有のローレンツ型シグナルが得られた。この結果により、キャリア電子が存在することを確認した。
<3>サイクリックボルタンメトリー(CV)
図17は、PANI/iCar-e のCV スペクトルを示す図である。
酸化側の0.8 V 付近に還元のシグナル、還元側 -0.4 V に酸化のシグナルが得られ、可逆的変化のみられるグラフが得られた。このことから得られたフィルムは良好な電気化学的活性を示し、良好な蓄電性をもつことも予想される。また酸化と還元は電気化学的なドーピングと脱ドープに対応している。
<4>in-situ UV-vis光学的吸収スペクトル
図18は、PANI/iCar-eの電気化学的に電位を加えながら測定したin-situUV-vis光学的吸収スペクトルの結果を示す図である。
-0.2 Vから1.4 Vまで電圧を加えると840 nmにあった吸収帯の強度が増加し、650 nmにブルーシフトする。1.4 Vより印加電位を減少させるとこの強度は減少する。これにより、電気化学的に酸化-還元(ドープ-脱ドープ)を行うことにより光吸収を制御できることが分かった。
<5>CIEカラースペース
図19は、PANI/iCar-e の電気化学的酸化-還元(ドープ-脱ドープ)過程でのCIEカラースペースを示す図である。
ドーピング(左)過程では黄緑色から青色に変化していく。また脱ドープ過程(還元、右)ではこれがもとの軌跡を描くことが分かった。
<実施例2>
<1>基材を含む導電性複合材料の作製
実施例1において、ポリアニリンとゲスト物質とが分子レベルで内部まで混ざり合った状態の導電性複合材料を製造することができたことから、実施例1の方法に準じて、ゲスト物質をバインダーとし、繊維を含む導電性複合材料を以下の手順で作成した。
(方法1)
(1)セルロース、又はエチレンイミン、又はアラビアガム(バインダー)1〜5gを水50〜100 mLに加え、さらに、NaOHを1〜5 g加え、pH<6に調製し、これを第1液とした。
(2)アニリンモノマー1〜5gを水50〜100 mLに加え、これを第2液とした。
(3)硫酸1〜5gを水50〜100 mLに加え、これを第3液とした。
(4)ペルオキソ二硫酸アンモニウムを水50〜100 mLに加え、これを第4液とした。
第1液〜第4液を順次、ポリエステル製の不織布(基材)に塗布した。第4液を塗布した後、氷水で冷却し、5〜12時間静置した。時間の経過とともに重合が進行する。これを水洗いと脱水の後に乾燥させて導電性複合繊維を得た。
(方法2)
(1)セルロース、又はエチレンイミン、又はアラビアガム(バインダー)1〜5gを水50〜100 mLに加え、次にアニリン1-5 gを水50〜100 mLに加え、さらに、NaOHを1〜5 g加え、pH<6に調製し、これを第1液とした。
(2)硫酸1〜5gを水50〜100 mLに加え、これを第2液とした。
(3)ペルオキソ二硫酸アンモニウムを水50〜100 mLに加え、これを第3液とした。
第1液〜第3液を順次、ポリエステル製の不織布(基材)に塗布した。第3液を塗布した後、氷水で冷却し、5〜12時間静置した。時間の経過とともに重合が進行する。これを水洗いと脱水の後に乾燥させて導電性複合繊維を得た。
(比較例)
従来法によって導電性複合材料を作製した。具体的には、具体的には、不織布を基材として、1000 mLの水に、10gのアニリン、10 mLのH2SO4、10gのSodium dodecylbenzene sulfonate、10gのAmmonium persulfateの順に加え、氷水で冷やしながら12時間攪拌し、その後水、メタノールの順に洗い、乾燥させて作成した。
(2)密着強度の評価
上記の方法1また方法2で作製した導電性複合材料について、基材である不織布を捻り、抵抗値の変化を測定することで、ポリアニリンの脱落の有無を評価した。
試験条件は、不織布を基材とした導電性複合材料(12cm×3cm)の両端を固定し、360度の捻り回転を行った。
その結果を表3に示す。
Figure 2021125408
表3に示したように、従来の方法で得た導電性複合材料は、初期状態では抵抗値が比較的高いものの導電性は確認できたが、50回の程度の捻りによってポリアニリンが脱落し、その後は抵抗値が無限大まで著しく上昇し、導電性を確認することができなくなった。
一方で、本発明の方法で得た導電性複合材料は、20万回の捻りによっても抵抗値が著しく上昇することはなかった。この導電性複合材料は、基材上にバインダーを介してポリアニリンが強く吸着しており、ポリアニリンの脱落が抑制されていることが確認された。
<実施例3>
アラビアガムまたはエチレンイミンをバインダーとして、基材を含む導電性複合材料を以下の手順で作成した。
(1)水300 mL中でアラビアガム 3 g、アニリン3 g、硫酸3 gを攪拌し、これを第1液とした。別に過硫酸アンモニウム3 gを水100gに溶かし、これを第2液とした。
