JP2021122907A - ロボット制御装置、ロボットシステム及びロボット制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】関節軸のモータの動特性が変動した場合も容易に対応できるようにする。【解決手段】複数の関節軸を有するロボットの制御対象部位の振動から各関節軸の振動を求める軸振動量計算部と、軸振動量計算部と接続され、複数の関節軸の各々の一の関節軸に対応して設けられた制御部と、を備えたロボット制御装置であって、制御部は学習制御部と動作制御部とを備え、学習制御部は、軸振動量計算部から制御部に対応する一の関節軸の振動が入力され、一の関節軸の振動を周波数領域が異なる複数の振動に分割する信号分離部と、分割された複数の振動の各々に対応して設けられ、分割された一の振動に対して振動補正量を求める学習制御器と、学習制御器から出力される各々の振動に対する振動補正量を加算する加算器と、を備え、動作制御部は、加算器で加算された振動補正量を記憶する補正部を備え、補正部に記憶された振動補正量に基づいて、一の関節軸を動作する。【選択図】図1
Description
本発明は、ロボット制御装置、ロボットシステム及びロボット制御方法に係り、特に、振動を抑制する振動補正量を算出するロボット制御装置、ロボットシステム及びロボット制御方法に関する。
ロボット動作を高速化し、タクトタイムを短縮することは生産効率に直結する。しかし、ある程度以上高速化すると、減速機又はロボットアームの剛性不足等の要因によって、ロボットの先端に振動が発生してしまう。
そのような問題の対処法として、特許文献1において、ロボットの先端に加速度センサ等のセンサを取り付け、ロボット動作中の振動をセンサによって計測し、学習制御を行うことで振動を低減するロボットが提案されている。
そのような問題の対処法として、特許文献1において、ロボットの先端に加速度センサ等のセンサを取り付け、ロボット動作中の振動をセンサによって計測し、学習制御を行うことで振動を低減するロボットが提案されている。
具体的には、特許文献1には、位置制御の対象とする部位にセンサを備えたロボット機構部と、ロボット機構部の動作を制御する制御装置とを含むロボットが記載されている。制御装置は、ロボット機構部の動作を制御する通常制御部と、作業プログラムによりロボット機構部を動作させて、センサによって検出したロボット機構部の制御対象位置を通常制御部に与えられた目標軌跡もしくは位置に近づけるために学習補正量を算出する学習を行う学習制御部と、を有する。学習制御部は、学習稼動状態で設定可能な最大速度オーバライドを算出し、最大速度オーバライドに至るまで複数回に渡って速度オーバライドを増加させながら学習補正量を算出する学習を行う。
ロボットは姿勢によって大きく関節軸のモータの動特性(回転速度に対するトルク又は電流の特性等)が変化する。また、使用するエンドエフェクタの負荷によっても関節軸のモータの動特性が変化する。そのため、ロボットへ学習制御を適用する際には、それらの変動内のすべてに対して安定性を確保することが求められる。
(1) 本開示の第1の態様のロボット制御装置は、複数の関節軸を有するロボットの制御対象部位の振動から各関節軸の振動を求める軸振動量計算部と、
前記軸振動量計算部と接続され、前記複数の関節軸の各々の一の関節軸に対応して設けられた制御部と、を備えたロボット制御装置であって、
前記制御部は学習制御部と動作制御部とを備え、
前記学習制御部は、
前記軸振動量計算部から前記制御部に対応する一の関節軸の振動が入力され、前記一の関節軸の振動を周波数領域が異なる複数の振動に分割する信号分離部と、
分割された前記複数の振動の各々に対応して設けられ、前記分割された一の振動に対して振動補正量を求める学習制御器と、
前記学習制御器から出力される各々の振動に対する前記振動補正量を加算する加算器と、を備え、
前記動作制御部は、前記加算器で加算された振動補正量を記憶する補正部を備え、該補正部に記憶された前記振動補正量に基づいて、前記一の関節軸を動作する、ロボット制御装置である。
前記軸振動量計算部と接続され、前記複数の関節軸の各々の一の関節軸に対応して設けられた制御部と、を備えたロボット制御装置であって、
前記制御部は学習制御部と動作制御部とを備え、
前記学習制御部は、
前記軸振動量計算部から前記制御部に対応する一の関節軸の振動が入力され、前記一の関節軸の振動を周波数領域が異なる複数の振動に分割する信号分離部と、
