以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照して説明する。まず、図1から図71を参照し、第1実施形態として、本発明をパチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)10に適用した場合の一実施形態について説明する。図1は、第1実施形態におけるパチンコ機10の正面図であり、図2はパチンコ機10の遊技盤13の正面図であり、図3はパチンコ機10の背面図である。
なお、以下の説明では、図1に示す状態のパチンコ機10に対して、紙面手前側を前方(正面)側として、紙面奥側を後方(背面)側として説明する。また、図1に示す状態のパチンコ機10に対して、上側を上方(上)側として、下側を下方(下)側として、右側を右方(右)側として、左側を左方(左)側としてそれぞれ説明する。さらに、図中(例えば、図2参照)の矢印U−D,L−R,F−Bは、パチンコ機10の上下方向,左右方向,前後方向をそれぞれ示している。
図1に示すように、パチンコ機10は、略矩形状に組み合わせた木枠により外殻が形成される外枠11と、その外枠11と略同一の外形形状に形成され外枠11に対して開閉可能に支持された内枠12とを備えている。外枠11には、内枠12を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ18が取り付けられ、そのヒンジ18が設けられた側を開閉の軸として内枠12が正面手前側へ開閉可能に支持されている。
内枠12には、多数の釘や入賞口63,64等を有する遊技盤13(図2参照)が裏面側から着脱可能に装着される。この遊技盤13の正面を球(遊技球)が流下することにより弾球遊技が行われる。なお、内枠12には、球を遊技盤13の正面領域に発射する球発射ユニット112a(図4参照)やその球発射ユニット112aから発射された球を遊技盤13の正面領域まで誘導する発射レール(図示せず)等が取り付けられている。
内枠12の正面側には、その正面上側を覆う正面枠14と、その下側を覆う下皿ユニット15とが設けられている。正面枠14及び下皿ユニット15を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ19が取り付けられ、そのヒンジ19が設けられた側を開閉の軸として正面枠14及び下皿ユニット15が正面手前側へ開閉可能に支持されている。なお、内枠12の施錠と正面枠14の施錠とは、シリンダ錠20の鍵穴21に専用の鍵を差し込んで所定の操作を行うことでそれぞれ解除される。
正面枠14は、装飾用の樹脂部品や電気部品等を組み付けたものであり、その略中央部には略楕円形状に開口形成された窓部14cが設けられている。正面枠14の裏面側には2枚の板ガラスを有するガラスユニット16が配設され、そのガラスユニット16を介して遊技盤13の正面がパチンコ機10の正面側に視認可能となっている。
正面枠14には、球を貯留する上皿17が正面側へ張り出して上面を開放した略箱状に形成されており、この上皿17に賞球や貸出球などが排出される。上皿17の底面は正面視(図1参照)右側に下降傾斜して形成され、その傾斜により上皿17に投入された球が球発射ユニット112a(図4参照)へと案内される。また、上皿17の上面には、枠ボタン22が設けられている。この枠ボタン22は、例えば、第3図柄表示装置81(図2参照)で表示される演出のステージを変更したり、スーパーリーチの演出内容を変更したりする場合などに、遊技者により操作される。
正面枠14には、その周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて、点灯又は点滅することにより発光態様が変更制御され、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。窓部14cの周縁には、LED等の発光手段を内蔵した電飾部29〜33が設けられている。パチンコ機10においては、これら電飾部29〜33が大当たりランプ等の演出ランプとして機能し、大当たり時やリーチ演出時等には内蔵するLEDの点灯や点滅によって各電飾部29〜33が点灯または点滅して、大当たり中である旨、或いは大当たり一歩手前のリーチ中である旨が報知される。また、正面枠14の正面視(図1参照)左上部には、LED等の発光手段が内蔵され賞球の払い出し中とエラー発生時とを表示可能な表示ランプ34が設けられている。
また、右側の電飾部32下側には、正面枠14の裏面側を視認できるように裏面側より透明樹脂を取り付けて小窓35が形成され、遊技盤13正面の貼着スペースK1(図2参照)に貼付される証紙等がパチンコ機10の正面から視認可能とされている。また、パチンコ機10においては、より煌びやかさを醸し出すために、電飾部29〜33の周りの領域にクロムメッキを施したABS樹脂製のメッキ部材36が取り付けられている。
窓部14cの下方には、貸球操作部40が配設されている。貸球操作部40には、度数表示部41と、球貸しボタン42と、返却ボタン43とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)(図示せず)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部40が操作されると、その操作に応じて球の貸出が行われる。具体的には、度数表示部41はカード等の残額情報が表示される領域であり、内蔵されたLEDが点灯して残額情報として残額が数字で表示される。球貸しボタン42は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿17に供給される。返却ボタン43は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿17に球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部40が不要となるが、この場合には、貸球操作部40の設置部分に飾りシール等を付加して部品構成は共通のものとしても良い。カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との共通化を図ることができる。
上皿17の下側に位置する下皿ユニット15には、その左側部に上皿17に貯留しきれなかった球を貯留するための下皿50が上面を開放した略箱状に形成されている。下皿50の右側には、球を遊技盤13の正面へ打ち込むために遊技者によって操作される操作ハンドル51が配設される。
操作ハンドル51の内部には、球発射ユニット112aの駆動を許可するためのタッチセンサ51aと、押下操作している期間中には球の発射を停止する発射停止スイッチ51bと、操作ハンドル51の回動操作量(回動位置)を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器(図示せず)などが内蔵されている。操作ハンドル51が遊技者によって右回りに回動操作されると、タッチセンサ51aがオンされると共に可変抵抗器の抵抗値が回動操作量に対応して変化し、その可変抵抗器の抵抗値に対応した強さ(発射強度)で球が発射され、これにより遊技者の操作に対応した飛び量で遊技盤13の正面へ球が打ち込まれる。また、操作ハンドル51が遊技者により操作されていない状態においては、タッチセンサ51aおよび発射停止スイッチ51bがオフとなっている。
下皿50の正面下方部には、下皿50に貯留された球を下方へ排出する際に操作するための球抜きレバー52が設けられている。この球抜きレバー52は、常時、右方向に付勢されており、その付勢に抗して左方向へスライドさせることにより、下皿50の底面に形成された底面口が開口して、その底面口から球が自然落下して排出される。この球抜きレバー52の操作は、通常、下皿50の下方に下皿50から排出された球を受け取る箱(一般に「千両箱」と称される)を置いた状態で行われる。下皿50の右方には、上述したように操作ハンドル51が配設され、下皿50の左方には灰皿(図示せず)が取り付けられている。
図2に示すように、遊技盤13は、正面視略正方形状に切削加工したベース板60に、球案内用の多数の釘(センターフレーム86の下方において図示し、遊技領域の上半部においては図示せず)や風車(図示せず)の他、レール61,62、一般入賞口63、第1入賞口64、第2入賞口140、可変入賞装置65、スルーゲート67、可変表示装置ユニット80等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠12(図1参照)の裏面側に取り付けられる。
ベース板60は、光透過性の樹脂材料から形成されるており、その正面側からベース板60の背面側に配設された各種構造体を遊技者に視認させることが可能となっている。一般入賞口63、第1入賞口64、第2入賞口140及び可変入賞装置65は、ルータ加工によってベース板60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤13の正面側からタッピングネジ等により固定されている。
なお、ベース板60を木製の板部材から形成しても良い。この場合、センターフレーム86の外側において、その正面側からベース板60の背面側に配設された各種構造体を遊技者に視認不能に遮蔽することが可能となる。
遊技盤13の正面中央部分は、正面枠14の窓部14c(図1参照)を通じて内枠12の正面側から視認することができる。以下に、主に図2を参照して、遊技盤13の構成について説明する。
遊技盤13の正面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した外レール62が植立され、その外レール62の内側位置には外レール62と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レール61が植立される。この内レール61と外レール62とにより遊技盤13の正面外周が囲まれ、遊技盤13とガラスユニット16(図1参照)とにより前後が囲まれることにより、遊技盤13の正面には、球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤13の正面であって2本のレール61,62とレール間を繋ぐ樹脂製の外縁部材73とにより区画して形成される領域(入賞口等が配設され、発射された球が流下する領域)である。
2本のレール61,62は、球発射ユニット112a(図4参照)から発射された球を遊技盤13上部へ案内するために設けられたものである。内レール61の先端部分(図2の左上部)には戻り球防止部材68が取り付けられ、一旦、遊技盤13の上部へ案内された球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。外レール62の先端部(図2の右上部)には、球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴム69が取り付けられ、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴム69に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される。
遊技領域の正面視左側下部(図2の左側下部)には、発光手段である複数のLED及び7セグメント表示器を備える第1図柄表示装置37A,37Bが配設されている。第1図柄表示装置37A,37Bは、主制御装置110(図4参照)で行われる各制御に応じた表示がなされるものであり、主にパチンコ機10の遊技状態の表示が行われる。本実施形態では、第1図柄表示装置37A,37Bは、球が、第1入賞口64へ入賞したか、第2入賞口140へ入賞したかに応じて使い分けられるように構成されている。具体的には、球が、第1入賞口64へ入賞した場合には、第1図柄表示装置37Aが作動し、一方で、球が、第2入賞口140へ入賞した場合には、第1図柄表示装置37Bが作動するように構成されている。
また、第1図柄表示装置37A,37Bは、LEDにより、パチンコ機10が確変中か時短中か通常中であるかを点灯状態により示したり、変動中であるか否かを点灯状態により示したり、停止図柄が確変大当たりに対応した図柄か普通大当たりに対応した図柄か外れ図柄であるかを点灯状態により示したり、保留球数を点灯状態により示すと共に、7セグメント表示装置により、大当たり中のラウンド数やエラー表示を行う。なお、複数のLEDは、それぞれのLEDの発光色(例えば、赤、緑、青)が異なるよう構成され、その発光色の組み合わせにより、少ないLEDでパチンコ機10の各種遊技状態を示唆することができる。
尚、本パチンコ機10では、第1入賞口64及び第2入賞口140へ入賞があったことを契機として抽選が行われる。パチンコ機10は、その抽選において、大当たりか否かの当否判定(大当たり抽選)を行うと共に、大当たりと判定した場合はその大当たり種別の判定も行う。ここで判定される大当たり種別としては、15R確変大当たり、4R確変大当たり、4R通常大当たりが用意されている。第1図柄表示装置37A,37Bには、変動終了後の停止図柄として抽選の結果が大当たりであるか否かが示されるだけでなく、大当たりである場合はその大当たり種別に応じた図柄が示される。
ここで、「15R確変大当たり」とは、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりの後に高確率状態へ移行する確変大当たりのことであり、「4R確変大当たり」とは、最大ラウンド数が4ラウンドの大当たりの後に高確率状態へ移行する確変大当たりのことである。また、「4R通常大当たり」は、最大ラウンド数が4ラウンドの大当たりの後に、低確率状態へ移行すると共に、所定の変動回数の間(例えば、100変動回数)は時短状態となる大当たりのことである。
また、「高確率状態」とは、大当たり終了後に付加価値としてその後の大当たり確率がアップした状態、いわゆる確率変動中(確変中)の時をいい、換言すれば、特別遊技状態へ移行し易い遊技の状態のことである。本実施形態における高確率状態(確変中)は、所定の変動回数の間(本実施形態では、100変動回数)、大当たり確率がアップし、後述する第2図柄の当たり確率がアップして第2入賞口140へ球が入賞し易い遊技の状態を含む。「低確率状態」とは、確変中でない時をいい、大当たり確率が通常の状態、即ち、確変の時より大当たり確率が低い状態をいう。また、「低確率状態」のうちの時短状態(時短中)とは、大当たり確率が通常の状態であると共に、大当たり確率がそのままで第2図柄の当たり確率のみがアップして第2入賞口140へ球が入賞し易い遊技の状態のことをいう。一方、パチンコ機10が通常中とは、確変中でも時短中でもない遊技の状態(大当たり確率も第2図柄の当たり確率もアップしていない状態)である。
本実施形態では、後述する振分装置300の確変検出センサSE11の貫通孔を、大当たり遊技の1ラウンド目に遊技球が通過したと判定された時に、その大当たり遊技終了後の遊技状態が100変動回数の間、高確率状態となる。なお、確変検出センサSE11の貫通孔に遊技球が通過したと判定されなかったら大当たり遊技終了後の遊技状態が100変動回数の間、時短状態となる。
確変中や時短中は、第2図柄の当たり確率がアップするだけではなく、第2入賞口140に付随する電動役物140a(電動役物)が開放される時間も変更され、通常中と比して長い時間が設定される。電動役物140aが開放された状態(開放状態)にある場合は、その電動役物140aが閉鎖された状態(閉鎖状態)にある場合と比して、第2入賞口140へ球が入賞しやすい状態となる。よって、確変中や時短中は、第2入賞口140へ球が入賞し易い状態となり、大当たり抽選が行われる回数を増やすことができる。
なお、確変中や時短中において、第2入賞口140に付随する電動役物140aの開放時間を変更するのではなく、または、その開放時間を変更することに加えて、1回の当たりで電動役物140aが開放する回数を通常中よりも増やす変更を行うものとしてもよい。また、確変中や時短中において、第2図柄の当たり確率は変更せず、第2入賞口140に付随する電動役物140aが開放される時間および1回の当たりで電動役物140aが開放する回数の少なくとも一方を変更するものとしてもよい。また、確変中や時短中において、第2入賞口140に付随する電動役物140aが開放される時間や、1回の当たりで電動役物140aを開放する回数はせず、第2図柄の当たり確率だけを、通常中と比してアップするよう変更するものであってもよい。
遊技領域には、球が入賞することにより5個から15個の球が賞球として払い出される複数の一般入賞口63が配設されている。また、遊技領域の中央部分には、可変表示装置ユニット80が配設されている。可変表示装置ユニット80には、第1入賞口64及び第2入賞口140への入賞(始動入賞)をトリガとして、第1図柄表示装置37A,37Bにおける変動表示と同期させながら、第3図柄の変動表示を行う液晶ディスプレイ(以下単に「表示装置」と略す)で構成された第3図柄表示装置81と、スルーゲート67の球の通過をトリガとして第2図柄を変動表示するLEDで構成される第2図柄表示装置(図示せず)とが設けられている。また、可変表示装置ユニット80には、第3図柄表示装置81の外周を囲むようにして、センターフレーム86が配設されている。
なお、本実施形態では、第3図柄表示装置81は後述する背面ケース510の開口511aを埋めるように背面ケース510に締結固定され、センターフレーム86はベース板60の窓部を縁取るように配設されている。即ち、正面視では第3図柄表示装置81の外周を囲むようにセンターフレーム86が配設されているように見えるが、実際は、第3図柄表示装置81とセンターフレーム86とは前後に離れて配置されている。
第3図柄表示装置81は、例えば9インチサイズの大型の液晶ディスプレイで構成されるものであり、表示制御装置114(図4参照)によって表示内容が制御されることにより、例えば上、中及び下の3つの図柄列が表示される。各図柄列は複数の図柄(第3図柄)によって構成され、これらの第3図柄が図柄列毎に横スクロールして第3図柄表示装置81の表示画面上にて第3図柄が可変表示されるようになっている。本実施形態の第3図柄表示装置81は、主制御装置110(図4参照)の制御に伴った遊技状態の表示が第1図柄表示装置37A,37Bで行われるのに対して、その第1図柄表示装置37A,37Bの表示に応じた装飾的な表示を行うものである。なお、表示装置に代えて、例えばリール等を用いて第3図柄表示装置81を構成するようにしても良い。
第2図柄表示装置は、球がスルーゲート67を通過する毎に表示図柄(第2図柄(図示せず))としての「○」の図柄と「×」の図柄とを所定時間交互に点灯させる変動表示を行うものである。パチンコ機10では、球がスルーゲート67を通過したことが検出されると、当たり抽選が行われる。その当たり抽選の結果、当たりであれば、第2図柄表示装置において、第2図柄の変動表示後に「○」の図柄が停止表示される。また、当たり抽選の結果、外れであれば、第2図柄表示装置において、第3図柄の変動表示後に「×」の図柄が停止表示される。
パチンコ機10は、第2図柄表示装置における変動表示が所定図柄(本実施形態においては「○」の図柄)で停止した場合に、第2入賞口140に付随された電動役物140aが所定時間だけ作動状態となる(開放される)よう構成されている。
第2図柄の変動表示にかかる時間は、遊技状態が通常中の場合よりも、確変中または時短中の方が短くなるように設定される。これにより、確変中および時短中は、第2図柄の変動表示が短い時間で行われるので、当たり抽選を通常中よりも多く行うことができる。よって、当たり抽選において当たりとなる機会が増えるので、第2入賞口140の電動役物140aが開放状態となる機会を遊技者に多く与えることができる。よって、確変中および時短中は、第2入賞口140へ球が入賞しやすい状態とすることができる。
なお、確変中または時短中において、当たり確率を高める、1回に当たりに対する電動役物140aの開放時間や開放回数を増やすなど、その他の方法によっても、確変中または時短中に第2入賞口140へ球が入賞しやすい状態としている場合は、第2図柄の変動表示にかかる時間を遊技状態にかかわらず一定としてもよい。一方、第2図柄の変動表示にかかる時間を、確変中または時短中において通常中よりも短く設定する場合は、当たり確率を遊技状態にかかわらず一定にしてもよいし、また、1回の当たりに対する電動役物140aの開放時間や開放回数を遊技状態にかかわらず一定にしてもよい。
スルーゲート67は、可変表示装置ユニット80の左右の領域において遊技盤13に組み付けられ、遊技盤13に発射された球の一部が通過可能に構成されている。スルーゲート67を球が通過すると、第2図柄の当たり抽選が行われる。当たり抽選の後、第2図柄表示装置にて変動表示を行い、当たり抽選の結果が当たりであれば、変動表示の停止図柄として「○」の図柄を表示し、当たり抽選の結果が外れであれば、変動表示の停止図柄として「×」の図柄を表示する。
球のスルーゲート67の通過回数は、合計で最大4回まで保留され、その保留球数が上述した第1図柄表示装置37A,37Bにより表示されると共に第2図柄保留ランプ(図示せず)においても点灯表示される。第2図柄保留ランプは、最大保留数分の4つ設けられ、第3図柄表示装置81の下方に左右対称に配設されている。
なお、第2図柄の変動表示は、本実施形態のように、第2図柄表示装置において複数のランプの点灯と非点灯を切り換えることにより行うものの他、第1図柄表示装置37A,37B及び第3図柄表示装置81の一部を使用して行うようにしても良い。同様に、第2図柄保留ランプの点灯を第3図柄表示装置81の一部で行うようにしても良い。また、スルーゲート67の球の通過に対する最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、スルーゲート67の組み付け数は2つに限定されるものではなく、例えば1つであっても良い。また、スルーゲート67の組み付け位置は可変表示装置ユニット80の左右に限定されるものではなく、例えば、可変表示装置ユニット80の下方でも良い。また、第1図柄表示装置37A,37Bにより保留球数が示されるので、第2図柄保留ランプにより点灯表示を行わないものとしてもよい。
可変表示装置ユニット80の下方には、球が入賞し得る第1入賞口64が配設されている。この第1入賞口64へ球が入賞すると遊技盤13の裏面側に設けられる第1入賞口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第1入賞口スイッチのオンに起因して主制御装置110(図4参照)で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37Aで示される。
一方、第1入賞口64の正面視下方には、球が入賞し得る第2入賞口140が配設されている。この第2入賞口140へ球が入賞すると遊技盤13の裏面側に設けられる第2入賞口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第2入賞口スイッチのオンに起因して主制御装置110(図4参照)で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37Bで示される。
また、第1入賞口64および第2入賞口140は、それぞれ、球が入賞すると5個の球が賞球として払い出される入賞口の1つにもなっている。なお、本実施形態においては、第1入賞口64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数と第2入賞口140へ球が入賞した場合に払い出される賞球数とを同じに構成したが、第1入賞口64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数と第2入賞口140へ球が入賞した場合に払い出される賞球数とを異なる数、例えば、第1入賞口64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数を3個とし、第2入賞口140へ球が入賞した場合に払い出される賞球数を5個として構成してもよい。
第2入賞口140には電動役物140aが付随されている。この電動役物140aは開閉可能に構成されており、通常は電動役物140aが閉鎖状態(縮小状態)となって、球が第2入賞口140へ入賞しにくい状態となっている。一方、スルーゲート67への球の通過を契機として行われる第2図柄の変動表示の結果、「○」の図柄が第2図柄表示装置に表示された場合、電動役物140aが開放状態(拡大状態)となり、球が第2入賞口140へ入賞しやすい状態となる。
上述した通り、確変中および時短中は、通常中と比して第2図柄の当たり確率が高く、また、第2図柄の変動表示にかかる時間も短いので、第2図柄の変動表示において「○」の図柄が表示され易くなって、電動役物140aが開放状態(拡大状態)となる回数が増える。更に、確変中および時短中は、電動役物140aが開放される時間も、通常中より長くなる。よって、確変中および時短中は、通常時と比して、第2入賞口140へ球が入賞しやすい状態を作ることができる。
ここで、第1入賞口64に球が入賞した場合と第2入賞口140へ球が入賞した場合とで、大当たりとなる確率は、低確率状態であっても高確率状態でも同一である。しかしながら、大当たりとなった場合に選定される大当たりの種別として15R確変大当たりとなる確率は、第2入賞口140へ球が入賞した場合のほうが第1入賞口64へ球が入賞した場合よりも高く設定されている。一方、第1入賞口64は、第2入賞口140にあるような電動役物は有しておらず、球が常時入賞可能な状態となっている。
よって、通常中においては、第2入賞口140に付随する電動役物が閉鎖状態にある場合が多く、第2入賞口140に入賞しづらいので、電動役物のない第1入賞口64へ向けて、可変表示装置ユニット80の左方を球が通過するように球を発射し(所謂「左打ち」)、第1入賞口64への入賞によって大当たり抽選の機会を多く得て、大当たりとなることを狙った方が、遊技者にとって有利となる。
一方、確変中や時短中は、スルーゲート67に球を通過させることで、第2入賞口140に付随する電動役物140aが開放状態となりやすく、第2入賞口140に入賞しやすい状態であるので、第2入賞口140へ向けて、可変表示装置80の右方を球が通過するように球を発射し(所謂「右打ち」)、スルーゲート67を通過させて電動役物を開放状態にすると共に、第2入賞口140への入賞によって15R確変大当たりとなることを狙った方が、遊技者にとって有利となる。
なお、本実施形態におけるパチンコ機10は、遊技盤13の構成が左右対称とされるため、「右打ち」で第1入賞口64を狙うことも、「左打ち」で第2入賞口140を狙うこともできる。そのため、本実施形態のパチンコ機10は、パチンコ機10の遊技状態(確変中であるか、時短中であるか、通常中であるか)に応じて、遊技者に対し、球の発射の仕方を「左打ち」と「右打ち」とに変えさせることを不要にできる。よって、球の打ち方を変化させる煩わしさを解消することができる。
第1入賞口64の下方には可変入賞装置65(図2参照)が配設されており、その略中央部分に特定入賞口65aが設けられている。パチンコ機10においては、第1入賞口64又は第2入賞口140への入賞に起因して行われた大当たり抽選が大当たりとなると、所定時間(変動時間)が経過した後に、大当たりの停止図柄となるよう第1図柄表示装置37A又は第1図柄表示装置37Bを点灯させると共に、その大当たりに対応した停止図柄を第3図柄表示装置81に表示させて、大当たりの発生が示される。その後、球が入賞し易い特別遊技状態(大当たり)に遊技状態が遷移する。この特別遊技状態として、通常時には閉鎖されている特定入賞口65aが、所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放される。
この特定入賞口65aは、所定時間が経過すると閉鎖され、その閉鎖後、再度、その特定入賞口65aが所定時間開放される。この特定入賞口65aの開閉動作は、最高で例えば15回(15ラウンド)繰り返し可能にされている。この開閉動作が行われている状態が、遊技者にとって有利な特別遊技状態の一形態であり、遊技者には、遊技上の価値(遊技価値)の付与として通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。
なお、上記した形態に特別遊技状態は限定されるものではない。特定入賞口65aとは別に開閉される大開放口を遊技領域に設け、第1図柄表示装置37A,37Bにおいて大当たりに対応したLEDが点灯した場合に、特定入賞口65aが所定時間開放され、その特定入賞口65aの開放中に、球が特定入賞口65a内へ入賞することを契機として特定入賞口65aとは別に設けられた大開放口が所定時間、所定回数開放される遊技状態を特別遊技状態として形成するようにしても良い。また、特定入賞口65aは1つに限るものではなく、1つ若しくは2以上の複数(例えば3つ)を配置しても良く、また配置位置も第1入賞口64の下方右側や、第1入賞口64の下方左側に限らず、例えば、可変表示装置ユニット80の左方でも良い。
遊技盤13の下側における右隅部には、証紙や識別ラベル等を貼着するための貼着スペースK1が設けられ、貼着スペースK1に貼られた証紙等は、正面枠14の小窓35(図1参照)を通じて視認することができる。
遊技盤13には、アウト口71が設けられている。遊技領域を流下する球であって、いずれの入賞口63,64,65a,140にも入賞しなかった球は、アウト口71を通って図示しない球排出路へと案内される。アウト口71は、特定入賞口65aの左右に一対で配設される。
遊技盤13には、球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)とが配設されている(図示せず)。
図3に示すように、パチンコ機10の背面側には、制御基板ユニット90,91と、裏パックユニット94とが主に備えられている。制御基板ユニット90は、主基板(主制御装置110)と音声ランプ制御基板(音声ランプ制御装置113)と表示制御基板(表示制御装置114)とが搭載されてユニット化されている。制御基板ユニット91は、払出制御基板(払出制御装置111)と発射制御基板(発射制御装置112)と電源基板(電源装置115)とカードユニット接続基板116とが搭載されてユニット化されている。
裏パックユニット94は、保護カバー部を形成する裏パック92と払出ユニット93とがユニット化されている。また、各制御基板には、各制御を司る1チップマイコンとしてのMPU、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等が、必要に応じて搭載されている。
なお、主制御装置110、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114、払出制御装置111及び発射制御装置112、電源装置115、カードユニット接続基板116は、それぞれ基板ボックス100〜104に収納されている。基板ボックス100〜104は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えており、そのボックスベースとボックスカバーとが互いに連結されて、各制御装置や各基板が収納される。
また、基板ボックス100(主制御装置110)及び基板ボックス102(払出制御装置111及び発射制御装置112)は、ボックスベースとボックスカバーとを封印ユニット(図示せず)によって開封不能に連結(かしめ構造による連結)している。また、ボックスベースとボックスカバーとの連結部には、ボックスベースとボックスカバーとに亘って封印シール(図示せず)が貼着されている。この封印シールは、脆性な素材で構成されており、基板ボックス100,102を開封するために封印シールを剥がそうとしたり、基板ボックス100,102を無理に開封しようとすると、ボックスベース側とボックスカバー側とに切断される。よって、封印ユニット又は封印シールを確認することで、基板ボックス100,102が開封されたかどうかを知ることができる。
払出ユニット93は、裏パックユニット94の最上部に位置して上方に開口したタンク130と、タンク130の下方に連結され下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール131と、タンクレール131の下流側に縦向きに連結されるケースレール132と、ケースレール132の最下流部に設けられ、払出モータ216(図4参照)の所定の電気的構成により球の払出を行う払出装置133とを備えている。タンク130には、遊技ホールの島設備から供給される球が逐次補給され、払出装置133により必要個数の球の払い出しが適宜行われる。タンクレール131には、当該タンクレール131に振動を付加するためのバイブレータ134が取り付けられている。
また、払出制御装置111には状態復帰スイッチ120が設けられ、発射制御装置112には可変抵抗器の操作つまみ121が設けられ、電源装置115にはRAM消去スイッチ122が設けられている。状態復帰スイッチ120は、例えば、払出モータ216(図4参照)部の球詰まり等、払出エラーの発生時に球詰まりを解消(正常状態への復帰)するために操作される。操作つまみ121は、発射ソレノイドの発射力を調整するために操作される。RAM消去スイッチ122は、パチンコ機10を初期状態に戻したい場合に電源投入時に操作される。
次に、図4を参照して、本パチンコ機10の電気的構成について説明する。図4は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。
主制御装置110には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU201が搭載されている。MPU201には、該MPU201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM202と、そのROM202内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM203と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。主制御装置110では、MPU201によって、大当たり抽選や第1図柄表示装置37A,37B及び第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行する。
なお、払出制御装置111や音声ランプ制御装置113などのサブ制御装置に対して動作を指示するために、主制御装置110から該サブ制御装置へ各種のコマンドがデータ送受信回路によって送信されるが、かかるコマンドは、主制御装置110からサブ制御装置へ一方向にのみ送信される。
RAM203は、各種エリア、カウンタ、フラグのほか、MPU201の内部レジスタの内容やMPU201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。なお、RAM203は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM203に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。
停電などの発生により電源が遮断されると、その電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタの値がRAM203に記憶される。一方、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAM203に記憶される情報に基づいて、パチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。RAM203への書き込みはメイン処理(図示せず)によって電源遮断時に実行され、RAM203に書き込まれた各値の復帰は電源投入時の立ち上げ処理(図示せず)において実行される。なお、MPU201のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路252からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU201へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図示せず)が即座に実行される。
主制御装置110のMPU201には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン204を介して入出力ポート205が接続されている。入出力ポート205には、払出制御装置111、音声ランプ制御装置113、第1図柄表示装置37A,37B、第2図柄表示装置、第2図柄保留ランプ、特定入賞口65aの開閉板65b(図11参照)の下辺を軸として正面側に開閉駆動するための大開放口ソレノイドや電動役物を駆動するためのソレノイドなどからなるソレノイド209が接続され、MPU201は、入出力ポート205を介してこれらに対し各種コマンドや制御信号を送信する。
また、入出力ポート205には、図示しないスイッチ群およびスライド位置検出センサSや回転位置検出センサRを含むセンサ群などからなる各種スイッチ208、電源装置115に設けられた後述のRAM消去スイッチ回路253が接続され、MPU201は各種スイッチ208から出力される信号や、RAM消去スイッチ回路253より出力されるRAM消去信号SG2に基づいて各種処理を実行する。
払出制御装置111は、払出モータ216を駆動させて賞球や貸出球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU211は、そのMPU211により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM212と、ワークメモリ等として使用されるRAM213とを有している。
払出制御装置111のRAM213は、主制御装置110のRAM203と同様に、MPU211の内部レジスタの内容やMPU211により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。RAM213は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM213に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。なお、主制御装置110のMPU201と同様、MPU211のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路252から停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU211へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図示せず)が即座に実行される。
払出制御装置111のMPU211には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン214を介して入出力ポート215が接続されている。入出力ポート215には、主制御装置110や払出モータ216、発射制御装置112などがそれぞれ接続されている。また、図示はしないが、払出制御装置111には、払い出された賞球を検出するための賞球検出スイッチが接続されている。なお、該賞球検出スイッチは、払出制御装置111に接続されるが、主制御装置110には接続されていない。
発射制御装置112は、主制御装置110により球の発射の指示がなされた場合に、操作ハンドル51の回動操作量に応じた球の打ち出し強さとなるよう球発射ユニット112aを制御するものである。球発射ユニット112aは、図示しない発射ソレノイドおよび電磁石を備えており、その発射ソレノイドおよび電磁石は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、球の発射を停止させるための発射停止スイッチ51bがオフ(操作されていないこと)を条件に、操作ハンドル51の回動操作量(回動位置)に対応して発射ソレノイドが励磁され、操作ハンドル51の操作量に応じた強さで球が発射される。
音声ランプ制御装置113は、音声出力装置(図示しないスピーカなど)226における音声の出力、ランプ表示装置(電飾部29〜33、表示ランプ34など)227における点灯および消灯の出力、変動演出(変動表示)や予告演出といった表示制御装置114で行われる第3図柄表示装置81の表示態様の設定などを制御するものである。演算装置であるMPU221は、そのMPU221により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM222と、ワークメモリ等として使用されるRAM223とを有している。
音声ランプ制御装置113のMPU221には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン224を介して入出力ポート225が接続されている。入出力ポート225には、主制御装置110、表示制御装置114、音声出力装置226、ランプ表示装置227、その他装置228、枠ボタン22などがそれぞれ接続されている。その他装置228には駆動モータ631,731,782,861が含まれる。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から受信した各種のコマンド(変動パターンコマンド、停止種別コマンド等)に基づいて、第3図柄表示装置81の表示態様を決定し、決定した表示態様をコマンド(表示用変動パターンコマンド、表示用停止種別コマンド等)によって表示制御装置114へ通知する。また、音声ランプ制御装置113は、枠ボタン22からの入力を監視し、遊技者によって枠ボタン22が操作された場合は、第3図柄表示装置81で表示されるステージを変更したり、スーパーリーチ時の演出内容を変更したりするように、表示制御装置114へ指示する。ステージが変更される場合は、変更後のステージに応じた背面画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、変更後のステージに関する情報を含めた背面画像変更コマンドを表示制御装置114へ送信する。ここで、背面画像とは、第3図柄表示装置81に表示させる主要な画像である第3図柄の背面側に表示される画像のことである。表示制御装置114は、この音声ランプ制御装置113から送信されるコマンドに従って、第3図柄表示装置81に各種の画像を表示する。
また、音声ランプ制御装置113は、表示制御装置114から第3図柄表示装置81の表示内容を表すコマンド(表示コマンド)を受信する。音声ランプ制御装置113では、表示制御装置114から受信した表示コマンドに基づき、第3図柄表示装置81の表示内容に合わせて、その表示内容に対応する音声を音声出力装置226から出力し、また、その表示内容に対応させてランプ表示装置227の点灯および消灯を制御する。
表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113及び第3図柄表示装置81が接続され、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81における第3図柄の変動演出などの表示を制御するものである。また、表示制御装置114は、第3図柄表示装置81の表示内容を通知する表示コマンドを適宜音声ランプ制御装置113へ送信する。音声ランプ制御装置113は、この表示コマンドによって示される表示内容にあわせて音声出力装置226から音声を出力することで、第3図柄表示装置81の表示と音声出力装置226からの音声出力とをあわせることができる。
電源装置115は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部251と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路252と、RAM消去スイッチ122(図3参照)が設けられたRAM消去スイッチ回路253とを有している。電源部251は、図示しない電源経路を通じて、各制御装置110〜114等に対して各々に必要な動作電圧を供給する装置である。その概要としては、電源部251は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチ208などの各種スイッチや、ソレノイド209などのソレノイド、モータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧及びバックアップ電圧を各制御装置110〜114等に対して必要な電圧を供給する。
停電監視回路252は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置110のMPU201及び払出制御装置111のMPU211の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路252は、電源部251から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断、電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置110及び払出制御装置111へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置110及び払出制御装置111は、停電の発生を認識し、NMI割込処理を実行する。なお、電源部251は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置110及び払出制御装置111は、NMI割込処理(図示せず)を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路253は、RAM消去スイッチ122(図3参照)が押下された場合に、主制御装置110へ、バックアップデータをクリアさせるためのRAM消去信号SG2を出力するための回路である。主制御装置110は、パチンコ機10の電源投入時に、RAM消去信号SG2を入力した場合に、バックアップデータをクリアすると共に、払出制御装置111においてバックアップデータをクリアさせるための払出初期化コマンドを払出制御装置111に対して送信する。
次いで、可変入賞装置65周辺の構造について説明する。図5は、可変入賞装置65及び振分装置300の正面斜視図であり、図6(a)及び図6(b)は、可変入賞装置65の正面斜視図である。図6(a)では、特定入賞口65aへの球の流下を規制するように開閉板65bが閉鎖される開閉板65bの閉鎖状態が図示され、図6(b)では、特定入賞口65aへの球の流下を許容するように開閉板65bが開放される開閉板65bの開放状態が図示される。なお、図5及び図6の説明においては、図2を適宜参照する。
可変入賞装置65は、開閉板65bの開放状態(図6(b)参照)において、開閉板65bに着地する球を受け入れ、特定入賞口65aへ案内可能となるように、開閉板65bの開放状態において開閉板65bの板上面が背面側へ向けて下降傾斜するように形成される。
開閉板65bの左右中央部の上方には電動役物140aが配置されているので(図2参照)、開閉板65bに着地する球は、電動役物140aから逸れて流下する球に限定される。即ち、開閉板65bへの球の着地は、左右中央部では生じず、主に、電動役物140aよりも左右外側の部分において生じる。換言すれば、開閉板65bに着地する球の配置は、開閉板65bの左右外側寄りの位置に限定される。
なお、開閉板65bに着地した後の球の配置についてはこの限りではない。即ち、開閉板65bに着地した後の球の流れ方によっては、開閉板65bの左右中央位置寄りに球が配置されることは生じ得る。
特に、本実施形態では、電動役物140aを前側から覆う前意匠部材141(図2参照)が、開閉板65b側の空間を確保するように湾曲形成されている(ガラスユニット16(図1参照)と対向配置される前端部下端から背面側へ向かうにつれて下側に張り出す態様の湾曲面として形成されている)ので、開閉板65bの左右中央位置寄りにおいて跳ねた球が前意匠部材141と衝突して勢いを落とされる程度を低くすることができる。これにより、開閉板65bの左右中央位置寄りに球が配置される可能性を高めることができる。
なお、前意匠部材141の下部の湾曲形状の曲率半径の中心は、前後どちらに配置されるものでも良い。本実施形態では、横面視における曲率半径が前側下方に配置されるよう形成することで、開閉板65b側の空間をより大きく確保できるようにしている。また、前意匠部材141が左右端部において下側へ向かう程に左右幅が小さくなる形状とされることで、左右側において開閉板65bとの間に空間を確保し易くすることができる。
開閉板65bの開放状態においては、開閉板65bに着地した球はほぼ漏れなく特定入賞口65aに案内される。検出センサSE1の球通過孔163bの手前側には、後方へ向けて下降傾斜する傾斜流下面163a1が球を球通過孔163bに案内可能な上下位置で配設されている。
傾斜流下面163a1は、下面部163aにより左右外側に転動された球が抵抗少なく乗り移れるように下面部163aの左右端部よりも一段下がって形成されている。この傾斜流下面163a1よりも左右外側において開閉板65bに着地した球の流下抵抗を低減するため、傾斜流下面163a1の左右外側において案内板部163a2が形成されている。
案内板部163a2は、受入部材163の後壁部と左右内壁部とから、前側かつ左右内側へ延設される板状部であって、前端面が左右内側ほど後方へ配置がずれる傾斜面として形成される。
これにより、開閉板65bに乗り転動する球が案内板部163a2の前端面に当接した場合に、傾斜面の傾斜に沿って球の流下を案内することができるので、球を傾斜流下面163a1に抵抗少なく案内することができる。そのため、開閉板65bに球が乗った状態で開閉板65bが閉鎖動作を開始した場合において、その球が傾斜流下面163a1よりも左右外側に配置されていたとしても、開閉板65bの閉鎖動作が阻害される程度を低減することができる。
即ち、例えば、球の流れが悪くなり開閉板65bの閉鎖が滞ったり、開閉板65bの閉鎖動作により後方に流された球が受入部材163の後壁部で跳ね返って開閉板65bに再び当たり、開閉板65bを開放させる方向(前側)の負荷を与えることで開閉板65bが意図せず開いたり、等という動作不良が生じる可能性を低減することができる。
開閉板65bが開放状態から閉鎖状態へ動作する場合、開閉板65bは起き上がり動作で閉じる。即ち、開閉板65bに着地した球は、開閉板65bの動作により特定入賞口65aに案内される(飲み込まれる)ので、開閉板65bに乗っている球の左右位置に寄らず、開閉板65bに乗っている球はほぼ漏れなく特定入賞口65aに案内される。
この際、開閉板65bにおける球の配置が左右外側に寄っていたり、球の個数が多かったりすると、開閉板65bの閉鎖動作が遅れる可能性がある。これに対し、本実施形態では、受入部材163の下面部163a、傾斜流下面163a1及び案内板部163a2の形状を工夫しているので、特定入賞口65aに案内された球の流れを滞留させることなく、開閉板65bの閉鎖動作の迅速性を保つことができる。
また、受入部材163の形状を工夫する代わりに、開放状態において球が乗る開閉板65bの転動面は、平面状に形成される(図6(b)参照)。そのため、開閉板65bの開放状態において開閉板65bに着地した球は、一旦後方に流れてから、受入部材163の形状の作用により左右方向へ流され検出センサSE1の球通過孔163bに案内されることになるので、開閉板65b上で球の衝突が生じることを回避し易くすることができる。
即ち、開閉板65bに複数の球が同時に着地しても、その球が一旦後方に平行移動することになるので、開閉板65b上で球が互いに衝突することを回避することができる。従って、開閉板65bの転動面が下面部163aのように左右方向の傾斜面を有する形状とされ転動球に左右方向の流れが形成される場合に比較して、開閉板65b上での球の動きが不規則になる可能性を低くすることができるので、意図せぬ動作不良を未然に防ぐことができる。
受入部材163には、開閉板65bの閉鎖状態において、開閉板65bの左右両端部における回動先端部と当接し、開閉板65bの配置の再現性を高めるための当接面部163a3が形成されている。当接面部163a3は左右一対で形成されており、且つ、開閉板65bの形状に合わせた形状設計により点接触ではなく面接触可能に形成されているので、開閉板65bの配置を安定させ易く、且つ、当接時の負荷を面で受けることにより応力集中を避けることができるので耐久性を向上させることができる。
また、当接面部163a3の下側には、対向配置される開閉板65bと若干の隙間を空け略平行となる面形状で形成される補助当接面163a4が形成されている。補助当接面163a4は、何らかの理由で当接面部163a3と開閉板65bとの当接が不良となった場合のフェールセーフとして設けられている。
本実施形態では、当接面部163a3の手前側において球の流下を制限する被固定部材161が配置されており、基本的には球は当接面部163a3と衝突しないように構成されている。しかし、例えば、当接面部163a3と当接する開閉板65bの回動先端部が欠けた場合、閉鎖状態における開閉板65bの配置の再現性を保てなくなる可能性がある。
これに対し、本実施形態では、開閉板65bと当接面部163a3との正常な当接が保てなくなった場合には、開閉板65bの左右端部における前後幅間部と補助当接面163a4との面当接を生じさせ、開閉板65bの配置の安定性を保てるように図っている。これにより、閉鎖状態における開閉板65bの配置の再現性を向上することができる。
なお、補助当接面163a4を、当接面部163a3の形状が正常な状況から開閉板65bと当接するように構成しても良い。この場合、当接面部163a3の形状が正常な状況から開閉板65bとの当接が生じるので負荷が蓄積され易いという不利益が生じ得るものの、負荷を分散させる面積を拡大できるので、開閉板65bとの当接により当接面部163a3が受ける局所的な負荷の大きさを低減することができる。
開閉板65bが開放状態から閉鎖状態へ動作する場合、開閉板65bへ受け入れられる途中の遊技球を、上述した前意匠部材141の形状によって開閉板65bへ押し込む態様で受け入れさせるよう構成することができる。
即ち、受け入れられる途中の状態(例えば、開閉板65bの回動先端と特定入賞口65aの開口枠部とに挟まれて横滑りしている状態)で、球が前意匠部材141の下部形状と当接した場合に、その湾曲形状に案内させることで特定入賞口65aの内側へ流下させることができる。これにより、開閉板65bから逸れた球が第3流路構成部336の正面側を落下する事態の発生を避け易くすることができるので、第3流路構成部336への視界を確保し易くすることができる。
開閉板65bの閉鎖状態においては、開閉板65bへの球の着地が生じないので、開閉板65bの閉鎖状態において開閉板65bの正面側を流下する球の配置は電動役物140aよりも左右外側に限定される。
従って、本実施形態の構成によれば、開閉板65bの閉鎖状態において特定入賞口65aに案内されずに流下する球の配置を、電動役物140aよりも左右外側位置に限定することができる。これにより、電動役物140aの下側において、電動役物140aの左右端部よりも左右内側位置における視界を確保することができる。
次いで、特定入賞口65aの下流側(特定入賞口65aを通過した球が流れる側)の構成について説明する。図7は、遊技盤13の正面斜視図であり、図8は、遊技盤13の背面斜視図である。なお、図7及び図8では、ベース板60に配設される構成の内、第1入賞口64、第2入賞口140及び可変入賞装置65以外の構成が取り外された状態が図示される。
図8に示すように、ベース板60の背面側における可変入賞装置65の後方位置には、第1入賞口64、第2入賞口140及び一般入賞口63(図2参照)に入球した球を球排出路(図示せず)へ流すための経路が形成される集合樋150が配設される。
集合樋150は、流路を形成する溝状部分を備え、溝状部分においてベース板60と対面する前側部が開放される。この開放部分がベース板60に閉じられることで、球排出路へ球を流すための経路が完成する。
集合樋150は、第1入賞口64に入球した球の流路を形成する第1流路部151と、第2入賞口140に入球した球の経路を形成する第2流路部152と、左右両側に配置される一般入賞口63に入球した球の流路を左右それぞれに形成する複数の第3流路部153と、を備える。
第1流路部151は、第1入賞口64の後方位置から左下方向へ傾斜する流路として構成され、第2流路部152は、第2入賞口140の後方位置から右下方向へ傾斜する流路として構成される。第3流路部153は、一般入賞口63の下方へ延びる流路として構成される。
従って、正面視では、第1入賞口64及び第2入賞口140が遊技領域の左右中央位置に配置される構成ながら、第1入賞口64及び第2入賞口140に入球した球の流れは、集合樋150によって左右中央位置から左右外側に寄せられる。これにより、第1入賞口64及び第2入賞口140の下方に空間を設けることができ、この空間を利用して可変入賞装置65及び後述する振分装置300を配設することができる。
図9は、ベース板60、可変入賞装置65、集合樋150及び振分装置300の分解正面斜視図であり、図10は、ベース板60、可変入賞装置65、集合樋150及び振分装置300の分解背面斜視図である。なお、図9及び図10では、ベース板60の下半部のみが図示され、その他の部分の図示が省略されており、且つ、ベース板60に組み付けられる他の構成についての図示が省略され、ベース板60の地が視認可能となっている。また、図9では、説明の便宜上、センターフレーム86がベース板60に組み付けられた状態で図示される。
可変入賞装置65、集合樋150及び振分装置300の固定について説明する。可変入賞装置65は、ルータ加工によってベース板60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤13の正面側からタッピングネジ等により固定されている。集合樋150は、ルータ加工によってベース板60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤13の背面側からタッピングネジ等により固定されている。
そして、振分装置300は、上部において挿通孔311が可変入賞装置65に締結固定され、左右部において挿通孔331が集合樋150に締結固定される。即ち、ベース板60に直接的に固定される可変入賞装置65や、集合樋150とは異なり、振分装置300の有無は、遊技盤13の完成に影響するものではない。
換言すれば、本実施形態における可変入賞装置65及び集合樋150は、振分装置300を配設する場合と、振分装置300を配設しない場合とで、そのまま流用することができる。これにより、振分装置300の有無に関わらず、可変入賞装置65と集合樋150との共通化を図ることができる。
次いで、可変入賞装置65及び振分装置300の詳細について説明する。可変入賞装置65は、特定入賞口65aを通して遊技領域から球を受け入れ可能に構成されており、振分装置300は、可変入賞装置65に受け入れられた球の流れる流下経路を構成している。本実施形態では、振分装置300の流下経路を流れる球の検出結果に基づいて遊技者が得られる利益が変化するように制御されるが、詳細は後述する。
図11は、可変入賞装置65の分解正面斜視図であり、図12は、可変入賞装置65の分解背面斜視図である。図11及び図12に示すように、可変入賞装置65は、遊技盤13の正面側からタッピングネジ等により固定される被固定部材161と、その被固定部材161の正面側に配置され被固定部材161に締結固定される前意匠部材162と、被固定部材161の背面側に配置され、被固定部材161に締結固定され、特定入賞口65aを通った球を受け入れ可能に構成される受入部材163と、その受入部材163の背面側に配置され、受入部材163に締結固定され、振分装置300との連結部分として介在する介在部材164と、受入部材163の背面側に配置され、受入部材163に締結固定され、開閉板65bの開閉状態を通電の有無によって切り替え可能に構成される状態切替装置165と、を備える。
被固定部材161は光透過性の樹脂材料から形成され、その正面側の形状は、ネジ挿通用の貫通孔、前意匠部材162との締結位置および特定入賞口65aを除き平坦面で形成される。一方、被固定部材161の背面側の形状は、外周部においてベース板60に面で当接される薄肉部の内側において背面側に張り出す立体的な形状となっている。
特に、薄肉部との境界部161aは横長略楕円の枠状に形成されており、この境界部161aを配設可能な大きさの貫通孔がベース板60に貫通形成される。即ち、境界部161aは、ベース板60の貫通孔に挿通される部分である。
境界部161aの内側では、特定入賞口65aと、その特定入賞口65aの下縁よりも若干下側において特定入賞口65aの下縁と平行な横長板状で後方へ延設される横長板状部およびその横長板状部の途中位置において下方に延設される縦長板状部を備えて左右一対の略T字形状で構成される延設支持板161bと、が形成される。
延設支持板161bは、特定入賞口65aの後方の範囲と、後述する振分装置300の流下経路と、の双方を支持するよう機能する。延設支持板161bの横長板状部から突設される突設支持部161cと、延設支持板161bの縦長板状部から突設される突設支持部161dと、境界部161aの下縁部上面から突設される突設支持部161eと、は振分装置300を支持する部分としての機能を有するが、詳細は後述する。
境界部161aの内側において、特定入賞口65aの左右中央位置下方において左右対称形状で突設される対称突設部161fは、振分装置300を流下する球と当接して球の流下を案内する機能を有する。
前意匠部材162に螺入する締結ネジを挿通するための複数の貫通孔161gは、境界部161aの内側および外側に配置される。受入部材163に挿通される締結ネジを螺入するため雌ネジ部を有する複数の被締結部161hは、境界部161aの内側に配置される。
介在部材164に挿通される締結ネジを螺入するため雌ネジ部を有する被締結部161iは、境界部161aの切れ目(左右中央位置)において境界部161aの外側に配置される。即ち、ベース板60に形成される貫通孔の内、境界部161aを挿通するための貫通孔と第2入賞口140及び電動役物140aを挿通するための貫通孔との連結部分(図9参照)に、被締結部161iは配設される。
前意匠部材162は、光透過性の樹脂材料から形成され、正面側は、ガラスユニット16(図1参照)との距離を均一とするべく平坦形状で形成される。前意匠部材162の背面側かつ被固定部材161の正面側の範囲において、球は流下可能とされる。
前意匠部材162の背面側には、被固定部材161の貫通孔161gと合う位置に配設され、貫通孔161gに挿通された締結ネジを螺入可能に形成される雌ネジ部を有する複数の被締結部162aと、その被締結部162aを上側から覆うような形状で背面側に延設される複数の延設部162b,162cと、を備える。
延設部162b,162cにより、被固定部材161と前意匠部材162との間を流下する球が被締結部162aに直接衝突することを回避することができるので、被締結部162aの耐久性を向上することができる。
更に、延設部162b,162cの上面が傾斜面として形成されることにより、球の流下経路を制限することができる。即ち、特定入賞口65aの左右縁部付近で延設される延設部162b(左右中央側の2箇所)の上面が左右外側へ向けて下降傾斜する傾斜面として形成されることで、延設部162bに乗った球が特定入賞口65a側に流れることを抑制することができる。即ち、延設部162bに乗った球は、延設部162bの左右外側を下方へ落下した後、内レール61(図2参照)に沿ってアウト口71へ向けて流下することになる。
また、左右両端に延設される延設部162c(左右両端の2箇所)の上面が左右内側へ向けて下降傾斜する傾斜面として形成されることで、延設部162cに乗って流れる球の流下経路を延設部162bに乗った球の流下経路とまとめることができる。これにより、流下する球の個数に比較して、流下する球が配置される範囲を狭めることができ(球の配置密度を高めることができ)、球に視認性を阻害されない部分(流下経路が構成されない空間)を確保することができる。
なお、図11に図示される前意匠部材162は無地で記載され、背面側の視認性が良好とされているが、前意匠部材162を無地で構成する必要はない。例えば、前意匠部材162の正面側に模様やキャラクターが図示されたシールを貼り付けて装飾するようにしても良いし、前意匠部材162に幾何学模様で溝を掘り、その溝に光が照射されることで幾何学模様が浮かび上がって視認されるようにしても良い。また、無地や、上述のような装飾が加えられた上で、前意匠部材162が非透過性となるように構成しても良い。
受入部材163は、光透過性の樹脂材料から正面側が開放された横長の枠状(または箱状)に形成され、上述した案内板部163a2と、当接面部163a3と、補助当接面163a4と、枠内側において流下面を形成する下面部163aと、下面部163aを流下した球が通過可能な貫通孔として配設される球通過孔163bと、被固定部材161の被締結部161hに合う位置に配置され被締結部161hに締結固定される締結ネジが背面側から挿通される複数の挿通孔163cと、介在部材164に挿通される締結ネジが螺入される雌ネジ部であって左右中央側に配設される一対の被締結部163dと、状態切替装置165に挿通される締結ネジが螺入される雌ネジ部を有する複数の被締結部163eと、を備える。
下面部163aは、左右中央部を頂点として左右外側へ向けて下降傾斜する左右傾斜面として形成され、その左右傾斜面の左右外端部から一段下がった位置において後方へ向けて下降傾斜する傾斜流下面163a1を備えていることで、傾斜流下面163a1の後端部を流下する球が球通過孔163bを抵抗小さく通過できるように配設される。
球通過孔163bは、受入部材163の背面側に係合される検出センサSE1に形成される検出用孔である。即ち、球通過孔163bを球が通過したことは検出センサSE1により検出される。
介在部材164は、光透過性の樹脂材料から形成され、後方へ向けて下降傾斜する光屈折面を有する本体部164aと、その本体部164aの上側部において貫通形成され受入部材163の被締結部163dに螺入される締結ネジを挿通可能な一対の挿通孔164bと、その挿通孔164bよりも上側に配置されLEDが配設される発光基板164cと、本体部164aの下端側左右両端部において振分装置300に挿通される締結ネジを螺入可能な雌ネジ部を有して形成される一対の被締結部164dと、本体部164aの上側部において貫通形成され被固定部材161の被締結部161iに螺入される締結ネジを挿通可能な挿通孔164eと、を備える。
発光基板164cは、LEDが配置される面が斜め前上方向を向く姿勢で配設され、組立状態において、正面視で特定入賞口65aの真上位置(図6参照)、且つ、第2入賞口140の真下位置に配置される。このような配置から、発光基板164cからの光は、第2入賞口140や特定入賞口65aへの入球を望みその箇所を斜め後下方向の視線で見つめる遊技者の視界に容易に入る。
従って、第2入賞口140や特定入賞口65aへの入球が検出された際に発光基板164cのLEDを点灯させるよう制御することで、第2入賞口140や特定入賞口65aへの入球が生じたか否かを遊技者に容易に把握させることができる。
上述の構成から、介在部材164は、被固定部材161及び受入部材163の双方に締結固定される。これにより、被固定部材161と受入部材163との締結固定のみで構成する場合に比較して、被固定部材161と受入部材163とを強固に固定することができる。また、介在部材164を介して被固定部材161及び受入部材163と連結固定される振分装置300の配置を安定させることができるので、被固定部材161及び受入部材163と振分装置300との相対的な位置ずれを抑制することができる。
状態切替装置165は、受入部材163の被締結部163eに螺入される締結ネジが挿通される複数の挿通部165aを有し、配線通し用、兼、放熱用の複数の開口を有して上側が開放される深底の箱状に形成される下ケース部165bと、その下ケース部165bに収容される電磁ソレノイド165cと、その電磁ソレノイド165cのプランジャーの先端に係合されプランジャーと共にスライド変位するスライド部165dと、下ケース部165bの前端部から回動先端部がはみ出すような配置で下ケース部165bに回動可能に支持され、スライド部165dのスライド変位に伴い回動する回動部165eと、複数の挿通孔165fに挿通される締結ネジにより下ケース部165bに締結固定される上蓋部165gと、を備える。
回動部165eの回動先端は、棒状部が係合可能に凹設されており、この凹設部に開閉板65bの右側端部から右方に突設される伝達突部65cが入り込み、係合される。伝達突部65cは、開閉板65bの開閉動作の回転軸を形成する金属製の軸棒部65dから偏心した位置に配置されている。このように構成することで、回動部165eの回動に伴って、開閉板65bの開閉動作を生じさせることができる。
図13及び図14は、振分装置300の分解正面斜視図である。図13では、振分装置300を上方から見た斜視図が図示され、図14では、振分装置300を下方から見た斜視図が図示される。
図13及び図14に示すように、振分装置300は、介在部材164の被締結部164dに螺入される締結ネジが挿通可能に貫通形成される一対の挿通孔311を有する上部材310と、その上部材310に上下方向で締結固定されると共に集合樋150の雌ネジ部に螺入される締結ネジを挿通可能に貫通形成される一対の挿通孔331を有する中部材330と、その中部材330と上部材310との間に収容され正面側にLED等の発光手段351が配設される基板350と、中部材330と上部材310との間の位置に収容され通電の有無によって状態を切り替え可能に構成される状態切替装置360と、中部材330の下方に配置され状態切替装置360の状態の切り替えに伴い前側位置と後側位置とで前後にスライド変位するスライド変位部材370と、中部材330との間にスライド変位部材370を挟むように中部材330の下方に配設されると共に集合樋150の雌ネジ部に螺入される締結ネジを挿通可能に貫通形成される挿通孔381を有する下部材380と、を備える。
各部の構成の詳細を説明する前に、振分装置300の機能の概要について説明する。振分装置300は、検出センサSE1の球通過孔163b(図12参照)を通過した球が流下する流下経路を構成する装置である。
球通過孔163bを通過した球は、上部材310の内部、上部材310と中部材330との間に形成される流路構成部334,335,336、下部材380の内部、という順で流下し、下部材380から流下した球は球排出路(図示せず)へ排出される。
振分装置300の内部を流下する球は遊技者が視認可能となるように構成されており、その流下態様により、遊技者の目を楽しませる単なる演出的効果のみでは無く、遊技者が得られる利益に変化を生じさせるといった遊技利益に関わる効果を奏する。
振分装置300の内部を流下する球の流下態様の違いは、主に、スライド変位部材370の配置により生じる。即ち、球が中部材330から下部材380へ向けて流下する時におけるスライド変位部材370の配置により、球が下部材380のどの箇所を通過するかに違いが生じる。
従って、遊技者の視線は、自ずと中部材330から下部材380へ向けて球が流下する箇所(後述するように、スライド変位部材370の配置箇所)に集まり易くなるので、本実施形態では、視線の集中を前提とした工夫が施されている。
次いで、振分装置300の各部の構成の詳細について説明する。上部材310は、光透過性の樹脂材料から形成される上面視コ字状の薄肉部材であり、上述の挿通孔311と、球を受け入れ可能に貫通形成される一対の開口部312と、目印として貼り付けられる有色(本実施形態では、赤色)透明の一対のシール部材313と、開口部312の下縁から外周部に沿って正面側に延設される一対の上面部314と、中部材330に螺入される締結ネジが挿通可能な貫通孔が形成される複数の挿通筒部315と、中部材330に挿通された締結ネジが螺入可能な雌ネジを有する被締結部316と、上部材310の下面から下方へ向けて突設される前後方向に長尺の部分であって左右に並べて配設される一対の前後長突設部317と、上部材310の下面から下方へ向けて突設される左右方向に長尺の部分であって一対の前後長突設部317の間に配設される一対の左右内突設部318と、上部材310の下面から下方へ向けて突設される左右方向に長尺の部分であって一対の前後長突設部317の左右外側に配設される一対の左右外突設部319と、基板350の上部を配置可能な大きさの凹部として形成される収容凹部320と、を備える。
開口部312は、可変入賞装置65の球通過孔163bを通過した球を受け入れ、下方へ流す役割を果たす通路状部(トンネル状部)であり、上前縁部は傾斜姿勢の検出センサSE1(図12参照)の板背面と面一となるように傾斜面で切断したような形状とされる。これにより、開口部312の上前縁部を検出センサSE1の板背面に接触させることができる。
また、開口部312は、球通過孔163bの開口方向視で球通過孔163bの開口内側に侵入しない程度の開口度合いで形成される。これにより、球通過孔163bを通過した球を開口部312に案内する際の流下抵抗を低減することができる。
シール部材313は、基板350の発光手段351から照射される光を受けて煌びやかに視認されることで、遊技者の注目を集める部材として機能するが、詳細は後述する。
上面部314は、上部材310の下方における球の流下経路に合わせて傾斜が形成される薄板部である。開口部312の正面側に配置される第1上面部314aは正面側へ向かうほど下降傾斜するように形成され、第1上面部314aの前端部と連結され左右内側に配置される第2上面部314bは左右内側へ向かうほど下降傾斜するように形成される。そして、左右の第2上面部314bの左右間隔が手前側ほど長くなるように構成されることで、第2上面部314bの間を通して球を視認する遊技者の視界の確保を図ることができる。
挿通筒部315は、締結ネジのネジ頭を受ける座グリが上面側に形成される。そのため、締結ネジを上側から挿通するという構成ながら、遊技者に締結ネジのネジ頭が視認されることを回避し易くすることができる。
挿通筒部315は、中部材330に形成される雌ネジ部を有する被締結部332dに合う位置に配置される。特に、左側の挿通筒部315に対応する被締結部332dは、回動部363を支持する支持部を兼ねるが、詳細は後述する。
被締結部316に螺入される締結ネジは、ネジ部が上向き、ネジ頭が下向きの姿勢で配置される。そのため、被締結部316を手前側に配置する構成ながら、斜め上から視認する遊技者に対してネジ頭が目立ちにくいようにされている。これにより、上部材310と中部材330とを強度に固定しながらも、締結ネジにより振分装置300の見映えが悪くなることを回避することができる。
被締結部316が右側にしか形成されていないのは、既に後側において挿通筒部315が2箇所に配設されているので前側における締結位置は1箇所で十分な点や、ネジ頭が下向きにされ目立ちにくいとはいえ不要であれば配設を省略した方が振分装置300の見栄えが良くなる点等が、理由である。なお、被締結部316の配置はこれに限定されるものではない。例えば、左側に配設されても良いし、左右一対で配設されても良い。
被締結部316の配置は、球の流下経路を避け、且つ、振分装置300の見映えの低下を最低限に抑えられる位置として設定されているが、詳細は後述する。
各一対で形成される前後長突設部317、左右内突設部318及び左右外突設部319の下面部は、それぞれ同一の箇所を基準として、その箇所から遠ざかるほど配置が下がるような湾曲面として形成される。この湾曲面は、前後長突設部317、左右内突設部318及び左右外突設部319で異なる形状とされており、この形状の違いにより球の流下態様を制御する意図がある。
中部材330は、上述の一対の挿通孔331と、後側において下底部を有する枠状(略箱状)に形成される後側枠状部332と、前側において下底部を有する枠状(略箱状)に形成される一対の前側枠状部333と、その前側枠状部333の左右外側において凹設され球の流下経路を構成する一対の第1流路構成部334と、その第1流路構成部334の前端部に連結されて球の流下経路を構成すると共に前側枠状部333の前側において凹設される一対の第2流路構成部335と、その第2流路構成部335の左右内側端部に連結されて球の流下経路を構成すると共に前側枠状部333の左右内側において凹設される一対の第3流路構成部336と、を備える。
また、中部材330は、第3流路構成部336の後端部の後ろ側において左右長尺形状で下底に貫通形成され球の排出路として機能する排出孔337と、その排出孔337及び第3流路構成部336を左右に仕切るよう前後方向に長尺の板状に形成される仕切り板部338と、第3流路構成部336の後方端部における下側面から左右長尺の矩形状凸部として突設される一対の位置合わせ突設部339と、を備える。
後側枠状部332は、球の流下経路を構成する前側部とは異なり球の流下経路を構成せず、主に基板350や状態切替装置360を支持する部分として構成される。後側枠状部332は、左右中央部の正面側端部において上下方向に貫通形成されスライド変位部材370を配置可能に構成される配置用貫通孔332aと、左右方向に長尺の貫通孔として下底部に貫通形成され状態切替装置360の被案内部362cのスライド変位を案内する案内孔332bと、下部材380に挿通される締結ネジが螺入可能に形成される雌ネジ部を有する複数の被締結部332cと、上部材310の挿通筒部315に挿通された締結ネジが螺入可能な雌ネジ部を上先端に有する円柱形状の被締結部332dと、を備える。
前側枠状部333は、枠内側および下底部表裏面に光拡散加工が施されていることで、前側枠状部333の奥側の視認性が低下することになる。前側枠状部333は、上面視略正方形状の枠状に形成されており、上部材310の被締結部316に螺入される締結ネジを挿通可能な座グリ孔として形成される挿通孔333aを備える。
第1流路構成部334、第2流路構成部335及び第3流路構成部336は、それぞれ球の流下経路を構成する部分であり、球の流下方向や、傾斜角度等が異なるように設計されているが、詳細は後述する。
なお、第2流路構成部335と第3流路構成部336との連結位置において正面側が開放される開放部335aは、可変入賞装置65の対称突設部161f(図12参照)が進入可能とするための空隙である。即ち、対称突設部161fは、振分装置300を流下する球に当接可能となるように、開放部335aを通して流路内側に進入するように配置される。
排出孔337は、仕切り板部338に仕切られる形で、左右一対で構成され、球が少なくとも2経路で排出可能な大きさで形成される。即ち、少なくとも、球の直径の2倍以上の左右長さで構成される。なお、本実施形態では、排出孔337の下側に配置される下部材380に複数の検出センサSE1が横並びにされているので、その検出センサSE1の球貫通孔の配置に合わせて排出孔337の形状を設計するようにすれば良い。
仕切り板部338は、上述のように第3流路構成部336を仕切る機能に加え、スライド変位部材370の変位を案内する案内部としての機能を奏するが、詳細は後述する。位置合わせ突設部339は、下部材380の突設部383aと嵌め合わされ、中部材330と下部材380との位置ずれを回避するための部分であるが、詳細は後述する。
基板350は、下側部353の方が上側部352に比較して左右長尺となる逆T字形状で形成されており、下側部353の左端側における下端部に位置合わせ用の凹設部354を備える。
凹設部354が、中部材330の内部形状として対応する部分と係合することで左右方向の位置決めがされ、左右長尺の下側部353が中部材330の後側枠状部332に前後から挟まれるように支持されることで前後方向の位置決めがされ、上部材310の収容凹部320に上側部352が収容されることで上方への脱落が防止されることで配置が固定されるよう構成されるが、発光手段351の配置の意図と共に詳細は後述する。
状態切替装置360は、中部材330の後側枠状部332に収容される装置であって、電磁ソレノイド361と、その電磁ソレノイド361に左右方向に直動変位するよう支持されるプランジャーの先端に係合されプランジャーと共にスライド変位するスライド部362と、左側の被締結部332dに挿通されることで回動可能に支持され、スライド部362のスライド変位に伴い回動する回動部363と、を備える。
スライド部362は、電磁ソレノイド361のプランジャーの先端の円板部361aを上側から受け入れ可能に凹設される凹設部362aと、右側面から右方に張り出す張出部362bと、下側面の前後中央部から下方に突設され左右方向に長尺の長円形状の断面で形成される被案内部362cと、を備える。
凹設部362aの形成方向から、円板部361aがスライド部362を上側から支える構成となるので、スライド部362が上方へ脱落することを防止することができる。そのため、円板部361aにスライド部362を接着剤等で固着せずとも、スライド部362の配置を円板部361aと中部材330の下底部との間で維持することができる。
被案内部362cは、中部材330の案内孔332bに挿通されることで、スライド部362の変位方向が左右方向からずれることを回避するための部分である。特に、本実施形態では左右方向に長尺に形成されるので、被案内部362cと案内孔332bとの係合により、スライド部362の姿勢維持を図ることができる。なお、被案内部362cの断面形状は必ずしもこれに限られるものではなく、例えば、円形でも良いし、矩形でも良い。
回動部363は、上面視で略L字状に形成され、L字の接続部において上下方向に長尺の筒状に形成され中部材330の被締結部332dを挿通可能な大きさの貫通孔を有する支持筒部363aと、L字の短手側先端部から上方へ向けて円柱状に突設され張出部362bが有する貫通孔に挿通される上円柱部363bと、L字の長手側先端部から下方へ向けて円柱状に突設されスライド変位部材370の凹設部378に挿通される下円柱部363cと、を備える。
上述の構成により、回動部363は、支持筒部363aを中心軸として回動可能に構成される。この回動部363の変位は電磁ソレノイド361の状態の変化によって生じる。即ち、電磁ソレノイド361に通電されることでプランジャーがスライド変位しスライド部362が左右方向に変位すると、張出部362bの貫通孔に挿通されている上円柱部363bが変位し、これに伴い下円柱部363cが変位し、結果としてスライド変位部材370を変位させる。
スライド変位部材370は、中部材330と下部材380との上下間位置において前後方向にスライド変位するよう支持される部材であって、中部材330の後側枠状部332の下底部と下部材380とに上下から挟み込まれて支持される薄板部371と、その薄板部371から左右一対で上方に突設される上突設部376と、その上突設部376よりも後側において左右中央部で上方に突設される突設部の突設端部で凹設され回動部363の下円柱部363cを受け入れ可能に形成される凹設部378と、を備える。
薄板部371は、後側半部において左右一対で貫通形成される被支持孔371aと、左右中央部における正面側端部から上突設部376の配置間隔よりも短い左右幅で前後長尺に凹設される凹設部372と、その凹設部372の縁部に沿う突条形状で下方に突設される一対の下突条部373と、後側半部における左右縁部に沿う突条形状で上下両方向に突設される複数の上下突条部374と、後端部から下方に円柱状で突設され下部材380の案内長孔386に挿通される円柱突部375と、を備える。
下突条部373及び上下突条部374は、上下側に配置される中部材330又は下部材380と対面し摺動することを想定した部分であり、平面での接触に比較して、中部材330及び下部材380との接触面積を低減するための突条である。接触面積を低減することで、スライド変位部材370の変位抵抗を低減することができるので、スライド変位部材370の変位速度が遅くなることを防止することができる。
上突設部376は、正面視略台形状の柱状部であり、配置用貫通孔332aを通り後側枠状部332の下底部よりも上方に進入するように配置される。上突設部376の左右内側の隙間の幅長さは、中部材330の仕切り板部338の左右厚みよりも若干長く設計される。この構成により、仕切り板部338により、上突設部376の変位を案内することができる。
換言すれば、上突設部376は、左右内側の隙間に仕切り板部338を挟むように配置され、仕切り板部338との当接により左右方向の位置ずれが抑制されるよう構成される。これにより、スライド変位部材370の変位を良好に案内することができ、スライド変位部材370の変位方向を前後方向に維持することができる。
凹設部378は、スライド変位部材370の前後方向変位を生じさせるのに必要となる回動部363の下円柱部363cの変位に対応できるように、左右方向に長尺の長孔として形成される。
凹設部378が形成される突設部は、配置用貫通孔332aを通り後側枠状部332の下底部よりも上方に進入するように構成されることで、回動部363の下円柱部363cを容易に凹設部378に挿通することができる。
このように、配置用貫通孔332aの形状は、挿通を予定される上突設部376と、凹設部378が形成される突設部と、が配置される全範囲を内側に含む形状の貫通孔として設計される。
下部材380は、上述の挿通孔381と、左右に長尺の薄板状に形成される板状部382と、その板状部382の下側において複数(本実施形態では4個)の検出センサSE1を左右に並べて配置可能とする枠状に形成されるセンサ保持枠部389と、を備える。
センサ保持枠部389は、検出センサSE1を挿入する背面側面と、検出センサSE1の貫通孔を通る球が通過する上下側面と、が開口形成されており、その他の部分が閉鎖されてなる枠状に形成される。
板状部382は、センサ保持枠部389に上下方向の貫通孔が形成されたことと同様に、検出センサSE1の貫通孔と合う位置に貫通孔が形成され、左右内側の2個の検出センサSE1の中間位置において前後方向に長尺の突条形状で上方へ突設される突条部383と、その突条部383の前側端部から左右に離れた位置で突設される一対の突設部383aと、突条部383よりも後側の位置においてスライド変位部材370の被支持孔371aに挿通可能な位置で突設される一対の案内突設部384と、その案内突設部384よりも左右外側の両位置において前後方向に長尺の突条として形成される一対の案内突条385と、上面視において突条部383と同一直線上に延びる長孔状の案内長孔386と、前側面において後方に突の湾曲面形状で形成される湾曲面部387と、中部材330の被締結部332cに螺入される締結ネジを挿通可能に貫通形成される挿通孔388と、を備える。
突条部383は、スライド変位部材370の凹設部372の左右隙間幅よりも若干短い左右厚みの突条として形成され、スライド変位部材370は凹設部372で突条部383を挟むように配置される。即ち、突条部383は、スライド変位部材370の前後方向変位を案内する案内部として機能する。
突設部383aは、左右内側端部が、中部材330の位置合わせ突設部339の左右外側端部と同等の位置となるように設計される。即ち、一対の突設部383aの左右内側端部に、位置合わせ突設部339の左右外側端部が当接する形で、嵌め合わされることにより、下部材380を基準とした中部材330の左右方向の位置を適切に定めることができる。それと共に、下部材380の枠前部(突条部383を突設部383aとを前端側でつなぐ部分)の背側面と位置合わせ突設部339の前側面とを当接させることで、下部材380を基準とした中部材330の前後方向の位置を適切に定めることができる。
これにより、中部材330の構成としての第3流路構成部336と、下部材380の構成としての検出センサSE1と、の間に位置ずれが生じることを回避し易くすることができる。
案内突設部384は、左右長尺の長円形状に形成されており、スライド変位部材370の被支持孔371aに挿通され、スライド変位部材370の変位を制限する。即ち、スライド変位部材370の変位は、被支持孔371aの内部に案内突設部384が配置される範囲での変位に制限される。
これにより、スライド変位部材370と突条部383との衝突を生じさせないようにすることができるので、例えば、前方向の変位終端がスライド変位部材370と突条部383との衝突した位置で定まる構成に比較して、突条部383の耐久性を向上することができる。そのため、突条部383による案内効果を長く奏し続けることができる。
なお、案内突設部384は、破損したとしてもスライド変位部材370の動作に即座に影響が生じる部分では無く、突条部383への衝突を防止するための部分として機能する。そのため、通常は案内突設部384の破損が生じない状態で設定期間(例えば、3年)において使用を維持できる強度で設計するところ、案内突設部384が破損した後は突条部383とスライド変位部材370とが衝突する状態で使用をすることを見込んで、案内突設部384及び突条部383の強度を設計するようにしても良い。即ち、案内突設部384の寿命を設定期間未満として(例えば、2年)として、残りの期間を突条部383の強度で耐えるように設計しても良い。この場合、下部材380に使用する樹脂材料の設定自由度や、形状の自由度を向上することができる。
案内突条385は、スライド変位部材370の薄板部371の左右幅よりも若干長い隙間幅で配置され、薄板部371を隙間に配置可能に形成される。スライド変位部材370の変位は、案内突条385の左右内側における変位に制限される。これにより、スライド変位部材370の前後方向変位を、左右方向の位置ずれ小さく生じさせることができる。
案内長孔386は、スライド変位部材370の円柱突部375を挿通可能な左右幅で形成される長孔である。スライド変位部材370の変位の方向は、円柱突部375が案内長孔386に案内されることで前後方向に制限される。
湾曲面部387は、中部材330よりも下側を流下する球の流下を案内するための当接面である。本実施形態では、アウト口71に入球した球の流下を案内することになるが、詳細は後述する。
挿通孔388には、締結ネジがネジ頭を下側に向けた姿勢で挿通される。これにより、締結ネジが目立って視認されることを回避することができる。また、挿通孔388の配置は、複数の検出センサSE1が配置される範囲よりも左右外側かつ背面側とされる。これにより、挿通孔388に挿通される締結ネジが、検出センサSE1付近または検出センサSE1の貫通孔を通過する球を見る視界を遮る可能性を低くすることができる。
上述のように、スライド変位部材370は、複数の部分、即ち、薄板部371に対する案内突条385や、被支持孔371aに対する案内突設部384や、凹設部372及び下突条部373に対する突条部383や、円柱突部375に対する案内長孔386や、上突設部376に対する仕切り板部338等、に案内されて前後方向へ変位する。これにより、案内時の負荷を複数位置に分担させることができるので、負荷が局所的にかかることを回避でき、スライド変位部材370及びスライド変位部材370を案内する案内用部分の破損を回避することができる。
ここからも分かるように、スライド変位部材370は、単一の部材に案内されるものではなく、少なくとも、中部材330と、下部材380と、の複数部材に案内される。即ち、スライド変位部材370は、少なくとも、中部材330の仕切り板部338に一対の上突設部376が案内され、且つ、下部材380の突条部383に凹設部372が案内される。
そのため、中部材330と、下部材380との組み付けが不良で、配置ずれが大きいと、スライド変位部材370の動きが阻害される。ここで、中部材330と下部材380とは、球の流下経路を連続的に構成する部分として配置ずれを小さく抑えることが好ましい所、スライド変位部材370の変位が良好とされていることにより、配置ずれが小さいことを保証することができる。
換言すれば、中部材330に対する下部材380の配置ずれが過度に大きくなると、スライド変位部材370の変位が良好に行われないので、スライド変位部材370の変位が不良であることを検出することにより、中部材330及び下部材380の相対的な配置が不良となっている可能性があるとしてエラー報知を実行するよう制御することができる。
従って、中部材330及び下部材380の相対的な配置が不良な状態のままの遊技が継続されることを防止できるので、遊技者が不測の不利益を被る可能性を低くすることができる。
次いで、振分装置300の内部構造の詳細について説明する。なお、ここでは、振分装置300の内部における球の流下に関わる構成と、球の流下経路側に進入する構成と、について主に説明する。
図15は、受入部材163及び振分装置300の正面図であり、図16は、図15のXVI−XVI線における可変入賞装置65及び振分装置300の断面図であり、図17は、図15のXVII−XVII線における可変入賞装置65及び振分装置300の断面図であり、図18は、図15のXVIII−XVIII線における可変入賞装置65及び振分装置300の断面図である。
なお、図15から図18では、図示されている場合には、開閉板65bは閉鎖状態で図示され、スライド変位部材370は前側位置に配置された状態で図示される。まず、振分装置300の内部を流下する球の流下経路の詳細について説明する。
開閉板65bが開放状態(図6(b)参照)の時に開閉板65bに着地した球は、受入部材163の下面部163aを転動し球通過孔163bに案内される。球通過孔163bを通過した球は上部材310の開口部312を通過し、中部材330の第1流路構成部334に案内される。第1流路構成部334と、続く第2流路構成部335と、その先に続く第3流路構成部336とは、全て下降傾斜する傾斜流路として構成され、接続される流路同士が上面視で90度の角度を成す渦巻き状に形成される。
即ち、第1流路構成部334は前後方向正面側に球を流下させる傾斜流路として形成され、第2流路構成部335は第1流路構成部334を流下する球の流下方向を基準として90度回転した左右方向に球を流下させる傾斜流路として形成され、第3流路構成部336は第2流路構成部335を流下する球の流下方向を基準として先の回転方向と同方向に90度回転した前後方向背面側に球を流下させる傾斜流路として形成される。
このように、流下経路を屈曲角度が直角の渦巻き状に形成することで、球の流下速度が下流側に向かうにつれて増加する程度を低減することができる。詳述すると、第1流路構成部334を流下する球は正面側へ向けて加速するところ、続く第2流路構成部335での流下方向は前後方向成分を持たないので、第1流路構成部334での加速分から受ける影響を抑えた流下態様を実現することができる。更に、第2流路構成部335に続く第3流路構成部336では、第1流路構成部334での加速方向とは逆の後方へ向けた流下となるので、前後方向の加速分から受ける影響を抑えた流下態様を実現することができる。
従って、例えば、終始一貫して同方向(例えば、左方向)へ向けて流下する流下態様と異なり、下流側において球の流下速度が過大となることを回避し易くすることができる。換言すれば、流路全体において球の流下速度を均一にしやすくすることができ、球に対する遊技者の注目力を高く維持することができ、球を遊技者が見失う事態の発生を回避し易くすることができるという効果を奏する。
また、例えば、第2流路構成部335を形成しないことも可能だが、第2流路構成部335を形成した方が、球の詰まりや、逆流を防止し易くすることができる。第2流路構成部335が形成されない場合(第2流路構成部335の左右方向長さが0である場合)、即ち、第1流路構成部334と第3流路構成部336とが連結される場合、その連結箇所において、球の流下方向を手前側の流れから後方への流れに180度反転する必要が生じる。この場合、球の流下方向の切り替え角度が大きく、特に速度方向を前後に反転させる必要があるので、球を滑らかに流下させることが困難であり、球の滞留や詰まり、逆流が生じ易く、不具合が生じる可能性がある。
これに対し、本実施形態のように、流下方向の切り替え角度が90度以下であれば(本実施形態では、90度)、球の速度方向の反転が生じないので、球を滑らかに流下させることができ、球の滞留や詰まり、逆流を回避し易くすることができる。
各流路構成部334〜336の接続端部における流路形状について説明する。第2流路構成部335と第3流路構成部336との接続端部においては、上述の対称突設部161fが球の流下方向を屈曲させる態様で球の流下を案内する部分として配設される。
対称突設部161fは、球の上流側に配置される部分よりも下流側に配置される部分の方が球の経路から退くよう形成される。例えば、隣り合って配置される仕切り板部338の左右幅よりも、対向配置される対称突設部161fの左右幅の方が長く形成される。また、開放部335a付近の第2流路構成部335の流路側面よりも、対向配置される対称突設部161fの左右端側の後端部の方が正面側に配置される(図17参照)。
これにより、球が対称突設部161fに衝突した場合に、球が過度に減速されたり、球の逆流が生じたり、することを防止することができる。
また、第2流路構成部335と第1流路構成部334との接続端部においては、中部材330の前側左右端部において湾曲形成される側壁部334aが、球の流下方向を屈曲させる態様で球の流下を案内する部分として形成される。
また、第1流路構成部334の上流側端部においては、正面側へ向かうほど配置が下がる湾曲面形状(図16参照)で第1流路構成部334の流下面部から上方へ突設される湾曲突部334bが、球の流下方向を屈曲させる態様で球の流下を案内する部分として形成される。
即ち、開口部312を通過した球は、湾曲突部334bを転動し、第1流路構成部334を流下し、流下中に側壁部334aに当接することで流下方向を切り替えられ、第2流路構成部335を流下し、流下中に対称突設部161fに当接することで流下方向を切り替えられ、第3流路構成部336を流下し、排出孔337に到達する。
側壁部334aは、被固定部材161の突設支持部161dと係合し、位置合わせ可能な形状から形成される。即ち、側壁部334aが左右の突設支持部161dに挟み込まれるように支持され、左右方向への位置ずれが規制されることで、可変入賞装置65と振分装置300との左右方向の位置合わせを行うことができる。
各流路構成部334〜336の長手方向の傾斜角度および長さの比について説明する。長手方向の傾斜角度については、第1流路構成部334は、水平に対する傾斜角度が約7度とされ、第2流路構成部335は、水平に対する傾斜角度が約5度とされ、第3流路構成部336は、水平に対する傾斜角度が約5度とされる。即ち、第1流路構成部334において傾斜角度が最大に設定され、第2流路構成部335及び第3流路構成部336では若干緩い共通の傾斜角度に設定される。
長さについては、各流路構成部334〜336は、上面視において外形正方形状に形成される前側枠状部333を内側側面とし、その前側枠状部333のなす正方形の中心と同じ中心を有する大きな正方形を外側側面とするように形成される。ここで、本実施形態では、前側枠状部333の一辺の長さが21mmとされており、上述の大きな正方形の一辺の長さが45mmとされることにより、周囲に幅12mmの流路が形成される。
そのため、通常使用される直径11mmの球に対して、流路とのクリアランスが球の両側の合計で1mmとされているので、球は幅方向の位置ずれがほとんどない状態で流下することになる。これは、ベース板60(図2参照)とガラスユニット16(図1参照)との間隔が19mm程度で規定されることから考えても、小さなクリアランスであるといえ、流下する球の位置ずれを抑制することができる。
正方形状の前側枠状部333の周囲を取り巻く正方形上に配置される各流路構成部334〜336の端部を構成する部分の内、第1流路構成部334の上流側の端部を構成する湾曲突部334bのみが正方形の頂点よりも内側(正面側)に配置されているので、第1流路構成部334は、第2流路構成部335及び第3流路構成部336に比べて短い。
上面視における実測値から言えば、第2流路構成部335及び第3流路構成部336により形成される流路は略同等の長さとされ(球中心間隔で33mm)、その長さは、第1流路構成部材334により形成される流路の長さ(球中心間隔で22mm)の約1.5倍とされる。
上述した各流路構成部334〜336の長手方向の傾斜角度および長さの比から、各流路構成部334〜336を球が通過するのに要する時間は一定では無いことが説明できる。即ち、傾斜角度が最大で且つ流路長さが最短の第1流路構成部334を通過する時間は、傾斜角度が緩められ且つ経路長さが1.5倍の第2流路構成部335及び第3流路構成部336を通過する時間よりも短い。
本実施形態では、このように構成することで、検出センサSE1の球通過孔163bを通過する際に配置が背面側へ移り、且つ検出センサSE1の非透過の樹脂部分に一部が隠されることで球の視認性が悪くなる状態から、球を早期に正面側に変位させることができ、遊技者に近く、球の視認性が高い状態へと状態を切り替えることができる。これにより、球通過孔163bを通過した球を遊技者が見失う事態が生じることを回避し易くすることができる。
更に、球の視認性が高い状態においては、球の流下速度を緩めることにより、球へ向けた視線を遊技者が素早く動かすことを不要とし、球に注目する遊技者の遊技負担(眼球の移動による目の疲れ)を低減することができる。
このように視認性が高くなる第2流路構成部335及び第3流路構成部336を流下する球に注目する際に、第2流路構成部335に沿って左右方向に球が流下する場合に比較して、第3流路構成部336に沿って前後方向に球が流下する場合の方が、正面視における球の変位量が小さくなるので、球に注目する遊技者の遊技負担を、第3流路構成部336を流下する球に注目する際に最小とすることができる。
換言すれば、長さ及び傾斜角度が同等であることから、第2流路構成部335を球が通過するのに要する時間と、第3流路構成部336を球が通過するのに要する時間と、は同等とされるところ、正面視における球の変位量が異なるので、結果として見かけ上の球の流下速度(正面視での球の変位速度)は、第3流路構成部336を流下する球の方が第2流路構成部335を流下する球よりも遅くなる。
遊技負担が最小とされ球に注目させ易い第3流路構成部336の後端部において球の流下経路は唯一変化し、それ以外の部分では球の流下経路は各流路構成部334〜336において共通とされる。従って、遊技者の視線は第3流路構成部336の後端部に自ずと集中し易いところ、このように視線を集中させる遊技者の遊技負担を有効に低減することができる。
また、第3流路構成部336の後端部に注目する遊技者の視界を確保するために、本実施形態では、第2流路構成部335の前側面に開放部335aが形成されるので(図17参照)、第3流路構成部336へ向かう視線を第2流路構成部335の肉部が妨げることを回避することができる。
更に、開放部335aの内側に配設される対称突設部161fは、流下する球との当接、案内のために必要な部分のみが形成され、その上下側においては形状部の形成が省略される。換言すれば、対称突設部161fは上下に薄肉の板状部として形成され、その上下側には空間が確保される(図18参照)。そのため、対称突設部161fが上下に厚みを持って形成される場合に比較して、第3流路構成部336の後端部へ向けた視線が対称突設部161fに妨げられる可能性を低くすることができ、視認性を向上することができる。
また、第3流路構成部336の後端部を中心とする視界側へ、開閉板65bから逸れてアウト口71へ向かう球が集まってくるように構成される(図5参照)。特に、本実施形態では、アウト口71に入球する球は、第3流路構成部336の下方を流下し、下部材380の湾曲面部387に当接し下方へ排出される。
従って、第3流路構成部336を流下する球を斜め上前側から視認する視線を前提とすると、アウト口71に入球する球は、第3流路構成部336の奥側を流下する。そのため、第3流路構成部336を流下する球と、アウト口71に入球する球とが前後で被って視認されることになるので、第3流路構成部336の後端部に注目する視界に入り込む球の総数が多くなる。
換言すれば、特定入賞口65aに入球して第3流路構成部336を流下する球か、特定入賞口65aには入球せずアウト口71に入球する球かに寄らず、球が第3流路構成部336の後端部に注目する視界に入り込む。
従って、特定入賞口65aへの球の向かい易さ、即ち、ベース板60に植設される釘構成(所謂ゲージの良し悪し)に関わりなく、発射された球の多く(他の入賞口63,64,140に入球した球を除く球)が集まる位置と前後方向で被る位置に、第3流路構成部336の後端部(遊技者の注目が集まる部分)が配置される。これにより、流下する球により、視線を効率的に第3流路構成部336の後端部に誘導することができる。
上述のように、正面側寄りの位置における視認性を向上したが、その上で、本実施形態では、背面側寄りの位置における視認性を、第3流路構成部336の後端部を除いて低下させるよう構成している。
例えば、中部材330の前側枠状部333の内側面には、プリズムに倣った形状で光拡散の作用を生じさせるための光拡散加工面333bが形成される。図17において、鋸歯状に視認される箇所が光拡散加工面333bであり、内側面のほぼ全内周、且つ、上下に亘って形成される。
光拡散の作用が生じると、光が複数方向に拡散されることで、面全体が光っているように視認されるので、表面を煌びやかに光らせ演出することができる一方で、光に視線が遮られ、その奥側の視認性が悪くなる。本実施形態によれば、基板350の発光手段351から光が照射される状態では視認性が悪くなり、逆に、光が照射されていない場合には、少なくとも光が照射される状態に比較して視認性を良くすることができる。
一方、光との間に遮蔽物があると、その遮蔽物の影が黒点として視認されることになり、その位置を判別し易くなる。
光拡散加工面333bと同様の加工面が他の部分にも形成されている。例えば、左右外突設部319の背側面に形成される光拡散加工面319aや、後側枠状部332の枠前部の背側面に形成される光拡散加工面332e等である(図17参照)。
また、同様の形状で形成される加工面としては、上部材310の第2上面部314bの背面側に延設される板状部であって組立状態において中部材330の前側枠状部333に蓋をする部分の上面側において形成される光拡散加工面314cや、中部材330の後側枠状部332よりも前側の部分の下側面全体に亘り形成される光拡散加工面340等が例示される。
これらの構成により、本実施形態では、各流路構成部334〜336から渦状に形成される流路の、背面側、下面側、渦の内側面および、その渦の上側面に、それぞれ光拡散加工面が形成されており、光照射による視認性の変化の効果を図っている。
光拡散加工面に光が照射されていない状態において、正面側から第3流路構成部336の後端部に注目する遊技者目線で、第3流路構成部336から左右方向に方向転換した球を前側枠状部333で隠して、即座に見え難くすることができる。
更に、斜め上からの方向視で第3流路構成部336を流下する球を視認する遊技者目線で、センサ保持枠部389に保持される検出センサSE1を通過し落下した後の球を見ようとしても、その視線は光拡散加工面340を通過することになるので、光拡散加工面340に光が照射されることにより、検出センサSE1を通過し落下した後の球の識別は困難となる。
本実施形態では、後述するように、第3流路構成部336の後端部を球がどのように流下するかによって、遊技者が得られる利益が変化するよう制御される。
従って、第3流路構成部336の後端部から球がどのように流下したのかを把握するために、第3流路構成部336の後端部における球の挙動を確認する必要が生じるので、第3流路構成部336の後端部への注目力をより一層向上することができる。
一方、発光手段351から光が照射されれば、球の影を黒点として視認し易い状態を構成することができる。このように、光の照射の有無を状況に応じて切り替えることで、球の視認性の良し悪しを切り替えることができる。また、黒点よりも正面側における球の配置の有無により、その黒点が球で隠される状況と、黒点が球に隠されずに見える状況を構成することもできる。
上述のように、各流路構成部334〜336の付近において光拡散加工面319a,332e,333b,340が形成されるが、一貫して、各流路構成部334〜336により形成される流路を流下する球と当接しない側の側面に形成される。
これにより、光拡散加工面319a,332e,333b,340が球との当接により削られることを避けることができるので、光拡散加工面319a,332e,333b,340の形状を長期間に亘り維持することができ、光拡散の作用を維持することができる。
更に、光拡散加工面319a,332e,333b,340に球が当接することで、球の流下が阻害されたり、球が減速の作用を受けたりすることを回避することができる。加えて、流路内部の視認性は確保できるようにすることで、球が各流路構成部334〜336により形成される流路を流下している最中にまで球の視認性が低下することを回避することができる。
なお、敢えて光拡散加工面319a,332e,333b,340を流路側に形成するようにしても良い。この場合、プリズムの大きさの設定次第では、光拡散の作用を生じさせる効果と、球との衝突により球を減速させる効果と、を生じさせるように図ることができる。
中部材330の前側枠状部333では、被締結部316との締結位置においては加工の難易度から光拡散加工面333bの形成が省略されており、対策なしでは視認性が高いまま維持される可能性がある。そこで、本実施形態では、締結ネジによる視認性の低下を図っている。
即ち、被締結部316に螺入される締結ネジが金属製であり、非透過性であることを利用して、光拡散加工面333bの形成が困難となる箇所における目隠しとすることができる。前側枠状部333に光が照射されると、光拡散加工面333bは煌びやかに光り、光拡散加工面333bの形成が省略されている部分では締結ネジが光を反射して光るので、光拡散加工面333bの形成が省略されている箇所も含めて、正面側からの視線における前側枠状部333の奥側の視認性を低下させることができる。
中部材330の光拡散加工面332eは、各流路構成部334〜336の背面側に形成されているが、この目的として、煌びやかに光らせることの他に、背面側に配設される基板350及び状態切替装置360の目隠しとしての機能を生じさせることが挙げられる。特に、状態切替装置360は基板350の背面側に配置されるので(図17参照)、基板350が目隠しとなり、状態切替装置360が遊技者に視認されることを防止し易くすることができる。
基板350は、中部材330の後側枠状部332に下支えされる形で収容されるが、左右中央部において後側枠状部332の下底部と隙間を空けて配置され、その隙間にスライド変位部材370が配置される(図18参照)。即ち、基板350は、スライド変位部材370を後側枠状部332の下底部との間で挟む位置に配置される。
詳述すると、基板350は、下側部353が左右端部において後側枠状部332に前後から挟まれるように支持される(図17参照)。この支持箇所において、後側枠状部332の下底部は肉厚とされる肉厚部332fを備えており(図16参照)、左右中央位置付近では、この肉厚分が無いことで隙間が生まれ、その隙間にスライド変位部材370を配置することができる(図18参照)。
図18に示すように、基板350の上側部352は、上部材310の収容凹部320の内側に進入し、介在部材164に形成される光拡散加工面164fと前後に対向配置される。
そのため、上側部352に配置される発光手段351から光が照射されることにより、介在部材164の光拡散加工面164fが煌びやかに光る演出効果を奏することができ、更に、介在部材164の背面側の範囲の視認性を低下させることができる。
ここで、上側部352に配置される発光手段351は光拡散加工面164fの下端部付近に光を照射するところ、光拡散加工面164fは、プリズムに倣った断面形状部が、表面に沿って上下方向全体に形成されるので、発光手段351から照射された光は上下幅の広い光として視認される。そのため、遊技者目線で、特定入賞口65aの上下に亘って発光しているように見せることができる。
なお、正面側からの視界において、光拡散加工面164fは、受入部材163の左右中央側位置に配置されるが、検出センサSE1の背面側に配置したとしても検出センサSE1が視界の妨げとなり良好に視認できないので、少なくとも一対の検出センサSE1の配置隙間内において形成されていれば、十分な効果を奏することができる。
なお、基板350の下側部353は、シール部材313や、その下側に配設され球が流下する部分へ向けて光を照射するよう配置されるが、詳細は後述する。
次いで、図19及び図20を参照して、第3流路構成部336の後端部を通過した球の流下経路の切り替えと、その意義について説明する。なお、図19及び図20の説明においては、図15から図18を適宜参照する。
図19は、図15のXVII−XVII線における可変入賞装置65及び振分装置300の断面図であり、図20は、図15のXVIII−XVIII線における可変入賞装置65及び振分装置300の断面図である。図19及び図20では、図示されている場合には、開閉板65bは閉鎖状態で図示され、スライド変位部材370は後側位置に配置された状態で図示される。
ここで、センサ保持枠部389に支持される左右4個の検出センサSE1と、各検出センサSE1への球の流下と、各検出センサSE1の機能について説明する。
4個の検出センサSE1は、2組が左右対称に配設されるものであり、機能を共通とする確変検出センサSE11と、通常検出センサSE12と、を備える。確変検出センサSE11は、左右方向内側に配設され、通常検出センサSE12は、左右方向外側に配設される。
この4個の検出センサSE1の機能は、開閉板65bの背後に配置される検出センサSE1とは異なる。開閉板65bの背後に配置される検出センサSE1は、賞球の払い出しを生じる入球センサである。即ち、特定入賞口65aに入球した球が背後の検出センサSE1に入球したと検出されると、所定個数(本実施形態では、1個の検出に対して10個)の賞球が払出制御装置111(図4参照)により遊技者側に払い出される。
一方、センサ保持枠部389に支持される検出センサSE1は、賞球の払い出しを生じる検出センサではなく、入球を検出することで、大当たり遊技終了後の遊技状態を変化させるための検出センサとして機能する。
なお、後述するように、本実施形態では、センサ保持枠部389に配設される検出センサSE1を確変状態への移行の有無の切替のために利用したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、検出センサSE1を次回大当たり獲得の有無の切替のための入球センサとして機能させても良い。
スライド変位部材370が前側位置に配置される場合(図17及び図18参照)、確変検出センサSE11の上側に薄板部371が被さるようにスライド変位部材370が配置され、確変検出センサSE11の貫通孔への球の通過が防止される。そのため、第3流路構成部336の後端部を通過する球は、スライド変位部材の上突設部376に案内されるようにして、通常検出センサSE12の貫通孔へ案内される。
上突設部376は、球と対向する前側面376aが、流路側を凹とした円弧形状で形成されているので、流れてきた球を滑らかに通常検出センサSE12の貫通孔へ向けて流すことができる。
一方、スライド変位部材370が後側位置に配置される場合(図19及び図20参照)、確変検出センサSE11の上方からスライド変位部材370が後方に退避し、確変検出センサSE11の貫通孔への球の通過が許容される。
即ち、球がいずれの検出センサSE1を通過するかは、スライド変位部材370の配置(前側位置または後側位置)と対応する。そして、大当たり遊技中に球が確変検出センサSE11の貫通孔を通過したことが検出された場合に、その大当たり遊技後の遊技状態を確変状態とするように制御される。換言すれば、球が確変検出センサSE11の貫通孔を通過したと検出されず、通常検出センサSE12の貫通孔のみを通過した場合には、その大当たり遊技後の遊技状態を通常状態(又は時短状態)とするように制御される。
ここで、本実施形態において、大当たり種別として、確変大当たりと、通常大当たりとが用意されていることについて上述した。これを実現するために、本実施形態では、大当たり種別ごとにスライド変位部材370の動作パターンとして異なる動作パターンが用意されている。
換言すれば、スライド変位部材370は、確変大当たりの場合には、球が確変検出センサSE11の貫通孔を通過し易いような動作パターンで動作するよう制御され、通常大当たりの場合には、球が確変検出センサSE11の貫通孔を通過し難く、通常検出センサSE12の貫通孔を通過し易いような動作パターンで動作するよう制御されるが、制御の詳細については後述する。
このように、スライド変位部材370の配置は、遊技者が得られる利益に直結するものであり、その配置に自ずと遊技者の注目が集まることになる。一方、スライド変位部材370の配置を不正に切り替えようとする不正行為は少なからず発見されており、それに対する対策が重要視される。
前提として、スライド変位部材370の配置は、状態切替装置360の電磁ソレノイド361への通電の有無によって切り替えられる。即ち、電磁ソレノイド361に通電がされていない時は、電磁ソレノイド361のプランジャー及びスライド部362が付勢バネ(図示せず)によって右側に配置され、回動部363の下円柱部363cが正面側に配置されることで、スライド変位部材370は前側位置に維持される。
一方、電磁ソレノイド361が通電されると、電磁ソレノイド361のプランジャー及びスライド部362が電磁力によって左側に移動され、回動部363の下円柱部363c(図13参照、スライド変位部材370の凹設部378に挿入される部分)が背面側に変位することで、スライド変位部材370は後側位置に維持される。これが通常の動作態様であり、電磁ソレノイド361への通電と、スライド変位部材370の配置とが一対一で対応する。
上述した不正行為を行う者は、例えば、球払い出し開口や、外枠11と正面枠14(図1参照)との隙間等からピアノ線などの金属細線を振分装置300の内部に差し入れて、その金属細線をスライド変位部材370に押し当てて、スライド変位部材370を奥側へ押し込むようにして、確変検出センサSE11への球の入球が可能となる状態を不正に作り出そうとする可能性がある。
これに対し、本実施形態では、スライド変位部材370の配置として、薄板部371が第3流路構成部336の下底部よりも下側に配置されているので(図18参照)、第3流路構成部336に金属細線を通してスライド変位部材370に押し当てる場合に、薄板部371の前端部に押し当てるのは困難であり、上突設部376に押し当てることになる。上突設部376の前側面376aは、上述のように負荷を左右外側へ逃がすような湾曲面形状とされるので、金属細線を押し当てられたとしても、その負荷を左右外側に逃がすことができ、スライド変位部材370が不正に後側位置に変位させられる事態を回避し易くすることができる。
また、スライド変位部材370に到達するまでの経路が、一直線では無く渦状に巻いていることに加え、スライド変位部材370自体の配置もガラスユニット16(図1参照)の前側面から背面側に遠く(約10cm程度)離れているので、そもそも、金属細線をスライド変位部材370に到達させることを困難とすることができる。
これらの構成から、状態切替装置360の構成の設計自由度を向上することができるという効果も奏する。即ち、従来では、上述のような不正行為に対して、駆動力を伝達する機構の機械的な工夫(変位規制)によりスライド変位部材370の配置を維持するよう構成する場合が多く、その場合には、状態切替装置360の構成が制限されていた。これに対し、本実施形態では、そもそもスライド変位部材370に負荷がかけられ難く構成することにより、状態切替装置360に要求される条件を部分的に省くことができ、状態切替装置360の設計自由度を高めることができる。
また、第3流路構成部336を通して這わせた金属細線でスライド変位部材370に押し付け負荷を加える場合には、この金属細線自体が、第3流路構成部336を流下しようとする球の流下を阻害することになるので、球を確変検出センサSE11に到達させることを困難とすることができる。
上述のように、球が確変検出センサSE11の貫通孔を通過するか、通常検出センサSE12の貫通孔を通過するかにより、遊技者が得られる利益が大きく変化することから、誤入球は極力避けることが望ましい。
従来の機種では、確変検出センサSE11への入球が許容される状態においては通常検出センサSE12への入球を規制するように構成することが通常であったが、本実施形態では、確変検出センサSE11への入球が許容される状態(図19及び図20参照)において通常検出センサSE12への入球を規制するような可動部材は用意されておらず、通常検出センサSE12へも入球させることが可能な構成である。
このように構成しても、10個の球が流下した場合に少なくとも1個が確変検出センサSE11の貫通孔を通過すれば、大当たり遊技後の確変状態は確保されることになる。本実施形態では、このような考え方から、通常検出センサSE12の開閉を行う可動部材の配置を省略することにより、材料コストの低減を図ることができ、製品コストを低減することができる。また、可動部材を配置しない結果、その可動部材の故障や動作不良に伴うメンテナンスが不要になったり、可動部材の寿命以上にパチンコ機の使用年数を延ばすことができたりという良い効果を奏する。
一方で、可動部材とは別の工夫として、適切な側の検出センサSE1に球が案内されるようにするための工夫として、流路形状と、固定の突設部317,318,319の配置や形状とが工夫されている。即ち、スライド変位部材370が後側位置に配置されている状態で想定以上の球が通常検出センサSE12へ流れることを防止するような仕組みを、流路内部に固定配置される部分(即ち、突設部317,318,319)の形状により実現するように図っている。このことについて、以下で説明する。
まず、流路形状の工夫について説明する。第3流路構成部336の下底面336aは、短手方向において、左右方向中央側(仕切り板部338側)に向かうにつれて水平に対して5度の角度で下降傾斜する傾斜面として形成される(図15参照)。
この傾斜角度は、第2流路構成部335の長手方向の傾斜と、角度および方向が同様となるように設定されているので、第2流路構成部335から第3流路構成部336に球が流入する際の球の跳ね(仕切り板部338から離れる方向の跳ね)を低減することができる。
この短手方向の傾斜によって、第3流路構成部336を流下する球の配置を仕切り板部338側に寄せることができる。そのため、第3流路構成部336の後端部から検出センサSE1側へ流下する際の球を仕切り板部338に近接する側に配置することができるので、スライド変位部材370が後側位置に配置されている状態で、球が誤って通常検出センサSE12(仕切り板部338から離れて配置される検出センサSE1)の貫通孔を通過する事態が生じる可能性を低くすることができる。
また、下底面336aの短手方向の傾斜に関わらず、各流路構成部334〜336により構成される流路は、左右方向経路が第2流路構成部335によってのみ形成されており、その傾斜方向は左右中心側(仕切り板部338側)なので、左右方向の速度は左右内向きに生じることになる。これによっても、球が誤って通常検出センサSE12(仕切り板部338から離れて配置される検出センサSE1)の貫通孔を通過する事態が生じる可能性を低くすることができる。
次に、固定の突設部317,318,319の配置や形状の工夫について、説明する。第3流路構成部336を流下した球が最初に近接配置されるのは、左右内突設部318である。左右内突設部318は、突設部317,318,319の内で最も小さな突設部でありながら、検出センサSE1の中心よりも正面側、且つ、スライド変位部材370の上突設部376よりも正面側に配置されているので、仕切り板部338に摺動しながら第3流路構成部336の後端部を通過する球と漏れなく当接する。
左右内突設部318の突設先端面は、正面視では下に凹の湾曲面として構成され(図15参照)、且つ、突設部後端側の方が突設部前端側よりも左右外側および下側に拡がって形成され前後端部が凹形の湾曲面でつながるように形成される(図17参照)。従って、第3流路構成部336の後端部を通過し左右内突設部318に当接した球は、左右外向き成分と、下向き成分とが混合された方向の負荷を受け、流下する。
一方で、左右内突設部318は小型に形成されていることから、左右内突設部318から受けた負荷のみで球の流下方向が下方か左右外方向かに定まるものでは無く、あくまで勢い付けとして機能する。そして、左右内突設部318がスライド変位部材370よりも上流側に配置されることから、上述の勢い付けは、スライド変位部材370の配置に関わらず生じる。
左右内突設部318に当接した後の球の流下について場合を分けて説明する。スライド変位部材370が前側位置に配置された状態では、球は、上突設部376や、前後長突設部317(図18参照)に当接しながら、スライド変位部材370の薄板部371を転動し、通常検出センサSE12側へ流れる。
前後長突設部317の突設端部は、上突設部376と同様の用途を有する。即ち、球の流下方向を切り替えるための湾曲面として形成されるので、その湾曲面の曲率半径は、上突設部376の前側面376aの曲率半径とほぼ同じとされる。目安として、上突設部376は左右内側を始点とし、上面視で確変検出センサSE11の貫通孔の中心位置の後方位置を終点とする湾曲面を構成し(図17参照)、一方で、前後長突設部317は流路の天井面を始点とし、左右方向視で、スライド変位部材370の前側位置における前側面376aの終点位置(後端位置)と近接する位置を終点とする湾曲面を構成している(図18参照)。
ここで、薄板部371の上側面が左右外側へ下降傾斜する傾斜面として形成されており、左右内突設部318との当接により左右外側へ勢い付けされた球は、その勢いを活かして左右外方向へ流下することになるので、球の流下を滑らかに形成することができる。
更に、左右外方向へ流下する球の上方において左右外突設部319が形成されており、球跳ねが抑制されることによっても、球の流下を滑らかに形成することができる。左右外突設部319の目的が球の流下方向の切り替えでは無く球跳ねの抑制であることから、その形状は前後長突設部317とは大きく異なり、その突設端部は、確変検出センサSE11の上方から通常検出センサSE12の上方に亘って形成される大きな曲率半径の湾曲面として形成される。
特に、本実施形態では、左右外突設部319が検出センサSE1の開口の中心(即ち、流路の中心)よりも正面側に配設されていることから(図19参照)、左右外突設部319と球とが上下方向で当接する場合に、球の中心が左右外突設部319の厚み中心よりも後方側に配置され易い。そのため、左右外突設部319と球とが上下方向で当接した際に、球に対して後方向成分を有する負荷がかかり易いようにすることができるので、球が正面側に逆流することを防止することができる。
これらの構成から、複数の球が流下する場合に球詰まりが生じたり、球の逆流が生じたりすることを防止し易くすることができる。
スライド変位部材370が後側位置に配置された状態では、薄板部371や上突設部376が前後長突設部317よりも後方に退避しているので、球は、前後長突設部317に当接して流れる。
前後長突設部317は、突設端部(湾曲面)の面形状が、法線が第3流路構成部336の中心を通る形状とされており、確変検出センサSE11の貫通孔の中心位置の真後ろに厚み中心が配置されるので、当接した球に対して左右方向の成分が抑制された負荷を与えやすい。この負荷は、前後長突設部317の突設先端が凹状の湾曲面形状とされることから(図20参照)、球を前斜め下方に流す負荷として機能する。
そのため、左右内突設部318からの勢い付けでは右方に行き切らなかった球は、前後長突設部317からの負荷により前斜め下方への負荷を受け確変検出センサSE11側へ流れる。
ここで、前後長突設部317との衝突時の当たり所によっては、球が正面側に跳ね返る(逆流が生じる)可能性が危惧されるが、本実施形態では、上述のように、左右内突設部318との当接により左右外斜め下方に勢い付けされているので、球が正面側に跳ね返ったとしても、球は第3流路構成部336の下底部後端(図20参照)や、前側枠状部333の後側面(図19参照)に衝突するに留まり、第3流路構成部336を逆流する事態が生じることを回避し易くすることができる。
本実施形態で独特なのは、スライド変位部材370が後側位置に配置され球が確変検出センサSE11側へ流れる際にも、スライド変位部材370が前側位置に配置され球が通常検出センサSE12側へ流れる場合と同様に、左右内突設部318から負荷による左右外側へ向けた変位が球に生じることである。この用途については、後述する。
スライド変位部材370は、前側位置と後側位置とでスライド変位可能に構成されるところ、球がスライド変位部材370に向かって第3流路構成部336を流下している最中にスライド変位部材370が閉鎖動作(後側位置から前側位置へ向けた動作)をすると、球に前向きの負荷を与える可能性があり、球に第3流路構成部336を逆流させる方向(前向き)の負荷が与えられる可能性がある。
これを防ぐために、スライド変位部材370の変位動作を制御することが好ましい。例えば、球がスライド変位部材370に到達する前に閉鎖動作を完了させておくように制御すれば、動作中のスライド変位部材370に球が衝突する可能性を排除できるので、球が逆流する可能性を低くすることができる。
また、スライド変位部材370の上突設部376の前面が左右外側を向く湾曲面として形成されていたり、左右内突設部318が球にもれなく衝突するように配置されたりすることにより、第3流路構成部336の後端部に到達した球を左右外側に案内する作用を生じさせることができる。これにより、球の逆流が生じにくくすることができる。
また、スライド変位部材370の開放動作(前側位置から後側位置へ向けた動作)は球と対抗する方向の動作ではなく、球から離れる側への動作なので、例えば、球がスライド変位部材370の薄板部371に乗っている時に動作が実行されても、その球を正面側に押し返す負荷は生じにくい。従って、開放動作については、球の配置を考慮せず任意のタイミングで実行する制御としても、球の逆流が生じ易くすることは無いと考えられる。
球がスライド変位部材370の上面で前転回転しながら薄板部371を転動する(まだ左右外側に流れる前段階の)場合、スライド変位部材370の開放動作は、球に対して、回転を抑える方向(後転させる方向)の負荷を与えるので、球の回転を留めることができ、球の流れを停止させ自由落下に移し易い。
そのため、球が薄板部371を転動中にスライド変位部材370が開放動作した場合に、球がそれまでの転動の勢いで通常検出センサSE12に案内されることを回避し易くすることができ、球を確変検出センサSE11に案内し易くすることができる。
上述した振分装置300を備える本実施形態におけるパチンコ機10における、振分装置300の遊技者目線での見え方について説明する。以下では、一例として、水平方向に対する視線の角度が異なる状態で場合を分けて説明する。
図21は、可変入賞装置65及び振分装置300の正面図であり、図22は、図16の矢印XXII方向視における可変入賞装置65及び振分装置300の斜視図であり、図23は、図16の矢印XXIII方向視における可変入賞装置65及び振分装置300の斜視図である。
前提として、パチンコ機10を操作する遊技者は、操作ハンドル51(図1参照)を握り回転させることを除き、好みの姿勢で遊技を行うことができる。例えば、パチンコ機10から頭を十分に離して、水平または水平から5度程度下降傾斜する方向の視線(図22参照)でガラスユニット16(図1参照)の内側を見るようにして遊技を行っても良いし、パチンコ機10に頭を近づけて、水平から30度程度下降傾斜する方向の視線(図23参照)でガラスユニット16の内側を見るようにして遊技を行っても良い。一般的には、前者の方が広い視界を確保できるが、細かな部分には気付きにくい一方で、後者は視界が狭くなるが、その視界における細かな部分には気付き易い。
図21は、基準として図示するものであり、以下では主に、図22及び図23を対比しながら説明を行う。なお、図21から図23では、便宜上、開閉板65bの開放状態が図示される。
図21には、発光手段351が想像線で図示される。なお、発光手段351は左右対称に配設されているが(図13参照)、理解を容易とするために左半部のみが図示される。最上部に配置される発光手段351の機能については上述した通りであるので、ここでは下側部353に配置される左半部における3個の発光手段351について説明する。
まず、上側の発光手段351は、シール部材313に向けて光を照射する。シール部材313は上述のように、赤色透明に形成されているので、発光手段351から光が照射された場合、シール部材313の周辺が赤く照らされる。これにより、シール部材313及びその周辺に対する遊技者の注目力を向上することができる。シール部材313は第3流路構成部336の真上に配設されているので(図18参照)、第3流路構成部336に注目させることができる。
なお、上側の発光手段351の正面側においては、光拡散加工面332eの形成が省略されている(図18参照)。これにより、発光手段351からの光が光拡散加工面332eにより上下方向に引き延ばされるように視認されることを回避し、シール部材313周辺を集中的に光らせることができる。
なお、発光制御については何ら限定されるものではないが、例えば、大当たり遊技中に、第3流路構成部336を流下する球に注目させたい状況においてシール部材313に光を照射するように制御することで、シール部材313に注目させ、その下側に配置される第3流路構成部336の後端部に自然と視線を誘導することができる。
次に、下側において左右に並んで配置される発光手段351は、それぞれ、確変検出センサSE11と、通常検出センサSE12の真上位置に対応する。即ち、この発光手段351の制御を、球が確変検出センサSE11に入球した場合には確変検出センサSE11の真上位置に配置される発光手段351を発光させる一方、球が通常検出センサSE12に入球した場合には通常検出センサSE12の真上位置に配置される発光手段351を発光させるように制御することで、遊技者に対して、球の通過箇所を報知することができる。
これらの、下側において左右に並んで配置される発光手段351から照射される光は、光拡散加工面に向けられる。即ち、左右中央側の発光手段351は、光拡散加工面332eと対向配置されており(図18参照)、左右外側の発光手段351は、光拡散加工面319a(図17参照)と対向配置されている。光拡散加工面319a,332eは、各部の上下に亘って形成される。
従って、発光手段351からの光が視認される位置は、発光手段351のLEDの高さ位置に限定されるものではなく、上下に広がりがある範囲として形成される(上下に延びる帯状の光として視認される)。そのため、図21から図23に示すように、遊技者の視線の角度が変わったとしても、発光手段351からの光の視認性を向上することができる。
図22における水平からの下降傾斜の角度(5度)は、第3流路構成部336の傾斜角度と同じである。そのため、図22では、第3流路構成部336の後端部に配置されるスライド変位部材370の外形を視認することができる。但し、スライド変位部材370は前後方向に変位するため、この視界では、スライド変位部材370の変位による変化を把握し難い。
一方、図23に示すように、水平から30度の角度の方向視では、第3流路構成部336の後端部における視界の上下幅が狭まっているので、図22の方向視に比較して、第3流路構成部336の後端部における球の流下態様の切り替わりの確認の難易度が高くなる。但し、この視界では、スライド変位部材370が前後方向に変位する際の上突設部376の変位を把握し易い。
なお、中部材330の配置用貫通孔332aがスライド変位部材370の上突設部376を通すのに十分な最低限の大きさの開口として形成されているので、後側枠状部332の内部に配置される状態切替装置360(図17参照)を視認し難いように隠すことができている。
実際の大当たり遊技中には、ラウンド遊技中に特定入賞口65aに複数個の球が案内され、各流路構成部334〜336を順に流下する。各流路構成部334〜336に複数個の球が同時に配置される場合、奥側の球へ向けた視線が、手前側の球により妨げられる可能性がある。
例えば、第3流路構成部336に複数の球が配置される場合、それらの球は、図22では、同位置に配置される。従って、手前側の球によって、奥側の球が隠される。
また、球が通常検出センサSE12側へ流れる場合、第3流路構成部336の後端部から左右外方向へ流れることになる。第3流路構成部336から左右方向へ外れた後は前側枠状部333の光拡散加工面333bにより視認性が落ちるので、第3流路構成部336から左右方向へ外れる過程の球の動きを把握することが好ましいところ、第2流路構成部335の下流側端部位置(球P1の位置)から第3流路構成部336の上流側端部位置(球P2の位置)へ流入する球(第3流路構成部336から左右方向に若干ずれる球)があると、その球により、第3流路構成部336の後端部から左右方向へ外れる過程の球が隠される。
換言すれば、球が確変検出センサSE11へ流れたか、通常検出センサSE12へ流れたかの把握は、第3流路構成部336の後端部で球の流下方向が左右外側へ切り替わったか、否かを視認すれば可能であり、第3流路構成部336の内側および右縁部周辺に注目していれば良い。これに対し、本実施形態では、その視線の方向上の上流側における第3流路構成部336と第2流路構成部335との連結位置において、第3流路構成部336の内側および右縁部周辺を含む経路で球が流下し得るように構成される(球P1の位置から球P2の位置への移動)。そのため、上流側を流下する球の配置によっては、球が確変検出センサSE11へ流れたか、通常検出センサSE12へ流れたかを把握し損なう事態が生じ得る。
また、図23の視線では、第3流路構成部336の後端部を流れる球と、第2流路構成部335を流れる球とが、上下方向の配置で明確に分けられるので、上流側の球が目隠しとなる事態を回避し易い。一方で、第3流路構成部336の後端部において視認される流路の上下幅が狭い分、方向視で視認できる球の面積が小さくなる。
特に、第3流路構成部336の後端部を通過した球は、上述したように、スライド変位部材370の配置によらず、一旦右斜め下方へ流下した後において、確変検出センサSE11へ向かう流下経路か、通常検出センサSE12へ向かう流下経路か、が切り替わる。そのため、球の流下経路として、球が真下に流下するか、球の流下方向が右方へ切り替わるかで切り替えられる場合に比較して、切替位置において視認される球の面積が小さくなる。
切り替わりの態様としては、他に、球の流下経路が真下に流下するか、右方へ切り替わるかで切り替わるかという場合のように、切替位置がより上流側に配置される場合が想定される。例えば、左右内突設部318が形成されず、確変検出センサSE11へ向かう球は第3流路構成部336の後端部から真下へ流下する場合には、切替位置は、少なくとも第3流路構成部336の中心線後方の位置となる。
これに対し、本実施形態のように切替位置が第3流路構成部336の中心線後方よりも右側に変位している場合、球が第3流路構成部336の下底部よりも下方に落ちる(第3流路構成部336の下底部上面とスライド変位部材370の薄板部371の上側面との上下差分だけ落ちる、図18参照)ことで、第3流路構成部336自体に球の一部が隠される作用に加え、球が第3流路構成部336を通して視認される範囲よりも左右外側に変位することで、前側枠状部333に球の一部が隠される。
従って、第3流路構成部336の後端部を通過した球の、遊技者目線で視認可能な面積が小さくなるので、球がいずれの流下経路で流下したかの把握を行うことが困難となる。これにより、第3流路構成部336の後端部付近を流下する球に対する注目力を更に向上することができる。
このように、本実施形態によれば、第3流路構成部336の後端部を流下する球の流下方向を識別する方向視として説明した複数の方向視(図22及び図23参照)において、いずれにも長所および短所が設定される。これにより、振分装置300の視認の仕方をとっても、遊技者に一辺倒の遊技を要求するのではなく、遊技者に好みの視認方法を調整および選択させることができ、遊技態様に幅を持たせることができるので、遊技者が遊技に飽きる事態が生じることを回避することができる。
遊技者の視界の確保は種々の方法で実現することができるが、本実施形態では、特に、上部材310の第2上面部314b間に空隙が形成されることで、第3流路構成部336の屋根部が取り外されたような状態とすることができるので、第3流路構成部336を視認し易くすることができる。
図22及び図23の方向視について、振分装置300よりも正面側における視認性について説明する。図22及び図23では図示を省略しているが、振分装置300よりも正面側には、被固定部材161及び前意匠部材162(図5参照)が配置されるので、部材の厚みにより透過する光が少なくなることから、視界が遮られることになる。
前意匠部材162により視界が遮られる範囲が狭くなる分、図23の方向視の方が、図22の方向視に比較して、振分装置300の内部を流下する球を視認し易くなる可能性がある。
被固定部材161及び前意匠部材162は、基本的には、上述のように平坦形状とされおり、光の屈折が生じ難いように構成されている(図12参照)。これにより、振分装置300の視認性が悪くなることを回避することができる。
機能上、平坦形状とできない部分についても、視認性に与える影響が小さくなるように形成している。例えば、振分装置300を位置決め、係合するための突設支持部161c〜161eは、斜め下方向へ向く遊技者の視線を遮ることが無いよう、流路構成部334〜336を見る遊技者の視線の外方(上側後方、左右外側、左右側下方、)に配設されている。
また、例えば、対称突設部161fは、球の中心高さに形成され、強度上必要最低限の厚さで肉薄に形成されている(図18参照)。これにより、対称突設部161fが球と遊技者の目との間に配置されたとしても、球全体が隠されることを防止することができるので、流路構成部334〜336を流下する球の視認性を確保することができる。
被固定部材161と前意匠部材162との間には、特定入賞口65aから逸れた球が流下し、アウト口71へ向けて流下する。アウト口71へ向けて流下する球による視界への影響について説明する。
図22及び図23では、開閉板65bの開放状態でアウト口71へ向けて流下する球の配置の一例が図示される。開閉板65bの開放中は、開閉板65bの上方から流下した球は開閉板65bに乗り特定入賞口65a側へ案内されることになるので、アウト口71へ向けて流下する球は、開閉板65bの左右に逸れた球となる。これらの球は、延設部162bと延設部162cとの間を流下し、内レール61に案内されてアウト口71へ向けて流下する。
図22及び図23に示すように、遊技者目線では、内レール61を流れる球の配置は、各流路構成部334〜336よりも下方となるので、内レール61を流れる球により各流路構成部334〜336を流下する球の視認性が低下することを回避し易くすることができる。
一方で、内レール61を流下する球の流下は、第2流路構成部335を流下する球の流下と同様に、緩やかな角度で遊技領域の左右方向中央側へ向けて流れる態様であるので、第2流路構成部335を流下する球と同様に、遊技者の視線を遊技領域の左右中央位置に誘導する効果を奏する。この効果は、遊技者の視線をアウト口71に誘導すると共に、第3流路構成部336に誘導する。即ち、アウト口71及び第3流路構成部336の左右方向位置が同様の位置(左右中央位置)とされるので、遊技者が上下に視線を動かすことで、アウト口71及び第3流路構成部336の両方を視認可能となるような状態に視線を誘導する。
従って、遊技領域へ向けて打ち出した球が、効率的に特定入賞口65aに入球し易いか(大当たり遊技中の無駄球が少なくて済む状態か)、逸れて延設部162bと延設部162cとの間を流下する球が頻発するか(大当たり遊技中の無駄球が頻発する状態か)に関わらず、流下する球により遊技者の視線を第3流路構成部336に誘導するという効果を奏することができる。
即ち、球が特定入賞口65aに入球した場合には、第2流路構成部335を流下する状態において遊技者の視線を第3流路構成部336へ誘導でき、球が特定入賞口65aを逸れる場合には、内レール61を流下する状態において遊技者の視線を第3流路構成部336へ誘導することができる。
アウト口71へ向かう球は、無駄球として遊技において何ら作用を生じないことが通常であるが、本実施形態では上述のように構成することで、アウト口71へ向かう球に、遊技者の視線を第3流路構成部336へ誘導させる役割を持たせることができる。
なお、開閉板65bの閉鎖状態においては、球が開閉板65bの正面側を流れ第2流路構成部335の正面側を通過することで、第2流路構成部335の視界を低下させる可能性がある。
一方で、特定入賞口65aの左右中央位置上方に第2入賞口140及び電動役物140aが配設され、特定入賞口65aの左右中央位置下方に第3流路構成部336が配設されるという本実施形態の構成によれば、第2入賞口140及び電動役物140aにより球の流下を防止することができるので、球が第3流路構成部336の正面側を流下することを防止することができる。従って、開閉板65bの正面側を流下する球により第3流路構成部336及びその後端部周辺の視認性が低下する事態の発生を回避することができる。
本実施形態では、特定入賞口65aに入球した球がスライド変位部材370に到達するまでの時間を流路構成部334〜336の形成長さにより確保できているが、この弊害として生じやすい配置スペースの増大の回避を図っている。即ち、図22及び図23に示すように、遊技者目線において、可変入賞装置65の特定入賞口65aと、第3流路構成部336の配置の目安としてのスライド変位部材370と、の配置間隔を短く形成している。
そればかりか、スライド変位部材370が特定入賞口65aの下側後方に配置されているので(図18参照)、図23に示すように遊技者目線として高頻度で生じる後側斜め下方へ向く視線において、特定入賞口65aの外形にスライド変位部材370の外形が食い込むほどに近接配置しているように視認される。
加えて、左右長尺に構成した特定入賞口65aに入球し、その左右両端部に配置される検出センサSE1の球通過孔163bを通過した球の流下経路は、左右対称の各流路構成部334〜336を経由して特定入賞口65aの左右中央側下方に集められる。これにより、特定入賞口65aの左右幅を球が左右方向に流下する場合に比較して、スライド変位部材370に球が到達するまでの時間を短くすることができる。加えて、球の流下経路として必要とされる構造を、下側ほど左右長さが短くなる構造とすることができるので、湾曲形状の内レール61の下縁部付近に配置し易くすることができる。
特に、本実施形態では、特定入賞口65aがアウト口71に近接配置させる設計思想であるところ、第2流路構成部335の左右内側端部から真下に球を流下させる構造では無く、第2流路構成部335の左右内側端部から第3流路構成部336により球を後方へ流下させる構造を採用することで、アウト口71(湾曲面部387の正面側(上流側)に配設される開口)を第2流路構成部335の真下位置に形成することができる。これにより、特定入賞口65aとアウト口71との上下間隔の短縮化を図っている。
このように、遊技者目線における特定入賞口65a及びスライド変位部材370の上下配置幅および左右幅を短くできることで、一定の規格に正面視での大きさが制限される遊技領域の設計において、特定入賞口65a及びスライド変位部材370が占める範囲の上下幅を短縮化できるので、遊技領域の設計自由度を向上することができる。
例えば、本実施形態のように、特定入賞口65aの配置を遊技領域の下端付近に配置することができるので、可変入賞装置65を左右対称の遊技領域に有効に利用することができる。
次いで、振分装置300に入球後の球の流下と、その流下を考慮した可動役物(可変入賞装置65、スライド変位部材370)の作動パターンの一例について説明する。
まず、前提として、開口部312を通った球は、第1流路構成部334、第2流路構成部335、第3流路構成部336を順に流下する(図16及び図17参照)。各流路構成部334〜336を球が通過するのに要する時間は任意に設定可能であるが、本実施形態では、各流路構成部334〜336を約0.3秒で通過するように設計されている。
即ち、特定入賞口65aに入球してから第1流路構成部334を通過するのに0.3秒、第2流路構成部335を通過するのに0.3秒、第3流路構成部336を通過するのに0.3秒を要するように構成される。
従って、可変入賞装置65の開閉板65bが開放状態となった直後に球が特定入賞口65aに入球したとしても、0.9秒間は、第3流路構成部336の後方端部に配置される検出センサSE1に球が到達することは無いように構成される。これにより、開閉板65bが開放状態となった後の0.9秒間は、スライド変位部材370の位置に寄らず、球が確変検出センサSE11にも、通常検出センサSE12にも通過し得ないので、球の誤入賞を危惧せずにスライド変位部材370の作動パターンを設計することができる。
そのため、例えば、V確変アタッカーを備えるパチンコ機に一般的に見られるような、V入賞センサへの誤入賞を防ぐためにラウンド遊技R開始時に開閉板を短時間解放させる制御(開閉板の動作に不自然さを伴う制御)を不要とすることができる。これにより、特定入賞口を開閉する開閉板の動作態様が自然な動作となり、安心して遊技を楽しむ環境を遊技者に提供することができる。
また、上記例におけるV確変アタッカーを備えるパチンコ機では、V確変アタッカーの開放直後に入球する球が誤入賞を生じやすかったが、本件の可変入賞装置65では、後述するように、開放直後に入球する球によって、逆に好ましい効果(例えば、スライド変位部材370の動作を球で隠す効果)が生じるので、開放直後の球の入球を生じさせないようにする工夫を不要とすることができる。
なお、球の通過に要する時間は、各流路構成部334〜336の長さや傾斜、流路内壁部の形状など(平滑か、凹凸形状かなど)により任意に設定可能である。
図24を参照して、第1実施形態の第1制御例におけるROM202(図4参照)の内容について説明する。図24(a)は、主制御装置110内のROM202の電気的構成を示すブロック図であり、図24(b)は、第1当たり種別カウンタC2と特別図柄における大当たり種別との対応関係を模式的に示した模式図であり、図24(c)は、第2当たり乱数カウンタC4と普通図柄における当たりとの対応関係を模式的に示した模式図である。
図24(a)に示すように、主制御装置110のROM202には、上記した固定値データの一部として、第1当たり乱数テーブル202a、第1当たり種別選択テーブル202b、第2当たり乱数テーブル202c、および変動パターン選択テーブル202dが少なくとも記憶されている。
第1当たり乱数テーブル202aは、定期的(例えば、2msecごと)に更新される第1当たり乱数カウンタの大当たり判定値が記憶されているデータテーブルである。始動入賞に基づいて取得した第1当たり乱数カウンタの値が、第1当たり乱数テーブル202aに規定されているいずれかの判定値と一致した場合に、特別図柄の大当たりであると判別される。
第1当たり種別選択テーブル202b(図24(b)参照)は、大当たり種別を決定するための判定値が記憶されているデータテーブルであり、第1当たり種別カウンタC2の判定値が、各大当たり種別、および特別図柄の抽選契機となった入賞口の種別に対応付けて規定されている。本実施形態のパチンコ機10では特別図柄の大当たりと判定された場合に、始動入賞に基づいて取得した第1当たり種別カウンタC2の値と、第1当たり種別選択テーブル202bとが比較され、第1当たり種別カウンタC2の値に対応する大当たり種別が選択される。
具体的には、特別図柄1の抽選(第1入賞口64への入球に基づく抽選)で大当たりとなった場合には、第1当たり種別カウンタC2の値が「0〜9」の範囲には、大当たりA1が対応付けられて規定されている(図24(b)の202b1参照)。
大当たりA1となった場合は、4ラウンドの大当たり遊技が、可変入賞装置65の第1の作動パターン(詳細は後述する)で実行され、スライド変位部材370は作動パターンX(詳細は後述する)で変位するように制御される。
第1当たり種別カウンタC2の値が「10〜19」の範囲には、大当たりA2が対応付けられて規定されている(図24(b)の202b2参照)。
大当たりA2となった場合は、4ラウンドの大当たり遊技が、可変入賞装置65の第1の作動パターン(詳細は後述する)で実行され、スライド変位部材370は作動パターンY(詳細は後述する)で変位するように制御される。
第1当たり種別カウンタC2の値が「20〜39」の範囲には、大当たりB1が対応付けられて規定されている(図24(b)の202b3参照)。
大当たりB1となった場合は、4ラウンドの大当たり遊技が、可変入賞装置65の第2の作動パターン(詳細は後述する)で実行され、スライド変位部材370は作動パターンX(詳細は後述する)で変位するように制御される。
第1当たり種別カウンタC2の値が「40〜49」の範囲には、大当たりB2が対応付けられて規定されている(図24(b)の202b4参照)。
大当たりB2となった場合は、4ラウンドの大当たり遊技が、可変入賞装置65の第2の作動パターン(詳細は後述する)で実行され、スライド変位部材370は作動パターンY(詳細は後述する)で変位するように制御される。
第1当たり種別カウンタC2の値が「50〜79」の範囲には、大当たりC1が対応付けられて規定されている(図24(b)の202b5参照)。
大当たりC1となった場合は、4ラウンドの大当たり遊技が、可変入賞装置65の第3の作動パターン(詳細は後述する)で実行され、スライド変位部材370は作動パターンX(詳細は後述する)で変位するように制御される。
第1当たり種別カウンタC2の値が「80〜99」の範囲には、大当たりC2が対応付けられて規定されている(図24(b)の202b6参照)。
大当たりC2となった場合は、4ラウンドの大当たり遊技が、可変入賞装置65の第3の作動パターン(詳細は後述する)で実行され、スライド変位部材370は作動パターンY(詳細は後述する)で変位するように制御される。
上述したように、特別図柄1の抽選(第1入賞口64への入球に基づく抽選)で大当たりとなると、いずれの場合であっても、4ラウンドの大当たり遊技が選択される。そのため、後述する特別図柄2の抽選で大当たりとなる場合に比較して大量の賞球を期待することはできない。一方で、4ラウンドの大当たり遊技は、15ラウンドの大当たり遊技に比較して短時間で終了するので、その後の大当たりの獲得を狙うための球の打ち出しを、早期に開始することができる。
一方、特別図柄2の抽選(第2入賞口140への入球に基づく抽選)で大当たりとなった場合には、第1当たり種別カウンタC2の値が「0〜99」の範囲には、大当たりaが対応付けられて規定されている(図24(b)の202b7参照)。
大当たりaとなった場合は、15ラウンドの大当たり遊技が、可変入賞装置65の第3の作動パターン(詳細は後述する)で実行され、スライド変位部材370は作動パターンX(詳細は後述する)で変位するように制御される。
上述したように、特別図柄2の抽選(第2入賞口140への入球に基づく抽選)で大当たりとなると、いずれの場合であっても、15ラウンドの大当たり遊技が選択される。そのため、特別図柄2の抽選での大当たりを獲得した方が、特別図柄1の抽選での大当たりを獲得する場合に比較して大量の払い出し賞球を得ることができるので、遊技者が、特別図柄2の抽選を行うための遊技(第2入賞口140へ入球させるように球を発射するような遊技)を行うことのモチベーションを高めることができる。
また、スライド変位部材370の作動パターンが作動パターンXで固定となるので、スライド変位部材370の視認性を確保しないでも、遊技者に生じる不利益が大きくなる可能性が少ない。そのため、スライド変位部材370への視認性が若干悪くなるという短所があるが特定入賞口65aへの入球が生じ易い長所がある作動パターンとして第3の作動パターンがある時に、特別図柄2の抽選での大当たりの可変入賞装置65の作動パターンを第3の作動パターンで設定することで、短所の影響を低下させ、大当たり遊技に要する時間を短くすることができるという長所のみを際立たせることができる。
即ち、特別図柄2の抽選での大当たり遊技が間延びする可能性を低くすることができるので、遊技者にとって気持ちの良い(賞球の払い出しの時間効率が良い)大当たり遊技を実現することができる。
なお、特別図柄2の大当たり種別の設定は、これに限定されるものではない。例えば、特別図柄2の大当たり種別として、スライド変位部材370が作動パターンYで変位制御される大当たり種別を設けても良い。また、この大当たり種別は、少ない割合(例えば、20%程度)で設けるようにしても良い。
これにより、スライド変位部材370に対する遊技者の注目力を向上させることができるので、遊技者が大当たり遊技を漫然と遊技することを防止することができる。即ち、スライド変位部材370の変位動作を遊技者に視認させ、変位動作のタイミングで遊技者を一喜一憂させ、遊技者の興趣を高めることができる。
上述した通り、特別図柄の確変中は、普通図柄の当たり確率がアップし、普通図柄の変動時間が短くなり(3秒)、普通図柄の当たりとなった場合における電動役物140aの開放時間が長くなる(1秒×2回)ように設定される。よって、第2入賞口140へと球を入球させやすくなるので、特別図柄2の抽選が行われやすくなる。従って、一旦特別図柄の確変状態へと移行させることができれば、特別図柄の大当たりとなりやすく、且つ、大当たりとなった場合に大当たりa(利益バランスの良い大当たり)となりやすい特別図柄の確変状態が繰り返されやすくなるので、遊技者が多量の賞球を獲得し易くなる。これにより、遊技者に対して特別図柄の確変状態へと移行させることを強く期待させながら遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
第2当たり乱数テーブル202c(図24(c)参照)は、普通図柄の当たり判定値が記憶されているデータテーブルである。具体的には、普通図柄の通常状態において、普通図柄の当たりとなる判定値として、「5〜28」が規定されている(図24(c)の202c1参照)。また、普通図柄の高確率状態において、普通図柄の当たりとなる判定値として、「5〜204」が規定されている(図24(c)の202c2参照)。本実施形態のパチンコ機10では、普通入賞口67を球が通過することに基づいて取得される第2当たり乱数カウンタC4の値と、第2当たり乱数テーブル202cとを参照し、普通図柄の当たりであるか否かを判定している。変動パターン選択テーブル202dは、変動パターンの表示態様を決定するための変動種別カウンタの判定値が表示態様毎にそれぞれ規定されているデータテーブルである。
図25は、各大当たり種別における1ラウンド目の可変入賞装置65の開閉板65bの作動パターンと、振分装置300のスライド変位部材370の作動パターンと、の計時変化を示した図である。
MPU201(図4参照)は、前記特図当り決定において大当りを決定した場合には、特図変動表示(図柄変動演出)の終了後に、(決定した種類の)大当り遊技の制御を開始する。以下、大当り遊技が付与される場合に行われる可変入賞装置65の開閉板65bと、振分装置300のスライド変位部材370と、の作動制御について説明する。なお、図25の説明では、図24を適宜参照する。
なお、本制御例では、大当たり種別の違いで駆動態様が異なるのは1ラウンド目のみであり、2ラウンド目以降は共通の駆動態様とされる。そのため、大当たり種別ごとの1ラウンド目の駆動態様についてそれぞれ説明する。
大当たりA1又は大当たりA2の場合には、第1の作動パターンに基づいて開閉板65bが動作するようMPU201が電磁ソレノイド165c(図11参照)を駆動制御する。MPU201は、特図変動表示(図柄変動演出)が終了すると、タイマ手段(図示せず)が所定のオープニング時間OP(10秒)が経過するまで開閉板65bを閉鎖状態に保持するよう電磁ソレノイド165cを駆動制御し、オープニング時間OPの経過後に、1ラウンド目のラウンド遊技Rを開始する。
すなわち、第1の作動時間T1(最大30秒)をタイマ手段で計測を開始すると共に開閉板65bを閉鎖状態から変位させて特定入賞口65aへの入球が可能な開放状態とする。初回の開放状態は0.2秒間維持される。第1の作動パターンでは、この0.2秒間の開放動作を、1.0秒間隔で実行するよう電磁ソレノイド165cを駆動制御して、開閉板65bに長時間動作を行わせる。
なお、初回の開放時間は、遊技球を発射し続ける場合に、少なくとも1個の遊技球が特定入賞口65aに入り得る期間よりも長く、規定個数(本実施形態では10個)の遊技球が特定入賞口65aに入るのに要する期間よりも短い期間として設定される。
そして、1ラウンド目のラウンド遊技Rにおいてラウンド終了条件(ラウンド遊技時間(第1の作動時間T1の最大値である30秒間)の経過または規定個数(本実施形態では10個)のパチンコ球の入賞)が満たされた場合に、開閉板65bを閉鎖状態へ変位させて特定入賞口65aを閉鎖するよう電磁ソレノイド165cを駆動制御して、1ラウンド目のラウンド遊技Rが終了する。
第1の作動パターンにおける0.2秒の開放時間は、開閉板65bの開放中に特定入賞口65aの左右片側に入球する球の個数を1個に制限するために設定される。特定入賞口65aの左右片側に複数の球が連なって入球する(以下、「連球で入球」とも称する)ことを防止するための開放時間の設定であり、特定入賞口65aへの入球個数を1個に限定する意図では無い。即ち、0.2秒の開放時間であっても、特定入賞口65aの左右両側に各1球ずつ球が到達し、一度に特定入賞口65aに入球することは生じ得ることである。
大当たりA1の場合には、作動パターンXに基づいてスライド変位部材370が動作するようMPU201が電磁ソレノイド361(図17参照)を駆動制御する。電磁ソレノイド361の駆動制御は、開閉板65bの駆動制御を基準として設定されるものであり、本実施形態では、開閉板65bが開放状態へ変位するのと同時に、スライド変位部材370が前側位置から後側位置へ変位するよう駆動制御される。
そのため、特定入賞口65aに入球した球は、各流路構成部334〜336(図19参照)を通過し、スライド変位部材370の前側を通り確変検出センサSE11(図20参照)を通過する。
この時、左右片側の各流路構成部334〜336に配置される球が1個に限定されるので、他の球に視認性が低下させられることが無い。そのため、遊技者は、球が確変検出センサSE11を通過する状況を容易に視認することができる。
大当たりA2の場合には、作動パターンYに基づいてスライド変位部材370が動作するようMPU201が電磁ソレノイド361(図17参照)を駆動制御する。電磁ソレノイド361の駆動制御は、開閉板65bの駆動制御を基準として設定されるものであり、本実施形態では、開閉板65bが開放状態へ変位するのと同時に、スライド変位部材370が前側位置から後側位置へ変位するよう駆動制御され、0.8秒経過後にスライド変位部材370が後側位置から前側位置へ変位するよう駆動制御される。
上述の通り、各流路構成部334〜336(図17参照)を球が通過するのに要する時間は約0.9秒で設定されているので、球がスライド変位部材370に到達する前にスライド変位部材370は前側位置に変位される。
そのため、特定入賞口65aに入球した球は、各流路構成部334〜336(図17参照)を通過し、スライド変位部材370の上側を通り通常検出センサSE12(図17参照)を通過する。
この時、左右片側の各流路構成部334〜336に配置される球が1個に限定されるので、他の球に視認性が低下させられることが無い。そのため、遊技者は、球が通常検出センサSE12を通過する状況を容易に視認することができる。
スライド変位部材370の変位開始時間としての0.8秒は、球が各流路構成部334〜336を通過するのに要する時間よりも短い時間としての思想と、球が第3流路構成部336に到達するのに要する時間よりも長い時間としての思想から、設定される。
即ち、本実施形態によれば、球が特定入賞口65aに入球してから約0.6秒で第2流路構成部335を通過し、第3流路構成部336に到達するので、開閉板65bの開放時間としての0.2秒の終了間際に球が特定入賞口65aに入球した場合であっても、その球が第3流路構成部336に到達してからスライド変位部材370を変位動作させることができる。
従って、特定入賞口65aへの入球が生じさえすれば、球の入球タイミングに寄らず、第3流路構成部336に配置される球によりスライド変位部材370の動作を隠すことができる(図22参照)。これにより、スライド変位部材370の変位動作が目立つことを回避することができ、確変検出センサSE11又は通常検出センサSE12へ入球する球として各流路構成部334〜336を流下する球に対する注目力を向上させることができる。
なお、スライド変位部材370の変位開始時間は、0.8秒に限定されるものではない。例えば、0.4秒に設定しても良い。この場合、球が第3流路構成部336に到達するよりも前にスライド変位部材370の変位を生じさせることができるので、球に視線が遮られる可能性は低く、スライド変位部材370の変位を遊技者に視認させることができる。
但し、この場合であっても、第2流路構成部335が被固定部材161の前板部に近接配置され、スライド変位部材370よりも手前側に配置されていることから、遊技者の目線は第2流路構成部335を流下する球に集まり易い。即ち、第2流路構成部335を流下する球に注目させることで(例えば、第3図柄表示装置81で「流れる球に注目!」等の表示をすることで)、スライド変位部材370の変位が遊技者に視認されることを回避し易くすることができる。
なお、一方で、本実施形態では各流路構成部334〜336が左右中央で区切られるように構成されているので、特定入賞口65aへの入球が左右片側であれば、入球が生じていない側の第3流路構成部336の後方に注目することで、流下する球に遮られることなくスライド変位部材370の変位を視認することができる(図22参照)。
このように、大当たりA1,A2の場合は、左右片側の各流路構成部334〜336に配置される球の個数が1個に限定されることにより、その球への注目力の向上を図ることができると共に、球が確変検出センサSE11を通過するか、通常検出センサSE12を通過するか、を容易に遊技者に視認させることができる。
大当たりB1又は大当たりB2の場合には、第2の作動パターンに基づいて開閉板65bが動作するようMPU201が電磁ソレノイド165c(図11参照)を駆動制御する。MPU201は、特図変動表示(図柄変動演出)が終了すると、タイマ手段(図示せず)が所定のオープニング時間OP(10秒)が経過するまで開閉板65bを閉鎖状態に保持するよう電磁ソレノイド165cを駆動制御し、オープニング時間OPの経過後に、1ラウンド目のラウンド遊技Rを開始する。
すなわち、第1の作動時間T1(最大30秒)をタイマ手段で計測を開始すると共に開閉板65bを閉鎖状態から変位させて特定入賞口65aへの入球が可能な開放状態とする。初回の開放状態は1.0秒間維持される。第2の作動パターンでは、この1.0秒間の開放動作を、1.0秒間隔で実行するよう電磁ソレノイド165cを駆動制御して、開閉板65bに長時間動作を行わせる。
なお、初回の開放時間は、遊技球を発射し続ける場合に、少なくとも1個の遊技球が特定入賞口65aに入り得る期間よりも長く、規定個数(本実施形態では10個)の遊技球が特定入賞口65aに入るのに要する期間よりも短い期間として設定される。
そして、1ラウンド目のラウンド遊技Rにおいてラウンド終了条件(ラウンド遊技時間(第1の作動時間T1の最大値である30秒間)の経過または規定個数(本実施形態では10個)のパチンコ球の入賞)が満たされた場合に、開閉板65bを閉鎖状態へ変位させて特定入賞口65aを閉鎖するよう電磁ソレノイド165cを駆動制御して、1ラウンド目のラウンド遊技Rが終了する。
第2の作動パターンにおける1.0秒の開放時間は、開閉板65bの開放中に特定入賞口65aの左右片側に複数の球が入球可能となる時間として設定される。特定入賞口65aの左右片側に複数の球が連なって入球する(以下、「連球で入球」とも称する)ことを許容するための開放時間の設定である。
本制御例では、球の発射間隔は0.6秒間隔とされるので、球の流下間隔が発射時と変化していない場合であっても、開閉板65bが1.0秒間で1回開放する間に、2個の球が特定入賞口65aに入球し得る。一方で、開閉板65bの開放間隔は1.0秒おきに制限されているので、2個の球が各流路構成部334〜336を通過する前に次の球が各流路構成部334〜336に入球することは規制することができる。
大当たりB1の場合には、上述した作動パターンXに基づいてスライド変位部材370が動作するようMPU201が電磁ソレノイド361(図17参照)を駆動制御する。また、大当たりB2の場合には、作動パターンYに基づいてスライド変位部材370が動作するようMPU201が電磁ソレノイド361を駆動制御する。そのため、大当たりB1の場合に各流路構成部334〜336を通過した球は確変検出センサSE11を通過し、大当たりB2の場合に各流路構成部334〜336を通過した球は通常検出センサSE12を通過する。
この時、左右片側の各流路構成部334〜336に配置される球が1個の場合と、2個(以上)の場合とで各流路構成部334〜336の見え方が異なる。左右片側の各流路構成部334〜336に配置される球が1個の場合には、大当たりA1,A2の場合と同様に、他の球に視認性が低下させられることが無いので、遊技者は、球が確変検出センサSE11を通過する状況を容易に視認することができる。
一方、左右片側の各流路構成部334〜336に配置される球が2個(以上)の場合には、上流側の球が下流側の球を見る遊技者の視線上に配置されることで、下流側の球の視認性が低下する可能性がある。そのため、球が確変検出センサSE11を通過するか、通常検出センサSE12を通過するかを知ろうと望む遊技者の、各流路構成部334〜336を流下する球に対する注目力を向上することができる。
大当たりC1、大当たりC2又は大当たりaの場合には、第3の作動パターンに基づいて開閉板65bが動作するようMPU201が電磁ソレノイド165c(図11参照)を駆動制御する。MPU201は、特図変動表示(図柄変動演出)が終了すると、タイマ手段(図示せず)が所定のオープニング時間OP(10秒)が経過するまで開閉板65bを閉鎖状態に保持するよう電磁ソレノイド165cを駆動制御し、オープニング時間OPの経過後に、1ラウンド目のラウンド遊技Rを開始する。
すなわち、第1の作動時間T1(最大30秒)をタイマ手段で計測を開始すると共に開閉板65bを閉鎖状態から変位させて特定入賞口65aへの入球が可能な開放状態とし、第1の作動時間T1を限度に開閉板65bに長時間動作を行わせる。
そして、1ラウンド目のラウンド遊技Rにおいてラウンド終了条件(ラウンド遊技時間(第1の作動時間T1の最大値である30秒間)の経過または規定個数(本実施形態では10個)のパチンコ球の入賞)が満たされた場合に、開閉板65bを閉鎖状態へ変位させて特定入賞口65aを閉鎖するよう電磁ソレノイド165cを駆動制御して、1ラウンド目のラウンド遊技Rが終了する。
本制御例では、1ラウンド目のラウンド遊技R中において開閉板65bが開放状態を維持するので、特定入賞口65aの左右片側に複数の球が連球で入球する状況が生じ得る。一方で、開閉板65bの開放間隔が制限されているわけでは無いので、第2の作動パターンと異なり、2個の球が各流路構成部334〜336を通過する前に次の球が各流路構成部334〜336に入球することも生じ得る。従って、第2の作動パターンに比較して、第3の作動パターンの方が、各流路構成部334〜336の下流側に配置された球の視認性が、上流側に配置される球により低下する状況が生じ易い。
大当たりC1又は大当たりaの場合には、上述した作動パターンXに基づいてスライド変位部材370が動作するようMPU201が電磁ソレノイド361(図17参照)を駆動制御する。また、大当たりC2の場合には、作動パターンYに基づいてスライド変位部材370が動作するようMPU201が電磁ソレノイド361を駆動制御する。そのため、大当たりC1又は大当たりaの場合に各流路構成部334〜336を通過した球は確変検出センサSE11を通過し、大当たりC2の場合に各流路構成部334〜336を通過した球は通常検出センサSE12を通過する。
このように、確変検出センサSE11に球を通すか、通常検出センサSE12に球を通すかに関わらず、開閉板65bを開放状態のまま維持する制御態様としているが、スライド変位部材370に球が到達するのに要する時間を構造から管理しているので、球噛みによるスライド変位部材370の誤動作の可能性は排除することができる。
この時、左右片側の各流路構成部334〜336に配置される球が1個の場合と、2個の場合とで各流路構成部334〜336の見え方が異なる。左右片側の各流路構成部334〜336に配置される球が1個の場合には、大当たりA1,A2の場合と同様に、他の球に視認性が低下させられることが無いので、遊技者は、球が確変検出センサSE11を通過する状況を容易に視認することができる。
一方、左右片側の各流路構成部334〜336に配置される球が2個の場合には、上流側の球が下流側の球を見る遊技者の視線上に配置されることで、下流側の球の視認性が低下する可能性がある。そのため、球が確変検出センサSE11を通過するか、通常検出センサSE12を通過するかを知ろうと望む遊技者の、各流路構成部334〜336を流下する球に対する注目力を向上することができる。
第3の作動パターンでは、1ラウンド目のラウンド遊技Rにおいて特定入賞口65aに入球可能なタイミングに制限が無いので、第2の作動パターンに比較して、各流路構成部334〜336の球の配置が無秩序になり易い。そのため、検出センサSE1の視認性は低下し易い。
一方で、特定入賞口65aに入球可能なタイミングに制限が無いことは、ラウンド遊技Rの進行を早期に行わせることができる効果がある。即ち、ラウンド終了条件(ラウンド遊技時間(第1の作動時間T1の最大値である30秒間)の経過または規定個数(本実施形態では10個)のパチンコ球の入賞)としての規定個数の球の入賞を早期に満たしやすく、大当たり遊技が間延びすることを回避することができる。
特に、特別図柄2の大当たりは、100%の確率でスライド変位部材370が作動パターンXで駆動制御されるため、特定入賞口65aに入球させれば、確変検出センサSE11を球が通過することが約束されている。この場合、検出センサSE及びスライド変位部材370への遊技者の注目力はそもそも低い。
従って、検出センサSE1の視認性が悪くなることを許容しても遊技者が感じる不利益は小さい。第3の作動パターンでは、検出センサSE1の視認性が悪くなることは敢えて許容しながら、大当たり遊技が間延びすることを回避することを優先することで、大当たり遊技の短時間での進行の実現を図り、大当たり遊技に対する遊技者の興趣の向上を図ることができるようにしている。
大当たり種別に関わらず、1ラウンド目のラウンド遊技Rが終了すると、タイマ手段は、ラウンド間第1インターバル時間Int1(2.0秒)が経過するまで開閉板65bを閉鎖状態に保持するよう電磁ソレノイド165cを駆動制御し、ラウンド間第1インターバル時間Int1の経過後に、2ラウンド目のラウンド遊技Rを開始する。
2ラウンド目では、1ラウンド目の開始と同様に、第1の作動時間T1(最大30秒)をタイマ手段で計測を開始すると共に開閉板65bを閉鎖状態から開放状態へ変位させて特定入賞口65aを開放するよう電磁ソレノイド165cを駆動制御して、開閉板65bに長時間動作を行わせる。2ラウンド目以降は、スライド変位部材370は前側位置で常時維持されるので、特定入賞口65aに入球した球は通常検出センサSE12を通過して排出される(図17参照)。
そして、2ラウンド目のラウンド遊技Rにおいてラウンド終了条件(ラウンド遊技時間(第1の作動時間T1の最大値である30秒間)の経過または規定個数のパチンコ球の入賞)が満たされた場合に、開閉板65bを閉鎖状態へ変位させて特定入賞口65aを閉鎖するよう電磁ソレノイド165cを駆動制御して、2ラウンド目のラウンド遊技Rが終了する。
以降は、2ラウンド目と同様に、各ラウンド遊技Rの間にラウンド間第1インターバル時間Int1を挟んで3ラウンド目〜最終ラウンド(4ラウンド目)のラウンド遊技Rが繰り返されて、開閉板65bが閉鎖状態および開放状態の間で変位し、特定入賞口65aを開閉するよう電磁ソレノイド165cが駆動制御される。
そして、最終ラウンド目のラウンド遊技Rが終了すると、タイマ手段がラウンド間第1インターバル時間Int1およびエンディング時間ED(11秒)が経過するまで開閉板65bを閉鎖状態に保持するよう電磁ソレノイド165cが駆動制御され、当該時間の経過に伴って大当り遊技が終了する。
なお、本制御例では、開閉板65bの短開放の変位動作や、スライド変位部材370の駆動制御を、1ラウンド目のみで実行する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、全ラウンドで実行するようにしても良いし、1ラウンド目以外のラウンド(例えば、3ラウンド目や、8ラウンド目や、12ラウンド目等)で実行するようにしても良い。
このように、本制御例によれば、開閉板65bの開放パターン(第1の作動パターン〜第3の作動パターン)の違いによって、開閉板65bへの球の入球態様を変化させ、各流路構成部334〜336及び第3流路構成部336の下流側に配置される検出センサSE1の視認性を異ならせることができる。これにより、第3流路構成部336の下流側に配置される検出センサSE1の球の通過に注目する遊技者に球の発射態様を工夫する意欲を生じさせることができる。
例えば、検出センサSE1の視認性の低下は、複数の球が各流路構成部334〜336に同時に配置されることにより生じる場合があるので、必要に応じて(例えば、第2の作動パターン又は第3の作動パターンの大当たり種別において)意図的に球の発射間隔を広げることで、検出センサSE1の視認性の低下を抑制することができる。なお、第1の作動パターンでは、特定入賞口65aへの入球が制限されることから、発射態様によらず、検出センサSE1の視認性の低下を回避することができる。
一方で、球の発射間隔を広げると特定入賞口65aに規定個数の球が入球するまでの期間が延びるので、ラウンド遊技Rが間延びする可能性がある。即ち、検出センサSE1の視認性を優先する遊技態様と、ラウンド遊技Rの間延びを回避することを優先する遊技態様とで、ラウンド遊技Rの遊技の仕方を遊技者に選択させることができる。
例えば、スライド変位部材370の変位を視認するために、ラウンド遊技Rの開始後、若干の期間(例えば、1.0秒間)を空けて、特定入賞口65aへの入球を生じさせるようにしても良い。この場合、スライド変位部材370の変位が生じるタイミング(作動パターンYの場合においてラウンド遊技R開始から0.8秒経過したタイミング)で第3流路構成部336に球が配置される状況を回避することができるので、スライド変位部材370の変位動作が球で遮られることを回避することができる。
一方で、球発射までの期間を空けるようにすると特定入賞口65aに規定個数の球が入球するまでの期間が延びるので、ラウンド遊技Rが間延びする可能性がある。即ち、検出センサSE1の視認性を優先する遊技態様と、ラウンド遊技Rの間延びを回避することを優先する遊技態様とで、ラウンド遊技Rの遊技の仕方を遊技者に選択させることができる。
例えば、本実施形態によれば、各流路構成部334〜336及びスライド変位部材370が左右対称に構成され、左右のどちら側からも、特定入賞口65aを通して球を入球させることができる。
即ち、例えば、上述した球の発射間隔を広げる発射態様や、球発射までの期間を空ける発射態様については左側での入球において維持し、右側での入球については任意の発射態様で球を発射するように遊技しても、上述と同様の効果を図ることができる。
具体的には、特定入賞口65aへ向けた球の発射を左右に打ち分けるような発射態様として、少なくとも1発目の球を右側へ発射し、何発目か(例えば2発目)の球を左側へ発射し、残りの球を右側へ発射するように打ち分ければ良い。
この場合、各流路構成部334〜336としての右側流路を流下する球には注目せず、左側流路を流下する球に注目することで、他の球に視線が遮られることを回避しながら、左側流路を流下する球が確変検出センサSE11を通過するか否かを視認することができる。加えて、この場合は、特定入賞口65aの右側部分へ向けて絶えず球を発射し続けているので、特定入賞口65aに規定個数の球が入球するまでの期間が延びることを回避でき、ラウンド遊技Rが間延びすることを回避することができる。
なお、この左右への球の発射の打ち分けは、左側流路への入球を1個にすることが目的ではない。特に、左側流路を何発目の球が通過しきるまでの約0.9秒間において左側の各流路構成部334〜336に配置される球の個数を1個に制限できれば良く、その他の期間においては左右流路に任意に球を入球させるように打ち分ければ良い。
これにより、本実施形態のように特定入賞口65aの上方の開放幅が長くは無い場合(例えば、電動役物140aの配置や釘配置(図2参照)から球の入球経路が少数の経路に限定される場合)においても、特定入賞口65aへ向かう球同士が衝突して一方が特定入賞口65aの左右外側に零れる事態の発生を抑制することができる。なお、図2では釘配置を左右非対称としたが、左右対称の釘配置としても良い。
次いで、遊技盤13の背面側に締結固定される動作ユニット500の構造について説明する。動作ユニット500は、遊技盤13のベース板60(図2参照)に背面側から締結固定されるユニットである。
図26は、動作ユニット500の正面斜視図であり、図27は、動作ユニット500の背面斜視図である。なお、図27では、背面ケース510の開口511aに配設される液晶表示装置(可変表示装置ユニット80)の図示が省略され、開口511aを通して奥側を視認可能に図示される。また、図26及び図27の説明においては、図2を適宜参照する。
動作ユニット500は、底壁部511と、その底壁部511の外縁から立設される外壁部512とから正面側が開放された箱状に形成される背面ケース510を備える。背面ケース510は、底壁部511の中央に矩形状の開口511aが開口形成されることで、正面視矩形の枠状に形成される。開口511aは、第3図柄表示装置81の表示領域の外形(外縁)に対応した(即ち、第3図柄表示装置81の表示領域を正面視で区切ることが可能な)大きさに形成される。
背面ケース510は、外壁部512の正面側端部に遊技盤13の背面に沿う(例えば、平行に配置される)平面板として延設され、組立状態(図2参照)において遊技盤13を面支持する支持板部513を備える。
支持板部513は、遊技盤13のベース板60に形成される嵌合凹部(図示せず)と嵌合可能な形状で正面側へ向けて突設される位置決め凸部513aと、ベース板60に締結される締結ネジを挿通可能に穿設される複数の挿通孔513bとを備える。
ベース板60の嵌合凹部に位置決め凸部513aを嵌合させることによりベース板60に対して背面ケース510を位置決めし、締結ネジを挿通孔513bに挿通し、ベース板60に螺入することにより、遊技盤13と動作ユニット500とを一体的に固定することができるので、遊技盤13及び動作ユニット500の全体としての剛性の向上を図ることができる。
なお、位置決め凸部513aの形状は何ら限定されるものではなく、種々の態様が例示される。例えば、ベース板60の嵌合凹部の内形(本実施形態では、円形または長円形)よりも若干小さな外形の凸部でも良いし、組み付け時の作業性を考慮して、嵌合隙間が大きくなるような形状(更に小さな外形)の突部でも良い。また、嵌合凹部の内形が矩形状に形成される場合には、それに対応して位置決め凸部513aの形状も矩形状とされることは当然想定される。
動作ユニット500は、遊技盤13の背面側に配置され、各種発光手段や、各種動作ユニットが内部に配設されている。即ち、動作ユニット500は、背面ケース510と、その背面ケース510の内側右部に配設される第1動作ユニット600と、背面ケース510の内側下部に配設される第2動作ユニット700と、背面ケース510の内側上部に配設される第3動作ユニット800と、を備える。なお、背面ケース510の内側左部には、LED等の発光手段を有する基板と、その基板を前側から覆うように配設され光透過性材料から形成されると共に全体に亘って光拡散加工が形成される拡散装飾板LB1とが配設される。
具体的には、第1動作ユニット600は、開口511aの右方位置において、第2動作ユニット700は、開口511aの下方位置において、第3動作ユニット800は、開口511aの上方位置において、それぞれ背面ケース510の底壁部511に配設される。まず、この動作ユニット500の動作制御の概要について説明する。
図28から図35は、動作ユニット500の動作の一例を示す動作ユニット500の正面図である。図28では、演出待機状態の各動作ユニット600〜800が図示され、図29では、各動作ユニット600〜800の演出待機状態から第1動作ユニット600が張出状態に変化した状態が図示され、図30では、各動作ユニット600〜800の演出待機状態から第2動作ユニット700が張出状態に変化した状態が図示される。
なお、図30では、第2動作ユニット700が、図29に図示される第2動作ユニット700とは覆設部材787の前側を向く面が異なる状態で図示される。
図28から図35では、センターフレーム86の内側形状が想像線で図示される。この内側においては背面側に配置される第3図柄表示装置81が良好に視認可能となるが、センターフレーム86の外方においては、ベース板60が透明な樹脂部材から構成されているとはいえ、ベース板60に配設される釘や各種入賞口63,64,65a,140等やスルーゲート67等(図2参照)に視界が遮られ易い。そのため、例えば、図28に示すようにセンターフレーム86の外方に配置されている状態において、各動作ユニット600〜800の正面視における視認性が下がり易い。
なお、動作ユニット500の構成に合わせる関係上、センターフレーム86の枠形状が図2に示すセンターフレーム86とは異なるが、その役割は同様である。また、第3動作ユニット800の手前側においてセンターフレーム86の内枠形状が下に張り出す湾曲形状となっているが、センターフレーム86の外枠まで下方に湾曲しているものではなく、センターフレーム86の内枠側において、第3動作ユニット800を前側から覆うように円形の透明な装飾薄板が張出形成されるものである。従って、センターフレーム86の上側に乗った球を左右両側へ転動させるという役割も、図2で示すものと同様であり、実際のセンターフレーム86の枠上部(外枠上部)は、第3動作ユニット800の上側を左右に跨ぐように配設される。
図31及び図32では、各動作ユニット600〜800の演出待機状態から第3動作ユニット800が張出状態に変化した状態が図示される。図31では、第1装飾部材870が前側を向いており第3動作ユニット800の個別合体状態が図示され、図32では、第2装飾部材880が前側を向いており第3動作ユニット800の一連合体状態が図示される。
図31の状態と図32の状態とが切り替えられる変位は、直動変位と回転変位とを組み合わせた変位態様で生じるので、第3動作ユニット800の演出待機状態において実行すると、周囲の装飾部材と装飾部材870,880とが衝突して不具合が生じることから、第3動作ユニット800の張出状態において実行される。
換言すれば、本実施形態では、第3動作ユニット800が張出状態(又は、演出待機状態から装飾部材870,880の衝突を回避するのに十分な程度で下降変位した状態)となり、装飾部材870,880の変位を仮想円800F(図32参照)において許容する状態となっていることを前提に、反転変位(切替回転動作)を実行するように音声ランプ制御装置113(図4参照)で制御されるが、詳細は後述する。
図33では、張出状態の第3動作ユニット800と、張出状態よりも若干下降変位した中間演出状態における第2動作ユニット700が図示され、図34では、図33の状態から第1動作ユニット600が中間演出状態に変位した状態が図示され、図35では、図33の状態から、第3動作ユニット800が演出待機状態へ変位し、第1動作ユニット600が張出状態に変位した状態が図示される。
図28から図35に図示されるように、第3動作ユニット800の変位軌跡と、第1動作ユニット600の変位軌跡または第2動作ユニット700の変位軌跡と、は正面視で部分的に重なる。そのため、例えば、第3動作ユニット800が張出状態(図31参照)の時に、第1動作ユニット600又は第2動作ユニット700が演出待機状態から状態変化すると、衝突する可能性がある。
これに対して、本実施形態では、第1動作ユニット600の演出待機状態からの状態変化を、第3動作ユニット800が演出待機状態であることを条件として実行可能に制御したり、第3動作ユニット800の演出待機状態からの状態変化を、第1動作ユニット600が演出待機状態であることを条件として実行可能に制御したりすることで、第1動作ユニット600と第3動作ユニット800とが正面視で重なることを避けることができる。従って、第1動作ユニット600及び第3動作ユニット800の配置自由度を向上することができる(前後位置が重なることを許容できる)。
更に、本実施形態では、第2動作ユニット700の張出状態への状態変化を、第1動作ユニット600及び第3動作ユニット800が演出待機状態であることを条件として実行可能に制御したり、第3動作ユニット800が張出状態である場合の第2動作ユニット700の配置を中間演出状態(図33参照)にしたりすることで、第2動作ユニット700が他の動作ユニット600,800と正面視で重なることを避けることができる。従って、各動作ユニット600〜800の配置自由度を向上することができる(前後位置が重なることを許容できる)。
特に、第2動作ユニット700の視認状態として、開口511aにより近い張出状態で視認させる場合と、開口511aから若干退くものの第3動作ユニット800と近接配置した状態で視認させる場合と、の複数の状態を構成することで、第2動作ユニット700の演出装置としての機能の向上を図っている。
図28から図35に示すように、第1動作ユニット600は、第3図柄表示装置81の右側において変位動作する。第1動作ユニット600の第2装飾回転部材660は略直方体形状の箱状部材661を備え、箱状部材661は、演出待機状態において斜め左方向へ向く第1演出面661aと、その第1演出面661aの裏面側に形成される第2演出面661bと、第1演出面661a及び第2演出面661bに隣設する面としての第3演出面661cと、を備えている。各演出面661a〜661cには、任意で図形、模様、文字等による装飾が施されている。
第1動作ユニット600の演出待機状態においては、第2装飾回転部材660は、第3図柄表示装置81の右側という、センターフレーム86の配置によって正面側からの視認性が低下し易い箇所に配置されているものの、第1演出面661aを遊技者側に斜めに向けた姿勢(矢印F−Bを基準として手前側の面が矢印L側に45度傾いた姿勢)とされているので、第3図柄表示装置81とセンターフレーム86の開口の枠内側から、そのセンターフレーム86と第3図柄表示装置81との隙間を通る斜め方向視で第2装飾回転部材660を視認する遊技者目線における第1演出面661aの視認性を向上することができる。
一方、第1動作ユニット600の張出状態においては、第2装飾回転部材660は、第3図柄表示装置81の正面に張り出すことで、センターフレーム86の枠内側を視認する遊技者に対して正対する。この場合には、第2装飾回転部材660は第2演出面661bを真正面に向けた姿勢とされているので、第2装飾回転部材660を視認する遊技者目線における第2演出面661bの視認性を向上することができる。
このように、第2装飾回転部材660は、配置に応じて遊技者に視認させる演出面661a〜661cを切り替え可能に構成され、且つ、遊技者に視認させる各演出面661a〜661cの視認性を向上する目的で、配置に応じて姿勢を切り替え可能に構成される。
換言すれば、ガラスユニット16(図1参照)と平行な平面的な姿勢変化に限らず、遊技者の視線との関係を意図した角度変化を付けるよう設計されている。即ち、センターフレーム86の枠中央側の配置となるほど遊技者の視線が前後方向となり正対し易いので、演出面が前方向(矢印F方向)を向く方が視認性を良くすることができ、一方でセンターフレーム86の枠付近の配置となるほど遊技者の視線が斜めになり易いので、演出面をその視線と正対させるために斜めにした方が視認性を良くすることができる。
第2装飾回転部材660の変位に伴い、張出装飾部652bが連動して変位する。張出装飾部652bは、板正面に図形や絵柄等の装飾がされており、第1動作ユニット600の演出待機状態(図28参照)及び中間演出状態(図34参照)では、背面ケース510の右上隅に配置されることで遊技者から視認されないように隠される。
一方、張出装飾部652bは、第1動作ユニット600の張出状態(図28参照)では、正面視で第3図柄表示装置81の表示領域の右縁と前後で重なるようにセンターフレーム86の枠内側に配置されることで遊技者が視認可能となるよう構成されている。
この状態において、張出装飾部652bの外形右端部は、第3図柄表示装置81の右縁よりも右側に位置する。そのため、張出装飾部652bの板正面の装飾を利用して、あたかも第3図柄表示装置81の表示領域が拡大しているように遊技者に錯覚させる表示演出を行うことができる。
詳述すれば、第3図柄表示装置81の表示を視認可能な領域の右縁は第1動作ユニット600に規定されており、第1動作ユニット600の演出待機状態においては、第2装飾回転部材660の第1演出面661aの左縁と、第3図柄表示装置81の表示を視認可能な領域の領域右端RE1とが概ね一致する。
これに対し、第1動作ユニット600の張出状態においては、領域右端RE1を右側に超えるようにして張出装飾部652bが配置される。そのため、第3図柄表示装置81の表示と、張出装飾部652bの板正面の装飾とを関連させたり、一致させたりすることで、あたかも、第3図柄表示装置81の表示領域が領域右端RE1を超えて拡大しているかのように、遊技者に視認させることができる。これにより、意外性のある演出を実現することができる。
上述の表示と装飾とを一致させる例としては、例えば、第3図柄表示装置81に水玉模様を表示し、且つ、張出装飾部652bの板正面の装飾を同様の水玉模様にする例や、第3図柄表示装置81に変動表示される数字(例えば、抽選の当否を報知するための数字)の書体と同様の書体で、張出装飾部652bの板正面に、とある数字が記載されるようにする例が例示される。
上述の表示と装飾とを関連させる例としては、例えば、第3図柄表示装置81に虹色を構成する7色の内の6色が表示され、且つ、張出装飾部652bの板正面が残りの一色で着色される例や、第3図柄表示装置81に領域右端RE1に右端を合わせるようにして配置される木の棒が表示され、且つ、張出装飾部652bの板正面に炎を模した装飾がされることで、第1動作ユニット600の張出状態において着火を連想させる例が例示される。
なお、張出装飾部652bの演出態様は一種類に限定されるものでは無く、張出装飾部652bの明るさを制御することで複数種類の演出態様を構成することができるが、張出装飾部652bの明るさを変える発光手段については後述する。
また、張出装飾部652bの代わりに正面側に表示面を有する小型の液晶装置を配設することで、その液晶装置の表示を複数種類で変化させることができるので、領域右端RE1を超えて表示領域を拡大する際の第3図柄表示装置81の表示態様が制限されることを回避することができる。
また、張出装飾部652bの装飾と関連させる対象は、表示に限定されるものではなく、種々の態様が例示される。例えば、張出装飾部652bの装飾と、第2動作ユニット700の部材(例えば、覆設部材787)に形成される装飾(第1装飾、第2装飾)とを関連させるようにしても良いし、張出装飾部652bの装飾と、第3動作ユニット800の部材(例えば、第1装飾部材870、第2装飾部材880)に形成される装飾(第1覆設部875の装飾、第2覆設部885の装飾)とを関連させるようにしても良い。
図36は、第1動作ユニット600の正面斜視図であり、図37は、第1動作ユニット600の背面斜視図である。第1動作ユニット600は、第2装飾回転部材660が姿勢変化しながら回転するという複雑な変位態様で構成され、併せて第1装飾回転部材650の張出装飾部652bが第2装飾回転部材660を基準に相対変位することで、変位の前後で異なった外観を遊技者に視認させることができるよう構成される。
図38は、第1動作ユニット600の分解正面斜視図であり、図39は、第1動作ユニット600の分解背面斜視図である。
図38及び図39に示すように、第1動作ユニット600は、背面ケース510に締結固定される被固定手段610と、その被固定手段610に回動可能に支持される回動部材620と、その回動部材620を回動させるための駆動力を伝達する駆動伝達装置630と、回動部材620の回動先端部に一側の端部が回動可能に支持される被支持部材640と、その被支持部材640の他側の端部に回転可能に配設される第1装飾回転部材650と、その第1装飾回転部材650に回転可能に支持される第2装飾回転部材660と、被固定手段610の下半部の正面側に固定される装飾固定部材670と、を備える。
被固定手段610は、背面ケース510の底壁部511に前後に対向配置されるベース部材611と、そのベース部材611の正面側に配置されベース部材611との間に空間を作りながらベース部材611に締結固定される前蓋部材612と、を備える。
前蓋部材612は、駆動伝達装置630を配置するための伝達用配置部613と、その伝達用配置部613の正面側において装飾固定部材670を固定するための固定用部614と、その固定用部614よりも内側において回動部材620を回転可能に支持するための支持締結部615と、被支持部材640の他側の端部を案内する長孔として形成される案内長孔616と、を備える。
案内長孔616は、直線部と曲線部とが混在する独自の形状から形成されるが、その詳細および作用については後述する。
回動部材620は、長尺板状に形成される本体部621と、その本体部621の一端部(下側端部)に配設され被固定手段610の支持締結部615に外嵌支持される筒状部622と、直線方向に延びる長孔として本体部621の中間部に形成される伝達長孔623と、本体部621の他端部(上側端部)に筒状部622の軸方向と平行な穿設方向で円形孔として穿設される円形貫通孔624と、その円形貫通孔624を中心とした円の一部に沿ってギア歯状に形成されるギア歯部625と、を備える。
筒状部622の周りにはトーションばねSP1が巻き付けられている。トーションばねSP1は、一方の腕部が本体部621の側壁に当接され、他方の腕部が前蓋部材612の突片に当接されるよう構成され、回動部材620を起こす方向(正面視時計回り方向)に付勢力が生じるよう構成されている。
なお、筒状部622の軸支においては、支持締結部615が筒状部622に挿通された状態で、支持締結部615の先端部に形成されている雌ネジ部に締結ネジが螺入される。これにより、回動部材620は支持締結部615に脱落不能に軸支される。
伝達長孔623は、駆動伝達装置630の円筒部634aが挿通される案内孔として機能し、円形貫通孔624は被支持部材640の筒状部642が回転可能に挿通固定される挿通孔として機能するが、詳細は後述する。
駆動伝達装置630は、前蓋部材612の正面側に締結固定される駆動モータ631と、前蓋部材612の貫通孔613aを通して背面側へ突き出される駆動軸に固着される駆動ギア632と、その駆動ギア632に噛み合う状態で前蓋部材612の筒状部613bに軸支される伝達ギア633と、その伝達ギア633に噛み合う状態で前蓋部材612の筒状部613cに軸支される伝達ギアカム634と、を備える。
なお、伝達ギア633及び伝達ギアカム634に筒状部613b,613cが挿通された状態で、筒状部613b,613cの先端部に形成されている雌ネジ部に締結ネジが螺入される。これにより、伝達ギア633及び伝達ギアカム634は前蓋部材612に脱落不能に軸支される。
前蓋部材612には、筒状部613cを中心とした円弧に沿って貫通形成される円弧状孔613dが形成されており、その円弧状孔613dには、伝達ギアカム634の偏心位置において正面側に円筒状に突設される円筒部634aが挿通される。
伝達ギアカム634は、伝達ギア633と歯合するギア部を備える回転部材であって、上述の円筒部634aと、その円筒部634aを含む角度位置から外径方向へ板状に延設される延設部634bと、を備える。
円筒部634aは、円弧状孔613dに挿通され、その正面側において回動部材620の伝達長孔623に挿通される。ここで、円弧状孔613d及び伝達長孔623の幅長さは、円筒部634aの外径よりも、若干長くなるように設計される。これにより、円筒部634aが円弧状孔613d及び伝達長孔623を摺動する際の摺動抵抗を低減することができる。
延設部634bは、前蓋部材612に締結固定されるフォトカプラ式の検出センサKS1の検出溝に進入可能に構成されている。これにより、検出センサKS1の出力の変化を読み取ることで、音声ランプ制御装置113(図4参照)が伝達ギアカム634の姿勢を把握可能に構成される。
被支持部材640は、長尺の本体部641と、その本体部641の背面側から回動部材620の円形貫通孔624に挿通可能な円筒形断面で突設される筒状部642と、その筒状部642と平行に突設される筒状部643と、その筒状部643に軸支された状態で回動部材620のギア歯部625と歯合可能に形成される中間ギア644と、その中間ギア644よりも背面側に穴あきの底部を有する大径の筒状に形成される有底筒状部645と、その有底筒状部645が配置される端部の反対側の端部において正面側に延設される延設支持部646と、を備える。
上述の構成により、回動部材620の回動変位に伴い、ギア歯部625と、中間ギア644との間で歯合による駆動力伝達を生じさせることができる。
なお、回動部材620及び中間ギア644に筒状部642,643が挿通された状態で、筒状部642,643の先端部に形成されている雌ネジ部に締結ネジが螺入される。これにより、回動部材620及び中間ギア644は被支持部材640の本体部641に脱落不能に軸支される。
有底筒状部645は、底部の背面側が前蓋部材612の正面側縁部に近接配置され、底部の正面側において中間ギア644と第1装飾回転部材650のギア歯654aとが歯合可能となるように周面部に形成される開口645aと、筒状中心を中心とした円形で貫通形成され円筒支持部651aを挿通可能とされる挿通孔645bと、を備える。なお、形状の詳細については後述する。
延設支持部646は、第2装飾回転部材660を回転可能に軸支するための支持部として機能するが、詳細は後述する。
第1装飾回転部材650は、直交する回転軸を形成する本体部材651と、その本体部材651と有底筒状部645との間に軸支される前側回転部材652と、その前側回転部材652の装飾部652bの背面側に固定され正面側にLED等の発光手段が配設される電飾基板653と、前側回転部材652と同軸で後側に締結固定される後側回転部材654と、本体部材651に正面側から締結固定され配線通しとしての円筒状空間を形成する配線受部材655と、その配線受部材655の正面側に配置され本体部材651に背面側から挿通される締結ネジが螺入されることで締結固定される前側装飾部656と、配線受部材655と本体部材651とにより形成される円筒状部に外嵌軸支される軸直角回転部材657と、を備える。
本体部材651は、背面側に筒状に延設される円筒支持部651aを備えており、その円筒支持部651aは、先端部の直径位置に一対の雌ネジ部651bが形成され、その雌ネジ部651bを通る平面の片側において壁部を削減するように切りかかれる切り欠き部651cを備える。
円筒支持部651aは、内部に電気配線を挿通可能な太さで形成されており、切り欠き部651cは、電気配線の入口を確保するための開口部としての機能を有する。
円筒支持部651aは、基端側から順に、前側回転部材652の中心孔、後側回転部材654の中心孔、有底筒状部645の挿通孔645b、段付きリング状のカラーC1及び前蓋部材612の案内長孔616に挿通され、その先端部の雌ネジ部651bに皿状蓋部C2に挿通された締結ネジが螺入されることで締結固定される。
即ち、上述した円筒支持部651a、前側回転部材652、後側回転部材654、有底筒状部645、カラーC1及び皿状蓋部C2は、前後方向に延びる軸線O1に同軸で支持され、案内長孔616に沿って変位可能に構成される。
皿状蓋部C2は、円周部の一部に開口C2aが形成されており、この開口C2aは組立状態において、本体部材651の切欠き部651cと対向配置されることで、電気配線の通り道を形成する。
この電気配線は、一部の配線は軸直角回転部材657の内部を通り、第2装飾回転部材660の内部に案内され、電飾基板662に配設されるコネクタに端子が接続される。また、その他の配線は、本体部材651と配線受部材655との間に形成される隙間(上側、即ち半筒形状部655aの上下反対側において本体部材651と対向配置される側に形成される隙間)を通り、張出装飾部652bの背後に案内され、電飾基板653のコネクタに端子が接続される。
後側回転部材654は、背面側端部の円周部に沿ってギア歯654aが形成されており、このギア歯654aと中間ギア644とが歯合可能に形成される。なお、ギア歯654aは、後述する動作に十分な配置として、全円周に亘ってでは無く、円周の一部に沿って形成される。
前側回転部材652は、傘歯車として形成されるギア歯652aと、径外方に張り出す張出装飾部652bと、を備える。張出装飾部652bの背面側には電飾基板653が締結固定され、電飾基板653に配置される発光手段からの光により張出装飾部652bを点灯させたり、点滅させたりする演出を実行可能とされる。
前側回転部材652は、後側回転部材654に締結固定されているので、後側回転部材654と前側回転部材652とは一体的に回転動作する。
軸直角回転部材657は、本体部材651の半筒形状部651dと、配線受部材655の半筒形状部655aとにより形成される円形筒状部に回転可能に支持され、前側回転部材652のギア歯652aと歯合可能な傘歯車として形成されるギア歯657aを備える。
このように構成することで、前側回転部材652の回転と連動して軸直角回転部材657が回転する。即ち、前側回転部材652、後側回転部材654及び軸直角回転部材657は、連動するが、動作の詳細については後述する。なお、ギア歯652a,657aは、後述する動作に十分な配置として、全円周に亘ってでは無く、円周の一部に沿って形成される。
第2装飾回転部材660は、軸直角回転部材657に締結固定される箱状部材661と、その箱状部材661の内部において箱状部材661に固定される電飾基板662と、箱状部材661と軸直角回転部材657との間に配設され半筒形状部651d,655aの先端部に締結固定される配線留め板663と、を備える。
本実施形態では、後述する箱状部材661の回転に伴って、電飾基板662も回転変位することになるので、電飾基板662のコネクタに案内される際に半筒形状部651d,655aの間を通過している電気配線が捻じれたり、配置が無秩序になったりする可能性があるところ、配線を仮留めする貫通孔を有する配線留め板663の機能により、配線の捻じれや、無秩序に配置されることからの回避を図っている。
なお、本実施形態では、電気配線が電飾基板662に固定されていることから、電気配線に捻じれが生じることは避けられない。一方で、第2装飾回転部材660の回転変位は、1回転以上の回転で生じるものでは無く、135度の回転角度で反転する回転変位であるので、電気配線に過度な負担がかかったり、電気配線がねじ切れたりする事態を回避することができる。
第2装飾回転部材660は、略直方体形状から形成され、最長辺を有する長方形側面の最長辺と平行な回転軸(半筒形状部651d,655aにより形成される回転軸)で回転可能に構成される。
軸直角回転部材657は、配線留め板663が抜け止めとして機能し、半筒形状部651d,655aに脱落不能に支持される。第2装飾回転部材660は軸直角回転部材657に締結固定されるので、第2装飾回転部材660が半筒形状部651d,655aから抜ける事態が発生することを回避することができる。
電飾基板662は、板の厚み方向と箱状部材661の厚み方向とが一致するよう配設されている。電飾基板662の厚み方向の側面において、表側に配設され厚み方向に光軸が向くLED等の発光手段により第1演出面661aが照らされ、裏側に配設され厚み方向に光軸が向くLED等の発光手段により第2演出面661bが照らされ、裏側(第2演出面661bを照らす側)に配設され幅方向に光軸が向くLED等の発光手段により第3演出面661cが照らされる。
このように、電飾基板662に配設される発光手段は、各演出面661a〜661cを個別に照らすように機能するが、第3演出面661cを照らすLEDが裏側(第2演出面661bを照らす側)に配設されていることで、第2演出面661bが正面側に配置される状態(第1動作ユニット600の張出状態)において第3演出面661c(上側を向く面)を照らすLEDを発光させた場合に、そのLEDの光軸から角度をつけて進行する光により第2演出面661bを照らすことができる。
即ち、電飾基板662の背後にLEDが配置される場合と異なり、光が電飾基板662に隠されることを回避することができるので、第3演出面661cを照らす光により第2演出面661bも照らすことができる。これにより、第2演出面661bを照らす演出態様の種類を増加させることができたり、発光演出時の第2演出面661bの明るさを向上させたりすることができる。
装飾固定部材670は、光透過性の樹脂材料から、装飾用の文字や図形が遊技者に視認可能に形成され、その背面側から斜め左前方に光を照射する電飾基板671を備えている。装飾固定部材670の配置は第3図柄表示装置81の右側で固定であり、装飾固定部材670に対する遊技者の視線は、常に斜め右側に傾斜した視線となる。即ち、電飾基板671から照射される光の方向を左側に傾斜させることで、遊技者の目が配置され易い側に光を照射することができる。
装飾固定部材670は、下縁部および右縁部が背面側に嵩上げ形成されており、上縁部および左縁部と前蓋部材612との間に前後隙間が形成される。この前後隙間は、回動部材620が傾倒変位する際に通る隙間として機能する。
図40は、演出待機状態における第1動作ユニット600の正面図であり、図41は、演出待機状態における第1動作ユニット600の背面図であり、図42は、図40の矢印XLII方向視における第1動作ユニット600の側面図である。なお、形状の理解を容易とするために、ベース部材611(図38参照)及び締結ネジの図示は省略している。
演出待機状態において、駆動伝達装置630の円筒部634aの変位開始方向SD1は、伝達長孔623の長手方向に沿う(例えば、平行となる)ように構成される。これにより、円筒部634aが伝達長孔623に摺動しながら変位開始する際の変位抵抗を低減することができる。即ち、変位開始時は、変位途中に比較して慣性の補助を得られず、駆動モータ631で発生させる必要のある駆動力が大きくなり易いところ、本実施形態のように変位抵抗を低減するように構成することで、変位開始時に駆動モータ631にかかる負担の低減を図ることができる。
また、同様のことが、張出状態(図45参照)における円筒部634aの変位開始方向SD2についても成立するように構成される。即ち、本実施形態では、回動部材620の両終端位置(演出待機状態の位置、張出状態の位置)における伝達長孔623に配置される円筒部634aの変位方向が、伝達長孔623の長手方向に沿う(例えば、平行となる)ように円筒部634aの変位(即ち、伝達ギアカム634の形状)が設計される。これにより、回動部材620の両終端位置からの変位開始時に駆動モータ631にかかる負担の低減を図ることができる。
図41に示すように、中間ギア644に両側から、回動部材620のギア歯部625と、第1装飾回転部材650のギア歯654aと、が噛み合う。本実施形態では、ギア歯部625の半径R1と、ギア歯654aの半径R2とが同じ長さで設計されているので、中間ギア644に対するギア歯部625の回転角度と、中間ギア644に対する後側回転部材654の回転角度と、は同角度とされる。
従って、後側回転部材654の回転角度を、中間ギア644とギア歯部625との間で生じる回転角度(角度θ)の設計次第で、変化可能に構成することができる。
図42に示すように、前側回転部材652のギア歯652aと、軸直角回転部材657のギア歯657aとが噛み合っており、前側回転部材652に伝達された回転駆動力が、回転軸の直交する第2装飾回転部材660に伝達される。
第2装飾回転部材660の回転角度はギア歯657aの回転角度と同様であり、ギア歯657aの回転角度は前側回転部材652のギア歯652aの回転角度に比例する。即ち、第2装飾回転部材660の回転角度は、中間ギア644とギア歯部625(図41参照)との間で生じる回転角度に比例する。
なお、本実施形態では、ギア歯657aの回転角度と、ギア歯652aの回転角度とが同じ(ギア比が1)となるように構成されるので、第2装飾回転部材660の回転角度は、中間ギア644とギア歯部625との間で生じる回転角度と同じとなる。
次いで、第1動作ユニット600の演出待機状態からの変位について、時系列で説明する。図43は、中間演出状態における第1動作ユニット600の正面図であり、図44は、中間演出状態における第1動作ユニット600の背面図である。また、図45は、張出状態における第1動作ユニット600の正面図であり、図46は、張出状態における第1動作ユニット600の背面図である。なお、形状の理解を容易とするために、ベース部材611及び締結ネジの図示は省略している。
演出待機状態と中間演出状態との間で、回動部材620の回動角度は19度に設定され、中間演出状態と張出状態との間で、回動部材620の回動角度は26度に設定されている。
第1動作ユニット600の中間演出状態では、第2装飾回転部材660の箱状部材661が、幅の狭い第3演出面661cを正面側に向けた姿勢とされる。第1動作ユニット600の張出状態では、第2演出面661bが正面側を向くように構成される(図45参照)。
図44に示すように、案内長孔616は、上端部から上下方向に延びる直線上に形成される直線状部616aと、その直線状部616aの下端部と連結され曲線上(略円弧形状)に形成される曲線状部616bと、を備える。
第1動作ユニット600の中間演出状態では、軸線O1が直線状部616aの下端位置、即ち、直線状部616aと曲線状部616bとの連結部分に配置されている。一方で、図46に示すように、第1動作ユニット600の張出状態では、軸線O1が曲線状部616bの下端位置に配置されている。
従って、演出待機状態と中間演出状態との間における軸線O1の変位は、直線状部616aに沿う直線状変位となり、中間演出状態と張出状態との間における軸線O1の変位は、曲線状部616bに沿う曲線状変位となるように構成される。
第1動作ユニット600は、上述のように状態変化可能に構成されており、その状態変化の基端側に配置されるのは回動部材620である。即ち、回動部材620が駆動伝達装置630からの駆動力を受けて変位し、その回動部材620の変位に被支持部材640、第1装飾回転部材650及び第2装飾回転部材660が従動する。
そのため、対策なしでは、案内長孔616に案内される部分の摺動変位によって案内長孔616との間で生じる変位抵抗が大きくなる可能性があるが、本実施形態では、回動部材620の変位方向に案内長孔616の長手方向が沿うように構成されることで、その抑制を図っている。
例えば、演出待機状態(図41)からの回動部材620のギア歯部625の変位は、下方へ傾動する変位であるところ、案内長孔616も下方に延びるように形成されている。また、例えば、張出状態(図46参照)からの回動部材620のギア歯部625の変位は右斜め上方向に起き上がる変位であるところ、案内長孔616も右斜め上に延びるように形成されている。
このように、回動部材620の変位方向と、案内長孔616の長手方向と、を沿わせるようにすることで、案内長孔616の内部を変位する部分(及び軸線O1)の変位抵抗を抑制することができる。
次いで、図47を参照して、案内長孔616の形状が及ぼす効果について他の効果も含めて説明する。図47は、回動部材620の回動変位に伴う被支持部材640の変位量および変位角度を模式的に示す模式図であり、図48(a)及び図48(b)は、回動部材620が角速度一定の態様で傾倒方向に回動した場合における被支持部材640の従動側の変位量の大小関係を示す模式図である。なお、数値の正負は、正が下方への変位量、負が上方への変位量として図示され、図48(b)では、図48(a)の数値が棒グラフとして図示される。
図47では、回動部材620の回動に伴う被支持部材640の支持位置の配置が、回動部材620の回動角度として10度間隔で図示されるており、第1動作ユニット600の張出状態における姿勢の回動部材620が実線で図示される。
図47において、角度θは、軸線O1及び円形貫通孔624の中心を結ぶ線分と、円形貫通孔624の中心および筒状部622の中心を結ぶ線分と、の間の角度として図示されている。
案内長孔616は、軸線O1が配設される被支持部材640の端部を案内する長孔として機能する。案内長孔616における変位は、回動部材620の円形貫通孔624に連結される被支持部材640の筒状部642が回動部材620の回動に伴って変位することにより生じる変位であるので、以下において、被支持部材640の筒状部642を被支持部材640の主動側とも称し、軸線O1が配設される被支持部材640の端部を被支持部材640の従動側とも称する。
回動部材620を中心とする動作の概要について説明する。回動部材620に支持される被支持部材640の上下変位は、回動部材620の回動による回動先端(被支持部材640の主動側)の上下変位と、被支持部材640の姿勢変位に伴う被支持部材640の従動側の上下変位とが合算された結果として生じる。
演出待機状態においては、被支持部材640が縦姿勢であることに加え、回動部材620の変位の速度成分が上下に比較して左右方向が大きい(回動腕の配置が鉛直から左右45度の範囲)。即ち、上下方向の変位としては、小さくなる条件が2重に揃っている。
これらは共に、張出状態においては逆になり、上下方向の変位が大きくなる条件が2重に揃うことになる。従って、下降変位開始時は速度が小であり、下降変位終端において速度が大という状況が生じ易い構成となっている。
次いで、回動部材620を中心とする動作の詳細について説明する。演出待機状態から張出状態へ向けた回動部材620の変位(傾倒変位)について説明する。回動部材620が傾倒変位する場合、被支持部材640の従動側は主に自重により変位する。
そのため、案内長孔616が鉛直方向に形成される場合、被支持部材640の従動側は勢いよく落下する可能性がある。一方で、本実施形態では、第1動作ユニット600を中間演出状態(傾倒変位の途中位置、図44参照)で停止させられる方が好ましい。
そこで、本実施形態では、案内長孔616の形状として、直線状部616aの下方に曲線状部616bを組み合わせる態様を採用している。これにより、直線状部616aを自重により被支持部材640の従動側が変位し曲線状部616bに進入する際に、被支持部材640の従動側にかかる変位抵抗の増加を図ることができる。これにより、被支持部材640の従動側が中間演出状態における配置を超えて勢いよく落下することを防止し易くすることができる。
直線状部616aにおける被支持部材640の従動側の変位について説明する。被支持部材640の従動側が直線状部616aを変位する際、被支持部材640の主動側が直線状部616aの延長線を跨ぐ。即ち、演出待機状態では被支持部材640の主動側は直線状部616aよりも右側に配置され(図41参照)、中間演出状態では被支持部材640の主動側は直線状部616aよりも左側に配置される(図44参照)。そのため、回動部材620が方向転換せずに傾倒変位する間に、被支持部材640の従動側は上下方向に往復変位する。
これにより、回動部材620の回動角度の大きさに比較して、被支持部材640の従動側の上下方向の変位を小さく維持することができるので、被支持部材640の従動側が直線状部616aに配置されている間において、被支持部材640が、あたかも被支持部材640の従動側を中心として回動変位しているような変位態様で遊技者に見せることができる。
この変位態様によれば、被支持部材640の従動側を中心とした回動変位による助走を利用して左右方向のスライド変位を生じさせることができるので、変位開始時から被支持部材640全体を左右方向にスライド変位させる場合に比較して、変位に要する負荷を低く抑えることができる。そのため、被支持部材640の動作開始時に要する負荷を低減することができ、駆動モータ631に要求される性能の程度を低くすることができる。これにより、駆動モータ631の低コスト化を図ることができる。
一方で、被支持部材640の従動側の変位が小さく抑えられていながら、回動部材620の回動変位に伴い被支持部材640の主動部の変位は十分に確保されており、被支持部材640の主動部を基準とした被支持部材640の従動側の回転方向は背面視反時計回り方向に維持される(方向が切り替えられることが無い)。これにより、上述のように、被支持部材640の姿勢変化の方向および第2装飾回転部材660の回転方向は切り替えられることなく(反転することなく)維持される。
これにより、遊技者に対して、被支持部材640及び第2装飾回転部材660が往復動作(戻り動作)しているような印象を与えることを回避することができ、第2装飾回転部材660の変位態様を勢いのある変位態様とすることができる。
また、回動部材620の回動変位に伴う被支持部材640の主動部の変位が十分に確保されている状況下においても、被支持部材640の主動部の変位方向は水平方向成分が大きく、且つ、重力方向に沿う方向(下方)向きの変位であるので、回動部材620を変位開始させるために要求される負荷を低減することができ、駆動モータ631に要求される性能の程度を低くすることができる。これにより、駆動モータ631の低コスト化を図ることができる。
曲線状部616bにより生じる作用について説明する。直線状部616aと曲線状部616bとの連結部に被支持部材640の従動側が配置される状態が第1動作ユニット600の中間演出状態として規定されている。上述のように、演出待機状態から中間演出状態までの回動部材620の回動角度は19度である。そのため、被支持部材640の従動側が曲線状部616bに配置される状態は、おおよそ、図48の角度幅20度〜45度の範囲に対応する。
まず、前提として、案内長孔616に曲線状部を採用する必然性は無い。即ち、上述のように中間演出状態において変位抵抗を増加させるために屈曲するような箇所の採用の有無に関わらず、案内長孔616を直線状の部分のみで構成しても良い。
一方、本実施形態では、敢えて曲線状部616bを採用することにより、変位終端において被支持部材640の従動側の速度が過大となることの防止を図っている。これについて、以下で説明する。
直線状部616aに案内される場合も、曲線状部616bに案内される場合も、回動部材620に連結される被支持部材640の主動側が下方変位する際に、被支持部材640の従動側が下方変位することは同じである。
違いとして、曲線状部616bに案内される場合において、曲線状部616bの上半部では、被支持部材640の従動側が被支持部材640の主動側の変位向き(左向き)と相反する向き(右向き)に変位案内されるように曲線状部616bが形成され、曲線状部616bの下半部では、被支持部材640の従動側が被支持部材640の主動側の変位向き(左向き)に沿う向き(左向き)に変位案内されるように曲線状部616bが形成される。
これにより、被支持部材640の主動側の下方への変位量が大きくなる前(傾倒開始側)においても、被支持部材640の従動側の変位が左右に振られていることで、被支持部材640の従動側の変位速度を大きく確保することができる。
これにより、回動部材620の傾倒変位の変位終端において被支持部材640の従動側の変位速度が過大となることを防止することができる。即ち、被支持部材640の従動側を特定の初期位置から終端位置まで任意の経路で上下変位させる場合、変位に要する時間が同じであれば、上下方向の速度を積分した結果は等しくなるので、変位開始時にゆっくりと変位する場合には、終盤に変位速度が大きくなる。
図47に比較として図示する上下方向に延びる直線上に案内される仮想軸線OE1に被支持部材640の従動側が配置される場合、回動部材620の傾倒変位開始側から、変位速度が漸増することになり、被支持部材640の変位終端(変位下端)において最大となる。換言すれば、回動部材620が10度回転して変位下端に到達する間の案内長孔616に案内される軸線O1の上下変位量UX1に比較して、同じ間の仮想軸線OE1の上下変位量UE1は大きくなる。
そのため、仮想軸線OE1の変位態様では、被支持部材640の従動側が跳ね戻る動作をする可能性があり、被支持部材640を変位下端で停止させる演出を行う場合には、第1動作ユニット600の演出に悪影響を与える。
これに対し、本実施形態では、案内長孔616に曲線状部616bを採用することで、被支持部材640の従動側の変位速度が大きくなる範囲を回動部材620の傾倒変位の変位開始側にも割り振るよう図っており、被支持部材640の従動側の変位速度の均一化を図っている。
この場合の均一化とは、変位の全範囲に亘って速度を同一となるように寄せることを意味するものばかりでは無く、速度の大小幅を抑制することを含む意味で用いられる。特に、本実施形態では、回動部材620の傾倒変位において、曲線状部616bへの進入開始側において被支持部材640の従動側の変位速度が漸増し、曲線状部616bの下半部に進入開始してから被支持部材640の従動側の変位速度が漸減するよう構成されている。
即ち、曲線状部616bに被支持部材640の従動側が案内されている場合において、被支持部材640の従動側の変位速度に速度差を設けることで、被支持部材640の変位が単調となることを回避することができる。
更に、曲線状部616bの下端側部において被支持部材640の従動側に要求される速度、即ち、単位時間に要求される変位量を小さくすることにより、回動部材620を上方へ動作(起き上がり動作)させる場合の駆動開始時に、単位時間に被支持部材640の従動側を持ち上げる変位量を小さくすることができるので、駆動モータ631にかかる負担を軽減させることができる。
次いで、図49を参照して、回動部材620の回動変位に伴う第2装飾回転部材660の回転について説明する。図49は、回動部材620の回転に伴う角度θ[度]の変化を示す模式図である。
角度θは、円形貫通孔624を中心とする回動部材620と被支持部材640との相対回転角度と同一視でき、第2装飾回転部材660の回転に直結する。即ち、角度θの大小に対応して、第2装飾回転部材660の回転角度の大小が規定される。
なお、本実施形態では、回動部材620のギア歯部625と第1装飾回転部材650のギア歯654a(図39参照)との回転伝達比、及びギア歯652aと軸直角回転部材657のギア歯657a(図38参照)との回転伝達比、が共に1に設定されている。そのため、角度θと、軸直角回転部材657との回転角度とは同一となることから、角度θの変化を、第2装飾回転部材660の姿勢の変化として把握することができる。
角度θの変化は、第1動作ユニット600の演出待機状態(図41参照)から第1動作ユニット600の中間演出状態(図44参照)までが45度であり、第1動作ユニット600の中間演出状態から第1動作ユニット600の張出状態(図46参照)までが90度である。
演出待機状態では、第2装飾回転部材660は第1演出面661aを45度だけ左方(第3演出面661cを45度だけ右方)に傾けた姿勢とされているので、角度θの変化に従って、状態が中間演出状態、張出状態と順に切り替えられるごとに、第2装飾回転部材660が45度回転することで第3演出面661cが正面側に向き(図43参照)、次いで第2演出面661bが正面側を向く(図45参照)。
角度θの設定は、被支持部材640の姿勢を規定するための案内長孔616の設計により実現されている。即ち、本実施形態では、第2装飾回転部材660の配置および角度θに応じた第2装飾回転部材660の姿勢の両方を満たすように案内長孔616が設計されている。
これにより、本実施形態のように、検出センサKS1として回動部材620の配置を検出するセンサしか配設しない場合であっても、検出センサKS1の出力を基にして第2装飾回転部材660の配置および姿勢を音声ランプ制御装置113(図4参照)が判定することができる。
即ち、検出センサKS1の検出溝に伝達ギアカム634の延設部634bが配置されていれば第1動作ユニット600の演出待機状態(図41参照)であると判定でき、その状態からの駆動モータ631の回転角度から回動部材620の回動角度、第2装飾回転部材660の配置および姿勢を判定することができる。
ここで、角度θの変化量は、回動部材620の回動角度量に比例するものではない。そのため、駆動モータ631の回転角度から第2装飾回転部材660の配置および姿勢を判定する際には、駆動モータ631の回転角度から比例計算で数値を求めれば良いわけではない。また、これにより、回動部材620を一定速度で回動する場合にあっても、第2装飾回転部材660の回転速度が一定となることを避けることができる。以下、このことについて説明する。
角度θの変化は、被支持部材640の従動側の変位速度の変化量の大小変化と概ね同様である。即ち、演出待機状態から中間演出状態までの角度変化(回動部材620が5度回動する間に約13度)に比較して、中間演出状態から張出状態までの角度変化の方が概ね大きい(被支持部材640の従動側が曲線状部616bの上半部に配置される間において、回動部材620が5度回動する間に約20度)。
一方で、中間演出状態から張出状態までの角度変化は、被支持部材640の従動側が曲線状部616bの下半部への進入位置程度から漸減し、最終的には演出待機状態から中間演出状態までの角度変化の水準以下になる(約7度まで低下する)。
このように、回動部材620の単位角度あたりの回動に対する角度θの数値が大小で変化するように構成されることで、同様に第2装飾回転部材660の回転角度の大小が変化するように構成することができる。即ち、角度θの数値が小さい範囲では、第2装飾回転部材660の回転角度が小さくなり易く、その姿勢を維持し易い状態とできる一方で、角度θの数値が大きい範囲では、第2装飾回転部材660の回転角度が大きくなり易く、遊技者側に向ける面(演出面661a〜661c)を迅速に変化させ易い状態とすることができる。
上述の構成から、第2装飾回転部材660の変位動作に緩急を形成することができる。第2装飾回転部材660の変位動作では、上述の通り、被支持部材640の変位に伴う配置変更および姿勢変更と、半筒形状部651d,655aにより形成される筒状部の中心に形成される回転軸を中心とした回転変位と、が同時に実行される。
半筒形状部651d,655aにより形成される筒状部を中心とした回転変位の回転角度(角速度)は、被支持部材640の従動側が案内長孔616の直線状部616aから曲線状部616bに進入するタイミングで目立って大きくなる。
即ち、傾倒変位において、中間演出状態に到達するまでは第2装飾回転部材660の回転角度は抑えられており、中間演出状態における被支持部材640の従動側の配置から多少上下(跳ね戻り)したとしても、第2装飾回転部材660が第3演出面661cを正面側に向ける状態(図43参照)での維持を図ることができる。
一方、中間演出状態から被支持部材640の従動側が下方へ変位すると、回動部材620が一定速度で回動する場合の第2装飾回転部材660の回転速度は増大し、回転方向の姿勢変化が目立って視認される。即ち、遊技者に対して、第2装飾回転部材660が瞬時に回転変位しているように視認させることができる。
なお、本実施形態では、回動部材620の回動終端(変位下端)において第2装飾回転部材660の第2演出面661bが正面側に向けられ、装飾固定部材670と近接配置された状態で一体的に視認される関係上(図28参照)、回動部材620が変位下端に配置された状態から被支持部材640の従動側が上方へ跳ね戻ることを防止できることが望ましい。
これに対し、本実施形態では、上述のように案内長孔616の曲線状部616bbを構成することで、被支持部材640の従動側の変位速度を均一化しているので、回動部材620が変位下端に配置された状態における被支持部材640の従動側の変位速度が過大となることを予め防止することができ、被支持部材640の跳ね戻りを防止することができる。
このように変位速度が均一化されていることに加え、回動部材620の下降変位終端における被支持部材640及び第2装飾回転部材660の中心部の配置(例えば、筒状部643の配置)が、回動部材620の回転軸としての支持締結部615に最接近するよう構成されている。これにより、回動部材620の回動先端側に支持される被支持部材640や第2装飾回転部材660の重量により回動部材620の回動先端が暴れることを回避でき、回動部材620の回動変位を安定させることができる。
加えて、曲線状部616bの下半部は、回動部材620の変位下端において被支持部材640の従動側の、回動部材620の円形貫通孔624を中心として跳ね戻る方向(左上方向)への変位を好適に妨害するように構成される。即ち、曲線状部616bの下半部は、左上方向に傾斜する方向が短手方向となっており、この方向への被支持部材640の従動側の変位を抑制することができるので、被支持部材640の跳ね戻りを防止することができる。
換言すれば、本実施形態では、被支持部材640の主動側の変位に追従して被支持部材640の従動側が変位する際の変位方向と、被支持部材640の主動側が変位終端で停止した場合における被支持部材640の従動側の変位方向と、が異なる。
前者は、案内が無ければ被支持部材640の主動側の変位方向(回動部材620の回動方向)に沿って左下方への変位となると想定されるが、本実施形態では、案内長孔616に案内されることで、案内長孔616に沿う方向として左右方向に若干振られ、下方へ変位する。
一方、後者は、被支持部材640の主動側を中心とした円上の軌道となるので、案内長孔616を沿う方向ではなく、案内長孔616の短手方向に沿う変位方向となる。これにより、被支持部材640の従動側の変位を抑制することができ、被支持部材640の跳ね戻りを防止することができる。
回動部材620の起き上がり方向変位の特徴について説明する。第1動作ユニット600の張出状態から演出待機状態への状態変化において、回動部材620は起き上がり方向に変位する。
回動部材620を起き上がり変位させる際に要する負荷(即ち、駆動モータ631で生じる駆動力)は、主に、回動部材620、被支持部材640及び被支持部材640に配設される第1装飾回転部材650及び第2装飾回転部材660を上昇変位させることと、第2装飾回転部材660を回転させることとに利用される。
即ち、第2装飾回転部材660の回転角度が小さいほど、回動部材620を起き上がり変位させる際に要する負荷を低減することができる。
ここで、図49に示すように、本実施形態では、第1動作ユニット600の張出状態から回動部材620が回動変位を開始する時点において、第2装飾回転部材660の回転角度に比例する角度θの値が最低となるように設計されている。そのため、回動部材620を起き上がり変位させる際に要する負荷の低減を図ることができる。
回動部材620の起き上がり方向変位の上昇変位終端において、被支持部材640の延設支持部646を中心とした第2装飾回転部材660の回転軸が、回動部材620の長手方向と沿う姿勢(上下方向を向く姿勢)で配置される。
そのため、回動部材620の上昇変位終端において第2装飾回転部材660の回転変位が停止される際に第2装飾回転部材660の回転方向の慣性力として回動部材620に与えられる負荷を、回動部材620が長手方向を軸としてねじられる態様の負荷として生じさせることができ、回動部材620はその負荷を長手方向に分散させることで局所的には僅かな弾性変位で耐えることができる。
そのため、第2装飾回転部材660の回転軸が回動部材620の長手方向と正面視で直交する場合に比較して、回動部材620が折れるように破損する事態を回避し易くすることができる。加えて、回動部材620の過度な弾性変位は、前蓋部材612との当接により抑制され、回動部材620で受けきれない負荷に関しては前蓋部材612が弾性変形することにより耐えるよう構成できるので、回動部材620の破損を防止することができる。
張出装飾部652bの変位について説明する。張出装飾部652bは軸線O1を中心に回転変位する部材であって、その回転角度は上述の角度θに対応する。従って、演出待機状態から張出状態への変化のように、被支持部材640の従動側の配置変化が小さい場合であっても、角度θが変化していれば張出装飾部652bは回転する。
演出待機状態から張出状態までの角度θの変化は約135度であり、張出装飾部652bは約45度で回転している。ここで、演出待機状態から張出装飾部652bが45度も反時計回りに回転すると、組立状態(図28参照)において他の動作ユニット800(左右の固定装飾部材)と衝突するように感じるが、本実施形態では、張出装飾部652bの回転の基準となる被支持部材640自体が時計回りに回転する態様で姿勢変化しているので、他の動作ユニット800(左右の固定装飾部材)に衝突することを回避することができる。
換言すれば、張出装飾部652bが被支持部材640を基準として変位可能に構成されることで、張出装飾部652bの変位に要するスペースを削減することができる。
例えば、張出装飾部652bが第1動作ユニット600の張出状態において被支持部材640を基準として固定配置される部分である場合、被支持部材640が張出状態の配置から演出待機状態の配置に変化すると、張出装飾部652bは被支持部材640の左上側に張り出し、他の動作ユニット800に衝突したり、第3図柄表示装置81の表示領域の正面側に張り出し表示を部分的に隠したり、という演出に対する悪影響を及ぼす可能性がある。
これに対し、本実施形態では、被支持部材640の従動側を基準として、被支持部材640の主動側の回転方向とは逆方向に、張出装飾部652bが回転変位するので、被支持部材640が第3図柄表示装置81側に張り出す際には連動して張り出し、被支持部材640が第3図柄表示装置81から退避する側に変位する際には連動して退避する。そのため、退避した状態における張出装飾部652bの配置を、第3図柄表示装置81から離れる側に形成することができる。
遊技者目線における、被支持部材640を基準とした張出装飾部652bの回転角度は、角度θの変化と、被支持部材640の姿勢変化と、の差によって求めることができる。即ち、角度θの変化幅である約135度と、被支持部材640の姿勢変化角度である約90度の差としての45度となる。
ここで、本実施形態では、角度θの変化と、被支持部材640の姿勢変化と、の差が、回動部材620の配置に関わらず等しいよう構成される。即ち、図47に示すように、角度θを、水平線の下側の角度a1,a2と、水平線の上側の角度b1,b2と、で分けた場合に、角度θと、被支持部材640の姿勢変化と、の差は、((a1+b1)−(a2+b2))−(b1−b2)=(a1−a2)と求められ、これは回動部材620の回動角度に等しい。
従って、被支持部材640の姿勢を基準とした張出装飾部652bの回転角度が、回動部材620の回動角度と等しくなるので、回動部材620を角速度一定で回動変位させると、被支持部材640の変位速度は一定ではないにも関わらず、被支持部材640の姿勢を基準とした張出装飾部652bの回転の角速度が一定となる。
そのため、遊技者に対して、被支持部材640に配設される張出装飾部652bが回動部材620を駆動させる駆動モータ631とは別の駆動手段で、一定角速度で駆動されているかのように視認させることができる。
このように構成することで、張出装飾部652bの被支持部材640を基準とした変位が、遊技者目線で、スライド移動である区間があったり、回転移動がある区間があったりするように見せることができ、張出装飾部652bの変位態様を、あたかも機械では無いような柔らかい変位態様として視認させることができる。
この作用は、被支持部材640の変位として、スライド方向の変位量に対して姿勢変化が大きい区間と、スライド方向の変位量に対して姿勢変化が小さい区間とを切り分けて設計することで実現することができる。即ち、張出装飾部652bは、回動部材620の回動角度に応じて被支持部材640に対して回転するところ、遊技者目線では、張出装飾部652bの変位が被支持部材640の変位として支配的となる側に影響される。
従って、スライド方向の変位量に対して姿勢変化が大きい区間では張出装飾部652bが回転変位しているように視認させることができ、スライド方向の変位量に対して姿勢変化が小さい区間では張出装飾部652bがスライド変位しているように視認させることができる。
上述したように、回動部材620は、演出待機状態、中間演出状態および張出状態を構成するように回動変位可能とされ、一方の変位終端から他方の変位終端へ変位する場合について説明したが、変位範囲の途中位置で逆方向へ変位するように駆動方向を切り替えても良い。
例えば、演出待機状態から中間演出状態まで回動部材620を回動変位させた後で、駆動モータ631の駆動方向を反転させることで、演出待機状態に戻すように制御しても良い。この場合、回動部材620を下降途中で停止させる必要があるので、停止位置を正確にするためには、回動部材620の回動速度を低めに設定させる必要が生じる可能性がある。
一方で、本実施形態では、演出待機状態に比較して、中間演出状態付近において角度θ(図49参照)の数値が増大傾向に変化する。角度θの大小は、上述のように、第2装飾回転部材660の回転の大小に対応する。
従って、第2装飾回転部材660の回転量が増大する中間演出状態付近において、駆動力の内で第2装飾回転部材660に振り分けられる分が多くなることから、相対的に、回動部材620の回動変位に振り分けられる分を少なくすることができ、自動的に回動部材620の回動変位を抑制することができる。
換言すれば、第2装飾回転部材660の回転量が増大することに伴って、回動部材620の回動速度を低下させることができるので、予め回動部材620の回動速度を低めに設定しておかなくとも、中間演出状態付近において回動部材620を停止させ易くすることができる。
次いで、第2動作ユニット700について説明する。第2動作ユニット700は、背面ケース510の開口511aよりも下側において底壁部511に締結固定される動作ユニットであって、第3図柄表示装置81(図28参照)を見る遊技者の視界を確保するために開口511aよりも下側に退避する演出待機状態(図28参照)と、第3図柄表示装置81の正面側に配置され注目を集める張出状態(図30参照)と、その間の状態としての中間演出状態(図35参照)とで、主に状態が切り替えられる。
図50は、背面ケース510及び第2動作ユニット700の分解正面斜視図であり、図51は、背面ケース510及び第2動作ユニット700の分解背面斜視図である。図50及び図51では、主に昇降反転演出装置770の周辺の部材が分解された状態で図示され、昇降反転演出装置770については非分解の状態で図示される。
図50及び図51に示すように、第2動作ユニット700は、背面ケース510の右下隅部に締結固定される右側前板部材710と、その右側前板部材710と背面ケース510との間に配置され背面ケース510の円筒状突設部511bを中心に回動可能とされる回動アーム部材720と、その回動アーム部材720に駆動力を伝達可能に構成される駆動伝達装置730と、回動アーム部材720の先端部が案内可能に連結され昇降変位可能に構成される昇降板部材740と、その昇降板部材740の背面側において背面ケース510の左下隅部に締結固定される左側後板部材750と、左右一組で構成され右側前板部材710及び左側後板部材750の前側に締結固定される一組の前側支持部材760と、金属棒702の前側において背面ケース510に締結固定される目隠し装飾部材768と、昇降板部材740及び前側支持部材760に昇降変位と前後方向変位とを組み合わせた態様で変位可能に構成される昇降反転演出装置770と、を備える。
右側前板部材710は、駆動伝達装置730の各構成を支持する伝達支持部711と、左縁部において背面側から凹設され背面ケース510との間に隙間を形成する隙間形成部712と、駆動伝達装置730の被検出部735の配置を検出するために配設される複数(本実施形態では3個)の検出センサ713と、左側部前側において上側へ向かう程に正面側に向かう態様で傾斜形成され昇降反転演出装置770の回転筒部774eを案内可能に形成される前上傾斜部714と、背面ケース510の背面側から挿通される締結ネジが螺入される雌ネジ部が形成される複数の被締結部718と、を備える。
検出センサ713は、フォトカプラ式の複数のセンサが、被検出部735が進入可能となる位置に検出溝を配置するようにして、間隔を空けて配設されている。各検出センサ713は、それぞれ、第2動作ユニット700の演出待機状態における被検出部735の位置、第2動作ユニット700の中間演出状態における被検出部735の位置、第2動作ユニット700の張出状態における被検出部735の位置、に合致するように配設される。
即ち、検出センサ713は、第2動作ユニット700が演出待機状態か、中間演出状態か、張出状態か、により出力を切替可能に構成されており、その出力結果から音声ランプ制御装置113(図4参照)が第2動作ユニット700の状態を把握可能に構成される。
回動アーム部材720は、背面ケース510の底壁部511から正面側に円筒形状に突設される円筒状突設部511bに軸支され、正面視くの字形状の長尺板状に形成される本体部721と、その本体部721の屈曲部において後方へ向けて円筒状に突設され内周側形状が円筒状突設部511bを挿通可能な大きさで形成される支持筒部722と、本体部721の右側端部において長尺方向に沿って長孔状に穿設される長孔部723と、本体部721の左側端部において前方(円筒状突設部711aの突設方向と平行な方向)へ向けて円筒状に突設され内周側に雌ネジが形成される円筒状被締結部724と、その円筒状被締結部724と支持筒部722との中間位置において後方へ円筒状に突設され内周側に雌ネジが形成される円筒状被締結部725と、支持筒部722の周囲に巻き付けられ背面ケース510との間で本体部721に上昇方向(左側部を持ち上げる方向)の付勢力を与えるトーションばねSP2と、を備える。
本体部721の左側部は、支持筒部722の基端側部に比較して正面側に配置がずれるように段が形成されており、その段により背面側に形成される隙間部に支持板701が配設される。
支持板701は、背面ケース510の底壁部511に締結固定される板状部であり、円筒状被締結部725を案内可能に穿設される円弧状の長孔部701aを備える。長孔部701aにリング状のカラーC3を挟んで挿通される締結ネジが円筒状被締結部725に螺入されることで、円筒状被締結部725を介して回動アーム部材720は支持板701に脱落不能に支持される。
支持板701は背面ケース510の底壁部511に締結固定されるので、回動アーム部材720の左側部は背面ケース510から正面側へ離間変位することが制限される。これにより、回動アーム部材720の左側にかけられる荷重により回動アーム部材720が正面側に傾倒する変位が生じることを防止することができるので、回動アーム部材720の変位を安定的に支持することができる。
本体部721の右側部は、背面ケース510と隙間形成部712との間の隙間に配置される。即ち、本体部721の右側部の前後方向の変位は、背面ケース510と隙間形成部712とにより制限される。
長孔部723は、幅中心を通り長尺方向に延びる直線が支持筒部722の中心を通る形状で形成される。従って、長孔部723に与えられる負荷が長孔部723の長尺方向を向く場合には、その負荷の回動アーム部材720の回動方向成分は0となる。
駆動伝達装置730は、回動アーム部材720の長孔部723を介して駆動力を伝達する装置であって、右側前板部材710に前側から締結固定される駆動モータ731と、その駆動モータ731の駆動軸に固定される駆動ギア732と、その駆動ギア732に歯合される伝達ギア733と、その伝達ギア733に歯合されるギアカム部材734と、を備える。
伝達ギア733及びギアカム部材734は、対応する位置において右側前板部材710の背面側に円筒状に突設される複数の円筒状突設部711aにそれぞれ軸支される。円筒状突設部711aの内周側には雌ネジが形成されており、伝達ギア733やギアカム部材734の軸孔に挿通される締結ネジが螺入可能となっている。これらの締結ネジが螺入固定されることで、伝達ギア733やギアカム部材734が円筒状突設部711aに脱落不能に軸支される。
伝達支持部711は、上述の円筒状突設部711aと、ギアカム部材734を軸支する円筒状突設部711aを中心とした円弧状に穿設される円弧状孔711bと、を備える。
ギアカム部材734は、回転軸部を中心とした円弧形状で正面側へ突設され円弧状孔711bに挿通可能に形成される被検出部735と、ギア部よりも長径となるように延設される延設部736と、その延設部736の先端部から背面側へ円筒状に突設される円筒状突設部736aと、を備える。
被検出部735は、右側前板部材710の検出センサ713の検出溝に配置可能に形成されており、検出センサ713からの出力によってギアカム部材734の姿勢を音声ランプ制御装置113(図4参照)が検出可能にするための部分として構成される。
円筒状突設部736aは、回動アーム部材720の長孔部723に挿通可能に形成されており、円筒状突設部736aの変位が長孔部723を介して回動アーム部材720に伝達される。
円筒状突設部736aの内周側には雌ネジが形成されており、リング状のカラーC3の中心孔に挿通される締結ネジが螺入可能となっている。この締結ネジが螺入固定されることで、回動アーム部材720が円筒状突設部736aに脱落不能に連結される。
昇降板部材740は、回動アーム部材720の回動に伴い昇降変位する部材であって、左端側に配置され上下方向に案内される被案内部材741と、その被案内部材741の下端側に締結固定される左右に長尺の横長部材742と、を備える。
被案内部材741は、背面ケース510に長尺方向を上下方向に揃えた姿勢で固定される金属棒702が挿通可能に形成され、金属棒702に沿った上下方向変位が可能とされる。被案内部材741の左右両側から背面側へ突設される突条部の先端が背面ケース510の底壁部511と当接することで、被案内部材741の軸回転が規制されることになり、被案内部材741の姿勢の安定化が図られている。
被案内部材741の姿勢が安定化されることに伴い、その被案内部材741に締結固定されている横長部材742の姿勢の安定化が図られている。
横長部材742は、回動アーム部材720の円筒状被締結部724が挿通可能な上下幅で左右に長尺の長円形状で穿設される長孔部743と、その長孔部743の上側において正面側に円筒状に突設される円筒状部744と、その円筒状部744を基準として左右に等距離だけ離れた位置における底部の下方に配設される一対の案内部745と、を備える。
長孔部743にリング状のカラーC3を挟んで挿通される締結ネジが円筒状被締結部724に螺入されることで、円筒状被締結部724を介して昇降板部材740は回動アーム部材720に脱落不能に支持される。
円筒状部744は、昇降反転演出装置770の挿通筒状部773が挿通され、昇降反転演出装置770を前後変位可能な状態で支持する部分である。即ち、昇降反転演出装置770は、昇降板部材740に固定されるのではなく、昇降板部材740を基準とした前後変位が可能な態様で昇降板部材740の正面側に配設される。
円筒状部744及び挿通筒状部773の周囲を巻くようにコイルスプリングCS2が配設される。コイルスプリングCS2の付勢力は、昇降板部材740と昇降反転演出装置770とを引き離す方向に作用する。
案内部745は、左右一対で構成されており、前後に長尺の板部745aと、その板部745aから左右外側へ突設される前後一対の軸部に回転可能に軸支される回転筒部745bと、を備える。
回転筒部745bは、上述した昇降反転演出装置770が前後変位する際に回転し、前後方向変位を案内する部分として機能するが、詳細は後述する。
左側後板部材750は、右側前板部材710の前上傾斜部714と同様に、右側部前側において上側へ向かう程に正面側に向かう態様で傾斜形成され昇降反転演出装置770の回転筒部774eを案内可能に形成される前上傾斜部751と、背面ケース510の背面側から挿通される締結ネジが螺入される雌ネジ部が形成される複数の被締結部752と、を備える。
目隠し装飾部材768は、光透過性の樹脂材料から立体形状に形成される立体装飾部768aを備え、その立体装飾部768aの背面側にはLEDが正面側に固定される基板が配置されており、LEDから照射される光で立体装飾部768aを光らせることができるよう構成される。
前側支持部材760は、それぞれ、締結ネジが挿通される挿通孔を有して構成される固定用板部761と、その固定用板部761の左右内側に隣設配置され板背面が上側へ向かう程に正面側に向かう態様で傾斜形成される受傾斜部762と、を備える。
固定用板部761は、挿通孔に正面側から挿通される締結ネジが、対応する雌ネジ部に螺入されることで右側前板部材710又は左側後板部材750の正面側に締結固定される板部である。
この固定位置において、受傾斜部762は、前上傾斜部714,751の前方に配置される。即ち、受傾斜部762及び前上傾斜部714,751により案内経路が形成され、この案内経路に昇降反転演出装置770の回転筒部774eが案内されることで、昇降反転演出装置770は前後方向に変位しながら昇降変位するよう構成されている。以下、この昇降変位について説明する。
図52(a)は、図28のLIIa−LIIa線における第2動作ユニット700及びセンターフレーム86の断面図であり、図52(b)は、図28のLIIb−LIIb線における第2動作ユニット700及びセンターフレーム86の断面図である。図52(a)及び図52(b)では、第2動作ユニット700の演出待機状態が図示される。
図53(a)は、図33のLIIIa−LIIIa線における第2動作ユニット700及びセンターフレーム86の断面図であり、図53(b)は、図33のLIIIb−LIIIb線における第2動作ユニット700及びセンターフレーム86の断面図である。図53(a)及び図53(b)では、第2動作ユニット700の中間演出状態が図示される。
図54(a)は、図30のLIVa−LIVa線における第2動作ユニット700及びセンターフレーム86の断面図であり、図54(b)は、図30のLIVb−LIVb線における第2動作ユニット700及びセンターフレーム86の断面図である。図54(a)及び図54(b)では、第2動作ユニット700の張出状態が図示される。
図52から図54に示す第2動作ユニット700の昇降反転演出装置770の昇降変位は、駆動伝達装置730の駆動力が回動アーム部材720に伝達されることで生じる。昇降反転演出装置770の昇降変位の際の駆動力伝達について説明する。なお、この説明では、図28、図30及び図33を適宜参照する。
演出待機状態(図28参照)からの駆動力伝達開始時において、ギアカム部材734の円筒状突設部736a(図51参照)の変位方向は、回動アーム部材720の長孔部723の長尺方向と平行になるように設計されているので、ギアカム部材734の回転開始時に生じる変位抵抗を抑制することができる。また、同様のことが、張出状態においても成立する。
一方、中間演出状態(図30参照)では、円筒状突設部736aの変位方向が長孔部723の長尺方向と直交することから、ギアカム部材734が回動アーム部材720から回転方向に受ける変位抵抗が極大化することで、ギアカム部材734の回転変位を停止させ易くすることができる。
図52から図54に示すように、第2動作ユニット700の昇降反転演出装置770は、センターフレーム86の下側においては背面側に配置され、センターフレーム86の内側へ向けて上昇変位することに伴って、前後方向においては正面側に変位するよう構成される。
この変位の変位抵抗は、昇降反転演出装置770の回転筒部774eが受傾斜部762及び前上傾斜部714,751に案内される構成と、昇降反転演出装置770の第1横板774b及び第2横板774cが昇降板部材740の回転筒部745bに案内される構成と、により、低減される。
即ち、一対の回転筒部774eは、左右対称な位置に配置される受傾斜部762及び前上傾斜部714,751(前上傾斜部751は、図52には図示されない左側に配置、図56参照)の傾斜角度と平行に並ぶよう設計されており、回転筒部774eが筒状部774d中心に転動することで、受傾斜部762及び前上傾斜部714,751に沿った変位を行う本体部材771の変位抵抗を低減することができる。
更に、前後に整列される回転筒部745bの配置として、前側の回転筒部745bを若干上側に配置する設計とすることで、本体部材771の傾倒変位の抑制を図ることができ、これにより回転筒部774eが受傾斜部762及び前上傾斜部714,751に過大な負荷を与えることを回避している。
即ち、本実施形態では、演出装置780の重心位置(回転軸位置)が本体部材771の前後中心よりも若干前側に位置するような設計とされており、本体部材771は常時、重力により前傾方向に付勢されている。この付勢力の影響から、第1横板774b及び第2横板774cには、前側が下がり、後側が上がるような変位が生じやすい。
これに対し、本実施形態では、第1横板774bの前側が下がる時に近接配置される前側の回転筒部745bが若干上方に配置されており、第2横板774cの後側が上がる時に近接配置される後側の回転筒部745bが若干下方に配置されている。従って、本体部材771の前傾変位を効果的に抑制することができる。
更に、この構成によれば、前側の回転筒部745bは、第2横板774cとの間に隙間が生じていることから第1横板774bとの間での転動を安定的に生じさせ、後側の回転筒部745bは、第1横板774bとの間に隙間が生じていることから第2横板774cとの間での転動を安定的に生じさせることができる。これにより、回転筒部745bの転動を正常に生じさせることができ、本体部材771が前後方向に変位する際の変位抵抗を低減することができる。
昇降反転演出装置770の正面側への変位は、上述の形状的な案内のほかに、コイルスプリングCS2の付勢力により生じる。そのため、昇降反転演出装置770が正面側へ変位する上昇変位時の方が、下降変位時に比較して、前後方向変位の変位抵抗を低減することができる。
昇降反転演出装置770の上下変位は、駆動モータ731の駆動力により行われるところ、その駆動力は、鉛直方向の変位と、前後方向の変位とに振り分けられる。鉛直方向の変位において、重力に対抗する必要性から、上昇方向の変位の負担が比較的大きくなるが、この場合における前後方向の変位をコイルスプリングCS2の付勢力により補助することができる。従って、昇降反転演出装置770を上昇変位させる際に要する駆動力が過大なることを回避することができる。
コイルスプリングCS2は、第2動作ユニット700の中間演出状態(図53参照)において自然長となるように長さが設定される。即ち、昇降反転演出装置770が中間演出状態の配置よりも下側に配置されている場合にはコイルスプリングCS2の付勢力が駆動モータ731の駆動力による昇降反転演出装置770の前後方向の変位を補助する方向に作用する一方、昇降反転演出装置770が中間演出状態の配置よりも上側に配置されている場合には、コイルスプリングCS2の付勢力は昇降反転演出装置770の前後変位に作用しない。
これにより、昇降反転演出装置770の配置を中間演出状態で維持し易くすることができる。例えば、第2動作ユニット700の演出待機状態から駆動モータ731を駆動制御し、第2動作ユニット700を中間演出状態で停止させるよう駆動モータ731を停止制御した場合に、停止タイミングが理想よりも若干早くなったとしても、コイルスプリングCS2の付勢力で第2動作ユニット700を中間演出状態側へ寄せるように変位させることができる。
また、例えば、同様に停止制御した場合に、停止タイミングが理想よりも若干遅くなったとしても、第2動作ユニット700が自重で下降し、且つ、その自重による下降がコイルスプリングCS2の付勢力で抑制されることにより、第2動作ユニット700を中間演出状態側へ寄せて配置を維持することができる。
また、例えば、第2動作ユニット700の張出状態から駆動モータ731を駆動制御し、第2動作ユニット700を中間演出状態で停止させるよう駆動モータ731を停止制御する場合に、昇降反転演出装置770が中間演出状態を下方へ過ぎるとコイルスプリングCS2の付勢力が変位抵抗として作用することから、中間演出状態よりも大きく下方変位することを防止し易くすることができる。そして、駆動モータ731を停止制御した後も、コイルスプリングCS2の付勢力が負荷されることで第2動作ユニット700を中間演出状態側へ寄せることができる。
ここで、昇降反転演出装置770について、昇降変位に伴い前後方向に変位させることによる作用について説明する。前提として、センターフレーム86により縁取られる枠の内外に変位して遊技者の注目を集める状態と遊技者の視界から退避する状態とで切り替えられる可動役物が知られている。
このような可動役物では、センターフレーム86の内側に配置されている時の見映えについて重視した設計のものがほとんどであり、センターフレーム86の外側に退避する状態においては、遊技者から注目はされないという仮定のもとで、見映えについて考慮しないことが多かった。
しかし、最近では、第3図柄表示装置81からセンターフレーム86までの前後距離が長く構成されており、センターフレーム86の内側を通り第3図柄表示装置81の表示領域を見るような視界の端において、センターフレーム86の後側外方位置(遊技領域の背後位置)にまで視線が届くので、センターフレーム86の後側外方位置に退避した状態の可動役物の見栄えが悪いと、遊技者の興趣を低下させる可能性がある。
これに対し、本実施形態では、覆設部材787の正面側(図52における第1主装飾面787a1)だけでは無く、背面側(図52における第2主装飾面787b1)および上下面(図52における第1副装飾面787a2及び第2副装飾面787b2)に装飾面を形成した上で、昇降反転演出装置770の変位方向を、遊技者側(正面側)を基端として背面側へ向かう程に広がる(後方へ向かう程に下降傾斜する)線、即ち、遊技者の視界の端における視線の方向に沿った変位方向とすることで、各装飾面が遊技者の視界に容易に収まるように構成している。
これにより、覆設部材787の各装飾面を遊技者の視界に無理なく入れることができる。覆設部材787の各装飾面の詳細については後述するが、張出状態(図54参照)において遊技者が視認可能となる前側面(第1主装飾面787a1又は第2主装飾面787b1、図54では第1主装飾面787a1)と、演出待機状態(図52参照)において遊技者が視認可能となる上側面(第1副装飾面787a2又は第2副装飾面787b2、図52では第1副装飾面787a2)と、に形成される装飾(図形、模様、文字または絵柄など)が、互いに関連する装飾として形成される。
換言すれば、第1主装飾面787a1と第1副装飾面787a2とが互いに関連する第1装飾として形成され、第2主装飾面787b1と第2副装飾面787b2とが互いに関連する第2装飾として形成され、且つ、第1装飾と第2装飾とは互いに異なる装飾として形成される。
上側面に形成される装飾は、第2動作ユニット700の演出待機状態においてセンターフレーム86と、その奥側に配置される第3図柄表示装置81(図26参照)との前後隙間に配置されているので、センターフレーム86(図2参照)の外側に形成される遊技領域を流下する球に注目する状態と、第3図柄表示装置81で展開される表示演出に注目する状態と、を切り替えるように遊技者が目線を動かす際に視界に入り易い。
そのため、張出状態において覆設部材787を通して遊技者が視認可能となった装飾の内容(報知内容、例えば、「チャンス」や「大当たり」等)を、演出待機状態においても覆設部材787の上側面を通して遊技者が視認可能とすることができる。
これにより、第3図柄表示装置81を視認し易いように演出待機状態の配置に変位し、目立たないよう配置された覆設部材787に、遊技者の注目を継続して集めさせることができる。
また、後述するように、覆設部材787は遊技者側に向ける装飾面を切り替えるように回転変位可能に構成されているので、張出状態において遊技者が視認可能となる装飾面の内容が異なる場合を生じさせることができる。
例えば、張出状態における覆設部材787の外観を遊技者が確認する前に昇降反転演出装置770が演出待機状態に配置された場合(見逃した場合や、動作速度が過度に速い場合)、前側面からしか装飾面の内容を把握できない構成だと、演出待機状態ではその前側面の大部分が遊技盤13に隠されてしまうので、遊技者は第3図柄表示装置81の表示面で展開される液晶演出に注目せざるを得ず、覆設部材787に対する注目力は低下する。
一方、本実施形態のように、上側面からも装飾面の内容を把握できる構成を採用する場合、遊技者は、演出待機状態における昇降反転演出装置770を視認することで、張出状態において覆設部材787を通して遊技者が視認可能であった装飾の内容(報知内容、例えば、「チャンス」や「大当たり」等)について把握することができる。
これにより、張出状態における覆設部材787の外観を見逃した遊技者に対して、覆設部材787の状態により報知される内容を、演出待機状態でも覆設部材787の視認可能な装飾面で継続して報知することができる。これにより、演出待機状態か、張出状態か、等の各状態に関わらず、覆設部材787の注目力を高く維持することができる。
本実施形態では、第2動作ユニット700の昇降反転演出装置770の前後方向の変位は、遊技領域の後端面の背面側に配置されている状態から、遊技領域の後端面よりも前方に進入するような変位として構成されることについて説明する。
図52に示すように、第2動作ユニット700の演出待機状態において、覆設部材787の正面と、センターフレーム86の板背面とは対向配置されており、センターフレーム86は、覆設部材787側に突設形成される流路形成部86aを備える。
流路形成部86aは、センターフレーム86の左右入口からセンターフレーム86の内側に形成されるワープ流路(転動経路)に飛び込んだ球がセンターフレーム86の下縁部に到達した後、そのセンターフレーム86の下側転動面を流下した球を一旦後方に振り、再び前方に流して、遊技領域に配設される第1入賞口64へ向けて案内するための案内流路の後側部を形成する部分である(図9参照)。即ち、流路形成部86aにより、遊技領域の後端面BE1が、ベース板60(図2参照)の板前面よりも後方側に配置される。
流路形成部86aを流下した球は高確率で第1入賞口64に入球することから、流路形成部86aに対する注目力は高く、特に球がセンターフレーム86の内側に飛び込んだ際には、流路形成部86aに遊技者の視線が集まり易い。演出待機状態において(図52参照)、流路形成部86aの真後ろに演出装置780が配設されることから、演出待機状態における演出装置780が遊技者の視界に入り込む状態を構成し易くすることができる。
第2動作ユニット700の演出待機状態では、覆設部材787は後端面BE1の背面側に配置され(図52(a)参照)、第2動作ユニット700の中間演出状態では、覆設部材787の前面部が後端面BE1上に配置され(図53(a)参照)、第2動作ユニット700の張出状態では、覆設部材787の前面部が後端面BE1の正面側に配置される。
即ち、覆設部材787は、センターフレーム86の内側に向けて上昇変位すると同時に、遊技領域の前後位置と同じ前後位置に進入するように、正面側へ向けて変位する。従って、遊技者に対して、覆設部材787がセンターフレーム86に乗り上げて正面側へ移動してきている(遊技者側に迫ってきている)ように見せることができる。
なお、第2動作ユニット700は昇降変位に伴って演出装置780が前後方向の変位するところ、その前端面の前後位置は、張出状態において、第1動作ユニット600の張出状態における第2装飾回転部材660の第2演出面661bの前後位置と合う(一致する)ように構成される。
これにより、張出状態において正面視で近接配置される第1動作ユニット600の第2演出面661b(図29参照)と、第2動作ユニット700の演出装置780(図30)と、の前後位置が合うことになり、これらを一体的に視認させ易くすることができる。
一方で、演出装置780の前後方向の配置は、中間演出状態や演出待機状態では張出状態における配置よりも後方に下がるので、張出状態に比較して、第1動作ユニット600の箱状部材661と演出装置780とを分けて(独立で)視認させ易くすることができる。
昇降反転演出装置770は、昇降板部材740に連結支持される本体部材771と、その本体部材771を基準として変位可能に構成される演出装置780と、を備える。次いで、図55及び図56を参照して昇降反転演出装置770の詳細について説明する。
図55は、昇降反転演出装置770の分解正面斜視図であり、図56は、昇降反転演出装置770の分解背面斜視図である。なお、図55及び図56の説明では、図50及び図51を適宜参照する。
本体部材771は、左右方向に長尺に形成される下側長尺部772と、その下側長尺部772の左右中央位置から背面側へ円筒状で突設される挿通筒状部773と、下側長尺部772の左右両端部から背面側に延設される一対の案内延設部774と、上下に延びる連結部により下側長尺部772の左右中央位置と一体的に形成され左右方向に長尺に形成される上側長尺部775と、その上側長尺部775の左右両側部から背面側に配設され演出装置780の直動板部材784を左右方向に案内可能に構成される複数の案内部776と、上側長尺部775の左右中央に背面側から締結固定され駆動伝達装置を支持可能とされる伝達装置保持板777と、下側長尺部772及び上側長尺部775の正面側に締結固定される発光演出手段778と、を備える。
挿通筒状部773は、昇降板部材740の円筒状部744の内周側に挿通される部分であり、円筒状部744の内周に摺動可能な寸法関係で形成され、摺動により本体部材771は前後方向に変位する。即ち、挿通筒状部773が円筒状部744に挿通されることで、昇降板部材740を基準とする本体部材771の前後方向の傾倒変位を抑制することができる。
案内延設部774は、幅が上下方向を向く縦板774aと、その縦板774aの上端部に連結され幅方向が左右方向を向く第1横板774bと、その第1横板774bよりも下側において縦板774aに連結され幅方向が左右方向を向く(第1横板774bの幅と平行となる)第2横板774cと、縦板774aの左右外側面から左右外側へ向けて突設される上下一対の筒状部774dと、その筒状部774dに回転可能に軸支される回転筒部774eと、を備える。
第2横板774cは、第1横板774bの幅方向端部よりも左右内側に延びる態様で幅長さが長くされている。この幅方向の拡張部は、組立状態において昇降板部材740の下底部と上下方向に対向配置され、互いに当接することで、案内延設部774が前倒れする傾倒変位が抑制される。即ち、第2横板774cを昇降板部材740の下底部と上下方向に対向配置される程度に幅長さを確保することにより、昇降板部材740を基準として本体部材771が前倒れする傾倒変位を抑制することができる。
筒状部774dは、一対が鉛直方向に並ぶのではなく、上側の筒状部774dの方が、下側の筒状部774dに比較して前側にずれて配置される。このずれは、前上傾斜部714,751の傾斜と、一対の筒状部774dの中心を結ぶ直線の方向と、が平行になるように設定される(図52(a)参照)。即ち、前上傾斜部714,751の傾斜と平行に一対の筒状部774dが配置されることにより、上下一対の回転筒部774eを前上傾斜部714,751又は受傾斜部762に同時に当接させることができる。これにより、上下一対の回転筒部774eを安定して転動させることができ、局所的な負荷が生じることを回避し易くすることができる。
案内部776は、左右一対が上下に並ぶ態様で左右両側に配設され内周側に雌ネジが形成される複数の筒状部776aと、左右一対の筒状部776aを繋ぐように締結固定される複数の脱落防止板部776bと、を備える。
脱落防止板部776bは、複数の筒状部776aに対応する位置に穿設される挿通孔を備え、その挿通孔に背面側から挿通される締結ネジが筒状部776aに螺入されることで筒状部776aに締結固定される部分であり、直動板部材784の脱落を防止するための部分として機能するが、詳細は後述する。
伝達装置保持板777は、駆動モータ782を支持するためのモータ支持板部777aと、駆動モータ782の駆動軸を挿通可能な位置においてモータ支持板部777aに穿設される挿通孔777bと、その挿通孔777bの下側において正面側に円筒状に突設される円筒状突設部777cと、上下両端位置において締結ネジを挿通可能に穿設される一対の挿通孔777dと、背面側に締結固定される配線留め部材777eと、を備える。
円筒状突設部777cは、内周側に雌ネジが形成されており、伝達ギア781bに挿通された状態で締結ネジが螺入されることで、上下反転部材781を脱落不能に軸支する部分である。
挿通孔777dは、上側長尺部775の対応する部分に形成される雌ネジ部775aに螺入される締結ネジが挿通可能とされ、その締結ネジにより伝達装置保持板777が上側長尺部775に締結固定される。
配線留め部材777eは、駆動モータ782に接続される電気配線を伝達装置保持板777との間の隙間に保持し、留めるための部分であるが、伝達装置保持板777の外枠に沿った形状に形成することで、伝達装置保持板777の全体的な剛性の向上をも図ることができる。
発光演出手段778は、LED等の発光部材が正面側に配設される左右長尺板状の上下2枚の電飾基板778aと、その電飾基板778aの正面側に配設される光透過性の樹脂材料から形成される板部材であって光拡散加工が形成される光拡散部材778bと、を備える。
上側の電飾基板778aは、背面側に上下一対で配設される検出センサ778dを備える。検出センサ778dは、フォトカプラ形式の検出装置であって、検出溝に円弧状突設部781dが配置されることで演出装置780の上下反転部材781の姿勢を検出可能に構成されるが、詳細は後述する。
下側の光拡散部材778bは、背面側に複数の被締結部が形成され、その被締結部に、対応する位置において下側長尺部772に穿設される挿通孔に背面側から挿通される締結ネジが螺入されることで締結固定されることで、締結ネジが目立たないようにしている。
一方、上側の光拡散部材778bには、左右両側に締結ネジを挿通するための挿通孔778cが形成され、その挿通孔778cに正面側から挿通された締結ネジが上側長尺部775の雌ネジ部775bに螺入されることで、上側の光拡散部材778bが締結固定される。
この場合、締結ネジの頭部が正面側を向いており、対策なしでは目立ってしまう可能性があるが、本実施形態では、後述するように、常に覆設部材787が挿通孔778cの正面側を覆うような配置とされるので、挿通孔778cに固定される締結ネジの頭部を覆設部材787により隠すことができる。
そのため、締結ネジの頭部が正面側に向くような設計であっても、その締結ネジの頭部が目立つことで演出に悪影響を与える事態が生じることを回避することができる。換言すれば、覆設部材787が締結ネジを隠すように配置する設計とすることで、締結ネジの挿通方向の設計自由度を高めることができる。
演出装置780は、上側長尺部775の周囲に外形部が配置され変位可能に構成される装置であって、伝達装置保持板777の円筒状突設部777cに軸支される上下反転部材781と、その上下反転部材781の伝達ギア781bに駆動力を伝達する駆動ギア782aが駆動軸に固着される駆動モータ782と、上下反転部材781の長尺方向両端部のそれぞれに一側の端部が軸支される一対の中間腕部材783と、その中間腕部材783の他側の端部が軸支され案内部776に左右方向に変位を案内される一対の直動板部材784と、その直動板部材784と中間腕部材783との間に配設され左右方向に延びる回転軸で回転(反転)可能に構成される一対の軸回転部材785と、その軸回転部材785を直動板部材784と共同で軸支する一対の軸支部材786と、軸回転部材785の左右外側先端部に位相が固定された状態で脱落不能に嵌合固定される一対の端板部材785dと、その端板部材785dの前後に配置され、上側長尺部775の左右側部を覆う左右長さで形成される覆設部材787と、を備える。
上下反転部材781は、長尺板状に形成される本体板部781aと、その本体板部781aの中心部の背面側にギア状で突設される伝達ギア781bと、本体板部781aの長尺方向両端部から背面側へ円筒状に突設される一対の円筒状突設部781cと、伝達ギア781bの中心軸を中心とする円弧状に本体板部781aの正面側に突設される円弧状突設部781dと、を備える。
伝達ギア781bは、中心に前後方向に延びる円形孔を有し、この円形孔に伝達装置保持板777の円筒状突設部777cが挿通され、先端側から締結ネジが螺入されることで、伝達ギア781bを介して上下反転部材781が伝達装置保持板777に脱落不能に軸支される。
伝達ギア781bは、駆動ギア782aと歯合しており、駆動モータ782に通電され駆動ギア782aが回転すると、伝達ギア781bも連動して回転することで、上下反転部材781が回転する。即ち、上下反転部材781は駆動モータ782を通電することで回転駆動可能とされる。
円筒状突設部781cは、中間腕部材783を軸支する。即ち、中間腕部材783の一側支持孔783aが形成される端部は、上下反転部材781が回転変位することに伴い変位する円筒状突設部781cに追従して変位する。
円弧状突設部781dは、発光演出手段778の検出センサ778dの検出溝に配置可能に形成される。即ち、上下一対の検出センサ778dのどちらかに円弧状突設部781dが配置可能とされている。
そのため、検出センサ778dの出力を読み取ることで、上下反転部材781の姿勢を、円弧状突設部781dが検出センサ778dの検出溝に配置される2姿勢と、その間の姿勢(一対の検出センサ778dの検出溝の双方に円弧状突設部781dが配置されていない姿勢)と、で判定可能となっている。
中間腕部材783は、長尺棒状(幅狭板状)に形成されており、一側の端部で穿設され円筒状突設部781cに軸支される一側支持孔783aと、一側支持孔783aの反対側である他側の端部で内周側が貫通形成される円筒状の他側円筒状部783bと、その他側円筒状部783bを中心とする傘状のギア歯(傘歯車)として形成される傘歯部783cと、を備える。
円筒状突設部781cの内周側には雌ネジが形成されており、その雌ネジに一側支持孔783aに背面側から挿通される締結ネジが螺入される。これにより、中間腕部材783は、上下反転部材781に脱落不能に軸支される。
直動板部材784は、左右方向に長尺な方形板状に形成され、中間腕部材783の他側円筒状部783bに挿通される円筒状に突設される円筒状突設部784aと、その円筒状突設部784aの中心軸を中心とした円弧状で突設される円弧状板部784bと、円筒状突設部784aの上下両側において左右方向に平行に延びる長円状に穿設される一対の長孔部784cと、その長孔部784cの間の位置において上下一対で平行配置され背面側に突設される一対の支持板部784dと、その支持板部784dの中間部において互いに対向される側に突設され前後方向に延びる突条として形成される一対の突条部784eと、支持板部784dの端部に背面側に開口される筒状に配設され内周側に雌ネジが形成される一対の被締結部784fと、円筒状突設部784aと支持板部784dとの間で貫通形成される配置用孔784gと、軸支部材786との間でリング状金属部材785eを保持可能な半円形状面を有するリング保持半部784hと、軸支部材786との間で磁石Mgを保持可能となるように方形箱状に形成される磁石保持半部784iと、を備える。
円筒状突設部784aは、中間腕部材783の他側円筒状部783bの内周径よりも若干短い外周径で形成され、他側円筒状部783bの軸方向長さよりも若干長い突設長さとされ、内周側に雌ネジが形成されている。即ち、他側円筒状部783bに背面側から挿通される締結ネジが円筒状突設部784aの雌ネジに螺入されることで、中間腕部材783は、円筒状突設部784aに脱落不能に軸支される。
円弧状板部784bは、他側円筒状部783bの外周径よりも若干長い内周径の円弧形状で形成される。これにより、円弧状板部784bが組立状態で他側円筒状部783bと径方向で対向するように近接配置され、他側円筒状部783bの回転軸に対する傾斜変位を制限している。これにより、他側円筒状部783bを中心とした中間腕部材783の回動変位を安定させることができる。
長孔部784cは、本体部材771の筒状部776aが挿通される開口であり、筒状部776aに形成される雌ネジに、脱落防止板部776bの挿通孔に背面側から挿通される締結ネジが螺入されることで、直動板部材784が本体部材771に脱落不能に支持される。
その支持状態(組立状態)において、直動板部材784は長孔部784cの形成方向に沿ってスライド変位可能とされる。即ち、直動板部材784は左右方向にスライド変位可能に構成される。
支持板部784dは、軸回転部材785の金属棒785aの上下変位を抑制するように保持するための板状部であり、突条部784eは、金属棒785aの左右方向の配置を規定するための突条として機能するが、詳細は後述する。
配置用孔784gは、軸回転部材785の傘歯部材785cとの干渉を避けるための開口であるが詳細は後述する。
軸回転部材785は、左右一組で配設され直動板部材784に軸支される部材であって、金属材料から略円柱状に形成される金属棒785aと、その金属棒785aの長さ方向の中央位置において周方向に形成される凹設溝部785bと、金属棒785aの左右内側端部に配設され金属棒785aに固定される部材であって中間腕部材783の傘歯部783cと歯合する傘歯(傘歯車)が形成される傘歯部材785cと、金属棒785aの左右外側端部に配設され金属棒785aに固定される端板部材785dと、その端板部材785dの金属棒785aの周りに端板部材785dから嵩上げされる態様で配置されるリング状金属部材785eと、端板部材785dの左右内側部に突設される部分であって内部に形成される雌ネジ部に金属製ネジが螺入固定される回転位置安定用部785fと、を備える。
金属棒785aは、直動板部材784の一対の支持板部784dの間に配置され、凹設溝部785bに突条部784eが進入配置される。ここで、凹設溝部785bは、突条部784eと摺動可能となる寸法関係で構成されると共に、突条部784eに対して左右方向の変位が規制される寸法関係で構成される。
即ち、凹設溝部785bの溝幅は突条部784eの左右幅よりも若干長く設定され、凹設溝部785bの溝深部の直径は突条部784e間の隙間長さよりも短く設定され、凹設溝部785bが形成されていない部分の直径は突条部784e間の隙間長さよりも長く設定される。
これにより、金属棒785aを、直動板部材784の背面側において、軸回転可能かつ左右方向への変位が抑制される態様で支持することができる。
傘歯部材785cは、直動板部材784の配置用孔784gに進入するように配置される。傘歯部材785cが配置用孔784gに部分的に進入した状態において、直動板部材784の反対側(背面側)から中間腕部材783が傘歯部783cを傘歯部材785cと歯合させるように組み付けられる。
このように組み付けられた状態において、傘歯部材785cは、配置用孔784gに進入配置されているものの、金属棒785aが直動板部材784に支持されていることから正面側へは脱落不能とされ、背面側への変位は中間腕部材783により規制される。従って、傘歯部材785cは、直動板部材784及び中間腕部材783に脱落不能に支持される。
端板部材785dの筒状部785d1は、金属棒785aの先端部としての非円形状(例えば、D字断面形状)に対応する内周側形状で形成され、その内周側形状と金属棒785aの先端部とが締りばめの寸法関係で形成されることで、嵌合固定されている。
なお、端板部材785dを金属棒785aに固定する方法は、これに限られるものではない。例えば、接着剤などを利用して固着させる方法でも良いし、金属棒785aの先端部に雌ネジを形成し、その雌ネジに端板部材785dに挿通される締結ネジを螺入することで、金属棒785aに端板部材785dを締結固定する方法でも良いし、その他の方法でも良い。
リング状金属部材785eは、直動板部材784のリング保持半部784hに内嵌されるように保持される。リング状金属部材785eが保持され、リング状金属部材785eの内周側に金属棒785aを支持する端板部材785dの筒状部785d1が摺接するよう構成することで、端板部材785dの回転中心を傘歯部材785cの回転中心を通る軸線と一致し易くすることができ、金属棒785aの軸径方向に生じる負荷を低減することができる。
回転位置安定用部785fは、配設される金属ネジが、磁石Mgに吸着する部分としての機能を奏する。
軸支部材786は、方形板状に形成される部材であって、被締結部784fに螺入される締結ネジを挿通可能に穿設される挿通孔786aと、直動板部材784のリング保持半部784hとの間でリング状金属部材785eを保持可能な半円形状面を有するリング保持半部786bと、直動板部材784の磁石保持半部784iとの間で磁石Mgを保持可能な方形箱状に形成される磁石保持半部786cと、を備える。
挿通孔786aに背面側から挿通される締結ネジが被締結部784fに螺入され直動板部材784及び軸支部材786が組み立てられると、軸支部材786の板部に金属棒785aの背面側への脱落が規制され、リング状金属部材785eはリング保持半部784h,786bに保持され、磁石Mgは磁石保持半部784i,786cに保持される。
覆設部材787は、前後一組で左右内側が開口される箱状に形成される左右一対の部材であって、軸回転部材785の端板部材785dに締結固定され、逆側の面に異なる意味で読み取れる図形、模様、文字または絵柄などからなる装飾が形成される。
即ち、覆設部材787は、張出状態(図54参照)において遊技者に視認させる装飾面として形成される第1主装飾面787a1と、その裏面に形成される第2主装飾面787b1と、第1主装飾面787a1が正面側に配置された状態で演出待機状態(図52参照)となった場合に遊技者が視認可能な側に形成される第1副装飾面787a2と、その裏面に形成される第2副装飾面787b2と、を備える。なお、第2副装飾面787b2は、第2主装飾面787b1が正面側に配置された状態で演出待機状態(図52参照)となった場合に遊技者が視認可能な側に形成される。
覆設部材787は、端板部材785dに締結固定される前後2枚の部材から形成され組立状態(図26参照)において左右内側が開放された略箱状に形成される左右一対の部材であって、左右の各部材に向けて延設される複数の延設部787cと、その延設部787cの間の部分において左右外側へ退避するように凹設される凹設部787dと、を備える。
延設部787cは、覆設部材787の近接配置状態(図26参照)において、端部が互いに当接または近接配置されるよう形成される。これにより、左右一対の覆設部材787を一体的に視認させることができる。
凹設部787dは、覆設部材787の近接配置状態(図26参照)において、発光演出手段778の光拡散部材778bの中央に配置される円形状部や、上側長尺部775の左右中央上側の円弧板部等を視認可能に開放するための部分であり、これらの部分との干渉を少なくとも避ける形状で凹設形成される。
覆設部材787は、演出装置780の動作に伴い、第1主装飾面787a1を正面側に向けると共に第1副装飾面787a2を上側に向ける状態(図29、図52参照)と、第2主装飾面787b1を正面側に向けると共に第2副装飾面787b2を上側に向ける状態(図30参照)と、で状態を切り替え可能に形成される。まず、覆設部材787の状態を切り替える変位を構成する機構について説明する。
図57(a)及び図57(b)は、伝達装置保持板777、上下反転部材781、中間腕部材783、直動板部材784及び軸回転部材785の正面図である。図57(a)では、一対の円筒状突設部781cが同一の鉛直線上に配置される上下反転部材781の縦配置状態(正立の縦配置状態とも称す)が図示され、図57(b)では、図57(a)に示す状態から上下反転部材781が円筒状突設部777cを中心に正面視反時計回りに約24度回転した状態が図示される。なお、図57(a)及び図57(b)では、理解を容易とするために、左側の軸回転部材785の端板部材785d及び右側の軸回転部材785の図示が省略される。
正立の縦配置状態では、円弧状突設部781dは、上側の検出センサ778d(図56参照)の検出溝に進入した状態で配置される。また、正立の縦配置状態から上下反転部材781を180度回転させた倒立の縦配置状態では、円弧状突設部781dは、下側の検出センサ778dの検出溝に進入した状態で配置される。
即ち、検出センサ778d(図56参照)の出力は、上下反転部材781が正立の縦配置状態か倒立の縦配置状態かで切り替わるように構成されており、検出センサ778dの出力から音声ランプ制御装置113(図4参照)は演出装置780の状態を判定することができる。
図57(a)及び図57(b)に示すように、上下反転部材781が回転変位されると、中間腕部材783が姿勢変化しながら左右方向に変位する。この姿勢変化の角度が、軸回転部材785の回転角度に対応し(比例し)、他側円筒状部783bの左右方向変位量が、直動板部材784及び軸回転部材785の左右方向変位量に対応する。
ここで、回転変位と左右方向変位(直動変位)とが生じる順序について説明する。これらの変位は、同時に同程度で生じるものではなく、回転変位の程度の方が大きくなる配置や、直動変位の程度の方が大きくなる配置等がある。
まず、概要の説明をすると、上下反転部材781、中間腕部材783及び直動板部材784の構成は、周知のスライダクランク機構となっている。即ち、円筒状突設部777cを中心に上下反転部材781が回転すると、上下反転部材781の円筒状突設部781cに軸支されている中間腕部材783の他側円筒状部783bが、正面視で円筒状突設部777cの中心部を通る移動軸HL1に沿って平行移動するように、他側円筒状部783bに連結される直動板部材784の変位方向が規制されている。左右の一対の直動板部材784は、移動軸HL1に沿って左右逆方向に同時に変位する。
図57(b)に示すように、図57(a)に示す縦配置状態から約24度回転するまでに、他側円筒状部783bは左右方向に長さL1変位している。長さL1は、下側長尺部772と上側長尺部775との連結部分(図55参照)の幅長さの半分の長さ(左右中心と左右幅端部との間の長さ)として図示される。
また、図57(a)から図57(b)への状態変化により、中間腕部材783の他側円筒状部783bを中心とした姿勢変化は、正面視時計回りに5度となっており、傘歯部783cの隣り合う歯の配置間隔としての角度である15度の半分以下の角度に抑えられている。
傘歯部材785cが中間腕部材783の手前側に配置されていることから、傘歯部783cと傘歯部材785cとの負荷の伝達(歯合伝達)は、互いの前後方向の対向位置、即ち、正面視における移動軸HL1上で生じる。
図58(a)は、図57(a)のLVIIIa−LVIIIa線における伝達装置保持板777、上下反転部材781、中間腕部材783、直動板部材784及び軸回転部材785の断面図であり、図58(b)は、図57(b)のLVIIIb−LVIIIb線における伝達装置保持板777、上下反転部材781、中間腕部材783、直動板部材784及び軸回転部材785の断面図である。
図58(b)に示すように、中間腕部材783の傘歯部783cは、軸回転部材785の傘歯部材785cのギア歯を押圧するように変位する(図58(b)においては、上方へ変位する)。なお、図58(b)では、理解を容易とするために、傘歯部783cと傘歯部材785cのギア歯とが重なって配置されるよう図示されており、この重なり幅が傘歯部783cと傘歯部材785cのギア歯との弾性変形により吸収される。
傘歯部783cが傘歯部材785cと歯合し、駆動力が伝達されることにより、軸回転部材785が回転変位する。図57(a)に示す状態から上下反転部材781が正面視反時計回りに180度回転変位する間に、右側の軸回転部材785は後転方向に回転し、左側の軸回転部材785は前転方向に回転する。
なお、上下反転部材781が180度回転する間に、中間腕部材783の傘歯部783cは他側円筒状部783bを中心に90度回転し、それに伴い軸回転部材785の傘歯部材785cは180度回転する。即ち、傘歯部材785cが金属棒785aを中心として回転する角度は、傘歯部783cの他側円筒状部783bを中心とした回転角度の2倍となるように構成される。
ここで、図58(a)の状態から図58(b)の状態までの変位による押圧に伴い生じ得る傘歯部材785cの変位量は、ギア歯の周方向の厚みに満たず、傘歯部材785cのギア歯を確実に回転させる量には満たない。即ち、当接する代表歯が隣設する歯の配置まで回転するまでの変位量(傘歯部材785cのギア歯が12等分で配置されていることによれば、角度30度の回転に要する変位量)よりは小さい。
傘歯部783cのギア歯は傘歯部材785cのギア歯を押圧するように変位するが、本実施形態では中間腕部材783及び傘歯部材785cが樹脂材料から形成されていることから、押圧を伴う変位が中間腕部材783及び傘歯部材785cの弾性変形により吸収されることにより、軸回転部材785の傘歯部材785cの回転方向の姿勢は、図57(a)の状態から図57(b)の状態まで維持される。
中間腕部材783及び傘歯部材785cの弾性変形は、上下反転部材781を介して中間腕部材783に伝達される駆動力に対して、磁石Mgから軸回転部材785の回転位置安定用部785f(図54参照)に生じる吸着力が対抗することにより生じる。
即ち、右側の軸回転部材785が後転方向に回転変位するのを制限するように、磁石Mgの磁力が下側の回転位置安定用部785fの金属ネジを吸着するように作用することで、右側の軸回転部材785は磁石Mgから前転方向の付勢力を受ける。従って、磁石Mgの吸着力は、右側の軸回転部材785の回転変位の変位抵抗を上昇させる方向に作用する。
また、左側の軸回転部材785に対しては、回転位置安定用部785fの配置が右側と同様に端板部材785dの前側とされている一方で、磁石Mgの配置が右側と逆の上側とされている(図55参照)。そのため、磁石Mgの磁力が上側の回転位置安定用部785fの金属ネジを吸着するように作用することで、左側の軸回転部材785は磁石Mgから後転方向の付勢力を受ける。従って、磁石Mgの吸着力は、左側の軸回転部材785の回転変位の変位抵抗を上昇させる方向に作用する。
本実施形態では、磁石Mgの吸着力は、図57(a)に示す状態から他側円筒状部783bが左右方向に長さL1変位するまでの間に傘歯部材785cに負荷される駆動力を超える負荷を発生可能となるように設計される。
これにより、図58(b)に示す傘歯部783cの変位量を吸収するように、中間腕部材783及び傘歯部材785cの弾性変形が生じることになる。そして、図57(b)に示す状態を超えて変位が継続されると、磁石Mgの吸着力を超えて傘歯部材785cが回転し、磁石Mgと回転位置安定用部785fの金属ネジとの配置が離れることで磁力が極端に低下することになり、磁石Mgの吸着力から開放された中間腕部材783及び傘歯部材785cが弾性回復しつつ回転変位する。
そのため、回転開始時においては、弾性回復分が軸回転部材785の回転方向の勢いを増すことになるので、回転開始時における回転速度を瞬間的に向上させることができる。この回転速度の向上は、軸回転部材785だけでなく、軸回転部材785に締結固定される覆設部材787(図55参照)でも同様に生じる。
これにより、駆動モータ782の駆動速度の変更を行うことなく、覆設部材787の動作の緩急をつけることができるので、駆動モータ782の制御設計の負担を低減しながら、覆設部材787の演出効果を向上することができる。
このように、本実施形態によれば、磁石Mgの吸着力により、軸回転部材785の回転変位が生じるタイミングを、中間腕部材783の傘歯部783cが回転開始するタイミングよりも遅らせることができる。
磁石Mgの吸着力を受ける回転位置安定用部785fは、上下一対で構成されており、覆設部材787の第1主装飾面787a1が正面側を向いている時には一方の回転位置安定用部785fが磁石Mgに近接配置され吸着力を受け(図52(b)参照)、向きが反転し覆設部材787の第2主装飾面787b1が正面側を向いている時には他方の(図52(b)参照、上側の)回転位置安定用部785fが磁石Mgに近接配置され吸着力を受ける。
即ち、正面側を向いている面が第1主装飾面787a1か第2主装飾面787b1かに関わらず、少なくとも近接配置状態(図29及び図30参照)において、磁石Mgの磁力は軸回転部材785の回転変位を制限する目的で有効に作用する。従って、近接配置状態からの変位において、軸回転部材785の回転変位が磁力により遅れる作用を回転変位の方向によらず(両方向で)生じさせることができる。
即ち、図58(a)に示す状態から図58(b)に示す状態までの間は、左右方向の直動変位の程度の方が、回転変位の程度に比較して大きい。そして、上下反転部材781が図57(b)を超えて正面視反時計回りに回転が継続されると、左右方向の直動変位の程度が落ち着き、回転変位が生じる。
本実施形態によれば、上述のようにスライダクランク機構を採用していることから、同様の作用が生じる。即ち、縦配置状態付近においては、円筒状突設部781cの変位は、左右方向に大きく上下方向に小さいので、中間腕部材783の左右方向変位は大きく回転量は小さい。そのため、直動板部材784の左右方向変位は大きく、軸回転部材785の回転変位は小さくなる。
一方、上下反転部材781の長尺方向が左右方向に近づくように倒れるほど、円筒状突設部781cの変位は、左右方向に小さく上下方向に大きくなるので、中間腕部材783の左右方向変位は小さく回転量は大きくなる。そのため、直動板部材784の左右方向変位は小さく、軸回転部材785の回転変位は大きくなる。
従って、縦配置状態から開始され縦配置状態で終了する上下反転部材781の回転動作において、まず直動板部材784の左右方向変位の程度が大きくなり、次いで軸回転部材785の回転変位の程度が大きくなり、再び直動板部材784の左右方向変位の程度が大きくなる。
このような順序で直動変位と、回転変位とが生じることで、上側長尺部775と下側長尺部772との連結部分(図55参照)に覆設部材787の延設部787cが衝突することを回避することができる。次いで、覆設部材787の外観の変化について説明する。
図59(a)から図59(c)は、演出装置780の正面図である。図59(a)から図59(c)では、昇降反転演出装置770の反転動作が時系列で図示される。図59(a)では、上下反転部材781の正立の縦配置状態における演出装置780が図示され、図59(b)では、上下反転部材781が縦配置状態から90度回転した時における演出装置780が図示され、図59(c)では、上下反転部材781の倒立の縦配置状態における演出装置780が図示される。
上下反転部材781は、正立の縦配置状態(図57(a)参照)から正面視反時計回りに180度回転することで、倒立の縦配置状態に状態が変化する。倒立の縦配置状態では、正立の縦配置状態(図59(a)参照)を基準として、覆設部材787の姿勢が180度反転する。これにより、遊技者が視認可能な装飾面が切り替えられることになる(図59(c)参照)。
倒立の縦配置状態から上下反転部材781が正面視時計回り(反対回り)に180度回転変位することで、正立の縦配置状態(図57(a)参照)に戻る。従って、反転動作は、上下反転部材781を180度回転変位させるように方向を反転させて駆動モータ782(図56参照)を駆動する度に、図59(a)に示す状態と図59(c)に示す状態とで、状態を繰り返し切り替えることができる。
上述したように、図57(a)に示す状態から上下反転部材781が正面視反時計回りに180度回転変位する間に、傘歯部783cと噛み合うことで軸回転部材785が180度回転変位する。ここで、傘歯部783cの回転方向から、右側の軸回転部材785は後転方向に回転し、左側の軸回転部材785は前転方向に回転する。即ち、左右に配置される一対の軸回転部材785及び端板部材785dに締結固定される覆設部材787は、逆方向に回転する。
そのため、途中位置では、右側の覆設部材787は第2副装飾面787b2を正面側に向け、左側の覆設部材787は第1副装飾面787a2を正面側に向ける(図59(b)参照)。
これにより、覆設部材787の回転変位中に、左側の覆設部材787の第1副装飾面787a2(又は第2副装飾面787b2)と右側の覆設部材787の第1副装飾面787a2(又は第2副装飾面787b2)とが揃って視認されることを回避することができる。
従って、回転変位中の覆設部材787の装飾面を、敢えて左右で内容のずれたものとすることができ、装飾面の内容を遊技者に認識し難いように構成できるので、回転変位中の覆設部材787が遊技者に与える情報量を低くすることができる。
これにより、回転変位中の覆設部材787に対する遊技者の注目力を低減させることができる。また、回転変位が停止した時に左右一対の覆設部材787の装飾面が第1主装飾面787a1(又は第2主装飾面787b1)で揃うことから、覆設部材787の回転が停止するまで遊技者の視線を覆設部材787に維持し易いという効果も奏し得る。
回転変位は第2動作ユニット700の張出状態(図54参照)で実行されるが、この回転変位が停止し、左右一対の覆設部材787の装飾面が第1主装飾面787a1(又は第2主装飾面787b1)で揃った状態では、演出装置780が第3図柄表示装置81の表示領域の上下中央付近にまで上昇してきており(図30参照)、この状態で第1副装飾面787a2(又は第2副装飾面787b2)に注目力が集まる可能性は低い。
特に、第3動作ユニット800が第2動作ユニット700と近接変位されるよう制御される場合などには特に、第1副装飾面787a2(又は第2副装飾面787b2)への視界が第3動作ユニット800に遮られることになる。
一方で、第2動作ユニット700が演出待機状態となり(図52参照)、演出装置780が第3図柄表示装置81の表示領域よりも下側に配置されると、第1副装飾面787a2(又は第2副装飾面787b2)が遊技者の視界に入り易くなる。
このように、第2動作ユニット700では、第1副装飾面787a2(又は第2副装飾面787b2)を、張出状態においては回転変位中に揃って視認されることを防止したり遊技者側に面が向くことを防止したりすることで注目させず、演出待機状態においては遊技者に注目され得る側面として形成している。
これにより、第2動作ユニット700の見え方を配置に応じて変化させることができるので、第2動作ユニット700を配置するコスト(場所の占有、上手に隠す負担)に対する演出性能が過度に低くなる状態が生じることを回避し易くすることができる。
軸回転部材785及び覆設部材787の回転変位後において、回転位置安定用部785fが磁石Mg(図54(b)参照)に吸着することで軸回転部材785及び覆設部材787の姿勢の安定化を図ることができる。
本実施形態では、磁石Mgに吸着する金属部材が金属製ネジで構成されるので、専用の金属部材を設計する場合に比較して、部材コストの削減や、メンテナンス性の向上を図ることができる。
上述したように、軸回転部材785及び覆設部材787の回転変位には左右方向の直動変位が伴うので、回転変位を実行可能な演出装置780の配置は制限されることになる。即ち、第2動作ユニット700の演出待機状態(図28参照)や中間演出状態(図33参照)では、回転変位を実行することで、左右に配置される右側前板部材710、左側後板部材750及び前側支持部材760や、その正面側に固定配置される立体装飾部768a等の装飾部材が覆設部材787に衝突することになる。
一方、第2動作ユニット700の張出状態(図30参照)では、左右方向に空間が確保されることで、軸回転部材785及び覆設部材787の回転変位を実行可能となる。
従って、軸回転部材785及び覆設部材787の回転変位を生じさせる駆動モータ731の駆動制御は、検出センサ713の出力から第2動作ユニット700が張出状態になっていると判定されていることを前提に実行可能に制御される。これにより、軸回転部材785及び覆設部材787の回転変位を正常に生じさせることができる。
延設部787cは、上下反転部材781の縦配置状態において互いに近接配置され、この状態において上側長尺部775と下側長尺部772との連結部分と前後で対向配置される。そのため、この配置から覆設部材787を左右方向に延びる回転軸で回転変位させると、延設部787cが上側長尺部775と下側長尺部772との連結部分に衝突することになり、不具合が生じる。
一方で、延設部787cが近接配置される構成は、左右一対の覆設部材787を一体的に視認させることができるという効果を生じさせるものであり、演出上必要となる構成であるので、維持できることが好ましい。
これに対し、本実施形態では、覆設部材787が、回転変位の前に、予め左右方向に長さL1だけ直動変位するよう構成される(図57参照)。長さL1の直動変位により、延設部787cを上側長尺部775と下側長尺部772との連結部分の前後位置から退避させることができ、延設部787cと上側長尺部775と下側長尺部772との連結部分とが衝突する不具合を回避することができる。
また、このように回転変位を構成することで、覆設部材787が左右方向に変位する間において長さL1では回転変位が生じず(又は制限され)、残りの長さL2において回転変位を生じさせることになるので、覆設部材787の回転中における左右方向の変位量を小さく抑えることができる。
これにより、回転中に覆設部材787の配置が大きく変化する場合に比較して、覆設部材787の注目力を低く抑えることができ、回転変位を目立たせなくすることができるので、各装飾面787a1〜787b2の設計として、回転変位中の見映えを無視した設計を行うことができるので、設計自由度を向上することができる。
なお、覆設部材787が回転開始するタイミングは、磁石Mgの吸着力の設計により任意に設定可能である。そのため、例えば、本体部材771の下側長尺部772と上側長尺部775との連結部の左右幅を長くする設計変更が生じたとしても、演出装置780の構成は同じとしながら、磁石Mgを吸着力の大きな磁石に変更することで、本実施形態と同様に、上述の連結部と延設部787cとの衝突を回避することができる。
図59において想像線で図示するように、挿通孔778cは、常に覆設部材787に隠されるよう配置される。これにより、挿通孔778cに挿通される締結ネジが遊技者に視認されることを防止することができ、締結ネジにより演出効果が低くなることを回避することができる。
本実施形態では、左右一対の覆設部材787に形成される各装飾面787a1,787a2,787b1,787b2の装飾(図形、模様または絵柄など)が、左右の覆設部材787で同一では無いことから、左右の装飾に合わせて挿通孔778cの配置が左右非対称とされている。
即ち、挿通孔778cは締結ネジが挿通される部分であるので、その位置で電飾基板787aにLEDを配置することができなくなる(図55参照)。また、締結ネジは金属製であり光を透過しないので、発光演出時に暗く視認され易い。
従って、左右の装飾において、明るく光らせて目立たせる箇所を避けて挿通孔778cを配置することが望ましく、そのようにした結果、挿通孔778cの配置が左右非対称とされている。
なお、挿通孔778cの配置を左右対称にすることは当然に許容される。特に、左右の覆設部材787で各装飾面787a1,787a2,787b1,787b2の装飾が同一の場合には、挿通孔778cを左右対称に配置することによる不利益は生じず、且つ、電飾基板778aの設計を容易とすることができる。
図59(b)に示すように、本実施形態では、昇降反転演出装置770の反転動作中に覆設部材787が左右に直動変位し、光拡散部材778bの中央部付近が延設部787cに囲まれていない状態においても、上下反転部材781、中間腕部材783及び直動板部材784等の機構部が視認されないように隠される。
即ち、正面視において、本体部材771の上側長尺部775の外形が、前側に配置される光拡散部材778bの外形に収まる形状に設計されており、直動板部材784の上下幅が、前側に配置される上側長尺部775の左右長尺部の上下幅に収まる形状に設計されている。また、上下反転部材781は前側に配置される上側長尺部775の円板部の外形に収まる形状に設計されており、中間腕部材783は変位軌跡が光拡散部材778bの外形に収まるように設計される。
これにより、演出装置780の変位を実現するための機構部を光拡散部材778bの背後に隠し、視認不能とすることができるので、反転動作中における演出装置780の外観による演出効果が低下することを回避することができる。
図26に戻って説明する。第3動作ユニット800は、演出待機状態において第3図柄表示装置81の表示領域の上側に配置され、背面ケース510に支持される左右一対の昇降アーム部材801(図31参照)の先端部に支持され、昇降アーム部材801が上下方向に駆動されることに伴って昇降変位可能に構成されるユニットである。
図60は、第3動作ユニット800の構成の一部の分解正面斜視図であり、図61は、第3動作ユニット800の構成の一部の分解背面斜視図である。なお、図60及び図61では、第3動作ユニット800の変位を構成する部分が図示されており、外側に配設される装飾部分としての装飾部材870,880の図示が省略されている。
図60及び図61に示すように、第3動作ユニット800は、昇降アーム部材801に保持される被保持部材810と、その被保持部材810の中心部に円筒部821が締結固定される固定円筒部材820と、円筒部821が内周側に挿通された状態で円筒部821に軸支される内側回転部材830と、その内側回転部材830が内周側に挿通された状態で本体部831に軸支される外側回転部材840と、その外側回転部材840の円筒状部842aに回動可能に連結される複数(本実施形態では5本)の中間腕部材850と、被保持部材810に収容される複数のギア部材を有し内側回転部材830、外側回転部材840及び中間腕部材850を変位させる駆動力を伝達するための駆動伝達装置860と、を備える。
被保持部材810は、円板形状の本体部材811と、その本体部材811に正面側から蓋をする孔空き蓋部材817と、を備える。
本体部材811は、中心部において固定円筒部材820の円筒部821を保持するために凹設され固定用の締結ネジを挿通する挿通孔や電気配線を挿通する貫通孔が形成される筒固定部812と、フォトカプラ式のセンサであって外側回転部材840の被検出部844を受け入れ可能な側に検出溝を向けて固定される検出センサ813と、駆動モータ861を保持するモータ保持部814と、伝達ギア863を脱落不能に軸支する円筒部として正面側に突設される複数の円筒状突設部815と、負荷応答ギア865を脱落不能に軸支する二重の円筒部として正面側に突設される複数の二重円筒突設部816と、を備える。
孔空き蓋部材817は、中央部に前後方向に穿設される円形孔818を備える。円形孔818は、開口方向視において、その内周縁部から、伝達ギア863及び負荷応答ギア865が内側に張り出すような寸法で設計される。
固定円筒部材820は、上述の円筒部821と、その円筒部821の正面側端部に形成される円形板部822と、その円形板部822に締結固定され正面側にLED等の発光手段が配設される円板状の電飾基板823と、その電飾基板823を正面側から覆うことができるような傘状(又は、お椀状)で光透過性の樹脂材料から形成される透光装飾部材824と、円筒部821の円形板部822側の外径よりも若干長い内径の円環状に形成され円筒部821と摺動可能に構成される摺動部材825と、を備える。
円筒部821は、背面側先端部に雌ネジが形成されており、その雌ネジに被保持部材810の筒固定部812の挿通孔に挿通された締結ネジが螺入されることで、固定円筒部材820が被保持部材810に回転不能に締結固定される。
円筒部821は内周側において軸方向に貫通形成されており、この貫通部分を通して筒固定部812の貫通孔に挿通された電気配線が正面側へ這わされ、電飾基板823の背後に配設されるコネクタに接続される。
電飾基板823は、LEDとして、五角形の頂点およびそれらの頂点から等距離離れた中心位置に配置される内側発光部823aと、円周上に等間隔で15箇所に配置される外側発光部823bと、を備える。内側発光部823aは、光軸が正面側(前方)を向くLEDから構成され、外側発光部823bは、光軸が径方向外側(直径方向)を向くLEDから構成される。
外側発光部823bは、円周上に等間隔に配置される15個のLEDから構成される。後述するように、外側発光部823bから照射される光は、円周上に等間隔で互いに密接して配置される第1装飾部材870の鍍金部871aに照射されることから、各第1装飾部材870に、3個のLEDからの光が照射されることになる。
外側発光部823bは電飾基板823に固定配置されており、第1装飾部材870は円の中心を軸として回転変位するように構成されるが、外側発光部823b及び第1装飾部材870は同軸の円上にそれぞれ等間隔で配置されるので、第1装飾部材870の回転方向の姿勢に関わらず、常に同数(本実施形態では、3個)のLEDからの光を各第1装飾部材870に照射することができる。
これにより、回転動作中に第1装飾部材870に照射される光LD1の光量の変化を抑制することができる。
摺動部材825は、内径側部が固定円筒部材820の円筒部821に摺動可能に構成される一方、外径側部が内側回転部材830の円形フランジ状部831aに摺動可能となるように形成される。
摺動部材825は、正面側にフランジ状部が形成されており、そのフランジ状部の内径側端部から後方に筒状で突設される筒状部を有するが、この筒状部の外径が、円形フランジ状部831aの内径よりも若干短く形成されることで、内側回転部材830に摺動可能に内嵌される。
摺動部材825を間に介在させることにより、固定円筒部材820と、その周りを回転可能に構成される内側回転部材830とが直接接触することを防止するようにしている。また、円筒部821の円形板部822側であり、同様に本体部831の円形フランジ状部831a側という強度的に有利な側に摺動部材825が配設されることで、摺動時や摺動不良時(意図せず変位抵抗が過大となった時)に生じる負荷によって固定円筒部材820や内側回転部材830が損傷したり変形したりする可能性を低減することができる。
内側回転部材830は、正面側端部に円形フランジ状部831aを有する円筒状の本体部831と、その本体部831の周囲を円周方向に5等分した位置において径方向に長尺方向を沿わせた姿勢で円形フランジ状部831aに締結固定される複数の金属棒832と、その金属棒832が挿通可能に形成され金属棒832に案内される形で直動変位可能に構成される複数の直動部材833と、その直動部材833の径方向外側部において回転可能に軸支される複数の回転部材834と、を備える。
本体部831は、上述の円形フランジ状部831aと、隣り合う金属棒832の中間の角度位置(5箇所)において円形フランジ状部831aを基端として突条状に後方に延びる複数の摺動突条部831bと、円形フランジ状部831aの反対側の端部において円周方向に間隔を空けて凹設形成される複数の凹設部831cと、を備える。
摺動突条部831bは、外側回転部材840の本体部841の内周側曲面と摺動可能に構成される部分であって、外側回転部材840との接触面積を減らし接触摩擦を低減するために突設先端が断面半円状に形成される。
摺動突条部831bの配置は、上述のように隣り合う金属棒832の中間の角度位置とされるが、換言すれば、外側回転部材840の中心軸を基準として金属棒832の反対側の位置(180度ずれた位置)とされる。
これにより、後述する切替回転動作において中間腕部材850が金属棒832に沿って径外方向に変位され、その中間腕部材850が軸支される外側回転部材840が径外方向に変位するよう負荷を受けたとしても、その外側回転部材840の変位を摺動突条部831bで受けることができるので、外側回転部材840の内側円周面と内側回転部材830の外側円周面との接触面積を低い状態で維持することができる。
凹設部831cは、中央円環ギア864の伝達突部864aが進入配置される部分であって、凹設部831cに伝達突部864aが配置されることで、互いの相対回転を不能として、中央円環ギア864の回転角度と内側回転部材830の回転角度とを一致させることができる。
直動部材833は、直動変位方向に並ぶように間隔を空けて配置され後方へ向けて円筒状に突設される一対の円筒状突設部833a,833bと、その円筒状突設部833a,833bを基準として本体部831の中心軸から離れた側に形成され回転部材834に挿通される円筒状の円筒状軸部833cと、その円筒状軸部833cの先端部において周方向に沿って凹設される凹設溝833dと、を備える。
凹設溝833dは、組立状態(図28参照)において回転部材834から突き出た側に配置されており、回転部材834に締結固定される装飾部材870,880の張出部873,883が摺動可能に外嵌されることで、回転部材834の径外方向への脱落を防止する変位規制用の溝として機能するが、詳細は後述する。
回転部材834は、傘歯車状に形成される傘歯部834aと、直動方向と平行に円筒状に突設される複数の円筒状突設部834bと、を備える。傘歯部834aは、全周に亘って形成されるものではなく、動作に必要となる3/4周(約270度)に亘って形成されている。
円筒状突設部834bは、内周側に雌ネジが形成されており、装飾部材870,880の挿通孔874,884に挿通された締結ネジを螺入することで、装飾部材870,880を回転部材834に締結固定するように機能するが、詳細は後述する。
外側回転部材840は、円筒状の本体部841と、その本体部841の周囲を円周方向に5等分した位置において径方向外方へ延設される複数(本実施形態では、5本)の延設腕部842と、本体部841の後側端部の円周に沿って外周側に形成されるギア歯843と、検出センサ813の検出溝に進入可能な配置で本体部841の径外方向に延設される被検出部844と、を備える。
延設腕部842は、本体部841の中心軸と平行に延びる円筒状部842aを備え、その円筒状部842aの内周側には雌ネジが形成されており、中間腕部材850の基端側棒部851に円筒状部842aを挿通した状態で雌ネジに締結ネジを螺入することで、中間腕部材850が延設腕部842に脱落不能に軸支される。
ギア歯843は、駆動伝達装置860の負荷応答ギア865と歯合可能に配設されることで、外側回転部材840の回転変位の有無を切り替える部分として機能するが、詳細は後述する。
中間腕部材850は、長尺に形成される部材であって、一端側が外側回転部材840の円筒状部842aに軸支される基端側棒部851と、その基端側棒部851の他端側において正面側に増厚される増厚部852と、その増厚部852の正面側端部から基端側棒部851の長尺方向と平行に延設される先端側棒部853と、その先端側棒部853の端部にギア歯を有して形成される回転伝達部854と、を備える。
回転伝達部854は、直動部材833及び回転部材834と連動する部分であって、円筒状突設部833aを挿通した状態で互いに回動可能な寸法関係で形成される被支持孔854aと、その被支持孔854aを中心とした円弧状に穿設される長孔であって円筒状突設部833bを挿通した状態で案内する案内孔854bと、被支持孔854aを中心軸とする傘歯車状に形成され回転部材834の傘歯部834aと歯合することで傘歯車を形成する傘歯部854cと、を備える。
駆動伝達装置860は、モータ保持部814に締結固定される駆動モータ861と、その駆動モータ861の駆動軸に固着される駆動ギア862と、円筒状突設部815に脱落不能に軸支され駆動ギア862を介して駆動力を伝達可能に歯合される複数の伝達ギア863と、その伝達ギア863に歯合される中央円環ギア864と、その中央円環ギア864の配置よりも前側にずれて配置され二重円筒突設部816に脱落不能に軸支される一対の負荷応答ギア865と、その負荷応答ギア865の背面側において二重円筒突設部816の二重筒に支持され負荷応答ギア865にかけられる回転方向の負荷に応じた抵抗が可変とされるトルクリミッタ866と、を備える。
中央円環ギア864は、環状に形成され、その内周側に固定円筒部材820の円筒部821を挿通可能に設計され、内側回転部材830の凹設部831cに進入配置可能となるように凹設部831cに対応する配置および形状で底板部から正面側に突設される伝達突部864aと、その伝達突部864aの内径側および外径側に配置される同軸二重円環形状で底板部から正面側に突設される支持円環状部864bと、を備える。
組立状態では、伝達突部864aが凹設部831cに進入配置された状態において、支持円環状部864bの間の隙間に内側回転部材830の本体部831の後方端部が中間ばめの寸法関係または締りばめの寸法関係で嵌合される。これにより、中央円環ギア864と内側回転部材830とを一体的に回転させることができる。
なお、凹設部831c及び伝達突部864aの配置については何ら限定されるものではない。例えば、円周方向に等間隔で配置されるようにしても良いし、円周方向に不等間隔で配置されるようにしても良い。
等間隔であれば、内側回転部材830と中央円環ギア864との姿勢を考慮せずとも、伝達突部864aと凹設部831cとの配置を合わせれば組み付けることができるので、組み付けを迅速に行うことが可能となる。本実施形態にように、内側回転部材830及び中央円環ギア864の形状が回転方向で対称(72度間隔で同じ)とされる場合には、内側回転部材830及び中央円環ギア864の姿勢が組み付け時にずれることによる影響は少ないと考えられるので、等間隔とすることは有効である。
不等間隔であれば、組み付け作業時において、内側回転部材830に対して中央円環ギア864の姿勢を合わせてから組み付けるという工数が1個増えるが、凹設部831cへの伝達突部864aの配置を利用して、内側回転部材830と中央円環ギア864との姿勢合わせを行うことができる。
負荷応答ギア865は、外側回転部材840のギア歯843と歯合可能に配設される。負荷応答ギア865にトルクリミッタ866が係合していることにより、内側回転部材830及び中央円環ギア864と、外側回転部材840と、の間の回転抵抗の大小に起因して、負荷応答ギア865の回転が許容される状態と、規制(制限)される状態と、が切り替えられるよう構成されている。
即ち、トルクリミッタ866は、所謂安全クラッチとして機能するものであり、所定の許容値を超える負荷がかかると接続を切り、駆動力の伝達を解除するよう構成される。本実施形態では、一方向の駆動力を伝達する装置(ワンウェイのトルクリミッタ)が、伝達方向を逆とする一組で構成され、トルクリミッタ866による駆動伝達の切り替えを双方向で応答性良く行えるように構成している。
図62は、第3動作ユニット800の構成の一部の分解正面斜視図であり、図63は、第3動作ユニット800の構成の一部の分解背面斜視図である。なお、図62及び図63では、第3動作ユニット800の装飾部分が図示されており、変位を構成するための部分の図示が省略されている。
図62及び図63に示すように、第3動作ユニット800は、上述した内側回転部材830と、その内側回転部材830の円筒状突設部834bに締結固定され円筒状突設部834bの一方の側面を覆う第1装飾部材870と、円筒状突設部834bに締結固定されると共に第1装飾部材870の反対側の側面から円筒状突設部834bを覆う第2装飾部材880と、を備える。
第1装飾部材870は、円筒状突設部834bに締結固定可能に形成される第1骨格部871と、その第1骨格部871の一側を覆うよう形成される第1覆設部875と、を備える。
第1骨格部871には、全体に鍍金処理がされており、光を反射し易いよう構成されている。
第1覆設部875は、枠の内側が無色で光透過性の樹脂材料で形成されており、その表面に図形や模様や、キャラクターの絵柄(以下、「絵柄等」とも称す)が描かれており、表面が正面側に向いた際には、その絵柄等を遊技者に視認させる。
本実施形態では、複数(5個)の第1覆設部875に、それぞれ独立した絵柄等が描かれている。そのため、電飾基板823による発光制御で強発光させる第1覆設部875を変更したり、第1覆設部875の配置を変更したりすることで、遊技者の注目を集める絵柄等を異ならせることができる。
例えば、遊技者目線で、第3図柄表示装置81側にいずれの第1覆設部875が停止するかに注目させるような表示演出を第3図柄表示装置81で実行すると同時に、内側回転部材830を回転させるように制御すれば、その回転に伴い第3図柄表示装置81側の第1覆設部875を継続的に変更することができるので、回転が停止するまでの期間に亘り、遊技者の視線を第1覆設部875に集めることができる。
第2装飾部材880は、円筒状突設部834bに締結固定可能に形成される第2骨格部881と、その第2骨格部881の他側を覆うよう形成される第2覆設部885と、を備える。
第2骨格部881は、第2覆設部885に収容される磁石Mg2を脱落不能に保持するための保持片881aを備える。
第2覆設部885は、隣設される第2覆設部885に収容される磁石Mg2の吸着力が作用する位置(近接位置)に金属製ネジが螺入固定されており、この金属製ネジに磁石Mg2が吸着することで、合体状態(特に、一連合体状態、図32参照)における第2覆設部885の一体性が確保できるように図っている。
第2覆設部885は、表面に図形や模様や、キャラクターの絵柄(以下、「絵柄等」とも称す)が描かれており、表面が正面側に向いた際には、その絵柄等を遊技者に視認させる。
本実施形態では、複数(本実施形態では、5個)の第2覆設部885に描かれる絵柄等は、複数(少なくとも2個、最大で5個)の第2覆設部885が組となるよう絵柄等が構成されており、5個の第2覆設部885が合体状態を構成した時に正面視で「円状体」として視認されるように各第2覆設部885をその円状体の一部を構成するように装飾している。
第2覆設部885に描かれる絵柄等は特に限定されるものではないが、本実施形態では、一連合体状態において第2覆設部885から把握される内容が第2装飾部材880の回転方向の配置が異なっても大きな違いが生じない絵柄として設計している。即ち、絵柄として明確な上下左右があるものではなく、回転させても外形の変化が目立たない(本実施形態では、円形状)を構成する設計としている。
そのため、複数の第2覆設部885同士を強固に一体化できる方が、第2覆設部885を遊技者に視認させる時の演出性能を向上させることができる。この点で、本実施形態では、合体状態において磁石Mg2の吸着力により第2覆設部885側が強固に一体化されるので、第2覆設部885が正面側に配置されている場合の合体状態における演出性能を向上させることができる。
なお、各第2覆設部885において、幅方向の片側に磁石Mg2が配設され、逆側に金属製ネジが螺入固定されている。後述する切替回転動作により第2覆設部885の向きが前後で反転した場合には、それに伴い正面視での磁石Mg2と金属製ネジとの配置も反転することになる。
この場合でも、各磁石Mg2が吸着する金属製ネジが、逆側に隣設される第2覆設部885に螺入固定される金属製ネジに入れ替わるだけであり、5個の第2覆設部885が円環状に配設されていることから一体化した際の吸着度合いに変化はない。
一方、本実施形態では、第1覆設部875には、磁石を収容していない。これにより、第1覆設部875側における一体化の強度は、若干弱くなっているが、これにより演出性能が低下することを回避するようにしている。
即ち、第1覆設部875には、それぞれ独立した絵柄等が描かれているので、合体状態における一体化の程度が弱く、第1装飾部材870の配置が多少ずれることがあっても、遊技者に視認させる絵柄等を認識できなくなる可能性は無い。従って、第1覆設部875に描かれる絵柄等を利用した演出の演出性能が低下することを回避することができる。
更に、第1覆設部875側の一体化の強度が弱くなっていることにより、昇降変位(からの停止)に伴い生じる振動や、一体回転動作や切替回転動作としての回転変位(からの停止)に伴い生じる振動により、合体している第1覆設部875同士の配置をずらすことができる。これにより、第1覆設部875が分割体ではなく、単一の円形部材から構成される従来機では実現不可能な変位態様で第1覆設部875を変位させることができるので、第1覆設部875による演出の演出効果を向上させることができる。
上述の事情から、複数の装飾部材870,880が近接配置される合体状態において、第1装飾部材870が前側を向く状態を個別合体状態とも称し(図31参照)、第2装飾部材880が前側を向く状態を一連合体状態とも称す(図32参照)。次いで、個別合体状態と一連合体状態とを切り替えるための動作について説明する。
図64(a)、図64(b)、図65(a)及び図65(b)は、外側回転部材840及び中間腕部材850の背面図であり、図66(a)、図66(b)、図67(a)及び図67(b)は、外側回転部材840及び中間腕部材850の正面図である。
図64から図67では、駆動モータ861(図60参照)の駆動力が伝達され、内側回転部材830が外側回転部材840に対して相対的に回転動作することにより変位する中間腕部材850の変位が時系列で図示される。
即ち、背面視および正面視において時系列で図示されており、個別合体状態(図64(a)、図66(a))から、内側回転部材830が45度ずつ回転する様子が図示されている。
なお、図64から図67では、金属棒832の軸線が仮想位置線832Fとして記載されており、この仮想位置線832Fの配置の角度変化が、内側回転部材830の回転角度に対応する。なお、個別合体状態(図64(a)、図66(a))からの内側回転部材830の回転角度が角度θ31で図示される。
図64から図67に示すように、個別合体状態から内側回転部材830が正面視(図66参照)反時計回りに回転すると(この回転動作を、以下において「切替回転動作」とも称する)、中間腕部材850の回動が許容されることから、内側回転部材830の外側回転部材840に対する相対的な回転が許容される。本実施形態では、外側回転部材840はトルクリミッタ866(図60参照)の抵抗により配置が維持され、内側回転部材830のみが回転動作する。
従って、図64から図67において、円筒状部842aの配置は維持されており、中間腕部材850は、外側回転部材840の円筒状部842aを中心に回動変位する。
上述の部材間の構成から、仮想位置線832Fは、被支持孔854aの中心を通る直線であり、被支持孔854aに直動部材833の円筒状突設部833aが締結固定されることから、被支持孔854aの配置変化は、直動部材833の配置変化に対応する。
図64及び図65に示すように、回転伝達部854が内側回転部材830の回転軸を中心とした径方向に変位し、同時に、周方向に変位するので、回転伝達部854に支持される回転部材834も同様に、内側回転部材830の回転軸を中心とした径方向に変位し、同時に、周方向に変位する。即ち、切替回転動作において、直動部材833は、径方向の変位を伴いながら、周方向に180度変位する。
切替回転動作に周方向の変位が含まれることから、径方向終端位置においても直動部材833、回転部材834及びそれに締結固定される装飾部材870,880の配置が固定されることなく、周方向への変位を保つことができるので、径方向の直動変位のみで変位が完結する場合(例えば、第2動作ユニット700で上述した反転動作)に比較して、切替回転動作中における演出効果を高く維持することができる。
なお、これに対し、第2動作ユニット700で上述した反転動作においては、傘歯部783c及び傘歯部材785c(図58参照)の弾性回復力を利用した加速度の高い回転動作を生じさせることで、直動方向外側変位終端(図59(b)参照)における覆設部材787の配置が固定されている印象を弱めるよう図っている。
即ち、覆設部材787の回転始期を遅らせ、且つ回転終期を遅らせないことにより、覆設部材787の回転速度の向上を図っており、左右方向外側変位終端において左右位置の変化幅が小さい期間(スライダクランクの死点付近の期間)が継続する状況にあっても、覆設部材787の回転速度を上昇させることで覆設部材787の動作による演出効果を高く維持するよう図っている。
切替回転動作に径方向の変位が含まれることから、中間腕部材850から外側回転部材840に径方向の負荷が生じ易く外側回転部材840の回転軸のずれが生じる可能性が考えられるが、本実施形態では、中間腕部材850の径方向の負荷が回転軸を中心として等間隔(72度間隔)で同様に生じるので、各負荷が互いに相殺し合うことになる。これにより、外側回転部材840の回転軸のずれを抑えることができるので、切替回転動作を正常に実行させ易くすることができる。
このように、第3動作ユニット800の回転動作における径方向変位(拡大縮小変位)は、円周方向の回転を伴いながら生じる。そのため、周囲の装飾部材との衝突を避けるために、第3動作ユニット800の切替回転動作は、第3動作ユニット800が張出状態となっていることが昇降アーム部材801の姿勢を判定する検出センサの出力により判定されている状態において実行可能となるように制御される。
また、回転伝達部854の上述の変位に伴い、回転部材834に締結固定される第1装飾部材870及び第2装飾部材880も同様に、内側回転部材830の回転軸を中心とした径方向に変位し、同時に、周方向に変位する。
中間腕部材850が回動変位することにより、傘歯部854c(図66及び図67参照)と、回転部材834の傘歯部834a(図60参照)とが歯合し、回転部材834及び回転部材834に締結固定される装飾部材870,880が金属棒832を軸として回転変位する。
この回転変位の角度は、仮想位置線832Fを基準とした中間腕部材850の回転角度としての角度θ32に比例する。また、その回転方向は、角度θ32が仮想位置線832Fから正面視反時計回り方向に離れるよう増大しており、回転部材834が中間腕部材850の正面側に配置されることから(図60参照)、仮想位置線832Fの径外方向側から見て反時計回り方向に設定される。
回転部材834は、一体回転状態において第1装飾部材870又は第2装飾部材880のいずれかが正面側を向く姿勢となるので、角度θ31の最大値としての最大角度θ31E(本実施形態では、180度)の回転によって、中間腕部材850の回転角度が最大値としての最大角度θ32E(本実施形態では、90度)となる場合に、回転部材834の傘歯部834aが半周回転(180度回転)するよう構成される。
即ち、回転部材834が金属棒832を中心として回転する角度は、傘歯部854cの被支持孔854aを中心とした回転角度の2倍となるように構成される。
ここで、上述の第2動作ユニット700の磁石Mgの作用として説明したものとは異なり、磁石Mg2(図62参照)の吸着力は、金属棒832を中心とする装飾部材870,880の回転変位に対して回転を遅らせるような作用を生じさせるものではない。
即ち、磁石Mg2は、隣設する第2装飾部材880との間で吸着力を生じるものであり、中間腕部材850の回動に伴い装飾部材880が金属棒832に沿って径外方向に変位することに伴い、隣設される第2装飾部材880の間に隙間が生じることで吸着力は失われ得る。
従って、金属棒832を中心とする回転変位が開始される前において、磁石Mg2の吸着力は失われることになり、金属棒832を中心とする装飾部材870,880の回転変位に対して回転を遅らせるような作用は生じない。
そのため、装飾部材870,880を回転変位させるために必要となる駆動力を低減することができる。即ち、駆動モータ861に要求される駆動力を低減することができるので、駆動モータ861の小形化を図ることができる。
更に、装飾部材870,880の回転変位を迅速に開始し、早期に終了させることができるので、金属棒832を中心とする回転変位に対する遊技者の注目度合いを低くすることができる。
装飾部材870,880の回転変位の開始時の迅速性は、内側回転部材830の回転角度に対する装飾部材870,880の回転角度を一定ではないように構成することでも保たれている。
例えば、中間腕部材850の回動の過程において、中間腕部材850が縮径配置され一体回転動作が可能な状態からの仮想位置線832Fの回転角度(内側回転部材830の回転角度)が45度である場合には角度θ32が18度であり(図66(b)参照)、更に45度の角度で仮想位置線832Fが回転した場合における角度θ32が27度とされる(図67(a)参照)。
即ち、角度θ32は、一体回転動作が可能な状態からの内側回転部材830の回転開始側の方が、回転途中に比較して小さくなるように設計されている。これにより、内側回転部材830の回転開始時において装飾部材870,880の回転変位の程度を抑制することができる。
駆動モータ861の駆動力は、内側回転部材830の回転、中間腕部材850の回動および装飾部材870,880の回転に利用されることになるが、上述のような構成から、一体回転動作が可能な状態からの内側回転部材830の回転開始時において装飾部材870,880の回転に要する駆動力を低減することができるので、内側回転部材830の回転開始時に駆動モータ861にかけられる負担が過度に大きくなることを回避することができる。
また、金属棒832を中心とする装飾部材870,880の回転変位は、正面視で円周方向に位置ずれしながら生じるので、回転変位中の装飾部材870,880の視認性を低く抑えることができる。これにより、装飾部材870,880の側面部(例えば、第1覆設部875と第2覆設部885との連結面)が視認される可能性を低くすることができ、装飾部材870,880の側面部の設計自由度を向上することができる。
切替回転動作の際、正面視において、中間腕部材850は、隣設される中間腕部材850と配置が重なる。また、自らが軸支される円筒状部842aが配設される延設腕部842に隣設される延設腕部842とも配置が重なる。そのため、対策なしでは、中間腕部材850が周辺の部分と衝突する可能性がある。
これに対し、本実施形態では、中間腕部材850の構成を部位ごとに前後にずらすことで衝突の回避を図っている。即ち、中間腕部材850の基端側棒部851よりも、先端側棒部853及び回転伝達部854の方が後側に配置されるようにすることで、基端側棒部851と先端側棒部853及び回転伝達部854とが前後で重なるようにでき、切替回転動作の際に衝突することを回避することができる。
また、基端側棒部851は延設腕部842の前側に、先端側棒部853及び回転伝達部854は延設腕部842の後側に配置するようにすることで、切替回転動作の際に中間腕部材850が延設腕部842の前後に配置されるようにすることができ、中間腕部材850と延設腕部842との衝突を回避することができる。
図64から図67では、外側回転部材840を基準とした内側回転部材830の回転方向が、中間腕部材850の回動を許容する方向(個別合体状態における正面視反時計回り方向、図66参照)である場合を説明した。この場合、トルクリミッタ866を介して抵抗を生じる負荷応答ギア865にギア歯843が歯合されることで抵抗を受け、外側回転部材840の回転変位は制限される。
一方、内側回転部材830の回転方向が上述の逆方向(個別合体状態における正面視時計回り方向)である場合や、中間腕部材850の回動を許容する方向(個別合体状態における正面視反時計回り方向)での回転により中間腕部材850が回動を規制される状態に到達(例えば、個別合体状態から一連合体状態に到達)してからも同方向で回転を継続した場合には、外側回転部材840の回転を規制するトルクリミッタ866の許容値を超える負荷が負荷応答ギア865に負荷され、トルクリミッタ866による負荷応答ギア865の姿勢維持が解除され、内側回転部材830と外側回転部材840とが同期回転する。
換言すれば、回転方向に関わらず、中間腕部材850の回動が規制される状態において、中間腕部材850の回動の規制を継続する方向に内側回転部材830を回転させるように駆動した場合、内側回転部材830及び外側回転部材840が同期回転し、中間腕部材850、第1装飾部材870及び第2装飾部材880が合体状態を維持したまま一体回転する(この回転動作を、以下において「一体回転動作」とも称する)。
一体回転動作は、中間腕部材850の回動が規制される状態で生じるものであり、本実施形態では、第1装飾部材870及び第2装飾部材880が互いに近接配置された合体状態で生じる。
そのため、第1装飾部材870及び第2装飾部材880の拡径方向の変位が生じる切替回転動作と異なり、周囲の装飾部材との衝突を考慮する必要が無いので、第3動作ユニット800の演出待機状態において一体回転動作を実行することができる。従って、本実施形態では、一体回転動作は、第3動作ユニット800の配置に関わらず、実行可能に制御される。
本実施形態では、上述のように、単一の駆動モータ861(図60参照)の駆動力により、第1装飾部材870及び第2装飾部材880の拡径方向変位を伴う切替回転動作と、拡径方向変位を伴わない第1装飾部材870及び第2装飾部材880の一体回転動作と、を実行可能とされており、両駆動方向でいずれの動作も実行可能であるが、動作に優先順位があり、任意の回転方向で即座に任意の動作を実行可能なわけではない。
例えば、図64(a)及び図66(a)に示す状態からは、内側回転部材830を正面視反時計回りに回転させることで切替回転動作を実行可能であり、そのまま回転を継続すれば一体回転動作を実行可能であり、また、内側回転部材830を正面視時計回りに回転させることで一体回転動作を実行可能とされるが、即座には、正面視反時計回りの回転で一体回転動作を実行することはできない。
また、例えば、図64(a)及び図66(a)に示す状態から、内側回転部材830を正面視反時計回りに回転させ、中間腕部材850が回動を規制される状態に到達した後で、内側回転部材830を正面視時計回り(逆回り)に回転させた場合には、再び切替回転動作が実行されてしまい、即座には、正面視時計回りに一体回転動作を実行することはできない。
このように、本実施形態の第3動作ユニット800の動作態様は、駆動モータ861の回転方向に対して、中間腕部材850の変位が規制される状態か、又は許容される状態か、によって、内側回転部材830及び外側回転部材840の相対的変位が変化する。
そのため、本実施形態において、音声ランプ制御装置113(図4参照)は、駆動モータ861の回転方向毎に、中間腕部材850の変位が規制される状態か、又は許容される状態か、を判定可能に制御され、その判定結果から、適切な駆動方向で駆動モータ861を駆動制御可能とされる。以下において、駆動モータ861の駆動制御の一例について説明する。
図68は、昇降アーム部材801の配置、駆動モータ861の駆動態様および検出センサ813の出力の一例を時系列で示すタイミングチャートである。図68に示すように、音声ランプ制御装置113(図4参照)は、第3動作ユニット800の演出制御として通常演出と反転演出とを交互に繰り返すよう制御される。
反転演出時には、切替回転動作を含む動作を実行し、通常演出時には、切替回転動作を含まない動作を実行する。これは、切替回転動作において装飾部材870,880と周囲の装飾部材とが衝突することを避けるためである。
同様の目的から、突然停電が生じた場合等から再度電源を投入した場合や、朝一に電源投入した場合には、第3動作ユニット800を張出状態としてから駆動モータ861の回転制御を実行し、検出センサ813の出力から可動部分の状態を把握した後において、通常演出時の制御を実行するように制御される。これにより、電源投入時において検出センサ813の出力結果から可動部分の状態が把握できない場合であっても、誤って装飾部材870,880と周囲の装飾部材とが衝突する事態を回避することができる。
駆動モータ861の駆動方向として、正回転と、逆回転とを記載している。図68における正回転は、内側回転部材830を正面視時計回りに回転させる駆動態様(個別合体状態(図66(a)参照)において一体回転動作を即座に実行する駆動態様)に対応し、図68における逆回転は、内側回転部材830を正面視反時計回りに回転させる駆動態様(個別合体状態において、切替回転動作を即座に実行する駆動態様)に対応する。
まず、反転演出時に至る前における、通常演出時の駆動制御について説明する。この通常演出時には、第3動作ユニット800は個別合体状態とされており、駆動モータ861は停止するか、又は正回転の駆動制御のみが実行される。そのため、第1装飾部材870及び第2装飾部材880の回転動作は、常に一体回転動作とされる。
切替回転動作は生じないので、周囲の装飾部材との衝突は生じ得ず、第3動作ユニット800の配置は演出待機状態または張出状態に任意のタイミングで切替可能である。例えば、昇降アーム部材801の上下動作により被保持部材810を昇降変位させている最中に駆動モータ861を駆動することで、昇降変位と同時に第1装飾部材870及び第2装飾部材880の一体回転動作を生じさせることもできるよう、制御される。
当然、昇降アーム部材801の配置が固定している状態において第1装飾部材870及び第2装飾部材880の一体回転動作を生じさせても良いし、第1装飾部材870及び第2装飾部材880の一体回転動作を停止した状態で昇降アーム部材801の昇降動作を行うようにしても良い。
駆動モータ861の駆動の方向が正回転のみなので、外側回転部材840の被検出部844が検出センサ813の検出溝に進入する度に検出センサ813の出力が切り替わり、この出力の切り替わりを判定することで音声ランプ制御装置113(図4参照)は外側回転部材840の姿勢を初期位置として判定することができ、この初期位置からの駆動時間を複数種類で設定することで、外側回転部材840を任意の姿勢で停止するよう制御することができる。
次いで、反転演出時における駆動制御について説明する。まず、反転演出時には、昇降アーム部材801が下降変位し、第3動作ユニット800が張出状態とされる。この状態で駆動モータ861は、検出センサ813の検出溝に被検出部844が進入している状態となるまで正回転を継続するよう制御される。
検出センサ813の出力の切り替わりにより、検出センサ813の検出溝に被検出部844が進入している状態が判定されたら、駆動モータ861を逆回転で駆動する。逆回転の駆動により、第3動作ユニット800では、切替回転動作が実行されるが、この間は外側回転部材840の回転はトルクリミッタ866の抵抗により規制されるので、検出センサ813の出力は維持される。
そのままの回転方向で駆動モータ861の駆動を継続すると、一連合体状態に到達し、第1装飾部材870及び第2装飾部材880の一体回転動作が実行される。一体回転動作開始後は、外側回転部材840も内側回転部材830と連動して回転開始するので、被検出部844が検出センサ813の検出溝から退避し、検出センサ813の出力が切り替えられる。即ち、音声ランプ制御装置113(図4参照)は、検出センサ813の出力の切り替わりにより、第1装飾部材870及び第2装飾部材880の一体回転動作が開始されたと判定することができる。
一体回転動作が開始された後は、駆動モータ861は停止するか、又は逆回転の駆動制御のみが実行される。そのため、第1装飾部材870及び第2装飾部材880の回転動作は、常に一体回転動作とされる。切替回転動作は生じないので、周囲の装飾部材との衝突は生じ得ず、第3動作ユニット800の配置は演出待機状態または張出状態に任意のタイミングで切替可能である。
駆動モータ861の駆動の方向が逆回転のみなので、外側回転部材840の被検出部844が検出センサ813の検出溝に進入する度に、検出センサ813の出力が切り替わり、音声ランプ制御装置113(図4参照)は外側回転部材840の姿勢を判定することができる。
反転演出時から通常演出時に切り替わる際には、事前に、昇降アーム部材801が下降変位し、第3動作ユニット800が張出状態とされる。この状態で駆動モータ861は、検出センサ813の検出溝に被検出部844が進入している状態となるまで逆回転を継続するよう制御される。
検出センサ813の出力の切り替わりにより、検出センサ813の検出溝に被検出部844が進入している状態が判定されたら、駆動モータ861を正回転で駆動する。正回転の駆動により、第3動作ユニット800では、切替回転動作が実行されるが、この間は外側回転部材840の回転はトルクリミッタ866の抵抗により規制されるので、検出センサ813の出力は維持される。
次いで、第1装飾部材870及び第2装飾部材880の一体回転動作が実行される。一体回転動作開始後は、外側回転部材840が回転を開始することで、被検出部844が検出センサ813の検出溝から退避し、検出センサ813の出力が切り替えられる。即ち、音声ランプ制御装置113(図4参照)は、検出センサ813の出力の切り替わりにより、第1装飾部材870及び第2装飾部材880の一体回転動作が開始されたと判定することができる。
一体回転動作が開始された後で、再び通常演出時に移行する。この通常演出時の駆動制御についての制限は、上述の反転演出時の前に配置されていた通常演出時において説明した駆動制御についての制限と同様である。
このように、本実施形態によれば、単一の検出センサ813を、第3動作ユニット800の回転態様の切り替えの判定(一体回転動作または切替回転動作)と、外側回転部材840の回転角度の基準の判定と、に兼用することができる。従って、各判定に個別の検出センサを利用する場合に比較して、検出センサ813の必要個数を削減することができる。
上述のように、一体回転動作を継続する状態または回転を停止している状態から、駆動モータ861の駆動方向を逆方向に切り替えることにより、切替回転動作を実行することができる。即ち、個別合体状態における第1装飾部材870の姿勢に関わらず、切替回転動作を実行し一連合体状態に切り替えることができる。
そのため、動作演出において、大当たり告知のタイミングで一連合体状態に切り替えるように制御する場合において、第1装飾部材870の姿勢から大当たり告知の有無を遊技者に予想されることを回避することができる。
更に、一連合体状態における装飾は、上述のように、遊技者に把握される内容が、第2装飾部材880の回転方向の配置によって大きく違わないように設計されている。即ち、切替回転動作の開始時における装飾部材870,880の回転方向の配置が異なる場合であっても、切替回転動作の終了時において一連合体状態として遊技者に把握される内容を同様のものとすることができる。
そのため、一連合体状態における絵柄が回転方向の配置で異なる場合と異なり、一連合体状態に到達した後において姿勢を合わせるための一体回転動作を省略することができるので、個別合体状態における第1装飾部材870の姿勢に関わらず、大当たり告知までの駆動制御を同一とすることができる。
このように、本実施形態では、駆動モータ861の駆動方向としての正回転と逆回転との双方で、切替回転動作および一体回転動作の双方の動作態様を実現することができる。従って、正回転と逆回転とで動作態様が固定されている場合に比較して、単一の駆動モータ861で多種多様な演出態様を実現することができる。
図69は、図28のLXIX−LXIX線における第3動作ユニット800の断面図である。図69に示すように、固定円筒部材820の円筒部821の開口は、被保持部材810の筒固定部812が配置される後端部から、電飾基板823が配置される前端部まで貫通しており、この開口を後端部から前端部まで電気配線が案内され、電飾基板823に配設されるコネクタに端子が接続される。この電気配線を通して電気が導通され、電飾基板823に配置されるLEDを発光制御可能に構成している。
電飾基板823の内側発光部823aから照射される光LH1は、透光装飾部材824の中央部側において正面側に膨出する膨出部824aを照らすように作用する。膨出部824aは、装飾部材870,880の合体状態において第1装飾部材870又は第2装飾部材880が円周上に配置される円の中央部において遊技者に視認可能とされる部分として機能する。
電飾基板823の外側発光部823bから照射される光LD1は、前側に配置される装飾部材870,880(図69においては第1装飾部材870)の内部に照射され、装飾部材870,880を内部から照らすように作用する。
本実施形態では、装飾部材870が前側に配置される個別合体状態(図69参照)と、装飾部材880が前側に配置される一連合体状態(図32参照)と、を切り替え可能とされているので、光LD1により、装飾部材870を照らす場合と、装飾部材880を照らす場合とを切り替えることができる。
個別合体状態(図69参照)では、第1骨格部871の鍍金処理されている鍍金部871aで正面側に反射することで、光LD1の向きを正面側に切り替えるよう構成している。これにより、光LD1の大部分が第1覆設部875に向かうように照射することができ、光LD1の照射時における第1覆設部875の明るさを良好に高めることができる。
ここで、本実施形態では、電飾基板823は固定配置されており、その周囲を装飾部材870,880が回転するように構成されているので、光LD1の照射方向と装飾部材870,880の配置との関係は装飾部材870,880の回転により変化し得る。例えば、回転中において、鍍金部871aの中心部に光LD1が照射される場合があれば、同じLEDから照射される光LD1が鍍金部871aの中心部からずれた位置に照射される場合も生じ得る。そのため、対策なしでは、光LD1による第1覆設部875の明るさの程度が装飾部材870,880の回転により変化し易くなり、一定明るさで発光させながら装飾部材870,880を一体回転動作させる演出を実行することが困難となる可能性がある。
これに対し、本実施形態では、光LD1を反射可能に構成される鍍金部871aの形状が凹面形状とされ、この凹面形状の曲率半径は、電飾基板823の半径よりも小さくなるように形成され、且つ、その中心が正面視で第1覆設部875の中心部付近に配置されるよう設計される。
光LD1は外側発光部823bが配置される円の外径方向に光軸を向けるように配置されるので、光LD1は、鍍金部871aの凹面形状に反射されることで、その曲率半径の中心側へ向けて進行することになり、第1装飾部材870の各第1覆設部875の中央付近を照らす。
従って、外側発光部823bを基準とした鍍金部871aの配置によらず、複数の光LD1を、第1覆設部875の中央付近を照らすように反射することができる。これにより、第1覆設部875の前板部の中央付近に光を安定的に照射することができるので、一体回転動作中においても、第1覆設部875を均一な明るさで視認させることができる。
更に、第1骨格部871は、鍍金部871aへの鍍金処理と同様に鍍金処理が行われる部分であって、正面視で第1覆設部875の外方に配置される外鍍金部871bを備える。光LD1は、鍍金部871aと同様に外鍍金部871bでも反射されることになるが、鍍金部871aの配置に比較して外鍍金部871bが後方に配置されていることから、外鍍金部871bの光方の程度を弱めることができる。
これにより、第1覆設部875の外方において視認される光の強度が強すぎて、遊技者が眩しく感じ、第1覆設部875の枠の内側の視認性を低下させる事態を回避することができる。
電飾基板823は第1装飾部材870及び第2装飾部材880に前後から挟まれているが、つなぎ目において完全に閉塞されているものではないので、外側発光部823bからの光の全てがその内側に照射されるものではない。
まず、第1覆設部875の部材縁部875aと、その部材縁部875aに対向配置される第2覆設部885の部材縁部885aとの間には、図69において内部構造が視認可能な程度の隙間VA1が形成されている。この隙間VA1を通って外鍍金部871bが第1覆設部875の枠外方へ張り出しているので、隙間VA1を通った光LD1を外鍍金部871bで反射させることができる。
その上、金属棒832と対向配置される第1覆設部875の部材外端部875bと、第2覆設部885の部材外端部885bとの間には、金属棒832との部材干渉を避けるために要する領域を超える大きな隙間VA2が形成される。
隙間VA2は、第1に、金属棒832と装飾部材870,880との衝突を回避することで、金属棒832の長さを十分に確保できるようにし、金属棒832により直動部材833及び回転部材834の直動変位を案内する機能を確保できるようにする目的で形成される。
隙間VA2は、第2に、骨格部871,881に挿通される締結ネジであって、回転部材834の円筒状突設部834bに螺入されることにより装飾部材870,880を回転部材834に締結固定するための締結ネジの組み付け経路を確保できるようにする目的で形成される。
更に、隙間VA2は、第3に、骨格部871,881の透明部分を通過した光を進行させるための、光の通り道を確保できるようにする目的で形成される。装飾部材870,880は円周上に等間隔で配置されていることから、隙間VAを通り外方へ進行する光は、円周上の等間隔位置を通り、その円の中心から放射状に進行する光として視認される。
そのため、装飾部材870,880の一体回転動作を実行することで、隙間VA2を通過する光も同じように回転させることができる。これにより、外側発光部823bからの光の点灯態様を制御することを不要としながら(例えば、全点灯を継続したままで)、第3動作ユニット800の回転中心から径方向に放射状に出る光が回転する発光態様で視認される発光演出を実行することができる。
一連合体状態(図32参照)では、第2骨格部881の全体が透光性の樹脂材料から形成されていることにより、第2骨格部881による光LD1の反射作用を抑えている。
これにより、第2覆設部885の枠内に照射されるのは、光LD1の内、光軸から離れた光(弱い光)とすることができるので、第2覆設部885の光らせ方の度合いを弱くすることができる。一方で、光LD1の光軸方向の光は、隙間VA2を抜けるので、第3動作ユニット800の回転中心から径方向に放射状に出る光の強度を向上させることができる。
第2覆設部885の枠内には、有色(本実施形態では、円状体の色味として任意の色で設定)で光透過性の樹脂材料から形成され、内側に光拡散加工が形成される光拡散装飾部885cが円周方向に亘って配設される。そのため、光LD1の内、光拡散装飾部885cに入射した光は屈折され、光拡散装飾部885cの全体を面発光させるように作用する。
この面発光により、円周方向に亘って配設される光拡散装飾部885cを介して視認される光の均一化を図ることができ、5個の第2装飾部材880の各光拡散装飾部885cが遊技者に一体的に視認される効果を生じさせることができる。
ここで、複数の第2覆設部885同士を強固に一体化できる方が、第2覆設部885を遊技者に視認させる時の演出性能を向上させることができることは上述した通りであり、この一体化を、光拡散装飾部885cが円周方向に亘って連続的に繋がっているように視認させることで行うことができる。従って、第2覆設部885が正面側に配置されている場合の合体状態における演出性能を向上させることができる。
第2覆設部885の部材外端部885bは、金属棒832と対向する凹形状に形成されており、第1覆設部875の部材外端部875bと近接(当接)する端面885b1は、金属棒832が配設される平面を基準として第1装飾部材870側に張り出している。
これにより、一連合体状態(図32参照)において第3動作ユニット800を斜め方向から視た際に、背面側に配置される第1装飾部材870の第1覆設部875が遊技者の視界に入る程度を下げることができ、演出に与える影響を低減することができる。
これにより、第1覆設部875の枠部と、第2覆設部885の枠部とが、異なる色味で着色されている場合に、第2覆設部885が前側に配置されている時に、第1覆設部875の色味が視界に入ることを防止し易くすることができる。
特に、一連合体状態で、第3動作ユニット800を単独で張出状態とする場合には(図32参照)、他の動作ユニット600,700を共に張出状態とする場合に比較して(図33,F9参照)、第3動作ユニット800の周りに隙間が多く、第3動作ユニット800を斜め方向から視る視線が通り易い。そのため、対策なしでは、第3動作ユニット800の側面が視認されることで、演出効果を低下させ易い。
これに対し、本実施形態によれば、一連合体状態において、第2覆設部885の端面885b1を側面の前後幅の中央よりも後方寄りに配置しているので、斜め方向視で第3動作ユニット800の側面が視認されたとしても、側面の大部分を第2覆設部885の部分として視認させることができ、第1覆設部875が視認される程度を低くすることができる。これにより、一連合体状態において、第1覆設部875よりも、第2覆設部885を見せ易くすることができ、演出効果を向上することができる。
個別合体状態と一連合体状態とを切り替える切替回転動作では、駆動モータ861の駆動力が内側回転部材830に伝達されることで内側回転部材830は回転動作する一方で、外側回転部材840はトルクリミッタ866からの負荷により回転が止められる。
摺動突条部831bで接触面積の低減を図ってはいるが、内側回転部材830自体の回転抵抗が大きい場合には、外側回転部材840へ伝達される負荷は大きくなってしまい、トルクリミッタ866の負荷伝達の許容値を大きくせざるを得ず、トルクリミッタ866の小形化を阻害し易い。
そのため、内側回転部材830の回転抵抗を抑制できることが好ましい。そのために、本実施形態では、以下のような特徴を備えている。例えば、内側回転部材830の回転に係る固定円筒部材820との間の支持箇所は、摺動部材825と接触する前側端部と、中央円環ギア864に支持される後側端部のみであり、その他の部分では隙間を空けるように構成している。これにより、固定円筒部材820と内側回転部材830との間の接触面積を低減することができ、変位抵抗を低減し易く構成できる。
例えば、内側回転部材830は、中央円環ギア864に締結固定されているわけでは無いので、中央円環ギア864を基準とした前側への変位を抑制するためのストッパが必要と考えられるところ、摺動部材825がこのストッパの機能を果たしている。即ち、摺動部材825には内側回転部材830から前側へ押進する方向の負荷を受け得るが、摺動部材825は、その板前面が円形板部822の短径環状部822aと前後で当接する。
短径環状部822aは、外径が摺動部材825の外径と同程度の円環状突部として円形板部822の背面側に配設され、その最外径部において断面半円形状で背面側に突設される突条部822bが円環状に形成される。
この突条部822bが、摺動部材825の前面と前後方向で当接するので、短径環状部822aの背面全体と摺動部材825とが接触する場合に比較して、接触面積を低減することができる。これにより、内側回転部材830の回転方向の変位抵抗を低減することができる。
なお、内側回転部材830及び中央円環ギア864の間で締結ネジを用いていないので、その分、締結ネジの重量増加があった場合に想定される内側回転部材830の変位抵抗を削減することができる。
回転部材834に対する第1装飾部材870及び第2装飾部材880の固定について説明する。この固定の説明に当たっては、図62及び図63を適宜参照する。
第1装飾部材870の回転部材834への固定は、第1骨格部871の挿通孔872に挿通される締結ネジを第1覆設部875の枠後部に形成される被締結部876の雌ネジに螺入することで第1覆設部875を第1骨格部871に締結固定した状態とした後、第1骨格部871の半円状凹設部の端部から張り出す張出部873を凹設溝833dに進入させ(摺動可能に外嵌させ)、挿通孔874に挿通させた締結ネジを円筒状突設部834bに螺入させることで行うことができる。
第2装飾部材880の回転部材834への固定は、第2骨格部881の挿通孔882に挿通される締結ネジを第2覆設部885の枠後部に形成される被締結部886の雌ネジに螺入することで第2覆設部885を第2骨格部881に締結固定した状態とした後、第2骨格部881の半円状凹設部の端部から張り出す張出部883を凹設溝833dに進入させ(摺動可能に外嵌させ)、挿通孔884に挿通させた締結ネジを円筒状突設部834bに螺入させることで行うことができる。
このようにして、第1装飾部材870及び第2装飾部材880を回転部材834に締結固定することができ、回転部材834の直動変位または回転変位に伴い、第1装飾部材870及び第2装飾部材880が直動変位または回転変位するように構成することができる。
固定の過程において、張出部873,883が直動部材833の凹設溝833dに進入することで、骨格部871,881の直動部材833上の配置(金属棒832の長尺方向の配置)が規定され、骨格部871,881が直動部材833から脱落することを防止することができる。
そして、骨格部871,881は回転部材834に締結固定されているので、回転部材834についても同様に、直動部材833上の配置(金属棒832の長尺方向の配置)が規定され、回転部材834が直動部材833から脱落することを防止することができる。
このように、本実施形態では、回転部材834の直動部材833への組み付けにおいて、直動部材833上の回転部材834の配置を規定する部分が回転部材834に固定される骨格部871,881に形成されるので、直動部材833上の配置を規定する部分が回転部材834自体に形成される場合と異なり、組み付けや分解の工数を減らすことができる。
即ち、例えば分解時においては、骨格部871,881を回転部材834に締結固定している締結ネジを取り外せば、骨格部871,881の直動部材833上の配置の規定を解除することができるだけでなく、回転部材834についても直動部材833上の配置の規定を解除することができる。これにより、作業効率を向上することができる。
図70及び図71を参照して、各動作ユニット600〜800の組み合わせ動作について説明する。図70(a)から図70(d)、図71(a)から図71(d)は、各動作ユニット600〜800の組み合わせ動作の例を時系列に沿って模式的に説明する動作ユニット500の正面模式図である。なお、図70及び図71の説明では、図33から図35を適宜参照する。
図70及び図71では、第1動作ユニット600の各演出面661a〜661c、第2動作ユニット700の各装飾面787a1,787a2,787b1,787b2及び第3動作ユニット800の各覆設部875,885における装飾が、文字などで識別可能に模式的に図示される。
即ち、第1演出面661aには、縦書きで「ノーマル」との文字が、第2演出面661bには、横書きで「発動」との文字が、第3演出面661cには、長手方向に沿って「!」の記号が、それぞれ図示されている。
また、第1主装飾面787a1には、「開戦」との文字が、第1副装飾面787a2には、「ピンチはチャンス」との文字が、第2主装飾面787b1には、「攻撃」との文字が、第2副装飾面787b2には、「忍耐!?」との文字が、それぞれ図示されている。
また、第1覆設部875の枠の内側には異なるキャラクターに対応する異なる英数字(「I」〜「V」)が図示され、第2覆設部885には5個で一体の「○」記号が図示されている。
図70(a)では、各動作ユニット600〜800が、それぞれ演出待機状態に配置されている(図28参照)。なお、第2動作ユニット700の上方には、正面視では見えないものの遊技者目線で視認可能な面としての第1副装飾面787a2が想像線で図示される。
また、図70(b)では、第1動作ユニット600が中間演出状態とされ、第2動作ユニット700が中間演出状態とされ、第3動作ユニット800が張出状態とされている。
第3動作ユニット800の一体回転動作を実行することで、第2動作ユニット700に近接配置される第1装飾部材870の第1覆設部875を次々に入れ替えることができる。また、一体回転動作の継続中や、停止後に、第1動作ユニット600を中間演出状態とすることで、センターフレーム86の枠内部に第3演出面661cを張り出させ、動作ユニット600〜800の動きを賑やかにすることができる。
例えば、第3演出面661cが視認可能な場合に、抽選の大当たり期待度が上昇するよう演出を制御することにより、第1動作ユニット600の動作を視認した遊技者の興趣の向上を図ることができる。
一体回転動作が停止された際には、第2動作ユニット700の第1主装飾面787a1に形成される装飾と、第2動作ユニット700に近接配置される第1装飾部材870に形成される装飾とを、一体的に視認させることができる。
これにより、第2動作ユニット700に近接配置される第1装飾部材870に対する注目力を向上させることができ、その第1装飾部材870に形成される装飾に関連する表示演出を第3図柄表示装置81で開始しながら第3動作ユニット800を演出待機状態に戻すことにより、遊技者の視線を第3図柄表示装置81へスムーズに誘導することができる。
注目させる第1装飾部材870としては、第2動作ユニット700に近接配置される第1装飾部材870に限定されるものではない。例えば、第1装飾部材870に光を照射可能に配設される外側発光部823b(図60参照)の点灯パターンを制御することにより、注目させる第1装飾部材870側へ光LD1を照射するLEDを点灯させ、その他のLEDを消灯させることで、任意の第1装飾部材870に注目させることが可能である。
この時、第1装飾部材870の一体回転動作を停止させた状態でLEDの点灯パターンを切り替えても良いし、第1装飾部材870の一体回転動作に合わせてLEDの点灯パターンを切り替えても良い。
第1装飾部材870の一体回転動作に合わせてLEDの点灯パターンを切り替える場合には、点灯させるLEDを回転方向で順次切り替えるようにして、光および第1装飾部材870が同軸円に沿って回転変位しているように遊技者に視認させても良い。また、点灯させるLEDは固定しておき、そのLEDから光を照射される位置に各第1装飾部材870が一体回転動作により順番に到達することを利用して、光が照射される第1装飾部材870を切り替えるようにしても良い。
図70(a)に示す状態では、第1動作ユニット600の第2装飾回転部材660及び装飾固定部材670が、共に縦長に形成される装飾を備えており一体的に視認させることができる。特に、装飾固定部材670の前側面が、演出待機状態における第1演出面661aと同様に、斜め方向を向く面として形成されていることにより、一体的に視認される作用が高められている。
一方、図71(a)に示す状態になると、図70(b)に示す途中経過で第2装飾回転部材660の下端部が装飾固定部材670と離れるように変位することに加え、第1動作ユニット600の第2装飾回転部材660は横長に形成される装飾となることから装飾固定部材670との一体感が低下し、今度は、同様に横長に形成される装飾を備える第2動作ユニット700の覆設部材787と一体的に視認させることができる。
図35では第2動作ユニット700の中間演出状態が図示されているが、図71(a)に図示されるように、第2動作ユニット700を張出状態とすれば、覆設部材787と第2装飾回転部材660との上下間隔が更に縮まり、一体的に視認される作用を高めることができる。
この時、張出装飾部652bが視認可能な位置に張り出しており、第3図柄表示装置81の右縁が領域右端RE1よりも右方に拡大しているように視認させる上述の作用により、第2演出面661bの配置が右縁寄りであっても窮屈な印象を遊技者に与えることを防止できる。
また、これにより、第2主装飾面787b1と同様に、第2演出面661bも第3図柄表示装置81の中央側に配置されているように遊技者に視認させることができ、第2主装飾面787b1と第2演出面661bとが一体的に視認される作用を高めることができる。
この場合において、張出装飾部652bの装飾を、第2演出面661bの装飾や、第2主装飾面787b1(第1主装飾面787a1)の装飾と関連する内容で形成することで、第2主装飾面787b1(第1主装飾面787a1)、第2演出面661b及び張出装飾部652bが一体的に視認される作用を高めることができる。
図70(c)及び図70(d)では、第1動作ユニット600及び第3動作ユニット800が演出待機状態とされ、第2動作ユニット700が張出状態とされている。第2動作ユニット700の反転動作について図70(d)に図示するが、第1動作ユニット600の張出状態において第2装飾回転部材660は、第2動作ユニット700の覆設部材787の左右外側に配置されるものでは無いので、第1動作ユニット600を張出状態としたままでも、覆設部材787の反転動作(図59参照)を実行することができる。
覆設部材787の反転動作においては、左右が異なる副装飾面787a2,787b2を正面側に向けることになるので、識別力を有しない状態とできることについて上述したが、図70(d)に示すように、異なる副装飾面787a2,787b2が組み合わさることで遊技者が内容を識別可能に構成しても良い。
図70(d)によれば、「ピンチ!?」との内容を遊技者が識別でき、この状態で第2動作ユニット700の駆動を停止させることで第2動作ユニット700のその後の動きに注目させることができるので、遊技者の視線を第2動作ユニット700に集めることができる。
例えば、抽選がはずれであることを報知する場合に、図70(d)の状態から図70(c)に戻すように制御し、抽選結果について未だ報知しない場合や抽選が大当たりであることを報知する場合に、図70(d)の状態から反転を継続し図71(a)に示す状態とするような制御を行うことで、遊技者の視線を第2動作ユニット700に集めることができる。
図71(a)では、第1動作ユニット600及び第2動作ユニット700が張出状態とされ、第3動作ユニット800が演出待機状態とされる。なお、第2動作ユニット700の上方には、正面視では見えないものの遊技者目線で視認可能な面としての第2副装飾面787b2が想像線で図示される。
図71(a)に示す状態では、第2演出面661bと、第2主装飾面787b1とが、近接配置され、それぞれに記載される文字が共に横書きであるので、遊技者に一体的に視認させ易い。また、その内容は、「攻撃発動」との一連の意味を成す内容となるので、尚更、一体的に視認させ易い。
第1動作ユニット600は、演出待機状態(図70(a)参照)においては、第1演出面661aと、装飾固定部材670とが、近接配置され、それぞれに記載される文字が共に縦書きであるので、遊技者に一体的に視認させ易い。また、その内容は、「ノーマルタイム」との一連の意味を成す内容となるので、尚更、一体的に視認させ易い。
このように、本実施形態では、第1動作ユニット600の各演出面661a,661bを、異なる部材の側面(例えば、第2主装飾面787b1又は装飾固定部材670の前面)と一体視させるように構成している。これにより、演出効果を向上することができる。
図71(b)から図71(d)では、第1動作ユニット600及び第2動作ユニット700が演出待機状態とされ、第3動作ユニット800が張出状態とされる。図71(b)に示す状態と、図71(c)に示す状態とは、第3動作ユニット800が一体回転動作を実行されることにより、第1装飾部材870の配置が異なる。一方で、いずれの状態から切替回転動作が実行されたとしても、遊技者に対して同一の一連合体状態として視認させることができる(図71(d)参照)。
即ち、第2装飾部材880が正面側を向く状態では、第1装飾部材870の配置の違いを遊技者が認識することはできないように構成されている。これにより、第3動作ユニット800の動作制御として、図柄変動中に第3図柄表示装置81で表示される表示演出の終盤に切替回転動作が実行されることで大当たりの当否を報知するよう設定される場合において、第1装飾部材870の配置から大当たりの当否の報知の有無を遊技者に予想されることを回避することができる。
換言すれば、表示演出の終盤における第1装飾部材870の配置に寄らず(図71(b)に示す状態であっても図71(c)に示す状態であっても)、大当たり当否の遊技者の期待感を、同様に保つことができる。従って、第3動作ユニット800に対する遊技者の注目力を高い状態で維持し続けることができる。
上述のように、各動作ユニット600〜800は、装飾を単独で視認される場合と、組み合わせで一体的に視認される場合とを形成可能とされる。そのため、各動作ユニット600〜800に形成される装飾は、各動作ユニット600〜800のみで完結するのではなく、各動作ユニット600〜800同士で互いに関連する装飾として設計される。
各動作ユニット600〜800の駆動制御は、その実行の可否が互いの配置に影響される。即ち、不適切なタイミングで各動作ユニット600〜800の駆動を実行すると、部材動作が衝突し故障する可能性があるので、駆動制御に当たっては、他のユニットの部材の配置を判定した上で行うように制御される。
例えば、第1動作ユニット600の張出状態への変化は、第2動作ユニット700の状態は任意で良く、第3動作ユニット800は演出待機状態と判定されている場合に実行されるよう制御される。
第1動作ユニット600の中間演出状態への変化は、第2動作ユニット700の状態は任意で良く、第3動作ユニット800の上下配置は任意で良く、回転動作は切替回転動作が生じていないと判定されている場合に実行されるよう制御される。
第2動作ユニット700の張出状態への変化は、第1動作ユニット600の状態は任意で良く、第3動作ユニット800は演出待機状態と判定されている場合に実行されるよう制御される。
第2動作ユニット700の中間演出状態への変化は、第1動作ユニット600の状態は任意で良く、第3動作ユニット800の上下配置は任意で良く、回転動作は切替回転動作が生じていないと判定されている場合に実行されるよう制御される。
第3動作ユニット800が張出状態へ変化し、回転は実行されないか一体回転動作のみが生じる制御は、第1動作ユニット600が中間演出状態または演出待機状態と判定され、第2動作ユニット700が中間演出状態または演出待機状態と判定される場合に実行される。
第3動作ユニット800が張出状態へ変化し、切替回転動作が生じる制御は、第1動作ユニット600が演出待機状態と判定され、第2動作ユニット700が演出待機状態と判定される場合に実行される。
上述のように、各動作ユニット600〜800の駆動制御は、任意のタイミングで可能とされるものではなく、他のユニットの部材の配置を判定した上で実行されるよう制御される。
次いで、第1実施形態における振分装置300の細部について、説明する。なお、振分装置300の細部の説明では、図1から図25を適宜参照する。まず、前意匠部材162に施される装飾の一例について説明する。
図72は、振分装置300の正面斜視図である。図72では、上記の図5で示した内容との差異として、前意匠部材162に光透過性の窓部162dが形成されている。
図72に示すように、振分装置300の正面側に配設される前意匠部材162は、前板が光透過性の樹脂材料で形成され、その前板の中央側範囲において周辺範囲よりも光透過性の高い範囲としての窓部162dが形成される。
本実施形態では、窓部162dの形状に合わせて中央側範囲が切り抜かれた光透過性のシール部材SL1が前意匠部材162の前板に貼り付けられている。この構成により、窓部162dの前後厚みが、その周囲においてシール部材SL1が貼り付けられている範囲の前後厚みに比較して薄くなり、前意匠部材162を光が透過する度合いに差を持たせることができるので、窓部162dの光透過性を高くすることができる。
窓部162dは、遊技者が振分装置300を見る際、視線が前意匠部材162の板部を通ることを考慮して、振分装置300の視認性を向上することを第1の目的として形成され、特に、振分装置300の内部を流下する球の流下態様が把握できないという遊技者からの不満を解消することを第2の目的として形成される。即ち、窓部162dは、振分装置300の形状を考慮した形状および大きさで形成される。
なお、周辺範囲よりも光透過性の高い部分としての窓部162dの形成手段は何ら限定されるものではなく、種々の態様が例示される。例えば、前意匠部材162の板部に導光板を配置したり、導光板と同様の機能を奏するよう複数の溝パターンを形成したりして、LED等の発光手段の発光のパターンごとに前意匠部材162の見え方を変化させるようにしても良いし、前意匠部材162に模様や絵柄を直接描いても良いし、前意匠部材162の窓部162dに相当する範囲を開口として形成しても良い。
また、窓部162dの形状は、図72に示す形状に限定されるものではなく、種々の態様が例示される。例えば、同一の上下幅で左右に延びる帯形状としても良いし、左右幅が上方に張り出す範囲の左右幅と同等となるように、左右外方に延設されている部分を省略した形状(ホームベースのような5角形形状)としても良いし、前意匠部材162の前板縁部の形状に沿った形状としても良い。
また、窓部162dは単一の範囲として形成されているが、これに限定されるものではなく、種々の態様が例示される。例えば、光透過性の高い範囲が、格子状部や梯子状部で仕切られる複数箇所の組み合わせで形成されても良いし、小窓が複数個整列する態様で範囲が区画されても良いし、窓部が無秩序に配列される態様で範囲が区画されても良い。また、窓部の形状が可変に構成されても良い。
また、シール部材SL1の表面形状は何ら限定されるものではない。例えば、シボ加工による表面形状のように多数の凹凸が形成させる表面形状でも良いし、表面に多数の溝形状や突条が形成されても良いし、平滑表面として形成されても良い。
なお、窓部162dの表面形状は、平滑面として形成されることが好ましいが、周囲(シール部材SL1の形成範囲に相当)よりも高い光透過性が確保できる態様であれば良く、上述のシール部材SL1の表面形状と同様の形状の他、種々の態様を採用することができる。
図73は、可変入賞装置65及び振分装置300の正面図である。図73では、上記の図21で示した内容との差異として、前意匠部材162に光透過性の窓部162dが形成されている。
図73に示すように、窓部162dは、左右対称形状で形成され、上下に短く左右に長い主窓部162d1と、その主窓部162d1の左右中央部の上方に連なって形成される副窓部162d2と、を備える。
本実施形態では、主窓部162d1及び副窓部162d2は、無色透明の樹脂材料から形成され、光透過性が高い状態で維持される。各部の形状について、以下で詳述する。
主窓部162d1は、正面視における外縁形状が、第2流路構成部335及び第3流路構成部336の視認性を確保するために十分な形状で設計される。即ち、図73に示すように、第2流路構成部335及び第3流路構成部336の球通路の上下幅と同等の上下幅で形成されると共に、第2流路構成部335の傾斜に合わせて左右外側へ向かう程上昇傾斜するV字形状とされる。
これにより、第2流路構成部335及び第3流路構成部336を流下する球を、正面視で主窓部162d1の内側に収めることができることから、第2流路構成部335及び第3流路構成部336を流下する球の視認性を向上することができる。
主窓部162d1の左右端は、球通過孔163bと同様の左右位置で形成される第1流路構成部334(図17参照)の左右幅の中央付近に設定される。即ち、主窓部162d1を通して第1流路構成部334の外壁の全体が見えるわけではなく、特に、側壁部334aの視認性は低くされる。
これにより、見栄えの良い形状とすることが要求される場合のように遊技者に視認されることを前提として設計する場合に比較して、側壁部334aの形状設計において、設計の自由度を向上することができる。
副窓部162d2は、正面視における外縁形状が、発光手段351からの光で照らされるシール部材313の視認性を確保するために十分な形状で設計される。即ち、図73に示すように、シール部材313を覆う矩形状に形成される。
これにより、第3流路構成部336を流下する球の視認性に加え、球の流下態様に基づいて点灯タイミングが制御される発光手段351により照らされるシール部材313の状態を遊技者が把握し易いように構成できるので、遊技者に快適な遊技を提供することができる。
図74は、図16の矢印XXIII方向視における可変入賞装置65及び振分装置300の斜視図であり、図75は、図73のLXXV−LXXV線における可変入賞装置65及び振分装置300の断面図である。図74及び図75では、上記の図23及び図18で示した内容との差異として、前意匠部材162に光透過性の窓部162dが形成されている。
図74に示すように、振分装置300を見下げる方向視(角度付きの方向視)で視認する場合、前側位置に配置されるスライド変位部材370の上突設部376の一部が開閉板65bの下側で視認される。
これに対し、スライド変位部材370が後側位置に移動すると、図74の方向視において上突設部376は開閉板65bの奥側に隠されることになる。従って、遊技者は、上突設部376が見えてさえいれば、第3流路構成部336を流下した球が確変検出センサSE11を通るのか、通常検出センサSE12を通るのかについて、容易に予想することができる。
上突設部376へ向けた視界は、上部材310の第2上面部314bの内側面314b1が正面側へ向かう程に左右外側へ向かって傾斜する傾斜面として形成されていることによっても、良好に確保されている。
即ち、第2上面部314bは、第2流路構成部335を流下する球の跳ね上がりを防止する天井面としての機能を果たしながら、内側面314b1を傾斜面として構成することで上突設部376への視界が不要に遮られることを回避している。
また、内側面314b1が傾斜面として構成されていることは、上面部314が前方へ向かう程に下降傾斜する傾斜面として構成されていることの短所を補っている。上面部314を上述のような傾斜面として構成する場合、図74に示すような見下げる方向視(角度付きの方向視)における上面部314の投影面積を大きくすることができることから、上面部314の光拡散加工面314cを介して光を視認させる演出の演出効果を向上し易いという長所がある一方で、上面部314の投影面積が大きくなることから、その下を流下する球を遊技者の視界から隠す範囲が広がる場合があるという短所がある。
換言すれば、上面部314が前方に向かう程に下降傾斜する傾斜面として構成されることは、光演出には有利に働く一方で、流下する球の視認性には不利に働く可能性がある。
これに対し、本実施形態では、内側面314b1が左右外側へ向かって傾斜する傾斜面として形成されていることにより、第2流路構成部335から第3流路構成部336へ球が進入する箇所において上面部314の投影面積を減らすことができ、上面部314の下を流下する球の視認性を向上することができる。
図74に示すように、振分装置300を見下げる方向視(角度付きの方向視)で視認する場合、シール部材313が副窓部162d2の内側には視認されないことから、対策なしでは、シール部材313の状態を視認するためにシール部材313が見えるように目の位置や視線角度を調整することを遊技者に強いることになり、快適な遊技を阻害する可能性がある。
これに対し、本実施形態では、シール部材313に光を向ける発光手段351の光軸としての直線LL1は、シール部材313を通り、副窓部162d2を通ることから、発光手段351から照射された光の一部はシール部材313を通った後で副窓部162d2に到達する。そのため、直線LL1上の発光手段351が点灯しているか否かを、副窓部162d2を見ることで把握することが可能である。
シール部材313には光拡散加工がされていないので、発光手段351からの光の進行を留める作用は弱く、光を十分に副窓部162d2まで到達させることができる。これにより、発光手段351の点灯時には、シール部材313の色である赤色の光が副窓部162d2に到達することで、副窓部162d2を赤色に光らせることができる。
これにより、光が到達する前における副窓部162d2の無色透明の状態との違いが分かり易くされるので、遊技者は、発光手段351の点灯の有無を把握し易くなる。なお、シール部材313(又はシール部材313が配設される壁部)に光拡散加工を設けるようにしても良い。この場合、シール部材313を均一に発光させ易くすることができる。
図75に示すように、直線LL1は、第3流路構成部336を流下する球と重ならない位置(高さ位置)に配置される。即ち、第3流路構成部336を流下する球が配置され得る範囲よりも上側において直線LL1が配置される。
加えて、直線LL1は、特定入賞口65aに入球する球と重ならない位置に配置される。即ち、特定入賞口65aに入球した球が乗る下面部163aよりも下側において直線LL1が配置される。
更に、被固定部材161と前意匠部材162との間においては、上述のように、前意匠部材141(図7参照)により球の流下が阻害されることにより、球の流下範囲は前意匠部材141の左右幅よりも左右外側に寄せられる。そのため、被固定部材161と前意匠部材162との間を流下する球についても、直線LL1と重なることは避けられる。
従って、直線LL1上に、ベース板60の正面側(例えば、遊技領域)を流下する球や、特定入賞口65aに入球した球や、振分装置300(例えば、第3流路構成部336)を流下する球が配置されることで、光が球で反射して屈折する事態を回避することができる。これにより、球の流下態様に寄らず、発光手段351から照射された光を副窓部162d2に安定的に到達させることができる。
なお、本実施形態におけるシール部材313の配置は、遊技者が目線を変えなければシール部材313を視認し難い状態を継続できることが遊技者にとっての利益につながる場合がある。
例えば、常時シール部材313が視界に入る構成では、発光手段351が発光する度に光が遊技者の目に入るので、遊技者によっては眩しく感じるところ、本実施形態のように発光手段351を見え難く配置することで、遊技者の感じる眩しさを弱めることができる。
なお、本実施形態では発光手段351からの光が副窓部162d2に到達する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、直線LL1と交差する範囲において、被固定部材161に光拡散加工を形成することで、光が副窓部162d2まで到達し難いように構成しても良い。
この場合、図74に示す状態から視線を変えてシール部材313を直接見られるようにしなければ、シール部材313に向けて発光手段351が点灯しているか否かを把握し難いように構成することができる。そのため、遊技者が、遊技の好みとして、球が確変検出センサSE11に入球したか否かを知りたくない場合であっても、図74に示す視線を維持していれば目的を達成することができるので、このような遊技者の遊技負担を低減することができる。
なお、本実施形態では副窓部162d2が平滑な面形状から形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、副窓部162d2の表裏面の少なくとも一方に光拡散加工を施したり、光が拡散し易いように内部に気泡部を設けたりするように形成しても良い。
この場合、副窓部162d2に到達した光が拡散することで、副窓部162d2を通して視認される光の面積を大きくすることができる。これにより、副窓部162d2が照らされていることを遊技者が気付き易くすることができる。
ここまでは、発光手段351を構成するLEDの内、シール部材313に光を向ける発光手段351、即ち、直線LL1上に配置されるLEDから照射される光について説明した。次いで、発光手段351を構成するLEDの内、最下段で左右4箇所に配置される複数のLEDから照射される光について説明する。
図76は、図75のLXXVI−LXXVI線における振分装置300の中部材330、スライド変位部材370、下部材380及び検出センサSE1の断面図である。図76では、発光手段351の配置が、想像線で図示される。
以下の説明では、発光手段351の内、最下段で左右内側に配置されるLEDを内側発光手段351cとし、最下段で左右外側に配置されるLEDを外側発光手段351dとして、改めて称して説明する。
まず、図76に示すように、内側発光手段351cの光軸(前後方向に延びる直線)は、光拡散加工面332eの内側に配置される。そのため、内側発光手段351cから光が照射される場合、左右に亘る範囲で形成される光拡散加工面332eが照らされる発光演出が実行される。
この発光演出は、確変検出センサSE11と通常検出センサSE12とで球の流れが分岐する分岐箇所BP1(図75参照、第3流路構成部336の後端部から連続的に繋がる左右に長い空間)の背面側で実行される。
そのため、内側発光手段351cが点灯している状況において、分岐箇所BP1を球が流れる場合、左右に亘る範囲で発光する光拡散加工面332eの手前側を流れる球が配置される箇所が影として視認されるので、遊技者は、影の変位を視認することで球がどのように流れたかを容易に把握することができる。
内側発光手段351cの光軸は、前後長突設部317を通る(図75参照)。また、左右内突設部318には光軸は通らないものの、光軸付近の光が通り得る配置とされており、左右内突設部318の突設端部は前後方向視および上下方向視で湾曲形成されている。
そのため、内側発光手段351から照射された光の一部は、前後長突設部317及び左右内突設部318の湾曲形状によって屈折することで、前斜め下方へ向けて進むようになり、この光は光拡散加工面340(図75参照)に到達し得る。
光拡散加工面340は、第3流路構成部336の下側面の全範囲に形成されているので(図14参照)、光拡散加工面340に光を到達させることで、第3流路構成部336の下底面の下側の空間の視認性を低下させることができる。従って、第3流路構成部336の内側を流下する球と、アウト口71(図75参照)を通過して第3流路構成部336の下側を流下するアウト球との区別をし易くすることができる。
一方、図76に示すように、外側発光手段351dの光軸(前後方向に延びる直線)は、光拡散加工面332eの外側(上側)であり、且つ、光拡散加工面319a,333bの内側に配置される。そのため、外側発光手段351dから光が照射される場合、光拡散加工面319a,333bが照らされる発光演出が実行される。
この発光演出は、確変検出センサSE11と通常検出センサSE12とで球の流れが分岐する分岐箇所BP1(図75参照、第3流路構成部336の後端部から連続的に繋がる左右に長い空間)の上側および正面側で実行される。
そのため、外側発光手段351dが点灯している状況において、分岐箇所BP1を球が流れる場合、その球の上側や手前側において光拡散加工面319a,333bが発光することになり、分岐箇所BP1を流れる球が光拡散加工面333bに隠されることになるので(図17参照)、遊技者は、分岐箇所BP1を球がどのように流れたかの把握がし難くなる。
加えて、光拡散加工面333bは上下に亘って形成されており、その上側には上面部314の光拡散加工面314cが配設される(図73参照)。そのため、分岐箇所BP1を前後方向視で視認し難くする作用に加えて、光拡散加工面333bを上側から覗き込むような角度の視線(図74参照)に対しても、光拡散加工面314cの発光により分岐箇所BP1を視認し難くすることができる。
また、光拡散加工面333bは上下に亘って形成されており、その下側には光拡散加工面340が配設されており、この光拡散加工面340は第2流路構成部335の下側裏面にまで形成される(図14参照)。そのため、分岐箇所BP1を前後方向視で視認し難くする作用とは別に、第2流路構成部335の下側面を発光させ、第2流路構成部335を球が流下する際に、その球が光(光拡散加工面340で拡散された光)を遮ることによる影を生じさせることで、球が流下していることを遊技者が把握し易くすることができる。
ここで、光拡散加工面333bは、分岐箇所BP1の前側に配設される(図17及び図75参照)。そのため、外側発光手段351dと光拡散加工面333bとの位置関係によっては、球で光が隠される事態が発生し得るところ、本実施形態では、外側発光手段351dの光軸(前後方向に延びる直線)が、分岐箇所BP1を球が流下する範囲の外側(上側)に配置されるので(図76参照)、分岐箇所BP1に配置される球により光が遮られる事態を回避することができる。
そのため、振分装置300内の球の流下態様によらず、外側発光手段351dを発光させることで、光拡散加工面333bを明るく照らすことができる。光拡散加工面333bが照らされた場合、その前側に配置される第2流路構成部335(図17参照)を流下する球が光を遮ることで影が生じるので、遊技者は、第2流路構成部335を流下する球の流下態様を把握し易くなる。
本実施形態では、分岐箇所BP1に配置される球により光が遮られる事態を回避するための工夫として、球の流下を滑らかにするための構成が採用されている。その構成について説明する。
分岐箇所BP1に到達し流下する球は、スライド変位部材370が後側位置に配置されている状態では(図20参照)、真下に流下して確変検出センサSE11を通過し、スライド変位部材370が前側位置に配置されている状態では(図18参照)、球案内部371bの傾斜に沿って左右外側へ流下して通常検出センサSE12を通過する。
スライド変位部材370が前側位置に配置されている状態における球の流下において、スライド変位部材370の左右外側端部を支持する板状部382の貫通孔縁部382aは、確変検出センサSE11の左右外側縁部と通常検出センサSE12の左右内側縁部とをつなぐように配設され、上面が左右外側へ向けて下降傾斜する傾斜面として形成される。そのため、貫通孔縁部382aの上面に到達した球は、左右方向外側へ流下し易い構成とされる。
これにより、球案内部371bの傾斜に沿って左右外側へ流下開始した球が、貫通孔縁部382aに橋渡しされた後において左右方向内側に逆流したり、跳ねたりする事態を回避し易くすることができ、球の流下を滑らかにすることができる。
なお、光拡散加工面319aは、分岐箇所BP1の前後幅の内側に配設される。そのため、光拡散加工面319aの背面側に球が配置される状況が生じ得ないので、外側発光手段351dと光拡散加工面319aとの位置関係に寄らず、球で光が隠されるという事態は発生し難い。
このように、内側発光手段351cと外側発光手段351dとは、単純に左右にずれて配置されているだけではなく、その前側において異なる前後位置で配置される光拡散加工面332e,319a,333bと各発光手段351c,351dの光軸との配置関係に意図的に差を設けて設計し、発光手段351c,351dからの光が到達する光拡散加工面332e,319a,333bを異ならせることで、光が到達し拡散され視認される前後位置を異ならせることができる。
上述の説明では、内側発光手段351cを発光させる場合と、外側発光手段351dを発光させる場合と、を別々に説明し、逆側の発光手段351c,351dは消灯している前提で説明したが、実際の各発光手段351c,351dの発光制御は片側ずつではなく、両点灯や、両消灯などの制御態様も生じ得る。以下、発光制御のパターンと、その際の振分装置300の内部流路の見え方について説明する。
図77(a)から図77(d)は、振分装置300の中部材330の正面斜視図である。図77(a)から図77(d)では、理解を容易とするために光拡散加工面の形状線としての筋の図示が省略されており、それぞれ、発光手段351c,351dの点灯および消灯の組み合わせが異なる場合について図示されており、発光手段351c,351dからの光により明るく光る範囲が網掛け模様で図示される。
即ち、図77(a)では、発光手段351c,351dが共に消灯されている両消灯状態が図示され、図77(b)では、内側発光手段351cが点灯し外側発光手段351dが消灯されている内点灯状態が図示され、図77(c)では、内側発光手段351cが消灯し外側発光手段351dが点灯されている外点灯状態が図示され、図77(d)では、発光手段351c,351dが共に点灯されている両点灯状態が図示される。
両消灯状態では、図77(a)に示すように、各光拡散加工面332e,319a,333bが照らされておらず、その奥側の視認性が確保されるものの、メリハリのない印象を遊技者に与える。特に、第3流路構成部336の上側を流れる球と、第3流路構成部336の奥側(下側)を流下するアウト球との区別がつき難い状態となる。
内点灯状態では、図77(b)に示すように、第3流路構成部336の下側の光拡散加工面340が照らされることで、第3流路構成部336の上側を流れる球の視認性を高く維持し、且つ、第3流路構成部336の奥側(下側)を流下するアウト球の視認性が低くなる。
更に、分岐箇所BP1の背面側において光拡散加工面332eが照らされることから、分岐箇所BP1における球の流れの視認性を向上することができる。その上、光拡散加工面332eの手前側に配置される光拡散加工面319a,333bは照らされない状態で維持されるので、分岐箇所BP1が光で目隠しされる事態を回避することができる。
即ち、内点灯状態では、第3流路構成部336から分岐箇所BP1へ至る範囲が光で照らされ、前側枠状部333を介して分岐箇所BP1を見ようとする視線も通ることから、分岐箇所BP1における球の流下態様を遊技者が把握し易くすることができる。また、球の流下態様を把握する上で注目すべき箇所に光が照らされているので、注目箇所を遊技者が見逃す可能性を低くすることができ、遊技者の遊技ストレスを低減することができる。
前側枠状部333の内側面には、全範囲に亘り光拡散加工面333bが形成されており(図13参照)、遊技者目線で前側枠状部333を透かして背後を視認することが困難となるように構成される。
前側枠状部333を透かして背後を視認する場合、前後方向視では、前側枠状部333の内側面の内、前後で対向配置される2側面を透かして背後を視認することになるので、透かして見る必要がある板が多い分、尚更、背面側を視認することが困難である。
同様のことが、前側枠状部333を、左右内側から斜め左右外側方向に傾斜する視線(正面側左右中央位置から、通常検出センサSE12へ向かう傾斜した視線)で奥側を透かして視ようとする遊技者にとっても言える。
即ち、本実施形態では、光拡散加工面333bが矩形筒形状の内側に亘って形成されるところ、この傾斜する視線上には、前側枠状部333の後側面と、左右内側面(仕切り板部338と対向配置される側面)とが配置される。そのため、透かして見る必要がある板が多い分、尚更、背面側を視認することが困難である。
このように、前側枠状部333によれば、前後方向視だけでなく、斜め方向視であっても、前側枠状部333の後側を透かして見ることを困難にすることができる。
外点灯状態では、図77(c)に示すように、光拡散加工面319a,333bが照らされることから、分岐箇所BP1において左右外側に流れた球が光で隠されることになるので、流下球の視認性が低くなる。
一方で、第2流路構成部335の奥側(下側)に形成される光拡散加工面340が照らされることから、第2流路構成部335を流下する球の視認性を向上することができる。即ち、外点灯状態では、手前側を流れる球の視認性を向上することで遊技者の注目力を向上する効果はあるが、分岐箇所BP1自体の視認性が低くなる。
両点灯状態では、図77(d)に示すように、光拡散加工面332e,319a,333bが広範囲で照らされる。光で照らされる状況としては、内点灯状態および外点灯状態の組み合わせであり、双方の効果を生じ得るが、有利な効果で補助し合うばかりではない。
例えば、光拡散加工面333bが照らされていることから、分岐箇所BP1を左右外側に流れる球が光に隠されるという特徴は、外点灯状態から引き継がれることになる。そのため、分岐箇所BP1の視認性を高める目的からすれば、内点灯状態で維持することが最適である。
発光手段351c,351dの点灯消灯に係る制御態様は、種々の態様が例示される。例えば、大当たり遊技において、確変検出センサSE11(図76参照)に球が入球する可能性があるラウンド遊技においては、分岐箇所BP1に遊技者が注目し易いように内点灯状態を構成するよう制御し、それ以外のラウンド遊技では、外点灯状態や両点灯状態を構成することで全体的に明るくするように制御しても良い。
また、例えば、ラウンド遊技の種類によらず両点灯状態と両消灯状態とを交互に切り替える態様で制御するようにしても良い。
また、発光手段351c,351dを点灯させるタイミングはラウンド遊技に限るものではなく、種々の態様が例示される。例えば、図柄変動中のリーチ正立後に発光手段351c,351dを点灯させるように制御しても良いし、入賞口63,64,140,65aやスルーゲート67に球が入球したことが検出されたら、発光手段を351c,351dを点灯させるように制御しても良い。
図73から図75に戻って、特定入賞口65a付近において球の流下を適正化するための構成について、改めて詳述する。図73に示すように、開閉板65bの左右外側に配置される延設部162bの上側面は左右外側へ向けて下降傾斜する傾斜面として形成されている。
そのため、開閉板65bが開放状態であるか閉鎖状態であるかに関わらず、開閉板65bの左右外側へ逸れた球であって延設部162bの上側面に乗った球を左右外側(開閉板65bが配置される側の反対側)へ流すことができるので、延設部162bに乗った球が特定入賞口65aの手前側を通り流下することを避けることができる。
従って、アウト口71へ流下する大部分の球の流下態様を、内レール61を転動する流下態様とすることができるので、アウト口71付近において球が跳ね上がる(高くバウンドする)事態の発生を回避することができる。これにより、跳ね上がった球により、主窓部162d1や、その奥側に配置される第3流路構成部336が隠され、視認性が低下することを回避することができる。
図74に示すように、開閉状態における開閉板65bの上側面は左右方向に延びる平面状に形成されている。一方で、第2流路構成部335は、左右中央側(仕切り板部338側)へ向かう程に下降傾斜している。
そのため、左右中央側に近づく程、開閉板65bと第2流路構成部335との上下間隔が長くなるので、開閉板65bの上側面を転動する球と、第2流路構成部335から第3流路構成部336へ向かって流れる球と、を区別し易くすることができる。
図74に示すように、開閉板65bは、上側面に乗った球を漏れなく特定入賞口65aへ流し込むような形状とされるが、球の流れが遅滞しないように種々の形状的な工夫がされている。
例えば、第1に、受入部材163の案内板部163a2は、開閉板65bの左右端部の上側面から後方に流れる球と当接し、その球を左右内側に案内するための板状部である。案内板部163a2は水平方向に延びる板状ではなく、開閉板65bから受入部材163へ向けて流れる球の上下位置変位に合わせて、左右内側に下降傾斜する方向に延びる板状に形成される。
即ち、案内板部163a2の前側端部は左右内側ほど後方に配置されるような傾斜面として形成されているところ、開閉板65bに乗る球が当接する左右外側端部付近よりも、開閉板65bよりも床面が低い受入部材163に受け渡される球が当接する左右内側部の方が、位置が下側になるように傾斜する方向に延びる。
これにより、案内板部163a2に当接する球の当接位置(球の全長における当接高さ)を安定させることができ、球をスムーズに案内することができる。なお、本実施形態では、球の全長における中心高さ位置で球と当接可能となるように、開閉板65bや受入部材163の床面との相対関係から案内板部163a2の配置が設計される。
例えば、第2に、開閉板65bの上側面後端部(回動基端側部)と、受入部材163の下面部163aとの高さ関係は、途中で逆転するように構成されている。即ち、下面部163aの高さ位置が最も高い左右中央位置においては開閉板65bの高さ位置の方が下であるが、下面部163aが左右側へ向かう程に下降傾斜しており、左右幅方向外側における一対の切替位置EP1でその上下が反転するよう構成されている。
本実施形態では、切替位置EP1は、開閉板65bと受入部材163との間における球の流下態様を切り替える位置としての性質を持っており、前側枠状部333の左右内側面(仕切り板部338と対向配置する側面)と同一平面上の位置(図74で前側枠状部333の真上位置)として設計される。
切替位置EP1の左右内側範囲(左右一対の切替位置EP1の間の範囲)では、球の転動面の上下位置の関係から、開閉板65bから受入部材163への球の転動が抑制される一方、受入部材163から開閉板65bへの球の転動は抵抗少なく生じ得る。
例えば、開閉板65bの左右中央位置付近で後方に跳ねた球が受入部材163(の内側後面)に衝突して再度前方に跳ねたとしても、球跳ねが収まって転動し始めた後では、球が開閉板65bから受入部材163に乗り上げることを抑制することができる。
なお、開閉板65bから受入部材163側に転動する球は、受入部材163に乗り上げるのではなく、球が下面部163aと当接し始めると、下面部163aの左右傾斜に沿って球が左右外側に流されることになる。
なお、開閉板65bの左右中央位置付近への球の落下は、前意匠部材141(図7参照)が球の落下を規制していることから生じにくいため、球跳ねも生じにくい構成であるといえる。但し、球同士の衝突などにより球跳ねは生じ得る。
切替位置EP1の左右外側範囲(左右一対の切替位置EP1よりも左右外側(球通過孔163bが配置される側)の範囲)では、球の転動面の上下位置の関係から、受入部材163から開閉板65bへの球の転動が抑制される一方、開閉板65bから受入部材163への球の転動は抵抗少なく生じ得る。例えば、他の球との衝突や遊技機の振動等により、下面部163aを転動している球に前側への速度が生じたとしても、球が開閉板65b側に逆流することを回避することができる。
切替位置EP1についての記載をまとめると、受入部材163側から球が前側に転動できる範囲を、一対の切替位置EP1の間の範囲に限定することで、球通過孔163b付近での球の逆流を回避して球の流下をスムーズにすることで、球が滞留する事態の回避を図っている。
加えて、一対の切替位置EP1の間の範囲からの球の後方への転動は、後方への流れが済んでから、左右方向の流れに切り替わるという転動態様ではなく、一対の切替位置EP1の間の範囲と球通過孔163bとを結ぶ斜めの直線方向に沿う転動態様となる。
換言すれば、前後方向および左右方向のように直角に交差する経路での流れではなく、一端が同位置に配置される前後方向直線と左右方向直線の他端同士を結ぶ斜辺に沿う流れとすることができるので、球の転動経路を短縮することができる(直角三角形において、斜辺の長さが、他の2辺の長さの合計よりも短いことに相当)。
更に、開閉板65bの左右位置に亘って球が後方に流れ易い場合に比較して、本実施形態のように、一対の切替位置EP1の間の範囲では球が前方に流れ易いよう構成することで、受入部材163に多数の球が同時に入球した場合でも、球の流れが停滞する事態を回避し易くすることができる。
図75に示すように、受入部材163は、一対の切替位置EP1の左右外側の範囲には形成されておらず(図16参照)、一対の切替位置EP1の左右中央側の範囲において前側に空間を空けるよう上昇傾斜する板状に形成される上面部163fを備えている。
上面部163fは、下面部163aの位置が高くなることで一対の切替位置EP1の間の範囲において球が詰まる可能性を低くするための工夫であり、上面部163fにより、球を配置する空間の上下幅を確保することができる。
これにより、一対の切替位置EP1の間の範囲における球詰まりを防いだり、球が乗った状態で開閉板65bが閉鎖変位する場合に開閉板65bと受入部材163との間で球が噛み込むことを回避したりすることができる。
対称突設部161fは、左右に延びる方向が、第2流路構成部335の傾斜角度に沿う方向(水平を基準として5度傾斜する方向)とされ、第2流路構成部335を転動する球の全長における中心高さ位置で球と当接する位置(第2流路構成部335の床底から5.5mm高い位置)に配設される。
これにより、分岐箇所BP1の視認性を確保する目的から対称突設部161fの形成厚みを最小限とする場合において、球の中心高さから外れた位置で球が対称突設部161fに当接することで、球を持ち上げる方向の負荷や球を床に押し付ける方向の負荷が対称突設部161fから球に生じる場合に比較して、球の転動をスムーズにすることができる。
なお、分岐箇所BP1の視認性が低下することを許容するのであれば、対称突設部161fの厚みを球の全長程度の厚みで形成することで、球の中心高さから外れた位置で対称突設部161fが球に当接する事態を回避することができる。
次いで、スライド変位部材370及びその周辺構造について、改めて詳述する。図78は、中部材330、状態切替装置360、スライド変位部材370及び下部材380の上面図である。図78では、理解を容易とするために、中部材330が想像線で透明視され、中部材330の下側に配設されるスライド変位部材370が透けて見えている。
スライド変位部材370は、分岐箇所BP1において前後方向にスライド変位する部材であるが、その前端部は、前側位置(図78参照)においても対向配置される排出孔337の側面と当接せず、隙間が維持される。隙間は、球が確変検出センサSE11に入球することを阻害するのに十分に短い寸法の隙間として形成される。
これにより、球の確変検出センサSE11への入球を防止する目的を達成しながら、スライド変位部材370の前端部が排出孔337の側面との当接により削れたり、変形したりする事態を回避することができる。
また、スライド変位部材370の前端部、即ち、薄板部371の前端部は、左右外側へ向かう程に配置が後方にずれる態様で傾斜形成される。これにより、薄板部371の前端部と排出孔337の側面との間に球が挟まれて滞留することを回避し易くすることができる。
即ち、薄板部371の前端部と排出孔337の側面との間に球が挟まれた場合であっても、薄板部371の前端部が傾斜面として形成されていることから、球に対して生じる負荷は左右外側へ向けた方向成分を有するので、球を左右外側に押し出すことができる。これにより、球詰まりを抑制することができる。
次いで、図79を参照して、スライド変位部材370の変位の案内についての工夫を説明する。スライド変位部材370の配置によって遊技者の利益が変わり得るので、スライド変位部材370の変位には、再現性(安定性)と、スムーズさと、が要求される。
図79(a)は、図78のLXXIXa−LXXIXa線における中部材330、スライド変位部材370及び下部材380の断面図であり、図79(b)は、図78のLXXIXb−LXXIXb線における中部材330、スライド変位部材370及び下部材380の断面図であり、図79(c)は、図78のLXXIXc−LXXIXc線における中部材330、スライド変位部材370及び下部材380の断面図である。なお、図79の説明においては、図13及び図14を適宜参照する。
図79(a)に示すように、上突設部376の正面側における薄板部371の上側面は左右外側ほど下側に位置する傾斜面として形成されており、この傾斜に沿って球が流れ得る。本実施形態では、この傾斜面を転動する球の流れを安定させるために、傾斜面の傾斜が変化するようなスライド変位部材370の姿勢変化を抑制するよう構成されている。
即ち、図79(a)に示すように、スライド変位部材370の薄板部371は、左右両端部だけでなく、下突条部373が下部材380の板状部382に当接支持される。これにより、凹設部372で左右に分けられる一対の球案内部371bのそれぞれを左右両側で下支えする(両持ちで支持する)ことができるので、スライド変位部材370の姿勢変化を抑制することができる。
換言すれば、左右一対の球案内部371bに球から与えられる負荷が異なる場合であっても(球がバランス悪い個数で乗ったとしても)、各球案内部371bについて左右両端部で下支えされていることから、球案内部371b及びスライド変位部材370の左右への傾き(前後方向に延びる軸を中心とした回動方向の変位)を抑制することができる。
また、凹設部372の縁部は、上側に仕切り板部338が配設されていることにより、上方への変位が規制される。即ち、スライド変位部材370の浮き上がり動作や、後傾方向の傾斜変位を抑制することができる。
これにより、スライド変位部材370の姿勢を適正な状態に維持し易くなり、前後方向変位の変位抵抗を抑制することができ、スライド変位部材370の動作不良を防止することができる。
球案内部371bは、上突設部376の突設基端側において前側に張り出し形成される板状部であって、球が転動可能とされる上側面が左右外側へ向かう程に下がる傾斜面として形成される。
球案内部371bと突条部383との接触は、点接触となるように構成されている。即ち、本実施形態では、凹設部372から突条部383側へ一対の半球状突設部372aが突設されており、間隔が埋まる際には、半球状突設部372aと突条部383とが点接触するよう構成される。
ここで、上述したように、球案内部371bは球が転動し得る上側面が左右方向に傾斜する傾斜面として形成されているので、球の自重により球案内部371bにかけられる負荷は、上下方向成分と左右方向成分とに分解されることになり、左右方向成分によりスライド変位部材370は左右方向(スライド変位部材370の変位方向である前後方向と交差する方向)に変位し得る。
この時、スライド変位部材370の凹設部372と突条部383との左右方向隙間を小さくした方が球案内部371bの左右位置が安定し易く好ましい一方で、接触摩擦が生じ易くなることから、機能上の問題が生じる可能性がある。
例えば、球が球案内部371bに乗った状態でスライド変位部材370を前後方向変位させる場合に、接触摩擦が過度に大きくなると前後方向変位が不良となる(例えば、変位が生じない)事態が発生する可能性がある。
これに対し、本実施形態では、半球状突設部372aと突条部383との接触が点接触となるように構成されているので、摩擦力が生じる面積を低減することができ、接触摩擦を小さく抑えることができる。これにより、球が球案内部371bに乗った状態であっても、スライド変位部材370の前後方向変位を良好に実行することができる。
特に、球案内部371bに球が乗っている状態でのスライド変位部材370の前後方向変位は、確変検出センサSE11に球が入球し得ない状態から、確変検出センサSE11に球が入球可能な状態へ状態を切り替える変位動作であるので、この変位動作を良好に実行することで、遊技者が不利益を被ることを回避することができる。
尚且つ、この変位動作の変位速度を高速とすることで、スライド変位部材370の前後方向変位の時に球案内部371bに乗っている球の回転を変化させる作用を生じさせることができる。
図80(a)及び図80(b)は、スライド変位部材370と球案内部371bの上側面に乗る球との側面図である。図80(a)では、前側位置のスライド変位部材370に球が乗っている状態が図示され、図80(b)では、スライド変位部材370が後側位置に変位した状態が図示される。図80(a)及び図80(b)では、球の回転方向の例が矢印で図示される。
図80(a)に示すように、後方へ向けて転動しスライド変位部材370に到達した球の回転方向は前転方向である。その球がスライド変位部材370に乗っている状態でスライド変位部材370が後側位置へ前後変位するよう電磁ソレノイド361(図13参照)が駆動されると、スライド変位部材370から球に与えられる負荷は、球の回転方向(案内方向)を逆方向(後転方向)とするように作用する。
これにより、球の回転を抑制することができるので、重力の作用を球が受けやすい状態とすることができ、球を真下に落下させ易くなる。従って、スライド変位部材370に球が乗っている状態でスライド変位部材370が駆動された場合に、球が確変検出センサSE11に流下し易い構成とすることができる。
前後長突設部317は、分岐箇所BP1へ到達した球をスライド変位部材370側へ案内する機能を有する。換言すれば、前後長突設部317は、確変検出センサSE11へ球を案内する機能に留まるものではなく、確変検出センサSE11の上流側に配置されるスライド変位部材370の配置によらず球を適切に案内可能な形状部として構成される。
スライド変位部材370が後側位置に配置されている場合には、経路構成上、前後長突設部317に当接した球は確変検出センサSE11を通過する。このとき、前後長突設部317の端部の曲線が、上下方向幅に比較して前後方向幅が長い略円弧形状とされるので(図18参照)、当接した球に対して、前方向成分よりも下方向成分の方が大となる負荷を与えることになる。これにより、前後長突設部317に当接した球が前後方向に跳ね返り、第3流路構成部336を逆流する事態が生じることを回避することができる。
一方、スライド変位部材370が前側位置に配置されている場合には、球の流下方向はスライド変位部材370の形状に委ねられる。本実施形態では、スライド変位部材370の上突設部376の前側面376aが左右外側へ向かって湾曲する湾曲面を形成しているので、球はこの湾曲に沿って左右外側へ案内される。
ここで、スライド変位部材370が前側位置に配置されている状態において、前後方向に流れる球が勢いのままにスライド変位部材370に衝突すると、その衝突時の負荷によりスライド変位部材370が後方に押しのけられ、確変検出センサSE11への球の通過が可能な状態に切り替わる可能性が考えられる。
これに対し、本実施形態では、球がスライド変位部材370の上突設部376に衝突する前に前後長突設部317に当接することで、球の速度方向が下方寄りに修正される。そのため、球からの負荷によるスライド変位部材370の変位方向は主に下方向となるので、スライド変位部材370が後方に押しのけられる事態の発生を回避し易くすることができる。
また、球から与えられる、スライド変位部材370を後方に変位させる方向の負荷が小さくなることから、スライド変位部材370を前側位置に維持するための付勢力(電磁ソレノイド361(図13参照)が有する戻りバネの付勢力)を小さくできると共に、その付勢力に抗してプランジャーを駆動する電磁力を小さくすることができるので、結果として、電磁ソレノイド361の設計自由度を向上することができる。
分岐箇所BP1に球が配置されている状態でスライド変位部材370が後側位置から前側位置に変位した場合にも、球の逆流が生じることを回避し易くすることができる。
左右内突設部318は上突設部376の前側変位終端位置よりも前側において球と当接し、球の勢いが左右外側下方向へ向けられる。尚且つ、前後長突設部317により球の勢いが下方向へ向けられる。これにより、球の前後方向の速度が収まるので、自重による慣性で配置が安定し、スライド変位部材370から与えられる負荷程度では球の逆流が生じ難い状態とすることができる。
更に、球と上突設部376との当接は前後長突設部317と当接する高さ位置よりも球が下がった状態で生じるが、球が上突設部376と当接可能な程度に下がった状態では(図80(a)参照)、球と当接する箇所は球案内部371bであり、第3流路構成部336の下底面336aのよりも低い位置に配置される。これにより、上突設部376から前後方向の負荷を受けて球が手前側に変位したとしても、球案内部371bの上側面から下底面336aに乗り上がるために相当のエネルギーを必要とするので、球の逆流の程度を低くすることができる。
また、上突設部376は仕切り板部338側の前側端部が鋭角形状に形成されており、平面が球と前後方向で正面衝突する衝突態様ではない(図78参照)。即ち、上突設部376から球に対して与えられる負荷は、左右方向の負荷が大きく、前後方向の負荷は小さい。
これにより、上突設部376に当接した球を左右外側方向にスムーズに流すことができるので、分岐箇所BP1に球が配置された状態でスライド変位部材370が後側位置から前側位置に変位する制御態様とした場合に、上突設部376と排出孔337の前側面との間に球が噛み込んでしまい動作不良を生じる事態を回避し易くすることができる。
図78、図79(b)及び図79(c)に戻って説明する。スライド変位部材370を分岐箇所BP1側(前側)に張り出すよう構成している関係上、球案内部371bに乗った球の自重によりスライド変位部材370が前倒れ方向に変位する可能性がある。
これに対し、本実施形態では、上突設部376よりも後側に形成される部分、即ち、上下突条部374が左右両側において前後に亘って形成される部分の、前後幅長さを十分に確保し、その前後幅に亘って後側枠状部332の下底部と当接可能に構成されている。これにより、スライド変位部材370の前傾方向に傾倒変位を防止することができる。
加えて、上下突条部374が前後に長く形成されていることから、スライド変位部材370を前傾方向に傾倒変位させる負荷がかけられた場合に後側枠状部332に与えられる負荷が一点に集中することを避けることができる。これにより、スライド変位部材370の変形を抑制(剛性を高める)することができる。
また、球案内部371bに球が乗り得る前側位置にスライド変位部材370が配置された状態では、凹設部378が形成される突設部(以下、突設部378aとも称する)の前側面が仕切り板部338の後側面と当接する。
換言すれば、スライド変位部材370は、突設部378aの前側面が仕切り板部338の後側面に当接する位置として前側位置が設定されている。この目的から、仕切り板部338の後側面には光拡散加工面が形成されず、突設部378aと前後で対向配置され互いに当接可能とされる面が平坦面で形成される。これにより、前側位置におけるスライド変位部材370の配置を安定させることができる。
回動部363の下円柱部363cは凹設部378の内側に配置されているので、下円柱部363cを介して伝達される電磁ソレノイド361の駆動力は、突設部378aの前側肉部を介して仕切り板部338の後側面にかけられる。
このように、駆動力が伝達される位置がスライド変位部材370の左右中央部であることから、スライド変位部材370にバランスよく駆動力を伝達することができる。即ち、前後方向変位時に、スライド変位部材370に上下方向軸を中心とする回転方向の姿勢ずれが生じることを回避し易くすることができる。
更に、突設部378aの前側面が仕切り板部338の後側面に面で押し付けられることにより、スライド変位部材370の姿勢を、上下方向軸を中心とする回転方向で修正し易くすることができる。
ここで、スライド変位部材370の姿勢維持や姿勢復帰を仕切り板部338と半球状突設部372aとの当接により実行する場合、仕切り板部338と半球状突設部372aとの当接面積が小さいことから、負荷が局所的にかかってしまい、半球状突設部372aの耐久性が劣化する可能性がある。
これに対し、本実施形態では、突設部378aの前側面が仕切り板部338の後側面に面で押し付けられる前段階において、スライド変位部材370に上下方向軸を中心とする回転方向の姿勢ずれが生じていたとしても、駆動力の伝達により、突設部378aの前側面が仕切り板部338の後側面に面接触する過程でスライド変位部材370の姿勢ずれを解消することができ、適正な姿勢に修正することができる。
突設部378aに対する仕切り板部338は、前後方向変位時に当接することでスライド変位部材370の位置合わせをする目的の他、スライド変位部材370に与えられる前傾方向の負荷を受ける部分としての機能を有する。
即ち、スライド変位部材370が前側位置に配置される状態において、球案内部371bに乗った球の自重により、スライド変位部材370を前傾方向に姿勢変化させる方向の負荷が生じた場合において、スライド変位部材370に許容される隙間内で突設部378aが変位(前傾方向に変位)しかけると、突設部378aは仕切り板部338の後側面に押し付けられる。
この場合、仕切り板部338の後側面から突設部378aに対して反対方向の抵抗がかけられることで、突設部378aの変位が抑制されることから、スライド変位部材370の姿勢変化を抑制することができる。
次いで、各動作ユニット600,700,800の詳細について説明が不足していた部分について、改めて説明する。まず、第1動作ユニット600の詳細の説明として、回動部材620について説明する。
図81(a)は、回動部材620の正面図であり、図81(b)は、回動部材620の背面図であり、図81(c)は、図81(a)の矢印LXXXIc方向視における回動部材620の側面図である。
また、図82は、第1動作ユニット600の正面図であり、図83は、第1動作ユニット600の背面図である。図82及び図83では、案内長孔616に沿って変位する皿状蓋部C2が変位範囲の右端に配置された状態が図示される。
図81(a)から図81(c)に示すように、動作の実行の際に回動部材620に与えられる負荷との関係から、回動部材620は非対称形状で設計されている。以下、回動部材620の詳細と、回動部材620への作用とについて説明する。
回動部材620の本体部621は、停止時に負荷を受ける平らな側面として、第1側面621aと、第2側面621bと、第3側面621cと、を備える。筒状部622から近い順に、第1側面621a、第2側面621b、第3側面621cが形成されている。
第1側面621aは、回動部材620の傾倒変位側に形成される側面であって、前蓋部材612から正面側に断面コ字状で突設される基端側突設部617aに面で当接可能となる形状で形成される(基端側突設部617aとの関係で形状が設計される)。第1側面621aが基端側突設部617aに変位を規制されることにより、回動部材620の変位可能範囲が規定される(変位可能範囲の終端位置における回動部材620について、図45参照)。
第2側面621bは、回動部材620の起き上がり変位側に形成される側面であって、前蓋部材612から正面側に断面コ字状で突設される先端側突設部617bに面で当接可能となる形状で形成される(先端側突設部617bとの関係で形状が設計される)。第2側面621bが先端側突設部617bに変位を規制されることにより、回動部材620の変位可能範囲が規定される(変位可能範囲の終端位置における回動部材620について、図40参照)。
第3側面621cは、回動部材620の起き上がり変位側に形成される側面であって、前蓋部材612の正面側に外形略矩形の箱状に形成される矩形状箱部618に面で当接可能となる形状で形成される(矩形状箱部618との関係で形状が設計される)。第3側面621cが矩形状箱部618に変位を規制されることにより、回動部材620の変位可能範囲が規定される(変位可能範囲の終端位置における回動部材620について、図40参照)。
このように、回動部材620の変位終端では、回動部材620の各側面621a〜621cが、対応した前蓋部材612の部分に当接し、変位を規制される。特に、回動部材620の起き上がり側の変位終端において当接箇所が複数形成されている。
このように当接箇所を複数形成させることの目的として、当接時に受ける回動方向の負荷を複数箇所で分散させる目的と、回動部材620に生じ得る前後方向の負荷を複数箇所で分散させることで回動部材620の前後方向の変形を抑える目的と、がある。
回動部材620に生じ得る前後方向の負荷としては、例えば、第2装飾回転部材660の重みを受けることによる前倒れ方向の負荷や、第2装飾回転部材660の回転停止時の慣性による捻じれ方向の負荷(回動部材620の長手方向を軸とする回転方向の負荷)等が例示される。
特に、前倒れ方向の負荷は、筒状部622を支点とする前傾方向の負荷であるので、力のモーメントを考慮することにより、負荷を受ける当接位置が筒状部622から離れるほど、当接位置に生じる負荷は小さくなる。当接位置に生じる負荷を小さくすることを一つの目的として、第2側面621b及び第3側面621cが筒状部622から離れた位置に形成されている。
回動部材620の本体部621は、駆動モータ631との干渉を避けるために駆動モータ631から退避する方向に凹設形成される凹設部621dと、その凹設部621dを含む範囲であって、筒状部622を中心とする回動部分として基端側突設部617aと当接する範囲を含んで増厚形成される増厚部621eと、を備える。
回動部材620の回動基端側は、凹設部621dが形成されることで細幅となっているので、対策なしでは衝撃負荷による折損が生じる可能性が考えられるが、増厚部621eが形成されていることで、強度面での凹設部621dの影響を相殺することができる。これにより、回動部材620の折損を回避し易くすることができる。
更に、増厚部621eが基端側突設部617aと当接し得る箇所を含む範囲に形成されていることで、回動部材620と基端側突設部617aとの間で生じ得る衝撃負荷に対する回動部材620の耐久性を向上することができる。
図84は、第1動作ユニット600の正面図であり、図85は、第1動作ユニット600の背面図である。図84及び図85では、伝達ギアカム634の延設部634bの幅方向端部が検出センサKS1の検出溝に配置された状態が図示される。
延設部634bは、検出センサKS1の背面視での幅長さに比較して、3倍以上に長い幅長さ(周方向長さ)で形成される。ここで、延設部634bの幅長さを十分長く形成することは、検出に利用する目的の他に、構造的な目的がある。
即ち、本実施形態では、回動部材620の回動先端部の前側に被支持部材640が連結されており、その被支持部材640の前側に第2装飾回転部材660が配設されているので、回動部材620に前倒れ方向の負荷が与えられ得るところ、対策なしでは、回動部材620が前後方向に撓み変形し、動作不良を生じる可能性がある。
これに対し、本実施形態のように、回動部材620に連結される円筒部634aの背後において、被固定手段610の背面と対向配置する延設部634bを幅広形状で形成することで、円筒部634aを介して延設部634bから被固定手段610に、回動部材620の前倒れ方向で与えられる負荷を、円弧状孔613dの広い角度範囲で受けることができる(負荷が生じる面積を大きく確保することができる)。これにより、単位面積当たりで受ける負荷を低減することができるので、延設部634bが破損することを回避しつつ、回動部材620の前傾変位を抑制することができる。
本実施形態では、延設部634bの幅長さを長く確保することで構造的に有利な効果を奏することができる一方で、延設部634bの端部が検出センサKS1の検出溝に配置された状態(図84参照)で回動部材620の起き上がり方向の駆動を停止させる制御態様であっても、慣性等の負荷により、回動部材620が初期位置側の終端位置(図40参照)まで到達するように構造が工夫されている。
例えば、第1に、各部材の慣性力が、回動部材620を初期位置側の終端位置へ変位させる方向で生じる。回動部材620自体の回動変位に伴う慣性力だけでなく、被支持部材640及び第2装飾回転部材660が軸線O1を中心として背面視時計回りに回動される回動変位に伴う慣性力も、回動部材620を初期位置側の終端位置へ変位させる方向(回動部材620を背面視反時計回りに回動させる方向)で生じる。
例えば、第2に、中間ギア644を介して回動部材620のギア歯部625と歯車機構を構成するギア歯654aと一体動作するように配設される前側回転部材652の重心(本実施形態では、張出装飾部652bの中心と同じ)は、ギア歯654aの回転軸としての軸線O1の上下位置から左右に離れた位置に配置される。
そのため、前側回転部材652に生じる自重は、ギア歯654aを回転させる方向で生じる。本実施形態では、ギア歯654aが、前側回転部材652の自重により、背面視反時計回りに回転する方向に負荷を受ける。
この負荷が中間ギア644、ギア歯部625と順に伝達されることにより、ギア歯部625を介して、回動部材620に背面視反時計回りに回転する方向の負荷が与えられる。即ち、回動部材620の回動変位の慣性とは異なる負荷として、前側回転部材652の自重による回転方向の負荷が、回動部材620を初期位置側の終端位置へ変位させる方向で生じる。
このように、回動部材620に対して生じる慣性負荷や、前側回転部材652の自重による回転方向の負荷により、駆動モータ631の通電を切断した後においても回動部材620を回動させる負荷が生じるよう構成される。
そのため、図85に示すような、延設部634bが検出センサKS1の検出溝に配置されており、且つ、回動部材620が変位終端位置に到達していない状態で、駆動モータ631の通電を切断するように制御したとしても、上述の負荷により回動部材620の回動変位が継続され、回動部材620を初期位置側の変位終端位置(図40参照)に到達させることができる。
図86(a)、図86(b)、図87(a)、図87(b)及び図88は、案内長孔616、皿状蓋部C2、検出センサKS1及び伝達ギアカム634の延設部634bの背面図である。
図86(a)、図86(b)、図87(a)、図87(b)及び図88では、第1動作ユニット600の演出待機状態から開始される伝達ギアカム634の回転動作が時系列で図示される。
なお、図86(a)は、第1動作ユニット600の演出待機状態に対応し、図86(b)は、図85に図示される状態に対応し、図87(a)は、第1動作ユニット600の中間演出状態に対応し、図87(b)は、図83に図示される状態に対応し、図88は、第1動作ユニット600の張出状態に対応する。
皿状蓋部C2の開口C2aを通る電気配線の配置について説明する。矩形状箱部618に収容される基板に配設されているコネクタ618cに端部が固定される電気配線618dが開口C2aを通り第2装飾回転部材660に進入するように配設される。
電気配線618dは、ベース部材611(図39参照)へ向けて前蓋部材612から突設形成される仕切り部619の下側を迂回し、開口C2aに進入するように配設される。電気配線618bは、開口C2aを備える皿状蓋部C2の移動軌跡を考慮した長さで構成され、コネクタ618cと開口C2aとの間で、自重で撓むようにして配置される。
仕切り部619は、上下両端部に形成される柱状部619aと、その柱状部619aの間を連結するように長尺板状に突設される板状部619bと、を備える。柱状部619a及び板上部619bは、ベース部材611の前側面に当接する。
柱状部619aの内側には雌ネジが形成されており、柱状部619aと対応する配置でベース部材611に穿設される開口を通る締結ネジが螺入されることで、ベース部材611及び前蓋部材612が締結固定される。即ち、仕切り部619により、電気配線618dの配設位置を制限する作用だけでなく、ベース部材611及び前蓋部材612の剛性を確保する作用も生じさせることができる。
次いで、特に開口C2aの動きに注目して、電気配線618dの配置に対する工夫について説明する。まず、図86(a)から開始される皿状蓋部C2の下降変位に着目して説明する。皿状蓋部C2は、図86(a)、図86(b)、図87(a)、図87(b)、図88の時系列で下降変位する。
演出待機状態(図86(a)参照)から、延設部634bの幅方向端部が検出センサKS1の検出溝に配置された状態(図86(b)参照)までの動作では、皿状蓋部C2の上下配置は大きくは変わらない一方で、開口C2aの配置が背面視反時計回りに回転変位する。
これにより、皿状蓋部C2が本格的な下降変位を開始する前に、開口C2a付近の電気配線618dの配置を仕切り部619から離れる方向に寄せることができ、皿状蓋部C2が下降変位する過程で電気配線618dが皿状蓋部C2と仕切り部619との間に挟まることを防止することができる。
特に、皿状蓋部C2と仕切り部619とが最接近するタイミング(図87(b)参照)では、開口C2aは仕切り部619から電気配線618dを退避させる側(下側)を向く姿勢となっている。
これにより、電気配線618dを仕切り部619との間で挟む事態を回避することができるので、皿状蓋部C2を、仕切り部619に近接配置させるよう設計しても、電気配線618dが断線する等の不具合が生じることを回避することができる。
図86(a)から図88に示すように、皿状蓋部C2の下降変位中に、開口C2aの姿勢は、背面視反時計回りに継続的に回転変位している。皿状蓋部C2の下側変位終端では、開口C2aがコネクタ618cの反対側(下側)を向いており、敢えて電気配線618dに下向きの弛みが生じるように構成している。これにより、電気配線618d自体の長さを確保しながら、変位終端位置における電気配線の不要な弛み(例えば、前後方向へ弛むことによるばたつき)を回避することができる。
更に、電気配線618dの長さは、第1動作ユニット600の動作中において延設部634bと当接しない程度の長さで設計される。これにより、延設部634bと電気配線618dとの間に仕切りを設けなくとも、電気配線618dが延設部634bに接触し負荷を受ける事態の発生を回避することができる。
本実施形態では、皿状蓋部C2が伝達ギアカム634に最接近する状態(図88参照)において、延設部634bは、コネクタ618cから離れて配置(伝達ギアカム634の回転軸を基準としてコネクタ618cの反対側に配置)されることから、延設部634bとの接触を避けながら電気配線618dを配置する範囲を大きく確保することができるので、電気配線618dの長さの設計自由度を向上することができる。
次いで、図88から開始される皿状蓋部C2の上昇変位に着目して説明する。皿状蓋部C2は、図88、図87(b)、図87(a)、図86(b)、図86(a)の時系列で上昇変位する。
皿状蓋部C2の上昇変位では、変位下端位置(図88参照)から、皿状蓋部C2が仕切り部619に最接近するまで、開口C2aは仕切り部619側を向くことは無く、下側を向いている。これにより、電気配線618dの下方への弛みを確保しつつ皿状蓋部C2を上昇変位させることができる。
開口C2aの向きは、皿状蓋部C2が仕切り部619の下端を通過した後においても、徐々に回転しながらも、下側を向いた状態(開口C2a付近の電気配線618dを仕切り部619の長手方向に沿って配置させる状態)が維持される(図87(a)参照)。
そして、皿状蓋部C2が仕切り部619から十分離れた状態において、開口C2aが仕切り部619側を向く姿勢まで回転され(図86(a)及び図86(b)参照)、電気配線618dが仕切り部619と皿状蓋部C2との間に進入する(収容される)ように配置される。
これにより、電気配線618dを皿状蓋部C2と仕切り部619との間に挟むことにより断線を生じさせる事態の発生を回避することができ、皿状蓋部C2の上下変位に伴い電気配線618dに与えられる負荷の抑制を図ることができる。
換言すれば、仕切り部619と皿状蓋部C2との配置関係に対応して、開口C2aの配置を変化させることで電気配線618dの配置を制限し、皿状蓋部C2と仕切り部619との間隔が狭くなる時に電気配線618dが皿状蓋部C2と仕切り部619との間に配置されることを回避していることから、電気配線618dに与えられる負荷の抑制を図ることができる。
従って、電気配線618dが任意位置で配置される場合に比較して、電気配線618d及び皿状蓋部C2を近接配置するよう設計することができるので、電気配線618d及び皿状蓋部C2の配置の自由度を向上することができる。
また、電気配線618dの配置の制限を結束バンド等の別部材を利用してではなく、皿状蓋部C2の開口C2aにより実現している。皿状蓋部C2は、上述したように、第1装飾回転部材650の本体部材651との締結固定に利用される部材であるが、これを電気配線618dの配置制限に兼用している。
これにより、結束バンド等の電気配線618dを束ねるのに専用の部材を不要とすることができる。更に、結束バンドと異なり、皿状蓋部C2の配置に対応した適切な側に電気配線618dを配置できるように開口C2aの向きを変えることができるので、電気配線618dが突っ張ったり、屈曲したりする事態を回避し易くすることができる。
本実施形態では、開口C2aは、中心角度が約110の扇形状の開口として形成される。開口C2aが幅広の開口として形成されているので、開口C2aを通過させる電気配線618dの部分(接続端子等)として採用される形状の自由度を向上することができる。
次いで、開口C2aよりも正面側に配置される電気配線618dの配設構造について説明する。図89は、第1装飾回転部材650及び第2装飾回転部材660の正面斜視図である。
図89では、説明に必要な部分のみが図示され、その他の部分の図示が省略されている。即ち、第1装飾回転部材650の本体部材651及び配線受部材655、第2装飾回転部材660の電飾基板662及び配線留め板663が実線で図示されており、理解を容易とするために箱状部材661を想像線で図示し内部を視認可能としている。
また、図89では、電気配線618dの配設例が図示され、その電気配線618dが挿通される開口C2aを備える皿状蓋部C2が図示される。電気配線618dは、電飾基板653(図41参照)の端子に接続される配線と、電飾基板662の端子に接続される配線と、が本体部材651と配線受部材655との間で分岐する様子が図示される。
図89に示すように、配線留め板663は、半筒形状部651d,655aの外径よりも大きな直径の円板状部材であって、電気配線618dを挿通可能な長孔形状で穿設される配線挿通長孔663aと、その挿通長孔663aの両側に締結ネジを挿通可能な貫通孔として穿設される一対の挿通孔663bと、を備える。
配線留め板663の直径が半筒形状部651d,655aの外径よりも大きく形成されていることから、軸直角回転部材657(図39参照)が半筒形状部651d,655aから脱落することを配線留め板663により防止することができる。
配線留め板663の挿通孔663bを通る締結ネジは、半筒形状部651d,655aにそれぞれ形成される雌ネジに螺入される。これにより、配線留め板663及び半筒形状部651d,655aが一体的に固定される。
このように、配線留め板663は、軸直角回転部材657の脱落を防止する機能と、半筒形状部651d,655aを一体的に固定する機能と、を兼ね備えている。これに加えて、配線留め板663は、電気配線618dを仮留めする機能を備えている。
図89に示すように、電気配線618dは、配線留め板663の配線挿通長孔663aの内側を通り、挟まれることで変位が抑制される態様で仮保持されている。本実施形態では、第2装飾回転部材660の回転動作が、1回転以上の動作では無く、半回転未満の回転動作(約135度の回転動作)が往復方向に実行される回転動作とされるので、第2装飾回転部材660が複数回回転して電気配線618dが捻じ切られるという事態が生じることは無いように構成される。
第2装飾回転部材660が回転動作する際に電気配線618dに与えられる負荷(捻じれ方向の負荷)は、捻じれが生じ易い配線挿通長孔663a付近において大きくなると考えられるが、本実施形態では、配線挿通長孔663aが長孔状に形成され、電気配線618dは配線挿通長孔663aに挟まれて仮保持される態様とされるので、長孔形状内における電気配線618dの変位は許容されている。
そのため、電気配線618dに捻じれ方向の過負荷が生じたとしても、電気配線618dを配線挿通長孔663a内で変位させることで、負荷を逃がすことができる。これにより、電気配線618dの耐久性を向上することができる。
本体部材651の内部に配置される電気配線618dの捻じれ方向と、皿状蓋部C2の開口C2aの方向との関係について説明する。図86(a)から図88に示す皿状蓋部C2の回転動作と一体的に本体部材651は回転動作するので、本体部材651の内部に配置される電気配線618dには、本体部材651の回転方向の捻じれが生じる。即ち、回動部材620の傾倒方向の回動変位に伴って、背面視反時計回り方向の捻じれが生じる。
回動部材620の傾倒方向の回動変位に伴い、皿状蓋部C2の開口C2aも背面視反時計回りに変位するので、捻じれによって電気配線618dに与えられる負荷を低減することができる(電気配線618dの耐久性を向上させることができる)。
皿状蓋部C2は、案内長孔616に沿って上下方向に変位しながら回転動作している。ここで、図86(a)から図88までの時系列で、電気配線618dは、コネクタ618cと皿状蓋部C2との間における弛みが大きな状態から弛みが小さな状態へ変化する。
これに対応して、電飾基板662の回転動作は、電気配線618dの電飾基板662側の端子が背面側(本体部材651側)に配置される状態(図89参照)から、同端子が正面側(配線受部材655側)に配置される状態へ状態変化する動作として構成される。従って、電気配線618dを正面側に引っ張る態様の状態変化とすることができる。
即ち、図86(a)から図88までの時系列で、電気配線618dは、本体部材651内部における電気配線618dの弛みが大きな状態(電飾基板662側の端子が背面側に配置される状態)から弛みが小さな状態(電飾基板662側の端子が正面側に配置される状態)に状態が変化する。
従って、本実施形態では、弛みの大小関係が、コネクタ618cと皿状蓋部C2との間における関係と、本体部材651内部における関係とで、反転している(バランスしている)。これにより、第1動作ユニット600の動作に伴って電気配線618dに加えられる負荷を低減することができる。
本体部材651の内部に配置される部分の電気配線618dの捻じれ方向と、本体部材651と配線受部材655との間に配置される部分の電気配線618dの捻じれ方向と、の関係について説明する。
図86(a)から図88に示す時系列の動作において、本体部材651の内部に配置される電気配線618dは背面視反時計回りに捻じれる一方で、本体部材651と配線受部材655との間に配置される部分の電気配線618dは電飾基板662の回転方向(図89における下面視(電飾基板662側から挿通孔663bを見る方向視)で反時計回り)で捻じれる。即ち、互いに反対方向に捻じれる。
本実施形態では、第1動作ユニット600の演出待機状態における電気配線618dの捻じれを最小化するように設計しており、張出状態において、電気配線618dの捻じれが最大となるようにしている。
これにより、コネクタ618cと開口C2aとの間における電気配線618dの弛みが大きくても問題が生じ難い状態(演出待機状態、図86(a)を参照)においては敢えて弛ませて、電気配線618dに生じる負荷を低減する一方、コネクタ618cと開口C2aとの間における電気配線618dの弛みを小さくすることが好ましい状態(張出状態、図88参照)においては、本体部材651、配線受部材655及び電飾基板662の回転動作による捻じれを最大に生じさせ電気配線618dの弛みを抑制する(電気配線618dの変位を抑制する)ことができる。
このように、電気配線618dの耐久性向上の手段として、捻じれを最小とし、十分な弛みを生じさせる状態と、捻じれにより弛みを低減して周囲部材(例えば、延設部634b)と電気配線618dとの接触を回避する状態と、を切り替えるように構成される。
なお、別の実施形態として、図86(a)から図88に示す時系列の動作において、電飾基板662の回転方向を逆方向(図89における下面視(電飾基板662側から挿通孔663bを見る方向視)で時計回り)で構成しても良い。この場合、本体部材651の内部に配置される電気配線618dの捻じれ方向と、電飾基板662の回転動作による電気配線618dの捻じれ方向とが、同方向になるので、電気配線618dの捻じれ変形を相殺することができる。
次いで、第1動作ユニット600の動作における、張出装飾部652bの特徴について説明する。図90(a)、図90(b)、図91(a)、図91(b)及び図92は、案内長孔616、矩形状箱部618及び張出装飾部652bを模式的に示す正面模式図である。
図90(a)、図90(b)、図91(a)、図91(b)及び図92では、案内長孔616及び矩形状箱部618の外形が模式的に図示され、理解を容易とするために前側回転部材652のギア歯652aの図示が省略された状態で、第1動作ユニット600の演出待機状態からの張出装飾部652bの変位が時系列で図示される。
図90(a)では、第1動作ユニット600の演出待機状態(図40参照)に相当する配置が図示され、図90(b)では、伝達ギアカム634の延設部634bの幅方向端部が検出センサKS1の検出溝に配置された状態(図84参照)に相当する配置が図示され、図91(a)では、第1動作ユニット600の中間演出状態(図43参照)に相当する配置が図示され、図91(b)では、案内長孔616に沿って変位する皿状蓋部C2が変位範囲の右端に配置された状態(図82参照)に相当する配置が図示され、図92では、第1動作ユニット600の張出状態(図45参照)に相当する配置が図示される。
演出待機状態(図90(a)参照)では、張出装飾部652bが上面視で矩形状箱部618と重なる程度に右に寄せて配置されている。これにより、張出装飾部652bを遊技者の視界の外側に配置することができる(図28参照)。更に、本実施形態では、演出待機状態において張出装飾部652bは外縁部材73(図2参照)の後方に配置されることで、外縁部材73により視線が遮られ易いので、張出装飾部652bの視認性を下げることができる。
一方で、張出装飾部652bが上面視で矩形状箱部618と重なる程度に右に寄せて配置されている状態のまま張出装飾部652bが下降変位する場合、張出装飾部652bと矩形状箱部618とは衝突してしまい不具合を生じることになる。
これに対し、本実施形態では、張出装飾部652bの下降変位に先立ち、又は、張出装飾部652bの下降変位に伴って、張出装飾部652bの姿勢が変化するように構成される(図90(b)及び図91(a)参照)。この姿勢変化は、矩形状箱部618から退避する方向(正面視斜め左上方向、軸線O1を中心とした回転方向)への回転動作として生じるので、張出装飾部652bと矩形状箱部618との衝突を避け易くすることができる。
本実施形態では、この姿勢変化により、張出装飾部652bが矩形状箱部618の上方位置から退避した後で(図91(a)参照)、本格的な皿状蓋部C2及び張出装飾部652bの下降変位が開始される。
張出装飾部652bの下降変位は、軸線O1の下降変位に伴って生じるところ、下降変位においては、案内長孔616の形状に沿って軸線O1が矩形状箱部618に接近する方向(右方)に変位するため(図91(b)参照)、張出装飾部652bが矩形状箱部618に衝突する可能性がある。
これに対し、本実施形態では、矩形状箱部618が、左側面に、案内長孔616の形状に沿って凹設形成される凹設部618aを備えている。特に、凹設部618aは、案内長孔616と矩形状箱部618が最も接近する箇所、即ち、案内長孔616の右端部の右方位置に凹設形成されている。このように、矩形状箱部618の形状の設計は、前側回転部材652と矩形状箱部618との衝突を避けることを一つの目的として検討される。
更に、軸線O1の下降変位に伴って、張出装飾部652bの姿勢変化が継続されるので、張出装飾部652bを矩形状箱部618から退避する方向に変位させることができる。本実施形態では、図91(a)から図91(b)への変位において、張出装飾部652bの左方向への変位寸法XL1(退避距離)が、軸線O1の右方向への変位寸法XR1以上(同等または超過)となるように、設計されている。これにより、張出装飾部652bと矩形状箱部618との衝突を避けることができる。
図91(a)から図91(b)までに示す状態では、軸線O1の左右方向変位と、張出装飾部652bの姿勢変化に伴う左右方向変位とが左右反対方向とされ、相殺するので、張出装飾部652bの左右方向変位が小さく抑えられていた。
これに対し、図91(b)から図92までに示す状態では、軸線O1の左右方向変位と、張出装飾部652bの姿勢変化に伴う左右方向変位とが左右同方向とされるので、変位が重ね合わされることにより、張出装飾部652bの左右方向変位量が大きくなる。
これにより、張出装飾部652bの姿勢変化としては常に軸線O1を中心とする回転動作が行われているにも関わらず、遊技者には、張出装飾部652bが、図90(a)から図91(b)までは小さな左右方向変位(細幅の変位軌跡)で上下方向に変位し、図91(b)から図92までは、左右方向に大きく変位するように案内されているように見せることができる。
従って、張出装飾部652bの変位を案内する構造(部材形状)と、遊技者が見る張出装飾部652bの変位により想定される構造と、の間に差を設けることができる。これにより、意外性のある演出を実行することができる。
即ち、張出装飾部652bの変位は、あたかも張出装飾部652bが矩形状箱部618の右側から左方へ飛び出すような変位として、遊技者に見せることができる。そのため、センターフレーム86(図30参照)の左右という、幅が狭く左右方向の変位が十分に確保できないであろう範囲において、左右方向に飛び出すという意外性のある変位を遊技者に見せることができることから、張出装飾部652bへの注目力を向上させることができる。
なお、便宜上、軸線O1の左右変位と張出装飾部652bの左右変位とを比較したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、軸線O1は第1動作ユニット600の構成の一部の回転軸なので、この回転軸を中心として回転動作可能に構成される皿状蓋部C2の左右変位と、軸線O1の左右変位との意味は同じである。そのため、上述の説明を、皿状蓋部C2の左右変位と張出装飾部652bの左右変位との比較として理解しても良い。
図93は、図85のXCIII−XCIII線における第1動作ユニット600の断面図である。図93では、軸線O1と中間ギア644の回転軸とが通る平面における断面図が図示される。図93に示すように、後側回転部材654は有底筒状部645に正面側から配置される一方、中間ギア644は本体部641に背面側から配置され、開口645aが形成され連通される箇所でギア歯654aと中間ギア644とが歯合している。
図93に示すように、配線留め板663の直径が、半筒形状部651d,655aの外径よりも大きく形成されており、軸直角回転部材657の内径が配線留め板663の直径よりも小さくされていることから、配線留め板663により軸直角回転部材657の軸方向の変位を規制することができる。
本実施形態では、軸方向基端側(図93上側)において半筒形状部651d,655aに形成される段部と、配線留め板663と、の間に軸直角回転部材657が若干の隙間を空けて配置されている。これにより、軸直角回転部材657の脱落防止と、半筒形状部651d,655aにより形成される筒状部の中心軸方向における軸直角回転部材657の配置の安定化を図ることができる。
配線留め板663の挿通孔663bを通る締結ネジは、半筒形状部651d,655aにそれぞれ形成される雌ネジに螺入される。これにより、配線留め板663及び半筒形状部651d,655aが一体的に固定される。
図93に示すように、張出装飾部652bの配置は、第2装飾回転部材660に比較して後側とされることから、第2装飾回転部材660に比較して第3図柄表示装置81(図2参照)と前後方向で近接配置される。換言すれば、第3図柄表示装置81が配置される開口511a(図26参照)に前後方向で近接配置される。
これにより、第3図柄表示装置81と張出装飾部652bとが離れて配置される場合に比較して、第3図柄表示装置81の表示領域の領域右端RE1に重なるように張出装飾部652bが配置され(図29参照)、表示領域が右側に拡大されているように遊技者に見せる(錯覚させる)作用を生じさせ易くすることができる。
特に、張出装飾部652bと第2装飾回転部材660とを同時に視認する場合(例えば、図29参照)には、第2装飾回転部材660が第3図柄表示装置81から手前側に離れて配置され、第3図柄表示装置の表示とは独立して視認し易いことから、逆に、第3図柄表示装置81に正面側から近接配置される張出装飾部652bを表示の一部として遊技者に見せる(錯覚させる)作用を際立たせることができる。
換言すれば、特に目立つ対象(第2装飾回転部材660に相当)を一つ用意することによって、それ以外の構成(第3図柄表示装置81の表示や、張出装飾部652bに相当)の判別度合いが低くなるように図っている。これにより、第3図柄表示装置81の表示と張出装飾部652bとを区別し難くすることができる。
張出装飾部652bは、硬質樹脂から形成される部分であって、途中で形状を変化させることはできないが、電飾基板653に配設されるLED等の発光手段の発光態様(色や明るさ等)を変化させるように制御することで、張出装飾部652bの見え方(色や明るさ等)を変化させることはできる。
そのため、第3図柄表示装置81の表示領域で表示される動画に合うように、電飾基板653に配設されるLED等の発光手段の発光態様を変化させることで、第3図柄表示装置81の表示領域の領域右端RE1に重なるように張出装飾部652bが配置され(図29参照)、表示領域が右側に拡大されているように遊技者に見せる(錯覚させる)作用を生じさせ易くすることができる。
次いで、第2動作ユニット700の詳細の説明を改めて行う。図94は、張出状態における第2動作ユニット700の正面図であり、図95は、図94のXCV−XCV線における第2動作ユニット700の断面図である。
第2動作ユニット700では、上述のように、スライド変位において、昇降変位と前後方向変位とが同期して生じる(斜めに傾倒した前後方向にスライド変位する)ように構成されているところ、前後方向変位が過度に目立たないように、変位が滑らかに生じるように工夫されている。
例えば、第2動作ユニット700のスライド変位において、斜めに傾倒した前後方向への変位は単一の変位から構成されているのではなく、上下方向の変位と、前後方向の変位と、の組み合わせで構成されている。
即ち、まず、回動アーム部材720に連結される昇降板部材740は、金属棒702の長尺方向(上下方向)に昇降変位するように左端部において金属棒702に案内されている。左端部では、その他に、左側後板部材750や目隠し装飾部材768が昇降板部材740の前後に配置されており、昇降板部材740が前後方向に自由に変位することを防止している。これにより、昇降板部材740の変位方向を、上下方向に制限することができる。
昇降板部材740の右側部は、回動アーム部材720に支持されている。昇降板部材740の右端部は、固定の部材(背面ケース510に固定される部材)に支持されてはいないが、演出装置780を介して間接的に固定の部材(前上傾斜部714,751及び受傾斜部762)に支持される(図54参照)。これにより、昇降板部材740の右端部が前後方向に自由に変位することを防止しており、昇降板部材740の変位方向を上下方向に制限することができる。
そして、昇降板部材740に支持される演出装置780は、前後方向に変位するように円筒状部744(図50参照)に案内される。このように、斜めに傾倒した前後方向へのスライド変位を実現するにあたって、構成部材としての昇降板部材740や演出装置780の変位の案内が、重力方向と、水平方向と、でそれぞれ分けて構成されている。
これにより、斜めに傾倒した前後方向に案内する構成に比較して、変位抵抗を低く維持するように構成することを容易とすることができる。