第1液を基材に塗布した後、第2液をさらに流布し、化学重合を行った。これを氷水で冷却し、5〜24時間後に水で洗浄し、次にエタノールで洗浄した後に乾燥して、基材上にアラビアガムを介してポリアニリンが吸着している導電性複合材料を得た。
(2)水60 mL中でエチレンイミン 3 mL、アニリン3 g、ラウリル硫酸ナトリウム3 g、硫酸3 gを攪拌し、これを第1液とした。別に過硫酸アンモニウム3 gを水100gに溶かし、これを第2液とした。
第1液を基材に塗布した後、第2液をさらに塗布し、化学重合を行った。これを氷水で冷却し、5〜24時間後に水で洗浄し、次にエタノールで洗浄した後に乾燥して、基材上にポリエチレンイミンを介してポリアニリンが吸着している導電性複合材料を得た。
ラウリル硫酸ナトリウム(界面活性剤)を使用したことで、アニリンモノマーをナノサイズまで微粒子化することができる。ナノ化したアニリンモノマーはバインダーと親和し、ナノサイズ粒子の状態で過硫酸アンモニウムにより化学重合し、良好な基剤への吸着を行いながら導電性複合材料を得ることができた。

Claims (14)

  1. 基材上に、バインダーを介してポリアニリンが吸着した導電性複合材料の製造方法であって、
    (A)ヒドロキシル基を有する化合物であるバインダーおよびアルカリを含む第1液、
    (B)アニリン類モノマーを含む第2液、
    (C)酸を含む第3液、
    を順次、基材に塗布する塗布工程を含むことを特徴とする導電性複合材料の製造方法。
  2. 前記塗布工程において、前記第3液を塗布後、さらに、
    (D)酸化剤を含む第4液
    を塗布し、化学重合によってポリアニリンを生成することを特徴とする請求項1の導電性複合材料の製造方法。
  3. 前記塗布工程後、電解重合によってポリアニリンを生成することを特徴とする請求項1の導電性複合材料の製造方法。
  4. 基材上に、バインダーを介してポリアニリンが吸着した導電性複合材料の製造方法であって、
    (A)ヒドロキシル基を有する化合物であるバインダー、アルカリおよびアニリン類モノマーを含む第1液、
    (B)酸を含む第2液、
    を順次、基材に塗布する塗布工程を含むことを特徴とする導電性複合材料の製造方法。
  5. 前記塗布工程において、前記第2液を塗布後、さらに、
    (C)酸化剤を含む第3液
    を塗布し、化学重合によってポリアニリンを生成することを特徴とする請求項4の導電性複合材料の製造方法。
  6. 前記塗布工程後、電解重合によってポリアニリンを生成することを特徴とする請求項4の導電性複合材料の製造方法。
  7. 基材上に、バインダーを介してポリアニリンが吸着した導電性複合材料の製造方法であって、
    (A)ヒドロキシル基を有する化合物であるバインダーおよびアルカリを含む第1液、
    (B)アニリン類モノマーおよび酸を含む第2液、
    を順次、基材に塗布する塗布工程を含むことを特徴とする導電性複合材料の製造方法。
  8. 前記塗布工程において、前記第2液を塗布後、さらに、
    (C)酸化剤を含む第3液
    を塗布し、化学重合によってポリアニリンを生成することを特徴とする請求項7の導電性複合材料の製造方法。
  9. 前記塗布工程後、電解重合によってポリアニリンを生成することを特徴とする請求項7の導電性複合材料の製造方法。
  10. 基材上に、アラビアガムまたはポリエチレンイミンを介してポリアニリンが吸着した導電性複合材料の製造方法であって、
    (A)アラビアガムまたはエチレンイミン、アニリン類モノマーおよび酸を含む第1液、
    を基材に塗布する塗布工程を含むことを特徴とする導電性複合材料の製造方法。
  11. 前記塗布工程において、前記第1液を塗布後、さらに、
    (B)酸化剤を含む第2液、
    を塗布し、化学重合によってポリアニリンを生成することを特徴とする請求項10の導電性複合材料の製造方法。
  12. 前記塗布工程後、電解重合によってポリアニリンを生成することを特徴とする請求項10の導電性複合材料の製造方法。
  13. 前記第1液は、界面活性剤を含むことを特徴とする請求項10から12のいずれかの導電性複合材料の製造方法。
  14. 請求項10から13のいずれかに記載の製造方法で得られる導電性複合材料であって、
    基材上にアラビアガムまたはポリエチレンイミンを介してポリアニリンが吸着していることを特徴とする導電性複合材料。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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