分割された前記複数の振動の各々に対応して設けられ、前記分割された一の振動に対して振動補正量を求める学習制御器と、
前記学習制御器から出力される各々の振動に対する前記振動補正量を加算する加算器と、を備え、
前記動作制御部は、前記加算器で加算された振動補正量を記憶する補正部を備え、該補正部に記憶された前記振動補正量に基づいて、前記一の関節軸を動作する、ロボット制御装置である。
(2) 本開示の第2の態様のロボット制御システムは、上記(1)に記載のロボット制御装置と、該ロボット制御装置により制御されるロボットとを備えたロボットシステムである。
(3) 本開示の第3の態様のロボット制御方法は、複数の関節軸を有するロボットの制御対象部位の振動から前記複数の関節軸の各関節軸の振動を求め、
前記複数の関節軸のうちの一の関節軸の振動をそれぞれ周波数領域が異なる複数の振動に分割し、
分割された前記複数の振動からそれぞれ振動補正量を求め、
求められた複数の前記振動補正量を加算し、
加算された振動補正量に基づいて、前記複数の関節軸のうちの一つの関節軸を動作する、ロボット制御装置のロボット制御方法である。
前記複数の関節軸のうちの一の関節軸の振動をそれぞれ周波数領域が異なる複数の振動に分割し、
分割された前記複数の振動からそれぞれ振動補正量を求め、
求められた複数の前記振動補正量を加算し、
加算された振動補正量に基づいて、前記複数の関節軸のうちの一つの関節軸を動作する、ロボット制御装置のロボット制御方法である。
本開示の態様によれば、複数の周波数領域に対応する複数の学習制御器のうち関節軸のモータの動特性の変化が大きい周波数領域に対応する学習制御器のパラメータを調整すればよく、その調整は他の学習制御器のパラメータ調整には影響を与えない。そのため、複数の学習制御器はそれぞれの周波数領域において学習制御器のパラメータを調整すればよく、関節軸のモータの動特性が変動した場合も容易に対応することができる。また、複数の学習制御器の設計も容易となる。
以下、本発明の実施形態について図面を用いて詳細に説明する。
図1は本発明の一実施形態のロボットシステムの一構成例を示す構成図である。図2は図1に示したロボットシステムを構成するロボットの構成図である。図3はロボット制御部の構成を示すブロック図である。
図1は本発明の一実施形態のロボットシステムの一構成例を示す構成図である。図2は図1に示したロボットシステムを構成するロボットの構成図である。図3はロボット制御部の構成を示すブロック図である。
図1に示すように、ロボットシステム10は、スポット溶接用のロボット100、及びロボット100の動作を制御するロボット制御装置200を備えている。ロボット100とロボット制御装置200とはケーブルを介して接続されている。
ロボット100は、ロボット機構部101、ロボット機構部101の先端に取り付けられたスポット溶接ガン102、及びスポット溶接ガン102に取り付けられた加速度センサのセンサ110を備えている。スポット溶接ガン102は、制御対象部位となる。センサ110が有線接続の場合には、センサ110はロボット制御装置200とケーブルにより接続され、センサ110が無線接続の場合には、センサ110はロボット制御装置200と無線通信を行う。
本実施形態では、センサ110が加速度センサの場合について述べるが、その他のセンサ、例えばジャイロセンサ、慣性センサ、力センサ、レーザトラッカ、カメラ、モーションキャプチャのいずれかを用いてもよい。
図2に示すように、ロボット機構部101は、6つの関節軸1011〜1016を有し、関節軸1011〜1016はそれぞれモータが設けられている。ロボット100は、空間上に固定されたワールド座標系と、ロボット100のフランジ位置にあるメカニカルインタフェイス座標系が定義されている。
本実施形態では、センサ110が加速度センサの場合について述べるが、その他のセンサ、例えばジャイロセンサ、慣性センサ、力センサ、レーザトラッカ、カメラ、モーションキャプチャのいずれかを用いてもよい。
図2に示すように、ロボット機構部101は、6つの関節軸1011〜1016を有し、関節軸1011〜1016はそれぞれモータが設けられている。ロボット100は、空間上に固定されたワールド座標系と、ロボット100のフランジ位置にあるメカニカルインタフェイス座標系が定義されている。
ロボット制御装置200は、図3に示すように、ロボット100の6つの関節軸1011〜1016の各モータをそれぞれ制御する制御部210−1〜210−6及び軸振動量計算部220を備えている。制御部210−1〜210−6は軸振動量計算部220と接続され、6つの関節軸1011〜1016に対応して設けられる。