図94及び図95で図示される第2動作ユニット700の張出状態は、覆設部材787の状態を切り替える変位(図57参照)を実行するよう制御可能な状態である。即ち、本実施形態では、張出状態の他の状態(例えば、第2動作ユニット700の演出待機状態(図28参照)や第2動作ユニット700の中間演出状態(図33参照))では、覆設部材787の状態を切り替える変位を生じないように第2動作ユニット700が制御される。
このように制御することで、覆設部材787の状態を切り替える変位の実行時に覆設部材787の左右端部が到達する左右位置と重なる位置に、右側前板部材710や左側後板部材750を配設するように構成しても、覆設部材787が右側前板部材710や左側後板部材750と衝突する事態が生じることを回避することができる。従って、右側前板部材710や左側後板部材750の配置自由度を向上することができる。
覆設部材787の状態を切り替える変位に対する、演出装置780の構成の工夫について説明する。まず、覆設部材787の状態を切り替える変位の駆動力を生じる駆動モータ782(図56参照)は、演出装置780の左右中心位置(円筒状部744に挿通される挿通筒状部773の中心の真上に中心が配置される位置)に配置される。
これにより、駆動モータ782の自重により演出装置780の姿勢が左右に傾くことを回避するだけでなく、駆動モータ782から生じる駆動力の左右バランスを安定させることができる。
更に、覆設部材787の状態を切り替える変位を実行可能な第2動作ユニット700の張出状態(図95参照)において、昇降板部材740を支持する回動アーム部材720の円筒状被締結部724の左右位置は、演出装置780の左右中心位置と同等か、右側位置とされる。
このように、昇降板部材740の右側部分の支持を、支持位置としての円筒状被締結部724が左右方向に変位し得る回動アーム部材720のみで構成しつつも、特に演出装置780の配置や姿勢の変動が生じ易いと想定される時、即ち覆設部材787の状態を切り替える変位の実行時における円筒状被締結部724の配置を演出装置780の左右中心位置と同等か、右側位置に設定することにより、演出装置780の配置や姿勢の安定化を図ることができる。
なお、覆設部材787の状態を切り替える変位を実行する制御は、第2動作ユニット700が張出状態の時に限定して行われるが、覆設部材787の状態が切り替えられた後においては、第2動作ユニット700の状態を演出待機状態や、中間演出状態に変化させるよう制御することは可能である。
即ち、例えば、第2動作ユニット700の演出待機状態から、覆設部材787の状態を切り替え、且つ、第2動作ユニット700を中間演出状態とするためには、第2動作ユニット700を一旦、張出状態として、覆設部材787の状態を切り替える変位を実行してから、第2動作ユニット700を中間演出状態に変化させるよう下降変位させるよう制御される。
図95に図示されるように、光拡散部材778bは、一組の前側支持部材760の内側端部と前後方向視で重なる程度に左右方向に長く形成されている。これにより、前側支持部材760に支持される回転筒部774e(図54参照)が遊技者に見られないように隠すことができるので、回転筒部774eの配置や形状が遊技者に把握されることで演出装置780が前後方向に変位していることを遊技者に把握される事態を回避することができる。
更に、光拡散部材778bは、第2動作ユニット700の張出状態において、固定配置の立体装飾部768aと、正面視で左右一列に重なって視認される(図94参照)。この状態における光拡散部材778b及び立体装飾部768aの配置は、正面視における第3図柄表示装置81の下縁部に沿い、下縁部の左右長さに亘って配置される。
光拡散部材778b及び立体装飾部768aの背面側には、それぞれ正面側にLEDが固定される基板が配設されており、対応するLEDから照射される光により光拡散部材778b及び立体装飾部768aの発光演出を実行することができる。この発光演出により、第3図柄表示装置81の表示領域の下縁が光で区切られているように見せる演出をしたり、第3図柄表示装置81の表示領域の下縁を光で明るくするように演出したりすることができる。
従って、本実施形態によれば、光拡散部材778bを、回転筒部774e(図54参照)を隠す部材としての機能と、立体装飾部768aと合同で発光演出を行う部材としての機能と、を兼ね備えるように構成することができる。
図95に示すように、横長部材742は、立体装飾部768aの後方であって、光拡散部材778bの後方から外れている範囲(左側の範囲)において正面側間隔を空けて覆設される覆設カバー742aを備える。
覆設カバー742aは、横長部材742の上下幅に亘って形成される目隠し用の部材であって、横長部材742との間の隙間で電気配線を通すことができるように配設される。即ち、演出装置780に通電するための電気配線は、目隠し装飾部材768の後方から、覆設カバー742aと横長部材742との間の隙間を通って、演出装置780側に案内され、駆動モータ782や、電飾基板778aや、検出センサ778d(図56参照)等に接続される。
この時、電気配線の前方には、覆設カバー742aだけではなく、光拡散部材778bや立体装飾部768aが折り重なって配置されているので、遊技者の視線を遮り易い構成であり、電気配線が遊技者に視認されることを防止し易くすることができる。
換言すれば、本来は光演出のために配設される光拡散部材778bや立体装飾部768aを、電気配線の目隠しとして機能させるために電気配線の通り道の前方に配置することで、電気配線の目隠しのために必要となる覆設カバー742aの大きさを、最低限の大きさに抑えることができる。
なお、立体装飾部768aは、配置が固定されているので、演出待機状態(図31参照)や中間演出状態(図33参照)では横長部材742と前後に重ならず、電気配線の目隠しには使えない。
これを考慮して、本実施形態では、横長部材742の形成範囲を、正面視における光拡散部材778bの外方の範囲にしている。これにより、横長部材742及び光拡散部材778によって電気配線の目隠しを達成することができるので、第2動作ユニット700の状態(演出待機状態、中間演出状態、張出状態)に関わらず、電気配線が遊技者に視認されることを防止することができる。
図96及び図97は、伝達装置保持板777、上下反転部材781、中間腕部材783、直動板部材784及び軸回転部材785の正面図である。図96では、一対の円筒状突設部781cが左右方向に延びる同一直線上に配置される上下反転部材781の横配置状態が図示され、図97では、上下反転部材781の倒立の縦配置状態(図59(c)参照)が図示される。
一対の中間腕部材783は、同一形状で形成されるものではなく、上下反転部材781の横配置状態における下側面から上方へ向けて湾曲形成される湾曲形成部783dを備える。湾曲形成部783dは、上下反転部材781の縦配置状態において中間腕部材783と駆動ギア782aとの衝突を避けるため、駆動ギア782aから退避する方向に張り出すように湾曲形成される。
図98は、昇降反転演出装置770の正面斜視図である。図98では、覆設部材787を透過して内側を視認可能とするために、覆設部材の外形が模式的に想像線で図示される。
図98に図示されるように、磁石Mgは一対の覆設部材787が互いに近接配置される側ではなく、左右両端部付近に配置されている。従って、磁石Mgの磁力は、覆設部材787同士を直接的に合体させるように作用するのではなく、一対の覆設部材787にそれぞれ独立して作用する。
これにより、例えば、一方の覆設部材787の動作が不良となった場合に、それにつられて他方の覆設部材787の動作も不良となることを避けることができる。
また、例えば、一対の覆設部材787が互いに左右方向に離れ始める変位開始時において、左右方向変位の逆方向に磁力が作用することを回避することができる。即ち、上下反転部材781が正立の縦配置状態から回転動作を開始する場合に、磁力が作用するタイミングを遅らせることができる。
これにより、一対の覆設部材787が互いに左右方向に離れ始める変位開始時において、磁石Mgにより覆設部材787に与えられる負荷の変化を抑制することができるので、左右方向に離れ始める変位開始時に磁石の吸着を剥す必要がある場合に比較して、一対の覆設部材787が互いに左右方向に離れ始める変位開始時に、急激な磁力の変化に伴い覆設部材787が振動したり、変位が不安定となり動作不良を起こしたりする事態を回避し易くすることができる。
図98に示すように、磁石Mgは、左右で上下反対側に配置されているが、この効果について説明する。磁石Mgと当接して磁力が負荷される金属ネジが固定される回転位置安定用部785fは、前後方向同じ側に配置される(上下反転部材781が正立の縦配置状態において正面側、図55参照)。そのため、磁石Mgに金属ネジとの関係で生じる負荷の方向は、左右両側において前後同方向となる。
詳述すると、例えば、上下反転部材781が正立の縦配置状態(図59(a)参照)から倒立の縦配置状態(図59(c)参照)に変化する場合、正面視左側の覆設部材787は前転方向に回転動作するので、磁石Mgと近接配置されている(上側に配置されている)金属ネジの前方への変位に伴い磁石Mgには吸着力の反作用としての前方向の負荷が生じる一方、正面視右側の覆設部材787は後転方向に回転動作するので、磁石Mgと近接配置されている(下側に配置されている)金属ネジの前方への変位に伴い磁石Mgには吸着力の反作用としての前方向の負荷が生じる。
また、例えば、上下反転部材781が倒立の縦配置状態(図59(c)参照)から正立の縦配置状態(図59(a)参照)に変化する場合、正面視左側の覆設部材787は後転方向に回転動作するので、磁石Mgと近接配置されている(上側に配置されている)金属ネジの後方への変位に伴い磁石Mgには吸着力の反作用としての後方向の負荷が生じる一方、正面視右側の覆設部材787は前転方向に回転動作するので、磁石Mgと近接配置されている(下側に配置されている)金属ネジの後方への変位に伴い磁石Mgには吸着力の反作用としての後方向の負荷が生じる。
このように、回転動作する覆設部材787と、姿勢を維持して覆設部材787を支持する本体部材771や直動板部材784と、の間で磁石Mgによって生じる負荷の方向が、左右両側において前後同方向となるように構成される。
ここで、左右両側において前後逆方向の負荷が生じる場合(例えば、左側の磁石Mgが下位置に配置されることで左右両側の磁石Mgの配置が下位置とされ、左側の軸回転部材785の回転位置安定用部785fの配置が正立の縦配置状態において磁石Mgの背面側に配置されるよう設計変更する場合)、磁石Mgと金属ネジとが吸着状態から剥がされる際に生じる負荷により昇降反転演出装置770に与えられる変位のモードが、昇降反転演出装置770を上下方向に延びる回転軸で回転させる態様となる。
この場合、昇降反転演出装置770に上下方向に延びる回転軸での回転方向の振動が生じ易くなる。特に、本実施形態のように、磁石Mgの吸着を剥す過程で傘歯部材785c(図96参照)が弾性変形し、磁石Mgの吸着が剥がれた後で傘歯部材785cの弾性回復を利用して覆設部材787を勢いよく回転動作させる構成では、昇降反転演出装置770に、上下方向に延びる回転軸での回転方向の振動が生じ易くなることが想定される。
更に、昇降反転演出装置770から負荷を逃がすことが困難となり、昇降反転演出装置770が破損したり、昇降反転演出装置770の耐久性が低下したりする可能性がある。そのため、長期で、昇降反転演出装置770の変位を安定させるという目的からすると、対策が必要となると考えられる。
これに対し、本実施形態では、磁石Mgと金属ネジとが吸着状態から剥がされる際に、回転動作する覆設部材787と、姿勢を維持して覆設部材787を支持する本体部材771や直動板部材784と、の間で生じる負荷の方向が、左右両側において前後同方向となるように構成されるので、磁石Mgと金属ネジとが吸着状態から剥がされる際に生じる負荷により昇降反転演出装置770に与えられる変位のモードを、昇降反転演出装置770を前後方向に変位させる態様とすることができる。
そのため、昇降反転演出装置770の変位(前後方向成分を有する変位)により容易に相殺することができ、磁石Mgと金属ネジとが吸着状態から剥がされる際に生じる負荷により昇降反転演出装置770に破損が生じることを回避することができる。
第2動作ユニット700では、演出装置780のスライド変位の方向(上下方向成分と前後方向成分を有する方向、即ち、左右方向と直交する平面内での方向)と、覆設部材787が互いに近接配置される状態(上下反転部材781の縦配置状態)からの変位開始方向(左右方向)と、が直交する。
そのため、一方の変位が、他方の変位の慣性により生じることを回避し易くすることができる。例えば、演出装置780のスライド変位が実行される場合に、意図せず、覆設部材787が互いに近接配置される状態からの変位(互いに離れる方向の変位)が開始される事態を回避し易くすることができる。
次いで、第3動作ユニット800の詳細の説明を改めて行う。まず、中間腕部材850の詳細について説明する。図99(a)は、中間腕部材850の正面斜視図であり、図99(b)は、中間腕部材850の背面斜視図である。
図99(a)及び図99(b)に示すように、中間腕部材850は、長尺の棒部の軸方向位置が、増厚部852において切り替わるという特徴的な形状をしている。
図99(a)に示すように、増厚部852は、隣合う回動部材850の先端側棒部853と対向配置され、先端側棒部853と対向配置される基端側補強部852aと、軸方向に沿って正面側から肉抜き形成される凹設部852bと、を備えている。
基端側補強部852aは、凹設部852bと同様に肉抜きされているが、相対的な肉抜き量が小さくされ、変形抵抗が大きくなるように設計している。これにより、回動腕部材850の回転先端側という、回転における慣性力が大きくなり易い側に形成される先端側棒部853と当接することになっても、変形量が過大となることを回避することができる。
凹設部852bは、増厚部852の弾性変形の変形抵抗を弱めるよう作用する。これにより、増厚部852の可撓性を確保することができ、中間腕部材850の耐久性を向上することができる。
増厚部852の短手方向の両側面には、湾曲形状で凹設形成される湾曲形状部852cが形成される。湾曲形状部852cは、合体状態において隣合う中間腕部材850の先端側棒部853の端部に形成される回転伝達部854の回転基端側に形成される湾曲形状部854dを滑らかに受け入れ可能な形状から形成される。
本実施形態では、個別合体状態(図66(a)参照)と一連合体状態とで、隣合う中間腕部材850同士が回動して近接配置される際の中間腕部材850の回動方向が逆転することになるので、中間腕部材850の短手方向側面のどちらの側面が湾曲形状部854dと近接配置されるかは、どちらの合体状態を構成するかで異なる。
この前提において、湾曲形状部852cが両側面に形成されていることから、いずれの合体状態においても湾曲形状部854dを滑らかに受け入れることができる。これにより、合体状態への状態変化をスムーズに実行することができる。
また、湾曲形状部852cと湾曲形状部854dとが面で当接可能となるように設計されることで、合体状態において湾曲形状部852cと湾曲形状部854dとの間で局所的に過大な負荷が生じることを抑制することができ、中間腕部材850の耐久性を向上することができる。
第3動作ユニット800は、昇降アーム部材801により昇降変位可能に構成されているが、その昇降変位の方向と、装飾部材870,880の合体状態からの直動部材833や回転部材834の変位開始方向と、が必ずしも直交する関係にはない。
例えば、図66(a)に示すように、回転部材834の変位開始方向として認められる仮想位置線832Fが72度間隔で異なる方向として設定されているので、全ての回転部材834の変位開始方向と、昇降変位の方向と、が直交することは生じ得ない。
そのため、第3動作ユニット800の昇降変位時に生じる負荷や慣性によって、意図せず、回転動作(一体回転動作や切替回転動作)が生じる可能性がある。この誤動作への対策についての工夫を説明する。
図100は、金属棒832と中間腕部材850との変位を模式的に示す第3動作ユニット800の模式図である。
図100では、金属棒832の仮想位置線832Fの内、個別合体状態において下方に延びる仮想位置線832Fと、仮想位置線832Fと中間腕部材850の長尺方向との角度とが0.5度変化するまで正面視反時計回りに回転した仮想位置線832Fと、が図示される。
即ち、図100において、角度θ51は45度であり、角度θ52は44.5度である状態が図示されている。
図100に示すように、中間腕部材850は、切替回転動作の開始時において、回転部材834の回転動作を抑制した状態で、金属棒832の長手方向に沿って回転部材834をスライド移動させることができるよう構成される。
図100における角度θ51,θ52の変化量は、金属棒832に対する中間腕部材850の回転角度を意味しており、傘歯部834a,854c(図61参照)の歯合回転が生じる角度に対応する。
ここで、ギア歯の噛み合いを正立させるためにはバックラッシュ(隙間)が不可欠であり、この隙間の大小の設定で回転の応答性の良し悪しが変わる。バックラッシュの設定には種々の態様を選択可能であるが、本実施形態では、バックラッシュを0.5度で設定している。
即ち、合体状態における角度θ51が、角度θ52に変化するまでの間には、バックラッシュ(隙間)が埋まるに留まり、歯合回転は開始されない。一方で、中間腕部材850の回動先端側部は仮想位置線832Fに沿って第3動作ユニット800の径方向外側にスライド移動している。
即ち、合体状態(個別合体状態)からの切替回転動作の開始時には、回動部材834の回転動作が抑制され、主に、金属棒832に沿ったスライド移動が生じるように構成される。
図101は、第3動作ユニット800の正面模式図である。図101の説明では、図100を適宜参照する。図101では、一連合体状態における第3動作ユニット800が図示され、第3動作ユニット800の変位に対する抵抗力を生じるトルクリミッタ866及び磁石Mg2が図示される。
ここで、内側回転部材830が外側回転部材840に対して僅かに回転動作(例えば、約5度(図100参照)の回転動作)する程度では、回転部材834に回転が生じないように構成されている。
これにより、本実施形態のように、複数の第1装飾部材870及び第2装飾部材880の合体状態を維持するために磁石Mg2を採用し、周方向で吸着力を発生さえる構成であっても、合体状態からの第1装飾部材870及び第2装飾部材880の変位を直動変位に限定できることから、磁石Mg2の磁力による合体を維持し易くすることができる。
換言すれば、合体状態からの変位開始時において、第1装飾部材870及び第2装飾部材880が金属棒832を中心として回転動作する場合には、磁力の方向に直交する方向で第1装飾部材870及び第2装飾部材880が変位することから、磁力が消失し易いと考えられる。これに対し、本実施形態における、第1装飾部材870及び第2装飾部材880の合体状態からの変位開始時の変位は、あくまで5個の磁石Mg2が配置される平面に沿う変位(金属棒832に沿うスライド方向の変位)であることから、磁力による合体状態を維持し易い。
これにより、意図しない負荷の影響などにより、内側回転部材830が意図せず僅かに回転動作(例えば、約5度回転動作)した場合であっても、複数の第1装飾部材870及び第2装飾部材880の合体状態を維持し易くすることができる。
図101に示すように、トルクリミッタ866は、正方向への回転では、所定の許容値を超える負荷がかかると接続を切り、抵抗を低減する(空転する)ように切替回転DR1が生じるように構成され、逆方向への回転では、抵抗が低減される(空転する)ように空転回転AR1が生じるように構成される。この正逆の回転が反対で構成される一組で、トルクリミッタ866は構成されている。
詳述すると、本実施形態では、左側のトルクリミッタ866は、正面視時計回りの回転では、かけられる負荷が許容値に達するまでは抵抗を生じ、許容値を超えると空転するという切替回転DR1が生じるように構成される一方、正面視反時計回りの回転方向では、空転するという空転回転AR1が生じるように構成される。
また、右側のトルクリミッタ866は、正面視時計回りの回転方向では、空転するという空転回転AR1が生じるように構成される一方、正面視反時計回りの回転方向では、かけられる負荷が許容値に達するまでは抵抗を生じ、許容値を超えると空転するという切替回転DR1が生じるように構成される。
このように、一組のトルクリミッタ866が、それぞれ異なる回転方向で安全クラッチとして機能することで、上述のように、両方向で切替回転動作を実行することが可能に構成されている。
更に、回転方向での許容値を超える負荷が生じない状態においては、トルクリミッタ866に組み付けられる負荷応答ギア865(図61参照)を介して外側回転部材840に正逆両方向の抵抗がかけられるので、意図しない負荷(昇降変位の慣性力や、扉開閉時の衝撃力)に起因して生じ得る外側回転部材840の回転動作を抑制することができる。従って、一組のトルクリミッタ866によって、外側回転部材840の姿勢維持を図ることができる。
図101に示すように、磁石Mg2は、第2覆設部885の幅方向片側に固定され、5個の第2覆設部885が円環状に合体した状態において、同心円状に配置される。磁石Mg2は、隣合って近接配置される第2覆設部885に固定される金属ネジNj2との間で吸着力を生じる。
このように構成することで、特定の第2覆設部885の幅方向両側に磁石Mg2が配設される場合(即ち、特定の第2覆設部885に両隣りで近接配置される第2覆設部885の双方が、その特定の第2覆設部885に接近する方向の付勢力を磁石Mg2から受ける場合)に比較して、合体状態において特定の第2覆設部885から離れた位置で第2覆設部885間に生じる隙間が大きくなることを回避し、全ての隣合う第2覆設部885間の隙間を均一化することができる。
また、上述のように、第2装飾部材880の合体状態からの変位は径方向外側へのスライド移動として構成され、金属棒832を中心とする回転動作が開始されるまでには磁力による合体が解除される程度にまで離れるところ(図100参照)、磁石Mg2の磁力が、第2装飾部材880が整列される同心円の円周を短縮する方向(同心円の中心を向く方向)に作用するので、第2装飾部材880の径方向外側へのスライド移動の抵抗力となる。
また、この抵抗力が、360度を5等分した各方向から同等の大きさで生じるので、第3動作ユニット800が磁石Mg2から受ける負荷のバランスをとることができる。即ち、磁力Mg2が不均一に作用する場合に比較して、第3動作ユニット800の配置を安定させ易くすることができる。
第2装飾部材880の形状は5個とも共通とされ、磁石Mg2の配置も共通なので、各磁石Mg2の前後位置は同等とされる。これにより、磁石Mg2の磁力により、第2装飾部材880に前後方向成分を有する負荷が与えられることを回避することができるので、合体状態からの変位開始時または合体状態への到達直前時において磁力が前後方向に生じ、第2装飾部材880が前後方向に振動する事態を回避し易くすることができる。
図102は、外側回転部材840及び中間腕部材850の正面図である。図102では、装飾部材870,880の個別合体状態に対応する配置状態が図示され、理解を容易とするために、中間腕部材850を想像線で図示し、後側に配置される外側回転部材840を視認可能としている。
図102に示すように、本実施形態では、中間腕部材850の一方向(図102では、正面視時計回り方向)への回転を規制する部分が少なくとも一箇所確保可能となるように構成され、多くは二箇所で中間腕部材850の回転を規制している。この中間腕部材850の回転を規制する構成について説明する。
まず、第1に、外側回転部材840の本体部841の外周面から径方向外側に突設される当接突設部845が挙げられる。当接突設部845は、隣合う延設腕部842の中間角度位置において、径方向外側へ向けて先細りする形状から形成され、内部が本体部841の軸方向と平行な方向に肉抜きされている。
この当接突設部845が、中間腕部材850の回転方向で中間腕部材850と対向配置され、中間腕部材850の増厚部852の湾曲形状部852cと当接可能に配置されることで、中間腕部材850の過回転を防止するよう構成している。
増厚部852は、凹設部852bにより弾性変形の変形抵抗が弱められている(図99(a)参照)。同様に、当接突設部845は肉抜きされている。これにより、中間腕部材850が高速で変位し、増厚部852の湾曲形状部852cと当接突設部845とが衝突した場合であっても、その際に生じる負荷を当接突設部845や増厚部852の弾性変形により吸収することができるので、当接突設部845や増厚部852の破損を回避することができる。
当接突設部845は、延設腕部842の中間角度位置としての全位置に配設されるのではなく、被検出部844が形成される角度位置においては形成が省略される。これにより、軸方向視における当接突設部845と被検出部844との配置をずらしており、外側回転部材840の成形金型の抜き方向を本体部841の軸方向に設定することができる。よって、成形金型の設計の容易化を図ることができる。
このように、本実施形態では、成形金型の設計の容易化の代償として当接突設部845の形成が省略されているが、本実施形態では、回動腕部材850の回転を規制する第2の構成として、増厚部852に基端側補強部852aが形成される。
基端側補強部852aは、隣合う回動部材850の回転方向で先端側棒部853(図99(a)参照)と対向配置され、先端側棒部853が過回転する際に当接可能に配置されることで、中間腕部材850の過回転を防止するよう構成している。
基端側補強部852aは、凹設部852bと同様に肉抜きされているが、相対的な肉抜き量が小さくされ、変形抵抗が大きくなるように設計している。これにより、回動腕部材850の回転先端側という回転における慣性力が大きくなり易い側と当接することになっても、変形量が過大となることを回避することができる。
湾曲形状部852cは、湾曲形状部854dと面で当接可能となるように設計されており、合体状態において湾曲形状部852cと湾曲形状部854dとの間で局所的に過大な負荷が生じることを抑制することができ、中間腕部材850の耐久性を向上することができる。
このように、回動腕部材850の変位は、当接突設部845が対向配置される場合には、当接突設部845との当接に加えて、隣合う回動腕部材850の湾曲形状部852cと湾曲形状部854dとを当接させたり、隣合う回動腕部材850の基端側補強部852aと先端側棒部853とを当接させたりすることができるような構成により、回動腕部材850の過回転が規制される。
一方、当接突設部845の配置が省略される場合であっても、隣合う回動腕部材850の湾曲形状部852cと湾曲形状部854dとを当接させたり、隣合う回動腕部材850の基端側補強部852aと先端側棒部853とを当接させたりすることができるような構成により、回動腕部材850の過回転を規制することができる。
これらの当接の構成は、5個の回動腕部材850で互いに関連するように構成している(循環配置されている)。そのため、一見、一箇所の当接突設部845の形成が省略され、その省略箇所に対応する回動腕部材850についてのみ回転を規制する構成が少ないので、当接時の負荷が集中するかのように思えるが、実際は、5個の回動腕部材850の相互作用により、当接時の負荷の分散を図ることができる。
これにより、単一の回動腕部材850(当接突設部845の形成が省略された箇所に対応する回動腕部材850)の耐久性が極端に低下することを防止することができる。
また、本体部841の外周面から、当接突設部845の背面側端部に沿う一平面上に円環板状に延設される円環板状部846の形成も、当接突設部845と同様に、軸方向視で被検出部844と重なる箇所において省略されている。
円環板状部846の形成の省略は、上述の当接突設部845の形成の省略と同様に、成形金型の設計の容易化の代償として説明することができるが、円環板状部846の奏する効果は、円環板状部846の形成が省略されている箇所においても、隣合う回動腕部材850(を支持する構成)により実現される。
即ち、円環板状部846の効果は、回動腕部材850の前後位置のずれの修正として説明することができる。即ち、合体状態(図64(a)参照)から、回動腕部材850が径方向外側へ変位し(図65(a)参照)、再び合体状態へ向かう際に、回動腕部材850の先端の配置が意図せず前後に位置ずれした場合であっても、基端側棒部851(図99(b)参照)の背面側側面が円環板状部846と対向配置され当接可能とされていることで、その当接により回動腕部材850の前後位置を修正することができる。
この作用は、円環板状部846が省略されている場合には、円環板状部846との当接が生じないことから奏することができない。一方で、本実施形成では、回動腕部材850の先端側棒部853の背面側側面が延設腕部842の正面側側面と対向配置されるので、回動腕部材850の先端の配置が前後に位置ずれした場合であっても、先端側棒部853の背面側側面が延設腕部842の正面側側面と対向配置され当接可能とされていることで、その当接により回動腕部材850の前後位置を修正することができる。
このように、本実施形態では、円環板状部846と同様の作用を、延設腕部842によって生じさせるように構成している。これにより、円環板状部846の形成を一部省略しながらも、回動腕部材850の前後配置を修正する効果を、全回動腕部材850に生じさせることができる。
図103(a)は、外側回転部材840及び中間腕部材850の背面図であり、図103(b)は、外側回転部材840及び中間腕部材850の正面図である。図103(a)及び図103(b)では、一連合体状態における外側回転部材840及び中間腕部材850の相対配置で図示される。
図103(a)で図示される状態は、図65(b)の状態から仮想位置線832Fが最大角度θ31E(本実施形態では、180度)まで回転した状態(切替回転動作が完了した状態)に対応し、図103(b)で図示される状態は、図67(b)の状態から仮想位置線832Fが最大角度θ31E(本実施形態では、180度)まで回転した状態(切替回転動作が完了した状態)に対応する。
一連合体状態と、個別合体状態(図64(a)、図66(a)参照)とを比較すると、中間腕部材850の外側回転部材840に近接する短手方向の側が逆転するため、当接突設部845に当接する湾曲形状部852cが反対側になったり、湾曲形状部854dに当接する湾曲形状部852cが逆になったりという違いがある。
この違いに対応することを目的として、当接突設部845は、本体部841の径方向を基準として正面視で線対称形状とされており、一対の湾曲形状部852c及び湾曲形状部854dは、中間腕部材850の長手方向線(回動基端と被支持孔854aとを結ぶ直線)を基準として正面視で線対称形状とされている。
更に、湾曲形状部852cの形状に合わせて、当接突設部845の湾曲形状と、湾曲形状部854dの湾曲形状とを、同様の湾曲形状として設計している。これにより、個別合体状態においても、一連合体状態においても、同様の係合関係で合体状態を構成することができる。
また、合体状態では、中間腕部材850の増厚部852が当接突設部845と湾曲形状部854dとに両側から挟まれる位置関係で構成される。これにより、中間腕部材850の増厚部852が、いずれの回動方向に変位することも抑制することができるので、中間腕部材850の状態を維持し易くすることができ、合体状態を保持し易くすることができる。
図104及び図105は、第3動作ユニット800の正面図である。図104では、装飾部材870,880が最外径位置に配置された状態(個別合体状態と一連合体状態との中間の状態)が図示され、図105では、一連合体状態が図示される。
図106は、図105のCVI−CVI線における第3動作ユニット800の断面図であり、図107は、図104のCVII−CVII線における第3動作ユニット800の断面図である。第3動作ユニット800の構成として、金属棒832と中間腕部材850との前後配置は任意に設定可能である。
中間腕部材850を金属棒832の正面側に配置すれば、遊技者は中間腕部材850越しに金属棒832を視認することになるので、金属棒832の視認性を下げることができる。これに対して、本実施形態では、図106及び図107に示すように、金属棒832が中間腕部材850の正面側に配置されている。
この配置により、支持部材としての金属棒832が中間腕部材850を部分的に隠す遮蔽部材として機能する。これにより、装飾部材ではなく機能部材としての中間腕部材850が目立つことを避けることができ、第3動作ユニット800の見栄えをよくすることができる。
金属棒832は、露出した状態(図104参照)においては、表面の光沢により光を反射する演出部材としても機能するので、外側発光部823b(図107参照)から照射される光による光演出の演出効果を向上することができる。即ち、金属棒832を光演出用の反射部材として利用することができる。
中間腕部材850が金属棒832の正面側に配置される場合には遊技者の目に入る光が中間腕部材850により遮られる可能性があるが、本実施形態では中間腕部材850が金属棒832の背面側に配置されるので、中間腕部材850により光が遮られ、見栄えが悪くなることを回避することができる。
このように、本実施形態では、金属棒832が露出する状態としての切替回転動作の途中の状態(図104及び図107参照)において、金属棒832を介して光を反射可能に構成することで、光演出を実行する範囲を拡張することができる。即ち、電飾基板823(図60参照)が配設される透光装飾部材824の後方の範囲のみならず、正面視で透光装飾部材824の径方向外側に張り出すように配設される金属棒832が露出して視認される範囲ER1(図104参照)においても、反射光を遊技者に視認させることができる。
なお、光を受ける部分として、膨出部824aは、内周面に、光拡散形状が円環状に形成される光拡散形状部824b(図106及び図107参照)を備える。内側発光部823aから照射された光は光拡散形状部824bに照射可能とされ、その光を受けた光拡散形状部824bは円環状に明るく光る。
これにより、装飾部材870,880の合体状態のみならず、装飾部材870,880の円環配置が解除される切替回転動作の最中においても、光拡散形状部824bが円環状に明るく視認されることにより、第3動作ユニット800の円環形状を利用した演出効果を維持し易くすることができる。
図104及び図105に示すように、透光装飾部材824は、合体状態において視認される膨出部824aだけでなく、その膨出部824aよりも正面視で径方向外方に延びる延設部824cを備えている。
延設部824cは、合体状態においては装飾部材870,880に隠されることになり装飾部としての機能が低いが、図104に示す切替回転動作の途中において、機構部分の目隠しをする効果を奏する。
即ち、図104及び図107に示すように、延設部824cは、内側回転部材830の本体部831や、外側回転部材840の延設腕部842等(図61参照)、演出に利用し難い機構部分を遮蔽して目隠しできる程度の大きさで形成される。
そして、膨出部824aだけでなく、延設部824cの正面側にも装飾模様が施されているので、機構部分を遮蔽して目隠ししている範囲について装飾模様を視認させることができ、演出効果を向上することができる。
第3動作ユニット800の駆動制御の一例について説明する。まず、昇降アーム部材801が駆動制御されることによる第3動作ユニット800の昇降変位と、駆動モータ861が駆動制御されることによる第3動作ユニット800の回転変位との関係について説明する。
本実施形態によれば、第3動作ユニット800の昇降変位と、回転変位とは、独立して実行可能に構成されているが、例えば、第3動作ユニット800の昇降変位時の慣性負荷により、連動して第3動作ユニット800に回転変位が生じる可能性がある。この場合、第3動作ユニット800が姿勢変化したり、第3動作ユニット800の合体状態が解除されたりする(磁石Mg2の吸着力に対抗して装飾部材870,880が径方向外側へ変位する)ことにより、演出効果が低下する可能性がある。
これを回避するために、例えば、第3動作ユニット800の昇降変位と、第3動作ユニット800の回転変位(特に、一体回転動作)と、を同時に実行するように制御しても良い。
これにより、第3動作ユニット800の昇降変位時の回転変位を演出動作として遊技者に見せることができるので、演出効果の低下を防ぐことができる。更に、一体回転動作の継続中には、装飾部材870,880を径方向内側へ変位させる方向に負荷がかかり続けるので(図101参照)、第3動作ユニット800の合体状態が解除されることを回避することができる。
また、昇降変位と回転変位とを同時に実行する制御を行わないまでも、第3動作ユニット800の姿勢を、昇降変位により回動腕部材850が変位し難い姿勢となるように、予め第3動作ユニット800の回転方向の姿勢を調整するように制御しても良い。
検出センサ813による外側回転部材840の被検出部844の検出態様が変化することは(図68参照)、本実施形態では、内側回転部材830の回転態様が一体回転動作で実行されていることを意味する。そのため、これを前提に検出センサ813の検出態様と、第3動作ユニット800の制御とを関連付けて設計することが想定される。
この前提は、切替回転動作が、外側回転部材840の姿勢を維持した状態(内側回転部材830と外側回転部材840とが連動しない状態)で行われることに基づくものである。そのため、この前提が崩れる可能性がある状態は回避することが好ましい。
本実施形態では、内側回転部材830が駆動モータ861の駆動力で回転制御される際に、トルクリミッタ866によりかけられる抵抗が外側回転部材840の回転を抑制するように作用することで外側回転部材840の姿勢が維持される。
そのため、例えば、切替回転動作の実行中に金属棒832、直動部材833、回転部材834及び中間腕部材850間の抵抗が大きくなり、内側回転部材830と外側回転部材840との間の動作抵抗が大きくなり、トルクリミッタによりかけられる抵抗を超える場合には、外側回転部材840と内側回転部材830とが連動して、切替回転動作が適切に実行できなくなる可能性がある。
これに対し、本実施形態では、金属棒832、直動部材833、回転部材834及び中間腕部材850間の抵抗を低減するように構成している。
例えば、合体状態からの直動部材833及び回転部材834を変位させる中間腕部材850の回動先端の変位方向は、金属棒832の長手方向に沿う方向となる。即ち、金属棒832の回転方向と直交する方向に中間腕部材850が変位するので、金属棒832の回転の抵抗を生じ難くすることができ、金属棒832と、直動部材833、回転部材834及び中間腕部材850との間で生じる抵抗を小さく抑えることができる。
直動部材833及び回転部材834が径方向外方終端位置に配置される状態(図104参照)では、中間腕部材850の回動先端側(例えば、被支持孔854a)の変位方向が金属棒832の回転方向と沿うので、速度が不十分な場合等には特に、金属棒832と中間腕部材850とが平行移動する状態を構成し易い。この場合、切替回転動作が不良となる。
これに対し、本実施形態では、切替回転動作を開始したら合体状態に至るまで十分な速度で駆動を継続するという制御態様を採用しており、直動部材833及び回転部材834が径方向外終端位置に配置される状態(図104参照)では、装飾部材870,880が金属棒832を中心として回転動作するように慣性を受ける。
この慣性の影響で、装飾部材870,880に締結固定されている回転部材834が回転し、傘歯部834aと傘歯部854cとが歯合回転するので、中間腕部材850の回動先端側が径方向外方終端位置を通過して径方向内側へ回動する(図65(b)及び図67(b)参照)。
径方向外方終端位置を外れた状態では、中間腕部材850の回動先端側が金属棒832に沿う方向で変位し易くなり、金属棒832の回転動作に対する抵抗を小さく抑えやすくすることができる。
このように、本実施形態では、金属棒832、直動部材833、回転部材834及び中間腕部材850間の抵抗の低減を、部材間の関係や、駆動制御の設計によって実現するように図っている。
切替回転動作中においては外側回転部材840の姿勢が維持され、被検出部844の配置が変化しないことから、切替回転動作の終了タイミングを、検出センサ813による被検出部844の検出態様の変化で判定することはできない。
例えば、合体状態に到達したタイミングで駆動モータ861を停止させる制御は、切替回転動作に必要十分な駆動時間を予め設定しておき、その駆動時間で駆動を停止するよう制御することで実現可能となるが、金属棒832、直動部材833、回転部材834及び中間腕部材850間の抵抗の程度によっては、駆動時間が同じであっても変位量が異なる場合があり、合体状態となる前に駆動停止する可能性がある。この場合、演出効果が低くなる可能性がある。
これに対し、合体状態に到達したタイミングで駆動モータ861を停止させる制御態様ではなく、検出センサ813による被検出部844の検出態様が変化したことで、切替回転動作が終了して一体回転動作が始まったことを判定し(図68参照)、この判定後に駆動モータ861を停止させるよう制御しても良い。この制御により、切替回転動作の実行後に、装飾部材870,880が合体状態に到達していない状態で駆動モータ861の駆動が停止される事態を回避することができる。
駆動制御として、切替回転動作は第3動作ユニット800の張出状態において実行されることは上述の通りであるが、一体回転動作については、第3動作ユニット800の状態に左右されずに実行可能である。
駆動制御として、第3動作ユニット800の回転方向の配置に左右されず、切替回転動作を実行可能であるので、図68で上述したように、大当たり告知の有無を遊技者に予想されることを回避することができる。即ち、検出センサ813の検出溝に被検出部844が配置されている状態(図66(a)参照)からに限定されず、検出センサ813の検出溝に被検出部844が配置されていない状態からでも切替回転動作を実行することができる。
一方で、検出センサ813の検出溝に被検出部844が配置されている状態で切替回転動作を実行する場合と異なり、切替回転動作の終了後から被検出部844が検出センサ813の検出溝に進入するまでは、検出センサ813の出力が変化しないので、制御態様を工夫する必要がある。
例えば、検出センサ813の出力によらず、切替回転動作に必要十分な駆動期間として予め設定される駆動期間で切替回転動作を実行するようにしても良いし、被検出部844が検出センサ813の検出溝に進入するまで駆動モータ861の駆動を継続するよう制御するようにしても良い。
後者の場合、切替回転動作の終了後は一体回転動作に動作態様が移行して、検出センサ813の検出溝に被検出部844が進入することにより、既に切替回転動作が終了し装飾部材870,880が合体状態となっていることを判定することができる。
一方で、駆動モータ861の駆動を、切替回転動作から一体回転動作に移行して被検出部844が検出センサ813の検出溝に進入するのに十分な時間長さで実行しているにも関わらず、検出センサ813の出力が変化しない場合には、その検出センサ813の出力に基づいて、第3動作ユニット800に動作不良が生じていると判定することができる。
また、後者の場合、第3動作ユニット800の任意の回転配置から、切替回転動作が実行され、一連合体状態(図32参照)が維持されている状態において、検出センサ813の検出溝に被検出部844が進入するまで駆動が継続される。
第3動作ユニット800の一連合体状態では、上述のように、回転配置が異なっても見映えが異なりにくい。そのため、一連合体状態で検出センサ813の検出溝に被検出部844が進入するまで第3動作ユニット800の回転変位を継続しても、演出効果が低下することを回避し易くすることができる。
更に、図68に示す反転演出時から通常演出時に復帰させる制御をする場合には、被検出部844が検出センサ813の検出溝に既に配置されていることから、切替回転動作の終了後に検出センサ813の出力が変化するまでの期間を最短化することができる。換言すれば、検出センサ813の検出溝に配置されている被検出部844が検出溝から退避する程度の短い駆動期間で十分であるので、反転演出時から通常演出時に復帰させる制御に要する長さを最短化することができる。
このように、本実施形態によれば、通常演出時から反転演出時に切り替える切替回転動作を開始する第3動作ユニット800の回転配置の自由度の向上を図っており、通常は復帰動作が長期化する場合があるところ、復帰動作としての反転演出時から通常演出時への切替回転動作の短縮化を図っている。
即ち、第3動作ユニット800の回転配置の違いを戻すための復帰動作の一部(被検出部844を検出センサ813の検出溝に配置するまでの回転変位)を、回転配置が異なっても見映えが変わり難い一連合体状態において行うことで、復帰動作中の第3動作ユニット800の演出効果の低下を回避することができる。
更に、予め復帰動作の一部を行っておくことで、残りの復帰動作としての切替回転動作に要する期間の短縮化を図ることができる。
各動作ユニット600,700,800の内、複数の動作ユニット600,700,800で共通して採用されている構成について、その採用態様の違いの理由も含めて横断的な説明を行う。
まず、第1の横断的な説明として、各動作ユニット600,700,800で共通して採用されている検出センサKS1,713,778d,813について構成を確認し、その採用態様(センサの個数、被検出片の形状等)の違いの理由について説明する。
第1動作ユニット600の検出センサKS1は、第1動作ユニット600の配置を検出するための検出装置であって、検出溝に延設部634bが進入可能とされる。第1動作ユニット600が備える検出装置は1個の検出センサKS1のみである(図41参照)。回動部材620、被支持部材640、張出装飾部652b及び第2装飾回転部材660という複数の変位部材について、回動部材620の姿勢が定まれば他の変位部材の配置や姿勢が定まるように構成していることから、1個の検出センサKS1での検出結果により、複数の変位部材の配置や姿勢を判定することができる。これにより、検出装置の配設個数を低減することができる。
第2動作ユニット700の検出センサ713は、第2動作ユニット700のギアカム部材734の姿勢を検出するための検出装置であって、検出溝に被検出部735が進入可能とされる。第2動作ユニット700がギアカム部材734の姿勢を検出するための検出装置は3個であり(図50参照)、それぞれ、第2動作ユニット700の演出待機状態、中間演出状態、張出状態に対応する。
演出待機状態を判定する検出センサ713は、初期位置への復帰を判定するために必要となる。張出状態を判定する検出センサ713は、上昇変位終端位置への到達を判定するために必要となる他、昇降反転演出装置770の反転動作や、意図しない負荷の影響による位置ずれの判定のために必要となる。中間演出状態を判定する検出センサ713は、中間演出状態での上下位置への到達を判定するために必要となる他、意図しない負荷の影響による位置ずれの判定のために必要となる。以下、反転動作と、意図しない負荷の影響とについて、順に説明する。
まず、反転動作について説明する。第2動作ユニット700では、ギアカム部材734の回転動作に連動して生じる昇降反転演出装置770の上下変位の他、昇降反転演出装置770の反転動作(図59参照)が可能に構成される。
反転動作により昇降反転演出装置770が上下方向に変位する可能性があるので、例えば、単一の検出センサ713(演出待機状態を判定する検出装置)のみを採用する場合には、張出状態や中間演出状態における上下方向の位置ずれを判定することができず、適正な演出動作が実行できない可能性がある。
これに対し、本実施形態によれば、第2動作ユニット700の演出待機状態、中間演出状態、張出状態に対応した検出センサ713を備えている。そのため、例えば、張出状態で昇降反転演出装置770を反転動作させたことで昇降反転演出装置770が上下方向に変位したことを判定でき、この判定結果を基にギアカム部材734の姿勢を適正に(張出状態となるように)修正する方向に駆動モータ731を回転させることで、昇降反転演出装置770の配置を適正に保つことができる。
なお、本実施形態では、反転動作は第2動作ユニット700が張出状態の時(ギアカム部材734が動作終端側の時)にのみ許容されるので、反転動作時の位置ずれの修正は、ギアカム部材734を動作終端側に回転させれば良く、容易である。
次に、意図しない負荷の影響について説明する。第2動作ユニット700では、ギアカム部材734の回転動作により回動する回動アーム部材720に連動して生じる昇降板部材740の上下変位の他、その昇降板部材740の上下位置に対応した前後位置に変位するための昇降板部材740を基準とした昇降反転演出装置770の前後変位が生じる(図52から図54参照)。
そのため、遊技機の前後幅方向にかけられる負荷で昇降反転演出装置770が前後方向に変位することに伴って、昇降反転演出装置770及び昇降板部材740の上下位置が変動し、これに伴ってギアカム部材734の姿勢が変化する可能性がある。遊技機の前後幅方向にかけられる負荷としては、遊技者が遊技機を叩くなどする場合の衝撃負荷や、正面枠14を開閉する際の負荷等が例示される。
前後幅方向の負荷により昇降反転演出装置770が上下方向に変位する可能性があるので、例えば、単一の検出センサ713(演出待機状態を判定する検出装置)のみを採用する場合には、張出状態や中間演出状態における上下方向の位置ずれを判定することができず、昇降反転演出装置770が適正な配置に維持できない可能性がある。
これに対し、本実施形態によれば、第2動作ユニット700の演出待機状態、中間演出状態、張出状態に対応した検出センサ713を備えている。そのため、例えば、中間演出状態で前後幅方向の負荷が遊技機にかけられ、昇降反転演出装置770及び昇降板部材740の上下位置が変動した場合に、連動してギアカム部材734の姿勢が変化するので、昇降反転演出装置770が上下方向に変位したことを判定でき、この判定結果を基にギアカム部材734の姿勢を適正に(中間演出状態となるように)修正する方向に駆動モータ731を回転させることで、昇降反転演出装置770の配置を適正に保つことができる。
なお、中間演出状態に対応した検出センサ713にギアカム部材734の被検出部735が配置されている状態から、意図しない負荷により被検出部735が検出センサ713から外れたと判定された場合、本実施形態では、被検出部735がいずれの方向に外れたのかの判定まではできないが、先に演出装置780を下降変位させる方向に駆動モータ731を駆動するように制御している。これにより、第2動作ユニット700と第3動作ユニット800とが衝突する事態を未然に回避することができる。
本実施形態では、この駆動により、被検出部735が再度、中間演出状態に対応した検出センサ713に進入した場合には、意図しない負荷による被検出部735の変位は、演出装置780を上昇変位させる側に生じていたことが分かり、その時点で駆動を停止するようにすれば、意図しない負荷によって生じた影響を相殺することができる。
また、この駆動により、被検出部735が中間演出状態に対応した検出センサ713に進入することなく、演出待機状態に対応した検出センサ713に進入した場合には、意図しない負荷による被検出部735の変位は、演出装置780を下降変位させる側に生じていたことが分かり、再度上昇変位させるように駆動を継続して中間演出状態に対応した検出センサ713に被検出部735が進入した時点で駆動を停止するようにすれば、意図しない負荷によって生じた影響を相殺することができる。
なお、検出センサ713の検出溝に進入する被検出部735については、延設部634bで説明したような構造上の目的は生じないので、検出センサ713の検出幅に適切な幅長さの板状部として形成される。これにより、ギアカム部材734の姿勢を検出する分解能を高めることができる。
検出センサ778dは、第2動作ユニット700の上下反転部材781の姿勢を検出するための検出装置であって、検出溝に円弧状突設部781dが進入可能とされる。第2動作ユニット700が上下反転部材781の姿勢を検出するための検出装置は2個であり(図56参照)、それぞれ、上下反転部材781の正立の縦配置状態と、倒立の縦配置状態と、に対応する。
第2動作ユニット700は、上下反転部材781の正立の縦配置状態(図59(a)参照)と、倒立の縦配置状態(図59(c)参照)とにおいて、左右一対で配設される覆設部材787が近接する合体状態とされる。
例えば、単一の検出センサ778d(上下反転部材781の正立の縦配置状態を反転する検出装置)のみを採用する場合には、正立の縦配置状態からの上下反転部材781の姿勢ずれは判定できるので、判定結果に基づいて覆設部材787の合体状態を維持するように駆動モータ782を駆動制御することは可能である。一方で、倒立の縦配置状態からの上下反転部材781の姿勢ずれを判定することはできないので、倒立の縦配置状態における覆設部材787の合体状態が、意図しない負荷や、制御不良等により状態変化した場合であっても、その状態変化を検出センサ778dで判定することはできず、合体状態が解除された状態が継続することになり、演出上好ましくない。
これに対し、本実施形態によれば、上下反転部材781の正立の縦配置状態と、上下反転部材781の倒立の縦配置状態と、に対応した検出センサ778dを備えている。そのため、正立の縦配置状態か、倒立の縦配置状態かに関わらず、合体状態からの状態変化が生じたことを検出センサ778dにより判定することができ、その判定結果を基に合体状態に戻す側に駆動モータ782を駆動制御することで、覆設部材787を合体状態に戻すことができる。これにより、第2動作ユニット700の演出効果を向上することができる。
なお、検出センサ778dの検出溝に進入する円弧状突設部781dについては、延設部634bで説明したような構造上の目的は生じないので、検出センサ778dの検出幅に適切な幅長さの板状部として形成される。これにより、上下反転部材781の姿勢を検出する分解能を高めることができる。
第3動作ユニット800の検出センサ813は、第3動作ユニット800の外側回転部材840の姿勢を検出するための検出装置であって、検出溝に被検出部844が進入可能とされる(図60参照)。第3動作ユニット800が外側回転部材840の姿勢を検出するための検出装置は1個であり、この単一の検出装置が、外側回転部材840自体の回転と、外側回転部材840の回転が停止した状態における内側回転部材830の回転(切替回転動作)と、の判定に利用(兼用)される。
なお、検出センサ813の検出溝に進入する被検出部844については、延設部634bで説明したような構造上の目的は生じないので、検出センサ813の検出幅に適切な幅長さの板状部として形成される。これにより、外側回転部材840の姿勢を検出する分解能を高めることができる。
検出センサ813は、外側回転部材840の姿勢を検出する目的から配設され、個数も1個と少ないので、装飾部材870,880の合体状態からのずれを判定するには不十分である。例えば、検出センサ813に被検出部844が配置されていない姿勢で外側回転部材840が維持されている時に合体状態が解除されるような変位が生じても、それを検出センサ813で判定することはできない。
そのため、合体状態からのずれを判定してから、合体状態に復帰させるという制御よりは、一定の時間間隔で、装飾部材870,880を合体状態へ復帰させる方向(個別合体状態(図66(a)参照)では正面視で内側回転部材830を時計回りに回転させる方向、一連合体状態(図103(b)参照)では正面視で内側回転部材830を反時計回りに回転させる方向)に駆動モータ861を一定時間(例えば、短時間)回転させるよう駆動する制御が好ましいと考えられる。
この制御により、装飾部材870,880の合体状態が予期せず解除された場合であっても、一定の時間間隔での駆動モータ861の駆動により装飾部材870,880を合体状態に復帰させることができるので、装飾部材870,880の合体状態が解除されたまま長期に亘り維持されることを回避することができる。
第2の横断的説明として、磁石Mg,Mg2の作用について説明する。上述のように、第2動作ユニット700では磁石Mgが覆設部材787の姿勢維持に機能しており、第3動作ユニット800では磁石Mg2が装飾部材870,880の合体状態の維持に機能しているように、類似の技術を採用しているが、それぞれ、磁石Mg,Mg2が生じる負荷の方向の設計思想が異なるので、ここで説明する。
第2動作ユニット700では、左右にそれぞれ配設される磁石Mgと金属ネジとの間で生じる磁力の方向が、左右両位置において、前後方向で揃うよう設計されている。換言すれば、磁力の作用線が、覆設部材787の回転動作の回転軸としての金属棒785aと直交する平面に平行となるように設計されている。
この場合、磁石Mgの磁力が金属棒785aの軸方向に生じる場合と比較して、覆設部材787が互いに近接離反するスライド変位の抵抗として生じる磁力の程度(大きさ)を下げることができる。これにより、覆設部材787の動作開始時の動作抵抗を下げることができる。
一方、第3動作ユニット800では、装飾部材880に配設される磁石Mg2と金属ネジNj2との間で生じる磁力の作用線の方向が、装飾部材880の回転動作の回転軸としての5本の金属棒832が配置される平面(内側回転部材830の回転軸に直交する平面)と、平行な一平面上に配置されるよう設計されている。
この場合、磁石Mg2の磁力により装飾部材870,880に回転動作方向の負荷がかけられる程度を下げることができるので、磁力により、装飾部材870,880が回転動作方向にぐらつく誤動作を回避し易くすることができる。
第3の横断的説明として、第3図柄表示装置81等の表示装置における表示と、動作ユニット600,700,800とを一体的に視認させる演出について説明する。
第1動作ユニット600では、張出装飾部652bが第3図柄表示装置81の表示領域の領域右端RE1と重なって見えるよう配置される(図29参照)。そのため、例えば、第3図柄表示装置81の表示領域の領域右端RE1付近に、張出装飾部652bを配置させる位置に対応する表示をすることで、表示領域と張出装飾部652bとをひとまとまりの表示演出として視認させ易くすることができる。
第2動作ユニット700では、第1副装飾面787a2が、センターフレーム86の内側下縁部と、開口511aの下縁部と、の間において高さを合わせて配置される(図26及び図52参照)。そのため、例えば、第3図柄表示装置81の表示領域の下縁付近に、第1副装飾面787a2を配置させる位置に対応する表示をすることで、表示領域と第1副装飾面787a2とをひとまとまりの表示演出として視認させ易くすることができる。
第3動作ユニット800では、個別合体状態で遊技者が視認可能となる各第1覆設部875には異なる装飾がされており、張出状態では、その周囲を正面視で囲むように第3図柄表示装置81の表示領域が配置される。そのため、例えば、第3図柄表示装置81の表示領域における第1覆設部875と近接した範囲において、第1覆設部875を配置させる位置に対応する表示をすることで、表示領域と第1覆設部875とをひとまとまりの表示演出として視認させ易くすることができる。
また、第3動作ユニット800が一体回転動作するように駆動制御すれば、各第1覆設部875が回転するルーレット状の動作演出を実行可能となるが、その際にも、例えば、第3図柄表示装置81の表示領域における第1覆設部875と近接した範囲において、第1覆設部875と並走するように表示を動かすことで、表示領域と第1覆設部875とをひとまとまりの表示演出として視認させ易くすることができる。
次いで、図108を参照して、第2実施形態について説明する。第1実施形態では、流路構成部334〜336の内部形状が固定である場合を説明したが、第2実施形態の振分装置2300では、内部形状を可変とする第1流路構成部2334を備える。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
第1実施形態での第1流路構成部334の代替部として第1流路構成部2334を説明する際、右側に配設される構成について図示して説明するが、左側に配設される構成についても第1流路構成部2334とすることはできる。また、左右一方だけ第1流路構成部2334とし、他方は第1流路構成部334とするように、左右で構成を異なるようにしても良い。
図108は、図15のXVI−XVI線に対応する線における第2実施形態における振分装置2300の断面図である。図108に示すように、振分装置2300の第1流路構成部2334は、湾曲突部334bの下部において前後方向に穿設される貫通孔2410と、その貫通孔2410に沿って前後にスライド変位可能に案内されるスライド部材2420と、そのスライド部材2420をスライド変位させる駆動力を発生可能となるように後側枠状部332内部に配設されるソレノイド2430と、を備える。
図108では、ソレノイド2430の非励磁状態におけるスライド部材2420の前側配置FPが実線で図示されている。ソレノイド2430に通電されると、ソレノイド2430の駆動力によりスライド部材2420が後側配置RPまでスライド変位する。
本実施形態では、スライド部材2420の前側配置FPでは、スライド部材2420の上側面が、固定の流路の底面であって球が転動可能な底面2334cよりも内側(上側)に張り出し、後側配置RPでは、スライド部材2420の上側面が底面2334cよりも内側(上側)には張り出さない(没入する)ように構成される。
即ち、スライド部材2420の前側配置FPでは、スライド部材2420の上側面に球が当接し、スライド部材2420の後側配置RPでは、スライド部材2420と球とは当接しない。
スライド部材2420の上側面は、底面2334cと平行な平面として形成される。そのため、球が底面2334cを転動している際にスライド部材2420のスライド変位が生じても、球の流下態様に対する影響を小さく抑えることができる。
底面2334cを転動する球の流下方向は斜め前下方向であり、スライド部材2420のスライド変位の方向は前後方向であるので、スライド部材2420のスライド変位の方向が球の流下方向に沿う。そのため、スライド部材2420のスライド変位が、球の回転の強弱に影響する。
球は、底面2334cを前方へ向けて転動するので、進行方向(前方)へ向けて前転する方向の回転が生じることになる。ソレノイド2430が非励磁の状態(図108参照)から、ソレノイド2430に通電されることにより、スライド部材2420が前側配置FPから後側配置RPにスライド変位される場合、スライド部材2420の上側面を転動している球の下端に対して後方向への負荷(摩擦力)が生じる。そのため、球の前転方向の回転が加速され、球の回転の程度を大きくでき、球の転動速度を増速させることができる。
一方、ソレノイド2430が通電されている状態から、非励磁の状態(図108参照)へと変化されることで、スライド部材2420が後側配置RPから前側配置FPにスライド変位される場合、底面2334bを転動している球の下端に対してスライド部材2420の上側面を介して前方向への負荷(摩擦力)が生じる。そのため、球の前転方向の回転が減速され、球の回転の程度を小さくでき、球の転動速度を減速させることができる。
更に、底面2334bの上下位置よりも、前側配置FPにおけるスライド部材2420の上側面の上下位置の方が上側にあるので、スライド部材2420からの摩擦力に加えて、球を上側に押し上げる方向の負荷が生じる。そのため、下方へ向けて転動する球の上下方向の速度を低減させることができるので、球の流下速度を減速させることができる。
このように、本実施形態によれば、球が底面2334bを転動している時にスライド部材2420のスライド変位を生じさせる制御を実行することで、振分装置2300の内部を流下する球の流下速度を変化可能とすることができる。これにより、球が、球通過孔163bを通過してから分岐箇所BP1(図74参照)に到達するまでの時間を変化可能に制御することができる。
本実施形態では、スライド部材2420が第2流路構成部335よりも後方に配置されているので、スライド部材2420により球が影響を受けている最中の様子を、遊技者に把握され難くすることができる。
即ち、遊技者が視認し易く注目が集まり易い第2流路構成部335に球が導入される前段階でスライド部材2420と球との当接を生じさせることになるので、球に回転を付加したり、上下方向に変位させたりする様子を遊技者に把握され難くすることができる。これにより、第2流路構成部335を流下する球を視認する遊技者に与える違和感を小さくすることができる。
本実施形態では、球が底面2334cの上側に配置されている時にスライド部材2420が変位する場合には当接負荷が与えられる一方で、スライド部材2420の変位前後(停止時)に底面2334cの上側を通過する球にはスライド部材2420との当接負荷が与えられない。
従って、スライド部材2420の動作中に底面2334cの上側に配置される球と、スライド部材2420の停止中に底面2334cの上側に配置される球とで、流下態様(回転、回転の変化、流下速度、流下速度変化、等)を異ならせることができる。
次いで、図109を参照して、第3実施形態について説明する。第1実施形態では、確変検出センサSE11及び通常検出センサSE12が左右に並んで配置される場合を説明したが、第3実施形態の振分装置3300では、確変検出センサSE11の配置が通常検出センサSE12の後側に移動されることで、確変検出センサSE11及び通常検出センサSE12が前後に並んで配置される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
確変検出センサSE11及び通常検出センサSE12の配置の変更例として左右中央よりも右側において説明を行うが、左右よりも左側における構成は任意に設計可能である。例えば、左側においては、第1実施形態と同様に確変検出センサSE11及び通常検出センサSE12を左右に並べて配置するようにして、振分装置3300の左右で確変検出センサSE11及び通常検出センサSE12の配置が異なるように構成しても良いし、左側においても、以下で詳述するように前後に並べて配置されるようにして、振分装置3300の左右で確変検出センサSE11及び通常検出センサSE12の配置が対称となるように構成しても良い。
図109(a)及び図109(b)は、図15のXVII−XVII線に対応する線における第3実施形態における振分装置3300の断面図である。図109(a)では、電磁ソレノイド361(図17参照)が非励磁とされ、スライド変位部材3370が前側位置に配置された状態が図示され、図109(b)では、電磁ソレノイド361に通電されスライド変位部材3370が後側位置に配置された状態が図示される。
また、図109(a)及び図109(b)では、第3流路構成部336を流れた後の球の案内経路が想像線で図示される。このように、スライド変位部材3370の配置によって、球の案内経路が変化される。
図109(a)及び図109(b)に示すように、振分装置3300の中部材3330には、確変検出センサSE11及び通常検出センサSE12への球案内経路を区画する後側枠状部3332が、左側から球を受入可能に開放される形状で構成されている。
スライド変位部材3370は、前側位置と後側位置とでスライド変位可能に構成されている。スライド変位部材3370の後側位置(図109(b)参照)は、上突設部376の前側面376aの右端部と、確変検出センサSE11へ球を案内する経路入口として後側枠状部3332に形成される開放部3332gの後側内面と、が左右で揃う(又は、前側面376aの右端部の方が若干前側に配置される)位置として設定される。
このようにスライド変位部材3370の位置を設定することで、スライド変位部材3370が前側位置に配置されていれば、第3流路構成部336を通過した球がスライド変位部材3370の前側面376aに当接しながら右側へ流され、通常検出センサSE12を通過する一方で、スライド変位部材3370が後側位置に配置されていれば、第3流路構成部336を通過した球がスライド変位部材3370の前側面376aに当接しながら右側へ流され、確変検出センサSE11を通過するように構成することができる。
即ち、通常検出センサSE12を通過する球の流下経路と、確変検出センサSE11を通過する球の流下経路とが、双方共に、第3流路構成部336を通過した後で右方に流れる流下経路で構成される。違いは、右方に流れる前後位置のみである。
そのため、正面側から第3流路構成部336を視認する遊技者目線で、球が確変検出センサSE11へ流れたか、通常検出センサSE12へ流れたかの判別を困難とすることができる。
スライド変位部材3370は、薄板部371の前端部から正面側に棒状に延設される一対の棒状案内部3371cと、上突設部376に一体的に形成される上前突設部3376bと、上突設部376に一体的に形成される上横突設部3376cと、を備える。
棒状案内部3371cは、上側面が球案内部371bの上面と面一とされ、第3流路構成部336を流下する球の球中心の左右両側に左右一対で形成されており、排出孔337の前側面を貫通して、第3流路構成部336の下面裏側に収容可能に構成される。
即ち、スライド変位部材3370が前側位置に配置される場合には、棒状案内部3371cは第3流路構成部336の下面裏側に配置されることで球とは当接せず、スライド変位部材3370が後側位置に配置される場合には、棒状案内部3371cは排出孔337の前側面と球案内部371bとの前後方向隙間に亘って配設される。
このように棒状案内部3371cを構成することで、スライド変位部材3370が後側位置に配置されている時に、球の下側左右部を棒状案内部3371cで支持することができ、球をスライド変位部材3370まで橋渡しすることができる。
これにより、スライド変位部材3370が後側位置に配置されている時に、球が通常検出センサSE12へ向けて流下する事態を回避し易くすることができる。即ち、棒状案内部3371cにより、流下球の誤案内を回避し易くすることができる。
また、第3流路構成部336を通過した球の配置が、球案内部371bの上面と面一で形成される棒状案内部3371cの上面に乗る配置とされることで、球と球案内部371bとが前後方向で正面衝突する事態を回避することができる。即ち、棒状案内部3371cにより、球と球案内部371bとが正面衝突して球が前方に逆流する事態や、球案内部371bの前側面と排出孔337の前側面との間に球が挟まって動作が不良となる事態を、回避し易くすることができる。
上前突設部3376bは、第1実施形態で上述した前後長突設部317(図18参照)と同様の形状部が、第1実施形態のスライド変位部材370の前側位置における相対位置と同様の位置関係で上突設部376と一体形成される形状部である。
上横突設部3376cは、第1実施形態で上述した左右内突設部318(図18参照)と同様の形状部が、第1実施形態のスライド変位部材370の前側位置における相対位置と同様の位置関係で上前突設部3376bと一体形成される形状部である。
これにより、上前突設部3376b及び上横突設部3376cが、当接した球に与える作用は、スライド変位部材3370の配置に関わらず、上突設部376付近を流下する球に対する作用として生じる。
換言すれば、前後長突設部317や左右内突設部318(図18参照)のように固定配置される場合と異なり、スライド変位部材3370が後側位置に配置される状態において、突設部3376b,3376cが、上突設部376の前方位置に到達した球を通常検出センサSE12側へ勢い付けする作用を排除することができる。
次いで、図110及び図111を参照して、第4実施形態について説明する。第1実施形態では、確変検出センサSE11及び通常検出センサSE12が左右に並んで配置される場合を説明したが、第4実施形態の振分装置4300では、通常検出センサSE12の配置が確変検出センサSE11の後側に移動されることで、確変検出センサSE11及び通常検出センサSE12が前後に並んで配置される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図110(a)及び図110(b)は、第4実施形態における第3流路構成部336の下流側の構成を模式的に示す第3流路構成部336、確変検出センサSE11、通常検出センサSE12及びスライド変位部材4370の模式上面図である。
図111(a)は、図110(a)のCXIa−CXIa線における第3流路構成部336、確変検出センサSE11、通常検出センサSE12及びスライド変位部材4370の模式断面図であり、図111(b)は、図110(b)のCXIb−CXIb線における第3流路構成部336、確変検出センサSE11、通常検出センサSE12及びスライド変位部材4370の模式断面図である。図111(b)では、分かり易さのために、上当接部4373の図示を省略している。
スライド変位部材4370は、確変検出センサSE11又は通常検出センサSE12の一方を球が通過不能に塞ぎ、他方を開放して球の通過を可能とするよう構成されており、確変検出センサSE11の上方で左右にスライド移動する前側スライド部材4371と、通常検出センサSE12の上方で左右にスライド移動する後側スライド部材4375と、を備える。
前側スライド部材4371と後側スライド部材4375とは、ソレノイドの駆動力により、互いに左右反対方向にスライド変位する。即ち、図110(a)及び図111(a)に示す前開放状態から、図110(b)及び図111(b)に示す後開放状態に状態変化する際に、前側スライド部材4371は左方にスライド移動し、後側スライド部材4375は右方にスライド移動するよう構成される。
前側スライド部材4371は、確変検出センサSE11の上方に被さるように配置されるスライド板4372と、左右内突設部318(図17参照)の形状と同様の形状で形成される上当接部4373と、を備え、不図示の連結部により一体的に形成される。即ち、図110において、スライド板4372及び上当接部4373は一体的にスライド変位する。
スライド板4372の上側面4372aは、第3流路構成部336の下底面336aと面一とされ、前後方向の傾斜が同一傾斜の傾斜平面として形成される(図111(b)参照)。そのため、後開放状態(図111(b)参照)において、上側面4372aの傾斜によって、上側面4372aを転動する球を通常検出センサSE12側へ流すことができる。一方で、前開放状態(図111(a)参照)では、下底面336aを通過した球は上当接部4373と当接し負荷を受けることで、下方(右下方)に流される。
従って、前側スライド部材4371は、前開放状態と、後開放状態とが変化すると、異なる箇所で球と当接するようになり、異なる方向に球を案内する(流す)ように状態が変化するよう構成される。
後側スライド部材4375は、通常検出センサSE12の上方に被さるように配置されるスライド板4376と、前後長突設部317(図17参照)の形状と同様の形状で形成される上当接部4377と、を備え、不図示の連結部により一体的に形成される。即ち、図110において、スライド板4376及び上当接部4377は一体的にスライド変位する。
スライド板4376の上側面4376aは、上側面4372aと前後逆の形状から形成される傾斜平面とされる(図111(a)参照)。そのため、前開放状態(図111(a)参照)において、上側面4376aの傾斜によって、上側面4376aに配置されている球を確変検出センサSE11側へ流すことができる。一方で、後開放状態(図111(b)参照)では、下底面336a及び上側面6372aを通過した球は上当接部4377と当接し負荷を受けることで、下方に流される。
従って、後側スライド部材4375は、前開放状態と、後開放状態とが変化すると、異なる箇所で球と当接するようになり、異なる方向に球を案内する(流す)ように状態が変化するよう構成される。
このように構成することにより、確変検出センサSE11の上方を後方に通過した後の球が、再び確変検出センサSE11の上方に戻り確変検出センサSE11を通過するという事態が生じ得ることから、第3流路構成部336を通過した球に対する注目力を向上することができる。
再び確変検出センサSE11の上方に戻る態様としては、例えば、上側面4372aを後方に球が通過するタイミングで、後開放状態から前開放状態に状態変化するようにソレノイドが駆動される場合が想定される。この場合、球は通常検出センサSE12を通過する前に上側面4376aに乗り上げることになり、上側面4376aの傾斜に沿って手前側に逆流し、確変検出センサSE11側に戻る。
このように、球が第3流路構成部336を通過するタイミングと、スライド変位部材4370の駆動タイミングとが合うと、球は確変検出センサSE11側に戻り得るように構成される。従って、確変検出センサSE11の上方を下流側に通過した球が確変検出センサSE11を通過することは無いように構成される遊技機に比較して、第3流路構成部336を通過した後の球や、スライド変位部材4370の駆動タイミングに対する注目力を向上することができる。
次いで、図112を参照して、第5実施形態について説明する。第1実施形態では、第3流路構成部336までは球の流路が共通であり、第3流路構成部336の後方に分岐箇所BP1が配置される場合を説明したが、第5実施形態の振分装置5300では、第3流路構成部336の上流側にスライド変位部材5370が配設され、第3流路構成部336の上流側で球の流路が変化する。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図112(a)及び図112(b)は、図15のXVII−XVII線に対応する線における第5実施形態における振分装置5300の部分断面図である。図112(a)では、スライド変位部材5370が右側位置に配置され、スライド変位部材5370によって球が確変検出センサSE11へ案内される状態が図示され、図112(b)では、スライド変位部材5370が左側位置に配置され、スライド変位部材5370によって球が通常検出センサSE12へ案内される状態が図示される。
また、図112(a)及び図112(b)では、第1流路構成部334を流れた後の球の案内経路が想像線で図示される。このように、スライド変位部材5370の配置によって、球の案内経路が変化される。
スライド変位部材5370は、不図示の電磁ソレノイドにより左右方向にスライド変位可能に構成されており、球の転動面を構成する薄板部5371と、その薄板部5371の上面から上方に突設される上突設部5376と、を備える。
薄板部5371は、第1流路構成部334を通過した球が乗り上げ可能な程度に薄肉で形成される。上突設部5376は、球と対向する左側面5376aが、流路側を凹とした円弧形状で形成されているので、流れてきた球を滑らかに後方へ向けて流すことができる。
本実施形態によれば、振分装置5300のように、球の流下経路の前後幅が長く形成され、後側を流下する球に比較して、手前側を流下する球の視認性が高くなる構成を採用しながら、スライド変位部材5370の配置を、球の視認性が高くなる手前側としていることから、球の流下態様(流下経路)を遊技者に判別させ易くすることができる。
本実施形態では、スライド変位部材5370が右側位置に配置される場合、通常検出センサSE11への経路入口は特に塞がれておらず、球の入球が生じ得る構造とされる。一方で、通常検出センサSE11への経路入口の上流側を流下する球は、第1流路構成部334を流下する間に正面側に向けて流れている。
そのため、第1流路構成部334を通過した直後において、真逆の後方側への速度が生じ難いため、通常検出センサSE11への経路入口への球の進入が生じ難い構成となっている。そこで、本実施形態では、敢えて通常検出センサSE11への経路入口を塞ぐための部材を設けることを省略し、部材コストの削減を図っている。
次いで、図113を参照して、第6実施形態について説明する。第1実施形態では、左右の流路が仕切り板部338により分断され、流路同士が合流しない場合を説明したが、第6実施形態の振分装置6300では、右側の第3流路構成部336に、左側の湾曲突部334bの下流側から右方に延びる合流流路6341が連結される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図113は、図15のXVII−XVII線に対応する線における第6実施形態における振分装置6300の断面図である。図113に示すように、振分装置6300の右側の流路は、第1実施形態と同様に流路構成部334〜336から形成されている。
一方、振分装置6300の左側の流路は、湾曲突部334bの正面側に球1個分のスペースを空けた箇所から右方に直線的に延びる合流流路6341から形成され、この合流流路6341は、右側の流路としての第3流路構成部336に接続される。従って、本実施形態では、右側流路を流下する球と、左側流路を流下する球とが、流路が接続される接続箇所JP1で合流するので、球同士が衝突し得る。
合流流路6341は、流路下端に上げ床部6342を備える。上げ床部6342は、第3流路構成部336の下底面336aよりも高い位置の床面として形成される。これにより、合流流路6341から接続箇所JP1に流入する球と、右側流路を流下し第3流路構成部336を流下する球のとの高さ位置に差をつけることができるので、球同士の衝突時に生じる逆流の度合いを低減することができる。
接続箇所JP1における球同士の接触により、球同士の接触が生じない場合と比較して、球の流下を遅延させることができる。これにより、球同士の接触が生じる場合と、接触が生じない場合とで、球通過孔163b(図16参照)を通過した球が分岐箇所BP1に到達するまでの時間を変化させることができる。
スライド変位部材370の動作タイミングは球の入球態様によらず、開閉板65bの開放タイミングから一定動作で設定されるので、球が分岐箇所BP1に到達するタイミングを変化させることにより、スライド変位部材370が異なる配置の時に球を分岐箇所BP1に到達させることができる可能性がある。
球同士の接触の前提は、球の合流が発生することであり、合流流路6341を流下する球が存在することである。遊技者は、球同士の接触を生じさせたい場合には、左右一対の球通過孔163b(図74参照)にそれぞれ球を入球させるように発射強度を調節して遊技すればよく、球同士の接触を避けたい場合には、片側(右側)の球通過孔163bにのみ球を入球させるように発射強度を調節して遊技すればいい。
本実施形態によれば、球の発射強度の調節が、接続箇所JP1における球の接触の有無に関与し、球が分岐箇所BP1に到達するタイミングでのスライド変位部材370の状態と関与することから、遊技者の利益に直接的に影響する。従って、遊技者の、球の発射強度を調節する意欲を向上することができる。
また、本実施形態によれば、接続箇所JP1での接触は、球の連球の形成と密接に関連する。即ち、接続箇所JP1で接触した2球を、近接配置した状態で分岐箇所BP1へ流下させることができる。
次いで、図114及び図115を参照して、第7実施形態について説明する。第1実施形態では、分岐箇所BP1への流下経路が、流路構成部334〜336により構成される流路のみである場合を説明したが、第7実施形態の振分装置7300では、第1流路構成部334及び第2流路構成部335を経由せずに球が分岐箇所BP1へ流下可能に構成される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図114は、第7実施形態における振分装置7300の正面斜視図であり、図115は、図114のCXV−CXV線における振分装置7300の断面図である。図114及び図115に示すように、振分装置7300は、特定入賞口65aに入球した球が通過可能な経路として、球通過孔163bの他に、左右略中央位置において開口形成される球通過孔7163bを備える。
球通過孔7163bは、可変入賞装置65への入球を検出し、規定個数の入球の判定により開閉板65bを閉鎖状態に状態変化させるタイミングを検出するために利用される検出センサSE1と同様の機能を有する検出センサSE71の球通過開口として形成される。
球通過孔7163bの下流側には、後方に向けて下降傾斜する方向に矩形筒状断面で延設される筒状流路7164が配設される。筒状流路7164は、内部を球が流下可能となるように十分に大きく形成されており、その端部は、分岐箇所BP1の正面側上方まで延びている。即ち、球通過孔7163bを通過した球は、筒状流路7164の内部を流下して、分岐箇所BP1まで到達可能に構成される。
筒状流路7164を球が通過するのに要する時間長さは、流路構成部334〜336を球が通過するのに要する時間長さよりも短くなるように設定され、第1流路構成部334を球が通過するのに要する時間長さと同等となるように設定される。
そのため、例えば、振分装置7300が、上述した作動パターンY(図25参照)で駆動制御される場合において、上述のように、球通過孔163bを通過して流路構成部334〜336を通過する球はスライド変位部材370が前側位置に復帰した後の状態でしか分岐箇所BP1に到達できないのに対し、球通過孔7163bを通過して筒状流路7164を流下した球はスライド変位部材370が後側位置に配置されている間に分岐箇所BP1に到達する可能性がある。
特に、開閉板65bが開放状態に状態変化した直後に球通過孔7163bを通過した球は、スライド変位部材370が後側位置に配置されている間に分岐箇所BP1に到達し易い。
即ち、スライド変位部材370の駆動制御のパターンが同じであっても、特定入賞口65aに入球した球が、球通過孔163bを通過するか、球通過孔7163bを通過するかで、確変検出センサSE11を球が通過するか否かが変化するように構成することができる。これにより、特定入賞口65aの内側における球の流下態様に対する遊技者の注目力を向上することができる。
図114に示すように、遊技中における一般的な方向視で見る場合に、筒状流路7164によって分岐箇所BP1やスライド変位部材370や流路構成部334〜336の視認性が低下することを回避できるように筒状流路7164の配置を工夫している。
このように、本実施形態によれば、分岐箇所BP1の視認性は高く維持しながら、分岐箇所BP1へ球が案内される流路を増やしたことで、球が分岐箇所BP1へ到達するまでに要する時間長さの種類を増やすことができ、特定入賞口65aに対する遊技者の注目力を向上することができる。
次いで、図116を参照して、第8実施形態について説明する。第1実施形態では、第1動作ユニット600の案内長孔616が直線状部616aと曲線状部616bとが一箇所で連結され、その連結位置において軸線O1の経路が屈曲し軸線O1の変位方向が切り替えられる場合を説明したが、第8実施形態の第1動作ユニット8600では、案内長孔8616が、複数箇所(二箇所)で連結され、その連結位置において軸線O1の経路が屈曲し変位方向O1の変位方向が切り替えられる。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図116は、第8実施形態における案内長孔8616と回動部材620との関係を模式的に示す正面模式図である。図116に示すように、案内長孔8616は、直線状部616aの下側において、左右に2度屈曲する。
即ち、案内長孔8616は、直線状部616aと、その直線状部616aの下端部と連結され曲線上(略円弧形状)に形成される第1曲線状部8616bと、その第1曲線状部8616bの下端部と連結され、第1曲線状部8616bとは曲率半径の中心が左右逆となる曲線上(略円弧形状)に形成される第2曲線状部8616cと、を備える。
本実施形態では、第1実施形態と同様に、軸線O1が直線状部616aの下端位置、即ち、直線状部616aと第1曲線状部8616bとの連結部分に配置される場合、軸線O1の変位方向が切り替えられることから軸線O1の変位速度を低減する(落とす)ことができる。
加えて、軸線O1が第1曲線状部8616bの下端位置、即ち、第1曲線状部8616bと第2曲線状部8616cとの連結部分に配置される場合、軸線O1の変位方向が切り替えられることから軸線O1の変位速度を低減する(落とす)ことができる。
このように、軸線O1を停止させ易い途中位置を複数位置で構成することができるので、軸線O1を途中で止めて、途中で停止している第2装飾回転部材660(図43参照)の停止姿勢の種類(バリエーション)を増やすことができる。
次いで、図117を参照して、第9実施形態について説明する。第1実施形態では、第1動作ユニット600の案内長孔616が単一の経路で構成される場合を説明したが、第9実施形態の第1動作ユニット9600では、案内長孔9616が、直線状部616a及び曲線状部616bで構成される第1の経路と、その第1の経路の右側に連結される第2の経路と、を備える。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図117は、第9実施形態における案内長孔9616と回動部材620との関係を模式的に示す正面模式図である。図117に示すように、案内長孔9616は、第1実施形態の案内長孔616と同様に直線状部616a及び曲線状部616bを備えることに加え、直線状部616a及び曲線状部616bの連結箇所から右方に傾斜して延びる角度維持部9616cと、その角度維持部9616cの右端から曲線状部616b側へ延びて曲線状部616bの途中位置と連結される連結部9616dと、を備える。
角度維持部9616cは、軸線O1が直線状部616aと曲線状部616bとの連結箇所に配置された状態(図43及び図44参照)から、回動部材620を傾倒側に回動させる場合に角度θが維持された状態で軸線O1が変位すると仮定した場合の、軸線O1の変位軌跡と同方向に形成される。
このように、軸線O1が角度維持部9616cを変位する間は角度θが維持されるので、第2装飾回転部材660の箱状部材661の回転方向の姿勢は、第3演出面661cが正面を向く姿勢(図43参照)が維持される。
換言すれば、回動部材620が回動変位する際に軸線O1が角度維持部9616cを変位する場合、回動部材620が傾倒方向に回動することに連動して回転する箱状部材661の回転態様として、角度維持部9616cの形成長さ(形成角度幅)に亘り、第3演出面661cが正面を向いた姿勢を維持することができる。
連結部9616dを軸線O1が変位する場合は、回動部材620の回動に伴う角度θの変化は許容されるので、回動部材620の回動に連動して、箱状部材661は回転する。
一方で、回動部材620の傾倒角度が同じ場合であっても、軸線O1が曲線状部616bに配置される場合の角度θの大きさと、軸線O1が連結部9616dに配置される場合の角度θの大きさと、は異なるので、軸線O1が変位する経路を左右で異ならせることで、回動部材620の回動に連動する箱状部材661の途中姿勢を異ならせることができる。
また、軸線O1が変位する経路が左右いずれであろうと、軸線O1が変位可能範囲の上端に配置される場合の角度θや、下端に配置される場合の角度θは、それぞれ一種類なので、軸線O1が変位可能範囲の上端または下端に配置されている場合における箱状部材661の姿勢は維持することができる(図40及び図45参照)。
換言すれば、本実施形態では、軸線O1が変位可能範囲の端部間(途中位置)に配置された状態における、軸線O1の配置に関連する被支持部材640及び第2装飾回転部材660(図43及び図44参照)の配置と、軸線O1の変位速度に関連する被支持部材640の変位速度および第2装飾回転部材660の箱状部材661の回転速度と、を複数種類で生じさせることができる。
案内長孔9616は、複数の経路で構成されているに留まり、軸線O1が変位可能な経路を制限する機構は備えていない。これにより、経路を制限する機構の不良による動作不良の発生を回避したり、構成を簡素化することによる製品コストの低減を図ったりすることができる。
一方で、軸線O1の変位経路の分岐は、回動部材620を介して軸線O1にかけられる負荷の方向で制御することができる。以下、これについて説明する。まず、回動部材620が傾倒方向に回動変位する場合を説明する。
第1に、軸線O1を左側の経路(直線状部616a及び曲線状部616b)で変位させる場合、回動部材620の回動変位が途中で停止しないように駆動モータ631(図40参照)を駆動制御する。
この場合、軸線O1は、直線状部616aの延びる方向(上下方向)に沿う変位の慣性で曲線状部616bに進入し、そのまま案内長孔9616の下端位置まで変位する。
第2に、軸線O1を右側の経路(角度維持部9616c及び連結部9616d)で変位させる場合、直線状部616a及び曲線状部616bの連結箇所に軸線O1が配置された段階で回動部材620を途中停止または減速させるよう駆動モータ631(図40参照)を駆動制御し、その後で再度、駆動モータ631を同方向に駆動制御する。
この場合、直線状部616aの延びる方向(上下方向)に沿う変位の慣性が減少するので、軸線O1が左側の経路を変位するか、右側の経路を変位するかの選択は、変位抵抗が少ない側が選ばれる。
ここで、角度維持部9616cへ軸線O1が進入する場合、角度θの大きさが維持されることから、回動部材620と歯合回転する中間ギア644(図44参照)や、中間ギア644よりも駆動力の伝達下流側の部材に駆動力を伝達する必要がない。即ち、その分だけ変位抵抗が少ないので、軸線O1を角度維持部9616b側に進入させることができる。
このように、本実施形態では、回動部材620の傾倒方向の駆動制御において、駆動モータ631を途中で停止制御させるか、停止させないかにより、軸線O1が変位する経路を選択するように制御することができる。
なお、回動部材620の起き上がり方向の変位では、軸線O1が回動部材620から斜め右上方向へ向けた負荷を受けるので、軸線O1が連結部9616dに進入するように変位する事態は生じ難くされ、曲線状部616bに沿って軸線O1を上昇変位させることができる。
本実施形態では、連結部9616dと曲線状部616bとの連結箇所は、曲線状部616bの途中位置に設定されているので、曲線状部616bの右側面が、曲線状部616bの下端位置に配置された軸線O1の右上側に配置される左上傾斜の面として形成される。
そのため、軸線O1が曲線状部616bの下端位置に配置された状態で、円形貫通孔624を中心とする円に沿って軸線O1が上方変位(跳ね戻り)することを防止することができる。
以上、上記実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。
上記各実施形態において、一の実施形態における構成の一部または全部を、他の実施形態における構成の一部または全部の構成と組み合わせて或いは置き換えて、別の実施形態としても良い。
上記第1実施形態では、振分装置300により球が一旦手前側に流下した後で、後方に流下する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、手前側に流下する部分を構成することなく、複数回の経路屈曲や、球を減速させる減速凸部を形成することにより、球の流下に要する時間の確保を図っても良い。
上記第1実施形態では、第2入賞口140の前意匠部材141の下底面が湾曲面形状とされる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、当接により球の流下を遮ることができる形状であれば良い。例えば、傾斜平面形状で構成しても良いし、平面から細かな凸部が多数突設されるよう形成され、衝突した球に不規則な負荷を与えられるようにしても良い。
上記第1実施形態では、特定入賞口65aに入球した球が振分装置300を流下する際、専ら流路構成部334〜336を順に流下する場合を説明したが、必ずしもこれに限定されるものではない。例えば、特定入賞口65aの左右中央部に下方へ貫通する開口が形成され、この開口を通り第3流路構成部336に球が直接流入可能に形成しても良い。
例えば、球が1球ずつ入球する場合には開口を球が通過することは無いが、複数球がまとまって特定入賞口65aに入球した場合に球が開口を通過し得るよう構成しても良い。この場合、特定入賞口65aに入球した球が開口を通過する場合と、開口を通過しない場合とで、球がスライド変位部材370に到達するまでに要する時間を変化させることができる。
上記第1実施形態では、検出センサSE11,SE12が特定入賞口65aよりも後方に配置される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、第2流路構成部335の下流側端部の真下に検出センサSE11,SE12が配設されるようにしても良い。また、この場合において、第1流路構成部334と第2流路構成部335との順番を逆転させても良い。即ち、検出センサSE11,SE12への入球において、左右方向への流下の直後に各検出センサSE11,SE12への分岐が生じても良いし、前後方向流下(手前側へ向けた流下)の直後に各検出センサSE11,SE12への分岐が生じても良い。
上記第1実施形態では、振分装置300単体での特徴として、各流路構成部334〜336の流路方向や傾斜について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、パチンコ機10の島への設置の際に、日常的に行われる「ねかせ」を考慮して、この流路方向や傾斜について設計するようにしても良い。
ねかせとは、パチンコ機10を垂直な姿勢で設置するのではなく、前後方向に傾斜させた状態で設置することを言う。通常、パチンコ機は、約1度(四分五厘)後方に倒れた姿勢(ねかせ)で設置される。上述の振分装置300単体(ねかせが無い状態状態)での説明に比較して、約1度という設置角度を考慮すると、前後方向の傾斜を有する第1流路構成部334及び第2流路構成部336の傾斜の意味が変わってくる。
即ち、振分装置300単体では、上述のように、第1流路構成部334が前側へ水平から7度だけ下降傾斜し、第3流路構成部336が後側へ水平から5度だけ下降傾斜するように設計されているが、設置角度を合わせて検討すると、第1流路構成部334も第3流路構成部336も同様に6度だけ下降傾斜する流路を構成することになる。一方で、第2流路構成部335は、左右方向の傾斜であるので設置角度の影響を受けにくく、上述と同様に約5度の傾斜とみなすことができる。
この場合、振分装置300内の球の流下について、第1流路構成部334及び第3流路構成部336での球の加速度は同様とされ、第2流路構成部335において若干加速度が小さくなる。そのため、左右方向の球の流下速度を落とすことができるので、第2流路構成部335を流下する球を遊技者に視認させ易くすることができる。また、第1流路構成部334の方が第3流路構成部336よりも短いことは変わらないので、第1流路構成部334を、第3流路構成部336を通過するよりも短期間で通過させることができる。
このように、振分装置300の内部での球の流下は、前後方向の流路を有していることからパチンコ機10のねかせの影響を受ける。そのため、各流路構成部334,336の傾斜角度をねかせの角度(約1度)よりも小さくすると、ねかせの良し悪し(角度設定)により流路構成部334,336における球の流下方向が変わって(反転して)しまうので、傾斜角度はねかせの角度よりも大きな角度として設定する必要がある。
また、振分装置300の内部での球の流下が前後方向の流路を有しており、その流路が視認可能な構成では、その流路を流下する球の流速の僅かな違いから、パチンコ機10のねかせの程度を把握される可能性がある。敢えて、ねかせの程度を把握させたいなら、振分装置300の流路を視認し易い構成とすればいい。
一方、上記第1実施形態では、球の流下速度の僅かな違いから「ねかせ」の程度を把握されないように、各流路構成部334〜336の、前側周囲において被固定部材161や前意匠部材162が囲むように配置され、上側において可変入賞装置65が覆うように配設され、下側において光拡散加工面340で視認性を悪くするように構成されるようにしている。
このように、各流路構成部334〜336を流下する球の視認性を、通常の遊技者目線(正面視0度〜約30度程度の範囲)を除き、悪くするようにしている。これにより、各流路構成部334〜336を流下する球の流速を比較してパチンコ機10の「ねかせ」の程度を把握されることを回避することができる。
上記第1実施形態では、第1流路構成部334の傾斜の方が、第3流路構成部336の傾斜よりも大きい場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、この傾斜の関係を逆転させても良いし、同様の傾斜で構成しても良い。
また、各流路構成部334〜336は、それぞれ直線状の流路が屈曲して渦状の流路を構成するものとして説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、蛇行する流路形状でも良いし、階段状に屈曲する流路形状でも良い。
また、各流路構成部334〜336の接続箇所で流路が直角に曲げられるように構成されているが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、接続箇所で流路が鋭角で曲げられても良いし、鈍角で曲げられても良い。また、各流路構成部334〜336としてクルーンを採用しても良い。
上記第1実施形態では、第3流路構成部336を球が通過するのに要する時間が0.3秒となるように設計される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、第3流路構成部336を通過するのに要する時間が1秒(0.6秒以上)となるように設計しても良い。これにより、球が発射間隔(0.6秒)を維持したまま振分装置300に入球した場合であっても、第3流路構成部336を流下する上流側の球を、その下流側において第3流路構成部336を流下する球の目隠しとして機能させることができる。
上記第1実施形態では、流路構成部334〜336の経路長さを確保することで、球の流下時間を確保する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、スライド変位部材370までの経路の内側両壁から遊技球の流下方向と交差する方向に長尺で形成され、互い違いに突設される突条を設け、この突条を遊技球に衝突させることで球を減速させるように構成しても良い。これにより、経路長さを長くせずとも、球の流下時間の確保を図ることができる。
なお、減速用の突条は、スライド変位部材370までの経路の全範囲に均等に配置するようにしても良いし、配置を不均等にしても良い。例えば、第1流路構成部334及び第2流路構成部335については突条を形成せず、第3流路構成部336においてのみ突条を構成することで、第3流路構成部336までは迅速に球を到達させる一方、球が第3流路構成部336を緩やかに流下するように構成することができる。
また、突条の突設方向は、左右方向から球の流下経路に沿って経路内側へ互い違いに突設されるような方向でも良いし、所定間隔を空けて下側から上方へ突設されるような方向でも良い。
左右方向からの突設の場合、突条から球に与えられる負荷が左右方向の成分を有するので、この負荷により球が通常検出センサSE12に誤って案内されないように配置を考慮することが好ましい。例えば、スライド変位部材370に最も近接する位置においては、左右外側の壁部から左右内側に突設させることで、突条からの負荷が通常検出センサSE12側へ向かわず仕切り板部338側へ向かうようにすることで、球が誤って通常検出センサSE12に案内されることを回避し易くすることができる。
下側から上方への突設の場合、突条自体がスライド変位部材370の目隠しとして機能する可能性があるので、遊技者の視線を考慮して、形成高さや形成位置を設計することが好ましい。
なお、突条は、出没可動に形成しても良い。この場合、出状態では球の流下をせき止めて、没状態となった場合に球の流下を再開可能としても良い。
上記第1実施形態では、スライド変位部材370の手前側を流下する球により目隠しがされる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、振分装置300の前に、可動の化粧部材が配置され、その化粧部材によって流路構成部334〜336の目隠しがされるようにしても良い。この化粧部材は、駆動されても良いし、球の重みで動作するものでも良い。
また、球により目隠しがされる場合において、球が手前側に配置される場合に限られるものではない。例えば、スライド変位部材370の背面側に鏡が配設され、その鏡の反射を利用してスライド変位部材370の状態を視認させる場合には、球がスライド変位部材370と鏡との間に配置されれば、目隠し機能を生じさせることができる。
上記第1実施形態では、スライド変位部材370に到達する球が目隠しされる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、第1入賞口64が、検出センサSE11,SE12のように遊技領域よりも後方に配置され、第1入賞口64が目隠しされるものでも良いし、他の一般入賞口63が目隠しされるものでも良い。
上記第1実施形態では、流路構成部334〜336が直線的で球を1個ずつ案内可能な流路から形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、蛇行する流路として形成されても良いし、複数に枝分かれが生じる流路として形成されても良いし、流路幅の大小があり流路幅が大の箇所では球が滞留し易いよう構成されても良い。
上記第1実施形態では、スライド変位部材370へ向かう球により目隠しの効果が生じる場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、他の入賞口63,64,65,140に入球した球を排出するための排出経路がスライド変位部材370の前側に配置され(例えば、手前側において交差するように配置され)、その排出経路および排出経路に配置される球によりスライド変位部材370が目隠しされるようにしても良い。
上記第1実施形態では、特定入賞口65aに入球した球は、専ら第1流路構成部334を通り第2流路構成部335側(手前側)に流れてくる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、特定入賞口65aの下流側に球を振り分けるシーソー状の振分機構が配設され、その振分機構により第2流路構成部335側に流れる球が選別されることで、一部の球が第2流路構成部335側に流れるようにしても良い。
振分機構は、球の自重で変位動作するものでも良いし、駆動装置で開閉板65bの開閉から一定動作するよう駆動されても良いし、パチンコ機の電源オンから一定のパターンで駆動されるように制御しても良い。
駆動制御する場合は、例えば、入球の種類が変化する場合において第2流路構成部335側に球が流れるように制御しても良い。例えば、特定入賞口65aへの入球において、カウント数(10個/ラウンド)を超える入球(超過入賞)があった場合に、第2流路構成部335側に球が流れるように構成しても良い。この場合、第2流路構成部335側を流下する球の個数と、超過賞球の払い出し個数とを照合でき、得られる追加利益を遊技者が早期に把握することができる。この場合において、スライド変位部材370及びその下流の構成は維持しても良いし、省略しても良い。
また、例えば、第1入賞口64に入球した球が振分装置300を流下するような構成においては、特別図柄1の保留個数が4個(満タン)の場合に入球があったら、その球は第2流路構成部335側に流すように構成しても良い。この場合、第2流路構成部335側を流れる球を視認することで、特別図柄1の保留個数が満タンであることを遊技者に気付かせることができる。この場合において、スライド変位部材370及びその下流の構成は維持しても良いし、省略しても良い。
球の自重で変位動作する場合は、球が到達する度に所定動作を繰り返すようにしても良いし、到達する球の個数によって異なる動作をするように構成しても良い。例えば、1個の球が特定入賞口65aに入球した場合には第2流路構成部335側へは流れず、2個以上の球がまとまって特定入賞口65aに入球した場合には第2流路構成部335側へ球が流れるようにしても良い。また、逆でも良い。
また、これらの動作態様は、特定入賞口65aの左右に一対で配設される検出センサSE1の下流でいずれも同じでも良いし、左右で異なるように構成しても良い。
ここで、特定入賞口65aからスライド変位部材370までの球の流下時間が長い場合、球排出時間が長いことにより遊技が間延びする可能性がある。そのため、例えば、上述の振分機構を利用して、特定入賞口65aに入球した何球目までかの球を第2流路構成部335側へ流下させ、それ以降の球については第2流路構成部335を経ずに排出するように構成しても良い。これにより、カウント数目の球が流路構成部334〜336を流下しきるのを待つ必要が無くなるので、ラウンド間長さを短く設定することができる。
上記第1実施形態では、第3図柄表示装置81の下側において振分装置300が配置され、遊技領域の下端部付近で球を手前側に流す場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、特定入賞口65aが第3図柄表示装置81の下縁よりも上側に配置され、振分装置300の流路構成部334〜336が、第3図柄表示装置81に近接配置または正面視で表示領域の手前側に配置されるよう構成しても良い。
この場合、振分装置300を流下する球を視認する視線を第3図柄表示装置81の表示領域側を向く視線にすることができる。この場合、振分装置300での球の流下により遊技者が得られる利益の大小と、液晶表示での報知の内容とを対応付けることで、遊技者は表示を確認することで大小いずれの利益を獲得できたのかを容易に把握することができる。
また、内レール61を転動する球が、第3流路構成部336を転動する球を基準として、正面視で下側にずれた位置で視認される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、内レール61を転動する球が第3流路構成部336を転動する球を基準として、正面視で上下に位置ずれせず、重なって視認され得るような配置関係で構成しても良い。この場合、振分装置300に入球した球のみでなく、内レール61を転動する球を第3流路構成部336を流下する球の目隠しとして機能させることができる。
上記第1実施形態では、スライド変位部材370の作動パターンYとして、特定入賞口65aに入球した球が到達し得ない時間にスライド変位部材370を前側位置に切り替える場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、開閉板65bの開放タイミングから、1.2秒経過後にスライド変位部材370が前側位置に切り替えられるように制御しても良い。
この場合、1.2秒が経過する前にスライド変位部材370に到達していた前流れ球については、確変検出センサSE11の貫通孔に入球させることができる。一方、その前流れ球を追うように流れ、1.2秒の経過後にスライド変位部材370に到達した後追い球は、通常検出センサSE12の貫通孔に入球することになる。
ここで、後追い球が、前流れ球の目隠しとして機能する位置関係であった場合、遊技者は、前流れ球の流れが確変検出センサSE11へ向けて(下方へ)切り替わるタイミングを、後追い球に隠されることで、視認することができない。その上、後追い球は通常検出センサSE12に入球するので、遊技者は、球が確変検出センサSE11に入球していないと思い込むと考えられる。
このように、あたかも確変検出センサSE11の貫通孔に球が入球していないように見せることができるので、時短状態と確変状態との表示演出を同様にして遊技者の期待感を維持させるような遊技機において、その表示演出の演出効果を向上することができる。
上記第1実施形態では、左右内突設部318に衝突した球は、その衝突による負荷だけでは通常検出センサSE12側には流れない場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、左右内突設部318に案内されるまでの球の速度や、回転が、複数種類で構成可能となるように左右内突設部318の上流側における流路を構成し(例えば、クルーンを配設したり、経路幅を広くしたりすることで球の流下方向の自由度を増加させ)、球の速度や、回転の違いによって、左右内突設部318との衝突による負荷だけで通常検出センサSE12に案内され得るように構成しても良い。
上記第1実施形態では、スライド変位部材370と、各突設部317〜319とが別体として形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、各突設部317〜319の少なくとも一つが、スライド変位部材370に一体的に形成されても良い。即ち、スライド変位部材370の上突設部376から各突設部317〜319の少なくとも一つが突設されるようにしても良い。
上記第1実施形態では、スライド変位部材370の動作タイミングとして、球で隠される可能性を考慮した作動パターンYについて説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、球で隠されるタイミングで発光手段351のLEDを発光させる制御を織り交ぜても良い。
上記第1実施形態では、案内長孔616の形状により軸線O1の変位抵抗を変化させる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、案内長孔616の幅長さを変えて隙間の外相を形成することで変位抵抗を変えても良いし、磁力やコイルスプリングの付勢力を利用して変位抵抗を変化させても良い。
上記第1実施形態では、案内長孔616の形状を途中位置で屈曲する形状で構成したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、複数回屈曲する形状としても良い。この場合、軸線O1の上下方向変位の抵抗が増大する位置を複数位置で形成することができる。
また、案内長孔616の形状を、回動部材620の回動中における角度θの変化量の大小を変化させる目的から設計しても良い。例えば、回動部材620の回動中における角度θの大きさが維持できる範囲を部分的に形成できるように被支持部材640を案内可能な形状で案内長孔616を形成しても良い。
上記第1実施形態では、案内長孔616が固定される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、軸線O1が移動可能な案内長孔616が複数形成され、所定の切替手段(例えば、他の駆動装置や、回動部材620に当接して切り替えられるボタン式の切替装置)によって軸線O1が案内される案内長孔616を切り替えられるように構成しても良いし、案内長孔616を形状変化可能に構成しても良い。
上記第1実施形態では、第2装飾回転部材660が第3図柄表示装置81の右側に配置された状態で第1演出面661aを前斜め左側へ向ける構成について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、第3図柄表示装置81の左側に配置された状態で演出面を前斜め右側へ向けるように構成しても良いし、第3図柄表示装置81の下側(上側)に配置される場合に演出面を前斜め上側(下側)へ向けるように構成しても良い。
上記第1実施形態では、回動部材620を変位の基端側に配置するよう構成したが、必ずしもこれに限られるものではなく、直動変位する部材を変位の基端側に配置しても良い。一方で、直動の部材ではなく回動部材620を利用していることは、第2装飾回転部材660及び張出装飾部652bの回転角度を確保することに好適に機能する。
例えば、横スライドする部材を被支持部材640の主動側に固定する場合、第2装飾回転部材660及び張出装飾部652bの回転角度に影響する角度は、水平より上側の角度(角度a1等)に限定される。これに対し、回動部材620を利用する場合であれば、水平より上側の角度だけでなく、下側の角度(角度b1等)をも利用することができる。なお、この好適な効果に関わらず、被支持部材640の主動側に直動スライドする部材を連結するようにしても良い。
上記第1実施形態では、第2装飾回転部材660が直方体で形成され、直角に交差する3側面に装飾が施される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、第2装飾回転部材660が断面五角形で形成され、各側面が前側を向く姿勢で停止制御可能に構成されても良い。
上記第1実施形態では、装飾固定部材670は固定の装飾部材としたが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、液晶表示装置が配設されても良い。この場合、第1動作ユニット600や第2動作ユニット700と一体視させ易い表示を容易に切り替えることができる。
上記第1実施形態では、回動部材620の回転軸と、第2装飾回転部材660とが直角に交差し得る場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、第2装飾回転部材660の回転軸が前後方向の成分を軸として(斜めな回転軸として)構成されても良い。
上記第1実施形態では、コイルスプリングCS2の付勢力の設定から、第2動作ユニット700を中間演出状態で維持し易くなるように構成する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、回動アーム部材720の長孔部723付近に磁石を配設し、この磁石が右側前板部材710に配設される磁石との間で吸着力を生じさせるよう構成し、この吸着力が第2動作ユニット700の中間演出状態において生じ易くなるようにしても良い。
また、例えば、傾斜部751,762を直線的に形成するのではなく、波形状や鋸歯形状など屈曲した形状から形成しても良い。また、コイルスプリングCS2を利用する場合についても、コイルスプリングCS2が圧縮される場合にのみ付勢力が生じるものに限らず、コイルスプリングCS2の伸長変位に対する付勢力が生じるよう構成しても良い。
上記第1実施形態では、磁石Mgの吸着力を超えるまでは傘歯部783cと傘歯部材785cとが弾性変形することで軸回転部材785の姿勢が維持される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、ギアの弾性変形ではなく、回転する軸棒と、その軸棒を支持する支持筒との間の摺動摩擦に許容値を設けることで構成しても良い。
上記第1実施形態では、覆設部材787が下からせり上がり、遊技領域の後端部から前側に入り込む場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、下降変位によって前側に張り出す態様でも良い。この場合において、センターフレーム86の上縁を下から前方へ越える態様でも良いし、遊技領域の上方(例えば、正面枠14の上方)から前側に張り出す態様でも良い。
上記第1実施形態では、覆設部材787の回転が逆方向となることで副装飾面787a2,787b2が揃って視認されないことで識別力を低下させる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、副装飾面787a2,787b2を正面側に向けながら回転する態様ではなく、左右外側に向けながら回転する態様としても良い。また、同方向の回転であっても、回転角度をずらして回転させるように構成しても良い。
上記第1実施形態では、第2動作ユニット700及び第3動作ユニット800で共通して、リンク機構(中間腕部材783、中間腕部材850)の回転角度を利用して軸回転部材785や回転部材834を回転(反転)させるように構成されるが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、回転部材834を案内する金属棒832に一筆書き状に溝が掘られ、その溝に回転部材834から突設される突片が差し込まれるような構成では、溝の設計次第で、回転部材834の回転タイミングを規定することができる。
上記第1実施形態では、検出センサ813に被検出部844が配置された状態から、検出センサ813の出力が切り替わることで切替回転動作から一体回転動作に切り替わったと判定するように制御する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、検出センサ813に被検出部844が配置されていない状態で駆動モータ861の駆動方向を反転した後、被検出部844が検出センサ813に進入したことを検出することで、切替回転動作から一体回転動作に切り替わったと判定しても良い。
上記第1実施形態では、第1装飾部材870の構成と、第2装飾部材880の構成とが所々で異なるように構成する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、磁石Mg2が両装飾部材870,880に配設されるようにしても良いし、両装飾部材870,880に鍍金処理がされるようにしても良い。
上記第1実施形態では、トルクリミッタ866を配設することで切替回転動作と一体回転動作とを明確に分ける場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、粘性抵抗を生じるオイルダンパを設けるようにしても良い。なお、オイルダンパの場合、動作態様の切り替えによらず、常時抵抗が生じ続けるので、トルクリミッタの方が、一体回転動作に動作態様が切り替えられた後の回転方向の変位抵抗を低減することができ、一体回転動作に切り替えられた後の高速回転を実現し易い。
上記第1実施形態では、光LD1が鍍金部871aで正面側に反射される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、金属棒832で光を反射させても良い。一体回転動作中は、直動部材833が金属棒832の基端側(円の内径側)に配置されることで金属棒832が直動部材833に隠されるが、切替回転動作において直動部材833が金属棒832の先端側(円の外径側)に配置される場合には、金属棒832の基端側(円の内径側)が露出することで、光LD1を反射させることが可能である。
上記第1実施形態では、第3流路構成部336の下底面が左右内側に下降傾斜する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、第1流路構成部334の転動面(底面)が左右方向に沿って非傾斜(水平面と平行)となるように構成しても良いし、左右内側に下降傾斜するように構成しても良い。前者の方が、後者に比較して、第2流路構成部335への球の勢いを低減することができる。
また、例えば、第2流路構成部335の転動面(底面)が前後方向に沿って非傾斜(水平面と平行)となるように構成しても良いし、後方へ向かうにつれて下降傾斜するように構成しても良い。前者の方が、後者に比較して、第3流路構成部336への球の勢いを低減することができる。
また、第3流路構成部336について、転動面(底面)が左右方向内側に下降傾斜する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、第3流路構成部336の転動面(底面)が左右方向に沿って非傾斜(水平面と平行)となるように構成しても良い。この場合、球が仕切り板部338側に付勢される度合いが下がるので、球との衝突や擦れによる仕切り板部338の損傷の度合いを低く維持することができる。
上記第1実施形態では、外側発光手段351dの光軸が、分岐箇所を通る球の軌跡の外側に配置される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、外側発光手段351dの光軸が分岐箇所を通る球の軌跡の内側を通るように構成(配置位置を下げて構成)しても良い。この場合、外側発光手段351dを点灯している時に、分岐箇所を通る球が外側発光手段351dの光軸と重なることで、光を背面側に反射するように構成することができるので、光が光拡散加工面333bに到達しない状態(暗い状態)とすることができる。
即ち、外側発光手段351dの点灯は継続したままで、分岐箇所での球の流下態様と、光拡散加工面333b(及び光拡散加工面333bから拡散される光を受けて照らされる光拡散加工面314c,340)の明暗とを関連付けることができる。各光拡散加工面314c,333b,340は、球よりも遊技者目線での面積(投影される面積)が大きいので、分岐箇所での球の流下態様について遊技者に容易に把握させることができる。
上記第1実施形態では、発光手段351を点灯制御するタイミングとして、大当たり遊技中の説明をしたが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、入賞口63,64,140等への入賞が検出されたことに起因して発光制御するようにしても良いし、枠ボタン22の入力操作があったことに起因して発光制御するようにしても良いし、規定個数(大当たり遊技のラウンド遊技の終了を規定する入賞個数、入賞口64,140の入球に基づく変動の最大保留回数)を超える入賞が生じたことに起因して発光制御するようにしても良い。
上記第1実施形態では、スライド変位部材370の動作が不良である場合には、中部材330と下部材380との組み付け位置が不良となっていることから、スライド変位部材370の動作を確認することで、中部材330と下部材380との組み付けの良し悪しを製造段階で判定することができる場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。
例えば、スライド変位部材370の位置を検出する検出センサを備えるようにして、稼働時におけるスライド変位部材370の動作を検出するようにしても良い。この場合、製造段階では現れなかったものの、繰り返しの稼働や、何らかの外力の影響により、中部材330と下部材380との位置関係がずれた場合に、そのずれの発生をスライド変位部材370の動作不良により判定することができる。
上記第1実施形態では、分岐箇所BP1において球の流下方向を切り替えるスライド変位部材370の変位方向を前後方向の直動変位としたが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、回転動作(例えば、ルーレット形式)としても良いし、球の流下を不規則にする形状部(例えば、漏斗状のクルーン)を配設し球が複数の方向に流下し得るようにしても良い。
上記第1実施形態では、振分装置300を、球が、確変検出センサSE11と通常検出センサSE12とのいずれかを通過するかを切り替えるための装置として採用したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、始動入賞口(入賞口64,140)へ球を案内するための装置として採用しても良いし、特定入賞口65aへ球を案内する装置として採用しても良いし、その他の入賞口または入賞領域へ球を案内する装置として採用しても良い。
上記第1実施形態では、振分装置300が遊技領域の下隅部に配置される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、振分装置300は、遊技領域の上隅部(例えば、センターフレーム86の上方)に配置されても良いし、左右隅部(センターフレーム86の左右縁部よりも左右外側)に配置されても良いし、遊技領域の中央側部に配置されても良い。例えば、遊技領域の上隅部に配置される場合、振分装置300を見る遊技者の目線は水平面に対して斜め上方向に傾斜するので、正面側へ向けて下降傾斜する流路部分において、下流側の球が上流側の球を隠すよう構成することができる。
また、流路構成部334〜336の構造が前後逆の傾斜となるように構成し、確変検出センサSE11,通常検出センサSE12を被固定部材161付近に配設するように構成しても良い。
上記第1実施形態では、窓部162dの形状を、正面視における流路構成部335,336の形状と、シール部材313の配置と、から設計する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、遊技者目線(斜め下方向視)でスライド変位部材370(だけ)を視認可能となる形状でも良いし、スライド変位部材370の視認性が低下するような形状でも良い。また、スライド変位部材370の前側位置または後側位置の一方では視認可能とされ、他方では視認不能となる形状でも良い。
また、第1実施形態では、流路構成部334〜336を左右一対で構成し、合流しないようにすることで、一つの流路に入球する球の個数を少なくでき(入球を分散させることができ)、球詰まりを回避し易くすることができる作用を生じさせながら、それぞれの流路を通過した球のいずれの経路もスライド変位部材370で切り替えられるようにしている。
この点、窓部162dの形状を、スライド変位部材370の左右一対の構成(例えば、球案内部371b、上突設部376)の内、片方のみが視認できてもう片方は視認できなくなるような形状でも良い。この場合、視認できなくなっている側での球の流下経路を遊技者に予想させることができるので、遊技者の興趣の向上を図ることができる。
上記第1実施形態では、球案内部371bに球が乗り得る状態からのスライド変位部材370の変位方向を後ろ方向(第3流路構成部336を流下する球の進行方向の順方向)として、摺動により球の前転方向の回転を抑制し、球の落下直前の状態における回転量を抑えて、球が一時停止しているように遊技者に見せることができる場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。
例えば、球案内部371bに球が乗り得る状態からのスライド変位部材370の変位方向を前方向(第3流路構成部336を流下する球の進行方向の逆方向)として構成しても良い。
即ち、球案内部371bを前方向に変位させて、球案内部371bが第3流路構成部336の下側に進入させることで、確変検出センサSE11を開放可能に構成する。上突設部376については、球案内部371bと別体で構成し、球案内部371bに球が乗り得る状態では分岐箇所BP1側に張り出すように配置する。球案内部371bに球が乗らない状態へ球案内部371bが変位する場合には、上突設部376が球案内部371bの変位と同じタイミングで前後逆方向に変位して、確変検出センサSE11への球の通路を確保するようにすれば良い。
この場合、球案内部371bのスライド変位時の球との摺動により、球の前転方向の回転を増速することができるので、球の落下直前の状態における回転量を増大させて、球が即座に落下(スムーズに落下)したように遊技者に見せることができる。
上記第1実施形態では、回動部材620の制御は、駆動モータ631の通電切断後に回動部材620に与えられる慣性負荷を考慮して、検出センサKS1の検出溝に延設部634bが配置されたことをもって駆動モータ631の通電を切断する制御態様としていたが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、検出センサKS1の検出溝に延設部634bが配置されたことを検出センサKS1により検出したら、駆動モータ631の駆動電力を落として、短時間だけ弱めに回転させてから停止させるようにしても良い。これにより、回動部材620を変位終端位置(演出待機状態の位置)まで確実に到達させることができる。
上記第1実施形態では、第2動作ユニット700について、前上傾斜部714,751や受傾斜部762の溝を、真っすぐな傾斜溝から構成する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、下端側で前側に湾曲するような、部分的なカーブを有する溝とすることで、演出装置780の変位を、上下スライド変位と、前後スライド変位と、前後方向の姿勢変位とを合わせた変位態様とすることができる。
なお、前上傾斜部714,751や受傾斜部762の溝の形状としては、種々の態様が例示される。例えば、左右方向視でくの字形状(又は逆くの字形状)としても良いし、S字に湾曲する形状としても良い。
上記第1実施形態では、第2動作ユニット700の反転動作について、磁力により反転動作の開始タイミングを遅らせることで、部材同士(例えば、本体部材771と覆設部材787、駆動モータ782と覆設部材787)の衝突を避けるように変位させる場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。
例えば、中間腕部材783の傘歯部783cと軸回転部材785の傘歯部材785cとのギア数の設定により、部材同士の衝突を避ける設計手法でも良い。
上記第1実施形態では、第2動作ユニット700では、上端位置としての張出状態で回動アーム部材720の回動先端が演出装置780の左右中央と一致する左右位置に配置される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、回動アーム部材720の回動先端が演出装置780の左右中央よりも右寄りに配置されることで、昇降板部材740の左側を支持する金属棒702と、昇降板部材740の右側を支持する回動アーム部材720との支持位置間隔を長く確保することができる。これにより、昇降板部材740を安定して支持することができる。
上記第3動作ユニット800では、膨出部824aは、装飾部材870,880が個別合体状態か、一連合体状態かに関わらず、形状不変で遊技者に視認される部分として構成し、個別合体状態も、一連合体状態も、膨出部824aを一部(中央部)として遊技者に視認させる状態としたことで、膨出部824a、第1覆設部875及び第2覆設部885を互いに違和感の抑えた形状となるように設計する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。
例えば、膨出部824aの正面に表示部が配設される位置関係で表示装置(セグ表示装置や、液晶表示装置)を配設しても良い。この場合、内側発光部823aからの光の照射態様(明暗や色)の変化で膨出部824aの視認性を変化させる場合と異なり、膨出部824aで視認される対象を表示部の表示態様を切り替えることで変化させることができるので、演出自由度を向上することができる。
また、例えば、第1装飾部材870又は第2装飾部材880のいずれか一方について、覆設部875,885の形状を、合体状態における円形状の中心側に延設するように設計変更し、その延設した部分によって膨出部824aを覆うように構成しても良い。この場合、個別合体状態または一連合体状態のいずれか一方において、膨出部824aが遊技者に視認されないように隠すことができるので、膨出部824a、第1覆設部875及び第2覆設部885の設計自由度の制限の程度を下げることができる。
上記第1実施形態では、第3動作ユニット800について複数の装飾部材870,880が磁力で吸着する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、凹凸係合による負荷により合体状態を維持するものでも良いし、バネ部材による付勢力で合体状態を維持するように構成しても良い。
上記第1実施形態では、第3動作ユニット800の磁石Mg2の吸着力がトルクリミッタ866の抵抗力よりも小さくなるように設定することにより切替回転動作を実現しているが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、勢いをつけるような動作態様を採用することで、磁石Mg2の吸着力がトルクリミッタ866の抵抗力以上または同等である場合にも、切替回転動作を実現することができる。
勢いをつけるような動作態様としては、例えば、準備動作(予備動作)として、逆方向へ回転制御するようにしても良い。この場合、装飾部材870,880の回転変位に反動をつけることができると共に、中間腕部材850を合体状態における配置から径方向外方へ放る方向の負荷を生じさせることができる。これにより、磁力による吸着を解除し易くすることができる。
上記第1実施形態では、第3動作ユニット800の切替回転動作時のぐらつき抑制のための工夫として、装飾部材870,880が反転動作の前に径方向変位が生じるよう構成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、反転動作の回転軸としての金属棒832が配置される平面上に磁力の作用線が書けるように磁石Mg2を配設するように構成する場合、合体状態からの装飾部材870,880の径方向変位の前に反転動作が生じたとしても、複数(5個)の装飾部材870,880間で生じる磁力は同一平面上で生じるので、切替回転動作時に第3動作ユニット800に生じるぐらつきを抑制することができる。
上記第1実施形態では、切替回転動作は、装飾部材870,880が180度反転動作する態様で構成したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、120度の反転動作で再び合体するように構成しても良い。この場合、切替回転動作の前後において、装飾部材870,880の正面視で視認される側を同じとしながら、覆設部875,885の視認される角度を異ならせる(例えば、動作前は右向き60度、動作後は左向き60度)とする動作演出を実行することができる。
また、複数の中間腕部材850の構造について、例えば、長さを非共通に構成したり、傘歯部854cの形成範囲や形状を非共通に構成したりすることで、切替回転動作において、180度の反転動作で合体状態を再構成する装飾部材870,880と、120度の反転動作で合体状態を再構成する装飾部材870,880とを、共存させるように構成しても良い。例えば、5個の装飾部材870,880の内、一個の装飾部材870,880は切替回転動作で120度反転するように構成し、その他(四個)の装飾部材870,880は切替回転動作で180度反転するように構成しても良い。
なお、切替回転動作における反転動作の角度は任意に設定可能である。上述した180度や120度でも良いし、0度でも、360でも、0度から360度の任意の角度でも設定可能である。
上記第1実施形態では、トルクリミッタ866が、左右一対で、外側回転部材840の回転軸よりも上側で、左右非対称位置に配置される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、左右対称位置に配置するようにしても良しい、外側回転部材840の左側、右側または下側に一対のトルクリミッタ866の双方を配置するようにしても良いし、外側回転部材840の回転軸を挟んで対向する側(正反対の側)に配置されるようにしても良い。
上記第1実施形態では、複数(第1実施形態では、5個)の中間腕部材850が共通の形状で構成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、金属棒832に沿ってスライド変位する直動部材833が配設される被支持孔854aや案内孔854bの形状を異ならせて、金属棒832に沿ったスライド変位の開始タイミングを直動部材833同士で差を生じさせるようにしても良い。
例えば、被支持孔854aを長孔または径の大きな孔として形成するよう設計変更し、対応して案内孔854bの形状を設計変更した中間腕部材850を混在させることで、切替回転動作における直動部材833の変位開始タイミングに差を設けることができる。
これにより、直動部材833に連結される回転部材834に締結固定される装飾部材870,880の合体状態からの径方向外側への変位タイミングに、装飾部材870,880同士で差を持たせることができるので、磁石Mg2と金属ネジNj2との吸着部分をせん断方向(径方向)で離すことができる。
この場合、吸着を剥すための負荷を低減することができるので、駆動モータ862に要求される駆動力を低減することができると共に、第3動作ユニット800の配置の安定を図ることができる。
なお、磁石Mg2と金属ネジNj2との吸着部分にせん断方向(径方向)の変位を生じさせる変位態様は、毎回生じるようにする必要は無い。例えば、せん断方向の変位を生じさせる変位態様が、合体状態から切替回転動作を実行する場合(往路)に生じる一方で、切替回転動作により合体状態に至る場合(復路)では生じないように構成しても良い。
例えば、中間腕部材850の設計を、合体状態(回動先端が内側回転部材830の回転軸側に配置されている状態)から、装飾部材870,880が最外径位置に配置される状態へ中間腕部材850が回動する変位態様と、装飾部材870,880が最外径位置に配置される状態から、合体状態へ中間腕部i850が回動する変位態様と、で態様を異ならせるように構成することで、磁石Mg2と金属ネジNj2との吸着部分にせん断方向(径方向)の変位を生じさせる変位態様を選択的に生じさせることができる。
上記第1実施形態では、各動作ユニット600,700,800ごとに、検出センサKS1,713,778d,813の個数を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、1個の検出センサKS1ではなく、複数の検出センサKS1が延設部634bを検出可能な位置に配置されるように構成しても良いし、3個の検出センサ713ではなく、2個以下または4個以上の検出センサ713を採用しても良い。なお、検出センサKS1の配置としては、第1動作ユニット600の中間演出状態または張出状態における延設部634bを検出可能な位置が例示される。
また、例えば、2個の検出センサ778dの内の片方のみを採用しても良いし、1個の検出センサ813ではなく、複数の検出センサ813が被検出部844を検出可能な位置に配置されるように構成しても良い。検出センサ813の配置としては、例えば、5個の検出センサ813を円周上等間隔で配置することにより、第3動作ユニット800の個別合体状態における第1装飾部材870の配置を5種類(回転方向で異なる5態様)で判定することができる。
上記第2実施形態では、スライド部材2420の配置によらず球の転動が継続される場合を説明したが、必ずしもこれに限定されるものではない。例えば、前側配置FPにおけるスライド部材2420の上側面と、上部材310の上面部314の下側面との間隔が、球の直径と同等の長さとなるように構成しても良い。この場合、スライド部材2420が前側配置FPとなった場合には、球が、スライド部材2420の上側面と上面部314の下側面とに挟まれる状態を構成できるので、球の減速作用を強化し、球の滞留が生じ易くすることができる。
上記第2実施形態では、第1流路構成部2334の内側に突条を形成するという記載はしなかったが、第1流路構成部2334に球を減速させるための突条を突設するように構成しても良い。この場合において、突条の配設高さを、前側位置FPにおけるスライド部材2420に乗る球か、又は、スライド部材2420が後側配置BPの際に底面2334cに乗る球か、の一方と当接し、他方とは当接しない高さとして設定しても良い。この場合、突条による減速作用を、スライド部材2420が前側配置FPの状態か、後側配置BPの状態か、の何れかで生じさせることができる。
上記第3実施形態では、スライド変位部材3370は、薄板部371と上前突設部3376b及び上横突設部3376cとが一体形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、薄板部371が前側位置、後側位置に配置されるタイミングに合わせて、別部材としての上前突設部3376b及び上横突設部3376cが上下方向に出没し、球を当接する状態と、当接しない状態とを構成するようにしても良い。
なお、確変検出センサSE11及び通常検出センサSE12の前後配置は何ら限定されるものではないが、本実施形態のように、後側を確変検出センサSE11とする方が、確変検出センサSE11への誤入賞を回避し易くすることができる。
上記第4実施形態では、スライド板4372及び上当接部4373や、スライド板4376及び上当接部4377が一体形成されている場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、これらが別部材として構成されると共に、タイミングを合わせて同期動作(連動)するように構成しても良い。なお、前後方向にスライド変位するよう構成しても良い。
上記第4実施形態では、スライド板4372の上側面4372aを球が後方に通過したタイミングでスライド部材4371,4375がスライド変位すると、上側面4376aの傾斜によって球が前側に戻される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、前開放状態におけるスライド板4372の後方に、追加の入球検出センサが配設されるように構成しても良い。
この場合、後開放状態から前開放状態に状態変化する際にスライド板4372に乗っていた球だけが追加の入球検出センサに案内されるよう構成することができる。追加の入球検出センサに球が入球することにより遊技者が得られる利益(例えば、確変検出センサSE11への入球により得られる権利よりも大きいものとして、複数回の大当たりの獲得や、上位の確変状態への移行の権利の獲得等)が大きいほど、第3流路構成部336を通過した球への注目力を向上することができる。
上記第6実施形態では、合流流路6341の下流側端部の上げ床部6342からの流路が左右方向に沿う流路として構成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、上げ床部6342付近で、接続箇所JP1側が後方に向く湾曲流路として構成しても良い。これにより、上げ床部6342から接続箇所JP1に進入する球と、第2流路構成部335から接続箇所JP1に進入する球と、の双方共に後方への速度成分を有するようにでき、これらが衝突することによって、逆流が生じることを防止することができる。
なお、接続箇所JP1は、振分装置6300の左右中心位置に配置されるように構成しても良い。また、流路構成部334〜336の構造が前後逆の傾斜となるように構成し、確変検出センサSE11,通常検出センサSE12を被固定部材161付近に配設するように構成しても良い。この場合、球が接続箇所JP1で集まってから手前側に流下する状況を生じ易くすることができ、振分装置6300の内部を流下する球に対する注目力を向上することができる。
上記第9実施形態では、案内長孔9616が分岐を有する長孔として構成され、軸線O1への負荷の与え方によって、軸線O1が案内長孔9616のどこを通るかを切り替えるように構成する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。
例えば、案内長孔9616の形状を切り替えるよう構成しても良い。即ち、案内長孔9616において、常に長孔として構成されるのは直線状部616aのみとされ、曲線状部616bと、角度維持部9616c及び連結部9616dと、は、長孔として構成される場合と、その長孔が塞がれる場合とが、交互に切り替わるように構成しても良い。この場合、軸線O1が誤った経路で変位することを防止することができるので、被支持部材640及び第2装飾回転部材660が意図しない態様で変位することを防止することができる。
例えば、分岐を有する案内長孔9616において、いずれかの経路を塞ぐことで軸線O1の変位経路を制限する切替弁を備えるように構成しても良い。この場合、案内長孔9616の形状は固定としながら、切替弁により軸線O1の変位経路を制限することができるので、軸線O1が誤った経路で変位することを防止することができるので、被支持部材640及び第2装飾回転部材660が意図しない態様で変位することを防止することができる。
<第1制御例>
以下、本発明の制御例について、添付図面を参照して説明する。まず、図118から図87を参照し、第1制御例として、本発明をパチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)10に適用した場合の一制御例について説明する。図118は、第1制御例におけるパチンコ機10の正面図であり、図119はパチンコ機10の遊技盤13の正面図であり、図120はパチンコ機10の遊技盤13の正面視下領域に設けられた可変入賞装置65の構造を模式的に示した模式図であり、図121はパチンコ機10の後面図である。
図118に示すように、パチンコ機10は、略矩形状に組み合わせた木枠により外殻が形成される外枠11と、その外枠11と略同一の外形形状に形成され外枠11に対して開閉可能に支持された内枠12とを備えている。外枠11には、内枠12を支持するために正面視(図118参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ18が取り付けられ、そのヒンジ18が設けられた側を開閉の軸として内枠12が正面手前側へ開閉可能に支持されている。
内枠12には、多数の釘や球が入球可能な入球口63,64,640等を有する遊技盤13(図119参照)が裏面側から着脱可能に装着される。この遊技盤13の正面を球(遊技球)が流下することにより弾球遊技が行われる。なお、内枠12には、球を遊技盤13の正面領域(遊技領域)に発射する球発射ユニット112a(図137参照)やその球発射ユニット112aから発射された球を遊技盤13の正面領域まで誘導する発射レール(図示せず)等が取り付けられている。尚、遊技盤13に設けられた多数の入球口の内容については、図119を参照して後述する。
内枠12の正面側には、その正面上側を覆う正面枠14と、その下側を覆う下皿ユニット15とが設けられている。正面枠14及び下皿ユニット15を支持するために正面視(図118参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ19が取り付けられ、そのヒンジ19が設けられた側を開閉の軸として正面枠14及び下皿ユニット15が正面手前側へ開閉可能に支持されている。なお、内枠12の施錠と正面枠14の施錠とは、シリンダ錠20の鍵穴21に専用の鍵を差し込んで所定の操作を行うことでそれぞれ解除される。
正面枠14は、装飾用の樹脂部品や電気部品等を組み付けたものであり、その略中央部には略楕円形状に開口形成された窓部14cが設けられている。正面枠14の裏面側には2枚の板ガラスを有するガラスユニット16が配設され、そのガラスユニット16を介して遊技盤13の正面がパチンコ機10の正面側に視認可能となっている。
正面枠14には、球を貯留する上皿17が正面側へ張り出して上面を開放した略箱状に形成されており、この上皿17に賞球や貸出球などが排出される。上皿17の底面は正面視(図118参照)右側に下降傾斜して形成され、その傾斜により上皿17に投入された球が球発射ユニット112a(図21参照)へと案内される。また、上皿17の上面には、枠ボタン22が設けられている。この枠ボタン22は、例えば、第3図柄表示装置81(図119参照)で表示される演出のステージを変更したり、スーパーリーチの演出内容を変更したりする場合などに、遊技者により操作される。
正面枠14には、その周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて、点灯又は点滅することにより発光態様が変更制御され、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。窓部14cの周縁には、LED等の発光手段を内蔵した電飾部29〜33が設けられている。パチンコ機10においては、これら電飾部29〜33が大当たりランプ等の演出ランプとして機能し、大当たり時やリーチ演出時等には内蔵するLEDの点灯や点滅によって各電飾部29〜33が点灯または点滅して、大当たり中である旨、或いは大当たり一歩手前のリーチ中である旨が報知される。また、正面枠14の正面視(図118参照)左上部には、LED等の発光手段が内蔵され賞球の払い出し中とエラー発生時とを表示可能な表示ランプ34が設けられている。
また、右側の電飾部32下側には、正面枠14の裏面側を視認できるように裏面側より透明樹脂を取り付けて小窓35が形成され、遊技盤13正面の貼着スペースK1(図119参照)に貼付される証紙等がパチンコ機10の正面から視認可能とされている。また、パチンコ機10においては、より煌びやかさを醸し出すために、電飾部29〜33の周りの領域にクロムメッキを施したABS樹脂製のメッキ部材36が取り付けられている。
窓部14cの下方には、貸球操作部40が配設されている。貸球操作部40には、度数表示部41と、球貸しボタン42と、返却ボタン43とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)(図示せず)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部40が操作されると、その操作に応じて球の貸出が行われる。具体的には、度数表示部41はカード等の残額情報が表示される領域であり、内蔵されたLEDが点灯して残額情報として残額が数字で表示される。球貸しボタン42は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿17に供給される。返却ボタン43は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿17に球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部40が不要となるが、この場合には、貸球操作部40の設置部分に飾りシール等を付加して部品構成は共通のものとしても良い。カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との共通化を図ることができる。
上皿17の下側に位置する下皿ユニット15には、その中央部に上皿17に貯留しきれなかった球を貯留するための下皿50が上面を開放した略箱状に形成されている。下皿50の右側には、球を遊技盤13の正面へ打ち込むために遊技者によって操作される操作ハンドル51が配設される。
操作ハンドル51の内部には、球発射ユニット112aの駆動を許可するためのタッチセンサ51aと、押下操作している期間中には球の発射を停止する発射停止スイッチ51bと、操作ハンドル51の回動操作量(回動位置)を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器(図示せず)などが内蔵されている。操作ハンドル51が遊技者によって右回りに回動操作されると、タッチセンサ51aがオンされると共に可変抵抗器の抵抗値が回動操作量に対応して変化し、その可変抵抗器の抵抗値に対応した強さ(発射強度)で球が発射され、これにより遊技者の操作に対応した飛び量で遊技盤13の正面へ球が打ち込まれる。また、操作ハンドル51が遊技者により操作されていない状態においては、タッチセンサ51aおよび発射停止スイッチ51bがオフとなっている。つまり、本制御例では、球を遊技盤13に形成された遊技領域へと発射させるための発射手段と、操作ハンドル51の回動操作量(回動位置)に基づいて発射強度を可変させる発射強度可変手段と、を有している。これにより、遊技者は、操作ハンドル51を操作するだけで、発射手段を用いた球の発射行為と、球の発射強度を可変させる発射強度可変行為と、を実行することができる。よって、遊技盤13に形成される遊技領域のうち、特定の遊技領域に向けて球を発射させる操作を片手で実行することができ、遊技者に過度な負担を強いること無く、遊技を実行させることができる。
本制御例では、操作ハンドル51の回動操作量(回動位置)に基づいて発射強度を可変させるように構成しているが、これに限ること無く、例えば、遊技者が発射強度を選択可能な発射強度選択ボタンを設け、その発射強度選択ボタンの操作結果(選択結果)に対応する発射強度で発射手段が球を発射するように構成しても良い。
下皿50の正面下方部には、下皿50に貯留された球を下方へ排出する際に操作するための球抜きレバー52が設けられている。この球抜きレバー52は、常時、右方向に付勢されており、その付勢に抗して左方向へスライドさせることにより、下皿50の底面に形成された底面口が開口して、その底面口から球が自然落下して排出される。この球抜きレバー52の操作は、通常、下皿50の下方に下皿50から排出された球を受け取る箱(一般に「千両箱」と称される)を置いた状態で行われる。下皿50の右方には、上述したように操作ハンドル51が配設され、下皿50の左方には灰皿53が取り付けられている。
図119に示すように、遊技盤13は、正面視略正方形状に切削加工したベース板60に、球案内用の多数の釘(図示せず)や風車の他、レール61,62、一般入球口63、第1入球口64、第2入球口640、可変入賞装置65、普通図柄始動口(スルーゲート)67、可変表示装置ユニット80等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠12(図118参照)の裏面側に取り付けられる。ベース板60は光透過性の樹脂材料からなり、その正面側からベース板60の後面側に配設された各種構造体を遊技者に視認させることが可能に形成される。一般入球口63、第1入球口64、第2入球口640、可変入賞装置65、可変表示装置ユニット80は、ルータ加工によってベース板60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤13の正面側からタッピングネジ等により固定されている。
遊技盤13の正面中央部分は、正面枠14の窓部14c(図118参照)を通じて内枠12の正面側から視認することができる。以下に、主に図119を参照して、遊技盤13の構成について説明する。
遊技盤13の正面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した外レール62が植立され、その外レール62の内側位置には外レール62と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レール61が植立される。この内レール61と外レール62とにより遊技盤13の正面外周が囲まれ、遊技盤13とガラスユニット16(図118参照)とにより前後が囲まれることにより、遊技盤13の正面には、球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤13の正面であって2本のレール61,62とレール間を繋ぐ樹脂製の外縁部材73とにより区画して形成される領域(入賞口等が配設され、発射された球が流下する領域)である。
2本のレール61,62は、球発射ユニット112a(図137参照)から発射された球を遊技盤13上部へ案内するために設けられたものである。内レール61の先端部分(図119の左上部)には戻り球防止部材68が取り付けられ、一旦、遊技盤13の上部へ案内された球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。外レール62の先端部(図119の右上部)には、球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴム69が取り付けられ、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴム69に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される。
返しゴム69の左上側には第1図柄表示装置37が設けられている。この第1図柄表示装置37は、透明の樹脂(例えば、ABS)にて形成されている遊技盤13の裏面(遊技領域を形成する面とは反対側の面)に覆われるように配設されており、発射された球が第1図柄表示装置37に衝突しないように構成している。
この第1図柄表示装置37には、発光手段である複数のLED及び7セグメント表示器を備える第1図柄表示装置37が配設されている。第1図柄表示装置37は、主制御装置110(図20参照)で行われる各制御に応じた表示がなされるものであり、主にパチンコ機10の遊技状態の表示が行われる。本制御例では、球が、第1入球口64、或いは第2入球口640へ入球(入賞)した場合に第1図柄表示装置37が作動し得るように構成されている。つまり、第1図柄表示装置37は、第1入球口64に球が入球した場合に実行される第1特別図柄抽選(特図1抽選)、及び、第2入球口640に球が入球した場合に実行される第2特別図柄抽選(特図2抽選)の抽選結果を示すための表示手段である。なお、本制御例では、特別図柄の種別を2種類(第1特別図柄、第2特別図柄)有するパチンコ機10を用いているため、第1図柄表示装置37にて2種類の特別図柄抽選(特図抽選)の結果が表示されるが、例えば、特別図柄の種別を1種類(第1特別図柄)のみ有するパチンコ機10であれば、第1図柄表示装置37に1種類の特別図柄に応じた表示領域を設ければ良い。
また、第1図柄表示装置37は、LEDにより、現在のパチンコ機10の遊技状態(例えば、通常状態、時短状態、確変状態)が何れであるかを点灯状態により示したり、特別図柄(第1図柄)が変動中(抽選結果を示すための図柄の組み合わせを停止表示させるための動的表示中)であるか否かを点灯状態により示したり、停止図柄が遊技者に有利な大当たりに対応した図柄か不利な大当たりに対応した図柄か外れ図柄であるかを点灯状態により示したり、保留球数を点灯状態により示すと共に、7セグメント表示装置により、大当たり中のラウンド数やエラー表示を行う。また、特別図柄の変動を一時的に停止(中断)させている状態であることも点灯状態にて示すことが可能に構成している。複数のLEDは、それぞれのLEDの発光色(例えば、赤、緑、青)が異なるよう構成され、その発光色の組み合わせにより、少ないLEDでパチンコ機10の各種遊技状態を示唆することができる。なお、本制御例では、発光手段(7セグメント表示装置)の発光色の組み合わせにより各種遊技状態を報知するように構成しているが、遊技者が各種遊技状態を識別可能な構成であれば良く、例えば、発光手段が点灯している期間と消灯している期間との長さ(点滅態様)を可変させることにより各種遊技状態を報知するように構成しても良い。
尚、本パチンコ機10では、第1入球口64、或いは第2入球口640への入球(入賞)があったことを契機として抽選(特別図柄の抽選)が行われる。そして、その特別図柄の抽選において、大当たりか否かの当否判定(大当たり抽選)を行う。ここで、大当たりに当選したと判定されたことに基づいて、遊技者に有利な特典遊技状態となる大当たり遊技が実行される。
大当たり遊技が実行されると、可変入賞装置65の特定入賞口65aに球を容易に入賞させることが可能な開放状態となり、特定入賞口65aに球を入賞させることで多くの賞球を短期間で獲得可能な遊技が実行される。この大当たり遊技は、特別図柄の抽選結果が停止表示(確定表示)された後に(場合に)実行されるものであり、所定時間(例えば1秒)のオープニング期間(可変入賞装置65の特定入賞口65aに球を入球させ難い閉鎖状態が設定される期間)と、開放状態が設定されるラウンド遊技期間と、1のラウンド遊技期間が終了した後に、次のラウンド遊技が開始されるまでの所定期間(例えば、0.5秒)、閉鎖状態が設定されるインターバル期間と、最後のラウンド遊技期間が終了した後に、所定期間(例えば、2秒)の閉鎖状態が設定されるエンディング期間と、からなる大当たり遊技期間が設定される。
このように、大当たり当選を示す特別図柄の抽選結果が停止表示(確定表示)された後に、オープニング期間が設定することにより、大当たり遊技中において特定入賞口65aが開放状態となるタイミングに合わせて球を任意の方向に向けて発射させる準備を行うことができるため、大当たり遊技を円滑に行わせることができる。また、このオープニング期間を、今回の大当たり遊技の遊技内容を遊技者に報知する期間として用いることができるため、分かり易い遊技を提供することができる。
また、大当たり遊技の最終期間としてエンディング期間を設定することにより、最後のラウンド遊技が終了した直後から、新たな特別図柄の抽選が実行されることを抑制することができるため、大当たり遊技の終了後に実行される遊技に向けて、球を任意の方向に向けて発射させる準備を行うことができるため、遊技の切り替えを円滑に行わせることができる。
詳細な説明は後述するが、本制御例では、複数種類の大当たり遊技を実行可能に構成しており、当選した大当たりの種別に応じて、大当たり遊技中に実行されるラウンド遊技の数(ラウンド数)と、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態と、が異なるように構成している。このように構成することで、遊技者に対して、特別図柄の抽選による大当たり当選の有無だけでは無く、当選した大当たり種別や、当選時における遊技状態にも興味を持たせることができる。
なお、特別図柄の抽選で大当たり当選した場合に実行される大当たり遊技の各期間(オープニング期間、ラウンド期間、エンディング期間)の長さについても、大当たり当選した時点に設定されている遊技状態や、当選した大当たりの種別に応じて異なる長さを設定しても良く、例えば、大当たり遊技終了後に実行される遊技内容として、大当たり当選時の遊技内容とは異なる遊技内容が設定される大当たりに当選した場合には、その大当たり遊技のエンディング期間(例えば、10秒)が、他の大当たり遊技のエンディング期間(例えば、2秒)よりも長くなるように設定しておき、そのエンディング期間中に遊技者に対して大当たり遊技終了後に実行される遊技内容を事前に案内する演出を実行可能に構成すると良い。これにより、遊技者に対して分かり易い遊技を提供することができる。
一方、大当たり当選時の遊技内容と、大当たり遊技終了後に実行される遊技内容とが同一となる大当たりに当選した場合には、その大当たりのエンディング期間(例えば、1秒)を、他の大当たり遊技のエンディング期間(例えば、2秒)よりも短くなるように設定するように構成すると良い。これにより、遊技者に対して効率良く遊技を行わせることができる。
また、大当たり当選時の遊技内容と、大当たり遊技終了後に実行される遊技内容とを実際に判別する構成を用いること無く、例えば、当選した大当たりの種別と、大当たり当選した時点における遊技状態とに基づいて、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態を予め規定しておき、その規定内容に応じて、各大当たり遊技のエンディング期間を予め設定しておけば良い。
具体的な説明は後述するが、本制御例におけるパチンコ機10では、特別図柄の抽選で大当たり当選する確率が異なる2つの状態(特別図柄の高確率状態、特別図柄の低確率状態)と、後述する普通図柄の抽選で当たり当選する確率が異なる2つの状態(普通図柄の高確率状態、普通図柄の低確率状態)と、を組み合わせ、3種類の遊技状態を設定可能に構成している。具体的には、通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)と、時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)と、確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の高確率状態)を設定可能に構成している。特別図柄の抽選も、普通図柄の抽選も、高確率状態である場合のほうが、低確率状態である場合よりも当たり当選し易くなるように構成しているため、本制御例におけるパチンコ機10にて設定可能な複数の遊技状態のうち、確変状態が、それ以外の遊技状態よりも特別図柄抽選で大当たりに当選し易い遊技状態となり、確変状態と時短状態が、それ以外の遊技状態よりも普通図柄抽選で当たりに当選し易い遊技状態となる。
また、普通図柄抽選で当たり当選した場合には、特別図柄抽選が実行され易くなる当たり遊技(普図当たり遊技)が実行されるように構成している。具体的には、第2入球口640に付設されている電動役物640が開放し、第2入球口640に球を入球させ易い状態が提供される普図当たり遊技が実行されるように構成している。よって、確変状態と時短状態、即ち、普通図柄の高確率状態が設定されている場合は、それ以外の遊技状態よりも、特別図柄抽選を実行し易い遊技状態となる。さらに、普通図柄の高確率状態が設定されている場合には、特別図柄抽選が実行されてから、その抽選結果が停止表示されるまでの期間(動的表示期間)として、普通図柄の低確率状態が設定されている場合よりも、短い期間が設定され易くなるように構成している。よって、変状態と時短状態、即ち、普通図柄の高確率状態が設定されている場合は、それ以外の遊技状態よりも、特別図柄抽選を短期間で実行させることができるため、新たな特別図柄抽選を実行し易い遊技状態となる。
詳細な説明は後述するが、本制御例では、大当たり遊技中に開放動作される可変入賞装置65内に、特定領域を設けており、大当たり遊技中に球が特定領域を通過した場合に限り、大当たり遊技終了後に特別図柄の高確率状態を設定可能に構成している。そして、当選した大当たり種別に応じて、大当たり遊技中に球が特定領域を通過し易い大当たり遊技(有利大当たり遊技)と、大当たり遊技中に球が特定領域を通過し難い大当たり遊技(不利大当たり遊技)と、を実行可能に構成している。以後、有利大当たり遊技、即ち、大当たり遊技中に球が特定領域を通過し易い大当たり遊技のことを確変大当たり遊技と称し、確変大当たり遊技が実行される大当たりのことを確変大当たりと称す。また、不利大当たり遊技、即ち、大当たり遊技中に球が特定領域を通過し難い大当たり遊技のことを通常大当たり遊技と称し、通常大当たり遊技が実行される大当たりのことを通常大当たりと称す。
なお、本制御例では、特別図柄の抽選で大当たりに当選しなかった場合は外れと判定され、遊技者に特典が付与されないように構成しているが、これに限ること無く、例えば、大当たり抽選の抽選結果として上述した大当たりでは無い外れと判定された場合の一部において、上述した大当たりよりも遊技者に付与される特典が少ない(例えば、1ラウンドのみ可変入賞装置65を開放させる特典)小当たり遊技が実行されるように構成しても良い。第1図柄表示装置37には、変動終了後の停止図柄として抽選の結果が大当たりであるか否か(小当たりであるか否か)が示されるだけでなく、大当たりである場合はその大当たり種別に応じた図柄が示される。
図119に戻り説明を続ける。遊技盤13の表面に形成される遊技領域の左下方側には、球が入球することにより10個の球が賞球として払い出される複数の左一般入球口63aが配設されている。また、遊技領域の中央部分には、可変表示装置ユニット80が配設されている。可変表示装置ユニット80には、第1入球口64、或いは第2入球口640への入球(始動入賞)をトリガとして、第1図柄表示装置37にて実行される特別図柄の変動表示と同期させながら、第3図柄の変動表示を行う液晶ディスプレイ(以下単に「表示装置」と略す)で構成された第3図柄表示装置81と、普通図柄始動口(スルーゲート)67への球の通過をトリガとして普通図柄(第2図柄)を変動表示するLEDで構成される第2図柄表示装置(図示せず)とが設けられている。また、可変表示装置ユニット80には、第3図柄表示装置81の外周を囲むようにして、センターフレーム86が配設されている。
第3図柄表示装置81は、15インチサイズの液晶ディスプレイで構成されるものであり、後述する表示制御装置114によって表示内容が制御されることにより、例えば上、中及び下の3つの図柄列(Z1〜Z3)が表示される(図230(a)参照)。第3図柄表示装置81の表示画面に表示される第3図柄(第1特別図柄(特図1)または第2特別図柄(特図2)の変動表示に対応して変動する装飾図柄)は、「1」から「9」の数字を模した識別情報が付された10種類の主図柄によりそれぞれ構成されている。これらの第3図柄が図柄列毎に横スクロールして第3図柄表示装置81の表示画面上にて第3図柄が可変表示(動的表示)されるようになっている。本制御例の第3図柄表示装置81は、主制御装置110(図20参照)の制御に伴った遊技状態の表示が第1図柄表示装置37で行われるのに対して、その第1図柄表示装置37の表示に応じた装飾的な表示を行うものである。なお、表示装置に代えて、例えばリール等を用いて第3図柄表示装置81を構成するようにしても良い。
図122(b)に示した通り、本制御例のパチンコ機10では、主図柄szが数字を模した識別情報毎に異なる種類のキャラクタ(魚等)を用いて形成されている。このように、各識別情報に対応させたキャラクタを用いることで、遊技者に対して特別図柄の抽選結果を視覚的に報知することができるため分かり易い遊技を行わせることができる。また、本制御例のパチンコ機10においては、後述する主制御装置110による抽選結果が大当たりであった場合に、同一の主図柄が揃う(例えば「777」)変動表示が行われ、その変動表示が終わった後に大当たり遊技が発生するよう構成されている。つまり、第3図柄は、主制御装置110による特別図柄の抽選結果を示すための図柄として第3図柄表示装置81に表示されるものである。
主表示領域Dmは、上・中・下のそれぞれ3つの図柄列Z1,Z2,Z3が表示される。各図柄列Z1〜Z3には、上述した第3図柄が規定の順序で表示される。即ち、各図柄列Z1〜Z3は、数字の昇順または降順に主図柄が配列され、図柄列Z1〜Z3毎に周期性をもって左右方向へスクロールして変動表示が行われる。
具体的には、上図柄列Z1は右から左に向かって数字が昇順となるように図柄列が形成され、右から左へとスクロールして変動表示されるように構成されており、中図柄列Z2と下図柄列Z3は左から右に向かって数字が昇順となるように図柄列が形成され、右から左へとスクロールして変動表示されるように構成されている。さらに、各図柄列には、主図柄szの間に特別図柄の抽選結果を示さない副図柄(ブランク図柄)fzも形成されている。図122(b)では三角を模した図柄を用いてブランク図柄(副図柄)fzを表示している。
そして、図122(a)に示した通り、主表示領域Dmは、上下方向に形成される3つの有効ラインL1〜L3、及び、斜め方向に形成される2つの有効ラインL4,L5を有しており、各図柄列Z1〜Z3が停止表示された状態で、第3図柄(主図柄sz)が有効ライン上に大当たり図柄の組合せ(本制御例では、同一の主図柄の組合せ)で揃って停止されれば、大当たりとして大当たり動画が表示される。
図122(a)に示した通り、本制御例では、各有効ライン(L1〜L5)が、各図柄列Z1〜Z3の図柄表示位置を含むように形成されているため、第3図柄表示装置81の主表示領域Dmに表示される各図柄列Z1〜Z3の全てが停止表示されるまで、対応する特別図柄の抽選結果を分かり難くすることができる。よって、最後の図柄列(本制御例では、中図柄列V2)が停止表示されるまでの間、主表示領域Dmにて実行される第3図柄の変動表示に興味を持たせることができる。
なお、本制御例では、上述した3つの図柄列(Z1〜Z3)のうち、特定の図柄列(図柄列Z2)、即ち、複数の図柄列のうち変動表示が最後に停止表示される図柄列に対して、他の図柄列よりも主図柄の数が多くなるように構成している。具体的には、特定の数字(例えば、「4」の数字)が付された主図柄の数を、他の図柄列よりも多くしている。これにより、特定の数字を模した識別情報がリーチ状態となった場合には、他の識別情報でリーチ状態となった場合よりも、有効ライン上を通過する大当たり図柄(特定の数字を模した識別情報)の数を増やすことができるため、遊技者に対して大当たり当選の期待度が高いのではと視覚的に予測させることができる。
なお、第3図柄表示装置81における第3図柄の変動表示の態様は、上記のものに限定されることはなく任意であり、図柄列の数、図柄列における図柄の変動表示の方向、各図柄列の図柄数などは適宜変更可能である。また、第3図柄表示装置81にて変動表示される図柄は上記に限られることはなく、例えば図形やキャラクタ等の画像と数字とを組み合わせた図柄を第3図柄として構成してもよい。さらに、第3図柄が変動表示される領域を可変させる構成にしてもよく、例えば、第3図柄表示装置81の表示画面上で特定の演出が実行される場合は、第3図柄の変動表示領域を小さくしたり、変動表示領域を遊技者が視認し難い位置(例えば、表示画面の隅部)へと移動させたりすることで、第3図柄が変動しているか否かを遊技者が分かり難くするようにしてもよい。また、特別図柄が変動している期間中に、第3図柄の変動を一旦停止(仮停止)させ、再度変動させるように構成してもよい。
さらに、本制御例では、第1特別図柄の変動に対応した第3図柄の表示態様と、第2特別図柄の変動に対応した第3図柄の表示態様とが同一(遊技者が識別困難な程度の相違も含む)となるように構成しているが、変動している特別図柄の種別に対応するように第3図柄の表示態様や表示領域を異ならせても良い。
次に、第3図柄表示装置81に実際に表示される内容について図122(b)を参照して説明をする。図122(b)に示した通り、主表示領域Dmにおける正面視左上には小表示領域Dm1が形成され、正面視右上には小表示領域Dm2が形成されている。この小表示領域Dm1は、特別図柄の抽選状況(抽選中(変動中)であるか否か、及び、抽選結果)を示すための識別情報(第4図柄)が表示される領域であって、第1特別図柄(特図1)の抽選状況を示すための第4図柄(特図1第4図柄)、或いは、第2特別図柄(特図2)の抽選状況を示すための第4図柄(特図2第4図柄)が小表示領域Dm1に表示されるように構成している。
また、小表示領域Dm2は、普通図柄の抽選状況(抽選中(変動中)であるか否か、及び、抽選結果)を示すための識別情報が表示される領域であって、普通図柄(普図)の抽選状況を示すための第4図柄(普図第4図柄)が小表示領域Dm1に表示されるように構成している。
このように小表示領域Dm1,Dm2を設けることにより、特別図柄の抽選状況や普通図柄の抽選状況を遊技者に報知することができる。なお、詳細は後述するが、本制御例のパチンコ機10では、第4図柄を、丸印とバツ印といった図形を模した表示態様で示しており、小表示領域Dm1,Dm2にて第4図柄を変動表示させることで(図122(b)の小表示領域Dm1参照)、特別図柄が変動している状況を示し、小表示領域Dm1,Dm2にて第4図柄を停止表示させることで(図122(b)の小表示領域Dm2参照)、特別図柄の抽選結果を示すように構成しているが、これに限ること無く、例えば、第4図柄として数字を用いた表示態様や、複数の色を示す表示態様を用いて、数字や、色を可変させる表示態様によって特別図柄が変動していることを示し、特定の図柄や色を示す表示態様を停止表示させることで、特別図柄の抽選結果を示すように構成しても良い。
さらに、本制御例では、第4図柄を用いて、特別図柄の抽選状況(抽選中(変動中)であるか否か、及び、抽選結果)を示すように構成しているが、これに限ること無く、特別図柄が抽選中(変動中)であるか否かのみを報知するように構成しても良い。また、図122(b)に示した通り、本制御例では、特別図柄の抽選状況を示すための第4図柄が表示される第4図柄表示領域(小表示領域Dm1)を主表示領域Dmの左上側に、普通図柄の抽選状況を示すための普図第4図柄が表示される普図第4図柄表示領域(小表示領域Dm2)を主表示領域Dmの右上側に形成する例を示しているが、この第4図柄表示領域が形成される位置や、大きさを、主表示領域Dmの中央部分で実行される変動演出の演出態様に応じて可変させるように構成しても良い。
このように構成することで、第4図柄表示領域や普図第4図柄表示領域によって、変動演出が実行される領域が制限されてしまい、演出効果が低下してしまうことを抑制することができる。なお、この場合、第4図柄表示領域や普図第4図柄表示領域を第3図柄表示装置81の主表示領域Dmから削除し、可変表示装置ユニット80に設けられた発光手段(LED等)を用いて第4図柄の変動表示を実行するように構成しても良い。
図122(a)に示すように、主表示領域Dmの下方には、副表示領域Dsが形成される。この副表示領域Dsには、獲得済みの特別図柄抽選の権利(保留記憶)の数に対応させた保留図柄が表示されるように構成している。上述した通り、本制御例のパチンコ機10は、第1図柄表示装置37において変動表示が行われている場合や、当たり遊技が実行されている場合、即ち、新たな特別図柄抽選を実行することができない状態で、球が第1入球口64、或いは第2入球口640へ入球すると、その入球回数が各入球口に対して最大4回まで保留される。副表示領域Dsに対して表示される保留図柄は、保留された入球回数と同一の個数が表示される。本実施形態では、第1入球口64への球の入球に対して記憶される保留球数の最大値が4個、第2入球口640への球の入球に対して記憶される保留球数の最大値が4個に設定されているので、副表表示領域Dsには、保留図柄が最大8個表示される。
具体的には、図122(b)に示した通り、副表示領域Dsは、実行中領域Ds1aと、待機中領域Ds1bに区画形成される。待機中領域Ds1bは、特別図柄の保留球数に対応させた数の保留図柄を表示するための領域であって、保留記憶可能な上限数(8個)に対応した8つの台座hr1〜hr8が左から順に表示されている。そして、特別図柄の保留球を獲得した場合には、8つの台座hr1〜hr8のうち、保留図柄が表示されていない最も若い番号の台座に対して保留図柄が表示される。
図122(b)に示した例では、第1特別図柄の保留球を4つ保留記憶している状態であって、待機中領域Ds1bには、第1特別図柄の保留球(特図1保留球)に対応した表示態様(白色の丸印)の保留図柄が4つ(hz1〜hz4)、第1台座hr1〜第4台座hr4に表示されている。
実行中領域Ds1aは、現在実行中の特別図柄変動に対応して表示されていた保留図柄がシフトして表示される表示領域であって、実行中台座hr0に、実行中保留図柄hz0が表示される。つまり、新たな特別図柄変動が開始される場合には、待機中領域Ds1bの台座hr1に表示されていた保留図柄hz1が、実行中領域Ds1aの台座hr0へとシフトして表示される。このように構成することにより、例えば、待機中領域Ds1bに表示されている保留図柄に対して大当たり当選の期待度を示す予告演出(例えば、保留図柄の表示態様を可変させる演出)を実行した場合に、その予告演出が実行された保留図柄に対応した特別図柄変動が実行されていることを遊技者に容易に判別させることができる。
また、実行中の特別図柄変動に対応する保留図柄を表示可能とすることで、保留図柄の表示態様を可変させる演出を、実行中の特別図柄変動に対応する保留図柄に対しても実行することができるため、実行中の特別図柄変動に対応する保留図柄が表示されない場合よりも長い間、保留図柄の標示態様が可変されることを期待させながら遊技を行わせることができる。
本制御例では、副表示領域Dsの待機中領域Ds1bに表示される保留図柄の表示態様によって、表示されている保留図柄が第1特別図柄の保留球を示す保留図柄(特図1保留図柄)であるか、第2特別図柄の保留球を示す保留図柄(特図2保留図柄)であるかを遊技者が識別可能に構成しており、特図1保留図柄は白色の丸印(図122(b)参照)で、特図2保留図柄は黒色の丸印(図124(a)参照)で表示される。これにより、遊技者に対して現在の保留球数を特別図柄の種別毎に把握させることができるため、保留図柄の表示内容に基づいて第1入球口64へと球を入球させるための遊技を続行するか否かの判断を行わせ易くすることができる。
なお、図122(b)に示した通り、本制御例では、各特別図柄に対応する保留球数の個数に対応する数の保留図柄を表示し、若い番号の台座(最も若い番号の台座は台座hr1)に表示されている保留図柄に対応する保留球を用いて特別図柄抽選を実行するように構成している。つまり、特別図柄抽選に用いられる順に保留図柄を表示するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、保留球を獲得した順に保留図柄を表示し、各保留図柄に対して特別図柄抽選に用いられる順番を示すための消化順情報を付すように構成しても良い。このように構成することで、どのタイミングで獲得した保留球がどの保留図柄に対応しているかを遊技者に分かり易く報知することができる。
また、本制御例では、図122(b)に示した通り、最大で8個の保留図柄を横並びで表示可能に構成しているが、これに限ること無く、特図1保留図柄の表示領域と、特図2保留図柄の表示領域と、を区分けして表示するように構成しても良い。この場合、例えば、特図2保留を獲得し難い遊技状態(通常状態)が設定されている場合は、特図1保留図柄の表示領域を特図2保留図柄の表示領域よりも目立たせて表示し、特図2保留を獲得し易い遊技状態(確変状態、時短状態)が設定されている場合は、特図2保留図柄の表示領域を特図1保留図柄の表示領域よりも目立たせて表示するように構成しても良い。
なお、本第10制御例では、図2を参照して説明をした通り、パチンコ機10の遊技盤13が左右対象に構成されており、右打ち遊技を行った場合と、左打ち遊技を行った場合とで、同様の遊技結果が付与されるように構成しているため、表示されることが無いが、例えば、設定されている遊技状態に応じて、左打ち遊技よりも右打ち遊技のほうが有利な遊技方法となる場合と、右打ち遊技よりも左打ち遊技のほうが有利な遊技方法となる場合とを設定可能にしたパチンコ機10であれば、第3図柄表示装置81の表示画面に、遊技者に対して球を発射させる方向(遊技方向)を案内するための案内表示態様が表示されるように構成しても良い。このように構成することで、遊技者は案内表示領域に表示されている案内表示態様を視認するだけで、遊技盤のどの領域に向けて球を発射すれば良いのかを容易に把握することができるため、遊技者に分かり易い遊技機を提供することができる。
より詳細に説明をすると、案内表示領域として、遊技者に対して右打ち遊技を行わせることを案内するための「右打ち」の表示態様と、遊技者に対して左打ち遊技を行わせることを案内するための「左打ち」の表示態様と、が表示されるように構成すると良く、「右打ち」の表示態様は、右打ち遊技が遊技者にとって有利となる遊技状態、例えば、確変状態、時短状態中及び、大当たり遊技中に表示され、「左打ち」の表示態様は、右打ち遊技が終了してから所定期間(例えば、10秒間)表示されるように構成すれば良い。また、左打ち遊技が遊技者にとって有利となる遊技状態、即ち、通常状態中に、右打ち遊技が実行されていることを検知した場合にも、所定期間(例えば、10秒間)「左打ち」の表示態様が表示されるように構成すると良い。また、上述した各制御例において説明をした第3図柄表示装置81の表示面に表示される各種表示態様を適宜表示可能に構成しても良い。
<第1制御例の演出内容について>
次に、図123〜図131を参照して、本第1制御例のパチンコ機10の第3図柄表示装置81の表示面にて実行される各種演出内容のうち、特徴的な演出内容について説明をする。まず、図123(a)を参照して、通常状態中におけるリーチ成立時の表示画面について説明をする。図123(a)は、通常時(通常状態)にてリーチ状態となった場合に表示される表示画面の一例を示した模式図である。本制御例では、変動表示される第3図柄が、上図柄列Z1、下図柄列Z2の順で停止表示され、有効ラインL1〜L5(図122(a)参照)の何れかにて、大当たり当選を示す第3図柄の組合せの一部として上図柄列Z1、下図柄列Z2が停止表示された場合にリーチ状態となり、大当たり当選を示す第3図柄の組合せの一部として上図柄列Z1、下図柄列Z2が停止表示された有効ラインをリーチ有効ラインとして、中図柄列Z2が変動表示されるように構成している。そして、リーチ状態となってからは、中図柄列Z2が各識別情報(第3図柄)を遊技者が視認可能な低速度(主図柄(数字を模した第3図柄)が1つ移行するのに要する時間が約0.5秒の速度)で変動表示されるように構成している。
上述した通り、本制御例では、中図柄列が主図柄を10個(「1」〜「3」,「5」〜「9」の数字が付された主図柄が各1個、「4」の数字が付された主図柄が2個)有しているため、中図柄列Z2が低速度で変動表示されている場合には、1周するまでに要する時間が5秒(0.5×10)となる。そして、低速度で変動表示されている中図柄列Z2が、そのまま停止表示される。或いは、特定の移行条件が成立したことに基づいて異なる演出態様(リーチ態様)へと可変するように構成している。
さらに、本制御例では、図123(a)に示した通り、どの第3図柄(図123(a)では、「9」を模した識別情報(カニを模した第3図柄))でリーチ状態となった場合であっても、リーチ中に変動表示される中図柄列Z2(図122(a)参照)が数字の「1」を模した識別情報(タコを模した第3図柄)が最初に視認可能となるように低速変動表示が実行されるように構成している。
加えて、本制御例では、リーチ状態となってからの中図柄列Z2の変動態様に応じて、変動演出の演出態様が可変するように構成しており、例えば、リーチ状態となってから中図柄列Z2が1周したタイミング(低速変動表示が実行されてから5秒経過後)や、2周したタイミング(低速変動表示が実行されてから10秒経過後)に異なる演出態様(リーチ態様)へと可変し得るように構成している。よって、本制御例のように、リーチ状態となってから最初に視認可能となる中図柄列Z2の識別情報を統一させることにより、遊技者に対して、どのタイミングで異なる演出態様(リーチ態様)へと可変するのかを分かり易くすることができる。
なお、本制御例では、異なる演出態様(リーチ態様)へと可変するタイミングをリーチ状態となってから中図柄列Z2が1周したタイミングや、2周したタイミングとしているがこれに限ること無く、例えば、リーチ状態となってから大当たりを示す組合せとなる識別情報(リーチ停止されている識別情報と同一の識別情報)がリーチ有効ラインを通過するタイミングや、大当たりを示す組合せとなる識別情報から一つずれた識別情報がリーチ有効ラインを通過するタイミングにて異なる演出態様(リーチ態様)へと可変するように構成してもよい。このように、リーチ停止されている識別情報の種別に対応した特定の識別情報がリーチ有効ラインを通過することに基づいて異なる演出態様(リーチ態様)へと可変するように構成することで、遊技者に対して、大当たりとなる組合せで中図柄列Z2が停止表示されるタイミングと、異なる演出態様(リーチ態様)へと可変するタイミングとに関係性を持たせることができる。具体的には、リーチ状態となってから大当たりを示す組合せとなる識別情報(リーチ停止されている識別情報と同一の識別情報)がリーチ有効ラインを通過するタイミングで異なる演出態様(リーチ態様)へと可変するように構成した場合には、遊技者に対して、大当たりとなる組合せで中図柄列Z2が停止表示されるタイミングと、異なる演出態様(リーチ態様)へと可変するタイミングとを重複させることができるため、大当たりを示す組合せとなる識別情報(リーチ停止されている識別情報と同一の識別情報)がリーチ有効ラインに接近する際に遊技者に大きな期待感を持たせながら変動演出を注視させることができる。
ここで、本制御例では、上述した通り、どの第3図柄でリーチ状態となった場合であっても、特定の識別状態(数字の「1」を模した第3図柄)が最初に視認可能となるように中図柄列Z2が低速変動表示されるように構成しているため、例えば、最終的に停止表示させる第3図柄の組合せを大当たりとなる第3図柄の組合せに対して1種類ずらした組合せ(リーチ1コマ外れ)とする場合(最終停止表示態様を予め決定する場合)には、リーチ状態となってから全ての第3図柄が停止表示されるまで(最終停止表示態様が停止表示されるまで)の期間が、リーチ状態となる第3図柄の種別によって異なってしまうという新たな問題が発生する。
具体的には、数字の「1」を模した第3図柄でリーチ状態となった場合には、中図柄列Z2は数字の「1」を模した第3図柄を特定の図柄として低速変動表示するため、最終停止表示態様としてリーチ1コマ外れで中図柄列Z2を停止表示させるには、リーチ状態となってから5.5秒(1周目)、10.5秒(2周目)を要し、数字の「6」を模した第3図柄でリーチ状態となった場合には、中図柄列Z2は数字の「1」を模した第3図柄を特定の図柄として低速変動表示するため、最終停止表示態様としてリーチ1コマ外れで中図柄列Z2を停止表示させるには、リーチ状態となってから8秒(1周目)、13秒(2周目)を要することになる。
よって、同一の変動時間が設定される変動パターンにて、異なる種別の第3図柄でリーチ状態を成立させるためには、第3図柄の停止表示タイミングからリーチ状態となるタイミングを逆算して設定する処理を実行する必要があった。つまり、変動開始タイミングからリーチ状態となるまでの期間がリーチ状態となる第3図柄の種別に応じて可変する統一性の無いリーチ演出が実行されてしまい演出効果が低下してしまうという問題があった。
これに対して、本制御例では、特別図柄の抽選の実行に伴って、特別図柄の抽選結果を示すための第1図柄の変動時間を主制御装置110において抽選により決定し、その決定した変動時間を、変動パターンコマンドにより音声ランプ制御装置113に対して通知する構成としている。そして、音声ランプ制御装置113は、変動パターンコマンドにより通知された変動時間に適合する演出期間の変動表示演出を選択して、第1図柄の変動表示に同期させて、第3図柄の変動表示演出を実行する構成としている。そして、主制御装置110から出力される変動パターンコマンドは、基本の変動時間を示す基本時間コマンドと、加算される変動時間を示す加算時間コマンドとで構成されており、加算時間コマンドに含まれる変動時間の長さに基づいてリーチ状態となる第3図柄の種別を可変させるように構成している。より具体的には、30秒の変動時間の変動パターンが決定された場合には、基本時間コマンドとして30秒に対応するコマンドが通知されると共に、加算時間として0秒に対応するコマンドが通知される。一方で、37秒の変動時間の変動パターンが決定された場合には、基本時間コマンドとして30秒に対応するコマンドが通知されると共に、加算時間として7秒に対応するコマンドが通知される。つまり、加算時間コマンドの通知内容により、基本時間よりも7秒長い変動種別であることを音声ランプ制御装置113側で識別可能に構成されている。これにより、加算時間コマンドの内容を確認するだけで、リーチ状態とする第3図柄の種別を設定することができる。
次に、図123(b)〜図126を参照して、通常状態が設定されている場合に実行される第2特別図柄変動(抽選)に関する演出内容について説明をする。まず、図123(b)を参照して、通常状態において、当たり当選している普通図柄変動の実行中における第3図柄表示装置81の表示内容について説明をする。図123(b)は、通常状態において、当たり当選している普通図柄変動の実行中に表示される表示内容の一例を模式的に示した模式図である。図123(b)に示した通り、普通図柄変動が実行されると、小表示領域Dm2に、普通図柄変動が実行されていることを示す変動表示態様(図では矢印で表示)が表示される。そして、主表示領域Dmの右下側に小表示領域Dm3が形成され、その中に普図当たり遊技にて開放動作される電動役物640を模したアイコンが表示されると共に、小表示領域Dm3が形成されたことを遊技者に報知するための強調表示(図では、6本の線で表示)が実行される。なお、図123(b)で示した状況は、当たり当選している普通図柄変動の実行中であるため、小表示領域Dm3に表示されるアイコンは、閉鎖状態の電動役物640を模した表示態様となっている。このように構成することで、遊技者に対して、間もなく普図当たり遊技が実行されるのでは?と予測させることができ遊技の興趣を向上させることができる。
なお、図123(b)では、当たり当選している普通図柄変動の実行中を一例に挙げて説明をしたが、抽選結果が外れである普通図柄変動の実行中の一部(例えば、外れ変動の1/100の確率)で小表示領域Dm3を形成し、電動役物640を模したアイコンを表示する演出(ガセ演出)を実行するように構成している。この場合、実行中の普通図柄変動(外れ変動)が停止表示するまでに、小表示領域Dm3が消滅する演出態様が設定される。このように構成することで、普通図柄抽選で当たり当選していない場合にも小表示領域Dm3が形成される演出表示が実行されることになるため、遊技者に対して普図当たり遊技が実行されることを期待させながら遊技を行わせることができる。また、図123(b)では、小表示領域Dm3にて電動役物640を模したアイコンを表示させることで普図当たり遊技の開始を示唆する演出について例示したが、これに限ること無く、例えば、副表示領域Dsや主表示領域Dmの一部にて普図当たり遊技の開始を示唆するコメントを表示するように構成しても良い。
また、主表示領域Dmにて実行中の第3図柄変動表示の表示態様を用いて普図当たり遊技の開始を示唆するように構成しても良い。この場合、普通図柄変動を実行させながら特別図柄変動も実行させている場合にのみ、普図当たり遊技が実行されることを示唆する演出が実行されることになるため、例えば、特別図柄抽選の実行契機となる第1入球口64よりも球を入球させ易いスルーゲート67に球を通過させ、普通図柄抽選のみを実行している遊技者に対しては普通図柄抽選の結果を予め示唆することが無くなる。よって、特別図柄変動も普通図柄変動も共に実行させる正常な遊技を行っている遊技者に対して特典(普通図柄抽選の結果を事前に示唆する演出の実行)を付与することができる。同様に、本制御例で用いられる小表示領域Dm3を用いた演出を、特別図柄変動が実行されていること、或いは、球を発射する遊技が継続して実行されていることを実行条件として設定しても良い。
加えて、実行されている遊技内容に応じて、普図当たり遊技の開始を示唆する示唆演出の期待度を異ならせるように構成しても良く、例えば、正常に遊技を行っている場合には、普図当たり遊技の開始を示唆する示唆演出が実行された場合に、ほぼ100%の割合で普図当たり遊技が実行され、特別図柄抽選を実行させることなく普通図柄抽選のみを実行させる遊技(止め打ち遊技)を行っている場合、即ち、正常な遊技を行っていない場合には、普図当たり遊技の開始を示唆する示唆演出が実行されたとしても約10%の割合でしか普図当たり遊技が実行されないように構成しても良い。このように構成することで、止め打ち遊技を実行している遊技者に対して、実行される示唆演出に基づいて普図当たり遊技の開始タイミングを把握され難くすることができ、ペナルティを科すことができる。
詳細は後述するが、本制御例では、普通図柄の抽選権利も最大で4個保留可能に構成しており、新たな抽選権利(普図保留)を獲得した場合に、獲得した抽選権利を用いた普通図柄抽選の結果を事前判別可能に構成している。そして、その事前判別結果を示すコマンド(情報)を、音声ランプ制御装置113へと出力可能に構成している。よって、普図当たり遊技の実行を示唆する示唆演出を当たり当選している普通図柄変動が実行されるよりも前段階、即ち、事前判別結果が当たり当選である普図保留を獲得している段階から普図当たり遊技が間もなく実行されることを示唆する示唆演出を実行することができる。この場合、図123(b)に示した示唆演出よりも、遊技者に分かり難い演出態様で示唆演出を実行するように構成すると良く、例えば、実行中の特別図柄変動に対応する特別図柄抽選の結果、或いは、獲得している特図保留に対する事前判別結果、を示唆する演出と同一の演出態様で示唆演出を実行するように構成し、実行された示唆演出によって、遊技者に有利な状況が間もなく訪れることのみを遊技者に報知するように構成しても良い。
このように、実際に普図当たり遊技が実行されるタイミングと、示唆演出の実行タイミングとが乖離するほど遊技者に普図当たり遊技が実行されることを示すための示唆演出の演出態様を分かり難く、ひいては、示唆演出の対象が普図当たり遊技であることを分かり難くすることにより、示唆演出が実行された場合における遊技の興趣を向上させることができる。
次に、図124(a)を参照して、通常状態中に普図当たり遊技(ロング開放当たり遊技)が実行された場合の演出内容について説明をする。図124(a)は、通常時(通常状態中)において普図当たり遊技(ロング開放当たり遊技)が実行された場合に表示される演出内容の一例を模式的に示した模式図である。本制御例では、普通図柄の低確率状態が設定されている通常状態中では、普通図柄抽選で当たり当選する確率が1/100に設計されており、普通図柄の低確率状態で実行される普通図柄変動の変動時間が10秒に設計されている。そして、図119を参照して上述した通り、右打ち遊技を実行した場合、左打ち遊技を実行した場合の何れにおいても発射した球の約1/2がスルーゲート67を通過するように構成している。また、普通図柄の抽選権利(普図保留)を最大で4個記憶可能に構成している。
つまり、通常状態にて遊技を継続している間は、継続して普通図柄抽選が実行され、約1000秒に1回の割合で普図当たりに当選するように構成している。さらに、通常状態で普図当たり当選した場合には、電動役物640が5秒間開放される普図当たり遊技(ロング開放当たり)が実行されるように構成している。また、図119に示した通り、電動役物640は第1入球口64の下方に設けられているため、第1入球口64を狙う遊技を継続するだけで発射された球が第2入球口640へと入球し得るように構成している。よって、低確率で発生する普通図柄の低確率状態中における普図当たり遊技にて遊技者が球を第2入球口640へと入球させることが出来ない事態が発生することを抑制している。
通常状態にて普通図柄抽選で当たり当選した場合には、図124(a)に示した通り、小表示領域Dm2にて、普通図柄抽選の結果が当たりであることを示す組合せ(図では2つの丸印)で、識別情報(図柄)が停止表示され、普図当たり遊技が実行される。そして、主表示領域Dmの上側にて「電チューを狙ってね」のコメントが表示され、小表示領域Dm3には開状態の電チュー(電動役物640)を模したアイコンが表示される。なお、普通図柄抽選と、特別図柄抽選とは並行して(重複して)実行可能に構成しているため、特別図柄変動に対応して実行される第3図柄の変動表示、及び、小表示領域Dm1にて実行される第4図柄の変動表示は普図当たり遊技中も継続して実行される。
また、副表示領域Dsの待機中領域Ds1bには、第2入球口640に球が入球したことに基づいて獲得した第2特別図柄の保留記憶(特図2保留球)の数を示す特図2保留図柄(図では、黒丸で表示)が、獲得している第1特別図柄の保留記憶(特図1保留球)の数を示す特図1保留図柄(図では、白丸で表示)よりも優先して(待機中領域Ds1bの左側に)表示される。つまり、図124(a)に示した状態では、普図当たり遊技中に第2入球口640に球を4個以上入球させた後の状態であって、特図2保留を上限数である4個獲得した後の状態を示したものである。
本制御例では、第1特別図柄の抽選よりも、第2特別図柄の抽選を優先して実行するように構成しているため、後に獲得した特図2保留球のほうが先に獲得している特図1保留球よりも優先して特別図柄抽選が実行される。このように構成することで、通常状態中に普図当たり遊技が実行され、複数の特図2保留球を獲得した場合に、第2特別図柄抽選を優先的に連続して実行することが可能となるため、第2特別図柄の抽選が実行される1つの期間を遊技者に有利な有利期間(チャンスゾーン)として専用の演出を実行することができ、遊技者に分かり易い演出を提供することができる。
なお、本制御例では、待機中領域Ds1bに、獲得した特図1保留球と特図2保留球とを横並びに表示(最大で8個表示)するように構成しているが、例えば、特図1保留球のみを表示する特図1保留球表示領域と、特図2保留球のみを表示する特図2保留球表示領域と、を用いる場合であれば、優先して特別図柄抽選が実行される第2特別図柄の保留球を獲得していない場合は、特図1保留球表示領域を特図2保留球表示領域よりも目立たせるように表示し、第2特別図柄の保留球を獲得した場合に、特図1保留球表示領域よりも特図2保留球表示領域を目立たせるように切替表示すると良い。このように構成することで、遊技者に対して次に第1特別図柄の抽選が実行されるのか、第2特別図柄の抽選が実行されるのかを分かり易く報知することができる。
図124(a)に示した表示画面は、通常状態中における普図当たり遊技の終了タイミング、或いは、通常状態中における第2特別図柄変動の開始タイミングのうち何れかのタイミングとなるまで継続表示されるように構成している。つまり、普図当たり遊技中であっても、第2特別図柄変動が開始された場合には図124(b)を参照して後述するチャンスゾーン演出が実行される。一方、普図当たり遊技の終了タイミングを迎えても第2特別図柄変動が開始されない場合、例えば、長時間の変動時間(例えば60秒)が選択された第1特別図柄変動が実行されている間に普図当たり遊技(5秒)が実行された場合には、主表示領域Dmの上側に『チャンスゾーン待機中』の文字を表示し、現在実行中の第1特別図柄変動が終了すると、第2特別図柄変動が開始されることを遊技者に報知する待機画面が表示される。
なお、本制御例では、図124(a)に示した通り、第1特別図柄変動中に普図当たり遊技が実行された場合、実行中の第1特別図柄変動に対応して主表示領域Dmにて実行される第3図柄変動演出(図では、3本の矢印で表示)を継続表示しながら、主表示領域Dmの一部領域(図では右下に形成される小表示領域Dm3)にて普図当たり遊技中であることを報知しているが、この場合、実行中の第1特別図柄変動の抽選結果に基づいて普図当たり遊技が実行されたことを表示するために用いる表示領域の大きさを可変させるように構成すると良く、例えば、実行中の第1特別図柄変動が大当たり当選している場合は、小表示領域Dm3を図124(a)に示した例よりも小さく形成したり、小表示領域Dm3を形成しないように構成したりすると良い。このように構成することで、小表示領域Dm3が形成されることにより、大当たり当選を示す第3図柄変動演出の視認性が低下してしまうことを抑制することができる。また、小表示領域Dm3が形成されること無く普図当たり遊技が開始された場合に、実行中の特別図柄変動(第1特別図柄変動)が大当たり変動であることを遊技者に報知することができるため、小表示領域Dm3にて普図当たり遊技が実行されたことが報知されていない状態であっても、遊技者に対して電動役物640の作動状況を注視させることができる。このような構成を用いる場合には、実行中の特別図柄変動が大当たり変動で無い(外れ変動である)場合の一部においても、大当たり変動と同一の演出態様が実行されるように構成すると良い。
一方、実行中の特別図柄変動(第1特別図柄変動)が外れ変動である場合や、特別図柄変動が実行されていない場合は、小表示領域Dm3を図124(a)に示した例よりも大きく形成したり、主表示領域Dmの全面を用いて普図当たり遊技が実行されたことを表示するように構成しても良い。
つまり、第3図柄表示装置81の表示領域という限られた領域内において、複数の情報(抽選結果や当たり遊技状況)を、重複して表示する必要がある場合に、遊技者に有利となる情報が優先して表示されるように構成していれば良く、その技術思想に基づいて様々な表示態様で表示すれば良い。この場合、遊技者によって有利となる情報が異なる場合があり、例えば、特別図柄抽選で大当たり当選したことを示す情報を有利な情報とする遊技者もいれば、特別図柄抽選の結果よりも、出現率の低い演出を有利な情報とする遊技者もいる。そこで、遊技者が操作可能な操作手段と、その操作手段に対する操作に基づいて第3図柄表示装置81の表示面に表示される各種情報の有利度合いを遊技者が任意に選択可能な有利度合い選択手段と、を設け、有利度合い選択手段により選択された有利度合いに基づいて第3図柄表示装置81の表示面に表示される各種情報に対応した表示態様を設定するように構成すると良い。これにより、遊技者に不快感を与え難い表示態様で各種情報を表示させることができる。
次いで、通常状態中に第2特別図柄抽選(変動)が実行されるチャンスゾーン中の演出内容について、図124(b)から図126を参照して説明する。図124(b)は、チャンスゾーンが設定された場合に実行される演出内容の一例を模式的に示した模式図である。図124(b)に示した通り、通常状態中に第2特別図柄抽選(変動)が実行されると、主表示領域Dmの上側に「チャンスゾーン突入」のコメントが表示される。このチャンスゾーンは通常状態中に獲得した全ての特図2保留を消化するまでの期間に設定される有利期間であって、基本的に最初の第2特別図柄抽選(変動)が開始されてから最後の第2特別図柄抽選(変動)が終了するまでの期間、第3図柄表示装置81の表示面に表示されるように構成している。これにより、遊技者に対して現在が有利期間であることを分かり易く報知することができる。
また、副表示領域Dsには、チャンスゾーン中に大当たり当選した場合には、高確率で確変状態を獲得できることを示すための案内表示態様として「確変GET高確率中」の文字が表示される。詳細な説明は後述するが、本制御例におけるパチンコ機10では、第1特別図柄抽選と第2特別図柄抽選とで大当たり当選する確率は同一だが、第1特別図柄抽選で大当たり当選した場合よりも、第2特別図柄抽選で大当たり当選した場合のほうが、大当たり遊技終了後に確変状態が設定され易くなるように構成している。よって、第1特別図柄抽選が主として実行される通常状態中において、第2特別図柄抽選が実行されるチャンスゾーンの期間は、通常状態におけるチャンスゾーン以外の期間よりも確変状態となる大当たり当選を獲得し易い期間となるため、図124(b)に示したように、高確率で確変状態を獲得できることを示すための案内表示態様として「確変GET高確率中」の文字が表示される。
なお、詳細な説明は後述するが、このチャンスゾーン中には、1回の特別図柄変動(第2特別図柄変動)中に、複数回の特別図柄変動が実行されたように見せる擬似変動演出を実行するように構成している。よって、副表示領域Dsにて表示されていた特別図柄の保留記憶数を示す表示態様(図124(a)参照)が非表示となり、主表示領域Dmの右上側に形成された小表示領域Ds11にて特図1保留数(図では特図1保留数が2個であることを示す「2」)が、小表示領域Ds12にて特図2保留数(図では、特図2保留数が3個であることを示す「3」)が表示される。
図124(b)に示した通り、小表示領域Ds11、及びDs12に表示される表示態様は、副表示領域Dsの待機中領域Ds1b(図124(a)参照)に表示される表示態様よりも遊技者が視認し難くなりように構成しているため、チャンスゾーン中は遊技者に特図保留数を把握させ難くすることができる。よって、チャンスゾーン中に疑似変動演出が実行された際に、実際に複数回の特別図柄抽選(変動)が実行されたのではと思わせることができ演出効果を高めることができる。なお、本制御例では、主表示領域Dmの一部領域(小表示領域Ds11、及びDs12)を用いて、特図保留数を表示するように構成しているが、これに限ること無く、チャンスゾーン中は特図保留数を遊技者に報知しないように構成しても良いし、第3図柄表示装置81の表示面以外の領域(例えば、可変表示ユニット80に設けられたLED)にて特図保留数を報知するように構成しても良い。さらに、遊技者に特図保留数を識別させ難く構成すれば良く、例えば、遊技者が容易に特図保留数を識別可能な数字を用いた表示態様から、各特図保留数に対応させて色を可変させる表示態様へと切替えても良い。このように構成した場合には、特図保留数を示すための表示態様を遊技者が容易に把握できたとしても、現在の特図保留数が容易に識別されてしまうことを抑制することができるため、本制御例と同様の効果を奏することができる。
また、図124(b)に示した通り、主表示領域Dmの右下側には、現在が第2特別図柄の変動中であることを示すウサギを模したキャラクタ1801が表示される。上述した通り、特別図柄抽選(変動)と、普通図柄抽選(変動)とは並行して(重複)して実行されるため、普図当たり遊技が実行されている期間が、第1特別図柄の変動期間中と重複する場合(図124(a)参照)と、重複しない場合とがある。第1特別図柄の変動期間中と重複して普図当たり遊技が実行された場合には、実行中の第1特別図柄変動が終了した後に第2特別図柄抽選が実行され、第1特別図柄の変動期間中と重複していない場合には、普図当たり遊技中に球が第2入球口640へと入球した直後(普図当たり遊技中)に第2特別図柄抽選が実行される。つまり、普図当たり遊技が実行された際の第1特別図柄の変動状況に応じて、第2特別図柄抽選の実行タイミングが異なることになり、現在実行されている特別図柄変動が第1特別図柄変動であるか第2特別図柄変動であるかを遊技者が正確に判別し難くなるという問題は発生する。
これに対して本制御例では、第2特別図柄変動が実行されると、主表示領域Dmにてキャラクタ1801が表示されるように構成しているため、現在実行されている特別図柄変動が第1特別図柄変動であるか第2特別図柄変動であるかを遊技者に分かり易く報知することができる。
次に、図125(a)、及び、図126を参照して、チャンスゾーン中に実行される変動演出のうち、疑似変動演出(特殊変動演出)の演出内容について説明をする。図125(a)は、特殊変動演出中において第3図柄が仮停止した際の表示画面の一例を模式的に示した模式図であって、図125(b)は、特図2保留球を獲得している状態で実行される特殊変動演出において第3図柄が再始動した際の表示画面の一例を模式的に示した模式図であって、図126は、特図2保留球を獲得していない状態で実行される特殊変動演出において第3図柄が再始動した際の表示画面の一例を模式的に示した模式図である。
ここで、特殊変動演出(疑似変動演出)の演出内容について説明をする。この特殊変動演出は、1回の第2特別図柄変動の変動期間中に第3図柄を停止表示(仮停止表示)させ、その後再始動させる変動演出であり、遊技者に対して複数回の特別図柄変動が実行されたと思わせる擬似的な変動演出である。まず、特殊変動演出の前半期間(約10秒)を用いて、リーチ演出を実行し、前半期間の終了タイミングにて、図125(a)に示した通り、外れを示す組合せ(図では「353」で表示)で第3図柄を仮停止表示(図では、第3図柄に波線を付して表示)させる。このタイミング、即ち、特殊変動演出の前半期間の終了タイミングでは、副表示領域Dsに特別図柄抽選の結果が外れであることを示唆する「残念」の文字が表示され、遊技者に対して、チャンスゾーン中に実行された1の第2特別図柄抽選が外れであったと思わせるように構成している。つまり、特殊変動演出の前半期間では、大当たり当選に期待を持たせたリーチ演出が外れを示す演出結果で停止表示(仮停止表示)される特殊前半演出が実行される。
その後、特殊変動演出の後半期間(約30秒)にて、仮停止していた第3図柄を再始動させる変動演出(特殊後半演出)が実行される。この特殊後半演出は、獲得済みの特図2保留数に応じてその演出態様を異ならせるように構成しており、例えば、特図2保留球を確保している状態では、図125(b)に示した通り、チャンスゾーン中の第2特別図柄変動に対応させた演出態様で特殊後半演出が実行され、特図2保留球を確保していない状態では、図126に示した通り、チャンスゾーンが終了した後に実行される第1特別図柄変動に対応させた演出態様で特殊後半演出が実行される。つまり、本制御例では、特殊変動演出として、実行中の第2特別図柄変動が終了した後に実行される特別図柄変動の種別を特図保留数に基づいて判別し、その判別結果に対応した演出態様で特殊後半演出の演出態様を設定している。よって、遊技者に対して、1回の第2特別図柄変動中に複数回の特別図柄変動が実行されたとより強く思わせることができる。
さらに、本制御例では、チャンスゾーン中の第2特別図柄変動に対応させた演出態様で特殊後半演出が実行される場合(図125(b)参照)には、獲得済みの特図2保留数に対応させて後半期間中に第3図柄を仮停止させる回数を異ならせるように構成している。なお、詳細な説明は省略するが特殊変動演出が実行される際に、特図2保留球、及び特図1保留球の何れも確保していない場合は、図125(a)に示した第3図柄の仮停止表示を実行することなく、第2特別図柄変動の変動期間の全てを用いて1回の変動演出(第3図柄を一度も仮停止表示させることの無い変動演出)を実行するように構成している。これにより、特図保留数を確保している状態にのみ上述した特殊変動演出が実行されることになるため、1回の第2特別図柄変動中に複数回の特別図柄変動が実行されたとより強く思わせることができる。
加えて、第2特別図柄抽選の結果が大当たりである場合にのみ、後半期間中に実行される第3図柄の仮停止回数を、獲得済みの特図2保留数と異ならせた演出態様が設定されるように構成している。よって、例えば、第3図柄が5回以上仮停止した場合には実行中の第2特別図柄変動が大当たり当選しているのではと遊技者に期待を持たせることができる。なお、上述した通り、本制御例では、第3図柄が仮停止表示された場合と、停止表示された場合とを遊技者が識別困難に構成しているため、仮停止回数を正確に判別し難い。よって、仮停止表示回数と停止表示回数とを混在させて5回以上仮停止表示したと思わせたり、仮停止表示の一部を停止表示と思い込み、実際には5回以上仮停止表示されたにも関わらず、仮停止表示回数が5回に到達していない状態と思わせたりすることができ、遊技者に演出結果を予測する楽しみを提供することができる。
なお、特殊変動演出の演出態様としてこれ以外の構成を用いても良く、例えば、1回の第2特別図柄変動中に仮停止表示された第3図柄の回数を遊技者に容易に把握させるための仮停止表示回数を示す表示態様を第3図柄表示装置81の表示面に表示するように構成しても良いし、1回の第2特別図柄変動中に仮停止表示された第3図柄の回数に応じて特殊変動演出の演出態様の少なくとも一部(例えば、背景の色や、第3図柄のエフェクト等)が段階的に可変するように構成しても良い。また、仮停止している第3図柄を再表示させるタイミングにて一時的に仮停止表示された回数を示す表示態様(例えば、1回目、2回目)を表示するように構成しても良い。
図126に示した通り、特図2保留球を確保していない状態で特殊変動演出が実行された場合には、チャンスゾーンが終了したことを示す表示態様として「チャンスゾーン終了」の文字が副表示領域Dsに表示され、主表示領域Dmにて実行される第3図柄の変動表示が第1特別図柄変動に対応する変動表示(水平方向へと第3図柄が変動する変動表示)となる演出態様が特殊後半演出として実行されるため、遊技者に対してチャンスゾーンが終了したと思わせた後に、特殊変動演出の演出結果、即ち、第2特別図柄の抽選結果が停止表示されることになる。よって、遊技者に対して意外性のある演出を提供することができる。
詳細な説明は後述するが、本制御例では、通常状態中における第2特別図柄変動のうち、一部において上述した特殊変動演出が実行され、それ以外は、1回の第2特別図柄変動に対して1回の変動演出が実行されるように構成している。よって、普図当たり遊技において複数個(最大で4個)の特図2保留球を獲得した場合に特殊変動演出が無用に長く実行されてしまうことを抑制することができる。
次に、図127を参照して、本制御例における大当たりエンディング期間中実行される演出内容について説明をする。図127(a)は、通常大当たり遊技のエンディング期間のうち、前半期間に表示される表示態様の一例を模式的に示した模式図であって、図127(b)は、確変大当たり遊技のエンディング期間のうち、前半期間に表示される表示態様の一例を模式的に示した模式図であって、図127(c)は、通常大当たり遊技のエンディング期間のうち、後半期間に表示される表示態様の一例を模式的に示した模式図であって、図127(d)は、確変大当たり遊技のエンディング期間のうち、後半期間に表示される表示態様の一例を模式的に示した模式図である。
本制御例では、通常状態中に大当たり当選した場合に実行される大当たり遊技が、遊技者にとって有利な遊技状態である確変状態が設定され易い大当たり遊技(確変大当たり遊技)である場合は、遊技者にとって有利な遊技状態である確変状態が設定され難い大当たり遊技(通常大当たり遊技)である場合よりも、大当たりエンディング期間が長く設定されるように構成している。具体的には、確変大当たり遊技では大当たりエンディング期間として17秒が、通常大当たり遊技では大当たりエンディング期間として15秒が設定されるように構成している。このように構成することで、大当たり遊技を介して遊技内容が大きく変わる(通常状態から確変状態へと移行する)ことをエンディング期間中(確変状態が設定されるよりも前)に、遊技者に分かり易く報知することができる。また、大当たり遊技終了後に実行すべき遊技の内容を長いエンディング期間を用いて遊技者に告知することができる。
また、本制御例では、上述した通り、確変大当たり遊技が実行された場合であっても、可変入賞装置65に入賞した球を特定領域(Vゲート)65v(図120参照)へと流下させないと確変状態が設定されないように構成している。よって、確変大当たり遊技中に球を特定領域(Vゲート)65vへと流下させることができなかった場合には、確変大当たり遊技終了後に確変状態が設定されることなく、通常大当たり遊技と同様に時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)が設定される。
この場合、確変大当たり遊技のエンディング期間において確変状態が設定されることを示す報知演出が実行されてしまうと、報知演出の演出内容と実際に設定される遊技状態とが相違してしまい遊技者に不満感を与えてしまうという問題があった。さらに、確変大当たり遊技のエンディング期間(17秒)において実行される報知演出の演出態様を、通常大当たり遊技のエンディング期間(15秒)において実行される報知演出の演出態様へと切り替えた場合には、実際のエンディング期間の長さと報知演出の演出期間の長さが異なってしまい、遊技者に違和感のある報知演出を実行することになるという問題があった。
そこで、本制御例では、大当たりエンディング期間を前半期間と後半期間とに区分けし、さらに、後半期間の長さを大当たり遊技の種別に関わらず統一の期間(7秒間)とするように構成している。そして、後半期間に実行される報知演出の演出態様を大当たり遊技終了後に設定される遊技状態に応じて決定するように構成している。
具体的には、図127に示した通り、通常大当たり遊技が実行される場合には、大当たりエンディング期間中に実行される報知演出として、前半期間(8秒)に対して、時短状態が設定されることを示唆する「チャンスモード100回」の文字が表示され(図127(a)参照)、その後、後半期間(7秒)に対して、時短状態中に大当たり当選すると(第2特別図柄抽選で大当たり当選すると)、確変状態が設定され易いことを示すための遊技案内態様として「チャンスモード中に当たりとスーパーチャンスGET」の文字が表示される報知演出(図127(c)参照)を実行するように構成している。
一方、確変大当たり遊技が実行される場合には、大当たりエンディング期間中に実行される報知演出として、前半期間(10秒)に対して、確変状態が設定されることを示唆する「スーパーチャンスモード100回」の文字が表示され(図127(b)参照)、その後、後半期間(7秒)に対して、遊技内容とは直接関係の無い注意喚起態様として「カードの取り忘れにご注意下さい」の文字が表示される報知演出(図127(d)参照)を実行するように構成している。
本制御例では、上述した大当たりエンディング期間中に実行される報知演出の演出態様が、大当たり遊技が実行されるタイミングにて予め設定されるように構成されている。これにより、様々な制御処理が実行される大当たり遊技中において、報知演出の演出態様を決定するための処理を毎回実行する必要が無くなるため、大当たり遊技中に実行される制御処理の処理負荷を軽減させることができる。
ここで、確変大当たり遊技が実行されたにも関わらず、大当たり遊技中に特定領域(Vゲート)65vへと球を流下させることができなかった場合について説明をする。この場合、図127(b)に示した表示態様のうち、「スーパー」の文字を非表示にさせる処理と、大当たりエンディング期間の後半期間(7秒)にて実行される報知演出を、通常当たり遊技のエンディング期間の後半期間(7秒)にて実行される報知演出(図127(c)参照)へと切り替える処理とが実行される。
より具体的には、図127(a)に示した表示態様として「スーパー」の文字が表示される表示レイヤ(表示画層)と、「チャンスモード100回」の文字が表示される表示レイヤ(表示画層)とを異ならせており、大当たり遊技中に特定ゲートへと球を流下させることができたか否かの判別結果に基づいて「スーパー」の文字が表示される表示レイヤ(表示画層)に対する表示指示の有無を切り替え可能に構成している。これにより、簡易的な制御処理によって、大当たり遊技中に特定ゲートへと球を流下させることができたか否かの判別結果に対応した報知演出を実行することが可能となる。さらに、大当たりエンディング期間の後半期間という同一の長さで設定される期間において、演出態様を切り替えるように構成しているため遊技者に違和感を与えること無く報知演出の演出態様を切り替えることができる。
なお、本制御例では、大当たり種別によって大当たりエンディング期間の長さを異ならせているが、これに限ること無く、全ての大当たり種別に対して大当たりエンディング期間の長さを統一しても良い。また、本制御例では、全ての大当たり種別に対して同一の長さとなる期間として大当たりエンディング期間の後半期間を設定しているが、これに限ること無く、大当たりエンディング期間の前半期間が全ての大当たり種別に対して同一の長さとなるように構成しても良い。さらに、大当たり種別が3以上ある場合には、その全ての大当たり種別に対して同一の期間を設定する必要は無く、例えば、大当たり種別Aと大当たり種別Bとでは大当たりの前半期間が同一の長さとなり、大当たり種別Bと大当たり種別Cとでは大当たりの後半期間が同一の長さとなるように構成しても良い。
また、本制御例では、当選した大当たり種別に応じて異なる長さのエンディング期間を設定するように構成しているが、これに限ること無く、大当たり遊技中の遊技結果に応じてエンディング期間の長さを異ならせるように構成しても良い。
次に、図128〜図130を参照して、チャンスモード中に実行される演出内容について説明をする。本制御例のパチンコ機10は、大当たり遊技終了後に普通図柄の高確率状態が100回設定されるように構成している。さらに、大当たり遊技中に球が特定領域(Vゲート)65vを通過した場合には、大当たり遊技終了後に特別図柄の高確率状態が50回設定されるように構成している。さらに、詳細な説明は後述するが、大当たり遊技中の球が特定領域(Vゲート)65vを通過したことを報知するV報知演出を実行する場合と、V報知演出を実行しない場合とを設定可能に構成している。
そして、大当たり遊技中にV報知演出が実行された場合は、大当たり遊技終了後に確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の高確率状態)が設定されたことを遊技者に報知するための演出モード(スペシャルチャンスモード)が設定され、大当たり遊技中にV報知演出が実行されなかった場合、即ち、大当たり遊技中に球が特定領域(Vゲート)65vを通過しなかった場合、或いは、球が特定領域(Vゲート)65vを通過したにも関わらずV報知演出が実行されなかった場合には、大当たり遊技終了後に確変状態が設定されているか否かを遊技者が把握困難な演出モード(チャンスモード)が設定されるように構成している。
演出モードとしてチャンスモードが設定された場合には、主表示領域Dmの上側に「チャンスモード中」の文字が表示されると共に、副表示領域Dsの小表示領域Ds2に普通図柄の高確率状態が終了するまでの期間を示すための残期間報知態様が表示される(図128(a)参照)。図128(a)に示した例は、チャンスモードが設定されてから20回目の特別図柄変動が実行されている状態を示したものであり、残期間報知態様として、特別図柄変動があと80回実行された場合にチャンスモードが終了することを示す「80回」の文字が表示されている。
このように、演出モードとしてチャンスモードが設定された場合には、第3図柄表示装置81の表示面に表示される各種表示態様から、現在の遊技状態が確変状態であるか時短状態であるかを遊技者に把握させ難くすることができるため、現在の遊技状態が遊技者に有利な遊技状態(確変状態)であることを期待させながら遊技を行わせることができる。
また、大当たり遊技中にV報知演出が実行されなかった場合に限り、大当たり遊技終了後に確変状態が設定される場合であっても演出モードとしてチャンスモードを設定可能に構成しているため、大当たり遊技中に球が特定領域(Vゲート)65vを通過したこと、即ち、大当たり遊技終了後に確変状態が設定されることを報知したにも関わらず、大当たり遊技終了後にチャンスモードが設定されてしまい、遊技者が戸惑ってしまう事態が発生することを抑制することができる。加えて、大当たり遊技中に球が特定領域(Vゲート)65vを通過したこと報知するV報知演出が実行された場合には、大当たり遊技終了後に確変状態が設定されていることを示すための演出モードとしてスーパーチャンスモードが設定されるため、遊技者に安心して遊技を行わせることができる。
なお、本制御例では、大当たり遊技中に特定領域(Vゲート)65vを球が通過したにも関わらずV報知演出が実行されなかった場合には、大当たり遊技終了後の演出モードとしてチャンスモードが設定されるように構成しているが、これに限ること無く、大当たり遊技中に特定領域(Vゲート)65vを球が通過したにも関わらずV報知演出が実行されなかった場合の一部において、スーパーチャンスモードが設定されるように構成しても良い。この場合、例えば、大当たり遊技のエンディング時(今回の大当たり遊技中に特定領域(Vゲート)65vへと球を通過させることが不可能(困難)となった後)に、今回の大当たり遊技中に特定領域(Vゲート)65vを球が通過したかの判別と、V報知演出が実行されたかの判別を実行し、特定領域(Vゲート)65vを球が通過したとの判別結果と、V報知演出が実行されていないとの判別結果と、を得た場合の一部(所定の抽選で特定の抽選結果となった場合)において、大当たり遊技のエンディング期間中に、確変状態が設定されることを示す表示態様(図127(b)、及び図127(d))を表示するように構成し、大当たり遊技終了後の演出モードとしてスーパーチャンスモードを設定するように構成すると良い。
このように構成することで、大当たり遊技中にV報知演出が実行されなかった場合であっても、スーパーチャンスモードが設定される可能性を残すことができるため、大当たり遊技が終了するまで遊技者に期待感を持たせて遊技を行わせることができる。
以上、説明をした通り、本制御例では、大当たり遊技終了後に設定される演出モードとしてチャンスモードが設定された場合には、遊技状態として時短状態が設定されている場合と、確変状態が設定されている場合とが発生することになる。そして、何れの遊技状態が設定されている場合であっても、普通図柄の高確率状態が継続する期間の残期間が表示される。つまり、大当たり遊技の終了後に設定される遊技状態として、通常状態よりも遊技者に有利となる有利遊技状態として、第1有利遊技状態(確変状態)と、第2有利遊技状態(時短状態)と、を設定可能に構成し、第1有利遊技状態は、所定の第1期間(大当たり遊技の終了後、特別図柄変動が50回実行されるまでの期間)継続し、第2有利遊技状態は、上述した第1期間よりも長い第2期間(大当たり遊技の終了後、特別図柄変動が100回実行されるまでの期間)継続するように構成し、大当たり遊技終了後に第1有利遊技状態が設定された後、第1期間が経過した場合には、第2期間を経過するまで第2有利遊技状態が設定されるように構成し、第2期間が経過した場合に通常状態が設定されるように構成した遊技機において、大当たり遊技終了後に確変状態が設定されるか否かに関わらず、有利遊技状態が終了するまでの期間(第2期間)の残期間を示すための残期間報知を実行可能に構成している。
このように構成することで、遊技者に対して、通常状態よりも遊技者に有利となる有利遊技状態が継続する期間を分かり易く報知することができる。さらに、本制御例では、第2期間の残期間(チャンスモードの残期間)が設定されている状態において、現在の遊技状態が確変状態であるか時短状態であるかを遊技者に示唆するための遊技状態示唆演出を、残期間報知の報知態様(表示態様)を用いて実行可能に構成している。
ここで、図128(b)を参照して、チャンスモード中に実行される遊技状態示唆演出の演出内容について説明をする。図128(b)は、チャンスモード中に実行される遊技状態示唆演出の表示内容の一例を模式的に示した模式図である。図128(b)に示した通り、確変状態が設定されている状態でチャンスモードが設定された場合に所定の報知条件が成立すると、小表示領域Ds2に表示される残期間報知の表示態様が可変される遊技状態示唆演出(図128(b)では、白抜きの表示態様で表示)が実行される。そして、副表示領域Dsの小表示領域Ds1には、「大当たり期待度UP」のコメントが表示される。このように構成することで、遊技者に有利な有利遊技状態が終了するまでの期間を遊技者に報知しながら、有利遊技状態のうち、どの遊技状態が設定されているのかを遊技者に予測させる楽しみを提供することができる。なお、詳細な説明は省略するが、本制御例では、図128(b)に示した表示態様と同一の表示態様を、実行中の特別図柄変動が大当たり変動である場合、或いは、獲得済みの特図2保留球に大当たり当選する情報が含まれている場合であって、チャンスモードのうち、確変状態が設定され得る期間内(大当たり遊技終了後、特別図柄変動が50回実行されるまでの期間内)において表示可能に構成している。
このように構成することで、遊技者に有利な有利遊技状態が継続する期間示すチャンスモード中において、遊技者に対してより有利な様々な情報(確変状態が設定されていることを示す情報、大当たり当選に関する情報)を同一の表示態様を用いて表示することができるため、遊技者に分かり易い演出を提供することができる。また、実際には時短状態が設定されている場合であっても、大当たり当選に基づいて確変状態が設定されている場合に表示され易い表示態様を表示することができるため、設計値よりも高い割合で確変状態が設定されていると遊技者に思わせることができ、遊技者の遊技意欲を高めることができるという効果がある。
なお、上述した本制御例の技術思想とは別の技術思想を用いてチャンスモード中の演出を実行するように構成しても良く、例えば、確変状態中にチャンスモードが設定されている状態で、大当たり当選、或いは、獲得済みの特図2保留球に大当たり当選する情報が含まれている場合に、現在設定されている遊技状態が時短状態であることを示唆するための示唆演出(例えば、残期間報知の表示態様を、図128(a),(b)とは異なる表示態様(漢数字表示にする表示態様)で表示する演出)を実行するように構成しても良い。これにより、有利遊技状態において、確変状態よりも遊技者に不利となる時短状態中に大当たり当選したと遊技者に思わせることができ、遊技者の遊技意欲を高めることができる。また、遊技履歴として確変状態が設定された割合を実際よりも低く見せることができるため、次の大当たり遊技で確変状態が設定されることをより期待させながら遊技を行わせることができる。
以上、図128(a),(b)を参照して説明をした通り、本第1制御例では、チャンスモードが継続する期間(残期間)を示すための残期間報知態様の表示態様を可変させることにより、現在設定されている遊技状態を遊技者に示唆可能に構成することで、チャンスモードの残期間を注意深く見ている遊技者に対して、現在設定されている遊技状態を示唆する遊技状態示唆演出を把握させ易くすることができるように構成しているが、遊技状態示唆演出を、残期間報知態様以外を用いて実行しても良く、例えば、確変状態が設定されている場合のほうが、時短状態が設定されている場合よりも表示され易い第1表示態様(例えば、「チャンス」の文字)や、時短状態が設定されている場合のほうが、確変状態が設定されている場合よりも表示され易い第2表示態様(例えば、「ピンチ」の文字)を第3図柄表示装置81の表示面に表示するように構成しても良いし、第3図柄表示装置81の表示面に表示される第3図柄(主図柄sz、副図柄fz)の表示態様を可変させることにより遊技状態示唆演出を実行するように構成しても良い。
なお、本第1制御例では、特別図柄の高確率状態も、普通図柄の高確率状態も、特別図柄変動の実行回数が所定回数に到達した場合に終了するように構成しているため、図128(a),(b)に示した通り、チャンスモードが継続する残期間(特別図柄の高確率状態、或いは普通図柄の高確率状態が継続し得る残期間)を報知する残期間報知の表示態様を用いて、現在の遊技状態を示唆可能に構成しているが、例えば、特別図柄の高確率状態が、次に大当たり遊技が実行されるまで継続するように構成されたパチンコ機10にて、上述したチャンスモードの構成を用いても良い。この場合、チャンスモードの継続期間として、時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)が設定された場合に、その普通図柄の高確率状態が終了するまでの残期間(時短状態が終了するまでの期間)を残期間報知によって報知するように構成し、その残期間報知によって報知された残期間を経過した場合において、時短状態が設定されている場合には、通常状態へと移行したことを報知する演出を実行し、確変状態が設定されている場合には、次に大当たり遊技が実行されるまで特別図柄の高確率状態が継続することを示す表示態様、即ち、確変状態が継続する残期間が次回大当たりまでの期間であることを示す表示態様として「おめでとう」の文字が表示される演出を実行可能とし、チャンスモードが設定されている期間中において、所定の報知条件が成立した場合に、「おめでとう」の文字を表示させるように構成しても良い。
つまり、特別図柄抽選が実行される毎に更新されるチャンスモードの残期間に対応させて随時更新される残期間報知態様(図128(a)参照)に替えて、チャンスモードの残期間が存在していることを示すだけの表示態様、即ち、図128(a)に示した残期間報知態様のように、チャンスモード中に実行可能な特別図柄の残抽選回数を示さない残期間報知態様を用いても良いし、チャンスモードの残期間の長さに対応させて表示態様を可変(例えば、表示色を可変)させることにより、大まかにチャンスモードの残期間の長さを報知可能な残期間報知態様を用いても良い。さらに、残期間報知態様を複数表示可能に構成し、表示された複数の残期間報知態様の表示態様を組み合わせることにより、遊技者がチャンスモードの残期間の長さを把握可能となるように構成しても良い。
次に、図129及び図130を参照して、チャンスモード中において遊技者が操作手段を操作した場合に実行される演出内容について説明をする。本制御例では、遊技者が枠ボタン22(図119参照)に対して所定の操作を実行すると、その操作内容と、操作タイミングとに基づいて様々な演出(操作演出)を実行可能に構成している。詳細な説明は省略するが、第3図柄表示装置81の主表示領域Dmに表示される背景画像を変更する操作演出や、第3図柄表示装置81の主表示領域Dmにて実行される変動演出の一部として遊技者に枠ボタン22を操作させるための案内報知を実行し、遊技者が枠ボタン22を操作した場合に、遊技者が枠ボタン22を操作しない場合とは異なる演出態様の演出を実行する操作演出や、第3図柄表示装置81の主表示領域Dmにて実行される変動演出を賑やかすための操作演出等が実行されるように構成している。これにより、遊技者に対して、球を発射させる行為以外の遊技を意欲的に行わせることができるため、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができる。
ここで、上述した操作演出のうち、チャンスモード中に実行される各種操作演出の内容について説明をする。詳細は、図18を参照して後述するが、本制御例では、有利遊技状態(時短状態、確変状態)が設定された場合に、有利遊技状態が設定されてからの特別図柄変動回数に応じて異なる変動時間が選択され得るように構成している。具体的には、有利遊技状態が設定されてから特別図柄変動回数が「1回目〜20回目」の期間が、短い変動時間(例えば、5秒)が選択され易い第1期間(高速変動期間)となり、「21回目〜49回目」の期間が、第1期間よりも長い変動時間(例えば、10〜30秒)が設定され易い第2期間となり、「50回目」のみ、特定の変動時間(例えば、20秒)が設定される特定期間となり、「51回目〜100回目」の期間が、第2期間と同程度の変動時間(例えば、10〜30秒)が設定され易い第3期間となるように構成している。
つまり、チャンスモードが設定されてからの所定期間(第1期間)、即ち、大当たり遊技終了後の所定期間は、短い変動時間で特別図柄変動が実行され易くなるため、この第1期間中に大当たり当選した場合には、短い間隔で複数回の大当たり遊技を実行させ易くすることができる。これにより、前回実行された大当たり遊技の一環として次の大当たり遊技が実行されたのでは?と遊技者に思わせることが可能となり、遊技の興趣を向上させることができる。
そして、上述した第2期間や第3期間では、通常状態が設定されている場合よりは短い変動時間の特別図柄変動が実行され易く、第1期間よりは長い変動時間の特別図柄変動が実行され易くなるように構成している。これにより、チャンスモード中において、1回の特別図柄変動中に現在設定されている遊技状態が時短状態であるか確変状態であるかを示唆するための示唆演出を実行する期間を確保することができる。また、特定期間(有利遊技状態が設定されてから50回目の特別図柄変動)では、必ず特定の変動時間(20秒)の特別図柄変動が実行され、遊技者に対して確変状態が設定されていた(されている)状態であるか否かを示唆するための20秒間の示唆演出が実行されるように構成している。
このように、特別図柄変動の実行回数に応じて異なる変動時間を選択可能に構成することで、各変動回数に応じた演出を適切な期間を用いて実行することができる。
図129(a)は、演出モードとしてチャンスモードが設定されている状態であって、内部的に通常状態が設定されており、高速変動期間以外の期間中(通常変動期間中)に表示される表示内容の一例を模式的に示した模式図であって、図129(b)は、図129(a)に表示された表示演出中に枠ボタン22を操作した場合の演出態様を模式的に示した模式図である。本制御例では、チャンスモード中における通常変動期間では、第3図柄表示装置81の表示面に表示される背景画像を遊技者が任意に選択可能となり、枠ボタン22を遊技者が押下(操作)することで、海背景(海モード)と山背景(山モード)とを交互に切替表示されるように構成している。
図129(a)に示した通り、背景画像を切替可能な場合には、主表示領域Dmの右側下方に枠ボタン22を模したアイコンHR10が、操作可能な状態であることを示す表示態様(図では、ボタン押下方向に向けて矢印表示)で表示され、副表示領域Dsの小表示領域Ds1には、現在、海モードが設定されていることを示す「海モード」の文字が表示されている。この状態で遊技者が枠ボタン22を操作すると、図129(b)に示した通り、「海モード」から「山モード」へと切替表示される。
次に、図130を参照して、チャンスモードのうち、高速変動期間中における操作演出の内容について説明をする。本制御例では、高速変動期間(時短状態、確変状態が設定されてから20回目の特別図柄変動が終了するまでの期間)中に枠ボタン22を操作した場合に、背景画像が切替表示されない(難くなる)ように構成している。つまり、1回の特別図柄変動の変動時間として短い変動時間(5秒)が選択される高速変動期間において、背景画像を切替表示してしまうと、第3図柄表示装置81の表示面に表示される表示態様が頻繁に変化してしまい、特別図柄抽選の結果を遊技者が把握し難くなるため、背景画像が切替表示されない(難く)なるように構成している。しかしながら、高速変動期間中における枠ボタン22に対する遊技者の操作を全て無効にしてしまうと、遊技者の遊技意欲が低下してしまうという問題があった。
そこで、本制御例では、高速変動期間中に遊技者が枠ボタン22を操作した場合には、背景画像の切替表示では無く、別の演出が実行されるように構成している。具体的には、図130(a)に示した通り、チャンスモードにおける高速変動期間中は、副表示領域Dsの小表示領域Ds1に「スペシャルモード」の文字が表示され、現在が高速変動期間中であることが遊技者に報知される。この「スペシャルモード」中は、特別図柄抽選の結果に関わらず、5秒の変動時間が設定された特別図柄変動が実行され、第3図柄の変動演出も「スペシャルモード」専用の変動演出が実行される。そして、「スペシャルモード」中も主表示領域Dmの右側下方にアイコンHR10が表示され、遊技者が枠ボタン22を押下すると、図130(b)に示した通り、小表示領域Ds2に表示される残期間報知の表示態様が可変される遊技状態示唆演出が実行される。
このように、遊技者が同一の操作(枠ボタン22の押下)をした場合であっても、その操作タイミングによって、実行される操作演出の演出内容を異ならせることにより、遊技者に対して様々なタイミングで枠ボタン22を操作しようと意欲的に遊技を行わせることができる。また、本制御例では、図129(a)、或いは図130(a)に示した通り、遊技者に対して枠ボタン22に対する操作(押下)を案内するための案内表示(アイコンHR10)を同一にし、遊技者が同一の操作(枠ボタン22の押下)をした場合に、その操作タイミングによって、実行される操作演出の演出内容を異ならせている。よって、枠ボタン22を実際に操作(押下)するまでは、どのような操作演出が実行されるのかを遊技者に分かり難くすることができるため、より意欲的に枠ボタン22を操作させることができる。
なお、詳細は図18を参照して後述するが、本制御例では、高速変動期間に枠ボタン22を操作した場合に複数の操作演出を実行可能に構成しており、各操作演出が選択される割合を、設定されている遊技状態に応じて異ならせている。つまり、高速変動期間中に実行される各操作演出の出現割合によって、現在設定されている遊技状態が確変状態であるか時短状態であるかを予測することができる。よって、高速変動期間中に同一の操作演出が繰り返し実行された場合であっても、遊技者の遊技意欲が低下することを抑制することができる。
さらに、本制御例では、高速変動期間中であっても所定条件が成立している場合にのみ、枠ボタン22を押下した際に背景画像の切替表示が行われるように構成している。具体的には、高速変動期間中に獲得した第2特別図柄の保留球(特図2保留球)内に大当たり当選する情報が含まれている場合に、その大当たり当選する情報が含まれる特図2保留球に対応する大当たり特別図柄変動と、その大当たり特別図柄変動よりも前に実行される特別図柄変動(大当たり当選する情報が含まれている特図2保留球よりも前に獲得していた特図2保留球に対応する特別図柄変動)と、の変動時間を用いた特殊変動演出を実行可能に構成しており、その特殊変動演出を実行可能な条件を満たしている状態で遊技者が枠ボタン22を押下すると、現在表示されている背景画像(例えば、海モード)から専用の特殊背景画像(例えば、宇宙モード)へと背景画像の切替表示が行われるように構成している。つまり、高速変動期間中において遊技者が枠ボタン22を押下したことに基づいて背景画像の切替表示が実行された場合には、大当たり当選の期待度が高くなるやめ、遊技者に対して積極的に枠ボタン22を押下させることができる。
加えて、高速変動期間中であっても、枠ボタン22に対して特殊操作(長押し)を行うことで、背景画像の切替表示を実行可能に構成している。この特殊操作(長押し)は、遊技者が枠ボタン22を2秒間継続して押下した場合に操作が実行されたと判別されるものであり、枠ボタン22に対する通常操作(押下)よりも、操作が行われたと判別されるまでの期間を長くしている。よって、通常操作(押下)に比べて頻繁に実行し難い操作となるため、背景画像の切替表示を実行可能に構成しても、背景画像の切替表示が頻繁に行われてしまうことを抑制することができる。なお、本制御例では、通常操作よりも操作時間を長くした特殊操作として長押し操作を用いているが、これに限ること無く、例えば、操作手段として枠ボタン22に加えて、複数の操作部を有する操作手段(例えば、十字キー)を設け、複数の操作部を所定の順序で操作することにより行われる特殊操作を規定しても良い。
次に、図131を参照して、確変状態が設定されていることが遊技者に報知される「スーパーチャンスモード」中に実行される演出内容について説明をする。図131(a)は、「スーパーチャンスモード」中に第1特別図柄変動が実行された場合の演出内容の一例を模式的に示した模式図であって、図131(b)は、「スーパーチャンスモード」中に第2特別図柄変動が実行された場合の演出内容の一例を模式的に示した模式図である。
本制御例では、確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の高確率状態)が設定されている場合には、第2特別図柄抽選が実行され易くなるように構成している。そして、第2特別図柄抽選で大当たり当選した場合には、高確率で確変状態が設定される(大当たり遊技中に特定ゲートへと容易に球を流下させることができる確変大当たり遊技が必ず実行される)ように構成している。そして、確変状態は特別図柄抽選が所定回数(50回)実行されるまで継続するように構成している。
つまり、一度確変状態が設定されると、所定回数(50回)の特別図柄抽選が実行されるまでに第2特別図柄抽選で大当たり当選(特別図柄の高確率状態での大当たり確率は1/50)に当選する限り、高確率で確変状態をループさせることができるように構成している。よって、確変状態中の遊技を実行している遊技者に対して、いち早く第2特別図柄抽選で大当たり当選するように意欲的に遊技を行わせることができる。
一方、確変状態が設定されている状態であっても、例えば、通常状態にて実行された第1特別図柄抽選で確変大当たりに当選し、その大当たり遊技終了後に確変状態が設定された直後、即ち、確変状態が設定された状態において、特図2保留球を獲得しておらず、且つ、特図1保留球を獲得している状態では、第1特別図柄抽選が実行される。本制御例では、上述した通り、第2特別図柄抽選で大当たり当選した場合には100%の割合で確変大当たり遊技が実行されるのに対して、第1特別図柄抽選で大当たり当選した場合には50%の割合で確変大当たり遊技が実行され、残りの50%では通常大当たり遊技が実行されるように構成している。つまり、確変状態が設定されている状態であっても、第1特別図柄抽選で大当たり当選した場合には、確変状態をループさせることが出来ない場合がある。
このように確変状態中に第1特別図柄抽選で大当たり当選した場合において、当選した大当たりが通常大当たり遊技が実行される大当たり種別(通常大当たり)であることを遊技者に早期に判別されてしまうと、遊技者の遊技意欲が低下してしまうという問題が発生するため、本制御例では、確変状態中に実行される第1特別図柄変動に対応する変動演出として、確変大当たりに対応する第3図柄(奇数の数字が付された識別情報)と、通常大当たりに対応する第3図柄(偶数の数字が付された識別情報)と、が同時にリーチ状態となる変動演出であるダブルリーチ演出が実行され易くなるように構成している。より具体的には、確変状態中に実行される第1特別図柄抽選で通常大当たりに当選した場合には、必ず上述したダブルリーチ演出が実行されるように構成している(図131(a)参照)。
これにより、確変状態中に実行される第1特別図柄抽選で通常大当たりに当選した場合において、通常大当たりに対応する第3図柄(偶数の数字が付された識別情報)のみがリーチ状態となるリーチ演出が実行されることを防止することができ、特別図柄の変動期間中に通常大当たりに当選することを遊技者に事前に予測されることを抑制することができる。
また、図131(a)に示した通り、本制御例では、「スーパーチャンスモード」中は、上述した「チャンスモード」中と同様に、小表示領域Ds11、及びDs12が形成され、遊技者に対して特図保留数が把握され難くなるように構成している。そして、主表示領域Dmの上側には現在が確変状態中であることを遊技者に報知するための表示態様として「スーパーチャンスモード中」の文字が表示される。
ここで、スーパーチャンスモード中において、図131(a)に示したダブルリーチ(確変大当たりに対応する第3図柄(1の数字が付された識別情報)と、通常大当たりに対応する第3図柄(2の数字が付された識別情報)と、が同時にリーチ状態となる変動演出であるダブルリーチ演出)が実行された場合には、実行中の特別図柄変動が第1特別図柄変動であることを遊技者に容易に把握されてしまう虞があるため、本制御例では、第2特別図柄変動に対応させて実行される変動演出においても、図131(a)に示したダブルリーチ演出を実行可能に構成している。即ち、大当たり当選した場合には必ず確変大当たり遊技が実行される第2特別図柄抽選に対応させた変動演出にて、通常当たりに対応する第3図柄を用いたダブルリーチ演出を実行可能に構成している。
このように構成することで、図127(a)に示したダブルリーチ演出が実行されたとしても、実行中の特別図柄変動が第1特別図柄変動であるか第2特別図柄変動であるかを遊技者に容易に判別させ難くすることができる。
さらに、本制御例では、第2特別図柄抽選に対応させた変動演出としてダブルリーチ演出が実行された場合には、中図柄列Z2が1周したタイミングでリーチ状態となる第3図柄の種別を図131(b)に示した通り、確変大当たりに対応する第3図柄(1の数字が付された識別情報と9の数字が付された識別情報)とに可変させる演出(確変ダブルリーチへの昇格演出)が実行されるように構成している。
このように構成することで、実行中の特別図柄抽選が大当たり当選している場合に、必ず確変大当たり遊技が実行されることを遊技者に事前に報知することができる。また、第1特別図柄抽選に対応させた変動演出としてダブルリーチ演出が実行された場合であっても、途中で確変ダブルリーチへと昇格するのではと遊技者に期待させながら遊技を行わせることができる。
なお、本制御例では、実行中のダブルリーチ演出を確変ダブルリーチ演出へと可変(昇格)させるための可変条件として、中図柄Z2の変動態様が所定態様(1周経過)となった場合に成立する可変条件を設定しているが、これに限ることなく、例えば、中図柄列Z2にて変動表示される第3図柄としてリーチ状態に対応する第3図柄(大当たりとなる組合せとなる第3図柄)がリーチ有効ラインを通過した場合に成立する可変条件を設定しても良いし、遊技者が操作可能な操作手段(枠ボタン22)に対する操作結果が特定の操作結果である場合に成立する可変条件を設定するように構成しても良い。
また、本制御例では、可変条件が成立した場合にリーチ状態となっている第3図柄の種別を可変するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、リーチ状態となる第3図柄の数を増加させるように構成しても良い。より具体的には、図131(a)に示したダブルリーチ状態から、ブランク図柄(図では三角印で表示)を消去し、上図柄列Z1として左から順に「3.2.1」を表示させ、下図柄列Z3として左から順に「1.2.3」を表示させた、トリプルリーチ演出を実行するように構成しても良い。このように構成した場合であっても、ダブルリーチ演出よりもトリプルリーチ演出のほうが、確変大当たりに対応した第3図柄のリーチ数を多くすることができるため、今回の特別図柄抽選にて確変大当たりに当選している可能性が高いことを遊技者に視覚的に報知することができる。
加えて、上述した技術思想を通常状態中に実行される変動演出に適用しても良く、例えば、通常大当たりに対応する第3図柄(偶数の数字が付された識別情報)のみがリーチ状態となる通常シングルリーチ演出中に可変条件が成立した場合に、リーチ状態である第3図柄の種別を確変大当たりに対応した第3図柄の種別へと切り替えても良いし、リーチ状態となる第3図柄の数を増加させるように構成しても良い。これにより、変動演出が終了するまで遊技者に対してより有利な演出結果が提供されることを期待させながら遊技を行わせることができる。
次に、図132を参照して、本制御例において選択される特別図柄の変動パターンと、実行される演出態様との関係について説明をする。図132(a)は、第3図柄の変動演出として、非リーチ変動演出が実行される変動パターンが設定された場合の演出の流れを示した模式図であって、図132(b)は、第3図柄の変動演出として、リーチ変動演出が実行される変動パターンが設定された場合の演出の流れを示した模式図である。
詳細な説明は、図25を参照して後述するが、本制御例では、特別図柄抽選の結果を示すための変動パターン(変動時間)として、基本時間と加算時間とを合算させた変動パターンを規定している。そして、基本時間に該当する期間を共通変動パターンとし、加算時間に該当する期間を特有変動パターンとするように構成している。
つまり、本制御例では、特別図柄抽選の結果を示すために第3図柄表示装置81の表示面にて実行される第3図柄変動の演出態様として、リーチ状態が表示されてから第3図柄が停止表示されるまでの期間を、リーチ状態となる第3図柄の種別に応じて異ならせるように構成している。そして、加算時間として設定された時間に応じた第3図柄をリーチ状態となる第3図柄として設定するように構成している。このように構成することで、第3図柄が変動を開始してからの所定期間の間に実行される第3図柄変動演出(基本時間に対応させて実行される第3図柄変動演出)を共通化させることができる。
具体的には、図132(a)に示した通り、非リーチ変動演出の場合は、加算時間が設定されないため、基本時間(8秒)に対応させた共通変動パターンが設定され、第3図柄変動演出が開始されてから所定期間が経過したタイミング(例えば、5秒経過タイミング)で上図柄列Z1が停止表示され、その1秒後に下図柄列Z3が有効ライン上にリーチ状態が発生しない停止表示態様で停止表示され、その2秒後に抽選結果が外れを示す停止表示態様で中図柄列Z2が停止表示される。その後、1秒間の停止表示期間(確定時間)を経て、特別図柄抽選の抽選結果が確定表示される。
図132(b)に示した通り、リーチ変動演出が実行される場合は、基本時間(30秒)が設定され、30秒間の共通変動パターンとして、リーチ状態となってから5秒が経過するまでの演出態様が設定される。つまり、リーチ状態となってから中図柄列Z2が1周するまでの演出態様が共通変動パターンとして設定される。その後、加算時間に応じた演出態様(リーチパターン、停止図柄)が設定される。
次に、図133を参照して、大当たり遊技のエンディング期間中に実行されるエンディング演出の演出態様について説明をする。図133(a)は、通常大当たり、図133(b)は、確変大当たりを対象としたエンディング期間の演出の流れを示したものであり、図133(c)は、確変大当たり遊技中に球が特定領域(Vゲート)を流下しなかった場合の流れを示したものである。
図133に示した通り、本制御例では通常大当たりと確変大当たりとでエンディング期間(ED期間)を異ならせており、通常大当たりは15秒、確変大当たりでは17秒のED期間が設定されるように構成している。そして、それぞれ前半期間と後半期間とに区分けされたエンディング演出が実行されるように構成している(図127参照)。
本制御例では、大当たり遊技の開始タイミングにてエンディング期間における演出態様がセットされ、大当たり期間中にV入賞したか否か(特定ゲートへと球が流下したか否か)の判別をエンディング期間(ED期間)の開始タイミングで判別し、その判別結果に基づいてエンディング表示態様を切り替えるように構成している。
まず、図133(a)を参照して、通常大当たり遊技が実行された場合における大当たり遊技のエンディング期間中の演出内容について説明をする。本制御例では、大当たり遊技中に実行される各種処理が煩雑化してしまい、大当たり遊技中における処理負荷が増大してしまうことを抑制するために、大当たり遊技中のラウンド遊技(賞球を獲得可能な遊技)が実行されるよりも前(大当たり遊技の開始前、或いは、大当たり遊技におけるオープニング期間中)に大当たり遊技のエンディング期間中に実行される演出(エンディング表示演出)の演出態様を決定するように構成している。
通常大当たり遊技が実行された場合には、大当たり遊技のオープニング期間が終了するまでに、大当たり遊技終了後に「チャンスモード」が設定される(時短状態が設定される)ことを遊技者に示すためのエンディング演出の表示態様(図127(a),(c)参照)を設定する。そして、通常大当たり遊技では、その大当たり遊技中に球が特定領域(Vゲート)65vを通過することが無いため、大当たり遊技のエンディング演出として、予め設定してあるエンディング演出が実行される。
次に、図133(b)、及び図133(c)を参照して、確変大当たり遊技が実行された場合における大当たり遊技のエンディング期間中の演出内容について説明をする。確変大当たり遊技が実行された場合には、大当たり遊技のオープニング期間が終了するまでに、大当たり遊技中にV報知演出を実行するか否かを判定し、その判定結果に基づいてエンディング演出の演出態様を決定する。具体的には、特定領域(Vゲート)65vを球が通過し易いラウンド遊技(Vラウンド遊技)が実行される場合に、遊技者に対して特定領域(Vゲート)65vに球を通過させることを案内する案内報知と、実際に球が特定領域(Vゲート)65vを通過したことを遊技者に報知するV通過報知と、が実行されるV報知演出を実行するか否かを判定し、V報知演出を実行すると判定した場合は、エンディング演出として、大当たり遊技の終了後に「スーパーチャンスモード」が設定される(確変状態が設定される)ことを遊技者に示すための表示態様(図127(b),(d)参照)を設定する。一方、V報知演出を実行しないと判定した場合は、エンディング演出として、大当たり遊技の終了後に「チャンスモード」が設定されることを遊技者に示すための表示態様(図127(b)の表示態様に対して『スーパー』の表示を削除した表示態様と、図127(c)参照)を設定する。
V報知演出を実行する場合には、Vラウンド(1ラウンド目)遊技の開始に合わせて「Vを狙え」のコメント、及び、可変入賞装置65内の特定領域(Vゲート)65vの位置を模式的に示した模式図が第3図柄表示装置81の表示面に表示される案内報知が実行される。そして、球が特定領域(Vゲート)65vを通過した場合に、「V獲得!!」のコメントが第3図柄表示装置81の表示面に表示されるV通過報知が実行される。一方で、案内報知が実行されたにも関わらず、所定期間の間(例えば、3秒間)、球が特定領域(Vゲート)65vを通過していない場合は、遊技者に対して特定領域(Vゲート)65vへの球通過をより強調して案内する強調案内報知が実行される。そして、Vラウンド遊技が終了するまでに球が特定領域(Vゲート)65vを通過した場合には、上述したV通過報知が実行され、特定領域(Vゲート)65vに球を通過させること無くVラウンド遊技が終了した場合には、「V獲得ならず、残念!」の文字が表示される。
その後、大当たり遊技のエンディング期間が到来すると、実際のVラウンド遊技の遊技結果に基づいて、予め設定してあるエンディング演出の表示態様を差し替えるか否かの判別が実行される。ここで、上述した通り、大当たり遊技開始時において、V報知演出を実行すると判定した場合には、エンディング演出として「スーパーチャンスモード」が設定されることを示す表示態様(図127(b),(d)参照)が予め設定されているため、Vラウンド遊技中に球を特定領域(Vゲート)65vに通過させている場合は、エンディング演出の表示態様を切り替えることなく、エンディング演出が実行される。一方、Vラウンド遊技中に球を特定領域(Vゲート)65vに通過させることができなかった場合は、大当たり遊技終了後に時短状態が設定されることになるため、エンディング演出の表示態様を「チャンスモード」が設定されることを示すための表示態様へと切り替える処理(差替処理)を実行し、差し替え後の表示態様(図127(b)の表示態様に対して『スーパー』の表示を削除した表示態様と、図127(c)参照)でエンディング演出が実行される。
また、V報知演出を実行しない場合には、通常大当たり遊技と同様に、大当たり遊技中にV報知演出が実行されず、第3図柄表示装置81の表示面にて実行される各種演出表示からは、Vラウンド遊技が実行されていること、及び、球が特定領域(Vゲート)65vを通過したことを把握することができない大当たり遊技が実行される。そして、Vラウンド遊技中に球が特定領域(Vゲート)65vを通過したか否かに関わらず、予め設定された表示態様でエンディング演出が実行される。これにより、実際には確変状態が設定されているにも関わらず、大当たり遊技の終了後に「チャンスモード」が設定される状態を提供することができる。
さらに、確変状態が設定されている状態で「チャンスモード」が設定される場合は、大当たり遊技中(確変大当たり遊技中)にV報知演出が実行されないため、大当たり遊技中の演出によって確変状態が設定されることを事前に把握され難くすることができる。なお、本制御例では、V報知演出が実行されない大当たり遊技において球が特定領域(Vゲート)65vを通過した場合に、実際には確変状態が設定されているにも関わらず、大当たり遊技の終了後に「チャンスモード」が設定されるように構成しているが、これに限ること無く、例えば、V報知演出が実行されている状態で球が特定領域(Vゲート)65vを通過したにも関わらず、所定の割合でV通過報知を実行しないように構成し、特定領域(Vゲート)65vを球が通過したにも関わらず、V通過報知が実行されなかった場合に、大当たり遊技の終了後に「チャンスモード」が設定されるように構成しても良い。また、この場合、通常大当たり遊技が実行される場合にも、V報知演出を実行可能に構成すると良い。
このように構成することで、V報知演出が実行されたにも関わらず、V通過報知が実行されない事象を現出させ易くすることができるため、V報知演出が実行された大当たり遊技の終了後に「チャンスモード」が設定されることに対して遊技者に違和感を与えることを抑制することができる。
次に、図134を参照して、大当たり遊技終了後に設定される演出モードの流れについて説明をする。上述した通り、本第1制御例におけるパチンコ機10では、大当たり遊技の終了後に普通図柄の高確率状態が予め定められた第1特定期間(特別図柄変動が100回実行されるまでの期間)設定される。そして、大当たり遊技中に球が特定領域(Vゲート)65vを通過した場合には、大当たり遊技の終了後に特別図柄の高確率状態が予め定められた第2特定期間(特別図柄変動が50回実行されるまでの期間)設定される。そして、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態が時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)である場合は、演出モードとして「チャンスモード」が設定される(図134(b)参照)。また、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態が確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の高確率状態)である場合は、大当たり遊技中の演出内容に応じて(V報知演出の有無に応じて)、大当たり遊技終了後に設定される演出モードを異ならせており、図134(a)に示した通り、大当たり遊技中(大当たり遊技のエンディング期間中)に、確変状態が設定されることが報知された場合、即ち、エンディング演出として「スーパーチャンスモード」突入の表示態様(図127(b)参照)が表示された場合は、演出モードとして「スーパーチャンスモード」が設定され(図134(a)の表示a参照)、大当たり遊技中(大当たり遊技のエンディング期間中)に、確変状態が設定されることが報知されなかった場合、即ち、エンディング演出として「チャンスモード」突入の表示態様(図127(a)参照)が表示された場合は、演出モードとして「チャンスモード」がされる(図134(a)の表示b参照)。
図134(a)の表示aに示した通り、大当たり遊技終了後に「スーパーチャンスモード」が設定された場合、その「スーパーチャンスモード」は、確変状態が終了するまで継続し、遊技状態が確変状態から時短状態へと移行する場合に、「チャンスモード」へと切替表示される。この場合、「スーパーチャンスモード」が設定されている間は、図131(a)に示した通り、残期間態様として確変状態が終了するまでの期間(最大で50回)が小表示領域Ds2に表示される。これにより、遊技者に最も有利な遊技状態が継続する期間を遊技者に分かり易く報知することができる。なお、図131(a)に示した表示内容に加え、確変状態が終了した後に、時短状態が50回設定されることを遊技者に予め報知する事前報知演出を実行するように構成しても良く、例えば、小表示領域Ds2に表示されている確変状態の残期間を示す残期間態様(図131(a)では、白抜きで「49回」と表示)が、所定期間以下(例えば、「10回」以下)となった場合に、後に設定される時短状態が継続する回数(50回)を示す残期間態様を、確変状態の残期間を示す残期間態様とは異なる表示態様(例えば、黒抜きで「50回」と表示)で表示させるように構成すると良い。これにより、確変状態が終了した後にも、通常状態よりも有利な遊技状態(時短状態)が設定されることを遊技者に事前に報知することができる。
また、「スーパーチャンスモード」が設定された時点で、確変状態の残期間を示す残期間態様(50回)と、時短状態の残期間を示す残期間態様(100回)と、を表示し、特別図柄変動が実行される毎に、各残期間態様を1ずつ減算させるように構成しても良いし、確変状態の残期間を示す残期間態様(50回)と、確変状態が終了した後に設定される時短状態の残期間を示す残期間態様(50回)と、を表示し、先に確変状態の残期間を示す残期間態様を減算していき、確変状態の残期間が0となり、時短状態へと移行した場合に、時短状態の残期間を示す残期間態様を減算していくように構成しても良い。このように構成した場合であっても、確変状態中の遊技を行っている遊技者に対して、確変状態が終了した後に通常状態よりも遊技者に有利な遊技状態が設定されることを事前に報知することができる。
次に、図134(a)の表示bと、図134(b)とを用いて、チャンスモード中の演出について説明をする。本制御例では、確変状態が設定される場合の一部と、時短状態が設定される場合に、演出モードとしてチャンスモードが設定される。そして、チャンスモード中には、図128を参照して上述した通り、残期間報知の報知態様を可変させる遊技状態示唆演出を実行される。この遊技状態示唆演出は、確変状態中のチャンスモードのほうが、時短状態中のチャンスモードよりも出現率が高くなるように設定されている。
次に、図135を参照して、チャンスモード中における操作演出の内容について説明をする。本制御例では、チャンスモード中に実行される操作演出(遊技者による枠ボタン22(操作手段)への操作に基づいて実行される演出)の演出態様を、遊技者による枠ボタン22(操作手段)の操作タイミング、操作方法、及び、設定されている遊技状態と、に応じて可変させるように構成している。具体的には、図135(a)に示した通り、時短状態が設定されている場合におけるチャンスモード中は、操作方法としてボタンPUSH「通常押し」を実行した場合には、特別図柄変動が20回実行されるまでの高速変動期間中において、実行中の変動演出がリーチ状態となるか否かを、第3図柄変動中に示唆する「リーチ示唆」、或いは、現在設定されている遊技状態を示唆する「状態示唆」の操作演出を実行可能に構成し、それ以降(特別図柄変動回数が21回目以降)は、背景モードを移行させる「背景モード移行」の操作演出を実行可能に構成している。また、操作方法として、ボタン長押し「長押し」を実行した場合には、特別図柄変動が20回実行されるまでの高速変動期間中に、背景モードを移行させる「背景モード移行」の操作演出を実行可能に構成し、特別図柄変動の回数が21回〜50回までの期間(第2期間中)に、現在設定されている遊技状態を示唆する「状態示唆」の操作演出を実行可能に構成し、それ以降(特別図柄変動回数が51回目以降)は、過去(「チャンスモード」が設定された時点(大当たり遊技終了後))に設定されていた遊技状態を示唆するため「過去状態示唆」の操作演出を実行可能に構成している。
また、図135(b)に示した通り、確変状態が設定されている場合におけるチャンスモード中は、操作方法としてボタンPUSH「通常押し」を実行した場合には、特別図柄変動が20回実行されるまでの高速変動期間中において、実行中の変動演出がリーチ状態となるか否かを、第3図柄変動中に示唆する「リーチ示唆」、現在設定されている遊技状態を示唆する「状態示唆」、或いは、背景モードを移行させる「背景モード移行」の操作演出を実行可能に構成し、特別図柄変動の回数が21回〜50回までの期間(第2期間中)に、「背景モード移行」、或いは「状態示唆」の操作演出を実行可能に構成し、それ以降(特別図柄変動回数が51回目以降)は、「背景モード移行」の操作演出を実行可能に構成している。また、操作方法として、ボタン長押し「長押し」を実行した場合には、特別図柄変動の回数に関わらず、背景モードを移行させる「背景モード移行」の操作演出を実行可能に構成している。
以上、説明をした通り、本制御例では、時短状態が設定される場合、或いは、確変状態が設定される場合の一部において、演出モードとして「チャンスモード」を設定可能に構成しており、そのチャンスモード中に実行される特別図柄変動の回数に応じて、チャンスモードの継続期間(時短100回)を複数の期間に区分けし、設定されている遊技状態及び期間毎に、遊技者が操作手段(枠ボタン22)を操作した場合に実行される操作演出の演出態様を異ならせるように構成している。これにより、チャンスモードが設定された場合において、操作演出により実行される操作演出の内容に基づいて現在設定されている遊技状態を遊技者に予測させることが可能となるため、遊技者に対して意欲的に操作手段を操作させる遊技を実行させることができる。
以上、説明をした通り、本制御例では、大当たり遊技終了後の所定期間の間が高速変動期間となり、枠ボタン22に対して「通常押し」の操作を実行したとしても「背景モード移行」の操作演出が、他の期間よりも実行され難くなるように構成しているが、高速変動期間(背景モード移行され難い期間)を、他のタイミングで設定しても良く、例えば、大当たり遊技終了後に実行される1回の特別図柄変動が終了するまでの期間を、通常時短変動期間とし、大当たり遊技終了後の2回目の特別図柄変動が実行されてから20回目の特別図柄変動が実行されるまでの期間が高速変動期間として設定されるように構成しても良い。
このように構成することで、例えば、大当たり遊技終了後の1回目の特別図柄変動期間中において、高速変動期間が設定されることを予告する予告態様として、「次変動から背景モードを変更できないよ!今のうちに希望の背景を選択してね」のコメントを副表示領域Dsに表示することで、遊技者に対して、背景モードを変更できない期間(高速変動期間)が急に設定されてしまい、所望する背景モードで遊技を実行することができず、遊技意欲が低下してしまう事態を抑制することができる。さらに、大当たり遊技終了後の1回の特別図柄変動期間を用いて、「チャンスモード」の遊技内容を遊技者に説明するための案内態様として、「チャンスモードは、確変状態の可能性もあるよ!諦めないで!」のコメントや「残回数の表示態様が変わるとチャンス!」のコメントも併せて表示するように構成しても良い。
なお、本第1制御例のように、大当たり終了後の1回目の特別図柄変動から高速変動期間が設定される場合においては、高速変動期間が設定される前に実行された大当たり遊技の遊技期間中(例えば、大当たり遊技のエンディング期間中)に、「チャンスモード」中の背景モードを選択可能に構成すると共に、「チャンスモード」が設定されると、所定期間の間(高速変動期間中)、背景モードを変更できない旨を遊技者に報知するように構成すれば良い。
図2に戻り、説明を続ける。第2図柄表示装置は、球が普通図柄始動口(スルーゲート)67を通過する毎に表示図柄(第2図柄(図示せず))としての「○」の図柄と「×」の図柄とを所定時間交互に点灯させる変動表示を行うものである。パチンコ機10では、球が普通図柄始動口(スルーゲート)67を通過したことが検出されると、当たり抽選が行われる。その当たり抽選の結果、当たりであれば、第2図柄表示装置において、第2図柄の変動表示後に「○」の図柄が停止表示される。また、当たり抽選の結果、外れであれば、第2図柄表示装置において、第3図柄の変動表示後に「×」の図柄が停止表示される。
パチンコ機10は、第2図柄表示装置における変動表示が所定図柄(本制御例においては「○」の図柄)で停止した場合に、第2入球口640に付随された電動役物640aが所定時間だけ作動状態(開放状態)となる当たり遊技(普図当たり遊技)が実行されるよう構成している。
第2図柄の変動表示にかかる時間(普図変動時間)は、設定されている普通図柄の確率状態(低確率状態、高確率状態)に応じて異ならせており、普通図柄の低確率状態(通常状態)が設定されている場合は、普図変動時間として10秒が、普通図柄の高確率状態(確変状態、時短状態)が設定されている場合は、普図変動時間として3秒が設定されるように構成されている。これにより、普通図柄の低確率状態において普図当たり遊技が実行される頻度と、普通図柄の高確率状態において普図当たり遊技が実行される頻度とを大きく乖離させることが可能となる。つまり、普通図柄の低確率状態に対して普通図柄の高確率状態のほうが、普図変動時間を短くすることで単位時間当たりに実行され得る普通図柄抽選(普図抽選)の回数を増加させることができ、さらに、実行される普図抽選にて当たり当選し易くすることができる。よって、普通図柄の低確率状態が設定されている場合に普図当たり遊技を実行させ難くしながらも、普通図柄の高確率状態が設定されている場合に普図当たり遊技を実行させ易くすることができる。
なお、本制御例では、普通図柄の低確率状態よりも、普通図柄の高確率状態のほうが、設定される普図変動時間も、当たり当選確率も遊技者に有利となるように構成しているが、これに限ること無く、何れか一方のみが遊技者に有利となるように構成してもよい。例えば、普通図柄の確率状態に関わらず、同一時間の普図変動時間(例えば、3秒)が設定されるように構成し、当たり当選確率のみに差を持たせても良い。これにより、例えば、普通図柄の低確率状態中(通常状態中)に普図当たり遊技が実行され難くするために、普通図柄の変動表示にかかる時間(普図変動時間)が時短状態中よりも通常状態中のほうが長くなるように構成したパチンコ機10において、普通図柄の当たり遊技(普図当たり遊技)が実行され難い通常状態(普通図柄の低確率状態)から、普図当たり遊技が実行され易い時短状態(普通図柄の高確率状態)へと遊技状態が移行する場合に、通常状態中に実行された長時間の普通図柄変動(時短状態中よりも遊技者に不利となる普図当たり遊技)の実行中に時短状態へと移行してしまい、時短状態が設定されたにも関わらず、時短状態中の普通図柄抽選が実行されない期間が長時間設定されてしまうことを抑制することができる。
図2を参照して上述した通り、本制御例におけるパチンコ機10は、遊技盤13の遊技領域に各種装置が配設されており、可変表示ユニット80の左側に形成される左側領域に球を流下させる遊技(左打ち遊技)を実行しても、右側領域に球を流下させる遊技(右打ち遊技)を実行しても、遊技者が得る遊技価値に差が生じ無い(生じ難い)ように遊技盤13が構成されている。具体的には、図2に示した通り、遊技盤13の中央部の垂線に対して左右対称に各種装置が配設されており、可変表示ユニット80の下側領域に、球が入球することにより第1特別図柄の抽選契機となり得る第1入球口64と、その第1入球口64の下方位置に設けられ、球が入球することにより第2特別図柄の抽選契機となり得る第2入球口640と、その第2入球口640に付設され、普通図柄抽選で当たり当選した場合に実行される普図当たり遊技にて開放動作される電動役物640aと、その第2入球口640の下方位置に設けられ、特別図柄抽選で大当たり当選した場合に実行される大当たり遊技にて開放動作される可変入賞装置65と、が配設されている。
左打ち遊技によって発射された球は、左側領域を流下し1/2の割合で左側領域に設けられたスルーゲート67を通過し、スルーゲート67を通過した球も、スルーゲート67を通過しなかった球も、遊技盤13に植設された釘によって、下側領域に設けられた第1入球口64に向けて流下する。ここで、釘の間から直下方向へと流下した球は、2つの一般入球口63へと入球する。なお、本制御例では、左側領域を流下する球の約1/50が2つの一般入球口63の何れかへと入球するように構成されており、一般入球口63へと球が入球した場合には、10個の賞球(特典)が付与されるように構成している。
第1入球口64には、15球に1球の割合で球が入球し得るように構成されており、球が入球した場合には、4個の球が賞球として払い出されるように構成している。第2入球口640は、電動役物640が閉鎖している状態(図2にて白色で示した状態)では、殆ど球が入球せず、電動役物640が開放している状態(図2にて黒色で示した状態)では、左打ち遊技にて発射され、左側領域を流下する球の約2球に1球の割合で球が入球するように構成されており、球が入球した場合には、1個の球が賞球として払い出されるように構成している。また、可変入賞装置65は、大当たり遊技が実行されていない状態では、殆ど球が入球せず、大当たり遊技中には約3球に2球の割合で球が入球するように構成されており、球が入球した場合には、15球の球が賞球として払い出されるように構成している。
ここで、可変入賞装置65について説明をする。この可変入賞装置65は、特別図柄抽選で大当たり当選した場合に実行される大当たり遊技にて開放動作される可変入球手段であって、大当たり遊技中に可変入賞装置65へと入賞した球が可変入賞装置65の内部領域に設けられた特定領域(Vゲート)を通過することによって、その大当たり遊技終了後に特別図柄の高確率状態を設定することができるように構成している。
また、当選した大当たりの種別に応じて、可変入賞装置65へと入賞した球が特定領域(Vゲート)を通過し易い大当たり遊技(確変大当たり遊技)と、通過し難い大当たり遊技(通常大当たり遊技)と、を実行可能に構成しており、本制御例では、可変入賞装置65へと入賞した球が特定領域(Vゲート)を通過し易い大当たり遊技、即ち、大当たり遊技中に正常な遊技を行えば特定領域(Vゲート)へと球を容易に流下させることが可能な大当たり(遊技)を確変大当たり(遊技)、可変入賞装置65へと入賞した球が特定ゲートを通過し難い大当たり遊技、即ち、大当たり遊技中に正常な遊技を行ったとしても特定領域(Vゲート)へと球を通過させることが困難な大当たり(遊技)を通常大当たり(遊技)と称して説明をする。
なお、上述した通り、確変大当たり遊技が実行されたとしても、その大当たり遊技中に特定領域(Vゲート)へと球を通過させることができなかった場合は、大当たり遊技終了後に特別図柄の高確率状態(確変状態)が設定されることが無い。つまり、本制御例では、大当たり遊技が実行されたタイミングでは、その大当たり遊技終了後に設定される遊技状態が確定しないことになる。詳細な説明は後述するが、本制御例では、大当たり遊技の1ラウンド目に実行されるラウンド遊技にて、最も球を特定領域(Vゲート)へと通過させ易いラウンド遊技(Vラウンド遊技)が実行されるように構成している。よって、このVラウンド遊技が終了するまで、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態を確定させることができない。このように大当たり遊技中の遊技結果によって大当たり遊技終了後に設定される遊技状態が確定するように構成することで、遊技者は大当たり遊技にて様々な特典(賞球、特別図柄の高確率状態)を獲得するための遊技を行うことができ、遊技の興趣を向上させることができる。
一方で、上述した構成を用いた場合、大当たり遊技の終了後に設定される遊技状態を遊技者に報知するための報知演出の演出態様(例えば、大当たりエンディング期間の演出態様)を予め(例えば、大当たり遊技開始時に)設定しておくことが出来ず、出球に関する制御処理や表示に関する制御処理が密に実行される大当たり遊技中に報知演出の演出態様を設定しなければならず、パチンコ機10の制御処理が煩雑になってしまうという問題があった。
これに対して、本制御例では、確変大当たり遊技が実行される場合には、予め(大当たり遊技開始時に)報知演出の演出態様として大当たり遊技終了後に確変状態が設定されることを示す演出態様を設定しておき、報知演出が実行される直前に(例えば、大当たりエンディング期間の開始時に)特定領域(Vゲート)への球の通過結果に基づいて報知演出の演出態様を切り替えるか否かの判別を実行し、特定領域(Vゲート)を球が通過している場合には、予め設定しておいた演出態様の報知演出を実行し、特定領域(Vゲート)を球が通過していない場合にのみ、報知演出の演出態様を切り替えるように構成している。このように、大当たり遊技中に正常な遊技を行った場合、大当たり遊技終了後に設定され易い遊技状態を想定して予め報知態様の演出態様を設定しておき、想定外の遊技状態が設定されると判別された場合にのみ、報知態様の演出態様を切り替えるようにすることで、大当たり遊技中に報知演出の演出態様を設定するための制御処理が実行される頻度を低減することができる。
さらに、本制御例では、大当たりエンディング期間の長さを、確変大当たり遊技と通常大当たり遊技とで異ならせており、遊技者にとって有利となる確変大当たり遊技のほうが通常大当たり遊技よりも長いエンディング期間が設定されるように構成している。これにより、大当たり遊技終了後に確変状態が設定されることを、実際に確変状態が設定されるよりも前に(大当たり遊技中に)遊技者に分かり易く報知することができる。一方、大当たり遊技終了後に確変状態が設定されない場合には、その旨を長期間報知したとしても遊技者に不快感を与えてしまうだけであるため、エンディング期間が短くなるように構成している。
このように、大当たりエンディング期間の長さを、確変大当たり遊技と通常大当たり遊技とで異ならせてしまうと、確変大当たり遊技中に球を特定領域(Vゲート)へと流下させることができなかった場合に、大当たりエンディング期間の演出態様を単に通常当たり遊技のエンディング期間に実行される演出態様へと切り替える処理を実行するだけでは、エンディング期間の長さが異なるためエンディング期間中に違和感のある報知演出が実行されてしまうという問題があった。また、確変大当たり遊技において球を特定領域(Vゲート)へと流下させることができなかった場合にのみ設定される専用の演出態様を予め用意してしまうと、その演出態様に対する画像データ(演出データ)を予め表示制御装置114のキャラクタROM234に記憶させておく必要があり、記憶容量が増加してしまうという問題があった。
これに対して、本制御例では、大当たりエンディング期間を前半期間と後半期間とに区分けし、後半期間の長さが大当たり種別(確変大当たり、通常大当たり)に関わらず共通の長さとなるように構成し、確変大当たり遊技中に球を特定領域(Vゲート)へと流下させることが出来なかった場合に、大当たりエンディング期間の後半期間に対応する演出態様のみ通常当たり遊技のエンディング期間の後半期間に対して設定される演出態様へと切り替えるように構成している。これにより、確変大当たり遊技中に球を特定領域(Vゲート)へと流下させることが出来なかった場合にのみ用いられる専用の演出態様を設けること無く、且つ、遊技者に違和感を与えることの無い報知演出を実行することができる。
なお、本制御例では、大当たりエンディング期間を前半期間と後半期間とに区分けし、後半期間の長さを大当たり種別に関わらず共通の長さとするように構成することで、確変大当たり遊技中に球を特定領域(Vゲート)へと流下させることが出来なかった場合に実行される報知演出の演出態様を切替設定するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、大当たり遊技の最終ラウンド期間中から報知演出を実行することで、実際の大当たりエンディング期間よりも長い期間実行される報知演出を実行可能に構成しても良いし、大当たりエンディング期間が設定されてから所定期間の間、大当たり遊技の最終ラウンド期間中に実行されるラウンド演出を継続して実行し、その後、報知演出を実行することで、実際の大当たりエンディング期間よりも短い期間の報知演出を実行するように構成しても良い。
なお、本制御例では、図2に示した通り、パチンコ機10の遊技盤13の構成を左右対称に構成しているが、これに限ること無く、例えば、遊技者が獲得可能な特典量が左打ち遊技を行った場合と、右打ち遊技を行った場合とで大きく乖離しないように構成すれば良く、例えば、左側領域に設けられる一般入球口63の数を、右側領域に設けられる一般入球口63の数よりも少なくし、且つ、第1入球口64へと球が入球する割合を、右打ち遊技よりも左打ち遊技のほうが高くなるように構成し、左打ち遊技のほうが右打ち遊技よりも賞球を獲得し難いが第1特別図柄抽選を実行し易くし、右打ち遊技のほうが左打ち遊技よりも賞球を獲得し易いが第1特別図柄抽選を実行し難くするように構成しても良い。このように構成した場合には、通常状態中、即ち、第1入球口64へと球を入球させる遊技を実行している間は、遊技者が任意の遊技方法で遊技を行うことができ、第2入球口640へと球を入球させる遊技(時短状態や確変状態中の遊技)においては、左打ち遊技よりも右打ち遊技のほうが遊技者に有利な遊技とすることができる。
図2に戻り、説明を続ける。普通図柄始動口(スルーゲート)67は、可変表示装置ユニット80の左側の領域(左側領域)、及び、可変表示装置ユニット80の右側の領域(右側領域)の何れにも組み付けられており、左側領域のスルーゲート67は、遊技盤13の左側領域を流下する球の1/2が通過可能に構成されている。また、右側領域のスルーゲート67は、遊技盤13の右側領域を流下する球の1/2が通過可能に構成されている。普通図柄始動口(スルーゲート)67を球が通過すると、第2図柄の当たり抽選が行われる。この第2図柄の当たり抽選の後、第2図柄表示装置にて変動表示を行い、当たり抽選の結果が当たりであれば、変動表示の停止図柄として「○」の図柄を表示し、当たり抽選の結果が外れであれば、変動表示の停止図柄として「×」の図柄を表示する。
球の普通図柄始動口(スルーゲート)67の通過回数は、合計で最大1回まで保留され、その保留球数が上述した第2図柄保留ランプ84において表示される。第2図柄保留ランプ84は、最大保留数分の1つ設けられ、第3図柄表示装置81の下方に左右対称に配設されている。
なお、第2図柄の変動表示は、本制御例のように、第2図柄表示装置において複数のランプの点灯と非点灯を切り換えることにより行うものの他、第1図柄表示装置37a,37b及び第3図柄表示装置81の一部を使用して行うようにしても良い。同様に、第2図柄保留ランプの点灯を第3図柄表示装置81の一部で行うようにしても良い。また、普通図柄始動口(スルーゲート)67の球の通過に対する最大保留球数は1回に限定されるものでなく、2回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、普通図柄始動口(スルーゲート)67の組み付け数は1つに限定されるものではなく、複数(例えば、2つ)であっても良い。また、普通図柄始動口(スルーゲート)67の組み付け位置は可変表示装置ユニット80の左方に限定されるものではなく、例えば、可変表示装置ユニット80の右方でも良い。また、本制御例では、左打ち遊技によって遊技盤13の左側領域を流下する球の殆どがスルーゲート67を通過するように構成しているが、これに限ること無く、一部の球のみがスルーゲート67を通過するように構成しても良い。
図2に戻り説明を続ける。可変表示装置ユニット80の下方(電動役物640の下方)には、左打ち遊技によって発射され左側領域を流下する球も、右打ち遊技によって発射され右側領域を流下する球も入賞し得るように、開口幅が約50ミリの可変入賞装置65が配設されている。このように、広い開口幅を有する可変入賞装置65を設けることにより、左打ち遊技によって電動役物640の左側を流下した球も、右打ち遊技によって電動役物640の右側を流下した球も可変入賞装置65へと入賞させることができる。
ここで、図120を参照して、可変入賞装置65の具体的な構成について説明をする。図120(a)は、可変入賞装置65の構造を模式的に示した模式図であり、図120(b)は、可変入賞装置65に入賞した球の流下経路を模式的に示した模式図である。図120(a)に示した通り、可変入賞装置65の内部には、案内部材65dが設けられており、開状態である開閉扉65b上を流下し特定入賞口65aに入賞した球が左右方向へと流下するように構成されている。
具体的には、左側領域を流下し、可変入賞装置65の左側から特定入賞口65aに入賞した球は、案内部材65dの左側斜面上の左案内流路65d1を流下し、第1開口部65a1へと誘導される。また、右側領域を流下し、可変入賞装置65の右側から特定入賞口65aに入賞した球は、案内部材65dの右側斜面上の右案内流路65d2を流下し、第2開口部65a2へと誘導される。
そして、第1開口部65a1或いは第2開口部65a2の下方には、可変入賞装置65に入賞した球を検知するための球検知センサ(65s1,65s2)が設けられており、この球検知センサが球を検知した場合に、賞球として15個の球を払い出すための払出制御が実行される。このように、左側領域を流下し可変入賞装置65へと入賞した球が通過し得る開口部(第1開口部65a1)と、右側領域を流下し可変入賞装置65へと入賞した球が通過し得る開口部(第2開口部65b1)と、を設け、各開口部に対して球検知センサを設けることにより、遊技者が大当たり遊技中に左打ち遊技を行っても、右打ち遊技を行っても、差の無い遊技を実行させることができる。
次に、図120(b)を参照して、特定入賞口65aに入賞した球の球流れについて説明する。図120(b)に示した通り、第1開口部65a1を通過した球は、第1球検知センサ65s1を通過し、誘導路65e上の第1流路65e1、第2流路65e2を流下し、切替弁65yの切替状態に応じて第3流路65e3、或いは第4流路65e4の何れかを流下する。
第3流路65e3の下流端には排出口65h1が設けられており、第3流路65e3を流下した球は、排出口65hに入球し、パチンコ機10の外部へと排出される。なお、図示はしていないが排出口65h1に入球した球が流下する排出路には球検知センサが設けられており、排出口65h1に入球した球数をカウント可能に構成されている。
第4流路65e4には特定領域(Vゲート)65vが設けられており、下流端には特定領域(Vゲート)65vを通過した球が入球する排出口65h2が設けられている。特定領域(Vゲート)には、通過した球を検知するための検知センサが設けられており、大当たり遊技中の所定期間内に特定領域(Vゲート)65vを球が通過したことを検知した場合にその検知結果を記憶しておき、大当たり遊技が終了する場合に、記憶結果を参照して大当たり遊技終了後の遊技状態が設定されるように構成している。
ここで、大当たり遊技中における切替弁65yの動作内容について説明をする。切替弁65yは図示しないVソレノイド209a(図137参照)を駆動源とする可変部材であって、Vソレノイド209aが通電していない状態(オフ状態)では、第2流路65e2を流下した球を第3流路65e3へと流下させるための閉状態(図120(b)参照)を維持し、Vソレノイド209aが通電した状態(オン状態)では、第2流路65e2を流下した球を第4流路65e4へと流下させるための開状態を維持するように構成されている。
このVソレノイド209aは通常オフ状態であり、大当たり遊技中の所定期間のみオン状態となるように駆動制御されている。具体的には、大当たり遊技中に実行される複数回のラウンド遊技のうち、特定のラウンド遊技(1ラウンド目のラウンド遊技)が開始された場合にオン状態となり、特定のラウンド遊技(1ラウンド目のラウンド遊技)が終了した場合、或いは、特定のラウンド遊技の遊技時間が所定時間(例えば、20秒)を経過した場合にオフ状態となるように駆動制御されている。つまり、大当たり遊技中に実行される大当たり制御の一環として切替弁65yが切替動作されるように構成している。
このように構成することで、大当たり遊技が実行されている場合(大当たり制御が実行されている場合)のみ、可変入賞装置65に球を入賞させることができると共に、可変入賞装置65へと入賞した球を特定領域(Vゲート)65vへと流下させることが可能となる。また、特定領域(Vゲート)65vを球が通過したことに基づいて付与される特典(特別図柄の高確率状態の設定)は、大当たり遊技の終了タイミング(大当たり遊技の終了時に実行される処理)にて付与されるように構成しているため、大当たり遊技中以外のタイミングにおいて球を特定領域(Vゲート)65vへ通過させる不正行為が行われたとしても、遊技者に特典が付与されることが無い。
なお、本制御例では、大当たり遊技中に実行される大当たり制御処理において、特定のラウンド遊技が開始されたタイミングに基づいて予め定められた規則に沿って切替弁65yを切り替えるための切替制御を実行するように構成しているが、それ以外の契機に基づいて切替制御を実行するように構成しても良く、例えば、大当たり遊技が開始されたことを切替制御の実行契機としても良いし、大当たり遊技のオープニング期間が終了したことを切替制御の実行契機としても良いし、大当たり遊技中に可変入賞装置65に入賞した球数を計測し、その計測結果が特定数となったことを切替制御の実行契機としても良い。また、可変入賞装置65に入賞した球数が特定数となったことを切替制御の実行契機とする場合には、大当たり遊技全体における球数を判別対象としても良いし、ラウンド遊技単位における球数を判別対象としても良い。このように構成することで、大当たり遊技中のどのタイミングで特定領域(Vゲート)へと球を通過させ易い状態が設定されるのかを遊技者に分かり難くすることができる。
さらに、大当たり遊技が実行される場合に設定されるオープニング期間の長さや、開閉扉65bの開閉パターンを大当たり種別毎に異ならせるように構成しても良い。このように構成することで、大当たり種別に関わらず切替弁65yに対して同一の切替制御を実行するように構成した場合であっても、特定領域(Vゲート)へと球を通過させ易い状態が設定される期間中に球を特定領域(Vゲート)65vへと到達させ易い大当たり遊技と、通過させ難い大当たり遊技と、を実行することができる。
次に、図121を参照して、本制御例におけるパチンコ機10の後面側の構成について説明をする。図121は、本第1制御例におけるパチンコ機10の背面図である。図121に示すように、パチンコ機10の後面側には、制御基板ユニット90,91と、裏パックユニット94とが主に備えられている。制御基板ユニット90は、主基板(主制御装置110)と音声ランプ制御基板(音声ランプ制御装置113)と表示制御基板(表示制御装置114)とが搭載されてユニット化されている。制御基板ユニット91は、払出制御基板(払出制御装置111)と発射制御基板(発射制御装置112)と電源基板(電源装置115)とカードユニット接続基板116とが搭載されてユニット化されている。
裏パックユニット94は、保護カバー部を形成する裏パック92と払出ユニット93とがユニット化されている。また、各制御基板には、各制御を司る1チップマイコンとしてのMPU、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等が、必要に応じて搭載されている。
なお、主制御装置110、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114、払出制御装置111及び発射制御装置112、電源装置115、カードユニット接続基板116は、それぞれ基板ボックス100〜104に収納されている。基板ボックス100〜104は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えており、そのボックスベースとボックスカバーとが互いに連結されて、各制御装置や各基板が収納される。
また、基板ボックス100(主制御装置110)及び基板ボックス102(払出制御装置111及び発射制御装置112)は、ボックスベースとボックスカバーとを封印ユニット(図示せず)によって開封不能に連結(かしめ構造による連結)している。また、ボックスベースとボックスカバーとの連結部には、ボックスベースとボックスカバーとに亘って封印シール(図示せず)が貼着されている。この封印シールは、脆性な素材で構成されており、基板ボックス100,102を開封するために封印シールを剥がそうとしたり、基板ボックス100,102を無理に開封しようとすると、ボックスベース側とボックスカバー側とに切断される。よって、封印ユニット又は封印シールを確認することで、基板ボックス100,102が開封されたかどうかを知ることができる。
払出ユニット93は、裏パックユニット94の最上部に位置して上方に開口したタンク130と、タンク130の下方に連結され下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール131と、タンクレール131の下流側に縦向きに連結されるケースレール132と、ケースレール132の最下流部に設けられ、払出モータ216(図21参照)の所定の電気的構成により球の払出を行う払出装置133とを備えている。タンク130には、遊技ホールの島設備から供給される球が逐次補給され、払出装置133により必要個数の球の払い出しが適宜行われる。タンクレール131には、当該タンクレール131に振動を付加するためのバイブレータ134が取り付けられている。
また、払出制御装置111には状態復帰スイッチ120が設けられ、発射制御装置112には可変抵抗器の操作つまみ121が設けられ、電源装置115にはRAM消去スイッチ122が設けられている。状態復帰スイッチ120は、例えば、払出モータ216(図137参照)部の球詰まり等、払出エラーの発生時に球詰まりを解消(正常状態への復帰)するために操作される。操作つまみ121は、発射ソレノイドの発射力を調整するために操作される。RAM消去スイッチ122は、パチンコ機10を初期状態に戻したい場合に電源投入時に操作される。
<第1制御例におけるパチンコ機の遊技の流れについて>
次に、図136を参照して、本制御例における遊技の流れについて説明をする。図136は、第1制御例のパチンコ機10における遊技の流れを模式的に示した模式図である。本制御例のパチンコ機10は、図136に示した通り、遊技状態として、通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)と、確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の高確率状態)と、時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)との3種類の遊技状態を設定可能に構成しており、初期状態(パチンコ機10の出荷時の状態、或いは、RAM消去スイッチ122を操作(押下)した状態で電源を投入した後の状態)では、通常状態が設定されるように構成している。
そして、通常状態中は、第1入球口64に球を入球させることで実行される第1特別図柄抽選を主とした遊技が実行される。特別図柄の低確率状態が設定される通常状態では、特別図柄の大当たり確率が1/200に設定されており、大当たり当選した場合には、大当たり種別として「大当たりA」(選択率1/2)と「大当たりB」(選択率1/2)との何れかが選択される。「大当たりA」が選択された場合には、大当たり遊技中に特定領域(Vゲート)65vへと球を通過させ易い大当たり遊技(確変大当たり遊技)が実行され、「大当たりB」が選択された場合には、大当たり遊技中に特定領域(Vゲート)65vへと球を通過させ難い大当たり遊技(通常大当たり遊技)が実行される。
そして、大当たり遊技中に球が特定領域(Vゲート)65vを通過した場合には、大当たり遊技終了後に確変状態が設定される。この確変状態は、特別図柄抽選(変動)の実行回数が50回に到達した場合、或いは、大当たり当選した場合に終了条件が成立し、他の遊技状態へと移行する。具体的には、確変状態が設定されている状態で、特別図柄抽選の実行回数が50回に到達した場合には、51回目の特別図柄抽選が実行されるまでに、遊技状態が確変状態から時短状態へと移行される。なお、本制御例では、確変状態から時短状態へと遊技状態を移行させる処理を、50回目の特別図柄抽選に対応する特別図柄変動が停止表示されたタイミングで実行するように構成しているが、51回目の特別図柄抽選が特別図柄の高確率状態が設定されている状態で実行されなければ良く、例えば、50回目の特別図柄抽選を実行した直後(50回目の特別図柄変動の開始時)に遊技状態を移行させても良いし、51回目の特別図柄抽選の実行直前(51回目の特別図柄抽選の実行条件は成立しているが、特別図柄抽選が実行されていないタイミング)に遊技状態を移行させても良い。
確変状態は普通図柄の高確率状態であるため、普通図柄の低確率状態である通常状態よりも普図当たり遊技により電動役物640が開状態となり易く、第2特別図柄抽選を主とした遊技が実行される。特別図柄の高確率状態が設定される確変状態では、特別図柄の大当たり確率が1/50に設定されており、第2特別図柄抽選で大当たり当選した場合には、大当たり種別として「大当たりC」(選択率3/10)、「大当たりD」(選択率4/10)、「大当たりE」(選択率3/10)の何れかが選択される。
「大当たりC」は、4ラウンドの確変大当たり遊技が実行される大当たり種別であり、「大当たりD」は、7ラウンドの確変大当たり遊技が実行される大当たり種別であり、「大当たりE」は、16ラウンドの確変大当たり遊技が実行される大当たり種別である。つまり、第2特別図柄抽選で大当たり当選した場合には、必ず、確変大当たり遊技が実行される。よって、確変大当たり遊技の実行確率の点では、第1特別図柄抽選よりも第2特別図柄抽選のほうが遊技者に有利な抽選となる。
また、詳細は、図141を参照して後述するが、本制御例では、第1特別図柄抽選で大当たり当選した場合には、必ず7ラウンド遊技が実行され、第2特別図柄抽選で大当たり当選した場合には、平均で8.8ラウンド(4ラウンドが30%、7ラウンドが40%、16ラウンドが30%)のラウンド遊技が実行される。よって、大当たり遊技中に獲得可能な賞球数の平均値の点でも第2特別図柄抽選のほうが第1特別図柄抽選よりも遊技者に有利となる。なお、第2特別図柄抽選で大当たり当選した場合には、4ラウンド遊技が実行される可能性があるため、大当たり遊技中に獲得し得る賞球数が最も少なくなり得るのは第2特別図柄抽選で大当たり当選した場合となる。よって、大当たり遊技中に最低限獲得可能な賞球数の点では第1特別図柄抽選のほうが第2特別図柄抽選よりも遊技者に有利となる。
次に、時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)について説明をする。通常状態中に実行された第1特別図柄抽選で「大当たりB」に当選した場合、確変状態中に実行された特別図柄抽選の回数が50回を超えた場合、或いは、確変大当たり遊技中に球を特定領域(Vゲート)65vへと通過させることができなかった場合には、時短状態が設定される。この時短状態は、前回の大当たり遊技の終了後に実行された特別図柄抽選の回数が100回に到達するまで、或いは、100回に到達するまでに大当たり当選した場合に消滅するように構成している。つまり、大当たり遊技の終了後に時短状態が設定された場合(大当たりBに当選した場合)は、大当たり遊技終了後から特別図柄変動が100回実行されるまでの期間、時短状態が設定される(時短回数100回が設定される)。一方、確変状態に実行される特別図柄抽選の回数が50回を超えた場合には、確変状態終了後に、時短回数が50回設定される。
この時短状態中は、上述した確変状態と同様に普通図柄の高確率状態が設定される遊技状態であることから、電動役物640が開放されやすく、第2特別図柄抽選が主として実行される遊技状態となる。また、時短状態中に実行される特別図柄抽選の抽選確率は、通常状態と同一である。よって、時短状態は、通常状態と比べて第2特別図柄抽選が実行され易く、通常状態と同一の大当たり確率で特別図柄抽選が実行される遊技状態となる。つまり、第2特別図柄抽選の実行のし易さの点から、通常状態よりも遊技者に有利な遊技状態となる。
一方、時短状態は、確変状態よりも低い大当たり確率で特別図柄抽選が実行され、第2特別図柄抽選の実行のし易さは確変状態と同一である。つまり、特別図柄抽選による大当たり当選確率の点から、時短状態は、確変状態よりも遊技者に不利な遊技状態となる。なお、本制御例では、確変状態と時短状態とで、第2特別図柄抽選の実行のし易さが同一となるように構成しているが、これに限ること無く、例えば、確変状態中に実行される第2特別図柄抽選の変動時間と、時短状態中に実行される第2特別図柄抽選の変動時間と、を異ならせ、例えば、確変状態中のほうが、通常状態中よりも短い変動時間で特別図柄変動を実行可能に構成しても良い。
<第1制御例における電気的構成について>
次に、図137を参照して、本パチンコ機10の電気的構成について説明する。図137は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。
主制御装置110には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU201が搭載されている。MPU201には、該MPU201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM202と、そのROM202内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM203と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。主制御装置110では、MPU201によって、大当たり抽選や第1図柄表示装置37a,37b及び第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行する。
なお、払出制御装置111や音声ランプ制御装置113などのサブ制御装置に対して動作を指示するために、主制御装置110から該サブ制御装置へ各種のコマンドがデータ送受信回路によって送信されるが、かかるコマンドは、主制御装置110からサブ制御装置へ一方向にのみ送信される。
主制御装置110では、特別図柄の抽選、普通図柄の抽選、第1図柄表示装置37における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示の設定、および、第3図柄表示装置81における表示の設定といったパチンコ機10の主要な処理を実行する。そして、RAM203には、これらの処理を制御するための各種カウンタが設けられている。ここで、図138を参照して、主制御装置110のRAM203内に設けられるカウンタ等について説明する。図22は、主制御装置110のRAM203内に設けられるカウンタ等を模式的に示した模式図である。これらのカウンタ等は、特別図柄の抽選、普通図柄の抽選、第1図柄表示装置37における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示の設定、および、第3図柄表示装置81における表示の設定などを行うために、主制御装置110のMPU201で使用される。
特別図柄の抽選や、第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81の表示の設定には、特別図柄の抽選に使用する第1当たり乱数カウンタC1と、特別図柄の大当たり種別を選択するために使用する第1当たり種別カウンタC2と、特別図柄における外れの停止種別を選択するために使用する停止種別選択カウンタ(C3)と、第1当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する初期値乱数カウンタCINI1と、変動パターン選択に使用する変動種別カウンタCS1と、が用いられる。
また、普通図柄の抽選には、第2当たり乱数カウンタC4が用いられ、第2当たり乱数カウンタC4の初期値設定には第2初期値乱数カウンタCINI2と、普通図柄の変動パターン選択に使用する変動種別カウンタCS1と、が用いられる。これら各カウンタは、更新の都度、前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。
各カウンタは、例えば、タイマ割込処理(図156参照)の実行間隔である2ミリ秒間隔で更新され、また、一部のカウンタは、メイン処理(図167参照)の中で不定期に更新されて、その更新値がRAM203の所定領域に設定されたカウンタ用バッファに適宜格納される。RAM203には、4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)からなる第1球口64への入球に対応する第1特別図柄保留球格納エリア203aと、4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)からなる第2入球口640への入球に対応する第2特別図柄保留球格納エリア203bと、が設けられており、第1特別図柄保留球格納エリア203aには、第1入球口64への入球タイミングに合わせて、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3、及び変動種別カウンタCS1の各値がそれぞれ格納され、第2特別図柄保留球格納エリア203bには、第2入球口64への入球タイミングに合わせて、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3、及び、変動種別カウンタCS1の各値が格納される。
そして、特別図柄の始動条件(変動条件)が成立した場合に、第1特別図柄保留球格納エリア203aの保留第1エリアに格納されている各種値、或いは、第2特別図柄保留球格納エリア203bの保留第1エリアに格納されている各種値のうち、次に抽選が実行される特別図柄種別に対応する特別図柄の情報を有しているを特別図柄実行エリアへシフトし、格納されている各種値に基づいた特別図柄変動が開始される。
なお、本制御例では、特別図柄の種別が2種類(第1特別図柄、第2特別図柄)の構成を用いているが、これに限ること無く、特別図柄の種別を1種類としても良い。そして、第1特別図柄の始動条件(変動条件)、或いは、第2特別図柄の始動条件(変動条件)が成立した場合に、対応する特別図柄種別の特別図柄保留球格納エリアの保留第1エリアに格納されている各種値を特別図柄実行エリアへシフトし、格納されている各種値に基づいた特別図柄変動が開始されるように構成すれば良い。このように構成することで、複数の特別図柄種別を用いたパチンコ機10であっても、各々の特別図柄変動を円滑に実行することができる。
さらに、本制御例のように、複数の特別図柄種別(第1特別図柄、第2特別図柄)を有するパチンコ機10であれば、第1特別図柄の抽選と、第2特別図柄の抽選とを同時に(並行して)実行可能に構成しても良く、この場合、各特別図柄保留球格納エリア(第1特別図柄保留球格納エリア203a、第2特別図柄保留球格納エリア203b)がそれぞれ特別図柄実行エリアを有するように構成すれば良い。これにより、各特別図柄の始動条件が成立した場合に、速やかに次の特別図柄変動を実行させることができる。
また、本制御例では、特別図柄の抽選結果が大当たりと外れのみとなるように構成しているが、これに限ること無く、例えば、特別図柄の抽選結果が外れである場合の一部において、大当たり当選時よりも少ない特典(大当たり当選時とは異なる特典)を遊技者に付与可能な小当たりに当選し得るように構成しても良い。このように構成することで、大当たり当選しなかった場合であっても、遊技者に特典を付与する機会を設けることができるため、遊技の興趣を向上させることができる。この場合、主制御装置110のRAM203内に、小当たり種別カウンタを設け、取得した小当たり種別カウンタの値を特別図柄保留球格納エリアに格納可能に構成し、特別図柄の抽選を実行する場合に参照するように構成すれば良い。
加えて、特別図柄抽選で小当たり当選可能に構成した場合には、例えば、大当たり当選に基づく遊技状態の移行内容と、小当たり当選に基づく遊技状態の移行内容と、を異ならせるように構成しても良く、例えば、大当たり当選した場合は、大当たり遊技の開始時に遊技状態を通常状態へと移行させ、さらに、設定された大当たり種別に基づいて、大当たり遊技終了後に新たな遊技状態を設定可能に構成し、小当たり当選した場合は、小当たり当選時の遊技状態を維持したまま小当たり遊技を実行し、その小当たり遊技終了後も遊技状態を移行させないように構成しても良い。
このように構成することで、当選した当たり種別(大当たり、小当たり)に応じて、遊技状態の移行の有無や、移行内容を異ならせることができるため、バリエーションに富んだ遊技を提供することができる。
さらに、本実施形態のRAM203には、4つの保留エリア(保留第1エリア)からなるスルーゲート67への入球(球の通過)に対応する普通図柄保留球格納エリア203bが設けられており、普通図柄保留球格納エリア203bには、スルーゲート67への入球タイミングに合わせて、第2当たり乱数カウンタC4、及び普図変動種別カウンタCS2の各値がそれぞれ格納される。
そして、普通図柄の始動条件(変動条件)が成立した場合に、普通図柄保留球格納エリア203bの保留第1エリアに格納されている各種値を普通図柄実行エリアへシフトし、格納されている各種値に基づいた普通図柄変動が開始される。
次に、図138を参照して、各カウンタについて詳しく説明する。第1当たり乱数カウンタC1は、所定の範囲(例えば、0〜999)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、0〜999の値を取り得るカウンタの場合は999)に達した後0に戻る構成となっている。特に、第1当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の第1初期値乱数カウンタCINI1の値が当該第1当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。
また、第1初期値乱数カウンタCINI1は、第1当たり乱数カウンタC1と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成される。即ち、例えば、第1当たり乱数カウンタC1が0〜399の値を取り得るループカウンタである場合には、第1初期値乱数カウンタCINI1もまた、0〜399の範囲のループカウンタである。この第1初期値乱数カウンタCINI1は、タイマ割込処理(図39参照)の実行毎に1回更新されると共に、メイン処理(図167参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
第1当たり乱数カウンタC1の値は、例えば定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64に入球したタイミングでRAM203の第1特別図柄保留球格納エリア203aに、第2入球口640に入球したタイミングでRAM203の第2特別図柄保留球格納エリア203bに格納される。そして、特別図柄の大当たりとなる乱数の値は、主制御装置110のROM202に格納される第1当たり乱数テーブル202aによって設定されており、第1当たり乱数カウンタC1の値が、第1当たり乱数テーブル202aによって設定された大当たりとなる乱数の値と一致する場合に、特別図柄の大当たりと判定する。
ここで、図140(a)を参照して、第1当たり乱数テーブル202aについて説明する。図140(a)は、第1当たり乱数テーブル202aに規定されている内容を模式的に示した模式図である。この第1当たり乱数テーブル202aは、特別図柄の抽選において、大当たりと判別される乱数値(判定値)が規定されたテーブルである。
具体的には、第1当たり乱数テーブル202aには、大当たりと判定される判定値を遊技状態(特別図柄の確率状態)に応じて異ならせて規定している。図140(a)に示した通り、遊技状態として特別図柄の低確率状態(通常状態、時短状態)に対しては、第1当たり乱数カウンタC1の値のうち「0〜4」が大当たり判定値として規定されており、それ以外の値(「5〜999」)が外れの判定値として規定されている。また、遊技状態として特別図柄の高確率状態(確変状態)に対しては、第1当たり乱数カウンタC1の値のうち「0〜19」が大当たり判定値として規定されており、それ以外の値(「20〜999」)が外れの判定値として規定されている。つまり、第1当たり乱数テーブル202aの更新範囲は「0〜999」の1000個であるため、特別図柄の低確率状態において、大当たりと判定される確率は1/200(1000個のうち5個)となり、特別図柄の高確率状態において、大当たりと判定される確率は1/50(1000個のうち20個)となる。
なお、本制御例では、2種類の大当たり確率が遊技状態に応じて設定されるように構成しているが、これに限ること無く、大当たりに当選する確率を遊技状態に関わらず同一の確率となるように構成しても良いし、3種類以上の大当たり確率が設定されるように構成しても良い。この場合、例えば、特別図柄の状態と、普通図柄の状態と、を組み合わせることによって設定される最大で4種類の遊技状態毎に特別図柄の大当たり確率を異ならせるように構成しても良いし、単純に、特別図柄の状態を高確率状態、通常確率状態、低確率状態のように3種類以上設定可能にし、各状態に対して異なる大当たり確率を設定するように構成しても良い。
また、本制御例では、特別図柄の抽選結果として、「大当たり」と「外れ」の2種類の抽選結果が判定されるように構成しているが、これに加えて、第3の抽選結果として、「外れ」の1種として「小当たり」を判定可能に構成しても良い。この「小当たり」に当選した場合には、可変入賞装置65を「大当たり」よりも短い期間(1ラウンド分)開放させる小当たり遊技が実行されるように構成すると良い。このように構成することで、大当たり当選しなかった場合において、少量の特典(賞球)を遊技者に付与することができる。なお、「小当たり」を「外れ」の1種とする場合には、遊技者に対して小当たり遊技による賞球を付与可能であるが、大当たり当選していないため、遊技状態を可変させる(当選時の遊技状態とは異なる遊技状態を設定する)処理が実行されないように構成すると良い。これにより、大当たり当選に基づいて遊技者に付与される特典と、小当たり当選に基づいて遊技者に付与される特典と、を明確に異ならせることができる。
上述した通り、特別図柄の抽選結果として「小当たり」に当選し得るように構成する場合は、第1当たり乱数テーブル202aに「小当たり」に対応する第1当たり乱数カウンタC1の値を規定するように構成すれば良い。このように構成することで、特別図柄の大当たり抽選と小当たり抽選と、を同一の処理で実行することができるため、大当たり抽選と小当たり抽選とを異なる処理で実行する場合に比べ、主制御装置110の処理負荷を軽減することができる。また、1つの特別図柄抽選において、大当たりと小当たりとに重複して当選してしまうことを禁止することができる。
第1当たり種別カウンタC2は、特別図柄の大当たりとなった場合に、第1図柄表示装置37の表示態様を決定するものであり、所定の範囲(例えば、0〜99)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、0〜99の値を取り得るカウンタの場合は99)に達した後0に戻る構成となっている。第1当たり種別カウンタC2の値は、例えば、定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64へと入球したタイミングでRAM203の第1特別図柄保留球格納エリア203aに、第2入球口640へと入球したタイミングでRAM203の第2特別図柄保留球格納エリア203bに格納される。
本実施形態のパチンコ機10における第1当たり種別カウンタC2の値は、0〜99の範囲のループカウンタとして構成されている。本実施形態では取得した第1当たり種別カウンタC2の値を用いて、第1当たり種別選択テーブル202cを参照して大当たりに当選した場合の大当たり種別を判別するように構成している。ここで、図141を参照して大当たり種別選択テーブル202dの内容について説明をする。
図141(a)は、大当たり種別選択テーブル202dに規定されている内容を模式的に示した模式図である。図141(a)に示した通り、この大当たり種別選択テーブル202dは、第1特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合に参照される特図1大当たり用テーブル202d1と、第2特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合に参照される特図2大当たり用テーブル202d2と、を有している。
まず、図141(b)を参照して、特図1大当たり用テーブル202d1の内容について説明をする。図141(b)は、特図1大当たり用テーブル202d1に規定されている内容を示した模式図である。上述した通り、この特図1大当たり用テーブル202d1は、第1特別図柄の抽選で大当たり当選した場合に設定する大当たり種別を選択するためのデータテーブルであって、取得した第1当たり種別カウンタC2の値に応じて異なる大当たり種別が規定されているものである。
具体的には、第1特別図柄(特図1)の大当たり種別としては、第1当たり種別カウンタC2の値(更新範囲「0〜99」)が「0〜49」の範囲に対して、大当たり種別として「大当たりA」が対応付けて規定されている。この「大当たりA」は、大当たりのラウンド数が7ラウンドであり、確変大当たり遊技が実行される大当たり種別であって、大当たり遊技終了後に時短カウンタ203hの値に「100」が、確変カウンタ203iの値に「50」が設定される大当たり種別である。なお、確変大当たり遊技中に可変入賞装置65内に設けられた特定領域(Vゲート)65vを球が流下(通過)しなかった場合は(非V時は)、大当たり遊技終了後に確変カウンタ203jaの値に「0」が設定される。さらに、「大当たりA」では、大当たり遊技のエンディング期間として「17秒」が設定されるように規定している。
特別当たり種別カウンタC2の取り得る100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「大当たりA」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)が50個であるので、第1特別図柄の抽選で大当たりになった場合に、「大当たりA」が決定される割合は50%(50/100)である。
また、図241(b)に示した通り、第1当たり種別カウンタC2の値が「50〜99」の範囲に対して、大当たり種別として「大当たりB」が対応付けて規定されている。この「大当たりB」は、大当たりのラウンド数が7ラウンドであり、通常大当たり遊技が実行される大当たり種別であって、大当たり遊技終了後に時短カウンタ203hの値に「100」が、確変カウンタ203jaの値に「0」が設定される大当たり種別である。さらに、「大当たりB」では、大当たり遊技のエンディング期間として「15秒」が設定されるように規定している。
第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「大当たりB」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)が50個であるので、第1特別図柄の抽選で大当たりになった場合に、「大当たりB」が決定される割合は50%(50/100)である。
即ち、第1特別図柄抽選で大当たり当選した場合に設定され得る2個の大当たり種別(大当たりA、大当たりB)は、大当たり遊技のラウンド数は同一であるが、大当たり遊技中に可変入賞装置65内に設けられた特定領域(Vゲート)65vへの球の通過のさせ易さを異ならせており、「大当たりA」のほうが「大当たりB」よりも大当たり遊技中に球を特定ゲートへと流下させ易い大当たり遊技が実行されるように構成している。よって、「大当たりA」は、「大当たりB」よりも有利な大当たり種別となる。
次に、図241(c)を参照して、特図2大当たり用テーブル202d2に規定されている内容について説明をする。図241(c)は、特図2大当たり用テーブル202d2に規定されている内容を模式的に示した模式図である。この特図2大当たり用テーブル202d2は、第2特別図柄抽選で大当たり当選し、大当たり種別を選択する際に参照されるデータテーブルである。
図241(c)に示した通り、本第1制御例における特図2大当たり用テーブル202d2には、第2特別図柄(特図2)の大当たり種別として、「大当たりC」〜「大当たりE」の3個の大当たり種別が規定されている。
具体的には、第2特別図柄(特図2)の大当たり種別として、特別当たり種別カウンタC2の値が「0〜29」の範囲に対して、大当たり種別として「大当たりC」が対応付けて規定されている。この「大当たりC」は、大当たりのラウンド数が4ラウンドであり、確変大当たり遊技が実行される大当たり種別であって、大当たり遊技終了後に時短カウンタ203hの値に「100」が、確変カウンタ203iの値に「50」が設定される大当たり種別である。なお、確変大当たり遊技中に可変入賞装置65内に設けられた特定領域(Vゲート)65vを球が流下(通過)しなかった場合は(非V時は)、大当たり遊技終了後に確変カウンタ203iの値に「0」が設定される。さらに、「大当たりC」では、大当たり遊技のエンディング期間として「17秒」が設定されるように規定している。
特別当たり種別カウンタC2の取り得る100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「大当たりC」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)が30個であるので、第2特別図柄の抽選で大当たりになった場合に、「大当たりC」が決定される割合は30%(30/100)である。
また、図241(c)に示した通り、第1当たり種別カウンタC2の値が「30〜69」の範囲に対して、大当たり種別として「大当たりD」が対応付けて規定されている。この「大当たりD」は、大当たりのラウンド数が7ラウンドであり、確変大当たり遊技が実行される大当たり種別であって、大当たり遊技終了後に時短カウンタ203hの値に「100」が、確変カウンタ203iの値に「50」が設定される大当たり種別である。なお、確変大当たり遊技中に可変入賞装置65内に設けられた特定領域(Vゲート)65vを球が流下(通過)しなかった場合は(非V時は)、大当たり遊技終了後に確変カウンタ203iの値に「0」が設定される。さらに、「大当たりD」では、大当たり遊技のエンディング期間として「17秒」が設定されるように規定している。
第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「大当たりD」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)が40個であるので、第2特別図柄の抽選で大当たりになった場合に、「大当たりC」が決定される割合は40%(40/100)である。
また、図241(c)に示した通り、第1当たり種別カウンタC2の値が「70〜99」の範囲に対して、大当たり種別として「大当たりE」が対応付けて規定されている。この「大当たりE」は、大当たりのラウンド数が16ラウンドであり、確変大当たり遊技が実行される大当たり種別であって、大当たり遊技終了後に時短カウンタ203hの値に「100」が、確変カウンタ203iの値に「50」が設定される大当たり種別である。なお、確変大当たり遊技中に可変入賞装置65内に設けられた特定領域(Vゲート)65vを球が流下(通過)しなかった場合は(非V時は)、大当たり遊技終了後に確変カウンタ203iの値に「0」が設定される。さらに、「大当たりE」では、大当たり遊技のエンディング期間として「17秒」が設定されるように規定している。
第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「大当たりE」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)が30個であるので、第2特別図柄の抽選で大当たりになった場合に、「大当たりE」が決定される割合は30%(30/100)である。
即ち、第2特別図柄抽選で大当たり当選した場合に設定され得る3個の大当たり種別(大当たりC、大当たりD、大当たりE)は、何れも確変大当たり遊技が実行されるが、大当たり遊技のラウンド数を異ならせており、最も多くのラウンド遊技が実行される「大当たりE」が最も遊技者に有利な大当たり種別となり、「大当たりA」が最も遊技者に不利な大当たり種別となる。
以上、説明をした通り、第2特別図柄抽選で大当たり当選した場合には、必ず確変大当たり遊技が実行されるため、50%の割合で確変大当たり遊技が実行される第1特別図柄抽選よりも、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態の面では、有利な大当たり種別となる。また、大当たり遊技中に実行されるラウンド遊技の数、即ち、大当たり遊技中に獲得可能な賞球数の面では、獲得し得る最大数は第2特別図柄抽選のほうが多く、獲得し得る最低数も第2特別図柄抽選のほうが少なくなるように規定している。また、平均的に獲得可能な賞球数では、第2特別図柄抽選のほうが多くなるように規定している。
よって、最低の条件において獲得可能な賞球数の面では、第1特別図柄抽選のほうが有利となり、それ以外の面では第2特別図柄抽選のほうが有利となる。なお、本制御例では、図241に示した大当たり種別を規定しているが、これに限ること無く、上述した各制御例にて設定され得る各大当たり種別と同一の技術思想に基づいて様々な大当たり種別を設定可能に構成しても良い。
なお、本制御例では、第1特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合に、全ての大当たりで同一のラウンド数の大当たり遊技が実行されるように構成しているが、これに限ることなく、選択された大当たり種別に応じて異なる数のラウンド遊技を実行可能に構成しても良い。また、本制御例では、特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合に、全ての大当たりで大当たり遊技終了後に時短状態を同一期間(時短回数100回)設定するように構成しているが、これに限ること無く、大当たり当選の一部(設定される大当たり種別の一部)にて時短状態が設定されないように構成しても良いし、大当たり種別に応じて時短回数(時短終了条件)を異ならせるように構成しても良い。さらに、選択される大当たり種別に応じて大当たり遊技終了時に時短状態が設定される大当たり種別と、通常状態が設定される大当たり種別と、を設けても良い。
図138に戻り説明を続ける。動種別カウンタCS1は、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCS1によって、いわゆる短時間外れ、長時間外れ、ノーマルリーチ、スーパーリーチ等の大まかな表示態様(変動時間)が決定される。表示態様の決定は、具体的には、図柄変動の変動時間の決定である。変動種別カウンタCS1により決定された変動時間に基づいて、音声ランプ制御装置113や表示制御装置114により第3図柄表示装置81で表示される第3図柄のリーチ種別や細かな図柄変動態様が決定される。変動種別カウンタCS1の値は、後述するメイン処理(図167参照)が1回実行される毎に1回更新され、当該メイン処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。尚、変動種別カウンタCS1の値(乱数値)から、図柄変動の変動時間を一つ決定する乱数値を格納した変動パターン選択テーブル202d(図142参照)は、主制御装置110のROM202内に設けられている。
ここで、図142を参照して変動パターン選択テーブル202bの内容について説明をする。図142(a)は変動パターン選択テーブル202bに規定されている内容を模式的に示した模式図である。図142(a)に示した通り、変動パターン選択テーブル202bには、遊技状態として通常状態を設定している状態で用いられる通常用テーブル202b1と、確変状態、或いは時短状態を設定している状態で用いられる確変・時短用テーブル202b2と、が規定されている。詳細については後述するが、本制御例では遊技状態に応じて変動パターンを選択するために用いるデータテーブルを異ならせているため、遊技状態に応じて選択される変動パターン(変動時間)を異ならせることができる。
次に、変動パターン選択テーブル202bに規定されている各テーブルの詳細な内容について、図142(b)及び図143を参照して説明をする。図142(b)は通常用テーブル202b1に規定されている内容を模式図に示した模式図である。この通常用テーブル202b1は、遊技状態として通常状態が設定されている場合に参照されるデータテーブルであって、特別図柄の抽選結果が大当たりである場合のほうが、外れである場合よりも長い変動時間の変動パターンが選択され易くなるように規定しており、抽選が実行された特別図柄の種別と、実行された特別図柄抽選の結果に応じて異なる変動パターンが規定されている。
まず、図142(b)を参照して、通常用テーブル202b1について説明する。図142(b)は、この通常用テーブル202b1の規定内容を示した図である。この通常用テーブル202b1には、特別図柄の抽選結果に対応させて、各種変動パターンがそれぞれ規定されており、その変動パターンのそれぞれに対して、変動種別カウンタCS1の値が割り付けされている。具体的には、特別図柄の種別(図柄種別)が第1特別図柄(特図1)で、当否判定結果が大当たりであって、取得した変動種別選択カウンタCS1の値が「0〜19」の場合は、変動パターンとして変動時間が33秒〜42秒のノーマル(リーチ)が規定されている。このノーマルが決定されると、変動パターンコマンドとして、基本時間が30秒間、加算時間が3秒〜12秒の何れかを示す組合せのコマンドが出力される。詳細な説明は省略するが、本制御例では、取得した変動種別カウンタCS1の値に応じて加算時間が0.5秒単位でより詳細に設定されるように構成しており、例えば、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0」である場合には加算時間が「3秒」、「1」である場合には加算時間が「3.5秒」、「2」である場合には加算時間が「4秒」、「3」である場合には加算時間が「4.5秒」、「3」である場合には加算時間が「5秒」、「4」である場合には加算時間が「5.5秒」、「5」である場合には加算時間が「6秒」、「6」である場合には加算時間が「6.5秒」、「7」である場合には加算時間が「7秒」、「8」である場合には加算時間が「7.5秒」、「9〜11」である場合には加算時間が「8秒」、「12」である場合には加算時間が「8.5秒」、「13」である場合には加算時間が「9秒」、「14」である場合には加算時間が「9.5秒」、「15」である場合には加算時間が「10秒」、「16」である場合には加算時間が「10.5秒」、「17」である場合には加算時間が「11秒」、「18」である場合には加算時間が「11.5秒」、「19」である場合には加算時間が「12秒」となるように規定されている。
そして選択された基本時間(30秒)を示すコマンド(基本コマンド)と、加算時間を示すコマンド(加算コマンド)と、が音声ランプ制御装置113に対して通知された場合には、基本コマンドに含まれる情報に基づいて変動パターン(ノーマルリーチ)を設定し、加算コマンドに含まれる情報に基づいてリーチ図柄(第3図柄の種別)を設定するように構成している。これにより、リーチ状態となった場合に最初に遊技者が視認可能となる中図柄列Z2の第3図柄の種別を、常に特定の第3図柄(本制御例では数字の1を付した第3図柄)となるように構成したとしても、変動演出が実行されてからリーチ状態となるまでの期間を可変させること無く、様々な第3図柄の種別でリーチ演出を実行することができる。
また、取得した変動種別選択カウンタCS1の値が「20〜169」の場合は、変動パターンとして変動時間が43秒〜52秒のスーパー(リーチ)が規定されている。このスーパーが決定されると、変動パターンコマンドとして、基本時間が30秒間、加算時間が13秒〜22秒の何れかを示す組合せのコマンドが出力される。本制御例では、取得した変動種別カウンタCS1の値に応じて加算時間が0.5秒単位でより詳細に設定されるように構成しており、その内容は上述したノーマルのパターンと同一であるため詳細な説明を省略する。
ここで、本制御例では、加算コマンドに含まれる情報(秒数)に応じて、リーチ演出の演出態様を可変可能に構成しており、具体的には、加算コマンドに含まれる秒数が「3秒〜12秒」の場合は、ノーマルリーチ演出(中図柄列Z2が1周程度変動した後に停止表示される演出)が、「13秒〜22秒」の場合は、スーパーリーチ演出(中図柄列Z2が2周程度変動した後に停止表示される演出)が実行されるように構成している。
このように構成することで、例えば、最初の所定期間中は同一の演出態様で変動演出が実行され、その後、演出態様が分岐する変動演出を実行する場合において、同一の演出態様が実行される期間を基本コマンド(基本時間を示す情報が含まれるコマンド)に基づいて設定し、分岐後の変動演出を加算コマンド(加算時間を示す情報が含まれるコマンド)に基づいて設定することが可能となる。よって、例えば、全体の変動時間が同一の場合であっても、その変動時間のうち、基本時間が占める割合、加算時間が示す割合を変更するだけで、音声ランプ制御装置113側で容易に異なる変動演出を設定することができる。
なお、本制御例では、ノーマルリーチが実行される場合の基本時間(30秒)と、スーパーリーチが実行される場合の基本時間(30秒)と、を同一にし、加算時間として設定された変動時間の長さに応じて、リーチ演出の演出態様を可変させるように構成しているが、これに限ること無く、ノーマルリーチ用の基本時間を30秒、スーパーリーチ用の基本時間を40秒に規定し、第3図柄の種別を決定するためだけに加算時間を「3〜12秒」の範囲から選択するように構成しても良い。
次いで、取得した変動種別選択カウンタCS1の値が「170〜198」の場合は、変動パターンとして変動時間が90秒のSP(リーチ)が規定されている。このSPが決定されると、変動パターンコマンドとして、基本時間が55秒間、加算時間が35秒を示す組合せのコマンドが出力される。ここで、SPが決定された場合には、一旦リーチ状態となった第3図柄の変動演出が別の変動演出へと切り替わる演出が実行されるため、リーチ状態となった場合に最初に遊技者が視認可能となる中図柄列Z2の第3図柄の種別を、常に特定の第3図柄(本制御例では数字の1を付した第3図柄)となるように構成したとしても、遊技者に違和感を与えること無く、変動の途中で中図柄列Z2の第3図柄の表示順序を最終的に停止させる第3図柄に対応させて変更させることができるため、上述したノーマル、スーパーのように、加算時間を可変させてリーチ状態となる第3図柄の種別を設定する必要が無い。
また、図柄種別が特図1で、当否判定結果が外れの場合についても同様に、取得した変動種別選択カウンタCS1の値が「0〜179」の場合は、変動パターンとして変動時間が8秒の外れが規定されている。この外れが決定されると、変動パターンコマンドとして、基本時間8秒、加算時間0秒を示す組合せのコマンドが出力される。ここで、外れが決定された場合には、第3図柄の変動演出として、リーチ状態にならずに外れを示す組合せで第3図柄が停止表示される変動演出が実行される。よって、加算時間を設定する必要が無い。
また、取得した変動種別選択カウンタCS1の値が「180〜198」の場合は、変動パターンとして変動時間が33秒〜52秒のリーチ外れが規定されている。このリーチ外れが決定されると、変動パターンコマンドとして、基本時間が30秒間、加算時間が3秒〜22秒の何れかを示す組合せのコマンドが出力される。本制御例では、取得した変動種別カウンタCS1の値に応じて加算時間が0.5秒単位でより詳細に設定されるように構成しており、その内容は上述したノーマルのパターンと同一であるため詳細な説明を省略する。つまり、抽選結果が外れである場合にも、抽選結果が当たりである場合と同様の変動パターンコマンドが設定されるように構成している。なお、抽選結果が外れである場合には、最終的に停止表示される第3図柄が大当たりとなる組合せ以外となるように停止表示される第3図柄の種別を設定する必要があるため、音声ランプ制御装置113側では、当たり当選している場合に参照される加算コマンドに基づく第3図柄種別の設定内容から1つずらした第3図柄が設定されるように補正処理が実行される。これにより、リーチ外れ演出が実行されると、大当たりの組合せとなる第3図柄の近辺で第3図柄が停止表示(外れ停止表示)される演出態様を容易に設定することができる。
一方、特別図柄の種別(図柄種別)が第2特別図柄(特図2)である場合は、当否判定結果が大当たりであって、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0〜99」の場合は、変動パターンとして変動時間が40秒の特殊リーチが規定されている。この特殊リーチが決定されると、変動パターンコマンドとして、基本時間が10秒間、加算時間が30秒を示す組合せのコマンドが出力される。また、取得した変動種別選択カウンタCS1の値が「100〜198」の場合は、変動パターンとして変動時間が10秒の特殊リーチが規定されている。この特殊リーチが決定されると、変動パターンコマンドとして、基本時間が10秒間、加算時間が0秒を示す組合せのコマンドが出力される。
ここで、本制御例では、通常状態が設定されている状態で第2特別図柄抽選が実行されると、図124(b)から図126を参照して上述したように、チャンスゾーン中の変動演出が実行されるように構成している。そして、音声ランプ制御装置113に対して基本時間(10秒)を示すコマンド(基本コマンド)と、加算時間(30秒)を示すコマンド(加算コマンド)が通知された場合には、基本コマンドに含まれる情報に基づいて変動パターン(特殊変動)を設定し、加算コマンドに含まれる情報に基づいて特殊リーチを設定するように構成している。より具体的には、通常状態が設定されている状態で第2特別図柄の変動パターンコマンドとして基本時間10秒を示す基本コマンドが通知された場合には、図124(b)に示した通り、上下方向に第3図柄が変動する特殊変動演出の演出態様が設定される。そして、基本時間の経過タイミングにて図125(a)に示したように第3図柄を停止表示(仮停止表示)させる演出態様が設定される。そして、加算時間0秒を示す加算コマンドを受信している場合は(変動パターンが特殊外れである場合は)、そのまま第3図柄を確定表示し変動演出を終了する。
一方、加算時間30秒を示す加算コマンドを受信している場合は(変動パターンが特殊リーチである場合は)、図125(b)や図126に示したように、仮停止している第3図柄が再始動する変動演出が設定される。
次に、図143を参照して、確変・時短用テーブル202b2の内容について説明をする。図143は、確変・時短用テーブル202b2に規定されている内容を模式的に示した模式図である。この確変・時短用テーブル202b2は、確変状態、或いは時短状態が設定されている場合において変動パターンを選択する際に参照されるデータテーブルであって、特別図柄の種別と、変動回数(大当たり遊技終了後からの特別図柄変動回数)と、特別図柄の抽選結果と、取得した変動種別カウンタCS1の値と、に応じて異なる変動パターンが選択されるように各変動パターンが規定されている。
ここで、本制御例では、大当たり遊技終了後には必ず普通図柄の高確率状態(確変状態、又は時短状態)が設定されるように構成されている。そして、設定された普通図柄の高確率状態が、時短終了条件が成立するまで継続するように構成している。本制御例では、時短終了条件として、普通図柄の高確率状態が設定されてからの特別図柄変動の実行回数が100回に到達した場合に成立する第1時短終了条件と、普通図柄の高確率状態が設定されている状態で実行された特別図柄抽選にて大当たり当選した場合に成立する第2時短終了条件と、を設けており、何れかの時短終了条件が成立した場合に、普通図柄の高確率状態から普通図柄の低確率状態へと移行するように構成している。
この普通図柄の高確率状態(確変状態、時短状態)中は、普通図柄の低確率状態(通常状態)よりも短い変動時間の変動パターンが選択され易くなるように設定されている。よって、単位時間当たりに実行され得る特別図柄抽選の回数を増加させることができるため、遊技者に対して効率の良い遊技(特別図柄の抽選遊技)を提供することができる。
具体的には、図143に示した通り、普通図柄の高確率状態が設定されてからの特別図柄変動回数が「1回〜20回」の期間は、特別図柄の種別、特別図柄抽選の結果、取得した変動種別カウンタCS1の値に関わらず、変動時間が「5秒」の変動パターン(短変動)が選択されるように規定している。つまり、普通図柄の高確率状態が設定されてからの所定期間(特別図柄変動が20回実行されるまでの期間)は、他の期間よりも短い変動時間で特別図柄抽選が実行される高速変動期間(第1期間)となる。この高速変動期間を設定することで、大当たり遊技の終了後に短期間で次の大当たり遊技を実行させ易くすることができるため、遊技者に対して、一の大当たり遊技に関連して次の大当たり遊技が実行されたのではと思わせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。また、この高速変動期間中は、変動時間が「5秒」の変動パターンが常に選択されるため、複数回の特別図柄抽選を跨ぐ演出(連続演出)の演出期間を設定し易くすることができる。
加えて、通常状態(普通図柄の低確率状態)が設定されている状態で大当たり当選した場合には、その大当たり当選に基づいて実行される大当たり遊技の終了時点では第2特別図柄の保留球(特図2保留球)を獲得していない可能性が高いため、獲得済みの第1特別図柄の保留球(特図1保留球)を用いた特別図柄抽選(特図1抽選)が実行され易く、確変状態、或いは時短状態(普通図柄の高確率状態)が設定されている常態で大当たり当選した場合には、その大当たり当選に基づいて実行される大当たり遊技の終了時点にて、特図2保留球を獲得している可能性が高いため、特図2保留球を用いた特別図柄抽選(特図2抽選)が実行され易くなる。
このように、普通図柄の高確率状態が設定された直後では、何れの図柄種別(第1特別図柄、第2特別図柄)の特別図柄抽選も実行され得るため、図143に示した通り、普通図柄の高確率状態が設定されてからの所定期間(特別図柄変動が20回実行されるまでの期間)は、図柄種別に関わらず同一の変動パターンが選択されるように構成している。これにより、何れの図柄種別の特別図柄抽選が実行された場合であっても同一の特別図柄変動を実行することができ、複数回の特別図柄抽選を跨ぐ演出(連続演出)の演出期間を設定し易くすることができる。
なお、本制御例は、図119を参照して上述した通り、左打ち遊技によって発射された球も、右打ち遊技によって発射された球も、普通図柄の高確率状態が設定されている場合には、第2入球口640へと2球に1球の割合で到達するように構成しているため、普通図柄の高確率状態中に球を発射させる遊技を継続して実行するだけで、特別図柄抽選を途切れること無く実行することができるように構成している。よって、普通図柄の高確率状態が設定された場合に、高速変動期間が終了するまでの期間、即ち、20回目の特別図柄変動が終了するまでの期間(5秒×20回)となる100秒を高速変動期間として予め設定しておき、20回の特別図柄抽選を跨ぐ連続演出として、100秒間の連続演出を容易に実行することができる。この場合、高速変動期間中に大当たり当選した場合にのみ、既に設定されている連続演出の演出態様を切り替える切替処理を実行すれば良く、高速変動期間中における演出を実行するための処理を簡素化することができる。
また、高速変動期間中において設定された100秒間の連続演出を一時的に停止するか否かの判別を行う判別手段を設け、例えば、実行中の特別図柄変動が停止表示されてから、次の特別図柄変動が実行されるまでの期間が所定期間(例えば、1秒)以上であると判別した場合、即ち、特別図柄変動が途切れたと判別した場合には、実行中の連続演出を一時的に停止させる処理を実行するように構成しても良い。これにより、高速変動期間中に遊技者が離席した場合であっても連続演出のみ先に進行してしまうことを抑制することができる。加えて、遊技者が操作可能な操作手段(例えば、枠ボタン22)を設け、その操作手段に対して所定の操作を実行した場合に、実行中の連続演出を一時的に停止させる処理を実行するように構成しても良い。
なお、本制御例では、高速変動期間中に選択される変動パターン(変動時間)として、同一の変動時間(5秒)が選択されるように構成しているが、これに限ること無く、5秒以外の変動時間が設定される変動パターンが選択されるように構成しても良い。この場合、特別図柄抽選の結果が大当たり当選している場合のほうが、大当たり当選していない場合よりも5秒以上の変動時間が設定され易くすると良い。このように構成することで、予め設定されていた100秒間の連続演出の演出態様を切り替えてから大当たり当選を示す特別図柄が停止表示されるまでの期間を長くし易くすることができるため、遊技者が抽選結果を十分に把握可能な演出態様で大当たり当選を報知することができ、演出効果を高めることができる。
また、高速変動期間として想定される時間(100秒)に対して、一括で連続演出の演出態様を設定するのでは無く、高速変動期間(100秒)を複数の期間に区分けし、例えば、第1高速変動期間(50秒)中に実行する第1連続演出を高速変動期間(第1高速変動期間)の開始タイミングで設定し、第2高速変動期間(50秒)中に実行する第2連続演出を、第2高速変動期間の開始タイミングで設定するように構成しても良い。このように構成することで、例えば、高速変動期間の前半で大当たり当選した場合に実行されない演出態様(連続演出の後半期間の演出態様)を予め設定する事態が発生することを抑制することができる。
さらに、高速変動期間の全期間に対して連続演出を実行する必要は無く、高速変動期間のうち特定の第1期間(例えば、高速変動期間中に実行される特別図柄変動(計20回)のうち、10回目から20回目の変動期間)のみ連続演出を実行するように構成しても良い。
図143に戻り説明を続ける。特別図柄の種別(図柄種別)が第1特別図柄(特図1)で、変動回数(大当たり遊技終了後に実行される特別図柄変動回数)が「21回〜49回(第2期間)」であって、抽選結果(特別図柄の抽選結果)が「当たり」の場合は、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0〜198」、即ち、全範囲において、変動時間が「30秒」の変動パターン(当たり)が選択されるように規定しており、抽選結果が「外れ」の場合は、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0〜179」の範囲に対して変動時間が「30秒」の変動パターン(長外れ)が選択され、「180〜198」の範囲に対して変動時間が「5秒」の変動パターン(短外れ)が選択されるように規定している。
本制御例では、普通図柄の高確率状態(確変状態、時短状態)が設定されている場合には、主として第2特別図柄抽選が実行されるように構成されており、普通図柄の高確率状態が設定されてから21回以上の特別図柄変動が実行されている第2期間中は、継続して遊技を行っている限り第2特別図柄抽選が実行され易く構成されている。しかしながら、図119にて上述した通り、本制御例のパチンコ機10は、左打ち遊技を行っても、右打ち遊技を行っても第1入球口64、及び第2入球口640へと球を入球させることが可能な遊技盤13の構成を有しているため、例えば、確変状態、或いは時短状態中に遊技を中断した場合は、遊技再開後に第1特別図柄抽選が実行される場合がある。
上述した通り、第1特別図柄抽選で大当たり当選した場合は、第2特別図柄抽選で大当たり当選した場合とは異なり、通常大当たり遊技が実行される可能性(大当たり当選の50%)があり、第2特別図柄抽選が主として実行される遊技状態(確変状態、時短状態)にて、第1特別図柄抽選で通常大当たり遊技が実行される大当たりに当選した場合には、大当たり当選した中では遊技者に不利な抽選結果となる。また、本制御例では、第3図柄表示装置81の表示面にて実行される変動演出(第3図柄を用いた変動演出)にて、大当たり当選の有無に加え、大当たり種別も遊技者に示唆可能に構成しており、例えば、奇数の数字が付されている主図柄szが大当たり当選を示す組合せで停止表示された場合には、確変大当たり遊技が実行される大当たり当選を示唆し、偶数の数字が付されている主図柄szが大当たり当選を示す組合せで停止表示された場合には、通常大当たり遊技が実行される大当たり当選を示唆するように構成している。
よって、確変状態、或いは、時短状態中に実行される変動演出にて、偶数の数字が付されている主図柄szにてリーチ状態(通常大当たり遊技が実行される大当たり当選を示す組合せとなる主図柄szの一部が停止表示され、残りの図柄列が変動表示されている状態)が創出された場合には、特別図柄変動が停止表示されるよりも前の時点から不利な大当たりに当選したのではと遊技者に思わせてしまい、遊技意欲が低下してしまうという問題があった。そこで、本制御例では、第2特別図柄抽選が主として実行される遊技状態(確変状態、時短状態)にて、第1特別図柄抽選で通常大当たり遊技が実行される大当たりに当選した場合には、図131(a)に示した通り、必ず、奇数の数字が付されている主図柄szと、偶数の数字が付されている主図柄szとの何れもがリーチ状態となる変動演出(ダブルリーチ演出)が実行されるように構成している。これにより、特別図柄変動が停止表示されるよりも前の時点から不利な大当たりに当選したのではと遊技者に思わせてしまうことを抑制することができる。
このダブルリーチ演出を実行するために、第2期間中における第1特別図柄抽選で大当たり当選した場合には、変動時間が「30秒」の変動パターンが選択される。なお、確変状態、或いは、時短状態中に実行される変動演出として上述したダブルリーチ演出が、第1特別図柄抽選で大当たり当選した場合にのみ実行されてしまうと、ダブルリーチ演出が実行された時点で第1特別図柄の大当たり当選について遊技者に把握されてしまうため、本制御例では、第1特別図柄抽選で外れ当選した場合の一部(約80%)と、第2特別図柄抽選で大当たり当選した場合の一部(約25%)と、第2特別図柄抽選で外れ当選した場合の一部(約5%)とで、ダブルリーチ演出を実行するための変動パターン(30秒の変動時間)が選択されるように構成している。
このように構成することで、確変状態、或いは時短状態中にダブルリーチ演出が実行された場合に、該当する特別図柄抽選が第1特別図柄の抽選であるか第2特別図柄の抽選であるかを分かり難くすると共に、抽選結果が大当たりであるか否かも分かり難くすることができ、ダブルリーチ演出の演出結果が表示されるまで遊技者に期待感を持たせながら遊技を行わせることができる。
さらに、大当たり当選した場合には必ず確変大当たり遊技が実行される第2特別図柄抽選に対しても、ダブルリーチ演出を実行するように構成しているため、ダブルリーチ演出全体に対して確変大当たり遊技が実行される大当たりに当選したことを示す演出結果(奇数の数字を付した主図柄szが大当たり当選を示す組合せで停止表示する演出結果)を、第1特別図柄抽選に対してのみダブルリーチ演出を実行する場合に比べて創出し易くすることができる。よって、ダブルリーチ演出が実行された場合における確変大当たり遊技に対する期待度を高めることができる。
図143に戻り、説明を続ける。特別図柄の種別(図柄種別)が第1特別図柄(特図1)で、変動回数(大当たり遊技終了後に実行される特別図柄変動回数)が「50回(特定期間)」である場合には、抽選結果(特別図柄の抽選結果)、及び、取得した変動種別カウンタCS1の値に関わらず、変動時間が「20秒」の変動パターン(中変動)が選択されるように規定している。
本制御例では、大当たり遊技中に球が可変入賞装置65内の特定領域(Vゲート)65vを通過した場合に、大当たり遊技終了後に特別図柄の高確率状態が設定されるように構成しており、特別図柄の高確率状態を終了させるための確変終了条件として、特別図柄変動の実行回数が50回に到達した場合に成立する第1確変終了条件と、特別図柄の高確率状態が設定されている状態で特別図柄の大当たりに当選した場合に成立する第2確変終了条件と、を設けており、何れかの確変終了条件が成立した場合に、特別図柄の高確率状態から特別図柄の低確率状態へと移行するように構成している。
つまり、大当たり遊技中の遊技結果に応じて、大当たり遊技終了後に、特別図柄変動の実行回数が50回となるまで確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の高確率状態)が設定され、その後、特別図柄の実行回数が50回となるまで時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)が設定される場合と、大当たり遊技終了後に特別図柄変動の実行回数が100回となるまで時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)が設定される場合と、がある。
第3図柄表示装置81の表示面では、現在設定されている遊技状態を遊技者に示唆するための遊技状態示唆演出が実行されるように構成しており、例えば、大当たり遊技中に球が特定領域(Vゲート)65vを通過したことを報知するV報知演出が実行された場合には、現在の遊技状態が確変状態であることを遊技者に報知する報知演出(スーパーチャンスモード演出)が実行され、大当たり遊技中に球が特定領域(Vゲート)65vを通過した場合であってもV報知演出が実行されないように大当たり遊技中の演出態様が設定されている場合には、現在の遊技状態が確変状態であるかを分かり難くする共通演出(チャンスモード演出)が実行される。
そして、スーパーチャンスモード演出が実行されている場合には、特別図柄変動の50回目(特定期間)にて、確変状態が終了することになるため、特別図柄変動50回目に設定される「20秒」の変動時間を用いて、確変状態が終了し、次いでチャンスモード(時短)が設定されることを示す演出が実行される。また、チャンスモードが実行されている場合には、特定期間にて、確変状態が設定されていたか否かを示唆する演出が実行される。
このように、特定期間における特別図柄の抽選結果を示すための特別図柄変動期間を用いて、特別図柄の抽選結果以外の情報(遊技状態が移行することを案内するための情報や、過去に設定されていた遊技状態を示唆するための情報)を遊技者に報知する情報報知演出を実行する場合に、選択される特別図柄変動の変動時間を固定することで、特別図柄の抽選結果以外の情報を遊技者に報知するための情報報知演出の演出態様(演出時間も含む)のバリエーションを少なくすることが可能となる。
なお、本制御例では、確変状態が終了することとなる特別図柄変動(大当たり終了後50回目の特別図柄変動)の実行期間を特定期間とし、特別図柄変動の変動時間を「20秒」に固定しているが、これに限ること無く、確変状態が終了することとなる特別図柄変動の前後も含めて、例えば、大当たり終了後45回目〜52回目の特別図柄変動の実行期間が特定期間(固定された変動時間が選択される期間)とし、その特定期間中に実行される特別図柄変動の変動時間を用いて、情報報知演出を実行可能に構成しても良い。
また、上述した特定期間中に実行される特別図柄抽選の結果に応じて、情報報知演出の演出態様を可変させても良く、例えば、特別図柄抽選の結果が大当たりである場合には、確変状態が終了することを示す情報を報知しない演出態様へと可変させても良いし、実際に設定された遊技状態に関わらず、過去に設定された遊技状態(前回の大当たり遊技終了後に設定された遊技状態)が遊技者に不利な遊技状態(例えば、時短状態)であることを示す演出態様へと可変させても良い。
加えて、特定期間中において情報報知演出が実行されるタイミングを、特別図柄抽選の結果に応じて可変させても良く、例えば、特別図柄抽選で大当たり当選した場合のほうが、大当たり当選していない場合よりも、情報報知演出の実行タイミングが遅くなり易くすると良い。これにより、情報報知演出の演出内容だけで無く、実行タイミングについても遊技者に興味を持たせることができ、演出効果を高めることができる。
また、上述した例のように、特定期間中において情報報知演出が実行されるタイミングを、特別図柄抽選の結果に応じて可変させる場合には、予め特定タイミングで情報報知演出が実行されるように設定しておき、特定期間中に実行される特別図柄抽選の結果が所定の結果(例えば、大当たり)である場合に、情報報知演出が実行されるタイミングを上述した特定タイミングから可変させるように構成しても良いし、情報報知演出が実行されるタイミングを予め設定すること無く、特定期間中に実行される特別図柄抽選の結果に応じて複数の実行タイミングの中から一の実行タイミングを決定するように構成しても良い。
次に、特別図柄の種別(図柄種別)が第1特別図柄(特図1)で、変動回数(大当たり遊技終了後に実行される特別図柄変動回数)が「51回〜100回(第3期間)」であって、抽選結果(特別図柄の抽選結果)が「当たり」の場合は、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0〜198」、即ち、全範囲において、変動時間が「30秒」の変動パターン(当たり)が選択されるように規定しており、抽選結果が「外れ」の場合は、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0〜179」の範囲に対して変動時間が「30秒」の変動パターン(長外れ)が選択され、「180〜198」の範囲に対して変動時間が「60秒」の変動パターン(第2超変動)が選択されるように規定している。
この第3期間は、遊技状態が時短状態となる期間である。つまり、大当たり遊技終了後に確変状態が設定されていた場合であっても、確変終了条件が成立し時短状態が設定される期間である。この第3期間中も、上述した第2期間と同様に、第2特別図柄抽選が主として実行される期間ではあるが、実行される遊技方法によっては第1特別図柄抽選が実行される。時短状態中は第2特別図柄抽選を実行させたほうが、第1特別図柄抽選を実行させる場合よりも遊技者に有利な遊技となるため、この第3期間中に実行される第1特別図柄抽選は長い変動時間の変動パターンが選択され易くなるように構成されている。これにより、万が一、時短状態の第3期間中に第1特別図柄抽選が実行された場合であっても、長い変動時間が設定される変動パターンで第1特別図柄変動が実行されるため、その間に、第2特別図柄の保留球を獲得し易くすることができる。よって、時短状態中に頻繁に第1特別図柄抽選が実行されてしまうことを抑制することができる。
なお、この第3期間中も、上述した第2期間中と同様にダブルリーチ演出(図131参照)が実行されるように構成しているため、第1特別図柄抽選で大当たり当選した場合、外れ当選の一部、及び第2特別図柄抽選で大当たり当選した場合の一部、外れ当選した場合の一部で、変動時間が「30秒」の変動パターンが選択されるように規定している。
次に、確変状態、或いは、時短状態が設定されている場合における第2特別図柄抽選に対して規定されている各種変動パターンの内容について説明をする。
図143に示した通り、特別図柄の種別(図柄種別)が第2特別図柄(特図2)で、変動回数(大当たり遊技終了後に実行される特別図柄変動回数)が「1回〜20回(第1期間)」である場合には、抽選結果(特別図柄の抽選結果)、及び、取得した変動種別カウンタCS1の値に関わらず、変動時間が「5秒」の変動パターン(短変動)が選択されるように規定している。即ち、第1期間中は、第1特別図柄抽選が実行された場合と、第2特別図柄抽選が実行された場合とで同一の変動パターン(5秒変動)が選択される。
次に、変動回数(大当たり遊技終了後に実行される特別図柄変動回数)が「21回〜49回(第2期間)」であって、抽選結果(特別図柄の抽選結果)が「当たり」の場合は、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0〜149」の範囲に対して、変動時間が「10秒」の変動パターン(第2短変動)が、「150〜198」の範囲に対して、変動時間が「30秒」の変動パターン(長変動)が選択されるように規定しており、抽選結果が「外れ」の場合は、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0〜191」の範囲に対して変動時間が「10秒」の変動パターン(第2短変動)が選択され、「192〜198」の範囲に対して変動時間が「30秒」の変動パターン(長変動)が選択されるように規定している。
主として第2特別図柄抽選が実行される普通図柄の高確率状態(確変状態、時短状態)である第2期間中は、上述したダブルリーチ演出が実行される変動パターン(30秒の変動時間が設定される変動パターン)以外は、変動時間が「10秒」の変動パターンが選択される。つまり、第2入球口640へと容易に球を入球可能な状態において第2特別図柄変動が短期間で終了するようにし、第2特別図柄抽選が効率良く実行されるように構成している。これにより、特図2保留球が上限まで記憶されている状態で第2入球口640へと多量の球が入球してしまう事態が発生することを抑制することができ、遊技者に気持ちの良い遊技を行わせることができる。
なお、本制御例では、短時間の変動時間として「10秒」を規定しているが、この変動時間をさらに短く規定しても良く、この場合、遊技盤13へと発射された球が第2入球口640へと到達し得る間隔(約1.2秒)よりも長い時間(例えば、3秒)を規定すると良い。このように構成することで、遊技者が継続して球を発射しているにも関わらず、特図2保留球が減少していき、第2特別図柄抽選よりも非優先に設定してある第1特別図柄抽選が実行されてしまう事態が発生することを抑制することができる。
次に、変動回数(大当たり遊技終了後に実行される特別図柄変動回数)が「50回(特定期間)」である場合には、抽選結果(特別図柄の抽選結果)、及び、取得した変動種別カウンタCS1の値に関わらず、変動時間が「20秒」の変動パターン(中変動)が選択されるように規定している。この特定期間中に設定される変動パターンについては、上述した第1特別図柄抽選に対応して選択される変動パターンと同一であるため、その詳細な説明を省略する。
次に、特別図柄の種別(図柄種別)が第2特別図柄(特図2)で、変動回数(大当たり遊技終了後に実行される特別図柄変動回数)が「51回〜100回(第3期間)」であって、抽選結果(特別図柄の抽選結果)が「当たり」の場合は、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0〜149」の範囲に対して、変動時間が「10秒」の変動パターン(第2短変動)が、「150〜198」の範囲に対して、変動時間が「30秒」の変動パターン(長変動)が選択されるように規定しており、抽選結果が「外れ」の場合は、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0〜191」の範囲に対して変動時間が「5秒」の変動パターン(短変動)が選択され、「192〜198」の範囲に対して変動時間が「30秒」の変動パターン(長変動)が選択されるように規定している。
以上、説明をした通り、本第1制御例では、変動パターン選択テーブル202bとして、通常用テーブル202b1と、確変・時短用テーブル202b2と、を有しており、設定されている遊技状態に応じて、変動パターンを選択する際に参照するデータテーブルを異ならせるように構成している。これにより、設定されている遊技状態に応じて選択される変動パターンの種類を異ならせることができ、遊技者に多様な変動パターンで特別図柄抽選の結果を示すことができるため、遊技の興趣を向上させることができる。
さらに、遊技状態として確変状態が設定されている場合と、時短状態が設定されている場合とで同一のデータテーブル(確変・時短用テーブル202b2)を参照して変動パターンを選択するように構成している。よって、時短状態が設定されているか確変状態が設定されているかを遊技者に分かり難くする演出モードである「チャンスモード」が設定されている状態において、実行される特別図柄抽選に対応して選択される変動パターンの種類によって、設定されている遊技状態が遊技者に把握されてしまうことを抑制することができる。なお、本制御例では、確変状態中の変動パターンを選択する際に参照されるデータテーブルと、時短状態中の変動パターンを選択する際に参照されるデータテーブルと、を同一としているが、これに限ること無く、異なるデータテーブルを参照させるように構成しても良い。
この場合、確変状態中の変動パターンを選択する際に参照される確変用データテーブルと、時短状態中の変動パターンを選択する際に参照される時短用データテーブルと、を設け、僅かな確率(例えば、5%)で選択される変動パターンの種別として、一方のデータテーブルにのみ規定されている特定変動パターンを設けると良い。これにより、特定変動パターンが選択された場合にのみ、選択された変動パターンの種別に基づいて現在設定されている遊技状態を遊技者が把握することができる。
加えて、確変用データテーブルと、時短用データテーブルとで、各変動パターンが選択される割合を異ならせるように構成しても良い。このように構成することで、「チャンスモード」中に実行される特別図柄抽選に対して選択される変動パターンの偏りを分析することによって、遊技者に現在設定されている遊技状態を予測させる楽しみを提供することができる。
なお、上述した通り、本制御例では、設定される遊技状態に応じて、変動パターンを選択する際に参照されるデータテーブルを異ならせるように構成しているが、遊技状態以外の条件によって参照するデータテーブルを選択するように構成しても良く、例えば、大当たり遊技終了後に時短状態が設定される場合において、前回の大当たり当選時に設定されていた遊技状態や、前回の大当たり当選時に設定された大当たり種別(特別図柄の停止表示態様)や、第3図柄表示装置81に停止表示された第3図柄の表示態様や、大当たり遊技中に特定領域(Vゲート)65Vへと球が通過したか否か(V入賞したか否か)の結果等に基づいて、同一の時短状態中において変動パターンを選択する際に参照されるデータテーブルを異ならせるように構成しても良い。
この場合、選択された変動パターンを示すコマンド(変動パターンコマンド)を設定する際に、参照されたデータテーブル(変動パターン選択テーブル)の種別を示す情報が含まれるコマンドを設定するように構成すると良い。これにより、音声ランプ制御装置113側で、変動パターンコマンドを受信した場合に、今回設定された変動パターンの種別に加え、現在の遊技状態が設定された経緯も判別することが可能となる。よって、受信した変動パターンコマンドに基づいて、例えば、確変大当たり遊技が実行されたにも関わらず、球をV入賞させることが出来ず時短状態が設定されたことを判別し、専用の演出モード(例えば、「残念モード」)を設定することができる。
図138に戻り説明を続ける。第2当たり乱数カウンタC4は、例えば0〜299の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり299)に達した後0に戻るループカウンタとして構成されている。また、第2当たり乱数カウンタC4が1周した場合、その時点の第2初期値乱数カウンタCINI2の値が当該第2当たり乱数カウンタC4の初期値として読み込まれる。第2当たり乱数カウンタC4の値は、本実施形態ではタイマ割込処理(図156参照)毎に、例えば定期的に更新され、球が普通始動口(スルーゲート)67を通過したことが検知された時に取得され、RAM203の普通図柄保留球格納エリア203cに格納される。
そして、普通図柄の当たりとなる乱数の値は、主制御装置のROM202に格納される第2当たり乱数テーブル202cによって設定されており、第2当たり乱数カウンタC4の値が、第2当たり乱数テーブル202cによって設定された当たりとなる乱数の値と一致する場合に、普通図柄(第2図柄)の当たりと判定する。また、この第2当たり乱数テーブル202cは、普通図柄の低確率時用と、その低確率時より普通図柄の当たりとなる確率の高い高確率時用との2種類に分けられ、それぞれに含まれる大当たりとなる乱数の個数が異なって設定されている。このように、当たりとなる乱数の個数を異ならせることにより、普通図柄の低確率時と普通図柄の高確率時とで、当たりとなる確率が変更される。
この第2当たり乱数テーブル202cに規定されている内容について、図140(b)を参照して説明をする。図140(b)は、第2当たり乱数テーブル202cに規定されている内容を模式的に示した模式図である。図140(b)に示した通り、普通図柄の低確率状態である場合は、取得した第2当たり乱数カウンタC4が「0〜2」の値に普図当たりが規定され、普通図柄の高確率状態である場合は、取得した第2当たり乱数カウンタC4が「0〜149」の範囲に普図当たりが規定されている。
つまり、本制御例では、普通図柄の低確率状態が設定されている場合には、普通図柄の抽選で当たりとなる確率(1/100)が低確率に設定されている。これにより、普通図柄の低確率状態である通常状態と、普通図柄の高確率状態である時短状態と、で同一の遊技方法(左打ち遊技)が実行される本実施形態において、通常状態中に普図当たりに当選し難くすることができるため、通常状態中に普図当たり遊技が実行され第2入球口640内に球が入球する事態を発生し難くすることができる。一方、普通図柄の高確率状態が設定されている場合には、普通図柄の抽選で当たりとなる確率(1/2)が高確率に設定されている。これにより、時短状態中において普通図柄の当たり当選に基づく普図当たり遊技を実行し易くすることができる。
また、本制御例では、設定されている遊技状態に応じて普通図柄抽選の結果を示すための普通図柄変動の変動時間として異なる長さの変動時間が設定されるように構成されており、普通図柄の低確率状態が設定されている場合のほうが、普通図柄の高確率状態が設定されている場合よりも長い変動時間(例えば、10秒)が設定されるように構成している。このように、普通図柄抽選で当たり当選する確率と、普通図柄変動の変動時間の長さと、を遊技状態に応じて可変させることにより、普通図柄抽選で当たり当選し、第2入球口640へと球を入球させ易い遊技状態(確変状態、時短状態)を容易に設定することができる。
さらに、本制御例では、普通図柄の低確率状態が設定されている状態で実行された普通図柄抽選にて当たり当選した場合に、第2入球口640へと球を複数個入球させることが可能な動作態様(ロング開放)で電動役物640が開放動作される普図当たり遊技を実行可能に構成している。よって、普通図柄抽選で当たり当選し難い遊技状態(通常状態)であっても、一時的に第2入球口640へと球を入球させ易くすることができるため、どのような遊技状態が設定されている状態であっても、遊技者に対して第2特別図柄抽選が実行される可能性を残すことができ、遊技の興趣を向上させることができる。
第2初期値乱数カウンタCINI2は、第2当たり乱数カウンタC4と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成され(値=0〜299)、タイマ割込処理(図156参照)毎に1回更新されると共に、メイン処理(図167参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
このように、RAM203には種々のカウンタ等が設けられており、主制御装置110では、このカウンタ等の値に応じて大当たり抽選や第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行することができる。
図137に戻り説明を続ける。ROM202は、図138に図示した各種カウンタに対応して規定される各種データテーブル等を有している。ここで、図139(a)を参照して、本実施形態のパチンコ機10における主制御装置110のROM202の内容について説明をする。図139(a)は、本実施形態におけるパチンコ機10の主制御装置110のROM202の内容を模式的に示した模式図である。
図139(a)に示した通り、本実施形態におけるパチンコ機10の主制御装置110のROM202は、第1当たり乱数テーブル202a、変動パターン選択テーブル202b、第2当たり乱数テーブル202c、大当たり種別選択テーブル202dを少なくとも有している。なお、第1当たり乱数テーブル202a、変動パターン選択テーブル202b、第2当たり乱数テーブル202c、大当たり種別選択テーブル202dについては、図138に図示した各種カウンタを説明する際に上述したため、その説明を省略する。
図137に戻り、説明を続ける。RAM203は、図138に図示した各種カウンタのほか、MPU201の内部レジスタの内容やMPU201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。
なお、RAM203は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM203に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。
停電などの発生により電源が遮断されると、その電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタの値がRAM203に記憶される。一方、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAM203に記憶される情報に基づいて、パチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。RAM203への書き込みはメイン処理(図167参照)によって電源遮断時に実行され、RAM203に書き込まれた各値の復帰は電源投入時の立ち上げ処理(図166参照)において実行される。なお、MPU201のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路252からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU201へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図165参照)が即座に実行される。
また、RAM203は、図139(b)に示すように、第1特別図柄保留球格納エリア203a、第2特別図柄保留球格納エリア203b、普通図柄保留球格納エリア203c、第1特別図柄保留球数カウンタ203d、第2特別図柄保留球数カウンタ203e、普通図柄保留球数カウンタ203f、遊技状態格納エリア203g、時短カウンタ203h、確変カウンタ203i、大当たり開始フラグ203j、大当たり中フラグ203k、確変設定フラグ203m、確変通過カウンタ203n、入賞個数カウンタ203o、残球タイマフラグ203p、残球タイマ203q、確変有効フラグ203r、確変有効タイマ203s、排出個数カウンタ203t、その他メモリエリア203zを有している。
第1特別図柄保留球格納エリア203aは、上限個数(本制御例では、4個)まで、第1入球口64に球が入球(始動入賞)したことに基づいて取得された各種カウンタ値を記憶するための記憶エリアである。
第2特別図柄保留球格納エリア203bは、上限個数(本制御例では、4個)まで、第2入球口640に球が入球(始動入賞)したことに基づいて取得された各種カウンタ値を記憶するための記憶エリアである。
特別図柄保留球実行エリア(図示せず)は、特別図柄の変動表示を開始するための各種カウンタ値が格納される記憶エリアであり、特別図柄が変動停止した場合に、第1特別図柄保留球格納エリア203a、或いは第2特別図柄保留球格納エリア203bに各種カウンタ値が記憶されている場合に、その各種カウンタ値がシフトして記憶される記憶エリアである。本制御例では、第1特別図柄抽選よりも優先して第2特別図柄抽選が実行されるように構成しているため、第1特別図柄保留球格納エリア203a、第2特別図柄保留球格納エリア203bの何れにも各種カウンタ値が記憶されている場合には、第2特別図柄保留球格納エリア203bに格納されている各種カウンタ値が特別図柄保留球実行エリアへとシフトして記憶される。
第1特別図柄保留球格納エリア203a、第2特別図柄保留球格納エリア203b、特別図柄保留球実行エリア(図示せず)は、始動入賞の検出に伴ってカウンタ用バッファ(図138参照)より取得した第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別カウンタC3、変動種別カウンタCS1の値がそれぞれ記憶される。MPU201は、タイマ割込処理(図156参照)の中で、球が第1入球口64へ入球(始動入賞)したことを検出すると、カウンタ用バッファから各カウンタC1〜C3,CS1の値を取得し、第1特別図柄保留球格納エリア203aにそれぞれ格納する。また、球が第2入球口640へ入球(始動入賞)したことを検出すると、カウンタ用バッファから各カウンタC1〜C3,CS1の値を取得し、第2特別図柄保留球格納エリア203bにそれぞれ格納する。
MPU201は、特別図柄変動(抽選)の実行開始タイミングであることを検出すると、大当たり抽選や、第1図柄表示装置37または第3図柄表示装置81の表示の設定等の処理を実行するために、上述した第1特別図柄保留球格納エリア203a、或いは、第2特別図柄保留球格納エリア203bに記憶されている各始動入賞に対応するデータ(カウンタC1〜C3,CS1の各値)のうち、一の始動入賞に対応するデータを、この特別図柄保留球実行エリアへシフトする。なお、本実施形態におけるシフトとは、一の領域に記憶されているデータを別の領域へ移動させることを示す。
普通図柄保留球格納エリア203cはスルーゲート67への球の通過(始動入賞)検出に伴ってカウンタ用バッファ(図138参照)より取得した第2当たり乱数カウンタC4の値が記憶される記憶エリアである。主制御装置110のMPU201は、タイマ割込処理(図156参照)の中で、球がスルーゲート67を通過(始動入賞)したことを検出すると、カウンタ用バッファから第2当たり乱数カウンタC4の値を取得し、普通図柄保留球格納エリア203cに格納する。普通図柄保留球格納エリア203cは、一の始動入賞に対応するデータ(カウンタC4の値)が、最大4回分まで記憶(保留)できるように、4つの保留エリアを有している。普通図柄保留球格納エリア203cには、スルーゲート67へ通過(始動入賞)した順に保留球のデータが、データが空いている保留エリアの内、消化される順序の早い保留エリアから順に記憶される。
また、普通図柄保留球実行エリア(図示せず)は、始動入賞に基づいて、普通図柄の変動表示演出の実行開始タイミングであることを検出すると、各カウンタ値が格納され、普通図柄の当たり抽選や、第1図柄表示装置37または第3図柄表示装置81の表示(変動パターン)の設定等の処理において参照すべきデータ(カウンタC4の値)を記憶するためのメモリである。
なお、MPU201は、普通図柄の変動表示演出の実行開始タイミングであることを検出すると、当たり抽選や、第2図柄表示装置83の表示の設定等の処理を実行するために、上述した普通図柄保留球格納エリア203cに記憶されている各始動入賞に対応するデータ(第2当たり乱数カウンタC4の値)のうち、一の始動入賞に対応するデータを、この普通図柄保留球実行エリア(図示せず)へシフトする。なお、本実施形態におけるシフトとは、一の領域に記憶されているデータを別の領域へ移動させることを示す。
第1特別図柄保留球数カウンタ203dは、2ミリ秒毎に定期的に実行されるタイマ割込処理(図156参照)の中で検出される第1入球口64への入賞に基づいて、第1図柄表示装置37で行われる変動表示演出(第3図柄表示装置81で行われる変動表示演出)の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。第1特別図柄保留球数カウンタ203dは、電源投入後のRAM203の初期設定処理(図166のS1701参照)によって、初期値としてゼロが設定される。そして、始動入賞が検出されて変動表示の保留球数が増加する毎に、それぞれ最大値4まで1加算される。一方、第1特別図柄保留球数カウンタ203dは、変動表示演出が実行される毎に1減算される。
また、第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(即ち、保留球数)は、第1入球口64に球が入球(始動入賞)したことに基づいて、第1特別図柄保留球格納エリア203aにカウンタ値が格納された場合に、主制御装置110から出力される第1特別図柄保留球数コマンドによって音声ランプ制御装置113に通知される。第1特別図柄保留球数コマンドは、始動入賞が検出されて第1特別図柄保留球数カウンタ203dが1加算される毎に、主制御装置110から音声ランプ制御装置113に対して送信されるコマンドである。
第2特別図柄保留球数カウンタ203eは、2ミリ秒毎に定期的に実行されるタイマ割込処理(図156参照)の中で検出される第2入球口640への入賞に基づいて、第1図柄表示装置37で行われる変動表示演出(第3図柄表示装置81で行われる変動表示演出)の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。第2特別図柄保留球数カウンタ203eは、電源投入後のRAM203の初期設定処理(図166のS1701参照)によって、初期値としてゼロが設定される。そして、始動入賞が検出されて変動表示の保留球数が増加する毎に、それぞれ最大値4まで1加算される。一方、第2特別図柄保留球数カウンタ203eは、変動表示演出が実行される毎に1減算される。
また、第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値(即ち、保留球数)は、第2入球口640に球が入球(始動入賞)したことに基づいて、第2特別図柄保留球格納エリア203bにカウンタ値が格納された場合に、主制御装置110から出力される第2特別図柄保留球数コマンドによって音声ランプ制御装置113に通知される。第2特別図柄保留球数コマンドは、始動入賞が検出されて第2特別図柄保留球数カウンタ203eが1加算される毎に、主制御装置110から音声ランプ制御装置113に対して送信されるコマンドである。
MPU201は、特別図柄保留球実行エリア(図示せず)にカウンタ用バッファから取得される上記カウンタC1〜C3,CS1の各値がそれぞれ記憶された場合には、特別図柄保留球実行エリア(図示せず)に格納されたデータを、特別図柄大当たり判定処理(図158のS301参照)において参照し、その参照データに基づいて大当たり抽選を行うと共に、その抽選結果に対応する変動パターン及び停止種別を決定する。第1図柄表示装置37では、主制御装置110の制御により、この決定された変動パターンおよび停止種別に基づいて、変動表示が行われる。
また、ここで決定された変動パターン及び停止種別は、特図変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドによって、音声ランプ制御装置113や表示制御装置114へ通知される。そして、表示制御装置114の制御によって、第3図柄表示装置81では、変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドにより通知された変動パターンおよび停止種別に基づいて、変動表示演出が行われる。
普通図柄保留球数カウンタ203fは、2ミリ秒毎に定期的に実行されるタイマ割込処理(図156参照)の中で検出されるスルーゲート67を球が通過(以下「始動入賞」と称す)したことに基づいて、第2図柄表示装置83で行われる変動表示の保留球数(待機回数)を最大1回まで計数するカウンタである。この普通図柄保留球数カウンタ203fは、スルーゲート67を球が通過したことに基づいて記憶される保留球数の合計を記憶するカウンタである。電源投入後のRAM203の初期設定処理(図166のS1701参照)によって、初期値としてゼロが設定される。そして、始動入賞が検出されて変動表示の保留球数が増加する毎に、最大値まで1加算される(図164のS904参照)。一方、普通図柄保留球数カウンタ203fは、普通図柄の変動表示が実行される毎に1減算される(図163のS805参照)。
遊技状態格納エリア203gは、現在設定されている遊技状態を一時的に格納するための記憶領域であって、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態(時短カウンタ203hの設定状況、確変カウンタ203iの設定状況)に対応した遊技状態が記憶される。具体的には、時短カウンタ203hの値が0で、且つ、確変カウンタ203iの値が0である場合に通常状態が記憶され、時短カウンタ203hの値が0よりも大きい値で、確変カウンタ203iの値が0である場合に時短状態が記憶され、時短カウンタ203hの値が0よりも大きい値で、確変カウンタ203iの値が0よりも大きい値である場合に確変状態が記憶される。
さらに、大当たり遊技が実行されている状態では、大当たり遊技が実行されている状態であることを示す当たり遊技状態(大当たり状態)と、実行されている大当たり遊技に対応する大当たり種別を示す種別情報も記憶されるように構成されている。加えて、普図当たり遊技の実行中であることを示す普図当たり遊技中情報も記憶されるように構成されている。
そして、遊技状態格納エリア203gに格納(記憶)された情報に基づいて、状態コマンドが設定され、その状態コマンドが音声ランプ制御装置113へと出力される。音声ランプ制御装置113では出力された状態コマンドを受信し、従状態設定エリア223gに一時的に記憶する。
この遊技状態格納エリア203gに記憶された情報は、パチンコ機10の電源が断された場合であっても、その情報を保持可能に構成されており、パチンコ機10の電源を入れた際に実行される立ち上げ処理(図166参照)において、遊技状態格納エリア203gに記憶されている情報に対応する状態コマンドを設定するように構成している。
これにより、停電等によりパチンコ機10の電源が断された場合であっても、現在の遊技状態を音声ランプ制御装置113側が判別可能にすることができる。
時短カウンタ203hは、普通図柄の高確率状態が設定されている状態を示すためのカウンタであって、普通図柄の高確率状態が設定されている場合に対応する値が設定される。この時短カウンタ203hには、大当たり遊技終了後に、その当選した大当たり種別に対応した値が設定される(図170のS2103参照)。そして、大当たり遊技に当選した場合に0にクリアされる。これにより、大当たり遊技中は普通図柄の高確率状態が設定されないため、大当たり遊技中において遊技者に過度な特典を付与してしまうことを抑制することができる。
なお、本実施形態では、普通図柄の高確率状態が設定されると、時短カウンタ203jの値がセットされ、特別図柄抽選(変動)に基づいて、時短カウンタ203hの値が減算され、時短カウンタ203hの値が0となった場合に、普通図柄の高確率状態が終了し、普通図柄の低確率状態へと移行するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、次回の大当たり遊技が実行されるまで(大当たり当選するまで)は、普通図柄の高確率状態が継続するように構成しても良い。この場合、時短カウンタ203hの値として、「10000」を設定するように構成すれば良い。
また、本実施形態では、普通図柄の高確率状態を終了させるための条件、時短カウンタ203hの値を減算させるための条件として、特別図柄抽選(変動)の回数に基づいて時短カウンタ203hの値を減算させる条件のみを設定しているが、これに限ること無く、例えば、主制御装置110の実行する各種処理の処理内容によって成立し得る終了条件が成立した場合に、時短カウンタ203hの値を減算するように構成してもよい。具体的には、普通図柄の高確率状態が設定されている状態で実行される各図柄抽選の抽選結果が所定の抽選結果(例えば、特殊外れ当選)となった場合、或いは、普通図柄抽選の結果が所定の抽選結果(例えば、特殊普図当たり当選)となった場合にも、時短カウンタ203hの値を減算させるように構成しても良い。
加えて、本実施形態では、時短カウンタ203hの値を1ずつ減算するように構成しているが、成立した終了条件の種別に応じて、時短カウンタ203hの値を複数まとめて(例えば、2)減算するように構成しても良いし、現状の時短カウンタ203hの値に関わらず、時短カウンタ203hの値が「0」になるように減算するように構成しても良い。このように構成することで、時短状態がいつまで継続するのかを遊技者に分かり難くすることができ、時短状態中の遊技に対して遊技者に興味を持たせることができる。
さらに、時短状態が設定される条件の成立内容(大当たり種別)に応じて、時短状態を終了させる条件を異ならせても良い。これにより、遊技者に対して、大当たり遊技を実行させることだけでは無く、実行された大当たり遊技に対応する大当たり種別に対しても興味を持たせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
確変カウンタ203iは、特別図柄の高確率状態が設定されている状態を示すためのカウンタであって、特別図柄の高確率状態が設定されている場合に対応する値が設定される。この確変カウンタ203iには、大当たり遊技中に球が特定領域(Vゲート)65vを通過したことに基づいて、その大当たり遊技終了後に値が設定される(図170のS2102参照)。そして、大当たり遊技に当選した場合に0にクリアされる。これにより、大当たり遊技中は特別図柄の高確率状態が設定されないため、大当たり遊技中において遊技者に過度な特典を付与してしまうことを抑制することができる。
なお、本実施形態では、特別図柄の高確率状態が設定されると、確変カウンタ203iの値がセットされ、特別図柄抽選(変動)に基づいて、確変カウンタ203iの値が減算され、確変カウンタ203iの値が0となった場合に、特別図柄の高確率状態が終了し、特別図柄の低確率状態へと移行するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、次回の大当たり遊技が実行されるまで(大当たり当選するまで)は、特別図柄の高確率状態が継続するように構成しても良い。この場合、確変カウンタ203iの値として、「10000」を設定するように構成すれば良い。
また、本実施形態では、特別図柄の高確率状態を終了させるための条件、確変カウンタ203iの値を減算させるための条件として、特別図柄抽選(変動)の回数に基づいて確変カウンタ203iの値を減算させる条件のみを設定しているが、これに限ること無く、例えば、主制御装置110の実行する各種処理の処理内容によって成立し得る終了条件が成立した場合に、確変カウンタ203iの値を減算するように構成してもよい。具体的には、普通図柄の高確率状態が設定されている状態で実行される各図柄抽選の抽選結果が所定の抽選結果(例えば、特殊外れ当選)となった場合、或いは、普通図柄抽選の結果が所定の抽選結果(例えば、特殊普図当たり当選)となった場合にも、確変カウンタ203iの値を減算させるように構成しても良い。
さらに、当選した大当たり種別と、特定領域(Vゲート)65vへの球の通過状況とに基づいて確変カウンタ203iに設定される値を異ならせても良いし、上述した時短カウンタ203hの値を減算する内容と同様に、特別図柄の変動回数以外の条件によって確変カウンタ203iの値を減算可能に構成しても良いし、確変カウンタ203iの値を減算するための減算条件が成立した場合に、確変カウンタ203iの値を一度に複数個減算可能に構成しても良い。これにより、特別図柄の高確率状態がいつまで継続するのかを遊技者に把握させ難くすることができるため、特別図柄の高確率状態中に実行される特別図柄抽選の結果を飽きること無く注視させることができる。
また、本制御例では、確変状態を終了させるための条件、即ち、確変カウンタ203iの値を減算させるための条件として、特別図柄抽選(変動)の回数に基づいて確変カウンタ203iの値を減算させる条件のみを設定しているが、これに限ること無く、例えば、主制御装置110の実行する各種処理の処理内容によって成立し得る終了条件が成立した場合に、確変カウンタ203iの値を減算するように構成してもよい。具体的には、特別図柄の高確率状態が設定されている状態で実行される各図柄抽選の抽選結果が所定の抽選結果(例えば、特殊外れ当選)となった場合、或いは、普通図柄抽選の結果が所定の抽選結果(例えば、特殊普図当たり当選)となった場合にも、確変カウンタ203iの値を減算させるように構成しても良いし、球が特定の入球口(例えば、第1入球口64、第2入球口640等)に入球したことに基づいて確変カウンタ203iの値を減算するように構成してもよい。
加えて、本制御例では、確変カウンタ203iの値を1ずつ減算するように構成しているが、成立した終了条件の種別に応じて、確変カウンタ203iの値を複数まとめて(例えば、2)減算するように構成しても良いし、現状の確変カウンタ203iの値に関わらず、確変カウンタ203iの値が「0」になるように減算するように構成しても良い。このように構成することで、確変状態がいつまで継続するのかを遊技者に分かり難くすることができ、確変状態中の遊技に対して遊技者に興味を持たせることができる。
さらに、確変状態が設定される条件の成立内容(大当たり種別)に応じて、確変状態を終了させる条件を異ならせても良い。これにより、遊技者に対して、大当たり遊技を実行させることだけでは無く、実行された大当たり遊技に対応する大当たり種別に対しても興味を持たせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
大当たり開始フラグ203jは、大当たりを開始させるか否かを示すフラグである。この大当たり開始フラグ203jがオンであれば、大当たりを開始させるタイミングであることを意味し、オフであれば、大当たりを開始させるタイミングではないことを意味する。この大当たり開始フラグ203jは、大当たりを示す変動表示の終了タイミングとなった場合にオンに設定される。また、大当たり開始フラグ203jは、大当たりの開始を設定した場合にオフに設定される(図168のS1903参照)。
大当たり中フラグ203kは、大当たり遊技(特別遊技状態)中であるか否かを示すフラグである。この大当たり中フラグ203kがオンであれば、大当たり中であることを意味し、オフであれば大当たり中でないことを意味する。大当たり中フラグ203kは、特別図柄の抽選により大当たりとなり、大当たり遊技(特別遊技状態)が開始されると共にオンに設定される(図168のS1903参照)。また、大当たり遊技(特別遊技状態)の終了時にオフに設定される(図170のS2105参照)。そして、特別図柄変動処理(図157参照)では、この大当たり中フラグ203kが参照されて、大当たり中であるか否かが判別される(図157のS201参照)。
確変設定フラグ203mは、大当たり遊技後に遊技状態を確変状態に移行させるか否かを示すフラグである。本パチンコ機10では、遊技状態が確変状態に設定されるか否かは、大当たり遊技中に可変入賞装置65内に設けられた特定領域(Vゲート)65v(図120参照))に球が入球(流下)したか否かにより決定される。ここで、この特定領域(Vゲート)65vへと球が入球(流下)したこと(特定領域(Vゲート)65vに設けられている確変スイッチの通過)を検出すると、確変設定フラグ203mがオンに設定される(図171のS2215参照)。一方、この確変設定フラグ203mは、大当たり遊技の終了時にオフに設定される(図170のS2105参照)。なお、この確変設定フラグ203mは、電源断時にはバックアップされ、復帰時(電源投入時)には電源断直前の状態に設定される。また、パチンコ機10が初期化された状態ではオフに設定される。
なお、電源投入時に確変設定フラグ203mがオンに設定されている場合には、確変スイッチに電源断前に通過したかを判別して、通過していると判別できた場合に、確変設定フラグ203mを正式にオンに設定して復帰するように構成してもよい。この場合、電源断前に確変スイッチを通過しているかの判別は、後述する確変通過カウンタ203nが0より大きい値であるかにより判別できる。このように構成することで、電源断されている状態で、確変設定フラグ203mのみをオンに書き換えて電源を再投入されるような不正を判別して、遊技店側の被害を低減することができる。
確変通過カウンタ203nは、大当たり遊技中の1つのラウンド(本実施形態では、大当たりの1ラウンド)で確変スイッチを通過した(特定領域を流下した)球の数をカウントするためのカウンタである。なお、この確変通過カウンタ203nと後述する排出個数カウンタ203tとの合計により可変入賞装置65の特定入賞口65aに入賞した球が全て排出されたかを判別することができる。この確変通過カウンタ203nは、確変スイッチを球が通過した(特定領域を流下した)場合に1ずつ加算されて更新される。また、可変入賞装置65に入賞した球の数と排出個数が一致するか否かの判定処理を実行した後に、初期値である「0」にリセットされる。なお、この確変通過カウンタ203nは、電源断時にはバックアップされる。また、初期化された状態では、0に設定される。
入賞個数カウンタ203oは、大当たり遊技における1つのラウンドで可変入賞装置65の特定入賞口65aに入賞した球の数をカウントするためのカウンタであり、特定入賞口65aへの入賞が検出されたことに基づいて、1ずつ加算されて更新される。一方、1つのラウンドが終了した場合に、可変入賞装置65に入賞した個数(入賞個数カウンタ203oの値)と排出された個数(排出個数カウンタ203tと確変通過カウンタ203nとの合計値)とが一致しているか判別された後に、初期値である「0」にリセットされる。なお、この入賞個数カウンタ203oの値は、電源断時にはバックアップされる。また、初期化された状態では、0に設定される。
残球タイマフラグ203pは、1のラウンドが終了し、特定入賞口65aが閉鎖した後の球はけ期間であるか否かを示すフラグである。この残球タイマフラグ203pがオンに設定されている場合は、球はけ期間であることを意味する。この残球タイマフラグ203pがオンに設定されている間は、後述する残球タイマ203qが1ずつ加算されて更新される。残球タイマ203qは、特定入賞口65aが閉鎖されてからの時間を判別するためのカウンタであり、可変入賞装置65内の遊技球が排出されるのに必要な時間が経過したかを判別するためのカウンタである。
残球タイマ203qは、予め設定されている1のラウンドが終了して可変入賞装置65の特定入賞口65aが閉鎖した場合に、可変入賞装置65に入賞した球が排出されるのに必要な時間が経過したかを判別するためのカウンタである。本実施形態では、可変入賞装置65に入賞した球が排出されるまでに必要な時間は0.5秒であり、本実施形態では、予め0.8秒に対応するカウンタ値が残球タイマ203qの上限値として設定されている。この残球タイマ203qの上限値(本実施形態では、0.8秒)となったことに基づいて、可変入賞装置65への入賞個数とその排出個数とが一致しているかの判別が実行される。一致しない場合には、エラーコマンドが設定されて、その旨が報知される。よって、可変入賞装置65内に遊技球が球詰まりしていることを早期に知らせることができる。
なお、入賞個数と排出個数が一致しない場合には、専用のフラグをオンに設定しておき、そのフラグがオンである場合には確変スイッチを遊技球が通過しても確変設定フラグ203mをオンに設定しない構成にしてもよい。このように構成することで、不正に確変状態が付与されることを抑制できる。
確変有効フラグ203rは、切替弁65yが球を特定領域(Vゲート)65vへと振り分け不可能な配置に切り替わった後に、遊技球が特定領域(Vゲート)65vを通過した場合に、その通過(入球)を有効とするか否かを判別するためのフラグである。この確変有効フラグ203rがオンに設定されている場合には、特定領域(Vゲート)65vを遊技球が通過することが正常な期間であることを示している。
確変有効タイマ203sは、上述した確変有効フラグ203rがオンに設定されてからの時間をカウントする為のカウンタである。この確変有効タイマ203sにより切替弁65yが特定領域(Vゲート)65vを球が流下不可能な配置に切り替わった後に、確変スイッチを正常に通過するのに必要な期間を判別することができる。本実施形態では、切替弁65yに到達した遊技球が確変スイッチを通過するのに要する時間は0.3秒である。確変有効タイマ203sの上限値は0.5秒に対応するカウンタ値に設定されており、それ以後に特定領域(Vゲート)65vを通過しても不正と判別して通過と判別しない。
これにより、不正に遊技球を特定領域(Vゲート)65v(V領域)に入球させて確変スイッチを通過させたり、確変スイッチの下方よりピアノ線等で遊技球を押し上げて通過させたり、電波等により磁気センサを通過と誤検出させたりする不正による被害を抑制できる。
排出個数カウンタ203tは、1のラウンドで可変入賞装置65から排出された遊技球の数をカウントするためのカウンタである。この排出個数カウンタ203tは、可変入賞装置65に入賞した球の数と排出個数との一致が判別された後に、初期値である0にリセットされる。
その他メモリエリア203zは、遊技に必要なその他のデータや、カウンタ、フラグ等が設定(記憶)される。
払出制御装置111は、払出モータ216を駆動させて賞球や貸出球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU211は、そのMPU211により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM212と、ワークメモリ等として使用されるRAM213とを有している。
払出制御装置111のRAM213は、主制御装置110のRAM203と同様に、MPU211の内部レジスタの内容やMPU211により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。RAM213は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM213に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。なお、主制御装置110のMPU201と同様、MPU211のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路252から停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU211へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図示せず)が即座に実行される。
払出制御装置111のMPU211には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン214を介して入出力ポート215が接続されている。入出力ポート215には、主制御装置110や払出モータ216、発射制御装置112などがそれぞれ接続されている。また、図示はしないが、払出制御装置111には、払い出された賞球を検出するための賞球検出スイッチが接続されている。なお、該賞球検出スイッチは、払出制御装置111に接続されるが、主制御装置110には接続されていない。
発射制御装置112は、主制御装置110により球の発射の指示がなされた場合に、操作ハンドル51の回動操作量に応じた球の打ち出し強さとなるよう球発射ユニット112aを制御するものである。球発射ユニット112aは、図示しない発射ソレノイドおよび電磁石を備えており、その発射ソレノイドおよび電磁石は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、球の発射を停止させるための発射停止スイッチ51bがオフ(操作されていないこと)を条件に、操作ハンドル51の回動操作量(回動位置)に対応して発射ソレノイドが励磁され、操作ハンドル51の操作量に応じた強さで球が発射される。
音声ランプ制御装置113は、音声出力装置(図示しないスピーカなど)226における音声の出力、ランプ表示装置(電飾部29〜33、表示ランプ34など)227における点灯および消灯の出力、変動演出(変動表示)や予告演出といった表示制御装置114で行われる第3図柄表示装置81の表示態様の設定などを制御するものである。演算装置であるMPU221は、そのMPU221により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM222と、ワークメモリ等として使用されるRAM223とを有している。
音声ランプ制御装置113のMPU221には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン224を介して入出力ポート225が接続されている。入出力ポート225には、主制御装置110、表示制御装置114、音声出力装置226、ランプ表示装置227、その他装置228、枠ボタン22などがそれぞれ接続されている。その他装置228には、パチンコ機10に設けられる演出用の駆動役物を動作させるための各種駆動モータが含まれる。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から受信した各種のコマンド(変動パターンコマンド、停止種別コマンド等)に基づいて、第3図柄表示装置81の表示態様を決定し、決定した表示態様をコマンド(表示用変動パターンコマンド、表示用停止種別コマンド等)によって表示制御装置114へ通知する。また、音声ランプ制御装置113は、枠ボタン22からの入力を監視し、遊技者によって枠ボタン22が操作された場合は、第3図柄表示装置81で表示されるステージを変更したり、スーパーリーチ時の演出内容を変更したりするように、表示制御装置114へ指示する。ステージが変更される場合は、変更後のステージに応じた後面画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、変更後のステージに関する情報を含めた後面画像変更コマンドを表示制御装置114へ送信する。ここで、後面画像とは、第3図柄表示装置81に表示させる主要な画像である第3図柄の後面側に表示される画像のことである。表示制御装置114は、この音声ランプ制御装置113から送信されるコマンドに従って、第3図柄表示装置81に各種の画像を表示する。
なお、遊技者によって枠ボタン22が操作された場合に、図示しない演出用の役物を駆動させるためにその他装置228へ役物駆動コマンドを送信したり、枠ボタン22への操作内容に対応した音声を音声出力装置226に出力させるための音声出力コマンドを設定したり、枠ボタン22への操作内容に対応した発光態様でランプ表示装置227を発光させるためのランプ出力コマンドを設定したりするように構成しても良い。
また、音声ランプ制御装置113は、表示制御装置114から第3図柄表示装置81の表示内容を表すコマンド(表示コマンド)を受信する。音声ランプ制御装置113では、表示制御装置114から受信した表示コマンドに基づき、第3図柄表示装置81の表示内容に合わせて、その表示内容に対応する音声を音声出力装置226から出力し、また、その表示内容に対応させてランプ表示装置227の点灯および消灯を制御する。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110からのコマンドや、音声ランプ制御装置113に接続された各種装置等の状況に応じてエラーを判定し、そのエラーの種別を含めてエラーコマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114では、受信したエラーコマンドによって示されるエラー種別(例えば、振動エラー)に応じたエラーメッセージ画像を第3図柄表示装置81に遅滞無く表示させる制御が行われる。
ここで、本制御例における音声ランプ制御装置113のMPU221が有するROM222に規定されている内容について説明をする。音声ランプ制御装置113のROM222には、図144(a)に示すように、変動パターン選択テーブル222aと、通常中特図2演出選択テーブル222bと、確変中演出選択テーブル222cと、連続予告実行選択テーブル222dと、V報知実行選択テーブル222eと、ボタン操作時演出選択テーブル222fと、が少なくとも記憶されている。
変動パターン選択テーブル222aは、図示しない変動パターン選択用のカウンタ値に各変動パターンの種別(ど外れ、リーチ外れ、リーチ各種等)の変動パターンがそれぞれ設定されている。音声ランプ制御装置113は、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドが示す変動パターン種別、当否判定結果、取得した選択用のカウンタ値に基づいて、詳細な変動パターンを選択する。これにより、変動時間や変動パターンの種別等の大まかな情報は厳守しつつ、音声ランプ制御装置113が多種多様の変動態様を選択することができる。よって、同じ変動表示態様等が頻繁に表示されることが防止でき、遊技者が早期に飽きてしまう不具合を抑制できる。
なお、本制御例では、実行される特別図柄変動に対応させて第3図柄表示装置81にて第3図柄が横スクロールで変動表示される変動演出(図123参照)が実行される。この変動演出では、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドが示す変動パターン種別、当否判定結果、取得した選択用のカウンタ値に基づいて、詳細な変動パターンが決定されるため、遊技者は、第3図柄表示装置81にて実行される変動演出を視認することで今回の特別図柄変動が大当たり当選しているか否かを予測しながら遊技(特図遊技)を行うことができる。
通常中特図2演出選択テーブル222bは、通常状態が設定されている間に実行された第2特別図柄変動のうち、加算時間が30秒の変動パターンが選択された場合の第3図柄の演出態様を選択する際に参照されるデータテーブルであって、第2特別図柄抽選の抽選結果(当否判定結果)、特図2保留数、特図1保留数、演出カウンタ223fの値に対応させて異なる演出態様(演出内容)が規定されている。
本制御例では、通常状態が設定されている状態において普通図柄抽選で当たり当選すると、電動役物640が5秒間開状態となる普図当たり遊技が実行される。そして、普図当たり遊技中に第2入球口640へと球を入球させることで第2特別図柄抽選を実行させることが可能に構成している。つまり、第2特別図柄抽選が実行され難い遊技状態(通常状態)において、所定の実行条件が成立した場合に(普図当たり当選した場合に)、所定期間の間(普図当たり遊技期間の間)、第2特別図柄抽選の抽選契機(特図2保留球)を獲得し易く(第2入球口640へと球を入球させ易く)することができるように構成している。
通常状態中に実行される第2特別図柄抽選では、通常用テーブル202b1(図142(b)参照)に示した通り、変動時間が「10秒」の変動パターンと、変動時間が「40秒」の変動パターンとが選択可能に構成されており、変動時間が「40秒」の変動パターンが設定されている第2特別図柄抽選が実行される場合に、通常中特図2演出選択テーブル222bを参照して変動演出の演出態様が設定される。
ここで、図145を参照して、通常中特図2演出選択テーブル222bの内容について説明をする。図145は、通常中特図2演出選択テーブル222bの内容を模式的に示した図である。この通常中特図2演出選択テーブル222bは、通常状態が設定されている間に実行された第2特別図柄変動のうち、加算時間が30秒の変動パターンが選択された場合の第3図柄の変動演出の演出態様を選択する際に参照されるデータテーブルであって、第2特別図柄抽選の抽選結果(当否判定結果)、特図2保留数、特図1保留数、演出カウンタ223fの値に対応させて異なる演出態様(演出内容)が規定されている。
通常用テーブル202b1(図142(b)参照)に示した通り、本制御例では、通常状態中に第2特別図柄変動が実行されると、基本時間(10秒)に対応させて、共通の外れリーチ演出が実行され(図125(a)参照)、その後、通常中特図2演出選択テーブル222bを参照して選択された演出内容(演出態様)として疑似変動演出(図125(b)〜126参照)が加算時間(30秒)の間に実行されるように構成している。
具体的には、抽選結果が大当たりであって、特図2保留数が3の場合は、特図1保留数に関わらず取得した演出カウンタ223fの値が「0〜79」の範囲に、変動パターンとして「疑似3演出」が、「80〜99」の範囲に、変動パターンとして「特殊疑似2演出」が規定されており、特図2保留数が2の場合は、特図1保留数に関わらず取得した演出カウンタ223fの値が「0〜99」の範囲に、変動パターンとして「疑似2演出」が、特図2保留数が1の場合は、特図1保留数に関わらず取得した演出カウンタ223fの値が「0〜89」の範囲に、変動パターンとして「疑似1演出」が、「90〜99」の範囲に、変動パターンとして「特殊疑似4演出」が規定されている。
また、抽選結果が大当たりであって、特図2保留数が0の場合は、特図1保留数が1〜4の場合に「特殊終了演出」が、特図1保留数が0の場合に「疑似無し演出」が設定される。
抽選結果が外れである場合には、特図2保留数が3の場合は、特図1保留数に関わらず取得した演出カウンタ223fの値が「0〜99」の範囲に、変動パターンとして「疑似3演出」が規定されており、特図2保留数が2の場合は、特図1保留数に関わらず取得した演出カウンタ223fの値が「0〜99」の範囲に、変動パターンとして「疑似2演出」が、特図2保留数が1の場合は、特図1保留数に関わらず取得した演出カウンタ223fの値が「0〜99」の範囲に、変動パターンとして「疑似1演出」が、特図2保留数が0の場合は、「疑似無し演出」が規定されている。
以上、説明をした通り、本実施形態では、第2特別図柄の疑似変動演出の演出態様を設定する際に、特図2保留数及び特図1保留数の有無を判別し、次に実行される特別図柄抽選に対応する演出態様で疑似変動演出を実行するように構成している。このように構成することで、1の特別図柄変動期間中に実行される疑似変動演出を、あたかも次の特別図柄変動に対応させた変動演出と思わせ易くすることができる。
さらに、疑似変動演出にて実行される疑似変動回数(第3図柄の仮停止回数)が、獲得済みの特図2保留数に対応させた回数となるように構成しているため、通常状態中に実行された普図当たり遊技中に獲得した特図2保留が全て使用されたと思わせることができる。よって、大当たり当選している疑似変動演出が実行された場合は、通常状態中に実行された普図当たり遊技中に多くの特図2保留を獲得した結果として、大当たり当選したと遊技者に思わせることができる。また、外れ当選している疑似変動演出が実行された場合は、特図2保留を全て消化したと思わせた後に、次に特図2保留を用いた変動演出が実行されるため(チャンスゾーンが継続するため)、遊技者に以外性のある演出を提供することができる。
また、本制御例では、大当たり当選した場合にのみ設定される疑似変動演出(特殊疑似2演出、疑似4演出)を設けているため、疑似変動演出にて実行される疑似変動回数と、特図2保留数とに対して遊技者に興味を持たせることができる。
次に、図146を参照して、確変中演出選択テーブル222cの内容について説明をする。図146は、確変中演出選択テーブル222cの内容を模式的に示した模式図である。この確変中演出選択テーブル222cは、確変状態(時短状態)中、即ち、普通図柄の高確率状態中に実行される特別図柄変動の変動パターンとして、基本時間が30秒の変動パターンが選択された場合における変動演出を設定する際に参照されるデータテーブルである。この確変中演出選択テーブル222cは、実行される特別図柄変動に対する変動演出の演出態様を設定する際に参照されるものであり、変動表示設定処理(図182のS4113参照)にて実行される特図1演出態様設定処理(図183のS4903参照)にて、確変状態であることを遊技者に報知する演出モードである「スーパーチャンスモード」中であって(図183のS5005:Yes)、今回実行される変動パターンの変動時間(基本変動時間)が「30秒」である場合(図183のS5007:Yes)、又は、変動表示設定処理(図182のS4113参照)にて実行される特図2演出態様設定処理(図184のS4907参照)にて、確変状態であることを遊技者に報知する演出モードである「スーパーチャンスモード」中であって(図184のS5112:Yes)、今回実行される変動パターンの変動時間(基本変動時間)が「30秒」である場合(図184のS5114:Yes)、に参照される。
本制御例では、普通図柄の高確率状態において第1特別図柄抽選が実行された場合に、第1特別図柄抽選でのみ当選し得る大当たり(通常大当たり遊技が実行される大当たり)に当選したことが、第1特別図柄抽選の抽選結果が停止表示されるよりも前に遊技者が把握してしまう事態が発生することを抑制するために、第1特別図柄抽選で大当たり当選した場合には、通常大当たり遊技が実行される大当たり当選を示すための第3図柄(偶数の数字が付された第3図柄)と、確変大当たり遊技が実行される大当たり当選を示すための第3図柄(奇数の数字が付された第3図柄)と、が何れもリーチ状態となるダブルリーチ演出を実行するように構成している。
さらに、普通図柄の高確率状態である確変状態、或いは、時短状態において、上述したダブルリーチ演出が実行された場合に、実行中の特別図柄抽選が第1特別図柄抽選であることを遊技者に把握させ難くするために、大当たり当選した場合には必ず確変大当たり遊技が実行される第2特別図柄抽選に対応する変動演出においても、上述したダブルリーチ演出を実行するように構成している。また、普通図柄の高確率状態が設定されている状態で実行される第1特別図柄変動と、第2特別図柄変動とは、何れも変動時間が「30秒」の変動パターンを選択可能に構成しており、この「30秒」の変動パターンが選択された場合においてダブルリーチ演出が実行されるように構成している。このように、特別図柄の種別に関わらず、同一の変動時間(30秒)を設定し、同一の変動演出となるダブルリーチ演出を実行するように構成しているため、実行される変動演出によって実行中の特別図柄変動の図柄種別を遊技者に把握されてしまうことを抑制することが出来ると共に、変動演出に用いられる演出データを共通化することにより、パチンコ機10にて実行される各種演出に用いられる演出データの容量を抑えることができる。
図146に示した通り、確変中演出選択テーブル222cには、図柄種別(特別図柄の種別)と、抽選結果(特別図柄抽選の結果)と、演出カウンタ223fの値とに応じて異なる演出態様が規定されている。具体的には、図柄種別が第1特別図柄(特図1)であって、抽選結果が確変大当たり(大当たりA)である場合は、演出カウンタ223fの値が「0〜49」の範囲に「確変シングルリーチ」が、「50〜99」の範囲に「ダブルリーチ」が規定され、通常大当たり(大当たりB)である場合は「ダブルリーチ」が、外れの場合は「非リーチ」が規定されている。
また、図柄種別が第2特別図柄(特図2)であって、抽選結果が確変大当たりである場合は、演出カウンタ223fの値が「0〜49」の範囲に「特殊ダブルリーチ」が、「50〜99」の範囲に「確変ダブルリーチ」が規定され、外れの場合は、演出カウンタ223fの値が「0〜4」の範囲に「ダブルリーチ」が、「5〜10」の範囲に「確変ダブルリーチ」が、「11〜99」の範囲に「非リーチ」が規定されている。
このように構成することで、確変状態において第1特別図柄抽選が実行される場合も、第2特別図柄抽選が実行される場合も「ダブルリーチ」(図131(a)に示した、通常当たりに対応する第3図柄を含む2以上の第3図柄がリーチ状態となるリーチ演出)が実行されることになるため、遊技者に対して、「ダブルリーチ」が実行された場合に、何れの特別図柄抽選に対応する第3図柄変動演出が実行されているのかを分かり難くすることができる。
さらに、「特殊ダブルリーチ」が設定されると、最初に「ダブルリーチ」の演出態様が設定され、その後、図131(b)に示した「確変ダブルリーチ」へと演出態様が可変するリーチ演出が実行される。よって、第1特別図柄抽選に対応して「ダブルリーチ」が実行された場合であっても、途中で「確変ダブルリーチ」へと昇格することを期待させながら遊技を行わせることができる。なお、この「特殊ダブルリーチ」において、リーチ演出の演出態様が可変するタイミングは、中図柄列Z2が1周、或いは2周したタイミングとしているが、これに限ること無く、遊技者が操作ボタン22を操作したタイミングに基づいて演出態様を可変しても良い。
なお、通常状態中に第2特別図柄変動が実行される場合において、変動時間が「10秒(基本時間10秒、加算時間0秒)」の変動パターン(特殊外れ)が選択された場合には、図125(a)に示した外れリーチ演出が実行された後、そのまま外れを示す表示態様で第3図柄が停止表示される。一方、変動時間が「10秒(基本時間10秒、加算時間0秒)」の変動パターン(特殊当たり)が選択された場合には、10秒間の図柄変動の後、大当たり当選を示す表示態様(例えば、「777」)で第3図柄が停止表示される。
このように、通常状態中に実行される第2特別図柄変動に対応する変動演出として、1回の特別図柄変動期間中に擬似的に複数回の変動演出を実行する特殊変動パターンと、1回の特別図柄変動期間中に1回の変動演出を実行する通常変動パターンと、を設けることにより、どのタイミングで新たな第2特別図柄変動が実行されたのかを遊技者に分かり難くすることができるため、チャンスゾーンが継続することを期待しながら遊技を行わせることができる。
また、チャンスゾーン中の実行される変動演出(疑似含む)の回数が多い程、大当たり当選の期待度を高めることができるため、チャンスゾーンが長時間継続することを期待させながら遊技者に遊技を行わせることができる。
加えて、本制御例では、1回の特別図柄変動期間中に擬似的に複数回の変動演出を実行する特殊変動パターンにて実行される1回の疑似変動時間(10秒)と同一時間となるように通常変動パターンの変動時間(10秒)が規定されているため、例えば、特殊変動パターンで実行された第2特別図柄変動の後に、通常変動パターンで実行された第2特別図柄変動が実行された場合に、第3図柄表示装置81の表示面では、10秒間の変動演出が繰り返し実行されることになる。よって、特殊変動パターンとして疑似変動演出が繰り返し実行されているのか、特殊変動パターンと通常変動パターンとが連続して実行されているのかを遊技者に分かり難くすることができる。よって、どのタイミングで新たな第2特別図柄変動が実行されたのかを遊技者に分かり難くすることができるため、チャンスゾーンが継続することを期待しながら遊技を行わせることができる。
なお、本制御例では、通常状態中の第2特別図柄変動として、変動時間が「40」秒の変動パターンが選択された場合に、特殊変動パターンの変動演出を実行するように構成しているが、これに限ること無く、通常状態中に実行される第2特別図柄変動に対応する変動時間として「40秒」以外の変動時間を選択可能に構成しても良い。また、本制御例では、特殊変動パターンの変動演出の一部である疑似変動時間を基本的に10秒で固定し、大当たり期待度が高い場合に、10秒以外の長さで疑似変動演出が実行され易くなるように構成している。このように構成することで、1回の変動演出の実行期間が長くなることを、期待させながら遊技者に遊技を行わせることができる。
図144(a)に戻り、説明を続ける。連続予告実行選択テーブル222dは、主制御装置110側から受信した入賞情報コマンドに含まれる入賞情報(大当たり当選の有無)に基づいて、複数の特別図柄変動の期間を跨いで実行される連続予告演出の実行条件を成立させるか否かを決定する際に参照されるデータテーブルである。ここで連続予告演出の実行条件が成立すると、枠ボタン22への操作を有効に判別する特殊有効時間が設定される。そして、特殊有効時間内に枠ボタン22が操作された場合に、連続予告演出が実行される。
この連続予告演出が実行されると、通常の背景モード(海モード、山モード)とは異なる背景モード(空モード)へと移行し、実行条件の成立対象となった入賞情報に対応する特別図柄抽選の結果が表示されるまでの期間を用いた連続演出が実行される。詳細な説明は後述するが、本実施形態では、普通図柄の高確率状態が設定されている期間のうち、高速変動期間(普通図柄の高確率状態が設定されてから、20回目の特別図柄変動が実行されるまでの期間)中は、他の期間に比べて枠ボタン22への操作に基づいて背景モードが移行し難くなるように構成している。そのような高速変動期間中であっても、枠ボタン22を操作することにより背景モードを移行させることができるため、遊技者に対して意欲的に枠ボタン22を操作させることができる。
また、通常の背景モード移行とは異なり、大当たり当選の期待度を高めた背景モード移行を実行させることができるため、演出効果を高めることができる。さらに、高速変動期間中は、他の期間に比べて特別図柄変動の変動時間が短くなり易いため、他の期間のように背景モードを移行させてしまうと、肝心な特別図柄抽選の結果を見逃してしまう虞があることから、背景モード移行し難くなるように構成している。しかしながら、連続予告演出が実行されることに基づいて背景モード移行する場合には、複数回の特別図柄変動の変動時間を用いた連続予告演出が実行されるため、背景モード移行後に即座に連続予告演出の演出結果が表示されることが無い。よって、背景モード移行を実行したとしても、遊技者に分かり易い演出を提供することができる。
さらに、本制御例では、高速変動期間中に枠ボタン22を操作した場合に、背景モード移行以外の演出(操作演出)を実行可能にし、高速変動期間中であっても、遊技者に意欲的に枠ボタン22を操作させることで遊技に早期に飽きてしまうことを抑制するように構成している。その中で、連続予告演出の実行条件が成立したことに基づいて背景モード移行が実行されることにより、遊技者に対して意外性のある演出を提供することができ、遊技の興趣を向上させることができる。
ここで、図147(a)を参照して、連続予告実行選択テーブル222dの内容について説明する。図147(a)は、連続予告実行選択テーブル222dの内容を模式的に示した模式図である。図147(a)に示した通り、連続予告実行選択テーブル222dには、受信した入賞情報に含まれる抽選結果(特別図柄の抽選結果)と、特図2保留数(第2特別図柄の保留球数)と、取得した演出カウンタ223fの値と、に対応させて、連続予告演出の実行条件を成立させるか否かが規定されている。
具体的には、抽選結果が「大当たり」で、特図2保留数が「3」であって、取得した演出カウンタ223fの値が「0〜79」の範囲には、連続予告演出の実行条件が成立する「連続予告有」が、「80〜198」の範囲には、連続予告演出の実行条件が成立しない「連続予告無」が規定されている。また、特図2保留数が「4」であって、取得した演出カウンタ223fの値が「0〜149」の範囲には、連続予告演出の実行条件が成立する「連続予告有」が、「150〜198」の範囲には、連続予告演出の実行条件が成立しない「連続予告無」が規定されている。
一方、抽選結果が「外れ」で、特図2保留数が「3」であって、取得した演出カウンタ223fの値が「0〜194」の範囲には、連続予告演出の実行条件が成立しない「連続予告無」が、「195〜198」の範囲には、連続予告演出の実行条件が成立する「連続予告有」が規定されている。また、特図2保留数が「4」であって、取得した演出カウンタ223fの値が「0〜189」の範囲には、連続予告演出の実行条件が成立しない「連続予告無」が、「190〜198」の範囲には、連続予告演出の実行条件が成立する「連続予告有」が規定されている。
上述した通り、本制御例では、特図2保留数が多いほど、連続予告演出の実行条件が成立し易く、さらに、特別図柄の抽選結果が大当たりである場合のほうが、外れである場合よりも連続予告演出の実行条件が成立し易くなるように構成している。このように構成することで、遊技者に対して連続予告演出を実行させようと意欲的に遊技(第2入球口640へと球を入球させる遊技)を行わせることができ、パチンコ機10の稼働を高めることができる。加えて、特図2保留数が多い程、連続予告演出の実行条件が成立した場合における大当たり期待度が高くなるように構成している。よって、大当たり期待度の高い連続予告演出を実行させるために、意欲的に遊技(第2入球口640へと球を入球させる遊技)を行わせることができ、パチンコ機10の稼働を高めることができる。
本制御例では、主制御装置110側から入賞情報コマンド(特別図柄に対する入賞情報コマンド)を受信した場合に、連続予告実行選択テーブル222dを参照して、連続予告演出の実行条件の成立の有無のみを判定(決定)するように構成しており、連続予告演出の実行条件が成立した場合であっても、その時点で連続予告演出が実行されず、実行条件が成立した後、特定の期間内にて枠ボタン22を操作した場合に連続予告演出が実行されるように構成している。これにより、1回の特別図柄変動期間中に第2入球口640へと球が複数入球し、複数の入賞情報コマンドを受信した場合には、実行条件の成立対象となる入賞情報を遊技者に分かり難くすることができる。よって、連続予告演出が実行された場合に、その連続予告演出がいつまで継続するのかを遊技者に分かり難くすることができ、連続予告演出の演出内容が単調になることを抑制することができる。
なお、本制御例では、上述した通り、連続予告演出の実行条件が成立したことを遊技者に報知(示唆)しないように構成しているが、これに限ること無く、実行条件が成立したことを遊技者に報知(示唆)するための報知(示唆)演出を実行するように構成しても良く、例えば、副表示領域Dsに「待機中」の文字を表示することで、連続予告演出の実行条件が成立したことを遊技者に報知(示唆)するように構成しても良い。このように構成することで報知(示唆)演出が実行された場合に、連続予告演出を実行させようと意欲的に枠ボタン22を操作させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、本制御例では、図129(a)に示した通り、遊技者による枠ボタン22への操作を有効に判別する有効期間が設定されていることを(有効期間中であることを)遊技者に報知可能な有効期間報知態様として、主表示領域Dmの右側下方に枠ボタン22を模したアイコンHR10を表示するように構成しているが、連続予告演出の実行条件が成立した場合に設定される特殊有効時間が設定されているのか、通常の有効時間が設定されているのかを、アイコンHR10の表示態様からは判別できない(し難い)ように構成している。このように構成することで、遊技者は、枠ボタン22を操作するまで連続予告演出が実行されるのか、通常の操作演出が実行されるのかが分からないため、連続予告演出を実行させようと枠ボタン22を意欲的に操作させることができる。
なお、本制御例の構成とは異なり、アイコンHR10の表示態様によって、現在設定されている有効期間が特殊有効時間であるか、通常有効時間であるかを遊技者が判別可能となるように構成しても良いし、アイコンHR10が第3図柄表示装置81の表示面に表示される表示タイミングによって現在設定されている有効期間が特殊有効時間であるか、通常有効時間であるかを判別させるように構成しても良い。また、特殊有効時間が設定される期間を、通常有効時間が設定される期間(例えば、特別図柄変動が開始されてから3秒間)とは異ならせ、さらに、特殊有効時間が設定されていることを遊技者に報知(示唆)しないように構成しても良い。このように構成することで、遊技者に対してどのタイミングで枠ボタン22を操作したら連続予告演出が実行されるのかを分かり難くすることができるため、遊技者に対して意欲的に枠ボタン22を操作させることができる。同様に、特殊有効時間が設定されていることを遊技者に報知(示唆)しないように構成した場合において、連続予告演出の実行条件が成立していることを報知(示唆)する演出(例えば、副表示領域Dsに「待機中」の文字を表示)のみ実行可能に構成しても良い。これにより、連続予告演出の実行条件が成立していない状態で無駄に枠ボタン22を操作させてしまうことを抑制することができる。加えて、連続予告演出の実行条件が成立している状態であって、特殊有効時間外に枠ボタン22を操作した場合に、現在が特殊有効時間外であることを遊技者に報知するための報知表示(例えば、副表示領域Dsに「今じゃない」の表示)を実行しても良いし、特殊有効時間を案内するための案内表示(例えば、副表示領域Dsに「2秒後にもう一度押してね」の表示)を実行しても良い。
また、本制御例では、第2特別図柄に対する入賞情報が含まれる入賞情報コマンドを受信した場合に、連続予告演出テーブル222dを参照して、連続予告演出の実行条件を成立させるための処理を実行するが、これに限ること無く、第1特別図柄に対する入賞情報が含まれる入賞情報コマンドを受信した場合にも連続予告演出の実行条件が成立するように構成しても良い。
図144に戻り説明をする。V報知実行選択テーブル222eは、大当たり遊技中にV報知演出を実行するか否かを決定する際に参照されるデータテーブルである。本制御例では、大当たり遊技中に開放動作される可変入賞装置65内に特定領域(Vゲート)65vを設けており、可変入賞装置65内に入賞した球が特定領域(Vゲート)65vを通過すると、大当たり遊技終了後に特別図柄の高確率状態(確変状態)が設定されるように構成している。そして、実行される大当たり遊技の種別に応じて、大当たり遊技中に球が特定領域(Vゲート)65vを通過し易い大当たり遊技(確変大当たり遊技)と、その確変大当たり遊技よりも、大当たり遊技中に球が特定領域(Vゲート)65vを通過し難い大当たり遊技(通常大当たり遊技)と、を実行可能に構成している。
具体的には、図120(b)に示した通り、可変入賞装置65内に切替弁65yを設け、切替弁65yの配置状況によって可変入賞装置65内に流入した球が、特定領域(Vゲート)65vを通過不可能(困難)な第3流路65e3と、特定領域(Vゲート)65vを通過可能な第4流路65e4とに振り分けられるように構成している。この切替弁65yは、確変大当たり遊技が実行された場合の1ラウンド目のラウンド遊技中にのみ球を第4流路65e4へと振り分け可能な配置状況へと切り替わるように駆動制御される。
V報知演出は、大当たり遊技を実行している遊技者に対して、球が特定領域(Vゲート)65vを通過可能な期間(V期間)、及び、特定領域(Vゲート)65vを狙うための遊技方法を案内するV案内演出と、現在がV期間であることを報知するV期間演出と、V期間中に球が特定領域(Vゲート)65vを通過したことを報知するV成功演出と、V期間中に球が特定領域(Vゲート)65vを通過しなかったことを報知するV失敗演出と、を実行可能な演出である。このV報知演出を実行することにより、確変大当たり遊技が実行された場合において、特定領域(Vゲート)65vに球を通過させるための遊技を容易に行わせることができると共に、特定領域(Vゲート)65vを球が通過したことが遊技者に報知されるため、大当たり遊技終了後に確変状態が設定されることを遊技者に分かり易く報知することができる。
ここで、本制御例では、通常大当たり遊技が実行された後には、時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)が設定されるように構成しており、時短状態が設定された場合には、演出モードとして「チャンスモード」が設定されるように構成している(図134参照)。さらに、大当たり遊技の終了後に確変状態が設定される場合の一部においても「チャンスモード」が設定されるように構成している。これにより、大当たり遊技終了後に「チャンスモード」が設定された場合であっても、内部的には確変状態が設定されている可能性を残すことができるため、遊技者に確変状態であることを期待させながら遊技を行わせることができる。しかしながら、大当たり遊技中にV報知演出が実行されてしまうと、大当たり遊技中に球が特定領域(Vゲート)65vを通過したか否かを大当たり遊技中に容易に把握できてしまうため、ひいては、球が特定領域(Vゲート)65vを通過したにも関わらず、大当たり遊技終了後に「チャンスモード」が設定されてしまうと、確変状態が消滅したと不信感を持たれてしまうという問題があった。特に、本制御例のように確変状態を終了させるための確変終了条件として、特別図柄変動が50回実行された場合に成立する確変終了条件を有するパチンコ機10においては、特別図柄抽選で大当たり当選することなく確変状態が終了してしまうため、特定領域(Vゲート)65vを球が通過したにも関わらず、確変状態が設定されなかったと強く思われてしまう虞があった。
そこで、本制御例では、大当たり遊技中にV報知演出を実行するか否かを決定する処理を実行し、その処理結果に基づいて大当たり遊技中のV報知演出の有無を決定する。そして、V報知演出を実行しない大当たり遊技中にて、球が特定領域(Vゲート)65vを通過した場合(大当たり遊技終了後に確変状態が設定される場合)に、その大当たり遊技終了後に「チャンスモード」を設定するように構成している。このように構成することで、内部的に確変状態が設定されているか否かを遊技者が判別することが困難となるため、「チャンスモード」を遊技している遊技者に対して不信感を与えること無く、確変状態が設定されていることを期待させながら遊技を行わせることができる。
ここで、図147(b)を参照して、V報知実行選択テーブル222eの内容について説明をする。図147(b)は、V報知実行選択テーブル222eに規定されている内容を模式的に示した模式図である。このV報知実行選択テーブル222eは、音声ランプ制御装置113のメイン処理(図174参照)にて実行される大当たり関連処理(図180のS4218参照)において、確変大当たり遊技を開始するタイミングであると判別された場合に(図180のS4701:Yes)、今回の大当たり遊技中にV報知演出を実行するか否かを決定する際に参照される(図180のS4704)。
図147(b)に示した通り、V報知実行選択テーブル222eには、今回実行される大当たり遊技に対応する大当たり種別(大当たり当選した大当たり種別)と、取得した演出カウンタ223fの値とに対応させてV報知有無(V報知演出を実行するか否かの判定結果)が規定されている。具体的には、大当たり種別が「大当たりA」であって、取得した演出カウンタ223fの値が「0〜149」の範囲には、V報知演出を実行することを示す「V報知有」が、「150〜198」の範囲には、V報知演出を実行しないことを示す「V報知無」が規定されている。また、大当たり種別が「大当たりC,D,E」であって、取得した演出カウンタ223fの値が「0〜189」の範囲には、「V報知有」が、「190〜198」の範囲には、「V報知無」が規定されている。
第1特別図柄抽選で大当たり当選し、確変大当たり遊技が実行される大当たり種別「大当たりA」が設定された場合には、約75%の割合でV報知演出が実行される。ここで、第1特別図柄抽選で大当たり当選した場合には、50%が確変大当たり遊技(「大当たりA」)となり、残りの50%が通常大当たり遊技(「大当たりB」)となるように構成されている。よって、第1特別図柄抽選で大当たり当選した場合の約37.5%の割合で大当たり遊技中にV報知演出が実行され、約62.5%の割合で大当たり遊技中にV報知演出を実行報知演出が実行されないことになる。また、V報知演出が実行されなかった場合のうち、確変大当たり遊技が実行されている割合が約20%となるように構成されている。
一方、第2特別図柄抽選で大当たり当選し、確変大当たり遊技が実行される大当たり種別「大当たりC,D,E」が設定された場合には、約90%の割合でV報知演出が実行される。ここで、第2特別図柄抽選で大当たり当選した場合は、必ず確変大当たり遊技(「大当たりC,D,E」)となるように構成されている。よって、実際には第2特別図柄抽選で大当たり当選した場合の約10%の割合でV報知演出が実行されない大当たり遊技が実行されることになる。このように、必ず確変大当たり遊技が実行される第2特別図柄抽選による大当たり当選に対してもV報知演出を実行しない場合を設けることにより、V報知演出が実行されなった場合、即ち、大当たり遊技終了後に「チャンスモード」が設定された場合において、遊技状態が確変状態である割合を高めることができる。
また、上述した通り、第1特別図柄抽選で確変大当たり遊技が実行される大当たり(「大当たりA」)に当選した場合と、第2特別図柄抽選で確変大当たり遊技が実行される大当たり(「大当たりC,D,E」)に当選した場合とで、V報知演出が実行される割合を異ならせている。具体的には、実際に確変大当たり遊技が実行され易い第2特別図柄抽選よりも、確変大当たり遊技が実行され難い第1特別図柄抽選のほうが、確変大当たり遊技が実行される場合において、V報知演出が実行され難くなるように構成している。このように構成することで、第1特別図柄抽選で大当たりに当選した場合に、その大当たり遊技中にV報知演出が実行されない頻度を高めることができるため、通常大当たり遊技が実行され得る第1特別図柄抽選に基づく大当たり遊技の終了後に「チャンスモード」が設定された場合にも遊技者に期待感を持たせ易くすることができる。
なお、本制御例では、図147(b)に示した通り、V報知演出の実行割合を、大当たり種別に応じて異ならせているが、それ以外の要素に応じてV報知演出の実行割合を異ならせても良く、例えば、大当たり当選した時点における遊技状態に応じてV報知演出の実行割合を異ならせたり、通常状態へ移行すること無く大当たり当選した回数(所謂、連荘回数)に応じてV報知演出の実行割合を異ならせたり、遊技者が枠ボタン22を操作した操作結果に応じてV報知演出の実行割合を異ならせても良い。このように様々な条件に応じてV報知演出の実行割合を異ならせることで、見た目上の確変割合(大当たり当選全体におけるV報知演出が実行される割合)を複数設定することができるため、遊技の興趣を向上させることができる。
本制御例では、確変大当たり遊技が実行される場合、即ち、特定領域(Vゲート)65vに球を通過させることが可能な大当たり遊技が実行される場合にのみ、上述したV報知演出を実行可能に構成しているが、これに限ること無く、通常大当たり遊技が実行される場合にもV報知演出を実行可能に構成しても良い。この場合、確変大当たり遊技にてV期間(特定領域(Vゲート)65vに球を通過させることが可能な期間)が設定されるタイミング(1ラウンド目のラウンド遊技が実行されるタイミング)に合わせてV報知演出を実行し、最終的にV期間中に球が特定領域(Vゲート)65vを通過しなかったことを報知するV失敗演出を実行するように構成すれば良い。さらに、大当たり遊技中に正常に遊技を行ったにも関わらず、V失敗演出が実行されるように構成した場合には、例えば、確変大当たり遊技にて特定領域(Vゲート)65vに球を通過させたにも関わらずV失敗演出を実行し、大当たり遊技終了後に「チャンスモード」を設定するように構成しても良い。
また、本制御例では、第1特別図柄抽選で大当たり当選した場合も、第2特別図柄抽選で大当たり当選した場合も、確変大当たり遊技中にV報知演出を実行しないパターンを設定可能に構成しているが、これに限ること無く、例えば、大当たり当選した場合には必ず確変大当たり遊技が実行される第2特別図柄抽選で大当たり当選した場合には必ずV報知演出を実行するように構成しても良い。
図144(a)に戻り、説明を続ける。ボタン操作時演出選択テーブル222fは、演出モードとして「チャンスモード」が設定されている場合に、遊技者が操作手段である枠ボタン22を操作したことに基づいて実行される操作演出の演出態様を決定する際に参照されるデータテーブルであって、音声ランプ制御装置113のメイン処理(図174参照)にて実行される枠ボタン入力監視・演出処理(図186のS4107参照)にて、チャンスモード中に枠ボタン22に対して有効な操作が実行されたと判別された場合に(図186のS5314:Yes)、参照される(図186のS5315参照)。このように、遊技者が枠ボタン22を操作した場合に実行される操作演出の演出態様を、ボタン操作時演出選択テーブル222fを参照して可変させることにより、遊技者に対してバリエーションに富んだ操作演出を提供することができる。
ここで、図148(a)を参照して、ボタン操作時演出選択テーブル222fの内容について説明をする。図148(a)は、ボタン操作時演出選択テーブル222fに規定されている内容を模式的に示した模式図である。図148(a)に示した通り、ボタン操作時演出選択テーブル222fには、時短状態が設定されている場合に参照される時短状態選択テーブル222f1と、確変状態が設定されている場合に参照される確変状態選択テーブル223f2と、が規定されている。
本制御例では、時短状態が設定される場合と、確変状態が設定される場合の一部において、演出モードとして「チャンスモード」が設定されるように構成されている。そして、設定されている遊技状態に関わらず、「チャンスモード」中は共通の変動演出が実行されるように構成されている。さらに、確変状態が設定されている場合と、時短状態が設定されている場合とで、同一の変動パターンテーブル(確変・時短用テーブル202b2)を参照して変動パターン(変動時間)が選択されるように構成されている。これにより、「チャンスモード」中に実行される特別図柄変動、及び、その特別図柄変動に対応して実行される第3図柄の変動演出からは、現在設定されている遊技状態が確変状態であるか時短状態であるかを把握し難くすることができるため、遊技者に対して現在が確変状態であることを期待させながら遊技を行わせることができる。
しかしながら、「チャンスモード」を遊技している遊技者に対して、現在設定されている遊技状態を示唆可能な情報を提供しないと、「チャンスモード」中の遊技に早期に飽きてしまうという問題があった。そこで、本制御例では、「チャンスモード」中に複数種類の操作演出を実行可能に構成し、設定されている遊技状態に応じて、各操作演出の実行割合を異ならせるように構成している。つまり、実行され得る操作演出の種類は同一だが、各操作演出が選択される割合を異ならせることにより、実際に実行される複数の操作演出に基づいて現在の遊技状態を予測することができるように構成している。これにより、遊技者に対して遊技状態を予測する楽しみを提供することができる。
なお、通常状態が設定されている場合に実行される操作演出の演出態様や、確変状態が設定されていることを報知する演出モードである「スーパーチャンスモード」中に実行される操作演出の演出態様や、変動演出の一環として実行される操作演出の演出態様についても同様に複数種類の演出態様のうち、何れかの演出態様を決定して実行するように構成しているが、その詳細な説明は省略する。
次に、図148(b)を参照して、操作時演出選択テーブル222fに規定されている時短状態選択テーブル223f1の内容について説明をする。図148(b)は、時短状態選択テーブル223f1の内容を模式的に示した模式図である。この時短状態選択テーブル223f1は、時短状態が設定されている「チャンスモード」中における操作演出の演出態様を決定する際に参照されるデータテーブルであって、枠ボタン22が操作されたタイミングと、遊技者が枠ボタン22に対して実行した操作方法の種別と、取得した演出カウンタ223fの値とに応じて異なる操作演出の演出態様が規定されている。
具体的には、図148(b)に示した通り、操作タイミングが高速変動期間(第1期間)中で、操作方法が「通常押し」であって、取得した演出カウンタ223fの値が「0〜149」の範囲には、操作演出が実行されないことを示す「無」が、「150〜189」の範囲には、実行中の変動演出がリーチ状態となるか否かを、第3図柄変動中に示唆する演出を示す「リーチ示唆」が、「190〜198」の範囲には、現在設定されている遊技状態を示唆するための演出を示す「状態示唆」が規定されている。また、操作方法が「長押し」の場合には、取得した演出カウンタ223fの値が「0〜198」の範囲に、背景モードを移行されることを示す「背景モード移行」が規定されている。
ここで、本制御例では、遊技者が枠ボタン22に対して実行可能な操作方法が複数設定されており、枠ボタン22を押下した状態が2秒未満である場合に判定される「通常押し」と、枠ボタン22を押下した状態が2秒以上継続した場合に判定される「長押し」と、が設定されている。そして、遊技者の操作方法に応じて異なる操作演出が実行されるように構成している。これにより、遊技者が任意に操作方法を選択することで様々な操作演出を実行することができる。よって、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することが出来る。
なお、本制御例では、遊技者が操作可能な操作方法として、上述した2種類の操作方法を用いているが、これに限ること無く、例えば、パチンコ機10に枠ボタン22以外の操作手段(例えば、第2枠ボタン)を設け、遊技者が押下した枠ボタンの種類に応じて異なる操作演出が選択されるように構成しても良いし、所定期間(例えば、2秒間)の間に、複数の操作手段に対して実行された操作の順序に対応させて複数の操作方法を設定するように構成しても良い。さらに、遊技者が枠ボタン22を押下した時点で「通常押し」と判定し、その後、その押下状態が所定期間(例えば、2秒)継続した場合に、「長押し」と追加判定することで、「長押し」専用の操作演出を実行するように構成しても良い。
さらに、遊技者が操作可能な操作手段として、遊技者が押下可能な枠ボタン22の構成以外に、遊技者が上下左右方向に傾倒操作可能なレバー部材や、遊技者が回動操作可能な回動部材から成る操作手段を設けても良い。また、遊技者が部材を直接操作するのでは無く、所定の検知領域を有する近接センサを設け、その検知領域内に進入させた手を近接センサに検知させることで所定の操作を実行したと判定可能な操作手段(例えば、タッチセンサ等)を設けても良く、遊技者が任意に所定の操作を実行可能であって、その操作内容に応じて異なる操作方法を選択できるものであれば良い。
また、本制御例では、「通常押し」と、「長押し」の2種類の操作方法を有する構成について説明をしたが、これに限ること無く、3種類以上の操作方法を設けても良いし、操作方法を1種類しか設けなくても良い。ここで、操作方法を1種類しか設けない場合には、当該操作が実行される間隔に応じて異なる操作演出が実行されるように構成しても良い。これにより、操作方法自体は1種類であっても、様々な操作演出を遊技者に選択させることが可能となる。
図148(b)に戻り、時短状態選択テーブル223f1の内容の説明を続ける。操作タイミングが通常時短変動期間(第2期間)中で、操作方法が「通常押し」であって、取得した演出カウンタ223fの値が「0〜198」の範囲には、背景モードを移行されることを示す「背景モード移行」が規定されている。また、操作方法が「長押し」の場合には、取得した演出カウンタ223fの値が「0〜198」の範囲に、現在設定されている遊技状態を示唆するための演出を示す「状態示唆」が規定されている。
そして、操作タイミングが特定期間(50回目の特別図柄変動中)の場合、操作方法、及び取得した演出カウンタ223fの値に関わらず、操作演出が実行されないように構成されている。最後に、操作タイミングが通常時短変動期間(第3期間)中で、操作方法が「通常押し」であって、取得した演出カウンタ223fの値が「0〜198」の範囲には、背景モードを移行されることを示す「背景モード移行」が規定されている。また、操作方法が「長押し」の場合には、取得した演出カウンタ223fの値が「0〜198」の範囲に、過去(「チャンスモード」が設定された時点(大当たり遊技終了後))に設定されていた遊技状態を示唆するための演出を示す「過去状態示唆」が規定されている。
次に、図149を参照して、操作時演出選択テーブル222fに規定されている確変状態選択テーブル223f2の内容について説明をする。図149は、確変状態選択テーブル223f2の内容を模式的に示した模式図である。この確変状態選択テーブル223f2は、確変状態が設定されている「チャンスモード」中における操作演出の演出態様を決定する際に参照されるデータテーブルであって、枠ボタン22が操作されたタイミングと、遊技者が枠ボタン22に対して実行した操作方法の種別と、取得した演出カウンタ223fの値とに応じて異なる操作演出の演出態様が規定されている。
具体的には、図149に示した通り、操作タイミングが高速変動期間(第1期間)中で、操作方法が「通常押し」であって、取得した演出カウンタ223fの値が「0〜119」の範囲には、操作演出が実行されないことを示す「無」が、「120〜139」の範囲には、実行中の変動演出がリーチ状態となるか否かを、第3図柄変動中に示唆する演出を示す「リーチ示唆」が、「140〜189」の範囲には、現在設定されている遊技状態を示唆するための演出を示す「状態示唆」、「190〜198」の範囲は、背景モードを移行することを示す「背景モード移行」が規定されている。また、操作方法が「長押し」の場合には、取得した演出カウンタ223fの値が「0〜198」の範囲に、背景モードを移行されることを示す「背景モード移行」が規定されている。
また、操作タイミングが通常時短変動期間(第2期間)中で、操作方法が「通常押し」であって、取得した演出カウンタ223fの値が「0〜169」の範囲には、背景モードを移行されることを示す「背景モード移行」が、「170〜198」の範囲には、現在設定されている遊技状態を示唆するための演出を示す「状態示唆」が規定されている。また、操作方法が「長押し」の場合には、取得した演出カウンタ223fの値が「0〜198」の範囲に、現在設定されている遊技状態を示唆するための演出を示す「状態示唆」が規定されている。
そして、操作タイミングが特定期間(50回目の特別図柄変動中)の場合、操作方法、及び取得した演出カウンタ223fの値に関わらず、操作演出が実行されないように構成されている。最後に、操作タイミングが通常時短変動期間(第3期間)中で、操作方法が「通常押し」であって、取得した演出カウンタ223fの値が「0〜198」の範囲には、背景モードを移行されることを示す「背景モード移行」が規定されている。また、操作方法が「長押し」の場合には、取得した演出カウンタ223fの値が「0〜198」の範囲に、過去(「チャンスモード」が設定された時点(大当たり遊技終了後))に設定されていた遊技状態を示唆するための演出を示す「過去状態示唆」が規定されている。
以上、説明をした通り、大当たり遊技終了後の演出モードとして「チャンスモード」が設定された場合には、時短状態である場合と、確変状態である場合と、で異なるデータテーブルを参照して操作演出の演出態様が選択されるように構成しており、設定されている遊技状態に応じて各演出態様が選択される割合を異ならせている。よって、実行される操作演出の演出態様に基づいて現在設定されている遊技状態を遊技者に予測させることが可能となるため、遊技者に意欲的に枠ボタン22を操作させることができる。
また、特定の操作タイミングにおいて、演出モードとして「チャンスモード」が設定され得る複数の遊技状態(確変状態、時短状態)のうち、遊技者に有利となる有利遊技状態(確変状態)が設定されている場合に実行され易い演出態様(有利演出態様)として、例えば、「第1期間」中の「通常押し」により実行される「状態示唆」の操作演出を設けているため、「第1期間」中の「通常押し」により「状態示唆」の操作演出が実行された場合に、有利遊技状態が設定されているのでは?と期待感を持たせながら遊技を行わせることができる。
さらに、「第1期間」中に操作演出を複数回実行可能に構成しているため、「第1期間」中に上述した有利演出態様で操作演出が実行された回数が増加すればするほど、有利遊技状態が設定されている期待度を高めることができるため、遊技者により意欲的に枠ボタン22を操作させることができる。
加えて、特定の操作タイミングにおいて、演出モードとして「チャンスモード」が設定され得る複数の遊技状態(確変状態、時短状態)のうち、遊技者に有利となる有利遊技状態(確変状態)が設定されている場合にのみ実行される演出態様(確定演出態様)として、例えば、「第1期間」中の「通常押し」により実行される「背景モード移行」の操作演出を設けているため、「第1期間」中の「通常押し」により「背景モード移行」の操作演出が実行された場合に、有利遊技状態が設定されていることを把握することができる。
また、上述した有利演出態様や、確定演出態様として、他の条件下(例えば、「第2期間」中の「通常押し」)において選択され得る演出態様を用いている。より詳細には、「状態示唆」の演出態様は、「第1期間」中の「通常押し」により実行された場合には、確変状態が設定されている期待度が高くなり、「第2期間」中の「通常押し」により実行された場合には、時短状態が設定されている期待度が高くなるように構成している。このように構成することで、遊技者に対して、「チャンスモード」が設定されているどの期間中にどの演出態様で操作演出が実行されたのかを分析しながら遊技を行わせる楽しみを提供することができる。
以上、図148、及び図149を参照して、遊技者が操作手段(枠ボタン22)を操作した場合に、選択され得る操作演出の演出態様の内容、及び、選択される際に参照されるデータテーブル(ボタン操作時演出選択テーブル222f)の内容について説明をしたが、本第1制御例では、設定されている遊技状態に応じて異なるデータテーブルを参照するように構成している。そして、各データテーブルには、同一の演出態様が、選択割合を異ならせて規定されている。これにより、実行される操作演出の演出態様だけでは現在の遊技状態を遊技者に把握させ難くし、複数回の操作演出を実行することより、各演出態様の選択割合を把握することで現在の遊技状態を把握可能にすることができる。よって、遊技者に対して操作演出を複数回実行させようと意欲的に遊技を行わせることができる。
なお、本制御例では、設定されている遊技状態に応じて異なるデータテーブルを参照するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、現在設定されている遊技状態と、現在設定されている演出モードと、に基づいて、異なるデータテーブルを参照して操作演出の演出態様を選択するように構成しても良い。これにより、確変状態が設定されている場合において、演出モードとして「スーパーチャンスモード」が設定されている場合と、「チャンスモード」が設定されている場合とで、異なる操作演出を実行することができる。
ここで、演出モードとして「スーパーチャンスモード」が設定されている場合には、例えば、現在の遊技状態が設定されていることを示唆する演出態様である「状態示唆」を実行する必要が無いため、代わりに、「リーチ示唆」の演出態様や、入賞情報格納エリア223bに格納されている入賞情報に特定の抽選結果(大当たり当選や、所定時間以上の変動時間が設定される変動パターン)を示す情報が含まれているか否かを示唆する「先読み示唆」の演出態様を規定すると良い。これにより、「スーパーチャンスモード」が設定されている状態においても、遊技者に操作演出を意欲的に実行させることができる。
さらに、操作演出の演出態様を選択するためのデータテーブル(ボタン操作時演出選択テーブル222f)の種別を、大当たり当選時の遊技状態や、大当たり種別(特別図柄の停止表示態様)、第3図柄表示装置81の表示面に表示された第3図柄の停止表示態様、或いは、大当たり遊技中におけるV入賞の有無に応じて異ならせるように構成しても良い。
この場合、例えば、遊技状態として時短状態が設定され、且つ、演出モードとして「チャンスモード」が設定される場合において、通常大当たり遊技の終了後に「チャンスモード」が設定される場合と、確変大当たり遊技中に球をV入賞させることができず、その大当たり遊技終了後に「チャンスモード」が設定される場合と、で「チャンスモード」中に実行される操作演出の演出態様を異ならせることができる。具体的には、確変の大当たり遊技終了後に時短状態が設定された「チャンスモード」中には、前回の大当たり遊技が確変大当たり遊技であったことを示唆する「過去大当たり種別示唆」の演出態様を規定すると良い。これにより、実際には時短状態が設定されているにも関わらず、確変状態が設定されているのではと遊技者に思わせることができる。また、前回の大当たり遊技が確変大当たり遊技であったにも関わらず、V入賞させることができなかったことを報知する「過去遊技履歴報知」の演出態様を規定しても良い。これにより、今後実行する遊技の内容を改め易くすることができる。
次に、図144(b)を参照して、音声ランプ制御装置113のMPU221のRAM223について説明する。図144(b)に示すように、音声ランプ制御装置113のRAM223には、コマンド記憶領域223a、入賞情報格納エリア223b、特別図柄保留球数カウンタ223c、特図変動開始フラグ223d、停止種別選択フラグ223e、演出カウンタ223f、従状態設定エリア223g、普通図柄保留球数カウンタ223h、特殊演出中フラグ223i、V入賞フラグ223j、V演出実行フラグ223k、V報知フラグ223m、時短中カウンタ223n、特殊連続予告フラグ223o、演出モード記憶エリア223p、連続予告実行中フラグ223q、SW有効時間カウンタ223r、特殊有効時間カウンタ223s、操作中カウンタ223t、その他メモリエリア223zが少なくとも設けられている。
コマンド記憶領域223aは、主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ出力された各種コマンドがそのコマンドに対する処理が実行されるまで一時的に記憶され領域である。詳細には、リングバッファで構成され、FIFO(First In First Out)方式によってデータの読み書きが行われる。音声ランプ処理装置113のコマンド判定処理(図61参照)が実行されると、コマンド記憶領域223aに記憶された未処理のコマンドのうち、最初に格納されたコマンドが読み出され、コマンド判定処理によって、そのコマンドが解析されて、そのコマンドに応じた処理が行われる。
入賞情報格納エリア223bは、1つの実行エリアと、4つの保留エリア(第1エリア〜第4エリア)とを特別図柄に対して有しており、これらの各エリアには、主制御装置110から出力された入賞情報コマンドに含まれる入賞情報が第1エリアから順に格納される。この入賞情報格納エリア223aに格納される情報により、保留球の抽選結果等が変動開始前に音声ランプ制御装置113により判別できる。
本制御例では、第1特別図柄の保留球を最大で4個、第2特別図柄の保留球を最大で4個、それぞれ保留記憶可能に構成しているため、入賞情報格納エリア223bには、第1特別図柄用の4つの保留エリアと、第2特別図柄用の4つの保留エリアとが形成される。なお、本制御例では、第1特別図柄の抽選と第2特別図柄の抽選とは同時に実行されないように構成しており、第1特別図柄の保留球と、第2特別図柄の保留球とをともに有している状態で新たな特別図柄抽選を実行する場合には、第2特別図柄の保留エリアのうち、最古に記憶された入賞情報(第1エリアに記憶された入賞情報)が実行エリアへと移行するように構成されている。そして、第2エリア〜第4エリアに格納されている各入賞情報が1つ若い番号の保留エリアへとシフトするように構成されている。即ち、本制御例のパチンコ機10は、第2特別図柄抽選が第1特別図柄抽選よりも優先して実行されるように構成されている。
なお、本制御例のパチンコ機10とは異なり、例えば、特別図柄の種別に関わらず、保留球を獲得した順番に応じて特別図柄抽選が実行されるパチンコ機10(所謂、入賞順消化のパチンコ機10)であれば、入賞情報格納エリア223bに8つの保留エリアを設け、主制御装置110から出力された入賞情報コマンドに含まれる入賞情報が第1エリアから順に記憶されるように構成すれば良い。また、第1特別図柄抽選と、第2特別図柄抽選と、を同時に(重複して)実行可能なパチンコ機10(所謂、同時変動タイプのパチンコ機10)であれば、本制御例の構成に対して、1つの実行エリアに替えて、第1特別図柄用の第1実行エリアと、第2特別図柄用の第2実行エリアと、を設け、各特別図柄に対応した保留エリアの第1エリアに記憶されている入賞情報が各特別図柄に対応した実行エリアへと移行するように構成すれば良い。
特別図柄保留球数カウンタ223cは、主制御装置110から送信された保留球数コマンドに対応する値を計数するためのカウンタであって、第1特別図柄の保留球数を計数するための第1特別図柄保留球数カウンタ223c1と、第2特別図柄の保留球数を計数するための第2特別図柄保留球数カウンタ223c2と、を有している。即ち、特別図柄に対応する保留球の数が、主制御装置110より出力される保留球数コマンドに基づいて設定される。
上述したように、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110に直接アクセスして、主制御装置110のRAM203に格納されている特別図柄保留球数カウンタ203cの値を取得することができない。よって、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110から送信される保留球数コマンドに基づいて各特別図柄の保留球数をカウントし、特別図柄保留球数カウンタ223cにて、その保留球数を管理するようになっている。
具体的には、主制御装置110では、第1入球口64への入球によって第1特別図柄の保留球数が加算された場合、又は、主制御装置110において新たな第1特別図柄抽選を実行するために第1特別図柄の保留球数を減算した場合に、加算後または減算後の第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値を示す保留球数コマンド(特図1保留球数コマンド)を、音声ランプ制御装置113へ送信する。また、第2入球口640への入球によって第2特別図柄の保留球数が加算された場合、又は、主制御装置110において新たな第2特別図柄抽選を実行するために第2特別図柄の保留球数を減算した場合に、加算後または減算後の第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値を示す保留球数コマンド(特図2保留球数コマンド)を、音声ランプ制御装置113へ送信する。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110より送信される保留球数コマンド(特図1保留球数コマンド、特図2保留球数コマンド)を受信すると、その保留球数コマンドから、主制御装置110の第1特別図柄保留球数カウンタ203d、或いは、第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値を取得して、特別図柄保留球数カウンタ223c(第1特別図柄保留球数カウンタ223c1、第2特別図柄保留球数カウンタ223c2)に格納する。このように、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110より送信される保留球数コマンドに従って、特別図柄保留球数カウンタ223cの値を更新するので、主制御装置110の第1特別図柄保留球数カウンタ203d、第2特別図柄保留球数カウンタ203eと同期させながら、その値を更新することができる。
特別図柄保留球数カウンタ223cの値は、保留図柄の表示に用いられる。即ち、音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドの受信に応じて、そのコマンドにより示される保留球数を特別図柄保留球数カウンタ223cに格納すると共に、格納後の特別図柄保留球数カウンタ223cの値を表示制御装置114に通知するべく、表示用保留球数コマンドを表示制御装置114に対して送信する。
表示制御装置114では、この表示用保留球数コマンドを受信すると、そのコマンドにより示される保留球数の値、即ち、音声ランプ制御装置113の特別図柄保留球数カウンタ223cの値分の保留球数を第3図柄表示装置81の副表示領域Ds1(図122(b)参照)に表示するように、画像の描画を制御する。上述したように、特別図柄保留球数カウンタ223dは、主制御装置110の第1特別図柄保留球数カウンタ203d、第2特別図柄保留球数カウンタ203eと同期しながら、その値が変更される。従って、第3図柄表示装置81に表示される保留図柄の数も、主制御装置110の第1特別図柄保留球数カウンタ203d、第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値に同期させながら、変化させることができる。よって、第3図柄表示装置81には、特別図柄抽選の実行が保留されている保留球の数を正確に表示させることができる。
特図変動開始フラグ223dは、電源投入時に初期値としてオフに設定され、主制御装置110から出力された特別図柄の変動パターンを通知する特図変動パターンコマンドを受信した場合にオンに設定される。一方、第3図柄表示装置81における変動表示の設定がなされるときにオフされる。なお、特図変動開始フラグ223dは、第1特別図柄に対応する第1特図変動開始フラグ223d1と、第2特別図柄に対応する第2特図変動開始フラグ223d2と、を有しており、主制御装置110から送信された特図変動パターンコマンドが示す特別図柄の種別に対応させてオン、オフの設定がされる。
特図停止種別選択フラグ223eは、主制御装置110から出力される特別図柄の変動停止種別を通知する停止種別コマンドを受信した場合にオンに設定される。一方、第3図柄表示装置81における変動表示の設定がなされるときにオフされる。なお、この特図停止種別選択フラグ223eは、第1特別図柄に対応する第1特図停止種別選択フラグ223e1と、第2特別図柄に対応する第2特図停止種別選択フラグ223e2と、を有しており、主制御装置110から送信された停止種別コマンド(特図停止種別コマンド)に含まれる特別図柄の種別に対応させてオン、オフの設定がされる。
演出カウンタ223fは、変動パターンの選択や、各種演出の選択等に使用されるカウンタであって、「0〜198」の範囲で繰り返し更新される。なお、メイン処理が実行される毎に1ずつ加算されて更新される。なお、詳細な説明は省略するが、この演出カウンタ223fは、複数のカウンタから構成されており、それぞれ更新規則が異なるように規定されている。何れのカウンタも、音声ランプ制御装置113のメイン処理(図174参照)が実行される毎にカウンタの更新処理が実行されるように構成している。そして、メイン処理の実行間隔内において変動パターンの選択や、各種演出の選択処理を複数種類実行する場合には、演出カウンタ223fが有する異なるカウンタの値を取得して処理を実行するように構成している。これにより、同一タイミング(メイン処理の同一周期内)において演出カウンタ223fの値を用いる処理が複数回実行された場合であっても、演出カウンタ223fの同一値を用いて各種演出等を選択することを抑制することができる。
従状態設定エリア223gは、主制御装置110から出力される状態コマンドに対応したデータが設定される。従状態設定エリア223gに設定されるデータにより、現在の遊技状態を音声ランプ制御装置113でも判別することができる。なお、状態設定コマンドは、電源投入時にも主制御装置110より出力されて、バックアップされた遊技状態が音声ランプ制御装置113により判別可能に構成されている。さらに、従状態設定エリア223gには、現在設定されている遊技状態を記憶する現遊技状態記憶領域と、現在の遊技状態が設定される以前に設定されていた遊技状態を記憶する過去遊技状態記憶領域と、を有しており、現在の遊技状態がどのような過程を経て設定されたのかを算出可能に構成している。これにより、例えば、時短状態が設定されている場合において、大当たり遊技終了後に時短状態が設定されたのか、それとも、大当たり遊技終了後に確変状態が設定され、その後、確変終了条件が成立したことを契機に時短状態が設定されたのかを判別し、その判別結果に基づいた演出(過去の遊技状態を遊技者に示唆するための過去状態示唆演出)を実行することができる。また、従状態設定エリア223gは、通常状態、確変状態、時短状態の他に、大当たり遊技状態、普図当たり遊技状態、といった遊技状態も記憶することができるように構成している。
普通図柄保留球数カウンタ223hは、主制御装置110から送信された普図保留球数コマンドに対応する値を計数するためのカウンタであって、主制御装置110のMPU201のRAM203が有する普通図柄の保留球数を計数するための普通図柄保留球数カウンタ203fの値と同期してその値が加算、減算されるものである。なお、詳細な内容は、上述した特別図柄保留球数カウンタ223cに対して、対象を特別図柄から普通図柄へと変更した点で相違するだけでありそれ以外は同一であるため省略する。
特殊演出中フラグ223iは、通常状態中に第2特別図柄変動が実行されることを示すためのフラグであって、通常状態中に第2特別図柄変動が実行される条件が成立した場合にオンに設定される。具体的には、通常状態において第2特別図柄変動が実行される場合、或いは、第1特別図柄変動が実行されている状態で特図2保留を獲得した場合にオンに設定される。そして、特殊演出中フラグ223iがオンに設定されている状態で第1特別図柄変動が実行される場合、即ち、特図2保留が0の場合にオフに設定される。本制御例では、特殊演出中フラグ223iがオンに設定される期間を示すために、「チャンスゾーン」演出(図124(b)参照)が実行される。
V入賞フラグ223jは、大当たり遊技中に球が特定領域(Vゲート)65vを通過したことを示すためのフラグであって、球が特定領域(Vゲート)65vを通過した場合にオンに設定される。具体的には、主制御装置110にてV入賞コマンドが設定された場合に(図171のS2216参照)、そのV入賞コマンドが送信される。そして、音声ランプ制御装置113のコマンド判定処理(図175のS4112参照)にて実行される入賞コマンド処理(図177のS4212参照)においてV入賞コマンドを受信したと判別した場合に(図177のS4407:Yes)、オンに設定される。
このV入賞フラグ112jは、大当たり関連処理(図180のS4218参照)において実行されるエンディング処理(図181のS4715参照)にて参照され(図181のS4801)、今回の大当たり遊技中に特定領域(Vゲート)65vを球が通過したか(V入賞したか)が判別される。そして、エンディング処理(図181のS4715参照)にてオンに設定されていると判別した場合に(図181のS4801:Yes)、オフに設定される。
本制御例では、大当たり遊技中に球を特定領域(Vゲート)65vに通過させる(V入賞)ための演出としてV報知演出を実行可能に構成しており、V入賞の有無に応じて、V入賞時(Vラウンド終了時)と、大当たり遊技のエンディング時とに実行される演出の演出態様を可変させるように構成している。さらに、V報知演出が実行されているか否かに応じて、V入賞時の演出態様と、大当たり遊技のエンディング時の演出態様とを可変させるように構成している。このように、V入賞の有無に基づいて可変設定される演出を、V入賞時とは異なるタイミング(エンディング時)で実行可能とするために、V入賞の有無をV入賞フラグ112jの設定状況により判別可能に構成している。
V演出実行フラグ223kは、大当たり遊技中にV報知演出を実行することを示すためのフラグであって、大当たり遊技中にV報知演出を実行すると決定した場合にオンに設定されるものである。具体的には、大当たり関連処理(図180のS4218参照)において、大当たり開始コマンドを受信したと判別した場合(図180のS4701:Yes)であって、今回の大当たりが確変大当たりである場合に(図180のS4703:No)、V報知実行選択テーブル222eを参照してV報知演出の実行の有無が決定される。そしてV報知演出を実行すると判別した場合に(図180のS4705:Yes)、オンに設定される(図180のS4706参照)。
そして、大当たり関連処理(図180のS4218参照)において実行されるエンディング処理(図181のS4715参照)にて、V入賞フラグ112jがオンに設定されていない場合、即ち、大当たり遊技中にV入賞が発生しなかった場合に参照され(図181のS4802)、オンに設定されていると判別した場合には(図181のS4802:Yes)、エンディング演出の演出態様を切り替えるための処理を実行し(図181のS4804)、その後、オフに設定される(図181のS1804)。
本制御例では、確変大当たり遊技が実行される場合には、その大当たり遊技中にV報知演出を実行するか否かを決定し、V報知演出の実行を決定した場合には、その時点でエンディング期間中の演出態様として、確変状態が設定されることを示すための演出態様(図127(b),(d)参照)を設定するように構成している。つまり、確変大当たり遊技中にV報知演出を実行する場合には、V入賞した時点で遊技者に対してその旨が報知されるため、エンディング期間に実行されるエンディング演出においても、遊技者に確変状態が設定されることを示すための演出態様(図127(b),(d)参照)が設定されるように構成している。よって、大当たり遊技中にV入賞しなかった場合には、エンディング演出の演出態様を、時短状態が設定されることを示すための演出態様(図127(a),(c)参照)へと切り替える処理を実行する。
一方、確変大当たり遊技中にV報知演出を実行しない場合には、V入賞したとしてもその旨を遊技者に報知すること無く、エンディング演出の演出態様として、時短状態が設定されることを示すための演出態様(図127(a),(c)参照)が予め設定されるため、大当たり遊技中にV入賞しなかった場合であっても、エンディング演出の演出態様を切り替える処理を実行する必要が無い。
時短中カウンタ223nは、時短状態(普通図柄の高確率状態)が設定される期間を計測するためのカウンタであって、普通図柄の高確率状態が設定される場合に(大当たり遊技終了後に)、予め定められた値(本制御例では「100」)が設定される。そして、時短中カウンタ223nの値が1以上である状態で特別図柄変動が実行されると、その値が1減算され、時短中カウンタ223nの値が「0」となった場合に、普通図柄の低確率状態へと移行したと判別する。また、時短中カウンタ223nの値に基づいて、普通図柄の高確率状態における詳細な期間を判別するように構成している。
特殊連続予告フラグ223oは、演出モードとして「チャンスモード」が設定されている高速変動期間(第1期間)中に連続予告演出の実行条件が成立したことを示すためのフラグであって、連続予告演出の実行条件が成立した場合にオンに設定される。この特殊連続予告フラグ223oがオンに設定されると、操作手段に対する操作を有効に判別可能となる特殊有効期間が設定され、その特殊有効期間中に操作手段に対して特定の操作が行われた場合に、連続予告演出が実行される。
具体的には、音声ランプ制御装置113のコマンド判定処理(図175のS4112参照)の一部である入賞コマンド処理(図177のS4212参照)にて、特図用入賞情報コマンド(特別図柄に対応する入賞情報コマンド)を受信した場合に実行される特図用入賞情報コマンド処理(図178のS4406参照)において、現在が高速変動期間中である(時短中カウンタ223nの値が75よりも大きい)と判別された場合に(図178のS4502:Yes)、連続予告実行選択テーブル222dを参照して連続予告演出を実行すると判別した場合に(図178のS4506:Yes)、オンに設定される(図178のS4507)。
そして、第2特別図柄変動に対応する変動演出を選択するための特図2演出態様設定処理(図184のS4907参照)にて、「チャンスモード」が設定されている場合に実行されるチャンスモード中演出設定処理(図185のS5116参照)にて、特殊連続予告フラグ223oの設定状況が参照され(図185のS5210)、オンに設定されている場合に、枠ボタン22への操作を有効に判別可能な特殊有効期間として、特殊有効時間タイマ223sに3秒に対応する値が設定され(図181のS5211)、その後、オフに設定される。
このように、連続予告演出の実行条件が成立した場合にのみ、操作手段への操作が有効に判別される特殊有効期間を設定し、その特殊有効期間内に遊技者が操作手段に対して特定の操作を実行した場合にのみ、連続予告演出を実行可能とすることで、連続予告演出を実行しようと遊技者に意欲的に遊技を行わせることができる。また、連続予告演出を実行するための複数の情報(連続予告演出の実行条件が成立したか否かを示す情報や、特殊有効期間が設定される期間(設定されている期間)を示す情報や、連続予告演出を実行させために操作手段に対して行う操作内容を示す情報)を、遊技者に報知するための報知演出の報知態様を可変させることにより、連続予告演出の実行難易度を容易に可変調整することができる。
なお、この場合、特別図柄抽選で大当たり当選した場合(する場合)に、連続予告演出の実行条件が成立し易くなるように構成すると良い。これにより、遊技者に対して連続予告演出を実行させようと意欲的に遊技を行わせることができる。加えて、連続予告演出の実行条件が成立している状態において、特殊有効期間外に遊技者が操作手段に対して特定の操作を実行した場合に、特殊有効期間が設定されるタイミングを遊技者に案内する案内報知演出を実行するように構成すると良い。これにより、遊技者に対してより意欲的に操作手段を操作させることができ、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができる。
演出モード記憶エリア223pは、普通図柄の高確率状態中に設定される各種演出モードが格納される記憶領域であって、時短中カウンタ223nの値に応じて異なる演出モードが記憶される。そして、現在の演出モードを判別する際に、格納されている演出モードが読み出される。具体的には、チャンスモード中演出設定処理(図185のS5012参照)にて、時短中カウンタ223nの値が読み出され(図185のS5201)、読み出した値に対応する演出モード(高速期間(高速変動期間)、通常第1期間(第1期間)、通常第2期間(第2期間))が設定され記憶される。そして、普通図柄の高確率状態が低確率状態へと移行した場合に記憶されている情報がクリアされる。
連続予告実行中フラグ223qは、第3図柄の変動演出として連続予告演出が設定されていることを示すためのフラグであって、連続予告演出が実行されている場合にオンに設定される。そして、チャンスモード中演出設定処理(図185のS5012参照)にて、設定状況が判別され(図185のS5208)、オンに設定されている場合には(図185のS5208:Yes)、連続予告演出に対応する演出態様が決定される。そして、連続予告演出が終了した場合にオフに設定される。このように構成することで、連続予告演出中に実行される新たな変動演出において、連続予告演出に対応しない別の演出態様が設定されることを抑制することができる。
SW有効時間タイマ223rは、第3図柄の変動表示期間内に設定される枠ボタン22の操作を有効に判別する操作有効期間を計測するためのタイマであって、操作有効期間が設定される場合に、操作有効期間の長さに対応する値が設定され、時間の経過に伴って、値が減算されるように構成している。そして、操作有効期間中に遊技者が枠ボタン22を操作した場合に、その値が0にクリアされる。このように、枠ボタン22の操作を有効に判別する操作有効期間を設定することにより、操作手段(枠ボタン22)を操作した場合に実行される演出(操作演出)が過剰に実行されることを抑制することができる。
なお、本制御例では、遊技者が操作可能な操作手段として枠ボタン22のみを設けているが、例えば、操作手段として、枠ボタン22(第1操作手段)以外に、第2操作手段等の複数の操作手段を設ける場合には、各操作手段に対して異なる操作有効期間を設定する場合がある。その場合は、各操作手段に対してSW有効時間タイマ223rを設けることで、各操作手段の操作有効期間を重複して設定することができる。
特殊有効時間タイマ223sは、特殊連続予告フラグ223oがオンに設定されている状態で、チャンスモード中演出設定処理(図185のS5012参照)が実行された場合にのみ設定される、枠ボタン22への操作を有効に判別する操作有効期間(特殊操作有効期間)を計測するためのタイマであって、特殊操作有効時間が設定される場合に、その特殊操作有効時間の長さに対応する値が設定され、時間の経過に伴って、値が減算されるように構成している。そして、枠ボタン入力監視・演出処理(図186のS4107参照)において、特殊操作有効期間内であるか否かが判別され(図186のS5306)、有効時間内であると判別した場合に(図186のS5306:Yes)、枠ボタン22の操作が有効に取り扱われる。本制御例では、通常の操作有効期間(SW有効時間タイマ223rの値が0よりも大きい期間)内に枠ボタン22を操作した場合と、特殊操作有効期間(特殊有効時間タイマ223sの値が0よりも大きい期間)内に枠ボタン22を操作した場合とで異なる操作演出が実行されるように構成しており、具体的には、特殊操作有効期間内に枠ボタン22を操作した場合には、次に実行される特別図柄変動から対象となる特別図柄変動が終了するまでの複数の特別図柄変動期間を跨いだ連続予告演出が実行されるように構成している。そして、その連続予告演出が実行された場合には、背景モードが専用の背景モード(天国モード)へと移行するように構成している。よって、通常の枠ボタン22への操作により背景モード移行が抑制されている期間内においては、背景モード移行が実行されるだけで遊技者に対して大当たり当選の期待度を高めさせることができる。
操作中カウンタ223tは、遊技者が枠ボタン22を押下している期間を計測するためのカウンタであって、遊技者が枠ボタン22を計測して押下している場合に、時間経過に伴ってカウンタの値が更新されるものである。この操作中カウンタ223tが計測した値に基づいて、遊技者が枠ボタン22に対して実行した操作の種別が判別される(図186のS5313参照)。
その他メモリエリア223zは上述したデータ以外のデータを格納する領域として設けられており、音声ランプ制御装置113のMPU221が使用するその他カウンタ値などを一時的に記憶しておくための領域である。
図137に戻り説明を続ける。表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113及び第3図柄表示装置81が接続され、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81における第3図柄の変動演出などの表示を制御するものである。また、表示制御装置114は、第3図柄表示装置81の表示内容を通知する表示コマンドを適宜音声ランプ制御装置113へ送信する。音声ランプ制御装置113は、この表示コマンドによって示される表示内容にあわせて音声出力装置226から音声を出力することで、第3図柄表示装置81の表示と音声出力装置226からの音声出力とをあわせることができる。
電源装置115は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部251と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路252と、RAM消去スイッチ122(図121参照)が設けられたRAM消去スイッチ回路253とを有している。電源部251は、図示しない電源経路を通じて、各制御装置110〜114等に対して各々に必要な動作電圧を供給する装置である。その概要としては、電源部251は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチ208などの各種スイッチや、ソレノイド209などのソレノイド、モータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧及びバックアップ電圧を各制御装置110〜114等に対して必要な電圧を供給する。
停電監視回路252は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置110のMPU201及び払出制御装置111のMPU211の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路252は、電源部251から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断、電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置110及び払出制御装置111へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置110及び払出制御装置111は、停電の発生を認識し、NMI割込処理を実行する。なお、電源部251は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置110及び払出制御装置111は、NMI割込処理(図示せず)を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路253は、RAM消去スイッチ122(図121参照)が押下された場合に、主制御装置110へ、バックアップデータをクリアさせるためのRAM消去信号SG2を出力するための回路である。主制御装置110は、パチンコ機10の電源投入時に、RAM消去信号SG2を入力した場合に、バックアップデータをクリアすると共に、払出制御装置111においてバックアップデータをクリアさせるための払出初期化コマンドを払出制御装置111に対して送信する。
<第1制御例における表示制御装置の電気的構成について>
次に、図150〜図155を参照して、本第1制御例における表示制御装置114の電気的構成について説明する。図150は、表示制御装置114の電気的構成を示すブロック図である。表示制御装置114は、MPU231と、ワークRAM233と、キャラクタROM234と、常駐用ビデオRAM235と、通常用ビデオRAM236と、画像コントローラ237と、入力ポート238と、出力ポート239と、バスライン240,241とを有している。
入力ポート238の入力側には音声ランプ制御装置113の出力側が接続され、入力ポート238の出力側には、MPU231、ワークRAM233、キャラクタROM234、画像コントローラ237がバスライン240を介して接続されている。画像コントローラ237には、常駐用ビデオRAM235及び通常用ビデオRAM236が接続されると共に、バスライン241を介して出力ポート239が接続されている。また、出力ポート239の出力側には、第3図柄表示装置81が接続されている。
なお、パチンコ機10は、特別図柄の大当たりとなる抽選確率や、1回の特別図柄の大当たりで払い出される賞球数が異なる別機種であっても、第3図柄表示装置81で表示される図柄構成が全く同じ仕様の機種があるので、表示制御装置114は共通部品化されコスト低減が図られている。
以下では、先にMPU231、キャラクタROM234、画像コントローラ237、常駐用ビデオRAM235、通常用ビデオRAM236について説明し、次いで、ワークRAM233について説明する。
まず、MPU231は、主制御装置110の変動パターンコマンドに基づく音声ランプ制御装置113から出力された表示用変動パターンコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81の表示内容を制御するものである。MPU231は、命令ポインタ231aを内蔵しており、命令ポインタ231aで示されるアドレスに格納された命令コードを読み出してフェッチし、その命令コードに従って各種処理を実行する。MPU231には、電源投入(停電からの復電を含む。以下、同じ。)直後に、電源装置115からシステムリセットがかけられるようになっており、そのシステムリセットが解除されると、命令ポインタ231aは、MPU231のハードウェアによって自動的に「0000H」に設定される。そして、命令コードがフェッチされる度に、命令ポインタ231aは、その値が1ずつ加算される。また、MPU231が命令ポインタの設定命令を実行した場合は、その設定命令により指示されたポインタの値が命令ポインタ231aにセットされる。
なお、詳細については後述するが、本制御例において、MPU231によって実行される制御プログラムや、その制御プログラムで使用される各種の固定値データは、従来の遊技機のように専用のプログラムROMを設けて記憶させるのではなく、第3図柄表示装置81に表示させる画像のデータを記憶させるために設けられたキャラクタROM234に記憶させている。
詳細については後述するが、キャラクタROM234は、小面積で大容量化を図ることが可能なNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されている。これにより、画像データだけでなく制御プログラム等を十分に記憶させておくことができる。そして、キャラクタROM234に制御プログラム等を記憶させておけば、制御プログラム等を記憶する専用のプログラムROMを設ける必要がない。よって、表示制御装置114における部品点数を削減することができ、製造コストを削減できるほか、部品数増加による故障発生率の増加を抑制することができる。
一方で、一般的にNAND型フラッシュメモリは、特にランダムアクセスを行う場合において読み出し速度が遅くなるという問題点がある。例えば、複数のページに連続して並んだデータの読み出しを行う場合において、2ページ目以降のデータは高速読み出しが可能であるが、最初の1ページ目のデータの読み出しには、アドレスが指定されてからデータが出力されるまでに大きな時間を要する。また、連続していないデータを読み出す場合は、そのデータを読み出す度に大きな時間を要する。このように、NAND型フラッシュメモリは、その読み出しに係る速度が遅いため、MPU231が直接キャラクタROM234から制御プログラムを読み出して各種処理を実行するように構成すると、制御プログラムを構成する命令の読み出しに時間がかかる場合が発生し、MPU231として高性能のプロセッサを用いても、表示制御装置114の処理性能を悪化させてしまうおそれがある。
そこで、本制御例では、MPU231のシステムリセットが解除されると、まず、キャラクタROM234のNAND型フラッシュメモリ234aに記憶されている制御プログラムを、各種データの一時記憶用に設けたワークRAM233に転送して格納する。そして、MPU231はワークRAM233に格納された制御プログラムに従って、各種処理を実行する。ワークRAM233は、後述するようにDRAM(Dynamic RAM)によって構成され、高速でデータの読み書きが行われるので、MPU231は遅滞なく制御プログラムを構成する命令の読み出しを行うことができる。よって、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
キャラクタROM234は、MPU231において実行される制御プログラムや、第3図柄表示装置81に表示される画像のデータを記憶したメモリであり、MPU231とバスライン240を介して接続されている。MPU231は、バスライン240を介してシステムリセット解除後にキャラクタROM234に直接アクセスし、そのキャラクタROM234の後述する第2プログラム記憶エリア234a1に記憶された制御プログラムを、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aへ転送する。また、バスライン240には画像コントローラ237も接続されており、画像コントローラ237はキャラクタROM234の後述するキャラクタ記憶エリア234a2に格納された画像データを、画像コントローラ237に接続されている常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236へ転送する。
このキャラクタROM234は、NAND型フラッシュメモリ234a、ROMコントローラ234b、バッファRAM234c、NOR型ROM234dをモジュール化して構成されている。
NAND型フラッシュメモリ234aは、キャラクタROM234におけるメインの記憶部として設けられる不揮発性のメモリであり、MPU231によって実行される制御プログラムの大部分や第3図柄表示装置81を駆動させるための固定値データを記憶する第2プログラム記憶エリア234a1と、第3図柄表示装置81に表示させる画像(キャラクタ等)のデータを格納するキャラクタ記憶エリア234a2とを少なくとも有する。
ここで、NAND型フラッシュメモリは、小さな面積で大きな記憶容量が得られる特徴を有しており、キャラクタROM234を容易に大容量化することができる。これにより、本パチンコ機において、例えば2ギガバイトの容量を持つNAND型フラッシュメモリ234aを用いることにより、第3図柄表示装置81に表示させる画像として、多くの画像をキャラクタ記憶エリア234a2に記憶させることができる。よって、遊技者の興趣をより高めるために、第3図柄表示装置81に表示される画像を多様化、複雑化することができる。
また、NAND型フラッシュメモリ234aは、多くの画像データをキャラクタ記憶エリア234a2に記憶させた状態で、更に、制御プログラムや固定値データも第2プログラム記憶エリア234a1に記憶させることができる。このように、制御プログラムや固定値データを、従来の遊技機のように専用のプログラムROMを設けて記憶させることなく、第3図柄表示装置81に表示させる画像のデータを記憶させるために設けられたキャラクタROM234に記憶させることができるので、表示制御装置114における部品点数を削減することができ、製造コストを削減できるほか、部品数増加による故障発生率の増加を抑制することができる。
ROMコントローラ234bは、キャラクタROM234の動作を制御するためのコントローラであり、例えば、バスライン240を介してMPU231や画像コントローラ237から伝達されたアドレスに基づいて、NAND型フラッシュメモリ234a等から該当するデータを読み出し、バスライン240を介してMPU231又は画像コントローラ237へ出力する。
ここで、NAND型フラッシュメモリ234aは、その性質上、データの書き込み時にエラービット(誤ったデータが書き込まれたビット)が比較的多く発生したり、データを書き込むことができない不良データブロックが発生したりする。そこで、ROMコントローラ234bは、NAND型フラッシュメモリ234aから読み出したデータに対して公知の誤り訂正を施し、また、不良データブロックを避けてNAND型フラッシュメモリ234aへのデータの読み書きが行われるように公知のデータアドレスの変換を実行する。
このROMコントローラ234bにより、エラービットを含むNAND型フラッシュメモリ234aから読み出されたデータに対して誤り訂正が行われるので、キャラクタROM234としてNAND型フラッシュメモリ234aを用いたとしても、誤ったデータに基づいてMPU231が処理を行ったり、画像コントローラ237が各種画像を生成したりすることを抑制することができる。
また、ROMコントローラ234bによってNAND型フラッシュメモリ234aの不良データブロックが解析され、その不良データブロックへのアクセスが回避されるので、MPU231や画像コントローラ237は、個々のNAND型フラッシュメモリ234aで異なる不良データブロックのアドレス位置を考慮することなく、キャラクタROM234へのアクセスを容易に行うことができる。よって、キャラクタROM234にNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、キャラクタROM234へのアクセス制御が複雑化することを抑制することができる。
バッファRAM234cは、NAND型フラッシュメモリ234aから読み出したデータを一時的に記憶するバッファとして用いられるメモリである。MPU231や画像コントローラ237からバスライン240を介してキャラクタROM234に割り振られたアドレスが指定されると、ROMコントローラ234bは、その指定されたアドレスに対応するデータを含む1ページ分(例えば、2キロバイト)のデータがバッファRAM234cにセットされているか否かを判断する。そして、セットされていなければ、その指定されたアドレスに対応するデータを含む1ページ分(例えば、2キロバイト)のデータをNAND型フラッシュメモリ234a(またはNOR型ROM234d)より読み出してバッファRAM234cに一旦セットする。そして、ROMコントローラ234bは、公知の誤り訂正処理を施した上で、指定されたアドレスに対応するデータを、バスライン240を介してMPU231や画像コントローラ237に出力する。
このバッファRAM234cは、2バンクで構成されており、1バンク当たりNAND型フラッシュメモリ234aの1ページ分のデータがセットできるようになっている。これにより、ROMコントローラ234bは、例えば、一方のバンクにデータをセットした状態のまま他方のバンクを使用して、NAND型フラッシュメモリ234aのデータを外部に出力したり、MPU231や画像コントローラ237より指定されたアドレスに対応するデータを含む1ページ分のデータをNAND型フラッシュメモリ234aから一方のバンクに転送してセットする処理と、MPU231や画像コントローラ237によって指定されたアドレスに対応するデータを他方のバンクから読み出してMPU231や画像コントローラ237に対して出力する処理とを、並列して処理したりすることができる。よって、キャラクタROM234の読み出しにおける応答性を向上させることができる。
NOR型ROM234dは、キャラクタROM234におけるサブの記憶部として設けられる不揮発性のメモリであり、NAND型フラッシュメモリ234aを補完することを目的にそのNAND型フラッシュメモリ234aよりも極めて小容量(例えば、2キロバイト)に構成されている。このNOR型ROM234dには、キャラクタROM234に記憶される制御プログラムのうち、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されていないプログラム、具体的には、MPU231においてシステムリセット解除後に最初に実行されるブートプログラムの一部を格納する第1プログラム記憶エリア234d1が少なくとも設けられている。
ブートプログラムは、第3図柄表示装置81に対する各種制御が実行可能となるように表示制御装置114を起動するための制御プログラムであり、システムリセット解除後にMPU231が先ずこのブートプログラムを実行する。これにより、表示制御装置114において各種制御が実行可能に状態とすることができる。第1プログラム記憶エリア234d1は、このブートプログラムのうち、バッファRAM234cの1バンク分(即ち、NAND型フラッシュメモリ234aの1ページ分)の容量の範囲で、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令(例えば、1ページの容量が2キロバイトであれば、1024ワード(1ワード=2バイト)分の命令)を格納する。なお、第1プログラム記憶エリア234d1に格納されるブートプログラムの命令数は、バッファRAM234cの1バンク分の容量以下に収まっていればよく、表示制御装置114の仕様に合わせて適宜設定されるものであってもよい。
MPU231は、システムリセットが解除されると、ハードウェアによって命令ポインタ231aの値を「0000H」に設定すると共に、バスライン240に対して命令ポインタ231aにて示されるアドレス「0000H」を指定するように構成されている。一方、キャラクタROM234のROMコントローラ234bは、バスライン240にアドレス「0000H」が指定されたことを検知すると、NOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cの一方のバンクにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力する。
MPU231は、キャラクタROM234から受け取った命令コードをフェッチすると、そのフェッチした命令コードに従って各種処理を実行するとともに、命令ポインタ231aを1だけ加算し、命令ポインタ231aにて示されるアドレスをバスライン240に対して指定する。そして、キャラクタROM234のROMコントローラ234bは、バスライン240によって指定されたアドレスがNOR型ROM234dに記憶されたプログラムを指し示すアドレスである間、先にNOR型ROM234dからバッファRAM234cにセットされたプログラムの中から、対応するアドレスの命令コードをバッファRAM234cより読み出して、MPU231に対して出力する。
ここで、本制御例において、制御プログラムを全てNAND型フラッシュメモリ234aに格納するのではなく、ブートプログラムのうち、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令をNOR型ROM234dに格納するのは、次の理由による。即ち、NAND型フラッシュメモリ234aは、上述したように、最初の1ページ目のデータの読み出しにおいて、アドレスを指定してからデータが出力されるまでに大きな時間を要する、というNAND型フラッシュメモリ特有の問題がある。
このようなNAND型フラッシュメモリ234aに対して制御プログラムを全て格納すると、システムリセット解除後にMPU231が最初に実行すべき命令コードをフェッチするためにMPU231からバスライン240を介してアドレス「0000H」が指定された場合、キャラクタROM234はアドレス「0000H」に対応するデータ(命令コード)を含む1ページ分のデータをNAND型フラッシュメモリ234aから読み出してバッファRAM234cにセットしなければならい。そして、NAND型フラッシュメモリ234aの性質上、その読み出しからバッファRAM234cへのセットに多大な時間を要することになるので、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してからアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取るまでに多くの待ち時間を消費する。よって、MPU231の起動にかかる時間が長くなるので、結果として、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御が即座に開始されないおそれがあるという問題点が生じる。
これに対し、NOR型ROMは高速にデータを読み出すことが可能なメモリであるので、ブートプログラムのうち、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令をNOR型ROM234dに格納することによって、システムリセット解除後にMPU231からバスライン240を介してアドレス「0000H」が指定されると、キャラクタROM234は即座にNOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力することができる。よって、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してから短い時間でアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取ることができ、MPU231の起動を短時間で行うことができる。従って、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234に制御プログラムを格納しても、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御を即座に開始することができる。
さて、ブートプログラムは、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラム、即ち、NOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムを除く制御プログラムや、その制御プログラムで用いられる固定値データ(例えば、後述する表示データテーブル、転送データテーブルなど)を、所定量(例えば、NAND型フラッシュメモリ234aの1ページ分の容量)ずつワークRAM233のプログラム格納エリア233aやデータテーブル格納エリア233bへ転送するようにプログラミングされている。そして、MPU231は、まず、システムリセット解除後に第1プログラム記憶エリア234d1から読み出したブートプログラムに従って、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを、第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムがセットされているバッファRAM234cのバンクとは異なるバンクを使用しながら、所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、格納する。
ここで、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムは、上述したように、バッファRAM234cの1バンク分に相当する容量で構成されているので、内部バスのアドレスが「0000H」に指定されたことを受けて第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムがバッファRAM234cにセットされる場合、そのブートプログラムはバッファRAM234cの一方のバンクにのみセットされる。よって、第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムに従って、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムをプログラム格納エリア233aに転送する場合は、バッファRAM234cの一方のバンクにセットされた第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムを残したまま、他方のバンクを使用してその転送処理を実行することができる。従って、その転送処理後に、第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムを再度バッファRAM234cにセットし直すといった処理が不要であるので、ブート処理に係る時間を短くすることができる。
第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムは、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを所定量だけプログラム格納エリア233aに転送すると、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233a内の第1の所定番地に設定するようにプログラミングされている。これにより、システムリセット解除後、MPU231によって第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムが所定量だけプログラム格納エリア233aに転送されると、命令ポインタ231aがプログラム格納エリア233aの第1の所定番地に設定される。
よって、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムのうち所定量のプログラムがプログラム格納エリア233aに格納されると、MPU231は、そのプログラム格納エリア233aに格納された制御プログラムを読み出して、各種処理を実行することができる。即ち、MPU231は、第2プログラム記憶エリア234a1を有するNAND型フラッシュメモリ234aから制御プログラムを読み出して命令フェッチするのではなく、プログラム格納エリア233aを有するワークRAM233に転送された制御プログラムを読み出して命令フェッチし、各種処理を実行することになる。後述するように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、制御プログラムの殆どを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aに記憶させた場合であっても、MPU231は高速に命令をフェッチし、その命令に対する処理を実行することができる。
ここで、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムには、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが含まれている。一方、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムは、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aに所定量だけ第2プログラム記憶エリア234a1から転送される制御プログラムの中に、その残りのブートプログラムが含まれるようにプログラミングされていると共に、プログラム格納エリア233aに格納されたその残りのブートプログラムの先頭アドレスを第1の所定番地として命令ポインタ231aを設定するようにプログラミングされている。
これにより、MPU231は、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムによって、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを所定量だけプログラム格納エリア233aに転送した後、その転送した制御プログラムに含まれる残りのブートプログラムを実行する。
この残りのブートプログラムでは、プログラム格納エリア233aに転送されていない残りの制御プログラムやその制御プログラムで用いられる固定値データ(例えば、後述する表示データテーブル、転送データテーブルなど)を全て第2プログラム記憶エリア234a1から所定量ずつプログラム格納エリア233a又はデータテーブル格納エリア233bに転送する処理を実行する。また、ブートプログラムの最後で、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233a内の第2の所定番地に設定する。具体的には、この第2の所定番地として、プログラム格納エリア233aに格納された、ブートプログラムによるブート処理(図187のS6001参照)の終了後に実行される初期設定処理(図187のS6002参照)に対応するプログラムの先頭アドレスを設定する。
MPU231は、この残りのブートプログラムを実行することによって、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムや固定値データが全てプログラム格納エリア233a又はデータテーブル格納エリア233bに転送される。そして、ブートプログラムがMPU231により最後まで実行されると、命令ポインタ231aが第2の所定番地に設定され、以後、MPU231は、NAND型フラッシュメモリ234aを参照することなく、プログラム格納エリア233aに転送された制御プログラムを用いて各種処理を実行する。
よって、制御プログラムの殆どを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、システムリセット解除後にその制御プログラムをワークRAM233のプログラム格納エリア233aに転送することで、MPU231は、読み出し速度が高速なDRAMによって構成されるワークRAMから制御プログラムを読み出して各種制御を行うことができる。従って、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
また、上述したように、NOR型ROM234dにブートプログラムを全て格納せずに、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令を格納しておき、残りのブートプログラムについては、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶させても、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを確実にプログラム格納エリア233aに転送することができる。よって、キャラクタROM234は、極めて小容量のNOR型ROM234dを追加するだけで、MPU231の起動を短時間で行うことができるようになるので、その短時間化に伴うキャラクタROM234のコスト増加を抑制することができる。
画像コントローラ237は、画像を描画し、その描画した画像を所定のタイミングで第3図柄表示装置81に表示させるデジタル信号プロセッサ(DSP)である。画像コントローラ237は、MPU231から送信される後述の描画リスト(図155参照)に基づき1フレーム分の画像を描画して、後述する第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれか一方のフレームバッファに描画した画像を展開すると共に、他方のフレームバッファにおいて先に展開された1フレーム分の画像情報を第3図柄表示装置81へ出力することによって、第3図柄表示装置81に画像を表示させる。画像コントローラ237は、この1フレーム分の画像の描画処理と1フレーム分の画像の表示処理とを、第3図柄表示装置81における1フレーム分の画像表示時間(本制御例では、20ミリ秒)の中で並列処理する。
画像コントローラ237は、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に、MPU231に対して垂直同期割込信号(以下、「V割込信号」と称す)を送信する。MPU231は、このV割込信号を検出する度に、V割込処理(図189(b)参照)を実行し、画像コントローラ237に対して、次の1フレーム分の画像の描画を指示する。この指示により、画像コントローラ237は、次の1フレーム分の画像の描画処理を実行すると共に、先に描画によって展開された画像を第3図柄表示装置81に表示させる処理を実行する。
このように、MPU231は、画像コントローラ237からのV割込信号に伴ってV割込処理を実行し、画像コントローラ237に対して描画指示を行うので、画像コントローラ237は、画像の描画処理および表示処理間隔(20ミリ秒)毎に、画像の描画指示をMPU231より受け取ることができる。よって、画像コントローラ237では、画像の描画処理や表示処理が終了していない段階で、次の画像の描画指示を受け取ることがないので、画像の描画途中で新たな画像の描画を開始したり、表示中の画像情報が格納されているフレームバッファに、新たな描画指示に伴って画像が展開されたりすることを防止することができる。
画像コントローラ237は、また、MPU231からの転送指示や、描画リストに含まれる転送データ情報に基づいて、画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236に転送する処理も実行する。
なお、画像の描画は、常駐用ビデオRAM235および通常用ビデオRAM236に格納された画像データを用いて行われる。即ち、描画の際に必要となる画像データは、その描画が行われる前に、MPU231からの指示に基づき、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235または通常用ビデオRAM236へ転送される。
ここで、一般的にNAND型フラッシュメモリは、ROMの大容量化を容易にする一方、読み出し速度がその他のROM(マスクROMやEEPROMなど)と比して遅い。これに対し、表示制御装置114では、MPU231が、キャラクタROM234に格納されている画像データのうち一部の画像データを電源投入後に常駐用ビデオRAM235に転送するように、画像コントローラ237に対して指示するよう構成されている。そして、後述するように、常駐用ビデオRAM235に格納された画像データは、上書きされることなく常駐されるように制御される。
これにより、電源が投入されてから常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データの転送が終了した後は、常駐用ビデオRAM235に常駐された画像データを使用しながら、画像コントローラ237にて画像の描画処理を行うことができる。よって、描画処理に使用する画像データが常駐用ビデオRAM235に常駐されていれば、画像描画時に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234から対応する画像データを読み出す必要がないため、その読み出しにかかる時間を省略でき、画像の描画を即座に行って第3図柄表示装置81に描画した画像を表示することができる。
特に、常駐用ビデオRAM235には、頻繁に表示される画像の画像データや、主制御装置110または表示制御装置114によって表示が決定された後、即座に表示すべき画像の画像データを常駐させるので、キャラクタROM234をNAND型フラッシュメモリ234aで構成しても、第3図柄表示装置81に何らかの画像を表示させるまでの応答性を高く保つことができる。
また、表示制御装置114は、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データを用いて画像の描画を行う場合は、その描画が行われる前に、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して描画に必要な画像データを転送するように、MPU231が画像コントローラ237に対して指示するよう構成されている。後述するように、通常用ビデオRAM236に転送された画像データは、画像の描画に用いられた後、上書きによって削除される可能性はあるものの、画像描画時には、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234から対応する画像データを読み出す必要がなく、その読み出しにかかる時間を省略できるので、画像の描画を即座に行って第3図柄表示装置81に描画した画像を表示することができる。
また、通常用ビデオRAM236にも画像データを格納することによって、全ての画像データを常駐用ビデオRAM235に常駐させておく必要がないため、大容量の常駐用ビデオRAM235を用意する必要がない。よって、常駐用ビデオRAM235を設けたことによるコスト増大を抑えることができる。
画像コントローラ237は、NAND型フラッシュメモリ234aの1ブロック分の容量である132キロバイトのSRAMによって構成されたバッファRAM237aを有している。
MPU231が、転送指示や描画リストの転送データ情報によって画像コントローラ237に対して行う画像データの転送指示には、転送すべき画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、転送先の情報(常駐用ビデオRAM235及び通常用ビデオRAM236のいずれに転送するかを示す情報)、及び転送先(常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスが含まれる。なお、格納元最終アドレスに代えて、転送すべき画像データのデータサイズを含めてもよい。
画像コントローラ237は、この転送指示の各種情報に従って、キャラクタROM234の所定アドレスから1ブロック分のデータを読み出して一旦バッファRAM237aに格納し、常駐用ビデオRAM235または通常用ビデオRAM236の未使用時に、バッファRAM237aに格納された画像データを常駐RAM235または通常用ビデオRAM236に転送する。そして、転送指示により示された格納元先頭アドレスから格納元最終アドレスに格納された画像データが全て転送されるまで、その処理を繰り返し実行する。
これにより、キャラクタROM234から時間をかけて読み出された画像データを一旦そのバッファRAM237aに格納し、その後、その画像データをバッファRAM237aから常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236へ短時間で転送することができる。よって、キャラクタROM234から画像データが常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236へ転送される間に、常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236が、その画像データの転送で長時間占有されるのを防止することができる。従って、画像データの転送により常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236が占有されることで、画像の描画処理にそれらのビデオRAM235,236が使用できず、結果として必要な時間までに画像の描画や、第3図柄表示装置81への表示が間に合わないことを防止することができる。
また、バッファRAM234cから常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236への画像データへの転送は、画像コントローラ237によって行われるので、常駐用ビデオRAM235及び通常用ビデオRAM236が画像の描画処理や第3図柄表示装置81への表示処理に未使用である期間を容易に判定することができ、処理の単純化を図ることができる。
常駐用ビデオRAM235は、キャラクタROM234より転送された画像データが、電源投入中、上書きされることがなく保持され続けるように用いられ、電源投入時主画像エリア235a、背面画像エリア235c、キャラクタ図柄エリア235e、エラーメッセージ画像エリア235fが設けられているほか、電源投入時変動画像エリア235b、第3図柄エリア235dが少なくとも設けられている。
電源投入時主画像エリア235aは、電源が投入されてから常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データが格納されるまでの間に第3図柄表示装置81に表示する電源投入時主画像に対応するデータを格納する領域である。また、電源投入時変動画像エリア235bは、第3図柄表示装置81に電源投入時主画像が表示されている間に遊技者によって遊技が開始され、特図入球口64への入球が検出された場合に、主制御装置110において行われた抽選結果を変動演出によって表示する電源投入時変動画像に対応する画像データを格納する領域である。
MPU231は、電源部251から電源供給が開始されたときに、キャラクタROM234から電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データを電源投入時主画像エリア235aへ転送するように、画像コントローラ237へ転送指示を送信する(図187のS6003,S6004参照)。
ここで、図151を参照して、電源投入時変動画像について説明する。図151は、表示制御装置114が電源投入直後において、常駐用ビデオRAM235に対して格納すべき画像データをキャラクタROM234から転送している間に、第3図柄表示装置81にて表示される電源投入時画像を説明する説明図である。
表示制御装置114は、電源投入直後に、キャラクタROM234から電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データを、電源投入時主画像エリア235aおよび電源投入時変動画像エリア235bへ転送すると、続いて、常駐用ビデオRAM235に格納すべき残りの画像データを、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に対して転送する。この残りの画像データの転送が行われている間、表示制御装置114は、先に電源投入時主画像エリア235aに格納された画像データを用いて、図151(a)に示す電源投入時主画像を第3図柄表示装置81に表示させる。
このとき、変動開始の指示コマンドである主制御装置110からの変動パターンコマンドに基づき音声ランプ制御装置113から送信される表示用変動パターンコマンドを受信すると、表示制御装置114は、図151(b)に示すように、電源投入時主画像の表示画面上に、画面に向かって右下の位置に「○」図柄の電源投入時変動画像と、図151(c)に示すように、「○」図柄と同位置に「×」図柄の電源投入時変動画像とを、変動期間中、交互に繰り返して表示する。そして、主制御装置110からの変動パターンコマンドや停止種別コマンドに基づき音声ランプ制御装置113から送信される表示用変動パターンコマンドおよび表示用停止種別コマンドから、主制御装置110にて行われた抽選の結果を判断し、「特別図柄の大当たり」である場合は図151(b)に示す画像を変動演出の停止後に一定期間表示させ、「特別図柄の外れ」である場合は図151(c)に示す画像を変動演出の停止後に一定期間表示させる。
MPU231は、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データが常駐用ビデオRAM235に対して転送されるまで、画像コントローラ237に対し、電源投入時主画像エリア235aに格納された画像データを用いて電源投入時主画像の描画を行うよう指示する。これにより、残りの常駐すべき画像データが常駐用ビデオRAM235に転送されている間、遊技者やホール関係者は、第3図柄表示装置81に表示された電源投入時主画像を確認することができる。よって、表示制御装置114は、電源投入時主画像を第3図柄表示装置81に表示させている間に、時間をかけて残りの常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送することができる。また、遊技者等は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間、何らかの処理が行われていることを認識できるので、残りの常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データが、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されるまでの間、動作が停止していないか、といった不安を持つことなく、常駐用ビデオRAM235への画像データの転送が完了するまで待機することができる。
また、製造時の工場等における動作チェックにおいても、電源投入時主画像がすぐに第3図柄表示装置81に表示されることによって、第3図柄表示装置81が電源投入によって問題なく動作が開始されていることをすぐに確認することができ、更に、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いることにより動作チェックの効率が悪化することを抑制できる。
また、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間に遊技者が遊技を開始し、特図入球口64に入球が検出された場合は、電源投入時変動画像エリア235bに常駐された電源投入時変動画像に対応する画像データを用いて電源投入時変動画像が描画され、図151(b)及び(c)に示す画像が交互に第3図柄表示装置81に表示されるように、MPU231から画像コントローラ237に対して指示される。これにより、電源投入時変動画像を用いて簡単な変動演出を行うことができる。よって、遊技者は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間であっても、その簡単な変動演出によって確実に抽選が行われたことを確認することができる。
また、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示される段階で、すでに電源投入時変動演出画像に対応する画像データが電源投入時変動画像エリア235bに常駐されているので、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間に特図入球口64に入球が検出された場合は、対応する変動演出を第3図柄表示装置81に即座に表示させることができる。
図150に戻って、説明を続ける。背面画像エリア235cは、第3図柄表示装置81に表示される背面画像に対応する画像データを格納する領域である。ここで、図152を参照して、背面画像と、その背面画像のうち、背面画像エリア235cに格納される背面画像の範囲について説明する。図152は、4種類の背面画像と、各背面画像に対して常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納される背面画像の範囲を説明する説明図であり、図152(a)は、「街中ステージ」に対応する背面Aに対して、図152(b)は、「森ステージ」、「川ステージ」、および「空ステージ」に対応する背面B〜Dに対してそれぞれ示したものである。
各背面A〜Dに対応する背面画像は、図152に示すように、いずれも第3図柄表示装置81において表示される表示領域よりも水平方向に長い画像が、キャラクタROM234に用意されている。画像コントローラ237は、その画像を水平方向に左から右へスクロールさせながら背面画像が第3図柄表示装置81に表示されるように、画像の描画をおこなう。
各背面A〜Dに用意された画像(以下、「スクロール用画像」と称す。)は、いずれも位置aおよび位置cのところで背面画像が連続するように画像が構成されている。そして、位置cから位置dの間の画像および位置aから位置a’の間の画像は、表示領域の水平方向の幅分の画像によって構成されており、位置cから位置dの間にある画像が表示領域として第3図柄表示装置81に表示された後に、位置aから位置a’の間にある画像を表示領域として第3図柄表示装置81に表示させると、第3図柄表示装置81にスムーズなつながりで背面画像がスクロール表示されるようになっている。
背面種別選択テーブル(図示せず)に基づいて背面種別の変更が決定され、ステージが「街中ステージ」、「森ステージ」、「川ステージ」、または「空ステージ」に変更されると、MPU231は、対応する背面画像のまず位置aから位置a’の間を表示領域の初期位置として設定し、その初期位置の画像が第3図柄表示装置81に表示されるように、画像コントローラ237を制御する。そして、時間の経過とともに、表示領域をスクロール用画像に対して左から右に移動させ、順次その表示領域が第3図柄表示装置81に表示されるように画像コントローラ237を制御し、更に、表示領域が位置cから位置dの間の画像に到達した場合、再び表示領域を位置aから位置a’の画像として第3図柄表示装置81に表示されるように画像コントローラ237を制御する。よって、第3図柄表示装置81には、位置a〜位置cの間の画像を、左方向に向かって流れるように、スムーズなつながりで繰り返しスクロールされて表示させることができる。
一方、背面Eにおける背面画像は、時間の経過とともに、(a)→(b)→(c)→(a)→・・・の順で、第3図柄表示装置81に表示される。具体的には、背面Eは、島にそびえる山の画像と、山のふもとに広がる砂浜の画像と、島を囲む海の画像とが、その表示される位置が固定された状態で第3図柄表示装置81に表示される。一方、山の上に広がる空の画像は、その色調が時間経過とともに変化する。
ステージが「島ステージ」に変更されると、背面Eの初期背面画像として、朝やけを示すオレンジ色の空が表示される。そして、時間の経過とともに空の色調がオレンジ色から徐々に鮮やかな青色に変化して、所定時間経過後、昼を示す鮮やかな青色の空が表示される。次に、時間の経過とともに空の色調が鮮やかな青色から徐々に黒色に変化して、所定時間経過後、夜を示す黒色の空が表示される。その後、時間の経過とともに空の色調が黒色から徐々に白みはじめ更にオレンジ色に変化する。そして、所定時間経過後、朝やけ示す背面画像に戻る繰り返し背面画像が第3図柄表示装置81に表示される。
次いで、各背面画像において、背面画像エリア235cに格納される背面画像の範囲について説明する。初期ステージである街中ステージに対応する背面Aは、図152(a)に示すように、その背面Aの全範囲、即ち、位置aから位置dに対応する画像データが全て常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納される。通常、初期ステージである「街中ステージ」を表示させたまま、ステージを変更せずに遊技が行われる場合が多いので、多頻度で表示される「街中ステージ」に対応する背面Aの画像データを全て背面画像エリア235cに常駐させておくことで、キャラクタROM234へのデータアクセス回数を減らすことができる。よって、表示制御装置114にかかる処理負荷を軽減することができる。
一方、「森ステージ」に対応する背面B、「川ステージ」に対応する背面C、および「空ステージ」に対応する背面Dは、図152(b)に示すように、その背面の一部領域、即ち、位置aから位置bの間の画像に対応する画像データだけが常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納される。また、島ステージに対応する背面Eに対応する画像データが、電源投入後の立ち上げ処理の中で常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納され、常駐される。
ここで、即座に背面画像を変更するためには、全ての背面画像について全範囲の画像データを常駐用ビデオRAM235に常駐させておくことが理想的であるが、そのようにすると常駐用ビデオRAM235として非常に大きな容量のRAMを用いなければならず、コストの増大につながるおそれがある。
これに対し、本パチンコ機10では、ステージが変更された場合に最初に表示される背面画像の初期位置を、位置aから位置a’の範囲に固定し、その初期位置を含む位置aから位置bの間の画像に対応する画像データを常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納しておく構成としているので、キャラクタROM234を読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成しても、変動開始時の抽選によりステージの変更が決定された場合に、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐されている画像データを用いることによって、即座にその背面B〜Dの初期位置を第3図柄表示装置81に表示させることができ、また、時間経過とともにスクロール表示または色調を変化させながら表示させることができる。また、背面B〜Dについては、一部範囲の画像に対応する画像データだけを格納するので、常駐用ビデオRAM235の記憶容量の増大を抑制でき、コストの増大を抑えることができる。
また、背面B〜Dは、初期位置の画像が表示された後、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐された画像データを用いて位置aから位置bの範囲を左から右に向けてスクロールさせている間に、位置b’から位置dの画像に対応する画像データをキャラクタROM234から通常用RAM236へ転送完了できるように、その位置aから位置bの範囲が設定されている。これにより、位置aから位置bの範囲をスクロールさせる間に位置b’から位置dの画像データを通常用ビデオRAM236へ転送できるので、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納された画像データを用いて位置aから位置bの範囲をスクロールさせた後、遅滞なく通常用ビデオRAM236に格納された背面画像に対応する画像データを用いて、位置b’から位置dの範囲をスクロールさせて第3図柄表示装置81に表示させることができる。
同様に、背面Eは、初期位置の画像が表示された後、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐された画像データを用いて画像を表示させている間に、残りの画像の画像データがキャラクタROM234から通常用RAM236へ転送が完了できるように、画像データの範囲が設定されている。これにより、画像を表示させている間に残りの画像に対応する画像データを通常用ビデオRAM236へ転送できるので、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐された画像データを用いて画像を表示させた後、遅滞なく通常用ビデオRAM236に格納された背面画像に対応する画像データを用いて、残りの画像を時間経過とともに、順次、第3図柄表示装置81に表示させることができる。
なお、背面B〜Eにおいて、通常用ビデオRAM236に格納される画像データは、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236a(図150参照)に設けられた背面画像専用のサブエリアに格納される。これにより、背面画像専用のサブエリアに格納された背面画像データが、他の画像データによって上書きされることがないので、背面画像を確実に表示させることができる。
また、背面B〜Dにおいて、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納される画像データと、通常用ビデオRAM236に格納される画像データとでは、位置b’から位置bの間の画像に対応する画像データが重複して格納される。そして、MPU231による画像コントローラ237の制御により、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納された画像データを用いて位置bまでの画像を第3図柄表示装置81に表示させ、次いで、通常用ビデオRAM236に格納された画像データを用いて位置b’からの画像を第3図柄表示装置81に表示させることで、第3図柄表示装置81にスムーズなつながりで背面画像がスクロール表示されるようになっている。
更に、MPU231は、通常用ビデオRAM236の画像データを用いて、位置cから位置dの間の画像を表示領域として第3図柄表示装置81に表示されるように画像コントローラ237を制御すると、次いで、MPU231は、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cの画像データを用いて、位置aから位置a’の間の画像を表示領域として第3図柄表示装置81に表示されるように画像コントローラ237を制御する。これにより、第3図柄表示装置81には、位置a〜位置cの間の画像が、左方向に向かって流れるように、スムーズなつながりで繰り返しスクロールされて表示させることができる。
図150に戻って、説明を続ける。第3図柄エリア235dは、第3図柄表示装置81に表示される変動演出において使用される第3図柄を常駐するためのエリアである。即ち、第3図柄エリア235dには、第3図柄である「0」から「9」の数字を付した上述の10種類の主図柄に対応する画像データが常駐される。これにより、第3図柄表示装置81にて変動演出を行う場合、逐一キャラクタROM234から画像データを読み出す必要がないので、キャラクタROM234にNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、第3図柄表示装置81において素早く変動演出を開始することができる。よって、特図入球口64、または第2入球口640への入球が発生してから、第1図柄表示装置37では変動演出が開始されているにも関わらず、第3図柄表示装置81において変動演出が即座に開始されないような状態が発生するのを抑制することができる。
また、第3図柄エリア235dには、「0」から「9」の数字が付されていない主図柄として、木箱といった後方図柄からなる主図柄や、後方図柄とかんな,風呂敷,ヘルメット等のキャラクタを模した付属図柄とからなる主図柄に対応する画像データも常駐される。これらの画像データは、一の変動演出が停止してから所定時間経過しても、始動入賞に伴う次の変動演出が開始されない場合に、第3図柄表示装置81に表示されるデモ演出に用いられる。これにより、デモ演出が第3図柄表示装置81に表示されると、そのデモ演出において、第3図柄として数字の付されていない主図柄が表示される。よって、遊技者は、数字の付されていない主図柄を第3図柄表示装置81の表示画像から視認することによって、当該パチンコ機10がデモ状態にあることを容易に認識することができる。
また、本制御例では、設定される背景モード(背面画像)に応じて表示態様が異なる第3図柄が表示されるように構成している。よって、第3図柄エリア235dには、背景モードが切り替わる毎に、切り替わり後の背景モードに対応する第3図柄の表示画像データが格納される。これにより、第3図柄エリア235dに全ての背景モードに対応する全ての第3図柄に対する画像データを格納する必要が無くなるため、記憶容量の削減を図ることができる。
なお、本制御例では、遊技者が操作手段(枠ボタン22)を操作することにより背景モードを切替可能に構成しているため、短期間の間に複数回の背景モード移行が実行される場合がある。そこで、本制御例では、背景モードを切り替えた後の所定期間(例えば、10秒間)は、切替前の背景モードに対応する画像データを第3図柄エリア235dから消去しないように構成している。これにより、頻繁に背景モードを切り替える事象が発生したとしても、第3図柄エリア235dへと画像データを格納する処理が煩雑に実行されることを抑制することができる。また、第3図柄記憶エリア235dに対して、予め、複数の背景モード毎に対応させた複数の第3図柄の画像データを格納するように構成しても良い。
キャラクタ図柄エリア235eは、第3図柄表示装置81に表示される各種演出で使用されるキャラクタ図柄に対応する画像データを格納する領域である。本パチンコ機10では、「少年」や「老人」、「少女」をはじめとする様々なキャラクタが各種演出にあわせて表示されるようになっており、これらに対応するデータがキャラクタ図柄エリア235eに常駐されることにより、表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドの内容に基づいてキャラクタ図柄を変更する場合、キャラクタROM234から対応の画像データを新たに読み出すのではなく、常駐用ビデオRAM235のキャラクタ図柄エリア235eに予め常駐されている画像データを読み出すことによって、画像コントローラ237にて所定の画像を描画できるようになっている。これにより、キャラクタROM234から対応の画像データを読み出す必要がないので、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、キャラクタ図柄を即座に変更することができる。
エラーメッセージ画像エリア235fは、パチンコ機10内にエラーが発生した場合に表示されるエラーメッセージに対応する画像データを格納する領域である。本パチンコ機10では、例えば、遊技盤13の裏面に取り付けられた振動センサ(図示せず)の出力から、音声ランプ制御装置113によって振動を検出すると、音声ランプ制御装置113は振動エラーの発生をエラーコマンドによって表示制御装置114に通知する。また、音声ランプ制御装置113により、その他のエラーの発生が検出された場合にも、音声ランプ制御装置113は、エラーコマンドによって、そのエラーの発生をそのエラー種別と共に表示制御装置114へ通知する。表示制御装置114では、エラーコマンドを受信すると、その受信したエラーに対応するエラーメッセージを第3図柄表示装置81に表示させるように構成されている。
ここで、エラーメッセージは、遊技者の不正防止やエラーに対する遊技者の保護の観点から、エラーの発生とほぼ同時に表示されることが求められる。本パチンコ機10では、エラーメッセージ画像エリア235fに、各種エラーメッセージに対応する画像データが予め常駐されているので、表示制御装置114は、受信したエラーコマンドに基づいて、常駐用ビデオRAM235のエラーメッセージ画像エリア235fに予め常駐されている画像データを読み出すことによって、画像コントローラ237にて各エラーメッセージ画像を即座に描画できるようになっている。これにより、キャラクタROM234から逐次エラーメッセージに対応する画像データを読み出す必要がないので、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、エラーコマンドを受信してから対応するエラーメッセージを即座に表示させることができる。
通常用ビデオRAM236は、データが随時上書きされ更新されるように用いられるもので、画像格納エリア236a、第1フレームバッファ236b、第2フレームバッファ236cが少なくとも設けられている。
画像格納エリア236aは、第3図柄表示装置81に表示させる画像の描画に必要な画像データのうち、常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを格納するためのエリアである。画像格納エリア236aは、複数のサブエリアに分割されており、サブエリア毎に、そのサブエリアに格納される画像データの種別が予め定められている。
MPU231は、常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データのうち、その後の画像の描画で必要となる画像データを、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに設けられたサブエリアのうち、その画像データの種別を格納すべき所定のサブエリアに転送するように、画像コントローラ237に対して指示をする。これにより画像コントローラ237は、MPU231により指示された画像データをキャラクタROM234から読み出し、バッファRAM237aを介して、画像格納エリア236aの指定された所定のサブエリアにその読み出した画像データを転送する。
なお、画像データの転送指示は、MPU231が画像コントローラ237に対して画像の描画を指示する後述の描画リストの中に、転送データ情報を含めることによって行われる。これにより、MPU231は、画像の描画指示と、画像データの転送指示とを、描画リストを画像コントローラ237に送信するだけで行うことができるので、処理負荷を低減することができる。
第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cは、第3図柄表示装置81に表示すべき画像を展開するためのバッファである。画像コントローラ237は、MPU231からの指示に従って描画した1フレーム分の画像を、第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれか一方のフレームバッファに書き込むことによって、そのフレームバッファに1フレーム分の画像を展開すると共に、その一方のフレームバッファに画像を展開している間、他方のフレームバッファから先に展開された1フレーム分の画像情報を読み出し、駆動信号と共に第3図柄表示装置81に対してその画像情報を送信することによって、第3図柄表示装置81に、その1フレーム分の画像を表示させる処理を実行する。
このように、フレームバッファとして、第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cの2つを設けることによって、画像コントローラ237は、一方のフレームバッファに描画した1フレーム分の画像を展開しながら、同時に、他方のフレームバッファから先に展開された1フレーム分の画像を読み出して、第3図柄表示装置81にその読み出した1フレーム分の画像を表示させることができる。
そして、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、第3図柄表示装置81に画像を表示させるために1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとは、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に、MPU231によって、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかが交互に入れ替えて指定される。
即ち、あるタイミングで、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定されて、画像の描画処理および表示処理が実行されると、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒後に、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定される。これにより、先に第1フレームバッファ236bに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第2フレームバッファ236cに新たな画像が展開される。
そして、更に次の20ミリ秒後には、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定される。これにより、先に第2フレームバッファ236cに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第1フレームバッファ236bに新たな画像が展開される。以後、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとを、20ミリ秒毎に、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかを交互に入れ替えて指定することによって、1フレーム分の画像の描画処理を行いながら、1フレーム分の画像の表示処理を20ミリ秒単位で連続的に行わせることができる。
ワークRAM233は、キャラクタROM234に記憶された制御プログラムや固定値データを格納したり、MPU231による各種制御プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するためのメモリであり、DRAMによって構成される。このワークRAM233は、プログラム格納エリア233a、データテーブル格納エリア233b、簡易画像表示フラグ233c、表示データテーブルバッファ233d、転送データテーブルバッファ233e、ポインタ233f、描画リストエリア233g、計時カウンタ233h、格納画像データ判別フラグ233i、描画対象バッファフラグ233j、背面画像変更フラグ233w、背面画像判別フラグ233x、デモ表示フラグ233y、確定表示フラグ233zを少なくとも有している。
プログラム格納エリア233aは、MPU231によって実行される制御プログラムを格納するためのエリアである。MPU231は、システムリセットが解除されると、キャラクタROM234から制御プログラムを読み出してワークRAM233へ転送し、このプログラム格納エリア233aに格納する。そして、全ての制御プログラムをプログラム格納エリア233aに格納すると、以後、MPU231はプログラム格納エリア233aに格納された制御プログラムを用いて各種制御を実行する。上述したように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、制御プログラムを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
データテーブル格納エリア233bは、主制御装置110からのコマンドに基づき表示させる一の演出に対し、時間経過に伴い第3図柄表示装置81に表示すべき表示内容を記載した表示データテーブルと、表示データテーブルにより表示される一の演出において使用される画像データのうち常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データの転送データ情報ならびに転送タイミングを規定した転送データテーブルとが格納される領域である。
これらのデータテーブルは、通常、キャラクタROM234のNAND型フラッシュメモリ234aに設けられた第2プログラム記憶エリア234a1に固定値データの一種として記憶されており、システムリセット解除後にMPU231によって実行されるブートプログラムに従って、これらのデータテーブルがキャラクタROM234からワークRAM233へ転送され、このデータテーブル格納エリア233bに格納される。そして、全てのデータテーブルがデータテーブル格納エリア233bに格納されると、以後、MPU231は、データテーブル格納エリア233bに格納されたデータテーブルを用いて第3図柄表示装置81の表示を制御する。上述したように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、各種データテーブルを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
ここで、各種データテーブルの詳細について説明する。まず、表示データテーブルは、主制御装置110からのコマンドに基づいて第3図柄表示装置81に表示される各演出の演出態様毎に1つずつ用意されるもので、例えば、変動演出、オープニング演出、ラウンド演出、エンディング演出、デモ演出に対応する表示データテーブルが用意されている。
変動演出は、音声ランプ制御装置113からの表示用変動パターンコマンドを受信した場合に、第3図柄表示装置81おいて開始される演出である。なお、表示用変動パターンコマンドが受信される場合には、変動演出の停止種別を示す表示用停止種別コマンドも受信される。例えば、変動演出が開始された場合に、その変動演出の停止種別が外れであれば、外れを示す停止図柄が最終的に停止表示される一方、その変動演出の停止種別が大当たりA、大当たりBのいずれかであれば、それぞれの大当たり示す停止図柄が最終的に停止表示される。遊技者は、この変動演出における停止図柄を視認することで大当たり種別を認識でき、大当たり種別に応じて付与される遊技価値を容易に判断することができる。
オープニング演出は、これからパチンコ機10が特別遊技状態へ移行して、通常時には閉鎖されている大開放口が繰り返し開放されることを遊技者に報知するための演出であり、ラウンド演出は、これから開始されるラウンド数を遊技者に報知するための演出である。エンディング演出は、特別遊技状態の終了を遊技者に報知するための演出である。
なお、デモ演出は、上述したように、一の変動演出が停止してから所定時間経過しても、始動入賞に伴う次の変動演出が開始されない場合に、第3図柄表示装置81に表示される演出であり、「0」から「9」の数字が付されていない主図柄からなる第3図柄が停止表示されると共に、背面画像のみが変化する。第3図柄表示装置81にデモ演出が表示されていれば、遊技者やホール関係者が、当該パチンコ機10において遊技が行われていないことを認識することができる。
データテーブル格納エリア233bには、オープニング演出、ラウンド演出、エンディング演出およびデモ演出に対応する表示データテーブルをそれぞれ1つずつ格納する。また、変動演出用の表示データテーブルである変動表示データテーブルは、設定される変動演出パターンが32パターンあれば、1変動演出パターンに1テーブル、合計で32テーブルが用意される。
ここで、図153を参照して、表示データテーブルの詳細について説明する。図153は、表示データテーブルのうち、変動表示データテーブルの一例を模式的に示した模式図である。表示データテーブルは、第3図柄表示装置81において1フレーム分の画像が表示される時間(本制御例では、20ミリ秒)を1単位として表したアドレスに対応させて、その時間に表示すべき1フレーム分の画像の内容(描画内容)を詳細に規定したものである。
描画内容には、1フレーム分の画像を構成する表示物であるスプライト毎に、そのスプライトの種別を規定すると共に、そのスプライトの種別に応じて、表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報、フィルタ指定情報といった、スプライトを第3図柄表示装置81に描画させるための描画情報が規定されている。
スプライトの種別は、表示すべきスプライトを特定するための情報である。表示位置座標は、そのスプライトを表示すべき第3図柄表示装置81上の座標を特定するための情報である。拡大率は、そのスプライトに対して予め設定された標準的な表示サイズに対する拡大率を指定するための情報で、その拡大率に従って表示されるスプライトの大きさが特定される。なお、拡大率が100%より大きい場合は、そのスプライトが標準的な大きさよりも拡大されて表示され、拡大率が100%未満の場合は、そのスプライトが標準的な大きさもよりも縮小されて表示される。
回転角度は、スプライトを回転させて表示させる場合の回転角度を特定するための情報である。半透明値は、スプライト全体の透明度を特定するためのものであり、半透明値が高いほど、スプライトの背面側に表示される画像が透けて見えるように画像が表示される。αブレンディング情報は、他のスプライトとの重ね合わせ処理を行う場合に用いられる既知のαブレンディング係数を特定するための情報である。色情報は、表示すべきスプライトの色調を指定するための情報である。そして、フィルタ指定情報は、指定されたスプライトを描画する場合に、そのスプライトに対して施すべき画像フィルタを指定するための情報である。
変動表示データテーブルでは、各アドレスに対応して規定される1フレーム分の描画内容として、1つの背面画像、9個の第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)、その画像において光の差し込みなどを表現するエフェクト、少年画像や文字などの各種演出に用いられるキャラクタといった各スプライトに対する描画情報が、アドレス毎に規定されている。なお、エフェクトやキャラクタに関する情報は、そのフレームに表示すべき内容に合わせて、1つ又は複数規定される。
ここで、背面画像は、表示位置は第3図柄表示装置81の画面全体に固定され、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報およびフィルタ指定情報は、時間経過に対して一定とされるので、変動表示データテーブルでは、背面画像の種別を特定するための情報である背面種別のみが規定されている。この背面種別は、遊技者によって選択されているステージ(「街中ステージ」、「森ステージ」、「川ステージ」、「空ステージ」、「島ステージ」のいずれか)に対応する背面A〜Eのいずれかを表示させるか、背面A〜Eとは異なる背面画像を表示させるかを特定する情報が記載されている。また、背面種別は、背面A〜Eとは異なる背面画像を表示させることを特定する場合、どの背面画像を表示させるかを特定する情報も合わせて記載されている。
MPU231は、この背面種別によって、背面A〜Eのいずれかを表示させることが特定される場合は、背面A〜Eのうち抽選により決定されたステージに対応する背面画像を描画対象として特定し、また、そのフレームに対して表示すべき背面画像の範囲を時間経過に合わせて特定する。一方、背面A〜Eとは異なる背面画像を表示させることが特定される場合は、背面種別から表示させるべき背面画像を特定する。
なお、本制御例では、表示データテーブルにおいて、背面画像の描画内容として背面種別のみを規定する場合について説明するが、これに代えて、背面種別と、その背面種別に対応する背面画像のどの範囲を表示すべきかを示す位置情報とを規定するようにしてもよい。この位置情報は、例えば、初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間を示す情報であってもよい。この場合、MPU231は、そのフレームに対して表示すべき背面画像の範囲を、位置情報により示される初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間に基づいて特定する。
また、位置情報は、この表示データテーブルに基づく画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間を示す情報であってもよい。この場合、MPU231は、そのフレームに対して表示すべき背面画像の範囲を、表示用データベースに基づき画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始された段階で表示されていた背面画像の位置と、位置情報により示される該画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間とに基づいて特定する。
更に、位置情報は、背面種別に応じて、初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間を示す情報および表示データテーブルに基づく画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間を示す情報のいずれかを示すものであってもよいし、背面種別および位置情報とともに、その位置情報の種別情報(例えば、初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間を示す情報であるか、表示用データベースに基づく画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間を示す情報であるかを示す情報)を、背面画像の描画内容として規定してもよい。その他、位置情報は、経過時間を示す情報ではなく、表示すべき背面画像の範囲が格納されたアドレスを示す情報であってもよい。
第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)は、表示すべき第3図柄を特定するための図柄種別情報として、図柄種別オフセット情報が記載されている。このオフセット情報は、各第3図柄に付された数字の差分を表す情報である。第3図柄の種別を直接特定するのではなく、オフセット情報を特定するのは、変動演出における第3図柄の表示は、1つ前に行われた変動演出の停止図柄および今回行われる変動演出の停止図柄に応じて変わるためであり、変動が開始されてから所定時間経過するまでの図柄オフセット情報では、1つ前に行われた変動演出の停止図柄からのオフセット情報を記載する。これにより、1つ前の変動演出における停止図柄から変動演出が開始される。
一方、変動が開始されてから所定時間経過後は、音声ランプ制御装置113を介して主制御装置110より受信した停止種別コマンド(表示用停止種別コマンド)に応じて設定される停止図柄からのオフセット情報を記載する。これにより、変動演出を、主制御装置110より指定された停止種別に応じた停止図柄で停止させることができる。
なお、各第3図柄には固有の数字が付されているので、1つ前の変動演出における変動図柄や、主制御装置110より指定された停止種別に応じた停止図柄を、その第3図柄に付された数字で管理し、また、オフセット情報を、各第3図柄に付された数字の差分で表すことにより、そのオフセット情報から容易に表示すべき第3図柄を特定することができる。
また、図柄オフセット情報において、1つ前に行われた変動演出の停止図柄のオフセット情報から今回行われている変動演出の停止図柄のオフセット情報に切り替えられる所定時間は、第3図柄が高速に変動表示されている時間となるように設定されている。第3図柄が高速に変動表示されている間は、その第3図柄が遊技者に視認不能な状態であるので、その間に、図柄オフセット情報を1つ前に行われた変動演出の停止図柄のオフセット情報から今回行われている変動演出の停止図柄のオフセット情報に切り替えることによって、第3図柄の数字の連続性が途切れても、その数字の連続性の途切れを遊技者に認識させないようにすることができる。
表示データテーブルの先頭アドレスである「0000H」には、データテーブルの開始を示す「Start」情報が記載され、表示データテーブルの最終アドレス(図153の例では、「02F0H」)には、データテーブルの終了を示す「End」情報が記載されている。そして、「Start」情報が記載されたアドレス「0000H」と「End」情報が記載されたアドレスとの間の各アドレスに対して、その表示データテーブルで規定すべき演出態様に対応させた描画内容が記載されている。
MPU231は、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、使用する表示データテーブルを選定し、その選定した表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに格納すると共に、ポインタ233fを初期化する。そして、1フレーム分の描画処理が完了する度にポインタ233fを1加算し、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにおいて、ポインタ233fが示すアドレスに規定された描画内容に基づき、次に描画すべき画像内容を特定して後述する描画リスト(図155参照)を作成する。この描画リストを画像コントローラ237に送信することで、その画像の描画指示を行う。これにより、ポインタ233fの更新に従って、表示データテーブルで規定された順に描画内容が特定されるので、その表示データテーブルで規定された通りの画像が第3図柄表示装置81に表示される。
このように、本パチンコ機10では、表示制御装置114において、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、MPU231により実行すべきプログラムを変更するのではなく、表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに適宜置き換えるという単純な操作だけで、第3図柄表示装置81に表示すべき演出画像を変更することができる。
ここで、従来のパチンコ機のように、第3図柄表示装置81に表示させる演出画像を変更する度にMPU231で実行されるプログラムを起動するように構成した場合、演出画像の多種多様化に伴って複雑かつ膨大化するプログラムの起動や実行の処理に多大な負荷がかかるため、表示制御装置114における処理能力が制限となって、制御可能な演出画像の多様化に限界が生じてしまうおそれがあった。これに対し、本パチンコ機10では、表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに適宜置き換えるという単純な操作だけで、第3図柄表示装置81に表示すべき演出画像を変更することができるので、表示制御装置114の処理能力に関係なく、多種多様な演出画像を第3図柄表示装置81に表示させることができる。
また、このように各演出態様に対応して表示データテーブルを用意し、表示すべき演出態様に応じた表示データテーブルバッファを設定して、その設定されたデータテーブルに従い、1フレームずつ描画リストを作成することができるのは、パチンコ機10では、始動入賞に基づいて行われる抽選の結果に基づいて、予め第3図柄表示装置81に表示させる演出が決定されるためである。これに対し、パチンコ機といった遊技機を除くゲーム機などでは、ユーザの操作に基づいてその場その場で表示内容が変わるため、表示内容を予測することができず、よって、上述したような各演出態様に対応する表示データテーブルを持たせることはできない。このように、各演出態様に対応して表示データテーブルを用意し、表示すべき演出態様に応じた表示データテーブルバッファを設定して、その設定されたデータテーブルに従い、1フレームずつ描画リストを作成する構成は、パチンコ機10が、始動入賞に基づいて行われる抽選の結果に基づき予め第3図柄表示装置81に表示させる演出態様を決定する構成であることに基づいて初めて実現できるものである。
次いで、図154を参照して、転送データテーブルの詳細について説明する。図154は、転送データテーブルの一例を模式的に示した模式図である。転送データテーブルは、演出毎に用意された表示データテーブルに対応して用意されるもので、上述したように、表示データテーブルで規定されている演出において使用されるスプライトの画像データのうち、常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに転送するための転送データ情報ならびにその転送タイミングが規定されている。
なお、表示データテーブルに規定された演出において使用されるスプライトの画像データが、全て常駐用ビデオRAM235に格納されていれば、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルは用意されていない。これにより、データテーブル格納エリア233bの容量増大を抑制することができる。
転送データテーブルは、表示データテーブルにおいて規定されるアドレスに対応させて、そのアドレスで示される時間に転送を開始すべきスプライトの画像データ(以下、「転送対象画像データ」と称す)の転送データ情報が記載されている(図154のアドレス「0001H」及び「0097H」が該当)。ここで、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、その転送対象画像データの転送開始タイミングが設定されており、転送データテーブルでは、その転送開始タイミングに対応するアドレスに対応させて、転送対象画像データの転送データ情報が規定される。
一方、表示データテーブルにおいて規定されるアドレスで示される時間に、転送を開始すべき転送対象画像データが存在しない場合は、そのアドレスに対応して転送を開始すべき転送対象画像データが存在しないことを意味するNullデータが規定される(図154のアドレス「0002H」が該当)。
転送データ情報としては、その転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスが含まれる。
なお、転送データテーブルの先頭アドレスである「0000H」には、表示データテーブルと同様に、データテーブルの開始を示す「Start」情報が記載され、転送データテーブルの最終アドレス(図154の例では、「02F0H」)には、データテーブルの終了を示す「End」情報が記載されている。そして、「Start」情報が記載されたアドレス「0000H」と「End」情報が記載されたアドレスとの間の各アドレスに対して、その転送データテーブルで規定すべき転送対象画像データの転送データ情報が記載されている。
MPU231は、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、使用する表示データテーブルを選定すると、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが存在する場合は、その転送データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、後述するワークRAM233の転送データテーブルバッファ233eに格納する。そして、ポインタ233fの更新毎に、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルから、ポインタ233fが示すアドレスに規定された描画内容を特定して、後述する描画リスト(図155参照)を作成すると共に、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルから、その時点において転送を開始すべき所定のスプライトの画像データの転送データ情報を取得して、その転送データ情報を作成した描画リストに追加する。
例えば、図154の例では、ポインタ233fが「0001H」や「0097H」となった場合に、MPU231は、転送データテーブルの当該アドレスに規定された転送データ情報を、表示データテーブルに基づいて作成した描画リストに追加して、その追加後の描画リストを画像コントローラ237へ送信する。一方、ポインタ233fが「0002H」である場合、転送データテーブルのアドレス「0002H」には、Nullデータが規定されているので、転送を開始すべき転送対象画像データが存在しないと判断し、生成した描画リストに転送データ情報を追加せずに、描画リストを画像コントローラ237へ送信する。
そして、画像コントローラ237は、MPU231より受信した描画リストに転送データ情報が記載されていた場合、その転送データ情報に従って、転送対象画像データを、キャラクタROM234から画像格納エリア236aの所定のサブエリアに転送する処理を実行する。
ここで、上述したように、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、転送データテーブルでは、転送対象画像データの転送データ情報が所定のアドレスに対して規定されているので、この転送データテーブルに規定された転送データ情報に従って、画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aに転送することにより、表示データテーブルに従って所定のスプライトを描画する場合に、そのスプライトの描画に必要な常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。そして、その画像格納エリア236aに格納された画像データを用いて、表示データテーブルに基づき、所定のスプライトの描画を行うことができる。
これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
また、本パチンコ機10では、表示制御装置114において、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定するのに合わせて、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが転送データテーブルバッファ233eに設定されるので、その表示データテーブルで用いられるスプライトの画像データを、所望のタイミングで確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
また、転送データテーブルでは、スプライトに対応する画像データ毎にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ画像データが転送されるように、その転送データ情報を規定する。これにより、その画像データの転送をスプライト毎に管理し、また、制御することができるので、その転送に係る処理を容易に行うことができる。そして、スプライト単位でキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236への画像データの転送を制御することにより、その処理を容易にしつつ、詳細に画像データの転送を制御できる。よって、転送にかかる負荷の増大を効率よく抑制することができる。
また、転送データテーブルは、表示データテーブルと同様のデータ構造を有し、表示データテーブルにおいて規定されるアドレスに対応させて、そのアドレスで示される時間に転送を開始すべき転送対象画像データの転送データ情報が規定されているので、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルに基づいて所定のスプライトの画像データが用いられる前に、確実にその画像データが通常用ビデオRAM236へ格納されるように、転送開始のタイミングを指示することができるので、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、多種多様な演出画像を容易に第3図柄表示装置81に表示させることができる。
簡易画像表示フラグ233cは、第3図柄表示装置81に、図151(a)〜(c)に示す電源投入時画像(電源投入時主画像および電源投入時変動画像)を表示するか否かを示すフラグである。この簡易画像表示フラグ233cは、電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データが常駐用ビデオRAMの電源投入時主画像エリア235a又は電源投入時変動画像エリア235bに転送された後に、MPU231により実行されるメイン処理(図187参照)の中でオンに設定される(図187のS6005参照)。そして、画像転送処理の常駐画像転送処理によって、全ての常駐対象画像データが常駐用ビデオRAM235に格納された段階で、第3図柄表示装置81に電源投入時画像以外の画像を表示させるために、オフに設定される(図199(b)のS7605参照)。
この簡易画像表示フラグ233cは、画像コントローラ237から送信されるV割込信号を検出する毎にMPU231によって実行されるV割込処理の中で参照され(図189(b)のS6301参照)、簡易画像表示フラグ233cがオンである場合は、電源投入時画像が第3図柄表示装置81に表示されるように、簡易コマンド判定処理(図189(b)のS6308参照)および簡易表示設定処理(図189(b)のS6309参照)が実行される。一方、簡易画像表示フラグ233cがオフである場合は、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンドに応じて、種々の画像が表示されるように、コマンド判定処理(図190〜図195参照)および表示設定処理(図196〜図198参照)が実行される。
また、簡易画像表示フラグ233cは、V割込処理の中でMPU231により実行される転送設定処理の中で参照され(図199(a)のS7501参照)、簡易画像表示フラグ233cがオンである場合は、常駐用ビデオRAM235に格納されていない常駐対象画像データが存在するため、常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送する常駐画像転送設定処理(図199(b)参照)を実行し、簡易画像表示フラグ233cがオフである場合は、描画処理に必要な画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送する通常画像転送設定処理(図200参照)を実行する。
表示データテーブルバッファ233dは、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド等に応じて第3図柄表示装置81に表示させる演出態様に対応する表示データテーブルを格納するためのバッファである。MPU231は、その音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド等に基づいて、第3図柄表示装置81に表示させる演出態様を判断し、その演出態様に対応する表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから選定して、その選定された表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに格納する。そして、MPU231は、ポインタ233fを1ずつ加算しながら、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにおいてそのポインタ233fで示されるアドレスに規定された描画内容に基づき、1フレーム毎に画像コントローラ237に対する画像描画の指示内容を記載した後述の描画リスト(図155参照)を生成する。これにより、第3図柄表示装置81には、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルに対応する演出が表示される。
MPU231は、ポインタ233fを1ずつ加算しながら、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにおいてそのポインタ233fで示されるアドレスに規定された描画内容に基づき、1フレーム毎に画像コントローラ237に対する画像描画の指示内容を記載した後述の描画リスト(図155参照)を生成する。これにより、第3図柄表示装置81には、表示データテーブルに対応する演出が表示される。
転送データテーブルバッファ233eは、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド等に応じて、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルに対応する転送データテーブルを格納するためのバッファである。MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに表示データテーブルを格納するのに合わせて、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから選定して、その選定された転送データテーブルを転送データテーブルバッファ233eに格納する。なお、表示データテーブルバッファ233dに格納される表示データテーブルにおいて用いられるスプライトの画像データが全て常駐用ビデオRAM235に格納されている場合は、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが用意されていないので、MPU231は、転送データテーブルバッファ233eに転送対象画像データが存在しないことを意味するNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする。
そして、MPU231は、ポインタ233fを1ずつ加算しながら、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルにおいてそのポインタ233fで示されるアドレスに規定された転送対象画像データの転送データ情報が規定されていれば(即ち、Nullデータが記載されていなければ)、1フレーム毎に生成される画像コントローラ237に対する画像描画の指示内容を記載した後述の描画リスト(図155参照)に、その転送データ情報を追加する。
これにより、画像コントローラ237は、MPU231より受信した描画リストに転送データ情報が記載されていた場合、その転送データ情報に従って、転送対象画像データを、キャラクタROM234から画像格納エリア236aの所定のサブエリアに転送する処理を実行する。ここで、上述したように、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、転送データテーブルでは、転送対象画像データの転送データ情報が所定のアドレスに対して規定されている。よって、この転送データテーブルに規定された転送データ情報に従って、画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aに転送することにより、表示データテーブルに従って所定のスプライトを描画する場合に、そのスプライトの描画に必要な常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。
これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
ポインタ233fは、表示データテーブルバッファ233dおよび転送データテーブルバッファ233eの各バッファにそれぞれ格納された表示データテーブルおよび転送データテーブルから、対応する描画内容もしくは転送対象画像データの転送データ情報を取得すべきアドレスを指定するためのものである。MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに表示データテーブルが格納されるのに合わせて、ポインタ233fを一旦0に初期化する。そして、画像コントローラ237から1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒ごとに送信されるV割込信号に基づいてMPU231により実行されるV割込処理の表示設定処理(図189(b)のS6303参照)の中で、ポインタ更新処理(図198のS7205参照)が実行され、ポインタ233fの値が1ずつ加算される。
MPU231は、このようなポインタ233fの更新が行われる毎に、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルから、ポインタ233fが示すアドレスに規定された描画内容を特定して、後述する描画リスト(図155参照)を作成すると共に、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルから、その時点において転送を開始すべき所定のスプライトの画像データの転送データ情報を取得して、その転送データ情報を作成した描画リストに追加する。
これにより、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルに対応する演出が第3図柄表示装置81に表示される。よって、表示データテーブルバッファ233dに格納する表示データテーブルを変更するだけで、容易に第3図柄表示装置81に表示させる演出を変更することができる。従って、表示制御装置114の処理能力に関わらず、多種多様な演出を表示させることができる。
また、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルが格納されている場合は、その転送データテーブルに基づいて、対応する表示データテーブルによって所定のスプライトの描画が開始されるまでに、そのスプライトの描画で用いられる常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
描画リストエリア233gは、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブル、及び、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルに基づいて生成される、1フレーム分の画像の描画を画像コントローラ237に指示する描画リストを格納するためのエリアである。
ここで、図155を参照して、描画リストの詳細について説明する。図155は、描画リストの内容を模式的に示した模式図である。描画リストは、画像コントローラ237に対して、1フレーム分の画像の描画を指示する指示表であり、図155に示すように、1フレームの画像で使用する背面画像、第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)、エフェクト(エフェクト1,エフェクト2,・・・)、キャラクタ(キャラクタ1,キャラクタ2,・・・,保留球数図柄1,保留球数図柄2,・・・,エラー図柄)といったスプライト毎に、そのスプライトの詳細な描画情報(詳細情報)を記述したものである。また、描画リストには、画像コントローラ237に対して所定の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送させるための転送データ情報もあわせて記述される。
各スプライトの詳細な描画情報(詳細情報)には、対応するスプライト(表示物)の画像データが格納されているRAM種別(常駐用ビデオRAM235か、通常用ビデオRAM236か)を示す情報と、そのアドレスとが記述されており、画像コントローラ237は、そのRAM種別およびアドレスによって指定されるメモリ領域から、当該スプライトの画像データを取得する。また、その詳細な描画情報(詳細情報)には、表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報およびフィルタ指定情報が含まれており、画像コントローラ237は、各種ビデオRAMより読み出した当該スプライトの画像データにより生成される標準的な画像に対し、拡大率に応じて拡大縮小処理を施し、回転角度に応じて回転処理を施し、半透明値に応じて半透明化処理を施し、αブレンディング情報に応じて他のスプライトとの合成処理を施し、色情報に応じて色調補正処理を施し、フィルタ指定情報に応じてその情報により指定された方法でフィルタリング処理を施した上で、表示位置座標に示される表示位置に各種処理を施して得られた画像を描画する。そして、描画した画像は、画像コントローラ237によって、描画対象バッファフラグ233jで指定される第1フレームバッファ236b又は第2フレームバッファ236cのいずれかに展開される。
MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにおいて、ポインタ233fによって示されるアドレスに規定された描画内容と、その他の描画すべき画像の内容(例えば、保留球数図柄を表示する保留画像や、エラーの発生を通知する警告画像など)とに基づき、1フレーム分の画像の描画に用いられる全スプライトに対する詳細な描画情報(詳細情報)を生成すると共に、その詳細情報をスプライト毎に並び替えることによって描画リストを作成する。
ここで、各スプライトの詳細情報のうち、スプライト(表示物)のデータの格納RAM種別とアドレスとは、表示データテーブルに規定されるスプライト種別や、その他の画像の内容から特定されるスプライト種別に応じて生成される。即ち、スプライト毎に、そのスプライトの画像データが格納される常駐用ビデオRAM235のエリア、又は、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aのサブエリアが固定されているので、MPU231は、スプライト種別に応じて、そのスプライトの画像データが格納されている格納RAM種別とアドレスとを即座に特定し、それらの情報を描画リストの詳細情報に容易に含めることができる。
また、MPU231は、各スプライトの詳細情報のうち、その他の情報(表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報およびフィルタ指定情報)について、表示データテーブルに規定されるそれらの情報をそのままコピーする。
また、MPU231は、描画リストを生成するにあたり、1フレーム分の画像の中で、最も背面側に配置すべきスプライトから前面側に配置すべきスプライト順に並び替えて、それぞれのスプライトに対する詳細な描画情報(詳細情報)を記述する。即ち、描画リストでは、最初に背面画像に対応する詳細情報が記述され、次いで、第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)、エフェクト(エフェクト1,エフェクト2,・・・)、キャラクタ(キャラクタ1,キャラクタ2,・・・,保留球数図柄1,保留球数図柄2,・・・,エラー図柄)の順に、それぞれのスプライトに対応する詳細情報が記述される。
画像コントローラ237では、描画リストに記述された順番に従って、各スプライトの描画処理を実行し、フレームバッファにその描画されたスプライトを上書きによって展開していく。従って、描画リストによって生成した1フレーム分の画像において、最初に描画したスプライトが最も背面側に配置させ、最後に描画したスプライトが最も前面側に配置させることができるのである。
また、MPU231は、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルにおいて、ポインタ233fによって示されるアドレスに転送データ情報が記載されている場合、その転送データ情報(転送対象画像データが格納されたキャラクタROM234における格納元先頭アドレスおよび格納元最終アドレスと、その転送対象画像データを格納すべき画像格納エリア236aに設けられたサブエリアの格納先先頭アドレス)を、描画リストの最後に追加する。画像コントローラ237は、描画リストにこの転送データ情報が含まれていれば、その転送データ情報に基づいて、キャラクタROM234の所定の領域(格納元先頭アドレスおよび格納元最終アドレスによって示される領域)から画像データを読み出して、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに設けられた所定のサブエリア(格納先アドレス)に、転送対象となる画像データを転送する。
計時カウンタ233hは、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにより第3図柄表示装置81にて表示される演出の演出時間をカウントするカウンタである。MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに一の表示データテーブルを格納するのに合わせて、その表示データテーブルに基づいて表示される演出の演出時間を示す時間データを設定する。この時間データは、演出時間を第3図柄表示装置81における1フレーム分の画像表示時間(本制御例では、20ミリ秒)で割った値である。
そして、1フレーム分の画像の描画処理および表示処理が完了する20ミリ秒毎に画像コントローラ237から送信されるV割込信号に基づいて、MPU231により実行されるV割込処理(図189(b)参照)の表示設定処理が実行される度に、計時カウンタ233hが1ずつ減算される(図196のS7207参照)。その結果、計時カウンタ233hの値が0以下となった場合、MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにより表示される演出が終了したことを判断し、演出終了に合わせて行うべき種々の処理を実行する。
格納画像データ判別フラグ233iは、対応する画像データが常駐用ビデオRAM235に常駐されない全てのスプライトに対して、それぞれ、そのスプライトに対応する画像データが通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに格納されているか否かを表す格納状態を示すフラグである。
この格納画像データ判別フラグ233iは、電源投入時にメイン処理の中でMPU231により実行される初期設定処理(図187のS6002参照)によって生成される。ここで生成される格納画像データ判別フラグ233iは、全てのスプライトに対する格納状態が、画像格納エリア236aに格納されていないことを示す「オフ」に設定される。
そして、格納画像データ判別フラグ233iの更新は、MPU231により実行される通常画像転送設定処理(図200参照)の中で、一のスプライトに対応する転送対象画像データの転送指示を設定した場合に行われる。この更新では、転送指示が設定された一のスプライトに対応する格納状態を、対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されていることを示す「オン」に設定する。また、その一のスプライトと同じ画像格納エリア236aのサブエリアに格納されることになっているその他のスプライトの画像データは、一のスプライトの画像データが格納されることによって必ず未格納状態となるので、その他のスプライトに対応する格納状態を「オフ」に設定する。
また、MPU231は、常駐用ビデオRAM235に画像データが常駐されていないスプライトの画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送する際に、格納画像データ判別フラグ233iを参照し、転送対象のスプライトの画像データが、既に通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに格納されているか否かを判断する(図200のS7713参照)。そして、転送対象のスプライトに対応する格納状態が「オフ」であり、対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されていなければ、その画像データの転送指示を設定し(図200のS7714参照)、画像コントローラ237に対して、その画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aの所定サブエリアに転送させる。一方、転送対象のスプライトに対応する格納状態が「オン」であれば、既に対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されているので、その画像データの転送処理を中止する。これにより、無駄にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して転送されるのを抑制することができ、表示制御装置114の各部における処理負担の軽減や、バスライン240におけるトラフィックの軽減を図ることができる。
描画対象バッファフラグ233jは、2つのフレームバッファ(第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236c)の中から、画像コントローラ237によって描画された画像を展開するフレームバッファ(以下、「描画対象バッファ」と称す)を指定するためのフラグで、描画対象バッファフラグ233jが0である場合は描画対象バッファとして第1フレームバッファ236bを指定し、1である場合は第2フレームバッファ236cを指定する。そして、この指定された描画対象バッファの情報は、描画リストと共に画像コントローラ237に送信される(図201のS7802参照)。
これにより、画像コントローラ237は、描画リストに基づいて描画した画像を、指定された描画対象バッファ上に展開する描画処理を実行する。また、画像コントローラ237は、描画処理と同時並列的に、描画対象バッファとは異なるフレームバッファから先に展開済みの描画画像情報を読み出し、駆動信号と共に第3図柄表示装置81に対して、その画像情報を転送することで、第3図柄表示装置81に画像を表示させる表示処理を実行する。
描画対象バッファフラグ233jは、描画対象バッファ情報が描画リストと共に画像コントローラ237に対して送信されるのに合わせて、更新される。この更新は、描画対象バッファフラグ233jの値を反転させることにより、即ち、その値が「0」であった場合は「1」に、「1」であった場合は「0」に設定することによって行われる。これにより、描画対象バッファは、描画リストが送信される度に、第1フレームバッファ236bと第2フレームバッファ236cとの間で交互に設定される。また、描画リストの送信は、1フレーム分の画像の描画処理および表示処理が完了する20ミリ秒毎に画像コントローラ237から送信されるV割込信号に基づいて、MPU231により実行されるV割込処理の描画処理(図189(b)のS6306参照)が実行される度に行われる。
即ち、あるタイミングで、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定されて、画像の描画処理および表示処理が実行されると、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒後に、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定される。これにより、先に第1フレームバッファ236bに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第2フレームバッファ236cに新たな画像が展開される。
そして、更に次の20ミリ秒後には、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定される。これにより、先に第2フレームバッファ236cに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第1フレームバッファ236bに新たな画像が展開される。以後、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとを、20ミリ秒毎に、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかを交互に入れ替えて指定することによって、1フレーム分の画像の描画処理を行いながら、1フレーム分の画像の表示処理を20ミリ秒単位で連続的に行わせることができる。
背面画像変更フラグ233wは、第3図柄表示装置81に表示される背面画像の種別を変更するか否かを判別するためのフラグである。この背面画像変更フラグ233wがオンであれば、背面画像の種別を変更することを意味し、オフであれば変更を行わないことを意味する。背面画像変更フラグ233wは、音声ランプ制御装置113から送信される背面画像変更コマンドを受信した場合にオンに設定される(図195(a)のS7001参照)。また、この背面画像変更フラグ233wは、通常画像転送設定処理において参照され(図200のS7709参照)、背面画像の変更処理が実行される際にオフに設定される(図200のS7710参照)。これにより、音声ランプ制御装置113から受信した背面画像変更コマンドや演出モード変更コマンドに対応した背面画像を表示することができる。
背面画像判別フラグ233xは、設定されている背面画像種別を示すフラグである。このフラグは、例えば1バイトで構成されており、各ビットに対して各背面種別が対応付けられている。この背面画像判別フラグ233xのうち、いずれかのビットがオンであれば、そのオンのビットに対応する背面種別が現在の背面種別として設定されていることを意味する。例えば、背面画像判別フラグ233xの0ビット目がオンであれば、背面Aが設定されていることを意味する。この背面画像判別フラグ233xは、音声ランプ制御装置113から送信される背面画像変更コマンドを受信した場合に、そのコマンドにより通知された背面画像に対応するビットがオンに設定される(図195(a)のS7002参照)。この際、他のビットは全てオフに設定される。この背面画像判別フラグ233xにより、容易に現在設定されている背面種別を特定することができる。
デモ表示フラグ233yは、デモ演出中であるか否かを示すフラグである。このデモ表示フラグ233yがオンであればデモ演出中であることを意味し、オフであればデモ演出中でないことを意味する。このデモ表示フラグ233yは、表示設定処理(図196参照)において、デモ用表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定した場合にオンに設定され(図196のS7221参照)、デモ用表示データテーブル以外の他の表示データテーブルが表示データテーブルバッファ233dに対して設定された場合にオフに設定される(図191(a)のS6505、図192(a)のS6705、図192(b)のS6805、図193のS6905参照)。このデモ表示フラグ233yにより、現在がデモ演出中であるか否かを容易に判別することができる。
確定表示フラグ233zは、確定表示演出の実行中であるか否かを示すフラグである。ここで、確定表示演出とは、変動パターン後に停止図柄を所定期間(例えば、1秒)停止表示(確定表示)する演出を示す。この確定表示フラグ233zがオンであれば、確定表示演出中であることを意味し、オフであれば、確定表示演出中でないことを意味する。確定表示フラグ233zは、表示設定処理(図196参照)の中で、確定表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定した場合にオンに設定され(図196のS7214)、確定表示データテーブル以外の他の表示データテーブルが表示データテーブルバッファ233dに対して設定された場合にオフに設定される(図191(a)のS6505、図192(a)のS6705、図192(b)のS6805、図193のS6905参照)。この確定表示フラグ233zにより、現在が確定表示演出中であるか否かを容易に判別することができる。
<第1制御例における主制御装置により実行される制御処理について>
次に、図156から図172のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU201の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理と、定期的に(本制御例では2m秒間隔で)起動されるタイマ割込処理と、NMI端子への停電信号SG1の入力により起動されるNMI割込処理とがあり、説明の便宜上、はじめにタイマ割込処理とNMI割込処理とを説明し、その後、立ち上げ処理とメイン処理とを説明する。
本第1制御例では、上述した通り、第1特別図柄の抽選権利(特図1保留)と、第2特別図柄の抽選権利(特図2保留)と、を共に記憶している状態において、第2特別図柄の抽選を優先的に実行するように構成している。また、大当たり遊技が実行されている間に、可変入賞装置65内に配設された特定領域(Vゲート)65Vに球を通過させることにより、大当たり遊技の終了後に特別図柄の高確率状態が設定されるように構成している。さらに、遊技者に有利な遊技状態である確変状態を終了させるための終了条件として、特別図柄抽選で大当たり当選した場合に成立する終了条件以外に、特別図柄抽選が所定回数(例えば、50回)実行された場合に成立する終了条件を設けるように構成している。
図156は、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込処理は、例えば2ミリ秒毎に実行される定期処理である。タイマ割込処理では、まず各種入賞スイッチの読み込み処理を実行する(S101)。即ち、主制御装置110に接続されている各種スイッチの状態を読み込むと共に、当該スイッチの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。
次に、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を実行する(S102)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本制御例では999)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。同様に、第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本制御例では999)に達した際、0にクリアし、その第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値をRAM203の該当するバッファ領域に格納する。
更に、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、第2当たり乱数カウンタC4の更新を実行する(S103)。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、第2当たり乱数カウンタC4をそれぞれ1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本制御例ではそれぞれ、999,99,999)に達した際、それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1,C2,C4の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。
次に、第1図柄表示装置37a,37bにおいて表示を行うための処理であると共に、第3図柄表示装置81による第3図柄の変動パターンなどを設定する特別図柄変動処理を実行する(S104)。その後、第1入球口64への球の入球(始動入賞)や第2入球口640への球の入球(始動入賞)に伴う始動入賞処理を実行する(S105)。尚、特別図柄変動処理、始動入賞処理の詳細は、図157〜図162を参照して後述する。
始動入賞処理を実行した後は、第2図柄表示装置において表示を行うための処理である普通図柄変動処理を実行し(S106)、普通図柄始動口(スルーゲート)67における球の通過に伴うスルーゲート通過処理を実行する(S107)。尚、普通図柄変動処理、及び、スルーゲート通過処理の詳細は、図163および図164を参照して後述する。スルーゲート通過処理を実行した後は、次いで、発射制御処理を実行し(S108)、更に、定期的に実行すべきその他の処理を実行して(S109)、タイマ割込処理を終了する。なお、発射制御処理は、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、且つ、発射を停止させるための発射停止スイッチ51bが操作されていないことを条件に、球の発射のオン/オフを決定する処理である。主制御装置110は、球の発射がオンである場合に、発射制御装置112に対して球の発射指示をする。
次に、図157を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理の一処理である特別図柄変動処理(S104)を説明する。図157は、この特別図柄変動処理(S104)を示すフローチャートである。特別図柄変動処理(図157のS104参照)は、特別図柄を、取得した各カウンタ値に基づいて、各種判定(当否判定)や決定を行い、所定の制御によりその決定された変動表示態様で、第1図柄表示装置37に変動表示を可能に制御したり、第3図柄表示装置81にて第3図柄、第4図柄の変動表示演出を実行させるための各種コマンドを設定したり、判定結果(当否判定結果)を示す表示態様で停止表示させるための制御が実行される。以下、特別図柄変動処理(図157のS104参照)について説明する。
この特別図柄変動処理(S104)では、まず、今現在が、特別図柄の大当たり中(大当たり遊技中)であるかを判別する(S201)。具体的には、大当たり中フラグ203kがオンであるかを判別する。判別の結果、特別図柄の大当たり中(大当たり遊技中)であれば(S201:Yes)、そのまま本処理を終了する。
S201の処理において、特別図柄の大当たり中(大当たり遊技中)ではないと判別した場合は(S201:No)、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中であるか否かを判定し(S202)、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中でなければ(S202:No)、即ち、新たな特別図柄抽選(変動)を実行可能な状態であれば、第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(第1特別図柄の抽選に基づく変動表示の保留回数N1)と、第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値(第2特別図柄の抽選に基づく変動表示の保留回数N2)を取得する(S203)。次に、第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値(N2)が0よりも大きいかを判別する(S204)。第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値(N2)が0でなければ(S204:Yes)、第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値(N2)を1減算し(S205)、演算により変更された第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値を示す保留球数コマンドを設定する(S206)。ここで設定された保留球数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理の外部出力処理の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値を抽出し、抽出した値をRAM223の特別図柄保留球数カウンタ223cに格納する。
S206の処理により保留球数コマンドを設定した後は、第2特別図柄保留球格納エリア203bに格納されたデータをシフトする(S207)。S207の処理では、第2特別図柄保留球格納エリア203bの保留第1エリア〜保留第4エリアに格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトし、S208の処理へ移行する。
一方、S204の処理において、第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値(N2)が0である場合は(S204:No)、S203の処理で取得した第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(N1)が0よりも大きいかを判別する(S210)。
S210の処理において、第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(N1)が0であると判別した場合は(S210:No)、そのまま本処理を終了する。一方、S210の処理において、第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(N1)が0でない(即ち、1以上である)と判別した場合は(S210:Yes)、第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(N1)を1減算し(S211)、演算により変更された第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値を示す保留球数コマンドを設定する(S212)。ここで設定された保留球数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理の外部出力処理の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値を抽出し、抽出した値をRAM223の特別図柄保留球数カウンタ223cに格納する。
S212の処理により保留球数コマンドを設定した後は、第1特別図柄保留球格納エリア203aに格納されたデータを、S207の処理と同一の手法によりシフトして(S213)、処理をS208の処理へと移行する。S207、またはS213の処理後に実行されるS208の処理では、特別図柄大当たり判定処理を実行し(S208)、次いで、特別図柄変動パターン選択処理を実行し(S209)、その後、本処理を終了する。この特別図柄大当たり判定処理(S208)および特別図柄変動パターン選択処理(S209)の詳細については図158および図159を参照して後述する。
S202の処理において、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中であれば(S202:Yes)、次いで、変動時間が経過したか否かを判別する(S214)。変動時間が経過していなければ(S214:No)、第1図柄表示装置37の表示を更新し(S215)、その後、本処理を終了する。S215の処理では、特別図柄の変動時間を計測するための変動時間カウンタの値が更新され、更新後の変動時間カウンタの値に対応させて第1図柄表示装置81の表示が更新される。この変動時間カウンタには、特別図柄変動パターン選択処理(S209)にて選択された変動パターンに対応する変動時間を示す値が、特別図柄変動の開始タイミングでセットされ、その後、S215の処理を実行する毎に更新(減算)される。一方、S214の処理で変動時間が経過したと判別された場合は(S214:Yes)、即ち、S215の処理で更新された変動時間カウンタの値が0である場合は、第1図柄表示装置37の停止図柄に対応した表示態様を設定する(S216)。停止図柄の設定は、特別図柄変動パターン選択処理(S209)によって予め行われる。この特別図柄変動パターン選択処理(S209)が実行されると、実行エリアに格納された各種カウンタの値に基づいて、特別図柄の抽選が行われる。より具体的には、第1当たり乱数カウンタC1の値に応じて特別図柄の大当たりか否かが決定されると共に、特別図柄の大当たりである場合には、第1当たり種別カウンタC2の値に応じて大当たりA〜Eのいずれかが決定される。
尚、本制御例では、大当たりAになる場合には、第1図柄表示装置37において青色のLEDを点灯させ、大当たりBになる場合には赤色のLEDを点灯させ、大当たりCとなる場合には、緑色のLEDを点灯させ、大当たりDとなる場合には、青色のLEDと緑色のLEDを点灯させる。また、外れである場合には赤色のLEDと緑色のLEDとを点灯させる。なお、各LEDの表示は、次の変動表示が開始される場合に点灯が解除されるが、変動の停止後数秒間のみ点灯させるものとしても良い。
S216の処理が終了した後は、第1図柄表示装置37において実行中の変動表示が開始されたときに、特別図柄変動開始処理によって行われた特別図柄の抽選結果(今回の抽選結果)が、特別図柄の大当たりであるかを判定する(S217)。今回の抽選結果が特別図柄の大当たりであれば(S217:Yes)、大当たり開始フラグ203jをオンに設定し(S218)、時短カウンタ203h、確変カウンタ203iの値をクリア(0に設定)し(S219)、S220の処理へと移行する。S218の処理によって、大当たり開始フラグ203jがオンに設定されると、主制御装置110にて実行されるメイン処理の大当たり制御処理(図113のS1804参照)が実行された場合に、S1901:Yesへ分岐して、オープニングコマンドが設定される(S1902)。その結果、第3図柄表示装置81において、大当たり演出が開始される。
S217の処理において、今回の抽選結果が特別図柄の外れであれば(S217:No)、S218,S219の処理をスキップして、更新処理を実行し(S221)、その後、S220へと移行する。
ここで設定された状態コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理の外部出力処理(S1801)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、状態コマンドを受信すると、状態コマンドに含まれる遊技状態を取得する。これにより、音声ランプ制御装置113の把握する状態を、実際のパチンコ機10の状態に一致させることができる。S220の処理では、特図確定コマンドを設定し(S220)、本処理を終了する。
次に、図158を参照して、特別図柄変動処理(図157のS104)の一処理である特別図柄大当たり判定処理(S208)について説明する。図158は、この特別図柄大当たり判定処理(S208)を示すフローチャートである。
特別図柄大当たり判定処理(図158のS208)では、まず、特別図柄保留球実行エリア(図示せず)に記憶されている各カウンタ値を取得する(S301)。そして、第1当たり乱数テーブル202a(図140(a)参照)に基づいて、S301の処理で取得した第1当たり乱数カウンタC1の値が大当たり判定値と一致するか否かを判定し、その抽選結果(判定結果)を取得する(S302)。
S302の処理を終えると、次に、今回の抽選結果が大当たりであるかを判別し(S303)、大当たりであると判別した場合は(S303:Yes)、特別図柄の抽選結果を大当たりに設定し(S304)、取得した当たり種別カウンタC2の値に基づいて、第1図柄表示装置37に表示する特別図柄の大当たり図柄をセットし(S305)、本処理を終了する。一方、S303の処理において今回の抽選結果が大当たりでは無いと判別した場合は(S303:No)、第1図柄表示装置37に特別図柄の外れ図柄をセットし(S306)、本処理を終了する。
次に、図159を参照して、特別図柄変動処理(図157のS104)の一処理である特別図柄変動パターン選択処理(S209)について説明する。図159はこの特別図柄変動パターン選択処理(S209)を示すフローチャートである。
特別図柄変動パターン選択処理(図159のS209)では、まず、特別図柄大当たり判定処理(図158のS208)において、特別図柄の抽選結果が大当たりであるか否か、即ち、特別図柄の大当たりが設定されているか否かを判別する(S401)。
S401の処理において、特別図柄の大当たりが設定されていると判別された場合には(S401:Yes)、大当たり種別選択テーブル202d(図141(a)〜(c)参照)と、取得している第1当たり種別カウンタC2の値とに基づいて、大当たり種別を決定する(S402)。次いで、特別図柄実行エリアに格納されている変動種別カウンタCS2の値を取得し(S403)、遊技状態格納エリア203gに記憶されている情報に対応する現在の遊技状態(通常状態、潜伏状態、確変状態)に対応した変動パターン選択テーブル202dを読み出す(S404)。
そして、S403の処理で取得した変動種別カウンタCS2の値と、S404の処理で読み出した変動パターン選択テーブル202dとに基づいて変動パターンを選択し(S405)、S405の処理で選択した変動パターンに基づいて、特図変動パターンコマンドを設定する(S406)。ここで設定される特図変動パターンコマンドには、特別図柄抽選の抽選結果、特別図柄の変動時間を示す情報が含まれており、主制御装置110のメイン処理の外部出力処理(図167のS1801参照)にて音声ランプ制御装置113へと出力される。
次に、特別図柄の停止図柄を示す特図停止種別コマンドを設定し(S407)、第1図柄表示装置37で特別図柄の変動開始を設定し(S408)、選択した変動パターンの変動時間を示す値を特図変動時間カウンタ(図示せず)の値にセットし(S409)、本処理を終了する。S407の処理で設定される特図停止種別コマンドには、今回の特別図柄変動の結果を示す停止図柄の種別、即ち、リーチ外れや、リーチにならない外れといった大まかな種別を示す情報が含まれており、主制御装置110のメイン処理(図167)の外部出力処理(図167のS1801参照)にて音声ランプ制御装置113へと出力される。
一方、S401の処理において、特別図柄の抽選結果が外れであると判別した場合には(S401:No)、S402の処理をスキップしてS403の処理へ移行する。
次に、図160を参照して、特別図柄変動処理(図15のS104参照)にて実行される更新処理(S221)の内容について説明をする。図160は、更新処理(S221)の内容を示したフローチャートである。この更新処理(S221)では、特別図柄変動の変動時間が経過した場合(変動停止時)に実行される処理であって、確変状態が継続して設定される期間の残期間を更新したり、時短状態が継続して設定される期間の残期間を更新したりするための処理が実行される。
更新処理(S221)が実行されると、まず確変カウンタ203iの値が0よりも大きい、即ち、現在が特別図柄の高確率状態であるかを判別し(S501)、確変カウンタ203iの値が0よりも大きいと判別した場合は(S501:Yes)、確変カウンタ203iの値を1減算(更新)し(S502)、次いで、更新後の確変カウンタ203iの値が0であるかを判別し(S503)、0であると判別した場合は(S503:Yes)、遊技状態格納エリア203gに時短状態を設定し(S504)、S505の処理へ移行する。また、S501の処理において確変カウンタ203iの値が0よりも大きくない(0である)と判別した場合(S501:No)は、現在が特別図柄の高確率状態では無いため、確変カウンタ203iの値を更新するための上述したS502〜S504の処理をスキップしてS505の処理へ移行する。
また、S503の処理において、確変カウンタ203iの値が0では無い、即ち、確変カウンタ203iの値が0よりも大きく、確変状態(特別図柄の高確率状態)が継続する場合も(S503:No)、S504の処理をスキップしてS505の処理へ移行する。
S505の処理では、時短カウンタ203hの値が0よりも大きいかを判別し、0よりも大きいと判別した場合、即ち、現在が普通図柄の高確率状態である場合は(S505:Yes)、時短カウンタ203hの値を1減算し(S506)、減算後の時短カウンタ203hの値が0であるかを判別する(S507)。S507の処理において時短カウンタ203hの値が0であると判別した場合は、遊技状態格納エリア203gに通常状態を設定し(S508)、確変カウンタ203iの値、時短カウンタ203hの値、現在の遊技状態を示す状態コマンドを設定し(S509)、本処理を終了する。また、S505の処理において時短カウンタ203hの値が0よりも大きく無い(0である)と判別した場合(S505:No)、或いは、S507の処理において時短カウンタ203hの値が0では無いと判別した場合(S507:No)は、そのままS509の処理へ移行する。
次に、図161を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理(図156)の一処理である始動入賞処理(S105)を説明する。図161は、この始動入賞処理(S105)を示すフローチャートである。始動入賞処理(図161のS105)は、第1入球口64、第2入球口640のいずれかにに球が入球(始動入賞)したか判別して、始動入賞した場合には、保留上限個数(第1入球口64、第2入球口640に最大4個)まで、取得した各カウンタ値を第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは第2特別図柄保留球格納エリア203bにそれぞれ格納する処理である。
また、保留球に基づいて取得された各カウンタ値が、第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは第2特別図柄保留球格納エリア203bにそれぞれ記憶されると、第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは第2特別図柄保留球格納エリア203bのそれぞれに記憶されている各カウンタ値に基づいて、事前に当否判定結果や選択される変動パターン等を予測する処理(所謂、先読み処理)が実行される。以下、始動入賞処理(図161のS105)について説明する。
始動入賞処理(図161のS105)では、まず、球が第1始動口である第1入球口64に入球(始動入賞)したか否かを判別する(S601)。ここでは、第1入球口64内に設けられた球検知スイッチ(図示せず)への球の入球を検出する。球が第1入球口64に入球した(始動入賞があった)と判別する(S601:Yes)、第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(N1)を取得し(S602)、その取得した値(N1)が4未満であるかを判別する(S603)。
つまり、現時点で第1入球口64に対する保留個数が上限値である4個よりも少ない状態であるか(即ち、保留個数が上限値まで記憶されていないか)が判別される。取得した値(N1)が4未満であると判別した場合には(S603:Yes)、第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(N1)を1加算し(S604)、音声ランプ制御装置113に対して第1入球口64の保留個数(第1特別図柄の抽選権利保留数)を通知するための保留球数コマンドを設定する(S605)。
そして、各種カウンタ値(第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、変動種別カウンタCS1)の各値をカウンタ用バッファから読み出し(取得して)、RAM203の第1特別図柄保留球実行エリアの対応する保留球数の記憶エリアに各々保留(格納)し(S606)、S607の処理へ移行する。
また、S601の処理で球が第1入球口64に入球していないと判別した場合(S601:No)、或いは、S603の処理で、現時点で第1入球口64に対する保留個数が上限値であると判別した場合(S603:No)は、第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(N1)を加算する処理をスキップして、S607の処理へ移行する。
次に、S607〜S612までの各処理については、S601〜S606までの各処理で実行された第1始動口(第1入球口64)への球の入賞に対して行われた処理と同様の処理が、第2入球口640に対して実行される処理であることが相違するのみであるので、詳細な説明は省略する。
S601〜S612までの各処理を実行後、先読み処理を実行し(S613)、本処理を終了する。
この先読み処理(S613)については、図162を参照して後述するが、新たに第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは第2特別図柄保留球格納エリア203bに記憶された各カウンタ値から当否判定結果や、決定される変動パターン、停止種別等を判別する処理が実行される。なお、本制御例では、新たに記憶された各カウンタ値に基づいて当否判定結果や、決定される変動パターン、停止種別等を判別する処理を実行するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、新たな始動入賞があった場合に、第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは第2特別図柄保留球格納エリア203bに記憶(格納)されている全ての保留記憶に対して当否判定結果や、決定される変動パターン、停止種別等を判別する処理を実行するように構成しても良い。
また、本制御例では、第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは第2特別図柄保留球格納エリア203bに新たな情報(入賞情報)を格納する場合、即ち、特別図柄の抽選権利を新たに獲得した場合に、特別図柄の抽選権利(入賞情報)の内容を事前に判別する構成としているが、これに限ること無く、例えば、球がスルーゲート67を通過した場合や、普通図柄の抽選結果に応じて、特別図柄の抽選権利(入賞情報)の内容を事前に判別するように構成しても良い。
上述した通り、本制御例では、第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(N1)または第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値(N2)を加算した場合に、加算された入賞に関する情報(入賞情報)に基づいた先読み処理(S613)を実行するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、S603の処理で第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(N1)が上限数(4)であると判別した場合(S603:No)、即ち、特別図柄の保留球数が上限に到達している状態で第1入球口64に球を入球させた場合に先読み処理(S613)を実行することができるように構成しても良い。これにより、特別図柄の保留球数が上限に到達している状態においても、先読み処理を実行させるために遊技者に継続して遊技を行わせることができる。また、特別図柄の保留球数が上限に到達している状態で第1入球口64に球を入球させた場合に付加価値を付与することができるため、特別図柄の保留球数が上限に到達している状態で第1入球口64に球が入球した際に遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができる。
次に、図162を参照して、始動入賞処理(図161のS105)の一処理である先読み処理(S613)について説明する。図107は、この先読み処理(S613)を示すフローチャートである。
先読み処理(図162のS613)では、まず、新たに第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは第2特別図柄保留球格納エリア203bに記憶された格納エリアから各種カウンタ値である、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、変動種別カウンタCS1の各値を読み出す(S701)。そして、読み出したデータを先読み保留記憶エリアの空いている記憶エリアのうち、入賞順序がもっとも小さいエリアに記憶する(S702)。
次に、新たに先読み保留記憶エリアに記憶された各カウンタ値に基づいて、当否判定結果を判定する。なお、ここでは、特別図柄の低確率状態である場合の当否判定と、特別図柄の高確率状態である場合の当否判定との両方が判別される。これは、新たな保留記憶が発生したタイミング(第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは第2特別図柄保留球格納エリア203bに新たな保留(入賞情報)が記憶されたタイミング)と、今回新たに保留された入賞情報に基づいて大当たり判定が実行されるタイミングとにはタイムラグが発生することから、今回新たに保留された入賞情報に基づく大当たり判定が実行されるタイミングで設定されている遊技状態(特別図柄の確率状態)を予測することが困難だからである。
次に、当否判別結果が大当たりであるか否かを判別する(S703)。判別結果が大当たりであると判別した場合は(S703:Yes)、読み出した各種カウンタ値に基づいて、大当たり種別と、変動パターンと、を特定可能な情報を含む入賞コマンドを設定し(S704)、その後、本処理を終了する。
一方、S703の処理における判別結果が大当たりでは無いと判別した場合は(S703:No)、読み出した各種カウンタ値に基づいて、外れ当選と、変動パターンと、を特定可能な情報を含む入賞コマンドを設定し(S705)、その後、本処理を終了する。
ここで、S704、或いはS705の処理で設定された入賞コマンドは、上述した当否判定結果を示すための情報(当否判定結果に基づいて異なる意味を持たせる情報)に加え、共通情報として、S701の処理によって読み出された各種カウンタ値の値を示すための情報も含んで設定される。そして、本処理で設定された入賞コマンドが主制御装置110のメイン処理(図167参照)にて実行される外部出力処理(S1801)によって音声ランプ制御装置113に対して出力される。
音声ランプ制御装置113側では、入賞コマンドを受信した場合に、入賞コマンドに含まれる各種情報に基づいて、保留球の表示態様を可変させて(例えば、保留球の色を通常とは異なる色で可変して)表示させたり、変動開始前に予告図柄等を表示して遊技者に当否判定結果を示唆したりする演出(先読み演出)を実行できる。
なお、本制御例では、特別図柄の確率状態が1つ(特別図柄の低確率状態)しかないため、入賞コマンドに設定する情報(当否判定結果)を遊技状態に関わらず設定することができるが、例えば、特別図柄の確率状態を複数(特別図柄の高確率状態、特別図柄の低確率状態)有する遊技機においては、特別図柄の高確率状態の場合の当否判定結果と、特別図柄の低確率状態の場合の当否判定結果とを判別し、各判別の結果に基づいた入賞コマンドを設定するように構成しても良いし、特別図柄が高確率状態であっても、低確率状態であっても大当たりと判定される判定値(第1当たり乱数カウンタC1の値)を規定し、その判定値を読み出した場合のみ特別図柄の大当たりを示す入賞コマンドを設定するように構成しても良い。
このように構成することで、音声ランプ制御装置113側に対して、特定の大当たりであることを事前判別した場合のみ大当たりを示す入賞コマンドを出力することになるため、先読み演出が実行されない特別図柄変動に対して、大当たり当選の期待感を持たせることができる。
さらに、第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは第2特別図柄保留球格納エリア203bに格納(記憶)されている保留記憶(入賞情報)に基づく特別図柄の抽選が行われる際の遊技状態を正確に判別して、その遊技状態に基づいて当否判定を実行するように構成してもよい。この場合には、変動パターンの選択を保留球数によって可変するのではなく、変動開始時の保留球数に関わらず一定の変動パターンを選択するように構成することで判別が可能となる。先読みを実行する場合に、その保留球が変動開始されるまでの変動順序を保留記憶されている情報に基づいて判別することで変動開始時の遊技状態を判別できる。
また、本制御例では、第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは第2特別図柄保留球格納エリア203bに新たな保留記憶(入賞情報)が格納(記憶)された場合に、その入賞情報に基づく先読み処理を実行し、その先読み処理の中で当否判定を事前に予測する構成を用いているが、これに限ること無く、主制御装置110の先読み処理において、第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは第2特別図柄保留球格納エリア203bに新たに格納(記憶)された入賞情報(保留記憶)の内容(各カウンタ値)を示す情報を入賞コマンドとして設定し、音声ランプ制御装置113側で受信した入賞コマンドに含まれる情報に基づいて当否判定結果を予測するように構成しても良い。
このように構成することで、主制御装置110の処理負荷を軽減することができる。また、音声ランプ制御装置113側で、先読み演出を実行するか否かを判別する処理を実行し、先読み演出を実行すると判別した場合に、主制御装置110から受信した入賞コマンドに含まれる情報を解析(当否判定結果の予測)するように構成すると良い。これにより、先読み演出を実行しない場合には、具体的な先読み処理(当否判定結果の予測)が実行されないため、パチンコ機10にて無駄な制御が実行されることを抑制することができる。また、無題に実行された先読み処理の結果を遊技者に不正に取得されてしまう不具合を抑制することができる。
次に、図163を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理の一処理である普通図柄変動処理(S106)について説明する。図163は、この普通図柄変動処理(S106)を示すフローチャートである。普通図柄変動処理(S106)は、第2図柄(普通図柄)の変動表示や、電動役物640aの開放時間などを制御するための処理であり、普通図柄変動(抽選)に関連する様々な処理(普通図柄変動を実行する処理、実行する普通図柄変動の変動態様(変動時間)を設定する処理、実行中の普通図柄変動を更新する処理、普通図柄変動を停止させる処理、普通図柄抽選の結果が当たりである場合に実行される普図当たり遊技の遊技内容を決定する処理)が実行される処理である。
この普通図柄変動処理(図163のS106)では、まず、今現在が、普通図柄(第2図柄)の当たり中であるかを判別する(S801)。普通図柄(第2図柄)の当たり中としては、第2図柄表示装置83において当たりを示す表示がなされてから(当たり図柄が停止表示してから)電動役物640aの開閉制御がなされている最中まで(当たり遊技が終了するまで)が含まれる。普通図柄(第2図柄)の当たり中であると判別した場合には(S801:Yes)、そのまま本処理を終了する。
一方、普通図柄(第2図柄)の当たり中でないと判別した場合には(S801:No)、第2図柄表示装置83の普通図柄が変動表示中であるかを判別する(S802)。普通図柄の変動表示中では無い、即ち、現在が新たな普通図柄変動(抽選)を実行可能な状態であると判別した場合は(S802:No)、次に、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)を取得し(S803)、その値が0よりも大きいかを判別する(S804)。
S804の処理で普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)が0であると判別された場合には(S804:No)、そのまま本処理を終了する。一方、普通図柄保留球数カウンタ203fの値が0よりも大きいと判別した場合は(S804:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)を1減算する(S805)。つまり、S804の処理において新たな普通図柄変動を実行するための条件(普通図柄変動に用いるための入賞情報が保留記憶されていること)が成立していると判別された場合は、保留記憶されている入賞情報を用いて普通図柄変動を実行するため、普通図柄保留球数カウンタ203fの値を1減算する。
次に、普通図柄保留球格納エリア203cに格納されたデータをシフトする(S806)。S806の処理では、普通図柄保留球格納エリア203cの普通図柄保留1〜普通図柄保留4に格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には、普通図柄保留1→実行エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトする。データをシフトした後は、普通図柄保留球実行エリア(図示せず)に格納されている第2当たり乱数カウンタC4の値を取得する(S807)。
次に、時短カウンタ203hがオンであるか否か、即ち、現在が普通図柄の高確率状態(時短中)であるか否かを判別し(S808)、時短カウンタ203hがオンに設定されていると判別した場合は(S808:Yes)、高確率時用の第2当たり乱数テーブル202c(図140(b)参照)の当たり判定値に基づいて当否判定結果(抽選結果)を取得し(S809)、S811の処理へ移行する。一方、時短カウンタ203hがオフであると判別した場合は(S808:No)、低確率時用の第2当たり乱数テーブル202c(図140(b)参照)の当たり判定値に基づいて、当否判定結果が取得され(S810)、S811の処理へ移行する。
S811の処理では、今回の普通図柄変動(抽選)が当たりであるかを判別し(S811)、当たりであると判別した場合は(S811:Yes)、当たり時の表示態様である「○」の表示態様を設定し(S812)、S814の処理へ移行する。一方、S811の処理で、今回の普通図柄変動(抽選)が当たりでは無い(外れである)と判別した場合は(S811:No)、外れ時の表示態様である「×」の表示態様を設定し(S813)、S814の処理へ移行する。
S814の処理では、現在の遊技状態が時短中(普通図柄の高確率状態)であるかを時短カウンタ203hの値を参照して判別し(S814)、時短中(普通図柄の高確率状態)であると判別した場合は(S814:Yes)、普通図柄の変動時間を3秒に設定し(S815)、本処理を終了する。一方、S814の処理で時短中(普通図柄の高確率状態)では無いと判別した場合は(S814:No)、普通図柄の変動時間を10秒に設定し(S816)、本処理を終了する。
なお、本制御例では、上述した通り、設定される普通図柄の確率状態に応じて、普通図柄の変動時間を異ならせているが、これに限ること無く、設定されている遊技状態に関わらず、常に変動時間として3秒が設定されるように構成してもよい。このように構成することで、遊技状態が切り替わるタイミングにおいて、具体的には、一般的に長い変動時間が設定され易い通常状態(普通図柄の低確率状態)から、短い変動時間が設定され易い時短状態(普通図柄の高確率状態)へと遊技状態が切り替わる大当たり遊技終了のタイミングにおいて、長い変動時間の普通図柄変動が実行されており、時短状態が設定されたにも関わらず、時短状態中の普通図柄抽選が実行されない事態が発生することを抑制することができる。
なお、普通図柄の変動時間の設定方法については、本制御例の構成に限ること無く、遊技状態に応じて変動時間を異ならせたり、普図保留球数に応じて変動時間を異ならせたり、取得した所定値に応じて変動時間を異ならせたりしても良く、例えば、本制御例では、普通図柄変動の変動時間を、設定されている普通図柄の確率状態(高確率状態、低確率状態)と、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(普図保留数)と、に基づいて可変設定するように構成しても良い。さらに、設定された普通図柄の変動時間によって、第2入球口640への球の入球のし易さが異なるように構成しても良い。
このように、設定される普通図柄の変動時間の長さに応じて、第2入球口640への球の入球具合を可変させるように構成することで、第2入球口640への球の入球のし易さを遊技状態に応じて容易に可変することができるため、様々な遊技性を創り出すことができる。
一方、S802の処理において、普通図柄(第2図柄)が変動表示中ではないと判別した場合には(S802:No)、第2図柄表示装置83において実行している普通図柄の変動時間が経過したかを判別し(S817)、変動時間が経過していないと判別した場合は(S817:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、S817の処理において変動時間が経過していると判別した場合は(S817:Yes)、次に、第2図柄表示装置83の停止表示を設定する(S818)。S818の処理では、今回の普通図柄の抽選が当たりである場合には、第2図柄表示装置83には「○」図柄が停止表示(点灯表示)されるように設定する。一方、普通図柄の抽選が外れである場合には、第2図柄表示装置83には「×」図柄が停止表示(点灯表示)される。つまり、上述したS812、或いはS813の処理で設定された表示態様を停止表示させるための設定が行われる。
S818の処理により、停止表示を設定すると、第2図柄表示装置83における変動表示が終了し、S812の処理、或いはS813の処理で設定された表示態様で、停止図柄(第2図柄)が第2図柄表示装置83に停止表示(点灯表示)される。
次に、今回の普通図柄の抽選結果は当たりであるかを判別する(S819)。普通図柄の抽選結果が当たりでは無い(外れである)と判別した場合は(S819:No)、そのまま本処理を終了する。一方、今回の普通図柄の抽選結果は当たりであると判別した場合には(S819:Yes)、現在の遊技状態が時短中(普通図柄の高確率状態)であるかを時短カウンタ203hの値を参照して判別し(S820)、時短中(普通図柄の高確率状態)であると判別した場合は(S820:Yes)、普図当たり遊技の遊技内容として、電動役物640aの開放時間が1秒間×2回の遊技内容(開放動作)を設定し(S823)、S822の処理へ移行する。
一方、S820の処理で時短中(普通図柄の高確率状態)では無いと判別した場合は(S820:No)、普図当たり遊技の遊技内容として、電動役物640aの開放時間が5秒間×1回の遊技内容(開放動作)を設定し(S821)、S822の処理へ移行する。
S822の処理では、S821、或いはS823の処理において設定されたシナリオに基づいて電動役物640aの開閉制御開始を設定し(S822)、本処理を終了する。
次に、本制御例における電動役物640aの開閉制御態様(開放パターン)について説明をする。本制御例のパチンコ機10では、普通図柄の当否判定を行うタイミング(S808〜S811の処理を行うタイミング)にて設定されている普通図柄の確率状態(高確率状態、低確率状態)に基づいて普通図柄の当否判定を実行し、電動役物640aの開放制御態様(開放パターン)を設定するタイミング(S817の処理で変動時間が経過したと判別したタイミング)にて設定されている普通図柄の確率状態(高確率状態、低確率状態)に基づいて電動役物640aの開放制御態様(開放パターン)を設定するように構成している。
即ち、本制御例では、普通図柄に関する変動処理(抽選処理)と、特別図柄に関する変動処理(抽選処理)とが独立して実行されるように構成されており、さらに、特別図柄に関する変動処理(抽選処理)の結果に基づいて普通図柄の確率状態(高確率状態、低確率状態)が可変するように構成している。よって、普通図柄に関する変動処理(抽選処理)が実行されている期間中に並行して実行される特別図柄に関する変動処理(抽選処理)の結果によっては、普通図柄の当否判定を行うタイミングでは普通図柄の高確率状態が設定され、電動役物640aの開放制御態様(開放パターン)を設定するタイミングでは普通図柄の低確率状態が設定される場合が発生する。
このような状況において、例えば、普通図柄の当否判定を行うタイミングにて設定されている普通図柄の確率状態(高確率状態、低確率状態)に基づいて、電動役物640aの開放制御態様(開放パターン)を設定してしまうと、普通図柄の低確率状態が設定されている状態で、電動役物640aがロング開放(普通図柄の高確率状態中が設定されている場合に実行される開放パターン)してしまうという問題があった。
そこで、本制御例では、電動役物640aの開放制御態様(開放パターン)を設定するタイミングにおける普通図柄の確率状態(高確率状態、低確率状態)を判別し、その判別結果に基づいて電動役物640aの開放制御態様(開放パターン)を設定するように構成している。これにより、設定されている遊技状態に応じた開放パターンで電動役物640aを開放させることができる。
なお、本制御例では、普通図柄の当否判定を行うタイミングにおける普通図柄の確率状態に基づいて普通図柄の当否判定を実行し、普通図柄の当たり遊技にて可動させる電動役物640aの開放制御態様(開放パターン)を設定するタイミングにおける普通図柄の確率状態に基づいて電動役物640aの開放パターンを設定するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、普通図柄の当否判定を行うタイミングで普通図柄の高確率状態が設定されており、且つ普通図柄の当たり遊技にて可動させる電動役物640aの開放制御態様(開放パターン)を設定するタイミングでも普通図柄の高確率状態が設定されている場合にのみ、電動役物640aがロング開放するように構成しても良いし、普通図柄の当否判定を行うタイミングで設定されている遊技状態に基づいて、電動役物640aの開放パターンを設定するように構成しても良い。
また、詳細な説明は省略しているが、普通図柄変動処理(図108のS106参照)において決定された各種情報(普通図柄抽選の結果、普通図柄変動の変動時間、普図当たりシナリオ等)は、それぞれ各種情報の内容を示すコマンドが設定され、主制御装置110のメイン処理(図167参照)の外部出力処理(図167のS1801参照)にて音声ランプ制御装置113へと出力される。
次に、図164を参照してスルーゲート通過処理(S107)の内容について説明をする。図164は、スルーゲート通過処理(S164参照)の内容を示したフローチャートである。このスルーゲート通過処理(S107)は、タイマ割込処理(図156参照)の中で実行され、普通図柄始動口(スルーゲート)67における球の通過の有無を判断し、球の通過があった場合に、第2当たり乱数カウンタC4が示す値を取得し実行エリアに格納するための処理である。また、取得した普通当たり乱数カウンタC5の値を用いて、実際の当否判定が実行されるよりも前に(普通図柄変動処理(図163のS106参照)にて当否判定(S811参照)が実行されるよりも前に)、抽選結果(当否判定結果)を事前に取得するための処理である。
スルーゲート通過処理(S107)では、まず、球が普通図柄始動口(スルーゲート)67を通過したか否かを判定する(S901)。ここでは、普通図柄始動口(スルーゲート)67における球の通過を3回のタイマ割込処理にわたって検出する。そして、球が普通図柄始動口(スルーゲート)67を通過したと判定されると(S901:Yes)、次に、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)を取得し(S902)、次いで、その取得した普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)が4よりも大きくないか(普通図柄の保留球数が上限値に到達していないか)を判別する(S903)。
S903の処理で、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)が4よりも大きい(上限値の4である)と判別した場合は(S903:No)、そのまま本処理を終了する。一方、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)が4よりも大きくないと判別した場合は(S903:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)に1を加算し(S904)、第2当たり乱数カウンタC4の値を普通図柄保留球格納エリア203cに格納し(S905)、第2当たり乱数テーブル202c(図140(b)参照)に基づいて抽選結果を事前に取得し(S906)、普通当たり判定結果(S906の処理にて取得した事前判別結果)を含む普図用入賞情報コマンドを設定し(S907)、本処理を終了する。
S907の処理で設定された普図用入賞情報コマンドは、上述した各制御例にて設定される特別図柄の事前判別結果を示す入賞情報コマンドと同一の処理によって音声ランプ制御装置113へと通知される。このように構成することで、保留記憶されている普通図柄の抽選権利に対応する普通図柄抽選の抽選結果を事前に判別し、その事前判別結果に基づいた演出を実行することが可能となる。
具体的には、チャンスゾーンが設定されている状態において、即ち、通常状態中に普図当たり遊技が実行されたことに基づいて第2特別図柄抽選が実行されている状態において受信した普図用入賞情報コマンドに普通図柄の当たり当選を示す情報が含まれている場合には、次に普図当たり遊技が実行されるまでチャンスゾーンを継続させる演出を実行することができる。この場合、次に普図当たり遊技が実行されるまでの間に、第2特別図柄抽選が全て終了し、第1特別図柄抽選が実行される場合であっても、その第1特別図柄抽選に対応して実行される変動演出の演出態様として、第1特別図柄抽選に対応した演出態様(例えば、図122(b)に示した水平方向に第3図柄を変動させる演出態様)では無く、第2特別図柄抽選に対応した演出態様(例えば、図124(b)に示した垂直方向に第3図柄を変動させる演出態様)が設定されるように構成すると良い。このように構成することで、通常状態において所定期間内に複数回の普図当たり遊技が実行される場合には、チャンスゾーンを長期間設定することができ演出効果を高めることができる。
また、チャンスゾーンが設定されてから所定回数の第2特別図柄抽選が実行されたにも関わらず、チャンスゾーンが終了しない場合には、間もなく次の普図当たり遊技が実行されることを遊技者が把握することができるため、チャンスゾーン中に実行される第2特別図柄抽選の回数に対して遊技者に興味を持たせることができる。加えて、本制御例では、チャンスゾーン中に実行される第2特別図柄抽選に対応した変動演出として、第3図柄を複数回仮停止させる疑似変動演出を実行するように構成している。つまり、遊技者に対して第2特別図柄抽選の実行回数を分かり難くすることができる。よって、チャンスゾーンがいつ終了するのか、或いは、チャンスゾーンが延長されている期間であるか否かを遊技者に予測させる楽しみを提供することができる。
次に、図165を参照して、NMI割込処理について説明をする。図165は、主制御装置110内のMPU201により実行されるNMI割込処理を示すフローチャートである。NMI割込処理は、停電の発生等によるパチンコ機10の電源遮断時に、主制御装置110のMPU201により実行される処理である。このNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM203に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から主制御装置110内のMPU201のNMI端子に出力される。すると、MPU201は、実行中の制御を中断してNMI割込処理を開始し、電源断の発生情報の設定として、電源断の発生情報をRAM203に記憶し(S1601)、NMI割込処理を終了する。
なお、上記のNMI割込処理は、払出発射制御装置111でも同様に実行され、かかるNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM213に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から払出制御装置111内のMPU211のNMI端子に出力され、MPU211は実行中の制御を中断して、NMI割込処理を開始するのである。
次に、図166を参照して、主制御装置110に電源が投入された場合に主制御装置110内のMPU201により実行される立ち上げ処理について説明する。図166は、この立ち上げ処理を示すフローチャートである。
この立ち上げ処理は電源投入時のリセットにより起動される。立ち上げ処理(図166)では、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S1701)。例えば、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。次いで、サブ側の制御装置(音声ランプ制御装置113、払出制御装置111等の周辺制御装置)が動作可能な状態になるのを待つために、ウエイト処理(本制御例では1秒)を実行する(S1702)。そして、RAM203のアクセスを許可する(S1703)。
その後は、電源装置115に設けたRAM消去スイッチ122(図121参照)がオンされているか否かを判別し(S1704)、オンされていれば(S1704:Yes)、処理をS1712へ移行する。一方、RAM消去スイッチ122がオンされていなければ(S1704:No)、更にRAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S1705)、記憶されていなければ(S1705:No)、前回の電源遮断時の処理が正常に終了しなかった可能性があるので、この場合も、処理をS1712へ移行する。
RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S1705:Yes)、RAM判定値を算出し(S1706)、算出したRAM判定値が正常でなければ(S1707:No)、即ち、算出したRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、バックアップされたデータは破壊されているので、かかる場合にも処理をS1712へ移行する。なお、RAM判定値は、例えばRAM203の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM203の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断するようにしても良い。
S1712の処理では、サブ側の制御装置(周辺制御装置)となる払出制御装置111を初期化するために払出初期化コマンドを送信する(S1712)。払出制御装置111は、この払出初期化コマンドを受信すると、RAM213のスタックエリア以外のエリア(作業領域)をクリアし、初期値を設定して、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。主制御装置110は、払出初期化コマンドの送信後は、RAM203の初期化処理(S1713、S1714)を実行する。
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時にRAMデータを初期化する場合にはRAM消去スイッチ122を押しながら電源が投入される。従って、立ち上げ処理の実行時にRAM消去スイッチ122が押されていれば、RAM203の初期化処理(S1713、S1714)を実行する。
また、電源断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様に、RAM203の初期化処理(S1713、S1714)を実行する。RAMの初期化処理(S1713、S1714)では、RAM203の使用領域を0クリアし(S1713)、その後、RAM203の初期値を設定する(S1714)。RAM203の初期化処理の実行後は、S1710の処理へ移行する。
一方、RAM消去スイッチ122がオンされておらず(S1704:No)、電源断の発生情報が記憶されており(S1705:Yes)、更にRAM判定値(チェックサム値等)が正常であれば(S1707:Yes)、RAM203にバックアップされたデータを保持したまま、電源断の発生情報をクリアする(S1708)。次に、サブ側の制御装置(周辺制御装置)を駆動電源遮断時の遊技状態に復帰させるための復電時の払出復帰コマンドを送信し(S1709)、S1710の処理へ移行する。払出制御装置111は、この払出復帰コマンドを受信すると、RAM213に記憶されたデータを保持したまま、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。
次に、音声ランプ制御装置113に対して、各種演出を実行することを許可する演出許可コマンドを出力する(S1710)。その後、割込みを許可し(S1711)、後述するメイン処理に移行する。
次に、図167を参照して、上記した立ち上げ処理後に主制御装置110内のMPU201により実行されるメイン処理について説明する。図167は、このメイン処理を示すフローチャートである。このメイン処理では、大別して、カウンタの更新処理と、電源断時処理とが実行される。
メイン処理(図167参照)においては、まず、タイマ割込処理(図156参照)の中でRAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶されたコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置(周辺制御装置)に送信する外部出力処理を実行する(S1801)。具体的には、タイマ割込処理(図156参照)におけるスイッチ読み込み処理で検出した入賞検知情報の有無を判別し、入賞検知情報があれば払出制御装置111に対して獲得球数に対応する賞球コマンドを送信する。また、特別図柄変動処理(図157参照)や始動入賞処理(図161参照)で設定された保留球数コマンドを音声ランプ制御装置113に送信する。更に、この外部出力処理(図167のS1801)により、主制御装置110の各種処理にて設定された各種コマンドを音声ランプ制御装置113に送信し、第3図柄表示装置81にて表示される各種演出(変動演出、装飾演出等)を設定するための情報とする。また、大当たり制御処理(図158参照)で設定されたオープニングコマンド、ラウンド数コマンド、エンディングコマンドを音声ランプ制御装置113へ送信する。さらに、その他制御処理において設定された各種コマンドを音声ランプ制御装置113へ送信する。加えて、球の発射を行う場合には、発射制御装置112へ球発射信号を送信する。
次に、変動種別カウンタCS1の値を更新する(S1802)。具体的には、変動種別カウンタCS1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本制御例では198)に達した際、0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。
変動種別カウンタCS1の更新が終わると、払出制御装置111より受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込み(S1803)、次いで、特別図柄の大当たり状態である場合に、音声ランプ制御装置113にて大当たり演出を実行させるためのコマンドの設定や、可変入賞装置65の特定入賞口65aを開放動作するための大当たり制御処理を実行する(S1804)。
大当たり制御処理(S1804)の詳細な内容については、図168〜図172を参照して後述するが、この大当たり制御処理(S1804)では、大当たり状態のラウンド毎に特定入賞口65a(以下、入賞口等と称す)を開放し、入賞口等(特定入賞口65a)の最大開放時間が経過したか、又は入賞口等(特定入賞口65a)に球が規定数入賞したかを判定する。そして、これら何れかの条件が成立すると入賞口等(特定入賞口65a)を閉鎖する。この入賞口等(特定入賞口65a)の開放と閉鎖とを所定ラウンド数繰り返し実行する。尚、本制御例では、大当たり制御処理(S1804)をメイン処理において実行しているが、タイマ割込処理において実行しても良い。
次いで、第2入球口640に付随する電動役物640aの開閉制御を行う電動役物開閉処理を実行する(S1806)。電動役物開閉処理では、普通図柄変動処理(図163参照)のS822の処理によって電動役物の開閉制御開始が設定された場合に、電動役物の開閉制御を開始する。尚、この電動役物の開閉制御は、普通図柄変動処理におけるS821の処理、S823の処理、によって設定された期間が終了するまで継続される。
次に、第1図柄表示装置37A,37Bの表示を更新する第1図柄表示更新処理を実行する(S1807)。第1図柄表示更新処理では、特別図柄変動パターン選択処理(図159のS209)によって変動パターンが設定された場合に、その変動パターンに応じた変動表示を、第1図柄表示装置37A,37Bにおいて開始する。本制御例では、第1図柄表示装置37A,37BのLEDの内、変動が開始されてから変動時間が経過するまでは、例えば、現在点灯しているLEDが赤であれば、その赤のLEDを消灯すると共に緑のLEDを点灯させ、緑のLEDが点灯していれば、その緑のLEDを消灯すると共に青のLEDを点灯させ、青のLEDが点灯していれば、その青のLEDを消灯すると共に赤のLEDを点灯させる。
なお、メイン処理は4ミリ秒毎に実行されるが、そのメイン処理の実行毎にLEDの点灯色を変更すると、LEDの点灯色の変化を遊技者が確認することができない。そこで、遊技者がLEDの点灯色の変化を確認することができるように、メイン処理が実行される毎にカウンタ(図示せず)を1カウントし、そのカウンタが100に達した場合に、LEDの点灯色の変更を行う。即ち、0.4s毎にLEDの点灯色の変更を行う。尚、カウンタの値は、LEDの点灯色が変更されたら、0にリセットされる。
また、第1図柄表示更新処理では、特別図柄変動パターン選択処理(図159のS209)によって設定された変動パターンに対応する変動時間が終了した場合に、第1図柄表示装置37A,37Bにおいて実行されている変動表示を終了し、特別図柄変動パターン選択処理(図159のS209参照)のS407で設定された表示態様で、停止図柄を第1図柄表示装置37A,37Bに停止表示(点灯表示)する。
さらに、本制御例では、一方の特別図柄が大当たりを示す表示態様(大当たり図柄)で停止表示された場合に、他方の特別図柄を、外れを示す表示態様(外れ図柄)で停止表示させるように構成しており、そのための停止表示も実行される。
次に、第2図柄表示装置の表示を更新する第2図柄表示更新処理を実行する(S1808)。第2図柄表示更新処理では、普通図柄変動処理(図163参照)のS815の処理、S816の処理によって第2図柄の変動時間が設定された場合に、第2図柄表示装置において変動表示を開始する。これにより、第2図柄表示装置では、第2図柄としての「○」の図柄と「×」の図柄とを交互に点灯させる変動表示が行われる。また、第2図柄表示更新処理(S1808)では、普通図柄変動処理(図163参照)のS818の処理によって第2図柄表示装置の停止表示が設定された場合に、第2図柄表示装置において実行されている変動表示を終了し、普通図柄変動処理(図163参照)のS812の処理またはS813の処理によって設定された表示態様で、停止図柄(第2図柄)を第2図柄表示装置に停止表示(点灯表示)する。
その後は、RAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S1809)、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていなければ(S1809:No)、停電監視回路252から停電信号SG1は出力されておらず、電源は遮断されていない。よって、かかる場合には、次のメイン処理の実行タイミングに至ったか否か、即ち今回のメイン処理の開始から所定時間(本制御例では4m秒)が経過したか否かを判別し(S1810)、既に所定時間が経過していれば(S1810:Yes)、処理をS1801へ移行し、上述したS1801以降の各処理を繰り返し実行する。
一方、今回のメイン処理の開始から未だ所定時間が経過していなければ(S1810:No)、所定時間に至るまで間、即ち、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、第1初期値乱数カウンタCINI1、第2初期値乱数カウンタCINI2及び変動種別カウンタCS1の更新を繰り返し実行する(S1811,S1812)。
まず、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2との更新を実行する(S1811)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本制御例では999、999)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域にそれぞれ格納する。次に、変動種別カウンタCS1の更新を、S1811の処理と同一の方法によって実行する(S1812)。なお、このS1812の処理では、変動種別カウンタCS1の値と同様に普図変動種別カウンタCS2の値も更新される。
ここで、S1801〜S1808の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を繰り返し実行することにより、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2(即ち、第1当たり乱数カウンタC1の初期値、第2当たり乱数カウンタC4の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCS1、普図変動種別カウンタCS2の値についてもランダムに更新することができる。よって、特別図柄や普通図柄の抽選に関する判定値を更新するための処理内容を把握され難くすることができ、当たりに対応する判定値が取得されるタイミングを狙った不正遊技が実行されることを抑制することができる。
また、S1809の処理において、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S1809:Yes)、停電の発生または電源のオフにより電源が遮断され、停電監視回路252から停電信号SG1が出力された結果、図165のNMI割込処理が実行されたということなので、S1813以降の電源遮断時の処理が実行される。まず、各割込処理の発生を禁止し(S1813)、電源が遮断されたことを示す電源断コマンドを他の制御装置(払出制御装置111や音声ランプ制御装置113等の周辺制御装置)に対して送信する(S1814)。そして、RAM判定値を算出して、その値を保存し(S1815)、RAM203のアクセスを禁止して(S1816)、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。ここで、RAM判定値は、例えば、RAM203のバックアップされるスタックエリア及び作業エリアにおけるチェックサム値である。
なお、S1809の処理は、S1801〜S1808で行われる遊技の状態変化に対応した一連の処理の終了時、又は、残余時間内に行われるS1811とS1812の処理の1サイクルの終了時となるタイミングで実行されている。よって、主制御装置110のメイン処理において、各設定が終わったタイミングで電源断の発生情報を確認しているので、電源遮断の状態から復帰する場合には、立ち上げ処理の終了後、処理をS1801の処理から開始することができる。即ち、立ち上げ処理において初期化された場合と同様に、処理をS1801の処理から開始することができる。よって、電源遮断時の処理において、MPU201が使用している各レジスタの内容をスタックエリアへ退避したり、スタックポインタの値を保存しなくても、初期設定の処理(図166,S1701)において、スタックポインタが所定値(初期値)に設定されることで、S1801の処理から開始することができる。従って、主制御装置110の制御負担を軽減することができると共に、主制御装置110が誤動作したり暴走したりすることなく正確な制御を行うことができる。
次に、図168を参照して、大当たり制御処理(S1804)の内容について説明をする。図168は、大当たり制御処理(S1804)の内容を示したフローチャートである。この大当たり制御処理(S1804)は、主制御装置110のメイン処理(図167参照)において、実行される処理であって、パチンコ機10が特別図柄の大当たり状態である場合に、大当たりに応じた各種演出の実行や、特定入賞口65aを開放又は閉鎖するための処理である。
大当たり制御処理(S1804)では、まず、大当たり開始フラグ203jがオンであるか否かを判別する(S1901)。大当たり開始フラグ203jがオンであると判別した場合は(S1901:Yes)、大当たり用オープニングコマンドを設定し(S1902)、大当たり開始フラグ203jをオフ、大当たり中フラグ203kをオンにそれぞれ設定し(S1903)、本処理を終了する。一方、S1901の処理において、大当たり開始フラグ203jがオフであると判別した場合は(S1901:No)、次に、現在が特別図柄の大当たり中であるか(即ち、大当たり中フラグ203kがオンであるか)否かを判別する(S1904)。S1904の処理において、現在が大当たり中ではない(大当たり中フラグ203kがオフである)と判別した場合は(S1904:No)、そのまま本処理を終了する。一方、S1904の処理において、現在が大当たり中である(大当たり中フラグ203kがオンである)と判別した場合は(S1904:Yes)、次いで、新たなラウンドの開始タイミングであるか否かを判別する(S1905)。
S1905の処理において、新たなラウンドの開始タイミングであると判別した場合は(S1905:Yes)、ラウンド数に応じた特定入賞口65aの開閉動作を設定するための大当たり動作設定処理を実行し(S1906)、本処理を終了する。この大当たり動作設定処理の詳細については図114を参照して後述する。
一方、S1905の処理において、新たなラウンドの開始タイミングではないと判別した場合は(S1905:No)、次に、現在実行されているラウンドのエンディング期間の開始タイミングであるかを判別する(S1907)。ここで、本制御例では、大当たりの最終ラウンドが終了した場合に、エンディング期間の開始タイミングであると判別する。エンディング期間の開始タイミングであると判定した場合は(S1907:Yes)、エンディングコマンドを設定し(S1908)、本処理を終了する。ここで設定されたエンディングコマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理の外部出力処理の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、エンディングコマンドを受信すると、表示用エンディングコマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114によって表示用エンディングコマンドが受信されると、第3図柄表示装置81において大当たりの終了を示すエンディング演出が開始される。
本第1制御例では、特別図柄抽選で大当たり当選した場合に、大当たり種別選択テーブル202d(図141(a)参照)を用いて大当たり種別を決定する処理を実行し(図159のS402)、決定された大当たり種別に対応するエンディング期間が設定されるように構成している。よって、S1908の処理では、大当たり種別に対応して決定されたエンディング期間の長さに対応した表示用エンディングコマンドが設定される。なお、本第1制御例のように、大当たり当選時にエンディング期間の長さを設定するのでは無く、大当たり遊技中におけるV入賞の有無(特定領域(Vゲート65V)への球の通過の有無)に応じて大当たり遊技のエンディング期間の長さを決定しても良い。
具体的には、大当たり制御処理(図168のS1804参照)において、エンディング期間の開始タイミング(最終ラウンドの終了タイミング)と判別した場合に、今回の大当たり遊技中にV入賞したか(確変設定フラグ203mがオンに設定されているか)を判別し、確変設定フラグ203mがオンに設定されていると判別した場合は、確変状態が設定されることを示す17秒間のエンディング表示(図127(b),(d)参照)を行うために大当たり遊技のエンディング期間として17秒を設定し、確変設定フラグ203mがオンに設定されていないと判別した場合は、時短状態が設定されることを示す15秒間のエンディング表示(図127(a),(c)参照)を行うために大当たり遊技のエンディング期間として15秒を設定するように構成しても良い。
このように構成することで、大当たり遊技中の遊技結果に応じて、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態を異ならせることが可能なパチンコ機10において、実際に設定される遊技状態に応じたエンディング期間を設定することができる。
また、このように大当たり遊技中の遊技結果に応じて大当たり遊技のエンディング期間を異ならせる構成を用いる場合には、大当たり遊技中の遊技結果が確定してからエンディング期間が開始するまでの間の何れかのタイミングにて大当たり遊技のエンディング期間を決定するように構成すれば良く、例えば、本第1制御例のパチンコ機10であれば、1ラウンド目のラウンド遊技が終了した後に(球を特定領域(Vゲート65V)へと入賞させることが可能なラウンド遊技が終了した後に)、V入賞の有無を判別し、その判別結果に基づいて、2ラウンド目〜最終ラウンド目のラウンド遊技が実行されている期間中に大当たり遊技のエンディング期間を設定するように構成しても良い。
さらに、上述した例では、大当たり遊技中におけるV入賞の有無に基づいてエンディング期間の長さを設定するように構成しているが、これに替えて、例えば、本第1制御例のように当選した大当たり種別に基づいて、予め大当たり遊技のエンディング期間を設定しておき、具体的には、確変大当たりに当選した場合には17秒、通常大当たりに当選した場合には15秒のエンディング期間を予め設定しておき、大当たり遊技中の遊技結果に基づいてエンディング期間の長さを可変させる必要が生じた場合、即ち、確変大当たり遊技が実行されたにも関わらず、大当たり遊技中にV入賞させることができなかった場合に、予め設定されているエンディング期間の長さを可変させるように構成しても良い。このように構成することで、大当たり遊技中にエンディング期間の長さを設定する頻度を抑制することができる。
一方、S1907の処理において、現在実行されているエンディング期間の開始タイミングではないと判別した場合は(S1907:No)、次に、大当たりの終了タイミングであるかを判別する(S1909)。ここで、大当たりの終了タイミングとは、エンディング演出の実行期間が経過した場合を示す。S1909の処理において、大当たりの終了タイミングであると判別した場合は(S1909:Yes)、大当たり終了後の遊技状態を設定するための大当たり終了処理を実行し(S1910)、本処理を終了する。この大当たり終了処理の詳細については図170を参照して後述する。一方、S1909の処理において、大当たり終了のタイミングではないと判別した場合には(S1909:No)、特定入賞口65aへの入賞に応じた制御を行うための入賞処理を実行し(S1911)、特定入賞口65aに対して入球した球が正常に排出されたかを判別するための異常処理を実行し(S1912)、その後、本処理を終了する。入賞処理および異常処理の詳細については図171および図172を参照して後述する。
次に、図169のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される大当たり動作設定処理(S1906)の詳細について説明する。図169は、この大当たり動作設定処理(S1906)を示すフローチャートである。この大当たり動作設定処理(S1906)は、大当たり制御処理の中で実行され、上述した通り、ラウンド数に応じた特定入賞口65aの開閉動作を設定するための処理である。
この大当たり動作設定処理(図169参照)が開始されると、まず、1ラウンドの開始タイミングであるかを判別する(S2001)。S2001の処理において、1ラウンドの開始タイミングであると判別した場合は(S2001:Yes)、切替弁65y(Vソレノイド209a)の動作シナリオの開始を設定して(S2002)、大当たり種別に対応する特定入賞口65aの開放パターンを設定する(S2003)。
ここで、詳細な説明は省略するが、本制御例では、1回の大当たり遊技中に複数回実行されるラウンド遊技のうち、特定のラウンド数(1ラウンド目)に実行されるラウンド遊技の内容を、大当たり種別に応じて異ならせており、具体的には、特定の大当たり種別(確変大当たり)の場合のみ、1ラウンド目のラウンド遊技として、球が特定領域(Vゲート65V)へと流下させ易くなるように切替弁65yを動作させるラウンド遊技が実行されるように構成している。このように構成することで、長期間実行される大当たり遊技のうち、特定の期間のみ球を特定領域(Vゲート65V)へと流下させる確率を高めることができるため、遊技者が集中力を切らすこと無く大当たり遊技中の遊技を実行することができる。
なお、本制御例では、確変大当たり遊技における1ラウンド目が実行される場合に、第3図柄表示装置81の表示面にて遊技者に対して特定領域(Vゲート65V)へと球を流下させるチャンス期間であることを示すための案内報知態様として「Vを狙え」の文字が表示されるV報知演出を実行可能に構成している。これにより、遊技者に対して、長期間実行される大当たり遊技のうち、特定領域(Vゲート65V)へと球を流下させ易い特定の期間を分かり易く報知することができる。さらに、球が特定領域(Vゲート65V)を流下したことを検知手段が検知したことに基づいて、第3図柄表示装置81の表示面に球が特定領域(Vゲート65V)を流下したことを案内するための案内報知態様として「VGET」の文字が表示されるように構成している。これにより、遊技者に対して、大当たり遊技終了後に確変状態が設定される条件を満たしたことを分かり易く報知することができる。
なお、上述した案内報知の報知態様を、条件成立に応じて可変させても良く、例えば、特定ゲートへと球を流下させ易い特定期間の経過時間、或いは残時間に基づいて「Vを狙え」の文字色を可変させたり、表示領域の大きさを可変させたり、より強調した内容の文字(例えば「早くVを狙うんだ」)に可変させたりすると良い。これにより、特定領域(Vゲート65V)へと球を流下させ易い状況にて遊技者が球を発射しない事態が発生することを抑制することができる。
また、本制御例では、可変入賞装置65へと入賞した球の流路を切り替えるためのV役物として切替弁65yを設け、その切替弁65yの動作パターンを可変させることで球が特定ゲートへと流下しやすい期間とし難い期間とを設定可能としているが、これに限ること無く、例えば、大当たり遊技開始時から共通の動作パターンで切替弁65yを動作させるように構成し、特定入賞口65aが開放状態となるタイミングを大当たり種別によって可変させることにより、球が特定領域(Vゲート65V)へと流下しやすい期間とし難い期間とを設定可能に構成しても良い。これにより、切替弁65yの動作パターンを共通化することができるため、切替弁65yの動作内容を把握されたとしても今回の大当たり遊技が球を特定領域(Vゲート65V)へと通過させ易い大当たり遊技であるか否かを遊技者に把握され難くすることができる。また、切替弁65yの動作内容を統一化することができるため、Vソレノイド209aに対する負荷を軽減することができ、V役物(切替弁65y)の故障を抑制することができる。
一方、S2001の処理において、今回のラウンドが1ラウンド目ではないと判別した場合は(S2001:No)、S2002,S2003の処理をスキップして、通常の特定入賞口65aの開放を設定し(S2004)、処理をS2005へと移行する。S2005の処理では、新たに開始するラウンド数を示すラウンド数コマンドを設定して(S2005)、本処理を終了する。
ここで設定されたラウンド数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理の外部出力処理(S1801)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、ラウンド数コマンドを受信すると、新たに開始されたラウンド数を第3図柄表示装置81において表示するための表示用ラウンド数コマンドを設定する。これにより、大当たりのラウンド数に合わせて第3図柄表示装置81の表示内容を更新することができる。
この大当たり動作設定処理(図169参照)を実行することにより、大当たりの各ラウンドにおいて特定入賞口65aを開放することができると共に、1ラウンド目に特定領域(Vゲート65V)を球が通過可能に設定することができる。これにより、大当たりA,C〜Eでは、1ラウンド目に遊技者が球を発射するだけで、ほぼ確実に球が特定領域(Vゲート65V)を通過するので、大当たり遊技の終了後に確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の高確率状態)を設定することができる。
次に、図170のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される大当たり終了処理(S1910)の詳細について説明する。図170は、この大当たり終了処理(S1910)を示すフローチャートである。この大当たり終了処理(S1910)は、大当たり制御処理(図168のS1804参照)の中で実行され、上述した通り、大当たり終了後の遊技状態を設定するための処理である。
この大当たり終了処理(S1910)では、まず、確変設定フラグ203mがオンであるかを判別する(S2101)。S2101の処理において、確変設定フラグ203mがオンであると判別した場合は(S2101:Yes)、大当たり中にVゲート(特定領域)65vを球が通過したことを意味するので、確変カウンタ203iの値の値に50を設定し(S2102)、S2103の処理へ移行する。一方、S2101の処理において、確変設定フラグ203mがオフであれば(S2101:No)、S2102の処理をスキップして、S2103の処理へ移行する。
S2103の処理では、時短カウンタ203hの値に100を設定し(S2103)、次いで、時短カウンタ203hの値、確変カウンタ203iの値に基づいて、状態コマンドを設定する(S2104)。ここで設定された状態コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理の外部出力処理(S1801)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、状態コマンドを受信すると、その状態コマンドで通知された遊技状態に合わせて従状態設定エリア223gを更新する。これにより、音声ランプ制御装置113において、パチンコ機10の遊技状態を正確に把握することができる。次いで、大当たり中フラグ203kおよび確変設定フラグ203mを共にオフに設定して(S2105)、本処理を終了する。
この大当たり終了処理(図170参照)を実行することにより、大当たり遊技中にVゲート(特定領域)65vを球が通過したか否かに応じて大当たり終了後の遊技状態を正確に設定することができる。
次に、図171のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される入賞処理(S1911)の詳細について説明する。図171は、この入賞処理(S1911)を示すフローチャートである。この入賞処理(S1911)は、大当たり制御処理(図168参照)の中で実行され、上述した通り、特定入賞口65aへの入賞に応じた制御を行うための処理である。
この入賞処理(S1911)では、まず、現在がラウンド有効期間であるかを判別する(S2201)。ここで、ラウンド有効期間とは、ラウンド遊技が設定されている期間、即ち、特定入賞口65aの開放状態からインターバル期間が終了するまでの期間である。S2201の処理において、ラウンド有効期間でなければ(S2201:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、S2201の処理において、現在がラウンド有効期間であると判別した場合は(S2201:Yes)、次いで、特定入賞口65aへの入賞を検出したかを判別し(S2202)、特定入賞口65aに対する入賞を検出していれば(S2202:Yes)、入賞個数カウンタ203oの値に1を加算して更新し(S2203)、特定入賞口65aへの入賞を検出したことを示す入賞コマンドを設定して(S2204)、S2205の処理へ移行する。これに対し、S2202の処理において、特定入賞口65aへの入賞を検出していなければ(S2202:No)、S2203,S2204の処理をスキップし、S2205の処理へ移行する。
S2205の処理では、入賞個数カウンタ203oの値が10以上であるかを判別し(S2205)、入賞個数カウンタ203oの値が10以上であれば(S2205:Yes)、S2207の処理へ移行する。一方、S2205の処理において、入賞個数カウンタ203oの値が9以下であると判別した場合は(S2205:No)、ラウンド時間(30秒)が経過したかを判別し(S2206)、ラウンド時間が経過していれば(S2206:Yes)、S2207の処理へと移行する。なお、このS2206の処理では、今回の大当たりの各ラウンド遊技の開始から30秒間が経過した場合にラウンド時間が経過したと判別する。なお、本制御例では、大当たり種別、ラウンド数に関わらず同一のラウンド時間経過及び個数入賞によってラウンド遊技の終了条件が成立するように構成しているが、これに限ること無く、大当たり種別に応じてラウンド遊技の終了条件を異ならせても良いし、実行されるラウンド数によってラウンド遊技の終了条件を異ならせてもよい。
S2207の処理では、特定入賞口65aの閉鎖を設定し(S2207)、特定入賞口65aの閉鎖が設定されたことを示す閉鎖コマンドを設定する(S2208)。次いで、今回の特定入賞口65aの閉鎖が1ラウンドの終了に基づく閉鎖であるかを判別し(S2209)、1ラウンドの終了に基づく閉鎖であると判別した場合は(S2209:Yes)、Vソレノイド209aをオフに設定して(S2210)、処理をS2211へと移行する。一方、S2209の処理において、今回の特定入賞口65aの閉鎖が1ラウンド以外のラウンドが終了したことによる閉鎖であると判別した場合は(S2209:No)、流路ソレノイド(確変ソレノイド)2665kがオンに設定されていないので、S2210の処理をスキップして、処理をS2212へと移行する。
S2211の処理では、残球タイマフラグ203p、確変有効フラグ203r、ラウンド終了フラグ203をオンに設定し(S2211)、処理をS2212へと移行する。また、S2205の処理において入賞個数カウンタ203oの値が9以下と判別され(S2205:No)、且つ、S2206の処理においてラウンド時間が経過していないと判別された場合には(S2206:No)、S2207〜S2211の処理をスキップして、処理をS2212へと移行する。
S2212の処理では、ラウンド終了フラグ203がオンであるかを判定し(S2212)、ラウンド終了フラグ203がオフであれば(S2212:No)、S2213の処理へ移行する。一方、S2212の処理においてラウンド終了フラグ203がオンであると判定した場合は(S2212:Yes)、次いで、確変有効フラグ203rがオンであるかを判別する(S2217)。S2217の処理において、確変有効フラグ203rがオフであれば(S2217:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、確変有効フラグ203rがオンであれば(S2217:No)、確変有効タイマ203sの値に1を加算し(S2218)、次いで、確変有効タイマ203sの値が上限値であるかを判別する(S2219)。そして、確変有効タイマ203sの値が上限値でなければ(S2219:No)、S2213の処理へ移行し、特定領域(Vゲート65V)への球の通過を監視して確変設定フラグ203mを更新する処理を実行する。これにより、確変有効タイマ203sが上限値でないと、特定領域(Vゲート65V)を球が通過したか判別されるので、球はけの時間を考慮して確変状態を設定できる。また、有効と判別される時間に上限があるので、不正に特定領域(Vゲート65V)に球を通過させて確変状態が付与されることを抑制できる。
一方、確変有効タイマ203sの値が上限値であれば(S2219:Yes)、確変有効フラグ203r、ラウンド終了フラグ203をオフに設定し(S2220)、確変有効タイマ203sの値をリセットして(S2221)、本処理を終了する。
また、S2213の処理では、球が特定領域(Vゲート65V)を通過したか否かを判別し(S2213)、球が特定領域(Vゲート65V)を通過していなければ(S2213:No)、本処理を終了する。一方、球が特定領域(Vゲート65V)を通過していれば(S2213:Yes)、確変通過カウンタ203nの値に1を加算し(S2214)、確変設定フラグ203mをオンに設定し(S2215)、V入賞コマンドを設定し(S2216)、本処理を終了する。
次に、図172のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される異常処理(S1912)を説明する。図172は、この異常処理(S1912)を示すフローチャートである。この異常処理(S1912)は、大当たり制御処理(図168参照)の中で実行される処理であり、上述した通り、特定入賞口65aに対して入球した球が正常に排出されたかを判別するための処理である。
異常処理(S1912)では、まず、現在がラウンド有効期間であるかを判別し(S2301)、ラウンド有効期間でなければ(S2301:No)、そのまま本処理を終了する。一方、ラウンド有効期間であると判別した場合は(S2301:Yes)、次いで、球が排出口65h1を通過したかを判別する(S2302)。このS2302の処理では、排出口65h1(図120(b)参照)を通過した球を検知可能な球排出口スイッチ(図示せず)が球の通過を検知している否かで判別される。
S2302の処理において、球が排出口65h1を通過したと判別した場合は(S2302:Yes)、排出個数カウンタ203tの値に1を加算し(S2303)、S2304の処理へ移行する。一方、S2302の処理において、球が排出口65h1を通過していなければ(S2302:No)、S2303の処理をスキップしS2304の処理へ移行する。
S2304の処理では、残球タイマフラグ203pがオンであるかを判別する(S2304)。残球タイマフラグ203pがオフであると判別した場合は(S2304:No)、そのまま本処理を終了する。一方、残球タイマフラグ203pがオンであれば(S2304:Yes)、球はけ期間中であるので、残球タイマ203qの値に1を加算して更新する(S2305)。次に、残球タイマ203qの値が上限値であるかを判別し(S2306)、残球タイマ203qの値が上限値でなければ(S2306:No)、そのまま本処理を終了する。一方、残球タイマ203qの値が上限値であると判別した場合は(S2306:Yes)、次いで、排出個数(確変通過カウンタ203nの値と、排出個数カウンタ203tの値との合計値)が入賞個数(入賞個数カウンタ203oの値)と一致しているかを判別する(S2307)。
S2307の処理において、排出個数と入賞個数とが一致していないと判別した場合は(S2307:No)、エラーコマンドを設定し(S2308)、S2309の処理へ移行する。エラーコマンドを音声ランプ制御装置113が受信することにより、エラー表示(例えば、入賞個数不一致エラーの文字を表示)がされ、ホールコンピュータに対して、エラー信号の出力がされる。よって、第4流路65e4(図120(b)参照)が閉鎖されている期間(切替弁65yが閉状態となる期間)に、不正に球を第4流路65eへと流入させて特定領域(Vゲート65V)を通過させる不正行為を抑制できる。
一方、S2307の処理において、排出個数と入賞個数とが一致したと判別した場合は(S2307:Yes)、S2308の処理をスキップし、S2309の処理へと移行する。S2309の処理では、残球タイマフラグ203pをオフに設定し(S2309)、次いで、残球タイマ203qの値をリセットする(S2310)。その後、入賞個数カウンタ203o、排出個数カウンタ203t、確変通過カウンタ203nの値をそれぞれリセットし(S2311)、本処理を終了する。
この異常処理(図172参照)を実行することにより、可変入賞装置65の内部で球詰まりが生じる等により、特定入賞口65aへと入球した球が正常に排出されなくなってしまう不具合の発生を早期に検出し、報知することができる。
<第1制御例における音声ランプ制御装置により実行される制御処理について>
次に、図173から図186を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU221の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理とがある。
まず、図173を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される立ち上げ処理を説明する。図173は、この立ち上げ処理を示したフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時に起動される。
立ち上げ処理が実行されると、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S4001)。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。その後、電源断処理中フラグがオンしているか否かによって、今回の立ち上げ処理が瞬間的な電圧降下(瞬間的な停電、所謂「瞬停」)によって、S4117の電源断処理(図174参照)の実行途中に開始されたものであるか否かが判断される(S4002)。図174を参照して後述する通り、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から電源断の発生情報を受信すると(図174のS4114参照)、S4117の電源断処理を実行する。かかる電源断処理の実行前に、電源断処理中フラグがオンされ、該電源断処理の終了後に、電源断処理中フラグはオフされる。よって、S4117の電源断処理が実行途中であるか否かは、電源断処理中フラグの状態によって判断できる。
電源断処理中フラグがオフであれば(S4002:No)、今回の立ち上げ処理は、電源が完全に遮断された後に開始されたか、瞬間的な停電が生じた後であってS4117の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始されたものである。よって、これらの場合には、RAM223のデータが破壊されているか否かを確認する(S4003)。
RAM223のデータ破壊の確認は、次のように行われる。即ち、RAM223の特定の領域には、S4006の処理によって「55AAh」のキーワードとしてのデータが書き込まれている。よって、その特定領域に記憶されるデータをチェックし、該データが「55AAh」であればRAM223のデータ破壊は無く、逆に「55AAh」でなければRAM223のデータ破壊を確認することができる。RAM223のデータ破壊が確認されれば(S4003:Yes)、S4004へ移行して、RAM223の初期化を開始する。一方、RAM223のデータ破壊が確認されなければ(S4003:No)、S4008へ移行する。
なお、今回の立ち上げ処理が、電源が完全に遮断された後に開始された場合には、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードは記憶されていないので(電源断によってRAM223の記憶は喪失するから)、RAM223のデータ破壊と判断され(S4003:Yes)、S4004へ移行する。一方、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってS4117の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって開始された場合には、RAM223の特定領域には「55AAh」のキーワードが記憶されているので、RAM223のデータは正常と判断されて(S4003:No)、S4008へ移行する。
電源断処理中フラグがオンであれば(S4002:Yes)、今回の立ち上げ処理は、瞬間的な停電が生じた後であって、S4117の電源断処理の実行途中に、音声ランプ制御装置113のMPU221にリセットがかかって開始されたものである。かかる場合は電源断処理の実行途中なので、RAM223の記憶状態は必ずしも正しくない。よって、かかる場合には制御を継続することはできないので、処理をS4004へ移行して、RAM223の初期化を開始する。
S4004の処理では、RAM223の全範囲の記憶領域をチェックする(S4004)。チェック方法としては、まず、1バイト毎に「0FFh」を書き込み、それを1バイト毎に読み出して「0FFh」であるか否かを確認し、「0FFh」であれば正常と判別する。かかる1バイト毎の書き込み及び確認を、「0FFh」に次いで、「55h」、「0AAh」、「00h」の順に行う。このRAM223の読み書きチェックにより、RAM223のすべての記憶領域が0クリアされる。
RAM223のすべての記憶領域について、読み書きチェックが正常と判別されれば(S4005:Yes)、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードを書き込んで、RAM破壊チェックデータを設定する(S4006)。この特定領域に書き込まれた「55AAh」のキーワードを確認することにより、RAM223にデータ破壊があるか否かがチェックされる。一方、RAM223のいずれかの記憶領域で読み書きチェックの異常が検出されれば(S4005:No)、RAM223の異常を報知して(S4007)、電源が遮断されるまで無限ループする。RAM223の異常は、表示ランプ34により報知される。なお、音声出力装置226により音声を出力してRAM223の異常報知を行うようにしても良いし、表示制御装置114にエラーコマンドを送信して、第3図柄表示装置81にエラーメッセージを表示させるようにしてもよい。
S4008の処理では、電源断フラグがオンされているか否かを判別する(S4008)。電源断フラグはS4117の電源断処理の実行時にオンされる(図119のS4116参照)。つまり、電源断フラグは、S4117の電源断処理が実行される前にオンされるので、電源断フラグがオンされた状態でS4008の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってS4117の電源断処理の実行を完了した状態で開始された場合である。従って、かかる場合には(S4008:Yes)、音声ランプ制御装置113の各処理を初期化するためにRAMの作業エリアをクリアし(S4009)、RAM223の初期値を設定した後(S4010)、割込み許可を設定して(S4011)、メイン処理へ移行する。なお、RAM223の作業エリアとしては、主制御装置110から受信したコマンド等を記憶する領域以外の領域をいう。
一方、電源断フラグがオフされた状態でS4008の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、例えば電源が完全に遮断された後に開始されたためにS4004からS4006の処理を経由してS4008の処理へ至ったか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始された場合である。よって、かかる場合には(S4008:No)、RAM223の作業領域のクリア処理であるS4009をスキップして、処理をS4010へ移行し、RAM223の初期値を設定する(S4010)。
なお、S4009のクリア処理をスキップするのは、S4004からS4006の処理を経由してS4008の処理へ至った場合には、S4004の処理によって、既にRAM223のすべての記憶領域はクリアされているし、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって、立ち上げ処理が開始された場合には、RAM223の作業領域のデータをクリアせず保存しておくことにより、音声ランプ制御装置113の制御を継続できるからである。
次に、図174を参照して、音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理後に音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理について説明する。図174は、このメイン処理を示したフローチャートである。メイン処理が実行されると、まず、該メイン処理が開始されてから、又は、前回S4101の処理が実行されてから1ミリ秒以上が経過したか否かが判別され(S4101)、1ミリ秒以上経過していなければ(S4101:No)、S4102〜S4111の処理を行わずにS4112の処理へ移行する。S4101の処理で、1ミリ秒経過したか否かを判別するのは、S4102〜S4111が表示(演出)に関する処理であり、短い周期(1ミリ秒以内)で編集する必要がないのに対して、S4112のコマンド判定処理やS4113の変動表示設定処理を短い周期で実行する方が好ましいからである。S4112の処理が短い周期で実行されることにより、主制御装置110から送信されるコマンドの受信洩れを防止でき、S4112の処理が短い周期で実行されることにより、コマンド判定処理によって受信されたコマンドに基づき、変動表示演出に関する設定を遅滞なく行うことができる。
S4101の処理で1ミリ秒以上経過していれば(S4101:Yes)、まず、S4103〜S4113の処理によって設定された、表示制御装置114に対する各種コマンドを、表示制御装置114に対して送信するコマンド出力処理を実行する(S4102)。次いで、表示ランプ34の点灯態様の設定や後述するS4108の処理で編集されるランプの点灯態様となるよう各ランプの出力を設定し(S4103)、その後電源投入報知処理を実行する(S4104)。電源投入報知処理は、電源が投入された場合に所定の時間(例えば30秒)電源が投入されたことを知らせる報知を行うものであり、その報知は音声出力装置226やランプ表示装置227により行われる。また、第3図柄表示装置81の画面において電源が供給されたことを報知するようコマンドを表示制御装置114に送信するものとしても良い。なお、電源投入時でなければ、電源投入報知処理による報知は行わずにS4105の処理へ移行する。
S4105の処理では客待ち演出が実行され、その後、保留個数表示更新処理が実行される(S4106)。客待ち演出では、パチンコ機10が遊技者により遊技されない時間が所定時間経過した場合に、第3図柄表示装置81の表示をタイトル画面に切り替える設定などが行われ、その設定がコマンドとして表示制御装置114に送信される。
その後、枠ボタン入力監視・演出処理が実行される(S4107)。この枠ボタン入力監視・演出処理では、演出効果を高めるために遊技者に操作される枠ボタン22が押されたか否かの入力を監視し、枠ボタン22の入力が確認された場合に対応した演出を行うよう設定する処理である。この処理では、枠ボタン22の遊技者による操作が検出されると、表示制御装置114に対して枠ボタン22が操作されたことを通知する枠ボタン操作コマンドを設定する。この枠ボタン入力監視・演出処理(S4107)の詳細については、図186を参照して後述する。
枠ボタン入力監視・演出処理が終わると、次いで、ランプ編集処理を実行し(S4108)、その後音編集・出力処理を実行する(S4109)。ランプ編集処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう電飾部29〜33の点灯パターンなどが設定される。音編集・出力処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう音声出力装置226の出力パターンなどが設定され、その設定に応じて音声出力装置226から音が出力される。
S4109の処理後、液晶演出実行管理処理を実行し(S4110)、次に、演出更新処理を実行する(S4111)。S4111の処理を実行後、S4112の処理へ移行する。液晶演出実行管理処理では、主制御装置110から送信される変動パターンコマンドに基づいて第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間が設定される。この液晶演出実行監視処理で設定された時間に基づいてS4108のランプ編集処理が実行される。なお、S4109の音編集・出力処理も第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間で実行される。
S4111の処理後、主制御装置110より受信したコマンドに応じた処理を行うコマンド判定処理(S4112)が実行され、S4113の処理へ移行する。このコマンド判定処理(S4112)の詳細については、図175を参照して後述する。
S4113の処理では、第3図柄表示装置81において変動表示演出を表示させるために、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドに基づいて表示用変動パターンコマンドを生成し、そのコマンドを表示制御装置114に送信するために設定する処理である変動表示設定処理を実行する。この変動表示設定処理の詳細については、図182を参照して後述する。
S4113の処理が終わると、ワークRAM233に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別する(S4114)。電源断の発生情報は、主制御装置110から電源断コマンドを受信した場合に記憶される。S4114の処理で電源断の発生情報が記憶されていれば(S4114:Yes)、電源断フラグ及び電源断処理中フラグを共にオンして(S4116)、電源断処理を実行する(S4117)。電源断処理の実行後は、電源断処理中フラグをオフし(S4118)、その後、処理を、無限ループする。電源断処理では、割込処理の発生を禁止すると共に、各出力ポートをオフして、音声出力装置226およびランプ表示装置227からの出力をオフする。また、電源断の発生情報の記憶も消去する。
一方、S4114の処理で電源断の発生情報が記憶されていなければ(S4114:No)、RAM223に記憶されるキーワードに基づき、RAM223が破壊されているか否かが判別され(S4115)、RAM223が破壊されていなければ(S4115:No)、S4101の処理へ戻り、繰り返しメイン処理が実行される。一方、RAM223が破壊されていれば(S4115:Yes)、以降の処理の実行を停止させるために、処理を無限ループする。ここで、RAM破壊と判別されて無限ループするとメイン処理が実行されないので、その後、第3図柄表示装置81による表示が変化しない。よって、遊技者は、異常が発生したことを知ることができるので、ホールの店員などを呼びパチンコ機10の修復などを頼むことができる。また、RAM223が破壊されていると確認された場合に、音声出力装置226やランプ表示装置227によりRAM破壊の報知を行うものとしても良い。
次に、図175を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるコマンド判定処理(S4112)について説明する。図175は、このコマンド判定処理(S4112)を示したフローチャートである。このコマンド判定処理(S4112)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図174参照)の中で実行され、上述したように、主制御装置110から受信したコマンドを判定する。以下、コマンド判定処理(S4112)の詳細を説明する。
コマンド判定処理(S4112)が実行されるとまず、状態コマンドを受信したかを判別し(S4201)、受信したと判別した場合は(S4201:Yes)、状態コマンド受信処理を実行し(S4202)、本処理を終了する。この状態コマンド受信処理(S4202)は、現在の遊技状態を示す状態コマンドを受信し、その遊技状態に応じたモード演出態様を設定し、第3図柄表示装置81の表示面にて対応する演出態様(例えば、背面画像)を表示するための表示用コマンドが設定される。例えば、確変状態を示す状態コマンドを受信した場合は、図131に示したスーパーチャンスモードに対応する表示用コマンドが設定され、時短状態を示す状態コマンドを受信した場合は、図128に示すチャンスモードに対応する表示用コマンドが設定される。なお、実際に設定される遊技状態と、実行されるモード演出における演出態様の切替制御の詳細については後述する。この状態コマンド受信処理(S4202)の詳細については図176を参照して後述する。
S4201の処理において状態コマンドを受信していないと判別した場合は(S4201:No)、次に、特図変動パターンコマンドを受信したかを判別し(S4203)、受信したと判別した場合は(S4203:Yes)、受信した特図変動パターンコマンドに対応する特図変動開始フラグ223dをオンに設定し(S4204)、受信したコマンドから変動パターンコマンドを抽出する(S4205)。そして、本処理を終了する。
S4203の処理において特図変動パターンコマンドを受信していないと判別した場合は(S4203:No)、次に、特図停止種別コマンドを受信したかを判別し(S4206)、受信したと判別した場合は(S4206:Yes)、受信した特図停止種別コマンドに対応する停止種別選択フラグ223e(第1特図停止種別フラグ223e1、第2特図停止種別フラグ223e2)をオンに設定し(S4207)、受信したコマンドから停止種別を抽出する(S4208)。そして、本処理を終了する。
S4206の処理において特図停止種別コマンドを受信していないと判別した場合は(S4206:No)、次に、主制御装置110より保留球数コマンドを受信したか判別する(S4209)。ここで、保留球数コマンドを受信したと判別した場合には(S4209:Yes)、受信した保留球数コマンドから保留球数を抽出し、対応する値を特別図柄保留球数カウンタ223c、普通図柄保留球数カウンタ223hに格納する(S4210)。具体的には、特別図柄の保留球数コマンドを受信した場合は、その保留球数コマンドに含まれる主制御装置110の第1特別図柄保留球数カウンタ203d,第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値(即ち、特別図柄の変動表示の保留球数)を抽出し、その抽出したカウンタ値に合わせて、音声ランプ制御装置113のRAM223に設けられた特別図柄保留球数カウンタ223cの値を更新する。
また、普通図柄の保留球数コマンドを受信した場合は、その保留球数コマンドに含まれる主制御装置110の普通図柄保留球数カウンタ203fの値(即ち、普通図柄の変動表示の保留球数)を抽出し、その抽出したカウンタ値に合わせて、音声ランプ制御装置113のRAM223に設けられた普通図柄保留球数カウンタ223hの値を更新する。
ここで、保留球数コマンドは、球が各種入球口(第1入球口64、第2入球口640、スルーゲート67)に入球(始動入賞)し、各種保留球数カウンタの値が加算された場合、或いは、各種変動開始処理を実行する際に、各種保留球数カウンタの値が減算されたときに主制御装置110から送信されるものであるので、始動入賞時や変動表示設定時毎に、S4210の処理によって、音声ランプ制御装置113の特別図柄保留球数カウンタ223c、普通図柄保留球数カウンタ223hの値を、主制御装置110の第1特別図柄保留球数カウンタ203d,第2特別図柄保留球数カウンタ203e、普通図柄保留球数カウンタ203fの値に合わせることができる。
よって、ノイズなどの影響により、音声ランプ制御装置113のRAM223が有する特別図柄保留球数カウンタ223cの値が、主制御装置110の各種保留球数カウンタ203d,203e,203dの値とずれてしまっても、始動入賞時、変動表示設定時、即ち、各種保留球数変更されることに基づいて保留球数コマンドが通知されれば、音声ランプ制御装置113の特別図柄保留球数カウンタ223cの値を修正し、主制御装置110の各種保留球数カウンタ第1特別図柄保留球数カウンタ203d,第2特別図柄保留球数カウンタ203e,普通図柄保留球数カウンタ203fの値に合わせることができる。
また、S4209の処理において、保留球数コマンドを受信していないと判別した場合は(S4209:No)、主制御装置110より入賞コマンドを受信したか判別する(S4211)。S4211の処理において、入賞コマンドを受信したと判別した場合は(S4211:Yes)、入賞コマンド処理を実行し(S4212)、本処理を終了する。この入賞コマンド処理(S4212)は、受信した入賞情報コマンドに含まれる入賞情報に対応する図柄種別(特別図柄、普通図柄)を解析し、その解析結果に対応する記憶領域(音声ランプ制御装置113のRAM223内の入賞情報格納エリア223b)に格納(記憶)する処理と、受信した入賞情報に基づいた演出(先読み演出)を実行するための処理を行うものである。なお、入賞コマンド処理(S4212)の詳細な内容については、図177を参照して後述する。
S4211の処理において、入賞コマンドを受信していないと判別した場合は(S4211:No)、次に、図柄確定コマンドを受信したかを判別し(S4213)、図柄確定コマンドを受信したと判別した場合は(S4213:Yes)、第3図柄の停止表示を設定し(S4214)、本処理を終了する。停止コマンドを受信していないと判別した場合は(S4213:No)、次いで、普図関連コマンドを受信したかを判別し(S4215)、受信したと判別した場合は(S4215:Yes)、普図関連処理を実行し(S4216)、その後、本処理を終了する。なお、普図関連処理を実行し(S4216)の詳細な説明は、図124を参照して後述する。
S4215の処理において、普図関連コマンドを受信していないと判別した場合は(S4215:No)、大当たり関連コマンドを受信したかを判別し(S4217)、受信したと判別した場合は(S4217:Yes)、大当たり関連処理を実行し(S4218)、その後、本処理を終了する。なお、大当たり関連処理(S4218)の詳細な説明は、図180を参照して後述する。一方、大当たり関連コマンドを受信していないと判別した場合は(S4217:No)、その他のコマンドに応じた処理を実行し(S4219)、本処理を終了する。
次に、図176を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される状態コマンド受信処理(S4202)について説明する。図176は、この状態コマンド受信処理(S4202)を示したフローチャートである。この状態コマンド受信処理(S4202)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるコマンド判定処理(図175参照)の中で実行されるものであって、設定されている遊技状態に応じて第3図柄表示装置81に表示される表示モードを異ならせて設定するための処理を実行するものである。以下、状態コマンド受信処理(S4202)の詳細を説明する。
状態コマンド受信処理(S4202)が実行されると、まず、現在設定されている遊技状態が変更されるか否かを判別する(S4301)。ここでは、従状態設定エリア223gに設定されている遊技状態と、今回受信した状態コマンドが示す遊技状態とが、相違するか否かが判別される。S4301の処理において、遊技状態に変更がないと判別した場合は(S4301:No)、そのまま本処理を終了する。遊技状態に変更があると判別した場合は(S4301:Yes)、変更後の遊技状態が通常状態であるかを判別する(S4302)。
S4302の処理において、変更後の遊技状態が通常状態であると判別した場合(今回受信した状態コマンドが通常状態を示すコマンドである場合)は(S4302:Yes)、通常モードを示す表示用コマンドを設定し(S4303)、S4304の処理へ移行する。
S4302の処理において、変更後の遊技状態が通常状態では無いと判別した場合(今回受信した状態コマンドが通常状態を示すコマンドでは無い場合)は(S4302:No)、次いで、変更後の遊技状態が時短状態であるかを判別し(S4306)、遊技状態が時短状態である(今回受信した状態コマンドが時短状態を示すコマンドである)と判別した場合は(S4306:Yes)、時短中カウンタ223nの値に100を設定し(S4307)、チャンスモードを示す表示用コマンドを設定し(S4308)、S4304の処理へ移行する。
S4306の処理において、遊技状態が時短状態はないと判別した場合は(S4306:No)、次いで、V報知フラグ223mがオンであるか否かを判別する(S4309)。V報知フラグ223mがオフの場合は(S4309:No)、上述したS4308の処理へ移行する。V報知フラグ223mがオンである場合は(S4309:Yes)、V報知フラグ223mをオフに設定し(S4310)、スーパーチャンスモードを示す表示用コマンドを設定し(S4311)、S4304の処理へ移行する。
S4304の処理では、従状態設定エリア223gの現状態エリアに設定されている遊技状態を過去状態エリアに設定し(S4304)、従状態設定エリア223gの現状態エリアに受信した状態コマンドが示す情報に対応する遊技状態を設定し(S4305)、本処理を終了する。
ここで、S4308およびS4311の処理で設定されたコマンドが表示制御装置114に通知されることにより通常状態中における変動演出表示が実行されることになる。このように、本制御例では、音声ランプ制御装置113にて、主制御装置110から出力された状態コマンドに基づいて第3図柄表示装置81の表示領域にて表示される各種表示態様の種別(モード、背景)を設定し、その種別を示すコマンドを表示制御装置114へと出力するように構成している。
このように構成することで、例えば、音声ランプ制御装置113側で設定されている遊技状態に対してそれぞれ変動演出表示の表示態様を設定する必要を無くすことが可能となる。つまり、現在設定されている遊技状態に対応する各種表示態様の種別を示すコマンド(種別コマンド)と、特別図柄の変動表示に対応する変動パターンコマンド(共通コマンド)とを表示制御装置114に出力するだけで、表示制御装置114側で受信した種別コマンドと、共通コマンドとに基づいて、現在の遊技状態と受信した変動パターンとに対応した表示態様で第3図柄表示装置81に表示させる表示データを設定することができる。よって、音声ランプ制御装置113の処理負荷を軽減させることができる。
なお、上述したように、音声ランプ制御装置113から受信した複数のコマンドを表示制御装置114側で組み合わせることにより第3図柄表示装置81に表示させる表示データを設定するように構成した場合には、表示制御装置114側から音声ランプ制御装置113側へと設定後の表示データの内容を示す情報(確認情報)を出力するように構成し、音声ランプ制御装置113側で受信した確認情報が適正であるかを判別する判別手段を設け、その判別結果が適正では無いと判別した場合に、適正な情報を示す簡易的な表示用変動パターンコマンドを設定し、既に設定されている表示データの内容を簡易的な表示データに書き換えるように構成すると良い。
このように構成することで、音声ランプ制御装置113が主制御装置110から受信した各種コマンドに対して適正な表示データが設定されなかった場合に、適正な情報を示す簡易的な表示データを設定することができ、その簡易的な表示データに基づく変動演出表示を表示することができる。よって、実際の遊技結果(特別図柄の抽選結果)とは異なる内容の変動演出表示が実行されてしまい、遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができる。また、上述した簡易的な表示データにとしては、例えば、どの遊技状態にも対応しない特殊モード(例えば、黒背景のモード)を表示する表示データや、第4図柄の変動表示を実行する表示データといった、通常の変動演出表示にて用いる表示データよりもデータ量の少ない表示データを用いれば良い。
なお、本制御例では、上述した構成を用いているがこれに限ること無く、音声ランプ制御装置113側で、現在の遊技状態と、受信した変動パターンとに基づいた表示用変動パターンコマンドを設定するように構成しても良い。
次に、図177を参照して、コマンド判定処理(図175のS4112参照)にて実行される入賞コマンド処理(S4212参照)の内容を説明する。図177は、入賞コマンド処理(S4212)の内容を示したフローチャートである。この入賞コマンド処理(S4212)は、主制御装置110から特別図柄抽選の抽選権利を獲得した場合に設定される入賞コマンド(入賞情報コマンド)や、普通図柄抽選の抽選権利を獲得した場合に設定される普図用入賞情報コマンドや、大当たり遊技中に球が特定ゲート(確変スイッチ)を流下(通過)した場合に設定されるV入賞コマンドを受信した場合に実行される処理である。
入賞コマンド処理(S4212)が実行されると、まず、受信した入賞コマンド(入賞情報コマンド)の情報を入賞情報格納エリア(入賞情報記憶エリア)223bの対応する領域に格納(設定)し(S4401)、今回受信したコマンドが普図用入賞情報コマンドであるかを判別し(S4402)、普図用入賞情報コマンドであると判別した場合は(S4402:Yes)、受信したコマンドの中に当たり情報(普図当たり当選している入賞情報)が含まれているかを判別し(S4403)当たり情報があると判別した場合は(S4403:Yes)、次いで、時短カウンタ203hの値が0よりも大きいか、即ち、現在が普通図柄の高確率状態であるかを判別する(S4404)。
ここで、現在が普通図柄の高確率状態では無い、即ち、通常状態であると判別した場合は(S4404:No)、通常状態中に普図当たり当選する普通図柄抽選の抽選権利を獲得した状態であって、チャンスゾーンが設定される可能性が高い場合であるため、電チューロング開放を示唆するための表示用コマンドを設定し(S4405)、S4406の処理へと移行する。S4405の処理で表示用コマンドが設定されると、他の音声ランプ制御装置での制御処理にて設定される各種表示用コマンドと同一の制御内容で表示制御装置114へと通知され、通常状態中に普図当たり遊技が実行され電動役物640aがロング開放(5秒間開放)することを示唆する示唆演出(例えば、第3図柄表示装置81の表示面の主表示領域Dmに小表示領域Dm3が形成されるか否かを煽る演出)が実行される。
なお、本制御例では、通常状態中に普図当たり当選する普通図柄抽選の抽選権利を獲得した場合にのみ上述した示唆演出が実行されるように構成しているが、これに限ること無く、普図用入賞情報コマンドに特定の外れ当選を示す入賞情報が含まれていると判別した場合にも、上述した示唆演出が実行されるように構成すると良い。これにより、示唆演出が実行された場合に普図当たり遊技が実行される場合と、実行されない場合とを設定することができるため、遊技者に今後実行される遊技内容を予測させながら遊技を行わせることができる。
さらに、本制御例では、通常状態中に普図当たり当選する普通図柄抽選の抽選権利を獲得した場合に、示唆演出が実行されるように構成しているが、この構成に加え、実行中の特別図柄抽選、或いは、入賞情報格納エリア223bに格納されている特別図柄抽選の事前判別結果に基づいて、実際に普図当たり遊技が実行されるタイミング、即ち、普図当たり当選を示す普図用入賞情報コマンドに対応する普通図柄抽選が実行されるタイミング(普図当たり遊技が実行されるタイミング)の遊技状態が通常状態であるか否かを判別する事前遊技状態処理を実行し、通常状態であると判別した場合に、上述した示唆演出を実行するように構成しても良い。これにより、チャンスゾーンが設定されることをより的確に示唆することが可能となる。
図177に戻り説明を続ける。S4402の処理で、普図用入賞情報コマンドを受信していないと判別した場合(S4402:No)、S4403の処理で当たり情報が無いと判別した場合(S4403:No)、S4404の処理で時短カウンタ203hの値が0よりも大きいと判別した場合(S4404:Yes)もS4406の処理へ移行する。
S4406の処理では、特図用入賞情報コマンド処理を実行し(S4406)、S4407の処理へ移行する。この特図用入賞情報コマンド処理(S4406)の詳細については図178を参照して後述する。
S4407の処理では、今回受信したコマンドがV入賞コマンド(入賞処理(図171のS1911参照)にて確変スイッチ(特定ゲート)へと球が流下した場合に設定されるコマンド(S2216参照))であるかを判別し(S4407)、V入賞コマンドである場合は(S4407:Yes)、V入賞フラグ223jをオンに設定し(S4408)、S4409の処理へ移行する。また、S4407の処理において、V入賞コマンドを受信していないと判別した場合は(S4407:No)、S4413の処理へ移行する。
S4409の処理では、V演出実行フラグ223kがオンであるか否かを判別する(S4409)。V演出実行フラグ223kがオンである場合は(S4409:Yes)、V演出実行フラグ223kをオフに設定し(S4410)、V入賞を報知するための表示用コマンドを設定し(S4411)、V報知フラグ223mをオンに設定し(S4412)、S4413の処理へ移行する。また、S4409の処理において、V演出実行フラグ223kがオフである場合も(S4409:No)、S4413の処理へ移行する。
S4413の処理では、その他の処理を実行し(S4413)、本処理を終了する。
次に、図178を参照して、入賞コマンド処理(図177のS4212)にて実行される特図用入賞情報コマンド処理(S4406)の内容を説明する。図178は、特図用入賞情報コマンド処理(S4406)の内容を示したフローチャートである。
特図用入賞情報コマンド処理(S4406)が実行されると、まず、従状態設定エリア223gに設定されている情報に基づいて現在の遊技状態を抽出し(S4501)、時短中カウンタ223nの値が75より大きいか否かを判別する(S4502)。時短中カウンタ223nの値が75より大きいと判別した場合は(S4502:Yes)、次いで、特殊連続予告フラグ223oがオンであるか否かを判別する(S4503)。特殊連続予告フラグ223oがオフであると判別した場合は(S4503:No)、連続予告実行選択テーブル222d(図147(a))を用いて連続予告の有無を選択し(S4504)、次いで、連続予告の実行があるか否かを判別する(S4505)。連続予告の実行があると判別した場合は(S4505:Yes)、特殊連続予告フラグ223oをオンに設定し(S4506)、S4507の処理へ移行する。
また、S4502の処理において、時短中カウンタ223nの値が75以下であると判別した場合と(S4502:No)、S4503の処理において、特殊連続予告フラグ223oがオンであると判別した場合と(S4503:No)、S4505の処理において、連続予告の実行がないと判別した場合も(S4505:No)、S4507の処理へ移行する。
S4507の処理では、受信した特図用入賞情報コマンドに含まれる情報に基づいた表示用コマンドを設定し(S4507)、本処理を終了する。
次に、図179を参照して、コマンド判定処理(図175のS4112参照)にて実行される普図関連処理(S4216)の内容を説明する。図179は、普図関連処理(S4216)の内容を示したフローチャートである。この普図関連処理(S4216)は、主制御装置110から普通図柄抽選が実行されたことを示す普図変動パターンコマンドや、普図当たり遊技が開始されたことを示す普図当たり開始コマンドや、普図当たり遊技の終了を示す普図当たり終了コマンドを受信した場合に実行される処理である。
普図関連処理(S4216)が実行されると、まず、普図変動パターンコマンドを受信したかを判別し(S4601)、受信したと判別した場合は(S4601:Yes)、表示用普図変動開始コマンドを設定し(S4602)、次いで、時短中カウンタ223nの値が0よりも大きいか、即ち、普通図柄の高確率状態であるかを判別する(S4603)。時短中カウンタ223nの値が0よりも大きいと判別した場合は(S4603:Yes)、そのまま本処理を終了し、0よりも大きく無いと判別した場合は(S4603:No)、今回受信した普図変動パターンコマンドが普図当たりに当選している普通図柄抽選に対応する普図変動パターンコマンドであるかを判別し(S4604)、普図当たりに当選していないと判別した場合は(S4604:No)、そのまま本処理を終了する。
一方で、普図当たりに当選していると判別した場合は(S4604:Yes)、ロング開放当たりが実行される普図当たり変動であるため、ロング開放待機中を示す表示用コマンドを設定し(S4605)、本処理を終了する。S4605の処理で表示用コマンドが設定されることで、図123(b)に示した表示態様が第3図柄表示装置81の表示面に表示される。これにより、遊技者に対して間もなくチャンスゾーンが設定される可能性が高い状態であることを容易に予測させることができる。
なお、本制御例では、普通図柄変動が当たり変動であるか否かに基づいて図123(b)に示した表示態様(小表示領域Dm3を形成する表示態様)を表示させる処理を用いているが、これに限ること無く、特定の普図外れ変動(例えば、普図当たり変動と同一の変動時間が設定される普図外れ変動の一部)にて図123(b)に示した表示態様(小表示領域Dm3を形成する表示態様)を表示させるように構成しても良い。
また、実行中の特別図柄変動に対応する変動演出(第3図柄変動演出)の内容に応じて小表示領域Dm3の表示領域の大きさを可変させるように構成しても良く、例えば、第3図柄変動演出にて大当たり期待度の高い変動演出(例えば、リーチ演出)が実行されている場合は、大当たり期待度の高い変動演出(例えば、リーチ演出)が実行されていない場合よりも小表示領域Dm3の表示領域が小さくなるように表示内容を可変させるように構成すると良い。このように、独立して実行される特別図柄抽選の抽選結果を示唆する変動演出と普通図柄抽選の抽選結果を示唆する変動演出とに関係性を持たせて表示内容を可変制御することにより、遊技者に対して無駄に多くの遊技情報が提供されてしまい遊技者が混乱してしまうことを抑制し、分かり易い遊技を提供することができる。
図179に戻り、説明を続ける。S4601の処理にて普図変動パターンコマンドを受信していないと判別した場合は(S4601:No)、次に、普図当たり開始コマンドを受信したかを判別し(S466)、普図当たり開始コマンドを受信したと判別した場合は(S4606:Yes)、次いで、時短中カウンタ223nの値が0よりも大きいかを判別し(S4607)、0よりも大きく無いと判別した場合は(S4607:No)、ロング開放中を示す表示用コマンドを設定し(S4608)、本処理を終了する。S4608の処理で表示用コマンドが設定されることで、図124(a)に示した表示態様が第3図柄表示装置81の表示面に表示される。これにより、遊技者に対してロング開放当たりが実行されていることを容易に把握させることができる。また、S4607の処理にて、時短中カウンタ223nの値が0よりも大きいと判別した場合は(S4607:Yes)、S4608の処理をスキップして本処理を終了する。
S4606の処理で、普図当たり開始コマンドを受信していないと判別した場合は(S4606:No)、普図当たり終了コマンドを受信したかを判別し(S4609)、受信したと判別した場合は(S4609:Yes)、時短中カウンタ223nの値が0よりも大きいかを判別し(S4610)、時短中カウンタ223nの値が0であると判別した場合は(S4610:No)、次いで、普通図柄保留球数カウンタ223hの値が1以上であるかを判別し(S4611)、1以上であると判別した場合は(S4611:Yes)、特殊演出中フラグ223iがオンに設定されているかを判別し(S4612)、オンに設定されていないと判別した場合は(S4612:No)、チャンスゾーン突入を示す表示用コマンドを設定し(S4613)、特殊演出中フラグ223iをオフに設定し(S4614)、本処理を終了する。一方、S4610〜S4612の処理において、上述した判別結果以外の判別結果であると判別した場合は、そのまま本処理を終了する。
次に、図180を参照して、大当たり関連処理(S4218)の内容について説明をする。図180は、大当たり関連処理(S4218)の内容を示したフローチャートである。大当たり関連処理(S4218)では、大当たりに当選した場合に実行される大当たり遊技に対応した演出表示を第3図柄表示装置81に実行させるための処理を行うものであり、大当たりに当選した場合に、主制御装置110から送信される様々なコマンドに対応した処理が実行される。
大当たり関連処理(S4218)では、まず、今回受信したコマンドが、大当たり開始コマンドであるかを判別する(S4701)。大当たり開始コマンドであると判別した場合には(S4701:Yes)、表示用大当たり開始コマンドを設定する(S4702)。ここで設定される表示用大当たり開始コマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図174参照)のコマンド出力処理(S4102)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114は、表示用大当たり開始コマンドを受信すると、大当たりの開始を示唆する演出を第3図柄表示装置81に表示する。
次いで、今回の大当たり遊技が通常大当たり(遊技)であるかを判別し(S4703)、通常大当たりであると判別した場合は(S4703:Yes)、チャンスモード突入(時短状態が設定される)ことを示すエンディング表示態様を設定し(S4708)、本処理を終了する。一方、通常大当たりでは無いと判別した場合(S4703:No)、即ち、確変大当たりであると判別した場合は、V報知実行選択テーブル222e(図147(b))を用いてV報知演出の実行有無を選択し(S4704)、次いで、V報知演出があるか否かを判別する(S4705)。V報知演出があると判別した場合は(S4705:Yes)、V演出実行フラグ223kをオンに設定し(S4706)、スーパーチャンスモード突入(確変状態が設定される)ことを示すエンディング表示態様を設定し(S4707)、本処理を終了する。
一方、S4705の処理において、V報知演出がないと判別した場合は(S4705:No)、上述したS4708の処理へ移行する。
つまり、本制御例では、図141を参照して上述した通り、設定される大当たり種別(通常大当たり、確変大当たり)に応じて異なる長さのエンディング期間が設定されており、大当たり遊技が開始されるタイミングにて今回実行される大当たり遊技のエンディング期間に対応させたエンディング表示態様(図133参照)を予め設定するように構成している。このように構成することで、各種制御(大当たり遊技の進行状況に応じて可変表示させる大当たり遊技情報の可変表示制御(例えば、獲得した賞球数を示すための情報を表示させる制御や実行中のラウンド遊技数を示すための情報を表示させる制御)や、大当たり遊技中に可変入賞装置65へと入賞した球数に応じて賞球を払い出すための賞球払出制御)が頻繁に実行される大当たり遊技期間中にエンディング表示態様を設定するための表示制御を実行する必要が無くなるため、音声ランプ制御装置113、表示制御装置114の処理負荷を軽減させることができる。なお、本制御例では、大当たり遊技の開始タイミングにてエンディング表示態様を設定する処理を実行しているが、これに限ること無く、大当たり遊技が実行されることが確定している特別図柄の大当たり変動中にエンディング表示態様を設定しても良いし、大当たり遊技期間のうち、制御処理が少ない期間に実行される音声ランプ制御装置113のメイン処理の残余期間を用いて設定するように構成しても良い。
一方、S4701の処理にて、大当たり開始コマンドを受信していないと判別した場合は(S4701:No)、次に、ラウンド数コマンドを受信したかを判別し(S4709)、ラウンド数コマンドを受信したと判別した場合は(S4709:Yes)、ラウンド数に基づいて表示用ラウンド数コマンドを設定し(S4710)、今回のラウンド数が1ラウンド(Vラウンド)であるかを判別する(S4711)。1ラウンド(Vラウンド)であると判別した場合は(S4711:Yes)、V演出実行フラグ223kがオンであるか否かを判別する(S4712)。V演出実行フラグ223kがオンであると判別した場合は(S4712:Yes)、V入賞を案内する表示用コマンドを設定し(S4713)、本処理を終了する。また、S4711の処理で今回のラウンド数が1ラウンド(Vラウンド)では無い、即ち、1ラウンド目以外のラウンド遊技が開始されると判別した場合と(S4711:No)、S4712の処理において、V演出実行フラグ223kがオフであると判別した場合も(S4712:No)、そのまま本処理を終了する。
S4709の処理でラウンド数コマンドを受信していないと判別した場合は(S4709:No)、次に、エンディングコマンドを受信したかを判別し(S4714)、受信したと判別した場合は(S4714:Yes)、エンディング処理を実行し(S4715)、本処理を終了する。また、S4786の処理にてエンディングコマンドを受信していないと判別した場合は(S4714:No)、そのまま本処理を終了する。
次に、図181を参照して、エンディング処理(S4715)の処理について説明をする。図181は、エンディング処理(S4715)の内容を示したフローチャートである。このエンディング処理(S4715)は、上述した大当たり関連処理(図180のS4218参照)にてエンディングコマンドを受信したと判別した場合に実行される処理であって、エンディング期間中に実行されるエンディング表示態様を最終的に決定するための処理を実行するものである。
エンディング処理(S4715)が実行されると、まず、V入賞フラグ223jがオンに設定されているかを判別し(S4801)、オンに設定されていると判別した場合は(S4801:Yes)、V入賞フラグ223jをオフに設定し(S4805)、既に設定されているエンディング表示態様に対応するエンディング表示の実行を設定し(S4804)、本処理を終了する。また、S4801の処理においてV入賞フラグ223jがオンに設定されていないと判別した場合は(S4801:No)、V演出実行フラグ223kがオンであるかを判別し(S4802)、V演出実行フラグ223kがオフであると判別した場合は(S4802:No)、そのままS4804の処理へ移行する。
一方、S4802の処理において、V演出実行フラグ223kがオンであると判別した場合は(S4802:Yes)、エンディング期間のうち、後半期間(7秒)の表示態様を切り替えるための表示切替コマンドを設定し(S4803)、S4804の処理へ移行する。
S4803の処理において表示切替コマンドが設定されると、表示制御装置114へと通知され、予め確変状態が設定されることに対応して設定されていたエンディング期間の後半期間の表示態様(図236(d)参照)を、時短状態が設定されることに対応する表示態様(図236(c)参照)へと切り替える処理が実行される。本制御例では、この表示切替コマンドに基づいて切り替えられる表示態様の表示期間を一定(7秒)にしているため、容易に表示態様を切り替えることができる。
次に、図182を参照して、変動表示設定処理(S4113)の内容について説明をする。図1827は、変動表示設定処理(S4113)の内容を示したフローチャートである。この変動表示設定処理(S4113)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図174参照)の中で実行され、第3図柄表示装置81において変動演出を実行させるために、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドに基づいて表示用変動パターンコマンドを生成し設定する。
変動表示設定処理(S4113)では、まず、RAM223に設けられた特図1変動開始フラグ223d1がオンかを判別する(S4901)。そして、特図1変動開始フラグ223d1がオンではない(即ち、オフである)と判別した場合(S4901:No)、主制御装置110より変動パターンコマンドを受信していない状態であるので、S4905の処理へ移行する。一方、特図1変動開始フラグ223d1がオンであると判別した場合(S4901:Yes)、特図1変動開始フラグ223d1をオフに設定し(S4902)、次いで、表示制御装置114へ通知するための表示用変動パターンコマンドを取得した変動パターン種別に基づいて生成するための特図1演出態様設定処理を実行し(S4903)、入賞情報格納エリア223bのうち第1特別図柄に対応するデータをシフトし(S4904)、S4905の処理へ移行する。特図1演出態様設定処理(S4903)の詳細については図183を参照して後述する。
S4905の処理では、RAM223に設けられた特図2変動開始フラグ223d2がオンかを判別する(S4905)。そして、特図2変動開始フラグ223d2がオンではない(即ち、オフである)と判別した場合(S4905:No)、主制御装置110より変動パターンコマンドを受信していない状態であるので、S4909の処理へ移行する。一方、特図2変動開始フラグ223d2がオンであると判別した場合(S4905:Yes)、特図2変動開始フラグ223d2をオフに設定し(S4906)、次いで、特図2演出態様設定処理を実行し(S4907)、入賞情報格納エリア223bのデータのうち第2特別図柄に対応するデータをシフトし(S4908)、S4909の処理へ移行する。特図2演出態様設定処理(S4907)の詳細については図184を参照して後述する。
S4909の処理では、RAM223に設けられた特図1停止種別選択フラグ223e1または特図2停止種別選択フラグ223e2がオンかを判別する(S4909)。そして、特図1停止種別選択フラグ223e1または特図2停止種別選択フラグ223e2がオンではない(即ち、オフである)と判別した場合(S4909:No)、主制御装置110より変動パターンコマンドを受信していない状態であるので、そのまま本処理を終了する。一方、特図1停止種別選択フラグ223e1または特図2停止種別選択フラグ223e2がオンであると判別した場合(S4909:Yes)、オンに設定されている特図1停止種別選択フラグ223e1または特図2停止種別選択フラグ223e2をオフに設定し(S4910)、次いで、コマンドから抽出した停止種別に基づいて表示用特図1または特図2停止種別コマンドを設定し(S4911)、その後、本処理を終了する。
次に、図183を参照して、特図1演出態様設定処理(S4903)の内容について説明をする。図183は、特図1演出態様設定処理(S4903)の内容を示したフローチャートである。この特図1演出態様設定処理(S4903)は、変動表示設定処理(図182のS4113参照)にて、第1特別図柄の変動演出を設定する際に実行されるものであって、設定されている遊技状態に対応した変動演出の演出態様を設定するための処理が実行される。
特図1演出態様設定処理(S4903)が実行されると、まず、時短中カウンタ223nの値が0より大きいか否かを判別する(S5001)。時短中カウンタ223nの値が0より大きいと判別した場合は(S5001:Yes)、時短中カウンタ223nの値を1減算し(S5002)、減算後の時短中カウンタ223nの値を示すための表示用コマンドを設定し(S5003)、S5004の処理へ移行する。S5001の処理において、時短中カウンタ223nの値が0であると判別した場合は(S5001:No)、S5002およびS5003の処理をスキップし、S5004の処理へ移行する。
S5004の処理では、演出モード記憶エリア223pに記憶されている演出モードを読み出し(S5004)、次いで、スーパーチャンスモードであるか否かを判別する(S5005)。スーパーチャンスモードであると判別した場合は(S5005:Yes)、変動パターンコマンドが示す基本コマンドに含まれる変動時間(基本時間)を抽出し(S5006)、基本変動時間(基本時間)が30秒であるかを判別する(S5007)。基本変動時間が30秒であると判別した場合には(S5007:Yes)、確変中演出選択テーブル222c(図29参照)に基づいて演出態様(演出内容)を決定し(S5008)、決定した演出態様を示す表示用変動パターンコマンドを設定し(S5009)、本処理を終了する。一方、基本変動時間が30秒では無いと判別した場合には(S5007:No)、S5011の処理へ移行する。
一方、S5005の処理において、スーパーチャンスモードではないと判別した場合は(S5005:No)、次いで、チャンスモードであるか否かを判別する(S5010)。チャンスモードではないと判別した場合は(S5010:No)、変動パターンコマンドが示す基本コマンドに対応する演出態様を決定し(S5011)、上述したS5009の処理へ移行する。S5010の処理において、チャンスモードであると判別した場合は(S5010:Yes)、チャンスモード中演出設定処理を実行し(S5012)、S5009の処理へ移行する。チャンスモード中演出設定処理(S5012)の詳細については図185を参照して後述する。
次に、図184を参照して、特図2演出態様設定処理(S4907)の内容について説明をする。図184は特図2演出態様設定処理(S4907)の内容を示したフローチャートである。この特図2演出態様設定処理(S4907)は、変動表示設定処理(図182のS4113参照)にて、第2特別図柄の変動演出を設定する際に実行されるものであって、設定されている遊技状態に対応した変動演出の演出態様を設定するための処理が実行される。
特図2演出態様設定処理(S4907)が実行されると、まず、現在の遊技状態が通常状態であるかを判別し(S5101)、通常状態であると判別した場合は(S5101:Yes)、チャンスゾーン突入を示す表示用コマンドを設定し(S5102)、次いで、特殊演出中フラグ223iをオンに設定し(S5103)、通常中特図2演出選択テーブル222b(図145参照)に基づいて演出態様を決定し(S5104)、決定した演出態様を示す表示用変動パターンコマンドを設定し(S5105)、本処理を終了する。
一方、S5101の処理において、通常状態では無いと判別した場合は(S5101:No)、次に、時短中カウンタ223nの値が0より大きいか否かを判別し(S5106)、時短中カウンタ223nの値が0より大きいと判別した場合は(S5106:Yes)、時短中カウンタ223nの値を1減算し(S5107)、減算後の時短中カウンタ223nの値を示すための表示用コマンドを設定し(S5108)、S5109の処理へ移行する。S5106の処理において、時短中カウンタ223nの値が0であると判別した場合は(S5106:No)、S5107およびS5108の処理をスキップし、S5109の処理へ移行する。
S5109の処理では、演出モード記憶エリア223pに記憶されている演出モードを読み出し(S5109)、次いで、スーパーチャンスモードであるか否かを判別する(S5110)。スーパーチャンスモードであると判別した場合は(S5110:Yes)、変動パターンコマンドが示す基本コマンドに含まれる変動時間(基本時間)を抽出し(S5111)、基本変動時間(基本時間)が30秒であるかを判別する(S5112)。基本変動時間が30秒であると判別した場合には(S5112:Yes)、確変中演出選択テーブル222c(図146参照)に基づいて演出態様(演出内容)を決定し(S5113)、上述したS5105の処理を実行し、本処理を終了する。一方、基本変動時間が30秒では無いと判別した場合には(S5112:No)、S5115の処理へ移行する。
一方、S5110の処理において、スーパーチャンスモードではないと判別した場合は(S5110:No)、チャンスモード中演出設定処理を実行し(S5114(S5012))、S5115の処理へ移行する。チャンスモード中演出設定処理(S5114(S5012))の詳細については図185を参照して後述する。
S5115の処理では、変動パターンコマンドが示す基本コマンドに対応する演出態様を決定し(S5115)、上述したS5105の処理を実行し、本処理を終了する。
次に、図185を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるチャンスモード中演出設定処理(S5012(S5114))について説明する。図185は、この特図1演出態様設定処理(図183のS4903参照)および特図2演出態様設定処理(図184のS4907参照)にて実行されるチャンスモード中演出設定処理(S5012(S5114))を示したフローチャートである。
チャンスモード中演出設定処理(S5012(S5114))では、まず、時短中カウンタ223nの値を読み出し(S5201)、読み出した時短中カウンタ223nの値が99であるか否かを判別する(S5202)。時短中カウンタ223nの値が99であると判別した場合は(S5202:Yes)、演出モード記憶エリア223pに高速期間を設定し(S5203)、S5208の処理へ移行する。S5202の処理において、時短中カウンタ223nの値が99ではないと判別した場合は(S5202:No)、次いで、読み出した時短中カウンタ223nの値が79であるか否かを判別する(S5204)。時短中カウンタ223nの値が79であると判別した場合は(S5204:Yes)、演出モード記憶エリア223pに通常第1期間を設定し(S5205)、S5208の処理へ移行する。S5204の処理において、時短中カウンタ223nの値が79ではないと判別した場合は(S5204:No)、次いで、読み出した時短中カウンタ223nの値が49であるか否かを判別する(S5206)。時短中カウンタ223nの値が49であると判別した場合は(S5206:Yes)、演出モード記憶エリア223pに通常第2期間を設定し(S5207)、S5208の処理へ移行する。S5206の処理において、時短中カウンタ223nの値が49ではないと判別した場合は(S5206:No)、S5207の処理をスキップし、S5208の処理へ移行する。
S5208の処理では、連続予告実行中フラグ223qがオンであるか否かを判別する(S5208)。連続予告実行中フラグ223qがオンであると判別した場合は(S5208:Yes)、変動パターンコマンドが示す基本コマンドに対応する連続演出態様を決定し(S5209)、S5214の処理へ移行する。S5208の処理において、連続予告実行中フラグ223qがオフであると判別した場合は(S5208:No)、特殊連続予告フラグ223oがオンであるか否かを判別する(S5210)。特殊連続予告フラグ223oがオンであると判別した場合は(S5210:Yes)、特殊有効時間タイマに3秒に対応する値を設定し(S5211)、特殊連続予告フラグ223oをオフに設定し(S5212)、S5213の処理へ移行する。S5210の処理において、特殊連続予告フラグ223oがオフであると判別した場合にも(S5210:No)、S5213の処理へ移行する。
S5213の処理では、変動パターンコマンドが示す基本コマンドに対応する演出態様を決定し(S5213)、S5214の処理へ移行する。S5214の処理では、決定した演出態様を示す表示用変動パターンコマンドを設定し(S5214)、本処理を終了する。
次に、図186を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される枠ボタン入力監視・演出処理(S4107)について説明する。図186は、この枠ボタン入力監視・演出処理(S4107)を示したフローチャートである。この枠ボタン入力監視・演出処理(S4107)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図174参照)の中で実行され、第3図柄表示装置81において演出効果を高めるために遊技者の操作に応じた演出(操作演出)を実行させるために、枠ボタン22の操作に基づいて表示用コマンドを生成し設定する。
本制御例では、遊技者が複数の操作方法で枠ボタン22を操作可能に構成しており、具体的には、枠ボタン22を短時間(2秒未満)押下する「通常押し」と、枠ボタン22を長時間(2秒以上)押下し続ける「長押し」と、を判別可能に構成している。そして、判別された操作内容に応じて異なる操作演出を実行可能に構成している。これにより、遊技者に対して様々な操作演出を実行しようと枠ボタン22を様々な操作方法で操作させることができるため、遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができる。なお、本制御例では、判別可能な操作方法として2種類の操作方法を用いているが、これに限ること無く、操作方法を1種類にしても良いし、3種類以上設けても良い。また、本制御例では、遊技者が操作可能な操作手段を枠ボタン22の1種類としているが、これに限ること無く、遊技者が操作可能な操作手段を複数個設けても良い。そして、判別可能な操作方法を、個々の操作手段に対する操作だけで無く、複数の操作手段に対して実行された操作内容の組合せで判別するように構成しても良い。加えて、複数の操作手段を設けた場合には(例えば、第1操作手段と第2操作手段)、第1操作手段に対して第1操作を実行した場合と、第2操作手段に対して第2操作を実行した場合とで、同一の操作が実行されたと判別(同一の操作方法と判別)するように構成しても良い。このように構成することで、例えば、第1操作手段の配置位置と、第2操作手段の配置位置とを離間させている場合において、遊技者が操作し易い操作手段を選択して操作を楽しむ行うことができる。
枠ボタン入力監視・演出処理(図186のS4107)では、まず、SW有効時間が0より大きいか、即ち、SW有効時間が設定されているか(SW有効時間カウンタ223rの値が0よりも大きいか)を判別する(S5301)。なお、このSW有効時間は、枠ボタン22を使用する変動パターンの演出が選択されている場合に各変動パターンに対応して設定されるものである。SW有効時間が設定されていると判別した場合には(S5301:Yes)、SW有効時間カウンタ223rの値を経過に対応する値を減算し(S5302)、S5303の処理へ移行する。一方、S5301の処理において、SW有効時間カウンタ223rの値が0であると判別した場合は(S5301:No)、S5302の処理をスキップし、S5303の処理へ移行する。
S5303の処理では、特殊有効時間タイマの値が0より大きいか否かを判別する(S5303)。特殊有効時間タイマの値が0より大きいと判別した場合は(S5303:Yes)、特殊有効時間タイマの値を減算し(S5304)、S5305の処理へ移行する。特殊有効時間タイマの値が0であると判別した場合は(S5303:No)、S5304の処理をスキップし、S5305の処理へ移行する。
S5305の処理では、操作中カウンタ223tの値が0より大きいか否かを判別する(S5305)。操作中カウンタ223tの値が0であると判別した場合は(S5305:No)、次いで、有効時間内であるか否かを判別する(S5306)。有効時間内であると判別した場合は(S5306:Yes)、次いで、枠ボタン22が押下されたか判別する(S5307)。枠ボタン22が押下されたと判別された場合には(S5307:Yes)、操作中カウンタ223tの値に2秒に対応する値を設定し(S5308)、S5309の処理へ移行する。)。S5306の処理において、有効時間内ではないと判別した場合と(S5306:No)、S5307の処理において、枠ボタン22が押下されていないと判別した場合には(S5307:No)、S5308の処理をスキップし、S5309の処理へ移行する。
一方、S5305の処理において、操作中カウンタ223tの値が1以上であると判別した場合は(S5305:Yes)、次いで、枠ボタン22を押下中であるか否かを判別する(S5310)。枠ボタン22を押下中であると判別した場合は(S5310:Yes)、操作中カウンタ223tの値を減算し(S5312)、減算した操作中カウンタ223tの値が0であるか否かを判別する(S5313)。減算した操作中カウンタ223tの値が0であると判別した場合は(S5313:Yes)、S5314の処理へ移行する。減算した操作中カウンタ223tの値が0ではないと判別した場合は(S5313:No)、S5309の処理へ移行する。
一方、S5310の処理において、枠ボタン22を押下中ではないと判別した場合は(S5310:No)、操作中カウンタ223tの値をクリアし(S5311)、S5314の処理へ移行する。
S5314の処理では、現在がチャンスモード中であるか否かを判別する(S5314)。現在がチャンスモード中であると判別した場合は(S5314:Yes)、ボタン操作時演出選択テーブル222f(図148参照)を用いて実行する演出を選択し(S5315)、S5309の処理へ移行する。
S5314の処理において、現在がチャンスモード中ではないと判別した場合は(S5314:No)、今回の操作方法と、実行中の演出内容と、に対応したボタン演出を設定し(S5316)、S5309の処理へ移行する。S5309の処理では、その他のボタン処理(背景変更等)が実行される。
図186を参照して上述した枠ボタン入力監視・演出処理(S4107)では、省略したが、本制御例では、SW有効時間と特殊有効時間とは、枠ボタン22の操作を受け付けた時点で残期間が0になるように構成している。即ち、各有効時間が設定されている期間中に実行される操作演出の回数が1回となるように構成している。これにより、操作演出が過剰に実行されることを抑制することができる。
なお、SW有効時間と特殊有効時間の残期間に対する処理は、これに限ること無く、例えば、10秒間の有効時間が設定された場合において、有効時間が設定されてから所定期間内(例えば、1秒以内)に、枠ボタン22の操作を受け付けた場合(図186のS5310:No,S5313:Yes)に、当該特別図柄変動期間中に、新たな有効時間を設定するように構成しても良い。このように構成することにより、遊技者が枠ボタン22を操作するタイミングによって、1回の特別図柄変動期間中に実行される操作演出の回数を異ならせることができる。
<第1制御例における表示制御装置の制御処理について>
次に、図187から図201を参照して、表示制御装置114のMPU231により実行される各制御について説明する。かかるMPU231の処理としては大別して、電源投入後から繰り返し実行されるメイン処理と、音声ランプ制御装置113よりコマンドを受信した場合に実行されるコマンド割込処理と、画像コントローラ237より1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に送信されるV割込信号をMPU231が検出した場合に実行されるV割込処理とがある。MPU231は、通常、メイン処理を実行し、コマンドの受信やV割込信号の検出に合わせて、コマンド割込処理やV割込処理を実行する。なお、コマンドの受信とV割込信号の検出とが同時に行われた場合は、コマンド受信処理を優先的に実行する。これにより、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドの内容を素早く反映して、V割込処理を実行させることができる。
まず、図187を参照して、表示制御装置114内のMPU231により実行されるメイン処理について説明する。図187は、このメイン処理を示したフローチャートである。メイン処理は、電源投入時の初期化処理を実行するものである。
このメイン処理の起動は、具体的には、以下の流れに従って行われる。電源装置115から表示制御装置114に対して電源が投入され、システムリセットが解除されると、MPU231は、そのハードウェア構成によって、MPU231内に設けられた命令ポインタ231aを「0000H」に設定すると共に、命令ポインタ231aにて示されるアドレス「0000H」をバスライン240に対して指定する。キャラクタROM234のROMコントローラ234bは、バスライン240に指定されたアドレスが「0000H」であることを検知すると、NOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力する。そして、MPU231は、キャラクタROM234から受け取った命令コードをフェッチし、そのフェッチした命令に応じた処理の実行を開始することで、メイン処理を起動する。
ここで、仮にシステムリセット解除後にMPU231によって最初に処理されるブートプログラムを全てNAND型フラッシュメモリ234aに記憶させた場合、キャラクタROM234は、バスライン240に指定されたアドレスが「0000H」であることを検知すると、アドレス「0000H」に対応するデータ(命令コード)を含む1ページ分のデータをNAND型フラッシュメモリ234aから読み出してバッファRAM234cにセットしなければならない。そして、NAND型フラッシュメモリ234aの性質上、その読み出しからバッファRAM234cへのセットに多大な時間を要するので、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してからアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取るまでに多くの待ち時間を消費することとなる。よって、MPU231の起動にかかる時間が長くなるので、結果として、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御が即座に開始されないおそれがあるという問題点が生じる。
これに対し、本制御例のように、ブートプログラムのうち、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令がNOR型ROM234dに格納されることにより、NOR型ROMは高速にデータを読み出すことが可能なメモリであるため、システムリセット解除後にMPU231からバスライン240を介してアドレス「0000H」が指定されると、キャラクタROM234は即座にNOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力することができる。よって、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してから短い時間でアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取ることができるので、MPU231においてメイン処理の起動を短時間で行うことができる。従って、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234に制御プログラムを格納しても、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御を即座に開始することができる。
以上のようにしてメイン処理が実行されると、まず、ブートプログラムによって実行されるブート処理を実行し(S6001)、第3図柄表示装置81に対する各種制御が実行可能となるように表示制御装置114を起動する。
ここで、図188を参照して、ブート処理(S6001)について説明する。図188は、表示制御装置114のMPU231において、メイン処理の中で実行されるブート処理(S6001)を示すフローチャートである。
上述したように、本制御例では、MPU231によって実行される制御プログラムや固定値データは、従来の遊技機のように専用のプログラムROMを設けて記憶させるのではなく、第3図柄表示装置81に表示させる画像のデータを記憶させるために設けられたキャラクタROM234に記憶させている。そしてキャラクタROM234は、小面積で大容量化を図ることが可能なNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されているため、画像データだけでなく制御プログラム等を十分に記憶させておくことができる一方、制御プログラム等を記憶する専用のプログラムROMを設ける必要がない。よって、表示制御装置114における部品点数を削減することができ、製造コストを削減できるほか、部品数増加による故障発生率の増加を抑制することができる。
一方、NAND型フラッシュメモリは、特にランダムアクセスを行う場合において読み出し速度が遅いため、MPU231がNAND型フラッシュメモリ234aに格納された制御プログラムや固定値データを直接読み出して処理していては、MPU231として高性能のプロセッサを用いても、表示制御装置114の処理性能を悪化させてしまうおそれがある。そこで、本ブート処理では、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラム及び固定値データを、DRAMによって構成されるワークRAM233に設けられたプログラム格納エリア233aやデータテーブル格納エリア233bへ転送し格納する処理を実行する。
具体的には、まず、上述のMPU231及びキャラクタROM234のハードウェアによる動作に基づき、システムリセット解除後にNOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1より読み出されバッファRAM234cにセットされたブートプログラムに従って、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムのうち、所定量だけプログラム格納エリア233aへ転送する(S6101)。ここで転送される所定量の制御プログラムには、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが含まれる。
そして、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233aの第1の所定番地、即ち、プログラム格納エリア233aに格納されたその残りのブートプログラムの先頭アドレスを設定する(S6102)。これにより、MPU231は、S6101の処理によってプログラム格納エリア233aに転送され格納された制御プログラムに含まれる残りのブートプログラムの実行を開始する。
また、S6102の処理により命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233aの所定番地に設定することで、MPU231は、そのワークRAM233のプログラム格納エリア233aに格納された制御プログラムを読み出しながら、各種処理を実行することになる。即ち、MPU231は、第2プログラム記憶エリア234a1を有するNAND型フラッシュメモリ234aから制御プログラムを読み出して命令フェッチするのではなく、プログラム格納エリア233aを有するワークRAM233に転送された制御プログラムを読み出して命令フェッチし、各種処理を実行する。上述したように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、制御プログラムを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、MPU231は高速に命令をフェッチし、その命令に対する処理を実行することができる。
S6102の処理により命令ポインタ231aが設定されると、続いて、その設定された命令ポインタ231aによって実行が開始される残りのブートプログラムに従って、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムのうちプログラム格納エリア233aに未転送である残りの制御プログラムと固定値データとを、所定量ずつプログラム格納エリア233a又はデータテーブル格納エリア233bへ転送する(S6103)。具体的には、制御プログラムおよび一部の固定データを、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aに格納し、また、固定値データのうち上述の各種データテーブル(表示データテーブル、転送データテーブル)をデータテーブル格納エリア233bに転送する。
そして、ブート処理に必要なその他の処理を実行(S6104)した後、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233aの第2の所定番地、即ち、このブート処理(図187のS6001参照)の終了後に実行すべき初期化処理(図187のS6002参照)に対応するプログラムの先頭アドレスを設定することで(S6105)、ブートプログラムの実行を終え、本ブート処理を終了する。
このように、ブート処理(S6001)が実行されることによって、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラム及び固定値データは、全てDRAMによって構成されたワークRAM233のプログラム格納エリア233a及びデータテーブル格納エリア233bに転送され、格納される。そして、ブート処理の終了時に、命令ポインタ231aが上述の第2の所定番地に設定され、以後、MPU231は、NAND型フラッシュメモリ234aを参照することなく、プログラム格納エリア233aに転送された制御プログラムを用いて各種処理を実行する。
よって、制御プログラムを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、システムリセット解除後にその制御プログラムや固定値データをワークRAM233のプログラム格納エリア233a及びデータテーブル格納エリア233bに転送することで、MPU231は、読み出し速度が高速なDRAMによって構成されるワークRAMから制御プログラムや固定値データを読み出して各種制御を行うことができるので、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、補助演出部を用いて多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
一方、NOR型ROM234dにブートプログラムを全て格納せずに、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令を格納しておき、残りのブートプログラムについては、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶させても、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを確実にプログラム格納エリア233aに転送することができる。よって、キャラクタROM234は、極めて小容量のNOR型ROM234dを追加するだけで、MPU231の起動を短時間で行うことができるようになるので、その短時間化に伴うキャラクタROM234のコスト増加を抑制することができる。
なお、図188に示すブート処理では、S6101の処理によってプログラム格納エリア233aに転送される所定量の制御プログラムに、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが全て含まれるように構成されているが、必ずしもこれに限られるものではなく、S6101の処理によってプログラム格納エリア233aに転送される所定量の制御プログラムは、S6102の処理に続いて処理すべきブート処理を実行するブートプログラムの一部としてもよい。ここで転送されるブートプログラムは、残りのブートプログラムを全て含む制御プログラムを所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、更に、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を実行するものであってもよい。そして、プログラム格納エリア233aに格納された残り全てのブートプログラムによって、S6103〜S6105の処理を実行するようにしてもよい。
また、S6101の処理によって転送されるブートプログラムは、残りのブートプログラムの一部を更に所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、続いて、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を実行するものであってもよい。また、この処理によってプログラム格納エリア233aに格納された一部のブートプログラムは、更に残りのブートプログラムの一部を所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、続いて、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を実行するものであってもよい。そして、残りのブートプログラムの一部を所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、続いて、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を、S6101及びS6102の処理を含めて複数回繰り返した後、S6103〜S6105の処理を実行するようにしてもよい。
これにより、ブートプログラムのプログラムサイズが大きく、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが一度にプログラム格納エリア233aへ転送できなくても、MPU231はプログラム格納エリア233aに既に格納されたブートプログラムを使用して、所定量ずつプログラム格納エリア233aに転送することができる。
また、本制御例では、第1プログラム記憶エリア234d1に、ブートプログラムのうち、システムリセット解除時にまずMPU231によって実行されるブートプログラムの一部を記憶させる場合について説明したが、全てのブートプログラムを第1プログラム記憶エリア234d1に記憶させてもよい。この場合、MPU231は、ブート処理を開始すると、S6101及びS6102の処理を行わずに、S6103〜S6105の処理を実行してもよい。これにより、ブートプログラムをプログラム格納エリア233aへ転送する処理が不要となるので、キャラクタROM234かプログラム格納エリア233aへのプログラムの転送処理回数が減るため、ブート処理の処理時間を減らすことができる。よって、ブート処理後に可能となるMPU231における補助演出部の制御の開始をより早く行うことができる。
ここで、図187の説明に戻る。ブート処理を終了すると、次いで、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aに転送され格納された制御プログラムに従って、初期設定処理を実行する(S6002)。具体的には、スタックポインタの値をMPU231内に設定すると共に、MPU231内のレジスタ群や、I/O装置等に対する各種の設定などを行う。また、ワークRAM233、常駐用ビデオRAM235、通常用ビデオRAM236の記憶をクリアする処理などが行われる。更に、ワークRAM233に各種フラグを設け、それぞれのフラグに初期値を設定する。なお、各フラグの初期値として、特に明示した場合を除き、「オフ」又は「0」が設定される。
更に、初期設定処理では、画像コントローラ237の初期設定を行った後、第3図柄表示装置81に特定の色の画像が画面全体に表示されるように、画像コントローラ237に対して、画像の描画および表示処理の実行を指示する。これにより、電源投入直後において、第3図柄表示装置81には、まず、特定の色の画像が画面全体に表示される。ここで、電源投入直後に第3図柄表示装置81の画面全体に表示される画像の色が、パチンコ機の機種に応じて異なる色となるように設定されている。これにより、製造時の工場等における動作チェックにおいて、電源投入直後に、その機種に応じた色の画像が第3図柄表示装置81に表示されるか否かを検査することで、パチンコ機10が正常に起動開始できるか否かを簡易かつ即座に判断することができる。
次いで、電源投入時主画像に対応する画像データを常駐用ビデオRAM235の電源投入時主画像エリア235aへ転送するように、画像コントローラ237に対して転送指示を送信する(S6003)。この転送指示には、電源投入時主画像に対応する画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスおよび最終アドレスと、転送先の情報(ここでは、常駐用ビデオRAM235)と、転送先である電源投入時主画像エリア235aの先頭アドレスとが含まれており、画像コントローラ237は、この転送指示に従って、電源投入時主画像に対応する画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235の電源投入時主画像エリア235aに転送される。
そして、転送指示により示された画像データの転送が全て完了すると、画像コントローラ237は、MPU231に対して転送終了を示す転送終了信号を送信する。MPU231はこの転送終了信号を受信することにより、転送指示で指定した画像データの転送が終了したことを把握することができる。なお、画像コントローラ237は、転送指示により示された画像データの転送を全て完了した場合、画像コントローラ237の内部に設けられたレジスタまたは内蔵メモリの一部領域に、転送終了を示す転送終了情報を書き込むようにしてもよい。そして、MPU231は随時このレジスタまたは内蔵メモリの一部領域の情報を読み出し、画像コントローラ237による転送終了情報の書き込みを検出することによって、転送指示で指定した画像データの転送が終了したことを把握するようにしてもよい。
電源投入時主画像エリア235aに転送された画像データは、電源が遮断されるまで上書きされないように保持される。S6003の処理により画像コントローラ237に対して送信された転送指示に基づき、電源投入時主画像に対応する画像データの電源投入時主画像エリア235aへの転送が終了すると、次いで、電源投入時変動画像に対応する画像データを常駐用ビデオRAM235の電源投入時変動画像エリア235bへ転送するように、画像コントローラに対して転送指示を送信する(S6004)。この転送指示には、電源投入時変動画像に対応する画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスと、その画像データのデータサイズと、転送先の情報(ここでは、常駐用ビデオRAM235)と、転送先である電源投入時変動画像エリア235bの先頭アドレスとが含まれており、画像コントローラは、この転送指示に従って、電源投入時変動画像に対応する画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235の電源投入時変動画像エリア235bに転送される。そして、電源投入時変動画像エリア235bに転送された画像データは、電源が遮断されるまで上書きされないように保持される。
S6004の処理により画像コントローラ237に対して送信された転送指示に基づき、電源投入時変動画像に対応する画像データの電源投入時変動画像エリア235bへの転送が終了すると、次いで、簡易画像表示フラグ233cをオンする(S6005)。これにより、簡易画像表示フラグ233cがオンの間は、後述する転送設定処理(図199(a)参照)において、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送するように画像コントローラ237へ転送を指示する常駐画像転送設定処理が実行される(図199(a)のS7502参照)。
また、簡易画像表示フラグ233cは、この常駐画像転送設定処理による画像コントローラ237への転送指示に基づき、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データのキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235への転送が終了するまでの間、オンに維持される。これにより、その間は、V割込処理(図189(b)参照)において、電源投入時画像(電源投入時主画像や電源投入時変動画像)が描画されるように、簡易コマンド判定処理(図189(b)のS6308参照)および簡易表示設定処理(図189(b)のS6309参照)が実行される。
上述したように、本パチンコ機10では、キャラクタROM234にNAND型フラッシュメモリ234aを用いているため、その読み出し速度が遅いことに起因して、常駐用ビデオRAM235に格納すべき全ての画像データが、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されるまでに多くの時間を要する。そこで、本メイン処理のように、電源が投入された後、まず先に電源投入時主画像および電源投入時変動画像をキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送し、電源投入時主画像を第3図柄表示装置81に表示することで、残りの常駐すべき画像データが常駐用ビデオRAM235に転送されている間、遊技者やホール関係者は、第3図柄表示装置81に表示された電源投入時主画像を確認することができる。よって、表示制御装置114は、電源投入時主画像を第3図柄表示装置81に表示させている間に、時間をかけて残りの常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送することができる。一方、遊技者等は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間、何らかの初期化処理が行われていることを認識できるので、残りの常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されるまでの間、動作が停止していないか、といった不安を持つことなく、初期化が完了するまで待機することができる。
また、製造時の工場等における動作チェックにおいても、電源投入時主画像がすぐに第3図柄表示装置81に表示されることによって、第3図柄表示装置81が電源投入によって問題なく動作が開始されていることをすぐに確認することができ、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いることにより動作チェックの効率が悪化することを抑制できる。
また、パチンコ機10の表示制御装置114では、電源投入後に電源投入時主画像とあわせて電源投入時変動画像もキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送するので、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間に遊技者が遊技を開始したことにより、特図入球口64へ入球(始動入賞)があり、変動演出の開始指示が主制御装置110より音声ランプ制御装置113を介してあった場合、即ち、表示用変動パターンコマンドを受信した場合は、電源投入時変動画像をその変動演出期間中に即座に表示させ、簡単な変動演出を行うことができる。よって、遊技者は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間であっても、その簡単な変動演出によって確実に抽選が行われたことを確認することができる。
また、上述したように、残りの常駐すべき画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されている間は、第3図柄表示装置81に電源投入時主画像が表示され続けるが、キャラクタROM234は読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されており、その転送に時間がかかるので、電源投入後、電源投入時主画像が表示され続ける時間も長くなる。しかしながら、本パチンコ機10では、電源投入後に常駐用ビデオRAM235に転送された電源投入時変動画像を用いて簡易的な変動演出を行うことができるので、電源が投入された直後、例えば、停電復帰直後などにおいて、電源投入時主画像が表示されている間であっても、遊技者に安心して遊技を行わせることができる。
S6005の処理の後、割込許可を設定し(S6006)、以後、メイン処理は電源が切断されるまで、無限ループ処理を実行する。これにより、S6006の処理によって割込許可が設定されて以降、コマンドの受信およびV割込信号の検出に従って、コマンド割込処理およびV割込処理を実行する。
次いで、図189(a)を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるコマンド割込処理について説明する。図189(a)は、そのコマンド割込処理を示すフローチャートである。上述したように、音声ランプ制御装置113からコマンドを受信すると、MPU231によってコマンド割込処理が実行される。
このコマンド割込処理では、受信したコマンドデータを抽出し、ワークRAM233に設けられたコマンドバッファ領域に、その抽出したコマンドデータを順次格納して(S6201)、終了する。このコマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納された各種コマンドは、後述するV割込処理のコマンド判定処理または簡易コマンド判定処理によって読み出され、そのコマンドに応じた処理が行われる。
次いで、図189(b)を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理について説明する。図189(b)は、そのV割込処理を示すフローチャートである。このV割込処理では、コマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納されたコマンドに対応する各種処理を実行すると共に、第3図柄表示装置81に表示させる画像を特定した上で、その画像の描画リストを作成し、その描画リストを画像コントローラ237に送信することで、画像コントローラ237に対し、その画像の描画処理および表示処理の実行を指示するものである。
上述したように、このV割込処理は、画像コントローラ237からのV割込信号が検出されることによって実行が開始される。このV割込信号は、画像コントローラ237において、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に生成され、MPU231に対して送信される信号である。よって、このV割込信号に同期させてV割込処理を実行することにより、画像コントローラ237に対して描画指示が、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に行われることになる。よって、画像コントローラ237では、画像の描画処理や表示処理が終了していない段階で、次の画像の描画指示を受け取ることがないので、画像の描画途中で新たな画像の描画を開始したり、表示中の画像情報が格納されているフレームバッファに、新たな描画指示に伴って画像が展開されたりすることを防止することができる。
ここでは、まず、V割込処理のフローの概略について説明し、次いで、各処理の詳細について他の図面を参照して説明する。このV割込処理では、図189(b)に示すように、まず、簡易画像表示フラグ233cがオンであるか否かを判別し(S6301)、簡易画像表示フラグ233cがオンではない、即ち、オフであれば(S6301:No)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データの転送が完了していることを意味するので、電源投入時画像ではなく、通常の演出画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、コマンド判定処理(S6302)を実行し、次いで、表示設定処理(S6303)を実行する。
コマンド判定処理(S6302)では、コマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納された音声ランプ制御装置113からのコマンドの内容を解析し、そのコマンドに応じた処理を実行すると共に、表示用デモコマンドや表示用変動パターンコマンドが格納されていた場合は、デモ用表示データテーブル又は変動パターン種別に応じた変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定すると共に、設定された表示データテーブルに対応する転送データテーブルを転送データテーブルバッファ233eに設定する。
このコマンド判定処理では、その時点でコマンドバッファ領域に格納されている全てのコマンドを解析して、処理を実行する。これは、コマンド判定処理が、V割込処理の実行される20ミリ秒間隔で行われるため、その20ミリ秒の間に複数のコマンドがコマンドバッファ領域に格納されている可能性が高いためである。特に、主制御装置110において、変動演出の開始が決定された場合、表示用変動パターンコマンドや表示用停止種別コマンドなどが同時にコマンドバッファ領域に格納されている可能性が高い。従って、これらのコマンドを一度に解析して実行することによって、主制御装置110や音声ランプ制御装置113によって選定された変動演出の態様や停止種別を素早く把握し、その態様に応じた演出画像を第3図柄表示装置81に表示させるように、画像の描画を制御することができる。なお、このコマンド判定処理の詳細については、図190〜図195を参照して後述する。
表示設定処理(S6303)では、コマンド判定処理(S6302)などによって表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルの内容に基づき、第3図柄表示装置81において次に表示すべき1フレーム分の画像の内容を具体的に特定する。また、処理の状況などに応じて、第3図柄表示装置81に表示すべき演出態様を決定し、その決定した演出態様に対応する表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定する。なお、この表示設定処理の詳細については、図196〜図198を参照して後述する。
表示設定処理(S6303)が実行された後、次いで、タスク処理を実行する(S6304)。このタスク処理では、表示設定処理(S6303)もしくは簡易表示設定処理(S6309)によって特定された、第3図柄表示装置81に表示すべき次の1フレーム分の画像の内容に基づき、その画像を構成するスプライト(表示物)の種別を特定すると共に、各スプライト毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度といった描画に必要な各種パラメータを決定する。
次に、転送設定処理を実行する(S6305)。この転送設定処理では、簡易画像表示フラグ233cがオンである間は、画像コントローラ237に対して、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235の所定エリアへ転送させる転送指示を設定する。また、簡易画像表示フラグ233cがオフである間は、転送データテーブルバッファ233eに設定される転送データテーブルの転送データ情報に基づき、画像コントローラ237に対して、所定の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aの所定サブエリアへ転送させる転送指示を設定すると共に、音声ランプ制御装置113から連続予告コマンドや背面画像変更コマンドを受信した場合にも、画像コントローラ237に対して、連続予告演出で使用する連続予告画像の画像データや変更後の背面画像の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aの所定サブエリアへ転送させる転送指示を設定する。なお、転送設定処理の詳細については、図199および図200を参照して後述する。
次いで、描画処理を実行する(S6306)。この描画処理では、タスク処理(S6304)で決定された、1フレームを構成する各種スプライトの種別やそれぞれのスプライトの描画に必要なパラメータと、転送設定処理(S6305)により設定された転送指示とから、図155に示す描画リストを生成し、描画対象バッファ情報と共に、その描画リストを画像コントローラ237に対して送信する。これにより、画像コントローラ237では、描画リストに従って、画像の描画処理を実行する(S6306)。なお、描画処理の詳細については、図201を参照して後述する。
次いで、表示制御装置114に設けられた各種カウンタの更新処理を実行する(S6307)。そして、V割込処理を終了する。S6307の処理によって更新されるカウンタとしては、例えば、停止図柄を決定するための停止図柄カウンタ(図示せず)がある。この停止図柄カウンタの値は、ワークRAM233に格納され、V割込処理が実行される度に、更新処理が行われる。そして、コマンド判定処理において、表示用停止種別コマンドの受信が検出されると、表示用停止種別コマンドにより示される停止種別(大当たりA、大当たりB、前後外れリーチ、前後外れ以外リーチ、完全外れ)に対応する停止種別テーブルと停止種別カウンタとが比較され、第3図柄表示装置81に表示される変動演出後の停止図柄が最終的に設定される。
一方、S6301の処理において、簡易画像表示フラグ233cがオンであると判別されると(S6301:Yes)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データの転送が完了していないことを意味するので、電源投入時画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、簡易コマンド判定処理(S6308)を実行し、次いで、簡易表示設定処理(S6309)を実行して、S6304の処理へ移行する。
次いで、図190〜図195を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述のコマンド判定処理(S6302)の詳細について説明する。まず、図190は、このコマンド判定処理を示すフローチャートである。
このコマンド判定処理では、図190に示すように、まず、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがあるか否かを判別し(S6401)、未処理の新規コマンドがなければ(S6401:No)、コマンド判定処理を終了してV割込処理に戻る。一方、未処理の新規コマンドがあれば(S6401:Yes)、オン状態で新規コマンドを処理したことを表示設定処理(S6303)に通知する新規コマンドフラグをオンに設定し(S6402)、次いで、コマンドバッファ領域に格納されている未処理のコマンドすべてについて、そのコマンドの種別を解析する(S6403)。
そして、未処理のコマンドの中に、表示用変動パターンコマンドがあるか否かを判別する(S6404)。そして、表示用変動パターンコマンドがあれば(S6404:Yes)、変動パターンコマンド処理を実行して(S6405)、S6401の処理へ戻る。
ここで、図191(a)を参照して、変動パターンコマンド処理(S6405)の詳細について説明する。図191(a)は、変動パターンコマンド処理(S6405)を示すフローチャートである。この変動パターンコマンド処理(S6405)は、音声ランプ制御装置113より受信した表示用変動パターンコマンドに対応する処理を実行するものである。
変動パターンコマンド処理では、まず、表示用変動パターンコマンドによって示される変動演出パターンに対応した変動表示データテーブルを決定し、その決定した変動表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S6501)。
ここで、主制御装置110において変動の開始の判断は、必ず数秒以上離れて行われるので、20ミリ秒以内に2以上の表示用変動パターンコマンドを受信することはなく、したがって、コマンド判定処理を実行する場合に、コマンドバッファ領域に2以上の表示用変動パターンコマンドが格納されている場合はあり得ないが、ノイズ等の影響によってコマンドの一部が変化し、別のコマンドが誤って表示用変動パターンコマンドとして解釈されるおそれもあり得る。S6501の処理では、このような場合に備え、2以上の表示用変動パターンコマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合は、変動時間が最も短い変動パターンに対応する変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定する。
仮に、変動時間の長い変動パターンに対応する変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定してしまうと、実際には、設定した表示データテーブルよりも短い変動時間を有する変動演出が主制御装置110によって指示されていた場合に、設定された変動表示データテーブルに従った変動演出を第3図柄表示装置81に表示させている最中に主制御装置110から次の表示用変動パターンコマンドを受信することとなり、別の変動表示が急に開始されてしまうので、遊技者に対して違和感を持たせるおそれがあった。
これに対し、本制御例のように、変動時間が最も短い変動パターンに対応する変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定することで、実際には、設定した表示データテーブルよりも長い変動時間を有する変動演出が主制御装置110によって指示されていた場合であっても、後述するように、表示データテーブルバッファ233dに従った変動演出が終了したのち、主制御装置110から次の表示用パターンコマンドを受信するまでの間、デモ演出が表示されるように、表示設定処理によって、第3図柄表示装置81の表示が制御されるので、遊技者は違和感なく第3図柄表示装置81における第3図柄の変動を見続けることができる。
次いで、S6501で設定された表示データテーブルに対応する転送データテーブルを決定してデータテーブル格納エリア233bから読み出し、それを転送データテーブルバッファ233eに設定する(S6502)。そして、S6501の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定された変動表示データテーブルに対応する変動パターンの変動時間を基に、その変動時間を表す時間データを計時カウンタ233hに設定し(S6503)、ポインタ233fを0に初期化する(S6504)。そして、デモ表示フラグおよび確定表示フラグをいずれもオフに設定して(S6505)、変動パターンコマンドを終了し、コマンド判定処理に戻る。
この変動パターンコマンド処理が実行されることにより、表示設定処理では、S6505の処理によって初期化されたポインタ233fを更新しながら、S6501の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定された変動表示データテーブルから、ポインタ233fに示されるアドレスに規定された描画内容を抽出し、第3図柄表示装置81において次に表示すべき1フレーム分の画像の内容を特定すると同時に、S6502の処理によって転送データテーブルバッファ233eに設定された転送データテーブルから、ポインタ233fに示されるアドレスに規定された転送データ情報を抽出し、設定された変動表示データテーブルにおいて必要なスプライトの画像データが、予めキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに転送されるように、画像コントローラ237を制御する。
また、表示設定処理では、S6503の処理によって時間データが設定された計時カウンタ233hを用いて、変動表示データテーブルで規定された変動演出の時間を計時し、変動表示データテーブルにおける変動演出が終了すると判断された場合、主制御装置110からの表示用停止種別コマンドに応じた停止図柄を第3図柄表示装置81に表示するように、その停止表示の設定を制御する。
ここで、図190の説明に戻る。S6404の処理において、表示用変動パターンコマンドがないと判別されると(S6404:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用停止種別コマンドがあるか否かを判別し(S6406)、表示用停止種別コマンドがあれば(S6406:Yes)、停止種別コマンド処理を実行して(S6407)、S6401の処理へ戻る。
ここで、図191(b)を参照して、停止種別コマンド処理(S6407)の詳細について説明する。図191(b)は、停止種別コマンド処理を示すフローチャートである。この停止種別コマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信した表示用変動種別コマンドに対応する処理を実行するものである。
停止種別コマンド処理(S6407)では、まず、表示用停止種別コマンドによって示される停止種別情報(大当たりA〜G、小当たりA〜C、リーチ外れ、完全外れ、のいずれか)に対応する停止種別テーブルを決定し(S6601)、その停止種別テーブルと、V割込処理(図189(b)参照)が実行されるたびに更新される停止種別カウンタの値とを比較して、第3図柄表示装置81に表示される変動演出後の停止図柄を最終的に設定する(S6602)。
そして、各停止図柄毎に設けられた停止図柄判別フラグのうち、S6602の処理によって設定された停止図柄に対応する停止図柄判別フラグをオンすると共に、その他の停止図柄に対応する停止図柄判別フラグをオンに設定し(S6603)、コマンド判定処理に戻る。
ここで、上述したように、変動表示データテーブルでは、そのデータテーブルに基づく変動が開始されてから所定時間経過後において、第3図柄表示装置81に表示すべき第3図柄を特定する種別情報として、S6602の処理によって設定された停止図柄からのオフセット情報(図柄オフセット情報)が記載されている。上述のタスク処理(S6304)では、変動が開始されてから所定時間が経過した後、S6603によって設定された停止図柄判別フラグからS6602の処理によって設定された停止図柄を特定すると共に、その特定した停止図柄に対して表示設定処理により取得された図柄オフセット情報を加算することによって、実際に表示すべき第3図柄を特定する。そして、この特定された第3図柄に対応する画像データが格納されたアドレスを特定する。第3図柄に対応する画像データは、上述したように、常駐用ビデオRAM235の第3図柄エリア235dに格納されている。
なお、主制御装置110において変動の開始の判断は、必ず数秒以上離れて行われるので、20ミリ秒以内に2以上の表示用停止種別コマンドを受信することはなく、したがって、コマンド判定処理を実行する場合に、コマンドバッファ領域に2以上の表示用停止種別コマンドが格納されている場合はあり得ないが、ノイズ等の影響によってコマンドの一部が変化し、別のコマンドが誤って表示用停止種別コマンドとして解釈されるおそれもあり得る。S6601の処理では、このような場合に備え、2以上の表示用停止種別コマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合は、停止種別が完全外れであると仮定して、停止種別テーブルを決定する。これにより、完全外れに対応する停止図柄がS6602の処理によって設定される。
仮に、「特別図柄の大当たり」に対応する停止図柄が設定されてしまうと、実際には、「特別図柄の外れ」であった場合であっても、第3図柄表示装置81には「特別図柄の大当たり」に対応する停止図柄が表示されることとなり、遊技者にパチンコ機10が「特別図柄の大当たり」となったと勘違いさせてしまい、パチンコ機10の信頼性を低下させるおそれがあった。これに対し、本制御例のように、完全外れに対応する停止図柄が設定されることで、実際には、「特別図柄の大当たり」であれば、第3図柄表示装置81に完全外れの停止図柄が表示されても、パチンコ機10が「特別図柄の大当たり」になるので、遊技者を喜ばせることができる。
図190に戻り、説明を続ける。S6406の処理において、表示用停止種別コマンドがないと判別されると(S6406:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用オープニングコマンドがあるか否かを判別し(S6408)、表示用オープニングコマンドがあれば(S6408:Yes)、オープニングコマンド処理を実行して(S6409)、S6401の処理へ戻る。
ここで、図192(a)を参照して、オープニングコマンド処理(S6409)の詳細について説明する。図192(a)は、オープニングコマンド処理を示すフローチャートである。このオープニングコマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信したオープニングコマンドに対応する処理を実行するものである。
オープニングコマンド処理では、まず、オープニング表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定する(S6701)。その後、オープニング表示データテーブルに対応する転送データテーブルを転送データテーブルバッファ233eに設定し(S6702)、設定したオープニング表示データテーブルを基に、時間データを計時カウンタ233hに設定する(S6703)。その後、ポインタ233fを0に初期化する(S6704)。そして、デモ表示フラグ233y、および確定表示フラグ233zをいずれもオフに設定して(S6705)、オープニングコマンドを終了し、コマンド判定処理に戻る。
図190に戻り、説明を続ける。S6408の処理において、表示用オープニングコマンドがないと判別されると(S6408:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用ラウンド数コマンドがあるか否かを判別し(S6410)、表示用ラウンド数コマンドがあれば(S6410:Yes)、ラウンド数コマンド処理を実行して(S6411)、S6401の処理へ戻る。
ここで、図192(b)を参照して、ラウンド数コマンド処理(S6411)の詳細について説明する。図192(b)は、ラウンド数コマンド処理を示すフローチャートである。このラウンド数コマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信した表示用ラウンド数コマンドに対応する処理を実行するものである。
ラウンド数コマンド処理では、まず、表示用ラウンド数コマンドによって示されるラウンド数に対応したラウンド数表示データテーブルを決定し、その決定したラウンド数表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S6801)。次いで、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S6802)。
そして、S6801の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定されたラウンド数表示データテーブルを基に、その演出時間を表す時間データを計時カウンタ233hに設定し(S6803)、ポインタ233fを0に初期化する(S6804)。そして、デモ表示フラグ233y、および確定表示フラグ233zをいずれもオフに設定して(S6805)、ラウンド数コマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
図190に戻って説明を続ける。S6410の処理において、表示用ラウンド数コマンドがないと判別されると(S6410:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用エンディングコマンドがあるか否かを判別し(S6412)、表示用エンディングコマンドがあれば(S6412:Yes)、エンディングコマンド処理を実行して(S6413)、S6401の処理へ戻る。
ここで、図193を参照して、エンディングコマンド処理(S6413)の詳細について説明する。図193は、エンディングコマンド処理を示すフローチャートである。このエンディングコマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信した表示用エンディングコマンドに対応する処理を実行するものである。
エンディングコマンド処理では、まず、表示用エンディングコマンドによって示されるエンディング演出の表示態様に対応したエンディング表示データテーブルを決定し、その決定したエンディング表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S6901)。次いで、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S6902)。
次いで、S6901の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定されたエンディング表示データテーブルを基に、その演出時間を表す時間データを計時カウンタ233hに設定し(S6903)、ポインタ233fを0に初期化する(S6904)。そして、デモ表示フラグ233y、および確定表示フラグ233zをいずれもオフに設定して(S6905)、エンディングコマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
図190に戻り、説明を続ける。S6412の処理において、表示用エンディングコマンドがないと判別されると(S6412:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用変動停止コマンドがあるか否かを判別し(S6414)、表示用変動停止コマンドがあれば(S6414:Yes)、変動停止コマンド処理を実行して(S6415)、S6401の処理へ戻る。
ここで、図194(a)を参照して、変動停止コマンド処理(S6415)の詳細について説明する。図194(a)は、変動停止コマンド処理を示すフローチャートである。この変動停止コマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信した表示用変動停止コマンドに対応する処理を実行するものである。
この表示用変動停止コマンドとは、音声ランプ制御装置113の変動表示設定処理(図182のS4112参照)において設定された表示用変動パターンコマンドの終了タイミング、即ち、主制御装置110における各特別図柄の変動パターンを設定する処理にて設定された変動パターン(変動時間)の終了タイミング(主制御装置110が停止コマンドを設定するタイミング)にて、音声ランプ制御装置113から出力される表示用停止コマンド(正常停止コマンド)を示すものである。
変動停止コマンド処理では、まず、表示用変動停止コマンドによって示される変動停止データテーブルを決定し、その決定した変動停止データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S6931)。次いで、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S6932)。
次いで、S6931の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定された変動停止データテーブルを基に、その演出時間を表す時間データを計時カウンタ233hに設定し(S6933)、ポインタ233fを0に初期化する(S6934)。そして、デモ表示フラグ233y、および確定表示フラグ233zをいずれもオフに設定して(S6935)、変動停止コマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
図190に戻り、説明を続ける。S6414の処理において、変動停止コマンドがないと判別されると(S6414:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用報知コマンドがあるか否かを判別し(S6416)、表示用報知コマンドがあれば(S6416:Yes)、報知コマンド処理を実行して(S6417)、S6401の処理へ戻る。
ここで、図194(b)を参照して、報知コマンド処理(S6417)の詳細について説明する。図194(b)は、報知コマンド処理を示すフローチャートである。この報知コマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信した(表示用)報知コマンドに対応する処理を実行するものである。
この報知コマンドは、主制御装置110にて設定された各種異常状態を示すためのコマンドを音声ランプ制御装置113が受信した場合に設定される各種報知コマンドのうち、表示制御装置114に出力された表示用報知コマンドを表示制御装置114が受信した場合に実行される処理である。
報知コマンド処理では、まず、報知コマンドによって示される報知態様に対応した表示(報知)データテーブルを決定し、その決定した表示(報知)データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S6951)。次いで、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S6952)。
次いで、S6951の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定された表示(報知)データテーブルを基に、その演出時間を表す時間データを計時カウンタ233hに設定し(S6953)、ポインタ233fを0に初期化する(S6954)。そして、デモ表示フラグ233y、および確定表示フラグ233zをいずれもオフに設定して(S6955)、報知コマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
なお、本制御例では、音声ランプ制御装置113の設定した各種報知コマンドのうち、報知対象が第3図柄表示装置81(表示装置)であることを示す表示用コマンドのみを表示制御装置114が判別するように構成しているが、これに限ること無く、表示用コマンド以外の発光用コマンドや、音声出力用コマンドや、役物駆動用コマンドといった関連コマンドも一旦受信し、表示制御装置114の処理にて設定されたデータ内容(表示態様)を示すための情報を追加した状態で、関連コマンドを対応する制御装置に出力するように構成しても良い。
図190に戻り、説明を続ける。S6416の処理において、表示用報知コマンドがないと判別されると(S6416:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、背面画像変更コマンドがあるか否かを判別し(S6418)、背面画像変更コマンドがあれば(S6418:Yes)、背面画像変更コマンド処理を実行して(S6419)、S6401の処理へ戻る。
ここで、図195(a)を参照して、背面画像変更コマンド処理(S6419)の詳細について説明する。図195(a)は、背面画像変更コマンド処理を示すフローチャートである。この背面画像変更コマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信した背面画像変更コマンドに対応する処理を実行するものである。
背面画像変更コマンド処理では、まず、オン状態で背面画像変更コマンドを受信したことに伴う背面画像の変更を通常画像転送設定処理(S7503)に通知する背面画像変更フラグ233wをオンに設定する(S7001)。そして、背面画像種別(背面A,B)毎に設けられた背面画像判別フラグ233xの各ビットのうち、背面画像変更コマンドによって示された背面画像種別に対応するビットをオンに設定すると共に、その他の背面画像種別に対応するビットをオフに設定して(S7002)、この背面画像変更コマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
通常画像転送設定処理では、S7001の処理により設定される背面画像変更フラグ233wがオンされていることを検出すると、S7002の処理によって設定される背面画像判別フラグ233xから、変更後の背面画像種別を特定する。
また、タスク処理では、表示データテーブルに規定された背面画像の背面種別によって、背面A,Bのいずれかを表示させることが規定されていた場合、S7002によって設定された背面画像判別フラグ233xから、その時点において表示すべき背面画像種別を特定し、更に、表示すべき背面画像の範囲を時間経過に合わせて特定して、その背面画像の範囲に対応する画像データが格納されているRAM種別(常駐用ビデオRAM235か、通常用ビデオRAM236か)と、そのRAMのアドレスを特定する。
なお、遊技者が枠ボタン22を20ミリ秒以下で連続して操作することはないので、20ミリ秒以内に2以上の背面画像変更コマンドを受信することはなく、したがって、コマンド判定処理を実行する場合に、コマンドバッファ領域に2以上の背面画像変更コマンドが格納されている場合はないはずであるが、ノイズ等の影響によってコマンドの一部が変化し、別のコマンドが誤って背面画像変更コマンドとして解釈されるおそれもあり得る。S7002の処理では、2以上の背面画像コマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合、先に受信した背面画像コマンドによって示される背面画像種別に対応する背面画像判別フラグ233xをオンしてもよいし、後に受信した背面画像コマンドによって示される背面画像種別に対応する背面画像判別フラグ233xをオンしてもよい。また、任意の1の背面画像変更コマンドを抽出し、そのコマンドによって示される背面画像種別に対応する背面画像判別フラグ233xをオンしてもよい。この背面画像の変更は、パチンコ機10における遊技価値の直接影響を与えるものではないので、パチンコ機10の特性や操作性に応じて、適宜設定するのが好ましい。
ここで、図190の説明に戻る。S6418の処理において、背面画像変更コマンドがないと判別されると(S6418:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、エラーコマンドがあるか否かを判別し(S6420)、エラーコマンドがあれば(S6420:Yes)、エラーコマンド処理を実行して(S6421)、S6401の処理へ戻る。
ここで、図195(b)を参照して、エラーコマンド処理(S6421)の詳細について説明する。図195(b)は、エラーコマンド処理を示すフローチャートである。このエラーコマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信したエラーコマンドに対応する処理を実行するものである。
エラーコマンド処理では、まず、オン状態でエラーが発生していることを示すエラー発生フラグをオンに設定する(S7101)。そして、エラー種別毎に設けられたエラー判別フラグのうち、エラーコマンドによって示されるエラー種別に対応するエラー判別フラグをオンすると共に、その他のエラー判別フラグをオフに設定して(S7102)、エラーコマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
表示設定処理では、S7101の処理によって設定されたエラー発生フラグに基づいて、エラーの発生を検出すると、S7102の処理によって設定されたエラー判別フラグから発生したエラー種別を判断し、そのエラー種別に対応する警告画像を第3図柄表示装置81に表示させるように処理を実行する。
なお、2以上のエラーコマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合、S7102に処理では、それぞれのエラーコマンドによって示される全てのエラー種別に対応するエラー判別フラグをオンに設定する。これにより、全てのエラー種別に対応する警告画像が第3図柄表示装置81に表示されるので、遊技者やホール関係者が、エラーの発生状況を正しく把握することができる。
ここで、図190の説明に戻る。S6416の処理において、エラーコマンドがないと判別されると(S6420:No)、次いで、その他の未処理のコマンドに対応する処理を実行し(S6422)、S6401の処理へ戻る。
各コマンドの処理が実行された後に再び実行されるS6401の処理では、再度、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがあるか否かを判別し、未処理の新規コマンドがあれば(S6401:Yes)、再びS6402〜S6422の処理を実行する。そして、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがなくなるまで、S6401〜S6422の処理が繰り返し実行され、S6401の処理で、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがないと判別されると、このコマンド判定処理を終了する。
なお、V割込処理(図189(b)参照)において簡易画像表示フラグ233cがオンの場合に実行される簡易コマンド判定処理(S6308)も、コマンド判定処理と同様の処理が行われる。ただし、簡易コマンド判定処理では、コマンドバッファ領域に格納されている未処理のコマンドから、電源投入時画像を表示するのに必要なコマンド、即ち、表示用変動パターンコマンドおよび表示用停止種別コマンドだけを抽出して、それぞれのコマンドに対応する処理である、変動パターンコマンド処理(図191(a)参照)および停止種別コマンド処理(図191(b)参照)を実行すると共に、その他のコマンドについては、そのコマンドに対応する処理を実行せずに破棄する処理を行う。
ここで、この場合に実行される、変動パターンコマンド処理(図191(a)参照)では、S6501の処理で、電源投入時変動画像の表示に対応した表示データテーブルバッファが表示データテーブルバッファ233dに設定され、また、その場合に必要となる電源投入時主画像および電源投入時変動画像の画像データは常駐用ビデオRAM235の電源投入時主画像エリア235aおよび電源投入時変動画像エリア235bに格納されているので、S6502の処理では、転送データテーブルバッファ233eにはNullデータを書き込み、その内容をクリアする処理が行われる。
次いで、図196〜図198を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述の表示設定処理(S6303)の詳細について説明する。図196は、この表示設定処理を示すフローチャートである。
この表示設定処理では、図196に示すように、まず、新規コマンドフラグがオンであるか否かを判別し(S7201)、新規コマンドフラグがオンではない、即ち、オフであれば(S7201:No)、先に実行されるコマンド判定処理において新規コマンドが処理されていないと判断して、S7202〜S7204の処理をスキップし、S7205の処理へ移行する。一方、新規コマンドフラグがオンであれば(S7201:Yes)、先に実行されるコマンド判定処理において新規コマンドが処理されたと判断し、新規コマンドフラグをオフに設定した後(S7202)、S7203〜S7204の処理によって、新規コマンドに対応する処理を実行する。
S7203の処理では、エラー発生フラグがオンであるか否かを判別する(S7203)。そして、エラー発生フラグがオンであれば(S7203:Yes)、警告画像設定処理を実行する(S7204)。
ここで、図197を参照して、警告画像設定処理の詳細について説明する。図197は、警告画像設定処理を示すフローチャートである。この処理は、発生したエラーに対応する警告画像を第3図柄表示装置81に表示させる画像データを展開するための処理で、まず、エラー判別フラグを参照し、オンが設定された全てのエラー判別フラグに対応したエラーの警告画像を第3図柄表示装置81に表示させる警告画像データを展開する(S7301)。
タスク処理(S6304)では、この展開された警告画像データを元に、その警告画像を構成するスプライト(表示物)の種別を特定すると共に、各スプライト毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度といった描画に必要な各種パラメータを決定する。
そして、警告画像設定処理では、S7301の処理の後、エラー発生フラグをオフに設定して(S7302)、表示設定処理に戻る。
ここで、図196の説明に戻る。警告画像設定処理(S7204)の後、又は、S7203の処理において、エラー発生フラグがオンではない、即ち、オフであると判別されると(S7203:No)、次いで、S7205の処理へ移行する。
S7205では、ポインタ更新処理を実行する(S7205)。ここで、図198を参照して、ポインタ更新処理の詳細について説明する。図198は、ポインタ更新処理を示すフローチャートである。このポインタ更新処理は、表示データテーブルバッファ233dおよび転送データテーブルバッファ233eの各バッファにそれぞれ格納された表示データテーブルおよび転送データテーブルから、対応する描画内容もしくは転送対象画像データの転送データ情報を取得すべきアドレスを指定するポインタ233fの更新を行う処理である。
このポインタ更新処理では、まず、ポインタ233fに1を加算する(S7401)。即ち、ポインタ233fは、原則、V割込処理が実行される度に1だけ加算されるように更新処理が行われる。また、上述したように、各種データテーブルは、アドレス「0000H」には、Start情報が記載されており、それぞれのデータの実体はアドレス「0001H」以降に規定されているところ、表示データテーブルが表示データテーブルバッファ233dに格納されるのに合わせてポインタ233fの値が0に初期化された場合は、このポインタ更新処理によってその値が1に更新されるので、アドレス「0001H」から順に、それぞれのデータテーブルから実体的なデータを読み出すことができる。
S7401の処理によって、ポインタ233fの値を更新した後、次いで、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルにおいて、その更新後のポインタ233fで示されるアドレスのデータがEnd情報であるか否かを判別する(S7402)。その結果、End情報であれば(S7402:Yes)、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルにおいて、その実体データが記載されたアドレスを過ぎてポインタ233fが更新されたことを意味する。
そこで、表示データテーブルバッファ233dに格納されている表示データテーブルがデモ用表示データテーブルであるか否かを判別して(S7403)、デモ用表示データテーブルであれば(S7403:Yes)、表示データテーブルバッファ233dに設定されているデモ用表示データテーブルの演出時間に対応する時間データを計時カウンタ233hに設定し(S7404)、ポインタ233fを1に設定して初期化し(S7405)、本処理を終了し、表示設定処理に戻る。これにより、表示設定処理では、デモ用表示データテーブルの先頭から順に描画内容を展開することができるので、第3図柄表示装置81には、デモ演出を繰り返し表示させることができる。
一方、S7403の処理において、表示データテーブルバッファ233dに格納されている表示データテーブルがデモ用表示データテーブルでないと判別された場合は(S7403:No)、ポインタ233fの値を1だけ減算して(S7406)、本処理を終了し、表示設定処理に戻る。これにより、表示設定処理では、表示データテーブルバッファ233dにデモ用表示データテーブル以外の表示データテーブル、例えば、変動表示データテーブルが設定されている場合は、End情報が記載された1つ前のアドレスの描画内容が常に展開されるので、第3図柄表示装置81には、その表示データテーブルで規定される最後の画像を停止させた状態で表示させることができる。一方、S7402の処理において、更新後のポインタ233fで示されるアドレスのデータがEnd情報でなければ(S7402:No)、本処理を終了し、表示設定処理に戻る。
ここで、図196に戻り説明を続ける。ポインタ更新処理の後、表示データテーブルバッファ233dに設定されている表示データテーブルから、ポインタ更新処理によって更新されたポインタ233fで示されるアドレスの描画内容を取得する(S7206)。タスク処理(S6304)では、先に展開された警告画像などと共に、S7206の処理で展開された描画内容を元に、画像を構成するスプライト(表示物)の種別を特定すると共に、各スプライト毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度といった描画に必要な各種パラメータを決定する。
次いで、計時カウンタ233hの値を1だけ減算し(S7207)、減算後の計時カウンタ233hの値が0以下であるか否かを判別する(S7208)。そして、計時カウンタ233hの値が1以上である場合は(S7208:No)、そのまま表示設定処理を終了してV割込処理に戻る。一方、計時カウンタ233hの値が0以下である場合は(S7208:Yes)、表示データテーブルバッファ233dに設定されている表示データテーブルに対応する演出の演出時間が経過したことを意味する。このとき、表示データテーブルバッファ233dに変動表示データテーブルが設定されている場合は、その変動表示を終了すると共に停止表示を行うタイミングであるので、確定表示フラグがオンであるか否かを確認する(S7209)。
その結果、確定表示フラグがオフであれば(S7209:No)、まだ確定表示の演出を行っておらず、確定表示の演出を行うタイミングなので、まず、確定表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定し(S7210)、次いで、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S7211)。そして、確定表示データテーブルの演出時間に対応する時間データを計時カウンタ233hに設定し(S7212)、更に、ポインタ233fの値を0に初期化する(S7213)。そして、オン状態で確定表示演出中であることを示す確定表示フラグをオンに設定した後(S7214)、停止図柄判別フラグの内容をそのままワークRAM233に設けられた前回停止図柄判別フラグにコピーして(S7215)、V割込処理に戻る。
これにより、表示データテーブルバッファ233dに変動表示データテーブルが設定されている場合などにおいて、その演出の終了に合わせて、変動演出における停止図柄の確定表示演出が第3図柄表示装置81に表示されるように、その描画内容を設定することができる。また、表示データテーブルバッファ233dに設定される表示データテーブルを確定表示データテーブルに変更するだけで、容易に、第3図柄表示装置81に表示させる演出を確定表示演出に変更することができる。そして、従来のように、別のプログラムを起動させることによって表示内容を変更する場合と比較して、プログラムが複雑かつ肥大化することなく、よって、MPU231に多大な負荷がかかることがないので、表示制御装置114の処理能力に関係なく、多種多様な演出画像を第3図柄表示装置81に表示させることができる。
なお、S7215の処理によって設定された前回停止図柄判別フラグは、次に行われる変動演出において第3図柄表示装置81に表示すべき第3図柄を特定するために用いられる。即ち、上述したように、変動演出における第3図柄の表示は、1つ前に行われた変動演出の停止図柄に応じて変わるためであり、変動表示データテーブルでは、そのデータテーブルに基づく変動が開始されてから所定時間経過するまでは、1つ前に行われた変動演出の停止図柄からの図柄オフセット情報が記載されている。タスク処理(S6304)では、変動が開始されてから所定時間が経過するまで、S7215によって設定された前回停止図柄判別フラグから、1つ前に行われた変動演出の停止図柄を特定すると共に、その特定した停止図柄に対して表示設定処理により取得された図柄オフセット情報を加算することによって、実際に表示すべき第3図柄を特定する。これにより、1つ前の変動演出における停止図柄から変動演出が開始される。
一方、S7209の処理において、確定表示フラグがオンであれば(S7209:Yes)、デモ表示フラグがオンであるか否かを判別する(S7216)。そして、デモ表示フラグがオフであれば(S7216:No)、確定表示演出の終了に伴って計時カウンタ233hの値が0以下になったことを意味するので、確定表示演出の終了から一定時間経過後に、第3図柄表示装置81にデモ演出を表示させるための処理を行う。
まず、デモ表示データテーブルを取得して表示データテーブルバッファ233dへ設定し(S7217)、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S7218)。そして、デモ表示データテーブルの演出時間に対応する時間データを計時カウンタ233hに設定する(S7219)。そして、ポインタ233fを0に初期化し(S7220)、オン状態でデモ演出中であることを示すデモ表示フラグをオンに設定して(S7221)、本処理を終了し、V割込処理に戻る。
これにより、確定表示演出が終了した後に、次の変動演出開始を示す表示用変動パターンコマンドを受信しなかった場合には、自動的に、第3図柄表示装置81にデモ演出が表示されるように、その描画内容を設定することができる。
S7216の処理において、デモ表示フラグがオンであれば(S7216:Yes)、確定表示演出が終了した後にデモ演出が行われ、そのデモ演出が終了したことを意味するので、そのまま表示設定処理を終了し、V割込処理に戻る。そして、この場合、次回のV割込処理の中で実行されるポインタ更新処理によって、上述したように、再びデモ演出が開始されるように、各種設定が行われるので、音声ランプ制御装置113より新たな表示用変動パターンコマンドを受信するまでは、デモ演出を繰り返し第3図柄表示装置81に表示させることができる。
なお、V割込処理(図189(b)参照)において簡易画像表示フラグ233cがオンの場合に実行される簡易表示設定処理(S6309)でも、表示設定処理と同様の処理が行われる。ただし、簡易表示設定処理では、電源投入時変動画像による変動演出の演出時間が終了した後、所定時間、表示用停止種別コマンドに基づいて設定された停止図柄に応じた電源投入時変動画像の一方の画像を停止表示させることを規定した表示データテーブルを、表示データテーブルバッファ233dに設定する処理が行われる。
次いで、図199及び図200を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述の転送設定処理(S6305)の詳細について説明する。まず、図199(a)は、この転送設定処理を示すフローチャートである。
この転送設定処理では、まず、簡易画像表示フラグ233cがオンか否かを判別する(S7501)。そして、簡易画像表示フラグ233cがオンであれば、(S7501:Yes)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されていないので、常駐画像転送設定処理を実行して(S7502)、転送設定処理を終了し、V割込処理へ戻る。これにより、画像コントローラ237に対して、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送させるための転送指示が設定される。なお、常駐画像転送設定処理の詳細については、図199(b)を参照して後述する。
一方、S7501の処理の結果、簡易画像表示フラグ233cがオンではない、即ち、オフであれば、(S7501:No)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されている。この場合は、通常画像転送設定処理を実行し(S7503)、転送設定処理を終了して、V割込処理へ戻る。これにより、以後のキャラクタROM234からの画像データの転送は、通常用ビデオRAM236に対して行われるように転送指示が設定される。なお、通常画像転送設定処理の詳細については、図200を参照して後述する。
次いで、図199(b)を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行される転送設定処理(S6305)の一処理である常駐画像転送設定処理(S7502)について説明する。図199(b)は、この常駐画像転送設定処理(S7502)を示すフローチャートである。
この常駐画像転送設定処理では、まず、画像コントローラ237に対して、未転送の画像データの転送指示をしているか否かを判別し(S7601)、転送指示を送信していれば(S7601:Yes)、更に、その転送指示に基づき画像コントローラ237により行われる画像データの転送処理が終了したか否かを判別する(S7602)。このS7602の処理では、画像コントローラ237に対して画像データの転送指示を行った後、画像コントローラ237から、転送処理の終了を示す転送終了信号を受信した場合に、転送処理が終了したと判断する。そして、S7602の処理により、転送処理が終了していないと判別される場合(S7602:No)、画像コントローラ237において画像の転送処理が継続して行われているので、この常駐画像転送設定処理を終了する。一方、転送処理が終了したと判別される場合(S7602:Yes)、S7603の処理へ移行する。また、S7601の処理の結果、画像コントローラ237に対して、未転送の画像データの転送指示を送信していない場合も(S7601:No)、S7603の処理へ移行する。
S7603の処理では、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての常駐対象画像データを転送したか否かを判別し(S7603)、未転送の常駐対象画像データがあれば(S7603:No)、その未転送の常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送するように、画像コントローラ237に対する転送指示を設定し(S7604)、本処理を終了する。
これにより、描画処理において画像コントローラ237に対して送信される描画リストに、未転送の常駐対象画像データに関する転送データ情報が含められることになり、画像コントローラ237は、その描画リストに記載された転送データ情報を基に、常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送することができる。なお、転送データ情報には、常駐対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスと最終アドレス、転送先の情報(この場合は、常駐用ビデオRAM235)、及び転送先(ここで転送される常駐対象画像データを格納すべき常駐用ビデオRAM235に設けられたエリア)の先頭アドレスが含められる。画像コントローラ237は、この転送データ情報に基づいて画像転送処理を実行し、転送処理で指定された画像データをキャラクタROM234から読み出して一旦バッファRAM237aに格納した後、常駐用ビデオRAM235の未使用期間中に、常駐用ビデオRAM235の指定されたアドレスに転送する。そして、転送が完了すると、MPU231に対して、転送終了信号を送信する。
S7603の処理の結果、全ての常駐対象画像データが転送されていれば(S7603:Yes)、簡易画像表示フラグ233cをオフに設定して(S7605)、本処理を終了する。これにより、V割込処理(図189(b)参照)において、簡易コマンド判定処理(図189(b)のS6308参照)および簡易表示設定処理(図189(b)のS6309参照)ではなく、コマンド判定処理(図190〜図195参照)および表示設定処理(図196〜図198参照)が実行されるので、通常時の画像の描画が設定されることになり、第3図柄表示装置81には通常時の画像が表示される。また、以後のキャラクタROM234からの画像データの転送は、通常画像転送設定処理(図200参照)により、通常用ビデオRAM236に対して行われる(図199(a)のS7501:No参照)。
MPU231は、この常駐画像転送設定処理を実行することにより、既にメイン処理の中で転送されている電源投入時主画像および電源投入時変動画像を除く、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に対して転送することができる。そして、MPU231は、常駐用ビデオRAM235に転送された画像データを、電源投入中、上書きすることなく保持され続けるよう制御する。これにより、常駐画像転送設定処理によって常駐用ビデオRAM235に転送された画像データは、電源投入中、常駐用ビデオRAM235に常駐されることになる。
よって、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データが常駐用ビデオRAM235に転送された後、表示制御装置114は、この常駐用ビデオRAM235に常駐された画像データを使用しながら、画像コントローラ237にて画像の描画処理を行うことができる。これにより、描画処理に使用する画像データが常駐用ビデオRAM235に常駐されていれば、画像描画時に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234から対応する画像データを読み出す必要がないため、その読み出しにかかる時間を省略でき、画像の描画を即座に行って第3図柄表示装置81に描画した画像を表示することができる。
特に、常駐用ビデオRAM235には、背面画像や、第3図柄、キャラクタ図柄、エラーメッセージといった、頻繁に表示される画像の画像データや、主制御装置110、音声ランプ制御装置113や表示制御装置114などによって表示が決定された後、即座に表示すべき画像の画像データを常駐させるので、キャラクタROM234をNAND型フラッシュメモリ234aで構成しても、遊技者によって任意のタイミングで行われる種々の操作から、第3図柄表示装置81に何らかの画像を表示させるまでの応答性を高く保つことができる。
次いで、図200を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行される転送設定処理(S6305)の一処理である通常画像転送設定処理(S7503)について説明する。図200は、この通常画像転送設定処理(S7503)を示すフローチャートである。
この通常画像転送設定処理では、まず、転送データテーブルバッファ233eに設定されている転送データテーブルから、先に実行された表示設定処理(S6303)のポインタ更新処理(S7205)によって更新されたポインタ233fで示されるアドレスに記載された情報を取得する(S7701)。そして、取得した情報が転送データ情報であるか否かを判別し(S7702)、転送データ情報であれば(S7702:Yes)、その転送データ情報から、転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを抽出して、ワークRAM233に設けられた転送データバッファに格納し(S7703)、更に、ワークRAM233に設けられ、オン状態で転送開始すべき画像データが存在することを示す転送開始フラグをオンに設定して(S7704)、S7705の処理へ移行する。
また、S7702の処理において、取得した情報が転送データ情報ではなく、Nullデータであれば(S7702:No)、S7703及びS7704の処理をスキップして、S7705の処理へ移行する。S7705の処理では、画像コントローラ237に対して、前回行われた画像データの転送が終了した後に、新たに画像データの転送指示を設定したか否かを判別し(S7705)、転送指示を設定していれば(S7705:Yes)、更に、その転送指示に基づき画像コントローラ237により行われる画像データの転送が終了したか否かを判別する(S7706)。
このS7706の処理では、画像コントローラ237に対して画像データの転送指示を設定した後、画像コントローラ237から、転送処理の終了を示す転送終了信号を受信した場合に、転送処理が終了したと判断する。そして、S7706の処理により、転送処理が終了していないと判別される場合(S7706:No)、画像コントローラ237において画像の転送処理が継続して行われているので、この通常画像転送設定処理を終了する。一方、転送処理が終了したと判別される場合(S7706:Yes)、S7707の処理へ移行する。また、S7705の処理の結果、前回の転送処理の終了後に、画像コントローラ237に対して画像データの転送指示を設定していない場合も(S7705:No)、S7707の処理へ移行する。
S7707の処理では、転送開始フラグがオンか否かを判別し(S7707)、転送開始フラグがオンであれば(S7707:Yes)、転送開始すべき画像データが存在しているので、転送開始フラグをオフにし(S7708)、S7703の処理によって転送データバッファに格納した各種情報によって示されるスプライトの画像データを転送対象画像データに設定した上で、S7713の処理へ移行する。一方、転送開始フラグがオンではなく、オフであれば(S7707:No)、次いで、背面画像変更フラグ233wはオンか否かを判別する(S7709)。そして、背面画像変更フラグ233wがオンではなく、オフであれば(S7709:No)、転送開始すべき画像データが存在していないので、そのまま通常画像転送設定処理を終了する。
一方、背面画像変更フラグ233wがオンであれば(S7709:Yes)、背面画像の変更を意味するので、背面画像変更フラグ233wをオフに設定した後(S7710)、背面画像種別毎に設けられた背面画像判別フラグ233xのうち、オン状態にある背面画像判別フラグ233xに対応する背面画像の画像データを特定し、その画像データを転送対象画像データに設定する(S7711)。更に、オン状態にある背面画像判別フラグ233xに対応する背面画像の画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを取得し(S7712)、S7713の処理へ移行する。
S7713の処理では、転送対象画像データが通常用ビデオRAM236に既に格納されているか否かを判別する(S7713)。このS7713の処理における判別では、格納画像データ判別フラグ233iを参照することによって行われる。即ち、転送対象画像データとされたスプライトに対応する格納状態を格納画像データ判別フラグ233iより読み出して、その格納状態が「オン」であれば、転送対象となったスプライトの画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていると判断し、格納状態が「オフ」であれば、転送対象となったスプライトの画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていないと判断する。
そして、S7713の処理の結果、転送対象画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていれば(S7713:Yes)、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して、その画像データを転送する必要がないので、そのまま通常画像転送設定処理を終了する。これにより、無駄に画像データがキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して転送されるのを抑制することができ、表示制御装置114の各部における処理負担の軽減や、バスライン240におけるトラフィックの軽減を図ることができる。
一方、S7713の処理の結果、転送対象画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていなければ(S7713:No)、その転送対象画像データの転送指示を設定する(S7714)。これにより、描画処理において画像コントローラ237に対して送信される描画リストに、転送対象画像データの転送データ情報が含められることになり、画像コントローラ237は、その描画リストに記載された転送データ情報を基に、転送対象画像の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。なお、転送データ情報には、転送対象画像の画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスと最終アドレス、転送先の情報(この場合は、通常用ビデオRAM236)、及び転送先(ここで転送される転送対象画像の画像データを格納すべき通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに設けられたサブエリア)の先頭アドレスが含められる。画像コントローラ237は、この転送データ情報に基づいて画像転送処理を実行し、転送処理で指定された画像データをキャラクタROM234から読み出して、指定されたビデオRAM(ここでは、通常用ビデオRAM236)の指定されたアドレスに転送する。そして、転送が完了すると、MPU231に対して、転送終了信号を送信する。
S7714の処理の後、格納画像データ判別フラグ233iを更新し(S7715)、この通常用転送設定処理を終了する。格納画像データ判別フラグ233iの更新は、上述したように、転送対象画像データとなったスプライトに対応する格納状態を「オン」に設定し、また、その一のスプライトと同じ画像格納エリア236aのサブエリアに格納されることになっているその他のスプライトに対応する格納状態を「オフ」に設定することによって行われる。
このように、この通常用画像転送処理を実行することによって、先に実行されたコマンド判定処理の中で、表示用停止種別コマンドに対応する処理が実行され、その結果、表示用停止種別コマンドによって示される停止種別情報が大当たりの停止種別であると判別された場合は、ファンファーレ演出において使用する画像データを遅滞なくキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に転送させることができる。また、先に実行されたコマンド判定処理の中で背面画像変更コマンドの受信に基づいて背面画像の変更が行われた場合は、その背面画像で用いられる画像データのうち、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納されていない画像データを、遅滞なく、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に転送させることができる。
また、本制御例では、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、表示データテーブルが表示データテーブルバッファ233dに設定されるのに合わせて、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが転送データテーブルバッファ233eに設定される。そして、MPU231は、通常画像転送設定処理を実行することにより、転送データテーブルバッファ233eに設定された転送データテーブルのポインタ233fで示されるエリアに記載されている転送データ情報に従って、画像コントローラ237に対し転送対象画像データの転送指示を設定するので、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルで用いられるスプライトの画像データを、所望のタイミングで確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
ここで、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、転送データテーブルでは、転送対象画像データの転送データ情報が所定のアドレスに対して規定されているので、この転送データテーブルに規定された転送データ情報に従って、画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aに転送することにより、表示データテーブルに従って所定のスプライトを描画する場合に、そのスプライトの描画に必要な常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。
これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
また、転送データテーブルでは、スプライトに対応する画像データ毎にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ画像データが転送されるように、その転送データ情報を規定する。これにより、その画像データの転送をスプライト毎に管理し、また、制御することができるので、その転送に係る処理を容易に行うことができる。そして、スプライト単位でキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236への画像データの転送を制御することにより、その処理を容易にしつつ、詳細に画像データの転送を制御できる。よって、転送にかかる負荷の増大を効率よく抑制することができる。
次いで、図201を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述の描画処理(S6306)の詳細について説明する。図201は、この描画処理を示すフローチャートである。
描画処理では、タスク処理(S6304)で決定された1フレームを構成する各種スプライトの種別ならびにそれぞれのスプライトの描画に必要なパラメータ(表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報、フィルタ指定情報)、及び、転送設定処理(S6305)により設定された転送指示から、描画リスト(図155)を生成する(S7801)。即ち、S7801の処理では、タスク処理(S6304)で決定された1フレームを構成する各種スプライトの種別から、各スプライト毎に、そのスプライトの画像データが格納されている格納RAM種別とアドレスとを特定し、その特定された格納RAM種別とアドレスとに対して、タスク処理で決定されたそのスプライトに必要なパラメータを対応付ける。そして、各スプライトを、1フレーム分の画像の中で最も背面側に配置すべきスプライトから前面側に配置すべきスプライト順に並び替えた上で、その並び替え後のスプライト順に、それぞれのスプライトに対する詳細な描画情報(詳細情報)として、スプライトの画像データが格納されている格納RAM種別ならびにアドレスおよびそのスプライトの描画に必要なパラメータを記述することで、描画リストを生成する。また、転送設定処理(S6305)により転送指示が設定された場合は、その描画リストの末尾に、転送データ情報として、転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを追記する。
なお、上述したように、スプライト毎に、そのスプライトの画像データが格納される常駐用ビデオRAM235のエリア、又は、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aのサブエリアが固定されているので、MPU231は、スプライト種別に応じて、そのスプライトの画像データが格納されている格納RAM種別とアドレスとを即座に特定し、それらの情報を描画リストの詳細情報に容易に含めることができる。
描画リストを生成すると、その生成した描画リストと、描画対象バッファフラグ233jによって特定される描画対象バッファ情報とを画像コントローラへ送信する(S7802)。ここでは、描画対象バッファフラグ233jが0である場合は、描画対象バッファ情報として第1フレームバッファ236bに描画された画像を展開するよう指示する情報を含め、描画対象バッファフラグ233jが1である場合は、描画対象バッファ情報として第2フレームバッファ236cに描画された画像を展開するよう指示する情報を含める。
画像コントローラ237は、MPU231より受信した描画リストに基づいて、その描画リストの先頭に記述されたスプライトから順に画像を描画し、それを描画対象バッファ情報によって指示されたフレームバッファに上書きによって展開する。これにより、描画リストによって生成された1フレーム分の画像において、最初に描画したスプライトが最も背面側に配置させ、最後に描画したスプライトが最も前面側に配置させることができる。
また、描画リストに転送データ情報が含まれている場合は、その転送データ情報から、転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを抽出し、その格納元先頭アドレスから格納元最終アドレスまでに格納された画像データを順にキャラクタROM234から読み出してバッファRAM237aに一時的に格納した後、通常用ビデオRAM236が未使用状態にあるときを見計らって、バッファRAM237aに格納した画像データを通常用ビデオRAM236の転送先先頭アドレスによって示されるエリアに順次転送する。そして、この通常用ビデオRAM236に格納された画像データは、その後にMPU231より送信される描画リストに基づいて使用され、描画リストに従った画像の描画が行われる。
なお、画像コントローラ237は、描画対象バッファ情報によって指示されたフレームバッファとは異なるフレームバッファから、先に展開された画像の画像情報を読み出して、駆動信号と共にその画像情報を第3図柄表示装置81に送信する。これにより、第3図柄表示装置81に対して、フレームバッファに展開した画像を表示させることができる。また、一方のフレームバッファに描画した画像を展開しながら、一方のフレームバッファから展開した画像を第3図柄表示装置81に表示させることができ、描画処理と表示処理とを同時並列的に処理することができる。
描画処理は、S7802の処理の後、描画対象バッファフラグ233jを更新する(S7803)。そして、描画処理を終了して、V割込処理に戻る。描画対象バッファフラグ233jの更新は、その値を反転させることにより、即ち、値が「0」であった場合は「1」に、「1」であった場合は「0」に設定することによって行われる。これにより、描画対象バッファは、描画リストが送信される度に、第1フレームバッファ236bと第2フレームバッファ236cとの間で交互に設定される。
ここで、描画リストの送信は、1フレーム分の画像の描画処理および表示処理が完了する20ミリ秒毎に画像コントローラ237から送信されるV割込信号に基づいて、MPU231により実行されるV割込処理(図189(b)参照)の描画処理が実行される度に、行われることになる。これにより、あるタイミングで、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定されて、画像の描画処理および表示処理が実行されると、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒後に、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定される。よって、先に第1フレームバッファ236bに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第2フレームバッファ236cに新たな画像が展開される。
そして、更に次の20ミリ秒後には、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定される。よって、先に第2フレームバッファ236cに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第1フレームバッファ236bに新たな画像が展開される。以後、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとを、20ミリ秒毎に、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかを交互に指定することによって、1フレーム分の画像の描画処理を行いながら、1フレーム分の画像の表示処理を20ミリ秒単位で連続的に行わせることができる。
以上、説明をした通り、本第1制御例では、第1特別図柄の抽選と第2特別図柄の抽選とが重複して(並行して)実行されることが無いように構成しており、第2特別図柄の抽選のほうが、第1特別図柄の抽選よりも優先して実行されるように構成している。そして、第1特別図柄の抽選よりも第2特別図柄の抽選のほうが遊技者に有利となる抽選が実行されるように構成している。さらに、設定されている遊技状態に応じて第2特別図柄の抽選の実行し易さを異ならせるように構成している。具体的には、普通図柄の低確率状態が設定されている場合(通常状態)よりも、普通図柄の高確率状態が設定されている場合(時短状態、確変状態)が設定されている場合のほうが、第2特別図柄の抽選権利を取得し易くなるように、普通図柄の当たり当選時に実行される当たり遊技(普図当たり遊技)にて開放動作される電動役物640aが付随する入球口(第2入球口640)に球が入球した場合に、第2特別図柄の抽選権利を取得し得るように構成している。つまり、初期の遊技状態である通常状態にて遊技を行う場合には、第2特別図柄抽選よりも第1特別図柄抽選のほうが実行され易く構成し、第1特別図柄の抽選にて大当たり当選したことを契機に、普通図柄の高確率状態を設定可能にし、普通図柄の高確率状態が設定された場合に、第1特別図柄の抽選よりも有利となる第2特別図柄の抽選を実行するように構成している。このように構成することで、設定される遊技状態に応じて遊技者への有利度合いを大きく異ならせることができるため、遊技者に対して有利度合いの高い遊技状態が設定されることを期待しながら意欲的に遊技を行わせることができる。
また、普通図柄の低確率状態が設定されている状態で実行される普通図柄抽選にて当たり当選した場合に、電動役物640が5秒間開放される普図当たり遊技を実行可能に構成している。このように構成することで、遊技者に不利な遊技状態である通常状態であっても、一時的に第2特別図柄抽選を実行させ易い期間を提供することが可能となるため、通常状態を遊技している遊技者に対して、特別図柄抽選大当たり当選を目指す遊技と、普通図柄抽選で当たり当選を目指す遊技と、を実行させることができ、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができる。
さらに、本制御例では、通常状態中に実行される第2特別図柄抽選に対応して第3図柄表示装置81の表示面にて実行される特図2変動演出の演出態様を、記憶している第2特別図柄の抽選権利数、即ち、特図2保留数に基づいて可変させるように構成している。具体的には、第2特別図柄抽選の結果が大当たりである場合に実行される特図2変動演出の演出態様として、変動演出の前半期間に抽選結果が外れであることを示す疑似外れ変動演出を実行し、後半期間において、疑似外れ変動演出にて停止(仮停止)された第3図柄を再始動させて抽選結果が大当たりであることを示す疑似当たり変動演出を実行するように構成し、その疑似当たり変動演出にて第3図柄が一時的に停止(仮停止)する回数を、特図2保留数に対応させて可変させるように構成している。このように構成することで、第2特別図柄抽選の結果が大当たりであることを示す組合せで第3図柄が停止表示(確定表示)されるまでに、第3図柄を複数回疑似停止させる変動演出を実行することが可能となる。つまり、複数回の第2特別図柄抽選を経て大当たり当選したと思わせることができる。
これにより、普図当たり遊技中に獲得した複数の特図2保留のうち、最初に実行される第2特別図柄抽選に用いられた特図2保留で大当たり当選した場合であっても、遊技者に対して、複数の特図2保留を普図当たり遊技中に獲得したため大当たり当選したと思わせることができるため、普図当たり遊技中により意欲的に特図2保留を獲得するための遊技を行わせることができる。
また、第2特別図柄抽選で大当たり当選した場合における特図2保留数が0の場合は、上述した疑似当たり変動演出として、第1特別図柄抽選が実行される場合に第3図柄表示装置81の表示面に表示される変動演出(第1特別図柄抽選に対応して第3図柄表示装置81の表示面にて実行される特図1変動演出の演出態様)を模した変動演出を実行するように構成している。このように構成することで、特図2保留を獲得していない状況で擬似的に特図2変動演出が繰り返されることを抑制することができるため、遊技者に対して擬似的な変動演出が実行されていることを識別させ難くすることができる。また、特図1変動演出を模した擬似的な変動演出が実行された後に、第2特別図柄抽選で大当たり当選したことを示す組合せで第3図柄が停止表示(確定表示)されるため、遊技者に対して意外性のある変動演出を実行することが可能となる。
本制御例では、確変大当たり遊技が実行される場合には、予め(大当たり遊技開始時に)報知演出の演出態様として大当たり遊技終了後に確変状態が設定されることを示す演出態様を設定しておき、報知演出が実行される直前に(例えば、大当たりエンディング期間の開始時に)特定ゲートへの球の流下結果に基づいて報知演出の演出態様を切り替えるか否かの判別を実行し、特定ゲートを球が流下している場合には、予め設定しておいた演出態様の報知演出を実行し、特定ゲートを球が流下していない場合にのみ、報知演出の演出態様を切り替えるように構成している。
さらに、本制御例では、大当たりエンディング期間の長さを、確変大当たりと通常大当たりとで異ならせており、遊技者にとって有利となる確変大当たりのほうが通常大当たりよりも長いエンディング期間が設定されるように構成している。これにより、大当たり遊技終了後に確変状態が設定されることを、実際に確変状態が設定されるよりも前に遊技者に分かり易く報知することができる。一方、大当たり遊技終了後に確変状態が設定されない場合には、その旨を長期間報知したとしても遊技者に不快感を与えてしまうだけであるため、エンディング期間が短くなるように構成している。
このように、大当たりエンディング期間の長さを、確変大当たりと通常大当たりとで異ならせている場合において、確変大当たり遊技中に球を特定ゲートへと流下させることができなかった場合には、大当たりエンディング期間の演出態様を単に通常当たり遊技のエンディング期間に実行される演出態様へと切り替える処理を実行するだけではエンディング期間の長さが異なるためエンディング期間中に違和感のある報知演出が実行されてしまうという問題があった。また、確変大当たり遊技において球を特定ゲートへと流下させることができなかった場合にのみ設定される専用の演出態様を予め容易してしまうと、その演出態様に対する画像データ(演出データ)を予め表示制御装置114のキャラクタROM234に記憶させておく必要があり、記憶容量が増加してしまうという問題があった。
これに対して、本制御例では、大当たりエンディング期間を前半期間と後半期間とに区分けし、後半期間の長さを大当たり種別に関わらず共通の長さとするように構成し、確変大当たり遊技中に球を特定ゲートへと流下させることが出来なかった場合に、大当たりエンディング期間の後半期間に対応する演出態様のみ通常当たり遊技のエンディング期間の後半期間に対して設定される演出態様へと切り替えるように構成している。これにより、確変大当たり遊技中に球を特定ゲートへと流下させることが出来なかった場合にのみ用いられる専用の演出態様を設けること無く、且つ、遊技者に違和感を与えることの無い報知演出を実行することができる。
なお、本制御例では、大当たりエンディング期間を前半期間と後半期間とに区分けし、後半期間の長さを大当たり種別に関わらず共通の長さとするように構成することで、確変大当たり遊技中に球を特定ゲートへと流下させることが出来なかった場合に実行される報知演出の演出態様を切替設定するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、大当たり遊技の最終ラウンド期間中から報知演出を実行することで、実際の大当たりエンディング期間よりも長い期間実行される報知演出を実行可能に構成しても良いし、大当たりエンディング期間が設定されてから所定期間の間、大当たり遊技の最終ラウンド期間中に実行されるラウンド演出を継続して実行し、その後、報知演出を実行することで、実際の大当たりエンディング期間よりも短い期間の報知演出を実行するように構成しても良い。
このV入賞装置2650は、上述した第8制御例のV入賞装置2650(図194〜図196参照)と同一内容で構成されているため、同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。また、可変表示ユニット80の右側領域の構成、及び、右側領域を流下した球がスルーゲート67、一般入球口63、第1入球口64、第2入球口640、V入賞装置2650へと入球する割合については、上述した左側領域と同一であるため、その詳細な説明は省略する。以上、説明をした通り、本制御例では、設定されている遊技状態に関わらず、ひいては大当たり遊技が実行されているか否かに関わらず、遊技者が右打ち遊技を実行しても左打ち遊技を実行しても同様の特典が付与されるように構成している。よって、遊技者は自分の気分に合わせて任意の遊技方法で遊技を行うことができる。
なお、本制御例では、図230に示した通り、パチンコ機10の遊技盤13の構成を左右対称に構成しているが、これに限ること無く、例えば、遊技者が獲得可能な特典量が左打ち遊技を行った場合と、右打ち遊技を行った場合とで大きく乖離しないように構成すれば良く、例えば、左側領域に設けられる一般入球口63の数を、右側領域に設けられる一般入球口63の数よりも少なくし、且つ、第1入球口64へと球が入球する割合を、右打ち遊技よりも左打ち遊技のほうが高くなるように構成し、左打ち遊技のほうが右打ち遊技よりも賞球を獲得し難いが第1特別図柄抽選を実行し易くし、右打ち遊技のほうが左打ち遊技よりも賞球を獲得し易いが第1特別図柄抽選を実行し難くするように構成しても良い。このように構成した場合には、通常状態中、即ち、第1入球口64へと球を入球させる遊技を実行している間は、遊技者が任意の遊技方法で遊技を行うことができ、第2入球口640へと球を入球させる遊技(時短状態や確変状態中の遊技)においては、左打ち遊技よりも右打ち遊技のほうが遊技者に有利な遊技とすることができる。
上記各制御例では、主制御装置110において第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(N)が更新される度(即ち、増加した場合や、減少した場合にそれぞれ)に、保留球数コマンドを主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ送信する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、主制御装置110において第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(N)が増加する場合だけ、保留数コマンドを主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ送信する。また、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110より送信された変動パターンコマンドを受信すると、特別図柄2保留球数カウンタ223bの値を1減らすように構成する。これにより、主制御装置110が音声ランプ制御装置113へ保留数コマンドを送信する回数と、音声ランプ制御装置113が保留数コマンドを受信する回数とをそれぞれ減らすことができるので、主制御装置110および音声ランプ制御装置113の制御的負担を軽減することができる。
上記各制御例においては、第1入球口64への入賞は最大4回まで、スルーゲート67の通過は最大1回まで保留されるように構成したが、最大保留球数はこれに限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定してもよい。また、第1入球口64への入賞に基づく変動表示の保留球数を、第3図柄表示装置81の一部において、数字で、或いは、4つに区画された領域を保留球数分だけ異なる態様(例えば、色や点灯パターン)にして表示するようにしてもよく、第1図柄表示装置37とは別体でランプ等の発光部材を設け、該発光部材によって保留球数を通知するように構成してもよい。
また、上記各制御例に示すように、動的表示の一種である変動表示は、第3図柄表示装置81の表示画面上で識別情報としての図柄を縦方向にスクロールさせるものに限定されず、縦方向あるいはL字形等の所定経路に沿って図柄を移動表示して行うものであってもよい。また、識別情報の動的表示としては、図柄の変動表示に限られるものではなく、例えば、1又は複数のキャラクタを図柄と共に、若しくは、図柄とは別に多種多様に動作表示または変化表示させて行われる演出表示なども含まれるのである。この場合、1又は複数のキャラクタが、第3図柄として用いられる。また、特別図柄の抽選結果を示すための第3図柄の動的表示の表示態様と、普通図柄の抽選結果を示すための装飾図柄の動的表示の表示態様と、を遊技者が識別困難となるように、例えば、表示制御装置114が有する共通の画像データを用いて各表示態様を設定するように構成しても良い。
上述した各制御例では、遊技者に各図柄の抽選結果を示すための第3図柄表示を1つの表示手段(第3図柄表示装置81)にて実行しているが、それ以外の構成を用いてもよく、例えば、第3図柄のうち、遊技者に強調して表示される主図柄を表示する表示手段と、従図柄を表示する表示手段とで異なる表示手段を設けてもよい。また、表示手段の構成として、液晶ディスプレイ以外の構成を用いても良い。
上述した各制御例では、遊技者に有利となる遊技状態(時短状態)の場合と、その時短状態よりも遊技者に不利となる遊技状態(通常状態)の場合とで、遊技盤13の左側領域を狙う左打ち遊技が実行されるように構成しているが、遊技状態に応じて異なる遊技盤13の狙う領域を異ならせるように構成しても良く、例えば、通常状態の場合は遊技盤13の左側領域を狙う左打ち遊技が実行され、時短状態の場合は遊技盤13の右側領域を狙う右打ち遊技が実行されるように構成しても良い、また、時短状態中に左打ち遊技を実行させ、通常状態中に右打ち遊技を実行させてもよい。
さらに、上述した各制御例では、何れの遊技状態が設定されている場合も、大当たり遊技が設定されている場合も、遊技盤13の左側領域を狙う左打ち遊技が実行されるように構成しているが、これに限ること無く、時短状態が設定されている場合と、大当たり遊技中は右打ち遊技を実行させ、通常状態中のみ左打ち遊技を実行させるように構成しても良い。このように構成することで、実行させる遊技方法(右打ち遊技、左打ち遊技)に応じて遊技者に有利な状態であるか否かを遊技者に分かり易く理解させることができる。
上述した各制御例では、遊技者が操作可能な操作手段として、遊技者が押下動作することにより、操作手段が操作されたことが判別される枠ボタン22を用いているが、それ以外の構成を用いてもよく、遊技者が左右または前後に傾倒させることで操作されたことを判別可能なレバー状に構成された操作手段や、遊技者が接触または近接したで操作されたことを判別可能なタッチセンサ式の操作手段や、所定の電波を発信することで操作されたことを判別可能な無線式の操作手段等を用いても良い。また、枠ボタン22を音声ランプ制御装置113に対して電気的に接続させており、枠ボタン22を、パチンコ機10にて実行される演出の演出態様を、遊技者の操作に基づいて可変させるための演出用操作手段として用いているが、枠ボタン22に対する遊技者の操作に基づいてパチンコ機10で実行される各種演出の演出態様を可変させることができれば良く、例えば、枠ボタン22を表示制御装置114に対して電気的に接続させても良いし、操作手段(枠ボタン22)からの出力信号を入力可能にし、表示制御装置114、音声ランプ制御装置113、音声出力装置226、ランプ表示装置227へと出力可能な演出設定信号を生成可能な制御装置を設けても良い。このように構成することで、演出用操作手段を複数設けた場合であっても、複数の演出用操作手段から出力される出力信号(操作信号)を集中管理することができるため、演出用操作手段への遊技者の操作に対する演出態様を円滑に設定することができる。
さらに、上述した第1制御例では、大当たり遊技終了後に有利遊技状態(確変状態、時短状態)が設定された場合に、所定期間の間(特別図柄変動が20回実行されるまでの間)、短時間の変動時間が選択される高速変動期間を設定可能に構成し、その高速変動期間中は、枠ボタン22を操作した場合に背景モード移行演出が実行されない(され難い)ように構成している。これにより、短時間の変動時間が選択され易い期間中に、操作演出として背景モード移行演出が実行されてしまい、特別図柄抽選の結果を示すための第3図柄の停止表示態様を遊技者が把握し難くなる事態が発生することを抑制することができる。
また、第1制御例では、高速変動期間中に枠ボタン22に対して第1操作、即ち、通常状態が設定されている状態においては、背景モード移行演出が実行される操作(「通常押し」)を行った場合に、背景モード移行演出とは異なる演出態様の操作演出が実行されるように構成している。これにより、高速変動期間中においても遊技者に対して意欲的に枠ボタン22を操作させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
加えて、本第1制御例では、高速変動期間中であっても、上述した第1操作(「通常押し」)以外の第2操作(「長押し」)を実行することで、背景モード移行演出を実行可能に構成している。このように構成することで、第3図柄の停止表示態様が把握し難くなることを承知した上で背景モード移行演出を実行させようとする遊技者に対して背景モード移行演出を提供することができる。本第1制御例では、第1操作が実行されたと判別するのに要する期間よりも第2操作が実行されたと判別するのに要する期間のほうが長くなるように構成している。これにより、背景モード移行演出が実行される頻度を抑えることができるため、過剰に第3図柄の停止表示態様が把握し難くなることを抑制することができる。
なお、本実施形態のように、所定条件が成立していない場合において、操作手段に対して第1操作を行うことで実行される第1操作処理を、所定条件が成立した場合においては、操作手段に対して第1操作を行ったとしても実行されないようにする(され難くする)技術思想を他の技術に用いても良く、例えば、パチンコ機10にて出力される音声の大きさ(音量)を調整する音量調整処理や、第3図柄表示装置81として液晶ディスプレイを用いた場合に、その液晶ディスプレイの輝度を調整する輝度調整処理を上述した第1操作処理として適用し、所定条件が成立していない場合(例えば、特別図柄変動が実行されていない場合)には第1操作処理を実行可能にし、所定条件が成立している場合(例えば、特別図柄変動が実行されている場合)には第1操作処理を実行困難にするように構成しても良い。
また、上述した所定条件として、特別図柄変動の有無だけでは無く、パチンコ機10において異常が発生した場合に成立する条件や、大当たり遊技中に成立する条件を設定可能に構成しても良い。
さらに、このように構成されたパチンコ機10において、所定条件が成立している場合に、上述した第1操作を実行した場合に、第1操作処理とは異なる第2操作処理(例えば、第1操作処理が実行されないことを報知する処理)を実行するように構成すると良い。これにより、第1操作処理が実行されないことを遊技者が容易に把握することができる。なお、これに限ること無く、第1操作処理とは関連しない別の操作演出を実行するように構成しても良い。
加えて、上述した所定条件が成立している場合においても、本制御例と同様に第1操作とは異なる第2操作を実行することにより、上述した第1操作処理が実行されるように構成すると良い。また、本第1制御例では、1の操作手段(枠ボタン22)に対する操作方法を異ならせることで第1操作と第2操作とを実行可能に構成しているが、これに限ること無く、複数の操作手段をパチンコ機10に設け、第1操作手段(例えば、枠ボタン22)を操作することで第1操作を実行可能にし、第2操作手段(例えば、枠ボタン22以外に設けられた枠ボタン)を操作することで第2操作を実行可能にするように構成しても良い。また、この場合、第1操作よりも第2操作のほうが実行し難くなるように構成すると良く、例えば、第1操作手段を遊技者が常時操作可能なパチンコ機10の前面側に配置し、第2操作手段を遊技者が操作困難なパチンコ機10の背面側(図121参照)に配置するように構成すると良い。
さらに、上述した第1操作手段と第2操作手段と、を設けた場合には、第1操作手段に対する操作を有効に判別する第1操作有効判別期間と、第2操作手段に対する操作を有効に判別する第2操作有効判別期間と、を統一して設定しても良いし、異なる期間を設定しても良い。各操作有効判別期間を統一した場合には、有効期間の判別処理を簡素化することができる。また、異なる期間を設定した場合には、操作する操作手段の種別に応じて、その操作を有効と判別する期間が異なるため、様々な操作手段を様々なタイミングで操作しようと意欲的に遊技を行わせることができる。
以上、説明をした第1制御例では、通常状態と、その通常状態よりも遊技者に有利となる複数の有利遊技状態(確変状態、時短状態)を設定可能に構成し、有利遊技状態のうち、何れかの遊技状態が設定された場合において、設定された遊技状態が終了するまでの期間では無く、次に通常状態が設定されるまでの期間(残期間)を、遊技者に報知可能に構成している。
ここで、従来より、遊技者にとって有利となる有利遊技状態(例えば、確変状態や時短状態)が設定された場合に、その有利遊技状態が継続する期間(特別図柄変動回数)を遊技者に報知するものがある。具体的には、有利遊技状態が継続する期間を示す残期間表示態様として「100回」を表示し、特別図柄抽選が実行される毎に、残期間表示態様の値を1減算表示するものがある。これにより、現在設定されている有利遊技状態中にあと何回の特別図柄抽選を実行することができるのかを遊技者に容易に把握させることができるものであった。
また、近年の遊技機では、遊技者にとって有利となる有利遊技状態として複数の状態種別を設定可能なものがあり、有利遊技状態として、通常有利遊技状態(例えば、時短状態)と、その第1有利遊技状態よりもさらに有利な最有利遊技状態(例えば、確変状態)と、を設定可能なものがある。
このように構成されたパチンコ機10では、遊技状態が、最有利遊技状態から通常有利遊技状態へと移行する場合において、最有利遊技状態が継続する期間を示すための残期間表示態様を遊技者に報知し、その後、通常有利遊技状態が設定されると、通常有利遊技状態が継続する期間を示すための残期間表示態様を用いて遊技者に報知するものであった。
つまり、最有利遊技状態が設定されている状態において、最有利遊技状態が継続する期間(残期間)を遊技者に把握させることは可能であるが、最有利遊技状態が終了した後に設定される遊技状態がどのような遊技状態であるか、また、最有利遊技状態が終了した後に設定される遊技状態が継続する期間がどの程度であるかを遊技者が把握することができないものであった。
よって、遊技者は最有利遊技状態が終了した場合に、最有利遊技状態よりも遊技者に有利となる遊技状態が設定されるのか、それとも最有利遊技状態よりも遊技者に不利となる遊技状態(例えば、通常状態)が設定されるのかを把握することができず、最有利遊技状態中において、何を目指して遊技を行えば良いのかを分かり難くしてしまうという問題があった。
これに対して、本制御例では、上述した通り、複数種類の有利遊技状態が連続して設定される場合において、その複数種類の有利遊技状態が終了するまでの期間、即ち、次に通常状態が設定されるまでの期間を対象として有利遊技状態残期間表示態様を表示するように構成している。このように構成することで、異なる種別の有利遊技状態が連続して設定される場合には、連続して設定される有利遊技状態を跨ぐように有利状態残期間表示態様が表示されるため、遊技者に対して安心して遊技を行わせることができる。
さらに、本第1制御例では、連続して設定される複数の有利遊技状態(確変状態、時短状態)を跨いだ一つの有利遊技状態期間の残期間を報知している場合に、現在設定されている遊技状態が確変状態であるか時短状態であるかを遊技者が識別困難な演出を実行可能に構成している。よって、有利遊技状態期間中において設定されている遊技状態を分かり難くすることができるため、遊技者により有利な遊技状態が設定されていることを期待させながら遊技を行わせることができる。
本第1制御例では、連続して設定される複数の有利遊技状態(確変状態、時短状態)を跨いだ一つの有利遊技状態期間の残期間を報知している場合に、現在設定されている遊技状態や、過去に設定されていた遊技状態を示唆可能な示唆演出を実行可能に構成している。これにより、遊技状態期間中に実行される示唆演出の内容に対して遊技者に興味を持たせることができる。
さらに、第1制御例では、有利遊技状態期間に中に複数種類の演出態様で操作演出を実行可能に構成しており、設定されている遊技状態に応じて各演出態様の選択割合を異ならせている。よって、有利遊技状態期間中に実行される操作演出の演出態様に基づいて現在の遊技状態を遊技者に予測させることができるため演出効果を高めることができる。また、設定されている遊技状態に応じて各演出態様の選択割合を異ならせているだけであるため、有利遊技状態期間中に実行される操作演出の回数を増加させるほど予測精度を高めることができる。よって、遊技者に対して意欲的に操作手段(枠ボタン22)を操作させることができる。なお、本制御例では、図149を参照して上述した通り「チャンスモード」中に枠ボタン22が操作された場合であって、操作演出の演出態様として「リーチ示唆」が選択された場合には、実行中の特別図柄変動がリーチ状態となるか否か、リーチ状態となる場合にはそのリーチラインやリーチ図柄を遊技者に示唆する「リーチ示唆」演出が実行されるように構成していたが、これに限ること無く、例えば、入賞情報格納エリア223bに格納されている第2特別図柄に関する入賞情報の中にリーチ状態となる入賞情報があるかを判別し、その判別結果に基づいてリーチ状態となる第2特別図柄変動が実行される旨を当該第2特別図柄変動が実行されるよりも前に遊技者に報知するように構成しても良い。このように、操作演出の演出対象を、実行中の特別図柄変動だけでは無く、保留記憶されている特別図柄変動(今後実行される特別図柄変動)にまで広げることにより、より演出効果を高めることができる。
また、上述した第1制御例では、枠ボタン22を遊技者が操作することにより、背景モード移行や特別図柄抽選の結果を示すための演出が実行されるように構成していたが、遊技者が操作手段を操作することにより実行可能な機能として、例えば、パチンコ機10の音声出力装置226(図137参照)から出力される音量を調整する音量調整機能や、液晶ディスプレイで形成される第3図柄表示装置81の表示面における輝度を調整する輝度調整機能を用いても良い。この、音量調整機能や、輝度調整機能についても、上述した背景モード移行と同様に、第3図柄表示装置81の表示面にて実行される第3図柄の変動演出を見え難くする虞があるため、所定条件が成立した場合、具体的には、特別図柄変動の変動時間として短い変動時間が選択され易い期間(高速変動期間)が設定された場合に、それ以外の期間が設定されている場合よりも実行され難くなるように構成しても良い。
上述した第1制御例では、高速変動期間が設定されている間も、背景モード移行を実行し得る構成としているが、これに限ること無く、完全に背景モード移行が実行されないように構成しても良い。また、上述した第1制御例では、操作手段を操作することにより実行される操作演出として特定の演出態様(背景モード移行)が実行され易い第1期間と、その第1期間よりも実行され難い第2期間と、を設けているが、特定の演出態様で操作演出が実行される割合を異ならせた期間を3つ以上設定可能に構成しても良い。
<第2制御例>
次に、図202から図210を参照して、第2制御例について説明をする。本第2制御例では、上述した第1制御例に対して、第3図柄表示装置81の表示面に各種画像を表示するための構成、及び制御内容を異ならせている点で相違している。それ以外の要素は同一であり、同一の要素については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
上述した第1制御例では、図122(b)を参照して上述した第3図柄表示装置81の表示面に表示される各図柄列Z1〜Z3を一つの画層に表示させるように構成していた。これに対して、本第2制御例では各図柄列Z1〜Z3を構成する主図柄szと、副図柄fzと、を異なる画層に表示させるように構成している点で相違している。そして、異なる画層に表示される主図柄szと、副図柄fzとを同期させて表示制御することにより、上述した第1制御例と同様に各図柄列Z1〜Z3を変動表示させることを可能に構成している。
ここで、従来より、特別図柄抽選の結果を示すための識別情報として、第3図柄を変動表示させるものがあった。また、その第3図柄の変動表示中に様々な演出(変動演出)を実行し、遊技者に対して、特別図柄抽選の結果を示唆することで大当たり当選を期待させながら遊技を行わせることができるものがあった。
ところで、一般的な遊技機として、複数の第3図柄(例えば、1〜9の数字が付された第3図柄)によって形成される図柄列を複数(例えば、3つ)用いた図柄変動表示を実行し、1の図柄列を除いた他の図柄列にて所定の第3図柄が停止表示された場合に、大当たり期待度を高めた演出(例えば、リーチ演出)を実行するものがある。しかしながら、従来の遊技機では、図柄列を形成する各図柄の順序を可変すること無く、変動表示の変動速度のみを可変させた変動表示が実行されている。よって、図柄列の変動表示を用いた変動演出の演出効果を高めることができないという問題があった。
また、1の図柄列に特別図柄抽選の結果を示すための識別情報(主図柄)以外の識別情報(副図柄)を配置することで、変動表示のバリエーションを増加させるものも提案されているが、このような構成を用いたとしても、主図柄と副図柄とで形成される図柄列の変動表示速度を可変させるだけでは変動演出の演出効果を高めることができないという問題があった。
さらに、主図柄や副図柄の配置や種別を異ならせた複数の図柄列を予め容易しておき、特定の変動演出を実行する場合に、図柄列そのものを可変させることにより変動演出の演出効果を高めるものもあるが、実行される変動演出に応じて異なる図柄列を変動表示させる制御を実行する必要があるため、表示制御が煩雑になるという問題があった。
これに対して、本制御例では、図柄列表示を複数の画層(レイヤ)を用いて実行するように構成している。具体的には、図柄列を構成する主図柄と、副図柄と、を別の画層(レイヤ)に表示するように構成している。そして、通常時は、主図柄と副図柄とを同期させて変動表示させることにより、図柄列を形成する各種図柄を特定の配列(図122(b)参照)で変動表示させながら、主図柄の変動表示内容と、副図柄の変動表示内容と、を異ならせることにより、特定の図柄配列以外の態様で図柄列を変動表示可能に構成している。
このように構成することで、特定の図柄列を形成する第3図柄(主図柄、副図柄)の画像データを用いながら、特定の図配列以外の態様で第3図柄の変動表示を容易に行うことができ、演出効果を高めることができるという効果がある。
ここで、図202を参照して、本第2制御例にて第3図柄表示装置81の表示面にて表示される表示内容について説明をする。図202(a)は、本第2制御例のパチンコ機10に形成される表示画層と、表示画面との関係を示した模式図であり、図202(b)は、主図柄画層srの表示がオフ、副図柄画層frの表示がオンに設定されている場合に実行される表示演出の一例を示した図であり、図202(c)は、図202(b)の表示演出の演出結果の一例を示した図である。
図202(a)に示した通り、本第2制御例では、主図柄szが表示される主図柄画層srと、副図柄fzが表示される副図柄画層frと、が重複形成されており、主図柄画層srが副図柄画層frよりも前面(遊技者目線で手前側)に配置されるように構成している。なお、図202(a)では、主図柄画層srと、副図柄fzのみを標記しているが、実際には、第3図柄表示装置81の表示面に表示される各種画像を表示する各画層(レイヤ)が重畳されている。
具体的には、図155を参照して上述した描画リストに記載されているように、1フレームの画像で使用する背面画像、第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)、エフェクト(エフェクト1,エフェクト2,・・・)、キャラクタ(キャラクタ1,キャラクタ2,・・・,保留球数図柄1,保留球数図柄2,・・・,エラー図柄)といった各スプライトに対応させて各画層(レイヤ)が形成されている。そして、表示画像が重複している箇所については、手前側の画層(レイヤ)に表示される表示画像が優先して視認可能となる。
このように構成された本第2制御例では、主図柄画層srに表示される主図柄szと、副図柄画層frに表示される副図柄fzと、がともに変動表示された場合には、主図柄szが副図柄fzよりも優先して表示されるため、特別図柄抽選の結果を示すための識別情報(主図柄sz)が、特別図柄抽選の結果を示さない識別情報(副図柄fz)に隠れてしまい、遊技者が特別図柄抽選の結果を視認し難くなる事態が発生することを抑制することができる。また、特別図柄抽選の結果を遊技者に視認し易くするために主図柄szと副図柄fzとが重複しないように変動表示制御する必要が無いため、変動表示制御を簡素化することができると共に、第3図柄表示装置81の表示面という限られた表示領域を最大限に利用して主図柄szの変動表示を実行することができる。
なお、本制御例では、図202(a)に示した通り、主図柄画層srを副図柄画層frよりも手前側(優先的)に配置し、主図柄szが副図柄fzよりも優先して表示されるように構成しているが、これに限ること無く、例えば、副図柄fzが主図柄szよりも優先して表示されるように、副図柄画層frを主図柄画層srよりも手前側(優先的)に配置するように構成しても良い。このように構成することで、各図柄(主図柄sz、副図柄fz)を変動表示させている際中において、主図柄szの表示態様を遊技者に視認させ難くすることができる。よって、第3図柄(主図柄sz、副図柄fz)変動が停止表示されるまで特別図柄抽選の結果を遊技者が把握し難くなるため、最後まで期待感を持たせた第3図柄の変動演出を実行することができる。
次に、図202(b)及び図202(c)を参照して、各図柄画層に対する表示制御により実行される変動演出について説明をする。上述した通り、本制御例では、図柄列を構成する主図柄szと、副図柄fzとを独立して表示させることが可能に構成している。さらに、各画層に対して表示設定される表示画像を、表示するか否かを設定可能に構成している。つまり、内部的には各画層に対する表示制御を実行しながら、その画層そのものを対象に表示の有無(オン、オフ)を設定可能に構成している。
図202(b)では、主図柄画層srの表示がオフに設定され、副図柄画層frの表示がオンに設定されている場合の表示画面の一例を示したものであって、第3図柄表示装置81の表示面には、各図柄列Z1〜Z3のうち、副図柄fzのみが変動表示されている。そして、副表示領域Dsには、主図柄szが表示されるまでに副図柄fzが停止表示することで、今回の第3図柄変動において有効となるリーチラインを遊技者に予告するためのリーチライン予告演出が実行されたことを示す「リーチライン予告スタート」の文字が表示される。その後、副図柄fzが停止位置に応じた演出結果が表示される。
図202(c)に示した例では、副図柄fzが「ひし形状」に停止表示され、有効ラインL4、及び有効ラインL5(図122参照)においてリーチ状態となることを示す演出結果として、副表示領域Dsに「ダブルリーチ確定」の文字が表示される。そして、このリーチライン予告演出が終了すると、主図柄画層srの表示がオンに設定され、有効ラインL4、及び有効ラインL5(図122参照)においてリーチ状態となる主図柄szの種別が何になるのかを遊技者に示唆するための変動演出が実行され、その後、ダブルリーチ演出(図131参照)が実行される。
このように、本第2制御例では、主図柄szの変動表示と、副図柄fzの変動表示と、を異ならせて実行することが可能であるため、先に副図柄fzを変動表示させることにより、主図柄szが停止表示される箇所を遊技者に報知し、その後、主図柄szを変動表示させることにより、リーチ状態となる主図柄szの種別を報知することができる。よって、遊技者に対して、特別図柄抽選の結果を示すための第3図柄変動演出の演出結果を段階的に示すことができ、分かり易い演出を提供することができる。
なお、図202(b),(c)を参照して説明をしたリーチライン予告演出では、副図柄fzの停止表示位置によって、主図柄szの停止表示位置のみを遊技者に事前に報知しているが、これに加え、例えば、停止表示された副図柄fzの配置によって、停止表示される主図柄szの種別、即ち、特別図柄抽選の結果を示すように構成しても良い。具体的には、例えば、リーチライン予告演出の演出結果として、有効ラインL2(図122(a)参照)を形成する領域以外の全ての領域に副図柄fzが停止表示された場合には、有効ラインL2(図122(a)参照)に、特定の主図柄szの組合せ(例えば、上から「3.4.1」の組合せ)が停止表示されるように構成すると良い。
ここで、特定の主図柄szの組合せが停止表示された場合には、第3図柄の変動表示が再始動し大当たり当選の期待度が高まる変動演出(所謂、擬似連変動演出)が実行されたり、そのまま、当たり遊技(大当たり遊技や、小当たり遊技)が実行されたりするように構成すると良い。このように構成することで、リーチライン予告演出が実行された場合に、その演出結果に対して遊技者により興味を持たせることができる。
さらに、副図柄fzのみを先に変動表示させるリーチライン予告演出が実行される場合において、今回のリーチライン予告演出が主図柄szの停止表示位置のみを事前報知するものであるか、停止表示される主図柄szの種別も事前報知するものであるかを遊技者に分かり易くするために、例えば、副図柄fzが停止表示された後に(図202(c)参照)、停止表示された各副図柄fzを用いて形成される表示態様(例えば、各副図柄fzを線で繋いで表示される図形表示)の種別によって、今回のリーチライン予告演出の演出結果を報知するように構成すると良く、例えば、図202(c)に示した状態(副図柄fzがひし形に停止表示した状態)において、ひし形の図形が表示された場合は、今回のリーチライン予告演出の演出結果が主図柄szの停止位置を事前に示すものとなり、4つの副図柄fzを繋いだハート形の図形が表示された場合は、特定の主図柄szが停止表示されることを事前に示すものであることを遊技者に報知するように構成すると良い。
このように、副図柄fzが停止表示されてから、主図柄szが停止表示されるまでの間に、停止表示されている副図柄fzを用いた演出(演出結果事前報知)を実行することにより、特別図柄抽選の結果を示すための変動演出(第3図柄を用いた変動演出)の結果をより段階的に遊技者に示すことができるため、実行される変動演出に対して継続して興味を持たせることができる。
次に、図203を参照して、表示制御装置114のキャラクタROM234が有するキャラクタ記憶エリア234a2に予め記憶されている各種図柄の内容について説明をする。本制御例では、上述した第1制御例と同様に、背面画像として海背景用の背面画像と、山背景用の背面画像と、を設定可能に構成している。具体的には、遊技者が枠ボタン22を操作したことに基づいて背景モード移行が実行された場合に、現在設定されている背面画像(例えば、海背景)を、現在設定されていない背面画像(例えば、山背景)へと切り替えるように構成している。
さらに、本第2制御例は、設定されている(表示されている)背面画像の種別に応じて、第3図柄(主図柄sz)の表示態様を異ならせるように構成している。このように構成することで、背面画像の種別に応じた表示態様の主図柄szを変動表示させることが可能となるため、背面画像を切り替えた場合の演出効果を高めることができる。
ここで、背面画像に対応して表示される主図柄szの画像データの内容について、図203(a)、及び、図203(b)を参照して説明をする。図203(a)は、海画像(海背景)が設定されている場合に用いられる海用主図柄の画像データを示す模式図であって、図203(b)は、山画像(山背景)が設定されている場合に用いられる山用主画像の画像データを示す模式図である。これら各画像データは、表示制御装置114のキャラクタROM234が有するキャラクタ記憶エリア234a2に予め記憶されおり、パチンコ機10に電源が投入された場合、或いは、背景モード移行が実行された場合に、キャラクタ記憶エリア234a2から対応する画像データが読み出され、常駐用ビデオRAM235の第3図柄エリア235d、或いは、第3図柄列エリア235gに格納される。なお、各図柄に対応する画像データを読み出す処理や常駐用ビデオRAM235の第3図柄エリア235dに格納する処理の内容については、上述した第1制御例と同一であるため、その詳細な説明を省略する。
図203(a)に示した通り、海用主図柄szに対応する画像データには、9種類(タコ、ハリセンボン、カメ、サメ、エビ、アンコウ、ジュゴン、エンゼルフィッシュ、カニ)の態様図柄に、それぞれ数字「1〜9」が付された主図柄を示す画像データ(D1〜D9)が記憶されている。この主図柄画像データD1〜D9は、実際に変動表示される順序に対応させてキャラクタ記憶エリア234a2に予め格納されている。よって、主図柄に対応する画像データを読み出す際には、画像データD1から順番に読み出しで第3図柄エリア235dへと格納するだけで良い。
また、本第2制御例では、図柄列Z1と図柄列Z3(図122(a)参照)、即ち、リーチ状態となった場合に停止表示されている図柄列を、9個の主図柄(画像データD1〜D9に対応する主図柄)で形成しているのに対して、図柄列Z2(図122(a)参照)、即ち、リーチ状態中に変動表示される図柄列を、10個の主図柄で形成するように構成している。具体的には、上述した図柄列Z1を形成する9個の主図柄(画像データD1〜D9に対応する主図柄)に、サメの態様図柄に数字の4を付した変更用主図柄(画像データDAに対応する主図柄)を加えた10個の主図柄で、図柄列Z2を形成するように構成している。そして、図柄列Z2は、数字の9を付した主図柄szが通過した後に、数字の4を付した主図柄szが通過し、その後、数字の1を付した主図柄szが通過するように変動表示されるように構成している。これにより、図柄列の変動表示が1周するまでの間に、特定種別の主図柄sz(本制御例では数字の4を付した主図柄)を複数回通過させることができるため、その特定種別の主図柄szを対象にリーチ状態が成立した場合に、大当たり当選する可能性(リーチ状態の有効ライン上に、大当たりの組合せとなる主図柄szが停止表示される可能性)が高いことを遊技者に視覚的に示唆することができる。よって、遊技者に対して、どの種別の主図柄szでリーチ状態が成立するのかに対しても注目させることができ、演出効果を高めることができる。
同様に、図203(b)に示した通り、山用主図柄szに対応する画像データには、9種類(ゾウ、ライオン、ジュゴン、サイ、クジャク、クマ、イノシシ、ネズミ、ヘビ)の態様図柄に、それぞれ数字「1〜9」が付された主図柄を示す画像データ(D1〜D9)が記憶されている。この主図柄画像データD1〜D9は、実際に変動表示される順序に対応させてキャラクタ記憶エリア234a2に予め格納されている。よって、主図柄に対応する画像データを読み出す際には、画像データD1から順番に読み出しで第3図柄エリア235dへと格納するだけで良い。
そして、海背景が表示されている場合と同様に、図柄列Z1と図柄列Z3(図122(a)参照)、即ち、リーチ状態となった場合に停止表示されている図柄列を、9個の主図柄(画像データD1〜D9に対応する主図柄)で形成しているのに対して、図柄列Z2(図122(a)参照)、即ち、リーチ状態中に変動表示される図柄列を、10個の主図柄で形成するように構成している。具体的には、上述した図柄列Z1を形成する9個の主図柄(画像データD1〜D9に対応する主図柄)に、サイの態様図柄に数字の4を付した変更用主図柄(画像データDAに対応する主図柄)を加えた10個の主図柄で、図柄列Z2を形成するように構成している。そして、図柄列Z2は、数字の9を付した主図柄szが通過した後に、数字の4を付した主図柄szが通過し、その後、数字の1を付した主図柄szが通過するように変動表示されるように構成している。これにより、図柄列の変動表示が1周するまでの間に、特定種別の主図柄sz(本制御例では数字の4を付した主図柄)を複数回通過させることができるため、その特定種別の主図柄szを対象にリーチ状態が成立した場合に、大当たり当選する可能性(リーチ状態の有効ライン上に、大当たりの組合せとなる主図柄szが停止表示される可能性)が高いことを遊技者に視覚的に示唆することができる。よって、遊技者に対して、どの種別の主図柄szでリーチ状態が成立するのかに対しても注目させることができ、演出効果を高めることができる。
さらに、本第2制御例では、上述した主図柄szに対応する画像データを、キャラクタ記憶エリア234a2から読み出し、図柄列を表示させるための図柄列データとして第3図柄列エリア235gに格納するように構成している。つまり、図柄列Z1〜Z3のうち、主図柄に対応する主図柄列画像データ(副図柄fzの表示位置を飛ばした間隔で各主図柄szが表示される画像データ)を、図柄列単位で生成し、第3図柄列エリア235gに格納するように構成している。そして、この主図柄列画像データを用いて、主図柄画層srに主図柄szを変動表示させるように構成している。このように構成することで、各図柄単位の画像データを変動表示させるよりも、表示制御に用いる画像データの数を削減することができるため、表示制御の処理負荷を軽減させることができる。
また、上述した通り、本第2制御例では、図柄列Z1〜Z3を形成する各図柄のうち、主図柄szと、副図柄fzとを、独立させて変動表示させることが可能に構成しているため、各図柄列が有する複数の主図柄szを1つの画像データ(主図柄列画像データ)で形成し、変動表示させたとしても、副図柄fzの変動表示態様を可変させることにより様々な変動表示を実行することができる。よって、表示制御に用いる画像データの数を削減したとしても演出効果が低下してしまうことを抑制することができる。
さらに、各図柄列を形成する第3図柄のうち、特別図柄の抽選結果を示すための識別情報である主図柄szに対しては、主図柄列画像データを用いて図柄列単位で変動表示を実行し、特別図柄の抽選結果を示さない識別情報である副図柄fzに対しては、図柄単位で変動表示を実行するように構成しているため、特別図柄の抽選結果を示す主図柄szの変動表示の内容を変えること無く、副図柄fzの変動表示の内容を可変させることで様々な変動演出を実行することができる。つまり、第3図柄の変動表示演出を多様化するにあたり、停止表示の表示態様が予め決定されている主図柄szは、予め定められた変動表示を実行したまま副図柄fzの変動表示の内容を可変させることで様々な変動演出を実行することができる。よって、特別図柄の抽選結果を示すための第3図柄の変動表示演出を、確実に且つバリエーションの富んだ内容に容易にすることができる。
なお、本第2制御例では、図柄列を形成する全ての主図柄szを1の画像データ(主図柄列画像データ)が有するように構成しているが、これに限ること無く、全ての主図柄sz(1〜9の数字が付された各主図柄sz)のうち、一部の主図柄sz(例えば、偶数の数字が付された通常主図柄sz)の図柄列のみを生成する通常主図柄列画像データと、残りの主図柄sz(例えば、奇数の数字が付された確変主図柄sz)の図柄列のみを生成する確変主図柄列画像データと、を第3図柄列エリア235gに格納し、格納された画像データを用いて主図柄szを主図柄画層srに変動表示させるように構成しても良い。
この場合、例えば、対象となる特別図柄抽選の抽選結果が確変大当たりである場合、即ち、奇数の数字が付された主図柄szを用いて大当たりとなることを示す組合せを停止表示させる場合において、確変主図柄列画像データを用いた変動表示のみ予め定められた変動表示を実行したまま、通常主図柄列画像データを用いる変動表示の内容を可変させることが可能となる。具体的には、通常主図柄列画像データを用いた変動表示を、確変主図柄列画像データを用いた変動表示よりも高速で実行し、遊技者が奇数の数字が付された確変主図柄szのみ視認可能となるように構成しても良い。これにより、今回の第3図柄変動が、確変主図柄szのみ変動表示されており、確変主図柄szしか停止表示されない状態、即ち、通常図柄(偶数の数字が付された主図柄)が停止表示されること無く、通常大当たり当選し得ない状態であることを遊技者に報知することができる。
また、主図柄szを形成する画像データを、通常主図柄列画像データと、確変主図柄列画像データとに分けて生成する構成を用いる場合には、通常主図柄列画像データを用いて通常主図柄を表示する通常主図柄画層(レイヤ)と、確変主図柄列画像データを用いて確変主図柄を表示する確変主図柄画層(レイヤ)と、異ならせるように構成し、特別図柄抽選の結果に応じて、通常主図柄画層、或いは、確変主図柄画層に表示される主図柄szを表示するか否か(各画層の表示を有効(オン)にするか否か)を決定するように構成しても良い。さらに、上述した第1制御例のように、図柄列を形成する図柄列画像データを生成すること無く、各図柄単位の画像データを用いた変動表示制御を実行するように構成しても良い。
次に、図203(c)を参照して、副図柄fzの画像データの内容について説明をする。図203(c)は、キャラクタ記憶エリア234a2に予め記憶されている副図柄fzの画像データを模式的に示した図である。この画像データは、表示制御装置114のキャラクタROM234が有するキャラクタ記憶エリア234a2に予め記憶されおり、パチンコ機10に電源が投入された場合、或いは、背景モード移行が実行された場合に、キャラクタ記憶エリア234a2から対応する画像データが読み出され、常駐用ビデオRAM235の第3図柄エリア235dに格納される。なお、各図柄に対応する画像データを読み出す処理や常駐用ビデオRAM235の第3図柄エリア235dに格納する処理の内容については、上述した第1制御例と同一であるため、その詳細な説明を省略する。
図203(c)に示した通り、本第2制御例のるキャラクタ記憶エリア234a2には、副図柄fzの画像データとして、三角印を模した通常の副図柄fz(図122(b)参照)の画像データSD1、泡を模した予告演出用の副図柄fzの画像データSD2、数字の16を模した特殊副図柄fzの画像データSD3が少なくとも格納されている。なお、図202(c)では省略しているが、予告演出用の副図柄fzは、設定されている背景モードに対応させた表示態様で表示されるものであり、図202(c)にて示した泡を模した予告演出用の副図柄fzは、海背景が設定されている場合に用いられる副図柄fzである。よって、キャラクタ記憶エリア234a2には、山背景が設定されている場合に用いられる副図柄fzとして木の葉を模した予告演出用の副図柄fz(図示せず)の画像データ(図示せず)も予め格納されている。
ここで、本第2制御例では、第3図柄表示装置81の表示面に変動表示される第3図柄のうち、特別図柄抽選の結果を示さない副図柄fzのみを副図柄画層frに表示可能に構成しており、主図柄画層srにて予め定められた変動パターン(変動時間、停止表示位置)で変動表示される主図柄szとは独立させて副図柄fzを第3図柄表示装置81の表示面に変動表示させることができるように構成している。よって、副図柄fzを用いた様々な変動演出を主図柄szの変動表示内容を可変させること無く容易に実行することができる。また、副図柄fzを用いた様々な変動演出を実行した場合に、その一部が主図柄szと重複表示されたとしても、主図柄画層srのほうが副図柄画層frよりも優先表示されるように配置しているため、遊技者が主図柄szを視認し難くなる事態が発生することを抑制することができる。