軸振動量計算部220は、センサ110から出力される加速度データと、動作指令の指令位置とからワールド座標系上の振動を算出する。図4は、ロボットのスポット溶接ガン102の先端の指令軌跡と実際の軌跡とを示す図である。ロボットのスポット溶接ガン102の指令軌跡と実際の軌跡との差がワールド座標系上の振動となる。
また、軸振動量計算部220は、ワールド座標系上の振動を補正するために必要な各関節軸の振動量を、逆変換を用いて計算し、計算された各関節軸の振動量を関節軸毎の振動とみなして制御部210−1〜210−6に出力する。
また、軸振動量計算部220は、ワールド座標系上の振動を補正するために必要な各関節軸の振動量を、逆変換を用いて計算し、計算された各関節軸の振動量を関節軸毎の振動とみなして制御部210−1〜210−6に出力する。
制御部210−1〜210−6は、軸振動量計算部220から出力される関節軸毎の振動を除去する振動補正量を学習し、学習された振動補正量を用いて、ワールド座標系上の振動を補正するようにロボット100の各関節軸を制御する。
制御部210−1〜210−6はそれぞれ、学習制御部211と動作制御部212を備えている。
制御部210−1〜210−6のそれぞれの学習制御部211は、軸振動量計算部220から出力される関節軸毎の振動を除去する振動補正量を学習し、各関節軸の振動補正量を加算した振動補正量を動作制御部212に出力する。
制御部210−1〜210−6のそれぞれの動作制御部212は、学習制御部211から出力される振動補正量を用いて、ロボット100の各関節軸を制御する。各関節軸の振動が補正されることで、ワールド座標系上の振動が補正される。
制御部210−1〜210−6はそれぞれ、学習制御部211と動作制御部212を備えている。
制御部210−1〜210−6のそれぞれの学習制御部211は、軸振動量計算部220から出力される関節軸毎の振動を除去する振動補正量を学習し、各関節軸の振動補正量を加算した振動補正量を動作制御部212に出力する。
制御部210−1〜210−6のそれぞれの動作制御部212は、学習制御部211から出力される振動補正量を用いて、ロボット100の各関節軸を制御する。各関節軸の振動が補正されることで、ワールド座標系上の振動が補正される。
以下、まず、学習制御部211について説明する。図5は学習制御部211の構成を示すブロック図である。
図5に示すように、学習制御部211は、信号分離部2111、学習制御器2112−1〜2112−N(Nは2以上の自然数)及び加算器2113を備えている。以下の説明では、一例として、入力される振動Vが周波数1〜100Hzの範囲の振動であるとして説明する。
信号分離部2111は、入力される周波数1〜100Hzの振動Vを、周波数1〜f1Hzの振動V1、周波数f1〜f2Hzの振動V2、・・・、周波数fN−2〜fN−1Hzの振動VN−1、周波数fN−1〜100Hzの振動VNに分離して、学習制御器2112−1〜2112−Nに出力する。
図5に示すように、学習制御部211は、信号分離部2111、学習制御器2112−1〜2112−N(Nは2以上の自然数)及び加算器2113を備えている。以下の説明では、一例として、入力される振動Vが周波数1〜100Hzの範囲の振動であるとして説明する。
信号分離部2111は、入力される周波数1〜100Hzの振動Vを、周波数1〜f1Hzの振動V1、周波数f1〜f2Hzの振動V2、・・・、周波数fN−2〜fN−1Hzの振動VN−1、周波数fN−1〜100Hzの振動VNに分離して、学習制御器2112−1〜2112−Nに出力する。
学習制御器2112−1〜2112−Nは、入力される振動V1〜振動VNを打ち消すための振動補正量C1〜CNを学習して加算器2113に出力する。学習制御器2112−1〜2112−Nのそれぞれの構成は同一である。学習制御器2112−1〜2112−Nの構成及び動作は既に知られているので説明を省略する。ロボットシステムに用いられる学習制御器は、例えば特許文献1に記載されている。
加算器2113は、学習制御器2112−1〜2112−Nから出力される振動補正量C1〜CNを加算して、振動補正量Cとして動作制御部212に出力する。
次に、動作制御部212について説明する。図6は動作制御部212の構成を示すブロック図である。以下の説明では、動作制御部212はロボット100の関節軸1011のモータ1020を制御するものとする。