本第2制御例では、副図柄fzを用いた変動演出として、図202(b)、及び図202(c)を参照して説明をしたリーチライン予告演出以外にも、様々な変動演出を実行可能に構成しており、例えば、副図柄fzを、画像データSD2を用いた予告演出用の表示態様に切り替え、第3図柄の変動表示開始時に、主図柄szの変動方向(例えば、左方向)に対して逆方向(右方向)へと変動表示させる変動開始時予告演出や、副図柄fzの一部を、画像データSD3を用いた特殊表示態様に切り替え、第3図柄(主図柄sz、副図柄fz)の変動停止時に停止表示される特殊表示態様の副図柄fz(数字の16を模した副図柄fz)の個数や配列に応じて、大当たり種別を示唆する大当たり種別示唆演出を実行可能に構成している。
このように、特別図柄抽選の結果を示す識別情報(主図柄sz)とは異なる識別情報(副図柄fz)であって、且つ、特別図柄抽選の結果を示す識別情報(主図柄sz)が変動表示されている期間中に変動表示可能な識別情報(副図柄fz)を用いて様々な変動演出を実行可能にすることで、変動表示される副図柄fzに対しても遊技者を注視させることができる。
また、本第2制御例では、主図柄szの変動表示制御とは異なり、副図柄fzの変動表示制御を各図柄単位で実行するように構成しているため、各図柄列Z1〜Z3に形成される複数の副図柄fzのうち、一部のみ(例えば、最終的に停止表示される主図柄szの近傍のみ)の表示態様を変動演出用の表示態様へと切り替える制御を容易に実行することができる。また、通常であれば、主図柄sz間に1つ表示される副図柄fzの個数が2個以上となるように表示することもできるし、一部の副図柄fzのみ表示させないようにすることができる。
また、副図柄fzの表示態様を可変させるタイミングは、特別図柄変動の開始タイミングでも良いし、大当たり当選したことを示す特別図柄が停止表示されるタイミングでも良い。
最後に図203(d)を参照して、本第2制御例における変動用主図柄に用いられる各画像データの内容について説明をする。図203(d)は、変動用主図柄に用いられる各種画像に対応する画像データの内容を模式的に示した模式図である。この変動用主図柄とは、図柄列Z2、即ち、リーチ状態中に変動表示される図柄列に設けられた10個目の主図柄のことであって、キャラクタ記憶エリア234a2に記憶される主図柄表示データのうち、画像データDAが用いられる主図柄のことである。
従来より、特別図柄抽選の結果を示すための識別情報(第3図柄)を変動表示させ、特定の識別情報が停止表示した場合に、特別図柄抽選の結果が大当たりであることを示すものがある。この場合、遊技者に対して停止表示される識別情報が特定の識別情報となるか否かを煽るための変動演出が実行される。ここで、一般的には、複数種類の識別情報が特定の順序で形成される図柄列を複数用いた変動演出が実行される。具体的には、特定の順序で、1〜9の各数字が付された複数の識別情報(例えば、主図柄sz)が形成される図柄列を複数用いた変動演出が実行される。
このように構成された遊技機では、第3図柄変動の演出効果を高めるために、変動表示中の第3図柄の表示態様を可変させる変動演出が実行されるが、変動表示中の識別情報(第3図柄)を可変させる場合において、識別情報に付されている1〜9の数字、即ち、特別図柄抽選の結果を示すための具体的な情報を変更してしまうと、例えば、1〜9の各数字が付された9個の第3図柄を用いて変動表示が実行されたにも関わらず、変動途中で5の数字が付された第3図柄を、6の数字が付された第3図柄へと切り替えた場合には、6の数字が付された第3図柄が消滅してしまうため、第3図柄の変動表示中に特別図柄抽選の結果を変更したのではと遊技者に不信感を与えてしまう虞があった。
また、例えば、1〜9の各数字が付された9個の第3図柄を用いて変動表示を実行し、途中で新たに6の数字が付された第3図柄を追加し、計10個の第3図柄を用いた変動表示へと切り替えた場合には、変動表示される第3図柄の個数が途中で増加したことに対応するための表示制御を実行する必要があり、制御内容が難化してしまう虞があった。
これに対して、本制御例では、1〜9の数字が付された各主図柄と、変更用主図柄と、により10個の主図柄によって図柄列Z2を形成するように構成している。よって、1〜9の数字が付された各種図柄を残したまま、図柄列を形成する主図柄の数を可変させること無く、主図柄の表示態様を可変させることが可能となる。また、変更用主図柄の表示態様を様々な表示態様へと可変させたとしても、図柄列Z2を形成する主図柄の個数が変わることが無いため、図柄列Z2に対する表示制御を容易に実行することができる。
図203(d)に示した通り、本第2制御例のるキャラクタ記憶エリア234a2には、変更用主図柄の画像データとして、数字の4を付した通常主図柄szの画像データDA1、数字の7を付した通常主図柄szの画像データDA2、Vの文字を模したV主図柄szの画像データDA3、数字の16を模した特殊主図柄szの画像データDA4、バツ印を模した残念主図柄szの画像データDA4が少なくとも格納されている。なお、図202(d)では省略しているが、通常主図柄szは、設定されている背景モードに対応させた表示態様で表示されるものであり、図202(d)にて示した「サメ」を模した通常主図柄sz、及び、「ジュゴン」を模した通常主図柄szは、海背景が設定されている場合に用いられる主図柄szである。よって、キャラクタ記憶エリア234a2には、山背景が設定されている場合に用いられる通常主図柄szとして「サイ」、或いは「イノシシ」を模した通常主図柄sz(図示せず)の画像データ(図示せず)も予め格納されている。
ここで、通常時における第3図柄の変動表示演出においては、画像データDA1を用いた変更用主図柄が図柄列Z2に表示されるように構成されており、特別図柄抽選で大当たり当選した場合の一部、或いは、特別図柄抽選で外れ当選した場合のごく一部において、画像データDA2を用いた変更用主図柄が図柄列Z2に表示されるように構成されている。即ち、通常時は数字の4を付した「サメ」を模した変更用主図柄szが変動表示されることで、通常大当たり当選を示唆する主図柄(偶数の数字を付した主図柄)が5個、確変大当たり当選を示す主図柄(奇数の数字を付した主図柄)が5個、計10個の主図柄によって図柄列Z2が形成されるのに対して、特別図柄抽選で大当たり当選した場合の一部、或いは、特別図柄抽選で外れ当選いた場合のごく一部においては、数字の7を付した「ジュゴン」を模した変更用主図柄szが変動表示されることで、通常大当たり当選を示唆する主図柄(偶数の数字を付した主図柄)が4個、確変大当たり当選を示す主図柄(奇数の数字を付した主図柄)が6個、計10個の主図柄によって図柄列Z2が形成されることになる。
これにより、現在実行されている特別図柄抽選にて遊技者に有利な大当たり(確変大当たり)に当選したのでは?と遊技者に期待感を持たせることができる。なお、数字の7を付した「ジュゴン」を模した変更用主図柄szを用いる条件としては、特別図柄抽選の結果が大当たりである場合のほうが、それ以外(外れ)である場合よりも成立し易くなれば良く、特別図柄抽選の結果が外れである場合には用いられないように構成しても良い。また、特別図柄抽選で大当たり当選した場合のうち、通常大当たりに当選した場合よりも、確変大当たりに当選した場合のほうが用いられ易くなるように構成すると良い。これにより、見た目上の主図柄の各種別数(偶数、奇数の数)と、確変大当たり当選の割合とを対応付けることができ、分かり易い遊技を提供することができる。
また、画像データDA3に示したV主図柄szは、通常時は表示されていない表示態様であり、第3図柄(主図柄)の変動表示中に特殊条件が成立した場合に変更用主図柄として表示されるものである。このV主図柄szは、リーチ状態となる主図柄szの種別に関わらず、そのリーチ状態の有効ライン上に停止表示された場合に、大当たり当選を示す組合せとなる汎用主図柄として用いられる。このように汎用主図柄を用いることにより、例えば、大当たり当選する組合せとなる主図柄がリーチ状態の有効ライン上を通過した場合であっても、図柄列Z2がもう1周するのを待たずに、大当たり当選を示す組合せで第3図柄(主図柄)が停止表示することを期待させることができる。
なお、詳細な説明は省略するが、第3図柄の変動表示演出において、通常主図柄(偶数の数字を付した主図柄sz)と確変主図柄(奇数の数字を付した主図柄sz)とでダブルリーチ状態となった場合に、重複する各リーチ状態の有効ライン上にV主図柄が停止表示した場合には、遊技者に有利となる側の主図柄にて大当たり当選したことを示すように構成すると良い。これにより、ダブルリーチ状態となった場合にV主図柄を変動表示させても遊技者に不信感を抱かせることを抑制することができる。さらに、本制御例では、V主図柄を汎用主図柄として用いているが、これに限ること無く、V主図柄を用いて大当たり当選を示す組合せが停止表示された場合には、今回実行される大当たり遊技に加え、少なくとも、後1回の大当たり遊技が実行される権利を既に獲得済みである(保留記憶されている特図保留内に大当たり当選を示す入賞情報がある)ことを示す重複大当たり示唆図柄として用いても良いし、V主図柄が変動表示されるだけで大当たり遊技の実行権利を複数獲得済みであることを示唆するように構成しても良い。このように構成することで、V主図柄が変動表示された場合に、遊技者に対してより期待感を持たせながら遊技を行わせることができる。
次いで、画像データDA4に示した特殊主図柄sz、及び画像データDA5に示した残念主図柄szは、第3図柄の変動表示中に用いられるものでは無く、大当たり当選を示す組合せで主図柄szが停止表示された後に実行され得る昇格演出にて用いられる変更用主図柄である。ここで、本制御例では、特別図柄抽選で大当たり当選した場合に、遊技者に有利となる有利大当たり遊技(確変大当たり遊技)と、その有利大当たり遊技よりも遊技者に不利となる不利大当たり遊技(通常大当たり遊技)と、を実行可能に構成しており、例えば、確変大当たりに当選した場合において、通常大当たり遊技が実行されることを示唆する通常主図柄sz(偶数の数字を付した主図柄sz)を用いた組合せで大当たり当選したことを停止表示した場合の一部(又は、全部)において、停止表示された主図柄szの種別を確変主図柄sz(奇数の数字を付した主図柄sz)へと可変させるための昇格演出を実行可能に構成している。
この昇格演出中は、主図柄szを用いて特別図柄抽選の結果(大当たり、外れ)を示唆する期間では無く、今回当選した大当たりが確変大当たりであるか通常大当たりであるかを示唆するための期間となるため、変更用主図柄として、確変大当たりであることを示す画像データDA4に示した特殊主図柄sz、或いは、通常大当たりであることを示す画像データDA5に示した残念主図柄szが設定される。このように、主図柄szを用いて遊技者に報知すべき内容が可変するタイミングに合わせて、変更用主図柄の表示態様を可変させることにより、遊技者に分かり易い演出を提供することができる。
なお、本第2制御例では、昇格演出によって大当たり当選を示す組合せで停止表示された主図柄szの種別を、通常主図柄szから確変主図柄szへと昇格させる演出を実行するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、大当たり遊技中に実行されるラウンド遊技の数(ラウンド数)を、少ないラウンド数を示す主図柄から、そのラウンド数よりも多いラウンド数を示す主図柄へと昇格させる演出を実行するように構成しても良い。この場合、変更用主図柄として、実行され得るラウンド数を示唆する表示態様で複数の画像データを用意しておき、実際に当選した大当たり種別に応じて対応する画像データを用いて変更用主図柄の表示態様を決定するように構成しても良い。
また、本制御例では、数字の1〜9を付した9個の主図柄szと、上述した変更用主図柄szとを用いて図柄列Z2の主図柄列画像データを生成し第3図柄列エリア235gに格納するように構成しているが、これに限ること無く、変更用主図柄szを主図柄列画像データに含めずに、第3図柄エリア235dに格納しておき、副図柄fzと同様に図柄単位で変動表示制御を実行するように構成しても良い。このように構成することで、一度設定された図柄列Z2のうち、変更用主図柄szの表示態様を容易に可変させることができる。
また、主図柄szが表示される主図柄画層srとは別に、変更用主図柄szが表示される変更用主図柄画層sr1を配置し、この変更用主図柄画層sr1を用いて変更用主図柄szを表示するように構成しても良い。この場合、変更用主図柄szが表示されるのは、図柄列Z2のみであるため、変更用主図柄画層sr1の表示領域を図柄列Z2の表示領域のみとし、変更用主図柄画層sr1を主図柄画層srよりも非優先で且つ、副図柄画層frよりも優先して表示される位置に配置するように構成すると良い。これにより、副図柄fzにより変更用主図柄szが隠れてしまうことを抑制し、且つ、主図柄szの表示を邪魔すること無く変更用主図柄szを表示することができる。
図203(a)〜(d)を参照して上述した各画像データは、キャラクタ記憶エリア234a2に格納されている第3図柄(主図柄sz、副図柄fz)を示す画像データのうちの一部であって、実際には他の画像データも格納されている。例えば、主図柄表示データとして格納されている各画像データのそれぞれには、異なるアクションを示す表示態様(例えば、対象となる生き物が驚いている表示態様や、喜んでいる表示態様)に対応する画像データが格納されており、特別図柄抽選の結果が特定の抽選結果(例えば、大当たり)である場合に、画像データを差し替えることで、停止表示された第3図柄(主図柄sz)の表示態様を可変させることができる。
具体的には、大当たり当選したことを示す第3図柄が停止表示された場合(7の数字が付された「ジュゴン」が通常表示態様で停止表示された場合)に7の数字が付された「ジュゴン」が驚いた表情となる特殊表示態様へと切替表示されるように構成している。これにより、第3図柄の表示態様によっても遊技者に対して大当たり当選したことを報知することができる。また、この特殊表示態様に対応する画像データを第3図柄変動が開始してからの所定期間(例えば、0.2秒間)に用いるように構成し、第3図柄変動が開始された直後に、遊技者に対して特別図柄抽選で大当たり当選していることを示唆する演出を実行するように構成しても良い。
次に、図204を参照して、本第2制御例における第3図柄(主図柄sz、副図柄fz)の変動表示の流れについて説明をする。図204は、第3図柄の変動表示演出と第3図柄表示装置81の表示面に表示される図柄列の表示内容との関係を模式的に示した図である。図204では、第3図柄変動演出の一例として、大当たり当選を示す変動時間60秒の変動パターンを用いている。
図204に示した通り、特別図柄変動の開始を示す変動パターンコマンドを音声ランプ制御装置113が受信すると、今回受信した変動パターン(コマンド)に基づいて、主図柄szおよび副図柄fzの変動表示態様を決定する。具体的には、音声ランプ制御装置113のメイン処理(図174参照)にて実行される変動表示設定処理(図182のS4113参照)において、予告演出の有無、リーチ演出の有無、停止図柄を決定し、対応する表示用コマンドを設定する。その後、音声ランプ制御装置113のメイン処理(図174参照)にて実行されるコマンド出力処理(図174のS4102参照)にて、設定した表示用コマンドを表示制御装置114へと送信する。
変動表示設定処理(図182のS4113参照)において設定された表示用コマンドを表示制御装置114が受信すると、表示制御装置114のコマンド判定処理(図190のS6302参照)にて実行される変動パターンコマンド処理2(図209のS6455参照)にて、受信した表示用コマンド(変動パターンコマンド)を解析し、解析結果に基づいて変動表示テーブルを決定し、現在設定されている背景モードに対応する主図柄szを用いた主図柄列の画像データ(主図柄列画像データ)を第3図柄列エリア235gから読み出し、現在設定されている背景モードに対応する副図柄fzに対応する画像データを第3図柄列エリア235gから読み出し、表示画像を生成し、第3図柄表示装置81の表示面に表示する。
そして、第3図柄変動演出が実行されてから10秒間は、通常変動期間が設定される。この通常変動期間は、図柄列Z1〜Z3が全て変動表示されている期間であって、遊技者が枠ボタン22を操作することにより、背景モード移行を実行可能な期間として設定される。この通常変動期間中に背景モード移行が実行された場合には、主図柄szと、副図柄fzと、のうち、背景モードに対応した表示態様で表示されている各図柄が、移行後の背景モードに対応した表示態様へと切り替わる制御が実行される。
その後、図柄列Z1、及び図柄列Z3が停止表示されてリーチ状態となると、40秒間のリーチ変動期間が設定され、今回の特別図柄の抽選結果が大当たりであるかを示唆する(煽る)リーチ演出が実行される。このリーチ変動期間中は、背景モード移行が実行されないように構成しており、枠ボタン22を操作した場合には、パチンコ機10に搭載されている装飾用の各種LEDの発光態様が可変する装飾演出が実行される。また、リーチ演出の一部において、枠ボタン22の操作を有効に判別する有効期間(SW有効期間)が設定される操作演出を実行するように構成しており、設定された有効期間内に枠ボタン22が操作されることにより、枠ボタン22が操作されない場合には実行されない演出が実行される。具体的には、枠ボタン22を操作した場合には、今回の特別図柄抽選が大当たり当選していることを報知する確定報知や、大当たり当選している可能性が高いことを示す示唆報知が実行可能に構成している。このように構成することで、特別図柄の抽選結果をいち早く把握しようとする遊技者に対して意欲的に枠ボタン22を操作させることができる。また、操作演出中に枠ボタン22を操作しないと見ることができない演出を設けているため、様々な演出を見たいと思う遊技者に対しても意欲的に枠ボタン22を操作させることができる。
上述した通り、リーチ変動期間中は、背景モード移行が実行されないように構成しているため、今回の特別図柄の抽選結果が大当たりであるかを示唆する(煽る)リーチ演出の実行中に背景モードが切り替わってしまい、それに伴い第3図柄の表示態様も切り替わることにより、遊技者に分かり難いリーチ演出となることを抑制することができる。また、背景モード移行が実行されないリーチ変動期間中に操作演出を実行するように構成しているため、例えば、操作演出にて設定されるSW有効期間を遊技者に報知しない変動演出(所謂、隠れ操作演出)を設定可能に構成したとしても、遊技者に対して積極的に枠ボタン22を操作させることができる。
なお、この場合、第3図柄表示装置81の表示面にて、背景モード移行が実行されない期間であることを遊技者に報知するための報知態様(例えば、「リーチ中は、ボタンを押しても背景モードが変わらないよ」のコメント表示)を設定したり、隠れ操作演出の実行中であることを遊技者に報知するための報知態様(例えば、「リーチ中のどこかのタイミングでボタンを押したら特別な演出が実行されるよ」のコメント表示)を設定したりすると良い。これにより、遊技者に対して安心して操作演出を実行させることができる。
そして、リーチ変動期間が終了するタイミングにて、大当たり当選を示す主図柄szの組合せのうち、通常主図柄sz(偶数の数字が付された主図柄sz)の組合せで第3図柄が停止表示され、その後、大当たり当選した通常主図柄szを、確変主図柄(奇数の数字が付された主図柄sz)へと昇格させるための昇格演出が実行される。この昇格演出が実行される際に、今回の大当たり当選が確変大当たりであるか否かを判別し、その判別結果に基づいて、副図柄fzの表示態様、及び、主図柄szのうち変更用主図柄szの表示態様を決定する。そして、昇格演出用の図柄列を用いた昇格演出を、昇格変動期間(10秒)を用いて実行する。
ここで、昇格演出用の図柄列として、例えば、変更用主図柄szの表示態様が画像データDA4を用いた表示態様(図203(d)参照)となり、副図柄fzの表示態様が画像データSD3を用いた表示態様(図203(c)参照)となっている場合は、通常の確変主図柄sz(奇数の数字が付された主図柄sz)に加えて、遊技者に有利な有利大当たりに当選していることを示す図柄を多く表示することができるため、遊技者に対して今回の昇格演出にて確変大当たりへと昇格する可能性が高いことを視覚的に報知することができる。
次に、図205を参照して、本第2制御例にて実行される変動演出の内容について説明をする。図205は、同一の変動パターンコマンドに対して実行される第3図柄の変動演出の演出例を示したものであって、図202(a)は、演出例に用いられる変動パターンの流れを模式的に示した図であり、図202(b)は、通常演出の流れを模式的に示した図であり、図202(c)は、リーチライン予告演出(図202(b)参照)の流れを模式的に示した図であり、図202(d)は、副図柄fzの変動方向を通常とは異ならせた予告演出の流れを模式的に示した図である。
図205(a)に示した通り、主制御装置110にて、60秒間の変動時間が設定された変動パターンを示す変動パターンコマンドが設定された場合には、音声ランプ制御装置113にてリーチ演出が実行される表示用変動パターンコマンドが設定される。さらに、リーチ演出が実行されるまでの期間を用いて、副図柄fzを用いた様々な予告演出が実行される。本第2制御例では、上述した通り、各図柄列を形成する主図柄szと、副図柄fzと、を独立させて変動表示可能に構成しているため、主制御装置110から受信した変動パターンコマンドに応じて主図柄szを特定の変動パターンで変動表示させながら、副図柄fzの変動パターンのみ可変させることで様々な変動演出(予告演出)を実行することができる。
具体的には、図205(b)に示した演出Aでは、上述した第1制御例のパチンコ機10と同様に、主図柄szと副図柄fzとが同期した第3図柄変動表示(図202(a)参照)が実行され、リーチ状態となる通常パターンを示している。このように、独立して変動表示される主図柄szと、副図柄fzと、を同期させるように表示制御することにより、見た目上は主図柄szと副図柄fzとが一つの図柄列として変動表示されているように思わせることができる。
次に、図205(c)に示した演出Bでは、第3図柄の変動開始から所定期間(15秒間)の間、主図柄画層srの表示がオフに設定され(非表示に設定され)、その間に、副図柄fzの変動表示を停止表示させるリーチライン予告演出が実行される演出パターンを示している。つまり、主図柄szに対しては、上述した205(a)と同一の表示制御が実行されるが、通常変動期間の前半期間(15秒)にて主図柄画層srが非表示に設定されるため、遊技者が主図柄szの変動表示を視認できないように構成している。
そして、その通常変動期間の前半期間(15秒)を用いて、副図柄fzを変動表示させ(図202(b)参照)、通常変動期間の前半期間(15秒)の終了タイミングにて、副図柄fzを停止表示させることにより、今回の第3図柄変動表示にて主図柄szが停止表示される位置が表示される(図202(c)参照)。その後、通常変動期間の後半期間(15秒)になると、主図柄画層srの表示がオンに設定され(表示に設定され)、通常変動期間の後半期間(15秒)を用いて、主図柄szの変動表示が実行され、図205(b)と同様に、変動開始から30秒後にリーチ状態となる。
つまり、図205(c)に示した演出Bが実行された場合、即ち、リーチライン予告演出が実行された場合には、主図柄szが停止表示される前に、主図柄szが停止表示される位置のみを遊技者に報知することができるため、今回の第3図柄変動表示が、ダブルリーチになるのか、シングルリーチになるのか、リーチにならないのかを事前に(第3図柄の変動開始から15秒後に)把握することが可能となる。よって、リーチになるか否かを把握するのに30秒要する通常パターン(図205(b)参照)に対して、主図柄szがリーチ状態となり得ない位置に副図柄fzが停止表示された場合には、遊技者に対して過度な期待感を持たせる期間を短くすることができる。
また、主図柄szがリーチ状態となり得る位置に副図柄fzが停止表示された場合には、遊技者に対して、どの主図柄szによってリーチ状態となるのかを期待させながら残りの変動時間を楽しませることができる。なお、本第2制御例では、主図柄szがリーチ状態となり得る位置に副図柄fzが停止表示された場合には、必ず、リーチ状態となるように構成しているため、副図柄fzの停止表示タイミングにて、今回の第3図柄変動がリーチ状態となるか否かを遊技者に容易に判別させることができる。
最後に、図205(d)に示した演出Cでは、上述した演出Aと同様に主図柄szに対しては通常表示が実行され、副図柄fzに対しては、変動開始から所定期間(3秒)のみ演出Aとは異なる演出が実行される演出パターンを示している。具体的には、変動開始時に表示される副図柄fzの表示態様として画像データSD2(図203(c)参照)を用いた表示態様が設定され、主図柄の変動表示方向(左方向)とは逆方向(右方向)へと副図柄fzを変動表示させる副図柄逆変動表示が実行され、その後、通常の副図柄fzを用いた変動表示が主図柄szの変動表示と同期して実行される演出パターンである。
この演出Cに示した演出パターンのように、第3図柄変動表示が開始されたタイミングにて、主図柄szの変動表示方向と、副図柄fzの変動表示方向とを異ならせることにより、遊技者に対して意外性のある演出、即ち、主図柄szと副図柄fzとが同一の図柄列で形成されており、同一方向にしか変動表示しないと認識していた遊技者に対して、認識していない態様で副図柄fzが変動表示されるため意外性のある演出を提供することができる。
以上、説明をした通り、本第2制御例では、主図柄szと副図柄fzとを独立させて変動表示可能に構成し、特別図柄の抽選結果に基づいて設定される変動パターンコマンドに対応させて主図柄szの変動表示態様を設定し、その主図柄szの変動表示態様を可変させること無く、副図柄fzの変動表示態様のみを可変させることで様々な変動演出を実行可能に構成している。このように構成することで、主図柄szの変動表示結果が、特別図柄の抽選結果とは異なる結果となる事態が発生し難くすることができる。
また、副図柄fzを先に変動表示させる場合において、例えば、副図柄fzを拡大表示し、第3図柄表示装置81の主表示領域Dmを副図柄fzが覆うような変動表示を実行し、その間に、主図柄szの変動表示位置や、図柄種別を可変させるように構成しても良い。
<第2制御例における表示制御装置の電気的構成について>
次に、図206から図208を参照して、本第2制御例における表示制御装置114の電気的構成について説明をする。図206は、表示制御装置114の電気的構成を示すブロック図である。本第2制御例のパチンコ機10では、上述した第1制御例のパチンコ機10に対して、表示制御装置114のキャラクタROM234のキャラクタ記憶エリア234a2に格納されている画像データの内容を変更した点と、常駐用ビデオRAM235に第3図柄列エリア235gを追加した点で相違している。それ以外は、上述した第1制御例と同一である。同一の構成に対しては同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
本第2制御例のキャラクタ記憶エリア234a2には、図203を参照して上述した通り、各背景モードに対応した主図柄表示データの各画像データD1〜D9、副図柄表示データの各画像データSD1〜SD3等、変更用主図柄表示データの各画像データDA1〜DA5等が格納されている点で上述した第1制御例のキャラクタ記憶エリア234a2と相違し、それ以外に格納されている画像データについて同一である。なお、本第2制御例にて新たに格納された各画像データの詳細については、図203を参照して上述したため、その説明を省略する。
第3図柄列エリア235gは、キャラクタ記憶エリア234a2に格納された主図柄szの画像データを複数読み出して予め図柄列として一つの画像データ(主図柄列画像データ)を生成し、その生成した主図柄列画像データを格納するための記憶領域である。主図柄画層srに主図柄szを変動表示させる場合には、この第3図柄列エリア235gに格納された主図柄列画像データを読み出し、表示データテーブルに規定されている描画内容に基づいて表示位置座標を可変設定することにより主図柄szを変動表示させる。このように構成することで、主図柄szを変動表示させる場合に用いる画像データの数を、主図柄sz単位で生成される画像データを用いる場合に比べて減少させることができるため、表示制御の処理負荷を軽減させることができる。
次に、図207を参照して、本第2制御例のパチンコ機10にて用いられる表示データテーブルの内容について説明をする。図207は、表示データテーブルのうち、変動表示データテーブルの一例を模式的に示した模式図である。表示データテーブルは、第3図柄表示装置81において1フレーム分の画像が表示される時間(本制御例では、20ミリ秒)を1単位として表したアドレスに対応させて、その時間に表示すべき1フレーム分の画像の内容(描画内容)を詳細に規定したものである。本第2制御例のパチンコ機10では、上述した第1制御例のパチンコ機10における表示データテーブル(図153参照)に対して、第3図柄(主図柄sz、副図柄fz)に関する描画内容を異ならせている点で相違し、それ以外は同一である。同一の内容についてはその詳細な説明を省略する。
図207に示した通り、表示データテーブルの描画内容には、1フレーム分の画像を構成する表示物であるスプライト毎に、そのスプライトの種別を規定すると共に、そのスプライトの種別に応じて、表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報、フィルタ指定情報といった、スプライトを第3図柄表示装置81に描画させるための描画情報が規定されている。
ここで、背面画像は、表示位置は第3図柄表示装置81の画面全体に固定され、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報およびフィルタ指定情報は、時間経過に対して一定とされるので、変動表示データテーブルでは、背面画像の種別を特定するための情報である背面種別のみが規定されている。この背面種別は、遊技者によって選択されている背景モード(「海モード」、「山モード」のいずれか)に対応する背面A,Bのいずれかを表示させるか、背面A,Bとは異なる背面画像を表示させるかを特定する情報が記載されている。また、背面種別は、背面A,Bとは異なる背面画像を表示させることを特定する場合、どの背面画像を表示させるかを特定する情報も合わせて記載されている。
MPU231は、この背面種別によって、背面A,Bのいずれかを表示させることが特定される場合は、背面A,Bのうち抽選により決定されたステージに対応する背面画像を描画対象として特定し、また、そのフレームに対して表示すべき背面画像の範囲を時間経過に合わせて特定する。一方、背面A,Bとは異なる背面画像を表示させることが特定される場合は、背面種別から表示させるべき背面画像を特定する。
なお、本制御例では、表示データテーブルにおいて、背面画像の描画内容として背面種別のみを規定する場合について説明するが、これに代えて、背面種別と、その背面種別に対応する背面画像のどの範囲を表示すべきかを示す位置情報とを規定するようにしてもよい。この位置情報は、例えば、初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間を示す情報であってもよい。この場合、MPU231は、そのフレームに対して表示すべき背面画像の範囲を、位置情報により示される初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間に基づいて特定する。
また、位置情報は、この表示データテーブルに基づく画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間を示す情報であってもよい。この場合、MPU231は、そのフレームに対して表示すべき背面画像の範囲を、表示用データベースに基づき画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始された段階で表示されていた背面画像の位置と、位置情報により示される該画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間とに基づいて特定する。
更に、位置情報は、背面種別に応じて、初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間を示す情報および表示データテーブルに基づく画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間を示す情報のいずれかを示すものであってもよいし、背面種別および位置情報とともに、その位置情報の種別情報(例えば、初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間を示す情報であるか、表示用データベースに基づく画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間を示す情報であるかを示す情報)を、背面画像の描画内容として規定してもよい。その他、位置情報は、経過時間を示す情報ではなく、表示すべき背面画像の範囲が格納されたアドレスを示す情報であってもよい。
次に、第3図柄(主図柄sz、副図柄fz)を第3図柄表示装置81に表示させるためのスプライトの種別について説明をする。まず、副図柄(副図柄1、副図柄2、・・・)は、1つ前の変動演出において停止表示された各副図柄fzの停止位置を示す表示位置座標が設定される。これにより、1つ前の変動演出における副図柄fzの停止位置から変動演出が開始される。なお、図202(a)に示した通り、主図柄szとは異なり、副図柄fzには固有の数字が付されておらず、全ての副図柄fzが共通の表示態様で表示されている。よって、1つ前の変動演出において停止表示された各副図柄fzの位置を示す表示位置座標を設定するだけで、容易に1つ前の変動演出における副図柄fzの停止位置から変動演出を開始することができる。
なお、詳細な説明は図208を参照して後述するが、本第2制御例では、副図柄fzの表示態様として複数の表示態様を設定可能に構成しており、第3図柄表示装置81に表示させる各副図柄fzの表示態様に応じて、描画リストにて表示に用いる画像データの格納先を指定することにより対応する表示態様で各副図柄fzを表示させるように構成している。ここで、1つ前の変動演出において停止表示されている各副図柄fzの表示態様と、今回の変動演出にて用いられる副図柄fzの表示態様が異なる場合は、変動演出の開始タイミング、即ち、表示データテーブルのアドレス「0001H」に対応する描画情報から副図柄fzの表示態様を異ならせるように構成しても良いし、1つ前の変動演出における副図柄fzの表示態様を用いて変動演出を開始し、副図柄fzの表示態様を遊技者が視認困難となる高速変動中に副図柄fzの表示態様を可変させるように構成しても良い。
前者の場合は、変動演出が開始される前、即ち、副図柄fzが停止しているタイミングで今回の変動演出にて用いられる表示態様で副図柄fzが表示されるため、これから実行される変動演出の演出内容を事前に遊技者に把握させることができ、演出効果を高めることができる。また、後者の場合は、遊技者が気付き難いタイミングで副図柄fzの表示態様を可変させることができるため、遊技者に違和感を与えること無く、スムーズに副図柄fzの表示態様を可変させることができる。
次に、第3図柄(主図柄sz、副図柄fz)を第3図柄表示装置81に表示させるためのスプライトの種別のうち、主図柄szを表示させるためのスプライトについて説明をする。主図柄列(主図柄列1、主図柄列2、・・・)は、表示すべき第3図柄の主図柄szを特定するための図柄列種別情報として、図柄列種別オフセット情報が記憶されている。このオフセット情報は、各主図柄szに付された数字の差分を表す情報である。主図柄szの種別を直接特定するのではなく、オフセット情報を特定するのは、変動演出における主図柄szの表示は、1つ前に行われた変動演出の停止図柄および今回行われる変動演出の停止図柄に応じて変わるためであり、変動が開始されてから所定時間経過するまでの図柄オフセット情報では、1つ前に行われた変動演出の停止図柄からのオフセット情報を記載する。これにより、1つ前の変動演出における停止図柄から変動演出が開始される。
一方、変動が開始されてから所定時間経過後は、音声ランプ制御装置113を介して主制御装置110より受信した停止種別コマンド(表示用停止種別コマンド)に応じて設定される停止図柄からのオフセット情報を記載する。これにより、変動演出を、主制御装置110より指定された停止種別に応じた停止図柄で停止させることができる。
なお、各主図柄szには固有の数字が付されているので、1つ前の変動演出における変動図柄や、主制御装置110より指定された停止種別に応じた停止図柄を、その主図柄szに付された数字で管理し、また、オフセット情報を、各主図柄szに付された数字の差分で表すことにより、そのオフセット情報から容易に表示すべき主図柄szを特定することができる。
また、図柄オフセット情報において、1つ前に行われた変動演出の停止図柄のオフセット情報から今回行われている変動演出の停止図柄のオフセット情報に切り替えられる所定時間は、主図柄szが高速に変動表示されている時間となるように設定されている。主図柄szが高速に変動表示されている間は、その主図柄szが遊技者に視認不能な状態であるので、その間に、図柄オフセット情報を1つ前に行われた変動演出の停止図柄のオフセット情報から今回行われている変動演出の停止図柄のオフセット情報に切り替えることによって、主図柄szの数字の連続性が途切れても、その数字の連続性の途切れを遊技者に認識させないようにすることができる。
さらに、本第2制御例では、第3図柄表示装置81に表示される各主図柄szの画像データが、図柄列単位で1の画像データ(主図柄列画像データ)となるように構成している。例えば、図柄列Z1にて変動表示される数字の1〜9が付された各主図柄szに対して、数字の3が付された主図柄szが画像データの先頭となり、次いで、主図柄szに付された数字が「3→2→1→9→8→7→6→5→4」の順となるように、所定の間隔(副図柄fzが表示される間隔)を開けた主図柄列画像データが生成され、第3図柄列エリア235gに格納されている。そして、主図柄列画像データの表示位置座標を時間経過に基づいて可変させることにより、図柄列Z1を形成する主図柄szのみが変動表示される画像が主図柄画層srに表示されるように構成している。なお、主図柄画層srに形成される表示領域の大きさ(座標範囲)は、主図柄列画像データに含まれる全ての画像を表示不可能な大きさに設定されており、図202(a)に示した通り、最大で3個の主図柄szが表示可能な大きさに設定されている。
よって、図柄列種別オフセット情報に含まれるオフセット情報に基づいて、主図柄画層srに表示すべき主図柄szの種別を特定し、その特定した主図柄szを表示させるべき位置に対応させて主図柄列画像データの表示範囲が決定され、その表示範囲にて各主図柄szの表示が実行される。このように、主図柄szの配置関係を可変させること無く、変動表示を実行する場合には、上述した第1制御例のように、個々の主図柄sz単位で画像データを設け、1つ前の変動演出における主図柄szの停止図柄のオフセット情報に基づいて、今回の変動演出を開始する際に表示される各主図柄szの図柄種別を特定し、その後、実行される変動演出の内容に応じて、各主図柄szの画像データの表示位置(表示位置座標)を同期させながら可変設定するよりも、所定の順序で且つ所定の間隔を設けながら複数の主図柄szが規定される図柄列画像データを生成し、その図柄列画像データを用いて変動演出を実行するように構成した場合のほうが、表示制御処理の負荷を軽減することができる。
なお、本第2制御例の表示制御方法を用いた場合には、主図柄szの配列を可変させたり、主図柄szの配置間隔を可変させたりすることが困難となるため、その場合は、上述した第1制御例のように各主図柄szに対応する画像データを用いて各主図柄szを変動表示させる表示制御を実行した方がよい。また、上述した第1制御例の構成と、本第2制御例の構成と、を融合させ、特定の主図柄szのみ図柄単位の画像データを用い、特定の主図柄以外の複数の主図柄に対しては主図柄列画像データを用いるように構成しても良い。この場合、特定の主図柄に対しては、用いる画像データを可変させたり、表示位置の変更具合(変動表示速度)を可変させたりする制御を容易に実行することができると共に、特殊な表示制御を実行することなく、常に同期した変動表示内容で表示される複数の主図柄szに対しては、その複数の主図柄szを変動表示させる際の表示制御の処理負荷を軽減することができる。
図柄列単位で1の画像データ(主図柄列画像データ)を生成している本第2制御例では、図柄列Z1、図柄列Z2、図柄列Z3のそれぞれに対して(各図柄列に対して)異なる描画内容が設定されるように構成しており、図柄列Z2に対しては、変動表示される数字の1〜9が付された各主図柄szに対して、数字の4が付された主図柄szが画像データの先頭となり、次いで、主図柄szに付された数字が「4→5→6→7→8→9→1→2→3」の順となるように、所定の間隔(副図柄fzが表示される間隔)を開けた主図柄列画像データが生成され、第3図柄列エリア235gに格納されている。また、図柄列Z3に対しては、変動表示される数字の1〜9が付された各主図柄szに対して、数字の1が付された主図柄szが画像データの先頭となり、次いで、主図柄szに付された数字が「1→2→3→4→5→6→7→8→9」の順となるように、所定の間隔(副図柄fzが表示される間隔)を開けた主図柄列画像データが生成され、第3図柄列エリア235gに格納されている。
このように構成された各図柄列Z1〜Z3に対応する主図柄列画像データを用いて全ての図柄列Z1〜Z3が左方向へと変動表示するように表示制御することにより、主図柄画層srには、各図柄列Z1〜Z3にて表示される主図柄szのみが変動表示される。なお、上述した通り、図柄列Z1〜Z3毎に、主図柄列画像データの先頭に位置する主図柄szの種別が異なるように構成している。これにより、パチンコ機10の電源をオンした状態(初期状態)において、第3図柄表示装置81の中央位置、即ち、有効ラインL2(図122(a)参照)上には、上から順に「3.4.1」の数字が付された主図柄szが停止表示される。つまり、各主図柄列画像データの先頭位置となる主図柄szに付された数字を異ならせるように構成することにより、主制御装置110から変動パターンコマンドを受信していない初期状態においては、各図柄列Z1〜Z3を形成する主図柄列画像データの先頭位置が有効ラインL2上となるように初期表示設定をするだけで、大当たりとなる組合せとは異なる主図柄szの組合せを停止表示することができ、初期状態における表示制御を簡素化することができる。
次に、図208を参照して、本第2制御例における描画リストの内容について説明をする。図208は、第2制御例におけるパチンコ機10の描画リストの内容を模式的に示した模式図である。この描画リストは、上述した第1制御例の描画リスト(図155参照)に対して、第3図柄を表示するためのすプライドの種別を変更している点で相違し、それ以外は同一である。同一の内容については、その詳細な説明を省略する。
描画リストは、画像コントローラ237に対して、1フレーム分の画像の描画を指示する指示表であり、図208に示すように、1フレームの画像で使用する背面画像、副図柄(副図柄1,副図柄2,・・・)、主図柄列(主図柄列1,主図柄列2,・・・)エフェクト(エフェクト1,エフェクト2,・・・)、キャラクタ(キャラクタ1,キャラクタ2,・・・,保留球数図柄1,保留球数図柄2,・・・,エラー図柄)といったスプライト毎に、そのスプライトの詳細な描画情報(詳細情報)を記述したものである。また、描画リストには、画像コントローラ237に対して所定の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送させるための転送データ情報もあわせて記述される。
各スプライトの詳細な描画情報(詳細情報)には、対応するスプライト(表示物)の画像データが格納されているRAM種別(常駐用ビデオRAM235か、通常用ビデオRAM236か)を示す情報と、そのアドレスとが記述されており、画像コントローラ237は、そのRAM種別およびアドレスによって指定されるメモリ領域から、当該スプライトの画像データを取得する。
つまり、副図柄fzの画像に対する描画指示内容としては、画像データが格納されているRAM種別として常駐用ビデオRAM235を示す情報と、第3図柄エリア235dに格納されている副図柄fzに対応する複数の画像データSD1〜SD3(図203(c)参照)の中から、今回の描画指示に用いられる画像データを示すアドレスが記載されている。また、主図柄szの画像に対する描画指示内容としては、画像データが格納されているRAM種別として常駐用ビデオRAM235を示す情報と、第3図柄列エリア235gに格納されている主図柄列に対応する複数の画像データ(主図柄列画像データ)の中から、今回の描画指示に用いられる画像データを示すアドレスが記載されている。
<第2制御例における制御処理内容について>
次に、図209、及び図210を参照して、本第2制御例における制御処理内容について説明をする。本第2制御例では、上述した第1制御例に対して、表示制御装置114にて実行される制御処理内容を異ならせている点で少なくとも異ならせている。また、音声ランプ制御装置113にて設定される変動演出の演出態様の種別内容も異ならせている。それ以外の内容については同一であり、同一の内容については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
なお、本第2制御例では、音声ランプ制御装置113にて設定される第3図柄の変動演出態様の内容を異ならせており、具体的には、図205を参照して上述した通り、第3図柄のうち、副図柄fzに対してのみ様々な変動演出を実行させるための表示用コマンドを設定可能に構成している。しかしながら、変動演出に対応する表示用コマンドの設定方法については、上述した第1制御例の変動表示設定処理(図182のS4113参照)と同一であり、具体的な設定内容が異なるだけであるため、その詳細な説明を省略する。また、本第2制御例にて実行される副図柄fzに対して実行される各種変動演出の内容についても、図205を参照して上述したためその詳細な説明を省略する。
まず、本第2制御例における表示制御装置114にて実行される制御処理内容について説明をする。図209は、変動パターンコマンド処理2(S6455)を示すフローチャートである。この変動パターンコマンド処理2(S6455)は、音声ランプ制御装置113より受信した表示用変動パターンコマンドに対応する処理を実行するものであって、上述した第1制御例のパチンコ機10の表示制御装置114にて実行される変動パターンコマンド処理(図191のS6405参照)に対して、今回の変動演出中に用いられる変更用主図柄szおよび、副図柄fzの種別を決定し、常駐用ビデオRAM235の各種記憶エリアに格納するための処理を追加した点で相違している。それ以外の処理内容は同一であるため、同一の処理内容については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
変動パターンコマンド処理2(S6455)では、まず、樹陰した変動パターンコマンド(表示用変動パターンコマンド)を解析し(S6501)、今回の変動パターンコマンドが大当たり当選を示すための変動パターンコマンド(主制御装置110にて実行された特別図柄抽選において大当たり当選した場合に選択される変動パターンコマンド)であるかを判別する(S6551)。そして、大当たり変動であると判別した場合は(S6551:Yes)、次いで、今回の表示用変動パターンコマンドに昇格演出の演出態様を示す情報が含まれているかを判別し(S6552)、昇格演出の演出態様を示す情報が含まれていると判別した場合は(S6552:Yes)、昇格専用図柄列の変動用主図柄にコマンドに対応した変更用主図柄を決定して、第3図柄列エリアに格納し、S6554へと移行する。また、S6551の処理において、今回の変動が大当たり変動ではない場合した場合、或いは、S6552の処理において昇格演出を実行しないと判別した場合は、次に、S6554へと移行し、S6501の処理で解析した情報に基づいて、今回受信した変動パターンの中に、副図柄fzを用いた予告演出(図205参照)を実行するための情報が含まれているかを判別し、副図柄fzの予告演出が実行されると判別した場合は(図209のS6554:Yes)、今回の副図柄予告演出にて用いられる副図柄fzの表示態様を決定し、その決定した表示態様に対応する画像データをキャラクタROM234のキャラクタ記憶エリア234a2から読み出し、常駐用ビデオRAM235の第3図柄エリア235dに格納する(S6555)。
その後、受信した変動パターンコマンドに対応した変動表示データテーブルを決定して、表示で0用の表示変動パターンを設定し、上述した第1制御例の表示制御装置114にて実行される変動パターンコマンド処理(図191のS6405参照)と同一のS6502〜S6505の処理を実行し、本処理を終了する。
次に、図210を参照して、背面画像変更コマンド処理2(S6469)の内容について説明をする。図210は、背面画像変更コマンド処理2の内容を示したフローチャートである。この背面画像変更コマンド処理2(S6469)は、上述した背面画像変更コマンド処理(図195(a)のS6419参照)に対して、背面画像変更フラグ233wがオンに設定された場合に、変更後の背面画像(背景モード)に対応する第3図柄(主図柄sz、副図柄fz)の種別を決定し、第3図柄エリア235d、第3図柄列エリア235gに格納する処理を追加した点で相違している。それ以外の処理は同一であるため、同一の処理については、同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
背面画像変更コマンド処理2(S6469)が実行されると、まず、背面画像変更フラグ233wをオンに設定し(S7001)、変更後の背面画像(背景モード)に対応する第3図柄(主図柄sz、副図柄fz)の種別を決定して、第3図柄エリア235d、第3図柄列エリア235gに決定した種別に対応する画像データを格納する(S7002)。その後、変更後の背面画像種別に対応する背面画像判別フラグ223xをオンに設定し(S7051)、本処理を終了する。
<第2制御例の変形例について>
次に、図211を参照して、上述した第2制御例の変形例について説明をする。上述した第2制御例では、第3図柄を構成する主図柄szを主図柄画層srに表示(描画)し、副図柄fzを副図柄画層frに表示(描画)するように構成しており、主図柄画層srの表示内容と、副図柄画層frの表示内容とを同期させて表示制御することで、主図柄szと、副図柄fzとが特定の順列のまま規則的に変動表示されるようにし、さらに、副図柄fzに対する表示制御内容のみを可変設定することにより、特別図柄抽選の結果を示すための主図柄szに対する変動表示内容を可変させること無く、様々な変動演出を実行可能に構成していた。
これに対して、本変形例では、上述した第1制御例と同様に1の画層に対して、第3図柄(主図柄sz、副図柄fz)を表示(描画)するように構成し、さらに、第3図柄(主図柄sz、副図柄fz)を表示(描画)する画層を複数(2つ)設けるように構成している点で相違している。そして、その2つの画層(第3図柄画像A、第3図柄画像B)に対して表示される第3図柄の表示制御内容を可変させることにより、特殊な変動演出を実行可能に構成している点で相違している。それ以外の内容については、上述した第2制御例と同一であり、同一の内容についてその詳細な説明を省略する。
図211(a)は、本第2制御例の変形例のパチンコ機10に形成される表示画層と、表示画面との関係を示した模式図であり、図211(b)は、トリプルリーチ演出中に表示される表示画面の一例を示した図であって、図202(c)は、トリプルリーチ演出によりトリプルリーチ状態となった場合の表示画面の一例を示した図である。
図211(a)に示した通り、本第2制御例の変形例では、第3図柄が表示される画層として第3図柄画層Aと、第3図柄画層Bと、が重複形成されており、第3図柄画層Aが第3図柄画層Bよりも前面(遊技者目線で手前側)に配置されるように構成している。なお、図211(a)では、第3図柄画層Aと、第3図柄画層Bのみを標記しているが、実際には、第3図柄表示装置81の表示面に表示される各種画像を表示する各画層(レイヤ)が重畳されている。
そして、第3図柄画層Aと、第3図柄画層Bとに対して、第3図柄の変動表示を同期させて実行することにより、見た目上は、上述した第1制御例の図125(b)を参照して示した第3図柄の変動表示と同一の変動表示を実行可能に構成している。
このように構成された本変形例では、上述した第2制御例と同様に、第3図柄画層Aに表示される第3図柄と、第3図柄画層Bに表示される第3図柄と、を独立して変動表示制御することができるため、例えば、図211(b)に示した通り、第3図柄画層Bに表示される第3図柄にて「9」のシングルリーチとなった状態で、第3図柄画層Aの第3図柄変動を継続させることが可能となる。この状態では、第3図柄画層Aの第3図柄変動の結果次第では、リーチ状態となる第3図柄が増加するため、副表示領域Dsにて「リーチ!昇格チャンス」の文字が表示される。
そして、図211(c)に示した通り、第3図柄画層Aに表示される第3図柄にて「1」と「9」のダブルリーチが成立すると、見た目上は、3つの第3図柄がリーチ状態となる「トリプルリーチ」となる。このように、複数の画層を用いて第3図柄を重複して変動表示させることにより、1つの画層で第3図柄を変動表示させる場合には、各第3図柄の図柄列の順序を可変させる表示制御を必要とする変動演出を容易に実行することができ、演出効果を高めることができる。
なお、このように、複数の第3図柄画層に対して第3図柄の変動表示を異ならせる場合には、例えば、優先して表示される側の画層(第3図柄画層A)にて表示される第3図柄を、特別図柄抽選の結果を示すための真の第3図柄とし、非優先側の画層(第3図柄画層B)にて表示される第3図柄を、装飾用の第3図柄とし、特別図柄の抽選結果に基づいて設定される変動パターン(主制御装置110にて設定される変動パターン)に基づいて、第3図柄画層Aの第3図柄の変動パターンを決定し、音声ランプ制御装置113側にて、決定された第3図柄画層Aの第3図柄の変動パターンに基づいて(大当たり当選の有無や、リーチの種別に基づいて)、第3図柄画層Bにて表示される第3図柄の変動演出内容を決定するように構成すると良い。そして、特別図柄抽選で大当たり当選している場合のほうが、していない場合よりも、第3図柄画層Aと第3図柄画層Bとで異なる変動表示制御が実行されるように構成すると良い。
また、本変形例では、第3図柄画層Aの変動表示と第3図柄画層Bの変動表示とを完全に異ならせた変動演出について説明をしたが、これに限ること無く、例えば、変動開始タイミングを0.2秒ずらして実行し、その後、第3図柄変動の高速変動中に、変動表示内容を同期させる変動演出を実行するように構成しても良い。このように、変動演出の一部期間のみ第3図柄画層Aの変動表示と第3図柄画層Bの変動表示とを異ならせることで、遊技者に若干の違和感を与えることができるため、遊技者に対して変動表示をより抽選させることができる。
以上、説明をした通り、上述した第2制御例、及び第2制御例の変形例では、特別図柄抽選の抽選結果を示すための識別情報を有する主図柄szを含む図柄で構成される図柄列Z1〜Z3の各第3図柄(主図柄sz、副図柄fz)に対して様々な表示制御を実行するように構成しているが、第3図柄表示装置81の表示面において表示領域が重複するように動的表示される図柄であれば、図柄列Z1〜Z3が有する図柄(第3図柄)以外の図柄を設けても良い。
例えば、第3図柄変動の実行中において、図柄列Z1〜Z3が有さない特殊図柄が図柄列Z1〜Z3の表示領域と重複する表示領域にて動的表示されるように構成しても良い。また、上述した特殊図柄は、第3図柄変動が実行されている期間中に動的表示されるものであれば良く、第3図柄変動の実行中に特殊図柄の動的表示を開始させたり、第3図柄変動の実行中に特殊図柄を停止表示、或いは、非表示にさせたりするように構成しても良い。
このように構成した場合においても、主図柄szの変動表示態様(変動パターン)を、特別図柄抽選の結果に基づいて決定しておけば良く、特殊図柄に対しては、上述した副図柄fzと同様に演出用の変動パターンを設定することが可能となる。また、上述した特殊図柄は、副図柄fzとは異なり図柄列Z1〜Z3が有する図柄では無いため、第3図柄変動の開始タイミングや停止タイミングにおいて第3図柄表示装置81の表示面に表示されていなくても遊技者に違和感を与えることが無い。よって、副図柄fzよりも設定可能な変動パターンの種別を多様化させることができ、演出効果をより高めることができる。
また、この特殊図柄の動的表示態様を、上述した第3図柄の動的表示態様と異ならせるように構成すると良く、例えば、第3図柄の動的表示方向が左方向(図202(a)の視点で左方向)である場合には、特殊図柄の動的表示方向が第3図柄の動的表示方向とは異なる方向(例えば、図202(a)の視点で右方向)となるように構成すると良い。これにより、第3図柄変動表示が実行されている期間中において、第3図柄変動表示の表示領域と重複した表示領域において特殊図柄を動的表示させたとしても、遊技者に特殊図柄の動的表示が実行されたことを分かり易く報知することができる。
なお、上述した例では、特殊図柄の動的表示方向を、第3図柄の動的表示方向とは異なる方向として真逆の方向としているが、動的表示方向を異ならせていれば良く、例えば、左右方向では無く、上下方向(図202(a)の視点で上下に移動する方向)や、前後方向(図202(a)の視点で奥側から手前側へと、或いは、手前側から奥側へと移動する方向)、斜め方向(移動方向を示す移動線を90度未満の角度でズラした斜め側へ移動する方向)としても良い。さらに、上述した例では、第3図柄変動中に特殊図柄の変動表示が実行されたことを分かり易く報知するために、第3図柄の動的表示方向と、特殊図柄の動的表示方向と、を異ならせたパターンを説明したがこれに限ること無く、動的表示される第3図柄の大きさと、特殊図柄の大きさを異ならせることで、第3図柄変動中に特殊図柄の変動表示が実行されたことを分かり易く報知するように構成しても良い。さらに、第3図柄変動が実行されるよりも前に、特殊図柄の動的表示を実行させたり、第3図柄変動が停止表示(遊技者が識別困難な程度揺動している表示状態も含む)された後に特殊図柄の動的表示を実行させたりするように構成しても良い。
一方、上述した例とは逆の技術思想として、第3図柄変動中に特殊図柄の変動表示が実行されたことを分かり難く報知するために、各図柄(第3図柄、特殊図柄)の動的表示方向や大きさが同一となるように構成しても良い。このように構成することで、第3図柄表示装置81の表示面にて実行される各種変動表示を注視してないと特殊図柄の動的表示が実行されたことを把握することができないため、特殊図柄の動的表示が実行されたことを知りたい遊技者に対して、第3図柄表示装置81の表示面にて実行される各種変動表示に継続して興味を持たせることができる。
なお、上述した通り、特殊図柄は第3図柄とは異なり常時表示させなくても良いため、第3図柄のように停止表示された場合の表示態様に応じて特別図柄の抽選結果を示すものでは無く、例えば、特殊図柄の動的表示が開始されたことにより、特別図柄の抽選結果が大当たり当選している可能性が高いことを遊技者に報知するように構成しても良い。このように、動的表示される図柄の種別に応じて、特別図柄の抽選結果を示すための情報が提供されるタイミング(動的表示開始タイミング、停止表示タイミング)を異ならせることにより、動的表示される各種図柄に応じて遊技者が注視すべきタイミングを異ならせることができるため、演出効果を高めることができる。
また、このように動的表示が開始されることで、特別図柄抽選で大当たり当選している可能性が高いことを示す特殊図柄を用いる場合には、動的表示が実行されることを示唆する待機表示態様として特殊図柄の少なくとも一部を第3図柄表示装置81の表示面に表示させるように構成すると良い。例えば、特殊図柄として、複数の魚が群れを為している表示態様の特殊図柄を用いる場合には、その特殊図柄の変動方向側の先頭付近に表示される魚のみを表示させるように構成すると良い。このように構成することで、特殊図柄の動的表示が開始されることを期待しながら遊技者に遊技を行わせることができる。この場合、特殊図柄を示す表示態様の全部では無く、一部を第3図柄表示装置81の表示面に表示させるように構成すると良い。これにより、待機表示態様として特殊図柄が表示された場合に、既に、特殊図柄が動的表示されていると誤認されてしまうことを抑制することができる。
また、上述した第2制御例では、第3図柄を形成する主図柄szと、副図柄fzとを異なる画層に表示するように構成し、各画層に対して実行される表示制御内容を異ならせることにより、主図柄szの変動表示態様と、副図柄fzの変動表示態様と、を異ならせるように構成しているが、これに加え、例えば、副図柄fzを表示可能な画層として第1副図柄画層と、第2副図柄画層と、を設け、第1副図柄画層に表示される副図柄fzと、第2副図柄画層に表示される副図柄fzとが重複して表示されるように構成しても良いし、何れか一方のみが表示されるように構成しても良い。また、複数の表示画層に表示される副図柄fzの停止表示位置を異ならせるように表示制御した上で、図202(b)に示したリーチライン予告演出を実行することで、主図柄szが停止表示される位置をより限定するように構成しても良い。
以上、説明をした第2制御例では、各図柄列Z1〜Z3を構成する1の図柄(主図柄sz)と、他の図柄(副図柄fz)と、を表示させる表示画層を異ならせ、各表示画層単位で表示制御を実行可能に構成することで様々な変動演出を実行可能に構成しているが、第3図柄表示装置81の表示面にて変動表示される第3図柄の図柄列を形成する各図柄の種別(主図柄sz、副図柄fz)に対して異なる表示制御を実行可能な構成であれば、同一の表示画層に対して表示される構成であっても良い。この場合、各表示制御の結果として表示される表示対象が重複した場合に、何れの表示対象を表示させるかを予め規定する必要がある分、表示制御処理が複雑になるが、上述した第2制御例にて説明をした各演出と同様の効果を奏することができる。
また、同一の表示画層に対して複数の表示制御の結果を表示させる構成を用いる場合であっても、図柄列Z1〜Z3を構成する複数の図柄種別(主図柄sz、副図柄fz)以外の図柄、即ち、特別図柄の変動表示に対応して第3図柄表示装置81の表示面にて動的表示される第3図柄以外の図柄(例えば、特別図柄抽選の結果が特定の結果(大当たり当選)である可能性が高いことを示すために、特別図柄変動中の所定期間に動的表示される装飾図柄)も含む各種図柄を対象として上述した第2制御例にて説明をした各種表示制御処理を実行しても良い。
上述した第2制御例では、操作演出として背景モード移行演出が実行された場合に、主図柄szの表示態様を、切り替え後の背景モードに対応する表示態様へと切り替えるように構成しているが、背景モード移行演出が実行された場合に、主図柄szの表示態様だけで無く、副図柄fzの表示態様も切り替えるように構成しても良い。この場合、キャラクタ記憶エリア234a2に格納される副図柄fzの画像データとして、各背景モードに対応する画像データを格納しておき、背景モードが切り替わる際に、切り替え後の背景モードに対応する画像データを読み出して、第3図柄エリア235dに格納すれば良い。
加えて、操作演出として背景モード移行演出が実行される場合に、実行中の特別図柄抽選の結果を判別し、その判別結果に基づいて背景モード切り替え後に表示される副図柄fzの種別を決定しても良い。具体的には、実行中の特別図柄抽選の結果が大当たり当選している場合のほうが、大当たり当選していない場合よりも決定されやすい副図柄fzの種別として、「数字の16」を模した表示態様や、「V」を模した表示態様を設けると良い。このように構成することで、背景モード移行演出を実行し、背景モードを切り替えることにより、特別図柄変動が停止表示されるよりも前に、特別図柄抽選の結果を予測し易くすることができるため、遊技者に対して積極的に操作演出を実行させることができる。
さらに、設定される背景モードと、表示される副図柄fzの種別と、の組合せによって特別図柄抽選の結果が大当たり当選である可能性を異ならせても良く、例えば、第1の演出モード(海モード)においては通常用いられる副図柄fzの種別(海モード用の表示態様)が、第2の演出モード(山モード)において用いられた場合には、実行中の特別図柄抽選が大当たり当選している可能性が高いことを示すように構成しても良い。このように、背景モードと副図柄fzの種別とを組み合わせた演出を実行することにより、副図柄fzの種別を増加させること無く、多様な演出を実行することができる。
また、本制御例では、操作演出として背景モード移行演出が実行される場合に、第3図柄(主図柄sz、副図柄fz)の表示態様を可変させる処理を実行するように構成しているが、それ以外に、第3図柄表示装置81の表示面に形成される有効ラインL1〜L5(図122(a)参照)の数や位置を可変させても良い。
さらに、図202(a),(b)で示したリーチライン予告演出が実行され、副図柄fzが停止表示された状態(図202(b)参照)にて、背景モード移行演出が実行された場合には、リーチライン予告演出にて報知された主図柄szの停止表示位置を可変させるように構成しても良く、この場合、実行中の特別図柄抽選の結果が大当たり当選である場合のほうが、大当たり当選以外である場合よりも主図柄szの停止表示位置が可変し易くなるように構成しても良いし、反対に、大当たり当選の場合よりも、大当たり当選以外であるほうが主図柄szの停止表示位置が可変し易くなるように構成しても良い。
<第3制御例>
次に、第3制御例について、図212から図222を参照して、第3制御例について説明をする。上述した第1制御例では、大当たり遊技中に開放動作される可変入賞装置65内に特定領域(Vゲート65v)を形成し、大当たり遊技中に遊技球が特定領域(Vゲート65v)を通過すると、その大当たり遊技終了後に確変状態を設定するように構成していた。
そして、図120に示した通り、幅広(開口幅50ミリ)の大入賞口65aに入賞した球を、第1流路65e1及び第5流路65e5を用いて1箇所に集め、第2流路65e2を流下させることで、Vゲート65vへと到達し得るように構成していた。しかしながら、上述した第1制御例の可変入賞装置65の構成では、可変入賞装置65の左側(第1流路65e1の上流側)から入賞した球、即ち、左打ち遊技によって発射された球が左側領域を流下した後に可変入賞装置65へと入賞した場合と、可変入賞装置65の右側(第5流路65e5の上流側)から入賞した球、即ち、右打ち遊技によって発射された球が右側領域を流下した後に可変入賞装置65へと入賞した場合と、で可変入賞装置65に入賞したタイミングから、Vゲート65へと到達し得るタイミングが異なるため、確変大当たり遊技が実行される場合には、左打ち遊技を行っても、右打ち遊技を行っても、可変入賞装置65へと入賞した球がVゲート65vへと到達可能とするために、球が第4流路65e4を流下可能な状態に切替弁65yを長期間位置させる必要があった。また、可変入賞装置65に入賞した球がVゲート65vを通過可能な期間を長く設定することに伴い、Vゲート65v(特定領域)の球通過を有効に判別する期間(V有効期間)の長さも長く設定する必要があるため、大当たり遊技中の不正行為、即ち、不正な遊技によって球をVゲート65V(特定領域)に通過させる行為を発見し難くなるという問題もあった。
これに対して、本第3制御例におけるパチンコ機10では、左打ち遊技によって発射された球が左側領域を流下した後に可変入賞装置65に入賞する場合と、右打ち遊技によって発射された球が右側領域を流下した後に可変入賞装置65に入賞する場合と、で可変入賞装置65に入賞した球が特定領域を通過するまでの期間がほぼ同一となるように構成している。このように構成することで、特定領域への球通過を有効に判別する期間(V有効期間)の長さを短くすることが可能となり、大当たり遊技中の不正行為、即ち、不正な遊技によって球をVゲート65V(特定領域)に通過させる行為を発見し易くすることができる。
上述した通り、本第3制御例では、可変入賞装置65内の構成を変更した点と、可変入賞装置65内に設けられた切替弁65yの切替制御の内容を変更した点とで、上述した第1制御例と相違しており、それ以外の内容については同一である。同一の内容については、同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
まず、図212を参照して、本第3制御例におけるパチンコ機10の遊技盤13の構成について説明をする。図212は、本第3制御例におけるパチンコ機10の遊技盤13を模式的に示した正面図である。図212に示した通り、本第3制御例におけるパチンコ機10の遊技盤13は、上述した第1制御例におけるパチンコ機10の遊技盤13の構成(図119参照)に対して、電動役物640の下方領域に植設される釘部材の配置を異ならせている点で相違している。具体的には、上述した第1制御例におおけるパチンコ機10の遊技盤13では、左側領域を流下した球、或いは、右側領域を流下した球が可変入賞装置65の特定入賞口65aの開口幅方向に対して満遍なく入賞し得るように釘が植設されているのに対して、本第3制御例におけるパチンコ機10の遊技盤13では、左側領域を流下した球は可変入賞装置65の特定入賞口65aの左端側に、右側領域を流下した球は可変入賞装置65の特定入賞口65aの右端側に入賞し易くなるように、電動役物640の下方にハの字状に複数の釘部材が植設されている。
つまり、本第3制御例では、左打ち遊技によって左側領域を流下した球も、右打ち遊技によって右側領域を流下した球も入賞し得るように広い開口幅の特定入賞口65aを有する可変入賞装置65を設けた上で、特定入賞口65aの開口幅方向の中央部付近での球の入賞を抑制するために、可変入賞装置65の中央部上方に入賞阻害部材として電動役物640を設け、さらに、特定入賞口65aの開口幅方向の両端部付近での球の入賞を誘導するための誘導部材としてハの字状に植設された複数の釘部材を設けている。
このように構成することで、大当たり遊技中に右打ち遊技を行った場合も、左打ち遊技を行った場合も、可変入賞装置65の特定入賞口65aにおける開口幅方向の両端部付近への球入賞を促進させることができる。詳細な説明は、図213を参照して後述するが、本第3制御例の可変入賞装置65は、その内部構造が左右対称(特定入賞口65aの開口幅方向を左右方向と見て左右対称)となるように構成しており、特定入賞口65aへの球の入賞位置を左右対称位置にすることで、特定入賞口65aへと入賞した球が可変入賞装置65内の各領域(例えば、特定領域)を通過するまでの期間に誤差が生じ難くすることができる。
次に、図213を参照して、第3制御例のパチンコ機10における可変入賞装置65の内部構造について説明をする。図213(a)は、可変入賞装置65のうち、特定入賞口65a付近の構造を模式的に示した模式図であり、図213(b)は、特定入賞口65aに入賞した球の流下経路を模式的に示した模式図である。
本第3制御例の可変入賞装置65も、上述した第1制御例の可変入賞装置65の構成(図120参照)と同様に、大当たり遊技状態中に開状態となる開閉扉65bで受け入れた球が、案内部材65dによって、特定入賞口65aの両端部側に設けられた第1開口部65a1、或いは、第2開口部65a2へと誘導されるように構成している。そして、第1開口部65a1を流下した球は、球検知センサ65s1(図213(b)参照)を通過し、賞球として15個の球が払い出される払出制御が実行される。同様に、第2開口部65a2を流下した球は、球検知センサ65s2(図213(b)参照)を通過し、賞球として15個の球が払い出される払出制御が実行される。
図212を参照して上述した通り、本第3制御例では、特定入賞口65aの中央部付近から球が入賞し難くなるように構成されているため、開状態の開閉扉65bで受け入れた球を円滑に第1開口部65a1、或いは、第2開口部65a2へと誘導することができる。よって、第1開口部65a1、或いは、第2開口部65a2を流下する前の入賞球が増加してしまい、球詰まりが発生することを抑制することができると共に、特定入賞口65aへと入賞したにも関わらず賞球が払い出されない(球検知センサ65s1,65s2を球が通過しない)事態が発生することを抑制することができる。
図213(b)に示した通り、本第3制御例の可変入賞装置65は、上述した第1実施形態にて用いられた可変入賞装置65(図120(b)参照)に対して、特定入賞口65aに入賞した球(球検知センサ65s1、或いは球検知センサ65s2を通過した球)が、排出口65へと誘導される経路が左右対称に構成されている点で大きく相違している。
まず、球検知センサ65s1を通過した球は、第1流路65r1を切替弁65yに向けて流下し、図213(b)に示した通り、切替弁65yが閉状態(Vゲート65Vが配設された流路を塞ぐように突出している状態)である場合には、切替弁65yの上面を流下し、第1排出口65h1へと誘導される。なお、第1流路65r1を球が流下するのに要する時間(ta)が約2秒となるように構成されている。同様に、球検知センサ65s2を通過した球は、第2流路65r2を切替弁65yに向けて流下し、図213(b)に示した通り、切替弁65yが閉状態(Vゲート65Vが配設された流路を塞ぐように突出している状態)である場合には、切替弁65yの上面を流下し、第2排出口65h2へと誘導される。なお、第2流路65r2を球が流下するのに要する時間(tb)も、上述した時間taと同じく約2秒となるように構成されている。
つまり、本第3制御例では、左打ち遊技によって特定入賞口65aの左側端部付近に入賞し、第1開口部65a1を通過した球も、右打ち遊技によって特定入賞口65aの右側端部付近に入賞し、第2開口部65a2を通過した球も、同位置の流下時間を経て切替弁65yに到達するように構成している。
そして、切替弁65yが閉状態(Vゲート65Vが配設された流路を、球が通過となるように埋没している状態)になると、図214に示した通り、第1流路65r1を流下した球が、埋没状態の切替弁65y(図214では点線で表示)を通過して、第1Vゲート65v1を通過して、第3排出口65h3へ流入する。また、第2流路65r2を流下した球も、埋没状態の切替弁65yを通過して、第2Vゲート65V2を通過して、第4排出口65h4へ流入するように構成されている。
本第3制御例では、球が可変入賞装置65に入賞した個数(球検知センサ65s1,65s2が検知した球の累計数)が所定個数に到達した場合に、切替弁65yが閉状態(図213(b)参照)から開状態(図214参照)へと切り替わるように構成しており、所定個数目の球が球検知センサ65s1、或いは球検知センサ65s2を通過してから切替弁65yに到達するまでの時間(約2秒)よりも、球が可変入賞装置65に入賞した個数が所定個数に到達し、切替弁65yが開状態となるのに要する時間(約0.5秒)のほうが短くなるように構成している。よって、上述した所定個数目の球がそのままVゲート65Vを通過可能に構成している。よって、切替弁65yが開状態となった場合に確実に球を特定領域(Vゲート65V)へと流下させることができる。
なお、本第3制御例における可変入賞装置65の構造は、上述した第1実施形態における振分装置300(図13参照)の構造と同一であるが、説明の便宜上、図213、及び図214に示した通り簡素化した図で示している。よって、本第3制御例における可変入賞装置65の詳細な構成については、上述した第1実施形態の内容が勿論適用させるものであり、その説明を省略する。
<第3制御例における電気的構成について>
次に、図215、及び図216を参照して、本第3制御例における電気的構成について説明をする。本第3制御例では、上述した第1制御例に対して、大当たり遊技中に実行される大当たり制御の内容を異ならせている点、及び、その相違点に基づく各種処理内容を異ならせている点で相違し、それ以外は同一である。同一の内容については同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。具体的には、主制御装置110のMPU201が有するRAM203の内容を一部変更した点と、音声ランプ制御装置113のMPU221が有するRAM223の内容を一部変更した点で相違し、それ以外の構成については同一である。
ここで、図215を参照して、本第3制御例における主制御装置110のMPU201が有するRAM203の構成について説明をする。図215は、主制御装置110のMPU201が有するRAM203の内容を模式的に示した模式図である。図215に示した通り、本第3制御例のRAM203は、上述した第1制御例のRAM203の構成(図139(b)参照)に対して、V期間タイマ203caを追加した点で相違し、それ以外は同一である。同一の要素については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
V期間タイマ203caは、特定領域(Vゲート65v)に球を通過させることが可能となるように、切替弁65yを開状態に位置させる期間を計測するためのものであって、特定領域(Vゲート65v)へと球を通過させることが可能な条件が成立した場合に所定時間(5秒)が設定される。そして、主制御装置110のメイン処理(図167参照)の大当たり制御処理3(図217のS1854参照)にて実行される大当たり中更新処理(図220のS1954参照)において、V期間タイマ203caの値が更新され、V期間が経過した(V期間タイマ203caの値が0となった)場合に、切替弁65yが閉状態へと切り替わるように構成している。
本第3制御例では、確変大当たり遊技中の特定ラウンド数目のラウンド遊技(1ラウンド目のラウンド遊技)において、特定入賞口65aへの球の入賞数(球検知センサ65s1,65s2の検知した球数)が所定個数(2個)であると判別された場合に、特定領域(Vゲート65v)へと球を通過させることが可能なV条件が成立し、切替弁65yを所定期間(5秒間)開状態へと切り替えるように構成している。
つまり、大当たり遊技が開始されてからの時間経過に基づいて切替弁65yを切替制御するのでは無く、大当たり遊技中に可変入賞装置65へと入賞した球の個数に基づいて切替弁65yを切替制御するように構成している。このように構成することで、大当たり遊技中に正常に遊技を行っているにも関わらず、球を可変入賞装置65へと入賞させることができなかった期間中に切替弁65yの開状態期間が終了してしまい、球を特定領域(Vゲート65v)へと通過させることができない事態が発生することを抑制することができる。
さらに、本第3制御例では、切替弁65yを開状態へと切り替えるV条件を成立させた球、即ち、所定個数(2個)目に球検知センサ65s1、或いは65s2を通過した球が切替弁65yに到達するまでに要する期間(約2秒)よりも、V条件が成立してから切替弁65yが開状態へと切り替わるのに要する期間(約0.5秒)のほうが短くなるように構成しており、少なくともV条件を成立させた球が特定領域(Vゲート65v)を通過可能に構成している。このように構成することで、V条件が成立した場合に確実に特定領域(Vゲート65v)へと球を通過させることができる。
なお、本制御例では、V条件が成立し、切替弁65yを開状態へと切り替えた状態を所定期間(5秒間)継続するように構成している。即ち、切替弁65yの開状態を終了させるための終了条件として、所定期間が経過した場合に成立する期間経過終了条件のみとしているが、これに限ること無く、例えば、球が特定領域(Vゲート65v)を通過した場合に成立するV通過終了条件を設けても良いし、Vラウンド遊技(1ラウンド目のラウンド遊技)の終了条件が成立した場合、或いは、Vラウンド遊技の終了条件が成立してから所定期間(例えば、Vラウンド中に可変入賞装置65へと入賞した球が何れかの排出口65hに到達するまでに要する4秒間)経過した場合に成立するラウンド終了条件を設けても良い。このように様々な終了条件を設定しておき、先に何れかの終了条件が成立した場合に切替弁65yの開状態を閉状態へと切り替えるように構成しても良い。これにより、切替弁65yが開状態となる期間を極力短くすることができるため、球が特定領域(Vゲート65v)を無用に通過することを抑制することができる。よって、Vゲート65vに設けられている球検知センサに球が衝突してしまい、球検知センサが物理的に破壊されてしまう可能性を低くすることができる。
次に、図216を参照して、本第3制御例における音声ランプ制御装置113のMPU221が有するRAM223の内容について説明をする。図216は、第3制御例における音声ランプ制御装置113のMPU221が有するRAM223の内容を模式的に示した模式図である。図216に示した通り、本第3制御例のRAM223は、上述した第1制御例のRAM223の構成(図144(b)参照)に対して、Vタイマ223caを追加した点で相違しており、それ以外は同一である。同一の構成については同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
Vタイマ223caは、特定領域(Vゲート65v)へと球を通過させることが可能な期間(V入賞可能な期間)が設定されてからの経過時間を計測するためのタイマであって、V入賞可能な期間となった場合に主制御装置110にて設定されるV期間コマンドを音声ランプ制御装置113にて受信した場合に、所定期間(3秒)に対応する値が設定される。そして、特定領域(Vゲート65v)を球が通過するまでVタイマ223caの値は更新(減算)され続け、値が0となった場合(所定期間が経過した場合)に、V入賞させる案内を強調した強調案内報知が実行される。
つまり、V入賞可能な期間が最大で5秒間設定されるのに対して、V入賞可能な期間が設定されてから3秒が経過した時点で強調案内報知が実行されるように構成している。ここで、上述した通り、通常であれば、V条件を成立させた球がそのままV入賞するように構成されており、そのV条件を成立した球がV入賞するまでに要する時間が約2秒となるように構成している。即ち、Vタイマ223caの値が0に到達した場合は、V条件を成立させた球がV入賞しなかった場合が考えられる。よって、追加の球を用いてV入賞を狙う必要があるため、強調案内報知が実行されるように構成している。これにより、V入賞可能な期間が設定されたにも関わらず、遊技者の遊技内容によって、V入賞させることができなかったという事態が発生することを抑制することができる。
なお、本制御例では、V条件が成立してからの経過時間に基づいて強調案内報知を実行するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、V条件を成立させた球が特定領域(Vゲート65v)を有さない領域(例えば、排出口65h1を有する流路(図213(b)参照))を通過したことを検知した場合に強調案内待機報知を実行するように構成しても良い。また、本制御例では、切替弁65yを開状態へと切り替える契機となった球が特定領域(Vゲート65v)を通過していないことを検知した場合に、上述した強調案内報知を実行するように構成しているが、これに替えて、可変入賞装置65内の流路において異常(例えば、球詰まり)が発生したことを外部に報知するための異常報知を実行するように構成しても良い。
また、本制御例では、所定個数目(2個目)の球の入賞を球検知センサ65s1,65s2が検知した場合に、即座に切替弁65yを開状態へと切り替える切替制御を実行するように構成しているが、この場合、所定個数目(2個目)よりも前に可変入賞装置65へと入賞した球(1個目の入賞球)が、開状態である切替弁65yに誘導され、特定領域(Vゲート65V)を通過してしまう場合がある。そこで、所定個数目(2個目)の入賞を検知した場合に、その2個目の入賞球が切替弁65yに到達するまでの時間(約2秒)を考慮した待機時間(約1.5秒)を設定し、その待機時間経過後に切替弁65yを開状態へと切替制御するように構成しても良い。これにより、切替弁65yを開状態へと切り替える契機となった球のみを特定領域(Vゲート65V)へと通過させ易くすることができる。
さらに、本制御例では、1回の大当たり遊技中に球が特定領域(Vゲート65v)を通過することで、大当たり遊技終了後に特別図柄の高確率状態を設定するように構成しており、1回の大当たり遊技中に複数の球が特定領域(Vゲート65V)を通過しても遊技者に付与される特典(特別図柄の高確率状態の提供)が変わらないように構成しているが、それ以外に、例えば、大当たり遊技中に特定領域(Vゲート65V)を通過した球数に応じて、遊技者に付与される特典の内容を異ならせたパチンコ機10を用いた場合には、上述した待機時間を設定することにより、過剰に球が特定領域(Vゲート65V)を通過してしまうことを抑制することができる。
なお、大当たり遊技中に特定領域(Vゲート65V)を通過した球数に応じて、遊技者に付与される特典の内容を異ならせたパチンコ機10を用いた場合には、例えば、当選した大当たりの種別に応じて、切替弁65yを開状態へと切り替える契機となる入賞数(V入賞条件)を異ならせたり、切替弁65yを開状態へと切り替える契機となる入賞数の球が可変入賞装置65に入賞してから切替弁65yを開状態へと切り替えるまでの待機時間を異ならせたり、切替弁65yを開状態から閉状態へと切り替える条件(V終了条件)を異ならせたりすると良い。
具体的には、遊技者に有利となる大当たり遊技として、1回の大当たり遊技中に複数の球が特定領域(Vゲート65V)を通過し易くするために、V入賞条件として少ない球数を設定すると良い。これにより、大当たり遊技が実行されてからV入賞条件が成立するまでの期間を短くすることができるため、V入賞条件が成立している状態で長時間の大当たり遊技を実行させることができ、複数の球を特定領域(Vゲート65V)へと通過させ易くすることができる。また、待機時間を短くしても良い。これにより、V入賞条件を成立させた球よりも前に可変入賞装置65へと入賞した球(第1流路65r1、第2流路65r2を流下中の球)も特定領域(Vゲート65V)を通過し得るようにすることができる。さらに、V終了条件を、特定領域(Vゲート65V)への球の通過数に関わらず経過時間に基づいて成立させるように構成しても良い。このように構成することで、遊技者に有利となる大当たり遊技が実行された場合に、数多くの球を特定領域(Vゲート65V)へと通過させようと意欲的に遊技を行わせることができる。
一方、遊技者に不利となる大当たり遊技に対しては、上述した有利となる大当たり遊技に対して、1回の大当たり遊技中に複数の球が特定領域(Vゲート65V)を通過し難くするために、V入賞条件として多い球数を設定したり、待機時間を長く設定したり、V終了条件を、特定領域(Vゲート65V)へ球が1個通過した場合に成立する条件としたり、球を特定領域(Vゲート65V)へと通過させるのが困難な程度の時間経過(例えば、0.1秒経過)で成立する条件としたりすると良い。
このように構成することで、実行される大当たり遊技の種別に応じて、大当たり遊技中に球が特定領域(Vゲート65V)を通過する期待度を大きく異ならせることができる。さらに、可変入賞装置65内の球流路として、通常流路と、その通常流路よりも短期間の間に球を切替弁65yに向けて流下させることが可能な特別流路と、を設けると良い。具体的には、特別流路内には球の流下を滞らせる遅滞手段(例えば、クルーン)を備え、通常流路から排出される球よりも特別流路から排出される球のほうが数珠つなぎで排出され易くなるように構成すると良い。
この場合、切替弁65yが開状態となるタイミングと、特別流路から球が排出されるタイミングとが合致した場合には多くの球を特定領域(Vゲート65V)へと通過させ易くすることができる。さらに、この場合、遊技者に対して、可変入賞装置65内に入賞した球が通常流路を流下させ易くするか、特別流路を流下させ易くするかを選択可能に構成すると良く、例えば、左打ち遊技を実行した場合には、可変入賞装置65に入賞した球が特別流路よりも通常流路を流下し易く、右打ち遊技を実行した場合には、通常流路よりも特別流路を流下し易くなるように構成すると良い。また、この場合、大当たり遊技中に第3図柄表示装置の表示面を用いて、左打ち遊技が、特定領域(Vゲート65V)へと1個の球を通過させ易い安定遊技である旨と、右打ち遊技が、特定領域(Vゲート65V)へと球を通過させ難いが、タイミングが合えば大量の球を特定領域(Vゲート65V)へと通過可能なチャレンジ遊技である旨を案内する遊技案内表示を実行すると良い。また、過去の大当たり遊技において、左打ち遊技を実行したか、右打ち遊技を実行したかを記憶、具体的には、大当たり遊技中に球検知センサ65s1,65s2の何れの球検知数が多いかを判別し、その判別結果に基づいて大当たり遊技中の遊技方法を判定して結果を記憶する記憶手段を設け、その記憶手段に記憶されている遊技方法と、大当たり遊技中の遊技結果(特定領域(Vゲート65V)への球の通過数)を過去履歴として表示する履歴表示を実行すると良い。
これにより、大当たり遊技中に実行する遊技方法を遊技者に選択させる楽しみを提供することができる。なお、上述した制御例では、特定領域(Vゲート65V)を通過した場合に付与される特典を、特別図柄の高確率状態としているが、これに限ること無く、例えば、遊技者に有利となる抽選結果となり易い抽選の権利を付与したり、大当たり遊技とは異なる第2大当たり遊技を付与したりしても良い。この場合、上述した特典が付与される権利を所定数を上限として記憶可能な付与権利記憶手段を設けると良い。これにより、短期間で複数の付与権利を獲得した場合であっても、確実に所定数を条件に特典を付与することができる。また、本制御例では、大当たり遊技中に可変入賞装置65内に入賞した球について説明をしたが、これに限ること無く、例えば、特別図柄の抽選で大当たり以外の抽選結果である場合の一部において、可変入賞装置65を短期間開放させる小当たり当選を設定しておき、小当たり当選した場合に実行される小当たり遊技中に可変入賞装置65内に入賞した球を対象に上述した構成を用いても良い。加えて、普通図柄の抽選で当たり当選した場合に実行される当たり遊技において、球が入賞可能となる可変入球手段(例えば、電動役物640)に対して上述した構成を用いても良い。
また、本制御例では、開状態である切替弁65yを通過した球の全てが特定領域(Vゲート65V)を通過可能に構成しているが、これに限ること無く、開状態である切替弁65yを通過した球の一部が特定領域(Vゲート65V)を通過可能となるように、振分部材を設けても良い。また、本制御例では、球を特定領域(Vゲート65V)へと通過させ易い第1状態と、通過させ難い第2状態とに可変可能な可変手段として、複数の流路のうち、球が流下する流路を切り替える切替弁65yを用いているが、可変手段の構成はこれに限られること無く、例えば、球を所定期間の間、滞留させる滞留位置と、滞留させない開放位置とに可変可能な構成とし、所定期間の間球を滞留させることにより特定領域(Vゲート65V)への球の通過を有効に判別する期間内に球を特定領域(Vゲート65V)へと通過させ易くする可変手段を設けても良い。また、可変入賞装置65内に複数の可変手段を設けても良い。
<第3制御例における主制御装置の制御処理内容について>
次に、図217から図220を参照して、本第3制御例における主制御装置の制御処理内容について説明をする。本第3制御例では、上述した第1制御例に対して、大当たり制御処理(図168のS1804参照)に替えて大当たり制御処理3(図217のS1854参照)を、入賞処理(図171のS1911参照)に替えて入賞処理3(図218のS1953参照)を、実行する点で相違し、それ以外は同一である。同一の制御処理内容については、同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
まず、図217を参照して、大当たり制御処理3(S1854)の内容について説明をする。図217は、大当たり制御処理3(S1854)の内容を示したフローチャートである。この大当たり制御処理3(S1854)では、上述した大当たり制御処理(図168のS1804参照)に対して、大当たり開始時に実行される制御内容と、大当たり遊技中に球が可変入賞装置65に入賞した場合に実行される制御内容と、を変更し、さらに、大当たり遊技中にV期間タイマ203caの値を更新する制御内容を追加した点で相違している。それ以外の内容は同一である。同一の内容については同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
大当たり制御処理3(S1854)が実行されると、まず、大当たり開始フラグ203jがオンに設定されているかを判別し(S1901)、オンに設定されていると判別した場合は(S1901:Yes)、次いで、オープニングコマンドを設定し(S1902)、大当たり開始フラグ203jをオフに設定し、大当たり中フラグ203kをオンに設定し(S1903)、本処理を終了する。一方、S1901の処理において、大当たり開始フラグ203jがオンに設定されていないと判別した場合は(S1901:No)、次に、現在が大当たり遊技中であるか(大当たり中フラグ203kがオンに設定されているか)を判別し(S1904)、大当たり遊技中では無いと判別した場合は(S1904:No)、そのまま本処理を終了する。
S1904の処理において、大当たり遊技中である(大当たり中フラグ203kがオンに設定されている)と判別した場合は(S1904:Yes)、次に、新たなラウンドの開始タイミングであるかを判別し(S1905)、開始タイミングであるかと判別した場合は(S1905:Yes)、特定入賞口65aの開放を設定し(S1951)、新たに開始するラウンド数を示すラウンド数コマンドを設定し(S1952)、本処理を終了する。
一方、S1905の処理において、新たなラウンドの開始タイミングでは無いと判別した場合は(S1905:No)、上述した第1制御例の大当たり制御処理(図168のS1804参照)と同一のS1907〜S1910の処理を実行し、本処理を終了する。また、S1909の処理において、大当たりの終了タイミングでは無いと判別した場合は(S1909:No)、入賞処理3を実行し(S1953)、その後、異常処理を実行し(S1912)、次いで大当たり中更新処理を実行し(S1954)、本処理を終了する。
次に、大当たり制御処理3(図217のS1854参照)にて実行される入賞処理3(S1953)の内容について、図218を参照して説明をする。図218は、入賞処理3(S1953)の内容を示したフローチャートである。この入賞処理3(S1953)は、上述した第1制御例の入賞処理(図171のS1911)に対して、切替弁65yが開状態となり得るVラウンド(1ラウンド)中の制御処理内容を異ならせている点で相違し、それ以外は同一である。同一の内容については、同一の符号を付して、その詳細な内容の説明を省略する。
入賞処理3(S1953)が実行されると、まず、上述した第1制御例の入賞処理(図171のS1911)と同一のS2201〜S2204の処理を実行し、S2204の処理を終えた場合、或いは、S2202の処理にて球が特定入賞口65aに入賞していないと判別した場合(S2202:No)に、Vラウンド処理を実行する(S2251)。このVラウンド処理(S2251)の詳細については図219を参照して後述するが、1ラウンド目のラウンド遊技(Vラウンド遊技)が実行される場合において、切替弁65yの開閉制御を行うための処理が実行されるものである。
Vラウンド処理(S2251)を終えると、次に、上述した入賞処理(図171のS1911参照)と同一のS2205〜S2208の処理、S2211〜S2221の処理を実行し、本処理を終了する。
次に、入賞処理3(図218のS1953参照)において実行されるVラウンド処理(S2251)の内容について、図219を参照して説明をする。図219は、Vラウンド処理(S2251)の内容を示したフローチャートである。
Vラウンド処理(S2251)が実行されると、まず、現在が1ラウンド中(Vラウンド中)であるかを判別し(S2401)、1ラウンド中では無いと判別した場合は(S2401:No)、そのまま本処理を終了する。一方、現在が1ラウンド中であると判別した場合は(S2401:Yes)、次に、入賞個数カウンタ203oの値が「2」であるか、即ち、1ラウンド目のラウンド遊技中における可変入賞装置65への球の入賞数が「2」であるかを判別し(S2402)、「2」であると判別した場合は(S2402:Yes)、Vソレノイド209aをオンに設定し(S2403)、V入賞可能な期間(特定領域(Vゲート65V)へと球を誘導することが可能な期間)を示すV期間コマンドを設定し(S2404)、V期間タイマ203caに5秒に対応する値を設定し(S2405)、本処理を終了する。一方、S2402の処理において、入賞個数カウンタ203oの値が「2」では無いと判別した場合は(S2402:No)、そのまま本処理を終了する。
以上、説明をした通り、本制御例では、大当たり遊技中に実行される特定ラウンド遊技において、可変入賞装置65へと入賞した球の個数が所定条件を満たした場合に(入賞数が2個となった場合に)、球が特定領域(Vゲート65v)を通過し易くなるように切替弁65yを開状態へと切り替える制御処理を実行するように構成している。これにより、大当たり遊技中において、可変入賞装置65に球を入賞させていない状態で切替弁65yが開状態へと切り替わることを抑制することができる。
なお、本制御例では、大当たり遊技中の特定ラウンド(1ラウンド)目のみ切替弁65yを開状態へと切り替え可能なVラウンドとなるように構成しているが、これに限ること無く、複数のラウンドを、切替弁65yを開状態へと切替可能なVラウンドとして設定可能に構成しても良い。この場合、Vラウンド処理(S2251)において、新たに実行されるラウンド遊技のラウンド数を判別し、判別されたラウンド数のラウンド遊技がVラウンドであるかを判定する。
そして、Vラウンドと判定された場合に、当該Vラウンド中における入賞個数カウンタ203oの値に基づいて切替弁65yの状態を切替制御するように構成すれば良い。また、この場合、複数設定されるVラウンド毎にVソレノイド209aをオンに設定する条件(切替弁65yを開状態に切り替える条件)を異ならせても良い。
また、Vラウンド遊技が実行されている場合において、Vソレノイド209aをオンに設定する条件が成立するまでの遊技内容を第3図柄表示装置81の表示面に報知させる報知手段を設けても良く、例えば、Vラウンドが開始された場合に、今回のラウンド遊技がVラウンドであることを示すVラウンド報知と、Vソレノイド209aがオンに設定される条件を成立させるまでに必要な入賞数を示す必要入賞数報知と、を実行するように構成すると良い。これにより、遊技者に対して、特定領域に球を通過させようと意欲的に遊技を行わせることができる。
次に、図220を参照して、大当たり中更新処理(S1954)の内容について説明をする。図220は、大当たり中更新処理(S1954)の内容を模式的に示したフローチャートである。この大当たり中更新処理(S1954)では、大当たり遊技中に設定されたV期間タイマ203caの値を更新するための処理が実行される。
大当たり中更新処理(S1954)が実行されると、まず、V期間タイマ203caの値が0よりも大きいか、即ち、Vソレノイド209aがオンに設定されている状態であるかを判別する(S1961)。そして、V期間タイマ203caの値が0よりも大きく無い(0である)と判別した場合は(S1961:No)、そのまま本処理を終了する。S1961の処理において、V期間タイマ203caの値が0よりも大きいと判別した場合は(S1961:Yes)、次に、V期間タイマの値を更新し(S1962)、更新後のV期間タイマ203caの値が0であるかを判別し(S1963)、0では無いと判別した場合は(S1963:No)、ソレノイド209aをオフにするタイミングでは無いため、そのまま本処理を終了する。
一方、S1963の処理において、V期間タイマ203caの値が0であると判別した場合は(S1963:Yes)、Vソレノイド209aをオフに設定し(S1964)、V期間終了を示すコマンドを設定し(S1965)、本処理を終了する。
<第3制御例における音声ランプ制御装置の制御処理内容について>
次に、図221、及び図222を参照して、本第3制御例における音声ランプ制御装置の制御処理内容について説明をする。本第3制御例では、上述した第1制御例に対して、大当たり関連処理(図180のS4218参照)に替えて大当たり関連処理3(図221のS4258参照)を、演出更新処理(図174のS4111参照)に替えて演出更新処理3(図222のS4151参照)を、実行する点で相違し、それ以外は同一である。同一の制御処理内容については、同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
まず、図221を参照して、大当たり関連処理3(S4258)の内容について説明をする。この大当たり関連処理3(S4258)は、上述した第1制御例の大当たり関連処理(S4218)に対して、主制御装置110からV期間コマンドを受信した場合に実行される制御処理内容を追加した点で相違し、それ以外は同一である。同一の内容については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
大当たり関連処理3(S4258)が実行されると、まず、上述した大当たり関連処理(図180のS4218参照)と同一のS4701〜S1713の処理を実行する。そして、S4709の処理において、ラウンド数コマンドを受信していないと判別した場合には(S4709:No)、次に、V期間コマンドを受信したかを判別し(S4751)、V期間コマンドを受信したと判別した場合は(S4752:Yes)、Vタイマ223caに3秒に対応する値を設定し、本処理を終了する。
また、S4751の処理においてV期間コマンドを受信していないと判別した場合は(S4751:No)、その後、上述した大当たり関連処理(図180のS4218参照)と同一のS4714〜S1715の処理を実行し、本処理を終了する。
次に、図222を参照して、演出更新処理3の内容について説明をする。図222は、演出更新処理3の内容を示したフローチャートである。この、演出更新処理3では、大当たり遊技中に設定されたVタイマ223caの値を更新する処理と、Vタイマ223caの値が0となった場合における演出態様を設定するための処理と、を実行可能に構成している。
図222に示した通り、演出更新処理3が実行されると、まず、Vタイマ223caの値が0よりも大きいかを判別し(S5401)、0よりも大きい値であると判別した場合は(S5401:Yes)、次いで、V期間タイマ203caの値を更新し(S5402)、更新後のV期間タイマ203caの値が0であるかを判別する(S5403)。
S5403の処理にてV期間タイマ203caの値が0であると判別した場合は(S5403:Yes)、次に、V演出実行フラグ223kがオンに設定されているかを判別し(S5404)、即ち、現在実行されている大当たり遊技中にV報知演出を実行している場合は、V入賞の案内を強調得する表示用コマンドを設定し(S5405)、その他各種カウンタ及び各種タイマの更新回数を実行し、本処理を終了する。
以上、説明をした通り、本第3制御例では、右打ち遊技を行っても左打ち遊技を行っても入賞可能な箇所に可変入賞装置65を配置し、さらに、何れの遊技方法で球を発射させた場合であっても、球が入賞してから切替弁65yへと到達するまでの期間に大きな差が生じ無いように構成している。よって、大当たり遊技中において、球が特定領域(Vゲート65v)を通過したことを有効に検知する期間(V有効期間)を無用に長く設定することなく、円滑に大当たり遊技を実行させることができる。また、V有効期間を短くすることにより、不正遊技によって球を特定領域へと通過させる行為を監視し易くすることができる。
また、可変入賞装置65への入賞数に基づいて切替弁65yの切替制御を実行するように構成しているため、大当たり遊技中に発生した球詰まり等により、球を可変入賞装置65へと入賞させることが出来ない状態で切替弁65yが開状態になることを抑制することができる。なお、本制御例では、ラウンド遊技単位で球の入賞数を計測し、計測結果が所定の計測結果となった場合に、そのラウンド遊技期間内における所定期間の間、切替弁65yが開状態となるように構成しているが、これに限ること無く、大当たり遊技が開始されてからの入賞数の累計値や、大当たり遊技中に所定の計測条件が成立してからの入賞数の累計値、或いは、複数の大当たり遊技における入賞数の累計値が所定の計測結果となった場合に、切替弁65yを開状態へと切り替える制御を実行するように構成しても良い。
また、切替弁65yが開状態となる期間の長さの最長期間を、ラウンド遊技が終了するまでの期間に限定すること無く、例えば、次に実行されるラウンド遊技に跨がって、切替弁65yが開状態を継続するように構成しても良い。
また、本第3制御例では、図213(b)に示した通り、一つの切替弁65yが、第1Vゲート65v1、第2Vゲート65V2の何れも塞ぐように構成しているが、これに限ること無く、各Vゲートを塞ぐように、2つの切替弁65yを設け、例えば、球検知センサ65s1が所定個数目の入賞を検知した場合には、第1Vゲート65V1を覆う側の切替弁のみを開状態とし、球検知センサ65s2が所定個数目の入賞を検知した場合には、第2Vゲート65V2を覆う側の切替弁のみを開状態とするように構成しても良い。これにより、開状態となる切替弁の範囲を縮小することができるため、無用にVゲート65Vを球が通過することを抑制することができる。
<第4制御例>
次に、図223から図231を参照して、第4制御例について説明をする。本第4制御例は、上述した第1制御例に対して、主制御装置110のMPU201が有するROM202、及びRAM203の一部構成を変更した点と、音声ランプ制御装置113のMPU221が有するROM222、及びRAM223の一部構成を変更した点とで相違している。また、主制御装置110のMPUが実行する制御内容と、音声ランプ制御装置113のMPU221が実行する制御内容の一部を変更した点で相違している。それ以外の内容は同一であり、同一の内容については、同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
上述した第1制御例では、大当たり遊技終了後に、遊技者に有利な有利遊技状態として、確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の高確率状態)或いは、時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)を設定可能に構成していた。そして、大当たり遊技終了後に確変状態が設定された場合には、特別図柄抽選が50回実行されるまで確変状態が継続し、その後、50回の特別図柄抽選が実行されるまで、即ち、大当たり遊技終了後からの特別図柄抽選回数が100回に到達するまで、時短状態が設定されるように構成していた。一方、大当たり遊技終了後に時短状態が設定された場合には、特別図柄が100回実行されるまで時短状態が継続するように構成していた。
つまり、上述した第1制御例では、大当たり遊技終了後に何れの有利遊技状態(確変状態、時短状態)が設定された場合であっても、特別図柄抽選で大当たりに当選しない限り、特別図柄抽選が100回実行されるまでは有利遊技状態が継続するように構成していた。そして、大当たり遊技終了後に有利遊技状態(確変状態、時短状態)が設定された場合には、有利遊技状態が終了するまでの期間、即ち、遊技者に不利となる通常状態が設定されるまでの期間を遊技者に報知するように構成していた(図128(a)参照)。
このように構成することで、通常状態よりも遊技者に有利な有利遊技状態を複数有するパチンコ機10において、現在設定されている有利遊技状態(確変状態、或いは時短状態)が終了するまでの期間では無く、遊技者に不利となる不利遊技状態(通常状態)が設定されるまでの期間を遊技者に把握させることができる。よって、現在設定されている有利遊技状態(例えば、確変状態)が終了するまでの期間、即ち、確変状態が終了して時短状態が終了するまでの期間を遊技者に報知する場合に比べて、遊技者に有利となる有利遊技状態が継続する期間を予め把握させることができるため、遊技者に安心して遊技を行わせることができる。
さらに、上述した第1制御例では、複数の有利遊技状態(確変状態、時短状態)のうち、より有利となる確変状態が継続する期間が、特別図柄抽選が50回実行される期間となるように予め規定しており、大当たり遊技が終了してから50回の特別図柄抽選が実行されるまでの期間において、現在設定されている遊技状態が確変状態であるか時短状態であるかを遊技者に示唆可能な示唆演出を実行可能に構成していた(図128(b)参照)。これにより、有利遊技状態が設定されている状態で、次に不利遊技状態が設定されるまでの期間を報知するパチンコ機10において、現在設定されている遊技状態が、複数の有利遊技状態のうち何れかであるのかを遊技者に予測させる楽しみを提供することができるものであった。
これに対して、本第4制御例のパチンコ機10では、大当たり遊技終了後に確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の低確率状態)が設定されると、特別図柄の高確率状態を低確率状態へと移行させるための抽選(所謂、転落抽選)を実行可能に構成し、転落抽選に当選した場合に、遊技状態を確変状態から時短状態へと移行させるように構成している。つまり、上述した第1制御例では、確変状態が設定されると、特別図柄抽選が50回実行されるまでは確変状態が継続するように構成していたが、本第4制御例では、特別図柄抽選が50回実行されるまでに転落抽選に当選してしまうと、その時点で確変状態が終了してしまうように構成している。
このように構成することで、有利遊技状態が設定されている期間において実行される示唆演出によって確変状態が設定されていると把握した場合であっても、いつまで確変状態が継続するのかを遊技者に分かり難くすることができるため、実行される示唆演出の内容をより注視させることができる。
また、本第4制御例では、有利遊技状態が設定されている期間に実行される示唆演出として、現在設定されている遊技状態の示唆だけでは無く、転落抽選に当選したことで確変状態が終了したタイミングも示唆可能に構成している。
<第4制御例の電気的構成について>
次に、図223から図226を参照して、本第4制御例の電気的構成について説明をする。本第4制御例は、上述した第1制御例に対して、特別図柄の高確率状態を低確率状態へと移行させる抽選(転落抽選)を実行可能に構成している点で大きく相違しており、転落抽選を実行するための構成を追加した点で相違している。
まず、図223を参照して、本第4制御例の主制御装置110のMPU201が有するROM202の構成について説明をする。図223は、第4制御例のパチンコ機10のROM202の内容を模式的に示した模式図である。図223に示した通り、本第4制御例のROM202は、上述した第1制御例のROM202(図139(a)参照)に対して、大当たり種別選択テーブル202dの内容の一部を変更した点と、新たに転落抽選テーブル202daを追加した点で相違し、それ以外は同一である。同一の内容については、同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
まず、大当たり種別選択テーブル202dの内容について、第1制御例との相違点を主に説明をする。本第4制御例では、上述した第1制御例に対して、第2特別図柄(特図2)の抽選で大当たり当選した場合に選択される大当たり種別の内容を異ならせており、詳細な内容については、図224(a)を参照して後述するが、大当たり当選時の遊技状態、及び、選択される大当たり種別に応じて時短カウンタ203hに設定される値、即ち、普通図柄の高確率状態が設定される期間を異ならせるように構成している。これにより、大当たり遊技終了後に設定される有利遊技状態(確変状態、或いは時短状態)が継続する期間の長さを異ならせることができる。よって、大当たり遊技の終了後に有利遊技状態が設定された場合に、有利遊技状態が継続する期間の長さを遊技者に把握され難くすることができる。そのため、有利遊技状態が継続する期間(不利遊技状態が設定されるまでの残期間)を遊技者に報知するための報知演出に対して興味を持たせることができる。
ここで、図224(a)を参照して、本制御例において第2特別図柄抽選(特図2抽選)にて大当たり当選した場合に大当たり種別を選択するための参照される特図2大当たり用2テーブル202ddの内容について説明をする。図224(a)は、特図2大当たり用2テーブル202dd2に規定されている内容を模式的に示した模式図である。
図224(a)に示した通り、特図2大当たり用2テーブル202dd2には、取得した第1当たり種別カウンタc2の値と、当選時の遊技状態と、に応じて、大当たり遊技終了後に設定される時短カウンタ203hの値を異ならせた大当たり種別が規定されている。つまり、大当たり当選時に選択された大当たり種別に応じて大当たり遊技終了後に設定される有利遊技状態(確変状態、或いは時短状態)が継続する期間の長さを異ならせている。
具体的には、大当たり種別として、取得した第1当たり種別カウンタC2の値が「0〜29」の範囲には、当選時の遊技状態が通常状態、或いは時短状態である場合には「50」が、確変状態である場合には「100」が時短カウンタ203hの値として設定され、確変カウンタ203iの値として「50」を設定可能な「大当たりC」が、取得した第1当たり種別カウンタC2の値が「30〜69」の範囲には、当選時の遊技状態が通常状態、或いは時短状態である場合には「100」が、確変状態である場合には「90」が時短カウンタ203hの値として設定され、確変カウンタ203iの値として「50」を設定可能な「大当たりD」が、取得した第1当たり種別カウンタC2の値が「70〜99」の範囲には、当選時の遊技状態が通常状態、或いは時短状態である場合には「100」が、確変状態である場合には「100」が時短カウンタ203hの値として設定され、確変カウンタ203iの値として「50」を設定可能な「大当たりD」が規定されている。
なお、各大当たり種別に対応して実行されるラウンド遊技の内容、及び、特図2大当たり用2テーブル202dd2に規定されている確変カウンタ203iに設定される値の説明、エンディング期間(S)については、上述した特図2大当たりテーブル202d2と同一であるため、その詳細な説明を省略する。
以上、説明をした通り、本第4制御例では、大当たり当選時に選択された大当たり種別と、大当たり当選時の遊技状態とに応じて、時短状態が継続する期間を異ならせており、例えば、大当たり種別として大当たりDが選択された場合には、大当たり当選時が時短状態であれば「100」が、確変状態であれば「90」が時短カウンタ203hに設定されることになる。よって、大当たりDが選択された場合に実行される大当たり遊技終了後に、第3図柄表示装置81の副表示領域Dsの小表示領域Ds2に表示される残期間報知態様の表示態様に応じて、前回大当たり当選した時点の遊技状態が確変状態であったのか、時短状態であったのかを遊技者に把握させることができる。
このように構成することで、通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)よりも遊技者に有利となる有利遊技状態を複数種類有するパチンコ機10であって、現在設定されている遊技状態を具体的に報知すること無く、有利遊技状態が設定されていることのみを報知可能な報知演出が実行されるパチンコ機10において、有利遊技状態中に大当たり当選した場合に、どの遊技状態が設定されている状態で大当たり当選したのかを、事後的に遊技者が把握することが可能となる。よって、過去の遊技結果を基に、今後の遊技を予測させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、本制御例では、図224(a)に示した通り、大当たり当選時に設定されている遊技状態に応じて時短カウンタ203hに設定される値を異ならせることにより、大当たり遊技終了後に表示される残期間報知態様(有利遊技状態が終了するまでの残期間を報知する態様)の表示内容によって大当たり当選時に設定されていた遊技状態を遊技者に予測させるように構成していたが、これに限ること無く、例えば、時短カウンタ203hに対して異なる値が設定された場合であっても、大当たり遊技終了後に表示される残期間報知態様の表示態様を共通化し(例えば「70」の表示)、有利遊技状態中における特別図柄抽選の実行回数が所定回数(例えば、10回)に到達した場合に、残期間報知態様の表示態様を、実際の時短カウンタ203hの値に対応させて可変表示するように構成しても良い。
このように構成することで、大当たり遊技が終了してから所定期間が経過した後に、前回の大当たり当選時に設定されていた遊技状態を遊技者に把握させることが可能となる。よって、有利遊技状態中において遊技者に対して、大当たり当選を目指す遊技と、過去に設定されていた遊技状態を把握する遊技と、を重複して実行させることができるため、遊技者に対して有利遊技状態中の遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができる。
また、本制御例では、大当たり当選時に設定されている遊技状態に応じて時短カウンタ203hに設定される値を異ならせることにより、大当たり遊技終了後に表示される残期間報知態様(有利遊技状態が終了するまでの残期間を報知する態様)の表示内容によって大当たり当選時に設定されていた遊技状態を遊技者に予測させるように構成していたが、大当たり当選時に設定されていた遊技状態を、遊技者に事後的に把握させることが可能なタイミングであれば、他のタイミングで示唆可能に構成しても良く、例えば、大当たり遊技中において実行される大当たり遊技演出によって、大当たり当選時に設定されていた遊技状態を遊技者に報知するように構成しても良い。この場合、大当たり当選時に設定されていた遊技状態を直接報知する演出を実行してもよいし、大当たり遊技終了後に設定される有利遊技状態の継続期間を示唆する演出を実行してもよい。
図223に戻り、説明を続ける。転落抽選テーブル202daは、後述する転落抽選カウンタCd1の判定値が記憶されているデータテーブルである。第1入球口64、または第2入球口640へ球が入球した際(始動入賞の際)に取得された転落抽選カウンタCd1の値が、転落抽選テーブル202daに規定されているいずれかの判定値と一致した場合に、特別図柄の低確率状態へと移行するように(転落するように)設定される。
ここで、図224(b)を参照して、転落抽選テーブル202daの内容について説明をする。図224(b)は、転落抽選テーブル202daの内容を模式的に示した模式図である。図224(b)に示したとおり、転落抽選テーブル202daには、特別図柄の確変状態において転落と判定される判定値として、「0,1」の2つの判定値が規定されている。ここで、転落抽選カウンタCd1は、「0〜999」の範囲で値が更新されるループカウンタである。転落抽選カウンタCd1の取り得る1000個の値のうち、転落と判定される判定値が2個存在するので、特別図柄の確変状態において、転落する(特別図柄の低確率状態へと移行する)確率は、1/500となる。
なお、本制御例における転落抽選テーブル202daには、特別図柄の確変状態において転落か否かを判定するための判定値(特別図柄の確変状態用の判定値)のみが規定されており、特別図柄の低確率状態用の判定値は規定されていない。既に特別図柄の低確率状態となっている場合において、特別図柄の低確率状態へと移行させるか否かを判定するのは処理の無駄だからである。
本制御例では、この転落抽選テーブル202daと、定期的に更新される転落抽選カウンタCd1とが比較されて、特別図柄の確変状態から特別図柄の低確率状態へと移行させる(転落させる)か否かが判定される。即ち、有利遊技状態のうち、最も遊技者に有利な有利状態である確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の高確率状態)から、有利遊技状態の1つではあるが、確変状態よりは遊技者に不利となる時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)へと移行するタイミングをランダムにすることができる。よって、遊技者に対して、確変状態がなるべく長く継続するように期待させながら遊技を行わせることができる。
なお、本制御例では、大当たり遊技終了後に、特別図柄の高確率状態の最大継続期間(50回)が確変カウンタ203iの値によって規定されており、その最大継続期間(50回)よりも、長い期間、普通図柄の高確率状態が継続するように構成している。つまり、転落抽選の抽選結果に基づいて、どのタイミングで特別図柄の高確率状態が低確率状態へと移行(転落)したとしても、普通図柄の高確率状態が設定されている状態となるように構成している。よって、遊技状態としては、確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の高確率状態)から、時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)へと移行することになるため、転落抽選に当選したタイミングを、普図当たり遊技の実行頻度によって遊技者に把握されることが無い。
このように構成されたパチンコ機10では、有利遊技状態中(普通図柄の高確率状態中)において、現在の遊技状態が確変状態であるか時短状態であるかを遊技者が把握困難となるため、大当たり当選時に設定されていた遊技状態を事後的に示唆する示唆演出の演出内容に対して遊技者に興味を持たせることができる。
本制御例では、特別図柄の高確率状態から特別図柄の低確率状態へと移行(転落)するか否かが抽選(判定)されていたが、他の状態へと移行することを抽選(判定)してもよい。例えば、普通図柄の高確率状態から普通図柄の低確率状態へと移行するか否かを、変動毎に実行される抽選により判別してもよい。これにより、有利遊技状態がいつまで続くのかをランダムとすることができるので、変動毎に有利遊技状態が継続することを願って遊技を行わせることができる。また、例えば、特別図柄の低確率状態から特別図柄の高確率状態へと移行するか否かを抽選可能に構成してもよい。
さらに、本制御例では、上述した転落抽選を特別図柄抽選が行われる毎に実行するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、特別図柄抽選が実行される特別図柄の種別に応じて、転落抽選の実行のし易さを異ならせても良く、例えば、普通図柄の高確率状態中に主として実行される第2特別図柄抽選が行われる場合のほうが、第1特別図柄抽選が行われる場合よりも転落抽選が実行され易くなるように構成しても良い。このように構成することで、第1特別図柄抽選が行われることに基づいて実行された転落抽選によって特別図柄の高確率状態が低確率状態へと移行してしまい、遊技者に有利な遊技を行わせ難くなることを抑制することができる。
また、転落抽選の実行タイミングにて、転落抽選の実行回数を決定する回数決定手段を設け、転落抽選の実行契機が成立した場合に実行される転落抽選の回数を異ならせるように構成しても良い。この場合、回数決定手段により決定される回数の範囲を「0〜5」とし、その平均値が1回となるように設計すると良い。このように構成することで、特別図柄抽選が実行される回数と、転落抽選が実行される回数とを乖離させることができるため、どのタイミングで特別図柄の高確率状態が低確率状態へと移行するのかをより分かり難くすることができる。なお、この場合、回数決定手段により決定された回数(転落抽選の実行回数)を、示唆可能な示唆手段を設け、遊技者に対して、転落し易い期間(回数決定手段により複数回が決定された期間)と、転落し難い期間(回数決定手段により0回が決定された期間)と、を示唆可能に構成すると良い。これにより、示唆手段による示唆内容に基づいて、転落の有無を予測しながら遊技を行うことができる。
さらに、本制御例では、特別図柄抽選の実行を転落抽選の実行契機としているが、これに限ること無く、例えば、普通図柄抽選が実行される場合に転落抽選を実行するように構成しても良いし、遊技盤13に設けられた特定の入賞口(例えば、一般入球口63)に球が入球した場合に転落抽選を実行するように構成しても良い。
次に、図225を参照して、本第4制御例における音声ランプ制御装置113のMPU221が有するROM222、及びRAM223の内容について説明をする。本第4制御例は、上述した通り、転落抽選の機能を有している点で上述した第1制御例と相違している。そして、音声ランプ制御装置113にて設定される各種演出内容についても、転落抽選の結果に基づいた演出を実行可能に構成している点で相違している。それ以外の構成については同一であり、同一の内容については同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
図225(a)は、第4制御例におけるパチンコ機10のROM222の内容を模式的に示した模式図であって、図225(b)は、第4制御例におけるパチンコ機10のRAM223の内容を模式的に示した模式図である。
まず、図225(a)を参照して、ROM222の構成について説明をする。図2254(a)に示した通り、本第4制御例では、上述した第1制御例に対して、ボタン操作時演出選択テーブル222f(図148参照)に替えてボタン操作時演出選択2テーブル222dfを設けた点で相違しており、それ以外は同一である。同一の内容については同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
図226(a)を参照して、ボタン操作時演出選択2テーブル222dfの内容について説明をする。図226(a)は、ボタン操作時演出選択2テーブル222dfに規定されている内容を模式的に示した模式図である。図226(a)に示した通り、本第4制御例では、上述した第1制御例に対して、大当たり遊技終了後に確変状態が設定される場合に参照されるデータテーブルを、確変状態選択テーブル223f2(図149参照)から確変状態選択2テーブル222df2に変更している点で相違し、それ以外は同一である。
ここで、図226(b)を参照して、確変状態選択2テーブル222df2に規定されている内容について説明をする。図226(b)は、確変状態選択2テーブル222df2に規定されている内容を模式的に示した模式図である。この確変状態選択2テーブル222df2は、上述した確変状態選択テーブル223f2(図149参照)と同様に、大当たり遊技終了後に確変状態が設定された場合において、操作演出として実行される演出態様を選択する際に参照されるデータテーブルであって、確変状態選択テーブル223f2(図149参照)に対して、操作演出の演出態様を選択する要因に転落抽選の抽選結果を追加した点、及び、転落抽選の抽選結果に基づく情報を示唆可能な演出態様を選択可能にした点、各演出態様の選択割合を一部変更した点で相違している。それ以外の内容は同一であり、同一の内容についてはその詳細な説明を省略する。
確変状態選択2テーブル222df2には、上述した確変状態選択テーブル223f2(図149参照)と同様に、遊技者が枠ボタン22(操作手段)を操作したタイミング、操作方法と、取得した演出カウンタ223fの値に加え、転落抽選の抽選結果に基づいて設定される短転落フラグ223daの設定状況に対応させて、操作演出として実行される演出態様が規定されている。この短転落フラグ223daの詳細については後述するが、転落抽選に当選したことにより、確変状態の継続期間が所定期間(例えば、特別図柄抽選回数が20回以内)であったことを示すためのフラグであり、確変状態が短期間で終了した場合にオンに設定されるものである。
確変状態選択2テーブル222df2のうち、短転落フラグ223daがオフに設定されている場合に参照されるエリアには、上述した確変状態選択テーブル223f2(図149参照)と同一の内容が規定されているため、詳細な説明を省略する。ここでは、短転落フラグ223daがオンに設定されている場合に参照されるエリアの規定内容について具体的に説明をする。
短転落フラグ223daがオンに設定されている場合は、操作タイミングが高速変動期間である第1期間(特図変動回数が1回〜20回の期間)中で、操作方法が「通常押し」であって、取得した演出カウンタ223fの値が「0〜149」の範囲には、操作演出が実行されないことを示す「無」が、「150〜189」の範囲には、実行中の変動演出がリーチ状態となるか否かを、第3図柄変動中に示唆する演出を示す「リーチ示唆」が、「140〜189」の範囲には、現在設定されている遊技状態を示唆するための演出を示す「状態示唆」、「190〜198」の範囲は、現在設定されている遊技状態を示唆するための演出を示す「状態示唆」が規定されている。また、操作方法が「長押し」の場合には、取得した演出カウンタ223fの値が「0〜198」の範囲に、背景モードを移行されることを示す「背景モード移行」が規定されている。
また、操作タイミングが通常時短変動期間(第2期間)中で、操作方法が「通常押し」であって、取得した演出カウンタ223fの値が「0〜189」の範囲には、背景モードを移行されることを示す「背景モード移行」が、「190〜198」の範囲には、現在設定されている遊技状態を示唆するための演出を示す「状態示唆」が規定されている。また、操作方法が「長押し」の場合には、取得した演出カウンタ223fの値が「0〜198」の範囲に、現在設定されている遊技状態を示唆するための演出を示す「状態示唆」が規定されている。
そして、操作タイミングが特定期間(50回目の特別図柄変動中)の場合、操作方法、及び取得した演出カウンタ223fの値に関わらず、操作演出が実行されないように構成されている。最後に、操作タイミングが通常時短変動期間(第3期間)中で、操作方法が「通常押し」であって、取得した演出カウンタ223fの値が「0〜189」の範囲には、背景モードを移行されることを示す「背景モード移行」が、「190〜198」の範囲には、前回の大当たり遊技終了後に確変状態が設定されたが、早期に転落抽選に当選してしまい時短状態へと移行したことを報知するための演出を示す「早期転落報知」が規定されている。また、操作方法が「長押し」の場合には、取得した演出カウンタ223fの値が「0〜198」の範囲に、過去(「チャンスモード」が設定された時点(大当たり遊技終了後))に設定されていた遊技状態を示唆するための演出を示す「過去状態示唆」が規定されている。
なお、本第4制御例における各種操作演出に対しても、上述した第1制御例同様に、今回実行される特別図柄変動に対する抽選結果だけでは無く、入賞情報格納エリア223bに格納されている入賞情報に基づいた操作演出を実行しても良く、例えば、入賞情報格納エリア223bに格納されている入賞情報を用いて、転落抽選に当選するタイミングを事前に判別し、その判別結果に基づいた操作演出を実行可能に構成しても良い。具体的には、入賞情報格納エリア223bに格納されている入賞情報を特別図柄抽選の実行順に読み出し、各入賞情報に含まれている転落抽選カウンタcd1の値を示す情報が、転落抽選に当選する値を示しているかを判別する。なお、この場合、音声ランプ制御装置113のROM222に転落抽選に当選する転落抽選カウンタcd1の値に対応する情報を予め記憶させておき、その記憶されている情報と、入賞情報に含まれている転落抽選カウンタcd1の値を示す情報と、に基づいて判別を実行するように構成すれば良い。
そして、入賞情報格納エリア223bに格納されている入賞情報のうち、特別図柄抽選の実行順が確定している入賞情報、即ち、第2特別図柄抽選が、第1特別図柄抽選よりも優先して実行される本制御例においては、第2特別図柄抽選に対する入賞情報に、転落抽選に当選することになる入賞情報が存在しない場合は、現在実行中の特別図柄変動の残変動時間と、入賞情報格納エリア223bに格納されている第2特別図柄抽選の入賞情報のそれぞれに対応する特別図柄変動の変動時間と、を算出する処理を実行し、転落抽選に当選し得ない期間、即ち、確変状態が継続する期間(最有利期間)を決定する。そして決定された最有利期間を遊技者に報知する最有利期間示唆の演出態様を操作演出として実行すれば良い。
このように構成することで、転落抽選に当選し得ない期間を遊技者に示唆(報知)することができるため、遊技者に安心して遊技を行わせることができる。また、この最有利期間示唆の表示態様としては、最有利期間として結果された各変動時間の合計時間のうち、少なくとも一部の時間を表示するように構成すると良い。これにより、最有利期間が少なくとも継続する時間を遊技者に把握させることができる。また、最有利期間を時間で表示することにより、最有利期間中に特別図柄抽選を何回実行させることができるのかを遊技者に把握させ難くすることができるため、長い変動時間の変動パターンのほうが大当たり当選の可能性が高く設定されているパチンコ機10であっても、遊技者に対して、特別図柄変動の変動パターンとして短い変動時間が設定されることを期待させるという斬新な遊技性を提供することができる。
なお、上述したように、入賞情報格納エリア223bに格納されている入賞情報に基づいて操作演出を実行する場合には、遊技者が枠ボタン22(操作手段)を操作した直後から操作演出を実行するように構成しても良いし、遊技者が枠ボタン22(操作手段)を操作し、操作演出の演出態様が決定された状態において新たに特別図柄変動が開始されたタイミングで操作演出を実行するように構成しても良い。この場合、遊技者による枠ボタン22(操作手段)の操作を受け付けたことを遊技者に報知する報知手段と、操作演出が実行されるまでの待機期間中であることを報知するための報知手段と、を設けると良い。これにより、枠ボタン22を操作したにも関わらず、操作演出が実行されないことについて遊技者が不信感を覚えてしまうことを抑制することができる。なお、この最有利期間を報知する演出において、上述したように最有利期間を時間で表示するのでは無く、特別図柄変動の実行回数で表示するように構成しても良い。また、入賞情報格納エリア223bに格納されている入賞情報の中に、転落抽選に当選することを示す情報を有する入賞情報があると判別された場合には、転落抽選に当選し、特別図柄の高確率状態が低確率状態へと移行するまでの期間を算出し、転落抽選に当選することを示唆する演出や、特別図柄の高確率状態が終了するまでの残期間を示唆する演出を実行するように構成しても良い。
<第4制御例における制御処理内容について>
次に、図227から図229を参照して、本第4制御例における主制御装置110のMPU201が実行する制御処理内容のうち、上述した第1制御例とは異なる点について説明をする。本第4制御例のパチンコ機10は、上述した通り転落抽選の機能を有している点と、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態の継続期間を変更した点と、で上述した第1制御例のパチンコ機10とは相違しており、この相違点に関する制御内容が相違している。具体的には、上述した第1制御例のパチンコ機10における主制御装置の制御内容に対して、特別図柄大当たり判定処理(図158のS208参照)に替えて特別図柄大当たり判定処理4(図227のS258参照)を、先読み処理(図162のS613参照)に替えて先読み処理4(図228のS653参照)を、大当たり終了処理(図170のS1910参照)に替えて大当たり終了処理4(図229のS1960参照)を実行するように構成している点で相違し、それ以外は同一である。同一の内容については、同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
まず、図227を参照して、特別図柄大当たり判定処理4(S258)の内容について説明をする。図227は、特別図柄大当たり判定処理4(S258)の内容を示したフローチャートである。この特別図柄大当たり判定処理4(S258)が実行されると、上述した特別図柄大当たり判定処理(図158のS208参照)と同一のS301の処理を実行し、その後、確変カウンタ203iの値が0よりも大きいかを判別する(S351)。ここで、確変カウンタ203iの値が0よりも大きく無い、即ち、特別図柄の高確率状態では無いと判別した場合は(S351:No)、上述した特別図柄大当たり判定処理(図158のS208参照)と同一のS302〜S307の処理を実行し、本処理を終了する。
一方、S351の処理において、確変カウンタ203iの値が0よりも大きい、即ち、特別図柄の高確率状態であると判別した場合は(S351:Yes)、次いで、取得した転落抽選カウンタCd1の値と、転落抽選テーブル202daに規定されている値とを比較し(S352)、転落抽選に当選したか否かを判別する(S353)。
転落抽選に当選したと判別した場合は(S353:Yes)、確変カウンタ203iの値を0にリセットし(S354)、特別図柄の高確率状態が低確率状態へと移行したことを示すための転落コマンドを設定し(S355)、上述した特別図柄大当たり判定処理(図158のS208参照)と同一のS302〜S307の処理を実行し、本処理を終了する。なお、この場合、特別図柄の低確率状態が設定された状態で特別図柄抽選(S302)が実行される。一方、S353の処理において、転落抽選に当選していないと判別した場合は(S353:No)、S353〜S355の処理をスキップして、上述した特別図柄大当たり判定処理(図158のS208参照)と同一のS302〜S307の処理を実行し、本処理を終了する。なお、この場合、特別図柄の高確率状態が設定された常態で特別図柄抽選(S302)が実行される。
以上、説明をした通り、本第4制御例では、特別図柄抽選の実行条件が成立した状態(特別図柄大当たり判定処理4(図227のS258参照)が実行された状態)において、実際に特別図柄抽選を実行する前に、転落抽選を実行するように構成している。このように構成することで、転落抽選の抽選結果に応じた特別図柄抽選を即座に実行することができるため、遊技者に対して公正な遊技を提供することができる。
なお、転落抽選の実行タイミングと、特別図柄抽選の実行タイミングとを、本制御例とは異ならせるように構成しても良く、例えば、特別図柄抽選を実行した後に、転落抽選を実行するように構成しても良い。この場合、特別図柄の高確率状態が設定されている状態で特別図柄抽選が実行され、その直後に転落抽選が実行されることになるため、特別図柄の高確率状態で実行された特別図柄抽選の抽選結果が停止表示されるまでに(特別図柄変動が停止表示されるまでに)、転落抽選に当選し特別図柄の低確率状態が設定される事象が発生することになる。このような状態が発生した場合には、例えば、第3図柄表示装置81の表示面にて、現在実行中の特別図柄変動が、特別図柄抽選が高確率状態で実行された最後の変動となり、次回の特別図柄抽選が特別図柄の低確率状態で実行される旨を示すための転落報知演出を実行するように構成すると良い。このように構成することで、遊技者に対して実行中の特別図柄変動の結果をより注視させることができる。
また、本制御例では、転落抽選に当選すると、次に特別図柄抽選が実行されるよりも前に特別図柄の高確率状態を低確率状態へと移行させる処理を実行するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、転落抽選に当選した場合に、特別図柄の高確率状態が継続する回数を2以上減算(確変カウンタ203iの値を2以上減算)したり、特別図柄の高確率状態中に実行され得る特別図柄抽選の残回数を所定回数(例えば、2回)にしたりするように構成しても良い。このように構成した場合であっても、転落抽選に当選したことにより、遊技者に最も有利となる遊技状態(確変状態)がいつまで継続するのかを遊技者に分かり難くさせることができるため、緊張感を持たせた遊技を行わせることができる。
本制御例では、転落抽選にて当選しなかった場合、即ち、特別図柄の高確率状態が継続した場合にて、その旨を遊技者に示唆、或いは報知するための演出を実行しないことで、特別図柄の高確率状態が継続する期間(継続している期間)を遊技者に分かり難く構成しているが、これに限ること無く、転落抽選にて当選しなかった場合の一部において、その旨を遊技者に報知するように構成しても良い。この場合、例えば、転落抽選テーブル202daに、当選(転落)と判定される転落抽選カウンタCd1の値だけでは無く、特定外れと判定される値(例えば、998,999)を規定しておき、当該値と判定した場合に、特定外れを示すコマンドを設定することで、遊技者に対して転落抽選の結果が特定外れであることを示すための演出を実行するように構成しても良いし、転落抽選の抽選結果が外れであることを示すためのコマンドを設定し、音声ランプ制御装置113側で転落抽選の抽選結果が外れであることを示すためのコマンドを受信した場合に、転落抽選の抽選結果が外れであることを示す演出を実行するか否かの抽選を行い、その抽選で演出を実行すると判別した場合に外れ演出を実行するように構成しても良い。
次に、図228を参照して、本第4制御例における先読み処理4(S653)の内容について説明をする。図228は、先読み処理4(S653)の内容を示したフローチャートである。この先読み処理4(S653)は、上述した第1制御例にて実行される先読み処理(図162のS613参照)に対して、特別図柄保留球格納エリア(第1特別図柄保留球格納エリア203a、第2特別図柄保留球格納エリア203b)に格納された各種カウンタを読み出す処理において、読み出される各種カウンタの種別を異ならせた点で相違し、それ以外は同一である。同一の処理内容については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
先読み処理4(S653)が実行されると、新たに特別図柄保留球格納エリア(第1特別図柄保留球格納エリア203a、第2特別図柄保留球格納エリア203b)に格納された第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、転落抽選カウンタCd1、変動種別カウンタCS1を読み出し(S751)、その後、上述した第1制御例にて実行される先読み処理(図162のS613参照)と同一のS702〜S705の処理を実行し、本処理を終了する。
以上、説明をした通り、本第4制御例では、始動入賞処理(図161のS105参照)において、新たに特別図柄の抽選権利(特図保留)を獲得した場合に(特別図柄保留球格納エリアに新たな入賞情報を格納した場合に)実行される先読み処理4(S653)において、転落抽選カウンタCd1の値も読み出すように構成し、取得した転落抽選カウンタCd1の値も含む入賞コマンドを設定し、音声ランプ制御装置113へと送信可能に構成している。これにより、音声ランプ制御装置113側にて獲得済みの特図保留球の中に、転落抽選に当選する転落抽選カウンタCd1の値を示す情報が含まれているかを判別することが可能となる。よって、転落抽選に当選するまでの期間を示唆する示唆演出を実行可能にすることができる。
次に、図229を参照して、大当たり終了処理4(S1960)の内容について説明をする。図229は、大当たり終了処理4(S1960)の内容を示したフローチャートである。この大当たり終了処理4(S1960)は、上述した第1制御例の大当たり終了処理(図170のS1910参照)に対して、時短カウンタ203hの値を設定するための処理内容を異ならせている点で相違し、それ以外の内容は同一である。同一の内容については、同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
大当たり終了処理4(S1960)が実行されると、まず、上述した第1制御例の大当たり終了処理(図170のS1910参照)と同一のS2101,S2102の処理を実行し、その後、大当たり当選時の遊技状態と、大当たり種別とに対応する値を時短カウンタ203hに設定し(S2153)、今回設定した確変カウンタ203iの値、及び時短カウンタ203hの値に基づいて状態コマンドを設定し(S2104)、大当たり中フラグ203k、確変設定フラグ203mをオフに設定し(S2105)、本処理を終了する。
ここで、S2153の処理内容について詳細に説明をする。本制御例では、遊技状態格納エリア203gに、現在の遊技状態と、前回の大当たり当選時に設定されていた遊技状態と、大当たり当選した場合に選択される大当たり種別と、を一時的に記憶可能に構成している。そして、S2153の処理が実行される場合に、遊技状態格納エリア203gに記憶されていた大当たり当選時の遊技状態と、大当たり種別とを読み出し、大当たり種別選択テーブル202dに規定されている値を時短カウンタ203hに設定する。
本制御例では、大当たり終了処理4が実行される時点、即ち、大当たり遊技中のラウンド遊技が全て終了した時点で、時短カウンタ203hに設定する値を決定している。このように構成することで、大当たり遊技のラウンド遊技中に成立し得る設定条件、例えば、ラウンド遊技(Vラウンド遊技)中に特定領域(Vゲート65V)を通過した場合に成立する設定条件の成立の有無に応じて時短カウンタ203hに設定する値を異ならせることができる。
なお、本制御例で用いた構成に関わらず、例えば、大当たり遊技開始時、または当選した大当たり種別を選択する時点において、大当たり当選時における遊技状態に基づいた時短カウンタ203hの値を決定しておき、その決定内容に応じた値を大当たり終了処理4(S1960参照)にて設定するように構成しても良い。このように構成することで、大当たり遊技の期間中に大当たり当選時の遊技状態を示す情報を保持する必要が無くなるため、記憶容量の軽減化を図ることができる。
次に、図230、及び図231を参照して、本第4制御例における音声ランプ制御装置113のMPU221が実行する制御処理内容のうち、上述した第1制御例における音声ランプ制御装置113のMPU221が実行する制御処理内容と異なる点について説明をする。本第4制御例は、上述した第1制御例に対して、転落抽選を実行する点が大きく相違しており、音声ランプ制御装置113のMPU221にて実行される制御処理内容についても、転落抽選に関する処理を実行する点で相違している。
具体的には、コマンド判定処理(図175のS4112参照)に替えてコマンド判定処理4(図230のS4162参照)を実行する点で相違している。それ以外の内容は同一であるため、同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
まず、図230を参照して、コマンド判定処理4(S4162)の内容について説明をする。図230は、コマンド判定処理4(S4162)の内容を示したフローチャートである。図230に示した通り、このコマンド判定処理4(S4162)では、上述した第1制御例のコマンド判定処理(図175のS4112参照)に対して、大当たり関連コマンドを受信していないと判別した場合に(S4217:No)、次いで、主制御装置110から転落コマンドを受信したか判別し(S4251)、転落コマンドを受信したと判別した場合に(S4251:Yes)、転落関連処理(S4252)を実行する点で相違している。なお、S4251の処理において転落コマンドを受信していないと判別した場合(S4251:No)、或いは、転落関連処理(S4252)を実行した後は、上述した第1制御例のコマンド判定処理(図175のS4112)と同一のS4219の処理を実行し、本処理を終了する。
次に、図231を参照して、コマンド判定処理4(図230のS4162参照)にて実行される転落関連処理(S4252)の内容について説明をする。図231は、転落関連処理(S4252)の内容を示したフローチャートである。この転落関連処理(S4252)は、主制御装置110にて実行される転落抽選(図227のS352,S353参照)において、転落抽選に当選したと判別された場合に設定される転落コマンド(図227のS355参照)を受信した場合に実行される処理であって、転落コマンドを受信したタイミング(特別図柄の高確率状態が終了したタイミング)を判別するための処理を実行するためのものである。
転落関連処理(S4252)が実行されると、まず、時短カウンタ203hの値を読み出し(S5501)、時短カウンタ203hの値が80以上であるかを判別する(S5502)。時短カウンタ203hの値は、大当たり遊技終了後に設定される時短回数(普通図柄の高確率状態中に実行可能な特別図柄抽選の回数)に対応する値がセットされ、特別図柄抽選が実行される毎に1減算されるものであるため、例えば、大当たり遊技終了後に時短回数100回がセットされた場合であれば、大当たり遊技終了後に実行された特別図柄抽選の回数が20回に到達するまでに転落抽選に当選したか否かが判別される。つまり、S5502の処理では特別図柄の高確率状態が設定されたにも関わらず、早期に転落抽選に当選した状態であるか否かが判別される。
S5502の処理において、時短カウンタ203hの値が80以上であると判別した場合は(S5502:Yes)、短転落フラグ223daをオンに設定し(S5503)、従状態設定エリア223gに時短状態を設定し(S5504)、本処理を終了する。一方、S5502の処理において、時短カウンタ203hの値が80以上では無いと判別した場合は(S5502:No)、S5503の処理をスキップしてS5504の処理を実行し、本処理を終了する。
S5503の処理にて短転落フラグ223daをオンに設定することにより、枠ボタン入力監視・演出処理(図186のS4107参照)において、チャンスモード中に枠ボタン22を操作したと判別し、確変状態選択2テーブル222df2(図226(b))を参照して演出態様を選択する場合に、短転落フラグ223daがオフに設定されている場合と異なるデータテーブルを参照して演出態様を選択することになる。よって、遊技者に対して、実行される操作演出の演出態様によって転落抽選の結果を事後的に把握させることができるため、演出効果を高めることができる。
<第2制御例における演出例について>
次に、図232を参照して、上述した第2制御例にて実行される第3図柄の変動演出のうち、副図柄fzの変動方向を主図柄szの変動方向とは異ならせて実行する演出である逆変動表示演出(図205(d)参照)の内容について説明をする。図232は、逆変動表示演出中に表示される表示内容の一例を示した模式図である。
上述した通り、第2制御例では、特別図柄の抽選結果を示すための識別情報が含まれる主図柄szと、その主図柄szとは異なる副図柄fzとを独立して表示制御可能に構成しており、例えば、図202(b)に示した通り、主図柄szの変動表示よりも先に副図柄fzを変動表示させて、その後、主図柄szが停止表示されるよりも前に副図柄fzを停止表示させることにより、主図柄szの停止表示位置のみを遊技者に報知するリーチライン予告演出を実行させることができるように構成している。それ以外にも、図205(d)に示した通り、特別図柄変動の開始タイミングに合わせて主図柄szの変動表示方向とは異なる方向へと副図柄fzを所定期間(3秒間)変動表示させる逆変動表示演出を実行可能に構成している。
この逆変動表示演出の内容について図232を参照して説明をする。まず、特別図柄抽選の結果を示すための変動パターンコマンドが、主制御装置110から送信される。そして、その変動パターンコマンドを音声ランプ制御装置113側で受信すると、第3図柄表示装置81の表示面にて実行される変動演出の演出態様を決定するための処理(変動表示設定処理(図182のS4113参照))にて、主図柄szに対する演出態様(変動パターン)を決定処理が実行される。これにより、主制御装置110にて実行された特別図柄抽選の結果に基づいて、特別図柄の抽選結果を示すための識別情報(識別図柄)である主図柄szの演出態様を確実に設定することができる。よって、実際に実行された特別図柄抽選の結果とは異なる抽選結果を示すための主図柄szが停止表示されることを抑制することができる。
その後、音声ランプ制御装置113にて決定された主図柄szの演出態様に基づいて、副図柄fzの演出態様を設定するための処理が実行される。具体的には、主図柄szに対する演出態様として、リーチ状態となる演出態様が設定されたか否かが判別され、リーチ状態となる演出態様が設定されたと判別した場合に、副図柄fzの演出態様を選択する処理が実行される。なお、主図柄szに対する演出態様として、リーチ状態となる演出態様が設定されなかった場合は、主図柄szに対して設定された演出態様に対応する変動パターンが副図柄fzに対して設定されるように構成している。これにより、特別図柄の抽選結果に基づいて設定された演出態様(変動パターン)で変動表示される主図柄szと同期させて副図柄fzを変動表示させることができる。よって、主図柄szと副図柄fzとを、あたかも特定の順序に並んで配置されている図柄列として変動表示させているように遊技者に思わせることができる。
なお、上述した例では、主図柄szに対する演出態様がリーチ状態となる場合に、副図柄fzの演出態様を選択するための処理を実行するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、リーチ状態のうち、特定のリーチ状態(例えば、スーパーリーチ状態)となる演出態様が設定された場合に、副図柄fzの演出態様を選択するための処理を実行するように構成しても良いし、主図柄szに対して設定された演出態様が非リーチ状態である場合の一部においても、副図柄fzの演出態様を選択するための処理を実行可能に構成しても良い。つまり、特別図柄抽選の結果が大当たりである可能性が高いことを示す演出態様で主図柄szの演出態様が設定された場合に、副図柄fzの演出態様が選択される処理を実行し易くなるように構成すれば良い。このように構成することで、副図柄fzとして通常の演出態様(主図柄szの演出態様に同期する演出態様)とは異なる演出態様が設定(実行)されただけで、遊技者に対して大当たり当選の期待感を持たせることができる。
また、上述した例では、副図柄fzの演出態様を選択する処理が実行されない場合には、主図柄szの演出態様に対応した演出態様(同期演出態様)が副図柄fzに対して設定されるように構成しており、副図柄fzの変動表示が主図柄szの変動表示と同期する変動演出が実行されるように構成している。これにより、第3図柄表示装置81の表示画面上では、主図柄szの変動表示に追従するように副図柄fzが変動表示されるため、上述した第1制御例における第3図柄の変動表示(図122(b)参照)と同一の変動表示が実行されることとなる。よって、遊技者に対して、複数の主図柄szと、複数の副図柄fzと、が、図122(b)に示した様に、所定の順序(1(主図柄sz)→三角印(副図柄fz)→2(主図柄sz)→・・・)を為す図柄列として変動表示制御されていると思わせることができる。
よって、主図柄szの演出態様と、副図柄fzの演出態様とを異ならせて設定した場合に、遊技者に意外性のある演出を提供することができるため、演出効果を高めることができる。また、主図柄szに対する演出態様を設定する処理と、副図柄fzに対する演出態様を設定する処理と、を異ならせているため、主図柄szと副図柄fzとが同期しないパターンで変動表示させる処理を容易に実行することができる。つまり、上述した第1制御例のように、全第3図柄(主図柄sz及び副図柄fz)に対して、演出態様(変動パターン)を設定するように構成しているパチンコ機10では、例えば、副図柄fzの変動表示態様のみを異ならせた演出態様(変動パターン)を設定する際に、全第3図柄(主図柄sz及び副図柄fz)を対象に、副図柄fzの変動表示態様のみを異ならせた演出態様(変動パターン)を設定する必要があるが、第2制御例のように主図柄szに対する演出態様と、副図柄fzに対する演出態様と、を独立して設定可能に構成することで、副図柄fzに対する演出態様のみを可変設定するだけで良く、第3図柄の演出態様を設定するための処理を軽減させることができる。
図232に戻り説明を続ける。副図柄fzの演出態様を選択する処理が実行されると、まず、特別図柄の抽選結果が大当たりであるか否かが判別され、その判別結果を参照して、図示しない副図柄演出選択テーブルを用いて、副図柄fzの演出態様が選択される。ここで、副図柄演出選択テーブル(図示せず)には、特別図柄抽選の結果と、主図柄szに対して設定された演出態様と、に対応させて所定の割合で副図柄fzの演出態様が規定されている。具体的には、特別図柄の抽選結果が「大当たり」であって、主図柄szの演出態様として「ダブルリーチ」が設定された場合には、60%の割合で「リーチライン予告演出」が選択され、20%の割合で「逆変動表示演出」が選択され、20%の割合で「副図柄演出無し」が選択されるように規定されている。
また、特別図柄の抽選結果が「大当たり」であって、主図柄szの演出態様として「シングルリーチ」が設定された場合には、20%の割合で「リーチライン予告演出」が選択され、20%の割合で「逆変動表示演出」が選択され、60%の割合で「副図柄演出無し」が選択されるように規定されている。
さらに、特別図柄の抽選結果が「外れ」であって、主図柄szの演出態様として「ダブルリーチ」が設定された場合には、40%の割合で「逆変動表示演出」が選択され、60%の割合で「副図柄演出無し」が選択されるように規定されており、主図柄szの演出態様として「シングルリーチ」が設定された場合には、5%の割合で「リーチライン予告演出」が選択され、5%の割合で「逆変動表示演出」が選択され、90%の割合で「副図柄演出無し」が選択されるように規定されている。
このように規定された副図柄演出選択テーブル(図示せず)を用いて、「逆変動表示演出」が選択された場合には、次に、副図柄fzの表示態様を選択するための表示態様選択処理が実行される。この表示態様選択処理では、今回の第3図柄変動演出(副図柄fzの演出態様)に用いられる副図柄fzの表示態様を選択するための処理が実行されるものであって、特別図柄抽選の結果、及び、設定される大当たり種別に応じて副図柄fzの表示態様が選択される。なお、ここで選択され得る副図柄fzの表示態様は、上述した第2制御例において、図203(c)を参照して説明をした、表示制御装置114のキャラクタROM234が有するキャラクタ記憶エリア234a2に記憶されている表示態様となる。
つまり、音声ランプ制御装置113にて実行される表示態様選択処理において、副図柄fzの演出態様を特定するための表示用副図柄態様コマンド(表示用コマンド)が設定され、設定された表示用副図柄態様コマンド(表示用コマンド)を表示制御装置114が受信した場合に、キャラクタ記憶エリア234a2から対応する画像データを読み出す処理が実行される。
表示態様選択処理では、例えば、図203(c)に示した通り、副図柄fzの通常表示態様である「三角印」の表示態様SD1と、大当たり期待度が高いことを示す「泡」を模した表示態様SD2と、大当たり当選した場合に、遊技者に有利な有利大当たり遊技(16ラウンド遊技)が実行されることを示す「数字の16」を模した表示態様SD3とのうち、何れかの表示態様が選択されるように構成しており、今回の特別図柄抽選の結果が大当たりである場合のほうが、大当たり以外である場合(外れの場合)よりも、表示態様SD2を選択し易くなるように構成し、さらに、今回実行される特別図柄抽選の結果に基づいて有利大当たり遊技が実行される場合のほうが、有利大当たり遊技が実行されない場合(大当たり当選していない場合、大当たり当選しているが、有利大当たり遊技以外の大当たり遊技が実行される場合)よりも、表示態様SD3を選択し易くなるように構成している。
このように構成することで、副図柄fzに対して設定される演出態様と、副図柄fzに対して設定される表示態様と、の両方に対して遊技者に興味を持たせることができるため、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
図232は、副図柄fzの演出態様として「逆変動表示演出」が実行され、副図柄fzの表示態様として「泡」を模した表示態様SD2が設定されている状態を示したものであって、図232の視点で左方向へと主図柄szが変動表示され、図232の視点で右方向へと副図柄fzが変動表示される「逆変動表示演出」が実行されている。このように、第3図柄表示装置81の表示面にて第3図柄(主図柄sz、副図柄fz)の変動表示として、主図柄szと副図柄fzとが逆方向へと変動表示されることで、遊技者に意外性のある変動演出を提供することができる。さらに、副図柄fzを用いた演出態様として、主図柄szの変動表示方向とは異なる変動表示方向に副図柄fzを変動表示させるため、遊技者に対して、副図柄fzの演出態様が通常とは異なる演出態様であることを遊技者に分かり易く報知することができる。
なお、図232に示した表示画面では、表示面に表示されている全ての副図柄fzが、上述した表示態様選択処理により選択された「泡」を模した表示態様SD2で表示されているが、これに限ること無く、複数の副図柄fzのうち、いずれかの副図柄fzの表示態様のみを可変させても良い。この場合、最終的に停止表示される主図柄szの近傍に配置される副図柄fzの表示態様のみを上述した表示態様選択処理により選択された表示態様へと可変させ易くなるように構成しても良い。これにより、副図柄fzの表示態様に基づいて、主図柄szの停止表示態様を予測させ易くすることができる。
加えて、図232に示した表示画面では、表示面に表示されている全ての副図柄fzの大きさが同一である例が表示されているが、副図柄fzの大きさ(拡大率)や、回転角度、半透明値などを異ならせて設定しても良い。この場合、各副図柄fzを表示するための表示データテーブル(図207参照)に規定する値を変更すれば良い。
また、図232では、第3図柄変動が開始されるタイミングで、副図柄fzの表示態様が通常の「三角印」の表示態様SD1から「泡」を模した表示態様SD2へと切り替わり、逆変動表示演出が実行される例を示しているが、これに限ること無く、第3図柄変動が開始されるよりも前のタイミングとして、前回の第3図柄変動が停止表示されてから、今回の第3図柄変動が開始されるまでの期間にて副図柄fzの表示態様を切り替えたり、今回の第3図柄変動が開始されてから停止するまでの期間にて副図柄fzの表示態様を切り替えたりしても良い。
なお、前回の第3図柄変動が停止表示されてから、今回の第3図柄変動が開始されるまでの期間にて副図柄fzの表示態様を切り替える処理を実行する場合には、例えば、先読み処理によって入賞情報格納エリア223bに格納されている入賞情報に含まれるかを解析し、次に実行される特別図柄抽選(変動)が特定の抽選結果(例えば大当たり当選)となる場合において、停止表示されている副図柄fzの表示態様を可変させるように構成しても良い。この場合、次に実行される特別図柄抽選(変動)の抽選結果を示すための主図柄szの演出態様を設定するよりも前に、次に実行される副図柄fzの変動演出に用いられる表示態様が決定されることになる。このように、入賞情報格納エリア223bに格納されている入賞情報を用いることにより、特別図柄抽選の結果を示すための第3図柄変動の演出態様に用いる各態様を遊技者に報知するタイミングを異ならせることができるため、遊技者に対して、実行される第3図柄変動演出に興味を持たせることができる。
また、今回の第3図柄変動が開始されてから停止するまでの期間にて副図柄fzの表示態様を切り替える処理を実行する場合には、第3図柄変動が開始される時点において副図柄fzを切替前の表示態様で表示しても良いし、表示態様を切り替える処理が実行された後に、副図柄fzを表示するように構成しても良い。
<大当たり遊技中に実行される切替弁の切替制御について>
上述した各制御例では、大当たり動作設定処理(図169のS1906参照)や、Vラウンド処理(図219のS2251参照)を用いて説明をした通り、特定のラウンド遊技(Vラウンド遊技)が開始されたと判別された場合に、切替弁65y(図120(b)、或いは、図213(b)参照)に対する制御処理を実行するように構成していた。つまり、実行される大当たり遊技が確変大当たり遊技である場合にのみ、特定のラウンド遊技(Vラウンド遊技)が実行されるように構成し、通常大当たり遊技である場合には、特定のラウンド(Vラウンド遊技)が実行されないように構成していた。このように構成することで通常大当たり遊技中に球がV入賞(特定領域(Vゲート65V)へと通過)することを抑制することができるものであったが、実行される大当たり遊技の種別に応じて、切替弁65yに対する制御処理の内容を可変させる必要があるため、大当たり遊技中の処理負荷を増大させてしまうという問題があった。
そこで、上述した各制御例にて用いられた切替弁65yに対する制御処理内容以外の制御処理を用いても良く、例えば、通常大当たり遊技においてもVラウンド遊技が実行されるが、そのVラウンド遊技を終了させる条件を確変大当たり遊技と異ならせ、Vラウンド遊技中に球が可変入賞装置65へと入賞し得ないように構成しても良い。また、上述したVラウンド処理(図219のS2251参照)が実行される第4制御例のように、Vラウンド遊技が実行されてからの球の入賞数に基づいて切替弁65yを切替制御する場合には、通常大当たり遊技においては、切替弁65yを切替制御するための球の入賞数を、Vラウンド遊技を終了させるための入賞数(例えば、10個)よりも多い数に設定することで切替弁65yの切替制御が実行されないように構成しても良い。
また、切替弁65yの制御内容(切替条件)を、確変大当たり遊技と、通常大当たり遊技とで同一に設定し、通常大当たり遊技の実行中に球が特定領域(Vゲート65V)を通過したとしても、その通過を有効に処理しないように構成しても良い。つまり、通常大当たり遊技中に球が特定領域を通過したとしても、その大当たり遊技中に特別図柄の高確率状態が設定されないように構成しても良い。
さらに、大当たり遊技の種別に関わらず、大当たり遊技が開始されてから(大当たり遊技のオープニング期間が設定されてから)、所定期間経過した場合に切替弁65yが所定期間の間、開状態となるように切替制御を実行し、大当たり遊技における開閉扉65bの開放パターンを大当たり遊技の種別に応じて異ならせるように構成することで、大当たり遊技種別毎のV入賞確率を異ならせるように構成しても良い。
上述した第2制御例、及び第2制御例の変形例では、主図柄szの演出態様(変動パターン)も、副図柄fzの演出態様(変動パターン)も、音声ランプ制御装置113にて設定(選択)するように構成しているが、これに限ること無く、表示制御装置114にて演出態様(変動パターン)を設定するように構成しても良く、この場合、特別図柄抽選の結果を示す主図柄szの演出態様のみ音声ランプ制御装置113にて設定し、副図柄fzの演出態様を表示制御装置114にて設定するように構成すると良い。
以上、第2制御例、及び第2制御例の変形例について説明をしたが、第3図柄表示装置81の表示面にて実行される各種図柄を動的表示させる変動演出の演出態様を設定する場合において、動的表示される図柄の種別に対して独立して演出態様を設定し、独立して表示制御を実行するように構成するものであれば良く、上述した制御例にて示した構成以外の構成を用いても良い。
例えば、副図柄fzを表示するための表示画層を複数設け、図211を参照して上述した第2制御例の変形例のように、副図柄fzを重複させて変動表示可能に構成しても良い。
また、複数の表示画層を設け、各画層に対して表示の優先順位を設定し、第3図柄表示装置81の表示面において、各表示画層に表示される表示態様が重複した場合には、優先順位の高い画層に表示される表示態様が遊技者に視認可能となるように表示制御されていたが、これに限ること無く、例えば、優先順位が設定されない表示画層を設け、第3図柄表示装置81の表示面に複数の表示画層に表示された表示態様を重複させて表示するように構成しても良い。この場合、例えば、図232に参照した「逆変動表示演出」を実行する場合において、「三角印」の副図柄fzの中に、「泡」を模した副図柄fzが表示される重複副図柄が表示されるように表示制御(各副図柄の半透明値、拡大率を設定)し、副図柄fzの表示態様が「三角印」から「泡」へと可変することを事前に示唆可能な表示態様で表示するように構成しても良い。
以上、説明をした通り、上述した第1制御例、及び第4制御例では、遊技状態として通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)と、その通常状態よりも遊技者に有利となる有利遊技状態として、確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の高確率状態)と、時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)と、の2種類の有利遊技状態を設定可能に構成している。さらに、確変状態が終了した後に時短状態が設定されるように構成している。
そして、有利遊技状態が設定された場合には、次に、通常状態が設定されるまでの期間、例えば、確変状態が設定された場合には、確変状態の終了後に設定される時短状態が終了し、通常状態が設定されるまでの期間を有利遊技状態の継続期間として遊技者に報知可能に構成している。このように構成することで、現在設定されている遊技状態が終了するまでの期間では無く、遊技者に有利となる有利遊技状態が終了するまでの期間を遊技者に報知することができるため、遊技者に安心して遊技を行わせることができる。
加えて、複数の有利遊技状態が連続して継続する期間を1の有利遊技状態の継続期間として報知する場合において、第3図柄表示装置81にて実行される各種演出の内容及び実行頻度によって、現在設定されている詳細な遊技状態を遊技者に把握させることができるように構成している。このように構成することで、通常状態が設定されるまでの期間を把握しながらも、現在の遊技状態を予測しながら遊技を行わせることができるため、遊技の興趣を向上させることができる。
また、上述した第1制御例、及び第4制御例では、複数の有利遊技状態のうち、遊技者により有利となる最有利遊技状態(確変状態)が先に設定され、その後、最有利遊技状態(確変状態)よりも不利となる通常有利遊技状態(時短状態)が設定されるように構成しているが、複数の有利遊技状態が連続して設定され得る構成であれば良く、例えば、遊技状態として、通常状態と、確変状態と、時短状態と、に加え、潜確状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の低確率状態)も設定であって、確変状態よりも潜確状態のほうが遊技者に有利となるように構成したパチンコ機10では、特別図柄、或いは、普通図柄が高確率状態である遊技状態(確変状態、時短状態、潜確状態)が、遊技者に有利な有利遊技状態となる。そして、特別図柄の高確率状態が継続する期間を示す確変カウンタ203iの値のほうが、普通図柄の高確率状態が継続する期間を示す時短カウンタ203hの値よりも大きくなるように設定可能に構成する。
このように構成されたパチンコ機10にて、例えば、大当たり遊技終了後に確変状態として、確変カウンタ203iの値として「100」を、時短カウンタ203hの値として「50」を設定可能に構成することで、大当たり遊技終了後には、有利遊技状態として確変状態が設定され、その後、潜確状態が設定されることになる。このような場合であっても、上述した第1制御例、及び第4制御例のように、複数の有利遊技状態が連続して継続する期間、即ち、確変状態の後に設定される潜確状態が終了するまでの期間を1の有利遊技状態の継続期間として報知すると良い。また、この場合、有利遊技状態の継続期間中に、現在設定されている遊技状態が他の遊技状態へと移行する可能性があるか否かを遊技者に示唆可能な移行示唆演出を実行可能に構成すると良い。これにより、有利遊技状態中に他の遊技状態へと移行する可能性があることのみを遊技者に把握させることができるため、有利遊技状態中に実行される遊技の内容を、予測させる楽しみを提供することができる。さらに、有利遊技状態の継続期間中に、現在設定されている遊技状態が他の遊技状態へと移行する可能性がある場合において、移行後の遊技状態が遊技者により有利となる遊技状態であるか否かを示唆可能な有利移行示唆演出を実行可能に構成しても良い。さらに、有利遊技状態中に遊技状態が移行するタイミングを示唆する示唆演出を実行するように構成しても良い。このように構成することで、通常状態が設定されるまでの期間を把握しながらも、その期間内における遊技を楽しませることができる。
また、上述した第1制御例、及び第4制御例では、有利遊技状態中に大当たり当選した場合には、有利遊技状態が終了するように構成しているが、複数の有利遊技状態のうち、遊技者により有利となる最有利遊技状態(確変状態)が先に設定され、その後、最有利遊技状態(確変状態)よりも不利となる通常有利遊技状態(時短状態)が設定されるように構成しているため、有利遊技状態中に大当たり当選することにより遊技者に不利とならないが、例えば、複数の有利遊技状態のうち、遊技者により有利となる通常有利遊技状態(確変状態)が先に設定され、その後、通常有利遊技状態(確変状態)よりも遊技者に有利となる最有利遊技状態(潜確状態状態)が設定されるように構成したパチンコ機10では、通常有利遊技状態中に大当たり当選するよりも、大当たり当選すること無く、最有利遊技状態が設定される場合のほうが、遊技者に有利となり得る場合がある。
よって、有利遊技状態中に実行される特別図柄抽選の結果として大当たり当選することが遊技者に有利となる期間と、不利となる期間とを遊技者が識別可能な期間演出を実行するように構成すると良い。これにより、期間演出によって識別した内容に基づいて特別図柄抽選の結果を注視することができるため、遊技の興趣を向上させることができる。さらに、特別図柄抽選で大当たり当選した場合に設定される大当たり種別として、通常有利遊技状態中に設定されると遊技者に不利となる大当たり種別と、通常有利遊技状態中に設定されたとしても遊技者に不利とならない大当たり種別と、を有するパチンコ機10であれば、上述した期間演出の演出内容と、大当たり当選時に設定される大当たり種別とに基づいて、遊技者に有利な大当たり当選であるか否かを示唆する演出を実行するように構成しても良い。これにより、特別図柄抽選で大当たり当選を目指すだけの遊技では無く、大当たり当選するタイミングと、大当たり当選時に設定される大当たり種別と、に対しても遊技者に興味を持たせることができる。
上述した第1制御例では、大当たり遊技終了後に複数種類(2種類)の有利遊技状態(確変状態、時短状態)の何れかが設定されるように構成しているが、これに限ること無く、大当たり遊技終了後に通常状態が設定され得るように構成しても良い。このように構成することで、大当たり遊技終了後に有利遊技状態が設定されることを期待しながら遊技者に遊技を行わせることができる。
また、上述した第1制御例では、大当たり遊技中に実行される大当たり遊技演出の演出結果に応じて、大当たり遊技終了後に確変状態が設定されたことを報知する演出モード(スーパーチャンスモード)と、大当たり遊技終了後に通常状態よりも遊技者に有利となる有利遊技状態(確変状態、或いは時短状態)が設定されたことを報知する演出モード(チャンスモード)と、を設定するように構成している。これにより、大当たり遊技中に実行される大当たり遊技演出において、大当たり遊技終了後に確変状態が設定されることを報知したにも関わらず、大当たり遊技終了後にチャンスモードが設定されるという無意味な演出が実行されることを抑制することができる。
このように構成された第1制御例の技術に対して、例えば、大当たり遊技終了後に設定される演出モードを遊技者が任意に選択可能な演出モード選択手段を設け、予め、演出モード選択手段により任意の演出モードを選択可能にしておくことで、大当たり遊技中に実行される大当たり遊技演出の演出態様、及び、大当たり遊技終了後に設定される演出モードを、演出モード選択手段により選択された内容に対応させて設定するように構成しても良い。具体的には、演出モード選択手段により、大当たり遊技終了後に設定される演出モードとして、実際に設定される遊技状態を報知する「完全告知モード」と、有利遊技状態が設定されていることのみを報知する「チャンス告知モード」と、を選択可能に構成し、パチンコ機10にて特別図柄抽選が実行されていない期間において、遊技者が操作手段(枠ボタン22)を操作することで何れかの演出モードを選択可能に構成する。
遊技者により選択された演出モードを一時的に記憶する記憶手段を設け、その記憶手段に記憶された演出モードを識別可能な情報を第3図柄表示装置81の表示面の一部(例えば、副表示領域Ds)に表示しておき、現在設定されている演出モードを常に遊技者が識別可能に構成する。そして、特別図柄抽選で大当たり当選した場合に、記憶手段に記憶されている演出モードを読み出す。例えば、記憶手段に「完全告知モード」が記憶されている場合には、大当たり遊技演出として、大当たり遊技中に球を特定領域(Vゲート)65vに通過させる(V入賞)ことを案内する演出としてV報知演出を実行し、実際に球が特定領域(Vゲート)65vを通過した場合には、大当たり遊技終了後に確変状態が設定されることを示す表示態様でエンディング画面を表示し(図127(b),(d)参照)、通過しなかった場合には、大当たり遊技終了後に時短状態が設定されることを示す表示態様でエンディング画面を表示する(図127(a),(c)参照)そして、大当たり遊技終了後に確変状態が設定された場合には、現在の遊技状態が確変状態であることを示す「スーパーチャンスモード」(図131(a)参照)が設定され、大当たり遊技終了後に時短状態が設定された場合には、現在の遊技状態が時短状態であることを示す「チャンスモード」(図128(a)参照)が設定される。このように構成することで、設定される遊技状態、及び、遊技状態を決定するための契機となるV入賞の有無を遊技者に確実に報知することができる。
一方、記憶手段に「チャンス告知モード」が記憶されている場合には、大当たり遊技演出として上述したV報知演出を実行しないようにし、大当たり遊技終了後には、設定される遊技状態に関わらず「チャンスモード」が設定される。このように構成することで、設定される遊技状態、及び、遊技状態を決定するための契機となるV入賞の有無を遊技者に報知すること無く、遊技を行わせることができる。なお、演出モード選択手段による演出モードの選択がされていない場合は、パチンコ機10の初期状態と同様に、記憶手段には「初期モード」が記憶されており、上述した第1制御例と同様に、大当たり遊技中にV報知演出を実行するか否かを抽選で決定し、その抽選結果に基づいた大当たり遊技演出を実行し、その大当たり遊技演出の演出結果に基づいて、大当たり遊技終了後の演出モードが設定される。
このように構成することで、遊技者が所望する任意の演出モードを違和感無く提供することができるため、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができる。
さらに、パチンコ機10にて実行される各種演出を選択可能な手段として、チャンスモードが選択されている場合に実行される操作演出に対して選択される各種演出態様(図148参照)の選択割合を遊技者が任意に選択可能な演出頻度選択手段を設けても良い。具体的には、確変状態が設定されている場合と、時短状態が設定されている場合とで、選択される各種演出態様の選択割合を大きく乖離させたり、選択割合の相違を小さくさせたりすることができるように選択割合を遊技者が選択可能にする演出頻度選択手段を設けると良い。このような構成を用いた場合であっても、遊技者が所望する任意の演出モードを違和感無く提供することができるため、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができる。
以上、説明をした第1制御例から第4制御例では、特別図柄抽選で大当たり当選した場合に実行される大当たり遊技中に可変入賞装置65内に設けられた特定領域(Vゲート65V)を球が通過することで、大当たり遊技終了後に特別図柄の高確率状態(確変状態)が設定されるように構成されたパチンコ機10について説明をしたが、このように、遊技者に有利となる特典遊技が実行されている状態で球が特定領域を通過したことに基づいて特典遊技とは異なる特別遊技を遊技者に提供可能な構成として、例えば、特別図柄抽選で大当たり当選とは異なる抽選結果である小当たりに当選した場合に、特典遊技(大当たり遊技)とは異なる第2特典遊技(小当たり遊技)を実行可能にし、その第2特典遊技中に開放動作される可変入球手段(可変入賞装置65でも良いし、それ以外の入賞装置を別途設けても良い)に入球した球が通過し得る特定領域を設け、第2特典遊技中に球が特定領域を通過した場合に、第2特典遊技(小当たり遊技)の終了後に特典遊技(大当たり遊技)を実行可能な構成を用いても良い。
なお、上述した各制御例におけるパチンコ機10の構成として、図233に示した通り、何れの遊技状態が設定されている状態であっても、左打ち遊技を実行することで第1特別図柄抽選の実行契機となり得る第1入球口64へと遊技球を入球可能とし、右打ち遊技を実行することで第2特別図柄抽選の実行契機となり得る第2入球口640へと遊技球を入球可能とするように構成しても良い。
<第5制御例>
次に、図234から図270を参照して、第5制御例について説明をする。本第5制御例は、上述した第1制御例に対して、主制御装置110のMPU201が有するROM202、及びRAM203の一部構成を変更した点と、音声ランプ制御装置113のMPU221が有するROM222、及びRAM223の一部構成を変更した点とで相違している。また、主制御装置110のMPUが実行する制御内容と、音声ランプ制御装置113のMPU221が実行する制御内容の一部を変更した点で相違している。それ以外の内容は同一であり、同一の内容については、同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
上述した第1制御例では、遊技状態として通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)、時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)、確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の高確率状態)を設定可能に構成し、特別図柄抽選で大当たり当選したことに基づいて実行される大当たり遊技の終了後に、各図柄(特別図柄、普通図柄)の確率状態を低確率状態から高確率状態へと移行させることを可能に構成していた。また、上述した大当たり遊技の終了後、及び、他の終了条件(例えば、特別図柄抽選の実行回数が所定回数に到達した場合に成立する終了条件)が成立した場合に、各図柄(特別図柄、普通図柄)の確率状態を高確率状態から低確率状態へと移行させることを可能に構成していた。
つまり、特別図柄抽選によって大当たり当選しない限り、各図柄(特別図柄、普通図柄)の確率状態を低確率状態から高確率状態へと移行させる契機が成立しないように構成していた。このように構成された第1制御例では、遊技者に対して、多くの賞球を付与可能な大当たり遊技と、遊技者に有利な抽選が実行され易い高確率状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の高確率状態)の設定と、が何れも特別図柄抽選で大当たり当選したことに基づいて実行されるため、特別図柄抽選で大当たり当選した遊技者に対して多様な特典を付与することができ、遊技者に対して特別図柄抽選で大当たり当選することを目指して意欲的に遊技を行わせることができるものであった。
しかしながら、上述した第1制御例では、特別図柄抽選で大当たり当選した場合にのみ、各図柄の確率状態を高確率状態へと移行可能に構成していることから、特別図柄抽選で大当たり当選していない遊技者は特典が付与されず、長時間に渡って大当たり当選していない遊技者の遊技意欲が低下してしまうという問題があった。
これに対して、本第5制御例では、普通図柄の確率状態を低確率状態から高確率状態へと移行させるための契機として、特別図柄抽選の大当たり当選以外の契機を設け、特別図柄抽選の抽選結果が大当たり当選とは異なる抽選結果(外れ)の一部において、普通図柄の高確率状態を設定させるための契機が成立するように構成している。
つまり、特別図柄抽選で大当たり当選しなかった遊技者に対しても、大当たり遊技とは異なる特典を付与可能に構成している。このように構成することで、1回の特別図柄抽選において、大当たり遊技が実行される抽選結果と、時短状態(普通図柄の高確率状態)が設定される抽選結果とを遊技者に別々に提供することができるため、遊技者に対して有利となる抽選結果の種別の多様化を図りやすくすることができる。
さらに、本第5制御例では、設定されている遊技状態に応じて、普通図柄の高確率状態を設定させるための契機の成立のし易さを異ならせており、具体的には、遊技状態として通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)が設定されている場合は、特別図柄抽選が実行された場合に大当たり当選の有無に加え、時短当選(普通図柄の高確率状態を設定させるための契機の成立の有無)の有無を判定可能に構成し、通常状態以外の遊技状態が設定されている場合は、特別図柄抽選が実行された場合に大当たり当選の有無のみを判定可能に構成している。
このように構成することで、通常状態が設定されている状態では、普通図柄の高確率状態が設定され得る契機として、特別図柄抽選において大当たり当選した場合に成立し得る契機と、特別図柄抽選で時短当選した場合に成立し得る契機と、が設定され、通常状態以外の遊技状態では、普通図柄の高確率状態が設定され得る契機として、特別図柄抽選において大当たり当選した場合に成立し得る契機が設定されることになる。即ち、時短当選の有無を判定可能となる通常状態のほうが、通常状態以外の遊技状態よりも、普通図柄の高確率状態を設定するために多くの契機が設定されるように構成している。
よって、各図柄(特別図柄、普通図柄)が低確率状態に設定されており、各図柄抽選において最も当たり当選し難い遊技状態(遊技者に不利となる遊技状態)である通常状態のほうが、他の遊技状態よりも普通図柄の高確率状態を設定させ易くすることができ、通常状態中の遊技を実行している遊技者の遊技意欲を高めることができる。
加えて、本第5制御例では、普通図柄の高確率状態が設定されている遊技状態(確変状態、時短状態)のほうが、普通図柄の低確率状態が設定されている遊技状態(通常状態、第2確変状態)よりも第2特別図柄抽選が実行され易くなるように構成しており、且つ、第2特別図柄抽選の実行権利(特図2保留)を、所定数(4個)を上限に記憶可能(保留記憶可能)に構成している。そして、第1特別図柄抽選よりも第2特別図柄抽選のほうが時短当選し易くなるように構成している。
つまり、普通図柄の高確率状態が設定されている何れかの遊技状態(確変状態、時短状態)から通常状態へと遊技状態が移行した場合(遊技者に有利な遊技状態から不利な遊技状態へと移行した場合)において、移行後の通常状態中に、移行前の普通図柄の高確率状態中にて保留記憶された第2特別図柄抽選の実行権利に基づく第2特別図柄抽選が実行された場合に時短当選し易くなるように構成している。
このように構成することで、遊技者に有利な遊技状態から不利な遊技状態へと移行した場合にも所定期間の間、遊技者に有利な遊技状態へと復帰し易い特別図柄抽選を遊技者に実行させることができるため、遊技者に不利となる遊技状態である通常状態が設定された場合に遊技者の遊技意欲が著しく低下してしまうことを抑制することができる。また、通常状態中により多くの第2特別図柄抽選を実行させるために、第2特別図柄抽選の実行権利(特図2保留)を上限数(4個)獲得した状態で普通図柄の高確率状態を終了させようと、普通図柄の高確率状態が終了する最後の瞬間まで特図2保留を獲得するための遊技を意欲的に行わせることができる。
上述した第1制御例では、特別図柄抽選で大当たり当選したことに基づいてのみ普通図柄の高確率状態を設定可能に構成していた。具体的には、大当たり遊技終了後に、遊技者に有利な有利遊技状態として、確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の高確率状態)或いは、時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)を設定可能に構成していた。そして、大当たり遊技終了後に確変状態が設定された場合には、特別図柄抽選が50回実行されるまで確変状態が継続し、その後、50回の特別図柄抽選が実行されるまで、即ち、大当たり遊技終了後からの特別図柄抽選回数が100回に到達するまで、時短状態が設定されるように構成していた。一方、大当たり遊技終了後に時短状態が設定された場合には、特別図柄が100回実行されるまで時短状態が継続するように構成していた。
これに対して、本第5制御例では、上述した通り、特別図柄抽選で大当たり当選した場合に加え、特別図柄抽選で時短当選した場合にも普通図柄の高確率状態を設定可能に構成しており、大当たり当選に基づいて設定される普通図柄の高確率状態(第1時短)と、時短当選に基づいて設定される普通図柄の高確率状態(第2時短)とで、普通図柄の高確率状態を終了させるための終了条件の成立のし易さを異ならせている。
具体的には、第1時短の終了条件として設定される時短回数よりも第2時短の終了条件として設定される時短回数のほうが多くなり易くなるように構成している。このように、普通図柄の高確率状態が設定された場合において、その設定契機(普通図柄の高確率状態を設定するための成立契機)に応じて有利度合いを異ならせた普通図柄の高確率状態を設定可能とすることにより、普通図柄の高確率状態が設定されるか否かだけで無く、どのような契機で普通図柄の高確率状態が設定されるのかという遊技の過程についても遊技者に興味を持たせることができるため、遊技者に継続して遊技を行わせ易くすることができる。
なお、本第5制御例では、普通図柄の高確率状態において遊技者に付与される特典の有利度合いを異ならせるために、時短終了条件の成立のし易さ(時短回数)を異ならせているが、これに限ること無く、例えば、第1時短が設定された場合と、第2時短が設定された場合とで、第2特別図柄抽選の保留記憶の獲得のし易さ(電動役物640aの開放パターン)を異ならせたり、普通図柄の高確率状態中に特別図柄抽選で大当たり当選した場合に付与される特典の有利度合い(例えば、大当たり遊技中に付与される賞球数や、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態の種別)を異ならせたりするように構成しても良い。
まず、図234を参照して、本第5制御例におけるパチンコ機10の構成について説明をする。図234は、本第5制御例のパチンコ機10における遊技盤13の正面図である。図234に示した通り、本第5制御例のパチンコ機10における遊技盤13は、上述した第1実施形態のパチンコ機10における遊技盤13(図119参照)に対して、遊技盤13の左側領域(可変表示ユニット80の左側の領域)に設けられていたスルーゲート67を削除した点と、電動役物640aが付設された第2入球口640、少なくとも大当たり遊技が実行された場合に遊技球を入賞させることが可能となる可変入賞装置65の配設位置を異ならせた点と、で大きく相違している。また、可変入賞装置65の内部構成を変更している点で相違している。それ以外の内容は上述した第1制御例と同一であり、同一の要素については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
図234に示した通り、本第5制御例のパチンコ機10では、普通図柄の抽選実行契機を成立させるための入球口であるスルーゲート67を、可変表示ユニット80の右側に形成された右側領域のみに配設している。このように構成することで、可変表示ユニット80の左側に形成された左側領域に向けて遊技球を発射させ、第1入球口(入賞口)64へと遊技球を入球させる左打ち遊技を行っている間は、普通図柄抽選を実行させ難くすることができる。
第1入球口64は、可変表示ユニット80の下方に配置されている。可変表示ユニット80が遊技盤13上の遊技領域を左右に区画するように配置されており、可変表示ユニット80の左側には遊技球が流下可能な左側流路(左側領域)が形成され、可変表示ユニット80の右側には遊技球が流下可能な右側流路(右側領域)が形成されている。そして、左側流路(領域)を流下した遊技球は、右側流路(領域)を流下すること無く、右側流路(領域)を流下した遊技球は、左側流路(領域)を流下しないように構成されている。
可変表示ユニット80の下側には、左側流路(領域)を流下した遊技球も、右側流路(領域)を流下した遊技球も流下可能な下側領域(共通領域)が形成され、下側領域の最流下部(遊技盤13の最下部)にはアウト口66が設けられている。第1入球口64は、左側流路を流下した遊技球も、右側流路を流下した遊技球も入球可能な位置に配置されている。なお、本第5制御例の構成とは異ならせ、左側流路を流下する遊技球のみが第1入球口64へと入球可能となるように構成しても良い。このように構成することで、右側領域へと遊技球を流下させる右打ち遊技を実行する場合、例えば、右打ち遊技によって第2入球口640へと遊技球を入球させる遊技を実行する場合において、第1入球口64へと遊技球が入球し、第1特別図柄抽選が実行される事態が発生することを抑制することができる。
第2入球口640は、右側流路を流下した遊技球が、左側流路を流下した遊技球よりも入球し易い位置に配置されている。第2入球口640は、遊技盤13に横長矩形状の開口部が形成されており、その開口部に遊技球が流下することが可能な流路が形成されており、開口部に入球した遊技球を検知するフォトセンサが設けられている。開口部の前面側には開口部を塞ぐことが可能な横長矩形状の開閉板として電動役物640aが付随して設けられており、その開閉板の可変を軸として正面側に開閉駆動するための開放口ソレノイド(図示せず)とを備えている。第2入球口640の開口部は、通常時は、遊技球が入賞できないか又は入賞し難い閉状態になっている。普通図柄(第2図柄)の当たりの際には開放口ソレノイドを駆動して電動役物640aを正面下側に傾倒し、球が第2入球口640の開口部に入賞しやすい開放状態を一時的に形成し、その開放状態と通常時の閉鎖状態との状態を遊技状態により定められた所定回数繰り返すように作動する。
尚、本パチンコ機10では、第1入球口64及び第2入球口640へ入賞があったことを契機として抽選(特別図柄抽選)が行われる。パチンコ機10は、その特別図柄抽選において、大当たりか否かの当否判定(大当たり抽選)と、普通図柄の高確率状態を設定するための時短当選の判定(時短抽選)とを行うと共に、大当たりと判定した場合(大当たり当選した場合)はその大当たり種別の判定を行い、時短当選した場合はその時短種別の判定を行うように構成している。
本第5制御例では、第1入球口64に遊技球が入球した場合に抽選契機が成立する第1特別図柄と、第2入球口640に遊技球が入球した場合に抽選契機が成立する第2特別図柄と、で異なる大当たり種別が規定されており、第1特別図柄に対しては16R確変大当たり(大当たりA5)、6R確変大当たり(大当たりB5)が規定されている。また、第2特別図柄に対しては16R確変大当たり(大当たりA5)、6R確変大当たり(大当たりC5)、6R確変大当たり(大当たりD5)が規定されている。第1図柄表示装置37A,37Bには、変動終了後の停止図柄として抽選の結果が大当たりであるか否かが示されるだけでなく、大当たりである場合はその大当たり種別に応じた図柄が示される。
ここで、「16R確変大当たり(大当たりA5)」とは、最大ラウンド数が16ラウンドの大当たり遊技が実行され、その大当たり遊技の終了後に確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の高確率状態)が設定される大当たり種別である。本第5制御例では、特別図柄の高確率状態が継続する期間(特図高確期間)と、普通図柄の高確率状態が継続する期間(普図高確期間)として、異なる期間を設定可能に構成しており、大当たりA5は、特図高確期間として特別図柄(第1特別図柄または第2特別図柄)が60回変動されて、60回目の特別図柄変動が停止するまでの期間が設定され、普図高確期間として特別図柄(第1特別図柄または第2特別図柄)が60回変動されて、60回目の特別図柄変動が停止するまでの期間が設定される。
つまり、大当たりA5に対しては、特図高確期間と、普図高確期間として同一条件(60回目の特別図柄変動停止)が規定されている。よって、大当たり種別として大当たりA5が設定された場合には、大当たり遊技終了後に確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の高確率状態)が設定され、その確変状態中における60回目の特別図柄変動が停止表示された場合に特図高確期間と普図高確期間とが共に終了し通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)が設定される。このように構成することで、普通図柄の高確率状態が設定されている遊技状態から直接通常状態へと遊技状態が移行することになるため、普通図柄の高確率状態中に獲得した第2特別図柄の抽選権利(特図2保留)に基づく第2特別図柄抽選を、通常状態において実行し易くすることができる。
「6R確変大当たり(大当たりB5)」とは、最大ラウンド数が6ラウンドの大当たり遊技が実行され、その大当たり遊技の終了後に確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の高確率状態)が設定される大当たり種別である。この大当たりB5が、特図高確期間、及び普図高確期間を終了させるための終了条件として、上述した大当たりA5と同一の終了条件(60回目の特別図柄変動が停止表示された場合に成立する条件)が規定されている。つまり、大当たりB5は、大当たりA5に対して、大当たり遊技中に実行されるラウンド遊技の数(ラウンド数)のみを異ならせた大当たり種別となる。
上述したとおり、本第5制御例では、普通図柄の低確率状態である通常状態においては、第2入球口640へと遊技球を入球させることが困難となるように構成していることから、通常状態中は左打ち遊技によって第1入球口64へと遊技球を入球させ、第1特別図柄抽選を実行させる左打ち遊技が実行されるように構成している。そして、第1特別図柄抽選で大当たり当選した場合には、大当たり種別として大当たりA、或いは大当たりBの何れかが設定されるように構成している。つまり、通常状態において主として実行される第1特別図柄抽選において大当たり当選した場合には、設定された大当たり種別に応じた異なるラウンド数の大当たり遊技が実行され、大当たり遊技終了後に終了条件が同一の確変状態が設定されるように構成している。
このように構成することで、何れの大当たり種別が設定された場合であっても、大当たり遊技が終了した後には同一条件の遊技を遊技者に行わせることができる。なお、本第5制御例では、第1特別図柄抽選にて大当たり当選した場合に、大当たり遊技のラウンド数のみを異ならせた大当たり種別を設定可能に構成しているが、これに限ること無く、設定される大当たり種別に応じて、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態の種別を異ならせたり、同一の遊技状態に対して終了条件を異ならせたりするように構成しても良い。また、大当たり遊技の内容(ラウンド数等)と、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態の内容(遊技状態種別、終了条件)と、を異ならせて設定可能に構成しても良い。
この場合、特別図柄の大当たり当選に基づいて遊技者に付与される第1特典(大当たり遊技)と、第2特典(普通図柄の高確率状態)と、の種別として、第1特典及び第2特典が最も遊技者に有利となる組合せに対応した大当たり種別から、第1特典及び第2特典が最も遊技者に不利となる組合せに対応した大当たり種別まで予め規定しておき、大当たり当選時にいずれかの大当たり種別が設定されるように構成しても良い。このように構成することで、特別図柄抽選で大当たり当選した後に付与され得る特典の有利度合いを、設定される大当たり種別に基づいて大きく異ならせることができるため、遊技者に対して設定される大当たり種別に対して興味を持たせることができる。なお、特別図柄抽選で大当たり当選したことに基づいて付与される特典の有利度合いを大きく異ならせないようにするためには、例えば、有利度合いの低い第1特典と、有利度合いの高い第2特典と、を組み合わせた大当たり種別や、有利度合いの高い第1特典と、有利度合いの低い第2特典と、を組み合わせた大当たり種別、即ち、大当たり種別に対して規定されている第1特典と第2特典との有利度合いが共に高い、或いは共に低い大当たり種別以外の大当たり種別のみが予め規定されるように構成し、規定されている複数の大当たり種別の中かから何れか1の大当たり種別を設定するように構成すれば良い。
「6R確変大当たり(大当たりC5)」とは、最大ラウンド数が6ラウンドの大当たり遊技が実行され、その大当たり遊技の終了後に確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の高確率状態)が設定される大当たり種別である。そして、本第5制御例では、特別図柄の高確率状態が継続する期間(特図高確期間)と、普通図柄の高確率状態が継続する期間(普図高確期間)として、異なる期間を設定可能に構成しており、大当たりC5は、特図高確期間として特別図柄(第1特別図柄または第2特別図柄)が60回変動されて、60回目の特別図柄変動が停止するまでの期間が設定され、普図高確期間として特別図柄(第1特別図柄または第2特別図柄)が56回変動されて、56回目の特別図柄変動が停止するまでの期間が設定される。
つまり、大当たりC5は、特図高確期間を終了させるための終了条件(確変終了条件)と、普図高確期間を終了させるための終了条件(時短終了条件)とを異ならせて規定しており、確変終了条件が成立するよりも前に時短終了条件が成立するように構成されている。よって、大当たり種別として大当たりC5が設定された場合には、大当たり遊技終了後に確変状態が設定され、その確変状態中における56回目の特別図柄変動が停止表示された場合に、特図高確期間よりも先に普図高確期間が終了し、第2確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の低確率状態)が設定される。そして、第2確変状態が設定されてから4回目(大当たり遊技が終了してから合計で60回目)の特別図柄変動が停止表示された場合に時短終了条件が成立し、通常状態が設定されるように遊技状態が遷移する。
ここで、確変状態が設定されている期間は、普通図柄の高確率状態が設定されていることから、第2特別図柄抽選の実行権利(特図2保留)を獲得し易い遊技状態であり、遊技者に対して右打ち遊技を行わせる遊技期間となるのに対して、第2確変状態が設定されている期間は、普通図柄の低確率状態が設定されていることから、通常状態と同様に特図2保留を獲得し難い遊技状態となる。よって、遊技者に対して左打ち遊技を行わせる遊技期間となる。つまり、確変状態から第2確変状態へと移行した場合には、確変状態中に獲得した特図2保留に基づく第2特別図柄抽選が、第2確変状態中に実行されることになる。そして、本第5制御例では、第1特別図柄抽選よりも第2特別図柄抽選が優先して実行され、且つ、特図2保留を最大で4個まで記憶可能に構成していることから、特図2保留を上限数(4個)獲得した状態で確変状態から第2確変状態へと移行したとしても、第2確変状態が終了するまで(特図高確期間が終了するまで)の間に、4回の第2特別図柄抽選が実行されるため、第2確変状態から通常状態へと遊技状態が移行した時点において記憶されている特図2保留の数が0個となる。
つまり、大当たり種別として大当たりCが設定された場合には、大当たり遊技終了後に主として第2特別図柄抽選が実行される普図高確期間(確変状態)が設定されるが、普図高確期間中に獲得した特図2保留に基づく第2特別図柄抽選を、通常状態にて実行させ難い遊技が実行されることになる。よって、同一内容の大当たり遊技が実行され、且つ、大当たり遊技終了後に確変状態が設定される点で同一の大当たり種別である大当たりBよりも、特図高確期間及び普図高確期間が終了し、通常状態が設定された状態における第2特別図柄抽選の実行のし易さの点で大当たりBよりも不利な大当たり種別となる。
なお、詳細な説明は後述するが、本第5制御例では、確変状態が終了し第2確変状態が設定された場合と、確変状態が終了し通常状態が設定された場合と、で同一の演出態様(引き戻しモード)が設定されるように構成している。つまり、確変状態が終了した後に、第2確変状態、或いは通常状態の何れの遊技状態が設定されているのかを遊技者に把握させ難くするように構成している。このように構成することで、普図高確期間が終了した後に実行される第2特別図柄抽選が通常状態中に実行されたものであるか、第2確変状態中に実行されたものであるかを遊技者に分かり難くすることができるため、実行された第2特別図柄抽選によって時短当選し得るか否か(時短抽選が実行されているか否か)を分かり難くすることができる。
よって、第2確変状態が設定されている場合であっても、時短当選を期待させながら遊技を行わせることができる。
なお、本第5制御例では、確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の高確率状態)が設定されてから特図高確期間(特別図柄の高確率状態が継続する期間)よりも先に普図高確期間(普通図柄の高確率状態が継続する期間)が終了し、第2確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の低確率状態)するように各終了条件が規定されている大当たり種別として大当たりC5を有しており、具体的には、大当たりC5には、確変状態中に獲得した特図2保留が第2確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の低確率状態)の間に、全て消費されるよう普図高確期間が終了してから特図高確期間が終了するまでの期間(第2確変状態が継続する期間)として、特別図柄変動が4回実行されるまでの期間を設定するように構成しているが、これに限ること無く、確変状態の後に設定される遊技状態(通常状態、第2確変状態等)に応じて、獲得済みの特図2保留に基づく特別図柄抽選(第2特別図柄抽選)が実行される遊技状態を異ならせる構成。即ち、獲得済みの特図保留に基づいて特別図柄抽選が実行される遊技状態として、遊技者に有利となる有利遊技状態(通常状態)で実行され得る特別図柄抽選の実行回数を異ならせることが可能な構成を用いても良い。
例えば、確変状態中に獲得した特図2保留の一部が第2確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の低確率状態)の間に消費され、残りの特図2保留が通常状態中に消費されるよう、例えば、普図高確期間の終了条件として特別図柄変動58回、特図高確期間の終了条件として特別図柄変動60回が規定される大当たり種別を設けても良い。この場合、確変状態中に上限数の特図2保留を獲得した状態で普図高確期間が終了し第2確変状態へと移行すると、第2確変状態中に特図2保留を2個消化し、残りの2個の特図2保留に基づく第2特別図柄抽選を通常状態において実行させることができる。このように、確変状態が設定されて特図高確期間よりも先に普図高確期間が終了するように各終了条件を規定する場合には、各終了条件の差分を異ならせるだけで通常状態にて実行され得る第2特別図柄抽選の回数を異ならせることができる。
また、本第5制御例では、第1特別図柄の保留記憶(特図1保留)と、第2特別図柄の保留記憶(特図2保留)と、を共に有している場合において、第1特別図柄抽選よりも第2特別図柄抽選が優先して実行されるように構成しているため、上述した通り、確変状態中に獲得した特図2保留に基づく第2特別図柄抽選が、特図1保留の有無(特図2保留よりも先に獲得している特図1保留の有無)に関わらず優先して実行され、特図2保留を獲得し易い遊技状態(普通図柄の高確率状態)が終了した場合、即ち、特図2保留を獲得し難い遊技状態(普通図柄の低確率状態)が設定された直後から特図2保留数が減少していくが、これに限ること無く、特図1保留に基づく第1特別図柄抽選と、特図2保留に基づく第2特別図柄抽選とを、各特図保留を獲得した順に応じて実行可能に構成しても良い。
「6R確変大当たり(大当たりD5)」とは、最大ラウンド数が6ラウンドの大当たり遊技が実行され、その大当たり遊技の終了後に確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の高確率状態)が設定される大当たり種別である。そして、本第5制御例では、特別図柄の高確率状態が継続する期間(特図高確期間)と、普通図柄の高確率状態が継続する期間(普図高確期間)として、異なる期間を設定可能に構成しており、大当たりD5は、特図高確期間として特別図柄(第1特別図柄または第2特別図柄)が60回変動されて、60回目の特別図柄変動が停止するまでの期間が設定され、普図高確期間として特別図柄(第1特別図柄または第2特別図柄)が65回変動されて、65回目の特別図柄変動が停止するまでの期間が設定される。
つまり、大当たりD5は、特図高確期間を終了させるための終了条件(確変終了条件)と、普図高確期間を終了させるための終了条件(時短終了条件)とを異ならせて規定しており、時短終了条件が成立するよりも前に確変終了条件が成立するように構成されている。よって、大当たり種別として大当たりD5が設定された場合には、大当たり遊技終了後に確変状態が設定され、その確変状態中における60回目の特別図柄変動が停止表示された場合に、普図高確期間よりも先に特図高確期間が終了し、時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)が設定される。そして、時短状態が設定されてから5回目(大当たり遊技が終了してから合計で65回目)の特別図柄変動が停止表示された場合に時短終了条件が成立し、通常状態が設定されるように遊技状態が遷移する。
ここで、時短状態が設定されている期間は、確変状態と同様に、普通図柄の高確率状態が設定されていることから、第2特別図柄抽選の実行権利(特図2保留)を獲得し易い遊技状態であり、遊技者に対して右打ち遊技を行わせる遊技期間となる。つまり、確変状態から時短状態へと移行した場合には、遊技者に対して継続して右打ち遊技を実行させ特図2保留を獲得する遊技を行わせることになる。そして、本第5制御例では、第1特別図柄抽選よりも第2特別図柄抽選が優先して実行され、且つ、特図2保留を最大で4個まで記憶可能に構成していることから、特図2保留を上限数(4個)獲得した状態で時短状態から通常状態へと移行した時点において記憶されている特図2保留の数が4個となる。
つまり、大当たり種別として大当たりD5が設定された場合には、大当たり遊技終了後に主として第2特別図柄抽選が実行される普図高確期間(確変状態)が設定され、大当たりB5と同様に普図高確期間中に獲得した特図2保留に基づく第2特別図柄抽選を、通常状態にて実行させ易い遊技が実行されることになる。よって、同一内容の大当たり遊技が実行され、且つ、大当たり遊技終了後に確変状態が設定され、その後、特図高確期間及び普図高確期間が終了し、通常状態が設定された状態における第2特別図柄抽選の実行のし易さの点で大当たりB5と同等の有利度合いとなる。
ここで、時短状態は、確変状態と比べて特別図柄抽選で大当たり当選する確率が低確率(1/300)に設定されることから、時短状態は確変状態よりも特別図柄抽選で大当たり当選し難い遊技状態となる。よって、確変状態から通常状態へと移行する大当たりB5では、確変状態中に実行される特別図柄の最終変動期間中に、当該変動にて大当たり当選しているか否かを示すための演出(変動演出)と、確変状態中に特図2保留を上限数まで獲得させることを促すための案内報知(報知演出)と、を重複して実行する必要があり、異なる主旨の演出が重複して実行されることから遊技者に分かり難い演出が実行されてしまうという問題があった。
これに対して、大当たりD5のように、確変状態から時短状態へと移行し、その後、時短状態から通常状態へと移行するように特図高確期間の終了条件と普図高確期間の終了条件とを規定した場合には、確変状態中に実行される特別図柄の最終変動期間中は、当該変動にて大当たり当選しているか否かを示すための演出(変動演出)のみを実行することが可能となるため、遊技者に対して、特別図柄の高確率状態中(特図高確期間中)に実行される特別図柄抽選、即ち、大当たり当選の期待度が高い特別図柄抽選の抽選結果を示すための変動演出に遊技者を注視させ易くすることができる。そして、時短状態の最終変動において、特図2保留を上限数まで獲得させることを促すための案内報知(報知演出)を実行することで、大当たり当選の期待度が高い特別図柄抽選の抽選結果を示すための変動演出が実行される期間と、普図高確期間中に特図2保留を上限数まで獲得させることを促すための報知演出が実行される期間とが重複し難くすることができる。
よって、大当たりD5は、大当たりB5に対して、実行される演出の分かり易さの点で有利な大当たり種別となる。
普通図柄の高確率状態中(普図高確期間中)は、第2図柄の当たり確率がアップするだけではなく、第2入球口640に付随する電動役物640aが開放される時間も変更され、通常状態中(普通図柄の低確率状態)と比して長い時間が設定される。電動役物640aが開放された状態(開放状態)にある場合は、その電動役物640aが閉鎖された状態(閉鎖状態)にある場合と比して、第2入球口640へ球が入賞しやすい状態となる。よって、時短状態中は、第2入球口640へ球が入賞し易い状態となり、特別図柄抽選が行われる回数を増やすことができる。
なお、時短状態中において、第2入球口640に付随する電動役物640aの開放時間を変更するのではなく、または、その開放時間を変更することに加えて、1回の当たりで電動役物640aが開放する回数を通常状態中よりも増やす変更を行うものとしてもよい。また、時短状態中において、第2図柄の当たり確率は変更せず、第2入球口640に付随する電動役物640aが開放される時間および1回の当たりで電動役物640aが開放する回数の少なくとも一方を変更するものとしてもよい。また、時短状態中において、第2入球口640に付随する電動役物640aが開放される時間や、1回の当たりで電動役物640aを開放する回数はせず、第2図柄の当たり確率だけを、通常中と比してアップするよう変更するものであってもよい。
遊技領域には、球が入賞することにより5個から15個の球が賞球として払い出される複数の一般入賞口(入球口)63が配設されている。また、遊技領域の中央部分には、可変表示ユニット80が配設されている。可変表示ユニット80には、第1入球口64及び第2入球口640への入賞(始動入賞)をトリガとして、第1図柄表示装置37A,37Bにおける変動表示と同期させながら、第3図柄の変動表示を行う液晶ディスプレイ(以下単に「表示装置」と略す)で構成された第3図柄表示装置81と、普通図柄始動口(スルーゲート)67の球の通過をトリガとして第2図柄を変動表示するLEDで構成される第2図柄表示装置(図示せず)とが設けられている。また、可変表示ユニット80には、第3図柄表示装置81の外周を囲むようにして、センターフレーム86が配設されている。
第3図柄表示装置81は9インチサイズの大型の液晶ディスプレイで構成されるものであり、表示制御装置114(図242参照)によって表示内容が制御されることにより、例えば上、中及び下の3つの図柄列が表示される。各図柄列は複数の図柄(第3図柄)によって構成され、これらの第3図柄が図柄列毎に横スクロールして第3図柄表示装置81の表示画面上にて第3図柄が可変表示されるようになっている。本実施形態の第3図柄表示装置81は、主制御装置110(図242参照)の制御に伴った遊技状態の表示が第1図柄表示装置37A,37Bで行われるのに対して、その第1図柄表示装置37A,37Bの表示に応じた装飾的な表示を行うものである。なお、表示装置に代えて、例えばリール等を用いて第3図柄表示装置81を構成するようにしても良い。
第2図柄表示装置83は、球が普通図柄始動口(スルーゲート)67を通過する毎に表示図柄(第2図柄(図示せず))としての「○」の図柄と「×」の図柄とを所定時間交互に点灯させる変動表示を行うものである。パチンコ機10では、球が普通図柄始動口(スルーゲート)67を通過したことが検出されると、当たり抽選が行われる。その当たり抽選の結果、当たりであれば、第2図柄表示装置83において、第2図柄の変動表示後に「○」の図柄が停止表示される。また、当たり抽選の結果、外れであれば、第2図柄表示装置において、第3図柄の変動表示後に「×」の図柄が停止表示される。
パチンコ機10は、第2図柄表示装置における変動表示が所定図柄(本実施形態においては「○」の図柄)で停止した場合に、第2入球640に付随された電動役物640aが所定時間だけ作動状態となる(開放される)よう構成されている。
第2図柄の変動表示にかかる時間は、遊技状態が通常中の場合よりも、時短中の方が短くなるように設定される。これにより、時短中は、第2図柄の変動表示が短い時間で行われるので、当たり抽選(第2図柄の変動表示回数)を通常中よりも多く行うことができる。よって、当たり抽選において当たりとなる機会が増えるので、第2入球口640の電動役物640aが開放状態となる機会を遊技者に多く与えることができる。よって、時短中は、第2入球口640へ球が入賞しやすい状態とすることができる。なお、第2入球口640に球が入球することで、賞球として遊技者に4個の球が上皿17に払い出されるので第2入球口640へ球が入賞し易い状態となることで、遊技者の持ち球が減少することを抑制しながら遊技を行うことができ、追加で球を貸し出す為の投資を抑制させることができながら、特別図柄の抽選を時短期間中行わせることができる。
なお、時短中において、当たり確率を高める、1回に当たりに対する電動役物640aの開放時間や開放回数を増やすなど、その他の方法によっても、時短中に第2入球口640へ球が入賞しやすい状態としている場合は、第2図柄の変動表示にかかる時間を遊技状態にかかわらず一定としてもよい。一方、第2図柄の変動表示にかかる時間を、時短中において通常中よりも短く設定する場合は、当たり確率を遊技状態にかかわらず一定にしてもよいし、また、1回の当たりに対する電動役物640aの開放時間や開放回数を遊技状態にかかわらず一定にしてもよい。
普通図柄始動口(スルーゲート)67は、可変表示ユニット80の右側流路の領域において遊技盤に組み付けられ、遊技盤に発射された球のうち、遊技盤の左側を流下する球の一部が通過可能に構成されている。普通図柄始動口(スルーゲート)67を球が通過すると、第2図柄の当たり抽選が行われる。当たり抽選の後、第2図柄表示装置にて変動表示を行い、当たり抽選の結果が当たりであれば、変動表示の停止図柄として「○」の図柄を表示し、当たり抽選の結果が外れであれば、変動表示の停止図柄として「×」の図柄を表示する。
球の普通図柄始動口(スルーゲート)67の通過回数は、合計で最大4回まで保留され、その保留球数が上述した第1図柄表示装置37A,37Bにより表示されると共に第2図柄保留ランプ(図示せず)においても点灯表示される。第2図柄保留ランプは、最大保留数分の4つ設けられ、第3図柄表示装置81の下方に左右対称に配設されている。
なお、第2図柄の変動表示は、本制御例のように、第2図柄表示装置において複数のランプの点灯と非点灯を切り換えることにより行うものの他、第1図柄表示装置37A,37B及び第3図柄表示装置81の一部を使用して行うようにしても良い。同様に、第2図柄保留ランプの点灯を第3図柄表示装置81の一部で行うようにしても良い。また、普通図柄始動口(スルーゲート)67の球の通過に対する最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、普通図柄始動口(スルーゲート)67の組み付け数は1つに限定されるものではなく、複数(例えば、2つ)であっても良い。また、普通図柄始動口(スルーゲート)67の組み付け位置は可変表示ユニット80の右方に限定されるものではなく、例えば、可変表示ユニット80の左方でも良い。また、第1図柄表示装置37A,37Bにより保留球数が示されるので、第2図柄保留ランプにより点灯表示を行わないものとしてもよい。
可変表示ユニット80の下方には、球が入賞し得る第1入球口64が配設されている。この第1入球口64へ球が入賞すると遊技盤13の裏面側に設けられる第1入賞口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第1入球口スイッチのオンに起因して主制御装置110(図242参照)で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37Aで示される。なお、本実施形態では、普通図柄始動口(スルーゲート)67を遊技球が通過した場合には、賞球は払いだされない構成としたが、それに限らず、例えば、1球等の所定数の賞球を払い出すように構成してもよい。
また、第1入球口64および第2入球口640は、それぞれ、球が入賞すると4個の球が賞球として払い出される入賞口の1つにもなっている。なお、本実施形態においては、第1入球口64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数と第2入球口640へ球が入賞した場合に払い出される賞球数とを同じに構成したが、第1入球口64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数と第2入球口640へ球が入賞した場合に払い出される賞球数とを異なる数、例えば、第1入球口64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数を3個とし、第2入球口640へ球が入賞した場合に払い出される賞球数を5個として構成してもよい。
第2入球口640には電動役物640aが付随されている。この電動役物640aは開閉可能に構成されており、通常は電動役物640aが閉鎖状態となって、球が第2入球口640へ入賞しにくい状態となっている。一方、普通図柄始動口(スルーゲート)67への球の通過を契機として行われる第2図柄の変動表示の結果、「○」の図柄が第2図柄表示装置に表示された場合、電動役物640aが開放状態となり、球が第2入球口640へ入賞しやすい状態となる。
上述した通り、時短中は、通常中と比して第2図柄の当たり確率が高く、また、第2図柄の変動表示にかかる時間も短いので、第2図柄の変動表示において「○」の図柄が表示され易くなって、電動役物640aが開放状態(拡大状態)となる回数が増える。更に、確変中および時短中は、電動役物640aが開放される時間も、通常中より長くなる。よって、時短中は、通常時と比して、第2入球口640へ球が入賞しやすい状態を作ることができる。
ここで、第1入球口64に球が入賞した場合と第2入球口640へ球が入賞した場合とで、大当たりとなる確率は、低確率状態であっても高確率状態でも同一である。しかしながら、第2入球口640へと遊技球が入球することで実行される第2特別図柄抽選では、特定の遊技状態(通常状態)において、大当たり当選以外の特典として時短状態を付与可能に構成している。つまり、第2特別図柄抽選の抽選結果として、大当たり当選以外(外れ)である場合の一部において、特別図柄変動が停止表示された後に、時短状態を設定する特典を付与可能に構成している。よって、第1入球口64へと遊技球が入球したことを契機に実行される第1特別図柄抽選よりも、第2特別図柄抽選のほうが遊技者に有利な特別図柄抽選を実行することになる。
つまり、第2特別図柄抽選を実行させ易くすることが可能となる普通図柄の高確率状態が設定されることを期待させながら遊技者に遊技を行わせることができる。
次に、図235から図239を参照して、本第5制御例のパチンコ機10において第3図柄表示装置81の表示面にて実行される各種演出のうち、特徴的な演出の内容について説明をする。本第5制御例では、上述した第1制御例に対して、特別図柄抽選の抽選結果として、大当たり当選以外に時短当選を設けている点で大きく相違しており、ここでは、時短当選に関わる演出について主に説明をする。なお、上述した第1制御例と同一内容の要素(表示態様)については、その詳細な説明を省略する。
図235(a)は、特別図柄抽選で大当たり当選したことに基づいて実行される大当たり遊技中に表示される表示画面の一例を示した図である。図235(a)に示した通り、大当たり遊技が実行されると、主表示領域Dmにはウサギを模したキャラクタ801が表示され、遊技者に特典(大当たり遊技)が付与されていることを祝福する演出が実行される。大当たり遊技中は、主表示領域Dmの右上に形成された小表示領域Dm1にて大当たり当選したことを示す第3図柄が継続して停止表示されており、図235(a)に示した例では、「777」の表示態様で第3図柄が停止表示されている。この小表示領域Dm1は、第1特別図柄に対応して変動表示される第3図柄が表示される領域であって、第1特別図柄が変動表示されている間は、第1特別図柄が変動表示されていることを示す表示態様で第3図柄が変動表示される。
また、主表示領域Dm1の左側には、大当たり遊技中における遊技方法を遊技者に案内するための案内報知態様が表示される小表示領域Dm4と、現在のラウンド数(ラウンド遊技数)を遊技者に報知するためのラウンド数報知態様が表示される小表示領域Dm5と、通常状態を介さずに連続して実行された遊技において獲得した賞球数に対応する値を示すための獲得情報が表示される小表示領域Dm6と、が形成され、図235(a)に示した例では、小表示領域Dm4に「右打ち」、小表示領域Dm5に「2ラウンド」、小表示領域Dm6に「140P」の文字が表示されている。
つまり、大当たり遊技中は右打ち遊技を実行することを遊技者に案内し、現在大当たり遊技の2ラウンド目が実行されていることを報知し、今回の大当たり遊技にて獲得した賞球数が140個であることを示している。このように、大当たり遊技中であること、及び、大当たり遊技中の遊技方法や、獲得した特典に関する情報を表示可能に構成することで、遊技者に対して、分かり易い遊技を提供することができる。
そして、大当たり遊技中のラウンド遊技が全て終了し、大当たり遊技のエンディング期間が設定されると、図235(b)に示した通り、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態を事前に遊技者に示唆するためのエンディング画面が表示される。図235(b)は、大当たり遊技のエンディング画面に表示される表示画面の一例を示した図である。図235(b)に示した例では、大当たり遊技終了後に確変状態に対応した演出(チャンスタイム)が設定されることと、そのチャンスタイムの期間が56回(特別図柄変動56回)であることが遊技者に報知される表示画面を示している。そして、主表示領域Dm1の中央部では、チャンスタイム中に実行される演出内容を事前に遊技者に報知するための表示態様として、左方向から右方向へとキャラクタ801が走り続ける表示態様が表示される。
このように、実際に確変状態が設定されるよりも前(大当たり遊技中)の一部期間を用いて、大当たり遊技終了後に確変状態が設定されること、設定された確変状態の継続期間、確変状態中に実行される演出内容の説明を遊技者に報知することにより、今後実行される遊技の内容を遊技者に事前に把握させることが可能となるため、遊技者に理解し易い遊技を提供することができる。
次に、確変状態中に実行されるチャンスタイム演出の演出内容について、図236を参照して説明をする。図236(a)は、チャンスタイム中に表示される表示画面の一例を示した図であり、図236(b)は、チャンスタイムの最終変動中に表示される表示画面の一例を示した図である。チャンスタイム中は、主表示領域Dm1にてキャラクタ801が走り続け、画面に表示されるVアイコ801vをゲットすることで大当たり当選が報知される演出が実行される。上述した通り、確変状態中は、普通図柄の高確率状態が設定されるため、右打ち遊技によって第2入球口640へと遊技球を入球させ第2特別図柄抽選を実行させる遊技(右打ち遊技)が遊技者に有利な遊技方法となる。
よって、小表示領域Dm4には、右打ち遊技を案内するための「右打ち」が表示される。そして、チャンスタイムが終了するまでの期間を示すための残期間報知態様が小表示領域Dm7に表示される。図236(a)では、チャンスタイムが終了するまでに実行可能な特別図柄変動の回数が残り50回であることを示すための表示態様として「残り50回」の文字が表示されている。
ここで、チャンスタイムは確変状態に対応して実行される演出であり、チャンスタイムの終了タイミングは、確変状態が終了するタイミングのことである。ここで、本第5制御例では、大当たり遊技終了後に確変状態が設定される確変大当たりの種別によって、確変状態が終了した後に、通常状態が設定される場合(大当たりA5,B5)と、第2確変状態が設定される場合(大当たりC5)と、時短状態が設定される場合(大当たりD5)と、がある。何れの大当たり種別が設定された場合であっても、確変状態が終了する特別図柄変動(確変状態における特別図柄最終変動)中は、図236(b)に示したチャンスタイム終了時の演出画面が表示される。
図236(b)に示した例は、確変状態が終了した後に第2確変状態、或いは通常状態、即ち、確変状態の終了に伴い、普通図柄の高確率状態から低確率状態へと移行する場合におけるチャンスタイム終了時の演出画面の一例を示したものであって、主表示領域Dm1には、普通図柄の低確率状態が設定されることを示すための「チャンスタイム終了後は引き戻しモード突入」のコメントが表示される。そして、普通図柄の高確率状態が継続している期間、即ち、特図2保留を獲得し易い期間中に特図2保留を上限まで獲得することを促す遊技案内態様として、副表示領域Dsに「右打ちして保留を貯めてね」のコメントが表示されると共に、主表示領域Dmの右下側に獲得済みの特図2保留数を示すため小表示領域Dm9が形成される。
小表示領域Dm9には、獲得可能な特図2保留の上限数と、獲得済みの特図2保留数と、を遊技者に報知可能な保留アイコンが表示され、1個目の特図2保留に対応して第1保留アイコンh1、2個目の特図2保留に対応して第2保留アイコンh2、3個目の特図2保留に対応して第3保留アイコンh3、4個目の特図2保留に対応して第4保留アイコンh4が表示される。図236(b)では、特図2保留を3個獲得している状態であるため、第1保留アイコンh1、第2保留アイコンh2、第3保留アイコンh3が獲得済みを示すための表示態様(図では黒色)で表示され、第4保留アイコンh4は未獲得であることを示すための表示態様(図では白色)で表示されている。これにより、特図2保留を上限まで獲得できたか否かを遊技者に分かり易く報知することができる。
なお、詳細な説明は省略するが、小表示領域Dm9に表示される4つの保留アイコンが全て獲得済みとなった場合、即ち、確変状態における特別図柄最終変動中に上限数(4個)の特図2保留を獲得した場合には、これ以上右打ち遊技を継続しても新たな特図2保留を獲得できない点と、確変状態における特別図柄最終変動であることから、確変状態中に特図2保留が消化されない点と、から、これ以上右打ち遊技を継続しても遊技者に有利となる特典を付与することが出来ない状況となるため、小表示領域Dm9には、特図2保留を上限数獲得したことを示すための表示態様(例えば、「MAX」)が表示されると共に、小表示領域Dm4に表示されている「右打ち」の文字を特図2保留を上限数獲得するよりも前の表示態様と異ならせ、右打ち遊技の必要性が低い表示態様(例えば、文字の大きさを小さくする)を表示するように構成している。これにより、遊技者に対して、無駄に右打ち遊技を継続させ難くすることができる。
引き戻しモードとは、普通図柄の低確率状態(通常状態、第2確変状態)において第2特別図柄抽選が実行される期間に対応して設定される演出である。本第5制御例では、通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)において実行される第2特別図柄抽選にて時短当選し得るように構成している。つまり、引き戻しモード中は、大当たり当選だけで無く、時短当選の可能性がある特別図柄抽選が実行されるため、時短状態(普通図柄の高確率状態)が設定される可能性を高めることができる。
次に、図237を参照して、引き戻しモード中に実行される演出の内容について説明をする。図237(a)は、引き戻しモードの開始時に表示される表示画面の一例を示した図であり、図237(b)は、引き戻しモード中に時短当選した場合に表示される表示画面の一例を示した図である。
引き戻しモードが設定されると、図237(a)に示した通り、獲得している特図2保留数に対応した数の宝箱810a〜宝箱810dが表示され、第2特別図柄変動に合わせて宝箱を開放する演出が実行される。そして、対応する第2特別図柄の抽選結果を示すための表示態様が宝箱の中から出現する演出が実行される。
引き戻しモードの開始時には、副表示領域Dsに引き戻しモード中の演出内容を説明するための案内態様として「宝箱から「V」が出たら大当たり、「時」が出たら時短ゲット」のコメントと、「宝箱を開けろ」のコメントが表示される。
なお、本第5制御例では、引き戻しモード中に実行される第2特別図柄変動の変動時間が、引き戻しモード中に実行された第2特別図柄変動回数に関わらず決定されるように構成されており、1回の第2特別図柄変動の変動期間に対して、1個の宝箱を開放する演出が実行されるように構成しているが、これに限ること無く、例えば、引き戻しモード中に実行される全ての第2特別図柄変動の変動時間を用いて1個の宝箱を開放する演出を実行可能に構成し、引き戻しモード中に実行される第2特別図柄変動にて1個でも抽選結果が大当たりまたは時短当選している場合に、その抽選結果を示すための演出を実行するように構成しても良い。このように構成することで、引き戻しモード中に実行される第2特別図柄変動の変動回数を遊技者に分かり難くすることができる。
また、本第5制御例では、実際に時短抽選が実行される通常状態と、時短抽選が実行されない第2確変状態と、の何れの遊技状態が設定された場合にも、即ち、確変状態から普通図柄の低確率状態が設定される遊技状態(通常状態、第2確変状態)へと移行した場合に、引き戻しモードが設定されるように構成している。つまり、第2確変状態が設定されている場合の引き戻しモードでは、演出結果として宝箱から「時」が出現することが無い演出が実行されることになる。
このように、時短抽選を実行可能な遊技状態と、時短抽選を実行不可能(し難い)遊技状態とで、同一の演出(引き戻しモード)を実行するように構成することで、引き戻しモードの演出結果として、時短当選を示す演出結果が表示され易い引き戻しモードと、表示されにくい引き戻しモードと、を予め設定することができる。この場合、今回設定された引き戻しモードが時短当選を示す演出結果が表示されやすい引き戻しモード(有利引き戻しモード)であるか、時短当選を示す演出結果が表示され難い引き戻しモード(不利引き戻しモード)であるかを、遊技者に示唆することが可能となる。
本第5制御例では、引き戻しモード中に表示される背景の種別に応じて、今回実行される引き戻しモードが有利引き戻しモードであるか否かを遊技者に示唆可能に構成しており、図237(a)に示した表示画面には、有利引き戻しモードの可能性が高いことを示唆するための背景種別として「天国」を模した背景画像が表示されている。
つまり、本第5制御例では、既に獲得済みの特図2保留に対応する特別図柄抽選の結果を先読みすること無く(事前判定すること無く)、設定されている遊技状態に応じて引き戻しモードの背景種別を決定可能に構成している。このように構成することで、どの背景種別の背景画像が表示されたとしても、時短当選、或いは、大当たり当選の可能性を残し易くすることができるため遊技者の遊技意欲を高めることができる。
そして、引き戻しモード中に時短当選した場合には、図237(b)に示した演出が実行される。図237(b)は、引き戻しモード中における3回目の第2特別図柄抽選にて時短当選した場合に表示される表示内容の一例を示した図であり、既に2回の第2特別図柄変動が実行されたことを示すための履歴表示態様としてバツ印が付された宝箱810aと、宝箱810bとが表示され、実行中の第2特別図柄変動(3回目の第2特別図柄変動)の抽選結果が時短当選であることを示す表示態様が宝箱810cの中から出現する演出が実行され、抽選結果が時短当選であり、付与される時短回数が「10000回」、即ち、実質、次回大当たり当選するまで時短状態(普通図柄の高確率状態)が付与されることを示すための表示態様として「「時」×10000」が表示される。また、主表示領域Dmの右下側には、実行中の第2特別図柄変動も含めて、引き戻しモード中に実行されえる第2特別図柄抽選の残回数を分かり易く報知することができる。
次に、引き戻しモード中に実行された第2特別図柄抽選で時短当選した場合に実行される演出の内容について説明をする。本第5制御例では、特別図柄抽選で時短当選した場合のほうが、特別図柄抽選で大当たり当選したことに基づいて確変状態が設定される場合に比べて普通図柄の高確率状態が継続する期間(普図高確期間)が長く設定され易く(普図高確期間が終了し難く)なるように構成している。具体的には、時短当選した場合の一部において、特別図柄変動の実行回数が大当たり当選すること無く10000回に到達するまで普図高確期間が継続する時短状態(ロング時短)を設定可能に構成している。
そして、引き戻しモード中に実行される第2特別図柄抽選で時短当選し、ロング時短が設定された場合には、図238(a)に示した演出画面が表示される。図238(a)は、ロング時短が設定された場合に実行される延長タイム中の表示画面の一例を示した図である。ロング時短が設定された場合には、特別図柄変動の実行回数が10000回に到達するよりも前に、特別図柄抽選で大当たり当選することが殆どであるため、図238(a)に示した通り、ロング時短が設定された場合には、普通図柄の高確率状態が継続する普図高確期間の残期間を示すための残期間報知態様として「無限(図では記号で表示)」が小表示領域Dm7に表示される。
このように構成することで、遊技者に対して、普図高確期間の残期間を気にすること無く時短状態中の遊技を行わせることができると共に、小表示領域Dm7の表示領域として5桁の数字を表示可能な領域を設ける必要が無くなるなり、小表示領域Dm7を小さくすることができるため、主表示領域Dmの表示領域を他の演出に有効に活用することができる。そして、副表示領域Dsには、実質、次回の大当たり当選まで時短状態(普図高確期間)が継続することを遊技者に案内するための案内態様として「次の大当たりまで右打ちでサクサク消化だ」のコメントが表示される。
ここで、ロング時短が設定された場合は、確率的に実質次回大当たり当選まで時短状態が継続するまで時短状態が継続することが殆どであるが、万が一、ロング時短が設定されてから大当たり当選すること無く特別図柄変動の回数が10000回を超えた場合には、普図高確期間が終了してしまい、表示画面にて表示された内容と、実際の遊技内容とが異なり、遊技者に不信感を与えてしまうことになるため、ロング時短が設定されてから実行された特別図柄変動の実行回数が所定回数(例えば、9850回)を超えた場合には、ロング時短中の表示画面を異ならせるように構成している。
図238(b)は、ロング時短中において実行された特別図柄変動の実行回数が9900回に到達した場合の表示画面の一例を示した図である。図238(b)に示した通り、ロング時短が設定されてからの特別図柄変動回数が所定回数を超えた場合には、小表示領域Dm7に普図高確期間の残期間を示すための残期間報知態様として「残り100回」が表示され、主表示領域Dmには、キャラクタ801が疲れた表情で走る演出態様が表示される。このように構成することで、実質次回大当たりまで時短状態が継続し得る普図高確期間が設定された場合であっても、実際に普図高確期間が終了し得る状況が発生した場合には、具体的な残期間を遊技者に報知することができるため、遊技者に分かり易い遊技を提供することができる。
次に、図239を参照して、チャンスタイム終了後に時短状態が設定される場合の演出内容について説明をする。図239は、チャンスタイム終了後に時短状態中に実行される準備タイムの演出画面の一例を示した図である。上述した通り、確変大当たりの種別として、大当たりD5が設定された場合には、確変状態から時短状態へと移行し、時短状態から通常状態へと遊技状態が移行する。そして、時短状態中は準備タイム演出が実行される。この準備タイムは、時短状態が設定されている期間、実行される演出であって、時短状態における特別図柄最終変動の期間中には、上述した図236(b)に示した確変状態における特別図柄最終変動と同様に特図2保留を上限まで獲得することを促す態様が表示される。
次に、引き戻しモード中に表示される背景種別の内容について、図240(a)を参照して説明をする。図240(a)は、引き戻しモード中に表示される背景種別と、各背景が示す内容との関係性を示す図である。
図240(a)に示した通り、本第5制御例では、引き戻しモード中の背景種別として4つの背景(天国、夜、夕、昼)を表示可能に構成している。そして、表示された背景の種別に応じて今回の引き戻しモード中における特典(大当たり、時短当選)の期待度を遊技者に示唆可能に構成している。
詳細な説明は図250を参照して後述するが、本第5制御例では、引き戻しモードを設定する場合(確変状態から第2確変状態、或いは通常状態へと移行する場合)に、獲得済みの特図2保留数と、移行後の遊技状態の種別と、保留内の大当たり当選、時短当選の有無と、に基づいて4つのモード種別の中から1のモード種別を決定可能に構成し、決定されたモード種別に対応させた背景種別を引き戻しモード中の背景として表示可能に構成している。
引き戻しモード中のモード種別は、特典付与の期待度が異なるように規定されており、遊技者に最も有利なモードAから、遊技者に最も不利なモードDまでの4つのモード種別を有している。「モードA」は、引き戻しモード中に大当たり当選または時短当選の可能性が極めて高いモードであって、対応する背景種別として「天国」が規定されている。つまり、引き戻しモード中の背景として、天国を模した背景が表示された場合には、引き戻しモードが終了するまでに、何らかの特典が付与される可能性が高い状態であることを遊技者に理解させ易くすることができる。次いで、「モードB」は、引き戻しモード中に大当たり当選または時短当選の可能性が2番目に高いモードであって、対応する背景種別として「夜」が規定されている。つまり、引き戻しモード中の背景として、夜を模した背景が表示された場合には、引き戻しモードが終了するまでに、何らかの特典が付与される可能性が2番目に高い状態であることを遊技者に理解させ易くすることができる。「モードC」は、引き戻しモード中に大当たり当選または時短当選の可能性が3番目に高いモードであって、対応する背景種別として「夕」が規定されている。つまり、引き戻しモード中の背景として、夕方を模した背景が表示された場合には、引き戻しモードが終了するまでに、何らかの特典が付与される可能性が若干高い状態であることを遊技者に理解させ易くすることができる。最後に「モードD」は、引き戻しモード中に大当たり当選または時短当選の可能性が低いモードであって、対応する背景種別として「昼」が規定されている。つまり、引き戻しモード中の背景として、昼を模した背景が表示された場合には、引き戻しモードが終了するまでに、何らかの特典が付与される可能性が低い状態であることを遊技者に理解させ易くすることができる。
なお、本第5制御例では、引き戻しモード突入時における特図2保留数が上限数では無い場合には、高モードのモード種別が選択されないように構成している。さらに、引き戻しモード突入時における特図2保留数が上限数では無い場合には、引き戻しモード中に実行される第2特別図柄抽選にて時短抽選が実行されるか否かを判別すること無くモード種別を決定するように構成している。つまり、引き戻しモードのモード種別を予測し易くするためには、特図2保留数を上限数獲得した状態で引き戻しモードへと移行する必要がある。
このように構成することで、確変状態、或いは時短状態が設定されている状態において特図2保留を上限数まで獲得しようと意欲的に遊技を行わせることができる。
次に、図240(b)を参照して、引き戻しモード中に実行される第2特別図柄変動の抽選結果を示すための示唆態様について説明をする。図240(b)は、引き戻しモード中の示唆態様の種別と、各示唆態様が示す示唆内容との関係性を示した図である、図240(b)に示した通り、引き戻しモード中の示唆態様としては、後述する示唆態様選択テーブル222db(図251参照)を参照して、宝箱(図237参照)の表示態様を可変させたり、宝箱を開放するまでの間にキャラクタ801の表示態様を可変させたりする示唆態様(示唆A〜示唆D)が設定される。
具体的には、当該変動における大当たり当選、或いは時短当選の期待度に応じて示唆種別として「示唆A」,「示唆B」を設定可能に構成され、設定されている遊技状態に応じて示唆種別として「示唆C」,「示唆D」を設定可能に構成されている。
「示唆A」が選択された場合には、引き戻しモード中(図237(b)参照)において表示される宝箱810cの表示態様として、通常とは異なる色(金色)の宝箱が表示される。この「示唆A」に対応する金色の宝箱が表示された場合は、当該変動で大当たり当選、又は時短当選している可能性が高いことを遊技者に示唆することになる。「示唆B」が選択された場合には、引き戻しモード中(図237(b)参照)において表示される宝箱810cの表示態様として、通常よりも大きな宝箱が表示される。この「示唆B」に対応する金色の宝箱が表示された場合は、当該変動で大当たり当選、又は時短当選している可能性が高いことを遊技者に示唆することになる。なお、「示唆A」が選択されたほうが「示唆B」が選択された場合よりも大当たり又は時短当選している可能性が高くなるように構成している。
「示唆C」、及び「示唆D」が選択された場合には、引き戻しモード中(図237(b)参照)において表示されるキャラクタ801が装飾品を備えた表示態様が表示され、通常とは異なる態様でキャラクタ801が表示される。そして表示される装飾品の種別に応じて現在設定されている遊技状態を遊技者に示唆される。
「示唆C」が選択された場合には、図237(b)に示した通り、キャラクタ801に天使の輪を模した装飾品801wが表示され、現在設定されている遊技状態が通常状態である可能性が高いことを遊技者に示唆し、「示唆D」が選択された場合には、キャラクタ801の頭上にチャンスの文字を模したアイコンが表示されることで遊技状態が通常状態である可能性が高いことを遊技者に示唆する。なお、「示唆C」が選択されたほうが「示唆D」が選択された場合よりも通常状態が設定されている可能性が高くなるように構成している。
このように、本第5制御例では、引き戻しモードが設定される時点における遊技状況に応じて引き戻しモードのモード種別が決定され、且つ、引き戻しモード中に実行される特別図柄変動に対して示唆態様が決定されるように構成している。そしてモード種別と示唆態様の種別とを複合的に判別することにより現在の遊技状況を遊技者により正確に予測させることが可能となる。よって、遊技者に対して実行されている様々な演出の態様に興味を持たせることができる。
<第5制御例におけるゲームフローについて>
次に、図241を参照して、本第5制御例におけるゲームフローについて説明をする。図241は、本第5制御例におけるゲームフロー、即ち、遊技状態の移行の流れを模式的に示した図である。図241に示した通り、本第5制御例では、遊技状態として、通常状態(特図1通常、特図2通常)、時短状態(第1時短、第2時短)、確変状態、第2確変状態の遊技状態を設定可能に構成しており、特別図柄抽選における大当たり判定の結果、及び、時短当選判定の結果に応じて様々な遊技状態を設定可能に構成している。
<第5制御例における電気的構成について>
次に、図242から図251を参照して、本第5制御例における電気的構成について説明をする。図242は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。なお、本第5制御例における電気的構成のうち、上述した第1制御例におけるパチンコ機10の電気的構成(図137参照)と同一の内容については、その説明を一部省略する。
主制御装置110には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU201が搭載されている。MPU201には、該MPU201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM202と、そのROM202内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM203と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。主制御装置110では、MPU201によって、大当たり抽選や第1図柄表示装置37a,37b及び第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行する。
なお、払出制御装置111や音声ランプ制御装置113などのサブ制御装置に対して動作を指示するために、主制御装置110から該サブ制御装置へ各種のコマンドがデータ送受信回路によって送信されるが、かかるコマンドは、主制御装置110からサブ制御装置へ一方向にのみ送信される。
主制御装置110では、特別図柄の抽選、普通図柄の抽選、第1図柄表示装置37における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示の設定、および、第3図柄表示装置81における表示の設定といったパチンコ機10の主要な処理を実行する。そして、RAM203には、これらの処理を制御するための各種カウンタが設けられている。ここで、図243を参照して、主制御装置110のRAM203内に設けられるカウンタ等について説明する。図243は、主制御装置110のRAM203内に設けられるカウンタ等を模式的に示した模式図である。これらのカウンタ等は、特別図柄の抽選、普通図柄の抽選、第1図柄表示装置37における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示の設定、および、第3図柄表示装置81における表示の設定などを行うために、主制御装置110のMPU201で使用される。
特別図柄の抽選や、第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81の表示の設定には、特別図柄の抽選に使用する第1当たり乱数カウンタC1と、特別図柄の大当たり種別を選択するために使用する第1当たり種別カウンタC2と、特別図柄における外れの停止種別を選択するために使用する停止種別選択カウンタ(C3)と、第1当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する初期値乱数カウンタCINI1と、変動パターン選択に使用する変動種別カウンタCS1と、時短当選時における時短種別を選択するために使用する時短種別選択カウンタCC1が用いられる。
また、普通図柄の抽選には、第2当たり乱数カウンタC4が用いられ、第2当たり乱数カウンタC4の初期値設定には第2初期値乱数カウンタCINI2と、普通図柄の変動パターン選択に使用する変動種別カウンタCS1と、が用いられる。これら各カウンタは、更新の都度、前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。
各カウンタは、例えば、タイマ割込処理(図156参照)の実行間隔である2ミリ秒間隔で更新され、また、一部のカウンタは、メイン処理(図167参照)の中で不定期に更新されて、その更新値がRAM203の所定領域に設定されたカウンタ用バッファに適宜格納される。RAM203には、4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)からなる第1球口64への入球に対応する第1特別図柄保留球格納エリア203aと、4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)からなる第2入球口640への入球に対応する第2特別図柄保留球格納エリア203bと、が設けられており、第1特別図柄保留球格納エリア203aには、第1入球口64への入球タイミングに合わせて、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3、及び変動種別カウンタCS1時短種別選択カウンタCC1の各値がそれぞれ格納され、第2特別図柄保留球格納エリア203bには、第2入球口640への入球タイミングに合わせて、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3、及び、変動種別カウンタCS1、時短種別選択カウンタCC1の各値が格納される。
そして、特別図柄の始動条件(変動条件)が成立した場合に、第1特別図柄保留球格納エリア203aの保留第1エリアに格納されている各種値、或いは、第2特別図柄保留球格納エリア203bの保留第1エリアに格納されている各種値のうち、次に抽選が実行される特別図柄種別に対応する特別図柄の情報を有している各種値を特別図柄実行エリアへシフトし、格納されている各種値に基づいた特別図柄変動が開始される。
なお、本制御例では、特別図柄の種別が2種類(第1特別図柄、第2特別図柄)の構成を用いているが、これに限ること無く、特別図柄の種別を1種類としても良い。そして、第1特別図柄の始動条件(変動条件)、或いは、第2特別図柄の始動条件(変動条件)が成立した場合に、対応する特別図柄種別の特別図柄保留球格納エリアの保留第1エリアに格納されている各種値を特別図柄実行エリアへシフトし、格納されている各種値に基づいた特別図柄変動が開始されるように構成すれば良い。このように構成することで、複数の特別図柄種別を用いたパチンコ機10であっても、各々の特別図柄変動を円滑に実行することができる。
さらに、本制御例のように、複数の特別図柄種別(第1特別図柄、第2特別図柄)を有するパチンコ機10であれば、第1特別図柄の抽選と、第2特別図柄の抽選とを同時に(並行して)実行可能に構成しても良く、この場合、各特別図柄保留球格納エリア(第1特別図柄保留球格納エリア203a、第2特別図柄保留球格納エリア203b)がそれぞれ特別図柄実行エリアを有するように構成すれば良い。これにより、各特別図柄の始動条件が成立した場合に、速やかに次の特別図柄変動を実行させることができる。
また、本第5制御例では、特別図柄の抽選結果として、大当たり当選しなかった場合に時短当選し得るように、大当たり当選の判定値と、時短当選の判定値と、を異ならせているが、これに限ること無く、大当たり当選の判定値と時短当選の判定値との少なくとも一部を重複させるように構成しても良い。このように構成することで、取得した判定値(第1当たり乱数カウンタC1の値)によって、大当たり当選のみ、時短当選のみ、大当たり当選と時短当選の重複当選の抽選結果を遊技者に提供することができる。この場合、重複当選した場合のほうが、何れか一方に当選した場合よりも遊技者に有利な特典が付与されるように構成すると良く、例えば、重複当選したことに基づいて設定される時短状態を、他の当選に基づいて設定される時短状態よりも終了させ難くするように構成すると良い。
このように構成することで、遊技者に対して重複当選することを期待させながら遊技を行わせることができる。
また、本制御例では、特別図柄の抽選結果が大当たりと外れに加え、特別図柄の抽選結果が外れである場合の一部において、当たり遊技を実行すること無く時短状態(普通図柄の高確率状態)を設定可能となるように構成しているが、これに限ること無く、例えば、特別図柄の抽選結果が外れである場合の一部において、大当たり当選時よりも少ない特典(大当たり当選時とは異なる特典)を遊技者に付与可能な小当たりに当選し得るように構成しても良い。このように構成することで、大当たり当選しなかった場合であっても、遊技者に特典を付与する機会を設けることができるため、遊技の興趣を向上させることができる。この場合、主制御装置110のRAM203内に、小当たり種別カウンタを設け、取得した小当たり種別カウンタの値を特別図柄保留球格納エリアに格納可能に構成し、特別図柄の抽選を実行する場合に参照するように構成すれば良い。
加えて、特別図柄抽選で小当たり当選可能に構成した場合には、例えば、大当たり当選に基づく遊技状態の移行内容と、小当たり当選に基づく遊技状態の移行内容と、を異ならせるように構成しても良く、例えば、大当たり当選した場合は、大当たり遊技の開始時に遊技状態を通常状態へと移行させ、さらに、設定された大当たり種別に基づいて、大当たり遊技終了後に新たな遊技状態を設定可能に構成し、小当たり当選した場合は、小当たり当選時の遊技状態を維持したまま小当たり遊技を実行し、その小当たり遊技終了後も遊技状態を移行させないように構成しても良い。
このように構成することで、当選した当たり種別(大当たり、小当たり)に応じて、遊技状態の移行の有無や、移行内容を異ならせることができるため、バリエーションに富んだ遊技を提供することができる。また、1の特別図柄抽選の抽選結果として、大当たり当選、小当たり当選、時短当選、外れの4つの抽選結果に当選可能に構成しても良いし、特別図柄種別に応じて、特別図柄抽選で当選し得る特典を異ならせるように構成しても良い。
この場合、例えば、第1特別図柄抽選が実行された場合に付与され得る特典として、大当たり当選と、時短当選と、を規定し、第2特別図柄抽選が実行された場合に付与され得る特典として、大当たり当選と、小当たり当選と、を規定するように構成し、且つ、同一の遊技状態が設定されている場合に、遊技者が遊技球を発射させる方向を選択することで(左打ち遊技、右打ち遊技を選択することで)、実行される特別図柄抽選の種別を選択可能に構成すると良い。このように構成することで、遊技者に対して、大当たり当選以外の特典(付加特典)の種別を選択させることが可能となる。
さらに、本実施形態のRAM203には、4つの保留エリア(保留第1エリア)からなるスルーゲート67への入球(球の通過)に対応する普通図柄保留球格納エリア203bが設けられており、普通図柄保留球格納エリア203bには、スルーゲート67への入球タイミングに合わせて、第2当たり乱数カウンタC4、及び普図変動種別カウンタCS2の各値がそれぞれ格納される。
そして、普通図柄の始動条件(変動条件)が成立した場合に、普通図柄保留球格納エリア203bの保留第1エリアに格納されている各種値を普通図柄実行エリアへシフトし、格納されている各種値に基づいた普通図柄変動が開始される。
次に、図243を参照して、各カウンタについて詳しく説明する。第1当たり乱数カウンタC1は、所定の範囲(例えば、0〜899)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、0〜899の値を取り得るカウンタの場合は899)に達した後0に戻る構成となっている。特に、第1当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の第1初期値乱数カウンタCINI1の値が当該第1当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。
また、第1初期値乱数カウンタCINI1は、第1当たり乱数カウンタC1と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成される。即ち、例えば、第1当たり乱数カウンタC1が0〜899の値を取り得るループカウンタである場合には、第1初期値乱数カウンタCINI1もまた、0〜899の範囲のループカウンタである。この第1初期値乱数カウンタCINI1は、主制御装置110のタイマ割込処理の実行毎に1回更新されると共に、メイン処理(図167参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
第1当たり乱数カウンタC1の値は、例えば定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64に入球したタイミングでRAM203の第1特別図柄保留球格納エリア203aに、第2入球口640に入球したタイミングでRAM203の第2特別図柄保留球格納エリア203bに格納される。そして、特別図柄の大当たりとなる乱数の値は、主制御装置110のROM202に格納される第1当たり乱数5テーブル202daによって設定されており、第1当たり乱数カウンタC1の値が、第1当たり乱数5テーブル202daによって設定された大当たりとなる乱数の値と一致する場合に、特別図柄の大当たりと判定する。また、特別図柄抽選で時短当選となる乱数の値は、主制御装置110のROM202に格納される時短当たり乱数5テーブル202deによって設定されており、第1当たり乱数カウンタC1の値が、時短当たり乱数5テーブル202daによって設定された時短当選となる乱数の値と一致する場合に、時短当選と判定する。
ここで、図245(a)を参照して、第1当たり乱数5テーブル202daについて説明する。図245(a)は、第1当たり乱数5テーブル202daに規定されている内容を模式的に示した模式図である。この第1当たり乱数5テーブル202daは、特別図柄の抽選において、大当たりと判別される乱数値(判定値)が規定されたテーブルである。
具体的には、第1当たり乱数5テーブル202daには、大当たりと判定される判定値を遊技状態(特別図柄の確率状態)に応じて異ならせて規定している。図245(a)に示した通り、遊技状態として特別図柄の低確率状態(通常状態、時短状態)に対しては、第1当たり乱数カウンタC1の値のうち「0〜2」が大当たり判定値として規定されており、それ以外の値(「3〜899」)が外れの判定値として規定されている。また、遊技状態として特別図柄の高確率状態(確変状態)に対しては、第1当たり乱数カウンタC1の値のうち「0〜14」が大当たり判定値として規定されており、それ以外の値(「15〜899」)が外れの判定値として規定されている。つまり、第1当たり乱数5テーブル202daの更新範囲は「0〜899」の900個であるため、特別図柄の低確率状態において、大当たりと判定される確率は1/300(900個のうち3個)となり、特別図柄の高確率状態において、大当たりと判定される確率は1/60(900個のうち15個)となる。
なお、本制御例では、2種類の大当たり確率が遊技状態に応じて設定されるように構成しているが、これに限ること無く、大当たりに当選する確率を遊技状態に関わらず同一の確率となるように構成しても良いし、3種類以上の大当たり確率が設定されるように構成しても良い。この場合、例えば、特別図柄の状態と、普通図柄の状態と、を組み合わせることによって設定される最大で4種類の遊技状態毎に特別図柄の大当たり確率を異ならせるように構成しても良いし、単純に、特別図柄の状態を高確率状態、通常確率状態、低確率状態のように3種類以上設定可能にし、各状態に対して異なる大当たり確率を設定するように構成しても良い。
また、本制御例では、特別図柄の抽選結果として、「大当たり」と「外れ」の2種類の抽選結果に加え「時短当選」が判定されるように構成している。ここで、図245(c)を参照して、時短当たり乱数5テーブル202deについて説明する。図245(a)は、時短当たり乱数5テーブル202deに規定されている内容を模式的に示した模式図である。この時短当たり乱数5テーブル202deは、特別図柄の抽選において、時短当選と判別される乱数値(判定値)が規定されたテーブルである。
具体的には、時短当たり乱数5テーブル202deには、時短当選と判定される判定値を特別図柄種別、及び遊技状態に応じて異ならせて規定している。図245(a)に示した通り、特別図柄種別として第1特別図柄に対しては、時短当選に対応する判定値(第1当たり乱数カウンタC1の値)が規定されていない。また、特別図柄種別として第2特別図柄に対しては、遊技状態が通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)である場合のみ時短当選に対応する判定値が規定されており、それ以外の遊技状態(確変状態、第2確変状態、時短状態)である場合には、時短当選に対応する判定値が規定されていない。
遊技状態として通常状態が設定されている場合に実行される第2特別図柄抽選に対しては、第1当たり乱数カウンタC1の値のうち「51〜200」が時短当選判定値として規定されており、それ以外の値(「3〜50,201〜899」)が外れの判定値として規定されている。なお、詳細な説明は後述するが、この時短当たり乱数5テーブル202deは、第1当たり乱数5テーブル202daを参照して実行された大当たり判定の結果が「外れ」であった場合に参照されるものであるため、通常状態において実行される第2特別図柄抽選の抽選結果が大当たりと判定される第1当たり乱数カウンタC1の値(「0〜2」)以外の値を取得している場合に参照されることになる。
よって、第1当たり乱数5テーブル202daの更新範囲は「0〜899」の900個であるため、特別図柄の低確率状態において、大当たりと判定される確率は1/300(900個のうち3個)となり、時短当選と判定される確率は1/6(900個のうち150個)となる。
つまり、通常状態において実行される第2特別図柄抽選は、大当たり当選する確率が3/900、時短当選する確率が150/900、外れ確率が747/900となり、通常状態において実行される第1特別図柄抽選(外れ確率897/900)に対して、外れ当選し難い(特典が付与され易い)特別図柄抽選となる。
なお、本制御例では、特定の遊技状態(通常状態)であり、且つ、特定の特別図柄種別(第2特別図柄)の特別図柄抽選でのみ時短当選の判定を実行するように構成しているが、これに限ること無く、何れの特別図柄種別に対しても時短当選の判定を実行可能に構成しても良い。さらに、通常状態以外の遊技状態が設定されている場合でも時短当選の判定を実行可能に構成しても良く、例えば、普通図柄の低確率状態(第2確変状態)が設定されている状態で実行される第2特別図柄抽選においても時短当選の判定を実行可能に構成しても良い。このように構成することで、引き戻しモード(図237参照)中に実行される第2特別図柄抽選では必ず時短当選の判定(時短抽選)を実行させることができる。
この場合、通常状態中に実行される時短抽選と、第2確変状態中に実行される時短抽選と、で時短当選と判定される確率(時短当選確率)を異ならせると良く、例えば、通常状態が設定されている場合のほうが、第2確変状態が設定されている場合よりも時短当選し易くなるように構成すると良い。このように構成することで、特別図柄抽選で大当たり当選する確率が第2確変状態(特別図柄の高確率状態)よりも低い通常状態(特別図柄の低確率状態)において、時短当選確率を高めることができるため、遊技者に過剰に不利な遊技を実行させてしまうことを抑制することができる。
なお、これに限ること無く、通常状態よりも第2確変状態のほうが、時短当選確率を高めるように構成しても良い。この場合、特別図柄抽選で大当たり当選する確率が高確率に設定されている遊技状態(特別図柄の高確率状態)において、時短当選する確率も高めることができるため、確変状態中に実行される特別図柄抽選よりも、第2確変状態中に実行される特別図柄抽選のほうが、何らかの特典(大当たり、時短)が付与される抽選結果となる確率(外れに当選しない確率)を高めることができる。
さらに、本第5制御例では、特定の遊技状態であり、且つ、特定の特別図柄抽選が実行される場合にのみ時短抽選を実行可能に構成しているため、時短当選確率は常に固定されているが、異なる条件下(特別図柄種別、遊技状態)において時短抽選が実行されるように構成した場合には、時短抽選の成立契機に合わせて時短当選確率を異ならせるように構成しても良い。
また、時短抽選の成立契機だけでは無く、例えば、遊技状態が可変されること無く実行された特別図柄変動の変動回数が所定回数を超えた場合に、時短当選確率を高めるように構成しても良い。
これに加えて、第3の抽選結果として、「外れ」の1種として「小当たり」を判定可能に構成しても良い。この「小当たり」に当選した場合には、可変入賞装置650を「大当たり5」よりも短い期間(1ラウンド分)開放させる小当たり遊技が実行されるように構成すると良い。このように構成することで、大当たり当選しなかった場合において、少量の特典(賞球)を遊技者に付与することができる。なお、「小当たり」を「外れ」の1種とする場合には、遊技者に対して小当たり遊技による賞球を付与可能であるが、大当たり当選していないため、遊技状態を可変させる(当選時の遊技状態とは異なる遊技状態を設定する)処理が実行されないように構成すると良い。これにより、大当たり当選に基づいて遊技者に付与される特典と、小当たり当選に基づいて遊技者に付与される特典と、を明確に異ならせることができる。
また、本制御例では、特別図柄の抽選結果として、「大当たり」と「外れ」と「時短当選」の3種類の抽選結果が判定されるように構成しているが、これに加えて、第4の抽選結果として、「外れ」の1種として「小当たり」を判定可能に構成しても良い。この「小当たり」に当選した場合には、可変入賞装置650を「大当たり」よりも短い期間(1ラウンド分)開放させる小当たり遊技が実行されるように構成すると良い。このように構成することで、大当たり当選しなかった場合において、少量の特典(賞球)を遊技者に付与することができる。なお、「小当たり」を「外れ」の1種とする場合には、遊技者に対して小当たり遊技による賞球を付与可能であるが、大当たり当選していないため、遊技状態を可変させる(当選時の遊技状態とは異なる遊技状態を設定する)処理が実行されないように構成すると良い。これにより、大当たり当選に基づいて遊技者に付与される特典と、小当たり当選に基づいて遊技者に付与される特典と、を明確に異ならせることができる。
上述した通り、特別図柄の抽選結果として「小当たり」に当選し得るように構成する場合は、第1当たり乱数テーブル202aに「小当たり」に対応する第1当たり乱数カウンタC1の値を規定するように構成すれば良い。このように構成することで、特別図柄の大当たり抽選と小当たり抽選と、を同一の処理で実行することができるため、大当たり抽選と小当たり抽選とを異なる処理で実行する場合に比べ、主制御装置110の処理負荷を軽減することができる。また、1つの特別図柄抽選において、大当たりと小当たりとに重複して当選してしまうことを禁止することができる。
第1当たり種別カウンタC2は、特別図柄の大当たりとなった場合に、第1図柄表示装置37の表示態様を決定するものであり、所定の範囲(例えば、0〜99)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、0〜99の値を取り得るカウンタの場合は99)に達した後0に戻る構成となっている。第1当たり種別カウンタC2の値は、例えば、定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64へと入球したタイミングでRAM203の第1特別図柄保留球格納エリア203aに、第2入球口640へと入球したタイミングでRAM203の第2特別図柄保留球格納エリア203bに格納される。
本実施形態のパチンコ機10における第1当たり種別カウンタC2の値は、0〜99の範囲のループカウンタとして構成されている。本実施形態では取得した第1当たり種別カウンタC2の値を用いて、第1当たり種別選択5テーブル202dcを参照して大当たりに当選した場合の大当たり種別を判別するように構成している。ここで、図246(a)を参照して大当たり種別選択5テーブル202ddの内容について説明をする。
図246(a)は、大当たり種別選択5テーブル202ddに規定されている内容を模式的に示した模式図である。図246(a)に示した通り、この大当たり種別選択5テーブル202ddは、第1特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合に参照される特図1大当たり用5テーブル202dd1と、第2特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合に参照される特図2大当たり用5テーブル202dd2と、を有している。
まず、図246(b)を参照して、特図1大当たり用5テーブル202dd1の内容について説明をする。図246(b)は、特図1大当たり用5テーブル202dd1に規定されている内容を示した模式図である。上述した通り、この特図1大当たり用5テーブル202dd1は、第1特別図柄の抽選で大当たり当選した場合に設定する大当たり種別を選択するためのデータテーブルであって、取得した第1当たり種別カウンタC2の値に応じて異なる大当たり種別が規定されているものである。なお、各データテーブルに規定されている詳細な内容については上述したため省略する。
図243に戻り説明を続ける。変動種別カウンタCS1は、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCS1によって、いわゆる短時間外れ、長時間外れ、ノーマルリーチ、スーパーリーチ等の大まかな表示態様(変動時間)が決定される。表示態様の決定は、具体的には、図柄変動の変動時間の決定である。変動種別カウンタCS1により決定された変動時間に基づいて、音声ランプ制御装置113や表示制御装置114により第3図柄表示装置81で表示される第3図柄のリーチ種別や細かな図柄変動態様が決定される。変動種別カウンタCS1の値は、後述するメイン処理(図167参照)が1回実行される毎に1回更新され、当該メイン処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。尚、変動種別カウンタCS1の値(乱数値)から、図柄変動の変動時間を一つ決定する乱数値を格納した変動パターン選択5テーブル202db(図247参照)は、主制御装置110のROM202内に設けられている。
ここで、図247を参照して変動パターン選択5テーブル202dbの内容について説明をする。図247(a)は変動パターン選択5テーブル202dbに規定されている内容を模式的に示した模式図である。図247(a)に示した通り、変動パターン選択5テーブル202dbには、遊技状態として通常状態、或いは第2確変状態を設定している状態で用いられる通常・第2確変用5テーブル202db1と、確変状態、或いは時短状態を設定している状態で用いられる確変・時短用5テーブル202db2と、が規定されている。詳細については後述するが、本制御例では遊技状態に応じて変動パターンを選択するために用いるデータテーブルを異ならせているため、遊技状態に応じて選択される変動パターン(変動時間)を異ならせることができる。
次に、変動パターン選択5テーブル202dbに規定されている各テーブルの詳細な内容について、図247(b)及び図248(a)を参照して説明をする。図247(b)は通常・第2確変用5テーブル202db1に規定されている内容を模式図に示した模式図である。この通常・第2確変用5テーブル202db1は、遊技状態として通常状態、或いは第2確変状態、即ち、普通図柄の低確率状態が設定されている場合に参照されるデータテーブルであって、特別図柄の抽選結果が大当たりである場合のほうが、外れである場合よりも長い変動時間の変動パターンが選択され易くなるように規定しており、抽選が実行された特別図柄の種別と、実行された特別図柄抽選の結果に応じて異なる変動パターンが規定されている。また、特別図柄の抽選結果が時短当選(外れの一部)である場合には、特別図柄の抽選結果が外れ(時短当選以外)である場合よりも、特別図柄の抽選結果が大当たりである場合と同一の変動時間が選択され易くなるように規定している。
まず、図247(b)を参照して、通常・第2確変用5テーブル202db1について説明する。図247(b)は、この通常・第2確変用5テーブル202db1の規定内容を示した図である。この通常・第2確変用5テーブル202db1には、特別図柄の抽選結果に対応させて、各種変動パターンがそれぞれ規定されており、その変動パターンのそれぞれに対して、変動種別カウンタCS1の値が割り付けされている。具体的には、特別図柄の種別(図柄種別)が第1特別図柄(特図1)で、当否判定結果が大当たりであって、取得した変動種別選択カウンタCS1の値が「0〜19」の場合は、変動パターンとして変動時間が30秒のノーマル(リーチ)が規定されている。このノーマルが決定されると、変動パターンコマンドとして、基本時間が30秒間を示すコマンドが出力される。また、取得した変動種別選択カウンタCS1の値が「20〜169」の場合は、変動パターンとして変動時間が30秒のスーパー(リーチ)が規定されている。また、取得した変動種別選択カウンタCS1の値が「170〜198」の場合は、変動パターンとして変動時間が55秒のSP(リーチ)が規定されている。つまり、変動時間が30秒と同一であっても、取得した変動種別選択カウンタCS1の値に応じて、異なる変動パターンを選択可能に構成している。このように主制御装置110にて同一の変動時間に対して異なる変動パターンを選択可能に構成することで、変動パターンを示すコマンドを受信した音声ランプ制御装置113側にて変動演出を決定するための処理を簡略化することができる。
なお、取得した変動種別カウンタCS1の値に応じて基本時間に加え、加算時間を付加可能に構成しても良く、加算時間を付加可能に構成した場合には、基本時間と加算時間とを合算した合算時間を変動時間として設定し、その基本時間を示すコマンドと、加算時間を示すコマンドと、を出力するように構成する。この場合、付加される加算時間を決定する際に、変動種別選択カウンタCS1の値を用いても良いし、加算時間を選択するために用いる専用のカウンタの値を取得するように構成しても良い。そして選択された基本時間(例えば、30秒)を示すコマンド(基本コマンド)と、加算時間を示すコマンド(加算コマンド)と、が音声ランプ制御装置113に対して通知された場合には、基本コマンドに含まれる情報に基づいて変動パターン(ノーマルリーチ)を設定し、加算コマンドに含まれる情報に基づいてリーチ図柄(第3図柄の種別)を設定するように構成すると良い。これにより、リーチ状態となった場合に最初に遊技者が視認可能となる中図柄列Z2の第3図柄の種別を、常に特定の第3図柄(本制御例では数字の1を付した第3図柄)となるように構成したとしても、変動演出が実行されてからリーチ状態となるまでの期間を可変させること無く、様々な第3図柄の種別でリーチ演出を実行することができる。
また、図柄種別が特図1で、当否判定結果が外れの場合についても同様に、取得した変動種別選択カウンタCS1の値が「0〜179」の場合は、変動パターンとして変動時間が8秒の外れが規定されており、取得した変動種別選択カウンタCS1の値が「180〜198」の場合は、変動パターンとして変動時間が30秒のリーチ外れが規定されている。
一方、特別図柄の種別(図柄種別)が第2特別図柄(特図2)である場合は、当否判定結果が大当たりであって、取得した変動種別選択カウンタCS1の値が「0〜149」の場合は、変動パターンとして変動時間が30秒のスーパー(リーチ)が規定されている。このスーパーが決定されると、変動パターンコマンドとして、基本時間が30秒間を示すコマンドが出力される。また、取得した変動種別選択カウンタCS1の値が「150〜198」の場合は、変動パターンとして変動時間が55秒のSP(リーチ)が規定されている。
当否判定結果が外れ(時短)、即ち、当否判定結果が時短当選であって、取得した変動種別選択カウンタCS1の値が「0〜169」の場合は、変動パターンとして変動時間が30秒のスーパー(リーチ)が規定されている。このスーパーが決定されると、変動パターンコマンドとして、基本時間が30秒間を示すコマンドが出力される。また、取得した変動種別選択カウンタCS1の値が「170〜198」の場合は、変動パターンとして変動時間が55秒のSP(リーチ)が規定されている。
当否判定結果が外れであって、取得した変動種別選択カウンタCS1の値が「0〜19」の場合は、変動パターンとして変動時間が30秒のリーチ外れが規定されている。また、取得した変動種別選択カウンタCS1の値が「20〜198」の場合は、変動パターンとして変動時間が8秒の外れが規定されている。
次に、図248(a)を参照して、確変・時短用5テーブル202db2の内容について説明をする。図248(a)は、確変・時短用5テーブル202db2に規定されている内容を模式的に示した模式図である。この確変・時短用5テーブル202db2は、確変状態、或いは時短状態が設定されている場合において変動パターンを選択する際に参照されるデータテーブルであって、設定されている遊技状態と、特別図柄の種別と、変動回数(大当たり遊技終了後からの特別図柄変動回数)と、特別図柄の抽選結果と、取得した変動種別カウンタCS1の値と、に応じて異なる変動パターンが選択されるように各変動パターンが規定されている。
ここで、本第5制御例では、大当たり遊技終了後には必ず普通図柄の高確率状態(確変状態)が設定されるように構成されている。そして、設定された普通図柄の高確率状態が、時短終了条件が成立するまで継続するように構成している。本第5制御例では、時短終了条件として、普通図柄の高確率状態が設定されてからの特別図柄変動の実行回数が所定回数に到達した場合に成立する第1時短終了条件と、普通図柄の高確率状態が設定されている状態で実行された特別図柄抽選にて大当たり当選した場合に成立する第2時短終了条件と、を設けており、何れかの時短終了条件が成立した場合に、普通図柄の高確率状態から普通図柄の低確率状態へと移行するように構成している。
そして、大当たり種別に応じて第1時短終了条件として設定される特別図柄変動の実行回数(時短回数)を異ならせており、例えば、大当たり種別として大当たりA5、B5が設定された場合には特別図柄変動の実行回数が60回に到達した場合に第1時短終了条件が成立し(時短回数60回)、大当たりC5が設定された場合には特別図柄変動の実行回数が56回に到達した場合に第1時短終了条件が成立し(時短回数56回)、大当たりD5が設定された場合には特別図柄変動の実行回数が65回に到達した場合に第1時短終了条件が成立(時短回数65回)するように構成している。
加えて、本第5制御例では、特別図柄抽選で大当たり当選しなかった場合(外れの場合)の一部において、時短状態(普通図柄の高確率状態)を設定可能(時短当選可能)に構成しており、時短当選した場合に設定される時短種別によって、第1時短終了条件を異ならせている。例えば、時短種別として時短Aが設定された場合には、特別図柄変動の実行回数が10000回に到達した場合に第1時短終了条件が成立(時短回数10000回)し、時短Bが設定された場合には、特別図柄変動の実行回数が100回に到達した場合に第1時短終了条件が成立(時短回数100回)するように構成している。
そして、普通図柄の高確率状態が設定されている場合であっても、遊技状態、及び、時短種別に応じて異なる変動パターンが選択されるように構成している。このように構成することで、設定されている遊技状態や時短種別に対応させた変動演出を実行させ易くすることができる。
具体的には、図248(a)に示した通り、時短種別が「大当たり後時短」、即ち、大当たり当選に基づいて普通図柄の高確率状態が設定された場合は、特別図柄変動回数が「1回〜60回」の期間は、特別図柄の種別に関わらず、抽選結果(当否判定結果)が当たりに対して、変動種別選択カウンタCS1の値に関わらず変動時間が「15秒」の変動パターン(ミドル変動)が選択されるように規定している。また、抽選結果(当否判定結果)が外れに対しては、取得した変動種別選択カウンタCS1の値が「0〜189」の範囲に対して、変動時間が「5秒」の変動パターン(ショート変動)が、「190〜198」の範囲に対して、変動時間が「15秒」の変動パターン(ミドル変動)が規定されている。
さらに、特別図柄変動回数が「61回〜65回」の期間は、特別図柄の種別、抽選結果、取得した変動種別選択カウンタCS1の値に関わらず、変動時間が「5秒」の変動パターン(特殊変動)が規定されている。
ここで、特別図柄変動回数が「61回〜65回」の期間が参照される場合は、大当たり種別として大当たりD5が設定された場合、即ち、確変状態が終了した後に5回転の時短状態が設定される場合である。この時短状態中は、準備タイム(図239参照)の演出が実行される期間であり、当否判定結果に関わらず常に一定の変動時間(5秒)が設定される。よって、準備タイム全体の期間を固定することができるため、引き戻しモードが設定されるまでの残期間を遊技者に把握させ易くすることができる。
なお、図239を参照して準備タイム中の表示画面について上述したが、図239に示した表示態様に加え、準備タイムの残期間(秒数)を報知可能に構成しても良く、例えば、獲得済みの特図2保留数が、準備タイム(時短状態)を終了させる条件を満たした場合に、時短状態中に実行可能な特別図柄の残変動回数に5秒を加えた時間を表示画面に表示するように構成すると良い。このように構成することで、準備タイムが終了し引き戻しモードが設定されるタイミングを遊技者により分かり易く報知することができる。
さらに、準備タイムの残期間を報知可能に構成した場合には、報知されている残期間のうち、時短状態中における特別図柄最終変動に対応する期間、即ち、獲得した特図2保留が時短状態中に新たに消費されないことが確定している期間に該当する範囲を遊技者に予め示唆可能な演出を実行可能に構成しても良い。このように構成することで、準備タイム中における特別図柄の最終変動が実行される期間を遊技者に分かりする報知することができる。
一方、設定されている時短種別が「時短A」で、図柄種別(特別図柄種別)が特図1(第1特別図柄)の場合は、変動回数(特別図柄変動回数)、抽選結果(特別図柄抽選結果)、取得した変動種別選択カウンタCS1の値に関わらず、変動時間が「20秒」の変動パターン(ロング変動)が規定され、図柄種別が特図2(第2特別図柄)の場合は、特別図柄変動回数が「1回〜99回」の期間は、抽選結果(当否判定結果)が当たりに対して、変動種別選択カウンタCS1の値に関わらず変動時間が「15秒」の変動パターン(ミドル変動)が選択されるように規定している。また、抽選結果(当否判定結果)が外れに対しては、取得した変動種別選択カウンタCS1の値が「0〜189」の範囲に対して、変動時間が「5秒」の変動パターン(ショート変動)が、「190〜198」の範囲に対して、変動時間が「15秒」の変動パターン(ミドル変動)が規定されている。そして、特別図柄変動回数が「100回」に対しては、抽選結果(特別図柄抽選結果)、取得した変動種別選択カウンタCS1の値に関わらず、変動時間が「10秒」の変動パターン(特殊変動)が規定されている。さらに、特別図柄変動回数が「101回〜200回」に対しては、抽選結果(特別図柄抽選結果)、取得した変動種別選択カウンタCS1の値に関わらず、変動時間が「2秒」の変動パターン(超短変動)が規定され、特別図柄変動回数が「201回〜10000回」に対しては、抽選結果(特別図柄抽選結果)、取得した変動種別選択カウンタCS1の値に関わらず、変動時間が「0.5秒」の変動パターン(特殊短変動)が規定されている。
また、設定されている時短種別が「時短B」で、図柄種別(特別図柄種別)が特図1(第1特別図柄)の場合は、変動回数(特別図柄変動回数)、抽選結果(特別図柄抽選結果)、取得した変動種別選択カウンタCS1の値に関わらず、変動時間が「20秒」の変動パターン(ロング変動)が規定され、図柄種別が特図2(第2特別図柄)の場合は、特別図柄変動回数が「1回〜99回」の期間は、抽選結果(当否判定結果)が当たりに対して、変動種別選択カウンタCS1の値に関わらず変動時間が「15秒」の変動パターン(ミドル変動)が選択されるように規定している。また、抽選結果(当否判定結果)が外れに対しては、取得した変動種別選択カウンタCS1の値が「0〜189」の範囲に対して、変動時間が「5秒」の変動パターン(ショート変動)が、「190〜198」の範囲に対して、変動時間が「15秒」の変動パターン(ミドル変動)が規定されている。そして、特別図柄変動回数が「100回」に対しては、抽選結果(特別図柄抽選結果)、取得した変動種別選択カウンタCS1の値に関わらず、変動時間が「10秒」の変動パターン(特殊変動)が規定されている。
上述した通り、本第5制御例では、特別図柄抽選で時短当選したことに基づいて時短状態が設定された場合(大当たり遊技を介さずに時短状態が設定された場合)には、設定される時短種別に関わらず、特別図柄変動が100回実行されるまで共通の内容で変動パターンが選択されるように構成している。よって、時短状態中に実行される特別図柄変動の変動パターンに基づいて設定されている時短種別を遊技者に把握され難くすることができる。さらに、100回目の特別図柄変動に対しては、特別図柄抽選の結果に関わらず、変動時間が10秒の変動パターンが選択されるように構成している。ここで、本第5制御例では、特別図柄抽選で時短当選した場合に、時短種別として時短A、或いは時短Bを設定可能に構成しており、時短Aが設定された場合には時短回数10000回が設定され、時短Bが設定された場合には時短回数100回が設定されるように構成している。
そして、特別図柄抽選で時短当選したことに基づいて時短状態が設定された場合には、100回目の特別図柄変動の変動期間を用いて、時短状態が終了するか否か(時短種別が時短Aであるか時短Bであるか)を示唆するための演出(継続演出)を実行するように構成している。つまり、何れの時短種別が設定されている場合であっても、且つ、当該変動の抽選結果が何れであっても、固定秒数(10秒)の変動パターンが選択されるため、継続演出を実行し易くすることができる。
また、時短Aが設定された場合には、最大で10000回の特別図柄抽選が実行されるまで時短状態が継続することになるが、時短状態中は特別図柄の低確率状態が設定されているため特別図柄抽選で大当たり当選する確率は通常状態と同一である。よって、通常状態よりも特別図柄抽選を実行させ易い時短状態において、大当たり当選すること無く、特別図柄抽選が実行され続ける場合がある。この場合、時短状態中は右打ち遊技によって第2入球口640へと頻繁に遊技球を入球させて賞球を獲得することが出来るため、遊技者の持ち玉が大きく減少する事態は発生し難いが、次に大当たり当選するまでの期間が間延びしてしまい遊技時間に制限のある遊技者が時短状態中に遊技を断念せざるを得ない事態が発生してしまう虞があった。
そこで、本第5制御例では、時短状態中に実行された特別図柄抽選の実行回数が増加するほど、短い変動時間の変動パターンが選択され易くなるように構成している。このように構成することで、時短状態中において大当たり当選すること無く多くの特別図柄抽選が実行される場合における遊技の時間効率を高めることができる。また、時短状態が設定されてから所定回数(100回)の特別図柄抽選が実行されるまでの期間は、短縮変動時間が選択され難くなるように構成しているため、複数回の大当たり遊技が短時間で実行されてしまい、短時間で遊技者に過剰に多くの賞球が提供されてしまうことを抑制することができる。
図243に戻り説明を続ける。第2当たり乱数カウンタC4は、例えば0〜299の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり299)に達した後0に戻るループカウンタとして構成されている。また、第2当たり乱数カウンタC4が1周した場合、その時点の第2初期値乱数カウンタCINI2の値が当該第2当たり乱数カウンタC4の初期値として読み込まれる。第2当たり乱数カウンタC4の値は、本実施形態ではタイマ割込処理(図156参照)毎に、例えば定期的に更新され、球が普通始動口(スルーゲート)67を通過したことが検知された時に取得され、RAM203の普通図柄保留球格納エリア203cに格納されるなお、第2当たり乱数テーブル202cの構成については、上述した第1制御例と同一であるため、その詳細な説明を省略する。
時短種別選択カウンタCC1は、特別図柄抽選で時短当選した場合に、第1図柄表示装置37の表示態様を決定するものであり、所定の範囲(例えば、0〜99)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、0〜99の値を取り得るカウンタの場合は99)に達した後0に戻る構成となっている。時短種別選択カウンタCC1の値は、例えば、定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64へと入球したタイミングでRAM203の第1特別図柄保留球格納エリア203aに、第2入球口640へと入球したタイミングでRAM203の第2特別図柄保留球格納エリア203bに格納される。
本制御例のパチンコ機10における時短種別選択カウンタCC1の値は、0〜99の範囲のループカウンタとして構成されている。本制御例では取得した時短種別選択カウンタCC1の値を用いて、時短種別選択5テーブル202dfを参照して時短当選した場合の時短種別を選択するように構成している。ここで、図248(b)を参照して時短種別選択5テーブル202dfの内容について説明をする。
図248(b)は、時短種別選択5テーブル202dfに規定されている内容を示した図である。この時短種別選択5テーブル202dfには、取得した時短種別選択カウンタCC1の値に対して異なる時短種別が規定されている。具体的には、取得した時短種別選択カウンタCC1の値が「0〜89」の範囲に対して時短種別「時短A」が規定されており、「90〜99」の範囲に対して時短種別「時短B」が規定されている。
ここで、時短種別として「時短A」が設定された場合には、時短カウンタ203hの値に10000が設定され、「時短B」が設定された場合には、時短カウンタ203hの値に100が設定される。つまり、時短Aは時短回数10000回の時短状態となり、時短Bは時短回数100回の時短状態となる。
図242に戻り説明を続ける。ROM202は、図243に図示した各種カウンタに対応して規定される各種データテーブル等を有している。ここで、図244(a)を参照して、本第5制御例のパチンコ機10における主制御装置110のROM202の内容について説明をする。図244(a)は、本制御例におけるパチンコ機10の主制御装置110のROM202の内容を模式的に示した模式図である。
図244(a)に示した通り、本制御例におけるパチンコ機10の主制御装置110のROM202は、第1当たり乱数5テーブル202da、変動パターン選択5テーブル202db、第2当たり乱数5テーブル202dc、大当たり種別選択5テーブル202dd、時短当たり乱数5テーブル202de、時短種別選択5テーブル202dfを少なくとも有している。なお、第1当たり乱数テーブル202a、変動パターン選択テーブル202b、第2当たり乱数テーブル202c、大当たり種別選択テーブル202d、時短当たり乱数5テーブル202de、時短種別選択5テーブル202dfについては、図243に図示した各種カウンタを説明する際に上述したため、その説明を省略する。
図242に戻り、説明を続ける。RAM203は、図243に図示した各種カウンタのほか、MPU201の内部レジスタの内容やMPU201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。
なお、RAM203は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM203に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。
停電などの発生により電源が遮断されると、その電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタの値がRAM203に記憶される。一方、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAM203に記憶される情報に基づいて、パチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。RAM203への書き込みはメイン処理(図167参照)によって電源遮断時に実行され、RAM203に書き込まれた各値の復帰は電源投入時の立ち上げ処理(図166参照)において実行される。なお、MPU201のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路252からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU201へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図165参照)が即座に実行される。
また、RAM203は、図244(b)に示すように、第1特別図柄保留球格納エリア203a、第2特別図柄保留球格納エリア203b、普通図柄保留球格納エリア203c、第1特別図柄保留球数カウンタ203d、第2特別図柄保留球数カウンタ203e、普通図柄保留球数カウンタ203f、遊技状態格納エリア203g、時短カウンタ203h、確変カウンタ203i、大当たり開始フラグ203j、大当たり中フラグ203k、その他メモリエリア203zを有している。なお、上述した各格納エリア、及び各カウンタ、各フラグの内容は、上述した第1制御例と同一であるため、同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
音声ランプ制御装置113のMPU221には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン224を介して入出力ポート225が接続されている。入出力ポート225には、主制御装置110、表示制御装置114、音声出力装置226、ランプ表示装置227、その他装置228、枠ボタン22などがそれぞれ接続されている。その他装置228には、パチンコ機10に設けられる演出用の駆動役物を動作させるための各種駆動モータが含まれる。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から受信した各種のコマンド(変動パターンコマンド、停止種別コマンド等)に基づいて、第3図柄表示装置81の表示態様を決定し、決定した表示態様をコマンド(表示用変動パターンコマンド、表示用停止種別コマンド等)によって表示制御装置114へ通知する。また、音声ランプ制御装置113は、枠ボタン22からの入力を監視し、遊技者によって枠ボタン22が操作された場合は、第3図柄表示装置81で表示されるステージを変更したり、スーパーリーチ時の演出内容を変更したりするように、表示制御装置114へ指示する。ステージが変更される場合は、変更後のステージに応じた後面画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、変更後のステージに関する情報を含めた後面画像変更コマンドを表示制御装置114へ送信する。ここで、後面画像とは、第3図柄表示装置81に表示させる主要な画像である第3図柄の後面側に表示される画像のことである。表示制御装置114は、この音声ランプ制御装置113から送信されるコマンドに従って、第3図柄表示装置81に各種の画像を表示する。
なお、遊技者によって枠ボタン22が操作された場合に、図示しない演出用の役物を駆動させるためにその他装置228へ役物駆動コマンドを送信したり、枠ボタン22への操作内容に対応した音声を音声出力装置226に出力させるための音声出力コマンドを設定したり、枠ボタン22への操作内容に対応した発光態様でランプ表示装置227を発光させるためのランプ出力コマンドを設定したりするように構成しても良い。
また、音声ランプ制御装置113は、表示制御装置114から第3図柄表示装置81の表示内容を表すコマンド(表示コマンド)を受信する。音声ランプ制御装置113では、表示制御装置114から受信した表示コマンドに基づき、第3図柄表示装置81の表示内容に合わせて、その表示内容に対応する音声を音声出力装置226から出力し、また、その表示内容に対応させてランプ表示装置227の点灯および消灯を制御する。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110からのコマンドや、音声ランプ制御装置113に接続された各種装置等の状況に応じてエラーを判定し、そのエラーの種別を含めてエラーコマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114では、受信したエラーコマンドによって示されるエラー種別(例えば、振動エラー)に応じたエラーメッセージ画像を第3図柄表示装置81に遅滞無く表示させる制御が行われる。
ここで、本第5制御例における音声ランプ制御装置113のMPU221が有するROM222に規定されている内容について説明をする。本第5制御例における音声ランプ制御装置113のROM222は、上述した第1制御例における音声ランプ制御装置113のROM222(図144(a)参照)に対して、通常中特図2演出選択テーブル222bと、確変中演出選択テーブル222cと、連続予告実行選択テーブル222dと、V報知実行選択テーブル222eと、ボタン操作時演出選択テーブル222fを削除し、引き戻しモード選択テーブル222daと、示唆態様選択テーブル222dbと、を追加した点で相違し、それ以外は同一である。同一の要素に対しては同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
引き戻しモード選択テーブル222daは、確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の高確率状態)が設定されている状態で普通図柄の高確率状態を終了させる終了条件(時短終了条件)が成立した場合に設定される遊技状態(通常状態、第2確変状態)に対応させて実行される演出モードである引き戻しモードにおけるモード種別を選択する際に参照されるデータテーブルであって、確変状態において時短終了条件が成立した場合の特図2保留数(第2特別図柄の保留記憶数)と、時短抽選回数カウンタ223dbの値と、保留内(特図2保留内)大当たりの有無、保留内(特図2保留内)時短当選の有無、演出カウンタ223fの値に対応させて4種類のモード種別(背景)が規定されている。
具体的には、特図2保留数が「4」、即ち、上限数の特図2保留を獲得しており、時短抽選回数カウンタ223dbの値が「4」、保留内大当たりが「有」の場合は、保留内時短当選の有無に関わらず、取得した演出カウンタ223fの値が「0〜49」の範囲に対して「モードA」が、「50〜99」の範囲に対して「モードB」が規定されている。また、保留内大当たりが「無」で、保留内時短当選が「有」の場合は、取得した演出カウンタ223fの値が「0〜79」の範囲に対して「モードB」が、「80〜99」の範囲に対して「モードA」が規定され、保留内時短当選が「無」の場合は、取得した演出カウンタ223fの値が「0〜19」の範囲に対して「モードB」が、「20〜59」の範囲に対して「モードC」が、「60〜99」の範囲に対して「モードD」が規定されている。
また、特図2保留数が「4」、即ち、上限数の特図2保留を獲得しており、時短抽選回数カウンタ223dbの値が「0」、保留内大当たりが「有」の場合は、保留内時短当選の有無に関わらず、取得した演出カウンタ223fの値が「0〜59」の範囲に対して「モードB」が、「60〜99」の範囲に対して「モードC」が規定されており、保留内大当たりが「無」の場合は、保留内時短当選の有無に関わらず、取得した演出カウンタ223fの値が「0〜79」の範囲に対して「モードC」が、「80〜99」の範囲に対して「モードB」が規定されている。
一方で、特図2保留数が「1〜3」、即ち、上限数の特図2保留を獲得していない状態では、時短抽選回数カウンタ223dbの値に関わらず、保留内大当たりが「有」の場合は、保留内時短当選の有無に関わらず、取得した演出カウンタ223fの値が「0〜19」の範囲に対して「モードB」が、「20〜59」の範囲に対して「モードC」が、「60〜99」の範囲に対して「モードD」が規定されており、保留内大当たりが「無」の場合は、保留内時短当選が「有」の場合は、取得した演出カウンタ223fの値が「0〜49」の範囲に対して「モードB」が、「50〜99」の範囲に対して「モードD」が規定されており、保留内時短当選が「無」の場合は、取得した演出カウンタ223fの値が「0〜19」の範囲に対して「モードB」が、「20〜99」の範囲に対して「モードD」が規定されている。
詳細な内容は、図240(b)を参照して上述したため、その説明を省略するが、引き戻しモード選択テーブル222daを参照して選択される4種類のモード種別(モードA〜モードD)は、遊技者への特典付与期待度を異ならせるように規定されており、モードAが最も遊技者に有利なモード種別(引き戻しモード中に特典(大当たり、時短当選)が付与される期待度が最も高い)となり、モードBが次に有利なモード種別となり、次いで、モードC、モードDの順で特典付与期待度が低くなるように各モード種別が選択されるよう、引き戻しモード選択テーブル222daの内容が規定されている。
さらに、確変状態が終了するタイミングにおける特図2保留数に応じて、選択されるモード種別を大きく異ならせるように構成しており、確変状態が終了するタイミングにおける特図2保留数が上限数では無い場合には、時短抽選回数カウンタ223dbの値や、特図2保留内の先読み結果(大当たり、時短当選の有無)に関わらず、最も遊技者に有利となるモード種別(モードA)が選択されない(され難くなる)ように構成している。
このように構成することで、引き戻しモード中に実行される第2特別図柄抽選の抽選結果を予測しようと、遊技者に対して特図2保留数が上限数となるように積極的に右打ち遊技を実行させることができる。
示唆態様選択テーブル222dbは、引き戻しモード中に実行される第2特別図柄変動に対応する変動演出において表示される示唆態様を選択する際に参照されるデータテーブルであって、設定されているモード種別と、当該変動の抽選結果と、演出カウンタ223fの値とに対応させて異なる種別の示唆態様が規定されている。
次に、図249(b)を参照して、音声ランプ制御装置113のMPU221のRAM223について説明する。図249(b)に示すように、音声ランプ制御装置113のRAM223には、コマンド記憶領域223a、入賞情報格納エリア223b、特別図柄保留球数カウンタ223c、特図変動開始フラグ223d、停止種別選択フラグ223e、演出カウンタ223f、従状態設定エリア223g、普通図柄保留球数カウンタ223h、時短中カウンタ223da、時短抽選回数カウンタ223db、モード種別格納エリア223dc、ロング時短中フラグ223dd、初回設定フラグ223de、その他メモリエリア223zが少なくとも設けられている。
なお、コマンド記憶領域223a、入賞情報格納エリア223b、特別図柄保留球数カウンタ223c、特図変動開始フラグ223d、停止種別選択フラグ223e、演出カウンタ223f、従状態設定エリア223g、普通図柄保留球数カウンタ223hの内容については、上述した第1制御例の内容と同一であるためその詳細な説明を省略する。
時短中カウンタ223daは、時短状態(普通図柄の高確率状態)が設定される期間を計測するためのカウンタであって、普通図柄の高確率状態が設定される場合に(大当たり遊技終了後、或いは、時短当選した特別図柄変動の停止表示後に)、予め定められた値が設定される。そして、時短中カウンタ223daの値が1以上である状態で特別図柄変動が実行されると、その値が1減算され、時短中カウンタ223daの値が「0」となった場合に、普通図柄の低確率状態へと移行したと判別する。また、時短中カウンタ223daの値に基づいて、普通図柄の高確率状態における詳細な期間を判別するように構成している。
時短抽選回数カウンタ223dbは、普通図柄の低確率状態(通常状態、第2確変状態)中に実行される第2特別図柄抽選のうち、通常状態中に実行され得る第2特別図柄抽選の回数、即ち、時短当選し得る第2特別図柄抽選の実行回数を計測するためのカウンタであって、普通図柄の確率状態が高確率状態から低確率状態へと移行する際に獲得している特図2保留数と、普通図柄の高確率状態から低確率状態へと移行した場合に設定される遊技状態(通常状態、第2確変状態)とに基づいて値が設定される。
具体的には、普通図柄の高確率状態(確変状態、時短状態)から通常状態へと移行したことを示す状態コマンドを受信した場合(図264のS9102:No)、或いは、確変状態から第2確変状態へと移行したことを示す状態コマンドを受信した場合(図267のS9402:Yes)に実行される引き戻しモード設定処理(図265のS9104参照)において、獲得済みの特図2保留に基づいて通常状態中に実行される(され得る)第2特別図柄抽選の回数が特定され、特定した回数を示す値が時短抽選回数カウンタ223dbの値に設定される。そして、引き戻しモード選択テーブル222daを参照して、引き戻しモードのモード種別を選択する際に参照される。
また、引き戻しモード中において第2特別図柄抽選が実行される場合において、時短抽選カウンタ223dbの値が読み出され、1よりも大きい値が設定されていると判別された場合には、第2特別図柄抽選が実行される毎にその値が1減算される(図269のS9607参照)。
つまり、本第5制御例では、普通図柄の高確率状態中に獲得した特図2保留を普通図柄の低確率状態が設定された後に実行する場合に、設定されている遊技状態に関わらず同一態様の演出を実行するように構成している。つまり、普通図柄の低確率状態が設定される遊技状態として、時短当選し得る特別図柄抽選が実行される通常状態と、時短当選し得ない特別図柄抽選が実行される第2確変状態とで、同一の態様(引き戻しモード)の演出が実行されるように構成し、実行中の第2特別図柄抽選の抽選結果として時短当選が表示され得る遊技状態であるか否かを遊技者に容易に判別させ難くするように構成している。このように構成することで、時短当選し得ない特別図柄抽選が実行される第2確変状態が設定されている場合であっても、遊技者に対して、時短当選に期待しながら遊技を行わせることができる。
さらに、実際に時短当選し得る特別図柄抽選の実行回数を判別し、その判別結果に基づいて引き戻しモードのモード種別を選択可能に構成している。このように構成することで、時短当選し得る特別図柄抽選が実行される通常状態と、時短当選し得ない特別図柄抽選が実行される第2確変状態とで、同一の態様(引き戻しモード)の演出が実行されながらも、何れの遊技状態が設定されているかを遊技者に予測させるための要素(モード種別)を提供することができるため、現在設定されている遊技状態が時短当選の可能性がある遊技状態であるかをいち早く判別したい遊技者に対して、実行中の演出の内容を注視させることができるため、演出効果を高めることができる。
モード種別格納エリア223dcは、引き戻しモード選択テーブル222daを参照して選択されたモード種別を格納するための格納エリアである。このモード種別格納エリア223dcに格納された情報(モード種別)は、引き戻しモード中に実行される第2特別図柄変動に対応する変動演出の演出態様を決定する際に読み出される。そして、引き戻しモードが終了した場合に、格納されている情報がクリアされる。
ロング時短中フラグ223ddは、長期間(特別図柄変動10000回)の時短状態が設定されたことを示すためのフラグであって、長期間の時短状態(時短種別「時短A」)が設定された場合にオンに設定され、時短状態が終了した場合にオフに設定される。このロング時短中フラグ223ddの設定状況は、残時短回数(普通図柄の高確率状態の残期間)を示すための表示態様を決定する際に参照される。具体的には、時短状態中に実行される第2特別図柄変動に対応する特図2演出態様を決定する場合において(図269のS9613:Yes)、ロング時短中フラグ223ddがオンに設定されているかを判別し(図269のS9615)、ロング時短中フラグ223ddがオンに設定されていない場合は(図269のS9615:No)、第3図柄表示装置81の表示画面の小表示領域Dm7に表示されている残回数を減算表示するための表示用コマンドを設定する(図269のS9614)。
一方、ロング時短中フラグ223ddがオンに設定されている場合は(図269のS9615:Yes)、時短中カウンタ223daの値が150未満であるかを判別し(図269のS9616)、150未満では無いと判別した場合は(図269のS9616:No)、図238(a)に示した通り、小表示領域Dm7に「無限」が表示されている状態であるため、残時短回数を減算表示する処理をスキップし、150未満であると判別した場合は(図269のS9616:Yes)、小表示領域Dm7の表示態様を「無限」から「149」へと切り替えるための演出態様を決定する(図269のS9617)。
初回設定フラグ223deは、引き戻しモード中に実行される第2特別図柄抽選のうち、初回の第2特別図柄抽選が実行済であることを示すためのフラグであって、引き戻しモード中に実行される初回の第2特別図柄変動に対応する特図2演出態様を決定した後にオンに設定される(図269のS9605参照)。そして、引き戻しモード中に実行される第2特別図柄変動に対応する特図2演出態様を設定する際に参照され、初回設定フラグ223deがオンに設定されていると判別した場合は(図269のS9602:Yes)、初回の特図2演出態様を設定するための処理(図269のS9603,S9604)がスキップされる。
<第5制御例のパチンコ機10における制御処理内容について>
次に、図252から図270を参照して、本第5制御例のパチンコ機10における各種制御処理の内容について説明をする。本第5制御例では、上述した第1制御例のパチンコ機10に対して、主制御装置110のMPU201により実行される制御処理の一部と、音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される制御処理の一部を変更している点で相違し、それ以外は同一である。同一の内容については、同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
まず、図252から図261を参照して、本第5制御例における主制御装置110にて実行される制御処理について説明をする。本第5制御例では、上述した第1制御例に対して、特別図柄変動処理(図157のS104参照)に代えて、特別図柄変動処理5(図252のS104)を、特別図柄大当たり判定処理(図158のS208)に代えて特別図柄判定処理5(図253のS251参照)を、特別図柄変動パターン選択処理(図159のS209)に代えて特別図柄変動パターン選択処理5(図255のS252)を、更新処理(図160のS221)に代えて更新処理5(時256のS253)を、始動入賞処理(図161のS105)に代えて始動入賞処理5(図258のS195)を。先読み処理(図162のS613)に代えて先読み処理5(図259のS653)を、大当たり制御処理(図168のS1804)に代えて大当たり制御処理5(図260のS1894参照)を、大当たり終了処理(図170のS1910参照)に代えて大当たり終了処理5(図261のS8403参照)を、実行する点で相違し、それ以外は同一である。同一の処理内容についてはその詳細な説明を省略する。
まず、図252を参照して、特別図柄変動処理5(図252のS104)の処理内容について説明をする。図252は、特別図柄変動処理5(S104)の処理内容を示したフローチャートである。この特別図柄変動処理5(S104)では、上述した特別図柄変動処理(図157のS104参照)に対して、特別図柄変動を開始させる際に実行する処理の一部と、特別図柄変動の変動時間が経過した場合に実行する処理の一部を変更した点で相違している。
具体的には、特別図柄変動処理5(S104)が実行されると、上述した特別図柄変動処理(図157のS104参照)と同一のS201〜S207,S210〜S213の処理を実行する。そして、S207の処理、或いは、S213の処理を終えると、特別図柄判定処理5(S251)を実行し、その後、特別図柄変動パターン選択処理5(S252)を実行し、本処理を終了する。
また、特別図柄変動の変動時間が経過したと判別した場合は(S214:Yes)、上述した特別図柄変動処理(図157のS104参照)と同一のS216〜S220の処理を実行し本処理を終了すると共に、S217の処理において、今回の抽選結果が大当たりでは無いと判別した場合に(S217:No)、更新処理5を実行し(S253)、その後、時短設定処理5を実行し(S254)、S220の処理へと移行する。
次に、図253を参照して、特別図柄判定処理5(S251)の処理内容について説明をする。図253は、特別図柄判定処理5(S251)の処理内容を示したフローチャートである。この特別図柄判定処理5(S251)は、上述した第1制御例の特別図柄大当たり判定処理(図158のS208)に代えて実行されるものであり、特別図柄抽選における大当たり判定に加え、時短当選の判定(時短抽選処理5)が実行される。
特別図柄判定処理5(S251)が実行されると、まず、特別図柄保留球格納エリアの実行エリアのデータを取得し(S8001)、第1当たり乱数5テーブル202daに基づいて抽選結果を取得し(S8002)、抽選結果が大当たりであると判定した場合は(S8003:Yes)、特別図柄の抽選結果を大当たりに設定し(S8004)、取得した当たり種別カウンタ(第1当たり種別カウンタC2)の値に基づいて、第1図柄表示装置37に表示する特別図柄の大当たり図柄をセットし(S8005)、本処理を終了する。一方、抽選結果が大当たりでは無いと判別した場合は(S8003:No)、時短抽選処理5を実行し(S8006)、本処理を終了する。
ここで、時短抽選処理5(S8006)は、今回の特別図柄抽選における時短当選の判定を実行するための処理である。つまり、本第5制御例では、特別図柄抽選において、まず、大当たり当選の判定を実行し(S8003)、大当たり当選した場合には、時短当選の判定を実行することなく特別図柄抽選を終了し、大当たり当選していない場合にのみ時短当選の判定を実行するように構成している。このように構成することで、1回の特別図柄抽選において、複数の特典(特別図柄の大当たり当選、時短当選)を遊技者に付与することが無いため、遊技者に過剰に有利な遊技を提供してしまうことを抑制することができる。
次に、図254を参照して、時短抽選処理5(S8006)の処理内容について説明をする。図254は、時短抽選処理5(S8006)の内容を示したフローチャートである。この時短抽選処理5(S8006)では、現在の遊技状況が時短抽選(時短当選判定)を実行可能な遊技状況であるかを判別し、実行可能であると判別した場合に時短当選判定を実行する処理が行われる。
時短抽選処理5(S8006)が実行されるとまず、今回の対象(抽選対象)が特図2(第2特別図柄)であるかを判別し(S8101)、特図2であると判別した場合は(S8101;Yes)、遊技状態格納エリアに格納されている現在の遊技状態を読み出し(S8102)、読み出した遊技状態が通常状態であるかを判別する(S8103)。
S8103の処理において、通常状態であると判別した場合に(S8103:Yes)、時短当たり乱数5テーブル202deに基づいて抽選結果(時短当選判定結果)を取得し(S8104)、時短当選しているかを判別し(S8105)、時短当選していると判別した場合は(S8105:Yes)、取得した当たり種別カウンタ(第1当たり種別カウンタC2)の値に基づいて、第1図柄表示装置37に表示する特別図柄の時短図柄をセットし(S8106)、本処理を終了する。
一方、S8101の処理において、今回の対象が特図2では無い(第1特別図柄である)と判別した場合(S8101:No)、S8103の処理において、現在の遊技状態が通常状態では無いと判別した場合(S8103:No)、或いは、S8105の処理において時短当選していない(S8105:No)と判別した場合は、取得した当たり種別カウンタ(第1当たり種別カウンタC2)の値に基づいて、第1図柄表示装置37に表示する特別図柄の外れ図柄をセットし(S8107)、本処理を終了する。
つまり、本第5制御例では、特別図柄抽選において時短当選判定を実行するための実行条件として、当該特別図柄抽選で大当たり当選していないこと、第2特別図柄抽選であること、通常状態が設定されていることが規定されている。このように、時短当選判定を実行可能な条件を設けることにより、特別図柄抽選の実行状況に応じて、大当たり判定のみを実行する場合と、大当たり判定と時短当選判定とを実行する場合とを創出することができる。よって、状況に応じて1回の特別図柄抽選において遊技者に特典(大当たり、又は時短)が付与される確率を異ならせることができる。
また、本第5制御例では、確変状態、時短状態、といった通常状態よりも遊技者に有利となる遊技状態が、特別図柄抽選の実行回数が所定回数(例えば60回)を超えた場合に終了し通常状態へと移行するように構成している。つまり、大当たり当選すること無く特別図柄抽選が所定回数実行された場合において、時短当選判定の実行条件が成立し易くすることができる、よって、特別図柄抽選が大当たり当選すること無く所定回数実行された場合には、所定回数実行される前よりも1回の特別図柄抽選において遊技者に特典(大当たり、又は時短)が付与される確率を高めることができる。このように構成することで、所定期間大当たり当選していない遊技者に対して遊技意欲が極端に低下してしまうことを抑制することができる。
次に、図255を参照して、特別図柄変動パターン選択処理5(S252)について説明をする。図255は、特別図柄変動パターン選択処理5(S252)の処理内容を示したフローチャートである。この特別図柄変動パターン選択処理5(S252)では、まず、特別図柄判定処理5(図253のS251)において、特別図柄の抽選結果が大当たりであるか否か、即ち、特別図柄の大当たりが設定されているか否かを判別する(S8201)。S8201の処理において、特別図柄の大当たりが設定されていると判別された場合には(S8201:Yes)、大当たり種別選択5テーブル202ddと、取得している第1当たり種別カウンタC2の値とに基づいて、大当たり種別を決定する(S8202)。次いで、特別図柄実行エリアに格納されている変動種別カウンタCS2の値を取得し(S8203)、遊技状態格納エリア203gに記憶されている情報に対応する現在の遊技状態(通常状態、第2確変状態、確変状態)に対応した変動パターン選択5テーブル202dbを読み出す(S8204)。
そして、S8203の処理で取得した変動種別カウンタCS2の値と、S8204の処理で読み出した変動パターン選択5テーブル202dbとに基づいて変動パターンを選択し(S8205)、S8205の処理で選択した変動パターンに基づいて、特図変動パターンコマンドを設定する(S8206)。ここで設定される特図変動パターンコマンドには、特別図柄抽選の抽選結果、特別図柄の変動時間を示す情報が含まれており、主制御装置110のメイン処理の外部出力処理にて音声ランプ制御装置113へと出力される。
次に、特別図柄の停止図柄を示す特図停止種別コマンドを設定し(S8207)、第1図柄表示装置37で特別図柄の変動開始を設定し(S8208)、選択した変動パターンの変動時間を示す値を特図変動時間カウンタ(図示せず)の値にセットし(S8209)、本処理を終了する。S8207の処理で設定される特図停止種別コマンドには、今回の特別図柄変動の結果を示す停止図柄の種別、即ち、リーチ外れや、リーチにならない外れといった大まかな種別を示す情報が含まれており、主制御装置110のメイン処理の外部出力処理にて音声ランプ制御装置113へと出力される。
一方、S8201の処理において、特別図柄の抽選結果が外れであると判別した場合には(S8201:No)、次に、時短抽選結果(時短当選判定結果)が時短当選であるかを判別し(S8209)、時短当選であると判別した場合は(S8209:Yes)、時短種別選択5テーブル202dfを参照して時短種別を決定し(S8210)、S8203の処理へ移行する。また、S8209の処理において時短当選していないと判別した場合は(S8209:No)、S8210の処理をスキップしてS8203の処理へ移行する。
次に、図256を参照して、更新処理5(S253)の処理内容について説明をする。図256は、更新処理5(S253)の処理内容を示したフローチャートである。この、更新処理5(S253)では、上述した、更新処理(図160のS221参照)と同様の処理が実行されるため、その詳細な説明を省略する。
次に、図257を参照して、時短設定処理5(S254)の処理内容について説明をする。図257は、時短設定処理5(S254)の処理内容を示したフローチャートである。この時短設定処理5(S254)では、時短当選判定により時短当選した場合に時短状態を設定するための処理が実行される。時短設定処理5(S254)が実行されると、まず、今回の抽選結果が時短当選であるかを判別し(S8351)、時短当選であると判別した場合に(S8351:Yes)、決定された時短種別に対応する値を時短カウンタ203hに設定し(S8352)、遊技状態格納エリアに時短状態を設定し(S8353)、時短カウンタ203hの値、時短種別遊技状態(時短状態を示す情報と、設定された時短種別を示す情報)を示す状態コマンドを設定し(S8354)、本処理を終了する。
一方、S8351の処理において、時短当選していないと判別した場合は(S8351:No)、そのまま本処理を終了する。
つまり、本第5制御例では、時短当選契機に応じて、異なるタイミングで時短状態が設定されるように構成しており、特別図柄抽選で時短当選した場合には、当該特別図柄変動の停止タイミングにて時短状態が設定され、特別図柄抽選の大当たり当選に基づいて時短状態が設定される場合には、当該特別図柄変動の停止タイミングでは無く、大当たり遊技終了タイミングで時短状態が設定される。
このように構成することで、時短状態が設定されるタイミングを異ならせることができるため、遊技者に対して飽き難い遊技を提供することができる。
次に、図258を参照して始動入賞処理5(S195)の処理内容について説明をする。図258は、始動入賞処理5(S195)の処理内容を示したフローチャートである。この始動入賞処理5(S195)では、上述した始動入賞処理(図161のS105参照)に対して、各特別図柄保留球格納エリアに格納するカウンタ値の種別に時短種別選択カウンタCC1の値を追加した点(S651,S652)と、先読み処理5(S653)を実行する点で相違しているだけであり、それ以外の処理内容は同一であるため、その詳細な説明を省略する。
次いで、図259を参照して先読み処理5(S653)の処理内容について説明をする。図259は、先読み処理5(S653)の処理内容を示したフローチャートである。この先読み処理5(S653)が実行されると、まず、新たに第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは第2特別図柄保留球格納エリア203bに記憶された格納エリアから各種カウンタ値である、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、変動種別カウンタCS1、時短種別選択カウンタCC1の各値を読み出す(S750)。そして、読み出したデータを先読み保留記憶エリアの空いている記憶エリアのうち、入賞順序がもっとも小さいエリアに記憶する(S702)。
次に、新たに先読み保留記憶エリアに記憶された各カウンタ値に基づいて、当否判定結果を判定する。なお、ここでは、特別図柄の低確率状態である場合の当否判定と、特別図柄の高確率状態である場合の当否判定との両方が判別される。これは、新たな保留記憶が発生したタイミング(第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは第2特別図柄保留球格納エリア203bに新たな保留(入賞情報)が記憶されたタイミング)と、今回新たに保留された入賞情報に基づいて大当たり判定が実行されるタイミングとにはタイムラグが発生することから、今回新たに保留された入賞情報に基づく大当たり判定が実行されるタイミングで設定されている遊技状態(特別図柄の確率状態)を予測することが困難だからである。
次に、当否判別結果が大当たりであるか否かを判別する(S703)。判別結果が大当たりであると判別した場合は(S703:Yes)、読み出した各種カウンタ値に基づいて、大当たり種別と、変動パターンと、を特定可能な情報を含む入賞コマンドを設定し(S751)、その後、本処理を終了する。
一方、S703の処理における判別結果が大当たりでは無いと判別した場合は(S703:No)、次いで、時短当選かを判別し(S752)、時短当選していないと判別した場合は(S752:No)、読み出した各種カウンタ値に基づいて、外れ当選と、変動パターンと、を特定可能な情報を含む入賞コマンドを設定し(S705)、その後、本処理を終了する。
一方、S752の処理において時短当選と判別した場合は(S752:Yes)、当該保留変動時が通常状態であるかを判別し(S753)、通常状態であると判別した場合は(S753:Yes)、読み出した各種カウンタ値に基づいて、時短当選と、変動パターンと、を特定可能な情報を含む入賞コマンドを設定し(S754)、本処理を終了する。
ここで、S704、S705、或いはS754の処理で設定された入賞コマンドは、上述した当否判定結果を示すための情報(当否判定結果に基づいて異なる意味を持たせる情報)に加え、共通情報として、S701の処理によって読み出された各種カウンタ値の値を示すための情報も含んで設定される。そして、本処理で設定された入賞コマンドが主制御装置110のメイン処理(図167参照)にて実行される外部出力処理(S1801)によって音声ランプ制御装置113に対して出力される。
音声ランプ制御装置113側では、入賞コマンドを受信した場合に、入賞コマンドに含まれる各種情報に基づいて、保留球の表示態様を可変させて(例えば、保留球の色を通常とは異なる色で可変して)表示させたり、変動開始前に予告図柄等を表示して遊技者に当否判定結果(大当たり当否、時短当選当否)を示唆したりする演出(先読み演出)を実行できる。
なお、本制御例では、特別図柄の確率状態が1つ(特別図柄の低確率状態)しかないため、入賞コマンドに設定する情報(当否判定結果)を遊技状態に関わらず設定することができるが、例えば、特別図柄の確率状態を複数(特別図柄の高確率状態、特別図柄の低確率状態)有する遊技機においては、特別図柄の高確率状態の場合の当否判定結果と、特別図柄の低確率状態の場合の当否判定結果とを判別し、各判別の結果に基づいた入賞コマンドを設定するように構成しても良いし、特別図柄が高確率状態であっても、低確率状態であっても大当たりと判定される判定値(第1当たり乱数カウンタC1の値)を規定し、その判定値を読み出した場合のみ特別図柄の大当たりを示す入賞コマンドを設定するように構成しても良い。
このように構成することで、音声ランプ制御装置113側に対して、特定の大当たりや時短当選であることを事前判別した場合のみ大当たりや時短当選を示す入賞コマンドを出力することになるため、先読み演出が実行されない特別図柄変動に対して、大当たり当選の期待感を持たせることができる。
さらに、第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは第2特別図柄保留球格納エリア203bに格納(記憶)されている保留記憶(入賞情報)に基づく特別図柄の抽選が行われる際の遊技状態を正確に判別して、その遊技状態に基づいて当否判定を実行するように構成してもよい。この場合には、変動パターンの選択を保留球数によって可変するのではなく、変動開始時の保留球数に関わらず一定の変動パターンを選択するように構成することで判別が可能となる。先読みを実行する場合に、その保留球が変動開始されるまでの変動順序を保留記憶されている情報に基づいて判別することで変動開始時の遊技状態を判別できる。
また、本制御例では、第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは第2特別図柄保留球格納エリア203bに新たな保留記憶(入賞情報)が格納(記憶)された場合に、その入賞情報に基づく先読み処理を実行し、その先読み処理の中で当否判定を事前に予測する構成を用いているが、これに限ること無く、主制御装置110の先読み処理において、第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは第2特別図柄保留球格納エリア203bに新たに格納(記憶)された入賞情報(保留記憶)の内容(各カウンタ値)を示す情報を入賞コマンドとして設定し、音声ランプ制御装置113側で受信した入賞コマンドに含まれる情報に基づいて当否判定結果を予測するように構成しても良い。
このように構成することで、主制御装置110の処理負荷を軽減することができる。また、音声ランプ制御装置113側で、先読み演出を実行するか否かを判別する処理を実行し、先読み演出を実行すると判別した場合に、主制御装置110から受信した入賞コマンドに含まれる情報を解析(当否判定結果の予測)するように構成すると良い。これにより、先読み演出を実行しない場合には、具体的な先読み処理(当否判定結果の予測)が実行されないため、パチンコ機10にて無駄な制御が実行されることを抑制することができる。また、無題に実行された先読み処理の結果を遊技者に不正に取得されてしまう不具合を抑制することができる。
次に、図260を参照して、大当たり制御処理5(S1894)の処理内容について説明する。図260は、大当たり制御処理5(S1894)の処理内容を示したフローチャートである。この大当たり制御処理5(S1894)では、上述した大当たり制御処理(図168のS1804参照)に対して、新たなラウンドの開始タイミングと判別した場合(S1905:Yes)に実行する処理を、特定入賞口の開放を設定し(S8401)、新たに開始するラウンド数を示すラウンド数コマンドを設定する(S8402)点と、大当たりの終了タイミングであると判別した場合(S1909:Yes)に、大当たり終了処理5(S8403)を実行する点で相違し、それ以外は同一であるため、同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
次に、図261を参照して、大当たり制御処理5(図260のS1894参照)にて実行される大当たり終了処理5(S8403)の処理内容について説明する。図261は、大当たり終了処理5(S8403)の内容を示したフローチャートである。この大当たり終了処理5(S8403)が実行されると、現在実行中お大当たり種別を特定し(S8501)、特定した大当たり種別に対応する値(時短終了条件)を、確変カウンタ203i、時短カウンタ203hに設定し(S8502)、確変カウンタ203i、時短カウンタ203hの値に対応する遊技状態を遊技状態格納エリアに設定し(S8503)、設定した確変カウンタ203iの値、時短カウンタ203hの値、遊技状態を示す状態コマンドを設定し(S8504)、大当たり中フラグをオフに設定し(S8505)、本処理を終了する。
次に、図262から図270を参照して、本第5制御例における音声ランプ制御装置113にて実行される制御処理内容について説明をする。本第5制御例では、上述した第1制御例に対して、コマンド判定処理(図175のS4112参照)に代えてコマンド判定処理5(図262のS4182)を、状態コマンド受信処理(図176のS4202参照)に代えて、状態コマンド受信処理5(図263のS4282)を、特図1演出態様設定処理(図183のS4903参照)に代えて、特図1演出態様設定処理5(図268のS4983)を、特図2演出態様設定処理(図184のS4907参照)に代えて、特図2演出態様設定処理5(図269のS4987参照)を実行する点で相違しており、それ以外は同一である。同一の処理内容については、同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
図262は、コマンド判定処理5(図262のS4182)を示したフローチャートである。図262に示した通り、コマンド判定処理5(図262のS4182)では、上述したコマンド判定処理(図175のS4112参照)に対して、状態コマンド受信処理を状態コマンド受信処理5(S4282)に代えている点で相違し、それ以外は同一である。
図263は、状態コマンド受信処理5(S4282)を示したフローチャートである。図263に示した通り、この状態コマンド受信処理5(S4282)では、主制御装置110から受信した状態コマンドに基づいて、新たに設定された遊技状態を判別し、その判別結果に基づいた各種演出を設定するための処理が実行される。
状態コマンド受信処理5(S4282)では、まず、遊技状態に変更があるか判別する(S9001)。遊技状態に変更がないと判別した場合には(S9001:No)、そのまま本処理を終了する。一方、S9001の処理において、遊技状態に変更があると判別した場合には(S9001:Yes)、従状態設定エリア223gに設定されている情報をシフトし、今回主制御装置110より受信したコマンドに対応する遊技状態を従状態設定エリア223gに設定する(S9002)。
次に、今回受信したコマンドが通常状態への変更を示すコマンドであるか判別する(S9003)。今回受信したコマンドが通常状態への変更を示すコマンドであると判別した場合には(S9003:Yes)、通常状態演出設定処理を実行し(S9004)、本処理を終了する。通常状態演出設定処理(S9004)の詳細な説明については、図264を参照し、後述する。一方、S9003の処理において、今回受信したコマンドが通常状態への変更を示すコマンドではないと判別した場合には(S9003:No)、S9005の処理に移行する。
S9005の処理では、今回受信したコマンドが時短状態への変更を示すコマンドであるか判別する(S9005)。今回受信したコマンドが時短状態への変更を示すコマンドであると判別した場合には(S9005:Yes)、時短状態演出設定処理を実行し(S906)、本処理を終了する。時短状態演出設定処理(S9006)の詳細な説明については、図266を参照して後述する。一方、S9005の処理において、今回受信したコマンドが時短状態への変更を示すコマンドではないと判別した場合には(S9005:No)、S9007の処理に移行する。
S9007の処理では、今回受信したコマンドが第2確変状態への変更を示すコマンドであるか判別する(S9007)。今回受信したコマンドが第2確変状態への変更を示すコマンドであると判別した場合には(S9007:Yes)、第2確変状態演出設定処理を実行し(S9008)、本処理を終了する。第2確変状態演出設定処理(S9008)の詳細な説明については、図267を参照し後述する。一方、S9007の処理において、今回受信したコマンドが第2確変状態への変更を示すコマンドではないと判別した場合には(S9007:No)、S9009の処理に移行する。
S9009の処理では、今回受信したコマンドが確変状態への変更を示すコマンドであるか判別する(S9009)。確変状態への変更を示すコマンドであると判別した場合には(S9009:Yes)、受信したコマンドに含まれる時短回数を時短中カウンタ203daの値に設定し(S9010)、本処理を終了する。一方、S9009の処理において、今回受信したコマンドが確変状態への変更を示すコマンドではないと判別した場合には(S9009:No)、そのまま本処理を終了する。
図264は、通常状態演出設定処理(S9004)を示したフローチャートである。この通常状態演出設定処理(S9004)は、状態コマンド受信処理5(図263のS4282参照)において、通常状態を示す状態コマンドを受信した場合に実行される処理である。この通常状態演出設定処理(S9004)では、図264に示した通り、通常状態が設定される前の遊技状態が第2確変状態であるか否かに応じて、異なる演出態様が設定されるものであり、第2確変状態では無い場合、即ち、確変状態、或いは時短状態から通常状態へと移行したと判別した場合は、引き戻しモード(引き戻しゾーン)に対応する演出態様を設定するための、引き戻しモード設定処理を実行する。
通常状態演出設定処理(S9004)では、まず、従状態設定エリア223gから変更前の遊技状態の読み出しを実行する(S9101)。次に、S9101の処理で読み出した変更前の遊技状態は、第2確変状態であるか判別する(S9102)。変更前の遊技状態が第2確変状態であると判別した場合には(S9102:Yes)、第1通常モードに対応する演出モード用の表示コマンドを設定し(S9103)、本処理を終了する。一方、S9102の処理において、読み出した変更前の遊技状態が第2確変状態ではないと判別した場合には(S9104:No)、引き戻しモード設定処理を実行し(S9104)、本処理を終了する。引き戻しモード設定処理(S9104)の詳細な説明については、図265を参照し、後述する。
図265は、引き戻しモード設定処理(S9104)を示したフローチャートである。この引き戻しモード設定処理(S9104)では、図265に示した通り、図237に示した演出画面に関わる表示態様(演出態様)を示すための表示用コマンドを設定するための様々な処理が実行される。
引き戻しモード設定処理(S9104)では、まず、従状態設定エリア223gから変更前の遊技状態の読み出しを実行する(S9201)。次に、第2特別図柄に保留球があるか判別する(S9202)。第2特別図柄に保留球があると判別した場合には(S9202:Yes)、通常状態中に実行される第2特別図柄の抽選回数を特定する(S9203)。次に、S9203の処理において特定した通常状態中に実行される第2特別図柄の抽選回数の値を時短抽選回数カウンタ223dbに設定する(S9204)。
次に、第2特別図柄の保留数と、時短抽選回数カウンタ223dbの値と、特図2保留情報とを用いて、引き戻しモード選択テーブル222da(図250参照)を参照して、モード種別を決定し(S9205)、S9205の処理において決定したモード種別を、モード種別格納エリア223dcに格納し(S9206)、本処理を終了する。一方、S9202の処理において、第2特別図柄に保留球がないと判別した場合には(S9202:No)、第1通常モードに対応する演出モード用表示コマンドを設定し(S9207)、本処理を終了する。
図266は、時短状態演出設定処理(S9006)を示したフローチャートである。この時短状態演出設定処理(S9006)は、状態コマンド受信処理5(図263のS4282参照)において、時短状態を示す状態コマンドを受信した場合に実行される処理である。この時短状態演出設定処理(S9006)では、図266に示した通り、時短状態が設定される前の遊技状態が確変状態である場合は準備タイム(図239参照)に対応する表示態様(演出態様)を設定するための処理を実行し、通常状態である場合は、時短状態に突入したことを示すための表示態様や、ロング時短に対応する延長タイム(図238参照)に対応する表示態様(演出態様)を設定するための処理を実行する。
時短状態演出設定処理(S9006)では、まず、従状態設定エリア223gから変更前の遊技状態を実行する(S9301)。次に、S9301の処理において読み出した変更前の遊技状態は確変状態であるか判別する(S9302)。変更前の遊技状態は確変状態であると判別した場合には(S9302:Yes)、準備タイム中に対応する演出態様を示すための表示用コマンドを設定し(S9303)、本処理を終了する。
一方、S9301の処理において読み出した変更前の遊技状態は、確変状態ではないと判別した場合には(S9302:No)、変更前の遊技状態は通常状態であるか判別する(S9304)。変更前の遊技状態は通常状態ではないと判別した場合には(S9304:No)、そのまま本処理を終了する。一方、変更前の遊技状態は通常状態であると判別した場合には(S9304:Yes)、受信したコマンドに含まれる時短回数を時短中カウンタ223daの値に設定し(S9305)、今回設定される時短種別は、時短Aであるか判別する(S9306)。
S9306の処理において、今回設定される時短種別は時短Aであると判別した場合には(S9306:Yes)、ロング時短中フラグ223ddをオンに設定し(S9307)、延長タイムに対応する演出態様を示すためのコマンドを設定し(S9308)、本処理を終了する。一方、今回設定される時短種別は時短Aではないと判別した場合には(S9306:No)、本処理を終了する。
図267は、第2確変状態演出設定処理(S9008)を示したフローチャートである。この第2確変状態演出設定処理(S9008)は、状態コマンド受信処理5(図263のS4282参照)において、第2確変状態を示す状態コマンドを受信した場合に実行される処理である。この第2確変状態演出設定処理(S9008)では、図267に示した通り、第2確変状態が設定される前の遊技状態が確変状態であるか否かに応じて、異なる演出態様が設定されるものであり、確変状態である場合は、引き戻しモード(引き戻しゾーン)に対応する演出態様を設定するための、引き戻しモード設定処理を実行する。
第2確変状態演出設定処理(S9008)では、まず、従状態設定エリア223gから変更前の遊技状態の読み出しを実行する(S9401)。次に、S9401の処理において読み出した変更前の遊技状態は確変状態であるか判別する(S9402)。変更前の遊技状態は確変状態であると判別した場合には(S9402:Yes)、引き戻しモード設定処理(図265のS9104参照)を実行し(S9403)、そのまま本処理を終了する。一方、S9402の処理において、変更前の遊技状態は確変状態ではないと判別した場合には(S9402:No)、そのまま本処理を終了する。
図268は、特図1演出態様設定処理5(S4983)を示すためのフローチャートである。この特図1演出態様設定処理5(S4983)では、実行される第1特別図柄変動に対応する変動演出の演出態様を設定するための処理が実行される。
特図1演出態様設定処理5(S4983)では、まず、時短中カウンタ223daの値が0より大きいか判別する(S9501)。時短中カウンタ223daの値が0より大きい値であると判別した場合には(S9501:Yes)、時短中カウンタ223daの値を1減算し(S9502)、減算後の時短中カウンタ223daの値を示すための表示用コマンドを設定し(S9503)、S9504の処理に移行する。一方、S9501の処理において、時短中カウンタ223daの値が0より大きい値ではないと判別した場合には(S9501:No)S9502〜S9503の処理をスキップし、S9504の処理に移行する。S9504の処理では、決定した演出態様を示す表示用変動パターンコマンドを設定し(S9504)、本処理を終了する。
図269は、特図2演出態様設定処理5(S4987)を示すためのフローチャートである。この特図2演出態様設定処理5(S4987)では、図269に示した通り、第2特別図柄抽選が実行される遊技状態に応じて、様々な演出態様を設定するための処理が実行される。
特図2演出態様設定処理5(S4987)では、まず、現在の遊技状態が通常状態、又は、第2確変状態であるか判別する(S9601)。現在の遊技状態が通常状態、又は、第2確変状態であると判別した場合には(S9601:Yes)、初回設定フラグ223deはオンであるか判別する(S9602)。初回設定フラグ223deはオンではないと判別した場合には(S9602:No)、時短抽選回数カウンタ223dbの値に基づいて、引き戻しゾーン中に実行される第2特別図柄の抽選回数を決定し(S9603)、決定した第2特別図柄の抽選回数に対応する演出態様を決定する(S9604)。
次に、初回設定フラグ223deをオンに設定し(S9605)、S9606の処理に移行する。一方、S9602の処理において、初回設定フラグ223deがオンであると判別した場合には(S9602:Yes)、S9603〜S9605の処理をスキップしてS9606の処理に移行する。
S9606の処理では、示唆態様選択テーブル222db(図251参照)を参照して、示唆態様を決定する(S9606)。次に、時短抽選回数カウンタ223dbの値を1減算し(S9607)、減算後の時短抽選回数カウンタ223dbの値が0であるか判別する(S9608)。減算後の時短抽選回数カウンタ223dbの値が0であると判別した場合には(S9608:Yes)、引き戻しゾーン最終変動に対応する演出態様を決定し(S9609)、初回設定フラグ223deをオフに設定する(S9610)。そして、決定した演出態様を示す表示用コマンドを設定し(S9611)、本処理を終了する。一方、S9608の処理において、減算後の時短抽選回数カウンタ223dbの値が0ではないと判別した場合には(S9608:No)、S9609〜S9610の処理をスキップし、上述したS9611の処理を実行し、本処理を終了する。
一方、S9601の処理において、通常状態、又は、第2確変状態ではないと判別した場合には(S9601:No)、時短中カウンタ223daの値を1減算する(S9612)。次に、現在の遊技状態が時短状態であるか判別する(S9613)。現在の遊技状態が時短状態ではないと判別した場合、即ち、確変状態であると判別した場合には(S9613:Yes)、減算後の時短中カウンタ223daの値を示すための表示用コマンドを設定し(S9614)、チャンスタイム中演出設定処理を実行し(S9619)、上述したS9611の処理を実行し、本処理を終了する。チャンスタイム中演出設定処理(S9619)の詳細な説明については、図270を参照して後述する。
一方、S9613の処理において、時短状態であると判別した場合には(S9613:Yes)、ロング時短中フラグ223ddがオンであるか判別する(S9615)。ロング時短中フラグ223ddがオンではないと判別した場合には(S9615:No)、上述したS9614の処理に移行する。一方、ロング時短中フラグ223ddがオンであると判別した場合には(S9615:Yes)、時短中カウンタ223daの値が150より少ない値であるか否かを判別する(S9616)。
S9616の処理において、時短中カウンタ223daの値が150より少ない値であると判別した場合には(S9616:Yes)、残時短回数を示すための演出態様を決定し(S9617)、上述したS9614の処理に移行する。一方、S9616の処理において、時短中カウンタ223daの値が150より少ない値ではないと判別した場合には(S9616:No)次回大当たり当選まで時短状態が継続することを示す表示用コマンドを設定し(S9618)、チャンスタイム中演出設定処理(S9619)に移行する。
図270は、チャンスタイム中演出設定処理(S9619)を示すためのフローチャートである。この、チャンスタイム中演出設定処理(S9619)は、特図2演出態様設定処理5(図269のS4987参照)において、普通図柄の高確率状態が設定されている場合に実行される変動演出の演出態様を設定するための処理であって、図270に示した通り、残期間表示の表示態様を更新するための処理が実行される。
チャンスタイム中演出設定処理(S9619)では、まず、特図2演出態様設定処理5(図269のS4987参照)のS9612の処理において減算した時短中カウンタ223daの値が0であるか判別する(S9701)。減算後の時短中カウンタ223daの値が0であると判別した場合には(S9701:Yes)、特図2保留を貯めさせるための案内態様を含む演出態様を決定し(S9702)、次に、ロング時短中フラグ223ddがオンであるか判別する(S9703)。
S9703の処理において、ロング時短中フラグ223ddがオンであると判別した場合には(S9703:Yes)、ロング時短中フラグ223ddをオフに設定し(S9704)、変動パターンコマンドに対応する演出態様を決定し(S9705)、本処理を終了する。一方、S9701の処理において、減算後の時短中カウンタ223daの値が0ではない(S9701:No)、或いは、S9703の処理において、ロング時短中フラグ223dbがオンではないと判別した場合には(S9703:No)、上述したS9705の処理を実行し、本処理を終了する。
<第5制御例の第1変形例>
次に、図271から図277を参照して、上述した第5制御例の第1変形例について説明をする。上述した第5制御例では、通常状態が設定されている場合に実行される第2特別図柄抽選でのみ時短当選し得るように構成していた。これに対して、本第1変形例では、通常状態が設定されている場合に実行される第1特別図柄抽選でも時短当選し得るように構成している点で相違している。それ以外の構成については同一であり、同一の内容についてはその詳細な説明を省略する。
上述した第5制御例では、普通図柄の高確率状態(確変状態、時短状態)が設定されている状態で第2特別図柄抽選を実行する遊技を行わせ、普通図柄の高確率状態中に第2特別図柄抽選の実行権利(特図2保留)を獲得可能に構成していた。そして、普通図柄の高確率状態中に獲得した特図2保留に基づく第2特別図柄抽選を普通図柄の低確率状態が設定されている通常状態において実行した場合に、大当たり抽選に加え、時短抽選も実行されるように構成することで、遊技者に有利となる普通図柄の高確率状態中の遊技(有利遊技)を体験した遊技者に対して、有利遊技が終了した後に、通常時よりも高確率で有利遊技へと復帰し易い遊技(引き戻し遊技)を実行させることができるものであった。
しかしながら、上述した第5制御例では、通常状態において実行される特別図柄抽選(第1特別図柄抽選)にて大当たり当選し、普通図柄の高確率状態が設定された遊技(有利遊技)を実行しない限り、時短抽選の恩恵を受けることが出来ないため、時短抽選の恩恵を受けること無く遊技者が遊技に飽きてしまうという問題があった。
これに対して、本第1変形例では、通常状態にて実行される第1特別図柄抽選においても時短当選し得るように構成しているため、遊技者に対して時短抽選の恩恵を受け易くすることができる。
さらに、上述した第5制御例では、特別図柄抽選で大当たり当選したことに基づいて設定される普通図柄の高確率状態(確変状態、時短状態)よりも、特別図柄抽選で時短当選したことに基づいて設定される普通図柄の高確率状態(時短状態)のほうが、普通図柄の高確率状態が継続する期間(普図高確期間)が長くなり易くなるように構成していた。つまり、特別図柄抽選で時短当選した場合に、次の大当たり当選まで普図高確期間を継続させ易くするという特典を遊技者に付与可能に構成していた。
これに対して、本第1変形例では、第1特別図柄抽選で時短当選した場合には、短期間(例えば、時短回数1回)の時短状態を設定可能に構成し、その短期間の時短状態が設定される期間(普図高確期間)において、第2特別図柄抽選の実行権利を獲得させる遊技を実行可能に構成している。つまり、本第1変形例では、上述した第5制御例における引き戻し遊技を、大当たり当選すること無く実行させ得るように構成している。このように構成することで、通常状態において実行される第1特別図柄抽選にて大当たり当選すること無く、通常状態中に第2特別図柄抽選を実行させ易くすることができる。
さらに、詳細な説明は省略するが、本第1変形例では、時短状態中に実行される第1特別図柄抽選の変動パターンとして、複数の変動時間を選択可能に構成している。本第1変形例では、通常状態中に実行される第1特別図柄抽選にて時短当選すると、所定の変動時間の変動を経て時短当選を示すための表示態様(時短図柄)で第1特別図柄が停止表示された後に時短状態(時短回数1回)が設定され、次に実行される特別図柄変動が停止表示されるまでの間、時短状態が継続するように構成している。
つまり、時短状態中に実行される特別図柄変動の変動時間に対応して時短状態が継続する期間の長さが決定することになる。よって、時短状態中に実行される特別図柄変動の変動時間が長ければ長い程、時短状態中に多くの特図2保留を獲得し易くなるため遊技者に有利な時短状態とすることができる。
<第5制御例の第1変形例の演出内容について>
図271〜図273を参照して、第5制御例の第1変形例のパチンコ機10の第3図柄表示装置81の表示面にて実行される特徴的な演出内容について説明をする。
まず、上述した第5制御例では、大当たり遊技終了後に特別図柄の高確率状態が継続する期間(特図高確期間)と普通図柄の高確率状態が継続する期間(普図高確期間)が所定期間(例えば、特別図柄(第1特別図柄または第2特別図柄)が60回変動されて、60回目の特別図柄変動が停止するまでの期間)設定され、普図高確期間中には第2特別図柄の抽選権利(特図2保留)を獲得可能であり、特図高確期間および普図高確期間が終了し通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)が設定された場合に、普図高確期間中に獲得した特図2保留に基づいて実行される第2特別図柄抽選(特図2抽選)の抽選結果が大当たり当選でなかった場合にのみ時短判定が実行され、時短判定によって時短当選した場合に時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)が設定される構成であった。
なお、特図2保留とは、第2入球口640に遊技球が入球した場合に、既に特別図柄(第1特別図柄または第2特別図柄)が変動中である場合に、第2特別図柄の抽選権利が保留されることであり、その抽選権利は最大4個まで保留(保留記憶)される。
第5制御例では、通常状態が設定されている場合には、普通図柄の当たり確率が低確率であるため、時短状態に比べて普通図柄抽選(普図抽選)において当たり当選し難く、電動役物640aが開放状態となる普通図柄の当たり遊技(普図当たり遊技)が実行され難いことから、第2入球口640に遊技球を入球させることが困難に構成されており、通常状態において特図2抽選が実行されるのは、上述のように、大当たり遊技終了後に設定される普図高確期間中に特図2保留を獲得し、特図高確期間および普図高確期間終了後に通常状態が設定された場合に、特図2保留が存在する場合のみであった。
したがって、通常状態よりも有利な状態(例えば、時短状態)が設定されるためには、少なくとも1度は大当たりに当選しなければならず、第1入球口64に遊技球が入球したことに基づいて実行される第1特別図柄抽選(特図1抽選)において大当たり当選できない遊技者は、不利な遊技状態である通常状態の遊技を長期間行うこととなるため、遊技意欲が低下してしまう虞があった。
これに対して、第5制御例の第1変形例では、通常状態において、特図1抽選の抽選結果が大当たり当選でなかった場合においても時短判定が実行され、時短当選であった場合に、時短状態が所定期間(例えば、特別図柄(第1特別図柄または第2特別図柄)が1回変動されて、その特別図柄の変動が停止するまでの期間)設定され、時短状態中に特図2保留を獲得可能である、つまり、大当たり当選しなくても特図2保留を獲得可能に構成している点で、第5制御例と相違する。
具体的には、特図1抽選の抽選結果が大当たり当選でなかった場合に時短判定を実行し、この場合の時短当選確率を第2特別図柄の時短当選確率よりも低確率(例えば、第2特別図柄の時短当選確率を1/6、第1特別図柄の時短当選確率を1/200)とする。また、第1特別図柄で時短当選した場合に付与される時短回数(時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)が継続する期間)を第2特別図柄で時短当選した場合よりも少ない回数(例えば、第2特別図柄の時短当選時は特別図柄が10000回変動されて、10000回目の特別図柄変動が停止するまでの期間、第1特別図柄の時短当選時は特別図柄が1回変動されて、その特別図柄の変動が停止するまでの期間)とする。
ここで、通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)中の第2特別図柄抽選(特図2抽選)における時短当選確率を、例えば、1/200とした場合、普図高確期間中に第2特別図柄の抽選権利(特図2保留)を上限数(実施例では、最大4個)まで獲得したとしても、4回の特図2抽選で少なくとも1回時短当選する確率は約2%であり、特図高確期間および普図高確期間が終了し、通常状態が設定された場合に、特図2保留に基づく特図2抽選において時短当選することで有利状態が再度設定されることを遊技者はほとんど期待しないため、遊技者に通常状態中の特図2抽選を特別な期間であると思わせることが難しく、遊技者が普図高確期間が終了する最後の瞬間まで特図2保留を獲得しようと意欲的に遊技をしない虞がある。
したがって、通常状態中の特図2抽選における時短当選確率は、普図高確期間中に特図2保留を上限数(本実施例では、最大4個)まで獲得した場合に、その獲得した特図2保留に基づく特図2抽選で時短当選が十分に期待できる確率(例えば、1/6)とするのが望ましく、このように構成することで、4回の特図2抽選で少なくとも1回時短当選する確率は約50%となり、特図高確期間および普図高確期間が終了し、通常状態が設定されても、特図2保留に基づく特図2抽選において時短当選することで有利状態が再度設定されることを遊技者に期待させることが可能となり、通常状態中の特図2抽選が特別な期間であると思わせることで、普図高確期間が終了する最後の瞬間まで多くの特図2保留を獲得しようと意欲的に遊技をさせることができる。
これに対して、通常状態中の第1特別図柄抽選(特図1抽選)における時短当選確率を、通常状態中の特図2抽選における時短当選確率と同確率または特図2抽選における時短当選確率よりも高確率とした場合、通常状態において頻繁に時短当選し、時短状態が設定され易くなることで、過度に遊技者に有利となってしまう虞がある。
したがって、本実施例においては、通常状態中の特図1抽選における時短当選確率を、通常状態中の特図2抽選における時短当選確率よりも低く設定している。
また、詳細は後述するが、本実施例においては、特図1抽選において時短当選した場合に時短回数1回、つまり、特別図柄が1回変動されて、その特別図柄の変動が停止するまでの期間、時短状態が設定される構成としている。
例えば、時短回数が2回以上付与される場合、遊技者が正しく遊技していれば、特図2保留を上限まで獲得可能であるが、このような構成の場合、特図1抽選において時短当選した場合には毎回特図2保留を上限数まで獲得し得ることにより、時短当選のし易さは常に一定となり、特図1抽選において時短当選したことに基づいて設定される時短状態中の遊技が、単に特図2保留を上限数まで獲得するだけの単調な遊技になってしまう虞があった。
これに対して、第1特別図柄抽選(特図1抽選)において時短当選した場合に付与される時短回数が1回の場合、時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)が設定されている場合の特別図柄の変動時間、普通図柄の変動時間、或いは普通図柄抽選の当たり当選による特典として開放状態となる電動役物640aの開放パターン、の組み合わせによって、遊技者が時短状態中に獲得可能な第2特別図柄の抽選権利(特図2保留)の個数を異ならせることが可能となり、獲得し得る特図2保留数によって時短当選確率を可変させずに時短当選のし易さを異ならせることができるため、遊技の興趣を向上させることができる。
このように、通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)中の特図1抽選においても時短判定が実行され、時短当選した場合には、特図2保留を獲得可能な時短状態が設定されることで、長期間に渡って遊技者が大当たりに当選できない場合にも、特図2保留を獲得できる機会を得られるため、遊技者に不利な通常状態が長期間続くことによって遊技者の遊技意欲が低下することを抑制することができる。
以上のように、第5制御例の第1変形例では、通常状態中の特図1抽選においても時短判定が実行されるため、時短当選後に遊技状態を可変させることに伴い、遊技者の遊技方法も変わることから、遊技者に時短当選したことを分かり易く報知する必要がある。
また、通常状態中の特図1抽選で時短当選した場合に設定される時短状態と、通常状態中の第2特別図柄抽選(特図2抽選)で時短当選した場合に設定される時短状態と、で遊技の内容が異なる(特図1抽選における時短当選によって設定される時短状態では、特図2保留を多く獲得し、獲得した特図2保留に基づき実行される通常状態中の特図2抽選で時短当選を目指す遊技、特図2抽選で時短当選した場合に設定される時短状態では、特別図柄抽選の大当たり当選を目指す遊技)ため、遊技者が混乱しないように時短状態中の表示態様を異なる表示態様とし、どちらの特図抽選における時短当選に基づいて設定されている時短状態であるかを遊技者に分かり易くする必要がある。
以上を踏まえて、図271〜図273を参照して、本第5制御例の第1変形例における演出例について説明する。
図271(a)は、通常状態において特図1抽選の抽選結果が大当たり当選、又は時短当選した場合の変動表示画面の一例である。図271(a)に示したように、通常状態において特図1抽選の抽選結果が大当たり当選、又は時短当選である場合には、主表示領域Dmにうさぎのキャラクタ801と宝箱810eが表示され、副表示領域Dsに「宝箱から「V」が出たら大当たり!!「時」が出たら時短GET!!宝箱を開けろ」と表示される。つまり、図271(a)が表示された時点では、大当たり、又は時短の何れに当選したのかが遊技者に分からないように構成している。
このように構成することで、宝箱810eが表示された場合に、大当たり当選と時短当選のどちらかに当選したことを遊技者に期待させることが可能となり、宝箱810eが開くまでの期間、遊技者に大当たり当選と時短当選のどちらに当選したのかを予測させることで、遊技の興趣を向上させることが可能となる。
図271(b)は、通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)において第1特別図柄抽選(特図1抽選)の抽選結果が時短当選であった場合の表示画面の一例である。主表示領域Dmには、図271(a)で表示された宝箱810eが開き、中から「時×1」と記載された玉tm1が出現する演出が実行され、副表示領域Dsには「時短1回GET」と表示されることで、遊技者に時短当選したことを報知する構成としている。
なお、特図1抽選の抽選結果が大当たり当選であった場合には、図271(b)の主表示領域Dmにおいて宝箱810eが開き、中から「V」と記載された玉が出現する演出が実行され、副表示領域において「おめでとう!大当たり!」と表示され、遊技者に大当たり当選したことを報知する。
このように構成することで、変動中の第1特別図柄が停止した後に設定される遊技状態が大当たり遊技状態なのか時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)なのかを遊技者に分かり易くすることができる。
なお、実施例では、大当たり当選、又は時短当選した場合に図271(a)および(b)の演出が実行される構成としたが、特図1抽選の抽選結果が何れの判定においても外れであった場合の一部で図271(a)および(b)の演出を実行しても良く、この場合、図271(b)において外れであることを示す表示態様(例えば、宝箱810eの中身が空で副表示領域Dsに「残念」と表示される)が表示される構成とする。
なお、この場合、図271(a)で表示される宝箱810eの表示態様を可変させることで大当たり当選、又は時短当選の期待度を示唆しても良い(例えば、青色の宝箱810eが表示された場合には外れ当選である可能性が高く、金色の宝箱810eが表示された場合には何れかに当選している可能性が高いことを示す)。
このように構成することで、長期間特図1抽選の抽選結果が何れの判定においても外れである状況が続き、演出が実行されないことで遊技者が遊技に飽きてしまうことを抑制することができる。
なお、詳細は後述するが、小表示領域Dm10は獲得した第1特別図柄の抽選権利(特図1保留)の個数を表示するための表示領域であり、図271(b)では、保留h5および保留h6が黒く表示され、保留h7および保留h8が白く表示され、黒く表示されている保留数に対応する特図1保留が存在していることを示している(図271(b)の場合は、特図1保留が2つ存在している状態を示す)。すなわち、実施例は、特図1保留が存在する場合に、通常状態中の特図1抽選において時短当選した場合に実行される演出例である。
ここで、有利状態(例えば、時短状態)が設定されている場合においては第1特別図柄よりも第2特別図柄の方が短い変動時間が設定され易い構成の遊技機が一般的である。このように構成することで、有利状態(例えば、時短状態)が設定されている場合には第2特別図柄抽選(特図2抽選)が主として実行されるため、抽選結果が外れであった場合の特別図柄の変動時間を短くすることで有利状態における遊技が間延びすることを抑制し、遊技者が快適に遊技を行うことができる。
しかしながら、本第5制御例の第1変形例において、特図1保留が存在しない状況で、通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)中の第1特別図柄抽選(特図1抽選)において時短当選した場合に、図271(b)のように時短当選したことを報知すると、時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)が設定されていることから遊技者は遊技機の盤面右側領域にある第2入球口640に向けて遊技球を発射する遊技(右打ち遊技)を開始し、第2入球口640に遊技球が入球したことに基づいて、第2特別図柄の変動が開始される。つまり、時短状態が設定されている状態で第1特別図柄よりも短い変動時間が設定され易い第2特別図柄が変動を開始することとなり、その第2特別図柄の変動が停止すると時短状態が終了するため、遊技者は第2特別図柄の抽選権利(特図2保留)を上限数まで獲得できない可能性が高くなり、遊技者に不利な状況となってしまう。
また、時短状態において第1特別図柄よりも第2特別図柄の方が長い変動時間が設定され易い構成である場合、特図1抽選で時短当選したことに基づいて時短状態が設定されている場合に、第2特別図柄を変動させることで特図2保留を上限数まで獲得し易くなるため、通常状態における遊技中に第1特別図柄の抽選権利(特図1保留)を獲得しないよう遊技球を1球ずつ発射させる不正な遊技を行う遊技者が現れる虞がある。
したがって、特図1保留が存在しない状況で特図1抽選において時短当選した場合には、時短当選した第1特別図柄の変動を停止しても時短当選したことを報知せず(例えば、宝箱810eの中身が空である表示がされる)、次に第1入球口64或いは、大2入球口640に遊技球が入球したことに基づいて特別図柄の変動が開始された場合に、時短状態中の演出(図272(a)参照)を実行する構成としても良い。
このように構成することで、特図1保留が存在しない状況では特図1抽選において時短当選しても、遊技者は時短当選したか否かが分からず、第1入球口64に遊技球を入球させる遊技(左打ち遊技)を継続するため、特図1抽選で時短当選したことに基づいて設定される時短状態中に、第1特別図柄による変動を実行させ易くすることができる。
なお、特図1抽選における時短当選に基づいて設定される時短状態中に、第1特別図柄を変動させるために、遊技機の盤面右側領域にある第2入球口640よりも上部に第1特別図柄を変動させることが可能な始動口を設ける構成としても良い。
図272(a)および(b)を参照して、通常状態中に特図1抽選において時短当選したことに基づいて時短状態が設定されている場合に実行される演出について説明する。
詳細は後述するが、第5制御例の第1変形例では、通常状態中に特図1抽選において時短当選した場合には、時短当選した第1特別図柄の変動が停止してから次に実行される1の特別図柄の変動が終了するまでの期間、時短状態が設定される。
なお、上述したように、時短状態が設定されると、普通図柄の当たり確率がアップし、通常状態に比べて電動役物640aが開放状態となる普図当たり遊技が実行され易いことから、第2入球口640へ遊技球が入球し易くなり、遊技者は特図2保留を獲得することが可能となる。
そして、時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)中に遊技者が獲得し得る特図2保留数は、特別図柄の変動時間、普通図柄の変動時間、普図当たり遊技による電動役物640aの開放パターンの組み合わせによって可変させることが可能である。
例えば、時短状態が設定されている場合の第1特別図柄の変動時間として30秒が設定され、普通図柄の変動時間3秒、普図当たり遊技として電動役物640aが1秒×2回開放状態となる場合には、最大で12回電動役物640aが開放状態となるため、遊技者は保留記憶可能な上限数(実施例では、4回)まで第2特別図柄の抽選権利(特図2保留)を獲得することが可能となる。
一方、時短状態が設定されている場合の第1特別図柄の変動時間として5秒が設定され、普通図柄の変動時間4秒、普図当たり遊技として電動役物640aが1秒×1回開放状態となる場合には、最大で1回しか第2入球口640へ遊技球を入球させることができないため、遊技者は特図2保留を1個しか獲得できない。
そして、特別図柄の変動が停止し時短状態が終了すると、時短状態中に遊技者が獲得した特図2保留に基づいて、第2特別図柄抽選(特図2抽選)が実行される。
なお、実施例では、通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)における第2特別図柄の時短当選確率は第1特別図柄の時短当選確率よりも高く(実施例では、1/6)、時短当選時に付与される時短回数も多く(実施例では、10000回)構成されている。
即ち、時短中に獲得した特図2保留が多いほど、特図2抽選を多く受けることができるため、時短状態が設定されている場合の特別図柄の変動時間が長いほど、遊技者に有利となる。
なお、時短状態が設定されている場合の特別図柄の変動時間、普通図柄の変動時間、或いは普図当たり遊技による電動役物640aの開放パターンの何れかを固定値とする構成としても良い。
図272(a)は、通常状態において時短当選した第1特別図柄が停止し、次に実行される第1特別図柄の変動時間として30秒、普通図柄の変動時間として2秒、電動役物640aの開放パターンとして1秒×1回が設定されている場合の時短状態中の表示画面である。
小表示領域Dm1には第1特別図柄が変動表示されており、小表示領域Dm8には第2特別図柄が変動表示していないことを示す表示がされ、どちらの特別図柄が変動しているかを遊技者に分かり易くしている。
小表示領域Dm4には時短状態が設定されていることに対応して、遊技者に遊技機の盤面右側領域にある第2入球口640へ向けて遊技球を発射させることを促す「右打ち」という表示がされ、副表示領域Dsには「右打ちして保留を貯めてね!」と表示されることで、初めて遊技する遊技者でも遊技状態に適した遊技方法で遊技できるように構成している。
主表示領域Dmでは、中央部に「チャージ中制限時間内にカプセルを集めろ!」と表示され、うさぎのキャラクタ801がカプセルを獲得する演出(チャージ演出)が実行される。
なお、カプセルは第2入球口640に遊技球が入球したことを報知するための表示であり、第2入球口640に遊技球が入球し、小表示領域Dm9の保留図柄が黒く点灯したことに合わせて、カプセルが1つ表示される。ここで、小表示領域Dm9は、遊技者が第2入球口640に遊技球を入球させたことによって獲得した特図2保留数を示すための表示領域であり、第2特別図柄の抽選権利(特図2保留)が存在しない場合には保留h1〜保留h4が白く表示され、遊技者が特図2保留を獲得した場合には、保留h1から若い順に黒く点灯し、保留記憶が上限数まで貯まると保留h1〜保留h4の全てが黒く点灯される。
また、小表示領域Dm10は、遊技者が第1入球口64に遊技球を入球させたことによって獲得した第1特別図柄の抽選権利(特図1保留)の個数を示すための表示領域であり、特図1保留が存在しない場合には、保留h5〜保留h8が白く表示され、遊技者が特図1保留を獲得した場合には、保留h5から若い順に黒く点灯し、特図1保留を上限数(実施例では、4回)まで獲得すると保留h5〜h8の全てが黒く点灯する。
つまり、図272(a)に示す例では、特図1保留を1個と特図2保留を1個獲得した状態であることを示している。このように構成することで、それぞれの特別図柄の保留の上限数と現在の特別図柄の保留獲得状況が遊技者に分かり易くなり、それぞれの特別図柄の保留数を上限数まで獲得した場合には遊技球が第1入球口64、又は第2入球口640に入球してもそれぞれの特別図柄の抽選権利は保留されないため、保留獲得状況に応じて遊技者に第1入球口64、又は第2入球口640へと遊技球を入球させるための遊技を続行するか否かの判断を行わせ易くすることができる。
なお、小表示領域Dm9において保留h1〜保留h3が黒く表示されている状態で第2入球口640に遊技球が入球したことに基づいて保留h4が黒く表示された場合、つまり、特図2保留が上限数である4個記憶された場合には、主表示領域Dmにおいて「MAX獲得完了!」の表示がされることにより、遊技者に特図2保留を上限数まで獲得したことを報知する。このように構成することで、特図2保留を上限数まで獲得したことが遊技者に分かり易くなり、遊技者を安心させることができる。
小表示領域Dm5には、時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)が終了するまでの残時間、つまり、変動中の特別図柄の残変動時間が表示され、小表示領域Dm11には「カプセル上限獲得期待度MAX」と表示されている。小表示領域Dm11に表示される内容は、時短状態中に獲得し得る特図2保留数に対応しており、図272(a)に示す例では、第1特別図柄の変動時間として30秒、普通図柄の変動時間として2秒、電動役物640aの開放パターンとして1秒×1回が設定されているため、上述の通り、特図2保留を上限数の4個まで獲得し得ることから「カプセル上限獲得期待度MAX」と表示される。これに対して、第1特別図柄の変動時間として5秒、普通図柄の変動時間として3秒、電動役物640aの開放パターンとして1秒×2回が設定された場合には、特図2保留を最大で1個しか獲得できないため、「カプセル上限獲得期待度低」の表示がされる。
このように構成することで、小表示領域Dm11の表示内容から遊技者が時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)中に獲得し得る特図2保留数を予測する楽しみを付与できるとともに、特別図柄の変動時間として短い変動時間が設定された場合に、遊技者に急いで遊技球を発射させることが可能となり、時短状態が設定されているにも関わらず、遊技球の発射が遅れたために遊技者が時短状態の遊技をし損なうという不具合を抑制することができる。
なお、カプセル上限期待度の表示は高低が分かるものであれば良く、例えば、星の数で期待度を示唆しても良い。
なお、実施例では、通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)中に第1特別図柄抽選(特図1抽選)において時短当選した場合に、第1特別図柄の抽選権利(特図1保留)が存在し、時短状態中にその特図1保留に基づいて第1特別図柄の変動が実行される場合を例として説明したが、時短当選した時点で特図1保留が存在しない場合には、チャージ演出は、次に第1入球口64、又は第2入球口640に遊技球が入球し、第1特別図柄、又は第2特別図柄の何れかの変動が開始された時点で開始される。なお、時短状態は特図1保留が存在するか否かに関わらず、時短当選した第1特別図柄の変動が停止した時点で設定される。
図272(b)は、特別図柄の変動が停止し、時短状態が終了した場合に表示される表示画面の一例である。
小表示領域Dm1には、第1特別図柄が停止表示されており、小表示領域Dm5においては、「残り0秒」と表示され、時短状態が設定されている期間が終了したことを報知している。
小表示領域Dm9においては保留h1〜保留h4が黒く点灯し、主表示領域Dmの中央部に「Total4GET」という文字とカプセルcp1〜cp4が表示されることで、第2特別図柄の抽選権利(特図2保留)を4個獲得したことが遊技者に報知される。カプセルcp1〜カプセルcp4はそれぞれ保留1〜保留4に対応しており、例えば、保留h2(チャージ演出中に2番目に獲得した特図2保留)の保留情報を事前に判別した結果(先読み結果)、時短当選の期待度が高い場合には、カプセルcp2が他のカプセルとは異なる表示態様(黒色のカプセル)で表示される。
これにより、遊技者に特図2保留内に時短当選する可能性が高い保留が存在するという期待感を高めることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、主表示領域Dmの中央部に「チャージ終了昇格チャンスゾーン突入!」と表示され、副表示領域Dsには、「昇格チャンスゾーン中に「時」GETのチャンス!」と表示されることで、時短状態が終了した後に第2特別図柄抽選(特図2抽選)が実行されることを示している。
なお、上述のチャージ演出中にカプセルを獲得できなかった場合、即ち、特図2保留を1個も獲得できなかった場合には、チャージ演出終了後に昇格チャンスゾーンには突入せずに通常モードに移行する。
なお、実施例では、小表示領域Dm9および小表示領域Dm10において、特図1保留または特図2保留が存在しない場合にも保留h1〜保留h8が白く表示されることで、それぞれ最大4個まで保留が可能であることを示す構成としたが、これに限ることなく、特図1保留または特図2保留が存在しない場合には、小表示領域Dm9または小表示領域Dm10に何も表示せず、特別図柄の保留を獲得した場合に保留図柄が表示される構成としても良い。
このように構成することで、遊技者にそれぞれの特別図柄の抽選権利を何個まで保留できるかが分かり難くなり、保留を上限数まで獲得した場合にも保留を上限数まで獲得したことに気付かせずに遊技球の発射を継続させることが可能となる。
なお、実施例では、時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)が設定されている特別図柄の変動が停止した場合に、図272(b)の表示画面が表示されている構成としているが、これに限らず、特別図柄の変動が停止するまでの残変動時間が残っている状態で第2特別図柄の抽選権利(特図2保留)を上限数まで獲得した場合に、図272(b)の表示画面を表示する構成としても良い。なお、このように構成する場合、第2入球口640に遊技球が入球するとカプセルの表示態様が可変し、特図2保留の大当たり当選期待度、或いは時短当選期待度が示唆される構成としても良い。
このように構成することで、まだ特別図柄の変動時間が多く残っている状態で特図2保留を上限数まで獲得した遊技者に対して、第2入球口640に遊技球を入球させればカプセルの表示態様が可変するかもしれないと期待させることによって、特別図柄が変動を停止する最後の瞬間まで第2入球口640に遊技球を入球させる遊技を継続させることが可能となる。
なお、実施例では、保留h1〜保留h4にそれぞれ対応するカプセルcp1〜カプセルcp4を表示する構成としたが、これに限ることなく、特図2保留を1個獲得しても4個獲得しても1個のカプセルしか表示されない構成としても良い。つまり、後述する昇格チャンスゾーンにおいて、保留1〜保留4に基づく第2特別図柄抽選(特図2抽選)の抽選結果を1回のカプセル開放によって報知する。このように構成することで、チャージ演出中に特図2保留を何個獲得したかが遊技者に分かり難くなり、遊技者は獲得した特図2保留数を気にせずに昇格チャンスゾーン演出を楽しむことができる。
なお、このように構成する場合、チャージ演出において、特図2保留を獲得した場合に、特図2保留を獲得したことを遊技者に分からないようにすることが望ましく、例えば、特図2保留を獲得した場合にカプセルは表示せず、小表示領域Dm9を表示しないことで特図2保留の獲得状況を分からないようにし、特図2保留を上限数まで獲得した場合にのみ、主表示領域Dmに「MAX獲得完了」の表示をする構成としても良い。
このように構成することで、特図2保留の獲得状況が分かり難くなるため、チャージ演出中に特図2保留が思うように獲得できないことで遊技者が不満に思うことを抑制することができる。
図273は昇格チャンスゾーン中に特図2保留に基づく特図2抽選で時短当選した場合に表示される表示画面の一例である。
小表示領域Dm1では第1特別図柄が変動表示していないことを示す表示がされ、小表示領域Dm8では第2特別図柄が時短当選したことを示す表示態様が表示されている。
また、通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)が設定されているため、遊技者に第1入球口64に向けて遊技球を発射することを促す「左打ち」という表示がされ、遊技者が誤った遊技方法で遊戯しないようにしている。
主表示領域Dmの中央部には、既に開放された状態であることを示す「済」と記載されたカプセルcp1と、第2特別図柄の抽選権利(特図2保留)に基づく特図2抽選の結果が時短当選であったことを示す「時×10000」と記載されたダイヤdy1と開放されたカプセルcp2と、まだ開放されていない状態のカプセルcp3およびcp4が表示されている。
図273の例では、チャージ演出中に獲得した4つの特図2保留の内、最初に獲得した特図2保留に基づく第2特別図柄抽選(特図2抽選)では大当たりおよび時短に当選せず、2番目に獲得した特図2保留に基づく特図2抽選で時短に当選したことを示している。
なお、小表示領域Dm5には「あと3回」と表示され、特図2保留に基づく第2特別図柄の変動回数が残り3回であることを示しており、残り回数の表示は第2特別図柄の変動表示が開始された場合に更新される。例えば、1つめの特図2保留に基づく第2特別図柄の変動表示が開始された時点では、「あと4回」と表示され、2つめの特図2保留に基づく変動表示が開始された時点で「あと3回」と表示される。
また、小表示領域Dm9の表示は、特図2保留に基づいて新たに第2特別図柄の変動が開始された場合に、保留h1に表示されていた保留表示が黒い表示から白い表示へと可変し、保留h2が黒い表示である場合、つまり、特図2保留が他にも存在する場合には、保留h1にシフトして表示され保留h1が黒い表示となり、保留h2が白い表示となる。その際、保留h3、保留h4が黒い表示である場合には、それぞれ、保留h2と保留h3にシフトして表示される。図273に示す例では、特図2保留に基づく第2特別図柄の変動が2回実行されたため、2つの保留h3および保留h4が白く表示されている。
このように構成することで、特図2保留に基づく第2特別図柄の変動があと何回実行されるのかを遊技者に分かり易くすることができる。
なお、図273では、特図2保留に基づく特図2抽選で時短当選した場合の演出例について説明したが、特図2保留に基づく特図2抽選で大当たり当選した場合には、カプセルの中身を異なる表示態様(例えば、「V」と記載された玉)として表示することで遊技者に大当たり当選を報知する構成としても良いし、カプセル自体を異なる表示態様(例えば、赤色のカプセル)で表示する構成としても良い。
また、特図2保留に基づく特図2抽選の結果が何れの判定においても外れであった場合には、カプセルが開放された場合に中身が空である構成としても良いし、カプセルの中から外れを示す表示態様(例えば、「残念」と書かれた紙)を表示する構成としても良い。
また、実施例では、特図2保留の保留情報を事前に判別した結果(先読み結果)、時短当選する可能性が高い場合には、時短当選する可能性が高い特図2保留に対応するカプセルを異なる表示態様で表示する構成としたが、これに限るものではない。
例えば、3番目に獲得した特図2保留の保留情報を先読みした結果、時短当選する可能性が高い場合に、2番目に獲得した特図2保留に基づくカプセル開放演出において、カプセルの中から「次回大チャンス!」と書かれた紙を出現させることで、次の第2特別図柄の抽選権利(特図2保留)(つまり、3番目に獲得した特図2保留)に基づく特図2抽選において大当たり当選または時短当選する可能性が高いことを遊技者に示唆する構成としても良いし、或いは、2番目に獲得した特図2保留に基づくカプセル開放演出が終了した後に表示される「済」と書かれたカプセルの表示態様を異なる表示態様(例えば、「次回大チャンス」と書かれたカプセル)としても良い。
このように構成することで、昇格チャンスゾーンにおいて表示態様が異なるカプセルが表示されている場合に、そのカプセルに対応する特図2保留の前に実行される特図2保留に基づく第2特別図柄の変動において、次に実行される特図2保留に関する情報が表示されるのではないかと期待させることが可能となり、通常の表示態様で表示されるカプセルの開放演出にも興味を持たせることができる。
なお、昇格チャンスゾーンにおいて、特図2保留は獲得した順(h1から若い順)に消化されていき、消化される特図2保留に対応するカプセルが順(カプセルcp1から若い順)に開放される構成としたが、これに限ることなく、消化される特図2保留と開放されるカプセルが対応しない構成としても良い。例えば、最初に獲得した特図2保留に基づく第2特別図柄抽選(特図2抽選)の抽選結果が時短当選であった場合に、カプセルcp1ではなくカプセルcp4が選択される場合には時短当選する可能性が高いことを示す構成とすることで、遊技者にカプセルの表示態様だけでなくカプセルの開放順にも興味を持たせることが可能となり、更に遊技の興趣を向上させることができる。
<第5制御例の第1変形例における電気的構成について>
次に、図274を参照して、本第1変形例における電気的構成について説明をする。本第1変形例では、上述した第5制御例に対して、第1特別図柄抽選において時短当選し得る点と、第1特別図柄抽選にて時短当選した場合に設定される時短種別を第2特別図柄抽選で時短当選した場合に設定される時短種別とは異ならせている点で相違している。また、時短状態中に実行される第1特別図柄変動の変動時間を異ならせている点で相違している。それ以外の構成は同一であり、同一の内容については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
図274(a)は、時短当たり乱数5aテーブル202daeに規定されている内容を示した図である。図274(a)に示した通り、時短当たり乱数5aテーブル202daeは、上述した第5制御例の時短当たり乱数5テーブル202deに対して、第1特別図柄に対しても、通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)時において時短当選の判定値を規定している点で相違し、それ以外は同一である。
具体的には、特別図柄種別が第1特別図柄であって、設定されている遊技状態が特別図柄及び普通図柄の低確率状態(通常状態)である場合に、取得した第1当たり乱数カウンタC1が「51〜54」の範囲に時短当選する当たり判定値が規定されている。
つまり、第1当たり乱数カウンタC1の値が取り得る範囲が900個であるため、通常状態において実行される第1特別図柄抽選において、4/900の確率で時短当選するように構成している。
次に、図274(b)を参照して、時短種別選択5aテーブル202dafの内容について説明をする。図274(b)は、時短種別選択5aテーブル202dafに規定されている内容を示した図である。時短種別選択5aテーブル202dafは、上述した第5制御例の時短種別選択5テーブル202dfに対して、第1特別図柄抽選で時短当選した場合に設定される時短種別を追加した点で相違し、それ以外は同一である。同一の内容についてはその詳細な説明を省略する。
具体的には、特別図柄種別(特図種別)が第1特別図柄で有る場合は、取得した時短種別選択カウンタCC1の値に関わらず、時短種別「時短C」が規定されている。この時短Cが設定された場合には、時短カウンタ203hの値に1が設定される。つまり、時短回数1回の時短状態が設定される。
<第5制御例の第1変形例における制御処理について>
次に、図275から図277を参照して、本第1変形例における制御処理の処理内容について説明をする。本第1変形例では、上述した第5制御例に対して、主制御装置110にて実行される処理内容の一部と、音声ランプ制御装置113にて実行される処理内容の一部と、を変更している点で相違し、それ以外は同一である。ここでは、上述した第5制御例との相違点について説明をする。
図275は、時短抽選処理5a(S8021)の処理内容を示したフローチャートである。この時短抽選処理5a(S8021)では、上述した第5制御例の時短抽選処理5(S8001)に対して、時短抽選(時短当選判定)を実行するための条件を異ならせている。つまり、上述した第5制御例では、実行されている特別図柄抽選の種別が第2特別図柄である場合のみ時短当否判定を実行する条件が成立し得るように制御処理を実行していた(S8101参照)のに対して、本第1変形例では、特別図柄種別に関わらず時短当否判定を実行する条件が成立し得るように構成している。即ち、上述した第5制御例の時短抽選処理5(S8001)に対して、S8101の処理を削除している点で相違している。それ以外の処理内容は同一である。このように構成することで、第1特別図柄抽選においても時短当否判定を実行することが可能となる。
図276は、時短状態演出設定処理5a(S9026)の処理内容を示したフローチャートである。この時短状態演出設定処理5a(S9026)は、上述した第5制御例の時短状態演出設定処理5(図266のS9006参照)に対して、第1特別図柄抽選にて時短当選した場合に設定される時短種別(時短C)が設定された場合における処理内容(S9321,S9322)を追加した点で相違し、それ以外は同一であるため説明を省略する。
時短状態演出設定処理5a(S9026)が実行されると、上述した第5制御例の時短状態演出設定処理5(図266のS9006参照)と同一のS9301〜S9308の処理を実行し、本処理を終了する。一方、S9306の処理において、時短種別が時短Aでは無いと判別した場合は(S9306:No)、次に、時短種別が時短Cであるかを判別し(S9321)、時短Cであると判別した場合は(S9321:Yes)、チャージタイム(図272参照)に対応する演出態様を示すための表示用コマンドを設定し(S9322)、本処理を終了する。
図277は、特図1演出態様設定処理5a(S4993)の処理内容を示したフローチャートである。この特図1演出態様設定処理5a(S4993)では、上述した第5制御例における特図1演出態様設定処理5(図268のS4983)に対して、第1特別図柄抽選で時短当選した場合における演出態様を設定するための処理と、時短状態中に実行される第1特別図柄変動の演出態様を設定するための処理を異ならせている点で相違している。
特図1演出態様設定処理5a(S4993)が実行されると、まず、時短中カウンタ223daの値が0よりも大きいかを判別し(S9501)、0よりも大きいと判別した場合は(S9501:Yes)、時短中カウンタ223daの値を1減算し(S9502)、従状態設定エリア223gから時短種別を読み出し(S9521)、読み出した時短種別が時短Cであるかを判別し(S9522)、時短Cである場合は、今回の特別図柄の残変動時間に対応する時短演出態様を決定し(S9523)、決定した演出態様を示す表示用変動パターンコマンドを設定し(S9524)、本処理を終了する。
つまり、S9523にて決定された時短演出態様によって、図272(a)に示した小表示領域Dm5に表示される時短残期間を案内する表示態様が表示される。これにより、遊技者に対して時短状態が継続する残時間を分かり易く報知することができる。
また、S9522の処理において時短Cでは無いと判別した場合は(S9522:No)、他の時短種別が設定されている状態で第1特別図柄変動が実行される場合であるため、減算後の時短抽選回数カウンタ223dbの値を示すための表示用コマンドを設定し(S9525)、S9524の処理へ移行する。
一方、S9501の処理において、時短抽選回数カウンタ223dbの値が0であると判別した場合、即ち、現在が時短状態では無いと判別した場合は(S9501:No)、次いで、時短当選変動であるかを判別し(S9526)、時短当選変動であると判別した場合に(S9526:Yes)、時短当選を示すための演出態様を決定し(S9527)、S9524の処理へ移行する。ここで、S9527の処理において決定された演出態様によって、図271(b)に示した時短当選変動の変動演出が実行される。
<第5制御例の第2変形例>
図278から図282を参照して、第5制御例の第2変形例について説明をする。上述した第5制御例では、特別図柄抽選で大当たり当選したことに基づいて普通図柄の高確率状態(第1時短)を設定可能にし、且つ、特別図柄抽選で時短当選したことに基づいて普通図柄の高確率状態(第2時短)を設定可能に構成していた。これにより、複数の契機で普通図柄の高確率状態を設定可能にすることができ、遊技のバリエーションを増加させることで遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるものであった。
本第2変形例では、更なる興趣向上を目指すために、普通図柄の高確率状態が設定されている状態において実行される特別図柄抽選で大当たり当選した場合に付与される特典の内容を、普通図柄の高確率状態が設定された契機(第1時短又は第2時短)に応じて異ならせるように構成している。つまり、第1時短中に大当たり当選した場合と、第2時短中に大当たり当選した場合とで、同一の大当たり種別が設定された場合に付与される特典の内容を異ならせている。このように構成することで、普通図柄の高確率状態(時短状態)が設定された場合において、どの契機で時短状態が設定されたのかについても遊技者に興味を持たせることができるため、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
さらに、本第2変形例では、特別図柄抽選で大当たり当選した場合に実行される大当たり遊技として、ラウンド数が少なく、且つ、1回のラウンド遊技の遊技時間が短い大当たり遊技(2R大当たり)を実行可能に構成し、その2R大当たり遊技が実行された後に、時短状態が設定されるように構成している。このように構成することで、特別図柄抽選で大当たり当選したことに基づいて時短状態が設定される場合、即ち、第1時短が設定される場合と、大当たり遊技が実行されること無く時短状態が設定される場合、即ち、第2時短が設定される場合とで、実行される遊技の内容の相違を遊技者に気付かれ難くすることができる。
加えて、本第2変形例では、第1時短が設定される過程において実行される変動演出と、第2時短が設定される過程において実行される変動演出と、を同様の演出態様で実行可能に構成している。具体的には、第1時短が設定される大当たり当選(2R大当たり当選)したことを示すための特別図柄変動が開始されてから、その特別図柄変動が停止表示され、その後、2R大当たり遊技が終了するまでの第1期間と、第2時短が設定される時短当選したことを示すための特別図柄変動の変動時間である第2期間と、が略同期間となるように設定し、その期間を用いて共通の演出態様で演出を実行するように構成している。
このように構成することで、第1時短が設定される場合と、第2時短が設定される場合とで、特別図柄変動が開始されてから、時短状態が設定されるまでの期間において共通の演出態様の演出を実行させることができるため、何れの契機で時短状態が設定されたのかを遊技者により分かり難くすることができる。
<第5制御例の第2変形例における演出内容について>
図278および図279を参照して、第5制御例の第2変形例のパチンコ機10の第3図柄表示装置81の表示面にて実行される特徴的な演出内容について説明をする。
上述した第5制御例では、大当たり遊技終了後に付与される時短回数(普通図柄の高確率状態中に実行可能な特別図柄抽選の回数)と、時短当選によって付与される時短回数に違いはあるものの、大当たり当選に基づいて設定されている時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)中に特別図柄抽選で大当たり当選した場合と、時短当選に基づいて設定されている時短状態中に特別図柄抽選で大当たり当選した場合とで、大当たり種別が同一であれば付与される特典(例えば、大当たり遊技終了後に付与される時短回数)も同一である構成であった。
したがって、大当たり当選と時短当選のどちらを契機に時短状態が設定されたとしても、時短状態中に大当たり当選した場合の大当たり種別の割合や同一の大当たり種別であっても付与される特典に差がなく、単調な遊技となってしまう虞があった。
これに対して、第5制御例の第2変形例では、大当たり当選に基づいて設定されている時短状態中に大当たり当選した場合と、時短当選に基づいて設定されている時短状態中に大当たり当選した場合とで、大当たり種別の割合や同一の大当たり種別であっても付与される特典が異なる構成としている点で第5制御例と相違する。
このように構成することで、時短状態が設定されることとなった契機によって、遊技者に有利な特典が付与される大当たり種別(例えば、大当たり遊技のラウンド数が多い大当たり)の割合を可変させたり、同一の大当たり種別でも付与される特典を異ならせることが可能となり、遊技の興趣を向上させることができる。
具体的には、第5制御例の第2変形例では、通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)において第1特別図柄抽選(特図1抽選)および第2特別図柄抽選(特図2抽選)において大当たり判定と時短判定が実行される構成であり、大当たり当選したことに基づいて第1時短状態を設定し、時短当選に基づいて第2時短状態を設定することが可能である。そして、例えば、第1時短状態が設定されている状態で大当たりAに当選した場合には、大当たり遊技終了後に最大で100回の時短回数が付与されるが、第2時短状態が設定されている状態で大当たりAに当選した場合には、大当たり遊技終了後に最大で10000回の時短回数が付与される。
このように、大当たり当選した場合に設定されている遊技状態が第1時短状態か第2時短状態かによって、大当たり当選した場合に遊技者に付与される特典が異なり、第2時短状態が設定されている場合の方が、第1時短状態が設定されている場合よりも大当たり当選したことに基づいて有利な特典(例えば、大当たり遊技終了後に付与される時短回数が多い)が付与され易く構成されているため、遊技者は第1時短状態よりも第2時短状態が設定されることを期待しながら遊技を行うこととなる。
なお、後述するが、第5制御例の第2変形例では、大当たり遊技中に賞球を獲得可能であり、大当たり遊技終了後に確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の高確率状態)が設定される16R確変大当たりと、大当たり遊技中に賞球の獲得が困難であり、大当たり遊技終了後に第1時短状態が設定される2R時短大当たりが用意されている。
このため、大当たり当選した場合に選択された大当たり種別が2R時短大当たりであった場合に、大当たり当選したにも関わらず賞球を得ることができず、更に第2時短状態に比べて不利な第1時短状態が設定されることから、2R大当たりに当選した遊技者の遊技意欲を低下させる虞がある。
したがって、第5制御例の第2変形例においては、第1時短状態が設定される2R時短大当たりに当選した場合と、第2時短状態が設定される時短当選した場合とで実行される演出を同一にし、2R時短大当たり当選か時短当選かを遊技者が判別し難くなるように構成している。
このように構成することで、16R確変大当たりに比べて不利な2R時短大当たりに当選した場合であっても、時短当選ではないかと遊技者に期待させることが可能となり、2R時短大当たりに当選した場合の遊技者の遊技意欲の低下を抑制することができる。
図278(a)は、通常状態中の第1特別図柄抽選(特図1抽選)において第1時短状態が付与される大当たりに当選した場合に実行されるチャンスタイム獲得演出の一例である。
主表示領域Dmの中央部には、数字の「2」が2つ表示され、その間に「チャンスタイム」と記載された図柄が表示され、副表示領域Dsには、「チャンスタイムGET!!」と表示されており、この後にチャンスタイムに移行することを報知している。
ここで、チャンスタイムとは、時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)が設定されてから、時短状態が終了するまでの期間に表示される演出モードのことを示している。なお、第1時短状態と第2時短状態のどちらの時短状態が設定されている場合であっても、表示される演出モードはチャンスタイムとなる。したがって、表示される演出モードから現在設定されている時短状態が何れの時短状態かを遊技者が判別することができない構成としている。
なお、チャンスタイム中に実行される演出を用いて、設定されている時短状態を示唆する構成としても良く、例えば、チャンスタイム中に表示される背景画像を複数用意し、第2時短状態が設定されている場合には第1時短状態が設定されている場合に比べて、特定の背景画像が設定され易い構成としても良い。
このように構成することで、時短状態の種別を推測しようと遊技者にチャンスタイム中の表示態様に注目させることが可能となり、チャンスタイム中の遊技の興趣を向上させることができる。
小表示領域Dm1には、第1特別図柄が2R時短大当たりに当選したことを示す表示態様が示されている。ここで、図278(a)においては、小表示領域Dm1における表示を遊技者が視認可能な大きさとしているが、遊技者が視認できないように構成(例えば、小表示領域Dm1を表示しない)することが望ましく、遊技者が視認できないように構成することで2R時短大当たり当選か時短当選かを遊技者が更に判別し難くすることができる。
そして、第1特別図柄が2R時短大当たり当選したことに基づいて大当たり遊技が実行されるため、小表示領域Dm4には、遊技者に遊技機の盤面右側領域にある特定入賞口65aに向けて遊技球を発射する大当たり遊技中であることを報知するために「右打ち」と表示される。
ここで、2R時短大当たりに当選した場合は、大当たり遊技における大当たり期間中に開閉板65bが高速で開閉動作を2回行う。一方、時短当選した場合は大当たり遊技が実行されないため開閉板65bが閉鎖状態のままとなる。つまり、遊技者は開閉板65bの動作状況を確認することで2R時短大当たり当選か時短当選かが判別できてしまう。よって、本実施例では、これを抑制するためにチャンスタイム獲得演出においては画面を激しく発光させることで、遊技者が第3図柄表示装置81に注目することで開閉板65bに注目しないように構成している。
なお、実施例では、画面を激しく発光させることで、遊技者が開閉板65bに注目させない構成としているが、これに限るものではなく、ボタンを操作させる演出を実行することで遊技者をボタンに注目させる構成としても良いし、2R時短大当たり当選に基づく大当たり遊技が実行される場合にのみ作動する小さな可変入賞装置を可変入賞装置65よりも目立たない位置に設置する構成としても良い。
図278(b)は、通常状態の第1特別図柄において時短当選した場合に実行されるチャンスタイム獲得演出の一例である。
2R時短大当たりに当選した場合と異なるのは、小表示領域Dm1において、時短当選したことを示すための表示態様が表示されている点であり、その他の表示は2R時短大当たりに当選した場合に表示される表示画面と同一である。
なお、時短当選した第1特別図柄の変動が停止した場合にも、小表示領域Dm4において「右打ち」と表示されるが、これは時短状態が設定されているため、遊技者に遊技機の盤面右側領域にある第2入球口640へ向けて遊技球を発射させる遊技を行うよう促すための表示である。
このように、2R時短大当たりに当選した場合と時短当選した場合のチャンスタイム獲得演出を同一の表示態様とし、どちらに当選したのかを遊技者が判別し難くすることで、2R大時短当たりに当選した場合にも、時短当選ではないかと遊技者に期待させることが可能となり、特別図柄抽選の抽選結果が2R時短大当たりであった場合に遊技者の遊技意欲が低下することを抑制することができる。
ここで、2R時短大当たりに当選した場合にはチャンスタイム獲得演出中に大当たり遊技が実行されるが、時短当選した場合には大当たり遊技が実行されないため、同じタイミングで特別図柄の変動が停止した場合に、2R時短大当たりに当選した場合の方が時短当選した場合よりも大当たり遊技が実行される期間分、チャンスタイム獲得演出の表示からチャンスタイムが開始されるまでの期間が長くなり、チャンスタイム獲得演出の表示時間の長短で2R時短大当たりに当選したのか時短当選したのかを遊技者が判別できてしまう虞がある。
そこで、第5制御例の第2変形例では、2R時短大当たりに当選した場合と時短当選した場合とでチャンスタイム獲得演出が開始されてから実際に特別図柄が変動を停止するまでの期間(確定期間)が異なる構成としている。
図279を参照して、大当たり当選時の特別図柄の変動パターンと時短当選時の変動パターンについて説明する。
図279(a)と(b)に示すように、特別図柄の変動開始からチャンスタイム獲得演出が終了するまでの演出態様は同一である。しかし、図279(a)では、チャンスタイム獲得演出が開始されてから1秒後に特別図柄の変動が停止し、4秒間の大当たり遊技が実行されているのに対して、図279(b)においては、チャンスタイム獲得演出が開始されてから約5秒後に特別図柄の変動が停止している。
このように、2R時短大当たりに当選した場合よりも時短当選した場合のチャンスタイム獲得演出が開始されてから実際に特別図柄が変動を停止するまでの期間(確定期間)を長く設定する構成とすることによって、チャンスタイム獲得演出が表示されている間に大当たり遊技が実行された場合と、チャンスタイム獲得演出が表示されている間に大当たり遊技が実行されない場合とで、チャンスタイム獲得演出の表示時間が変わらないため、チャンスタイム獲得演出の表示時間の長短で遊技者が2R時短大当たり当選したのか時短当選したのかを判別し難くしている。
なお、実施例では、2R時短大当たりに当選した場合と、時短当選した場合とで、異なる確定期間を設定する構成とし、チャンスタイム獲得演出の表示時間を同一とする構成としたが、これに限るものではない。
例えば、2R時短大当たりに当選した場合と、時短当選した場合とで、確定期間は同一とし、時短当選した場合には特別図柄の変動が停止してから、次の特別図柄の変動が一定期間開始されない待機期間を設けることでチャンスタイム獲得演出の表示時間を同一とする構成としても良い。
なお、実施例では、2R時短大当たりに当選した場合と時短当選した場合とが遊技者に判別し難く構成したが、これに限られるものではない。例えば、時短当選した特別図柄が変動している場合に、第1特別図柄の抽選権利(特図1保留)が存在し、その特図1保留の保留情報に基づいて事前に判定した結果(先読み結果)が大当たり当選であった場合には、変動中の特別図柄において実行されるチャンスタイム獲得演出の表示態様を特殊な表示態様(例えば、「チャンスタイム」図柄を虹色で表示する)とし、遊技者に時短当選した後に大当たり当選することを示唆する構成としても良い。
<第5制御例の第2変形例における電気的構成について>
次に、図280、図281を参照して第5制御例の第2変形例における電気的構成について説明をする。図280(a)は、時短当たり乱数5bテーブル202dbeの内容を示した図である。図280(a)に示した通り、時短当たり乱数5bテーブル202dbeは、上述した第5制御例の時短当たり乱数5テーブル202deに対して、第1特別図柄抽選においても時短当選と判定される規定値を設定している点で相違し、それ以外は同一である。
図280(b)は、大当たり用5bテーブル202dbd1の内容を示した図である。図280(b)に示した通り、大当たり用5bテーブル202dbd1は、上述した第5制御例の大当たり種別選択5テーブル202ddの内容を第1特別図柄と第2特別図柄とで共通して参照されるように規定したものであり、大当たり当選時の遊技状態と、取得した第1当たり種別カウンタC2の値と、に応じて、大当たり種別と、各大当たり種別に対応する時短カウンタ203hの値と確変カウンタ203iの値とが規定されている。
本第2変形例では、上述した通り、特別図柄抽選で大当たり当選したことに基づいて普通図柄の高確率状態(第1時短)を設定可能にし、且つ、特別図柄抽選で時短当選したことに基づいて普通図柄の高確率状態(第2時短)を設定可能に構成しており、図280(b)に示した通り、大当たり用5bテーブル202dbd1には、普通図柄の高確率状態の種別として第1時短が設定されている場合と、第2時短が設定されている場合とで、大当たり遊技終了後に設定される時短回数(時短カウンタ203hに設定する値)を異ならせている。
また、図280(b)に示した通り、本第2変形例では、大当たり当選した場合に選択される大当たり種別として、大当たり遊技が2ラウンドで、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態が時短状態となる大当たりB5bを選択可能に構成している。ここで、大当たり種別として大当たりB5bが選択された場合に、図278、及び図279を参照して上述した演出、即ち、第1時短が設定されたか第2時短が設定されたかを遊技者に分かり難くする特定演出が実行される。
つまり、第2時短が設定された場合と同一の遊技状態(時短状態)を設定可能とし、且つ、大当たり遊技期間が短い大当たり遊技を実行可能に構成している。このように構成することで、第1時短が設定されたか第2時短が設定されたかを遊技者に分かり難くすることができる。
図281は、時短種別選択5bテーブル202dbfの内容を示した図である。時短種別選択5bテーブル202dbfは、上述した第5制御例における時短種別選択5テーブル202dfに対して、取得した時短種別選択カウンタCC1の値に対応させて規定している時短種別を異ならせている点で相違し、それ以外は同一である。
図281に示した通り、本第2変形例では、第2時短が設定された場合の時短終了条件(時短カウンタ203hに設定する値)が、第1時短が設定された場合の時短終了条件(図280(b)参照)と同一となるように構成している。具体的には、時短カウンタ203hの値に「50」,「200」,「10000」のいずれかが設定される時短種別が選択されるように構成している。
このように構成することで、例えば、特定演出が実行された後に、普通図柄の高確率状態が設定され、特別図柄変動回数が50回に到達し普通図柄の高確率状態(時短状態)が低確率状態(通常状態)へと移行した場合において、先程まで第1時短が設定されていたか、第2時短が設定されていたかを遊技者に分かり難くすることができる。
<第5制御例の第2変形例における制御処理について>
次に、図282を参照して本第2変形例のパチンコ機10において実行される制御処理内容について説明をする。図282は、時短状態演出設定処理5b(S9056)の内容を示したフローチャートである。この時短状態演出設定処理5b(S9056)では、上述した第5制御例における時短状態演出設定処理(図266のS9006参照)に対して、通常状態から時短状態へと遊技状態が移行したと判別した場合において実行される制御処理内容を異ならせている点で相違しており、具体的には、時短当選したと判別した時点において特図2保留内に大当たり当選があるかを先読み判別し(S9352)、大当たり当選を含む特図2保留があると判別した場合に特殊時短モードが実行されるように構成している。
時短状態演出設定処理5b(S9056)では、まず、従状態設定エリア223gから変更前の遊技状態の読み出しを実行する(S9301)。次に、S9301の処理において読み出した変更前の遊技状態は確変状態であるか判別する(S9302)。変更前の遊技状態が確変状態であると判別した場合には(S9302:Yes)、準備タイム中に対応する演出態様を示すための表示用コマンドを設定し(S9303)、本処理を終了する。
一方、S9302の処理において、変更前の遊技状態は確変状態ではないと判別した場合には(S9302:No)、次に、変更前の遊技状態は通常状態であるか判別する(S9303)。変更前の遊技状態は通常状態であると判別した場合には(S9304:Yes)、受信したコマンドに含まれる時短回数を時短中カウンタ223daの値に設定する(S9305)。そして、今回設定された時短状態が時短当選を契機に設定された時短状態であるかを判別する(S9351)。
S9351の処理において、時短当選を契機に設定された時短状態であると判別した場合には(S9351:Yes)、次に、第2特別図柄の保留内に大当たりに当選する保留があるか判別する(S9352)。大当たりに当選する保留があると判別した場合には(S9352:Yes)特殊時短モードに対応する演出態様を示すための表示用コマンドを設定し(S9353)、本処理を終了する。一方、S9351の処理において、今回の抽選で時短当選していないと判別した場合(S9351:No)、或いは、S9352の処理において、第2特別図柄の保留内に大当たりに当選する保留がないと判別した場合には(S9352:No)、時短モードに対応する演出態様を示すための表示用コマンドを設定し(S9354)、本処理を終了する。
<第6制御例>
次に、図283から図293を参照して、第6制御例について説明をする。上述した第5制御例、及び各変形例では、通常状態が設定されている状態で実行される特別図柄抽選において時短当選し得るように構成していた。これに対して、本第6制御例では、通常状態以外の遊技状態が設定されている状態においても特別図柄抽選で時短当選し得るように構成している点で大きく相違している。
このように構成することで、例えば、時短状態が設定されている状態において、新たに時短当選した場合に、時短状態が継続する残期間を更新可能とすることができる。よって、時短状態がいつまで継続するかを遊技者に把握させ難くすることができる。
また、時短状態が継続する残期間を更新させる場合において、現状の残期間よりも時短状態が継続する期間が長くなるように更新(有利更新)される場合と、短くなるように更新(不利更新)される場合とが発生するように構成している。つまり、時短抽選において時短当選するタイミングと、時短当選した場合に設定される時短回数(時短期間)とによって、時短当選が遊技者に有利な特典となる場合と、不利な特典となる場合が発生するように構成している。このように構成することで、時短当選を期待する遊技性と、時短当選を期待しない遊技性と、を備える斬新な遊技性を提供することができる。
さらに、本第6制御例では、大当たり当選すること無く、連続して時短当選すればするほど遊技者に有利な時短状態が設定され易くなるように構成している。具体的には、遊技者の有利度合いを異ならせた時短種別が複数規定されており、時短状態中に時短当選する程、有利な時短種別が設定され易くなるように構成している。このように構成することで、大当たり当選しない期間が長くなればなるほど、遊技者に有利な特典を付与し易くすることができる。
加えて、遊技者に最も有利な時短種別が設定されている場合には、その時短種別よりも不利な時短種別が設定されている場合よりも、遊技者に不利な時短種別へと移行し易くなるように構成している。つまり、有利度合いを異ならせた複数段階の時短種別を有し、時短当選に基づいて徐々に有利度合いの高い時短種別が設定されていき、最高段階の時短種別に到達した場合には、最低段階の時短種別へと転落し易くなるように構成している。このように構成することで、遊技者に有利な時短種別が過剰に長時間継続してしまうことを抑制することができる。
<第6制御例の演出内容について>
ここで、図283、及び図284を参照して、本第6制御例における特徴的な演出内容について説明をする。図283(a)は、通常状態において時短当選し、時短種別として時短Aが設定された場合の表示画面を示した図であり、図283(b)は、時短Aが設定されている状態で時短当選し、時短Bが設定された場合の表示画面を示した図である。
また、図284(a)は、時短状態中に時短当選し、残時短回数(残時短期間)が増加する場合の表示画面の一例を示した図であり、図284(b)は、時短状態中に時短当選し、残時短回数(残時短期間)が減少する場合の表示画面の一例を示した図である。
図283に示した通り、本第6制御例では、時短状態中に実行される特別図柄抽選においても、時短当選判定を実行可能に構成しているため、時短状態中における特別図柄抽選の結果を示すための演出(袋863の中から抽選結果を示すアイコンが出現する演出)が実行される。この場合、例えば、時短状態中における現在の残時短回数と、新たに当選した時短種別とを判別し、新たに当選した時短種別に対応して設定される時短回数が現在の残時短回数(Dm7参照)よりも多い場合は、図284(a)に示した通り、時短状態の残時短回数が増加することを示す演出が実行され、新たに当選した時短種別に対応して設定される時短回数が現在の残時短回数(Dm7参照)よりも少ない場合は、図284(b)に示した通り、時短状態の残時短回数が減少することを示す演出が実行される。
なお、本第6制御例では、時短状態中に時短当選した場合には、時短終了条件が成立し難い時短状態(時短B)が設定され易く(通常状態にて時短当選した場合よりも設定され易く)なるように構成している。そして、時短Bが設定されている状態で更に時短当選した場合には、次回大当たり当選まで時短状態が継続する(時短回数10000回が設定される)有利時短が付与され易くなるように構成している。
そして、時短Bが設定されている場合は、図283(b)に示した通り、時短Aが設定されている状態とは異なる表示態様で時短状態が設定されていることを遊技者に報知可能な表示態様が表示される。
<第6制御例におけるゲームフローについて>
次に、図285を参照して、本第6制御例におけるゲームフローについて説明をする。図285は、本第6制御例におけるゲームフローを示した図である。図285に示した通り、上述した第5制御例に対して、通常状態以外の遊技状態において、時短当選の判定を実行可能にしている点と、時短当選の判定が実行される遊技状態に応じて、時短当選確率を異ならせている点と、時短状態として、大当たり当選時の特典の有利度合いを異ならせた複数の時短種別(時短A、時短B)を設けている点とで相違している。
<第6制御例における電気的構成について>
図286(a)は、時短当たり乱数6テーブル202eeの内容を示した図である。図286(a)に示した通り、時短当たり乱数6テーブル202eeは、上述した第5制御例の時短当たり乱数5テーブル202deに対して、第1特別図柄抽選においても時短当選と判定される判定値を規定している点と、通常状態以外の遊技状態においても時短当選の判定値を規定している点と、遊技状態に応じて時短当選と判定される範囲(時短当選確率)を異ならせている点で相違している。
このように構成することで、設定されている遊技状態と、実行される特別図柄抽選の種別に応じて時短当選確率を異ならせることができる。
図286(b)は、時短種別選択6テーブル202efの内容を示した図である。図286(b)に示した通り、時短種別選択6テーブル202efは、上述した時短種別選択5テーブル202dfに対して、当選時の遊技状態に応じて各時短種別に対して設定される時短カウンタ203hの値、即ち、時短回数が異なるように規定している。
このように構成することで、どの遊技状態が設定されているかについて遊技者に興味を持たせることができる。
図287は、大当たり用6テーブル202edの内容を示した図である。図287に示した通り、大当たり用6テーブル202edでは上述した大当たり用5テーブル202ddに対して、大当たり当選時における遊技状態に応じて、各時短種別に対して設定される時短カウンタ203hの値、即ち、時短回数が異なるように規定している。具体的には、同一の遊技状態(時短状態)である時短Bが設定されている場合と、時短Aが設定されている場合と、で大当たり遊技終了後に設定される時短回数を異ならせており、時短Bが設定されている場合、即ち、時短状態中に時短当選した場合に設定され易い時短状態が設定されている場合のほうが、時短回数が多い時短状態が設定されやすくなるように構成している。なお、本第6制御例では、大当たり当選時における遊技状態に応じて、各時短種別に対して設定される時短カウンタ203hの値、即ち、時短回数が異なるように規定しているが、これに限ること無く、実行される大当たり遊技のラウンド数を、大当たり当選時における遊技状態に応じて異ならせるように構成しても良い。
図288は、本第6制御例における音声ランプ制御装置113のRAM223の構成を示した図である。図288に示した通り、本第6制御例における音声ランプ制御装置113のRAM223は、時短モード格納エリア223eaを追加した点で、第5制御例と相違しており、それ以外は同一である。同一の内容については、その詳細な説明を省略する。
時短モード格納エリア223eaは、設定された時短モードを格納するための記憶領域であって、時短状態演出設定処理6(図290のS9076参照)において設定された時短モードが記憶される(図290のS9372)。そして、時短状態中に実行される特別図柄変動の演出態様を設定する際に参照され、読み出された時短モードに対応する演出態様で変動演出が実行される。
<第6制御例における制御処理内容について>
次に、図289から図293を参照して、本第6制御例にて実行される制御処理内容について説明をする。図289は、時短抽選処理6(S8056)の処理内容を示したフローチャートである。この時短抽選処理6(S8056)は、上述した時短抽選処理5(S8016)に対して、時短抽選(時短当選判定)の実行条件が成立するか否かの判別を行うための処理を変更した点で相違している。つまり、図289に示した通り、実行される特別図柄抽選の殆どにおいて時短当否当選が実行されている。
時短抽選処理6(S8056)では、まず、時短当たり乱数6テーブル202ee(図286(a)参照)に基づいて抽選結果を取得する(S8154)。次に取得した抽選結果は時短当選であるか判別する(S8105)。次に取得した抽選結果は時短当選であると判別した場合には(S8105:Yes)、取得した時短種別カウンタCC1の値に基づいて、第1図柄表示装置37に表示する特別図柄の時短図柄をセットし(S8106)、本処理を終了する。一方、S8105の処理において、取得した抽選結果が時短当選ではないと判別した場合には(S8105:No)、第1図柄表示装置37に特別図柄の外れ図柄をセットし(S8107)、本処理を終了する。
次に、図290は、時短状態演出設定処理6(S9076)の内容を示したフローチャートである。この時短状態演出設定処理6(S9076)では、上述した第5制御例における時短状態演出設定処理5(図282のS9056)に対して、今回受信した状態コマンドに含まれる時短種別を時短モード格納エリア223eaに格納するための処理を実行する点で相違し、それ以外は同一であるため、詳細な説明を省略する。
次に、図291は、特図2演出態様設定処理6(S4997)の内容を示したフローチャートである。この特図2演出態様設定処理6(S4997)は、第2特別図柄変動に対応させた変動演出の演出態様を設定するための処理であり、上述した第5制御例における特図2演出態様設定処理5(図269のS4987参照)に対して、時短状態中における演出態様を決定するためのモード別演出設定処理(S9651)を実行する点で相違し、それ以外は同一であるため、詳細な説明を省略する。
ここで、図292を参照して、モード別演出設定処理(S9651)の内容について説明をする。図292はモード別演出設定処理(S9651)の処理内容を示したフローチャートである。このモード別演出設定処理(S9651)では、図283及び図284を参照して上述した各種演出の演出態様を決定するための処理が実行される。
モード別演出設定処理(S9651)では、まず、時短モード格納エリア223eaから現在の時短モードの読み出しを実行する(S9801)。次に、時短モード格納エリア223eaから読み出した現在の時短モードは、時短Aであるか判別する(S9802)。現在の時短モードは、時短Aであると判別した場合には(S9802:Yes)、今回の抽選が時短に当選する抽選か判別する(S9803)。
時短に当選する抽選であると判別した場合には(S9803:Yes)、今回の抽選に基づいて付与される時短回数と、時短中カウンタ223daの値とに基づいて、差分を算出する(S9804)。次に、算出した差分に基づいて残時短回数が減少するか判別する(S9805)。時短回数が減少しない、即ち、時短回数が増加すると判別した場合には(S9805:No)、残時短回数が増加することを示すための表示用コマンドを設定し(S9806)、S9809の処理に移行する。
一方、S9805の処理において、差分に基づいて残時短回数が減少すると判別した場合には(S9805:Yes)、残時短回数が減少することを示すための表示用コマンドを設定し(S9807)、S9809の処理に移行する。一方、S9803の処理において、今回の抽選は時短当選する抽選ではないと判別した場合には(S9803:No)、S9804〜S9807の処理をスキップし、S9809の処理に移行する。
一方、S9802の処理において、読み出した現在の時短モードが時短Aではないと判別した場合には(S9802:No)、時短B中演出設定処理を実行する(S9808)。時短B中演出設定処理(S9808)の詳細な説明については、図293を参照して後述する。次に、読み出した現在の時短モードと、抽選結果に基づいて設定される遊技状態との比較を実行し(S9809)、時短モードの切り替えがあるか判別する(S9810)。時短モードの切り替えがあると判別した場合には(S9810:Yes)、時短モードの切り替えに対応する演出態様を決定し(S9811)、本処理を終了する。一方、S9810の処理において、時短モードの切り替えがないと判別した場合には(S9810:No)、S9811の処理をスキップし、そのまま本処理を終了する。
次に、図293を参照して、時短B中演出設定処理(S9808)の処理内容について説明をする。図293は、時短B中演出設定処理(S9808)の内容を示したフローチャートである。図293に示した通り、時短B中演出設定処理(S9808)では、時短B中において時短当選した際に設定される時短種別を判別し、時短B以外、即ち、時短Aが設定された場合において、直ぐに時短状態が終了することを示すための演出態様を設定するための処理が実行される(S9853)。
時短B中演出設定処理(S9808)では、まず、今回の抽選が時短当選する抽選であるか判別する(S9851)。時短当選する抽選であると判別した場合には(S9851:Yes)、時短Bに当選する抽選であるか判別する(S9852)。時短Bに当選する抽選ではないと判別した場合には(S9852:No)、時短終了を示唆するための演出態様を決定し(S9853)、本処理を終了する。一方、時短Bに当選する抽選であると判別した場合には(S9852:Yes)、次回大当たりまでの時短継続に対応する演出態様を決定し(S9855)、本処理を終了する。
一方、S9851の処理において、今回の抽選は時短当選する抽選ではないと判別した場合には(S9851:No)、大当たりに当選する抽選であるか判別する(S9854)。大当たりに当選する抽選であると判別した場合には(S9854:Yes)、上述したS9855の処理を実行し、本処理を終了する。一方、大当たりに当選する抽選ではないと判別した場合には(S9854:No)、そのまま本処理を終了する。
<第7制御例>
次に、図294から図328を参照して、第7制御例の内容について説明をする。本第7制御例は、上述した第5制御例に対して、特別図柄抽選の抽選結果が大当たり当選では無い(外れである)場合の一部において、小当たり当選し得るように構成し、小当たり当選したことに基づいて実行される小当たり遊技中に遊技球を特定領域へと入球させることで大当たり遊技を実行可能に構成している点で相違している。
加えて、上述した第5制御例では、特別図柄抽選で大当たり当選していない場合にのみ時短当選の判定を実行するように構成していたのに対して、本第7制御例では、1回の特別図柄抽選で大当たり当選と、時短当選と、を重複して判定可能に構成している点で相違している。
さらに、上述した第5制御例では、大当たり当選の判定を実行した後に、時短当選の判定を実行するように構成し、時短当選した場合には、時短当選した特別図柄変動が停止表示されたタイミングにて時短状態を設定するように構成していたのに対して、本第7制御例では、大当たり当選の判定が実行される前に時短当選の判定を実行するように構成し、時短当選した場合には、当該特別図柄抽選にて大当たり当選の判定が実行されるよりも前に時短状態を設定し、時短状態が設定されている状態で当該特別図柄抽選における大当たり当選の判定を実行し、当該特別図柄抽選の抽選結果を示すための特別図柄変動が実行されるタイミングにて時短状態を終了させることが可能に構成している。
具体的には、通常状態における第1特別図柄抽選で時短当選した場合において、上述した通り、当該特別図柄抽選にて大当たり判定が実行されるタイミングを含む短期間の間、時短状態となるように構成している。つまり、上述した第5制御例では、次の大当たり当選に向けて遊技者に有利な遊技(特別図柄抽選を実行させ易い遊技)を、大当たり遊技を介すること無く所定期間(最大で10000回)実行させるために特別図柄抽選にて時短当選可能な機能(時短期間設定機能)を設けていたのに対して、本第7制御例では、上述した時短期間設定機能に加え、通常状態において、特別図柄抽選を実行させ易くすること無く、特別図柄抽選による大当たり判定が実行されるタイミングが時短状態となるように構成することで通常状態にて実行される遊技(左打ち遊技)の最中に時短状態における特別図柄抽選の大当たり判定を実行可能にする機能(特殊抽選機能)を設けている。
このように構成することで、遊技者に対して、特別図柄抽選で時短当選したことを把握され難くしながら時短状態における特別図柄抽選の大当たり判定を実行することができるため、特別図柄抽選の結果として意外性のある抽選結果を報知することが可能となる。
また、本第7制御例では、第1特別図柄抽選にて大当たり当選した場合に付与される特典を、通常状態にて大当たり当選した場合と、時短状態にて大当たり当選した場合とで、異ならせており、通常状態よりも時短状態で大当たり当選した場合のほうが、遊技者に有利な特典(例えば、ラウンド数の多い大当たり遊技)が付与されるように構成している。つまり、通常状態において実行される第1特別図柄抽選において、時短当選と大当たり当選とに重複当選した場合のほうが、大当たりのみ当選した場合よりも有利な特典が付与されることになる。
加えて、本第7制御例では、特別図柄抽選の結果を示すための変動演出の演出態様として、時短当選の有無を示唆可能な示唆態様(報知態様)と、大当たり当選の有無を示唆可能な示唆態様(報知態様)と、を設定可能に構成している。
つまり、実行される変動演出の演出態様を把握することで実行中の特別図柄抽選に対して実行された大当たり判定の結果と、時短当選判定の結果と、を遊技者に予測させることが可能に構成している。さらに、変動演出として、時短当選の有無を報知するタイミングと、大当たり当選の有無を報知するタイミングを異ならせるように構成している。このように構成することで、1回の特別図柄抽選に対して異なる複数の特典を付与するための判定を実行可能なパチンコ機10において、少なくとも1の判定結果を把握(予測)した状態で、他の判定結果を示唆するための示唆態様を把握させることができる。
また、本第7制御例では、時短当選の有無を示唆可能な示唆態様を含む演出(時短演出)の演出結果が、時短非当選を示唆する示唆態様を含む演出結果であった場合のほうが、時短演出が実行されない場合よりも大当たり当選の期待度が高くなるように構成している。このように、付与判定を異ならせた複数の特典を1回の特別図柄抽選にて付与可能な構成を用いたパチンコ機10において、1の特典に対する付与判定の結果を示唆可能な判定結果示唆演出が実行された場合に、その判定結果示唆演出の演出結果が1の特典が付与されないことを示唆する演出結果であることで、判定結果示唆演出が実行されなかった場合に比べて他の特典が付与される期待度が高くなるように構成することで、判定結果示唆演出が実行された時点で、判定結果示唆演出が実行されなかった場合に比べて、何れかの特典が付与され易い状態であることを遊技者に報知することができる。
以下、本第7制御例のパチンコ機10について説明をするが、上述した各制御例と同一の内容については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
まず、図294から図299を参照して、第7制御例におけるパチンコ機10の構造について説明する。図294は第7制御例のパチンコ機10の遊技盤13の正面図であり、図295は第7制御例のパチンコ機10の遊技盤13の正面視右下領域を拡大した拡大図であり、図296〜図299は第7制御例のパチンコ機10の遊技盤13に設けられたV入賞装置650の構造を模式的に示した模式図である。
図294に示すように、遊技盤13は、正面視略正方形状に切削加工したベース板60に、球案内用の多数の釘(図示せず)や風車の他、レール61,62、一般入賞口63、第1入球口64、第2入球口640、第1可変入賞装置65、V入賞装置650、普通図柄始動口(スルーゲート)67、可変表示装置ユニット80等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠12(図1参照)の裏面側に取り付けられる。ベース板60は光透過性の樹脂材料からなり、その正面側からベース板60の後面側に配設された各種構造体を遊技者に視認させることが可能に形成される。一般入賞口63、第1入球口64、第2入球口640、第1可変入賞装置65、V入賞装置650、可変表示装置ユニット80は、ルータ加工によってベース板60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤13の正面側からタッピングネジ等により固定されている。
遊技盤13の正面中央部分は、正面枠14の窓部14c(図1参照)を通じて内枠12の正面側から視認することができる。以下に、主に図2を参照して、遊技盤13の構成について説明する。
遊技盤13の正面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した外レール62が植立され、その外レール62の内側位置には外レール62と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レール61が植立される。この内レール61と外レール62とにより遊技盤13の正面外周が囲まれ、遊技盤13とガラスユニット16(図1参照)とにより前後が囲まれることにより、遊技盤13の正面には、球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤13の正面であって2本のレール61,62とレール間を繋ぐ樹脂製の外縁部材とにより区画して形成される領域(入賞口等が配設され、発射された球が流下する領域)である。
2本のレール61,62は、球発射ユニット112a(図242参照)から発射された球を遊技盤13上部へ案内するために設けられたものである。内レール61の先端部分(図294の左上部)には戻り球防止部材68が取り付けられ、一旦、遊技盤13の上部へ案内された球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。外レール62の先端部(図294の右上部)には、球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴム69が取り付けられ、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴム69に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される。
遊技領域の正面視右側上部(図294の右側上部)には、発光手段である複数のLED及び7セグメント表示器を備える第1図柄表示装置37a,37bが配設されている。第1図柄表示装置37a,37bは、主制御装置110(図242参照)で行われる各制御に応じた表示がなされるものであり、主にパチンコ機10の遊技状態の表示が行われる。第7制御例では、第1図柄表示装置37a,37bは、球が、第1入球口64へ入賞したか、第2入球口640へ入賞したかに応じて使い分けられるように構成されている。具体的には、球が、第1入球口64へ入賞した場合には、第1図柄表示装置37aが作動し、一方で、球が、第2入球口640へ入賞した場合には、第1図柄表示装置37bが作動するように構成されている。
また、第1図柄表示装置37a,37bは、LEDにより、パチンコ機10が時短中か通常中であるかを点灯状態により示したり、変動中であるか否かを点灯状態により示したり、停止図柄が時短大当たり(大当たり遊技終了後に遊技状態として時短状態が設定される大当たり)に対応した図柄か普通大当たり(大当たり遊技終了後に遊技状態として通常状態が設定される大当たり)に対応した図柄か外れ図柄であるかを点灯状態により示したり、保留球数を点灯状態により示すと共に、7セグメント表示装置により、大当たり中のラウンド数やエラー表示を行う。なお、複数のLEDは、それぞれのLEDの発光色(例えば、赤、緑、青)が異なるよう構成され、その発光色の組み合わせにより、少ないLEDでパチンコ機10の各種遊技状態を示唆することができる。
尚、本パチンコ機10では、第1入球口64及び第2入球口640へ入賞があったことを契機として抽選が行われる。パチンコ機10は、その抽選において、大当たりか否かの当否判定(大当たり抽選)を行うと共に、大当たりと判定した場合はその大当たり種別の判定も行う。ここで判定される大当たり種別としては、大当たり遊技のラウンド数が15ラウンドで大当たり終了後に時短状態が付与される15R時短大当たり(15R時短有大当たり)、大当たり遊技のラウンド数が5ラウンドで大当たり終了後に時短状態が付与される5R時短大当たり(5R時短有大当たり)、大当たり遊技のラウンド数が5Rで大当たり終了後に時短状態が付与されない5R通常大当たり(5R時短無大当たり)が用意されている。
また、大当たり抽選の抽選結果として上述した大当たりでは無い外れと判定された場合の一部において、上述した大当たりよりも遊技者に付与される特典が少ない(例えば、1ラウンドのみV入賞装置650を開放させる特典)小当たりが用意されている。第1図柄表示装置37a,37bには、変動終了後の停止図柄として抽選の結果が大当たりであるか否か(小当たりであるか否か)が示されるだけでなく、大当たりである場合はその大当たり種別に応じた図柄が示される。
ここで、「15R時短大当たり」とは、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりの後に時短状態へ移行する大当たりのことであり、「5R時短大当たり」とは、最大ラウンド数が5ラウンドの大当たりの後に時短状態へ移行する大当たりのことである。また、「5R通常大当たり」は、最大ラウンド数が5ラウンドの大当たりの後に時短状態へと移行せずに通常状態へと移行する大当たりのことである。
つまり、本パチンコ機10では、特別図柄の大当たりに当選した場合に提供される大当たり遊技として、遊技者に最も多くの特典を付与可能な「15R時短大当たり」と、その次に多い特典を付与可能な「5R時短大当たり」と、大当たり遊技のうち最も遊技者に付与される特典が少ない「5R通常大当たり」と、のうち、何れかの大当たり遊技が提供されるように構成されている。これにより、特別図柄の抽選において大当たりに当選した場合であっても付与され得る特典が異なる大当たり遊技のうち、最も多くの特典が付与される大当たり遊技が提供されることを期待させながら遊技を行わせることができる。
なお、第7制御例では、大当たり遊技のラウンド数(大当たり遊技中に獲得可能な賞球数)と、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態の内容と、に応じて遊技者に付与される特典の大小を定義しているが、これに限ること無く、上述した条件以外を用いて遊技者に付与される特典の大小を定義しても良いし、特典に大小を定義付けることなく、異なる特典が付与されるように大当たり遊技の内容を異ならせるだけでも良い。
また、「時短状態」とは、大当たり終了後に遊技者に付与される付加価値(特典)として、大当たり確率は通常状態と同じであるが、第2入球口640へ球が入球し易い遊技状態である。この第2入球口640へ球が入球し易い状態とするために、第7制御例では、第2図柄の変動時間を通常状態よりも短くし、且つ、第2図柄の抽選結果が当たりの場合に動作させる電動役物640aの動作態様を通常状態よりも第2入球口640へ球が入球し易い期間が長くなるように設定している。なお、第2入球口640へ球が入球し易い遊技状態を設定するためにそれ以外の構成を用いても良く、上述した設定内容の一部のみを用いても良いし、上述した内容以外にも、第2図柄の当たり確率を通常状態よりも高く設定するように構成しても良い。
加えて、本第7制御例では、第1入球口64へと遊技球が入球した場合に実行契機が成立し得る第1特別図柄抽選、及び、第2入球口640へと遊技球が入球した場合に実行契機が成立し得る第2特別図柄抽選において、上述した大当たり当選、小当たり当選以外に時短当選し得るように構成している。具体的には、通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)が設定されている状態で実行される特別図柄抽選(第1特別図柄抽選、第2特別図柄抽選)において、時短当選の判定が実行されるように構成している。
ここで、時短当選した場合には、当該特別図柄抽選において大当たり判定が実行されるよりも前に時短状態(普通図柄の高確率状態)が設定され、特別図柄抽選の結果を示すための特別図柄変動が開始されるタイミングにて、時短状態を終了させるか否かを判定する処理(更新処理7)が実行される。例えば、時短回数1(時短カウンタ203hの値が1)に設定される時短状態の場合は、時短当選した当該特別図柄抽選の結果を示すための特別図柄変動が開始されるタイミングで実行される更新処理7において、残時短回数(時短カウンタ203hの値)が更新(減算)され、時短終了条件が成立し、時短状態を終了させると判定される。一方、時短回数として複数回(例えば、100回)の値が設定される時短状態の場合は、更新処理7によって実行される残時短回数の更新の結果に基づいて時短終了条件が成立するまで時短状態が継続する。
つまり、本第7制御例にて用いられる時短状態の設定タイミングと、時短状態の終了タイミングと、を用いることにより、設定される時短回数に応じて、特別図柄抽選の大当たり判定タイミングのみ(特別図柄変動期間を除外して)時短状態を設定したり、特別図柄変動期間を含めて時短状態を設定したりすることが可能となる。
なお、同様の効果を奏する手法として、別の処理タイミングを設定しても良く、例えば、上述した第5制御例と同様に時短当選した当該特別図柄変動の停止タイミングに時短状態を設定し、次に実行される特別図柄変動が開始されるよりも前に時短状態の更新処理(時短状態を終了させるか否かを判定する処理)を実行可能に構成しても良い。このように構成した場合も、設定される時短回数を異ならせることで特別図柄変動期間が含まれるように時短状態を設定したり、特別図柄変動期間が含まれないように時短状態を設定したりすることが可能となる。なお、この場合、時短状態が設定された特別図柄変動が停止表示され、時短状態が設定された状態で次の特別図柄抽選が開始されない場合は、時短終了条件が成立し得ないため時短状態が継続することになる。
よって、この場合、時短当選した特別図柄変動が停止表示されるまでに(時短状態が設定されるまでに)、次に実行される特別図柄抽選の実行権利(特図保留)を獲得しているかを判別し、特図保留を獲得していると判別した場合、即ち、時短状態が設定された後、ただちに次の特別図柄変動が開始され、時短状態が終了し得る場合のみ、時短当選したことを遊技者に報知するように構成すると良い。このように構成することで、時短当選したことを把握した遊技者が、第1特別図柄抽選を実行させること無く、右打ち遊技を行い、第2特別図柄抽選を実行させる行為を抑制することができる。
さらに、詳細は後述するが、第7制御例では「時短状態」が終了する条件として、特別図柄抽選で大当たり当選したことに基づいて付与される時短状態に対しては、第1特別図柄および第2特別図柄の変動回数(合計変動回数)が第1所定回数(100回)に到達した場合(第1終了条件)、或いは、特別図柄の抽選において小当たりに当選した(小当たり遊技が実行された)回数が第2所定回数(例えば、1回)に到達した場合(第2終了条件)の何れかの終了条件が成立した場合に、遊技状態を時短状態から通常状態へと移行するように構成している。このように、遊技状態を時短状態から通常状態へと移行させるための終了条件を複数用意し、その複数の終了条件のうち何れかの終了条件が成立した場合に時短状態から通常状態へと移行させることで、時短状態が終了するタイミングを複数設定することが可能となり、遊技者に対して、通常状態よりも遊技者に有利な時短状態がいつまで継続するのかドキドキさせながら遊技を行わせることができる。
さらに、第7制御例では特別図柄の抽選(第2特別図柄抽選)において当選し得る小当たりとして、複数の小当たり種別(例えば、小当たりA,B)が用意されており、各小当たり種別に対してそれぞれ第2終了条件が成立する回数が異ならせて設定されている。このように構成することで、時短状態中に当選した小当たり回数だけで時短状態が終了するか否かを予測することが困難となるため、遊技者に対して常に緊張感を持たせて時短遊技を行わせることができる。
一方で、本第7制御例では、特別図柄抽選で時短当選したことに基づいて時短状態(第2時短)が設定された場合には、大当たり当選に基づいて時短状態(第1時短)が設定された場合とは異なる終了条件が設定されるように構成しており、具体的には、時短回数「1」が設定されるように構成している。つまり、特別図柄抽選で時短当選したことに基づいて設定される第1時短は、特別図柄抽選の大当たり判定のみ時短状態で実行させるための特殊抽選機能として時短状態が利用される。
また、第7制御例では、小当たり遊技中に開放されるV入賞装置650内に特定領域を設け、小当たり遊技中に球が特定領域を通過することで(特定領域である特別排出流路650e2に設けられたVスイッチ650e3が球を検知することで)大当たり(所謂、2種当たり)となるように構成されている(図298参照)。加えて、詳細は後述するが、当選した小当たりの小当たり種別に応じて小当たり遊技中に球が特定領域を通過する期待度(V入賞期待度)が異なるように構成している。そして、各小当たり種別に対して設定される第2終了条件が成立する回数(小当たり回数)を、V入賞期待度が高い小当たり遊技が実行される小当たり種別の方が少なくなるように構成している。
このように構成することで、時短遊技中において小当たりに当選した場合に2種当たりを獲得するためのV入賞期待度と、時短状態が終了するかもしれない不安感とを関連付けることができ、遊技者により意欲的に遊技を行わせることができる。
なお、第7制御例では、特別図柄(第1特別図柄、第2特別図柄)の変動回数に対して、上述した通り第1所定回数(100回)を終了条件(第1終了条件)として設定しているが、特別図柄の変動回数に対してそれ以外の終了条件を設定しても良く、例えば、第1特別図柄のみの変動回数が第3所定回数(例えば、50回)となった場合や、第2特別図柄のみの変動回数が第4所定回数(例えば、80回)となった場合に時短状態の終了条件が成立するように構成しても良い。また、上述した多数の終了条件の一部のみを用いても良いし、それぞれを適宜組み合わせても良い。
遊技領域には、球が入賞することにより10個の球が賞球として払い出される複数の一般入賞口63が配設されている。また、遊技領域の中央部分には、可変表示装置ユニット80が配設されている。可変表示装置ユニット80には、第1入球口64及び第2入球口640への球の入賞(始動入賞)をトリガとして、第1図柄表示装置37a,37bにおける変動表示と同期させながら、第3図柄の変動表示を行う液晶ディスプレイ(以下単に「表示装置」と略す)で構成された第3図柄表示装置81と、普通図柄始動口(スルーゲート)67への球の通過をトリガとして第2図柄を変動表示するLEDで構成される第2図柄表示装置(図示せず)とが設けられている。また、可変表示装置ユニット80には、第3図柄表示装置81の外周を囲むようにして、センターフレーム86が配設されている。
第3図柄表示装置81は15インチサイズの大型の液晶ディスプレイで構成されるものであり、表示制御装置114(図242参照)によって表示内容が制御されることにより、例えば上、中及び下の3つの図柄列が表示される(図122参照)。各図柄列は複数の図柄(第3図柄)によって構成され、これらの第3図柄が図柄列毎に横スクロールして第3図柄表示装置81の表示画面上にて第3図柄が可変表示されるようになっている。第7制御例の第3図柄表示装置81は、主制御装置110(図242参照)の制御に伴った遊技状態の表示が第1図柄表示装置37a,37bで行われるのに対して、その第1図柄表示装置37a,37bの表示に応じた装飾的な表示を行うものである。
つまり、第1図柄表示装置37a,37bにおいて第1図柄が可変表示(変動表示)されている期間(動的表示期間)に対応させて第3図柄表示装置81にて第3図柄が可変表示(変動表示)され、第1図柄表示装置37a,37bにおいて特別図柄の抽選結果を示す表示態様で第1図柄が停止表示されるタイミングに対応させて第3図柄表示装置81にて第3図柄が特別図柄の抽選結果に応じた表示態様で停止表示される。
即ち、判別条件(第1入球口64或いは第2入球口640への球の入賞)が成立することに基づいて判別手段による判別が実行され(特別図柄の抽選が実行され)、所定の動的表示期間が経過するまで識別情報(第3図柄)が動的表示(変動表示)された後に、判別手段の判別結果(特別図柄の抽選結果)を示した表示態様(図柄の組み合わせ)で、識別情報(第3図柄)が停止表示される。これにより、遊技者は第3図柄表示装置81に表示される第3図柄を把握することで特別図柄の抽選結果を把握することができる。よって、遊技者に分かり易い遊技を提供することができる。
なお、第3図柄表示装置81に停止表示される第3図柄は、特別図柄の抽選結果に応じた表示態様であれば良く、特別図柄の抽選結果の一部(例えば、大当たり或いは外れ、時短当選といった当否判定結果のみ)に対応した表示態様でも良いし、特別図柄の抽選結果の詳細(例えば、当選した大当たりの種別)に対応した表示態様でも良い。また、特別図柄の抽選結果として、4種類の抽選結果(例えば、大当たり、小当たり、外れ、時短)を有する場合には、第3図柄の表示態様として、特別図柄の抽選結果が上述した3種類の抽選結果のうち特定の2種類(例えば、大当たり或いは小当たり)の何れかであることを示す表示態様を用いても良い。また、重複して当選可能な判定(例えば、大当たり安定、時短判定)にて重複して当選した場合には、重複当選を示すための表示態様を用いても良いし、重複当選したことに基づいて実行される遊技の内容が、大当たり当選のみに基づいて実行される遊技の内容と同一である場合には、同一の表示態様を用いても良い。
また、第7制御例で用いられる表示装置に代えて、例えばリール等を用いて第3図柄表示装置81を構成するようにしても良いし、パチンコ機10に複数の表示装置を設けても良い。
本第7制御例では時短状態中に第2図柄(普通図柄)の当たりに当選した場合には、通常状態中に第2図柄(普通図柄)の当たりに当選した場合よりも電動役物640aを作動させる期間(電動役物640aを突出させて球が第2入球口640に入球し易くする期間)が長くなるように構成している。これにより、時短状態中を第2入球口640へ球が入賞し易い状態とすることができる。
なお、時短状態中を第2入球口640へ球が入賞し易い状態とするための構成は上述した内容に限られる物では無く、例えば、第2図柄の当たり確率を高める、1回に当たりに対する電動役物640aの開放時間や開放回数を増やすといった構成を用いても良い。また、電動役物640aの作動パターンを異ならせることにより時短状態を第2入球口640へ球が入賞しやすい状態としている場合は、第2図柄の変動表示にかかる時間を遊技状態にかかわらず一定としてもよい。一方、第2図柄の変動表示にかかる時間を、時短中において通常中よりも短く設定する場合は、当たり確率を遊技状態にかかわらず一定にしてもよいし、また、1回の当たりに対する電動役物640aの開放時間や開放回数を遊技状態にかかわらず一定にしてもよい。
さらに、設定される遊技状態に応じて第2図柄の変動表示にかかる時間を可変させ、且つ、電動役物640aの開放時間や開放回数を可変させる場合において、第2図柄の変動表示が開始される時点にて設定されている遊技状態に応じて第2図柄の変動表示時間を決定し、第2図柄の変動表示が停止し、当たりを示す第2図柄が表示されたタイミング(第2図柄の当たり遊技、即ち、電動役物640aを作動させるタイミング)において設定されている遊技状態に応じて電動役物640aの開放時間や開放回数を決定するように構成しても良い。このように構成することで、例えば、時短状態中に変動が開始された第2図柄が通常状態中に当たりを示す表示態様で停止表示された場合に、通常状態中に対応する電動役物640aの作動パターンで作動させることができる。よって、設定されている遊技状態と実行される電動役物の作動パターンとをより正確に対応付けることができる。
なお、遊技状態と第2図柄の変動時間および電動役物640aの作動パターンの関係は上述した内容以外を規定しても良く、例えば、第2図柄の変動開始タイミングと、電動役物640aの作動開始タイミングとの何れか一方のタイミングにおいて遊技状態として時短状態が設定されていると判別した場合には、電動役物640aの作動パターンとして遊技者に有利な作動パターン(時短状態中に実行される作動パターン)を設定するように構成しても良い。
可変表示装置ユニット80の下方には、球が入球し得る第1入球口64が配設されている。この第1入球口64へ球が入球すると遊技盤13の裏面側に設けられる第1入球口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第1入球口スイッチのオンに起因して主制御装置110(図242参照)で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37aで示される。
図294に示した通り、第1入球口64は可変表示装置ユニット80の左側を球が流下するように行われる遊技(所謂、左打ち遊技)の方が、可変表示装置ユニット80の右側を球が流下するように行われる遊技(所謂、右打ち遊技)よりも球が入球し易くなるように遊技盤13上に釘が植設されている。よって、第2入球口640に球が入球し難い遊技状態(通常状態)が設定されている場合には、第1入球口64に球を入球させるために左打ち遊技が実行される。
一方、第1入球口64の正面視右方には、球が入球し得る第2入球口640が配設されている。この第2入球口640へ球が入球すると遊技盤13の裏面側に設けられる第2入球口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第2入球口スイッチのオンに起因して主制御装置110(図242参照)で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37bで示される。
また、第1入球口64および第2入球口640は、それぞれ、球が入賞すると5個の球が賞球として払い出される入賞口の1つにもなっている。なお、第7制御例においては、第1入球口64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数と第2入球口640へ球が入賞した場合に払い出される賞球数とを同じに構成したが、第1入球口64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数と第2入球口640へ球が入賞した場合に払い出される賞球数とを異なる数、例えば、第1入球口64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数を3個とし、第2入球口640へ球が入賞した場合に払い出される賞球数を5個として構成してもよい。
加えて、第7制御例では特別図柄の抽選契機(大当たりの抽選契機)となる球を検知するスイッチ(第1入球口スイッチ、第2入球口スイッチ)を入球口内に設けているため、特別図柄の抽選契機を獲得すると共に、賞球を獲得できる構成としているが、それ以外の構成を用いても良く、例えば、球が通過可能な領域(ゲート)を設け、その領域(ゲート)を通過する球を検知するスイッチ(検知手段)が球の通過を検知した場合に、特別図柄の抽選契機を獲得し得るように構成しても良い。なお、この場合、特別図柄の抽選契機となり得る領域(ゲート)を通過した球の少なくとも一部が入球可能となり、球が入球した場合に所定数(例えば5個)の賞球が払い出される入球口を設けると良い。このように構成することで、特別図柄の抽選契機の獲得回数と、賞球獲得回数とを異ならせることができるため、多様な遊技性を提供することができる。
第2入球口640には電動役物640aが付随されている。この電動役物640aは遊技盤13から手前側(図294の視点で手前側)に突出した突出状態(許容状態)と、遊技盤13側に待避した待避状態(規制状態)と、に可変可能に構成されており、通常(第2図柄の当たりに当選していない場合)は電動役物640aが待避状態(規制状態)となって、球が第2入球口640へ入球し難い状態となっている。一方、普通図柄始動口(スルーゲート)67への球の通過を契機として行われる第2図柄の変動表示の結果、「○」の図柄が第2図柄表示装置に表示された場合、即ち、第2図柄の抽選において当たりに当選した場合は、電動役物640aが突出状態(許容状態)となり、球が第2入球口640へ入球し易い状態となる。
ここで、第7制御例のパチンコ機10に設けられた第2入球口640への球流れについて説明をする。第7制御例では図294に示した通り、遊技盤13の遊技領域の略中央位置に可変表示装置ユニット80を配設し、遊技領域を可変表示装置ユニット80の左方側(左打ち領域)と右方側(右打ち領域)とに区画しており、遊技者が操作ハンドル51の操作量を調整することで発射された球の行き先を右打ち領域或いは左打ち領域へと打ち分けることが可能に構成している。以下、遊技者が操作ハンドル51を操作して遊技領域のうち左打ち領域へと球を発射させる遊技を左打ち遊技、右打ち領域へと球を発射させる遊技を右打ち遊技と称す。
第7制御例では、図294に示した通り、第2入球口640と、第2入球口640に付随する電動役物640a、及び、電動役物640aを動作させるか否かの抽選のトリガとなる普通図柄始動口(スルーゲート)67が右打ち領域に配設されており、遊技状態として時短状態が設定されている場合には右打ち遊技が行われるように構成している。
左打ち遊技により発射された球が第2入球口640に入球することが無いように可変表示装置ユニット80の下方には釘が植設されており、左打ち遊技中に第2入球口640に球が入球することが無いように構成している。このように構成することで、左打ち遊技では第1特別図柄を変動させるために球を第1入球口64へと入球させる遊技を行わせ、右打ち遊技では第2特別図柄を変動させるために球を第2入球口640へと入球させる遊技を行わせることができ、遊技方法に応じて異なる遊技性を適切に提供することができる。
第7制御例のパチンコ機10では、図294に示した通り、右打ち領域には、その上面が左下方向(図294の正面視で左下方向)に向けて下り傾斜しているV入賞装置650が配設され、そのV入賞装置650の上面を流下した球が普通図柄始動口(スルーゲート)67を通過し、電動役物640aに向けて流下するように各機構が配設されている。
そして、電動役物640aが待避状態に位置している場合は、待機状態の電動役物640aを通過し可変入賞装置65に向けて球が流下する。一方、電動役物640aが突出状態に位置している場合は、電動役物640aに到達した球が右下方向(図2の正面視で右下方向)に向けて流下する。そして、電動役物640aの右端まで到達した球は第2入球口640へ入球し、電動役物640aの右端に到達するまでに電動役物640aが待避状態へと可変した場合は、電動役物640aの下方に配設された一般入賞口63に入球するように構成している。
さらに、本パチンコ機10は上述した電動役物640a、第2入球口640、一般入賞口63を覆うように透過性のカバー部材655を設けている。このカバー部材655は入射する光を乱反射させるためのカット加工が表面に施されている。このカバー部材655を設けることで、遊技中はパチンコ機10に設けられた発光手段(LED等)や第3図柄表示装置81から発せられる様々な光によってカバー部材655の内部を遊技者に視認させ難くすることができる。よって、電動役物640aの動作タイミングを図って右打ち遊技を行う行為を抑制することができる。
また、遊技が行われていない状態(遊技機の電源がオフになっている状態)では、カバー部材への入射光が抑えられるため、カバー部材655の内部を容易に視認することができ、パチンコ機10のメンテナンスを容易に行うことができる。なお、このようにカバー部材655を用いて内部の視認性を可変させる構成を用いる場合には、上述したように装飾用に発光する発光手段を利用可能に構成することで発光手段を共有することができ、パチンコ機10を構成する部品点数を削減することができるが、カバー部材655の内部を視認困難とするための発光手段を専用に設けても良い。
また、電動役物640aの動作が行われる期間を含む所定期間の間カバー部材655の内部を視認困難にすればよく、例えば、電動役物640aの動作が実行されると判別した場合(即ち、普通図柄の抽選により当たりに当選した場合)に、カバー部材655の表面に電動役物640aが動作する旨を報知する文字(例えば、「オープン」)が表示されるように発光手段を制御し、その表示された文字により、カバー部材655の内部を視認困難にするように構成しても良い。これにより、電動役物640aが動作することを遊技者に把握させるとともに、その詳細な動作タイミングを把握させ難くすることができる。
ここで、図295を参照して、本パチンコ機10の右打ち領域の構成について説明をする。図295に示した通り、右打ち遊技により発射された球のうち、スルーゲート67を通過した球は、電動役物640aが配設されている領域に向けて流下する。具体的に説明をすると、電動役物640aは、50mmの長さを有し、その上面を球が流下可能な板状部材で構成され、右下方向(図295の正面視で右下方向)に向けて下り傾斜となるように遊技盤13に配設されている。そして、スルーゲート67を通過した球は電動役物640aの左端から20mmの範囲に該当する領域a(図295参照)に流下する。
領域aに到達した球は、電動役物640aが待避状態に位置している場合は電動役物640aを通過し可変入賞装置65に向けて流下する。一方、電動役物640aが突出位置に位置している場合は電動役物640aの上面を右端位置に向けて球が流下する。そして、領域b(電動役物640aの左端から20mmから40mmが該当する領域)に球が到達した状態で電動役物640aが待避状態へと可変した場合には、電動役物640aの下方に設けられた一般入賞口63に向けて球が流下するように構成されている。最後に、領域c(電動役物640aの右端から20mmが該当する領域)に球が到達すると、その球は第2入球口640へ入球するように構成されている。
なお、本第7制御例では、遊技状態(普通図柄の確率状態)において電動役物640aが連続して動作する期間が異なる様に構成されており、遊技状態として通常状態(普通図柄の低確率状態)が設定されている状態で電動役物640aが動作する場合には、突出状態に位置する電動役物640a上を流下する球が領域b(図295参照)に到達するまでに電動役物640aが待避状態へと可変し、時短状態が設定されている状態では、電動役物640a上を流下する球が領域c(図295参照)に到達するのに十分な期間の間、電動役物640aが突出位置に位置するように構成されている。
具体的には、電動役物640aの動作期間(継続して突出状態に位置される期間)が、時短状態中は2秒、通常状態中は0.2秒となるように構成している。そして、電動役物640aは図295に示した領域(領域aから領域cまでの範囲)を球が流下するための流下期間が0.2秒よりも長く、且つ2秒よりも短くなるように構成されている(第7制御例では、0.8秒)。このように構成することで、通常状態中に右打ち遊技を行い、普通図柄の当たりに当選し、動作中の電動役物640aの上面を球が流下する状態になった場合であっても、電動役物640aの上面を流下する球が第2入球口640に到達するまでに電動役物640aの動作が終了するため、通常状態において第2特別図柄の抽選が実行されることを確実に防止することができる。
また、時短状態中においては、電動役物640aの上面を球が流下し第2入球口640へと球が到達する期間(0.4秒)よりも長い期間電動役物640aを動作させるため、誘導状態(突出状態)である電動役物640aの上面を流下した球が第2入球口640へ到達し易くし、第2特別図柄の抽選を実行され易くすることができる。
さらに、時短状態中において、例えば、電動役物640aが作動してから1.5秒後に電動役物640aに到達した球は電動役物640aの上面を流下し、領域bに到達したタイミングで電動役物640aの作動が終了する(電動役物640aが作動してから2秒経過する)ことになる。このような球は図3に示した通り、電動役物640aの下方に配設された一般入賞口63に入球し、10個の球が賞球として払い出される。このように、時短状態中において右打ち遊技をした場合には、電動役物640aの作動タイミングと、電動役物640aへの球の到達タイミングとによって、異なる入球口(第2入球口640或いは一般入賞口63)へと球を誘導することができるように構成することで、遊技者に対して時短状態中に継続して右打ち遊技を行わせることができる。
上述したように、一般入賞口63への入球に応じた賞球数が10個で、第2入球口640への入球に応じた賞球数が5個となるように構成しているため、第2特別図柄(特図2)の抽選を実行し得る状態であれば、第2入球口640へ球が入球するほうが一般入賞口63に球が入球するよりも遊技者に有利な特典(即ち、特図2の抽選および5個の賞球)を付与することができ、第2特別図柄(特図2)の抽選を実行し得ない状態(特別図柄変動中)であれば、第2入球口640よりも一般入賞口63に球が入球するほうが遊技者に有利な特典(即ち、10個の賞球)を付与することができるように構成している。
これにより、遊技の状況(特別図柄の変動の有無)に応じて、遊技者が入球を所望する入球口(多くの特典を獲得可能な入球口)が可変させることができるため、時短状態中における右打ち遊技を遊技者に楽しませることができる。また、電動役物640aの一回の動作中に第2入球口640と、一般入賞口63との両方に球を入球させるためには、右打ち遊技を継続して実行する必要があるため遊技の稼働を高めることができる。
尚、第7制御例では時短状態中における電動役物640aの動作期間を電動役物640aの上面を球が流下し第2入球口640へと到達する期間(0.8秒)よりも十分に長い期間(2秒)を設定し、電動役物640aが動作した場合に第2入球口640へ球を確実に入球させるように構成しているが、それ以外に、例えば、時短状態中における電動役物640aの動作期間を電動役物640aの上面を球が流下し第2入球口640へと球が到達する期間(0.8秒)よりも若干長い期間(例えば、0.9秒)となるように構成しても良い。このように構成することで、時短状態中においてスルーゲート67に球を通過させた後、球の打ち出しを止め、電動役物640aが動作したことを確認した後に再度球の打ち出しを開始する行為(所謂、止め打ち)を抑制することができるため、時短状態中において右打ち遊技を継続して行わせ遊技の稼働を向上させることができる。
図294に戻り説明を続ける。図295を参照して上述した通り、右打ち遊技により発射された球は、まずV入賞装置650に到達する。次に、V入賞装置650の構成について説明をする。V入賞装置650は、球が入賞可能な開放状態と入賞困難な閉鎖状態とに可変可能に構成されているものであり、第2特別図柄の抽選結果が「小当たり」である場合にV入賞装置650の開閉扉650f1が動作し特定入賞口(V入賞口)650aに球が入賞可能な開放状態へと可変するように構成されている。
なお、特別図柄の「大当たり」に当選したうちの一部において、V入賞装置650の開閉扉650f1を、上述した「小当たり」に当選した場合と同様に動作させるように構成してもよい。これにより、V入賞装置650の開閉扉650f1が動作した場合に特別図柄の「大当たり」に当選したのか「小当たり」に当選したのかを把握し難くすることができる。
ここで、図295〜図299を参照してV入賞装置650の構成について詳細に説明をする。まず、図295に示した通り、V入賞装置650の開閉扉650f1が特定入賞口(V入賞口)650aを閉鎖している閉鎖状態である場合は、閉鎖状態である開閉扉650f1の上面を球が流下可能に構成されており、V入賞装置650が閉鎖状態中にV入賞装置650に到達した球は、開閉扉650f1上を左下側(図295の正面視で左下側)に向けて流下し、スルーゲート67に向けて流出される。一方、V入賞装置650が開放状態(即ち、小当たり遊技中)である場合は、球がV入賞装置650内へと入賞する。
第7制御例では、小当たり遊技中におけるV入賞装置650の開放期間が0.1秒×12回となるように構成されており、V入賞装置650が開放するタイミングにおいて開閉扉650f1上を流下している球が、V入賞装置650へと入賞する。V入賞装置650に入賞した球は、第1規制部材651或いは第2規制部材652上を流下しながら検出口650a1(図298(a)参照)に向けて整列して流下するように構成されている。このように構成することで、開閉扉650f1上を流下している球が開閉扉650f1のどの位置からV入賞装置650の特定入賞口(V入賞口)650aに入賞したとしても、円滑に球を流下させることができる。
なお、第7制御例ではV入賞装置650の開閉扉650f1が継続して開放される期間を0.1秒に設定しているが、開閉扉650f1の開放期間中に開閉扉650f1上を流下している球がV入賞装置650へと入賞可能な期間であればその他の期間を設定しても良い。また、第7制御例では1回の小当たり遊技においてV入賞装置650の開閉扉650f1を開放する回数を12回としているが、それ以外の回数を設定しても良い。
詳細は後述するが、第7制御例では小当たり遊技においてV入賞装置650の開閉扉650f1を1回開放させてから次に開放させるまでの期間(開放間インターバル期間)として、小当たり遊技中の5回目と10回目の開放動作後には5秒が設定され、それ以外のタイミングでは0.5秒が設定されている。これは、小当たり遊技が行われている期間中にV入賞装置650へ球を入賞させ易くさせるためのものである。具体的には、小当たり遊技中において5回目の開放動作が終了した時点でVスイッチ650e3が球を検知していないと判別した場合には、5回目の開放動作終了後の開放間インターバル期間中に、遊技者に右打ち遊技を強調して促す遊技案内表示を第3図柄表示装置81に表示するように構成している。
そして、第3図柄表示装置81に表示された遊技案内表示を把握することで右打ち遊技を開始した場合にも、V入賞装置650へ球を入球させることができるように、開放間インターバル期間を通常よりも長く設定している。また、小当たり遊技中の10回目の開放動作が終了した時点でVスイッチ650e3が球を検知していないと判別した場合にも同様の制御処理が実行される。
このように構成することで、小当たり遊技中に適切な遊技をしていない遊技者(右打ち遊技をしていない遊技者)に対しても適切な遊技を実行させ易くすることができる。このように、複数回の開放動作が実行される特定遊技(小当たり遊技)中において、一部の開放間インターバル期間を他よりも長く設定し、適正な遊技を行っていないと判別した場合に、適正な遊技内容を促すための遊技案内表示を表示可能とすることで、誤った遊技を行っている遊技者に対して、安心して遊技を行わせることができる。
第7制御例では、小当たり遊技中の5回目と10回目の開放動作後に他よりも長い特別開放間インターバル期間を設定している。このように1回の小当たり遊技中に遊技者に遊技案内表示を表示させるタイミングを複数回設けることで、遊技者に適切な遊技をより行わせ易くすることができる。なお、遊技案内表示を表示させるタイミングを複数回設ける場合では少なくとも2回目移行の報知タイミングを、正常に遊技を行っている遊技者が到達し得ないタイミングに設定するとよい。即ち、詳細は後述するが、第7制御例では小当たり遊技中に継続して右打ち遊技を行うことにより、V入賞装置650の開閉扉650f1の1回の開放動作において少なくとも1個の球が入球し得るように構成されているため、正常な遊技(継続して右打ち遊技)を行っていれば、10回目の開放動作中に小当たり遊技の終了条件となる入賞個数(10個)に到達し、小当たり遊技が終了されることになる。
つまり、小当たり遊技中の開放動作10回目以降に実行される開放間インターバル期間は正常な遊技(継続して右打ち遊技)を行っている場合には到達し得ないタイミングとなる。よって、このタイミングを利用して遊技案内表示を表示させるタイミングを設定することで、正常な遊技(継続して右打ち遊技)を行っている遊技者に対して無用に長い特別開放間インターバル期間が実行されることが無くなり、小当たり遊技を円滑に実行することができる。
なお、第7制御例のように1回目の特別開放間インターバル期間を、正常な遊技(継続して右打ち遊技)を行っても到達するタイミング(5回目の開放動作終了後)に設定する場合は、1回目の特別開放間インターバル期間が開始されるタイミング(5回目の開放動作終了タイミング)、或いは、1回目の特別開放間インターバル期間が開始されてから所定期間経過したタイミング(5回目の開放動作中に入球した球がV入賞装置650から排出されるまでに要する期間を経過したタイミング)においてVスイッチ650e3が球を検知しているかを判別し、Vスイッチ650e3が球を検知していると判別した場合は、1回目の特別開放間インターバル期間中にその旨を報知する報知演出を表示し、Vスイッチ650e3が球を検知していないと判別した場合は、上述したように遊技案内表示を表示するように構成すると良い。これにより、小当たり遊技中に設定した特別開放間インターバル期間を遊技内容に応じて有効に用いることができる。
さらに、2回目の特別開放間インターバル期間においては、既にVスイッチ650e3が球を検知している場合にも遊技案内表示を表示するように構成すると良い。これにより、小当たり遊技中に所定個数(10個)の球をV入賞装置650へ入賞させることなく小当たり遊技が終了してしまう事態が発生することを抑制することができる。
次に、図296を参照してV入賞装置650の構造について詳細に説明をする。図296は、このV入賞装置650の分解斜視図である。V入賞装置650は、図296に示すように、遊技盤13の前面側に突出して配置される開口部形成部材650b、その開口部形成部材650bの背面側に組み合わされて、V入賞装置650を遊技盤13にビス留めするためのベース部材650cと、そのベース部材650cの背面側に配置されてベース部材650cの背面側よりパチンコ機10の前面側に対してLEDを点灯させるためのLEDが複数配置されたLED基板650dと、そのLED基板650dをベース部材650cと狭持する裏カバー体650eと、開口部形成部材650bに形成されている特定入賞口(V入賞口)650aを開閉するための開閉扉650f1を有した開閉ユニット650fと、裏カバー体650eの背面側に組み合わされて流路を形成する流路カバー体650gと、裏カバー体650eと流路カバー体650gとで形成された流路に突出して遊技球の流路を切り替える切替部材650hと、その切替部材650hと係止されるリンク部材650iと、流路カバー体650gの背面側に配置される背面カバー体650jと、その背面カバー体650jの背面側に固定されて、リンク部材650iを作動させる流路ソレノイド650kと、その流路ソレノイド650kを背面側から覆って背面カバー体650jにビスにより固定するための固定用カバー体650mとで構成されている。
図297は、V入賞装置650の断面図である。図297(c)はV入賞装置650の上面図であり、図297(b)は、V入賞装置650のLb−Lb断面図である。図297(b)に示すように、V入賞装置650には、遊技球が入球可能な開口部である特定入賞口(V入賞口)650aが形成されている。特定入賞口(V入賞口)650aは、パチンコ機10の上方を略長方形状の開口が形成されており、その開口を通過した遊技球が図297(b)の左方向に誘導されるように左下方に傾斜した底面が形成されている。底面の左端部には、遊技球の入賞を検知するための磁気センサ(球検知スイッチ)650c1で構成された検出口650a1が配置されている。この検出口650a1を通過した遊技球は、図297(a)で示す裏カバー体650eの背面側に形成された振り分け流路へと誘導される。
なお、図297(b)に示すように特定入賞口(V入賞口)650aの開口は、遊技盤13側より出没可能なシャッター機構で構成された開閉扉650f1により遊技球が入球可能な開放状態と入球不可能(入球困難)な閉鎖状態とに可変される。閉鎖状態では、開口が完全に開閉扉650f1によって覆われ、開閉扉の上部を遊技球が転動可能に構成される。また、開放状態では、開閉扉650f1は、ベース部材650cの内側(遊技盤13の内部)に退避されることにより特定入賞口(V入賞口)650a内から退避されるように構成されている。
このように構成することで、時短遊技中と、大当たり遊技中と、小当たり遊技中とを継続して右打ち遊技させることができるため、遊技状態に応じて遊技方法を変更させる手間を軽減することができる。従って、より楽に遊技を行うことができる。
また、開閉扉650f1の開放状態においては、遊技球が流下する方向と直交する面をV入賞装置650の開口として構成できるので、遊技球を効率よく特定入賞口(V入賞口)650a内に入賞させることができる。よって、小当たり遊技に要する時間を短くすることができ、遊技の効率化をはかることができる。
図297(a)は、図297(b)に示すLa−La断面図である。図297(a)に示すように検出口650a1を有する磁気センサ650c1は、裏カバー体650eの振り分け流路側へと検出口650a1が傾くようにベース部材650cに固定されている。
次に、図298を参照して、裏カバー体650eの振り分け流路に誘導された遊技球が後述する通常排出流路650e1と特別排出流路650e2とに振り分けられる構成について説明する。
図298(a)は、遊技球が特別排出流路650e2に振り分けられるように切替部材650hが作動された状態を示す裏カバー体650eの背面図である。図298(a)に示すように、切替部材650hは、リンク部材650iの突部が挿入される係止穴650h1と遊技球を誘導する誘導片650h2とを有しており、流路カバー体650gに背面側より回動可能に軸支されている。ここで、流路カバー体650gには、この誘導片650h2を挿通することが可能な開口部が設けられており、流路カバー体650gの背面側より振り分け流路内に誘導片650hを回動可能に配置することが可能に構成されている。
図298(a)に示すように、検出口650a1より振り分け流路内に誘導された遊技球は、左斜め下方に配置された誘導片650h2の上面に誘導されて特別排出流路650e2に誘導される。特別排出流路650e2を通過した遊技球は特別排出流路650e2に設けられた遊技球の通過を検出可能な磁気センサで構成されたVスイッチ650e3により検出されてアウト球としてパチンコ機10外へ排出される。
ここで、詳細については後述するが、第7制御例におけるパチンコ機10では、小当たり遊技中に上記したVスイッチ650e3を遊技球が通過することにより、小当たり遊技後に大当たり遊技が設定される。即ち、Vスイッチ650e3は、大当たり遊技を開始させるためのトリガとして構成されている。また、切替部材650hは、小当たり中にV入賞装置650に入賞した球がVスイッチ650e3を通過可能な流路(特別排出流路650e2)、或いはVスイッチ650e3を通過不可能(困難)な流路(通常排出流路650e1)の何れかを連通させるためのものであって、流路ソレノイド650kをオンに設定することでV入賞装置650に入賞した球が特別排出流路650e2を流下するように流路を切り替える(図298(b)参照)ように構成している。
第7制御例で用いられるパチンコ機10は、通常に遊技を行っている間は流路ソレノイド650kがオフに設定されており、V入賞装置650に入賞した球が通常排出流路650e1を流下するように構成している。そして、小当たりに当選した場合に、図25を参照して後述する開放シナリオテーブル202gに規定されている内容に従って流路ソレノイド650kをオンに設定し、V入賞装置650に入賞した球が特別排出流路650e2を流下可能となるように構成している。このように、流路ソレノイド650kをオフに設定している場合に、パチンコ機10において長期間維持される状態、即ち、V入賞装置650に入賞した球が通常排出流路650e1を流下するように切替部材650hを維持する状態(図298(a)参照)を提供するように構成することで、パチンコ機10の使用電力を抑えることが出来る。
このように、小当たり遊技中にV入賞装置650に入賞した遊技球の流下ルートにより小当たり遊技後に設定される遊技状態が可変されるので、小当たり遊技中にも遊技者の興趣を向上させることができる。なお、V入賞装置650の開口(特定入賞口)から特別排出流路650e2の入り口(切替部材650hの誘導片650h2により閉鎖される開口面)を通過するのに必要な時間は、最短でも1秒で構成されている。このように構成することで、小当たりに当選していないにも関わらず開閉扉650f1が開放されたことを検知してから切替部材650hにより球の流下ルートを切り替えたとしても、確実に球が特別排出流路650e2を流下する事態を抑制することができる。
また、通常排出流路650e1の端部には球の通過を検出可能な磁気センサで構成された排出確認スイッチ650e4が設けられている。これにより、V入賞装置650内に入球した遊技球が全て排出されたかを排出確認スイッチ650e4とVスイッチ650e3との合計により判別できる。なお、小当たり遊技の終了タイミング(小当たり遊技の終了条件(V入賞装置650に所定数(10個)の入賞があった場合、或いは、V入賞装置650の開放シナリオが終了した場合)が成立した後に実行される小当たりエンディング期間を経過したタイミング)において、V入賞装置650内に入球した遊技球が全て排出されていない場合には、V入賞装置650内部の異常と判別し、外部に異常を報知したり、大当たり遊技や通常遊技が開始されないように遊技を停止させたりするように構成すると良い。これにより、パチンコ機10の一部において異常が発生している状態で遊技が進行してしまい2次的な異常が発生してしまうことを抑制することができる。
このように、V入賞装置650の特定入賞口(V入賞口)650aに入賞した遊技球が磁気センサ650c1により検出され、それに基づいて、遊技者に特典として賞球(第7制御例では1球入賞に対して10個の賞球)を払い出すことができる。また、その検出された後の遊技球を利用して、Vスイッチ650e3に通過するか否かを振り分け可能に構成することで、小当たり遊技終了後に大当たり遊技が実行されるか否かを振り分けることができる。よって、大当たり遊技を付与するための専用の入賞口(特定領域)をV入賞装置650とは別に設ける必要がなく、遊技盤13のスペースを有効に利用することができる。
さらに、第7制御例では、小当たりに当選した場合に設定される小当たり種別(小当たりA,B)に応じて、流路ソレノイド650kをオンに設定する期間やタイミングが異なる小当たり遊技が実行されるように構成している。このように構成することで、小当たりに当選した場合に実行される小当たり遊技の内容によって、その小当たり遊技中に球がVスイッチ650e3を通過する期待度(V入賞期待度)を異ならせることができる。よって、遊技者は小当たりに当選することだけではなく、V入賞期待度が高い小当たり遊技が実行されることを期待させながら遊技を行わせることができる。
次に、図299を参照して、V入賞装置650のV入賞口650aを開閉する開閉扉650f1の球流下面の構造について説明をする。図299(a)は、V入賞装置650のV入賞口650aを開閉扉650f1が閉鎖している状態を平面視した模式図である。第7制御例の開閉扉650f1は、図299(a)に示した通り、V入賞装置650の上面に到達した球は、V入賞装置650上面の傾斜(図294参照)に沿って、V入賞装置650の右側上面650y1から開閉扉650f1の上面を介して左側上面650y2を流下し、可変入賞装置65に向けて流出するように構成されている。
そして、開閉扉650f1の上面には、球の流下を遅延させるための遅延部材として第1遅延部材650fa、第2遅延部材650fb、第3遅延部材650fcが設けられており、球が開閉扉650f1上面を流下する流下期間が0.6秒となるように構成している。この流下期間(0.6秒)は、V入賞装置650の特定入賞口(V入賞口)650aが小当たり遊技によって複数回開放される際の間隔(閉鎖期間(0.5秒))よりも長くなるように構成されている。このように構成することで、開閉扉650f1上を流下している球が、小当たり遊技により特定入賞口(V入賞口)650aが開放された場合に確実に入賞するように構成している。
図299(a)に示した状態で、小当たり遊技が実行され、開閉扉650f1が開放状態に可変すると、図299(b)に示した状態へと移行する。図299(b)は、V入賞装置650のV入賞口650aが開放している状態を平面視した模式図である。図299(b)に示した通り、開閉扉650f1は開放状態になると、遊技盤13の内部に待避するように可動し、右側上面650y1を流下した球が特定入賞口(V入賞口)650aに入賞可能となるように特定入賞口(V入賞口)650aが開放状態となる。また、開閉扉650f1上を流下中の球も、開閉扉650f1が待避位置に位置することで、特定入賞口(V入賞口)650aへ入賞する。
また、V入賞装置650には、開閉扉650f1上を流下していた球がどの位置から特定入賞口(V入賞口)650aに入賞したとしても、入賞後の球流れを円滑にするための第1規制部材651と、第2規制部材652が設けられており(図294参照)、開閉扉650f1上面上流側で特定入賞口(V入賞口)650aに入賞した球は第1規制部材651、第2規制部材652を介して一列に整列させてから、球1個分の通路幅である検出口650a1に向けて流下するように構成されている。このように第1規制部材651、第2規制部材652を設けることで、第1規制部材の下方位置に検出口650a1を設けたとしても、開閉扉650f1から勢いよく入賞した球が直接検出口650a1に衝突することを防止することができるため、検出口650a1に設けられた球検知スイッチ650c1が故障することを抑制することができる。加えて、球1個分の通路幅の検出口650a1を球が通過するまでに球を整列させるための流路(第1規制部材651、第2規制部材652上を流下する流路)を確保することができるため、V入賞装置650内で球詰まりが発生し、遊技に支障を来す事態が発生することを抑制することができる。
以上、説明をしたように、第7制御例では判別手段の判別結果(特別図柄の抽選の結果)が所定の判別結果(小当たり)である場合に付与される特典遊技(小当たり遊技)において作動する可変部材(開閉扉650f1)の開放間インターバル期間(0.5秒)よりも、その可変部材(開閉扉650f1)上を球が流下するのに要する流下期間(0.6秒)が長くなるように構成しているため、小当たり遊技中の開放間インターバル(開閉扉650f1が閉鎖状態のタイミング)中に可変部材上を流下する球を確実に次の開放タイミングでV入賞装置650へ入賞させることができる。
また、可変部材上を流下中の球のみを小当たり遊技中にV入賞装置650へ入賞させるだけでも小当たり遊技中に所定個数(10個)を入賞させることができるように、1回の小当たり遊技における開放動作回数(12回)を、小当たり遊技の終了条件入賞個数(10個)よりも多く設定しているため、1回の開放期間(0.1秒)を短く設定したとしても、充分の入賞個数を確保することができる。加えて、1回の開放期間を長く設定しまうことにより、小当たり遊技中に過剰な個数の球をV入賞装置650へ入賞させてしまうという事態が発生することを抑制することができる。
<第7制御例のパチンコ機10における演出内容について>
図300〜図302を参照して、第7制御例のパチンコ機10にて実行される特徴的な演出内容について説明をする。
上述した第5制御例では、第1入球口64及び第2入球口640へ遊技球が入球したことを契機として実行される抽選(特別図柄抽選)における大当たりか否かの当否判定(大当たり抽選)において外れであった場合に、普通図柄の高確率状態を設定するための時短当選の判定(時短抽選)が実行される構成であったため、大当たり当選した場合には時短当選することがない構成であった。
これに対して、第7制御例では、特別図柄抽選において大当たり当選と時短当選が重複可能な構成としている点で第5制御例と相違する。
具体的には、通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)における第1特別図柄抽選において大当たり抽選が実行される前に時短抽選を実行し、時短当選した場合には時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)が設定され、時短状態が設定されている期間中に大当たり抽選が実行され、その大当たり抽選が終了し第1特別図柄の変動が開始された時点で時短状態が終了する構成としている。つまり、時短当選により時短状態が設定されている期間は大当たり抽選が実行される期間のみとなる。
そして、通常状態が設定されている場合と、時短状態が設定されている場合と、で大当たり当選した場合に決定される大当たり種別の割合が異なる構成としており、例えば、通常状態が設定されている期間で大当たり当選した場合に15R大当たり(最大ラウンド数が15ラウンドの大当たり)が決定される割合は10%であるのに対して、時短状態が設定されている期間で大当たり当選した場合に15R大当たりが決定される割合は50%となる。つまり、時短当選したことに基づいて時短状態が設定されている期間に大当たり当選すると、通常状態が設定されている期間に大当たり当選した場合よりも15R大当たりが決定される可能性が高くなるため、時短当選と大当たり当選が重複した場合には遊技者に有利となる。
なお、本実施例では、時短当選した場合に設定される時短状態では、時短当選してから次に第1特別図柄の変動が開始されるまでの僅かな期間しか時短状態が継続しないため、遊技者は第2入球口640に遊技球を入球させる遊技(右打ち遊技)を行うことはできないが、大当たり当選に基づいて設定される時短状態では、右打ち遊技を行うことが可能である。
ここで、大当たり当選していない場合に遊技者に時短当選したことを報知した場合、遊技者に対して変動中の特別図柄が停止した後に設定される遊技状態が通常状態なのか時短状態なのか遊技者が混乱してしまい、時短状態が設定されていると誤認した遊技者が誤って右打ち遊技を行ってしまう虞がある。
一方で、時短当選と大当たり当選が重複した場合は、時短当選したことを報知したことによって、変動中の特別図柄が停止した後に設定されるのが通常状態か時短状態か遊技者が混乱したとしても、大当たり当選したことが報知されることにより、遊技者に特別図柄停止後には大当たり遊技が実行されると認識させることができる。
したがって、第7制御例においては、特別図柄抽選において時短当選と大当たり当選が重複した場合には時短当選したことを報知或いは示唆するが、時短当選したものの大当たり当選しなかった場合には、時短当選したことを遊技者に報知或いは示唆しない構成としている。
このように構成することで、時短当選と大当たり当選が重複した場合には、どの遊技状態が設定されている場合の大当たり当選であったかを遊技者が判別することが可能となる一方で、時短当選したものの大当たり当選しなかった場合には、変動中の特別図柄が停止した後に設定される遊技状態を遊技者が誤認し、遊技者に誤った遊技方法で遊技させてしまうことを抑制することができる。
図300および図301を参照して、第1特別図柄の変動中に時短抽選結果を示唆する場合の表示画面について説明する。
図300(a)は、第1特別図柄の変動中に時短抽選結果示唆演出(時短抽選の結果を示唆するための演出)が実行される場合に表示される表示画面の一例である。本実施例では、特別図柄抽選において実行された時短抽選の抽選結果を遊技者に報知する場合には、「おみくじタイム演出」を実行する。おみくじタイム演出は、主表示領域Dmに表示されるカプセルcp5の中身によって時短当選か時短非当選かを遊技者に示唆する演出である。主表示領域Dmには、閉じたカプセルcp5とともに「この変動は時短当選かな?」と表示されることで、おみくじタイム演出が変動中の第1特別図柄が時短当選したか否かをカプセルcp5の中身によって示唆する演出であることを遊技者に認識させることができる。
ここで、おみくじタイム演出は第1特別図柄の変動毎に実行されるものではなく、時短当選した場合であってもおみくじタイム演出が実行されない場合もある構成としている。つまり、おみくじタイム演出が実行されなかった場合には、変動中の第1特別図柄が時短当選したのか否かを遊技者が認識できず、おみくじタイム演出が実行された場合には、変動中の第1特別図柄が時短当選したのか時短非当選であったのかを遊技者が認識できるように構成している。
図300(b)は、第1特別図柄の変動中に時短当選したことを示唆する場合の表示画面の一例である。主表示領域Dmでは、カプセルcp5が開放され、中から「○」と書かれた紙k1が出現する演出が実行される。紙k1は変動中の第1特別図柄が時短当選したことを示すための表示態様であり、これにより遊技者は時短当選したことを認識することができる。
なお、通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)における第1特別図柄の変動中に時短当選したことが遊技者に示唆されるのは、時短当選と大当たり当選が重複した場合のみとしており、大当たり抽選(特別図柄抽選において実行される大当たりか否かの当否判定)の結果が外れであった場合には時短当選した場合であっても遊技者に時短当選したことが示唆されない(つまり、おみくじタイム演出が実行されない)。したがって、おみくじタイム演出において時短当選したことを示唆する紙k1が表示された場合には、大当たり当選したことを示す表示態様の第3図柄が表示される前に遊技者は大当たり当選したことを認識可能となる。
なお、後述するが、本実施例では、通常状態が設定されている場合と、時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)が設定されている場合と、で大当たりに当選した場合の大当たり種別の割合が異なり、通常状態中に大当たり当選した場合に15R大当たり(最大ラウンド数が15ラウンドの大当たり)が決定される割合は10%であるのに対して、時短状態中に大当たり当選した場合に15R大当たりが決定される割合は50%となる。
したがって、実施例では、おみくじタイム演出において時短当選したことを示唆する紙k1が表示された場合には、主表示領域Dmに「スーパーチャンス到来!この変動で当たれば15R大当たりの大チャンス!」と表示される「スーパーチャンス到来演出」が実行されることで、変動中の第1特別図柄が15R大当たりに当選している可能性が高いことを遊技者に示唆し、おみくじタイム演出が終了してから大当たり抽選の結果が報知されるまでの期間で遊技者に15R大当たりに当選していることを期待させることで遊技の興趣を向上させることができる。
図301(a)は、第1特別図柄の変動中に時短非当選であったことを示唆する場合の表示画面の一例である。時短当選した場合と異なり、おみくじタイム演出においてカプセルcp5の中から「×」と書かれた紙k2が出現する演出が実行される。紙k2は変動中の第1特別図柄が時短非当選であったことを示すための表示態様であり、これにより遊技者は時短非当選であったことを認識することができる。
なお、後述するが、本実施例では、時短非当選であったことが遊技者に示唆されるのは、大当たりA(15R時短有大当たり)に当選した場合と大当たり抽選が外れであった場合のみとしている。
ここで、本実施例では、通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)における第1特別図柄の大当たり種別として3つの大当たり種別が規定されており、「大当たりA」は大当たりのラウンド数が15ラウンドであり、大当たり遊技終了後に時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)が設定される大当たり種別であって、「大当たりB」は大当たりのラウンド数が5ラウンドであり、大当たり遊技終了後に時短状態が設定される大当たり種別であって、「大当たりC」は大当たりのラウンド数が5ラウンドであり、大当たり遊技終了後に通常状態が設定される大当たり種別である。つまり、大当たりAは大当たりB,Cよりも遊技者に付与される大当たり遊技のラウンド数が多く、大当たりCと異なり大当たり遊技終了後には通常状態よりも有利な時短状態が設定されることから、最も有利な大当たり種別である。
したがって、おみくじタイム演出において、時短非当選であったことを示唆する紙k2が表示された場合には、主表示領域Dmに「一か八か!大当たりA?orハズレ?」と表示される「一か八か演出」が実行されることで、最も有利な大当たりAに当選している可能性が高いことを遊技者に示唆し、おみくじタイム演出が終了してから大当たり抽選(特別図柄抽選において実行される大当たりか否かの当否判定)の結果が報知されるまでの期間で遊技者に大当たりAに当選していることを期待させることで遊技の興趣を向上させることができる。
図301(b)は、時短当選と大当たり当選が重複している場合の大当たり当選報知画面の一例である。小表示領域Dm1では第1特別図柄が大当たりに当選したことを示す表示態様で停止表示され、主表示領域Dmでは、うさぎのキャラクタ801によって宝箱810fを開放され、宝箱810fの中から「V」と書かれた玉tm2が出現する演出が実行される。玉tm2は、第1特別図柄が大当たりに当選したことを遊技者に報知するための表示態様であり、玉tm2が表示されることで遊技者は大当たりに当選したことを認識することができる。
また、主表示領域Dmには、図300(b)で示した「スーパーチャンス到来!この変動で当たれば15R大当たりの大チャンス!」と表示されるスーパーチャンス到来演出が大当たり抽選の結果が報知される時にも継続して表示される。
なお、時短非当選であったものの大当たりBまたはCに当選した場合には、図301(b)の主表示領域Dmにスーパーチャンス到来演出および一か八か演出のどちらも表示されていない状態でうさぎのキャラクタ801が宝箱810fを開放して玉tm2が出現する演出が実行される。一方、時短非当選であったが大当たりAに当選し、上述したおみくじタイム演出中に一か八か演出が実行されている場合には、図301(b)の大当たり当選報知画面においても、主表示領域Dmには一か八か演出が継続して表示され、玉tm2が表示されたことで大当たりAに当選したことを遊技者が認識することができる。
なお、図301(b)の大当たり当選報知画面が表示された後に、決定された大当たり種別を報知する演出を実行する(図示しない)。
なお、変動中の第1特別図柄が時短非当選且つ大当たり非当選であった場合に、おみくじタイム演出が実行され、おみくじタイム演出において主表示領域Dmに「一か八か!大当たりA?orハズレ?」と表示される一か八か演出が実行された場合には、図301(b)においても主表示領域Dmに一か八か演出が継続して表示される。この場合、宝箱810fの中から「残念」と書かれた玉が出現する演出が実行されることで、大当たり非当選であったことが遊技者に報知される。
なお、実施例では、おみくじタイム演出によって時短抽選(特別図柄抽選において実行される普通図柄の高確率状態を設定するための時短当選の判定)の結果を示唆する構成としたが、これに限るものではなく、特定のキャラクタや背景画像を表示させることで時短抽選結果を遊技者が認識できる構成としても良い。
また、例えば、図300(a)に示すスーパーチャンス到来演出において、主表示領域Dmに「スーパーチャンス到来!スーパーチャンス表示中に大当たり図柄が停止すれば、15R大当たりの大チャンス!」と表示される構成とし、大当たり当選報知画面までスーパーチャンス到来演出が継続して表示されていれば、15R大当たりが確定し、大当たり当選報知画面が表示される前にスーパーチャンス到来演出が終了した場合、つまり、図301(b)においてスーパーチャンス到来演出が表示されていない場合には、15R大当たりの可能性が低いことを遊技者に示唆する構成としても良い。
このように構成することで、スーパーチャンス到来演出が実行されてから大当たり当選報知画面が表示されるまでの期間、遊技者にスーパーチャンス到来演出が継続して表示されることを期待させながら遊技を行わせることが可能となり、遊技の興趣を向上させることができるとともに、スーパーチャンス到来演出が表示された状態で大当たり当選が報知されたにも関わらず、大当たり種別が15R大当たりでなかった場合に、遊技者に不信感を与えてしまうことを抑制することができる。
なお、図301(b)において、玉tm2の表示態様によって大当たり種別を報知する構成としても良く、例えば、玉tm2の色が虹色であれば大当たりA(15R時短有大当たり)、青色であれば大当たりC(5R時短無大当たり)であることを示す構成としても良い。
次に、図302を参照して、時短抽選および大当たり抽選に当選した場合の報知パターンについて説明する。図302は、時短抽選(特別図柄抽選において実行される普通図柄の高確率状態を設定するための時短当選の判定)または大当たり抽選(特別図柄抽選において実行される大当たりか否かの当否判定)に当選した場合の報知パターンの一例を示すタイミングチャートである。
図302(a)は、時短当選と大当たり当選が重複した場合の報知パターンの一例であり、リーチ前演出期間において、おみくじタイム演出(図300(a)参照)が実行され、時短当選したことを示唆するための表示態様である紙k1(図300(b)参照)および「スーパーチャンス到来演出」(図300(b)参照)が表示されることで時短当選したことが遊技者に示唆され、リーチ演出期間を経て大当たり当選報知画面が表示されることで、大当たり当選したことが遊技者に報知される。したがって、時短当選と大当たり当選が重複した場合には、時短当選と大当たり当選が重複したことを遊技者が認識できることとなる。
図302(b)は時短当選したものの大当たり当選しなかった場合の報知パターンの一例であり、この場合には、図302(a)の場合とは異なり、リーチ前演出期間においておみくじタイム演出(図300(a)参照)は実行されないため時短抽選の結果を遊技者が知ることはできず、リーチ演出後に第3図柄が大当たり非当選であることを示すための表示態様で表示されることで大当たり当選しなかったことが遊技者に報知される。したがって、時短当選したものの大当たり当選しなかった場合には、遊技者は時短抽選の結果を知ることはできず、大当たり非当選であったことのみ認識することができる。
図302(c)は、時短非当選であったものの、大当たり当選した場合の報知パターンであり、上述した通り、大当たりAに当選した場合の一部を除き、リーチ前演出期間においておみくじタイム演出(図300(a))は実行されないため、302(b)と同様に時短抽選の結果を遊技者が知ることはできず、リーチ演出後に第3図柄が大当たり当選したことを示すための表示態様で表示されることで大当たり当選したことのみが報知される。したがって、大当たり当選したものの時短非当選であった場合には、遊技者は時短抽選の結果を知ることはできず、大当たり当選したことのみ認識することができる。
このように構成することで、時短当選と大当たり当選が重複した場合には、どの遊技状態が設定されている場合の大当たり当選であったかを遊技者が判別することが可能となる一方で、時短当選したものの大当たり当選しなかった場合には、変動中の特別図柄が停止した後に設定される遊技状態を遊技者が誤認し、遊技者に誤った遊技方法で遊技させてしまうことを抑制することができる。
なお、実施例では、時短当選を示唆する演出をリーチ前演出期間で実行する構成としたが、これに限るものではなく、例えば、リーチ演出期間で時短当選示唆演出(時短当選したことを示唆するための演出)を実行しても良いし、大当たり当選報知画面が表示される期間において時短当選示唆演出を実行しても良い。
このように構成することで、リーチ前演出期間で時短当選示唆演出が発生しなくても、大当たり当選したことが報知される画面においても時短当選示唆演出が実行される可能性があるため、リーチ前演出期間で時短当選示唆演出が出なかったとしても遊技者を落胆させることなく時短当選を期待させながら第1特別図柄の変動表示を楽しませることが可能となり、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、実施例では、時短当選しても大当たり当選しなかった場合には、時短当選を報知しない構成としたが、これに限るものではなく、時短当選したものの大当たり当選しなかった場合であっても、時短当選を報知する構成としても良い。例えば、実施例では、スーパーチャンス到来演出(図300(b)参照)が実行されるのは、時短当選と大当たり当選が重複した場合のみであったため、スーパーチャンス到来演出(図300(b)参照)が発生することで、遊技者は大当たり当選が報知される前に大当たり当選であることを知ることとなるが、時短当選したものの大当たり当選しなかった場合の一部でスーパーチャンス到来演出(図300(b))を実行する構成とすることで、スーパーチャンス到来演出(図300(b)参照)が発生しても大当たり当選が確定せず、大当たり抽選の結果が報知される最後の瞬間まで大当たり抽選の結果を予測させる楽しみを遊技者に付与することが可能となるため、遊技の興趣を向上させることができる。
<第7制御例のパチンコ機10における電気的構成について>
次に、図303を参照して、本第7制御例のパチンコ機10のMPU201が有する各カウンタについて説明する。なお、上述した各制御例にて用いられた各カウンタについては、カウンタの更新範囲を一部異ならせている点で相違しているが、基本的な構成は同一であるため、その詳細な説明を省略する。
第1当たり乱数カウンタC1は、所定の範囲(例えば、0〜999)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、0〜999の値を取り得るカウンタの場合は999)に達した後0に戻る構成となっている。特に、第1当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の第1初期値乱数カウンタCINI1の値が当該第1当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。
また、第1初期値乱数カウンタCINI1は、第1当たり乱数カウンタC1と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成される。即ち、例えば、第1当たり乱数カウンタC1が0〜999の値を取り得るループカウンタである場合には、第1初期値乱数カウンタCINI1もまた、0〜999の範囲のループカウンタである。この第1初期値乱数カウンタCINI1は、タイマ割込処理(図314参照)の実行毎に1回更新されると共に、メイン処理7(図325参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
第1当たり乱数カウンタC1の値は、例えば定期的に(第7制御例ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64または第2入球口640に入賞したタイミングでRAM203の第1特別図柄保留球格納エリア203aや、特別図柄保留球実行エリアに格納される。そして、特別図柄の大当たりとなる乱数の値は、主制御装置110のROM202に格納される第1当たり乱数7テーブル202faによって設定されており、第1当たり乱数カウンタC1の値が、第1当たり乱数7テーブル202faによって設定された大当たりとなる乱数の値と一致する場合に、特別図柄の大当たりと判定する。
また、この第1当たり乱数7テーブル202faには、第1特別図柄用の第1特別図柄乱数7テーブル202fa1と、第2特別図柄用の第2特別図柄乱数7テーブル202fa2との2種類が設けられており、大当たりとなる乱数の個数は同一であるが、小当たりとなる乱数の個数を異ならせて設定している(図305参照)。このように、小当たりとなる乱数の個数を異ならせることにより、第1特別図柄の抽選と、第2特別図柄の抽選とで、遊技者への特典(大当たり又は小当たり)付与に対する期待度を異ならせることができる。この第1特別図柄乱数7テーブル202fa1と、第2特別図柄乱数7テーブル202fa2とは、主制御装置110のROM202内に設けられている。
ここで、図305を参照して、第1当たり乱数7テーブル202faについて説明する。図305(a)は、第1当たり乱数7テーブル202faに規定されている内容を模式的に示した模式図であり、図305(b)は、第1特別図柄乱数7テーブル202fa1に規定されている内容を模式的に示した模式図であり、図305(c)は、第2特別図柄乱数7テーブル202fa2に規定されている内容を模式的に示した模式図である。この第1当たり乱数7テーブル202faは、第1特別図柄または第2特別図柄の抽選において、大当たりと判定される乱数値(判定値)と小当たりと判定される乱数値(判定値)が設定されたテーブルである。
具体的には、第1特別図柄の抽選を実行する場合には第1特別図柄乱数7テーブル202fa1が参照される。図305(b)に示した通り、第1特別図柄乱数7テーブル202fa1は、乱数カウンタC1の値のうち「0〜4」が大当たり判定値として規定されており、それ以外の値が大当たり以外(即ち、外れ)の判定値として規定されている。そして、第1特別図柄の抽選において第1当たり乱数カウンタC1の値が判別され、その値が「0〜4」のいずれかである場合に大当たりであると判別される。
第2特別図柄の抽選を実行する場合には第2特別図柄乱数7テーブル202fa2が参照される。図305(c)に示した通り、第2特別図柄乱数7テーブル202fa2は、乱数カウンタC1の値のうち「0〜4」が大当たり判定値として規定されており、「5〜144」が小当たり判定値として規定されており、「145〜999」がそれ以外(即ち、外れ)の判定値として規定されている。そして、第2特別図柄の抽選において第1当たり乱数カウンタC1の値が判別され、その値が「0〜4」のいずれかである場合に大当たりと判別され、「5〜144」のいずれかである場合に小当たりと判別される。
第1当たり種別カウンタC2は、特別図柄の大当たりとなった場合に、第1図柄表示装置37の表示態様を決定するものであり、所定の範囲(例えば、0〜99)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、0〜99の値を取り得るカウンタの場合は99)に達した後0に戻る構成となっている。第1当たり種別カウンタC2の値は、例えば、定期的に(第7制御例ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64に入賞したタイミングでRAM203の第1特別図柄保留球格納エリア203aに格納される。また、特別図柄の抽選(変動)を実行可能な状態(即ち、特別図柄の変動中及び大当たり遊技、小当たり遊技中以外の状態)では球が第1入球口64或いは第2入球口640に入球したタイミングでRAM203の特別図柄保留球実行エリアに格納される。
ここで、第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは特別図柄保留球実行エリアに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が、特別図柄の大当たりや小当たりであると判別される乱数でなければ、即ち、特別図柄の外れであると判別される乱数であれば、第1図柄表示装置37に表示される停止図柄に対応した表示態様は、特別図柄の外れ時のものとなる。
一方で、第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは特別図柄保留球実行エリアに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が、特別図柄の大当たりとなる乱数であれば、第1図柄表示装置37に表示される停止図柄に対応した表示態様は、特別図柄の大当たり時のものとなる。この場合、その大当たり時の具体的な表示態様は、第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは特別図柄保留球実行エリアに格納されている第1当たり種別カウンタC2の値が示す表示態様となる。
第7制御例のパチンコ機10における第1当たり乱数カウンタC1は、0〜999の範囲の2バイトのループカウンタとして構成されている。この第1当たり乱数カウンタC1において、第1特別図柄、第2特別図柄の抽選時に、特別図柄の大当たりとなる乱数値は5個あり、その乱数値である「0〜4」は、前述したように第1当たり乱数7テーブル202faの第1特別図柄乱数7テーブル202fa1、第2特別図柄乱数7テーブル202fa2に格納されている。このように第7制御例のパチンコ機10では乱数値の総数が1000ある中で、大当たりとなる乱数値の総数が5なので、特別図柄の大当たりとなる確率は、「1/200」となる。
第7制御例のパチンコ機10における第1当たり種別カウンタC2の値は、0〜99の範囲のループカウンタとして構成されている。第7制御例では取得した第1当たり種別カウンタC2の値を用いて、第1当たり種別選択テーブル202bを参照して大当たりに当選した場合の大当たり種別を判別するように構成している。ここで、図306を参照して大当たり種別選択7テーブル202fbの内容について説明をする。
図306(a)は、大当たり種別選択7テーブル202fbに規定されている内容を模式的に示した模式図である。図306(a)に示した通り、第7制御例では、第1特別図柄(特図1)の抽選時に、取得した第1当たり種別カウンタC2の値を判定する際に用いられる特図1大当たり種別選択テーブル202fb1と、第2特別図柄(特図2)の抽選時に、取得した第1当たり種別カウンタC2の値を判定する際に用いられる特図2大当たり種別選択テーブル202fb2と、を有している。これにより、特図1の抽選により大当たりに当選した場合の大当たり種別と、特図2の抽選により大当たりに当選した場合の大当たり種別とを異ならせる、或いは、複数種類の大当たり種別のそれぞれが選択される割合を異ならせることができるため、第1特別図柄(特図1)を用いた遊技と、第2特別図柄(特図2)を用いた遊技とで異なる遊技性を遊技者に提供することができ遊技の興趣を向上することができる。
次に、図306(b)を参照して第1特別図柄(特図1)の抽選時に用いられる特図1大当たり種別選択テーブル202fb1について説明をする。図306(b)は特図1大当たり種別選択テーブル202fb1に規定されている内容を模式的に示した模式図である。図306(b)に示した通り、遊技状態として通常状態が設定されている場合に、第1当たり種別カウンタC2において、乱数値が「0〜9」のいずれかであった場合の大当たり種別は「大当たりA」となり、「10〜49」のいずれかであった場合の大当たり種別は「大当たりB」となり、「50〜99」のいずれかであった場合の大当たり種別は「大当たりC」となる。遊技状態として時短状態が設定されている場合に、第1当たり種別カウンタC2において、乱数値が「0〜9」のいずれかであった場合の大当たり種別は「大当たりD」となり、「10〜49」のいずれかであった場合の大当たり種別は「大当たりA」となり、「50〜99」のいずれかであった場合の大当たり種別は「大当たりB」となる。
「大当たりA」は、大当たり遊技としてラウンド数が15ラウンドで、大当たり終了後の遊技状態が時短状態に設定される大当たり種別である。ラウンド数が多い上に、大当たり後の遊技状態が遊技者にとって有利な時短状態に設定されるので、「大当たりA」は、遊技者にとって最も有利な大当たり種別である。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個のカウンタ値(乱数値)のうち、「大当たりA」が選択される乱数値が10個なので、第1特別図柄(特図1)の抽選で大当たりとなった場合に「大当たりA」が選択される割合は10%である。
「大当たりB」は、大当たり遊技としてラウンド数が5ラウンドで、大当たり終了後の遊技状態が時短状態に設定される大当たり種別である。ラウンド数は上述した「大当たりA」よりも少ないが、大当たり後の遊技状態が遊技者にとって有利な時短状態に設定されるので、「大当たりB」は、遊技者にとって有利な大当たり種別である。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個のカウンタ値(乱数値)のうち、「大当たりB」が選択される乱数値が40個なので、第1特別図柄(特図1)の抽選で大当たりとなった場合に「大当たりB」が選択される割合は40%である。
「大当たりC」は、大当たり遊技としてラウンド数が5ラウンドで、大当たり終了後の遊技状態が通常状態(非時短状態)に設定される大当たり種別である。ラウンド数も少なく、大当たり後に通常状態が設定されるので、「大当たりC」は、遊技者にとって不利な大当たり種別である。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個のカウンタ値(乱数値)のうち、「大当たりC」が選択される乱数値が50個なので、第1特別図柄(特図1)の抽選で大当たりとなった場合に「大当たりC」が選択される割合は50%である。
「大当たりD」は、大当たり遊技としてラウンド数が15ラウンドで、大当たり終了後の遊技状態が時短状態に設定される大当たり種別である。ラウンド数が多い上に、大当たり後の遊技状態が遊技者にとって有利な時短状態に設定されるので、「大当たりD」は、遊技者にとって最も有利な大当たり種別である。さらに、「大当たりD」は、上述した「大当たりA」に対して、終了し難い時短状態が設定されるように構成している。よって、同一内容の大当たり遊技が実行され、且つ、大当たり遊技終了後に同一の遊技状態が設定される「大当たりA」よりも、遊技者に有利な大当たり種別となる。
以上、説明をしたように、第7制御例のパチンコ機10では、通常状態が設定されている第1特別図柄(特図1)の抽選において大当たりに当選した場合の10%の割合で15ラウンドの大当たり遊技が選択され、90%の割合で5ラウンドの大当たり遊技が選択される。また、50%の割合で大当たり遊技終了後の遊技状態が時短状態へと移行する大当たりが選択される。
一方、時短状態が設定されている状態で実行された第1特別図柄(特図1)の抽選において大当たりに当選した場合の50%の割合で15ラウンドの大当たり遊技が選択され、50%の割合で5ラウンドの大当たり遊技が選択される。また、時短状態中に特図1抽選で大当たり当選した場合には、その大当たり当選に基づいて実行される大当たり遊技の終了後に必ず時短状態が設定される。
つまり、通常状態で大当たり当選するよりも時短状態で大当たり当選したほうが、大当たり遊技の内容、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態の点で遊技者に有利となる。よって、大当たり当選時点の遊技状態としては、通常状態よりも時短状態のほうが遊技者に有利となる。
次に、図306(c)を参照して、第2特別図柄(特図2)の抽選時に用いられる特図2大当たり種別選択テーブル202fb2について説明をする。図306(c)は特図2大当たり種別選択テーブル202fb2に規定されている内容を模式的に示した模式図である。図306(c)に示した通り、第1当たり種別カウンタC2において、乱数値が「0〜99」のいずれかであった場合の大当たり種別は「大当たりD」となる。即ち、第2特別図柄(特図2)の抽選において大当たりに当選した場合は、大当たり種別として遊技者にとって最も有利な「大当たりD」が必ず選択されるように構成している。
第7制御例では、大当たりの種類は4種類としたが、それに限らず、1種類でもよいし、5種類以上設けるように構成してもよい。また、第1特別図柄と第2特別図柄とで、同じ第1当たり種別カウンタC2の値であっても、異なる大当たり種別が選択されるように構成してもよい。このように構成することで、例えば、第2特別図柄で大当たりした場合に、よりラウンド数が多く実行される大当たり種別を設定しておくことで、第2特別図柄での当たりをより遊技者に期待させることができる。よって、高確率遊技状態での当たりをより遊技者に有利にすることができ、高確率状態中における遊技の趣向性を向上させることができる。従って、高確率状態へ移行させたいと遊技者に強く思わせることができ、より長く遊技を行わせることができる。
また、第1特別図柄と第2特別図柄とで選択される大当たり種別の種類と、各大当たり種別の選択率(振分率)を同一にし、各大当たり種別に対応させる第1当たり種別カウンタC2の範囲のみを異ならせるように構成しても良い。これにより特定のカウンタ値を狙って第1当たり種別カウンタC2の値を取得する不正行為が第1特別図柄と第2特別図柄との両方で実行されることを抑制することができる。
小当たり種別カウンタC5は、特別図柄の小当たりとなった場合に、小当たり種別を決定して、第1図柄表示装置37の表示態様を決定するものであり、所定の範囲(例えば、0〜99)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、0〜99の値を取り得るカウンタの場合は99)に達した後0に戻る構成となっている。小当たり種別カウンタC5の値は、例えば、定期的に(第7制御例ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64に入球したタイミングでRAM203の第1特別図柄保留球格納エリア203aに格納され、特別図柄の抽選(変動)を実行可能な状態(即ち、特別図柄の変動中及び大当たり遊技、小当たり遊技中以外の状態)において球が第1入球口64或いは第2入球口640に入球したタイミングでRAM203の特別図柄保留球実行エリアに格納される。
第7制御例のパチンコ機10における小当たり種別カウンタC5の値は、0〜99の範囲のループカウンタとして構成されている。そして、第2特別図柄に対する大当たり抽選の結果が小当たりである場合に、実行される小当たりの種別を決定するための小当たり種別選択7テーブル202ff(図307参照)が主制御装置110のROM202に設定されている。
ここで、図307を参照して小当たり種別選択7テーブル202ffの内容について説明をする。図307は小当たり種別選択7テーブル202ffに規定されている内容を模式的に示した模式図である。図307に示した通り、小当たり種別選択7テーブル202ffには第2特別図柄の小当たり種別として小当たりA,Bの2種類が小当たり種別カウンタC5の値により選択されるように規定されている。具体的には、取得している小当たり種別カウンタC5の値が「0〜89」である場合の小当たり種別は、「小当たりA(V通過時大当たりA)」となり、「90〜99」のいずれかであった場合の小当たり種別は、「小当たりB(V通過時大当たりB)」となる。
ここで、各小当たり種別(小当たりA,B)には、それぞれ小当たり遊技においてV入賞装置650内のVスイッチ650e3を球が通過した場合に、その小当たり遊技終了後に実行される大当たり遊技の種別が設定されている。小当たりAの場合には、大当たりA(15R時短有大当たり)が設定されており、小当たりAの実行後に、可変入賞装置65が15R開放状態に設定される大当たりが実行され、その後に時短状態(特別図柄の変動が100回或いは、小当たりAに1当選、或いは、小当たりBに3回当選するまでの期間)が設定されるように構成されている。また、小当たりBの場合には、大当たりB(5R時短有大当たり)が設定されており、小当たりBの実行後に、可変入賞装置65が5R開放状態に設定される大当たりが実行され、その後に時短状態(特別図柄の変動が100回或いは、小当たりAに1当選、或いは、小当たりBに3回当選するまでの期間)が設定されるように構成されている。
このように、選択される小当たり種別によって、小当たり遊技終了後に実行される大当たり遊技の内容およびその大当たり遊技後に設定される遊技状態を異ならせることができる。具体的には、小当たりAは、大当たり遊技において実行されるラウンド数が多く(15R)、且つ、大当たり遊技終了後に遊技者に有利となる時短状態が設定されるため、遊技者にとって最も有利な小当たりとして設定されており、小当たりBは、大当たり遊技において実行されるラウンド数は少なく(5R)、上述した小当たりAよりも不利に設定されているが、大当たり遊技後に時短状態が設定される。
なお、詳細な説明は後述するが、第7制御例では、時短状態の終了条件として、第2特別図柄抽選の抽選結果に基づいて成立する時短終了条件(小当たりA当選の回数、或いは小当たりB当選の回数等)、或いは、特別図柄(第1特別図柄および第2特別図柄)の変動回数に基づいて成立する時短終了条件を設定可能に構成している。このように構成することで、第1特別図柄の保留球数が1以上ある状態で大当たりに当選し、大当たり終了後に時短状態が設定された場合において、大当たり終了後に第1特別図柄(特図1)の変動が実行されたとしても時短状態が終了することが無い。また、第2特別図柄(特図2)の変動が実行され、大当たり遊技を実行させることが可能な小当たり(小当たりA、小当たりB)に当選した場合には、特別図柄の変動回数に基づいて時短終了条件が成立するよりも前に時短終了条件が成立し時短状態を終了させることができるため、時短状態中に有利な小当たり(小当たりA)に当選するまで小当たり遊技中に遊技球を特定領域へと通過させない遊技を第2終了条件が成立するまで繰り返し実行されることを抑制することができる。
次に、図308(a)を参照して変動パターン7テーブル202fdの内容について説明をする。図308(a)は変動パターン7テーブル202fdに規定されている内容を模式的に示した模式図である。図308(a)に示した通り、変動パターン7テーブル202fdには、遊技状態として通常状態を設定している状態で用いられる通常用変動パターン7テーブル202fd1と、時短状態を設定している状態で用いられる時短用変動パターン7テーブル202fd2とが規定されている。詳細については後述するが、第7制御例では遊技状態に応じて変動パターンを選択するために用いるデータテーブルを異ならせているため、遊技状態に応じて選択される変動パターン(変動時間)を異ならせることができる。
図308(b)は、変動パターン7テーブル202fdに設けられる通常用変動パターン7テーブル202fd1に規定された内容を模式的に示した模式図である。図308(b)に示した通り、通常用変動パターン7テーブル202fd1には、図柄種別、抽選結果、および変動種別カウンタCS1の値の範囲と、変動パターンとが対応付けて規定されている。
具体的には、図308(b)に示した通り、図柄種別が第1特別図柄(特図1)、抽選結果が「外れ」であって、変動種別カウンタCS1の値が「0〜139」の範囲に変動時間が7秒の短外れが対応付けて規定され、「140〜149」の範囲に変動時間が20秒のガセ外れが対応付けて規定され、「150〜179」の範囲に変動時間が40秒のノーマルリーチ各種が対応付けて規定され、「180〜198」の範囲に変動時間が80秒のスーパーリーチaが対応付けて規定されている。
また、図柄種別が第1特別図柄(特図1)、抽選結果が「大当たり」であって、変動種別カウンタCS1の値が「0〜29」の範囲に変動時間が40秒のノーマルリーチ各種が対応付けて規定され、「30〜189」の範囲に変動時間が80秒のスーパーリーチが対応付けて規定され、「190〜198」の範囲に変動時間が140秒のスペシャルリーチ各種が対応付けて規定されている。
次に、図柄種別が第2特別図柄(特図2)、抽選結果が「外れ」である場合は、変動種別カウンタCS1の値が「0〜198」の範囲、即ち、全範囲に変動時間が180秒のロング外れが規定され、抽選結果が「大当たり、または小当たり」である場合は、変動種別カウンタCS1の値が「0〜198」の範囲、即ち、全範囲に変動時間が180秒のロング外れが規定されている。
このように、特別図柄の抽選結果に応じて、変動時間が7秒〜180秒の変動パターンのうち何れかの変動パターンが設定され、この変動パターンを示すコマンドを音声ランプ制御装置113へと送信することで、変動時間に対応する変動演出が第3図柄表示装置81にて実行される。
ここで、第7制御例では、上述した通り、遊技状態として通常状態が設定されている状態において右打ち遊技を実行した場合には第2入球口640に球が入球しないように構成されていることから、通常状態中は第1入球口64に球を入球させる遊技、即ち、第1特別図柄の抽選を実行する遊技が行われるように構成されている。このように構成されている通常状態中において第2特別図柄の抽選が実行される場合としては、遊技者が不正に球を第2入球口640に入球させた場合であるため、通常状態における第2特別図柄の変動は長い変動時間を有する変動パターンが選択される。これにより、短期間の間に不正に第2特別図柄の抽選が行われる事態を抑制することができる。なお、通常状態中に第2特別図柄の抽選(変動)が実行されたと判別した場合は、その抽選結果が表示されるまでの期間(180秒間)を用いて、不正に第2特別図柄の抽選(変動)が実行されたことを外部に報知するように構成しても良い。また、不正に第2特別図柄の抽選(変動)が実行された場合には、その不正に実行された第2特別図柄の抽選(変動)結果として、外れの抽選(変動)結果を強制的に創出し、表示するように構成しても良い。
図308(b)に示した通り、通常用変動パターン7テーブル202fd1にて選択される変動パターン(変動時間)は、図柄種別が特図1で抽選結果が外れの場合には7秒(選択割合が約70%)、40秒(選択割合が約15%)、80秒(選択割合が約10%)、20秒(選択割合が約5%)の順で選択され易くなるように規定されている。また、抽選結果が大当たりの場合には80秒(選択割合が約80%)、40秒(選択割合が約15%)、140秒(選択割合が約5%)の順で選択され易くなるように規定されている。
このように、特別図柄の抽選結果と選択される変動パターン(変動時間)には関連性があり、特別図柄の抽選結果が大当たりの場合に選択される変動時間(変動パターン)の割合と、特別図柄の抽選結果が外れの場合に選択される変動時間(変動パターン)の割合とによって、特定の変動時間(変動パターン)が選択された場合における大当たり期待度を示唆することができるように構成している。このように構成することで、選択される変動時間(変動パターン)によって大当たりに当選しているか否かを遊技者に予測させることができる。
なお、第7制御例では当選した大当たり種別に関わらず、同一の変動パターンテーブルを用いる構成としているが、これに限ること無く、大当たり種別が遊技者に有利となる大当たり(例えば、大当たりA)を示す大当たり種別である場合と、それ以外の大当たり(大当たりB、大当たりC)を示す大当たり種別である場合とで、異なる変動パターンテーブルを用いる構成としても良い。この場合、例えば、有利大当たり(大当たりA)を示す大当たり種別に当選した場合に用いられる変動パターンテーブルよりも、それ以外の大当たりを示す大当たり種別に当選した場合に用いられる変動パターンテーブルのほうが短い変動時間の変動パターンが選択され易くなるように構成すると良い。これにより、実行される変動パターンに設定される変動時間が長ければ長いほど遊技者に有利となる遊技結果に期待することができるため、遊技者に対して特別図柄の変動時間に興味を持たせることができる。
また、確変大当たりを示す大当たり種別に当選した場合に用いられる変動パターンテーブルよりも、通常大当たりを示す大当たり種別に当選した場合に用いられる変動パターンテーブルのほうが長い変動時間の変動パターンが選択され易くなるように構成しても良い、これにより、短い変動時間で大当たりに当選した場合に、遊技者に意外性のある遊技結果を提供することができ、短い変動時間が選択された場合であっても、最後まで期待を持たせることができる。
次に、図309を参照して変動パターン7テーブル202fdに設けられた時短用変動パターン7テーブル202fd2の内容について説明をする。図309は時短用変動パターン7テーブル202fd2に規定された内容を模式的に示した模式図である。図309に示した通り、時短用変動パターン7テーブル202fd2には、図柄種別、変動回数、抽選結果、および変動種別カウンタCS1の値の範囲と、変動パターンとが対応付けて規定されている。
具体的には、図309に示した通り、図柄種別が第1特別図柄(特図1)、変動回数が1〜4回、抽選結果が「外れ」である場合は、変動種別カウンタCS1の値が「0〜198」の範囲、即ち、全範囲に変動時間が2秒の短外れが規定され、抽選結果が「大当たり」である場合は、変動種別カウンタCS1の値が「0〜198」の範囲、即ち、全範囲に変動時間が2秒の短当たりが規定されている。図柄種別が第1特別図柄(特図1)、変動回数が5回以上、抽選結果が「外れ」である場合は、変動種別カウンタCS1の値が「0〜198」の範囲、即ち、全範囲に変動時間が20秒の外れが規定され、抽選結果が「大当たり」である場合は、変動種別カウンタCS1の値が「0〜198」の範囲、即ち、全範囲に変動時間が20秒の当たりが規定されている。また、図柄種別が第2特別図柄(特図2)、変動回数が1回以上、抽選結果が「外れ」である場合は、変動種別カウンタCS1の値が「0〜198」の範囲、即ち、全範囲に変動時間が30秒の中外れが規定され、抽選結果が「小当たり」である場合は、変動種別カウンタCS1の値が「0〜160」の範囲に変動時間が10秒の短小当たりが規定され、「161〜198」の範囲に変動時間が30秒の中小当たりが規定され、抽選結果が「大当たり」である場合は、変動時間が30秒の中大当たりが規定されている。
図303に戻り説明を続ける。第2当たり乱数カウンタC4は、例えば0〜239の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり239)に達した後0に戻るループカウンタとして構成されている。また、第2当たり乱数カウンタC4が1周した場合、その時点の第2初期値乱数カウンタCINI2の値が当該第2当たり乱数カウンタC4の初期値として読み込まれる。第2当たり乱数カウンタC4の値は、第7制御例ではタイマ割込処理(図314参照)毎に、例えば定期的に更新され、球が普通始動口(スルーゲート)67を通過したことが検知された時に取得され、RAM203の第2図柄保留球実行エリアに格納される。
そして、普通図柄の当たりとなる乱数の値は、主制御装置のROM202に格納される第2当たり乱数7テーブル202fcによって設定されており、第2当たり乱数カウンタC4の値が、第2当たり乱数7テーブル202fcによって設定された当たりとなる乱数の値と一致する場合に、普通図柄(第2図柄)の当たりと判定する。なお、第7制御例では、普通図柄の当たりに当選する確率がパチンコ機10の遊技状態に関わらず常に一定となるように構成しているが、それ以外の構成を用いても良い。
例えば、第2当たり乱数7テーブル202fcとして、普通図柄の低確率時(普通図柄の通常状態である期間)用と、その低確率時より普通図柄の当たりとなる確率の高い高確率時(普通図柄の時短状態である期間)用との2種類を設けても良い。この場合、それぞれに含まれる当たりとなる乱数の個数が異なるように設定する。このように、当たりとなる乱数の個数を異ならせることにより、普通図柄の低確率時と普通図柄の高確率時とで、当たりとなる確率を変更することができる。
球が普通始動口67を通過すると、第2当たり乱数カウンタC4の値が取得されると共に、現在の遊技状態が時短状態であるかを判別し、遊技状態が時短状態であれば第2図柄表示装置83において普通図柄の変動表示が3秒間実行される。一方、遊技状態が時短状態では無ければ第2図柄表示装置83において普通図柄の変動表示が30秒間実行される。
取得された第2当たり乱数カウンタC4の値が「5〜204」の範囲であれば当選と判定されて、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示される。そして、第2図柄が停止表示(確定表示)された時点における遊技状態が時短状態であるかを判別し、第2図柄が停止表示(確定表示)された時点が時短状態であって、且つ、第2図柄の変動開始時点も時短状態である場合には第2入球口640が「2秒間×2回」開放されるように電動役物640aを動作制御(ロング開放制御)する。一方、それ以外の場合は、第2入球口640が「0.2秒間×1回」だけ開放されるように電動役物640aを動作制御(ショート開放制御)する。尚、第2入球口640開放時間や回数は任意に設定すれば良い。
このように、普通図柄の変動時間、及び、当たり当選時における電動役物640aの動作内容(第2入球口640の開放期間、開放回数)は、設定されている遊技状態によって可変されように構成されており、普通図柄の変動開始時における遊技状態が時短状態の場合は、通常状態の場合と比較して、変動表示の時間が「30秒→3秒」と非常に短くなり、更に、時短状態が設定されている期間中に変動を開始した第2図柄の抽選結果が当たりであって電動役物640aが動作を開始する時点も時短状態が設定されている場合は、それ以外の場合と比較して、第2入球口640の開放期間が「0.2秒×1回→2秒間×2回」と非常に長くなるので、第2入球口640へ球が入球し易い状態となる。尚、第2当たり乱数カウンタC4の値(乱数値)から、普通図柄の当たりか否かを判定する乱数値を格納したテーブル(図示せず)は、ROM202内に設けられている。
尚、第7制御例では、普通図柄(第2図柄)の変動開始時における遊技状態と、普通図柄の当たり当選に基づいて実行される電動役物640aの動作開始タイミングにおける遊技状態とに応じて、第2図柄の変動時間、及び電動役物640aの動作内容を異ならせて設定するように構成しているが、それ以外の構成を用いても良く、例えば、普通図柄(第2図柄)の変動開始タイミングから電動役物640aの動作開始タイミングまでの間、継続して時短状態が設定されていることを判別する判別手段を設け、その判別手段の判別結果を用いて第2図柄の変動時間、及び電動役物640aの動作内容を設定するように構成しても良い。
上述したように、第7制御例では電動役物640aの動作として遊技者に有利となる動作(ロング開放)を実行するためには、普通図柄変動開始時、及び電動役物640aの動作開始時の何れタイミングにおいても時短状態が設定されている必要がある。このように構成することで、例えば、通常状態が設定されているタイミングで変動を開始した第2図柄が、時短状態が設定されているタイミングにて当たりを示す識別情報で停止表示した場合、或いは、時短状態が設定されているタイミングで変動を開始した第2図柄が、通常状態が設定されているタイミングにて当たりを示す識別情報で停止表示した場合といった、一つの第2図柄の抽選に基づいて実行される第2図柄の変動及び電動役物640aの動作が複数の遊技状態を跨ぐ場合において、遊技者に有利となる電動役物640aの動作制御(ロング開放)が実行されてしまうことを抑制することができる。よって、遊技者に対して過剰に有利な状態を提供することを防止することができる。
第2初期値乱数カウンタCINI2は、第2当たり乱数カウンタC4と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成され(値=0〜239)、タイマ割込処理(図314参照)毎に1回更新されると共に、メイン処理7(図325参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
このように、RAM203には種々のカウンタ等が設けられており、主制御装置110では、このカウンタ等の値に応じて大当たり抽選や第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行することができる。
次に、図304(a)を参照して、第7制御例のパチンコ機10に設けられる主制御装置110ROM202の内容について、説明する。図304(a)に示した通り、主制御装置110のROM202には、固定値データの一部として、第1当たり乱数7テーブル202fa、大当たり種別選択7テーブル202fb、第2当たり乱数7テーブル202fc、および変動パターン7テーブル202fd、時短付与7テーブル202fe、小当たり種別選択7テーブル202ff、開放シナリオ7テーブル202fg、時短当たり乱数7テーブル202fh、時短種別選択7テーブル202fiが少なくとも記憶されている。
尚、ROM202に記憶されている固定値データのうち、第1当たり乱数7テーブル202fa、大当たり種別選択7テーブル202fb、第2当たり乱数7テーブル202fc、変動パターン7テーブル202fd、小当たり種別選択7テーブル202ffについては、既にその詳細な内容について説明をしているため説明を省略する。
時短付与7テーブル202feは、時短状態を終了させる複数の時短終了条件を、当選した大当たりの大当たり種別毎に異ならせて設定する際に参照されるデータテーブルであり、大当たり遊技が終了(大当たり遊技のエンディング期間が終了)した場合に(図326のS1612:Yes)参照され、大当たり種別に応じて異なる時短回数(時短終了条件)が設定される。
ここで、図306(d)を参照して時短付与7テーブル202feに規定されている内容について説明をする。図306(d)は時短付与7テーブル202feに規定されている内容を模式的に示した模式図である。第7制御例では大当たり終了後に時短状態が設定される大当たり種別(大当たりA,B,D)と、大当たり終了後に時短状態が設定されない(通常状態が設定される)大当たり種別(大当たりC)とを有しており、図306(d)に示した通り、各大当たり種別に対応させて複数の時短終了条件が規定されている。
第7制御例では特別図柄の変動回数に応じて成立する第1時短終了条件と、特別図柄の抽選で小当たりAに当選した回数に応じて成立する第2時短終了条件と、特別図柄の抽選で小当たりBに当選した回数に応じて成立する第3時短終了条件と、を有している。
図306(d)に示した通り、時短付与7テーブル202feには複数の時短終了条件のそれぞれに対応した各種カウンタに設定する値が規定されており、上述した第1時短終了条件として設定する値は時短中カウンタ203hにセットされ、第2時短終了条件として設定する値は小当たりAカウンタ203fgにセットされ、第3時短終了条件として設定する値は小当たりBカウンタ203fhにセットされる。
具体的には、大当たり種別が大当たりA及びBの場合には、時短終了条件として、時短中カウンタ203h(第1時短終了条件)に「100」、小当たりAカウンタ203fgに「1」、小当たりBカウンタ203fhに「3」の値をセットするように規定され、大当たりDの場合には、時短終了条件として、時短中カウンタ203h(第1時短終了条件)に「100」、小当たりAカウンタ203fgに「2」、小当たりBカウンタ203fhに「10」の値をセットするように規定されている。
なお、上述した通り、第7制御例では、大当たり種別が大当たりCの場合では、大当たり遊技の終了後に時短状態が設定されないため、時短付与7テーブル202feの大当たりCには上述した各種カウンタに対して設定する値が規定されていない。このように、当選した大当たり種別毎に大当たり遊技終了後に設定される時短状態の終了条件を異ならせることで、大当たり遊技終了後に時短状態が設定される旨を事前に報知したとしても、具体的な時短内容を把握させ難くすることができるため、最後まで(時短状態が終了するまで)遊技意欲を高めた状態で遊技を行うことができる。
なお、第7制御例では時短付与7テーブル202feを用いて設定される時短終了状態以外にも特別図柄の大当たりに当選した場合にも時短状態が終了するように構成しているが、この大当たり当選に基づいて成立する時短終了条件は、設定される大当たり種別に応じて異なるものでは無いため、時短付与7テーブル202feからは省略しているが、上述した時短終了条件(特図の大当たり当選に基づいて成立する時短終了条件)についても時短付与7テーブル202feに値を規定するように構成しても良い。
さらに、本第7制御例では、特別図柄抽選で時短当選した場合にも時短状態(第2時短)を設定するように構成しているが、第2時短に対して設定される時短終了条件については、後述する時短種別選択7テーブル202fiを参照して説明をする。なお、本第7制御例では、時短当選したことに基づいて設定される時短状態(第2時短)に対する時短終了条件を、時短付与7テーブル202feでは無く、時短種別選択7テーブル202fiを参照して設定するように構成しているが、これに限ること無く、時短付与7テーブル202feに第2時短に対応する時短終了条件を規定するように構成しても良い。
また、第7制御例では複数の時短終了条件として、上述した第1時短終了条件〜第3時短終了条件を有する構成を用いているが、それ以外の条件を時短終了条件として設定しても良く、例えば、第1特別図柄の変動回数が所定回数(例えば50回)となった場合に成立する時短終了条件や、第2特別図柄の変動回数が所定回数(例えば80回)となった場合に成立する時短終了条件や、小当たりに当選しV入賞装置が作動した回数(小当たりAカウンタ203fg、小当たりBカウンタ203fhの値を合算した回数)が所定回数(例えば、10回)となった場合に成立する時短終了条件を設定しても良い。
さらに、特別図柄の変動回数や抽選結果に基づかず、別の要因によって成立する時短終了条件を設定しても良く、例えば、普通図柄の変動回数や普通図柄の当たり当選回数(電動役物640aの作動回数)が所定回数となった場合に成立する時短終了条件や、特定の入球口(例えば、一般入賞口63)に入球した球数が所定個数(例えば、50個)となった場合に成立する時短終了条件等を予め設定するように構成しても良い。
上述したように、遊技者に有利な遊技状態である時短状態を終了させるための時短終了条件を複数設定し、その時短終了条件の何れかが設定した場合に時短状態が終了するように構成することで、時短状態がどれくらいの期間継続するのかを遊技者が事前に把握することが困難となるため単調な遊技が行われることを抑制することができる。
さらに、第7制御例では複数の時短終了条件のうち何れかの時短終了条件が成立した場合に時短状態を終了させる制御を用いているが、これ以外にも例えば、複数の時短終了条件が所定数(例えば2つ)成立した場合に時短終了条件が成立するように構成しても良い。この場合、成立した時短終了条件の数を判別する成立数判別手段と、成立数判別手段により判別された成立数が所定数(例えば2つ)に到達したかを判別する条件到達判別手段と、を設け、条件到達判別手段により成立数が所定数(例えば2つ)に到達したと判別された場合に時短状態を終了(通常状態を設定)するように構成すると良い。
また、最初に成立した時短終了条件の内容を判別する内容判別手段を設け、その内容判別手段の判別結果に基づいて、条件到達判別手段の判別基準となる所定数(例えば2つ)を可変させる判別基準数可変手段を設けても良い。これにより、最初に成立した時短終了条件の種類に応じて、終了し易い時短状態や、終了し難い時短状態を設定することができるため、時短状態が設定された後でも遊技者に意欲的に遊技を行わせることができる。
上述した内容に加え、時短状態が設定されてからの所定期間(例えば、特別図柄の変動回数が10回に到達するまで)を計測する所定期間計測手段と、その所定期間計測手段の計測結果を判別する結果判別手段とを設け、結果判別手段により、現在が所定期間内であると判別した場合には、上述した時短終了条件が成立したとしても所定期間が経過するまでは時短状態の終了を遅延させる時短終了遅延手段を設けても良いし、結果判別手段により現在が所定期間内であると判別した場合に成立した時短終了条件を無効にする終了条件無効手段を設けても良い。また、結果判別手段により、現在が所定期間内であると判別している間は時短終了条件の成立の有無判別や、各時短終了条件に対応して設定された各種カウンタの値を更新(減算)する処理を実行しないようにしても良い。
このように構成することで、時短状態が設定された直後に時短状態が終了してしまう事態を確実に防止することが出来ると共に、時短状態の終了タイミングを複雑に設定することができる。また、上述したように複数の時短終了条件が成立したことに基づいて時短状態を終了させる処理を用いる場合においては、複数の時短終了条件を、優先時短終了条件(例えば、特別図柄の変動回数が100回に到達した場合に成立する時短終了条件)と、非優先時短終了条件(例えば、小当たり回数が3回に到達した場合に成立する時短終了条件)とを設定しておき、優先時短終了条件が成立した場合は直ちに時短状態を終了させ、非優先時短終了条件のみ複数成立した場合に時短状態を終了させるように構成すると良い。このように優先時短終了条件を設けることで、遊技者に対して過剰に時短状態を提供してしまうことを抑制することができる。
開放シナリオ7テーブル202fgは、特別図柄の抽選によって大当たり或いは小当たりに当選した場合に実行される当たり遊技(大当たり遊技、小当たり遊技)において、可変入賞装置65、或いは、V入賞装置650の開放パターン(各入賞装置に設けられた各種ソレノイドを動作させるパターン)をシナリオ化した開放シナリオが記憶されるデータテーブルであって、当選した大当たりに設定されている大当たり種別、或いは、当選した小当たりに設定されている小当たり種別に対応させて開放シナリオの内容が規定されている。
このように、当選結果(大当たり或いは小当たり)および当たり種別(大当たり種別、小当たり種別)に応じて開放動作される入賞装置(可変入賞装置65、V入賞装置650)や開放動作内容(開放シナリオ)を異ならせることで、特典遊技の有利度合を複数段階設定することができるため、大当たり又は小当たりに当選した後も、遊技者に対してどの種別の当たりに当選したのかを楽しませることができる。
開放シナリオ7テーブル202fgには、当選した当たり種別(大当たり種別、小当たり種別)に対応して当たり遊技中の開始インターバル期間(当たり遊技が開始されてから最初に入賞装置が開放動作するまでの期間)と、入賞装置の開放動作態様(開放動作される入賞装置の種別、1回の開放動作(ラウンド遊技)の秒数、総開放動作回数(ラウンド数))と、ラウンド間インターバル期間(ラウンド遊技間に設定される入賞装置が閉鎖される期間)と、終了インターバル期間(全てのラウンド遊技が終了してから、当たり遊技が終了するまでの期間(新たな特別図柄変動の開始を許容するまでの期間))と、V入賞装置650に入賞した球が通常排出流路650e1あるいは特別排出流路650e2を流下するように流路を切り替えるための流路ソレノイド650kのオンオフ切替動作態様が、それぞれ規定されている。
具体的には、当選した当たり種別が大当たりAに対応して、開始インターバル期間として「2秒」が、入賞装置の開放動作態様として「可変入賞装置65」を「15ラウンド」、1回のラウンド遊技として「継続して29秒」開放する開放動作態様が、ラウンド間インターバル期間として「1秒」が、終了インターバル期間として「4秒」が規定されている。よって、大当たり種別が大当たりAの大当たりに当選した場合は、可変入賞装置65が15ラウンド分開放される大当たり遊技が実行されることになり、遊技者に多くの賞球が払い出される大当たり遊技となる。さらに、大当たり種別が大当たりAの場合には、大当たり遊技終了後に遊技者に有利となる遊技状態である時短状態が設定される大当たりであるため、大当たりAは遊技者にとって最も有利となる特典が付与される大当たりである。
次に、当たり種別が大当たりB,Cに対応して、開始インターバル期間として「2秒」が、入賞装置の開放動作態様として「可変入賞装置65」を「5ラウンド」、1回のラウンド遊技として「継続して29秒」開放する開放動作態様が、ラウンド間インターバル期間として「1秒」が、終了インターバル期間として「4秒」が規定されている。よって、大当たり種別が大当たりB,Cの大当たりに当選した場合は、可変入賞装置65が5ラウンド分開放される大当たり遊技が実行されることになり、遊技者に対して大当たりAに対応する大当たり遊技の約1/3の賞球が払い出される大当たり遊技となる。また、大当たり種別が大当たりBの場合には、大当たり遊技終了後に遊技者に有利となる遊技状態である時短状態が設定され、大当たりCの場合には、大当たり遊技終了後に時短状態が設定されないように構成されているため、大当たりBは大当たりAよりも不利で大当たりCよりも有利な特典が付与される大当たりとなる。
当たり種別が大当たりDに対応して、開始インターバル期間として「1秒」が、入賞装置の開放動作態様として「V入賞装置650」を「1ラウンド目」に開放動作し、「可変入賞装置65」を「2〜15ラウンド目」に開放動作し、1回のラウンド遊技として、1ラウンド目は「0.1秒開放を0.5秒間の開放間インターバルを設けて12回」開放し、2〜15ラウンド目は「29秒間継続開放」する開放動作態様が、ラウンド間インターバル期間として、1ラウンド目終了後は「10秒」、それ以外は「1秒」が、終了インターバル期間として「4秒」が規定されている。
つまり、大当たりDの開始インターバル期間と2ラウンド目が実行されるまでの期間(1ラウンド目のラウンド遊技内容(開閉動作態様)、及び、1ラウンド目終了後のラウンド間インターバル期間)に規定されている内容が、後述する小当たり遊技に規定されている内容と同一となるように構成している。このように構成することで、今回実行されている当たり遊技が大当たり遊技であるか小当たり遊技であるかを、1ラウンド目が終了するタイミングまで(小当たり遊技であればその小当たり遊技が終了するタイミングまで)遊技者に把握させ難くすることができる。これにより、小当たりに当選して小当たり遊技が実行されていると認識していた遊技者に対して意外性のある当たり遊技を提供することができる。
なお、第7制御例では、大当たりDは第2特別図柄によって大当たりに当選した場合に必ず選択される大当たり種別であり、且つ、第2特別図柄の抽選では殆どが小当たりに当選するように設定されている(図305(c)参照)。よって、遊技状態として時短状態が設定され、第2特別図柄の変動を主に行う期間中は、特別図柄の変動が停止表示された後に何らかの当たり遊技が開始される。この場合において、大当たりに当選した場合も、小当たりに当選した場合も、同一の開放動作から開始される当たり遊技を実行するため、遊技者により何れの当たり(大当たり又は小当たり)に当選したのかを把握させ難くすることができる。
加えて、第2特別図柄の抽選においては、大当たりに当選する確率の方が小当たりに当選する場合よりも低くなるように設定されており、又、大当たりDに対応する大当たり遊技の終了後には時短状態が付与されるように設定されている。よって、大当たりに当選した遊技者に対して、小当たりに当選した場合よりも不利な特典が提供されることが無いため、意外性のある遊技(大当たりDに対応した大当たり遊技)を、遊技者に有利な遊技とすることができるため、遊技者をより興奮させることができる。
なお、大当たりDに当選した場合と、各種小当たりに当選した場合とでは、第3図柄表示装置81にて表示される変動表示(変動演出)として同一の演出態様が実行されるようにし、且つ、特別図柄の抽選結果を示す第1図柄表示装置37a,37bの表示態様により遊技者に抽選結果を識別され難くするために、特別図柄の停止表示タイミングと、第3図柄表示装置81に表示される第3図柄の停止表示タイミングを異ならせたり、特別図柄の停止表示タイミングと第3図柄の停止表示タイミングは同期させるが、その停止表示タイミング或いはその前後の期間において、第3図柄の表示をそれ以外の期間よりも遊技者が識別し難くするために、表示態様や表示領域を可変させたり、特別図柄の停止表示タイミングにおいて、第3図柄表示装置81の主表示領域Dmに表示される演出用の図柄を第3図柄から普通図柄の変動表示に対応させた演出用普通図柄に切り替えたりすると良い。
加えて、当たり遊技が実行された場合に開放動作する入賞装置(V入賞装置650)と第1図柄表示装置37a,37bを離れて配設し、特別図柄の停止表示タイミング(何れかの当たりに当選したことを遊技者に報知するタイミング)に第3図柄表示装置81にてV入賞装置650を遊技者に注目させる演出表示を実行したり、第7制御例のように第1図柄表示装置37a,37bの表示領域を第3図柄表示装置81の表示領域よりも小さくし、第3図柄よりも第1図柄が視認し難くなるように構成すると良い。これにより、今回の特別図柄の抽選結果が大当たりであるか小当たりであるかを第1図柄表示装置37a,37bの停止表示態様により識別され難くすることができ、当たり遊技中も継続して大当たりに当選したことを期待させることができる。
当たり種別が小当たりA,Bに対応して規定される内容には、小当たり遊技(1ラウンド遊技)に加え、その小当たり遊技中にVスイッチ650e3が球を検知することにより、小当たり遊技終了後に継続して実行される大当たり遊技(2〜15ラウンド遊技)の開放シナリオも併せて規定されている。これにより、当選した小当たり種別の小当たり遊技内容と、その小当たり遊技終了後に実行し得る大当たり遊技内容とを確実に対応付けすることができるため、適正な遊技を提供することができる。
具体的には、当たり種別が小当たりAに対して、小当たり遊技として、開始インターバル期間「1秒」が、入賞装置の開放動作態様「V入賞装置650」を「1ラウンド」開放が、1回のラウンド遊技「0.1秒開放を12回」、開放間インターバル期間「5回目と10回目の開放終了後以外に0.5秒(開放間インターバル1)、5回目と10回目の開放終了後に5秒(開放間インターバル2)」が規定されている。
そして、小当たり遊技終了後に実行され得る大当たり遊技として「可変入賞装置65」が、「2〜15ラウンド目」に開放動作し、1回のラウンド遊技「29秒間継続開放」が、ラウンド間インターバル期間として、1ラウンド目終了後は「10秒」、それ以外は「1秒」が、開始インターバル「2秒」、終了インターバル期間「8秒」が規定されている。
また、当たり種別が小当たりBに対して、小当たり遊技として、開始インターバル期間「1秒」が、入賞装置の開放動作態様「V入賞装置650」を「1ラウンド」開放が、1回のラウンド遊技「0.1秒開放を12回」、開放間インターバル期間「5回目と10回目の開放終了後以外に0.5秒(開放間インターバル1)、5回目と10回目の開放終了後に5秒(開放間インターバル2)」が規定されている。
そして、小当たり遊技終了後に実行され得る大当たり遊技として「可変入賞装置65」が、「2〜5ラウンド目」に開放動作し、1回のラウンド遊技「29秒間継続開放」が、ラウンド間インターバル期間として、1ラウンド目終了後は「10秒」、それ以外は「1秒」が、開始インターバル「2秒」、終了インターバル期間「8秒」が規定されている。
つまり、小当たりBに対応する小当たり遊技終了後に実行され得る大当たり遊技は、上述した小当たりAに対応する大当たり遊技よりもラウンド遊技数が少なくなるように設定されている。また、小当たり種別が小当たりBの場合には、対応する大当たり遊技終了後に遊技者に有利となる遊技状態である時短状態が設定されるように構成されているため、小当たりBは小当たりAよりも不利な特典が付与される小当たりとなる。
時短当たり乱数7テーブル202fhは、第1特別図柄または第2特別図柄の抽選において、時短当選と判定される第1当たり乱数カウンタC1の値(判定値)が遊技状態に対応させて規定されているデータテーブルである。ここで、図310(a)を参照して、時短当たり乱数7テーブル202fhの内容について説明をする。図310(a)は、時短当たり乱数7テーブル202fhに規定されている内容を示した図である。
具体的には、特別図柄種別に関わらず、遊技状態が通常状態(特別図柄及び普通図柄の低確率状態)に対しては、第1当たり乱数カウンタC1の値が「3,4,140〜287」の範囲に時短当選の判定値として規定されており、それ以外の遊技状態に対しては、時短当選の判定値を設けないように構成されている。
ここで、本第7制御例では、1回の特別図柄抽選において大当たり当選の判定と時短当選の判定とを重複して実行可能に構成している。また、小当たり当選の判定と時短当選の判定とを重複して実行可能に構成している。よって、例えば、取得した第1当たり乱数カウンタC1の値が「3,4」である場合には、第1当たり乱数7テーブル202fa(図305(a)参照)を用いて実行される大当たり判定において大当たりと判定され、且つ、時短当たり乱数7テーブル202fh(図310(a)参照)を用いて実行される時短当選判定において時短当選と判定されるため、大当たりと時短とに重複当選することになる。同様に、取得した第1当たり乱数カウンタC1の値が「140〜144」である場合には、特別図柄2乱数7テーブル202fa2(図305(c)参照)を用いて実行される小当たり判定において小当たりと判定され、且つ、時短当たり乱数7テーブル202fh(図310(a)参照)を用いて実行される時短当選判定において時短当選と判定されるため、小当たりと時短とに重複当選することになる。
上述した通り、本第7制御例では、時短当選の判定を実行した後に、大当たり(小当たり)判定を実行するように構成しているため、重複当選した場合には、時短状態において大当たり(小当たり)当選したことになる。よって、時短当選すること無く大当たり(小当たり)当選した場合に比べて遊技者に有利な特典を付与することができる。
なお、本第7制御例では、1回の特別図柄抽選において取得した第1当たり乱数カウンタC1の値を用いて、大当たり(小当たり)の判定と、時短当選の判定を実行するように構成し、取得した第1当たり乱数カウンタC1の値が、何れの判定においても当選判定値である場合に重複当選し得るように構成しているが、これに限ること無く、例えば、特別図柄抽選の実行権利を獲得した際に、大当たり(小当たり)判定用の乱数カウンタの値と、時短当選用の乱数カウンタの値と、を別々に取得し、取得した各値を用いて大当たり(小当たり)判定と、時短当選判定を実行するように構成しても良い。
時短種別選択7テーブル202fiは、特別図柄抽選で時短当選した場合に設定される時短状態(第2時短)に対する時短終了条件を設定する際に参照されるデータテーブルであって、時短種別選択カウンタCC1の値に対応させて時短種別が規定されている。
ここで、図310(b)を参照して、時短種別選択7テーブル202fiの内容について説明をする。図310(b)は、時短種別選択7テーブル202fiに規定されている内容を示した図である。図310(b)に示した通り、時短種別選択7テーブル202fiには、取得した時短種別選択カウンタCC1の値に対応させて時短種別が規定されており、規定されている時短種別に対応する時短終了条件が規定されている。
具体的には、取得した時短種別選択カウンタCC1の全範囲(「0〜99」)に対して時短種別として時短Aが規定されている。そして、時短Aに対応する時短終了条件として時短カウンタ203h(第1時短終了条件)に「1」が設定される時短終了条件が規定されている。つまり、特別図柄時短カウンタ203hの値を更新する処理が1回実行された時点で時短状態が終了する時短終了条件が設定される。よって、特別図柄抽選で時短当選した場合には、時短当選した時点で時短状態が設定され、その後当該特別図柄抽選における大当たり判定が実行され、当該特別図柄抽選の結果を示すための特別図柄変動が開始されるまでの間、時短状態が設定されることになる。
つまり、特別図柄抽選で時短当選した場合には、特別図柄抽選における大当たり判定を時短状態中に実行させる(特殊抽選を実行させる)ためだけの時短状態を設定することができる。よって、特別図柄抽選で時短当選した場合には、遊技者に時短当選したことを気付かれること無く大当たり判定のみ時短状態中に実行することが可能となるため、大当たり当選した場合に遊技者に意外性のある特典(大当たり遊技内容、大当たり遊技終了後の時短状態)を付与することができる。
なお、図310(b)に示した通り、本第7制御例では、特別図柄抽選で時短当選した場合に時短種別として時短Aが必ず設定されるように構成しているがこれに限ること無く、例えば、取得した時短種別選択カウンタCC1の値に応じて時短Aとは異なる時短種別を選択可能に構成しても良い。この場合、例えば、取得した時短種別選択カウンタCC1の値が「0〜94」の範囲に対して時短種別として時短Aを規定し、「95〜99」の範囲に対して時短種別として時短Aとは異なる時短Zを規定するように構成し、時短Zに対応する時短終了条件として時短カウンタ203h(第1時短終了条件)に「100」が設定される時短終了条件を規定すると良い。
このように構成することで、特別図柄抽選で時短当選した場合の一部において、特殊抽選を実行させるための時短状態では無く、第2特別図柄抽選を継続して実行させるための時短状態を設定することが可能となるため、遊技者に対してより意外性のある遊技を提供することができる。
次に、図304(b)を参照して、本第7制御例におけるパチンコ機10の主制御装置110のMPU201が有するRAM203の構成について説明をする。図304(b)は、第7制御例におけるパチンコ機10のRAM203の構成を模式的に示した図である。図304(b)に示すように、本第7制御例におけるRAM203は、第1特別図柄保留球格納エリア203a、第2特別図柄保留球格納エリア203b、普通図柄保留球格納エリア203c、第1特別図柄保留球数カウンタ203d、第2特別図柄保留球数カウンタ203e、普通図柄保留球数カウンタ203f、遊技状態格納エリア203g、時短カウンタ203h、大当たり開始フラグ203j、大当たり中フラグ203k、小当たり種別格納エリア203fa、小当たり開始フラグ203fb、小当たり中フラグ203fc、V通過大当たり種別格納エリア203fd、Vフラグ203fe、V通過フラグ203ff、小当たりAカウンタ203fg、小当たりBカウンタ203fh、その他メモリエリア203zを有している。
つまり、上述した第5制御例におけるパチンコ機10のRAM203(図244(b)参照)に対して、小当たり種別格納エリア203fa、小当たり開始フラグ203fb、小当たり中フラグ203fc、V通過大当たり種別格納エリア203fd、Vフラグ203fe、V通過フラグ203ff、小当たりAカウンタ203fg、小当たりBカウンタ203fhを追加した点で相違し、それ以外は同一である。同一の要素については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
小当たり種別格納エリア203faは、当選した小当たりに設定される小当たり種別を一時的に格納するための記憶領域であって、小当たりに当選したと判別した場合に(図317のS10306:Yes)、取得した小当たり種別が一時的に格納される(図317のS10310)。そして、小当たり遊技中においてV入賞装置650の開放数が所定数に到達し(図327のS11707:Yes)、Vフラグ203feがオンに設定されていないと判別した場合(図327のS11708:No)に、格納されている小当たり種別が参照され(図327のS11709)、参照した小当たり種別に対応した指示コマンドが設定される。なお、詳細な説明は省略するが、小当たり種別格納エリア203faに格納された情報(小当たり種別を示すための情報)は、小当たり遊技終了時にクリアされるように構成されている。
小当たり開始フラグ203fbは、小当たり遊技の開始タイミングであることを示すフラグである。判定結果が小当たりである特別図柄の変動が停止されるタイミングでオンに設定される(図320のS10404)。小当たり開始フラグ203fbがオンであることが判別されて、小当たり遊技の開始タイミングであると識別されるとオフに設定される(図327のS11703)。この小当たり開始フラグ203fbは、RAMクリア等の初期状態では、オフに設定されるフラグであり、電断等が発生した場合には、電断等の発生直前の状態がバックアップされることにより保持されるように構成されている。
小当たり中フラグ203fcは、小当たり遊技中であることを示すフラグである。判定結果が小当たりである特別図柄の変動が停止されるタイミングでオンに設定される(図320のS10404)。一方、小当たりの終了タイミングであると判別された場合(設定されている小当たりのラウンド数の遊技が終了したと判別した場合)に、オフに設定される(図327のS11720)。この小当たり中フラグ203fcは、RAMクリア等の初期状態では、オフに設定されるフラグであり、電断等が発生した場合には、電断等の発生直前の状態がバックアップされることにより保持されるように構成されている。
V通過大当たり種別格納エリア203fdは、小当たり遊技が実行されている場合に、V入賞装置650に入賞した球がVスイッチ650e3により検知された場合に設定される大当たり種別を判別するためのデータが記憶される記憶エリアである。V通過大当たり種別格納エリア203fdは、判定結果が小当たりとなる特別図柄の変動が停止する場合に、判定されている小当たり種別に対応した大当たり種別に対応するデータ値が記憶される(図320のS10402)。V入賞装置650内の特別排出流路650e2を球が流下し、Vスイッチ650e3により球を検知すると、V通過大当たり種別格納エリア203fdに記憶されているデータ値に対応する大当たり種別に対応するVフラグ203feがオンに設定されるように構成されている。小当たり遊技の終了時に、V通過大当たり種別格納エリア203fdに記憶されているデータ値がクリアされるように構成されている。このV通過大当たり種別格納エリア203fdは、RAMクリア等の初期状態では、オフに設定されるフラグであり、電断等が発生した場合には、電断等の発生直前の状態がバックアップされることにより保持されるように構成されている。
Vフラグ203feは、小当たり遊技中にV入賞装置650内の特別排出流路650e2を球が流下し、Vスイッチ650e3により球が検知された場合に、実行している小当たり遊技の種別に対応した大当たり種別に対応したフラグがオンに設定されるものである。小当たり遊技の終了時に、このVフラグ203feがオンであるかを判別し(図327のS11716)、Vフラグ203feがオンであると判別した場合に(図327のS11716:Yes)、オンに設定されているフラグより実行される大当たり種別が判別されて対応する大当たり遊技の開始が設定される(図327のS11718)。このVフラグ203feは、RAMクリア等の初期状態では、オフに設定されるフラグであり、電断等が発生した場合には、電断等の発生直前の状態がバックアップされることにより保持されるように構成されている。
V通過フラグ203ffは、小当たり遊技中において、Vフラグ203feがオンに設定されている状態を判別するために用いられるフラグであって、Vフラグ203feがオンに設定されている場合にオンに設定される。第7制御例では、小当たり遊技中においてV入賞装置650に入賞した球の殆どが特別排出流路650e2を流下するように構成されており、特別排出流路650e2に最初に入賞した球に対応したV通過処理(図323参照)においてオンに設定される(図323のS11207)。
そして、V通過処理(図323参照)では、V通過フラグ203ffがオンに設定しているか判別し(図323のS11201)、オンに設定していると判別した場合は(図323のS11201:Yes)、V通過処理(図323参照)のうちS11202〜S11208の処理をスキップするように構成している。これにより、1回の小当たり遊技中にVスイッチ650e3が複数の球を検知した場合であっても、最初に検知した球に対応したV通過処理のみが実行されることになる。よって、小当たり遊技中に実行される処理を簡素化することが出来ると共に、音声ランプ制御装置113へV通過コマンドを複数回送信してしまい、音声ランプ制御装置113側でのV通過管理は煩雑になることを抑制することができる。
時短カウンタ203hは、時短状態中に設定される時短終了条件の一つが成立するまでの特別図柄の変動回数を計測するためのカウンタであって、大当たり制御処理(図326のS11504)において、エンディング演出の終了タイミング(大当たりの終了タイミング)であると判別された場合に(図326のS11612:Yes)、時短付与7テーブル202feに規定されている値(100)が設定される(図326のS11614)。
そして、特別図柄変動処理7(図315のS10104)にて実行される更新処理7(図319のS8253)においてカウンタの値が参照され(図319のS10601)、カウンタの値が0よりも大きいと判別した場合に(図319のS10601:Yes)、カウンタの値が1減算される。減算した後の時短中カウンタ203kの値が0であると判別すると(図319のS10604:Yes)、時短終了条件が成立するため、遊技状態として通常状態が設定される(図319のS10605)。なお、第7制御例は、時短状態を終了させるための時短終了条件を複数設定しており、その何れの時短終了条件が成立した場合であっても(例えば、小当たり当選回数に基づく時短終了条件が成立した場合であっても)、カウンタの値が0に設定(リセット)される(図321のS10505)。このように、複数の時短終了条件のうち、時短カウンタ203hの値を参照した時短終了条件(第1時短終了条件)以外の時短終了条件が成立した場合であっても、時短カウンタ203hの値が0に設定(リセット)されるため、時短状態が終了したにも関わらず時短カウンタ203hの値を減算する処理が継続されてしまう事態を抑制することができる。また、複数の時短終了条件のうちどの時短終了条件が成立したとしても、時短状態を終了させる際に時短終了条件の成立を判別する際に用いる各種カウンタの値を初期値(0)に設定するように構成しているため、時短状態を終了させた後の処理が煩雑になることを抑制することができる。
小当たりAカウンタ203fgは、時短状態中に設定される時短終了条件の一つが成立するまでの小当たり種別として小当たりAが設定された小当たりの当選回数の計測するためのカウンタであって、大当たり制御処理7(図326のS11504)において、エンディング演出の終了タイミング(大当たりの終了タイミング)であると判別された場合に(図326のS11612:Yes)、時短付与7テーブル202feに規定されている値(1)が設定される(図326のS11614)。
そして、特別図柄変動処理7(図315のS10104)の小当たり開始設定処理(図320のS10223)にて実行される小当たり用時短更新処理7(図321のS10405)に今回当選した小当たりの小当たり種別が小当たりAであると判別した場合に(図321のS10502:Yes)、カウンタの値が1減算される。減算した後の小当たりAカウンタ203fgの値が0であると判別すると(図321のS10504:Yes)、時短終了条件が成立するため、遊技状態として通常状態が設定される(図321のS10507)。なお、第7制御例は、時短状態を終了させるための時短終了条件を複数設定しており、その何れの時短終了条件が成立した場合であっても(例えば、特別図柄変動回数に基づく時短終了条件が成立した場合であっても)、カウンタの値が0に設定(リセット)される(図319のS10606)。このように、複数の時短終了条件のうち、小当たりAカウンタ203mの値を参照した時短終了条件(第2時短終了条件)以外の時短終了条件が成立した場合であっても、小当たりAカウンタ203mの値が0に設定(リセット)されるため、時短状態が終了したにも関わらず小当たりAカウンタ203mの値を減算する処理が継続されてしまう事態を抑制することができる。また、複数の時短終了条件のうちどの時短終了条件が成立したとしても、時短状態を終了させる際に時短終了条件の成立を判別する際に用いる各種カウンタの値を初期値(0)に設定するように構成しているため、時短状態を終了させた後の処理が煩雑になることを抑制することができる。
小当たりBカウンタ203fhは、時短状態中に設定される時短終了条件の一つが成立するまでの小当たり種別として小当たりBが設定された小当たりの当選回数の計測するためのカウンタであって、大当たり制御処理(図326のS11504)において、エンディング演出の終了タイミング(大当たりの終了タイミング)であると判別された場合に(図326のS11612:Yes)、時短付与7テーブル202feに規定されている値(3)が設定される(図326のS11614)。
そして、特別図柄変動処理7(図315のS10104)の小当たり開始設定処理(図320のS10223)にて実行される小当たり用時短更新処理(図321のS10405)に今回当選した小当たりの小当たり種別が小当たりBであると判別した場合に(図321のS10510:Yes)、カウンタの値が1減算される。減算した後の小当たりBカウンタ203fhの値が0であると判別すると(図321のS10512:Yes)、時短終了条件が成立するため、遊技状態として通常状態が設定される(図321のS10507)。なお、第7制御例は、時短状態を終了させるための時短終了条件を複数設定しており、その何れの時短終了条件が成立した場合であっても(例えば、特別図柄変動回数に基づく時短終了条件が成立した場合であっても)、カウンタの値が0に設定(リセット)される(図319のS10606)。このように、複数の時短終了条件のうち、小当たりBカウンタ203fhの値を参照した時短終了条件(第3時短終了条件)以外の時短終了条件が成立した場合であっても、小当たりBカウンタ203fhの値が0に設定(リセット)されるため、時短状態が終了したにも関わらず小当たりBカウンタ203fhの値を減算する処理が継続されてしまう事態を抑制することができる。また、複数の時短終了条件のうちどの時短終了条件が成立したとしても、時短状態を終了させる際に時短終了条件の成立を判別する際に用いる各種カウンタの値を初期値(0)に設定するように構成しているため、時短状態を終了させた後の処理が煩雑になることを抑制することができる。
次に、図311(a)を参照して、本第7制御例のパチンコ機10における音声ランプ制御装置113のMPU221のROM222について説明する。図311(a)は、本第7制御例における音声ランプ制御装置113のROM222の構成を示した図である。図311(a)に示した通り、本第7制御例のROM222は、上述した第5制御例のROM222(図249(a)参照)に対して、引き戻しモード選択テーブル222daと、示唆態様選択テーブル222dbとを削除し、抽選結果報知態様選択テーブル222faを追加した点で相違している。それ以外の要素は同一であり、同一の要素については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
抽選結果報知態様選択テーブル222faは、特別図柄変動の変動時間に対応して実行される変動演出の演出態様を決定する際に参照されるデータテーブルであって、特別図柄抽選の結果(大当たり判定の判定結果と、時短当選判定の判定結果)を示唆(報知)するための態様として複数の態様の中から1の態様が選択される。この抽選結果報知態様選択テーブル222faは、第1特別図柄抽選の結果を示すための変動演出(特図1変動演出)の演出態様を設定するための特図1演出態様設定処理7(図328のS14893参照)において参照される(図328のS19502参照)。
ここで、図312を参照して、抽選結果報知態様選択テーブル222faに規定されている内容について説明をする。図312は、抽選結果報知態様選択テーブル222faに規定されている内容を模式的に示した図である。図312に示した通り、抽選結果報知態様選択テーブル222faには、大当たり判定時の遊技状態と、大当たり判定結果と、取得した演出カウンタ223fの値とに対応させて異なる抽選結果報知態様が規定されており、選択された報知態様を用いて特別図柄抽選の結果を示すための演出態様が設定される。
具体的には、大当たり判定時の遊技状態が通常状態、即ち、当該特別図柄抽選における時短当選判定において時短当選しなかった場合であって、大当たり判定結果が「大当たりA(15R大当たり)」の場合は、取得した演出カウンタ223fの値が「0〜64」の範囲に対して「時短当選示唆+大当たり当選報知」が規定されており、「65〜79」の範囲に対して「時短非当選示唆+大当たり非当選報知」が規定されており、「80〜99」の範囲に対して「大当たり当選報知」が規定されている。また、大当たり判定結果が「大当たりB,C(5R大当たり)」の場合は、取得した演出カウンタ223fの値が「0〜4」の範囲に対して「時短当選示唆+大当たり当選報知」が規定されており、「5〜99」の範囲に対して「大当たり当選報知」が規定されている。大当たり判定結果が「外れ」の場合は、取得した演出カウンタ223fの値が「0〜98」の範囲に対して「大当たり非当選報知」が規定されており、「99」の値に対して「時短非当選示唆+大当たり非当選報知」が規定されている。
一方、大当たり判定時の遊技状態が時短状態、即ち、当該特別図柄抽選における時短当選判定において時短当選した場合であって、大当たり判定結果が「大当たりA,D(15R大当たり)」の場合は、取得した演出カウンタ223fの値が「0〜89」の範囲に対して「時短当選示唆+大当たり当選報知」が規定されており、「90〜99」の範囲に対して「大当たり当選報知」が規定されている。また、大当たり判定結果が「大当たりB,C(5R大当たり)」の場合は、取得した演出カウンタ223fの値が「0〜79」の範囲に対して「時短当選示唆+大当たり当選報知」が規定されており、「80〜99」の範囲に対して「大当たり当選報知」が規定されている。大当たり判定結果が「外れ」の場合は、取得した演出カウンタ223fの値が「0〜9」の範囲に対して「時短当選示唆+大当たり非当選報知」が規定されており、「10〜99」の値に対して「大当たり非当選報知」が規定されている。
次に、図311(b)を参照して、音声ランプ制御装置113のMPU221のRAM223について説明する。図311(b)に示すように、音声ランプ制御装置113のRAM223には、入賞情報格納エリア223a、第1特別図柄保留球数カウンタ223b、変動開始フラグ223c、停止種別選択フラグ223d、演出カウンタ223e、遊技状態格納エリア223f、時短情報更新エリア223g、仮当たり判定フラグ223h、仮時短情報更新エリア223i、仮時短終了フラグ223j、時短下限フラグ223k、準終了条件フラグ223m、時短終了前変動フラグ223n、状態演出カウンタ223o、その他メモリエリア223z、が少なくとも設けられている。
入賞情報格納エリア223aは、1つの実行エリアと、4つのエリア(第1エリア〜第4エリア)とを有しており、これらの各エリアには、入賞情報がそれぞれ格納される。この入賞情報格納エリア223aに格納される情報により、保留球の抽選結果等が変動開始前に音声ランプ制御装置113により判別できる。この入賞情報格納エリア223aには、音声ランプ制御装置113の入賞コマンド処理(図177のS4212参照)が実行される場合に、主制御装置110から送信された入賞情報コマンドに基づいた入賞情報が第1エリアから順に格納されていく、なお、主制御装置110から送信される入賞情報コマンドは、主制御装置110の先読み処理5(図259のS653)が実行された場合に設定され、主制御装置110のメイン処理7(図325参照)にて実行される外部出力処理(図325のS11501)によって音声ランプ制御装置113へと送信される。
この入賞情報格納エリア223aの第1エリア〜第4エリアに格納された各入賞情報は、音声ランプ制御装置113の変動表示設定処理(図182のS4113参照)が実行される毎に、1つずつシフト(第2エリアに格納されていた入賞情報を第1エリアに移行)される(図182のS4904,S4908参照)。これにより、主制御装置110から送信された入賞情報コマンドに対応する特別図柄変動が何時実行されるのかを、音声ランプ制御装置113側で確実に把握することができる。
また、入賞情報コマンドによって送信された入賞情報(特別図柄の先読み情報)を実行エリア(現在実行中の特別図柄変動に対応するエリア)までシフトさせることを可能に構成しているため、例えば、入賞情報コマンドを受信したことに基づいて、次に実行される特別図柄変動の開始タイミングから当該入賞情報コマンドに対応する特別図柄変動が終了するまでのタイミングまでの期間を用いた演出(所謂、先読み連続演出)を実行する際に、当該入賞情報コマンドに対応する入賞情報を上述した先読み連続演出が終了するまでの間、保持することができる。
なお、第7制御例では入賞情報(第1入球口64に球が入球した場合に取得し得る情報)を4つまで保留記憶可能に構成しているため、入賞情報格納エリア223aが実行エリア以外に、第1エリア〜第4エリアを有するように構成しているが、例えば、第2入球口640に球が入球した場合に取得し得る入賞情報(第2特別図柄に関わる入賞情報)も4つまで保留記憶可能に構成した場合には、入賞情報格納エリア223aに、実行エリア以外に、第1特別図柄用の4つのエリア(保留情報エリア)と、第2特別図柄用の4つのエリア(保留情報エリア)を設けるように構成すれば良い。
第1特別図柄保留球数カウンタ223bは、主制御装置110の第1特別図柄保留球数カウンタ203dと同様に、第1図柄表示装置37(および第3図柄表示装置81)で行われる変動演出(変動表示)であって、主制御装置110において保留されている変動演出の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。即ち、第1特別図柄に対応する保留球の数が、主制御装置110より出力される保留球数コマンドに基づいて設定される。
上述したように、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110に直接アクセスして、主制御装置110のRAM203に格納されている第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値を取得することができない。よって、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110から送信される保留球数コマンドに基づいて保留球数をカウントし、第1特別図柄保留球数カウンタ223bにて、その第1特別図柄の保留球数を管理するようになっている。
具体的には、主制御装置110では、第1入球口64への入球によって変動表示の保留球数が加算された場合、又は、主制御装置110において特別図柄における変動表示が実行されて保留球数が減算された場合に、加算後または減算後の第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値を示す保留球数コマンドを、音声ランプ制御装置113へ送信する。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110より送信される保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから、主制御装置110の第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値を取得して、第1特別図柄保留球数カウンタ223bに格納する(図262のS4182参照)。このように、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110より送信される保留球数コマンドに従って、第1特別図柄保留球数カウンタ223bの値を更新するので、主制御装置110の第1特別図柄保留球数カウンタ203dと同期させながら、その値を更新することができる。
第1特別図柄保留球数カウンタ223bの値は、第3図柄表示装置81における保留球数図柄の表示に用いられる。即ち、音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドの受信に応じて、そのコマンドにより示される保留球数を第1特別図柄保留球数カウンタ223bに格納すると共に、格納後の第1特別図柄保留球数カウンタ223bの値を表示制御装置114に通知するべく、表示用保留球数コマンドを表示制御装置114に対して送信する。
表示制御装置114では、この表示用保留球数コマンドを受信すると、そのコマンドにより示される保留球数の値、即ち、音声ランプ制御装置113の第1特別図柄保留球数カウンタ223bの値分の保留球数図柄を第3図柄表示装置81の小領域Ds1に表示するように、画像の描画を制御する。上述したように、第1特別図柄保留球数カウンタ223bは、主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203aと同期しながら、その値が変更される。従って、第3図柄表示装置81に表示される保留球数図柄の数も、主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203aの値に同期させながら、変化させることができる。よって、第3図柄表示装置81には、変動表示が保留されている保留球の数を正確に表示させることができる。
なお、主制御装置から送信される保留球数コマンドに含まれる情報としては、実際の保留球数、即ち、特別図柄保留球数カウンタ203aの値を示す情報でも良いし、特別図柄保留球数カウンタ203aの値が1加算、或いは1減算されたことを示す情報でも良い。なお、保留球数コマンドとして特別図柄保留球数カウンタ203aの値が1加算、或いは1減算されたことを示す情報を送信する場合には、音声ランプ制御装置113に受信した保留球数コマンドに含まれる情報に基づいて現在の保留球数を演算管理する演算手段を設ければ良い。
変動開始フラグ223cは、主制御装置110から送信される変動パターンコマンドを受信した場合にオンされ(図262のS4204参照)、第3図柄表示装置81における変動表示の設定がなされるときにオフされる(図182のS4902,S4906参照)。変動開始フラグ223cがオンになると、受信した変動パターンコマンドから抽出された変動パターンに基づいて、表示用変動パターンコマンドが設定される。
ここで設定された表示用変動パターンコマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理7(図325参照)の外部出力処理(図325のS11501)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114では、この表示用変動パターンコマンドを受信することによって、この表示用変動パターンコマンドによって示される変動パターンで、第3図柄表示装置81において第3図柄の変動表示が行われるように、その変動演出の表示制御が開始される。
停止種別選択フラグ223dは、主制御装置110から送信される停止種別コマンドを受信した場合にオンされ(図262のS4207参照)、第3図柄表示装置81における停止種別の設定がなされるときにオフされる(図182のS4910参照)。停止種別選択フラグ223dがオンになると、受信した停止種別コマンドから抽出された停止種別(大当たりの場合には大当たり種別)に基づいて、表示用停止種別が設定される(図182のS4911)。
演出カウンタ223eは、第3図柄表示装置81の表示画面にて実行される各種演出の演出内容を決定する際の抽選に使用されるカウンタであって、図示は省略したが、音声ランプ制御装置113のMPU221が実行するメイン処理7(図325参照)が実行される毎に更新される。第7制御例では、演出カウンタ223eとして複数のループカウンタ(例えば、0〜99の範囲で繰り返し更新されるカウンタ)を有しており、各カウンタの値が同期すること無く更新するように構成されている。
具体的には、例えば、メイン処理7(図325参照)が実行される毎に更新される値が異なるカウンタを複数設け、各カウンタの更新後の値が同期しないように構成している。さらに、各カウンタの値を演算することで別の値を算出し、その算出した値を用いて各種演出の演出内容を決定する際の抽選に使用する値として用いても良い。
遊技状態格納エリア223fは、主制御装置110から遊技状態に関する状態コマンドを受信した場合に、その状態コマンドに対応する遊技状態を格納するための領域である。この遊技状態格納エリア223fに格納された情報(遊技状態)を参照することで、音声ランプ制御装置113側で現在の遊技状態を識別可能に構成している。
なお、第7制御例では、音声ランプ制御装置113のRAM223は、パチンコ機10の電源が遮断された場合にデータが消去されるため、停電等の発生による電源遮断時には遊技状態格納エリア223fに格納されている現在の遊技状態を示す情報も消去されることとなる。しかしながら、第7制御例では電源投入後に実行される主制御装置110の立ち上げ処理(主制御装置)7(図324参照)にて状態コマンドが設定されるため(図324のS11412)、電源復旧後、直ちに遊技状態格納エリア223fに電源遮断前に設定されていた遊技状態を示す情報が格納されることになる。よって、パチンコ機10に電源が投入されている状態では音声ランプ制御装置113側で常に遊技状態を識別することができる。また、主制御装置110において遊技状態を可変設定する場合にも、可変設定された後の遊技状態を示す状態コマンドが設定される(図321のS10509、図319のS10607、図326のS11616等)。
時短情報更新エリア223gは、時短状態の終了条件と、各終了条件に対する進捗状況(終了条件の対象となる事象(例えば、特別図柄の変動や小当たり、大当たりの当選)が実行された回数)とを格納するためのデータ領域である。この時短情報更新エリア223aに格納される情報(時短状態の終了条件及び進捗状況)に基づいて第3図柄表示装置81の表示画面に表示される状態(状況)表示態様Dm3aが選択される。この時短情報更新エリア223gは、主制御装置110から時短設定情報を含む時短関連コマンド、即ち、主制御装置110の大当たり制御処理7(図326のS11504)にてエンディング演出の終了タイミングと判別し(図326のS11612)、時短状態の終了条件を設定した場合に(図326のS11614)設定される時短設定情報コマンドを受信した場合に、今回の時短状態を終了させるための終了条件が設定される。
そして、音声ランプ制御装置113の時短更新処理(図60のS2216参照)において、時短情報を更新させるための更新情報(特別図柄変動が実行されたことを示すための変動情報や、小当たりに当選したことを示すための小当たり情報)を受信したと判別した場合に(図60のS2604:Yes、図60のS2615:Yes)、受信した更新情報に対応させて現在の時短状況が更新される。
この時短情報更新エリア223g内のデータ領域について具体的に説明をすると、時短情報更新エリア223gには、時短状態の終了条件になり得る各項目(例えば、第1特別図柄の変動回数、第2特別図柄の変動回数、第1特別図柄の変動回数と第2特別図柄の変動回数とを合算した合算変動回数、小当たり種別(小当たりA,B)毎の当選回数(V入賞装置600の動作を開始した回数)、小当たり当選回数(各小当たり種別の当選回数を合算した合算当選回数)等)に対応して情報を一時的に格納できるように形成されており、各項目に対して、時短設定情報(時短状態の終了条件が成立する回数)と、時短状態が継続して設定されている期間中における各項目の更新情報(実際に実行された回数を示す情報)と、がそれぞれ格納されるように構成されている。
第7制御例では、この時短情報更新エリア223gに格納されている情報を用いて、複数の終了条件の中から他の終了条件よりも成立し易い終了条件を判別したり、各終了条件が成立するまでの残実行回数を判別したりするように構成している。さらに、時短情報更新エリア223gに格納されている時短設定情報や更新情報を用いて、例えば、時短設定情報に含まれる各項目の終了条件を示す値に対する更新情報が示す値の割合を算出し、時短進行度合いを数値(例えばパーセント)で表示するように構成しても良い。
また、第7制御例では、時短情報更新エリア223gに格納される情報として、更新情報(既に実行された回数(変動回数、当選回数)を示す情報)を格納するように構成しているが、これに限ること無く、時短状態の終了条件が成立するまでの残回数を算出し、算出した残回数を示す情報を時短情報更新エリア223gに格納するように構成しても良い。
上述した通り、第7制御例では、時短設定情報と、更新情報と、を区分けして記憶(格納)するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、時短設定情報として記憶した情報を直接更新するように構成しても良い。このように構成することで、時短情報更新エリア223gの容量を削減することができる。
仮当たり判定フラグ223hは、特別図柄の抽選(変動)が実行される前の入賞情報(保留記憶されている入賞情報)に大当たりに当選する入賞情報が含まれていることを示すためのフラグであって、オンに設定されることで保留記憶されている入賞情報に大当たりに当選する入賞情報が含まれていることを示すものである。この仮当たり判定フラグ223hは、主制御装置110の先読み処理5にて取得された入賞情報コマンドを、音声ランプ制御装置113側で受信した場合に実行される入賞情報関連処理において、主制御装置110から受信した入賞情報コマンドの入賞情報に当たり情報があると判別した場合に、オンに設定される。そして、入賞情報関連処理において参照され、オンに設定されていると判別した場合は、以降に受信した入賞情報コマンドに対する各種判別処理をスキップするように構成している。また、変動表示設定処理にて実行される演出設定処理においても参照され、オンに設定されていると判別した場合は、状態表示態様を示す表示用状態表示コマンドを設定するための処理をスキップするように構成している。
以上、説明をしたように、受信した入賞情報コマンドに含まれる入賞情報や、大当たり終了時点において保留記憶されている入賞情報の中に、大当たりに当選する入賞情報が含まれている場合には、それ以降に新たに受信した入賞情報コマンドに含まれる入賞情報に対して大当たりに当選する入賞情報が含まれているかの判別や、現在設定されている遊技状態の終了条件が成立するか否かの判別を実行しないように構成している。つまり、大当たりに当選したことにより時短状態が終了すると判別された場合は、それ以降に獲得した入賞情報に基づいて、現在設定している時短状態が終了するか否かの判別が不要となるため、その不要な処理をスキップするように構成している。よって、音声ランプ制御装置113が実行する処理の処理負荷を軽減させることができる。
なお、第7制御例では、新たな入賞情報コマンドを受信した場合と、大当たり遊技の終了した場合とで入賞情報の内容を判別する処理を実行するように構成しているが、それ以外のタイミングとして、例えば、停電等でパチンコ機10の電源がオフとなった後に、主制御装置110の立ち上げ処理(主制御装置)7(図324参照)において、第1特別図柄保留球格納エリア203aに格納されている各入賞情報を示すための復帰時入賞情報コマンドを設定し、全て音声ランプ制御装置113へと送信するように構成し、音声ランプ制御装置113側で上述した復帰時入賞情報コマンドを受信した場合に、上述した入賞情報の内容を判別する処理を実行するように構成しても良い。
また、第7制御例では、新たな入賞情報コマンドを受信した場合や、大当たり遊技が終了した場合に、必ず入賞情報の内容を判別する処理を実行するように構成しているが、これに限ること無く、所定の禁止条件が成立している場合には入賞情報の内容を判別しないように構成しても良い。この場合、所定の禁止条件としては、例えば、パチンコ機10が複数の演出モードを有しており、そのうちの1の演出モードが設定されている場合に成立する演出モード禁止条件や、特別図柄の抽選結果として大当たり以外(外れ)が所定回数(例えば、500回)連続した場合に成立するハマリ中禁止条件や、入賞情報に含まれる大当たり抽選結果(当否判定結果)に基づいて複数の特別図柄変動に跨がって実行される連続演出が実行されている間に成立する連続演出中禁止条件や、その連続演出が終了してからの所定期間(例えば、特別図柄の変動が2回実行されるまでの期間)の間に成立する多発禁止条件等を設けると良い。
このように構成することで、入賞情報に基づいて事前に判別された内容に応じた演出(所謂、先読み演出)を実行可能な期間と、実行不能な期間とを設定することができるため、遊技者に対して先読み演出が実行されなかった場合であっても大当たりへの期待感を維持することができる。なお、上述した禁止条件が成立している場合に、入賞情報の内容を判別する頻度を低くするように構成しても良いし、禁止条件が成立していない場合に、必ず入賞情報の内容を判別するのでは無く、入賞情報の内容を判別する頻度を高くするように構成しても良い。さらに、上述した禁止条件が成立しているか否かは遊技者に把握されないように構成すると良い。
仮時短情報更新エリア223iは、入賞情報コマンドに含まれる入賞情報に応じて事前に更新させた時短情報(仮時短情報)を一時的に格納するためのデータ領域である。第7制御例では、この仮時短情報更新エリア223iに格納されている仮時短情報を参照して、時短状態が終了するタイミングを事前に判別可能に構成している。
以上、説明をしたように、受信した入賞情報コマンドに含まれる入賞情報によって、時短終了条件が成立する場合には、それ以降に新たに受信した入賞情報コマンドに含まれる入賞情報に対して大当たりに当選する入賞情報が含まれているかの判別や、現在設定されている遊技状態の終了条件が成立するか否かの判別を実行しないように構成している。つまり、大当たりに当選したことにより時短状態が終了すると判別された場合は、それ以降に獲得した入賞情報に基づいて、現在設定している時短状態が終了するか否かの判別が不要となるため、その不要な処理をスキップするように構成している。よって、音声ランプ制御装置113が実行する処理の処理負荷を軽減させることができる。
時短下限フラグ223kは、特別図柄の変動回数に基づいて成立する終了条件に対して、特別図柄の変動回数が所定回数に到達したことを示すためのフラグであって、オンに設定されることで、時短状態中の特別図柄の変動回数が所定回数に到達したことを示すためのものである。
このように、時短終了条件が成立するまでの進行具合に応じてオンに設定されるフラグを設け、そのフラグの設定状況に応じて演出態様を可変させるように構成することで、遊技者に対して、時短終了条件が成立するタイミングを予測させることが可能となる。よって、時短状態の終了タイミングを示唆する演出の演出効果を高めることができる。
なお、第7制御例では、時短終了条件が成立するまでの進行具合を2段階で判別するように構成しているが、より多くの段階を設けても良い。この場合、例えば、時短状態が設定されている状態において特別図柄の変動が10回実行される毎にその状態を識別可能なフラグ(カウンタ)を設け、そのフラグ(カウンタ)に応じて演出態様を可変するように構成すれば良い。
準終了条件フラグ223mは、特別図柄の抽選によって小当たりに当選したこと基づいて成立する終了条件に対して、特別図柄の変動回数が所定回数に到達したことを示すためのフラグであって、オンに設定されることで、時短状態中の特別図柄の変動回数が所定回数に到達したことを示すためのものである。
時短終了前変動フラグ223nは、時短状態が終了する(時短終了条件が成立する)前の変動が実行されることを示すためのフラグであって、オンに設定されることで、時短状態が終了する1つ前の変動が実行されることを示すものである。具体的には、複数設定される時短状態の終了条件のうち、特別図柄の変動回数に基づいて設定される時短終了条件が成立するまでの期間(変動回数)が残り1回となった場合にオンに設定される。この時短終了前変動フラグ223nがオンに設定されている状態で変動表示設定処理(図182参照)を実行することで、当該変動が時短状態の最終変動と判別することが可能となり、時短状態の最終変動に対応した演出を実行することができる。
なお、第7制御例では、時短が終了する前の変動が完了した(実行された)ことを判別するために、時短終了前変動フラグ223nを設定するようにしているが、それ以外にも、例えば、第2特別図柄の入賞情報を保留記憶可能な構成を設け、保留記憶されている入賞情報に対しても先読み処理5(図259参照)を実行するように構成し、その先読み処理の結果を示す入賞コマンドを受信するように構成し、受信した入賞コマンドに基づいて、小当たり当選する第2特別図柄の入賞情報を事前に判別するように構成する。そして、事前判別の結果に基づいて、時短状態の終了条件が成立する小当たり当選が実行される特別図柄変動の前の変動が実行される場合に、時短終了前変動フラグ223nがオンになるような構成を追加しても良い。これにより、複数の時短終了条件を有する遊技機において、確実に時短終了条件が成立する1つ前の特別図柄変動を判別することができる。
状態演出カウンタ223oは、音声ランプ制御装置113によって実行される各種演出の演出態様を設定する際に用いられる各種抽選に使用されるカウンタであって、図示は省略したが、音声ランプ制御装置113のMPU221が実行するメイン処理が実行される毎に1ずつ更新される。状態演出カウンタ223oは、上述した演出カウンタ223eと同一のループカウンタで構成されている。なお、詳細な構成については、上述した演出カウンタ223eと同一であるため省略する。
このように、特定の規則性(当否判定結果、各種フラグの設定状況)に応じて特定の表示態様を選択する場合において、ランダムに更新される値(状態演出カウンタ223oの値)に基づいて選択される表示態様を更に詳細に区分けするように構成することで、表示態様の多様化を図るとともに、選択される表示態様(第3図柄表示装置81に表示される表示態様)によって現在の遊技状態(時短状態の更新状況)を遊技者に容易に把握されてしまうことを抑制することができる。
その他メモリエリア223zは上述したデータ以外のデータを格納する領域として設けられており、音声ランプ制御装置113のMPU221が使用するその他カウンタ値などを一時的に記憶しておくための領域である。
次に図313を参照して、第7制御例におけるパチンコ機10の遊技の流れについて説明をする。図313は、第7制御例におけるパチンコ機10の遊技の流れを模式的に示した模式図である。図313に示した通り、第7制御例におけるパチンコ機10は、上述したように通常状態中(通常状態中)は、左打ち遊技が行われ第1入球口64を狙う特1(特図1)遊技が実行される。ここで、第1入球口64へと遊技球が入球し、第1特別図柄抽選が実行されると、まず、時短当選の判定が行われる。そして、時短当選の判定にて時短当選しないと判定された場合は、遊技状態が通常状態のまま第1特別図柄抽選の大当たり判定が実行される。そして、通常状態において第1特別図柄の大当たりに当選すると、当選した大当たり種別によって大当たり終了後に異なる遊技状態へと移行する。
具体的には、当選した大当たりの大当たり種別が大当たりC(全体の50%)である場合は、大当たり終了後に再度通常状態が設定され、大当たり種別が大当たりAまたは大当たりBである場合は、大当たり終了後に通常状態よりも遊技者に有利な遊技状態である時短遊技状態(時短状態)へと移行する。
なお、通常状態中において第2入球口640に球を入球させて第2特別図柄の抽選を実行し、大当たりに当選した場合はその大当たり終了後に遊技状態として、通常状態が設定されるように構成している。これは、図295を参照して上述した通り、第7制御例のパチンコ機10は通常状態中(通常遊技中)に右打ち遊技を行ったとしても第2入球口640に球が入球しない(し難い)ように構成していることから、通常状態において第2特別図柄の抽選が実行される行為を不正行為とみなし、不正行為を行った遊技者に対して有利な遊技を行わせないための対策である。後述するように、第7制御例では時短状態中では第1特別図柄の抽選よりも第2特別図柄の抽選の方が遊技者に有利な抽選(遊技)を行わせることができるように構成しているため、不正行為を行って第2特別図柄の抽選を行われる虞があった。そこで、上述した対策を施すことにより、不正行為により第2特別図柄の抽選が行わせることを抑制することができる。
さらに、第7制御例では、第2特別図柄の入賞情報(第2入球口640に球が入球した場合に取得される入賞情報)を保留記憶する構成を有していないため、例えば、時短状態中(電動役物640aが突出位置に動作され易い状態中)に第2特別図柄の入賞情報を保留記憶し、その保留記憶された入賞情報に基づいて通常状態中の第2特別図柄の抽選(変動)が実行されてしまうことが無い。これにより、正常な遊技を行っている場合に、遊技状態として通常状態が設定されている状態において、第2特別図柄の抽選(変動)が実行されることを確実に防止することができる。
一方で、通常状態が設定されている状態で実行される第1特別図柄抽選において時短当選した場合(時短当選の判定で時短当選したと判定された場合)は、時短状態にて大当たり判定が実行される。この状態にて実行された大当たり判定にて大当たり当選した場合は、その大当たり遊技終了後に、100%の割合で時短状態が設定される。また、第1特別図柄抽選において実行される時短当選の判定で時短当選した場合には、当該第1特別図柄抽選の結果を示すための第1特別図柄変動が開始されるタイミングで時短状態が終了し、通常状態が設定されるように構成しているため、引き続き通常状態の遊技(左打ち遊技)が実行される。
特別図柄抽選で大当たり当選したことに基づいて時短状態が設定された場合には、第2入球口640に付随する電動役物640aの開放動作(突出動作)により第2入球口640に容易に球を入球させることが可能な期間時短状態が継続するように時短状態が設定されるため、右打ち遊技が行われ第2入球口640を狙う特2遊技が実行される。
ここで、第2特別図柄の抽選によって、小当たりに当選(当選確率140/1000)した場合は、小当たり遊技としてV入賞装置650が開放動作され、V入賞装置650内のVスイッチ650e3が球を検知することで(球が特定領域を通過することで)、大当たり遊技が開始される。第7制御例では、小当たり遊技経由で大当たり遊技が設定(実行)された場合には、その大当たり遊技終了後に、遊技状態として必ず時短状態が設定されるように構成している。このように構成することで、小当たり遊技経由の大当たりを獲得した遊技者に対して不快感を与えることを無くすことができる。
なお、第7制御例では第2特別図柄の抽選によって、小当たりに当選した場合に設定される小当たり種別(小当たりA,B)によって、その小当たり遊技中に球が特定領域を通過する可能性(Vスイッチ650e3が球を検知する可能性)が異なる小当たり遊技が実行されるように構成されている。
加えて、第7制御例では、大当たり当選に基づいて設定された時短状態を終了させる終了条件(時短終了条件)として、特別図柄(第1特別図柄或いは第2特別図柄)の変動回数(抽選回数)が規定変動回数(100回)に到達した場合に成立する変動回数終了条件(第1時短終了条件)と、特別図柄(第2特別図柄)の抽選の結果、小当たりに当選した当選回数(小当たり当選に基づいて動作されるV入賞装置650の動作回数)が規定動作回数に到達した場合に成立する動作回数終了条件(第2時短終了条件)と、が設定されている。
また、第2時短終了条件は、更に、小当たりに当選した場合に設定される小当たり種別(実行される小当たり遊技)に応じてそれぞれ設定されるように構成している。
そして、時短状態が設定されている状態(状況)において、上述した第1時短終了条件、或いは、第2時短終了条件が成立するよりも前に、特別図柄の大当たり抽選に当選(1種当たりに当選)、或いは、特別図柄の抽選にて小当たりに当選し、当選した小当たりに応じた小当たり遊技(小当たり種別に応じた小当たり遊技)中に、球を特定領域に通過させ大当たりを獲得(2種当たりを獲得)した場合には、時短状態が繰り返し設定される。
一方、時短状態が設定されている状態(状況)において、1種当たり、或いは2種当たりを獲得する前に上述した第1時短終了条件(特別図柄の変動回数に応じた終了条件)或いは第2時短終了条件(小当たり当選(V入賞装置650の動作)に応じた終了条件)の何れかが成立した場合には、遊技状態が時短状態から通常状態へと移行(設定)される。
このように構成された第7制御例のパチンコ機10は、時短状態が設定されている場合に実行される第2特別図柄の抽選において小当たりに当選した場合に、時短状態を終了させる可能性(第2時短終了条件が成立する可能性)と、2種当たりを獲得する可能性の両方を遊技者に提供することができる。よって、時短状態中に実行される遊技(第2特別図柄の抽選)に対する遊技者の興味を高め、遊技の興趣を向上させることができる。
さらに、第7制御例では図313に示した通り、時短状態が設定されている場合に第1特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合には、大当たり遊技終了後に遊技状態として時短状態が設定されるように構成している。このように構成することで、遊技状態として通常状態が設定されている状態、即ち、左打ち遊技が行われている状態であって、第1特別図柄の保留球数(保留記憶数)が上限数(4個)である場合に大当たりに当選し、その大当たり遊技終了後に時短状態が設定された場合に実行され得る「時短状態中における第1特別図柄変動(抽選)」において、大当たりに当選したとしても、遊技者に不利となる結果を遊技者に提供することを抑制することができる。
<第7制御例における主制御装置110により実行される制御処理について>
次に、図314から図327のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU201の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理7と、定期的に(第7制御例では2m秒間隔で)起動されるタイマ割込処理と、NMI端子への停電信号SG1の入力により起動されるNMI割込処理とがあり、説明の便宜上、はじめにタイマ割込処理とNMI割込処理とを説明し、その後、立ち上げ処理(主制御装置)7とメイン処理7とを説明する。なお、本第7制御例における主制御装置110により実行される制御処理のうち、上述した第5制御処理と同一の処理内容については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
図314は、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込処理は、例えば2ミリ秒毎に実行される定期処理である。タイマ割込処理では、まず各種入賞スイッチの読み込み処理を実行する(S10101)。即ち、主制御装置110に接続されている各種スイッチの状態を読み込むと共に、当該スイッチの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。
次に、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を実行する(S10102)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(第7制御例では999)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。同様に、第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(第7制御例では239)に達した際、0にクリアし、その第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値をRAM203の該当するバッファ領域に格納する。
更に、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3、第2当たり乱数カウンタC4、小当たり種別カウンタC5、時短種別選択カウンタCC1の値(図示せず)の更新を実行する(S10103)。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3、第2当たり乱数カウンタC4及び小当たり種別カウンタC5、時短種別選択カウンタCC1の値(図示せず)をそれぞれ1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(第7制御例ではそれぞれ、999,99,99,239,99)に達した際、それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C5,CC1の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。
次に、第1図柄表示装置37a,37bにおいて表示を行うための処理であると共に、第3図柄表示装置81による第3図柄の変動パターンなどを設定する特別図柄変動処理7を実行する(S10104)。その後、第1入球口64への入賞(始動入賞)に伴う始動入賞処理を実行する(S10105)。尚、特別図柄変動処理7の詳細は、図315を参照して後述する。
始動入賞処理を実行した後は、第2図柄表示装置83において表示を行うための処理である普通図柄変動処理を実行し(S10106)、普通図柄始動口(スルーゲート)67における球の通過に伴うスルーゲート通過処理を実行する(S10107)。尚、始動入賞処理(S10105)、普通図柄変動処理(S10106)、及び、スルーゲート通過処理(S10107)の詳細な内容については、上述した第5制御例における始動入賞処理、普通図柄変動処理、及び、スルーゲート通過処理と同一であるため、その詳細な説明を省略する。スルーゲート通過処理(S10107)を実行した後は、V入賞装置650への入球に伴うV入口通過処理を実行する(S10108)。その後、V入賞装置650のV入賞スイッチ(Vスイッチ)650e3への入賞に伴うV通過処理を実行する(S10109)。尚、V入口通過処理及びV通過処理の詳細は、図322及び図323を参照して後述する。
次いで、発射制御処理を実行し(S10110)、更に、定期的に実行すべきその他の処理を実行して(S10111)、タイマ割込処理を終了する。なお、発射制御処理は、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、且つ、発射を停止させるための発射停止スイッチ51bが操作されていないことを条件に、球の発射のオン/オフを決定する処理である。主制御装置110は、球の発射がオンである場合に、発射制御装置112に対して球の発射指示をする。
次に、図315を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される特別図柄変動処理7(S10104)について説明する。図315は、この特別図柄変動処理7(S10104)を示すフローチャートである。この特別図柄変動処理7(S10104)は、タイマ割込処理(図314参照)の中で実行され、第1図柄表示装置37a,37bにおいて行う特別図柄(第1図柄)の変動表示や、第3図柄表示装置81において行う第3図柄の変動表示などを制御するための処理である。
この特別図柄変動処理7(S10104)では、まず、今現在が、特別図柄の大当たり中であるか否かを判定する(S10201)。特別図柄の大当たり中としては、第1図柄表示装置37a,37b及び第3図柄表示装置81において特別図柄の大当たり(特別図柄の大当たり遊技中も含む)を示す表示がなされている期間が含まれるものであり、大当たり遊技の開始を示す期間(オープニング期間)と、大当たり遊技中の期間(ラウンド遊技期間)と、ラウンド遊技期間が終了し、次に新たな特別図柄の抽選(変動)が開始されるまでの猶予期間(エンディング期間)と、が含まれる。
ここで、現在が大当たり中であるか否かの判別をするために、具体的には、大当たり中フラグ203kがオンに設定されているかを判別している。判別の結果、特別図柄の大当たり中(大当たり中フラグ203kがオンに設定されている)と判別した場合は(S10201:Yes)、そのまま本処理を終了する。
特別図柄の大当たり中でなければ、即ち、大当たり中フラグ203kがオンに設定されていない(オフに設定されている)と判別した場合は(S10201:No)、第1図柄表示装置37a,37bの表示態様が変動中であるか否かを判定し(S10202)、第1図柄表示装置37a,37bの表示態様が変動中でなければ(S10202:No)、第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(N1)と第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値(N2)を取得する(S10203)。
そして、第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値(N2)が0より大きいか判別する(S10204)。第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値(N2)が0でなければ(S10204:Yes)、即ち、変動(抽選)を開始させる第2特別図柄の保留球を確保している状態であれば、第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値(N2)を減算し(S10205)、演算により変更された第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値(N2)を示す保留球数コマンド(特図2保留球数コマンド)を設定する(S10206)。S10206の処理により特図2保留球数コマンドを設定した後は、第2特別図柄保留球格納エリア203bに格納されたデータをシフトする(S10207)。その後、時短抽選処理7(S10208)、特別図柄判定処理7(S10209)、特別図柄変動パターン選択処理7(S10210)の処理を実行し、本処理を終了する。
一方、第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値(N2)が0であると判別された場合には(S10204:No)、現時点において変動(抽選)を開始させる第2特別図柄の保留球を確保していない状態であるため、第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(N1)が0より大きいか判別する(S10211)。
第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(N1)が0であると判別された場合には(S10211:No)、現時点において変動(抽選)を開始させる第1特別図柄の保留球を確保していない状態であるため、特別図柄変動を実行するための本処理を終了する。
一方、第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(N1)が0でなければ(S10211:Yes)、即ち、変動(抽選)を開始させる第1特別図柄の保留球を確保している状態であれば、第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(N1)を減算し(S10212)、演算により変更された第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(N1)を示す保留球数コマンド(特図1保留球数コマンド)を設定する(S10213)。S10213の処理により特図1保留球数コマンドを設定した後は、第1特別図柄保留球格納エリア203aに格納されたデータをシフトする(S10214)。その後、時短抽選処理7(S10208)、特別図柄判定処理7(S10209)、特別図柄変動パターン選択処理7(S10210)の処理を実行し、本処理を終了する。
S10202の処理において、第1図柄表示装置37a,37bの表示態様が変動中であれば(S10202:Yes)、第1図柄表示装置37a,37bにおいて実行している変動表示の変動時間が経過したか否かを判別する(S10211)。第1図柄表示装置37a,37bにおいて実行される変動表示の変動時間は、変動種別カウンタCS1により選択された変動パターンに応じて決められており(変動パターンコマンドに応じて決められており)、この変動時間が経過していなければ(S10215:No)、即ち、現在が特別図柄の変動期間中であれば、第1図柄表示装置の表示を更新し(S10216)、本処理を終了する。
一方、S10215の処理において、実行している変動表示の変動時間が経過していれば(S10215:Yes)、第1図柄表示装置37a,37bの停止図柄に対応した表示態様(停止表示)を設定する(S10217)。停止表示の設定は、図318を参照して後述する特別図柄変動パターン選択処理7(S10252)によって予め行われる。詳細な説明は省略するが、第7制御例では、S10217の処理において設定された停止表示を所定期間(0.5秒)第1図柄表示装置に表示するように構成している。このように停止図柄の表示態様(停止表示)を所定期間継続して表示させることにより、変動中の図柄が一瞬表示された場合とは異なり、遊技者に対して確実に停止表示された第1図柄の内容を認識させることができる。
上述した第1図柄の停止態様を表示する所定期間(確定期間)として、第7制御例では0.5秒を設定しているが、それ以外の構成を用いても良く、例えば、第1図柄が変動中であることを示すために点灯状態と消去状態とを繰り返す点滅表示を行う場合であれば、その点滅表示を行う際の1回の点灯表示期間(例えば、0.2秒)よりも長い期間を上述した確定期間として設定すれば良い。このように構成することで、第1図柄が変動中であるか停止中(確定中)であるかを遊技者に容易に判別させることができる。
S10217の処理が終了した後は、第1図柄表示装置37a,37bにおいて実行中の特別図柄の変動表示が開始された際に、特別図柄判定処理7(図317のS10209参照)によって行われた特別図柄の抽選結果(今回の判別結果)が、特別図柄の大当たりであるかを判別する(S10218)。今回の抽選結果が特別図柄の大当たりであると判別した場合は(S10218:Yes)、大当たり開始フラグ203jと大当たり中フラグ203kとをオンに設定し(S10219)、時短カウンタ203hを0に設定して(S10220)、S10221の処理へ移行する。S10221の処理では、特図確定コマンドを設定し(S10221)、本処理を終了する。
つまり、第7制御例では、S10220の処理にて説明をした通り、特別図柄の大当たりに当選した場合には、その特別図柄の変動が終了(第1図柄の確定表示が終了)してから、大当たり遊技が開始されるまでのタイミングで時短状態が終了するように構成している。なお、特別図柄の大当たりに当選したことに基づいて時短状態を終了させるタイミングについては、予め定められているタイミングで有れば良く、上述した第7制御例のように、特別図柄(第1図柄)の確定表示後以外にも、例えば、大当たりに当選した特別図柄の変動開始タイミングで時短状態を終了しても良いし、特別図柄が停止表示されたタイミング(確定表示が開始されるタイミング)で時短状態を終了しても良い。また、当選した大当たりに対応した大当たり遊技を開始するタイミングや大当たり遊技が開始されてから所定期間後(例えば、可変入賞装置65が開放されるラウンド遊技開始タイミング)に時短状態を終了しても良いし、大当たり遊技が終了したタイミングで時短状態を終了しても良い。
さらに、特別図柄の大当たりに当選したことに基づいて時短状態を終了させる終了タイミング(特別図柄の大当たりに当選した場合に成立する時短終了条件を成立させるタイミング)を、上述した複数のタイミングの中から1つだけ予め設定するように構成しても良いし、当選した大当たりの大当たり種別に応じて異なるタイミングで時短状態が終了するように構成しても良い。
このように構成することで、例えば、特別図柄の変動開始タイミングで時短状態を終了させた場合には、遊技者に対して、時短状態が終了し(例えば、特別図柄の変動回数が規定回数(100回)に到達し)通常状態が設定されたのか、それとも、時短状態中に大当たりに当選したことにより時短状態が終了したのかを分かり難くすることができる。よって、時短状態が終了した際に実行される特別図柄変動に対応する第3図柄の演出表示(変動表示)の内容を遊技者に注視させることができ、演出効果を高めることができる。
また、複数の大当たり種別毎に時短終了条件が成立するタイミング(大当たりに当選した場合に時短状態を終了させるタイミング)を異ならせるように設定することで、時短状態の終了タイミングに基づいて特別図柄の抽選結果(判別結果)が遊技者に把握されてしまうことを抑制することができる。なお、複数の大当たり種別毎に設定される時短終了条件が成立するタイミングの一部に、時短状態が終了したタイミングを遊技者が識別した場合に、今回の特別図柄の抽選結果(判別結果)が大当たりであることを遊技者に報知できるタイミング、即ち、大当たりに当選したことにより成立する時短終了条件が成立した場合にのみ時短状態が終了する大当たり専用の時短終了タイミングを設けても良い。
このように構成することで、時短状態が終了するタイミングを把握することで、大当たりに当選したことをいち早く知ることができ、優越感に浸る期間を長くすることができる。また、このような効果をより奏するために、上述した大当たり専用の時短終了タイミングを、特別図柄変動が実行されてから特別図柄変動が終了するまでの変動期間のうち、前半期間に設定するように構成すると良い。
一方、S10218の処理において、今回の抽選結果が大当たりでないと判別された場合は(S10218:No)、今回の抽選結果が小当たりであるか否かを判別する(S10222)。S10222の処理において、今回の抽選結果が小当たりであると判別された場合は(S10222:Yes)、小当たり開始設定処理7を実行し(S10223)、本処理を終了する。一方、S10222の処理において、今回の抽選結果が小当たりでないと判別された場合は(S10222:No)、小当たり開始設定処理7(S10223)をスキップして、本処理を終了する。
以上、説明をしたように、第7制御例の特別図柄変動処理7(図315のS10104)では、第1特別図柄の抽選(変動)条件の成立の有無よりも優先して(先に)、第2特別図柄の抽選(変動)条件の成立の有無を判別するように構成している(図315のS10204の処理)。これは、遊技者にとって有利な特別図柄である第2特別図柄は遊技状態として時短状態が設定されている場合に変動可能(変動容易)となり、通常状態が設定されている場合は、変動不能(変動困難)となる第2特別図柄のほうが、第1特別図柄よりも変動(抽選)を実行し難い特別図柄となるように構成されているためである。
このように構成されたパチンコ機10において、万が一、第1特別図柄の抽選(変動)条件と、第2特別図柄の抽選(変動)条件が同時(主制御装置110のタイマ割込処理(図314参照)の処理期間である2ミリ秒分の誤差は含む)に成立した場合に、変動(抽選)が実行され難い第2特別図柄よりも優先して第1特別図柄の変動が開始されてしまうと、遊技者に対して不快感を与えてしまうことになる。さらに、第7制御例では第1特別図柄の抽選(変動)よりも第2特別図柄の抽選(変動)のほうが遊技者に有利となる抽選結果に当選し易くなるように(小当たりに当選し易くなるように)構成しているため、第1特別図柄の抽選(変動)条件と、第2特別図柄の抽選(変動)条件が同時(主制御装置110のタイマ割込処理(図314参照)の処理期間である2ミリ秒分の誤差は含む)に成立した場合に、変動(抽選)が実行され難い第2特別図柄よりも優先して第1特別図柄の変動が開始されてしまうと、より不快感を与えてしまうという問題があった。
これに対して、第7制御例では、第1特別図柄、或いは第2特別図柄の変動を開始させる処理を実行する場合に、遊技者にとって付加価値の高い(小当たりの当選確率が第1特別図柄よりも高い、実際に抽選(変動)が実行され難い)特別図柄(第7制御例では第2特別図柄)の抽選(変動)条件を優先して(最初に)判別するように構成しているため、上述した問題が発生することを抑制することができる。
次に、図316を参照して、時短抽選処理7(S10208)の処理内容について説明をする。図316は、時短抽選処理7(S10208)の処理内容を示したフローチャートである。図316に示した通り、時短抽選処理7(S10208)は、上述した第5制御例における時短抽選処理5(図254のS8006参照)に対して、時短抽選を実行するための条件と、時短抽選の抽選結果(時短当選の有無)を判定する際に参照されるデータテーブルを異ならせている点で相違し、それ以外は同一である。同一の内容についてはその詳細な説明を省略する。
時短抽選処理7(S10208)が実行されると、まず、現在の遊技状態が通常状態であるかを判別し(S18103)、通常状態では無い(時短状態である)と判別した場合は(S18103:No)、そのまま本処理を終了する。一方、通常状態であると判別した場合は(S18103:Yes)、時短当たり乱数7テーブル202fhに基づいて抽選結果(時短当選の判定結果)を取得し(S18104)、時短当選したかを判別し(S18105)、時短当選したと判別した場合は(S18105:Yes)、時短種別選択7テーブル202fiに規定されている内容に基づいて時短カウンタ203hの値に1を設定し(S18106)、本処理を終了する。また、S18105の処理において時短当選していないと判別した場合は(S18105:No)、そのまま本処理を終了する。
以上、説明をした通り、本第7制御例では、特別図柄種別に関わらず、特別図柄抽選が通常状態にて実行される場合を時短当選判定の実行条件としている。そして、本第7制御例におけるパチンコ機10は、遊技状態として、通常状態と時短状態との2種類を設定可能に構成している。つまり、第7制御例では、時短状態が設定されていない状態で実行される特別図柄抽選の全てにおいて、時短当選の判定が実行されるように構成している。よって、遊技者に対して常に時短状態が設定される可能性を持たせたまま遊技を行わせることができる。
なお、上述した通り、本第7制御例では、特別図柄抽選で時短当選した場合には、その時短当選に基づいて設定される時短状態が、当該特別図柄抽選にて大当たり判定が実行される期間のみ設定されるように構成していることから、大当たり当選しない限り時短当選したか否かを遊技者に把握させ難くすることができる。
次に、特別図柄判定処理7(S10209)の処理内容について、図317を参照して説明をする。図317は、特別図柄判定処理7(S10209)の処理内容を示したフローチャートである。特別図柄判定処理7(S10209)は、上述した特別図柄変動処理7(図315のS10104参照)において、時短抽選処理7(図316のS10208参照)が実行された後に実行される処理であって、特別図柄抽選における大当たり判定(小当たり判定)を行うための処理が実行される。
図317に示した通り、この特別図柄判定処理7(S10209)は、上述した第5制御例における特別図柄判定処理5(図253のS251参照)に対して、小当たり判定された場合に実行される処理を追加した点で相違し、それ以外は同一である。同一の内容についてはその詳細な説明を省略する。なお、図317では、上述した特別図柄判定処理5(図253のS251参照)と同一の処理内容に対して、説明の便宜上、異なる符号を付しているが記載内容が同一の処理についてはその処理内容は同一である。
特別図柄判定処理7(S10209)が実行されると、まず、特別図柄保留球格納エリアの実行エリアのデータを取得し(S10301)、第1当たり乱数7テーブル202fhに基づいて抽選結果(大当たり(小当たり)判定結果)を取得し(S10302)、取得した抽選結果が大当たり当選であるかを判別する(S10303)。大当たり当選であると判別した場合は(S10303:Yes)、特別図柄の抽選結果を大当たりに設定し(S10304)、取得した当たり種別カウンタ(第1当たり種別カウンタC2)の値に基づいて、第1図柄表示装置37に表示する特別図柄の大当たり図柄をセットし(S10305)、本処理を終了する。
一方、S10303の処理において大当たり当選していないと判別した場合は(S10303:No)、次いで、小当たり当選しているかを判別し(S10306)、小当たり当選していると判別した場合は(S10306:Yes)、特別図柄の抽選結果を小当たりに設定し(S10307)、取得した当たり種別カウンタ(第1当たり種別カウンタC2)の値に基づいて、第1図柄表示装置37に表示する特別図柄の小当たり図柄をセットし(S10308)、本処理を終了する。
なお、詳細な図示は省略しているが、S10305の処理、及びS10308の処理では、当該特別図柄抽選にて時短当選した場合と、時短当選していない場合とで異なる当たり図柄をセットするように構成している。つまり、第1図柄表示装置37には、特別図柄抽選の抽選結果を示すための特別図柄の表示態様として、時短当選の有無と当たり当選(大当たり当選、小当たり当選)の有無とを複合した表示態様を設定可能に構成している。
次に、図318を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される特別図柄変動パターン選択処理7(S10210)について説明する。図318は、特別図柄変動パターン選択処理7(S10210)の内容を示したフローチャートである。図318に示した通り、特別図柄変動パターン選択処理7(S10210)では、特別図柄変動の開始を設定する前に更新処理7(S8253)を実行するように構成している。このように構成することで、特別図柄変動が開始されるよりも前に時短状態を終了させることができる。
さらに、本第7制御例では、特別図柄抽選の結果を示すための特別図柄変動の変動パターンが選択されてから、実際に特別図柄変動が開始されるまでの間に、更新処理7(S8253)を実行するように構成している。よって、特別図柄抽選が実行された時点における遊技状態に対応させて特別図柄抽選の結果を示すための特別図柄変動の変動パターンを選択することができるため、遊技者に対して、更新処理7(S8253)が実行されたことにより遊技状態が切り替わった場合であっても、実行される特別図柄変動の変動パターンによって現在の遊技状態を予測させ難くすることができる。
また、時短状態が終了した後に実行される特別図柄変動であっても、その特別図柄変動に対応する特別図柄抽選が時短状態中に実行された場合であれば、特別図柄変動の変動パターンを時短状態中に参照されるデータテーブルを用いて決定することができるため、例えば、時短状態中に実行される特別図柄抽選に基づいてのみ付与可能な特典を有しているパチンコ機10において、その特典が付与されることを示すための専用演出を時短状態中に選択される特別図柄変動の変動パターンに対応して規定しておくだけで円滑に専用演出を実行することができる。
なお、これに限ること無く、例えば、図318のS8252の処理が実行されるよりも前に更新処理7(S8253)を実行するように構成しても良い。このように構成することで、特別図柄変動の変動パターンを選択するよりも前に時短状態を終了させることが可能となるため、例えば、通常状態と時短状態とで異なる変動パターンを選択可能に構成されたパチンコ機10において、選択された変動パターンに基づいて、時短状態中に特別図柄抽選の大当たり判定が実行されたか否かを判別されてしまうことを抑制することができる。
特別図柄変動パターン選択処理7(S10210)が実行されると、まず、特別図柄の抽選結果が大当たりであるか否か、即ち、特別図柄の大当たりが設定されているか否かを判別する(S8201)。S8201の処理において、特別図柄の大当たりが設定されていると判別された場合には(S8201:Yes)、大当たり種別選択7テーブル202fb(図306(a)参照)を参照して大当たり種別を決定し(S8251)、S8203の処理に移行する。
一方、S8201の処理において、特別図柄の抽選結果が大当たりではないと判別した場合には(S8201:No)、特別図柄の抽選結果が小当たりであるか否か、即ち、特別図柄の小当たりが設定されているか否かを判別する(S8209)。S8209の処理において特別図柄の小当たりが設定されていると判別した場合には(S8209:Yes)、小当たり種別選択7テーブル202ff(図307参照)を参照して小当たり種別を決定し(S8254)、S8203の処理に移行する。
また、S8209の処理において、特別図柄の小当たりが設定されていない、即ち、特別図柄の外れが設定されていると判別した場合には(S8209)、S8254の処理をスキップし、S8203の処理に移行する。
S8203の処理では、特別図柄実行エリアに格納されている変動種別カウンタCS2の値を取得する(S8203)。次に、遊技状態格納エリア203gに記憶されている情報に基づいて現在の遊技状態(通常状態、時短状態)を特定し、特定した遊技状態に対応したデータテーブルを変動パターン選択7テーブル202fdから読み出す(S8252)。
そして、S8203の処理で取得した変動種別カウンタCS2の値と、S8252の処理で読み出した変動パターン選択7テーブル202fd(図308(a)参照)が有するデータテーブルとに基づいて変動パターンを選択し(S8205)、S8205の処理で選択した変動パターンに基づいて、特図変動パターンコマンドを設定する(S8206)。ここで設定される特図変動パターンコマンドには、特別図柄抽選の抽選結果、特別図柄の変動時間を示す情報が含まれており、主制御装置110のメイン処理の外部出力処理にて音声ランプ制御装置113へと出力される。
次に、特別図柄の停止図柄を示す特図停止種別コマンドを設定し(S8207)、更新処理7を実行する(S8253)。更新処理7(S8253)の詳細な説明については、図319を参照して後述する。そして、第1図柄表示装置37で特別図柄の変動開始を設定し(S8208)、本処理を終了する。S8207の処理で設定される特図停止種別コマンドには、今回の特別図柄変動の結果を示す停止図柄の種別、即ち、リーチ外れや、リーチにならない外れといった大まかな種別を示す情報が含まれており、主制御装置110のメイン処理の外部出力処理にて音声ランプ制御装置113へと出力される。
次に、図319を参照して、特別図柄変動パターン選択処理7(図318のS10210参照)にて実行される更新処理7(S8253)の処理内容について説明をする。図319は、更新処理7(S8253)の処理内容を示したフローチャートである。この更新処理7(S8253)では、上述した第5制御例における更新処理5(図256のS253参照)と同様に、遊技状態(時短状態)を終了させるための終了条件に関する情報を更新するための処理と、更新後の情報が終了条件を満たしているかを判別するための処理と、終了条件を満たしていると判別した場合に遊技状態(時短状態)を終了させる処理と、が実行される。
図319に示した通り、本第7制御例では、遊技状態として通常状態と、時短状態と、を設定可能に構成しているため、更新処理7(S8253)では、時短状態を終了させるための時短終了条件に関する情報を更新し、更新後の情報に基づいた処理を実行するように構成している。つまり、時短カウンタ203hの値を減算し、時短終了条件が成立したかを判別し、その判別結果に基づいて時短状態を終了させる処理(時短終了条件が成立したか否かの判別を実行する際に参照される各種カウンタの値をクリアする処理)が実行される。
この更新処理7(S8253)は、タイマ割込処理(図314参照)の特別図柄変動処理7(図315参照)の中で実行される処理であり、時短回数を更新し、遊技状態を通常状態に設定するための処理である。
更新処理7(S8253)が実行されると、まず、時短カウンタ203hの値が0よりも大きいか、即ち、現在が時短中であるかを判別する(S10601)。S10601の処理において、時短カウンタ203hの値が0よりも大きく無い(0である)、即ち、時短中ではないと判別した場合は(S10601:No)、そのまま本処理を終了する。一方、時短カウンタ203hの値が0よりも大きい、即ち、時短中であると判別した場合は(S10601:Yes)、時短カウンタ203hの値を1減算し(S10602)、S10603の処理へ移行する。
S10603の処理では、演算により変更された(1減算された)時短カウンタ203hの値を示す残時短回数コマンドを設定する(S10603)。ここで設定された残時短回数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、後述のメイン処理7(図325参照)の外部出力処理(S11501)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。
その後、時短カウンタ203hの値が0であるかを判別する(S10604)。時短カウンタ203hの値が0であると判別した場合は(S10604:Yes)、遊技状態を通常状態に設定し(S10605)、小当たりAカウンタ203fgおよび小当たりBカウンタ203fhを0に設定する(S10606)。次いで、現在の遊技状態が通常状態であることを示す状態コマンドを設定し(S10607)、本処理を終了する。
一方、S10604の処理において、時短カウンタ203hの値が0ではないと判別した場合は(S10604:No)、そのまま本処理を終了し、特別図柄変動処理7(図315参照)へ戻る。
以上、説明をしたとおり、第7制御例では、特別図柄の変動回数に基づいて成立する時短終了条件(変動回数終了条件)の成立の有無は、更新処理7(図319参照)により判別され、特別図柄の小当たり当選の当選回数に基づいて成立する時短終了条件(当選回数終了条件)の成立の有無は、小当たり用時短更新処理7(図321参照)により判別されるように構成している。そして、何れかの処理において、複数設定される時短終了条件のうち、何れかの時短終了条件が成立した場合には、他の時短終了条件に対応する時短情報の更新状況を示すための各種カウンタの値を全て時短終了条件が成立した状態を示すための値(0)に設定するように構成している。よって、何れの時短終了条件が成立した場合においても、時短状態を終了させるための処理内容を統一することができる。
なお、第7制御例では、各時短終了条件に対応する時短情報の更新状況を示すために、時短状態が設定されたタイミングで各種カウンタに、各時短終了条件を示す値を設定し、各時短終了条件に対応する時短情報を判別した場合に、各種カウンタの値を減算し、減算した値が0となった場合に、対応する時短終了条件が成立したと判別する構成を用いているが、それ以外にも、時短状態が設定された時点で各種カウンタの値を0にセットし、対応する時短情報を判別した場合に、カウンタの値を1加算し、加算後のカウンタの値が時短終了条件を示す値であると判別した場合に時短状態を終了するように構成しても良い。つまり、時短終了条件の成立の有無を判別する手段と、時短状態が設定されている状態において、各種時短終了条件に対応する時短情報(特別図柄の変動回数や小当たり当選回数等)を更新する更新手段と、を設ける構成であれば良い。
次に、図320を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される小当たり開始設定処理7(S10223)について説明する。図320は、小当たり開始設定処理7(S10223)を示したフローチャートである。この小当たり開始設定処理7(S10223)は、タイマ割込処理(図314参照)の特別図柄変動処理7(図315参照)の中で実行される処理であり、小当たり種別(小当たりA,B)に基づいて、小当たり遊技の開始を設定し、当選した小当たりに応じて時短情報を更新するための処理(当選回数終了条件に対する更新処理)が実行される。
ここで、本パチンコ機10は、小当たり遊技が開始されるとV入賞装置650を球が入賞可能(容易)な開放状態に可変し、そのV入賞装置650に入賞した球が特定領域(V入賞スイッチ(Vスイッチ)650e3)を通過することで、その小当たり遊技終了後に大当たり遊技が実行(設定)されるよう構成されている。
即ち、小当たり遊技が実行される遊技状態は、V入賞装置650に球が入賞可能となる(賞球を得ることが出来る)有利状態、且つ、通常遊技状態に比べて大当たり遊技が実行される可能性が高くなる有利状態となるよう構成されている。なお、詳細は後述するが第7制御例では、小当たりに当選した場合に設定される小当たり種別(小当たりA,B)に対応して異なる小当たり遊技が実行されるように構成されており、各小当たり種別に応じて、小当たり遊技中に球が特定領域を通過する可能性が異なるようにしている。
このように構成することで、実行される小当たり遊技によって大当たり遊技(2種当たり)が実行(設定)される可能性(期待度)を可変させることができるため、遊技者に対して小当たりに当選するか否かだけでは無く、当選した小当たりの種別に対しても興味を持たせることができるため、遊技の興趣を向上させることができる。
小当たり開始設定処理7(S10223)が実行されると、まず、小当たり種別と対応した開放シナリオを設定する(S10401)。その後、V通過大当たり種別格納エリア203fdに小当たり種別に応じた大当たり種別を設定する(S10402)。より具体的には、小当たり種別と小当たり種別選択テーブル202ffに基づいて、V通過大当たり種別(小当たり遊技中に球が特定領域を通過した場合に設定(実行)される大当たり遊技)を判別する。上述したように、小当たり種別がAであれば、大当たりA(15ラウンド時短有大当たり)であると判別し、小当たり種別がBであれば、大当たりB(5ラウンド時短有大当たり)であると判別する(図307参照)。つまり、第7制御例では、小当たり遊技中に球が特定領域を通過した場合に設定(実行)される大当たり(2種当たり)の大当たり遊技の内容と、特別図柄の抽選によって大当たり(1種当たり)に当選した場合に実行される大当たり遊技とで同一の大当たり遊技が実行されるように、2種当たりを獲得した場合に(特定領域を球が通過した場合に)、1種当たりにおいて設定される大当たり種別(大当たりA或いはB)が実行された小当たりの種別に応じて設定されるように構成されている。
このように、2種当たりを獲得した場合に、大当たり種別を設定し、設定された大当たり種別に基づいて大当たり遊技を開始させる処理を実行することで、1種当たりに当選した場合と、2種当たりを獲得した場合とで、大当たり遊技に関する処理を共通化することができ、主制御装置110の処理負荷を軽減することができる。
なお、第7制御例の構成に限ること無く、1種当たりに当選した場合のみ、或いは、2種当たりに当選した場合のみ、実行され得る大当たり遊技を設定可能に構成しても良いし、1種当たりと2種当たりとで異なる大当たり遊技処理を実行するように構成しても良い。
図320に戻り、説明を続ける。S10402の処理を終えると、次いで、小当たり種別に基づいて、小当たりの開始を設定し(S10403)、小当たり開始フラグ203fbと小当たり中フラグ203fcをオンに設定する(S10404)。その後、小当たり用時短更新処理7を実行し(S10405)、本処理を終了する。この小当たり用時短更新処理7(S10405)は、小当たりに当選した場合に成立し得る時短状態の終了条件である当選回数終了条件に対応する時短情報を更新するための処理と、時短情報を更新したことにより当選回数終了条件が成立した場合に、遊技状態を時短状態から通常状態へと移行させるための処理と、を実行するためのものであって、その詳細は図321を参照して後述する。
ここで、図321を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される小当たり用時短更新処理7(S10405)について説明する。図321は、小当たり用時短更新処理7(S10405)の内容を示したフローチャートである。この小当たり用時短更新処理7(S10405)は、タイマ割込処理(図314参照)の特別図柄変動処理7(図315参照)の小当たり開始設定処理7(図320参照)の中で実行される処理であり、当選した小当たりに基づいて時短情報を更新し、時短終了条件が成立した場合に、遊技状態を時短状態から通常状態へと更新するための処理である。
小当たり用時短更新処理7(S10405)では、まず、時短カウンタ203hの値が0よりも大きいかを判別する(S10501)。即ち、現在が時短状態であるかを判別する。S10501の処理において、時短カウンタ203hの値が0よりも大きくない(0である)と判別した場合は(S10501:No)、時短状態以外の遊技状態において小当たりに当選した状態であるため、時短情報を更新するために本処理を全てスキップし、本処理を終了する。なお、第7制御例では、時短状態が設定されている状態以外では小当たりに当選することが無いように(第2特別図柄の抽選(変動)が実行されないように)構成しているため、S10501の処理にて時短状態が設定されていない状態であると判別した場合に、エラー報知(異常報知)を実行するためのエラーコマンドを設定するように構成しても良い。
一方、S10501の処理において、時短カウンタ203hの値が0よりも大きい、即ち、時短状態が設定されている状態であると判別した場合は(S10501:Yes)、次に、今回当選した小当たりの小当たり種別が「小当たりA」であるかを判別する(S10502)。ここで、S10502の処理では、特別図柄判定処理7(図317参照)のS10310の処理において小当たり種別格納エリア203faに格納された小当たり種別を読み出して判別を実行する。
S10502の処理において、今回の小当たり種別が「小当たりA」であると判別した場合は(S10502:Yes)、小当たりAカウンタ203fgの値を1減算し(S10503)、減算後の小当たりAカウンタ203fgの値が0であるかを判別し(S10504)、0であると判別した場合は(S10504:Yes)、今回の小当たり当選で時短終了条件(小当たりAに対応する当選回数終了条件)が成立した場合であるため、変動回数終了条件が成立するまでの期間を計測していた時短カウンタ203hの値を0に設定し(S10505)、各種当選回数終了条件を計測していた小当たりAカウンタ203fg、小当たりBカウンタ203fhのそれぞれの値を0に設定し(S10506)、遊技状態として通常状態を設定する(S10507)。
上述したS10505〜S10507の処理を実行することにより、複数設定される時短終了条件のうち、1つの時短終了条件が成立した場合に、他の時短終了条件が成立するまでの期間を計測するためのカウンタの値をそれぞれ時短終了条件が成立したことを示す値に設定することができるため、時短終了条件が成立した後に(遊技状態として通常状態が設定された後に)、時短情報を更新するための処理(小当たりAカウンタ203fg、小当たりBカウンタ203fh、時短カウンタ203hの値を更新するための処理)が実行されることを確実に防止することができる。よって、不必要な処理が実行されることを抑制できるため、主制御装置110の処理負荷を軽減することができる。
なお、第7制御例では、複数の時短終了条件のうち、何れかの終了条件が成立した場合に、複数の時短終了条件のそれぞれに対応する時短情報を更新するための各種カウンタの値を0(時短終了条件が成立したことを示す値)に設定するように構成するだけであるため、時短状態が終了した後に、前回の時短状態がどの時短終了条件が成立して終了したのかを判別することができないが、例えば、成立した時短終了条件を記憶可能な記憶手段を設け、過去に成立した時短終了条件の種別や成立回数を判別可能に構成しても良い。
このように構成することで、例えば、成立し易い時短終了条件を、設計値から算出した算出結果と、実際の成立回数とに基づいて決定し、その決定した内容に基づいて遊技者に成立し易い時短終了条件を示唆(報知)するように構成することができる。さらに、1の時短終了条件が成立した場合における他の時短終了条件に対応する時短情報の更新状況(例えば、時短カウンタ203hの値が0になった時点における小当たりAカウンタ203fg、小当たりBカウンタ203fhの各値)を記憶可能に構成し、最も成立し難い時短終了条件、即ち、複数の時短終了条件のうち、1の時短終了条件が成立した時点において、最も大きな値の時短情報を有する時短終了条件を判別するように構成しても良い。
S10507の処理を終えると、次に、減算された各小当たりカウンタの値に対応する残時短回数コマンドを設定し(S10508)、現在の遊技状態を示す状態コマンドを設定し(S10509)、本処理を終了する。ここで、S10508及びS10509で設定されたコマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、後述のメイン処理7(図325参照)の外部出力処理(S11501)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、受信した残時短回数コマンドに基づいて時短情報を管理し、時短状況(時短状態が終了するまでの期間)を示唆(報知)するための状態表示態様を設定する。また、受信した状態コマンドに基づいて現在の遊技状態を把握する。
一方、S10504の処理において、小当たりAカウンタ203fgの値が0では無いと判別した場合は(S10504:No)、今回の小当たり当選によって時短状態が終了しないため、時短状態を終了するためのS10505〜S10507の処理をスキップしてS10508の処理へ移行する。
上述したS10502の処理に戻り説明を続ける。S10502の処理において、今回当選した小当たりの小当たり種別が「小当たりA」では無い(「小当たりB」である)と判別した場合は(S10502:No)、次に、今回当選した小当たりの小当たり種別が「小当たりB」であるかを判別し(S10510)、「小当たりB」であると判別した場合は(S10510:Yes)、小当たりBカウンタ203fhの値を1減算し(S10511)、その後、減算した小当たりBカウンタ203fhの値が0であるかを判別する(S10512)。
S10512の処理において、小当たりBカウンタ203fhの値が0であると判別した場合は(S10512:Yes)、今回の小当たり当選で時短終了条件(小当たりBに対応する当選回数終了条件)が成立した場合であるため、上述したS10505の処理へ移行し、時短状態を終了させるための処理を実行する。
一方、S10512の処理において、小当たりBカウンタ203fhの値が0では無い(1以上である)と判別した場合は(S10512:No)、今回の小当たり当選によって時短状態が終了しないため、時短状態を終了するためのS10505〜S10507の処理をスキップしてS10508の処理へ移行する。
S10510の処理において、今回当選した小当たりの小当たり種別が「小当たりB」では無い場合は(S10510:No)、今回の小当たり当選によって時短状態が終了しないため、時短状態を終了するためのS10505〜S10507の処理をスキップしてS10508の処理へ移行する。
以上説明をした通り、第7制御例では小当たりに当選した特別図柄の変動時間が経過した場合に、その小当たり当選に対応するカウンタの値を減算し、小当たり当選に基づいて成立する時短終了条件(当選回数終了条件)の成立の有無を判別するように構成している。このように構成することで、小当たり遊技が実行される前に当選回数終了条件により時短状態を終了させることが可能となる。よって、変動回数終了条件、当選回数終了条件の何れの時短終了条件が成立した場合であっても、時短状態を終了させるタイミングに大きな差が発生することを防止することができる。
具体的には、第7制御例では、変動回数終了条件、即ち、特別図柄の変動回数に基づいて成立する時短終了条件が成立した場合には、特別図柄(第1図柄)の確定表示が終了したタイミングで時短状態が終了するように構成され、当選回数終了条件、即ち、特別図柄の抽選で小当たりに当選した当選回数に基づいて成立する時短終了条件が成立した場合には、特別図柄(第1図柄)の確定表示後の、小当たり遊技の開始設定タイミングで時短状態が終了するように構成されている。
つまり、何れの時短終了条件が成立した場合であっても、対応する特別図柄の変動が停止した直後に時短状態が終了するように構成している。これにより、今回設定された時短状態がどの時短終了条件が成立して終了したのかを遊技者に分かり難くすることができる。なお、時短状態が終了したか否かを遊技者が判別するためには、例えば、普通図柄(第2図柄)の変動時間の長短や、電動役物640aの開放パターンを識別する必要があるが、例えば、第7制御例のように小当たり開始設定時(小当たり遊技が開始される直前)に時短状態を終了するように設定することで、小当たり遊技が開始された直後には時短状態が終了したか否かを判別し難くすることができる。
なお、第7制御例では、複数の時短終了条件のうち、変動回数終了条件と当選回数終了条件との何れの終了条件が成立した場合にも、略同一のタイミング(遊技者が判別困難な程度の時間差を含む概念)で時短状態を終了させるように構成しているが、それ以外の構成を用いても良く、例えば、変動回数終了条件が成立した場合には特別図柄(第1図柄)の確定表示直後に時短状態を終了させ、当選回数終了条件が成立した場合には特別図柄(第1図柄)の確定表示後に実行される小当たり遊技終了後に時短状態を終了させるように構成しても良い。このように構成することで、小当たり遊技が実行されている期間中を時短状態とすることができる。
よって、小当たり遊技中は今回の小当たり当選によって時短状態が終了したのか否かを遊技者が判別することができず、小当たり遊技が終了するまで(2種当たりを獲得したか否かの遊技結果が報知されるまで)、時短状態が終了したのか否かを分かり難くすることができる。さらに、第7制御例のように、小当たり遊技中に2種当たりを獲得可能な遊技性を有するパチンコ機10では、小当たり遊技終了後に時短状態が終了したか否かを遊技者に報知するように構成することで、今回の小当たり遊技が時短状態を終了させる小当たり当選に基づくものでは?と予測しながらの遊技を行うことになるため、時短状態中に実行される小当たり遊技に対して常に意欲的に2種当たりを狙わせることができる。
次に、図322を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるV入口通過処理(S10108)について説明する。図322は、タイマ割込処理(図314参照)の中で実行されるV入口通過処理(S10108)を示すフローチャートである。
V入口通過処理(S10108)では、まず球通過センサ(球検知スイッチ)650c1がオンであるか否かを判定する(S11101)。S11101の処理において、球通過センサ650c1がオンでないと判別された場合は(S11101:No)、そのまま本処理を終了する。一方、S11101の処理において、球通過センサ650c1がオンであると判別された場合(S11101:Yes)、V入賞口650aの開放期間中であるか否かを判別する(S11102)。
S11102の処理において、V入賞口650aの開放期間中であると判別された場合(S11102:Yes)、V入口通過コマンドを設定し(S11103)、本処理を終了する。ここで設定されたV入口通過コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理7(図325参照)の外部出力処理(S11501)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113では、V入口通過コマンドを受信すると、V入口を通過した球をカウントすると共に、表示制御装置114へV入口通過に基づく演出を実行させるためのコマンドを送信する。これにより、V入賞装置650への入球に基づく小当たり遊技中の演出を実行することができる(図313参照)。
一方、V入賞口650aの開放期間中でないと判別された場合は(S11102:No)、小当たり遊技でないにも関わらず、V入賞装置650へ球が入球した場合であるので、エラーコマンドを設定する(S11104)。その後、流路ソレノイド209aをオンに設定し(S11105)、本処理を終了する。
次に、図323を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるV通過処理(S10109)について説明する。図323は、V通過処理(S10109)を示すフローチャートである。このV通過処理(S10109)は、タイマ割込処理(図314参照)の中で実行される処理である。
V通過処理では、まず、V通過フラグ203ffがオンであるか否かを判別する(S11201)。S11201の処理において、V通過フラグ203ffがオンであると判別された場合は(S11201:Yes)、そのまま本処理を終了する。一方、S11201の処理において、V通過フラグ203ffがオンでないと判別された場合は(S11201:No)、V通過ありか否かを判別する(S11202)。即ち、遊技球がV入賞装置650のV入賞スイッチ(Vスイッチ)650e3を通過したか否かを判別する。S11202の処理において、V通過なしと判別された場合は(S11202:No)、そのまま本処理を終了する。
S11202の処理において、V通過ありと判別された場合は(S11202:Yes)、V通過有効期間中であるか否かを判別する(S11203)。V通過有効期間中であると判別された場合は(S11203:Yes)、V通過大当たり種別格納エリア203fdに格納されているV通過時大当たり種別値を取得し(S11204)、取得したV通過大当たり種別を示すVフラグ203feをオンに設定する(S11205)。そして、V通過コマンドを設定する(S11206)。
次いで、V通過フラグ203ffをオンに設定し(S11207)する。その後、時短カウンタ203hを0に設定して(S11208)、本処理を終了する。
一方、S11203の処理において、V通過有効期間中でないと判別された場合は(S11203:No)、エラーコマンドを設定し(S11209)、本処理を終了する。V通過有効期間中でない場合に、遊技球がV入賞スイッチ(Vスイッチ)650e3を通過した場合は、不正にV入賞スイッチ650e3へ球が入賞された場合であると考えられる。この場合、S11209の処理においてエラーコマンドが設定されることにより、エラーの出力が実行され、不正行為を発見することができる。
次に、図324を参照して、主制御装置110に電源が投入された場合に主制御装置110内のMPU201により実行される立ち上げ処理(主制御装置)7について説明する。図324は、この立ち上げ処理(主制御装置)7を示すフローチャートである。この立ち上げ処理(主制御装置)7は電源投入時のリセットにより起動される。立ち上げ処理では、まず、電源投入に伴う初期設定を実行する(S11401)。例えば、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。次いで、サブ側の制御装置(音声ランプ制御装置113、払出制御装置111等の周辺制御装置)が動作可能な状態になるのを待つために、ウエイト処理(第7制御例では1秒)を実行する(S11402)。そして、RAM203のアクセスを許可する(S11403)。
その後は、電源装置115に設けたRAM消去スイッチ122(図121参照)がオンされているか否かを判別し(S11404)、オンされていれば(S11404:Yes)、処理をS11415へ移行する。一方、RAM消去スイッチ122がオンされていなければ(S11404:No)、更にRAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S11405)、記憶されていなければ(S11405:No)、前回の電源遮断時の処理が正常に終了しなかった可能性があるので、この場合も、処理をS11415へ移行する。
RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S11405:Yes)、RAM判定値を算出し(S11406)、算出したRAM判定値が正常でなければ(S11407:No)、即ち、算出したRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、バックアップされたデータは破壊されているので、かかる場合にも処理をS11415へ移行する。なお、図325のS11515の処理で後述する通り、RAM判定値は、例えばRAM203の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM203の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断するようにしても良い。
S11415の処理では、サブ側の制御装置(周辺制御装置)となる払出制御装置111を初期化するために払出初期化コマンドを送信する(S11415)。払出制御装置111は、この払出初期化コマンドを受信すると、RAM213のスタックエリア以外のエリア(作業領域)をクリアし、初期値を設定して、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。主制御装置110は、払出初期化コマンドの送信後は、RAM203の初期化処理(S11416,S11417)を実行する。
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時にRAMデータを初期化する場合にはRAM消去スイッチ122を押しながら電源が投入される。従って、立ち上げ処理の実行時にRAM消去スイッチ122が押されていれば、RAMの初期化処理(S11416,S11417)を実行する。また、電源断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様に、RAM203の初期化処理(S11416,S11417)を実行する。RAMの初期化処理(S11416,S11417)では、RAM203の使用領域を0クリアし(S11416)、その後、RAM203の初期値を設定する(S11417)。RAM203の初期化処理の実行後は、S11410の処理へ移行する。
一方、RAM消去スイッチ122がオンされておらず(S11404:No)、電源断の発生情報が記憶されており(S11405:Yes)、更にRAM判定値(チェックサム値等)が正常であれば(S11407:Yes)、RAM203にバックアップされたデータを保持したまま、電源断の発生情報をクリアする(S11408)。次に、サブ側の制御装置(周辺制御装置)を駆動電源遮断時の遊技状態に復帰させるための復電時の払出復帰コマンドを送信し(S11409)、S11410の処理へ移行する。払出制御装置111は、この払出復帰コマンドを受信すると、RAM213に記憶されたデータを保持したまま、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。
S11410の処理では、演出許可コマンドを音声ランプ制御装置113へ送信し、音声ランプ制御装置113および表示制御装置114に対して各種演出の実行を許可する。次いで、時短カウンタ203hの値を読み出し(S11411)、読み出した値に基づく状態コマンドを設定する(S11412)。そして、流路ソレノイド209aをオフに設定する(S11413)。その後、割込みを許可して(S11414)、後述するメイン処理7に移行する。
次に、図325を参照して、上記した立ち上げ処理(主制御装置)7後に主制御装置110内のMPU201により実行されるメイン処理7について説明する。図325は、このメイン処理7を示すフローチャートである。このメイン処理7では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、4m秒周期の定期処理としてS11501〜S11508の各処理が実行され、その残余時間でS11511,S11512のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
メイン処理7(図325参照)においては、まず、タイマ割込処理(図314参照)の実行中に、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶されたコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置(周辺制御装置)に送信する外部出力処理を実行する(S11501)。具体的には、タイマ割込処理(図314参照)におけるS10101のスイッチ読み込み処理で検出した入賞検知情報の有無を判別し、入賞検知情報があれば払出制御装置111に対して獲得球数に対応する賞球コマンドを送信する。また、特別図柄変動処理7(図315参照)や始動入賞処理(図161参照)で設定された特図1保留球数コマンドを音声ランプ制御装置113に送信する。更に、この外部出力処理(S11501)により、第3図柄表示装置81による第3図柄の変動表示に必要な変動パターンコマンド、停止種別コマンド等を音声ランプ制御装置113に送信する。また、大当たり制御処理7(図326,S11504)で設定されたオープニングコマンド(S11602)、ラウンド数コマンド(S11607)、エンディングコマンドを音声ランプ制御装置113へ送信する(S11611)。加えて、球の発射を行う場合には、発射制御装置112へ球発射信号を送信する。
次に、変動種別カウンタCS1の値を更新する(S11502)。具体的には、変動種別カウンタCS1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(第7制御例では198)に達した際、0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。
変動種別カウンタCS1の更新(S11502)が終わると、払出制御装置111より受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込み(S11503)、次いで、特別図柄の大当たり状態である場合に、大当たり演出の実行や、対応する入賞口(第1可変入賞装置65の特定入賞口(大開放口)65a又はV入賞装置650のV入賞口650a)を開放又は閉鎖するための大当たり制御処理を実行する(S11504)。大当たり制御処理7(S11504)では、大当たり状態のラウンド毎に対応する入賞口(第1可変入賞装置65の特定入賞口65a又はV入賞装置650のV入賞口650a)を開放し、対応する入賞口(第1可変入賞装置65の特定入賞口65a又はV入賞装置650のV入賞口650a)の最大開放時間が経過したか、又は対応する入賞口(第1可変入賞装置65の特定入賞口65a又はV入賞装置650のV入賞口650a)に球が規定数入賞したかを判定する。そして、これら何れかの条件が成立すると対応する入賞口(第1可変入賞装置65の特定入賞口65a又はV入賞装置650のV入賞口650a)を閉鎖する。この対応する入賞口(第1可変入賞装置65の特定入賞口65a又はV入賞装置650のV入賞口650a)の開放と閉鎖とを所定ラウンド数繰り返し実行する。尚、第7制御例では、大当たり制御処理7(S11504)をメイン処理7(図325参照)において実行しているが、タイマ割込処理(図314参照)において実行しても良い。
次に、特別図柄の小当たり状態である場合に、小当たりに応じた各種演出の実行や、対応する入賞口(第1可変入賞装置65の特定入賞口65a又はV入賞装置650のV入賞口650a)を開放又は閉鎖するための小当たり制御処理7を実行する(S11505)。小当たり制御処理7(S11505)では、開放シナリオに基づいて対応する入賞口(第1可変入賞装置65の特定入賞口65a又はV入賞装置650のV入賞口650a)を開放し、対応する入賞口(第1可変入賞装置65の特定入賞口65a又はV入賞装置650のV入賞口650a)の最大開放時間が経過したか、又は対応する入賞口(第1可変入賞装置65の特定入賞口65a又はV入賞装置650のV入賞口650a)に球が規定数入賞したかを判定する。そして、これら何れかの条件が成立すると対応する入賞口(第1可変入賞装置65の特定入賞口65a又はV入賞装置650のV入賞口650a)を閉鎖する。尚、第7制御例では、小当たり制御処理7(S11505)をメイン処理7(図325参照)において実行しているが、タイマ割込処理(図314参照)において実行しても良い。
次に、第2入球口640に付随する電動役物640aの開閉制御を行う電動役物開閉処理を実行する(S11506)。電動役物開閉処理では、普通図柄変動処理(図163参照)のS822の処理によって電動役物の開閉制御開始が設定された場合に、電動役物の開閉制御を開始する。尚、この電動役物の開閉制御は、普通図柄変動処理におけるS821の処理またはS823の処理で設定された開放時間および開放回数が終了するまで継続される。
次に、第1図柄表示装置37a,37b(図2参照)の表示を更新する第1図柄表示更新処理を実行する(S11507)。第1図柄表示更新処理(S11507)では、特別図柄変動パターン選択処理7(図318参照)のS8206の処理によって変動パターンが設定された場合に、その変動パターンに応じた変動表示を、第1図柄表示装置37a,37bにおいて開始する。第7制御例では、第1図柄表示装置37a,37bのLEDの内、変動が開始されてから変動時間が経過するまでは、例えば、現在点灯しているLEDが赤であれば、その赤のLEDを消灯すると共に緑のLEDを点灯させ、緑のLEDが点灯していれば、その緑のLEDを消灯すると共に青のLEDを点灯させ、青のLEDが点灯していれば、その青のLEDを消灯すると共に赤のLEDを点灯させる。
なお、メイン処理7(図325参照)は4m秒毎に実行されるが、そのメイン処理の実行毎にLEDの点灯色を変更すると、LEDの点灯色の変化を遊技者が確認することができない。そこで、遊技者がLEDの点灯色の変化を確認することができるように、メイン処理が実行される毎にカウンタ(図示せず)を1カウントし、そのカウンタが100に達した場合に、LEDの点灯色の変更を行う。即ち、0.4s毎にLEDの点灯色の変更を行う。尚、カウンタの値は、LEDの点灯色が変更されたら、0にリセットされる。
また、第1図柄表示更新処理(S11507)では、特別図柄変動パターン選択処理7(図318参照)のS8206の処理によって設定された変動パターンに対応する変動時間が終了した場合に、第1図柄表示装置37a,37b(図294参照)において実行されている変動表示を終了し、特別図柄判定処理7(図317参照)のS10305、またはS10308の処理によって設定された表示態様で、停止図柄(第1図柄)を第1図柄表示装置37a,37bに停止表示(点灯表示)する。
次に、第2図柄表示装置83の表示を更新する第2図柄表示更新処理を実行する(S11508)。第2図柄表示更新処理(S11508)では、普通図柄変動処理(図163参照)のS815の処理またはS816の処理によって第2図柄の変動時間が設定された場合に、第2図柄表示装置83において変動表示を開始する。これにより、第2図柄表示装置83では、第2図柄としての「○」の図柄と「×」の図柄とを交互に点灯させる変動表示が行われる。また、第2図柄表示更新処理(S11508)では、普通図柄変動処理(図163参照)のS818の処理によって第2図柄表示装置83の停止表示が設定された場合に、第2図柄表示装置83において実行されている変動表示を終了し、普通図柄変動処理(図163参照)のS812の処理またはS813の処理によって設定された表示態様で、停止図柄(第2図柄)を第2図柄表示装置83に停止表示(点灯表示)する。
その後は、RAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S11509)、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていなければ(S11509:No)、停電監視回路252から停電信号SG1は出力されておらず、電源は遮断されていない。よって、かかる場合には、次のメイン処理7の実行タイミングに至ったか否か、即ち今回のメイン処理7の開始から所定時間(第7制御例では4m秒)が経過したか否かを判別し(S11510)、既に所定時間が経過していれば(S11510:Yes)、処理をS11501へ移行し、上述したS11501以降の各処理を繰り返し実行する。
一方、今回のメイン処理7の開始から未だ所定時間が経過していなければ(S11510:No)、所定時間に至るまで間、即ち、次のメイン処理7の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、第1初期値乱数カウンタCINI1、第2初期値乱数カウンタCINI2及び変動種別カウンタCS1の更新を繰り返し実行する(S11511,S11512)。
まず、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2との更新を実行する(S11511)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、各カウンタ値が最大値(第7制御例では999、239)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域にそれぞれ格納する。次に、変動種別カウンタCS1の更新を、S11502の処理と同一の方法によって実行する(S11512)。
ここで、S11501〜S11508の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次のメイン処理7の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を繰り返し実行することにより(S11511)、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2(即ち、第1当たり乱数カウンタC1の初期値、第2当たり乱数カウンタC4の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCS1についてもランダムに更新することができる。
また、S11509の処理において、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S11509:Yes)、停電の発生または電源のオフにより電源が遮断され、停電監視回路252から停電信号SG1が出力された結果、図165のNMI割込処理が実行されたということなので、S11513以降の電源遮断時の処理が実行される。まず、各割込処理の発生を禁止し(S11513)、電源が遮断されたことを示す電源断コマンドを他の制御装置(払出制御装置111や音声ランプ制御装置113等の周辺制御装置)に対して送信する(S11514)。そして、RAM判定値を算出して、その値を保存し(S11515)、RAM203のアクセスを禁止して(S11516)、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。ここで、RAM判定値は、例えば、RAM203のバックアップされるスタックエリア及び作業エリアにおけるチェックサム値である。
なお、S11509の処理は、S11501〜S11508で行われる遊技の状態変化に対応した一連の処理の終了時、又は、残余時間内に行われるS11511とS11512の処理の1サイクルの終了時となるタイミングで実行されている。よって、主制御装置110のメイン処理において、各設定が終わったタイミングで電源断の発生情報を確認しているので、電源遮断の状態から復帰する場合には、立ち上げ処理(主制御装置)7の終了後、処理をS11501の処理から開始することができる。即ち、立ち上げ処理(主制御装置)7において初期化された場合と同様に、処理をS11501の処理から開始することができる。よって、電源遮断時の処理において、MPU201が使用している各レジスタの内容をスタックエリアへ退避したり、スタックポインタの値を保存しなくても、初期設定の処理(S11401)において、スタックポインタが所定値(初期値)に設定されることで、S11501の処理から開始することができる。従って、主制御装置110の制御負担を軽減することができると共に、主制御装置110が誤動作したり暴走することなく正確な制御を行うことができる。
次に、図326のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される大当たり制御処理7(S11504)を説明する。図326は、この大当たり制御処理7(S11504)を示すフローチャートである。この大当たり制御処理7(S11504)は、メイン処理7(図325参照)の中で実行され、パチンコ機10が特別図柄の大当たり状態である場合に、大当たりに応じた各種演出の実行や、対応する入賞口(可変入賞装置65の特定入賞口(大開放口)65a又はV入賞装置650のV入賞口650a)を開放又は閉鎖するための処理である。
大当たり制御処理7(図326,S11504)では、まず、特別図柄の大当たり開始タイミングであるかを判別する(S11601)。具体的には、大当たり開始フラグ203jの設定状況を解析することにより判別する。この大当たり開始フラグ203jは、特別図柄変動処理7(図315参照)のS10215の処理により大当たりの開始を設定した場合に、オンに設定される(S10216)。S11601の処理において、大当たりの開始タイミングであると判別した場合(大当たり開始フラグ203jがオンであると判別した場合)は(S11601:Yes)、オープニングコマンドを設定し(S11602)、次いで、大当たり開始フラグ203jをオフに設定して(S11603)、本処理を終了する。
一方、S11601の処理において、特別図柄の大当たりの開始タイミングでは無い(大当たり開始フラグ203jがオフに設定されている)と判別した場合には(S11601:No)、次に、現在が大当たり中であるかを判別する(S11604)。特別図柄の大当たり中としては、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81において特別図柄の大当たり(特別図柄の大当たり遊技中も含む)を示す表示がなされている最中と、特別図柄の大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれるものであり、上述した大当たり中フラグ203kがオンに設定されている期間が該当する。S11604の処理において、特別図柄の大当たり中では無い(大当たり中フラグ203kがオフである)と判別した場合(S11604:No)は、そのまま本処理を終了する。
一方、S11604の処理において、特別図柄の大当たり中である(大当たり中フラグ203kがオンに設定されている)と判別した場合には(S11604:Yes)、大当たり中における複数タイミングで実行される各種処理を実行するタイミングであるかを判別するための判別処理(S11605〜S11612)が実行される。
S11604の処理において、現在が大当たり中であると判別した場合は(S11604:Yes)、次に、現在が新たなラウンドの開始タイミングであるか判別する(S11605)。このS11605の処理では、今回の大当たり遊技に対応して設定される開放シナリオに基づいて現在のタイミングが新たなラウンドの開始タイミングであるかを判別する。S11605の処理において、新たなラウンドの開始タイミングであると判別した場合には(S11605:Yes)、開放シナリオテーブル202fgに基づき、対応する入賞口(第1可変入賞装置65の特定入賞口65a又はV入賞装置650のV入賞口650a)を開放し(S11606)、新たに開始するラウンド数を示すラウンド数コマンドを設定する(S11607)。ラウンド数コマンドを設定した後は、本処理を終了する。
ここで設定されたラウンド数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理7(図325参照)の外部出力処理(S11501)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、ラウンド数コマンドを受信すると、ラウンド数に応じた表示用ラウンド数コマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114によって表示用ラウンド数コマンドが受信されると、第3図柄表示装置81において新たなラウンド演出が開始される。
なお、詳細な説明は省略するが、大当たりが継続して(例えば、複数の大当たり遊技が実行される間の特別図柄変動回数(抽選回数)が50回未満の場合や、大当たり遊技中を挟んで時短状態が繰り返し設定されている期間中に)実行される場合には、音声ランプ制御装置113側にて継続して実行される大当たり遊技のラウンド数を累積して表示するように構成している。つまり、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から送信される状態コマンドや変動パターンコマンドに基づいて大当たりが継続して実行されていると判別する期間(連チャン期間)を設定する期間設定手段と、その期間設定手段によって設定された期間中に新たな大当たり遊技が実行された場合に、前に実行された大当たり遊技におけるラウンド遊技数(ラウンド数)に新たな大当たり遊技のラウンド遊技数(ラウンド数)を加算するラウンド数累積手段と、そのラウンド数累積手段により累積されたラウンド累積数に応じた表示用ラウンド数コマンドを表示制御装置114に送信し、大当たり遊技中の第3図柄表示装置81に表示するラウンド累積数表示制御手段と、を有している。これにより、大当たりが長く継続していることを遊技者に認識させることができるので、遊技者の興趣を向上させることができる。
一方、S11605の処理において、新たなラウンドの開始タイミングでは無いと判別した場合は(S11605:No)、次に、対応する入賞口(可変入賞装置65の特定入賞口65a又はV入賞装置650のV入賞口650a)の閉鎖条件が成立したかを判別する(S11608)。具体的には、対応する入賞口(可変入賞装置65の特定入賞口65a又はV入賞装置650のV入賞口650a)を開放した後に所定時間(例えば、30秒)が経過した場合、または、可変入賞装置65又はV入賞装置650に球が所定数(例えば、合計10個)入賞した場合に、閉鎖条件が成立したと判別する。
S11608の処理において、対応する入賞口(可変入賞装置65の特定入賞口65a又はV入賞装置650のV入賞口650a)の閉鎖条件が成立したと判別した場合は(S11608:Yes)、対応する入賞口(可変入賞装置65の特定入賞口65a又はV入賞装置650のV入賞口650a)を閉鎖して(S11609)、本処理を終了する。一方、対応する入賞口(可変入賞装置65の特定入賞口65a又はV入賞装置650のV入賞口650a)の閉鎖条件が成立していないと判別した場合には(S11608:No)、次に、現在がエンディング演出の開始タイミングであるかを判別する(S11610)。エンディング演出の開始タイミングは、15ラウンド(今回の大当たり遊技において予め設定される最終ラウンド遊技)が終了して開閉扉650f1が閉状態にされ、球はけ時間である待機時間(第7制御例では、3秒)が経過した場合に、エンディング演出の開始タイミングとして判別する。
S11610の処理において、エンディング演出の開始タイミングであると判別した場合は(S11610:Yes)、エンディングコマンドを設定し(S11611)、本処理を終了する。ここで設定されたエンディングコマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理7(図325参照)の外部出力処理(S11501)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、エンディングコマンドを受信すると、表示用エンディングコマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114によって表示用エンディングコマンドが受信されると、第3図柄表示装置81においてエンディング演出が開始される。
一方、S11610の処理において、エンディング演出の開始タイミングでないと判別した場合は(S11610:No)、S11612の処理において、エンディング演出の終了タイミングであるかを判別する(S11612)。S11612の処理において、エンディング演出の終了タイミングでないと判別した場合は(S11612:No)、本処理を終了する。
S11612の処理において、エンディング演出の終了タイミングであると判別した場合は(S11612:Yes)、次に、実行中の大当たり種別が大当たりA〜大当たりDの何れであるかを判別する(S11613)。このS11613の処理では設定される大当たり種別を一時的に格納する格納エリア(図示しない)に格納されている大当たり種別が読み出される。
次に、読み出した大当たり種別に基づいて、時短付与7テーブル202feを用いて対応する時短終了条件を設定する(S11614)。具体的には、大当たり種別が大当たりA(15R時短有大当たり)または大当たりB(5R時短有り大当たり)の場合は、時短カウンタ203hに100を、小当たりAカウンタ203fgに1を、小当たりBカウンタ203fhに3を、それぞれ設定する。また、大当たり種別が大当たりD(15R時短有大当たり)の場合は、時短カウンタ203hに100を、小当たりAカウンタ203fgに2を、小当たりBカウンタ203fhに10を、それぞれ設定する。
なお、大当たり種別が大当たりC(5R時短無大当たり)の場合は、大当たり終了後に時短状態が設定されない大当たり種別であるため、時短カウンタ203h、小当たりAカウンタ203fg、小当たりBカウンタ203fh、のそれぞれに値(時短終了条件)が設定されない用に構成している。上述したS11614の処理を終えると、次に、S11614の処理にて設定した時短終了条件を示す各種カウンタの値に対応した情報を示すための時短設定情報コマンドを設定する(S11615)。
ここで設定された時短設定情報コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理7(図325参照)の外部出力処理(S11501)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、時短設定情報コマンドを受信すると、時短情報更新エリア223gおよび仮時短情報更新エリア223iに今回の時短状態の時短終了条件を示す時短情報を設定する。ここで設定された時短情報と、特別図柄の変動(抽選)に基づいて更新される時短状態の更新情報に基づいて、時短状態の残回数(残条件)を判別し、その残回数に基づいて様々な演出態様が第3図柄表示装置81にて表示される。
S11615の処理を終えると、次に、大当たり後に設定される遊技状態に対応する状態コマンドを設定し(S11616)、大当たりの終了を設定し(S11617)、大当たり中フラグ203kをオフに設定し(S11618)、本処理を終了する。
以上、説明をした通り、第7制御例では、大当たりに当選した場合に設定される大当たり種別に応じて、時短状態の終了条件を異ならせて設定することができるように構成している。さらに、第7制御例では、第1特別図柄の抽選によって大当たりに当選した場合に比べて、第2特別図柄の抽選によって大当たりに当選した場合のほうが、時短状態の終了条件(時短終了条件)として成立し難い時短終了条件が設定されるように構成している。
このように構成することで、時短状態が設定されている間の右打ち遊技中に、2種当たりでは無く1種当たりに当選した際の付加価値を遊技者に提供することができる。
なお、第7制御例では、第1特別図柄の抽選によって大当たりに当選した場合に設定される大当たり種別(大当たりA、B)では、同一の時短終了条件が設定されるように構成しているが、それに限ること無く、例えば、大当たり種別が大当たりAの場合のほうが成立し難い時短終了条件を設定するように構成しても良い。また、複数の時短終了条件の一部を大当たりAのほうが成立し易くし、他を大当たりBの方が成立し易くなるように設定しても良い。
さらに、図306(d)に示した通り、第7制御例では、時短状態を終了させるための時短終了条件として、特別図柄の変動回数に関する変動回数終了条件(時短カウンタ203hの値に基づいた終了条件)と、特別図柄の抽選の結果、小当たりに当選した当選回数に関する当選回数終了条件(各小当たりカウンタの値に基づいた終了条件)と、を設定するように構成している。
加えて、当選回数終了条件として、小当たり当選時に設定される複数の小当たり種別に対応させた終了条件を設定するように構成している。このように構成することで、遊技者に対して、特別図柄の変動回数が所定回数(100回)に到達するまでの間に、どの小当たり種別に対応する小当たり遊技が実行され、あとどれくらいで時短状態が終了するのかを分かり難くすることができる。
なお、第7制御例では、変動回数終了条件として特別図柄(第1特別図柄と第2特別図柄)の変動回数「100回」のみを設定するように構成しているが、大当たり種別に応じて異なる変動回数終了条件を設定しても良い。また、変動回数終了条件として、第1特別図柄の変動回数のみを計測する第1特別図柄変動計測手段を設け、その第1特別図柄変動計測手段の計測結果が所定結果となった場合に成立する第1特別図柄変動終了条件や、第2特別図柄の変動回数のみを計測する第2特別図柄変動計測手段を設け、その第2特別図柄変動計測手段の計測結果が所定結果となった場合に成立する第2特別図柄変動終了条件を設けても良い。
さらに、第7制御例では、当選回数終了条件として各小当たり種別に対応させたカウンタ(小当たりAカウンタ203fg、小当たりBカウンタ203fh)の計測結果に基づく終了条件を設定するように構成しているが、これに限ること無く、単に小当たりに当選した回数を合算した値に基づいて成立する時短終了条件を設定しても良いし、複数(3以上)の小当たり種別のうち、所定数(2つ)の小当たり種別が設定された小当たり遊技が実行された回数を合算して計測する手段を設け、その手段の計測結果に基づく終了条件を設定するように構成しても良い。
また、第7制御例では、小当たり当選時に設定され得る小当たり種別の全てに対して、時短終了条件を設定するように構成しているが、これに限ることなく、小当たり当選時に何回設定されたとしても時短終了条件が成立し得ない小当たり種別として小当たり種別Zを設定可能に構成しても良い。これにより、時短状態中に小当たりに当選したことを遊技者が把握したとしても、今回の小当たりによって時短状態が終了に近づいているのかを判別し難くすることができる。
加えて、上述した小当たり種別Zを設ける場合には、当選回数終了条件が設定されている小当たり遊技と同一内容の小当たり遊技を実行するように構成すると良い。このように構成することで、時短状態中に実行される小当たり遊技の遊技内容を識別したとしても、今回の小当たり遊技によって時短状態が終了に近づいているのかを判別し難くすることができる。
このように、小当たりに当選したことを判別したり、或いは、小当たりに当選したことに基づいて実行される小当たり遊技の遊技内容を判別したりすることで、つまり、パチンコ機10の遊技内容を判別することで、時短状態の進捗(終了に近づいているか否か)を把握困難とすることにより、時短状態の進捗(終了に近づいているか否か)を示唆(報知)する演出に対して、遊技者に強い興味を持たせることができる。なお、第7制御例において第3図柄表示装置81で実行される演出の制御内容については、後述する音声ランプ制御装置113の制御処理説明の中で詳細に説明をする。
次に、図327のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される小当たり制御処理7(S11505)を説明する。図327は、この小当たり制御処理7(S11505)を示すフローチャートである。この小当たり制御処理7(S11505)は、メイン処理7(図325参照)の中で実行され、パチンコ機10が特別図柄の小当たり状態である場合に、小当たりに応じた各種演出の実行や、対応する入賞口(V入賞装置650のV入賞口650a)を開放又は閉鎖するための処理である。
小当たり制御処理7(図327,S11505)では、まず、特別図柄の小当たりが開始されるかを判定する(S11701)。具体的には、小当たり開始設定処理7(図320参照)のS10404の処理により小当たり開始フラグ203fbがオンに設定されていれば、特別図柄の小当たりが開始されると判定する。S11701の処理において、特別図柄の小当たりが開始される場合には(S11701:Yes)、オープニングコマンドを設定する(S11702)。そして、小当たり開始フラグ203fbをオフに設定して(S11703)、本処理を終了する。
一方、S11701の処理において、特別図柄の小当たりが開始されない場合には(S11701:No)、特別図柄の小当たり中であるかを判別する(S11704)。特別図柄の小当たり中としては、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81において特別図柄の小当たり(特別図柄の小当たり遊技中も含む)を示す表示がなされている最中と、特別図柄の小当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。S11704の判別は小当たり中フラグ303fcがオンに設定されているかを解析することで判別する。S11704の処理において、特別図柄の小当たり中では無いと判別した場合は(S11704:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、S11704の処理において、特別図柄の小当たり中であると判別した場合には(S11704:Yes)、S11705の処理を実行する。S11705の処理では、V入賞口開放タイミングであるか判別する(S11705)。S11705の処理において、V入賞口開放タイミングであると判別した場合には(S11705:Yes)、開放シナリオテーブル202fgに基づき、対応する入賞口(V入賞装置650のV入賞口650a)を開放し(S11706)、今回が5回目又は10回目の開放タイミングであるかを判別する(S11707)。
S11707の処理において、今回が5回目又は10回目の開放タイミングでは無いと判別した場合は(S11707:No)、本処理を終了する。一方、S11707の処理で今回が5回目又は10回目の開放タイミングであると判別した場合は(S11707:Yes)、次に、S11708の処理において、Vフラグ203feがオンに設定されているかを判別し(S11708)、オンではない(オフである)と判別した場合には(S11708:No)、小当たり種別格納エリア203faに格納されている小当たり種別を読み出し(S11709)、次いで、読み出した小当たり種別に対応する指示コマンドを設定する(S11710)。
S11710の処理において設定される指示コマンドとしては、例えば、小当たり種別として小当たり遊技中に球が特定領域を通過し易い小当たり(例えば、小当たりA)と、小当たり遊技中に球が特定領域を通過し難い小当たり(例えば、小当たりB)と、によって第3図柄表示装置81に表示する表示態様を異ならせるための指示コマンドが設定される。
図327に戻り、説明を続ける。S11705の処理において、V入賞口650aの開放タイミングではないと判別した場合には(S11705:No)、V入賞口650aの閉鎖条件が成立したか、即ち、V入賞口650aの閉鎖タイミングであるか判別する(S11711)。V入賞口650aの閉鎖タイミングであると判別した場合には(S11711:Yes)、V入賞口650aを閉鎖し(S11712)、本処理を終了する。
一方、S11711の処理において、現在がV入賞口650aの閉鎖タイミングでは無いと判別した場合には(S11711:No)、次に、エンディング演出の開始タイミングであるかを判別する(S11713)。S11713の処理において、エンディング演出の開始タイミングであると判別した場合は(S11713:Yes)、エンディングコマンドを設定し(S11714)、本処理を終了する。ここで設定されたエンディングコマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図325参照)の外部出力処理(S11501)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、エンディングコマンドを受信すると、表示用エンディングコマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114によって表示用エンディングコマンドが受信されると、第3図柄表示装置81においてエンディング演出が開始される。
一方、S11713の処理において、エンディング演出の開始タイミングでないと判別した場合は(S11713:No)、S11715の処理において、エンディング演出の終了タイミングであるかを判別する(S11715)。S11715の処理において、エンディング演出の終了タイミングでないと判別した場合は(S11715:No)、本処理を終了する。
S11715の処理において、エンディング演出の終了タイミングであると判別した場合は(S11715:Yes)、Vフラグ203feがオンに設定されているかを判別し(S11716)、オンに設定されていると判別した場合は(S11716:Yes)、Vフラグ203feの内容に対応する大当たり種別に基づく開放シナリオを設定し(S11717)、大当たり開始フラグ203j、大当たり中フラグ203kをオンに設定し(S11718)、Vフラグ203feをオフに設定し(S11719)、V通過フラグ203ffをオフに設定し(S11720)、小当たり中フラグ203fcをオフに設定し(S11721)、本処理を終了する。
次に、図328を参照して、本第7制御例のパチンコ機10における音声ランプ制御装置113にて実行される制御処理内容について説明をする。図328は、特図1演出態様設定処理7(S14983)の処理内容を示したフローチャートである。この特図1演出態様設定処理7(S14983)では、時短状態中における第1特別図柄抽選に対応する変動演出の演出態様を設定するために、抽選結果報知態様選択テーブル222faを参照して決定した演出態様を用いる処理(S19502参照)を実行する。
特図1演出態様設定処理7(S14983)が実行されると、まず、現在の遊技状態が時短状態であるか判別する(S19501)。現在の遊技状態が時短状態であると判別した場合には(S19501:Yes)、抽選結果報知態様選択テーブル222fa(図312参照)を参照して、報知態様を決定する(S19502)。そして、S19502の処理において決定した演出態様を示す表示用変動パターンコマンドを設定し(S19503)、本処理を終了する。一方、S19501の処理において、現在の遊技状態が時短状態ではないと判別した場合には(S19501:No)、S19502の処理をスキップし、上述したS19503の処理を実行し、本処理を終了する。
以上、説明をした通り、本第7制御例では、1回の特別図柄抽選において、大当たり当選の判定と、時短当選の判定とを何れも実行可能に構成し、大当たりと、時短とに重複して当選した場合において、遊技者に有利となる特典を付与可能に構成している点で、他の制御例とは異なる技術思想を有しているが、この第7制御例特有の技術思想を他の制御例に記載されているパチンコ機10に適用しても良い。また、通常状態以外の遊技状態が設定されている場合においても時短当選の判定を実行可能に構成しても良い。
また、本第7制御例では、特別図柄抽選に関する処理が実行された場合に、大当たり当選を判定する処理よりも前に時短当選を判定する処理を実行可能に構成し、時短当選した場合には、大当たり当選の判定が実行されるよりも前に時短状態を設定し、大当たり当選の判定が実行されてから、その判定結果を示すための特別図柄変動が開始されるまでの間に時短状態を終了させるように構成している。つまり、特別図柄抽選における大当たり当選の判定が実行される際の遊技状態を変更させる目的のみで時短状態を設定可能に構成している。
このように構成することで、従来型のパチンコ機10のように、特別図柄抽選を実行させ易くすることを目的として時短状態を設定する場合とは異なる目的で時短状態を用いることができるため、遊技者に対して多彩な遊技を提供することができる。
なお、特別図柄抽選における大当たり当選の判定が実行される際の遊技状態を変更させる目的のみで時短状態を設定可能にする構成として、本第7制御例に記載されている構成以外の構成を用いても良く、例えば、特別図柄抽選の結果を示すための特別図柄変動が停止表示されるタイミングにおいて時短状態を設定し、次の特別図柄抽選において大当たり当選の判定が実行された後に時短状態を終了させるように構成しても良い。
この場合、特別図柄抽選の実行権利(特図保留)を獲得している場合には、時短状態が設定される期間が一瞬となるため、本第7制御例と同様に、特別図柄抽選における大当たり当選の判定が実行される際の遊技状態を変更させる目的で時短状態を設定することが可能となる。一方、特図保留を獲得していない場合は、次の特別図柄抽選が実行されるまでの間、時短状態が継続することになるため、特別図柄抽選を実行させ易い期間を設定することが可能となる。よって、特別図柄抽選を円滑に実行することができない遊技者に対してのみ、次の特別図柄抽選を実行させ易くすることができる。
また、本第7制御例では、1回の特別図柄抽選にて大当たり当選と、時短当選とに重複当選可能に構成し、重複当選した場合に、重複当選していない場合よりも遊技者に有利な特典を付与可能に構成しているが、これに限ること無く、重複当選した場合に、重複当選しなかった場合よりも遊技者に不利となる特典を付与可能に構成しても良い。
また、重複当選し得る判定として、大当たり当選の判定、時短当選の判定、だけで無く、時短終了条件成立の判定や、転落抽選当選の判定を用いても良い。つまり、特定の実行契機が成立したことに基づいて複数種類の判定を実行可能に構成し、その複数種類の判定結果の組合せが所定の組合せとなった場合に、所定の組合せとは異なる組合せとなった場合とは異なる特典を付与可能に構成すれば良い。
<パチンコ機10の遊技盤構成の変形例>
次に、図329を参照して、パチンコ機10の遊技盤13の変形例について説明をする。上述した第5制御例から第7制御例においては、通常状態において第1入球口64へと遊技球を入球させるための左打ち遊技を実行し、時短状態が設定された場合に入球し易くなる第2入球口640へと遊技球を入球させるための右打ち遊技を実行可能な遊技盤13を有していた。つまり、遊技状態に応じて第1特別図柄抽選を実行させる遊技と、第2特別図柄抽選を実行させる遊技とを切り替える遊技性を有したパチンコ機10について説明をした。
これに対して本変形例では、図329に示した通り、通常状態において、左打ち遊技を実行することで第1入球口64へと遊技球を入球させて第1特別図柄抽選を実行可能にし、右打ち遊技を実行することで第2入球口1641へと遊技球を入球させて第2特別図柄抽選を実行可能に構成している。このように構成することで、同一の遊技状態が設定されている状態において遊技者が遊技方法(左打ち遊技、右打ち遊技)を選択することで(操作ハンドル21を操作して発射強度を調整することで)、任意の特別図柄種別の特別図柄抽選を実行させることができるため、遊技者の遊技への参加意欲を高めることができる。
次に、図329に示した遊技盤13を用いた斬新な遊技性について説明をする。
<遊技性1>
上述した第7制御例にて用いた遊技性を有するパチンコ機10において、第1特別図柄抽選と第2特別図柄抽選とで、同一の選択割合で大当たり当選するように構成し、加えて、第1特別図柄抽選において、大当たり当選に加えて時短当選の判定も実行可能に構成し、第2特別図柄抽選において、大当たり当選に加えて小当たり当選の判定も実行可能に構成する。そして、時短当選したことに基づいて時短状態が設定された場合には、第2入球口1640へと遊技球が入球し易くなり、右打ち遊技を実行させ、小当たり当選によって大当たり遊技を狙わせる遊技を実行可能に構成する。
このように構成することで、通常状態において、左打ち遊技によって、第1特別図柄の大当たり当選を経由して時短状態が設定されることを目指す、或いは、第1特別図柄の時短当選を経由して時短状態が設定されることを目指す遊技(第1遊技)と、右打ち遊技によって、第2特別図柄の大当たり当選を経由して時短状態が設定されることを目指す、或いは、第2特別図柄の小当たり当選を経由して時短状態が設定されることを目指す遊技(第2遊技)と、を遊技者に選択させることが可能となる。
この場合、例えば、時短当選した場合に設定される時短状態(第2時短)は時短終了条件が成立し易くし、第2時短が設定された場合の約50%の割合で、第2時短中に小当たり当選を経由して大当たり遊技が実行されるように構成し、第1特別図柄抽選で時短当選する確率を、第2特別図柄抽選で小当たり当選する確率よりも高くするように構成すると良い。
このように構成することで、第2特別図柄抽選の小当たり当選を経由して大当たり遊技が実行される遊技過程を実行するために第1遊技を実行するか第2遊技を実行するかを遊技者の趣向に合わせて選択させることができる。なお、この場合、通常状態において左打ち遊技を行った場合と、右打ち遊技を行った場合とで、規定数の遊技球を発射した場合における獲得賞球数の割合が均等となるように、各入球口への遊技球の入球割合や、時短当選確率や、小当たり当選確率や、小当たり当選時における大当たり遊技の実行確率を規定すると良い。これにより、何れの遊技を実行した場合であっても、遊技者に公平な遊技を提供することができる。
さらに、この場合、規定数の遊技球を発射した場合における獲得賞球数の割合が均等となるのに要する期間を第1遊技と第2遊技とで異ならせたり、獲得賞球数の偏差を異ならせたりするように構成すると良い。このように構成することで、遊技者の趣向に合った遊技を提供することができる。
<その他の遊技性:時短種別によって通常状態よりも不利な時短状態と有利な時短状態とを設定可能>
上述した第5制御例のように、通常状態において実行される特別図柄抽選において大当たり当選経由で設定される時短状態(第1時短)と、時短当選経由で設定される時短状態(第2時短)とを設定可能に構成し、第2時短に当選した場合に設定される時短種別として遊技者に有利な第2時短Aと、不利な第2時短Bと、を設定可能に構成する。
第2時短Aが設定された場合には、上述した第5制御例と同様に、特別図柄抽選を通常状態よりも実行され易くなるように電動役物640が開放動作する時短状態が設定される。一方で、第2時短Bが設定された場合には、通常状態と同程度の入球割合でしか第2入球口640へと遊技球が入球し得ない開放動作で電動役物640が開放動作制御される。
そして、第2時短Bが設定された場合、即ち、通常状態以外の遊技状態では、時短当選判定が実行されないように構成する。このように構成することで、通常状態が設定された場合は、特別図柄抽選において大当たり当選判定と時短当選判定と、が実行される遊技となり、第2時短Bが設定された場合は、特別図柄抽選において大当たり当選判定のみが実行される遊技となる。つまり、通常状態に対して時短当選判定が実行されない分、第2時短Bのほうが遊技者に不利な遊技が実行されることになる。
そして、第2時短Bに対して時短終了条件として異なる回数の特別図柄抽選回数(例えば、10回、50回、100回)を設定可能に構成する。
さらに、通常状態で実行される特別図柄抽選における抽選結果の選択割合として、大当たり当選する確率が1/200とし、時短当選する確率が199/200とする。そして、時短当選した場合に第2時短Aが選択される割合を10%、第2時短Bが選択される割合を90%に設定する。つまり、通常状態において特別図柄抽選が実行された場合には、その抽選結果が大当たり当選以外である場合に、必ず時短当選するように構成する。
このように構成することで、通常状態において特別図柄抽選が実行されるタイミングが、大当たり当選終了後第2時短Bの時短終了条件が成立し、通常状態が設定された場合における特別図柄抽選、即ち、特定周期において実行される特別図柄抽選のみとなる。これにより、遊技者に有利な特別図柄抽選(通常状態における特別図柄抽選)を、周期的に(第2時短Bの終了条件が成立する毎に)実行させることができる。
また、第2時短Bの時短終了条件として異なる特別図柄抽選回数を設定可能に構成することで、遊技者に有利な特別図柄抽選が実行される周期を可変させることができるため、遊技者に意外性のある遊技を提供することができる。
なお、この場合、図329を参照して上述した遊技盤13の構成のように、通常状態において第1特別図柄抽選も第2特別図柄抽選も実行可能とするパチンコ機10を用いた場合には、通常状態における第1特別図柄抽選と、第2特別図柄抽選とで、時短当選確率を異ならせたり、時短当選時に設定される時短種別の選択割合を異ならせたり、第2時短Bが設定された場合の時短終了条件の内容を異ならせたりするように構成すると良い。
このように構成することで、周期的に実行される遊技者に有利な特別図柄抽選(通常状態における特別図柄抽選)が何れの種別の特別図柄で実行されるかに応じて、遊技者に有利な第2時短Aが設定される確率を異ならせることができる。
また、第2時短Bの時短終了条件として、特別図柄抽選の実行回数に基づいて成立する時短終了条件では無く、特別図柄抽選の結果が特定の判別結果(例えば、小当たり)である場合に成立する時短終了条件を設定可能に構成し、特別図柄抽選の抽選結果として、大当たり、時短当選とは異なる小当たりに当選し得るように構成しても良い。このように構成することで、第2時短Bが設定された場合に、いち早く第2時短Bを終了させて通常状態における特別図柄抽選を実行させようと、小当たり当選を目指すという斬新な遊技性を提供することができる。
<遊技性2:同時変動仕様の遊技機と、時短当選の組合せ>
第1特別図柄の抽選と、第2特別図柄の抽選とを同時に(並行して)実行可能に構成し、両方の特別図柄が大当たりに当選した場合には、先に特別図柄変動が停止(特別図柄の確定表示)された側の特別図柄の抽選結果に基づく大当たり遊技を実行し、先に特別図柄変動が停止(特別図柄の確定表示)した時点で大当たり種別によっては、他方の特別図柄変動を抽選結果が外れであることを示す表示態様で強制的に停止表示するように構成している遊技機において、第1特別図柄抽選及び第2特別図柄抽選の何れにおいても時短当選判定を実行可能に構成する。
そして、上述した第5制御例と同様に各特別図柄変動開始前に時短抽選(時短当選判定)を実行し、時短当選した場合には、特別図柄変動停止タイミングにて時短状態を設定する。この場合、第1特別図柄抽選で時短当選した場合は、第1特典となる時短状態が設定され、第2特別図柄抽選で時短当選した場合は、第1特典とは異なる第2特典となる時短状態が設定される。
さらに、時短当選している第1特別図柄変動中に実行された第2特別図柄抽選において、時短当選した場合には、第1特典及び第2特典よりも有利な第3特典が付与される時短状態を設定可能に構成する。このように構成することで、第1特別図柄の抽選と、第2特別図柄の抽選とを同時に(並行して)実行可能に構成したパチンコ機10において、各特別図柄抽選で時短当選するタイミングに応じて異なる特典が付与される時短状態を設定することが可能となる。
付与される特典については、例えば、第1特典又は第2特典よりも時短終了条件が成立し難い第3特典としても良いし、第1特典又は第2特典よりも特別図柄抽選が実行され易い第3特典としても良い。
さらに、第3特典の時短状態が設定されるタイミングは、並行して実行されている各特別図柄変動のうち、先に特別図柄変動が停止表示されたタイミングでも良いし、後に特別図柄変動が停止表示されたタイミングでも良い。また、停止表示タイミングの前後に関わらず、先に実行された特別図柄変動が停止表示されたタイミングでも良いし、後に実行された特別図柄変動が停止表示されたタイミングでも良い。また、特定の特別図柄種別が停止表示されたタイミングでも良い。
このように構成することで、複数の特別図柄種別の抽選を同時に(並行して)実行可能なパチンコ機10において各特別図柄の抽選で大当たりに当選してしまい、遊技者に対して同時に過剰な特典(大当たり遊技)が付与されてしまう事態の発生を抑制することができる。
さらに、一方の特別図柄抽選で遊技者に不利となる大当たりに当選したとしても、その当選結果が停止表示(確定表示)されるまでに、他方の特別図柄抽選で遊技者に有利となる大当たりに当選させることが可能となる。この場合、特別図柄の抽選結果が停止表示されるまでの変動時間を用いて、遊技者に不利当たりに当選したことを示唆する変動演出を実行すると良い。これにより、遊技者に対して不利当たりに当選したのではと思わせることができるため、その変動時間中に他方の特別図柄抽選を意欲的に実行させることができる。
加えて、遊技者に不利となる大当たりに当選した場合よりも、遊技者に有利となる大当たりに当選したほうが、短い変動時間が設定され易くなるように構成しても良い。これにより、不利当たりに当選した一方の特別図柄の変動中に他方の特別図柄抽選で有利当たりに当選させ、その当選結果を不利当たりの当選結果よりも先に停止表示(確定表示)させることができる。
<時短回数(普通図柄の高確率状態中に実行可能な特別図柄抽選の回数)無限を設定可能な遊技機について>
上述した第1から第4制御例では、特別図柄抽選で大当たり当選した場合の一部において、その大当たり遊技終了後に特別図柄抽選が100回実行されるまでの期間、普通図柄の高確率状態(時短状態)を設定可能に構成していたが、時短状態が継続する期間を特別図柄抽選が100回実行されるまでに限らずに100回以上の特別図柄抽選が実行されるまでとしても良く、無限(次回大当たりに当選するまで)としても良い。
例えば、上述した第1制御例において、大当たり遊技終了後に設定される時短状態が終了する終了条件として設定される特別図柄変動回数として、第1変動回数と、その第1変動回数とは異なる第2変動回数と、を少なくとも含む複数の変動回数の中から1の特別図柄変動回数を設定可能に構成し、第1変動回数を100回、第2変動回数を200回、第3変動回数を300回、第4変動回数を500回、第5変動回数を10000回(実質次回大当たり当選まで)とする。
第3図柄表示装置81に表示される演出態様としては、時短状態が設定された時点では何れの終了条件が設定されていても「残り100回」と表示され、100回以上の変動回数(例えば、第4変動回数)が設定されている場合には、所定のタイミングで表示されている残り変動回数の値に所定回数を上乗せする演出(例えば、「+30回」)を実行する。
このように構成することで、大当たり遊技終了後にスーパーチャンスモード(特別図柄抽選が50回実行されるまでの期間限定の特別図柄の高確率状態(確変状態))が設定されなかった場合であっても、時短状態が継続する期間として10000回の特別図柄変動が実行されるまでの期間が設定された場合には、確変状態が設定された場合よりも第2入賞口640へ球が入球し易い状態が長期間継続することにより、特別図柄の大当たり確率は低確率であるものの、獲得した遊技球数を維持したまま、より多くの特別図柄の大当たり抽選を実行させることが可能となり、大当たりに当選する可能性が高くなるため、大当たり遊技終了後にチャンスモード(時短状態)が設定されても、遊技者に長期間の時短状態が設定されることを期待させることで遊技意欲が低下することを抑制し、時短状態がいつまで継続するのかにも興味を持たせることが可能となり、遊技の興趣を向上させることができる。
また、大当たり遊技中に遊技球が特定領域を通過することで確変状態が設定され、通過しなかった場合には時短状態が設定される構成であるため、特別図柄の高確率状態となるが普通図柄の高確率状態が継続する期間である時短回数が100回の確変状態での遊技と、特別図柄の低確率状態が設定されるが普通図柄の高確率状態が継続する期間である時短回数が最大で10000回付与される可能性がある時短状態での遊技と、の何れの遊技状態で遊技するかを遊技者に選択させることができる。
<大当たり遊技終了後、終了条件が成立するまでの間、特別図柄の高確率状態(確変状態)が設定される構成(所謂、ST仕様)を有する遊技機について>
特別図柄抽選において大当たり当選した場合に、大当たり遊技終了後に確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の高確率状態)を設定し、確変状態が設定されてからの特別図柄変動回数が特定回数(例えば、100回)に到達した場合に確変状態の終了条件が成立する構成(所謂、ST仕様)の遊技機において、終了条件を複数規定し、その中から1つの終了条件を設定する構成としても良い。
例えば、大当たり遊技終了後に設定される確変状態が終了する終了条件として設定される特別図柄変動回数として、第1変動回数と、その第1変動回数とは異なる第2変動回数と、を少なくとも含む複数の変動回数の中から1の特別図柄変動回数を設定可能に構成し、第1変動回数を100回、第2変動回数を200回、第3変動回数を300回、第4変動回数を500回、第5変動回数を10000回(実質次回大当たり当選まで)とする。
そして、第3図柄表示装置81に表示される演出態様としては、確変状態が設定された時点では何れの終了条件が設定されていても「残り100回」と表示され、終了条件として100回以上の変動回数(例えば、第4変動回数)が設定されている場合には、所定のタイミングで表示されている残り変動回数の値に所定回数を上乗せする演出(例えば、「+30回」)を実行する。
このように構成することで、確変状態が継続する残り期間が遊技者に分かり難くなるため、表示されている確変状態が終了するまでの残り期間(特別図柄の残変動回数)が少ない場合でも、遊技者に上乗せ演出が発生することを期待させることが可能となり、確変状態が終了する最後の瞬間まで確変状態が継続するかもしれないという期待感を持たせながら遊技を行わせることができる。
なお、上述した構成を特別図柄の抽選で大当たりとなった場合、または特定領域へと遊技球が入球した場合に大当たりが付与される仕様の遊技機(所謂1種2種混合機)に適用しても良い。
<高確率状態を連続して設定可能な期間に上限を設ける機能(リミット機能)を有する遊技機について>
なお、上述した時短回数無限を設定可能な構成を高確率状態を連続して設定可能な期間に上限を設ける機能(リミット機能)を有する遊技機に適用しても良い。
ここで、リミット機能とは、大当たり遊技終了後に特別図柄または普通図柄の高確率状態(高確状態)が設定され得る大当たり種別の大当たりに当選した場合であっても、大当たり遊技終了後に特別図柄または普通図柄の低確率状態(低確状態)を設定させるための処理を実行させる閾値を指す。
例えば、低確状態において大当たり遊技終了後に特別図柄の高確率状態(確変状態)が設定される種別の大当たり(確変大当たり)に当選し、確変リミット回数として3回がセットされた場合、確変状態が設定されてから3回連続で確変大当たりに当選した場合には、3回目の確変大当たり当選で確変リミットに到達し、大当たり遊技終了後に特別図柄の低確状態が設定される。
なお、確変リミット回数とは、特別図柄の低確状態において大当たり当選し、その大当たりに基づいて実行された大当たり遊技の終了後に確変状態が設定される場合にセットされる値である。確変状態において、大当たり遊技終了後に確変状態が設定される大当たりに当選し、その大当たり当選に基づいて実行された大当たり遊技の終了時に値が更新され、更新後の値を用いて確変リミットに到達したか否かの判別が実行される。
従来の確変リミットを有する遊技機では、例えば、特別図柄の大当たりに当選した場合の大当たり種別の振分が、確変大当たり90%、通常大当たり10%であり、確変リミット回数3回とした場合に、低確状態において確変大当たりに当選し、大当たり遊技終了後に確変状態が設定された後、3回連続で確変大当たりに当選した場合には、3回目の確変大当たりで確変リミットに到達し、3回目の大当たり遊技終了後に所定期間(例えば、特別図柄抽選が100回実行されるまで)の時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)が設定され、特別図柄の大当たりに当選しないまま所定期間が経過すると、通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)に移行する。
また、確変リミットに到達する前に通常大当たりに当選した場合にも、大当たり遊技終了後に所定期間(例えば、特別図柄抽選が100回実行されるまで)の時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)が設定され、特別図柄の大当たりに当選しないまま所定期間が経過すると、通常状態に移行する。なお、時短状態において確変大当たりに当選すると、新たに確変リミット回数3回がセットされる。
つまり、従来の確変リミットを有する遊技機では、通常大当たりに当選した場合に確変リミット回数が解除されるものの、限られた期間内(例えば、特別図柄抽選が100回実行されるまでの期間)に特別図柄の低確率状態で特別図柄の大当たりに当選しなければ通常状態に移行するため、遊技者にとっては、通常大当たりは確変大当たりよりも不利な大当たりであり、確変状態が設定された後に確変大当たりが2回連続した場合、次回当選する大当たりが確変大当たりと通常大当たりの何れの大当たりであっても、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態は同じであるため、確変リミット到達までの残回数が1回の場合の確変状態において遊技者の遊技意欲が低下する虞があった。
これに対して、時短回数無限(次回大当たりに当選するまで)が付与される通常大当たりを設定することで、確変状態が設定された後に通常大当たりに当選することによって、確変リミット回数が解除される特別図柄の低確率状態が設定されるものの、時短状態が次回大当たりまで継続するため、確変リミット到達までの残回数が1回の場合の確変状態においては、確変大当たりに当選するよりも通常大当たりに当選する方が遊技者に有利となり、確変リミット到達までの残回数が1回の場合の確変状態においても遊技者に通常大当たりに当選することを期待させることで遊技意欲が低下することを防ぎ、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、時短回数無限が付与される通常大当たりに当選する場合には、確変大当たりに当選した場合と異なる特殊演出(例えば、表示されている確変リミット到達までの残回数が巻き戻される演出等)を実行しても良い。
<第1特別図柄の抽選に基づく変動表示と、第2特別図柄の抽選に基づく変動表示とを同時に(並列して)実行可能な構成(所謂、同時変動方式)を有しない遊技機における大当たり2回ループが実行可能な構成について>
第1特別図柄の抽選に基づく変動表示と、第2特別図柄の抽選に基づく変動表示とを同時に(並列して)実行可能な構成(所謂、同時変動方式)を有しない遊技機において、大当たり遊技終了後に特別図柄および普通図柄の高確率状態(確変状態)が次回大当たりに当選するまで設定される確変大当たりと、大当たり遊技終了後に所定期間(例えば、特別図柄抽選が100回実行されるまで)特別図柄の低確率状態且つ普通図柄の高確率状態(時短状態)が設定される通常大当たりの2つの大当たり種別を有する遊技機(所謂、確変ループ機。)が一般に知られている。
従来の確変ループ機では、確変大当たりに当選した場合、大当たり遊技終了後に確変状態が設定され、あと1回の大当たり当選が確約されることとなるが、確変大当たりに当選した後に通常大当たりに当選すると、所定期間設定される時短状態に大当たり当選しなければ、通常状態が設定されるため、確変大当たりの割合を変えることなく、あと2回の大当たり当選を確約することはできなかった。
しかし、上述した時短回数無限回(次回大当たりに当選するまで)を設定可能な構成とすることで、確変大当たりの割合を変えずに確変大当たりに当選した場合にあと2回の大当たり当選を確約することが可能となる。
具体的には、確変状態が設定されている場合に通常大当たりに当選した場合には、時短回数無限(次回大当たりに当選するまで)の時短状態が設定され、通常状態または時短状態が設定されている場合に通常大当たりに当選した場合には時短回数無限よりも少ない期間(例えば、特別図柄抽選が20回実行されるまで)の時短状態が設定される構成とする。
このように構成することで、大当たり遊技終了後に確変状態が設定された場合には、次回当選した大当たりが何れの大当たり種別であってもさらにもう1回の大当たりが確約されるため、1度確変大当たりに当選することであと2回の大当たりが確約されることとなる。したがって、確変大当たりに当選することで遊技者は多くの賞球を得ることが可能となるため、確変大当たりに当選することを期待して意欲的に遊技を行わせることができる。
<時短状態(普通図柄の高確率状態)が設定されている場合に、大当たり当選しても時短状態をリセットしない構成について>
従来の遊技機において、大当たり遊技終了後に所定期間(例えば、特別図柄抽選が100回実行されるまで)時短状態を設定し、時短状態中に大当たり当選したことに基づいて大当たり遊技が開始された場合に設定されていた時短状態を終了し、その大当たり遊技終了後に新たに所定期間の時短状態を設定する(時短状態をリセットする)構成が一般的である。
このような構成の遊技機に対して、更なる興趣向上を目指すために、時短状態が設定されている場合に、大当たり当選しても時短状態をリセットしない構成とすることで、所定期間内に如何に多くの大当たりに当選できるかを遊技者に楽しませることが可能となり、遊技の興趣を向上させることができる。
具体的には、通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)において大当たりに当選した場合(初当たり)の大当たり遊技終了後に時短状態が設定され、時短状態が終了する終了条件として設定される特別図柄変動回数として、第1変動回数と、その第1変動回数とは異なる第2変動回数と、を少なくとも含む複数の変動回数の中から1の特別図柄変動回数を設定可能に構成し、第1変動回数を100回、第2変動回数を300回、第3変動回数を500回、第4変動回数を10000回(実質次回大当たり当選まで)とする。
そして、例えば、終了条件として第3変動回数が設定されている場合に、20回目に実行された特別図柄変動で大当たりに当選した場合、大当たり遊技開始時に時短状態を終了させない(リセットしない)ため、大当たり遊技終了後の時短状態の終了条件成立までの残変動回数は480回となる。
このように、初当たりに基づいて設定されている時短状態が、時短状態中に大当たりに当選したことによって終了せず、初当たりに基づく大当たり遊技の終了後に設定された時短状態が新たに実行された大当たり遊技終了後にも引き継がれるため、初当たりに基づく大当たり遊技終了後に設定された時短状態の終了条件である変動回数が何回であるかによって遊技者が時短状態中に獲得し得る大当たり当選回数を異ならせることが可能となり、斬新な遊技を提供することができる。
なお、時短状態を終了させる条件として、終了条件として設定された変動回数が0回になった場合(つまり、時短状態中に所定回数の特別図柄変動が実行された場合)と時短状態中の大当たり当選回数が特定回数に到達した場合、例えば、大当たり遊技終了後に時短状態が設定され、時短状態が設定されてから3回目の大当たりに当選した場合に、大当たり遊技開始時に時短状態を終了させ、その大当たり遊技終了後に新たに時短状態を設定する構成としても良い。
このように構成することで、通常状態よりも有利な状態(例えば、時短状態)を継続させるために連チャンを目指すという斬新な遊技を提供することができ、更に遊技の興趣を向上させることができる。
<第1確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の高確率状態)よりも第2確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の低確率状態)が設定されているほうが遊技者に有利となる構成の遊技機について>
遊技状態として、通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)、時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)、第1確変状態、第2確変状態の少なくとも4つの遊技状態が設定可能であり、各遊技状態の遊技者の有利度合いとして、第1確変状態よりも、少なくとも、第2確変状態のほうが遊技者に有利な構成の遊技機にて、上述した特別図柄抽選において時短抽選(特別図柄抽選における時短状態を設定するか否かの判定)を実行する構成としても良い。
具体的には、特別図柄の低確率状態と高確率状態での大当たり当選確率の差を少なく設定し(例えば、特別図柄の低確率状態での大当たり当選確率を1/50.1、高確率状態での大当たり当選確率を1/50)、第1特別図柄で大当たり当選した場合に第1確変大当たり(大当たり遊技終了後に第1確変状態が設定される大当たり種別)が決定される割合を95%、時短大当たり(大当たり遊技終了後に時短状態が設定される大当たり種別)が決定される割合を5%とし、大当たり遊技中には賞球を得ることができない構成とする。
なお、通常状態、時短状態、第1確変状態においては第1特別図柄抽選が主として実行され、第2確変状態においてのみ第2特別図柄抽選が実行される構成とする。
そして、第2特別図柄抽選において大当たり当選しなかった場合にのみ、小当たり抽選(特別図柄抽選における小当たり当選か否かの判定)が実行され、小当たり当選した場合に実行される小当たり遊技によって遊技者は賞球を得ることができる。
なお、通常状態における特別図柄抽選において大当たり当選しなかった場合には時短抽選を実行し、時短当選すると所定期間(例えば、特別図柄変動が20回実行されるまでの期間)時短状態が設定される。
また、通常状態において第1確変大当たりに当選した場合には、大当たり遊技終了後に第1確変状態が設定される。ここで、第1確変状態では特別図柄の高確率状態は次回大当たりに当選するまで継続するが、普通図柄の高確率状態は終了条件が成立すると低確率状態が設定される構成とし、終了条件として設定される特別図柄変動回数として、第1変動回数と、その第1変動回数とは異なる第2変動回数と、を少なくとも含む複数の変動回数の中から1の特別図柄変動回数を設定可能に構成し、例えば、第1変動回数を1回、第2変動回数を50回、第3変動回数を100回、第4変動回数を200回、第5変動回数を300回とする。
このように構成することで、第1確変状態において普通図柄の高確率状態の終了条件が成立した場合に、特別図柄の高確率状態、普通図柄の低確率状態、つまり、遊技者に有利な第2確変状態が設定されることとなるため、第1確変状態においては大当たり当選せずに普通図柄の高確率状態が終了することを目指す斬新な遊技を遊技者に提供することができる。
なお、第2特別図柄で大当たり当選した場合に第2確変大当たり(大当たり遊技終了後に第2確変状態が設定される大当たり)が決定される割合を95%、時短大当たりが決定される割合を5%とする。
なお、時短状態が設定されている場合に第1特別図柄が大当たり当選した場合には100%第2確変状態が設定される構成とする。
なお、普通図柄の高確率状態を連続して設定可能な期間に上限を設ける(時短リミット)構成としても良く、例えば、時短リミット回数を10回とし、第1確変大当たりに10回当選することで10回目の大当たり遊技終了後に第2確変状態が設定される。このように構成することで、大当たりを連チャンさせることで更に有利な遊技状態が設定されるという斬新な遊技を提供することが可能となり、遊技者の遊技の興趣を向上させることができる。
なお、第1特別図柄抽選においても小当たり抽選を実行する構成としても良く、小当たり当選した場合に、少なくとも小当たり遊技終了後に第2確変状態が設定される小当たり種別を含む複数の小当たり種別の中から小当たり種別が決定される構成としても良い。このように構成することで、第2確変状態へ移行する契機が増えるため、更に遊技の興趣を向上させることができる。
なお、第1確変状態が設定されている場合に、設定されている普通図柄の高確率状態の終了条件が成立するまでの特別図柄の残変動回数を遊技者に示唆する演出を実行しても良い。例えば、終了条件として第5変動回数(変動回数300回)が設定されている場合に、第3図柄表示装置81において「300ポイント貯めろ」と表示され、特別図柄の1変動毎に1ポイント貯まり、300ポイント貯まった場合に、第2確変状態が設定される構成としても良い。この場合、第1確変状態において大当たり当選した場合には、獲得したポイントがリセット(つまり、0に戻る)される構成とする。
なお、終了条件として、例えば、第1変動回数(変動回数1回)が設定されている場合にも、第3図柄表示装置81において「300ポイント貯めろ」と表示され、特別図柄の1変動が終了したら300ポイント獲得できる構成としても良く、設定されている終了条件の変動回数に応じて特別図柄の1変動で付与されるポイント数を異ならせるように構成しても良い。
このように構成することで、普通図柄の高確率状態の終了条件としてどの変動回数が設定されているのかを遊技者が分かり難くなるため、付与されるポイント数からどの変動回数が設定されているかを予測する楽しみを提供でき、遊技の興趣を向上させることができる。
<技術思想まとめ>
次に、上述した各制御例に記載された各技術思想について簡単に説明をする。まず、時短中に獲得した特図2保留を用いた特図2抽選の実行回数が所定回数を超えると、特図2抽選により有利特典が付与される確率が高くなる技術思想について、上述した第5制御例のパチンコ機10によれば、第2入球口640に遊技球が入球した場合には、第2特別図柄抽選の実行権利を取得する手段を有し(情報を取得することが可能な取得手段)と、第2特別図柄抽選の実行権利(特図2保留)を上限数(4個)まで保留記憶可能な手段を有する(取得手段により取得された前記情報を記憶することが可能な記憶手段)。そして、保留記憶されている第2特別図柄抽選の実行権利(特図2保留)に基づいて、第2特別図柄抽選が実行される(記憶手段に記憶されている前記情報に基づいて判別を実行することが可能な判別手段)。そして、第2特別図柄抽選の抽選結果が大当たり当選(第1判別結果)であることに基づいて大当たり遊技(特定遊技)が実行される。そして、大当たり遊技が終了した後には、第2入球口640へと遊技球を入球させ易くなる普通図柄の高確率状態(特定設定)が、普通図柄の高確率状態を終了させるための終了条件(時短終了条件)が成立するまでの間継続する。また、第2特別図柄抽選では、大当たり当選の判定とは別に時短当選判定を実行可能に構成しており、時短当選判定において時短当選したと判別された場合は(第2判別結果であると判別された場合は)、大当たり遊技を実行すること無く、普通図柄の高確率状態(特定設定)を設定可能である。さらに、上述した第5制御例では、複数の遊技状態を設定可能に構成しているが、その中で、通常状態(特定期間)が設定されている状態においてのみ、時短当選判定を実行可能である。
このように構成することで、第2特別図柄抽選で大当たり当選したことに基づいて普通図柄の高確率状態が設定される場合は、特別図柄変動の停止タイミングでは無く、大当たり遊技の終了タイミングにて普通図柄の高確率状態が設定され、第2特別図柄抽選で時短当選したことに基づいて普通図柄の高確率状態が設定される場合は、特別図柄変動の停止タイミングにて普通図柄の高確率状態が設定される。よって、普通図柄の高確率状態を設定されるタイミングを時短状態の設定契機に応じて異ならせることができる。
また、時短当選判定を実行可能な期間(通常状態が設定されている期間)と、実行不可能な期間(通常状態が設定されていない期間)と、を設けることができるため、特別図柄抽選が実行される期間についても遊技者に興味を持たせることができる。なお、上述した第5制御例では、通常状態でのみ時短当選判定を実行するように構成しているが、時短当選判定を実行可能な期間と、実行しない期間と、を設ければ良く、例えば、普通図柄の低確率状態が設定されている遊技状態(通常状態、第2確変状態)において時短当選判定を実行可能とし、普通図柄の高確率状態が設定されている遊技状態(時短状態、確変状態)において時短当選判定を実行しないように構成しても良い。
さらに、時短当否判定の実行の有無を設定されている遊技状態に応じて切り替えるのでは無く、時短当否判定において時短当選する確率を遊技状態に応じて異ならせても良く、例えば、通常状態が設定されている場合における時短当否判定では1/6の確率で時短当選し、それ以外の遊技状態においては、1/200の確率で時短当選するように構成しても良い。このように構成することで、時短当選し易い遊技状態と、時短当選し難い遊技状態と、を設定することができるため、上述した技術思想と同様に効果、即ち、特別図柄抽選が実行される期間についても遊技者に興味を持たせることができる。
さらに、上述した第5制御例では、遊技球が入球することにより、第1特別図柄抽選の実行契機となり得る第1入球口64(遊技球が入球可能な第1入球手段)と、第2特別図柄抽選の実行契機となり得る第2入球口640(その第1入球手段とは異なる第2入球手段)と、を設けており、時短当選判定は、第2特別図柄抽選でのみ実行可能に構成している。
つまり、第1特別図柄抽選では、何れの遊技状態が設定されていても時短当選判定が実行されず、第2特別図柄抽選では特定期間(通常状態)において時短当選判定を実行可能としている。このように構成することで、第1特別図柄抽選と、第2特別図柄抽選とで、ひいては、第1入球口64への遊技球の入球と、第2入球口640への遊技球の入球とで、後に遊技者へと付与される価値の量を大きく異ならせることができる。
なお、上述した第5制御例では、第1特別図柄抽選では時短当選判定を実行せずに、第2特別図柄抽選では特定期間(通常状態)において時短当選判定を実行可能に構成しているが、これに限ること無く、例えば、第1特定期間(通常状態)においては第2特別図柄抽選のみ時短当選判定を実行し、第1特定期間とは異なる第2特定期間(第2確変状態)においては、第1特別図柄抽選のみが時短当選判定を実行可能に構成してもよい。このように構成することで、設定されている期間によって、第1入球口64への遊技球の入球が、第2入球口640への遊技球の入球より遊技者に有利な価値を付与し易い状況と、第1入球口64への遊技球の入球よりも、第2入球口640への遊技球の入球が遊技者に有利な価値を付与し易い状況と、を創出することが可能となる。よって、遊技者に対してより有利な価値が付与され易い遊技を実行しようと意欲的に遊技を行わせることができる。
さらに、この場合、図329に示した変形例のように、何れの遊技状態が設定されている場合であっても、第1入球口64への遊技球の入球度合いと、第2入球口640への遊技球の入球度合いとが同様となるようにパチンコ機10の遊技盤13を構成すると良い。このように構成することで、遊技者の判断によって、何れの入球口へと遊技球を入球させるかを選択することができるため、遊技の興趣を向上させることができる。
さらに、各制御例に記載した通り、大当たり当選に基づいて設定される時短状態(第1時短)よりも、時短当選判定により時短当選したことに基づいて設定される時短状態(第2時短)のほうが、遊技者に有利な時短状態、即ち、時短終了条件が成立し難い時短状態が設定され易くなるように構成している。つまり、時短状態の設定契機に応じて、設定された時短状態の有利度合いを異ならせるように構成している。これにより、時短状態(特定設定)が設定される期間(時短終了条件)を判別された判別結果(設定契機)により可変させることが可能となるので、遊技を多様にすることができ興趣をより向上できるという効果がある。
この場合、時短状態が設定される前の遊技状態に応じて、第1時短よりも第2時短のほうが遊技者に有利な時短状態となる場合と、第2時短よりも第1時短のほうが遊技者に有利な時短状態となる場合と、を設けると良い。このように構成することで、どの状況で時短状態が設定されたかについても遊技者に興味を持たせることができる。
より具体的には、例えば、前回の大当たり遊技が終了してから実行された特別図柄抽選の回数(ハマリ回数)が所定数を超えた場合のほうが、超えていない場合よりも、有利な時短状態となり易くなるように構成しても良い。
次に、上述した第7制御例では、1回の特別図柄抽選において、大当たり当選と、時短当選とに重複して当選可能に構成している(図315参照)。これにより、大当たり当選(第1判別結果)と時短当選(第2判別結果)とを重複して判別することが可能に構成されているので、1回の特別図柄抽選において、大当たり当選、時短当選、大当たりと時短との両方に当選と、様々な抽選結果を期待することができる。さらに、第7制御例では、時短当選と大当たり当選とが重複した場合に、重複して当選しなかった場合よりも遊技者に有利な大当たり遊技が実行されるように構成している(図306(b)参照)。よって、重複して判別されることで遊技者に有利となる種別の特定遊技が実行され易いので、遊技者に多様な判別結果に対応した特典を付与することで遊技を多様にすることができるという効果がある。
なお、重複当選した場合のほうが、重複当選していない場合よりも、遊技者に有利な特典を付与する構成として、上述した第7制御例の構成以外を用いても良く、例えば、大当たり遊技が終了した後に設定される遊技状態が、重複当選した場合のほうが、重複当選していない場合よりも、有利な遊技状態(例えば、確変状態、時短状態等)を設定可能に構成しても良い。
また、上述した第7制御例では、時短当選の判定(第2判別結果であるか否かの判別)を実行した後に、大当たり判定(第1判別結果であるか否かの判別)を実行するように構成しており、1の特別図柄抽選において、時短当選した場合には、当該特別図柄抽選における大当たり判定を時短状態で実行することができるように構成している。このように構成することで、重複当選した場合に実行される特典遊技の有利度合いと、重複当選しなかった場合に実行される特典遊技の有利度合いと、を異ならせることができる。
次に、上述した第5制御例の第2変形例では、特別図柄抽選で大当たり当選したことに基づいて設定される普通図柄の高確率状態(第1時短)と、特別図柄抽選で時短当選したことに基づいて設定される普通図柄の高確率状態(第2時短)と、で普通図柄の高確率状態が設定されている状態で大当たり当選した場合に遊技者に付与される特典の種別(大当たり遊技終了後に付与される時短回数)を異ならせている(図280(b)参照)。よって、設定種別(第1時短、第2時短)に応じて特典遊技の種別における選択割合(大当たり遊技の内容と、付与される時短回数)が可変されるので、同じ普通図柄の高確率状態(第2遊技状態)であっても遊技者へと付与される特典を異なるものとすることができ、遊技状態を多数設定しなくとも遊技を多様にして遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
なお、上述した第5制御例の第2変形例では、設定種別(第1時短と第2時短)とに応じて、付与される時短回数に差を設けているが、これに限ること無く、実行される大当たり遊技の内容(例えば、ラウンド遊技数)を異ならせるように構成しても良い。
さらに、上述した第5制御例の第2変形例では、第1時短よりも第2時短が設定された場合、即ち、大当たり遊技が実行されること無く普通図柄の高確率状態が設定された場合のほうが、終了条件が成立し難い普通図柄の高確率状態が設定され易くなるように構成している。つまり、大当たり遊技中に賞球を獲得すること無く、普通図柄の高確率状態が設定された場合、即ち、第1時短よりも普通図柄の高確率状態が設定されるまでに付与される特典が少ない第2時短のほうが、普通図柄の高確率状態を長くすることができるため、遊技者に対して公平に特典を付与することができるという効果がある。
さらに、上述した第5制御例の第2変形例では、上述した第5制御例や第5制御例の第1変形例と同様に、通常状態でのみ時短当選判定(第2判別結果の判別)を実行可能に構成している。換言すれば、通常状態以外では、時短当選判定が実行されることを規制している。よって、遊技状態に応じて時短当選判定が実行されないので、設定されている遊技状態に興味をより持たせ、第2判別結果が判別可能となる遊技状態が設定されることを期待させることができるという効果がある。
加えて、上述した第5制御例の第2変形例では、第1時短が設定されたか第2時短が設定されたかを、遊技者に判別させ難くするように、特別図柄抽選の結果を示すための演出態様を設定可能に構成している(図278、及び図279参照)。つまり、第1時短が設定される場合には、特別図柄変動時間と、その後の大当たり遊技期間とを合算した第1期間に対して特定演出(図278(a)参照)を実行し、第2時短が設定される場合には、特別図柄変動時間(確定時間含む)である第2期間に対して特定演出(図278(b)参照)を実行するように構成している。
より具体的には、上述した第1期間と第2期間とが略同一期間となるように、各特別図柄抽選結果に対応させて変動時間や、大当たり遊技期間を予め規定しておき、特定演出の演出期間が同一となるように構成している。このように構成することで、第3図柄表示装置81の表示画面に表示される演出として、演出期間、及び、演出態様が同一の特定演出が実行された後に、普通図柄の高確率状態を示す演出が実行されることになる。よって、第3図柄表示装置81の表示画面にて実行される演出を注視している遊技者に対して、何れの設定契機で普通図柄の高確率状態が設定されたのかを判別させ難くすることができる。
次に、上述した第6制御例では、時短状態(第2遊技状態)中においても時短当選判定を実行可能に構成しており、時短状態(第2遊技状態)中に時短当選した場合には、時短終了条件が成立し難い(時短回数が多い、又は、時短当選確率が高い)時短種別の時短状態(第2遊技状態)を設定可能に構成している。
これにより、時短状態が設定されている期間が長くなるほど、時短終了条件が成立し難い時短種別の時短状態が設定され易くなるため、特典遊技が実行され易くすることができる。
なお、上述した第6制御例では、図286(a)に示した通り、設定されている遊技状態に応じて、時短当選確率を異ならせているが、時短当選確率を同一に規定しても良い。また、遊技状態に応じて時短当選確率を異ならせているが、それ以外に例えば、前回の大当たり遊技が実行されてからの特別図柄抽選回数に応じて時短当選確率を異ならせても良い。この場合、前回の大当たり遊技が実行されてからの特別図柄抽選回数が所定回数(例えば、200回)を超えた場合に、時短当選確率が高くなるように構成すると良い。このように構成することで、特別図柄抽選で長時間大当たり当選していない遊技者に対して、大当たり遊技とは異なる時短当選という特典を付与し易くすることができる。なお、本技術思想は、他の制御例にも適用可能であることは言うまでも無い。
図329を参照して説明をした遊技機では、第1判別を実行可能な第1判別手段(第1特別図柄抽選)と、その第1判別手段により実行される第1判別の結果が、第1判別結果(大当たり当選)であることに基づいて第1特典(大当たり遊技)を付与可能であり、第1判別の結果が、第1判別結果とは異なる第2判別結果(時短当選)であることに基づいて第2特典(普通図柄の高確率状態)を付与可能な第1特典付与手段と、第1判別とは異なる第2判別を実行可能な第2判別手段(第2特別図柄抽選)と、第2判別手段により実行される第2判別の結果が、第3判別結果(大当たり当選)であることに基づいて第1特典を付与可能であり、第2判別の結果が第3判別結果とは異なる第4判別結果(小当たり当選)であることに基づいて、第1特典及び第2特典とは異なる第3特典(小当たり遊技)を付与可能な第2特典付与手段と、を有し、第1判別手段により実行される第1判別に基づいて第3特典が付与されることが無く、且つ、第2判別手段により実行される第2判別に基づいて第2特典が付与されることが無いように構成されている。
これにより、第1判別が実行された場合と、第2判別が実行された場合とで、異なる特典を付与可能に構成しているため、遊技者に対して、異なる判別を実行させようと意欲的に遊技を行わせることが可能となり、遊技が単調となることを抑制できるという効果がある。
上述した<遊技性2>に係る遊技機では、第1特別図柄の抽選と、第2特別図柄の抽選とを同時に(並行して)実行可能に構成し、両方の特別図柄が大当たりに当選した場合には、先に特別図柄変動が停止(特別図柄の確定表示)された側の特別図柄の抽選結果に基づく大当たり遊技を実行し、先に特別図柄変動が停止(特別図柄の確定表示)した時点で大当たり種別によっては、他方の特別図柄変動を抽選結果が外れであることを示す表示態様で強制的に停止表示するように構成している遊技機において、第1特別図柄抽選及び第2特別図柄抽選の何れにおいても時短当選判定を実行可能に構成する。そして第1判別手段により第1条件が成立した(時短当選した)と判別されてから第1状態設定手段により第1有利状態(第1特典の時短状態)が設定されるまでの間に、第2判別手段により第2条件が成立した(時短当選した)と判別されたことに基づいて、第1有利状態、及び第2有利状態よりも遊技者に有利となる第3有利状態(第3特典の時短状態)を設定可能である。よって、第1特別図柄の抽選と、第2特別図柄の抽選とを同時に(並行して)実行可能に構成したパチンコ機10において、各特別図柄抽選で時短当選するタイミングに応じて異なる特典が付与される時短状態を設定することが可能となる。
上述した<その他の遊技性>では、判別を実行可能な判別手段と、その判別手段による前記判別の結果が第1判別結果であることに基づいて特典遊技を実行可能な特典遊技実行手段と、第1遊技状態と、その第1遊技状態とは異なる第2遊技状態とを少なくとも含む複数の遊技状態の中から1の遊技状態を設定可能な遊技状態設定手段と、を有した遊技機において、遊技状態設定手段は、第1遊技状態(通常状態)が設定されている状態において実行された判別手段(特別図柄抽選)による判別の結果が第1判別結果とは異なる第2判別結果(第2時短B当選)であることに基づいて第2遊技状態(第2時短B)を設定可能であり、第2遊技状態が設定されている状態において終了条件(時短終了条件)が成立したことに基づいて第1遊技状態を設定可能であり、第1遊技状態が設定されている状態において実行された判別手段による判別の結果が第1判別結果及び第2判別結果とは異なる第3判別結果(第2時短A当選)であることに基づいて、第2遊技状態よりも遊技者に有利な第3遊技状態(第2時短A)を設定可能である。また、判別手段は、判別の結果が第2判別結果となる確率(選択割合90%)よりも第3判別結果となる確率(選択割合10%)のほうが低くなるように判別を実行可能である。
さらに、終了条件(第2時短Bの時短終了条件)として、第2遊技状態が設定されている状態において実行される判別手段による判別の回数(特別図柄抽選回数)が所定回数に到達したことに基づいて成立可能な第1終了条件を少なくとも設定可能である。加えて、判別手段による判別の結果が特定判別結果(小当たり当選)であることに基づいて成立可能な第2終了条件を設定可能である。
この場合、遊技状態設定手段により第2遊技状態を設定するための設定種別として、特典遊技実行手段の終了後に第2遊技状態を設定可能な第1設定(通常の時短状態)と、判別手段により実行される判別の結果が第1判別結果とは異なる第2判別結果(第2時短B当選)であることに基づいて特典遊技を実行すること無く、第2遊技状態(時短状態)を設定可能な第2設定と、を少なくとも設定可能な種別設定手段を有し、遊技状態設定手段は、種別設定手段により設定された設定種別(時短種別)に応じて、第1遊技状態(通常状態)よりも有利となる有利第2遊技状態(通常の時短状態)と、第1遊技状態よりも不利となる不利第2遊技状態(第2時短B)と、を設定可能である。
<第8制御例>
次に、図330から図335を参照して、第8制御例について説明をする。上述した第5制御例は、普通図柄の低確率状態(通常状態)中に第2入球口640へと遊技球を入球させ難くし、普通図柄の高確率状態(時短状態)中に第2入球手段640へと遊技球を入球させ易くするように構成していた。さらに、通常状態にて実行される第2特別図柄抽選にて時短当選の判定(時短抽選)を実行するように構成していた。また、第2特別図柄の抽選権利(特図2保留)を、所定数(4個)を上限に記憶(保留記憶)可能に構成していた。
このように構成された第5制御例におけるパチンコ機10では、特図2保留を保留記憶している状態で普通図柄の高確率状態(時短状態)が終了し、普通図柄の低確率状態(通常状態)が設定されることにより、保留記憶されていた特図2保留に基づく第2特別図柄抽選が普通図柄の低確率状態(通常状態)にて実行され、その通常状態中に実行された第2特別図柄抽選で時短当選した場合に、再度、普通図柄の高確率状態(時短状態)が設定されるように構成していた。
つまり、普通図柄の高確率状態(時短状態)が終了し、普通図柄の低確率状態(通常状態)が設定されてから所定期間(特図2保留に基づく第2特別図柄抽選が実行されている期間)が経過するまでの期間を、普通図柄の高確率状態(時短状態)が設定され易い期間(引き戻し期間)として設定可能に構成することで、普通図柄の高確率状態(時短状態)が終了した後も遊技者に意欲的に遊技を行わせることができるものであった。
これに対して、本第8制御例では、通常状態において実行される第1特別図柄抽選、及び第2特別図柄抽選の何れにおいても時短当選の判定(時短抽選)を実行可能に構成し、高確率(外れ当選の殆ど)で時短当選するように構成し、時短当選したことに基づいて設定される時短状態(第2時短)が、通常状態よりも遊技者に不利な遊技状態となるように構成している点で相違している。
加えて、本第8制御例では、第1特別図柄抽選と第2特別図柄抽選とが交互に実行され易くなるように遊技盤13が構成されており、上述した第2時短の終了条件として、一方の種別の特別図柄抽選が連続して実行された場合に成立する終了条件が設定されるように構成している。
このように構成された本第8制御例におけるパチンコ機10では、通常状態が設定されている状態にて実行される特別図柄抽選にて大当たり当選(大当たり確率1/300)しなかった場合には、高確率(298/300)で時短当選することより第2時短が設定される。そして、第2時短の終了条件が成立するまで、第2時短で特別図柄抽選が実行される。
また、第2時短の終了条件として、第2時短中に実行された特別図柄抽選の合算回数が特定数(100回)に到達した場合に成立する第1時短終了条件と、所定の順序で特別図柄抽選が実行された場合に成立する第2時短終了条件とが設定されるように構成しており、第2時短終了条件は、第1時短終了条件が成立するよりも前に成立し得るように構成している。
よって、第2時短が設定された場合には、いち早く第2時短を終了させるために第2時短終了条件を成立させようと遊技者に意欲的に遊技を行わせることができる。
また、通常状態において実行される特別図柄抽選の種別に応じて、遊技者への有利度合いを異ならせるように構成しており、通常状態で実行される第1特別図柄抽選で大当たり当選した場合の方が、通常状態で実行される第2特別図柄抽選で大当たり当選した場合よりも、大当たり遊技終了後に有利な遊技状態を設定し易くなるように構成している。
このように構成することで、第2時短が終了した後に実行される特別図柄抽選の種別に対して遊技者に興味を持たせることができる。
ここで、図331を参照して、振り分けユニット1064の構成について説明する。図331(a)〜(b)は、振り分けユニット1064の内部の構造を示した図である。実際には、この前面側にカバー体が配置されており、そのカバー体は、内部が透視可能な部材で構成されており、渦巻き状の柄が表面に内部が透視不可能または困難な着色されており、内部が視認し難くなるように構成されている。
振り分けユニット1064の上部には、遊技球が入球可能な通過口1064bが設けられており、その通過口1064bを遊技球が通過したことを検知可能にする透過型の入球センサ1064aが配置されている。通過口1064bを通過した遊技球は、振り分け部材900によって、その下方に配置された第1入球口64aと第2入球口1641とに交互に振り分けられる。
振り分け部材900は、通過口へと入球した遊技球を振り分け部材900の収容部900aまたは900cで受ける。収容部900aで遊技球を受けた場合には、遊技球の重さにより、振り分け部材900は、正面視(図331(a)参照)左回りに回転して、遊技球を第1入球口64aへと誘導する。ここで、振り分け部材900は、それぞれ左右周りに約90度回動可能に構成されており、収容部900aと収容部900bとの境界壁には磁石900bが設けられている。
振り分けユニット1064の背面側に設けられるベース体には、振り分け部材900の磁石901bが通過口の中央線上の位置にベース側磁石901が配置されている。振り分け部材900の磁石900bとベース側磁石901とは互いに反発する極性になるように構成されている。詳細には、ベース側磁石901は、ベース体に固定された棒状の磁石で構成されており、先端部に磁極(S極またはN極)が発生するように構成されている。ベース側磁石901は、先端部を振り分け部材900側に向くように配置されて固定されている。
磁石900bもベース側磁石901と同様に棒状で構成された磁石で構成され、先端部がベース側磁石901側に向くように、振り分け部材900に固定されている。振り分け部材900が回動し、収容部900aと収容部900bの境界壁が真上(通過口の遊技球が約1球分入球可能な間隔の中心線上)に来る位置で、ベース側磁石901と振り分け部材900の磁石900bとが最も接近する(先端部同士が向かい合う)位置となる。ここで、互いの磁石は、極性が同じ(例えば、N極とN極)となるように配置されているので反発仕合、振り分け部材900の境界壁が真上を向く位置で停止することが無く、左右どちらかに回動した位置に維持されることとなる。
これにより、振り分け部材900は、磁石900bが通過口の中心線上となる位置(上方となる位置)となると、磁石900bとベース側磁石901とが反発することにより、振り分け部材900が左右どちらかに回転し、収容部900aと収容部900bとのどちらかが、振り分けユニット640に入球してくる遊技球を受ける側(遊技機上方側)を向くようになる。よって、入球した遊技球が収容部900aと収容部900bとの境界壁と当接して、球詰まりが発生するのを防止することができる。
また、磁石900bとベース側磁石901とが反発することで、例えば、収容部900aが遊技球を受けて左に約90度回転して、遊技球を第1入球口64aへ誘導した後に、振り分け部材900が右回転する(収容部900aが上方を向く)のを防止することができる。これにより、遊技球を第1入球口64aへ誘導した後には、収容部900bが上方を向いた状態となり、次に振り分けユニット640に入球した遊技球は、収容部900bが受けて、遊技球の重さにより振り分け部材900が右に約90度回転して、遊技球を第2入球口1641へ誘導する。このように、振り分け部材900は、振り分けユニット640に入球する遊技球を第1入球口64aと第2入球口1641とに交互に誘導することができる。よって、均等に第1入球口64aと第2入球口1641とに遊技球を振り分けて入賞させることができ、後述する、第1入球口64aへの入賞に起因する抽選遊技(以下、第1抽選遊技)と第2入球口1641への入賞に起因する抽選遊技(以下、第2抽選遊技)とを効率良く実行することができる。
右側第2入球口1640は、第2入球口1641と同様に遊技球が入球すると第2特別図柄の抽選が開始されることとなる入球口である。なお、第2特別図柄は、第2入球口1641と右側第2入球口1640とを合わせて保留球が4個となっている。
また、振り分けユニット1064の通過口1064b(遊技球が1球通過可能な大きさ)には、可変表示ユニット80の右側を通過した遊技球も、左側を通過した遊技球も入球可能となっており、右側第2入球口1640には、右側を通過した遊技球のみが入球可能に構成されている。
ここで、図331(a)は、振り分け部材900が収容部900aを上方に向く位置に回動した状態で停止している場合を示した図である。この場合に通過口1064bを遊技球が通過すると、収容部900aに遊技球が収容され、遊技球の自重により振り分け部材900を左回りに回動させて誘導部900z1に誘導されながら第1入球口64aに遊技球が誘導される。
遊技球が振り分け部材900により第1入球口64aへと振り分けられた後には、図331(b)に示すように、収容部900cが上方に向く位置で振り分け部材900が停止される。その後、通過口1064bを遊技球が通過すると収容部900cに収容され、第2入球口1641へと遊技球が振り分けられる。よって、交互に第1入球口64aと第2入球口1641とに振り分けることができる。
また、図331(b)に示した通り、振り分けユニット1064の通過口1061bから入球した遊技球のうち、振り分け部材900によって第1入球口64a、或いは、第2入球口1641へと適正に誘導することが出来なかった遊技球は、振り分けユニット1064の外壁部と、各入球口との間に形成された球排出経路を流下し、振り分けユニット1064の外部へと排出されるように構成している。
このように構成することで、例えば、振り分けユニット1064の通過口1061bへと勢いよく流入した遊技球が振り分け部材900と衝突し、誘導部900z1,900z2に誘導されること無く振り分けユニット1064内を流下する事象が発生した場合であっても、振り分けユニット1064内で球詰まりが発生することを抑制することができる。
また、詳細な図示は省略するが、振り分け部材900の位置(回動状況)は、回転センサ(図示せず)によって識別可能に構成されている。具体的には、振り分け部材900の回転軸900dの回転量を検知可能な回転センサが設けられており、その回転センサの検知結果に基づいて振り分け部材900の位置を特定可能に構成している。そして、回転センサの検知結果に基づいて特定された振り分け部材900の位置に基づいて、次に通過口1061bへと入球した遊技球が何れの入球口(第1入球口64a、第2入球口1061)へと誘導されるかを判別可能に構成している。
このように構成することで、同一種別の特図保留を連続して獲得可能な状態であるか否かを遊技者に報知するための報知演出や、同一種別の特図保留を連続して獲得させるための案内演出を実行することができるため、遊技者に対して、第2時短終了条件を成立させるための遊技を分かり易く行わせることができる。
なお、本第5制御例では、回転センサを用いて振り分け部材900の位置を特定可能な構成としたが、それに限らず、入球した入球口により振り分け部材900の位置を毎回判別するように構成してもよい。具体的には、第1入球口64aに入球したことに基づいて、振り分け部材900は収容部900cが上方を向いている状態として特定し、第2入球口1641に入球したことに基づいて、振り分け部材900は収容部900aが上方を向いている状態として特定するように構成する。このように構成することで、専用のセンサ等を設けなくても、振り分け部材900の位置を特定することができる。また、振り分け部材900が振動等で回動してしまったとしても、毎回入球口に入球する毎に、位置を更新して判別することで、正しく振り分け部材900の位置を特定することができる。
本第5制御例では、図331を参照して上述した通り、正常であれば、振り分けユニット1064内へと流入した遊技球が第1入球口64aと、第2入球口1641とに交互に誘導されるように構成し、各入球口へと遊技球が入球したことに基づいて新たな特図保留を獲得することができない場合に、振り分けユニット1064へと遊技球を入球させることで特図保留を獲得すること無く、振り分け部材900の位置を可変させることにより、同一種別の特図保留を連続して獲得可能に構成しているが、これに限ること無く、例えば、振り分けユニット1064内へと流入した遊技球のうち一部の遊技球が振り分け部材900に収容されること無く、第1入球口64a、或いは、第2入球口2164へと入球し得るように構成しても良い。
このように構成することで、振り分け部材900を用いて第1特別図柄抽選に対応する特図保留(特図1保留)と、第2特別図柄抽選に対応する特図保留(特図2保留)とを交互に獲得可能な構成と、振り分け部材900を用いること無く特図保留を獲得する構成と、を用いて不規則な順序で特図1保留と、特図2保留と、を獲得することが可能となる。よって、第2時短終了条件を成立させ易くすることができる。
図330に戻り、説明を続ける。遊技盤13の右側領域には、右第2入球口1640と、その右第2入球口1640へと遊技球を入球させることが可能な開状態と、その開状態よりも遊技球を入球させることが困難な閉状態とに可変可能な可変手段として電動役物1640aと、が設けられている。
この電動役物1640aは、上述した第5制御例における電動役物640aと同様に、スルーゲート67を遊技球が通過したことに基づいて実行される普通図柄抽選において当たり当選した場合に実行される当たり遊技(普図当たり遊技)によって、所定の可変パターンに従って閉状態から開状態へと可変されるように構成している。なお、普通図柄抽選に関する技術、及び、普通図柄抽選で当たり当選したことに基づいて実行される電動役物1640aへの制御処理の内容については、上述した第5制御例において用いられる第1制御例におけるパチンコ機10と同一であるため、その詳細な説明を省略する。
つまり、本第8制御例では、上述した第1制御例と同様に、普通図柄抽選で当たり当選した場合に、遊技球を右第2入球口1640へと入球させ易い普図当たり遊技(ロング開放当たり遊技)と、そのロング開放当たり遊技よりも右第2入球口1640へと遊技球を入球させることが困難となる普図当たり遊技(通常開放当たり遊技)と、を実行可能に構成しており、普通図柄の低確率状態が設定されている遊技状態、及び、普通図柄の高確率状態が設定されている遊技状態の何れにおいても、ロング開放当たり遊技を実行可能に構成している。
このように構成することで、遊技状態として、時短状態のうち遊技者に不利となる不利時短状態が設定されている場合において、普通図柄抽選で当たり当選し、ロング開放当たり遊技が実行されることで右第2入球口1640へと複数の遊技球を入球させることが可能となる。これにより、遊技球の入球順に従って特別図柄抽選が実行される本第8実施形態において、同一種別の特別図柄(第2特別図柄)を連続して実行させることが可能となり、不利時短状態を終了させるための時短終了条件(第2時短終了条件)を成立させ易くすることができる。
よって、普通図柄抽選で当たり当選しロング開放当たり遊技が実行されることによって、遊技特別図柄抽選を効率良く実行させるという特典に加え、不利時短状態を終了させるという特典を付与することができるため、遊技者に対して普通図柄抽選の結果に興味を持たせることができる。
なお、詳細な説明は後述するが、本第8制御例では、時短状態として、遊技者に有利となる時短状態(有利時短状態)と、遊技者に不利となる時短状態(不利時短状態)と、を実行可能に構成しており、特別図柄抽選の実行効率の点において、有利時短状態の方が不利時短状態よりも実行効率が高くなるように構成している。より具体的には、不利時短状態が設定されている状態では、普通図柄抽選で当たり当選したことに基づいて実行される普図当たり遊技中に右第2入球口1640へと遊技球を入球させることが可能な期待度が、通常状態と同程度となるように構成している。
さらに、特別図柄抽選において大当たり当選した場合に付与される特典(大当たり遊技内容、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態)の点において、有利時短状態の方が不利時短状態よりも遊技者に有利な特典が付与される(され易くなる)ように構成している。より具体的には、不利時短状態中に大当たり当選した場合に付与される特典は、通常状態中に大当たり当選した場合よりも遊技者に不利な特典が付与される(され易くなる)ように構成している。
よって、通常状態、有利時短状態、不利時短状態の3つの遊技状態の中で、有利時短状態が遊技者に最も有利な遊技状態となり、次いで、通常状態が遊技者に有利な遊技状態となり、不利時短状態が最も遊技者に不利な遊技状態となるように構成している。
加えて、本第8制御例では、有利時短状態を終了させるための時短終了条件(有利時短終了条件)の規定内容と、不利時短状態を終了させるための時短終了条件(不利時短終了条件)の規定内容と、を異ならせている。具体的には、有利時短終了条件、不利時短終了条件の何れにおいても、時短状態が設定されてから実行される特別図柄抽選の回数に基づいて成立する第1時短終了条件が規定されており、不利時短終了条件に対して、それに加え、時短状態中に実行される特別図柄抽選の実行順序に基づいて成立する第2時短終了条件が規定されている。
また、上述した通り、本第8制御例では、振り分けユニット1064によって、第1入球口64と、第2入球口1641とへ交互に遊技球が入球し易くなるように構成しているため、通常であれば、第1特別図柄抽選と、第2特別図柄抽選とが交互に実行されるように構成している。ここで、例えば、普通図柄抽選で当たり当選したことに基づいてロング開放当たり遊技が実行された場合には、右打ち遊技によって、右第2入球口1640へと遊技球を入球させる遊技が実行されることから、第2特別図柄抽選が連続して実行される事象を創出することが可能となる。
そして、本第8制御例では、時短状態中に実行される特別図柄抽選の実行順序に基づいて成立する第2時短終了条件として、同一種別の特別図柄抽選が連続して実行されたことに基づいて成立する第2時短終了条件を設定可能に構成している。よって、不利時短状態が設定されている遊技者に対して、第2時短終了条件を成立させるために、ロング開放当たり遊技が実行されることを期待しながら遊技を行わせることができる。
また、同一種別の特別図柄抽選を連続して実行させるためには、ロング開放当たり遊技を実行させなくとも、例えば、新たな特図保留を獲得できない状態、つまり、上限数まで特図保留が保留記憶されている状態で振り分けユニット1064内へと遊技球を流入させる遊技を実行させることが考えられる。例えば、新たな特別図柄変動が実行され難い状態、例えば、大当たり遊技中に左打ち遊技を実行し、特図1保留および特図2保留を上限数まで獲得した状態で、さらに振り分けユニット1064内へと遊技球を流入させることで振り分け部材900の位置を可変させる遊技を実行させることが考えられる。
本第8制御例では、大当たり遊技中において、振り分け部材900の位置を特定することにより、特図1保留と特図2保留の獲得状況(獲得順序)に基づいて、同一種別の特別図柄に対応する特図保留を連続して獲得可能な状態を創出するための案内演出(図333(b)参照)を実行可能に構成している。このように構成することで、右打ち遊技が実行される大当たり遊技中において、実行される案内演出の内容に基づいて左打ち遊技を実行することにより遊技者に有利な遊技を実行させることができるという斬新な遊技性を提供することができる。
<第8制御例における演出内容について>
ここで、図332〜図333を参照して、本第8制御例におけるパチンコ機10にて実行される演出内容について説明する。
本第8制御例では、遊技状態として通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)と、時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)と、確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の高確率状態)とを設定可能に構成しており、さらに、時短状態として有利時短状態(大当たり遊技終了後に設定される時短状態、及び、時短当選した場合に低確率で設定される時短状態)と、不利時短状態(時短当選した場合に高確率で設定される時短状態)と、を設定可能に構成している。
不利時短状態は、実際には普通図柄の高確率状態が設定されているが、有利時短状態と比べて右第2入球口1640へと遊技球を入球させ難く構成しており、実質通常状態(普通図柄の低確率状態)と同程度しか右第2入球口1640へと遊技球を入球させることが出来ない時短状態である。よって、時短状態が設定されている場合であっても、不利時短状態が設定されている場合には、通常状態が設定されている場合と同様に、右打ち遊技によって右第2入球口1640へと遊技球を入球させる遊技よりも、左打ち遊技によって振り分けユニット1064へと遊技球を流入させる遊技を行った方が、遊技者に有利な遊技となるように構成している。
通常状態で特別図柄の大当たりに当選した場合には、不利時短状態で特別図柄の大当たりに当選した場合よりも有利な特典(例えば、大当たり遊技のラウンド数が多い等)が付与されるように構成している。したがって、不利時短状態は、通常状態よりも遊技者に不利な遊技状態となる。一方、有利時短状態は、右第2入球口1640へと遊技球を比較的入球させ易くなるように普図当たり遊技が実行されるように構成しており、右打ち遊技が遊技者に有利な遊技となるように構成している。よって、不利時短状態、通常状態、有利時短状態の順に遊技者に有利な遊技状態となる。
詳細は後述するが、不利時短状態は、特別図柄抽選において実行される時短抽選において時短当選した場合にその変動表示が終了した後に設定され得る遊技状態であり、本第8制御例では、時短抽選において高い確率(299/300)で時短当選する構成としている。不利時短状態の終了条件は不利時短に当選した特別図柄の種別によって異なり、第1特別図柄で不利時短当選した場合には、第1特別図柄の変動表示が1回実行された場合(即ち、第1特別図柄の変動表示が連続して実行された場合)、または第1特別図柄と第2特別図柄の変動表示が合算で100回実行された場合に不利時短状態が終了する。一方、第2特別図柄で不利時短当選した場合には、第2特別図柄の変動表示が1回実行された場合(即ち、第2特別図柄の変動表示が連続して実行された場合)、または第1特別図柄と第2特別図柄の変動表示が合算で100回実行された場合に不利時短状態が終了するように構成している。
上述した通り、本制御例における遊技機13では、振り分けユニット1064(図330参照)に入球した遊技球を振り分け部材900(図331参照)によって、その下方に配置された第1入球口64a(図331参照)と第2入球口1641(図331参照)とに交互に振り分け、第1入球口64a(図331参照)に入賞した場合には第1特別図柄の抽選が実行され、第2入球口1641(図331参照)に入賞した場合には第2特別図柄の抽選が実行される。そして、第1特別図柄の抽選と第2特別図柄の抽選はそれぞれ対応する入球口に遊技球が入賞した順で実行される。例えば、第1入球口64a(図331参照)、第2入球口1641(図331参照)の順に入賞した場合には、第1特別図柄抽選、第2特別図柄抽選の順に実行される。このように第1特別図柄の抽選結果を示すための変動表示、或いは第2特別図柄の抽選結果を示すための変動表示の何れか一方が連続して実行され難く構成している。
ここで、本制御例において、何れかの特別図柄種別の変動表示が連続して実行される場合の一例について説明する。遊技機13では、上述したように、振り分け部材900(図331参照)によって遊技球が第1入球口64a(図331参照)と第2入球口1641(図331参照)とに振り分けられる構成であるが、各特別図柄の入賞情報はそれぞれ最大4個まで保留される。そして、各特別図柄の保留数が上限数(本制御例では、4個)に達している状態で、遊技球が対応する入球口に新たに入賞した場合には、その入賞情報は保留されない(以下、オーバーフロー入賞という)。そして、両特別図柄の保留数が上限数まで達している状態(本制御例では、第1特別図柄の保留数と第2特別図柄の保留数が合計8個貯まっている状態)で遊技球が振り分けユニット1064(図330参照)に入球した場合に、振り分け部材900(図331参照)は8個目の保留の特別図柄種別に対応する入球口とは異なる入球口に遊技球を振り分けるが、オーバーフロー入賞となりその入賞情報は保留されない。なお、振り分け部材900(図331参照)は、遊技球を振り分けたことにより位置が可変するため、次回振り分けユニット1064(図331参照)に入球した遊技球を、8個目の保留の特別図柄種別に対応する入球口に振り分けることが可能となり、8個目の保留と同種の特別図柄種別の変動表示を連続して実行することが可能となることで、不利時短状態を終了させることができる。このように構成することで、不利時短状態を終了させるために保留を貯めようと遊技者に遊技球の発射を意欲的に行わせることができる。
なお、本制御例では、第1特別図柄および第2特別図柄の入賞情報は、最大4個まで保留されるように構成したが、最大保留球数は4個に限定されるものでなく、3個以下(例えば、2個)、又は、5個以上の保留球数(例えば、8個)に設定しても良い。また、小表示領域Dm19における保留図柄の表示に代えて、保留球数を第3図柄表示装置81の一部に数字で、或いは、4つに区画された領域を保留球数分だけ異なる態様(例えば、色や点灯パターン)にして表示するようにしても良い。また、第1図柄表示装置37により保留球数が示されるので、第3図柄表示装置81に保留球数を表示させないものとしてもよい。
図332(a)は、不利時短状態でオーバーフロー入賞によって第2特別図柄保留を連続で獲得した場合に表示される表示画面の一例である。不利時短状態が設定されている場合には、小表示領域Dm12においてチャンス変動までの残変動回数が表示され、それぞれの特別図柄の変動表示が実行されると1ずつ減算されて更新される。なお、本制御例におけるチャンス変動とは、通常状態中に実行された特別図柄抽選の結果を示すための特別図柄の変動表示のことを指す。このように、現在の遊技状態が通常状態か不利時短状態かを遊技者が判別できる構成とし、チャンス変動までの残変動回数に応じて遊技を継続するか否かを遊技者が判断し易くしている。
小表示領域Dm1では第1特別図柄が停止表示されており、小表示領域Dm2では第2特別図柄が変動表示中であり、どちらの特別図柄の変動中であるかを遊技者が容易に判別できる構成としている。
小表示領域Dm19には特別図柄の保留図柄が表示されており、斜線で塗られた丸が第1特別図柄の保留を示し、黒で塗られた丸が第2特別図柄の保留を示している。図332(a)に示した表示画面は、第1特別図柄の保留数が3個、第2特別図柄の保留数が4個であることを示しており、保留図柄hr6と保留図柄hr7は第2特別図柄の入賞情報を示す保留図柄であるため、第2特別図柄の変動表示が連続して実行されることとなる。上述したように、一方の特別図柄の変動表示が連続して実行された場合には不利時短状態が終了するため、保留図柄hr7に基づく特別図柄の変動停止により不利時短状態が終了し、保留図柄hr7に基づく特別図柄の変動停止後、次に実行される特別図柄の変動表示がチャンス変動となる。
ここで、小表示領域Dm12に示す表示を特別図柄の変動表示が実行される毎に1ずつ減算する場合、保留図柄hr7に基づく特別図柄の変動表示が実行された場合に、「チャンス変動まであと73回」と表示されることになり、実際にチャンス変動が実行されるまでの残変動回数と小表示領域Dm12に表示される残変動回数とが一致せず、遊技者に遊技情報に対する不信感を与えてしまう虞がある。
そこで、本制御例では、図332(a)に示すような不利時短状態の終了条件が成立することを先読みし、小表示領域Dm12に表示されるチャンス変動までの残変動回数とチャンス変動が実行される(即ち、通常状態が設定される)までの残変動回数とが一致しない場合に、小表示領域Dm12に表示されるチャンス変動までの残変動回数が短縮される演出を小表示領域Dm17にて実行することで、実際にチャンス変動が実行されるまでの残変動回数と小表示領域Dm12に表示される残変動回数とを一致させ、正しい遊技情報を提供する構成している。
また、本制御例では、図332(a)に示す通り、保留図柄hr6と保留図柄hr7の上部に「ラッキー」と表示することで不利時短状態の終了条件が成立することを遊技者に事前に示唆する構成としている。このように構成することで、どの保留でチャンス変動が実行されるのかを遊技者が認識し易くなるため、遊技者が注目するべき変動を分かり易くすることができる。
なお、本制御例では、小表示領域Dm12においてチャンス変動までの残変動回数を表示し、特別図柄の変動表示が実行される毎に1ずつ減算される構成としたが、これに限るものではない。例えば、ポイントを貯める演出とし、特定数のポイント(例えば、100ポイント)が貯まるとチャンス変動が実行される構成としても良い。この場合、特別図柄の変動表示が実行される毎に1ポイント加算され、同種の特別図柄の変動表示が連続して実行された場合には、MAXまでポイントが貯まる構成とすることで遊技者に違和感を与えない演出とすることができる。
なお、本制御例では、同種の特別図柄の変動表示が連続して実行された後に不利時短状態が終了し、次に実行される特別図柄の変動表示をチャンス変動としたが、これに限るものではなく、同種の特別図柄の変動表示が連続する場合に、後に実行される特別図柄の変動表示開始時に不利時短状態を終了し、チャンス変動とする構成としても良い。
図332(b)は、普通図柄の当たりに当選し、普通図柄の当たり遊技として右側第2入球口1640(図330参照)に付随する電動役物1640a(図330参照)がロング開放されている場合に表示される表示画面の一例である。小表示領域Dm11に普通図柄の当たりに当選したことを示す表示態様が表示され、普通図柄の当たり遊技が実行されると、小表示領域Dm4には普通図柄の当たり遊技における遊技方法を遊技者に案内するために「右打ち」と表示され、小表示領域dm18に右側第2入球口1640(図330参照)に付随する電動役物1640a(図330参照)が開放状態であることを示す表示がされ、副表示領域Dsに「右打ちして電チューを狙え」と表示される。これにより、遊技者に右側第2入球口1640(図330参照)に向かって遊技球を発射する遊技を行うことを分かり易く案内し、遊技状態に適した遊技方法で遊技させることができる。
ここで、右側第2入球口1640(図330参照)に遊技球が入賞した場合には、第2特別図柄の入賞情報が保留される。図332(b)の場合、小表示領域Dm19に表示されている最後尾の保留図柄hr5は第2特別図柄の保留図柄であるため、右側第2入球口1640(図330参照)に遊技球を入賞させると第2特別図柄の変動表示を連続して実行させることが可能となり、不利時短状態を終了させることができる。したがって、遊技者に右側第2入球口1640(図330参照)に遊技球を入賞させると有利となることを報知するために、主表示領域Dmにて「チャンス変動ゲットのチャンス」と表示される。このように構成することで、右側第2入球口1640(図330参照)に遊技球を入賞させようと強く思わせることが可能となり、意欲的に遊技を行わせることができる。
なお、既に第2特別図柄の保留が3個貯まっている状態で小表示領域Dm19に表示されている最後尾の保留図柄(例えば、保留図柄hr6)が第1特別図柄の保留図柄である場合には、右側第2入球口1640(図330参照)に複数個の遊技球を入賞させても第2特別図柄の入賞情報は1個しか保留されないため、第2特別図柄の変動表示を連続して実行させることができない。したがって、右側第2入球口1640(図330参照)に遊技球を入賞させても不利時短状態の終了条件が成立し得ない場合には、異なる表示態様(例えば、「保留を貯めるチャンス」等の表示)を主表示領域Dmに表示する構成としても良い。このように構成することで、適切な遊技情報を遊技者に提供することが可能となり、遊技情報の信頼性を高くすることができる。
図333(a)は、不利時短状態が終了することを示唆する場合に表示される表示画面の一例である。主表示領域Dm12には「チャンス変動まであと3回」と表示されており、不利時短状態が設定されてからの第1特別図柄と第2特別図柄の変動表示が合算で98回行われたことを示している。つまり、保留図柄hr2に基づく特別図柄の変動表示が終了すると第1特別図柄と第2特別図柄の変動表示が合算で100回実行され、不利時短状態の終了条件が成立する。この場合、保留図柄hr3に基づく特別図柄の抽選は通常状態で実行されることとなるため、通常状態で特別図柄の抽選が実行されることを示唆するために保留図柄hr3は第1特別図柄の入賞情報に対応する保留図柄と第2特別図柄の入賞情報に対応する保留図柄とは異なる表示態様(白色の丸に星形の模様が表示された保留図柄)で表示され、保留図柄hr3の上部には「注目」と表示される。このように構成することで、遊技者は保留図柄hr3に基づく特別図柄の変動表示がチャンス変動であることを認識し易くなり、保留図柄hr3に基づく変動表示が実行されるまでの期間で遊技者の保留図柄hr3に基づいて実行される特別図柄の変動表示に対する期待感を高めることができる。
また、主表示領域Dmには「今回のチャンス変動はラッキー変動かも」と表示されているが、これは保留図柄hr3の入賞情報を先読みした結果を示唆するものであり、この場合、保留図柄hr3に基づく特別図柄の抽選結果が大当たり当選である可能性が高いことを示唆している。これにより、遊技者の保留図柄hr3に基づいて実行される特別図柄の変動表示に対する期待感を更に高めることができる。
なお、本制御例では、主表示領域Dmにおいて保留図柄hr3の先読み結果を示唆し、小表示領域Dm19に表示される保留図柄hr3の表示態様によって保留図柄hr3に基づく特別図柄の抽選が通常状態で実行されることを示唆する構成としたが、これに限るものではない。保留図柄hr3の表示態様によって先読み結果も併せて示唆する構成としても良く、例えば、保留図柄の色を可変させることで大当たり当選の期待度を報知する構成としても良い。
図333(b)は、通常大当たりに当選したことに基づく大当たり遊技中のエンディング期間に表示される表示画面の一例である。小表示領域Dmには通常大当たりに当選したことを示す表示態様が表示され、小表示領域Dm5には「エンディング」と表示されることで、大当たり遊技のエンディング期間であることを遊技者に報知している。
詳細は後述するが、本制御例では、第1特別図柄で大当たり当選した方が、第2特別図柄で大当たり当選した場合よりも遊技者に有利となるように構成している。そして、通常大当たり当選後の大当たり遊技が終了すると、大当たり遊技終了後最初の特別図柄の抽選は通常状態で実行される。したがって、副表示領域Dsにおいて「ラッキー、通常変動が特図1から始まるよ」と表示することで、遊技者に大当たり遊技終了後の最初に実行される特別図柄の抽選が遊技者に有利な第1特別図柄で実行されることを事前に報知し、遊技者に大当たり遊技終了後の特別図柄の変動表示にも興味を持たせることができる。なお、大当たり遊技終了後の最初の特別図柄の抽選が第2特別図柄で実行される場合には、異なる表示態様(例えば、「ラッキー」を表示しない表示態様)が表示される。
大当たり遊技中は特別図柄の変動表示が実行されないため、遊技者が保留を貯め易い期間である。上述したように、各特別図柄の保留数が上限数に達している場合に振り分けユニット1640(図330参照)に遊技球が入球すると入賞情報は保留されないが振り分け部材900(図331参照)の位置を可変させることができる。そして、本制御例では、振り分け部材900の位置を、回転センサ990(図示しない)によって識別可能に構成されている。したがって、本制御例では、保留図柄hr8に対応する特別図柄種別と振り分け部材900(図331参照)の位置を識別し、オーバーフロー入賞により振り分け部材の位置を可変させる方が遊技者に有利となるか否かを報知する構成としている。
具体的には、次回入賞情報が保留可能な状態となった場合に、小表示領域dm19の最後尾に表示されている保留図柄に対応する特別図柄種別と同種の特別図柄種別の入賞情報が保留可能な状態ではない場合、つまり、オーバーフロー入賞により振り分け部材900の位置を可変させることで同種の特別図柄種別の入賞情報が保留可能な状態とすることができる場合には、図333(b)に示すように、主表示領域Dmの中央部に「大当たりが終了するまでにへそに球を1個入れると大チャンス」と表示され、小表示領域Dm18に現在の振り分け部材900(図331参照)の位置に対応する模式図が表示されることで、遊技者に振り分けユニット1640(図330参照)に遊技球を入球させることを促す演出が実行される。このように構成することで、遊技者に大当たりのエンディング期間にも遊技球を発射させる遊技を楽しませることができる。
なお、次回入賞情報が保留可能な状態となった場合に、小表示領域dm19の最後尾に表示されている保留図柄に対応する特別図柄種別と同種の特別図柄種別の入賞情報が保留可能な状態である場合には、オーバーフロー入賞により振り分け部材900(図331参照)の位置が可変することで、同種の特別図柄種別の入賞情報が保留可能な状態ではなくなってしまうため、主表示領域Dmの中央部に「大当たりが終了するまでにへそに球を1個入れると大チャンス」の表示はされない。
なお、次回入賞情報が保留可能な状態となった場合に、小表示領域dm19の最後尾に表示されている保留図柄に対応する特別図柄種別と同種の特別図柄種別の入賞情報が保留可能な状態である場合には、主表示領域Dmの中央部にオーバーフロー入賞が不利であることを報知する表示態様が表示される構成としても良い。このように構成することで、遊技者にオーバーフロー入賞が有利な状態であるか不利な状態であるかを判断させ易くなる。
なお、本制御例では、回転センサ990によって、振り分け部材900(図331参照)の位置を判別する構成としたが、それに限らず、入球した入球口により振り分け部材900(図331参照)の位置を毎回判別するように構成してもよい。具体的には、第1入球口64a(図331参照)に入球したことに基づいて、振り分け部材900(図331参照)は収容部900c(図331参照)が上方を向いている状態として判別するように構成する。このように構成することで、専用のセンサ等を設けなくても、振り分け部材900(図331参照)の位置を判別できる。また、振り分け部材900(図331参照)が振動等で回動してしまったとしても、毎回入球口に入球する毎に、位置を更新して判別することで、正しく振り分け部材900(図331参照)の位置を判別できる。
<第8制御例における電気的構成について>
次に、図334から図338を参照して、本第8制御例における電気的構成の内容について説明をする。本第8制御例は、上述した第5制御例に対して、主制御装置110のMPU201が有するROM202の構成の一部、RAM203の構成の一部、及び音声ランプ制御装置113のMPU221が有するROM222の構成の一部、RAM223の構成の一部を変更している点で相違している。なお、上述した第5制御例と同一の内容については、その詳細な説明を省略する。
まず、図334(a)を参照して、本第8制御例における主制御装置110のMPU201が有するROM202の構成について説明をする。本第8制御例におけるパチンコ機10は、上述した第5制御例におけるパチンコ機10のROM202(図244(a)参照)に対して、変動パターン選択5テーブル202dbに代えて変動パターン選択8テーブル202gbを、大当たり種別選択5テーブル202ddに代えて大当たり種別選択8テーブル202gdを、時短当たり乱数5テーブル202deに代えて時短当たり乱数8テーブル202geを、時短種別選択5テーブル202dfに代えて時短種別選択8テーブル202gfを設けた点で相違している。
大当たり種別選択8テーブル202gdは、上述した大当たり種別選択5テーブル202ddと同様に、特別図柄抽選で大当たり当選した場合に設定される大当たり種別を選択する際に参照されるデータテーブルである。上述した第5制御例では、第1特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合に参照される特図1大当たり用5テーブル202dd1と、第2特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合に参照される特図2大当たり用5テーブル202dd2と、を有していたが、本第8制御例では、特別図柄種別に関わらず同一の振り分け内容で大当たり種別を選択するように構成しているため、第1特別図柄抽選で大当たり当選した場合も、第2特別図柄抽選で大当たり当選した場合も、大当たり種別選択8テーブル202gdが参照される。
ここで、図335(a)を参照して、大当たり種別選択8テーブル202gdの詳細な内容について説明をする。図335(a)は、大当たり種別選択8テーブル202gdの内容を模式的に示した図である。図335(a)に示した通り、大当たり種別選択8テーブル202gdには、大当たり当選した時点において設定されている遊技状態と、取得した第1当たり種別カウンタC2の値と、に対応付けて大当たり種別(大当たりA8、大当たりB8)が規定されている。
具体的には、大当たり当選時の遊技状態が通常(通常状態)では、取得した第1当たり種別カウンタC2の値が「0〜94」の範囲に対して「大当たりA8」が、「95〜99」の範囲に対して「大当たりB8」が、それぞれ規定されている。また、大当たり当選時の遊技状態が通常(通常状態)以外、即ち、時短状態、又は確変状態では、取得した第1当たり種別カウンタC2の値が「0〜49」の範囲に対して「大当たりA8」が、「50〜99」の範囲に対して「大当たりB8」が、それぞれ規定されている。
大当たり種別「大当たりA8」は、大当たりのラウンド数が16ラウンドであり、確変大当たり遊技が実行される大当たり種別であって、大当たり遊技終了後に時短カウンタ203hの値に「60」が、確変カウンタ203iの値に「60」が設定される大当たり種別である。なお、確変大当たり遊技中に可変入賞装置65内に設けられた特定領域(Vゲート)65vを球が流下(通過)しなかった場合は(非V時は)、大当たり遊技終了後に確変カウンタ203iの値に「0」が設定される。
第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「大当たりA8」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)は、通常状態では95個(0〜94)であるので、通常状態において特別図柄抽選で大当たり当選した場合に、「大当たりA8」が決定される割合は95%(95/100)である。一方、通常状態以外では50個(0〜49)であるので、通常状態以外の遊技状態において特別図柄抽選で大当たり当選した場合に、「大当たりA8」が決定される割合は50%(50/100)である。
大当たり種別「大当たりB8」は、大当たりのラウンド数が6ラウンドであり、確変大当たり遊技が実行される大当たり種別であって、大当たり遊技終了後に時短カウンタ203hの値に「60」が、確変カウンタ203iの値に「60」が設定される大当たり種別である。なお、確変大当たり遊技中に可変入賞装置65内に設けられた特定領域(Vゲート)65vを球が流下(通過)しなかった場合は(非V時は)、大当たり遊技終了後に確変カウンタ203iの値に「0」が設定される。
第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「大当たりB8」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)は、通常状態では5個(95〜99)であるので、通常状態において特別図柄抽選で大当たり当選した場合に、「大当たりB8」が決定される割合は5%(5/100)である。一方、通常状態以外では50個(50〜99)であるので、通常状態以外の遊技状態において特別図柄抽選で大当たり当選した場合に、「大当たりB8」が決定される割合は50%(50/100)である。
つまり、本第8制御例では、特別図柄抽選で大当たり当選した場合において、設定されている遊技状態に応じて設定される大当たり種別の選択割合を異ならせており、通常状態中に大当たり当選した場合の方が、通常状態以外で大当たり当選した場合よりも、遊技者に有利な大当たり種別(大当たりA8)が選択され易くなるように構成している。
このように構成することで、通常状態中に多くの特別図柄抽選が実行されることを期待しながら遊技者に遊技を行わせることができる。
次に、時短当たり乱数8テーブル202geについて説明をする。この時短当たり乱数8テーブル202geは、特別図柄抽選の結果が大当たり当選以外(外れ)である場合に実行される時短判定にて参照されるデータテーブルであって、時短当選の有無を判定するために用いられるものである。
ここで、図335(b)を参照して、時短当たり乱数8テーブル202geの内容について説明をする。図335(b)は、時短当たり乱数8テーブル202geに規定されている内容を模式的に示した模式図である。図335(b)に示した通り、時短当たり乱数8テーブル202geには、特別図柄種別(特図種別)と、遊技状態と、に対応させて時短当選と判定される第1当たり乱数カウンタC1の値(範囲)が規定されている。
具体的には、特別図柄種別が第1特別図柄抽選で、遊技状態が通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)の場合には、取得した第1当たり乱数カウンタC1の値が「3〜899」の範囲が時短当選の判定値として規定されている。また、遊技状態が通常状態以外である場合には、時短当選の判定値が規定されていない(図では「−」で表示)。同様に、特別図柄種別が第2特別図柄抽選で、遊技状態が通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)の場合には、取得した第1当たり乱数カウンタC1の値が「3〜899」の範囲が時短当選の判定値として規定されている。また、遊技状態が通常状態以外である場合には、時短当選の判定値が規定されていない(図では「−」で表示)。
ここで、本第8制御例では、特別図柄抽選において時短当選の判定(時短抽選)が、特別図柄抽選で大当たり当選しなかった場合、即ち、大当たり抽選で外れ当選した場合に実行されるように構成しており、通常状態において実行される特別図柄抽選にて大当たり当選したと判別される第1当たり乱数カウンタC1の値として「0〜2」の範囲が規定されている(第1当たり乱数5テーブル202da参照)ことから、通常状態において実行される特別図柄抽選にて大当たり当選しなかった場合には、必ず時短当選するように構成している。
なお、本第8制御例では、上述した通り、通常状態において実行される特別図柄抽選において外れ当選した場合には必ず時短当選するように時短当たり乱数8テーブル202geの内容を規定しているが、これに限ること無く、通常状態において実行される特別図柄抽選において外れ当選した場合の一部となるように時短当選の判定値の範囲を規定するように構成しても良い。このように構成することで、時短当選すること無く特別図柄抽選を連続して実行させることが可能となる。
また、本第8制御例では、図335(b)に示した通り、時短当選の判定値を特別図柄種別に関わらず同一としているが、これに限ること無く、特別図柄種別に応じて異なる判定値を規定しても良い。例えば、通常状態中に第1特別図柄抽選が実行された場合の方が、第2特別図柄抽選が実行された場合よりも、時短当選し難くなるように構成しても良い。このように、通常状態中に実行される特別図柄抽選の種別に応じて、時短当選する確率を異ならせることにより、実行される特別図柄抽選の種別によって、通常状態中に連続して実行される特別図柄抽選の回数を異ならせ易くすることができるため、遊技者に対して、通常状態中に何れの特別図柄種別の特別図柄抽選が実行されたのか(されるのか)について興味を持たせることができる。
なお、通常状態中に実行される特別図柄抽選の種別に応じて、時短当選する確率を異ならせる場合には、複数の特別図柄種別のうち、通常状態中に遊技者に有利となる特別図柄抽選が実行される(大当たり当選時に遊技者に有利な特典が付与され易い)特別図柄種別(例えば、第1特別図柄)の方が、時短当選し難くなるように構成すると良い。このように構成することで、通常状態中に第1特別図柄抽選が実行されることで、その抽選結果が大当たり当選である場合には、遊技者に有利となる特典が付与され易く、且つ、大当たり当選以外である場合には、再度、通常状態にて特別図柄抽選を実行させ易くすることができるため、遊技者により有利な特別図柄種別とすることができる。
また、本第8制御例のように、基本的に第1特別図柄抽選と第2特別図柄抽選とが交互に実行され易くなるように構成し、第1特別図柄抽選よりも第2特別図柄抽選のほうが遊技者に不利な特別図柄抽選が実行されるように構成している場合には、通常状態中に実行される第2特別図柄抽選の方が、通常状態中に実行される第1特別図柄抽選よりも時短当選し難くなるように構成しても良い。このように構成することで、通常状態が設定された状態で最初に実行される特別図柄抽選が第2特別図柄抽選であったとしても、その後、通常状態を継続したまま第1特別図柄抽選を実行させ易くすることができる。このように構成することで、例えば、不利時短状態を終了させ、不利時短状態よりも遊技者に有利となる通常状態が設定された場合に、遊技者に不利となる第2特別図柄抽選が1回実行されただけで再度不利時短状態が設定されてしまい、遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができる。
また、図335(b)に示した通り、本第8制御例では、通常状態が設定されている場合のみ時短当選の判定(時短抽選)を実行するように構成しているが、これに限ること無く、他の遊技状態が設定されている場合であっても、時短当選の判定(時短抽選)を実行するように構成しても良い。
例えば、時短状態のうち、遊技者に不利となる不利時短状態(特定の時短種別に時短当選した場合に設定される時短状態)が設定されている場合にも、時短当選の判定(時短抽選)を実行可能に構成し、不利時短状態中に時短当選した場合には、即座に時短終了条件が成立する短縮時短状態が設定されるように構成すると良い。このように構成することで、不利時短状態中の遊技を行っている遊技者に対して、不利時短状態を終了させるために、時短終了条件の成立を目指す遊技と、時短当選を目指す遊技と、を並行して実行させることができる。
それ以外にも、不利時短状態中に時短当選した場合には、大当たり遊技終了後に設定される時短状態(有利時短状態)へと移行するように構成しても良いし、有利時短状態中にも時短当選の判定(時短抽選)を実行可能に構成し、有利時短状態中に時短当選した場合には、不利時短状態へと移行するように構成しても良い。
このように、既に時短状態が設定されている状況で時短当選の判定(時短抽選)を実行可能に構成し、時短当選した場合に、設定されている時短状態とは有利度合いを異ならせた時短状態へと移行可能に構成することで、時短当選した方が良い期間(不利時短状態が設定されている期間)と、時短当選しない方が良い期間(有利時短状態が設定されている期間)と、を設けることができる。なお、本第8制御例では、通常状態中に時短当選することで、有利時短状態よりも不利時短状態が設定され易くなるように構成しているため、通常状態が設定されている期間は、時短当選しない方が良い期間となる。
この場合、例えば、時短当選の結果を遊技者に示唆するための演出の内容を、時短当選の結果に加え、設定されている遊技状態に応じて異ならせるように構成すると良く、時短当選した方が良い期間(不利時短状態が設定されている期間)にて時短当選した場合には、遊技者を祝福する演出態様を設定し、時短当選しない方が良い期間(有利時短状態が設定されている期間)にて時短当選した場合には、遊技者を落胆させる演出態様を設定可能に構成すると良い。このように構成することで、同一の時短抽選の結果に対して、遊技者の有利度合いに対応させた演出態様で演出を実行することができるため、遊技者に分かり易く遊技を提供することができる。
図334(a)に戻り説明を続ける。変動パターン選択8テーブル202gbは、上述した第5制御例における変動パターン選択5テーブル202dbと同様に、特別図柄抽選の結果を示すために実行される特別図柄変動の変動パターンが規定されているデータテーブルであって、遊技状態として、確変状態、或いは時短状態が設定されている状態で参照されるデータテーブルとして、確変・時短用8テーブル202db2(図248(a)参照)に代えて確変・時短用8テーブル202db2(図336(a)参照)を設けている点で相違し、それ以外は同一である。同一の内容についてはその詳細な説明を省略する。
ここで、図336(a)を参照して、確変・時短用8テーブル202db2の詳細な内容について説明をする。図336(a)は、確変・時短用8テーブル202db2に規定されている内容を模式的に示した図である。図336(a)に示した通り、確変・時短用8テーブル202db2には、獲得している特図保留数(特図1保留数、特図2保留数)に応じて異なる変動時間の変動パターンが規定されている点で相違している。
なお、図336(a)に示した通り、本第8制御例では、上述した各制御例と同様に、取得した変動種別カウンタCS1の値に応じて異なる変動時間の変動パターンが規定されているが、変動種別カウンタCS1の値の各範囲に対して規定される変動パターンに関する図示を省略している。
具体的には、時短種別が「大当たり後時短(大当たり遊技終了後に設定される普通図柄の高確率状態)」中は、特図1保留数(0〜4)、特図2保留数(0〜4)の各値、及び、取得した変動種別カウンタCS1の値に対応して様々な変動パターンが規定されており、選択された変動パターンに応じて「5〜90秒」の変動時間で特別図柄変動が実行されるように構成している。詳細な説明は省略するが、上述した各制御例と同様に、特別図柄抽選の結果が大当たり当選している場合のほうが、大当たり当選していない場合よりも長い変動時間(90秒)に対応する変動パターンが選択され易くなるように、変動種別カウンタCS1の値と、特別図柄抽選の結果と、に対応付けて各種変動パターンが規定されている。
また、特図保留数が多い方が、少ない場合よりも短い変動時間(例えば5秒)に対応する変動パターンが選択され易くなるように、変動種別カウンタCS1の値と、特図保留数の値と、に対応付けて各種変動パターンが規定されている。
次に、時短種別が「時短A8」中は、特図1保留数が「0〜2」で、特図2保留数が「0〜2」の場合は、「5〜90秒」の変動時間に対応した各種変動パターンが規定されており、特図1保留数が「0〜2」で、特図2保留数が「3,4」の場合は、「5〜60秒」の変動時間に対応した各種短変動パターンが規定されている。また、特図1保留数が「3」で、特図2保留数が「0〜2」の場合は、「5〜60秒」の変動時間に対応した各種短変動パターンが規定されており、特図1保留数が「3」で、特図2保留数が「3,4」の場合は、「5秒」の変動時間に対応した短変動パターンが規定されている。
さらに、また、特図1保留数が「4」で、特図2保留数が「0〜2」の場合は、「5〜60秒」の変動時間に対応した各種短変動パターンが規定されており、特図1保留数が「3」で、特図2保留数が「3,4」の場合は、「5秒」の変動時間に対応した短変動パターンが規定されている。
ここで、本第8制御例では、第1入球口64、第2入球口1641、右第2入球口1640へと遊技球が入球した順(入賞順)に対応させて特別図柄抽選を実行するように構成しており、獲得している特図1保留数と特図2保留数とに基づいて変動パターンを選択するように構成しており、各特図保留数が少ない場合よりも、多い場合のほうが、短い変動時間の変動パターンが選択され易くなるように構成している。このように構成することで、特図保留数を多く獲得している状態のほうが、短い変動時間で特別図柄抽選を実行させ易くすることができるため、特図1保留数と特図2保留数とが何れも上限数に到達する事態を発生させ難くすることができる。
このように構成することで、特図1保留数と特図2保留数とが何れも上限数に到達している状態で振り分けユニット1064へと遊技球を流入させ、振り分け部材900の位置を可変させることにより同一種別の特図保留を連続して獲得する遊技を行わせ難くすることができる。
なお、特図保留数が上限数に近い状態であっても、低確率(例えば、1/100)で比較的長い変動時間の変動パターンを選択可能に構成しても良い。このように構成することで、一時的に特図保留数を上限数に到達させた状態で振り分けユニット1064へと遊技球を流入させ易い期間を創出することが可能となる。
次に、時短種別が「時短B8」中は、特図1保留数(0〜4)、特図2保留数(0〜4)の各値、及び、取得した変動種別カウンタCS1の値に対応して様々な変動パターンが規定されており、選択された変動パターンに応じて「5〜60秒」の変動時間で特別図柄変動が実行されるように構成している。詳細な説明は省略するが、上述した各制御例と同様に、特別図柄抽選の結果が大当たり当選している場合のほうが、大当たり当選していない場合よりも長い変動時間(90秒)に対応する変動パターンが選択され易くなるように、変動種別カウンタCS1の値と、特別図柄抽選の結果と、に対応付けて各種短変動パターンが規定されている。
時短種別選択8テーブル202gfは、時短当選した場合に設定される時短種別を選択する際に参照されるデータテーブルであって、上述した第5制御例における時短種別選択5テーブル202df(図248(b)参照)に代えて設けられているものである。
ここで、図336(b)を参照して、時短種別選択8テーブル202gfの詳細な内容について説明をする。図336(b)は、時短種別選択8テーブル202gfに規定されている内容を示した図である。
図336(b)に示した通り、本第8制御例では、第1特別図柄抽選、第2特別図柄抽選の何れにおいても時短当選し得るように構成しており(図335(a)参照)、時短種別の選択割合を、第1特別図柄抽選で時短当選した場合と、第2特別図柄抽選で時短当選した場合とで異ならせるように構成している。
具体的には、図柄種別が「特図1(第1特別図柄)」の場合は、取得した時短種別選択カウンタCC1の値が「0〜95」の範囲に対して時短種別「時短A8a」が、「96〜99」の範囲に対して時短種別「時短B8」が規定されており、図柄種別が「特図2(第2特別図柄)」の場合は、取得した時短種別選択カウンタCC1の値が「0〜98」の範囲に対して時短種別「時短A8b」が、「99」の値に対して時短種別「時短B8」が規定されている。
ここで、本第8制御例では、時短種別として「時短A8(時短A8a、時短A8b)」が設定された場合には、通常状態よりも遊技者に不利となる不利時短状態が設定され、「時短B8」が設定された場合には、通常状態よりも遊技者に有利となる有利時短状態が設定されるように構成している。なお、不利時短状態における各種制御内容、即ち、通常状態よりも遊技者に不利となるように普通図柄の高確率状態中の遊技を実行する制御内容については、上述した各制御例において説明をした各技術を採用するため、その詳細な説明を省略するが、例えば、普通図柄抽選で当たり当選する確率は通常状態よりも高確率となるが、実行される普図当たり遊技の開放パターンが遊技球を右第2入球口1640へと入球させることが困難となる開放パターンで実行されたり、普通図柄の変動時間として通常状態よりも長い変動時間が選択され易く構成したりすれば良い。
また、通常状態よりも遊技者に不利となる不利時短状態の定義としては、特別図柄抽選を通常状態よりも実行させ難くすることで遊技者に不利とする技術思想は勿論のこと、特別図柄抽選の実行のし易さは同等、或いは、若干通常状態のほうが実行し難い場合であっても、実行される特別図柄抽選に基づいて付与される特典を遊技者に不利とする技術思想も勿論含まれる。
「時短A8a」が設定された場合、即ち、特図1抽選で時短当選した場合の95%は、不利時短状態が設定される。そして、不利時短状態の終了条件として、時短状態中に実行される特別図柄抽選の回数が100回に到達した場合に成立する第1時短終了条件と、時短状態が設定された後に実行される特別図柄抽選が特図1抽選である場合に成立する第2時短終了条件と、が設定される。つまり、特図1保留を2個連続で獲得している場合、即ち、特図1抽選が連続して実行される場合において、第2時短終了条件が成立するように構成している。
このように構成することで、特図1抽選で時短当選し不利時短状態が設定された場合には、その時短当選した特図1抽選の次に実行される特別図柄抽選の種別が特図1抽選である場合には、不利時短状態中に実行される1回目の特図抽選によって不利時短状態を終了させ、通常状態を設定することができる。よって、遊技者に対して、第1時短終了条件が成立するよりも前に第2時短終了条件が成立することを目指して遊技を行わせることができる。
なお、本第8制御例では、不利時短状態中に実行される1回目の特図抽選の種別に応じて第2時短終了条件が成立し得るように構成しているが、第1時短終了条件が成立するよりも前に、実行される特別図柄抽選の実行順序に応じて成立し得るものであれば、それ以外の内容を第2時短終了条件として規定しても良い。
例えば、不利時短状態中において所定の規則に従って複数の特図抽選が実行された場合に成立する第2時短終了条件を規定しても良いし、連続する複数の特図抽選の結果や、連続する複数の特図抽選の結果を示すための特別図柄変動の各変動パターンが所定の規則に該当する場合に成立する第2時短終了条件を規定しても良い。このように構成することで、どのタイミングで第2時短終了条件が成立し、不利時短状態が終了するのかを遊技者に分かり難くすることができる。
つまり、図336(b)に示した通り、本第8制御例では、特図1(第1特別図柄)抽選で時短当選した場合の方が、特図2(第2特別図柄)抽選で時短当選した場合よりも、遊技者に有利となる有利時短状態が設定され易くなる(時短B8を選択し易くなる)ように構成している。このように構成することで、通常状態において実行される特別図柄抽選の種別に対して遊技者に興味を持たせることができる。
図334(b)は、本第8制御例における主制御装置110のMPU201が有するRAM203の構成を示した図である。図334(b)に示した通り、上述した第5制御例におけるRAM203(図244(b)参照)に対して、変動実行フラグ203ga、変動順格納エリア203gb、時短短縮フラグ203gcを追加した点で相違している。それ以外は同一であり、同一の内容には同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
変動実行フラグ203gaは、第1特別図が優先に変動されるか、第2特別図柄が優先に変動されるかを示すフラグである。なお、このフラグは、電断時にもバックアップされる領域であり、RAMクリア等された初期状態では、第1特別図柄が優先に設定されている。
変動順序格納エリア203gbは、第1特別図柄保留球格納エリア203aと、第2特別図柄保留球格納エリア203bと、に記憶されている各保留データ(保留図柄)について入賞順序を記憶するエリアである。この変動順序格納エリア203gbには、8個の記憶エリアが設定されており入賞した順に先の記憶エリアに順序が記憶される。なお、特別図柄の変動開始に基づいて、記憶エリアもシフトされる。
時短短縮フラグ203gcは、遊技者に不利となる時短状態である不利時短状態(時短種別「時短A8」が設定される時短状態)を短縮させることが可能な期間であることを示すためのフラグであって、不利時短状態を短縮させることが可能な期間である場合にオンに設定される。この時短短縮フラグ203gcがオンに設定されている間は、不利時短状態を短縮させるための条件(第2時短終了条件)の成立有無を判別するための処理が実行される。
次に、図337、及び、図338を参照して、本第8制御例における音声ランプ制御装置113のMPU221が有する電気的構成の内容について、上述した第5制御例と相違する点を中心に説明する。なお、上述した第5制御例と同一の内容については、その詳細な説明を省略する。
まず、図337(a)を参照して、本第8制御例における音声ランプ制御装置113のMPU221が有するROM222の構成について説明をする。図337(a)は、本第8制御例における音声ランプ制御装置113のMPU221が有するROM222に規定されている構成を模式的に示した図である。図337(a)に示した通り、本第8制御例におけるROM222は、上述した第5制御例におけるROM222(図249(a)参照)に対して、先読み保留態様選択テーブル222gaを追加した点で相違している。
先読み保留態様選択テーブル222gaは、獲得した特図保留に対する先読み結果を示すための演出(先読み演出)として実行される先読み保留演出(図333(a)参照)における保留図柄の表示態様を選択する際に参照されるデータテーブルである。本第8制御例では、先読み処理を実行することにより、通常状態中に実行される特別図柄抽選に対応する特図保留を特定可能に構成し、その特図保留に対して先読み保留演出を実行可能に構成している。
ここで、図338を参照して先読み保留態様選択テーブル222gaの詳細な内容について説明をする。図338は、先読み保留態様選択テーブル222gaに規定されている内容を模式的に示した図である。図338に示した通り、先読み保留態様選択テーブル222gaには、先読み保留演出の対象となる特図保留に対応する特図種別と、その特図保留に対応する先読み結果(事前判別結果)と、取得した演出カウンタ223fの値と、に基づいて保留図柄の表示態様が決定されるように各パラメータが規定されている。
具体的には、特図種別が「特図1(第1特別図柄)」であって、先読み結果が「大当たり」である場合には、取得した演出カウンタ223fの値が「0〜79」の範囲に対して「2つ星」が、「80〜99」の範囲に対して「3つ星」が、それぞれ保留図柄の表示態様として規定されており、先読み結果が「時短B8」である場合には、取得した演出カウンタ223fの値が「0〜49」の範囲に対して「2つ星」が、「50〜99」の範囲に対して「1つ星」が、それぞれ保留図柄の表示態様として規定されており、先読み結果が「時短A8a」、或いは、「外れ」である場合には、取得した演出カウンタ223fの値が「0〜99」の範囲に対して「1つ星」が保留図柄の表示態様として規定されている。
つまり、先読み保留演出の対象となる保留図柄の表示態様として、表示される星の数が多くなるほど、遊技者に有利となる特別図柄抽選が通常状態において実行されることを遊技者に示唆可能な先読み保留演出が実行されるように構成している。
なお、本第8制御例では、先読み保留態様選択テーブル222gaを用いて選択された表示態様が、そのまま対象となる保留図柄の表示態様となるように表示用コマンドを設定し、通常の表示態様から、先読み保留演出の演出結果を示す表示態様へと保留図柄の表示態様が可変するように構成しているが、これに限ること無く、図338を参照して選択された表示態様を、先読み保留演出の最終演出結果として一時的に記憶し、先読み保留演出として、最終的に記憶されている最終演出結果となるように段階的に先読み保留演出の対象となる特図保留の表示態様を可変させるように先読み保留演出を実行するように構成しても良い。この場合、例えば、先読み保留演出の対象となる特図保留に対応する特別図柄抽選よりも前に特別図柄抽選が実行される毎に先読み保留演出の対象となる特図保留の表示態様が可変されるように構成すると良く、この場合、先読み保留演出が実行されてから実際に対象となる特図保留に対応する特別図柄抽選が実行されるまでの間に、多くの特別図柄抽選が実行される場合の方が、少ない場合よりも最終演出結果に対応する表示態様へと保留図柄の表示態様を可変させ易くなるように構成すると良い。
このように構成することで、遊技者に対して、常に多くの特図保留を獲得しておこうと意欲的に遊技を行わせることができる。また、先読み保留演出が実行される時点において獲得済みの特図保留数に基づいて、先読み保留演出の演出結果を異ならせ易くすることができるため、例えば、獲得済みの特図保留数に応じて、先読み保留演出の実行有無を判別したり、先読み保留演出の演出結果の内容を可変させること無く、バリエーションに富んだ先読み保留演出を実行し易くすることができる。
特図種別が「特図2(第2特別図柄)」であって、先読み結果が「大当たり」である場合には、取得した演出カウンタ223fの値が「0〜99」の範囲に対して「2つ星」が保留図柄の表示態様として規定されており、先読み結果が「時短B8」である場合には、取得した演出カウンタ223fの値が「0〜29」の範囲に対して「2つ星」が、「30〜99」の範囲に対して「1つ星」が、それぞれ保留図柄の表示態様として規定されており、先読み結果が「時短A8b」、或いは、「外れ」である場合には、取得した演出カウンタ223fの値が「0〜99」の範囲に対して「1つ星」が保留図柄の表示態様として規定されている。
本第8制御例では、図335(a)及び図336(b)を参照して上述した通り、通常状態において実行される特別図柄抽選のうち、第1特別図柄抽選の方が、第2特別図柄抽選よりも遊技者に有利な特別図柄抽選が実行されるように構成しており、図338に示した通り、先読み保留演出も、対象となる特図保留が特図1保留である場合の方が、特図2保留である場合よりも、遊技者に有利な演出結果(星の数が多い表示態様)となり易くなるように構成している。
このように構成することで、先読み保留演出の演出結果と、演出対象となる特図保留の種別と、を参照することで先読み結果をより詳細に予測させることが可能となる。
なお、本第8制御例では、図333に示した通り、獲得済みの特図保留の種別を遊技者が把握可能となるように、特図1保留に対応する保留図柄と、特図2保留に対応する保留図柄と、が異なる表示態様で表示されるように構成しているが、これに限ること無く、特図1保留に対応する保留図柄と、特図2保留に対応する保留図柄とで同一の表示態様、或いは、遊技者が視認困難な程度の差の表示態様で表示するように構成しても良い。このように構成することで、どのタイミングで第2時短終了条件が成立するのかを遊技者に予測させ難くすることができると共に、先読み保留演出の表示態様に基づいて先読み結果を予測させ難くすることができる。よって、先読み保留演出に対象となる特図保留に対応する特別図柄抽選が実際に実行されるまで遊技者に継続して遊技に興味を持たせ続けることができる。
さらに、本第8制御例では、通常状態中に実行される特別図柄抽選に対応する特図保留に対してのみ先読み保留演出を実行可能に構成しているが、これに限ること無く、時短状態(不利時短状態)中に実行される特別図柄抽選に対応する特図保留に対しても先読み保留演出と同等の演出(擬似先読み保留演出)を実行可能に構成しても良い。
この擬似先読み保留演出を実行する場合には、先読み保留演出と同様に特定の保留図柄に対して表示態様を決定し、図333(a)に示した通り、特定の保留図柄の表示態様を可変させた擬似先読み保留演出を実行する。そして、擬似先読み保留演出の対象となる特定の保留図柄に対応する特別図柄抽選が実行された場合に、その特図変動期間中に実行される演出として、擬似先読み保留演出が実行されていたことを遊技者に報知するための擬似先読み保留演出の演出結果を表示するように構成すると良い。
このように構成することで、不利時短状態が長時間継続する場合においても、先読み保留演出と同等の擬似先読み保留演出を実行することで遊技者に対して飽きの来ない遊技を提供し易くすることができる。また、この場合、先読み結果が大当たり当選である特図保留に対応する保留図柄の方が、先読み結果が大当たり当選では無い特図保留に対応する保留図柄よりも擬似先読み保留演出の対象となり易くなるように構成すると良い。これにより、擬似先読み保留演出が実行されていたことを遊技者に報知するための擬似先読み保留演出の演出結果が表示された場合であっても、大当たり当選している可能性を高めることができるため遊技者の遊技意欲が著しく低下してしまうことを抑制することができる。
次に、図337(b)を参照して、本第8制御例のパチンコ機10における音声ランプ制御装置113のMPU221が有するRAM223の構成について説明をする。図337(b)は、本第8制御例のパチンコ機10における音声ランプ制御装置113のMPU221が有するRAM223の構成を示した図である。
図337(b)に示した通り、本第8制御例のパチンコ機10における音声ランプ制御装置113のMPU221が有するRAM223は、上述した第5制御例のパチンコ機10における音声ランプ制御装置113のMPU221が有するRAM223(図249(b)参照)に対して、振り分け状態格納エリア223ga、保留態様格納エリア223gb、不利時短中フラグ223gcを追加した点で相違している。同一の内容については、同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
振り分け状態格納エリア223gaは、振り分けユニット1064内に設けられた振り分け部材900の位置(振り分け状態)を示すための情報を記憶する記憶エリアである。この振り分け状態格納エリア223gaには、次に振り分けユニット1064へと流入した遊技球が第1入球口64、第2入球口1641の何れに入球するのかを特定するための情報が記憶される。
本第8制御例では、図331(a)に示した通り、振り分けユニット1064の通過口1064bを通過した遊技球を検知するための検知手段として入球センサ1064aが設けられており、音声ランプ制御装置113が入球センサ1064aの検知結果を判別可能に構成している。そして、主制御装置110から出力される入賞コマンドと、入球センサ1064aの検知結果とに基づいて、振り分け部材900の位置(振り分け状態)を特定可能に構成し、その特定結果に応じた画像アイコンを第3図柄表示装置81の表示面に表示可能に構成している(図333(b)の表示領域Dm18参照)。
これにより、遊技者に対して、次に振り分けユニット1064へと遊技球を流入させた場合に、何れの入球口(第1入球口64、第2入球口1641)へと遊技球が誘導されるのかを遊技者に把握させ易くすることができる。
よって、例えば、大当たり遊技中に複数の遊技球を振り分けユニット1064へと流入させるための左打ち遊技を実行し、振り分け部材900の位置(振り分け状態)に応じて表示される画像アイコンの態様から次に振り分けユニット1064へと流入した遊技球が何れの入球口(第1入球口64、第2入球口1641)へと入球するかを判別することで、既に獲得済みの特図保留のうち最後に獲得した特図保留(入賞情報格納エリア223bの記憶領域のうち、8個目の記憶領域に入賞情報が記憶されている特図保留)に対応する特別図柄種別と同一の特別図柄種別の抽選権利を獲得可能な入球口へと遊技球が誘導される振り分け状態を創出させ易くすることができる。
なお、本第8制御例では、入球センサ1064aの検知結果と、入賞コマンドに含まれる情報とに基づいて振り分け部材900の位置(振り分け状態)を特定可能に構成しているがこれに限ること無く、振り分け部材900の位置(振り分け状態)を直接検知可能な検知手段を設けても良い。
保留態様格納エリア223gbは、先読み保留演出により設定された保留態様を一時的に記憶しておくための記憶領域であって、先読み保留態様選択テーブル222gaを参照して選択された保留態様(表示態様)が、対応する特図保留を特定するための情報と共に記憶される。そして、音声ランプ制御装置113のMPU221により実行されるメイン処理(図346参照)にて実行される保留個数表示更新処理(図346のS4106参照)において、記憶された情報が読み出される。
また、詳細な説明は省略するが、保留態様格納エリア223gbに情報が記憶されている期間は、新たな先読み保留演出の実行を制限するように構成している。つまり、先読み保留演出が実行されている期間は、獲得している特図保留が全て消化されるまでに時短状態が終了し、通常状態が設定される状態であるため、それ以降に実行される特図抽選に基づいて遊技状態が移行することを先読みしてしまうと、先読み結果と実際の遊技状態移行とが相違する可能性が高くなり、遊技者に対して信頼度の高い演出を実行し難くなるため、先読み保留演出の実行中は、実行中の先読み保留演出の対象となる特図保留以降の特図保留の先読み結果に基づいて遊技状態の移行内容を特定する処理を実行しないように構成している。これにより、音声ランプ制御装置113の処理負荷を軽減することができる。
不利時短中フラグ223gcは、時短状態のうち不利時短状態が設定されていることを示すためのフラグであって、時短種別「時短A8a」、又は「時短A8b」が設定された場合にオンに設定される。そして、入賞コマンド処理8(図351のS4292参照)において、ロング開放当たり遊技が実行されることを示す普図用入賞情報コマンドを受信した場合に、不利時短中フラグ223gcの設定状況が判別され(図351のS4451)、オンに設定されていると判別した場合に(図351のS4451:Yes)、普図ロング開放当たり遊技(電チューロング開放)が実行されることを示唆するための演出に対応した表示用コマンドが設定される(図351のS4405)。これにより、図332に示した通り、不利時短状態を終了させるための第2時短終了条件が成立し易い状態となることを遊技者に分かり易く報知することができる。そして、不利時短状態が終了したことを示す状態コマンドを受信したと判別した場合に(図348のS9051:Yes)、オフに設定される(図348のS9052)。
<第8制御例における主制御装置の制御処理内容について>
次に、図339から図345を参照して、本第8制御例における主制御装置110の制御処理内容のうち、上述した第5制御例とは異なる点を中心に説明をする。本第8制御例のパチンコ機10は、上述した第5制御例のパチンコ機10に対して、第1特別図柄抽選と第2特別図柄抽選の実行順序を決定する処理と、時短状態を終了させるための時短終了条件が成立したか否かの判定を行う処理と、遊技球が始動入賞した場合に実行される処理と、の内容を異ならせている。
具体的には、特別図柄変動処理5(図252のS104参照)に代えて特別図柄変動処理8(図339のS10154参照)を、始動入賞処理5(図258のS195参照)に代えて始動入賞処理8(図344のS10195参照)を実行する点で相違している。それ以外の処理内容は同一であり、同一の内容についてはその詳細な説明を省略する。
まず、図339を参照して、特別図柄変動処理8(S10154)の内容について説明をする。図339は、特別図柄変動処理8(S10154)の処理内容を示したフローチャートである。図339に示した通り、特別図柄変動処理8(S10154)は、上述した特別図柄変動処理5(図252のS104参照)に対して、新たな特別図柄変動を開始させるために実行される処理の内容と、実行中の特別図柄変動が停止表示する際に実行される処理の内容と、を異ならせている点で相違し、それ以外は同一である。同一の処理内容については同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
特別図柄変動処理8(S10154)が実行されると、まず、上述した特別図柄変動処理5(図252のS104参照)と同一のS201〜S203の処理が実行される。その後、変動実行判定処理8(S10251)を実行する。この変動実行判定処理8(S10251)の詳細については、図340を参照して後述するが、新たに実行する特別図柄変動の種別を判定するための処理が実行される。
S10251の処理を終えると、次に、新たに実行される特別図柄変動の種別が特図2(第2特別図柄)であるかを判別し(S10252)、特図2であると判別した場合は(S10252:Yes)、上述した特別図柄変動処理5(図252のS104参照)と同一のS205〜S207、及び、S251,S252の処理を実行し、本処理を終了する。
一方、S10252の処理において、特図2では無いと判別した場合は(S10252:No)、次に、新たに実行される特別図柄変動の種別が特図1(第1特別図柄)であるかを判別し(S10253)、特図1であると判別した場合は(S10253:Yes)、上述した特別図柄変動処理5(図252のS104参照)と同一のS211〜S213、及び、S251,S252の処理を実行し、本処理を終了する。また、S10253の処理において、特図1では無いと判別した場合は(S10253:No)、そのまま本処理を終了する。
また、S202の処理において、変動中であると判別した場合は(S202:Yes)、上述した特別図柄変動処理5(図252のS104参照)と同一の処理に対して、更新処理5(図252のS253)に代えて更新処理8(S10254)を実行し、時短設定処理5(図252のS254)に代えて時短設定処理8(S10255)を実行し、本処理を終了する。
次に、図340を参照して、特別図柄変動処理8(図339のS10154参照)にて実行される変動実行判定処理8(S10251)の詳細な説明をする。図340は、変動実行判定処理8(S10251)の処理内容を示したフローチャートである。この変動実行判定処理8(S10251)は、第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81で行われる特別図柄変動を、第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは第2特別図柄保留球格納エリア203bの、どちらの実行エリアに格納された各種カウンタの値に基づいて実行するかを判定するための処理である。
変動実行判定処理8(S10251)では、まず、変動実行フラグ203gaに0を設定することで、初期化を行い(S10271)、変動順格納エリア203gbのデータを取得する(S10272)。その後、変動順格納エリア203gbのデータをシフトする(S10273)。S310273の処理では、変動順格納エリア203gbの第1エリア〜第8エリアに格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には、第1エリア→実行エリア、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→保留第3エリア、第5エリア→第4エリア、第6エリア→第5エリア、第7エリア→保留第6エリア、第8エリア→保留第7エリア、といった具合に各エリア内のデータをシフトする。データをシフトした後は、実行エリアのデータが特図1(1)であるか否かを判定する(S10274)。
S10274の処理にて、実行エリアのデータが特図1(1)であると判定された場合(S10274:Yes)、変動実行フラグ203gaを特図1で変動実行(1)に設定し(S10275)、本処理を終了し、特別図柄変動処理へ戻る。
一方、実行エリアのデータが特図1(1)でないと判定された場合(S10274:No)、実行エリアのデータが特図2(2)であるか否かを判定する(S10276)。S10276の処理にて、実行エリアのデータが特図2(2)であると判定された場合(S10276:Yes)、変動実行フラグ203gbを特図2で変動実行に設定し(S10277)、本処理を終了し、特別図柄変動処理へ戻る。
S10276の処理にて、実行エリアのデータが特図2(2)でないと判定された場合(S10276:No)、変動実行する保留球が無いため、変動実行フラグ203gbが初期状態のまま、本処理を終了し、特別図柄変動処理へ戻る。
上述した通り、変動実行判定処理8(S10251)を実行することで、変動順格納エリア203gbに格納されている各種保留記憶(特図保留)を、格納した順に特別図柄変動させることができる。
次に、図341を参照して、時短抽選処理8(S8076)の処理内容について説明をする。図341は、時短抽選処理8(S8076)の処理内容を示したフローチャートである。この時短抽選処理8(S8076)は、特別図柄変動処理8(図339のS10154参照)の特別図柄判定処理5(図253のS251参照)にて実行される時短抽選処理5(図254のS8006参照)に代えて実行されるものであって、時短抽選(時短当選の判定)を実行するための条件を遊技仕様に対応させて変更している点で相違している。
具体的には、時短抽選処理8(S8076)が実行されると、今回実行される特別図柄変動の種別に関わらず(時短抽選処理5(図254参照)にて実行される特別図柄変動の種別を判別するためのS8101の処理を実行すること無く)、上述した時短抽選処理5(図254のS8101参照)と同一のS8103〜S8106の処理を実行し、本処理を終了する。
つまり、本第8制御例では、図335(b)を参照して上述した通り、特別図柄の種別に関わらず、通常状態が設定されている場合には時短抽選(時短当選の判定)を実行するように構成しているため、時短抽選処理8(S8076)では、新たに実行される特別図柄変動の種別に関わらず、新たに特別図柄変動が実行される時点の遊技状態のみを判別して時短抽選(時短当選の判定)を実行するか否かを判定している。
このように、時短抽選処理8(S8076)では、時短抽選(時短当選の判定)の実行条件(時短抽選実行条件)が成立しているか否かを判定する処理と、時短抽選実行条件が成立している場合に時短抽選(時短当選の判定)を実行する処理と、を実行するように構成しているが、時短抽選実行条件が成立しているか否かを判定する処理の内容は、パチンコ機10の遊技仕様に応じて適宜変更すれば良く、例えば、通常状態に加えて、特定の遊技状態(例えば、不利時短状態等)で設定されている場合にも時短抽選を実行するように構成した場合には、S8103の処理に、不利時短中フラグ223gcがオンに設定されているかを判別する処理を加えれば良い。
次に、図342を参照して、更新処理8(S273)の処理内容について説明をする。図342は、更新処理8(S273)の処理内容を示したフローチャートである。この更新処理8(S273)は、上述した第5制御例における更新処理5(図256のS253参照)に対して、時短終了条件が成立したかを判別するための処理として新たな処理を追加した点で相違している。
具体的には、更新処理8(S273)が実行されると、まず、時短短縮フラグ203gcがオンに設定されているかを判別し(S8351)、時短短縮フラグ203gcがオンに設定されていると判別した場合は(S8351:Yes)、時短短縮フラグ203gcをオフに設定し(S8352)、次いで、時短終了条件が成立しているかを判別し(S8353)、時短終了条件が成立していると判別した場合は(S8353:Yes)、時短カウンタ203hの値を0にリセットし(S8354)、時短短縮を示すコマンドを決定し(S8355)、その後、上述した更新処理5(図342のS253参照)と同一のS8301〜S8306の処理を実行し、確変カウンタ203i、時短カウンタ203hの値、各種値を更新した後の遊技状態、時短短縮の有無を示す状態コマンドを設定し(S8356)、本処理を終了する。
また、S8351の処理において、時短短縮フラグ203gcがオンに設定されていない場合(S8351:No)、S8353の処理において、時短終了条件が成立していないと判別した場合(S8353:No)は、そのままS8301の処理へ移行し、上述した更新処理5(図342のS253参照)と同一のS8301〜S8306の処理を実行し、確変カウンタ203i、時短カウンタ203hの値、各種値を更新した後の遊技状態、時短短縮の有無を示す状態コマンドを設定し(S8356)、本処理を終了する。
更新処理8(S273)にて示した通り、本第8制御例では、時短短縮フラグ203gcがオンに設定されている場合、即ち、時短種別「時短A8」が設定される不利時短状態が設定された場合において、不利時短状態が設定されてから所定期間の間のみ、特殊な時短終了条件が成立し得るように構成しており、その期間限定で成立し得る時短終了条件が成立したか否かを判別可能に構成している。
具体的には、時短抽選によって時短当選し不利時短状態が設定された場合には、時短当選した特別図柄種別と同一種別の特別図柄変動が、時短状態(不利時短状態)が設定されてから1回目の特別図柄変動として実行された場合に時短終了条件が成立するように構成している。このように構成することで、不利時短状態を短縮して終了させることが可能となるため、遊技者に対して意欲的に遊技を行わせることができる。
次に、図343を参照して、時短設定処理8(S10255)の処理内容について説明をする。図343は、時短設定処理8(S10255)の処理内容を示したフローチャートである。この時短設定処理8(S10255)は、上述した時短設定処理5(図257のS254参照)に対して、時短当選した場合に時短短縮フラグ203gcをオンに設定する処理(S8371)を追加した点で相違し、それ以外は同一である。同一の処理内容については、同一の符号を付してその説明を省略する。
具体的には、上述した時短設定処理5(図257のS254参照)と同一のS8351,S8352の処理を実行した後、時短短縮フラグ203gcをオンに設定し(S8371)、その後、S8353,S8354の処理を実行し、本処理を終了する。
このように構成することで、時短状態が設定される場合のうち、時短当選した場合のみ(時短抽選に当選した場合のみ)時短短縮フラグ203gcがオンに設定されるため、更新処理8(図342のS273参照)にて時短状態を短縮させるための時短終了条件(第2時短終了条件)が成立したか否かの判別処理が無用に実行される(時短種別「時短A8」が設定されることの無い大当たり当選に基づいて設定された時短状態(遊技時短状態)中に実行される)ことを抑制することができる。
なお、図343に示した通り、本第8制御例では、時短当選した場合に必ず時短短縮フラグ203gcがオンに設定されるように構成しているが、これに限ること無く、不利時短状態(時短種別「時短A8」)が設定されたか否かを判別し、不利時短状態(時短種別「時短A8」)が設定されたと判別した場合に時短短縮フラグ203gcをオンに設定するように構成しても良い。
次に、図344を参照して始動入処理8(S10195)の処理内容について説明をする。図344は始動入処理8(S10195)の処理内容を示したフローチャートである。この始動入処理8(S10195)は、上述した始動入賞処理5(図258のS195参照)に対して、変動順格納エリア203gbに情報を格納する処理を追加した点と、先読み処理の処理内容を変更した点で相違している。それ以外の処理内容は同一であり、同一の処理内容については同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
具体的には、始動入処理8(S10195)が実行されると、上述した始動入賞処理5(図258のS195参照)と同一のS601〜S651の処理を実行し、S651の処理を終えた後に、変動順格納エリア203gbの最初のエリアへ特図1(1)を設定し(S671)、S607の処理へ移行する。なお、S671の処理では、第1特別図柄保留球カウンタ203dまたは第2特別図柄保留球カウンタ203eの値を参照し、その合計値が1であれば、第1エリアを最初のエリアとする。同様に、その値が2であれば第2エリアを、その値が3であれば第3エリアを、その値が4であれば第4エリアを、それぞれ最初のエリアとする。この変動順格納エリア203gbに設定された値を上述した変動実行判定処理8(S10251)にて判別することにより、本第8制御例のように始動口が第1特別図柄を変動させるものと、第2特別図柄を変動させるものとの2種類の変動がある場合でも、始動口に入賞した順序で変動を開始させることができる。
次いで、上述した始動入賞処理5(図258のS195参照)と同一のS607〜S652の処理を実行する。S652の処理を終えると、変動順格納エリア203gbの最初のエリアへ特図2(2)を設定し(S672)、先読み処理8を実行し(S673)、本処理を終了する。なお、S672の処理では、第1特別図柄保留球カウンタ203dまたは第2特別図柄保留球カウンタ203eの値を参照し、その合計値が1であれば、第1エリアを最初のエリアとする。同様に、その値が2であれば第2エリアを、その値が3であれば第3エリアを、その値が4であれば第4エリアを、それぞれ最初のエリアとする。この変動順格納エリア203gbに設定された値を上述した変動実行判定処理8(S10251)にて判別することにより、本第8制御例のように始動口が第1特別図柄を変動させるものと、第2特別図柄を変動させるものとの2種類の変動がある場合でも、始動口に入賞した順序で変動を開始させることができる。
次に、図345を参照して、先読み処理8(S673)の処理内容について説明をする。図345は、先読み処理8(S673)の処理内容を示したフローチャートである。この先読み処理8(S673)では、上述した第5制御例における先読み処理5(図259のS653参照)に対して、先読みされた入賞情報に対応する特別図柄抽選が実行される場合の遊技状態を特定し、その特定した情報(当該保留変動時における遊技状態を示す情報)を含む入賞コマンドを設定するように構成している点で相違し、それ以外は同一であるためその詳細な説明を省略する。
次に、図346〜図355を参照して、本第8制御例における音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される制御処理の内容について説明をする。本第8制御例では、上述した第5制御例に対して、音声ランプ制御装置113のメイン処理(図346参照)にて実行される処理として、液晶演出実行管理処理8(図354のS4181)と、先行入賞検出処理8(図355のS4182)と、コマンド判定処理8(図347のS4183参照)と、変動表示設定処理8と、を実行する点で相違している。それ以外の処理内容については同一であり、同一の処理内容についてはその詳細な説明を省略する。
まず、図346を参照して、本第8制御例における音声ランプ制御装置113のメイン処理の処理内容について説明をする。図346は、メイン処理の処理内容を示したフローチャートである。図346に示した通り、本第10制御例では、上述した第5制御例における音声ランプ制御装置113のメイン処理に対して液晶演出実行管理処理8(図354のS4181)と、先行入賞検出処理8(図355のS4182)と、コマンド判定処理8(図347のS4183参照)と、変動表示設定処理8と、を実行する点で相違した処理が実行される。それ以外の処理内容については同一であり、同一の処理内容については同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
次に、図347を参照して、コマンド判定処理8(S4183)の処理内容について説明をする。図347は、コマンド判定処理8(S4183)の処理内容を示したフローチャートである。このコマンド判定処理8(S4183)では、上述した第5制御例のコマンド判定処理5(図262のS4182参照)に対して、状態コマンド受信処理5(S4282)に代えて状態コマンド受信処理8(図348のS4291参照)を、入賞コマンド処理(S4212参照)に代えて入賞コマンド処理8(図351のS4292参照)を、大当たり関連処理(S4218)に代えて大当たり関連処理8(S4293)を実行する点で相違し、それ以外は同一である。同一の処理内容については同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
次に、図348を参照して、状態コマンド受信処理8(S4291)の処理内容について説明をする。図348は、状態コマンド受信処理8(S4291)の処理内容を示したフローチャートである。図348に示した通り、状態コマンド受信処理8(S4291)では、上述した第5制御例における状態コマンド受信処理5(図265のS4282参照)に対して、主制御装置110から受信した状態コマンドに含まれる情報に基づいて遊技状態が通常状態へと変更されたと判別した場合(S9003:Yes)に実行される処理内容と、主制御装置110から受信した状態コマンドに含まれる情報に基づいて遊技状態が時短状態へと変更されたと判別した場合(S9005:Yes)に実行される処理内容と、を異ならせている点で相違している。それ以外の処理内容は同一であるためその詳細な説明を省略する。
状態コマンド受信処理8(S4291)が実行されると、上述した第5制御例における状態コマンド受信処理5(図265のS4282参照)と同一のS9001からS9003の処理が実行される。そして、S9003の処理において、遊技状態が通常状態へと変更されたと判別した場合(S9003:Yes)は、次に、不利時短中フラグ223gcがオンに設定されているかを判別し(S9051)、オンに設定されていると判別した場合(S9051:Yes)は、不利時短中フラグ223gcをオフに設定し(S9052)、通常状態演出設定処理8を実行し(S9053)、本処理を終了する。一方、S9051の処理において、不利時短中フラグ223gcがオンに設定されていないと判別した場合は(S9051:No)、S9052の処理をスキップして、本処理を終了する。なお、通常状態演出設定処理8(S9053)の詳細な内容については、図349を参照して後述する。
S9003の処理において、通常状態へと変更されていないと判別した場合は(S9003:No)、次に、遊技状態が時短状態へと変更されたかを判別し(S9005)、変更されていないと判別した場合は(S9005:No)、上述した第5制御例における状態コマンド受信処理5(図265のS4282参照)と同一のS9007〜S9010の処理を実行し、本処理を終了する。
一方、S9005の処理において、時短状態に変更されたと判別した場合は、時短状態演出設定処理8を実行し(S9054)、その後、本処理を終了する。ない、時短状態演出設定処理8(S9054)の内容については、図350を参照して後述する。
次に、図349を参照して、状態コマンド受信処理8(図348のS4291)にて実行される通常状態演出設定処理8(S9053)の処理内容について説明をする。図349は、通常状態演出設定処理8(S9053)の処理内容を示したフローチャートである。この通常状態演出設定処理8(S9053)は、上述した通常状態演出設定処理(図264のS9004)に対して、不利時短状態から通常状態へと移行した場合における処理内容を追加した点で相違しており、それ以外の処理内容は同一である。同一の処理内容については同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
通常状態演出設定処理8(S9053)が実行されると、まず、従状態設定エリア223gから今回設定された遊技状態の前に設定されていた遊技状態(変更前の遊技状態)を読み出し(S9101)、変更前の遊技状態が不利時短状態であるかを判別する(S9151)。S9151の処理において、不利時短状態であると判別した場合は(S9151:Yes)、チャンス変動に対応する演出モード用表示コマンドを設定し(S9152)、本処理を終了する。一方、S9151の処理において、不利時短状態では無いと判別した場合は(S9151:No)、上述した通常状態演出設定処理(図264のS9004参照)と同一のS9102〜S9104の処理を実行し、本処理を終了する。
S9152に処理において演出モード用表示コマンドを設定することにより、不利時短状態の時短終了条件が成立したことに基づいて通常状態が設定されたことを示す表示態様で第3図柄表示装置81の表示画面の背景画像が表示される。これにより、次に実行される特別図柄変動が、通常状態にて実行される特別図柄変動(抽選)であることを遊技者に分かり易く報知することができる。
次に、図350を参照して、状態コマンド受信処理8(図348のS4291)にて実行される時短状態演出設定処理8(S9054)の処理内容について説明をする。図350は、時短状態演出設定処理8(S9054)の処理内容を示したフローチャートである。この時短状態演出設定処理8(S9054)は、上述した時短状態演出設定処理(図266のS900参照)に対して、通常状態から時短状態へと移行した場合における処理内容を変更している点で相違しており、それ以外の処理内容は同一である。同一の処理内容については同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
時短状態演出設定処理8(S9054)が実行されると、まず、時短状態演出設定処理(図266のS900参照)と同一のS9301〜S9304の処理を実行する。そして、S9304の処理において、変更前の遊技状態が通常状態であると判別した場合は(S9304:Yes)、今回受信したコマンドに含まれる時短回数を時短中カウンタ223daの値に設定し(S9305)、その後、今回設定された時短状態の時短種別が時短A8であるかを判別し(S9381)、時短A8であると判別した場合は(S9381:Yes)、不利時短中フラグ223gcをオンに設定し(S9382)、不利時短中に対応する演出態様を示すための表示用コマンドを設定し(S9383)、本処理を終了する。一方、S9381の処理において、今回設定された時短状態の時短種別が時短A8では無いと判別した場合は(S9382:Yes)、S9382,S9383の処理をスキップして本処理を終了する。
次に、図351を参照して入賞コマンド処理8(S4292)の処理内容について説明をする。図351は、入賞コマンド処理8(S4292)の処理内容を示したフローチャートである。この入賞コマンド処理8(S4292)は、上述した入賞コマンド処理(図177のS4212参照)に対して、普図用入賞情報コマンドを受信した場合における処理内容と、特図用入賞情報コマンドを受信した場合における処理内容と、を変更した点で相違している。それ以外の処理内容は同一であり、その詳細な内容の説明を省略する。
入賞コマンド処理8(S4292)が実行されると、まず、上述した入賞コマンド処理(図177のS4212参照)と同一のS4401〜S4403の処理を実行する。そして、S4403の処理において、当たり情報ありと判別した場合、即ち、今回受信した普図用入賞情報コマンドに普通図柄抽選で当たり当選することを示す当たり情報が含まれていると判別した場合(S4403;Yes)は、次に、不利時短中フラグ223gcがオンに設定されているかを判別し(S4451)、オンに設定されていると判別した場合(S4451:Yes)は、電チューロング開放を示唆するための表示用コマンドを設定する(S4405)。
つまり、本第8制御例では、不利時短状態が設定されている状態にて獲得した普図用入賞情報の中に、普図ロング開放当たり遊技が実行されることを示す情報(特定の普図当たり情報)が含まれている場合に、遊技者に対して普図ロング開放当たり(電チューロング開放)を示唆するための演出が実行されるように構成している。このように構成することで、不利時短状態の遊技を実行している遊技者に対して、連続して同一種別の特別図柄抽選(第2特別図柄抽選)を実行させることが可能な機会が訪れることを、実際に普図ロング開放当たり遊技が実行されるよりも前に報知することができるため、不利時短状態が終了する(短縮される)ことを期待しながら遊技を行わせることができる。
さらに、本第8制御例のように、不利時短状態が設定されている場合に実行される遊技方法(左打ち遊技)と、普図ロング開放当たり遊技中に実行される遊技方法(右打ち遊技)と、を異ならせるように遊技盤13が構成されているパチンコ機10においては、実際に普図ロング開放当たり遊技が実行されるよりも前から普図ロング開放当たり遊技が実行されることを遊技者に報知可能とすることで、遊技者に対して遊技方法を変更させるための猶予期間を設定することができるため、遊技者に対して、普図ロング開放当たり遊技に対応する遊技を実行させ易くすることができる。
なお、本第8制御例では、普通図柄に関する入賞情報コマンドを受信したことに基づいて普図ロング開放当たり(電チューロング開放)を示唆するための演出が実行されるように構成している。つまり、普図ロング開放当たりに当選する普通図柄抽選が実行されるよりも前に遊技者に対して普図ロング開放当たり遊技が実行されることを示唆可能に構成しているが、これに限ること無く、普図ロング開放当たりに当選する普通図柄抽選が実行されてからその抽選結果が停止表示されるまでの期間(普図当たり変動期間)を用いて遊技者に対して普図ロング開放当たり遊技が実行されることを示唆可能に構成しても良い。
さらに、普通図柄に関する入賞情報コマンドを受信する毎に普図ロング開放当たり遊技が実行されることを示す情報が含まれているかを判別し、普図ロング開放当たり遊技が実行されることを示す情報が含まれていると判別した場合において、その普図ロング開放当たり遊技が実行されるまでの期間を算出可能な算出手段を設け、その算出手段により算出された期間に基づいて、普図ロング開放当たり遊技が実行されることを遊技者に示唆するための演出が実行される期間を決定するように構成しても良い。この場合、例えば、普図当たり変動期間が所定期間(例えば、10秒)よりも短い場合には、普図当たり変動が実行されるよりも前の段階、例えば、普図ロング開放当たり遊技が実行されることを示す普通図柄に関する入賞情報コマンドを受信した段階から演出を実行可能に構成すれば良い。
次に、図352を参照して、入賞コマンド処理8(図351のS4292参照)にて実行される特図用入賞情報コマンド処理8(S4451)の処理内容について説明をする。図352は、特図用入賞情報コマンド処理8(S4451)の処理内容を示したフローチャートである。この特図用入賞情報コマンド処理8(S4451)は、特別図柄に関する入賞情報コマンドを受信した場合に実行される処理であって、入賞情報コマンドに含まれている情報、例えば、当たり当選を示すための情報に基づいて、その入賞情報に対応する特別図柄抽選が実行されるよりも前にその入賞情報コマンドに含まれる情報を遊技者に示唆するための演出(先読み演出)の演出態様を設定するための処理が実行される。
本第8制御例では、この特図用入賞情報コマンド処理8(S4451)を実行することにより、入賞情報コマンドに含まれている当たり当選を示すための情報に対応させて保留図柄の表示態様を可変させたり、入賞情報コマンドに含まれている特別図柄種別を示すための情報に対応させて保留図柄の表示態様を可変させたりすることができる。
さらに、本第8制御例では、特定の遊技状態(通常状態)にて実行される特別図柄抽選に対応する特図保留がどれであるかを遊技者に示唆可能とするために、特別図柄に関する入賞情報コマンドを受信した場合において、受信した入賞情報コマンドに対応する特別図柄抽選が実行される際の遊技状態を事前に判別可能に構成している。
このように構成することで、第3図柄表示装置81の表示画面に表示される特図保留の表示態様を確認することで、遊技者に対して、特図保留に対応する特別図柄抽選が実行される際の遊技状態を遊技者に予測させることができる。
具体的には、特図用入賞情報コマンド処理8(S4451)が実行されると、まず、従状態設定エリア223gに設定されている情報に基づいて現在の遊技状態を抽出(特定)し(S4501)、時短中カウンタ223daの値が0よりも大きいかを判別する(S4551)。時短中カウンタ223daの値が0よりも大きいと判別した場合は(S4551:Yes)、次に、不利時短中フラグ223gcがオンに設定されているかを判別し(S4552)、オンに設定されていると判別した場合(S4552:Yes)、即ち、今回受信した入賞情報コマンドが、不利時短状態中に受信した入賞情報コマンドである場合には、不利時短状態を終了させるための時短終了条件の成立有無を予測し(S4553)、S4553の処理にて予測された時短終了条件の成立有無の結果に基づいて、時短終了条件が成立するか(今回受信した入賞情報コマンドに対応する特別図柄抽選が通常状態にて実行される特別図柄抽選であるか)を判別する(S4554)。
S4554の処理において、通常状態にて実行される特別図柄抽選であると判別した場合は(S4554:Yes)、先読み保留態様選択テーブル222gaを参照して対応する保留図柄の表示態様(星の数)を決定し(S4555)、決定した保留態様(保留図柄の表示態様)を示すための情報を保留態様格納エリア223gbに格納する(S4556)。そして、受信した特図用入賞情報コマンドに含まれる情報に基づいて表示用コマンド(S4555の処理において決定された表示態様を示すための表示用コマンドも含む)を設定し(S4507)、本処理を終了する。
一方、S4551の処理において、時短中カウンタ223daの値が0よりも大きく無いと判別された場合(S4551:No)、S4552の処理において、不利時短中フラグ223gcがオンに設定されていないと判別された場合(S4552:No)、S4554の処理において、時短終了条件が成立しないと判別された場合(S4554:No)はそのままS4507の処理へ移行する。
次に、コマンド判定処理8(図347のS4183参照)にて実行される大当たり関連処理8(S4293)について説明をする。この大当たり関連処理8(S4293)では、上述した大当たり関連処理(図180のS4218参照)に対して、エンディングコマンドを受信したと判別した場合(図180のS4714:Yes)に実行されるエンディング処理(図180のS4715参照)に代えて、エンディング処理8(S4293)を実行する点で相違し、それ以外は同一の処理が実行される。ここで、図353を参照して、エンディング処理8(S4293)にて実行される処理内容について説明をする。図353は、エンディング処理8(S4293)の処理内容を示したフローチャートである。
エンディング処理8(S4293)では、上述したエンディング処理(図181のS4715参照)に対して、大当たり遊技終了後(小当たり遊技終了後)の1回目に実行される特別図柄抽選の種別を、遊技者に報知するための次回変動特図種別報知演出の演出態様を設定するための処理を追加した点で相違している。
具体的には、図353に示した通り、エンディング処理8(S4293)が実行されると、上述したエンディング処理(図181のS4715参照)と同一のS4801〜S4803の処理を実行した後に、入賞情報格納エリア223aに格納されている情報に基づいて次回変動の特図種別(特別図柄種別)を読み出し(S4851)、読み出した特図種別を示すための表示用コマンドを設定する(S4852)。そして、エンディング表示の実行を設定し(S4804)、本処理を終了する。
S4852の処理において読み出した特図種別を示すための表示用コマンドを設定することにより、図333(b)に示した通り、大当たり遊技終了後1回目に実行される特別図柄抽選の特図種別を遊技者に示すための表示態様を表示することが可能となる。また、S4851の処理において、入賞情報格納エリア223aに情報が格納されていないと判別した場合、即ち、1つも特図保留を獲得していない場合には、入賞情報格納エリア223aに格納されている情報に基づいて大当たり遊技終了後1回目に実行される特別図柄抽選の特図種別を遊技者に報知することができないため、エンディング画面にて大当たり遊技終了後1回目に実行される特別図柄抽選の特図種別を遊技者に示すための表示態様を表示するための処理がスキップされる。
なお、これに限ること無く、例えば、後述する先行入賞検出処理8(図355のS4182参照)の処理結果に基づいて、次に実行される特別図柄抽選の特図種別を予測し、その予測結果に基づく表示態様を表示させるための表示用コマンドを設定するように構成しても良い。
次に、図354を参照して、液晶演出実行管理処理8(S4181)の処理内容について説明をする。図354は、液晶演出実行管理処理8(S4181)の処理内容を示したフローチャートである。この液晶演出実行管理処理8(S4181)では、主制御装置110から送信される変動パターンコマンドに基づいて第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期させた値がセットされる変動時間カウンタ(図示せず)の値を更新する処理が実行され、更新後の値に対応する演出態様を決定するための処理が実行される。
液晶演出実行管理処理8(S4181)が実行されると、まず変動時間カウンタの値が0よりも大きいかを判別し(S55401)、0よりも大きいと判別した場合は(S55401:Yes)、変動時間カウンタの値を更新し(S5402)、更新後のカウンタ値に対応する演出態様を設定(決定)し(S55402)、その他演出に関する更新処理を実行し(S5407)、更新結果に基づく演出態様を示すための表示用コマンドを設定し(S5408)、本処理を終了する。
このように構成することで、特別図柄変動が実行されてから所定時間(例えば、30秒)の経過を契機に特定の演出(例えば、遊技者に現在の遊技状態を示唆するための示唆演出)を実行させることが可能となる。この場合、今回設定された特別図柄変動の変動時間に関わらず、示唆演出の実行契機を設定可能に構成し、今回設定された特別図柄変動の変動時間が、示唆演出の実行契機となる経過時間よりも長い場合にのみ示唆演出が実行されるように構成すると良い。このように構成することで、設定された変動パターンによって、示唆演出が実行されるか否かを決定することができる。
さらに、示唆演出が実行される表示領域を、変動演出が実行される表示領域と重複するように構成し、示唆演出の実行契機が成立し、示唆演出が第3図柄表示装置81の表示面に表示されるタイミングにて実行中の変動演出の演出態様によって、示唆演出の演出内容を遊技者が視認可能な状況と、視認困難(視認不可能)な状況と、を創出可能に構成しても良い。このように構成することで、実行中の特別図柄変動の変動時間、及び、実行中の変動演出の内容と、に応じて遊技者が視認可能な示唆演出が実行されるか否かを決定することが可能となる。
また、図354では、液晶演出実行管理処理8(S4181)の処理内容として、特別図柄変動の変動時間に対応する値がセットされた変動時間カウンタの値を更新し、その更新後の値に対応する演出態様を設定(決定)する処理内容を示しているが、特別図柄変動の変動時間以外の時間経過に対応した値をセット可能なカウンタを設け、そのカウンタの更新内容に対応させた演出態様を設定(決定)可能に構成しても良い。
例えば、大当たり遊技が開始されてからの経過時間を計測可能なカウンタの値を更新する処理や、特定の演出が実行されてからの経過時間を計測可能なカウンタの値を更新する処理を実行し、その更新結果に対応する演出態様を設定(決定)する処理を実行しても良い。また、液晶演出実行管理処理8(S4181)にて、各種カウンタの値を更新し、更新結果が実行条件を満たしているか否かの判別を行い、実行条件を満たしている場合に実行条件が成立したことを示すためのフラグをオンに設定する処理のみを実行し、実行条件が成立したことを示すためのフラグがオンに設定されていることを条件に、他の処理(例えば、変動表示設定処理)にて特定の演出を実行するための処理を実行可能に構成しても良い。
次に、図355を参照して、先行入賞検出処理8(S4182)の処理内容について説明をする。図355は、先行入賞検出処理8(S4182)の処理内容を示したフローチャートである。この先行入賞検出処理8(S4182)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図346参照)の中で実行され、上述したように、入球センサ1064aによる入球検出があった場合に、その入球検出された遊技球が入賞し得る入球口が第1入球口64aまたは第2入球口1641であるかを予測するための処理と、実際に何れかの入球口へと入球した場合に、次に振り分け装置1064へと入球する遊技球が何れの入球口へと入球し得るかを示すために振り分け部材900の状態(位置)を特定するための処理が実行される。
先行入賞検出処理8(S4182)では、まず、球が振り分け装置1064へと入球したか否かを入球センサ1064aによって判別する(S9901)。球が振り分け装置1064へと入球していないと判別された場合は(S9901:No)、そのまま本処理を終了する。一方、球が振り分け装置1064へ入球したと判別された場合は(S9901:Yes)、遊技球が第1入球口64aまたは第2入球口1641のどちらに入球するかを予測する(S9902)。入球先の予測の方法としては、振り分け部材900の軸に搭載されている傾きを検知するセンサ(図示せず)により、振り分け部材900の向きを傾きから算出することで予測する。なお、入球先の予測のための振り分け部材900の向きの検出は、傾きを検知するセンサによるものでなくても良く、例えば、磁石とホールセンサを用いるものであっても良い。また、入賞先の予測は、上述したように振り分け部材900の向きは左右交互となっているので、入賞回数に基づいて入賞先を予測するようにしても良く、その場合センサを不要とすることができる。
次に、S9902の処理により球が第1入球口64へ入賞すると予測されたか否かを判定し(S9903)、球が第1入球口64へ入賞しないと予測された場合は(S9903:No)、S9905の処理へ移行する。一方、球が第1入球口64へ入賞すると予測された場合は(S9903:Yes)、振り分け状態格納エリア223gaに、次に振り分け装置1064に入球した遊技球が第2入球口1641へと入賞し得る(する可能性が高い)ことを示す第2入球口側情報を格納し(S9904)、S9905の処理へ移行する。
S9905の処理では、S9902の処理により球が第2入球口1641へ入賞すると予測されたか否かを判定し(S9905)、球が第2入球口1641へ入賞しないと予測された場合は(S9905:No)、そのまま本処理を終了する。一方、球が第2入球口1641へ入賞すると予測された場合は(S9902:Yes)、振り分け状態格納エリア223gaに、次に振り分け装置1064に入球した遊技球が第1入球口64へと入賞し得る(する可能性が高い)ことを示す第1入球口側情報を格納し(S9906)、本処理を終了する。
以上、説明をした通り、本第8制御例では、通常状態において実行される特別図柄抽選によって、時短当選の判定が実行され、高確率で時短当選し得るように構成している。よって、通常状態における特別図柄抽選が実行され難くなるという斬新な遊技性を提供することができる。
また、時短当選の判定により時短当選した場合には、通常状態よりも不利となる不利時短状態と、通常状態よりも有利となる有利時短状態との何れかが設定されるように構成している。そして、不利時短状態が設定された場合には、時短終了条件が成立するまで、通常状態の特別図柄抽選が実行されないように構成している。そして、時短終了条件として、特定の順序で特別図柄抽選が実行された場合に成立する時短終了条件と、特別図柄抽選の実行回数が所定回数に到達した場合に成立する時短終了条件と、を設定可能に構成している。
よって、不利時短状態が設定されている場合には、特別図柄抽選を実行すればするほど、時短終了条件が成立し易くすることができるため、不利時短状態中の遊技を行っている遊技者に対して、継続して遊技を行わせ易くすることができる。
なお、本第8制御例では、不利時短状態を終了させるための時短終了条件として、特別図柄抽選の実行回数が100回に到達した場合に成立する変動回数終了条件を設定可能に構成しているが、これに限ること無く、例えば、設定される時短種別に応じて変動回数終了条件として設定される特別図柄抽選の実行回数(時短回数)を異ならせるように構成しても良い。
この場合、例えば、時短種別として時短AA8、時短BB8、時短CC8と設定可能に構成し、時短AA8に対して変動回数終了条件として時短回数「100回」、時短BB8に対して変動回数終了条件として時短回数「200回」。時短CC8に対して変動回数終了条件として時短回数「300回」を設定するように構成すると良い。このように構成することで、設定される時短種別に応じて、不利時短状態の継続期間を異ならせることができる。
なお、この場合、第3図柄表示装置81の表示画面に表示される残時短回数として、時短回数「100回」が設定された場合に対応する残時短回数を初期表示として表示可能に構成し、不利時短状態における遊技の経過に応じて残時短回数の表示を増加させるように構成すると良い。このように構成することで、遊技者に対して不利時短状態がいつ終了するのかを判別させ難くすることができる。
本第8制御例では、第2特別図柄抽選において不利時短当選した場合には、その不利時短状態が終了するまでの間、第1特別図柄抽選においても、通常状態よりも不利となる特別図柄抽選が実行されるように構成している。換言すれば、1の特別図柄抽選の結果に応じて、他の特別図柄抽選に対してペナルティを課すことができるように構成している。
<第9制御例>
次に、図356〜図375を参照して、第9制御例におけるパチンコ機10について説明をする。本第9制御例におけるパチンコ機10は、上述した第5制御例と同様に、特別図柄の抽選で大当たり当選した場合に大当たり遊技が実行され、遊技領域(大当たり遊技中に開放動作される可変入賞装置(アタッカー)3650内の領域)に設けられた特定領域(Vゲート)に遊技球が入球(通過)することによって、大当たり遊技終了後に特別図柄の高確率状態が設定される仕様を採用している。また、上述した第5制御例と同様に、通常状態にて実行される特別図柄抽選の抽選結果が外れである場合に、時短図柄当選の判定を実行可能に構成している。
本第9制御例におけるパチンコ機10では、通常状態における特別図柄抽選で時短当選した場合に、遊技者に最も有利となる遊技状態(第2時短状態)が設定されるように構成している。このように構成することで、通常状態を遊技している遊技者に対して、特別図柄抽選で大当たり当選し、大当たり遊技による賞球を獲得しながら通常状態よりも有利となる確変状態へと遊技状態が移行することを目指す遊技と、通常状態における特別図柄抽選で時短当選し、遊技者に最も有利となる遊技状態(第2時短状態)が設定されることを目指す遊技と、を並行して実行させることができ、遊技者の遊技意欲を高めることができる。
さらに、本第9制御例では、遊技者に最も有利となる遊技状態(第2時短状態)への移行契機が時短当選のみとなるように構成し、且つ、時短当選の判定(時短抽選)が通常状態でのみ実行されるように構成しているため、通常状態よりも遊技者に有利となる確変状態が設定された場合には、その確変状態から第2時短状態へと遊技状態を移行させることができないように構成している。
また、本第9制御例では、確変状態よりも第2時短状態のほうが遊技者に有利な遊技状態とするために、確変状態中に実行され易い特別図柄抽選の種別と、時短状態中に実行され易い特別図柄抽選の種別とを異ならせるように構成している。
具体的には、普通図柄の高確率状態が設定される確変状態中は、通常状態よりも特別図柄抽選が実行され易く、且つ、第2特別図柄抽選よりも第1特別図柄抽選のほうが実行され易くなるように構成している。また、普通図柄の高確率状態が設定される時短状態中は、通常状態よりも特別図柄抽選が実行され易く、且つ、第1特別図柄抽選よりも第2特別図柄抽選のほうが実行され易くなるように構成している。そして、第1特別図柄抽選よりも、第2特別図柄抽選のほうが、遊技者に有利となる特別図柄抽選を実行可能に構成している。
このように構成することで、通常状態よりも遊技者に有利な遊技状態として、確変状態と、時短状態と、を設定可能に構成し、さらに、確変状態よりも遊技者に有利となる時短状態として第2時短状態を設定することが可能となる。
本第9制御例におけるパチンコ機10が、上述した第5制御例におけるパチンコ機10と相違する点は、遊技盤13の構成を変更した点と、主制御装置110のMPU201が有するROM202、及びRAM203の構成の一部を変更した点と、音声ランプ制御装置113のMPU221が有するROM222、及びRAM223の構成の一部を変更した点と、各種制御処理の内容を一部変更した点である。なお、上述した第5制御例と同一の内容についてはその説明を省略する。
<第9制御例におけるパチンコ機10の盤面構成について>
まず、図356〜図361を参照して、本第9制御例におけるパチンコ機10の遊技盤13の構成について説明をする。本第9制御例におけるパチンコ機10の遊技盤13の構成は、上述した第5制御例におけるパチンコ機10の遊技盤13の構成に対して、普通電動役物3071の内部(普通電動役物3071が開状態となった場合に遊技球が流下可能となる(流下し易くなる)遊技領域)に各種非電作動口を設けた点、及び、各種非電作動口へと遊技球が入球した場合に、その入球した遊技球によって作動する各種非電動役物を設けた点と、各種非電動役物が作動することによって入球可能となる入球口を設けた点で大きく相違している。
詳細な説明は、図356を参照して後述するが、本第9制御例におけるパチンコ機10では、第1特別図柄抽選の実行権利(特図1保留)を獲得可能な入球手段(右第1入球口3064)に付随する非電動役物(特図1非電動役物3064a)と、第2特別図柄抽選の実行権利(特図2保留)を獲得可能な入球手段(第2入球口3065)に付随する非電動役物(非電動役物3065a)を設けており、何れの非電動役物も、普通電動役物3071の内部に設けられた対応する非電作動口(特図1非電作動口3073a、特図2非電作動口3073b)に遊技球が入球した場合に作動するように構成している。
そして、遊技状態として普通図柄の高確率状態(時短状態、確変状態)が設定された場合に実行され易くなる普図当たり遊技の種別によって、普図当たり遊技中に普図電動役物3071の内部へと流入した遊技球が特図1非電作動口3073aへと入球し易い第1普図当たり遊技と、特図2非電作動口3073bへと入球し易い第2普図当たり遊技と、を実行可能に構成している。
さらに、本第9制御例では、普通図柄の高確率状態が設定されている場合のほうが、普通図柄の低確率状態が設定されている場合よりも普図当たり遊技が実行され易くなる(普図当たり遊技中に遊技球を普通電動役物3071の内部へと入球させ易くなる)ように構成しており、普通図柄抽選で当たり当選した場合に実行される普図当たり遊技として、第1普図当たり遊技のほうが第2普図当たり遊技よりも実行され易い時短状態(第1時短状態)と、第1普図当たり遊技よりも第2普図当たり遊技のほうが実行され易い時短状態(第2時短状態)と、を普図当たり当選した場合に設定されている遊技状態に応じて決定可能に構成している。
このように構成することで、普通図柄の高確率状態が設定される遊技状態の種別によって、その普通図柄の高確率状態中に実行され易い特別図柄抽選の種別を異ならせることができる。
また、本第9制御例では、第1特別図柄抽選が実行された場合よりも第2特別図柄抽選が実行された場合のほうが遊技者に有利な抽選となるように構成している。このように構成することで、普通図柄の高確率状態が設定される遊技状態に応じて遊技者に対して有利度合いの異なる遊技を実行させることが可能となるため、遊技者に対して普通図柄の高確率状態が設定されたか否かだけで無く、設定された遊技状態の種別についても興味を持たせることができる。
加えて、本第9制御例では、普通図柄の高確率状態が設定される遊技状態として、時短状態が設定された場合に、第2特別図柄抽選が実行され易く、確変状態が設定された場合に、第1特別図柄抽選が実行され易くなるように構成している。そして、時短状態が設定された場合の一部(第2時短状態が設定された場合)において、その第2時短状態を終了させるための時短終了条件として、成立し難い条件(時短回数10000回)を設定するように構成している。つまり、第2時短状態が設定された場合には、実質次回の大当たり遊技が実行されるまで時短状態が継続するように構成している。さらに、第2時短状態中に実行され易くなる第2特別図柄抽選で大当たり当選した場合には、高確率(90%)の確率で大当たり遊技終了後に第2時短状態が設定されるように構成している。
このように構成することで、確変状態よりも特別図柄抽選で大当たり当選する確率が低確率となる時短状態においても、その遊技状態を終了させること無く次の大当たり遊技を目指す遊技を遊技者に行わせ易くすることができると共に、大当たり当選した場合に付与される特典を、確変状態よりも遊技者に有利なものとすることができる。
ここで、図356を参照して、本第9制御例におけるパチンコ機10の遊技盤13の構成について説明をする。図356は、本第9制御例におけるパチンコ機10の遊技盤13を模式的に示した正面図である。図356に示した通り、本第9制御例におけるパチンコ機10は、上述した第5制御例におけるパチンコ機10の遊技盤13の構成(図234参照)に対して、遊技盤13の下方領域、及び、右側領域の構成を異ならせている点で相違している。それ以外の構成については同一であり、同一の構成については同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
図356に示した通り、可変表示ユニット80の下方に形成される遊技盤13の下方領域には、第1特別図柄抽選の実行権利を獲得可能な第1入球口64が設けられている。そして、可変表示ユニット80の右側に形成される遊技盤13の右側領域には、作動装置3070と、特図1非電動役物3064a、特図2非電動役物3065aと、スルーゲート67と、が設けられている。
作動装置3070は、その内部に遊技球が流下可能な流路が形成されており、当該流路を流下した遊技球が入球可能な特図1非電作動口3073aと、特図2非電作動口3073bと、を有するものである。そして、作動装置3070の内部へと遊技球を流入させるための開口部に普通電動役物3071が付設されている。
普通電動役物3071は、普通図柄の抽選(スルーゲート67を遊技球が通過したことに基づいて実行される抽選)で当たり当選した場合に実行される普図当たり遊技によって開放動作されるものである。なお、普通図柄の抽選、及び、普図当たり遊技に基づく普通電動役物3071に対する開放制御処理の内容については、上述した第5制御例における普通電動役物640aに対する開放制御処理の内容と同一であるため、その詳細な説明を省略する。
特図1非電作動口3073aは、特図1非電動役物3064aと作動用機構(図示せず)で接続されており、特図1非電動役物3064aが閉鎖している間に特図1非電作動口3073aへと遊技球が入球すると、その入球した遊技球の自重により作動用機構が作動し、特図1非電動役物3064aが機械的に開放されるように構成している。つまり、特図1非電作動口3073aは、特図1非電動役物3064aを開放させるための手段となる。
同様に特図2非電作動口3073bは、特図2非電動役物3065aと作動用機構(図示せず)で接続されており、特図2非電動役物3065aが閉鎖している間に特図1非電作動口3073bへと遊技球が入球すると、その入球した遊技球の自重により作動用機構が作動し、特図2非電動役物3065aが機械的に開放されるように構成している。つまり、特図2非電作動口3073bは、特図2非電動役物3065aを開放させるための手段となる。
なお、作動装置3070へと流入した遊技球に基づいて作動可能な特図1非電動役物3064a、特図2非電動役物3065aの詳細な説明については、図357から図359を参照して後述する。
また、上述した通り、非電動役物(特図1非電動役物3064a、及び、特図2非電動役物3065a)は、電気的な制御では無く、遊技球の自重に基づく機械的作用によって開閉作動するように構成している。よって、電気的に開閉制御させる電動役物(例えば、普通電動役物3071や、可変入賞装置3650の開閉扉3650f等)のように、パチンコ機10の主制御装置110等により開閉制御が実行されることが無いため、主制御装置110等により、その開閉状況が管理されることが無い。
そこで、本第9制御例では、各非電動役物(特図1非電動役物3064a、特図2非電動役物3065a)の実際の作動状況を検知するための検知センサ(図示せず)を設け、各非電動役物(特図1非電動役物3064a、特図2非電動役物3065a)の作動状況(開閉状況)を検知可能に構成している。
そして、検知センサの検知結果に基づいて、特図1非電動役物3064aが作動している(開放している)こと、或いは、特図2非電動役物3065aが作動している(開放している)ことが、特図1非電報知ランプ3064bや特図2非電報知ランプ3065bによって遊技者に報知される。これにより、遊技者に対して、各非電動役物の作動状況を分かり易く報知することができる。
なお、本第9制御例では、特図1非電報知ランプ3064b、特図2非電報知ランプ3065bによって、対応する非電動役物が作動している(開放している)か否かを遊技者に報知するように構成しているが、それ以外の状況を報知可能な報知手段を設けても良く、例えば、特図1非電動役物3064aが作動し易い状況であるか、特図2非電動役物3065aが作動し易い状況であるかを遊技者に報知(示唆)可能な報知手段を設けても良い。この場合、例えば、普通図柄抽選で当たり当選した場合に設定された普図当たり種別に基づいて、何れの非電動役物を作動させ易い(何れの非電作動口へと遊技球を入球させ易い)普図当たり遊技が実行されるかを遊技者に報知(示唆)するための報知手段を設けると良い。
このように構成することで、実際に特図非電動役物が作動するよりも前のタイミング、例えば、普通図柄抽選が実行されてから普図当たり抽選の結果が停止表示されるまでの第1期間、普図当たり抽選の結果が停止表示されてから普図当たり遊技が実行されるまでの第2期間、普図当たり遊技が実行されてから作動装置3070へと遊技球が流入するまでの第3期間、普図当たり遊技が実行されてから非電作動口へと遊技球が入球するまでの第4期間、作動装置3070へと遊技球が流入してから非電作動口へと遊技球が入球するまでの第5期間、非電作動口へと遊技球が入球してから非電動役物が作動するまでの第6期間の何れか1の期間、或いは、複数の期間を選択して組み合わせた合算期間において、遊技者に対して、作動される(開放される)非電動役物の種別を報知することが可能となる。よって、報知手段によって示唆された内容に基づいて、後に実行される遊技の内容を遊技者に把握(予測)させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、普図当たり抽選が実行されてから作動装置3070へと遊技球が流入するまでの何れかの期間(上述した第1期間、第2期間、第3期間に相当)において報知手段による報知を実行する場合には、遊技者に対して、報知手段の報知内容に基づいて、作動装置3070へと遊技球を流入させるか否かを選択させることが可能となる。つまり、非電動役物を開放させ易い有利遊技状態(例えば、時短状態)が設定されている場合において、何れか1の非電動役物(例えば、特図1非電動役物3064a)が作動している場合に入球可能となる入球手段(例えば、右第1入球口3064)へと遊技球を入球させた場合(第1特別図柄抽選を実行させた場合)に、有利遊技状態が終了してしまうが、他の非電動役物(例えば、特図2非電動役物3065a)が作動している場合に入球可能となる入球手段(第2入球口3065)へと遊技球を入球させた場合(第2特別図柄抽選を実行させた場合)には、有利遊技状態が終了することが無い状態において、上述した報知手段による報知を実行可能に構成することで、有利遊技状態を継続させるか否かを遊技者に選択させることが可能となる。つまり、遊技者に遊技方法(遊技球発射の有無)を選択させることにより、後に実行される遊技の結果を大きく異ならせることができる。これにより、より有利な遊技が実行されることを目指す遊技者の遊技意欲を高めることができる。
さらに、この場合、1の入球手段へと遊技球を入球させた場合に、他の入球手段へと遊技球を入球させた場合よりも遊技者に有利な遊技が実行されるが、有利遊技状態を終了させ易くなり、他の入球手段へと遊技球を入球させた場合に、1の入球手段へと遊技球を入球させた場合よりも遊技者に不利な遊技が実行されるが、有利遊技状態を終了させ難くなるように各入球手段に遊技球が入球した場合に付与される特典(例えば、特別図柄抽選)の内容や、有利遊技状態の終了条件を既定すると良い。
ここで、各非電動役物の作動状況を検知するための検知センサについて、具体的に説明をすると、非電作動口(特図1非電作動口3073a、特図2非電作動口3073b)へと入球した遊技球が接触することで作動する作動機構(特図1作動用機構3074、特図2作動用機構3075)が作動位置(非電動役物を作動(開放)させる位置)に位置していることを検知可能な箇所に検知手段(近接センサ)を設け、その検知手段により作動機構が作動位置に位置していることが検知された場合(検知手段から出力される検知信号に基づいて判別手段が判別した場合)に、非電動役物が開放されていると特定可能に構成している。
なお、各非電動役物の作動状況を管理するための手法としては、上述したような実際の非電動役物3065aの作動状況を検知する手法以外を用いても良く、例えば、普図当たり遊技中に作動装置3070へと流入した遊技球を検知する検知手段を設け、その検知手段による検知結果、及び、普図当たり種別に基づいて、何れの非電作動口(特図1非電作動口3073a、特図2非電作動口3073b)へと遊技球が入球したかを判定し、その判定結果に基づいて各非電動役物の作動状況を特定するように構成しても良い。この場合、特定された非電動役物の作動状況と、取得した入賞情報とに基づいて各非電動役物の閉鎖条件が成立したか否かを判定することで、各非電動役物の作動状況を特定するように構成すると良い。このように構成することで、非電動役物の作動状況を管理するためだけに専用の検知手段を設ける必要がなくなるため、製造コストを抑えることができる。
また、この場合、非電動役物が作動している場合と作動していない場合とで入球のし易さが異なる入球手段への遊技球の入球を検知し、その検知結果と、非電動役物の作動状況として特定している内容と、を比較し、特定内容が正常か否かを判定する管理処理を設けると良い。
次に、図357から図359を参照して、本第9制御例におけるパチンコ機10の右側領域に形成された各種構成の詳細な内容について説明をする。図357(a)は、図356に示した遊技盤13の右側領域を拡大した拡大図である。図357(a)に示した通り、遊技盤13の右側領域には、上下方向に遊技球流下流路が形成されており、右側領域に向けて発射された遊技球(右打ち遊技によって発射された遊技球)が遊技球流下流路を流下し、最終的にアウト口66へと流入するように構成している。
この遊技球流下流路には、複数の釘が縦方向(図357の視点で上下方向)に複数植設されており、この植設された複数の釘によって、遊技球流下流路を左側流路(複数の釘と、可変表示ユニット80との間に形成された流路)と、右側流路(複数の釘の右側に形成された流路)とに区画形成されている。
図357(a)に示した通り、遊技球流下流路を左側流路と右側流路とに区画するための複数の釘は、左側流路を流下している遊技球の右側流路への流入、及び、右側流路を流下している遊技球の左側流路への流入が可能となるように、遊技球が通過可能な通過領域を形成するように植設されている。
遊技球流下流路の左側、即ち、左側流路を流下する遊技球のほうが、右側流路を流下する遊技球よりも流入し易い位置に作動装置3070が設けられており、遊技球流下流路の右側、即ち、右側流路を流下する遊技球のほうが、左側流路を流下する遊技球よりも流入し易い位置に特図1非電動役物3064a、特図2非電動役物3065aが設けられている。
このように左側流路と右側流路とを形成することにより、右打ち遊技によって発射された遊技球が流下する経路を複数設けることができるため、例えば、右側領域に設けられた複数の装置(作動装置3070、特図1非電動役物3064a、特図2非電動役物3065a等)が入球可能な状態(開放状態)となった場合に、右側領域の上流側に設けられた装置に対してのみ遊技球が入球してしまい、下流側に設けられた装置に対する遊技球の入球が発生し難くなることで、遊技の進行が遅延してしまう事態が発生することを抑制することができる。
ここで、作動装置3070の詳細な構成について説明をする。作動装置3070は、普通図柄抽選で当たり当選した場合(普図当たり遊技が実行された場合)に、遊技球が入球可能な状態となり、(即ち、普通電動役物3071が開放され)、作動装置3070の内部に設けられている2つの非電作動口(特図1非電作動口3073a、特図2非電作動口3073b)のうち、何れかへと遊技球が入球することにより、対応する非電動役物(特図1非電動役物3064a、特図2非電動役物3065a)が開状態となる。
作動装置3070の内部へと流入した遊技球は第1流路3070aを流下して、可動片3072へと到達する。この可動片3072は、普図当たり遊技が実行される場合に予め定められた開閉パターンで可変制御されるものであって、第1流路3070aを流下してきた遊技球を第2流路3070bへと流入させることが可能な開放位置と、第1流路300aを流下してきた遊技球を受け止め、第3流路3070cに向けて流下させることが可能な閉鎖位置と、に可変可能に構成されている。なお、普図当たり遊技が実行されていない状態(非普図当たり遊技状態)では、可動片3072は閉鎖位置に位置するように構成している。
つまり、この可動片3072は、所定条件が成立した場合(普図当たり遊技が実行された場合)に、第2流路3070bへの遊技球の流入を許容する手段となる。本第9制御例では、普通図柄抽選で当たり当選した場合に実行される普図当たり遊技における普通電動役物3071の開放動作内容を、普図当たり種別に応じて異ならせるように構成している。具体的には、普図当たり遊技が実行されてから普通電動役物3071が開放状態となるまでの期間(オープニング期間)の長さを異ならせている。一方、可動片3072は、普図当たり種別に関わらず、普図当たり遊技が実行されてから、予め定められた可変パターンで可変制御されるように構成している。
そして、普図当たり種別に応じて、オープニング期間の長さを異ならせることにより、普図当たり遊技が実行されてから遊技球が可動片3072へと到達するまでに要する期間の長さを異ならせることで、可動片3072へと到達した遊技球が第2流路3070bへと誘導され易い普図当たり遊技と、可動片3072へと到達した遊技球が第3流路3070cへと誘導され易い普図当たり遊技と、を実行可能に構成している。
第2流路8070bの下流側には、特図1非電作動口3073aが設けられており、第2流路8070bを流下した遊技球の全てが特図1非電作動口3073aに入球するように構成している。特図1非電作動口3073aは、特図1非電動役物3064aと特図1作動用機構3074を介して接続されており、遊技球が特図1非電作動口3073aへと入球した場合に、その入球した遊技球が作動用機構3074に接触し、遊技球の自重によって作動用機構3074を作動させ、閉状態である特図1非電動役物3064aを開状態へと可変させるように構成している。
なお、特図1非電動役物3064aが開状態である場合には、作動用機構3074が開状態に作動しているため、特図1非電作動口3073aへと入球した遊技球が作動用機構3074と接触することが無いように構成している。つまり、特図1非電作動口3073aは、閉状態である特図1非電動役物3064aを開状態へと可変させるための手段であって、電気的駆動源を用いること無く、特図1非電動役物3064aを可変させるための手段である。
特図1非電動役物3064aは、右第1入球口3064に付設された非電動役物であって、右第1入球口3064へと遊技球を入球させることが可能な開状態と、その開状態よりも遊技球を入球させることが困難な閉状態とに可変可能に構成されている。この特図1非電動役物3064aは、特図1非電作動口3073aへと遊技球が入球したことに基づいて作動用機構3074が作動することにより、閉状態から開状態へと可変される。そして、開状態へと可変された後に、右第1入球口3064へと遊技球が2個入球したことに基づいて、開状態から閉状態へと可変される。
具体的には、右第1入球口3064へと入球した球を一時的に保持可能な保持手段(図示せず)が右第1入球口3064の内部に設けられており、その保持手段に遊技球が2個保持されると、その自重により保持されていた遊技球が遊技機外部へと遊技球を排出するための排出経路へと流出するように構成してあり、その排出経路へと排出される遊技球が接触するように閉鎖機構(図示せず)が設けられている。
この閉鎖機構に遊技球が接触することにより、閉鎖機構が作動し、開状態であった特図1非電動役物3064aが閉状態へと可変されるように構成している。
以上、説明をした通り、特図1非電動役物3064aは、閉状態から開状態へと可変される場合も、開状態から閉状態へと可変される場合も、何れにおいても電気的な制御を用いること無く、流下する遊技球の自重を用いて機械的に可変させるように構成している。
第3流路3070cの下流側には、特図2非電作動口3073bが設けられており、第3流路8070cを流下した遊技球の全てが特図2非電作動口3073bに入球するように構成している。特図2非電作動口3073bは、特図2非電動役物3065aと特図2作動用機構3075を介して接続されており、遊技球が特図2非電作動口3073bへと入球した場合に、その入球した遊技球が特図2用作動用機構3075に接触し、遊技球の自重によって特図2用作動用機構3075を作動させ、閉状態である特図2非電動役物3065aを開状態へと可変させるように構成している。
なお、特図2非電動役物3065aが開状態である場合には、特図2用作動用機構3075が開状態に作動しているため、特図2非電作動口3073bへと入球した遊技球が特図2用作動用機構3075と接触することが無いように構成している。つまり、特図2非電作動口3073bは、閉状態である特図2非電動役物3065aを開状態へと可変させるための手段であって、電気的駆動源を用いること無く、特図2非電動役物3065aを可変させるための手段である。
特図2非電動役物3064bは、第2入球口3065に付設された非電動役物であって、第2入球口3065へと遊技球を入球させることが可能な開状態と、その開状態よりも遊技球を入球させることが困難な閉状態とに可変可能に構成されている。この特図2非電動役物3065aは、特図2非電作動口3073bへと遊技球が入球したことに基づいて特図2用作動用機構3075が作動することにより、閉状態から開状態へと可変される。そして、開状態へと可変された後に、第2入球口3065へと遊技球が2個入球したことに基づいて、開状態から閉状態へと可変される。
具体的には、第2入球口3065へと入球した球を一時的に保持可能な保持手段(図示せず)が第2入球口3065の内部に設けられており、その保持手段に遊技球が2個保持されると、その自重により保持されていた遊技球が遊技機外部へと遊技球を排出するための排出経路へと流出するように構成してあり、その排出経路へと排出される遊技球が接触するように閉鎖機構(図示せず)が設けられている。
この閉鎖機構に遊技球が接触することにより、閉鎖機構が作動し、開状態であった特図2非電動役物3065aが閉状態へと可変されるように構成している。
以上、説明をした通り、特図2非電動役物3065aは、閉状態から開状態へと可変される場合も、開状態から閉状態へと可変される場合も、何れにおいても電気的な制御を用いること無く、流下する遊技球の自重を用いて機械的に可変させるように構成している。
次に、図357(b)を参照して、普図当たり遊技中における遊技球の流下内容について説明をする。図357(b)は、普図当たり遊技中に遊技球が特図1非電作動口3073aへと遊技球が入球する場合の球流れを模式的に示した図である。
図357(b)に示した通り、普図当たり遊技が実行されると、予め定められた開放パターンで普通電動役物3071が開放動作される。そして、普通電動役物3071が開状態へと可変されると、開状態である普通電動役物3071(図357(b)参照)によって誘導された遊技球が開放位置に位置している可動片3072を通過して特図1非電作動口3073aへと入球する。特図1非電作動口3073aに遊技球が入球すると、特図1作動用機構3074が作動し、特図1非電動役物3064aが開状態(図357(b)の実線参照)となる。
特図1非電動役物3064aが開状態へと可変されると、右側流路を塞ぐ位置まで特図1非電動役物3064aが可変されるため、右打ち遊技によって発射され、右側流路3060を流下した遊技球のうち、右側流路を流下する遊技球の殆どが右第1入球口3064へと入球する。
図357(b)に示した通り、本第9制御例では、普通電動役物3071は左側流路に対して設けられ、特図1非電動役物3064aは右側流路に対して設けられ、さらに、普通電動役物3071のほうが特図1非電動役物3064aよりも上流側に設けられているため、特図1非電動役物3064aの可変状況によって、普通電動役物3071への遊技球の流入割合が異なることが無い。よって、特図1非電動役物3064aが開状態へと可変されることにより、普図当たり遊技中の遊技球を作動装置3070へと流入させることができず、遊技を円滑に進行することができない事態が発生してしまうことを抑制することができる。
また、特図1非電動役物3064aが開状態へと可変されている間に、特図2非電作動口3073bへと遊技球を入球させることが可能な普図当たり遊技が実行されたとしても、特図1非電動役物3064aによって作動装置3070への遊技球の入球が規制されないため、確実に特図2非電作動口3073bへと遊技球を入球させることが可能となる。
加えて、本第9制御例では、右側領域3060を流下する遊技球が2つの流路(左側流路、右側流路)を流下するように構成しているため、上流側に設けられた普図電動役物3071が開状態となったとしても、右側流路を流下する遊技球を、下流側に設けられた特図1非電動役物3064aへと到達させ易くすることができる。つまり、普図電動役物3071と特図1非電動役物3064aとが共に開状態となった場合において、右側領域3060を流下する遊技球が1つの流路を流下させる構成を用いたパチンコ機10に対して、何れの役物に対しても遊技球を到達させ易くすることができる。
そして、開状態である特図1非電動役物3064aへと遊技球が2個入球すると、図358(a)に示した通り、非電動役物3064aの閉鎖条件が成立し、非電動役物3064aが開状態から閉状態へと可変される。
ここで、上述した通り、本第9制御例では、特図1非電動役物3064aが開状態である場合にも、作動装置3070へと遊技球を入球させることが可能となるように構成しているため、例えば、特図1非電動役物3064aが開状態のまま遊技球が特図1非電作動口3073aへと入球する場合が発生し得る。この場合、遊技球が特図1非電作動口3073aへと入球したとしても、その入球した遊技球によって特図1作動用機構3074が作動されないように構成しているため、特図1非電動役物3064aは開状態が継続される。また、開状態である特図1非電動役物3064aの閉鎖条件となる入球数の値もそのまま継続される。つまり、特図1非電動役物3064aが開状態のまま、新たな遊技球が特図1非電作動口3073aへと入球したとしても、遊技者に何ら特典が付与されることが無い。
このように構成することで、特図1非電動役物3064aが開状態へと可変された場合には、次の遊技球が特図1非電作動口3073aに入球するまでの間に、特図1非電動役物3064aが付設される右第1入球口3064へと遊技球を所定数(2個)入球させようと意欲的に遊技を行わせることができる。
なお、本第9制御例では、上述した通り、特図1非電動役物3064aが開状態へと可変されている状態において、作動装置3070へと遊技球を入球させることが可能に構成しているが、これに限ること無く、例えば、特図1非電動役物3064aよりも下流側であって、特図1非電動役物3064aが開状態である場合のほうが、閉状態である場合よりも到達し難い位置に作動装置3070(普通電動役物3071)を設けるように構成しても良い。このように構成することで、特図1非電動役物3064aが開状態である期間は、開状態では無い期間よりも、作動装置3070への遊技球の入賞数を抑えることが可能となる。
次に、図358(a)を参照して、特図1非電動役物3064aが開状態である場合に右打ち遊技によって発射された遊技球の球流れについて説明をする。図358(a)は、開状態である特図1非電動役物3064aへと遊技球が入球した場合の流れを模式的に示した図である。図358(a)に示した通り、特図1非電動役物3064aが開状態へと可変(作動)している状態では、右第1入球口3064へと遊技球が入球容易な状態となり、その右第1入球口3064へと遊技球が入球すると、特図1非電動役物3064aに接続されている閉鎖機構(図示せず)が作動し、特図1非電動役物3064aが閉状態へと可変(作動)する。
次に、図358(b)を参照して、特図2非電作動口3073bへと遊技球が入球した場合における各種機構の動作内容について説明をする。図358(b)は、普図当たり遊技中に遊技球が特図2非電作動口3073bへと遊技球が入球する場合の球流れを模式的に示した図である。
図358(b)に示した通り、普図当たり遊技が実行されると、予め定められた開放パターンで普通電動役物3071が開放動作される。そして、普通電動役物3071が開状態へと可変されると、開状態である普通電動役物3071(図358(b)参照)によって誘導された遊技球が閉鎖位置に位置している可動片3072の上面を流下して第3流路3070cを流下し、特図2非電作動口3073bへと入球する。特図2非電作動口3073bに遊技球が入球すると、特図2作動用機構3075が作動し、特図2非電動役物3065aが開状態(図358(b)の実線参照)となる。
特図2非電動役物3065aが開状態へと可変されると、右側流路を塞ぐ位置まで特図2非電動役物3065aが可変されるため、右打ち遊技によって発射され、右側領域3060を流下した遊技球のうち、右側流路を流下する遊技球の殆どが第2入球口3065へと入球する。
図358(b)に示した通り、本第9制御例では、普通電動役物3071は左側流路に対して設けられ、特図2非電動役物3065aは右側流路に対して設けられ、さらに、普通電動役物3071のほうが特図2非電動役物3065aよりも上流側に設けられているため、特図2非電動役物3065aの可変状況によって、普通電動役物3071への遊技球の流入割合が異なることが無い。よって、特図2非電動役物3065aが開状態へと可変されることにより、普図当たり遊技中の遊技球を作動装置3070へと流入させることができず、遊技を円滑に進行することができない事態が発生してしまうことを抑制することができる。
さらに、本第9制御例では、特図2非電動役物3065aよりも上方に特図1非電動役物3064aを配設しているため、例えば、特図2非電動役物3065aが開状態である場合に、特図1非電動役物3064aが開状態へと可変(作動)した場合には、右打ち遊技によって発射された遊技球が、第2入球口3065よりも、右第1入球口3064へと優先して入球するように構成している。
このように構成することで、第1特別図柄抽選よりも遊技者に有利な抽選が実行される第2特別図柄抽選が過剰に実行されること、即ち、第2入球口3065へと遊技球が過剰に入球してしまうことを抑制することができる。さらに、右第1入球口3064が開状態である限り、第2入球口3065へと遊技球を入球させ難くすることができるため、特図2非電動役物3065aの開状態を長期間継続させ易くすることができるため、例えば、時短状態が終了する間際において特図2非電動役物3065aが開状態へと可変(作動)した場合に、第2入球口3065へと遊技球が入球するよりも前に、特図1非電動役物3064aが開状態となるように遊技を行い、特図1非電動役物3064aを開状態へと可変(作動)させることで、時短状態が終了した後にも、特図2非電動役物3065aの開状態を維持させることが可能となる。
よって、遊技者に対して、時短状態が終了した時点における遊技状況(特図2非電動役物3065aの開閉状況)を遊技者に有利な遊技状況とするために意欲的に遊技を行わせることができる。
次に、図360及び図361を参照して、本第9制御例における普図当たり遊技の遊技内容について説明をする。図360は、普図当たり開放パターンA(第1時短状態中に設定され易い開放パターン)が設定された場合の普図当たり遊技の流れを示した図であり、図361は、普図当たり開放パターンB(第2時短状態中に設定され易い開放パターン)が設定された場合の普図当たり遊技の流れを示した図である。
本第9制御例では、普通図柄抽選で当たり当選した場合に設定される普図当たり種別(当選時の遊技状態)に応じて、普図当たり遊技の動作内容を異ならせることにより、普図当たり遊技中における作動装置3070へと遊技球の流入タイミングを異ならせるように構成している。そして、作動装置3070への遊技球の流入タイミングに応じて、作動装置3070へと流入した遊技球が、特図2非電作動口3073bよりも特図1非電作動口3073aへと入球し易い普図当たり遊技(普図当たり開放パターンAが設定された普図当たり遊技)と、特図1非電作動口3073aよりも特図2非電作動口3073bへと入球し易い普図当たり遊技(普図当たり開放パターンBが設定された普図当たり遊技)と、を実行可能に構成している。
さらに、遊技状態として時短状態が設定される場合に、普図当たり種別として、普図当たり開放パターンBよりも普図当たり開放パターンAが設定され易い時短種別(第1時短状態)と、普図当たり開放パターンAよりも普図当たり開放パターンBが設定され易い時短種別(第2時短状態)と、を設定可能に構成している。
このように構成することで、通常状態よりも作動装置3070へと遊技球を入球させ易くすることが可能な(単位時間当たりにおける普図当たり遊技にて普通電動役物3071が開状態となる期間が、通常状態よりも長くすることが可能な)時短状態が設定された場合に、第1特別図柄抽選が第2特別図柄抽選よりも実行され易くなる第1時短状態(不利時短状態)と、第2特別図柄抽選が第1特別図柄抽選よりも実行され易くなる第2時短状態(有利時短状態)と、を設定することが可能となる。
普図当たり遊技は、普図当たり遊技が実行されてから普通電動役物3071が開状態へと可変されるまでの期間(オープニング期間)と、普通電動役物3071が開状態となる期間(開放期間)と、普通電動役物3071の開状態を終了させるための終了条件が成立し、開状態から閉状態へと可変してから普図当たり遊技を終了させるまでの期間(エンディング期間)とから構成されており、各期間に対して所定時間(所定条件)が予め定められて規定されており、規定された内容で普通電動役物3071の開放動作が実行されるように構成している。さらに、作動装置3070内に設けられた可動片3072(図780参照)を予め定められた可動パターンで可動させる可動制御が実行されるように構成している。
まず、図360を参照して、普図当たり開放パターンAが設定されている場合に実行される普図当たり遊技の流れについて説明をする。具体的には、普図当たり開放パターンAが設定されている場合に実行される普図当たり遊技では、図360に示した通り、普図当たり遊技として、オープニング期間(OP期間)が3秒、開放期間が2.5秒、エンディング期間(ED期間)が1秒の普図当たり遊技が実行される。そして、可動片3072に対して、可動片3072が開放状態となる開期間が0.5秒経過した後に、1.5秒の間、可動片3072が閉鎖状態となる閉期間となる可動制御が実行される。
つまり、普図当たり開放パターンAの普図当たり遊技では、作動装置3070へと流入した遊技球を特図2非電作動口3073bへと誘導可能な状態(可動片3072が閉鎖状態)が設定される期間(普図当たり遊技が実行されてから0.5秒から2秒の間の期間)が経過した後に、普通電動役物3071の開放期間が設定されることになる。よって、普図当たり開放パターンAの普図当たり遊技が実行され、普通電動役物3071が開状態となる開放期間中に作動装置3070へと流入した遊技球は、その全て(殆ど)が、開放状態の可動片3072を通過し、特図1非電作動口3073aへと入球することになる。特図1非電作動口3073aへと遊技球が入球した場合には、特図1非電動役物3064aが開状態へと作動するため、普図当たり開放パターンAの普図当たり遊技は、第1特別図柄抽選を実行させ易い普図当たり遊技となる。
なお、本第9制御例では、普通電動役物3071の開状態を終了させるための終了条件として、予め定められた時間(2.5秒)が経過した場合に成立する時間終了条件に加え、作動装置3070へと流入した遊技球(開状態である普通電動役物3071を通過した遊技球)の数が2個を越えた場合に成立する入球終了条件も設定されるように構成している。このように構成することで、1回の普図当たり遊技において多くの遊技球が作動装置3070内へと流入することを抑制することができるため、例えば、作動装置3070内で遊技球が詰まったり、可動片3072に衝突する遊技球の数が増加することにより可動片3072が故障(破損)し易くなったりすることを抑制することができる。
さらに、遊技球を継続して発射させた場合には、60秒間で最大100個の遊技球を発射可能に構成しているため、普図当たり遊技中に継続して右打ち遊技を実行することで、時間終了条件よりも先に入球終了条件が成立し易くなるように構成しているため、遊技球を継続して発射させる右打ち遊技を実行した場合のほうが、普図当たり遊技を早く終了させることが可能となる。よって、例えば、普図当たり開放パターンAの普図当たり遊技のほうが、後述する普図当たり開放パターンBの普図当たり遊技よりも実行され易い時短種別(時短B)が設定されている時短状態において、時短状態を終了させるための時短終了条件が成立するまでの間により多くの普通図柄抽選を実行させ、1回でも多く、第2特別図柄抽選を実行させようと遊技者に対して継続して遊技球を発射させることが可能となるため、遊技の稼働を向上させることができる。
加えて、時短終了条件が成立する直前に特図2非電動役物3065aを開状態へと作動させた場合には、時短終了条件が成立し遊技状態が時短状態から通常状態へと移行した後に第2特別図柄抽選を実行させ易くすることができるため、時短終了条件が成立する直前まで、遊技者に対して、特図2非電動役物3065aを開状態へと作動させるために、第2非電作動口3073bへと遊技球を入球させることが可能となる普図当たり開放パターンBの普図当たり遊技が実行されることを期待して遊技を行わせることができる。