図6に示すように、動作制御部212は、減算器2121、加算器2122、位置制御部2123、減算器2124、速度制御部2125、減算器2126、電流制御部2127、アンプ2128、微分器2129及び補正部2130を備えている。
図6に示すように、動作制御部212は、減算器2121、加算器2122、位置制御部2123、減算器2124、速度制御部2125、減算器2126、電流制御部2127、アンプ2128、微分器2129及び補正部2130を備えている。
減算器2121は、動作指令の指令位置と、ロボットの関節軸のモータ1020のロータリーエンコーダ等の位置検出器から出力される位置フィードバック値との差を求めて、その差を位置偏差として加算器2122に出力する。
加算器2122は、減算器2121から出力される位置偏差と、補正部2130から出力される振動補正量Cとを加算して、振動補正された位置偏差を位置制御部2123に出力する。
加算器2122は、減算器2121から出力される位置偏差と、補正部2130から出力される振動補正量Cとを加算して、振動補正された位置偏差を位置制御部2123に出力する。
位置制御部2123は、振動補正された位置偏差に基づいて速度指令値を生成して減算器2124に出力する。
減算器2124は、位置制御部2123から出力される速度指令値と微分器2129からの速度フィードバック値との差を求めて、その差を速度偏差として速度制御部2125に出力する。
減算器2124は、位置制御部2123から出力される速度指令値と微分器2129からの速度フィードバック値との差を求めて、その差を速度偏差として速度制御部2125に出力する。
速度制御部2125は、速度偏差に基づいて電流指令値を生成して減算器2126に出力する。
減算器2126は、速度制御部2125から出力される電流指令値とアンプ2128からの電流フィードバック値との差を求めて、その差を電流偏差として電流制御部2127に出力する。
電流制御部2127は、電流偏差に基づいてトルク指令値(電流値)を生成してアンプ2128に出力する。
アンプ2128は、電流制御部2127からの電流値に基づいて所望の電力を算出し、これをロボット100の関節軸1011のモータ1020に入力する。
微分器2129は、位置フィードバック値を微分して減算器2124に出力する。
補正部2130は、加算器2113から出力される振動補正量Cを記憶し、加算器2122に振動補正量Cを出力する。
減算器2126は、速度制御部2125から出力される電流指令値とアンプ2128からの電流フィードバック値との差を求めて、その差を電流偏差として電流制御部2127に出力する。
電流制御部2127は、電流偏差に基づいてトルク指令値(電流値)を生成してアンプ2128に出力する。
アンプ2128は、電流制御部2127からの電流値に基づいて所望の電力を算出し、これをロボット100の関節軸1011のモータ1020に入力する。
微分器2129は、位置フィードバック値を微分して減算器2124に出力する。
補正部2130は、加算器2113から出力される振動補正量Cを記憶し、加算器2122に振動補正量Cを出力する。
図1に示したロボット制御装置200の機能ブロックを実現するために、ロボット制御装置200は、CPU(Central Processing Unit)等の演算処理装置を備えるコンピュータで構成することができる。また、ロボット制御装置200は、アプリケーションソフトウェアやOS(Operating System)等の各種の制御用プログラムを格納したHDD(Hard Disk Drive)等の補助記憶装置や、演算処理装置がプログラムを実行する上で一時的に必要とされるデータを格納するためのRAM(Random Access Memory)といった主記憶装置も備える。
そして、ロボット制御装置200において、演算処理装置が補助記憶装置からアプリケーションソフトウェアやOSを読み込み、読み込んだアプリケーションソフトウェアやOSを主記憶装置に展開させながら、これらのアプリケーションソフトウェアやOSに基づいた演算処理を行なう。また、この演算結果に基づいて、ロボット制御装置200が備える各種のハードウェアを制御する。これにより、本実施形態の機能ブロックは実現される。つまり、本実施形態は、ハードウェアとソフトウェアが協働することにより実現することができる。