次に、普図当たり開放パターンBが設定されている場合に実行される普図当たり遊技の流れについて説明をする。具体的には、普図当たり開放パターンBが設定されている場合に実行される普図当たり遊技では、図361に示した通り、普図当たり遊技として、オープニング期間(OP期間)が0.5秒、開放期間が2.5秒、エンディング期間(ED期間)が1秒の普図当たり遊技が実行される。そして、可動片3072に対して、可動片3072が開放状態となる開期間が0.5秒経過した後に、1.5秒の間、可動片3072が閉鎖状態となる閉期間となる可動制御が実行される。
つまり、普図当たり開放パターンBの普図当たり遊技では、作動装置3070へと流入した遊技球を特図2非電作動口3073bへと誘導可能な状態(可動片3072が閉鎖状態)が設定される期間(普図当たり遊技が実行されてから0.5秒から2秒の間の期間)中に、普通電動役物3071の開放期間が設定されることになる。よって、普図当たり開放パターンBの普図当たり遊技が実行され、普通電動役物3071が開状態となる開放期間中に作動装置3070へと流入した遊技球は、その全て(殆ど)が、閉鎖状態の可動片3072の上面を流下し、特図2非電作動口3073bへと入球することになる。特図2非電作動口3073bへと遊技球が入球した場合には、特図2非電動役物3065aが開状態へと作動するため、普図当たり開放パターンBの普図当たり遊技は、第2特別図柄抽選を実行させ易い普図当たり遊技となる。
以上、説明をした通り、本第9制御例では、普図当たり種別に応じて、普図当たり遊技におけるオープニング期間の長さを異ならせることにより、普図当たり遊技中に作動装置3070へと流入した遊技球が入球し得る(入球し易い)特図非電作動口の種別を異ならせるように構成している。この場合、普図当たり遊技のオープニング期間の長さ以外の普図当たり遊技内容を普図当たり種別に対して共通化したとしても、普図当たり遊技中に作動装置3070へと流入した遊技球が入球し得る(入球し易い)特図非電作動口の種別を確実に異ならせることが可能となるため、時短状態が設定された場合に、異なる種別の特別図柄抽選を実行させ易くするという斬新な遊技性を、パチンコ機10の処理負荷を軽減させながら実行することができる。
なお、時短状態が設定された場合に、異なる種別の特別図柄抽選を実行させ易くするという斬新な遊技性を実現するための構成はこれに限ること無く、例えば、普図当たり種別に応じて普図当たり遊技における普通電動役物3071の開放パターンを異ならせることにより、作動装置3070へと流入した遊技球が入球し得る(入球し易い)特図非電作動口の種別を異ならせるように構成しても良いし、普図当たり種別に応じて可動片3072の可動パターンを異ならせることで作動装置3070へと流入した遊技球が入球し得る(入球し易い)特図非電作動口の種別を異ならせるように構成しても良い。
また、本第9制御例では、作動装置3070へと流入した遊技球が、何れかの特図非電作動口へと入球するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、作動装置3070に流入した遊技球を、再度遊技領域へと排出するための排出口を設けても良いし、作動装置3070内に遊技球が入球することにより所定数(例えば、10個)の賞球が払い出される入賞口を設け、作動装置3070へと流入した遊技球の一部が特図非電作動口へと入球すること無く、入賞口へと入賞するように構成しても良い。
このように構成することで、普図当たり遊技中に作動装置3070へと遊技球が流入した場合であっても、何れの特図非電動役物も開状態へと作動しないパターンを創出することが可能となるため、遊技者に対して、普図当たり遊技が実行された場合に、何れかの特図非電動役物が開状態となるという一定の関係性を与えてしまうことを抑制することができるので、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができる。
また、上述した通り、非電動役物の性質上、特図非電動役物が開状態である場合に対応する特図非電作動口へと遊技球が入球しても何ら影響が無いため、特図非電動役物が開状態である場合において、普図当たり遊技が実行されることに対して遊技者の興味が低くなる虞があったが、作動装置3070の内部に上述した入賞口及び、入賞口へと遊技球を入賞させることが可能な流路を設けることにより、作動装置3070へと流入した遊技球によって、特図非電動役物を開状態へと作動(可変)させるだけでは無く、賞球が付与される可能性があるため、特図非電動役物が開状態である場合における普図当たり遊技に対しても遊技者に興味を持たせることができる。
なお、この場合、特図非電動役物が開状態である場合のほうが、特図非電動役物が閉状態である場合よりも、対応する特図非電作動口へと入球し得る遊技球が上述した入賞口へと入賞し易くなるように構成すると良く、例えば、特図非電作動口を遊技球が通過可能な構成(例えば、歯車構成)とし、特図非電動役物が閉状態である場合には、特図非電作動口へと入球した遊技球が作動用機構に当接し、作動用機構を作動させると共に、その遊技球がパチンコ機10の外部へと排出されるように構成し、特図非電動役物が開状態である場合には、特図非電作動口へと入球した遊技球が作動用機構に当接すること無く、入賞口に向かって流下するように構成すると良い。このように構成することで、特図非電動役物が開状態である場合のほうが、特図非電動役物が閉状態である場合よりも、普図当たり遊技中において多くの賞球を獲得し易くすることが可能となる。
よって、特図非電動役物が開状態である場合の普図当たり遊技を、賞球獲得の点において遊技者に有利な遊技とすることができるため、特図非電動役物の開閉状況に関わらず、普図当たり遊技が実行されることを期待しながら遊技者に遊技を行わせることができ、遊技者の遊技意欲を高めることができる。
まず、図360を参照して普図当たり開放パターンAの内容について説明をする。図360に示した通り、普図当たり遊技が実行されると、オープニング期間の計測が開始されると共に、可動片3072を可変制御するためのシナリオが更新される。
可動片3072の可変制御は、普図当たり種別に関わらず常に一定に規定されており、普図当たり遊技が開始されてから0.5秒経過してから1.5秒間の間、可動片3072を閉鎖位置へと位置させるシナリオが規定されている。つまり、普図当たり遊技が実行される毎に、1.5秒間の閉期間が所定タイミング(普図当たり遊技が実行されてから0.5秒後)に設定されるようにシナリオが規定されている。
そして、普図当たり開放パターンAは、普図当たり遊技が実行されてから普通電動役物3071を開状態へと可変させるまでの期間(オープニング期間)として3秒が規定されており、その後、普通電動役物3071を開状態へと可変される期間(開放期間)として2.5秒が規定されており、開放期間が経過してから普図当たり遊技を終了させるまでの期間(エンディング期間)として、1秒が規定されている。つまり、普図当たり開放パターンAが設定された場合には、普図当たり遊技の遊技期間が最長で6.5秒となるように普図当たり遊技のシナリオが規定されている。
なお、上述した普図当たり遊技における開放期間(2.5秒)は、時間経過以外の条件によっても終了させることが可能に構成されており、具体的には、開放期間中に作動装置3070へと流入した遊技球の個数が所定数(2個)に到達した場合(入賞数終了条件が成立した場合)に、開放期間の時間経過を待たずに開放期間を終了させるように構成している。つまり、普図当たり遊技が実行された場合に、普図当たり遊技が実行されていない場合に比べて遊技球が入球し易くなる領域(作動装置3070の内部)への遊技球の流入数(入球数)が所定数に到達することで普図当たり遊技を終了させることができるように構成している。このように構成することで、1回の普図当たり遊技に対して遊技者に付与可能な特典量に上限を設けることができるため、遊技者に過剰に特典が付与されてしまうことを抑制することができる。
また、入賞数終了条件を成立させることにより普図当たり遊技を終了させることで、普図当たり遊技の遊技期間を、時間経過に基づいて普図当たり遊技を終了させる場合よりも短くすることができるため、結果として、単位時間当たりにおける普通図柄の抽選回数を増加させることが可能となる。よって、例えば、主として特図1非電作動口3073aへと遊技球を入球させることが可能な普図当たり開放パターンAが設定され易い時短状態において、時短状態が終了するまでに、1回でも多く第2特別図柄抽選を実行させる(特図2非電作動口3073bへと遊技球を入球させることが可能な普図当たり遊技を実行させる)ことを目指して、遊技者に継続して遊技を行わせることができるため、遊技の稼働を向上させ易くすることができる。
特に、普図当たり開放パターンAが設定され易い時短状態において、第1特別図柄の保留記憶(特図1保留)数が上限数(4個)に到達している状態、即ち、これ以上、右第1入球口3064に遊技球を入球させたとしても新たな特図1保留を獲得(記憶)することが出来ない状態では、無駄な遊技球を発射させないために遊技球を発射させる遊技(右打ち遊技)を一時的に中断する行為が一般的に実行されるが、本第9制御例におけるパチンコ機10では、第2特別図柄の保留記憶(特図2保留)を獲得するために、遊技者に対して継続して遊技を行う行為を選択させることができる。よって、遊技者に対して、無駄に遊技球を使用しない遊技と、有利な特典が付与されることを目指して無駄に遊技球を使用する遊技と、を選択させるという斬新な遊技性を提供することができる。
図360に示した通り、普図当たり開放パターンAが設定された場合には、オープニング期間として3秒が設定されるため、オープニング期間が経過するまでの間に、可動片3072の閉期間が終了することになる。よって、普図当たり開放パターンAが設定された普図当たり遊技が実行された場合には、普通電動役物3071が開放され、作動装置3070へと流入した遊技球が、第1流路3070a、第2流路3070bを流下して特図1非電作動口3073aへと入球することになる(図357(b)参照)。
次に、図361を参照して、普図当たり開放パターンBが設定された場合の普図当たり遊技の流れについて説明をする。本第9制御例では、普図当たり開放パターンAと、普図当たり開放パターンBと、で普図当たり遊技のオープニング期間の長さを異ならせているだけであり、それ以外は同一内容の普図当たり遊技が実行されるように構成している。同一内容については、その詳細な説明を省略する。
図361に示した通り、普図当たり開放パターンBには、普図当たり遊技のオープニング期間として、0.5秒が規定されているため、可動片3072が閉鎖位置に位置している期間中に作動装置3070へと流入した遊技球を可動片3072へと到達させることができる。
以上、説明をした通り、本第9制御例では、第1特別図柄抽選よりも第2特別図柄抽選のほうが遊技者に有利な抽選が実行されるように構成しており、普図当たり当選した場合に設定される普図当たり種別に応じて、普図当たり遊技中に遊技球が入球し易い非電作動口(特図1非電作動口3073a、特図2非電作動口3073b)を異ならせるように構成している。
そして、遊技者に有利な第2特別図柄抽選の実行形機となる特図2非電作動口3073bへと遊技球が入球可能となる普図当たり遊技(普図当たり開放パターンBが設定される普図当たり遊技)のほうが、普図当たり遊技の遊技期間が短くなるように構成している。
このように構成することで、時短状態の種別として、特図2非電作動口3073bへと遊技球を入球させ易い時短種別である時短Bが設定された場合には、普図当たり遊技を効率良く実行させることができるため、遊技者に円滑に時短状態中の遊技を実行させることができる。
一方、時短状態の種別として、遊技者に不利な第1特別図柄抽選の実行形機となる特図1非電作動口3073aへと遊技球が入球可能となる普図当たり遊技(普図当たり開放パターンAが設定される普図当たり遊技)が実行され易い時短Aが設定された場合には、普図当たり遊技のオープニング期間が長くなる分、1回の普図当たり遊技に要する期間が長くなるため、時短状態中における普図当たり遊技の実行回数(普通図柄抽選の実行回数)が過剰に増加してしまうことを抑制することができる。
加えて、普図当たり開放パターンAが設定された場合には、特図2非電作動口3073bへと遊技球を入球させることが可能な期間が経過してから普図電動役物3071が開放されるように構成しているため、普図当たり開放パターンAの普図当たり遊技中に作動装置3070へと流入した遊技球が特図2非電作動口3073bに入球してしまう事態が発生することを抑制することができる。
つまり、設定される普図当たり開放パターンに応じて、作動装置3070へと遊技球が流入可能な期間(普通電動役物3071の開放期間)と、可動片3072が閉鎖位置に位置する期間(可動片3072の閉期間)と、の重複度合いを異ならせることで、特図2非電作動口3073bへと遊技球を入球させることが可能な普図当たり遊技(有利普図当たり遊技)と、特図2非電作動口3073bへと遊技球を入球させることが困難な普図当たり遊技(不利普図当たり遊技)と、を設定可能な手法として、本第9制御例にて用いた手法、即ち、普図当たり遊技のオープニング期間の長さを普図当たり種別に応じて異ならせ、短いオープニング期間が設定される普図当たり遊技が有利普図当たり遊技となり、長いオープニング期間が設定される普図当たり遊技が不利普図当たり遊技となる手法以外の手法として、短いオープニング期間が設定される普図当たり遊技が不利普図当たり遊技となり、長いオープニング期間が設定される普図当たり遊技が有利普図当たり遊技となるように構成しても良い。
しかしながら、この場合、不利普図当たり遊技によって作動装置3070へと遊技球が流入するタイミングよりも時系列的に後のタイミングで可動片3072が閉鎖位置に位置することになるため、例えば、不利普図当たり遊技中に作動装置3070へと流入した遊技球が作動装置3070内の遊技領域に滞留することで、可動片3072が閉鎖位置へと位置した後に可動片3072に遊技球が到達する虞がある。
これに対して、本第9制御例にて用いた手法では、不利普図当たり遊技によって作動装置3070へと遊技球が流入するタイミングよりも前に可動片3072が閉鎖位置に位置する閉期間が終了するため、不利普図当たり遊技によって作動装置3070へと流入した遊技球が作動装置3070内の遊技領域に滞留したとしても、特図2非電作動口3073bへと入球してしまうことを抑制することができる。よって、例えば、不利普図当たり遊技によって作動装置3070へと流入した遊技球を意図的に作動装置3070内に滞留させる不正行為を実行され難くすることができる。
なお、図360及び図361を参照して上述した通り、本第9制御例では、普図当たり遊技中に作動装置3070へと流入した遊技球が確実に特図2非電作動口3073bへと入球し得ない普図当たり開放パターンAと、確実に特図2非電作動口3073bへと入球する普図当たり開放パターンBと、を設定可能に構成しているが、これに限ること無く、例えば、同一の普図当たり開放パターンが設定された場合において、作動装置3070へと遊技球が流入するタイミングや、作動装置3070へと流入した遊技球が可動片3072に到達するまでに要した期間に応じて、特図2非電作動口3073bへと入球し得る場合と、し得ない場合と、が切り替わるように構成しても良い。
この場合、例えば、普図当たり遊技中における普通電動役物3071の開放期間(2.5秒)のうち一部の期間(最初の0.5秒間や最後の0.5秒間)に作動装置3070へと遊技球を流入させた場合に、その遊技球が閉鎖位置に位置している可動片3072へと到達可能となるように構成すると良い。このように構成することで、作動装置3070へと遊技球を流入させるタイミングによって特図2非電作動口3073bへと遊技球が入球するか否かが決定されるため、遊技者に対して、どのタイミングで作動装置3070へと遊技球が入球するかについて興味を持たせることができる。
また、それ以外の構成として、例えば、作動装置3070へと流入した遊技球が流下可能な複数の流路を、作動装置3070の内部に形成し、遊技球が流下する流路に応じて可動片3072へと到達するまでに要する期間を異ならせるように構成し、作動装置3070へと流入してから可動片3072へと到達するまでに要する期間が所定期間以内である場合に閉鎖位置に位置している可動片3072へと到達可能となるように構成したり、作動装置3070へと流入してから可動片3072へと到達するまでに要する期間が所定期間以上である場合に閉鎖位置に位置している可動片3072へと到達可能となるように構成したりしても良い。このように構成することで、作動装置3070へと流入した遊技球が可動片3072へと到達するまでの挙動に対して遊技者に興味を持たせることができる。
なお、本第9制御例では、上述した通り、普通図柄の高確率状態が設定される遊技状態(確変状態、時短状態)の種別によって、実行され易くなる特別図柄抽選の種別を異ならせるように構成しているが、これに限ること無く、普通図柄の高確率状態(時短状態)中に普図当たり当選した場合に設定される普図当たり種別によって、実行され易くなる特別図柄抽選の種別を異ならせるように構成しても良い。
また、本第9制御例では、実行される普図当たり遊技の開放パターンに対応させて遊技球が入球可能となる非電作動口の種別が決定されるように構成しているが、これに限ること無く、実行される普図当たり遊技の開放パターンに応じて遊技球が入球し易くなる非電作動口の種別を異ならせるように構成しても良い。つまり、何れの開放パターンで普図当たり遊技が実行された場合であっても、何れの非電作動口にも遊技球が入球し得るように構成し、各非電作動口への入球のし易さを普図当たり遊技の開放パターンに対応させて可変可能に構成しても良い。
<第9制御例における遊技状態の遷移内容について>
次に、図362を参照して、本第9制御例のパチンコ機10における遊技状態の遷移内容について説明をする。図362は、本第9制御例のパチンコ機10における遊技状態の遷移内容を示したゲームフローである。
本第9制御例では、遊技状態として、通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)と、時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)と、確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の高確率状態)と、の3つの遊技状態を設定可能に構成し、さらに、時短状態が設定されることとなる契機(時短設定契機)に応じて、時短終了条件が比較的成立し易い第1時短状態と、時短終了条件が比較的成立し難い第2時短状態と、を設定可能に構成している。具体的には、特別図柄抽選で大当たり当選したことに基づいて時短状態が設定される場合よりも、時短当選の判定(時短抽選)で時短当選したことに基づいて時短状態が設定される場合の方が遊技者に有利な第2時短状態が設定され易くなるように構成している。
よって、遊技者に対して、時短状態が設定されるか否かだけで無く、時短状態がどの時短設定契機に基づいて設定されたのかについても興味を持たせることができる。
まず、通常状態における遊技内容について説明をする。図362に示した通り、本第9制御例のパチンコ機10は、左打ち遊技によって発射された遊技球が流下可能な遊技領域(左打ち領域)、即ち、可変表示ユニット80の左側に形成される遊技領域を流下した遊技球が入球可能な位置に第1入球口64が設けられており、第1入球口64に遊技球が入球した場合には、第1特別図柄抽選が実行される。一方、通常状態において右打ち遊技を行ったとしても、普通図柄の低確率状態が設定されている通常状態では、普通図柄抽選で当たり当選する確率が低確率(1/240)であり、作動装置3070へと遊技球を流入させ難いことから、右第1入球口3064や第2入球口3065へと遊技球を入球させ難い状態となる。よって、通常状態中は左打ち遊技が遊技者に有利な遊技となる。
第1特別図柄抽選では、27/8192の確率で大当たり当選する大当たり抽選(大当たり当選判定)が実行され、さらに、1/8192の確率で時短当選する時短抽選(時短当選判定)が実行されるように構成している。ここで、第1特別図柄抽選で大当たり当選した場合には、大当たり種別として大当たりA、大当たりBが設定されるように構成しており、大当たりA(選択割合70%)が設定された場合には、大当たり遊技終了後に、確変状態(宇宙モード)が設定される。一方、大当たりB(選択割合30%)が設定された場合には、大当たり遊技終了後に、第1時短状態(チャレンジモード)が設定される。
確変状態(宇宙モード)中は、普通図柄の高確率状態が設定されており、普通図柄抽選で当たり当選する確率が高確率(239/240)となるため、右打ち遊技によって作動装置3070へと遊技球を流入させ、何れかの非電作動口へと遊技球を入球させることにより右第1入球口3064、或いは第2入球口3065へと遊技球を入球させる遊技を実行し易い状態となる。よって、確変状態(宇宙モード)中は、右打ち遊技が遊技者に有利な遊技となる。
確変状態(宇宙モード)中は、作動装置3070へと流入した遊技球が特図1非電作動口3073aへと入球し易くなるように構成しているため、基本的には第1特別図柄抽選が実行される。第1特別図柄抽選で大当たり当選した場合には、上述した通り、大当たり種別として大当たりA,大当たりBが設定されるため、大当たりA(選択割合70%)が設定された場合には、大当たり遊技終了後に、再度確変状態(宇宙モード)が設定され、大当たりB(選択割合30%)が設定された場合には、大当たり遊技終了後に、第1時短状態(チャレンジモード)が設定される。
第1時短状態(チャレンジモード)中は、普通図柄の高確率状態が設定されており、普通図柄抽選で当たり当選する確率が高確率(239/240)となるため、上述した確変状態と同様に、右打ち遊技によって作動装置3070へと遊技球を流入させ、何れかの非電作動口へと遊技球を入球させることにより右第1入球口3064、或いは第2入球口3065へと遊技球を入球させる遊技を実行し易い状態となる。よって、第1時短状態(時短Aモード)中は、右打ち遊技が遊技者に有利な遊技となる。
第1時短状態(チャレンジモード)中は、作動装置3070へと流入した遊技球が特図2非電作動口3073bへと入球し易くなるように構成しているため、基本的には第2特別図柄抽選が実行される。第2特別図柄抽選で大当たり当選した場合には、大当たり種別として大当たりA、大当たりCが設定されるように構成しており、大当たりA(選択割合10%)が設定された場合には、大当たり遊技終了後に、第1時短状態(チャレンジモード)が設定される。一方、大当たりC(選択割合90%)が設定された場合には、大当たり遊技終了後に、第2時短状態(天国モード)が設定される。
第2時短状態(天国モード)中は、上述した第1時短状態(チャレンジモード)と、同様に、普通図柄の高確率状態が設定されており、普通図柄抽選で当たり当選する確率が高確率(239/240)となるため、上述した確変状態と同様に、右打ち遊技によって作動装置3070へと遊技球を流入させ、何れかの非電作動口へと遊技球を入球させることにより右第1入球口3064、或いは第2入球口3065へと遊技球を入球させる遊技を実行し易い状態となる。よって、第1時短状態(時短Aモード)中は、右打ち遊技が遊技者に有利な遊技となる。
第2時短状態(天国モード)中は、作動装置3070へと流入した遊技球が特図2非電作動口3073bへと入球し易くなるように構成しているため、基本的には第2特別図柄抽選が実行される。第2特別図柄抽選で大当たり当選した場合には、大当たり種別として大当たりA、大当たりCが設定されるように構成しており、大当たりA(選択割合10%)が設定された場合には、大当たり遊技終了後に、第1時短状態(チャレンジモード)が設定される。一方、大当たりC(選択割合90%)が設定された場合には、大当たり遊技終了後に、第2時短状態(天国モード)が設定される。
ここで、本第9制御例では、第1時短状態と、第2時短状態とで、時短終了条件の成立のし易さを異ならせており、第1時短状態の方が第2時短状態よりも時短終了条件が成立し易くなるように構成している。具体的には、第1時短状態は、時短状態を終了させるための時短終了条件として、第1特別図柄抽選の実行回数と、第2特別図柄抽選の実行回数と、を合算した合算抽選回数が10回に到達した場合に成立する時短終了条件が設定されており、大当たり遊技が実行されること無く、時短終了条件が成立した場合には、遊技状態が通常状態へと移行する。
一方、第2時短状態は、時短状態を終了させるための時短終了条件として、第1特別図柄抽選の実行回数と、第2特別図柄抽選の実行回数と、を合算した合算抽選回数が10000回に到達した場合に成立する時短終了条件が設定されており、大当たり遊技が実行されること無く、時短終了条件が成立した場合には、遊技状態が通常状態へと移行する。本第8制御例では、特別図柄抽選で大当たり当選する確率が約27/8192となるように構成しているため、第2時短状態が設定された場合には、実質、次回大当たり当選するまで時短状態が継続することになる。
<第9制御例における演出内容について>
次に、図363および図364を参照して、本第9制御例のパチンコ機10にて実行される各種演出のうち、特徴的な演出内容について説明をする。具体的には、通常状態中における時短当選を示すための時短当選演出の内容や、各遊技状態に対応した演出モード画面の内容について説明をする。なお、上述した各実施形態と同一の演出要素については、同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
まず、図363(a)を参照して、通常状態で時短図柄当たり(時短当選)した場合の演出内容について説明をする。図363(a)は、通常状態で時短図柄当たり(時短当選)した場合に第3図柄表示装置81の表示画面に表示される一例を示した図である。
本第9制御例では、通常状態中にのみ時短抽選を実行可能に構成している。具体的には、通常状態中に実行された特別図柄抽選の結果が大当たり当選では無い(外れである)場合に、時短当選の有無を判定可能に構成しており、特別図柄抽選が実行された場合の1/8192という低確率で時短当選するように構成している。そして、時短当選した場合には、対象となる特別図柄抽選の結果を示すための特別図柄変動を停止表示した後に時短状態(第2時短状態)が設定されるように構成している。ここで、本第9制御例では、第2時短状態が遊技者に最も有利な遊技状態となるように構成しているため、通常状態中の遊技を行っている遊技者は、特別図柄抽選で大当たり当選することを目指しながらも、時短当選を目指すことが可能となる。
そして、特別図柄抽選で時短当選した場合には、図363(a)に示した通り、第3図柄表示装置81の表示画面がブラックアウトする画像が表示される。本第8制御例では、上述した各制御例と同様に、特別図柄変動の変動パターンを決定(選択)する際に、時短当選の有無を参照しないように構成している。具体的には、時短当選の有無に関わらず、特別図柄抽選の結果が外れに対応した変動パターンが決定されるように構成している。
このように構成することで、実行される特別図柄変動の変動パターンから時短当選の有無を遊技者に予測され難くすることができる。また、上述した各制御例と同様に通常状態において特別図柄抽選の結果が外れの場合には、異なる変動時間の変動パターンが選択されるように構成していることから、時短当選した特別図柄変動の変動パターンも異なる変動時間が設定されることになる。
さらに、本第9制御例のように、時短当選したことを示す特別図柄変動に対応する変動演出として、特定の画像(ブラックアウト画像)を特別図柄の停止コマンドを受信するまで継続して表示するように構成することで、異なる変動時間の変動パターンが選択された場合であっても、音声ランプ制御装置113にて設定される変動演出として、時短当選に対応する変動演出を決定する処理を簡素化することができる。
なお、本第9制御例では、時短当選に対応する変動演出(特別図柄変動中に第3図柄表示装置81に表示される演出)として、図363(a)に示した表示画面を必ず表示するように構成することで、音声ランプ制御装置113の処理負荷を軽減させるように構成しているが、これに限ること無く、例えば、時短当選に対応する変動演出として、主制御装置110から出力された変動パターンコマンド(外れ当選を示す変動パターンコマンド)に基づく変動演出(特別図柄抽選の結果が外れであることを示すための変動演出)を設定し、設定された変動演出の実行期間中における特定タイミング(例えば、変動演出が実行されてから5秒経過したタイミングや、変動演出の演出態様が進展するタイミング(リーチ表示タイミング)や、外れを示す組合せで第3図柄を停止表示させるタイミング)から、ブラックアウト画像を表示するように構成しても良い。
このように構成することで、特別図柄抽選が外れであることを示すための変動演出が実行されている最中、つまり、遊技者の遊技意欲が低下し易い期間において、遊技者に最も有利な特典(時短当選)が付与されることを報知することができるため、特別図柄抽選の結果が外れである可能性が高い変動演出が実行されている間も、遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができる。
また、通常の変動演出が実行されている期間中に時短当選を示す演出を割り込ませる手法としては、上述した通り、予め定められた特定タイミングにて時短当選を示す演出を割り込ませる手法以外にも、例えば、遊技者に対して枠ボタン22を操作させる操作演出が実行される場合には、その操作演出の演出結果の一部として、時短当選を示す演出を割り込ませるように構成しても良い。このように構成することで、遊技者が操作手段(枠ボタン22)を操作することに基づいて、時短当選の有無を報知するための演出を実行することができるため、遊技者に対して意欲的に操作手段を操作させることが可能となる。
次に、図363(b)を参照して、第2時短状態(天国モード)中における演出内容について説明をする。図363(b)は、第2時短状態(天国モード)中に表示される表示画面の一例を示した図である。
図363(b)に示した通り、第2時短状態(天国モード)が設定されると、主表示領域Dmの背面画像として、天国を模した背面画像が表示されるように構成している。そして、小表示領域Dm31には、大当たり当選した場合に、再度、第2時短状態(天国モード)が設定される確率(継続率)を示すための案内態様として「継続率90%」の文字が表示されている。そして、副表示領域には、大当たり当選した後に第2時短状態(天国モード)が設定されなかった場合(継続しなかった場合)における遊技内容を説明するための案内態様として「終了しても行き先は宇宙だよ」のコメントが表示されている。
また、主表示領域Dmの左側に形成される小表示領域Dm32には、各遊技状態に対応した演出モード(天国、宇宙、通常)が、遊技者への有利度合いに対応させた順序で表示されている。本第9制御例では、遊技者に有利な遊技状態である程、地面から離れた(標高の高い)場所が演出モードの背景となるように構成しており、最も遊技者に有利な遊技状態(第2時短状態)に対して天国モードが、次に遊技者に有利な遊技状態(確変状態)に対して宇宙モードが設定されるように構成している。
このように、複数の演出モードの態様と、遊技者への有利度合いとに関連性を持たせるように構成することで、遊技者に対して表示されている演出モードが有利であるか否かを視覚的に判別させ易くすることができる。加えて、小表示領域Dm32に表示される案内態様によって、設定可能(移行可能)な演出モードの全容と、現在設定されている演出モードと、各演出モードの有利度合いと、を遊技者に視覚的に把握させ易くすることができるため、遊技者に対して、現在設定されている演出モードが継続した方が良いのか、より有利な演出モードへと移行した方が良いのかを容易に判別することができ、遊技者に分かり易い遊技を提供し易くすることができる。
なお、図363(b)に示した通り、第2時短状態(天国モード)中は、時短回数として10000回が設定されており、実際には、特別図柄抽選で大当たり当選すること無く、10000回の特別図柄抽選が実行されたことに基づいて時短終了条件が成立し、通常状態へと移行するように構成しているが、特別図柄抽選で大当たり当選すること無く、10000回の特別図柄抽選が実行される割合はごく僅かであるため、時短終了条件が成立するまでの特別図柄抽選の実行回数(残時短回数)を表示しないように構成している。
このように構成することで、第2時短状態(天国モード)が次回の大当たり当選まで継続すると遊技者に思わせ易くすることができる。なお、万が一、第2時短状態における残時短回数が所定数(例えば、50回)に到達した場合には、第2時短状態が終了する虞があることを遊技者に報知するための注意喚起画像と、残時短回数と、を表示する注意演出を実行するように構成すると良い。このように構成することで、何の前触れも無く第2時短状態が終了してしまい遊技者が困惑してしまうことを抑制することができる。
次に、図364(a)を参照して、確変状態(宇宙モード)中の表示画面の内容について説明をする。図364(a)は、確変状態(宇宙モード)中の表示画面に表示される表示内容の一例を示した図である。図364(a)に示した通り、確変状態中は、右打ち遊技によって第1特別図柄抽選が実行され易くなるように構成していることから、小表示領域Dm1には第1特別図柄変動が実行中であることを示すための表示態様(図では矢印3本で表示)が表示されている。そして、主表示領域Dmの背景画像として、宇宙を模した背景画像が表示され、現在の演出モードを示すための案内態様として「宇宙モード」の文字が表示されている。
そして、小表示領域Dm31には、大当たり遊技終了後に再度確変状態(宇宙モード)が設定される確率(継続率)を示すための案内態様として「継続率70%」の文字が表示されている。また、小表示領域Dm32には、現在の遊技状態が確変状態であることを遊技者に分かり易く報知するの表示態様が表示されている。この宇宙モードが設定されている遊技状態、即ち、確変状態は、特別図柄抽選で大当たり当選する確率が高確率(1/60)となり、次回大当たり当選するまで確変状態が継続するように構成している。つまり、確変状態(宇宙モード)が設定された場合には、上述した第2時短状態(天国モード)が設定された場合と同様に、次の大当たり遊技が実行されるまで継続して遊技者に有利な遊技(特別図柄抽選を実行し易い遊技)が実行されることになることから、遊技者に有利な遊技状態となる。
次に、図364(b)を参照して、第1時短状態(チャレンジモード)が設定された場合に実行される演出内容について説明をする。図364(b)は、第1時短状態(チャレンジモード)中に表示される表示画面の一例を示した図である。図364(b)に示した通り、第1時短状態(チャレンジモード)が設定されると、ロケット1851によって高度(標高)を徐々に高くするための演出が実行されるように構成している。そして、第1時短状態中に実行される第2特別図柄抽選(10回)の残回数を示すため表示態様が小表示領域Dm8に表示され、副表示領域Dsには「天国まで届け」のコメントが表示されており、第1時短状態中に実行される第2特別図柄抽選によって、大当たり当選を目指す遊技に対応した演出が実行される。
つまり、第1時短状態中は、第2特別図柄抽選の結果に基づいて、ロケット1851の上昇度合いを可変させた変動演出が実行され、大当たり当選した場合にはロケット1851が天国に到達した演出が実行される。そして、第1時短状態の時短終了条件が成立する第2特別図柄変動、即ち、時短最終変動の抽選結果が外れである場合には、ロケット1851が故障して通常背景(例えば、地面)に落下する演出が実行され、第1時短状態の終了後に通常状態が設定されることを遊技者に案内するように構成している。
また、第1時短状態中に実行された第1特別図柄抽選にて大当たり当選した場合には、ロケット1851が宇宙を彷徨ったまま宇宙モードへと移行する演出が実行される。このように構成することで、チャレンジモード中は複数回の特別図柄抽選が実行される期間を跨いだ期間演出を継続して実行することができるため、遊技者に分かり易い演出を提供することができる。
<第9制御例における電気的構成について>
次に、図365から図375を参照して、本第9制御例のパチンコ機10における電気的構成について説明をする。本第9制御例では、上述した第5制御例のパチンコ機に対して、主制御装置110のMPU201が有するROM202の構成の一部、RAM203の構成の一部、音声ランプ制御装置113のMPU221が有するROM222の構成の一部、RAM223の構成の一部を変更している点で相違し、それ以外は同一である。同一の内容については同一の符号を付してその詳細な内容について説明を省略する。
まず、図365から図367を参照して、主制御装置110のMPU201が有するROM202の構成について説明をする。図365(a)は、本第9制御例におけるROM202の構成を示したブロック図である。図365(a)に示した通り、本第9制御例におけるROM202の構成は、上述した第5制御例におけるROM202の構成(図244(a)参照)に対して、第1当たり乱数5テーブル202daに代えて第1当たり乱数9テーブル202haを、第1当たり種別選択5テーブル202dbに代えて大当たり種別選択9テーブル202hbが設けられている点、及び、普図当たり種別選択9テーブル202hf、及び時短当たり乱数テーブル202heが追加されている点で相違している。
普図当たり種別選択9テーブル202hfは、普通図柄の抽選で当たり(普図当たり)当選した場合に、その普図当たり種別を決定するために参照されるデータテーブルである。詳細な内容については、図367(b)を参照して後述するが、普通図柄の抽選で当たり当選した場合には、この普図当たり種別選択9テーブル202hfが参照されて、当選時の遊技状態と、取得した普図当たり種別カウンタC6の値に対応する普図当たり種別が決定される。この普図当たり種別選択9テーブル202hfに規定されている内容については、図367を参照して後述する。
ここで、普図当たり種別カウンタC6は、他の各種カウンタ(第1当たり乱数カウンタC1等)と同様に、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理によって定期的に値が更新されるカウンタである。具体的には、タイマ割込処理が実行される毎に、普図当たり種別カウンタC6の値を1加算すると共に、カウンタ値が最大値(本実施形態では99)に達した際、最小値0にクリアする。つまり、普図当たり種別カウンタC6は、「0〜99」の範囲をループしながら値が更新されるものである。そして、更新後の値が、RAM203の該当するバッファ領域に格納される。普図当たり当選した場合には、RAM203の該当するバッファ領域に格納されている普図当たり種別カウンタC6が読み出され、普図当たり種別を決定する際に参照される。
次に、図365(b)を参照して、本第9制御例における第1当たり乱数9テーブル202haについて説明する。図365(b)は、本第9制御例における第1当たり乱数9テーブル202haの規定内容を示した図である。
図365(b)に示した通り、第1当たり乱数9テーブル202haは、上述した第1当たり乱数5テーブル202da(図245(a)参照)に対して、大当たり当選と判定される第1当たり乱数カウンタC1の値の範囲を異ならせている点で相違している。また、本第9制御例では、第1当たり乱数カウンタC1の値が取り得る範囲を異ならせている。具体的には、上述した第5制御例では、第1当たり乱数カウンタC1の値が取り得る範囲を「0〜899」の900個に規定しているが、本第9制御例では、「0〜8191」の8192個に規定している。このように構成することで、第1当たり乱数カウンタC1の値を参照して決定される各種判定において、より低確率な判定結果を規定することができる。なお、本第9制御例では、第1当たり乱数カウンタC1の値が取り得る範囲を異ならせているだけであり、第1当たり乱数カウンタC1の値を更新するための処理や、更新後の値を格納する構成については同一であるためその詳細な説明を省略する。
具体的には、特別図柄の確率状態が「低確率」である場合には、第1当たり乱数カウンタC1の値が「0〜26」の範囲に対して抽選結果「大当たり」が、「27〜8191」の範囲に対して抽選結果「外れ」が規定されており、「高確率」である場合には、第1当たり乱数カウンタC1の値が「0〜136」の範囲に対して抽選結果「大当たり」が、「137〜8191」の範囲に対して抽選結果「外れ」が規定されている。
つまり、特別図柄の確率状態が「低確率」である場合には、第1当たり乱数カウンタC1が取り得る値が8192個に対して、大当たりと判定される値が27個であるため、大当たり当選確率が27/8192(約1/300)となる。一方、特別図柄の確率状態が「高確率」である場合には、第1当たり乱数カウンタC1が取り得る値が8192個に対して、大当たりと判定される値が137個であるため、大当たり当選確率が137/8192(約1/60)となる。
次に、図366(a)を参照して、本第9制御例における大当たり種別選択9テーブル202hbについて説明する。図366(a)は、大当たり種別選択9テーブル202hbの規定内容を示した図である。図366(a)に示した通り、大当たり種別選択9テーブル202hbには、第1特別図柄(特図1)に対応した大当たり種別として、大当たりA9,B9の2種類が、第2特別図柄(特図2)に対応した大当たり種別として、大当たりA9,C9の2種類が設けられている。
図366(a)に示した通り、特別図柄の種別として、特図1(第1特別図柄)に対して、第1当たり種別カウンタC2の値が「0〜69」の範囲には、「大当たりA9」が対応付けられて規定されている。この「大当たりA9」は、ラウンド数が9ラウンドであり、大当たり遊技終了後の遊技状態として確変状態が設定される大当たり種別(9ラウンド確変大当たり)である。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個のカウンタ値のうち、「大当たりA9」となるカウンタ値は70個なので、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に「大当たりA9」が決定される割合は70%(70/100)である。
図366(a)に示した通り、第1特別図柄に対して、第1当たり種別カウンタC2の値が「70〜99」の範囲には、「大当たりB9」が対応付けられて規定されている。この「大当たりB9」は、ラウンド数が9ラウンドであり、大当たり遊技終了後の遊技状態として第1時短状態が設定される大当たり種別(9ラウンド第1時短大当たり)である。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個のカウンタ値のうち、「大当たりB9」となるカウンタ値は30個なので、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に「大当たりB9」が決定される割合は30%(30/100)である。
また、特別図柄の種別として、特図2(第2特別図柄)に対して、第1当たり種別カウンタC2の値が「0〜9」の範囲には、「大当たりA9」が対応付けられて規定されている。この「大当たりA9」は、ラウンド数が9ラウンドであり、大当たり遊技終了後の遊技状態として確変状態が設定される大当たり種別(9ラウンド確変大当たり)である。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個のカウンタ値のうち、「大当たりA9」となるカウンタ値は10個なので、第2特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に「大当たりA9」が決定される割合は10%(10/100)である。
図366(a)に示した通り、第2特別図柄に対して、第1当たり種別カウンタC2の値が「10〜99」の範囲には、「大当たりC9」が対応付けられて規定されている。この「大当たりC9」は、ラウンド数が9ラウンドであり、大当たり遊技終了後の遊技状態として第2時短状態が設定される大当たり種別(9ラウンド第2時短大当たり)である。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個のカウンタ値のうち、「大当たりC9」となるカウンタ値は90個なので、第2特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に「大当たりC9」が決定される割合は90%(90/100)である。
次に、図366(b)を参照して、時短当たり乱数9テーブル202heの詳細な内容について説明をする。図366(b)は、時短当たり乱数9テーブル202heに規定されている内容を模式的に示した図である。この時短当たり乱数9テーブル202heは、上述した第5制御例における時短当たり乱数5テーブル202geに対して、時短当選し得る第1当たり乱数カウンタC1の値を異ならせている点と、第2特別図柄抽選においても時短当選し得る第1当たり乱数カウンタC1の値を規定している点で相違し、それ以外は同一である。同一の内容については同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
具体的には、通常状態が設定されている場合には、第1特別図柄抽選、第2特別図柄抽選の何れにおいても第1当たり乱数カウンタC1の値が「8192」に対して時短当選と判定される判定値が規定されている。つまり、本第9制御例では、通常状態において実行される特別図柄抽選において1/8192の確率で時短当選するように構成している。なお、時短当選した場合には、必ず時短種別として第2時短(時短B)が設定されるように構成しているため、時短当選した後は、第2時短状態(天国モード)へと移行する。
次に、図367を参照して、普図当たり種別選択9テーブル202hfの詳細な内容について説明をする。図367は、普図当たり種別選択9テーブル202hfに規定されている内容を示した図である。この普図当たり種別選択9テーブル202hfは、普通図柄抽選で当たり当選した場合において設定される普図当たり種別を決定する際に参照されるデータテーブルであって、設定されている遊技状態と、取得した普図当たり種別カウンタC6の値とに対応付けて異なる普図当たり種別(普図当たりA、普図当たりB)がそれぞれ規定されている。
具体的には、図367に示した通り、遊技状態が「確変」、又は「第1時短」であって、取得した普図当たり種別カウンタC6の値が「0〜99」の範囲には、普図当たり種別として「普図当たりA」が決定されるように構成されており、遊技状態が「第2時短」であって、取得した普図当たり種別カウンタC6の値が「0〜99」の範囲には、普図当たり種別として「普図当たりB」が決定されるように構成している。
ここで、普図当たり種別の内容について説明をする。本実施形態では、普通図柄の低確率状態が設定されている場合と、普通図柄の高確率状態が設定されている場合とで、普図当たり遊技における普通電動役物3071の開放パターンを異ならせており、普通図柄の低確率状態が設定されている場合のほうが、普通図柄の高確率状態が設定されている場合よりも、1回の普図当たり遊技において普通電動役物3071が開状態となる期間が短くなるように構成している。これにより、普通図柄の高確率状態のほうが、普通図柄の低確率状態よりも、作動装置3070へと遊技球を入球させ易くすることが可能となる。
上述した通り、作動装置3070の内部には、右第1入球口3064に付随する特図1非電動役物3064aを閉状態から開状態へと作動させるための特図1非電作動口3073aや、第2入球口3065に付随する特図2非電動役物3065aを閉状態から開状態へと作動させるための特図2非電作動口3073bが配設されていることから、作動装置3070へと遊技球を流入させ易い状態(普通図柄の高確率状態)のほうが、作動装置3070へと遊技球を流入させ難い状態(普通図柄の低確率状態)よりも、特別図柄の抽選を実行させ易い遊技状態となるため、遊技者に有利な遊技状態となる。
さらに、本第9制御例では、普通図柄の高確率状態が設定される時短状態において、異なる時短種別を設定可能に構成しており、設定された時短種別に応じて、普通図柄抽選で当たり当選した場合に決定される普図当たり種別の選択割合を異ならせるように構成している。本第9制御例では、図367(b)に示した通り、普図当たり種別として「普図当たりA」、「普図当たりB」を選択可能に構成している。
そして、普図当たり種別として「普図当たりA」が決定された場合と、「普図当たりB」が決定された場合とで、1回の普図当たり遊技において普通電動役物3071が開状態となる期間の長さを変えること無く、普図当たり遊技が実行されてから普通電動役物3071が開状態となるまでの期間(オープニング期間)の長さを異ならせるように構成している。つまり、何れの普図当たり種別が決定された場合であっても、通常状態(普通図柄の低確率状態)において実行される普図当たり遊技よりも、遊技球を作動装置3070へと流入させ易い普図当たり遊技が実行されるが、決定された普図当たり種別に応じて、作動装置3070への遊技球の流入タイミングを異ならせるように構成し、流入タイミングを異ならせることにより、作動装置3070へと流入した遊技球が特図1非電作動口3073aへと入球し易い普図当たり遊技と、特図2非電作動口3073bへと入球し易い普図当たり遊技と、を実行可能に構成している。
具体的には、普図当たり種別として「普図当たりA」が設定された場合には、作動装置3070内へと流入した遊技球が可動片3072に到達し得る期間において、可動片3072が開状態となり易くなるように普図当たり遊技のオープニング期間が設定され、「普図当たりB」が設定された場合には、作動装置3070内へと流入した遊技球が可動片3072に到達し得る期間において、可動片3072が閉状態となり易くなるように普図当たり遊技のオープニング期間が設定されている。
なお、本第9制御例では、図360及び図361を参照して上述した通り、普図当たり遊技として、作動装置3070へと流入した遊技球が特図1非電作動口3073aへと入球する普図当たり遊技(普図当たりAの普図当たり遊技)と、作動装置3070へと流入した遊技球が特図2非電作動口3073bへと入球する普図当たり遊技(普図当たりBの普図当たり遊技)と、を実行可能に構成しているが、これに限ること無く、例えば、普図当たり遊技によって普通電動役物3071が開状態となる開放期間のうち、第1期間内に遊技球を作動装置3070へと流入させた場合には特図2非電作動口3073bへと遊技球を入球させることが可能となり、第1期間とは異なる第2期間内に遊技球を作動装置3070へと流入させた場合には特図1非電作動口3073aへと遊技球を入球させることが可能となる普図当たり遊技(例えば、普図当たり種別「普図当たりC」)を実行可能に構成しても良い。
このように構成することで、設定された普図当たり種別に応じて遊技球が入球し得る非電作動口(特図1非電作動口3073a、特図2非電作動口3073b)が決定されるのでは無く、遊技球の流下状況(作動装置3070への流入タイミングや、作動装置3070内での流下速度や流下経路等)に応じて入球し得る非電作動口(特図1非電作動口3073a、特図2非電作動口3073b)が決まるため、遊技者に対して、何れかの非電作動口(特図1非電作動口3073a、特図2非電作動口3073b)へと遊技球が入球するまで何れの特別図柄抽選(第1特別図柄抽選、第2特別図柄抽選)が実行され易くなるのかを把握させ難くすることができる。
なお、本第9制御例では、図367に示した通り、設定されている遊技状態に応じて、設定される普図当たり種別を確実に異ならせるように普図当たり種別選択9テーブル202hfの内容を規定しているが、これに限ること無く、第2時短状態が設定されている場合のほうが、普図当たりBの普図当たり種別が選択され易くなる範囲において、第2時短状態が設定されていない場合であっても普図当たりBを選択可能に構成しても良い。このように構成することで、第1特別図柄抽選が主に実行される普通図柄の高確率状態において、突然、第2特別図柄抽選が実行される状況を創出することができるため、遊技者に意外性のある遊技を提供することができる。
次に、図368を参照して、本第9制御例における主制御装置110のMPU201が有するRAM203の構成について説明する。図368は、本第9制御例におけるRAM203の構成を示したブロック図である。図368に示した通り、本第9制御例におけるRAM203の構成は、上述した第5制御例におけるRAM203の構成(図244(b)参照)に対して、特図2変動回数カウンタ203paが追加されている点で相違している。その他の構成については上述した第5制御例におけるRAM203の構成と同一であるため、ここではその詳細な説明については省略する。
大当たり種別格納エリア203ebは、大当たりに当選した場合に、当該当選した大当たりの種別を示すデータを一時的に格納しておくための記憶領域である。この大当たり種別格納エリア203ebには、特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に、大当たり種別に対応するデータが格納される。この大当たり種別格納エリア203ebに格納されたデータは、当選した大当たりの終了タイミングまで保持され、大当たり終了後の遊技状態を、大当たり種別に応じて設定するために用いられる。なお、大当たり種別格納エリア203ebの詳細な内容については、第9実施形態に上述した内容と同一であるため、その説明を省略する。
次に、図369(a)を参照して、本第9制御例における音声ランプ制御装置113内に設けられているROM222の構成について説明する。図369(a)は、本第9制御例におけるROM222の構成を示したブロック図である。図369(a)に示した通り、本第9制御例におけるROM222の構成は、上述した第5制御例におけるROM222の構成に対して、期待度選択テーブル222paが追加されている点でのみ相違している。この期待度選択テーブル222paは、時短種別「時短A」、即ち、主として第1特別図柄抽選が実行される時短状態が設定されている状態において、第2特別図柄抽選が比較的実行され難い「時短A1」が設定されているか、比較的実行され易い「時短A2」が設定されているかを遊技者に示唆するためのモード種別示唆演出(図791(b)参照)の演出態様(演出により示唆される期待度)を決定するために参照されるデータテーブルである。
ここで、上述した通り、本第9制御例では、第2特別図柄抽選よりも第1特別図柄抽選が実行され易い時短状態として、「時短A」を設定可能に構成している。さらに、「時短A」として、第2特別図柄抽選が比較的実行され難い「時短A1」が設定されているか、比較的実行され易い「時短A2」を設定可能に構成している。そして、「時短A」が設定されている場合には、何れの時短種別(時短A1、時短A2)が設定されている場合も共通のモード演出(時短Aモード)を実行するように構成している。
このように構成することで、時短Aモードの演出が実行された遊技者に対して、設定されている時短種別が「時短A1」であるか「時短A2」であるかを予測させる楽しみを提供することができる。また、時短Aモードの演出が実行されている状態で、モード示唆演出を実行可能に構成しているため、時短Aモードの演出が実行されている状態において、遊技者に対して実際に設定されている時短種別(時短A1、時短A2)を予測するための要素を提供することができる。
ここで、この期待度選択テーブル222paの詳細について、図369(b)を参照して説明する。図369(b)は、期待度選択テーブル222paの規定内容を示した図である。図369(b)に示した通り、この期待度選択テーブル222paは、時短種別毎に、期待度の種別(時短A2の時短種別が設定されている期待度)と、演出抽選カウンタ223eaの値の範囲とが対応付けて規定されている。具体的には、図369(b)に示した通り、時短種別「時短A1」(時短Aのうち、第2特別図柄抽選が実行される確率が比較的低い時短種別)に対しては、演出抽選カウンタ223eaの値が「0〜4」の範囲に高期待度用の演出態様が対応付けて規定され、「5〜49」の範囲に中期待度用の演出態様が対応付けて規定され、「50〜99」の範囲に低期待度用の演出態様が対応付けて規定されている。
演出抽選カウンタ223eaは、「0〜99」の100個の値を取り得るので、時短種別A1となった場合に高期待度用、中期待度用、および低期待度用の演出態様が決定される割合は、それぞれ5%(5/100)、45%(45/100)、および50%(50/100)である。
また、図369(b)に示した通り、時短種別「時短A2」(時短Aのうち、第2特別図柄抽選が実行される確率が比較的高い時短種別)に対しては、演出抽選カウンタ223eaの値が「0〜19」の範囲に高期待度用の演出態様が対応付けて規定され、「20〜79」の範囲に中期待度用の演出態様(図示せず)が対応付けて規定され、「80〜99」の範囲に低期待度用の演出態様が対応付けて規定されている。
演出抽選カウンタ223ekaは、「0〜99」の100個の値を取り得るので、時短A2となった場合に高期待度用、中期待度用、および低期待度用の演出態様が決定される割合は、それぞれ20%(20/100)、60%(60/100)、および20%(20/100)である。これらの規定内容から、高期待度用の演出態様は、時短A2が設定されている場合に選択され易くなる一方で、時短A1が設定されている場合に選択し難くなると言える。また、中期待度用の演出態様は、時短A1、時短A2の何れが設定されている場合にも比較的高い割合で選択され、低期待度用の演出態様は、時短A2が設定されている場合に選択され難く、時短A1が選択されている場合に選択され易くなる。よって、高期待度用の演出態様が実行された場合には、設定されている時短種別が時短A2である可能性が高いということを示唆することが可能となる一方で、低期待度用の演出態様が実行された場合には、設定されている時短種別が時短A1である可能性が高いということを示唆することが可能となる。また、中期待度用の演出態様が実行された場合には、設定されている時短種別が時短A1、時短A2の何れの可能性もあるということを示唆することが可能となる。これにより、演出態様により示唆された期待度に応じて、遊技者に対して時短状態中における第2特別図柄抽選の実行期待度を予測させることができるため、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
次に、図370を参照して、本第9制御例における音声ランプ制御装置113内に設けられているRAM223の構成について説明する。図370は、RAM223の構成を示したブロック図である。図370に示した通り、本第9制御例におけるRAM223は、上述した第5制御例におけるRAM223の構成に対して、演出抽選カウンタ223ha、残時短回数カウンタ223hb、特図1非電開放中フラグ223hc、特図2非電開放中フラグ223hd、初期変動待機フラグ223heが追加されている点で相違している。
演出抽選カウンタ223haは、上述した期待度選択テーブル222paから1の演出態様(期待度種別)を選択するために用いるカウンタである。この演出抽選カウンタ223haは、「0〜99」の範囲で値が更新される。特殊小当たり演出の演出態様(期待度種別)を選択する場合は、期待度選択テーブル222paに規定された乱数値(カウンタ値)と、この演出抽選カウンタ223haの値と比較されて、対応する1の演出態様(期待度種別)が選択される。この演出抽選カウンタ223haは、例えばメイン処理17(図807参照)の中で1ms毎に更新される。
残時短回数カウンタ223hbは、時短状態中における残時短回数を計測するためのカウンタである。
特図1非電開放中フラグ223hcは、特図1非電動役物3064aが作動していることを示すためのフラグであり。特図1非電動役物3064aが開状態(作動中)である場合にオンに設定され、閉状態(未作動中)である場合にオフに設定されるフラグである。
特図2非電開放中フラグ223hdは、特図2非電動役物3065aが作動していることを示すためのフラグであり。特図2非電動役物3065aが開状態(作動中)である場合にオンに設定され、閉状態(未作動中)である場合にオフに設定されるフラグである。
初期変動待機フラグ223heは、大当たり遊技が終了してから1回目の特別図柄変動が実行されるまでの期間を示すためのフラグであって、大当たり遊技が終了した場合にオンに設定される。そして、大当たり遊技終了後、1回目の特別図柄変動が実行された場合にオフに設定される。つまり、大当たり遊技が終了してから1回目の特別図柄変動が実行されるまでの間、オンに設定されるフラグである。
この初期変動待機フラグ223heは、大当たり遊技終了時に表示される遊技説明画面を継続して表示する期間を判別する際に参照される。
なお、本制御例では、大当たり遊技終了後に、実行される特別図柄種別に関わらず、1回目の特別図柄抽選が実行された場合に、初期変動待機フラグ223heをオフに設定するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、大当たり遊技終了後に設定される時短状態の時短種別が「時短A」の場合は、1回目の第1特別図柄変動が実行されるまで、「時短B」の場合は、1回目の第2特別図柄変動が実行されるまでを初期変動待機フラグ223heがオンに設定される期間として設定しても良い。つまり、設定される時短状態の時短種別に応じて、初期変動待機フラグ223heをオフに設定するための特別図柄変動種別を異ならせるように構成しても良く、設定される時短種別によって主として実行される特別図柄種別に対応した特別図柄変動が実行されるまで初期変動待機フラグ223heをオンに設定するように構成しても良い。
<第9制御例における音声ランプ制御装置の制御処理について>
次に、図371から図375を参照して、本第9制御例における音声ランプ制御装置113のMPU221にて実行される制御処理の内容のうち、特徴的な内容について説明をする。なお、上述した第5制御例における音声ランプ制御装置113のMPU221にて実行される制御処理内容と同一の内容については、その詳細な説明を省略する。また、上述した第5制御例における音声ランプ制御装置113のMPU221にて実行される制御処理内容と同一の内容である制御処理のうち、一部の制御処理に対して、説明の便宜上、異なる符号を付している箇所があるが、同一の内容についてはその詳細な説明を省略する。
図371は、コマンド判定処理9(S54112)の内容を示したフローチャートである。このコマンド判定処理9(S54112)では、上述したコマンド判定処理に対して、状態コマンドを受信したと判別した場合(S4309:Yes)に、状態コマンド処理9を実行する点(S54301)と、時短関連コマンドを受信したと判別した場合(54303:Yes)に、時短関連処理9を実行する(S54304)処理を実行する点で相違している。それ以外は同一である。
ここで、図372を参照して、状態コマンド処理9(S54301)の内容について説明をする。図372は、状態コマンド処理9(S54301)の内容を示したフローチャートである。この状態コマンド処理9(S54301)は、主制御装置110から受信したコマンドの中に状態コマンドが含まれている場合に実行される処理であって、主制御装置110にて設定されている遊技状態に基づく演出態様を設定するための処理や、時短状態が設定された場合における残時短回数(時短終了条件)を設定するための処理が実行される。
状態コマンド処理9(S54301)が実行されると、まず、遊技状態を示すコマンドを受信したかを判別し(S54351)、受信したと判別した場合は(S54351:Yes)、遊技状態更新処理9を実行し(S54352)、S54353へ移行する。また、受信していないと判別した場合は(S54351:No)、次に、時短回数の設定を示すコマンドを受信したかを判別し(S54353)、受信したと判別した場合は(S54353:Yes)、遊技状態格納エリア223iに格納されている時短種別を読み出し(S54354)、読み出した時短種別が「時短A」であるかを判別し(S54355)、「時短A」であると判別した場合は(S54355:Yes)、残時短回数カウンタ223paの値に「10000」を設定し、S54358の処理へ移行する。一方、「時短A」では無い(「時短B」である)と判別した場合は(S54355:No)、残時短回数カウンタ223hbの値に10を設定し(S54357)、S54358の処理へ移行する。
つまり、残時短回数カウンタ223hbの値には、時短種別に対応した残時短回数(時短終了条件)が設定される(S54356,S54357)。ここで、設定された残時短回数カウンタ223hbの値は、時短状態が設定されている場合に第3図柄表示装置81の表示画面に表示される小領域Dm6の残時短回数として表示される。なお、本第9制御例では、第2時短状態の時短終了条件として残時短回数カウンタ223hbに「10000」の値が設定されるように構成している。つまり、10000回の特別図柄抽選において大当たり当選しなかった場合に成立する時短終了条件が設定されるように構成している。
この場合、時短状態における特別図柄抽選は、27/8192の確率で大当たり当選するため、実質、時短終了条件が成立するまでに略確実に大当たり当選することになる。よって、第2時短状態が設定された場合には、残時短回数カウンタ223hbの値が所定数(例えば、100)に到達するまでは、第3図柄表示装置81の表示画面に残時短回数を更新表示する処理を実行しないように構成し、代わりに、「∞」の文字を継続して表示するように構成している。
このように構成することで、遊技者が時短状態の残時短回数に興味を持たない期間(残時短回数を多く残っている期間)において、特別図柄抽選が実行される毎に残時短回数を示す表示態様を更新表示する処理を実行する手間を省くことができ、音声ランプ制御装置113の処理負荷を軽減させることができる。
なお、この場合、大当たり当選した後に、今回の第2時短状態において実行された特別図柄抽選の実行回数を遊技者に結果表示の一部として表示するように構成しても良い。このように構成することで、実際に実行した遊技の分析を遊技者に行わせ易くすることができる。
このように、主として実行される特別図柄抽選の種別を異ならせた普通図柄の高確率状態を設定可能なパチンコ機10において、主として成立し易い時短終了条件を成立させるための要素を残時短回数カウンタ223hbの値に設定するように構成することで、残時短回数を更新表示すための処理は、残時短回数カウンタ223hbの値に対する更新内容に基づいて実行すれば良く、残時短回数を示す表示態様を更新させるための処理を簡素化することができる。
S54358の処理では、状態コマンドに含まれるその他の情報に対応する処理を実行し(S54358)、本処理を終了する。
次に、図373を参照して、遊技状態更新処理9(S54352)の内容について説明をする。図373は、遊技状態更新処理9(S54352)の内容を示したフローチャートである。この遊技状態更新処理9(S54352)では、状態コマンド処理9(図372のS54301参照)において遊技状態を示すコマンドを受信した場合に実行される処理であって、移行前の遊技状態と、移行後の遊技状態とに基づいた処理が実行される。
遊技状態更新処理9(S54352)が実行されると、まず、今回受信した状態コマンドに基づいて、現在の遊技状態を示すための情報を遊技状態格納エリア223iに格納し(S4401)、通常状態へ移行したかを判別する(S54401)。S54401の処理において、通常状態へと移行したと判別した場合、即ち、今回受信した状態コマンドに通常状態を示すコマンドが含まれていると判別した場合は(S54401:Yes)、残時短回数カウンタ223hbの値を0にクリアする(S54402)。
次に、特図2保留(第2特別図柄の保留記憶)があるかを判別し(S54404)、特図2保留が無いと判別した場合は(S54404:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、S54404の処理において、特図2保留があると判別した場合は(S54404:Yes)、特図2保留数に対応する回数の引き戻し演出を示すための表示用コマンドを設定し(S54405)、本処理を終了する。
つまり、S54404からS54405の処理では、主として第1特別図柄抽選が実行される「時短A(時短Aモード)」が終了した時点で特図2保留を獲得している場合において、通常状態へと移行してから優先して実行される第2特別図柄抽選に対して専用の演出(引き戻し演出)を実行するための処理が実行される。
このように構成することで、引き戻し演出が実行されている最中が、遊技者に特別な状態であることを分かり易く報知することができる。
S54401の処理において、通常状態への移行では無いと判別した場合は(S54401:No)、次に、時短状態への移行であるかを判別し(S54406)、時短状態への移行では無いと判別した場合は(S54406:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、時短状態への移行であると判別した場合は(S54406:Yes)、初期変動待機フラグ223heをオンに設定し(S54407)、時短種別に対応する表示用コマンドを設定し(S54408)、本処理を終了する。
つまり、上述したS54407,S54408の処理では、大当たり遊技が終了し、時短状態が設定された場合において、大当たり遊技のエンディング期間中に表示された遊技説明画面の表示を、大当たり遊技終了後も継続して実行させるための処理が実行される。
次に、図374を参照して、時短関連処理9(S54304)の内容について説明をする。図374は、時短関連処理9(S54304)の内容を示したフローチャートである。この時短関連処理9(S54304)では、時短状態中に実行される特別図柄抽選に基づいて演出態様を決定するための処理が実行される。
時短関連処理9(S54304)が実行されると、まず、遊技状態格納エリア223iから現在の時短種別を読み出す(S54601)。次に、現在の時短種別が「時短A」であるかを判別し(S54602)、現在の時短種別が「時短A」であると判別した場合に(S54602:Yes)、受信したコマンドが特図2変動関連(第2特別図柄変動の実行に関連)するコマンドであるかを判別する(S54603)。
S54603の処理において、特図2変動関連であると判別した場合は(S54603:Yes)、次に、従特図2変動回数カウンタ223pbの値を1加算し(S54604)、加算後の従特図2変動回数カウンタ203pbの値が5よりも大きいかを判別する(S54605)。S54505の処理において、5よりも大きいと判別した場合は(S545605:Yes)、特図2変動回数が上限突破したことを示すための表示用コマンドを設定し(S54606)、S54609の処理へ移行する。
S54606の処理において表示用コマンドが設定されると、第2特別図柄抽選が実行され難い時短Aが設定された時短状態において、時短Bに対して設定される時短終了条件である「第2特別図柄抽選の実行回数5回」よりも多くの第2特別図柄抽選が実行されたことを祝福するための表示態様が設定される。
一方、S54602の処理において、今回読み出した時短種別が「時短A」では無いと判別した場合は(S54602:No)、そのまま本処理を終了する。
S54609の処理では、受信した情報に基づいて残時短回数カウンタ223hbの値を更新し(S54609)、更新後の残時短回数カウンタ223hbの値を示すための表示用コマンドを設定し(S54610)、本処理を終了する。
次に、図375を参照して、非電状況管理処理(S54102)の内容について説明をする。図375は、非電状況管理処理(S54102)の内容を示したフローチャートである。この非電状況管理処理(S54102)では、パチンコ機10に設けられた検知手段から出力される検知信号に基づいて、特図1非電動役物3064a、及び特図2非電動役物3065aの作動状況を管理するための処理が実行される。
従来より、遊技球が入球することで抽選(例えば、特別図柄抽選)を実行可能な入球手段と、その入球手段へと遊技球を入球させることが可能な第1位置(開状態)と、第1位置よりも遊技球を入球させることが困難な第2位置(閉状態)と、に可変可能な可変手段(例えば、普通電動役物)と、を設け、当たり遊技(例えば、普通図柄抽選にて当たり当選した場合に実行される普図当たり遊技)によって可変手段を可変動作させることにより、入球手段へと遊技球を入球させる遊技を実行可能に構成したパチンコ機がある。
さらに、遊技状態として、当たり遊技が実行され易い、或いは、1回の当たり遊技において可変手段を第1位置に位置させる期間が長くなり易い有利遊技状態、即ち、入球手段へと遊技球を入球させ易くすることが可能な有利遊技状態(例えば、時短状態)を設定可能に構成したパチンコ機がある。
このように構成された従来型のパチンコ機では、有利遊技状態が設定された場合は、有利遊技状態以外の遊技状態(例えば、通常状態)が設定されている場合に比べて、入球手段へと遊技球を入球させ易くすることができるため、遊技者に対して有利遊技状態が設定されることを期待させながら意欲的に遊技を行わせることができるものであった。
しかしながら、従来型のパチンコ機では、入球手段へと遊技球を入球させた場合に実行される抽選が1種類であったため、その抽選の内容を過剰に遊技者に有利な内容にしてしまうと、有利遊技状態が設定された場合に遊技者に過剰に有利な遊技を提供してしまうことになり、一方で、抽選の内容を遊技者への有利度合いが低い内容にしてしまうと、遊技者に対して有利遊技状態が設定されることを目指して意欲的に遊技を行わせ難くなるという問題があった。
また、遊技者への有利度合いを高めた抽選内容に設定しておき、有利遊技状態が設定される頻度、即ち、遊技者に対して容易に入球手段へと遊技球を入球させることが可能な遊技状態が設定される頻度を低くする仕様を用いることも考えられるが、この場合、有利遊技状態が設定されるまでに要する遊技期間が長くなってしまい、有利遊技状態以外の遊技状態での遊技を行っている遊技者が、有利遊技状態が設定されるまでに遊技に飽きてしまうという問題があった。
これに対して、本第9制御例では、有利遊技状態が設定されたことにより遊技球が入球し易くなった入球手段へと遊技球が入球した場合に、複数種類の抽選が実行され易くなるように構成している。そして、実行され易くなる複数種類の抽選に対して、遊技者への有利度合いを異ならせている。
より具体的には、入球手段へと入球した遊技球の挙動(流下結果)に応じて、有利度合いの低い第1特別図柄抽選、或いは有利度合いの高い第2特別図柄抽選を実行させる(させ易くする)ことが可能となるように構成している。このように構成することで、有利遊技状態(時短状態)が設定されることで遊技者に対して特別図柄抽選を実行させ易くする期間を所定期間提供しながらも、その期間中に実行される(実行され易くする)特別図柄抽選の種別を切り替えることにより、有利遊技状態(時短状態)中に遊技者に付与される特典の有利度合いを異ならせることができるため、遊技者に対して過剰に有利な遊技を提供してしまうことを抑制することができる。
さらに、詳細な説明は図356を参照して上述した通り、本第9制御例では、普通図柄抽選で当たり当選した場合に実行される普図当たり遊技中に遊技球が入球し易くなる領域内(作動装置3070内)に特図1非電動役物3064aを作動させる契機となる特図1非電作動口3073aと、特図2非電動役物3065aを作動させる契機となる特図2非電作動口3073bと、を設け、普図当たり遊技の動作パターンに応じて遊技球が特図1非電作動口3073a、或いは特図2非電作動口3073bの何れかへと振り分けられるように構成している。
そして、遊技球が特図1非電作動口3073aへと入球した場合には特図1非電動役物3064aが作動することで、第1特別図柄抽選の実行契機となる右第1入球口3064へと遊技球が入球し易い状態となり、特図2非電作動口3073bへと入球した場合には特図2非電動役物3065aが作動することで、第2特別図柄抽選の実行契機となる第2入球口3065へと遊技球が入球し易い状態となるように構成している。さらに、第1特別図柄抽選よりも第2特別図柄抽選のほうが遊技者に有利な抽選が実行されるように構成しており、特図1非電動役物3064aと、特図2非電動役物3065aとが共に作動している状態では、遊技球が第2入球口3065へと到達し難くなるように構成している。
具体的には、第2入球口3065へと遊技球が到達し得る流路を作動中の特図1非電動役物3064aが遮るように構成している。よって、特図1非電動役物3064aと、特図2非電動役物3065aとが共に作動している状態では、遊技球が第2入球口3065よりも第1入球口3064へと入球し易くなるように構成している。
さらに、本第9制御例では、有利遊技状態を終了させるための終了条件として、有利遊技状態中に実行された特別図柄抽選の実行回数が所定回数に到達した場合に成立する終了条件を設定している。このように構成することで、有利遊技状態中に第2特別図柄抽選のみを実行させる遊技を実行させ難くすることができる。
加えて、本第9制御例では、パチンコ機10の遊技盤13のうち右側領域にスルーゲート67、普通電動役物3071、特図1非電動役物3064a、特図2非電動役物3065aを配設しているため、例えば、各非電動役物へと遊技球を到達させること無く、スルーゲート67、及び、普通電動役物3071に向けて遊技球を発射させ難くすることができる。よって、遊技者にとって有利な抽選が実行される第2入球口3065へと遊技球を入球させることが可能な状態(特図2非電動役物3065aが作動している状態)となるまで、右第1入球口3064へと遊技球を入球させずに遊技を行わせ難くすることができる。
つまり、スルーゲート67、普通電動役物3071、特図1非電動役物3064a、特図2非電動役物3065aのうち、いずれかの装置に向けて遊技球を発射させた場合に、他の装置へと遊技球が入球され得るように構成している。このように構成することで、特定の装置に対してのみ遊技球を入球させる遊技を遊技者に実行されてしまう事態が発生することを抑制することができる。
なお、本第9制御例では、スルーゲート67、普通電動役物3071、特図1非電動役物3064a、特図2非電動役物3065aの全てを遊技盤13の右側領域に設けているが、これに限ること無く、上述した各種装置の少なくとも複数が同一の流下経路を流下した遊技球が入球し得る位置に配設されるように構成すれば良い。
<第10制御例>
次に、図376から図395を参照して、第10制御例におけるパチンコ機10について説明をする。本第10制御例は、上述した第7制御例と同様に、特別図柄抽選の抽選結果が大当たり当選では無い(外れである)場合の一部において、小当たり当選し得るように構成し、小当たり当選したことに基づいて実行される小当たり遊技中に遊技球を特定領域へと入球させることで大当たり遊技を実行可能な遊技性(所謂、1種2種タイプ)を有している。そして、時短状態が設定された場合に、第2特別図柄の保留記憶(特図2保留)を獲得し易い時短状態と、獲得し難い時短状態と、を設定可能に構成している。
本第10制御例におけるパチンコ機10は、上述した第7制御例におけるパチンコ機10に対して、特図2保留を所定数(4個)を上限に記憶可能に構成した点と、各遊技状態において大当たり当選に基づいて大当たり遊技が実行された後、或いは、小当たり当選に基づいて大当たり遊技が実行された後に設定される遊技状態を異ならせている点で相違している。さらに、時短状態中に実行される演出の内容を変更している点で相違している。以下に、本第10制御例に対して、上述した第7制御例との相違点を主に説明をする。なお、上述した第7制御例と同一の内容についてはその詳細な説明を省略する。
上述した第7制御例(各変形例も含む)におけるパチンコ機10では、遊技状態として通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)と、時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)と、が少なくとも設定可能に構成されており、時短状態中において実行される普図当たり遊技(普通図柄抽選で当たり当選した場合に実行される当たり遊技)によって電動役物640aが開放動作され、第2入球口(入賞口)640へと球が入球され易くなるように構成していた。
そして、第2入球口(入賞口)640へと球が入球したことに基づいて実行される特別図柄抽選(第2特別図柄抽選)で大当たり以外の抽選結果(例えば、小当たり当選)となった場合に、小当たり遊技が実行され、その小当たり遊技中に遊技球が特定領域を通過した場合に(小当たり遊技終了時に、特定領域を遊技球が通過したことを示す情報が記憶されている場合に)、大当たり遊技が実行されるように構成していた。加えて、第2特別図柄の抽選契機を、所定数(例えば、4個)を上限に保留記憶可能に構成することで、時短状態(普通図柄の高確率状態)中に第2特別図柄の抽選契機を保留記憶させることにより、普通図柄の高確率状態が終了した後も(普通図柄の低確率状態へと移行した後も)、第2特別図柄抽選を実行可能に構成しているため、例えば、時短状態が終了し、通常状態へと遊技状態が移行した場合であっても、通常よりも有利な通常状態(第2特別図柄の抽選契機を保留記憶している通常状態)における遊技を遊技者に実行させることが可能となるため、遊技者に有利な遊技状態である時短状態が終了してしまった遊技者に対して、通常よりも大当たり遊技が実行される可能性を高めた状態を維持することができ、遊技者の遊技意欲が著しく低下してしまうことを抑制することができるものであった。
しかしながら、上述した各制御例におけるパチンコ機10では、時短状態中に正常に遊技を実行している遊技者に対して、第2特別図柄の抽選契機を獲得した状態で時短状態を終了させるために、時短状態中において普図当たり確率を高め、且つ、可変手段が開放動作される期間を長くした普図当たり遊技が実行されるように構成していることから、時短状態が終了した時点において獲得済みの第2特別図柄の抽選契機の数(特図2保留数)が常に同一の数となってしまい、遊技者に意外性のある遊技を提供することができないという問題があった。
また、時短状態が終了した時点において獲得済みの特図2保留数が常に同一となる場合では、遊技者に過剰に有利となる遊技が実行されてしまうことを抑制するためには、時短状態が終了した後に実行される第2特別図柄抽選の実行回数も含めて、時短状態が設定される割合を予め低く規定したり、第2特別図柄抽選にて小当たり当選する確率を予め低く規定したりする必要がある。よって、遊技者に対して時短状態中の遊技を実行させ難くなり、遊技者の遊技意欲が低下してしまうという問題があった。
これに対して、本第10制御例では、時短状態として、特図2保留を獲得し易い時短状態(有利時短状態)と、特図2保留を獲得し難い時短状態(不利時短状態)と、を設定可能に構成している。このように構成することで、設定された時短状態の種別に応じて、時短状態が終了した時点における特図2保留数を異ならせ易くすることが可能となる。よって、大当たり遊技終了後に時短状態が設定される割合を高めたとしても、遊技者に過剰に有利な遊技が実行されることを抑制することができるため、遊技者に対して時短状態中の遊技を実行させ易くすることができ、遊技者の遊技意欲を高めることができる。
さらに、本第10制御例では、特別図柄抽選で大当たり当選したことに基づいて大当たり遊技が実行された場合には、その大当たり遊技の終了後に不利時短状態が設定され、特別図柄抽選で小当たり当選したことに基づいて大当たり遊技が実行された場合には、その大当たり遊技の終了後に有利時短状態を設定可能に構成している。
つまり、大当たり遊技の実行契機に応じて、大当たり遊技終了後に設定される時短状態の有利度合いを異ならせるように構成している。このように構成することで、何れの実行契機に基づいて大当たり遊技が実行されたのかについて遊技者に興味を持たせることができる。
なお、本第10制御例では、上述した通り、大当たり遊技の実効契機に応じて、有利時短状態と不利時短状態との設定割合を異ならせるように構成しているが、これに限ること無く、例えば、大当たり遊技が実行される時点の遊技状態(大当たり当選時の遊技状態)に応じて、有利時短状態と不利時短状態との設定割合を異ならせるように構成しても良い。この場合、例えば、遊技状態として通常状態が設定されている状態で大当たり遊技が実行された場合よりも、時短状態が設定されている状態で大当たり遊技が実行された場合のほうが、有利時短状態が設定される割合が高くなるように構成すると良い。これにより、遊技者に最も不利な遊技状態では、大当たり遊技終了後に時短状態が設定された場合であっても、不利時短状態が設定され易いため、時短状態が終了し易いが、時短状態中に大当たり遊技が実行され、再度、時短状態が設定された場合には、有利時短状態が設定され易くなるため、大当たり遊技を介して時短状態をループさせ易くすることができる。
このように構成することで、遊技者に対して、有利度合いの異なる遊技を段階的に実行させることができるため、最も有利度合いの高い遊技を実行しようと意欲的に遊技を行わせることができる。なお、本第10制御例では、上述した各制御例と同様に、第1特別図柄抽選よりも第2特別図柄抽選のほうが遊技者に有利となる抽選が実行されるように構成していることから、特図2保留を獲得している状態で終了し易い時短状態(有利時短状態)のほうが、特図2保留を獲得していない状態で終了し易い時短状態(不利時短状態)よりも遊技者に有利となるように構成しているが、これに限ること無く、例えば、第1特別図柄抽選のほうが第2特別図柄抽選よりも遊技者に有利となるように構成し、特図2保留を獲得している状態で終了し易い時短状態よりも、特図2保留を獲得していない状態で終了し易い時短状態のほうが遊技者に有利となるように構成しても良い。
上述した各制御例のパチンコ機10では、通常状態よりも遊技者に有利となる時短状態を終了させる特別図柄変動の回数として、大当たり種別に応じて異なる回数を設定可能にすることで、時短状態がいつまで継続するかを遊技者に分かり難くしたものがある。これにより、遊技者に対して、時短状態がより長く継続することを期待させながら遊技を行わせることができるようにしていた。
また、上述した各制御例のパチンコ機10では、時短状態を終了させる回数目の特別図柄変動(時短終了条件が成立する特別図柄変動)における特別図柄変動の停止タイミングにて時短状態を終了させるように構成していた。
これに対して、本第10制御例では、時短状態を終了させるための時短終了条件が成立した場合において、対応する特別図柄変動の開始タイミングで時短状態を終了させるように構成している。さらに、時短状態を終了させるための時短終了条件として、第2特別図柄変動が1回実行されることにより成立する時短終了条件を設定可能に構成している。つまり、第2特別図柄変動が1回実行されることにより成立する時短終了条件が設定された場合には、時短状態中に1回目の第2特別図柄変動が実行されるまでは時短状態が継続し、1回目の第2特別図柄変動が実行される場合、例えば、第2特別図柄抽選の抽選権利(特図2保留)を有していない状態で時短状態が設定された場合には、時短状態中に第2入球口640へと遊技球が入球し、第2特別図柄抽選が実行される場合に、時短状態が終了するように構成している。
このように構成することで、時短状態が設定された場合において、第2特別図柄抽選を確実に実行させることができると共に、時短状態中において特図2保留を獲得するための期間を短くすることができる。つまり、本第10制御例では、第2特別図柄変動が1回実行されることにより成立する時短終了条件が設定される時短状態が、遊技者に不利となる不利時短状態となる。
また、本第10制御例では、時短状態を終了させるための時短終了条件として、第2特別図柄変動が2回実行されることにより成立する時短終了条件も設定可能に構成している。この場合、2回目の第2特別図柄変動が開始されるまでの間、時短状態を継続させることが可能となるため、1回目の第2特別図柄変動の変動期間中は第2入球口640へと遊技球を入球させ易い期間となる。つまり、本第10制御例では、第2特別図柄変動が2回実行されることにより成立する時短終了条件が設定される時短状態が、遊技者に有利となる有利時短状態となる。
なお、本第10制御例では、上述した通り、時短終了条件が成立する特別図柄変動の開始タイミングにて時短状態を終了させるように構成し、且つ、時短状態中のおける1回目の特別図柄変動において成立し得る時短終了条件を設定可能に構成することで、特図2保留を獲得することが困難な時短状態(不利時短状態)を設定可能としているが、これに限ること無く、例えば、上述した各制御例と同様に、時短終了条件が成立する特別図柄変動の停止タイミングにて時短状態を終了させるように構成されたパチンコ機10において、時短終了条件が成立する特別図柄変動の変動パターンとして、短い変動時間(例えば、0.1秒)が設定される短変動パターンと、長い変動時間(例えば、60秒)が設定される長変動パターンと、を選択可能に構成しても良い。
このように構成することで、選択される変動パターンによって、有利時短状態と、不利時短状態と、を切り替えることが可能となる。つまり、時短状態の時短終了条件として同一内容の時短終了条件が設定された場合において、設定される変動パターンに応じて、特図2保留の獲得のし易さを異ならせることができる。
さらに、この場合。大当たり当選(小当たり当選)した時点における遊技状態に応じて異なる種別の時短状態を設定可能に構成し、設定される時短種別によって、上述した短変動パターンと、長変動パターンとの選択割合を異ならせたり、前回の大当たり遊技が終了してから実行された特別図柄抽選の回数に基づいて短変動パターンが選択され易い期間と、長変動パターンが選択され易い期間と、を設定可能に構成したりしても良い。
このように構成することで、1の時短状態が設定されてから、その時短状態が終了するまでの期間において、有利時短状態と、不利時短状態と、を切り替えることが可能となるため、遊技者に対して時短状態が終了する最後の瞬間まで、有利時短状態による遊技が実行されることを期待させながら遊技を行わせることができる。
また、本第10制御例の技術と、上述した各制御例の技術と、を組み合わせることにより、時短状態において実行される特別図柄変動の開始タイミングや停止タイミングといった様々なタイミングで時短状態を終了させることが可能となるように構成しても良い。このように、時短終了条件が成立した場合において、実際に時短状態を終了させるタイミングを可変させるように構成することにより、遊技者に対して、どのタイミングで時短状態が終了するのかを把握させ難くすることができるため、意外性のある遊技を提供することができる。
<第10制御例における遊技盤13の構成について>
まず、図376から図380を参照して、本第10制御例におけるパチンコ機10の遊技盤13の構成について説明をする。本第10制御例におけるパチンコ機10は、上述した第7制御例のパチンコ機10の遊技盤13(図294参照)に対して、小当たり遊技中に開放動作されるV入賞装置650の配設位置及び、構造を変更した点と、スルーゲート67、第2入球口640の配設位置を変更した点と、第2入球口640に付随する電動役物640aの構造を変更した点と、遊技盤13の右側領域の構成を変更した点と、で相違し、それ以外は同一である。同一の内容については、同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
図376に示すように、遊技盤13は、正面視略正方形状に切削加工したベース板60に、球案内用の多数の釘(図示せず)や風車の他、レール61,62、一般入球口63、第1入球口64、第2入球口640、可変入賞装置65、V入賞装置650、普通図柄始動口(スルーゲート)67、可変表示装置ユニット80等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠12(図1参照)の裏面側に取り付けられる。
この第1図柄表示装置37には、発光手段である複数のLED及び7セグメント表示器を備える第1図柄表示装置37が配設されている。第1図柄表示装置37は、主制御装置110で行われる各制御に応じた表示がなされるものであり、主にパチンコ機10の遊技状態の表示が行われる。本制御例では、球が、第1入球口64へ入球(入賞)した場合に、第1図柄表示装置37が作動するように構成されている。つまり、第1図柄表示装置37は、第1入球口64に球が入球した場合に実行される第1特別図柄抽選(特図1抽選)の抽選結果を示すための表示手段である。また、球が第2入球口640へ入球(入賞)した場合にも、第1図柄表示装置37が作動するように構成されている。つまり、第1図柄表示装置37は、第2入球口640に球が入球した場合に実行される第2特別図柄抽選(特図2抽選)の抽選結果を示すための表示手段でもある。なお、本制御例では、特別図柄の種別が2種類のパチンコ機10を用いているが、これに限ること無く、特別図柄の種別が1種類のパチンコ機10を用いても良い。
また、第1図柄表示装置37は、LEDにより、パチンコ機10の遊技状態(例えば、通常状態、時短状態等)の何れであるかを点灯状態により示したり、特別図柄(第1図柄)が変動中(抽選結果を示すための図柄の組み合わせを停止表示させるための動的表示中)であるか否かを点灯状態により示したり、停止図柄が遊技者に有利な当たりに対応した図柄か不利な当たりに対応した図柄か外れ図柄であるかを点灯状態により示したり、保留球数を点灯状態により示すと共に、7セグメント表示装置により、大当たり中のラウンド数やエラー表示を行う。また、特別図柄の変動を一時的に停止(中断)させている状態であることも点灯状態にて示すことが可能に構成している。複数のLEDは、それぞれのLEDの発光色(例えば、赤、緑、青)が異なるよう構成され、その発光色の組み合わせにより、少ないLEDでパチンコ機10の各種遊技状態を示唆することができる。なお、本実施形態では、発光手段(7セグメント表示装置)の発光色の組み合わせにより各種遊技状態を報知するように構成しているが、遊技者が各種遊技状態を識別可能な構成であれば良く、例えば、発光手段が点灯している期間と消灯している期間との長さ(点滅態様)を可変させることにより各種遊技状態を報知するように構成しても良い。
本パチンコ機10では、第1入球口64、或いは、第2入球口640へ入球(入賞)があったことを契機として抽選(特別図柄の抽選)が行われる。そして、その特別図柄の抽選では、小当たり当選しているか否かの当否判定(当たり抽選)を行う。ここで、小当たりに当選したと判定されたことに基づいて、遊技者に有利な特典遊技である小当たり遊技が実行される。
そして、小当たり遊技中にはV入賞装置650が予め定められた内容(シナリオ)で開放動作され、V入賞装置650へと球を入賞させ易い状態が提供される。この小当たり遊技中にV入賞装置650へと入賞した球が、後述する特定領域(V入賞口1650)へと入賞すると、小当たり遊技の終了後に大当たり遊技が実行される。この大当たり遊技中は、可変入賞装置65が予め定められた内容(シナリオ)で開放動作され、可変入賞装置65へと球を入賞させ易い状態が提供される。
本制御例では、小当たり遊技よりも、大当たり遊技のほうが、その遊技中に遊技者が獲得可能な賞球数の総数が多くなるように構成されている。つまり、遊技者が獲得する賞球数の点において、小当たり遊技よりも、大当たり遊技のほうが遊技者に有利な特典遊技となる。なお、小当たり遊技のほうが、大当たり遊技よりも遊技者が獲得可能な賞球数の総数が多くなるように構成しても良い。このように、実行される特典遊技に応じて異なる有利度合いの特典を付与可能に構成することで、遊技者に対してどの特典遊技が実行されるのかを楽しませながら遊技を行わせることができる。
また、本制御例では、大当たり遊技が実行されると、大当たり遊技実行前の遊技状態とは異なる遊技状態(例えば、通常状態)が設定され、大当たり遊技終了後には、実行された大当たり遊技に係わる情報(例えば、小当たり種別(大当たり種別)や、当たり当選(小当たり当選)時の遊技状態)に基づいて、新たな遊技状態を設定可能に構成している。一方、小当たり遊技が実行された場合には、その小当たり遊技実行前の遊技状態が小当たり遊技中も継続し、小当たり遊技終了後も継続するように構成している。つまり、遊技者に対して有利度合いが高い(賞球数が多い)大当たり遊技中は、遊技者に不利な遊技状態である通常状態を設定することで、大当たり遊技中において、遊技者に過剰な特典が提供されてしまうことを抑制するのに対して、大当たり遊技よりも有利度合いが低い小当たり遊技が実行された場合には、遊技状態が変更されないように構成している。
このように構成することで、有利度合いが低い小当たり遊技が実行されたことを契機に遊技状態が変更されてしまうことを抑制することができる。なお、これに限ること無く、大当たり遊技と同様に小当たり遊技中に遊技者に不利な遊技状態(通常状態)が設定されるように構成しても良いし、小当たり当選した種別に基づいて、小当たり遊技終了後の遊技状態を決定するように構成しても良い。また、当たり遊技中(大当たり遊技中、小当たり遊技中)の遊技結果に基づいて、当たり遊技終了後に設定される遊技状態を決定するように構成しても良く、この場合、当たり遊技(特典遊技)中に球を入球させ易くなる可変入賞装置65やV入賞装置650(可変入球手段)に入球した球が、可変入球手段内に設けられた特定領域を通過したか否かを判別し、その判別結果に基づいて当たり遊技終了後に設定される遊技状態の種別を異ならせるよう構成すると良く、例えば、特定領域を通過した場合に、特定領域を通過しなかった場合よりも遊技者に有利となる遊技状態を設定したり、特定領域を通過した場合に、特定領域を通過しなかった場合よりも遊技者に不利となる遊技状態を設定したりするように構成すると良い。これにより、当たり遊技中において、当たり遊技終了後に有利な遊技状態が設定されることを目指した遊技を行わせることが可能となり、遊技者に意欲的の遊技を行わせることができる。
加えて、遊技者に有利な遊技状態(時短状態)が設定されている状態で当たり遊技が実行され、その当たり遊技終了後にも遊技者に有利な遊技状態(時短状態)が設定される事象が連続して所定回数(例えば、5回)実行されている状態で当たり遊技が実行された場合に、その当たり遊技終了後に強制的に遊技者に不利な遊技状態(通常状態)が設定されるように構成しても良い。これにより、遊技者に対して有利な遊技状態が過剰に継続してしまう事態が発生することを抑制することができる。
大当たり遊技が実行されると、可変入賞装置65の特定入賞口65aに球を容易に入賞させることが可能な開放状態となり、特定入賞口65aに球を入賞させることで多くの賞球を短期間で獲得可能な遊技が実行される。この大当たり遊技は、特別図柄の抽選結果が所定期間(例えば2秒間)停止表示(確定表示)された後に(場合に)実行されるものであり、所定時間(例えば1秒)のオープニング期間(可変入賞装置65の特定入賞口65aに球を入球させ難い閉鎖状態が設定される期間)と、開放状態が設定されるラウンド遊技期間と、1のラウンド遊技期間が終了した後に、次のラウンド遊技が開始されるまでの所定期間(例えば、0.5秒)、閉鎖状態が設定されるインターバル期間と、最後のラウンド遊技期間が終了した後に、所定期間(例えば、2秒)の閉鎖状態が設定されるエンディング期間と、からなる大当たり遊技期間が設定される。
このように、大当たり遊技の開始タイミングに合わせて、オープニング期間を設定することにより、大当たり遊技中において特定入賞口65aが開放状態となるタイミングに合わせて球を任意の方向に向けて発射させる準備を行うことができるため、大当たり遊技を円滑に行わせることができる。また、このオープニング期間を、今回の大当たり遊技の遊技内容を遊技者に報知する期間として用いることができるため、分かり易い遊技を提供することができる。
また、大当たり遊技の最終期間としてエンディング期間を設定することにより、最後のラウンド遊技が終了した直後から、新たな特別図柄の抽選が実行されることを抑制することができるため、大当たり遊技の終了後に実行される遊技に向けて、球を任意の方向に向けて発射させる準備を行うことができるため、遊技の切り替えを円滑に行わせることができる。
なお、本制御例では、小当たり遊技中に球が特定領域(V入賞口1650)へと入賞したことに基づいて、その小当たり遊技終了後に大当たり遊技を実行可能に構成している。よって、小当たり遊技の最終期間としてエンディング期間を設定することにより、小当たり遊技中に実行される遊技(左打ち遊技)から大当たり遊技中に実行される遊技(右打ち遊技)へと切り替える準備期間を設けることができるため、遊技者に対して遊技の切り替えを円滑に行わせることができる。
なお、大当たり遊技の各期間(オープニング期間、ラウンド期間、エンディング期間)の長さについては、特別図柄抽選時(小当たり当選時)、特別図柄抽選の結果が停止表示されたタイミング、小当たり遊技開始時、小当たり遊技終了時、大当たり遊技開始時、大当たり遊技終了時の何れかにおいて設定されている遊技状態や、当選した大当たりの種別に応じて異なる長さを設定しても良く、例えば、大当たり遊技終了後に実行される遊技内容(遊技方法)として、大当たり遊技前の遊技内容(遊技方法)とは異なる遊技内容(遊技方法)が設定される大当たりに当選した場合には、その大当たり遊技のエンディング期間(例えば、10秒)が、他の大当たり遊技のエンディング期間(例えば、2秒)よりも長くなるように設定しておき、そのエンディング期間中に遊技者に対して大当たり遊技終了後に実行される遊技内容を事前に案内する演出を実行可能に構成すると良い。これにより、遊技者に対して分かり易い遊技を提供することができる。
一方、大当たり遊技開始前の遊技内容(遊技方法)と、大当たり遊技終了後に実行される遊技内容(遊技方法)とが同一となる大当たり遊技が実行される場合には、その大当たり遊技のエンディング期間(例えば、1秒)を、他の大当たり遊技のエンディング期間(例えば、2秒)よりも短くなるように設定するように構成すると良い。これにより、遊技者に対して効率良く遊技を行わせることができる。
また、大当たり遊技前の遊技内容(遊技方法)と、大当たり遊技終了後に実行される遊技内容(遊技方法)とを実際に判別する構成を用いること無く、例えば、実行される大当たり遊技の種別(小当たり種別)と、大当たり遊技前に設定されている遊技状態とに基づいて、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態を予め規定しておき、その規定内容に応じて、各大当たり遊技のエンディング期間の長さを設定するように構成しても良い。
本第10制御例では、遊技状態として、「通常状態」、「時短状態」の何れかが設定されるように構成している。通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)では、特別図柄の大当たり確率が(30/1000)に設定され、普通図柄の当たり確率が低確率(3/300)に設定される遊技状態であり、時短状態は、特別図柄の大当たり確率が(30/1000)に設定され、普通図柄の当たり確率が高確率(150/300)に設定される遊技状態である。
本制御例では、時短状態が設定された後、所定の終了条件(時短終了条件)が成立した場合に、遊技状態が時短状態から通常状態へと移行するように構成しており、上述した時短回数とは、時短終了条件を示すものである。つまり、時短回数1回とは、時短状態が設定されてから大当たり遊技が実行されること無く、特別図柄の抽選が1回実行される場合に時短終了条件が成立することを示すものである。
さらに、本第10制御例では、特別図柄変動を開始するタイミングにおいて時短終了条件が成立するかを判別可能に構成している。このように構成することで、遊技者に対して、時短状態がいつまで継続するのかを判別させ難くすることができる。
なお、本実施形態では、時短状態を終了させるための時短終了条件として、時短状態中の特別図柄抽選の回数に関する条件(時短回数)を規定しているが、時短終了条件としてそれ以外の構成を用いても良く、例えば、特別図柄抽選の結果が特定の抽選結果(特定の外れ)である回数が所定回数(例えば、3回)に到達した場合に成立する時短終了条件や、時短状態が設定されてからの経過時間が所定時間(例えば、100秒)経過した場合に成立する時短終了条件や、時短状態中に球が特定の入球口(例えば、一般入球口63a)に入球した個数が所定個数(例えば、5個)に到達した場合に成立する終了条件を設定しても良い。
また、時短終了条件が成立したかを判別するタイミングと、時短状態を終了させるタイミングとを異ならせても良く、例えば、特別図柄変動を開始するタイミングにおいて、今回の特別図柄変動によって時短終了条件が成立したかを判別し、時短終了条件が成立したと判別された場合に、特定条件の成立の有無に応じて、特別図柄変動が開始されるよりも前に時短状態を終了させたり、特別図柄変動が開始されてから停止されるまでの期間(特別図柄変動の停止表示タイミングも含む)のうち、所定タイミングで時短状態を終了させたりするように構成しても良い。これにより、時短終了条件が成立したかを判別するための処理を実行するタイミングを統一化することができるため、時短状態を終了させるための制御処理を簡素化することができる。
なお、上述した特定条件(時短終了条件が成立した場合において、時短状態を終了させるタイミングを決定するための要素)としては、大当たり遊技の実行契機となった特別図柄抽選(小当たり当選した特別図柄抽選)が実行された時点において設定されている遊技状態の種別(通常状態、又は時短状態)や、設定された小当たり種別や、大当たり遊技の種別に基づいて成立する条件を設定すれば良く、例えば、小当たり当選時の遊技状態が通常状態である場合と、時短状態である場合と、で同一の小当たり種別(大当たり種別)が設定され、同一の時短終了条件が設定された場合であっても、時短状態を終了させるタイミングを異ならせるように構成すれば良い。
本第10制御例におけるパチンコ機10も、上述した第7制御例のパチンコ機10と同様に、第2図柄表示装置における変動表示が所定図柄(本実施形態においては「○」の図柄)で停止した場合に、普電入賞装置640に付随された電動役物640aが所定時間だけ作動状態(開放状態)となる当たり遊技(普図当たり遊技)が実行されるよう構成している。
第2図柄の変動表示にかかる時間(普図変動時間)は、普通図柄の確率状態(低確率状態、高確率状態)に応じて、異なる長さの変動時間が規定されており、普通図柄の低確率状態では、10秒の普図変動時間が、普通図柄の高確率状態では1秒の普図変動時間が設定されるように構成されている。これにより、普通図柄の低確率状態(通常状態)中において、頻繁に普図当たり遊技が実行されてしまうことを抑制することができる。
なお、本第10制御例とは異なる構成を用いても良く、例えば普通図柄の確率状態に関わらず、常に同一の普図変動時間(例えば、1秒)が設定されるように構成しても良い。このように構成することで、例えば、普通図柄の低確率状態中(通常状態中)に普図当たり遊技が実行され難くするために、普通図柄の変動表示にかかる時間(普図変動時間)が時短状態中よりも通常状態中のほうが長くなるように構成したパチンコ機10において、普通図柄の当たり遊技(普図当たり遊技)が実行され難い通常状態(普通図柄の低確率状態)から、普図当たり遊技が実行され易い時短状態(普通図柄の高確率状態)へと遊技状態が移行する場合に、通常状態中に実行された長時間の普通図柄変動(時短状態中よりも遊技者に不利となる普図当たり遊技)の実行中に時短状態へと移行してしまい、時短状態が設定されたにも関わらず、時短状態中の普通図柄抽選が実行されない期間が長時間設定されてしまうことを抑制することができる。
この場合、普通図柄の低確率状態において普通図柄抽選が最高で1秒に1回実行されることになるため、普通図柄の低確率状態中(通常状態中)にて普図当たり遊技が実行され易くなるため、普通図柄の低確率状態中(通常状態中)における普図当たりに当選する確率を低く設定すれば良い。
本制御例では、通常状態と時短状態とで、実行される普図当たり遊技の遊技内容(電動役物640aの開放動作パターン)を異ならせるように構成している。つまり、通常状態中に実行される普図当たり遊技よりも、時短状態中に実行される普図当たり遊技のほうが、遊技者に有利な普図当たり遊技、即ち、球が、第2入球口640へと入球し易くなるように構成している。具体的には、通常状態が設定されている場合は、4.1秒間のオープニング期間(電動役物640aの閉鎖期間)を経て、0.1秒の開放期間が設定される普図当たり遊技(通常普図当たり遊技)が実行され、時短状態が設定されている場合は、1秒のオープニング期間(電動役物640aの閉鎖期間)を経て、3秒の開放期間が設定される普図当たり遊技(時短普図当たり遊技)が実行される。
次に、図376を参照して、電動役物640aの構成について説明をする。本第10制御例における電動役物640aは、遊技盤13に埋設している埋設状態(制限状態)と、遊技盤13から突出している突出状態(誘導状態)と、に変位可能に構成されており、普図当たり遊技が実行されていない場合は、埋設状態(閉状態)に位置するように構成している。そして、普図当たり遊技が実行されると、予め定められた可変パターンに基づいて所定期間(最大で3秒間)の間、突出状態(誘導状態)へと変位する。
ここで、電動役物640aの変位状態の用語について説明をする。電動役物640aの閉状態とは、球を第2入球口640へ入球させるための流路(電動役物640a上に形成される流路)が閉ざされた状態、即ち、電動役物640aが遊技盤13内に埋設している状態を示すために用いられる用語であり、機能的な表現として、制限状態(第2入球口640への球の入球を制限する状態)という用語を用いる場合もある。
また、電動役物640aの開状態とは、球を第2入球口640へ入球させるための流路(電動役物640a上に形成される流路)が開放された状態、即ち、電動役物640aが遊技盤13から突出している状態を示すために用いられる用語であり、機能的な表現として、誘導状態(第2入球口640へと球を誘導可能な状態)という用語を用いる場合もある。
図376に示した通り、電動役物640aが誘導状態に位置している場合は、左打ち遊技によって発射された球の殆どが、誘導状態に位置する電動役物640aの上面に形成された流路に流れ込むように電動役物640aが配設されている。電動役物640aの上面に形成された流路は、第2入球口640へと向かって下り傾斜する球流下面が形成されており、電動役物640aの上面に到達した球は第2入球口640へと流下する。
詳細は後述するが、本制御例では、普図当たり遊技中に球が第2入球口640へと1個入賞したことを契機に、普図当たり遊技を終了させるように構成している。よって、1回の普図当たり遊技中に第2入球口640へと入賞可能な球数は最大で1個になる。
図376を参照して上述した通り、本制御例では、通常状態が設定されている遊技状態中も、時短状態が設定されている遊技状態中も、遊技者に有利となる遊技方法が同一(左打ち遊技)となるように構成している。このように構成されたパチンコ機10では、通常状態中にも普通図柄の抽選契機が成立し(スルーゲート67への球通過が発生し)、普通図柄の抽選が実行される。そして、普通図柄抽選の結果、当たり当選した場合には、左打ち遊技によって発射された球が到達可能な遊技領域に設けられた電動役物640aが開放制御されるため、通常普図当たり遊技の実行中において、球が第2入球口640へと入球してしまう虞があった。
これに対して、本制御例のパチンコ機10は、通常状態中に普図当たり遊技が実行されたとしても、普図当たり遊技中に第2入球口640へと球が入球し得ないように構成している。具体的には、球が電動役物640aの上面を流下し、第2入球口640に到達するまでに要する時間が約1秒となるように構成しているのに対して、通常状態中における普図当たり遊技によって電動役物640aが誘導状態となる期間が0.2秒となるように構成している。
このように構成することで、通常状態(普通図柄の低確率状態)と、時短状態(普通図柄の高確率状態)と、で同一の遊技方法で遊技を実行する構成を有するパチンコ機10、即ち、通常状態においても、普図当たり遊技に当選し得るパチンコ機10において、通常状態中に第2入球口640へと球が入球してしまうことを抑制することができる。
普通図柄始動口(スルーゲート)67は、可変表示装置ユニット80の左側の領域(左側領域)において遊技盤13に組み付けられ、遊技盤に発射された球のうち、遊技盤13の左側領域を流下する球の殆ど(約100%)が通過可能に構成されている。普通図柄始動口(スルーゲート)67を球が通過すると、第2図柄の当たり抽選が行われる。この第2図柄の当たり抽選の後、第2図柄表示装置にて変動表示を行い、当たり抽選の結果が当たりであれば、変動表示の停止図柄として「○」の図柄を表示し、当たり抽選の結果が外れであれば、変動表示の停止図柄として「×」の図柄を表示する。
球の普通図柄始動口(スルーゲート)67の通過回数は、合計で最大1回まで保留され、その保留球数が上述した第2図柄保留ランプ84において表示される。第2図柄保留ランプ84は、最大保留数分の1つ設けられ、第3図柄表示装置81の下方に左右対称に配設されている。
図376に戻り説明を続ける。可変表示装置ユニット80の左方(図376の視点で左方)には、左打ち遊技によって発射され左側領域を流下する球が入賞し得るようにV入賞装置650が設けられている。ここで、図377から図380を参照して、V入賞装置650の具体的な構成、及び、V入賞装置650内に入賞した球の流れについて説明をする。本制御例では、特別図柄抽選で小当たり当選した場合に、V入賞装置650を開放動作させる小当たり遊技が実行されるように構成している。そして、V入賞装置650内に設けられたV入賞口1650に球が入賞することで大当たり遊技(V大当たり遊技)が実行されるように構成している。
本制御例は、特別図柄抽選によって大当たり当選することが無く、小当たり当選した場合に実行される小当たり遊技中に球が特定領域(V入賞口1650)を通過(入賞)したことに基づいて、大当たり遊技が実行されるように構成している。このように、第1条件(小当たり当選)と、第2条件(特定領域の通過)を段階的に成立させることにより遊技者に有利となる特典遊技(大当たり遊技)を実行させるように構成することで、遊技者に飽きの来ない遊技を提供することができる。
なお、これに加え、特別図柄抽選で大当たり当選するように構成しても良い。この場合、特別図柄の抽選で大当たり当選した場合に成立する大当たり遊技(特図大当たり遊技)の実行契機に加え、特定の入賞口(V入賞口1650)に球が入賞した場合に成立する大当たり遊技(V大当たり遊技)の実行契機を有することになる。このように、大当たり遊技を実行させるための契機を複数設けることにより、遊技者に対して飽きの来ない遊技を提供することができる。
まず、図377を参照して、V入賞装置650の構成について説明をする。V入賞装置650には、V入賞装置650内に球が入賞し易い開放状態と、その開放状態よりも球が入賞し難い閉鎖状態とに可変可能な開閉扉650aが設けられている。この開閉扉650aは、遊技盤13の左側領域を流下する球が到達し得る位置(図376参照)に設けられており、小当たり遊技が実行される場合に開放状態へと可変される。
V入賞装置650内には、開放状態中の開閉扉650aを通過した球が流下する第1流路650bが第1隔壁650k1と第2隔壁650k2との間の空間に形成され、その第1流路650bを流下した球(流下期間0.5秒)が到達する位置に貯留弁660aが設けられている。この貯留弁660aの上面には球を1個貯留可能な貯留部が形成されており、小当たり遊技中に最初にV入賞装置650に入賞した球が貯留部に一時的に貯留するように構成している。また、貯留弁660aの上方には貯留センサ650sが設けられており、球が貯留部に貯留されていることを検知可能に構成している。さらに、V入賞装置650に入賞した球を検知するための球検知センサ650s2が第1流路650bの上流側に設けられており、球検知センサ650s2が球を検知したことに基づいて、小当たり遊技中にV入賞装置650へと入賞した球数を計測すると共に、入賞した球に対する賞球払出制御が実行される。このように、V入賞装置650に入賞した球が直後に流下する位置に球検知センサ650s2を設けることにより、V入賞装置650へと規定数以上の球が入賞してしまう事態を抑制することができると共に、小当たり遊技中の賞球を遊技者に即座に付与することができる。
また、第1流路650bと連通するように第2流路650cが形成されており、第2流路650cの下流側には、第1アウト口1163aが設けられている。図377に示した通り、第2流路650cは、第1流路650bを流下した球が直接流入するのでは無く、貯留弁660aの貯留部に球が貯留されている状態で、第1流路650bを流下した後続の球が、貯留弁660aの貯留部に貯留されている球と接触し、第2流路650cへと誘導されるように構成している。第2流路650cの下流側に設けられた第1アウト口1163aは、入球した球をパチンコ機10の外部へと排出するための入球口であって、第2流路650cを流下(流下期間0.1秒)し、第1アウト口1163aに入球した球は、図示しない球排出経路を流下してパチンコ機10の外部へと排出される。
詳細な説明は後述するが、貯留弁660aは、小当たり遊技の進行に応じて(小当たり遊技が実行される動作シナリオに対応させて)、球を貯留可能な貯留状態と、その貯留状態よりも球を貯留し難い解除状態と、に可変動作されるように構成している。この貯留弁660aが解除状態に位置すると、第1流路650bと、第3流路650dと、が連通し、第1流路650bを流下した球、又は、貯留弁660aの貯留部に貯留されていた球が第3流路650dを流下する。この第3流路650dは、第1隔壁650k1の下端側と、第3隔壁650k3との間の空間に形成された幅が約15ミリの垂直方向に直線状に形成された流路である。
第3流路650dの下流側が臨む位置には、第1可動弁660bが配設されている。この第1可動弁660bは、パチンコ機10に電源が投入されたことを契機に予め定められた可動パターンで、第3流路650dを流下した球を受け止め可能な誘導位置(突出位置)と、第3流路650dを流下した球を受け止め不可能な通過位置(埋没位置)と、に可動するように構成している。具体的には、主制御装置110の入出力ポート205に接続され、主制御装置110によって駆動制御される第1可動弁ソレノイド209dの動作に応じて可動するように構成しており、第1可動弁ソレノイド209dがオンに設定された場合(通電させた場合)に、第1可動弁660bがV入賞装置650内から退避する通過位置(遊技盤13に埋没する位置)へと可動し、第1可動弁ソレノイド209dがオフに設定された場合(電気を遮断させた場合)に、第1可動弁660bがV入賞装置650内に突出する誘導位置(遊技盤13から突出する位置)へと可動するように構成している。
誘導位置(突出位置)に位置する第1可動弁660bは、その上面を球が流下可能に構成されており、図377に示した通り、第1可動弁660bの上面の下流端側が第4流路650eに向けて下り傾斜するように構成している。よって、第1可動弁660bが誘導位置(突出位置)に位置した状態で第3流路65dを流下した球(流下期間0.2秒)は、第1可動弁660bの上面を第4流路650eに向けて流下することになる。第4流路650eの下流側には第2アウト口1163bが設けられており、第4流路650eを流下した球(流下期間0.2秒)は第2アウト口1163bに入球する。この第2アウト口1163bは、上述した第1アウト口1163aと同様に、入球した球をパチンコ機10の外部へと排出させるための入球口であって、第2アウト口1163bに入球した球は図示しない球排出経路を流下し、パチンコ機10の外部へと排出される。
一方、第1可動弁660bが通過位置に位置している状態では、第3流路650dと、第5流路650fとが連通し、第3流路650dを流下した球(流下期間0.2秒)が第5流路650f(流下期間0.1秒)へと流入する。そして、第5流路650fの下流側にはV入賞口1650が設けられている。V入賞口1650は、大当たり遊技を実行するための契機となり得る入賞口であって、大当たり遊技が実行されていない状態で球がV入賞口1650に入賞すると、その入賞情報が記憶され(大当たり遊技の実行権利を獲得し)、実行中の小当たり遊技終了後に、大当たり遊技が実行される。
図377に示した通り、V入賞装置650内には、第1アウト口1163aと、第2アウト口1163bとが設けられている。このように構成することで、貯留弁660aが貯留状態である場合にV入賞装置650に入賞した球が、貯留弁660aが解除状態となった場合に球が通過し得る流路(第3流路650d、第4流路650e、第5流路650f)へと流入することを確実に防止することができる。なお、本制御例の構成に限ること無く、例えば、第1アウト口1163aを排除し、第2流路650cと、第4流路650eと、を連通させ、貯留弁660aが貯留状態であって、第2流路650cを流下した球が、第2アウト口1163bへと入球するように構成しても良い。この場合、図377では垂直方向に直線的に設けられている第3隔壁650k3を、上端側から下端側に向けて図377の視点で右下方向へと傾けて、即ち、隔壁650k3の下端側方向に向けての延長線上が第4隔壁650k4の右側(図377の視点で右側)となるように設けると良い。このように構成することで、第2流路650cを流下した球が第5流路650fへと流入してしまう事態を抑制することができる。
このように、本制御例では、小当たり遊技中に球がV入賞口1650へと入賞したことを契機として大当たり遊技を実行させる。以降、実行契機を区分けして大当たり遊技を説明する際に、V入賞口1650へと入賞したことを契機として実行される大当たり遊技のことをV大当たり遊技とも称す。
上述した通り、本制御例のV入賞装置650は、小当たり遊技が実行されることで球が入賞可能な開放状態となり、貯留弁660aに貯留された1個の球のみが第3流路650dを流下するように構成し、第3流路650dを流下した球が第1可動弁660bに到達した際における第1可動弁660bの稼働状況に応じて、V入賞口1650に球が入賞するか否かが決定するように構成している。
なお、本第10制御例では、小当たり遊技中にV入賞装置650へと遊技球を入球させることで、その遊技球が確実にV入賞口1650へと入球し得るように第1可動弁660bが稼働するように構成しているが、これに限ること無く、小当たり遊技中にV入賞装置650へと遊技球を入球させた場合に、V入賞口1650へと遊技球が入球しする場合と、入球しない場合とが発生するように第1可動弁660bの可動内容を規定しても良く、例えば、第1可動弁660bは、誘導位置に位置する時間(球がV入賞口1650へと入賞し得ない時間)が6秒に対して、通過位置に位置する時間(球がV入賞口1650へと入賞し得る時間)が1秒となる可動パターンで常時可動するように構成しても良い。これにより、第3流路650dを流下した球がV入賞口1650へと入賞する割合は、約1/6とすることができる。
次に、図378から図380を参照して、本第10制御例とは異なり、V入賞口1650へと遊技球が入球可能な小当たり遊技と、入球できない小当たり遊技と、を実行可能に構成した変形例における、小当たり遊技の実行中におけるV入賞装置650に入賞した球流れの内容について説明をする。なお、以降の説明においては、1回の小当たり遊技においてV入賞装置650へと複数個の球を入賞させたとしても、第3流路650dを流下させる球数が1個となるように貯留弁660aが動作制御される場合を例に挙げて説明をする。まず、図378を参照して、小当たり遊技の前半期間(貯留弁660aが貯留状態である期間)における球流れについて説明をする。図378は、小当たり遊技のうち、貯留弁660aが貯留状態である場合におけるV入賞装置650内の球流れを示す模式図である。詳細な説明は後述するが、貯留弁660aは、小当たり遊技が実行されてから、V入賞装置650が閉鎖状態となるまでの間、貯留状態となるように動作制御されるように構成している。そして、貯留弁660aが貯留状態中に複数の球がV入賞装置650に入賞した場合には、最初に入賞した球P1が貯留弁660aに形成される貯留部に貯留され、次点で入賞した球P2は、貯留弁660aに貯留されている球P1と当接し、第2流路650cを流下し、アウト口1163aに入球する。
このように、貯留弁660aが貯留状態である場合は、貯留弁660aの貯留部に貯留された球P1以外の入賞球(例えば、球P2)が、全てアウト口1163aに入球するように構成しているため、複数の球がV入賞装置650内に滞留することが無い。また、貯留弁660aは、V入賞装置650のV開閉扉650aが閉鎖状態となってから(閉鎖状態にさせるための動作制御を実行してから)、貯留状態が解除されるため、1回の役物当たり遊技にて第3流路650dを流下させる球数を確実に1個にすることが可能となる。
このように構成することで、小当たり遊技中にV入賞装置650へと球を入賞させるタイミングや、入賞数に応じて、V入賞口1650への球の入賞のし易さが可変することが無いため、全ての遊技者に対して公平な遊技を提供することができる。
なお、これに限ること無く、小当たり遊技中にV入賞装置650へと球を入賞させる入賞数に応じて、V入賞口1650への球の入賞のし易さが可変するように構成しても良く、例えば、V入賞装置650へと入賞した球を貯留可能な貯留部を6個設け、V入賞装置650へと入賞した球が6個の貯留部の何れかに振り分けられる振分部材(クルーン等)を設ける。そして、6個の貯留部のうち、特定の貯留部に貯留された球のみが、貯留部の貯留状態が解除された場合にV入賞口1650へと入球可能とし、特定の貯留部以外の貯留部に貯留された球(最大で5個)は、各貯留部の貯留状態が解除された場合に第2アウト口1163bへと入球するように構成する。加えて、既に球が貯留されている貯留部に向けて、振分部材によって次の球が振り分けられた場合には、既に貯留状態の球に衝突し、隣接する別の貯留部に貯留されるように各貯留部間を連通する流路を設ける。
このように構成することで、小当たり遊技中にV入賞装置650へと球を入賞させる入賞数に応じて、V入賞口1650への入賞割合を異ならせることができるため、遊技者に意欲的に遊技を行わせることができる。
このように構成した場合であっても、1回の小当たり遊技中におけるアウト口へと球を流下させる貯留部の貯留状態を解除する回数を小当たり種別に応じて異ならせることにより、実質のV入賞口1650への入賞割合を異ならせることができる。
次に、図379を参照して、貯留弁660aが貯留状態から解除状態へと移行した際の球流れ(役物当たり遊技の後半期間)の内容について説明をする。図379は、小当たり遊技のうち、貯留弁660aが貯留状態から解除状態へと移行した場合における球流れを示す模式図である。図379に示した通り、V開閉扉650aが閉鎖状態となり、新たな球がV入賞装置650に入賞し得ない状態となった後に、貯留弁660aが解除状態(図では点線で表示)へと移行すると、貯留弁660aの貯留部に貯留されていた球P1(図378参照)が、第3流路650dを流下する。図379に示した状態では、第1可動弁660bが誘導位置に位置しているため、球P1が第1可動弁660bの上面に形成された下り傾斜を転動し、第4流路650eを流下し、第2アウト口1163bに入球する。
一方、貯留弁660aの貯留部に貯留されていた球P1(図378参照)が、第3流路650dを流下し、第1可動弁660bに到達したタイミングで、第1可動弁660bが通過位置に位置している場合の球流れについて、図380を参照して説明をする。図380は、小当たり遊技のうち、貯留弁660aが貯留状態から解除状態へと移行した場合における球流れを示す模式図である。図380に示した通り、第3流路650dを流下した球が第1可動弁660bに到達したタイミングにおいて、第1可動弁660bが通過位置に位置している場合は、第5流路660fを流下し、V入賞口1650へと入賞する。
なお、本第10制御例では、図376から図380を参照して上述した通り、通常状態において第1入球口64へと遊技球を入球させるための遊技も、時短状態において第2入球口640へと遊技球を入球させるための遊技も、左打ち遊技を遊技者に行わせるように構成し、さらに、小当たり遊技中も左打ち遊技を行わせ、大当たり遊技中のみ右打ち遊技を行わせるように構成しているが、これに限ること無く、上述した各制御例と同様に、通常状態と時短状態とで遊技者に対して異なる遊技方法で遊技を行わせるように構成しても良い。
<第10制御例における演出内容について>
次に、図381から図383を参照して、本第10制御例におけるパチンコ機10にて実行される各種演出のうち、特徴的な演出の内容について説明をする。本第10制御例では、時短状態中において獲得した特図2保留が上限数(4個)に到達した場合に、その特図2保留に対する先読み結果を示す情報に基づいて、遊技者に対して、大当たり遊技(小当たり当選に基づく大当たり遊技)を実行させることが可能な回数を報知可能に構成している。
具体的には、第2特別図柄抽選が実行された場合には、必ず大当たり当選、或いは、小当たり当選するように規定しており、且つ、小当たり当選したことに基づいて実行される小当たり遊技中に正常に遊技を行うことで確実に特定領域へと遊技球を通過せることが可能に構成している。
つまり、本第10制御例では、獲得済みの特図2保留の数だけ、大当たり遊技を実行可能な権利を獲得する遊技性の遊技が実行されることになり、例えば、特図2保留を4個獲得している状態では、後4回の大当たり遊技を実行させることが可能な状態となる。また、本第10制御例では、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態として、通常状態と、時短状態とを設定可能に構成しており、さらに、時短状態として、特図2保留を獲得し難い不利時短状態と、その不利時短状態よりも特図2保留を獲得し易い有利時短状態と、を設定可能に構成している。
そして、時短状態中において所定条件(特図2保留が上限に到達)が成立した場合に、獲得済みの特図2保留の先読み結果に基づいて、大当たり遊技終了後に有利時短状態が設定されるか否かを判別し、その判別結果も踏まえて、遊技者に対して大当たり遊技を実行させることが可能な権利数を報知可能に構成している。
このように、獲得済みの特図2保留の数に加え、獲得済みの特図2保留に対応する特別図柄抽選の結果に基づいて実行される大当たり遊技の終了後に設定される遊技状態まで予測した上で、大当たり遊技を実行させることが可能な回数(大当たり実行可能回数)を報知可能に構成することで、獲得済みの特図2保留よりも多い数の大当たり実行可能回数を報知することが可能となる。
さらに、本第10制御例では、大当たり実行可能回数として遊技者に報知する回数を、特図2保留が上限に到達した時点における遊技状態や、先読み結果に基づいて異ならせるように構成している。つまり、大当たり実行可能回数として最大数以外の回数を遊技者に報知可能に構成している。このように構成することで、報知された大当たり実行可能回数に基づいて後に実行される遊技の内容を遊技者に完全に把握されてしまい、遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができる。
加えて、本第10制御例では、特図2保留を獲得可能な時短状態の最終変動期間中において、特図2保留を上限数まで獲得していない状態であっても、最終変動の抽選結果や、獲得済みの特図2保留の先読み結果に基づいて特図2保留を獲得させるための案内演出の演出態様を可変させたり、案内演出とは異なる演出を実行可能に構成している。
ここで、従来型のパチンコ機10のうち、本第10制御例と同様の遊技性を有しているパチンコ機10では、特図2保留を獲得し易い時短状態における特別図柄の最終変動期間(時短最終変動期間)において、特図2保留を上限数まで獲得させるための案内演出を実行することで、時短状態中に遊技者に付与される特典(特図2保留を獲得し易くする特典)を最大限に生かした遊技を遊技者に行わせるものがある。
しかしながら、上述した従来側のパチンコ機10では、例えば、時短最終変動の抽選結果や、時短最終変動の後に実行される第2特別図柄抽選(通常状態中に実行される特図2保留に対応する第2特別図柄抽選)の結果に関わらず、案内演出が実行されるため、今回の時短最終変動期間にて特図2保留数を上限数まで獲得しなくとも、その後に実行される第2特別図柄抽選の結果に基づいて、再度、特図2保留を獲得可能な時短状態が設定される場合等において、遊技者に無用に遊技球を発射させる遊技を行わせることになり、遊技者に対して適正な遊技を案内することが出来ていないという問題があった。
これに対して、本第10制御例では、時短最終変動期間中に実行される演出態様を決定する際に、時短最終変動に対応する第2特別図柄抽選の結果と、獲得済みの特図2保留に対応する先読み結果とに基づいて、時短最終変動期間が経過した後に、再度、特図2保留を獲得可能な時短状態が設定されるか否かを判別し、その判別結果に基づいて、案内演出の実行の有無を異ならせるように構成している。
このように構成することで、遊技者に対して、無用に特図2保留数を上限に到達させるための遊技を行わせることを抑制した案内演出を実行することができる。
加えて、本第10制御例では、時短最終変動期間が経過した後に実行され得る遊技の内容(特図2保留の獲得難度)に応じて、案内演出の演出態様を可変するように構成しており、例えば、時短最終変動の抽選結果が小当たり当選で、且つ、小当たり当選に基づいて実行される大当たり遊技の終了後に通常状態が設定される場合の方が、時短最終変動の抽選結果が小当たり当選で、且つ、小当たり当選に基づいて実行される大当たり遊技の終了後に特図2保留を獲得することが困難な時短状態(不利時短状態)である場合よりも、遊技者に対して特図2保留を獲得する案内態様を強調した案内演出を実行するように構成している。
このように、時短最終変動期間中に実行される案内演出の演出態様として案内態様に強弱を設けるように構成することで、常に単調な案内演出を実行する場合に比べて、特図2保留を獲得しなければ遊技者に不利となる期間中に特図2保留を獲得しないまま、その期間が終了してしまい遊技者に不利な遊技を実行させてしまうことを抑制することができる。
本第10制御例では、第1特別図柄抽選で大当たり当選した場合には、その大当たり遊技終了後に、特図2保留を獲得困難な時短状態(不利時短状態)、或いは、特図2保留を獲得し易い時短状態(有利時短状態)と、を設定可能に構成している。
具体的には、不利時短状態が設定された場合には、時短状態中に実行される1回目の第2特別図柄変動が開始されるタイミングで時短状態が終了するように構成し、有利時短状態が設定された場合には、時短状態中に実行される2回目の第2特別図柄変動が開始されるタイミングで時短状態が終了するように構成している。このように構成することで、不利時短状態が設定された場合には、特図2保留を獲得すること無く、第2特別図柄抽選が1回のみ実行される時短状態が設定され、有利時短状態が設定された場合には、特図2保留を上限数獲得可能な時短状態が設定される。
まず、図381(a)を参照して、大当たり遊技終了後に時短状態が設定された場合の演出内容を説明する。図381(a)は、特図1抽選で大当たり当選した後に設定される時短状態(初当たり状態)における1回目の第2特別図柄変動中に表示される表示画面の一例を示した図である。図381(a)に示した通り、実行中の第2特別図柄変動の抽選結果が、不利時短状態が設定される抽選結果(不利抽選結果)であるか、有利時短状態が設定される抽選結果(有利抽選結果)であるかを示すための時短演出が実行される。
図381(a)に示した例によれば、不利抽選結果に対応する表示態様として「V」を模したアイコン1800aと、有利抽選結果に対応する表示態様として「V×5」を模したアイコン1800bとが表示されている。そして、アイコン1800bが選択された場合には、超チャンスモードへと移行することを案内するための案内態様として「超チャンスモード」が表示され、副表示領域Dsには、アイコン1800bが選択された場合に大当たり遊技の実行権利を5個獲得(5連チャン可能)することを案内するための案内態様として「V×5なら5連チャン」のコメントが表示される。
次に、時短状態中に実行される第2特別図柄抽選の結果に基づいて実行される大当たり遊技中の演出内容について図381(b)を参照して説明をする。図381(b)は、特図2大当たり遊技中に表示される表示画面の一例を示した図である。図381(b)に示した通り、大当たり遊技のエンディング画面にて、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態を事前に遊技者に報知するための報知演出が実行される。
次に、図382(a)を参照して、有利時短状態中の演出内容について説明をする。図382(a)は、有利時短状態であることを示す超チャンスモード中の表示画面の一例を示した図である。図382(a)に示した通り、超チャンスモードは複数回の第2特別図柄変動が実行されるまで時短状態が継続するように構成しており、第2特別図柄変動の変動期間中に特図2保留を獲得可能に構成している。よって、副表示領域Dsには、現在が特図2保留を容易に獲得可能な状況であること、及び、遊技者に対して特図2保留を獲得させることを促すために「右打ちしてVを貯めろ」のコメントが表示されている。
そして、小表示領域Dm9には、獲得済みの特図2保留数に対応させて増減するVアイコンが表示される。このVアイコンは、特図2保留と同数を上限に表示可能に構成しており、特図2保留を獲得する毎に、第1Vアイコンhr1〜第4Vアイコンhr4の順に表示される。図382(a)に示した例では、特図2保留を2つ獲得している状態であるため、第1Vアイコンhr1と、第2Vアイコンhr2とが表示されている。
その後、遊技者が特図2保留を上限数まで獲得すると、図382(b)に示した通り、小表示領域Dm9の情報に、特図2保留を上限数獲得したことを示すための上限報知態様として「MAX」を模したアイコンhxが表示され、主表示領域Dmの中央部に宝箱1810が出現する演出が実行されると共に、「宝箱が出現」の文字が表示される。そして、副表示領域Dsには、実行中の演出の進展内容を遊技者に説明するための案内態様として「中身は何だろう」の文字が表示される。これにより、宝箱1810が開放される演出がこの後実行されることを遊技者に分かり易く報知することができる。
次に、図383(a)に示した通り、宝箱1810が開放されると、宝箱1810の中から中身1810aが出現する演出が実行され、その中身1810aの表示態様によって、現時点で遊技者が獲得している大当たり遊技の実行権利数を報知している。つまり、図383(a)に示した例では、4個目の特図2保留の先読み結果が、有利時短状態が設定される小当たり当選であるため、実行中の第2特別図柄抽選の結果に基づく大当たり遊技(1回)と、獲得済みの特図2保留に対応する第2特別図柄抽選の結果に基づく大当たり遊技(4回)と、4個目の特図2保留に対応する第2特別図柄抽選の結果に基づく大当たり遊技の終了後に実行される第2特別図柄抽選の結果に基づく大当たり遊技(1回)と、その変動中に獲得可能な特図2保留に対応する大当たり遊技(4回)と、を合わせた10回の大当たり遊技実行権利を獲得したことを報知するための表示態様「V×10」で中身1810aが表示されている。
このように構成することで、本第10制御例では、既に獲得済みの大当たり遊技の実行権利数だけで無く、獲得済みの大当たり遊技の実行権利に基づいて実行され得る大当たり遊技終了後の遊技内容まで予測した上で、遊技者に対して獲得し得る大当たり遊技の実行権利に関する情報を報知することができるため、一度に保留記憶可能な特図2保留数(4個)よりも多くの数の大当たり遊技の実行権利数を遊技者に事前報知可能となる。よって、遊技者に対して、大当たり遊技の実行権利がどのようにして発生するのか(獲得し得るのか)を予測させ難くすることができ、飽きの来ない遊技を提供することができる。
なお、本第10制御例では、小当たり遊技中に適正な遊技(右打ち遊技)を実行した場合には、ほぼ大当たり遊技を実行させることが可能に構成しているため、事前に遊技者に対して報知した大当たり遊技の実行権利数と同数の大当たり遊技を遊技者に提供可能となるが、例えば、小当たり遊技中に適正な遊技(右打ち遊技)を行わなかったことにより小当たり遊技中に遊技球を特定領域へと入球させることができず、大当たり遊技が実行されなかった場合には、事前報知されている大当たり遊技の実行権利数を減少させる演出を実行するように構成すると良い。
このように構成することで、実行した遊技の内容によって実行される大当たり遊技の回数が減少したことを遊技者に分かり易く報知することができる。この場合、大当たり遊技の実行権利数が減少した(実行権利が消滅した)経緯を遊技者に把握させるための情報を報知可能に構成すると良い。これにより、大当たり遊技の実行権利数が残存している場合において、大当たり遊技の実行権利数が再度減少してしまう事態が発生してしまうことを抑制することができる。
本第10制御例では、小当たり遊技中に適正な遊技(右打ち遊技)を実行した場合には、ほぼ大当たり遊技を実行させることが可能に構成しているため、事前に遊技者に対して報知した大当たり遊技の実行権利数と同数の大当たり遊技を遊技者に提供可能であるため、算出された大当たり遊技の実行権利数の全てを遊技者に事前報知するように構成しているが、これに限ること無く、既に獲得済みの大当たり遊技の実行権利数だけで無く、獲得済みの大当たり遊技の実行権利に基づいて実行され得る大当たり遊技終了後の遊技内容まで予測した上で、遊技者に対して獲得し得る大当たり遊技の実行権利数を算出し、その算出結果の一部を遊技者に事前報知するように構成しても良い。
これにより、例えば、小当たり遊技が実行された場合の約1/2の確率で大当たり遊技が実行されるように構成されたパチンコ機10において、遊技者に対して獲得し得る大当たり遊技の実行権利数として算出された数の1/2の数を遊技者に事前報知するように構成した場合に、実際に実行された小当たり遊技の回数と、大当たり遊技の回数とに基づいて、事前報知された大当たり遊技の実行権利数を増加させたり減少させたりするための更新処理を実行可能にすることで、遊技者に対して、大当たり遊技が実行され得る回数を予測させ易くすること共に、予測に用いた情報の信頼性を高めることができる。
図383(b)に戻り説明を続ける。図383(b)は、有利時短状態であることを示す超チャンスモード中における第2特別図柄の最終変動期間中に表示される表示画面の一例を示した図である。本第10制御例では、有利時短状態が設定されている期間は、有利時短状態が設定されていない期間よりも、遊技球を第2入球口640へと入球させ易くなるように構成しており、有利時短状態の終了条件が成立する第2特別図柄変動期間中(最終変動期間中)は、図382(a)に示した通り、遊技者に対して第2入球口640へと遊技球を入球させることを促すための案内報知を実行可能に構成しているが、最終変動期間となる特別図柄変動が実行される際に既に獲得済みの特図2保留の中に大当たり遊技終了後に有利時短状態が設定される当たり当選に対応する特図2保留が存在している場合には、上述した案内報知を実行すること無く、図383(b)に示した通り、遊技者を祝福するための演出態様が設定されるように構成している。
つまり、時短状態を終了させるための時短終了条件が成立する特別図柄変動期間中において、特図2保留を上限数獲得していない状態であっても特定条件が成立している場合には、特図2保留を上限数まで獲得させることを促すための案内報知を実行しないように構成している。このように構成することで、遊技者に対して、無用に特図2保留を上限数まで獲得させるための遊技を行わせることを抑制することができる。
<第10制御例における遊技状態の遷移について>
次に、図384を参照して、本第10制御例における遊技状態の遷移内容について説明をする。図384は、遊技状態の遷移内容を示したゲームフローである。図384に示した通り、本第10制御例では、上述した第7制御例と同様に、遊技状態として通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)と、時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)と、を設定可能に構成しており、何れの遊技状態が設定されている場合であっても、遊技者に左打ち遊技を実行可能に構成している。
パチンコ機10の初期状態としては、特図1保留、及び、特図2保留を獲得していない状態で通常状態(第1通常状態)が設定される。この第1通常状態では、左打ち遊技によって第1入球口64へと遊技球を入球させるための遊技が行われる。この第1通常状態では、特別図柄の低確率状態が設定されているため、30/1000の確率で大当たり当選する第1特別図柄抽選が実行される。
ここで、第1特別図柄抽選で大当たり当選した場合には、大当たり種別として「大当たりA」が設定される。大当たり種別「大当たりA」が設定された大当たり遊技の終了後には時短状態が設定される。
本第10制御例では、遊技者への遊技度合いを異ならせた時短状態を設定可能に構成しており、遊技者に有利となる第2時短状態(有利時短状態)と、その第2時短状態(有利時短状態)よりも遊技者に不利となる第1時短状態(不利時短状態)と、を設定可能に構成している。より具体的には、時短状態が設定されている期間中における特図2保留の獲得のし易さを異ならせることにより、時短状態における遊技度合いを異ならせており、遊技者に有利となる第2時短状態(有利時短状態)が設定された場合には、その時短期間中に第2入球口640へと遊技球を複数個入球させることが容易となるように構成している。一方で、第1時短状態(不利時短状態)が設定された場合には、その時短期間中に第2入球口640へと遊技球を複数個入球させることが困難となるように構成している。
つまり、第1時短状態(不利時短状態)が設定された場合と、第2時短状態(有利時短状態)が設定された場合とで、時短状態中における特図2保留球の獲得のし易さを異ならせることにより遊技者への有利度合いを異ならせるように構成している。
本制御例のパチンコ機10は、遊技状態として、通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)と、時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)とを設定可能に構成している。通常状態は普通図柄の低確率状態が設定されているため、普図当たりに当選し難く、且つ、普図当たりに当選した場合であっても、電動役物640aの動作期間が短く第2入球口640へと球を入球させ難い(させることが出来ない)遊技状態となる。よって、左打ち遊技によって第1入球口64へと球を入球させ、第1特別図柄抽選を実行する遊技が主として行われる。
そして、第1入球口64へと球が入球すると、30/1000の確率で大当たりに当選する第1特別図柄抽選(特図1抽選)が実行される。特図1抽選で大当たり当選した場合には、大当たり種別として大当たりAが設定され、大当たり遊技終了後に第1時短状態が設定される。
次に、本第10制御例のパチンコ機10における時短状態の内容について説明をする。図384に示した通り、本制御例では、時短状態として第1時短状態と第2時短状態とを設定可能に構成している。ここで、第1時短状態と第2時短状態との違いについて説明をする。第1時短状態と第2時短状態とは、何れも特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態が設定される時短状態であって、特別図柄抽選の当たり確率、普通図柄抽選の当たり確率は同一である。さらに、特別図柄抽選の結果を示すための特別図柄変動の変動パターンの選択割合も同一である。
唯一の相違点は、時短状態が終了する(通常状態へと移行する)タイミングであり、第1時短状態では、第2特別図柄抽選が1回実行された場合に、その第2特別図柄変動の開始タイミングで時短状態が終了するように構成されており、第2時短状態では、第2特別図柄抽選が2回実行された場合に、その第2特別図柄変動の開始タイミングで時短状態が終了するように構成されている。
つまり、第1時短状態よりも第2時短状態のほうが、第2特別図柄変動の変動期間分、時短状態を長く設定することができるため、遊技者に有利な時短状態といえる。さらに、本制御例では、1回の普図当たり遊技中に第2入球口640へと入球可能な球数が1個となるように構成されており、且つ、第2特別図柄変動が1回実行された場合に時短終了条件が成立するように構成しているため、第1時短状態が設定された場合には、第2特別図柄の保留記憶(特図2保留)を獲得していない状態で時短状態が終了し易くなる。一方、第2時短状態が設定された場合には、第2特別図柄変動の変動期間中も継続して時短状態となるため、第2特別図柄の保留記憶(特図2保留)を獲得した状態で時短状態を終了させ易くなる。即ち、時短状態が終了した時点における特図2保留の獲得状況の点から見ても、第1時短状態よりも第2時短状態のほうが遊技者に有利な時短状態といえる。
そして、詳細は後述するが、第1時短状態に実行される第2特別図柄抽選で小当たり当選した場合には、5%の割合で第2時短状態が設定され得る小当たり遊技が選択されるように構成している。即ち、通常状態では第2時短状態よりも第1時短状態へと移行し易く、第1時短状態では、通常状態よりも高確率で第2時短状態へと移行し易くなるように構成している。よって、通常状態の遊技を行っている遊技者に対して、遊技者に最も有利となる第2時短状態への移行割合を異ならせた遊技状態(通常状態、第1時短状態)を段階的に移行させることができるため、第2時短状態が設定されるまでに遊技に飽きてしまうことを抑制することができる。また、通常状態よりも第2時短状態へと移行し易い遊技状態へと移行した場合に、遊技を止め難くすることができるため、遊技の稼働を向上させ易くすることができる。
第1時短状態では、左打ち遊技によってスルーゲート67に球を通過させ、普通図柄抽選を実行し、普図当たり遊技中に第2入球口640へと球を入球させる遊技が実行される。そして、第2入球口640へと球が入球した場合には、970/1000の確率で小当たり当選し、30/1000の確率で大当たり当選する第2特別図柄抽選が実行される。この第1時短状態中は、第2特別図柄抽選が1回実行されたことに基づいて時短終了条件が成立し、時短終了条件が成立した第2特別図柄抽選の結果を示すための特別図柄変動(第2特別図柄変動)の開始タイミングにて時短状態が終了するように構成している。これにより、特図2保留を獲得できないまま時短状態が終了し易くなるため、時短状態の設定後、第2特別図柄抽選を1回のみ実行可能な遊技状態となる。
本第10制御例では、時短状態中に第2特別図柄抽選が実行された場合には、必ず、大当たり当選、或いは、小当たり当選するように構成しており、小当たり遊技が実行された場合には、正常に遊技を実行した場合には、確実に大当たり遊技の実行権利(V入賞口1650への遊技球の入賞)を獲得可能に構成している。つまり、第2特別図柄抽選の実行回数と、大当たり遊技の実行回数と、を同一数とすることができる。よって、第1時短状態よりも、特図2保留を獲得可能な第2時短状態が設定されることを目指した遊技が行われる。
時短状態中において、特図2抽選で小当たり当選した場合に設定される小当たり種別は、それぞれ選択割合を異ならせており、大当たり遊技終了後に第1時短状態が設定される小当たりAの選択割合が80%、大当たり遊技終了後に通常状態が設定される小当たりBの選択割合が15%、大当たり遊技終了後に第2時短状態が設定される小当たりCの選択割合が5%となるように構成している。
つまり、第1時短状態が設定された場合には、大当たり遊技終了後に通常状態が設定される小当たりBが選択されるまで、第2特別図柄抽選を実行させる遊技を継続して行わせることができる。
そして、第1時短状態に実行される第2特別図柄抽選で小当たり当選した場合には、5%の割合で第2時短状態が設定され得る小当たり遊技が選択されるように構成している。即ち、通常状態では第2時短状態よりも第1時短状態へと移行し易く、第1時短状態では、通常状態よりも高確率で第2時短状態へと移行し易くなるように構成している。よって、通常状態の遊技を行っている遊技者に対して、遊技者に最も有利となる第2時短状態への移行割合を異ならせた遊技状態(通常状態、第1時短状態)を段階的に移行させることができるため、第2時短状態が設定されるまでに遊技に飽きてしまうことを抑制することができる。また、通常状態よりも第2時短状態へと移行し易い遊技状態へと移行した場合に、遊技を止め難くすることができるため、遊技の稼働を向上させ易くすることができる。
第2時短状態中は、上述した第1時短状態に対して、2回目の第2特別図柄抽選が実行された場合に時短終了条件が成立し、時短終了条件が成立した第2特別図柄変動の開始タイミングにて時短状態が終了するように構成している。つまり、時短終了条件が成立するまでの第2特別図柄変動の変動期間中を時短状態とすることができるため、その変動期間中に特図2保留を獲得することが可能となり、特図2保留を獲得した状態で時短状態を終了させ易くすることができる。よって、第2時短状態は第1時短状態よりも遊技者に有利な遊技状態となる。
なお、第2時短状態中に実行される第2特別図柄抽選の結果に基づく遊技状態の移行内容については、上述した第1時短状態と同一であるため、その詳細な説明を省略する。そして、第2時短状態が終了した時点、即ち、時短終了条件が成立した第2特別図柄変動が停止表示された場合において、特図2保留を獲得していない場合は、上述した第1時短状態の終了時と同様に第1通常状態中へと移行する。
一方、時短終了条件が成立した第2特別図柄変動が停止表示された場合において、特図2保留を獲得している場合は、遊技状態として通常状態が設定されている状態で第2特別図柄抽選が実行される第2通常状態へと移行する。この第2通常状態では、継続して超チャンスモードが設定される。
通常状態において第2特別図柄抽選が実行された場合には、時短状態中と同一の確率(970/1000)で小当たり当選する特別図柄抽選が実行される。そして、時短状態中における第2特別図柄抽選と同一の選択割合で小当たり種別が選択される。つまり、多くの特図2保留を獲得した状態であれば、大当たり遊技終了後に通常状態が設定されたとしても、高確率で時短状態へと復帰させ易くすることができる。
なお、本第10制御例では、通常状態における小当たり種別の選択割合と、時短状態における小当たり種別の選択割合と、を同一に設定しているが、これに限ること無く、一方の遊技状態の方が、他方の遊技状態よりも遊技者に有利な小当たり種別が選択され易くなるように構成しても良く、例えば、通常状態が設定されている場合の方が遊技者に有利な小当たり種別(小当たりC)を選択させ易くするように構成すると良い。このように構成することで、時短状態中に実行される第2特別図柄抽選よりも、通常状態中に実行される第2特別図柄抽選のほうが遊技者に有利な遊技状態とすることが可能となる。よって、特図2保留を獲得した状態で時短状態を終了させることの有利度合いを高めることができるため、第1時短状態と、第2時短状態との有利度合いの差を大きくし易くすることができる。
<第10制御例の電気的構成について>
次に、図385から図390を参照して、本第10制御例のパチンコ機10における電気的構成について説明をする。本第10制御例のパチンコ機10は、上述した第7制御例のパチンコ機10における電気的構成に対して、主制御装置110のMPU201が有するROM202、及びRAM203の一部構成、及び、音声ランプ制御装置113のMPU221が有するROM222、及びRAM223の一部構成を変更している点で相違し、それ以外が同一である。同一の要素については、同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
まず、図385を参照して、本第10制御例における主制御装置110の電気的構成について説明をする。図385(a)は、本第10制御例における主制御装置110のMPU201が有するROM202の内容を模式的に示した模式図である。図385(a)に示した通り、本制御例のROM202は、上述した第7制御例のROM202(図304(a)参照)に対して、第1当たり乱数7テーブル202faに代えて第1当たり乱数10テーブル202iaを、小当たり種別選択7テーブル202ffに代えて小当たり種別選択10テーブル202ifを、時短付与7テーブル202feに代えて時短付与10テーブル202ieを設けた点と、小当たりシナリオ10テーブル202iiを新たに追加した点で相違し、それ以外は同一である。同一の要素については、同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。なお、説明の便宜上、上述した第7制御例のROM202(図304(a)参照)では図示している各種構成のうち、図385(a)にてその図示を省略しているものもあるが、適用が困難な構成以外はその図示を省略しているものである。
第1当たり乱数10テーブル202iaは、上述した第1当たり乱数7テーブル202fa(図305(a)参照)に対して、大当たりと判別される規定値と、小当たり当選と判別される規定値を異ならせた点で相違し、それ以外は同一である。同一の内容については詳細な説明を省略する。
ここで、図386を参照して、第1当たり乱数10テーブル202iaに規定されている内容について説明をする。図386(a)は、第1当たり乱数10テーブル202iaの内容を模式的に示した模式図である。図386(a)に示した通り、第1当たり乱数10テーブル202iaは、第1特別図柄(特図1)の当たり抽選の際に参照される特別図柄1乱数10テーブル202ia1と、第2特別図柄(特図2)の当たり抽選を実行する際に参照される特別図柄2乱数10テーブル202ia2とを有している。
次に、図386(b)を参照して、特別図柄1乱数10テーブル202ia1に規定されている内容について説明をする。図386(b)は、特別図柄1乱数10テーブル202ia1に規定されている内容を模式的に示した模式図である。図386(b)に示した通り、第1当たり乱数カウンタC1の値が取り得る「0〜999」の範囲のうち、「0〜29」の範囲に対して「大当たり」が規定されている。即ち、本第10制御例では、第1特別図柄(特図1)の抽選で大当たりに当選する確率が3/100(30/1000)となる。
次いで、図386(c)を参照して、特別図柄2乱数10テーブル202ia2に規定されている内容について説明をする。図386(c)は、特別図柄2乱数10テーブル202ia2に規定されている内容を模式的に示した模式図である。図386(c)に示した通り、第1当たり乱数カウンタC1の値が取り得る「0〜999」の範囲のうち、「0〜29」の範囲に対して「大当たり」が規定され、「30〜999」の値に「小当たり」が規定されている。即ち、本第10制御例では、特図2の抽選で大当たりに当選する確率が約3/100(30/1000)、小当たりに当選する確率が97/100(970/1000)となる。
本第10制御例では、小当たり当選と判定される判定値の種類や数を遊技状態に関わらず一定値にしているが、これに限ること無く、遊技状態に応じて、小当たりに当選する確率が高くなる高確率状態(特別図柄の高確率状態)と、低くなる低確率状態(特別図柄の低確率状態)と、を設定するように構成しても良い。また、本第10制御レ井では、第2特別図柄抽選のみ小当たり当選と判定され得るように構成しているが、第1特別図柄抽選においても小当たり当選し得るように特別図柄1乱数10テーブル202ia1の内容を規定しても良く、この場合、第1特別図柄抽選と第2特別図柄抽選とで小当たり当選する確率を同一にしても良いし、異ならせても良い。
小当たり種別選択10テーブル202ifは、第2特別図柄抽選(特図2抽選)にて小当たりに当選した場合に設定される小当たり種別を選択する際に参照されるデータテーブルである。この小当たり種別選択10テーブル202ifは、上述した第7制御例の小当たり種別選択7テーブル202ff(図307参照)に対して、規定される小当たり種別の内容を変更している点で相違し、それ以外は同一である。同一の要素についてはその詳細な説明を省略する。
ここで、図387を参照して、小当たり種別選択10テーブル202ifについて説明をする。図387は、小当たり種別選択10テーブル202ifの内容を示した模式図である。本第10制御例では、設定される小当たり種別に応じて、小当たり遊技中に実行条件が成立したことに基づいて実行される大当たり遊技の終了後における時短状態の有利度合いを異ならせるように構成している。より具体的には、設定される小当たり種別に応じて有利時短状態、或いは、不利時短状態を設定可能に構成している。
具体的には、第1特別図柄の小当たり種別としては、上記した小当たりA、小当たりB、及び小当たりCの3種類が小当たり種別カウンタC5の値により選択されるように設定されており、取得した小当たり種別カウンタC5の値が「0〜79」の範囲に対して「小当たりA(V通過時5R大当たりA)」が規定されており、「80〜94」の範囲に対して「小当たりB(V通過時5R大当たりB)」が規定されており、「95〜99」の範囲に対して「小当たりC(V通過時5R時短無し大当たりC)」が規定されている。
ここで、各小当たり種別には、それぞれ小当たり遊技においてV入賞口1650へ遊技球が入球した場合に、その後に実行される大当たり遊技の種別(大当たり種別)が設定されている。「小当たりA」に対しては、大当たり種別として「大当たりA」が設定されており、「小当たりB」に対しては、「大当たりB」が設定されており、「小当たりC」に対しては、「大当たりC」が設定されている。
本第10制御例では、「大当たりA」〜「大当たりC」の何れの大当たり種別が設定された場合であっても、大当たり遊技として可変入賞装置65を開放されるラウンド遊技を5回実行させる大当たり遊技(5ラウンド遊技)を実行し、大当たり遊技の終了後に、時短状態が設定されるように構成している。そして、詳細な説明は図388を参照して後述するが、設定される大当たり種別に応じて、時短状態を終了させるための時短終了条件として、異なる内容の時短終了条件が設定されるように構成している。
つまり、小当たり当選した場合に設定される小当たり種別に応じて、時短終了条件のみを異ならせた特典遊技(大当たり遊技、時短状態中の遊技)を提供するように構成している。このように構成することで、小当たり当選に基づいて実行される大当たり遊技の内容によって、大当たり種別を遊技者に特定されてしまい、後に設定される時短状態が有利時短状態であるか不利時短状態であるかを遊技者に事前に予測されてしまうことを抑制することができる。
なお、本第10制御例では、小当たり当選に基づいて実行される大当たり遊技の内容が、小当たり種別に関わらず同一(5ラウンド(R)大当たり遊技)となるように構成しているが、これに限ること無く、小当たり種別に応じて異なる内容の大当たり遊技を実行可能に構成しても良い。この場合、遊技者に不利となる不利時短状態が設定される大当たり種別と、遊技者に有利となる有利時短状態が設定される大当たり種別の少なくとも一部とで同一の大当たり遊技内容の大当たり遊技が実行されるように構成すると良い。
このように構成することで、大当たり遊技終了後に設定される時短状態が有利時短状態であるか不利時短状態であるかを大当たり遊技が実行されている最中に遊技者に判別させ難くする大当たり遊技と、大当たり遊技終了後に設定される時短状態が有利時短状態であることを大当たり遊技が実行されている最中に遊技者に判別させ易くする大当たり遊技(有利時短状態が設定される大当たり種別のみ実行可能な大当たり遊技)と、を実行することができるため、どのような内容の大当たり遊技が実行されるのかについて遊技者に興味を持たせることができる。
時短付与10テーブル202ieは、大当たり遊技終了時に設定する時短状態の終了条件(時短終了条件)が予め規定されているデータテーブルであって、各大当たり種別に対応させた時短付与内容(時短終了条件)が規定されているものである。この時短付与10テーブル202ieは、時短状態を終了させるための複数の時短終了条件を設定する際に参照されるデータテーブルであり、大当たり遊技が終了(大当たり遊技のエンディング期間が終了)した場合に参照され、大当たり種別に応じて異なる時短回数(時短終了条件)が設定される。
ここで、図388を参照して時短付与10テーブル202ieに規定されている内容について説明をする。図388は時短付与10テーブル202ieに規定されている内容を模式的に示した模式図である。本制御例では、第1特別図柄変動と第2特別図柄変動との合算回数に基づいて成立する第1時短終了条件(時短カウンタ203hにセットされる値)と、第2特別図柄変動の回数に基づいて成立する第2時短終了条件(特図2変動回数カウンタにセットされる値)と、を設定可能に構成している。
具体的には、特別図柄抽選で大当たり当選した場合、或いは、小当たり種別「小当たりA」が設定された場合に設定される「大当たりA」に対しては、第1時短終了条件として、時短カウンタ203hの値に「10」が、第2時短終了条件として、特図2変動回数カウンタ203iaの値に「1」が規定されている。つまり、「大当たりA」に対応する時短状態が設定された場合には、第1特別図柄変動の実行回数と、第2特別図柄変動の実行回数との合算回数が10回に到達した場合に第1時短終了条件が成立し、第2特別図柄変動の実行回数が1回に到達した場合に第2時短終了条件が成立する時短状態が設定される。なお、上述した通り、本第10制御例では、時短終了条件が成立する特別図柄変動の開始タイミングにて時短状態を終了させるように構成していることから、「大当たりA」に対応する時短状態が設定された場合には、時短状態が設定されてから1回目の第2特別図柄変動の開始タイミングにて時短状態が終了することになる。よって、遊技者に不利となる不利時短状態となる。
なお、本第10制御例では、時短状態中において正常に遊技を実行する場合において先に成立し得る第2時短終了条件と、その第2時短終了条件よりも成立し難い第1時短終了条件を設定するように構成している。そして、第1時短終了条件として時短カウンタ203hの値に「10」をセットするように規定されている。この「10」の値は、特図1保留の上限数「4」よりも大きな値となるように規定されている。よって、特図1保留を上限数記憶している状態で時短状態が設定され、第2特別図柄変動が実行されるよりも前に、全ての特図1保留が消化されたとしても時短状態が終了することが無い。また、時短状態中において第1特別図柄抽選のみを実行する行為が行われた場合には、第1特別図柄変動の回数が10回に到達した時点で時短状態を終了させることができるため、正常では無い遊技が継続して実行されることを抑制することができる。なお、本制御例では、時短状態が設定される全ての大当たり種別に対して、第1時短終了条件として同一の値をセットするように構成しているが、これに限ること無く、異なる値をセットするように構成しても良い。
小当たり種別「小当たりB」が設定された場合に設定される「大当たりB」に対しては、第1時短終了条件として、時短カウンタ203hの値に「0」が、第2時短終了条件として、特図2変動回数カウンタ203iaの値に「0」が規定されている。つまり、「大当たりB」が設定された場合には、大当たり遊技終了後に通常状態が設定されるように構成している。なお、上述した通り、本第10制御例では、通常状態が設定される場合よりも時短状態が設定される場合の方が、遊技者に有利な遊技(第2特別図柄抽選)を実行させ易く構成していることから、「大当たりB」は、遊技者に最も不利となる大当たり種別となる。
小当たり種別「小当たりC」が設定された場合に設定される「大当たりC」に対しては、第1時短終了条件として、時短カウンタ203hの値に「10」が、第2時短終了条件として、特図2変動回数カウンタ203iaの値に「2」が規定されている。つまり、「大当たりC」に対応する時短状態が設定された場合には、第1特別図柄変動の実行回数と、第2特別図柄変動の実行回数との合算回数が10回に到達した場合に第1時短終了条件が成立し、第2特別図柄変動の実行回数が2回に到達した場合に第2時短終了条件が成立する時短状態が設定される。なお、上述した通り、本第10制御例では、時短終了条件が成立する特別図柄変動の開始タイミングにて時短状態を終了させるように構成していることから、「大当たりC」に対応する時短状態が設定された場合には、時短状態が設定されてから2回目の第2特別図柄変動の開始タイミングにて時短状態が終了することになる。つまり、時短状態が設定されてから1回目の第2特別図柄変動の変動期間中は時短状態が継続し、普図当たり遊技によって第2入球口640へと遊技球を入球させ易くなる期間となる。よって、遊技者に有利となる有利時短状態となる。
また、本制御例では複数の時短終了条件として、上述した第1時短終了条件、第2時短終了条件を有する構成を用いているが、それ以外の条件を時短終了条件として設定しても良く、例えば、第1特別図柄の変動回数が所定回数(例えば50回)となった場合に成立する時短終了条件や、第2特別図柄の変動回数が所定回数(例えば80回)となった場合に成立する時短終了条件や、小当たりに当選しV入賞装置650が作動した回数が所定回数(例えば、10回)となった場合に成立する時短終了条件を設定しても良い。
さらに、特別図柄の変動回数や抽選結果に基づかず、別の要因によって成立する時短終了条件を設定しても良く、例えば、普通図柄の変動回数や普通図柄の当たり当選回数(電動役物640aの作動回数)が所定回数となった場合に成立する時短終了条件や、特定の入球口(例えば、一般入賞口63)に入球した球数が所定個数(例えば、50個)となった場合に成立する時短終了条件等を予め設定するように構成しても良い。
上述したように、遊技者に有利な遊技状態である時短状態を終了させるための時短終了条件を複数設定し、その時短終了条件の何れかが設定した場合に時短状態が終了するように構成することで、時短状態がどれくらいの期間継続するのかを遊技者が事前に把握することが困難となるため単調な遊技が行われることを抑制することができる。
さらに、複数の時短終了条件が所定数(例えば2つ)成立した場合に時短終了条件が成立するように構成しても良い。この場合、成立した時短終了条件の数を判別する成立数判別手段と、成立数判別手段により判別された成立数が所定数(例えば2つ)に到達したかを判別する条件到達判別手段と、を設け、条件到達判別手段により成立数が所定数(例えば2つ)に到達したと判別された場合に時短状態を終了(通常状態を設定)するように構成すると良い。
また、最初に成立した時短終了条件の内容を判別する内容判別手段を設け、その内容判別手段の判別結果に基づいて、条件到達判別手段の判別基準となる所定数(例えば2つ)を可変させる判別基準数可変手段を設けても良い。これにより、最初に成立した時短終了条件の種類に応じて、終了し易い時短状態や、終了し難い時短状態を設定することができるため、時短状態が設定された後でも遊技者に意欲的に遊技を行わせることができる。
上述した内容に加え、時短状態が設定されてからの所定期間(例えば、特別図柄の変動回数が10回に到達するまで)を計測する所定期間計測手段と、その所定期間計測手段の計測結果を判別する結果判別手段とを設け、結果判別手段により、現在が所定期間内であると判別した場合には、上述した時短終了条件が成立したとしても所定期間が経過するまでは時短状態の終了を遅延させる時短終了遅延手段を設けても良いし、結果判別手段により現在が所定期間内であると判別した場合に成立した時短終了条件を無効にする終了条件無効手段を設けても良い。また、結果判別手段により、現在が所定期間内であると判別している間は時短終了条件の成立の有無判別や、各時短終了条件に対応して設定された各種カウンタの値を更新(減算)する処理を実行しないようにしても良い。
このように構成することで、時短状態が設定された直後に時短状態が終了してしまう事態を確実に防止することが出来ると共に、時短状態の終了タイミングを複雑に設定することができる。また、上述したように複数の時短終了条件が成立したことに基づいて時短状態を終了させる処理を用いる場合においては、複数の時短終了条件を、優先時短終了条件(例えば、特別図柄の変動回数が100回に到達した場合に成立する時短終了条件)と、非優先時短終了条件(例えば、小当たり回数が3回に到達した場合に成立する時短終了条件)とを設定しておき、優先時短終了条件が成立した場合は直ちに時短状態を終了させ、非優先時短終了条件のみ複数成立した場合に時短状態を終了させるように構成すると良い。このように優先時短終了条件を設けることで、遊技者に対して過剰に時短状態を提供してしまうことを抑制することができる。
図385(b)に戻り、本第10制御例におけるパチンコ機10の主制御装置110が有するRAM203の構成について説明をする。図385(b)は、第10制御例におけるパチンコ機10の主制御装置110が有するRAM203に規定されている内容を模式的に示した図である。図385(b)に示した通り、本第10制御例では、上述した第7制御例におけるRAM203(図304(b)参照)に対して、特図2変動回数カウンタ203iaを追加した点で相違し、それ以外は同一である。同一の構成については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
なお、遊技状態格納エリア203gは、上述した各制御例と同様に主制御装置110から受信した状態コマンドに含まれている遊技状態を示す情報が格納される記憶領域であって、遊技状態格納エリア203gに格納されている情報に基づいて、設定されている遊技状態(通常状態、時短状態)に加え、その遊技状態の種別(不利時短状態(第1時短状態)、有利時短状態(第2時短状態))も判別可能に構成されている。
特図2変動回数カウンタ203iaは、時短状態中に実行される第2特別図柄変動の変動回数が第2時短終了条件を満たしているかを判別する際に参照されるカウンタであって、時短状態が設定される場合に第2時短終了条件に対応する値がセットされる。そして、時短状態中に第2特別図柄変動を開始させるための制御処理が実行される毎に、値が減算されていき、減算後の値が第2時短終了条件を満たしているか(0であるか)が判別される。
このように構成することで、設定される時短状態の種別によって第2時短終了条件の内容を異ならせた場合であっても、時短状態を設定する際に特図2変動回数カウンタ203iaにセットする値の内容を異ならせるだけで良く、主制御装置110の処理負荷を軽減することができる。
次に、図389(a)を参照して、本第10制御例における音声ランプ制御装置113のROM222の構成について説明をする。図389(a)は、第10制御例における音声ランプ制御装置113のROM222の構成を模式的に示した模式図である。図389(a)に示した通り、本第10制御例における音声ランプ制御装置113のROM222は、上述した第7制御例のROM222(図311(a)参照)に対して、抽選結果報知態様選択テーブル202faを削除した点と、最終変動演出選択テーブル222iaと、告知対象選択テーブル222ibとを設けた点で相違している。それ以外の構成は同一であり、同一の内容については同一の符号を付してその説明を省略する。
最終変動演出選択テーブル222iaは、時短状態中に実行される第2特別図柄変動の最終変動(特図2時短最終変動)中に実行される変動演出(最終変動演出)の演出態様を決定する際に参照されるデータテーブルであって、時短状態を終了させるための時短終了条件が成立する1つ前の特図2変動の変動演出パターンを決定する際に参照される。
本第10制御例では、上述した通り、時短状態を終了させるタイミングが特別図柄変動の開始タイミングとなるため、時短終了条件が成立する1つ前の特別図柄変動の変動期間が、遊技者に対して特図2保留を獲得させるための最後のチャンスとなる。よって、本第10制御例では、時短終了条件が成立する1つ前の特別図柄変動の変動期間が時短最終変動期間となり、その時短最終変動期間において最終変動演出が実行されるように構成している。
具体的には、主制御装置110により実行される更新処理10(図393参照)によって、時短カウンタ203hの値や、特図2変動回数カウンタ203iaの値が更新され、更新された後の特図2変動回数カウンタ203iaの値を示す残時短回数コマンドが設定される(図393のS10603参照)。そして、主制御装置110から出力された残時短回数コマンドを音声ランプ制御装置113が受信することにより、音声ランプ制御装置113側で現在設定されている時短状態に対して時短終了条件が成立するまでの残情報(残時短回数)を特定可能に構成している。
ここで、残時短回数として1回、即ち、今回受信した残時短回数コマンドに対応する特別図柄変動の次に実行される特別図柄変動によって時短終了条件が成立する状態であると判別した場合、具体的には、時短カウンタ203hの値、或いは、特図2変動回数カウンタ203iaの値として「1」を示す情報を残時短回数コマンドとして受信した場合に、対応する特別図柄変動(時短最終変動)の変動期間を時短最終変動期間として特定し、その時短最終変動期間に対して時短最終変動演出の演出態様を決定するように構成している。
このように構成することで、時短終了条件が成立した特別図柄変動の開始タイミングにおいて時短状態を終了させる処理を実行する場合であっても、遊技者に対して、特図2保留を獲得させることを促す演出(保留獲得演出)を実行する期間を確保し易くすることができる。
なお、本第10制御例では、時短終了条件が成立した特別図柄変動の開始タイミングにて時短状態を終了させるように構成しているため、時短終了条件が成立した特別図柄変動の変動期間中は、特図2保留を獲得することが困難な遊技状態(通常状態)となることから、時短終了条件が成立する特別図柄変動の1つ前の特別図柄変動期間中において時短最終変動演出を実行するように構成しているが、例えば、時短状態を終了させるタイミングとして特別図柄変動の停止タイミングが規定されているパチンコ機10であれば、時短終了条件が成立した特別図柄変動の変動期間を時短最終変動期間として特定し、その時短最終変動期間に対して時短最終変動演出の演出態様を決定するように構成すれば良い。
また、時短最終変動演出の演出期間としては、少なくとも、上述した時短最終変動期間に該当する期間の少なくとも一部と重複していれば良く、時短最終変動期間の一部期間のみを演出期間とした時短最終変動演出を実行するように構成しても良いし、時短最終変動期間の一部期間と、時短最終変動期間とは異なる期間と、を跨ぐように時短最終変動演出を実行するように構成しても良い。
ここで、図390を参照して、最終変動演出選択テーブル222iaに規定されている内容について説明をする。図390は、最終変動演出選択テーブル222iaに規定されている内容を模式的に示した図である。本第10制御例では、図382(a)、或いは、図383(b)に示した通り、時短最終変動演出として異なる情報を遊技者に付与可能な演出態様を設定可能に構成している。例えば、時短最終変動演出が実行されている期間中において、特図2保留の獲得を促す保留獲得演出(図382(a)参照)に対応する演出態様と、獲得済みの特図2保留の中に遊技者に有利な特典を付与可能な情報が含まれていることを報知するための祝福演出(図383(b)参照)に対応する演出態様と、を設定可能に構成している。
この最終変動演出選択テーブル222iaには、図390(a)に示した通り、時短最終変動演出が実行される特別図柄変動に対応する特別図柄抽選の結果(当否判定結果)と、時短最終変動演出が実行される特別図柄変動の変動演出を決定する際の特図2保留数(特別図柄2保留球数カウンタ223b1の値)と、取得した演出カウンタ223eの値とに対応させて最終変動演出の演出態様が規定されている。
具体的には、時短最終変動演出が実行される特別図柄変動に対応する特別図柄抽選の結果(当否判定結果)が「大当たり」、或いは「小当たりC」であり、時短最終変動演出が実行される特別図柄変動の変動演出を決定する際の特図2保留数(特別図柄2保留球数カウンタ223b1の値)が「1〜3」である場合には、取得した演出カウンタ223eの値が「0〜69」の範囲に対して、演出態様として「ゴール」(図383(b)参照)が、「70〜99」の範囲に対して、演出態様として「貯めろ弱」(図382(a)参照)が、それぞれ規定されており、時短最終変動演出が実行される特別図柄変動の変動演出を決定する際の特図2保留数(特別図柄2保留球数カウンタ223b1の値)が「0」である場合には、取得した演出カウンタ223eの値が「0〜69」の範囲に対して、演出態様として「貯めろ弱」(図382(a)参照)が、「70〜99」の範囲に対して、演出態様として「ゴール」(図383(b)参照)が、それぞれ規定されている。
また、時短最終変動演出が実行される特別図柄変動に対応する特別図柄抽選の結果(当否判定結果)が「小当たりA」であり、時短最終変動演出が実行される特別図柄変動の変動演出を決定する際の特図2保留数(特別図柄2保留球数カウンタ223b1の値)が「0〜3」である場合には、取得した演出カウンタ223eの値が「0〜69」の範囲に対して、演出態様として「貯めろ弱」(図382(a)参照)が、「70〜99」の範囲に対して、演出態様として「貯めろ強」が、それぞれ規定されている。
さらに、時短最終変動演出が実行される特別図柄変動に対応する特別図柄抽選の結果(当否判定結果)が「小当たりB」であり、時短最終変動演出が実行される特別図柄変動の変動演出を決定する際の特図2保留数(特別図柄2保留球数カウンタ223b1の値)が「1〜3」である場合には、取得した演出カウンタ223eの値が「0〜69」の範囲に対して、演出態様として「貯めろ強」が、「70〜99」の範囲に対して、演出態様として「貯めろ弱」(図382(a)参照)が、それぞれ規定されており、時短最終変動演出が実行される特別図柄変動の変動演出を決定する際の特図2保留数(特別図柄2保留球数カウンタ223b1の値)が「0」である場合には、取得した演出カウンタ223eの値が「0〜99」の範囲に対して、演出態様として「貯めろ強」が規定されている。
ここで、本第10制御例では、小当たり種別として「小当たりC」が設定される場合には、その小当たり当選に基づいて実行される大当たり遊技の終了後に第2時短状態(有利時短状態)が設定されるように構成している。つまり、「小当たりC」に当選している場合には、後に、特図2保留を獲得可能な期間を有する時短状態が設定されるように構成している。よって、時短最終変動演出の演出態様として、時短最終変動演出の演出期間中において特図2保留の獲得を遊技者に促すことの無い祝福演出(「ゴール」)に対応する演出態様が設定され得るように構成している。
このように構成することで、時短状態が終了することを示す時短最終変動期間において、遊技者に対して特図2保留を獲得させるために無用に遊技球を発射させる遊技を促すことを抑制することができる。さらに、既に獲得済みの特図2保留数の数に応じて、祝福演出(「ゴール」)に対応する演出態様が設定される割合を異ならせるように構成しており、獲得済みの特図2保留数が少ない場合よりも、多い場合の方が、祝福演出(「ゴール」)に対応する演出態様が設定され易くなるように構成している。
つまり、最終変動演出期間中において特図2保留を獲得するために遊技球を発射した場合において、遊技者に付与される特典が少ない状態(新たに獲得可能な特図2保留数が少ない状態)の方が、保留獲得演出が実行され難くなるように構成している。このように構成することで、遊技者に対して特図2保留を獲得させるために無用に遊技球を発射させる遊技を促すことをより抑制することができる。
さらに、本第10制御例では、再度、有利時短状態が設定される可能性が高い状態(小当たりC当選している状態)であっても、低確率で保留獲得演出が実行されるように構成しているため、時短最終変動演出の演出態様によって、後の遊技内容を遊技者に確実に把握されてしまうことを抑制することができる。
一方、本第10制御例では、小当たり種別として「小当たりB」が設定される場合には、その小当たり当選に基づいて実行される大当たり遊技の終了後に時短状態が設定されない(通常状態が設定される)ように構成している。つまり、「小当たりB」に当選している場合には、後に、特図2保留を獲得可能な期間が設定されないように構成している。よって、時短最終変動演出の演出態様として、時短最終変動演出の演出期間中において特図2保留の獲得を遊技者に促す演出態様が設定され得るように構成している。
このように構成することで、遊技者に対して、特図2保留を獲得し得る最後の期間中において、特図2保留を確実に獲得させ易くすることができる。また、本第10制御例では、遊技者に特図2保留を獲得させることを促すための保留獲得演出の演出態様として、特図2保留の獲得を促す弱演出態様(「貯めろ弱」)と、その弱演出態様よりも特図2保留の獲得を強く促す強演出態様(「貯めろ強))と、を設定可能に構成しており、大当たり遊技終了後に不利時短状態が設定される場合(小当たりAに当選した場合)と、大当たり遊技終了後に通常状態が設定される場合(小当たりBに当選した場合)と、で保留獲得演出の演出態様として、強演出態様が設定される割合を異ならせるように構成している。
つまり、不利時短状態が設定された場合には、特図2保留を新たに獲得することは困難であるが、例えば、特図2保留を1個も獲得していない状態で不利時短状態が設定された場合には、新たに第2特別図柄抽選を1回実行可能に構成している。即ち、大当たり遊技終了後に通常状態が設定された場合と、不利時短状態が設定された場合と、では、何れも新たに特図2保留を獲得することが困難な遊技状態となるが、不利時短状態の方が、新たに第2特別図柄抽選を実行させ易い遊技状態となる。そして、新たに第2特別図柄抽選が実行されることにより、その抽選結果に基づいて有利時短状態が設定される可能性があることから、通常状態が設定される「小当たりB」よりも、不利時短状態が設定される「小当たりC」のほうが、後に有利時短状態が設定される可能性が高くなる。
よって、本第10制御例では、小当たりAに当選した場合よりも、小当たりBに当選した場合の方が、遊技者に対して特図2保留の獲得を強く促す演出態様(貯めろ強)が設定され易くなるように構成している。
ここで、従来のパチンコ機10では、時短状態において特図2保留を獲得することが可能となる最終期間(時短最終変動期間)において、無条件で遊技者に対して特図2保留を獲得させることを促す演出(保留獲得演出)が実行されるように構成されていた。しかしながら、時短最終変動期間に対応する特別図柄抽選の結果によっては、時短最終変動期間中において特図2保留を獲得することのメリットが無く、無用に遊技球を発射してしまうというデメリットのみが発生する場合があった。
そして、実際に特図2保留を獲得した方が良い状況(例えば、そのまま時短状態が終了し、特図2保留を新たに獲得することが出来なくなる状況)と、特図2保留を獲得するメリットが低い状況(例えば、実行中の特別図柄抽選が大当たり当選(小当たり当選)しており、その抽選結果に基づいて実行される大当たり遊技の終了後に、再度、特図2保留を容易に獲得することが可能な時短状態が設定される状況)と、で同一態様の保留獲得演出が実行されることから、保留獲得演出が実行された場合において、新たに特図2保留を獲得しようとする遊技意欲が徐々に低下してしまう問題が発生する虞があった。
これに対して、本第10制御例では、保留獲得演出の演出態様として、遊技者に対して特図2保留を獲得させることを促す程度を異ならせた演出態様を設定可能に構成し、実際に特図2保留を獲得した方が良い状況(例えば、そのまま時短状態が終了し、特図2保留を新たに獲得することが出来なくなる状況)において、遊技者に特図2保留を獲得すること強く促す演出態様(貯めろ強)が設定され易くなるように構成している。
このように構成することで、通常実行される保留獲得演出とは異なる演出態様であって、且つ、特図2保留の獲得が強く促されている演出態様で実行される保留獲得演出を見た遊技者に対して、意欲的に特図2保留を獲得するための遊技を行わせることができる。
なお、特図2保留の獲得を強く促す演出態様としては、例えば、図382(a)に示した通常の保留獲得演出の演出態様に対して、小表示領域Dm4の表示領域を大きくすることにより「左打ち」の文字を大きく表示したり、副表示領域Dsに表示されるコメントとして「左打ちしてVを貯めろ」に代えて「必ず左打ちしてください」のコメントを表示したりすることで、遊技者に遊技球の発射を強く促す、即ち、通常の保留獲得演出において遊技者に提供される情報の表示態様を異ならせることにより、遊技者に遊技球の発射を強く促すように構成しても良いし、図382(a)に示した表示画面(通常の保留獲得演出の表示画面)では遊技者に提供されることの無い新たな情報(例えば、今回の特図変動期間が終了すると、特図2保留を獲得可能な期間が設定されないことを示すための情報)を遊技者に提供可能な演出態様を設定するように構成しても良い。加えて、パチンコ機10から出力される音声や、パチンコ機10に設けられた発光手段(LED等)を用いた追加演出を実行することにより、実際に特図2保留を獲得した方が良い状況(例えば、そのまま時短状態が終了し、特図2保留を新たに獲得することが出来なくなる状況)であることを遊技者に分かり易く報知するように構成しても良い。
なお、本第10制御例では、図390(a)に示した通り、時短最終変動演出が実行される特別図柄変動に対応する特別図柄抽選の結果(当否判定結果)と、獲得済みの特図2保留数と、に基づいて、時短最終変動演出の演出態様を決定可能に構成しているが、それ以外の情報に基づいて時短最終変動演出の演出態様を決定可能に構成しても良く、例えば、獲得済みの特図2保留に対する先読み結果(事前判別結果)に関する情報に基づいて演出態様を決定可能に構成しても良い。
この場合、当該特別図柄抽選の結果(当否判定結果)と、獲得済みの特図2保留に対する先読み結果(事前判別結果)と、に基づいて、後に有利時短状態が設定されるか否かを判別し、その判別結果に基づいて時短最終変動演出の演出態様を決定するように構成すれば良い。このように構成することで、より精度を高めた時短最終変動演出を実行することが可能となる。
告知対象選択テーブル222ibは、遊技者に対して獲得済み(獲得予定を含む)の大当たり遊技の実行権利数を報知するための報知演出(図383(a)参照)の演出態様(報知数)を決定する際に参照されるデータテーブルであって、報知演出の実行条件が成立し、報知演出の演出態様を決定するための情報を特定する際に参照される(図394のS20108参照)。
ここで、図390(b)を参照して、告知対象選択テーブル222ibに規定されている内容について説明をする。図390(b)は、告知対象選択テーブル222ibに規定されている内容を模式的に示した図である。図390(b)に示した通り、告知対象選択テーブル222ibには、入賞情報格納エリア223aに格納されている保留記憶情報を読み出した結果(有利時短状態が設定される小当たり種別「小当たりC」に対応する保留記憶情報が格納されている位置(記憶エリア)と、「小当たりC」に対応する保留記憶情報の数)と、に基づいて、報知演出の対象とする(告知対象とする)保留記憶情報を異ならせて規定している。
ここで、入賞情報格納エリア223aは、上述した通り、1つの実行エリアと、4つの保留エリア(第1エリア〜第4エリア)とを特別図柄に対して有しており、これらの各エリアには、主制御装置110から出力された入賞情報コマンドに含まれる入賞情報が第1エリアから順に保留記憶情報として格納されるように構成している。つまり、入賞情報格納エリア223aには、第2特別図柄に対応する保留記憶情報として、第2特別図柄抽選が実行される順に保留記憶情報が記憶されるように構成している。
よって、入賞情報格納エリア223aに格納されている第2特別図柄に対応する保留記憶情報を読み出すことにより、小当たりCに当選する保留記憶情報の数と、小当たりCに当選する保留記憶情報に基づく第2特別図柄抽選が実行される順序と、を特定することが可能となる。
詳細な説明は省略するが、入賞情報格納エリア223aの第1エリア(エリア1)には、次に実行される第2特別図柄抽選に対応する保留記憶情報が格納され、次いで、第2エリア(エリア2)、第3エリア(エリア3)、第4エリア(エリア4)の順で保留記憶情報が格納される。本第10制御例では、入賞情報を獲得した順に特別図柄抽選が実行されるように構成しているため、第1エリア(エリア1)に格納されている保留記憶情報が最初に格納された保留記憶情報となり、第4エリア(エリア2)に格納されている保留記憶情報が最後に格納された保留記憶情報となる。
図390(b)に示した通り、告知対象選択テーブル222ibには、最終小当たりC保留格納位置と、保留内小当たりC保留数と、に対応付けて告知対象とする小当たりC保留を決定するように構成している。最終小当たりC保留格納位置とは、入賞情報格納エリア223aに格納されている複数の第2特別図柄に対応する保留記憶情報のうち、小当たりC当選する保留記憶情報を特定し、その特定した保留記憶情報の中で最も後に格納された保留記憶情報が記憶されている保留エリア(第1エリア〜第4エリア)を示すものである。
つまり、最終小当たりC保留格納位置が「1」の場合は、入賞情報格納エリア223aの保留エリアのうち、第1エリア(エリア1)にのみ小当たりC当選する保留記憶情報(小当たりC保留)が格納されている状態であることを示し、最終小当たりC保留格納位置が「2」の場合は、入賞情報格納エリア223aの保留エリアのうち、最後に小当たりC保留が格納されたエリアが第2エリア(エリア2)であることを示している。なお、最終小当たりC保留格納位置は、最後に格納された小当たりC保留の位置を特定しているだけであり、最終小当たりC保留格納位置が「2」の場合は、第1エリア(エリア1)に小当たりC保留が格納されている場合と、格納されていない場合と、が存在する。
同様に、最終小当たりC保留格納位置が「3」の場合は、入賞情報格納エリア223aの保留エリアのうち、最後に小当たりC保留が格納されたエリアが第3エリア(エリア3)であることを示している。なお、最終小当たりC保留格納位置は、最後に格納された小当たりC保留の位置を特定しているだけであり、最終小当たりC保留格納位置が「3」の場合は、第1エリア(エリア1)、或いは第2エリア(エリア2)に小当たりC保留が格納されている場合と、格納されていない場合と、が存在する。
また、最終小当たりC保留格納位置が「4」の場合は、入賞情報格納エリア223aの保留エリアのうち、最後に小当たりC保留が格納されたエリアが第4エリア(エリア4)であることを示している。なお、最終小当たりC保留格納位置は、最後に格納された小当たりC保留の位置を特定しているだけであり、最終小当たりC保留格納位置が「4」の場合は、第1エリア(エリア1)、第2エリア(エリア2)、第3エリア(エリア3)のそれぞれに小当たりC保留が格納されている場合と、格納されていない場合と、が存在する。
また、最終小当たりC保留格納位置は、上述した通り、最後に格納された小当たりC保留の位置を特定するだけのものであり、獲得済みの特図2保留数(入賞情報格納エリア223aに格納されている第2特別図柄に対応する保留記憶情報の総数)を特定するものでは無い。よって、獲得済みの特図2保留数が「1」である場合も、「4」である場合も、保留エリアの第1エリア(エリア1)のみに小当たりC保留が格納されている場合には、最終小当たりC保留格納位置が「1」と特定される。
保留内小当たりC保留数は、入賞情報格納エリア223aに格納されている第2特別図柄に対応する保留記憶情報のうち、小当たりC保留に対応する保留記憶情報(小当たりC当選する保留記憶情報)の数を示すものであって、保留内小当たりC保留数が「1」の場合は、入賞情報格納エリア223aに格納されている第2特別図柄に対応する保留記憶情報のうち、小当たりC保留に対応する保留記憶情報が1個であり、保留内小当たりC保留数が「2」の場合は、入賞情報格納エリア223aに格納されている第2特別図柄に対応する保留記憶情報のうち、小当たりC保留に対応する保留記憶情報が2個であり、保留内小当たりC保留数が「3」の場合は、入賞情報格納エリア223aに格納されている第2特別図柄に対応する保留記憶情報のうち、小当たりC保留に対応する保留記憶情報が3個であり、保留内小当たりC保留数が「4」の場合は、入賞情報格納エリア223aに格納されている第2特別図柄に対応する保留記憶情報のうち、小当たりC保留に対応する保留記憶情報が4個であることを示している。
次に、図390(b)を参照して、告知対象選択テーブル222ibに規定されている内容を具体的に説明する。図390(b)に示した通り、最終小当たりC保留格納位置が「1」に対しては、保留内小当たりC保留数を特定すること無く、告知対象とする小当たりC保留として「エリア1(第1エリア)」が規定される。つまり、最終小当たりC保留格納位置が「1」の場合は、それ以外に小当たりC保留が存在しない状態であることから、そのまま「エリア1(第1エリア)」に格納されている小当たりC保留を報知演出による告知対象として決定する。
また、最終小当たりC保留格納位置が「2」に対しては、保留内小当たりC保留数が「1」の場合、即ち、保留エリアのうち「第2エリア(エリア2)」にのみ小当たりC保留が格納されている場合には、告知対象とする小当たりC保留として「エリア1(第1エリア)」が特定される。この場合、「エリア1(第1エリア)」には、小当たりC保留が格納されていない状態であるため、報知演出として、小当たりCに当選することを前提とした大当たり遊技の実行権利数では無く、「エリア1(第1エリア)」に格納されている保留記憶情報に基づいて算出される大当たり遊技の実行権利数が報知演出の報知数として決定される。
このように構成することで、報知演出によって報知された大当たり遊技の実行権利数と、実際に獲得している(獲得予定を含む)大当たり遊技の実行権利数とを乖離させた報知演出を実行可能とすることができるため、遊技者に意外性のある演出を提供することができる。
保留内小当たりC保留数が「2」の場合は、告知対象とする小当たりC保留として「エリア2(第2エリア)」が特定される。この場合、「エリア2(第2エリア)」には、小当たりC保留が格納されているため、現時点における最大数の大当たり遊技の実行権利数を報知演出の報知数として設定することが可能となる。
次に、最終小当たりC保留格納位置が「3」に対しては、保留内小当たりC保留数が「1」の場合、即ち、保留エリアのうち「第3エリア(エリア3)」にのみ小当たりC保留が格納されている場合には、告知対象とする小当たりC保留として「エリア3(第3エリア)」が特定される。この場合、「エリア3(第3エリア)」には、最後に格納された小当たりC保留が格納されているため、現時点における最大数の大当たり遊技の実行権利数を報知演出の報知数として設定することが可能となる。
また、保留内小当たりC保留数が「2」の場合は、告知対象とする小当たりC保留として「エリア2(第2エリア)」が特定される。この場合、「エリア2(第2エリア)」には、小当たりC保留が格納されていない場合と、格納されている場合とが生じる。具体的に説明をすると、最終小当たりC保留格納位置が「3」であることから、保留エリアのうち「エリア3(第3エリア)」には、小当たりC保留が格納されていることは確定している。そして、保留内小当たりC保留数が「2」であることから、「エリア3(第3エリア)」よりも先に保留記憶情報が格納されている「エリア2(第2エリア)」、或いは「エリア1(第1エリア)」の何れかに小当たりC保留が格納されていることになる。
ここで、小当たりC保留が「エリア2(第2エリア)」に格納されている場合は、告知対象とする「エリア2(第2エリア)」に小当たりC保留が格納されている状態であるため、「エリア2(第2エリア)」に格納されている保留記憶情報に基づいた報知数(小当たりC当選に基づいて設定される有利時短状態中に獲得可能な大当たり遊技の実行権利数を含む報知数)が報知演出の報知数として設定される。一方、小当たりC保留が「エリア1(第1エリア)」に格納されている場合は、告知対象とする「エリア2(第2エリア)」に小当たりC保留が格納されていない状態であるため、「エリア2(第2エリア)」に格納されている保留記憶情報(小当たりA、小当たりB、或いは大当たり)に基づいた報知数が報知演出の報知数として設定される。
また、保留内小当たりC保留数が「3」の場合は、告知対象とする小当たりC保留として「エリア1(第1エリア)」が特定される。この場合、「エリア1(第1エリア)」には、小当たりC保留が確実に格納されている状態となる。具体的に説明をすると、最終小当たりC保留格納位置が「3」であることから、保留エリアのうち「エリア3(第3エリア)」には、小当たりC保留が格納されていることは確定している。そして、保留内小当たりC保留数が「3」であることから、「エリア3(第3エリア)」よりも先に保留記憶情報が格納されている「エリア2(第2エリア)」、或いは「エリア1(第1エリア)」に2つの小当たりC保留が格納されている状態のみが該当するため、「エリア1(第1エリア)」には、小当たりC保留が確実に格納されている状態となる。この場合、告知対象とする「エリア1(第1エリア)」に小当たりC保留が格納されている状態であるため、「エリア1(第1エリア)」に格納されている保留記憶情報に基づいた報知数(小当たりC当選に基づいて設定される有利時短状態中に獲得可能な大当たり遊技の実行権利数を含む報知数)が報知演出の報知数として設定される。なお、この場合、「エリア1(第1エリア)」よりも後のエリアに小当たりC保留が格納されている状態であり、「エリア3(第3エリア)」に格納されている保留記憶情報に基づいた報知数が現時点において報知演出にて報知可能な大当たり遊技の実行権利数の最大数となる。このように、大当たり遊技の実行権利数として報知可能な最大数とは異なる数を報知演出として報知可能に構成することで、遊技者に実際に実行される大当たり遊技の回数(連チャン数)を予測させる楽しみを提供することができる。
同様に、最終小当たりC保留格納位置が「4」に対しては、保留内小当たりC保留数が「1」の場合、即ち、保留エリアのうち「第4エリア(エリア4)」にのみ小当たりC保留が格納されている場合には、告知対象とする小当たりC保留として「エリア4(第4エリア)」が特定される。この場合、「エリア4(第4エリア)」には、最後に格納された小当たりC保留が格納されているため、現時点における最大数の大当たり遊技の実行権利数を報知演出の報知数として設定することが可能となる。
また、保留内小当たりC保留数が「2」の場合は、告知対象とする小当たりC保留として「エリア3(第3エリア)」が特定される。この場合、「エリア3(第3エリア)」には、小当たりC保留が格納されていない場合と、格納されている場合とが生じる。具体的に説明をすると、最終小当たりC保留格納位置が「4」であることから、保留エリアのうち「エリア4(第4エリア)」には、小当たりC保留が格納されていることが確定している。そして、保留内小当たりC保留数が「2」であることから、「エリア4(第4エリア)」よりも先に保留記憶情報が格納されている「エリア3(第3エリア)」,「エリア2(第2エリア)」、或いは「エリア1(第1エリア)」の何れかに小当たりC保留が格納されていることになる。
ここで、小当たりC保留が「エリア3(第3エリア)」に格納されている場合は、告知対象とする「エリア3(第3エリア)」に小当たりC保留が格納されている状態であるため、「エリア3(第3エリア)」に格納されている保留記憶情報に基づいた報知数(小当たりC当選に基づいて設定される有利時短状態中に獲得可能な大当たり遊技の実行権利数を含む報知数)が報知演出の報知数として設定される。一方、小当たりC保留が「エリア1(第1エリア)」、或いは「エリア2(第2エリア)」に格納されている場合は、告知対象とする「エリア3(第3エリア)」に小当たりC保留が格納されていない状態であるため、「エリア3(第3エリア)」に格納されている保留記憶情報(小当たりA、小当たりB、或いは大当たり)に基づいた報知数が報知演出の報知数として設定される。
保留内小当たりC保留数が「3」の場合は、告知対象とする小当たりC保留として「エリア2(第2エリア)」が特定される。この場合、「エリア2(第2エリア)」には、小当たりC保留が格納されていない場合と、格納されている場合とが生じる。具体的に説明をすると、最終小当たりC保留格納位置が「4」であることから、保留エリアのうち「エリア4(第4エリア)」には、小当たりC保留が格納されていることが確定している。そして、保留内小当たりC保留数が「3」であることから、「エリア4(第4エリア)」よりも先に保留記憶情報が格納されている「エリア3(第3エリア)」,「エリア2(第2エリア)」、或いは「エリア1(第1エリア)」のうち、2つのエリアに小当たりC保留が格納されていることになる。
ここで、小当たりC保留が「エリア2(第2エリア)」に少なくとも格納されている場合は、告知対象とする「エリア2(第2エリア)」に小当たりC保留が格納されている状態であるため、「エリア2(第2エリア)」に格納されている保留記憶情報に基づいた報知数(小当たりC当選に基づいて設定される有利時短状態中に獲得可能な大当たり遊技の実行権利数を含む報知数)が報知演出の報知数として設定される。一方、小当たりC保留が「エリア1(第1エリア)」、及び「エリア3(第3エリア)」に格納されている場合は、告知対象とする「エリア2(第2エリア)」に小当たりC保留が格納されていない状態であるため、「エリア2(第2エリア)」に格納されている保留記憶情報(小当たりA、小当たりB、或いは大当たり)に基づいた報知数が報知演出の報知数として設定される。
また、保留内小当たりC保留数が「4」の場合は、告知対象とする小当たりC保留として「エリア1(第1エリア)」が特定される。この場合、「エリア1(第1エリア)」には、小当たりC保留が確実に格納されている状態となる。具体的に説明をすると、最終小当たりC保留格納位置が「4」であることから、保留エリアのうち「エリア4(第4エリア)」には、小当たりC保留が格納されていることは確定している。そして、保留内小当たりC保留数が「4」であることから、「エリア4(第4エリア)」よりも先に保留記憶情報が格納されている「エリア3(第3エリア)」,「エリア2(第2エリア)」,「エリア1(第1エリア)」に3つの小当たりC保留が格納されている状態のみが該当するため、「エリア1(第1エリア)」には、小当たりC保留が確実に格納されている状態となる。この場合、告知対象とする「エリア1(第1エリア)」に小当たりC保留が格納されている状態であるため、「エリア1(第1エリア)」に格納されている保留記憶情報に基づいた報知数(小当たりC当選に基づいて設定される有利時短状態中に獲得可能な大当たり遊技の実行権利数を含む報知数)が報知演出の報知数として設定される。なお、この場合、「エリア1(第1エリア)」よりも後のエリアに小当たりC保留が格納されている状態であり、「エリア4(第4エリア)」に格納されている保留記憶情報に基づいた報知数が現時点において報知演出にて報知可能な大当たり遊技の実行権利数の最大数となる。このように、大当たり遊技の実行権利数として報知可能な最大数とは異なる数を報知演出として報知可能に構成することで、遊技者に実際に実行される大当たり遊技の回数(連チャン数)を予測させる楽しみを提供することができる。
次に、図389(b)を参照して、本第10制御例における音声ランプ制御装置113のRAM223の構成について説明をする。図389(b)は、第10制御例における音声ランプ制御装置113のRAM223の構成を模式的に示した模式図である。図389(b)に示した通り、本第10制御例における音声ランプ制御装置113のRAM223は、上述した第7制御例のRAM223(図311(b)参照)に対して、状態格納エリア223iaと、時短最終変動フラグ223ibと、実行済フラグ223icとを設けた点で相違している。それ以外の構成は同一であり、同一の内容については同一の符号を付してその説明を省略する。
なお、本第10制御例では、入賞情報格納エリア223aに格納される情報の種類を上述した第7制御例に対して増加している点でも相違している。具体的には、本第10制御例では、遊技者に対して獲得済みの大当たり遊技の実行権利数の少なくとも一部を報知するための報知演出を実行可能に構成しており、告知対象選択テーブル222iaを参照して決定した保留記憶情報に基づいて、大当たり遊技の実行権利数を報知するように構成している。そして、入賞情報格納エリア223aには、告知対象選択テーブル222iaを参照して決定された保留記憶情報に対して、告知対象であることを示すための情報を格納するように構成している。
このように構成することで、第2特別図柄抽選が実行され、入賞情報格納エリア223aに格納されている保留記憶情報の記憶エリアがシフトした場合であっても、どの保留記憶情報が告知対象となっているかを容易に判別することが可能となる。
本第10制御例では、大当たり遊技の実行権利数を報知するための報知演出が実行された場合には、その報知演出の対象となる特図2保留に対応する特別図柄抽選が実行されるまで新たな報知演出を実行しないように構成することで、獲得済み(獲得予定も含む)の大当たり遊技の実行権利数の全てが報知演出によって報知されたと遊技者に思わせるように構成している。
このように、報知演出の対象となる特図2保留に対応する特別図柄抽選が実行されるまで新たな報知演出を実行しないように制御するために、入賞情報格納エリア223aに格納されている保留記憶情報の中に報知演出の告知対象を示す情報が含まれているかを判別するように構成している。これにより、報知演出の終了タイミングを容易に判別することが可能となる。
なお、本第10制御例では、報知演出の実行期間中に新たな報知演出が実行されることを規制するように構成しているが、これに限ること無く、新たな報知演出を実行可能に構成しても良い。この場合、例えば、獲得済み(獲得予定も含む)の大当たり遊技の実行権利数のうち、報知演出によって報知されていない数が所定数(例えば、5個)を超えた場合に追加実行条件が成立したと判別し、報知演出が実行中であるか否かに関わらず、新たな報知演出が実行可能となるように構成すると良い。
このように構成することで、報知演出によって報知されない大当たり遊技の実行権利数が増加してしまい、遊技者が報知演出に対して興味を持たなくなり、演出効果が低下してしまうことを抑制することができる。また、追加実行条件としては、獲得済み(獲得予定も含む)の大当たり遊技の実行権利数のうち、報知演出によって報知されていない数に基づいて成立する条件以外に、例えば、保留記憶情報に含まれている情報の中に特定情報(例えば、遊技者に有利な大当たり遊技が実行されることを示す情報や、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態が遊技者に有利な遊技状態となることを示す情報)が所定個数(例えば、2個)含まれていると判別した場合に成立する条件を設けても良い。
さらに、獲得済み(獲得予定も含む)の大当たり遊技の実行権利数を報知演出によって報知するための報知態様を遊技者に選択可能に構成し、例えば、第1報知態様を遊技者が選択した場合には、獲得済み(獲得予定も含む)の大当たり遊技の実行権利数の全てが遊技者に報知されるように構成し、第2報知態様を遊技者が選択した場合には、本第10制御例のように、一部の実行権利数をランダムに選択して遊技者に報知されるように構成し、第3報知態様を遊技者が選択した場合には、最小限の実行権利数、即ち、獲得済み(獲得予定も含む)の大当たり遊技の実行権利数を有しているか否かの結果のみが遊技者に報知されるように構成しても良い。この場合、第1報知態様が選択された場合には、新たな特図2保留を獲得することで、報知演出により報知された獲得済み(獲得予定も含む)の大当たり遊技の実行権利数が増加するように、新たな報知演出が実行されることになる。
状態格納エリア223iaは、主制御装置110から出力される状態コマンドに含まれる情報を一時的に記憶するための記憶領域である。この情報格納エリア223aに格納されている情報を読み出すことにより、音声ランプ制御装置113側において、現在設定されている遊技状態、及び、その種別(有利時短状態、不利時短状態)を特定可能に構成している。さらに、情報格納エリア223aには、現在設定されている遊技状態に関する情報を記憶可能な記憶エリアと、過去に設定されていた遊技状態に関する情報を記憶可能な過去記憶エリアとが設けられている。そして、過去記憶エリアは、最大で3つ前の遊技状態に関する情報まで記憶可能な記憶領域(第1過去記憶エリア〜第3過去記憶エリア)を有しており、主制御装置110から遊技状態の変更を示す状態コマンドを受信した場合に、受信した状態コマンドに対応する情報が記憶エリアに格納され、それ以前に記憶エリアに格納されていた情報が第1過去記憶エリアにシフトし、第1過去記憶エリアに記憶されていた情報が第2過去記憶エリアへ、第2過去記憶エリアに記憶されていた情報が第3過去記憶エリアへとシフトされ、第3過去記憶エリアに格納されていた情報が消去されるように構成している。
このように、過去に設定されていた遊技状態を一時的に記憶可能に構成することにより、複数回の遊技状態の移行内容に応じた演出や、過去に設定されていた遊技状態に応じた演出を実行することが可能となるため、遊技者に対して多彩な演出を提供することができる。
時短最終変動フラグ223ibは、時短最終変動演出を実行するための特別図柄変動期間を示すためのフラグであって、時短最終変動演出を実行するための特別図柄変動期間に対応する特別図柄変動が実行される場合にオンに設定されるものである。
本第10制御例では、時短終了条件が成立した特別図柄変動の開始タイミングにて時短状態を終了させるように構成しているため、時短終了条件が成立した特別図柄変動の変動期間中は、特図2保留を獲得することが困難な遊技状態(通常状態)となることから、時短終了条件が成立する特別図柄変動の1つ前の特別図柄変動が実行される場合に時短最終変動フラグ223ibがオンに設定され、時短終了条件が成立する特別図柄変動の1つ前の特別図柄変動が停止表示されるタイミングにおいてオフに設定される。
実行済フラグ223icは、報知演出が実行されていることを示すためのフラグであって、報知演出が実行される場合にオンに設定される。そして、報知演出の告知対象となる保留記憶情報に対応する特別図柄変動が実行された場合(対応する特別図柄変動の変動演出を設定した場合)にオフに設定される。本第10制御例では、実行済フラグ223icがオンに設定されている間は、新たな報知演出が実行されないように構成している。
<第10制御例における主制御装置110の制御処理について>
次に、図391から図393を参照して、本第10制御例における主制御装置110内のMPU201により実行される各制御処理を説明する。本第10制御例では、上述した第7制御例に対して、特別図柄変動処理7(図315参照)に代えて、特別図柄変動処理10(図391参照)を、特別図柄変動パターン選択処理7(図318参照)に代えて、特別図柄変動パターン選択処理10(図392参照)を、更新処理7(図319参照)に代えて、更新処理10(図393参照)を実行する点で相違し、それ以外は同一である。同一の処理内容については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。なお、上述した各制御例、及び各実施形態において説明をした内容と同一の要素について詳細な説明を省略している箇所については、上述した各制御例、及び各実施形態において説明をした内容が適用されるものである。また、上述した各制御例、及び各実施形態において説明をした技術思想については、本第10制御例にも当然適用されるものであり、上述した各制御例、及び各実施形態において説明をした変形例や追加例についても本第10制御例に当然適用されるものである。
まず、図391を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される特別図柄変動処理10(S10154)について説明する。図391は、この特別図柄変動処理10(S10154)を示すフローチャートである。この特別図柄変動処理10(S10154)は、タイマ割込処理(図314参照)の中で実行され、第1図柄表示装置37a,37bにおいて行う特別図柄(第1図柄)の変動表示や、第3図柄表示装置81において行う第3図柄の変動表示などを制御するための処理である。
この特別図柄変動処理10(S10154)では、まず、今現在が、特別図柄の大当たり中であるか否かを判定する(S10201)。特別図柄の大当たり中としては、第1図柄表示装置37a,37b及び第3図柄表示装置81において特別図柄の大当たり(特別図柄の大当たり遊技中も含む)を示す表示がなされている期間が含まれるものであり、大当たり遊技の開始を示す期間(オープニング期間)と、大当たり遊技中の期間(ラウンド遊技期間)と、ラウンド遊技期間が終了し、次に新たな特別図柄の抽選(変動)が開始されるまでの猶予期間(エンディング期間)と、が含まれる。
ここで、現在が大当たり中であるか否かの判別をするために、具体的には、大当たり中フラグ203kがオンに設定されているかを判別している。判別の結果、特別図柄の大当たり中(大当たり中フラグ203kがオンに設定されている)と判別した場合は(S10201:Yes)、そのまま本処理を終了する。
特別図柄の大当たり中でなければ、即ち、大当たり中フラグ203kがオンに設定されていない(オフに設定されている)と判別した場合は(S10201:No)、第1図柄表示装置37a,37bの表示態様が変動中であるか否かを判定し(S10202)、第1図柄表示装置37a,37bの表示態様が変動中でなければ(S10202:No)、第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(N1)と第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値(N2)を取得する(S10203)。
そして、第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値(N2)が0より大きいか判別する(S10204)。第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値(N2)が0でなければ(S10204:Yes)、即ち、変動(抽選)を開始させる第2特別図柄の保留球を確保している状態であれば、第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値(N2)を減算し(S10205)、演算により変更された第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値(N2)を示す保留球数コマンド(特図2保留球数コマンド)を設定する(S10206)。S10206の処理により特図2保留球数コマンドを設定した後は、第2特別図柄保留球格納エリア203bに格納されたデータをシフトする(S10207)。その後、時短抽選処理7(S10208)、特別図柄判定処理7(S10209)、特別図柄変動パターン選択処理10(S10251)の処理を実行し、本処理を終了する。
一方、第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値(N2)が0であると判別された場合には(S10204:No)、現時点において変動(抽選)を開始させる第2特別図柄の保留球を確保していない状態であるため、第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(N1)が0より大きいか判別する(S10211)。
第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(N1)が0であると判別された場合には(S10211:No)、現時点において変動(抽選)を開始させる第1特別図柄の保留球を確保していない状態であるため、特別図柄変動を実行するための本処理を終了する。
一方、第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(N1)が0でなければ(S10211:Yes)、即ち、変動(抽選)を開始させる第1特別図柄の保留球を確保している状態であれば、第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(N1)を減算し(S10212)、演算により変更された第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(N1)を示す保留球数コマンド(特図1保留球数コマンド)を設定する(S10213)。S10213の処理により特図1保留球数コマンドを設定した後は、第1特別図柄保留球格納エリア203aに格納されたデータをシフトする(S10214)。その後、特別図柄判定処理7(S10209)、特別図柄変動パターン選択処理10(S10251)の処理を実行し、本処理を終了する。
S10202の処理において、第1図柄表示装置37a,37bの表示態様が変動中であれば(S10202:Yes)、第1図柄表示装置37a,37bにおいて実行している変動表示の変動時間が経過したか否かを判別する(S10211)。第1図柄表示装置37a,37bにおいて実行される変動表示の変動時間は、変動種別カウンタCS1により選択された変動パターンに応じて決められており(変動パターンコマンドに応じて決められており)、この変動時間が経過していなければ(S10215:No)、即ち、現在が特別図柄の変動期間中であれば、第1図柄表示装置の表示を更新し(S10216)、本処理を終了する。
一方、S10215の処理において、実行している変動表示の変動時間が経過していれば(S10215:Yes)、第1図柄表示装置37a,37bの停止図柄に対応した表示態様(停止表示)を設定する(S10217)。停止表示の設定は、図392を参照して後述する特別図柄変動パターン選択処理7(S10252)によって予め行われる。詳細な説明は省略するが、第10制御例では、S10217の処理において設定された停止表示を所定期間(0.5秒)第1図柄表示装置に表示するように構成している。このように停止図柄の表示態様(停止表示)を所定期間継続して表示させることにより、変動中の図柄が一瞬表示された場合とは異なり、遊技者に対して確実に停止表示された第1図柄の内容を認識させることができる。
上述した第1図柄の停止態様を表示する所定期間(確定期間)として、第10制御例では0.5秒を設定しているが、それ以外の構成を用いても良く、例えば、第1図柄が変動中であることを示すために点灯状態と消去状態とを繰り返す点滅表示を行う場合であれば、その点滅表示を行う際の1回の点灯表示期間(例えば、0.2秒)よりも長い期間を上述した確定期間として設定すれば良い。このように構成することで、第1図柄が変動中であるか停止中(確定中)であるかを遊技者に容易に判別させることができる。
S10217の処理が終了した後は、第1図柄表示装置37a,37bにおいて実行中の特別図柄の変動表示が開始された際に、特別図柄判定処理7(図317のS10209参照)によって行われた特別図柄の抽選結果(今回の判別結果)が、特別図柄の大当たりであるかを判別する(S10218)。今回の抽選結果が特別図柄の大当たりであると判別した場合は(S10218:Yes)、大当たり開始フラグ203jと大当たり中フラグ203kとをオンに設定し(S10219)、時短カウンタ203hを0に設定して(S10220)、S10221の処理へ移行する。S10221の処理では、特図確定コマンドを設定し(S10221)、本処理を終了する。
つまり、第10制御例では、S10220の処理にて説明をした通り、特別図柄の大当たりに当選した場合には、その特別図柄の変動が終了(第1図柄の確定表示が終了)してから、大当たり遊技が開始されるまでのタイミングで時短状態が終了するように構成している。なお、特別図柄の大当たりに当選したことに基づいて時短状態を終了させるタイミングについては、予め定められているタイミングで有れば良く、上述した第10制御例のように、特別図柄(第1図柄)の確定表示後以外にも、例えば、大当たりに当選した特別図柄の変動開始タイミングで時短状態を終了しても良いし、特別図柄が停止表示されたタイミング(確定表示が開始されるタイミング)で時短状態を終了しても良い。また、当選した大当たりに対応した大当たり遊技を開始するタイミングや大当たり遊技が開始されてから所定期間後(例えば、可変入賞装置65が開放されるラウンド遊技開始タイミング)に時短状態を終了しても良いし、大当たり遊技が終了したタイミングで時短状態を終了しても良い。
さらに、特別図柄の大当たりに当選したことに基づいて時短状態を終了させる終了タイミング(特別図柄の大当たりに当選した場合に成立する時短終了条件を成立させるタイミング)を、上述した複数のタイミングの中から1つだけ予め設定するように構成しても良いし、当選した大当たりの大当たり種別に応じて異なるタイミングで時短状態が終了するように構成しても良い。
このように構成することで、例えば、特別図柄の変動開始タイミングで時短状態を終了させた場合には、遊技者に対して、時短状態が終了し(例えば、特別図柄の変動回数が規定回数(100回)に到達し)通常状態が設定されたのか、それとも、時短状態中に大当たりに当選したことにより時短状態が終了したのかを分かり難くすることができる。よって、時短状態が終了した際に実行される特別図柄変動に対応する第3図柄の演出表示(変動表示)の内容を遊技者に注視させることができ、演出効果を高めることができる。
また、複数の大当たり種別毎に時短終了条件が成立するタイミング(大当たりに当選した場合に時短状態を終了させるタイミング)を異ならせるように設定することで、時短状態の終了タイミングに基づいて特別図柄の抽選結果(判別結果)が遊技者に把握されてしまうことを抑制することができる。なお、複数の大当たり種別毎に設定される時短終了条件が成立するタイミングの一部に、時短状態が終了したタイミングを遊技者が識別した場合に、今回の特別図柄の抽選結果(判別結果)が大当たりであることを遊技者に報知できるタイミング、即ち、大当たりに当選したことにより成立する時短終了条件が成立した場合にのみ時短状態が終了する大当たり専用の時短終了タイミングを設けても良い。
このように構成することで、時短状態が終了するタイミングを把握することで、大当たりに当選したことをいち早く知ることができ、優越感に浸る期間を長くすることができる。また、このような効果をより奏するために、上述した大当たり専用の時短終了タイミングを、特別図柄変動が実行されてから特別図柄変動が終了するまでの変動期間のうち、前半期間に設定するように構成すると良い。
一方、S10218の処理において、今回の抽選結果が大当たりでないと判別された場合は(S10218:No)、今回の抽選結果が小当たりであるか否かを判別する(S10222)。S10222の処理において、今回の抽選結果が小当たりであると判別された場合は(S10222:Yes)、小当たり開始設定処理7を実行し(S10223)、本処理を終了する。一方、S10222の処理において、今回の抽選結果が小当たりでないと判別された場合は(S10222:No)、小当たり開始設定処理7(S10223)をスキップして、本処理を終了する。
以上、説明をしたように、第10制御例の特別図柄変動処理10(図391のS10104)では、第1特別図柄の抽選(変動)条件の成立の有無よりも優先して(先に)、第2特別図柄の抽選(変動)条件の成立の有無を判別するように構成している(図391のS10204の処理)。これは、遊技者にとって有利な特別図柄である第2特別図柄は遊技状態として時短状態が設定されている場合に変動可能(変動容易)となり、通常状態が設定されている場合は、変動不能(変動困難)となる第2特別図柄のほうが、第1特別図柄よりも変動(抽選)を実行し難い特別図柄となるように構成されているためである。
このように構成されたパチンコ機10において、万が一、第1特別図柄の抽選(変動)条件と、第2特別図柄の抽選(変動)条件が同時(主制御装置110のタイマ割込処理(図314参照)の処理期間である2ミリ秒分の誤差は含む)に成立した場合に、変動(抽選)が実行され難い第2特別図柄よりも優先して第1特別図柄の変動が開始されてしまうと、遊技者に対して不快感を与えてしまうことになる。さらに、第10制御例では第1特別図柄の抽選(変動)よりも第2特別図柄の抽選(変動)のほうが遊技者に有利となる抽選結果に当選し易くなるように(小当たりに当選し易くなるように)構成しているため、第1特別図柄の抽選(変動)条件と、第2特別図柄の抽選(変動)条件が同時(主制御装置110のタイマ割込処理(図314参照)の処理期間である2ミリ秒分の誤差は含む)に成立した場合に、変動(抽選)が実行され難い第2特別図柄よりも優先して第1特別図柄の変動が開始されてしまうと、より不快感を与えてしまうという問題があった。
これに対して、第10制御例では、第1特別図柄、或いは第2特別図柄の変動を開始させる処理を実行する場合に、遊技者にとって付加価値の高い(小当たりの当選確率が第1特別図柄よりも高い、実際に抽選(変動)が実行され難い)特別図柄(第10制御例では第2特別図柄)の抽選(変動)条件を優先して(最初に)判別するように構成しているため、上述した問題が発生することを抑制することができる。
次に、図392を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される特別図柄変動パターン選択処理10(S10251)について説明する。図392は、特別図柄変動パターン選択処理10(S10251)の内容を示したフローチャートである。図392に示した通り、特別図柄変動パターン選択処理10(S10251)では、特別図柄変動の開始を設定する前に更新処理10(S8272)を実行するように構成している。このように構成することで、特別図柄変動が開始されるよりも前に時短状態を終了させることができる。
特別図柄変動パターン選択処理10(S10251)が実行されると、まず、特別図柄の抽選結果が大当たりであるか否か、即ち、特別図柄の大当たりが設定されているか否かを判別する(S8201)。S8201の処理において、特別図柄の大当たりが設定されていると判別された場合には(S8201:Yes)、大当たり種別として大当たりAを決定し(S8271)、S8203の処理に移行する。
一方、S8201の処理において、特別図柄の抽選結果が大当たりではないと判別した場合には(S8201:No)、特別図柄の抽選結果が小当たりであるか否か、即ち、特別図柄の小当たりが設定されているか否かを判別する(S8209)。S8209の処理において特別図柄の小当たりが設定されていると判別した場合には(S8209:Yes)、小当たり種別選択10テーブル202if(図387参照)を参照して小当たり種別を決定し(S8273)、S8203の処理に移行する。
また、S8209の処理において、特別図柄の小当たりが設定されていない、即ち、特別図柄の外れが設定されていると判別した場合には(S8209:No)、S8273の処理をスキップし、S8203の処理に移行する。
S8203の処理では、特別図柄実行エリアに格納されている変動種別カウンタCS2の値を取得する(S8203)。次に、遊技状態格納エリア203gに記憶されている情報に基づいて現在の遊技状態を特定し、特定した遊技状態に対応したデータテーブルを変動パターン選択7テーブル202fdから読み出す(S8252)。
そして、S8203の処理で取得した変動種別カウンタCS2の値と、S8252の処理で読み出した変動パターン選択7テーブル202fd(図308(a)参照)が有するデータテーブルとに基づいて変動パターンを選択し(S8205)、S8205の処理で選択した変動パターンに基づいて、特図変動パターンコマンドを設定する(S8206)。ここで設定される特図変動パターンコマンドには、特別図柄抽選の抽選結果、特別図柄の変動時間を示す情報が含まれており、主制御装置110のメイン処理の外部出力処理にて音声ランプ制御装置113へと出力される。
次に、特別図柄の停止図柄を示す特図停止種別コマンドを設定し(S8207)、更新処理10を実行する(S8272)。更新処理10(S8272)の詳細な説明については、図393を参照して後述する。そして、第1図柄表示装置37で特別図柄の変動開始を設定し(S8208)、本処理を終了する。S8207の処理で設定される特図停止種別コマンドには、今回の特別図柄変動の結果を示す停止図柄の種別、即ち、リーチ外れや、リーチにならない外れといった大まかな種別を示す情報が含まれており、主制御装置110のメイン処理の外部出力処理にて音声ランプ制御装置113へと出力される。
なお、これに限ること無く、例えば、図392のS8252の処理が実行されるよりも前に更新処理10(S8272)を実行するように構成しても良い。このように構成することで、特別図柄変動の変動パターンを選択するよりも前に時短状態を終了させることが可能となるため、例えば、通常状態と時短状態とで異なる変動パターンを選択可能に構成されたパチンコ機10において、選択された変動パターンに基づいて、時短状態中に特別図柄抽選の大当たり判定が実行されたか否かを判別されてしまうことを抑制することができる。
図319は、更新処理10(S8272)の処理内容を示したフローチャートである。この更新処理10(S8272)では、図319に示した通り、時短カウンタ203hの値を減算し、時短終了条件が成立したかを判別し、その判別結果に基づいて時短状態を終了させる処理(時短終了条件が成立したか否かの判別を実行する際に参照される各種カウンタの値をクリアする処理)が実行される。
更新処理10(S8272)が実行されると、まず、時短カウンタ203hの値が0よりも大きいか、即ち、現在が時短中であるかを判別する(S10601)。S10601の処理において、時短カウンタ203hの値が0よりも大きく無い(0である)、即ち、時短中ではないと判別した場合は(S10601:No)、そのまま本処理を終了する。一方、時短カウンタ203hの値が0よりも大きい、即ち、時短中であると判別した場合は(S10601:Yes)、時短カウンタ203hの値を1減算し(S10602)、S10603の処理へ移行する。
S10603の処理では、演算により変更された(1減算された)時短カウンタ203hの値を示す残時短回数コマンドを設定する(S10603)。ここで設定された残時短回数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、メイン処理7(図325参照)の外部出力処理(S11501)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。
その後、時短カウンタ203hの値が0であるかを判別する(S10604)。時短カウンタ203hの値が0であると判別した場合は(S10604:Yes)、遊技状態を通常状態に設定し(S10605)、次いで、現在の遊技状態が通常状態であることを示す状態コマンドを設定し(S10607)、本処理を終了する。
一方、S10604の処理において、時短カウンタ203hの値が0ではないと判別した場合は(S10604:No)、そのまま本処理を終了し、特別図柄変動パターン選択処理10(図392参照)へ戻る。
<第10制御例における音声ランプ制御装置113の制御処理について>
次に、図394から図395を参照して、本第10制御例における音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される各制御処理を説明する。本第10制御例では、上述した第7制御例に対して、保留球数コマンド処理10(図394参照)と、特図2演出態様設定処理10(図395参照)とを実行する点で相違し、それ以外は同一である。同一の処理内容については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。なお、上述した各制御例、及び各実施形態において説明をした内容と同一の要素について詳細な説明を省略している箇所については、上述した各制御例、及び各実施形態において説明をした内容が適応されるものである。また、上述した各制御例、及び各実施形態において説明をした技術思想については、本第10制御例にも当然適用されるものであり、上述した各制御例、及び各実施形態において説明をした変形例や追加例についても本第10制御例に当然適用されるものである。
まず、図394を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される保留球数コマンド処理10(S20101)について説明をする。図394は、保留球数コマンド処理10(S20101)の内容を示したフローチャートである。
保留球数コマンド処理10(S20101)が実行されると、まず、実行済フラグ223icがオンであるか判別する(S20102)。実行済フラグ223icがオンであると判別した場合には(S20102:Yes)、そのまま本処理を終了する。一方、実行済フラグ223icがオンではないと判別した場合には(S20102:No)、今回主制御装置110より受信したコマンドから保留情報を抽出し、対応する値を対応する特別図柄保留球数カウンタ(特別図柄1保留球数カウンタ203b、或いは、特別図柄2保留球数カウンタ203b1)に格納する(S20103)。
次に、特別図柄2保留球数カウンタ203b1の値が4であるか判別する(S20104)。特別図柄2保留球数カウンタ203b1の値が4ではないと判別した場合には(S20104:No)、そのまま本処理を終了する。一方、特別図柄2保留球数カウンタ203b1の値が4であると判別した場合には(S20104:Yes)入賞情報格納エリア223aから第2特別図柄の保留記憶情報の読み出しを実行する(S20105)。そして、読み出した保留記憶情報に小当たりCに対応する保留記憶情報があるか判別する(S20106)。読み出した保留記憶情報に小当たりCに対応する情報がないと判別した場合には(S20106:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、S20106の処理において、S20105の処理において読み出した保留記憶情報から小当たりCに対応する情報があると判別した場合には(S20106:Yes)、現在の遊技状態が第2時短状態であるか判別する(S20107)。現在の遊技状態が第2時短状態であると判別した場合には(S20107:Yes)、告知対象選択テーブル222ib(図390(b)参照)より告知対象となる小当たりC保留を決定し(S20108)、S20109の処理に移行する。一方、S20107の処理において、現在の遊技状態が第2確変状態中ではないと判別した場合には(S20107:No)、最後に獲得した小当たりC保留を告知対象に決定し(S20112)、S20109の処理に移行する。
S20109の処理では、S20108、或いは、S20112の処理において決定した小当たりC保留の格納位置に対応する連チャン数を示す表示態様を決定し(S20109)、入賞情報格納エリア223aに告知対象情報を追加する(S20110)。そして、実行済フラグ223icをオンに設定し(S20111)、本処理を終了する。
次に、図395を参照し、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される特図2演出態様設定処理10(S14994)について説明する。図395は、特図2演出態様設定処理10(S14994)の内容を示したフローチャートである。
特図2演出態様設定処理10(S14994)が実行されると、まず、遊技状態が時短状態であるか判別する(S19551)。遊技状態が時短状態ではないと判別した場合には(S19551:No)、S19552〜S19555の処理をスキップし、S19556の処理に移行する。一方、遊技状態が時短状態であると判別した場合には(S19551:Yes)、今回の変動が時短の最終変動であるか判別する(S19552)。今回の変動が時短の最終変動ではないと判別した場合には(S19552:No)、S19553〜SS19555の処理をスキップし、S19556の処理に移行する。
一方、S19552の処理において、今回の変動が時短状態の最終変動であると判別した場合には(S19552:Yes)、状態格納エリア223iaから時短状態の読み出しを実行する(S19554)。そして、読み出した時短状態が第2時短状態であるか判別する(S19554)。読み出した最終変動演出選択テーブル(図390(a)参照)を参照して演出態様を決定し(S19555)、S19556の処理に移行する。一方、読み出した遊技状態が第2時短状態ではないと判別した場合には(S19554:No)、S19555の処理をスキップし、S19556の処理に移行する。
次に、実行済フラグ223icはオンであるか判別する(S19556)。実行済フラグ223icがオンであると判別した場合には(S19556:Yes)、今回の対象変動が告知対象であるか判別する(S19557)。今回の対象変動は告知対象であると判別した場合には(S19557:Yes)、実行済フラグ223icをオフに設定し(S19558)、決定した演出態様を示す表示用変動パターンコマンドを設定し(S19559)、本処理を終了する。
一方、S19556の処理において、実行済フラグ223icがオンではないと判別した場合(S19556:No)、或いは、S19557の処理において今回の対象変動が告知対象ではないと判別した場合には(S19557:No)、上述したS19559の処理を実行し、本処理を終了する。
<第11制御例>
次に、図396から図405を参照して、第11制御例におけるパチンコ機10について説明をする。本第11制御例におけるパチンコ機10は、上述した第7制御例と同様に、特別図柄抽選の抽選結果が大当たり当選では無い(外れである)場合の一部において、小当たり当選し得るように構成し、小当たり当選したことに基づいて実行される小当たり遊技中に遊技球を特定領域へと入球させることで大当たり遊技を実行可能な遊技性(所謂、1種2種タイプ)を有している。
本第11制御例におけるパチンコ機10が、上述した第7制御例におけるパチンコ機10に対して大きく相違する点は、遊技者に対して、通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)において、第1特別図柄抽選を実行させるための遊技(左打ち遊技)と、第2特別図柄抽選を実行させるための遊技(右打ち遊技)と、選択可能に構成している点と、第1特別図柄抽選の結果に基づいて時短状態が設定された場合と、第2特別図柄抽選の結果に基づいて時短状態が設定された場合とで、時短状態の遊技性を異ならせている点で相違している。
上述した第7制御例におけるパチンコ機10では、通常状態中は第1特別図柄抽選の実行契機となる第1入球口64への遊技球の入球を目指す左打ち遊技が遊技者に最も有利な遊技方法となるように、通常状態中では第1特別図柄抽選のほうが第2特別図柄抽選よりも実行され易くなるように遊技盤13を構成していた。そして、時短状態が設定された場合には、第2特別図柄抽選の実行契機となる第2入球口640への遊技球の入球を目指す右打ち遊技が遊技者に最も有利な遊技方法となるように、時短状態中では第1特別図柄抽選よりも第2特別図柄抽選のほうが実行され易くなるように遊技盤13を構成していた。
つまり、上述した第7制御例におけるパチンコ機10は、設定されている遊技状態に応じて遊技者に有利となる遊技方法が予め規定されており、その遊技方法に沿った遊技を遊技者が実行するように構成していた。このように構成することで、遊技者に対して分かり易い遊技を提供することが可能となるが、遊技者に対して定められた遊技方法にて遊技を実行させることになるため遊技者が遊技に飽きてしまうという問題を有していた。
これに対して、本第11制御例におけるパチンコ機10は、通常状態が設定されている状態で、第1特別図柄抽選の実行を目指す遊技(左打ち遊技)と、第2特別図柄抽選の実行を目指す遊技(右打ち遊技)と、を遊技者が選択可能となるように構成している。このように構成することで、遊技者に対して遊技方法を選択させることができるため、様々な遊技方法で遊技を実行することが可能となる。よって、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができる。
加えて、本第11制御例では、通常状態において第1特別図柄抽選を実行させる左打ち遊技を実行した場合と、第2特別図柄抽選を実行させる右打ち遊技を実行した場合とで、獲得可能な遊技球数(賞球数)の期待値は同程度となるが、その期待値分の遊技球数(賞球数)を獲得するまでの過程が異なるように構成している。簡単に説明をすると、左打ち遊技を実行した場合には、遊技者に有利な遊技状態である時短状態が比較的設定され難いが、一度時短状態が設定されると、その時短状態が継続し易くなり、右打ち遊技を実行した場合には、左打ち遊技を実行した場合よりも時短状態が設定され易く、その時短状態が継続し難くなるように構成している。
このように構成することで、遊技者の都合に合わせた遊技を遊技者自身に選択させることができるため、遊技者の遊技意欲が低下することを抑制することができる。
まず、図396を参照して、本第11制御例のパチンコ機10における遊技盤13の構成について説明をする。図396は、本第11制御例のパチンコ機10における遊技盤13の構成を示した正面図である。図396に示した通り、本第11制御例のパチンコ機10における遊技盤13は、上述した第7制御例のパチンコ機10における遊技盤13の構成(図294参照)に対して、遊技盤13の右側領域(右打ち遊技によって発射された遊技球が流下する可変表示ユニット80よりも右側の領域)の構成を異ならせている点と、遊技者に対して遊技方法を示すための指標(表示態様)を遊技盤13に形成される遊技領域の上側に付している点と、で相違している。なお、上述した第7制御例と同一の構成については、同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
図396に示した通り、遊技盤13に形成される遊技領域(発射した遊技球が通過可能な領域)のうち、上側(可変表示ユニット80の上方)の領域には、遊技方法(左打ち遊技、右打ち遊技)に対応する態様として、カメを模した態様k1と、サメを模した態様k2と、が付されている。態様k1は、左打ち遊技に対応する態様であって、態様k1を目指して遊技球を発射させることで、遊技者に左打ち遊技を行わせることが可能となる可変表示ユニット80の左上方の位置に付されている。
一方、態様k2は、右打ち遊技に対応する態様であって、態様k2を目指して遊技球を発射させることで、遊技者に右打ち遊技を行わせることが可能となる可変表示ユニット80の右上方の位置に付されている。このように構成することで、遊技者に対して操作ハンドル22に対する操作内容(回転量)では無く、実際に発射された遊技球の軌跡を目で追いながら遊技方法を調整することが可能となるため、遊技者に分かり易い遊技を提供することができる。
なお、遊技者に対して実行中の遊技方法を報知するための手法として別の手法を用いても良く、例えば、遊技盤13に形成される遊技領域のうち、左打ち遊技によって発射された遊技球が流下し得る左側領域(可変表示ユニット80の左側に形成される遊技領域)に遊技球を検知可能な検知手段を設け、その検知手段が遊技球を検知したことに基づいて左打ち遊技が実行されていることを遊技者に報知する報知手段を設けても良いし、右打ち遊技によって発射された遊技球が流下し得る右側領域(可変表示ユニット80の右側に形成される遊技領域)に遊技球を検知可能な検知手段を設け、その検知手段が遊技球を検知したことに基づいて右打ち遊技が実行されていることを遊技者に報知する報知手段を設けても良い。
次に、図396を参照して、遊技盤13の右側領域の構成について説明をする。本第11制御例では、遊技盤13の右側領域に第2特別図柄抽選を実行させるための入球口(始動入球口)として、第2入球口1640と、右第2入球口1641と、を配設している。
第2入球口1640には、普通図柄抽選で当たり当選したことに基づいて実行される当たり遊技(普図当たり遊技)にて開閉作動する電動役物1640aが付随しており、設定されている遊技状態に応じて遊技球を入球させ易い状態(普通図柄の高確率状態)と、遊技球を入球させ難い状態(普通図柄の低確率状態)と、を創出可能に構成している。なお、普通図柄抽選の内容や、普通図柄抽選で当たり当選したことに基づいて実行される当たり遊技(普図当たり遊技)において開閉作動される電動役物1640aの動作制御内容等については、上述した各制御例において説明をした電動役物制御の内容と同一であるため、その詳細な説明を省略する。
一方、右第2入球口1641は、設定されている遊技状態に関わらず、右打ち遊技によって発射された遊技球が一定の割合で入球し得るように配設されており、本第11制御例では、左打ち遊技によって発射された遊技球が第1入球口64へと入球する割合と、同程度の入球割合となるように右第2入球口1641が配設されている。このように構成することで、通常状態において左打ち遊技によって実行される第1特別図柄抽選と、右打ち遊技によって実行される第2特別図柄抽選と、を同程度の頻度で実行させることができるため、遊技者が何れの遊技方法を選択した場合であっても、違和感無く遊技を行わせることができる。
また、時短状態が設定された場合には、右打ち遊技を実行することにより、第2入球口1640へと遊技球を入球させ易くすることができるように普通図柄の高確率状態に基づく普通図柄抽選、及び、電動役物1640aを開閉動作させる普図当たり遊技が実行されるため、時短状態中は右打ち遊技が遊技者に有利な遊技方法となる。なお、普通図柄の高確率状態に基づく普通図柄抽選、及び、電動役物1640aを開閉動作させる普図当たり遊技の内容については、上述した第7制御例と同一であるため、その詳細な説明を省略する。
さらに、遊技盤13の右側領域下方には、小当たり遊技中に開放動作されるV入賞装置1650と、大当たり遊技中に開放動作される可変入賞装置1065が配設されている。このV入賞装置1650は、上述した第7制御例における第2可変入賞装置650(図294参照)と同一内容であり、可変入賞装置1650は、上述した第7制御例における可変入賞装置65(図294参照)と同一内容であり、その詳細な説明を省略する。
<第11制御例における電気的構成について>
次に、図398〜図401を参照して、本第11制御例におけるパチンコ機10の電気的構成について説明をする。本第11制御例のパチンコ機10は、上述した第7制御例のパチンコ機10における電気的構成に対して、主制御装置110のMPU201が有するROM202、及びRAM203の一部構成、及び、音声ランプ制御装置113のMPU221が有するROM222、及びRAM223の一部構成を変更している点で相違し、それ以外が同一である。同一の要素については、同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
まず、図398を参照して、本第11制御例における主制御装置110の電気的構成について説明をする。図398(a)は、本第11制御例における主制御装置110のMPU201が有するROM202の内容を模式的に示した模式図である。図395(a)に示した通り、本制御例のROM202は、上述した第7制御例のROM202(図304(a)参照)に対して、第1当たり乱数7テーブル202faに代えて第1当たり乱数11テーブル202jaを、小当たり種別選択7テーブル202ffに代えて小当たり種別選択11テーブル202jfを、時短当たり乱数7テーブル202fhに代えて時短当たり乱数11テーブル202jhを、時短種別選択7テーブル202fiに代えて時短種別選択11テーブル202iiを設けた点で相違し、それ以外は同一である。同一の要素については、同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。なお、説明の便宜上、上述した第7制御例のROM202(図304(a)参照)では図示している各種構成のうち、図385(a)にてその図示を省略しているものもあるが、適用が困難な構成以外はその図示を省略しているものである。
第1当たり乱数11テーブル202jaは、上述した第1当たり乱数7テーブル202fa(図305(a)参照)に対して、第2特別図柄抽選の際に参照される特別図柄2乱数7テーブル202fa2に代えて特別図柄2乱数11テーブル202ja2を設けた点で相違し、それ以外は同一である。同一の内容については詳細な説明を省略する。
ここで、図399(a)を参照して、特別図柄2乱数11テーブル202ja2に規定されている内容について説明をする。図399(a)は、特別図柄2乱数11テーブル202ja2の内容を模式的に示した模式図である。図399(a)に示した通り、特別図柄2乱数11テーブル202ja2は、第2特別図柄(特図2)の当たり抽選を実行する際に参照されるデータテーブルである。
具体的には、第1当たり乱数カウンタC1の値が取り得る「0〜999」の範囲のうち、「0〜4」の範囲に対して「大当たり」が規定され、「5〜54」の値に「小当たり」が規定されている。即ち、本第11制御例では、特図2の抽選で大当たりに当選する確率が約1/200(5/1000)、小当たりに当選する確率が1/20(50/1000)となる。
小当たり種別選択11テーブル202jfは、第2特別図柄抽選(特図2抽選)にて小当たりに当選した場合に設定される小当たり種別を選択する際に参照されるデータテーブルである。この小当たり種別選択11テーブル202jfは、上述した第7制御例の小当たり種別選択7テーブル202ff(図307参照)に対して、規定される小当たり種別の選択割合を変更している点で相違し、それ以外は同一である。同一の要素についてはその詳細な説明を省略する。
ここで、図399(b)を参照して、小当たり種別選択11テーブル202jfについて説明をする。図399(b)は、小当たり種別選択11テーブル202jfの内容を示した模式図である。取得した小当たり種別カウンタC5の値が「0〜4」の範囲に対して「小当たりA(V通過時大当たりA)」が規定されており、「5〜99」の範囲に対して「小当たりB(V通過時大当たりB)」が規定されている。
時短当たり乱数11テーブル202jhは、特別図柄抽選にて実行される時短当選判定(時短抽選)にて参照されるデータテーブルであって、上述した時短当たり乱数7テーブル202fh(図310(a)参照)に対して、時短当選に対応する判定値を異ならせている点で相違し、それ以外は同一である。同一の内容については、その説明を省略する。
ここで、図400を参照して時短当たり乱数11テーブル202jhに規定されている内容について説明をする。図400は時短当たり乱数11テーブル202jhに規定されている内容を模式的に示した模式図である。図400(a)に示した通り、時短当たり乱数11テーブル202jhには、遊技状態が通常状態(特別図柄及び普通図柄の低確率状態)に対してのみ時短当選判定の判定値が規定されており、取得した第1当たり乱数カウンタC1の値が「900〜949」の範囲に対して、時短当選する判定値が規定されている。つまり、第1当たり乱数カウンタC1の値の取り得る値が1000個に対して、時短当選と判定される判定値の数が50個であるため、通常状態中に時短当選する確率は、1/20(50/1000)となる。なお、図400(a)に示した通り、通常状態以外の遊技状態では、時短当選することは無い。なお、これに限ること無く、低確率(例えば、1/1000)の確率で、通常状態以外の遊技状態においても時短当選するように構成しても良い。
時短種別選択11テーブル202jiは、特別図柄抽選で時短当選した場合に設定される時短状態に対する時短終了条件を設定する際に参照されるデータテーブルであって、時短種別選択カウンタCC1の値に対応させて時短種別が規定されている。本第11制御例では、第1特別図柄抽選で時短当選した場合と、第2特別図柄抽選で時短当選した場合とで、異なる時短種別が選択されるように構成している。
ここで、図400(b)を参照して、時短種別選択11テーブル202jiの内容について説明をする。図400(b)は、時短種別選択11テーブル202jiに規定されている内容を示した図である。図400(b)に示した通り、時短種別選択11テーブル202jiには、時短当選した特別図柄の種別と、取得した時短種別選択カウンタCC1の値に対応させて時短種別が規定されており、規定されている時短種別に対応する時短終了条件、及び、時短リミット設定の有無が規定されている。
具体的には、第1特別図柄抽選で時短当選した場合は、取得した時短種別選択カウンタCC1の全範囲(「0〜99」)に対して時短種別として時短A11が規定されている。そして、時短Aに対応する時短終了条件として時短カウンタ203h(第1時短終了条件)に「200」が、時短リミットの設定「なし」が設定される時短終了条件が規定されている。つまり、特別図柄時短カウンタ203hの値を更新する処理が200回実行された時点で時短状態が終了する時短終了条件が設定される。
一方、第2特別図柄抽選で時短当選した場合は、取得した時短種別選択カウンタCC1の全範囲(「0〜99」)に対して時短種別として時短B11が規定されている。そして、時短Bに対応する時短終了条件として時短カウンタ203h(第1時短終了条件)に「200」が、時短リミットの設定「あり」が設定される時短終了条件が規定されている。つまり、特別図柄時短カウンタ203hの値を更新する処理が200回実行された時点で時短状態が終了する時短終了条件が設定されると共に、時短状態が連続して設定される回数が所定回数(10回)に到達した場合に、時短リミットに到達し、通常状態が設定されるように構成している。
よって、特別図柄抽選で時短当選した場合には、時短リミットの設定がされない第1特別図柄抽選の方が、第2特別図柄抽選よりも遊技者に有利な時短状態を設定することができるように構成している。これにより、時短抽選が実行される通常状態において、左打ち遊技を行うことで大当たり抽選と、遊技者に有利な時短抽選を実行するか、右打ち遊技を行うことで、大当たり抽選、小当たり抽選と、遊技者に不利な時短抽選を実行するかを遊技者に選択させ難くすることができ、遊技者に対して遊技方法を選択させる楽しみを提供することができる。
図398(b)に戻り、本第11制御例におけるパチンコ機10の主制御装置110が有するRAM203の構成について説明をする。図398(b)は、第11制御例におけるパチンコ機10の主制御装置110が有するRAM203に規定されている内容を模式的に示した図である。図398(b)に示した通り、本第11制御例では、上述した第7制御例におけるRAM203(図304(b)参照)に対して、時短リミット回数カウンタ203jaを追加した点で相違し、それ以外は同一である。同一の構成については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
時短リミット回数カウンタ203jaは、普通図柄の高確率状態が連続して設定される回数を計測するためのカウンタである。ここで、本第11制御例におけるパチンコ機10は、大当たり遊技中を除いて、普通図柄の低確率状態が設定されること無く、普通図柄の高確率状態が連続して設定される回数(普通連続設定回数)を計測可能に構成しており、その普通連続設定回数が所定数(10回)に到達した場合(時短リミットに到達した場合)に、普通図柄の高確率状態を設定可能な条件が成立している場合であっても、普通図柄の低確率状態を強制的に設定する処理(時短リミット処理)を実行可能に構成し、遊技者に対して有利な遊技状態(第1確変状態)が過剰に連続して設定されてしまうことを抑制している。
この時短リミット回数カウンタ203jaには、普通図柄の低確率状態が設定されている状態で第2特別図柄抽選によって時短当選した場合に、初期値として「10」がセットされる(図402のS18182参照)。そして、普通連続設定回数が更新される毎にカウンタの値が減算され(図405のS13104参照)、時短リミットに到達したか否かの判別処理にて減算後のカウンタ値が参照される(図405のS13107参照)。そして、時短リミットに到達した場合や、実行中の大当たり種別が普通図柄の低確率状態を設定するものである場合に時短リミット回数カウンタ203jaの値が0にクリアされる。
この時短リミット回数カウンタ203jaの値を示す情報は、大当たり終了処理において、音声ランプ制御装置113へと出力するために状態コマンドとして設定される。
なお、本第11制御例では、上述した通り、普通連続設定回数を計測するための時短リミット回数カウンタ203jaの値に、時短リミットに到達するまでの普通連続設定回数をセットし、普通連続設定回数が減算される毎に、カウンタ値を減算するように構成しているが、これに限ること無く、普通図柄の高確率状態が設定された場合に時短リミット回数カウンタ203jaの値に「1」をセットし、以降、普通連続設定回数が更新される毎に、時短リミット回数カウンタ203jaの値を1加算するように構成し、加算後の時短リミット回数カウンタ203jaの値が時短リミットに到達したことを示す値(例えば、10)であるかを判別し、その判別の結果が時短リミットに到達したことを示す判別結果である場合に、時短リミット処理を実行するように構成しても良い。
このように構成した場合、例えば、特別図柄の高確率状態が連続して設定されている期間内において第2特別条件(例えば、特定の大当たり種別の大当たりに当選)が成立した場合に、時短リミットの成立条件(到達条件)を変更させるように構成した場合であっても、変更後の成立条件(到達条件)と、時短リミット回数カウンタ203jaの値とを比較するだけで、時短リミットに到達したか否かを判別することが可能となる。
なお、上述した例示内容における特別条件が成立した場合に、時短リミットの成立条件を、変更前よりも成立し難くするように変更しても良いし、変更前よりも成立し易くするように変更しても良い。また、時短リミットの成立条件(到達条件)が変更された場合に、現時点における時短リミット回数カウンタ203jaの値が時短リミットの成立条件(到達条件)を満たしているか否かを即座に判別するように構成しても良いし、時短リミットの成立条件(到達条件)が変更された場合であっても、時短リミット回数カウンタ203jaの成立条件(到達条件)を満たしているか否かの判別は大当たり遊技終了時に実行するように構成しても良い。特に、後者の場合は、時短リミットの成立条件(到達条件)が変更された場合において直ちに普図図柄の高確率状態が終了してしまうことを抑制すると共に、普通図柄の高確率状態が設定されている期間中に特別図柄抽選の大当たり当選が最低限(1回分)保証されることになるため、遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができる。
本第11制御例では、普通図柄の高確率状態が設定される契機として、時短リミット回数カウンタ203jaに値を設定する契機(時短リミットをセットする契機)と、設定しない契機(時短リミットを設定しない契機)と、を設けている。このように構成することで、遊技者に対して、どのような契機で時短状態が設定されたのかについても興味を持たせることができる。
さらに、本第11制御例では、大当たり遊技の終了後に普通図柄の高確率状態(時短状態)が設定される場合であっても、その大当たり遊技の実行契機に応じて、時短リミット回数カウンタ203jaの値を更新(減算)する場合と、更新(減算)しない場合とを設けるように構成している。具体的には、特別図柄抽選で大当たり当選した場合には、その大当たり当選に基づいて実行された大当たり遊技の終了後に時短状態が設定される場合であっても時短リミット回数カウンタ203jaの値を更新すること無く、特別図柄抽選で小当たり当選した場合には、その小当たり当選に基づいて実行された大当たり遊技の終了後に時短状態が設定される場合に時短リミット回数カウンタ203jaの値を更新(減算)するように構成している。
このように構成することで、大当たり遊技の実行契機として成立し難い契機(大当たり当選)の方が、成立し易い契機(小当たり当選)の方が遊技者に不利とすることができる。よって、小当たり当選し易い時短状態中において大当たり当選を目指しながら意欲的に遊技を行わせることができる。また、成立し易い大当たり遊技の実行契機が所定回数(10回)実行されるまでの期間に、成立し難い大当たり遊技の実行契機を成立させることを目指す、ひいては、成立し易い大当たり遊技の実行契機が成立しないことを期待するという斬新な遊技性を遊技者に提供することができる。
なお、本第11制御例では、大当たり遊技の実行契機として成立し難い契機(大当たり当選)が成立した場合の特典として、時短リミット回数カウンタ203jaの値を更新しない特典を付与するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、大当たり遊技の実行契機として成立し難い契機(大当たり当選)が成立した場合に、時短リミット回数カウンタ203jaの値を増加させたり、初期値に戻したりする処理を実行可能に構成しても良い。
次に、図401を参照して、本第11制御例における音声ランプ制御装置113のRAM223の構成について説明をする。図401は、第11制御例における音声ランプ制御装置113のRAM223の構成を模式的に示した模式図である。図401に示した通り、本第11制御例における音声ランプ制御装置113のRAM223は、上述した第7制御例のRAM223(図311(b)参照)に対して、残時短回数カウンタ223ja、時短リミットフラグ223jbと、を設けた点で相違している。それ以外の構成は同一であり、同一の内容については同一の符号を付してその説明を省略する。
残時短回数カウンタ223jaは、主制御装置110において設定された時短リミット回数カウンタ203jaの値に対応させた値が設定されるカウンタであって、時短リミットに到達するまでの期間(普図高確率状態を連続して設定可能な残数)を示すためのものである。
この残時短回数カウンタ223jaは、音声ランプ制御装置113のコマンド判定処理にて実行される状態コマンド処理において、リミット関連コマンドを受信した場合に実行されるリミット情報更新処理において時短リミットを設定する時短種別に関する情報を含むコマンドを受信した場合に対応する値(10)がセットされ、時短リミット回数コマンドを受信した場合に、既にセットされている値が1減算される。
この残時短回数カウンタ223jaの値は、各遊技状態における演出モードを決定する処理を実行する場合に、参照される。そして、音声ランプ制御装置113の状態コマンド処理において、遊技状態コマンドを受信した場合に実行される遊技状態更新処理において普通図柄の低確率状態が設定されたことを示すコマンドを受信したと判別された場合に、値が0にクリア(セット)される。
時短リミットフラグ223jbは、時短リミットに到達したことを示すためのフラグであって、コマンド判定処理にて実行される状態コマンド処理において、リミット関連コマンドを受信した場合に実行されるリミット情報更新処理において、時短リミットに到達したことを示すための時短リミット到達コマンドを受信した場合オンに設定される。
<第11制御例における主制御装置の制御処理内容について>
次に、図402〜図405を参照して、本第11制御例における主制御装置110のMPU201にて実行される制御処理の内容について説明をする。本第11制御例では、上述した第7制御例に対して、大当たり遊技を跨いで遊技者に有利な遊技状態(時短状態)が継続する期間に上限を設定可能に構成している点で大きく相違している。
まず、図402を参照して時短抽選処理11(S10288)の内容について説明をする。図402は時短抽選処理11(S10288)の処理内容を示したフローチャートである。図402に示した通り、時短抽選処理11(S10288)は、上述した時短抽選処理7(図316のS10208参照)に対して、時短当選したと判別した場合に(S18105:Yes)、今回の時短当選が第2特別図柄抽選での時短当選であるかを判別し(S18181)、第2特別図柄抽選での時短当選であると判別した場合(S18181:Yes)に、時短リミット回数カウンタ203jaの値に「10」を設定する(S18182)処理を追加している。
このように構成することで、通常状態における時短抽選で時短当選した場合であって、且つ、その時短当選した特別図柄種別が第2特別図柄である場合にのみ、時短リミットを設定することが可能となる。
次に、図403を参照して、大当たり制御処理11(S11574)の処理内容について説明をする。図403は、大当たり制御処理11(S11574)の処理内容を示したフローチャートである。この大当たり制御処理11(S11574)では、上述した各制御例における大当たり制御処理に対して、エンディング演出の終了タイミングにて大当たり終了処理11(S11651)を実行する点で相違し、それ以外は同一であるため、詳細な説明を省略する。
次に、図404を参照して、大当たり終了処理11(S11651)の処理内容について説明をする。図404は、大当たり終了処理11(S11651)の処理内容を示したフローチャートである。この大当たり終了処理11(S11651)では、大当たり遊技が終了時実行されるものであって、時短リミットを更新するための処理と、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態を決定し、決定内容に従った遊技状態を設定するための処理が実行される。
大当たり終了処理11(S11651)が実行されると、まず、時短リミット更新処理を実行する(S13001)。この時短リミット更新処理(S13001)の詳細な内容については図405を参照して後述する。次いで、大当たり終了後に設定される遊技状態を示す情報を遊技状態格納エリアに格納し(S13002)、実行中の大当たり種別に対応する時短回数を決定し(S13003)、決定した時短回数を時短カウンタ203hに設定し(S13004)、設定内容に対応する時短設定情報コマンドを設定し(S13005)、大当たり後の遊技状態と、時短リミット回数カウンタ203jaの値とに対応する状態コマンドを設定し(S13006)、本処理を終了する。
次に、大当たり終了11処理(図404のS11651参照)内の一処理である時短リミット更新処理(S13001)の詳細について説明する。図405は、時短リミット更新処理(S13001)の内容を示したフローチャートである。この時短リミット更新処理(S13001)では、当選した大当たり種別や時短種別に基づいて、普通図柄の高確率状態を設定するための処理と、連続して普通図柄の高確率状態を設定可能な上限値を設定したり、設定済の上限値に対する残回数数を更新するための処理とが実行される。
時短リミット更新処理(S13001)では、まず、実行中の特別図柄の大当たり種別の読み出しを実行する(S13101)。次に、S13101の処理において読み出した実行されている大当たり種別が、大当たり終了後に、普通図柄の高確率状態(時短状態)が設定される大当たり種別であるか判別する(S13102)。大当たり終了後に、普通図柄の高確率状態が設定される大当たり種別であると判別した場合には(S13102:Yes)、今回の大当たり遊技が小当たり当選に基づく大当たり遊技であるかを判別する(S13103)。
なお、S13103の処理では、遊技状態格納エリア203gに格納されている過去の遊技状況に基づく情報によって大当たり遊技の実行契機が判別される。S13103の処理において、小当たり当選に基づく大当たり遊技であると判別した場合は(S13103:Yes)、時短リミット回数カウンタ203jaの値が0より大きい値であるか判別する(S13104)。時短リミット回数カウンタ203jaの値が0より大きい値ではない、即ち、大当たり当選時における普通図柄の確率状態が低確率状態であると判別した場合には(S13104:No)、時短リミット回数カウンタ203の値に連続して普通図柄の高確率状態を設定可能な値が設定されていないため、そのまま本処理を終了する。
一方、S13104の処理において、時短リミット回数カウンタ203jaの値が0より大きい値であると判別した場合には(S13104:Yes)、時短リミット回数カウンタ203jaの値を1減算し(S13106)、次に、減算後の時短リミット回数カウンタ203jaの値が0であるか否かを判別する(S13107)。減算後の時短リミット回数カウンタ203jaの値が0であると判別した場合には(S13107:Yes)、連続して普通図柄の高確率状態が設定できる上限値に達したため、時短リミット到達フラグをオンに設定し(S13108)、本処理を終了する。一方、S13107の処理において、減算後の時短リミット回数カウンタ203jaの値が0ではないと判別した場合には(S13107:No)、そのまま、本処理を終了する。
以上、説明をした通り、本第11制御例では、通常状態が設定されている状態で、第1特別図柄抽選の実行を目指す遊技(左打ち遊技)と、第2特別図柄抽選の実行を目指す遊技(右打ち遊技)と、を遊技者が選択可能となるように構成している。このように構成することで、遊技者に対して遊技方法を選択させることができるため、様々な遊技方法で遊技を実行することが可能となる。よって、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができる。
加えて、本第11制御例では、通常状態において第1特別図柄抽選を実行させる左打ち遊技を実行した場合と、第2特別図柄抽選を実行させる右打ち遊技を実行した場合とで、獲得可能な遊技球数(賞球数)の期待値は同程度となるが、その期待値分の遊技球数(賞球数)を獲得するまでの過程が異なるように構成している。簡単に説明をすると、左打ち遊技を実行した場合には、遊技者に有利な遊技状態である時短状態が比較的設定され難いが、一度時短状態が設定されると、その時短状態が継続し易くなり、右打ち遊技を実行した場合には、左打ち遊技を実行した場合よりも時短状態が設定され易く、その時短状態が継続し難くなるように構成している。
このように構成することで、遊技者の都合に合わせた遊技を遊技者自身に選択させることができるため、遊技者の遊技意欲が低下することを抑制することができる。
さらに、本第11制御例では、通常状態において左打ち遊技を実行した場合には、特別図柄抽選において大当たり当選を目指す遊技と、時短当選を目指す遊技とを遊技者に行わせ、右打ち遊技を実行した場合には、特別図柄抽選において大当たり当選、小当たり当選、時短当選を目指す遊技を遊技者に行わせるように構成している。つまり、大当たり遊技の実行のさせ易さの点では、左打ち遊技よりも右打ち遊技のほうが遊技者に大当たり遊技を実行させ易くすることができるように構成している。一方、左打ち遊技によって実行される第1特別図柄抽選で時短当選した場合のほうが、右打ち遊技によって実行される第2特別図柄抽選で時短当選した場合よりも、遊技者に有利な時短状態を設定可能に構成している。このように構成することで、遊技者に対して、遊技方法を選択させる楽しみを提供させることができる。
本第11制御例では、普通図柄の高確率状態が連続して設定される回数に上限(時短リミット)を設定可能に構成している。これにより、遊技者に有利な遊技状態が過剰に連続することを抑制することができる。さらに、本第11制御例では、普通図柄の高確率状態が設定される契機に応じて、時短リミットを設定するか否かの判別が実行されるように構成している。つまり、普通図柄の高確率状態の設定契機によって、時短リミットが設定される場合と、設定されない場合と、を創出することができるように構成している。よって、遊技者に対して、時短リミットが設定されること無く時短状態が設定されることを期待しながら遊技を行わせることができる。
さらに、時短リミットが設定された状態であっても、大当たり遊技の実行契機に応じて、普通図柄の高確率状態が連続して設定される回数の更新を行う場合と、行わない場合と、を創出することができるように構成している。よって、遊技者に対して、時短リミットに到達するまでの残回数が更新されること無く大当たり遊技が実行されることを期待しながら遊技を行わせることができる。
なお、本第11制御例では、普通図柄の高確率状態が連続して設定される回数に対して上限(時短リミット)を設定可能な構成を用いているが、遊技者に有利な遊技状態が連続して設定されることを抑制するための機能として、別の構成を用いても良く、例えば、特別図柄の高確率状態を設定可能なパチンコ機10であれば、特別図柄の高確率状態が連続して設定される回数に上限(確変リミット)を設定可能に構成しても良い。
さらに「特別図柄の高確率状態」が連続して設定される回数(特図連続設定回数)に対する上限と、「普通図柄の高確率状態」が連続して設定される回数(普図連続設定回数)に対する上限と、を分けて更新管理可能に構成しても良く、例えば、遊技者に有利な遊技状態である「第1確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の高確率状態)」が設定されることが決定している状態において、特図連続設定回数が上限に到達した場合(確変リミットに到達した場合)には、「特別図柄の高確率状態」を「特別図柄の低確率状態」と変更した「時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)」を、普図連続設定回数が上限に到達した場合(時短リミットに到達した場合)には「普通図柄の高確率状態」を「普通図柄の低確率状態」へと変更した「第2確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の低確率状態)」を設定可能に構成しても良い。
さらに、特別図柄の高確率状態を連続して設定可能な回数(特図連続設定回数)が、普通図柄の高確率状態を連続して設定可能な回数(普図連続設定回数)よりも多くなるように構成している。加えて、特別図柄の高確率状態が連続して設定される特図高確期間のうち、第1確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の高確率状態)が設定されている第1期間よりも、第2確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の低確率状態)が設定されている第2期間よりも、遊技者に多くの賞球を付与可能に構成しても良い。
このように構成することで、通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)が設定されている状態で大当たり当選し、第1確変状態が設定された場合に、まず第1期間が時短リミットに到達するまで設定され、その後、第2期間が設定されることになる。
よって、遊技者に対して多くの賞球を付与可能な第1遊技を第1期間実行させた後に、賞球の付与が困難な第2遊技を第2期間実行させることが可能となるため、第1遊技が過剰に連続して実行されてしまい、遊技者に過剰に賞球が付与されてしまう事態が発生することを抑制することができる。
さらに、第1遊技を実行可能な第1期間の長さが、第1確変状態が設定されてから時短リミットに到達するまで(第2確変状態が設定されるまで)の期間(大当たり当選10回分)とし、第2遊技を実行可能な第2期間の長さを、第2確変状態が設定されてから、確変リミットに到達するまでの期間(大当たり当選30回分)とするように構成しても良い。このように、特図高確期間内において設定される第1期間、及び第2期間の長さを、大当たり当選回数に基づいて設定可能に構成することで、特図高確期間が設定される期間の長さを管理可能となる。
より具体的には、第1確変状態が設定される第1期間は、主として実行される第2特別図柄抽選の変動時間を、第2特別図柄抽選の結果に関わらず、常に一定(1秒)とし、第2特別図柄抽選で大当たり当選した場合に実行される大当たり遊技の内容(ラウンド遊技数)を、常に一定(10ラウンド)としている。つまり、実行される特別図柄変動の変動パターンや、実行される大当たり遊技の内容によって、第1期間の長さが異なることが無いように構成しても良い。
このように構成することで、特別図柄の高確率状態(大当たり確率30/1000)において、10回大当たり当選するまでの期間(特別図柄変動回数)に対応した長さで第1期間を設定することができる。
また、第2確変状態が設定される第2期間は、主として実行される第1特別図柄抽選の変動時間を、第1特別図柄抽選の結果に関わらず、常に一定(0.1秒)とし、第1特別図柄抽選で大当たり当選した場合に実行される大当たり遊技の内容(ラウンド遊技数)を、常に一定(2ラウンド)としている。つまり、実行される特別図柄変動の変動パターンや、実行される大当たり遊技の内容によって、第2期間の長さが異なることが無いように構成しても良い。
このように構成することで、特別図柄の高確率状態(大当たり確率30/1000)において、30回大当たり当選するまでの期間(特別図柄変動回数)に対応した長さで第2期間を設定することができる。
さらに、特図高確期間の一部期間である第1期間中において遊技者に多くの賞球を付与可能とすることで出玉を増加させ、特図高確期間の他の期間である第2期間中においては、遊技者に付与される賞球を少なくすることで出玉の増減が抑制されるように構成しても良い。
このように構成することで、特図高確期間が設定される特定期間において、付与可能な適正な出玉増加量を、第1期間中に偏らせるように構成した場合、即ち、第1期間のみを見た場合には過剰に多くの出玉を遊技者に付与可能に構成した場合であっても、特図高確期間全体における出玉増加量でみた場合には、適正の出玉増加量とすることができるため、遊技者に対して、意外性のある出玉増加遊技を実行可能に構成しながらも、結果として遊技者に過剰な出玉が付与されないようにすることができる。
また、通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)が設定されている状態で大当たり当選した場合のほうが、第2確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の低確率状態)で大当たり当選した場合よりも、大当たり遊技終了後に第1確変状態が設定され易くなるように構成している。つまり、大当たり当選し難いが、大当たり当選した場合に遊技者に最も有利な第1遊技状態へと移行し易い遊技状態と、大当たり当選し易いが、大当たり当選した場合に遊技者に最も有利な第1遊技状態へと移行し難い遊技状態と、を設定可能に構成しても良い。
このように構成することで、設定される遊技状態に応じて、遊技者に目指させる遊技目的を異ならせることができるため、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制し易くすることができる。
第1確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の高確率状態)が設定されている状態において、先に確変リミットに到達した場合と、先に時短リミットに到達した場合と、確変リミット、時短リミットに同時に到達した場合と、で大当たり遊技終了後に設定される遊技状態を異ならせるように構成しても良い。
このように構成することで、同一種別の大当たり(例えば、第1確変状態が設定される第1確変大当たり)に当選した場合であっても、各リミットの到達状況に応じて、異なる遊技状態を設定することができるため、遊技者に様々な遊技を提供し易くすることができる。
また、上述した構成を用いることにより、何れのリミットにも到達していない場合において、大当たり遊技終了後に同一の遊技状態(例えば、第1確変状態)が設定される割合を高めた(必ず設定される)場合であっても、設定割合の高い遊技状態(例えば、第1確変状態)が長期間に渡って連続して設定されてしまい、遊技が単調となってしまい遊技意欲が低下してしまう事態が発生することを抑制することができる。
さらに、確変リミット、時短リミットに同時に到達した場合において遊技者に有利な特殊状態(特殊モード)を設定可能に構成しても良い。つまり、特別図柄の高確率状態、普通図柄の高確率状態が設定されている第1確変状態において、確変リミット、時短リミットに同時に到達したことに基づいて通常状態が設定される場合には、通常の通常状態よりも遊技者に有利な通常状態(特殊通常状態)が設定されるように構成している。このように構成することで、各図柄の確率状態を高確率状態から低確率状態へと強制的に移行させる契機(各リミット)が成立した場合においても、特殊条件が成立した場合には、遊技者に有利な遊技状態へと移行することが可能となる。
よって、確変リミット、又は時短リミットに到達しないことを期待させる遊技と、同時に到達することを期待させる遊技と、を遊技者に重複して実行させることができるため、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
上述した通り、大当たり当選した大当たり種別以外に、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態(遊技状況)を決定するための要素(各リミット)を有している場合には、同一お大当たり種別の大当たり遊技が実行された後に、様々な遊技状態を大当たり遊技終了後に何れの遊技状態が設定されるのかを遊技者が事前に把握することが困難であるという問題があった。
これに対して、設定されている遊技状態と、確変リミットに到達するまでの残回数(残大当たり回数)と、時短リミットに到達するまでの残回数(残大当たり回数)と、に基づいて演出態様を異ならせるように構成しても良い。
このように構成することで、実行される演出の内容に基づいて、今後の遊技内容を予測させることが可能となるため、遊技者に分かり易い遊技を提供し易くすることができる。
なお、第2確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の低確率状態)が設定される場合に主として実行される第1特別図柄抽選で大当たり当選した場合の一部において、大当たり遊技終了後に第1確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の高確率状態)を設定可能に構成しているが、これに限ること無く、第2確変状態が設定されている状態で大当たり当選した場合には、その大当たり遊技終了後に必ず第2確変状態が設定されるように構成しても良い。
このように構成することで、特別図柄の高確率状態が継続して設定される特図高確期間中において、第2確変状態が設定された場合、即ち、特別図柄抽選で大当たり当選した場合に大当たり遊技終了後に第2確変状態が設定される大当たり種別が設定された場合、或いは、第1確変状態が連続して設定されたことにより時短リミットに到達し大当たり遊技終了後に第2確変状態が強制的に設定された場合(確変リミット処理によって第2確変状態が設定された場合)において、確変リミットに到達するまでの期間を確実に第2確変状態とすることができる。よって、遊技者に有利な有利遊技状態(第1確変状態)が設定された後に、不利遊技状態(第2確変状態)を所定期間の間、確実に設定し易くすることができる。
さらに、この場合、第2確変状態が設定された契機に応じて、第2確変状態中に大当たり当選した場合に設定される大当たり種別を異ならせるように構成しても良く、例えば、確変リミット処理によって第2確変状態が設定された場合のほうが、大当たり種別に基づいて第2確変状態が設定された場合よりも、大当たり遊技終了後に第2確変状態が設定される大当たり種別が設定され易くなるように構成しても良い。
このように構成することで、通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)が設定されている状態で大当たり当選し、大当たり遊技終了後に特別図柄の高確率状態が設定された場合において、確変リミットに到達するまでの間、遊技者に有利な有利遊技状態である第1確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の高確率状態)が設定されること無く遊技者に過剰に不利な遊技が実行されてしまうことを抑制することができる。
さらに、特別図柄抽選で大当たり当選した場合に、その大当たり遊技終了後に必ず特別図柄の高確率状態が設定されるように構成しているが、これに限ること無く、大当たり当選した場合の一部において特別図柄の低確率状態が設定されるように構成しても良い。また、本第1実施形態では、複数の遊技状態を設定可能に構成し、設定された遊技状態に応じて有利度合いの異なる遊技を実行可能に構成している。具体的には、遊技者への有利度合が、第1確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の高確率状態)が最も遊技者に有利な遊技状態となり、次いで、特殊状態(特殊モード)が設定された通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)、時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)、第2確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の低確率状態)、通常状態の順となるように各遊技状態を構成したが、これに限ること無く、各々の遊技状態において実行される遊技内容を異ならせることにより、各遊技状態における遊技者の有利度合いを異ならせるように構成しても良い。
<第12制御例>
次に、図406〜図438を参照して、第12制御例におけるパチンコ機10について説明する。上述した第11制御例では、第1特別図柄と第2特別図柄の一方が変動表示されている期間は、他方の特別図柄の大当たり抽選が実行されない構成であった。これに対して、本第12制御例は、第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示を同時に(並行して)実行可能に構成(所謂、同時変動仕様)している点で相違している。
このように構成することで、所定時間内に、より多くの特別図柄の抽選遊技を実行させることができ、遊技者に大当たりが所定時間内に付与される確率が高くできる。従って、遊技者は、効率よく遊技を行うことができる。
また、上述した第11制御例では、第1特別図柄抽選においてのみ時短抽選が実行される構成であったが、本第12制御例では、第1特別図柄抽選と第2特別図柄抽選の両方で時短抽選を実行可能に構成し、第1特別図柄または第2特別図柄の一方のみが時短当選した場合よりも、一方の特別図柄が時短当選し、その特別図柄の変動表示が停止するまでの期間で、他方の特別図柄でも時短当選した場合に遊技者に有利な特典が付与されるように構成している点で相違している。
詳細は後述するが、本第12制御例では、通常状態において第1特別図柄または第2特別図柄が時短当選した場合に時短A状態が設定される。一方、通常状態において第1特別図柄が時短当選した場合には、長時間(300秒)の変動時間が設定され(時短当選変動状態)、第1特別図柄の変動が終了するまで(つまり、時短当選したことを示す第1特別図柄が停止表示されるまで)の期間で第2特別図柄が時短当選した場合には、時短A状態よりも遊技者に有利な時短B状態が設定される。
このように構成することで、一方の特別図柄が時短当選した場合に、他方の特別図柄でも時短当選することで遊技者に有利な特典が付与されるため、一方の特別図柄が時短当選し、時短当選したことを示す特別図柄の変動中に、他方の特別図柄でも時短当選したいと遊技者に思わせることで、意欲的に遊技を行わせることが可能となり、遊技の興趣を向上させることができる。
加えて、大当たり遊技終了後に時短状態(普通図柄の高確率状態)が設定され得る大当たり種別の大当たりに当選した場合であっても、大当たり遊技終了後に通常状態(普通図柄の低確率状態)を設定させるための処理を実行する構成としている。
このように構成することで、遊技者に有利な遊技状態(時短状態)が長時間に渡って継続することで遊技者が過剰に有利になることを抑制し、遊技者の射幸心の向上を抑制することができる。
また、同時変動仕様の遊技機において、一方の特別図柄抽選において大当たり(または小当たり)に当選した場合に、他方の特別図柄の変動表示を強制的に停止させる(破棄させる)か、或いは、仮停止させる(中断させる)かの一方のみを実行する仕様であることが一般的であるが、本第12制御例では、大当たり種別(または小当たり種別)によって、他方の特別図柄の変動表示を強制停止させるか、仮停止させるかを決定する構成としている。つまり、他方の特別図柄の変動を強制停止させる(破棄させる)大当たり種別と、他方の特別図柄の変動表示を仮停止させる(中断させる)大当たり種別が規定されている。
このように構成することで、遊技者に有利な遊技状態が設定されている状態において、一方の特別図柄が停止表示されることにより遊技者に不利な遊技状態が設定され得る場合に、他の特別図柄の変動を破棄することができる大当たり種別の大当たりに当選した場合には不利な遊技状態が設定されることを防ぐことができるが、他の特別図柄を中断させる大当たり種別の大当たりに当選した場合には不利な遊技状態が設定され得る状況が継続するので、大当たり当選した場合に、遊技者に他の特別図柄の変動を破棄できたか否かに興味を持たせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
ここで、本第12制御例のパチンコ機10の概要について説明する。本第12制御例のパチンコ機10の大当たり確率は1/50であり、第1特別図柄と第2特別図柄で共通である。また、時短当選確率は1/50であり、第1特別図柄と第2特別図柄で共通である。また、小当たり確率は1/50であるが、小当たり抽選は第2特別図柄のみで実行される。
詳細は後述するが、大当たりに当選した場合に決定される大当たり種別は、第1特別図柄と第2特別図柄とで異なるテーブル(図410、411参照)によって決定され、第1特別図柄で大当たり当選した場合には、遊技状態に関わらず、100%大当たりA(5R時短A大当たり)が決定される。一方、第2特別図柄で大当たり当選した場合、図411に示す通り、遊技状態に応じて大当たり種別が決定される。図411に示す通り、通常状態において第2特別図柄が大当たりに当選した場合には、100%大当たりAが設定される。つまり、通常状態においては、第1特別図柄と第2特別図柄とで大当たり当選した場合に決定される大当たり種別は同一である。
なお、第2特別図柄では小当たり抽選も実行され、小当たり当選し、小当たり遊技において特定領域1650に遊技球が入球すると大当たりAよりも有利な大当たりBまたはCとなるため、第1特別図柄よりも第2特別図柄の方が遊技者に有利な特別図柄であると言える。
本第12制御例のパチンコ機10では、通常状態(普通図柄の低確率状態)と時短状態(普通図柄の高確率状態)とで、第1特別図柄の変動時間と第2特別図柄の変動時間が異なり、通常状態では、第2特別図柄の変動時間よりも第1特別図柄の変動時間の方が短く設定されるため、第1特別図柄の方が先に停止し易い。時短状態では、第1特別図柄の変動時間よりも第2特別図柄の変動時間の方が短く設定されるため、第2特別図柄の方が先に停止し易い。
このように構成することで、通常状態では第2特別図柄抽選の実行回数を抑制し、遊技者が過剰に有利になることを抑制し、時短状態では第2特別図柄よりも先に第1特別図柄が停止することで遊技者に比較的不利な遊技状態が設定されることを抑制することができ、メリハリのある遊技を提供することが可能となる。
なお、通常状態では、第1特別図柄の変動時間よりも第2特別図柄の変動時間の方が短く設定され、時短状態では、第2特別図柄の変動時間よりも第1特別図柄の変動時間の方が短く設定される構成としても良い。
ここで、本第12制御例のパチンコ機10において設定される遊技状態について説明する。本第12制御例では、遊技状態として、通常状態(普通図柄の低確率状態)と、時短状態(普通図柄の高確率状態)を設定可能である。時短状態には、時短状態が設定されてからの特別図柄の変動が5回実行されると終了する時短A状態と、時短状態が設定されてからの特別図柄の変動が10000回実行されると終了する時短B状態の2つの時短種別があり、時短A状態が設定された場合に、5回の特別図柄抽選で大当たり(大当たり当選確率:1/50)または小当たり(小当たり当選確率1/50)に当選する確率は約18%と低く、時短B状態が設定された場合には、ほぼ100%大当たりまたは小当たりに当選可能であるため、時短A状態よりも時短B状態の方が遊技者に有利な時短種別である。
本第12制御例のパチンコ機10では、通常状態において第1特別図柄または第2特別図柄が大当たり当選した場合の大当たり遊技終了後に設定される遊技状態は時短A状態のみである。また、第1特別図柄または第2特別図柄の一方のみが時短当選した場合に設定される遊技状態は時短A状態のみであり、時短B状態は設定されない。
ここで、本第12制御例では、図414に示す通り、通常状態において第1特別図柄が時短当選した場合に、第1特別図柄の変動時間として長時間(300秒)が設定される構成としている。そして、図416に示す通り、第1特別図柄の長時間変動中(時短当選変動状態)は、第2特別図柄の変動時間として極めて短い変動時間(0.5秒)が設定される。これにより、時短当選変動状態では、通常状態に比べて第2特別図柄抽選を多く実行可能となる。
そして、図411に示す通り、時短当選変動状態中に第2特別図柄が大当たり当選した場合には、100%大当たりB(10R時短B大当たり)が決定され、大当たり遊技終了後に時短B状態が設定される。また、時短当選変動状態中に第2特別図柄が時短当選すると時短B状態が設定される。
このように構成することで、第1特別図柄が時短当選した場合に、その第1特別図柄が停止表示されるまでの期間で可能な限り多くの第2特別図柄抽選を実行させ、時短B状態を設定させようと遊技者に意欲的に遊技を行わせることが可能となり、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、詳細は後述するが、時短当選変動状態において、第2特別図柄の大当たり(又は小当たり)当選、或いは時短当選により時短B状態が設定された場合に、時短当選した第1特別図柄の変動表示が継続して実行され、その第1特別図柄が停止表示された場合には、設定されている時短B状態が破棄され、新たに時短A状態が設定される。つまり、時短B状態は第1特別図柄が停止表示されるまでの期間しか継続しないこととなる。
一方、時短当選した第1特別図柄の変動表示を破棄することができれば、後述する時短リミット到達まで時短B状態での遊技を実行することが可能となり、大量の賞球を得ることができる。なお、時短リミットとは、大当たり遊技終了後に時短状態が設定され得る大当たり種別の大当たりに当選した場合であっても、大当たり遊技終了後に非時短状態を設定させるための処理を実行させる閾値を指す。
このように、本第12制御例のパチンコ機10では、同じ時短B状態であっても、第1特別図柄の破棄を目指す遊技と、時短リミット到達まで連チャンさせることで大量の賞球を得ることを目指す遊技の異なる遊技性を遊技者に提供することが可能となり、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、本第12制御例のパチンコ機10では、第1特別図柄が時短当選した場合に時短当選変動状態を設定する構成としたが、これに限るものではなく、第2特別図柄が時短当選した場合にも時短当選変動状態を設定する構成としても良い。この場合、特別図柄種別によって時短当選変動の変動時間を異ならせる構成とすることで、特別図柄種別によって遊技者に比較的有利な時短当選変動状態と比較的不利な時短当選変動状態とを設けることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、本第12制御例のパチンコ機10では、第1特別図柄と第2特別図柄の一方のみが時短当選した場合に設定される時短種別を時短A状態としたが、これに限るものではなく、第1特別図柄のみが時短当選した場合と、第2特別図柄のみが時短当選した場合と、で異なる時短種別の時短状態を設定する構成としても良く、例えば、第2特別図柄が時短当選した場合には、時短A状態よりも遊技者に有利であるが、時短B状態よりも遊技者に不利な時短C状態(例えば、時短回数が100回)を設定する構成としても良い。
次に、図406を参照して、本第12制御例におけるパチンコ機10の遊技盤13の構成について説明をする。図406は、本第12制御例におけるパチンコ機10の遊技盤13を模式的に示した正面図である。図406に示した通り、本第12制御例におけるパチンコ機10は、上述した第11制御例におけるパチンコ機10の遊技盤13の構成(図396参照)と同一の構成であるため、その詳細な説明を省略する。
<第12制御例における電気的構成について>
次に、図407から図416を参照して、本第12制御例における電気的構成について説明をする。本第12制御例では、上述した第11制御例に対して、主制御装置110が有するROM202およびRAM203の構成の一部を変更している点で相違する。それ以外は同一である。同一の構成については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
図407に示す通り、本第12制御例における主制御装置110が有するROM202は、上述した第1実施形態における主制御装置110が有するROM202に対して、第1当たり乱数11テーブル202jaに代えて第1当たり乱数12テーブル202kaを、大当たり種別選択7テーブル202fbに代えて、大当たり種別選択12テーブル202kbを、第2当たり乱数7テーブル202fcに代えて、第2当たり乱数12テーブル202kcを、変動パターン7テーブル202fdに代えて、変動パターン12テーブル202kdを、小当たり種別選択11テーブル202jfに代えて、小当たり種別選択12テーブル202kfを、時短当たり乱数11テーブル202jhに代えて、時短スター委乱数12テーブル202khを、時短種別選択11テーブル202jiに代えて、時短種別選択12テーブル202kiを用いている点と、時短付与7テーブル202feと、時短種別選択11テーブル202jiを削除した点と、小当たり乱数12テーブル202keを追加した点で相違し、それ以外は同一である。同一の構成については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
次に、RAM203の詳細について、図408を参照して説明する。図408は、主制御装置110のRAM203の構成を示すブロック図である。上述した第11制御例に対して、特図1変動時間タイマ203kaと、特図2変動時間タイマ203kbと、特図1仮停止フラグ203kcと、特図2仮停止フラグ203kdと、特図1変動停止フラグ203keと、特図2変動停止フラグ203kfと、時短当選変動状態フラグ203kgと、時短リミット到達フラグ203khと、を追加して点で相違する。それ以外の構成については、上述した第11制御例と同一であるため、その詳細な説明は省略する。
特図1変動時間タイマ203ka、および特図2変動時間タイマ203kbは、それぞれ第1特別図柄、および第2特別図柄の変動時間を計時するためのタイマであり、第1特別図柄、および第2特別図柄の変動パターンが選択された場合に、選択された変動パターンに対応する変動時間が設定される。この特図1変動時間タイマ203ka、および特図2変動時間タイマ203kbの計時結果によって各特別図柄の変動時間が終了したか否かが判別される(図424のY701、図433のY901参照)。
特図1仮停止フラグ2030kcは、特図1の変動時間の更新(減算)を停止する期間を示すフラグであって、オンに設定されている場合に変動時間の更新(減算)を停止し、オンに設定された状態からオフに設定された場合に、停止されていた変動時間の更新(減算)が再開されるものである。
この特図1仮停止フラグ203kcは、抽選結果が大当たりD以外の大当たりである第2特別図柄(特図2)の変動を停止する際にオンに設定され(図433のY903)、第1特別図柄変動実行中処理12(図235参照)および第1特別図柄変動停止処理12(図424、Y708参照)において参照される。参照した結果、オンに設定されている場合には、特図1に対応する第1図柄表示装置の表示を変動中と同様に更新する処理が実行される。つまり、特図1仮停止フラグ2030bcがオンに設定されている間は、変動時間の更新(減算)は停止しているが、第1図柄表示装置は変動表示が継続して実行される状態となる。これにより、特図1仮停止フラグ203kcがオンに設定されたことにより、特図1の変動が強制停止されていないことを報知することができる。そして、第1特別図柄変動実行中処理12(図423参照)においてオンに設定されていると判別された場合に(図423のY2801:Yes)、オフに設定される(図423のY2803)。なお、詳細な説明および図示は省略するが、この特図1仮停止フラグ203kcは、第2特別図柄(特図2)の抽選結果が小当たりである場合にも大当たりである場合と同一の処理が実行されオンに設定される。
特図2仮停止フラグ203kdは、特図2の変動時間の更新(減算)を停止する期間を示すフラグであって、オンに設定されている場合に変動時間の更新(減算)を停止し、オンに設定された状態からオフに設定された場合に、停止されていた変動時間の更新(減算)が再開されるものである。
この特図2仮停止フラグ203kdは、抽選結果が大当たりである第1特別図柄(特図1)の変動を停止する際にオンに設定され(図424のY703)、第2特別図柄変動実行中処理12(図432参照)および第2特別図柄変動停止処理12(図43参照)において参照される。なお、本処理において参照される内容については、上述した特図1仮停止フラグ203kcと同一であるため、その説明を省略する。そして、第2特別図柄変動実行中処理12(図432参照)においてオンに設定されていると判別された場合に(図432のY2901:Yes)、オフに設定される(図432のY2903)。
特図1変動停止フラグ203keは、変動中の第1特別図柄を強制停止するタイミングであることを示すフラグである。この特図1変動停止フラグ203keは、第2特別図柄に対して、大当たりDまたは小当たりBの変動が停止される場合にオンに設定される(図433のY905、図435のY932参照)。一方、第1特別図柄の変動中に、特図1変動停止フラグ203keがオンであると判別された場合にオフに設定される(図425のY722参照)。これにより、第2特別図柄の大当たりDまたは小当たりBの変動が先に停止するタイミングに合わせて、第1特別図柄を強制的に停止させることができる。
特図2変動停止フラグ203kfは、変動中の第2特別図柄を強制停止するタイミングであることを示すフラグである。この特図2変動停止フラグ203kfは、第1特別図柄が時短当選し、変動表示が開始される場合にオンに設定される(図421のY405)。一方、第2特別図柄の変動中に、特図2変動停止フラグ203kfがオンであると判別された場合にオフに設定される(図434のY632)。これにより、第1特別図柄が時短当選し、変動が開始されたタイミングに合わせて、第2特別図柄を強制的に停止させることができる。
時短当選変動状態フラグ203kgは、時短当選した第1特別図柄が変動表示中であること(即ち、時短当選変動状態であること)を示すフラグである。この時短当選変動状態フラグ203kgは、第1特別図柄抽選の結果が時短当選であった場合に、オンに設定される(図421のY403参照)。一方、時短当選した第1特別図柄が停止表示され、時短A状態が設定される場合(図426のY8352参照)と、第2特別図柄が大当たりDまたは小当たりBに当選し、第1特別図柄の変動が破棄された場合(図425のY726参照)にオフに設定される。これにより、第1特別図柄が時短当選し、その第1特別図柄の変動が終了するまでの期間で時短当選変動状態を設定することができる。
時短リミット到達フラグ203khは、普通図柄の高確率状態が連続して設定された回数(普図連続設定回数)が上限値に到達したことを示すためのフラグであり、普図連続設定回数が上限値に到達し、普通図柄の高確率状態を強制的に低確率状態へと変更する状態となった場合にオンに設定されるものである。
次に、図409(a)を参照して、第1当たり乱数12テーブル202kaに規定されている内容について説明をする。図409(a)は、第1当たり乱数12テーブル202kaに規定に規定されている内容を模式的に示した図である。本第12制御例は、図409(a)に示す通り、第1特別図柄と第2特別図柄で大当たり当選確率は同一であり、18/900(即ち、1/50)の確率で大当たりに当選する。
なお、本第12制御例のパチンコ機10では、第1特別図柄と第2特別図柄とで大当たり確率を同一の確率としたが、これに限るものではなく、第1特別図柄と第2特別図柄とで異なる大当たり確率となるように構成しても良い。
なお、本第12制御例のパチンコ機10では、何れの遊技状態においても大当たり確率が可変しない構成としたが、これに限るものではなく、特定の大当たり種別が決定された場合に、大当たり遊技終了後に特別図柄の高確率状態(所謂、確変状態)を設定する構成としても良い。
次に、図409(b)を参照して、ROM202に規定されている、第2当たり乱数12テーブル202kcの内容について説明をする。図409(b)は、第2当たり乱数12テーブル202kcの内容を模式的に示した図である。第2当たり乱数12テーブル202kcは、普通図柄の当たり判定値が記憶されているデータテーブルである。具体的には、普通図柄の通常状態において、普通図柄の当たりとなる判定値として、「0〜2」が規定されている。また、普通図柄の高確率状態において、普通図柄の当たりとなる判定値として、「0〜149」が規定されている。本第12制御例のパチンコ機10では、普通入賞口67を球が通過することに基づいて取得される第2当たり乱数カウンタC4の値と、第2当たり乱数12テーブル202kcとを参照し、普通図柄の当たりであるか否かを判定している。
ここで、図406を参照して、本第12制御例のパチンコ機10では、普通図柄抽選で当たり当選した場合に、遊技盤13の右側領域に配設されている電動役物1640aが開放動作し、右第2入球口1640に入球可能となるように構成している。
従って、普通図柄の高確率状態(時短状態)が設定されると、電動役物1640aが開放動作し易くなり、右第2入球口1640へと遊技球が入球し易くなるため、通常状態に比べて第2特別図柄抽選が実行され易くなる。
次に、図409(c)を参照して、時短当たり乱数12テーブル202khの内容について説明をする。図409(c)は、時短当たり乱数12テーブル202khの内容を模式的に示した図である。図409(c)に示す通り、本第12制御例のパチンコ機10では、第1特別図柄および第2特別図柄の両方で時短抽選が実行される。各特別図柄での時短当選確率は共通であり、18/900(1/50)である。なお、時短抽選は通常状態でのみ実行され、時短状態では時短抽選が実行されない構成としている。
なお、本第12制御例のパチンコ機10では、第1特別図柄と第2特別図柄とで、時短当選確率を同一とする構成としたが、これに限るものではなく、第1特別図柄のよりも第2特別図柄の方が時短当選確率が高くなるように構成としても良いし、低くなるように構成しても良い。
なお、本第12制御例のパチンコ機10では、通常状態でのみ時短抽選が実行される構成としたが、これに限るものではなく、時短状態においても時短抽選が実行される構成としても良い。
次に、409(d)を参照して、小当たり乱数12テーブル202keの内容について説明する。図409(d)は、小当たり乱数12テーブル202keの内容を模式的に示した図である。図409(d)に示す通り、本第12制御例のパチンコ機10では、第2特別図柄のみ小当たり抽選が実行される。小当たり当選確率は18/900(1/50)である。
なお、本第12制御例のパチンコ機10では、第2特別図柄の小当たり抽選を実行する構成としたが、これに限るものではなく、第1特別図柄でも小当たり抽選を実行する構成としても良い。
なお、本第12制御例のパチンコ機10では、大当たり当選確率、時短当選確率、小当たり当選確率の何れも1/50であるが、これに限るものではなく、大当たり当選確率、時短当選確率、小当たり当選確率を全て異なる確率で構成しても良い。例えば、大当たり当選確率を1/300、時短当選確率を1/30、小当たり当選確率を1/100としても良い。
次に、図410(a)を参照して、大当たり種別選択12テーブル202kbの内容について説明をする。図410(a)は、図410(a)は、大当たり種別選択12テーブル202kbの内容を模式的に示した図である。大当たり種別選択12テーブル202kbには、特図1大当たり用12テーブル202kb1と特図2用大当たり用12テーブル202kb2が規定されている。
図410(b)は、大当たり種別選択12テーブル202kbに規定されている特図1大当たり用12テーブル202kb1の内容を模式的に示した図である。図410(b)に示す通り、本第12制御例のパチンコ機10において、第1特別図柄が大当たり当選した場合には、100%大当たりAが選択される。大当たりAは、5ラウンドの大当たり遊技が実行され、大当たり遊技終了後に時短A状態が設定される大当たり種別である。なお、大当たりAの大当たり遊技終了後には、時短カウンタ203hのカウンタ値として5回がセットされる。
なお、本第12制御例のパチンコ機10では、第1特別図柄の大当たり種別は1種類としたが、これに限るものではなく、複数種類の大当たり種別を設定しても良い。また、遊技状態に応じて選択される大当たり種別が異なる構成としても良い。
図411は大当たり種別選択12テーブル202kbに規定されている特図2大当たり用12テーブル202kb2の内容を模式的に示した図である。第2特別図柄で大当たり当選した場合には、大当たり当選時に設定されている遊技状態と、遊技状態が変更されてからの第2特別図柄の変動回数と、第1当たり種別カウンタCS2の値に応じて大当たり種別を選択する。なお、変動回数のカウントは、例えば、時短B状態において大当たりに当選し、大当たり遊技終了後に再度時短B状態が設定される場合にもリセットされる。
まず、遊技状態が通常状態の場合には、非時短当選変動状態と時短当選変動状態とがあり、非時短当選変動状態とは、時短当選変動状態フラグ20kgがオフである状態、即ち、時短当選した第1特別図柄が変動表示されていない状態である。時短当選変動状態は、時短当選変動状態フラグ203kgがオンである状態、即ち、時短当選した第1特別図柄が変動表示中である状態である。通常状態の非時短当選変動状態では、第2特別図柄の変動回数に関わらず、100%大当たりA(5R時短A大当たり)が選択され、大当たり遊技終了後に時短カウンタ203hのカウンタ値に5がセットされる。通常状態の時短当選変動状態では、第2特別図柄の変動回数に関わらず、100%大当たりB(10R時短B大当たり)が選択され、大当たり遊技終了後に時短カウンタ203hのカウンタ値に10000がセットされる。
このように、通常状態においては、大当たり当選時に時短当選変動状態フラグ203kgがオンであるか否かで遊技者に付与される特典が異なるように構成することで、第2特別図柄抽選のみを実行させる遊技を行う遊技者が過剰に有利になることを抑制している。
なお、本第12制御例のパチンコ機10では、通常状態においては第2特別図柄の変動回数に関わらず、100%大当たりA(または大当たりB)が選択される構成としたが、これに限るものではなく、複数の大当たり種別の中から変動回数に応じて大当たり種別が選択される構成としても良い。例えば、通常状態の非時短当選変動状態において、大当たりA、大当たりBの何れかを選択可能に構成し、0〜50回転目までは大当たりBよりも大当たりAが選択され易く、51回転目以降は大当たりAよりも大当たりBが選択され易い構成としても良い。このように構成することで、通常状態において外れ当選が続いた場合であっても、遊技者に有利な大当たり種別が選択され易くなるので、遊技者の遊技意欲が低下することを抑制することができる。
また、0〜50回転目までは大当たりBよりも大当たりAが選択され易く、51〜100回転目までは大当たりAよりも大当たりBが選択され易く、101〜150回転目までは大当たりBよりも大当たりAが選択され易い、といったような特定の期間で選択され易い大当たり種別が可変する構成としても良い。このように構成することで、周期的に遊技者に有利な期間が発生し、遊技者に第2特別図柄の変動回数にも興味を持たせることが可能となり、遊技の興趣を向上させることができる。
次に、時短状態には、時短A状態と時短B状態とがあり、時短A状態においては第2特別図柄の変動回数に関わらず50%で大当たりB(10R時短B大当たり)が選択され、50%で大当たりC(5R時短B大当たり)が選択される。時短B状態においては、第2特別図柄の変動回数に応じて選択される大当たり種別が可変し、0〜50回転目までは100%大当たり(10R時短B大当たり)が選択され、51回転目以降は50%で大当たりB(10R時短B大当たり)が選択され、50%で大当たりD(10R時短B大当たり)が選択される。大当たりBと大当たりDは、ともに10ラウンドの大当たり遊技と、大当たり遊技終了後に時短B状態が設定される大当たり種別であるが、大当たりBに当選した場合には変動中の第1特別図柄を仮停止させる(中断させる)処理を実行し、大当たりDに当選した場合には変動中の第1特別図柄を強制的に停止させる(破棄させる)処理を実行する点で異なる大当たり種別となっている。つまり、第2特別図柄の外れ当選が特定回数まで続いた場合には、第1特別図柄の変動表示を破棄させ易くなる。
このように構成することで、時短当選した第1特別図柄が変動表示されている状態で第2特別図柄の外れ当選が続き、第1特別図柄の変動時間が残り少なくなった場合でも、第1特別図柄の変動を破棄できる可能性が高くなるので、第2特別図柄の外れ当選が続いた場合に遊技者の遊技意欲を向上させることができる。
なお、本第12制御例のパチンコ機10では、時短B状態の場合のみ、第2特別図柄の変動回数に応じて選択され易い大当たり種別を可変させる構成としたが、これに限るものではなく、時短A状態においても第2特別図柄の変動回数に応じて選択され易い大当たり種別を可変させる構成としても良い。
なお、本第12制御例のパチンコ機10では、0〜50回転目までは100%大当たりBが選択される構成としたが、これに限るものではなく、0〜50回転目であっても異なる大当たり種別に当選可能な構成としても良く、例えば、80%で大当たりBが選択され、20%で大当たりDが選択される構成としても良い。このように構成することで、時短B状態が設定されたばかりの期間においても遊技者に大当たりDに当選し、第1特別図柄の変動表示を破棄できるかもしれないと期待させながら遊技を行わせることが可能となり、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、本第12制御例のパチンコ機10では、「0〜50回転目まで」と「51回転目以降」とで、選択され易い大当たり種別を切り替える構成としたが、これに限るものではなく、例えば、0〜50回転目までは大当たりDよりも大当たりBが選択され易く、51〜100回転目までは大当たりBよりも大当たりDが選択され易く、101〜150回転目までは大当たりDよりも大当たりBが選択され易い、といったような特定の期間で選択され易い大当たり種別を可変させる構成としても良い。このように構成することで、周期的に遊技者に有利な期間が発生し、遊技者に第2特別図柄の変動回数にも興味を持たせることが可能となり、遊技の興趣を向上させることができる。
次に、図412を参照して、小当たり種別選択12テーブル202kfの内容について説明をする。図412は、小当たり種別選択12テーブル202kfの内容を模式的に示した図である。図412に示す通り、本第12制御例のパチンコ機10では、2種類の小当たり種別が規定されている。なお、上述したように、本第12制御例のパチンコ機10では、第2特別図柄のみ小当たり抽選が実行される構成である。
小当たりAは、小当たり当選時の80%で選択される小当たり種別であり、小当たり遊技において特定領域1650aを通過(V通過)した場合に、大当たりC(5R時短B大当たり)が付与される。詳細は後述するが、本第12制御例のパチンコ機10では、小当たり種別によって、実行中の第1特別図柄の変動表示を強制的に停止させる(破棄する)場合と、仮停止させる(中断させる)場合とがあり、小当たりAが実行される場合には、実行中の第1特別図柄の変動を仮停止させる(中断させる)処理を行う。
一方、小当たりBは、小当たり当選時の20%で選択される小当たり種別であり、小当たり遊技においてV通過した場合に、大当たりB(10R時短B大当たり)が付与される。小当たりBが実行される場合には、実行中の第1特別図柄の変動を強制的に停止させる(破棄する)処理を実行する。なお、本第12制御例のパチンコ機10における小当たり種別は2種類としたが、これに限るものではなく、3種類以上の小当たり種別を設けても良い。
次に、図413を参照して、変動パターン12テーブル202kdの内容について説明をする。図413は、変動パターン12テーブル202kdの内容を模式的に示した図である。変動パターン12テーブル202kdには、通常状態用変動パターン12テーブル202kd1、時短状態用変動パターン12テーブル202kd2、時短当選変動状態用変動パターン12テーブル202kd3が規定されており、それぞれの変動パターンテーブルは遊技状態に応じて参照される。
図414は、変動パターン12テーブル202kdに規定されている、通常状態用変動パターン12テーブル202kd1の内容を模式的に示した図である。通常状態用変動パターン12テーブル202kd1では、特別図柄の図柄種別と、抽選結果と、変動種別カウンタCS1の値と、に基づいて変動パターンが設定される。
具体的には、図柄種別が「第1特別図柄」では、当否判定結果が「外れ」の場合、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0〜139」の範囲に、変動時間が7秒(7000ミリ秒)の「短外れ」が規定されており、取得した変動種別カウンタCS1の値が「140〜149」の範囲に、変動時間が20秒(20000ミリ秒)の「ガセ外れ」が規定されており、取得した変動種別カウンタCS1の値が「150〜179」の範囲に、変動時間が40秒(40000ミリ秒)の「ノーマルリーチ各種」が規定されており、取得した変動種別カウンタCS1の値が「180〜189」の範囲に、変動時間が80秒(80000ミリ秒)の「スーパーリーチ」が規定されている。また、当否判定結果が「当たり」の場合、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0〜29」の範囲に、変動時間が40秒(40000ミリ秒)の「ノーマルリーチ」が規定されており、取得した変動種別カウンタCS1の値が「30〜189」の範囲に、変動時間が80秒(80000ミリ秒)の「スーパーリーチ」が規定されており、取得した変動種別カウンタCS1の値が「190〜198」の範囲に、変動時間が140秒(140000ミリ秒)の「スペシャルリーチ」が規定されている。また、当否判定結果が「時短当選」の場合は、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0〜198」の範囲に、変動時間が300秒の「ロング時短当たり」が規定されている。
一方、図柄種別が「第2特別図柄」では、当否判定結果が「外れ」の場合、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0〜198」の範囲に、変動時間が600秒(600000ミリ秒)の「ロング外れ」が規定されており、当否判定結果が「時短当選」の場合、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0〜198」の範囲に、変動時間が600秒(600000ミリ秒)の「時短当たり」が規定されており、当否判定結果が「大当たり、小当たり」の場合、取得した変動種別カウンタCS1の値が「0〜198」の範囲に、変動時間が600秒(600000ミリ秒)の「ロング当たり」が規定されている。
このように、本第12制御例のパチンコ機10では、通常状態においては第2特別図柄よりも第1特別図柄の方が短い変動時間が設定され易い構成としている。これは、第2特別図柄のみ小当たり抽選を実行する構成であり、小当たり当選した場合には、遊技者に最も有利な時短B状態が設定されることから、第2特別図柄の変動時間を長くすることで遊技効率を悪くし、第2特別図柄抽選のみを実行させる遊技を行う遊技者が過剰に有利になることを抑制するためである。
また、第1特別図柄の抽選結果が「時短当選」である場合には、「ロング時短当たり」が設定される。ロング時短当たり変動中は、時短当選変動状態となり、ロング時短当たりが設定された第1特別図柄が停止表示される(或いは、破棄される)までは、時短当選変動状態用パターンテーブル202kd3が参照され、第2特別図柄の変動が短変動(0.5秒)となるため、複数回の第2特別図柄抽選が実行可能となる。なお、ロング時短当たり変動中(時短当選変動状態中)に大当たり(または、小当たり)当選、時短当選に基づいて時短状態が設定された場合にもロング時短当たり変動が継続している期間は、時短当選変動状態用パターンテーブル202kd3が参照される。
なお、本第12制御例のパチンコ機10では、第1特別図柄が時短当選した場合には、100%「ロング時短当たり」が設定される構成であったが、これに限るものではなく、複数の変動パターンの中から変動種別カウンターCS1の値に基づいて選択する構成としても良い。例えば、50%で変動時間300秒の「ロング時短当たり」が選択され、30%で変動時間が200秒の「ショート時短当たり」が選択され、20%で変動時間が500秒の「スーパー時短当たり」が選択される構成としても良い。このように構成することで、選択された第1特別図柄の変動時間によって、時短当選変動状態における遊技者の有利不利を可変させることが可能となり、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、本第12制御例のパチンコ機10では、第1特別図柄が時短当選した場合にのみ時短当選変動状態となる構成としたが、これに限るものではなく、第2特別図柄で時短当選した場合にも時短当選変動状態が設定可能な構成としても良く、この場合、特別図柄の図柄種別によって時短当選した場合の変動時間を異ならせる(例えば、第1特別図柄の場合は変動時間300秒、第2特別図柄の場合は変動時間600秒)構成とすることで、どちらの特別図柄で時短当選したかによって遊技者に有利な時短当選変動状態と、遊技者に比較的不利な時短当選変動状態を設定可能となり、遊技の興趣を向上させることができる。
図415は、変動パターン12テーブル202kdに規定されている、時短状態用変動パターン12テーブル202kd2の内容を模式的に示した図である。時短状態用変動パターン12テーブル202kd2では、特別図柄の図柄種別と、抽選結果と、変動種別カウンタCS1の値と、に基づいて変動パターンが設定される。
時短状態用変動パターン12テーブル202kd2は、遊技状態として時短状態が設定されている場合に参照される変動パターン12テーブルであり、時短A状態と時短B状態で共通である。なお、上述したように、第1特別図柄のロング時短当たり変動が実行されている場合には、時短状態用変動パターン12テーブル202kd2ではなく、時短当選変動状態用変動パターン12テーブル202kd3が参照される。
図415に示す通り、時短状態用変動パターン12テーブル202kd2では、第1特別図柄が長変動(600秒)となり、第2特別図柄が短変動(3〜5秒)となる。上述したように、時短B状態が設定されている状態で第1特別図柄が大当たり当選した場合には、時短B状態よりも遊技者に不利な時短A状態が設定されるため、第2特別図柄の変動が先に停止表示され易く構成することで、遊技者に有利な時短B状態が継続して設定され易くなるようにしている。
図416は変動パターン12テーブル202kdに規定されている、時短当選変動状態用変動パターン12テーブル202kd3の内容を模式的に示した図である。時短当選変動状態用変動パターン12テーブル202kd3では、特別図柄の図柄種別と、抽選結果と、変動種別カウンタCS1の値と、に基づいて変動パターンが設定される。
図416に示す通り、本第12制御例のパチンコ機10では、時短当選変動状態が設定されている場合には、第2特別図柄の抽選結果が何れの判定であっても短変動(0.5秒)が設定される。時短当選変動状態では、時短当選した第1特別図柄が停止表示されると終了してしまうため、時短当選変動状態における遊技効率を高めるために、第2特別図柄の変動時間が短くし、多くの第2特別図柄抽選を実行可能に構成している。
なお、時短当選変動状態では第1特別図柄が既に変動中であり、第1特別図柄の変動が終了すると時短当選変動状態も終了するため、時短当選変動状態において第1特別図柄の変動パターンが設定されることはない。従って、時短当選変動状態用変動パターン12テーブル202kd3では第2特別図柄の変動パターンのみを選択する構成としている。
なお、上述したように、遊技状態が通常状態または時短状態であっても、第1特別図柄のロング時短当たり変動中(時短当選変動状態フラグ203kgがオンに設定されている場合)には、変動パターン選択時には、時短当選変動状態用変動パターン12テーブル202kd3が参照される。
<第12制御例における主制御装置の制御処理について>
次に、図416〜図437を参照して、第12制御例における主制御装置110のMPU201によって実行される各種制御処理について説明を行う。本第12制御例における主制御装置110の制御処理は、上述した第5制御例における主制御装置110の制御処理に対して、特別図柄変動処理5(図252参照)に代えて特別図柄変動処理12(図416参照)、更新処理5(図256参照)に代えて遊技状態更新処理12(図422参照)、大当たり制御処理5(図260参照)に代えて大当たり制御処理12(図435参照)を実行する点で相違し、その他は同一の処理が実行される。なお、同一の処理については同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
上述したように、本第12制御例では、上述した第5制御例に対して、特別図柄(以下、特図と称す)である第1特別図柄(以下、特図1と称す)と、第2特別図柄(以下、特図2と称す)とが同時に(並行して)変動表示を実行可能に構成している点で大きく相違している。
まず、図417を参照して、本第12制御例における特別図柄変動処理12(Y104)の内容について説明をする。図416は特別図柄変動処理12(Y104)の内容を示すフローチャートである。特別図柄変動処理12(Y104)が実行されると、まず、現在が大当たり又は小当たり中であるかを判別し、(Y231)。大当たり中又は小当たり中であると判別した場合は(Y231:Yes)、次に、特図1仮停止フラグ203kcまたは特図2仮停止フラグ203kdがオンに設定されているかを判別する(Y232)。このY232の処理では、一方の特図が当たりを示す図柄で停止表示されたことにより、変動中の他方の特図変動時間の減算を中断している状態かを判別している。Y232の処理において、特図1仮停止フラグ203kcまたは特図2仮停止フラグ203kdがオンに設定されていると判別した場合は(Y232:Yes)、仮停止されている特図に対応する第1図柄表示装置37の表示を更新し(Y233)、即ち、変動時間の減算が中断されている特図に対して、第1図柄表示装置37の変動表示を継続させる処理を実行して、本処理を終了する。これにより、特図変動を強制停止していないことを遊技者に報知することができる。
一方、Y231の処理において、現在が大当たり又は小当たり中であると判別した場合は(Y231:No)、特図1変動時間タイマ203kaの値が0よりも大きいか(即ち、特図1が変動中であるか)を判別し(Y234)、特図1変動時間タイマ203kaの値が0よりも大きくない(0である)と判別した場合は(Y234:No)、第1特別図柄変動開始処理12(Y237)と同一の処理を実行し、その後、特図2に関する変動処理を実行するY238に移行する。
Y234の処理において、特図1変動時間タイマ203kaの値が0よりも大きいと判別した場合は(Y234:Yes)、第1特別図柄変動実行中処理12(Y235)を実行する。この第1特別図柄変動実行中処理12(Y235)は、特図1変動中の処理を実行するものであり、図422を参照してその詳細な説明を後述する。
第1特別図柄変動実行中処理12(Y235)を終えると、次に、第1特別図柄変動停止処理12(Y236)を実行し、その後、Y238へ移行する。
Y238〜Y241の処理では、特図1に対して実行したY234〜Y237と同一の処理が実行される。Y238の処理が実行されると、まず、特図2変動時間タイマ203kbの値が0よりも大きいか(即ち、特図2が変動中であるか)を判別し(Y238)、特図2変動時間タイマ203kbの値が0よりも大きくない(0である)と判別した場合は(Y238:No)、第2特別図柄変動開始処理12(Y239)を実行し、その後、本処理を終了する。
一方、Y238の処理において、特図2変動時間タイマ203kbの値が0よりも大きいと判別した場合は(Y238:Yes)、第2特別図柄変動実行中処理12(Y240)を実行する。この第2特別図柄変動実行中処理12(Y240)は、特図2変動中の処理を実行するものであり、図431を参照してその詳細な説明を後述する。
第2特別図柄変動実行中処理12(Y240)を終えると、次に、第2特別図柄変動停止処理12(Y241)を実行し、本処理を終了する。
次に、図418を参照して、特別図柄変動処理12(図417、Y104)の一処理である第1特別図柄変動開始処理12(Y237)について説明する。図237は、この第1特別図柄変動開始処理12(Y237)を示すフローチャートである。
第1特別図柄変動開始処理12(図417、Y237)では、まず、特図1仮停止フラグ203kcがオンであるか判別する(Y301)。Y301の処理において、特図1仮停止フラグがオンであると判別した場合には(Y301:Yes)、本処理を終了する。
一方、Y301の処理において、特図1仮停止フラグがオンでないと判別した場合には(Y301:No)、第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(N1)を取得し(Y302)、取得した第1特別図柄保留球数カウンタの値(N1)が0より大きい値であるか判別する(Y303)。Y303の処理において、第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(N1)が0より大きいと判別した場合には(Y303:Yes)、第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(N1)を1減算して(Y304)、減算後の第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値を示す保留球数コマンドを、音声ランプ制御装置113に通知するための保留球数コマンドを設定する(Y305)。
ここで設定された保留球数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図119参照)の外部出力処理(Y2001)において、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値を抽出し、抽出した値をRAM230の第1特別図柄保留球数カウンタ223cに格納する。このように、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110より送信される保留球数コマンドに従って、第1特別図柄保留球数カウンタ223cの値を更新するので、主制御装置110の第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値と同期させながら、その値を更新することができる。
Y305の処理が終了すると、次に、第1特別図柄保留球格納エリア203aのデータを一つ前のデータにシフトする(Y306)。より具体的には、保留エリア1→実行エリア、保留エリア2→保留エリア1、保留エリア3→保留エリア2、保留エリア4→保留エリア3といった具合に各エリア内のデータをシフトする。
Y306の処理が終了すると、次いで、第1特別図柄判定処理12を実行する(Y307)。この第1特別図柄判定処理12(図418、Y307)については、詳しく後述するが、第1特別図柄保留球格納エリア203aの実行エリアにシフトされた第1当たり乱数カウンタC1の値に基づいて、設定されている遊技状態に基づいて、大当たりか否かの大当たり判定を実行するための処理である。なお、遊技状態更新処理12(Y309)をY307の処理の前に実行しても良く、このように構成することで、遊技状態が更新された後に特別図柄抽選が実行されることとなる。
Y307の処理が終了すると、次に、第1特別図柄変動パターン選択処理12を実行する(図420、Y308)。詳細については後述するが、この第1特別図柄変動パターン選択処理12(Y308)は、第1特別図柄の当否判定結果、および第1特別図柄保留球格納エリア203aの実行エリアに格納された変動種別カウンタCS1の値に基づいて変動パターンを選択するための処理である。
第1特別図柄変動パターン選択処理12(Y308)が終了すると、次いで、遊技状態更新処理12を実行する(Y309)。この遊技状態更新処理12(図421、Y309)は、詳細については後述するが、パチンコ機10の状態を示す各種カウンタ(時短カウンタ203h)の値を更新することにより、パチンコ機10の状態を更新するための処理である。Y309の処理が終了すると、特図1待受フラグ2030iをオフに設定すると共に、オフを示す特図1待機コマンドを設定して(Y310)、本処理を終了する。
一方、Y303の処理において、第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(N1)が0であると判別した場合は(Y303:No)、特図1待受フラグ2030iがオンであるか否か判別し(Y311)、オンであると判別した場合は(Y311:Yes)、本処理を終了する。Y311の処理において、オフである(即ち、オンでない)と判別した場合は(Y311:No)、特図1待受フラグ2030iをオンに設定し(Y312)、オンを示す特図1待機コマンドを設定(Y313)した後、本処理を終了する。
次に、図419を参照して、第1特別図柄判定処理12(Y307)の処理内容について説明をする。図419は、第1特別図柄判定処理12(Y307)の処理内容を示したフローチャートである。この第1特別図柄判定処理12(Y307)は、上述した第5制御例の特別図柄判定処理5(図253のS251)に代えて実行されるものであり、特別図柄抽選における大当たり判定に加え、時短当選の判定(特図1時短抽選処理12)が実行される。
第1特別図柄判定処理12(Y307)が実行されると、まず、第1特別図柄保留球格納エリアの実行エリアのデータを取得し(Y8001)、第1当たり乱数12テーブル202kaに基づいて抽選結果を取得し(Y8002)、抽選結果が大当たりであると判定した場合は(Y8003:Yes)、第1特別図柄の抽選結果を大当たりに設定し(Y8004)、取得した当たり種別カウンタ(第1当たり種別カウンタC2)の値に基づいて、第1図柄表示装置37に表示する特別図柄の大当たり図柄をセットし(Y8005)、現在の遊技状態を示す値を当選時状態格納エリアに格納し(Y8006)、本処理を終了する。一方、抽選結果が大当たりでは無いと判別した場合は(Y8003:No)、特図1時短抽選処理12を実行し(Y8007)、本処理を終了する。
ここで、特図1時短抽選処理12(Y8007)は、今回の特別図柄抽選における時短当選の判定を実行するための処理である。つまり、本第12制御例では、第1特別図柄抽選において、まず、大当たり当選の判定を実行し(Y8003)、大当たり当選した場合には、時短当選の判定を実行することなく特別図柄抽選を終了し、大当たり当選していない場合にのみ時短当選の判定を実行するように構成している。このように構成することで、1回の特別図柄抽選において、複数の特典(特別図柄の大当たり当選、時短当選)を遊技者に付与することが無いため、遊技者に過剰に有利な遊技を提供してしまうことを抑制することができる。
次に、図420を参照して、第1特別図柄変動開始処理12(図418、Y237)の一処理である第1特別図柄変動パターン選択処理12(Y308)について説明する。図420はこの第1特別図柄変動パターン選択処理12(Y308)を示すフローチャートである。
第1特別図柄変動パターン選択処理12(図420、Y308)では、まず、第1特別図柄判定処理12(図419、Y307)において、第1特別図柄の抽選結果が大当たりと判定されたか、即ち、第1特別図柄の大当たりが設定されているか否かを判別する(Y501)。
Y501の処理において、第1特別図柄の大当たりが設定されていると判別された場合には(Y501:Yes)、上述した第1特別図柄判定処理12(図419参照)におけるY8005の処理で取得した第1当たり種別カウンタC2の値に基づいて、特図1大当たり用12テーブル202kb(図410(b)参照)より大当たり種別を決定し(Y502)、Y503の処理へ移行する。
一方、Y501の処理において、第1特別図柄の抽選結果が外れであると判別した場合には(Y501:No)、Y502の処理をスキップして、Y503の処理へ移行する。
Y503の処理では、第1特別図柄保留球格納エリア203aの実行エリアから変動種別カウンタCS1の値を取得する(Y503)。次いで、遊技状態に応じた変動パターン選択テーブル(図413〜416参照)を読み出して(Y504)、Y505の処理へ移行する。なお、遊技状態は、時短当選変動フラグの値と、遊技状態格納エリア203gに記憶されている情報に基づいて判別される。Y505の処理では、読み出した変動パターン選択テーブルから変動種別カウンタCS1の値に対応する変動パターンを選択し(Y505)、その後、選択した変動パターンに基づいて、特図1変動パターンコマンドを設定する(Y506)。
Y506の処理が終了すると、停止図柄を示す特図1停止種別コマンドを設定する(Y507)。次いで、第1図柄表示装置37で第1特別図柄の変動開始を設定し(Y508)、本処理を終了する。
次に、図421を参照して、特図1時短抽選処理12(Y8007)の処理内容について説明をする。図421は、特図1時短抽選処理12(Y8007)の内容を示したフローチャートである。
特図1時短抽選処理12(Y8007)が実行されると、まず、時短当たり乱数12テーブル202khに基づいて抽選結果(時短当選判定結果)を取得し(Y401)、時短当選しているかを判別し(Y402)、時短当選していると判別した場合は(Y402:Yes)、時短当選変動状態フラグ203kgをオンに設定し(Y403)、第1図柄表示装置37に表示する特別図柄の時短図柄として時短Aをセットし(Y404)、特図2変動停止フラグkfをオンに設定し(Y8105)、本処理を終了する。
一方、Y402の処理において時短当選していない(Y402:No)と判別した場合は、取得した当たり種別カウンタ(第1当たり種別カウンタC2)の値に基づいて、第1図柄表示装置37に表示する特別図柄の外れ図柄をセットし(Y406)、本処理を終了する。
次に、図422を参照して、遊技状態更新処理12(Y309)の内容について説明をする。図422は、遊技状態更新処理12(Y309)の内容を示すフローチャートである。
遊技状態更新処理12(Y309)が実行されると、まず、時短カウンタ203hの値が0より大きい値であるかが判別され(Y601)、時短カウンタ203hの値が0より大きい値であると判別された場合には(Y601:Yes)、時短カウンタ203hの値を1減算し(Y602)、時短カウンタ203hの値を示す残時短回数コマンドを設定する(Y603)。次に、時短カウンタ203hの値が0であるかを判別し(Y604)、0であると判別した場合には(Y604:Yes)、時短遊技が付与されていない状態(即ち、通常状態)であるため、通常状態を示す状態コマンドを設定し(Y605)、本処理を終了する。
一方、Y604の処理において、時短カウンタ203hの値が0ではないと判別した場合(Y604:No)は、Y605の処理をスキップして、そのまま本処理を終了する。
次に、図423を参照して、特別図柄変動処理12(図417のY104参照)において実行される第1特別図柄変動実行中処理12(Y235)の内容について説明をする。図423は、第1特別図柄変動実行中処理12(Y235)の内容を示すフローチャートである。この第1特別図柄変動実行中処理12(Y235)では、特図1の変動時間の減算を中断している場合にその減算を再開する処理、および、変動時間を減算する処理が実行される。
第1特別図柄変動実行中処理12(Y235)が実行されると、まず、特図1仮停止フラグ203kcがオンに設定されているかを判別する(Y2801)。ここで、特図1仮停止フラグ203kcがオンに設定されている状態で本処理が実行される場合について簡単に説明をする。特図1仮停止フラグ203kcは、特図1が変動中において、特図2が特定の当たり(大当たりA〜C、又は小当りA)を示す図柄で停止表示される場合にオンに設定されるものである。そして、特図1仮停止フラグ203kcがオンに設定されると、その処理内で大当たり中フラグ203kがオンに設定されるため、主制御装置110にて2ミリ秒毎に実行されるタイマ割込処理がループし、次回(特図1仮停止フラグ203kcがオンに設定された2ミリ秒後)の特別図柄変動処理12(図417)が実行される際には、Y231の処理において大当たり中であると判別されるため、第1特別図柄変動実行中処理12(Y235)が実行されることがない。そして、大当たり遊技(又は小当り遊技)が終了し、Y231の処理において大当たり中(又は小当り中)では無いと判別されることで、第1特別図柄変動実行中処理12(Y235)が実行されることになる。このように構成することで、特図1仮停止フラグ203kcがオンに設定されている状態で第1特別図柄変動実行中処理12(Y235)が実行される状態が、大当たり(又は小当り)遊技が終了し、変動時間の減算を中断していた特図変動の変動時間の減算を再開するタイミングとなるように構成している。
図423に戻り説明を続ける。Y2801の処理において、特図1仮停止フラグ203kcがオンに設定されていると判別した場合は(Y2801:Yes)、次に、特図1変動再開コマンドを設定し(Y2802)、特図1仮停止フラグ203kcをオフに設定し(Y2803)、Y2804へ移行する。一方、Y2801の処理において、特図1仮停止フラグ203kcがオンに設定されていない(オフに設定されている)と判別した場合は(Y2801:No)、Y2802,Y2803の処理をスキップしてY2804の処理へ移行する。
Y2804の処理では特図1変動時間タイマ203kaを1減算して更新し(Y2804)、第1図柄表示装置37の表示を更新し(Y2805)、本処理を終了する。
次に、図424を参照して、特別図柄変動処理12(図417、Y104)の一処理である第1特別図柄変動停止処理12(Y236)について説明する。図424はこの第1特別図柄変動停止処理12(Y236)を示すフローチャートである。
第1特別図柄変動停止処理12(図424、Y236)では、まず、実行中の第1特別図柄に基づく変動の終了タイミングであるか否かを判別する(Y701)。Y701の処理において、実行中の第1特別図柄に基づく変動の終了タイミングであると判別した場合には(Y701:Yes)、第1特別図柄(特図1)の大当たりが設定されているか判別する(Y702)。第1特別図柄の大当たりが設定されていると判別した場合には(Y702:Yes)、特図2仮停止フラグ203kdをオンに設定する(Y703)。図示は省略したが、Y703の処理が実行されると、特図2変動停止フラグ203kdがオンになったことを示す特図2変動停止コマンドが設定される。
Y703の処理を終えると、設定されている停止種別を示す特図1停止種別コマンドを設定する(Y704)。そして、選択されている大当たり種別に基づいた大当たりシナリオが設定される(Y705)。その後、第1特別図柄を確定停止することを音声ランプ制御装置113に対して指示するための特図1確定コマンドを設定する(Y706)。そして、第1特別図柄表示装置37で変動表示している第1特別図柄の変動表示を停止する処理を実行し(Y707)、本処理を終了する。
一方、Y702の処理において、第1特別図柄の大当たりが設定されていなければ(Y702:No)、第1特別図柄の時短当選が設定されているかを判別する(Y710)。Y710の処理において、時短当選が設定されていると判別した場合(Y710:Yes)には、時短設定処理12(Y711)を実行し、Y706の処理に移行する。この時短設定処理12(Y711)では、当選した時短種別に対応した時短状態の設定に関する処理が実行される。なお、この時短設定処理12(Y711)については、図426を参照して詳細について後述する。
一方、Y701の処理において、実行中の第1特別図柄に基づく変動の終了タイミングでないと判別した場合には(Y701:No)、次いで、特図1仮停止フラグ203kcまたは特図1変動停止フラグ203keがオンであるか否かを判別する(Y708)。Y708の処理において特図1仮停止フラグ203kcまたは特図1変動停止フラグ203keがオフであると判別された場合は(Y708:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、Y708の処理において特図1仮停止フラグ203kcまたは特図1変動停止フラグ203keがオンであると判別した場合は(Y708:Yes)、第2特別図柄が大当たりまたは小当たりで停止された場合であるので、実行中の第1特別図柄に基づく変動を停止(仮停止)させるために、特図1強制停止処理12を実行する(Y709)。尚、この特図1強制停止処理12の詳細については、図425を参照して後述する。
このように、第1特別図柄停止処理12(Y236)では、変動表示中の第1特別図柄の規定の変動時間が経過した場合に(Y701:Yes)、第1抽選遊技の判定結果を示す図柄で変動表示を停止する処理(Y703からY707またはY711)が実行される。また、第2特別図柄が大当たり(または小当たり)を示す図柄で変動停止され、第2抽選遊技の大当たり遊技(または小当たり遊技)が実行される場合に(Y708:Yes)、変動表示中の第1特別図柄を強制的に停止する処理(Y709)が実行される。なお、第1特別図柄が大当たり(または小当たり)を示す図柄で変動停止された場合には(Y702:Yes)、変動表示中の第2特別図柄の変動を中断(仮停止)するように構成してもよい。
次に、図425を参照して、第1特別図柄変動停止処理12(図424、Y236)の一処理である特図1強制停止処理12(Y709)について説明する。図425は、この特図1強制停止処理12(Y709)を示すフローチャートである。
特図1強制停止処理12(図425、Y709)では、まず、特図1変動停止フラグ203keがオンであるかを判別する(Y721)。特図1変動停止フラグ203keがオンであると判別した場合(Y721:Yes)には、特図1変動停止フラグ203keをオフに設定し(Y722)、次に、特図1変動停止フラグ203keのオフを示す特図1変動停止コマンドを設定する(Y723)。そして、第1特別図柄の変動種別を外れに設定し(Y724)、時短当選変動状態フラグ203kgはオンであるかを判別する(Y725)。なお、図示しないが、Y725の処理の前に第1図柄表示装置37の第1特別図柄を外れ図柄で変動停止させ、第1特別図柄の特図1確定コマンドを設定する。
Y725の処理において、時短当選変動状態フラグ203kgがオンである(即ち、第1特別図柄抽選の結果が時短当選であった場合)と判別した場合(Y725:Yes)には、時短当選変動状態フラグ203kgをオフに設定し(Y726)、本処理を終了する。一方、Y725の処理において、時短当選変動状態フラグ203kgがオンでない(即ち、第1特別図柄抽選の結果が時短当選ではなかった場合)には(Y725:No)、Y726をスキップし、本処理を終了する。
なお、第1特別図柄の変動を破棄することが可能な大当たりDに当選可能なのは時短B状態が設定されている場合のみであるため、通常状態において第2特別図柄の大当たり当選に基づいて時短当選変動状態フラグ203kgがオフに設定されることはない構成としているが、これに限るものではなく、例えば、通常状態において大当たりDに当選可能な構成としても良い。その場合、Y725の処理の後に、通常状態において大当たりDに当選した場合にスペシャルフラグをオンに設定する処理を設けて、時短B状態よりも有利な遊技状態(例えば、確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の高確率状態))が設定される構成としても良い。このように構成することで、通常状態の時短当選変動状態において大当たりDに当選した場合と、時短状態の時短当選変動状態において大当たりDに当選した場合とで、異なる遊技状態が設定され、遊技の興趣を向上させることが可能となる。
一方、Y721の処理において、特図1変動時間フラグ203keがオンでないと判別された場合(Y721:No)は、特図1仮停止フラグ203kcがオンである場合であるため、第1特別図柄の変動を仮停止(中断)させるコマンドを設定し(Y729)、本処理を終了する。
このように、本第12制御例では、特図1仮停止フラグ203kcまたは特図1変動停止フラグ203keがオンにされる(第2特別図柄で大当たりまたは小当たりとなる変動が停止するタイミング)と、第1特別図柄の変動時間が未経過であっても強制的に変動を中断、或いは外れの判定結果として強制停止される。これにより、第1特別図柄と第2特別図柄で同時に抽選結果が変動表示されていても、一方の抽選結果のみ対する小当たりや大当たりを実行すればよく、射幸性を抑制することができる。さらに、遊技の効率を上げることができる。
また、本第12制御例では、第2特別図柄の大当たりまたは小当たりの種別によって第1特別図柄の変動を強制的に外れとして停止させる場合と、仮停止(中断)させる場合と、を設ける構成としている。
上述したように本第12制御例では、時短状態の種別として、時短Aと時短Bを設定可能である。そして、時短Aは時短回数が5回(図411参照)であり、時短回数5回で第2特別図柄が大当たり(当選確率1/50)または小当たり(当選確率1/50)に当選する確率は約18%と低確率であるため、時短A状態中の第2特別図柄での大当たりまたは小当たり当選はほとんど期待できない。一方、時短Bは時短回数が10000回(図411参照)であるため、時短Bが設定されると高確率で次回の大当たりまたは小当たり当選が期待できる。したがって、時短A状態よりも時短B状態の方が遊技者に有利な時短状態であると言える。
ここで、第1特別図柄が時短当選し、時短当選したことを示す第1特別図柄が停止表示されるまでの期間(即ち、時短当選変動状態が設定されている場合)に、第2特別図柄が大当たり当選、小当たり当選、或いは時短当選したことによって時短B状態が設定された場合に、第1特別図柄の変動を強制的に外れ図柄として停止させることができずに時短当選したことを示す第1特別図柄が停止表示された場合には、設定されている時短B状態が破棄され、新たに時短A状態が設定される。つまり、この場合、時短B状態が継続するのは、時短当選した第1特別図柄の変動時間(本第12制御例では、300秒)が経過するまでの期間のみとなり、時短リミットに到達する前に時短状態が終了してしまう可能性が高くなる。
一方、第1特別図柄が時短当選し、時短当選したことを示す第1特別図柄が停止表示されるまでの期間(即ち、時短当選変動状態が設定されている場合)に、第2特別図柄が大当たり当選、小当たり当選、或いは時短当選したことによって時短B状態が設定された場合に、特定の大当たり(大当たりD)または小当たり(小当たりB)に当選し、第1特別図柄の変動を強制的に外れ図柄として停止させることができた場合には、時短リミット到達まで時短B状態を継続させることが可能となり、遊技者は大量の賞球を獲得可能となる。
このように、本第12制御例では、第1特別図柄が時短当選し、時短当選したことを示す第1特別図柄が停止表示されるまでの期間(即ち、時短当選変動状態が設定されている場合)に、第2特別図柄が大当たり当選、小当たり当選、或いは時短当選したことによって時短B状態が設定された場合に、変動表示されている第1特別図柄を強制的に外れとして停止(破棄)し、有利な時短状態を継続させることができるかという新たな遊技性を遊技者に提供することができ、遊技の興趣を向上させることができる。
次に、図426を参照して、時短設定処理12(Y711)の処理内容について説明をする。図426は、時短設定処理12(Y711)の処理内容を示したフローチャートである。この時短設定処理12(Y711)では、時短当選判定により時短当選した場合に時短状態を設定するための処理が実行される。時短設定処理12(Y711)が実行されると、まず、今回の時短種別が時短Aであるかを判別し(Y8351)、時短Aであると判別した場合に(Y8351:Yes)、時短当選変動状態フラグ203kgをオフに設定する(Y8352)し、決定された時短種別に対応する値を時短カウンタ203hに設定し(Y8353)、遊技状態格納エリアに時短状態を設定し(Y8354)、時短カウンタ203hの値、時短種別遊技状態(時短状態を示す情報と、設定された時短種別を示す情報)を示す状態コマンドを設定し(Y8355)、本処理を終了する。
一方、Y8351の処理において、時短Aではないと判別した場合(即ち、時短Bである場合)は(Y8351:No)、Y8352の処理をスキップし、Y8353の処理を行う。なお、図示しないが、Y8353の処理では、時短カウンタ203hの値をクリアした後、決定された時短種別に対応する値を新たに設定する。したがって、時短当選に基づいて時短A状態が設定される場合に、既に時短カウンタ203hに時短Bに対応する値(例えば、10000回)が設定されている場合には、時短Bに対応する値を破棄し、時短Aに対応する値(5回)を設定する。
このように、本第12制御例では、時短当選契機に応じて、異なるタイミングで時短状態が設定されるように構成しており、特別図柄抽選で時短当選した場合には、当該特別図柄変動の停止タイミングにて時短状態が設定され、特別図柄抽選の大当たり当選に基づいて時短状態が設定される場合には、当該特別図柄変動の停止タイミングでは無く、大当たり遊技終了タイミングで時短状態が設定される。
このように構成することで、時短状態が設定されるタイミングを異ならせることができるため、遊技者に対して飽き難い遊技を提供することができる。
次に、図427を参照して、特別図柄変動処理12(図417、Y104)の一処理である第2特別図柄変動開始処理12(Y239)について説明する。図239は、この第2特別図柄変動開始処理12(Y239)を示すフローチャートである。
第2特別図柄変動開始処理12(図427、Y239)では、まず、特図2仮停止フラグ203kdがオンであるか判別する(Y831)。Y831の処理において、特図2仮停止フラグ203kdがオンであると判別した場合には(Y831:Yes)、本処理を終了する。
一方、Y831の処理において、特図2仮停止フラグ203kdがオンでないと判別した場合には(Y831:No)、第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値(N1)を取得し(Y832)、取得した第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値(N1)が0より大きい値であるか判別する(Y833)。Y833の処理において、第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値(N1)が0より大きいと判別した場合には(Y833:Yes)、第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値(N1)を1減算して(Y834)、減算後の第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値を示す保留球数コマンドを、音声ランプ制御装置113に通知するための保留球数コマンドを設定する(Y835)。
ここで設定された保留球数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理の外部出力処理において、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値を抽出し、抽出した値をRAM230の第2特別図柄保留球数カウンタ223dに格納する。このように、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110より送信される保留球数コマンドに従って、第2特別図柄保留球数カウンタ223dの値を更新するので、主制御装置110の第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値と同期させながら、その値を更新することができる。
Y835の処理が終了すると、次に、第2特別図柄保留球格納エリア203bのデータを一つ前のデータにシフトする(Y836)。より具体的には、保留エリア1→実行エリア、保留エリア2→保留エリア1、保留エリア3→保留エリア2、保留エリア4→保留エリア3といった具合に各エリア内のデータをシフトする。
Y836の処理が終了すると、次いで、第2特別図柄判定処理12を実行する(Y837)。この第2特別図柄判定処理12(図428、Y837)については、詳しく後述するが、第2特別図柄保留球格納エリア203bの実行エリアにシフトされた第1当たり乱数カウンタC1の値に基づいて、設定されている遊技状態に基づいて、大当たりか否かの大当たり判定を実行するための処理である。
Y837の処理が終了すると、次に、第2特別図柄変動パターン選択処理12を実行する(図431、Y838)。詳細については後述するが、この第2特別図柄変動パターン選択処理12(Y838)は、第2特別図柄の当否判定結果、および第2特別図柄保留球格納エリア203bの実行エリアに格納された変動種別カウンタCS1の値に基づいて変動パターンを選択するための処理である。
第2特別図柄変動パターン選択処理12(Y838)が終了すると、次いで、遊技状態更新処理12を実行する(Y839(Y309))。この遊技状態更新処理12(図421、Y839(Y309))は、第1特別図柄において実行されるものと同一の処理が実行され、細部は図422を参照して説明しているため、詳細な説明は省略する。Y839の処理が終了すると、特図2待受フラグをオフに設定すると共に、オフを示す特図1待機コマンドを設定して(Y840)、本処理を終了する。なお、遊技状態更新処理12(Y839)をY837の処理の前に実行しても良く、このように構成することで、遊技状態が更新された後に特別図柄抽選が実行されることとなる。
一方、Y833の処理において、第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値(N1)が0であると判別した場合は(Y833:No)、特図2待受フラグがオンであるか否か判別し(Y841)、オンであると判別した場合は(Y841:Yes)、本処理を終了する。Y841の処理において、オフである(即ち、オンでない)と判別した場合は(Y841:No)、特図2待受フラグをオンに設定し(Y842)、オンを示す特図2待機コマンドを設定(Y843)した後、本処理を終了する。
次に、図428を参照して、第2特別図柄判定処理12(Y837)の処理内容について説明をする。図428は、第2特別図柄判定処理12(Y837)の処理内容を示したフローチャートである。この第2特別図柄判定処理12(Y837)では、上述した第1特別図柄判定処理12(図419のY307)とは異なり、特別図柄抽選における大当たり判定において外れであると判定された場合に、時短当選の判定(特図2時短抽選処理12)に加えて小当たり当選の判定(小当たり抽選処理12)が実行される。
第2特別図柄判定処理12(Y837)が実行されると、まず、第2特別図柄保留球格納エリア203bの実行エリアのデータを取得し(Y8101)、第1当たり乱数12テーブル202kaに基づいて抽選結果を取得し(Y8102)、抽選結果が大当たりであると判定した場合は(Y8103:Yes)、第2特別図柄の抽選結果を大当たりに設定し(Y8104)、取得した当たり種別カウンタ(第1当たり種別カウンタC2)の値に基づいて、第1図柄表示装置37に表示する特別図柄の大当たり図柄をセットし(Y8105)、現在の遊技状態を示す値を当選時状態格納エリアに格納し(Y8107)、本処理を終了する。一方、抽選結果が大当たりでは無いと判別した場合は(Y8103:No)、特図2時短抽選処理12を実行し(Y8106)、本処理を終了する。
このように、本第12制御例では、第2特別図柄の大当たり抽選において大当たり判定でなかった場合には、時短抽選と小当たり抽選が実行される構成となっているため、第1特別図柄に比べて遊技者に有利な状態(時短状態)となる契機が多く設定されており、第2特別図柄は第1特別図柄よりも有利な特別図柄であるといえる。なお、上述したように、通常状態における第2特別図柄の変動時間は長時間(600秒)が設定され、通常状態で第2特別図柄抽選のみを実行しようとする遊技者の遊技効率が悪くなるように構成している。
また、細部については後述するが、特図2時短抽選処理12(Y8106)では、特図1時短抽選処理12(図421のY8007)と異なり、時短当選した場合に、時短当選変動状態フラグ203kgがオンであるか否かによって設定する時短種別を決定する。具体的には、時短当選変動状態フラグ203kgがオンである場合にのみ時短B状態が設定される。つまり、時短当選したことを示す第1特別図柄の変動表示中に第2特別図柄が時短当選した場合にのみ時短B状態が設定され、それ以外の場合には時短A状態が設定される構成としている。このように構成することで、時短当選変動状態でない場合に第2特別図柄が時短当選しても遊技者に有利な時短状態である時短B状態は設定されないため、第1特別図柄を変動させない状態で第2特別図柄抽選のみを実行する遊技者が過剰に有利になることを抑制することができる。
次に、図429を参照して、特図2時短抽選処理12(Y8107)の処理内容について説明をする。図429は、特図2時短抽選処理12(Y8107)の内容を示したフローチャートである。
特図2時短抽選処理12(Y8107)が実行されると、まず、時短当たり乱数12テーブル202khに基づいて抽選結果(時短当選判定結果)を取得し(Y8201)、時短当選しているかを判別し(Y8202)、時短当選していると判別した場合は(Y8202:Yes)、時短当選変動状態フラグ203kgがオンであるかを判別し(Y8203)、時短当選変動状態フラグ203kgがオンであると判別された場合(Y8203:Yes)には、第1図柄表示装置37に表示する特別図柄の時短図柄として時短Bをセットし(Y8205)、本処理を終了する。
Y8202の処理において時短当選していない(Y8202:No)と判別した場合は、取得した当たり種別カウンタ(第1当たり種別カウンタC2)の値に基づいて、第1図柄表示装置37に表示する特別図柄の外れ図柄をセットし(Y8206)、本処理を終了する。
Y8203の処理において、時短当選変動状態フラグ203kgがオフであると判別された場合(Y8203:No)には、第1図柄表示装置37に表示する特別図柄の時短図柄として時短Aをセットし(Y8204)、本処理を終了する。
このように本第12制御例では、時短当選変動状態フラグkgがオンの場合(即ち、第1特別図柄が時短当選し、時短当選したことを示す第1特別図柄の変動表示が実行中である場合)のみ、第2特別図柄が時短当選した場合に時短B状態が設定される構成としている。このように構成することで、時短当選変動状態でない場合に第2特別図柄が時短当選しても遊技者に有利な時短状態である時短B状態は設定されないため、第1特別図柄を変動させない状態で第2特別図柄抽選のみを実行する遊技者が過剰に有利になることを抑制することができる。また、第1特別図柄が時短当選し、時短当選したことを示す第1特別図柄が停止表示されるまでの期間内で、第2特別図柄の時短当選を目指すという新たな遊技性を遊技者に提供することができ、遊技の興趣を向上させることができる。
次に、図430を参照して、第2特別図柄判定処理12(図428、Y837)の一処理である小当たり抽選処理12(Y8108)について説明する。図430はこの小当たり抽選処理12(Y8108)を示すフローチャートである。
小当たり抽選処理12(図430、Y8108)では、まず、第2特別図柄の抽選結果が時短当選と判定されたか、即ち、第2特別図柄の時短当選が設定されているか否かを判別する(Y8301)。
Y8301の処理において、第2特別図柄の時短当選が設定されていると判別された場合には、(Y8301:Yes)、そのまま本処理を終了する。
一方、Y8301の処理において、第2特別図柄の時短当選が設定されていないと判別された場合には、(Y8301:No)、小当たり乱数12テーブルに基づいて抽選結果を取得し(Y8302)、小当たり当選であると判別された場合には(Y8304:Yes)、小当たり種別カウンタC5の値を取得し、小当たり種別選択12テーブル202kfから小当たり種別を選択し、第1図柄表示装置に表示する特別図柄の小当たり図柄をセットする(Y8305)。一方、Y8304の処理において、小当たり当選ではないと判別された場合には(Y8304:No)、Y8305の処理をスキップし、本処理を終了する。
このように、本第12制御例では、1度の第2特別図柄抽選において大当たり当選、時短当選、小当たり当選が重複しないことで、遊技者に複数の特典が付与されることを抑制し、遊技者が過剰に有利にならないように構成している。
なお、大当たり当選または小当たり当選と、時短当選が重複する構成としても良く、この場合、例えば、大当たり当選と時短当選が重複した場合には、大当たり当選のみした場合よりも大当たり遊技終了後に有利な時短状態が設定される構成とすることで、同種の大当たり種別の大当たりに当選した場合でも、時短当選したか否かで、大当たり遊技終了後の遊技状態に多様性を持たせることが可能となり、遊技の興趣を向上させることができる。
次に、図431を参照して、第2特別図柄変動開始処理12(図427、Y239)の一処理である第2特別図柄変動パターン選択処理12(Y838)について説明する。図431はこの第2特別図柄変動パターン選択処理12(Y838)を示すフローチャートである。
第2特別図柄変動パターン選択処理12(図431、Y838)では、まず、第2特別図柄判定処理12(図428、Y8103)において、第1特別図柄の抽選結果が大当たりと判定されたか、即ち、第2特別図柄の大当たりが設定されているか否かを判別する(Y921)。
Y921の処理において、第2特別図柄の大当たりが設定されていると判別された場合には(Y921:Yes)、上述した第2特別図柄判定処理12(図428参照)におけるY8105の処理で取得した第1当たり種別カウンタC2の値に基づいて、特図2大当たり用12テーブル202kb2(図411参照)より大当たり種別を決定し(Y922)、Y923の処理へ移行する。
一方、Y921の処理において、第2特別図柄の抽選結果が外れであると判別した場合には(Y921:No)、Y922の処理をスキップして、Y923の処理へ移行する。
Y923の処理では、第2特別図柄保留球格納エリア203bの実行エリアから変動種別カウンタCS1の値を取得する(Y923)。次いで、遊技状態に応じた変動パターンテーブル(図413〜416参照)を読み出して(Y924)、Y925の処理へ移行する。なお、遊技状態は、時短当選変動フラグの値と、遊技状態格納エリア203gに記憶されている情報に基づいて判別される。Y925の処理では、読み出した変動パターンテーブルから変動種別カウンタCS1の値に対応する変動パターンを選択し(Y925)、その後、選択した変動パターンに基づいて、特図2変動パターンコマンドを設定する(Y926)。
Y926の処理が終了すると、停止図柄を示す特図2停止種別コマンドを設定する(Y927)。次いで、第1図柄表示装置37で第2特別図柄の変動開始を設定し(Y928)、本処理を終了する。
次に、図432を参照して、特別図柄変動処理12(図417のY104参照)において実行される第2特別図柄変動実行中処理12(Y240)の内容について説明をする。図432は、第2特別図柄変動実行中処理12(Y240)の内容を示すフローチャートである。この第2特別図柄変動実行中処理12(Y240)では、第2特別図柄の変動時間の減算を中断している場合にその減算を再開する処理、および、変動時間を減算する処理が実行される。
第2特別図柄変動実行中処理(Y240)が実行されると、まず、特図2仮停止フラグ203kdがオンに設定されているかを判別する(Y2901)。ここで、特図2仮停止フラグ203kdがオンに設定されている状態で本処理が実行される場合について簡単に説明をする。上述したように特図2仮停止フラグ203kdは、特図2が変動中において、特図1が当たり(大当たり)を示す図柄で停止表示される場合にオンに設定されるものである。そして、特図2仮停止フラグ203kdがオンに設定されると、その処理内で大当たり中フラグ203kがオンに設定されるため、主制御装置110にて2ミリ秒毎に実行されるタイマ割込処理がループし、次回(特図2仮停止フラグ203kdがオンに設定された2ミリ秒後)の特別図柄変動処理12(図417、Y104)が実行される際には、Y231の処理において大当たり中であると判別されるため、第2特別図柄変動実行中処理12(Y240)が実行されることがない。そして、大当たり遊技が終了し、Y231の処理において大当たり中では無いと判別されることで、第2特別図柄変動実行中処理12(Y240)が実行されることになる。このように構成することで、特図2仮停止フラグ203kdがオンに設定されている状態で第2特別図柄変動実行中処理12(Y240)が実行される状態が、大当たり遊技が終了し、変動時間の減算を中断していた特図変動の変動時間の減算を再開するタイミングとなるように構成している。
図432に戻り説明を続ける。Y2901の処理において、特図2仮停止フラグ203kdがオンに設定されていると判別した場合は(Y2901:Yes)、次に、特図2変動再開コマンドを設定し(Y2902)、特図2仮停止フラグ203kdをオフに設定し(Y2903)、Y2904へ移行する。一方、Y2901の処理において、特図2仮停止フラグ203kdがオンに設定されていない(オフに設定されている)と判別した場合は(Y2901:No)、Y2902,Y2903の処理をスキップしてY2904の処理へ移行する。
Y2904の処理では特図2変動時間タイマ203kbを1減算して更新し(Y2904)、第1図柄表示装置の表示を更新し(Y2905)、本処理を終了する。
次に、図433を参照して、第2特別図柄変動停止処理12(Y241)の内容について説明をする。図433は、第2特別図柄変動停止処理12(Y241)の内容を示すフローチャートである。この第2特別図柄変動停止処理12(Y241)は、特図2の変動を停止する際の処理を実行するものであって、上述した第1特別図柄変動停止処理(図424参照)に対して、特図2の抽選結果が大当たりであった場合において、特図1の変動を中断させる(変動時間の減算を中断させる)構成に加えて、特図2の抽選結果が特定の大当たり種別(大当たりD)であった場合には、特図1の変動を強制停止する構成を設けた点と、特図2の抽選結果が小当たりの場合に実行される処理を追加した点で相違している。
第2特別図柄変動停止処理12(Y241)が実行されると、まず、第2特別図柄の変動時間が終了したか否かが判別される(Y901)。第2特別図柄の変動時間が終了したか否かは、特図2変動時間タイマ203kbのカウンタ値が0であるか否かによって判別される。
Y901の処理において変動時間が終了したと判別された場合には(Y901:Yes)、第2特別図柄(特図2)の抽選結果が大当たりであるかを判別し(Y902)、大当たりではない(外れである)と判別した場合は(Y902:No)、次いで、特図2の抽選結果が小当たりであるかを判別する(Y912)。Y910の処理において、小当たりではないと判別した場合は(Y912:No)、次いで、特図2の抽選結果が時短当選であるかを判別する(Y914)。時短当選ではないと判別した場合は、第2特別図柄の確定コマンドをセットし(Y908)、第1図柄表示装置の第2特別図柄の変動を停止し(Y909)、本処理を終了する。
Y914の処理において、時短当選であると判別された場合には(Y914:Yes)、時短設定処理12が実行され(Y915)、その後、Y908の処理を行う。なお、時短設定処理12は、上述した第1特別図柄変動停止処理12(図424、Y236)の一処理として実行される時短設定処理12(Y711)と同一の処理であるため、詳細な説明は省略する。
Y912の処理において、小当たり当選であると判別された場合には(Y912:Yes)、特図2小当たり停止処理12を実行し(Y913)、その後、Y908の処理を行う。特図2小当たり停止処理12(Y913)は、当選した小当たりの小当たり種別によって、第1特別図柄の変動表示を強制的に停止させる(破棄させる)か、仮停止させる(中断させる)か、を設定する処理を実行するものであり、詳細な説明は図435を参照して後述する。
Y902の処理において、大当たりであると判別した場合には(Y902:Yes)、大当たり種別が大当たりDであるかを判別し(Y903)、大当たりDではないと判別された場合(Y903:No)には、特図1仮停止フラグ203kcをオンに設定し(Y904)、設定されている停止種別を示す特図2停止種別コマンドを設定し(Y906)、大当たりシナリオを設定し(Y907)し、その後、Y908、Y909の処理を行う。
一方、Y903の処理において、大当たりDであると判別された場合には、特図1変動停止フラグkeをオンに設定し(Y905)、Y906〜Y909の処理を実行する。
このように本第12制御例のパチンコ機10では、大当たり種別が大当たりDである場合には、特図1変動停止フラグkeをオンに設定し、それ以外の大当たり種別の場合には、特図1仮停止フラグ203kcをオンに設定することで、大当たり種別によって第1特別図柄の変動が強制的に停止される(破棄される)場合と、仮停止される(中断される)場合とを可変させることができる。
なお、図411に示す通り、第2特別図柄が大当たりした場合に決定される大当たり種別は、実行された第2特別図柄の変動回数によって異なり、大当たりDは51回転目以降に大当たり当選した場合に、決定され易い構成としている。このように構成することで、第2特別図柄で大当たり当選できずに外れ当選が続いた場合(所謂、ハマった場合)であっても、遊技者に有利な大当たり種別が決定され易くなるため、ハマった場合の遊技者の遊技意欲が低下することを抑制することができる。
Y901の処理において、実行中の第2特別図柄に基づく変動の終了タイミングでないと判別した場合には(Y901:No)、次いで、特図2仮停止フラグ203kdまたは特図2変動停止フラグ203kfがオンであるか否かを判別する(Y910)。Y910の処理において特図2仮停止フラグ203kdまたは特図2変動停止フラグ203kfがオフであると判別された場合は(Y910:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、Y910の処理において特図2仮停止フラグ203kdまたは特図2変動停止フラグ203kfがオンであると判別した場合は(Y910:Yes)、第1特別図柄が大当たりで停止された場合または時短当選した場合であるので、実行中の第2特別図柄に基づく変動を停止(仮停止)させるために、特図2強制停止処理12を実行する(Y911)。尚、この特図2強制停止処理12の詳細については、図434を参照して後述する。
このように、第2特別図柄停止処理12(Y241)では、変動表示中の第2特別図柄の規定の変動時間が経過した場合に(Y901:Yes)、第2特別図柄抽選遊技の判定結果を示す図柄で変動表示を停止する処理が実行される。また、第1特別図柄が大当たりを示す図柄で変動停止され、第1特別図柄の大当たり遊技が実行される場合、または第1特別図柄が時短当選し、時短当選変動状態が設定される場合に(Y910:Yes)、変動表示中の第2特別図柄を強制的に停止する処理(Y911)が実行される。
次に、図434を参照して、第2特別図柄変動停止処理12(図433、Y241)の一処理である特図2強制停止処理12(Y911)について説明する。図434は、この特図2強制停止処理12(Y911)を示すフローチャートである。
特図2強制停止処理12(図434、Y911)では、まず、特図2変動停止フラグ203kfがオンであるかを判別する(Y631)。特図2変動停止フラグ203kfがオンであると判別した場合(Y631:Yes)には、特図2変動停止フラグ203kfをオフに設定し(Y632)、次に、特図2変動停止フラグ203kfのオフを示す特図2変動停止コマンドを設定する(Y633)。そして、第2特別図柄の変動種別を外れに設定する(Y634)。なお、図示しないが、Y634の処理の後に第1図柄表示装置37の第2特別図柄を外れ図柄で変動停止させ、第2特別図柄の特図2確定コマンドを設定する。
一方、Y631の処理において、特図2変動停止フラグ203kfがオンでないと判別された場合(Y631:No)は、特図2仮停止フラグ203kdがオンである場合であるため、第2特別図柄の変動を仮停止(中断)させるコマンドを設定し(Y635)、本処理を終了する。
このように、本第12制御例では、特図2仮停止フラグ203kdがオンにされる(第1特別図柄で大当たりとなる変動が停止するタイミング)と、第2特別図柄の変動時間が未経過であっても強制的に変動を中断して強制停止される。これにより、第1特別図柄と第2特別図柄で同時に抽選結果が変動表示されていても、一方の抽選結果のみに対する大当たり遊技を実行すればよく、射幸性を抑制することができる。さらに、遊技の効率を上げることができる。
また、本第12制御例では、第1特別図柄が時短当選した場合の第1特別図柄の変動開始時に、第2特別図柄の変動停止フラグkfをオンにする構成としている。本第12制御例では、上述したように、通常状態においては第2特別図柄の変動時間は長時間(600秒)が設定されるため、第1特別図柄が時短当選した時点で既に第2特別図柄の変動表示が開始されている場合に、そのまま第2特別図柄の変動が継続されると、設定された時短当選変動状態が変動中の第2特別図柄の停止表示前に終了してしまい、遊技者が時短当選変動状態で第2特別図柄の抽選を実行することができないという不具合が生起し得る。
ここで、第1特別図柄が時短当選した場合の第1特別図柄の変動開始時に、第2特別図柄の変動停止フラグkfをオンにする構成とすることで、時短当選した第1特別図柄の変動が開始された場合に、変動中の第2特別図柄の変動が破棄されるため、時短当選変動状態で新たに第2特別図柄の抽選を受けることができ、遊技者が時短当選変動状態で第2特別図柄の抽選を実行することができないという不具合を防ぐことができる。
次に、図435を参照して、第2特別図柄変動停止処理12(図433、y241)の一処理である特図2小当たり停止処理12(Y913)について説明をする。図435は特図2小当たり停止処理12(Y913)の内容を示すフローチャートである。
特図2小当たり停止処理12(図435、Y913)では、まず、小当たり種別が小当たりBであるか判別し(Y931)、小当たりBであると判別された場合(Y931:Yes)には、特図1変動停止フラグkeをオンに設定し(Y932)、特図1変動停止フラグ203keのオンを示す特図1変動停止コマンドを設定する(Y933)。そして、選択されている小当たり種別に対応する小当たりシナリオを設定し(Y934)、本処理を終了する。
一方、Y931の処理において、小当たりBでないと判別された場合(Y931:No)には、特図1仮停止フラグkcをオンに設定し、(Y937)、特図1仮停止フラグkcのオンを示す特図1仮停止コマンドを設定し(Y938)、Y934の処理を行う。
このように、本第12制御例では、特定の大当たり種別だけでなく、特定の小当たり種別によっても、変動中の第1特別図柄を破棄させることが可能に構成されている。これにより、遊技者に小当たり種別にも興味を持たせることが可能となり、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、本第12制御例のパチンコ機10では、小当たりB当選を示す第2特別図柄の変動停止時に特図1変動停止フラグをオンに設定する構成としたが、これに限るものではなく、小当たりBに当選した第2特別図柄の変動開始時に特図1変動停止フラグをオンに設定する構成としても良い。また、小当たり遊技の開始時に第1特別図柄を破棄する構成としても良いし、小当たり遊技の終了時に破棄する構成としても良い。
次に、図436を参照して、メイン処理において実行される大当たり制御処理12(Y1004)の内容について説明をする。図436は大当たり制御処理12(Y1004)の内容を示すフローチャートである。この大当たり制御処理12(Y1004)は、上述した第11制御例の大当たり制御処理11(図403参照)の大当たり終了処理11(S11651)に代えて、大当たり終了処理12(Y11613)を実行する点でのみ相違し、その他の処理は第11制御例と同一であるため、その詳細な説明は省略する。
次に、図437を参照して、大当たり終了処理12(Y11613)の内容について説明する。図437は大当たり終了処理12(Y11613)の内容を示すフローチャートである。大当たり終了処理12が実行されると、まず、時短リミット更新処理12(Y2701)が実行される。時短リミット更新処理12(Y2701)の詳細な説明については、図438を参照して後述するが、連続して普通図柄の高確率状態を設定可能な上限値を時短リミット回数カウンタ203jaにセットしたり、設定済の時短リミット回数カウンタ203jaの値を更新(減算)したりするための処理を実行する。
ここで、図438を参照して、大当たり終了処理12(図437のY11613参照)内の一処理である時短リミット更新処理12(Y2701)の詳細について説明する。図438は、時短リミット更新処理12(Y2701)の内容を示したフローチャートである。この時短リミット更新処理12(Y2701)では、連続して普通図柄の高確率状態を設定可能な上限値を設定したり、設定済の上限値に対する残回数数を更新するための処理が実行される。
時短リミット更新処理12(Y2701)では、まず、時短リミット回数カウンタ203jaの値が0より大きい値であるか判別する(Y3001)。時短リミット回数カウンタ203jaの値が0より大きい値ではない、即ち、大当たり当選時における普通図柄の確率状態が低確率状態であると判別した場合には(Y3001:No)、時短リミット回数カウンタ203jaの値に連続して普通図柄の高確率状態を設定可能な値が設定されていないため、時短リミット回数カウンタ203jaの値に10を設定し(Y3005)、時短フラグをオンに設定する(Y3006)。そして、本処理を終了する。
一方、Y3001の処理において、時短リミット回数カウンタ203jaの値が0より大きい値であると判別した場合には(Y3001:Yes)、時短リミット回数カウンタ203jaの値を1減算し(Y3002)、次に、減算後の時短リミット回数カウンタ203jaの値が0であるか否かを判別する(Y3003)。減算後の時短リミット回数カウンタ203jaの値が0であると判別した場合には(Y3003:Yes)、連続して普通図柄の高確率状態が設定できる上限値に達したため、時短リミット到達フラグ203khをオンに設定し(Y3004)、本処理を終了する。一方、Y3004の処理において、減算後の時短リミット回数カウンタ203jaの値が0ではないと判別した場合には(Y3004:No)、本処理を終了する。
なお、本実施形態では、時短リミット回数として10回が設定されるよう構成したが、これに限ることなく、20回や30回など、複数の設定回数の中から決定するよう構成してもよい。
図437に戻り説明を続ける。時短リミット更新処理12(Y2701)を実行した後、時短リミット到達フラグ203khはオンであるかを判別し(Y2702)、時短リミット到達フラグ203khがオンであると判別された場合(Y2702:Yes)には、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態として通常状態(普通図柄の低確率状態)を示す情報を遊技状態格納エリア203gに格納し(Y2703)、大当たり遊技終了後の遊技状態に対応する状態コマンドを設定し(Y2707)し、本処理を終了する。
一方、Y2702の処理において、時短リミット到達フラグ203khがオンではないと判別された場合(Y2702:No)には、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態として時短状態(普通図柄の高確率状態)を示す情報を遊技状態格納エリア203gに格納し、(Y2704)、図410および図411に示す大当たり種別選択12テーブル202kbに基づき、実行中の大当たり種別に対応する時短回数を時短カウンタ203hのカウンタ値に設定し(Y2705)、設定内容に対応する時短設定情報コマンドを設定し(Y2706)、Y2707の処理を行う。
このように、本第12制御例のパチンコ機10では、大当たり遊技終了後に連続して時短状態(普通図柄の高確率状態)を設定可能な上限値を定め、遊技者に有利な状態が連続して設定される回数を制限することで、過剰に賞球を得ることにより遊技者の射幸心を煽ることを抑制することができる。
なお、本第12制御例のパチンコ機10では、大当たり遊技終了後に特別図柄の高確率状態(確変状態)が設定されない構成としたが、これに限るものではなく、大当たり遊技終了後に確変状態が設定される構成としても良い。
なお、図示しないが、本第12制御例のパチンコ機10における第3図柄表示装置81において実行される演出の内容について説明する。従来のパチンコ機では、特定の結果を示すための特別図柄(例えば、大当たり図柄)が停止表示されたことを契機に、対応する遊技状態が設定されるものが一般的である。例えば、特別図柄が大当たり当選した場合に、大当たり当選したことを示す特別図柄の変動表示中の演出によって、遊技者は大当たり当選ではないかと予測し、特別図柄が停止表示され、大当たり当選であることを示す表示態様が表示されることで遊技者は大当たり当選したことを認識することができる。この場合、特別図柄の停止表示後に異なる遊技状態が設定されることを遊技者が事前に予測することができるため、円滑に遊技状態の変化に対応することができる。
一方、本第12制御例のパチンコ機10では、上述したように、第1特別図柄が時短当選し、その第1特別図柄の変動が開始された場合に、時短当選変動状態が設定される。図406に示す通り、本第12制御例のパチンコ機10では、第1特別図柄抽選の始動契機となる第1入球口64は、遊技球が盤面の左側領域を流下した場合と、右側領域を流下した場合の何れであっても入球可能な位置に配置されているが、第2特別図柄の始動契機となる第2入球口1641は、遊技球が盤面の右側領域を流下した場合のみ入球可能な位置に配置されている。
これにより、例えば、遊技球の盤面の左側領域を流下させて第1入球口64へ入球させる遊技(所謂、左打ち遊技)を行っている遊技者が時短当選した場合に、時短当選変動状態が設定されているにも関わらず左打ち遊技を継続して行うと、第2特別図柄抽選を実行しないまま時短当選変動状態が終了してしまうという不具合が生起し得る。
従って、本第12制御例のパチンコ機10では、第1特別図柄が時短当選した場合に、その第1特別図柄が停止表示される前に時短当選し、時短当選変動状態中であることを報知する演出を実行する。
具体的には、第1特別図柄が時短当選した場合に、その第1特別図柄の変動表示が開始されると、所定時間経過した時点(例えば、10秒経過後)で疑似図柄が停止し、時短当選変動状態が設定されたことを示す表示態様が表示され(例えば、「時短当選変動ゾーン突入」)、遊技者に第2入球口1641を狙って遊技球を発射させるために「右打ち」と表示される。
このように表示されることで、遊技者は時短当選変動状態が設定されたことを認識し、遊技状態に適した遊技方法で遊技を行うことができる。なお、併せて、時短当選変動状態中に第2特別図柄で大当たり(または小当たり)当選または時短当選することで時短B状態が設定されることを遊技者に報知する表示を行うと良い。
また、通常状態において保留されている第1特別図柄の入賞情報(特図1保留)の中に時短当選する入賞情報が存在することを、その入賞情報を先読みした結果判別した場合には、時短当選する第1特別図柄の変動の直前に実行された第1特別図柄の停止表示画面で、次の第1特別図柄の変動において時短当選変動状態が設定されることを報知する構成を加えても良い。つまり、特図1保留が存在する場合には、時短当選変動状態が設定される直前の第1特別図柄の変動において次の変動が時短当選変動状態であることを報知し、特図1保留が存在しない場合には、時短当選変動状態が設定される第1特別図柄の変動の開始から所定時間経過後に時短当選変動状態が設定されていることを報知する構成とする。
このように、特図1保留が存在しない場合には、時短当選変動が開始されてから時短当選変動状態であることが報知されるまでの変動時間のロスがあるが、特図1保留が存在する場合には、事前に時短当選変動状態が設定されることが報知されるので、時短当選変動が開始されてから時短当選変動状態であることが報知されるまでの変動時間のロスが無くなる。よって、遊技者は、時短当選変動状態における変動時間のロスを無くすために、常に保留を貯めた状態を維持させようと思わせることで、意欲的に遊技を行わせることができる。
なお、時短当選変動状態における第1特別図柄の変動時間を遊技者に分かり易く報知する構成としても良い。
以上、説明したように、本第12制御例は、第1特別図柄の抽選と、第2特別図柄の抽選とを同時に(並行して)実行可能に構成し、両方の特別図柄が大当たりに当選した場合には、先に特別図柄変動が停止(特別図柄の確定表示)された側の特別図柄の抽選結果に基づく大当たり遊技を実行し、先に特別図柄変動が停止(特別図柄の確定表示)した時点で大当たり種別によっては、他方の特別図柄変動を抽選結果が外れであることを示す表示態様で強制的に停止表示するように構成している遊技機において、第1特別図柄抽選及び第2特別図柄抽選の何れにおいても時短当選判定を実行可能に構成している。
そして、上述した第5制御例と同様に各特別図柄変動開始前に時短抽選(時短当選判定)を実行し、時短当選した場合には、特別図柄変動停止タイミングにて時短状態を設定する。この場合、第1特別図柄または第2特別図柄の一方のみが時短当選した場合には、第1特典となる時短状態が設定される。なお、第1特別図柄抽選で時短当選した場合は、第1特典となる時短状態(時短A状態)が設定され、第2特別図柄抽選で時短当選した場合は、第1特典とは異なる第2特典となる時短状態(時短C)が設定される構成としても良い。
さらに、時短当選している第1特別図柄変動中に実行された第2特別図柄抽選において、時短当選した場合には、第1特典及び第2特典よりも有利な第3特典が付与される時短状態(時短B状態)を設定可能に構成している。このように構成することで、第1特別図柄の抽選と、第2特別図柄の抽選とを同時に(並行して)実行可能に構成したパチンコ機10において、各特別図柄抽選で時短当選するタイミングに応じて異なる特典が付与される時短状態を設定することが可能となる。
付与される特典については、例えば、第1特典又は第2特典よりも時短終了条件が成立し難い第3特典としても良いし、第1特典又は第2特典よりも特別図柄抽選が実行され易い第3特典としても良い。
さらに、第3特典の時短状態が設定されるタイミングは、並行して実行されている各特別図柄変動のうち、先に特別図柄変動が停止表示されたタイミングでも良いし、後に特別図柄変動が停止表示されたタイミングでも良い。また、停止表示タイミングの前後に関わらず、先に実行された特別図柄変動が停止表示されたタイミングでも良いし、後に実行された特別図柄変動が停止表示されたタイミングでも良い。また、特定の特別図柄種別が停止表示されたタイミングでも良い。
このように構成することで、複数の特別図柄種別の抽選を同時に(並行して)実行可能なパチンコ機10において各特別図柄の抽選で大当たりに当選してしまい、遊技者に対して同時に過剰な特典(大当たり遊技)が付与されてしまう事態の発生を抑制することができる。
さらに、一方の特別図柄抽選で遊技者に不利となる大当たりに当選したとしても、その当選結果が停止表示(確定表示)されるまでに、他方の特別図柄抽選で遊技者に有利となる大当たりに当選させることが可能となる。この場合、特別図柄の抽選結果が停止表示されるまでの変動時間を用いて、遊技者に不利当たりに当選したことを示唆する変動演出を実行すると良い。これにより、遊技者に対して不利当たりに当選したのではと思わせることができるため、その変動時間中に他方の特別図柄抽選を意欲的に実行させることができる。
加えて、遊技者に不利となる大当たりに当選した場合よりも、遊技者に有利となる大当たりに当選したほうが、短い変動時間が設定され易くなるように構成しても良い。これにより、不利当たりに当選した一方の特別図柄の変動中に他方の特別図柄抽選で有利当たりに当選させ、その当選結果を不利当たりの当選結果よりも先に停止表示(確定表示)させることができる。
なお、本第12制御例では、時短当選した特別図柄を長変動させ、時短当選変動状態を設定する構成としたが、これに限るものではなく、例えば、大当たり当選した特別図柄を長変動させて、大当たり当選変動状態を設定し、大当たり当選変動状態中は他方の特別図柄が短変動となる構成とすることで、小当たり遊技による賞球の獲得を可能としても良い。
<第13制御例>
次に、図439から図463を参照して、第13制御例におけるパチンコ機10について説明をする。本第13制御例におけるパチンコ機10は、上述した第5制御例におけるパチンコ機10に対して、主制御装置110のMPU201が有するROM202、及びRAM203の一部構成を変更した点と、音声ランプ制御装置113のMPU221が有するROM222、及びRAM223の一部構成を変更した点とで相違している。また、主制御装置110のMPUが実行する制御内容と、音声ランプ制御装置113のMPU221が実行する制御内容の一部を変更した点で相違している。それ以外の内容は同一であり、同一の内容については、同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
上述した第5制御例では、遊技状態として通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)、時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)、確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の高確率状態)、第2確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の低確率状態)を設定可能に構成し、特別図柄抽選で大当たり当選したことに基づいて実行される大当たり遊技の終了後に、各図柄(特別図柄、普通図柄)の確率状態を低確率状態から高確率状態へと移行させることを可能に構成していた。また、上述した大当たり遊技の終了後、及び、他の終了条件(例えば、特別図柄抽選の実行回数が所定回数に到達した場合に成立する終了条件)が成立した場合に、各図柄(特別図柄、普通図柄)の確率状態を高確率状態から低確率状態へと移行させることを可能に構成していた。
さらに、上述した第5制御例では、普通図柄の確率状態を低確率状態から高確率状態へと移行させるための契機として、特別図柄抽選の大当たり当選以外の契機を設け、特別図柄抽選の抽選結果が大当たり当選とは異なる抽選結果(外れ)の一部において、普通図柄の高確率状態を設定させるための契機が成立するように構成していた。
つまり、特別図柄抽選で大当たり当選しなかった遊技者に対しても、普通図柄の高確率状態が設定される特典を付与可能に構成している。このように構成することで、1回の特別図柄抽選において、大当たり遊技が実行される抽選結果と、時短状態(普通図柄の高確率状態)が設定される抽選結果とを遊技者に別々に提供することができるため、遊技者に対して有利となる抽選結果種別の多様化を図りやすくすることができるものであった。
しかしながら、上述した第5制御例におけるパチンコ機10においても、実行される特別図柄抽選の抽選結果に基づいて特典が付与される性質上、特別図柄抽選が複数回実行されたにも関わらず、何れの特典も付与されないという事態が長時間継続し得るものであり、実行される特別図柄抽選の結果によっては、遊技者の遊技意欲を低下させてしまうという問題があった。
これに対して、本第13制御例におけるパチンコ機10は、特別図柄抽選が実行された回数(特別図柄抽選回数)が所定条件を満たした場合に、遊技者に有利となる特典を付与可能に構成している。このように構成することで、特別図柄抽選を実行させる遊技を長時間実行した遊技者に対して、特別図柄抽選の結果に関わらず特典を付与することができるため、遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができる。
ここで、特別図柄抽選が実行された回数(特別図柄抽選回数)が所定条件を満たした場合に付与される特典(天井特典)とは、抽選結果が大当たり当選以外(外れ)となる特別図柄抽選が連続して所定回数(例えば、500回)実行された場合に付与される特典であって、特別図柄抽選を比較的実行させ易くする遊技状態(第3時短状態)が設定されるように構成している。
つまり、通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)における特別図柄抽選において、500回連続で大当たり当選しなかった場合(ハマリ回数が500回に到達した場合)に、天井特典が付与され、遊技者に有利となる遊技状態(第3時短状態)が設定されるように構成している。このように構成することで、特別図柄抽選において大当たり当選しない遊技が長時間継続している遊技者に対して、遊技を継続させ易くすることができ、遊技の稼働を向上させ易くすることができる。
また、前回の大当たり遊技が終了してから実行された特別図柄抽選回数が多いパチンコ機10(所謂、ハマリ台)であっても、天井特典が付与されることを目的としている新たな遊技者により遊技が実行されるため、遊技の稼働を向上させ易くすることができる。特に、大当たり当選確率が異なる複数段階の設定値を設定可能に構成されているパチンコ機10において、大当たり当選確率が比較的低い設定値(低設定)のパチンコ機10であっても、天井特典が付与されることを目的としている遊技者が継続して遊技を実行し得るため、低設定のパチンコ機10を設置することによりパチンコ機10の稼働が著しく低下してしまうことを抑制することができる。
また、本第13制御例では、通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)が設定されている場合と、時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)が設定されている場合の一部、具体的には、時短抽選に当選したことに基づいて設定される時短状態が設定されている場合(第1時短状態)と、で略同一内容の遊技が実行されるように構成しており、現在設定されている遊技状態が通常状態であるのか第1時短状態であるのかを遊技者に把握させ難くするように構成している。
そして、天井特典が付与される(第3時短状態が設定される)条件が成立した時点における遊技状態(ハマリ回数が500回に到達した時点における遊技状態)に応じて、天井特典として付与される特典の内容を異ならせている。具体的には、通常状態が設定されている状態で天井特典が付与されるよりも、第1時短状態が設定されている状態で天井特典が付与される場合のほうが、遊技者に有利な特典(終了し難い第3時短状態)が付与されるように構成している。このように構成することで、遊技者に対して設定されている遊技状態を予測する楽しみを提供することができる。
さらに、本第13制御例におけるパチンコ機10は、特別図柄抽選が実行される場合において高確率(1/2)で時短当選するように構成されており、時短当選した場合の殆どで、短期間(特別図柄変動1回分)の第1時短状態が設定されるように構成している。このように構成することで、天井特典が付与されるまでの間に、遊技状態として、通常状態と、第1時短状態とが頻繁に切り替わることになる。よって、天井特典が付与される条件が成立した時点における遊技状態を遊技者に予測させ難くすることができる。
また、本第13制御例におけるパチンコ機10では、特別図柄抽選が実行された場合において、天井特典が付与されるまでの特別図柄抽選の回数が更新される遊技状態(有効遊技状態)と、更新されない遊技状態(無効遊技状態)と、を設定可能に構成している。
具体的には、本第13制御例におけるパチンコ機10は、第2確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の低確率状態)を設定可能に構成しており、第2確変状態が設定されている場合には、通常状態、及び、第1時短状態と同様の遊技(左打ち遊技)が実行されるように構成している。つまり、遊技者に対して、設定されている遊技状態が通常状態であるか、第1時短状態であるか、第2確変状態であるかを判別させ難くするように構成している。
そして、第2確変状態が設定されている状態が無効遊技状態となり、第2確変状態中に特別図柄抽選が実行された場合には、天井特典が付与されるまでの特別図柄抽選の回数が更新されないように構成している。
このように構成することで、左打ち遊技を実行している遊技者(通常状態、第1時短状態、第2確変状態の何れかの遊技を実行している遊技者)に対して、現在が有効遊技状態であるか無効遊技状態であるかを判別させ難くすることができるため、天井特典が付与されるまでに必要となる特別図柄抽選の回数を遊技者に予測させ難くすることができる。また、第2確変状態が設定される期間の長さに応じて、天井特典が付与される条件を満たす特別図柄抽選回数(前回の大当たり遊技が終了してから実行される特別図柄抽選回数)を異ならせることができるため、天井特典が付与される特別図柄抽選回数として同一の回数(例えば、500回)のみを規定した場合であっても、多様なタイミングで天井特典を付与させることができ、天井特典が付与されることを目指す遊技者に対して、天井特典が付与されるまでの特別図柄抽選回数を予測させる楽しみを提供することができる。
また、上述した第5制御例では、普通図柄の確率状態を低確率状態から高確率状態へと移行させることにより、特別図柄抽選が比較的実行され易い遊技(右打ち遊技)を実行可能に構成していたが、本第13制御例では、上述した第5制御例にて用いた構成に加え、普通図柄の確率状態を低確率状態から高確率状態へと移行させること無く、特別図柄抽選が比較的実行され易い遊技(右打ち遊技)を実行されることが可能に構成している。
具体的には、天井特典として付与される第3時短状態では、普通図柄の低確率状態を設定したまま、普通図柄の変動時間のみを可変させることにより、特別図柄抽選が比較的実行され易い遊技(右打ち遊技)を実行可能に構成している。つまり、本第13制御例では、通常状態よりも特別図柄抽選が実行され易い遊技状態として、普通図柄の高確率状態が設定されている遊技状態(第2時短状態)と、普通図柄の低確率状態が設定されている遊技状態(第3時短状態)と、を設定可能に構成している。
このように構成することで、普通図柄の確率状態を低確率状態から高確率状態へと移行するための契機(例えば、大当たり当選)が成立していない状況においても、特別図柄抽選の実行のされ易さを異ならせる(特別図柄抽選が比較的実行され難い状態から、特別図柄抽選が比較的実行され易い状態へと移行させる)ことが可能となるため、遊技者に対して多様なタイミングで特別図柄抽選の実行のされ易さを異ならせた遊技を提供することができる。
なお、上述した第5制御例では、通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)が設定されている場合よりも、特別図柄抽選が実行され易い遊技状態として、普通図柄の高確率状態が設定されている遊技状態(時短状態、確変状態)のみを設定可能に構成していたため、普通図柄の高確率状態が設定されている遊技状態を、特別図柄抽選が実行され易い遊技状態(時短状態、右打ち遊技状態)と称していたが、本第13制御例では、上述した通り、普通図柄の高確率状態が設定されている遊技状態の一部(第1時短状態)において、特別図柄抽選の実行のされ易さが通常状態と同一となるように構成し、且つ、普通図柄の低確率状態が設定されている遊技状態の一部(第2時短状態)において、通常状態よりも特別図柄抽選を実行させ易くなるように構成している。
よって、実際に設定されている各図柄の確率状態を説明するのでは無く、単に特別図柄抽選の実行のし易さを説明する際には、普通図柄の確率状態に関わらず、特別図柄抽選の実行のし易さが通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)と同一(同程度)となる遊技状態(第1時短状態、第2確変状態)を通常状態、或いは、左打ち遊技状態と称し、通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)よりも特別図柄抽選が実行され易い遊技状態(第2時短状態、第3時短状態)を時短状態、或いは、右打ち遊技状態と称して説明をする。
また、本第13制御例では、左打ち遊技状態(通常状態、第1時短状態、第2確変状態)中に実行される特別図柄抽選の結果に基づいて、天井特典と同様の特典を付与可能に構成している。具体的には、左打ち遊技状態中に実行される特別図柄抽選で大当たり当選した場合の一部において、他の大当たり当選よりも大当たり遊技が実行される期間(ラウンド遊技数)が短く、且つ、大当たり遊技終了後に、天井特典として付与可能な第3時短状態と同一の時短終了条件(時短回数)が設定される第2時短状態を設定可能に構成している。更に、左打ち遊技状態中に実行される特別図柄抽選で時短当選した場合の一部において、第2時短状態を設定可能に構成し、時短当選に基づいて第2時短状態が設定された場合に、天井特典として付与可能な第3時短状態と同一の時短終了条件(時短回数)を設定可能に構成している。
このように構成することで、左打ち遊技を実行している遊技者に対して、天井特典の付与条件が成立するよりも前に、天井特典と同等の特典を付与することが可能となるため、天井特典の付与条件を把握させ難くすることができる。また、特別図柄抽選で大当たり当選、或いは、時短当選したことに基づいて第2時短状態が設定される事象を、天井特典の付与条件が成立し第3時短状態が設定されたと遊技者に思わせることができるため、天井特典の付与条件として、少ない特別図柄抽選回数が設定される場合があると思い込んでいる遊技者に対して、前回の大当たり遊技が終了してから実行された特別図柄抽選の回数が、天井特典の付与条件が成立する特別図柄抽選の回数と乖離している状態であっても、天井特典が付与されることを目指して意欲的に遊技を行わせることができ、遊技の稼働を向上させることができる。
また、詳細な説明は後述するが、本第13制御例では、左打ち遊技中において、天井特典の付与条件が成立するまでの残期間(残特別図柄抽選回数)を遊技者に示唆するための示唆演出(天井到達示唆演出)を実行可能に構成している。このように構成することで、天井到達示唆演出の演出結果に基づいて天井特典の付与条件が成立し易い(間もなく成立する)状況であるか否かを遊技者に予測させることが可能となるため、天井特典が付与されることを期待しながら長時間の遊技を行わせ易くすることができる。
なお、この天井到達示唆演出の演出態様を決定する際には、天井特典の付与条件が成立するまでの情報に加え、上述した天井特典として付与され得る第3時短状態と同様の第2時短状態が設定される条件の成立の有無に関する情報も加味して演出態様が決定されるように構成している。このように構成することで、天井特典として付与され得る第3時短状態と同様の第2時短状態が設定される条件を満たした場合には、天井到達示唆演出として、天井特典の付与条件が成立する可能性が高い状況である場合と同一の演出態様が決定されることになる。よって、特別図柄抽選で大当たり当選、或いは、時短当選したことに基づいて天井特典と同様の第2時短状態が設定される事象を、天井特典の付与条件が成立し第3時短状態が設定されたと遊技者に思わせ易くすることができる。
<第13制御例の演出内容について>
まず、図439から図441を参照して、本第13制御例におけるパチンコ機10にて実行される各種演出のうち、特徴的な演出の内容について説明をする。本第13制御例におけるパチンコ機10は、上述した第5制御例におけるパチンコ機10に対して、特別図柄抽選の実行回数に基づいて遊技者に有利な遊技状態(右打ち遊技状態)を設定可能に構成している。
具体的には、特別図柄抽選の実行回数が所定回数(500回)に到達したと判別された場合に、その特別図柄抽選(500回目の特別図柄抽選)の抽選結果を示すための特別図柄変動が停止表示された後に、救済措置として天井特典を付与可能に構成している。本第13制御例では、天井特典として、左打ち遊技状態よりも特別図柄抽選(第2特別図柄抽選)を実行させ易くすることが可能な右打ち遊技状態(第3時短状態)が設定される特典を付与するように構成している。
そして、左打ち遊技状態(例えば、通常状態や第1時短状態)中において、特別図柄抽選が実行された場合に、天井特典が付与されるまでの期間(特別図柄抽選回数)を遊技者に予測させるための演出として、天井到達示唆演出を実行可能に構成している。このように構成することで、天井到達示唆演出の演出態様を把握することにより、天井特典が付与されるまでの期間(特別図柄抽選回数)を遊技者に予測させる楽しみを提供することができる。
また、実際に天井特典が付与されるよりも前に、間もなく天井特典が付与されることを(付与される可能性が高いことを)、遊技者に把握させることができるため、何の前触れも無く天井特典が付与されてしまい、遊技者が天井特典の恩恵を受け難くなる事態が発生してしまうことを抑制することができる。
本第13制御例では、天井到達示唆演出の演出態様として、天井特典が付与される期待度が高い「示唆強」の演出態様と、その「示唆強」の演出態様よりも、天井特典が付与される期待度が低い「示唆弱」の演出態様と、を少なくとも設定可能に構成しており、後述する天井到達示唆演出選択テーブル222la(図448参照)を用いて、演出態様が選択されるように構成している。具体的な説明は、図448を参照して後述するが、本第13制御例では、天井到達示唆演出の演出態様を選択する際に、前回の大当たり遊技終了後に実行された特別図柄抽選回数、即ち、抽選結果が大当たり以外(外れ)となる特別図柄抽選が連続して実行された回数(ハマリ回数)と、天井到達示唆演出が実行される変動演出の対象となる特別図柄抽選の結果と、に基づいて演出態様を選択するように構成している。
このように、ハマリ回数に基づいて演出態様を選択するように構成することで、天井特典が付与されるまでの実際の期間(残ハマリ回数)に基づいて天井到達示唆演出の演出態様を選択することができるため、遊技者に対して信頼度の高い演出を実行することができる。また、本第13制御例では、特別図柄抽選の結果に基づいて(大当たり抽選、時短抽選の結果に基づいて)天井特典と同様の特典を付与可能に構成しており、天井到達示唆演出の対象となる特別図柄抽選の結果が天井特典と同様の特典を付与する可能性がある場合にも、天井特典が付与される期待度が高い「示唆強」の演出態様が選択され易くなるように構成している。
このように構成することで、特別図柄抽選の結果に基づいて(大当たり抽選、時短抽選の結果に基づいて)天井特典と同様の特典が付与される場合においても遊技者に対して、天井特典が付与されたと思わせ易くすることができる。よって、予め定められている天井特典の付与条件(特別図柄抽選回数)が成立するタイミングよりも多くのタイミングにて天井特典が付与されることを期待させながら遊技者に遊技を行わせることができるため、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができる。
天井到達示唆演出では、図439に示した通り、天井到達後の演出モード(天井中モード)にて表示されるキャラクタが表示画面に表示される演出が実行されるように構成しており、図439(a)は、天井到達示唆演出の演出態様として、天井特典が付与されるまでの期間が短い場合よりも、長い場合のほうが選択され易い演出態様である「示唆弱」が設定された場合に表示される表示画面の一例を示した図であり、図439(b)は、天井到達示唆演出の演出態様として、天井特典が付与されるまでの期間が長い場合よりも、短い場合のほうが選択され易い演出態様である「示唆強」が設定された場合に表示される表示画面の一例を示した図である。
「示唆弱」の演出態様が設定された天井到達示唆演出が実行されると、図439(a)に示した通り、天使を模したキャラクタ809が第3図柄表示装置81の表示画面上を横切る演出が実行される。そして、副表示領域Dsには、天井到達示唆演出が実行されたことを遊技者に案内するための案内態様として「天使発見!天井?・・・」のコメントが表示される。
ここで、上述した通り、図439(a)に示した演出態様「示唆弱」は、天井到達示唆演出として設定される演出態様としては天井到達の期待度が低い演出態様であるが、本第13制御例では、天井到達示唆演出が実行される頻度が、天井特典が付与されるまで(天井到達するまで)の期間が短くなるほど高くなるように構成している。よって、図439(a)に示した演出態様「示唆弱」であっても、天井到達示唆演出が実行されただけで天井特典が付与されるまでの期間が短いことを遊技者に期待させながら遊技を行わせることができる。
図439(a)に示した表示画面は、前回の大当たり遊技終了後から250回目の特別図柄抽選の抽選結果を示すための特別図柄変動中の表示画面であって、前回の大当たり遊技が終了してから実行された特別図柄抽選の回数を示すためのハマリ回数報知態様として小表示領域Dm7に「250回」が表示されている。つまり、本第13制御例では、左打ち遊技状態が継続している期間における特別図柄抽選回数の累積値(ハマリ回数)を遊技者に把握させ易くするために、ハマリ回数を示す表示態様を表示可能に構成している。
このように構成することで、実行される天井到達示唆演出の演出態様と、小表示領域Dm7に表示されているハマリ回数と、に基づいて天井特典が付与されるまでの期間(天井到達までの期間)を遊技者に予測させ易くすることができる。
また、図439(a)に示した通り、左打ち遊技状態において、主として実行される第1特別図柄抽選の保留記憶(特図1保留)に対応させた保留アイコンhr1〜hr4が小表示領域Dm9に表示されるように構成しており、図439(a)に示した例では、特図1保留を3個獲得している状態(小表示領域Dm1a参照)であるため、小表示領域Dm9には3個の保留アイコンhr1〜hr3が表示されている。
一方、天井到達示唆演出の演出態様として「示唆強」が設定された場合には、図439(b)に示した通り、「示唆演出弱」よりも遊技者に対して天井到達示唆演出が実行される期待度が高いことを示すための演出が実行される。
図439(b)は、前回の大当たり遊技が終了してから実行された特別図柄抽選の回数が499回目となる特別図柄抽選の結果を示すための特別図柄変動中の表示画面であって、前回の大当たり遊技が終了してから実行された特別図柄抽選の回数を示すためのハマリ回数報知態様として小表示領域Dm7に「499回」が表示されている。そして、今回実行されている天井到達示唆演出が「示唆強」であることを示すための表示態様として、「示唆弱」のキャラクタ809(図439(a)参照)よりも、豪華なキャラクタ809zが表示される。このように、天井到達示唆演出の演出態様として、天井特典が付与され易い(されるまでの期間が短い)場合に設定され易い演出態様「示唆強」のほうが、他の演出態様「示唆弱」よりも、見た目上で豪華なキャラクタを表示するように構成することで、天井到達示唆演出が実行された場合に表示されるキャラクタの態様によって、天井特典が付与され易い(されるまでの期間が短い)状況であるか否かを視覚的に判別させ易くすることができる。
加えて、副表示領域Dsには、今回実行された天井到達示唆演出が「示唆強」であることを遊技者に案内するための案内態様として「大天使だ!天井までもうすぐ」のコメントが表示される。このように構成することにより、天井特典が付与され易い(されるまでの期間が短い)状況であるか否かを遊技者に判別させ易くすることができる。
また、図439(b)に示した表示画面では、特図1保留を2個獲得している状態(小表示領域Dm1a参照)であるため、小表示領域Dm9には2個の保留アイコンhr1,hr2が表示されている。
なお、天井特典が付与されるタイミングが近付いていることを、表示画面の主表示領域Dmにて実行される天井到達示唆演出にて実行するのでは無く、小表示領域Dm9に表示される保留アイコンの表示態様を可変させることで示唆可能に構成しても良く、例えば、獲得済みの特図1保留のうち、左打ち遊技状態中に消化される特図1保留の範囲を特定する特定手段を設け、その特定手段によって特定された範囲と、それ以外の範囲とで、保留アイコンの表示態様を異ならせたり、表示される保留アイコンの大きさを異ならせたり、表示される領域を異ならせたりするように構成しても良い。
また、保留アイコンを用いて実行される先読み演出として、大当たり当選する期待度が高い表示態様が、天井特典が付与されるよりも前に実行される第1特別図柄抽選に対応する特図1保留の保留アイコンに設定される場合と、天井特典が付与された後に実行される第1特別図柄抽選に対応する特図1保留の保留アイコンに設定される場合と、で異なる表示態様を設定可能に構成しても良い。
さらに、天井特典が付与される前に大当たり当選する場合と、天井特典が付与された後に大当たり当選する場合とで、大当たり当選に基づいて付与される特典の内容を異ならせるように構成されたパチンコ機10であれば、大当たり当選に基づいて付与される特典の内容を示唆可能な表示態様で保留アイコンを表示するように構成すると良い。このように構成することで、保留アイコンを用いた先読み演出によって、大当たり当選期待度と、天井特典付与の期待度と、を組合せた情報を遊技者に提供することができる。
加えて、先読み演出として、天井特典が付与されるタイミングを示唆するための第1示唆態様と、大当たり当選を示唆するための第2示唆態様と、時短抽選による時短当選を示唆するための第3示唆態様と、をそれぞれ保留アイコンの表示態様として設定可能に構成して場合において、1の保留アイコンの表示態様として、上述した2つ以上の示唆態様を組み合わせた組合せ表示態様を表示可能に構成すると良い。また、この場合、異なる組合せに対応する組合せ表示態様として同一(遊技者が識別困難な程度の相違も含む概念)の表示態様を設定可能に構成すると良い。
このように構成することで、先読み演出として表示された保留アイコンの表示態様に基づいて、後の遊技状況を遊技者に予測させる楽しみを提供することができる。また、他の表示画面に表示されている各種情報(例えば、スタート回数等)を含めて複合的に遊技状況を判別することにより、先読み演出として表示された保留アイコンの表示態様が示す後の遊技状況を予測する精度を高めることができる。
次に、天井特典が付与される場合に実行される演出の演出内容について説明をする。図440(a)は、実行中の特別図柄変動が停止表示した後に天井特典(右打ち遊技状態)が設定される特別図柄変動(天井到達変動)中に表示される表示画面の一例を示した図であって、図440(b)は、天井特典として付与された右打ち遊技状態中(天井中モード)に表示される表示画面の一例を示した図である。
ここで、本第13制御例では、左打ち遊技状態(通常状態、第1時短状態)中に大当たり当選すること無く、特別図柄抽選が所定回数(例えば、500回)実行された場合に、天井特典(右打ち遊技状態)を設定可能に構成している。また、天井特典が設定される場合において設定されている遊技状態(通常状態、又は第1時短状態)に応じて、天井特典の内容(遊技者への有利度合い)を異ならせるように構成している。
そして、天井特典が付与されることを報知するための天井到達変動演出の演出態様によって、今回付与される天井特典の内容の少なくとも一部を遊技者に報知するように構成している。このように構成することで、天井特典が付与される時点で遊技者に対して天井特典が付与されることを報知するだけで無く、その内容も報知することができるため、分かり易い遊技を提供することができる。
具体的には、図440(a)に示した通り、天井到達変動演出が実行されると、第3図柄表示装置81の主表示領域Dmの背景画像として天井中モードに対応する天国背景が表示され、小表示領域Dm7には天井に到達した(する)ことを示すための表示態様として「天井!?」の文字が表示される。そして、天井到達示唆演出にて表示されたキャラクタ809が、天井特典が付与されることを祝福する演出態様で天井到達変動演出が実行される。また、今回の天井特典の内容を報知するための情報「100」を含む表示態様で宝箱810の中身810aが表示される。
さらに、主表示領域Dmの右下側には、天井特典として右打ち遊技状態(第3時短状態)が設定された後の遊技方法を遊技者に案内するための案内態様として「右打ちしてね」のコメントが表示される。また、副表示領域Dsには、天井特典が付与されることを示唆するための報知態様として、「天井到達!!時短100GET!!」のコメントが表示される。
図440(a)に示した通り、天井特典の付与条件が成立した特別図柄変動の変動期間中に実行される天井到達変動演出では、小表示領域Dm7に前回の大当たり遊技終了後からの特別図柄抽選回数を示す情報(図439(a)の小表示領域Dm7に表示される情報)が表示されないように構成している。このように構成することで、天井到達変動演出が実行された特別図柄抽選回数を遊技者が容易に判別し難くすることができる。よって、天井特典が付与される条件が成立し得る特別図柄抽選回数を把握するためには、天井到達変動演出が実行されるよりも前の特別図柄抽選回数を常に把握する必要があり、遊技者に対して、左打ち遊技状態中においても第3図柄表示装置81に表示される表示態様に常に興味を持たせ易くすることができる。
また、上述した天井到達変動演出は、前回の大当たり遊技終了後から実行された特別図柄抽選の抽選回数が天井特典の付与条件が成立する回数(500回)となった場合だけで無く、天井特典と同様の特典(右打ち遊技状態)が付与される大当たりに当選した場合や、天井特典と同様の特典(右打ち遊技状態)が付与される特定の時短に当選した場合にも実行されるように構成している。
このように構成することで、遊技者に対して、今回付与される特典が天井特典であるか否かを判別させ難くすることができる。なお、複数の特典付与過程にて図440(a)に示した天井到達変動演出を実行することで、遊技者に対して、実際に付与される特典の種別を判別させ難くする場合には、特典の種別に応じて実行される天井到達変動演出の演出態様の少なくとも一部を変更するように構成すると良い。このように構成することで実行される天井到達変動演出の演出態様の若干の違いを識別可能な遊技者に対してのみ今回付与される特典の種別を判別させることが可能となる。
また、実行される天井到達変動演出の演出態様を変えること無く、天井到達変動演出が実行される演出期間、即ち、天井到達変動演出が実行される特別図柄変動の変動時間を異ならせるように構成しても良く、例えば、天井特典が付与されることとなる特別図柄変動の変動時間(外れ当選した特別図柄変動の変動時間)を基本時間(例えば、10秒)とした場合において、大当たり当選に基づいて天井到達変動演出が実行される場合の特別図柄変動の変動時間(特定の大当たり当選に対応する特別図柄変動の変動時間)が11秒、時短当選に基づいて天井到達変動演出が実行される場合の特別図柄の変動時間(特定の時短当選に対応する特別図柄変動の変動時間)が12秒となるように構成しても良い。このように構成することで、同一の演出態様で天井到達変動演出を実行させながら、天井到達変動演出の演出期間を付与される特典の種別に応じて異ならせることができる。よって、天井到達変動演出を実行するための演出データの増加を抑制しながらも、付与される特典の種別に応じて異なる態様の天井到達変動演出を実行させることが可能となるため、実行される天井到達変動演出の若干の違い(演出期間の違い)を識別可能な遊技者に対してのみ今回付与される特典の種別を判別させることが可能となる。
なお、詳細な説明は省略するが、本第13制御例では、図440(a)に示した天井到達変動演出を、天井特典が付与されない場合においても実行可能に構成している。この場合に実行される天井到達変動演出(ガセ天井到達演出)では、図440(a)に示した表示画面と同様に、天井中モードの背景画像(天国画像)が表示され、キャラクタ809が登場し、宝箱810を開放しようとする演出が実行される。そして、宝箱810の中から天井特典が付与されないことを示す表示態様(「残念」の文字が付された中身810a)が表示された後、背景画像が通常の背景画像へと切り替わる演出が実行される。
このガセ天井到達演出の実行期間のうち、天井特典が付与される場合に実行される天井特典演出と同一の演出態様を用いて演出が実行されている間は、副表示領域Dsにて天井特典が付与される可能性が高いことを示す態様として「天井到達!?」のコメントが表示され、ガセ天井到達演出の演出結果を示す演出が実行されると、副表示領域Dsにて天井特典が付与されないことを示す態様として「残念!!」のコメントが表示される。
このように、実際に天井特典が付与されることの無い状況にてガセ天井到達演出を実行可能に構成することで、天井到達演出の演出結果として天井特典が付与されないことを示す演出結果を一時的に表示した後に、天井特典が付与されない演出が実行される演出態様(復活演出)が実行される場合において、実行中の天井到達演出が、実際に天井特典が付与されることの無いことを示すガセ天井到達演出であると思わせ易くすることができる。
上述した通り、本第13制御例では、天井到達演出(ガセ天井到達演出を含む)が実行された場合であっても、天井特典が付与されることを報知するものでは無く、天井特典が付与される可能性があることを遊技者に示すだけである。よって、図440(a)に示した第3図柄表示装置81の表示画面の小表示領域Dm7には「天井!?」の表示態様、即ち、天井特典が付与される可能性があることを示す表示態様が表示される。換言すれば、図440(a)に示した第3図柄表示装置81の表示画面の小表示領域Dm7に表示される「天井!?」の文字のうち「!?」の文字は、天井特典が付与されることを確定報知するものでは無いことを示す表示態様となる。なお、本制御例、及び、他の制御例においても、表示画面に表示される文字として「!?」が表示される場合には、その文字が付随する対象が確定している状態では無いことを示すものとして用いている。
また、本第13制御例では、図439(a)、及び図439(b)に示した通り、左打ち遊技状態中は、前回の大当たり遊技が終了してから実行された特別図柄変動回数(スタート回数)を表示するように構成し、天井特典が付与されるまで(天井特典の付与条件が成立するまで)に必要となる特別図柄変動回数(残変動回数)を表示しないように構成しているが、これに限ること無く、例えば、天井特典が付与されるまでの残変動回数を報知可能に構成しても良い。このように構成することで、天井特典が付与されるまでに必要とされる特別図柄変動回数を把握した上で、遊技を継続するか否かを遊技者に選択させることができる。
また、天井特典が付与されるまでに必要とされる特別図柄変動回数(残変動回数)に対応した情報(例えば、残り回数)を遊技者に報知可能に構成した場合には、実際の残変動回数とは異なる値に対応した演出用情報(例えば、残り回数よりも多い回数)を表示画面に表示するように構成し、実際に天井特典が付与される時点で表示画面に表示されている演出用情報が、天井特典が付与されるまでに必要とされる残変動回数が0であることを示す演出用情報となるように構成しても良い。
この場合、例えば、天井特典が付与されるまでの残変動回数が200回である場合において、表示画面に表示される演出用情報として「残り300回」の表示態様を表示する。つまり、実際の残変動回数よりも大きい残り回数を演出用情報として表示する。そして、実行される特別図柄変動の変動時間が長い場合や、大当たり当選の期待度が高い演出態様で変動演出が実行された場合や、遊技者が操作手段を操作可能な操作演出が実行され、その操作演出中に遊技者が操作手段を操作した場合といった更新条件が成立したことに基づいて、表示画面に表示されている演出用情報が示す値が、実際の残変動回数に近付くように更新(減算)されるように構成すると良い。
このように構成することで、演出用情報として表示されている残り回数を、特別図柄抽選の実行回数よりも大きく減算させることが可能となるため、遊技者に対して、実行される演出の演出結果によって、天井特典が付与され易くなった(天井特典が付与されるまでの残変動回数が短縮された)と思わせることが可能となり、演出効果を高めることができる。
また、演出用情報として表示されている残り回数を、特別図柄抽選の実行回数よりも大きく減算させることが可能に構成することで、天井特典が付与されるよりも前に、特別図柄抽選の結果が、天井特典と同等の特典(第2時短状態)を付与可能な抽選結果(大当たりC13当選、或いは、第2時短状態が設定される時短当選)となる場合に、その特別図柄抽選の結果を示すための特別図柄が停止表示されるまでに、演出用情報として表示されている残り回数を、天井特典が付与されるまでに必要とされる残変動回数が0であることを示す演出用情報へと大幅に更新(減算)する演出を遊技者に違和感を与えること無く実行させ易くすることができる。
このように構成することで、天井特典と同等の特典(第2時短状態)が付与される場合に実行される演出の内容と、天井特典が付与される場合に実行される演出の内容とが乖離してしまうことを抑制することがでるため、遊技者に対して、何れの特典が付与されたのかを分かり難くすることができる。よって、様々なタイミング(ハマり回数)で天井特典が付与されると思わせながら遊技者に意欲的に遊技を行わせることができる。
次に、天井特典(第3時短状態が設定される右打ち遊技状態)が付与されている期間を示すための天井中モードでは、図440(b)に示した通り、主表示領域Dmにてウサギを模したキャラクタ801が、天国を飛び回る演出が実行され、現在が天井中モードであることを示すための「天井中」の文字が表示される。そして、遊技者に対して遊技方法を案内するための案内表示態様として、小表示領域Dm4には「右打ち」の文字が表示され、天井特典が終了するまでの残期間を報知するための残期間表示態様として、小表示領域Dm7に「ラスト90回」の文字が表示されている。
図440(b)に示した表示画面は、天井到達変動演出にて天井特典の内容として、時短回数100回が付与されることを示す「100」が表示された(図440(a)参照)後、特別図柄抽選が10回実行された時点の表示画面であるため、天井特典が付与された時点にて遊技者に報知された天井特典の内容を示す「100」の値が、特別図柄抽選が実行される毎に減算されていき「90」が表示されている。
このように、天井特典が終了するまでの期間(天井中モードが継続する期間)を遊技者に報知することで、天井特典が急に終了してしまうことを抑制することができる。また、本第13制御例では、左打ち遊技状態が設定されている場合よりも、右打ち遊技状態が設定されている場合の方が、大当たり当選した場合に遊技者に付与される特典(大当たり遊技内容や大当たり遊技終了後に設定される遊技状態)として、遊技者に有利となる有利特典が付与され易くなるように構成している。よって、副表示領域Dsには「今大当たりするといいことあるよ!」のコメントが表示される。
詳細な説明は後述するが、本第13制御例では、通常状態や第1時短状態が設定されている左打ち遊技状態と、第3時短状態が設定されている右打ち遊技状態と、では、特別図柄抽選で大当たり当選する確率が同一(5/1000)となるように構成しており、通常状態や第1時短状態が設定されている左打ち遊技状態にて、大当たり当選しない特別図柄抽選を連続で500回実行した場合に天井特典の付与条件が成立し、天井特典として第3時短状態(右打ち遊技状態)が設定されるように構成している。そして、左打ち遊技状態よりも右打ち遊技状態の方が、大当たり当選時に遊技者に有利となる特典を付与し易くなるように構成している。
つまり、上述した右打ち遊技状態中において、天井特典が付与されるまでの残期間(残特別図柄抽選回数)が少なくなった場合には、左打ち遊技状態中に実行される特別図柄抽選にて大当たり当選することを期待するのでは無く、特別図柄抽選で大当たり当選しないことを期待しながら遊技を行わせ、右打ち遊技状態が設定された後に特別図柄抽選で大当たり当選することを期待させるという斬新な遊技性を提供することができる。ここで、従来型のパチンコ機10では、設定されている遊技状態に応じて大当たり当選に基づいて付与される特典に対して有利度合いを異ならせるものはあるが、何れの遊技状態が設定されている場合であっても、特別図柄抽選で大当たり当選する場合の方が、大当たり当選しない場合よりも特典が付与される点で遊技者に有利となるように構成しているため、何れの遊技状態が設定されている場合であっても、遊技者に対して特別図柄抽選で大当たり当選を目指すという単調な遊技性を有するものであった。
これに対して、本第13制御例におけるパチンコ機10は、特別図柄抽選の抽選結果では無く、抽選回数に基づいて特典を付与可能に構成している。具体的には、通常状態、或いは第1時短状態が設定されている左打ち遊技状態中に、特別図柄抽選の抽選結果が大当たり当選すること無く500回実行された場合に右打ち遊技状態(第3時短状態)が設定されるように構成している。そして、通常状態、或いは、第1時短状態が設定されている場合よりも、第3時短状態が設定されている状態で大当たり当選した場合のほうが、ラウンド遊技数が多い大当たり遊技が実行され易くなるように構成している。
このように構成することで、遊技者に対して、通常状態、或いは第1時短状態が設定されている左打ち遊技状態中に実行された特別図柄抽選の回数が500回に近付いた場合に、実行される特別図柄抽選にて大当たり当選しないことを期待するという斬新な遊技性を提供することができる。つまり、遊技者が特別図柄抽選を実行する遊技期間の一部を、大当たり当選を期待しない特殊期間として設定することが可能となるように構成している。
よって、遊技者に対して、特別図柄抽選で大当たり当選することを期待する遊技期間と、特別図柄抽選で大当たり当選しない(外れ当選する)ことを期待する遊技期間(特殊期間)と、を提供することができるため、常に大当たり当選を目指す従来型のパチンコ機10よりも遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができる。
次に、図441を参照して、天井中モードの残期間が上乗せされる場合の演出(上乗せ演出)について説明をする。図441は、天井中モードの残期間を示すための情報(残回数)表示が加算(上乗せ)される上乗せ演出中に表示される表示画面の一例を示した図である。
本第13制御例では、天井特典が付与される場合に実行される天井到達変動演出(図440(a)参照)において、今回付与される特典の内容(時短回数)を遊技者に報知可能に構成しているが、天井到達変動演出にて報知される特典の内容(時短回数)は、内部的に設定される時短回数を上限に、専用の選択テーブル(天井到達時演出選択テーブル222lb)を参照して決定するように構成している。
そして、天井到達変動演出にて報知される特典の内容(時短回数)と、内部的に設定されている時短回数とに差が生じた場合には、天井中モード中に、天井中モードの残期間(図440(b)の小表示領域Dm7に表示される残回数)を増加(上乗せ)する上乗せ演出を実行するように構成している。このように構成することで、天井中モードが設定された遊技者に対して、天井中モードが継続する最低限の期間を把握させた状態で安心して遊技を行わせることができると共に、天井中モードが継続する期間が延長されることを期待しながら遊技を行わせることができる。
さらに、本第13制御例では、天井特典が付与される時点において設定されている遊技状態に応じて天井特典として付与される特典の内容を異ならせるように構成しており、具体的には、特別図柄変動の開始時における天井特典の付与判定処理が実行されるタイミングにおいて設定されている遊技状態が通常状態である場合には、天井特典として時短回数が100回の右打ち遊技状態(第3時短状態)が設定され、特別図柄変動の開始時における天井特典の付与判定処理が実行されるタイミングにおいて設定されている遊技状態が第1時短状態である場合には、天井特典として時短回数が300回の右打ち遊技状態(第3時短状態)が設定されるように構成している。
つまり、通常状態にて天井特典が付与されるよりも、第1時短状態にて天井特典が付与される場合の方が、遊技者に有利な天井特典が付与されるように構成している。そして、天井到達変動演出にて報知される天井特典の内容(時短回数)として、時短回数が300回の天井特典が付与された場合において、遊技者に不利となる天井特典の内容(時短回数100回)を報知可能に構成している。
このように構成することで、天井到達変動演出が実行された時点において、今回付与された天井特典が遊技者に有利な天井特典(時短回数300回)であるか、遊技者に不利な天井特典(時短回数100回)であるかを遊技者に把握させ難くすることができる。なお、本第13制御例におけるパチンコ機10では、天井到達変動演出にて報知される天井特典の内容が、実際に設定される天井特典の内容の範囲内となるように構成し、遊技者に対して報知された内容に従って安心して遊技を行わせることを可能にしているが、これに限ること無く、天井到達変動演出にて報知される天井特典の内容(時短回数)を、天井中モードが設定されている期間において減算する減算演出を実行するように構成しても良い。
例えば、遊技者に不利な天井特典(時短回数100回)が設定された場合において、天井到達変動演出にて遊技者に有利な天井特典(時短回数300回)が付与されたことを示すための情報を報知し(小表示領域Dm7に「300回」と表示し)、天井中モードにて、小表示領域Dm7に表示されている情報(残時短回数)を、特別図柄抽選の実行回数よりも多く減算させるように構成しても良い。このように構成することで、何れの天井特典が付与される場合であっても、天井到達変動演出にて遊技者に有利な天井特典(時短回数300回)が設定された可能性があることを遊技者に把握させることができるため、実際に有利な天井特典が付与されていることに期待しながら遊技者に遊技を行わせることができる。
なお、上述した通り、本第13制御例におけるパチンコ機10は、通常状態が設定されている場合と、第1時短状態が設定されている場合とで、同一内容の遊技(左打ち遊技)が実行されるように構成しており、左打ち遊技が実行される左打ち遊技状態中は、同一内容の変動演出が実行されるように構成している。つまり、左打ち遊技状態中において設定されている遊技状態を遊技者が識別することが困難となるように構成している。よって、左打ち遊技状態中に天井特典の付与条件が成立した場合には、天井特典として付与される特典の内容(時短回数)が何れであるのかを遊技者に把握させ難くすることができるため、天井到達変動演出にて報知される天井特典の内容に興味を持たせることができる。
また、本第13制御例におけるパチンコ機10では、通常状態、及び、第1時短状態が設定されている場合において実行される特別図柄抽選において大当たり当選しなかった場合に、時短当選の判定(時短抽選)を実行するように構成しており、その時短当選の判定(時短抽選)の結果が当たりである場合には、時短当選した特別図柄抽選の結果を示すための特別図柄変動が停止表示された後に、大当たり遊技を介すること無く時短状態(第1時短状態、第2時短状態)を設定可能に構成している。
そして、時短抽選の結果に基づいて第1時短状態が設定された場合には、第1時短状態を終了させるための時短終了条件として、特別図柄変動が1回実行された場合に成立する時短終了条件が設定されるように構成している。
つまり、本第13制御例におけるパチンコ機10は、左打ち遊技状態中において、遊技状態が通常状態と第1時短状態とに頻繁に切り替わるように構成している。このように構成することで、天井特典の付与条件(特別図柄抽選500回)が成立する時点において設定されている遊技状態を異ならせ易くすることができるため、天井特典として付与される特典の内容(時短回数)を遊技者により分かり難くすることができる。
図441に示した表示画面は、天井特典として遊技者に有利な天井特典(時短回数300回)が設定された状態で、天井到達変動演出にて遊技者に不利な天井特典(時短回数100回)に対応する特典の内容を示す表示態様が表示され(図440(a)参照)、天井中モードにて100回の特別図柄抽選が実行された(小表示領域Dm7に表示される残時短回数が1回(ラスト))時点における表示画面であって、小表示領域Dm7には、天井中モードの最終期間であることを示すための「ラスト」が表示されている。そして、天井中モードの残期間を上乗せさせるための上乗せ演出として、キャラクタ809が天井中モードの残期間を延長させるため上乗せ態様809aが表示される演出が実行される。
図441では、上乗せ態様809aとして、天井中モードの残期間が特別図柄抽選200回分延長されることを示すための「+200」が表示されている。そして、上乗せ態様809aが小表示領域Dm7に向かって移動し、小表示領域Dm7に表示される残期間が「ラスト200回」へと可変される上乗せ演出が実行される。そして、副表示領域Dsには、天井中モードが延長することを案内する案内態様と、延長内容を示すための案内態様として「天井延長!!プラス200回!!」の文字が表示される。
なお、図441に示した例では、天井中モードの最終期間(小表示領域Dm7に「ラスト」が表示される特別図柄変動期間)において上乗せ演出が実行された場合における表示画面を示しているが、上乗せ演出を天井中モードの最終期間以外に実行しても良く、例えば、天井中モードの残期間として所定期間(例えば、残り時短回数90回)を示す情報が小表示領域Dm7に表示されている状態(図440(b)参照)にて上乗せ演出を実行するように構成しても良い。このように構成することで、どのタイミングで上乗せ演出が実行されるかを遊技者に予測させ難くすることができるため、天井中モード中に実行される演出に対して継続して興味を持たせることができる。
また、図441に示した通り、本第13制御例におけるパチンコ機10では、上乗せ演出として専用の演出が実行されるように構成しているが、上乗せ演出の一部演出態様が他の演出の演出態様と同一となるように構成しても良く、例えば、特別図柄抽選の結果を示すための変動演出において対象となる特別図柄抽選の結果が外れである場合に、特別図柄抽選の結果が外れであることを示すと共に、天井中モードの残期間が延長されることを示すための情報を含む表示態様を表示させるように構成しても良い。このように構成することで、天井中モード中に実行される各種演出(変動演出等)にて天井中モードの残期間が延長されることを示す演出結果が表示される可能性を残すことができるため、天井中モード中に実行される各種演出に対して遊技者に興味を持たせることができる。
さらに、本第13制御例におけるパチンコ機10では、天井中モード期間中に天井中モードの残期間を延長させるための上乗せ演出を実行するように構成しているが、天井中モードの終了を示す表示態様が表示された後に、天井中モードが再度設定される復活演出を実行可能に構成しても良い。この場合、例えば、図441に示した天井中モードの最終変動演出にて上乗せ演出を実行せずに、一旦、天井中モードの終了を示す終了画面を表示し、左打ち遊技状態が設定されることを示唆する演出(例えば、「左打ちに戻してください」との案内報知が設定された場合に実行される演出の一部演出)を実行した後に、天井中モードが終了していないことを示す演出(「天井中モード突入!!右打ち遊技を継続してください」との案内報知を含む演出)を実行し、天井中モードの残期間を示すための表示態様として小表示領域Dm7に「残り200回」を表示するように構成すると良い。
このように構成することで、天井中モードが単に継続したのでは無く、1の天井中モードが終了した後に、新たな天井中モードが設定されたと遊技者に思わせることができるため、遊技者に対して天井中モードが設定される条件(第3時短状態の付与条件)を分かり難くすることができる。よって、左打ち遊技状態の遊技を実行している遊技者に対して、第3時短状態(右打ち遊技状態)が設定されることを期待させながら継続して遊技を行わせることができる。
<第13制御例における遊技状態の遷移について>
次に、図442を参照して、本第13制御例における遊技状態の遷移内容について説明をする。図442は、本第13制御例のパチンコ機10における遊技状態の遷移内容を示した図である。図442に示した通り、本第13制御例におけるパチンコ機10は、第1特別図柄抽選の実行契機となる第1入球口64(図234参照)へと遊技球を入球させることを目指して遊技盤13に形成される遊技領域のうち、左側領域(可変表示ユニット80よりも左側)に向けて遊技球を発射させる左打ち遊技が遊技者に有利な遊技方法となる左打ち遊技状態と、第2特別図柄抽選の実行契機となる第2入球口640(図234参照)へと遊技球を入球させることを目指して遊技盤13に形成される遊技領域のうち、右側領域(可変表示ユニット80よりも右側)に向けて遊技球を発射させる右打ち遊技が遊技者に有利な遊技方法となる右打ち遊技状態と、を設定可能に構成している。
より具体的には、遊技状態として通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)、第1時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)、第2確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の低確率状態)が設定されている場合は左打ち遊技状態となり、第2時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)、第3時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)が設定されている場合は右打ち遊技状態となるように構成している。
ここで、第1時短状態と、第2時短状態とは、共に、特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態が設定される遊技状態であるが、普通図柄変動の変動時間(普図変動時間)として異なる長さの普図変動時間が設定されるように構成しており、第1時短状態が設定された場合には、普通図柄の低確率状態が設定されている場合よりも高確率で普通図柄抽選にて当たり当選するが、当たり当選に基づいて実行される普図当たり遊技中に遊技球が第2入球口640へと入球し難くなるように普図変動時間が規定されている。よって、第1時短状態が設定されている状態では、普通図柄の高確率状態が設定されているにも関わらず、右打ち遊技よりも左打ち遊技の方が遊技者に有利な遊技方法となる。
また、第3時短状態とは、特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態が設定される遊技状態であるが、普通図柄変動の変動時間として専用の変動時間を設定可能に構成することで、左打ち遊技によって発射された遊技球が第1入球口64へと入球する割合よりも、右打ち遊技によって発射された遊技球が第2入球口640へと入球する割合の方が高くなる遊技状態である。よって、第3時短状態が設定されている状態では、普通図柄の低確率状態が設定されているにも関わらず、左打ち遊技よりも右打ち遊技の方が遊技者に有利な遊技方法となる。
まず、通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)中における遊技内容について説明をする。通常状態は、左打ち遊技によって第1入球口64へと遊技球を入球させることで第1特別図柄抽選を主として実行させる遊技(特図1遊技)が行われる遊技状態である。通常状態中に第1特別図柄抽選が実行されると、1/200の確率で大当たり当選し、大当たり当選しなかった場合において1/2の確率で時短当選する特別図柄抽選が実行される。
通常状態にて実行される第1特別図柄抽選において大当たり当選した場合には、4種類の大当たり種別(大当たりA13、大当たりB13、大当たりC13、大当たりD13)のうち、何れかの大当たり種別が設定されるように構成しており、大当たり種別の選択割合として、大当たりA13が20%、大当たりB13が30%、大当たりC13が30%、大当たりD13が20%の選択割合となるように規定されている。
大当たり種別として、大当たりA13が設定された場合には、ラウンド遊技数が10ラウンド(R)の大当たり遊技が実行され、大当たり遊技終了後に通常状態が設定される。大当たりB13が設定された場合には、ラウンド数が10ラウンド(R)の大当たり遊技が実行され、大当たり遊技終了後に第2時短状態が設定される。大当たりC13が設定された場合には、ラウンド数が2ラウンド(R)の大当たり遊技が実行され、大当たり遊技終了後に第2時短状態が設定される。大当たりD13が設定された場合には、ラウンド数が10ラウンド(R)の大当たり遊技が実行され、大当たり遊技終了後に第2確変状態が設定される。
一方、通常状態にて実行される第1特別図柄抽選において大当たり当選すること無く、時短当選した場合には、その第1特別図柄抽選の結果を示すための特別図柄変動が停止表示された後に時短状態が設定される。本第13制御例では、特別図柄抽選において時短当選した場合には、2種類の時短種別のうち何れかの時短種別が設定されるように構成しており、第1時短状態が設定される時短種別の選択割合が99%、第2時短状態が設定される時短種別の選択割合が1%となるように構成している。なお、図442に示した図では、遊技状態の主な遷移の流れを示しているため、時短当選した場合には第1時短状態へと移行する流れのみを示しているが、実際には、時短当選時の1%にて第2時短状態へと移行する。
次に、時短当選した場合において設定される第1時短状態について説明をする。第1時短状態は、上述した通り、特別図柄抽選の低確率状態、普通図柄の高確率状態が設定される遊技状態ではあるが普通図柄の変動時間として、後述する第2時短状態よりも短い変動時間(0.1秒)が設定される変動時間短縮(変短)状態が設定されることにより、右打ち遊技を実行したとしても第2入球口640へと遊技球を入球させることが困難となるように構成している。よって、通常状態と同様に左打ち遊技が右打ち遊技よりも遊技者に有利な遊技状態となる。
なお、本第13制御例では、普通図柄の高確率状態が設定される遊技状態であることから、遊技状態を示す用語としては第1時短状態と称すが、実際には、通常状態と同一の遊技が実行される遊技状態であることから、遊技内容を示すための用語として、通常状態を第1通常モード、第1時短状態を第2通常モードと称す場合もある。
この第1時短状態は、特別図柄抽選で時短当選した場合にのみ設定される遊技状態であって、時短当選にて第1時短状態が設定された場合には、第1時短状態を終了させるための時短終了条件として「時短回数1回」が設定される。なお、第1時短状態中に特別図柄抽選が実行された場合にも、通常状態と同一の時短抽選(時短当選の判定)が実行されるように構成しており、第1時短状態中に時短当選した場合にも、上述した通常状態と同一の選択割合、同一の内容で時短種別が選択されるように構成している。
つまり、第1時短状態中に実行される1回目の特別図柄抽選の抽選結果が大当たり、時短の何れにも当選しなかった場合には、その抽選結果を示すための特別図柄変動が停止表示された後に時短終了条件が成立し、通常状態が設定される。一方、第1時短状態中に実行される1回目の特別図柄抽選の抽選結果が時短当選である場合には、特別図柄変動が停止表示されたタイミングで新たな第1時短状態が設定されるため、第1時短状態が繰り替えし設定されることになる。よって、第1時短状態が設定されると、特別図柄抽選にて時短当選する限り、第1時短状態における特別図柄抽選が継続し、特別図柄抽選にて時短当選しなかった場合に、通常状態における特別図柄抽選が実行されるように構成している。
このように構成することで、左打ち遊技状態中において、通常状態と、第1時短状態と、を頻繁に切り替えることが可能となる。また、左打ち遊技が実行される通常状態(第1通常モード)と、第1時短状態(第2通常モード)では、第3図柄表示装置81を用いて実行される変動演出も同一の演出態様が設定されるように構成している。よって、通常状態と第1時短状態の何れが設定されているかを遊技者に把握させ難くすることができる。
さらに、本第13制御例では、通常状態、或いは第1時短状態にて抽選結果が外れとなる特別図柄抽選が連続して実行された回数(ハマリ回数)が500回に到達した場合に、天井特典として第3時短状態が設定されるように構成している。詳細は後述するが、第3時短状態が設定された場合には、上述した第2時短状態と同様に、第2入球口640へと遊技球を入球させる右打ち遊技を行った方が、第1入球口64へと遊技球を入球させる左打ち遊技を行うよりも遊技者に有利となる右打ち遊技状態となるように構成している。
加えて、左打ち遊技状態中に実行された特別図柄抽選の回数(ハマリ回数)が、天井特典が付与される回数に到達した時点で設定されている遊技状態に応じて、天井特典の内容を異ならせるように構成しており、通常状態が設定されている場合よりも、第1時短状態が設定されている場合の方が遊技者に有利となる天井特典が付与されるように構成している。
つまり、本第13制御例のパチンコ機10では、左打ち遊技状態中に通常状態と第1時短状態とが頻繁に切り替わり、且つ、通常状態と第1時短状態の何れが設定されているかを遊技者に把握させ難く構成しているため、天井特典として第3時短状態が設定される場合において、何れの遊技状態(通常状態、第1時短状態)から第3時短状態へと移行したのかを遊技者に把握させ難くすることができる。
図442に戻り、説明を続ける。第1時短状態中に第1特別図柄抽選にて大当たり当選した場合には、上述した通常状態中に第1特別図柄抽選で大当たり当選した場合と同一の4種類の大当たり種別(大当たりA13、大当たりB13、大当たりC13、大当たりD13)のうち、何れかの大当たり種別が設定されるように構成している。そして、通常状態にて大当たり当選した場合とは異なる選択割合で各大当たり種別が選択されるように構成しており、大当たり種別の選択割合として、大当たりA13が50%、大当たりB13が20%、大当たりC13が10%、大当たりD13が20%の選択割合となるように規定している。
本第13制御例におけるパチンコ機10では、大当たり当選した場合に設定されている遊技状態と、設定された大当たり種別に応じて、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態を異ならせるように構成しており、第1時短状態中に大当たり当選し、大当たり種別として、大当たりA13が設定された場合には、大当たり遊技終了後に通常状態が設定され、大当たりB13、及び大当たりC13が設定された場合には、大当たり遊技終了後に第1時短状態が設定され、大当たりD13が設定された場合には、大当たり遊技終了後に第2確変状態が設定されるように構成している。
つまり、第1時短状態で大当たり当選した場合は、50%の割合で大当たり遊技終了後に通常状態が設定され、30%の割合で大当たり遊技終了後に第1時短状態が設定され、20%の割合で大当たり遊技終了後に第2確変状態が設定されることになる。よって、通常状態で大当たり当選した場合よりも、第1時短状態で大当たり当選した場合の方が、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態の面で遊技者に不利な特典が付与されることになる。
以上、説明をした通り、本第13制御例におけるパチンコ機10では、通常状態、或いは、第1時短状態が設定されている状態で実行される特別図柄抽選のハマリ回数(外れ当選した特別図柄抽選が連続して実行される回数)が特定回数(500回)に到達した場合に、天井特典として、左打ち遊技状態(通常状態、第1時短状態)よりも遊技者に有利となる右打ち遊技状態(第3時短状態)を設定可能に構成しており、天井特典が付与される場合に設定されている遊技状態が通常状態である場合よりも、第1時短状態である場合の方が、遊技者に有利となる天井特典(時短終了条件が成立し難い第3時短状態)を設定可能に構成している。一方で、左打ち遊技状態中に実行される特別図柄抽選で大当たり当選した場合に付与される特典(大当たり特典)としては、第1時短状態が設定されている場合よりも、通常状態が設定されている場合の方が、遊技者に有利となる大当たり特典(大当たり遊技終了後に右打ち遊技状態が設定され易い特典)が付与され易くなるように構成している。
よって、左打ち遊技状態中において設定される遊技状態として、通常状態の方が第1時短状態よりも遊技者に有利となる期間(天井特典が付与されるハマリ回数に到達するまでの期間)と、第1時短状態の方が通常状態よりも遊技者に有利となる期間(天井特典が付与されるハマリ回数に到達した期間)と、が創出されるため、単に何れか一方の遊技状態が設定されることを期待しながら遊技者に遊技を行わせる場合に比べて、遊技状況に応じて設定されることを期待する遊技状態の種別を異ならせることができる分、遊技の興趣を向上させることができる。
次に、通常状態にて実行された特別図柄抽選で大当たり当選し、大当たり種別として大当たりB13,C13の何れかが設定された場合には、その大当たり遊技の終了後に第2時短状態が設定される。この第2時短状態は、上述した第5制御例のパチンコ機10において設定される時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)と同様に、普通図柄抽選の当たり確率が、普通図柄の低確率状態(通常状態、第2確変状態等)よりも高く設定され、継続して右打ち遊技を実行した場合において、普図当たり遊技中に第2入球口640へと遊技球を容易に入球させることが可能となるように普図変動時間が設定される。
この第2時短状態は、特別図柄抽選で大当たり当選し、特定の大当たり種別(大当たりB13,C13)が設定された場合、或いは、図442では図示を省略したが時短抽選にて時短当選した場合の一部(1%)において設定される遊技状態である。なお、本第13制御例では、第2時短状態が設定されている場合に時短抽選が実行されないように構成している。よって、遊技者に有利となる第2時短状態中に実行される時短抽選にて時短当選し、第2時短状態よりも遊技者に不利となる第1時短状態が設定されてしまうことを抑制することができる。