学習制御部211については学習に伴う演算量が多い場合は、例えば、パーソナルコンピュータにGPU(Graphics Processing Units)を搭載し、GPGPU(General-Purpose computing on Graphics Processing Units)と呼ばれる技術により、GPUを機械学習に伴う演算処理に利用するようにすると高速処理できるようになるのでよい。更には、より高速な処理を行うために、このようなGPUを搭載したコンピュータを複数台用いてコンピュータ・クラスターを構築し、このコンピュータ・クラスターに含まれる複数のコンピュータにて並列処理を行うようにしてもよい。
次に、ロボット制御装置200の動作について説明する。
図7はロボット制御装置200のロボット制御方法の動作を示すフローチャートである。
図7はロボット制御装置200のロボット制御方法の動作を示すフローチャートである。
ステップS10において、学習制御用プログラムを実行することで生成された動作指令が動作制御部212に入力され、動作制御部212はロボット100を動作させる。
ステップS11において、軸振動量計算部220は、ロボット100の動作中の加速度データと、動作指令の指令位置を記憶する。そして、軸振動量計算部220は、学習制御用プログラムが1回実行されると、加速度データとロボットの指令位置とからワールド座標系上の振動を算出する。さらに、軸振動量計算部220は、このワールド座標系上の振動を補正するために必要な各関節軸の振動量を逆変換により計算し、計算された各関節軸の振動量を関節軸毎の振動とみなして制御部210−1〜210−6に出力する。
以下の説明では、制御部210−1〜210−6のうちの、ロボット100の関節軸1011のモータ1020を制御する制御部210−1について説明するが、制御部210−2〜210−6についても制御部210−1と同様に動作する。関節軸1011のモータの動特性(回転速度に対するトルク又は電流の特性等)の変動を示すボーデ線が図8で示される。図8のボーデ線図は関節軸1011の動作制御部212の特性を示し、これはモータの動特性の変動に対応している。図8のボーデ線のゲイン線図及び位相線図の複数の特性曲線は、ロボットの負荷を変えた場合の特性を示している。
ステップS12において、学習制御部211の信号分離部2111は、入力される周波数1〜100Hzの振動Vを、周波数1〜2.9Hz(周波数領域Af1)の振動V1、周波数2.9〜10f2Hz(周波数領域Af2)の振動V2、周波数10〜100Hz(周波数領域Af3)の振動V3に分離して、学習制御器2112−1〜2112−3に出力する。学習制御器2112−1〜2112−3は、図5の学習制御器2112−1〜2112−Nにおいて、N=3とした場合に対応する。
図8に示す関節軸1011の動作制御部212の特性は、周波数2.9〜10f2Hzの周波数領域Af2で大きく、周波数1〜2.9Hzと周波数10〜100Hzとで小さいため、信号分離部2111は振動Vを、3つの周波数領域Af1、Af2、Af3に分離する。学習制御器2112−1、2112−2、2112−3は、3つの周波数領域Af1、Af2、Af3に対応して設けられる。
図8に示す関節軸1011の動作制御部212の特性は、周波数2.9〜10f2Hzの周波数領域Af2で大きく、周波数1〜2.9Hzと周波数10〜100Hzとで小さいため、信号分離部2111は振動Vを、3つの周波数領域Af1、Af2、Af3に分離する。学習制御器2112−1、2112−2、2112−3は、3つの周波数領域Af1、Af2、Af3に対応して設けられる。
ステップS13において、学習制御器2112−1〜2112−3は、3つの周波数領域Af1、Af2、Af3の各周波数領域の振動補正量を学習する。
ここで、周波数領域Af1及び周波数領域Af3では周波数特性の変動がほとんどないので、特許文献1に開示した学習方法で容易に性能の良い学習制御器2112−1、2112−3を設計することができる。周波数特性の変動の大きな周波数領域Af2については、学習動作で周波数領域Af1及び周波数領域Af3を考慮する必要がないので、3つの周波数領域の全領域の振動補正量を一つの学習制御器で学習した場合よりも性能の良い学習制御器2112−2を設計することができる。また、さらに周波数領域Af2での性能を良くしたい場合には、周波数領域Af2に対して複数の学習制御器を設計し、学習用プログラムの動作範囲に合わせて切り替えても良い。
ここで、周波数領域Af1及び周波数領域Af3では周波数特性の変動がほとんどないので、特許文献1に開示した学習方法で容易に性能の良い学習制御器2112−1、2112−3を設計することができる。周波数特性の変動の大きな周波数領域Af2については、学習動作で周波数領域Af1及び周波数領域Af3を考慮する必要がないので、3つの周波数領域の全領域の振動補正量を一つの学習制御器で学習した場合よりも性能の良い学習制御器2112−2を設計することができる。また、さらに周波数領域Af2での性能を良くしたい場合には、周波数領域Af2に対して複数の学習制御器を設計し、学習用プログラムの動作範囲に合わせて切り替えても良い。
ステップS14において、加算器2113は、学習制御器2112−1〜2112−3で学習された3つの周波数領域Af1、Af2、Af3の各周波数領域の振動補正量C1〜C3を加算する。
ステップS15において、補正部2130は、加算された振動補正量Cを記憶する。
ステップS15において、補正部2130は、加算された振動補正量Cを記憶する。
ステップS16において、学習を終了するかどうかが判断され、学習を終了しない場合には(No)、ステップS10に戻り、ステップS10〜S16の動作を繰り返す。動作制御部212は補正部2130に記憶された振動補正量Cを用いて振動補正を行い、ロボット100を動作させる。ステップS10〜S16の動作を複数回繰り返すことで、ワールド座標系上の振動が低減されていく。学習を終了する場合は学習制御部211及び軸振動量計算部220の動作を終了する。
ロボットシステム10において、経年劣化等の影響で関節軸のモータの動特性が変化し、学習制御を行うことで関節軸の振動が大きくなることがある。図9は関節軸1011の振動のパワースペクトルを示す図である。図9のようにある学習回において9Hz付近の振動が前回学習回と比べて大きくなっている。この場合、学習制御器のパラメータを調整する必要があるが、全周波数領域で同じ学習制御器を使用している場合には調整の結果は全周波数領域におよび、9Hz付近の振動は取れるようになったが別の周波数(例えば3Hz)の振動が大きくなってしまうということが起こり得る。
これに対して、本実施形態では、学習制御器2012−2のパラメータを調整すればよく、その調整は学習制御器2112−1、2112−3へは影響を与えない。これによって関節軸のモータの動特性が変動した場合も容易に対応することが出来る。
これに対して、本実施形態では、学習制御器2012−2のパラメータを調整すればよく、その調整は学習制御器2112−1、2112−3へは影響を与えない。これによって関節軸のモータの動特性が変動した場合も容易に対応することが出来る。
以上説明したように、本実施形態のロボット制御装置によれば、各学習制御器は特定の周波数領域内だけを考慮すればよいので、変動が大きい周波数領域の影響がそれ以外の領域へ出ることがない。
例えば、20〜30Hzの振動が取れにくい場合はその周波数領域の学習制御器の微調整だけを行えば良く、その影響はそれ以外の周波数領域に影響を及ぼさない。
また、複数の学習制御器のそれぞれの学習制御器は特定の周波数領域内だけを考慮すればよいのでその設計は容易である。
例えば、20〜30Hzの振動が取れにくい場合はその周波数領域の学習制御器の微調整だけを行えば良く、その影響はそれ以外の周波数領域に影響を及ぼさない。
また、複数の学習制御器のそれぞれの学習制御器は特定の周波数領域内だけを考慮すればよいのでその設計は容易である。
以上本発明に係る実施形態について説明したが、本実施形態のロボット制御装置及びロボット制御方法の各構成部は、ハードウェア、ソフトウェア又はこれらの組み合わせにより実現することができる。例えば、電子回路により実現してもよい。また、上記各構成部のそれぞれの協働により行なわれる画像処理方法も、ハードウェア、ソフトウェア又はこれらの組み合わせにより実現することができる。ここで、ソフトウェアによって実現されるとは、コンピュータがプログラムを読み込んで実行することにより実現されることを意味する。
プログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ読み取り可能な記録媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ読み取り可能な記録媒体の例は、磁気記録媒体(例えば、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば、光磁気ディスク)、CD−ROM(Read Only Memory)、CD−R、CD−R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(random access memory))を含む。