本第13制御例では、第2時短状態の設定契機に応じて、第2時短状態を終了させるための時短終了条件の内容を異ならせて設定可能に構成しており、特別図柄抽選で大当たり当選した場合に大当たりB13が設定された場合には、時短終了条件として時短100回が、大当たりC13が設定された場合には、時短終了条件として時短300回が設定されるように構成している。また、特別図柄抽選で時短当選したことに基づいて第2時短状態が設定される場合には、時短終了条件として時短300回が設定されるように構成している。
このように第2時短状態の設定契機に応じて、第2時短状態を終了させるための時短終了条件の内容を異ならせることで、第2時短状態が設定された場合に、いつまで第2時短状態が継続するのかを遊技者に分かり難くすることができる。
通常状態、或いは、第1時短状態が設定されている状態で実行される特別図柄抽選のハマリ回数(外れ当選した特別図柄抽選が連続して実行される回数)が特定回数(500回)に到達すると、第3時短状態が設定される。第3時短状態は天井特典として設定される遊技状態であって、特別図柄抽選の結果に基づいて設定されることの無い特殊遊技状態である。
第3時短状態は、特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態が設定される遊技状態であるが、右打ち遊技をした場合における第2入球口640への遊技球の入球割合が上述した第2時短状態と同一になるように構成している。具体的には、本第13制御例のパチンコ機10は、普通図柄の低確率状態時における当たり当選確率が、普通図柄の高確率状態時における当たり当選確率に比べて若干低確率となる程度にしか差を設けておらず、且つ、第3時短状態が設定されている状態と、第2時短状態が設定されている状態とで、普通図柄変動の変動時間や、普図当たり遊技中に実行される電動役物の開放動作パターンとが同一に設定されている。よって、第2時短状態が設定されている場合と、第3時短状態が設定されている場合とでは、遊技者に対して同一の遊技(右打ち遊技)が実行されることになる。このように構成することで、右打ち遊技を実行している遊技者に、現在設定されている遊技状態が第2時短状態であるのか第3時短状態であるのかを把握させ難くすることができる。
上述した通り、本第13制御例では、通常状態、或いは、第1時短状態において実行された特別図柄抽選において連続して大当たり当選しなかった回数(ハマリ回数)が規定回数(500回)に到達したことを契機に第3時短状態(右打ち遊技状態)が設定される特典(天井特典)を付与可能に構成している。
さらに、通常状態、或いは、第1時短状態において実行された特別図柄抽選において大当たり当選した場合の一部(大当たりC13が設定される大当たり当選)にて、他の大当たり当選に比べて少ないラウンド数の大当たり遊技(2ラウンド大当たり)を実行し、その大当たり遊技終了後に第3時短状態と同様の遊技(右打ち遊技)を遊技者に行わせる第2時短状態(右打ち遊技状態)が設定されるように構成している。加えて、通常状態、或いは、第1時短状態にて実行された特別図柄抽選において時短当選した場合の一部(第2時短状態が設定される時短当選)にて、時短当選したことを示すための特別図柄変動が停止表示された後に第3時短状態と同様の遊技(右打ち遊技)を遊技者に行わせる第2時短状態(右打ち遊技状態)が設定されるように構成している。
つまり、左打ち遊技状態中における特別図柄抽選の実行回数(ハマリ回数)が天井特典の付与条件を満たした場合、或いは、左打ち遊技状態にて実行される特別図柄抽選の結果(大当たり当選の有無、時短当選の有無)が特定の抽選結果である場合に遊技者に有利となる右打ち遊技状態を設定可能に構成している。そして、右打ち遊技状態が設定されることを示すための演出として、上述した何れの契機が成立した場合であっても同一内容の演出を実行することで遊技者に対して右打ち遊技状態が設定される契機を把握させ難くすることができるように構成している。
このように構成することで、右打ち遊技状態を設定するための成立契機に応じて有利度合いの異なる右打ち遊技状態を設定可能に構成したパチンコ機10において、設定される右打ち遊技状態が遊技者に有利な遊技状態であるかを事前に判別させ難くすることができる。
<第13制御例における電気的構成について>
次に、図443から図449を参照して、本第13制御例における電気的構成について説明をする。本第13御例では、上述した第5制御例のパチンコ機10に対して、主制御装置110のMPU201が有するROM202の構成の一部、RAM203の構成の一部、音声ランプ制御装置113のMPU221が有するROM222の構成の一部、RAM223の構成の一部を変更している点で相違し、それ以外は同一である。同一の内容については同一の符号を付してその詳細な内容について説明を省略する。
まず、図443から図446を参照して、主制御装置110のMPU201が有するROM202の構成について説明をする。図443(a)は、本第13制御例におけるROM202の構成を示したブロック図である。図443(a)に示した通り、本第13制御例におけるROM202の構成は、上述した第5制御例におけるROM202の構成(図244(a)参照)に対して、第1当たり乱数5テーブル202daに代えて第1当たり乱数13テーブル202laを、第2当たり乱数テーブル202cに代えて第2当たり乱数13テーブル202lcを、大当たり種別選択5テーブル202ddに代えて大当たり種別選択13テーブル202ldを、時短当たり乱数5テーブル202deに代えて時短当たり乱数13テーブル202leを、時短種別選択5テーブル202dfに代えて時短種別選択13テーブル202lfを設けている点で相違している。それ以外の要素は同一であり、同一の要素についてはその詳細な説明を省略する。
なお、詳細な説明は省略するが、本第13制御例におけるパチンコ機10では、変動パターン選択5テーブル202dbに規定されている変動パターン(変動時間)の一部を、上述した第5制御例と異ならせており、第5制御例における変動パターン選択5テーブル202dbが有する通常・第2確変用5テーブル202db1に代えて、左打ち遊技状態用13テーブル(図示せず)を設けている。そして、左打ち遊技状態用13テーブルには、特別図柄抽選の結果が大当たり当選である場合、時短当選である場合、大当たりにも時短にも当選していない場合の何れにおいても変動時間が15秒の特殊変動パターンが選択され得るように変動パターンが規定されている。
つまり、特別図柄抽選の結果に関わらず、同一の変動時間(15秒)の変動パターンが選択されるように構成している。このように構成することで、特別図柄が停止表示されるよりも前に設定されている特別図柄変動の変動パターンを特定することにより特別図柄抽選の結果を遊技者に把握されてしまうことを抑制することができる。
本第13制御例では、特別図柄変動の変動パターンとして特殊変動パターン(変動時間15秒)が選択され、選択された変動パターンを示すための情報を含む変動パターンコマンドを音声ランプ制御装置113側が受信した場合に、演出期間が15秒の天井到達示唆演出を実行するように構成している。つまり、天井到達示唆演出は特別図柄変動の変動パターンとして特殊変動パターンが選択された場合に実行される演出となる。
このように主制御装置110から出力された変動パターン種別に対応させた変動演出(天井到達示唆演出)を実行可能とすることで、音声ランプ制御装置113側において受信した変動パターンに対応した変動演出を決定するための処理を軽減させることが可能となる。また、天井到達示唆演出が実行される特別図柄変動の変動時間を15秒に固定することができるため、天井到達示唆演出の演出期間を特別図柄抽選の抽選結果に関わらず15秒に固定することができる。よって、天井到達示唆演出の演出態様に対応する演出データの量を削減し易くすることができる。
次に、図444(a)を参照して、本第13制御例における第1当たり乱数13テーブル202laについて説明する。図444(a)は、本第13制御例における第1当たり乱数13テーブル202laの規定内容を示した図である。
図444(a)に示した通り、第1当たり乱数13テーブル202laは、上述した第1当たり乱数5テーブル202da(図245(a)参照)に対して、大当たり当選と判定される第1当たり乱数カウンタC1の値の範囲を異ならせている点で相違している。また、本第9制御例では、第1当たり乱数カウンタC1の値が取り得る範囲を異ならせている。具体的には、上述した第5制御例では、第1当たり乱数カウンタC1の値が取り得る範囲を「0〜899」の900個に規定しているが、本第13制御例では、「0〜999」の1000個に規定している。このように構成することで、第1当たり乱数カウンタC1の値を参照して決定される各種判定において、より低確率な判定結果を規定することができる。なお、本第13制御例では、第1当たり乱数カウンタC1の値が取り得る範囲を異ならせているだけであり、第1当たり乱数カウンタC1の値を更新するための処理や、更新後の値を格納する構成については同一であるためその詳細な説明を省略する。
具体的には、特別図柄の確率状態が「低確率状態」である場合には、第1当たり乱数カウンタC1の値が「0〜4」の範囲に対して抽選結果「大当たり」が、「5〜999」の範囲に対して抽選結果「外れ」が規定されており、「高確率状態」である場合には、第1当たり乱数カウンタC1の値が「0〜19」の範囲に対して抽選結果「大当たり」が、「20〜999」の範囲に対して抽選結果「外れ」が規定されている。
つまり、特別図柄の確率状態が「低確率状態」である場合には、第1当たり乱数カウンタC1が取り得る値が1000個に対して、大当たりと判定される値が5個であるため、大当たり当選確率が5/1000(1/200)となる。一方、特別図柄の確率状態が「高確率状態」である場合には、第1当たり乱数カウンタC1が取り得る値が1000個に対して、大当たりと判定される値が20個であるため、大当たり当選確率が20/1000(1/50)となる。
次に、図444(b)を参照して、本第13制御例における第2当たり乱数13テーブル202lcについて説明する。図444(b)は、第2当たり乱数13テーブル202lcの規定内容を示した図である。この第2当たり乱数13テーブル202lcは、上述した第2当たり乱数テーブル202cと同様に、普通図柄抽選の抽選結果を決定する際に参照されるデータテーブルであって、第2当たり乱数カウンタC4の取り得る値の範囲(0〜299)に対して、普通図柄の確率状態毎に当たりと判定される値が規定されている。
具体的には、図444(b)に示した通り、普通図柄の確率状態が「低確率状態」である場合には、第2当たり乱数カウンタC4の値が「0〜298」の範囲に対して抽選結果「当たり」が、「299」の値に対して抽選結果「外れ」が規定されており、「高確率状態」である場合には、第2当たり乱数カウンタC4の値が「0〜299」の範囲、即ち、全範囲に対して抽選結果「当たり」が規定されている。
つまり、本第13制御例では、普通図柄の確率状態に関わらず、普通図柄抽選が実行された場合には、その殆どで当たり当選するように構成している。このように構成することで、普通図柄抽選の結果に応じて(普通図柄抽選で当たり当選した場合に実行される普図当たり遊技の実行有無に応じて)、現在設定されている普通図柄の確率状態が「低確率状態」であるか「高確率状態」であるかを判別させ難くすることができる。
なお、本第13制御例では、普通図柄の確率状態に関わらず、普通図柄抽選で当たり当選する確率を高く設定することにより、現在設定されている普通図柄の確率状態が「低確率状態」であるか「高確率状態」であるかを判別させ難くしているが、これに限ること無く、普通図柄の「低確率状態」と、「高確率状態」とで、当たりと判定される第2当たり乱数カウンタC4の値の範囲がほぼ同一となるように規定すれば良い。
また、詳細な説明は省略するが、図444(b)に示した通り、本第13制御例では、普通図柄の「高確率状態」が設定されている場合には、普通図柄抽選で外れ当選すること無く、普通図柄の「低確率状態」が設定されている場合には、普通図柄抽選にて低確率(1/300)で外れ当選するように構成している。よって、普通図柄抽選にて外れ当選したことを把握することにより、普通図柄の「低確率状態」が設定されていることを把握することが可能となる。このように構成することで、普通図柄抽選の抽選結果が外れとなるか否かについて遊技者に興味を持たせることができる。
なお、この場合、普通図柄変動の変動パターンとして、普通図柄抽選の結果が外れである場合に設定される変動パターンとして、普通図柄抽選の結果が当たりである場合に設定される変動パターンよりも、変動時間(普通図柄変動時間)が長い変動パターンが設定され易くなるように構成すると良い。このように構成することで、普通図柄抽選で当たり当選した場合に実行される普図当たり遊技が実行されない期間が長くなるほど、普通図柄の低確率状態が設定されている可能性が高くなるため、普通図柄の確率状態を把握しようとしている遊技者に対して、普図当たり遊技の実行頻度について興味を持たせることができる。
次に、図444(c)を参照して、時短当たり乱数13テーブル202leについて説明をする。この時短当たり乱数13テーブル202leは、特別図柄抽選の結果が大当たり当選以外(外れ)である場合に実行される時短判定(時短抽選)にて参照されるデータテーブルであって、上述した時短当たり乱数5テーブル202de(図245(c)参照)に対して、時短当選と判定される第1当たり乱数カウンタC1の値(範囲)が規定されている条件(特別図柄種別、遊技状態)を異ならせている点で相違している。
具体的には、特別図柄種別は「共通」で、遊技状態として、通常状態、或いは、第1時短状態である場合には、取得した第1当たり乱数カウンタC1の値が「500〜999」の範囲が時短当選の判定値として規定されている。また、遊技状態が通常状態、第1時短状態以外である場合には、時短当選の判定値が規定されていない(図では「−」で表示)。
ここで、本第13制御例では、特別図柄抽選において時短当選の判定(時短抽選)が、特別図柄抽選で大当たり当選しなかった場合、即ち、大当たり抽選で外れ当選した場合に実行されるように構成しており、通常状態、或いは、第1時短状態で特別図柄抽選が実行された場合には、1/2の確率で時短当選するように構成している。つまり、本第13制御例では、特別図柄の確率状態として低確率状態が設定される遊技状態(通常状態、第1時短状態、第2時短状態、第3時短状態)のうち、一部の遊技状態において時短抽選にて時短当選し得るように構成している。また、普通図柄の確率状態として高確率状態が設定される遊技状態(第1時短状態、第2時短状態)のうち、一部の遊技状態において時短抽選にて時短当選し得るように構成している。
このように、各図柄(特別図柄、普通図柄)に対して設定される確率状態に応じて時短抽選にて時短当選し得るか否かを規定するのでは無く、設定されている遊技状態に応じて時短抽選にて時短当選し得るか否かを規定しているため、遊技者に対して、時短当選し得る特別図柄抽選が実行されているか否かを判別させ難くすることができる。
さらに、本第13制御例では、左打ち遊技によって第1入球口64へと遊技球を入球させる遊技が主な遊技となる左打ち遊技状態(通常状態、第1時短状態、第2確変状態)のうち、一部の左打ち遊技状態(通常状態、第1時短状態)において時短抽選にて時短当選し得るように構成している。そして、左打ち遊技状態のうち第2確変状態が設定されている場合には、時短当選し得ないように構成している。そして、左打ち遊技状態が設定されている場合には、遊技者に対して実際に設定されている遊技状態が判別され難くなるように構成している。よって、左打ち遊技状態中の遊技を実行している遊技者に対して、常に時短抽選が実行されていると思わせ易くすることができる。
なお、詳細な説明は後述するが、本第13制御例では、時短抽選にて時短当選し得る遊技状態以外の遊技状態が設定されている場合には、時短抽選(時短当選の判定)が実行されないようにすることで確実に時短当選し得ないように構成しているが、これに限ること無く、何れの遊技状態が実行される場合であっても時短抽選が実行されるように構成し、時短当選し得ない遊技状態に対して、時短抽選の結果として時短当選と判定される判定値を設定しないように構成しても良い。
次に、図445を参照して、本第13制御例における大当たり種別選択13テーブル202ldについて説明する。図445は、大当たり種別選択13テーブル202ldの規定内容を示した図である。図445に示した通り、大当たり種別選択13テーブル202ldには、第1特別図柄、第2特別図柄に対して共通の大当たり種別が規定されている。つまり、第1特別図柄抽選で大当たり当選した場合も、第2特別図柄抽選で大当たり当選した場合も、共通のデータテーブルを参照して大当たり種別が選択される。
本第13制御例では、大当たり当選した場合に設定される大当たり種別として大当たりA13、大当たりB13、大当たりC13、大当たりD13、大当たりE13の5種類の大当たり種別が設けられており、大当たり当選した時点で設定されている遊技状態に応じて、各大当たり種別の選択割合を異ならせている。また、大当たり当選時の遊技状態に応じて、同一の大当たり種別が設定された場合における時短カウンタ203hの値、及び、時短状態の種別を異ならせている。
具体的には、図445に示した通り、大当たり当選時の遊技状態が「通常状態」に対して、第1当たり種別カウンタC2の値が「0〜19」の範囲には、「大当たりA13」が対応付けられて規定されている。この「大当たりA13」は、ラウンド数が10ラウンドであり、大当たり遊技終了後の遊技状態として通常状態が設定される大当たり種別(10ラウンド通常大当たり)である。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個のカウンタ値のうち、「大当たりA13」となるカウンタ値は20個なので、通常状態における特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に「大当たりA13」が決定される割合は20%(20/100)である。
大当たり当選時の遊技状態が「通常状態」に対して、第1当たり種別カウンタC2の値が「20〜49」の範囲には、「大当たりB13」が対応付けられて規定されている。この「大当たりB13」は、ラウンド数が10ラウンドであり、大当たり遊技終了後の遊技状態として第2時短状態(時短100回)が設定される大当たり種別(10ラウンド時短大当たり)である。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個のカウンタ値のうち、「大当たりB13」となるカウンタ値は30個なので、通常状態における特別図柄抽選で大当たりとなった場合に「大当たりB13」が決定される割合は30%(30/100)である。
また、第1当たり種別カウンタC2の値が「50〜79」の範囲には、「大当たりC13」が対応付けられて規定されている。この「大当たりC13」は、ラウンド数が2ラウンドであり、大当たり遊技終了後の遊技状態として第2時短状態(時短300回)が設定される大当たり種別(2ラウンド時短大当たり)である。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個のカウンタ値のうち、「大当たりC13」となるカウンタ値は30個なので、通常状態における特別図柄抽選で大当たりとなった場合に「大当たりC13」が決定される割合は30%(30/100)である。
そして、大当たり当選時の遊技状態が「通常状態」に対して、第1当たり種別カウンタC2の値が「80〜99」の範囲には、「大当たりD13」が対応付けられて規定されている。この「大当たりD13」は、ラウンド数が10ラウンドであり、大当たり遊技終了後の遊技状態として第2確変状態(確変30回)が設定される大当たり種別(10ラウンド確変大当たり)である。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個のカウンタ値のうち、「大当たりD13」となるカウンタ値は20個なので、通常状態における特別図柄抽選で大当たりとなった場合に「大当たりD13」が決定される割合は20%(20/100)である。
つまり、通常状態における特別図柄抽選で大当たり当選した場合には、大当たり遊技終了後に左打ち遊技状態(通常状態、第2確変状態)が設定される割合が40%、右打ち遊技状態(第2時短状態)が設定される割合が60%となる。また、大当たり遊技終了後に左打ち遊技状態が設定される大当たり種別(大当たりA13、大当たりD13)は、何れも同一内容の大当たり遊技(10ラウンド大当たり遊技)が実行されるため、大当たり遊技終了後に左打ち遊技状態が設定された場合に、通常状態、第2確変状態の何れが設定されているのかを分かり難くすることができる。
また、大当たりC13が決定された場合には、他の大当たり種別に対応する大当たり遊技よりも少ないラウンド数(2ラウンド)の大当たり遊技が実行され、遊技者に対して大当たり遊技が実行される(されている)ことを把握させ難くなるように構成している。詳細な説明は省略するが、大当たりC13が設定される大当たりに当選した場合には、他の大当たり種別が設定される大当たりに当選した場合に比べて、大当たり当選したことを遊技者に把握させ難い演出態様で変動演出が実行されるように構成している。具体的には、天井特典が付与される際に実行される天井到達示唆演出が実行されるように構成している。
このように構成することで、特別図柄抽選で大当たり当選した場合の一部、即ち、大当たり種別として大当たりC13が設定される大当たりに当選した場合には、大当たり当選したのでは無く、天井特典が付与される遊技状況であると遊技者に思わせ易くすることができる。よって、大当たりC13が設定される大当たりに当選することで、予め定められている天井特典の付与条件(ハマリ回数500回)を成立させること無く、天井特典と同等の特典(時短300回)を遊技者に付与することができるため、遊技者に対して、天井特典が付与されるタイミングを予測させ難くすることができる。これにより、左打ち遊技状態中において、天井特典が付与される付与条件として、異なるハマリ回数が設定され得ると思わせることが可能となり、天井特典が付与されることを期待させながら継続して遊技を行わせることができる。
また、大当たり遊技終了後に第2確変状態が設定された場合には、第2確変状態が終了し、通常状態へと移行するまでの間(確変カウンタ203iの値が0になるまでの間)、時短抽選が実行されず、且つ、特別図柄抽選が実行されたとしても、天井特典を付与させるためのハマリ回数が加算されないように構成している。つまり、第2確変状態が設定される場合は、大当たり遊技終了後に530回の特別図柄抽選が実行された時点でハマり回数が500回に到達し、天井特典が付与されることになるため、天井特典付与の観点からは、大当たり遊技終了後に通常状態が設定される場合よりも遊技者に不利となる。
また、第2確変状態が設定されている期間は、時短当選の判定(時短抽選)が実行されないため、時短抽選が実行される通常状態が設定されている期間に対して、時短当選した場合の一部(0.1%)にて第2時短状態(時短300回)が設定されることを目指す遊技が実行されない分、第2時短状態設定の観点からは遊技者に不利な遊技状態となる。
一方で、第2確変状態中は特別図柄の高確率状態が設定されるため、第2確変状態中に実行される特別図柄抽選は1/50の確率で大当たり当選することになる。よって、第2確変状態が設定されている期間は、通常状態が設定されている場合よりも特別図柄抽選で大当たり当選を目指す観点では遊技者に有利な遊技状態となる。
次に、図445に示した通り、大当たり当選時の遊技状態が「第1時短状態(第2通常モード)」に対して、第1当たり種別カウンタC2の値が「0〜49」の範囲には、「大当たりA13」が対応付けられて規定されている。この「大当たりA13」は、ラウンド数が10ラウンドであり、大当たり遊技終了後の遊技状態として通常状態が設定される大当たり種別(10ラウンド通常大当たり)である。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個のカウンタ値のうち、「大当たりA13」となるカウンタ値は50個なので、第1時短状態における特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に「大当たりA13」が決定される割合は50%(50/100)である。
大当たり当選時の遊技状態が「第1時短状態(第2通常モード)」に対して、第1当たり種別カウンタC2の値が「50〜69」の範囲には、「大当たりB13」が対応付けられて規定されている。この「大当たりB13」は、ラウンド数が10ラウンドであり、大当たり遊技終了後の遊技状態として第1時短状態(時短100回)が設定される大当たり種別(10ラウンド時短大当たり)である。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個のカウンタ値のうち、「大当たりB13」となるカウンタ値は20個なので、第1時短状態における特別図柄抽選で大当たりとなった場合に「大当たりB13」が決定される割合は20%(20/100)である。
また、第1当たり種別カウンタC2の値が「70〜79」の範囲には、「大当たりC13」が対応付けられて規定されている。この「大当たりC13」は、ラウンド数が2ラウンドであり、大当たり遊技終了後の遊技状態として第1時短状態(時短300回)が設定される大当たり種別(2ラウンド時短大当たり)である。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個のカウンタ値のうち、「大当たりC13」となるカウンタ値は10個なので、第1時短状態(第2通常モード)における特別図柄抽選で大当たりとなった場合に「大当たりC13」が決定される割合は10%(10/100)である。
そして、大当たり当選時の遊技状態が「第1時短状態(第2通常モード)」に対して、第1当たり種別カウンタC2の値が「80〜99」の範囲には、「大当たりD13」が対応付けられて規定されている。この「大当たりD13」は、ラウンド数が10ラウンドであり、大当たり遊技終了後の遊技状態として第2確変状態(確変30回)が設定される大当たり種別(10ラウンド確変大当たり)である。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個のカウンタ値のうち、「大当たりD13」となるカウンタ値は20個なので、第1時短状態(第2通常モード)における特別図柄抽選で大当たりとなった場合に「大当たりD13」が決定される割合は20%(20/100)である。
つまり、第1時短状態(第2通常モード)における特別図柄抽選で大当たり当選した場合には、大当たり遊技終了後に左打ち遊技状態(通常状態、第1時短状態、第2確変状態)が設定される割合が100%となる。よって、第1時短状態(第2通常モード)中は、大当たり当選した場合であっても、その大当たり遊技終了後に、特別図柄抽選を左打ち遊技状態よりも実行させ易い右打ち遊技状態が設定されないため、通常状態よりも遊技者に不利な遊技状態となる。
また、上述した通り、通常状態では、大当たりC13が設定される大当たりに当選した場合に第2時短状態が設定されるため、天井特典の付与条件が成立していない状況であっても、天井特典と同等の特典(時短300回の第2時短状態)を遊技者に付与可能であったのに対して、第1時短状態では、大当たりC13が設定される大当たりに当選した場合であっても、第2時短状態では無く、第1時短状態が設定されるため、大当たり当選に基づいて天井特典と同等の特典(時短300回の第2時短状態)を遊技者に付与することができない。
次に、大当たり当選時の遊技状態が「第2時短状態(時短モード)」に対して、第1当たり種別カウンタC2の値が「0〜9」の範囲には、「大当たりA13」が対応付けられて規定されている。この「大当たりA13」は、ラウンド数が10ラウンドであり、大当たり遊技終了後の遊技状態として通常状態が設定される大当たり種別(10ラウンド通常大当たり)である。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個のカウンタ値のうち、「大当たりA13」となるカウンタ値は10個なので、第2時短状態における特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に「大当たりA13」が決定される割合は10%(10/100)である。
大当たり当選時の遊技状態が「第2時短状態(時短モード)」に対して、第1当たり種別カウンタC2の値が「10〜59」の範囲には、「大当たりB13」が対応付けられて規定されている。この「大当たりB13」は、ラウンド数が10ラウンドであり、大当たり遊技終了後の遊技状態として第2時短状態(時短100回)が設定される大当たり種別(10ラウンド時短大当たり)である。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個のカウンタ値のうち、「大当たりB13」となるカウンタ値は50個なので、第2時短状態における特別図柄抽選で大当たりとなった場合に「大当たりB13」が決定される割合は50%(50/100)である。
また、第1当たり種別カウンタC2の値が「60〜79」の範囲には、「大当たりC13」が対応付けられて規定されている。この「大当たりC13」は、ラウンド数が2ラウンドであり、大当たり遊技終了後の遊技状態として第2時短状態(時短300回)が設定される大当たり種別(2ラウンド時短大当たり)である。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個のカウンタ値のうち、「大当たりC13」となるカウンタ値は20個なので、第2時短状態(時短モード)における特別図柄抽選で大当たりとなった場合に「大当たりC13」が決定される割合は20%(20/100)である。
そして、大当たり当選時の遊技状態が「第2時短状態(時短モード)」に対して、第1当たり種別カウンタC2の値が「80〜99」の範囲には、「大当たりD13」が対応付けられて規定されている。この「大当たりD13」は、ラウンド数が10ラウンドであり、大当たり遊技終了後の遊技状態として第2確変状態(確変30回)が設定される大当たり種別(10ラウンド確変大当たり)である。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個のカウンタ値のうち、「大当たりD13」となるカウンタ値は20個なので、第2時短状態(時短モード)における特別図柄抽選で大当たりとなった場合に「大当たりD13」が決定される割合は20%(20/100)である。
つまり、第2時短状態中に実行された特別図柄抽選で大当たり当選した場合には、大当たり遊技終了後に左打ち遊技状態(通常状態、第2確変状態)が設定される割合が30%、右打ち遊技状態(第2時短状態)が設定される割合が70%となる。また、大当たり遊技終了後に普通図柄の高確率状態(時短状態)が設定される場合には、第1時短状態(特別図柄抽選の実行のし易さが通常状態と同程度の時短状態)では無く、第2時短状態(特別図柄抽選の実行のし易さが通常状態よりも高い時短状態)が必ず設定される。
よって、第2時短状態は、上述した通常状態、及び、第1時短状態よりも、特別図柄抽選で大当たり当選した場合に遊技者に有利な特典が付与され易い遊技状態となる。
次に、大当たり当選時の遊技状態が「第2確変状態」に対して、第1当たり種別カウンタC2の値が「0〜29」の範囲には、「大当たりA13」が対応付けられて規定されている。この「大当たりA13」は、ラウンド数が10ラウンドであり、大当たり遊技終了後の遊技状態として通常状態が設定される大当たり種別(10ラウンド通常大当たり)である。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個のカウンタ値のうち、「大当たりA13」となるカウンタ値は30個なので、第2確変状態における特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に「大当たりA13」が決定される割合は30%(30/100)である。
大当たり当選時の遊技状態が「第2確変状態」に対して、第1当たり種別カウンタC2の値が「30〜49」の範囲には、「大当たりB13」が対応付けられて規定されている。この「大当たりB13」は、ラウンド数が10ラウンドであり、大当たり遊技終了後の遊技状態として第2時短状態(時短100回)が設定される大当たり種別(10ラウンド時短大当たり)である。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個のカウンタ値のうち、「大当たりB13」となるカウンタ値は20個なので、第2確変状態における特別図柄抽選で大当たりとなった場合に「大当たりB13」が決定される割合は20%(20/100)である。
また、第1当たり種別カウンタC2の値が「50〜79」の範囲には、「大当たりC13」が対応付けられて規定されている。この「大当たりC13」は、ラウンド数が2ラウンドであり、大当たり遊技終了後の遊技状態として第2時短状態(時短300回)が設定される大当たり種別(2ラウンド時短大当たり)である。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個のカウンタ値のうち、「大当たりC13」となるカウンタ値は30個なので、第2確変状態における特別図柄抽選で大当たりとなった場合に「大当たりC13」が決定される割合は30%(30/100)である。
そして、大当たり当選時の遊技状態が「第2確変状態」に対して、第1当たり種別カウンタC2の値が「80〜89」の範囲には、「大当たりD13」が対応付けられて規定されている。この「大当たりD13」は、ラウンド数が10ラウンドであり、大当たり遊技終了後の遊技状態として第2確変状態(確変30回)が設定される大当たり種別(10ラウンド確変大当たり)である。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個のカウンタ値のうち、「大当たりD13」となるカウンタ値は10個なので、第2確変状態における特別図柄抽選で大当たりとなった場合に「大当たりD13」が決定される割合は10%(10/100)である。
さらに、大当たり当選時の遊技状態が「第2確変状態」に対して、第1当たり種別カウンタC2の値が「90〜99」の範囲には、「大当たりE13」が対応付けられて規定されている。この「大当たりE13」は、ラウンド数が10ラウンドであり、大当たり遊技終了後の遊技状態として第2確変状態(確変100回)が設定される大当たり種別(10ラウンド確変大当たり)である。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個のカウンタ値のうち、「大当たりE13」となるカウンタ値は10個なので、第2確変状態における特別図柄抽選で大当たりとなった場合に「大当たりE13」が決定される割合は10%(10/100)である。
上述した通り、第2確変状態が設定されている場合に大当たり当選した場合に、大当たり遊技終了後に第2確変状態が設定される大当たり種別を複数選択可能に構成されており、選択された大当たり種別に応じて、確変回数(第2確変状態が継続する期間の長さ)を異ならせるように構成している。上述した通り、第2確変状態中に実行された特別図柄抽選の回数は、天井特典を付与させるためのハマリ回数の値に加算されないため、第2確変状態が継続する期間の長さに応じて、前回の大当たり遊技終了後から天井特典が付与されるまでの期間(特別図柄抽選回数)を異ならせることができる。よって、遊技者に対して、天井特典が付与されるまでの特別図柄抽選の残期間を容易に把握させ難くすることができる。
なお、図445に示した通り、本第13制御例では、第2確変状態が設定されている場合にのみ、確変回数(確変カウンタ203iに設定される値)を異ならせた第2確変状態が設定される大当たり(大当たりD13、大当たりE13)に当選し得るように構成しているが、これに限ること無く、他の遊技状態が設定されている状態で大当たり当選した場合においても、異なる確変回数が設定される大当たり種別を設定可能に構成しても良い。
また、本第13制御例では、第2確変状態中に実行された特別図柄抽選の回数は、天井特典を付与させるためのハマリ回数の値に加算されないように構成しているが、実行された特別図柄抽選の回数が、天井特典を付与させるためのハマリ回数の値に加算されない遊技状態として他の遊技状態を設定可能に構成しても良く、例えば、第1時短状態中に実行された特別図柄抽選の回数がハマリ回数の値に加算されないように構成しても良い。
このように構成することで、大当たり当選すること無く実行される複数回の特別図柄抽選にて時短当選し第1時短状態が設定されるほど、天井特典の付与条件を成立させ難くすることができる。また、本第13制御例では、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態(第2確変状態)中に実行される特別図柄抽選の回数が天井特典を付与させるためのハマリ回数の値に加算されないように構成しているため、予め定められている第2確変状態が継続する期間(確変カウンタ203iの値が0になるまでの期間)分、天井特典が付与されるタイミングを遅らせることが可能となるが、予め定められた期間(第2確変状態が継続する期間)しか天井特典が付与されるタイミングを遅らせることが出来ないため、長時間パチンコ機10を遊技している遊技者に対して、天井特典が付与されるタイミングを予測され易くなるという問題があった。
これに対して、第1時短状態中に実行された特別図柄抽選の回数がハマリ回数の値に加算されないように構成した場合には、通常状態、或いは、第1時短状態中に実行された時短抽選の結果に応じて、大当たり遊技が終了してから天井特典の付与条件が成立するハマリ回数に到達するまでの間に、第1時短状態が設定される期間の長さを異ならせることができるため、ハマリ回数の値に更新されない特別図柄抽選の実行回数が予め定められた回数では無く、時短抽選の結果に応じて可変させることが可能となる。よって、天井特典が付与されるタイミングを遊技者に予測させ難くすることができる。
次に、図446(a)を参照して、時短種別選択13テーブル202lfの内容について説明をする。図446(a)は、時短種別選択13テーブル202lfに規定されている内容を示した図である。この時短種別選択13テーブル202lfは、大当たり当選に基づくこと無く時短状態が設定される場合、具体的には、時短抽選にて時短当選した場合や、天井特典の付与条件が成立した場合において、設定される時短状態の種別(第1時短状態〜第3時短状態)の決定する際に参照されるデータテーブルであって、時短当選した場合における時短種別を決定する際に参照される時短当選用13テーブル202lf1と、天井用13テーブル202lf2とが規定されている。
ここで、時短当選時に参照される時短当選用13テーブル202lf1に規定されている内容について、図446(b)を参照して説明をする。図446(b)は、時短当選用13テーブル202lf1に規定されている内容を示すための図である。図446(b)に示した通り、時短当選用13テーブル202lf1には、取得した時短種別選択カウンタCC1の値に対して異なる時短種別が規定されている。具体的には、取得した時短種別選択カウンタCC1の値が「0〜998」の範囲に対して時短種別「第1時短」が規定されており、「999」の範囲に対して時短種別「第2時短」が規定されている。そして、「第1時短」が選択された場合には第1時短状態が設定され、その第1時短状態の時短終了条件として、時短カウンタ203hの値に「1」が設定される時短終了条件が規定されている。また、「第2時短」が選択された場合には第2時短状態が設定され、その第2時短状態の時短終了条件として、時短カウンタ203hの値に「300」が設定される時短終了条件が規定されている。
つまり、時短当選した場合に第1時短状態が設定される割合が99.9%となり、時短当選した場合に第2時短状態が設定される割合が0.1%となるように構成している。そして、時短当選に基づいて、第1時短状態が設定された場合には、特別図柄抽選が1回実行された時点で時短終了条件が成立する。ここで、本第13制御例では、第1時短状態中も時短抽選を実行可能に構成しているため、第1時短状態が設定された状態で実行される特別図柄抽選にて時短当選した場合には、新たな時短状態が設定されることになる。よって、第1時短状態中に実行された特別図柄抽選にて時短当選し、時短種別として「第1時短」が設定された場合には、特別図柄変動が停止表示した後に第1時短状態が設定されるため、時短終了条件として時短1回(時短カウンタ203hの値が「1」)が設定される第1時短状態にて連続して特別図柄抽選が実行される。
一方、第1時短状態中に実行された特別図柄抽選にて時短当選しなかった場合には、その特別図柄変動が停止表示した時点で第1時短状態が終了し、通常状態が設定されることになる。よって、次の特別図柄抽選が通常状態にて実行されることになる。
このように構成することで、大当たり当選すること無く特別図柄抽選を連続して実行する左打ち遊技期間(ハマリ期間)において、通常状態と第1時短状態とを頻繁に切り替えながら遊技者に遊技を行わせることができる。また、1回の時短抽選の結果だけで無く、連続して実行される複数回(2回)の時短抽選の結果に応じて、特別図柄抽選が実行される遊技状態が切り替わるように構成しているため、連続して実行される複数回の特別図柄抽選に興味を持たせることができる。
次に、図446(c)を参照して、天井特典が付与される際(第3時短状態が設定される際)における時短種別を決定する際に参照される天井用13テーブル202lf2の内容について説明をする。図446(c)は、天井用13テーブル202lf2に規定されている内容を示した図である。この天井用13テーブル202lf2は、時短種別選択13テーブル202lfが有するデータテーブルであって、天井特典の付与条件が成立した場合に、今回設定される時短種別(時短回数)を決定するために参照される。
図446(c)に示した通り、天井用13テーブル202lf2には、天井到達時(天井特典の付与条件成立時)における遊技状態に応じて異なる内容の天井特典(時短回数)が規定されており、具体的には、天井到達時の遊技状態が通常状態である場合には、時短カウンタ203hの値として「100」が、天井到達時の遊技状態が第1時短状態である場合には、時短カウンタ203hの値として「300」がそれぞれ規定されている。なお、天井特典の付与条件が成立した場合には、普通図柄の高確率状態が設定されること無く普通図柄の低確率状態が設定されたまま右打ち遊技状態となる第3時短状態が設定される。
つまり、特別図柄抽選の実行回数に基づいて左打ち遊技状態よりも遊技者に特別図柄抽選を実行させ易くする右打ち遊技状態を設定する場合には、各種図柄(特別図柄、普通図柄)の確率状態を可変させること無く右打ち遊技状態を設定することができる。よって、特別図柄抽選の結果(大当たり抽選の結果、時短抽選の結果)に基づくこと無く各種図柄(特別図柄、普通図柄)の確率状態を可変させる処理を実行するための処理負荷を軽減することができる。
なお、本第13制御例では、上述した通り、天井特典の付与条件が成立した場合には、各図柄(特別図柄、普通図柄)の確率状態を可変させること無く、遊技者に特典を付与可能に構成しているが、これに限ること無く、天井特典の付与条件が成立したことに基づいて各図柄(特別図柄、普通図柄)の確率状態を可変させる(遊技者に不利な確率状態から遊技者に有利な確率状態へと可変させる)特典を付与するように構成しても良い。
この場合、天井特典の付与条件が成立した場合に、第3時短状態では無く、第2時短状態が設定されるように構成すると良い。これにより、右打ち遊技状態中に設定される遊技状態を第2時短状態のみとすることができるため、遊技状態を管理するための処理を簡素化することができる。
次に、図443(b)を参照して、本第13制御例における主制御装置110のMPU201が有するRAM203の構成について説明をする。図443(b)は、本第13制御例における主制御装置110のMPU201が有するRAM203の構成を示した図である。図443(b)に示した通り、上述した第5制御例におけるRAM203(図244(b)参照)に対して、特図抽選カウンタ203la、第1天井待機フラグ203lb、第2天井待機フラグ203lcを追加した点で相違している。それ以外は同一であり、同一の内容には同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
特図抽選カウンタ203laは、特別図柄の低確率状態中に実行された特別図柄抽選の回数(ハマリ回数)を計測するためのカウンタであって、天井特典特別図柄抽選の実行回数が天井特典の付与条件を満たしているか否かを判別する際にカウンタ値が参照される。
具体的には、特別図柄変動処理13(図450のS30104参照)の特別図柄判定処理13(図451のS30251参照)にて実行される天井判定処理13(図452のS38051参照)にて特別図柄の低確率状態が設定されていると判別された場合(図452のS38102:Yes)、即ち、特別図柄の低確率状態中に特別図柄抽選(特別図柄変動)が開始される場合に、カウンタの値が1加算される(図452のS38103)。そして、特別図柄抽選の結果が大当たり当選であることを示すための態様で特別図柄が停止表示される場合(図450のS217:Yes)、或いは、天井特典が付与される場合(図455のS38351:Yes、或いは、図455のS38358:Yes)に、特図抽選カウンタ203laの値が0にクリアされる。
本第13制御例では、天井特典の付与条件が成立したか否かを判別する際に、特別図柄の低確率状態中に実行された特別図柄抽選の回数(ハマリ回数)を参照するように構成しており、特別図柄の低確率状態中に実行された特別図柄抽選の回数(ハマリ回数)が500回に到達した場合に天井特典が付与されるように構成している。特図抽選カウンタ203laの値は、上述した通り、実行された特別図柄抽選の回数と同期するのでは無く、ハマリ回数と同期してカウンタの値が加算されるように構成している。
なお、本第13制御例では、特別図柄の低確率状態中に実行された特別図柄抽選の回数をハマリ回数として加算するように構成しているが、天井特典の付与条件として既定されるハマリ回数を加算させる条件を異ならせても良く、例えば、複数の特別図柄種別(第1特別図柄、第2特別図柄)のうち、特定の特別図柄種別(第1特別図柄)に対する特別図柄抽選が実行される場合にのみ特図抽選カウンタ203laの値を加算(ハマリ回数を加算)させるように構成しても良いし、特定の遊技状態(例えば、通常状態)が設定されている状態で特別図柄抽選が実行された場合の方が、他の遊技状態(例えば、第1時短状態)が設定されている状態で特別図柄抽選が実行された場合よりも、1の特別図柄抽選が実行されることに基づいて加算される特図抽選カウンタ203laの値(ハマリ回数)が多くなるように構成しても良い。このように構成することで、天井特典が付与されるまでに必要となる特別図柄抽選の残実行回数(残ハマリ回数)を遊技者により把握させ難くすることができる。
さらに、本第13制御例では、特図抽選カウンタ203laの値を加算させる条件のみを規定しており、大当たり当選した場合(天井特典の付与条件がクリアされた場合)、天井特典が付与された場合に、特図抽選カウンタ203laの値を0にクリアするように構成している。よって、ハマリ回数が500回に到達し、天井特典として第3時短状態(時短100回、又は300回)が設定される際に、特図抽選カウンタ203laの値が0にクリアされ、その後、第3時短状態にて特別図柄抽選が実行される毎に、特図抽選カウンタ203laの値が加算されるように構成している。よって、天井特典として第3時短状態が設定されてから、再度、ハマリ回数が500回に到達した場合、即ち、前回の大当たり遊技が終了してからのハマリ回数が1000回に到達した場合には、2回目の天井特典が付与されるように構成している。
このように構成することで、天井特典として付与された第3時短状態が設定されている期間においても大当たり当選しなかった遊技者に対して、再度、天井特典を付与可能とすることができる。また、本第13制御例では、天井特典が付与されるタイミングにて特図抽選カウンタ203laの値が0にクリアされるため、時短回数100回の第3時短状態が設定された場合には、その第3時短状態が終了した時点で特図抽選カウンタ203laの値が100となり、時短回数300回の第3時短状態が設定された場合には、その第3時短状態が終了した時点で特図抽選カウンタ203laの値が300となる。よって、2回目の天井特典を目指す遊技を行う場合には、1回目の天井特典を目指す遊技よりも左打ち遊技状態にて実行させる特別図柄抽選の回数を少なくし易くすることができる。
なお、本第13制御例では、天井特典が付与されるハマリ回数を500回に規定しており、2回目以降の天井特典に対してもハマリ回数が500回に到達した場合に天井特典の付与条件が成立するように構成しているが、これに限ること無く、ハマリ回数が500回に到達した場合に1回目の天井特典が付与され、次に、1回目の天井特典が付与されてからのハマリ回数が300回に到達した場合、即ち、前回の大当たり遊技が終了してからのハマリ回数が800回に到達した場合に、2回目の天井特典が付与されるように構成しても良い。
このように構成することで、例えば、1回目の天井特典として時短回数300回の第3時短状態が設定された場合には、その第3時短状態の終了条件(300回の特別図柄抽選)が成立した直後に2回目の天井特典を付与することが可能となり、継続して第3時短状態を設定することができ、遊技者に継続して遊技を行わせ易くすることができる。
また、本第13制御例では、特別図柄抽選が実行された場合に、設定されている遊技状態に応じて、特図抽選カウンタ203laの値を加算する、或いは加算しない処理が実行されるように構成しているが、これに加えて、実行される特別図柄抽選が特定条件を満たした場合に、特図抽選カウンタ203laの値を減算する処理を実行可能に構成しても良い。
第1天井待機フラグ203lbは、通常状態が設定されている状態で天井特典の付与条件が成立したことを示すためのフラグであって、天井特典の付与条件が成立した場合(特図抽選カウンタ203laの値が500に到達した場合)にオンに設定される。そして、特別図柄変動を停止表示する際に実行される時短設定処理13(図455のS30254)において、第1天井待機フラグ203lbの設定状況が判別され(図455のS38351)、オンに設定されていると判別した場合は(図455のS38351:Yes)、天井特典の内容として、天井特典の付与条件が成立した時点の遊技状態が通常状態である場合に対応する特典(時短100回)が付与され(図455のS38352)、その後、第1天井待機フラグ203lbがオフに設定される。
第2天井待機フラグ203lcは、第1時短状態が設定されている状態で天井特典の付与条件が成立したことを示すためのフラグであって、天井特典の付与条件が成立した場合(特図抽選カウンタ203laの値が500に到達した場合)にオンに設定される。そして、特別図柄変動を停止表示する際に実行される時短設定処理13(図455のS30254)において、第2天井待機フラグ203lcの設定状況が判別され(図455のS38358)、オンに設定されていると判別した場合は(図455のS38358:Yes)、天井特典の内容として、天井特典の付与条件が成立した時点の遊技状態が第1時短状態である場合に対応する特典(時短300回)が付与され(図455のS38359)、その後、第2天井待機フラグ203lcがオフに設定される。
本第13制御例では、天井特典の付与条件が成立したか否かを判別する処理(天井判定処理)を、特別図柄変動の開始タイミングにて実行し、実際に天井特典を付与する処理(時短設定処理)を、特別図柄変動の停止タイミングにて実行するように構成している。そして、特別図柄変動の開始タイミングにて実行された天井判定処理の結果を、第1天井待機フラグ203lb、或いは第2天井待機フラグ203lcの設定状況に基づいて、特別図柄変動の停止タイミングにて実行される時短設定処理にて判別可能に構成している。
このように構成することで、例えば、特別図柄変動の実行期間中に遊技状態が切り替わる遊技性を有するパチンコ機10や、天井判定処理が実行されてから特別図柄変動が開始されるまでの間に遊技状態が切り替わる遊技性を有するパチンコ機10や、特別図柄変動が停止表示されてから時短設定処理が実行されるまでの間に遊技状態が切り替わる遊技性を有するパチンコ機10を用いた場合であったとしても、適正な天井特典を付与することができる。
次に、図447から図449を参照して、本第13制御例における音声ランプ制御装置113のMPU221が有する電気的構成の内容について、上述した第5制御例と相違する点を中心に説明する。なお、上述した第5制御例と同一の内容については、その詳細な説明を省略する。
まず、図447(a)を参照して、本第13制御例における音声ランプ制御装置113のMPU221が有するROM222の構成について説明をする。図447(a)は、本第13制御例における音声ランプ制御装置113のMPU221が有するROM222に規定されている構成を模式的に示した図である。図447(a)に示した通り、本第13制御例におけるROM222は、上述した第5制御例におけるROM222(図249(a)参照)に対して、天井到達示唆演出選択テーブル222laと、天井到達時演出選択テーブル222lbを追加した点で相違している。
天井到達示唆演出選択テーブル222laは、左打ち遊技状態中の特別図柄変動に対応する変動演出として天井到達示唆演出が実行される場合において、その天井到達示唆演出の演出態様を選択する際に参照されるデータテーブルである。本第13制御例では、天井特典が付与されるハマリ回数に到達するまでの期間において、天井特典が付与されるまでの残期間を遊技者に示唆するための天井到達示唆演出を実行可能に構成している。
このように天井到達示唆演出を実行することにより、左打ち遊技を実行している遊技者に対して、天井特典が付与されるまでの残期間を予測させることが可能となり、天井特典が付与されることを期待させながら遊技を行わせることができる。また、本第13制御例では、天井到達示唆演出として、天井特典が付与されるまでの残期間だけでは無く、特別図柄抽選の結果に基づいて天井特典と同等の特典(第2時短状態)が設定されることも示唆可能に構成している。これにより、遊技者にとって想定外のタイミング(例えば、大当たり遊技が終了してから実行された特別図柄抽選の回数が20回程度のタイミング)にて天井特典が付与される可能性が高いことを示す天井到達示唆演出が実行され、その天井到達示唆演出が実行された後に、第2時短状態が設定されるという意外性のある遊技を提供することができる。
このように構成することで、遊技者に対して、天井特典が付与されるハマリ回数として、少ないハマリ回数が設定される場合があるのではと思わせることができ、遊技者に対して意欲的に左打ち遊技を実行させることができる。さらに、天井特典(第3時短状態)は、特別図柄抽選の実行回数に基づいて付与(設定)されることから、天井特典が付与されるまでの残期間が特定され易いのに対して、天井特典と同等の特典(第2時短状態)は、特別図柄の抽選結果に基づいて付与(設定)されることから、その付与タイミングが第3時短状態よりもランダムになり易い性質を持つ。よって、遊技者に対して、天井特典(第3時短状態)、或いは天井特典と同等の特典(第2時短状態)が設定される右打ち遊技状態へとどのタイミングで移行するのかを分かり難くすることができるため、右打ち遊技状態へと移行するタイミングをいち早く把握しようと、実行される天井到達示唆演出の演出態様に興味を持たせることができる。
ここで、図448を参照して天井到達示唆演出選択テーブル222laの詳細な内容について説明をする。図448は、天井到達示唆演出選択テーブル222laに規定されている内容を模式的に示した図である。図448に示した通り、天井到達示唆演出選択テーブル222laには、特図抽選回数カウンタ223lcの値と、獲得している特図保留(特別図柄の保留記憶)に対応する先読み結果(事前判別結果)と、取得した演出カウンタ223fの値と、に対応付けて天井到達示唆演出の演出態様として2種類の演出態様がそれぞれ規定されている。
具体的には、特図抽選回数カウンタ223lcの値が「0〜200」であって、先読み結果に「大当たりC13」の大当たり当選を示す情報が含まれている場合には、取得した演出カウンタ223fの値が「0〜79」の範囲に対して「天井示唆(強)」が、「80〜99」の範囲に対して「示唆態様無し(図では「−」で表示)」が天井到達示唆演出の演出態様として規定されており、先読み結果に「大当たりC13」の大当たり当選を示す情報が含まれていない場合(それ以外)には、取得した演出カウンタ223fの値が「0〜99」の全範囲に対して「示唆態様無し(図では「−」で表示)」が、天井到達示唆演出の演出態様として規定されている。
また、特図抽選回数カウンタ223lcの値が「201〜460」であって、先読み結果に「大当たりC13」の大当たり当選を示す情報が含まれている場合には、取得した演出カウンタ223fの値が「0〜79」の範囲に対して「天井示唆(強)」が、「80〜99」の範囲に対して「示唆態様無し(図では「−」で表示)」が、天井到達示唆演出の演出態様として規定されており、先読み結果に「時短当選」を示す情報が含まれている場合には、取得した演出カウンタ223fの値が「0〜19」の範囲に対して「天井示唆(強)」が、「20〜39」の範囲に対して「示唆態様(弱)」が、「40〜99」の範囲に対して「示唆態様無し(図では「−」で表示)」が、天井到達示唆演出の演出態様として規定されており、先読み結果に「大当たりC13」の大当たり当選、及び「時短当選」を示す情報が含まれていない場合(それ以外)には、取得した演出カウンタ223fの値が「0〜4」の範囲に対して「天井示唆(弱)」が、「5〜99」の範囲に対して「示唆態様無し(図では「−」で表示)」が、天井到達示唆演出の演出態様として規定されている。
さらに、特図抽選回数カウンタ223lcの値が「461〜495」であって、先読み結果に「大当たりC13」の大当たり当選を示す情報が含まれている場合には、取得した演出カウンタ223fの値が「0〜19」の範囲に対して「天井示唆(強)」が、「20〜99」の範囲に対して「示唆態様無し(図では「−」で表示)」が、天井到達示唆演出の演出態様として規定されており、先読み結果に「時短当選」を示す情報が含まれている場合には、取得した演出カウンタ223fの値が「0〜39」の範囲に対して「天井示唆(弱)」が、「40〜99」の範囲に対して「示唆態様(強)」が、天井到達示唆演出の演出態様として規定されており、先読み結果に「大当たりC13」の大当たり当選、及び「時短当選」を示す情報が含まれていない場合(それ以外)には、取得した演出カウンタ223fの値が「0〜49」の範囲に対して「天井示唆(弱)」が、「50〜69」の範囲に対して「天井示唆(強)」が、「70〜99」の範囲に対して「示唆態様無し(図では「−」で表示)」が、天井到達示唆演出の演出態様として規定されている。
最後に、特図抽選回数カウンタ223lcの値が「496〜500」の場合には、先読み結果に関わらず、取得した演出カウンタ223fの値が「0〜9」の範囲に対して「示唆態様無し(図では「−」で表示)」が、「10〜39」の範囲に対して「天井示唆(弱)」が、「40〜99」の範囲に対して「天井示唆(強)」が天井到達示唆演出の演出態様として規定されている。
つまり、天井特典が付与されるハマリ回数までの残期間が少ないほど、つまり、特図抽選回数カウンタ223lcの値が大きいほど、天井示唆態様が設定され易く、且つ、示唆態様として残期間が少ないことを強調して示唆するための「天井示唆(強)」が設定され易くなるように天井到達示唆演出選択テーブル222laの内容が規定されている。また、天井特典と同等の特典(第2時短状態)が設定される「大当たりC13」に当選する特図保留を有している場合には、特図抽選回数カウンタ223lcの値に関わらず「天井示唆(強)」が選択され易くなるように規定されている。よって、特別図柄抽選で大当たり当選したことに基づいて右打ち遊技状態(第2時短状態)が設定される場合であっても、大当たり当選する特別図柄変動が実行されるよりも前に、その旨を遊技者に示唆することが可能となる。
さらに、先読み結果として時短当選を示す情報が含まれている場合には、時短当選に基づいて第2時短状態が設定される可能性が若干ではあるが残されているため、先読み結果として時短当選を示す情報が含まれていない場合よりも、天井示唆態様が設定され易くなるように構成している。なお、本第13制御例では、時短抽選で時短当選した場合の一部(0.01%)にて第2時短状態(右打ち遊技状態)を設定可能に構成している。そして、天井到達示唆演出の演出態様を選択する際に用いる情報として、時短抽選によって第2時短状態が設定される時短に当選したか否かの情報を用いるのでは無く、単に時短当選したか否かの情報を用いるように構成している。
このように構成することで、第2時短状態(右打ち遊技状態)が設定されることの無い時短に当選した場合と、第2時短状態(右打ち遊技状態)が設定される時短に当選した場合とで、同一の選択割合で天井到達示唆演出の演出態様(示唆態様)が選択されることになる。よって、右打ち遊技状態が設定されない場合であっても、適度な割合で天井示唆態様を含む天井到達示唆演出(所謂、ガセ演出)を実行することができる。
なお、本第13制御例の内容に限定されること無く、例えば、第2時短状態が設定される時短に当選することを示す先読み結果を有している場合に、第2時短状態が設定される時短に当選することを示す先読み結果を有していない場合によりも、天井示唆態様が設定され易くなるように構成しても良い。
天井到達時演出選択テーブル222lbは、天井特典を付与する条件が成立した特別図柄変動にて実行される天井到達時演出の演出態様を決定する際に参照されるデータテーブルであって、今回付与される天井特典の内容(時短回数)と、天井特典を付与する条件が成立した特別図柄変動が示す特別図柄抽選の結果(大当たり、外れ)と、取得した演出カウンタ223fの値と、に基づいて異なる演出態様が規定されている。
天井到達時演出が実行されると、図440(a)に示した通り、天井特典が付与されることを示す態様と、天井特典の内容(時短回数)を示す態様と、を含んだ演出態様で天井到達時演出が実行される。これにより、遊技者に対して天井特典が付与されること(第3時短状態が設定されること)を、実際に天井特典が付与されるよりも前に把握させることができる。
また、天井特典の付与条件が成立する特別図柄変動にて大当たり当選した場合、即ち、天井特典が付与されること無く大当たり遊技が開始される場合には、天井到達時演出の演出態様として、天井特典が付与されないことを示すための演出態様が設定されるように構成している。このように構成することで、天井特典(例えば、時短300回)が付与されることを報知した直後に、右打ち遊技を行うこと無く大当たり遊技が実行されてしまい、遊技者に違和感を与えてしまうことを抑制することができる。
なお、本第13制御例では、特図抽選回数カウンタ223lcの値が天井特典の付与条件を満たした場合(500に到達した場合)に天井到達時演出を実行するように構成しているが、これに限ること無く、特図抽選カウンタ223lcの値が所定値(例えば、100の倍数)となった場合に、天井到達時演出を実行するように構成し、実際に天井特典の付与条件が成立していない場合には、天井特典が付与されないことを示すための演出態様が設定されるように構成しても良い。このように構成することで、天井特典が付与されないことを示すための演出態様で天井到達時演出が実行された場合に、大当たり当選している可能性を残すことができるため、演出効果を高めることができる。
ここで、図449を参照して、天井到達時演出選択テーブル222lbに規定されている内容について説明をする。図449は、天井到達時演出選択テーブル222lbに規定されている内容を示した図である。図449に示した通り、天井到達時演出選択テーブル222lbには、天井特典(時短回数)と、対象となる特別図柄抽選の結果と、取得した演出カウンタ223fの値と、に対応付けて演出態様(演出A〜演出C)が規定されており、各演出態様に対応させて、天井時短カウンタ223laに設定する値と、後乗せフラグ223lbの設定内容とが規定されている。
具体的には、付与される天井特典の内容が「時短100」である場合、即ち、通常状態中に天井特典の付与条件が成立した場合であって、特別図柄抽選の結果が「大当たり」である場合には、取得した演出カウンタ223fの値が「0〜99」の全範囲に対して、演出態様「演出A」が規定されている。この場合は、天井到達時演出として天井特典が付与されないことを示す天井未到態様が設定される。そして、天井時短カウンタ223laには値がセットされず、後乗せフラグ223lbがオフに設定される(オンに設定されない)。
詳細な説明は後述するが、天井時短カウンタ223laは、遊技者に予め報知されている天井特典の内容(時短回数)に関する値を計測するためのカウンタであって、天井到達時演出の演出態様が設定された場合に値がセットされる。そして、特別図柄変動が実行される毎に値が減算され、減算後の値が0となった際に、天井特典として付与された第3時短状態の残時短回数が判別され、残時短回数が存在する場合に、その残時短回数に対応した演出(上乗せ演出)が実行される。
後乗せフラグ223lbは、天井到達時演出にて設定された天井時短カウンタ223laの値が、天井特典として付与された第3時短状態の時短回数を示す値では無いことを示すためのフラグであって、天井特典として付与された第3時短状態の時短回数を示す値以外の値(第3時短状態の時短回数よりも少ない回数に対応する値)が天井時短カウンタ223laの値にセットされた場合にオンに設定されるものである。
つまり、特別図柄抽選の結果が「大当たり」である場合には、天井特典として付与される第3時短状態による遊技を実行することができない状態であるため、天井到達時演出の演出態様として、天井特典が付与されないことを示す「演出A」の演出態様が設定され、天井時短カウンタ223laの値がセットされること無く、後乗せフラグ223lbがオフのままとなる。
一方、天井特典の内容が「時短100」で特別図柄抽選の結果が「外れ」である場合には、取得した演出カウンタ223fの値が「0〜19」の範囲に対して、演出態様「演出A」が設定され、天井時短カウンタ223laの値に「1」がセットされ、後乗せフラグ223lbがオンに設定されるように規定されている。
この場合、実際には、天井特典として第3時短状態(時短100回)が付与される状態であるが、天井到達時演出として、天井特典が付与されないことを示す演出が実行され、天井到達時演出の終了後に、時短100回を上乗せ報知する上乗せ演出(図441参照)が実行される。このように、実際に天井特典が付与される場合であっても天井到達時演出にて天井特典が付与されないことを示す「演出A」の演出態様を設定可能に構成することで、天井特典の付与条件が成立する特別図柄抽選の抽選結果が、天井特典が付与され無くなる抽選結果(大当たり当選)である場合以外でも、天井特典が付与されないことを示す天井到達時演出を実行することが可能となるため、「演出A」の演出態様が設定された天井到達時演出の実行頻度を高めることができる。
また、取得した演出カウンタ223fの値が「20〜99」の範囲に対して、演出態様「演出B」が設定される。この演出態様「演出B」は、天井到達時演出として、天井特典が付与されることを示す態様と、天井特典として付与される特典の内容が「時短100回」であることを示す態様と、を含む演出が実行される演出態様である。この場合、天井特典として付与される特典の内容(時短100回)と、天井到達時演出にて遊技者に報知される特典の内容(時短100回)と、一致することから、上乗せ演出が実行されることが無いため、天井時短カウンタ223laの値に「101」がセットされ、後乗せフラグ223lbがオフに設定される。
次に、付与される天井特典の内容が「時短300」である場合、即ち、第1時短状態中に天井特典の付与条件が成立した場合であって、特別図柄抽選の結果が「大当たり」である場合には、取得した演出カウンタ223fの値が「0〜99」の全範囲に対して、演出態様「演出A」が規定されている。この場合は、天井到達時演出として天井特典が付与されないことを示す天井未到態様が設定される。そして、天井時短カウンタ223laには値がセットされず、後乗せフラグ223lbがオフに設定される(オンに設定されない)。
また、特別図柄抽選の結果が「外れ」である場合には、取得した演出カウンタ223fの値が「0〜19」の範囲に対して、演出態様「演出A」が設定され、天井時短カウンタ223laの値に「1」がセットされ、後乗せフラグ223lbがオンに設定されるように規定されている。
この場合、実際には、天井特典として第3時短状態(時短300回)が付与される状態であるが、天井到達時演出として、天井特典が付与されないことを示す演出が実行され、天井到達時演出の終了後に、時短300回を上乗せ報知する上乗せ演出(図441参照)が実行される。このように、実際に天井特典が付与される場合であっても天井到達時演出にて天井特典が付与されないことを示す「演出A」の演出態様を設定可能に構成することで、天井特典の付与条件が成立する特別図柄抽選の抽選結果が、天井特典が付与され無くなる抽選結果(大当たり当選)である場合以外でも、天井特典が付与されないことを示す天井到達時演出を実行することが可能となるため、「演出A」の演出態様が設定された天井到達時演出の実行頻度を高めることができる。
また、取得した演出カウンタ223fの値が「20〜49」の範囲に対して、演出態様「演出B」が設定される。この演出態様「演出B」は、天井到達時演出として、天井特典が付与されることを示す態様と、天井特典として付与される特典の内容が「時短100回」であることを示す態様と、を含む演出が実行される演出態様である。この場合、天井特典として付与される特典の内容(時短300回)と、天井到達時演出にて遊技者に報知される特典の内容(時短100回)とが一致しておらず、天井到達時演出にて報知された時短期間に対応する天井中モード演出(図440(b)参照)の終了時に、時短回数200回を上乗せする上乗せ演出が実行されるため、天井時短カウンタ223laの値に「101」がセットされ、後乗せフラグ223lbにオンが設定される。
さらに、取得した演出カウンタ223fの値が「50〜99」の範囲に対して、演出態様「演出C」が設定される。この演出態様「演出C」は、天井到達時演出として、天井特典が付与されることを示す態様と、天井特典として付与される特典の内容が「時短300回」であることを示す態様と、を含む演出が実行される演出態様である。この場合、天井特典として付与される特典の内容(時短300回)と、天井到達時演出にて遊技者に報知される特典の内容(時短300回)とが、一致することから、上乗せ演出が実行されることが無いため、天井時短カウンタ223laの値に「301」がセットされ、後乗せフラグ223lbがオフに設定される。
次に、図447(b)を参照して、本第13制御例のパチンコ機10における音声ランプ制御装置113のMPU221が有するRAM223の構成について説明をする。図447(b)は、本第13制御例のパチンコ機10における音声ランプ制御装置113のMPU221が有するRAM223の構成を示した図である。
図447(b)に示した通り、本第13制御例のパチンコ機10における音声ランプ制御装置113のMPU221が有するRAM223は、上述した第5制御例のパチンコ機10における音声ランプ制御装置113のMPU221が有するRAM223(図249(b)参照)に対して、天井時短カウンタ223la、後乗せフラグ223lb、特図抽選回数カウンタ223lcを追加した点で相違している。同一の内容については、同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
天井時短カウンタ223laは、遊技者に予め報知されている天井特典の内容(時短回数)に関する値を計測するためのカウンタであって、天井到達時演出の演出態様が設定された場合に値がセットされる。そして、特別図柄変動が実行される毎に値が減算され、減算後の値が1となった際に、天井特典として付与された第3時短状態の残時短回数が判別され、残時短回数が存在する場合に、その残時短回数に対応した演出(上乗せ演出)が実行される。
天井時短カウンタ223laは、天井到達時演出(第3時短状態が設定される直前の特別図柄変動に対応する演出)が実行される際に値がセットされるため、第3時短状態の時短回数として天井到達時演出にて報知する値に1を加算した値がセットされ(図463のS34503参照)、天井時短カウンタ223laの値がセットされている状態で特別図柄変動に対応する変動演出を設定する毎にその値が1減算される(図462のS34408参照)。これにより、天井到達時演出にて遊技者に報知された第3時短状態の残時短回数が1回(ラスト)となる特別図柄変動の変動演出が設定されるタイミングを、天井時短カウンタ223laの値を用いて判別することができる(図462のS34410参照)。
後乗せフラグ223lbは、天井到達時演出にて設定された天井時短カウンタ223laの値が、天井特典として付与された第3時短状態の時短回数を示す値では無いことを示すためのフラグであって、天井特典として付与された第3時短状態の時短回数を示す値以外の値(第3時短状態の時短回数よりも少ない回数に対応する値)が天井時短カウンタ223laの値にセットされた場合にオンに設定されるものである。
この後乗せフラグ223lbは、実際に設定される天井特典の内容(時短回数)と、天井到達時演出の演出態様とに対応させて、オンに設定され(図463のS34504)、天井時短カウンタ223laの値が1となった場合に(図462のS34410:Yes)、フラグの設定状況が判別される(図462のS34411)。これにより、天井到達時演出にて遊技者に報知された第3時短状態の時短回数(天井時短カウンタ223laの値)が、実際に設定された第3時短状態の時短回数と一致しているか否かの判別をすることができ、一致していない場合(後乗せフラグ223lbがオンに設定されている場合)には、上乗せ演出が実行される。
特図抽選回数カウンタ223lcは、天井特典の付与条件を成立させるための特別図柄抽選の実行回数(ハマリ回数)を計測するためのカウンタであって、主制御装置110にて計測される特図抽選カウンタ203laの値を示すためのコマンドを受信した場合に(図459のS9093:Yes)、受信したコマンドが示す値が設定される(図459のS9094参照)。そして、天井到達示唆演出の演出態様を決定する際に参照される(図463のS34508参照)。
<第13制御例における主制御装置110により実行される制御処理について>
次に、図450〜図457を参照して、第13制御例における主制御装置110の制御処理内容のうち、上述した第5制御例とは異なる点を中心に説明をする。本第13制御例のパチンコ機10は、上述した第5制御例のパチンコ機10に対して、特別図柄抽選の実行回数に基づいて天井特典を付与するか否かを決定する処理と、天井特典を付与するための処理とを追加した点と、時短抽選を実行可能な遊技状態を異ならせた点と、普通図柄抽選に基づく処理の内容を詳細に説明している点で相違している。
具体的には、特別図柄変動処理5(図252のS104参照)に代えて特別図柄変動処理13(図450のS30104参照)と、普通図柄変動処理13(図456のS30106参照)、及び、立ち上げ処理(図457参照)を図示した点で相違している。それ以外の処理内容は同一であり、同一の内容についてはその詳細な説明を省略する。
まず、図450を参照して、特別図柄変動処理13(S30104)の内容について説明をする。図450は、特別図柄変動処理13(S30104)の処理内容を示したフローチャートである。図450に示した通り、特別図柄変動処理13(S30104)は、上述した特別図柄変動処理5(図252のS104参照)に対して、特別図柄判定処理5(図252のS251)に代えて、特別図柄判定処理13(S30251)を、特別図柄変動パターン選択処理5(図252のS252参照)に代えて、特別図柄変動パターン選択処理13(S30252)を、時短設定処理5(図252のS254)に代えて、時短設定処理13(S30254)を、実行する点で相違し、それ以外は同一である。同一の処理内容については同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
次に、図451を参照して、特別図柄判定処理13(S30251)の処理内容について説明をする。図451は、特別図柄判定処理13(S30251)の処理内容を示したフローチャートである。図451に示した通り、特別図柄判定処理13(S30251)が実行されると、まず、特別図柄保留球格納エリアの実行エリアのデータを取得し(S8001)、第1当たり乱数13テーブル202laに基づいて抽選結果(大当たり)判定結果)を取得し(S8002)、取得した抽選結果が大当たり当選であるかを判別する(S8003)。大当たり当選であると判別した場合は(S8003:Yes)、特別図柄の抽選結果を大当たりに設定し(S8004)、取得した当たり種別カウンタ(第1当たり種別カウンタC2)の値に基づいて、第1図柄表示装置37に表示する特別図柄の大当たり図柄をセットし(S8005)、本処理を終了する。
一方、S8003の処理において大当たり当選していないと判別した場合は(S8003:No)、次いで、天井判定処理13を実行し(S38051)、その後、時短抽選処理13を実行し(S38006)、本処理を終了する。つまり、本第13制御例にて実行される特別図柄判定処理13(S30251)は、上述した第5制御例にて実行される特別図柄判定処理5(図253のS251参照)に対して、天井判定処理13(S38051)を追加し、時短抽選処理5(図253のS8006)に代えて時短抽選処理13(S38006)を設けた点で相違している。それ以外の処理内容については同一であり、同一の処理内容についてはその説明を省略する。
次に、図452を参照して、天井判定処理13(S38051)の内容について説明をする。図452は、天井判定処理13(S38051)の処理内容を示したフローチャートである。この天井判定処理13(S38051)では、今回実行される特別図柄抽選が、天井特典を付与するための付与条件(ハマリ回数)を更新可能な特別図柄抽選であるかを判別し、判別結果に基づいて付与条件(ハマリ回数)を更新するための処理と、更新後のハマリ回数によって天井特典の付与条件が成立したかを判別するための処理と、天井特典の付与条件が成立したことを示すための情報を天井特典の設定条件が成立するまで保持するための処理とが実行される。
天井判定処理13(S38051)が実行されると、まず、遊技状態格納エリア203gから現在の遊技状態を読み出し(S38101)、現在の遊技状態が特別図柄の低確率状態であるかを判別する(S38102)。特別図柄の低確率状態であると判別した場合は(S38102:Yes)、特図抽選カウンタ203laの値の1を加算し(S38103)、加算後の特図抽選カウンタ203laの値が500に到達したかを判別する(S38104)。
S38104の処理において、特図抽選カウンタ203laの値が500に到達していないと判別した場合は(S38104:No)、現在の特図抽選カウンタ203laの値を示す情報を含む状態コマンドを設定し(S38105)、本処理を終了する。S38105の処理によって設定された状態コマンドは、上述した第5制御例にて設定される他の状態コマンドと同様に音声ランプ制御装置113へと出力される。音声ランプ制御装置113側では、特図抽選カウンタ203laの値を示す状態コマンドを受信した場合に、特図抽選回数カウンタ223lcの値が更新される。これにより、音声ランプ制御装置113側においても、特図抽選カウンタ203laの値、即ち、ハマリ回数を判別可能となる。
一方、S38104の処理において、特図抽選カウンタ203laの値が500であると判別した場合、即ち、天井特典の付与条件が成立したと判別した場合は(S38104:Yes)、次に、現在の遊技状態、即ち、天井特典の付与条件が成立した時点における遊技状態が通常状態であるかを判別し(S38106)、通常状態であると判別した場合は(S38106:Yes)、第1天井待機フラグ203lbをオンに設定し(S38107)、天井待機中を示す情報と、天井種別(第1天井)を示す情報とを含む状態コマンドを設定し(S38108)、本処理を終了する。
また、S38106の処理において、現在が通常状態では無い、即ち、第1時短状態、第2時短状態であると判別した場合は(S38106:No)、第2天井待機フラグ203lcをオンに設定し(S38109)、S38108の処理へ移行する。一方で、S38102の処理において、特別図柄の低確率状態では無いと判別した場合、即ち、ハマリ回数の更新条件を満たしていないと判別した場合は(S38102:No)、そのまま本処理を終了する。
以上、説明をした通り、本第13制御例では、前回の大当たり遊技が終了してから実行された特別図柄抽選の実行回数(ハマり回数)が規定値(500回)に到達した場合に、天井特典の付与条件を成立させるように構成し、実行される特別図柄抽選の全てに対応させてハマり回数を更新(加算)するのでは無く、ハマり回数の更新条件を満たす特別図柄抽選が実行された場合に(図452のS38102:Yesに相当)、ハマり回数(特図抽選回数カウンタ223lcの値)を更新(加算)するように構成している。
このように構成することで、大当たり遊技終了後に実行された特別図柄抽選回数と、ハマり回数とを異ならせることができるため、天井特典の付与条件が成立するハマり回数として特定回数(500回)を規定している場合であっても、ハマり回数が特定回数となるまでに実行される特別図柄抽選回数を異ならせることが可能となる。よって、遊技者に対して、どのタイミング(特別図柄抽選回数)で天井特典が付与されるのかを予測させ難くすることができる。
なお、本第13制御例では、図452に示した通り、特別図柄の低確率状態中に特別図柄抽選が実行された場合にはハマり回数が更新され、特別図柄の高確率状態中に特別図柄抽選が実行された場合にはハマり回数が更新されないように構成している。つまり、ハマり回数の更新条件として、特別図柄の低確率状態が設定されていることが更新条件となるように構成しているが、ハマり回数の更新条件はこれに限ること無く、例えば、特定の遊技状態(第1時短状態)が設定されている場合にはハマり回数の更新条件が成立しないように構成しても良いし、特定の特別図柄種別(第2特別図柄)の特別図柄抽選(第2特別図柄抽選)が実行される場合にはハマり回数の更新条件が成立しないように構成しても良いし、特別図柄抽選の抽選結果が、特定の抽選結果となった場合に、それ以降の所定期間(特別図柄抽選が10回実行されるまでの期間)は、ハマり回数の更新条件が成立しないように構成しても良い。このように構成することで、ハマり回数が特定回数となるまでに実行される特別図柄抽選回数を異ならせることが可能となる。よって、遊技者に対して、どのタイミング(特別図柄抽選回数)で天井特典が付与されるのかを予測させ難くすることができる。
また、本第13制御例では、図452に示した通り、ハマり回数の更新条件が成立した場合には、特別図柄抽選が1回実行される毎に、ハマり回数を1回更新(加算)するように構成しているが、これに限ること無く、特別図柄抽選1回に対して、ハマり回数を2回以上、或いは、1回未満(0.5回)更新するように構成しても良いし、特別図柄抽選1回に対して、ハマり回数を減算するように構成しても良い。このように構成した場合も、どのタイミング(特別図柄抽選回数)で天井特典が付与されるのかを予測させ難くすることができる。
次に、図453を参照して、時短抽選処理13(S38006)の処理内容について説明をする。図453は、時短抽選処理13(S38006)の処理内容を示したフローチャートである。この時短抽選処理13(S38006)は、上述した第5制御例にて実行される時短抽選処理5(図254のS8006参照)に代えて実行されるものであって、時短抽選(時短当選の判定)を実行するための条件を遊技仕様に対応させて変更している点で相違している。
具体的には、時短抽選処理13(S38006)が実行されると、遊技状態格納エリア203gから現在の遊技状態を読み出し(S8102)、現在の遊技状態が通常状態、又は第1時短状態であるかを判別する(S38151)。そして、現在の遊技状態が通常状態、又は第1時短状態であると判別した場合は(S38151:Yes)、時短抽選の実行条件が成立しているため、時短当たり乱数13テーブル202leに基づいて時短抽選の抽選結果を取得し(S38152)、その後、上述した時短抽選処理5(図254のS8101参照)と同一のS8105,S8106の処理を実行し、本処理を終了する。
一方、S38151の処理において、現在の遊技状態が通常状態、又は第1時短状態では無い、即ち、時短抽選の実行条件が成立していない遊技状態であると判別した場合は(S38151:No)、時短抽選を実行すること無く、本処理を終了する。
次に、図454を参照して、特別図柄変動パターン選択処理13(S30252)の処理内容について説明をする。図454は、特別図柄変動パターン選択処理13(S30252)の処理内容を示したフローチャートである。この特別図柄変動パターン選択処理13(S30252)は、上述した第5制御例にて実行される特別図柄変動パターン選択処理5(図255のS252参照)に対して、大当たり当選時において大当たり種別を決定するために参照するデータテーブルを、大当たり種別選択5テーブル202dd(図246参照)から大当たり種別選択13テーブル202ldに変更した処理を実行する点(S38251)と、時短当選時において時短種別を決定するために参照するデータテーブルを、時短種別選択5テーブル202df(図248(b)参照)から時短種別選択13テーブル202lfに変更した処理を実行する点(S38253)と、特別図柄変動の変動パターンを選択する際に参照されるデータテーブルを、変動パターン選択5テーブル202db(図247参照)から変動パターン選択13テーブル202dbに変更した処理を実行する点(S38252参照)とで相違し、それ以外は同一である。同一の内容については、同一の符号を付して、その説明を省略する。
次に、図455を参照して、時短設定処理13(S30254)の内容について説明をする。図455は、時短設定処理13(S30254)の処理内容を示したフローチャートである。この時短設定処理13(S30254)では、上述した時短設定処理5(図257のS254参照)に対して、天井判定処理13(図452のS38051参照)にて天井特典の付与条件が成立していることを示す情報が設定された場合(第1天井待機フラグ203lb、又は、第2天井待機フラグ203lcがオンに設定された場合)において時短状態(第3時短状態)を設定するための処理を追加している点で相違している。
また、1の特別図柄抽選の実行に基づいて、天井判定処理13(図452のS38051参照)による天井特典の付与条件の成立と、時短抽選による時短当選とが、重複した場合には、天井特典の付与条件の成立に基づく時短状態の設定が優先して処理され、時短当選に関わる情報を破棄するための処理が実行されるように、複数の時短状態の設定に対して予め優先順位を設けている点で相違している。
時短設定処理13(S30254)が実行されると、まず、第1天井待機フラグ203lbがオンに設定されているかを判別し(S38351)、オンに設定されていると判別した場合は(S38351:Yes)、時短カウンタ203hの値に100を設定し(S38352)、第1天井待機フラグ203lbをオフに設定し(S38353)、遊技状態格納エリア203gに第3時短状態を設定し(S38354)、今回の時短抽選に関する情報をクリアし(S38355)、第3時短状態を示す情報と、時短回数を示す情報とを含む状態コマンドを設定し(S38356)、特図抽選カウンタ203laの値をクリアし(S38357)、本処理を終了する。
S38351の処理において、第1天井待機フラグ203lbがオンに設定されていないと判別した場合は(S38351:No)、次に、第2天井待機フラグ203lcがオンに設定されているかを判別し(S38358)、オンに設定されていると判別した場合は(S38358:Yes)、時短カウンタ203hの値に300を設定し(S38359)、第2天井待機フラグ203lcをオフに設定し(S38360)、遊技状態格納エリア203gに第3時短状態を設定し(S38354)、今回の時短抽選に関する情報をクリアし(S38355)、第3時短状態を示す情報と、時短回数を示す情報とを含む状態コマンドを設定し(S38356)、特図抽選カウンタ203laの値をクリアし(S38357)、本処理を終了する。
そして、S38358の処理において、第2天井待機フラグ203lcがオンに設定されていないと判別した場合、即ち、今回実行された特別図柄抽選に基づいて、天井特典の付与条件が成立していないと判別した場合は(S38358:No)、上述した第5制御例における時短設定処理5(図257のS254参照)と同一のS8351〜S8354の処理を実行し、本処理を終了する。
以上、説明をした通り、本第13制御例では、特別図柄変動が停止表示される場合に実行される制御処理(時短設定処理13(S30254))にて時短状態の設定条件が成立しているか(時短状態が設定可能な抽選結果であるか、或いは、各種天井待機フラグの何れかがオンに設定されているか)を判別し、設定条件が成立していると判別した場合に、時短状態を設定するように構成しているが、時短状態を設定するタイミングとして別のタイミングを採用しても良く、例えば、特別図柄変動が開始されるタイミング(特別図柄変動を開始させるための処理を実行するタイミング)にて時短状態の設定条件が成立しているかを判別し、設定条件が成立していると判別した場合に、時短状態を設定するように構成しても良い。
また、時短状態の設定条件が成立してから、次の特別図柄抽選が実行されるまでの間に時短状態が設定されれば良く、例えば、時短状態の設定条件が成立した際に時間経過を計測可能な計測手段(タイマ)に対して所定の値をセットし、計測手段にセットされた値に対応した時間が経過した場合に時短状態を設定可能に構成しても良いし、時短状態の設定条件が成立している場合(各種天井待機フラグの何れかがオンに設定されている場合)に、定期的に設定抽選(例えば、主制御装置110にて定期的に実行されるメイン処理にて実行される抽選)を実行可能に構成し、その設定抽選に当選したタイミングで時短状態を設定するように構成しても良い。このように、時短状態の設定条件が成立してから、次の特別図柄抽選が実行されるまでの期間の範囲内において様々なタイミングで時短状態を設定可能に構成することで、遊技者に対して時短状態が設定されるタイミングを把握させ難くすることができる。
また、本第13制御例では、時短状態を設定させるための時短設定条件を複数設定可能に構成しており、1回の特別図柄抽選に基づいて、複数の時短設定条件が重複して成立し得るように構成している。具体的には、特別図柄抽選の抽選結果に基づいて成立する抽選結果時短設定条件と、特別図柄抽選の実行回数に基づいて成立する抽選回数時短設定条件と、を設定可能に構成している。
そして、遊技者にとって有利となる時短状態(右打ち遊技状態)が設定され易い時短設定条件(抽選回数時短設定条件)の成立有無を優先して判別可能に構成し、抽選回数時短設定条件が成立していると判別した場合に、遊技者にとって有利となる時短状態(右打ち遊技状態)が設定され難い抽選結果時短設定条件の成立有無に関わらず抽選回数時短設定条件の成立に基づく時短状態を設定可能に構成している。
このように構成することで、複数の時短設定条件が重複して成立した場合であっても遊技者に有利となる時短状態を優先して設定し易くすることができるため、遊技者に対して、不利な遊技が実行され易くなることを抑制することができる。
なお、複数の時短設定条件が重複して成立し得るように構成されたパチンコ機10において、上述した本第13制御例とは異なる時短状態の設定方法を採用しても良く、例えば、遊技者にとって有利となる時短状態(右打ち遊技状態)が設定され難い時短設定条件(抽選結果時短設定条件)の成立有無を優先して判別可能に構成し、抽選結果時短設定条件が成立していないと判別した場合に、遊技者にとって有利となる時短状態(右打ち遊技状態)が設定され易い抽選回数時短設定条件の成立有無を判別可能に構成し、抽選回数時短設定条件が成立していると判別した場合に抽選回数時短設定条件の成立に基づく時短状態を設定可能に構成してもよい。
つまり、複数の時短設定条件が重複して成立した場合には、遊技者にとって有利となる時短状態(右打ち遊技状態)が設定され難い時短設定条件(抽選結果時短設定条件)の成立に基づく時短状態が設定され、遊技者にとって有利となる時短状態(右打ち遊技状態)が設定され易い時短設定条件(抽選回数時短設定条件)のみが成立している場合に、遊技者にとって有利となる時短状態(右打ち遊技状態)が設定され易い時短設定条件(抽選回数時短設定条件)の成立に基づく時短状態が設定されるように構成しても良い。
このように構成することで、複数の時短設定条件が重複して成立する場合よりも、特定の時短設定条件のみが成立する場合の方が、遊技者に有利な時短状態を設定し易くすることができる。つまり、特定の時短設定条件が成立することとなる特別図柄抽選に基づいて、他の時短設定条件が成立しないことを遊技者に期待させるという斬新な遊技性を提供することができる。
この場合、例えば、特定の時短設定条件(抽選回数時短設定条件)が成立する特別図柄抽選の抽選結果を示すための変動演出(天井到達演出)と、特定の時短設定条件(抽選回数時短設定条件)が成立しない特別図柄抽選の抽選結果を示すための変動演出(通常演出)と、で、他の時短設定条件(抽選結果時短設定条件)が成立するか否か(例えば、時短抽選で時短当選するか否か)の結果を示すための演出態様を異ならせると良く、天井到達演出では、時短当選しない方が、時短当選した場合よりも結果的に有利な時短状態が設定され易くなるため、時短抽選の結果が外れ当選である場合の方が、時短抽選の結果が時短当選である場合よりも、遊技者を祝福する演出態様が設定され易く、通常演出では、時短当選した方が、時短当選しない場合よりも時短状態が設定され易くなるため、時短抽選の結果が時短当選である場合の方が、時短抽選の結果が外れ当選である場合よりも、遊技者を祝福する演出態様が設定され易くなるように構成すると良い。
このように構成することで、遊技者に対しては、自身に有利な遊技状況が設定され易いか否かを実行される演出の内容を把握することで容易に把握させることができるため、分かり易い遊技を提供することができる。
また、複数の時短設定条件が重複して成立した場合にのみ特殊時短状態(第4時短条件)を設定可能に構成しても良い。
次に、図456を参照して、普通図柄変動処理13(S30106)の内容について説明をする。図456は、普通図柄変動処理13(S30106)の処理内容を示したフローチャートである。この普通図柄変動処理13(S30106)は、上述した各制御例において図示を省略していた処理内容を図示したものである。
本第13制御例を含む各制御例において、普通図柄の高確率状態が設定されている状態において、普図当たり遊技中に遊技球を第2入球口640へと入球させ易い遊技状態(本制御例では、第2時短状態)と、普図当たり遊技中に遊技球を第2入球口640へと入球させ難い遊技状態(本制御例では、第1時短状態)と、を設定可能に構成している。
具体的には、時短抽選によって時短当選したことに基づいて設定される普通図柄の高確率状態(第1時短状態)と、大当たり当選したことに基づいて設定される普通図柄の高確率状態(第2時短状態)と、で異なる長さの普通図柄変動時間が設定されるように構成している。
そして、第1時短状態が設定された場合は、図456のS30807に示した通り、非常に短時間(0.1秒)の普通図柄変動時間が設定されるように構成している。このように構成することで、普通図柄抽選の実行契機となるスルーゲート67を遊技球が通過してから、その通過した遊技球が電動役物640へと到達するまでに、普通図柄の当たり遊技(普図当たり遊技)を終了させることが可能となり、遊技球が第2入球口640へと入球し難い時短状態となる。
一方で、第2時短状態が設定された場合は、図456のS30805に示した通り、短時間(1秒)の普通図柄変動時間が設定されるように構成している。このように構成することで、普通図柄抽選の実行契機となるスルーゲート67を遊技球が通過してから、その通過した遊技球が電動役物640へと到達するタイミングが、普通図柄の当たり遊技(普図当たり遊技)中とさせることが可能となり、遊技球が第2入球口640へと入球し易い時短状態となる。
さらに、本第13制御例では、普通図柄の低確率状態が設定されている状態において、第2入球口640へと遊技球を上述した第2時短状態と同程度入球させることが可能な第3時短状態を設定可能に構成している。具体的には、第3時短状態が設定されている場合は、図456のS30805に示した通り、短時間(1秒)の普通図柄変動時間が設定されるように構成している。そして、普通図柄抽選の当たり確率が、普通図柄の低確率状態(299/300)、普通図柄の高確率状態(299/300)となるように構成している。
よって、普通図柄の低確率状態が設定されている場合であっても、普通図柄の変動時間として、第2時短状態と同一の長さとすることにより、第2入球口640へと遊技球を入球させ易い遊技状態(右打ち遊技状態)を設定することが可能となる。
なお、普通図柄の低確率状態が設定される通常状態や第2確変状態においては、図456のS30808に示した通り、他の遊技状態よりも長い変動時間(60秒)が普通図柄変動時間として設定されるため、第2入球口640へと遊技球を入球させ難くなり、左打ち遊技によって第1入球口64へと遊技球を入球させた方が特別図柄抽選を実行させ易い遊技状態(左打ち遊技状態)となる。
また、図456のS30809、及びS30810に示した通り、普通図柄の高確率状態が設定されている場合の方が、普通図柄の低確率状態が設定されている場合よりも、普図当たり遊技において電動役物640が開放状態となる時間が長くなるように構成しているが、何れの場合であっても、普通図柄変動時間として1秒が設定される場合には、第2入球口640へと遊技球が入球可能となるため、第2時短状態と、第3時短状態とでは、同程度の遊技球を第2入球口640へと入球させることができる。
次に、図457を参照して、本第13制御例における主制御装置110の立ち上げ処理について説明をする。図457は、本第13制御例における主制御装置110の立ち上げ処理の処理内容を示したフローチャートである。図457に示した通り、本第13制御例における主制御装置110の立ち上げ処理では、パチンコ機10が正常に立ち上がったと判別した場合に(S1707:Yes)、特図抽選カウンタ203laの値を示す情報を含む状態コマンドを音声ランプ制御装置113へと送信する処理(S31701)と、遊技状態格納エリア203gに格納されている情報を含む状態コマンドを音声ランプ制御装置113へと送信する処理(S31702)と、を実行する点で、上述した各制御例における立ち上げ処理と相違している。それ以外は同一である。
このように構成することで、パチンコ機10の電源供給が断たれた場合であっても、電源供給が復帰した時点で、パチンコ機10の遊技状況を示す情報を音声ランプ制御装置113へと送信することが可能となる。よって、パチンコ機10の遊技状況に基づいて実行される演出を適正に設定し易くすることができる。
<第13制御例における音声ランプ制御装置113の制御処理について>
次に、図458から図463を参照して、本第13制御例における音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される制御処理の内容について説明をする。本第13制御例では、上述した第5制御例に対して、コマンド判定処理13(図458のS34182参照)と、変動表示設定処理13(図461のS34113参照)と、を実行する点で相違している。それ以外の処理内容については同一であり、同一の処理内容についてはその詳細な説明を省略する。
まず、図458を参照して、コマンド判定処理13(S34182)の処理内容について説明をする。図458は、コマンド判定処理13(S34182)の処理内容を示したフローチャートである。このコマンド判定処理13(S34182)では、上述した第5制御例のコマンド判定処理5(図262のS4182参照)に対して、状態コマンド受信処理5(S4282)に代えて状態コマンド受信処理13(図459のS34251参照)を実行する点で相違し、それ以外は同一である。同一の処理内容については同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
次に、図459を参照して、状態コマンド受信処理13(S34251)の処理内容について説明をする。図459は、状態コマンド受信処理13(S34251)の処理内容を示したフローチャートである。図459に示した通り、状態コマンド受信処理13(S34251)では、上述した第5制御例における状態コマンド受信処理5(図263のS4282参照)に対して、主制御装置110から受信した状態コマンドに含まれる情報に基づいて遊技状態が時短状態へと変更されたと判別した場合(S9005:Yes)に実行される処理内容を変更した点と、特図抽選カウンタ203laの値を示す情報を含む状態コマンドを受信した場合の処理を追加した点で相違している。それ以外の処理内容は同一であるためその詳細な説明を省略する。
状態コマンド受信処理13(S34251)が実行されると、上述した第5制御例における状態コマンド受信処理5(図265のS4282参照)と同一のS9001,S9002の処理が実行される。その後、S9005の処理が実行され、遊技状態が時短状態へと変更されたと判別した場合(S9005:Yes)は、時短状態演出設定処理13を実行し(S9091)、その後、S9093の処理へ移行する。時短状態演出設定処理13(S9091)の内容については、図460を参照して後述する。
また、S9005の処理において、時短状態に変更していないと判別した場合は(S9005:No)、変更後の遊技状態に対応する背面種別を示すための表示用背面画像変更コマンドを設定し(S9092)、S9093の処理へ移行する。
S9093の処理では、今回受信した状態コマンドに、特図抽選カウンタ203laの値を示す情報、即ち、ハマリ回数を示す情報が含まれているかを判別し(S9093)、含まれていると判別した場合は(S9093:Yes)、受信した値に対応する値を特図抽選カウンタ203laの値に設定し(S9094)、本処理を終了する。一方、S9093の処理において、ハマリ回数を示す情報が含まれていないと判別した場合は(S9093:No)、そのまま本処理を終了する。
次に、図460を参照して、状態コマンド受信処理13(図459のS34251参照)にて実行される時短状態演出設定処理13(S9091)の処理内容について説明をする。図460は、時短状態演出設定処理13(S9091)の処理内容を示したフローチャートである。この時短状態演出設定処理13(S9091)は、上述した時短状態演出設定処理(図266のS9006参照)に対して、通常状態から時短状態へと移行した場合における処理内容を変更している点で相違しており、それ以外の処理内容は同一である。同一の処理内容については同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
時短状態演出設定処理13(S9091)が実行されると、まず、従状態設定エリア223gから、変更前の遊技状態を読み出し(S34301)、変更前の遊技状態が通常状態であるかを判別する(S34302)。S34302の処理において、通常状態であると判別した場合は(S34302:Yes)、今回受信したコマンドに含まれる時短種別を示す情報が、第1時短状態を示す情報であるかを判別し(S34303)、第1時短状態では無いと判別した場合は(S34303:No)、受信したコマンドに含まれる時短回数を時短中カウンタ223daの値に設定し(S34304)、その後、今回設定された時短状態の時短種別が第3時短状態であるかを判別し(S34305)、第3時短状態であると判別した場合は(S34305:Yes)、天井モードに対応する背面種別(図440(b)参照)を示すための表示用背面画像変更コマンドを設定し(S34306)、本処理を終了する。
また、S34305の処理において、今回設定された時短状態の時短種別が第3時短状態では無いと判別した場合(S34305:No)は、次に、今回設定された時短状態の時短種別が大当たりC13に基づく大当たり遊技終了後に設定された第2時短状態であるかを判別し(S34307)、大当たりC13に基づく大当たり遊技終了後に設定された第2時短状態であると判別した場合は(S34307:Yes)、上述したS34306の処理を実行し、本処理を終了する。
S34307の処理において、大当たりC13に基づく大当たり遊技終了後に設定された第2時短状態では無いと判別した場合は(S34307:No)、次に、時短当選後に設定された第2時短状態であるかを判別し(S34308)、時短当選後に設定された第2時短状態であると判別した場合は(S34308:Yes)、上述したS34306の処理を実行し、本処理を終了する。そして、S34308の処理において、時短当選後に設定された第2時短状態では無いと判別した場合は(S34308:No)、設定された時短種別に対応する背面種別を示すための表示用背面画像変更コマンドを設定し(S34309)、本処理を終了する。
このように構成することで、天井特典が付与され第3時短状態が設定された場合に実行される天井中モードの背面画像を、大当たり種別「大当たりC13」に基づく大当たり遊技終了後に設定される第2時短状態、及び、時短抽選にて時短当選した場合の一部(0.1%)にて設定される第2時短状態が設定された場合にも表示することが可能となる。これにより、遊技者に対して、天井特典の付与条件が成立することなく設定される上述した第2時短状態が設定された場合であっても、天井特典の付与条件が成立したと思わせることができるため、天井特典が様々なタイミングで付与されることに期待しながら遊技を行わせることができる。
次に、図461を参照して、変動表示設定処理13(S34113)の内容について説明をする。図461は、変動表示設定処理13(S34113)の処理内容を示したフローチャートである。この変動表示設定処理13(S34113)は、上述した変動表示設定処理(図182のS4113参照)に対して、変動演出の演出態様を設定するために、特図1演出態様設定処理(図182のS4903)、及び特図2演出態様設定処理(図182のS4907)に代えて、演出態様設定処理13(図461のS4991)を実行するように構成した点で相違し、それ以外は同一である。同一の内容については、同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
なお、本第13制御例では、第1特別図柄の変動演出の演出態様を設定する処理と、第2特別図柄の変動演出の演出態様を設定する処理とが同一処理となるため、何れの特別図柄の変動演出の演出態様を設定する場合にも、演出態様設定処理13(図461のS4991参照)が実行される。
次に、図462を参照して、演出態様設定処理13(S4991)の内容について説明をする。図462は、演出態様設定処理13(S4991)の処理内容を示したフローチャートである。この演出態様設定処理13(S4991)は、特別図柄変動に対応する変動演出の演出態様を設定するための処理が実行されるものであって、演出態様を設定する対象となる特別図柄抽選の結果や、設定されている遊技状態に応じて、様々な演出態様を設定するための処理が実行される。また、第3図柄表示装置81の表示面にて特別図柄抽選の実行回数を示すための表示態様や、特定の遊技状態(例えば、第3時短状態)が継続し得る残期間(残時短回数)を示すための表示態様が表示されている場合において、その表示態様が示す値を更新するための処理が実行される。
演出態様設定処理13(S4991)が実行されると、まず、時短中カウンタ223daの値が0よりも大きいか、即ち、現在が第2時短状態、或いは、第3時短状態であるかを判別し(S34401)、0よりも大きく無いと判別した場合は(S34401:No)、通常モード用演出設定処理13を実行し(S34402)、その後、決定した演出態様を示す表示用変動パターンコマンドを設定し(S34407)、本処理を終了する。
一方、S34401の処理において、時短中カウンタ223daの値が0よりも大きいと判別した場合は(S34401:Yes)、時短中カウンタ223daの値を1減算し(S34403)、次に、天井時短カウンタ223laの値が0よりも大きいかを判別する(S34404)。天井時短カウンタ223laの値が0よりも大きく無い、即ち、天井中モードが設定されていない右打ち遊技状態(第2時短状態)であると判別した場合は(S34404:No)、減算後の時短中カウンタ223daの値を示すための表示用コマンドを設定し(S34405)、各種カウンタの値に対応する演出態様を決定し(S34406)、上述したS34407の処理へ移行し、本処理を終了する。
S34404の処理において、天井時短カウンタ223laの値が0よりも大きいと判別した場合は(S34404:Yes)、天井時短カウンタ223laの値を1減算し(S34408)、減算後の天井時短カウンタ223laの値を示すための表示用コマンドを設定し(S34409)、減算後の天井時短カウンタ223laの値が1であるかを判別する(S34410)。
S34410の処理において、天井時短カウンタ223laの値が1では無い、即ち、天井中モードの最終変動では無いと判別した場合は(S34410:No)、上述したS34406,S34407の処理を実行し、本処理を終了する。一方、S34410の処理において、天井時短カウンタ223laの値が1である(即ち、天井中モードの最終変動である)と判別した場合は(S34410:Yes)、次に、後乗せフラグ223lbがオンに設定されているかを判別し(S34411)、オンに設定されていると判別した場合は(S34411:Yes)、後乗せフラグ223lbをオフに設定し(S34412)、時短中カウンタ223daの値に対応した値を天井時短カウンタ223laの値に加算し(S34413)、残時短回数表示が増加する後乗せ演出(上乗せ演出)の演出態様を決定し(S34414)、上述したS34407の処理を実行し、本処理を終了する。
また、S34411の処理において、後乗せフラグ223lbがオンに設定されていないと判別した場合は(S34411:No)、天井中モードが設定されている第3時短状態、第2時短状態が終了する特別図柄変動に対応する変動演出となるため、天井中モード(天井モード)が終了することを示す演出態様を決定し(S34415)、上述したS34407の処理を実行し、本処理を終了する。
次に、図463を参照して、通常モード用演出設定処理13(S34402)の内容について説明をする。図463は、通常モード用演出設定処理13(S34402)の処理内容を示したフローチャートである。この通常モード用演出設定処理13(S34402)では、特別図柄変動が停止表示された際に、天井中モード(天井モード)が設定されることを示すための天井到達時演出の演出態様を決定する処理と、左打ち遊技状態が設定されている状態にて実行される特別図柄変動に対応して実行される変動演出として、天井特典が付与されるまでの残期間を遊技者に示唆することが可能な天井到達示唆演出の演出態様を決定するための処理が実行される。
通常モード用演出設定処理13(S34402)が実行されると、まず、特図抽選回数カウンタ223lcの値が500であるか、即ち、今回実行される特別図柄抽選によって、天井特典の付与条件が成立するかを判別する(S34501)。S34501の処理において、特図抽選回数カウンタ223lcの値が500であると判別した場合は(S34501:Yes)、天井到達時演出選択テーブル222lbを参照して、天井到達時演出の演出態様を決定し(S34502)、決定した演出態様に対応した値を、天井時短カウンタ223laの値に設定し(S34503)、決定した演出態様に対応させた後乗せフラグ223lbの設定状況を決定し(S34504)、本処理を終了する。
また、S34501の処理において、特図抽選回数カウンタ223lcの値が500では無い、即ち、天井特典の付与条件が成立しないと判別した場合には(S34501:No)、次に、今回の特別図柄変動が、大当たりC13に当選する特別図柄変動であるかを判別し(S34505)、大当たりC13に当選する特別図柄変動であると判別した場合は(S34505:Yes)、特別図柄変動の停止表示後に疑似的に天井モード(天井中モード)となる第2時短状態が設定されるため、上述したS34502〜S34504の処理を実行し、本処理を終了する。
また、S34505の処理において、大当たりC13に当選する特別図柄変動では無いと判別した場合は(S34505:No)、次に、今回の特別図柄変動が、第2時短状態が設定される時短当選変動であるかを判別し(S34506)、第2時短状態が設定される時短当選変動であると判別した場合は(S34506:Yes)、特別図柄変動の停止表示後に疑似的に天井モード(天井中モード)となる第2時短状態が設定されるため、上述したS34502〜S34504の処理を実行し、本処理を終了する。
S34506の処理において、第2時短状態が設定される時短当選変動では無いと判別した場合、即ち、今回の特別図柄変動が停止表示された後に、天井中モード(天井モード)が設定されることの無い特別図柄変動であると判別した場合は(S34506:No)、次に、今回の特別図柄変動が特殊変動(15秒変動)であるかを判別し(S34507)、特殊変動(15秒変動)であると判別した場合は(S34507:Yes)、天井到達示唆演出選択テーブル222laを参照して、示唆演出の演出態様を決定し(S34508)、本処理を終了する。また、S34507の処理において特殊変動(15秒変動)では無いと判別した場合は(S34507:No)、受信した変動パターンに対応した演出態様を決定し(S34509)、本処理を終了する。
<第13制御例における第1変形例について>
次に、図464から図470を参照して、上述した第13制御例の第1変形例について説明をする。上述した第13制御例では、遊技状態が通常状態、或いは、第1時短状態の場合に時短抽選を実行可能に構成し、時短抽選で時短当選し、第1時短状態が設定された場合には、時短回数1回の第1時短状態が設定されるように構成していた。そして、通常状態又は第1時短状態が設定されている間に、大当たり当選すること無く、特別図柄抽選が500回実行されることで天井特典の付与条件が成立し、天井特典として第3時短状態が設定されるように構成していた。
加えて、天井特典の付与条件が成立した場合に設定されている遊技状態に応じて、天井特典として付与される特典の内容を異ならせるように構成し、通常状態が設定されている状態で天井特典の付与条件が成立した場合には、時短100回の第3時短状態が設定され、第1時短状態が設定されている状態で天井特典の付与条件が成立した場合には、時短300回の第3時短状態が設定されるように構成していた。
つまり、上述した第13制御例では、特別図柄抽選で大当たり当選を目指す従来型の遊技性に加え、大当たり当選しない期間が長時間継続した場合に、特別図柄抽選の実行回数に基づいて付与される天井特典を目指す遊技を遊技者に実行させることができるものであった。
さらに、時短抽選の結果に基づいて、通常状態と、第1時短状態と、を頻繁に切り替えることで、天井特典として付与される特典の内容(時短回数)が、遊技者に有利な有利特典(時短300回)となるか、有利特典よりは不利となる不利特典(時短100回)となるかを遊技者に予測させ難くすることができるものであった。
これに対して、本第1変形例では、時短抽選で時短当選する確率を低確率(1/500)に設定し、通常状態のみ時短抽選を実行可能に構成し、時短当選した場合には、天井特典の付与条件となる特別図柄抽選の実行回数(ハマリ回数)よりも多い時短回数の第1時短状態が設定されるように構成している。
つまり、本第1変形例では、通常状態にて時短当選し、第1時短状態が設定された場合には、大当たり当選しない限り、天井特典の付与条件が成立するまで第1時短状態が継続するように構成している。このように構成することで、時短抽選に当選したことによる付加価値として、天井特典で有利特典が付与されるため遊技者に対して、天井特典を目指した遊技を意欲的に実行させることができる。
さらに、本第1変形例では、左打ち遊技状態が実行されている期間において、現在設定されている遊技状態が通常状態であるか、第1時短状態であるかを遊技者に予測させるための遊技状態示唆演出を実行可能に構成している。
このように構成することで、大当たり当選すること無く、左打ち遊技状態を長時間遊技している遊技者に対して、現在設定されている遊技状態を予測させ易くすることができるため、天井特典の付与条件が成立するまでの残期間と、現在の遊技状態とを鑑みて、遊技を続行するか否かを選択させることができる。また、天井特典の付与条件が成立するまでの残期間が長い状況であっても、第1時短状態が設定されている可能性が高いことを示す演出態様で遊技状態示唆演出が実行された場合には、有利特典を目指した遊技を遊技者に行わせ易くすることができるため、左打ち遊技状態が実行されている期間において、現在設定されている遊技状態を示唆するための演出が実行されない場合に比べて、パチンコ機10の稼働を向上させ易くすることができる。
<第13制御例の第1変形例にて実行される演出内容について>
まず、図464を参照して、本第13制御例の第1変形例におけるパチンコ機10にて実行される各種演出のうち、特徴的な演出の内容について説明をする。本第13制御例の第1変形例におけるパチンコ機10は、上述した第13制御例におけるパチンコ機10に対して、左打ち遊技状態にて実行される時短抽選の結果に基づいて第1時短状態が設定されている間は時短抽選が実行されず、且つ、第1時短状態として天井特典が付与されるハマリ回数(500回)よりも多い1000回の時短回数が設定されるように構成している。
よって、左打ち遊技状態にて実行される時短抽選の結果に基づいて第1時短状態が設定されると、その時点で、天井特典として有利特典(時短300回の第3時短状態)が設定されることが確定する。
そこで、本第1変形例では、左打ち遊技状態中において、第1時短状態が設定されているか否かを遊技者に予測させるための遊技状態示唆演出を実行可能に構成している。図464(a)は、遊技状態示唆演出の演出画面の一例を示した図であって、図464(b)は、左打ち遊技状態において、第1時短状態が設定されている可能性が高いことを遊技者に示唆するための示唆演出中における表示画面の一例を示した図である。
図464(a)に示した通り、遊技状態示唆演出が実行されると、主表示領域Dmの中央部に複数の領域が形成されたルーレット861が回転表示され、指標863に対応する位置に停止した領域が演出結果となる遊技状態示唆演出が実行される。ルーレット861には、第1時短状態が設定されていることを示す「準備」の表示態様が表示されている第1領域862a、第1時短状態が設定されている可能性を示唆する「チャンス」の表示態様が表示されている第2領域862b、大当たり当選を示す「V」の表示態様が表示されている第3領域862c、何れの情報も示唆することのない「?」の表示態様が表示されている第4領域862dの4つの領域が占有範囲を異ならせて形成されている。
そして、主表示領域Dmには、遊技状態示唆演出が実行されていることを示すための「状態示唆チャンス」の文字が表示され、副表示領域Dsには、遊技状態示唆演出の演出内容を遊技者に説明するための説明態様として「どこで止まるかな?「準備」で止まれば「天井準備」へ、「V」で止まれば「大当たり!」」のコメントが表示されている。
ここで、本第1変形例では、天井特典が付与されるまでの残期間の長さや、実行される特別図柄抽選の結果に基づいて、遊技状態示唆演出の実行頻度や、演出態様を異ならせるように構成しており、天井特典が付与されるまでの残期間が短くなるほど、又は、特定回数目(例えば、50の倍数)の特別図柄抽選であるほど、実際に設定されている遊技状態を把握し易い演出態様で遊技状態示唆演出が実行されるように構成している。
このように構成することで、設定されている遊技状態を把握しようとする遊技者に対して、次の特定回数目の特別図柄抽選が実行されるまで遊技を行わせ易くすることができるため、パチンコ機10の稼働を向上させ易くすることができる。また、図464(a)に示した通り、主表示領域Dmに形成される小表示領域Dm7には、前回の大当たり遊技が終了してから実行された特別図柄抽選の回数が表示されるように構成しており、図464(a)に示した図では、250回目の特別図柄抽選の結果を示すための特別図柄変動期間中を示している。
そして、遊技状態示唆演出にて第1領域862aが、指標863に対応する位置に停止表示された場合には、図464(b)に示した通り、天井準備モードが設定される。この天井準備モードは、第1時短状態が設定されていることを示すための演出モードであって、小表示領域Dm7には、前回の大当たり遊技終了後から実行された特別図柄抽選の回数では無く、天井特典が付与されるまでの残期間(残特別図柄変動回数)が表示され、天井モード(天井中モード)中に出現するキャラクタ809が表示される。また、副表示領域Dsには、天井準備モードの演出内容を説明するための説明態様として、「あと90回ハマったら、時短300回GET」の文字が表示される。このように構成することで、遊技状態示唆演出にて、現在設定されている遊技状態を遊技者に示唆するだけで無く、天井特典が付与されるまでの残期間を遊技者に報知することが可能となるため、天井特典の付与を目指した遊技者に対して意欲的に遊技を行わせることができる。
<第13制御例の第1変形例における電気的構成について>
次に、図465〜図467を参照して、本第1変形例における電気的構成について説明をする。本第13制御例の第1変形例は、上述した第13制御例に対して、時短抽選の当選確率を低確率に変更した点と、時短当選時に設定される時短回数を異ならせた点と、で主制御装置110の電気的構成を異ならせており、遊技状態示唆演出の演出態様を決定するためのデータテーブルを追加した点と、天井準備モードが設定されている状態を示すためのフラグを追加した点で、音声ランプ制御装置113の電気的構成を異ならせている。それ以外の要素については同一であり、同一の内容については、その説明を省略する。
まず、図465(a)を参照して、時短当たり乱数13aテーブル202laeの内容について説明をする。図465(a)は、時短当たり乱数13aテーブル202laeに規定されている内容を示した図である。この時短当たり乱数13aテーブル202laeは、上述した時短当たり乱数13テーブル202le(図444(c)参照)に対して、時短抽選で当り当選する判定値の数を異ならせている点で相違している。
具体的には、特別図柄種別は「共通」で、遊技状態として、通常状態である場合には、取得した第1当たり乱数カウンタC1の値が「998,999」の範囲が時短当選の判定値として規定されている。また、遊技状態が通常状態以外である場合には、時短当選の判定値が規定されていない(図では「−」で表示)。
このように構成することで、時短抽選で時短当選し得る遊技状態が通常状態のみとなり、さらに、時短抽選で時短当選させ難くすることができる。よって、時短抽選で時短当選したことによる付加価値として遊技者に有利な有利特典(時短300回の第3時短状態)を付与可能に構成したとしても、遊技者に対して過剰に有利特典が付与されてしまうことを抑制することができる。
次に、図465(b)を参照して、時短当選用13aテーブル202laf1の内容について説明をする。図465(b)は、時短当選用13aテーブル202laf1に規定されている内容を示した図である。図465(b)に示した通り、時短当選用13aテーブル202laf1は、上述した第13制御例の時短当選用13テーブル202lf1に対して、各時短種別に対して設定される時短回数(時短カウンタ203hにセットする値)を異ならせており、それ以外は同一である。同一の内容については、その説明を省略する。
具体的には、時短種別として第1時短状態が設定された場合には、時短回数として「1000回」が設定される点で相違している。このように構成することで、時短当選して第1時短状態が設定された場合に、ハマリ回数を超えるまで継続して第1時短状態を設定することができる。
次に、図466(a)を参照して、本第1変形例のパチンコ機10における音声ランプ制御装置113のMPU221が有するROM222の構成について説明をする。本第1変形例のパチンコ機10における音声ランプ制御装置113のMPU221が有するROM222は、上述した第13制御例のパチンコ機10における音声ランプ制御装置113のMPU221が有するROM222(図447(a)参照)に対して、天井到達示唆演出選択テーブル222laに代えて、遊技状態示唆演出選択13aテーブル222laaを設けた点で相違し、それ以外は同一である。
遊技状態示唆演出選択13aテーブル222laaは、遊技状態示唆演出の演出態様を決定する際に参照されるデータテーブルであって、通常モード(通常状態、第1時短状態、第2確変状態)中において、特殊変動(15秒変動)の変動パターンが選択された場合に参照される(図470のS34532参照)。
ここで、図467を参照して、遊技状態示唆演出選択13aテーブル222laaに規定されている内容について説明をする。図467は、遊技状態示唆演出選択13aテーブル222laaに規定されている内容を示した図である。図467に示した通り、遊技状態示唆演出選択13aテーブル222laaには、特図抽選回数カウンタ223lcの値と、設定されている遊技状態と、当該変動に対応する特別図柄抽選の結果と、取得した演出カウンタ223fの値に対応させて異なる示唆態様(演出態様)が規定されている。
この遊技状態示唆演出選択13aテーブル222laaを参照して決定された演出態様で遊技状態示唆演出の演出態様、即ち、図464(a)を参照して説明をした遊技状態示唆演出にて、最終的に指標863に対応して停止表示される領域862a〜862dが決定される。
具体的には、特図抽選回数カウンタ223lcの値が「1〜200までの50の倍数以外」であって、第1通常モード(通常状態)が設定されており、当該変動の特別図柄抽選の結果が「大当たり」の場合は、取得した演出カウンタ223fの値が「0〜79」の範囲に対して、演出態様「V」が、「80〜99」の範囲に対して、演出態様「チャンス」が規定されており、当該変動の特別図柄抽選の結果が「大当たり以外」の場合は、取得した演出カウンタ223fの値が「0〜89」の範囲に対して、演出態様「?」が、「90〜99」の範囲に対して、演出態様「チャンス」が規定されている。
また、特図抽選回数カウンタ223lcの値が「1〜200までの50の倍数以外」であって、第2通常モード(第1時短状態)が設定されており、当該変動の特別図柄抽選の結果が「大当たり」の場合は、取得した演出カウンタ223fの値が「0〜79」の範囲に対して、演出態様「V」が、「80〜99」の範囲に対して、演出態様「チャンス」が規定されており、当該変動の特別図柄抽選の結果が「大当たり以外」の場合は、取得した演出カウンタ223fの値が「0〜49」の範囲に対して、演出態様「?」が、「50〜99」の範囲に対して、演出態様「チャンス」が規定されている。
次に、特図抽選回数カウンタ223lcの値が「50,100,150,200」であって、第1通常モード(通常状態)が設定されており、当該変動の特別図柄抽選の結果が「大当たり」の場合は、取得した演出カウンタ223fの値が「0〜99」の全範囲に対して、演出態様「V」が規定されており、当該変動の特別図柄抽選の結果が「大当たり以外」の場合は、取得した演出カウンタ223fの値が「0〜39」の範囲に対して、演出態様「?」が、「40〜99」の範囲に対して、演出態様「チャンス」が規定されている。
また、特図抽選回数カウンタ223lcの値が「50,100,150,200」であって、第2通常モード(第1時短状態)が設定されており、当該変動の特別図柄抽選の結果が「大当たり」の場合は、取得した演出カウンタ223fの値が「0〜99」の全範囲に対して、演出態様「V」が規定されており、当該変動の特別図柄抽選の結果が「大当たり以外」の場合は、取得した演出カウンタ223fの値が「0〜19」の範囲に対して、演出態様「?」が、「20〜99」の範囲に対して、演出態様「チャンス」が規定されている。
特図抽選回数カウンタ223lcの値が「201〜490までの50の倍数以外」であって、第1通常モード(通常状態)が設定されており、当該変動の特別図柄抽選の結果が「大当たり」の場合は、取得した演出カウンタ223fの値が「0〜89」の範囲に対して、演出態様「V」が、「90〜99」の範囲に対して、演出態様「チャンス」が規定されており、当該変動の特別図柄抽選の結果が「大当たり以外」の場合は、取得した演出カウンタ223fの値が「0〜69」の範囲に対して、演出態様「?」が、「70〜99」の範囲に対して、演出態様「チャンス」が規定されている。
また、特図抽選回数カウンタ223lcの値が「201〜490までの50の倍数以外」であって、第2通常モード(第1時短状態)が設定されており、当該変動の特別図柄抽選の結果が「大当たり」の場合は、取得した演出カウンタ223fの値が「0〜89」の範囲に対して、演出態様「V」が、「90〜99」の範囲に対して、演出態様「チャンス」が規定されており、当該変動の特別図柄抽選の結果が「大当たり以外」の場合は、取得した演出カウンタ223fの値が「0〜19」の範囲に対して、演出態様「?」が、「20〜99」の範囲に対して、演出態様「チャンス」が規定されている。
次に、特図抽選回数カウンタ223lcの値が「250,300,350,400,450」であって、第1通常モード(通常状態)が設定されており、当該変動の特別図柄抽選の結果が「大当たり」の場合は、取得した演出カウンタ223fの値が「0〜99」の全範囲に対して、演出態様「V」が規定されており、当該変動の特別図柄抽選の結果が「大当たり以外」の場合は、取得した演出カウンタ223fの値が「0〜49」の範囲に対して、演出態様「?」が、「50〜99」の範囲に対して、演出態様「チャンス」が規定されている。
また、特図抽選回数カウンタ223lcの値が「250,300,350,400,450」であって、第2通常モード(第1時短状態)が設定されており、当該変動の特別図柄抽選の結果が「大当たり」の場合は、取得した演出カウンタ223fの値が「0〜99」の全範囲に対して、演出態様「V」が規定されており、当該変動の特別図柄抽選の結果が「大当たり以外」の場合は、取得した演出カウンタ223fの値が「0〜49」の範囲に対して、演出態様「チャンス」が、「50〜99」の範囲に対して、演出態様「準備」が規定されている。
そして、特図抽選回数カウンタ223lcの値が「491〜500」であって、第1通常モード(通常状態)が設定されており、当該変動の特別図柄抽選の結果が「大当たり」の場合は、取得した演出カウンタ223fの値が「0〜69」の範囲に対して、演出態様「V」が、「70〜99」の範囲に対して、演出態様「チャンス」が規定されており、当該変動の特別図柄抽選の結果が「大当たり以外」の場合は、取得した演出カウンタ223fの値が「0〜99」の全範囲に対して、演出態様「チャンス」が規定されている。
また、特図抽選回数カウンタ223lcの値が「491〜500」であって、第2通常モード(第1時短状態)が設定されており、当該変動の特別図柄抽選の結果が「大当たり」の場合は、取得した演出カウンタ223fの値が「0〜79」の範囲に対して、演出態様「V」が、「80〜99」の範囲に対して、演出態様「チャンス」が規定されており、当該変動の特別図柄抽選の結果が「大当たり以外」の場合は、取得した演出カウンタ223fの値が「0〜98」の範囲に対して、演出態様「準備」が規定されており、「99」の値に対して、演出態様「チャンス」が規定されている。
ここで、演出態様「V」が決定された場合は、図464(a)に示した遊技状態示唆演出として、最終的に指標863に対応する位置に、Vが表示されている領域862cが停止表示される演出が実行され、演出態様「チャンス」が決定された場合は、図464(a)に示した遊技状態示唆演出として、最終的に指標863に対応する位置に、チャンスが表示されている領域862bが停止表示される演出が実行され、演出態様「?」が決定された場合は、図464(a)に示した遊技状態示唆演出として、最終的に指標863に対応する位置に、「?」が表示されている領域862dが停止表示される演出が実行され、演出態様「準備」が決定された場合は、図464(a)に示した遊技状態示唆演出として、最終的に指標863に対応する位置に、準備が表示されている領域862aが停止表示される演出が実行される。
以上、説明をした通り、遊技状態示唆演出では、特図抽選回数カウンタ223lcの値が大きいほど、つまり、天井特典が付与されるまでの残期間が少ないほど、現在設定されている遊技状態に対応した示唆態様が設定され易くなるように構成している。このように構成することで、左打ち遊技状態を長時間遊技している遊技者に対して、徐々に現在設定されている遊技状態の予測精度を高めさせることができるため、継続して遊技を行わせ易くすることができる。
また、特図抽選回数カウンタ223lcの値が特定の値(50の倍数)のタイミングで遊技状態示唆演出の実行条件が成立した場合には、他のタイミングで遊技状態示唆演出が実行される場合よりも、現在設定されている遊技状態を把握し易い演出が実行され易くなるように構成している。このように構成することで、現在設定されている遊技状態を把握しようとする遊技者に対して、特図抽選回数カウンタ223lcの値が特定の値となるまで特別図柄抽選を実行させようと継続して遊技を行わせ易くすることができる。
次に、図466(b)を参照して、本第1変形例のパチンコ機10における音声ランプ制御装置113のMPU221が有するRAM223の構成について説明をする。本第1変形例のパチンコ機10における音声ランプ制御装置113のMPU221が有するRAM223は、上述した第13制御例のパチンコ機10における音声ランプ制御装置113のMPU221が有するRAM223(図447(b)参照)に対して、報知済フラグ223laaを追加した点で相違している。同一の内容については、同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
報知済フラグ223laaは、遊技状態示唆演出において、第1時短状態が設定されていることを示す報知が実行されたことを示すためのフラグであって、遊技状態示唆演出の演出結果として天井準備モード(図464(b)参照)が設定される場合にオンに設定される(図470のS34534参照)。そして、報知済フラグ223laaの設定状況は、遊技状態示唆演出を実行するか否かを決定する際に参照され(図470のS34531参照)、報知済フラグ223laaがオンに設定されている場合には(図470のS34531:Yes)、新たな遊技状態示唆演出が実行されないように構成している。このように構成することで、既に、第1時短状態が設定されていることを報知している状態において、無用に遊技状態示唆演出が実行されてしまうことを抑制することができる。
<第13制御例の第1変形例における主制御装置110の制御処理について>
次に、図468を参照して、本第1変形例における主制御装置110にて実行される制御処理の内容について説明をする。本第1変形例は、上述した第13制御例に対して、時短抽選の実行条件を異ならせている点で相違し、それ以外は同一である。同一の処理内容については、その詳細な説明を省略する。
ここで、図468を参照して、時短抽選処理13a(S38006a)の内容を説明する。図468は、本第1変形例における時短抽選処理13a(S38006a)の処理内容を示したフローチャートである。図468に示した通り、時短抽選処理13a(S38006a)は、上述した第13制御例の時短抽選処理13(S38006)に対して、遊技状態が通常状態である場合にのみ時短抽選の実行条件が成立する点(S38151a:Yes)と、時短抽選時に参照されるデータテーブルを、時短当たり乱数13aテーブル222iaeとしている点(S38152a)で相違しており、それ以外は同一である。同一の内容については、同一の符号を付して、その説明を省略する。
<第13制御例の第1変形例における音声ランプ制御装置113の制御処理について>
次に、図469および図470を参照して、本第1変形例における音声ランプ制御装置113にて実行される制御処理内容について説明をする。本第1変形例では、上述した第13制御例に対して、時短状態演出設定処理13(図460のS9091参照)に代えて、時短状態演出設定処理13a(図469のS9091a参照)を実行する点と、通常モード用演出設定処理13(図463のS34402参照)に代えて、通常モード用演出設定処理13a(図470のS34402a参照)を実行する点と、で相違している。それ以外は同一であるため、その説明を省略する。
まず、図469を参照して、時短状態演出設定処理13a(S9091a)の処理内容について説明をする。図469は、時短状態演出設定処理13a(S9091a)の処理内容を示したフローチャートである。図469に示した通り、時短状態演出設定処理13a(S9091a)が実行されると、上述した時短状態演出設定処理13(図460のS9091参照)と同一のS34301〜S34304の処理が実行される。
そして、S34305の処理において、第3時短状態と判別した場合(S34305:Yes)、S34307の処理において、大当たりC13後の第2時短状態と判別した場合(S34307:Yes)、時短当選後の第2時短状態と判別した場合(S34308:Yes)に、報知済フラグ223laaがオンに設定されているかを判別し(S34331)、オンに設定されていると判別した場合は(S34331:Yes)、報知済フラグ223laaをオフに設定し(S34332)、上述した時短状態演出設定処理13(図460のS9091参照)と同一のS34306の処理を実行し、本処理を終了する。
また、S34331の処理において、報知済フラグ223laaがオンに設定されていないと判別した場合は(S34331:No)、S34332の処理をスキップして、上述した時短状態演出設定処理13(図460のS9091参照)と同一のS34306の処理を実行し、本処理を終了する。このように構成することで、報知済フラグ223laaを確実にオフに設定することができる。
次に、図470を参照して、通常モード用演出設定処理13a(S34402a)の処理内容について説明をする。図470は、通常モード用演出設定処理13a(S34402a)の処理内容を示したフローチャートである。この通常モード用演出設定処理13a(S34402a)は、上述した第13制御例における通常モード用演出設定処理13(図463のS34402参照)に対して、通常モードにおいて特殊変動(15秒変動)が実行される場合に演出態様を設定するための処理内容を異ならせている点で相違し、それ以外は同一である。同一の処理内容については、同一の符号を付して、その説明を省略する。
通常モード用演出設定処理13a(S34402a)が実行されると、まず、上述した第13制御例における通常モード用演出設定処理13(図463のS34402参照)と同一のS34501〜S34507の処理を実行し、S34507の処理にて15秒変動(特殊変動)であると判別した場合に(S34507:Yes)、報知済フラグ223laaがオンに設定されているかを判別する(S34531)。
S34531の処理において、報知済フラグ223laaがオンに設定されていないと判別した場合は(S34531:No)、第1時短状態が設定されていることを遊技者に報知するための天井準備モードが設定されていない状態であるため、遊技状態示唆演出選択13aテーブル222laaを参照して、示唆演出(遊技状態示唆演出)の演出態様を決定し(S34532)、その後、今回決定した演出態様が天井準備態様であるかを判別し(S34533)、天井準備態様であると判別した場合は(S34533:Yes)、報知済フラグ223laaをオンに設定する(S34534)。
そして、特図抽選回数カウンタ223lcの値を読み出し(S34535)、読み出した値が500になるまでの残回数、即ち、天井特典の付与条件が成立するまでのハマリ回数の残回数を算出し(S34536)、算出した残回数を示すための表示用コマンドを設定し(S34537)、本処理を終了する。S34537の処理によって設定された表示用コマンドを表示制御装置114側で受信することにより、図464(b)に示した表示画面にて小表示領域Dm7に表示される天井到達までの残回数が表示される。
なお、詳細な説明は省略するが、S34536の処理によって算出された残回数は、専用のカウンタ(残回数カウンタ)に設定され、特別図柄抽選が実行される毎に、設定された値が1減算され、減算後の値を示すための表示用コマンドが表示制御装置114へと出力されるように構成している。これにより、天井準備モードが設定された場合には、特別図柄抽選が実行される毎に、天井までの残回数を示す値が、徐々に減算表示されるため、遊技者に対して、天井特典が付与されるタイミングが近付いていることを容易に把握させることができる。
また、S34531の処理において、報知済フラグ223laaがオンに設定されていると判別した場合(S34531:Yes)は、すでに天井準備モードが設定されている状態であるため、遊技状態示唆演出を実行するための処理をスキップして、S34535の処理へ移行する。
また、S34533の処理において、天井準備態様以外の演出態様を決定したと判別した場合は(S34533:No)、新たな遊技状態示唆演出を実行可能な状態であるため、S34534の処理をスキップして、S34535の処理へ移行する。
以上、説明をした通り、本第13制御例の第1変形例では、時短抽選で時短当選する確率を低確率(1/500)に設定し、通常状態のみ時短抽選を実行可能に構成し、時短当選した場合には、天井特典の付与条件となる特別図柄抽選の実行回数(ハマリ回数)よりも多い時短回数の第1時短状態が設定されるように構成し、通常状態にて時短当選し、第1時短状態が設定された場合には、大当たり当選しない限り、天井特典の付与条件が成立するまで第1時短状態が継続するように構成している。
このように構成することで、時短抽選に当選したことによる付加価値として、天井特典で有利特典が付与されるため遊技者に対して、天井特典を目指した遊技を意欲的に実行させることができる。
なお、本第13制御例の第1変形例では、第1時短状態中には時短抽選を実行しないように構成しているが、第1時短状態中においても、時短抽選を実行可能に構成し、第1時短状態中に時短当選した場合には、天井特典の付与条件となる特別図柄抽選の実行回数(ハマリ回数)よりも多い時短回数の第1時短状態が新たに設定されるように構成し、天井特典の付与条件が成立するまでに時短当選した回数に応じて、天井特典として付与される特典の内容(時短回数)を異ならせるように構成しても良い。この場合、時短当選回数が多い程、天井特典として付与される時短回数が多くなるように構成すると良い。このように構成することで、時短抽選に当選したことによる付加価値をより高めることができる。また、天井特典として付与される時短回数が少なくなるように構成しても良い。
さらに、本第13制御例の第1変形例では、上述した第13制御例と同様に、通常状態と第1時短状態とが切り替わった場合でも、ハマり回数は継続して更新(加算)されるように構成しているが、これに限ること無く、通常状態から第1時短状態へと遊技状態が切り替わる場合や、第1時短状態から通常状態へと遊技状態が切り替わる場合には、ハマり回数をリセットするように構成しても良い。
このように構成した場合であっても、本第13制御例の第1変形例では、通常状態にて時短当選した場合に、天井特典が付与される特別図柄抽選回数(ハマリ回数500回)よりも大きな値の時短回数の第1時短状態が設定されるため、確実に天井特典を付与することができる。
なお、本第13制御例の第1変形例では、通常状態にて時短当選した場合に、天井特典が付与される特別図柄抽選回数(ハマリ回数500回)よりも大きな値の時短回数を有する第1時短状態が設定されるように構成しているが、これに限ること無く、通常状態にて時短当選した場合の一部において、天井特典が付与される特別図柄抽選回数(ハマリ回数500回)よりも小さな値の時短回数(例えば、100回、150回等)を有する第1時短状態を設定可能に構成しても良い。
このように構成することで、通常状態にて時短当選したタイミング(時短当選時のハマり回数)や、時短当選に基づいて設定される時短状態種別によって、第1時短状態が設定される時点において、第1時短状態中に天井特典が付与されることが確定するか否かを決定することができる。そして、この場合、通常状態にて実行される演出として、時短当選時に第1時短状態が設定される各時短状態種別の選択割合に基づいて、時短当選時に設定される第1時短状態が天井到達時まで継続し得る期待度を示唆可能な示唆演出と、時短当選時において、今回設定される第1時短状態が天井到達時まで継続し得る期待度を示唆可能な示唆演出と、を実行可能に構成すると良い。このように構成することで、通常状態において実行される時短抽選に対して、その時短抽選結果が遊技者に有利となるか否かを遊技者に予測させながら遊技を行わせることができる。
また、本第1変形例では、左打ち遊技状態が実行されている期間において、現在設定されている遊技状態が通常状態であるか、第1時短状態であるかを遊技者に予測させるための遊技状態示唆演出を実行可能に構成している。
このように構成することで、大当たり当選すること無く、左打ち遊技状態を長時間遊技している遊技者に対して、現在設定されている遊技状態を予測させ易くすることができるため、天井特典の付与条件が成立するまでの残期間と、現在の遊技状態とを鑑みて、遊技を続行するか否かを選択させることができる。また、天井特典の付与条件が成立するまでの残期間が長い状況であっても、第1時短状態が設定されている可能性が高いことを示す演出態様で遊技状態示唆演出が実行された場合には、有利特典を目指した遊技を遊技者に行わせ易くすることができるため、左打ち遊技状態が実行されている期間において、現在設定されている遊技状態を示唆するための演出が実行されない場合に比べて、パチンコ機10の稼働を向上させ易くすることができる。
<第13制御例の第1変形例における演出変形例について>
次に、図464(a)を参照して説明をした第13制御例の第1変形例にて実行される演出の変形例について説明をする。上述した第13制御例の第1変形例では、左打ち遊技状態において、現在設定されている遊技状態が通常状態であるか第1時短状態であるかを遊技者に示唆するための遊技状態示唆演出を実行可能に構成していた。
そして、遊技状態示唆演出として、図464(a)に示した表示画面が表示される演出を実行可能に構成していた。上述した通り、第13制御例の第1変形例にて実行される遊技状態示唆演出では、天井特典の付与条件となる特別図柄抽選回数(ハマり回数)が近付く程、現在設定されている遊技状態を遊技者が把握し易い態様で遊技状態示唆演出が実行されるように構成することで、遊技者に対して継続して遊技を行わせ易くするものであったが、天井特典の付与条件となる特別図柄抽選回数(ハマり回数)が遠い状態では、遊技状態示唆演出の演出結果として、何れの遊技状態が設定されているのかを遊技者が把握困難な演出結果(指標863に対応する位置に「?」が付された領域862dが停止する演出結果)が実行され易くなり、演出効果が低下してしまうという問題があった。
また、遊技状態示唆演出の演出結果として、何れの遊技状態が設定されているのかを遊技者が把握困難な演出結果(指標863に対応する位置に「?」が付された領域862dが停止する演出結果)となる遊技状態示唆演出が連続して複数回実行される場合であっても、同様の演出が繰り返し実行されるだけであり、実行される演出が単調となるという問題があった。
これに対して、本演出変形例では、遊技状態示唆演出の演出態様の一部(ルーレット861の態様)を上述した第13制御例の第1変形例とは異ならせている。具体的には、上述した第13制御例の第1変形例において「?」が付された領域862dに対して、本演出変形例では、「インジケータ」が設けられている。このインジケータには10個の目盛りが付されていて、領域862dの一端側(領域862cと隣接する側)から順に、1目盛り単位で値が上昇するように表示態様が可変されるように構成している。
そして、遊技状態示唆演出の演出結果として「?」が選択された場合には、指標863に対応する位置に「インジケータ」が付された領域862dが位置した場合(表示された場合)に、領域862dに付された「インジケータ」が1目盛り毎上昇し、「インジケータ」の可変後の表示態様が、領域862dの他端側(領域862dに隣接する側)に設けられた最大値まで上昇した場合に、「準備」が付された領域862aが指標863に対応する位置に位置した(表示された)場合と同一の演出結果となるように構成している。
つまり、特定期間(天井特典が付与されるまでの期間)中に実行された特定演出(遊技状態示唆演出)の演出結果として、特定の演出結果(「?」が表示される演出結果)となる(なった)回数を記憶する記憶手段を設け、その記憶手段に記憶されている情報(特定の演出結果となった演出回数)に基づいて、特定演出(遊技状態示唆演出)の演出態様を可変可能に構成している。よって、同一の演出態様が繰り返し実行されてしまい、演出効果が低下してしまうことを抑制することができる。
さらに、記憶手段に記憶されている回数が所定回数を満たした場合には、特定の演出結果を示すための表示領域を、特定の演出結果よりも遊技者に有利となる他の演出結果(「準備」)を示すための表示領域へと可変させることができるため、特定の演出結果となる遊技状態示唆演出が連続して実行される程、他の演出結果となる遊技状態示唆演出の実行頻度を高くすることができ、遊技者に対して遊技状態示唆演出が繰り返し実行されることを期待させることができる。
なお、本演出変形例では、「インジケータ」が最大値まで上昇した場合に、「インジケータ」が付された領域862dが示す遊技状態示唆演出の演出結果を異ならせるように構成しているが、これに限ること無く、例えば、「インジケータ」が付された領域862dのうち、既に値が上昇している領域の範囲を、他の演出結果を示すための領域として表示するように構成しても良い。この場合、「インジケータ」が示す値が上昇する毎に、他の演出結果を示す領域が徐々に拡大していくため、遊技者に対して遊技状態示唆演出が繰り返し実行されることを期待させることができる。
また、上述した第13制御例の第1変形例、及び、本演出変形例では、遊技状態示唆演出中に最初に表示されるルーレット961の表示態様として1種類の表示態様(図464(a)参照)を示しているが、これに限ること無く、遊技状態示唆演出が最初に実行された時点におけるハマり回数(天井特典が付与されるまでの残特別図柄変動回数)に基づいて、遊技状態示唆演出中に最初に表示されるルーレット961の表示態様を異ならせても良い。このように構成することで、遊技状態示唆演出の演出結果が表示されるよりも前に、表示されているルーレット961の表示態様に基づいて、天井特典が付与されるまでの残期間を遊技者に予測させることが可能となる。
<第13制御例に関する別技術思想について>
上述した第13制御例、及び、第13制御例の第1変形例では、天井特典が付与される時点にて設定されている遊技状態に応じて異なる天井特典として、時短回数の異なる第3時短状態を設定可能に構成しているが、遊技者に付与される天井特典の内容として別の特典を付与可能に構成しても良く、例えば、天井特典が付与される時点にて設定されている遊技状態に応じて、時短状態中に実行され易い特別図柄抽選の種別を異ならせるように構成しても良く、例えば、通常状態にて天井特典が付与される場合には、第2特別図柄抽選よりも第1特別図柄抽選の方が実行され易くなる時短状態が設定され、第1時短状態にて天井特典が付与される場合には、第1特別図柄抽選よりも第2特別図柄抽選の方が実行され易くなる時短状態が設定されるように構成しても良い。
このように構成することで、天井特典が付与される時点にて設定されている遊技状態に応じて、天井特典が付与されている期間中に実行される特別図柄抽選の回数を異ならせるのでは無く、天井特典が付与されている期間中に実行される特別図柄抽選の結果を異ならせることができる。
また、他の天井特典として、電動役物1640が開放する期間の長さを、天井特典が付与される時点にて設定されている遊技状態に応じて異ならせるように構成しても良い。この場合、例えば、時短状態中における普通図柄抽選の当たり確率を天井特典が付与される時点にて設定されている遊技状態に応じて異ならせて設定したり、時短状態中における普通図柄変動の変動時間を天井特典が付与される時点にて設定されている遊技状態に応じて異ならせて設定したり、時短状態中における普図当たり遊技にて、電動役物1640が開放状態となる期間の長さを天井特典が付与される時点にて設定されている遊技状態に応じて異ならせて設定したりすると良い。このように構成することで、天井特典の内容によって、天井特典中に払い出される賞球数の数を異ならせることができる。さらに、この場合、天井特典として付与される特典の一部において、天井特典中に発射した遊技球の個数よりも、天井特典中に払い出された賞球の個数の方が多くなる時短状態を設定可能に構成しても良い。
また、天井特典中に発射した遊技球の個数よりも、天井特典中に払い出された賞球の個数の方が多くなる時短状態を天井特典として付与可能に構成した場合には、その遊技球の増加割合を、天井特典が付与されるまでのハマリ回数に応じて決定すれば良く、天井特典が付与されるまでのハマり回数が多い程、天井特典が付与されるまでに多くの遊技球を使用しているため、天井特典中に、天井特典が付与されるまでに使用した遊技球の3割程度が持ち玉として増加し得るように構成すると良い。このように構成することで、天井特典を目指した遊技を遊技者に行わせ易くすることができる。
さらに、上述した第13制御例、及び、第13制御例の第1変形例では、天井特典が付与される時点にて設定されている遊技状態に応じて異なる天井特典として、主制御装置110の制御処理内容を異ならせる特典(異なる時短回数を設定する特典)を付与可能に構成しているが、これに限ること無く、音声ランプ制御装置113の制御処理範囲において付与可能な特典を天井特典として設けても良く、例えば、特別図柄抽選の結果を示すために実行される変動演出として、天井特典が付与されている場合の方が、付与されていない場合よりも実行され易い出現頻度の低いプレミア演出を実行させ易くするように構成しても良いし、異なる大当たり確率を複数段階に設定可能な設定機能を有しているパチンコ機10においては、設定されている設定値を遊技者に示唆可能な設定示唆演出を、天井特典が付与されている場合の方が、付与されていない場合よりも実行させ易くするように構成しても良い。このように構成した場合であっても、天井特典が付与されているパチンコ機10にて遊技を行おうと遊技者に意欲的に遊技を行わせることができる。
また、上述した第13制御例では、天井特典が付与されるまでの間、通常状態と、第1時短状態とが頻繁に切り替わるように構成しているため、上述した第13制御例の第1変形例のように、天井特典が付与されるまでの期間において、設定されている遊技状態を遊技者に示唆(報知)可能な演出(遊技状態示唆演出)を実行しないように構成しているが、これに限ること無く、設定されている遊技状態を遊技者に示唆(報知)可能な演出(遊技状態示唆演出)を実行するように構成しても良い。この場合、所定期間の間、継続して同一の遊技状態が設定されていることを判別した場合に、その旨を報知可能に構成すると良い。このように構成することで、例えば、天井特典として遊技者に有利な特典が付与される第1時短状態が終了しないように不正な遊技を行っている遊技者を特定し易くすることができる。
<第14制御例について>
次に、図471から図480を参照して、本第14制御例について説明をする。上述した第13制御例におけるパチンコ機10は、特別図柄抽選が実行された回数(特別図柄抽選回数)が所定条件を満たした場合に、遊技者に有利となる特典を付与可能に構成している。このように構成することで、特別図柄抽選を実行させる遊技を長時間実行した遊技者に対して、特別図柄抽選の結果に関わらず特典を付与することができるため、遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができるものであった。
しかしながら、抽選結果が大当たり当選以外(外れ)となる特別図柄抽選が連続して実行される回数(ハマリ回数)が所定回数(例えば、500回)に到達した場合に、天井特典が付与されることから、遊技者に対して、天井特典が付与されるタイミングを予測され易く、天井特典が付与され難い期間においてパチンコ機10の稼働が低下してしまうという問題があった。
これに対して、第14制御例は、天井特典を付与するための第1条件(ハマリ回数500回)が成立した後、高確率(900/1000)で時短当選する時短抽選にて、第2条件が成立した場合(外れ当選した場合)に、天井特典を付与可能に構成している。これにより、天井特典が付与されるタイミングに不規則性を持たせ、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
また、本第14制御例では、天井特典を付与するための第1条件(ハマリ回数500回)が成立した後、第2条件が成立するまでの期間が所定期間(特図変動200回)を超えた場合に、より遊技者に有利となる特典(第2天井特典)を付与可能に構成している。
このように構成することで、天井特典を付与するための第1条件が成立した後、第2条件が成立するまでの期間が長くなったとしても、遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができる。
<第14制御例における演出内容について>
まず、図471及び図472を参照して、本第14制御例におけるパチンコ機10にて実行される各種演出のうち、特徴的な演出の内容について説明をする。本第14制御例におけるパチンコ機10は、上述した第13制御例におけるパチンコ機10に対して、天井特典を付与するための第1条件(ハマリ回数500回)が成立してから、第2条件(時短外れ)が成立するまでの期間として、天井発動期間を設定し、その天井発動期間において、時短抽選で外れ当選することが遊技者に有利な抽選結果となることを示す演出(天井発動モード)を実行可能に構成している点で相違している。
図471(a)は、天井発動期間が設定された場合に表示される表示画面の一例を示した図であって、図471(b)は、天井発動期間中に実行される天井発動モードの演出画面の一例を示した図である。
図471(a)に示した通り、前回の大当たり遊技終了後から実行された特別図柄抽選の回数が500回に到達し、天井特典を付与するための第1条件が成立すると(500回目の特別図柄変動が停止表示されると)、主表示領域Dmに「天井発動モード突入!時短図柄の停止確率大幅UP」の文字が表示され、次の特別図柄変動(501回目の特別図柄変動)から天井発動モードが設定されることが報知される。また、主表示領域Dmの右下に形成された小表示領域Dm4には、天井発動モード中における遊技方法が左打ちであることを案内するための案内態様として「左打ちを続けてね」の文字が表示される。
ここで、従来のパチンコ機10では、演出モード(実行される演出の内容)が切り替わるタイミングに合わせて、遊技者に実行させる遊技方法を切り替えさせる遊技(例えば、左打ち遊技から右打ち遊技へと切り替えさせる遊技)を実行するものが知られている。この場合、遊技者に対して遊技方法が切り替わることを案内するための案内報知を実行することで遊技者に対して分かり易く遊技方法を切り替えさせる手法が用いられている。
このようなパチンコ機10が主流となった現状において、遊技方法が切り替えること無く演出モード(実行される演出の内容)が切り替わった場合に、遊技者に対して遊技方法が切り替わることを案内するための案内報知が実行されていない場合であっても、遊技者が遊技方法を切り替えてしまい遊技者に不利な遊技を実行させてしまうという問題があった。
これに対して、本第13制御例では、図471(a)に示した通り、同一の遊技方法が継続する旨を遊技者に案内するための案内態様を報知可能に構成している。よって、遊技者に対して不利な遊技を実行させてしまうことを抑制することができる。
そして、副表示領域Dsには、天井発動モード中の遊技方法を案内するための「時短図柄が揃うと、時短突入!!」のコメントと、天井発動モード中において追加で付与され得る特典の存在を示唆するための「スタートが700回を超えると・・・大チャンス!?」のコメントが表示される。
天井発動モードが設定されると、図471(b)に示した通り、有効ラインLZ上に3枚のカードが特定の組合せで停止表示した場合に、対応する特典(大当たり、時短)が付与されることを示す変動演出が実行される。本制御例では、左ラインLLと、中ラインCLと、右ラインRLとのそれぞれに、少なくとも「ハズレ」に対応するハズレカード(LL3,CL3,RL3)と、「大当たり」に対応するVカード(LL1,CL1,RL1)と、「天井特典」に対応する時短カード(LL2,CL2,RL2)と、を含む複数のカード列が形成され、各カード列が上から下へと変動表示される変動演出が実行される。
そして、各図柄列に表示された時短カード(LL2,CL2,RL2)が有効ラインLZ上に3枚停止表示された場合に、天井特典として時短状態が付与されることを報知可能とし、各図柄列に表示されたVカード(LL1,CL1,RL1)が有効ラインLZ上に3枚停止表示された場合に、大当たり当選に基づく特典が付与されることを報知可能としている。
ここで、上述した通り、天井発動モード中において天井特典が付与される条件は、時短抽選で時短当選しない(外れ当選する)ことであるため、特別図柄抽選の結果が完全外れ(大当たり、時短の何れにも非当選)である場合に、各図柄列に表示された時短カード(LL2,CL2,RL2)が有効ラインLZ上に3枚停止表示される演出が実行されることとなる。
また、図472(a)は、天井発動期間の長さが所定期間(特図変動200回)を超え、第2天井特典を付与可能な状態であることを示す超天井発動モード中の表示画面の一例を示した図であり、図472(b)は、天井発動モードにて時短抽選で外れ当選した場合の表示画面の一例を示した図である。
図472(a)に示した通り、天井発動モードが設定されてから所定期間の特別図柄抽選が実行されると、天井特典が付与される条件が成立した場合に、通常の天井特典よりも遊技者に有利な第2天井特典が付与される状態であることを示すための超天国発動モードが表示される。そして、副表示領域Dsには、天井特典として、時短回数が多い第3時短状態が設定されることを示すための「時短が超時短にパワーアップ」のコメントが表示されると共に、時短カード(LL2,CL2,RL2)の表示態様として「超」の文字が追加された表示態様が表示される。
このように構成することで、遊技者に対して第2天井特典の付与可能な条件が成立したことを分かり易く報知することができる。
そして、天井発動モード中に実行された特別図柄抽選の結果が完全外れである場合(図472(b)の小表示領域Dm1参照)には、図472(b)に示した通り、各図柄列に表示された時短カード(LL2,CL2,RL2)が有効ラインLZ上に3枚停止表示され、天井特典が付与された場合に表示されるキャラクタ809が天井特典が付与されることを祝福する演出が実行される。
<第14制御例における電気的構成について>
次に、図473から図475を参照して、本第14制御例における電気的構成について説明をする。本第14制御例におけるパチンコ機10は、上述した第13制御例に対して、主制御装置110のROM202の構成では、時短当たり乱数13テーブル202leに代えて、時短当たり乱数14テーブル202meを、時短種別選択13テーブル202lfに代えて、時短種別選択14テーブル202mfを設けている点で相違し、それ以外は同一である。
また、主制御装置110のRAM203の構成では、図473(b)に示した通り、新たに第3天井待機フラグ203maを追加している点で相違し、それ以外は同一である。さらに、音声ランプ制御装置113のRAM223の構成では、図475に示した通り、新たに、天井発動モード中フラグ223maを追加している点で相違している。それ以外の構成は同一であり、同一の構成についてはその説明を省略する。
時短当たり乱数14テーブル202meは、図474(a)に示した通り、時短抽選にて時短当選する確率を異ならせている点で、時短当たり乱数13テーブル202le(図444(c)参照)と相違している。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1の値が取り得る「0〜999」の範囲のうち、「100〜999」の範囲に対して、時短当選の判定値を設定している。つまり、本第14制御例では、時短抽選が実行された場合に、高確率(900/1000の確率)で時短当選するように構成されている。
また、時短種別選択14テーブル202mfは、上述した時短種別選択13テーブル202lf(図446(a)参照)に対して、天井用13テーブル202lf2に代えて、天井用14テーブル202mf2を設けている点で相違している。ここで、図474(b)を参照して、天井用14テーブル202mf2の内容について説明をする。図474(b)は、天井用14テーブル202mf2に規定されている内容を示した図である。
図474(b)に示した通り、天井用14テーブル202mf2には、天井特典(第3時短状態)が設定される時点におけるハマリ回数に応じて、時短カウンタ203hに設定される値を異ならせており、ハマリ回数が700回までは、天井特典(第1天井特典)として、第2時短状態(時短回数300回)が、ハマリ回数が700回を超えた場合は、天井特典(第2天井特典)として、第2時短状態(時短回数1000回)が、設定されるように規定されている。
このように、天井特典(第3時短状態)が設定されるまでの期間が長くなるほど、遊技者に有利な特典が付与されるように構成することで、長時間大当たり当選していない遊技者の遊技意欲が著しく低下してしまうことを抑制することができる。
第3天井待機フラグ203maは、ハマり回数が700回を超えたことを示すためのフラグであって、ハマリ回数が700回を超えた場合にオンに設定されるものである。そして、天井特典を設定する際に第3天井待機フラグ203maの設定状況が判別され、オンに設定されていると判別された場合には、ハマリ回数700回に応じた天井特典(第2天井特典)が設定される。そして、天井特典が付与された場合、或いは、大当たり当選した場合にオフに設定される。
天井発動モード中フラグ223maは、天井発動モード中であることを示すためのフラグであって、天井特典を付与するための第1条件(ハマリ回数500回)が成立した場合にオンに設定される。そして、天井発動モード中フラグ223maの設定状況に応じて、通常モードにおける演出態様が設定される(図480のS34571参照)。
<第14制御例における主制御装置110の制御処理について>
次に、図476、及び図477を参照して、本第14制御例のパチンコ機10にて実行される主制御装置110の制御処理の内容について説明をする。本第14制御例では、上述した第13制御処理に対して、天井特典の付与条件の成立を判別するための処理と、天井特典の付与条件が成立したことに基づいて設定される第3時短状態を設定するための処理とを異ならせている。具体的には、天井判定処理13(図452のS38051参照)に代えて天井判定処理14(図476のS38071参照)を、時短設定処理13(図455のS30254参照)に代えて、時短設定処理14(図477のS30274参照)を実行する点で相違している。
本第14制御例では、上述した第13制御例に対して、天井特典を付与させるための条件を異ならせており、具体的には、第1条件(ハマり回数)と、第2条件(時短非当選)と、が共に成立した場合に天井特典(第3時短状態)が設定されるように構成している。このように構成することで、外れ当選した特別図柄抽選の実行回数(ハマり回数)が予め定められた回数(500回)に到達したことに基づいて天井特典が付与される場合に比べて、天井特典が付与されるタイミングをランダムに設定することが可能となる。
さらに、天井特典の付与させるための第1条件として通常第1条件(500回ハマり)と、その通常第1条件よりも後に設定される特殊第1条件(700回ハマり)と、を設定可能に構成しており、通常第1条件が成立している状態で実行される特別図柄抽選に基づいて天井特典が付与されること無く特殊第1条件が成立した場合には、通常第1条件のみが成立している状態で天井特典(第3時短状態(時短300回))が付与される場合よりも遊技者に有利となる第2天井特典(第3時短状態(時短1000回))を付与可能に構成している。
このように構成することで、通常第1条件が成立している状態で実行される時短抽選にて外れ当選しない遊技、即ち、天井特典が付与されない遊技が長時間継続している遊技者に対して、遊技意欲を低下させること無く継続して遊技を行わせることが可能となる。
なお、本第14制御例では、通常第1条件のみが成立している状態で天井特典が付与される場合よりも、特殊第1条件が成立している状態で天井特典が付与される場合のほうが、遊技者に有利な天井特典(第2天井特典)を付与可能に構成しているが、これに限ること無く、通常第1条件のみが成立している状態で天井特典が付与される場合の方が、特殊第1条件が成立している状態で天井特典が付与される場合のよりも、遊技者に有利な天井特典(第2天井特典)を付与可能に構成しても良い。このように構成することで、通常第1条件が成立してから特殊第1条件が成立するまでの間に、天井特典が付与されることを期待しながら遊技者により意欲的に遊技を行わせることができる。
また、通常第1条件のみが成立する期間と、特殊第1条件が成立する期間と、を交互に設定可能に構成しても良く、例えば、ハマり回数の下一桁が「1〜5」の間は、通常第1条件のみが成立し、「6〜0」の間は、特殊第1条件が成立する期間となるように構成しても良い。このように構成することで、最初に通常第1条件が成立するハマリ回数500回を超えてからは、どのタイミングで第2条件が成立するのか(時短抽選で時短外れとなるか)について遊技者に興味を持たせることができる。
さらに、本第14制御例では、ハマり回数を更新させるための特別図柄抽選の抽選結果に基づいて時短当選の判定を実行するように構成している。つまり、特別図柄抽選が実行されることにより、第1条件に関する要素(ハマり回数)が更新され、且つ、第2条件の成立有無(時短抽選結果)が判定されるように構成している。このように構成することで、第1条件に関する要素(ハマリ回数)を更新させること無く、第2条件を成立させるための遊技を実行することが出来ないため、遊技者に有利な天井特典が付与される状況(特殊第1条件が成立している状況)にて第2条件の判定のみが繰り返し実行されることを抑制することができる。また、遊技者に不利な天井特典が付与される状況(通常第1条件のみが成立している状況)にて第2条件の判定のみが繰り返し実行されてしまい、遊技者に不利な天井特典が高確率で付与されてしまうことを抑制することができる。
まず、図476を参照して、天井判定処理14(S38071)の処理内容について説明をする。図476は、天井判定処理14(S38071)の処理内容を示したフローチャートである。天井判定処理14(S38071)では、上述した天井判定処理13(図452のS38051参照)に対して、特殊第1条件(700回ハマり)が成立したかの判別を実行している点と、特殊第1条件が成立した場合における処理内容を異ならせている点で相違している。それ以外の処理内容は同一であるため、詳細な説明を省略する。
天井判定処理14(S38071)が実行されると、上述した天井判定処理13(図452のS38051参照)と同一のS38101〜S38109の処理を実行する。そして、S38104の処理において、特図抽選回数カウンタ223lcの値が500では無い(500回ハマり目の特別図柄抽選では無い)と判別した場合は(S38104:No)、次に、特図抽選回数カウンタ223lcの値が700であるか(700回ハマり目の特別図柄抽選であるか)を判別する(S38171)。
S38171の処理において、700では無いと判別した場合は(S38171:No)、S38105の処理へ移行し、本処理を終了する。一方、700であると判別した場合は、特殊第1条件が成立した場合であるため(S38171:Yes)、第3天井待機フラグ203maをオンに設定し(S38172)、第2天井待機フラグ203lcをオフに設定し(S38173)、S38108の処理へ移行し、本処理を終了する。
第2天井待機フラグ203lc、又は第3天井待機フラグ203maがオンに設定されている状態で特別図柄変動が停止表示されることで、時短状態として、オンに設定されている天井待機フラグの種別に応じた時短種別(時短回数)が設定される。つまり、本第14制御例では、特図抽選回数カウンタ223lcの値に応じて、異なる種別の天井待機フラグをオンに設定することにより、時短状態として異なる種別の時短状態が設定されるように構成している。このように構成することで、ハマり回数に応じて異なる時短状態を設定することができるため、遊技者が遊技に早期に飽きてしまわない遊技を提供することができる。
なお、本第14制御例では、特別図柄抽選により外れ当選した回数が所定回数連続した場合(遊技者に不利な抽選結果が連続した場合)において、天井特典を付与可能に(天井待機フラグをオンに設定するように)構成しているが、これに限ること無く、例えば、大当たり遊技の終了後や、パチンコ機10の電源を立ち上げてからの所定期間において、天井待機フラグ(特殊天井待機フラグ)をオンに設定可能に構成しても良い。
このように構成することで、パチンコ機10の遊技期間として特殊期間(特殊天井待機フラグ)が設定されている状態において、天井特典が付与され易い期間を設けることができるため、他の期間が設定されている場合よりも遊技者に有利な遊技を提供し易くすることができる。
次に、図477を参照して、時短設定処理14(S30274)の処理内容について説明をする。図477は、時短設定処理14(S30274)の処理内容を示したフローチャートである。この時短設定処理14(S30274)では、上述した時短設定処理13(図455のS30254参照)に対して、対象となる特別図柄抽選にて時短当選した場合は天井特典が付与されないようにしている点と、第3天井待機フラグ203maがオンに設定されている場合の処理を追加した点と、第1天井待機フラグ203lbがオンに設定されている場合に付与される特典の内容を変更した点で相違し、それ以外は同一である。同一の処理内容については、同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
時短設定処理14(S30274)が実行されると、まず、今回の抽選結果が時短当選であるかを判別し(S8351)、時短当選であると判別した場合は(S8351:Yes)、上述した時短設定処理13(図455のS30254参照)と同一のS8352〜S8354の処理を実行し、本処理を終了する。
つまり、上述した第13制御例の時短設定処理13(図455のS30254参照)では、時短抽選の結果よりも、遊技者に有利な特典が付与され易い天井特典付与を優先して実行しているのに対して、本第14制御例では、時短抽選の結果が時短当選である場合に、天井特典付与よりも優先して時短当選に基づく処理を実行するように構成している。
このように構成することで、天井特典を付与することが可能な状態(各種天井待機フラグがオンに設定されている状態)であっても、特別図柄抽選の抽選結果が時短当選し続ける限り、天井特典が付与されない(され難い)ようにすることができる。よって、天井特典が付与されるタイミングを、天井特典を付与することが可能な状態(各種天井待機フラグがオンに設定されている状態)が設定されてからもランダムにすることができるため、遊技者に天井特典が付与されることを期待しながら継続して長時間遊技を行わせることができる。
なお、本第14制御例では、特別図柄抽選にて時短当選した場合には、必ず、天井特典が付与されないように構成しているが、これに限ること無く、例えば、時短当選した場合に設定される時短種別として特定時短種別が設定された場合には、時短当選に基づいて時短状態を設定する処理よりも、天井特典を付与するための処理を優先して実行するように構成しても良い。このように構成することで、天井特典を付与するための条件をより複雑にすることができるため、天井特典を付与することが可能な状態(各種天井待機フラグがオンに設定されている状態)が設定されてから、天井特典が付与されるまでのタイミングをよりランダムにすることができる。
さらに、時短当選結果と、天井特典付与とを複合した処理を実行可能に構成しても良く、例えば、時短当選した場合に設定される時短種別として特定時短種別が設定された場合には、時短非当選時に設定される天井特典よりも、有利な天井特典が設定されるように構成しても良い。このように構成することで、遊技者に対して、時短抽選の結果と、天井特典の付与と、を複合した遊技性を提供することができる。
図477に戻り、説明を続ける。S8351の処理において、時短当選していないと判別した場合は(S8351:No)、第1天井待機フラグ203lbがオンに設定されているかを判別し(S38351)、オンに設定されていると判別した場合は(S38351:Yes)、時短カウンタ203hの値に300を設定し(S38374)、第1天井待機フラグ203lbをオフに設定し(S38353)、遊技状態格納エリア203gに第3時短状態を設定し(S38354)、今回の時短抽選に関する情報をクリアし(S38355)、第3時短状態を示す情報と、時短回数を示す情報とを含む状態コマンドを設定し(S38356)、特図抽選カウンタ203laの値をクリアし(S38357)、本処理を終了する。
また、S38351の処理において、第1天井待機フラグ203lbがオンに設定されていないと判別した場合は(S38351:No)、次に、第2天井待機フラグ203lcがオンに設定されているかを判別し(S38358)、オンに設定されていると判別した場合は(S38358:Yes)、時短カウンタ203hの値に300を設定し(S38359)、第2天井待機フラグ203lcをオフに設定し(S38360)、遊技状態格納エリア203gに第3時短状態を設定し(S38354)、今回の時短抽選に関する情報をクリアし(S38355)、第3時短状態を示す情報と、時短回数を示す情報とを含む状態コマンドを設定し(S38356)、特図抽選カウンタ203laの値をクリアし(S38357)、本処理を終了する。
そして、S38358の処理において、第2天井待機フラグ203lcがオンに設定されていないと判別した場合は(S38358:No)、次に、第3天井待機フラグ203maがオンに設定されているかを判別し(S38371)、オンに設定されていると判別した場合は(S38371:Yes)、時短カウンタ203hの値に10000を設定し(S38372)、第3天井待機フラグ203maをオフに設定し(S38373)、遊技状態格納エリア203gに第3時短状態を設定し(S38354)、今回の時短抽選に関する情報をクリアし(S38355)、第3時短状態を示す情報と、時短回数を示す情報とを含む状態コマンドを設定し(S38356)、特図抽選カウンタ203laの値をクリアし(S38357)、本処理を終了する。また、S38371の処理において、第3天井待機フラグ203maがオンに設定されていないと判別した場合は(S38371:No)、即ち、今回実行された特別図柄抽選に基づいて、天井特典の付与条件が成立していないと判別した場合は、そのまま本処理を終了する。
次に、図478から図480を参照して、本第14制御例のパチンコ機10における音声ランプ制御装置113にて実行される制御処理について説明をする。本第14制御例のパチンコ機10における音声ランプ制御装置113にて実行される制御処理は、上述した第13制御例に対して、天井特典を付与するための第1条件(500回ハマり)が成立してから実際に天井特典が付与されるまで(時短非当選で成立する第2条件が成立するまで)の期間を遊技者に報知するための期間演出(天井発動モード)に関する処理と、天井発動モード中に時短抽選の結果を遊技者に示唆するための示唆演出に関する処理とで相違している。
具体的には、状態コマンド受信処理13(図459のS34251参照)に代えて、状態コマンド受信処理14(図478のS34271参照)を、通常モード用演出設定処理13(図463のS34402参照)に代えて、通常モード用演出設定処理14(図480のS34472参照)を実行する点で相違している。それ以外の処理内容は同一であるため、その詳細な説明を省略する。
まず、図478を参照して、状態コマンド受信処理14(図478のS34271参照)の処理内容について説明をする。図478は、状態コマンド受信処理14(図478のS34271参照)の制御内容を示したフローチャートである。この状態コマンド受信処理14(図478のS34271参照)では、上述した第13制御例にて実行される状態コマンド受信処理13(図459のS34251参照)に対して、遊技状態が時短状態に変更されたと判別した場合に実行する処理として、時短状態演出設定処理13(図460のS9091)に代えて時短状態演出設定処理14(図479のS39091参照)を実行する点と、天井特典を付与するための第1条件(500回ハマり)が成立してから実際に天井特典が付与されるまで(時短非当選で成立する第2条件が成立するまで)の期間を遊技者に報知するための期間演出(天井発動モード)を実行するために、第2天井待機フラグ203lcがオン、或いは、第3天井待機フラグ203maがオンに設定されているかを判別する処理を実行可能に構成している点で相違している。それ以外は同一であり、同一の処理内容については説明を省略する。
状態コマンド受信処理14(図478のS34271参照)が実行されると、上述した第13制御例にて実行される状態コマンド受信処理13(図459のS34251参照)と同一のS9001〜S9094の処理が実行される。そして、S9005の処理において時短状態に変更されたと判別した場合は(S9005:Yes)、時短状態演出設定処理14を実行し(S39091)、S9093の処理へ移行する。この時短状態演出設定処理14(S39091)の内容については、図479を参照して後述する。
また、S9093の処理において、特図抽選カウンタ203laの値の値を示す情報が無いと判別した場合(S9093:No)、或いは、S9093の処理において、特図抽選カウンタ203laの値を示す情報があると判別し(S9093:Yes)、受信した値に対応する値を特図抽選回数カウンタ223lcの値に設定した場合(S9094)、即ち、主制御装置110にて計測される特図抽選カウンタ203laの値と、特図抽選回数カウンタ223lcの値とを同期させるための処理が終了すると、次に、受信した状態コマンドが第2天井待機、第3天井待機を示す情報(第2天井待機フラグ203lc、又は、第3天井待機フラグ203maがオンに設定されていることを示す情報)を有しているかを判別し(S9095)、有していると判別した場合は(S9095:Yes)、天井発動モード中フラグ223maをオンに設定し(S9096)、本処理を終了する。これに対して、S9095の処理において、受信した状態コマンドが第2天井待機、第3天井待機を示す情報(第2天井待機フラグ203lc、又は、第3天井待機フラグ203maがオンに設定されていることを示す情報)を有していないと判別した場合は(S9095:No)、S9096の処理をスキップして、そのまま本処理を終了する。
このように、状態コマンド受信処理14(図478のS34271参照)を実行すると、主制御装置110から出力された状態コマンドに含まれる情報に基づいて、天井特典を付与するための第1条件が成立している状態(ハマり回数が500回以上)を判別し、第1条件が成立している場合には、天井発動モード中フラグ223maをオンに設定されるように構成している。
そして、天井発動モード中フラグ223maがオンに設定されている場合に専用の演出を実行することで、遊技者に対して、現在が天井特典を付与するための第1条件が成立している状態(ハマり回数が500回以上)を報知可能に構成している。これにより遊技者に天井特典が付与され易い状態(第1条件が成立していない場合よりも付与され易い状態)であることを分かり易く報知することができるため、天井特典が付与されることを目指して意欲的に遊技を行わせることができる。
次に、図479を参照して、状態コマンド受信処理14(図478のS34271参照)にて実行される時短状態演出設定処理14(S39091)の制御処理について説明をする。図479は、時短状態演出設定処理14(S39091)の処理内容を示したフローチャートである。この時短状態演出設定処理14(S39091)では、上述した第13制御例にて実行される時短状態演出設定処理13(図460のS9091参照)に対して、天井特典(第3時短状態)が付与される(設定される)場合に、天井特典を付与するための第1条件が成立している状態であることを示すための天井発動モード中フラグ223maをオフに設定する処理を追加する点で相違している。それ以外は同一であり、同一の内容についてはその説明を省略する。
図479に示した通り、時短状態演出設定処理14(S39091)が実行されると、上述した第13制御例にて実行される時短状態演出設定処理13(図460のS9091参照)と同一のS34301〜S34309の処理を実行する。そして、S34305の処理において、第3時短状態が設定された(天井特典が付与された)と判別した場合は(S34305:Yes)、天井発動モード中フラグ223maがオンに設定されているかを判別し(S34371)、オンに設定されていると判別した場合は(S34371:Yes)、天井発動モード中フラグ223maをオフに設定し(S34372)、S34306の処理に移行する。また、S34371の処理において、天井発動モード中フラグ223maがオンに設定されていないと判別した場合は(S34371:No)、S34372の処理をスキップして、S34306の処理へ移行する。
このように構成することで、天井特典が付与されたにも関わらず、天井発動モード中フラグ223maがオンに設定されたままの状態が継続し、天井発動モード中を示す演出(図471(b)参照)が実行されてしまい遊技者に分かり難い演出が実行されてしまうことを抑制することができる。
なお、本第14制御例では、上述した第13制御例と同様に、天井特典として所定期間の右打ち遊技状態(第3時短状態)を付与可能に構成しており、且つ、遊技者に付与される有利度合いが天井特典と同一となる特典(右打ち遊技状態が設定される第2時短状態)を、特別図柄抽選の結果に基づいて付与可能に構成している。このように構成することで、天井特典を付与するための第1条件(ハマり回数)が成立するよりも前に、右打ち遊技状態を設定することが可能となるため、遊技者に対して右打ち遊技状態(天井特典)が付与されるタイミングを予測させ難くすることができる。
ここで、本第14制御例では、天井特典を付与するための第1条件が成立した場合に、天井発動モード中フラグ223maをオンに設定することで、天井特典が付与される可能性が高い期間演出(天井発動モード演出)を実行可能に構成しているが、別の契機(大当たりC13当選、或いは、第2時短状態が設定される時短当選)によって右打ち遊技状態が設定される場合には、天井発動モード中演出が実行され無いため、天井発動モード演出が実行されるか否かによって、右打ち遊技状態が設定された場合に、その契機を遊技者に予測されてしまうという問題があった。
この問題を解決するために、例えば、天井特典を付与するための第1条件が成立した場合に、所定の抽選を実行し、その抽選結果が特定結果である場合に、天井発動モード中フラグ223maをオンに設定するように構成すると良い。このように構成することで、天井発動モード演出が実行された場合には、天井特典が付与されたことにより右打ち遊技状態が設定されたことを遊技者に容易に把握されてしまうが、天井特典を付与するための第1条件が成立した場合であっても、天井発動モード演出を実行させないことが可能となるため、上述した第14制御例におけるパチンコ機10よりも、右打ち遊技状態が設定された場合にその契機を遊技者に予測され難くすることができる。
また、保留記憶されている特別図柄抽選の抽選権利(特図保留)に含まれている情報(抽選情報)を、特別図柄抽選が実行されるよりも前に(先に)事前判別可能(先読み可能)に構成し、その事前判別結果として、右打ち遊技状態が設定される特別図柄抽選結果を示すための情報が含まれている場合には、その右打ち遊技状態が設定される特別図柄抽選結果を示すための情報が含まれている特別図柄抽選が実行されるまでの期間の少なくとも一部を含む演出期間を用いて、天井発動モード演出を実行するように構成しても良い。
このように構成することで、天井特典の付与とは異なる契機(大当たりC13当選、或いは、第2時短状態が設定される時短当選)によって右打ち遊技状態が設定される場合であっても、天井発動モード演出を実行することが可能となるため、上述した第14制御例におけるパチンコ機10よりも、右打ち遊技状態が設定された場合にその契機を遊技者に予測され難くすることができる。
また、この場合、天井特典の付与とは異なる契機(大当たりC13当選、或いは、第2時短状態が設定される時短当選)によって右打ち遊技状態が設定される場合において天井発動モード演出が実行される割合を、前回の大当たり遊技が終了してからの特別図柄抽選回数(ハマり回数)に基づいて異ならせると良く、例えば、特別抽選回数(ハマり回数)の下一桁が「0」である場合や、下二桁が「00」である場合、即ち、ハマり回数が切りの良い回数となる場合に、他の場合よりも天井発動モード演出が実行され易くなるように構成すると良い。
このように構成することで、特別図柄抽選の結果に基づいて右打ち遊技状態(第2遊技状態)が設定される場合において、ハマリ回数が切りの良い場合に天井発動モード演出を実行し、天井特典が付与される場合と同様の演出過程を経て右打ち遊技状態を設定し易くすることができる。よって、天井特典を付与するための第1条件が成立したのか、事前判別の結果、天井発動モード演出が実行されたのかを遊技者に分かり難くすることができる。
次に、図480を参照して、通常モード用演出設定処理14(図480のS34472参照)の処理内容について説明をする。図480は、通常モード用演出設定処理14(図480のS34472参照)の処理内容を示したフローチャートである。この通常モード用演出設定処理14(図480のS34472参照)では、上述した通常モード用演出設定処理13(図463のS34402参照)に対して、天井特典を付与するための第1条件(500回ハマり)が成立した状態(天井発動モード中フラグ223maがオンに設定されている状態)にて実行する演出を設定するための処理を実行する点で相違している。それ以外は同一であり、同一の処理内容についてはその説明を省略する。
通常モード用演出設定処理14(図480のS34472参照)が実行されると、上述した第13制御例の通常モード用演出設定処理13(図463のS34402参照)と同一のS34501〜S34506の処理を実行し、S34506の処理において、第2時短(第2時短状態)が設定される時短当選変動では無いと判別した場合(S34506:No)には、次に、天井発動モード中フラグ223maがオンに設定されているかを判別する(S34571)。
S34571の処理において、天井発動モード中フラグ223maがオンに設定されていると判別した場合は(S34571:Yes)、今回の抽選結果が大当たりであるかを判別し(S34572)、大当たりでは無いと判別した場合は(S34572:No)、次いで、今回の抽選結果が時短当選しているかを判別する(S34573)。時短当選していないと判別した場合、即ち、天井発動モード中フラグ223maがオンに設定されている状態で、通常状態が設定される場合には(S34578:No)、特別図柄変動の停止後に天井特典(第3時短状態)が設定されるため、天井発動モード演出として、時短に対応する第3図柄(装飾図柄)を停止表示させるための演出態様を決定し(S34578)、天井発動モード中フラグ223maをオフに設定し(S34579)、本処理を終了する。
S34578の処理において決定された演出態様に基づく変動演出が実行されると、図472(b)に示した通り、天井特典が付与されることを示すための「時短」の装飾図柄(LL2,CL2,RL2)が停止表示される変動演出が実行される。このように、本第14制御例では、特別図柄抽選の結果が大当たり当選も、時短当選もしない外れ(完全外れ)である場合であっても、特定の演出状態が設定されている場合には、遊技者に有利となる特典が付与されることを示すための表示態様で装飾図柄を停止表示させるように構成している。
このように構成することで、特別図柄抽選の結果を示すための変動演出において、特別図柄抽選の結果に対応する組合せで装飾図柄を停止表示させるのでは無く、実行された特別図柄抽選の結果に基づいて付与される特典の内容を示す装飾図柄を停止表示させることができるため、遊技者に分かり易い変動演出を実行することができる。
なお、本第14制御例では、特別図柄抽選の結果が大当たり当選も、時短当選もしない外れ(完全外れ)であることが、遊技者に有利となる状態(天井発動モード中フラグ223maがオンに設定されている状態)と、不利となる状態(天井発動モード中フラグ223maがオンに設定されていない状態)と、を有しており、設定されている状態に応じて、特別図柄抽選の結果が完全外れであることを示すための装飾図柄の停止表示態様を異ならせるように構成しているが、これに限ること無く、設定されている状態に関わらず、特別図柄抽選の結果が完全外れであることを示すための装飾図柄の停止表示態様として同一の表示態様が設定されるように構成しても良い。
この場合、装飾図柄の停止表示態様を用いること無く、特別図柄抽選の結果が完全外れであることに基づいて遊技者に有利な特典(天井特典)が付与されることを示すための報知演出を実行すれば良い。このように構成することで、特別図柄抽選の結果と、設定されている状態とに基づいて、装飾図柄の停止表示態様を異ならせて決定する処理を省略することができる。
なお、図472(b)に示した通り、装飾図柄の停止表示態様によって、特別図柄抽選の結果では無く、特別図柄抽選の結果に基づいて後に付与される特典の内容を遊技者に報知可能に構成した場合には、装飾図柄とは異なる第2装飾図柄(第4図柄)の停止表示態様を、特別図柄抽選の結果を示す停止表示態様(図472(b)では「342」)で表示されると良い。これにより、特別図柄抽選の結果を示すための情報を遊技者に報知することが可能となる。
さらに、図472(b)に示した通り、本第14制御例では、第3図柄表示装置81の表示面には、装飾図柄の停止表示態様の方が、第2装飾図柄の停止表示態様よりも大きく表示されるように構成している。このように構成することで、第2装飾図柄の停止表示態様よりも、装飾図柄の停止表示態様を遊技者が把握し易くなるため、装飾図柄と、第2装飾図柄とを表示可能に構成した場合であっても、遊技者に分かり易い変動演出を実行することができる。
図480に戻り、説明を続ける。S34573の処理において、時短当選していると判別した場合は(S34573:Yes)、時短当選に基づいて第1時短状態が設定されるかを判別し(S34574)、第1時短状態が設定されると判別した場合は(S34574:Yes)、「外れ」に対応する第3図柄(装飾図柄)を停止表示させるための演出態様を決定し(S34575)、次に、抽選回数カウンタ223lcの値が700であるかを判別し(S34576)、700であると判別した場合は(S34576:Yes)、超天井発動モードを示すための演出態様を決定し(S34577)、本処理を終了する。
一方、S34572の処理において大当たり当選と判別した場合(S34572:Yes)、或いは、S34574の処理において第1時短状態以外の時短状態(第2時短状態)が設定されると判別した場合(S34574:No)、即ち、天井特典を付与すること無く、天井発動モード演出が終了する場合には、天井発動モード中フラグ223maをオフに設定し(S34580)、S34509の処理を実行し、本処理を終了する。この場合、例えば、大当たり当選した場合には、「V」に対応する第3図柄(装飾図柄)を停止表示させるための演出態様が決定され、大当たり当選したことを示すための停止表示態様で第3図柄(装飾図柄)が停止表示されることで天井発動モード演出が終了し、時短当選に基づいて第2時短状態が設定される場合には、「時短」に対応する第3図柄(装飾図柄)を停止表示させるための演出態様が決定され、あたかも、天井特典が付与されたかのような変動演出を実行した後に天井発動モード演出が終了する。
このように構成することで、天井発動モード演出中において、天井特典が付与されるよりも前に、天井発動モード演出を終了させる終了条件が成立した場合であっても、遊技者に違和感を与えること無く天井発動モード演出を終了させることができる。
以上、説明をした通り、本第14制御例は、天井特典を付与するための第1条件(ハマリ回数500回)が成立した後、高確率(900/1000)で時短当選する時短抽選にて、第2条件が成立した場合(外れ当選した場合)に、天井特典を付与可能に構成している。これにより、天井特典が付与されるタイミングに不規則性を持たせ、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
また、本第14制御例では、天井特典を付与するための第1条件(ハマリ回数500回)が成立した後、第2条件が成立するまでの期間が所定期間(特図変動200回)を超えた場合に、より遊技者に有利となる特典(第2天井特典)を付与可能に構成している。
このように構成することで、天井特典を付与するための第1条件が成立した後、第2条件が成立するまでの期間が長くなったとしても、遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができる。
なお、本第14制御例では、第2天井特典が付与される条件(ハマリ回数700回)を予め規定しているが、これに限ること無く、天井特典を付与するための第1条件(ハマリ回数500回)が成立した時点において実行される特殊抽選の結果に基づいて、第2天井特典が付与される条件となるハマリ回数を決定するように構成しても良く、特殊抽選の結果が第1結果である場合にはハマり回数700回を、第1結果とは異なる第2結果である場合にはハマリ回数501回を、第1結果、第2結果とは異なる第3結果である場合にはハマり回数800回を決定するように構成しても良い。
このように、第2天井特典が付与される条件を予め規定するのでは無く、ハマリ回数が更新されている期間中に決定可能に構成し、決定される第2天井特典の付与条件として、成立し易い(ハマり回数が少ない)付与条件と、成立し難い(ハマり回数が多い)付与条件と、を設定可能に構成することで、第2天井特典が付与され易い遊技と、第2天井特典が付与され難い遊技と、を実行させることが可能となり、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
また、本第14制御例では、図471、及び図472を参照して上述した通り、天井特典を付与するための第1条件(ハマリ回数500回)が成立していることを示す天井発動モード中においては、「天井特典」に対応する時短カード(LL2,CL2,RL2)を表示し、第2天井特典を付与するための第1条件(ハマり回数700回)が成立していることを示す超天井発動モード中においては、「第2天井特典」に対応する超時短カード(LL2,CL2,RL2)を表示するように構成し、遊技者に対して、現在の遊技状況を分かりやすく報知していたが、これに加え、天井発動モード中において、第2天井特典を付与するための第1条件(ハマり回数700回)が成立するまでの残期間を示唆可能な示唆態様を表示可能に構成しても良い。
例えば、天井発動モードが設定されてから、超天井発動モードが設定されるまでの期間(天井特典を付与するための第1条件(ハマリ回数500回)が成立してから、第2天井特典を付与するための第1条件(ハマリ回数700回)が成立するまでの期間)を、第2天井特典を付与するための第1条件が成立するまでの残期間の長さに対応させて複数の期間(第1期間〜第3期間)に区分けし、第2天井特典を付与するための第1条件が成立するまでの残期間が最も長い第1期間においては、図471(b)に示した演出を実行し、第2天井特典を付与するための第1条件が成立するまでの残期間が第1期間よりも短い第2期間においては、右ラインRLに、超時短カードRL2を追加した演出を実行し、第2天井特典を付与するための第1条件が成立するまでの残期間が第2期間よりも短い第3期間においては、右ラインRLと、中ラインCLに、超時短カードRL2,CL2を追加した演出を実行するように構成すると良い。
このように構成することで、天井発動モード中に変動表示される各種図柄(カード)として、超天井発動モード中に所定の組合せ(3つ揃い)で停止表示可能なカード種別(超時短カード)を徐々に増加させていくことが可能となるため、遊技者に対して、超天井発動モードが間も無く発動するのではと思わせることができる。なお、この場合、天井発動モード中に変動表示される各図柄列が複数の時短カードを有している場合には、既に変動表示されている時短カードの一部を超時短カードへと切り替えるように構成しても良い。このように構成することで、各図柄列が有するカード数を増加させること無く、超時短カードを変動表示させることが可能となる。
また、この場合、時短カード、又は超時短カードが3枚停止表示される組合せを天井発動モード中において天井特典が付与されることを示す停止図柄の組合せとして設定すると良い。このように構成することで、天井発動モード中における各種カードの変動表示制御を代えること無く、単に時短カードの表示態様を超時短カードの表示態様へと切り替えるだけの処理を実行するだけで、遊技者に対して、超天井発動モードが間も無く発動するのではと思わせることができる。
<第14制御例の第1変形例について>
次に、図481から図490を参照して、本第14制御例の第1変形例について説明をする。上述した第14制御例は、天井特典を付与するための第1条件(ハマリ回数500回)が成立した後、高確率(900/1000)で時短当選する時短抽選にて、第2条件が成立した場合(外れ当選した場合)に、天井特典を付与可能に構成することで、天井特典が付与されるタイミングに不規則性を持たせ、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるものであった。
しかしながら、天井特典を付与するための第1条件(ハマリ回数500回)が成立した後、第2条件が成立するまでの期間が長期間となり、遊技者に天井特典を付与することが出来ないという問題が発生する場合があった。
これに対して、本第14制御例の第1変形例では、通常状態において時短抽選で当選した場合に、時短回数の異なる第1時短状態を設定可能に構成し、天井特典を付与するための第1条件(ハマリ回数500回)が成立した後、設定されている第1時短状態が終了することで第2条件が成立し、天井特典が付与されるように構成している。
つまり、第1条件が成立してから第2条件が成立するまでの期間を、第1時短状態として設定される時短回数や、第1時短状態が設定されるタイミングによって多様化させることができると共に、第1条件が成立してから第2条件が成立するまでの期間に上限を設定することが可能に構成している。
このように構成することで、天井特典が付与されるタイミングに不規則性を持たせ、遊技者の遊技に対する興趣を向上させながらも、第1条件が成立してから第2条件が成立するまでの期間に上限を設定することで、遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができる。
また、本第1変形例では、天井特典を付与するための第1条件が成立するよりも前から、第2条件が成立するタイミングを事前に判別可能に構成している。具体的には、第1条件が成立するタイミングまで(ハマリ回数が500回に到達するまで)の残期間(残変動回数)が50回の時点で、第1時短状態の残時短回数が100回である場合には、第1条件が成立してから第2条件が成立するまでの期間が、特別図柄変動50回分になると、予め判別することが可能となる。
よって、天井特典が付与されるタイミングを示すための示唆演出を、第1条件が成立するよりも前から実行することが可能となる。さらに、天井特典を付与するための第1条件が成立するよりも前の段階で、新たに第1時短状態を設定可能な状態、即ち、通常状態中において、第1時短状態として設定される時短回数が、第1条件が成立してから第2条件が成立するまでの期間が長くなる時短回数であるか、比較的短くなる時短回数であるかを遊技者に報知することもできる。
このように構成することで、天井特典を付与するための複数の条件の何れも成立していない時点から、天井特典が付与され得るタイミングを遊技者に予測させながら遊技を行わせ易くすることができる。
<第14制御例の第1変形例における演出内容について>
まず、図481を参照して、本第14制御例の第1変形例におけるパチンコ機10にて実行される各種演出のうち、特徴的な演出の内容について説明をする。本第14制御例の第1変形例におけるパチンコ機10は、上述した第14制御例におけるパチンコ機10に対して、左打ち遊技状態にて実行される時短抽選の結果に基づいて第1時短状態が設定されている間は時短抽選が実行されず、且つ、第1時短状態の時短回数として異なる時短回数を設定可能に構成している点で相違している。
つまり、天井特典を付与することが可能な第1条件(ハマリ回数500回)が成立した後、設定されている第1時短状態が終了することにより、天井特典を付与するための第2条件が成立し、天井特典が付与されるように構成している。
このように構成することで、第1条件が成立した時点において設定されている第1時短状態の残時短回数が、天井特典が付与されるまでの残期間として予め設定されるため、上述した第14制御例におけるパチンコ機10のように、第1条件が成立したにも関わらず、第2条件が長時間成立しない事態を発生させ難くすることができる。
また、上述した第14制御例と同様に、天井特典を付与することが可能な第1条件(ハマリ回数500回)が成立したことを示すための期間演出(天井発動モード演出)を実行可能に構成し、その天井発動モード演出にて、天井特典が付与されるまでの残期間に基づく演出を実行可能に構成している。
ここで、本第14制御例における第1変形例では、天井発動モード演出が実行される期間の長さが、第1時短状態の残時間(残時短回数)となるため、その長さを事前に判別することが可能となる。そして、天井発動モード演出の演出期間として設定される期間の長さに応じた演出を実行可能に構成している。このように構成することで、遊技者に対して天井特典が付与されるまでの期間を予測させることができるため、遊技を継続するか否かの選択を遊技者に行わせ易くすることができる。
また、本第14制御例の第1変形例では、第1条件が成立してから第2条件が成立するまでの期間が所定期間(例えば、特別図柄抽選4回)以内である場合に、第1条件が成立したことを遊技者に報知するための報知態様として、通常とは異なる特殊演出態様を設定可能に構成している。このように構成することで、第2条件が成立するタイミングが遊技者に有利なタイミング(第1条件の成立直後のタイミング)であることを遊技者に分かり易く報知することができる。
加えて、本第14制御例の第1変形例においても、第1条件が成立した後に、第2条件が成立すること無く、右打ち遊技状態が設定される場合(大当たり当選や時短当選に基づいて第2時短状態が設定される場合)において、遊技者に対して、第2条件が成立する場合に設定される演出態様を設定可能に構成している。このように構成することで、右打ち遊技状態が設定される契機を遊技者に判別させ難くすることができる。
本第14制御例の第1変形例では、天井発動モード演出が実行されると、図481に示した演出が実行される。図481(a)は、第1条件が成立したことを示すための天井発動モード演出にて表示される表示画面の一例を示した図であり、図481(b)は、第1条件が成立した時点において、第2条件が成立することが確定している場合に表示される表示画面の一例を示した図である。
そこで、本第1変形例では、左打ち遊技状態中において、第1時短状態が設定されているか否かを遊技者に予測させるための遊技状態示唆演出を実行可能に構成している。図481(a)は、遊技状態示唆演出の演出画面の一例を示した図であって、図481(b)は、左打ち遊技状態において、第1時短状態が設定されている可能性が高いことを遊技者に示唆するための示唆演出中における表示画面の一例を示した図である。
図481(a)に示した通り、天井特典を付与するための第1条件(ハマリ回数500回)が成立すると、天井発動モード演出としてドキドキゾーンが設定される。このドキドキゾーン中は、主表示領域Dmに扉871が出現し、特別図柄抽選が実行される毎に、ウサギ801が鍵を用いて扉871を開ける演出が実行される。
副表示領域Dsには、ドキドキゾーン中の演出内容を説明するための態様として「鍵を使って扉を開けろ、扉が開けば時短突入」のコメントが表示され、遊技者に対して、扉871が開けば特典が付与されることを分かり易く報知している。
主表示領域Dmの右下側に形成される小表示領域Dm9には、獲得済みの第1特別図柄抽選の抽選権利(特図1保留)に対応させた保留アイコンhr1〜hr4が表示可能に構成されており、図481(a)に示した図では、特図1保留を4個獲得していることに対応させて4つの保留アイコンhr1〜hr4が表示されている。
この保留アイコンhr1〜hr4は、獲得済みの特図1保留に対応した数が表示されるように構成しており、1個目の特図1保留(第1特図1保留)に対応させて第1保留アイコンhr1が、2個目の特図1保留(第2特図1保留)に対応させて第2保留アイコンhr2が、3個目の特図1保留(第3特図1保留)に対応させて第3保留アイコンhr3が、4個目の特図1保留(第4特図1保留)に対応させて第4保留アイコンhr4が表示される。
そして、ドキドキゾーン中に新たな特別図柄抽選(第1特別図柄抽選)が実行されると、第1保留アイコンhr1として表示されていた鍵を使用して扉871を開放させる演出が実行されると共に、第2保留アイコンhr2として表示されていた鍵が第1保留アイコンhr1へとシフトし、以下、第3保留アイコンhr3として表示されていた鍵が第2保留アイコンhr2へとシフトし、第4保留アイコンhr4として表示されていた鍵が第3保留アイコンhr3へとシフトし、第4保留アイコンhr4が表示されない表示画面となる。この場合、新たな特図1保留を獲得した場合に、第4保留アイコンhr4が表示される。
図481に示した図では、第4保留アイコンhr4のみが、他の保留アイコン(第1保留アイコンhr1〜第3保留アイコンhr3)とは異なる表示態様で表示されており、第1保留アイコンhr1〜第3保留アイコンhr3は通常鍵を示す表示態様で、第4保留アイコンhr4は特殊鍵を示す表示態様で表示されている。
詳細な説明は後述するが、第1保留アイコンhr1〜第4保留アイコンhr4の表示態様は、通常は通常鍵を示す表示態様が設定されるように構成しており、第2条件が成立する特別図柄変動に対応する特図保留や、大当たり当選(時短当選)する特図保留に対して、特殊鍵を示す表示態様が設定され易くなるように構成している。そして、特殊鍵を示す表示態様で表示されている保留アイコンを用いた変動演出では、通常鍵を示す表示態様で表示されている保留アイコンを用いた変動演出よりも、扉871が開放する演出結果となる変動演出が実行され易くなるように構成している。このように構成することで、保留アイコンの表示態様について遊技者に興味を持たせることができる。
また、天井特典を付与するための第1条件が成立しドキドキゾーンが設定された直後に第2条件が成立する場合には、図481(a)に示した演出(鍵を用いて扉を開放させる演出)では無く、図481(b)に示した特殊演出を実行可能に構成している。
図481(b)に示した特殊演出では、ドキドキゾーン中の通常演出で表示される扉871(図481(a)参照)に代えて、自動ドア871が表示される。そして副表示領域Dsには、間もなく天井特典(第3時短状態)が付与されることを遊技者に案内するための案内態様として「大ラッキー!!近付くだけで扉が開くよ」のコメントが表示される。
そして、特殊演出中は、第2条件が成立する特別図柄変動が表示されるまでウサギ801が自動ドア871に近付いていく演出が実行され、第2条件が成立する特別図柄変動にて自動ドア871が開き、天井特典が付与されることを報知する演出が実行される。このように構成することで、ドキドキゾーンが設定された場合に表示される扉の種別によって、天井特典が付与されるまでの残期間の長さを遊技者に視覚的に判別させ易くすることができる。
また、自動ドア871が表示される特殊演出を実行可能に構成することで、例えば、ハマリ回数501回目の特別図柄変動が実行されることで第2条件が成立する場合に通常演出(図481(a)参照)が実行される事態、即ち、遊技者が通常演出の演出内容を把握する間も無く1個目の鍵で扉871が開いてしまい、演出効果が低下してしまうことを抑制することができる。
以上、説明をした通り、本第14制御例の第1変形例では、天井特典を付与するための第1条件が成立した時点において、第2条件が成立するまでの残期間を判別可能に構成しているため、第1条件が成立してから第2条件が成立するまでの残期間の長さに応じた演出(天井発動モード演出)を実行することが可能となる。このように構成することで、天井発動モード演出の演出内容に対して遊技者に興味を持たせることができる。
なお、本第14制御例の第1変形例では、ハマり回数が規定回数(500回)に到達した場合に、天井発動モード演出を実行し、天井発動モード演出の演出期間(第1条件が成立してから第2条件が成立するまでの残期間)に応じた演出態様を設定するように構成し、天井発動モード演出の演出期間が所定期間以内(例えば、特別図柄抽選4回分以内)である場合において、特殊演出態様が設定された天井発動モード演出(図481(b)参照)を実行可能に構成することで、天井発動モード演出が実行される場合において、どの演出態様が設定されるのか遊技者に興味を持たせることができるものであった。
しかしながら、本第14制御例の第1変形例では、ハマり回数が規定回数(500回)に到達した場合に天井発動モード演出が実行されるため、ハマり回数が501回〜504回となる特別図柄変動にて第2条件が成立する場合に特殊演出態様が設定可能となり、特殊演出態様が設定され難いという問題があった。
この問題を解決するために、例えば、天井発動モード演出を実行するタイミングを、第2条件の成立タイミングに基づいて決定するように構成しても良く、例えば、天井特典を付与するための第1条件(ハマリ回数500回)が成立した場合であっても、天井発動モード演出を実行せず、その後、第2条件が成立するまでの残期間が所定期間以内(例えば、特別図柄抽選4回分以内)となった場合に、天井発動モード演出を実行可能に構成しても良い。このように構成することで、天井発動モード演出として特殊演出態様を設定し易くすることができる。また、第1条件の成立期間と、天井発動モード演出の演出期間とを異ならせることにより、後に実行される遊技の内容を遊技者に判別させ難くすることができる。
なお、本第14制御例の第1変形例では、ハマり回数が規定回数(500回)に到達した場合に、天井発動モード演出を実行し、天井発動モード演出の演出期間(第1条件が成立してから第2条件が成立するまでの残期間)に応じた演出態様を設定することで、遊技者に対して、天井特典が付与されるまでの残期間を予測させる演出を実行可能に構成しているが、第1条件が成立するよりも前の期間において、第2条件が成立するまでの残期間を遊技者に予測させることが可能となる各種演出を実行しても良い。
例えば、通常状態において実行される時短抽選によって時短当選した場合に、今回設定される第1時短状態の時短回数と、第1条件が成立するまでの残ハマり回数と、に基づいて、今回設定される第1時短状態が、第1条件が成立した後に終了するか否かを判別し、第1条件が成立した後に終了すると判別した場合には、第1条件が成立してから第1時短状態が終了するまでの期間の長さに対応した演出(時短当選時演出)を実行可能に構成しても良い。このように構成することで、第1条件が成立するよりも前に、天井特典が付与され易い(第1条件が成立してから第2条件が成立するまでの期間が短い)遊技状況であるか否かを遊技者に予測させることが可能となる。
また、第1条件が成立する前に今回設定される第1時短状態が終了すると判別した場合には、今回設定される第1時短状態が終了してから第1条件が成立するまでの残期間を特定し、その特定した残期間の長さが、第1時短状態として設定され得る時短回数のうち、最も少ない時短回数よりも長いか否かを判別し、今回設定される第1時短状態が終了してから第1条件が成立するまでの残期間の長さが、第1時短状態として設定され得る時短回数のうち、最も少ない時短回数よりも短いと判別した場合と、長いと判別した場合とで、異なる態様の演出(時短当選時演出)を実行可能に構成しても良い。
このように構成することで、次に設定される第1時短状態が終了するタイミングと、天井特典を付与するための第1条件が成立するタイミングと、に関する情報を遊技者に報知することができるため、天井特典が付与され易い(第1条件が成立してから第2条件が成立するまでの期間が短い)遊技状況であるか否かを遊技者に予測させることが可能となる。
例えば、通常状態において計測されているハマり回数と、時短当選した場合に設定され得る第1時短状態の時短回数とに基づいて、時短当選した場合に遊技者に有利となり易い期間と、遊技者に不利となり易い期間と、を遊技者に報知可能な演出を実行可能に構成すると良い。
具体的には、本第14制御例では、図483に示した通り、第1時短状態が設定された場合には、時短回数として「100」〜「300」の範囲を設定可能に構成しており、その殆どが約100単位(100回、200回、300回)で設定されるように構成している。そして、天井特典を付与するための第1条件としてハマリ回数500回が設定されている。よって、通常状態において計測されているハマり回数が、200回付近、300回付近、400回付近となる期間が、天井特典を付与するための第1条件が成立した直後に終了する第1時短状態を設定可能な期間(有利期間)となる。一方で、通常状態において計測されているハマり回数が450回〜499回となる期間では、天井特典を付与するための第1条件が成立してから第1時短状態が終了するまでの期間が長くなる期間(不利期間)となる。
よって、通常状態において計測されているハマり回数が、201回〜220回、301回〜320回、401回〜420回なる期間を有利期間として設定し、遊技者に対して、時短当選した場合に遊技者に有利となり易い有利期間であることを示す演出を実行可能に構成する。より具体的には、第3図柄表示装置81の表示面に現在が有利期間であることを示すための案内態様として「有利ゾーン」と表示し、有利ゾーン中に特別図柄抽選が実行された場合に、ウサギ801がゴルフで球を打つ演出が実行される。そして、特別図柄抽選の結果が完全外れ(大当たり、時短、共に非当選)である場合には、「もう1回」と表示され、次の特別図柄抽選に対応する演出で再度球を打つ演出が実行される。
そして、特別図柄抽選にて大当たり当選した場合、或いは、時短当選にて第2時短状態が設定される場合には、ウサギ801が打ったゴルフ球がカップインするホールインワン演出が実行され、カップから取り出したボールに付されているアイコンが「V」である場合は大当たり当選が報知され、「時短」である場合には、時短当選に基づく第2時短状態の設定が報知される。
また、特別図柄抽選にて時短当選した場合には、今回の時短当選によって設定される第1時短状態の時短回数と、天井特典を付与するための第1条件が成立するまでの残ハマリ回数との差分を算出し、算出された差分が、第1条件が成立してから実行される特別図柄変動5回以内に第1時短状態が終了する場合、即ち、設定されている有利ゾーンに対して最適な第1時短状態が設定された場合には、第3図柄表示装置81の表示画面にて、カップの近くに打ったゴルフ球が位置し、「ナイスショット!!ニアピン賞獲得」の文字が表示されるニアピン演出が実行される。このニアピン演出が実行された場合には、ニアピン賞のトロフィーが、天井特典が付与されるまで、或いは、大当たり遊技が実行されるまで第3図柄表示装置81の表示画面に継続して表示されるように構成する。このように構成することで、パチンコ機10の遊技状況として、天井特典を付与するための第1条件が成立した直後(特別図柄変動5回以内)に天井特典が付与される遊技状況であることを遊技者に分かり易く報知することができる。
また、算出された差分(今回の時短当選によって設定される第1時短状態の時短回数と、天井特典を付与するための第1条件が成立するまでの残ハマリ回数との差分)が、第1条件が成立してから実行される特別図柄変動20回以内に第1時短状態が終了する場合、即ち、設定されている有利ゾーンに対して適切な第1時短状態が設定された場合には、第3図柄表示装置81の表示画面にて、グリーン上にゴルフ球が位置し、「ナイスショット!!」の文字が表示されるグリーンオン演出が実行される。このグリーンオン演出が実行された場合には、ニアピン賞演出とは異なり、天井特典が付与されるまで、或いは、大当たり遊技が実行されるまで第3図柄表示装置81の表示画面に継続して特定態様(トロフィー等)が表示されることが無いように構成する。このように構成することで、グリーンオン演出を体験した遊技者のみが、パチンコ機10の遊技状況として、天井特典を付与するための第1条件が成立した直後(特別図柄変動20回以内)に天井特典が付与される遊技状況であることを遊技者に分かり易く報知することができる。
一方で、算出された差分(今回の時短当選によって設定される第1時短状態の時短回数と、天井特典を付与するための第1条件が成立するまでの残ハマリ回数との差分)が、第1条件が成立してから実行される特別図柄変動20回以内に第1時短状態が終了しない場合、即ち、設定されている有利ゾーンに対して適切な第1時短状態が設定されなかった場合のうち、第1条件が成立してから第1時短状態が設定されるまでの期間の長さが、特別図柄変動20回よりも長い場合には、キャラクタ801が打ったゴルフ球がOBとなるOB演出が実行され、その後、有利ゾーンが終了する。このOB演出が実行された場合には、パチンコ機10の遊技状況として、第1条件が成立してから第1時短状態が終了するまでの期間が長いことを示す演出であるため、OB演出が実行されたことを確認した遊技者は、他のパチンコ機10への移動を含めて今後の遊技方針を決定し易くなる。
このOB演出が実行されたことを履歴として表示しないように構成することで、実際に遊技を行っている遊技者のみ知り得る情報(OB演出の有無)を提供することができるため、遊技を実行している遊技者に対して、遊技を実行していない遊技者よりも有利な情報を提供することが可能となる。なお、OB演出が実行されたことを履歴表示可能に構成し、後でOB演出の実行の有無を確認可能に構成しても良い。
また、第1条件が成立するよりも前に第1時短状態が終了する場合には、フェアウェイ上にゴルフ球が位置し、「次回アプローチ対決」の文字を表示する第1打演出が実行し、有利ゾーンを終了させる。
この場合、第1打演出が実行されたことを示す情報を記憶可能な記憶手段を設け、次の有利ゾーンが設定される場合に、記憶手段に第1打演出が実行されたことが記憶されている場合には、アプローチ演出が実行される。そして、その有利ゾーン中に新たな時短当選で第1時短状態が設定された場合には、上述した演出の決定方法と同一の手法で各演出を決定し、決定した演出が実行される。
以上、上述した演出を実行することで、遊技者に対して、天井特典が付与されるタイミングを示唆可能な示唆演出として、天井特典を付与するための第1条件が成立するよりも前の段階と、第1条件が成立した後の段階とで異なる演出を実行可能となり、遊技者に対して遊技意欲を低下させること無く継続して遊技を行わせ易くすることができる。
また、実行される各種演出によって、天井特典が付与されるタイミングが遊技者に不利となるタイミング(天井特典を付与するための第1条件が成立してから天井特典が付与されるまでの期間が長くなるタイミング)を示唆することができるため、パチンコ機10を遊技する遊技者に対して、天井特典の付与を目指した遊技を継続するか否かの判断を多様なタイミングで行わせることができる。よって、天井特典の付与を目指した遊技を継続するか否かの判断基準の異なる遊技者が入れ替わりながらパチンコ機10の遊技を行わせ易くすることができるため、パチンコ機10の遊技の稼働を高め易くすることができる。
<第14制御例の第1変形例における電気的構成について>
次に、図482から図485を参照して、本第14制御例の第1変形例における電気的構成について説明をする。本第14制御例の第1変形例では、上述した第14制御例に対して、主制御装置110のROM202の構成の一部と、音声ランプ制御装置113のROM222の構成の一部と、RAM223の構成の一部と、を変更している点で相違している。それ以外の構成は同一であるためその説明を省略する。
まず、図482を参照して、本第14制御例の第1変形例における主制御装置110のROM202の構成について説明をする。図482は、本第14制御例の第1変形例における主制御装置110のROM202の構成を示した図である。図482に示した通り、本第14制御例の第1変形例では、上述した第14制御例における主制御装置110のROM202の構成(図473(a)参照)に対して、時短種別選択14テーブル202mfに代えて時短種別選択14aテーブル202mafを設けている点で相違し、それ以外は同一である。
時短種別選択14aテーブル202mafは、上述した第14制御例の時短種別選択14テーブル202mfに対して、時短抽選で時短当選した場合の時短種別を決定する際に参照される時短用13テーブル202lf1に代えて時短当選用14aテーブル202maf1を設けている点で相違している。この時短当選用14aテーブル202maf1は、第1時短状態が設定される時短種別の種類として、5種類の時短種別が規定されており、設定される時短種別に応じて異なる回数の時短回数が設定されるように構成している。
ここで、図483を参照して、時短種別選択14aテーブル202mafが有する時短当選用14aテーブル202maf1の内容について説明をする。図483は、時短当選用14aテーブル202maf1に規定されている内容を示した図である。図483に示した通り、時短当選用14aテーブル202maf1には、合計で6種類の時短種別が規定されており、時短当選したことに基づいて第1時短状態が設定される時短種別が5種類、第2時短状態が設定される時短種別が1種類規定されている。
なお、第2時短状態が設定される時短種別は、その選択割合や、設定される時短回数が上述した第14制御例と同一であるため、その詳細な説明を省略する。一方、第1時短状態が設定される時短種別の種類を増加させており、設定される時短種別に応じて、最大で300回、最小で100回の時短回数が設定されるように構成している。
具体的には、取得した時短種別選択カウンタCC1の取り得る「0〜999」の範囲のうち、「0〜99」の範囲には、時短回数100(時短カウンタ203hの値に100が設定される)であって、第1時短状態が設定される時短種別が、「100〜199」の範囲には、時短回数101(時短カウンタ203hの値に101が設定される)であって、第1時短状態が設定される時短種別が、「200〜299」の範囲には、時短回数102(時短カウンタ203hの値に102が設定される)であって、第1時短状態が設定される時短種別が、「300〜599」の範囲には、時短回数200(時短カウンタ203hの値に200が設定される)であって、第1時短状態が設定される時短種別が、「600〜899」の範囲には、時短回数300(時短カウンタ203hの値に300が設定される)であって、第1時短状態が設定される時短種別が、「900〜999」の範囲には、時短回数300(時短カウンタ203hの値に300が設定される)であって、第2時短状態が設定される時短種別が、それぞれ規定されている。
ここで、図483に示した通り、本第14制御例の第1変形例では、第1時短状態に設定される時短回数として、下一桁の値が若干異なるだけで時短種別が複数規定されている。本第14制御例の第1変形例では、上述した通り、天井特典を付与することが可能な第1条件(ハマリ回数500回)が成立した時点で設定されている第1時短状態の残時短回数が0となり通常状態が設定される場合に、天井特典を付与可能に構成している。
つまり、第1条件が成立した時点における第1時短状態の残時短回数に応じて、天井特典が付与されるタイミングが異なることになる。この場合、第1時短状態の時短回数として設定可能な値を所定間隔(例えば、50回)で異ならせて規定した場合には、特定の時短回数が終了し得る付近の特別図柄抽選回数が終了した時点で、次に時短状態が終了し得るタイミングが特別図柄抽選50回分程度後になるため、天井特典が付与されることを期待しながら継続して遊技を行わせ難いという問題があった。
これに対して、本第1変形例では、時短回数を若干異ならせた時短種別を設定可能に構成しているため、天井特典が付与されることを期待しながら継続して遊技を行わせ易くすることができる。更に、本第1変形例では、上述した第14制御例と同様に、特別図柄抽選で時短当選した場合に第1時短状態を設定可能に構成し、特別図柄抽選にて実行される時短抽選において時短当選する確率が990/1000となるように構成しているため、大当たり遊技終了後の1回目の特別図柄抽選において時短当選しない可能性も約1%存在する。
つまり、大当たり遊技終了後に、ハマり回数の計測が新たに開始されるのに対して、第1時短状態の残時短回数が0となるタイミングは、第1時短状態が設定されるタイミングと、設定された第1時短状態の時短種別によって異ならせることが可能となる。このように構成することで、ハマり回数が第1条件(500回)を満たした場合における第1時短状態の残時短回数の値を異ならせ易くすることができ、遊技者に対して、第2条件が成立するタイミングを予測させ難くすることができる。
また、第1時短状態の時短回数として最大で300回を設定可能に構成している。この300回の時短回数は、通常第1条件(ハマリ回数500回)が成立してから特殊第1条件(ハマリ回数700回)が成立するまでに要する特別図柄抽選の回数よりも大きな値が設定されている。
このように構成することで、第1条件(ハマリ回数500回)が成立するまでに新たに第1時短条件が設定されるタイミングや、設定される時短種別に応じて、第2天井特典が設定され易い状況(通常第1条件が成立してから特殊第1条件が成立するまでの間に第1時短状態が終了し得ない(し難い)状況)を創出可能に構成している。よって、上述した第14制御例に対して、第2天井特典を実行させ易くすることができる。
次に、図484、及び、図485を参照して、本第14制御例の第1変形例における音声ランプ制御装置113のROM222の構成について説明をする。図484(a)は、本第14制御例の第1変形例における音声ランプ制御装置113のROM222の構成を示した図である。図484(a)に示した通り、本第14制御例の第1変形例における音声ランプ制御装置113のROM222は、ドキドキゾーン演出選択テーブル222maaを設けている点で上述した第14制御例における音声ランプ制御装置113のROM222の構成と異ならせている。それ以外は同一であるためその詳細な説明を省略する。
ドキドキゾーン演出選択テーブル222maaは、ドキドキゾーンが設定される場合の演出態様を決定する際に参照されるデータテーブルである。
ここで、図485を参照して、ドキドキゾーン演出選択テーブル222maaに規定されている内容について説明をする。図485は、ドキドキゾーン演出選択テーブル222maaに規定されている内容を示した図である。
図485に示した通り、ドキドキゾーン演出選択テーブル222maaには、ドキドキゾーンが設定される時点における残時短回数(第1時短状態の残時短回数)と、獲得済みの特図保留(特図1保留)に対する先読み結果(事前判別結果)と、取得した演出カウンタ223fの値とに対応させて異なる演出態様が規定されている。
具体的には、残回数カウンタ223maaの値が「1」、即ち、第1条件が成立した特別図柄変動の次変動にて第2条件が成立し、天井特典が付与される場合には、先読み結果、及び、取得した演出カウンタ223fの値に関わらず、演出態様として「自動ドア」が規定されている。ここで、演出態様「自動ドア」が決定された場合には、図481(b)に示した特殊演出が実行される。
次に、残回数カウンタ223maaの値が「2」で、先読み結果が「全外れ」、即ち、ドキドキゾーンが設定される時点において獲得済みの特図保留(特図1保留)に対する先読み結果(事前判別結果)として、大当たり当選を示す情報、又は、第2時短状態が設定される時短当選を示す情報が含まれていないと判別された場合は、取得した演出カウンタ223fの値が「0〜49」の範囲に対して、「保2強カギ」が、「50〜89」の範囲に対して、「ノーマル」が、「90〜99」の範囲に対して「自動ドア」が、それぞれ演出態様として規定されている。
ここで、「保2強カギ」の演出態様が決定された場合は、第2保留アイコンhr2に対して通常鍵とは異なる特殊鍵の表示態様(図481(a)の第4保留アイコンhr4の表示態様に相当)が表示される。
一方で、先読み結果が「当たりあり」、即ち、ドキドキゾーンが設定される時点において獲得済みの特図保留(特図1保留)に対する先読み結果(事前判別結果)として、大当たり当選を示す情報、又は、第2時短状態が設定される時短当選を示す情報が含まれていると判別された場合は、取得した演出カウンタ223fの値が「0〜49」の範囲に対して、「自動ドア」が、「50〜99」の範囲に対して、「保2強カギ」が、それぞれ演出態様として規定されている。
ここで、先読み結果が「当たりあり」となった場合であっても、残回数カウンタ223maaの値に対応した保留アイコンに対して「強カギ」が決定されるように構成している。この場合、第2条件が成立するよりも前に「当たり当選」する特別図柄抽選が実行された場合には、その特別図柄抽選に対応する保留アイコンが示す通常鍵を使用した演出として扉871が開放する演出が実行される。このように構成することで、通常鍵を使用した演出においても扉871が開放する演出を容易に実行させることが可能となる。
また、第2条件が成立してから(天井特典が付与されてから)「当たり当選」する特別図柄抽選が実行される場合には、ドキドキゾーンが終了してから当たり当選する特別図柄抽選が実行されるため、ドキドキゾーン中における演出に違和感を与えることが無い。
また、残回数カウンタ223maaの値が「3」で、先読み結果が「全外れ」、即ち、ドキドキゾーンが設定される時点において獲得済みの特図保留(特図1保留)に対する先読み結果(事前判別結果)として、大当たり当選を示す情報、又は、第2時短状態が設定される時短当選を示す情報が含まれていないと判別された場合は、取得した演出カウンタ223fの値が「0〜49」の範囲に対して、「保3強カギ」が、「50〜89」の範囲に対して、「自動ドア」が、「90〜99」の範囲に対して「ノーマル」が、それぞれ演出態様として規定されている。
一方で、先読み結果が「当たりあり」、即ち、ドキドキゾーンが設定される時点において獲得済みの特図保留(特図1保留)に対する先読み結果(事前判別結果)として、大当たり当選を示す情報、又は、第2時短状態が設定される時短当選を示す情報が含まれていると判別された場合は、取得した演出カウンタ223fの値が「0〜89」の範囲に対して、「自動ドア」が、「90〜99」の範囲に対して、「ノーマル」が、それぞれ演出態様として規定されている。
また、残回数カウンタ223maaの値が「4」で、先読み結果が「全外れ」の場合は、取得した演出カウンタ223fの値が「0〜49」の範囲に対して、「保4強カギ」が、「50〜99」の範囲に対して、「自動ドア」が、それぞれ演出態様として規定されている。一方で、先読み結果が「当たりあり」の場合は、取得した演出カウンタ223fの値が「0〜49」の範囲に対して、「保4強カギ」が、「50〜89」の範囲に対して、「自動ドア」が、「90〜99」の範囲に対して、「ノーマル」が、それぞれ演出態様として規定されている。
さらに、残回数カウンタ223maaの値が「5〜20」で、先読み結果が「全外れ」の場合は、取得した演出カウンタ223fの値が「0〜89」の範囲に対して、「チャンス」が、「90〜99」の範囲に対して、「ランダム強カギ」が、それぞれ演出態様として規定されている。一方で、先読み結果が「当たりあり」の場合、即ち、第2条件が成立するよりも前に(第1時短状態が終了するよりも前に)、当たり当選する特別図柄抽選にてドキドキゾーンが終了する場合には、取得した演出カウンタ223fの値が「0〜49」の範囲に対して、「ノーマル」が、「50〜89」の範囲に対して、「当保強カギ」が、「90〜99」の範囲に対して、「自動ドア」が、それぞれ演出態様として規定されている。
ここで、演出態様として「チャンス」が設定された場合には、第3図柄表示装置81の表示面に表示される扉871の表示態様として、通常の扉(図481(a)参照)よりも若干豪華な扉(チャンス扉)を示す表示態様が設定される。このように構成することで、通常の扉871が表示される場合よりも、扉が開放し易い状況(第2条件が成立し易い状況)であることを遊技者に対して視覚的に判別させ易くすることができる。
また、演出態様として「ランダム強カギ」が設定された場合は、獲得済みの特図保留に対応して表示される保留アイコンのうち、ランダムに抽選された1の保留アイコンに対して「強カギ」の表示態様が設定される。このように構成することで、特殊鍵を使用した演出にて扉871が開放されない演出(失敗演出)を設定することができる。
残回数カウンタ223maaの値が「21〜100」で、先読み結果が「全外れ」の場合は、取得した演出カウンタ223fの値が「0〜49」の範囲に対して、「チャンス」が、「50〜99」の範囲に対して、「ノーマル」が、それぞれ演出態様として規定されている。一方で、先読み結果が「当たりあり」の場合、即ち、第2条件が成立するよりも前に(第1時短状態が終了するよりも前に)、当たり当選する特別図柄抽選にてドキドキゾーンが終了する場合には、取得した演出カウンタ223fの値が「0〜49」の範囲に対して、「当保強カギ」が、「50〜89」の範囲に対して、「自動ドア」が、「90〜99」の範囲に対して、「ノーマル」が、それぞれ演出態様として規定されている。
残回数カウンタ223maaの値が「101〜300」で、先読み結果が「全外れ」の場合は、取得した演出カウンタ223fの値が「0〜89」の範囲に対して、「ノーマル」が、「90〜99」の範囲に対して、「チャンス」が、それぞれ演出態様として規定されている。一方で、先読み結果が「当たりあり」の場合、即ち、第2条件が成立するよりも前に(第1時短状態が終了するよりも前に)、当たり当選する特別図柄抽選にてドキドキゾーンが終了する場合には、取得した演出カウンタ223fの値が「0〜49」の範囲に対して、「自動ドア」が、「50〜89」の範囲に対して、「当保強カギ」が、「90〜99」の範囲に対して、「ノーマル」が、それぞれ演出態様として規定されている。
図484(b)に戻り、説明を続ける。図484(b)は、本第14制御例の第1変形例における音声ランプ制御装置113のRAM223の構成を示した図である。本第14制御例の第1変形例における音声ランプ制御装置113のRAM223は、上述した第14制御例に対して、残回数カウンタ223maaと、ドキドキ中フラグ223mabを追加した点で相違し、それ以外は同一である。同一の要素についてはその説明を省略する。
残回数カウンタ223maaは、第1時短状態の時短回数を計測するためのカウンタであって、第1時短状態が設定されたことを示す状態コマンドを受信した場合に、設定される時短回数に対応する値がセットされる。そして、第1時短状態中に特別図柄抽選が実行される毎に値が更新(減算)される。この残回数カウンタ223maaの値は、天井特典を付与するための第1条件(ハマリ回数500回)が成立した時点で参照され、残回数カウンタ223maaの値に基づいて、天井特典を付与するための第2条件(第1時短状態の終了)が成立するまでの残期間が算出される。そして、第1時短状態が終了した場合に値が0にクリアされる。
ドキドキ中フラグ223mabは、ドキドキゾーンの演出態様が決定され、ドキドキゾーンの演出が実行されている期間であることを示すためのフラグであって、ドキドキゾーンの演出態様が決定された場合にオンに設定される。ドキドキ中フラグ223mabがオンに設定されている間は、新たに、ドキドキゾーンの演出態様を決定する処理が実行されないように構成している。このように構成することで、遊技者に分かり易い演出を実行することができる。そして、ドキドキゾーンの演出期間が終了した場合にオフに設定される。
<第14制御例の第1変形例における制御処理について>
次に、図486〜図490を参照して、本第14制御例の第1変形例における制御処理について説明をする。本第14制御例の第1変形例では、上述した第14制御例に対して、主制御装置110にて実行される制御処理として、時短抽選を実行するための処理内容と、天井特典を付与するための処理内容と、時短状態を設定するための処理内容と、を異ならせている点、音声ランプ制御装置113にて実行される制御処理として、通常状態、及び、時短状態にて実行される変動演出を設定するための処理内容を異ならせている点で相違している。
具体的には、主制御装置110にて実行される処理として、上述した第14制御例にて実行される時短抽選処理13(図453のS38006参照)に代えて、時短抽選処理14a(図486のS38056a)を、天井判定処理14(図476のS38071参照)に代えて、天井判定処理14a(図487のS38071a)を、時短設定処理14(図477のS30274参照)に代えて、時短設定処理14a(図488のS30274a)を実行する点で相違している。また、音声ランプ制御装置113にて実行される処理として、上述した第14制御例にて実行される時短状態演出設定処理14(図479のS39091参照)に代えて時短状態演出設定処理14a(図489のS39091a)を、通常モード用演出設定処理14(図480のS34472参照)に代えて、通常モード用演出設定処理14a(図490のS34472a参照)を実行する点で相違している。それ以外の処理内容については同一であり、同一の処理内容については説明を省略する。
まず、図486を参照して、時短抽選処理14a(S38056a)の処理内容について説明をする。図486は、時短抽選処理14a(S38056a)の処理内容を示したフローチャートである。この時短抽選処理14a(S38056a)は、上述した第14制御例にて実行される時短抽選処理13(図453のS38006参照)に対して、時短抽選を実行可能な遊技状態の種別を異ならせている点と、時短当選の判定を行う際に参照されるデータテーブルを異ならせている点と、で相違し、それ以外は同一である。同一の内容については同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
図486に示した通り、時短抽選処理14a(S38056a)が実行されると、まず、遊技状態格納エリア203gに格納されている現在設定されている遊技状態を示す情報を読み出し(S8102)、現在設定されている遊技状態が通常状態であるかを判別する(S38151a)、通常状態であると判別した場合は(S38151a:Yes)、時短当たり乱数14テーブル202meに基づいて抽選結果(時短当選の判定結果)を取得し(S38152a)、上述した第14制御例にて実行される時短抽選処理13(図453のS38006参照)と同一のS8105、及びS8106の処理を実行し、本処理を終了する。一方、S38151aの処理において、通常状態では無いと判別した場合は(S38151a:No)、時短抽選を実行すること無く、本処理を終了する。
つまり、本第14制御例の第1変形例では、時短抽選を実行可能な遊技状態として通常状態のみが規定されており、通常状態以外の遊技状態が設定されている場合には、時短抽選が実行されないように構成している。このように構成することで、遊技者にとって最も不利な遊技状態であった通常状態のみ遊技者に有利となる特典(第2時短状態)を付与し得る機会(時短抽選)を提供することができるため、通常状態中の遊技を行っている遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができる。
また、上述した第14制御例とは異なり、第1時短状態が設定されている状態にて時短抽選が実行されないように構成しているため、時短抽選にて時短当選したことに基づいて第1時短状態が設定された場合には、設定された第1時短状態に対応する時短回数を消化することで確実に通常状態を設定することが可能となる。よって、第1時短状態が継続する最長期間を第1時短状態が設定される時点で予め設定することができるため、遊技者に対して、無用に長時間の間、第1時短状態中の遊技を実行させてしまうことを抑制することができる。また、第1時短状態が設定される時点で予め設定された第1時短状態が継続する最長期間の長さに基づいて、遊技者に対して第1時短状態が終了するまでの期間の長さを示唆する演出(ドキドキゾーン)を実行することが可能となる。
次に、図487を参照して、天井判定処理14a(S38071a)の処理内容について説明をする。図487は、天井判定処理14a(S38071a)の処理内容を示したフローチャートである。この天井判定処理14a(S38071a)は、上述した第14制御例にて実行される天井判定処理14(図476のS38071参照)に対して、天井特典を付与するための第1条件(ハマり回数500回)に関する情報(ハマり回数)を更新させる条件を異ならせている点で相違し、それ以外の処理内容は同一である。同一の処理内容には同一の符号を付して、その説明を省略する。
図487に示した通り、天井判定処理14a(S38071a)が実行されると、上述した第14制御例にて実行される天井判定処理14(図476のS38071参照)のうち、S38102の処理を削除した制御処理が実行される。具体的には、S38101の処理を実行した後、S38102の処理を実行すること無く、S38103の処理へ移行するように構成している。
つまり、天井判定処理14a(S38071a)では、設定されている遊技状態に関わらず、特別図柄抽選が実行される毎に、ハマり回数が加算されるように構成している。このように構成することで、天井特典を付与するための第1条件(ハマリ回数500回)が成立するタイミングを固定し易くすることができるため、天井特典を付与するための第2条件(第1時短状態の終了)が成立するタイミングについて遊技者に興味を持たせ易くすることができる。
次に、図488を参照して、時短設定処理14a(S30274a)の処理内容について説明をする。図488は、時短設定処理14a(S30274a)の処理内容を示したフローチャートである。この時短設定処理14a(S30274a)は、上述した第14制御例にて実行される時短設定処理14(図477のS30274参照)に対して、遊技状態として通常状態が設定されている場合のみ、新たな時短状態を設定可能に構成している点で相違している。それ以外の処理内容は同一であり、同一の処理内容については、同一の符号を付して説明を省略する。
図488に示した通り、時短設定処理14a(S30274a)が実行されると、現在が通常状態であるかを判別し(S38571)、通常状態では無いと判別した場合は(S38571:No)、時短状態を設定するための各種処理をスキップして、本処理を終了する。一方、通常状態であると判別した場合は(S38571:Yes)、上述した時短設定処理14(図477のS30274参照)と同一のS8351〜S38357の処理を実行し、本処理を終了する。
このように、新たな時短状態を設定するための処理を、特定の遊技状態(通常状態)が設定されている場合のみ実行可能に構成し、特定の遊技状態(通常状態)が設定されているかの判別を最初に実行することにより、無用な処理が実行され難くすることができる。
なお、図488に示した通り、本第14制御例の第1変形例では、通常状態が設定されている場合にて、時短抽選の結果に基づく時短状態の設定を、天井特典に基づく時短状態の設定よりも優先して実行するように構成しているが、これに限ること無く、天井特典に基づく時短状態の設定を、時短抽選の結果に基づく時短状態の設定よりも優先して実行可能に構成しても良い。この場合、上述した第13制御例にて実行される時短設定処理13(図455のS30254参照)と同様に、天井特典を付与するための条件(各種天井待機フラグの設定状況)を判別する処理を先に実行し、天井特典を付与するための条件が成立していない場合(各種天井待機フラグの何れもオンに設定されていない場合)に、時短抽選の結果に基づく時短状態を設定するための処理を実行するように構成すれば良い。
このように構成することで、天井特典を付与するための第1条件(ハマリ回数500回)が成立している状態で、既に設定されている第1時短状態が終了した場合に必ず天井特典を付与することができる。
さらに、本第14制御例の第1変形例では、通常状態が設定されている場合以外は、新たな時短状態を設定するための条件が成立している場合(各種天井待機フラグの何れかがオンに設定されている場合)であっても、新たな時短状態を設定すること無く、通常状態が設定されるまで、新たな時短状態を設定するための権利を持ち越すように構成している(時短持ち越し機能を有している)。
この時短持ち越し機能を別の用途に適用しても良く、例えば、第2時短状態や確変状態といった右打ち遊技状態が設定されている状態において、天井特典の付与条件が成立した場合に、現在設定されている遊技状態に基づく右打ち遊技状態が終了した後に、天井特典に基づく右打ち遊技状態を設定可能に構成しても良い。このように構成することで、遊技者に有利となる右打ち遊技状態が継続する期間を長くすることができるため、遊技者の遊技に対する興趣を向上させ易くすることができる。
また、右打ち遊技状態中であれば何れのタイミングで天井特典の付与条件を成立させたとしても、同一の特典(右打ち遊技状態終了後の天井特典付与)を提供することができるため、遊技者に対して付与される天井特典の内容が過剰に有利になったり、過剰に不利になったりしてしまうことを抑制することができる。
さらに、右打ち遊技状態中においても時短抽選を実行可能に構成し、その時短抽選にて第2時短状態が設定される時短種別に当選した場合に、右打ち遊技状態が終了した後に、時短当選に基づく第2時短状態を設定するように構成しても良い。この場合、本第14制御例の第1変形例のように、時短当選時の一部において第2時短状態が設定される時短種別(有利時短)が設定されるように構成しているパチンコ機10では、有利時短に当選するまでは(有利時短以外の時短に当選した場合であっても)繰り返し時短抽選を実行可能に構成し、有利時短に当選したことを条件に時短抽選を実行しないように構成すると良い。
さらに、時短当選した結果を複数持ち越し可能に構成しても良く、例えば、右打ち遊技状態中に実行される時短抽選にて5回時短当選した場合には、その5回の時短当選に基づく時短状態を順に設定するように構成しても良い。
次に、図489を参照して、時短状態演出設定処理14a(S39091a)の処理内容について説明をする。図489は、時短状態演出設定処理14a(S39091a)の処理内容を示した図である。この時短状態演出設定処理14a(S39091a)では、上述した時短状態演出設定処理14(図479のS39091参照)に対して、第1時短状態が設定された場合に設定される時短回数を計測するための処理を追加した点で相違しており、それ以外は同一である。同一の処理内容については同一の符号を付して説明を省略する。
図489に示した通り、時短状態演出設定処理14a(S39091a)が実行されると、上述した時短状態演出設定処理14(図479のS39091参照)と同一のS34301〜S34303の処理を実行し、S34303の処理において、第1時短状態が設定されたと判別した場合に(S34303:Yes)、受信したコマンドに含まれる時短回数を残回数カウンタ223maaの値に設定し(S34391)、その後、上述した時短状態演出設定処理14(図479のS39091参照)と同一のS34305〜S34309の処理を実行して本処理を終了する。
このように、本第14制御例の第1変形例では、第1時短状態の残時短回数を残回数カウンタ223maaの値を用いて計測することにより、第1時短状態の残期間を判別可能に構成している。これにより、天井特典を付与するための第2条件(第1時短状態の終了)が成立するまでの期間を判別し、その判別結果に基づく演出を実行することができる。
次に、図490を参照して、通常モード用演出設定処理14a(S34472a参照)の処理内容について説明をする。図490は、通常モード用演出設定処理14a(S34472a参照)の処理内容を示したフローチャートである。この通常モード用演出設定処理14a(S34472a参照)では、上述した通常モード用演出設定処理14(図480のS34472参照)に対して、天井発動モード中フラグ223maがオンに設定されている場合、即ち、天井特典を付与するための第1条件(ハマリ回数500回)が成立した場合に実行される制御処理の内容を異ならせている点で相違し、それ以外は同一である。同一の処理内容については同一の符号を付して、その説明を省略する。
図490に示した通り、通常モード用演出設定処理14a(S34472a参照)が実行されると、まず、上述した通常モード用演出設定処理14(図480のS34472参照)と同一のS34501〜S34571の処理を実行する。
そして、S34571の処理において、天井発動モード中フラグ223maがオンに設定されていると判別した場合は(S34571:Yes)、残回数カウンタ223maaの値を更新し(S34591)、ドキドキゾーン演出選択テーブル222maaを参照して、ドキドキゾーンの演出態様を決定し(S34592)、天井発動モード中フラグ223maをオフに設定し(S34593)、ドキドキ中フラグ223mabをオンに設定し(S34594)、本処理を終了する。
一方、S34571の処理において、天井発動モード中フラグ223maがオンに設定されていないと判別した場合は(S34571:No)、次に、ドキドキ中フラグ223mabがオンに設定されているかを判別し(S34595)、オンに設定されている、即ち、既にドキドキゾーンが設定されていると判別した場合は(S34595:Yes)、ドキドキゾーンの演出態様の更新を決定し(S34596)、本処理を終了する。また、S34595の処理においてドキドキ中フラグ223mabがオンに設定されていないと判別した場合は(S34595:No)、今回受信した変動パターンに対応した演出態様を決定し(S34509)、本処理を終了する。
以上、説明をした通り、本第14制御例の第1変形例では、時短抽選で時短当選した場合に、所定回数の第1時短状態(100回〜300回の第1時短状態)を設定可能に構成し、天井特典を付与させるための第1条件(ハマリ回数500回)が成立している状態で、第1時短状態が終了した場合(残時短回数が0となった場合)に第2条件が成立し、天井特典を付与可能に構成している。
このように構成することで、第1時短状態が終了するタイミングに応じて、天井特典が付与されるタイミングを異ならせることができるため、天井特典が付与されるタイミングを遊技者に分かり難くすることができる。
なお、本第14制御例の第1変形例では、第1時短状態を終了させるための第1時短終了条件として、特別図柄変動回数に基づいて成立する第1時短終了条件を設定するように構成しているが、これに限ること無く、第1時短終了条件が成立するよりも前に、特別図柄抽選の抽選結果に基づいて成立し得る第2時短終了条件を設けてもよく、例えば、特別図柄抽選の抽選結果が特定抽選結果(大当たり当選以外の特定の抽選結果)となった回数が所定回数(例えば、2回)となった場合に、第2時短終了条件が成立し、第1時短状態を終了させるように構成しても良い。
このように構成することで、第1時短終了条件が成立する特別図柄変動回数(時短回数)が実行されるよりも前に、第1時短状態を終了させることができるため、天井特典が付与されるタイミングを遊技者に分かり難くすることができる。
さらに、本第14制御例の第1変形例では、第1時短状態が設定されている状態では時短抽選が実行されないように構成しているが、これに限ること無く、第1時短状態が設定されている状態でも時短抽選が実行されるように構成し、第1時短状態が設定されている状態で実行された時短抽選で時短当選した場合に、新たに当選した第1時短状態の時短回数を設定する(時短カウンタ203hの値にセットする)ように構成しても良いし、新たに当選した第1時短状態の時短回数が、既に設定されている第1時短状態の残時短回数よりも少ないかを判別可能に構成し、判別結果に基づいて時短カウンタ203hの値を決定するように構成しても良い。この場合、例えば、時短カウンタ203hの値として、遊技者に有利となる方に対応させた値を決定すると良く、本第14制御例の第1変形例に適用する場合であれば、第1条件が成立した後は、時短カウンタ203hの値が少なくなる方の時短回数に対応させて時短カウンタ203hの値を決定するように構成すれば良い。このように構成することで、第1条件が成立してから第2条件が成立するまでの期間が無用に長くなる事態が頻繁に発生してしまうことを抑制することができる。
以上、説明をした通り、上述した第14制御例、及び、第14制御例の第1変形例では、天井特典を付与するための条件として第1条件(ハマリ回数500回)と、第2条件(第1時短状態の終了)と、を設けており、何れの条件も成立した場合に天井特典が付与されるように構成している。よって、第1条件として設定されている特別図柄抽選回数(ハマり回数)に到達したタイミングと、実際に天井特典が付与されるタイミングと、を容易に異ならせることが可能となる。
このように構成することで、天井特典が付与されるハマり回数として異なる回数を設定可能に構成し、設定条件が成立した場合において、異なるハマり回数の中から1のハマり回数を決定するといった複雑な処理を実行すること無く、様々なタイミング(特別図柄抽選回数)で天井特典を付与することができる。
なお、上述した第14制御例、及び、第14制御例の第1変形例では、特別図柄抽選回数に関わらず、特別図柄抽選の結果(時短抽選の結果)に基づいて第1時短状態を設定可能に構成しているが、これに限ること無く、例えば、天井特典を付与するための第1条件が成立した時点において通常状態が設定されている場合には、必ず第1時短状態が設定されるように構成しても良い。
また、上述した第14制御例、及び、第14制御例の第1変形例では、第1時短状態が設定されている状態では、天井特典として第3時短状態が設定されないように構成している。つまり、第1時短状態は、第3時短状態が設定されるタイミングを遅延させる遅延状態ともいえる。また、第3時短状態が設定されることを規制する規制状態ともいえる。
また、第1時短状態は、予め設定されている時短回数分、特別図柄抽選が実行されたことに基づいて終了するように構成している。つまり、第1時短状態を終了させるための手段は、第3時短状態が設定されることが規制されている規制状態(規制期間)を解除する解除手段ともいえる。
なお、第1時短状態(遅延状態、規制状態)を解除する手法として、上述した第14制御例、及び、第14制御例の第1変形例では、特別図柄抽選回数に基づいて成立する条件が成立した場合に、第1時短状態(遅延状態、規制状態)を解除するように構成しているが、これに限ること無く、上述した各制御例にて用いられている時短状態を終了させるための時短終了条件を適宜適用しても良い。
<第15制御例について>
次に、図491から図503を参照して、第15制御例におけるパチンコ機10について説明をする。本第15制御例におけるパチンコ機10は、上述した第5制御例におけるパチンコ機10に対して、主制御装置110のMPU201が有するROM202の一部構成を変更した点と、音声ランプ制御装置113のMPU221が有するROM222、及びRAM223の一部構成を変更した点とで相違している。また、主制御装置110のMPUが実行する制御内容と、音声ランプ制御装置113のMPU221が実行する制御内容の一部を変更した点で相違している。それ以外の内容は同一であり、同一の内容については、同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
上述した第5制御例では、普通図柄の確率状態を低確率状態から高確率状態へと移行させるための契機として、特別図柄抽選の大当たり当選以外の契機を設け、特定の特別図柄(第2特別図柄)の特別図柄抽選(第2特別図柄抽選)の抽選結果が大当たり当選とは異なる抽選結果(外れ)の一部において、普通図柄の高確率状態を設定させるための契機が成立するように時短抽選を実行可能に構成していた。
本第15制御例におけるパチンコ機10では、上述した第5制御例と同様に、第2特別図柄抽選でのみ時短抽選を実行可能に構成し、通常状態と、第2確変状態とで、少なくとも時短抽選を実行可能に構成している。
そして、時短状態(第2時短状態)が設定されている場合に、第2入球口640へと遊技球を入球させ易くなるように構成し、且つ、第2特別図柄抽選よりも優先して第1特別図柄抽選が実行されるように構成している。加えて、本第15制御例では、大当たり遊技の終了後に確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の高確率状態)が設定されるように構成し、特別図柄の高確率状態が継続する期間(確変期間)と、普通図柄の高確率状態が継続する期間(時短期間)との長さを異ならせて設定することができるように構成している。
具体的には、確変期間の継続期間の方が、時短期間の継続期間よりも長くなるように大当たり遊技終了後に確変状態を設定可能に構成しており、この場合、大当たり遊技終了後の遊技状態が、特別図柄抽選の実行回数が増加するにつれ、確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の高確率状態)、第2確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の低確率状態)、通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)と順に移行するように構成している。
さらに、第2確変状態が設定されている状態で第2特別図柄抽選が実行される場合よりも、通常状態が設定されている状態で第2特別図柄抽選が実行される方が、遊技者に有利な時短抽選が実行されるように構成している。
このように構成することで、確変状態中(第2入球口640へと遊技球を入球させ易い右打ち遊技状態中)において、獲得した第2特別図柄の保留記憶(特図2保留)が、第2確変状態中に実行されることが無いように、第2確変状態中に第1入球口64へと遊技球を入球させ、第1特別図柄の保留記憶(特図1保留)が途切れないようにするという斬新な遊技性を遊技者に提供することができる。
<第15制御例におけるパチンコ機10の遊技盤13の構成について>
まず、図491を参照して、本第15制御例におけるパチンコ機10が有する遊技盤13の構成について説明をする。上述した第5制御例におけるパチンコ機10は、通常状態において第1入球口64へと遊技球を入球させるための左打ち遊技を実行し、時短状態が設定された場合に入球し易くなる第2入球口640へと遊技球を入球させるための右打ち遊技を実行可能な遊技盤13(図234参照)を有していた。そして、図234に示した通り、右打ち遊技によって発射された遊技球が流下可能となる遊技領域(右側領域)には、遊技球が入球することで第1特別図柄抽選の実行権利(特図1保留)を獲得可能な入球手段を設けておらず、右打ち遊技中は、新たな特図1保留を獲得し難い遊技状態となるように構成していた。
ここで、本第15制御例のパチンコ機10は、上述した通り、確変状態中において右打ち遊技を実行することで特図2保留を獲得し、確変状態が終了してから所定期間が経過するまでの間、第2特別図柄抽選よりも優先して実行される第1特別図柄抽選を実行させることで特図2保留を消化しなければ遊技者に有利な特典を付与可能に構成している。そして、特図2保留を獲得し易い確変状態中において右打ち遊技を実行した場合であっても、新たに特図1保留を獲得することができるように遊技盤13を構成している。このように構成することで、特図1保留を獲得したまま確変状態を終了させ易くすることができる。
図491は、本第15制御例のパチンコ機10が有する遊技盤13の構成を示す正面図である。本第15制御例におけるパチンコ機10が有する遊技盤13の構成は、上述した第5制御例におけるパチンコ機10が有する遊技盤13の構成(図234参照)に対して、遊技盤13上に形成される遊技領域のうち、右側領域に配設された各種装置の構成を異ならせ、右打ち遊技状態中においても特図1保留を獲得可能に構成している点で相違している。なお、右側領域以外の構成については同一であり、同一の構成については同一の符号を付してその説明を省略する。
図491に示した通り、本第15制御例では、遊技球が入球することで、第1特別図柄抽選の実行権利を獲得可能な入球手段として、遊技盤13の左側領域を流下した遊技球の方が、遊技盤13の右側領域を流下した遊技球よりも入球し易い第1入球口64と、遊技盤13の右側領域を流下した遊技球の方が、遊技盤13の左側領域を流下した遊技球よりも入球し易い右第1入球口64bと、を有しており、第1入球口64が遊技盤13の下方領域(可変表示ユニット80の下方側に形成される遊技領域)に配設され、右第1入球口64bが遊技盤13の右側領域に配設されている。
第1入球口64、及び、右第1入球口64bは、何れも遊技球が入球することで4個の賞球が払い出されるように構成しており、左打ち遊技を実行した場合には、250個の遊技球を全て使用(途中で払い出された賞球の使用も含む)するまでに約20個の遊技球を第1入球口64へと入球させることが可能となるように第1入球口64が配設されている。
一方、右打ち遊技を実行した場合には、250個の遊技球を全て使用(途中で払い出された賞球の使用も含む)するまでに約15個の遊技球を右第1入球口64bへと入球させることが可能となるように右第1入球口64bが配設されている。
ここで、左側領域には、第1入球口64以外に遊技球が入球することで10個の賞球が払い出される一般入球口63が配設されており、左側領域を流下する遊技球のうち、第1入球口64へと入球することが出来なかった遊技球が一般入球口63へと入球した場合にも賞球が払い出されるように構成しているため、右打ち遊技を実行するよりも左打ち遊技を実行した場合の方が、特定数の遊技球を発射した場合において、遊技球が常時入球可能な入球口(一般入球口63、第1入球口64、右第1入球口64b)への遊技球の入球に基づく賞球を多く獲得し易くなるように構成している。
よって、第2入球口640へと遊技球を入球させ易くなる普通図柄の高確率状態が設定されていない(普通図柄の低確率状態が設定されている)通常状態においては、右打ち遊技を実行する場合よりも、左打ち遊技が実行される場合の方が、遊技者に有利な遊技となる。
図491に示した通り、遊技盤13の右側領域には、第2特別図柄抽選を実行させるための入球口(始動入球口)である第2入球口1640と、第2入球口1640に付設される電動役物1640aと、遊技球が通過(入球)することで普通図柄抽選の実行権利を獲得可能なスルーゲート67と、第1特別図柄抽選を実行させるための入球口(始動入球口)である右第1入球口64bと、大当たり遊技が実行されることで遊技球が入球(入賞)可能となる可変入賞装置1065と、が配設されている。
第2入球口1640には、普通図柄抽選で当たり当選したことに基づいて実行される当たり遊技(普図当たり遊技)にて開閉作動する電動役物1640aが付随しており、設定されている遊技状態に応じて遊技球を入球させ易い状態(普通図柄の高確率状態)と、遊技球を入球させ難い状態(普通図柄の低確率状態)と、を創出可能に構成している。なお、普通図柄抽選の内容や、普通図柄抽選で当たり当選したことに基づいて実行される当たり遊技(普図当たり遊技)において開閉作動される電動役物1640aの動作制御内容等については、上述した各制御例において説明をした電動役物制御の内容と同一であるため、その詳細な説明を省略する。
次に、右打ち遊技によって発射された遊技球の流れについて説明をする。図491に示した通り、右打ち遊技によって発射された遊技球は、遊技盤13の右側領域に植設されている複数の釘によって流下方向を変更しながら流下する。そして、第2入球口1640が配設されている第1流路、又は、スルーゲート67及び右第1入球口64bが配設されている第2流路に約9対1の割合で振り分けられ、さらに下流方向へと流下する。
第2流路への流入口は、2つの釘の間隙su1によって形成されており、右側領域を流下した遊技球のうち、間隙su1を通過しなかった遊技球が第1流路を流下するように構成している。間隙su1の開口幅は、間隙su1を形成する釘の配置位置によって拡縮するため、例えば、間隙su1を形成する釘の配置位置が間隙su1の開口幅を狭くする方向へと移動した場合には、右側領域を流下した遊技球が第2流路を流下し難くなり、第1流路を流下し易くなる。一方で、間隙su1を形成する釘の配置位置が間隙su1の開口幅を広くする方向へと移動した場合には、右側領域を流下した遊技球が第2流路を流下し易くなり、第1流路を流下し難くなる。
第1流路を流下する遊技球は、電動役物1640aが付随する第2入球口1640に到達し、普図当たり遊技によって電動役物1640aが開状態へと動作している場合には、遊技盤13から突出した電動役物1640aによって遊技球が第2入球口1640へと誘導され、第2入球口1640に入球する。また、第2入球口1640へと遊技球が到達したタイミングにて普図当たり遊技が実行されていない(電動役物1640aが閉状態である)場合には、電動役物1640aが遊技盤13内に埋設されているため、遊技球が電動役物1640aを通過し、可変入賞装置1065に向けて流下する。
第2流路を流下する遊技球は、第2流路内に植設された釘によって、スルーゲート67が設けられた第3流路と、右第1入球口64bが設けられた第4流路へと約1対1の割合で振り分けられる。第4流路への流入口は、2つの釘の間隙su2によって形成されており、第2流路を流下する遊技球のうち、間隙su2を通過しなかった遊技球が第3流路を流下するように構成している。間隙su2の開口幅は、間隙su2を形成する釘の配置位置によって拡縮するため、例えば、間隙su2を形成する釘の配置位置が間隙su2の開口幅を狭くする方向へと移動した場合には、第2流路を流下した遊技球が第4流路を流下し難くなり、第3流路を流下し易くなる。一方で、間隙su2を形成する釘の配置位置が間隙su2の開口幅を広くする方向へと移動した場合には、第2流路を流下した遊技球が第4流路を流下し易くなり、第3流路を流下し難くなる。
そして、第3流路を流下する遊技球は、スルーゲート67を通過し、可変入賞装置1065に向けて流下し、第4流路を流下した遊技球は、その殆どが右第1入球口64bへと入球する。なお、第4流路を流下した遊技球の一部が、右第1入球口64bへと入球すること無く、可変入賞装置1065に向けて流下し得るように、第4流路には排出口が設けられている。このように構成することで、右第1入球口64bの開口部付近で遊技球が滞留(球詰まりが発生)した場合であっても、その後、第4流路へと流入する遊技球を流下させることが可能となる。
以上、説明をした通り、本第15制御例のパチンコ機10は、右側領域を流下する遊技球が、所定の割合で第2入球口1640、スルーゲート67、右第1入球口64bへと入球し得るように構成されており、右側領域を100個の遊技球が流下した場合には、そのうちの90個が、第2入球口1640が配設される第1流路を流下し、10個が第2流路を流下する。そして、第2流路を流下する10個の遊技球のうち、5個が第3流路を流下しスルーゲート67を通過する。また、残りの5個が第4流路を流下し第1入球口64bへと入球するように構成されている。
通常状態が設定されている場合には、普通図柄抽選で当り当選した場合であっても、第2入球口1640へと遊技球を入球させることが困難な普図当たり遊技(電動役物1640aが開状態となる期間が短い(0.1秒)普図当たり遊技)が実行されるように構成しているため、通常状態において右打ち遊技を実行し、右側領域へと遊技球を流下させた場合には、右第1入球口64bへと遊技球が入球した場合に払い出される賞球(4個)のみが払い出されることになる。
よって、通常状態において右打ち遊技を実行した場合には、発射された遊技球の約5%が右第1入球口64bへと入球し得るように構成しているため、250個の遊技球を全て使用(途中で払い出された賞球の使用も含む)した場合に、約15個の遊技球を右第1入球口64bへと入球させることが可能となる。
なお、間隙su1、或いは、間隙su2の開口幅が狭くなるように各種釘の配置位置を調整することにより、右打ち遊技によって発射された遊技球が右第1入球口64bへと入球する割合を低く調整することが可能であるが、このように各種釘の配置位置を調整した場合には、第2入球口1640、又はスルーゲート67に入球する遊技球の割合が高くなるように構成している。
ここで、詳細な説明は省略するが、本第15制御例では、第2確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の低確率状態)にて普通図柄抽選で当り当選した場合には、通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)にて普通図柄抽選で当り当選した場合よりも、第2入球口1640へと遊技球が入球し易い普図当たり遊技を実行可能に構成している。
つまり、特図2保留を獲得した状態で確変状態を終了させ難くするために、右打ち遊技によって特図1保留を獲得させ難くなるように各種釘の配置位置を調整した場合には、右打ち遊技によってスルーゲート67、第2入球口1640へと遊技球を入球(通過)させ易くなるため、第2確変状態中に右打ち遊技を行うことで新たな特図2保留を獲得し易くすることができる。
また、第2確変状態中に新たな特図2保留を獲得させ難くするために、右打ち遊技によってスルーゲート67、及び、第2入球口1640へと遊技球を入球させ難くするように各種釘の配置位置を調整した場合には、右第1入球口64bへと遊技球が入球し易くなるように構成している。
上述した通り、本第15制御例のパチンコ機10は、左打ち遊技を実行した場合には、特図2保留を獲得出来ない(困難となる)ように構成し、基本的には、左打ち遊技を実行した場合の方が、右打ち遊技を実行する場合よりも特図1保留を獲得し易くなるように構成しているため、特図2保留を獲得した状態で確変状態が終了した場合には、確変状態終了後に設定される第2確変状態中は左打ち遊技を実行することで、新たな特図1保留を獲得し、第2確変状態が終了するまで特図2保留を保持することを目指す遊技を遊技者に行わせるものであるが、確変状態中に実行された右打ち遊技の結果に応じて、第2確変状態中において多種多様な遊技を遊技者に行わせることが可能となる。
例えば、遊技盤13の右側領域の構成として、通常よりも右第1入球口64bへと遊技球が入球し易くなるように各種釘の配置位置が調整されている場合には、第2確変状態中において、左打ち遊技によって特図1保留の獲得を目指す遊技と、右打ち遊技によって特図1保留を獲得しながら、低確率ではあるが新たな特図2保留の獲得を目指す遊技との何れかを遊技者に選択させることができる。
また、遊技盤13の右側領域の構成として、通常よりも右第1入球口64bへと遊技球が入球し難くなるように各種釘の配置位置が調整されている場合には、確変状態の終了時点で特図2保留を保持していれば、第2確変状態中において特図1保留を獲得し易い左打ち遊技を遊技者に実行させ、確変状態の終了時点で特図2保留を保持していなければ、第2確変状態中において左打ち遊技よりも特図1保留を獲得し難いが、新たな特図2保留を獲得可能な右打ち遊技を遊技者に実行させることが可能となる。
このよう構成することで、遊技者に対して様々な遊技方法を試行錯誤しながら遊技を行わせることができるため、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができる。
この場合、確変状態の終了時点にて獲得済みの特図1保留数と、特図2保留数とに基づいて、確変状態終了後に設定される第2確変状態における遊技方法として遊技者に有利となる遊技方法を決定し、決定した遊技方法を示すため情報を遊技者に報知可能に構成しても良い。
具体的には、確変状態の終了時点にて特図2保留を獲得していないと判別した場合は、新たに特図2保留を獲得することが可能な右打ち遊技を第2確変状態中の遊技方法として報知し、確変状態の終了時点にて特図2保留を獲得していると判別した場合は、特図1保留を獲得し易い左打ち遊技を第2確変状態中の遊技方法として報知するように構成すれば良い。このように構成することで、第2確変状態中に遊技者に不利な遊技が行われてしまうことを抑制することができる。
以上、説明をした通り、本第15制御例では、図491に示した遊技盤13を用いることで、第2特別図柄抽選の実行権利(特図2保留)を獲得し易い遊技状態(確変状態)にて実行される右打ち遊技中であっても、第1特別図柄抽選の実行権利(特図1保留)を獲得可能に構成している。
このように構成することで、第1特別図柄抽選の方が、第2特別図柄抽選よりも優先して実行されるパチンコ機10において、特図1保留と特図2保留と、を共に獲得している状態で、確変状態を終了させ易くすることができる。よって、確変状態が終了し、確変状態よりも新たな特図2保留を獲得し難い遊技状態(第2確変状態)が設定された後も、優先して実行される第1特別図柄抽選を連続して実行させ易くすることができるため、獲得済みの特図2保留を消化すること無く、新たな特図2保留を獲得し難い遊技状態での遊技を継続させ易くすることができる。
なお、本第15制御例のように、右打ち遊技によって特図1保留を獲得可能な構成を用いること無く、別の構成を用いて、本第15制御例と同様の遊技性を創出可能に構成しても良く、例えば、上述した第5制御例のパチンコ機10が有する遊技盤13(図234)を用いた場合には、確変状態中は右打ち遊技を実行することで第2特別図柄抽選が実行され易くし、確変状態にて実行される最後の特図変動(特図最終変動)の変動時間として長時間(例えば、180秒)の変動時間が設定されるように構成し、その特図最終変動中において、保留記憶可能な上限数(本第15制御例では1個)の特図2保留獲得を案内する第1演出(右打ち演出)と、保留記憶可能な上限数(本第15制御例では4個)の特図1保留獲得を案内する第2演出(左打ち演出)と、を実行可能に構成してもよい。
さらに、図491に示した通り、遊技盤13の右側領域下方には、大当たり遊技中に開放動作される可変入賞装置1065が配設されている。この可変入賞装置1065は、上述した第7制御例における可変入賞装置65(図294参照)と同一内容であり、その詳細な説明を省略する。
<第15制御例における演出内容について>
次に、図492及び図493を参照して、本第15制御例におけるパチンコ機10にて実行される各種演出のうち、特徴的な演出の内容について説明をする。本第15制御例におけるパチンコ機10は、上述した第5制御例におけるパチンコ機10に対して、確変状態が終了した後に、第2確変状態が設定されるように、確変期間が時短期間よりも長くなるように構成している。
そして、確変状態中に獲得した特図2保留が第2確変状態中に消化されること無く、第2確変状態が終了した後に設定される通常状態まで特図2保留を保持することにより、遊技者に有利な第2特別図柄抽選を実行可能に構成している。
ここで、特図2保留を有している状態で、第2確変状態が設定された場合に実行されるキープゾーン演出の演出内容について図492を参照して説明をする。図492(a)は、キープゾーン演出中に表示される表示画面の一例を示した図であって、図492(b)は、キープゾーン演出の終了画面として、特図2保留を獲得している状態で第2確変状態が終了することを示す成功演出が実行された場合に表示される表示画面の一例を示した図である。
図492(a)に示した通り、確変状態中に獲得した特図2保留を保持した状態で第2確変状態が設定されると、キープゾーン演出が実行される。キープゾーン演出が実行されると、主表示領域Dmの右下方にコンベア10802が表示され、コンベア10802上面に載置されている複数のエサを模したエサアイコンhr1〜hr5が、コンベア10802の動きに連動して右から左へと移動する演出が実行される。そして、コンベア10802の左側にはコンベア10802から排出されるエサを待ち構えているサカナ10801が表示され、コンベア10802から排出されたエサを食べる演出が実行される。
ここで、コンベア10802の上面に載置される複数のエサは、特図1保留と、特図2保留と、に対応して表示されるように構成しており、図492(a)に示した表示画面では、小領域Dm1aに示した通り、特図1保留を2個獲得している状態であるため、特図1保留に対応したエサが2個(エサアイコンhr1,hr2)表示されている。そして、小領域Dm8aに示した通り、特図2保留を1個獲得している状態であるため、特図2保留に対応したエサ(SPの文字が付してあるエサ)が1個(エサアイコンhr5)表示されている。
そして、小領域Dm1に示した通り、第1特別図柄変動が実行中であるため、実行中の特別図柄種別を示すためのエサアイコンhr0(第1特別図柄に対応する表示態様のエサ)がサカナ10801に食べられている演出が実行されている。
本第15制御例では、第1特別図柄抽選が第2特別図柄抽選よりも優先して実行されるように構成しているため、第1入球口64へと遊技球が入球し、新たな特図1保留を獲得する毎に、特図2保留に対応するエサアイコンhr5よりもコンベア10802の下流側(サカナ10801に近い位置)に新たなエサアイコンhr1〜hr4が追加されるようにウサギ801がコンベア10802の上面にエサを放り投げる演出が実行される。
そして、主表示領域Dmの上側には、キープゾーン演出が実行されていることを示す「キープゾーン」の文字が表示され、キープゾーン演出中の遊技内容を遊技者に案内するための案内態様として「魚がお腹一杯になるまでエサをあげろ!!」の文字が表示される。また、副表示領域Dsには、より詳細な遊技方法を示すための案内態様として「SPのエサが食べられないように、特図1保留を貯めてね」のコメントが表示される。
また、コンベア10802の上方には、コンベア10802の動作状況を遊技者に報知するための信号機10803が表示されている。この信号機10803は、コンベア10802が動作している状況を示す「GO」の表示領域と、コンベア10802が動作していない(停止している)状況を示す「STOP」の表示領域と、を有しており、コンベア10802の動作状況に対応させて何れかの表示領域が点灯表示される。
さらに、遊技者に遊技方法(左打ち遊技、右打ち遊技)を案内するための案内表示領域として、小表示領域Dm4には「左打ち」が表示される。本第15制御例では、基本的には、左打ち遊技中は遊技方法を遊技者に案内するための報知をせず、右打ち遊技が遊技者に有利となる場合に、「右打ち」の表示を小表示領域Dm4に表示するように構成しているが、キープゾーン演出中は、遊技球を発射しない場合に、左打ち遊技を実行する場合よりも遊技者に不利な遊技が実行され易くなることから、小表示領域Dm4に「左打ち」を表示するように構成している。
上述したキープゾーン演出では、1の特別図柄変動が終了し、次の特別図柄変動が開始される毎に、新たなエサ(図ではエサアイコンhr1)がサカナ10801に食べられる演出が実行される。つまり、サカナ10801に食べられているエサアイコンhr0が実行中の特別図柄変動に関する情報を示す態様(実行中保留)となり、コンベア10802上を移動するエサのうち、サカナ10801に最も近いエサを示すエサアイコンhr1が、次に実行される特別図柄変動に関する情報を示す態様(第1特図保留)となる。
また、コンベア10802の動作内容は、実行中の第1特別図柄変動の変動時間や、獲得済みの特図1保留に対応する特別図柄変動の変動時間に基づいて決定されるように構成しており、例えば、実行中の第1特別図柄変動の変動時間や、獲得済みの特図1保留に対応する特別図柄変動の変動時間が短い場合、即ち、短時間で特図2保留が消化され得る場合には、コンベア10802の動作速度が上がり、実行中の第1特別図柄変動の変動時間や、獲得済みの特図1保留に対応する特別図柄変動の変動時間が長い場合、即ち、特図2保留が消化され得るタイミングまで時間的に余裕がある場合には、コンベア10802の動作速度が低下したり、一時的にコンベア10802が停止したりするように構成している。
このように構成することで、残りのエサの数(表示されているエサアイコンhr1〜hr4の数)だけで無く、コンベア10802の動作状況に基づいて、特図2保留が消化される(エサアイコンhr5がサカナ10801に食べられてしまう)までの期間を遊技者に予測させることが可能となり、予測結果に基づいて新たな特図1保留を獲得するための左打ち遊技を実行させることができる。
また、詳細な説明は省略するが、キープゾーン演出中において実行される第1特別図柄抽選で大当たり当選した場合には、その大当たり遊技終了後に確変状態が設定されるように構成しているため、獲得済みの特図2保留を通常状態まで保持することが困難となる。よって、キープゾーン演出中において実行される第1特別図柄抽選で大当たり当選した場合には、キープゾーン演出を終了させる終了演出が実行されるように構成している。
具体的には、特図1保留に対応するエサアイコンhr1〜hr4の表示態様として、毒入りのエサを設定可能に構成し、サカナ10801が毒入りのエサを食べた場合に、遠くに逃げ出してしまう演出が実行されるように構成している。また、毒入りのエサを模したエサアイコンは、大当たり当選していない場合にも低確率で表示されるように構成し、大当たり当選を示す情報を有していない特図1保留に対応するエサの表示態様として毒入りのエサを模した表示態様が設定された場合には、サカナ10801が毒入りのエサを避ける演出が実行されるように構成している。
このように構成することで、キープゾーン演出中における第1特別図柄抽選で大当たり当選した場合には、遊技者に違和感を与えること無くキープゾーン演出を終了させることが可能となる。また、実際に大当たり当選していない特図1保留に対しても、大当たり当選している場合に設定される表示態様(毒入りのエサを示す表示態様)を設定可能に構成しているため、遊技者に違和感を与えること無く毒入りのエサを示す表示態様でエサアイコンを表示することができる。
そして、特図2保留を獲得した状態で第2確変状態が終了することが確定した場合、即ち、第2特別図柄抽選よりも優先して実行される第1特別図柄抽選の保留記憶(特図1保留)数が、第2確変状態が終了するまでに要する特別図柄抽選回数を上回っており、且つ、獲得済みの特図1保留内に大当たり当選を示す情報が含まれていない場合には、図492(b)に示した通り、サカナ10801がお腹一杯になり、満足して帰って行く演出が終了し、コンベア10802が停止表示され、信号機10803は、コンベア10802が停止していることを示すための表示領域「STOP」が点灯表示される。
そして、小表示領域Dm4には、遊技者が遊技球の発射を一時的に停止させることを促す案内表示態様として「休憩!?」が表示される。これにより、第2確変状態が終了し、遊技者に有利な第2特別図柄抽選が実行される通常状態が設定された後も左打ち遊技が継続されることにより第1特別図柄抽選が実行され(新たな特図1保留を獲得し続け)、第2特別図柄抽選が実行されない期間が長くなることを抑制することができる。
なお、図492(b)に示した表示画面では、遊技者に対して遊技球の発射を禁止させる程の強制力が無い表示態様が小表示領域Dm4に表示されているが、これに限ること無く、遊技者に対して遊技球の発射を直接的に禁止させる表示態様(例えば、「SPエサが無くなるまで遊技球の発射を止めてください」との表示)を表示するように構成しても良い。
図492(b)に示した通り、キープゾーン演出が成功した場合には、次の遊技内容を遊技者に案内するための案内態様として、副表示領域Dsにて「大成功!!残ったSPエサを食べちゃおう」のコメントが表示される。図492(b)に示した状態から遊技球の発射を中断し、新たな特図保留を獲得すること無く、第2特別図柄抽選が実行されると、図493(a)に示した演出が実行される。
図493(a)は、通常状態において第2特別図柄変動が実行された場合に表示される表示画面の一例を示した図である。図492(b)に示した通り、特図2保留に対応するエサアイコンhr5を残した状態で、天井中モード演出が終了すると、通常状態が設定された後に、ウサギ801が特図2保留に対応するエサを食べる演出が実行される。ここで、ウサギ801がエサを全て食べきると、通常状態中に実行された第2特別図柄抽選の結果として、時短状態に当選したことを示す演出が設定される。
一方、キープゾーン演出中に新たな特図1保留を獲得することができず、特図2保留が消化され、第2確変状態中に第2特別図柄変動が実行されると、図493(b)に示した終了演出が実行される。図493(b)は、第2確変状態中に第2特別図柄変動が実行された場合に表示される表示画面の一例を示した図である。図493(b)に示した通り、小表示領域Dm8には、第2特別図柄変動が実行されていることを示すための表示態様(図では矢印で表示)が表示され、小表示領域Dm8aには、特図2保留の獲得数が0でありことを示す「0」が表示されている。そして、主表示領域Dmでは、お腹を空かせたサカナ10801が「エサが足り無い」と怒りながらウサギ801を襲う演出が実行され、副表示領域Dsには、キープゾーン演出が終了したことを示す「キープゾーン終了」のコメントが表示される。
なお、本第15制御例では、第2確変状態が継続する期間が、大当たり種別に応じて異ならせることができるように構成しており、第2確変状態が継続する期間が最長で特図抽選40回、最短で特図抽選1回となるように構成している。よって、図492(a)に示した表示画面では、キープゾーン演出が継続する期間(サカナ10801がお腹一杯になるまでの期間)を遊技者に把握させないように、第2確変状態が継続する期間(第2確変状態の残期間)を報知しないように構成している。
また、本第15制御例にて実行されるキープゾーン演出では、キープゾーン演出の演出態様(例えば、サカナ10801の表示態様や、コンベア10802の速度等)を異ならせることで、第2確変状態の残期間を示唆可能に構成している。
このように構成することで、キープゾーン演出の継続期間を遊技者に分かり易く報知することができるため、第2確変状態が終了するまで特図2保留を保持しようと意欲的に遊技を行わせることができる。また、第2確変状態の残期間を示すための表示態様を専用に表示するのでは無く、例えば、サカナ10801の態様を異ならせて設定可能にすることで、第2確変状態の残期間を遊技者に示唆可能に構成しても良い。この場合、サカナ10801の態様として、小食気味の態様と、大食漢の態様と、を設定可能に構成し、小食気味の態様の方が、第2確変状態の残期間が少ない場合に設定され易くなるように構成しても良い。
なお、本第15制御例のキープゾーン演出とは異ならせ、キープゾーン演出中に第2確変状態が終了するまでの情報(残確変回数)を表示可能に構成し、第2確変状態中に特別図柄抽選が実行される毎に残確変回数がカウントダウン表示されるように構成しても良い。このように構成することで、遊技者に対して、第2確変状態が終了するまでに実行される特別図柄抽選の実行回数を分かり易く報知することができる。
また、この場合、第2確変状態を終了させるための第2確変終了条件が成立するまでの残情報(残確変回数)とは異なる情報(擬似残確変回数)を表示するように構成し、第2確変状態中における特別図柄抽選の実行回数を示す情報の更新内容とは異ならせて擬似残確変回数を更新させる擬似残確変回数更新演出を実行可能に構成しても良い。
具体的には、第2確変状態が終了するまでの残確変回数が40回である場合に、第3図柄表示装置81の表示画面に、第2確変状態が終了するまでの情報として、擬似残確変回数「50回」に対応する情報を表示し、実際に第2確変状態が終了する場合に、擬似残確変回数が示す情報が、第2確変状態の終了を示す表示態様(例えば、「ラスト」の表示態様)で表示されるように構成する。そして、第2確変状態中に実行された特別図柄抽選の結果を示すための特別図柄変動時間として、所定期間(30秒)よりも長い変動時間が設定された場合には、その特別図柄変動期間中に、擬似残確変回数を少なくとも2以上更新(減算)させる擬似残確変回数減算演出を実行するように構成する。
このように構成することで、第3図柄表示装置81の表示面に表示される擬似残確変回数が「ラスト(0)」となった場合に、実際に第2確変状態が終了するように構成しながら、第2確変状態が設定される初期段階においては、実際の残確変回数よりも大きい値の擬似残確変回数を表示することが可能となるため、遊技者に対して、第2確変状態が継続する期間の長さを分かり難くすることができる。
さらに、1の特別図柄抽選の実行に基づいて、擬似残確変回数を2以上減算させることが可能となるため、擬似残確変回数が表示されている第2確変状態にて、第2確変状態がいち早く終了すること(擬似残確変回数が大幅に減算されること)を期待しながら遊技者に継続して遊技を行わせることができる。
また、この場合、特図1保留の事前判別結果に基づいて、第2確変状態中に第1特別図柄抽選で大当たり当選すると判定された場合には、その大当たり当選する第1特別図柄抽選の抽選結果(大当たり当選を示す抽選結果)が停止表示されるまでの期間を用いて、第3図柄表示装置81の表示面に表示されている擬似残確変回数が「ラスト(0)」となるように擬似残確変回数減算演出を実行可能に構成すると良い。
このように構成することで、どのような契機(確変回数消化、又は大当たり当選)で第2確変状態が終了する場合であっても、擬似残確変回数として「ラスト(0)」を表示した後に、第2確変状態を終了させることができるため、遊技者に違和感の無い演出を提供することができる。また、擬似残確変回数として実際の残確変回数よりも大きい回数を設定可能に構成し、特別図柄抽選が1回実行される場合に、擬似残確変回数の値を2以上更新(減算)可能としているため、第2確変状態中に大当たり当選した場合以外でも、擬似残確変回数を大きく減算させることが可能となる。
<第15制御例における電気的構成について>
次に、図494から図498を参照して、本第15制御例における電気的構成について説明をする。本第15制御例では、上述した第5制御例のパチンコ機10に対して、主制御装置110のMPU201が有するROM202の構成の一部、音声ランプ制御装置113のMPU221が有するROM222の構成の一部、RAM223の構成の一部を変更している点で相違し、それ以外は同一である。同一の内容については同一の符号を付してその詳細な内容について説明を省略する。
まず、図494から図496を参照して、主制御装置110のMPU201が有するROM202の構成について説明をする。図494(a)は、本第15制御例におけるROM202の構成を示したブロック図である。図494(a)に示した通り、本第15制御例におけるROM202の構成は、上述した第5制御例におけるROM202の構成(図244(a)参照)に対して、第2当たり乱数テーブル202cに代えて第2当たり乱数15テーブル202ncを、大当たり種別選択5テーブル202ddに代えて大当たり種別選択15テーブル202ndを、時短当たり乱数5テーブル202deに代えて時短当たり乱数15テーブル202neを、時短種別選択5テーブル202dfに代えて時短種別選択15テーブル202nfを設けている点で相違している。それ以外の要素は同一であり、同一の要素についてはその詳細な説明を省略する。
まず、図494(b)を参照して、本第15制御例における第2当たり乱数15テーブル202ncについて説明する。図494(b)は、第2当たり乱数15テーブル202ncの規定内容を示した図である。この第2当たり乱数15テーブル202ncは、上述した第2当たり乱数テーブル202cと同様に、普通図柄抽選の抽選結果を決定する際に参照されるデータテーブルであって、第2当たり乱数カウンタC4の取り得る値の範囲(0〜299)に対して、普通図柄の確率状態毎に当たりと判定される値が規定されている。
具体的には、図494(b)に示した通り、普通図柄の確率状態が「低確率状態」である場合には、第2当たり乱数カウンタC4の値の全範囲に対して抽選結果「当たり」が、となる判定値が規定されておらず、全範囲に対して抽選結果「外れ」が規定されており、「高確率状態」である場合には、第2当たり乱数カウンタC4の値が「0〜149」の範囲に対して抽選結果「当たり」が規定されている。
つまり、本第15制御例では、普通図柄の低確率状態が設定されている場合には、普通図柄抽選にて当たり当選しないように構成している。このように構成することで、普通図柄の低確率状態が設定されている状態で普図当たり遊技が実行され、第2入球口640へと遊技球が入球する事象が発生することを確実に抑制することができる。
なお、本第15制御例では、普通図柄の低確率状態が設定されている場合に実行される普通図柄抽選で当たり当選しないように第2当たり乱数15テーブル202ncの内容が規定されているが、普通図柄の低確率状態において普図当たり遊技が頻繁に実行されることを抑制すれば良く、低確率で当たり当選し得るように第2当たり乱数15テーブル202ncの内容を規定しても良い。
また、上述した各制御例の何れで用いている技術思想である、普図当たり遊技が実行された場合であっても、第2入球口640へと遊技球を入球させ難くする技術思想を転用しても勿論良い。
次に、図494(c)を参照して、時短当たり乱数15テーブル202neについて説明をする。この時短当たり乱数15テーブル202neは、特別図柄抽選の結果が大当たり当選以外(外れ)である場合に実行される時短判定(時短抽選)にて参照されるデータテーブルであって、上述した時短当たり乱数5テーブル202de(図245(c)参照)に対して、時短当選と判定される第1当たり乱数カウンタC1の値(範囲)が規定されている条件(特別図柄種別、遊技状態)を異ならせている点で相違している。
具体的には、特別図柄種別が「第2特別図柄」であれば、遊技状態に関わらず、取得した第1当たり乱数カウンタC1の値が「3〜899」の範囲が時短当選の判定値として規定されている。また、特別図柄種別が「第1特別図柄」に対しては、時短当選の判定値が規定されていない(図では「−」で表示)。
次に、図495を参照して、本第15制御例における大当たり種別選択15テーブル202ndについて説明する。図495(a)は、大当たり種別選択15テーブル202ndの規定内容を示した図である。図495(a)に示した通り、大当たり種別選択15テーブル202ndは、第1特別図柄抽選で大当たり当選した場合に参照される特図1大当たり用15テーブル202nd1と、第2特別図柄抽選で大当たり当選した場合に参照される特図2大当たり用15テーブル202nd2と、を有しており、大当たり当選した特別図柄種別に対応したデータテーブルを参照して大当たり種別が決定される。
まず、図495(b)を参照して、特図1大当たり用15テーブル202nd1の内容について説明をする。図495(b)は、特図1大当たり用15テーブル202nd1に規定されている内容を示した模式図である。上述した通り、この特図1大当たり用15テーブル202nd1は、第1特別図柄の抽選で大当たり当選した場合に設定する大当たり種別を選択するためのデータテーブルであって、取得した第1当たり種別カウンタC2の値に応じて異なる大当たり種別が規定されているものである。
具体的には、取得した第1当たり種別カウンタC2の値が「0〜49」の範囲に対して、大当たり種別として「大当たりA15」が、「50〜89」の範囲に対して、大当たり種別として「大当たりB15」が、「90〜99」の範囲に対して、大当たり種別として「大当たりC15」が規定されている。
「大当たりA15」は、6ラウンド(R)の大当たり遊技が実行され、大当たり遊技終了後に確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の高確率状態)が設定される大当たり種別であって、確変期間を示すための確変カウンタ203iの値に100が設定され、時短期間を示すための時短カウンタ203hの値に60が設定される。つまり、大当たりA15に基づく大当たり遊技が実行された場合には、大当たり遊技終了後に確変状態が設定され、確変状態中に実行された特別図柄抽選の回数が、60回に到達した場合に、遊技状態が確変状態から第2確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の低確率状態)へと移行される大当たり種別である。
「大当たりB15」は、6ラウンド(R)の大当たり遊技が実行され、大当たり遊技終了後に確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の高確率状態)が設定される大当たり種別であって、確変期間を示すための確変カウンタ203iの値に80が設定され、時短期間を示すための時短カウンタ203hの値に60が設定される。つまり、大当たりB15に基づく大当たり遊技が実行された場合には、大当たり遊技終了後に確変状態が設定され、確変状態中に実行された特別図柄抽選の回数が、20回に到達した場合に、遊技状態が確変状態から第2確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の低確率状態)へと移行される大当たり種別である。
「大当たりC15」は、6ラウンド(R)の大当たり遊技が実行され、大当たり遊技終了後に確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の高確率状態)が設定される大当たり種別であって、確変期間を示すための確変カウンタ203iの値に61が設定され、時短期間を示すための時短カウンタ203hの値に60が設定される。つまり、大当たりC15に基づく大当たり遊技が実行された場合には、大当たり遊技終了後に確変状態が設定され、確変状態中に実行された特別図柄抽選の回数が、1回に到達した場合に、遊技状態が確変状態から第2確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の低確率状態)へと移行される大当たり種別である。
次に、図495(c)を参照して、特図2大当たり用15テーブル202nd2の内容について説明をする。図495(c)は、特図2大当たり用15テーブル202nd2に規定されている内容を示したフローチャートである。この特図2大当たり用15テーブル202nd2は、上述した特図1大当たり用15テーブル202nd1に対して、大当たり種別を設定する対象となる特別図柄の種別を変更した点と、各大当たり種別に対して規定されている各種パラメータを異ならせている点で相違しているが、その詳細な設定内容については、詳細な説明を省略する。
次に、図496を参照して、時短種別選択15テーブル202nfの内容について説明をする。図496は、時短種別選択15テーブル202nfに規定されている内容を示した図である。図496に示した通り、時短種別選択15テーブル202nfには、時短当選した時点における遊技状態に対応させて異なる時短種別と、時短回数が規定されている。
具体的には、時短当選時の遊技状態が「通常状態」である場合には、取得した時短種別選択カウンタCC1の値が「0〜99」の全範囲に対して、時短種別として「第2時短」が規定されており、時短カウンタ203hの値に「500」が設定されるように構成している。また、時短当選時の遊技状態が「第2確変状態」である場合には、取得した時短種別選択カウンタCC1の値が「0〜99」の全範囲に対して、時短種別として「第1時短」が規定されており、時短カウンタ203hの値に「10000」が設定されるように構成している。
つまり、確変状態中に獲得した特図2保留を通常状態が設定されるまで保持し、通常状態中に第2特別図柄抽選が実行された場合には、高確率で時短当選し(図494(b)参照)、時短種別として、右打ち遊技状態である第2時短状態(左打ち遊技によって第1入球口64へと遊技球を入球させるよりも、右打ち遊技によって第2入球口640へと遊技球を入球させる方が効率良く特別図柄抽選を実行させることが可能となる時短状態)が時短回数500で設定される。
一方、第2確変状態中に第2特別図柄抽選が実行された場合には、高確率で時短当選し(図494(b)参照)、時短種別として、左打ち遊技状態である第1時短状態(左打ち遊技によって第1入球口64へと遊技球を入球させる方が、右打ち遊技によって第2入球口640へと遊技球を入球させるよりも効率良く特別図柄抽選を実行させることが可能となる時短状態)が時短回数10000で設定される。
このように構成することで、確変状態中に獲得した特図2保留が実行される遊技状態に応じて、遊技者への有利度合いを大きく異ならせることができる。また、第2確変状態中も、通常状態中も、新たに第2特別図柄抽選の保留記憶(特図2保留)を獲得し難い普通図柄の低確率状態が設定されているため、確変状態が終了した後に、新たな特図2保留を獲得することが出来ないことから、確変状態中に獲得した特図2保留が消化されないように、第2特別図柄抽選よりも優先して実行される第1特別図柄抽選の保留記憶(特図1保留)をより多く獲得しようと遊技者に意欲的に遊技を行わせることができる。
次に、図497、及び図498を参照して、本第15制御例における音声ランプ制御装置113のMPU221が有する電気的構成の内容について、上述した第5制御例と相違する点を中心に説明する。なお、上述した第5制御例と同一の内容については、その詳細な説明を省略する。
まず、図497(a)を参照して、本第15制御例における音声ランプ制御装置113のMPU221が有するROM222の構成について説明をする。図497(a)は、本第15制御例における音声ランプ制御装置113のMPU221が有するROM222に規定されている構成を模式的に示した図である。図497(a)に示した通り、本第15制御例におけるROM222は、上述した第5制御例におけるROM222(図249(a)参照)に対して、キープゾーン演出選択テーブル222naを追加した点で相違している。
キープゾーン演出選択テーブル222naは、特図2保留を獲得している状態で実行される、第2確変状態の1回目の第1特別図柄変動に対応して設定されるキープゾーン演出の演出態様を決定する際に参照されるデータテーブルである。
ここで、図498を参照して、キープゾーン演出選択テーブル222naの内容について説明をする。図498は、キープゾーン演出選択テーブル222naに規定されている内容を示した図である。図498に示した通り、キープゾーン演出選択テーブル222naには、第2確変状態が継続する期間の長さと、キープゾーン演出の演出態様を決定する際に実行される第1特別図柄変動の変動時間の長さと、取得した演出カウンタ223fとに対応付けて、異なる演出態様(示唆態様)が規定されており、キープゾーン演出選択テーブル222naを参照して決定された演出態様に基づいたキープゾーン演出が実行される。
具体的には、第2確変状態の残期間が「40」の場合、即ち、大当たりA15に当選した場合に設定される第2確変状態に対して設定されるキープゾーン演出では、実行される第1特別図柄変動の変動時間が「短時間(60秒以内)」である場合には、取得した演出カウンタ223fの値が「0〜79」の範囲に対して、コンベア10802が高速に移動する「高速」示唆態様1と、大食いなサカナ10801を示す「大食漢」示唆態様2が規定されており、「80〜99」の範囲に対して、コンベア10802が高速に移動する「高速」示唆態様1と、小食なサカナ10801を示す「小食」示唆態様2が規定されている。
そして、実行される第1特別図柄変動の変動時間が「長時間(60秒より長い)」場合には、取得した演出カウンタ223fの値が「0〜99」の全範囲に対して、コンベア10802が低速に移動する「低速」示唆態様1と、小食なサカナ10801を示す「小食」示唆態様2が規定されている。
また、第2確変状態の残期間が「20」の場合、即ち、大当たりB15に当選した場合に設定される第2確変状態に対して設定されるキープゾーン演出では、実行される第1特別図柄変動の変動時間が「短時間(60秒以内)」である場合には、取得した演出カウンタ223fの値が「0〜39」の範囲に対して、コンベア10802が高速に移動する「高速」示唆態様1と、大食いなサカナ10801を示す「大食漢」示唆態様2が規定されており、「40〜99」の範囲に対して、コンベア10802が高速に移動する「低速」示唆態様1と、小食なサカナ10801を示す「小食」示唆態様2が規定されている。
そして、実行される第1特別図柄変動の変動時間が「長時間(60秒より長い)」場合には、取得した演出カウンタ223fの値が「0〜99」の全範囲に対して、コンベア10802が低速に移動する「低速」示唆態様1と、小食なサカナ10801を示す「小食」示唆態様2が規定されている。
最後に、第2確変状態の残期間が「1」の場合、即ち、大当たりC15に当選した場合に設定される第2確変状態に対して設定されるキープゾーン演出では、実行される第1特別図柄変動の変動時間が、及び、取得した演出カウンタ223fの値に関わらず、コンベア10802が低速に移動する「低速」示唆態様1と、特殊な金色のサカナ10801を示す「プレミア」示唆態様2が規定されている。
つまり、第2確変状態を終了させるための終了条件が成立し難い程(第2確変状態の残期間が長く設定されている程)、エサを多く食べるサカナ10801が表示され易く、第2確変状態中に実行される第1特別図柄抽選の変動時間が短い、即ち、新たな特図1保留を獲得する期間が短い程、コンベア10802が高速移動し易くなるように各演出態様が規定されている。
このように構成することで、キープゾーン演出の演出内容に基づいて、今回設定された第2確変状態における特図2保留を保持する難易度を遊技者に把握させることが可能となる。
次に、図497(b)を参照して、本第15制御例のパチンコ機10における音声ランプ制御装置113のMPU221が有するRAM223の構成について説明をする。本第15制御例のパチンコ機10における音声ランプ制御装置113のMPU221が有するRAM223は、上述した第5制御例のパチンコ機10における音声ランプ制御装置113のMPU221が有するRAM223(図249(b)参照)に対して、第2確変中カウンタ223na、キープゾーン演出中フラグ223nb、キープ確定フラグ223ncを追加した点で相違している。同一の内容については、同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
第2確変中カウンタ223naは、第2確変状態が継続する期間を計測するためのカウンタであって、第2確変状態演出設定処理15(図501のS9058参照)において、確変状態から第2確変状態へと遊技状態が移行したと判別された場合に(図501のS9402:Yes)、確変カウンタ203iに対応する値が設定される(図501のS9451参照)。そして、第1特別図柄抽選が実行される毎に値が1減算され(図502のS9566参照)、獲得済みの特図2保留が第2確変状態中に消化されないことを判別する際に参照される(図502のS9573参照)。
キープゾーン演出中フラグ223nbは、キープゾーン演出の演出態様が設定され、キープゾーン演出が実行されていることを示すためのフラグであって、第2確変状態へと移行した後の1回目の第1特別図柄抽選に対応させてキープゾーン演出の演出態様が決定された場合にオンに設定される。キープゾーン演出中フラグ223nbがオンに設定されることにより、第2確変状態中において2回目以降の第1特別図柄抽選に対応した変動演出を設定する際に、新たなキープゾーン演出の演出態様を決定する処理が実行されてしまうことを抑制している。
キープ確定フラグ223ncは、キープゾーン演出中において、特図2保留が第2確変状態中に消化されることが無い(通常状態へと移行するまで特図2保留を保持できる)ことが確定したことを示すためのフラグであって、特図2保留が第2確変状態中に消化されることが無い(通常状態へと移行するまで特図2保留を保持できる)ことが確定した場合にオンに設定される。このキープ確定フラグがオンに設定されることで、特図2保留が第2確変状態中に消化されることが無い状況であることを示すためのキープ確定演出が実行される。
ここで、キープ確定演出としては、例えば、図492(a)に示した表示画面に表示されている特図2保留に対応するエサ(SPが付されたエサアイコンhr5)がコンベアから浮上し、サカナ10801に近付かない演出が実行され、「SPエサのストック成功」の文字が表示される演出が実行される。これにより、SPエサがサカナ10801に食べられることが無い状況に到達したことを遊技者に分かり易く報知することができる。
<第15制御例における主制御装置110の制御処理について>
次に、図499、及び図500を参照して、本第15制御例における主制御装置110の制御処理内容のうち、上述した第5制御例とは異なる点を中心に説明をする。本第15制御例のパチンコ機10は、上述した第5制御例のパチンコ機10に対して、第1特別図柄抽選の方が、第2特別図柄抽選よりも優先して実行されるように構成している点と、時短抽選の実行条件を異ならせている点で相違している。
具体的には、特別図柄変動処理5(図252のS104参照)に代えて特別図柄変動処理15(図499のS15104参照)を実行する点で相違している。それ以外の処理内容は同一であり、同一の内容についてはその詳細な説明を省略する。
まず、図499を参照して、特別図柄変動処理15(S15104)の内容について説明をする。図499は、特別図柄変動処理15(S15104)の処理内容を示したフローチャートである。図499に示した通り、特別図柄変動処理15(S15104)は、上述した特別図柄変動処理5(図252のS104参照)に対して、S203の処理を終えた後に、第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(N1)が0よりも大きいかを判別し(S15204)、0よりも大きいと判別した場合に(S15204:Yes)、第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(N1)を1減算し(S15205)、第1特別図柄抽選を実行するためのS206〜S207の処理を実行するように構成している。
そして、S15204の処理において、第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(N1)が0よりも大きく無いと判別した場合に(S15204:No)、第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値(N2)が0よりも大きいかを判別し(S15210)、0よりも大きいと判別した場合に(S15210:Yes)、第2特別図柄保留球数カウンタ203dの値(N2)を1減算し(S15211)、第2特別図柄抽選を実行するためのS212〜S213の処理を実行するように構成している。それ以外の処理内容については同一であるため、その詳細な説明を省略する。
上述した通り、本第15制御例では、上述した第5制御例に対して、第1特別図柄抽選が第2特別図柄抽選よりも優先して実行されるように構成している。このように構成することで、特図1保留を獲得している状態を継続させることにより、特図2保留を獲得している状態を保持することが可能となる。
次に、図500を参照して、時短抽選処理15(S8086)の内容について説明をする。図500は、時短抽選処理15(S8086)の処理内容を示したフローチャートである。図500に示した通り、時短抽選処理15(S8086)は、上述した時短抽選処理5(図254のS8006参照)に対して、時短抽選を実行可能な遊技状態を異ならせている点と、時短抽選における時短当選の判定にて参照されるデータテーブルを異ならせている点で相違している。
具体的には、時短抽選処理15(S8086)が実行されると、まず、上述した時短抽選処理5(図254のS8006参照)と同一のS8101〜S8102の処理を実行する。そして、現在の遊技状態が通常状態、又は第2確変状態であるかを判別し(S8183)、現在の遊技状態が通常状態、又は第2確変状態であると判別した場合は(S8183:Yes)、時短当たり乱数15テーブル222neを参照して時短当選の判定を実行する(S8184)。その後、上述した時短抽選処理5(図254のS8006参照)と同一のS8105、及びS8106の処理を実行し、本処理を終了する。
以上、説明をした通り、本第15制御例では、通常状態だけで無く、第2確変状態においても時短抽選を実行可能に構成している。そして、上述した通り、通常状態において時短抽選が実行された方が、第2確変状態において時短抽選が実行された場合よりも、時短当選時に遊技者に有利な特典を付与するように構成している。このように、複数の遊技状態において時短抽選を実行可能に構成し、時短抽選が実行される遊技状態に応じて、時短当選時に付与される特典を異ならせることにより、遊技者に対して、どのタイミング(遊技状態)で時短抽選が実行されるのかに興味を持たせることができる。
なお、本第15制御例では、確変状態中に獲得した特図2保留を第2確変状態が終了するまで保持することで、遊技者に有利な特典を付与可能にすることで、第2特別図柄抽選を実行させないことを目指すという斬新な遊技性を提供可能とするために、通常状態において時短抽選が実行された方が、第2確変状態において時短抽選が実行された場合よりも、時短当選時に遊技者に有利な特典を付与するよう構成しているが、これに限ること無く、例えば、第2確変状態中に第2特別図柄抽選が実行された場合には、時短抽選が実行されないように構成しても良い。このように構成した場合には、確変状態中に獲得した特図2保留を第2確変状態が終了するまで保持することで、時短抽選の実行という付加価値を、遊技者に付与することが可能となる。
<第15制御例における音声ランプ制御装置113の制御処理について>
次に、図501から図503を参照して、本第15制御例における音声ランプ制御装置113にて実行される制御処理のうち、上述した第5制御例とは異なる特徴的な内容について説明をする。本第15制御例における音声ランプ制御装置113の制御処理では、第2確変状態中実行されるキープゾーン演出の演出態様を決定するための各種処理を実行する点で上述した第5制御例とは異なる制御処理を実行するように構成している。
まず、図501を参照して、第2確変状態演出設定処理15(S9058)の内容について説明をする。図501は、第2確変状態演出設定処理15(S9058)の処理内容を示したフローチャートである。この第2確変状態演出設定処理15(S9058)では、第2確変状態が設定された場合において、キープゾーン演出の演出態様を決定するための処理が実行される。
第2確変状態演出設定処理15(S9058)が実行されると、まず、従状態設定エリア223gから変更前の遊技状態を読み出し(S9401)、読み出した遊技状態が確変状態であるかを判別する(S9402)。S9402の処理において確変状態であると判別した場合は(S9402:Yes)、大当たり遊技終了後に確変状態が設定され、確変期間よりも先に時短期間が終了し、第2確変状態が設定された場合であるため、残りの確変回数に対応する値(確変カウンタ203iの値)を、第2確変中カウンタ223naの値に設定し(S9451)、次いで、第2特別図柄抽選カウンタ203eの値(N2)が0よりも大きいか、即ち、特図2保留を獲得している状態であるかを判別する(S9452)。
S9452の処理において、N2が0よりも大きいと判別した場合は(S9452:Yes)、確変カウンタ203iの値を読み出し(S9453)、キープゾーン演出選択テーブル222naを参照して、演出態様を決定し(S9454)、キープ演出中フラグ223nbをオンに設定し(S9455)、本処理を終了する。
一方で、S9452の処理において、N2が0よりも大きく無いと判別した場合は(S9452:No)、確変状態中に特図2保留を獲得していない状態で、第2確変状態へと移行した場合であるため、キープゾーン演出を実行すること無く、通常状態への移行に対応する演出態様を決定し(S9456)、本処理を終了する。
次に、図502を参照して、特図1演出態様設定処理(S15483)の内容について説明をする。図502は、特図1演出態様設定処理(S15483)の内容を示したフローチャートである。この特図1演出態様設定処理(S15483)は、第1特別図柄変動に対応する変動演出の演出態様を決定するための処理が実行されるものであって、特に、第2確変状態中における第1特別図柄変動に対応する変動演出の演出態様を決定するための処理の内容が、上述した第5制御例とは相違している。なお、上述した第5制御例における特図1演出態様設定処理に対応する処理とその処理内容が同一である場合には、その詳細な説明を省略する。
特図1演出態様設定処理(S15483)が実行されると、まず、時短中カウンタ223daの値が0よりも大きいかを判別し(S9501)、0よりも大きいと判別した場合は(S9501:Yes)、そのまま、上述した第5制御例と同一のS9502〜S9504の処理を実行し、本処理を終了する。また、S9501の処理において、時短中カウンタ223daの値が0よりも大きく無い、即ち、確変状態、第2時短状態の何れでも無い場合は(S9501:No)、次に、第2確変中カウンタ223naの値が0よりも大きいかを判別し(S9565)、第2確変中カウンタ223naの値が0よりも大きいと判別した場合は(S9565:Yes)、第2確変中カウンタ223naの値を1減算する(S9566)。次に、キープゾーン演出中フラグ223nbがオンであるかを判別し(S9571)、オンに設定されている場合は(S9571:Yes)、次いで、キープ確定フラグ223ncがオンに設定されているかを判別する(S9572)。
S9572の処理において、キープ確定フラグ223ncがオンに設定されていないと判別した場合は(S9572:No)、第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(N1)が、第2確変中カウンタ223naの値以上であるかを判別し(S9573)、第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(N1)が、第2確変中カウンタ223naの値以上であると判別した場合は(S9573:Yes)、次に、獲得済みの特図1保留内に、大当たり当選を示す情報が含まれているかを判別し(S9574)、含まれていないと判別した場合は(S9574:No)、キープゾーン演出を完走することを示す演出態様を決定し(S9575)、キープ確定フラグ223ncをオンに設定して(S9576)、処理をS9578へと移行する。これに対し、S9573の処理において、第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(N1)が、第2確変中カウンタ223naの値未満であると判別した場合(S9573:No)、およびS9574の処理において、獲得済みの特図1保留内に、大当たり当選を示す情報が含まれていると判別した場合は(S9574:Yes)、対応するキープゾーン演出の演出態様を決定して(S9577)、処理をS9578へと移行する。また、S9572の処理において、キープ確定フラグ223ncがオンに設定されていると判別した場合は(S9572:Yes)、S9573〜S9577の格処理をスキップして、処理をS9578へと移行する。
S9578の処理では、更新後の第2確変中カウンタ223naの値が0に到達したかを判別し(S9578)、0に到達したと判別した場合は(S9578:Yes)、キープゾーン演出中フラグ223nbをオフに設定し(S9579)、決定した演出態様を示す表示用パターンコマンドを設定し(S9504)、本処理を終了する。これに対し、S9565の処理において、第2確変中カウンタ223naの値が0であると判別した場合(S9565:No)、およびS9571の処理においてキープゾーン演出中フラグ223nbがオフであると判別した場合は(S9565:No)、S9572〜S9579の格処理をスキップして、そのまま処理をS9504へと移行する。
次に、図503を参照して、特図2演出態様設定処理15(S15487)の内容について説明をする。図503は、特図2演出態様設定処理15(S15487)の処理内容を示したフローチャートである。この特図2演出態様設定処理15(S15487)は、上述した特図2演出態様設定処理5(図269のS4987参照)に対して、通常状態、或いは、第2確変状態中に実行される変動演出に対応する演出態様を決定するための処理の内容を異ならせている点で相違している。
具体体には、特図2演出態様設定処理15(S15487)が実行されると、上述した特図2演出態様設定処理5(図269のS4987参照)と同一のS9601の処理を実行する。S9601の処理において、通常状態、又は、第2確変状態では無いと判別した場合は(S9601:No)、上述した特図2演出態様設定処理5(図269のS4987参照)と同一のS9611〜S9619の処理を実行し、本処理を終了する。
一方で、S9601の処理において、現在が、通常状態、又は、第2確変状態であると判別した場合は(S9601:Yes)、キープ演出中フラグ223nbがオンに設定されているかを判別し(S9651)、キープ演出中フラグ223nbがオンに設定されていないと判別した場合は(S9651:No)、次に、キープ確定フラグ223ncがオンに設定されているかを判別し(S9652)、オンに設定されていると判別した場合は(S9652:Yes)、キープ確定フラグ223ncをオフに設定し(S9653)、時短付与を示唆する演出態様を決定し(S9654)、S9611の処理を実行し、本処理を終了する。
また、S9652の処理において、キープ確定フラグ223ncがオンに設定されていないと判別した場合は(S9652:No)、S9653の処理をスキップしてS9654の処理へ移行する。
一方、S9651の処理において、キープ演出中フラグ223nbがオンに設定されていると判別した場合は(S9651:Yes)、キープ演出の終了に対応する演出態様を決定し(S9655)、キープ演出中フラグ223nbをオフに設定し(S9656)、S9611の処理へ移行する。つまり、キープ演出が実行されている最中に第2特別図柄抽選が実行された場合には、キープ演出の終了に対応する演出態様が決定され、図492(b)に示した表示画面を含む終了演出が実行される。
以上、説明をした通り、本第15制御例におけるパチンコ機10は、複数の図柄種別を用いて当たり抽選を実行可能に構成し、1の図柄種別を用いた当たり抽選が、他の図柄種別を用いた当たり抽選よりも優先して実行可能に構成し、他の図柄種別の当たり抽選を実行するための抽選権利を獲得し易い第1遊技状態と、その第1遊技状態よりも抽選権利を獲得し難い第2遊技状態と、を設定可能に構成している。
そして、獲得した抽選権利を、所定数(例えば、1個)を上限に記憶可能な記憶手段を設け、第1遊技状態中に記憶手段に記憶された他の図柄種別の抽選権利を、第2遊技状態が設定されてから所定期間(例えば、当たり抽選40回分)経過するまで記憶し続け、所定期間が経過してから他の図柄種別の当たり抽選を実行することにより、所定期間が経過するよりも前に他の図柄種別の当たり抽選を実行する場合よりも、遊技者に有利な特典が付与され易くなるように構成している。
このように構成することで、記憶手段に既に記憶されている抽選権利を用いた当たり抽選を所定期間実行させないことで有利な特典を獲得し易くすることができるという今までに無い斬新な遊技性を提供することができる。
また、第15制御例では、1の図柄種別の抽選権利を最大で4個記憶手段に記憶可能に構成し、記憶手段に記憶可能な他の図柄種別の抽選権利の数が、1の図柄種別の抽選権利の数よりも少なくなるように(1個のみ記憶可能となるように)構成している。よって、第1遊技状態が終了してから、1回でも他の図柄種別の当たり抽選が実行されてしまうことで、有利な特典を獲得する権利が消滅してしまうため、緊張感を持って遊技を行わせることができる。また、1の図柄種別の抽選権利を複数個記憶可能に構成しているため、第2遊技状態が設定されてから、1の図柄種別の抽選権利を獲得する遊技を継続して実行させ易くすることができると共に、1の図柄種別の抽選権利を複数記憶させておくことで、他の図柄種別の当たり抽選を実行させ難くすることができる。
なお、本第15制御例では、他の図柄種別の抽選権利を1個のみ記憶手段に記憶させることができるように構成しているが、これに限ること無く、複数個記憶可能に構成しても良い。
また、第2遊技状態において実行される1の図柄種別の当たり抽選の結果を示すための図柄変動時間として、長さの異なる変動時間を設定可能に構成している。よって、変動時間の長い図柄変動が実行される方が、記憶手段に記憶されている1の図柄種別の抽選権利を全て使用するまでの期間を長くすることができるため、新たに1の図柄種別の抽選権利を記憶手段に記憶させ易くすることができる。よって、長い変動時間の図柄変動が実行されることを期待しながら遊技者に遊技を行わせることができる。
また、本第15制御では、第1遊技状態が終了し、第2遊技状態が設定されてから、遊技者に有利な特典が付与され易くなるまでの期間を、異ならせることが可能となるように構成している。具体的には、当たり抽選で当り当選した場合に実行される当たり遊技の終了後に第1遊技状態が設定され、当たり当選した場合に設定される当たり種別に応じて、第1遊技状態が継続する期間の長さや、第2遊技状態が設定されてから、遊技者に有利な特典が付与され易くなるまでの期間の長さを異ならせて設定することができるように構成している。
このように構成することで、遊技者に有利な特典が付与され易くなるまでの期間を遊技者に把握させ難くすることができるため、遊技者に飽きの来ない遊技を提供し易くすることができる。
また、本第15制御例に用いた遊技性に、上述した第14制御例で用いた遊技性、即ち、当たり当選すること無く、当たり抽選が所定回数実行された場合に、遊技者に有利な特典(天井特典)が付与される遊技性を適用しても良い。
この場合、例えば、第2遊技状態中に実行される当たり抽選で連続して外れ当選した回数(ハマリ回数)が、所定回数に到達した場合に、第1遊技状態を設定可能に構成し、その第1遊技状態中に他の図柄種別の抽選権利を記憶手段に記憶させることで、遊技者に有利な特典が付与され易くなるまで他の図柄種別の抽選権利を保持する遊技を再度実行可能に構成しても良い。
また、他の図柄種別の抽選権利を保持した状態で、1の図柄種別の当たり抽選を所定回数実行することで、天井特典として、第3遊技状態を設定可能に構成し、その第3遊技状態中に他の図柄種別の当たり抽選を実行することで、遊技者に有利な特典が付与され易くなるように構成しても良い。
さらに、本第15制御例では、第2遊技状態(特図2保留を獲得し難い遊技状態)が設定されてから、所定期間が経過(第2確変状態が終了し、通常状態が設定されるまで経過)した後に第2特別図柄抽選が実行されることで遊技者に有利な特典(第2時短状態)が付与され易くなるように構成しているが、第2遊技状態(特図2保留を獲得し難い遊技状態)が設定されてから、所定期間が経過(第2確変状態が終了し、通常状態が設定されるまで経過)した時点で特図2保留を獲得している場合、即ち、第2遊技状態が設定されてから所定期間が経過した以降に第2特別図柄抽選が実行される権利を得ている場合に、遊技者に有利な特典を付与可能に構成しても良く、例えば、特別図柄抽選で大当たり当選する確率を異ならせた複数の設定値を設定可能なパチンコ機10において、第2遊技状態(特図2保留を獲得し難い遊技状態)が設定されてから、所定期間が経過(第2確変状態が終了し、通常状態が設定されるまで経過)した時点で特図2保留を獲得している場合に、獲得済みの特図2保留の数を示すための保留図柄の表示態様を、設定されている設定値に対応させた表示態様へと切り替える演出を実行可能に構成しても良い。
以上、説明をした第15制御例では、第1遊技状態(特図2保留を獲得し易い遊技状態)が終了し、第2遊技状態(特図2保留を獲得し難い遊技状態)が設定されてから、所定期間が経過(第2確変状態が終了し、通常状態が設定されるまで経過)した後に第2特別図柄抽選が実行されることで、所定期間が経過するまでに(第2確変状態中に)第2特別図柄抽選が実行される場合よりも、遊技者に有利な特典(第2時短状態)が付与され易くなるように構成しているが、これに限ること無く、第1遊技状態(特図2保留を獲得し易い遊技状態)が終了し、第2遊技状態(特図2保留を獲得し難い遊技状態)が設定されてから、第2特別図柄抽選が実行されることで、第1遊技状態が設定されている状態で第2特別図柄抽選が実行される場合よりも、遊技者に有利な特典(第2時短状態)が付与され易くなるように構成しても良い。
また、本第15制御例では、第1遊技状態(特図2保留を獲得し易い遊技状態)として、確変状態を、第2遊技状態(特図2保留を獲得し難い遊技状態)として、第2確変状態、或いは、通常状態を設定可能に構成しているが、これに限ること無く、上述した各制御例において設定される各種遊技状態を、第1遊技状態よりも第2遊技状態の方が相対的に特定の特別図柄種別に対する特図保留を獲得し易くなるように適宜設定すれば良く、例えば、第1遊技状態として時短状態(第2時短状態)を、第2遊技状態として第1時短状態や通常状態を設定するように構成しても良い。
また、本第15制御例では、特図2保留を最大で1個獲得可能に構成しているが、複数個の特図2保留を獲得可能に構成しても良く、この場合、第2確変状態が終了するまでの残期間(特別図柄変動回数)と、獲得済みの特図1保留数と獲得済みの特図2保留数の合算値と、を比較し、第2確変状態が終了してから第2特別図柄抽選が実行され得る状況であるかを判別可能に構成し、第2確変状態が終了してから第2特別図柄抽選が実行され得る状況であると判別した場合に、上述したキープ確定演出を実行可能に(キープ確定フラグ223ncをオンに設定するように)構成すれば良い。
このように構成することで、キープゾーン演出にて複数個のSPエサ(特図2保留に対応したエサアイコン)を表示することができるため、演出効果を高めることができる。
<第15制御例の第1変形例について>
次に、第15制御例にて用いた遊技性を異なる遊技仕様のパチンコ機10に適用した場合の変形例について説明をする。本第15制御例の第1変形例では、上述した第15制御例に対して、第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示を同時に(並行して)実行可能に構成(所謂、同時変動仕様)している点で相違している。
このように構成することで、所定時間内に、より多くの特別図柄の抽選遊技を実行させることができ、遊技者に大当たりが所定時間内に付与される確率が高くできる。従って、遊技者は、効率よく遊技を行うことができる。
なお、第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示を同時に(並行して)実行可能な構成(所謂、同時変動仕様)については、上述した第12制御例と同一であるため、その詳細な説明を省略する。
<第15制御例の第1変形例にて実行される演出内容について>
次に、図616を参照して、本第15制御例の第1変形例にて実行される演出のうち、上述した第15制御例とは異なる演出内容について説明をする。
まず、上述した第15制御例にて用いた遊技性と、第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示を同時に(並行して)実行させることが可能な構成とを組み合わせた場合における特徴的な遊技性について説明をする。
上述した第15制御例では、第1特別図柄抽選を、第2特別図柄抽選よりも優先して実行させることが可能となるように構成し、さらに、第2遊技状態(特図2保留を獲得し難い遊技状態)が設定されてから、所定期間が経過(第2確変状態が終了し、通常状態が設定されるまで経過)した後に第2特別図柄抽選が実行されることで遊技者に有利な特典(第2時短状態)が付与され易くなるように構成しているが、本第15制御例の第1変形例では、設定される遊技状態に応じて、第1特別図柄抽選の結果を示すための第1特別図柄変動の変動時間と、第2特別図柄抽選の結果を示すための第2特別図柄変動の変動時間と、を設定される遊技状態に応じて異ならせるように構成しており、特図2保留を獲得し易い遊技状態(第1遊技状態)では、第1特別図柄変動よりも、第2特別図柄変動の方が短い変動時間が設定され易く、特図2保留を獲得し難い遊技状態(第2遊技状態)では、第1特別図柄変動の方が、第2特別図柄変動よりも短い変動時間が設定され易くなるように構成している。
また、本第15制御例の第1変形例では、特図2保留を4個を上限に保留記憶可能に構成している。
そして、第1遊技状態(確変状態)中に獲得した特図2保留が、第2遊技状態(第2確変状態)中に全て消化されるよりも前に、第2遊技状態(第2確変状態)中に実行された特別図柄抽選回数が所定回数(残確変回数)に到達することで、第2確変状態が終了した後に、遊技者に有利となる第2特別図柄抽選を実行可能に構成している。
このように構成された第15制御例の第1変形例では、キープゾーン演出として、実行される特別図柄抽選に種別に対応させて、特図1保留に対応するエサアイコンと、特図2保留に対応するエサアイコンと、が重複してサカナ10801に与えられる演出が実行される。そして、獲得している特図2保留に対応するエサアイコンを全て消費するまでに、特図1保留に対応するエサアイコンを用いてサカナ10801のお腹を一杯にすることを目指す演出が実行される。
上述した通り、本第15制御例の第1変形例では、第1特別図柄抽選と第2特別図柄抽選とが並行して実行されるように構成しているため、上述した第15制御例のように特図1保留を途切らせること無く遊技を行ったとしても、第2特別図柄抽選の結果を示すための第2特別図柄変動の変動時間が短い場合や、第1特別図柄抽選の結果を示すための第1特別図柄変動の変動時間が長い場合には、第2確変状態中に全ての特図2保留を消化してしまう虞があった。
よって、本第15制御例の第1変形例では、各特別図柄種別に対する特別図柄変動の変動時間に対して遊技者が興味を持つことになる。そこで、本第15制御例の第1変形例にて実行されるキープゾーン演出では、エサアイコンの演出態様として、対応する特別図柄変動の変動時間に基づいた演出態様を上述した第15制御例よりも複数種類決定可能に構成している。
図616(a)は、本第15制御例の第1変形例にて実行されるキープゾーン演出中に実行される表示画面の一例を示した図である。図616(a)に示した通り、本第15制御例の第1変形例にて実行されるキープゾーン演出は、上述した第15制御例にて実行されるキープゾーン演出に対して、複数のエサアイコン(hr0、hr0a)をサカナ10801が同時に捕食する演出が実行される点と、特図2保留に対応するエサアイコンの表示数を増加させた点と、各エサアイコンの表示態様を異ならせている点で相違し、それ以外は同一である。同一の表示態様については、その説明を省略する。
本第15制御例の第1変形例は、第1特別図柄変動と、第2特別図柄変動とを重複して実行可能に構成しているため、実行中の第1特別図柄変動に対応するエサアイコンhr0と、実行中の第2特別図柄変動に対応するエサアイコンhr0aとをサカナ10801がまとめて食べる演出が実行される。そして、コンベア10802の上には、特図1保留に対応したエサアイコンhr1とエサアイコンhr2が、特図2保留に対応したエサアイコンhr1aと、エサアイコンhr2aが表示されている。
本第15制御例の第1変形例では、各特図保留に対応する特図変動時間の長さに応じて、対応するエサアイコンの表示態様を異ならせるように構成している。具体的には、特別図柄変動に対応するエサアイコンとして、変動時間が10秒未満の場合は、小さなエサを模した表示態様(エサアイコンhr1参照)が表示され、変動時間が180秒以上の場合は、堅いエサを模した表示態様が表示される。このように構成することで、表示されるエサアイコンの表示態様を把握することで、特別図柄変動の変動時間を遊技者に予測させ易くすることができる。
なお、上述した通り、本第1変形例では、第2確変状態中において第1特別図柄変動として短い変動時間が設定された場合のほうが、遊技者に有利な第1特別図柄変動となるため、小さなエサを模した表示態様のエサアイコンが表示された方が、小さなエサを模した表示態様のエサアイコンが表示されていない場合よりも遊技者に有利な遊技状況となる。
一方、第2特別図柄変動に対応するエサアイコンとして、変動時間が30秒未満の場合は、小さなエサを模した表示態様が表示され、変動時間が300秒以上の場合は、堅いエサを模した表示態様(エサアイコンhr1a参照)が表示される。このように構成することで、表示される第2特別図柄変動に対応するエサアイコンの表示態様を把握することで、第2特別図柄変動の変動時間を遊技者に予測させ易くすることができる。
なお、上述した通り、本第1変形例では、第2確変状態中において第2特別図柄変動として長い変動時間が設定された場合のほうが、遊技者に有利な第2特別図柄変動となるため、堅いエサを模した表示態様のエサアイコンが表示された方が、堅いエサを模した表示態様のエサアイコンが表示されていない場合よりも遊技者に有利な遊技状況となる。
さらに、獲得済みの特図2保留のうち、最後に消化される特図2保留を除いた特図2保留に対応する第2特別図柄変動の変動時間の合計時間と、実行中の第2特別図柄変動の残変動時間と、の合算時間が、所定時間(通常に遊技をしていれば、第1特別図柄抽選によって第2確変状態を終了させることが可能となる期間)を超えていると判別した場合には、第2確変状態が終了する時点において特図2保留を獲得している状態となる可能性が高いことを示す特殊演出が実行されるように構成している。
具体的には、図616(a)に示した通り、最新の特図2保留に対応するエサアイコンhr2aが宙に浮き上がり、コンベア10802が稼働している状態でも表示位置が動かない演出が実行されるように構成している。このように構成することで、特殊演出が実行された場合に、遊技者に安心して遊技を行わせることができる。
なお、この特殊演出が実行されている間は、通常のキープゾーン演出に比べて、遊技者に対して、特図1保留を獲得する遊技を継続することを強調して案内する強調案内報知が実行されるように構成している。このように構成することで、特殊演出の実行中に遊技を一旦中断してしまい、第1特別図柄抽選が実行されない期間が続くことで、第2確変状態中に全ての特図2保留が消化されてしまう事態が発生することを抑制することができる。
なお、上述した例では、獲得済みの特図2保留のうち、最後に消化される特図2保留を除いた特図2保留に対応する第2特別図柄変動の変動時間の合計時間と、実行中の第2特別図柄変動の残変動時間と、の合算時間を算出するように構成しているが、第2確変状態が終了する時点において特図2保留を獲得している状態となる可能性が高い状況であることを判別可能に構成すれば良く、例えば、実行中の第2特別図柄変動の残変動時間が、通常に遊技をしていれば、第1特別図柄抽選によって第2確変状態を終了させることが可能となる期間よりも長いか否かのみを判別したり、獲得済みの特図2保留のうち、最後に消化される特図2保留を除いた特図2保留に、第1特別図柄抽選によって第2確変状態を終了させることが可能となる期間よりも長い変動時間に対応する情報が含まれているかを判別したりするように構成しても良い。
加えて、本第15制御例の第1変形例では、キープゾーン演出中に第1特別図柄変動(抽選)が実行されない期間が所定期間継続したと判別した場合に、遊技者に対して、特図1保留を獲得する遊技を促す案内演出を実行可能に構成している。
ここで、キープゾーン演出中において、第1特別図柄変動が実行されない場合に表示される表示内容について図616(b)を参照して説明をする。図616(b)は、図616(a)に示した状態から時間が経過し、キープゾーン演出中に第1特別図柄変動が実行されていない場合に表示される表示画面の一例を示した図である。
図616(b)に示した通り、キープゾーン演出中に特図1保留が無くなり、第2特別図柄変動のみが実行されている場合には、遊技者に対して、特図1保留を獲得するための案内を強調するために、小表示領域Dm4に表示される遊技方法を案内する演出を強調した表示態様(図では2重枠で表示)を表示し、副表示領域Dsには「特図1保留が無いよ!急いで特図1保留を貯めてね」の文字が表示される強調案内報知が実行される。
また、コンベア10802上では、第2特別図柄変動のみが進行していることを示すために、図616(a)に対して、特図2保留に対応するエサアイコンhr1aがサカナ10801に近付く演出が実行される。なお、エサアイコンhr2aは、特殊演出が実行されているため、図616(a)と同じ位置に表示されている。このように構成することで、特殊演出の実行中に遊技を一旦中断してしまい、第1特別図柄抽選が実行されない期間が続くことで、第2確変状態中に全ての特図2保留が消化されてしまう事態が発生することを抑制することができる。
なお、図616(b)に示した状態から、新たに特図1保留を獲得しない状態が継続し、エサアイコンhr2aに対応する第2特別図柄変動が実行されるまでに、第2確変状態が終了し得ない状況となった場合、即ち、エサアイコンhr2aに対応する第2特別図柄変動が実行されるまでの残時間(エサアイコンhr1aに対応する第2特別図柄変動が終了するまでの残期間)内に、実行することが可能な第1特別図柄抽選回数が、第2確変状態を終了させるための残確変回数に到達し得ないと判別された場合には、特殊演出が終了し、エサアイコンhr2aがコンベア10802の稼働に伴って移動する通常表示に切り替わる。
本第15制御例の第1変形例では、特図2保留を複数個保留記憶可能に構成しており、特図1保留を獲得していない状況が発生した場合であっても、実行中の第2特別図柄変動が停止表示されるまでは、獲得済みの特図2保留を用いた新たな第2特別図柄変動が実行されないように構成している。つまり、第2確変状態中においては、第2確変状態を終了させるために、より短い変動時間の第1特別図柄変動が実行され、且つ、第2確変状態中に全ての特図2保留が消化され難くするために、より長い変動時間の第2特別図柄変動が実行されることが遊技者にとって最も有利な遊技内容となるように構成している。
よって、キープゾーン演出において、短い変動時間の第1特別図柄変動に対しては、遊技者に有利となるアイコン種別が設定され易くなる。また、長い変動時間の第2特別図柄変動に対しては、遊技者に有利となるアイコン種別が設定され易くなる。
このように構成することで、キープゾーン演出中により多くの特図1保留を獲得しようと意欲的に遊技を行わせることができる。
ここで、本第15制御例の第1変形例における第2確変状態中の特別図柄変動の変動パターンとして決定され得る変動時間について説明をする。図示は省略するが、本第15制御例の第1変形例では、第2確変状態中に実行される第1特別図柄変動の変動パターンと、第2特別図柄変動の変動パターンとを選択する際に、専用の変動パターンテーブルを参照するように構成している。
図示は省略するが、第2確変状態中に参照される第2確変変動パターンテーブルには、第1特別図柄変動として比較的短い変動時間の変動パターンが選択され易く、且つ、第2特別図柄変動として比較的長い変動時間の変動パターンが選択され易い、有利テーブルと、第1特別図柄変動として比較的短い変動時間の変動パターンが選択され難く、且つ、第2特別図柄変動として比較的長い変動時間の変動パターンが選択され難い、不利テーブルと、を有しており、第2確変状態の設定契機(大当たり種別)や、参照する変動パターンテーブルを決定するための決定抽選の結果に基づいて、いずれかのテーブルが決定されるように構成している。
有利テーブルには、第1特別図柄変動の変動パターンとして、変動時間が1秒〜60秒の変動パターンが、第2特別図柄変動の変動パターンとして、変動時間が100秒〜300秒の変動パターンが、選択され得るように規定されている。そして、第1特別図柄抽選の実行権利(特図1保留)の記憶数(特図1保留数)と、取得した変動パターン種別カウンタCS1の値に応じて異なる変動パターンが選択されるように構成している。
より具体的には、特図1保留数が多い程、第1特別図柄変動の変動パターンとして変動時間が短い変動パターンが選択され易く、第2特別図柄変動の変動パターンとして変動時間が長い変動パターンが選択され易くなるように規定している。
不利テーブルには、第1特別図柄変動の変動パターンとして、変動時間が1秒〜45秒の変動パターンが、第2特別図柄変動の変動パターンとして、変動時間が30秒〜300秒の変動パターンが、選択され得るように規定されている。そして、第1特別図柄抽選の実行権利(特図1保留)の記憶数(特図1保留数)と、取得した変動パターン種別カウンタCS1の値に応じて異なる変動パターンが選択されるように構成している。
より具体的には、特図1保留数が多い程、第1特別図柄変動の変動パターンとして変動時間が短い変動パターンが選択され易く、第2特別図柄変動の変動パターンとして変動時間が長い変動パターンが選択され易くなるように規定している。
以上、説明をした通り、本第15制御例の第1変形例では、第2確変状態中において実行される各種特別図柄変動の変動パターンとして、遊技者に有利な変動パターンが選択され易い状態と、選択され難い状態と、を参照される変動パターンテーブルの種別に応じて切り替えることができるように構成している。このように構成することで、キープゾーン演出の成功割合を参照される変動パターンテーブルの種別に応じて異ならせることができる。
なお、本第15制御例の第1変形例では、第2確変状態が設定される場合の遊技状況(大当たり種別)に応じて、参照される変動パターンテーブルの種別を決定するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、第2確変状態中に実行された特別図柄抽選の実行回数に対応させて参照される変動パターンテーブルの種別が切り替わるようにシナリオを構成しても良い。
また、本第15制御例の第1変形例では、第1特別図柄変動の変動パターンと、第2特別図柄変動の変動パターンとが規定されている変動パターンテーブルを参照するように構成しているが、これに限ること無く、第1特別図柄変動の変動パターンのみが規定されている変動パターンテーブルと、第2特別図柄変動の変動パターンのみが規定されている変動パターンテーブルとを設け、各変動パターンテーブルに対して、遊技者への有利度合いが異なるテーブルを設け、遊技状況に応じて、特別図柄種別毎に、参照される変動パターンテーブルの種別を異なるように構成しても良い。このように構成することで、第2確変状態中に実行される各種特別図柄変動の変動パターンの組み合わせをより多種多様にすることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
<第15制御例の第1変形例にて実行される主制御装置110の制御処理について>
次に、図617を参照して、本第15制御例の第1変形例にて実行される主制御装置110の制御処理のうち、特徴的な処理内容について説明をする。本第15制御例の第1変形例では、上述した第15制御例に対して、第1特別図柄の変動表示と、第2特別図柄の変動表示と、を同時に(並行して)実行可能に構成している点で相違している。
また、遊技状態が切り替わる場合、具体的には、特別図柄抽選が実行されたことに基づいて第2確変状態が終了した場合に、実行中の特別図柄変動を破棄する処理を実行する点で、上述した第12制御例、及び第15制御例と相違している。このように構成することで、長時間の第2特別図柄変動が実行されている状態で通常状態が設定されたとしても、長時間の第2特別図柄変動を途中で破棄することが可能となり、通常状態において新たな第2特別図柄抽選を実行させ易くすることができる。
なお、本第15制御例の第1変形例のように、第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示を同時に(並行して)実行可能に構成(所謂、同時変動仕様)されたパチンコ機10においては、天井特典が付与されるタイミングや、時短抽選にて時短当選した場合に、実行中の特別図柄変動を破棄するように構成しても良いし、破棄すること無く実行中の特別図柄変動を継続させるように構成しても良い。
なお、本第15制御例の第1変形例と、上述した第15制御例との相違点のうち、上述した第12制御例に記載されている各種制御処理内容を転用可能な箇所については、その説明を省略する。つまり、ここでは、上述した遊技状態が切り替わる場合、具体的には、特別図柄抽選が実行されたことに基づいて第2確変状態が終了した場合に、実行中の特別図柄変動を破棄する処理(状態移行時変動破棄処理)について図617を参照して説明をする。
図617は、状態移行時変動破棄処理(YS101)の処理内容を示したフローチャートである。この状態移行時変動破棄処理(YS101)は、主制御装置110のMPU101にて実行されるタイマ割込処理(図156参照)にて実行される処理であって、遊技状態が移行した際に特定条件を満たした場合に、実行中の特別図柄変動を破棄するための処理が実行されるものである。
状態移行時変動破棄処理(YS101)が実行されると、まず、遊技状態に変更があったかを判別し(YS201)、遊技状態に変更が無いと判別した場合は(YS201:No)、そのまま本処理を終了する。一方、YS201の処理において、遊技状態に変更があったと判別した場合は(YS201:Yes)、次に、第2確変状態から通常状態への変更であるかを判別し(YS202)、第2確変状態から通常状態への変更では無いと判別した場合は(YS202:No)、そのまま本処理を終了する。
YS202の処理において、第2確変状態から通常状態への変更であると判別した場合は(YS202:Yes)、現在が特図変動中であるかを判別し(YS203)、特図変動中では無いと判別した場合は(YS203:No)、そのまま本処理を終了する。一方、YS203の処理において、現在が特図変動中であると判別した場合は(YS203:Yes)、実行されている特図変動が大当たり変動であるかを判別し(YS204)、大当たり変動中では無いと判別した場合は(YS204:No)、特図変動中の特別図柄種別に対応する変動停止フラグ(特図1変動停止フラグ203ke、特図2変動停止フラグ203kf)をオンに設定し(YS205)、本処理を終了する。
YS205の処理を実行することにより、次に実行される特別図柄変動処理12(図417のY104参照)において、実行中の特別図柄変動が外れを示す表示態様で強制的に停止表示される。
また、YS204の処理において、大当たり変動中であると判別した場合は(YS204:Yes)、特殊継続コマンドを設定し(YS206)、本処理を終了する。YS206の処理によって設定された特殊継続コマンドを音声ランプ制御装置113側で受信することにより、第2確変状態から通常状態へと移行するタイミングにおいて大当たり変動が実行されていることを遊技者に示す祝福演出が実行される。
以上、説明をした通り、本第15制御例の第1変形例では、遊技状態が移行するタイミングにおいて実行中の特別図柄変動を破棄することが可能である。よって、移行前の遊技状態において長時間の特別図柄変動が実行されている特別図柄種別(例えば、第2特別図柄)が、移行後の遊技状態では、短時間の特別図柄変動が実行され易くなることで、遊技状態の移行に基づいて遊技性を異ならせることが可能なパチンコ機10において、遊技状態の移行に伴って新たな特別別図柄変動を実行させ易くすることができるため、遊技性に沿った適正な遊技を提供し易くすることができる。
また、上述した第12制御例のように、特別図柄変動の開始、又は停止に基づいて実行中の特別図柄変動を破棄するのでは無く、遊技状態の移行に基づいて特別図柄変動を破棄するように構成しているため、例えば、特別図柄変動の開始、または停止に関わらず遊技状態が移行する場合(変動開始から5秒後に遊技状態が移行したり、普通図柄抽選の結果に基づいて遊技状態が移行したりする場合)においても、遊技状態の移行タイミングに対応させて実行中の特別図柄変動を破棄することができる。加えて、遊技状態が移行するタイミングにおいて複数種別の特別図柄が特別図柄変動中である場合であっても、特別図柄変動中の全ての特別図柄種別に対して、特別図柄変動を破棄することができる。
なお、本第15制御例の第1変形例では、遊技状態が第2確変状態から通常状態へと切り替わる際に、実行中の特別図柄変動を破棄する処理を実行可能に構成しているが、遊技状態の移行に基づいて実行中の特別図柄変動を破棄する処理を、他に転用しても良く、例えば、上述した第13制御例や第14制御例のように、天井特典が付与されることに基づいて実行中の特別図柄変動を破棄する処理を実行するように構成しても良い。
<第15制御例の第1変形例にて実行される音声ランプ制御装置113の制御処理について>
次に、図618を参照して、本第15制御例の第1変形例において実行されるキープゾーン演出の演出態様を決定する処理のうち、特徴的な処理内容について説明をする。本第15制御例の第1変形例では、上述した第15制御例に対して、キープゾーン演出が実行されている状態(第2確変状態)中に全ての特図2保留を消化させないための遊技方法を異ならせている点で相違している。
具体的には、上述した第15制御例では、第1特別図柄抽選が第2特別図柄抽選よりも優先して実行されるように構成しているため、キープゾーン演出中において、第1特別図柄抽選が継続して実行される限り(特図1保留が途切れ無い限り)、キープゾーン演出が終了するまで(第2確変状態が終了するまで)、特図2保留が消化されない(第2特別図柄抽選が実行されない)ように構成されていた。これに対して、本第15制御例の第1変形例では、第1特別図柄の変動表示と、第2特別図柄の変動表示と、を同時に(並行して)実行可能に構成しているため、特図1保留を常に保持している状態であっても、実行される第1特別図柄変動の変動時間が長く、実行される第2特別図柄変動の変動時間が短い場合には、第2確変状態が終了するまでに、特図2保留が全て消化されてしまう虞がある。
そこで、本第15制御例では、実行中の特別図柄変動(第1特別図柄変動、第2特別図柄変動)の変動時間と、獲得済みの特図保留(特図1保留、特図2保留)に対応する特別図柄変動(第1特別図柄変動、第2特別図柄変動)の変動時間と、に基づいて、キープゾーン演出の演出態様(エサアイコンの表示態様)を異ならせるように構成している。
このように構成することで、実行されるキープゾーン演出の演出態様に基づいて、特図2保留を保持したままキープゾーン演出を終了させる難易度を遊技者に予測させることが可能となる。
図618は、第2確変状態演出設定処理15a(YS9058)の処理内容を示したフローチャートである。図618に示した通り、第2確変状態演出設定処理15a(YS9058)は、上述した第15制御例にて実行される第2確変状態演出設定処理15(S9058)に対して、エサアイコンの表示態様を決定するための処理を追加している点で相違し、それ以外の処理内容は同一である。同一の処理内容については、同一の符号を付して、その説明を省略する。
第2確変状態演出設定処理15a(YS9058)が実行されると、まず、上述した第15制御例にて実行される第2確変状態演出設定処理15(S9058)と同一のS9401〜S9456の処理を実行する。そして、S9455の処理を終えると、次に、第1特別図柄保留球格納エリア203aに格納されている情報、及び第2特別図柄保留球格納エリア203bに格納されている情報のうち、最新の特図2保留(最後に格納された特図2保留)以外の情報を読み出し(YS9001)、読み出した情報のそれぞれに含まれる変動時間に対応して、各エサアイコンの表示態様を決定する(YS9002)。
YS9002の処理によって、図616(a)に示した通り、各エサアイコンに対して異なる表示態様(小さいエサアイコン、堅いエサアイコン)を表示することが可能となる。
次に、第2特別図柄保留球格納エリア203bから読み出した情報(第2特別図柄保留球格納エリア203bに格納されている情報のうち、最新の特図2保留(最後に格納された特図2保留)以外の情報)に含まれる変動時間の合計を算出し(YS9003)、算出した変動時間と、実行中の特図2変動の残時間と、を合算する(YS9004)。つまり、YS9004の処理では、獲得済みの特図2保留のうち、最後の特図2保留が消化される(特別図柄変動が実行される)までの残時間が算出される。
そして、第2確変中カウンタ223naの値(第2確変状態の残期間)に対応する基準時間を読み出し(YS9005)、YS9004の処理で算出された合算時間が、YS9005の処理で読み出された基準時間よりも長いかを判別し(YS9006)、長いと判別した場合、即ち、正常に遊技を行った場合において、最後の特図2保留が消化されるよりも前に、第2確変状態が終了する可能性が高いと判別した場合は(YS9006:Yes)、最新の特図2保留(最後に消化される特図2保留)に対応するエサアイコンの表示態様として特殊態様を決定する(YS9007)。YS9007の処理において特殊態様が決定されることで、図616(a)に示したエサアイコンhr2aの表示態様(コンベア10802から浮いている特殊演出)が実行される。YS9007の処理を終えると、今回の処理で決定した表示態様(演出態様)を示すための表示用コマンドを設定し(YS9009)、本処理を終了する。
一方、YS9006の処理において、YS9004の処理で算出された合算時間が、YS9005の処理で読み脱された基準時間よりも短いと判別した場合、即ち、正常に遊技を行った場合において、最後の特図2保留が消化されるよりも前に、第2確変状態が終了する可能性が高くないと判別した場合は(YS9006:No)、最新の特図2保留(最後に消化される特図2保留)に対応するエサアイコンの表示態様として通常態様を決定し(YS9008)、今回の処理で決定した表示態様(演出態様)を示すための表示用コマンドを設定し(YS9009)、本処理を終了する。
以上、説明をした通り、本第15制御例の第1変形例では、第2確変状態(キープゾーン演出)が設定される時点で格納されている特図保留、及び、実行中の特別図柄変動に関する変動時間を先読みし、獲得済みの特図2保留の少なくとも1つが、第2確変状態終了後に消化(特別図柄抽選の実行)され易い状態であるか否かを判別し、その判別結果に基づいた表示態様でキープゾーン演出を実行可能に構成している。
このように構成することで、今回実行されるキープゾーン演出が成功しやすいか否かを遊技者に予測させることができるため、演出効果を高めることができる。
また、本第15制御例の第1変形例では、第2確変状態終了後に消化(特別図柄抽選の実行)され易い状態であるか否かの判別方法として、第2確変状態の残期間(第2確変中カウンタ223naの値)に対応する基準時間を用いているがこれに限ること無く、特図2保留内に特定の変動時間以上の情報を含む特図保留があるかを判別し、その判別結果に基づいて、第2確変状態終了後に消化(特別図柄抽選の実行)され易い状態であるか否かを判別するように構成しても良い。
また、詳細な説明は省略するが、本第15制御例の第1変形例では、第2確変状態中において定期的(新たな特図保留を獲得した場合、新たな特別図柄変動が実行される場合、所定時間が経過した場合)において、第2確変中カウンタ223naの値と、変動時間に関連する新たな情報(獲得した特図保留に含まれる変動時間情報や、実際に特別図柄変動が実行される場合に決定された変動時間と、先読み(事前判別)時に読み出した変動時間との差分を示す情報)と、に基づいてキープゾーン演出の演出態様を更新(補正)する処理を実行するように構成している。
本処理を実行することにより、例えば、特殊演出(特殊態様)が実行されている状態において、遊技者が遊技を中断し、第1特別図柄変動が実行されない期間が発生したり、特別図柄変動の変動パターンとして低確率で設定され得る遊技者に不利な変動時間が選択された場合において、キープゾーン演出の演出態様を補正することが可能となる。よって、実際に発生し得る第2確変状態終了時の遊技状態に適した演出を実行し易くすることができる。
<第16制御例>
次に、図504から図547を参照して、第16制御例におけるパチンコ機10について説明する。本第16制御例におけるパチンコ機10では、上述した第13制御例と同様に、所定回数(例えば、500回)の特別図柄の抽選で連続して大当たり当選以外の抽選結果(外れ)となった場合に、遊技者に有利となる遊技状態(第3時短状態)を設定する構成を前提として、パチンコ機10と電気的に接続されている各種装置(データ表示装置262、ホールコンピュータ263等)に対する外部信号の出力方式について説明する。
また、本第16制御例では、パチンコ機10と電気的に接続されている所定装置(例えば、データ表示装置262)の視認態様に連動させているかのような演出態様の特定演出を実行可能に構成している。より具体的には、本第16制御例のパチンコ機10では、遊技者に有利な状態(例えば、大当たりや時短状態)となることを報知するための演出の一種として、有利な状態へと移行したことを所定期間秘匿しておき、有利な状態へ移行後に所定契機で所定装置(例えば、データ表示装置262)を視認することを促す演出態様の表示装置連動演出を実行可能に構成している。現在一般的に流通している、接続されているパチンコ機10から受信する各種信号に基づいてパチンコ機10の遊技状況に関する各種データ(大当たり間の抽選回数や大当たり回数、総抽選回数等)を表示するためのデータ表示装置262においては、有利な状態(大当たり遊技状態や確変遊技状態、時短遊技状態等)が設定されている場合に、有利な状態となっていることを文字や装飾ランプの発光等によって報知可能に構成されているものがほとんどであるため、表示装置連動演出を実行することによって、あたかもパチンコ機10とデータ表示装置262とが連動して演出を行っているかのような極めて斬新な演出態様を実現することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
また、本第16制御例では、通常遊技状態において主として実行される第1特別図柄の抽選結果として、ほとんど賞球を得ることができない(ラウンド数が少なく、各ラウンドにおける特定入賞口65aの開放期間も短い)大当たり(特殊大当たり)を設けている。この特殊大当たりは、大当たり終了後の遊技状態が通常遊技状態に設定されるため、基本的に、第3時短状態が設定されるまでの抽選回数(天井抽選回数到達に係る特典付与までの残回数)をリセットする役割を担っている。更に、本第16制御例では、特別図柄の外れの一部として、特定入賞口65aの開閉動作を伴い、且つ、当該開閉動作が特殊大当たり時に設定される開閉動作(特定開閉動作)と共通となる小当たり抽選結果を設ける構成としている。つまり、特定入賞口65aの開閉動作からは特殊大当たりと区別困難な抽選結果であり、且つ、第3時短状態が設定されるまでの抽選回数がリセットされない抽選結果を設ける構成としている。これらにより、特定入賞口65aが特定開閉動作で開閉される毎に、第3時短状態が付与されるまでの抽選回数がリセットされた可能性があると遊技者に認識させることができるので、第3時短状態が付与されるまでの残抽選回数(天井抽選回数到達に係る特典付与までの残回数)を遊技者に把握困難とすることができるので、残抽選回数を予測させる遊技性を付与することができる。
更に、本第16制御例では、天井抽選回数における特別図柄の変動時間を、抽選結果によらず、予め定められた特定期間(30秒間)に固定化することにより、第3時短状態へと移行するのか、天井抽選回数で丁度大当たりに当選したのかを分かり難くする構成としている。このように構成することで、第3時短状態へと移行することに対する期待感をより長く遊技者に対して抱かせ続けることができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
この第16制御例におけるパチンコ機10が、上述した第13制御例におけるパチンコ機10と構成上において相違する点は、主制御装置110におけるROM202、およびRAM203の構成が一部変更となっている点、音声ランプ制御装置113におけるROM222、およびRAM223の構成が一部変更となっている点、主制御装置110のMPU201により実行される制御処理が一部変更となっている点、および音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される制御処理が一部変更となっている点である。その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行されるその他の処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行されるその他の処理、表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については、第13制御例におけるパチンコ機10と同一である。以下、第13制御例と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。
まず、図504を参照して、本第16制御例におけるパチンコ機10に対して電気的に接続されるデータ表示装置262について説明する。図504(a)は、データ表示装置262が接続されたパチンコ機10がホールに複数並べて設置されている状態における島設備の外観を例示した図である。図504(a)に例示した通り、ホールにおいてパチンコ機10が設置された状態では、基本的に、各パチンコ機10の真上にデータ表示装置262が設置される。このデータ表示装置262は、例えば、パチンコ機10の遊技状況に関する各種のデータ等を表示するためのデータ表示部276と、LED等の発光装置で構成され、発光により所定の報知を行う電飾部278と、データ表示部276の表示内容を切り替えるための遊技者による入力操作を受け付け可能な入力装置277と、で少なくとも構成されている。このデータ表示装置262に表示される各種データによって、遊技者が遊技を行うパチンコ機10を選択する際や、遊技中のパチンコ機10において遊技を続行するか否かの判断を行う際の判断基準を提供することができる。なお、詳細については後述するが、本第16制御例におけるパチンコ機10は、データ表示装置262等の所定装置に対して、大当たりに当選したことを示す大当たり信号1や、大当たり終了後に普通図柄の時短状態に移行したことを示す大当たり信号2、第3時短状態に移行したことを示す大当たり信号3等の各種の信号を外部出力可能に構成されている。データ表示装置262は、接続されているパチンコ機10から受信した外部出力信号によって大当たりの当選状況や遊技状態等の遊技の状況を監視、収集して、一部のデータをデータ表示部276において表示可能に構成されている。
次に、図504(b)を参照して、データ表示装置262のデータ表示部276に表示される各種データの表示例について説明する。図504(b)に示した通り、データ表示装置262のデータ表示部276は、例えば、右表示領域276Rと左表示領域276Lとに表示領域が区分されており、左表示領域276Lに対しては、例えば、当日の初当たり回数(通常状態または第3時短状態において大当たりに当選した回数)が表示される。図504(b)の例では、初当たりが12回発生し、左表示領域276Lに対して「初当たり12回」という文字が表示されている場合を例示している。また、右表示領域276Rに対しては、例えば、現在の抽選回数(前回の大当たり終了後からの変動回数)を示す表示や、5回前までの初当たりにおける当選時の抽選回数や当該初当たりから通常状態に移行するまでの間に当選した大当たりの回数(所謂、連チャン回数)等が表示される。
具体的には、図504(b)に示した通り、右表示領域276Rにおける下方に、「現在」という文字、「1」という文字、「2」という文字、「3」という文字、「4」という文字、および「5」という文字が表示される。また、これらの文字の上方には、特別図柄の抽選回数を示す棒グラフ、および抽選回数を示す数字が表示される。「現在」の文字の上方に表示されている棒グラフ、および数字は、前回の大当たり終了後を起点とした特別図柄の抽選回数を示しており、「1」〜「5」の文字の上方に表示されている棒グラフ、および数字は、1回前〜5回前に初当たり(通常状態または第3時短状態における大当たり)に当選した際の特別図柄の抽選回数を示している。また、「1」〜「5」の文字の上方、且つ、棒グラフの下方に表示されている文字(「4回」、「1回」、「1回」、「6回」、および「1回」という文字)については、それぞれ1〜5回前の初当たりが発生してから通常状態へと移行するまでの間に当選した大当たりの連続回数(連チャン回数)を示している。つまり、普通図柄の時短状態に設定される遊技状態(第1確変状態、第2時短状態)が途切れることなく大当たりに当選した回数を示している。これらの表示内容により、遊技者に対してパチンコ機10の傾向(大当たりに当選した抽選回数の傾向や連チャン回数の傾向等)を容易に把握させることができるので、遊技者に対して遊技を行うパチンコ機10を選択する際や、パチンコ機10における遊技を継続するか否かの判断を行う際の判断基準を提供することができる。よって、遊技者の利便性を向上させることができる。以降の説明では、説明の簡素化のため、右表示領域276Rに表示される表示内容のことを遊技履歴と称する。
また、データ表示部276の表示内容は、入力装置277に対する入力操作によって変更可能に構成されている。ここで、入力装置277は、左入力部277a、表示切替用入力部277b、キャンセル入力部277c、および右入力部277dで少なくとも構成されており、左入力部277a、および右入力部277dを押下(入力操作)することにより、右表示領域276Rに表示される遊技履歴の表示範囲を可変させることができる。具体的には、右入力部277dを押下する毎に、時間的に古い履歴(初当たり当選時の抽選回数を示す表示と連チャン回数を示す文字との組み合わせ)が表示される。即ち、図504(a)の状態で右入力部277dを押下する毎に、各履歴が左側に1つずつシフトされる。これに伴って、右端に時間的により古い履歴が表示されると共に、左端に表示されていた履歴の表示が消去される。逆に、左入力部277aを押下する毎に、各履歴が右側に1つずつシフトされていき、左端に時間的により新しい履歴が表示されると共に右端に表示されていた履歴の表示が消去される。なお、遊技履歴は、最大で10回前の履歴まで記憶されるように構成されている。
表示切替用入力部277bは、押下(入力操作)によってデータ表示部276の表示内容を別日の履歴に切り替えることが可能な入力部である。表示切替用入力部277bを押下する毎に、データ表示部276の表示内容が、1日前の初当たり回数データおよび遊技履歴データ、2日前の初当たり回数データおよび遊技履歴データ、3日前の初当たり回数データおよび遊技履歴データ、・・・といった具合に更新されていく。また、キャンセル入力部277cを押下することで、当日の初当たり回数データおよび遊技履歴データが表示された状態に戻すことができる。これらの機能によって、遊技者に対してパチンコ機10に関するより多くの情報を提供することができるので、遊技者の利便性をより向上させることができる。
次に、図505、および図506を参照して、パチンコ機10が特定の状態に移行した場合におけるデータ表示装置262の視認態様(データ表示部276の表示態様、および電飾部262の発光態様)について説明する。まず、図505(a)は、パチンコ機10が大当たり遊技状態に移行した場合における、当該パチンコ機10に電気的に接続されているデータ表示装置262の視認態様を示した図である。データ表示装置262に接続されているパチンコ機10が大当たりに当選すると、パチンコ機10から大当たり当選を示すための大当たり1信号が出力される。この大当たり1信号を受信したことを契機として、図505(a)に示した通り、データ表示装置262の視認態様が大当たり遊技状態用の視認態様に設定される。具体的には、例えば、データ表示部276に表示されていた遊技履歴が消去されて、「大当たり!」という文字がデータ表示部276の全体に渡って表示される。また、電飾部278を構成する右電飾部278R、および左電飾部278Lが通常時(データ表示部276に遊技履歴が表示されている状態)よりも明るく発光した見た目となる。これらの視認態様(大当たり用視認態様)により、パチンコ機10が大当たり遊技状態に移行したということを容易に理解させることができる。なお、大当たり1信号は、大当たり遊技状態が終了されるまでの間出力され続けるように構成されている。データ表示装置262では、大当たり1信号の出力が終了されるまでの間、大当たり用視認態様を継続させるように構成されている。
次に、大当たり終了後にパチンコ機10が普通図柄の時短状態に移行した場合における、当該パチンコ機10に電気的に接続されているデータ表示装置262の視認態様について説明する。図505(b)は、大当たり終了後に普通図柄の時短状態(第1確変状態、第2時短状態のいずれか)が設定された場合におけるデータ表示装置262の視認態様の一例を示した図である。データ表示装置262に接続されているパチンコ機10が大当たり終了後に普通図柄の時短状態に移行すると、パチンコ機10から普通図柄の時短状態への移行を示すための大当たり2信号の出力が開始される。この大当たり2信号は、普通図柄の時短状態が終了するまで(即ち、大当たりに当選するか、時短回数が経過して通常遊技状態に移行するまで)の間出力され続ける。データ表示装置262は、大当たり1信号の出力が終了されると共に大当たり2信号の出力が開始されたことを契機として、図505(b)に示した通り、データ表示装置262の視認態様が時短状態用の視認態様に設定される。具体的には、例えば、データ表示部276に表示されていた大当たり用視認態様が消去されて、「連チャン中!」という文字がデータ表示部276の全体に渡って表示される。また、電飾部278を構成する右電飾部278R、および左電飾部278Lが通常時(データ表示部276に遊技履歴が表示されている状態)よりも明るく発光した見た目となる。これらの視認態様(時短状態用の視認態様)により、パチンコ機10が大当たり終了後の普通図柄の時短状態に移行したということを容易に理解させることができる。
次に、特別図柄の抽選回数が天井抽選回数(500回)に到達して第3時短状態に移行した場合におけるデータ表示装置262の視認態様について説明する。図506は、パチンコ機10が第3時短状態に移行した後における、当該パチンコ機10に電気的に接続されているデータ表示装置262の視認態様を示した図である。データ表示装置262に接続されているパチンコ機10が第3時短状態に当選すると、パチンコ機10から普通図柄の時短状態に移行したことを示す大当たり2信号の出力が開始される。また、天井抽選回数到達に係る時短状態への移行であることを示すための大当たり3信号が所定期間(0.2秒間)の間出力される。これらの信号出力の組み合わせによって、データ表示装置262は、天井抽選回数に係る第3時短状態への移行を容易に判別することができるため、データ表示装置262の視認態様が第3時短状態用の視認態様に設定される。具体的には、例えば、データ表示部276に表示されていた遊技履歴が消去されて、「救済発動中」という文字がデータ表示部276の全体に渡って表示される。また、電飾部278を構成する右電飾部278R、および左電飾部278Lが通常時(データ表示部276に遊技履歴が表示されている状態)よりも明るく発光した見た目となる。これらの視認態様(第3時短状態用の視認態様)により、パチンコ機10が天井抽選回数に到達して、第3時短状態に移行したということを容易に理解させることができる。
このように、データ表示装置262の視認態様をパチンコ機10の状態にリンクさせて可変させることができるので、遊技者に対してパチンコ機10の状態をより分かり易く報知することができる。よって、遊技者の利便性を向上させることができる。
次に、図507から図509を参照して、本第16制御例のパチンコ機10において実行される特徴的な演出態様について説明する。まず、図507を参照して、データ表示装置連動型の大当たり報知演出について説明する。このデータ表示装置連動型の大当たり報知演出は、変動表示演出において第3図柄が外れの組み合わせで停止表示された後で、データ表示装置262に注目させる演出態様が設定される演出である。特別図柄の抽選で大当たりに当選していれば、データ表示装置262に対して大当たり1信号が出力されるため、データ表示装置262が大当たり用視認態様に設定されることにより遊技者に対して大当たりとなったことを理解させることができる一方で、抽選結果が外れであれば、データ表示装置262に対して大当たり1信号が出力されず、大当たり用視認態様に設定されることもない(遊技履歴が表示された状態のままとなる)ため、遊技者に対して大当たりにならなかったことを理解させることができる。
図507(a)は、データ表示装置連動型の大当たり報知演出が実行される可能性があることを遊技者に示唆する演出(データ表示装置連動演出の煽り演出)の実行中における第3図柄表示装置81の表示態様を示した図である。このデータ表示装置連動演出の煽り演出は、変動種別が完全外れ以外の変動種別(SPリーチ当たり、SPリーチ外れ、スーパーリーチ当たり、スーパーリーチ外れ、ノーマルリーチ当たり、ノーマルリーチ外れ)に対応する変動表示態様の一部として実行され得る演出であり、変動時間が経過する(特別図柄が確定表示される)5秒前から実行される演出である。
図507(a)に示した通り、データ表示装置連動演出の煽り演出が実行されると、主表示領域における右上に対して、天使を模したキャラクタ809が出現する演出が行われた後、キャラクタ809が所持しているステッキから、主表示領域Dmにおける上方に向けて光809Lを放つ演出が実行される。また、キャラクタ809に対して正面視左方に対して、縦長略楕円形形状で構成され、「光れ!」という文字が付された吹き出し画像809Fが表示される。更に、副表示領域Dsに対して、「データランプが光ればボーナス確定!?」という文字が表示される。これらの表示内容によって、あたかも、天使を模したキャラクタ809がパチンコ機10の真上に設置されたデータ表示装置(データランプ)262に対して光809Lを放つことにより、データ表示装置(データランプ)262の電飾部278を発光させようとしているかのように遊技者に思わせることができる。また、キャラクタ809の放つ光809Lによって電飾部278が発光した場合に、大当たり遊技が実行される(ボーナスが確定する)ということを遊技者に対して容易に理解させることができる。
図507(b)は、データ表示装置連動演出の煽り演出が実行された後、実際に大当たりが報知された場合(データ表示装置連動型の大当たり報知演出が実行された場合)における第3図柄表示装置81の表示態様の一例を示した図である。図507(b)に示した通り、データ表示装置連動型の大当たり報知演出では、まず、大当たり開始タイミング(大当たりのオープニング期間の開始時)において、大当たり開始を示す信号(大当たり1信号)が所定装置(データ表示装置262、ホールコンピュータ272等)に対して出力されることで、大当たり1信号を受信したデータ表示装置262の視認態様が大当たり用視認態様に設定される。つまり、データ表示装置連動演出の煽り演出においてキャラクタ809等によって示唆されていた通りに、データ表示装置262の電飾部278が光った見た目となる。これに伴って、図507(b)に示した通り、リーチ外れの形で停止表示されていた第3図柄の上方から、リーチがかかっていた図柄と同一の第3図柄が降下してきて、停止表示されていた中図柄と降下してきた第3図柄とが置き換わる(停止表示されていた中図柄が押し退けられる)演出が実行される。つまり、あたかもデータ表示装置262から当たりとなる第3図柄が下方に放出されて、当該第3図柄が中図柄と置き換わったかのような演出が実行される。また、天使を模したキャラクタ809の左上に対して、「やったね!」という文字が付された吹き出し画像809Fが表示されると共に、主表示領域Dmの上方から光が漏れ出てくるかのような表示態様に設定される。更に、副表示領域Dsに対して、「ボーナス確定!」という文字が表示される。これらの表示態様により、あたかもデータ表示装置262とパチンコ機10とが連動して1の演出態様を形成しているかのような斬新な演出態様を実現することができる。また、あたかもデータ表示装置262によって抽選結果を大当たりに書き替えたかのような斬新な演出態様を実現することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
なお、現状、データ表示装置262として、仕様の異なる様々な装置が普及しており、遊技履歴の表示内容や大当たり用視認態様等の視認態様も装置毎に様々となっている。このため、同一のデータ表示装置連動型の大当たり報知演出が実行されたとしても、当該データ表示装置連動型の大当たり報知演出が実行されたパチンコ機10と電気的に接続されているデータ表示装置262の種別が異なれば、大当たり用視認態様についても異なった視認態様となるため、全く異なる印象を遊技者に対して抱かせることが可能となる。よって、データ表示装置連動型の大当たり報知演出の演出態様を増加させなくても、データ表示装置262の種別数によって演出態様を多様化させることができるので、パチンコ機10の記憶容量を節約しつつ、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
次に、図508(a)を参照して、本第16制御例における小ボーナス演出について説明する。ここで、本第16制御例では、上述した通り、右打ちしたとしてもほとんど賞球を得ることができない特定開閉動作で特定入賞口65aが開閉動作される特殊大当たり、および小当たりの抽選結果が設けられている。本制御例においては、これらの遊技者にとって特定入賞口65aの開閉動作の見た目等から区別し難い抽選結果を、まとめて「小ボーナス」と称することにする。これに対し、特殊大当たり以外の比較的多量の賞球を得ることが可能な大当たり(大当たりA17〜E16)のことを、「通常ボーナス」と称する。
図508(a)は、小ボーナスに対応する変動表示演出の終了時(第3図柄の停止時)における表示態様を示した図である。図508(a)に示した通り、本第16制御例では、小ボーナス(特殊大当たり、小当たり)に当選すると、主表示領域dmの右図柄列、中図柄列、および左図柄列に対してそれぞれ同一の偶数の数字を模した第3図柄が停止表示される。図508(a)の例では、「2」の数字を模した第3図柄が右図柄列、中図柄列、および左図柄列に停止表示された場合を例示している。また、主表示領域Dmの左上に、「右打ち」という文字が付された小表示領域Dm4が形成される。更に、図508(a)に示した通り、小表示領域Dsに対して、「小ボーナス」という文字が表示される。これらの表示内容により、抽選結果が小ボーナスになったということを遊技者に容易に理解させることができる。
これに対し、図示については省略するが、ボーナス(大当たりA16〜E16のいずれか)に当選した場合は、同一の奇数の数字を模した第3図柄が右図柄列、中図柄列、および左図柄列に停止表示される。よって、停止表示された第3図柄の種別によって容易にボーナスの種別を判別することができるので、遊技者の利便性を向上させることができる。
なお、上述した通り、通常遊技状態において特殊大当たりに当選すると、特殊大当たりの終了後も通常遊技状態が設定される上に、特図抽選カウンタ203laの値が0クリアされてしまう一方で、小当たりに当選した場合は、特図抽選カウンタ203laの値が維持されるため、特殊大当たりに当選するよりも、小当たりに当選した方が、第3時短状態へと移行するまでの抽選回数がリセットされない分遊技者にとって有利となる。
本第16制御例では、通常状態において第3図柄表示装置81の小表示領域Dm7に対して、大当たり終了後の特別図柄の抽選回数ではなく、最後のボーナスが終了した後の抽選回数を「ボーナス間」の回数として表示させる構成としている。つまり、大当たりだけでなく、小当たり当選でも表示上の抽選回数がリセットされるように構成されている。このように構成することで、特殊大当たりと小当たりとをより区別し難くすることができるので、天井抽選回数までの残りの抽選回数を予測する遊技性を付加することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
次に、図508(b)を参照して、天井抽選回数(500回)目に実行される変動表示演出において設定される演出態様について説明する。図508(b)は、天井抽選回数(500回)目の変動表示演出が実行されている場合における第3図柄表示装置81の表示態様の一例を示した図である。図508(b)に示した通り、天井抽選回数(500回)目の変動表示演出では、リーチ演出が発生する。ここで、本第16制御例では、天井抽選回数(500回)目の変動表示演出で必ずリーチ演出を発生させるために、天井抽選回数(500回)目の特別図柄の抽選が実行された場合は、抽選結果によらず、30秒間のスーパーリーチ変動に対応する変動時間が設定されるように構成している。これにより、リーチ演出の演出時間を確実に確保することができる。これらの表示内容により、リーチ演出によって天井抽選回数到達に係る第3時短状態への移行が報知される可能性があるということを遊技者に対して容易に理解させることができる。なお、天井抽選回数(500回)目の特別図柄の抽選結果が外れだった場合は、基本的に、時短図柄当選時と同様の第3図柄の組み合わせ(図278参照)が停止表示されて時短状態への移行が報知される。即ち、リーチ演出が発生した後で、中図柄列に「チャンスタイム」という文字が付された図柄が停止表示されることで時短状態への移行が報知される。これにより、遊技者に対して天井抽選回数に到達したことに基づいて第3時短状態へと移行した(大当たりを契機とする時短状態への移行ではない)ということを容易に理解させることができる。
また、図508(b)に示した通り、主表示領域Dmにおける左上に対して、「天井!?」という文字が付された小表示領域Dm7が形成される。更に、副表示領域Dsに対して、「右打ち厳禁!左打ち!」という文字が表示される。この副表示領域Dsの表示内容により、第3時短状態へと移行すると予測した遊技者が、第3時短状態へと移行する前(通常遊技状態)から右打ちを開始してしまうことを抑制することができる。ここで、第3時短状態へと移行する前(通常遊技状態)から右打ちを開始してしまうと、通常遊技状態の間に遊技球がスルーゲート67を通過して普通図柄の変動表示が開始されてしまう可能性がある。そして、本第16制御例では、普通図柄の通常状態(通常遊技状態)における普通図柄の変動時間が30秒に設定されるように構成している。このため、例えば、変動停止の直前(第3時短状態へと移行する直前)に遊技球がスルーゲート67を通過してしまう(普通図柄の変動が開始されてしまう)と、第3時短状態へと移行した後で、約30秒間の間、普通図柄の当たりとなり得ない状態となってしまう。一旦設定された普通図柄の変動時間は、変動中に遊技状態が変わったとしても変更されることが無いためである。このため、第3時短状態への移行が報知されたにもかかわらず、比較的長い期間、普通電動役物640aが開放されない不利な状況に設定されてしまう可能性があり、第3時短状態の恩恵を受けられないことに対する不満感を遊技者に対して抱かせてしまう可能性がある。これに対して本第16制御例では、天井抽選回数(500回)目の変動表示演出において、右打ちを行わないように遊技者に促す表示を副表示領域Dsに対して行うことができるので、第3時短状態に移行する前から遊技者が右打ちを行ってしまうことを抑制することができる。よって、第3時短状態に移行する前に普通図柄の変動表示が開始されてしまい、当該変動表示が終了するまでの比較的長い期間の間、第3時短状態の恩恵(右打ちした遊技球が第2入球口640へと入球し易くなる)を受けられなくなってしまうことを抑制することができる。
なお、本第16制御例では、天井抽選回数(500回)目の変動表示演出以外でも、天井抽選回数への到達を示唆する演出態様(図508(b)参照)の変動表示演出を実行する場合がある。より具体的には、ボーナス後に1又は複数回の小ボーナスに当選していた場合であって、少なくとも1の小ボーナスが特殊大当たりであり、且つ、最後に当選したボーナス後の抽選回数が500回に到達した場合、および最後に当選したボーナスよりも後に当選した小ボーナスの終了後における抽選回数が500回に到達した場合である。つまり、遊技者の視点(小ボーナスが特殊大当たりであるか小当たりであるかを判別できない視点)において、天井抽選回数に到達している可能性がある。つまり、ボーナス後に特殊大当たりに当選していれば、当該特殊大当たりと小当たりとを遊技者は判別できないため、実際には特殊大当たりの時点で特図抽選カウンタ203laの値がリセットされていたとしても、リセットされたことに対する確信を遊技者が得ることは困難であるため、特殊大当たりよりも前に当選したボーナスの終了後の抽選回数が500回に到達した場合に、遊技者に対して天井抽選回数への到達を期待させることができる。よって、このタイミングで天井抽選回数への到達を示唆する演出態様(図508(b)参照)を設定することにより、天井抽選回数に到達することに対する期待感をより長く遊技者に抱かせ続けることができる。
同様に、ボーナス後の抽選回数が500回を超えた場合には、500回の間に当選したいずれかの小ボーナスが特殊大当たりであることは確定するが、複数の小ボーナスに当選していた場合、遊技者の視点ではいずれの小ボーナスが特殊大当たりであったのかを特定することが困難となる。よって、ボーナスに当選するか、天井抽選回数に到達するまでの間、各小ボーナスの当選からの抽選回数が500回になる毎に、天井抽選回数への到達を示唆する演出態様(図508(b)参照)を実行する構成としている。このように構成することで、天井抽選回数に到達することに対する期待感をより長く遊技者に抱かせ続けることができる。
次に、図509を参照して、本第16制御例における特徴的な演出態様の一種である、データ表示装置連動型の時短発動演出について説明する。このデータ表示装置連動型の時短発動演出は、通常遊技状態において大当たりを介さずに(時短図柄当選、若しくは天井抽選回数に到達したことに基づいて)時短状態へと移行することを報知する演出であり、上述したデータ表示装置連動型の大当たり報知演出(図507(b)参照)と同様に、パチンコ機10とパチンコ機10に対して電気的に接続されているデータ表示装置262とが連動した演出を実行しているかのような演出態様の演出である。まず、図509(a)を参照して、データ表示装置連動型の時短発動演出が実行される可能性があることを遊技者に示唆する演出(データ表示装置連動演出の煽り演出)の実行中における第3図柄表示装置81の表示態様を示した図である。このデータ表示装置連動演出の煽り演出は、SPリーチ外れ、またはスーパーリーチ外れに対応する変動表示態様の一部として実行され得る演出であり、時短図柄当選、若しくは天井抽選回数到達に基づいて時短状態へと移行する可能性があることを示唆するための演出である。このデータ表示装置連動演出の煽り演出は、大当たりを示唆するデータ表示装置連動演出の煽り演出(図507(a)参照)と同様に、変動時間が経過する(特別図柄が確定表示される)5秒前から実行される演出である。なお、上述した第13制御例と同様に、外れの抽選結果には時短図柄当選も含まれる。また、上述した通り、天井抽選回数(500回)目の特別図柄の抽選に係る変動パターンは必ず30秒間のスーパーリーチ変動が選択されるため、天井抽選回数(500回)目の変動表示演出としても、データ表示装置連動演出の煽り演出が実行される可能性がある。
図509(a)に示した通り、データ表示装置連動演出の煽り演出が実行されると、主表示領域における右上に対して、天使を模したキャラクタ809が出現する演出が行われた後、キャラクタ809が所持しているステッキから、主表示領域Dmにおける上方に向けて光809Lを放つ演出が実行される。また、キャラクタ809に対して正面視左方に対して、縦長略楕円形形状で構成され、「光れ!」という文字が付された吹き出し画像809Fが表示される。更に、副表示領域Dsに対して、「データランプが光ればチャンスタイムGET!?」という文字が表示される。これらの表示内容によって、あたかも、天使を模したキャラクタ809がパチンコ機10の真上に設置されたデータ表示装置(データランプ)262に対して光809Lを放つことにより、データ表示装置(データランプ)262の電飾部278を発光させようとしているかのように遊技者に思わせることができる。また、キャラクタ809の放つ光809Lによって電飾部278が発光した場合に、時短状態に移行する(チャンスタイムになる)ということを遊技者に対して容易に理解させることができる。
図509(b)は、データ表示装置連動演出の煽り演出が実行された後、実際に時短状態への移行が報知された場合(データ表示装置連動型の時短発動演出が実行された場合)における第3図柄表示装置81の表示態様の一例を示した図である。図509(b)に示した通り、データ表示装置連動型の時短発動演出では、まず、時短状態への移行タイミングにおいて、時短状態中であることを示す信号(大当たり2信号)、および大当たりを介さずに時短状態へと移行したことを示す信号(大当たり3信号)が所定装置(データ表示装置262、ホールコンピュータ272等)に対して出力されることで、大当たり2信号、および大当たり3信号を受信したデータ表示装置262の視認態様が時短状態用の視認態様に設定される。つまり、データ表示装置連動演出の煽り演出においてキャラクタ809等によって示唆されていた通りに、データ表示装置262の電飾部278が光った見た目となる。これに伴って、図509(b)に示した通り、リーチ外れの形で仮停止されていた第3図柄の上方から、「チャンスタイム」と記載された第3図柄が降下してきて、停止表示されていた中図柄と降下してきた第3図柄とが置き換わる(停止表示されていた中図柄が押し退けられる)演出が実行される。つまり、あたかもデータ表示装置262から「チャンスタイム」と記載された第3図柄が下方に放出されて、当該第3図柄が中図柄と置き換わったかのような演出が実行される。また、天使を模したキャラクタ809の右上に対して、「やったね!」という文字が付された吹き出し画像809Fが表示されると共に、主表示領域Dmの上方から光が漏れ出てくるかのような表示態様に設定される。更に、副表示領域Dsに対して、「チャンスタイムGET!」という文字が表示される。これらの表示態様により、あたかもデータ表示装置262とパチンコ機10とが連動して1の演出態様を形成しているかのような斬新な演出態様を実現することができる。また、あたかもデータ表示装置262によって時短状態に移行させたかのような斬新な演出態様を実現することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
次に、図510を参照して、本第16制御例における保留変化演出について説明する。ここで、保留変化演出とは、小表示領域Dm9に対して表示される保留球数図柄の表示態様を先読み結果に応じて可変させる演出のことである。図510(a)に示した通り、本第16制御例においては、保留球数図柄の表示態様として、少なくとも6種類の表示態様が設けられている。より具体的には、図510(a)に示した通り、黒塗りの円形の図柄で構成される通常(デフォルト)の表示態様(ノーマル保留)と、白抜きの円形の内側に×が記された図柄で構成され、比較的大当たりとなる期待度も時短状態となる期待度も低いことを示唆する表示態様(変化1保留)と、白抜きの円を模した図柄で構成され、大当たりとなる期待度が中程度であるが、時短状態となる期待度が低いことを示唆する表示態様(変化2保留)と、二重丸を模した図形で構成され、比較的大当たりとなる期待度は高いが、時短状態となる期待度は低いことを示唆する表示態様(変化3保留)と、白抜きの円形の内側に十字が記された図形で構成され、大当たりとなる期待度は低いが時短状態となる期待度が高いことを示唆する表示態様(変化4保留)と、白抜きの円形の内側に星を模した図形が記載された図柄で構成され、大当たりと時短状態とのどちらかの先読み結果となった場合にのみ表示され得る表示態様(変化5保留)と、の6種類が設けられている。
本第16制御例では、通常状態において第1特別図柄の始動入賞を検出すると、当該始動入賞に基づいて取得された各種カウンタ値(乱数値)から抽選結果を先読みして、先読み結果に応じた抽選確率で、始動入賞に基づいて増加した保留球を示す保留球数図柄の表示態様が決定される。これにより、特別図柄の抽選が実際に開始されるよりも前から、大当たりとなる期待感や時短状態となる期待感を遊技者に対して抱かせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。なお、抽選結果(変動種別)毎の各表示態様の選択比率については、図521を参照して後述する。
次に、図510(b)を参照して、本第16制御例において保留変化演出が抑制される条件について説明する。ここで、上述した通り、本第16制御例では、パチンコ機10の初期化後、若しくは大当たり終了後において、予め定められている天井抽選回数(500回)に渡って連続して大当たりとは異なる抽選結果(時短図柄当選および小当たり当選を含む外れ抽選結果)となった場合に、天井抽選回数(500回)目の変動表示の終了後に第3時短状態へと移行する構成としている。つまり、天井抽選回数の前後において、左打ちにより主として第1特別図柄の抽選を実行させることにより遊技を進行させる通常遊技状態から、右打ちにより主として第2特別図柄の抽選を実行させることにより遊技を進行させる第3時短状態に切り替わる。本第16制御例では、この遊技状態の切り替わりを跨いでノーマル保留以外の表示態様の保留球数図柄(変化1〜変化5)が表示され続けることを抑制する構成としている。
ここで、本第16制御例では、特に第1特別図柄について、時短状態中に大当たりとなった方が、時短状態の終了後に大当たりとなるよりも有利度合いが高くなるように構成している。より具体的には、通常遊技状態において第1特別図柄の抽選で特殊大当たりに当選した場合は、大当たり終了後も通常遊技状態が設定されるが、時短状態の間に特殊大当たりに当選すると、大当たり終了後も時短状態が設定されるように構成されている。加えて、本第16制御例では、第13制御例等と同様に、第1特別図柄の抽選よりも第2特別図柄の抽選の方が優先的に実行されるように構成されている。つまり、第1特別図柄の保留球と第2特別図柄の保留球とが共に1個以上保留されている状況において新たに特別図柄の抽選条件が成立した場合(変動表示が終了した場合や、大当たりが終了した場合等)に、第2特別図柄の保留球に基づく特別図柄の抽選を優先して実行するように構成されている。このため、時短状態において第1特別図柄の保留球と第2特別図柄の保留球とが共に1以上保留されている状況下においては、ある程度、第1特別図柄の保留球に基づく抽選を実行させるタイミングを遊技者が調整可能となる。このため、第1特別図柄の保留球数図柄として、比較的大当たりの期待度が高い変化3や変化5の表示態様の保留球数図柄が表示された状態で第3時短状態へと移行すると、第2特別図柄の抽選を実行させずに期待度が高い保留球に基づく抽選結果を確認しようと遊技者に思わせてしまう可能性がある。つまり、時短状態の間に大当たりとなる方が有利度合いが高くなる第1特別図柄の抽選において、大当たり期待度が高い保留球に基づく抽選を第3時短状態が終了する前に実行させておこうと思わせてしまう可能性がある。つまり、第3時短状態への以降の前後で変化保留を表示させ続けると、遊技者にとって過剰に有利となってしまう虞がある。
そこで、本第16制御例では、第3時短状態に切り替わるタイミングを跨いでノーマル保留以外の表示態様の保留球数図柄(変化1〜変化5)が表示され続けること(および時短状態の間に第1特別図柄の保留変化演出が実行されること)を抑制するために、保留変化演出の禁止状態(特図1先読み演出禁止状態)を設定する構成としている。より具体的には、図510(b)に示した通り、天井抽選回数(500回)目の特別図柄の抽選に対応する始動入賞を検出し、当該始動入賞に基づく保留球数図柄の表示態様を決定してから、天井抽選回数(500回)到達に基づいて設定された第3時短状態が終了するまでの間、特図1先読み演出禁止状態を設定する構成としている。このように構成することで、天井抽選回数に到達する前に保留され、天井抽選回数到達後(第3時短状態へ移行した後)に特別図柄の抽選に用いられる第1特別図柄の保留球の抽選実行タイミングが第3時短状態中となるように故意に遊技球の発射間隔を調節したり、逆に、第1特別図柄の保留球の抽選実行タイミングが第3時短状態中とならないように故意に遊技球の発射間隔を調節する遊技方法が成り立たなくなるように構成することができる。よって、遊技者にとって過剰に有利となりすぎることを抑制することができる。
次に、図511を参照して、本第16制御例における各遊技状態の間の移行方法について説明する。ここで、図511に示した通り、本第16制御例では、遊技状態として通常状態、第1確変状態、第2時短状態、および第3時短状態の4種類の遊技状態が設けられている。通常状態は、第13制御例と同様に、特別図柄の低確率状態、および普通図柄の低確率状態に設定され、普通図柄の変動短縮機能(変短)が作動しない遊技状態で構成されている。つまり、左打ちにより有利度合いが低い第1特別図柄の抽選を実行させることで遊技を進行させる必要がある遊技者にとって不利な遊技状態で構成されている。
また、第1確変状態は、特別図柄の高確率状態、および普通図柄の高確率状態に設定され、普通図柄の変動短縮機能(変短)が作動する遊技状態で構成され、大当たり当選確率が高い上に右打ちにより有利な第2特別図柄の抽選を頻繁に実行させることができる遊技者にとって最も有利な遊技状態で構成される。また、第2時短状態は、特別図柄の低確率状態、および普通図柄の高確率状態に設定され、普通図柄の変動短縮機能(変短)が作動する遊技状態で構成されるので、大当たり確率が低い分、第1確変状態よりは有利度合いが低いものの、右打ちにより第2特別図柄の抽選が頻繁に実行される分、通常状態よりは有利度合いが高い遊技状態で構成される。
更に、第3時短状態は、特別図柄の低確率状態、および普通図柄の低確率状態に設定され、普通図柄の変動短縮機能(変短)が作動する遊技状態で構成されている。つまり、第2時短状態に対して、普通図柄の当たり確率が低い分、有利度合いが低くなるが、通常状態よりは有利度合いが高い遊技状態で構成される。ここで、本第16制御例では、第13制御例と同様に、普通図柄の当たりと判定される乱数値(カウンタ値)の個数が1個しか異ならないように構成している。このため、有利度合いの差(第2時短状態に対して第3時短状態の有利度合いが低いこと)を遊技者が体感困難にすることができる。よって、第3時短状態に移行した場合に、第2時短状態に移行した場合と同等の価値を得たかのように遊技者に思わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
まず、図511の上部を参照して、通常状態から他の遊技状態への移行方法について説明する。図511の上部に示した通り、通常状態から他の状態へは、大当たりに当選した場合、時短図柄に当選した場合、および大当たりに当選することなく天井抽選回数に到達した場合に移行する可能性がある。具体的には、図511の上部に示した通り、第1特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合に80%の割合で決定される大当たりA16に当選すると、大当たり終了後の遊技状態が遊技者にとって最も有利な第1確変状態に設定される。また、通常状態において第1特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合に10%の割合で決定される大当たりB16に当選すると、大当たり終了後の遊技状態が第1確変状態よりも有利度合いが低い第2時短状態に設定される。また、通常状態において第1特別図柄の抽選で時短図柄に当選した場合にも、同様に第2時短状態に設定される。更に、通常状態において天井抽選回数に到達した場合は、第3時短状態に設定される。一方で、通常状態において第1特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合に10%の割合で決定される特殊大当たりに当選した場合は、大当たり終了後の遊技状態が再度通常状態に設定される(通常状態をループする)。このため、通常状態においては、基本的に特別図柄の抽選で大当たりに当選して、第1確変状態へと移行させることを期待する遊技性となる。また、大当たりに当選せずにある程度の抽選回数が経過した(所謂、ハマりが発生した)場合は、天井抽選回数に到達することにも期待して遊技を行わせることができる。
次に、図511の中央左側を参照して、第1確変状態から他の遊技状態への移行方法について説明する。図511の中央左側に示した通り、第1確変状態から他の遊技状態へは、大当たりに当選するか、または前回の大当たり終了後に設定された確変回数が経過した(確変カウンタ203iの値が0になった)場合に移行する可能性がある。より具体的には、図511の中央左側に示した通り、第1確変状態において第2特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合に20%の割合で決定される大当たりE16に当選すると、大当たり終了後の遊技状態が第2時短状態に設定される。また、第1確変状態において確変回数が経過する(確変カウンタ203iの値が0になる)と、遊技状態が通常状態に設定される。一方で、第1確変状態において第2特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合に80%の割合で決定される大当たりC16,D16のどちらかに当選すると、大当たり終了後の遊技状態が再度第1確変状態に設定される(第1確変状態をループする)。よって、第1確変状態においては、確変回数が経過する前に大当たりに当選し、且つ、大当たりC16,D16に当選することを期待する遊技性となる。
なお、第2確変状態においても左打ちを行うことで第1特別図柄の抽選が実行され得るように構成されている。第1特別図柄の抽選で大当たりB16又は特殊大当たりが決定された場合には、大当たり終了後の遊技状態が第2時短状態に設定される。一方、第1特別図柄の抽選で大当たりA16が決定された場合には、第1確変状態をループする。なお、第1特別図柄の抽選で時短図柄に当選した場合は、既に普通図柄の時短状態が設定されているため遊技状態が変更されることはない。厳密に言えば、時短図柄に当選すると時短回数が100回に再セットされる(時短カウンタ203hに100がセットされる)一方で、時短図柄当選により確変回数(確変カウンタ203iの値)は変更されないため、この場合は確変回数と時短回数とがずれるという事象が発生する。よって、図示については省略したが、このイレギュラーな事象が発生した場合にのみ、第1確変状態において確変回数が経過しても時短回数が残存しているという状況が発生し、第2時短状態へと移行する。
次に、図511の第1確変状態よりも右側部分を参照して、第2時短状態および第3時短状態から他の遊技状態への移行方法について説明する。なお、第2時短状態と第3時短状態とで、他の遊技状態への移行方法はほぼ共通となるため、ここではまとめて時短状態として説明を行う。図511の中央右側部分に示した通り、時短状態から他の遊技状態へは、大当たりに当選するか、または時短回数が経過した(時短カウンタ203hの値が0になった)場合に移行する可能性がある。より具体的には、図511の中央右側部分に示した通り、時短状態において第2特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合に80%の割合で決定される大当たりC16,D16のいずれかとなった場合に、大当たり終了後の遊技状態が第1確変状態に設定される。また、第2特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合に20%の割合で決定される大当たりE16に当選した場合は、大当たり終了後の遊技状態が再度、第2時短状態に設定される(大当たり当選時の時短状態が第2時短状態であった場合は第2時短状態をループし、第3時短状態である場合は第2時短状態に移行する)。また、時短回数が経過した場合は、通常状態へと直接移行する。なお、図示については省略したが、第3時短状態において遊技者が左打ちを行う等により第1特別図柄の抽選が実行され、且つ、時短図柄に当選した場合は、第2時短状態に移行する。
このように、本第16制御例では、大当たりに当選した場合、時短図柄に当選した場合、および天井抽選回数に到達した場合等、様々な契機で遊技状態が変更される。よって、より多くのタイミングで有利度合いが高い遊技状態への移行を期待させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
<第16制御例における電気的構成>
次に、図512を参照して、本第16制御例におけるパチンコ機10の電気的構成について説明する。図512は、本第16制御例におけるパチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。図512に示した通り、本第16制御例におけるパチンコ機10の電気的構成は、上述した第13制御例(および第1制御例)における電気的構成(図137参照)に対して、主制御装置110の入出力ポート205、および払出制御装置111の入出力ポート215に対して、外部出力端子板261が接続されている点でのみ相違している。その他の構成については上述した第13制御例(および第1制御例)における電気的構成(図137参照)と同一であるため、ここではその詳細な説明については省略する。
本第16制御例のパチンコ機10では、この外部出力端子板261を介して、始動入賞を示す情報や、賞球の個数を示す情報、大当たり遊技の実行中であるか否か等の遊技の状況に応じた情報をパチンコ機10の外部へと出力可能に構成されている。外部出力されたデータは、外部出力端子板261と電気的に接続されているデータ表示装置262、およびホールコンピュータ263によって受信される。データ表示装置262は、電気的に接続されている1のパチンコ機10から出力された情報を集計すると共に、集計したデータを遊技履歴としてデータ表示部276に表示可能に構成されている。また、ホールコンピュータ263は、ホールに設置されている複数のパチンコ機10に対して電気的に接続され、各パチンコ機10から出力された情報を個別に集計可能に構成されている。より具体的には、ホールコンピュータ263の有するハードディスク289(図513参照)に、ホールに設置されている各パチンコ機10に対応するデータ格納エリアが設けられており、外部出力端子板261よりデータを受信する度に、データを出力したパチンコ機10に対応するデータ格納エリアの内容を更新する。このデータ格納エリアに記憶された内容に基づいて、各パチンコ機10の遊技履歴(日にち毎の大当たり回数や変動回数、各大当たりにおいて遊技球が入球した抽選装置700の入球口等)、出玉率、稼働率、不正行為や異常の有無等を把握できるように構成されている。
なお、外部出力端子板261は、CN1〜CN11の11の出力チャンネルを有して構成されている。これらの11チャンネルからは、それぞれH出力の信号(例えば、5ボルトの出力)、またはL出力の信号(例えば、0ボルトの出力)のうち、いずれかの信号を出力可能に構成されている。なお、これら各チャンネルは、遊技状態や遊技の状況等の遊技の情報を出力するためのピンの他に、グランドピンが設けられている。即ち、各チャンネルは2本のピンで1組となっている。上記グランドピンは、外部出力端子板261の共通のグランドに接続されており、常に0ボルトが出力されるように構成されている。データ表示装置262やホールコンピュータ263は、このグランドピンから出力される0ボルトの基準電圧と、情報を出力するためのピンから出力される電圧とを比較することにより、情報を出力するためのピンの状態がH出力の状態であるかL出力の状態であるかを容易に判別することができる。なお、必ずしも各チャンネルにグランドピンを設ける必要はない。例えば、0ボルトの基準電圧を出力するための専用チャンネルを設けてもよい。これにより、各チャンネルのピン数を1本ずつ削減できるので、ハーネスの本数、およびコネクタ数を削減することにより、パチンコ機10のコストダウンを図ることができる。
次に、図513を参照して、本第16制御例におけるパチンコ機10、データ表示装置262、およびホールコンピュータ263で構成される遊技システムの構成について説明する。図513に示した通り、パチンコ機10の外部出力端子板261と、データ表示装置262およびホールコンピュータ263とは、電気的に接続されている。即ち、データ表示装置262の入出力ポート275、およびホールコンピュータ263の入出力ポートに対して、外部出力端子板261へと続く信号線が接続されている。
また、図513に示した通り、データ表示装置262は、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU271が搭載されている。MPU271には、該MPU271により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM272と、そのROM272内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM273と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。また、データ表示装置262の入出力ポート275に対しては、例えば、液晶ディスプレイ等で構成され、遊技履歴等のデータを表示することが可能に構成されたデータ表示部276と、データ表示部276の表示内容を切り替えるための入力操作を受付可能な入力装置277と、LED等の発光部材で構成された電飾部278と、が少なくとも接続されている。MPU271は、ROM272およびRAM273に格納されているデータに基づいて、データ表示部276の表示内容を制御すると共に、入力装置277に対する入力操作の有無を監視して、入力操作を検出した場合にデータ表示部276の表示内容を切り替える。また、外部出力端子板261から出力される各種信号を監視して、RAM273に記憶される遊技履歴の情報を更新すると共に、データ表示部276の表示態様を更新したり、電飾部278の発光態様を更新したりする。これらにより、パチンコ機10の遊技履歴をタイムラグ無くデータ表示部276に表示させておくことができるので、遊技者の利便性を向上させることができる。
また、図513に示した通り、ホールコンピュータ263は、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU281が搭載されている。MPU281には、該MPU281により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM282と、そのROM282内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM283と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。また、ホールコンピュータ263の入出力ポート285に対しては、所定の音声を出力可能なスピーカー286と、液晶ディスプレイ等で構成され、遊技履歴等のデータを表示することが可能に構成されたディスプレイ287と、キーボード等で構成され、ディスプレイ287に対する表示内容を切り替えるため等の入力操作を受付可能な入力装置288と、が少なくとも接続されている。更に、ホールコンピュータ263には、ホールに設置されている複数のパチンコ機10の遊技履歴を個別二集計するためのハードディスク289が内蔵されている。MPU281は、ROM282、RAM283、およびハードディスク289に格納されているデータに基づいて、ディスプレイ287の表示内容を制御すると共に、入力装置288に対する入力操作の有無を監視して、入力操作を検出した場合にデータ表示部287の表示内容を切り替える。また、外部出力端子板261から出力される各種信号を監視して、ハードディスク289に記憶される遊技履歴の情報を更新すると共に、ディスプレイ287の表示態様を更新したり、スピーカー286から出力される音声を制御する。これらにより、ホールに設置されている複数のパチンコ機10の遊技履歴や遊技状況をタイムラグ無くディスプレイ287に表示させておくことができるので、ホールコンピュータの操作者(主にホールの店員等)の利便性を向上させることができる。
次に、外部出力端子板261からパチンコ機10の外部へと出力される信号の詳細について、図514を参照して説明を行う。図514に示した通り、外部出力端子板261には、CN1〜CN11までの11チャンネルが設けられており、各チャンネルから遊技の状況に応じた信号が出力される。具体的には、CN1からは、パチンコ機10から払い出された賞球が10球となったことを示す払出信号が出力される。この払出信号は、払い出した賞球数が10球となる毎にH出力が0.2秒間継続するように構成されている(図58のS2906参照)。ホールコンピュータ262は、この払出信号に基づいて各パチンコ機10から払い出された賞球数を把握可能に構成されている。これにより、各パチンコ機10の出玉率やホールの売り上げを算出することができる。
外部出力端子板261のCN2からは、パチンコ機10の内枠12が開放されているか否かを示す内枠開放信号が出力される。この内枠開放信号は、内枠12が開放状態の間、その出力がHに設定され、内枠12が閉鎖状態の間、その出力がLに設定される。ホールコンピュータ263は、この内枠開放信号に基づいて、各パチンコ機10の内枠12が不正遊技者によって開放されているか否かを把握することができるので、不正行為を抑制することができる。
外部出力端子板261のCN3からは、パチンコ機10の前面枠14が開放されているか否かを示す扉開放信号が出力される。この扉開放信号は、前面枠14が開放状態の間、その出力がHに設定され、前面枠14が閉鎖状態の間、その出力がLに設定される。ホールコンピュータ263は、この扉開放信号に基づいて、各パチンコ機10の前面枠14が不正遊技者によって開放されているか否かを把握することができるので、不正行為を抑制することができる。
外部出力端子板261のCN4からは、特別図柄の変動が停止したことを示す図柄停止信号が出力される。この図柄停止信号は、特別図柄の変動が停止することに基づいて、1秒間H出力の状態に設定される(図31のS212参照)。ホールコンピュータ262は、図柄停止信号に基づいて各パチンコ機10の特別図柄の変動回数を把握することができる。
外部出力端子板261のCN5からは、第1入球口64または第2入球口640に対する始動入賞を検出したことを示す信号である始動入賞信号が出力される。この始動入賞信号は、始動入賞を検出する毎に出力がHに設定される。また、H出力は0.2秒間継続するように構成されている。ホールコンピュータ263は、この始動入賞信号に基づいて各パチンコ機10の始動入賞を把握可能に構成されている。
外部出力端子板261のCN6からは、アウト口66へと入球した遊技球が10球となる毎に出力がHとなる(ハイ出力となる)アウト球検出信号が出力される。このアウト球検出信号は、10球のアウト球を検出する度に0.2秒間H出力の状態に保たれた後にL出力状態に設定される。ホールコンピュータ263は、このアウト球検出信号に基づいて、各パチンコ機10のアウト球数を把握可能に構成されている。
外部出力端子板261のCN7からは、パチンコ機10が大当たり状態中であるか否かを示す大当たり1信号が出力される。この大当たり1信号は、特別図柄の大当たりの間、その出力がHに設定され、大当たり以外の状態の場合に、その出力がLに設定される。ホールコンピュータ263は、この大当たり1信号に基づいて、各パチンコ機10の大当たり回数や、不正行為の有無を判別することができる。具体的には、この大当たり1信号がH出力の状態に設定されると、ホールコンピュータ263は、パチンコ機10の大当たり回数に1を加算し、大当たり回数をリアルタイムで把握することができるように構成されている。この大当たり回数に基づいて、異常な回数の大当たりが発生している場合には、異常や不正行為の可能性があると判断し、異常を報知することができる。
外部出力端子板261のCN8からは、パチンコ機10が普通図柄の時短状態中であるか否かを示す大当たり2信号が出力される。この大当たり2信号は、普通図柄の時短状態に設定されている間、その出力がHに設定され、普通図柄の時短状態以外の状態の場合に、その出力がLに設定される。ホールコンピュータ263は、この大当たり2信号に基づいて、各パチンコ機10の連チャン回数や、不正行為の有無を判別することができる。具体的には、この大当たり2信号がH出力の状態の間に大当たりに当選して大当たり1信号が出力されると、ホールコンピュータ263は、パチンコ機10の連チャン回数に1を加算し、大当たりの連チャン回数をリアルタイムで把握することができるように構成されている。この大当たりの連チャン回数に基づいて、異常な回数の連チャン大当たりが発生している場合には、異常や不正行為の可能性があると判断し、異常を報知することができる。
外部出力端子板261のCN9からは、パチンコ機10が大当たり状態である場合、第3時短状態の開始時および終了時を示す大当たり3信号が出力される。この大当たり3信号は、大当たり1信号と同様に大当たり遊技の実行中にその出力がHに設定されるのに加え、天井抽選回数に到達して第3時短状態が開始される場合、および第3時短状態が終了される場合に0.2秒間の間その出力がHに設定される。この大当たり3信号により、大当たり遊技状態であることを示す情報、天井抽選回数到達に係る第3時短状態が開始されたことを示す情報、および第3時短状態が終了されたことを示す情報を、1のチャンネルのみで信号出力態様を異ならせて出力することができる。
なお、大当たり1信号と同様に、大当たり遊技の実行中もCN9をH出力の状態とすることにより、外部出力端子板261を介して電気的に接続されている所定装置(データ表示装置262やホールコンピュータ263)のスペックに応じて受信する情報を選択させることができる。即ち、本パチンコ機10に搭載されている、天井抽選回数到達に基づいて時短状態へと移行させる機能は、大当たりを介さずに有利な遊技状態へと移行させるという非常に特殊な機能であり、所定装置のスペックによっては、天井抽選回数到達に基づく時短状態への移行を正常なものとして取り扱うことができない虞がある。つまり、大当たりを示す信号を受信せずに時短状態を示す信号が受信されると、不正により大当たりを介さずに時短状態に移行されたと判別されたり、パチンコ機10に異常が発生した出力無効と判別されてしまう虞がある。よって、本第16制御例では、大当たり3信号として、大当たり遊技の実行中だけでなく、天井抽選回数に到達した際もH出力の状態に設定される信号を設ける構成とすることで、天井抽選回数に到達したことに基づいて移行する時短状態を、外部出力端子板261に接続されている所定装置のスペックによらず、正常なものとして取り扱わせることができる。つまり、大当たりを示す信号を受信せずに時短状態を示す信号を受信した場合に、不正や異常と判断する仕様であっても、大当たり3信号を大当たりを示す信号として入力しておけば、天井抽選回数に到達した場合にも、疑似的に、大当たりとなった後で時短状態に移行したかのような信号出力態様を実現することができる。つまり、大当たりを示す大当たり3信号が0.2秒間H出力の状態に設定されると共に、時短状態への移行を示す大当たり2信号がH出力の状態に設定されるので、正当な時短状態への移行と判断させることができる。よって、天井抽選回数到達に基づいて設定された時短状態が不正や異常と判断されてしまうことを抑制することができる。なお、天井抽選回数到達に基づく時短状態を識別可能な仕様の所定装置の場合は、大当たり3信号の出力期間を判別することで、天井抽選回数に到達したことに基づくH出力であるのか、大当たり当選に基づくH出力であるのかを区別することができる。よって、所定装置のスペックによらず、天井抽選回数に到達したことに基づく時短状態への移行を正当なものとして取り扱わせることができる。
外部出力端子板261のCN10からは、遊技球が各種入賞口へと入賞したことに基づいて払い出すべき賞球が10球となったことを示す入賞検出信号が出力される。この入賞検出信号は、払い出すべき賞球数が10球となる毎にH出力が0.2秒間継続するように構成されている。ホールコンピュータ263は、この入賞検出信号に基づいて各パチンコ機10の賞球数を把握可能に構成されている。
外部出力端子板261のCN11からは、セキュリティ関連の各種信号が出力される。より具体的には、パチンコ機10に対して電源が投入されたことに基づいて、CN11の出力が0.2秒間の間Hに設定される(電源オン信号)。ホールコンピュータ263は、CN11がH出力となっている期間を計測し、H出力の期間が0.2秒間であれば、パチンコ機10に対して電源が投入されたということを判別することができる。また、パチンコ機10の電源が遮断されたことに基づいて、CN11の出力が0.4秒間の間Hに設定される(電源オフ信号)。ホールコンピュータ263は、CN11がH出力となっている期間を計測し、H出力の期間が0.4秒間であれば、パチンコ機10の電源が遮断されたということを判別することができる。なお、本第16制御例では、ホールコンピュータ263において、電源が遮断された際の遊技状態を記憶しておき、パチンコ機10に対する電源の投入を検出した際は、記憶しておいた電源遮断時の遊技状態と電源が投入された際の遊技状態とが一致するかを比較する構成としている。つまり、電源投入時に何らかの不正な方法で有利な遊技状態に変更されている可能性があるか否かを判別し、遊技状態が不一致である場合は異常を報知する構成としている。このように構成することで、パチンコ機10の遊技状態を不正に有利な遊技状態(大当たり遊技状態や第1確変状態)に変更する不正行為に対する抑制を図ることができる。
なお、大当たり状態中(大当たり1信号がH出力の間)に電源が遮断され、再度電源が投入された場合は、電源が遮断されている間にオフ(L出力の状態)に設定されていた大当たり1信号(CN7)が再度H出力の状態となる。この場合に、ホールコンピュータ263が大当たり回数を加算してしまうと、実際の大当たり回数とホールコンピュータ263が把握する大当たり回数とがずれてしまう。そこで、本第16制御例のパチンコ機10では、電源投入時の遊技状態と、前回の電源遮断時の遊技状態とが共に大当たり状態であると判別した場合には、電源が遮断される前から続く大当たり状態であると判別して電源投入時に大当たり回数を加算しない構成としている。よって、ホールコンピュータ263に対して大当たりの回数を正確に把握させることができる。
加えて、外部出力端子板261のCN11は、パチンコ機10に対して各種の異常(磁気異常、電波異常、スイッチ異常、異常入賞等)が検出された際にもH出力の状態に設定される。なお、各種異常を検出した際は、異常が解消されるまでの間、その出力がHに設定され続ける。ホールコンピュータ263は、CN11のH出力の状態が0.4秒を超えて継続した場合に、異常が発生していると判別することができるので、異常を迅速にスピーカー286やディスプレイ287において操作者に報知することができる。よって、パチンコ機10に発生した異常を迅速に解消させることができる。
このように、本第16制御例におけるパチンコ機10では、外部出力端子板261のCN1〜CN11の11チャンネルのそれぞれから、遊技の状況に応じた信号を出力することによって、パチンコ機10の外部に設けられた所定装置(データ表示装置262やホールコンピュータ263)が遊技の状況を把握することができるように構成されている。データ表示装置262は、接続されているパチンコ機10から出力される各種信号に基づいて遊技の状況を把握し、遊技履歴の表示を更新したり、有利な遊技状態に移行したことを視認態様によって報知することができる。ホールコンピュータ263は、各パチンコ機10から出力される各種信号に基づいて遊技の状況を把握し、各パチンコ機10の出玉率を把握したり、各パチンコ機10に対する不正行為の有無を判別したりできる。
次に、図515を参照して、通常遊技中における外部出力端子板261の信号出力態様の一例について説明する。図515では、CN4、およびCN7〜CN9の信号出力態様について説明する。図515に示した通り、大当たりとなるまでの間は、特別図柄の変動停止タイミングとなる毎に、CN4が1秒間の間H出力の状態に設定される。このCN4の出力態様によって、データ表示装置262およびホールコンピュータ263は、特別図柄の変動回数をカウントすることができる。なお、この間、CN7〜CN9はL出力の状態が維持される。そして、図515に示した通り、特別図柄の抽選で大当たりとなり、当該大当たり当選に基づく大当たり変動の停止タイミングとなってCN4が1秒間のH出力状態に設定された後で大当たり遊技の開始タイミングになると、CN4がL出力の状態に設定されると共に、CN7およびCN9がH出力の状態に設定される。このH出力の状態は、大当たりの終了タイミングになるまで継続する。これらのCN7およびCN9の出力によって、データ表示装置262およびホールコンピュータ263は、パチンコ機10が大当たり状態であることを判別することができる。
そして、大当たりの終了タイミング(大当たり後の普通図柄の時短状態の設定タイミング)になると、CN7およびCN9がL出力の状態に設定されると共に、CN8がH出力の状態に設定される。このCN8のH出力の状態は、大当たり状態に移行するか、普通図柄の通常状態が設定される遊技状態に移行するまでの間維持される。つまり、大当たり終了後の遊技状態が第1確変状態であれば、第1確変状態の間に大当たりに当選して大当たり遊技が開始されるか、第1確変状態において確変回数が経過して通常遊技状態に移行するまでの間、H出力の状態が維持される。また、大当たり終了後の遊技状態が第2時短状態であれば、第2時短状態の間に大当たりに当選して大当たり遊技が開始されるか、第2時短状態において時短回数が経過して通常遊技状態に移行するまでの間、H出力の状態が維持される。このCN8の出力態様とCN7およびCN9の出力態様との兼ね合いから、データ表示装置262およびホールコンピュータ263は、所謂連チャン回数を正確に把握することができる。つまり、CN8がL出力の状態になったと同時にCN7およびCN9がH出力の状態に切り替われば、普通図柄の時短状態が設定される遊技状態の間に連チャンが発生したと判別して連チャン回数に1を加算することができる一方で、CN7およびCN9の状態がL出力のままであれば、連チャンが終了したと判別することができる。よって、パチンコ機10の遊技履歴を正確に判断することができる。
更に、通常遊技中に天井抽選回数に到達した場合は、第3時短状態への移行タイミングでCN8がH出力の状態に設定されると共に、CN9が0.2秒間H出力の状態に設定される。つまり、CN9から大当たり状態に移行した場合には出力され得ない長さ(大当たりのオープニング期間よりも大幅に短い長さ)のH出力信号を出力することにより、今回のH出力が大当たりを契機とする信号出力ではないということをデータ表示装置262やホールコンピュータ263に対して把握させることが可能となる。つまり、大当たりを介さずに時短状態に移行した(天井抽選回数到達により第3時短状態に移行した)ということをデータ表示装置262やホールコンピュータ263に対して把握させることができる。
次に、図516を参照して、電源投入時の信号出力態様の一例について説明する。図516では、電源投入時が第3時短状態(天井抽選回数到達に基づいて移行した時短状態)中である場合の信号出力態様の一例を示した図である。図516に示した通り、パチンコ機10に対して電源が投入されると、当該電源投入を示すためにセキュリティ信号(CN11)が0.2秒間、H出力の状態に設定される。また、電源投入時の遊技状態が第3時短状態である場合、時短状態中であることを示すための大当たり2信号(CN8)の出力がHに立ち上がると共に、第3時短状態であることを示すための大当たり3信号(CN9)が0.2秒間、H出力の状態に設定される。これらの信号出力態様により、電源投入時の遊技状態が天井抽選回数への到達に基づいて移行した時短状態(第3時短状態)であるということをデータ表示装置262やホールコンピュータ263に対して正確に通知することができる。つまり、電源投入時の状態が普通図柄の時短状態に設定される遊技状態である場合に、大当たり遊技終了後に設定された時短状態(第1確変状態、第2時短状態のいずれか)であるのか、天井抽選回数到達に基づく時短状態(第3時短状態)であるのかを区別して通知することができる。よって、電源の遮断中に不正行為によって遊技状態が変更された可能性があるか否かをホールコンピュータ263においてより正確に判別することができるので、不正行為に対する抑制を図ることができる。
次に、図517(a)を参照して、本第16制御例における主制御装置110内に設けられているROM202の詳細について説明する。図517(a)は、本第16制御例におけるROM202の構成を示したブロック図である。図517(a)に示した通り、本第16制御例におけるROM202は、上述した第13制御例におけるROM202の構成(図443(a)参照)に対して、第1当たり乱数13テーブル202laに代えて第1当たり乱数16テーブル202paが設けられている点、変動パターン選択5テーブル202dbに代えて変動パターン選択16テーブル202pbが設けられている点、大当たり種別選択13テーブル202ldに代えて大当たり種別選択テーブル202pdが設けられている点、時短当たり乱数13テーブル202leに代えて時短当たり乱数16テーブル202peが設けられている点で相違している。また、時短種別選択13テーブル202lfが削除されている点でも相違している。その他の構成については上述した第13制御例におけるROM202と同一であるため、その詳細な説明については省略する。
まず、図518(a)を参照して、本第16制御例における第1当たり乱数16テーブル202paの詳細について説明する。図518(a)は、本第16制御例における第1当たり乱数16テーブル202paの規定内容を示した図である。図518(a)に示した通り、本第16制御例における第1当たり乱数16テーブル202paには、大当たりと判定される乱数値(カウンタ値)に加え、小当たりと判定される乱数値(カウンタ値)も規定されている。具体的には、特別図柄の低確率状態、高確率状態に共通で、第1当たり乱数カウンタC1の値が「20〜44」の範囲に対して、小当たりの抽選結果が対応付けて規定されている。第1当たり乱数カウンタC1の取り得る「0〜999」の1000個のカウンタ値(乱数値)のうち、小当たりと判定されるカウンタ値(乱数値)の個数が「20〜44」の25個であるので、特別図柄の抽選で小当たりと判定される確率は1/40である。この小当たりは、外れ抽選結果の一種であり、上述した通り、特殊大当たり特別困難な開閉動作(特定開閉動作)が特定入賞口65aに設定される抽選結果である。この特殊大当たり特別困難な小当たり抽選結果を設けることにより、天井抽選回数までの残り回数がどれだけ残っているのかを遊技者に分かり難くすることができる。つまり、特定開閉動作が実行された(小ボーナスに当選した)場合に、特殊大当たりとなって特図抽選カウンタ203laの値がリセットされた(天井抽選回数までの残り回数が500にリセットされた)のか、小当たりとなって特図抽選カウンタ203laの値が1加算された(天井抽選回数までの残り回数が1減算された)のかを遊技者に分かり難くすることができるので、天井抽選回数までの残り回数を遊技者に予測させる遊技性を付加することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。なお、大当たりと判定されるカウンタ値(乱数値)については、上述した第13制御例と共通であるため、ここではその詳細な説明については省略する。
次に、図518(b)を参照して、本第16制御例における変動パターン選択16テーブル202pbの詳細について説明する。図518(b)は、本第16制御例における変動パターン選択16テーブル202pbの構成を示したブロック図である。図518(b)に示した通り、本第16制御例における変動パターン選択16テーブル202pbは、通常状態において特別図柄の抽選が実行された場合に、特別図柄の抽選結果に応じて変動パターンを選択するための通常用16テーブル202pb1と、第1確変状態、第2時短状態、および第3時短状態のいずれかにおいて特別図柄の抽選が実行された場合に、特別図柄の抽選結果に応じて変動パターンを選択するための確変・時短用16テーブル202pb2と、で少なくとも構成されている。
図518(c)を参照して、通常用16テーブル202pb1の詳細について説明する。図518(c)は、この通常用16テーブル202pb1の規定内容を示した図である。図518(c)に示した通り、通常用16テーブル202pb1には、変動回数および特別図柄の抽選結果に対応させて、各種変動パターンがそれぞれ規定されており、その変動パターンのそれぞれに対して、変動種別カウンタCS1の値の範囲が対応付けられている。具体的には、変動回数(特図抽選カウンタ203laの値)が500の場合(即ち、天井抽選回数到達時)は、抽選結果によらず、変動種別カウンタCS1の値が取り得る全範囲(0〜198)に対して、変動時間が30秒間のスーパーリーチ変動が対応付けられている。このため、天井抽選回数到達時は、30秒間の変動時間が必ず設定されるため、天井抽選回数に到達したか否かを示すための演出の演出期間を確実に確保することができる。
また、天井抽選回数以外の変動回数においては、特別図柄の抽選結果が大当たりである場合、変動種別カウンタCS1の値が「0〜19」の範囲に対して、変動パターンとして変動時間が15秒のノーマル(リーチ)が対応付けて規定され、変動種別カウンタCS1の値が「20〜169」の範囲に対して、変動パターンとして変動時間が30秒のスーパー(リーチ)が対応付けて規定され、変動種別カウンタCS1の値が「170〜198」に対して、変動パターンとして変動時間が55秒のSP(リーチ)が対応付けて規定されている。
また、特別図柄の抽選結果が特殊当たり又は小当たりである(即ち、小ボーナスである)場合、変動種別カウンタCS1の値が取り得る全範囲(0〜198)に対して、変動パターンとして変動時間が15秒間のノーマル(リーチ)が対応付けて規定されている。このため、小ボーナスに当選した場合は、必ず変動時間が15秒間に設定される。これにより、有利度合いが低い小ボーナスにおいて長い変動時間(30秒間や55秒間)が設定されてしまい、ボーナスや第1確変状態への移行を期待させてしまうことを抑制することができ、比較的あっさりと小ボーナスの当選を報知することができるので、遊技者に対して過剰な期待感を抱かせてしまうことを抑制することができる。
また、特別図柄の抽選結果(当否判定結果)が外れ(時短)、即ち、当否判定結果が時短当選である場合、変動種別カウンタCS1の値が「0〜169」の範囲に対して、変動パターンとして変動時間が30秒のスーパー(リーチ)が対応付けて規定され、変動種別カウンタCS1の値が「170〜198」の範囲に対して、変動パターンとして変動時間が55秒のSP(リーチ)が対応付けて規定されている。よって、有利な第2時短状態へと移行する場合に、比較的長い変動時間を設定することができるので、長い変動時間の変動表示が実行された場合に、遊技者の大当たりや時短状態への移行に対する期待感をより向上させることができる。
また、特別図柄の抽選結果(当否判定結果)が外れである場合、変動種別カウンタCS1の値が「0〜149」の範囲に対して、変動パターンとして変動時間が5秒間の短外れが対応付けて規定され、変動種別カウンタCS1の値が「150〜189」の範囲に対して、変動パターンとして変動時間が10秒の長外れが対応付けて規定され、変動種別カウンタCS1の値が「190〜196」の範囲に対して、変動パターンとして変動時間が15秒のノーマルリーチ外れが対応付けて規定され、変動種別カウンタCS1の値「197」に対して、変動パターンとして変動時間が30秒のスーパーリーチ外れが対応付けて規定され、変動種別カウンタCS1の値「198」に対して、変動パターンとして変動時間が55秒間のSPリーチ外れが対応付けて規定されている。よって、抽選結果が単なる外れの場合には、変動時間が短い短外れ又は長外れの選択割合が極めて高くなるので、変動時間が長い変動表示が実行された場合に、大当たりや時短当選に対する期待感を向上させることができる。
なお、図示については省略したが、確変・時短用16テーブル202pb2については、通常用16テーブル202pb1よりも特別図柄の抽選結果が外れとなった場合に短外れや長外れの選択割合が高くなるように構成されている。これにより、第1確変状態、第2時短状態、および第3時短状態における平均の変動時間を短くすることができるので、有利な普通図柄の時短状態が設定される遊技状態における遊技効率を向上させることができる。よって、普通図柄の時短状態が設定される遊技状態における有利度合いをより高めることができる。
次に、図519(a)を参照して、上述した大当たり種別選択16テーブル202pdの詳細について説明する。この大当たり種別選択16テーブル202pdは、第13制御例における大当たり種別選択13テーブル202ld(図445参照)と同様に、特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合に、大当たり種別を決定するために参照されるデータテーブルである。図519(a)に示した通り、本第16制御例における大当たり種別選択16テーブル202pdには、第1特別図柄の大当たり種別として、大当たりA16、大当たりB16、および特殊大当たりの3種類の大当たり種別が規定されている。また、第2特別図柄の大当たり種別として、大当たりC16〜E16の3種類の大当たり種別が規定されている。
図519(a)に示した通り、第1特別図柄に対する規定内容として、第1当たり種別カウンタC2の値が「0〜79」の範囲に対して、「大当たりA16」が対応付けて規定されている。この「大当たりA16」は、ラウンド数が4ラウンドであり、大当たり終了後の遊技状態が確変回数80回の第1確変状態に設定される大当たり種別である。即ち、大当たり終了時に時短カウンタ203h、および確変カウンタ203iに対して共にカウンタ値80が設定される大当たり種別である。本第16制御例においては、第1確変状態が最も有利な遊技状態として構成されるため、大当たりA16は、第1特別図柄の大当たりの中で最も有利な大当たり種別である。また、ラウンド数としても、第1特別図柄の大当たり種別の中では最もラウンド数の多い(賞球面で有利な)大当たり種別となるが、第2特別図柄の各大当たりに比較すると、ラウンド数が少ない(賞球面で不利な)大当たり種別となる。第1当たり種別カウンタC2の取り得る「0〜99」の100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「大当たりA16」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)の個数が「0〜79」の80個であるので、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に大当たり種別として「大当たりA16」が決定(特定)される割合は80%(80/100)である。
また、図519(a)に示した通り、第1当たり種別カウンタC2の値が「80〜89」の範囲に対して、「大当たりB16」が対応付けて規定されている。この「大当たりB16」は、ラウンド数が4ラウンドであり、大当たり終了後の遊技状態が時短回数100回の第2時短状態に設定される大当たり種別である。即ち、大当たり終了時に時短カウンタ203hに対してカウンタ値100が設定される大当たり種別である。本第16制御例では、第1確変状態よりも第2時短状態の方が、特別図柄の大当たりとなる確率が低くなる(第1確変状態の大当たり確率が1/50に対し、第2時短状態の大当たり確率は1/200)ため、時短回数が20回多いことを加味しても、「大当たりB16」は、大当たり終了後の遊技状態の面で、「大当たりA16」よりも有利度合いが低い(不利な)大当たり種別となる。また、ラウンド数の面では、「大当たりA16」と並んで第1特別図柄の大当たり種別の中では最もラウンド数の多い(賞球面で有利な)大当たり種別となるが、第2特別図柄の各大当たりに比較すると、ラウンド数が少ない(賞球面で不利な)大当たり種別となる。第1当たり種別カウンタC2の取り得る「0〜99」の100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「大当たりB16」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)の個数が「80〜89」の10個であるので、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に大当たり種別として「大当たりB16」が決定(特定)される割合は10%(10/100)である。
また、図519(a)に示した通り、第1当たり種別カウンタC2の値が「90〜99」の範囲に対して、「特殊大当たり」が対応付けて規定されている。この「特殊大当たり」は、特定入賞口65aの開閉動作として小当たり遊技と共通の特定開閉動作(賞球をほとんど得ることができない開閉動作)が設定される大当たり種別あり、大当たり終了後の遊技状態が通常状態に設定される大当たり種別である。このため、「特殊大当たり」は、ラウンド数の面でも大当たり終了後の遊技状態の面でも遊技者にとって最も有利度合いが低い大当たり種別として構成される。なお、大当たり当選時の遊技状態が通常状態以外の遊技状態(普通図柄の時短状態が設定される遊技状態)であった場合は、特殊大当たり終了後の遊技状態が第2時短状態に設定される。これは、第1特別図柄の保留球が1以上存在する状態で普通図柄の時短状態が設定される遊技状態に移行し、その後に第1特別図柄の保留球に基づく抽選で特殊大当たりとなった場合に通常状態に移行させる構成とした場合、遊技者にとって過剰に不利となってしまう可能性があるため、これを救済する趣旨である。第1当たり種別カウンタC2の取り得る「0〜99」の100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「特殊大当たり」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)の個数が「90〜99」の10個であるので、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に大当たり種別として「特殊大当たり」が決定(特定)される割合は10%(10/100)である。
一方、第2特別図柄に対する規定内容として、第1当たり種別カウンタC2の値が「0〜49」の範囲に対して、「大当たりC16」が対応付けて規定されている。この「大当たりC16」は、ラウンド数が10ラウンドであり、「大当たりA16」と同様に、大当たり終了後の遊技状態が確変回数80回の第1確変状態に設定される大当たり種別である。この「大当たりC16」は、全ての大当たり種別の中でラウンド数が最も多く、且つ、大当たり終了後の遊技状態についても最も有利な第1確変状態に設定されるため、全ての大当たりの中で最も有利な大当たり種別である。第1当たり種別カウンタC2の取り得る「0〜99」の100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「大当たりC16」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)の個数が「0〜49」の50個であるので、第2特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に大当たり種別として「大当たりC16」が決定(特定)される割合は50%(50/100)である。
また、第1当たり種別カウンタC2の値が「50〜79」の範囲に対して、「大当たりD16」が対応付けて規定されている。この「大当たりD16」は、ラウンド数が6ラウンドであり、「大当たりA16」や「大当たりC16」と同様に、大当たり終了後の遊技状態が確変回数80回の第1確変状態に設定される大当たり種別である。この「大当たりD16」は、「大当たりC16」に次いでラウンド数が多く、且つ、大当たり終了後の遊技状態が最も有利な第1確変状態に設定されるため、「大当たりC16」に次いで有利となる大当たり種別である。第1当たり種別カウンタC2の取り得る「0〜99」の100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「大当たりD16」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)の個数が「50〜79」の30個であるので、第2特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に大当たり種別として「大当たりD16」が決定(特定)される割合は30%(30/100)である。
また、第1当たり種別カウンタC2の値が「80〜99」の範囲に対して、「大当たりE16」が対応付けて規定されている。この「大当たりE16」は、ラウンド数が6ラウンドであり、「大当たりB16」と同様に、大当たり終了後の遊技状態が時短回数100回の第2時短状態に設定される大当たり種別である。この「大当たりE16」は、「大当たりD16」と同様に、「大当たりC16」に次いでラウンド数が多い大当たり種別であるが、大当たり終了後の遊技状態の面では「大当たりB16」と同様に、比較的有利度合いが低い大当たり種別である。
次に、図519(b)を参照して、上述した時短当たり乱数16テーブル202peの詳細について説明する。この時短当たり乱数16テーブル202peは、上述した第13制御例における時短当たり乱数13テーブル202le(図444(c)参照)と同様に、特別図柄の抽選で時短当選と判定される判定値(乱数値)が規定されているデータテーブルである。図519(b)に示した通り、本第16制御例では、第1特別図柄の抽選で時短当選と判定される乱数値(第1当たり乱数カウンタC1の値)として、「998,999」の2個の乱数値(カウンタ値)が対応付けて規定されている。第1当たり乱数カウンタC1の取り得る「0〜999」の1000個の乱数値(カウンタ値)のうち、時短当選と判定される乱数値(カウンタ値)の個数が2個であるため、第16制御例において第1特別図柄の抽選が実行された場合に時短当選と判定される確率は1/500(2/1000)である。一方で、図519(b)に示した通り、第2特別図柄に対しては、時短当選と判定される乱数値(カウンタ値)が対応付けられていないため、第2特別図柄の抽選で時短当選と判定される可能性は0である。
次に、図517(b)を参照して、本第16制御例における主制御装置110内に設けられているRAM203の詳細について説明する。図517(b)は、本第16制御例におけるRAM203の構成を示したブロック図である。図517(b)に示した通り、本第16制御例におけるRAM203は、上述した第13制御例におけるRAM203の構成(図443(b)参照)に対して、天井時短フラグ203paと、アウト球カウンタ203pbと、が追加されている点で相違している。また、第1天井待機フラグ203lb、および第2天井待機フラグ203lcが削除されている点でも相違している。その他の構成については上述した第13制御例におけるRAM203と同一であるため、その詳細な説明については省略する。
天井時短フラグ203paは、現在の遊技状態が天井抽選回数に到達したことに基づいて設定された時短状態(第3時短状態)であるか否かを示すためのフラグである。この天井時短フラグ203paがオンであれば、第3時短状態であることを意味し、オフであれば、現在の遊技状態が第3時短状態ではないことを意味する。この天井時短フラグ203paは、初期状態がオフに設定され、天井抽選回数に到達して第3時短状態が設定された場合にオンに設定される(図526のS38116A参照)。また、大当たりに当選した場合、および第3遊技状態の間に大当たりに当選することなく時短回数(100回)が経過した場合にオフに設定される(図525のS8312A参照)。この天井時短フラグ203paの状態によって第2時短状態であるか第3時短状態であるかを容易に識別することができるため、第2時短状態では普通図柄の高確率状態に対応する抽選確率で普通図柄の抽選を実行することができる一方で、第3時短状態では普通図柄の低確率状態に対応する抽選確率で普通図柄の抽選を実行することができる。よって、遊技状態毎に適切な普通図柄の抽選を実行することができる。
アウト球カウンタ203pbは、アウト口66へと入球した遊技球(アウト球)の個数をカウントするためのカウンタである。このアウト球カウンタ203pbは、初期値が0に設定されており、アウト球を検出する毎に値が1ずつ加算して更新される(図529のS142A)。また、アウト球カウンタ203pbの値が10に更新される(10個のアウト球を検出する)と、値が0クリアされる(図529のS144A)。このアウト球カウンタ203pbの値が10になる毎に、外部出力端子板261からアウト球検出信号(CN6)を出力することができるので、パチンコ機10のアウト球数をホールコンピュータ263等のパチンコ機10に接続されている所定装置が正確に把握することができる。
次に、図520(a)を参照して、本第16制御例における音声ランプ制御装置113内に設けられているROM222の詳細について説明する。図520(a)は、本第16制御例におけるROM222の構成を示したブロック図である。図520(a)に示した通り、本第16制御例におけるROM222は、上述した第13制御例におけるROM222の構成(図447(a)参照)に対して、保留態様選択テーブル222paと、時短示唆演出選択テーブル222pbと、が追加されている点で相違している。また、天井到達示唆演出選択テーブル222laと、天井到達時演出選択テーブル222lbと、が削除されている点でも相違している。
まず、図521を参照して、上述した保留態様選択テーブル222paの詳細について説明する。この保留態様選択テーブル222paは、新たな始動入賞を検出した際に、当該始動入賞に基づいて取得された各種カウンタ値の先読み結果に応じて、当該始動入賞により増加した保留球を示す保留球数図柄の表示態様を選択するために参照されるデータテーブルである。図521は、この保留態様選択テーブル222paの規定内容を示した図である。図521に示した通り、この保留態様選択テーブル222paは、新たな始動入賞に基づいて取得された各種カウンタ値(乱数値)に基づく先読み結果(変動種別)毎に、保留球数図柄の表示態様として設定され得る6種類の表示態様(図510(a)参照)のそれぞれを選択すると判定される判定値(演出カウンタ223fの値)の範囲が対応付けて規定されている。
具体的には、図521に示した通り、変動種別(先読み結果)が「SPリーチ当たり」に対する規定内容として、演出カウンタ223fの値が「0〜4」の範囲に対して、「ノーマル保留」の表示態様(デフォルトの表示態様)が対応付けて規定され、演出カウンタ223fの値が「5〜19」の範囲に対して、「変化1」の表示態様(大当たり期待度も、時短期待度も共に低いことを示唆する表示態様)が対応付けて規定され、演出カウンタ223fの値が「20〜44」の範囲に対して、「変化2」の表示態様(大当たり期待度が中程度で、時短期待度が低いことを示唆する表示態様)が対応付けて規定され、演出カウンタ223fの値が「45〜84」の範囲に対して、「変化3」の表示態様(大当たり期待度が高く、時短期待度が低いことを示唆する表示態様)が対応付けて規定され、演出カウンタ223fの値が「85〜89」の範囲に対して、「変化4」の表示態様(大当たり期待度が低く、時短期待度が高いことを示唆する表示態様)が対応付けて規定され、演出カウンタ223fの値が「90〜99」の範囲に対して、「変化5」の表示態様(大当たり又は時短状態への移行のいずれかが確定する表示態様)が対応付けて規定されている。演出カウンタ223fは「0〜99」の100個の値を取り得るので、先読み結果が「SPリーチ当たり」の場合に各表示態様が設定される割合は、「ノーマル保留」が5%、「変化1」が15%、「変化2」が25%、「変化3」が40%、「変化4」が5%、「変化5」が10%である。つまり、「SPリーチ当たり」に対応する始動入賞を検出した場合は、「変化2」や「変化3」が選択される割合が比較的高くなる一方で、「ノーマル保留」や「変化4」が選択される割合が比較的低くなる。
また、図521に示した通り、変動種別(先読み結果)が「スーパーリーチ当たり」に対する規定内容として、演出カウンタ223fの値が「0〜9」の範囲に対して、「ノーマル保留」の表示態様が対応付けて規定され、演出カウンタ223fの値が「10〜29」の範囲に対して、「変化1」の表示態様が対応付けて規定され、演出カウンタ223fの値が「30〜59」の範囲に対して、「変化2」の表示態様が対応付けて規定され、演出カウンタ223fの値が「60〜89」の範囲に対して、「変化3」の表示態様が対応付けて規定され、演出カウンタ223fの値が「90〜93」の範囲に対して、「変化4」の表示態様が対応付けて規定され、演出カウンタ223fの値が「94〜99」の範囲に対して、「変化5」の表示態様が対応付けて規定されている。よって、先読み結果が「スーパーリーチ当たり」の場合に各表示態様が設定される割合は、「ノーマル保留」が10%、「変化1」が20%、「変化2」が30%、「変化3」が30%、「変化4」が4%、「変化5」が6%である。つまり、「スーパーリーチ当たり」に対応する始動入賞を検出した場合は、「変化1」や「変化2」や「変化3」が選択される割合が比較的高くなる一方で、「変化4」が選択される割合が比較的低くなる。また、「SPリーチ当たり」に比較して「ノーマル保留」や「変化1」の選択割合が高くなる。