上述した実施形態は、本発明の好適な実施形態ではあるが、上記実施形態のみに本発明の範囲を限定するものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更を施した形態での実施が可能である。
例えば、上述した実施形態では、ロボットシステム10は、ロボット100とロボット制御装置200とが分離されて構成されているが、ロボットシステム10は、ロボット制御装置200がロボット100に含まれて構成されてもよい。
また、上述した実施形態では、ロボットとして、スポット溶接用のロボットについて説明したが、その他のロボット、例えば、塗装用ロボット、組み立て用ロボット、又は搬送用ロボット等であってもよい。
本開示によるロボット制御装置、ロボットシステム及びロボット制御方法は、上述した実施形態を含め、次のような構成を有する各種各様の実施形態を取ることができる。
(1) 本開示の第1の態様は、複数の関節軸(例えば、関節軸1011〜1016)を有するロボット(例えば、ロボット100)の制御対象部位の振動から各関節軸の振動を求める軸振動量計算部(例えば、軸振動量計算部220)と、
前記軸振動量計算部と接続され、前記複数の関節軸の各々の一の関節軸に対応して設けられた制御部(例えば、制御部210−1〜210−6のいずれか)と、を備えたロボット制御装置(例えば、ロボット制御装置200)であって、
前記制御部は学習制御部(例えば、学習制御部211)と動作制御部(例えば、動作制御部212)とを備え、
前記学習制御部は、
前記軸振動量計算部から前記制御部に対応する一の関節軸の振動が入力され、前記一の関節軸の振動を周波数領域が異なる複数の振動に分割する信号分離部(例えば、信号分離部2111)と、
分割された前記複数の振動の各々に対応して設けられ、前記分割された一の振動に対して振動補正量を求める学習制御器(例えば、学習制御器2112−1〜2112−Nのいずれか)と、
前記学習制御器から出力される各々の振動に対する前記振動補正量を加算する加算器(例えば、加算器2113)と、を備え、
前記動作制御部は、前記加算器で加算された振動補正量を記憶する補正部(例えば、補正部2130)を備え、該補正部に記憶された前記振動補正量に基づいて、前記一の関節軸を動作する、ロボット制御装置である。
このロボット制御装置によれば、複数の学習制御器はそれぞれの周波数領域において学習制御器のパラメータを調整すればよく、関節軸のモータの動特性が変動した場合も容易に対応することができる。また、複数の学習制御器の設計も容易となる。
前記軸振動量計算部と接続され、前記複数の関節軸の各々の一の関節軸に対応して設けられた制御部(例えば、制御部210−1〜210−6のいずれか)と、を備えたロボット制御装置(例えば、ロボット制御装置200)であって、
前記制御部は学習制御部(例えば、学習制御部211)と動作制御部(例えば、動作制御部212)とを備え、
前記学習制御部は、
前記軸振動量計算部から前記制御部に対応する一の関節軸の振動が入力され、前記一の関節軸の振動を周波数領域が異なる複数の振動に分割する信号分離部(例えば、信号分離部2111)と、
分割された前記複数の振動の各々に対応して設けられ、前記分割された一の振動に対して振動補正量を求める学習制御器(例えば、学習制御器2112−1〜2112−Nのいずれか)と、
前記学習制御器から出力される各々の振動に対する前記振動補正量を加算する加算器(例えば、加算器2113)と、を備え、
前記動作制御部は、前記加算器で加算された振動補正量を記憶する補正部(例えば、補正部2130)を備え、該補正部に記憶された前記振動補正量に基づいて、前記一の関節軸を動作する、ロボット制御装置である。
このロボット制御装置によれば、複数の学習制御器はそれぞれの周波数領域において学習制御器のパラメータを調整すればよく、関節軸のモータの動特性が変動した場合も容易に対応することができる。また、複数の学習制御器の設計も容易となる。
(2)前記制御対象部位は、加速度センサ、ジャイロセンサ、慣性センサ、力センサ、レーザトラッカ、カメラ、モーションキャプチャのいずれかのセンサ(例えば、センサ110)を備えている、上記(1)に記載のロボット制御装置。る上記(1)に記載の画像処理装置。
(3)前記軸振動量計算部は、前記センサからの出力と、動作指令の指令位置とから前記制御対象部位の振動を求める、上記(2)に記載のロボット制御装置。
(4) 本開示の第2の態様は、上記(1)から(3)のいずれかに記載のロボット制御装置と、該ロボット制御装置により制御されるロボットとを備えたロボットシステムである。
(5) 本開示の第3の態様は、複数の関節軸(例えば、関節軸1011〜1016)を有するロボット(例えば、ロボット100)の制御対象部位の振動から前記複数の関節軸の各関節軸の振動を求め、
前記複数の関節軸のうちの一の関節軸の振動をそれぞれ周波数領域が異なる複数の振動に分割し、
分割された前記複数の振動からそれぞれ振動補正量を求め、
求められた複数の前記振動補正量を加算し、
加算された振動補正量に基づいて、前記複数の関節軸のうちの一つの関節軸を動作する、ロボット制御装置(例えば、ロボット制御装置200)のロボット制御方法である。
このロボット制御方法によれば、複数の学習制御器はそれぞれの周波数領域において学習制御器のパラメータを調整すればよく、関節軸のモータの動特性が変動した場合も容易に対応することができる。また、複数の学習制御器の設計も容易となる。
前記複数の関節軸のうちの一の関節軸の振動をそれぞれ周波数領域が異なる複数の振動に分割し、
分割された前記複数の振動からそれぞれ振動補正量を求め、
求められた複数の前記振動補正量を加算し、
加算された振動補正量に基づいて、前記複数の関節軸のうちの一つの関節軸を動作する、ロボット制御装置(例えば、ロボット制御装置200)のロボット制御方法である。
このロボット制御方法によれば、複数の学習制御器はそれぞれの周波数領域において学習制御器のパラメータを調整すればよく、関節軸のモータの動特性が変動した場合も容易に対応することができる。また、複数の学習制御器の設計も容易となる。
10 ロボットシステム
100 ロボット
101 ロボット機構部
102 スポット溶接ガン
110 センサ
200 ロボット制御装置
210−1〜210−6 制御部
211 学習制御部
212 動作制御部
220 軸振動量計算部
100 ロボット
101 ロボット機構部
102 スポット溶接ガン
110 センサ
200 ロボット制御装置
210−1〜210−6 制御部
211 学習制御部
212 動作制御部
220 軸振動量計算部
Claims (5)
- 複数の関節軸を有するロボットの制御対象部位の振動から各関節軸の振動を求める軸振動量計算部と、
前記軸振動量計算部と接続され、前記複数の関節軸の各々の一の関節軸に対応して設けられた制御部と、を備えたロボット制御装置であって、
前記制御部は学習制御部と動作制御部とを備え、
前記学習制御部は、
前記軸振動量計算部から前記制御部に対応する一の関節軸の振動が入力され、前記一の関節軸の振動を周波数領域が異なる複数の振動に分割する信号分離部と、
分割された前記複数の振動の各々に対応して設けられ、前記分割された一の振動に対して振動補正量を求める学習制御器と、
前記学習制御器から出力される各々の振動に対する前記振動補正量を加算する加算器と、を備え、
前記動作制御部は、前記加算器で加算された振動補正量を記憶する補正部を備え、該補正部に記憶された前記振動補正量に基づいて、前記一の関節軸を動作する、ロボット制御装置。 - 前記制御対象部位は、加速度センサ、ジャイロセンサ、慣性センサ、力センサ、レーザトラッカ、カメラ、モーションキャプチャのいずれかのセンサを備えている、請求項1に記載のロボット制御装置。
- 前記軸振動量計算部は、前記センサからの出力と、動作指令の指令位置とから前記制御対象部位の振動を求める、請求項2に記載のロボット制御装置。
- 請求項1から3のいずれか1項に記載のロボット制御装置と、該ロボット制御装置により制御されるロボットとを備えたロボットシステム。
- 複数の関節軸を有するロボットの制御対象部位の振動から前記複数の関節軸の各関節軸の振動を求め、
前記複数の関節軸のうちの一の関節軸の振動をそれぞれ周波数領域が異なる複数の振動に分割し、
分割された前記複数の振動からそれぞれ振動補正量を求め、
求められた複数の前記振動補正量を加算し、
加算された振動補正量に基づいて、前記複数の関節軸のうちの一つの関節軸を動作する、ロボット制御装置のロボット制御方法。
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JP2020019341A JP2021122907A (ja) | 2020-02-07 | 2020-02-07 | ロボット制御装置、ロボットシステム及びロボット制御方法 |
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