また、図521に示した通り、変動種別(先読み結果)が「ノーマルリーチ当たり」に対する規定内容として、演出カウンタ223fの値が「0〜19」の範囲に対して、「ノーマル保留」の表示態様が対応付けて規定され、演出カウンタ223fの値が「20〜44」の範囲に対して、「変化1」の表示態様が対応付けて規定され、演出カウンタ223fの値が「45〜79」の範囲に対して、「変化2」の表示態様が対応付けて規定され、演出カウンタ223fの値が「80〜96」の範囲に対して、「変化3」の表示態様が対応付けて規定され、演出カウンタ223fの値「97」に対して、「変化4」の表示態様が対応付けて規定され、演出カウンタ223fの値が「98,99」の範囲に対して、「変化5」の表示態様が対応付けて規定されている。よって、先読み結果が「ノーマルリーチ当たり」の場合に各表示態様が設定される割合は、「ノーマル保留」が20%、「変化1」が25%、「変化2」が35%、「変化3」が17%、「変化4」が1%、「変化5」が2%である。つまり、「ノーマルリーチ当たり」に対応する始動入賞を検出した場合は、「SPリーチ当たり」や「スーパーリーチ当たり」に比較して、「ノーマル保留」、「変化1」、「変化2」の選択割合が高くなり、「変化3」、「変化4」、「変化5」の選択割合が低くなる。
また、図521に示した通り、変動種別(先読み結果)が「SPリーチ時短」に対する規定内容として、演出カウンタ223fの値が「0〜4」の範囲に対して、「ノーマル保留」の表示態様が対応付けて規定され、演出カウンタ223fの値が「5〜19」の範囲に対して、「変化1」の表示態様が対応付けて規定され、演出カウンタ223fの値が「20〜44」の範囲に対して、「変化2」の表示態様が対応付けて規定され、演出カウンタ223fの値が「45〜64」の範囲に対して、「変化3」の表示態様が対応付けて規定され、演出カウンタ223fの値が「65〜89」の範囲に対して、「変化4」の表示態様が対応付けて規定され、演出カウンタ223fの値が「90〜99」の範囲に対して、「変化5」の表示態様が対応付けて規定されている。よって、先読み結果が「SPリーチ時短」の場合に各表示態様が設定される割合は、「ノーマル保留」が5%、「変化1」が15%、「変化2」が25%、「変化3」が20%、「変化4」が25%、「変化5」が10%である。つまり、「SPリーチ時短」に対応する始動入賞を検出した場合は、当たり変動に対応する始動入賞を検出した場合よりも、「変化4」の選択割合が大幅に高くなる。
また、図521に示した通り、変動種別(先読み結果)が「スーパーリーチ時短」に対する規定内容として、演出カウンタ223fの値が「0〜9」の範囲に対して、「ノーマル保留」の表示態様が対応付けて規定され、演出カウンタ223fの値が「10〜29」の範囲に対して、「変化1」の表示態様が対応付けて規定され、演出カウンタ223fの値が「30〜64」の範囲に対して、「変化2」の表示態様が対応付けて規定され、演出カウンタ223fの値が「65〜79」の範囲に対して、「変化3」の表示態様が対応付けて規定され、演出カウンタ223fの値が「80〜93」の範囲に対して、「変化4」の表示態様が対応付けて規定され、演出カウンタ223fの値が「94〜99」の範囲に対して、「変化5」の表示態様が対応付けて規定されている。よって、先読み結果が「スーパーリーチ時短」の場合に各表示態様が設定される割合は、「ノーマル保留」が10%、「変化1」が20%、「変化2」が35%、「変化3」が15%、「変化4」が14%、「変化5」が6%である。つまり、「スーパーリーチ時短」に対応する始動入賞を検出した場合についても、当たり変動に対応する始動入賞を検出した場合よりも、「変化4」の選択割合が高くなる。
また、図521に示した通り、変動種別(先読み結果)が「SPリーチ外れ」に対する規定内容として、演出カウンタ223fの値が「0〜9」の範囲に対して、「ノーマル保留」の表示態様が対応付けて規定され、演出カウンタ223fの値が「10〜39」の範囲に対して、「変化1」の表示態様が対応付けて規定され、演出カウンタ223fの値が「40〜79」の範囲に対して、「変化2」の表示態様が対応付けて規定され、演出カウンタ223fの値が「80〜98」の範囲に対して、「変化3」の表示態様が対応付けて規定され、演出カウンタ223fの値「99」に対して、「変化4」の表示態様が対応付けて規定されている。一方、「変化5」の表示態様に対しては演出カウンタ223fの値が対応付けられていない。よって、先読み結果が「SPリーチ外れ」の場合に各表示態様が設定される割合は、「ノーマル保留」が10%、「変化1」が30%、「変化2」が40%、「変化3」が19%、「変化4」が1%、「変化5」が0%である。つまり、「SPリーチ外れ」に対応する始動入賞を検出した場合は、SPリーチ当たりやSPリーチ時短に対応する始動入賞を検出した場合よりも、「変化3」の選択割合が低くなり、「ノーマル保留」や「変化1」の選択割合が高くなる。また、「変化5」が選択されなくなる。よって、SPリーチまで発展した場合は、保留球数図柄の表示態様が「ノーマル保留」や「変化1」である場合は、当たりとなる期待度が比較的低くなる一方で、「変化3」である場合は当たりとなる期待度が比較的高くなる。また、「変化5」であれば大当たりと時短図柄とのどちらかが確定する。
また、図521に示した通り、変動種別(先読み結果)が「スーパーリーチ外れ」に対する規定内容として、演出カウンタ223fの値が「0〜19」の範囲に対して、「ノーマル保留」の表示態様が対応付けて規定され、演出カウンタ223fの値が「20〜74」の範囲に対して、「変化1」の表示態様が対応付けて規定され、演出カウンタ223fの値が「75〜98」の範囲に対して、「変化2」の表示態様が対応付けて規定され、演出カウンタ223fの値「99」に対して、「変化3」の表示態様が対応付けて規定されている。一方、「変化4」や「変化5」の表示態様に対しては演出カウンタ223fの値が対応付けられていない。よって、先読み結果が「スーパーリーチ外れ」の場合に各表示態様が設定される割合は、「ノーマル保留」が20%、「変化1」が55%、「変化2」が24%、「変化3」が1%、「変化4」および「変化5」が0%である。つまり、「スーパーリーチ外れ」に対応する始動入賞を検出した場合は、スーパーリーチ当たりやスーパーリーチ時短に対応する始動入賞を検出した場合よりも、「変化3」の選択割合が低くなり、「ノーマル保留」や「変化1」の選択割合が高くなる。また、「変化4」や「変化5」が選択されなくなる。よって、スーパーリーチまで発展した場合は、保留球数図柄の表示態様が「ノーマル保留」や「変化1」である場合は、当たりとなる期待度が比較的低くなる一方で、「変化3」である場合は当たりとなる期待度が比較的高くなる。また、「変化5」であれば大当たりと時短図柄とのどちらかが確定する。
また、図521に示した通り、変動種別(先読み結果)が「ノーマルリーチ外れ」、「ノーマルリーチ小当たり」に対する規定内容として、演出カウンタ223fの値が「0〜49」の範囲に対して、「ノーマル保留」の表示態様が対応付けて規定され、演出カウンタ223fの値が「50〜94」の範囲に対して、「変化1」の表示態様が対応付けて規定され、演出カウンタ223fの値が「95〜99」の範囲に対して、「変化2」の表示態様が対応付けて規定されている。一方、「変化3」、「変化4」、および「変化5」の表示態様に対しては演出カウンタ223fの値が対応付けられていない。よって、先読み結果が「ノーマルリーチ外れ」、「ノーマルリーチ小当たり」の場合に各表示態様が設定される割合は、「ノーマル保留」が50%、「変化1」が45%、「変化2」が5%、「変化3」、「変化4」、および「変化5」が0%である。つまり、「ノーマルリーチ外れ」、「ノーマルリーチ小当たり」に対応する始動入賞を検出した場合は、スーパーリーチ当たりやスーパーリーチ時短に対応する始動入賞を検出した場合よりも、「ノーマル保留」や「変化1」の選択割合が高くなる。また、「変化3」や「変化4」や「変化5」が選択されなくなる。よって、「変化3」から「変化5」のいずれかとなって小ボーナス当選が報知された場合は、当該小ボーナスが特殊大当たりであったことが確定する。
更に、図521に示した通り、変動種別(先読み結果)が天井抽選回数到達に伴う「スーパーリーチ外れ」に対する規定内容として、演出カウンタ223fの値が「0〜39」の範囲に対して、「ノーマル保留」の表示態様が対応付けて規定され、演出カウンタ223fの値が「40〜49」の範囲に対して、「変化1」の表示態様が対応付けて規定され、演出カウンタ223fの値が「50〜53」の範囲に対して、「変化2」の表示態様が対応付けて規定され、演出カウンタ223fの値が「54」に対して、「変化3」の表示態様が対応付けて規定され、演出カウンタ223fの値が「55〜84」の範囲に対して、「変化4」の表示態様が対応付けて規定され、演出カウンタ223fの値が「85〜99」の範囲に対して、「変化5」の表示態様が対応付けて規定されている。天井抽選回数目の特別図柄の抽選結果が外れとなる(第3時短状態へと移行する)場合は、当たりとなる(第3時短状態へと移行しない)場合(即ち、スーパーリーチ当たりの変動種別に対応する始動入賞を検出した場合)に比較して、「ノーマル保留」、「変化4」、および「変化5」の選択割合が大幅に高くなる。このため、第3時短状態へと移行することを期待する遊技者に対して、天井抽選回数目の特別図柄抽選に対応する保留球数図柄の表示態様が「ノーマル保留」、「変化4」、および「変化5」のいずれかとなることを期待させることができる。
このように、本第16制御例では、始動入賞に基づく先読み結果に応じて、保留球数図柄の表示態様を決定することで大当たり期待度や時短期待度を遊技者に示唆可能に構成しているので、保留球数図柄の表示態様に注目して遊技を行わせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
次に、図522を参照して、上述した時短示唆演出選択テーブル222pbの詳細について説明する。この時短示唆演出選択テーブル222pbは、時短状態へと移行することを示唆する示唆演出(図439(a),(b)参照)の実行割合を各種条件毎に規定したデータテーブルである。図522に示した通り、特図抽選回数カウンタ223lcの値が496〜500の状況下においては、小ボーナスの当選状況によらず、演出カウンタ223fが「0〜59」の範囲に対して、「時短示唆(強)」の示唆態様が対応付けて規定され、演出カウンタ223fが「60〜89」の範囲に対して、「時短示唆(弱)」の示唆態様が対応付けて規定されている。一方、演出カウンタ223fが「90〜99」の範囲には、示唆態様が対応付けられていない。よって、天井抽選回数に到達する4回前から天井抽選回数目のそれぞれの変動表示演出では、60%の割合で「時短示唆(強)」(図429(b)参照)が発生し、30%の割合で「時短示唆(弱)」(図429(a)参照)が発生する。
また、特図抽選回数カウンタ223lcの値が496〜500以外の値である場合(天井抽選回数に到達するまでの変動回数が5回以上の状況)においては、前回のボーナス後の抽選回数、および直近500回の特別図柄の抽選のうち実行されたタイミングが最も時間的に古い小ボーナスの終了後の抽選回数に応じて示唆態様の選択割合が可変する。具体的には、前回のボーナス後の抽選回数、および直近500回の特別図柄の抽選のうち実行されたタイミングが最も時間的に古い小ボーナスの終了後の抽選回数のどちらかが496〜500の範囲内である場合(即ち、遊技者の視点で天井抽選回数に到達するまでの変動回数が4回以内の可能性がある状況下)においては、特別図柄の抽選結果「確変当たり」または「時短当たり」に対して、演出カウンタ223fの値が「0〜4」に「時短示唆(弱)」の示唆態様が対応付けて規定され、「5〜99」には示唆態様が対応付けられていない。つまり、ボーナス当選の場合は、5%の割合で「時短示唆(弱)」が発生する。
また、特別図柄の抽選結果「時短当選」に対して、演出カウンタ223fの値が「0〜49」に「時短示唆(強)」が対応付けて規定され、「50〜74」に「時短示唆(弱)」が対応付けて規定され、「75〜99」には示唆態様が対応付けられていない。つまり、時短当選の場合には50%の割合で「時短示唆(強)」が発生し、25%の割合で「時短示唆(弱)」が発生する。また、これら以外の抽選結果(小ボーナスまたは外れ)に対しては、演出カウンタ223fの値が「0〜4」に「時短示唆(強)」が対応付けて規定され、「5〜49」に「時短示唆(弱)」が対応付けて規定され、「50〜99」には示唆態様が対応付けられていない。つまり、小ボーナス若しくは外れの場合には5%の割合で「時短示唆(強)」が発生し、45%の割合で「時短示唆(弱)」が発生する。
これに対し、前回のボーナス後の抽選回数、および直近500回の特別図柄の抽選のうち実行されたタイミングが最も時間的に古い小ボーナスの終了後の抽選回数のいずれも496〜500の範囲内ではない場合(即ち、遊技者の視点で天井抽選回数に到達するまでの変動回数が4回以内の可能性がない状況下)においては、特別図柄の抽選結果「確変当たり」または「時短当たり」に対して、演出カウンタ223fの値が「0〜4」に「時短示唆(弱)」の示唆態様が対応付けて規定され、「5〜99」には示唆態様が対応付けられていない。つまり、ボーナス当選の場合は、5%の割合で「時短示唆(弱)」が発生する。
また、特別図柄の抽選結果「時短当選」に対して、演出カウンタ223fの値が「0〜24」に「時短示唆(強)」が対応付けて規定され、「25〜49」に「時短示唆(弱)」が対応付けて規定され、「50〜99」には示唆態様が対応付けられていない。つまり、時短当選の場合には25%の割合で「時短示唆(強)」が発生し、25%の割合で「時短示唆(弱)」が発生する。また、これら以外の抽選結果(小ボーナスまたは外れ)に対しては、演出カウンタ223fの値「0」に「時短示唆(強)」が対応付けて規定され、「1〜4」に「時短示唆(弱)」が対応付けて規定され、「5〜99」には示唆態様が対応付けられていない。つまり、小ボーナス若しくは外れの場合には1%の割合で「時短示唆(強)」が発生し、4%の割合で「時短示唆(弱)」が発生する。
このように、本第16制御例では、天井抽選回数までの残り回数が5回以上の場合であっても、遊技者の視点で天井抽選回数までの残り回数が4回以内の可能性がある状況下と、4回以内の可能性がない状況下とで外れおよび小ボーナス時の示唆態様の選択割合を大きく異ならせている。即ち、遊技者の視点で天井抽選回数までの残り回数が4回以内の可能性がある状況下では、示唆態様が発生し易くなるように構成している。このように構成することで、実際には天井抽選回数までの残り回数が5回以上あったとしても、天井抽選回数に到達することに対する期待感を抱かせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
次に、図520(b)を参照して、本第16制御例における音声ランプ制御装置113内に設けられているRAM223の詳細について説明する。図520(b)は、本第16制御例におけるRAM223の構成を示したブロック図である。図520(b)に示した通り、本第16制御例におけるRAM223は、上述した第13制御例におけるRAM223の構成(図447(b)参照)に対して、ボーナス間カウンタ223paと、ボーナス履歴格納エリア223pbと、先読み抑制フラグ223pcと、普図変動時間タイマ223pdと、連動演出フラグ223peと、が追加されている点で相違している。
ボーナス間カウンタ223paは、ボーナス(いずれかの大当たりおよび小当たり)が終了した後で実行された特別図柄の抽選回数をカウントするカウンタである。このボーナス間カウンタ223paは、主制御装置110から特図抽選カウンタ203laの値が通知される毎に値が1ずつ加算されて更新され(図537のS9015A参照)、大当たり又は小当たりに当選することで0クリアされる(図539のS4724A、図540のS4753A参照)。このボーナス間カウンタ223paに同期させて、通常状態におけるボーナス間の抽選回数の表示回数が更新される。これにより、天井抽選回数までの残り回数を分かり難くすることができるので、天井抽選回数までの残り回数を予測する遊技性を付加することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
ボーナス履歴格納エリア223pbは、直近500回以内の特別図柄の抽選の範囲におけるボーナス(通常ボーナスおよび小ボーナス)の当選履歴を示す情報を格納するための記憶領域である。このボーナス履歴格納エリア223pbは、大当たり又は小当たり(ボーナス)に当選する毎に、当選したボーナスの情報が格納される(図539のS4726A,S4727A、図540のS4754A参照)。また、主制御装置110側において特図抽選カウンタ203laの値が更新されたことがコマンドにより通知される毎に、更新後のカウンタ値に応じてデータが更新される(図537のS9015A参照)。通常状態においては、このボーナス履歴格納エリア223pbのデータから通常ボーナス又は小ボーナスの終了後における抽選回数を判別することができ、遊技者の視点で天井抽選回数間際の可能性がある抽選回数(通常ボーナス後に特殊大当たりに1回以上当選した状況下における通常ボーナス後500回間際、および小ボーナス後500回間際の抽選回数)において、天井抽選回数間際の可能性を示唆する演出を実行することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
先読み抑制フラグ223pcは、第1特別図柄の始動入賞を検出した場合に、保留変化演出等の先読み演出の実行を抑制するか否かを示すフラグである。この先読み抑制フラグ223pcがオンであれば、先読み演出を禁止するべき状態であることを意味し、オフであれば、先読み演出を許容する状態であることを意味する。この先読み抑制フラグ223pcは、先読みにより天井抽選回数へと到達する(第3時短状態への移行が確定した)と判別された場合にオンに設定され(図538のS4428A参照)、大当たり当選時、および第3時短状態の終了時(図537のS9013A参照)にオフに設定される。第3時短状態への移行が確定した場合に第1特別図柄の先読み演出を禁止することにより、第3時短状態へと移行した後で右打ちをせずに敢えて第1特別図柄の抽選を実行させた方がよいのか、第1特別図柄の抽選を実行させずに第2特別図柄の抽選を開始させた方がよいのかの判断材料を遊技者が得ることを不可能とすることができるので、知識の深い遊技者と浅い遊技者とで遊技方法により有利度合いに大幅に差が生じてしまうことを抑制することができる。
普図変動時間タイマ223pdは、主制御装置110において実行される普通図柄の変動表示における変動時間をカウントするためのタイマである。この普図変動時間タイマ223pdは、主制御装置110において普通図柄の抽選が実行され、当該抽選結果に応じて決定された普図変動パターンが普図変動パターンコマンドによって通知された場合に、当該通知された普図変動パターンに対応する変動時間を示すタイマ値が設定される(図541のS4252A参照)。天井抽選回数(500回)目の変動表示の実行中においては、この普図変動時間タイマ223pdのタイマ値が示す残変動時間に応じて、実行中の変動表示演出の演出態様を可変させる(書き替える)か否かが判別される。即ち、変動中の特定タイミング(例えば、特別図柄の変動時間が経過する5秒前)で普図変動時間タイマ223pdの値を参照して、特図変動が終了した後も比較的長い期間(例えば、5秒以上)普通図柄の変動表示が継続されると判別された場合は、第3時短状態への移行を報知するタイミングを遅らせる構成としている。このように構成することで、普通電動役物640aが開放され得ない普通図柄の変動表示中に遊技者が右打ちを行ってしまい、遊技球を無駄に消費してしまうことを抑制することができる。
連動演出フラグ223peは、データ表示装置連動型の演出が設定されているか否かを示すフラグである。この連動演出フラグ223peがオンであれば、データ表示装置連動型の演出(大当たり報知、時短発動演出)が設定されていることを意味し、オフであれば、データ表示装置連動型の演出が設定されていないことを示す。この連動演出フラグ223peは、主制御装置110から変動パターンコマンドを受信して、当該変動パターンコマンドに応じて変動表示態様を決定する毎に、当該決定した変動表示態様に応じて状態が更新される(図542のS34520A参照)。即ち、データ表示装置連動型の変動表示態様が決定された場合はオンに設定され、決定されなかった場合はオフに設定される。
<第16制御例における主制御装置の制御処理について>
次いで、図523〜図533を参照して、本第16制御例における主制御装置110のMPU201により実行される各種制御処理について説明する。具体的には、本第16制御例では、タイマ割込処理(図523参照)、立ち上げ処理(図532参照)の内容が第13制御例(第1制御例)から変更されている点で相違する。その他の構成については、第13制御例と同一であるので、その詳細な説明については省略する。
まず、図523を参照して、本第16制御例における主制御装置110のMPU201により実行されるタイマ割込処理について説明する。図523は、このタイマ割込処理の内容を示したフローチャートである。本第16制御例におけるタイマ割込処理(図523参照)では、第13制御例(および第1制御例)におけるタイマ割込処理(図156参照)に対して、特別図柄変動処理13(図451参照)が特別図柄変動処理16(図524参照)に変更されている点、および、スルーゲート通過処理(S107)の終了後に、外端出力設定処理(S112A)を実行する点で相違する。詳細については図528から図531を参照して後述するが、外端出力設定処理(S112A)は、パチンコ機10に対して電気的に接続されている所定装置(データ表示装置262、ホールコンピュータ263等)に対して、外部出力端子板261から外部出力する信号の出力を制御するための処理である。なお、その他の処理については、第13制御例(および第1制御例)におけるタイマ割込処理(図156参照)と同一であるので、その詳細な説明については省略する。
次に、図524を参照して、本第16制御例におけるタイマ割込処理(図523参照)の中の一処理である特別図柄変動処理16(S111A)について説明する。図524は、この特別図柄変動処理16(S111A)の内容を示したフローチャートである。この特別図柄変動処理16のうち、S201〜S207、S210〜S218、S220、およびS30219の各処理では、それぞれ第13制御例における特別図柄変動処理13(図450参照)の、S201〜S207、S210〜S218、S220、およびS30219の各処理と同一の処理が実行される。
また、本第16制御例における特別図柄変動処理16(S111A)では、S207又はS213の処理が終了すると、第13制御例における特別図柄判定理13(図450のS30251参照)、および特別図柄変動パターン選択処理13(図450のS30252参照)に代えて、特別図柄判定処理16(S231A)、および特別図柄変動パターン選択処理16(S232A)を実行する。図示については省略したが、本第16制御例における特別図柄判定処理16(S231A)は、上述した第13制御例における特別図柄判定処理13(図451参照)に対して、天井判定処理13(S38051)が削除されている点でのみ相違する。なお、本第16制御例では、第13制御例における天井判定処理13(S38051)に相当する天井判定処理16を、後述する更新処理16(S233A)の中で実行する構成としている。また、図示については省略したが、本第16制御例における特別図柄変動パターン選択処理16(S232A)は、上述した第13制御例における特別図柄変動パターン選択処理13(図454参照)に対して、処理内で参照する各種データテーブルが本第16制御例用のデータテーブル置き換わっている点で相違する。つまり、大当たり種別選択13テーブル202ldに代えて大当たり種別選択16テーブル202pdを参照する点、変動パターン選択13テーブル202lbに代えて変動パターン選択16テーブル202pbを参照する点で相違する。また、本第16制御例では時短種別が1種類(時短回数100回の時短図柄)のみとなっていることに伴って、S8209,S38253の各処理が削除されている点でも相違する。
また、本第16制御例における特別図柄変動処理16(S111A)では、S217の処理において今回の特別図柄の抽選結果が大当たりではないと判別された場合に(S217:No)、第13制御例における更新処理5(図450のS253参照)、および時短設定処理13(図450のS30254参照)に代えて、更新処理16(S233A)、および時短設定処理16(S234A)を実行し、処理をS220へと移行する。この更新処理16(S233A)の詳細については、図525、および図526を参照して後述する。また、時短設定処理16(S234A)の詳細については、図527を参照して後述する。
また、本制御例の特別図柄変動処理16(S111A)では、S220の処理を実行した後に、外部出力端子板261のCN4から図柄停止信号が1秒間出力される(CN4の出力が1秒間H出力になる)ように設定し(S235A)、本処理を終了する。
次いで、図525を参照して、本第16制御例における主制御装置110のMPU201により実行される特別図柄変動処理16(図524参照)の中の一処理である更新処理16(S233A)について説明する。図525は、この更新処理16(S233A)の内容を示したフローチャートである。
この更新処理16(S233A)のうち、S8301〜S8307の各処理では、それぞれ第13制御例(および第5制御例)における更新処理5(図256参照)のS8301〜S8307の各処理と同一の処理が実行される。また、本第16制御例における更新処理16(S233A)では、S8306の処理を実行した後に、天井時短フラグ203paがオンであるか否かを判別し(S8311A)、天井時短フラグ203paがオンであると判別した場合には(S8311A:Yes)、天井時短フラグ203paをオフに設定し(S8312A)、次いで、大当たり3信号(CN9)を0.2秒間出力するように設定して(S8313A)、処理をS8307へと移行する。一方、S8311Aの処理において、天井時短フラグ203paがオンではない(即ち、オフである)と判別した場合には(S8311A:No)、S8312A、およびS8313Aの処理をスキップして、そのまま処理をS8307へと移行する。
また、本第16制御例における更新処理16(図525参照)では、S8307の処理が終了した後に、天井判定処理16を実行し(S8314A)、本処理を終了する。この天井判定処理16(S8314A)は、上述した第13制御例における天井判定処理13(図452参照)と同様に、特図抽選カウンタ203laの値を更新して、天井抽選回数に対応するカウンタ値(抽選回数)に到達した場合に第3時短状態を設定するための処理である。この天井判定処理16(S8314A)について、図526を参照して説明する。図526は、この天井判定処理16(S8314A)の内容を示したフローチャートである。
この天井判定処理16(S8314A)のうち、S38101〜S38105の各処理では、それぞれ第13制御例における天井判定処理13(図452参照)のS38101〜S38105の各処理と同一の処理が実行される。また、本第16制御例における天井判定処理16(S8314A)では、S38104の処理において、特図抽選カウンタ203laの値が500であると判別した場合に(S38104:Yes)、時短カウンタ203hに100を設定し(S38111A)、遊技状態格納エリア203gに第3時短状態を示すデータを設定し(S38112A)、今回の時短抽選に関する情報をクリアし(S38113A)、第3時短状態を示す情報と時短回数を示す情報とを含む状態コマンドを設定し(S38114A)、特図抽選カウンタ203laの値をクリアする(S38115A)。S38115Aの処理の後に、天井時短フラグ203paをオンにし(S38116A)、大当たり3信号(CN9)を0.2秒間出力するように設定して(S38117A)、本処理を終了する。
つまり、上述した第13制御例では、変動開始時に天井抽選回数に到達したか否かを判別し、天井抽選回数に到達した場合に、変動停止時に第3時短状態を設定する処理を実行する構成としていたが、本第16制御例では、変動停止時に天井判定処理16(図526参照)を実行して、天井抽選回数に到達したか否かの判別、および第3時短状態の設定をまとめて行う構成としている。このように構成することで、制御処理を簡素化することができる。
次いで、図527を参照して、本第16制御例における主制御装置110のMPU201により実行される特別図柄変動処理16(図524)の一処理である時短設定処理16(S234A)について説明する。図527は、この時短設定処理16(S234A)の内容を示したフローチャートである。
この時短設定処理16(S234A)のうち、S8351〜S8354の各処理では、それぞれ第13制御例における時短設定処理13(図455参照)のS8351〜S8354の各処理と同一の処理が実行される。また、本第16制御例における時短設定処理16(S234A)では、まず、時短カウンタ203hの値が100であるか否かを判別する(S8361A)。S8361Aの処理において、時短カウンタ203hの値が100であると判別した場合は(S8361A:Yes)、この時短設定処理16(図527参照)の前に実行された天井判定処理16(図526参照)において天井抽選回数に到達したことに基づいて第3時短状態が設定されていたことを意味するため、時短当選により重複して時短状態が設定されることを避けるため、そのまま本処理を終了する。一方、S8361Aの処理において、時短カウンタ203hの値が100ではないと判別した場合は(S8361A:No)、S8351の処理へと移行する。
次いで、図528(a)を参照して、本第16制御例における主制御装置110のMPU201により実行されるタイマ割込処理(図523)の一処理である外端出力設定処理(S112A)について説明する。図528(a)は、この外端出力設定処理(S112A)の内容を示したフローチャートである。この外端出力設定処理(S112A)では、まず、パチンコ機10に各種異常が発生しているか否かを判別し、異常が発生している場合に外部出力端子板261から異常(エラー)を示す信号を外部出力するためのエラー信号処理を実行し(S121A)、次いで、アウト球の検出個数を監視して特定個数毎にアウト球検出信号を外部出力端子板261から外部出力するためのアウト球検出信号処理を実行する(S122A)。アウト球検出信号処理(S122A)が終了すると、次いで、第1入球口64や第2入球口640への始動入賞を監視して、始動入賞を検出した場合に始動口信号を外部出力端子板261から外部出力するための始動口信号処理を実行し(S123A)、次いで、内枠12および前面枠14の開閉状態を監視して、開閉状態を示す信号を外部出力端子板261から外部出力するための開放信号処理を実行して(S124A)、本処理を終了する。各処理の詳細な説明については、図528(b)、図529〜図531を参照して後述する。
次に、図528(b)を参照して、外端出力設定処理(図528参照)の1処理であるエラー信号処理(S121A)について説明する。図528は、エラー信号処理(S121A)を示したフローチャートである。このエラー信号処理(S121A)では、まず、各種エラー(磁気異常、電波異常、スイッチ異常、異常入賞等)を検出したかどうかを判別し(S131A)、各種エラーを検出した場合には(S131A:Yes)、次いで、セキュリティ信号(CN11)の出力を開始し(S132A)、本処理を終了する。一方、S131Aの処理において、各種エラーを検出していない場合には(S131A:No)、そのまま本処理を終了する。各種エラーを検出している場合は、時間の定めなくセキュリティ信号が出力され続けるため、ホールコンピュータ263において、エラーの発生を報知させ続けることができる。よって、各種エラーの発生をホールの店員等に確実に認識させることができるので、各種エラーを迅速に解消させることができる。
次に、図529を参照して、外端出力設定処理(図528参照)の1処理であるアウト球検出信号処理(S122A)について説明する。図529は、アウト球検出信号処理(S122A)を示したフローチャートである。このアウト球検出信号処理(S122A)は、アウト球の検出個数を監視して、アウト球が特定個数検出される毎にアウト球検出信号(CN2)の出力を設定するための処理である。
このアウト球検出信号処理(S122A)では、まず、アウト口66へと入球した遊技球(アウト球)があるか否かを判別し(S141A)、アウト球があると判別した場合は(S141A:Yes)、アウト球カウンタ203pbの値に1を加算する(S142A)。次いで、加算後のアウト球カウンタ203pbの値が10であるか否かを判別し(S143A)、10であると判別した場合は(S143A:Yes)、アウト球カウンタ203pbの値に0を設定することでアウト球カウンタ203pbを初期化し(S144A)、アウト球検出信号(CN6)がH出力の状態であるか否かを判別する(S145A)。
S145Aの処理において、アウト球検出信号(CN6)がH出力の状態であると判別した場合は(S145A:Yes)、現在出力中のアウト球検出信号(CN6)のH出力期間が終了し、所定期間(0.2秒間)が経過してから、今回検出した10球目のアウト球に対応するアウト球検出信号の出力を設定するための処理を行う。具体的には、現在H出力状態に設定されているアウト球検出信号(CN6)がL出力状態となるまでの残りの期間を取得する(S147A)。そして、取得した残り期間に基づいて、今回検出した10球目のアウト球に対応して出力するアウト球検出信号に対して遅延時間を設定し(S148A)、本処理を終了する。例えば、H出力中のアウト球検出信号(CN6)がL出力状態となるまでの残り期間が0.1秒であると判別した場合は、次にアウト球検出信号(CN6)をH出力の状態とするまでの遅延時間として、0.3秒(H出力の状態の残り期間0.1秒間+L出力期間0.2秒間)を設定する。このように、0.2秒間のL期間を設定することにより、短期間に連続的にアウト球を検出したとしても、アウト球検出信号(CN2)がH出力の状態に設定された回数を所定装置(ホールコンピュータ263等)が正確に把握することができる。
一方、S145Aの処理において、アウト球検出信号(CN6)がH出力の状態でない(即ち、L出力の状態である)と判別した場合は(S145A:No)、アウト球検出信号(CN6)が0.2秒間H出力の状態となるように設定して(S146A)、本処理を終了する。なお、アウト球検出信号(CN6)がL出力の状態であっても(S145A:No)、L出力の状態に設定されてから0.2秒以内である場合には、L出力の状態を0.2秒間継続させた後でH出力の状態とするように設定する。このように、各H出力期間の間に最低0.2秒間のL期間を確保することで、短期間に連続的にアウト球を検出したとしても、アウト球検出信号(CN6)がH出力の状態に設定された回数をホールコンピュータ263等のパチンコ機10に電気的に接続されている所定装置が正確に把握することができる。
S141Aの処理において、アウト球が検出されなかった場合(S141A:No)、および、S143Aの処理において、アウト球カウンタ203pbの値が10未満であった場合には(S143A:No)、処理をS149Aへと移行する。このS149Aの処理では、H出力状態の設定を遅延させている検出結果が存在するか否かを判別する(S149A)。
そして、H出力の設定を遅延させている検出結果が存在しないと判別した場合は(S149A:No)、本処理を終了する。一方、H出力の設定を遅延させている検出結果が存在すると判別した場合は(S149A:Yes)、設定されている遅延期間が経過したか否かを判別し(S150A)、遅延期間を経過していないと判別した場合は(S150A:No)、そのまま本処理を終了する。S150Aの処理において、遅延期間を経過したと判別した場合は(S150A:Yes)、アウト球検出信号(CN6)をH出力の状態に設定し(S151A)、本処理を終了する。
次いで、図530を参照して、外端出力信号処理(図528(a)参照)の1処理である始動口信号処理(S123A)について説明する。図530は、始動口信号処理(S123A)を示したフローチャートである。この始動口信号処理(S123A)は、各始動口(第1入球口64、第2入球口640)への始動入賞を監視して、始動入賞を検出する毎に始動口信号(CN5)の出力を設定するための処理である。
この始動口信号処理(S123A)では、まず、第1入球口64又は第2入球口640への入賞(始動入賞)を検出したか否かを判別する(S161A)。具体的には、タイマ割込処理(図523参照)のスイッチ読み込み処理(S101)において保存された各種スイッチの検出情報を読み出して、第1入球口64又は第2入球口640への入賞を示す検出情報が記憶されているか否かを判別する。
S161Aの処理において、第1入球口64又は第2入球口640への入賞を検出したと判別した場合は(S161A:Yes)、次いで、始動口信号(CN5)の状態がH出力の状態であるか否かを判別し(S162A)、H出力の状態であると判別した場合は(S162A:Yes)、現在出力中の始動口信号(CN5)のH出力期間が終了し、所定期間(0.2秒間)が経過してから、今回検出した始動入賞に対応する始動口信号の出力を設定するための処理を行う。具体的には、現在H出力状態に設定されている始動口信号(CN5)がL出力状態となるまでの残りの期間を取得する(S164A)。そして、取得した残り期間に基づいて、今回検出した始動入賞に対応して出力する始動口信号に対して遅延時間を設定し(S165A)、本処理を終了する。例えば、H出力中の始動口信号(CN5)がL出力状態となるまでの残り期間が0.1秒であると判別した場合は、次に始動口信号(CN5)をH出力の状態とするまでの遅延時間として、0.3秒(H出力の状態の残り期間0.1秒間+L出力期間0.2秒間)を設定する。このように、0.2秒間のL期間を設定することにより、短期間で連続的に始動入賞を検出したとしても、始動口信号(CN5)がH出力の状態に設定された回数をホールコンピュータ263等のパチンコ機10に電気的に接続されている所定装置が正確に把握することができる。
一方、S162Aの処理において、始動口信号(CN5)がH出力の状態でない(即ち、L出力の状態である)と判別した場合は(S162A:No)、始動口信号(CN5)が0.2秒間H出力の状態となるように設定して(S163A)、本処理を終了する。なお、始動口信号(CN5)がL出力の状態であっても(S162A:No)、L出力の状態に設定されてから0.2秒以内である場合には、L出力の状態を0.2秒間継続させた後でH出力の状態とするように設定する。このように、各H出力期間の間に最低0.2秒間のL期間を確保することで、短期間に連続的に始動入賞を検出したとしても、始動口信号(CN5)がH出力の状態に設定された回数を外部装置が正確に把握することができる。
S161Aの処理において、始動入賞が検出されなかった場合は(S161A:No)、H出力状態の設定を遅延させている検出結果が存在するか否かを判別する(S166A)。そして、H出力の設定を遅延させている検出結果が存在しないと判別した場合は(S166A:No)、本処理を終了する。一方、H出力の設定を遅延させている検出結果が存在すると判別した場合は(S166A:Yes)、設定されている遅延期間が経過したか否かを判別し(S167A)、遅延期間を経過していないと判別した場合は(S167A:No)、そのまま本処理を終了する。一方、S167Aの処理において、遅延期間を経過したと判別した場合は(S167A:Yes)、始動口信号(CN5)をH出力の状態に設定し(S168A)、本処理を終了する。
次いで、図531を参照して、外端出力信号処理(図528(a)参照)の1処理である開放信号処理(S124A)について説明する。図531は、開放信号処理(S124A)を示したフローチャートである。この開放信号処理(S124A)は、上述した通り、内枠12および前面枠14の開閉状態を示す内枠開放信号(CN2)、および扉開放信号(CN3)の出力を設定するための処理である。
この開放信号処理(S124A)では、まず、内枠12が開放されたか否かを判別し(S171A)、内枠12が開放されたと判別した場合は(S171A:Yes)、内枠開放信号(CN2)をH出力の状態に設定して(S172A)、本処理を終了する。一方、S171Aの処理において、内枠12が開放されたことを検出しなかった場合は(S171A:No)、次いで、内枠12が閉鎖されたことを検出したか否かを判別し(S173A)、内枠12が閉鎖されたと判別した場合は(S173A:Yes)、H出力の状態に設定されている内枠開放信号(CN2)をL出力の状態に設定し(S174A)、本処理を終了する。
S173Aの処理において、内枠12が閉鎖されたことを検出しなかった場合は(S173A:No)、次いで、前面枠14が開放されたことを検出したか否かを判別する(S175A)。S175Aの処理の結果、前面枠14が開放されたと判別した場合は(S175A:Yes)、扉開放信号(CN3)をH出力の状態に設定して(S176A)、本処理を終了する。一方、前面枠14が開放されたことを検出しなかった場合は(S175A:No)、次いで、前面枠14が閉鎖されたことを検出したか否かを判別し(S177A)、閉鎖されたと判別した場合は(S177A:Yes)、H出力の状態に設定されている扉開放信号(CN3)をL出力の状態に設定し(S178A)、本処理を終了する。また、S177Aの処理において、前面枠14が閉鎖されたことを検出しなかった場合は(S177A:No)、そのまま本処理を終了する。
このように、本第16制御例のパチンコ機10では、タイマ割込処理(図523参照)の実行間隔である2msおきに、外端出力信号処理(図528(a)参照)が実行され、パチンコ機10の遊技の状況に応じた情報が、外部出力端子版261よりホールコンピュータ263等の所定装置に対して出力される。ホールコンピュータ263等の所定装置は、外部出力端子版261から出力された情報に基づいて、パチンコ機10の遊技の状況をリアルタイムで把握することができる。これにより、各パチンコ機10の出玉率や稼働状況、異常や不正行為の有無等を正確に管理することができる。
次に、図532を参照して、主制御装置110に電源が投入された場合に主制御装置110内のMPU201により実行される立ち上げ処理について説明する。図532は、この立ち上げ処理の内容を示したフローチャートである。
この立ち上げ処理のうち、S1701〜S1714、S31701およびS31702の各処理では、それぞれ第13制御例における立ち上げ処理(図457参照)のS1701〜S1714、S31701およびS31702の各処理と同一の処理が実行される。また、本制御例の立ち上げ処理では、S1709の処理を実行した後、電源投入時(立ち上げ時)のパチンコ機10の状態を示す各種データを外部出力端子板261から所定装置に対して出力するための立ち上げ時信号出力処理を実行し(S1721A)、処理をS31701へと移行する。この立ち上げ時信号出力処理(S1721A)の詳細について、図533を参照して説明する。図533は、立ち上げ時信号出力処理(S1721A)を示したフローチャートである。
この立ち上げ時信号出力処理(S1721A)では、まず、セキュリティ信号(CN11)を0.2秒間出力するように設定し(S1731A)、次いで、大当たり中フラグ203kがオンであるか否かを判別する(S1732A)。S1732Aの処理において、大当たり中フラグ203kがオンであると判別した場合は(S1732A:Yes)、現在が大当たり遊技の実行中であることを意味するため、大当たり1信号(CN7)、大当たり3信号(CN9)の出力を開始することで大当たり遊技の実行中であることを所定装置に対して通知して(S1733A)、S1734Aの処理へと移行する。一方、S1732Aの処理において、大当たり中フラグ203kがオンではない(即ち、オフである)と判別した場合は(S1732A:No)、大当たり遊技の実行中ではない(通常遊技中である)ことを意味するため、S1733Aの処理をスキップして、処理をS1734Aへと移行する。
S1734Aの処理では、確変カウンタ203iの値が1以上であるか否かを判別し(S1734A)、1以上であると判別した場合は(S1734A:Yes)、処理をS1736Aへと移行する。一方、S1734Aの処理において、確変カウンタ203iの値が1以上ではない(即ち、0である)と判別した場合は(S1734A:No)、時短カウンタ203hの値が1以上であるか否かを判別し(S1735A)、1以上ではない(即ち、0である)と判別した場合は(S1735A:No)、そのまま本処理を終了する。一方、S1735Aの処理において、時短カウンタ203hの値が1以上であると判別した場合には(S1735A:Yes)、処理をS1736Aへと移行する。確変カウンタ203iの値と時短カウンタ203hとの一方の値が1以上である(即ち、普通図柄の時短状態に設定される遊技状態である)と判別した場合に実行されるS1736Aの処理では、大当たり2信号(CN8)の出力を開始する(S1736A)。S1736Aの処理が終了すると、次いで、天井時短フラグ203paがオンであるか否かを判別し(S1737A)、天井時短フラグ203paがオンである(つまり、現在が天井抽選回数到達に基づいて設定された第3時短状態である)と判別した場合には(S1737A:Yes)、大当たり3信号(CN9)を0.2秒間出力するように設定し(S1738A)、本処理を終了する。一方、S1737Aの処理において、天井時短フラグ203paがオンではない(即ち、オフである)と判別した場合には(S1737A:No)、S1738Aの処理をスキップし、本処理を終了する。S1738Aの処理で第3時短状態である場合にのみ大当たり3信号(CN9)を0.2秒間出力する構成とすることで、電源投入時(立ち上げ時)の遊技状態が大当たり終了後に設定された普通図柄の時短状態であるのか、天井抽選回数到達に基づいて設定された普通図柄の時短状態であるのかを、所定装置に対して容易に把握させることができる。
<第16制御例における音声ランプ制御装置により実行される制御処理について>
次に、図534から図542を参照して、本第16制御例における音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される各制御処理を説明する。本第16制御例では、上述した第13制御例に対して、メイン処理の内容が変更された点と、演出設定処理13(図462参照)の1処理である通常モード用演出設定処理16の内容が変更された点で相違し、それ以外は同一である。同一の処理内容については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。なお、上述した各制御例、及び各制御例において説明をした内容と同一の要素について詳細な説明を省略している箇所については、上述した各制御例、及び各制御例において説明をした内容が適応されるものである。また、上述した各制御例、及び各制御例において説明をした技術思想については、本第16制御例にも当然適用されるものであり、上述した各制御例、及び各制御例において説明をした変形例や追加例についても本第16制御例に当然適用されるものである。
まず、図534を参照して、本第16制御例における音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理について説明をする。図534は、このメイン処理の内容を示したフローチャートである。本第16制御例におけるメイン処理(図534参照)では、第13制御例(および第1制御例)におけるメイン処理(図174参照)に対して、演出更新処理(図174参照)に代えて演出更新処理16(S4121A)が実行される点、およびコマンド判定処理(図174参照)に代えてコマンド判定処理16(S4122A)が実行される点でのみ相違する。その他の処理については、第13制御例(および第1制御例)と同一であるので、その詳細な説明については省略する。
まず、図535を参照して、メイン処理の中の1処理である演出更新処理16(S4121A)について説明する。図535は、この演出更新処理16(S4121A)を示したフローチャートである。この演出更新処理16(S4121A)では、まず、特別図柄の変動表示演出が実行中であるか否かを判別し(S4151A)、変動表示演出の実行中ではないと判別した場合は(S4151A:No)、そのまま本処理を終了する。一方、変動表示演出の実行中であると判別した場合は(S4151A:Yes)、次いで、特図抽選回数カウンタ223lcの値が500であるか否かを判別し(S4152A)、特図抽選回数カウンタ223lcの値が500ではないと判別した場合には(S4152A:No)、次いで、現在実行中の変動表示演出において報知される特別図柄の抽選結果が時短図柄であるか否かを判別する(S4153A)。S4153Aの処理において、特図の抽選結果が時短図柄ではないと判別した場合には(S4153A:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、S4153の処理において、実行中の変動表示演出に対応する抽選結果が時短図柄であると判別した場合(S4153A:Yes)、およびS4152Aの処理において、特図抽選回数カウンタ223lcの値が500であると判別した場合には(S4152A:Yes)、次いで、特別図柄の抽選結果が大当たりに対応する抽選結果であるか否かを判別する(S4154A)。S4154Aの処理において、抽選結果が大当たりに対応する抽選結果であると判別した場合は(S4154A:Yes)、そのまま本処理を終了する。一方、S4154Aの処理において、抽選結果が大当たりに対応する抽選結果ではないと判別した場合は(S4154A:No)、実行中の変動表示演出の残変動時間が5秒であるか否かを判別し(S4155A)、特図の残変動時間が5秒ではないと判別した場合には(S4155A:No)、そのまま本処理を終了する。
これに対し、S4155Aの処理において、実行中の変動表示演出の残変動時間が5秒であると判別した場合には(S4155A:Yes)、普通図柄の残変動時間が10秒以上であるか否かを普図変動時間タイマ223pdの値を参照して判別し(S4156A)、普通図柄の残変動時間が10秒以上ではないと判別した場合には(S4156A:No)、そのまま本処理を終了する。一方、S4156Aの処理において、普通図柄の残変動時間が10秒以上であると判別した場合には(S4156A:Yes)、現在実行中の変動表示演出が表示装置連動型演出を伴う変動表示態様であるか否かを判別し(S4157A)、表示装置連動型演出を伴う変動表示態様ではないと判別した場合には(S4157A:No)、変動表示態様を表示装置連動型の時短発動演出に書き替えて(S4158A)、時短発動煽り演出の演出期間を普通図柄の残変動時間に設定し(S4159A)、本処理を終了する。一方、S4157Aの処理において、実行中の変動表示演出が表示装置連動型演出を伴う変動表示態様であると判別した場合には(S4157A:Yes)、そのまま本処理を終了する。
このように、本第16制御例では、時短状態へと移行した後で5秒以上の比較的長い時間、普通図柄の変動が実行され続ける(右打ちしても第2入球口640へと遊技球を入球させることができない期間が比較的長く継続する)と変動終了の5秒前に判別した場合は、時短状態へと移行することを報知するタイミングを遅らせる構成としている。つまり、実際に時短状態の恩恵が得られる状態となってから(右打ちにより第2入球口640へと遊技球を入球させることが可能となってから)、時短発動演出を実行する構成としている。これにより、普通図柄の変動中に遊技者が無駄に右打ちを行ってしまうことを抑制することができる。
次に、図536を参照して、メイン処理の1処理であるコマンド判定処理16(S4122A)について説明する。図536は、このコマンド判定処理16(S4122A)を示したフローチャートである。このコマンド判定処理16(S4122A)のうち、S4201、S4203〜S4211、S4213、S4214、S4217およびS4219の各処理では、それぞれ第13制御例におけるコマンド判定処理13(図458参照)のS4201、S4203〜S4211、S4213、S4214、S4217およびS4219の各処理と同一の処理が実行される。また、本制御例のコマンド判定処理16(S4122A)では、S4201の処理において、状態コマンドを受信したと判別した場合には(S4201:Yes)、第13制御例における状態コマンド受信処理13(図459参照)に代えて状態コマンド受信処理16を実行し(S4221A)、本処理を終了する。この状態コマンド受信処理16(S4221A)の詳細については、図537を参照して後述する。
また、本第16制御例におけるコマンド判定処理16(図536参照)では、S4211の処理において、入賞コマンドを受信したと判別した場合に(S4211:Yes)、第13制御例(および第1制御例)における入賞コマンド処理(図177参照)に代えて入賞コマンド処理16を実行し(S4222A)、本処理を終了する。また、本第16制御例におけるコマンド判定処理16(図536参照)では、S4217の処理において、大当たり関連コマンドを受信したと判別した場合に(S4217:Yes)、上述した第13制御例(および第1制御例)における大当たり関連処理(図180参照)に代えて大当たり関連処理16を実行し(S4223A)、本処理を終了する。
一方、S4217の処理において、大当たり関連のコマンドを受信していないと判別した場合は(S4217:No)、次いで、普通図柄の抽選関連のコマンドを受信したか否かを判別する(S4224A)。S4224Aの処理において、普通図柄の抽選関連のコマンドを受信したと判別した場合には(S4224A:Yes)、普通図柄の抽選関連のコマンドの種別に応じた制御を実行するための普図関連処理を実行し(S4225A)、本処理を終了する。一方、S4224Aの処理において、普通図柄の抽選関連のコマンドを受信していないと判別した場合には(S4224A:No)、処理をS4219へと移行する。なお、入賞コマンド処理16(S4222A)、大当たり関連処理16(S4223A)および普図関連処理(S4225A)の詳細については、図538、図539および図541を参照して後述する。
次に、図537を参照して、コマンド判定処理16(図536参照)の中の1処理である状態コマンド受信処理16(S4221A)について説明する。図537は、この状態コマンド受信処理16(S4221A)を示したフローチャートである。
この状態コマンド受信処理16(S4221A)のうち、S9001、S9002、S9092およびS9093の各処理では、それぞれ上述した第13制御例における状態コマンド受信処理13(図459参照)のS9001、S9002、S9092およびS9093の各処理と同一の処理が実行される。また、本第16制御例における状態コマンド受信処理16(S4221A)では、S9092の処理が終了すると、次いで、受信した状態コマンドにより通常状態への変更が通知されたか否かを判別する(S9011A)。
S9011Aの処理において、通常状態への変更が通知されたと判別した場合には(S9011A:Yes)、先読み抑制フラグ223pcがオンであるか否かを判別し(S9012A)、先読み抑制フラグ223pcがオンであると判別した場合には(S9012A:Yes)、先読み抑制フラグ223pcをオフに設定し(S9013A)、処理をS9093へと移行する。一方、S9011Aの処理において、通常状態への変更が通知されていないと判別した場合(S9011A:No)、および、S9012Aの処理において、先読み抑制フラグ223pcがオンではない(即ち、オフである)と判別した場合には(S9012A:No)、処理をS9093へと移行する。
また、本第16制御例における状態コマンド受信処理16(図537参照)では、S9093の処理において、特図抽選カウンタ203laの値を示す情報があると判別した場合に(S9093:Yes)、受信した値に対応する値を特図抽選回数カウンタ223lcの値に設定し(S9014A)、ボーナス間カウンタ223pa、ボーナス履歴格納エリア223pbのデータを更新して(S9015A)、本処理を終了する。一方、S9093の処理において、特図抽選カウンタ203laの値を示す情報が通知されていないと判別した場合には(S9093:No)、そのまま本処理を終了する。
次に、図538を参照して、コマンド判定処理16(図536参照)の1処理である入賞コマンド処理16(S4222A)について説明する。図538は、この入賞コマンド処理16(S4222A)を示したフローチャートである。
この入賞コマンド処理16(S4222A)のうち、S4401およびS4413の各処理では、それぞれ第13制御例(および第1制御例)における入賞コマンド処理(図177参照)のS4401およびS4413の各処理と同一の処理が実行される。また、本第16制御例における入賞コマンド処理16(S4222A)では、S4401の処理を実行後、今回の入賞情報コマンドにより通知された入賞情報が第1特別図柄の入賞情報であるか否かを判別し(S4421A)、第1特別図柄の入賞情報であると判別した場合には(S4421A:Yes)、先読み抑制フラグ223pcがオンであるか否かを判別し(S4422A)、先読み抑制フラグ223pcがオンであると判別した場合には(S4422A:Yes)、そのまま本処理を終了する。一方、S4421Aの処理において、特図1の入賞情報ではないと判別した場合(S4421A:No)、および、S4422Aの処理において、先読み抑制フラグ223pcがオンではない(即ち、オフである)と判別した場合には(S4422A:No)、処理をS4423Aへと移行する。
S4423Aの処理では、保留態様選択テーブル222pa(図521参照)を読み出して(S4423A)、次に、抽選対象の入賞情報が示す変動種別に応じて今回の入賞情報に対応する保留球数図柄の表示態様を特定し(S4424A)、特定した表示態様の保留球数図柄の表示を設定し(S4425A)、特図抽選回数カウンタ223lcの値と特別図柄保留球数カウンタ223cの値との和が500であるか否かを判別する(S4426A)。
S4426Aの処理において、特図抽選回数カウンタ223lcの値と特別図柄保留球数カウンタ223cの値との和が500ではないと判別した場合には(S4426A:No)、処理をS4413へと移行する。一方、S4426Aの処理において、特図抽選回数カウンタ223lcの値と特別図柄保留球数カウンタ223cの値との和が500であると判別した場合には(S4426A:Yes)、入賞情報格納エリア223bに大当たりに対応する入賞情報があるかを判別し(S4427A)、入賞情報格納エリア223bに大当たりに対応する入賞情報がないと判別した場合には(S4427A:No)、天井抽選回数に到達することを意味し、第3時短状態が設定されることを意味するので、先読み抑制フラグ223pcをオンに設定し(S4428A)、処理をS4413へと移行する。
一方、S4427Aの処理において、入賞情報格納エリア223bに大当たりに対応する入賞情報があると判別した場合には(S4427A:Yes)、第3時短状態が設定されることなく大当たり遊技が実行されることを意味するため、S4428Aの処理をスキップし、S4413へと移行する。
この入賞コマンド処理16(図538参照)を実行することにより、天井抽選回数目に抽選が実行される外れに対応する保留球を獲得した時点で、先読み抑制フラグ223pcをオンにしておくことができるので、その後に第1特別図柄の保留球を獲得したとしても、先読み演出(保留変化演出)が実行されることを抑制することができる。これにより、第3時短状態へと移行した後で消化される第1特別図柄の保留球数図柄の表示態様に応じて、当該第1特別図柄の保留球に対応する抽選を第3時短状態の間に実行させるか否かを調節させる変則的な遊技方法に対する抑制を図ることができる。
次に、図539を参照して、コマンド判定処理16(図536参照)の1処理である大当たり関連処理16(S4223A)について説明する。図539は、大当たり関連処理16(S4223A)を示したフローチャートである。
この大当たり関連処理16(S4223A)のうち、S4701、S4709、S4710、S4714およびS4715の各処理では、それぞれ第13制御例(および第1制御例)における大当たり関連処理(図180参照)のS4701、S4709、S4710、S4714およびS4715の各処理と同一の処理が実行される。また、本第16制御例における大当たり関連処理16(S4223A)では、S4701の処理において、大当たり開始コマンドを受信したと判別した場合には(S4701:Yes)、連動演出フラグ223peがオンであるか否かを判別し(S4721A)、連動演出フラグ223peがオンではない(即ち、オフである)と判別した場合には(S4721A:No)、大当たり種別に応じたオープニング演出を示す表示用オープニングコマンドを設定し(S4722A)、処理をS4724Aへと移行する。一方、S4721Aの処理において、連動演出フラグ223peがオンであると判別した場合には(S4721A:Yes)、データ表示装置連動型の大当たり報知演出を示す表示用オープニングコマンドを設定し(S4723A)、処理をS4724へと移行する。
S4722A、またはS4723Aの処理後に実行されるS4724Aの処理では、ボーナス間カウンタ223paの値をリセットし(S4723A)、次に、今回開始される大当たりが特殊大当たりであるか否かを判別し(S4725A)、特殊大当たりであると判別した場合には(S4725A:Yes)、ボーナス履歴格納エリア223pbに今回の特殊大当たりの当選情報を格納し(S4726A)、本処理を終了する。一方、特殊大当たりではないと判別した場合には(S4725A:No)、ボーナス履歴格納エリア223pbに通常ボーナスの当選情報を格納し(S4727A)、本処理を終了する。
また、第13制御例(および第1制御例)における大当たり関連処理(図180参照)のS4711〜S4713の処理は、本制御例では削除している。S4714の処理において、エンディングコマンドを受信しなかったと判別した場合には(S4714:No)、小当たり関連のコマンドを受信したかを判別し(S4728A)、小当たり関連のコマンドを受信したと判別した場合には(S4728A:Yes)、小当たり関連の各種コマンドの種別に応じた制御を行うための小当たり関連処理を実行し(S4729A)、本処理を終了する。一方、小当たり関連のコマンドを受信していないと判別した場合には(S4728A:No)、本処理を終了する。なお、小当たり関連処理(S4729A)の詳細については、図540を参照して後述する。
次に、図540を参照して、大当たり関連処理16(図539参照)の1処理である小当たり関連処理(S4729A)について説明する。図540は、この小当たり関連処理(S4729A)を示したフローチャートである。
この小当たり関連処理(S4729A)では、まず、小当たり開始コマンドを受信したか否かを判別し(S4751A)、小当たり開始コマンドを受信したと判別した場合には(S4751A:Yes)、小当たりのオープニング演出を示す表示用小当たり開始コマンドを設定し(S4752A)、ボーナス間カウンタ223paの値をリセットし(S4753A)、ボーナス履歴格納エリア223pbに今回の小当たりの当選情報を格納して(S4754A)、本処理を終了する。
一方、S4751Aの処理において、小当たり開始コマンドを受信していないと判別した場合には(S4751A:No)、次いで、小当たり用エンディングコマンドを受信したかを判別し(S4755A)、小当たり用エンディングコマンドを受信していないと判別した場合には(S4755A:No)、本処理を終了する。一方、小当たり用エンディングコマンドを受信したと判別した場合には(S4755A:Yes)、小当たりのエンディング演出を示す表示用小当たりエンディングコマンドを設定し(S4756A)、本処理を終了する。
次に、図541を参照して、コマンド判定処理16(図536参照)の1処理である普図関連処理(S4225A)について説明する。図541は、普図関連処理(S4225A)を示したフローチャートである。
この普図関連処理(S4225A)では、まず、普図変動パターンコマンドを受信したか否かを判別し(S4251A)、普図変動パターンコマンドを受信したと判別した場合には(S4251A:Yes)、通知された普図変動パターンに対応する変動時間を普図変動時間タイマ223pdに設定し(S4252A)、本処理を終了する。一方、S4251Aの処理において、普図変動パターンコマンドを受信していないと判別した場合には(S4251A:No)、その他のコマンドに応じた処理を実行し(S4253A)、本処理を終了する。
次に、図542を参照して、演出態様設定処理13(図462参照)の中で第13制御例における通常モード用演出設定処理13(図463参照)に代えて実行される通常モード用演出設定処理16(S34421A)について説明する。図542は、この通常モード用演出設定処理16(S34421A)を示したフローチャートである。
この通常モード用演出設定処理16(S34421A)は、第13制御例における通常モード用演出設定処理13(図463参照)と同様に、通常モードにおける変動表示態様を決定するために実行される処理である。本第16制御例における通常モード用演出設定処理16(S34421A)では、まず、時短示唆演出選択テーブル222pbを読み出し(S34511A)、特図抽選回数カウンタ223lcの値とボーナス履歴格納エリア223pbのデータとに対応する示唆演出の演出態様を決定し(S34512A)、特図抽選回数カウンタ223lcの値が500であるか否かを判別する(S34513A)。特図抽選回数カウンタ223lcの値が500ではないと判別した場合には(S34513A:No)、ボーナス履歴格納エリア223pbのデータを読み出し(S34514A)、前回の通常ボーナス後の抽選回数が500であるか否かを判別する(S34515A)。前回の通常ボーナス後の抽選回数が500ではないと判別した場合には(S34515A:No)、最古の小ボーナス後の抽選回数が500であるか否かを判別し(S34516A)、最古の小ボーナス後の抽選回数が500であると判別した場合には(S34516A:Yes)、ボーナス履歴格納エリア223pbから最古の小ボーナスの履歴を削除し(S34517A)、次いで、右打ちを行わないように促す表示態様を設定し(S34518A)、処理をS34519Aへと移行する。
一方、S34513Aの処理において、特図抽選回数カウンタ223lcの値が500であると判別した場合(S34513A:Yes)、およびS34515Aの処理において、前回の通常ボーナス後の抽選回数が500であると判別した場合には(S34515A:Yes)、処理をS34518Aへと移行する。また、S34516Aの処理において、最古の小ボーナス後の抽選回数が500ではないと判別した場合には(S34516A:No)、S34517AおよびS34518Aの処理をスキップし、処理をS34519Aへと移行する。
S34518Aの処理を実行した後、受信した変動パターンに対応した演出態様を決定し(S34519A)、決定した演出態様に応じて連動演出フラグ223peを更新し(S34520A)、本処理を終了する。この通常モード用演出設定処理16(図542参照)を実行することにより、遊技者の視点で天井抽選回数に到達した可能性がある変動表示演出において、右打ちしないように報知する演出を実行することができるので、実際には天井抽選回数に到達していなかったとしても、天井抽選回数に到達していることを期待して遊技を行わせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
<第16制御例におけるデータ表示装置の制御処理について>
次に、図543〜544を参照して、本制御例におけるデータ表示装置262のMPU271によって実行される各種制御処理について説明する。まず、図543を参照して、データ表示装置262のMPU271によって実行されるメイン処理について説明する。図543は、このメイン処理を示したフローチャートである。このメイン処理では、データ表示装置262と電気的に接続されているパチンコ機10から受信した各種信号に基づいて、データ表示部276に表示するデータ(パチンコ機10の遊技の状況に対応するデータ)を更新したり、パチンコ機10の遊技状態に応じて視認態様を可変させる制御を実行するための処理である。
このメイン処理では、まず、初期設定の処理が実行される(S101D)。次いで、表示装置信号受信処理を実行する(S102D)。次に、データ表示装置262のデータ表示部276の表示内容を更新するための表示更新処理を実行する(S103D)。そして、遊技者が入力装置277に対して入力操作を行ったか否かを判別し、入力操作があった場合には当該操作に応じた処理を実行するための操作手段入力監視処理を行う(S104D)。
次に、電源断の発生情報があるか否かを判別し(S105D)、電源断の発生情報があれば(S105D:Yes)、電源断処理を実行し(S107D)、以降は電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。
S105Dの処理において、電源断の発生情報が記憶されていないと判別した場合は(S105D:No)、次いで、S101Hの処理の終了時、または前回のS102Hの処理の開始時から1ms経過したか否かを判別し(S106D)、1msが経過していないと判別した場合は(S106D:No)、処理をS106Dへと戻す。一方、S106Dの処理において、1msが経過したと判別した場合は(S106D:Yes)、S102Dの処理に戻り、S102D〜S104Dの処理が繰り返し実行される。
次に、図544のフローチャートを参照して、メイン処理(図543参照)の中の1処理である表示装置信号受信処理(S102D)について説明を行う。この表示装置信号受信処理(S102D)では、パチンコ機10から受信した各種信号に応じた処理が実行される。
表示装置信号受信処理(S102D)では、まず、パチンコ機10の外部出力端子板261のCN1〜CN11より外部出力信号(H出力の状態の各種信号)を受信したか否かを判別し(S201D)、外部出力信号を受信していなければ(S201D:No)、そのまま本処理を終了してメイン処理(図543参照)へと戻る。
一方、S201Dの処理において、外部出力信号を受信したと判別した場合は(S201D:Yes)、次いで、外部出力信号として電源オン信号を受信した(即ち、CN11が0.2s間のH出力状態となった)か否かを判別する(S202D)。そして、電源オン信号を受信したと判別した場合は(S202D:Yes)、次いで、CN7〜CN9の出力から現在の状態を特定し(S203D)、特定した状態に応じてデータ表示部276、電飾部277の態様を更新し(S204D)、本処理を終了する。
一方、S202Dの処理において、電源オン信号を受信していない(即ち、CN11から0.2のH出力信号を受信していない)と判別した場合は(S202D:No)、電源オン信号以外の信号に応じて各種データカウンタ値を更新し(S205D)、受信した信号に応じてデータ表示部276の表示内容の更新を設定し(S206D)、本処理を終了する。
<第16制御例におけるホールコンピュータの制御処理について>
次に、図545〜547を参照して、本制御例におけるホールコンピュータ263のMPU281によって実行される各種制御処理について説明する。
まず、図545を参照して、ホールコンピュータ263のMPU283によって実行されるメイン処理について説明する。図545は、このメイン処理を示したフローチャートである。メイン処理では、パチンコ機10から受信した各種信号に基づいて、各パチンコ機10の遊技の状況に対応するデータを更新したり、各パチンコ機10に対して異常や不正行為の有無を判別したりする。
このメイン処理では、まず、初期設定の処理を実行する(S101H)。次いで、各パチンコ機10から受信した信号に応じた処理を実行する信号受信処理が行われ(S102H)、次に、ホールコンピュータ263に設けられたディスプレイ287の表示を更新する表示更新処理を実行する(S103H)。そして、ホールコンピュータ263の操作者がホールコンピュータ263の入力装置288に対する入力操作を行ったか否かを判別し、入力操作があった場合には当該操作に応じた処理を実行する操作手段入力監視処理を行う(S104H)。
次に、パチンコ機10に対して電源が投入された場合に、前回の電源断時における遊技状態と、今回の電源投入時における遊技状態とを比較し、異常の有無を判別する復電時比較処理を実行する(S105H)。そして、電源断の発生情報があるか否かを判別し(S106H)、電源断の発生情報があれば(S106H:Yes)、電源断処理を実行し(S108H)、以降は電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。
S106Hの処理において、電源断の発生情報が記憶されていないと判別した場合は(S106H:No)、次いで、1msが経過したか否かを判別し(S107H)、1ms経過していないと判別した場合は(S107H:No)、処理をS107Hに戻す。一方、S107Hの処理において、1msが経過したと判別した場合は(S107H:Yes)、S102Hの処理に戻り、S102H〜S105Hの処理が繰り返し実行される。
次に、図546のフローチャートを参照して、メイン処理(図545参照)の中の1処理である信号受信処理(S102H)について説明を行う。この信号受信処理(S102H)では、パチンコ機10から受信した各種信号に応じた処理が実行される。
信号受信処理(S102H)では、まず、ホールコンピュータ263に接続されているいずれかのパチンコ機10の外部出力端子板261のCN1〜CN11より外部出力信号(H出力の状態の各種信号)を受信したか否かが判別され(S201H)、外部出力信号を受信していなければ(S201H:No)、そのまま本処理を終了してメイン処理(図545参照)へと戻る。
一方、S201Hの処理において、外部出力信号を受信したと判別した場合は(S201H:Yes)、次いで、外部出力信号が出力されたパチンコ機10から電源オン信号を受信した(即ち、CN11から0.2sのH出力信号を受信した)か否かを判別する(S202H)。そして、電源オン信号を受信していない(即ち、CN11から0.2sのH出力信号を受信していない)と判別した場合は(S202H:No)、次いで、電源オフ信号を受信した(即ち、CN11から0.4sのH出力信号を受信した)か否かを判別する(S203H)。S203Hの処理において、電源オフ信号を受信した(即ち、CN11から0.4sのH出力信号を受信した)と判別した場合には(S203H:Yes)、信号を出力したパチンコ機に対応する電断時情報格納エリアに対して現在(電源遮断時)の遊技状態に対応する情報を格納し(S204H)、本処理を終了する。一方、S203Hの処理において、電源オフ信号を受信していない(即ち、CN11から0.4sのH出力信号を受信していない)と判別した場合には(S203H:No)、信号を出力したパチンコ機に対応するデータ格納エリアの情報を更新し(S204H)、本処理を終了する。例えば、ホールに設置されている第1のパチンコ機10(1番台)の大当たり1信号(CN7)がH出力の状態であり、他の外部出力信号がL出力の状態であると判別した場合は、第1のパチンコ機10(1番台)に対応するデータ格納エリアに対して大当たり中であることを示す情報を格納する。なお、外部出力信号を受信したパチンコ機10の種別(台番号)は、ホールコンピュータ263に対する接続端子の種別(外部出力信号を受信した端子の位置)によって特定される。
S202Hの処理において、電源オン信号を受信した(即ち、CN11から0.2sのH出力信号を受信した)と判別した場合は(S202H:Yes)、次いで、外部出力信号を出力したパチンコ機10に対応するデータ格納エリアの立ち上げフラグ(対応するパチンコ機10が電源投入に基づく立ち上げ中であるか否かを示すフラグ)がオンであるか否かを判別する(S206H)。S206Hの処理による判別の結果、立ち上げフラグがオフであると判別した場合は(S206H:No)、外部出力信号を受信したパチンコ機10に対応する復電時情報格納エリアの情報を更新し(S207H)、ディスプレイ287の表示内容の更新を設定し(S208H)、外部出力信号を受信したパチンコ機10に対応する立ち上げフラグをオンに設定して(S209H)、本処理を終了する。
次いで、図547のフローチャートを参照して、復電時比較処理(S105H)について説明する。この復電時比較処理(S105H)は、MPU281によって実行されるメイン処理の中の1処理であり、パチンコ機10に対して電源が投入された場合に、前回の電源断時における遊技状態と、今回の電源投入時における遊技状態とを比較し、異常の有無を判別する処理である。
この復電時比較処理(S105H)では、まず、立ち上げフラグがオンであるか否かを判別し(S301H)、立ち上げフラグがオンではない(即ち、オフである)と判別した場合には(S301H:No)、そのまま本処理を終了する。一方、S301Hの処理において、立ち上げフラグがオンであると判別した場合は(S301H:Yes)、次いで、電断時情報格納エリアの情報と、復電時情報格納エリアの情報とを比較し(S302H)、比較した情報が一致するか否かを判別する(S303H)。
S303Hの処理において、比較した情報が一致しないと判別した場合には(S303H:No)、異常の報知を設定し(S304H)、処理をS305Hへと移行する。一方、S303Hの処理において、比較した情報が一致すると判別した場合には(S303H:Yes)、S304Hの処理をスキップして、処理をS305Hへと移行する。S305Hの処理では、立ち上げフラグをオフに設定し(S305H)、本処理を終了する。
この復電時比較処理(図547参照)を実行することにより、ホールコンピュータ263に接続されているいずれかのパチンコ機10に対して電源が投入されたことによりホールコンピュータ263に対して電源投入信号が出力された場合に、当該パチンコ機10の電源遮断時の遊技状態を示すデータと、今回の電源投入時の遊技状態を示すデータとを比較することができるので、遊技状態が変わっているという異常事態が発生した場合に、そのことをホールコンピュータ263側で電源投入直後に把握することができる。よって、パチンコ機10の電源が遮断されている間に遊技状態を書き替える(例えば、不正に大当たり状態に設定する)等の不正行為に対する抑制を図ることができる。
以上説明した通り、本第16制御例におけるパチンコ機10では、パチンコ機10と電気的に接続されている所定装置(例えば、データ表示装置262)の視認態様に連動させているかのような演出態様の特定演出(データ表示装置連動型演出)を実行可能に構成している。より具体的には、本第16制御例のパチンコ機10では、遊技者に有利な状態(例えば、大当たりや時短状態)となることを報知するための演出の一種として、有利な状態へと移行したことを所定期間秘匿しておき、有利な状態へ移行後に所定契機で所定装置(例えば、データ表示装置262)を視認することを促す演出態様の表示装置連動演出を実行可能に構成している。現在一般的に流通している、接続されているパチンコ機10から受信する各種信号に基づいてパチンコ機10の遊技状況に関する各種データ(大当たり間の抽選回数や大当たり回数、総抽選回数等)を表示するためのデータ表示装置262においては、有利な状態(大当たり遊技状態や確変遊技状態、時短遊技状態等)が設定されている場合に、有利な状態となっていることを文字や装飾ランプの発光等によって報知可能に構成されているものがほとんどであるため、表示装置連動演出を実行することによって、あたかもパチンコ機10とデータ表示装置262とが連動して演出を行っているかのような極めて斬新な演出態様を実現することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
また、本第16制御例では、通常遊技状態において主として実行される第1特別図柄の抽選結果として、ほとんど賞球を得ることができない(ラウンド数が少なく、各ラウンドにおける特定入賞口65aの開放期間も短い)大当たり(特殊大当たり)、および特殊大当たりと共通の特定入賞口65aの開放パターン(特定開閉動作)が設定される小当たりを設ける構成とし、特殊大当たりとなったのか小当たりとなったのかを遊技者が判別困難となるように構成している。これらの抽選結果により、特定入賞口65aが特定開閉動作で開閉される毎に、天井抽選回数に到達する(第3時短状態が付与される)までの抽選回数が特殊大当たり当選によってリセットされた可能性があると遊技者に認識させることができるので、第3時短状態が付与されるまでの残抽選回数(天井抽選回数到達に係る特典付与までの残回数)を遊技者に把握困難とすることができる。よって、残抽選回数を予測させる遊技性を付与することができる。
また、本第16制御例では、天井抽選回数における特別図柄の変動時間を、抽選結果によらず、予め定められた特定期間(30秒間)に固定化することにより、第3時短状態へと移行するのか、天井抽選回数で丁度大当たりに当選したのかを分かり難くする構成としている。このように構成することで、第3時短状態へと移行することに対する期待感をより長く遊技者に対して抱かせ続けることができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
また、本第16制御例では、天井抽選回数に到達する前に保留され、天井抽選回数到達後に設定される第3時短状態において消化される保留球に対する保留変化演出の実行を抑制する構成としている。このように構成することで、第3時短状態へと移行した後に消化される第1特別図柄の保留球を、第2特別図柄の始動入賞を発生させないことで敢えて第3時短状態の間に消化させることで有利度合いを高めようとしたり、逆に、急いで第2特別図柄の保留球を獲得し、その後に第2特別図柄の保留球をきらさないように遊技を行うことにより、第1特別図柄の保留球を敢えて第3時短状態が終了してから消化させることで有利度合いを高めようとする変則的な遊技方法に対する抑制を図ることができる。
また、本第16制御例では、大当たり遊技状態に移行する場合、および第3時短状態に移行する場合に、外部出力端子板261における共通の信号出力チャンネル(CN9)から出力態様を異ならせて信号を出力する構成としている。これにより、信号出力チャンネルの個数を削減することができるので、部品点数の増加によりパチンコ機10の原価率がアップしてしまうことを抑制することができる。ここで、本第16制御例では、大当たり1信号と同様に、大当たり遊技の実行中もCN9をH出力の状態とすることにより、外部出力端子板261を介して電気的に接続されている所定装置(データ表示装置262やホールコンピュータ263)のスペックに応じて受信する情報を選択させることができる。即ち、本パチンコ機10に搭載されている、天井抽選回数到達に基づいて時短状態へと移行させる機能は、大当たりを介さずに有利な遊技状態へと移行させるという非常に特殊な機能であり、所定装置のスペックによっては、天井抽選回数到達に基づく時短状態への移行を正常なものとして取り扱うことができない虞がある。つまり、大当たりを示す信号を受信せずに時短状態を示す信号が受信されると、不正により大当たりを介さずに時短状態に移行されたと判別されたり、パチンコ機10に異常が発生した出力無効と判別されてしまう虞がある。よって、本第16制御例では、大当たり3信号として、大当たり遊技の実行中だけでなく、天井抽選回数に到達した際もH出力の状態に設定される信号を設ける構成とすることで、天井抽選回数に到達したことに基づいて移行する時短状態を、外部出力端子板261に接続されている所定装置のスペックによらず、正常なものとして取り扱わせることができる。つまり、大当たりを示す信号を受信せずに時短状態を示す信号を受信した場合に、不正や異常と判断する仕様であっても、大当たり3信号を大当たりを示す信号として入力しておけば、天井抽選回数に到達した場合にも、疑似的に、大当たりとなった後で時短状態に移行したかのような信号出力態様を実現することができる。つまり、大当たりを示す大当たり3信号が0.2秒間H出力の状態に設定されると共に、時短状態への移行を示す大当たり2信号がH出力の状態に設定されるので、正当な時短状態への移行と判断させることができる。よって、天井抽選回数到達に基づいて設定された時短状態が不正や異常と判断されてしまうことを抑制することができる。なお、天井抽選回数到達に基づく時短状態を識別可能な仕様の所定装置の場合は、大当たり3信号の出力期間を判別することで、天井抽選回数に到達したことに基づくH出力であるのか、大当たり当選に基づくH出力であるのかを区別することができる。よって、所定装置のスペックによらず、天井抽選回数に到達したことに基づく時短状態への移行を正当なものとして取り扱わせることができる。
なお、本第16制御例では、パチンコ機10に電源が投入された際に、遊技状態を示す信号を外部出力端子板261から外部出力する構成としているが、これに加えて、電源投入時が通常状態である場合に、特図抽選カウンタ203laの値を外部出力する構成としてもよい。この場合、1の信号出力チャンネル(例えば、CN9)から、特図抽選カウンタ203laの値を9ビットのデータを示す信号として出力する構成としてもよい。より具体的には、例えば、大当たり1信号も大当たり2信号も出力されていない(大当たり遊技状態でも時短状態でもない)状況下において、大当たり3信号を所定期間(例えば、0.4秒間)H出力に設定することで、以降にCN9から出力される大当たり3信号が特図抽選カウンタ203laの値を示すデータであることを所定装置に対して通知する。そして、0.2秒単位で特図抽選カウンタ203laの1ビット目〜9ビット目のデータを順に出力する。より具体的には、特図抽選カウンタ203laの対象のビットが1であれば、CN9の出力を0.2秒間H出力に設定し、0であれば、CN9の出力を0.2秒間L出力に設定する。そして、出力が終了した後で、0.2秒とも0.4秒とも異なる出力期間(例えば、0.6秒)のH出力の信号を出力することで、特図抽選カウンタ203laの値を示すデータの出力が終了したことを所定装置に対して通知するように構成してもよい。このように構成することで、所定装置(ホールコンピュータ263等)側で外部出力端子板261の出力を監視するだけで、電源投入時における抽選回数を容易に把握することができる。
更に、この場合において、パチンコ機10の電源が遮断された場合にも、特図抽選カウンタ203laの値を同様の方式で通知する構成としてもよい。このように構成することで、特図抽選カウンタ203laの値を電源の遮断時および電源の投入時に所定装置に対して出力することができるので、電源の遮断中に特図抽選カウンタ203laの値が不正に書き替えられる不正行為が行われた場合に、そのことを所定装置側で発見し易く構成することができる。つまり、電源遮断時の特図抽選カウンタ203laの値と、次の電源投入時の特図抽選カウンタ203laの値とを比較する機能をホールコンピュータ263等の所定装置に搭載しておくことにより、特図抽選カウンタ203laの齟齬を容易に所定装置側で発見することができるので、不正行為の有無を電源投入時に判別することができる。よって、不正行為に対する抑制を図ることができる。
本第16制御例では、大当たり1信号とは別で大当たり3信号を設ける構成としていたが、大当たり1信号と大当たり3信号とを1の信号出力チャンネル(CN7)から出力する構成としてもよい。このように構成することで、信号出力チャンネルの個数を削減することができる。
本第16制御例では、天井抽選回数到達前の通常遊技状態で特殊大当たりに当選するか、天井抽選回数到達後の第3時短状態で特殊大当たりに当選するかによって有利度合いを異ならせることにより、トータルとして、天井抽選回数を経過してから第1特別図柄の抽選で大当たりになった方が有利度合いが高くなるように構成していたが、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合の有利度合いを異ならせる方法はこれに限られるものではない。例えば、通常遊技状態において第1特別図柄の抽選で大当たりとなるよりも、天井抽選回数に到達した後で設定される第3時短状態の間に第1特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合の方が確変大当たりの割合が高くなる(第2確変状態へと移行し易くなる)ように構成してもよい。このように構成することで、天井抽選回数に到達することをより強く期待させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
本第16制御例では、小ボーナスを設けることで、天井抽選回数までの残りの抽選回数を分かり難くする構成としていたが、天井抽選回数までの残りの抽選回数を分かり難くする方法はこれに限られるものではない。例えば、大当たり種別に応じて、大当たり終了後の天井抽選回数を異ならせることで、天井抽選回数としていくつが設定されているのかを分かり難くする構成としてもよい。また、小ボーナスが特殊大当たりであるか小当たりであるかは、第1図柄表示装置37に表示される第1図柄の種別を視認することで把握可能となってしまう。そこで、例えば、小ボーナスに対応する停止図柄が第1図柄表示装置37において停止表示されるタイミングで、第1図柄表示装置37の表示を消去したり、共通の図柄を仮で表示させたり、第1図柄表示装置37の前面に所定の可動役物を可動させることで第1図柄表示装置37を隠す構成としてもよい。このように構成することで、小ボーナスが特殊大当たりであるか小当たりであるかをより分かり難くすることができるので、天井抽選回数までの残り回数をより分かり難く構成することができる。また、電源が投入されてから少なくとも1回目の変動表示が開始されるまでの間においても、同様の制御を行う構成としてもよい。ここで、電源投入時にパチンコ機10が初期化されている(RAMクリアスイッチ122が押下されている)と、第1図柄表示装置37の表示内容もクリアされる一方で、電源投入時にパチンコ機10が初期化されていない場合は、第1図柄表示装置37の表示内容が電源遮断時の表示内容に復帰される挙動が通常である。この場合、ホールの営業時間外にホールの店員等がパチンコ機10を初期化してしまうと、翌営業日に遊技者が第1図柄表示装置37を視認するだけで、天井抽選回数までの残りの抽選回数がリセットされているのか前日の営業終了時のまま維持されているのかを容易に判別することが可能となる。即ち、第1図柄表示装置37の表示内容がクリアされていれば、天井抽選回数までの残りの抽選回数がリセットされていると判断して、当該パチンコ機10で遊技を開始することを回避される可能性がある。このような状況が生じてしまうことを避けるために、電源投入時には、初期化の有無によらず、第1図柄表示装置37の表示を消去したり、初期化の有無によらない共通の図柄を仮で表示させたり、最初に特別図柄の変動表示が開始されるまで第1図柄表示装置37の前面に所定の可動役物を可動させることで第1図柄表示装置37を隠す構成としてもよい。このように構成することで、パチンコ機10が初期化されたのか否かを遊技者が判別し難く構成することができるので、初期化されたパチンコ機10の稼働率が低下してしまうことを抑制することができる。
本第16制御例では、図509(a)に示したように、キャラクタ809が第3図柄表示装置81における上方に光809を放つことで、間接的にパチンコ機10の上方に注目させて、パチンコ機10の真上に設置されることが一般的であるデータ表示装置262に注目させる(視認させる)ことにより、データ表示装置262の視認態様によって抽選結果(有利な状態に移行するか否か)を遊技者に報知する構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、より直接的な表現でデータ表示装置262に注目することを促す演出(例えば、第3図柄表示装置81に対して、「台の上を見ろ!」という文字が表示される演出等)を実行してもよい。このように構成することで、遊技者に対してより確実にデータ表示装置262を視認させることができるので、データ表示装置連動型演出の演出効果をより向上させることができる。
本第16制御例では、天井抽選回数に到達する前に獲得(始動入賞が検出)され、大当たり終了後に特別図柄の抽選に用いられる保留球(天井抽選回数を跨ぐ保留球)に対する保留予告演出の実行を抑制する構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、保留予告演出として、複数の保留球が存在し、且つ、少なくとも1の保留球数図柄に対してノーマル保留とは異なる表示態様が設定されている状態において、ノーマル保留とは異なる表示態様に設定されている1の保留球数図柄の表示態様と、ノーマル保留の表示態様に設定されている1の保留球数図柄の表示態様と、を入れ替える演出を設ける構成としてもよい。つまり、保留変化演出を、保留変化演出の対象として決定した保留球数図柄とは異なる保留球数図柄に対して一旦設定する構成とし、その保留変化演出が実行された後の所定のタイミング(例えば、次の変動開始時や、保留変化演出の対象として決定された保留球に基づく変動表示中等)で、保留変化演出の対象として決定されていた保留球数図柄の表示態様がノーマル保留とは異なる表示態様に設定されるように、仮でノーマル保留とは異なる表示態様に設定されていた保留球数図柄と表示態様を入れ替える演出を実行してもよい。この場合において、天井抽選回数を跨ぐ保留球についても、保留変化演出の実行を許容する構成としておき、天井抽選回数目の変動表示が終了するまでに、天井抽選回数目の抽選に用いられる保留球に対応する保留球数図柄と表示態様を入れ替える構成としてもよい。つまり、天井抽選回数目に消化される保留球に対応する保留球数図柄は、基本的にノーマル保留の表示態様に設定しておき、その後に第1特別図柄の保留球が増加した場合は、保留変化演出の実行可否の抽選を通常時と同様に実行し、ノーマル保留以外の表示態様の保留変化演出が実行された場合には、保留球数図柄の表示態様を入れ替える演出を実行することにより、天井抽選回数に到達した後に消化される第1特別図柄の保留球数図柄の表示態様をノーマル保留の表示態様に統一する構成としてもよい。このように構成することで、上述した第16制御例と同様に、第1特別図柄の保留球を第3時短状態中に消化させた方が良いか否かの判断材料が無い状態で第3時短状態を開始させることができる。
本第16制御例では、大当たり終了後や時短図柄当選に基づいて設定される第2時短状態と、天井抽選回数に到達したことに基づいて設定される第3時短状態とで、第3時短状態の方が若干有利度合いが低いが、当該有利度合いの差を遊技者が体感困難となる程度の微差に留める構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、第3時短状態の方が明確に有利度合いが低くなるように構成してもよい。具体的には、例えば、普通図柄の低確率状態(通常遊技状態、第3時短状態)における普通図柄の当たり確率を普通図柄の高確率状態(第2確変状態、第2時短状態)に対して大幅に低く(例えば、1/100)構成してもよい。つまり、通常状態および第3時短状態では、共に普通図柄の抽選でほぼ当たりにならないように構成することで、左打ちにより第1特別図柄の抽選を実行させることで遊技を進行する遊技状態として構成してもよい。このように構成したとしても、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合における有利度合いを第3時短状態の方が高くなるように構成しておけば、天井抽選回数へと到達することを期待させる遊技性を維持することができる。また、天井抽選回数到達後も不利な左打ち遊技を維持する構成とすることで、天井抽選回数に到達する前後で有利度合いが大幅に変化してしまうことを抑制することができる。よって、第3時短状態の存在によってパチンコ機10の出球性能が向上しすぎてしまい、過度に遊技者に有利となってしまったり、第3時短状態での出率を他の要素(例えば、大当たり確率や各入賞口への入球に対する賞球の払出個数、大当たりのラウンド数や確変割合等)でカバーしようとして、結果的に遊技者にとって過度に不利となってしまうことを抑制することができる。
<第16制御例の変形例>
次に、図614、および図615を参照して、上述した第16制御例の変形例について説明する。上述した第16制御例では、大当たりを報知するための演出および時短状態を報知するための演出として、データ表示装置262を視認することを促す演出を実行する構成としていた。これに加えて本変形例では、データ表示装置262を物理的に秘匿することが可能な位置まで出没動作可能な上部役物UYをパチンコ機10の上部に搭載する構成とし、上部役物UYによってデータ表示装置262の視認態様を秘匿することでデータ表示装置連動型の演出が実行されているのか否かを遊技者に対してより分かり難くする構成としている。具体的には、図614に示すとおり、本変形例では、変動表示演出に伴う興趣演出の一環として、パチンコ機10の上部において出没動作を実行可能な上部役物UYを設ける構成としている。この上部役物UYは、通常時はパチンコ機10の内部に収納された状態(原点位置)が維持され、主として、大当たりに当選する期待度が高い「SPリーチ」の変動パターンが選択された場合に、変動表示演出の後半で上方に上昇する上昇動作を行い、データ表示装置262の前面を覆い隠す位置(張り出し位置)にて制止する。この上部役物UYがデータ表示装置262の前面で制止する状態は、基本的に、変動表示演出が完全に終了するまでの間維持される。
そして、本変形例では、大当たり演出の一種として、大当たり遊技のオープニング期間まで上部役物UYを張り出し位置に維持しておくと共に、第3図柄表示装置81において第3図柄を外れの組み合わせで停止表示させる演出を実行する(図615(a)参照)。そして、その後にデータ表示装置262に注目させる演出(図507(a)参照)を実行した後で、上部役物UYが原点位置へと下降していくことで、データ表示装置262の前面が露出され、データ表示装置262に設定されている大当たり用視認態様が視認可能となる演出が実行される。大当たり用視認態様が視認可能となったことに基づいて、第16制御例におけるデータ表示連動型演出と同様に、パチンコ機10側でも大当たり当選を報知する。このように構成することで、データ表示装置262の視認態様を確認困難とすることができるので、大当たりや時短状態への移行をパチンコ機10側において報知するタイミングを遅らせたとしても、大当たりや時短状態へと移行していることに気付かれにくく構成することができる。よって、データ表示装置連動型演出の演出効果をより高めることができると共に、報知タイミングの自由度をより向上させることができる。
上述した第16制御例、およびその変形例では、パチンコ機10の第3図柄表示装置81において、外部出力端子板261を介してパチンコ機10と電気的に接続されている所定装置(データ表示装置262等)に対して注目する(視認する)ことを遊技者に示唆する表示態様を表示させ、所定装置においてパチンコ機10が所定の有利状態(大当たり状態、普通図柄の時短状態)となっていることを示すための所定の視認態様(大当たり用視認態様、時短状態用の視認態様)に設定されるか否かによって、所定の有利状態となったか否かを報知するデータ表示装置連動型演出を実行する構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、データ表示装置261とは別の、パチンコ機10が所定の有利状態となることを示す所定の信号を受信したことを契機として、所定の有利状態となることを示す視認態様に設定され得る所定装置(例えば、所定の有利状態となることを示す所定の信号を受信したことを契機として所定の表示態様に設定される表示装置や、所定の発光態様に設定される発光装置、所定の変位態様で変位(可動)される変位装置等)に対して注目する(視認する)ように促す表示態様を第3図柄表示装置81において表示させることにより、所定装置と第3図柄表示装置81とで連動型の演出を実行する構成としてもよい。このように構成することで、パチンコ機10の直上に設置されることが大半であるデータ表示装置262に比較して、設置位置の自由度を高めることができるので、演出態様を多様化させることができる。
上述した第16制御例、およびその変形例では、天井抽選回数までの残り回数がリセットされない小当たりに当選した場合にも、第3図柄表示装置81に表示されるボーナス間回数をリセットする構成としていたが、上述したデータ表示装置262等の遊技履歴を表示することが可能な所定装置が接続されているパチンコ機10においては、データ表示装置262に表示される遊技履歴を視認することで、前回の大当たりが終了した後で実行された特別図柄の抽選回数を把握できてしまう。つまり、データ表示装置262を視認することで、天井抽選回数に到達するまでの残りの抽選回数を把握可能となってしまう。これに対して、上述した第16制御例の変形例における上部役物UYを設けた上で、当該上部役物262の初期配置(原点位置)を図614に示す配置(データ表示装置262の前面が上部役物UYによって遮蔽され、データ表示装置262を視認することが困難となる位置)に設定することにより、データ表示装置262を視認することで天井抽選回数までの残りの抽選回数を把握することを物理的に困難となるように構成してもよい。このように構成することで、天井抽選回数に到達するまでの残りの抽選回数を、第3図柄表示装置81に表示されるボーナス間回数のみから遊技者に判断させることができるので、天井抽選回数に到達するまでの残り回数を予測させる遊技性をより楽しませることができる。
上述した第16制御例、およびその変形例では、右打ちしなければ遊技球が入球し得ない位置(入球困難な位置)にのみスルーゲート67を設け、天井抽選回数目の変動表示演出中に故意に右打ちを開始しなければ、天井抽選回数目の変動表示中に普通図柄の変動表示が開始されないように構成していたが、これに限られるものではない。例えば、左打ちされた遊技球も右打ちされた遊技球も入球可能な位置にスルーゲート67や第2入球口640を設ける構成としてもよい。このように構成した場合、特別図柄の変動停止の前後に渡って普通図柄の変動表示が継続するという状況が発生し易くなるが、上述した第16制御例のように、普通図柄の残変動時間に応じて時短状態への移行を報知するタイミングをずらす(遅らせる)ことにより、無駄球が生じてしまうことを抑制することができる。
上述した第16制御例、およびその変形例では、第3時短状態中に時短図柄に当選すると、第2時短状態が設定されると共に、第2時短状態において天井抽選回数に到達すると、第3時短状態が設定される(時短状態が上書きされる)ように構成していたが、必ずしも時短種別を上書きする必要はない。例えば、有利度合いが高い(普通図柄の当たりとなる確率が高い)第2時短状態において天井抽選回数に到達した場合は、第2時短状態を維持したまま、時短回数のみを天井抽選回数到達に基づく時短状態に対応する時短回数(100回)に更新するように構成してもよい。このように構成することで、天井抽選回数に到達した時点の遊技状態によらず、天井抽選到達前の遊技状態よりも有利度合いが低くなってしまうことを抑制することができるので、天井抽選回数に到達するタイミングによらず、遊技者を喜ばせることができる。
上述した第16制御例、およびその変形例において、第3時短状態の間に時短図柄に当選して第2時短状態に移行した(これに伴って時短回数が100に増加した)場合や、第2時短状態の間に天井抽選回数に到達して第3時短状態に移行した(これに伴って時短回数が100に増加した)場合に、時短回数が増加したことを示す特別な演出態様の演出を実行する構成としてもよい。具体的には、例えば、時短状態中の時短図柄当選に対応する変動表示演出や、時短状態中の天井抽選回数目の変動表示演出において、表示領域Dm7に表示される時短状態が終了するまでの残り回数を示す数字が100に増加する(時短回数が回復する)演出を実行する構成としてもよいし、所謂巻き戻し再生のような表示態様を設定することで、時短状態の開始時まで時間が戻ったかのような内容演出を実行してもよい。このように構成することで、より多彩な演出態様を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。なお、この場合において、時短回数の残回数がより少ない状態で時短状態の設定条件が成立するほど、豪華な(派手な)演出態様が設定され易くなるように構成してもよい。時短回数が少ない状態で時短状態の設定条件が成立して時短回数が100回に再セットされると、有利な時短状態をより多く得したかのように遊技者に思わせることができるので、この場合により豪華な演出を実行することにより、遊技者に対してより大きな喜びや満足感を抱かせることができる。
上述した第16制御例、およびその変形例では、天井抽選回数目に特別図柄の抽選に用いられる保留球を取得したことに基づいて、保留変化演出等の先読み演出が禁止される状態を設定する構成としていたが、先読み演出が禁止される状態を設定する条件はこれに限られるものではない。例えば、時短図柄当選に対応する保留球が保留されたことに基づいて、先読み演出が禁止される状態を設定してもよいし、特殊大当たり以外の大当たりに対応する保留球が保留された(即ち、大当たり終了後に普通図柄の時短状態が設定される遊技状態に移行する種別の大当たり保留が保留された)ことに基づいて、先読み演出が禁止される状態を設定してもよい。このように構成することで、天井抽選回数到達に基づいて第3時短状態が設定された場合と同様に、第1特別図柄の保留球を1以上有した状態で時短状態に移行した場合に、第1特別図柄の保留球が大当たりとなるか否かを遊技者が予測困難とすることができるので、大当たりになりそうだと予測した場合にのみ時短状態中に第1特別図柄の保留球が消化され、大当たりとならなそうだと予測した場合は第2特別図柄の抽選が実行されるように遊技方法を切り替える変則的な遊技方法に対する抑制を図ることができる。また、時短状態に移行する場合以外にも、先読み演出が禁止される状態を設定する構成としてもよい。より具体的には、例えば、ノーマル保留以外の表示態様(変化1〜変化5のいずれか)に設定される保留変化演出が決定されてから、当該ノーマル保留以外の表示態様の保留球に基づく変動表示演出が終了するまでの間、先読み演出が禁止される状態を設定してもよい。このように構成することで、ノーマル保留以外の表示態様の保留球数図柄が複数表示されてしまい、いずれの保留球に基づく変動表示演出に注目すればよいのかを遊技者が迷ってしまい、各保留球に基づく変動表示演出に対して集中することが困難になってしまうことを抑制することができる。
上述した第16制御例、およびその変形例では、天井抽選回数目に特別図柄の抽選に用いられる保留球が保留された場合に、その後に取得された第1特別図柄の保留球に対応する保留球数図柄に対してノーマル保留以外の表示態様が設定されることを抑制する構成としていたが、これに限られるものではなく、例えば、第3時短状態に移行した後で消化される第1特別図柄の保留球に対応する保留球数図柄は、ノーマル保留、および変化1〜変化5のいずれとも異なる特定の表示態様に設定する構成としてもよい。このように構成した場合も、時短状態中に消化させた方が有利となるか否かを遊技者が予測困難とすることができるので、大当たりになりそうだと予測した場合にのみ時短状態中に第1特別図柄の保留球が消化され、大当たりとならなそうだと予測した場合は第2特別図柄の抽選が実行されるように遊技方法を切り替える変則的な遊技方法に対する抑制を図ることができる。また、上述した第16制御例、およびその変形例とは逆に、保留変化演出を通常時と同様に許容する構成としてもよい。この場合において、大当たりとなる可能性や時短図柄当選となる可能性を示唆する表示態様だけでなく、時短状態中に大当たりに当選すると有利になる大当たり種別(特殊大当たり)の可能性が高いこと(つまり、時短状態中に消化された方が有利度合いが高くなる可能性が高いこと)を示唆する表示態様や、時短状態中に消化されるよりも、時短状態が終了してから消化された方が有利度合いが高くなる可能性が高いことを示唆する表示態様を設ける構成としてもよい。このように構成することで、遊技者にとって最も有利なタイミングで第1特別図柄の保留球を消化させることができる。
<第17制御例>
次に、図548から図575を参照して、第17制御例におけるパチンコ機10について説明する。上述した第12制御例におけるパチンコ機10では、第1特別図柄の抽選と、第2特別図柄の抽選とを同時に(並行して)実行可能に構成した上で、第1特別図柄抽選及び第2特別図柄抽選の何れにおいても時短当選判定を実行可能に構成している。また、上述した第12制御例では、時短状態として有利度合い(時短回数)が異なる複数の時短状態(時短A、時短B)を設ける構成とすることで、遊技者の興趣向上を図っていた。
これに対して本第17制御例におけるパチンコ機10では、時短状態として、有利度合いが低い第1特別図柄の抽選が実行され易い時短状態(第2時短状態A、第3時短状態A)と、有利度合いが高い第2特別図柄の抽選が実行され易い時短状態(第2時短状態B、第3時短状態B)と、を設ける構成とし、天井抽選回数に到達した場合は、まず第3時短状態Bが設定されるように構成する一方で、通常状態において大当たりに当選した場合は、大当たり終了後の時短状態が高い割合で有利度合いの低い第2時短状態Aに設定されるように構成した。このように構成することで、大当たりに当選するよりも、天井抽選回数に到達することをより強く期待して遊技を行わせることができる。
また、本第17制御例では、時短状態中に時短図柄に当選した場合に、当選した時短図柄に対応する時短回数が上乗せされるように構成している。そして、第2特別図柄の抽選では、第1特別図柄の抽選よりも高確率(例えば、90%の割合)で時短図柄に当選するように構成している。また、第2時短状態Bまたは第3時短状態Bに移行した場合、特定回数(例えば、10回)の特別図柄の抽選が実行されることで第2時短状態Aまたは第3時短状態Aに移行する構成としている。つまり、第2時短状態Bまたは第3時短状態Bの間は、第2特別図柄の抽選が実行される毎に高確率で時短図柄に当選して時短回数が上乗せされていくため、特定回数の特別図柄の抽選が経過した後に移行する第2時短状態Aまたは第3時短状態Aの継続回数を可変させることができるという斬新な遊技性を実現している。
この第17制御例におけるパチンコ機10が、上述した第12制御例におけるパチンコ機10と構成上において相違する点は、パチンコ機10の遊技盤13の盤面構成が一部変更となっている点、主制御装置110におけるROM202、およびRAM203の構成が一部変更となっている点、音声ランプ制御装置113におけるROM222、およびRAM223の構成が一部変更となっている点、主制御装置110のMPU201により実行される制御処理が一部変更となっている点、および音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される制御処理が一部変更となっている点である。その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行されるその他の処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行されるその他の処理、表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については、第12制御例におけるパチンコ機10と同一である。以下、第12制御例と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。
まず、図548を参照して、本第17制御例におけるパチンコ機10の盤面構成について説明する。図548は、本第17制御例におけるパチンコ機10の遊技盤13の正面図である。図548に示した通り、本第17制御例における遊技盤13では、第12制御例における遊技盤13(図406参照)に対して、第1入球口64の直下に小当たり用可変入賞装置2650が設けられている点で相違している。この小当たり用可変入賞装置2650の上方は第1入球口64および釘によって塞がれており、遊技球が入球困難に配置されている。この小当たり用可変入賞装置2650は、第1特別図柄の抽選が小当たりとなった場合に開放される可変入賞装置である。つまり、第1特別図柄の抽選結果が小当たりになったとしても、遊技球を小当たり用可変入賞装置2650へと入球させることが困難となるため、本第17制御例における第1特別図柄の小当たりは、ほぼ、一般的な遊技機における外れと同様の価値となる。本第17制御例において第1特別図柄の小当たりを設けている意義は、第2特別図柄のロング変動を強制的に外れで停止させる機能にある。
ここで、本第17制御例では、第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示とを並列して実行可能に構成した上で、両方の特別図柄が変動中に一方の特別図柄が大当たり若しくは小当たりとなった場合に、実行中の他方の特別図柄の変動表示を外れ図柄で強制的に停止表示させる仕様を採用している。そして、第1特別図柄の抽選では高確率(49/50)で小当たりに当選する構成としている。このように構成することで、通常状態において右打ちを行って第2特別図柄の抽選が実行され、600秒間のロング変動が設定されたとしても、第1特別図柄の抽選を実行することにより、600秒間を待つこと無く、第2特別図柄のロング変動を外れ図柄で強制停止させることができる。よって、第2特別図柄の抽選が延々と実行され続けてしまう不具合を抑制することができる。
また、本第17制御例における遊技盤13は、第12制御例における遊技盤13に対して、可変入賞装置1065が削除され、V入賞装置1650に可変入賞装置1065の役割(大当たりの各ラウンドで所定期間開放される大入賞口としての役割)も兼ねさせている点でも相違している。これにより、遊技盤13の盤面構成をシンプルにすることができる。
更に、本第17制御例における遊技盤13は、上述した第12制御例における右側第2入球口1640と右側第2入球口1640を開閉する電動役物1640aとに代えて、右側第1入球口64rと右側第1入球口64rを開閉する電動役物64raと、が設けられている点でも相違する。この右側第1入球口64rは、第1入球口64と同様に、第1特別図柄の抽選契機となる始動入賞口の一種として構成される。また、電動役物64raは、普通図柄の抽選で当たりとなった場合に、遊技状態に応じた開放パターンで開閉制御される。
次に、図549、および図550を参照して、本第17制御例における特徴的な演出態様について説明する。ここで、上述した通り、本第17制御例では、主として有利度合いが低い(ほぼ時短図柄に当選しない)第1特別図柄の抽選が実行される時短状態A(第2時短状態A、第3時短状態A)と、主として有利度合いが高い(高確率で時短図柄に当選する上に、小当たりに当選した場合に実質的に大当たりも確定する)第2特別図柄の抽選が実行される時短状態B(第2時短状態B、第3時短状態B)と、の2種類の時短状態が設けられている。そして、本第17制御例では、時短状態において時短図柄に当選した場合に、当該当選した時短図柄に対応する時短回数を上乗せする制御を採用すると共に、時短状態Bにおいて特定回数(例えば、11回)の特別図柄の抽選が実行されることで時短状態Aに移行する構成としている。つまり、時短図柄に当選し易い時短状態Bにおいて時短図柄当選によって多くの時短回数が上乗せされるほど、その後(特定回数経過後)に移行する時短状態Aの時短回数が多くなるという極めて特殊、且つ、斬新な遊技性を実現する構成としている。つまり、時短状態Bは、実質的な大当たりの当選確率が高い(小当たりに当選した場合も実質的に大当たりが確定する)第2特別図柄の抽選が主として実行される極めて有利度合いが高い状態であることに加え、その後に移行する時短状態Aの継続回数を決定するための状態でもある。
この時短状態Bにおける演出態様について、図549、および図550を参照して説明する。図549(a)は、天井抽選回数(本第17制御例では150回)に渡って大当たりとは異なる抽選結果(即ち、小当たり含む外れ)となり、第3時短状態へと移行した後において第3図柄表示装置81で実行される演出態様の一例を示した図である。上述した通り、第3時短状態に移行すると、まず、主として第2特別図柄の抽選が実行される第3時短状態Bが設定され、第3時短状態Bにおいて特定回数の特別図柄の変動表示が実行されることで第3時短状態Aに移行する。図549(a)は、第3時短状態Bの間の表示態様を示した図である。
図549(a)に示した通り、第3時短状態Bにおいては、主表示領域Dmの上方に「〜上乗せRUSH〜」という文字が表示されると共に、第2特別図柄の抽選が実行される毎に、ウサギを模したキャラクタ801が天使を模したキャラクタ809から宝箱810の中に入っている特典を付与される演出が実行される。図549(a)では、宝箱810の中から時短回数5回が上乗せされた(時短回数が5回の時短図柄に当選した)ことを示す、「5」という数字が付された図柄を含む中身810aがキャラクタ801に付与された場合を例示している。また、図549(a)に示した通り、主表示領域Dmにおける左上には、「右打ち」という文字が付された小表示領域Dm4と、その小表示領域Dm4の下方に、「ラスト8回」という文字が付された小表示領域Dm7と、その小表示領域Dm7の下方に、「ストック50+10回」という文字が付された小表示領域Dm13と、が形成される。
小表示領域Dm7は、時短状態Bが終了される(時短状態Aに移行する)までの残りの第2特別図柄の抽選回数を示す表示内容が表示され、時短状態Bにおいて第2特別図柄の抽選が実行される毎に値が1ずつ減算表示される。また、小表示領域Dm13は、時短状態Aに移行後の時短回数を示す表示内容が表示され、左側には時短状態Bに移行した時点で確定している時短回数が、右側には時短状態Bにおいて時短図柄当選により獲得(上乗せ)した時短回数が、それぞれ表示される。つまり、図549(a)の例では、天井抽選回数に到達した(第3時短状態Bに移行した)時点で、50回の時短状態Aが保証されており、更に、第2特別図柄の抽選で時短図柄に当選することにより10回分の時短回数の獲得(上乗せ)に成功したという状況を例示している。なお、本第17制御例では、天井抽選回数到達に係る第3時短状態の時短回数は一律61回に設定される。このうち11回が第3時短状態Bに設定され、50回が第3時短状態Aに設定される。
また、副表示領域Dsには、「チャンスタイム回数を増やせ!」という文字が表示される。これらの表示内容により、第2特別図柄の抽選が実行される毎にチャンスタイム(時短状態A)の時短回数が上乗せ(ストック)されていくということを遊技者に対して容易に理解させることができる。なお、本第17制御例では、時短状態において、右打ちにより第1入球口64rにも第2入球口1641にも頻繁に遊技球が入球するように構成されている。このため、第3時短状態Bに移行した後で右打ちを行うと、第2特別図柄の抽選だけでなく、第1特別図柄の抽選もほぼ確実に実行される。ここで、本第17制御例では、第1特別図柄と第2特別図柄とを同時に変動表示させることが可能な同時変動仕様を採用しており、第2特別図柄の変動表示中に第1特別図柄の変動表示を開始させることおよび第1特別図柄の変動表示中に第2特別図柄の変動表示を開始させることの両方が許容されている。また、時短状態Bにおいては、第1特別図柄に対して比較的長い変動時間(例えば、120秒)が設定されるように構成している。このため、第1特別図柄の変動表示が1回実行されている間に、第2特別図柄による抽選遊技を時短状態Aへと移行するまでの残り回数分実行させることができる。時短状態Bの継続回数を11回という中途半端な回数にしているのは、第1特別図柄の抽選1回分と、第2特別図柄の抽選10回分とを合算していることによる。これにより、時短状態Aへと移行するまでの間の第2特別図柄の抽選回数を、きりの良い回数である10回に設定することができる。
図549(b)は、本第17制御例における第3時短状態Bで、11回目の変動表示が終了した後における演出態様を示した図である。第3時短状態Bにおいて11回目の変動表示が終了すると、その後に移行する第3時短状態Aの時短回数を報知する演出が実行される。具体的には、図549(b)に示した通り、主表示領域Dmにおける中央部分に、時短回数を示す文字が表示される。図549(b)の例では、「TOTAL110回」という文字が表示された場合を例示しており、時短状態Bの開始時から確定していた50回の時短回数に加え、時短状態Bの間に60回の時短回数を上乗せした状況が例示されている。また、副表示領域Dsに対して、「チャンスタイム突入」という文字が表示される。これらの表示内容により、第3時短状態Aの時短回数を遊技者に対して容易に理解させることができる。
次に、図550を参照して、時短状態B(上乗せRUSH)の間に大当たりまたは小当たりに当選した場合の演出態様について説明する。本第17制御例では、時短状態Bの間に大当たりに当選するか、小当たり当選後にV入賞が発生して大当たりに当選すると、大当たり終了後の遊技状態が第2時短状態に設定される。この第2時短状態では、天井抽選回数到達に基づく第3時短状態と同様に、まず、11回の時短状態Bが設定された後で、時短状態Aへと移行する。よって、遊技者の視点で見ると、時短状態B(上乗せRUSH)の間に大当たりに当選すると、大当たり後に時短状態B(上乗せRUSH)が再度開始されるかのような動きとなる。更に、第2特別図柄の大当たり後における時短回数は86回が設定されるように構成されているため、時短状態Bで消化する11回を除くと、時短状態Bの後で移行する時短状態Aの時短回数として75回が保証されている状態で時短状態Bが最初から再開される。よって、天井抽選回数到達に伴う第3時短状態よりも多い時短回数が設定されるため、時短状態Bの間に大当たりになることを期待させることができる。
図550に示した通り、時短状態Bの間に大当たりまたは小当たりに当選すると、宝箱810から「RUSH」という文字が付された図柄を含む中身810aが出現して、キャラクタ801に付与される演出が実行される。また、小表示領域Dm13に表示される時短回数を示す表示が「ストック75回」という表示内容に変更される。更に、副表示領域Dsに対して、「上乗せRUSH再セット確定!!」という文字が表示される。これらの表示内容により、75回の時短回数を獲得した上で、上乗せRUSHを最初からやり直すことができるということを遊技者に対して容易に理解させることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
次に、図551を参照して、本第17制御例における遊技状態間の移行方法について説明する。図551に示した通り、本第17制御例では、遊技状態として通常状態、第2時短状態A、第2時短状態B、第3時短状態A、および第3時短状態Bの5種類の遊技状態が設けられている。通常状態は、普通図柄の低確率状態に設定され、普通図柄の変動短縮機能(変短)が作動しない遊技状態で構成されている。つまり、左打ちにより有利度合いが低い第1特別図柄の抽選を実行させることで遊技を進行させる必要がある遊技者にとって不利な遊技状態で構成されている。
また、第2時短状態Aは、普通図柄の高確率状態に設定され、普通図柄の変動短縮機能(変短)が作動する遊技状態で構成されるため、右打ちにより右側第1入球口64rにも第2入球口1641にも遊技球が頻繁に入球するが、第2特別図柄の変動時間として極めて長い変動時間(例えば、600秒)が設定されるため、右側第1入球口64rへの入球に基づく第1特別図柄の抽選ばかりが実行される遊技状態で構成される。また、第2時短状態Bは、第2時短状態Aと同様に普通図柄の高確率状態に設定され、普通図柄の変動短縮機能(変短)が作動する遊技状態で構成されるが、第2時短状態Aとは異なり、第1特別図柄の変動時間が長くなると共に第2特別図柄の変動時間が大幅に短くなるため、第2入球口1641への入球に基づく第2特別図柄の抽選ばかりが実行される遊技状態で構成される。ここで、第1特別図柄の抽選よりも第2特別図柄の抽選の方が有利度合いが高いため、第2時短状態Aよりも、第2時短状態Bの方が有利度合いが高い遊技状態となる。
また、第3時短状態Aは、特別図柄の低確率状態、および普通図柄の低確率状態に設定され、普通図柄の変動短縮機能(変短)が作動する遊技状態で構成されている。また、第2時短状態Aと同様に、右打ちにより右側第1入球口64rにも第2入球口1641にも遊技球が頻繁に入球するが、第2特別図柄の変動時間として極めて長い変動時間(例えば、600秒)が設定されるため、右側第1入球口64rへの入球に基づく第1特別図柄の抽選ばかりが実行される遊技状態で構成される。つまり、第2時短状態Aに対して、普通図柄の当たり確率が低い分、有利度合いが低くなるが、通常状態よりは有利度合いが高い遊技状態で構成される。ここで、本第17制御例では、第16制御例と同様に、普通図柄の当たりと判定される乱数値(カウンタ値)の個数が1個しか異ならないように構成している。このため、有利度合いの差(第2時短状態Aに対して第3時短状態Aの有利度合いが低いこと)を遊技者が体感困難にすることができる。よって、第3時短状態Aに移行した場合に、第2時短状態Aに移行した場合と同等の価値を得たかのように遊技者に思わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
更に、第3時短状態Bは、第3時短状態Aと同様に普通図柄の低確率状態に設定され、普通図柄の変動短縮機能(変短)が作動する遊技状態で構成されるが、第3時短状態Aとは異なり、第1特別図柄の変動時間が長くなると共に第2特別図柄の変動時間が大幅に短くなるため、第2入球口1641への入球に基づく第2特別図柄の抽選ばかりが実行される遊技状態で構成される。よって、第3時短状態Bは、第3時短状態Aよりも有利度合いが高い遊技状態となる。
まず、図551の上部を参照して、通常状態から他の遊技状態への移行方法について説明する。図551の上部に示した通り、通常状態から他の遊技状態へは、大当たりに当選した場合、および大当たりに当選することなく天井抽選回数に到達した場合に移行する可能性がある。具体的には、図551の上部に示した通り、第1特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合に90%の割合で決定される大当たりA17に当選すると、大当たり終了後の遊技状態が第2時短状態Aに設定される。また、通常状態において第1特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合に10%の割合で決定される大当たりB17に当選すると、大当たり終了後の遊技状態が第2時短状態Aよりも有利度合いが高い第2時短状態Bに設定される。更に、通常状態において大当たりに当選することなく天井抽選回数(150回)に到達した場合は、第3時短状態Bに設定される。第2時短状態Bと第3時短状態Bとは有利度合いがほぼ同等であり、第2時短状態Aは第2時短状態Bや第3時短状態Bよりも有利度合いが明確に低い遊技状態で構成されるため、通常状態においては、有利度合いが低い第2時短状態Aに移行する可能性が高い大当たり当選よりも、大当たりに当選せずに天井抽選回数に到達することをより強く期待して遊技を行わせることができる。つまり、大当たりに当選しないことをより強く期待しながら遊技を行う斬新な遊技性を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
次に、図551の中段左側を参照して、第2時短状態Aから他の遊技状態への移行方法について説明する。図551の中段左側に示した通り、第2時短状態Aから他の遊技状態へは、大当たりに当選した場合、大当たりに当選することなく時短回数が経過した場合、および大当たりに当選することなく天井抽選回数に到達した場合に移行する可能性がある。具体的には、図551に示した通り、第2時短状態Aにおいて第1特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合に10%の割合で決定される大当たりB17に当選すると、大当たり終了後の遊技状態が第2時短状態Bに設定される。また、第2時短状態Aにおいて時短回数が経過した場合は、遊技者に不利な通常状態に設定される。更に、第2時短状態Aにおいて大当たりに当選することなく天井抽選回数(150回)に到達した場合は、第2時短状態Bに設定される。なお、時短状態Aのまま天井抽選回数に到達するためには、一旦第2時短状態Bへと移行し、当該第2時短状態Bにおいて天井抽選回数を超える抽選回数分の時短回数を上乗せした状態で時短状態Aへと移行し、更に、大当たりに当選することなく天井抽選回数に到達する必要がある。第2時短状態Bへと移行する場合に大当たり終了時に付与される時短回数は61回又は86回であるため、天井抽選回数を超える時短回数を上乗せするためには、第2時短状態Bの間に最低でも64回以上の上乗せを発生させる必要がある。しかしながら、1の第2特別図柄の抽選で上乗せされる時短回数は80%が5回であり、10回以上の時短回数が上乗せされる割合は20%しかないため、そもそも天井抽選回数を超える時短回数を上乗せすることが困難となる。更に、大当たりに当選せずに天井抽選回数まで到達するという事象もそもそも比較的起り難い事象であるため、第2時短状態Aを維持したまま天井抽選回数(大当たり終了後150回)に到達するケースは極めて希であるといえる。
これらに対し、第2時短状態Aにおいて第1特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合に90%の割合で決定される大当たりA17に当選すると、大当たり終了後の遊技状態が再度、第2時短状態Aに設定される(第2時短状態Aをループする)。よって、第2時短状態Aにおいては、基本的に大当たりに当選すること、および大当たりに当選した場合に低い割合(10%の割合)で決定される大当たりB17が決定されることを期待して遊技を行う遊技性となる。
次に、図551の下段左側を参照して、第2時短状態Bから他の遊技状態への移行方法について説明する。図551の下段左側に示した通り、第2時短状態Bから他の遊技状態へは、大当たりにも小当たりにも当選することなく特定回数(6回又は11回)の特別図柄の抽選が実行された場合にのみ移行する可能性がある。具体的には、図551の下段左側に示した通り、第2時短状態Bにおいて特定回数(6回又は11回)の特別図柄の抽選が終了すると、第2時短状態Bよりも有利度合いが低い第2時短状態Aへと移行する。これに対し、第2時短状態Bにおいて特定回数の特別図柄の抽選が実行されるよりも前に第2特別図柄の抽選で大当たりに当選するか、または実質的に大当たりが確定する小当たりとなって大当たりに当選すると、大当たり終了後の遊技状態が再度、第2時短状態Bに設定される(最も有利な第2時短状態Bをループする)。よって、第2時短状態Bにおいては、特定回数の特別図柄の抽選が終了するまでに大当たりまたは小当たりに当選することを期待して遊技を行う遊技性となる。なお、第2特別図柄の抽選で大当たりと小当たりとのどちらかとなる確率は1/10であり、特定回数の特別図柄の抽選が終了するまでにおける第2特別図柄の抽選回数は基本的に5回又は10回となるので、第2時短状態Bをループする可能性は、第2特別図柄の抽選回数が5回の場合におよそ41%、第2特別図柄の抽選回数が10回の場合におよそ65%となる。なお、上述した通り、第2時短状態Bの間に大当たりにも小当たりにも当選しなかったとしても、第2時短状態Bにおいては第2特別図柄の抽選毎に高確率で時短回数を5回以上獲得(上乗せ)することができるので、特定回数の特別図柄の抽選が終了した後で設定される第2時短状態Aの有利度合い(継続回数)を、通常(大当たりA17に当選したことに基づいて設定された第2時短状態A)よりも高くすることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
次に、図551の中段右側を参照して、第3時短状態Bから他の遊技状態への移行方法について説明する。図551の中段右側に示した通り、第3遊技状態Bから他の遊技状態へは、大当たりまたは小当たりに当選した場合、および大当たりにも小当たりにも当選することなく特定回数(11回)の特別図柄の抽選が実行された場合に移行する可能性がある。具体的には、図551の中段右側に示した通り、第3時短状態Bにおいて第2特別図柄の抽選で大当たりに当選するか、または実質的に大当たりが確定する小当たりとなって大当たりに当選すると、大当たり終了後の遊技状態が第2時短状態Bに設定される。また、第3時短状態Bにおいて特定回数(11回)の特別図柄の抽選が終了すると、第3時短状態Bよりも有利度合いが低い第3時短状態Aへと移行する。よって、第3時短状態Bにおいては、特定回数(11回)以内の特別図柄の抽選で大当たり又は小当たりのどちらかに当選することを強く期待して遊技を行わせることができる。なお、上述した第2時短状態Bと同様に、第3時短状態Bにおいては第2特別図柄の抽選毎に高確率で時短回数を5回以上獲得(上乗せ)することができるので、特定回数の特別図柄の抽選が終了した後で設定される第3時短状態Aの有利度合い(継続回数)を向上させることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
次に、図551の下段右側を参照して、第3時短状態Aから他の遊技状態への移行方法について説明する。図551の下段右側に示した通り、第3時短状態Aから他の遊技状態へは、大当たりに当選した場合、大当たりに当選することなく時短回数が経過した場合、および大当たりに当選することなく天井抽選回数に到達した場合に移行する可能性がある。具体的には、図551に示した通り、第3時短状態Aにおいて第1特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合に90%の割合で決定される大当たりA17に当選すると、大当たり終了後の遊技状態が第2時短状態Aに設定される。また、第3時短状態Aにおいて第1特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合に10%の割合で決定される大当たりB17に当選すると、大当たり終了後の遊技状態が第2時短状態Bに設定される。また、第3時短状態Aにおいて時短回数が経過した場合は、遊技者に不利な通常状態に設定される。更に、第3時短状態Aにおいて大当たりに当選することなく天井抽選回数(150回)に到達した場合は、第3時短状態Bに設定される。なお、第2時短状態Aと同様に、第3時短状態Aにおいて天井抽選回数に到達するのは極めて希なケース(第3時短状態Bにおいて65回以上の時短回数の上乗せを発生させた上で、天井抽選回数までハマらなければ起き得ない事象)である。このため、第3時短状態Aにおいては、第2時短状態Aと同様に、基本的に大当たりに当選すること、および大当たりに当選した場合に低い割合(10%の割合)で決定される大当たりB17が決定されることを期待して遊技を行う遊技性となる。
このように、本第17制御例では、5種類の遊技状態を互いに行き来する遊技性となる上に、同じ時短状態であっても、時短状態A(第2時短状態A、第3時短状態A)と時短状態B(第2時短状態B、第3時短状態B)とで大幅に有利度合いおよび遊技性を異ならせる構成としているので、遊技にメリハリをつけることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
<第17制御例における電気的構成>
次に、図552を参照して、本第17制御例における主制御装置110内に設けられているROM202の詳細について説明する。図552は、本第17制御例におけるROM202の構成を示したブロック図である。図552に示した通り、本第17制御例におけるROM202は、上述した第12制御例におけるROM202の構成(図407参照)に対して、大当たり種別選択12テーブル202kbに代えて大当たり種別選択17テーブル202qbが設けられている点、第2当たり乱数12テーブル202kcに代えて第2当たり乱数17テーブル202qcが設けられている点、変動パターン12テーブル202kdに代えて変動パターン17テーブル202qdが設けられている点、小当たり乱数12テーブル202keに代えて小当たり乱数17テーブル202qeが設けられている点、小当たり種別選択12テーブル202kfに代えて小当たり種別選択17テーブル202qfが設けられている点、時短当たり乱数12テーブル202khに代えて時短当たり乱数17テーブル202qhが設けられている点、時短当たり種別選択テーブル202qiが追加されている点、および変動パターンシナリオテーブル202qjが追加されている点である。その他の構成については上述した第12制御例におけるROM202と同一であるため、ここではその詳細な説明については省略する。
まず、図554(a)を参照して、本第17制御例における大当たり種別選択17テーブル202qbの詳細について説明する。図554(a)は、本第17制御例における大当たり種別選択17テーブル202qbの構成を示したブロック図である。図554(a)に示した通り、本第17制御例における大当たり種別選択17テーブル202qbは、第1特別図柄の大当たり種別を選択するために参照される特図1大当たり用17テーブル202qb1と、第2特別図柄の大当たり種別を選択するために参照される特図2大当たり用17テーブル202qb2と、で少なくとも構成されている。
図554(b)は、特図1大当たり用17テーブル202qb1の規定内容を示した図である。図554(b)に示した通り、本第17制御例における特図1大当たり用17テーブル202qb1には、第1特別図柄の大当たり種別として、「大当たりA17」と、「大当たりB17」と、の2種類が規定されている。即ち、特図1大当たり用17テーブル202qb1において、第1当たり種別カウンタC2の値が「0〜89」の範囲に対して、大当たり種別として「大当たりA17」が対応付けて規定され、第1当たり種別カウンタC2の値が「90〜99」の範囲に対して、大当たり種別として「大当たりB17」が対応付けて規定されている。
「大当たりA17」は、大当たりのラウンド数が5ラウンドであり、大当たり終了後の遊技状態が時短回数51回の第2時短状態A(主として第1特別図柄の抽選が実行される時短状態)に設定される種別の大当たりである。また、「大当たりB17」は、大当たりのラウンド数が5ラウンドであり、大当たり終了後の遊技状態が時短回数56回の第2時短状態B(主として第2特別図柄の抽選が実行される時短状態)に設定される種別の大当たりである。なお、第2時短状態Bにおいて11回の特別図柄の抽選が実行されると、第2時短状態Aへと移行し、以降は基本的に、時短回数が経過(終了)するか大当たりに当選するまでの間、第2時短状態Aが維持される。上述した通り、第2時短状態Aよりも第2時短状態Bの方が遊技者にとって有利度合いが高いため、「大当たりB17」の方が「大当たりA17」よりも有利度合いが高い大当たり種別となる。なお、「大当たりA17」には第1当たり種別カウンタC2の値が取り得る100個の乱数値(カウンタ値)のうち90個の乱数値が対応付けられている一方で、「大当たりB17」には10個の乱数値(カウンタ値)が対応付けられているので、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に、90%の割合で「大当たりA17」となり、10%の割合で「大当たりB17」となる。
次に、図554(c)を参照して、上述した特図2大当たり用17テーブル202qb2の詳細について説明する。図554(c)は、この特図2大当たり用17テーブル202qb2の規定内容を示した図である。図554(c)に示した通り、本第17制御例における特図2大当たり用17テーブル202qb2には、第2特別図柄の大当たり種別として、「大当たりC17」と、「大当たりD17」と、「大当たりE17」と、の3種類が規定されている。即ち、特図2大当たり用17テーブル202qb2において、第1当たり種別カウンタC2の値が「0〜84」の範囲に対して、大当たり種別として「大当たりC17」が対応付けて規定され、第1当たり種別カウンタC2の値が「85〜89」の範囲に対して、大当たり種別として「大当たりD17」が対応付けて規定され、第1当たり種別カウンタC2の値が「90〜99」の範囲に対して、大当たり種別として「大当たりE17」が対応付けて規定されている。
図554(c)に示した通り、「大当たりC17」と、「大当たりD17」と、「大当たりE17」とは、それぞれ大当たりのラウンド数が15ラウンド、8ラウンド、4ラウンドと異なっているが、大当たり終了後の遊技状態としては時短回数86回の第2時短状態Bが共通して設定される。よって、第2特別図柄の抽選で大当たりに当選すると、100%の割合で有利度合いが高い第2時短状態Bが設定されるので、第2特別図柄の抽選の方が第2特別図柄の抽選よりも有利度合いが高くなる。なお、「大当たりC17」には第1当たり種別カウンタC2の値が取り得る100個の乱数値(カウンタ値)のうち85個の乱数値が対応付けられ、「大当たりD17」には5個の乱数値(カウンタ値)が対応付けられ、「大当たりE17」には10個の乱数値(カウンタ値)が対応付けられているので、第2特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に、85%の割合で「大当たりC17」となり、5%の割合で「大当たりD17」となり、10%の割合で「大当たりE17」となる。
このように、本第17制御例では、第1特別図柄の抽選で大当たりになったとしても、有利な第2時短状態Bへと10%の割合でしか移行しないのに対し、第2特別図柄の抽選で大当たりになった場合は、必ず有利な第2時短状態Bが設定されるように構成されているので、第2特別図柄の抽選が実行された場合により強く大当たりに当選することを期待させることができる。よって、遊技にメリハリをつけることができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
次に、図555(a)を参照して、本第17制御例における第2当たり乱数17テーブル202qcの詳細について説明する。この第2当たり乱数17テーブル202qcは、上述した第12制御例における第2当たり乱数12テーブル202kcと同様に、普通図柄の抽選を行う際に参照され、普通図柄の当たりとなる乱数値(第2当たり乱数カウンタC2のカウンタ値)が規定されたデータテーブルである。
より具体的には、図555(a)に示した通り、普通図柄の低確率状態において普通図柄の当たりと判定される乱数値(カウンタ値)として、「0〜298」の299個の乱数値(カウンタ値)が対応付けて規定されている一方で、普通図柄の高確率状態において普通図柄の当たりと判定される乱数値(カウンタ値)として、「0〜299」の300個の乱数値(カウンタ値)が対応付けて規定されている。第2当たり乱数カウンタC4は「0〜299」の範囲の値を取り得るので、普通図柄の低確率状態で普通図柄の当たりとなる確率は299/300であり、普通図柄の高確率状態で普通図柄の当たりとなる確率は1(300/300)である。つまり、本第17制御例では、普通図柄の低確率状態であっても、ほぼ毎回の普通図柄の抽選で当たりと判定されるように構成されている。これは、第2時短状態と第3時短状態との有利度合いの差をほぼ無くす目的である。このように構成することで、天井抽選回数に到達して第3時短状態に移行した場合における有利度合いを第2時短状態とほぼ同等にすることができるので、天井抽選回数に到達することをより強く期待して遊技を行わせることができる。
なお、通常状態においても右打ちによりスルーゲート67を通過させて普通図柄の抽選を実行させることにより高確率で普通図柄の当たりとなるが、通常状態では普通図柄の変動短縮機能が作動しない上に、電動役物64raの開放期間も短くなる(例えば、0.1秒間になる)ため、右打ちを行い続けたとしても右側第1入球口64rへと遊技球を入球させることはほとんどできない。つまり、左打ちにより第1入球口64を狙って遊技球を発射し続けるよりも遊技効率が悪くなるので、通常状態において右打ちを行う変則的な遊技方法に対する抑制を図ることができる。
次に、図555(b)を参照して、本第17制御例における変動パターン17テーブル202qdの詳細について説明する。この変動パターン17テーブル202qdは、上述した第12制御例における変動パターン17テーブル202kdと同様に、特別図柄の抽選が実行された場合に、当該抽選結果に応じた変動パターン(変動時間)を選択するために参照されるデータテーブルである。図555(b)は、本第17制御例における変動パターン17テーブル202qdの構成を示したブロック図である。
図555(b)に示した通り、本第17制御例における変動パターン17テーブル202qdは、通常状態において特別図柄の抽選が実行された場合に変動パターン(変動時間)を選択するために参照される通常用テーブル202qd1と、第1特別図柄の抽選が主として実行される時短状態A(第2時短状態A、第3時短状態A)において特別図柄の抽選が実行された場合に変動パターン(変動時間)を選択するために参照される特1時短用テーブル202qd2と、第2特別図柄の抽選が主として実行される時短状態B(第2時短状態B、第3時短状態B)において特別図柄の抽選が実行された場合に変動パターン(変動時間)を選択するために参照される特2時短用テーブル202qd3と、で少なくとも構成されている。ここで、通常用テーブル202qd1に関しては、上述した第12制御例における通常状態用変動パターン12テーブル202kd1(図414参照)と同等の規定内容となるため、ここではその詳細な説明については省略する。なお、本第17制御例では、第1特別図柄の抽選で時短図柄に当選する可能性が無い点、特別図柄の抽選で高確率で小当たりを伴う外れとなる点で第12制御例と相違している。このため、本第17制御例の通常用テーブル202qd1の第1特別図柄の小当たりに係る規定内容は、第12制御例の通常状態用変動パターン12テーブル202kd1における第1特別図柄の外れに係る規定内容と同一になる。
次に、図555(c)を参照して、上述した変動パターン17テーブル202qdを構成する特1時短用テーブル202qd2の詳細について説明する。図555(c)は、この特1時短用テーブル202qd2の規定内容を示した図である。図555(c)に示した通り、第1特別図柄の抽選結果が外れ(小当たり)に対しては、変動種別カウンタCS1の取り得る全範囲(0〜198)に対して、変動パターンとして変動時間が3秒間の短外れが対応付けて規定されている。また、第1特別図柄の抽選結果が大当たりに対しては、変動種別カウンタCS1の取り得る全範囲に対して、変動パターンとして変動時間が5秒間の短当たりが対応付けて規定されている。
これに対して、図555(c)に示した通り、第2特別図柄の抽選結果が時短当選に対しては、変動種別カウンタCS1の取り得る全範囲(0〜198)に対して、変動パターンとして変動時間が600秒間のロング外れが対応付けて規定されている。また、第2特別図柄の抽選結果が大当たりまたは小当たりに対しては、変動種別カウンタCS1の取り得る全範囲に対して、変動パターンとして変動時間が600秒間のロング当たりが対応付けて規定されている。このため、特1時短用テーブル202qd1が参照される第2時短状態Aおよび第3時短状態Aでは、右打ちにより第1特別図柄の抽選が実行される毎に、5秒以下の短い変動時間が設定される一方で、第2特別図柄の抽選が実行されると抽選結果によらず極めて長い600秒間の変動時間が設定されるため、第1特別図柄の抽選ばかりが実行される遊技状態を形成することができる。なお、上述した通り、本第17制御例では、時短状態において右打ちを行うと、右側第1入球口64rと第2入球口1641との両方に頻繁に遊技球が入球し、且つ、第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示とを並列して実行可能に構成されているので、時短状態Aでは第2特別図柄がロング変動している間に第1特別図柄の抽選を複数回実行することができる。つまり、主として第1特別図柄の抽選により遊技を進行する遊技状態として構成されている。
なお、特2時短用テーブル202qd3に関しては、上述した第12制御例の時短状態用変動パターン12テーブル202kd2(図415参照)に対して、第1特別図柄の変動時間が抽選結果によらず120秒間となっている点で相違するのみであるため、ここではその詳細な説明については省略する。この特2時短用テーブル202qd3が参照される遊技状態(第2時短状態B、第3時短状態B)では、第1特別図柄のロング変動(120秒)が行われている間に第2特別図柄の5秒以下の変動を連続して実行させることができるため、主として第2特別図柄の抽選により遊技を進行する遊技状態を形成する。なお、第1特別図柄の変動時間を第12制御例における600秒間から120秒間に変更しているのは、時短状態Bにおいて当たりとならずに時短状態Aへと移行した場合に、第1特別図柄の抽選が長い時間残ってしまい、第1特別図柄の抽選を実行することができない期間が長く継続してしまうことを回避する趣旨である。一方で、第1特別図柄の抽選時間を短くしすぎると、第2時短状態Bや第3時短状態Bにおいて第1特別図柄の抽選が複数回実行されてしまい、第2特別図柄の抽選回数が減ってしまう可能性があるため、ある程度長い120秒という期間を設定している。
次に、図556(a)を参照して、小当たり乱数17テーブル202qeの詳細について説明する。この小当たり乱数17テーブル202qeは、上述した第12制御例における小当たり乱数12テーブル202ke(図409(d)参照)と同様に、特別図柄の抽選で小当たりと判定される乱数値(第1当たり乱数カウンタC1のカウンタ値)が規定されているデータテーブルである。図556(a)は、本第17制御例における小当たり乱数17テーブル202qeの規定内容を示した図である。図556(a)に示した通り、本第17制御例では、第1特別図柄と第2特別図柄とで、対応付けられている乱数値(第1当たり乱数カウンタC1のカウンタ値)を異ならせている。つまり、第1特別図柄の抽選と第2特別図柄の抽選とで、小当たりに当選する確率を異ならせている。
より具体的には、図556(a)に示した通り、第1特別図柄の抽選で小当たりと判定される乱数値(カウンタ値)の範囲として、「18〜899」が規定されている一方で、第2特別図柄の抽選で小当たりと判定される乱数値(カウンタ値)の範囲として、「18〜89」が規定されている。第1当たり乱数カウンタC1の取り得る「0〜899」の900個の乱数値(カウンタ値)のうち、第1特別図柄の抽選および第2特別図柄の抽選で小当たりと判定される乱数値(カウンタ値)はそれぞれ882個、および72個であるので、第1特別図柄の抽選で小当たりとなる確率は49/50(882/900)であり、第2特別図柄の抽選で小当たりとなる確率は2/25(72/900)である。特別図柄の抽選で大当たりとなる確率が1/50であることを加味すると、第1特別図柄の抽選では、大当たり若しくは小当たりのどちらかに当選する。また、第2特別図柄の抽選では、1/10(2/25+1/10)の確率で大当たり若しくは小当たりに当選する。ここで、詳細については後述するが、第1特別図柄の小当たりは、大当たりに当選し得ない(V入賞が発生し得ない)不利な小当たり種別のみが選択されるため、他の制御例における外れと実質的に同一である。一方で、第2特別図柄の小当たりは、小当たり遊技中に右打ちを行うことでほぼ確実にV入賞が発生して大当たりに当選する有利な小当たり種別のみが選択される。よって、第1特別図柄の大当たり確率は、小当たりの影響を受けないため、1/50となるに対し、第2特別図柄の大当たり確率は、実質的に大当たりと小当たりとの合算の確率となるため、1/10となる。よって、第1特別図柄の抽選よりも第2特別図柄の抽選の方が遊技者に有利となる。
次に、図556(b)を参照して、本第17制御例における小当たり種別選択17テーブル202qfの詳細について説明する。この小当たり種別選択17テーブル202qfは、上述した第12制御例における小当たり種別選択12テーブル202kfと同様に、特別図柄の抽選で小当たりに当選した場合に、小当たりの種別を決定するために参照されるデータテーブルである。図556(b)は、この小当たり種別選択17テーブル202qfの規定内容を示した図である。図556(b)に示した通り、本第17制御例における小当たり種別選択17テーブル202qfには、第1特別図柄の小当たり種別として、「小当たりA17」の一種類のみが規定されている一方で、第2特別図柄の小当たり種別として、「小当たりB17」〜「小当たりD17」の3種類が規定されている。
「小当たりA17」は、小当たり用入賞装置2650が開閉される小当たりである。つまり、大当たりの当選契機となる特定領域1650aが設けられているV入賞装置1650が開放されない小当たりであるため、大当たりに当選する(V入賞が発生する)可能性がない小当たり種別である。また、「小当たりB17」〜「小当たりD17」は、いずれもV入賞装置1650が開放される種別の小当たりであり、右打ちにより特定領域1650aへと容易に遊技球を入球させることができるため、実質的に大当たり当選が確定する小当たり種別である。また、「大当たりB17」は、V入賞が発生した場合に大当たりC17(15ラウンド特図2時短大当たり)が実行され、「大当たりC17」は、V入賞が発生した場合に大当たりD17(8ラウンド特図2時短大当たり)が実行され、「大当たりD17」は、V入賞が発生した場合に大当たりE17(4ラウンド特図2時短大当たり)が実行される。このため、第2特別図柄の小当たりの中では、「小当たりB17」が最も有利度合いが高く、「小当たりD17」が最も有利度合いが低くなる。
図556(b)に示した通り、「小当たりA17」には、小当たり種別カウンタC5の取り得る全範囲(0〜99)の値が対応付けられている。よって、第1特別図柄の抽選で小当たりに当選した場合は、必ずV入賞が発生し得ない「小当たりA17」が決定される。よって、第1特別図柄の小当たりは、実質的に他の制御例における外れと同等の抽選結果となる。
また、図556(b)に示した通り、第2特別図柄に対する規定内容として、小当たり種別カウンタC5の値が「0〜49」の範囲に対して、「小当たりB17」が対応付けて規定され、小当たり種別カウンタC5の値が「50〜69」の範囲に対して、「小当たりC17」が対応付けて規定され、小当たり種別カウンタC5の値が「70〜99」の範囲に対して、「小当たりD17」が対応付けて規定されている。このため、第2特別図柄の抽選で小当たりとなった場合に「小当たりB17」が決定される割合は50%であり、「小当たりC17」が決定される割合は20%であり、「小当たりD17」が決定される割合は30%である。第2特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合は、最も有利な「大当たりA17」の振り分けが85%に設定されていた(図554(c)参照)ことを鑑みると、第2特別図柄の抽選で大当たりになった方が、小当たりに当選してV入賞を発生させた場合よりも有利度合いが高くなり易く設定されているといえる。よって、時短状態Bにおいては、確率の高い(2/25の)小当たりよりも、確率の低い(1/50の)大当たりに当選することをより強く期待して遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
次に、図556(c)を参照して、本第17制御例における時短当たり乱数17テーブル202qhの詳細について説明する。この時短当たり乱数17テーブル202qhは、上述した第12制御例における時短当たり乱数12テーブル202khと同様に、特別図柄の抽選で時短図柄当選と判定される乱数値(第1当たり乱数カウンタC1のカウンタ値)が規定されているデータテーブルである。図566(c)は、この時短当たり乱数17テーブル202qhの規定内容を示した図である。図556(c)に示した通り、本第17制御例では、第2特別図柄の抽選で時短当選と判定される乱数値(第1当たり乱数カウンタC1の値)として、「90〜899」の810個の乱数値(カウンタ値)が対応付けて規定されている。第1当たり乱数カウンタC1の取り得る「0〜899」の900個の乱数値(カウンタ値)のうち、時短当選と判定される乱数値(カウンタ値)の個数が810個であるため、第17制御例において第2特別図柄の抽選が実行された場合に時短当選と判定される確率は9/10(810/900)である。一方で、図556(c)に示した通り、第1特別図柄に対しては、時短当選と判定される乱数値(カウンタ値)が対応付けられていないため、第1特別図柄の抽選で時短当選と判定される可能性は0である。
このように、本第17制御例では、第2特別図柄の抽選が実行された場合に高確率(9/10の確率)で時短図柄に当選する構成としている。このように構成することで、主として第2特別図柄の抽選が実行される時短状態Bにおいて、限られた抽選回数において、ほぼ毎変動で時短図柄に当選して時短回数を上乗せすることができる。よって、時短状態Aにおける有利度合いを、時短状態Aよりも前に設定される時短状態Bにおける抽選内容に応じて決定することができるという、極めて特殊、且つ、斬新な遊技性を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
次に、図557(a)を参照して、本第17制御例におけるROM202に追加されている時短当たり種別選択テーブル202qiの詳細について説明する。この時短当たり種別選択テーブル202qiは、時短図柄に当選した場合に、時短図柄の種別を選択するために参照されるデータテーブルである。図557(a)に示した通り、この時短当たり種別選択テーブル202qiには、時短図柄の種別(時短当たり種別)と、第1当たり種別カウンタC2の値と、が対応付けて規定されている。具体的には、図557(a)に示した通り、第1当たり種別カウンタC2の値「0」に対して、時短当たり種別として時短回数が50回の「時短図柄A」が対応付けて規定され、第1当たり種別カウンタC2の値が「1〜19」の範囲に対して、時短当たり種別として時短回数が10回の「時短図柄B」が対応付けて規定され、第1当たり種別カウンタC2の値が「20〜99」の範囲に対して、時短当たり種別として時短回数が5回の「時短図柄C」が対応付けて規定されている。
第1当たり種別カウンタC2の取り得る「0〜99」の乱数値(カウンタ値)のうち、「時短図柄A」、「時短図柄B」、および「時短図柄C」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)はそれぞれ1個、19個、および80個であるので、第2特別図柄の抽選で時短図柄に当選した場合に「時短図柄A」が決定される割合は1%であり、「時短図柄B」が決定される割合は19%であり、「時短図柄C」が決定される割合は80%である。よって、第2特別図柄の抽選が実行される時短状態B(第2時短状態B、第3時短状態B)においては、時短図柄に当選した場合に1%の割合で時短回数が50回上乗せされ(時短図柄Aが決定され)、19%の割合で時短回数が10回上乗せされ(時短図柄Bが決定され)、80%の割合で時短回数が5回上乗せされる(時短図柄Cが決定される)。これにより、時短状態B(上乗せRUSHの実行中)に上乗せされる時短回数にバリエーションを設けることができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
次に、図557(b)を参照して、本第17制御例におけるROM202に追加されている変動パターンシナリオテーブル202qjの詳細について説明する。この変動パターンシナリオテーブル202qjは、前回の大当たり種別、現在設定されている遊技状態、および大当たり終了後における特別図柄の抽選回数に応じて、参照される変動パターンテーブルの種別(通常用テーブル202qd1、特1時短用テーブル202qd2、特2時短用テーブル202qd3のいずれか)が規定されているデータテーブルである。特別図柄の抽選が実行されると、この変動パターンシナリオテーブル202qjを用いて、変動パターン(変動時間)を選択するために参照される変動パターンテーブルの種別を決定し、その決定した変動パターンテーブルを参照して変動パターンが選択される。
図557(b)は、この変動パターンシナリオテーブル202qjの規定内容を示した図である。図557(b)に示した通り、この変動パターンシナリオテーブル202qjには、前回の大当たり種別、現在設定されている遊技状態、および大当たり終了後における特別図柄の抽選回数(特図抽選カウンタ203qaの値)の組み合わせ毎に、参照する変動パターンテーブルの種別が対応付けて規定されている。
具体的には、前回の大当たり種別が「大当たりA17」、現在の遊技状態が通常状態という状況において、特別図柄の抽選回数(特図抽選カウンタ203qaの値)が52〜150の範囲、および212〜300の範囲に対して、通常用テーブル202qd1が対応付けて規定されている。よって、これらの抽選回数の範囲内で特別図柄の抽選が実行された場合は、通常用テーブル202qd1が参照されて変動パターン(変動時間)が選択される。一方、その他の範囲には変動パターンテーブルが対応付けられていない。これは、大当たりA17の終了後1回〜51回の範囲は、必ず第2時短状態に設定される(大当たりA17の終了時に時短カウンタ203hの値に51が設定される)し、大当たりA17の終了後151回〜211回の範囲は、必ず天井抽選回数到達に基づいて第3時短状態に設定されるので、通常状態で特別図柄の抽選が実行される可能性がないためである。
なお、本第17制御例では、特図抽選カウンタ203qaの値が300に到達した場合(当たりに当選せずに特別図柄の抽選回数が300回に到達した場合)に、特図抽選カウンタ203qaの値を150に更新する構成としている。つまり、天井抽選回数に到達した後で、更に1又は複数回天井抽選回数に到達した場合についても、天井抽選回数に到達する毎に第3時短状態Bを設定することができる。よって、所謂大ハマりが発生したとしても、遊技者にとって過剰に不利となることを抑制することができる。また、変動パターンシナリオテーブル202qjに対して、300回を超える特図抽選回数のシナリオを規定する必要がなくなるため、変動パターンシナリオテーブル202qjのデータ量を低減することができる。よって、ROM202の容量を削減することができる。
図557(b)に示した通り、前回の大当たり種別が「大当たりA17」、現在の遊技状態が時短状態という状況においては、特別図柄の抽選回数(特図抽選カウンタ203qaの値)が1〜51の範囲、および163〜300の範囲に対して、特1時短用テーブル202qd2が対応付けて規定され、特別図柄の抽選回数(特図抽選カウンタ203qaの値)が151〜162の範囲に対して、特2時短用テーブル202qd3が対応付けて規定されている。よって、大当たりA17の終了後51回以内の抽選回数、および163回以上では、時短状態が継続する(時短回数が残っている)限り特1時短用テーブル202qd2が参照されるため、第1特別図柄の抽選が主として実行される時短状態Aを形成する。また、大当たりA17の終了後151回〜162回の抽選回数では、特2時短用テーブル202qd3が参照されるため、時短状態Bを形成する。よって、主として第2特別図柄の抽選が実行される極めて有利な状態を形成する。
また、図557(b)に示した通り、前回の大当たり種別が「大当たりB17」、現在の遊技状態が通常状態という状況においては、前回の大当たり種別が「大当たりA17」である場合と同一の変動パターンシナリオが規定されている。つまり、特別図柄の抽選回数(特図抽選カウンタ203qaの値)が52〜150の範囲、および212〜300の範囲に対して、通常用テーブル202qd1が対応付けて規定されている。よって、これらの抽選回数の範囲内で特別図柄の抽選が実行された場合は、通常用テーブル202qd1が参照されて変動パターン(変動時間)が選択される。これに対し、大当たり種別が「大当たりB17」、現在の遊技状態が時短状態という状況においては、特別図柄の抽選回数(特図抽選カウンタ203qaの値)が7〜150の範囲、および163〜300の範囲に対して、特1時短用テーブル202qd2が対応付けて規定され、特別図柄の抽選回数(特図抽選カウンタ203qaの値)が1〜6の範囲、および151〜162の範囲に対して、特2時短用テーブル202qd3が対応付けて規定されている。よって、大当たりB17の終了後7回〜150回の抽選回数、および163回以上の抽選回数では、時短状態が継続する(時短回数が残っている)限り特図1時短用テーブル202qd2が参照されるため、第1特別図柄の抽選が主として実行される時短状態Aを形成する。また、大当たりB17の終了後1回〜6回、および151回〜162回の抽選回数では、特図2時短用テーブル202qd3が参照されるため、時短状態Bを形成する。よって、主として第2特別図柄の抽選が実行される極めて有利な状態を形成する。なお、「大当たりA17」と異なり、抽選回数が52回〜150回の範囲でも時短状態が継続する可能性があるのは、大当たり終了直後の第2時短状態Bにおいて上乗せされる時短回数次第で天井抽選回数を超える時短回数を上乗せする可能性があるためである。
また、図557(b)に示した通り、前回の大当たり種別が「大当たりC17」〜「大当たりE17」のいずれか、現在の遊技状態が通常状態という状況においては、前回の大当たり種別が「大当たりA17」や「大当たりB17」である場合と同一の変動パターンシナリオが規定されている。つまり、特別図柄の抽選回数(特図抽選カウンタ203qaの値)が52〜150の範囲、および212〜300の範囲に対して、通常用テーブル202qd1が対応付けて規定されている。よって、これらの抽選回数の範囲内で特別図柄の抽選が実行された場合は、通常用テーブル202qd1が参照されて変動パターン(変動時間)が選択される。これに対し、大当たり種別が「大当たりC17」〜「大当たりE17」のいずれか、現在の遊技状態が時短状態という状況においては、特別図柄の抽選回数(特図抽選カウンタ203qaの値)が12〜150の範囲、および163〜300の範囲に対して、特1時短用テーブル202qd2が対応付けて規定され、特別図柄の抽選回数(特図抽選カウンタ203qaの値)が1〜11の範囲、および151〜162の範囲に対して、特2時短用テーブル202qd3が対応付けて規定されている。よって、大当たりC17〜大当たりE17の終了後12回〜150回の抽選回数、および163回以上の抽選回数では、時短状態が継続する(時短回数が残っている)限り特図1時短用テーブル202qd2が参照されるため、第1特別図柄の抽選が主として実行される時短状態Aを形成する。また、大当たりC17〜大当たりE17の終了後1回〜11回、および151回〜162回の抽選回数では、特図2時短用テーブル202qd3が参照されるため、時短状態Bを形成する。よって、主として第2特別図柄の抽選が実行される極めて有利な状態を形成する。なお、「大当たりB17」と同様に、「大当たりC17」〜「大当たりE17」においても、大当たり終了直後の第2時短状態Bが設定されるため、当該第2時短状態Bにおいて上乗せされる時短回数次第で天井抽選回数を超える時短回数を上乗せする可能性がある。
また、図557(b)に示した通り、大当たりに未当選の状況(パチンコ機10を初期化した後、大当たりに1回も当選していない状況)で、現在の遊技状態が通常状態という状況においては、特別図柄の抽選回数(特図抽選カウンタ203qaの値)が1〜150の範囲、および212〜300の範囲に対して、通常用テーブル202qd1が対応付けて規定されている。よって、これらの抽選回数の範囲内で特別図柄の抽選が実行された場合は、通常用テーブル202qd1が参照されて変動パターン(変動時間)が選択される。これに対し、大当たりに未当選で、現在の遊技状態が時短状態という状況においては、特別図柄の抽選回数(特図抽選カウンタ203qaの値)が163〜300の範囲に対して、特1時短用テーブル202qd2が対応付けて規定され、特別図柄の抽選回数(特図抽選カウンタ203qaの値)が151〜162の範囲に対して、特2時短用テーブル202qd3が対応付けて規定されている。よって、パチンコ機10の初期化後163回以上の抽選回数では、時短状態が継続する(時短回数が残っている)限り特図1時短用テーブル202qd2が参照されるため、第1特別図柄の抽選が主として実行される時短状態Aを形成する。また、パチンコ機10の初期化後151回〜162回の抽選回数では、特図2時短用テーブル202qd3が参照されるため、時短状態Bを形成する。よって、主として第2特別図柄の抽選が実行される極めて有利な状態を形成する。
このように、本第17制御例では、変動パターンシナリオテーブル202qjによって変動パターンシナリオを規定し、前回の大当たり種別、現在の遊技状態、および特別図柄の抽選回数に応じた変動パターンテーブルを選択する構成としているので、比較的複雑な遊技状態の移行方式を実現することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
次に、図553を参照して、本第17制御例における音声ランプ制御装置113内に設けられているRAM203の詳細について説明する。図553は、本第17制御例におけるRAM203の構成を示したブロック図である。図553に示した通り、本第17制御例におけるRAM203は、上述した第12制御例におけるRAM203の構成(図408参照)に対して、特図抽選カウンタ203qaと、大当たりフラグ203qbと、特図1小当たりフラグ203qcと、特図2小当たりフラグ203qdと、が追加されている点で相違している。また、小当たりAカウンタ203fg、小当たりBカウンタ203fhが削除されている点でも相違している。
特図抽選カウンタ203qaは、大当たり終了後(若しくはパチンコ機10の初期化後)に実行された特別図柄の抽選回数をカウントするためのカウンタである。この特図抽選カウンタ203qaは、特別図柄の変動表示の開始を設定するタイミングで値が1ずつ加算して更新される(図564のS38103参照)。この特図抽選カウンタ203qaの値を参照して、天井抽選回数への到達有無を判別したり、変動パターンシナリオテーブル202qjから抽選回数に対応する変動パターンテーブルの選択処理が実行される。
大当たりフラグ203qbは、特別図柄の抽選で大当たりとなった場合にオンに設定されるフラグである(図561のY8011、図568のY8111参照)。この大当たりフラグ203qbは、大当たりに対応する停止図柄の表示を設定する際にオフに設定される(図565のY727、図571のY925参照)。この大当たりフラグ203qbは、第1特別図柄用の大当たりフラグと、第2特別図柄用の大当たりフラグとが設けられており、第1特別図柄用の大当たりフラグがオンの状態で、且つ、第2特別図柄の変動表示が実行中の場合に第1特別図柄の変動表示の変動時間が終了すると、第2特別図柄を外れ図柄で強制停止させる処理が実行される(図565のY726参照)。また、第2特別図柄用の大当たりフラグがオンの状態で、且つ、第1特別図柄の変動表示が実行中の場合に第2特別図柄の変動表示の変動時間が終了すると、第1特別図柄を外れ図柄で強制停止させる処理が実行される(図571のY924参照)。これにより、第1特別図柄の抽選と第2特別図柄の抽選との一方が大当たりとなり、他方が大当たりまたは小当たりとなった場合に、大当たりと大当たり、若しくは大当たりと小当たりが重複して開始されてしまう不具合を防止することができる。
特図1小当たりフラグ203qcは、第1特別図柄の抽選で小当たりとなった場合にオンに設定されるフラグである(図562のY8055参照)。この特図1小当たりフラグ203qcは、第1特別図柄の小当たりに対応する停止図柄の表示を設定する際にオフに設定される(図566のY759参照)。特図1小当たりフラグ203qdがオンの状態で、且つ、第2特別図柄の変動表示が実行中の場合に第1特別図柄の変動表示の変動時間が終了すると、第2特別図柄を外れ図柄で強制停止させる処理が実行される(図566のY753参照)。これにより、第1特別図柄の抽選と第2特別図柄の抽選との一方が小当たりとなり、他方が大当たりまたは小当たりとなった場合に、小当たりと大当たり、若しくは小当たりと小当たりが重複して開始されてしまう不具合を防止することができる。
特図2小当たりフラグ203qdは、第2特別図柄の抽選で小当たりとなった場合にオンに設定されるフラグである(図562のY8055参照)。この特図2小当たりフラグ203qdは、第2特別図柄の小当たりに対応する停止図柄の表示を設定する際にオフに設定される(図566のY759参照)。特図1小当たりフラグ203qdがオンの状態で、且つ、第2特別図柄の変動表示が実行中の場合に第1特別図柄の変動表示の変動時間が終了すると、第2特別図柄を外れ図柄で強制停止させる処理が実行される(図573のY959参照)。これにより、第1特別図柄の抽選と第2特別図柄の抽選との一方が小当たりとなり、他方が大当たりまたは小当たりとなった場合に、小当たりと大当たり、若しくは小当たりと小当たりが重複して開始されてしまう不具合を防止することができる。
次に、図558を参照して、本第17制御例における音声ランプ制御装置113内に設けられているRAM223の詳細について説明する。図558は、本第17制御例におけるRAM223の構成を示したブロック図である。図558に示した通り、本第17制御例におけるRAM223は、上述した第12制御例(および第5制御例)におけるRAM223の構成(図249(b)参照)に対して、特図抽選回数カウンタ223lc、上乗せRUSH中カウンタ223qa、ベース回数カウンタ223qb、上乗せ回数カウンタ223qcが追加されている点で相違する。また、時短抽選回数カウンタ223db、モード種別格納エリア223dc、ロング時短中フラグ223dd、初回設定フラグ223deが削除されている点でも相違する。
特図抽選カウンタ223lcは、上述した第13制御例等の特図抽選カウンタ223lcと同一の機能を有するカウンタである。即ち、主制御装置110内のRAM223に設けられている特図抽選カウンタ203qaの値に同期して更新されるカウンタであり、主制御装置110から状態コマンドによって特図抽選カウンタ203qaの値が通知される毎に値が更新される。この特図抽選カウンタ223lcによって、主制御装置110側で把握する大当たり終了後の特別図柄の抽選回数と、音声ランプ制御装置113側で把握する大当たり終了後の特別図柄の抽選回数とを常に一致させることができる。
上乗せRUSH中カウンタ223qaは、上乗せRUSH(時短状態B)が終了するまでの残り回数を示すカウンタである。この上乗せRUSH中カウンタ223qaは、初期値が0に設定されており、時短状態B(第2時短状態、第3時短状態のどちらか)が設定されると、設定契機に応じたカウンタ値(時短状態Aへと移行するまでの特別図柄の抽選回数に応じた値)が設定される。即ち、天井抽選回数(150回)到達に基づく時短状態Bへの移行、または、大当たりC17〜E17に当選したことに基づく時短状態Bへの移行の場合は、時短状態Bの抽選回数が11回に設定されるので、上乗せRUSH中カウンタ223qaに対して11が設定される(図574のS9314A参照)。また、大当たりB17に当選したことに基づく時短状態Bへの移行の場合は、時短状態Bの抽選回数が6回に設定されるので、上乗せRUSH中カウンタ223qaに対して6が設定される(図574のS9317A参照)。また、上乗せRUSHにおいて特別図柄の抽選が1回時実行される毎に、値が1ずつ減算して更新される。この上乗せRUSH中カウンタ223qaの値に応じて、上乗せRUSH終了までの残り回数の表示が設定される。
ベース回数カウンタ223qbは、時短状態B(上乗せRUSH)が終了した後で移行する時短状態Aの時短回数のうち、時短状態B(上乗せRUSH)に突入した時点で既に確定している(保証されている)時短回数(ベースの時短回数)を示すカウンタである。このベース回数カウンタ223qbは、初期値が0に設定されており、時短状態Bへと移行した場合に、当該移行に伴って設定される時短回数から時短状態Bの間の特別図柄の抽選回数を減じた値が設定される。より具体的には、大当たりC17〜E17のいずれかに当選したことに基づいて時短状態Bが設定された場合は、このベース回数カウンタ223qbに対して75が設定される(図574のS9316A参照)。また、大当たりB17に当選したことに基づいて時短状態Bが設定された場合、および天井抽選回数に到達したことに基づいて時短状態Bが設定された場合は、このベース回数カウンタ223qbに対して50が設定される(図574のS9318A参照)。このベース回数カウンタ223qbに設定された値が、時短状態B(上乗せRUSH)の間、小表示領域Dm13における左側に表示され続ける。
上乗せ回数カウンタ223qcは、時短状態B(上乗せRUSH)において上乗せされた時短回数をカウントするためのカウンタである。この上乗せ回数カウンタ223qcは、初期値が0に設定されており、時短状態B(上乗せRUSH)において第2特別図柄の抽選で時短図柄に当選し、時短回数が上乗せされる(時短カウンタ203hに対して当選した時短図柄に応じた時短回数が加算される)毎に、当該上乗せされた時短回数に応じたカウンタ値が加算して更新される(図575のS9629A参照)。この上乗せ回数カウンタ223qcに設定された値が、時短状態B(上乗せRUSH)の間、小表示領域Dm13における右側に表示され続ける。
<第17制御例における主制御装置の制御処理について>
次いで、図559〜図573を参照して、第17制御例における主制御装置110のMPU201により実行される各種処理について説明する。具体的には、本第17制御例では、第12制御例における特別図柄変動処理12(図417参照)に代えて特別図柄変動処理17(図559参照)を実行する点で相違する。その他の構成については、第12制御例と同一であるので、その詳細な説明は省略する。なお、特別図柄変動処理12(図417参照)から特別図柄変動処理17(図559参照)への変更は、主として、一方の特別図柄の変動表示中に他方の特別図柄が大当たりまたは小当たり図柄で停止表示された場合に、変動表示中の一方の特別図柄を外れ図柄で強制的に停止表示させる仕様への変更に伴うものである。
まず、図559を参照して、本第17制御例における主制御装置110のMPU201により実行される特別図柄変動処理17(Y111)について説明する。図559は、この特別図柄変動処理17(Y111)の内容を示したフローチャートである。この特別図柄変動処理17(Y111)のうち、Y231、Y234およびY238の各処理では、それぞれ第12制御例における特別図柄変動処理12(図417参照)の、Y231、Y234およびY238の各処理と同一の処理が実行される。
また、本制御例の特別図柄変動処理17(Y111)では、Y234の処理において、特図1変動時間タイマ203kaが0より大きい値ではない(即ち0である)と判別した場合には(Y234:No)、第12制御例における第1特別図柄変動開始処理12(図418参照)に代えて第1特別図柄変動開始処理17を実行し(Y251)、処理をY238へと移行する。この第1特別図柄変動開始処理17(Y251)の詳細については、図560を参照して後述する。
一方、Y234の処理において、特図1変動時間タイマ203kaが0より大きい値であると判別した場合には(Y234:Yes)、特図1変動時間タイマ203kaを減算して更新し(Y252)、第1図柄表示装置の第1特別図柄の表示を更新し(Y253)、次いで、上述した第12制御例における第1特別図柄変動停止処理12(図424参照)に代えて第1特別図柄変動停止処理17を実行し(Y254)、処理をY238へと移行する。この第1特別図柄変動停止処理17(Y254)の詳細については、図564を参照して後述する。
また、本第17制御例における特別図柄変動処理17(図559参照)では、Y238の処理において、特図2変動時間タイマ203kbは0より大きい値ではない(即ち0である)と判別した場合には(Y238:No)、上述した第12制御例における第2特別図柄変動開始処理12(図427参照)に代えて第2特別図柄変動開始処理17を実行し(Y255)、本処理を終了する。この第2特別図柄変動開始処理17(Y255)の詳細については、図567を参照して後述する。
一方、Y238の処理において、特図2変動時間タイマ203kbが0より大きい値であると判別した場合には(Y238:Yes)、特図2変動時間タイマ203kbを減算して更新し(Y256)、第1図柄表示装置の第2特別図柄の表示を更新し(Y257)、上述した第12制御例における第2特別図柄変動停止処理12(図433参照)に代えて第2特別図柄変動停止処理17を実行し(Y258)、本処理を終了する。第2特別図柄変動停止処理17(Y258)の詳細については、図571を参照して後述する。
次いで、図560を参照して、本第17制御例における特別図柄変動処理17(図559)の一処理である第1特別図柄変動開始処理17(Y251)について説明する。図560は、この第1特別図柄変動開始処理17(Y251)の内容を示したフローチャートである。
この第1特別図柄変動開始処理17(Y251)のうち、Y302〜Y306およびY309の各処理では、それぞれ第12制御例における第1特別図柄変動開始処理12(図418参照)のY302〜Y306およびY309の各処理と同一の処理が実行される。また、本第17制御例における第1特別図柄変動開始処理17(Y251)では、第12制御例における第1特別図柄変動開始処理12(図418参照)のY301の処理が削除されている。また、本第17制御例における第1特別図柄変動開始処理17(図560参照)では、Y306の処理を実行した後、第12制御例における第1特別図柄判定処理12(図419参照)に代えて、第1特別図柄判定処理17を実行し(Y321)、第12制御例における第1特別図柄変動パターン選択処理12(図420参照)に代えて第1特別図柄変動パターン選択処理17を実行し(Y322)、処理をY309へと移行する。更に、本第17制御例における第1特別図柄変動開始処理17(図560参照)では、Y309の処理が終了すると、次いで、天井抽選回数に到達したか否かを判定して、天井抽選回数に到達した場合に第3時短状態を設定するための天井判定処理17を実行し(Y323)、本処理を終了する。第1特別図柄判定処理17(Y321)、第1特別図柄変動パターン選択処理17(Y322)、天井判定処理17(Y323)の詳細については、図561、図563、および図564を参照して後述する。
次いで、図561を参照して、本第17制御例における第1特別図柄変動開始処理17(図560参照)の一処理である第1特別図柄判定処理17(Y321)について説明する。図561は、この第1特別図柄判定処理17(Y321)の内容を示したフローチャートである。
この第1特別図柄判定処理17(Y321)のうち、Y8001〜Y8006の各処理では、それぞれ第12制御例における第1特別図柄判定処理12(図419参照)のY8001〜Y8006の各処理と同一の処理が実行される。また、本制御例の第1特別図柄判定処理17(Y321)では、Y8003において、抽選結果が大当たりであると判別した場合には、(Y8003:Yes)、第1特別図柄に対応する大当たりフラグ203qbをオンに設定し(Y8011)、処理をY8004へと移行する。一方、抽選結果が大当たりではないと判別した場合には、(Y8003:No)、小当たり抽選処理17を実行し(Y8012)、本処理を終了する。
次いで、図562を参照して、本第17制御例における第1特別図柄判定処理17(図561)の一処理である小当たり抽選処理17(Y8012)について説明する。図562は、この小当たり抽選処理17(Y8012)の内容を示したフローチャートである。
この小当たり抽選処理17(Y8012)では、まず、今回の特別図柄の抽選結果が時短当選であるか否かを判別する(Y8051)。Y8051の処理において、抽選結果が時短当選であると判別した場合には(Y8051:Yes)、そのまま本処理を終了する。一方、時短当選ではないと判別した場合には(Y8051:No)、小当たり乱数17テーブル202qeに基づいて抽選結果を取得し(Y8052)、抽選結果が小当たり当選であるか否かを判別し(Y8053)、抽選結果が小当たり当選ではないと判別した場合には(Y8053:No)、そのまま本処理を終了する。一方、抽選結果が小当たり当選であると判別した場合には(Y8053:Yes)、取得した小当たり種別カウンタC5の値に基づいて、小当たり種別選択17テーブル202qfから小当たり種別を選択し、第1図柄表示装置に表示する特別図柄の小当たり図柄をセットし(Y8054)、今回小当たりに当選した特別図柄に対応する小当たりフラグをオンに設定し(Y8055)、本処理を終了する。一方、Y5053の処理において、抽選結果が小当たり当選ではないと判別した場合には(Y8053:No)、Y8054およびY8055の処理をスキップし、本処理を終了する。
次いで、図563を参照して、本第17制御例における第1特別図柄変動開始処理17(図560参照)の一処理である第1特別図柄変動パターン選択処理17(Y322)について説明する。図563は、この第1特別図柄変動パターン選択処理17(Y322)の内容を示したフローチャートである。
この第1特別図柄変動パターン選択処理17(Y322)のうち、Y501〜Y503およびY505〜Y508の各処理では、それぞれ第12制御例における第1特別図柄変動パターン選択処理12(図420参照)のY501〜Y503およびY505〜Y508の各処理と同一の処理が実行される。また、本制御例の第1特別図柄変動パターン選択処理17(Y322)では、Y503の処理を実行した後、変動パターンシナリオテーブル202qjを参照して現在の特図抽選カウンタ203qaの値に対応する変動パターン選択テーブルを特定し(Y511)、特定した変動パターン選択テーブルを読み出し(Y512)、処理をY505へと移行する。
次いで、図564を参照して、本第17制御例における第1特別図柄変動開始処理17(図560参照)の一処理である天井判定処理17(Y323)について説明する。図564は、この天井判定処理17(Y323)の内容を示したフローチャートである。
この天井判定処理17(Y323)では、まず、特図抽選カウンタ203qaの値に1を加算し(S38103)、特図抽選カウンタ203qaの値が300であるか否かを判別し(S38121A)、特図抽選カウンタ203qaの値が300であると判別した場合には(S38121A:Yes)、特図抽選カウンタ203qaの値を150に更新し(S38122A)、特図抽選カウンタ203qaの値を示す情報を含む状態コマンドを設定し(S38105)、本処理を終了する。一方で、S38121Aの処理において、特図抽選カウンタ203qaの値が300ではないと判別した場合には(S38121A:No)、次いで、特図抽選カウンタ203qaの値が151であるか否かを判別し(S38123A)、特図抽選カウンタ203qaの値が151ではないと判別した場合には(S38123A:No)、処理をS38105へ移行する。
これに対し、S38123Aの処理において、特図抽選カウンタ203qaの値が151であると判別した場合には(S38123A:Yes)、天井抽選回数に到達したことを意味するため、時短カウンタ203hに61を加算することで第3時短状態を設定し(S38124A)、遊技状態格納エリア203gに第3時短状態を示す情報を設定する(S38112A)。次に、今回の時短抽選に関する情報をクリアし(S38113A)、第3時短状態を示す情報と時短回数を示す情報とを含む状態コマンドを設定し(S38114A)、本処理を終了する。
次いで、図565を参照して、本第17制御例における特別図柄変動処理17(図559)の一処理である第1特別図柄変動停止処理17(Y254)について説明する。図565は、この第1特別図柄変動停止処理17(Y254)の内容を示したフローチャートである。
この第1特別図柄変動停止処理17(Y254)のうち、Y701およびY704〜Y707の各処理では、それぞれ第12制御例における第1特別図柄変動停止処理12(図424参照)のY701およびY704〜Y707の各処理と同一の処理が実行される。また、本制御例の第1特別図柄変動停止処理17(Y254)では、Y701の処理において、変動時間が終了していないと判別した場合は(Y701:No)、そのまま本処理を終了する。一方、Y701の処理において、変動時間が終了したと判別した場合は(Y701:Yes)、第1特別図柄の大当たりフラグ203qbがオンであるか否かを判別し(Y721)、第1特別図柄の大当たりフラグ203qbがオンではないと判別した場合には(Y721:No)、今回の第1特別図柄の抽選結果が大当たりではないことを意味するため、特図1外れ停止処理を実行し(Y722)、本処理を終了する。なお、特図1外れ停止処理(Y722)の詳細については、図566を参照して後述する。
一方、Y721の処理において、第1特別図柄の大当たりフラグ203qbがオンであると判別した場合には(Y721:Yes)、特図2変動時間タイマ203kbが0より大きい値であるか否かを判別し(Y723)、特図2変動時間タイマ203kbが0より大きい値である(つまり、第2特別図柄の変動表示中である)と判別した場合には(Y723:Yes)、特図2変動停止フラグ203kfをオンに設定し(Y724)、特図2の変動停止を示す特図2変動停止コマンドを設定し(Y725)、第1図柄表示装置の第2特別図柄を外れ図柄で停止表示し(Y726)、処理をY727へと移行する。
一方、Y723の処理において、特図2変動時間タイマ203kbが0である(つまり、第2特別図柄の変動表示中ではない)と判別した場合には(Y723:No)、Y724〜Y726の処理をスキップし、処理をY727へと移行する。次に、第1特別図柄に対応する大当たりフラグ203qbをオフに設定し(Y727)、処理をY704へと移行する。
次いで、図566を参照して、本第17制御例における第1特別図柄変動停止処理17(図565)の一処理である特図1外れ停止処理(Y722)について説明する。図566は、この特図1外れ停止処理(Y722)の内容を示したフローチャートである。
この特図1外れ停止処理(Y722)では、まず、特図1小当たりフラグ203qcがオンであるか否かを判別し(Y751)、特図1小当たりフラグ203qcがオンであると判別した場合には(Y751:Yes)、特図2変動停止コマンドを設定し(Y752)、第1図柄表示装置の第2特別図柄を外れ図柄で停止表示し(Y753)、小当たりシナリオを設定する(Y754)。次いで、小当たり開始フラグ203fbをオンに設定し(Y755)、小当たり中フラグ203fcをオンに設定し(Y756)、特図1確定コマンドをセットする(Y757)。次いで、第1図柄表示装置の第1特別図柄を小当たり図柄で変動停止し(Y758)、特図1小当たりフラグ203qcをオフに設定し(Y759)、本処理を終了する。一方、Y751の処理において、特図1小当たりフラグ203qcがオンではない(即ち、オフである)と判別した場合には(Y751:No)、特図1確定コマンドをセットし(Y760)、第1図柄表示装置の第1特別図柄を外れ図柄で変動停止し(Y761)、本処理を終了する。
次いで、図567を参照して、本第17制御例における特別図柄変動処理17(図559)の一処理である第2特別図柄変動開始処理17(Y255)について説明する。図567は、この第2特別図柄変動開始処理17(Y255)の内容を示したフローチャートである。
この第2特別図柄変動開始処理17(Y255)のうち、Y832〜Y836およびY839(Y309)の各処理では、それぞれ第12制御例における第2特別図柄変動開始処理12(図427参照)のY832〜Y836およびY839(Y309)の各処理と同一の処理が実行される。また、本制御例の第2特別図柄変動開始処理17(Y255)では、まず、特図2変動停止フラグ203kfがオンであるか否かを判別し(Y851)、特図2変動停止フラグ203kfがオンであると判別した場合には(Y851:Yes)、特図2変動停止フラグ203kfをオフに設定し(Y852)、本処理を終了する。一方、特図2変動停止フラグ203kfがオンではない(即ち、オフである)と判別した場合には(Y851:No)、処理をY832へと移行する。
また、Y836の処理を実行した後、第2特別図柄判定処理17を実行し(Y853)、第2特別図柄変動パターン選択処理17を実行し(Y854)、次いで、Y839(Y309)を実行し、天井判定処理17を実行し(Y855(Y323))、本処理を終了する。なお、第2特別図柄判定処理17(Y853)および第2特別図柄変動パターン選択処理17(Y854)の詳細については、図568および図570を参照して後述する。また、天井判定処理17(Y855(Y323))は、上述した図564と同一の内容のため、その説明を省略する。
次いで、図568を参照して、本第17制御例における第2特別図柄変動開始処理17(図567)の一処理である第2特別図柄判定処理17(Y853)について説明する。図568は、この第2特別図柄判定処理17(Y853)の内容を示したフローチャートである。
この第2特別図柄判定処理17(Y853)のうち、Y8101〜Y8106の各処理では、それぞれ第12制御例における第2特別図柄判定処理12(図428参照)のY8101〜Y8106の各処理と同一の処理が実行される。また、本制御例の第2特別図柄判定処理17(Y853)では、Y8103の処理において、抽選結果が大当たりであると判別した場合には(Y8103:Yes)、第2特別図柄に対応する大当たりフラグ203qbをオンに設定し(Y8111)、処理をY8104へと移行する。一方、Y8103の処理において、抽選結果が大当たりではないと判別した場合には(Y8103:No)、特図2時短抽選処理17を実行し(Y8112)、小当たり抽選処理17を実行し(Y8113(Y8012))、本処理を終了する。なお、特図2時短抽選処理17(Y8112)の詳細については、図569を参照して後述する。また、小当たり抽選処理17(Y8113(Y8012))は、上述した図562と同一の内容のため、その詳細な説明については省略する。
次いで、図569を参照して、本第17制御例における第2特別図柄判定処理17(図568)の一処理である特図2時短抽選処理17(Y8112)について説明する。図569は、この特図2時短抽選処理17(Y8112)の内容を示したフローチャートである。
この特図2時短抽選処理17(Y8112)のうち、Y8202およびY8206の各処理では、それぞれ第12制御例における特図2時短抽選処理12(図429参照)のY8202およびY8206の各処理と同一の処理が実行される。また、本制御例の特図2時短抽選処理17(Y8112)では、まず、時短当たり乱数17テーブル202qhに基づいて抽選結果を取得し(Y8211)、処理をY8202へと移行する。また、本第17制御例における特図2時短抽選処理17(図569参照)では、Y8202の処理において、抽選結果が時短当選であると判別した場合には(Y8202:Yes)、第1図柄表示装置に表示する特別図柄として時短図柄をセットし(Y8212)、本処理を終了する。
次いで、図570を参照して、本第17制御例における第2特別図柄変動開始処理17(図567)の一処理である第2特別図柄変動パターン選択処理17(Y854)について説明する。図570、この第2特別図柄変動パターン選択処理17(Y854)の内容を示したフローチャートである。
この第2特別図柄変動パターン選択処理17(Y854)のうち、Y921〜Y928の各処理では、それぞれ第12制御例における第2特別図柄変動パターン選択処理12(図431参照)のY921〜Y928の各処理と同一の処理が実行される。また、本制御例の第2特別図柄変動パターン選択処理17(Y854)では、Y923の処理を実行した後、変動パターンシナリオテーブル202qj(図557(b)参照)を参照して現在の特図抽選カウンタ203qaの値と現在の遊技状態と前回の大当たり種別とに対応する変動パターン選択テーブルを特定し(Y931)、特定した変動パターン選択テーブルを読み出し(Y932)、処理をY924へと移行する。
次いで、図571を参照して、本第17制御例における特別図柄変動処理17(図559)の一処理である第2特別図柄変動停止処理17(Y528)について説明する。図571、この第2特別図柄変動停止処理17(Y528)の内容を示したフローチャートである。
この第2特別図柄変動停止処理17(Y528)のうち、Y901、Y906〜Y909、およびY914の各処理では、それぞれ第12制御例における第2特別図柄変動停止処理12(図433参照)のY901、Y906〜Y909、およびY914の各処理と同一の処理が実行される。また、本第17制御例における第2特別図柄変動停止処理17(Y528)では、Y901の処理において、変動時間の終了タイミングであると判別した場合は(Y901:Yes)、第2特別図柄に対応する大当たりフラグ203qbがオンであるか否かを判別し(Y921)、第2特別図柄に対応する大当たりフラグ203qbがオンであると判別した場合には(Y921:Yes)、次いで、特図1変動時間タイマ203kaが0より大きい値であるか否かを判別する(Y922)。特図1変動時間タイマ203kaが0より大きい値であると判別した場合には(Y922:Yes)、第1特別図柄の変動表示中に第2特別図柄の大当たり図柄の停止表示タイミングになったことを意味するため、実行中の第1特別図柄の変動を停止表示させるべく、特図1の変動停止を示す特図1変動停止コマンドを設定し(Y923)、第1図柄表示装置の第1特別図柄を外れ図柄で停止表示し(Y924)、次いで、第2特別図柄に対応する大当たりフラグ203qbをオフに設定し(Y925)、処理をY906へと移行する。一方、Y922の処理において、特図1変動時間タイマ203kaが0より大きい値ではない(即ち、0である)と判別した場合には(Y922:No)、Y923,Y924の処理をスキップし、処理をY925へと移行する。
一方、Y921の処理において、第2特別図柄に対応する大当たりフラグ203qbがオンではない(即ち、オフである)と判別した場合には(Y921:No)、Y914の処理を実行し、Y914の処理において、第2特別図柄の抽選結果が時短図柄当選であると判別した場合には(Y914:Yes)、第12制御例における時短設定処理12(図426参照)に代えて時短設定処理17を実行し(Y926)、処理をY908へと移行する。一方、第2特別図柄の抽選結果が時短図柄当選ではないと判別した場合には(Y914:No)、特図2外れ停止処理を実行し(Y927)、本処理を終了する。なお、時短設定処理17(Y926)および特図2外れ停止処理(Y927)の詳細については、図572および図573を参照して後述する。
次いで、図572を参照して、本第17制御例における第2特別図柄変動停止処理17(図571)の一処理である時短設定処理17(Y926)について説明する。図572、この時短設定処理17(Y926)の内容を示したフローチャートである。
この時短設定処理17(Y926)は、上述した第12制御例における時短設定処理12(図426参照)と同様に、特別図柄の抽選で時短図柄に当選した場合に、時短図柄に対応する時短状態の設定を行うための処理である。この第17制御例における時短設定処理17(図572参照)のうち、Y8354,Y8455の各処理では、それぞれ第12制御例における時短設定処理12(図426参照)のY8354,Y8455の各処理と同一の処理が実行される。また、本第17制御例における時短設定処理17(図572参照)では、まず、今回当選した時短図柄に対応する値を時短カウンタ203hに加算し(Y8361)、処理をY8354へと移行する。
このように、本第17制御例では、時短図柄に当選する毎に、時短図柄に対応する時短回数を時短カウンタ203hに加算していくことができるので、90%の割合で時短当選する第2特別図柄の抽選が実行され易い時短状態Bにおいて第2特別図柄の抽選が実行される毎に、ほぼ毎回時短回数が上乗せされていく斬新な遊技性を実現することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
次いで、図573を参照して、本第17制御例における第2特別図柄変動停止処理17(図571)の一処理である特図2外れ停止処理(Y927)について説明する。この特図2外れ停止処理(Y927)は、第2特別図柄の外れ(小当たり含む)図柄の停止表示を設定するための処理である。図573は、この特図2外れ停止処理(Y927)の内容を示したフローチャートである。
この特図2外れ停止処理(Y927)では、まず、特図2小当たりフラグ203qdがオンであるか否かを判別し(Y951)、特図2小当たりフラグ203qdがオンであると判別した場合には(Y951:Yes)、特図1変動停止コマンドを設定し(Y952)、第1図柄表示装置の第1特別図柄を外れ図柄で停止表示し(Y953)、小当たりシナリオを設定する(Y954)。次に、小当たり開始フラグ203fbをオンに設定し(Y955)、小当たり中フラグ203fcをオンに設定し(Y956)、特図2確定コマンドをセットする(Y957)。そして、第1図柄表示装置の第2特別図柄を小当たり図柄で変動停止し(Y958)、特図2小当たりフラグ203qdをオフに設定し(Y959)、本処理を終了する。
一方、Y951の処理において、特図2小当たりフラグ203qdがオンではない(即ち、オフである)と判別した場合には(Y951:No)、特図2確定コマンドをセットし(Y960)、第1図柄表示装置の第2特別図柄を外れ図柄で変動停止し(Y961)、本処理を終了する。
この特図2外れ停止処理(図573参照)を実行することにより、第2特別図柄の抽選で小当たりに当選して、当該小当たり当選に基づく小当たり図柄を停止表示させる際に、第1特別図柄の変動表示を外れ図柄で停止表示させることができる。これにより、第1特別図柄の抽選結果が大当たりまたは小当たりである場合に、大当たりと小当たり、若しくは小当たりと小当たりとが重複して実行されてしまうことを抑制することができる。
<第17制御例における音声ランプ制御装置により実行される制御処理について>
次に、図574から図575を参照して、本第17制御例における音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される各制御処理を説明する。本第17制御例では、上述した第12制御例(および第5制御例)に対して、状態コマンド受信処理5(図263参照)の1処理である時短状態演出設定処理5(S9011A)の内容が変更された点、特図2演出態様設定処理5(図269参照)の内容が変更された点で相違し、それ以外は同一である。同一の処理内容については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。なお、上述した各制御例、及び各制御例において説明をした内容と同一の要素について詳細な説明を省略している箇所については、上述した各制御例、及び各制御例において説明をした内容が適応されるものである。また、上述した各制御例、及び各制御例において説明をした技術思想については、本第17制御例にも当然適用されるものであり、上述した各制御例、及び各制御例において説明をした変形例や追加例についても本第17制御例に当然適用されるものである。
まず、図574を参照して、本第17制御例における音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される時短状態演出設定処理17(S9011A)について説明をする。図574は、この時短状態演出設定処理17(S9011A)の内容を示したフローチャートである。この時短状態演出設定処理17(S9011A)では、まず、受信したコマンドに含まれる時短回数を時短中カウンタ223daの値に設定し(S9311A)、次いで、時短状態Bに変更したか否かを判別し(S9312A)、時短状態Bに変更していないと判別した場合には(S9312A:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、S9312Aの処理において、時短状態Bに変更したと判別した場合には(S9312A:Yes)、大当たりB17を契機とする時短状態であるか否かを判別し(S9313A)、大当たりB17を契機とする時短状態ではないと判別した場合には(S9313A:No)、上乗せRUSH中カウンタ223qaに11を設定し(S9314A)、天井到達を契機とする時短状態であるか否かを判別する(S9315A)。天井到達を契機とする時短状態ではないと判別した場合には(S9315A:No)、ベース回数カウンタ223qbに75を設定し(S9316A)、処理をS9319Aへと移行する。
一方、S9313Aにおいて、大当たりB17を契機とする時短状態であると判別した場合には(S9313A:Yes)、上乗せRUSH中カウンタ223qaに6を設定し(S9317A)、ベース回数カウンタ223qbに50を設定し(S9318A)、処理をS9319Aへと移行する。また、S9315Aの処理において、天井到達を契機とする時短状態であると判別した場合は(S9315A:Yes)、処理をS9318Aへと移行する。次に、各カウンタ値に応じて上乗せRUSHの残り回数および初期ストック回数の表示を設定し(S9319A)、本処理を終了する。
次に、図575を参照して、本第17制御例における音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される特図2演出態様設定処理17(S4991A)について説明をする。図575は、この特図2演出態様設定処理17(S4991A)の内容を示したフローチャートである。
この特図2演出態様設定処理17(S4991A)のうち、S9611の処理では、第12制御例における特図2演出態様設定処理5(図269参照)のS9611の処理と同一の処理が実行される。また、本制御例の特図2演出態様設定処理17(S4991A)では、まず、時短状態であるか否かを判別し(S9621A)、時短状態ではないと判別した場合には(S9621A:No)、受信した変動パターンに対応した演出態様を決定し(S6922A)、S9611の処理を実行し、本処理を終了する。一方、時短状態であると判別した場合には(S9621A:Yes)、時短状態Aであるか否かを判別し(S9623A)、時短状態Aであると判別した場合には(S9623A:Yes)、上乗せRUSH終了後1回目の特図2変動であるかを判別し(S9624A)、上乗せRUSH終了後1回目の特図2変動であると判別した場合には(S9624A:Yes)、特図1の残変動時間の終了まで継続するチャンスタイム突入表示(図549(b)参照)を設定し(S9625A)、TOTAL回数として、ベース回数カウンタ223qbの値と上乗せ回数カウンタ223qcの値とを加算した値の表示を設定し(S9626A)、処理をS9622Aへと移行する。一方、S9624Aの処理において、上乗せRUSH終了後1回目の特図2変動ではないと判別した場合には(S9624A:No)、S9625AおよびS9626Aの処理をスキップし、処理をS9622Aへと移行する。
一方、S9623Aの処理において、時短状態Aではないと判別した場合には(S9623A:No)、今回の特別図柄の抽選結果が時短図柄当選であるか否かを判別し(S9627A)、時短図柄当選であると判別した場合には(S9627A:Yes)、当選した時短図柄に応じた上乗せ回数を報知する変動表示態様(図549(a)参照)を決定し(S9628A)、当選した時短図柄に対応する時短回数を時短中カウンタ223daおよび上乗せ回数カウンタ223qcに加算し(S9629A)、処理をS9611へと移行する。一方、S9627Aの処理において、時短当選ではない(即ち、大当たりまたは実質的に大当たりが確定する小当たりである)と判別した場合には(S9627A:No)、上乗せRUSHの再セットを報知する変動表示態様(図550参照)を決定し(S9630A)、上乗せ回数カウンタ223qcの値を0クリアし(S9631A)、処理をS9611へと移行する。
この特図2演出態様設定処理17(図575参照)を実行することにより、時短状態Bにおいて第2特別図柄の抽選が実行されて時短図柄に当選する毎に、時短図柄に対応する時短回数の上乗せを報知することができる。よって、ほぼ毎変動で時短図柄が上乗せされるという極めて斬新な演出態様を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
以上説明した通り、本第17制御例におけるパチンコ機10では、時短状態として、有利度合いが低い第1特別図柄の抽選が実行され易い時短状態(第2時短状態A、第3時短状態A)と、有利度合いが高い第2特別図柄の抽選が実行され易い時短状態(第2時短状態B、第3時短状態B)と、を設ける構成とし、天井抽選回数に到達した場合は、まず第3時短状態Bが設定されるように構成する一方で、通常状態において大当たりに当選した場合は、大当たり終了後の時短状態が高い割合で有利度合いの低い第2時短状態Aに設定されるように構成した。このように構成することで、大当たりに当選するよりも、天井抽選回数に到達することをより強く期待して遊技を行わせることができる。
また、本第17制御例では、時短状態中に時短図柄に当選した場合に、当選した時短図柄に対応する時短回数が上乗せされるように構成している。そして、第2特別図柄の抽選では、第1特別図柄の抽選よりも高確率(例えば、90%の割合)で時短図柄に当選するように構成している。また、第2時短状態Bまたは第3時短状態Bに移行した場合、特定回数(例えば、10回)の特別図柄の抽選が実行されることで第2時短状態Aまたは第3時短状態Aに移行する構成としている。つまり、第2時短状態Bまたは第3時短状態Bの間は、第2特別図柄の抽選が実行される毎に高確率で時短図柄に当選して時短回数が上乗せされていくため、特定回数の特別図柄の抽選が経過した後に移行する第2時短状態Aまたは第3時短状態Aの継続回数を時短状態Bの間に実行される特別図柄の抽選結果に応じて可変させることができるという斬新な遊技性を実現している。
なお、本第17制御例では、第1特別図柄の小当たりとして、V入賞が発生し得ない「小当たりA17」のみを設ける構成としていたが、第1特別図柄の小当たりでも、一部はV入賞が発生し得るように構成してもよい。そして、天井間際(例えば、天井抽選回数に到達するまでの抽選回数が残り5回以内)にV入賞が発生し得る第1特別図柄の小当たりの抽選結果がある場合は、小当たりにおいてV入賞を発生させないように促す演出を実行する構成としてもよい。つまり、特に、V入賞を発生させることで第2時短状態Aが設定される「大当たりA17」に当選する種別の小当たりとなった場合、V入賞を発生させて第2時短状態Aに移行するよりも、天井抽選回数に到達して第3時短状態Bへと移行した方が有利になる可能性が高くなるので、係る場合には、V入賞を避けるように遊技者に促す斬新な演出を実行してもよい。このように構成することで、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
本第17制御例では、時短状態B(上乗せRUSH)において第2特別図柄の抽選で時短図柄に当選する毎に、当選した時短図柄に対応する時短回数を上乗せする演出を実行する構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、時短状態Bにおいて途中まで(例えば、9回目の第2特別図柄の抽選が実行されるまで)は時短回数の上乗せ回数を報知せずに秘匿し、所定の報知タイミング(例えば、時短状態Bにおける最後の第2特別図柄の変動表示に係る変動表示演出)で上乗せ回数をまとめて報知する構成としてもよい。このように構成することで、どれだけの時短回数が上乗せされているかを所定の報知タイミングまで遊技者に予測させる遊技性を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。また、この場合において、特別図柄の抽選が実行される毎に、上乗せされた時短回数を示唆する演出を実行してもよいし、時短回数に関する情報を一切示唆しない構成としてもよい。前者の場合は、時短回数の上乗せ状況を予測し易くすることができるし、後者の場合は、報知タイミングとなるまで、第2特別図柄の抽選で大当たりとなるか否かに注目して遊技を行わせることができる。
本第17制御例では、第2特別図柄の抽選で1/10の確率で大当たり又は小当たりに当選し、9/10の確率で時短図柄に当選する構成としていたが、これに限られるものではない。所定の確率(例えば、1/2の確率)で時短図柄に当選するように構成してもよい。つまり、本第17制御例では、単なる外れの抽選結果を設けていなかったが、外れを設ける構成としてもよい。このように構成することで、時短状態Bにおいて時短図柄に当選するだけで遊技者を喜ばせることができるので、時短状態Bにおける遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
上述した第13から第17制御例では、天井抽選回数に到達した場合に第3時短状態へと移行させる構成としていたが、天井抽選回数に到達した場合に設定される遊技状態は第3時短状態に限られるものではなく、任意の遊技状態に設定することができる。具体的には、例えば、第3時短状態よりも有利な第2時短状態へと移行させる構成としてもよいし、より有利な第2確変状態へと移行させる構成としてもよい。このように構成することで、天井抽選回数到達時の有利度合いを可変させることができるので、設計の自由度を高めることができる。
上述した第13から第17制御例では、固定の天井抽選回数に到達した場合に有利な遊技状態(第3時短状態)へと移行する構成としていたが、天井抽選回数を固定化しなくてもよい。例えば、天井抽選回数として設定され得る回数を複数(例えば、50回、300回、500回、1000回等)設ける構成とし、パチンコ機10が初期化された(RAMクリアスイッチ122をオンにした状態で電源が投入された)場合や大当たり終了時に、天井抽選回数を抽選により決定する構成としてもよい。このように構成することで、天井抽選回数として少ない抽選回数が選択されることを期待して遊技を行わせる遊技性を付加することができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。この場合において、パチンコ機10が初期化された場合(例えば、初期化後1回目の変動表示演出中)や大当たり終了時(例えば、エンディング演出中や終了後1回目の変動表示演出中)に、天井抽選回数を示唆する演出を実行する構成としてもよい。このように構成することで、天井抽選回数を示唆する演出から天井抽選回数を予測する遊技性を更に付加することができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。また、例えば、大当たりの種別毎に、大当たり終了後の天井抽選回数を異ならせる構成としてもよい。このように構成することで、大当たりの種別により注目して遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。なお、この場合において、ラウンド数および大当たり終了後の遊技状態が共通で、大当たり終了後の天井抽選回数が異なる大当たり種別を設けてもよい。具体的には、例えば、4ラウンド時短大当たりとして、天井抽選回数が100回の種別と1000回の種別とを設けたり、8ラウンド時短大当たりとして天井抽選回数が400回の種別と600回の種別とを設けたりしてもよい。このように構成することで、4ラウンド時短大当たりとなった場合に、天井抽選回数が少ない可能性があるので、遊技者の興趣を向上させることができる。また、8ラウンド時短大当たりとなった場合に、1000回という極めて多い天井抽選回数が設定される可能性が無くなるため、安心して遊技を行わせることができる。
上述した第13から第17制御例では、パチンコ機10が初期化された場合にRAM203も初期化されることに伴って、特図抽選カウンタ203laの値がリセットされるように構成していたが、これに限られるものではない。例えば、パチンコ機10が初期化された場合でも、特図抽選カウンタ203laの値がリセットされないように構成してもよい。このように構成することで、遊技者が初期化された可能性が高い(例えば、大当たりや第2確変状態の間にパチンコ機10が設置されているホールの閉店時間となってしまった場合等)パチンコ機10での遊技を避けることを抑制することができるので、初期化された可能性の有無によらず、パチンコ機10の稼働率を向上させることができる。
<第18制御例>
次に、図576から図606を参照して、第18制御例の内容について説明をする。本第18制御例は、上述した第7制御例に対して、第2特別図柄保留球格納エリア203bを有し、第2入球口640に遊技球が入球した場合に既に特別図柄の変動表示中であれば、第2特別図柄の入賞情報(特図2保留)を所定数(本第18制御例では、上限4個まで)格納(保留記憶)可能に構成している点で相違している。
加えて、本第18制御例では、大当たり遊技の実行中に、第2特別図柄保留球格納エリア203bに格納(保留記憶)されている特図2保留の抽選結果を事前に判別(先読み)した結果、小当たり当選である保留(V保留)が存在する場合には、V保留が存在することを報知するための演出を実行可能に構成している点で相違している。
具体的には、大当たり遊技が開始された場合に、第2特別図柄保留球格納エリア203bに格納(保留記憶)されている特図2保留の抽選結果を先読みした結果、V保留が存在する場合には、V保留が存在することを示す報知態様である「Vアイコン」を獲得する演出(Vアイコン獲得演出)が実行される。獲得したVアイコンはV保留に基づく特別図柄の変動表示開始まで第3図柄表示装置81の主表示領域Dmにおいて縮小して表示され、V保留に基づく特別図柄の変動表示中に拡大表示される(以下、Vアイコンの発動と言う。)ことによって、遊技者にこの変動で小当たり当選することを報知する。
このように構成することで、遊技者に対して、大当たり遊技終了後に実行される特別図柄の抽選において小当たり当選することが事前に報知されるため、大当たり遊技終了後に小当たり当選することなく規定変動回数に到達し時短状態が終了するのではないかという遊技者の不安を抑制することができる。
ここで、大当たり遊技の実行中に、第2特別図柄保留球格納エリア203bに格納(保留保留記憶)されている特図2保留の抽選結果を先読みした結果、V保留が存在する場合には必ずVアイコン獲得演出が実行される構成とすると、Vアイコン獲得演出が実行されなかった場合には、第2特別図柄保留球格納エリア203bに格納(保留記憶)されている特図2保留の中にV保留は存在しない(即ち、全て外れである)ことが明かとなり、遊技者を落胆させてしまう虞がある。
このため、本第18制御例では、大当たり遊技の実行中に、第2特別図柄保留球格納エリア203bに格納(保留記憶)されている特図2保留の抽選結果を先読みした結果、V保留が存在する場合の一部でVアイコン獲得演出を実行する構成としている。
このように構成することで、大当たり遊技の実行中にVアイコン獲得演出が実行されなかった場合であっても、第2特別図柄保留球格納エリア203bに格納(保留記憶)されている特図2保留に基づく特別図柄の変動表示が終了するまでは、遊技者に小当たり当選するかもしれないという期待を持たせることができる。
また、本第18制御例では、V保留に基づく特別図柄の変動表示が開始される場合に、その特別図柄の変動表示においてVアイコンの発動を実行するか否かを決定することが可能な構成としている。
具体的には、V保留(小当たり当選する保留)に基づく特別図柄の変動表示を開始する場合に、第2特別図柄保留球格納エリア203bに格納(保留記憶)されている特図2保留の中に他にもV保留があるか否かを判別し、V保留が存在する場合には、Vアイコンの発動(Vアイコンを拡大表示し、小当たり当選であることを報知すること)を実行せずに、後に消化されるV保留に基づく特別図柄の変動表示開始までVアイコンの縮小表示を継続可能に構成している。
このように構成することで、Vアイコンを獲得した状態において特別図柄の変動表示中にVアイコンの発動が実行されなかった場合であっても小当たりに当選する可能性があるため、特別図柄の変動表示終了までVアイコンが発動されない場合であっても、小当たり当選するかもしれないという期待を遊技者に持たせることができる。
また、このように構成することで、例えば、大当たり遊技中にはV保留が1個しか存在しなかったが、大当たり遊技終了後からV保留に基づく特別図柄の変動表示が開始されるまでの期間で新たに第2特別図柄保留球格納エリア203bにV保留が格納(保留記憶)された場合に、Vアイコンの発動対象をその新たなV保留に切り替えることが可能となる。これにより、Vアイコン獲得演出が実行された時点で先読みされている特図2保留の最後尾の保留がV保留である場合であっても、そのV保留に基づく特別図柄の変動表示中にVアイコンが発動されるとは限らず、Vアイコンが発動されないことで連チャン(小当たり当選が連続すること)することが確定するため、遊技者にVアイコンが発動されないことを期待させることによって遊技の興趣を向上させることが可能となる。
なお、本第18制御例では、第2特別図柄保留球格納エリア203bに複数のV保留が格納(保留記憶)されており、Vアイコンが表示されている場合に、先に消化されるV保留をVアイコンの発動対象とするか、後に消化されるV保留をVアイコンの発動対象とするか、を先に消化されるV保留に基づく特別図柄の変動表示が開始される場合に決定する構成としたが、これに限るものではなく、例えば、予め、先に消化されるV保留でVアイコンの発動が実行され易い設定とするか、後に消化されるV保留でVアイコンの発動が実行され易い設定とするか、を遊技者の好みに合わせてボタン操作によって選択することが可能な構成としても良い。
加えて、本第18制御例では、Vアイコン獲得演出が実行される割合が、第2特別図柄保留球格納エリア203bに格納(保留記憶)されている特図2保留の数と、V保留の位置に応じて異なる構成としている。
具体的には、第2特別図柄保留球格納エリア203bに格納(保留記憶)されている特図2保留の先頭の特図2保留(第1保留)がV保留である場合に、第2特別図柄保留球格納エリア203bに格納(保留記憶)されている特図2保留の数が少ないほどVアイコン獲得演出が実行され易い。また、第2特別図柄保留球格納エリア203bに格納(保留記憶)されている特図2保留が4個格納(保留記憶)されている場合には、先に消化される特図2保留がV保留である場合よりも、後に消化される特図2保留がV保留である場合の方が、Vアイコン獲得演出の実行される割合を高く構成している。
このように構成することで、Vアイコンの発動が実行された場合に、そのVアイコンを獲得したVアイコン獲得演出の実行時点では先読みされていない特図2保留が多く残り易くなるため、Vアイコンの発動後に残っている特図2保留の抽選結果を予測させ難くすることができる。
なお、本第18制御例では、第1保留がV保留(小当たり当選する保留)である場合に、第2特別図柄保留球格納エリア203bに格納(保留記憶)されている特図2保留の数が少ないほどVアイコン獲得演出が実行され易い構成としたが、これに限るものではなく、特図2保留の数が多いほどVアイコン獲得演出が実行され易い構成としても良い。
なお、本第18制御例では、第2特別図柄保留球格納エリア203bに格納(保留記憶)されている特図2保留が4個格納(保留記憶)されている場合には、先に消化される特図2保留がV保留である場合よりも、後に消化される特図2保留がV保留である場合の方が、Vアイコン獲得演出の実行される割合を高く構成したが、これに限るものではなく、後に消化される特図2保留がV保留である場合よりも、先に消化される特図2保留がV保留である場合の方が、Vアイコン獲得演出の実行される割合を高く構成しても良い。
なお、第2特別図柄保留球格納エリア203bに格納(保留記憶)されているV保留の数が多いほどVアイコン獲得演出が実行され易い構成としても良い。
加えて、本第18制御例では、第2特別図柄保留球格納エリア203bに複数のV保留が格納(保留記憶)されている場合に、先に消化されるV保留においてVアイコンの発動を実行するか否かを、変動パターンに応じて決定する構成としている。
具体的には、第2特別図柄保留球格納エリア203bに複数のV保留が格納(保留記憶)されている場合に、先に消化されるV保留において、特定の変動パターンが設定されなかった場合にはVアイコンの発動を実行する構成とし、Vアイコンの発動が実行されない場合に参照される演出態様設定テーブルとは特定演出態様の設定割合が異なる特定演出態様設定テーブルが参照される。なお、特定演出態様とは、例えば、大当たりまたは小当たり当選の場合のみ実行される演出(所謂、プレミア演出)や、抽選結果が外れであることを示す表示態様を表示した後に大当たりまたは小当たり当選を示す表示態様に可変させる演出(所謂、復活演出)を指す。
このように構成することで、実行される演出態様からVアイコンが発動されるか否かを遊技者が予測し易くなるため、遊技者に対して実行される演出に興味を持たせることが可能となり、遊技者が早期に遊技に飽きてしまうことを抑制することができる。
なお、本第18制御例では、Vアイコンの発動が実行される場合には、プレミア演出や復活演出が実行され難い構成としたが、これに限るものではなく、プレミア演出や復活演出が実行され易い構成としても良い。また、例えば、第2特別図柄保留球格納エリア203bに複数のV保留(小当たり当選する保留)が格納(保留記憶)されている場合の一部で、後に消化されるV保留に基づく特別図柄の変動表示が開始されるまでの期間はVアイコンの発動を禁止する期間を設定可能に構成しても良く、この場合、Vアイコンの発動が禁止されていることを示すための表示態様(例えば、Vアイコンに鎖を巻いてロックする表示態様)を表示する構成としても良い。このように構成することで、Vアイコンの発動が禁止されている期間に小当たり当選の期待度が高い演出が実行された場合に、Vアイコンの発動が実行されない小当たり当選への期待度を高めることができるため、遊技者にVアイコンの発動が禁止されている期間における演出に対する興味を持たせることが可能となる。
なお、1の特別図柄の変動表示中に、Vアイコンの発動が実行され易いタイミングと、Vアイコンの発動が実行され難いタイミングと、を有する構成としても良く、例えば、特別図柄の変動表示中にリーチ演出が実行される場合に、特別図柄の変動表示開始からリーチ演出開始までの期間の方が、リーチ演出開始から特別図柄の停止表示までの期間よりもVアイコンの発動が実行され易い構成とすることで、リーチ演出開始までにVアイコンの発動が実行されなければ遊技者に連チャンへの期待を持たせることが可能となるため、特別図柄の変動表示が開始した直後にVアイコンが発動されなかった場合であっても、遊技者にリーチになるか否かに興味を持たせることができる。
なお、本第18制御例では、大当たり遊技中にVアイコン獲得演出を実行するか否かを、保留記憶されている特図2保留を先読みした結果、V保留が存在するか否かによって決定する構成としたが、これに限るものではない。大当たり遊技中にVアイコン獲得演出を実行するか否かを、保留記憶されている特図1保留(第1特別図柄の入賞情報)の先読み結果に基づいて決定する構成としても良いし、特図2保留と特図1保留の両方の先読み結果によって決定する構成としても良い。また、特図2保留の中にV保留が存在する場合と、特図1保留の中にV保留が存在する場合と、で表示されるVアイコンの表示態様を異ならせる構成としても良い。
以下、本第18制御例のパチンコ機10について説明をするが、上述した各制御例と同一の内容については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
<第18制御例におけるパチンコ機10の盤面構成について>
まず、図576から図581を参照して、第18制御例におけるパチンコ機10の構造について説明する。図576は第18制御例のパチンコ機10の遊技盤13の正面図であり、図577は第18制御例のパチンコ機10の遊技盤13の正面視右下領域を拡大した拡大図であり、図578〜図581は第18制御例のパチンコ機10の遊技盤13に設けられたV入賞装置650の構造を模式的に示した模式図である。
図576に示すように、遊技盤13は、正面視略正方形状に切削加工したベース板60に、球案内用の多数の釘(図示せず)や風車の他、レール61,62、一般入賞口63、第1入球口64、第2入球口640、第1可変入賞装置65、V入賞装置650、普通図柄始動口(スルーゲート)67、可変表示装置ユニット80等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠12(図1参照)の裏面側に取り付けられる。ベース板60は光透過性の樹脂材料からなり、その正面側からベース板60の後面側に配設された各種構造体を遊技者に視認させることが可能に形成される。一般入賞口63、第1入球口64、第2入球口640、第1可変入賞装置65、V入賞装置650、可変表示装置ユニット80は、ルータ加工によってベース板60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤13の正面側からタッピングネジ等により固定されている。
遊技盤13の正面中央部分は、正面枠14の窓部14c(図1参照)を通じて内枠12の正面側から視認することができる。以下に、主に図576を参照して、遊技盤13の構成について説明する。
遊技盤13の正面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した外レール62が植立され、その外レール62の内側位置には外レール62と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レール61が植立される。この内レール61と外レール62とにより遊技盤13の正面外周が囲まれ、遊技盤13とガラスユニット16(図1参照)とにより前後が囲まれることにより、遊技盤13の正面には、球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤13の正面であって2本のレール61,62とレール間を繋ぐ樹脂製の外縁部材とにより区画して形成される領域(入賞口等が配設され、発射された球が流下する領域)である。
2本のレール61,62は、球発射ユニット112a(図242参照)から発射された球を遊技盤13上部へ案内するために設けられたものである。内レール61の先端部分(図576の左上部)には戻り球防止部材68が取り付けられ、一旦、遊技盤13の上部へ案内された球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。外レール62の先端部(図576の右上部)には、球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴム69が取り付けられ、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴム69に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される。
遊技領域の正面視右側上部(図576の右側上部)には、発光手段である複数のLED及び7セグメント表示器を備える第1図柄表示装置37a,37bが配設されている。第1図柄表示装置37a,37bは、主制御装置110(図242参照)で行われる各制御に応じた表示がなされるものであり、主にパチンコ機10の遊技状態の表示が行われる。第18制御例では、第1図柄表示装置37a,37bは、球が、第1入球口64へ入賞したか、第2入球口640へ入賞したかに応じて使い分けられるように構成されている。具体的には、球が、第1入球口64へ入賞した場合には、第1図柄表示装置37aが作動し、一方で、球が、第2入球口640へ入賞した場合には、第1図柄表示装置37bが作動するように構成されている。
また、第1図柄表示装置37a,37bは、LEDにより、パチンコ機10が時短中か通常中であるかを点灯状態により示したり、変動表示中であるか否かを点灯状態により示したり、停止図柄が時短大当たり(大当たり遊技終了後に遊技状態として時短状態が設定される大当たり)に対応した図柄か普通大当たり(大当たり遊技終了後に遊技状態として通常状態が設定される大当たり)に対応した図柄か外れ図柄であるかを点灯状態により示したり、保留球数を点灯状態により示すと共に、7セグメント表示装置により、大当たり中のラウンド数やエラー表示を行う。なお、複数のLEDは、それぞれのLEDの発光色(例えば、赤、緑、青)が異なるよう構成され、その発光色の組み合わせにより、少ないLEDでパチンコ機10の各種遊技状態を示唆することができる。
尚、本パチンコ機10では、第1入球口64及び第2入球口640へ入賞があったことを契機として抽選が行われる。パチンコ機10は、その抽選において、大当たりか否かの当否判定(大当たり抽選)を行うと共に、大当たりと判定した場合はその大当たり種別の判定も行う。ここで判定される大当たり種別としては、大当たり遊技のラウンド数が16ラウンドで大当たり終了後に時短状態が付与される16R時短大当たり(16R時短有大当たり)、大当たり遊技のラウンド数が10ラウンドで大当たり終了後に時短状態が付与される10R時短大当たり(10R時短有大当たり)、大当たり遊技のラウンド数が7ラウンドで大当たり終了後に時短状態が付与される7R時短大当たり(7R時短有大当たり)、大当たり遊技のラウンド数が7Rで大当たり終了後に時短状態が付与されない7R通常大当たり(7R時短無大当たり)が用意されている。
また、大当たり抽選の抽選結果として上述した大当たりでは無い外れと判定された場合の一部において、上述した大当たりよりも遊技者に付与される特典が少ない(例えば、1ラウンドのみV入賞装置650を開放させる特典)小当たりが用意されている。第1図柄表示装置37a,37bには、変動表示終了後の停止図柄として抽選の結果が大当たりであるか否か(小当たりであるか否か)が示されるだけでなく、大当たりである場合はその大当たり種別に応じた図柄が示される。
ここで、「16R時短有大当たり」とは、最大ラウンド数が16ラウンドの大当たりの後に時短状態へ移行する大当たりのことであり、「10R時短有大当たり」とは、最大ラウンド数が10ラウンドの大当たりの後に時短状態へ移行する大当たりのことであり、「7R時短有大当たり」とは、最大ラウンド数が7ラウンドの大当たりの後に時短状態へ移行する大当たりのことであり。また、「7R時短無大当たり」は、最大ラウンド数が7ラウンドの大当たりの後に時短状態へと移行せずに通常状態へと移行する大当たりのことである。
つまり、本パチンコ機10では、特別図柄の大当たりに当選した場合に提供される大当たり遊技として、遊技者に最も多くの特典を付与可能な「16R時短有大当たり」と、その次に多い特典を付与可能な「10R時短有大当たり」と、その次に多い特典を付与可能な「7R時短有大当たり」と、大当たり遊技のうち最も遊技者に付与される特典が少ない「7R時短無大当たり」と、のうち、何れかの大当たり遊技が提供されるように構成されている。これにより、特別図柄の抽選において大当たりに当選した場合であっても付与され得る特典が異なる大当たり遊技のうち、最も多くの特典が付与される大当たり遊技が提供されることを期待させながら遊技を行わせることができる。
なお、第18制御例では、大当たり遊技のラウンド数(大当たり遊技中に獲得可能な賞球数)と、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態の内容と、に応じて遊技者に付与される特典の大小を定義しているが、これに限ること無く、上述した条件以外を用いて遊技者に付与される特典の大小を定義しても良いし、特典に大小を定義付けることなく、異なる特典が付与されるように大当たり遊技の内容を異ならせるだけでも良い。
また、「時短状態」とは、大当たり終了後に遊技者に付与される付加価値(特典)として、大当たり確率は通常状態と同じであるが、第2入球口640へ球が入球し易い遊技状態である。この第2入球口640へ球が入球し易い状態とするために、第18制御例では、第2図柄の変動時間を通常状態よりも短くし、且つ、第2図柄の抽選結果が当たりの場合に動作させる電動役物640aの動作態様を通常状態よりも第2入球口640へ球が入球し易い期間が長くなるように設定している。なお、第2入球口640へ球が入球し易い遊技状態を設定するためにそれ以外の構成を用いても良く、上述した設定内容の一部のみを用いても良いし、上述した内容以外にも、第2図柄の当たり確率を通常状態よりも高く設定するように構成しても良い。
加えて、本第18制御例では、第1入球口64へと遊技球が入球した場合に実行契機が成立し得る第1特別図柄抽選、及び、第2入球口640へと遊技球が入球した場合に実行契機が成立し得る第2特別図柄抽選において、上述した大当たり当選、小当たり当選以外に時短当選し得るように構成している。具体的には、通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)が設定されている状態で実行される特別図柄抽選(第1特別図柄抽選、第2特別図柄抽選)において、時短当選の判定が実行されるように構成している。
ここで、時短当選した場合には、当該特別図柄抽選において大当たり判定が実行されるよりも前に時短状態(普通図柄の高確率状態)が設定され、特別図柄抽選の結果を示すための特別図柄の変動表示が開始されるタイミングにて、時短状態を終了させるか否かを判定する処理(更新処理18)が実行される。例えば、時短回数1(時短カウンタ203hの値が1)に設定される時短状態の場合は、時短当選した当該特別図柄抽選の結果を示すための特別図柄の変動表示が開始されるタイミングで実行される更新処理18において、残時短回数(時短カウンタ203hの値)が更新(減算)され、時短終了条件が成立し、時短状態を終了させると判定される。一方、時短回数として複数回(例えば、100回)の値が設定される時短状態の場合は、更新処理18によって実行される残時短回数の更新の結果に基づいて時短終了条件が成立するまで時短状態が継続する。
つまり、本第18制御例にて用いられる時短状態の設定タイミングと、時短状態の終了タイミングと、を用いることにより、設定される時短回数に応じて、特別図柄抽選の大当たり判定タイミングのみ(特別図柄変動期間を除外して)時短状態を設定したり、特別図柄変動期間を含めて時短状態を設定したりすることが可能となる。
なお、同様の効果を奏する手法として、別の処理タイミングを設定しても良く、例えば、上述した第5制御例と同様に時短当選した当該特別図柄変動の停止タイミングに時短状態を設定し、次に実行される特別図柄変動が開始されるよりも前に時短状態の更新処理(時短状態を終了させるか否かを判定する処理)を実行可能に構成しても良い。このように構成した場合も、設定される時短回数を異ならせることで特別図柄変動期間が含まれるように時短状態を設定したり、特別図柄変動期間が含まれないように時短状態を設定したりすることが可能となる。なお、この場合、時短状態が設定された特別図柄変動が停止表示され、時短状態が設定された状態で次の特別図柄抽選が開始されない場合は、時短終了条件が成立し得ないため時短状態が継続することになる。
よって、この場合、時短当選した特別図柄変動が停止表示されるまでに(時短状態が設定されるまでに)、次に実行される特別図柄抽選の実行権利(特図保留)を獲得しているかを判別し、特図保留を獲得していると判別した場合、即ち、時短状態が設定された後、ただちに次の特別図柄変動が開始され、時短状態が終了し得る場合のみ、時短当選したことを遊技者に報知するように構成すると良い。このように構成することで、時短当選したことを把握した遊技者が、第1特別図柄抽選を実行させること無く、右打ち遊技を行い、第2特別図柄抽選を実行させる行為を抑制することができる。
さらに、詳細は後述するが、第18制御例では「時短状態」が終了する条件として、特別図柄抽選で大当たり当選したことに基づいて付与される時短状態に対しては、第1特別図柄および第2特別図柄の変動回数(合計変動回数)が第1所定回数(例えば、100回)に到達した場合(第1終了条件)、或いは、特別図柄の抽選において小当たりに当選した(小当たり遊技が実行された)回数が第2所定回数(例えば、1回)に到達した場合(第2終了条件)の何れかの終了条件が成立した場合に、遊技状態を時短状態から通常状態へと移行するように構成している。このように、遊技状態を時短状態から通常状態へと移行させるための終了条件を複数用意し、その複数の終了条件のうち何れかの終了条件が成立した場合に時短状態から通常状態へと移行させることで、時短状態が終了するタイミングを複数設定することが可能となり、遊技者に対して、通常状態よりも遊技者に有利な時短状態がいつまで継続するのかドキドキさせながら遊技を行わせることができる。
さらに、第18制御例では特別図柄の抽選(第2特別図柄抽選)において当選し得る小当たりとして、複数の小当たり種別(例えば、小当たりA,B、C)が用意されており、各小当たり種別に対してそれぞれ第2終了条件が成立する回数が異ならせて設定されている。このように構成することで、時短状態中に当選した小当たり回数だけで時短状態が終了するか否かを予測することが困難となるため、遊技者に対して常に緊張感を持たせて時短遊技を行わせることができる。
一方で、本第18制御例では、特別図柄抽選で時短当選したことに基づいて時短状態(第2時短)が設定された場合には、大当たり当選に基づいて時短状態(第1時短)が設定された場合とは異なる終了条件が設定されるように構成しており、具体的には、時短回数「1」が設定されるように構成している。つまり、特別図柄抽選で時短当選したことに基づいて設定される第1時短は、特別図柄抽選の大当たり判定のみ時短状態で実行させるための特殊抽選機能として時短状態が利用される。
また、第18制御例では、小当たり遊技中に開放されるV入賞装置650内に特定領域を設け、小当たり遊技中に球が特定領域を通過することで(特定領域である特別排出流路650e2に設けられたVスイッチ650e3が球を検知することで)大当たり(所謂、2種当たり)となるように構成されている(図580参照)。加えて、詳細は後述するが、当選した小当たりの小当たり種別に応じて小当たり遊技中に球が特定領域を通過する期待度(V入賞期待度)が異なるように構成している。そして、各小当たり種別に対して設定される第2終了条件が成立する回数(小当たり回数)を、V入賞期待度が高い小当たり遊技が実行される小当たり種別の方が少なくなるように構成している。
このように構成することで、時短遊技中において小当たりに当選した場合に2種当たりを獲得するためのV入賞期待度と、時短状態が終了するかもしれない不安感とを関連付けることができ、遊技者により意欲的に遊技を行わせることができる。
なお、第18制御例では、特別図柄(第1特別図柄、第2特別図柄)の変動回数に対して、上述した通り第1所定回数(例えば、100回)を終了条件(第1終了条件)として設定しているが、特別図柄の変動回数に対してそれ以外の終了条件を設定しても良く、例えば、第1特別図柄のみの変動回数が第3所定回数(例えば、50回)となった場合や、第2特別図柄のみの変動回数が第4所定回数(例えば、80回)となった場合に時短状態の終了条件が成立するように構成しても良い。また、上述した多数の終了条件の一部のみを用いても良いし、それぞれを適宜組み合わせても良い。
遊技領域には、球が入賞することにより10個の球が賞球として払い出される複数の一般入賞口63が配設されている。また、遊技領域の中央部分には、可変表示装置ユニット80が配設されている。可変表示装置ユニット80には、第1入球口64及び第2入球口640への球の入賞(始動入賞)をトリガとして、第1図柄表示装置37a,37bにおける変動表示と同期させながら、第3図柄の変動表示を行う液晶ディスプレイ(以下単に「表示装置」と略す)で構成された第3図柄表示装置81と、普通図柄始動口(スルーゲート)67への球の通過をトリガとして第2図柄を変動表示するLEDで構成される第2図柄表示装置(図示せず)とが設けられている。また、可変表示装置ユニット80には、第3図柄表示装置81の外周を囲むようにして、センターフレーム86が配設されている。
第3図柄表示装置81は15インチサイズの大型の液晶ディスプレイで構成されるものであり、表示制御装置114(図242参照)によって表示内容が制御されることにより、例えば上、中及び下の3つの図柄列が表示される(図122参照)。各図柄列は複数の図柄(第3図柄)によって構成され、これらの第3図柄が図柄列毎に横スクロールして第3図柄表示装置81の表示画面上にて第3図柄が可変表示されるようになっている。第18制御例の第3図柄表示装置81は、主制御装置110(図242参照)の制御に伴った遊技状態の表示が第1図柄表示装置37a,37bで行われるのに対して、その第1図柄表示装置37a,37bの表示に応じた装飾的な表示を行うものである。
つまり、第1図柄表示装置37a,37bにおいて第1図柄が可変表示(変動表示)されている期間(動的表示期間)に対応させて第3図柄表示装置81にて第3図柄が可変表示(変動表示)され、第1図柄表示装置37a,37bにおいて特別図柄の抽選結果を示す表示態様で第1図柄が停止表示されるタイミングに対応させて第3図柄表示装置81にて第3図柄が特別図柄の抽選結果に応じた表示態様で停止表示される。
即ち、判別条件(第1入球口64或いは第2入球口640への球の入賞)が成立することに基づいて判別手段による判別が実行され(特別図柄の抽選が実行され)、所定の動的表示期間が経過するまで識別情報(第3図柄)が動的表示(変動表示)された後に、判別手段の判別結果(特別図柄の抽選結果)を示した表示態様(図柄の組み合わせ)で、識別情報(第3図柄)が停止表示される。これにより、遊技者は第3図柄表示装置81に表示される第3図柄を把握することで特別図柄の抽選結果を把握することができる。よって、遊技者に分かり易い遊技を提供することができる。
なお、第3図柄表示装置81に停止表示される第3図柄は、特別図柄の抽選結果に応じた表示態様であれば良く、特別図柄の抽選結果の一部(例えば、大当たり或いは外れ、時短当選といった当否判定結果のみ)に対応した表示態様でも良いし、特別図柄の抽選結果の詳細(例えば、当選した大当たりの種別)に対応した表示態様でも良い。また、特別図柄の抽選結果として、4種類の抽選結果(例えば、大当たり、小当たり、外れ、時短)を有する場合には、第3図柄の表示態様として、特別図柄の抽選結果が上述した3種類の抽選結果のうち特定の2種類(例えば、大当たり或いは小当たり)の何れかであることを示す表示態様を用いても良い。また、重複して当選可能な判定(例えば、大当たり安定、時短判定)にて重複して当選した場合には、重複当選を示すための表示態様を用いても良いし、重複当選したことに基づいて実行される遊技の内容が、大当たり当選のみに基づいて実行される遊技の内容と同一である場合には、同一の表示態様を用いても良い。
また、第18制御例で用いられる表示装置に代えて、例えばリール等を用いて第3図柄表示装置81を構成するようにしても良いし、パチンコ機10に複数の表示装置を設けても良い。
本第18制御例では時短状態中に第2図柄(普通図柄)の当たりに当選した場合には、通常状態中に第2図柄(普通図柄)の当たりに当選した場合よりも電動役物640aを作動させる期間(電動役物640aを突出させて球が第2入球口640に入球し易くする期間)が長くなるように構成している。これにより、時短状態中を第2入球口640へ球が入賞し易い状態とすることができる。
なお、時短状態中を第2入球口640へ球が入賞し易い状態とするための構成は上述した内容に限られる物では無く、例えば、第2図柄の当たり確率を高める、1回に当たりに対する電動役物640aの開放時間や開放回数を増やすといった構成を用いても良い。また、電動役物640aの作動パターンを異ならせることにより時短状態を第2入球口640へ球が入賞しやすい状態としている場合は、第2図柄の変動表示にかかる時間を遊技状態にかかわらず一定としてもよい。一方、第2図柄の変動表示にかかる時間を、時短中において通常中よりも短く設定する場合は、当たり確率を遊技状態にかかわらず一定にしてもよいし、また、1回の当たりに対する電動役物640aの開放時間や開放回数を遊技状態にかかわらず一定にしてもよい。
さらに、設定される遊技状態に応じて第2図柄の変動表示にかかる時間を可変させ、且つ、電動役物640aの開放時間や開放回数を可変させる場合において、第2図柄の変動表示が開始される時点にて設定されている遊技状態に応じて第2図柄の変動表示時間を決定し、第2図柄の変動表示が停止し、当たりを示す第2図柄が表示されたタイミング(第2図柄の当たり遊技、即ち、電動役物640aを作動させるタイミング)において設定されている遊技状態に応じて電動役物640aの開放時間や開放回数を決定するように構成しても良い。このように構成することで、例えば、時短状態中に変動が開始された第2図柄が通常状態中に当たりを示す表示態様で停止表示された場合に、通常状態中に対応する電動役物640aの作動パターンで作動させることができる。よって、設定されている遊技状態と実行される電動役物の作動パターンとをより正確に対応付けることができる。
なお、遊技状態と第2図柄の変動時間および電動役物640aの作動パターンの関係は上述した内容以外を規定しても良く、例えば、第2図柄の変動開始タイミングと、電動役物640aの作動開始タイミングとの何れか一方のタイミングにおいて遊技状態として時短状態が設定されていると判別した場合には、電動役物640aの作動パターンとして遊技者に有利な作動パターン(時短状態中に実行される作動パターン)を設定するように構成しても良い。
可変表示装置ユニット80の下方には、球が入球し得る第1入球口64が配設されている。この第1入球口64へ球が入球すると遊技盤13の裏面側に設けられる第1入球口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第1入球口スイッチのオンに起因して主制御装置110(図242参照)で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37aで示される。
図576に示した通り、第1入球口64は可変表示装置ユニット80の左側を球が流下するように行われる遊技(所謂、左打ち遊技)の方が、可変表示装置ユニット80の右側を球が流下するように行われる遊技(所謂、右打ち遊技)よりも球が入球し易くなるように遊技盤13上に釘が植設されている。よって、第2入球口640に球が入球し難い遊技状態(通常状態)が設定されている場合には、第1入球口64に球を入球させるために左打ち遊技が実行される。
一方、第1入球口64の正面視右方には、球が入球し得る第2入球口640が配設されている。この第2入球口640へ球が入球すると遊技盤13の裏面側に設けられる第2入球口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第2入球口スイッチのオンに起因して主制御装置110(図242参照)で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37bで示される。
また、第1入球口64および第2入球口640は、それぞれ、球が入賞すると5個の球が賞球として払い出される入賞口の1つにもなっている。なお、第18制御例においては、第1入球口64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数と第2入球口640へ球が入賞した場合に払い出される賞球数とを同じに構成したが、第1入球口64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数と第2入球口640へ球が入賞した場合に払い出される賞球数とを異なる数、例えば、第1入球口64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数を3個とし、第2入球口640へ球が入賞した場合に払い出される賞球数を5個として構成してもよい。
加えて、第18制御例では特別図柄の抽選契機(大当たりの抽選契機)となる球を検知するスイッチ(第1入球口スイッチ、第2入球口スイッチ)を入球口内に設けているため、特別図柄の抽選契機を獲得すると共に、賞球を獲得できる構成としているが、それ以外の構成を用いても良く、例えば、球が通過可能な領域(ゲート)を設け、その領域(ゲート)を通過する球を検知するスイッチ(検知手段)が球の通過を検知した場合に、特別図柄の抽選契機を獲得し得るように構成しても良い。なお、この場合、特別図柄の抽選契機となり得る領域(ゲート)を通過した球の少なくとも一部が入球可能となり、球が入球した場合に所定数(例えば5個)の賞球が払い出される入球口を設けると良い。このように構成することで、特別図柄の抽選契機の獲得回数と、賞球獲得回数とを異ならせることができるため、多様な遊技性を提供することができる。
第2入球口640には電動役物640aが付随されている。この電動役物640aは遊技盤13から手前側(図576の視点で手前側)に突出した突出状態(許容状態)と、遊技盤13側に待避した待避状態(規制状態)と、に可変可能に構成されており、通常(第2図柄の当たりに当選していない場合)は電動役物640aが待避状態(規制状態)となって、球が第2入球口640へ入球し難い状態となっている。一方、普通図柄始動口(スルーゲート)67への球の通過を契機として行われる第2図柄の変動表示の結果、「○」の図柄が第2図柄表示装置に表示された場合、即ち、第2図柄の抽選において当たりに当選した場合は、電動役物640aが突出状態(許容状態)となり、球が第2入球口640へ入球し易い状態となる。
ここで、第18制御例のパチンコ機10に設けられた第2入球口640への球流れについて説明をする。第18制御例では図576に示した通り、遊技盤13の遊技領域の略中央位置に可変表示装置ユニット80を配設し、遊技領域を可変表示装置ユニット80の左方側(左打ち領域)と右方側(右打ち領域)とに区画しており、遊技者が操作ハンドル51の操作量を調整することで発射された球の行き先を右打ち領域或いは左打ち領域へと打ち分けることが可能に構成している。以下、遊技者が操作ハンドル51を操作して遊技領域のうち左打ち領域へと球を発射させる遊技を左打ち遊技、右打ち領域へと球を発射させる遊技を右打ち遊技と称す。
第18制御例では、図576に示した通り、第2入球口640と、第2入球口640に付随する電動役物640a、及び、電動役物640aを動作させるか否かの抽選のトリガとなる普通図柄始動口(スルーゲート)67が右打ち領域に配設されており、遊技状態として時短状態が設定されている場合には右打ち遊技が行われるように構成している。
左打ち遊技により発射された球が第2入球口640に入球することが無いように可変表示装置ユニット80の下方には釘が植設されており、左打ち遊技中に第2入球口640に球が入球することが無いように構成している。このように構成することで、左打ち遊技では第1特別図柄を変動させるために球を第1入球口64へと入球させる遊技を行わせ、右打ち遊技では第2特別図柄を変動させるために球を第2入球口640へと入球させる遊技を行わせることができ、遊技方法に応じて異なる遊技性を適切に提供することができる。
第18制御例のパチンコ機10では、図576に示した通り、右打ち領域には、その上面が左下方向(図576の正面視で左下方向)に向けて下り傾斜しているV入賞装置650が配設され、そのV入賞装置650の上面を流下した球が普通図柄始動口(スルーゲート)67を通過し、電動役物640aに向けて流下するように各機構が配設されている。
そして、電動役物640aが待避状態に位置している場合は、待機状態の電動役物640aを通過し可変入賞装置65に向けて球が流下する。一方、電動役物640aが突出状態に位置している場合は、電動役物640aに到達した球が右下方向(図576の正面視で右下方向)に向けて流下する。そして、電動役物640aの右端まで到達した球は第2入球口640へ入球し、電動役物640aの右端に到達するまでに電動役物640aが待避状態へと可変した場合は、電動役物640aの下方に配設された一般入賞口63に入球するように構成している。
さらに、本パチンコ機10は上述した電動役物640a、第2入球口640、一般入賞口63を覆うように透過性のカバー部材655を設けている。このカバー部材655は入射する光を乱反射させるためのカット加工が表面に施されている。このカバー部材655を設けることで、遊技中はパチンコ機10に設けられた発光手段(LED等)や第3図柄表示装置81から発せられる様々な光によってカバー部材655の内部を遊技者に視認させ難くすることができる。よって、電動役物640aの動作タイミングを図って右打ち遊技を行う行為を抑制することができる。
また、遊技が行われていない状態(遊技機の電源がオフになっている状態)では、カバー部材への入射光が抑えられるため、カバー部材655の内部を容易に視認することができ、パチンコ機10のメンテナンスを容易に行うことができる。なお、このようにカバー部材655を用いて内部の視認性を可変させる構成を用いる場合には、上述したように装飾用に発光する発光手段を利用可能に構成することで発光手段を共有することができ、パチンコ機10を構成する部品点数を削減することができるが、カバー部材655の内部を視認困難とするための発光手段を専用に設けても良い。
また、電動役物640aの動作が行われる期間を含む所定期間の間カバー部材655の内部を視認困難にすればよく、例えば、電動役物640aの動作が実行されると判別した場合(即ち、普通図柄の抽選により当たりに当選した場合)に、カバー部材655の表面に電動役物640aが動作する旨を報知する文字(例えば、「オープン」)が表示されるように発光手段を制御し、その表示された文字により、カバー部材655の内部を視認困難にするように構成しても良い。これにより、電動役物640aが動作することを遊技者に把握させるとともに、その詳細な動作タイミングを把握させ難くすることができる。
ここで、図577を参照して、本パチンコ機10の右打ち領域の構成について説明をする。図577に示した通り、右打ち遊技により発射された球のうち、スルーゲート67を通過した球は、電動役物640aが配設されている領域に向けて流下する。具体的に説明をすると、電動役物640aは、50mmの長さを有し、その上面を球が流下可能な板状部材で構成され、右下方向(図577の正面視で右下方向)に向けて下り傾斜となるように遊技盤13に配設されている。そして、スルーゲート67を通過した球は電動役物640aの左端から20mmの範囲に該当する領域a(図577参照)に流下する。
領域aに到達した球は、電動役物640aが待避状態に位置している場合は電動役物640aを通過し可変入賞装置65に向けて流下する。一方、電動役物640aが突出位置に位置している場合は電動役物640aの上面を右端位置に向けて球が流下する。そして、領域b(電動役物640aの左端から20mmから40mmが該当する領域)に球が到達した状態で電動役物640aが待避状態へと可変した場合には、電動役物640aの下方に設けられた一般入賞口63に向けて球が流下するように構成されている。最後に、領域c(電動役物640aの右端から20mmが該当する領域)に球が到達すると、その球は第2入球口640へ入球するように構成されている。
なお、本第18制御例では、遊技状態(普通図柄の確率状態)において電動役物640aが連続して動作する期間が異なる様に構成されており、遊技状態として通常状態(普通図柄の低確率状態)が設定されている状態で電動役物640aが動作する場合には、突出状態に位置する電動役物640a上を流下する球が領域b(図577参照)に到達するまでに電動役物640aが待避状態へと可変し、時短状態が設定されている状態では、電動役物640a上を流下する球が領域c(図577参照)に到達するのに十分な期間の間、電動役物640aが突出位置に位置するように構成されている。
具体的には、電動役物640aの動作期間(継続して突出状態に位置される期間)が、時短状態中は2秒、通常状態中は0.2秒となるように構成している。そして、電動役物640aは図577に示した領域(領域aから領域cまでの範囲)を球が流下するための流下期間が0.2秒よりも長く、且つ2秒よりも短くなるように構成されている(第18制御例では、0.8秒)。このように構成することで、通常状態中に右打ち遊技を行い、普通図柄の当たりに当選し、動作中の電動役物640aの上面を球が流下する状態になった場合であっても、電動役物640aの上面を流下する球が第2入球口640に到達するまでに電動役物640aの動作が終了するため、通常状態において第2特別図柄の抽選が実行されることを確実に防止することができる。
また、時短状態中においては、電動役物640aの上面を球が流下し第2入球口640へと球が到達する期間(0.4秒)よりも長い期間電動役物640aを動作させるため、誘導状態(突出状態)である電動役物640aの上面を流下した球が第2入球口640へ到達し易くし、第2特別図柄の抽選を実行され易くすることができる。
さらに、時短状態中において、例えば、電動役物640aが作動してから1.5秒後に電動役物640aに到達した球は電動役物640aの上面を流下し、領域bに到達したタイミングで電動役物640aの作動が終了する(電動役物640aが作動してから2秒経過する)ことになる。このような球は図577に示した通り、電動役物640aの下方に配設された一般入賞口63に入球し、10個の球が賞球として払い出される。このように、時短状態中において右打ち遊技をした場合には、電動役物640aの作動タイミングと、電動役物640aへの球の到達タイミングとによって、異なる入球口(第2入球口640或いは一般入賞口63)へと球を誘導することができるように構成することで、遊技者に対して時短状態中に継続して右打ち遊技を行わせることができる。
上述したように、一般入賞口63への入球に応じた賞球数が10個で、第2入球口640への入球に応じた賞球数が5個となるように構成しているため、第2特別図柄(特図2)の抽選を実行し得る状態であれば、第2入球口640へ球が入球するほうが一般入賞口63に球が入球するよりも遊技者に有利な特典(即ち、特図2の抽選および5個の賞球)を付与することができ、第2特別図柄(特図2)の抽選を実行し得ない状態(特別図柄変動中)であれば、第2入球口640よりも一般入賞口63に球が入球するほうが遊技者に有利な特典(即ち、10個の賞球)を付与することができるように構成している。
これにより、遊技の状況(特別図柄の変動の有無)に応じて、遊技者が入球を所望する入球口(多くの特典を獲得可能な入球口)を可変させることができるため、時短状態中における右打ち遊技を遊技者に楽しませることができる。また、電動役物640aの一回の動作中に第2入球口640と、一般入賞口63との両方に球を入球させるためには、右打ち遊技を継続して実行する必要があるため遊技の稼働を高めることができる。
尚、第18制御例では時短状態中における電動役物640aの動作期間を電動役物640aの上面を球が流下し第2入球口640へと到達する期間(0.8秒)よりも十分に長い期間(2秒)を設定し、電動役物640aが動作した場合に第2入球口640へ球を確実に入球させるように構成しているが、それ以外に、例えば、時短状態中における電動役物640aの動作期間を電動役物640aの上面を球が流下し第2入球口640へと球が到達する期間(0.8秒)よりも若干長い期間(例えば、0.9秒)となるように構成しても良い。このように構成することで、時短状態中においてスルーゲート67に球を通過させた後、球の打ち出しを止め、電動役物640aが動作したことを確認した後に再度球の打ち出しを開始する行為(所謂、止め打ち)を抑制することができるため、時短状態中において右打ち遊技を継続して行わせ遊技の稼働を向上させることができる。
図576に戻り説明を続ける。図577を参照して上述した通り、右打ち遊技により発射された球は、まずV入賞装置650に到達する。次に、V入賞装置650の構成について説明をする。V入賞装置650は、球が入賞可能な開放状態と入賞困難な閉鎖状態とに可変可能に構成されているものであり、第2特別図柄の抽選結果が「小当たり」である場合にV入賞装置650の開閉扉650f1が動作し特定入賞口(V入賞口)650aに球が入賞可能な開放状態へと可変するように構成されている。
なお、特別図柄の「大当たり」に当選したうちの一部において、V入賞装置650の開閉扉650f1を、上述した「小当たり」に当選した場合と同様に動作させるように構成してもよい。これにより、V入賞装置650の開閉扉650f1が動作した場合に特別図柄の「大当たり」に当選したのか「小当たり」に当選したのかを把握し難くすることができる。
ここで、図577〜図578を参照してV入賞装置650の構成について詳細に説明をする。まず、図577に示した通り、V入賞装置650の開閉扉650f1が特定入賞口(V入賞口)650aを閉鎖している閉鎖状態である場合は、閉鎖状態である開閉扉650f1の上面を球が流下可能に構成されており、V入賞装置650が閉鎖状態中にV入賞装置650に到達した球は、開閉扉650f1上を左下側(図577の正面視で左下側)に向けて流下し、スルーゲート67に向けて流出される。一方、V入賞装置650が開放状態(即ち、小当たり遊技中)である場合は、球がV入賞装置650内へと入賞する。
第18制御例では、小当たり遊技中におけるV入賞装置650の開放期間が0.1秒×12回となるように構成されており、V入賞装置650が開放するタイミングにおいて開閉扉650f1上を流下している球が、V入賞装置650へと入賞する。V入賞装置650に入賞した球は、第1規制部材651或いは第2規制部材652上を流下しながら検出口650a1(図580(a)参照)に向けて整列して流下するように構成されている。このように構成することで、開閉扉650f1上を流下している球が開閉扉650f1のどの位置からV入賞装置650の特定入賞口(V入賞口)650aに入賞したとしても、円滑に球を流下させることができる。
なお、第18制御例ではV入賞装置650の開閉扉650f1が継続して開放される期間を0.1秒に設定しているが、開閉扉650f1の開放期間中に開閉扉650f1上を流下している球がV入賞装置650へと入賞可能な期間であればその他の期間を設定しても良い。また、第18制御例では1回の小当たり遊技においてV入賞装置650の開閉扉650f1を開放する回数を12回としているが、それ以外の回数を設定しても良い。
上述した第7制御例と同様に、第18制御例では小当たり遊技においてV入賞装置650の開閉扉650f1を1回開放させてから次に開放させるまでの期間(開放間インターバル期間)として、小当たり遊技中の5回目と10回目の開放動作後には5秒が設定され、それ以外のタイミングでは0.5秒が設定されている。これは、小当たり遊技が行われている期間中にV入賞装置650へ球を入賞させ易くさせるためのものである。具体的には、小当たり遊技中において5回目の開放動作が終了した時点でVスイッチ650e3が球を検知していないと判別した場合には、5回目の開放動作終了後の開放間インターバル期間中に、遊技者に右打ち遊技を強調して促す遊技案内表示を第3図柄表示装置81に表示するように構成している。
そして、第3図柄表示装置81に表示された遊技案内表示を把握することで右打ち遊技を開始した場合にも、V入賞装置650へ球を入球させることができるように、開放間インターバル期間を通常よりも長く設定している。また、小当たり遊技中の10回目の開放動作が終了した時点でVスイッチ650e3が球を検知していないと判別した場合にも同様の制御処理が実行される。
このように構成することで、小当たり遊技中に適切な遊技をしていない遊技者(右打ち遊技をしていない遊技者)に対しても適切な遊技を実行させ易くすることができる。このように、複数回の開放動作が実行される特定遊技(小当たり遊技)中において、一部の開放間インターバル期間を他よりも長く設定し、適正な遊技を行っていないと判別した場合に、適正な遊技内容を促すための遊技案内表示を表示可能とすることで、誤った遊技を行っている遊技者に対して、安心して遊技を行わせることができる。
第18制御例では、上述した第7制御例と同様に、小当たり遊技中の5回目と10回目の開放動作後に他よりも長い特別開放間インターバル期間を設定している。このように1回の小当たり遊技中に遊技者に遊技案内表示を表示させるタイミングを複数回設けることで、遊技者に適切な遊技をより行わせ易くすることができる。なお、遊技案内表示を表示させるタイミングを複数回設ける場合では少なくとも2回目移行の報知タイミングを、正常に遊技を行っている遊技者が到達し得ないタイミングに設定するとよい。即ち、上述した第7制御例と同様に、第18制御例では小当たり遊技中に継続して右打ち遊技を行うことにより、V入賞装置650の開閉扉650f1の1回の開放動作において少なくとも1個の球が入球し得るように構成されているため、正常な遊技(継続して右打ち遊技)を行っていれば、10回目の開放動作中に小当たり遊技の終了条件となる入賞個数(10個)に到達し、小当たり遊技が終了されることになる。
つまり、小当たり遊技中の開放動作10回目以降に実行される開放間インターバル期間は正常な遊技(継続して右打ち遊技)を行っている場合には到達し得ないタイミングとなる。よって、このタイミングを利用して遊技案内表示を表示させるタイミングを設定することで、正常な遊技(継続して右打ち遊技)を行っている遊技者に対して無用に長い特別開放間インターバル期間が実行されることが無くなり、小当たり遊技を円滑に実行することができる。
なお、第18制御例のように1回目の特別開放間インターバル期間を、正常な遊技(継続して右打ち遊技)を行っても到達するタイミング(5回目の開放動作終了後)に設定する場合は、1回目の特別開放間インターバル期間が開始されるタイミング(5回目の開放動作終了タイミング)、或いは、1回目の特別開放間インターバル期間が開始されてから所定期間経過したタイミング(5回目の開放動作中に入球した球がV入賞装置650から排出されるまでに要する期間を経過したタイミング)においてVスイッチ650e3が球を検知しているかを判別し、Vスイッチ650e3が球を検知していると判別した場合は、1回目の特別開放間インターバル期間中にその旨を報知する報知演出を表示し、Vスイッチ650e3が球を検知していないと判別した場合は、上述したように遊技案内表示を表示するように構成すると良い。これにより、小当たり遊技中に設定した特別開放間インターバル期間を遊技内容に応じて有効に用いることができる。
さらに、2回目の特別開放間インターバル期間においては、既にVスイッチ650e3が球を検知している場合にも遊技案内表示を表示するように構成すると良い。これにより、小当たり遊技中に所定個数(10個)の球をV入賞装置650へ入賞させることなく小当たり遊技が終了してしまう事態が発生することを抑制することができる。
次に、図578を参照してV入賞装置650の構造について詳細に説明をする。図578は、このV入賞装置650の分解斜視図である。V入賞装置650は、図578に示すように、遊技盤13の前面側に突出して配置される開口部形成部材650b、その開口部形成部材650bの背面側に組み合わされて、V入賞装置650を遊技盤13にビス留めするためのベース部材650cと、そのベース部材650cの背面側に配置されてベース部材650cの背面側よりパチンコ機10の前面側に対してLEDを点灯させるためのLEDが複数配置されたLED基板650dと、そのLED基板650dをベース部材650cと狭持する裏カバー体650eと、開口部形成部材650bに形成されている特定入賞口(V入賞口)650aを開閉するための開閉扉650f1を有した開閉ユニット650fと、裏カバー体650eの背面側に組み合わされて流路を形成する流路カバー体650gと、裏カバー体650eと流路カバー体650gとで形成された流路に突出して遊技球の流路を切り替える切替部材650hと、その切替部材650hと係止されるリンク部材650iと、流路カバー体650gの背面側に配置される背面カバー体650jと、その背面カバー体650jの背面側に固定されて、リンク部材650iを作動させる流路ソレノイド650kと、その流路ソレノイド650kを背面側から覆って背面カバー体650jにビスにより固定するための固定用カバー体650mとで構成されている。
図579は、V入賞装置650の断面図である。図579(c)はV入賞装置650の上面図であり、図579(b)は、V入賞装置650のLb−Lb断面図である。図579(b)に示すように、V入賞装置650には、遊技球が入球可能な開口部である特定入賞口(V入賞口)650aが形成されている。特定入賞口(V入賞口)650aは、パチンコ機10の上方を略長方形状の開口が形成されており、その開口を通過した遊技球が図579(b)の左方向に誘導されるように左下方に傾斜した底面が形成されている。底面の左端部には、遊技球の入賞を検知するための磁気センサ(球検知スイッチ)650c1で構成された検出口650a1が配置されている。この検出口650a1を通過した遊技球は、図579(a)で示す裏カバー体650eの背面側に形成された振り分け流路へと誘導される。
なお、図579(b)に示すように特定入賞口(V入賞口)650aの開口は、遊技盤13側より出没可能なシャッター機構で構成された開閉扉650f1により遊技球が入球可能な開放状態と入球不可能(入球困難)な閉鎖状態とに可変される。閉鎖状態では、開口が完全に開閉扉650f1によって覆われ、開閉扉の上部を遊技球が転動可能に構成される。また、開放状態では、開閉扉650f1は、ベース部材650cの内側(遊技盤13の内部)に退避されることにより特定入賞口(V入賞口)650a内から退避されるように構成されている。
このように構成することで、時短遊技中と、大当たり遊技中と、小当たり遊技中とを継続して右打ち遊技させることができるため、遊技状態に応じて遊技方法を変更させる手間を軽減することができる。従って、より楽に遊技を行うことができる。
また、開閉扉650f1の開放状態においては、遊技球が流下する方向と直交する面をV入賞装置650の開口として構成できるので、遊技球を効率よく特定入賞口(V入賞口)650a内に入賞させることができる。よって、小当たり遊技に要する時間を短くすることができ、遊技の効率化をはかることができる。
図579(a)は、図579(b)に示すLa−La断面図である。図579(a)に示すように検出口650a1を有する磁気センサ650c1は、裏カバー体650eの振り分け流路側へと検出口650a1が傾くようにベース部材650cに固定されている。
次に、図580を参照して、裏カバー体650eの振り分け流路に誘導された遊技球が後述する通常排出流路650e1と特別排出流路650e2とに振り分けられる構成について説明する。
図580(a)は、遊技球が特別排出流路650e2に振り分けられるように切替部材650hが作動された状態を示す裏カバー体650eの背面図である。図580(a)に示すように、切替部材650hは、リンク部材650iの突部が挿入される係止穴650h1と遊技球を誘導する誘導片650h2とを有しており、流路カバー体650gに背面側より回動可能に軸支されている。ここで、流路カバー体650gには、この誘導片650h2を挿通することが可能な開口部が設けられており、流路カバー体650gの背面側より振り分け流路内に誘導片650hを回動可能に配置することが可能に構成されている。
図580(a)に示すように、検出口650a1より振り分け流路内に誘導された遊技球は、左斜め下方に配置された誘導片650h2の上面に誘導されて特別排出流路650e2に誘導される。特別排出流路650e2を通過した遊技球は特別排出流路650e2に設けられた遊技球の通過を検出可能な磁気センサで構成されたVスイッチ650e3により検出されてアウト球としてパチンコ機10外へ排出される。
ここで、上述した第7制御例と同様に、第18制御例におけるパチンコ機10では、小当たり遊技中に上記したVスイッチ650e3を遊技球が通過することにより、小当たり遊技後に大当たり遊技が設定される。即ち、Vスイッチ650e3は、大当たり遊技を開始させるためのトリガとして構成されている。また、切替部材650hは、小当たり中にV入賞装置650に入賞した球がVスイッチ650e3を通過可能な流路(特別排出流路650e2)、或いはVスイッチ650e3を通過不可能(困難)な流路(通常排出流路650e1)の何れかを連通させるためのものであって、流路ソレノイド650kをオンに設定することでV入賞装置650に入賞した球が特別排出流路650e2を流下するように流路を切り替える(図580(b)参照)ように構成している。
第18制御例で用いられるパチンコ機10は、通常に遊技を行っている間は流路ソレノイド650kがオフに設定されており、V入賞装置650に入賞した球が通常排出流路650e1を流下するように構成している。そして、小当たりに当選した場合に、上述した開放シナリオテーブル202gに規定されている内容に従って流路ソレノイド650kをオンに設定し、V入賞装置650に入賞した球が特別排出流路650e2を流下可能となるように構成している。このように、流路ソレノイド650kをオフに設定している場合に、パチンコ機10において長期間維持される状態、即ち、V入賞装置650に入賞した球が通常排出流路650e1を流下するように切替部材650hを維持する状態(図580(a)参照)を提供するように構成することで、パチンコ機10の使用電力を抑えることが出来る。
このように、小当たり遊技中にV入賞装置650に入賞した遊技球の流下ルートにより小当たり遊技後に設定される遊技状態が可変されるので、小当たり遊技中にも遊技者の興趣を向上させることができる。なお、V入賞装置650の開口(特定入賞口)から特別排出流路650e2の入り口(切替部材650hの誘導片650h2により閉鎖される開口面)を通過するのに必要な時間は、最短でも1秒で構成されている。このように構成することで、小当たりに当選していないにも関わらず開閉扉650f1が開放されたことを検知してから切替部材650hにより球の流下ルートを切り替えたとしても、確実に球が特別排出流路650e2を流下する事態を抑制することができる。
また、通常排出流路650e1の端部には球の通過を検出可能な磁気センサで構成された排出確認スイッチ650e4が設けられている。これにより、V入賞装置650内に入球した遊技球が全て排出されたかを排出確認スイッチ650e4とVスイッチ650e3との合計により判別できる。なお、小当たり遊技の終了タイミング(小当たり遊技の終了条件(V入賞装置650に所定数(10個)の入賞があった場合、或いは、V入賞装置650の開放シナリオが終了した場合)が成立した後に実行される小当たりエンディング期間を経過したタイミング)において、V入賞装置650内に入球した遊技球が全て排出されていない場合には、V入賞装置650内部の異常と判別し、外部に異常を報知したり、大当たり遊技や通常遊技が開始されないように遊技を停止させたりするように構成すると良い。これにより、パチンコ機10の一部において異常が発生している状態で遊技が進行してしまい2次的な異常が発生してしまうことを抑制することができる。
このように、V入賞装置650の特定入賞口(V入賞口)650aに入賞した遊技球が磁気センサ650c1により検出され、それに基づいて、遊技者に特典として賞球(第18制御例では1球入賞に対して10個の賞球)を払い出すことができる。また、その検出された後の遊技球を利用して、Vスイッチ650e3に通過するか否かを振り分け可能に構成することで、小当たり遊技終了後に大当たり遊技が実行されるか否かを振り分けることができる。よって、大当たり遊技を付与するための専用の入賞口(特定領域)をV入賞装置650とは別に設ける必要がなく、遊技盤13のスペースを有効に利用することができる。
さらに、第18制御例では、小当たりに当選した場合に設定される小当たり種別(小当たりA,B,C)に応じて、流路ソレノイド650kをオンに設定する期間やタイミングが異なる小当たり遊技が実行されるように構成している。このように構成することで、小当たりに当選した場合に実行される小当たり遊技の内容によって、その小当たり遊技中に球がVスイッチ650e3を通過する期待度(V入賞期待度)を異ならせることができる。よって、遊技者は小当たりに当選することだけではなく、V入賞期待度が高い小当たり遊技が実行されることを期待させながら遊技を行わせることができる。
次に、図581を参照して、V入賞装置650のV入賞口650aを開閉する開閉扉650f1の球流下面の構造について説明をする。図581(a)は、V入賞装置650のV入賞口650aを開閉扉650f1が閉鎖している状態を平面視した模式図である。第18制御例の開閉扉650f1は、図581(a)に示した通り、V入賞装置650の上面に到達した球は、V入賞装置650上面の傾斜(図576参照)に沿って、V入賞装置650の右側上面650y1から開閉扉650f1の上面を介して左側上面650y2を流下し、可変入賞装置65に向けて流出するように構成されている。
そして、開閉扉650f1の上面には、球の流下を遅延させるための遅延部材として第1遅延部材650fa、第2遅延部材650fb、第3遅延部材650fcが設けられており、球が開閉扉650f1上面を流下する流下期間が0.6秒となるように構成している。この流下期間(0.6秒)は、V入賞装置650の特定入賞口(V入賞口)650aが小当たり遊技によって複数回開放される際の間隔(閉鎖期間(0.5秒))よりも長くなるように構成されている。このように構成することで、開閉扉650f1上を流下している球が、小当たり遊技により特定入賞口(V入賞口)650aが開放された場合に確実に入賞するように構成している。
図581(a)に示した状態で、小当たり遊技が実行され、開閉扉650f1が開放状態に可変すると、図581(b)に示した状態へと移行する。図581(b)は、V入賞装置650のV入賞口650aが開放している状態を平面視した模式図である。図581(b)に示した通り、開閉扉650f1は開放状態になると、遊技盤13の内部に待避するように可動し、右側上面650y1を流下した球が特定入賞口(V入賞口)650aに入賞可能となるように特定入賞口(V入賞口)650aが開放状態となる。また、開閉扉650f1上を流下中の球も、開閉扉650f1が待避位置に位置することで、特定入賞口(V入賞口)650aへ入賞する。
また、V入賞装置650には、開閉扉650f1上を流下していた球がどの位置から特定入賞口(V入賞口)650aに入賞したとしても、入賞後の球流れを円滑にするための第1規制部材651と、第2規制部材652が設けられており(図576参照)、開閉扉650f1上面上流側で特定入賞口(V入賞口)650aに入賞した球は第1規制部材651、第2規制部材652を介して一列に整列させてから、球1個分の通路幅である検出口650a1に向けて流下するように構成されている。このように第1規制部材651、第2規制部材652を設けることで、第1規制部材の下方位置に検出口650a1を設けたとしても、開閉扉650f1から勢いよく入賞した球が直接検出口650a1に衝突することを防止することができるため、検出口650a1に設けられた球検知スイッチ650c1が故障することを抑制することができる。加えて、球1個分の通路幅の検出口650a1を球が通過するまでに球を整列させるための流路(第1規制部材651、第2規制部材652上を流下する流路)を確保することができるため、V入賞装置650内で球詰まりが発生し、遊技に支障を来す事態が発生することを抑制することができる。
以上、説明をしたように、第18制御例では判別手段の判別結果(特別図柄の抽選の結果)が所定の判別結果(小当たり)である場合に付与される特典遊技(小当たり遊技)において作動する可変部材(開閉扉650f1)の開放間インターバル期間(0.5秒)よりも、その可変部材(開閉扉650f1)上を球が流下するのに要する流下期間(0.6秒)が長くなるように構成しているため、小当たり遊技中の開放間インターバル(開閉扉650f1が閉鎖状態のタイミング)中に可変部材上を流下する球を確実に次の開放タイミングでV入賞装置650へ入賞させることができる。
また、可変部材上を流下中の球のみを小当たり遊技中にV入賞装置650へ入賞させるだけでも小当たり遊技中に所定個数(10個)を入賞させることができるように、1回の小当たり遊技における開放動作回数(12回)を、小当たり遊技の終了条件入賞個数(10個)よりも多く設定しているため、1回の開放期間(0.1秒)を短く設定したとしても、充分の入賞個数を確保することができる。加えて、1回の開放期間を長く設定しまうことにより、小当たり遊技中に過剰な個数の球をV入賞装置650へ入賞させてしまうという事態が発生することを抑制することができる。
<第18制御例のパチンコ機10における演出内容について>
図582〜図583を参照して、第18制御例のパチンコ機10にて実行される特徴的な演出内容について説明をする。
上述した第7制御例では、第2特別図柄の入賞情報(第2入球口640に球が入球した場合に取得される入賞情報)を保留記憶しない構成であった。これに対して、第18制御例では、第2特別図柄の入賞情報(以下、特図2保留)を保留記憶することが可能に構成し、大当たり遊技開始までに保留記憶されている特図2保留の抽選結果を事前に判別(先読み)し、小当たり当選する保留(V保留)が存在する場合には、V保留が存在することを報知するための演出を大当たり遊技中に実行することが可能に構成している点で第7制御例と相違する。
具体的には、時短状態(普通図柄の高確率状態)において特図2保留を所定個数(本第18制御例では、上限4個)まで第2特別図柄保留球格納エリア203bに保留記憶可能に構成し、特別図柄が大当たり当選または小当たり当選したことに基づいて大当たり遊技が開始される場合に、保留記憶されている特図2保留の抽選結果を先読みし、その中にV保留が存在する場合には、V保留が存在することを示すVアイコンを獲得する演出(Vアイコン獲得演出)が実行される。そして、獲得したVアイコンは、V保留が消化されるまで第3図柄表示装置81の主表示領域Dmに縮小表示され、V保留に基づく特別図柄の変動表示中にVアイコンが拡大表示される(以下、Vアイコンの発動と言う。)ことによって、変動表示中の特別図柄が小当たりに当選していることを特別図柄が停止表示される前に遊技者に報知する。したがって、Vアイコンが縮小表示されている期間は、保留記憶されている特図2保留の何れかで小当たりに当選することが保証されており、大当たりまたは小当たりに当選することなく規定変動回数に到達し時短状態が終了することがないため、遊技者は安心して時短状態の遊技を楽しむことができる。
ここで、本第18制御例における時短状態(普通図柄の高確率状態)において実行される演出の概要について説明する。本第18制御例では、時短状態が設定されると、勇者を模したキャラクタ802がダンジョン内を進む演出が実行され、恐竜を模した敵キャラクタ804に遭遇するとリーチとなり、バトル演出が開始される。このバトル演出において、キャラクタ802が敵キャラクタ804に勝利すれば大当たり当選または小当たり当選したことが報知される。
図582(a)を参照して、本第18制御例における大当たり遊技中に実行されるVアイコン獲得演出の表示画面について説明する。図582(a)は、大当たり遊技中にVアイコン獲得演出が実行される場合の表示画面の一例である。本第18制御例では、Vアイコン獲得演出の実行が設定された場合に、大当たり遊技のエンディング期間において、通常のエンディング演出に代えてVアイコン獲得演出が実行される構成としている。このようにエンディング期間でVアイコン獲得演出が実行されることにより、大当たり遊技の最終ラウンドが終了してから最初の特別図柄の変動表示が開始されるまでの期間が間延びしていると感じさせ難くすることができる。
小表示領域Dm8には特別図柄が大当たり当選したことを示す表示態様が表示されており、特別図柄の大当たりに当選したことを遊技者が認識できるように構成している。また、小表示領域Dm4には「右打ち」と表示されることで、大当たり遊技における遊技方法を遊技者に分かり易く案内する構成としている。
小表示領域Dm14には、通常状態(普通図柄の低確率状態)において大当たり当選してから現在までの大当たり当選回数が表示されることで、連チャン(大当たり当選が連続すること)すればするほど大当たり当選回数が多く表示されるため、遊技者に優越感を与えることができる。
小表示領域Dm15には、実行中の大当たり遊技のラウンド数が表示される。図582(a)では、エンディング期間であることを示す「ED」と表示され、遊技者に対してエンディング期間であることを分かり易く報知している。
小表示領域Dm9には、第2特別図柄保留球格納エリア203bに保留記憶されている特図2保留(第2特別図柄の入賞情報)に対応する保留図柄が表示される。図582(a)では、第1保留図柄hr1、第2保留図柄hr2、第3保留図柄hr3、がそれぞれ白色の保留図柄で表示され、第4保留図柄hr4が黒色の保留図柄で表示されている。本第18制御例では、白色の保留図柄よりも黒色の保留図柄の方が大当たり当選または小当たり当選している可能性が高いことを示す構成としている。したがって、図582(a)では、第1保留図柄hr1〜第3保留図柄hr3よりも、第4保留図柄hr4の方が大当たり当選または小当たり当選している可能性が高い状態を示している。
なお、大当たり遊技終了後、特別図柄の変動表示が開始される場合に、第1保留図柄hr1から若い順に保留図柄が消化され、第1保留図柄hr1が消化されると、第2保留図柄hr2が第1保留図柄hr1の位置にシフトして表示され、第2保留図柄hr2がシフトしたことで空いたスペースに第3保留図柄hr3がシフトして表示される。同様に、第4保留図柄hr4も第3保留図柄hr3の空いたスペースにシフトして表示される。第4保留図柄hr4がシフトしたことで空いたスペースは、新たな特図2保留が記憶されるまでは空白となり、新たな特図2保留が記憶された場合に、対応する保留図柄が表示される。
Vアイコン獲得演出が設定されると、大当たり遊技のエンディング期間において主表示領域Dmでキャラクタ802が宝箱810を発見する演出が開始され、宝箱810の中から「V」と表示されたV剣803が出現する演出が実行される。また、副表示領域Dsでは、「Vアイコン獲得」と表示されることで、Vアイコン獲得演出が実行されたことを遊技者に分かり易く報知する構成としている。このV剣803は、保留記憶されている特図2保留(第2特別図柄の入賞情報)の中にV保留(小当たり当選する保留)が存在することを遊技者に報知するためのVアイコンであり、大当たり遊技終了後の特別図柄の変動表示が実行される期間も主表示領域Dmに縮小表示される。
なお、本第18制御例では、Vアイコン獲得演出が設定された場合のみ、図582(a)に示す宝箱810を発見する演出を実行する構成としたが、これに限るものではなく、通常のエンディング演出においても宝箱810を発見する構成としても良い。この場合、宝箱810の中からVと表示されていない剣が出現する構成としても良い。また、剣の表示態様によって、保留内での大当たり当選または小当たり当選の期待度を示す構成としても良い。また、本第18制御例では、大当たり遊技のエンディング期間においてVアイコン獲得演出を実行する構成としたが、これに限るものではなく、大当たり遊技のオープニング期間で実行しても良いし、大当たり遊技の特定ラウンドで実行する構成としても良い。このように、複数のタイミングでVアイコン獲得演出が実行される構成とすることで、大当たり遊技期間における遊技が単調になることを抑制することができる。
なお、大当たり遊技の特定ラウンドで図582(a)に示すキャラクタ802が宝箱810を発見する演出を実行する構成としても良く、この場合、宝箱810の中からV剣803が出現するパターンと、ラウンド数が追加されることを示す表示態様(例えば、追加されるラウンド数が表示された玉)が出現するパターンと、を設けても良い。このように構成することで、Vアイコン獲得演出が実行される条件が成立していない場合であっても宝箱810を発見する演出が実行されることで、遊技者にVアイコンの獲得を期待させることができるとともに、Vアイコンが獲得できなかった場合にはラウンド数が追加されるため、遊技者の遊技意欲の低下を抑制することができる。
次に、図582(b)を参照して、大当たり遊技終了後、4回目の特別図柄の変動表示でV保留(小当たり当選する保留)が消化される場合のバトル演出の表示画面の一例である。
小表示領域Dm6には、Vアイコン獲得演出において獲得したV剣803が縮小表示されており、「V獲得中」と表示されることで、保留記憶されている特図2保留の中にV保留が存在していることを遊技者に報知している。
主表示領域Dmでは、キャラクタ802が敵キャラクタ804に遭遇するバトル演出が開始され、副表示領域Dsに「敵を倒せば大当たり?」と表示され、キャラクタ802が敵キャラクタ804に勝利すれば大当たり当選または小当たり当選であると遊技者が容易に認識することができる構成としている。
図583(a)は、バトル演出中にVアイコンの発動が実行された場合の表示画面の一例である。本第18制御例では、Vアイコンの発動が実行されると、小表示領域Dm6に縮小表示されていたV剣803が主表示領域Dmに拡大表示され、キャラクタ802がV剣803を使って敵キャラクタ804に勝利する演出が実行される。この場合、副表示領域Dsに、「Vアイコン発動」と表示され、Vアイコンの発動が実行されたことを遊技者に分かり易く報知している。
このように、Vアイコンの発動が実行される(V剣803が拡大表示される)と、その特別図柄は必ず小当たり当選を示す表示態様で停止表示される。したがって、Vアイコンが発動された場合、遊技者は特別図柄が停止表示されるより前にその特別図柄の変動表示が小当たり当選することを認識することができる。
図583(b)は、V保留に基づく特別図柄の変動表示が開始される場合に、残りの特図2保留の中に他のV保留が存在する場合の、バトル演出の表示画面の一例である。この場合、図583(a)とは異なり、キャラクタ802が敵キャラクタ804に一度敗北した後、復活して勝利する復活演出が実行される。復活演出が実行される場合は、図583(b)に示す通り、V剣803とは異なるノーマル剣805を使ってキャラクタ802がキャラクタ804に勝利する。したがって、V剣803はそのまま小表示領域Dm6に継続して縮小表示され、この特別図柄が小当たり当選したことに基づいて実行される大当たり遊技終了後も、継続して縮小表示される。
このように、V保留(小当たり当選する保留)が消化される場合に、残りの特図2保留(第2特別図柄の入賞情報)の中に他のV保留が存在する場合にはVアイコンの発動が実行されないことで、遊技者に残りの特図2保留で連チャン(小当たり当選が連続すること)することを報知することができる。
また、図582(a)のように、Vアイコン獲得演出が実行された時点で保留記憶されていた特図2保留の最後尾の特図2保留(図582(a)の第4保留図柄hr4)のみがV保留である場合には、第4保留図柄hr4に対応する特図2保留の特別図柄の変動表示が開始されるまでVアイコンが発動しないことにより、第4保留図柄hr4に対応する特図2保留で小当たり当選することが遊技者にとって明らかであり、その特別図柄の変動表示においてどのような演出が実行されても小当たり当選することに変わりはないため、実行される演出に対する遊技者の興味が薄れる虞があるが、本第18制御例のように、V保留に基づく特別図柄の変動表示が開始される場合に、保留記憶されている特図2保留の中にV保留があれば、Vアイコンを発動しないことが可能な構成とし、Vアイコンの発動対象をVアイコン獲得演出が実行された時点では存在していなかった特図2保留に切り替えることで、第4保留図柄hr4の特別図柄の変動表示中にVアイコンの発動が実行されないことを遊技者に期待させることが可能となり、その変動表示において実行される演出に対する興味を持たせることができる。
なお、本第18制御例では、保留記憶されている特図2保留の中に複数のV保留が存在する場合であっても、Vアイコンを1つだけ表示する構成としたが、これに限るものではなく、V保留の数に対応する複数のVアイコンを表示する構成としても良い。
または、複数のV保留が存在する場合に、先に消化されるV保留に基づく特別図柄の変動表示においてVアイコンの発動が実行された後に、そのVアイコンが小表示領域Dm6に再び縮小表示される構成としても良い。或いは、図583(a)において、保留記憶されている特図2保留の中にV保留が存在する場合には、保留内のV保留が消化されるまでの期間、キャラクタ802がV剣803を持った状態を継続させても良い。
このように、1のV保留消化に基づいて発動されたVアイコンが、次のV保留が消化されるまで継続表示されることが可能な構成することで、Vアイコンが発動されたV保留に基づいて実行される大当たり遊技中に新たにVアイコン獲得演出が実行されない場合であっても、発動されたVアイコンが継続して表示されるのではないかと遊技者に期待させることが可能となり、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、キャラクタ802が使用する武器の種類(色や形状が異なる剣)や、敵キャラクタの種類(角の数や大きさが異なる敵キャラクタ)によって、Vアイコンが発動される期待度を示唆する構成としても良い。このように構成することで、Vアイコンが発動されるか否かを遊技者が予測し易くなるため、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、本第18制御例では、剣を模したVアイコンを表示する構成としたが、これに限るものではなく、保留内にV保留が存在することを遊技者が認識できる表示態様であれば良い。
なお、保留内にV保留が1個しか存在しない場合と、複数のV保留が存在する場合と、でVアイコン獲得演出において表示されるV剣803や宝箱810の表示態様を異ならせる構成としても良い。或いは、複数種類のVアイコン獲得演出の演出態様の中から、保留内に存在するV保留の数に基づいて演出態様を決定する構成としても良い。このように構成することで、Vアイコン獲得演出が単調になることを抑制することができる。
<第18制御例のパチンコ機10における電気的構成について>
次に、図584を参照して、本第18制御例のパチンコ機10のMPU201が有する各カウンタについて説明する。なお、上述した各制御例にて用いられた各カウンタに対して、カウンタの更新範囲を一部異ならせている点で相違しているが、基本的な構成は同一であるため、その詳細な説明を省略する。
第1当たり乱数カウンタC1は、所定の範囲(例えば、0〜999)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、0〜999の値を取り得るカウンタの場合は999)に達した後0に戻る構成となっている。特に、第1当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の第1初期値乱数カウンタCINI1の値が当該第1当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。
また、第1初期値乱数カウンタCINI1は、第1当たり乱数カウンタC1と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成される。即ち、例えば、第1当たり乱数カウンタC1が0〜999の値を取り得るループカウンタである場合には、第1初期値乱数カウンタCINI1もまた、0〜999の範囲のループカウンタである。この第1初期値乱数カウンタCINI1は、タイマ割込処理(図314参照)の実行毎に1回更新されると共に、メイン処理7(図325参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
第1当たり乱数カウンタC1の値は、例えば定期的に(第18制御例ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64または第2入球口640に入賞したタイミングでRAM203の第1特別図柄保留球格納エリア203aや、第2特別図柄保留球格納エリア203b、特別図柄保留球実行エリアに格納される。そして、特別図柄の大当たりとなる乱数の値は、主制御装置110のROM202に格納される第1当たり乱数18テーブル202raによって設定されており、第1当たり乱数カウンタC1の値が、第1当たり乱数18テーブル202raによって設定された大当たりとなる乱数の値と一致する場合に、特別図柄の大当たりと判定する。
また、この第1当たり乱数18テーブル202raには、第1特別図柄用の特別図柄1乱数18テーブル202ra1と、第2特別図柄用の特別図柄2乱数18テーブル202ra2との2種類が設けられており、大当たりとなる乱数の個数は同一であるが、小当たりとなる乱数の個数を異ならせて設定している(図586参照)。このように、小当たりとなる乱数の個数を異ならせることにより、第1特別図柄の抽選と、第2特別図柄の抽選とで、遊技者への特典(大当たり又は小当たり)付与に対する期待度を異ならせることができる。この特別図柄1乱数18テーブル202ra1と、特別図柄2乱数18テーブル202ra2とは、主制御装置110のROM202内に設けられている。
ここで、図586を参照して、第1当たり乱数18テーブル202raについて説明する。図586(a)は、第1当たり乱数18テーブル202raに規定されている内容を模式的に示した模式図であり、図586(b)は、特別図柄1乱数18テーブル202ra1に規定されている内容を模式的に示した模式図であり、図586(c)は、特別図柄2乱数18テーブル202ra2に規定されている内容を模式的に示した模式図である。この第1当たり乱数18テーブル202raは、第1特別図柄または第2特別図柄の抽選において、大当たりと判定される乱数値(判定値)と小当たりと判定される乱数値(判定値)が設定されたテーブルである。
具体的には、第1特別図柄の抽選を実行する場合には特別図柄1乱数18テーブル202ra1が参照される。図586(b)に示した通り、特別図柄1乱数18テーブル202ra1は、乱数カウンタC1の値のうち「0〜4」が大当たり判定値として規定されており、それ以外の値が大当たり以外(即ち、外れ)の判定値として規定されている。そして、第1特別図柄の抽選において第1当たり乱数カウンタC1の値が判別され、その値が「0〜4」のいずれかである場合に大当たりであると判別される。
第2特別図柄の抽選を実行する場合には特別図柄2乱数18テーブル202ra2が参照される。図586(c)に示した通り、特別図柄2乱数18テーブル202ra2は、乱数カウンタC1の値のうち「0〜4」が大当たり判定値として規定されており、「5〜144」が小当たり判定値として規定されており、「145〜999」がそれ以外(即ち、外れ)の判定値として規定されている。そして、第2特別図柄の抽選において第1当たり乱数カウンタC1の値が判別され、その値が「0〜4」のいずれかである場合に大当たりと判別され、「5〜144」のいずれかである場合に小当たりと判別される。
第1当たり種別カウンタC2は、特別図柄の大当たりとなった場合に、第1図柄表示装置37の表示態様を決定するものであり、所定の範囲(例えば、0〜99)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、0〜99の値を取り得るカウンタの場合は99)に達した後0に戻る構成となっている。第1当たり種別カウンタC2の値は、例えば、定期的に(第18制御例ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64に入賞したタイミングでRAM203の第1特別図柄保留球格納エリア203aに格納される。また、特別図柄の抽選(変動)を実行可能な状態(即ち、特別図柄の変動中及び大当たり遊技、小当たり遊技中以外の状態)では球が第1入球口64或いは第2入球口640に入球したタイミングでRAM203の特別図柄保留球実行エリアに格納される。
ここで、第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは特別図柄保留球実行エリアに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が、特別図柄の大当たりや小当たりであると判別される乱数でなければ、即ち、特別図柄の外れであると判別される乱数であれば、第1図柄表示装置37に表示される停止図柄に対応した表示態様は、特別図柄の外れ時のものとなる。
一方で、第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは特別図柄保留球実行エリアに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が、特別図柄の大当たりとなる乱数であれば、第1図柄表示装置37に表示される停止図柄に対応した表示態様は、特別図柄の大当たり時のものとなる。この場合、その大当たり時の具体的な表示態様は、第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは特別図柄保留球実行エリアに格納されている第1当たり種別カウンタC2の値が示す表示態様となる。
第18制御例のパチンコ機10における第1当たり乱数カウンタC1は、0〜999の範囲の2バイトのループカウンタとして構成されている。この第1当たり乱数カウンタC1において、第1特別図柄、第2特別図柄の抽選時に、特別図柄の大当たりとなる乱数値は5個あり、その乱数値である「0〜4」は、前述したように第1当たり乱数18テーブル202raの特別図柄1乱数18テーブル202ra1、特別図柄2乱数18テーブル202ra2に格納されている。このように第18制御例のパチンコ機10では乱数値の総数が1000ある中で、大当たりとなる乱数値の総数が5なので、特別図柄の大当たりとなる確率は、「1/200」となる。
第18制御例のパチンコ機10における第1当たり種別カウンタC2の値は、0〜99の範囲のループカウンタとして構成されている。第18制御例では取得した第1当たり種別カウンタC2の値を用いて、大当たり種別選択18テーブル202rbを参照して大当たりに当選した場合の大当たり種別を判別するように構成している。ここで、図587を参照して大当たり種別選択18テーブル202rbの内容について説明をする。
図587(a)は、大当たり種別選択18テーブル202rbに規定されている内容を模式的に示した模式図である。図587(a)に示した通り、第18制御例では、第1特別図柄(特図1)の抽選時に、取得した第1当たり種別カウンタC2の値を判定する際に用いられる特図1大当たり種別選択18テーブル202rb1と、第2特別図柄(特図2)の抽選時に、取得した第1当たり種別カウンタC2の値を判定する際に用いられる特図2大当たり種別選択18テーブル202rb2と、を有している。これにより、特図1の抽選により大当たりに当選した場合の大当たり種別と、特図2の抽選により大当たりに当選した場合の大当たり種別とを異ならせる、或いは、複数種類の大当たり種別のそれぞれが選択される割合を異ならせることができるため、第1特別図柄(特図1)を用いた遊技と、第2特別図柄(特図2)を用いた遊技とで異なる遊技性を遊技者に提供することができ遊技の興趣を向上することができる。
次に、図587(b)を参照して第1特別図柄(特図1)の抽選時に用いられる特図1大当たり種別選択18テーブル202rb1について説明をする。図587(b)は特図1大当たり種別選択18テーブル202rb1に規定されている内容を模式的に示した模式図である。図587(b)に示した通り、遊技状態として通常状態が設定されている場合に、第1当たり種別カウンタC2において、乱数値が「0〜9」のいずれかであった場合の大当たり種別は「大当たりA」となり、「10〜49」のいずれかであった場合の大当たり種別は「大当たりB」となり、「50〜99」のいずれかであった場合の大当たり種別は「大当たりC」となる。遊技状態として時短状態が設定されている場合に、第1当たり種別カウンタC2において、乱数値が「0〜9」のいずれかであった場合の大当たり種別は「大当たりD」となり、「10〜49」のいずれかであった場合の大当たり種別は「大当たりA」となり、「50〜99」のいずれかであった場合の大当たり種別は「大当たりB」となる。
「大当たりA」は、大当たり遊技としてラウンド数が16ラウンドで、大当たり終了後の遊技状態が時短状態に設定される大当たり種別である。ラウンド数が多い上に、大当たり後の遊技状態が遊技者にとって有利な時短状態に設定されるので、「大当たりA」は、遊技者にとって最も有利な大当たり種別である。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個のカウンタ値(乱数値)のうち、「大当たりA」が選択される乱数値が10個なので、第1特別図柄(特図1)の抽選で大当たりとなった場合に「大当たりA」が選択される割合は10%である。
「大当たりB」は、大当たり遊技としてラウンド数が7ラウンドで、大当たり終了後の遊技状態が時短状態に設定される大当たり種別である。ラウンド数は上述した「大当たりA」よりも少ないが、大当たり後の遊技状態が遊技者にとって有利な時短状態に設定されるので、「大当たりB」は、遊技者にとって有利な大当たり種別である。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個のカウンタ値(乱数値)のうち、「大当たりB」が選択される乱数値が40個なので、第1特別図柄(特図1)の抽選で大当たりとなった場合に「大当たりB」が選択される割合は40%である。
「大当たりC」は、大当たり遊技としてラウンド数が7ラウンドで、大当たり終了後の遊技状態が通常状態(非時短状態)に設定される大当たり種別である。ラウンド数も少なく、大当たり後に通常状態が設定されるので、「大当たりC」は、遊技者にとって不利な大当たり種別である。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個のカウンタ値(乱数値)のうち、「大当たりC」が選択される乱数値が50個なので、第1特別図柄(特図1)の抽選で大当たりとなった場合に「大当たりC」が選択される割合は50%である。
「大当たりD」は、大当たり遊技としてラウンド数が16ラウンドで、大当たり終了後の遊技状態が時短状態に設定される大当たり種別である。ラウンド数が多い上に、大当たり後の遊技状態が遊技者にとって有利な時短状態に設定されるので、「大当たりD」は、遊技者にとって最も有利な大当たり種別である。さらに、「大当たりD」は、上述した「大当たりA」に対して、終了し難い時短状態が設定されるように構成している。よって、同一内容の大当たり遊技が実行され、且つ、大当たり遊技終了後に同一の遊技状態が設定される「大当たりA」よりも、遊技者に有利な大当たり種別となる。
以上、説明をしたように、第18制御例のパチンコ機10では、通常状態が設定されている第1特別図柄(特図1)の抽選において大当たりに当選した場合の10%の割合で16ラウンドの大当たり遊技が選択され、90%の割合で7ラウンドの大当たり遊技が選択される。また、50%の割合で大当たり遊技終了後の遊技状態が時短状態へと移行する大当たりが選択される。
一方、時短状態が設定されている状態で実行された第1特別図柄(特図1)の抽選において大当たりに当選した場合の50%の割合で16ラウンドの大当たり遊技が選択され、50%の割合で7ラウンドの大当たり遊技が選択される。また、時短状態中に特図1抽選で大当たり当選した場合には、その大当たり当選に基づいて実行される大当たり遊技の終了後に必ず時短状態が設定される。
つまり、通常状態で大当たり当選するよりも時短状態で大当たり当選したほうが、大当たり遊技の内容、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態の点で遊技者に有利となる。よって、大当たり当選時点の遊技状態としては、通常状態よりも時短状態のほうが遊技者に有利となる。
次に、図587(c)を参照して、第2特別図柄(特図2)の抽選時に用いられる特図2大当たり種別選択18テーブル202rb2について説明をする。図587(c)は特図2大当たり種別選択18テーブル202rb2に規定されている内容を模式的に示した模式図である。図587(c)に示した通り、第1当たり種別カウンタC2において、乱数値が「0〜99」のいずれかであった場合の大当たり種別は「大当たりE」となる。「大当たりE」は、大当たり遊技としてラウンド数が10ラウンドで、大当たり終了後の遊技状態が時短状態に設定される大当たり種別である。ラウンド数は上述した「大当たりA」よりも少ないが、大当たり後の遊技状態が遊技者にとって有利な時短状態に設定されるので、「大当たりE」は、遊技者にとって有利な大当たり種別である。即ち、第2特別図柄(特図2)の抽選において大当たりに当選した場合は、大当たり種別として遊技者にとって有利な「大当たりE」が必ず選択されるように構成している。
第18制御例では、大当たりの種類は5種類としたが、それに限らず、4種類以下でもよいし、6種類以上設けるように構成してもよい。また、第1特別図柄と第2特別図柄とで、同じ第1当たり種別カウンタC2の値であっても、異なる大当たり種別が選択されるように構成してもよい。このように構成することで、例えば、第2特別図柄で大当たりした場合に、よりラウンド数が多く実行される大当たり種別を設定しておくことで、第2特別図柄での当たりをより遊技者に期待させることができる。よって、高確率遊技状態での当たりをより遊技者に有利にすることができ、高確率状態中における遊技の趣向性を向上させることができる。従って、高確率状態へ移行させたいと遊技者に強く思わせることができ、より長く遊技を行わせることができる。
また、第1特別図柄と第2特別図柄とで選択される大当たり種別の種類と、各大当たり種別の選択率(振分率)を同一にし、各大当たり種別に対応させる第1当たり種別カウンタC2の範囲のみを異ならせるように構成しても良い。これにより特定のカウンタ値を狙って第1当たり種別カウンタC2の値を取得する不正行為が第1特別図柄と第2特別図柄との両方で実行されることを抑制することができる。
小当たり種別カウンタC5は、特別図柄の小当たりとなった場合に、小当たり種別を決定して、第1図柄表示装置37の表示態様を決定するものであり、所定の範囲(例えば、0〜99)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、0〜99の値を取り得るカウンタの場合は99)に達した後0に戻る構成となっている。小当たり種別カウンタC5の値は、例えば、定期的に(第18制御例ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64に入球したタイミングでRAM203の第1特別図柄保留球格納エリア203aに格納され、特別図柄の抽選(変動)を実行可能な状態(即ち、特別図柄の変動中及び大当たり遊技、小当たり遊技中以外の状態)において球が第1入球口64或いは第2入球口640に入球したタイミングでRAM203の特別図柄保留球実行エリアに格納される。
第18制御例のパチンコ機10における小当たり種別カウンタC5の値は、0〜99の範囲のループカウンタとして構成されている。そして、第2特別図柄に対する大当たり抽選の結果が小当たりである場合に、実行される小当たりの種別を決定するための小当たり種別選択18テーブル202rf(図588参照)が主制御装置110のROM202に設定されている。
ここで、図588を参照して小当たり種別選択18テーブル202rfの内容について説明をする。図588は小当たり種別選択18テーブル202rfに規定されている内容を模式的に示した模式図である。図588に示した通り、小当たり種別選択18テーブル202rfには第2特別図柄の小当たり種別として小当たりA,B,Cの3種類が小当たり種別カウンタC5の値により選択されるように規定されている。具体的には、取得している小当たり種別カウンタC5の値が「0〜49」である場合の小当たり種別は、「小当たりA(V通過時大当たりA)」となり、「50〜79」のいずれかであった場合の小当たり種別は、「小当たりB(V通過時大当たりB)」となり、「80〜99」のいずれかであった場合の小当たり種別は、「小当たりC(V通過時大当たりE)」となる。
ここで、各小当たり種別(小当たりA,B,C)には、それぞれ小当たり遊技においてV入賞装置650内のVスイッチ650e3を球が通過した場合に、その小当たり遊技終了後に実行される大当たり遊技の種別が設定されている。小当たりAの場合には、大当たりA(16R時短有大当たり)が設定されており、小当たりAの実行後に、可変入賞装置65が16R開放状態に設定される大当たりが実行され、その後に時短状態(特別図柄の変動が7回或いは、小当たりAに2回当選、小当たりBに5回当選、或いは、小当たりCに3回当選するまでの期間)が設定されるように構成されている。また、小当たりBの場合には、大当たりB(7R時短有大当たり)が設定されており、小当たりBの実行後に、可変入賞装置65が7R開放状態に設定される大当たりが実行され、その後に時短状態(特別図柄の変動が7回或いは、小当たりAに2回当選、小当たりBに5回当選、或いは、小当たりCに3回当選するまでの期間)が設定されるように構成されている。また、小当たりCの場合には、大当たりE(10R時短有大当たり)が設定されており、小当たりCの実行後に、可変入賞装置65が10R開放状態に設定される大当たりが実行され、その後に時短状態(特別図柄の変動が7回或いは、小当たりAに2回当選、小当たりBに5回当選、或いは、小当たりCに3回当選するまでの期間)が設定されるように構成されている。
このように、選択される小当たり種別によって、小当たり遊技終了後に実行される大当たり遊技の内容を異ならせることができる。具体的には、小当たりAは、大当たり遊技において実行されるラウンド数が多い(16R)ため、遊技者にとって最も有利な小当たりとして設定されており、小当たりBは、大当たり遊技において実行されるラウンド数は少なく(7R)、上述した小当たりAよりも不利に設定されている。
なお、本第18制御例では、各小当たり種別によって、小当たり遊技を経由した大当たり遊技の終了後に設定される時短状態の時短終了条件を同一としたが、これに限るものではなく、小当たり種別によって、設定される時短状態の時短終了条件を異ならせる構成としても良い。
なお、詳細な説明は後述するが、第18制御例では、時短状態の終了条件として、第2特別図柄抽選の抽選結果に基づいて成立する時短終了条件(小当たりA当選の回数、小当たりB当選の回数、或いは小当たりC当選の回数等)、或いは、特別図柄(第1特別図柄および第2特別図柄)の変動回数に基づいて成立する時短終了条件を設定可能に構成している。このように構成することで、第1特別図柄の保留球数が1以上ある状態で大当たりに当選し、大当たり終了後に時短状態が設定された場合において、大当たり終了後に第1特別図柄(特図1)の変動が実行されたとしても時短状態が終了することが無い。また、第2特別図柄(特図2)の変動が実行され、大当たり遊技を実行させることが可能な小当たり(小当たりA、小当たりB、小当たりC)に当選した場合には、特別図柄の変動回数に基づいて時短終了条件が成立するよりも前に時短終了条件が成立し時短状態を終了させることができるため、時短状態中に有利な小当たり(小当たりA)に当選するまで小当たり遊技中に遊技球を特定領域へと通過させない遊技を第2終了条件が成立するまで繰り返し実行されることを抑制することができる。
次に、図589(a)を参照して変動パターン選択18テーブル202rdの内容について説明をする。図589(a)は変動パターン選択18テーブル202rdに規定されている内容を模式的に示した模式図である。図589(a)に示した通り、変動パターン選択18テーブル202rdには、遊技状態として通常状態を設定している状態で用いられる通常用変動パターン選択18テーブル202rd1と、時短状態を設定している状態で用いられる時短用変動パターン選択18テーブル202rd2とが規定されている。詳細については後述するが、第18制御例では遊技状態に応じて変動パターンを選択するために用いるデータテーブルを異ならせているため、遊技状態に応じて選択される変動パターン(変動時間)を異ならせることができる。
図589(b)は、変動パターン選択18テーブル202rdに設けられる通常用変動パターン選択18テーブル202rd1に規定された内容を模式的に示した模式図である。図589(b)に示した通り、通常用変動パターン選択18テーブル202rd1には、図柄種別、抽選結果、および変動種別カウンタCS1の値の範囲と、変動パターンとが対応付けて規定されている。
具体的には、図589(b)に示した通り、図柄種別が第1特別図柄(特図1)、抽選結果が「外れ」であって、変動種別カウンタCS1の値が「0〜139」の範囲に変動時間が7秒の短外れが対応付けて規定され、「140〜149」の範囲に変動時間が20秒のガセ外れが対応付けて規定され、「150〜179」の範囲に変動時間が40秒のノーマルリーチ各種が対応付けて規定され、「180〜198」の範囲に変動時間が80秒のスーパーリーチが対応付けて規定されている。
また、図柄種別が第1特別図柄(特図1)、抽選結果が「大当たり」であって、変動種別カウンタCS1の値が「0〜29」の範囲に変動時間が40秒のノーマルリーチ各種が対応付けて規定され、「30〜189」の範囲に変動時間が80秒のスーパーリーチが対応付けて規定され、「190〜198」の範囲に変動時間が140秒のスペシャルリーチ各種が対応付けて規定されている。
次に、図柄種別が第2特別図柄(特図2)、抽選結果が「外れ」である場合は、変動種別カウンタCS1の値が「0〜198」の範囲、即ち、全範囲に変動時間が180秒のロング外れが規定され、抽選結果が「大当たり、または小当たり」である場合は、変動種別カウンタCS1の値が「0〜198」の範囲、即ち、全範囲に変動時間が180秒のロング当たりが規定されている。
このように、特別図柄の抽選結果に応じて、変動時間が7秒〜180秒の変動パターンのうち何れかの変動パターンが設定され、この変動パターンを示すコマンドを音声ランプ制御装置113へと送信することで、変動時間に対応する変動演出が第3図柄表示装置81にて実行される。
図589(b)に示した通り、通常用変動パターン選択18テーブル202rd1にて選択される変動パターン(変動時間)は、図柄種別が特図1で抽選結果が外れの場合には7秒(選択割合が約70%)、40秒(選択割合が約15%)、80秒(選択割合が約10%)、20秒(選択割合が約5%)の順で選択され易くなるように規定されている。また、抽選結果が大当たりの場合には80秒(選択割合が約80%)、40秒(選択割合が約15%)、140秒(選択割合が約5%)の順で選択され易くなるように規定されている。
このように、特別図柄の抽選結果と選択される変動パターン(変動時間)には関連性があり、特別図柄の抽選結果が大当たりの場合に選択される変動時間(変動パターン)の割合と、特別図柄の抽選結果が外れの場合に選択される変動時間(変動パターン)の割合とによって、特定の変動時間(変動パターン)が選択された場合における大当たり期待度を示唆することができるように構成している。このように構成することで、選択される変動時間(変動パターン)によって大当たりに当選しているか否かを遊技者に予測させることができる。
なお、第18制御例では当選した大当たり種別に関わらず、同一の変動パターンテーブルを用いる構成としているが、これに限ること無く、大当たり種別が遊技者に有利となる大当たり(例えば、大当たりA)を示す大当たり種別である場合と、それ以外の大当たり(大当たりB、大当たりC)を示す大当たり種別である場合とで、異なる変動パターンテーブルを用いる構成としても良い。この場合、例えば、有利大当たり(大当たりA)を示す大当たり種別に当選した場合に用いられる変動パターンテーブルよりも、それ以外の大当たりを示す大当たり種別に当選した場合に用いられる変動パターンテーブルのほうが短い変動時間の変動パターンが選択され易くなるように構成すると良い。これにより、実行される変動パターンに設定される変動時間が長ければ長いほど遊技者に有利となる遊技結果に期待することができるため、遊技者に対して特別図柄の変動時間に興味を持たせることができる。
また、確変大当たりを示す大当たり種別に当選した場合に用いられる変動パターンテーブルよりも、通常大当たりを示す大当たり種別に当選した場合に用いられる変動パターンテーブルのほうが長い変動時間の変動パターンが選択され易くなるように構成しても良く、これにより、短い変動時間で大当たりに当選した場合に、遊技者に意外性のある遊技結果を提供することができ、短い変動時間が選択された場合であっても、最後まで期待を持たせることができる。
次に、図590を参照して変動パターン選択18テーブル202rdに設けられた時短用変動パターン選択18テーブル202rd2の内容について説明をする。図590は時短用変動パターン選択18テーブル202rd2に規定された内容を模式的に示した模式図である。図590に示した通り、時短用変動パターン選択18テーブル202rd2には、図柄種別、変動回数、抽選結果、および変動種別カウンタCS1の値の範囲と、変動パターンとが対応付けて規定されている。
具体的には、図590に示した通り、図柄種別が第1特別図柄(特図1)、変動回数が1〜4回、抽選結果が「外れ」である場合は、変動種別カウンタCS1の値が「0〜198」の範囲、即ち、全範囲に変動時間が2秒の短外れが規定され、抽選結果が「大当たり」である場合は、変動種別カウンタCS1の値が「0〜198」の範囲、即ち、全範囲に変動時間が2秒の短大当たりが規定されている。図柄種別が第1特別図柄(特図1)、変動回数が5回以上、抽選結果が「外れ」である場合は、変動種別カウンタCS1の値が「0〜198」の範囲、即ち、全範囲に変動時間が10秒の外れが規定され、抽選結果が「大当たり」である場合は、変動種別カウンタCS1の値が「0〜198」の範囲、即ち、全範囲に変動時間が10秒の当たりが規定されている。また、図柄種別が第2特別図柄(特図2)、変動回数が1回以上、抽選結果が「外れ」である場合は、変動種別カウンタCS1の値が「0〜198」の範囲、即ち、全範囲に変動時間が10秒の外れが規定され、抽選結果が「小当たり」である場合は、変動種別カウンタCS1の値が「0〜160」の範囲に変動時間が10秒の短小当たりが規定され、「161〜198」の範囲に変動時間が30秒の長小当たりが規定され、抽選結果が「大当たり」である場合は、変動時間が30秒の長大当たりが規定されている。
図584に戻り説明を続ける。第2当たり乱数カウンタC4は、例えば0〜239の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり239)に達した後0に戻るループカウンタとして構成されている。また、第2当たり乱数カウンタC4が1周した場合、その時点の第2初期値乱数カウンタCINI2の値が当該第2当たり乱数カウンタC4の初期値として読み込まれる。第2当たり乱数カウンタC4の値は、第18制御例ではタイマ割込処理(図314参照)毎に、例えば定期的に更新され、球が普通始動口(スルーゲート)67を通過したことが検知された時に取得され、RAM203の第2図柄保留球実行エリアに格納される。
そして、普通図柄の当たりとなる乱数の値は、主制御装置のROM202に格納される第2当たり乱数18テーブル202rcによって設定されており、第2当たり乱数カウンタC4の値が、第2当たり乱数18テーブル202rcによって設定された当たりとなる乱数の値と一致する場合に、普通図柄(第2図柄)の当たりと判定する。なお、第18制御例では、普通図柄の当たりに当選する確率がパチンコ機10の遊技状態に関わらず常に一定となるように構成しているが、それ以外の構成を用いても良い。
例えば、第2当たり乱数18テーブル202rcとして、普通図柄の低確率時(普通図柄の通常状態である期間)用と、その低確率時より普通図柄の当たりとなる確率の高い高確率時(普通図柄の時短状態である期間)用との2種類を設けても良い。この場合、それぞれに含まれる当たりとなる乱数の個数が異なるように設定する。このように、当たりとなる乱数の個数を異ならせることにより、普通図柄の低確率時と普通図柄の高確率時とで、当たりとなる確率を変更することができる。
球が普通始動口67を通過すると、第2当たり乱数カウンタC4の値が取得されると共に、現在の遊技状態が時短状態であるかを判別し、遊技状態が時短状態であれば第2図柄表示装置83において普通図柄の変動表示が3秒間実行される。一方、遊技状態が時短状態では無ければ第2図柄表示装置83において普通図柄の変動表示が30秒間実行される。
取得された第2当たり乱数カウンタC4の値が「5〜204」の範囲であれば当選と判定されて、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示される。そして、第2図柄が停止表示(確定表示)された時点における遊技状態が時短状態であるかを判別し、第2図柄が停止表示(確定表示)された時点が時短状態であって、且つ、第2図柄の変動開始時点も時短状態である場合には第2入球口640が「2秒間×2回」開放されるように電動役物640aを動作制御(ロング開放制御)する。一方、それ以外の場合は、第2入球口640が「0.2秒間×1回」だけ開放されるように電動役物640aを動作制御(ショート開放制御)する。尚、第2入球口640開放時間や回数は任意に設定すれば良い。
このように、普通図柄の変動時間、及び、当たり当選時における電動役物640aの動作内容(第2入球口640の開放期間、開放回数)は、設定されている遊技状態によって可変されように構成されており、普通図柄の変動開始時における遊技状態が時短状態の場合は、通常状態の場合と比較して、変動表示の時間が「30秒→3秒」と非常に短くなり、更に、時短状態が設定されている期間中に変動を開始した第2図柄の抽選結果が当たりであって電動役物640aが動作を開始する時点も時短状態が設定されている場合は、それ以外の場合と比較して、第2入球口640の開放期間が「0.2秒×1回→2秒間×2回」と非常に長くなるので、第2入球口640へ球が入球し易い状態となる。尚、第2当たり乱数カウンタC4の値(乱数値)から、普通図柄の当たりか否かを判定する乱数値を格納したテーブル(図示せず)は、ROM202内に設けられている。
尚、第18制御例では、普通図柄(第2図柄)の変動開始時における遊技状態と、普通図柄の当たり当選に基づいて実行される電動役物640aの動作開始タイミングにおける遊技状態とに応じて、第2図柄の変動時間、及び電動役物640aの動作内容を異ならせて設定するように構成しているが、それ以外の構成を用いても良く、例えば、普通図柄(第2図柄)の変動開始タイミングから電動役物640aの動作開始タイミングまでの間、継続して時短状態が設定されていることを判別する判別手段を設け、その判別手段の判別結果を用いて第2図柄の変動時間、及び電動役物640aの動作内容を設定するように構成しても良い。
上述したように、第18制御例では電動役物640aの動作として遊技者に有利となる動作(ロング開放)を実行するためには、普通図柄変動開始時、及び電動役物640aの動作開始時の何れタイミングにおいても時短状態が設定されている必要がある。このように構成することで、例えば、通常状態が設定されているタイミングで変動を開始した第2図柄が、時短状態が設定されているタイミングにて当たりを示す識別情報で停止表示した場合、或いは、時短状態が設定されているタイミングで変動を開始した第2図柄が、通常状態が設定されているタイミングにて当たりを示す識別情報で停止表示した場合といった、一つの第2図柄の抽選に基づいて実行される第2図柄の変動及び電動役物640aの動作が複数の遊技状態を跨ぐ場合において、遊技者に有利となる電動役物640aの動作制御(ロング開放)が実行されてしまうことを抑制することができる。よって、遊技者に対して過剰に有利な状態を提供することを防止することができる。
第2初期値乱数カウンタCINI2は、第2当たり乱数カウンタC4と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成され(値=0〜239)、タイマ割込処理(図314参照)毎に1回更新されると共に、メイン処理7(図325参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
このように、RAM203には種々のカウンタ等が設けられており、主制御装置110では、このカウンタ等の値に応じて大当たり抽選や第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行することができる。
次に、図585(a)を参照して、第18制御例のパチンコ機10に設けられる主制御装置110ROM202の内容について、説明する。図585(a)に示した通り、主制御装置110のROM202には、固定値データの一部として、第1当たり乱数18テーブル202ra、大当たり種別選択18テーブル202rb、第2当たり乱数18テーブル202rc、および変動パターン選択18テーブル202rd、時短付与18テーブル202re、小当たり種別選択18テーブル202rf、開放シナリオ7テーブル202fg、時短当たり乱数18テーブル202rh、時短種別選択18テーブル202riが少なくとも記憶されている。
尚、ROM202に記憶されている固定値データのうち、第1当たり乱数18テーブル202ra、大当たり種別選択18テーブル202rb、第2当たり乱数18テーブル202rc、変動パターン選択18テーブル202rd、小当たり種別選択18テーブル202rfについては、既にその詳細な内容について説明をしているため説明を省略する。
時短付与18テーブル202reは、時短状態を終了させる複数の時短終了条件を、当選した大当たりの大当たり種別毎に異ならせて設定する際に参照されるデータテーブルであり、大当たり遊技が終了(大当たり遊技のエンディング期間が終了)した場合に(図326のS1612:Yes)参照され、大当たり種別に応じて異なる時短回数(時短終了条件)が設定される。
ここで、図587(d)を参照して時短付与18テーブル202reに規定されている内容について説明をする。図587(d)は時短付与18テーブル202reに規定されている内容を模式的に示した模式図である。第18制御例では大当たり終了後に時短状態が設定される大当たり種別(大当たりA,B,D,E)と、大当たり終了後に時短状態が設定されない(通常状態が設定される)大当たり種別(大当たりC)とを有しており、図587(d)に示した通り、各大当たり種別に対応させて複数の時短終了条件が規定されている。
第18制御例では特別図柄の変動回数に応じて成立する第1時短終了条件と、特別図柄の抽選で小当たりAに当選した回数に応じて成立する第2時短終了条件と、特別図柄の抽選で小当たりBに当選した回数に応じて成立する第3時短終了条件と、特別図柄の抽選で小当たりCに当選した回数に応じて成立する第4時短終了条件と、を有している。
具体的には、大当たり種別が大当たりA,B及びEの場合には、時短終了条件として、時短中カウンタ203h(第1時短終了条件)に「7」、小当たりAカウンタ203fgに「2」、小当たりBカウンタ203fhに「5」、小当たりCカウンタ203raに「3」の値をセットするように規定され、大当たりDの場合には、時短終了条件として、時短中カウンタ203h(第1時短終了条件)に「100」、小当たりAカウンタ203fgに「4」、小当たりBカウンタ203fhに「10」、小当たりCカウンタ203raに「7」の値をセットするように規定されている。
なお、上述した通り、第18制御例では、大当たり種別が大当たりCの場合では、大当たり遊技の終了後に時短状態が設定されないため、時短付与18テーブル202reの大当たりCには上述した各種カウンタに対して設定する値が規定されていない。このように、当選した大当たり種別毎に大当たり遊技終了後に設定される時短状態の終了条件を異ならせることで、大当たり遊技終了後に時短状態が設定される旨を事前に報知したとしても、具体的な時短内容を把握させ難くすることができるため、最後まで(時短状態が終了するまで)遊技意欲を高めた状態で遊技を行うことができる。
なお、第18制御例では時短付与18テーブル202reを用いて設定される時短終了状態以外にも特別図柄の大当たりに当選した場合にも時短状態が終了するように構成しているが、この大当たり当選に基づいて成立する時短終了条件は、設定される大当たり種別に応じて異なるものでは無いため、時短付与18テーブル202reからは省略しているが、上述した時短終了条件(特図の大当たり当選に基づいて成立する時短終了条件)についても時短付与18テーブル202reに値を規定するように構成しても良い。
さらに、本第18制御例では、特別図柄抽選で時短当選した場合にも時短状態(第2時短)を設定するように構成しているが、第2時短に対して設定される時短終了条件については、後述する時短種別選択18テーブル202riを参照して説明をする。なお、本第18制御例では、時短当選したことに基づいて設定される時短状態(第2時短)に対する時短終了条件を、時短付与18テーブル202reでは無く、時短種別選択18テーブル202riを参照して設定するように構成しているが、これに限ること無く、時短付与18テーブル202reに第2時短に対応する時短終了条件を規定するように構成しても良い。
また、第18制御例では複数の時短終了条件として、上述した第1時短終了条件〜第4時短終了条件を有する構成を用いているが、それ以外の条件を時短終了条件として設定しても良く、例えば、第1特別図柄の変動回数が所定回数(例えば50回)となった場合に成立する時短終了条件や、第2特別図柄の変動回数が所定回数(例えば80回)となった場合に成立する時短終了条件や、小当たりに当選しV入賞装置が作動した回数(小当たりAカウンタ203fg、小当たりBカウンタ203fhの値、小当たりCカウンタ203raの値を合算した回数)が所定回数(例えば、10回)となった場合に成立する時短終了条件を設定しても良い。
さらに、特別図柄の変動回数や抽選結果に基づかず、別の要因によって成立する時短終了条件を設定しても良く、例えば、普通図柄の変動回数や普通図柄の当たり当選回数(電動役物640aの作動回数)が所定回数となった場合に成立する時短終了条件や、特定の入球口(例えば、一般入賞口63)に入球した球数が所定個数(例えば、50個)となった場合に成立する時短終了条件等を予め設定するように構成しても良い。
上述したように、遊技者に有利な遊技状態である時短状態を終了させるための時短終了条件を複数設定し、その時短終了条件の何れかが設定した場合に時短状態が終了するように構成することで、時短状態がどれくらいの期間継続するのかを遊技者が事前に把握することが困難となるため単調な遊技が行われることを抑制することができる。
さらに、第18制御例では複数の時短終了条件のうち何れかの時短終了条件が成立した場合に時短状態を終了させる制御を用いているが、これ以外にも例えば、複数の時短終了条件が所定数(例えば2つ)成立した場合に時短終了条件が成立するように構成しても良い。この場合、成立した時短終了条件の数を判別する成立数判別手段と、成立数判別手段により判別された成立数が所定数(例えば2つ)に到達したかを判別する条件到達判別手段と、を設け、条件到達判別手段により成立数が所定数(例えば2つ)に到達したと判別された場合に時短状態を終了(通常状態を設定)するように構成すると良い。
また、最初に成立した時短終了条件の内容を判別する内容判別手段を設け、その内容判別手段の判別結果に基づいて、条件到達判別手段の判別基準となる所定数(例えば2つ)を可変させる判別基準数可変手段を設けても良い。これにより、最初に成立した時短終了条件の種類に応じて、終了し易い時短状態や、終了し難い時短状態を設定することができるため、時短状態が設定された後でも遊技者に意欲的に遊技を行わせることができる。
上述した内容に加え、時短状態が設定されてからの所定期間(例えば、特別図柄の変動回数が10回に到達するまで)を計測する所定期間計測手段と、その所定期間計測手段の計測結果を判別する結果判別手段とを設け、結果判別手段により、現在が所定期間内であると判別した場合には、上述した時短終了条件が成立したとしても所定期間が経過するまでは時短状態の終了を遅延させる時短終了遅延手段を設けても良いし、結果判別手段により現在が所定期間内であると判別した場合に成立した時短終了条件を無効にする終了条件無効手段を設けても良い。また、結果判別手段により、現在が所定期間内であると判別している間は時短終了条件の成立の有無判別や、各時短終了条件に対応して設定された各種カウンタの値を更新(減算)する処理を実行しないようにしても良い。
このように構成することで、時短状態が設定された直後に時短状態が終了してしまう事態を確実に防止することが出来ると共に、時短状態の終了タイミングを複雑に設定することができる。また、上述したように複数の時短終了条件が成立したことに基づいて時短状態を終了させる処理を用いる場合においては、複数の時短終了条件を、優先時短終了条件(例えば、特別図柄の変動回数が100回に到達した場合に成立する時短終了条件)と、非優先時短終了条件(例えば、小当たり回数が3回に到達した場合に成立する時短終了条件)とを設定しておき、優先時短終了条件が成立した場合は直ちに時短状態を終了させ、非優先時短終了条件のみ複数成立した場合に時短状態を終了させるように構成すると良い。このように優先時短終了条件を設けることで、遊技者に対して過剰に時短状態を提供してしまうことを抑制することができる。
開放シナリオ7テーブル202fgは、上述した第7制御例の開放シナリオ7テーブル202fgと同一であるため、その詳細な説明は省略する。
時短当たり乱数18テーブル202rhは、第1特別図柄または第2特別図柄の抽選において、時短当選と判定される第1当たり乱数カウンタC1の値(判定値)が遊技状態に対応させて規定されているデータテーブルである。ここで、図591(a)を参照して、時短当たり乱数18テーブル202rhの内容について説明をする。図591(a)は、時短当たり乱数18テーブル202rhに規定されている内容を示した図である。
具体的には、特別図柄種別に関わらず、遊技状態が通常状態(特別図柄及び普通図柄の低確率状態)に対しては、第1当たり乱数カウンタC1の値が「3,4,140〜287」の範囲に時短当選の判定値として規定されており、それ以外の遊技状態に対しては、時短当選の判定値を設けないように構成されている。
ここで、本第18制御例では、1回の特別図柄抽選において大当たり当選の判定と時短当選の判定とを重複して実行可能に構成している。また、小当たり当選の判定と時短当選の判定とを重複して実行可能に構成している。よって、例えば、取得した第1当たり乱数カウンタC1の値が「3,4」である場合には、第1当たり乱数18テーブル202ra(図586(a)参照)を用いて実行される大当たり判定において大当たりと判定され、且つ、時短当たり乱数18テーブル202rh(図591(a)参照)を用いて実行される時短当選判定において時短当選と判定されるため、大当たりと時短とに重複当選することになる。同様に、取得した第1当たり乱数カウンタC1の値が「140〜144」である場合には、特別図柄2乱数18テーブル202ra2(図586(c)参照)を用いて実行される小当たり判定において小当たりと判定され、且つ、時短当たり乱数18テーブル202rh(図591(a)参照)を用いて実行される時短当選判定において時短当選と判定されるため、小当たりと時短とに重複当選することになる。
上述した通り、本第18制御例では、時短当選の判定を実行した後に、大当たり(小当たり)判定を実行するように構成しているため、重複当選した場合には、時短状態において大当たり(小当たり)当選したことになる。よって、時短当選すること無く大当たり(小当たり)当選した場合に比べて遊技者に有利な特典を付与することができる。
なお、本第18制御例では、1回の特別図柄抽選において取得した第1当たり乱数カウンタC1の値を用いて、大当たり(小当たり)の判定と、時短当選の判定を実行するように構成し、取得した第1当たり乱数カウンタC1の値が、何れの判定においても当選判定値である場合に重複当選し得るように構成しているが、これに限ること無く、例えば、特別図柄抽選の実行権利を獲得した際に、大当たり(小当たり)判定用の乱数カウンタの値と、時短当選用の乱数カウンタの値と、を別々に取得し、取得した各値を用いて大当たり(小当たり)判定と、時短当選判定を実行するように構成しても良い。
時短種別選択18テーブル202riは、特別図柄抽選で時短当選した場合に設定される時短状態(第2時短)に対する時短終了条件を設定する際に参照されるデータテーブルであって、時短種別選択カウンタCC1の値に対応させて時短種別が規定されている。
ここで、図591(b)を参照して、時短種別選択18テーブル202riの内容について説明をする。図591(b)は、時短種別選択18テーブル202riに規定されている内容を示した図である。図591(b)に示した通り、時短種別選択18テーブル202riには、取得した時短種別選択カウンタCC1の値に対応させて時短種別が規定されており、規定されている時短種別に対応する時短終了条件が規定されている。
具体的には、取得した時短種別選択カウンタCC1の全範囲(「0〜99」)に対して時短種別として時短Aが規定されている。そして、時短Aに対応する時短終了条件として時短カウンタ203h(第1時短終了条件)に「1」が設定される時短終了条件が規定されている。つまり、時短カウンタ203hの値を更新する処理が1回実行された時点で時短状態が終了する時短終了条件が設定される。よって、特別図柄抽選で時短当選した場合には、時短当選した時点で時短状態が設定され、その後当該特別図柄抽選における大当たり判定が実行され、当該特別図柄抽選の結果を示すための特別図柄変動が開始されるまでの間、時短状態が設定されることになる。
つまり、特別図柄抽選で時短当選した場合には、特別図柄抽選における大当たり判定を時短状態中に実行させる(特殊抽選を実行させる)ためだけの時短状態を設定することができる。よって、特別図柄抽選で時短当選した場合には、遊技者に時短当選したことを気付かれること無く大当たり判定のみ時短状態中に実行することが可能となるため、大当たり当選した場合に遊技者に意外性のある特典(大当たり遊技内容、大当たり遊技終了後の時短状態)を付与することができる。
なお、図591(b)に示した通り、本第18制御例では、特別図柄抽選で時短当選した場合に時短種別として時短Aが必ず設定されるように構成しているがこれに限ること無く、例えば、取得した時短種別選択カウンタCC1の値に応じて時短Aとは異なる時短種別を選択可能に構成しても良い。この場合、例えば、取得した時短種別選択カウンタCC1の値が「0〜94」の範囲に対して時短種別として時短Aを規定し、「95〜99」の範囲に対して時短種別として時短Aとは異なる時短Zを規定するように構成し、時短Zに対応する時短終了条件として時短カウンタ203h(第1時短終了条件)に「100」が設定される時短終了条件を規定すると良い。
このように構成することで、特別図柄抽選で時短当選した場合の一部において、特殊抽選を実行させるための時短状態では無く、第2特別図柄抽選を継続して実行させるための時短状態を設定することが可能となるため、遊技者に対してより意外性のある遊技を提供することができる。
次に、図585(b)を参照して、本第18制御例におけるパチンコ機10の主制御装置110のMPU201が有するRAM203の構成について説明をする。図585(b)は、第18制御例におけるパチンコ機10のRAM203の構成を模式的に示した図である。図585(b)に示すように、本第18制御例におけるRAM203は、上述した第7制御例に対して、小当たりCカウンタ203raを追加して点で相違し、それ以外は同一である。同一の要素については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
小当たりCカウンタ203raは、時短状態中に設定される時短終了条件の一つが成立するまでの小当たり種別として小当たりCが設定された小当たりの当選回数を計測するためのカウンタであって、大当たり制御処理7(図326のS11504)において、エンディング演出の終了タイミング(大当たりの終了タイミング)であると判別された場合に(図326のS11612:Yes)、時短付与18テーブル202reに規定されている値(1)が設定される(図326のS11614)。
そして、特別図柄変動処理7(図315のS10104)の小当たり開始設定処理(図320のS10223)にて実行される小当たり用時短更新処理7(図321のS10405)に代えて実行される小当たり用時短更新処理18(図597のS40405)において今回当選した小当たりの小当たり種別が小当たりBではないと判別した場合に(図597のS40510:No)、カウンタの値が1減算される。減算した後の小当たりCカウンタ203raの値が0であると判別すると(図597のS40514:Yes)、時短終了条件が成立するため、遊技状態として通常状態が設定される(図597のS40507)。なお、第18制御例は、時短状態を終了させるための時短終了条件を複数設定しており、その何れの時短終了条件が成立した場合であっても(例えば、特別図柄変動回数に基づく時短終了条件が成立した場合であっても)、カウンタの値が0に設定(リセット)される(図596のS40606)。このように、複数の時短終了条件のうち、小当たりCカウンタ203raの値を参照した時短終了条件(第4時短終了条件)以外の時短終了条件が成立した場合であっても、小当たりCカウンタ203fraの値が0に設定(リセット)されるため、時短状態が終了したにも関わらず小当たりCカウンタ203raの値を減算する処理が継続されてしまう事態を抑制することができる。また、複数の時短終了条件のうちどの時短終了条件が成立したとしても、時短状態を終了させる際に時短終了条件の成立を判別する際に用いる各種カウンタの値を初期値(0)に設定するように構成しているため、時短状態を終了させた後の処理が煩雑になることを抑制することができる。
次に、図592(a)を参照して、本第18制御例のパチンコ機10における音声ランプ制御装置113のMPU221のROM222について説明する。図592(a)は、本第18制御例における音声ランプ制御装置113のROM222の構成を示した図である。図592(a)に示した通り、本第18制御例のROM222は、上述した第7制御例のROM222(図311(a)参照)に対して、演出態様選択18テーブル222raと、Vアイコン獲得演出設定テーブル222rbと、を追加した点で相違している。それ以外の要素は同一であり、同一の要素については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
ここで、図593(a)を参照して、演出態様選択18テーブル222raに規定されている内容について説明をする。図593(a)は、演出態様選択18テーブル222raに規定されている内容を模式的に示した図である。図593(a)に示した通り、演出態様選択18テーブル222raには、通常用演出態様設定テーブル222ra1と、時短用演出態様設定Aテーブル222ra2と、時短用演出態様設定Bテーブル222ra3と、が規定されている。
通常用演出態様設定222ra1(図示しない)は、通常状態(普通図柄の低確率状態)において特別図柄の変動表示が実行される場合に参照されるテーブルである。主制御装置110において設定された変動パターン種別と、演出カウンタCS1の値とに基づいて演出態様を設定するものである。
図593(b)は、時短用演出態様設定Aテーブル222ra2の内容を示した図である。時短用演出態様設定Aテーブル222ra2は、時短状態(普通図柄の高確率状態)において特別図柄の変動表示が実行される場合に、参照されるテーブルである。主制御装置110において設定された変動パターン種別と、演出カウンタCS1の値と、に基づいて演出態様を設定する。
図593(c)、時短用演出態様設定Bテーブル222ra3の内容を示した図である。時短用演出態様設定Bテーブル222ra3は、時短状態(普通図柄の高確率状態)において特別図柄の変動表示が実行される場合に、参照されるテーブルである。主制御装置110において設定された変動パターン種別と、演出カウンタCS1の値と、に基づいて演出態様を設定する。
詳細は後述するが、本第18制御例では、時短状態において、上述したVアイコンの発動(小当たり当選する保留(V保留)が存在することを報知するVアイコンが拡大表示されることにより、実行中の特別図柄の変動表示において小当たり当選することを遊技者に報知すること)が実行される場合には時短用演出態様設定Bテーブル222ra3を参照し、それ以外の場合には、時短用演出態様設定Aテーブル222ra2を参照する構成としている。
例えば、時短状態において、変動パターン種別として「長小当たり」が設定された場合に、時短用演出態様設定Aテーブル222ra3では「勝利」が選択される確率が150/199(約75%)、「復活勝利」が選択される確率が40/199(約20%)、「プレミア演出」が選択される確率が9/199(約5%)である。一方、時短用演出態様設定Bテーブル222ra3では、「勝利」が選択される確率が190/199(約95%)、「復活勝利」が選択される確率が9/199(約5%)であり、プレミア演出は選択されない。
このように構成することで、演出態様によってVアイコンが発動されるか否かを遊技者が予測し易くなり、演出態様に興味を持たせることが可能となる。
なお、本第18制御例では、Vアイコンの発動が実行される場合と、Vアイコンの発動が実行されない場合と、で選択される演出態様の割合を異ならせる構成としたが、これに限るものではなく、Vアイコンの発動が実行される場合にのみ選択可能な演出態様を設けても良い。
次に、図594を参照して、Vアイコン獲得演出設定テーブル222rbについて説明する。Vアイコン獲得演出設定テーブル222rbは、大当たり遊技が開始された場合に、保留記憶されている特図2保留(第2特別図柄の入賞情報)の中に小当たり当選する保留(V保留)が存在する場合に、大当たり遊技のエンディング期間においてVアイコン獲得演出を実行するか否か決定するために参照されるテーブルである。
図594に示す通り、V保留の位置と、保留数と、演出カウンタCS1の値と、に基づいて、Vアイコン獲得演出を実行するか否かが決定される。V保留の位置は、V保留が入賞情報格納エリア223aの第1エリア〜第4エリアのどのエリアに格納されているかによって決まり、例えば、第4エリアに格納されている特図2保留がV保留である場合には、保留4の欄が参照される。
なお、本第18制御例では、V保留が第4エリアに格納されている場合に最もVアイコン獲得演出が実行され易く、次いで第3エリア、第2エリア、第1エリアの順に実行され易く構成している。
このように構成することで、V保留が消化されるまでに新たに特図2保留を獲得する期間を遊技者に付与できるため、Vアイコンが発動された時点で、そのVアイコンを獲得したVアイコン獲得演出の実行時点では先読みされていない特図2保留を多く残し易くなるため、Vアイコンが発動された後の特図2保留の抽選結果を遊技者が予測し難くさせることができる。
また、V保留が第1エリアに格納されている場合には、保留数によってVアイコン獲得演出の実行され易さが可変し、保留数が1の場合の方が、保留数が4の場合よりもVアイコン獲得演出が実行され易く構成している。
このように構成することで、Vアイコン獲得演出によって獲得したVアイコンが、大当たり遊技終了後の特別図柄の変動表示中に発動された場合に、Vアイコンが発動された時点で残っている特図2保留の内、そのVアイコンを獲得したVアイコン獲得演出の実行時点では先読みされていない特図2保留を多く残し易くなるため、Vアイコンが発動された後の特図2保留の抽選結果を遊技者が予測し難くさせることができる。
なお、これに限るものではなく、V保留が第1エリアに格納されている場合に最もVアイコン獲得演出が実行され易く、次いで第2エリア、第3エリア、第4エリアの順に実行され易く構成しても良い。また、V保留が第1エリアに格納されている場合に、保留数が1の場合の方が、保留数が4の場合よりもVアイコン獲得演出が実行され難く構成しても良い。
次に、図592(b)を参照して、音声ランプ制御装置113のMPU221のRAM223について説明する。図592(b)に示すように、本第18制御例の音声ランプ制御装置113のRAM223には、上述した第7制御例に対して、特別図柄2保留球数カウンタ223raと、Vアイコン獲得演出実行フラグ223rbと、Vアイコン表示フラグ223rcと、を追加した点で相違している。それ以外の要素は同一であり、同一の要素については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
Vアイコン獲得演出実行フラグ223rbは、細部は後述するが、Vアイコン獲得演出設定処理(図602参照)でオンに設定され、エンディング処理(図603参照)においてオフに設定される。
Vアイコン表示フラグ223rcは、エンディング処理(図603参照)においてVアイコン獲得演出が実行される場合にオンに設定され、オンに設定されている期間は、大当たり遊技が終了してもVアイコンが縮小表示され、時短用演出態様設定処理(図606参照)においてVアイコンの発動が実行される場合にオフに設定される。
次に図595を参照して、第18制御例におけるパチンコ機10の遊技の流れについて説明をする。図595は、第18制御例におけるパチンコ機10の遊技の流れを模式的に示した模式図である。図595に示した通り、第18制御例におけるパチンコ機10は、上述した第7制御例に対して、第2特別図柄の入賞情報を第2特別図柄保留球格納エリア203bに保留記憶することが可能な構成であるため、時短状態(普通図柄の高確率状態)で特図2保留(第2特別図柄の入賞情報)を獲得した状態で、時短終了条件が成立した場合に、通常遊技状態(普通図柄の低確率状態)において特図2保留での大当たり当選、または小当たり当選が可能となる。したがって、このような場合には、大当たり遊技終了後に時短状態が設定される点と、小当たりCが追加された点で第7制御例とは相違しており、その他の遊技の流れは同一であるため、その詳細な説明は省略する。
<第18制御例における主制御装置110により実行される制御処理について>
次に、図596から図606のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される各制御処理を説明する。なお、上述した第7制御例における主制御装置110のMPU201にて実行される制御処理内容と同一の内容については、その詳細な説明を省略する。また、上述した第7制御例における主制御装置113のMPU221にて実行される制御処理内容と同一の内容である制御処理のうち、一部の制御処理に対して、説明の便宜上、異なる符号を付している箇所があるが、同一の内容についてはその詳細な説明を省略する。
まず、図596を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される更新処理18(S48253)について説明する。図596は、この更新処理18(S48253)を示すフローチャートである。この更新処理18(S48253)は、上述した第7制御例の特別図柄変動パターン選択処理7(図318のS10210)において実行される更新処理7(S8253)に代えて実行される処理であり、更新処理7(図319のS8253)に対して、小当たりCに関連する構成を追加した点で相違しており、その他の処理は同一である。
具体的には、図596のS40605の処理(第7制御例における図319のS10605の処理に相当)を実行した後に、小当たりAカウンタ、小当たりBカウンタ、小当たりCカウンタを0に設定する(S40606)構成を追加している。
次に、図597を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される小当たり用時短更新処理18(S40405)について説明する。図597は、この小当たり用時短更新処理18(S40405)を示すフローチャートである。この小当たり用時短更新処理18(S40405)は、上述した第7制御例の小当たり開始設定処理(図320のS10223)において実行される小当たり用時短更新処理7(S10405)に代えて実行される処理であり、小当たり用時短更新処理7(図321のS10405)に対して、小当たりCに関連する処理を追加した点で相違しており、その他の処理は同一である。
具体的には、S40505の処理(第7制御例における図321のS10505の処理に相当)を実行した後、小当たりAカウンタ、小当たりBカウンタ、小当たりCカウンタを0に設定する(S40506)構成を追加している。
また、S40510の処理(第7制御例における図321のS10510の処理に相当)において、小当たりBではないと判別された場合(S40510:No)に、小当たりCカウンタ203raの値を1減算し(S40513)、小当たりCカウンタ203raが0であるかを判別する(S40514)。S40514の処理において、小当たりCカウンタ203raの値が0であると判別された場合には(S40514:Yes)、S40505の処理へ移行し、S40514の処理において、小当たりカウンタ203raの値が0ではないと判別された場合には(S40514:No)、S40508の処理へ移行する構成を追加している。
次に、図598を参照して始動入賞処理18(S40105)の処理内容について説明をする。図598は、始動入賞処理18(S40105)の処理内容を示したフローチャートである。この始動入賞処理18(S40105)では、上述した始動入賞処理5(図258のS195参照)に対して、遊技球が第2入球口640に入球した場合に、小当たり種別カウンタC5の値を第2特別図柄保留球格納エリア203bに格納する点(S40712)と、先読み処理5(S653)に代えて先読み処理18(S40713)を実行する点で相違しているだけであり、それ以外の処理内容は同一であるため、その詳細な説明を省略する。
次いで、図599を参照して先読み処理18(S40713)の処理内容について説明をする。図599は、先読み処理18(S40713)の処理内容を示したフローチャートである。この先読み処理18(S40713)が実行されると、まず、新たに第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは第2特別図柄保留球格納エリア203bに記憶された格納エリアから各種カウンタ値である、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、変動種別カウンタCS1、小当たり種別カウンタC5の各値を読み出す(S40801)。そして、読み出したデータを先読み保留記憶エリアの空いている記憶エリアのうち、入賞順序がもっとも小さいエリアに記憶する(S40802)。
次に、新たに先読み保留記憶エリアに記憶された各カウンタ値に基づいて、当否判定結果を判定する。なお、ここでは、特別図柄の低確率状態である場合の当否判定と、特別図柄の高確率状態である場合の当否判定との両方が判別される。これは、新たな保留記憶が発生したタイミング(第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは第2特別図柄保留球格納エリア203bに新たな保留(入賞情報)が記憶されたタイミング)と、今回新たに保留された入賞情報に基づいて大当たり判定が実行されるタイミングとにはタイムラグが発生することから、今回新たに保留された入賞情報に基づく大当たり判定が実行されるタイミングで設定されている遊技状態(特別図柄の確率状態)を予測することが困難だからである。
次に、当否判別結果が大当たりであるか否かを判別する(S40803)。判別結果が大当たりであると判別した場合は(S40803:Yes)、読み出した各種カウンタ値に基づいて、大当たり種別と、変動パターンと、を特定可能な情報を含む入賞コマンドを設定し(S40804)、その後、本処理を終了する。
一方、S40803の処理における判別結果が大当たりでは無いと判別した場合は(S40803:No)、次いで、小当たり当選かを判別し(S40805)、小当たり当選していないと判別した場合は(S40805:No)、読み出した各種カウンタ値に基づいて、外れ当選と、変動パターンと、を特定可能な情報を含む入賞コマンドを設定し(S40807)、その後、本処理を終了する。
一方、S40805の処理において小当たり当選と判別した場合は(S40805:Yes)、読み出した各種カウンタ値に基づいて、小当たり種別と、変動パターンと、を特定可能な情報を含む入賞コマンドを設定し(S40806)、本処理を終了する。
ここで、S40804、S40806、或いはS40807の処理で設定された入賞コマンドは、上述した当否判定結果を示すための情報(当否判定結果に基づいて異なる意味を持たせる情報)に加え、共通情報として、S40801の処理によって読み出された各種カウンタ値の値を示すための情報も含んで設定される。そして、本処理で設定された入賞コマンドが主制御装置110のメイン処理(図325参照)にて実行される外部出力処理(S11501)によって音声ランプ制御装置113に対して出力される。
音声ランプ制御装置113側では、入賞コマンドを受信した場合に、入賞コマンドに含まれる各種情報に基づいて、保留球の表示態様を可変させて(例えば、保留球の色を通常とは異なる色で可変して)表示させたり、変動開始前に予告図柄等を表示して遊技者に当否判定結果(大当たり当否、小当たり当選当否)を示唆したりする演出(先読み演出)を実行できる。
なお、本制御例では、特別図柄の確率状態が1つ(特別図柄の低確率状態)しかないため、入賞コマンドに設定する情報(当否判定結果)を遊技状態に関わらず設定することができるが、例えば、特別図柄の確率状態を複数(特別図柄の高確率状態、特別図柄の低確率状態)有する遊技機においては、特別図柄の高確率状態の場合の当否判定結果と、特別図柄の低確率状態の場合の当否判定結果とを判別し、各判別の結果に基づいた入賞コマンドを設定するように構成しても良いし、特別図柄が高確率状態であっても、低確率状態であっても大当たりと判定される判定値(第1当たり乱数カウンタC1の値)を規定し、その判定値を読み出した場合のみ特別図柄の大当たりを示す入賞コマンドを設定するように構成しても良い。
このように構成することで、音声ランプ制御装置113側に対して、特定の大当たりや時短当選であることを事前判別した場合のみ大当たりや時短当選を示す入賞コマンドを出力することになるため、先読み演出が実行されない特別図柄変動に対して、大当たり当選の期待感を持たせることができる。
さらに、第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは第2特別図柄保留球格納エリア203bに格納(記憶)されている保留記憶(入賞情報)に基づく特別図柄の抽選が行われる際の遊技状態を正確に判別して、その遊技状態に基づいて当否判定を実行するように構成してもよい。この場合には、変動パターンの選択を保留球数によって可変するのではなく、変動開始時の保留球数に関わらず一定の変動パターンを選択するように構成することで判別が可能となる。先読みを実行する場合に、その保留球が変動開始されるまでの変動順序を保留記憶されている情報に基づいて判別することで変動開始時の遊技状態を判別できる。
また、本第18制御例では、第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは第2特別図柄保留球格納エリア203bに新たな保留記憶(入賞情報)が格納(記憶)された場合に、その入賞情報に基づく先読み処理を実行し、その先読み処理の中で当否判定を事前に予測する構成を用いているが、これに限ること無く、主制御装置110の先読み処理において、第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは第2特別図柄保留球格納エリア203bに新たに格納(記憶)された入賞情報(保留記憶)の内容(各カウンタ値)を示す情報を入賞コマンドとして設定し、音声ランプ制御装置113側で受信した入賞コマンドに含まれる情報に基づいて当否判定結果を予測するように構成しても良い。
このように構成することで、主制御装置110の処理負荷を軽減することができる。また、音声ランプ制御装置113側で、先読み演出を実行するか否かを判別する処理を実行し、先読み演出を実行すると判別した場合に、主制御装置110から受信した入賞コマンドに含まれる情報を解析(当否判定結果の予測)するように構成すると良い。これにより、先読み演出を実行しない場合には、具体的な先読み処理(当否判定結果の予測)が実行されないため、パチンコ機10にて無駄な制御が実行されることを抑制することができる。また、無題に実行された先読み処理の結果を遊技者に不正に取得されてしまう不具合を抑制することができる。
次に、図600から図606を参照して、本第18制御例における音声ランプ制御装置113にて実行される制御処理内容について説明をする。本第18制御例では、上述した第7制御例に対して、コマンド判定処理18(図600参照)と、大当たり関連処理18(図601参照)と、変動表示設定処理18(図604参照)と、を追加した点で相違しており、それ以外は同一である。同一の処理内容については、同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
図600を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるコマンド判定処理18(S44112)について説明する。図600は、このコマンド判定処理18(S44112)を示したフローチャートである。このコマンド判定処理18(S44112)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図174参照)の中で実行され、上述したように、主制御装置110から受信したコマンドを判定するための処理である。
コマンド判定処理では、まず、RAM223に設けられたコマンド記憶領域から、未処理のコマンドのうち主制御装置110より受信した最初のコマンドを読み出し、解析して、主制御装置110より変動パターンコマンドを受信したか否かを判定する(S44301)。S44301の処理において、変動パターンコマンドを受信したと判定した場合には(S44301:Yes)、RAM223に設けられた変動開始フラグ223cをオンし(S44302)、また、受信した変動パターンコマンドから変動パターン種別を抽出して(S44303)、本処理を終了する。ここで抽出された変動パターン種別は、RAM223に記憶され、後述の変動表示設定処理18(図604参照)が実行される場合に参照される。そして、表示制御装置114に対して変動演出の開始とその変動パターン種別を通知する表示用変動パターンコマンドを設定するために用いられる。
一方、S44301の処理において、変動パターンコマンドを受信していないと判定した場合には(S44301:No)、次いで、主制御装置110より停止種別コマンドを受信したか否かを判定する(S44304)。そして、停止種別コマンドを受信した場合には(S44304:Yes)、RAM223の停止種別選択フラグ223dをオンに設定し(S44305)、受信した停止種別コマンドから停止種別を抽出して(S44306)、本処理を終了する。ここで抽出された停止種別は、RAM223に記憶され、後述の変動表示設定処理18(図604参照)が実行される場合に参照される。そして、表示制御装置114に対して変動演出の停止種別を通知する表示用停止種別コマンドを設定するために用いられる。
一方、S44304の処理において、停止種別コマンドを受信していないと判定した場合には(S44304:No)、次いで、主制御装置110より保留球数コマンドを受信したか否かを判定する(S44307)。そして、保留球数コマンドを受信したと判定した場合には(S44307:Yes)、受信した保留球数コマンドに含まれている値、即ち、主制御装置110の第1特別図柄保留球数カウンタ203bの値(第1特別図柄の抽選に基づく変動表示の保留回数N1)、または第2特別図柄保留球数カウンタ203raの値(第2特別図柄に基づく変動表示の保留回数N2)を抽出し、これを音声ランプ制御装置113の第1特別図柄保留球数カウンタ223d、または第2特別図柄保留球数カウンタ223eに格納する(S44308)。また、S44308の処理では、更新された特別図柄1保留球数カウンタ223b、特別図柄2保留球数カウンタ223raの値を表示制御装置114へ通知するための表示用保留球数コマンドを設定する。S44308の処理の終了後は、本処理を終了する。
ここで、保留球数コマンドは、遊技球が第1入球口64、若しくは第2入球口640に入賞(始動入賞)したとき、または特別図柄の抽選が行われたときに主制御装置110から送信されるので、始動入賞が検出される毎に、又は、特別図柄の抽選が行われる毎に、S44308の処理によって音声ランプ制御装置113の特別図柄1保留球数カウンタ223b、および特別図柄2保留球数カウンタ223raの値を主制御装置110の第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値、および第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値に合わせることができる。よって、ノイズなどの影響により、音声ランプ制御装置113の特別図柄1保留球数カウンタ223b、および特別図柄2保留球数カウンタ223raの値が主制御装置110の第1特別図柄保留球数カウンタ203d、および第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値とずれても、始動入賞の検出時や特別図柄の抽選時に、音声ランプ制御装置113の特別図柄1保留球数カウンタ223b、および特別図柄2保留球数カウンタ223raの値を修正し、主制御装置110の第1特別図柄保留球数カウンタ203d、および第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値に合わせることができる。尚、S44308の処理が実行されると、更新された特別図柄1保留球数カウンタ223b、および特別図柄2保留球数カウンタ223raの値を表示制御装置114へ通知するための表示用保留球数コマンドが設定される。これにより、表示制御装置114では、保留球数に応じた保留球数図柄が第3図柄表示装置81に表示される。
一方、S44307の処理において、保留球数コマンドを受信していないと判定した場合には(S44307:No)、次いで、入賞情報コマンドを受信したか否かを判別する(S44311)。S44311の処理において、入賞情報コマンドを受信したと判別した場合は(S44311:Yes)、受信した入賞情報コマンドにより通知された情報(新たな始動入賞を検出した入球口の種別、および抽選結果を示す情報)を、入賞情報格納エリア223aの対応する記憶領域に格納して(S44312)、本処理を終了する。
S44311の処理において、入賞情報コマンドを受信していないと判別した場合は(S44311:No)、次いで、大当たりに関連するコマンド(大当たり開始コマンド、ラウンド数コマンド、エンディングコマンドのいずれか)を受信したか否かを判定する(S44313)。そして、大当たりに関連するコマンドを受信したと判定した場合には(S44313:Yes)、大当たりに関連するコマンドの種別に対応する制御を実行するための大当たり関連処理18を実行して(S44314)、本処理を終了する。この大当たり関連処理18(S44314)の詳細については、図601を参照して後述する。
一方、S44313の処理において、大当たりに関連するコマンドを受信していないと判定した場合には(S44313:No)、その他のコマンドに応じた処理を実行し(S44315)、本処理を終了する。S44315の処理では、その他のコマンドが、音声ランプ制御装置113で用いるコマンドであればそのコマンドに対応した処理を行い、処理結果をRAM223に記憶し、表示制御装置114で用いるコマンドであればそのコマンドを表示制御装置114に送信するように、コマンドの設定を行うものである。
次に、図601を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される大当たり関連処理18(S44314)について説明する。図601は、この大当たり関連処理18(S44314)を示したフローチャートである。
大当たり関連処理18では、まず、大当たり開始コマンドを受信したか否かを判定し(S42101)、大当たり開始コマンドを受信していれば(S42101:Yes)、オープニング演出を開始させるための表示用オープニングコマンドを設定する(S42106)。S42106の処理で設定された表示用オープニングコマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図174参照)のコマンド出力処理(S4112)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114は、表示用オープニングコマンドを受信すると、第3図柄表示装置81において大当たりの開始を報知するためのオープニング演出を開始する。
S42106の処理の後、Vアイコン表示フラグ223rcがオンであるか否かが判別される(S42107)。Vアイコン表示フラグ223rcがオンであると判別された場合には(S42107:Yes)、S42108の処理をスキップし、本処理を終了する。
なお、細部は後述するが、本第18制御例では、V保留(小当たり当選する保留)に基づく特別図柄の変動表示が開始される場合に、残りの特図2保留の中にV保留が存在する場合には、獲得したVアイコンを発動させずに小当たり当選を報知可能に構成している。したがって、大当たり遊技の開始時点でVアイコン表示フラグ223rcがオンである場合というのは、以前に実行された大当たり遊技においてVアイコンを獲得し、そのVアイコンが発動されずに小当たり当選した場合であり、Vアイコンが発動されなかったことで遊技者は連チャン(小当たり当選が連続すること)することを既に認識しているため、Vアイコン表示フラグ223rcがオンの場合には、Vアイコン獲得演出(図582(a)参照)を実行しない構成としている。
なお、本第18制御例では、大当たり遊技の開始時点で既にVアイコンが表示されている場合には、その大当たり遊技中にVアイコン獲得演出を実行しない構成としたが、これに限るものではなく、大当たり遊技の開始時点で既にVアイコンが表示されている場合であってもVアイコン獲得演出(図582(a)参照)を実行する構成としても良い。例えば、大当たり遊技の開始時点で既にVアイコンが表示されており、かつ、残りの特図2保留(第2特別図柄の入賞情報)の中に複数のV保留が存在する場合には、新たにVアイコン獲得演出を実行し、Vアイコンが追加される構成としても良い。
S42107の処理において、Vアイコン表示フラグ223rcがオンではないと判別された場合には(S42107:No)、Vアイコン獲得演出設定処理を実行する(S42108)。Vアイコン獲得演出設定処理の細部は、図602を参照して後述する。
一方、S42101の処理において、大当たり開始コマンドを受信していないと判定した場合には(S42101:No)、次いで、主制御装置110よりラウンド数コマンドを受信したか否かを判定する(S42102)。そして、ラウンド数コマンドを受信したと判定した場合には(S42102:Yes)、受信したラウンド数コマンドからラウンド数を抽出し、その抽出したラウンド数に応じた表示用ラウンド数コマンドを設定する(S42104)。ここで設定された表示用ラウンド数コマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図174参照)のコマンド出力処理(S4102)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114は、表示用ラウンド数コマンドを受信すると、第3図柄表示装置81において新たなラウンド演出を開始する。S42104の処理後は、本処理を終了する。
一方、S42102の処理において、ラウンド数コマンドを受信していないと判定した場合には(S42102:No)、次いで、主制御装置110よりエンディングコマンドを受信したか否かを判定する(S42103)。そして、エンディングコマンドを受信したと判定した場合には(S42103:Yes)、エンディング演出の演出態様を設定するためのエンディング処理を実行し(S42105)、本処理を終了する。エンディング処理(S42105)の細部については、図603を参照して後述する。
一方、S42103の処理において、エンディングコマンドを受信していないと判定した場合には(S42103:No)、そのまま本処理を終了する。この大当たり関連処理18(図601参照)を実行することにより、大当たりに関連する各種のコマンドに応じて適切な制御を実行することができる。
なお、本第18制御例では、大当たり遊技開始コマンドを受信した場合にVアイコン獲得演出設定処理(S42108)が実行される構成としたが、これに限るものではなく、ラウンド数コマンドを受信した場合に実行する構成としても良いし、エンディングコマンドを受信した場合に実行する構成としても良い。このように構成することで、大当たり遊技の実行中に獲得した特図2保留の抽選結果も先読み可能となる。
次に、図602を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるVアイコン獲得演出設定処理(S42108)について説明する。図602は、Vアイコン獲得演出設定処理(S42108)を示したフローチャートである。このVアイコン獲得演出設定処理(S42108)は、大当たり関連処理18(図601参照)において実行される処理であり、大当たり遊技のエンディング期間においてVアイコン獲得演出を実行するか否かを決定するための処理である。
Vアイコン獲得演出設定処理が実行されると、まず、入賞情報格納エリア223aに格納されている第2特別図柄の入賞情報が取得される(S42201)。ここで、入賞情報格納エリア223aは、1つの実行エリアと、4つのエリア(第1エリア〜第4エリア)とを有しており、これらの各エリアには、入賞情報がそれぞれ格納される。この入賞情報格納エリア223aに格納される情報により、保留球の抽選結果等が変動開始前に音声ランプ制御装置113により判別できる。この入賞情報格納エリア223aには、音声ランプ制御装置113の入賞コマンド処理(図177のS4212参照)が実行される場合に、主制御装置110から送信された入賞情報コマンドに基づいた入賞情報が第1エリアから順に格納されていく。なお、主制御装置110から送信される入賞情報コマンドは、主制御装置110の先読み処理18(図599のS40713)が実行された場合に設定され、主制御装置110のメイン処理7(図325参照)にて実行される外部出力処理(図325のS11501)によって音声ランプ制御装置113へと送信される。
この入賞情報格納エリア223aに格納される情報により、保留球の抽選結果等が変動開始前に音声ランプ制御装置113により判別できる。この入賞情報格納エリア223aの第1エリア〜第4エリアに格納された各入賞情報は、音声ランプ制御装置113の変動表示設定処理(図182のS4113参照)が実行される毎に、1つずつシフト(第2エリアに格納されていた入賞情報を第1エリアに移行)される(図182のS4904,S4908参照)。これにより、主制御装置110から送信された入賞情報コマンドに対応する特別図柄変動が何時実行されるのかを、音声ランプ制御装置113側で確実に把握することができる。
S42201において入賞情報を取得すると、次に第4エリアに格納されている入賞情報(保留4)が小当たり当選であるか否かを判別する(S42202)。保留4が小当たり当選ではない場合、或いは、保留4がない場合(即ち、第4エリアに入賞情報が格納されていない場合)には(S42202:No)、第3エリアに格納されている入賞情報(保留3)が小当たり当選しているか否かを判別する(S42206)。保留3が小当たり当選ではない場合、或いは、保留3がない場合(即ち、第3エリアに入賞情報が格納されていない場合)には(S42206:No)、第2エリアに格納されている入賞情報(保留2)が小当たり当選しているか否かを判別する(S42207)。保留2が小当たり当選ではない場合、或いは、保留2がない場合(即ち、第2エリアに入賞情報が格納されていない場合)には(S42207:No)、第1エリアに格納されている入賞情報(保留1)が小当たり当選しているか否かを判別する(S42208)。保留1が小当たり当選ではない場合、或いは、保留1がない場合(即ち、第1エリアに入賞情報が格納されていない場合)には(S42208:No)、本処理を終了する。
一方、S42202の処理において、保留4が小当たり当選であると判別された場合には(S42202:Yes)、上述したVアイコン獲得演出設定テーブル222rb(図594参照)を参照し、エンディング期間にVアイコン獲得演出を実行するか否かを決定する。保留4が小当たり当選であると判別された場合は、Vアイコン獲得演出設定テーブル222rb(図594参照)の保留4の欄を参照して、演出カウンタCS1の値と保留数に基づいて、Vアイコン獲得演出の有無を決定する。
また、S42206の処理において、保留3が小当たり当選であると判別された場合には(S42206:Yes)、上述したVアイコン獲得演出設定テーブル222rb(図594参照)を参照し、エンディング期間にVアイコン獲得演出を実行するか否かを決定する。保留3が小当たり当選であると判別された場合は、Vアイコン獲得演出設定テーブル222rb(図594参照)の保留3の欄を参照して、演出カウンタCS1の値と保留数に基づいて、Vアイコン獲得演出の有無を決定する。
また、S42207の処理において、保留2が小当たり当選であると判別された場合には(S42207:Yes)、上述したVアイコン獲得演出設定テーブル222rb(図594参照)を参照し、エンディング期間にVアイコン獲得演出を実行するか否かを決定する。保留3が小当たり当選であると判別された場合は、Vアイコン獲得演出設定テーブル222rb(図594参照)の保留2の欄を参照して、演出カウンタCS1の値と保留数に基づいて、Vアイコン獲得演出の有無を決定する。
また、S42208の処理において、保留1が小当たり当選であると判別された場合には(S42208:Yes)、上述したVアイコン獲得演出設定テーブル222rb(図594参照)を参照し、エンディング期間にVアイコン獲得演出を実行するか否かを決定する。保留1が小当たり当選であると判別された場合は、Vアイコン獲得演出設定テーブル222rb(図594参照)の保留1の欄を参照して、演出カウンタCS1の値と保留数に基づいて、Vアイコン獲得演出の有無を決定する。
このように、本第18制御例では、大当たり遊技終了後に最も後に消化される特図2保留(第2特別図柄の入賞情報)から順に抽選結果を事前に判別(先読み)し、V保留があればその時点でVアイコン獲得演出を実行するか否かを決定する構成としている。例えば、保留2と保留4にV保留が存在する場合には、保留4が小当たりであると判別された時点で、Vアイコン獲得演出を設定するか否かが決定される。この場合に、Vアイコン獲得演出を実行しないと決定された場合には、保留2がV保留であっても、新たにVアイコン獲得演出を実行するか否かの判別を実行しない構成としている。
なお、本第18制御例では、V保留に基づく特別図柄の変動表示が開始される場合に、獲得したVアイコンを発動させるか否かを決定する構成としているため、例えば、保留4がV保留であることに基づいてVアイコン獲得演出が実行された場合であっても、保留2のV保留が消化される場合に、Vアイコンを発動させることが可能である。
なお、本第18制御例では、大当たり遊技終了後に最も後に消化される特図2保留(第2特別図柄の入賞情報)から順に抽選結果を判別する構成としたが、これに限るものではなく、大当たり遊技終了後に最も先に消化される特図2保留から順に抽選結果を判別する構成としても良い。また、1つでもV保留が存在すれば、その後の特図2保留の抽選結果は判別しない構成としたが、判別する構成としても良い。
S42203の処理が終了すると、S42204の処理が実行される。S42204の処理では、S42203の処理において決定されたエンディング期間に実行される演出態様がVアイコン獲得演出ありであるか否かが判別され、Vアイコン獲得演出ありではない場合には(S42204:No)、S42205の処理をスキップし、本処理を終了する。
一方、S42204の処理において、Vアイコン獲得演出ありと判別された場合には(S42204:Yes)、Vアイコン獲得演出実行フラグ223rbをオンに設定し(S42205)、本処理を終了する。
次に、図603を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるエンディング処理(S42105)について説明する。図603は、エンディング処理(S42105)を示したフローチャートである。このエンディング処理(S42105)は、大当たり関連処理18(図601参照)において実行される処理であり、大当たり遊技のエンディング期間における演出を実行するための処理である。
エンディング処理(S42105)が実行されると、まず、Vアイコン獲得演出実行フラグ223rbはオンか否かが判別される(S42301)。Vアイコン獲得演出実行フラグ223rbがオンではないと判別された場合には(S42301:No)、通常の表示用エンディング演出実行コマンドを設定(S42305)し、本処理を終了する。
一方、S42301の処理において、Vアイコン獲得演出実行フラグ223rbがオンであると判別された場合には(S42301:Yes)、表示用Vアイコン獲得演出実行コマンドを設定し(S42302)、Vアイコン獲得演出実行フラグ223rbをオフに設定し(S42303)、Vアイコン表示フラグ223rcをオンに設定し(S42304)、本処理を終了する。
なお、本第18制御例では、大当たり遊技のエンディング期間においてVアイコン獲得演出を実行する構成としたが、これに限るものではなく、例えば、小当たり遊技において遊技球がVスイッチ650e3(図580(a)参照)を通過した場合に実行しても良いし、大当たり遊技のエンディング期間以外の期間で実行する構成としても良い。或いは、特別図柄の変動表示中にVアイコン獲得演出を実行する構成としても良い。また、Vアイコン獲得演出の実行タイミングを複数設定し、どのタイミングで実行するかをランダムに設定可能な構成としても良い。このように構成することで、どのタイミングでVアイコン獲得演出が実行されるかを遊技者が予測できないので、遊技が単調になることを抑制することができる。
次に、図604を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される変動表示設定処理18(S44113)について説明する。図604は、変動表示設定処理18(S44113)を示したフローチャートである。この変動表示設定処理18(S44113)は、メイン処理(図174参照)において実行される処理であり、第3図柄表示装置81において変動演出を実行させるために、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドに基づいて表示用変動パターンコマンドを生成し設定する。
変動表示設定処理18では、まず、RAM223に設けられた変動開始フラグ223cがオンか否かを判別する(S42401)。そして、変動開始フラグ223cがオンではない(即ち、オフである)と判別した場合は(S42401:No)、主制御装置110より変動パターンコマンドを受信していない状態であるので、S42407の処理へ移行する。一方、S42401の処理において、変動開始フラグ223cがオンであると判別された場合は(S42401:Yes)、変動開始フラグ223cをオフし(S42402)、次いで、コマンド判定処理18(図600参照)のS44303の処理において、変動パターンコマンドから抽出した変動演出における変動パターン種別を、RAM223より取得する(S42403)。
そして、第3図柄表示装置81において実行される演出の演出態様を設定するための演出態様選択処理18(S42404)を実行する。この演出態様選択処理18(S42404)の細部については、図605を参照して後述する。
そして、S42404において設定された演出態様に基づいて、表示制御装置114へ通知するための表示用変動パターンコマンドを生成して、そのコマンドを表示制御装置114へ送信するために設定する(S42405)。表示制御装置114では、この表示用変動パターンコマンドを受信することによって、この表示用変動パターンコマンドによって示される変動パターンで、第3図柄表示装置81において第3図柄の変動表示が行われるように、その変動演出の表示制御が開始される。
次いで、入賞情報格納エリア223aに格納されたデータをシフトして(S42406)、処理をS42407へと移行する。S42406の処理では、入賞情報格納エリア223aの第1エリア〜第4エリアに格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には、第1エリア→実行エリア、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトする。
S42406の処理では、RAM233に設けられた停止種別選択フラグ223dがオンか否かを判別する(S42407)。そして、停止種別選択フラグ223dがオンではない(即ち、オフである)と判別された場合(S42407:No)、主制御装置110より停止種別コマンドを受信していない状態であるので、この変動表示設定処理18(図604参照)を終了し、メイン処理に戻る。
一方、停止種別選択フラグ223dがオンであると判別された場合(S42407:Yes)、停止種別選択フラグ223dをオフに設定し(S42408)、次いで、コマンド判定処理18(図600参照)のS44306の処理において、停止種別コマンドから抽出された変動演出における停止種別を、RAM223より取得する(S42409)。次に、S42409の処理で取得した停止種別に基づいて、表示用停止種別コマンドを設定し(S42410)、本処理を終了する。表示制御装置114では、この表示用停止種別コマンドを受信することによって、この表示用停止種別コマンドによって示される停止種別で、第3図柄表示装置81において第3図柄の停止表示が行われるように制御される。
次に、図605を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される演出態様選択処理18(S42404)について説明する。図605は、演出態様選択18(S42404)を示したフローチャートである。この演出態様選択処理18(S42404)は、変動表示設定処理18(図604参照)において実行される処理であり、第3図柄表示装置81において実行される演出の演出態様を設定するための処理である。
演出態様選択処理18(S42404)が実行されると、まず、遊技状態が時短状態(普通図柄の高確率状態)であるか否かが判別される(S42501)。現在の遊技状態は、遊技状態格納エリア223fに格納されている情報に基づいて判別され、遊技状態が時短状態ではない(即ち、通常状態(普通図柄の低確率状態))と判別された場合には(S42501:No)、変動表示設定処理18(図604参照)のS42403の処理において抽出した変動パターンに基づいて、演出態様選択18テーブル222raに規定されている通常用演出態様設定テーブル222ra1(図示しない)を参照して演出態様を設定し(S42503)、本処理を終了する。
一方、S42501の処理において、時短状態であると判別された場合には(S42501:Yes)、時短用演出態様設定処理を実行し(S42502)、本処理を終了する。
次に、図606を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される時短用演出態様設定処理(S42502)について説明する。図606は、時短用演出態様設定処理(S42502)を示したフローチャートである。この時短用演出態様設定処理(S42502)は、演出態様選択処理18(図605参照)において実行される処理であり、時短状態が設定されている場合に、第3図柄表示装置81において実行される演出の演出態様を設定するための処理である。
時短用演出態様設定処理(S42502)が実行されると、まず、これから開始される特別図柄の抽選結果は小当たりか否かが判別される(S42601)。小当たりではないと判別された場合には(S42601:No)、変動表示設定処理18(図604参照)のS42403の処理において抽出された変動パターンと、演出カウンタCS1の値と、に基づき時短用演出態様設定Aテーブル222ra2から演出態様を決定し(S42609),本処理を終了する。
一方、S42601の処理において、小当たりであると判別された場合には(S42601:Yes)、Vアイコン表示フラグ223rcがオンであるか否かが判別される(S42602)。Vアイコン表示フラグ223rcがオンではない(即ち、オフである)と判別された場合には、S42609の処理へ移行する。なお、Vアイコン表示フラグ223rcがオフである状態というのは、Vアイコンを獲得していない状態である。
S42602の処理において、Vアイコン表示フラグ223rcがオンであると判別された場合には(S42602:Yes)、入賞情報格納エリア223aの入賞情報を取得し(S42603)、取得した入賞情報の中に小当たり当選する保留(V保留)があるか否かを判別する(S42604)。V保留がない場合には(S42604:No)、Vアイコンの発動演出(図583(a)参照)の実行を設定し(S42605)、Vアイコン表示フラグ223rcをオフに設定し(S42606)、変動表示設定処理18(図604参照)のS42403の処理において抽出された変動パターンと、演出カウンタCS1の値と、に基づき時短用演出態様設定Bテーブル222ra3から演出態様を決定し(S42607),本処理を終了する。
一方、S42604の処理において、V保留があると判別された場合には(S42604:Yes)、変動表示設定処理18(図604参照)のS42403の処理において抽出された変動パターンが長小当たりの変動パターンであるか否かを判別し(S42608)、長小当たりの変動パターンではない場合には(S42608:No)、S42605の処理へ移行する。S42608の処理において、長小当たりの変動パターンであると判別された場合には(S42608:Yes)、S42609の処理へ移行する。
このように、本第18制御例では、V保留に基づく特別図柄の変動表示が開始される場合に、残りの特図2保留の中にV保留があるか否か、また、V保留が存在する場合には、これから実行される特別図柄の変動の変動パターンが特定の変動パターンであるかを判別し、Vアイコンを発動させるか否かを決定する構成とし、Vアイコンが発動される場合と、Vアイコンが発動されない場合と、で異なる演出態様設定テーブルを参照する構成としている。
このように、Vアイコンを獲得している状態でV保留に基づく特別図柄の変動表示が開始される場合に、Vアイコンを発動させるか否かを決定可能な構成としているため、そのVアイコンを獲得したVアイコン獲得演出の実行時点では存在していなかった特図2保留(第2特別図柄の入賞情報)をVアイコンの発動対象とすることが可能となる。
ここで、例えば、Vアイコン獲得演出の実行時点で先読みされている特図2保留の中で最も後に消化される特図2保留(例えば、保留4)のみがV保留であった場合に、その特図2保留の消化までVアイコンは発動されないことから、Vアイコンが発動されなくても保留4の特図2保留に基づく特別図柄の変動開始時点で、遊技者はこの変動が小当たり当選であることを認識し、どのような演出が実行されても小当たり当選であることに変わりはないため、その変動中に実行される演出に興味を持たない虞がある。
しかし、本第18制御例のように、Vアイコンを獲得したVアイコン獲得演出の実行時点では存在していなかった特図2保留をVアイコンの発動対象とすることが可能な構成とすることで、上述のようなVアイコンが発動されるか否かに関わらず小当たり当選であることが判明している場合の特別図柄の変動表示においても、Vアイコンが発動されなければ、新たに獲得した残りの特図2保留の中にV保留が存在していることが判明する(即ち、連チャン(小当たり当選が連続すること)することが確定する)ため、遊技者にVアイコンが発動されるか否かに興味を持たせることが可能となり、その変動中に実行される演出に注目させることができる。
また、本第18制御例では、Vアイコンが発動される場合と、Vアイコンが発動されない場合と、で参照される演出態様設定テーブルが異なる構成としている。具体的には、Vアイコンが発動される場合に参照される時短用演出態様設定Bテーブル222ra3では、Vアイコンが発動されない場合に参照される時短用演出態様設定Aテーブル222ra2に比べて、長小当たりにおいて復活演出が選択される割合が低く設定され、プレミア当たりが選択されない構成としている。
このように構成することで、実行された演出態様によってVアイコンが発動されるか否かを遊技者が予測し易くなり、Vアイコンを獲得した状態においても特別図柄の変動表示中に実行される演出に興味を持たせることで、遊技が単調になることを抑制することができる。
以上、説明をした通り、本第18制御例では、大当たり遊技の実行中に、第2特別図柄保留球格納エリア203bに格納(記憶)されている特図2保留(第2特別図柄の入賞情報)の抽選結果を事前に判別(先読み)した結果、小当たり当選である保留(V保留)が存在する場合には、V保留が存在することを報知するための演出を実行可能に構成している点で、他の制御例とは異なる技術思想を有しているが、この第18制御例特有の技術思想を他の制御例に記載されているパチンコ機10に適用しても良い。
なお、本第18制御例では、保留記憶されている特図2保留の抽選結果を先読みした結果に基づいてVアイコン獲得演出を設定する構成としたが、これに限るものではなく、保留記憶されている第1特別図柄の入賞情報(特図1保留)を先読みした結果に基づいてVアイコン獲得演出を設定する構成としても良いし、特図1保留と特図2保留の両方を先読みした結果に基づいてVアイコン獲得演出を設定する構成としても良い。
なお、本第18制御例では、Vアイコン獲得演出を大当たり遊技中に実行する構成としたが、これに限るものではなく、大当たり遊技が実行されている期間ではない期間に実行可能な構成としても良い。例えば、特別図柄の変動表示中にVアイコン獲得演出を実行する構成としても良い。このように構成することで、抽選結果が外れであることを示すための特別図柄の変動表示においてVアイコン獲得演出が実行された場合に、外れであることを示すための特別図柄が停止表示されても、遊技者の遊技意欲を低下させることを抑制することができる。また、小当たり遊技が実行されている期間にVアイコン獲得演出を実行する構成としても良い。
なお、本第18制御例では、V保留を小当たり当選する保留としたが、これに限るものではなく、大当たり当選する保留をV保留としても良い。または、V保留を時短当選する保留としても良い。
なお、本第18制御例では、保留記憶されている特図2保留の中にV保留が存在することを示すための報知態様として「Vアイコン」を表示する構成としたが、これに限るものではなく、キャラクタを用いて報知する構成としても良いし、背景を可変させることで報知する構成としても良く、遊技者に対してV保留が存在することを報知することができる表示態様であれば良い。
なお、本第1変形例では、保留記憶されている特図2保留の中にV保留がある場合に、Vアイコンを表示する構成、即ち、遊技者に有利な情報を報知するための報知態様を表示する構成としたが、これに限るものではなく、遊技者に不利な情報を報知するための報知態様を表示する構成としても良い。例えば、第1特別図柄よりも第2特別図柄が優先して消化される構成で、第1特別図柄における大当たり当選と、第2特別図柄における大当たり当選と、で遊技者に有利な遊技状態(例えば、確変状態(特別図柄の高確率状態))が設定される割合が異なる遊技機(所謂、V確変機)において、通常状態(特別図柄の低確率状態)で第1特別図柄の確変大当たり(大当たり遊技終了後に確変状態が設定される大当たり種別)に当選した場合に、保留記憶されている第1特別図柄の中に通常大当たり(大当たり遊技終了後に通常状態が設定される大当たり種別)に当選する保留が存在する場合には、通常大当たりに当選する保留が存在することを報知するための報知態様(例えば、「危険」と表示されたアイコン等)を表示する構成としても良い。このように構成することで、第1特別図柄の保留を消化すると不利になることを遊技者に認識させることが可能となり、第2特別図柄の保留を途切れさせないように遊技を行わせることができる。
また、保留内で第2時短終了条件〜第4時短終了条件の何れかが成立することを事前に報知する報知態様を表示可能な構成としても良い。このように構成することで、時短終了条件が成立した後に特図2保留(第2特別図柄の入賞情報)が残っていれば、その残り保留での小当たり当選が期待できるため、保留内で時短終了条件が成立することを遊技者が事前に認識できることにより、時短終了条件が成立する特別図柄の変動表示が終了するまでに、遊技者に特図2保留を上限まで貯めようと思わせることができる。
なお、特別図柄抽選において外れ当選が所定回数連続した場合に遊技者に有利な特典(例えば、時短状態が設定される)が付与される(所謂、天井)遊技機において、天井に到達する所定回数前に有利な特典が付与されることを予告するアイコン(例えば、時短アイコン)を表示する構成としても良い。この場合、天井到達前に時短当選し、天井到達によって付与される時短状態と同等の時短状態が設定された場合には、時短アイコンを発動させることなく時短状態を設定し、時短当選によって付与された時短状態が終了した後に、時短アイコンを発動させる時短状態を設定可能に構成しても良い。なお、時短当選によって、天井のカウントがリセットされる仕様の遊技機では、天井到達の所定回数前であることに基づいて表示された時短アイコンを、時短当選の特別図柄の変動表示において発動させても良い。
なお、Vアイコン獲得演出の導入部分の演出(図582(a)に示す、キャラクタ802が宝箱810を発見する演出)と、ラウンド数追加演出の導入部分の演出を同一の演出とし、Vアイコン獲得演出と、ラウンド数追加演出と、に分岐可能な演出(例えば、宝箱810の中身からVアイコン、または追加されるラウンド数を示すアイコンの何れかが出現する演出)を実行する構成としても良い。このように構成することで、保留内にV保留が存在しない場合であっても、遊技者にVアイコンの獲得を期待させることができるとともに、Vアイコンが獲得できなかった場合であっても、大当たり遊技のラウンド数が追加されるので、遊技者の遊技意欲が低下することを抑制することができる。なお、宝箱の中からVアイコンと追加されるラウンド数を示すアイコンの両方が出現する演出パターンを設けても良い。
なお、上述した導入部分の演出は、これに限るものではなく、例えば、遊技者にボタン操作を促す演出を実行し、遊技者がボタンを操作した場合に、Vアイコン、または追加されるラウンド数を示すアイコンの何れかを獲得する構成としても良い。
<第18制御例の第1変形例>
次に、図607から図613を参照して、第18制御例の第1変形例について説明をする。上述した第18実施形態では、大当たり遊技中に第2特別図柄保留球格納エリア203bに格納されている第2特別図柄の入賞情報(特図2保留)の抽選結果を事前に判別(先読み)した結果、小当たり当選する保留(V保留)が存在する場合に、Vアイコン獲得演出を実行する構成であった。
これに対して、本第1変形例では、大当たり遊技中に第2特別図柄保留球格納エリア203bに格納されている特図2保留を先読みした結果、V保留が存在し、かつ、そのV保留に基づいて実行される大当たり遊技の合計ラウンド数が特定ラウンド数(本第1変形例では16ラウンド)以上である場合に、Vアイコン獲得演出を実行する構成としている。
具体的には、大当たり遊技中に保留記憶されている特図2保留を先読みした結果、小当たりA(遊技球がVスイッチ650e3(図580参照)を通過(V通過)すると大当たりA(16R時短有大当たり)、図588参照)に当選するV保留が少なくとも1個存在する場合には、Vアイコン獲得演出を実行する。また、小当たりAに当選するV保留が存在しない場合であっても、小当たりB(V通過で大当たりB(7R時短有大当たり)、図588参照)に当選するV保留が存在し、かつ、小当たりC(V通過で大当たりE(10R時短有大当たり)、図588参照)に当選するV保留も存在する場合には、Vアイコン獲得演出が実行される。つまり、Vアイコン獲得演出が実行された場合には、保留記憶されている特図2保留において、少なくとも16ラウンド分の大当たり遊技の実行が保証される。
このように構成することで、Vアイコンが発動されたV保留の抽選結果が遊技者にとって最も有利な小当たりA当選ではなかった場合には、連チャン(小当たり当選が連続すること)が保証され、少なくとも17ラウンド以上の大当たり遊技の実行が確定するため、遊技者を落胆させず、遊技意欲の低下を抑制することが可能となる。
<第18制御例の第1変形例の演出内容について>
図607〜図608を参照して、本第1変形例において実行される特徴的な演出内容について説明する。図607(a)は、本第1変形例において実行されるVアイコン獲得演出の表示画面の一例である。上述した第18制御例におけるVアイコン獲得演出とは異なり、うさぎを模したキャラクタ801が花を模したVアイコンである花806を獲得する演出が実行される。小表示領域Dm9には、黒色の第1保留図柄hr1と、白色の第2保留図柄hr2、第3保留図柄hr3、第4保留図柄hr4が表示されている。
上述したように、本第1変形例では、大当たり遊技中に第2特別図柄保留球格納エリア203bに格納されている特図2保留を先読みした結果、V保留が存在し、かつ、そのV保留に基づいて実行される大当たり遊技の合計ラウンド数が特定ラウンド数(本第1変形例では16ラウンド)以上である場合に、Vアイコン獲得演出が実行される。図607(a)は、第1保留図柄hr1が小当たりAに当選するV保留であり、その他の保留は外れの場合を示している。なお、図607(a)では、説明の便宜上、特図2保留の抽選結果や、小当たり種別に対応して保留図柄を異なる表示態様としたが、これに限るものではない。
ここで、本第1変形例におけるVアイコンについて説明する。本第1変形例におけるVアイコンは花を模した表示態様となっており、花806を4枚の花びら806a〜806dが囲む表示態様で構成されている。この4枚の花びら806a〜806dは、V保留に基づいて特別図柄の変動表示が実行される場合に、当選した小当たり種別に対応して消化され、全ての花びらが消化された場合に花806本体も消える(即ち、連チャンの保証がなくなる。)。
図607(b)を参照して、具体的なVアイコン発動の流れを説明する。図607(b)は、小当たりA(V通過時大当たりA(16R時短有大当たり)、図588参照)に当選する場合の特別図柄の変動表示中にVアイコンが発動された場合の表示画面の一例である。図607(b)では、小当たりAに当選するため、花806に付随する花びら806a〜806dの全てが消化される(散る)演出が実行される。即ち、本第1変形例においては、Vアイコンである花806本体ではなく、付随する花びら806a〜806dが消化される(散る)ことでVアイコンが発動されたことを遊技者に報知する構成としている。
したがって、図608(a)に示すように、V保留によって当選した小当たり種別が小当たりB(V通過時大当たりB(7R時短有大当たり)、図588参照)である場合には、花びら806aのみが消化され、花びら806b〜806dは継続して花806に付随した状態となる。この場合、小当たりB当選のV保留に基づく特別図柄の変動表示が開始された時点において、残りの特図2保留の中に他のV保留が存在していることが保証される。
なお、図608(a)の小表示領域Dm9に表示されている第2保留図柄hr2の表示態様は小当たりC(V通過時大当たりE(10R時短有大当たり)、図588参照)当選のV保留を示し、第4保留図柄hr4には特図2保留が存在していないことを示す表示がされている。したがって、図608(a)の場合、花806が表示されている期間で、7ラウンドの大当たりと10ラウンドの大当たりが実行され、その合計ラウンド数は17ラウンドとなる。つまり、遊技者に最も有利な大当たりAが実行される場合よりも、実行される合計ラウンド数が多くなるため、花806が表示されている場合には、遊技者に対して当選する小当たり種別にも興味を持たせることが可能となる。
図608(b)は、Vアイコンの発動後にそのVアイコンの発動をキャンセルする演出が実行される場合の表示画面の一例である。細部は後述するが、図608(a)と同様に、V保留に基づく特別図柄の変動表示中に、花びら806aが消化された場合に、残りの特図2保留の中にV保留が存在し、そのV保留の合計ラウンド数が16ラウンド以上である場合には、花びら806aが花806に戻る演出(巻き戻し演出)が実行される。
これにより、V保留に基づく特別図柄の変動表示が開始された直後にVアイコンが発動された場合においても、巻き戻し演出が発生することを遊技者に期待させることで、その特別図柄の変動表示が終了するまで演出に注目させることが可能となる。
なお、本第1変形例では、Vアイコンを花の表示態様としたが、これに限るものではなく、保証されるラウンド数を遊技者に報知できる表示態様であれば良く、例えば、インジケータを用いる構成としても良い。
また、本第1変形例では、保留記憶されている特図2保留の中にV保留が存在し、そのV保留に基づいて実行される大当たり遊技のラウンド数が16ラウンド以上である場合には、巻き戻し演出を実行する構成としたが、これに限るものではなく、Vアイコンの発動が実行されない構成としても良い。また、例えば、新たにV保留を獲得した場合には、花びらが新たに追加される構成としても良い。
なお、本第18制御例では、V保留に基づく特別図柄の変動表示が実行されている期間にのみ花びら806a〜806dが消化される構成としたが、これに限るものではない。例えば、V保留が消化されたことに基づいて実行される大当たり遊技中に花びらが消化される構成とし、大当たり遊技中に花びらが全て消化されなければ連チャンが確定する構成としても良い。このように構成することで、遊技者に花びらが消化されないことを期待させながら大当たり遊技を実行させることが可能となり、大当たり遊技が単調になることを抑制することができる。
なお、本第18制御例では、保留内にV保留が存在することをVアイコンによって報知する構成としたが、これに限るものではなく、保留内にV保留が存在する期待度が高いことを報知する構成としても良い。例えば、「V?」と表示された花が表示され、その花が表示されている期間にリーチ演出が実行されると小当たり当選が確定する構成とし、花に付随する花びらが所定のタイミング(例えば、外れを示す表示態様が表示された場合)で消化される演出が実行され、付随する花びらが全て消化されると花も消化される構成とすることで、花が表示されている期間中にリーチ演出が発生することを遊技者に期待させ、V保留ではない保留に基づく特別図柄の変動表示に対しても興味を持たせることが可能となる。
<第18制御例の第1変形例の電気的構成について>
次に、図609〜図610を参照して、本第1変形例における電気的構成について説明をする。本第1変形例では、上述した第18制御例に対して、音声ランプ制御装置113が有するRAM223の構成の一部を変更している点で相違し、それ以外は同一である。同一の構成については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
まず、図609を参照して、本第1変形例のパチンコ機10における音声ランプ制御装置113のMPU221が有するROM222、及びRAM223の構成について説明をする。図609(a)は、音声ランプ制御装置113のMPU221が有するROM222に規定されている内容を模式的に示した図である。図609(a)に示した通り、本第1変形例における音声ランプ制御装置113のMPU221が有するROM222は、上述した第18制御例における音声ランプ制御装置113のMPU221が有するROM222に対して、演出態様選択18テーブル222raに代えて演出態様選択18aテーブル222rdを設けた点と、Vアイコン獲得演出設定テーブル222rbを削除した点と、Vアイコン表示態様設定テーブル222rcを追加した点とで相違し、それ以外は同一である。同一の内容については、同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
演出態様選択18aテーブル222rd(図示しない)は、特別図柄の変動表示が実行される場合に参照されるテーブルである。主制御装置110において設定された変動パターン種別と、演出カウンタCS1の値とに基づいて演出態様を設定する。
図610は、Vアイコン表示態様設定テーブル222rcに規定されている内容を模した図である。詳細な説明は、図613を参照して後述するが、V保留(小当たり当選する保留)に基づく特別図柄の変動表示が開始される場合に、後述するVアイコン表示終了カウンタの値と、その変動表示において当選する小当たり種別と、に基づいてVアイコンの表示態様を可変させるために参照されるテーブルである。例えば、Vアイコン獲得演出が実行された大当たり遊技の終了後に、小当たりB当選のV保留が消化された場合には、Vアイコン表示終了カウンタ値(本第1変形例では、最大16)から実行されるラウンド数に対応した値である7が減算され、Vアイコン表示終了カウンタ値が9となる。したがって、この場合には、Vアイコンの表示態様として、花びらが1枚消化される演出が実行される。
なお、Vアイコン表示終了カウンタ値が0になった場合には、表示されている花806(図607(a)参照)に付随する花びら806a〜806dが何枚残っていても全ての花びらが消化され、花806も非表示となる。
次に、図609(b)を参照して、本第1変形例におけるパチンコ機10の音声ランプ制御装置113が有するRAM223に規定されている内容について説明をする。図609(b)は、音声ランプ制御装置113のRAM223に規定されている内容を模式的に示した図である。図609(b)に示した通り、本第1変形例における音声ランプ制御装置113のMPU221が有するRAM223は、上述した第18制御例における音声ランプ制御装置113のMPU221が有するRAM223に対して、Vアイコン表示終了カウンタ223rdを追加した点とで相違し、それ以外は同一である。同一の内容については、同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
Vアイコン表示終了カウンタ223rdは、エンディング処理a(図612参照)においてVアイコン表示フラグ223rcがオンに設定された場合にカウンタ値が設定され、時短用演出態様設定処理a(図613参照)において、V保留に基づいて小当たり当選した場合にカウンタ値が更新されていき、カウンタ値が0になるとVアイコン表示フラグ223rcがオフに設定される。
<第18制御例の第1変形例における音声ランプ制御装置113の制御処理について>
次に、図611〜図613を参照して、本第1変形例における主制御装置110内のMPU201により実行される各制御処理を説明する。本第1変形例では、上述した第18制御例に対し、Vアイコン獲得演出設定処理に代えてVアイコン獲得演出設定処理a(図611参照)と、エンディング処理に代えてエンディング処理a(図612参照)と、時短用演出態様設定処理に代えて時短用演出態様設定処理a(図613参照)と、を実行する点で相違し、その他の処理は同一である。同一の部分には同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
まず、図611を参照して、本第1変形例における音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるVアイコン獲得演出設定処理a(S42110)について説明する。図611は、Vアイコン獲得演出設定処理a(S42110)の内容を示したフローチャートである。Vアイコン獲得演出設定処理a(S42110)は、上述した第18制御例におけるVアイコン獲得演出設定処理(図602のS42108参照)に代えて実行される処理であり、大当たり遊技中に、保留記憶されている第2特別図柄の入賞情報(特図2保留)を事前に判別(先読み)した結果、小当たり当選する保留(V保留)が存在し、かつ、そのV保留に基づいて実行される大当たり遊技の合計ラウンド数が特定のラウンド数以上であれば、大当たり遊技のエンディング期間においてVアイコン獲得演出を実行するための処理を実行する。
Vアイコン獲得演出設定処理a(S42110)が実行されると、まず、入賞情報格納エリア223aの第2特別図柄の入賞情報が取得される(S43601)。ここで、入賞情報格納エリア223aは、1つの実行エリアと、4つのエリア(第1エリア〜第4エリア)とを有しており、これらの各エリアには、入賞情報がそれぞれ格納される。この入賞情報格納エリア223aに格納される情報により、保留球の抽選結果等が変動開始前に音声ランプ制御装置113により判別できる。この入賞情報格納エリア223aの第1エリア〜第4エリアに格納された各入賞情報は、音声ランプ制御装置113の変動表示設定処理(図182のS4113参照)が実行される毎に、1つずつシフト(第2エリアに格納されていた入賞情報を第1エリアに移行)される(図182のS4904,S4908参照)。これにより、主制御装置110から送信された入賞情報コマンドに対応する特別図柄変動が何時実行されるのかを、音声ランプ制御装置113側で確実に把握することができる。
S43601の処理において入賞情報を取得した後、その入賞情報の中に小当たり当選する保留(V保留)があるか否かを判別する(S43602)。V保留がないと判別された場合には(S43602:No)、本処理を終了する。一方、V保留があると判別された場合には(S43602:Yes)、V保留の中に小当たりAに当選するV保留があるか否かが判別される(S43603)。小当たりAに当選するV保留があると判別された場合には(S43603:Yes)、Vアイコン獲得演出実行フラグ223rbをオンに設定し(S43607)、本処理を終了する。
なお、上述したように、本第1変形例では、保留記憶されている特図2保留内のV保留に基づいて実行される大当たり遊技の合計ラウンド数が16ラウンド以上であれば、Vアイコン獲得演出が実行される。したがって、小当たりAに当選する場合には、小当たり遊技中にV通過(遊技球がVスイッチ650e3(図580参照)を通過すること)することで大当たりA(16R時短有大当たり、図588参照)が実行されるため、小当たりAに当選するV保留があれば、Vアイコン獲得演出が実行されることとなる。
一方、S43603の処理において、小当たりAに当選するV保留がないと判別された場合には(S43603:No)、小当たりCに当選するV保留があるか否かが判別される(S43604)。小当たりCに当選するV保留があると判別された場合には(S43604:Yes)、V保留が少なくとも2個あるか否かが判別される(S43606)。V保留が2個以上あると判別された場合には(S43606:Yes)、S43607の処理へ移行する。
上述したように、本第1変形例では、保留記憶されている特図2保留内のV保留に基づいて実行される大当たり遊技の合計ラウンド数が16ラウンド以上であれば、Vアイコン獲得演出が実行される。小当たりCに当選する場合には、小当たり遊技中にV通過することで大当たりE(10R時短有大当たり、図588参照)が実行され、本第1変形例では、最も大当たり遊技のラウンド数が少ない大当たり種別であっても7ラウンドの大当たり遊技が実行されるため、小当たりC当選のV保留を含めて2個以上のV保留があれば、合計ラウンド数は16ラウンド以上となる。
一方、S43604の処理において、小当たりC当選のV保留がないと判別された場合には(S43604:No)、小当たりB(V通過時大当たりB(7R時短有大当たり)、図588参照)当選のV保留のみが存在することになるため、V保留数が少なくとも3個以上存在するか否かが判別される(S43605)。V保留数が3個以上であると判別された場合には(S43605:Yes)、S43607の処理が実行される。一方、V保留数が3個以上ではない(即ち、3個未満である)と判別された場合には(S43605:No)、本処理を終了する。
上述したように、本第1変形例では、保留記憶されている特図2保留内のV保留に基づいて実行される大当たり遊技の合計ラウンド数が16ラウンド以上であれば、Vアイコン獲得演出が実行される。小当たりBに当選する場合には、小当たり遊技中にV通過することで大当たりB(7R時短有大当たり、図588参照)が実行されるため、小当たりB当選のV保留が3個以上あれば、合計ラウンド数は16ラウンド以上となる。
このように、本第1変形例では、保留記憶されている特図2保留内のV保留に基づいて実行される大当たり遊技の合計ラウンド数が16ラウンド以上であれば、Vアイコン獲得演出が実行される構成としている。これにより、Vアイコン獲得演出が実行された場合に保留内の特図2保留で最低16ラウンドの大当たり遊技が遊技者に保証される。
ここで、例えば、大当たり遊技終了後に最初に消化されるV保留が小当たりAに当選するV保留であった場合には、そのV保留の消化に基づいて16ラウンドの大当たり遊技が実行されるため、連チャン(小当たり当選が連続すること)は保証されない。
一方、大当たり遊技終了後に最初に消化されるV保留が小当たりCに当選するV保留であった場合には、そのV保留の消化に基づいて10ラウンドの大当たり遊技が実行されても、16ラウンドには達しないため連チャンが保証される。この場合、次のV保留が遊技者にとって比較的不利な小当たりBに当選するV保留であっても、合計ラウンド数は17ラウンドとなり、遊技者にとって最も有利な小当たりAに当選した場合よりも、多くの大当たり遊技ラウンドが実行されることとなる。
更に、大当たり遊技終了後に最初に消化されるV保留が小当たりBに当選するV保留であった場合には、そのV保留の消化に基づいて7ラウンドの大当たり遊技が実行されても、16ラウンドには達しないため連チャンが保証され、次のV保留でも小当たりBに当選した場合には、そのV保留の消化に基づいて7ラウンドの大当たり遊技が実行されても、合計ラウンド数が16ラウンドには達しないため更に連チャンが保証される。この場合、3回連続で小当たりBに当選した場合であっても合計ラウンド数は21ラウンドとなる。
このように、本第1変形例においては、Vアイコンが表示されている状態で最も有利な小当たり種別に当選するよりも、比較的不利な小当たり種別に当選する場合の方が、連チャンへの期待度が高くなり、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、本第1変形例では、合計ラウンド数が16ラウンド以上の場合にVアイコン獲得演出を実行する構成としたが、これに限るものではなく、合計ラウンド数を15ラウンド以下、或いは、17ラウンド以上のラウンド数で設定しても良い。或いは、特定の小当たり種別の組み合わせとなる場合、例えば、小当たりA当選のV保留と、小当たりB当選のV保留と、小当たりC当選のV保留と、がそれぞれ1個ずつ存在する場合に、Vアイコン獲得演出が実行される構成としても良い。
なお、本第1変形例では、特図2保留の中に存在するV保留に基づいて実行される大当たり遊技の合計ラウンド数が特定ラウンド数以上の場合には、必ずVアイコン獲得演出が実行される構成としたが、これに限るものではなく、合計ラウンド数が特定ラウンド数以上である場合にVアイコン獲得演出を実行するか否かを決定するための抽選を実行し、合計ラウンド数が特定ラウンド数以上である場合の一部ではVアイコン獲得演出を実行しない構成としても良い。このように構成することで、大当たり遊技中にVアイコン獲得演出が実行されない場合であっても、大当たり遊技終了後の特別図柄の変動表示において、遊技者に小当たりA当選への期待を持たせることができる。
次に、図612を参照して、本第1変形例における音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるエンディング処理a(S42109)について説明する。図612は、エンディング処理a(S42109)の内容を示したフローチャートである。エンディング処理a(S42109)は、上述した第18制御例におけるエンディング処理(図603のS42105参照)に対し、Vアイコン表示フラグ223rcがオンに設定された場合にVアイコン表示終了カウンタの値を設定する点で相違する。その他の処理については同一であるため、同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
エンディング処理a(S42109)では、S42304の処理が終了した後に、Vアイコン表示終了カウンタ223rdに「16」を設定する(S42306)。この「16」は、最低限保証されるラウンド数に対応する値であり、大当たり遊技終了後の遊技において、V保留が消化されるとVアイコン表示終了カウンタ223rdのカウンタ値が減算され、カウンタ値が「0」以下になった場合に、Vアイコン(本第1変形例では、花806(図607(a)参照))の表示が終了する。
なお、本第1変形例では、エンディング処理aにおいてVアイコン表示終了カウンタ223rdに最初に設定するカウンタ値を「16」で固定としたが、これに限るものではなく、特図2保留の中に存在するV保留に基づいて実行される大当たり遊技の合計ラウンド数に対応する値を設定する構成としても良い。例えば、小当たりC(V通過時、大当たりE(10R時短有大当たり)、図588参照)と小当たりB(V通過時、大当たりB(17R時短有大当たり)、図588参照)に当選するV保留がそれぞれ1個ずつ存在する場合には、カウンタ値として「17」を設定する構成としても良い。
次に、図613を参照して、本第1変形例における音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される時短用演出態様設定処理a(S42504)について説明する。図613は、時短用演出態様設定処理a(S42504)の内容を示したフローチャートである。この時短用演出態様設定処理a(S42504)は、上述した第18制御例における時短用演出態様設定処理(図606参照)に代えて実行される処理である。上述した第18制御例では、Vアイコンが表示されている期間において、Vアイコンの発動は一度しか実行されない構成であった。これに対して、本第1変形例では、Vアイコン表示終了カウンタ223rdの値が「0」以下になるまでは複数回Vアイコンの発動が実行可能に構成されている。
時短用演出態様設定処理a(S42504)が実行されると、まず、これから開始される特別図柄の抽選結果が小当たりであるか否かが判別される(S42601)。小当たりではないと判別された場合には(S42601:No)、演出態様選択18aテーブルを参照して変動表示設定処理18(図604参照)のS42403において取得した変動パターン種別に対応する演出態様を設定する(S42610)。
一方、S42601の処理において、小当たりであると判別された場合には(S42601:Yes)、Vアイコン表示フラグ223rcがオンに設定されているか否かが判別される(S42602)。Vアイコン表示フラグ223rcがオンではないと判別された場合には(S42602:No)、S42610の処理へ移行する。
S42602の処理において、Vアイコン表示フラグ223rcがオンであると判別された場合には(S42602:Yes)、小当たりAであるか否かが判別される(S42611)。小当たりAであると判別された場合には(S42611:Yes)、Vアイコン表示終了カウンタ223rdの値を16減算する(S42612)。その後、減算した後のVアイコン表示終了カウンタ223rdの値が0以上であるか否かが判別され(S42613)、0以上ではないと判別された場合には(S42613:No)、Vアイコン表示フラグ223rcをオフに設定し(S42614)、Vアイコン表示態様設定テーブル222rc(図610参照)を参照し、Vアイコン表示終了カウンタ223rdの値に対応するVアイコンの表示態様を設定する(S42615)。一方、S42613の処理において、0以上であると判別された場合には(S42613:Yes)、S42614の処理をスキップし、S42615の処理へ移行する。
S42611の処理において、小当たりAではないと判別された場合には(S42611:No)、入賞情報格納エリア223aの入賞情報を取得し(S42616)、残りの特図2保留内における合計ラウンド数が16ラウンド以上であるか否かが判別される(S42617)。16ラウンド以上であると判別された場合には(S42617:Yes)、Vアイコンの巻き戻し演出態様を設定し(S42621)、S42610の処理へ移行する。
一方、S42617の処理において、16ラウンド以上ではないと判別された場合には(S42617:No)、これから開始される特別図柄の抽選結果は小当たりB当選であるか否かが判別される(S42618)。小当たりBであると判別された場合には(S42618:Yes)、Vアイコン表示終了カウンタ223rdの値を7減算し(S42620)、S42613の処理へ移行する。
S42618の処理において、小当たりB当選ではないと判別された場合(即ち、小当たりC当選である場合)には(S42618:No)、Vアイコン表示終了カウンタ223rdの値を10減算し(S42619)、S42613の処理へ移行する。
このように、本第1変形例では、V保留に基づく特別図柄の変動表示が開始される場合に、当選する小当たり種別によってVアイコン表示終了カウンタ223rdの値を減算し、減算された後のVアイコン表示終了カウンタ223rdの値に対応するVアイコンの可変表示態様を設定する構成としている。
また、本第1変形例では、小当たりAに当選する場合にはVアイコンの巻き戻し演出が実行されず、小当たりBまたはCに当選する場合にはVアイコンの巻き戻し演出が実行され得る構成としている。このように構成することで、Vアイコンを獲得した状態で遊技者にとって最も有利な小当たりAに当選した場合には必ずVアイコンの表示を終了させることができる。一方で、Vアイコンを獲得した状態で遊技者に比較的不利な小当たりBまたは小当たりCに当選した場合には、小当たりAに当選した場合よりもVアイコンが継続して表示される期間を長くすることができる。これにより、Vアイコンによって、1回の小当たり当選しか保証されない小当たり種別と、複数回の小当たり当選が保証される小当たり種別と、を設定することが可能となり、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、本第1変形例では、当選した小当たり種別が小当たりAである場合には、巻き戻し演出が実行されない構成としたが、これに限るものではなく、S42611の処理の前にS42616とS42617の処理を実行し、Vアイコンの巻き戻し演出を実行可能に構成しても良い。
なお、本第1変形例では、V保留に基づく特別図柄の変動表示が開始される場合に、残りの特図2保留でVアイコン獲得演出の実行条件が成立している場合には、必ずVアイコンの巻き戻し演出が実行される構成としたが、これに限るものではなく、残りの特図2保留でVアイコン獲得演出の実行条件が成立している場合の一部でVアイコンの巻き戻し演出が実行される構成としても良い。また、これから変動表示される特別図柄の小当たり種別によって、Vアイコンの巻き戻し演出が実行される割合を可変させる構成としても良く、例えば、小当たりA当選のV保留に基づいて特別図柄の変動表示が実行される場合よりも、小当たりB当選のV保留に基づいて特別図柄の変動表示が実行される場合の方がVアイコンの巻き戻し演出を設定し易く構成しても良い。
また、本第1変形例では、V保留に基づく特別図柄の変動表示が開始される時点でVアイコンの巻き戻し演出を設定する構成としたが、これに限るものではない。例えば、特別図柄の変動表示中にVアイコンの発動演出が実行された後、その変動表示が停止するまでの間に、新たにV保留を獲得し、Vアイコンの巻き戻し演出を実行する条件が成立した場合にVアイコンの巻き戻し演出を実行可能に構成しても良い。このように構成することで、Vアイコンが発動された特別図柄の変動表示中においても、遊技者に保留を貯めようと思わせることが可能になり、遊技効率を向上させることができる。
また、本第1変形例では、Vアイコンを獲得している状態で新たにV保留を獲得した場合であってもVアイコン表示終了カウンタ223rdの値が加算されない構成としたが、これに限るものではなく、新たにV保留を獲得した場合に、Vアイコン表示終了カウンタ223rdの値を加算する構成としても良い。例えば、Vアイコン表示終了カウンタ223rdの値が「9」である場合に、小当たりB当選のV保留を新たに獲得した場合には、Vアイコン表示終了カウンタ223rdの値に「7」加算し、「16」としても良い。この場合、表示されているVアイコンの表示態様を加算された後のVアイコン表示終了カウンタの値に対応するVアイコンの表示態様に可変させる演出(例えば、花びらを追加する演出)を実行する構成としても良い。
また、S42617の処理において、表示されているVアイコンの表示態様に対応するカウンタの値と、Vアイコン表示終了カウンタ223rdの値と、に差が生じている場合に、巻き戻し演出を設定する構成としても良い。例えば、表示されているVアイコンの表示態様として花びらが3枚消化されている状態(小当たりBに2回当選し、Vアイコン表示終了カウンタ223rdの値が「2」の状態)で、新たに小当たりBに当選するV保留を獲得したことに基づいてVアイコン表示終了カウンタ223rdの値に「7」が加算され、表示終了カウンタ223rdの値が「9」となった場合に、先に消化されるV保留に基づく特別図柄の変動表示においてVアイコンの巻き戻し演出を設定する構成としても良い。或いは、先に消化されるV保留に基づく特別図柄の変動表示においては、Vアイコンの発動演出を実行しない構成としても良い。
以上、説明をした通り、本第18制御例の第1変形例では、大当たり遊技の実行中に、第2特別図柄保留球格納エリア203bに格納(記憶)されている特図2保留の抽選結果を事前に判別(先読み)した結果、保留内の小当たり当選保留(V保留)に基づいて実行される大当たり遊技の合計ラウンド数が特定のラウンド数である場合に、その特定ラウンド数の大当たり遊技が保証されることを遊技者に報知するように構成している点で、他の制御例とは異なる技術思想を有しているが、この第18制御例の第1変形例特有の技術思想を他の制御例に記載されているパチンコ機10に適用しても良い。
なお、本第1変形例では、保留記憶されている特図2保留の抽選結果を先読みした結果に基づいてVアイコン獲得演出を設定する構成としたが、これに限るものではなく、保留記憶されている第1特別図柄の入賞情報(特図1保留)を先読みした結果に基づいてVアイコン獲得演出を設定する構成としても良い。また、特図1保留と特図2保留の両方を先読みした結果に基づいて、Vアイコン獲得演出を設定する構成としても良い。
なお、本第1変形例では、Vアイコン獲得演出を大当たり遊技中に実行する構成としたが、これに限るものではなく、大当たり遊技が実行されている期間ではない期間に実行可能な構成としても良い。例えば、特別図柄の変動表示中にVアイコン獲得演出を実行する構成としても良い。このように構成することで、抽選結果が外れであることを示すための特別図柄の変動表示においてVアイコン獲得演出が実行された場合に、外れであることを示すための特別図柄が停止表示されても、遊技者の遊技意欲の低下を抑制することができる。
なお、本第1変形例では、V保留を小当たり当選する保留としたが、これに限るものではなく、大当たり当選する保留をV保留としても良い。または、V保留を時短当選する保留としても良い。
なお、本第1変形例では、保留記憶されている特図2保留の中にV保留が存在することを示すための報知態様として「Vアイコン」を表示する構成としたが、これに限るものではなく、Vアイコンの代わりにキャラクタを用いて報知する構成としても良いし、背景を可変させる構成としても良く、最低限保証されている大当たりラウンド数を遊技者が認識できる表示態様であれば良い。
なお、本第1変形例では、保留記憶されている特図2保留の中にV保留がある場合に、Vアイコンを表示する構成、即ち、遊技者に有利な情報を報知するための報知態様を表示する構成としたが、これに限るものではなく、遊技者に不利な情報を報知するための報知態様を表示する構成としても良い。例えば、本第1変形例では、時短状態中に小当たりAに2回当選した場合、または、小当たりCに3回当選した場合に時短状態が終了するため、保留内に小当たりAに当選するV保留が2個存在する場合、または小当たりCに当選するV保留が3個存在する場合には、保留内で時短終了条件が成立することを予告するアイコン(例えば、ドクロマークのアイコン)を表示する構成としても良い。
このように構成することで、時短終了条件が成立した後に特図2保留(第2特別図柄の入賞情報)が残っていれば、その残り保留での小当たり当選が期待できるため、保留内で時短終了条件が成立することを遊技者が事前に認識できることにより、時短終了条件が成立する特別図柄の変動表示が終了するまでに、遊技者に特図2保留を上限まで貯めようと思わせることができる。
なお、保留内に存在するV保留の小当たり種別によって、Vアイコンの表示態様を異ならせる構成としても良い。例えば、小当たりA当選のV保留が存在する場合よりも、小当たりBまたはC当選のV保留が存在する場合の方が、花806に付随する花びらの数が多くなり易い構成としても良い。或いは、花びらの色によって、連チャン(小当たり当選が連続すること)期待度を示唆する構成としても良い。
<第19制御例>
次に、図619から図636を参照して、第19制御例におけるパチンコ機10について説明する。上述した第16制御例におけるパチンコ機10では、特別図柄の抽選で規定回数(例えば、500回)に渡って連続して大当たりとならなかった場合、および特別図柄の抽選で時短図柄に当選した場合に、直接的に(大当たり遊技を介さずに)時短遊技状態を設定する構成としていた。
この第16制御例におけるパチンコ機10に対して、本第19制御例におけるパチンコ機10では、下記の相違点1〜3を有している。即ち、相違点1として、時短図柄当選に基づく変動表示演出の実行中に、変動表示態様の一種として、時短回数を報知(示唆)する演出を実行する構成としている。そして、時短図柄に当選し、当該時短図柄当選に基づいて直接的に設定される時短状態の時短回数(大当たりに当選しない場合に時短状態が終了される特別図柄の変動回数)が、天井抽選回数までの残りの抽選回数よりも多い(時短図柄当選に基づいて設定される時短状態の時短回数内で天井抽選回数に到達する)場合には、報知(示唆)される時短回数として、時短図柄当選に基づいて設定される時短回数よりも多い時短回数が報知され得る特殊な演出制御を実行するように構成した。より具体的には、時短状態において大当たりに当選しないと仮定した場合に、時短図柄当選から実際に時短状態が途切れる(通常状態に移行する)までの特別図柄の抽選回数(つまり、時短図柄当選に基づく時短状態中に天井抽選回数に到達する場合は、天井抽選回数到達に基づく時短状態が終了するまでの抽選回数)を加味して見た目上の時短回数を報知する構成としている。このように構成することで、時短図柄当選に基づいて設定される時短回数よりも多い時短回数を報知可能なケースを発生させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
また、上述した第16制御例に対する相違点2として、本第19制御例におけるパチンコ機10では、RAMクリア操作を伴う電源投入が行われたとしても、天井抽選回数までの残りの抽選回数がクリアされることを抑制すると共に、変動パターン群(変動パターン選択テーブル)を切り替え設定するためのカウンタ値のデータも保持する(変動パターンシナリオの進行状況を保持する)ように構成している。このように構成することで、RAMクリア等の処理が実行された場合であっても特別図柄の変動が規定回数実行された(天井抽選回数に到達した)場合に時短状態を設定することができる上に、RAMクリア操作の有無によらず、天井抽選回数までの各変動回数において好適な変動パターン選択テーブル(変動パターン群)を用いて変動パターン(変動時間)を設定することができる。よって、天井抽選回数に到達するまでの間、段階的に期待感を高めていく遊技性を、RAMクリア操作の有無によらず実現することができる。また、RAMクリア操作を伴う電源投入が行われたとしても天井抽選回数までの残りの抽選回数が増加することがないため、RAMクリア操作が行われた可能性が高いパチンコ機10(例えば、前日のホールの閉店時に通常状態以外の有利な状態となっていた場合等)において遊技を敬遠されてしまうことを抑制することができる。
更に、上述した第16制御例に対する相違点3として、本第19制御例におけるパチンコ機10では、特別図柄の変動回数が大当たりの判定がされることなく、規定回数(天井抽選回数)に到達し、その次の特別図柄の変動表示が停止する毎に時短遊技状態(天井遊技状態)が大当たり遊技を経ずに設定される構成を前提として、天井抽選回数に到達することで天井抽選回数までの残り回数がリセットされるように構成した。つまり、天井抽選回数に到達した後において、更に天井抽選回数分の特別図柄の抽選が実行されることで、再度、時短遊技状態(天井遊技状態)が設定されるように構成した。これにより、天井抽選回数到達に基づいて設定された時短遊技状態の間に大当たりに当選することができずに通常状態に移行(転落)してしまったとしても、再度天井抽選回数に到達すること(再度の天井発動)を遊技者に目指させることができるので、遊技者の遊技に対するモチベーションが低下し難い遊技性を実現することができる。また、これに伴って、本第19制御例では、天井抽選回数に到達したことに基づいて変動パターンシナリオを再設定する構成とした。つまり、天井抽選回数に到達したことに基づいて、次の天井抽選回数到達までに渡る各変動回数と、参照する変動パターン選択テーブルと、の対応関係を再設定する構成とした。このように構成することで、天井抽選回数に未到達であるか、1回以上天井抽選回数に到達して時短状態をスルーしたかによらず、天井抽選回数までの残りの抽選回数が特定回数(残り150回、100回、および50回)となった場合に特殊な変動パターンを選択することができる。つまり、天井抽選回数までの残りの抽選回数が特定回数となった場合に天井煽り演出を実行することができるので、1回以上天井抽選回数に到達したか否かによらず、天井抽選回数に到達するまでの間に遊技者の期待感を段階的に向上させていく遊技性を実現することができる。
この第19制御例におけるパチンコ機10が、上述した第16制御例におけるパチンコ機10と構成上において相違する点は、主制御装置110におけるROM202、およびRAM203の構成が一部変更となっている点、音声ランプ制御装置113におけるRAM223の構成が一部変更となっている点、主制御装置110のMPU201により実行される制御処理が一部変更となっている点、および音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される制御処理が一部変更となっている点である。その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行されるその他の処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行されるその他の処理、表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については、第16制御例におけるパチンコ機10と同一である。以下、第16制御例と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。
<第19制御例における演出について>
次に、図619〜図622を参照して、上記した相違点1における第3図柄表示装置81で表示される演出態様について説明する。なお、本制御例の主要な構成を演出態様の詳細な説明をする前に簡潔に説明すると、大当たり遊技が実行されずに規定回数の特別図柄の変動が実行される(特別図柄の抽選回数が天井抽選回数に到達する)と、規定回数における変動が終了し、その次に実行される特別図柄の変動表示における変動停止タイミングで、電動役物640aの開放頻度が高く、開放期間が長く設定されることで第2入球口640への入球確率が高く設定される遊技状態となる時短遊技状態(天井遊技状態)が特別図柄の変動が最長で100回実行されるまで継続して設定される。なお、本制御例では、天井遊技状態の他に、時短当選図柄に特別図柄の変動開始毎に実行される抽選において当選することで設定される突然時短遊技状態が大当たり遊技の実行がなくとも設定可能に構成されている。
以下に、図622に示した天井遊技状態が設定されるまでに第3図柄表示装置81で実行される演出態様と、図619〜図621までに示した第3図柄表示装置81で表示される演出態様と、をそれぞれ説明する。
図622は、時短図柄に当選したことに基づく時短状態の間に規定回数(天井抽選回数)に到達し、時短状態が重複して設定される場合における演出態様の推移を示下図である。図622では、天井抽選回数に到達するまでの残りの特別図柄の抽選回数が25回となったタイミングで時短回数が50回の時短図柄に当選した場合を例示して、演出態様と特別図柄の抽選回数との対応関係を示している。
規定回数(本制御例では、500回)まで残り25回となった変動回数475回目(大当たり遊技が実行されずに変動された回数)の変動開始時の抽選において、時短図柄当選し、その特別図柄の変動表示中(動的表示中)に図619(a)に示す時短図柄当選演出が実行される。図619(a)は、時短図柄当選演出の一例を示した演出態様図である。時短図柄当選すると、その特別図柄の変動が開始されると、特別図柄(第3図柄)の変動表示領域Dm1が右上に縮小表示される。特別図柄が変動表示されていた表示領域(変動表示領域Dm1よりも大きい表示領域)には、ウサギのキャラクタ801が表示され、その上方に付与される時短遊技状態の変動回数(特別図柄の変動回数)を示唆する態様811a〜811dが複数回転して表示される。そのさらに上方には、「〜チャンスタイム待機中〜」という時短図柄当選したことを示すための態様が表示され、遊技者が時短図柄当選したことが識別可能に構成されている。
時短図柄当選して突然時短遊技状態(時短遊技状態)が設定される場合には、抽選により複数の変動回数が1の変動回数が決定されて、その変動回数に対応した特別図柄の変動が実行されるまで時短遊技状態が継続して設定される。なお、設定された変動回数が実行される前に大当たりに当選した場合には、その大当たり抽選により抽選された遊技状態が大当たり遊技後に設定される為、設定された変動回数が実行されるよりも前に時短遊技状態が終了してしまうことになる場合もあり得る。
また、図619(a)に示すように、第3図柄表示装置81の左上領域の小表示領域Dm4には、「右打ち」という文字が表示され、第3図柄表示装置81の右側(右打ち領域)を遊技球が通過するように遊技球を遊技者に発射させるように示唆する報知態様が表示されている。なお、本制御例では、時短図柄当選した特別図柄の変動から右打ち報知することで、時短図柄当選したことを遊技者にさらに分かり易く報知したが、それに限らず、右打ち報知を突然時短遊技状態が設定される次の変動(476回目)の特別図柄の変動開始から報知するように構成してもよい。このように構成することで、遊技者により有利な報知をすることができる。また、図619(a)に示すように、副表示領域Ds(表示領域の下方)には、保留図柄の表示が非表示にされ、「チャンスタイムの回数を決めろ!」という突然時短遊技状態が継続される変動回数を示唆するための態様が候補の中から決定されることを示唆するための文字表示がされる。
ここで、図619(a)の演出態様が実行されている状態で、特別図柄の変動時間が経過(変動時間が終了したタイミング)する直前(変動停止5秒前等)となると、図619(b)に示すように表示されていた突然時短遊技状態が継続される変動回数の候補811a〜811dのうち、1の変動回数が決定される。図619(b)の例では、100回の変動回数が継続回数として報知されている。なお、本制御例では、遊技者に報知される変動回数は実際に決定されている変動回数(突然時短遊技状態が継続されるまでの実際の変動回数)以下の変動回数が演出上の変動回数として報知されるように構成されている。このように構成することで、演出上の変動回数が0回となった場合にも、時短遊技状態が継続することを遊技者に期待させることが可能となり、演出態様を多様化することができる。時短遊技状態が継続して実行される演出上の変動回数が決定されると、副表示領域Dm4にも演出上の変動回数が決定されたことを示すための態様(「100回GET!!」という文字表示)がされる。また、特別図柄の変動が停止表示されて外れを示す組み合わせ態様で小領域Dm1に停止表示される。
図619(b)に示すように、突然時短遊技状態の演出上の変動回数候補811a〜811dが回転表示されている状態から、特別図柄の変動時間が経過する直前のタイミングとなると、ウサギ801が上方にジャンプしてパンチをし、一つの演出上の変動回数態様を叩いて決定し、その変動回数態様(変動回数図柄)が拡大して表示される。その他の変動回数態様は、表示領域外の方向へと縮小されながら飛び散ることで、決定された変動回数態様を分かり易くなるように構成されている。
なお、本実施形態では、特別図柄の変動時間に対応して自動的に変動回数態様が決定される構成としたが、それに限らず、遊技者が枠ボタン22を押下するか、枠ボタン22の有効時間が経過(有効時間が終了したタイミング)すると、図619(b)に示すように表示されていた突然時短遊技状態が継続される変動回数の候補811a〜811dのうち、1の変動回数が決定されるように構成してもよい。
ここで、図622に示すように、実際に時短当選図柄で当選した突然時短遊技状態が継続される特別図柄の変動回数は、ここで示した例では、50回であるが、演出上の変動回数態様として100回が決定される。これは、実際に決定された50回の特別図柄が変動されるよりも前に天井遊技状態が設定されるまでの26回が経過して、天井遊技状態として時短遊技状態が26回経過した時点で残り回数が100回に更新されるため、実際には時短図柄に当選してから126回の特別図柄の変動表示が終了するまでの間、時短状態が継続する挙動となるため、126回以下の回数である100回を決定しても、演出上の矛盾が発生しないためである。
このように構成することで、実際の突然時短遊技状態が継続される変動回数は50回であっても、演出上の変動回数を決定する演出において、50回を越える候補の変動回数態様を決定することが可能となり、遊技者により有利な報知を行うことができ、遊技の興趣をより向上できる。さらに、後述する演出であるが、実際の変動回数が50回のところ、100回を報知しても、突然時短遊技状態の開始から天井遊技状態の終了までの総変動回数は最大で126回であることから、報知した演出上の100回よりも多くなり、途中の演出として最大26回分を上乗せ演出として使用することが可能となる。これにより、実際の時短遊技状態(突然時短遊技状態または天井遊技状態)が継続される変動回数が遊技者に分かり難くでき、無限に残りの変動回数が上乗せされる期待感を持たせることができる。
次に、図622における変動回数が476回目(残時短回数(突然時短遊技状態が継続される特別図柄の残りの変動回数)が50回)より実行される突然時短遊技状態中に実行される演出であるチャンスタイム中演出について説明する。図620(a)は、このチャンスタイム中演出の態様における一例を示した図である。チャンスタイム中(突然時短遊技状態が設定されている期間)となると、表示領域の右打ち報知が実行される小領域Dm4の下方の小領域Ds7に演出上の残時短回数が表示される。図620(a)では、演出上の残時短回数が0回となった場合の特別図柄の変動表示が停止したタイミング(小領域Ds1で表示された特別図柄(第2特別図柄)が停止されたタイミング)の態様を示している。主表示領域Dmには、ウサギのキャラクタ801と天使のキャラクタ809とが表示され、宝箱810を空けて残時短回数の上乗せが実行されるか否かの演出が実行され、宝箱810が空いたタイミングで中より煙と上乗せされる演出上の残時短回数を示す「10」を示す上乗せ態様810aが表示される。副表示領域Dsには、残時短回数が上乗せされたことを示す態様である「チャンスタイム上乗せ!」という文字が表示される。
残時短回数の上乗せがされる上乗せ態様810aが表示された後には、上乗せ態様810aの時短回数を示す数字(10)が小領域Ds7まで移動される演出がされた後に、小領域Ds7の残時短回数が10回に更新される。このように演出されることで、表示された上乗せ態様810aが残時短回数を増加させる演出であったことを分かり易く報知することができる。また、チャンスタイム中の演出としては、ウサギのキャラクタ801がダッシュする演出が主表示領域Dmに表示され、宝箱810を探す演出等が特別図柄の変動中に実行される。このように構成することで、突然時短遊技状態では、主に第2特別図柄の変動が実行され、その変動時間は、通常遊技状態よりも短い変動時間が選択され易くされるが、複数の特別図柄の変動時間を利用して、一貫性のある分かり易い演出をすることができる。また、特別図柄の抽選結果が大当たりとなった場合には、宝箱810の中から「V」という文字が表示され、大当たりであることを示すための態様が表示される。その後、特別図柄が停止した後に大当たり遊技が開始される。
また、チャンスタイム中に時短図柄に当選(大当たり遊技が実行されずに、特別図柄の変動停止時に突然時短遊技状態(時短遊技状態)が設定される抽選結果)した場合には、宝箱810から新たに決定された継続時短回数(天井遊技状態が継続される特別図柄の変動回数)または、継続時短回数とその後に設定される天井遊技状態との継続時短回数との情報を判別して上乗せ態様が決定されて報知される。
なお、本制御例では、チャンスタイム中に時短図柄に当選する構成としたが、それに限らず、突然時短遊技状態(チャンスタイム中)となった場合には、突然時短遊技状態が終了するまで時短図柄に当選しないように制御してもよい。この場合には、時短図柄の抽選を実行しなくても良いし、時短図柄の抽選に当選した場合には無効とする制御を実行してもよい。
なお、チャンスタイム中演出において、宝箱810が表示される演出は、特別図柄の変動開始タイミングで宝箱810の演出が実行されていないことを条件に演出抽選が実行され、宝箱810の演出を実行すると決定された場合に実行されるように構成されている。この場合には、演出上の残時短回数と実際の残時短回数との差分が大きい程、宝箱810の演出を実行すると決定される確率が高く設定されるように構成されている。さらに、宝箱810の演出が実行される決定された場合には、残時短回数の差分と、保留球の先読み結果とに基づいて宝箱810が空いた場合に実行される演出態様の内容が決定される。なお、この場合に、演出態様なしが決定されると、宝箱810が空かない演出が実行されるように構成されている。なお、演出態様なしが決定されると、宝箱810が空かないように構成したが、空いて煙のみが報知されるように構成してもよい。また、宝箱810の演出の実行を決定する場合に、所定の確率で宝箱810が空くか空かないかも決定するように構成してもよい。
次に、図622における501回目の特別図柄の変動が停止したタイミングで天井遊技状態(継続時短回数100回)が設定される。ここで、突然時短遊技状態から天井遊技状態へと移行するが、第3図柄表示装置81で表示される演出態様は、先に説明したチャンスタイム中演出が継続して実行される。
次に、図622における特別図柄の変動回数が575回の場合に上乗せ演出として先に説明した図620(a)の演出態様が実行される例が示してある。ここでは、特別図柄の575回目の変動が実行される際の抽選で宝箱の演出を実行すると決定され、上乗せ態様として10回が決定されたことで図620(a)に示すように上乗せ回数が10回を示す上乗せ態様が実行される。その後、特別図柄の変動回数が576回目からはチャンスタイム中演出が継続して実行される。その後、595回目(天井遊技状態の残時短回数が6回)の特別図柄の変動では終了待機演出が実行される。本第19制御例では、上乗せ演出として、10の倍数の回数を上乗せするように構成されているため、表示上の時短回数が0回になった時点で、実際の時短状態の残回数に10未満の端数の残回数が生じる可能性がある。よって、この端数の時短残回数を消化している間は、終了待機演出として残時短回数が報知されない表示態様が設定される。これにより、いつまで時短状態が継続するか分からないドキドキ感を遊技者に対して抱かせることができる。
図620(b)は、この終了待機演出において第3図柄表示装置81で表示される演出態様の一例を示した図である。終了待機演出は、小表示領域Dm4の下方の小表示領域Dm7に残時短回数が0回まで更新された後に、演出上の残時短回数も識別することができない「ラスト???回」という表示がされる。まmた、主表示領域Dmには、ウサギ801がダッシュする雲の一部に穴812が空き、落ちると天井遊技状態(時短遊技状態)が終了することを示す演出が実行される。主表示領域Dmの上部には演出上の残時短回数が0回未満となり、残り回数を示唆する態様が識別不能とされる期間であることを示す「〜終了待機中〜」という文字の態様が表示される。小表示領域Dm1には、第2特別図柄が縮小して変動表示され、副表示領域Dsには、特別図柄の変動表示が停止する毎に天井遊技状態が終了してしまう可能性のある期間であることを示す「終了待機ゾーン」の文字が表示される。このように構成することで、遊技者は、演出上の残時短回数が0回となっても天井遊技状態が終了することなく、次の特別図柄の変動でも継続されて、演出上の残時短回数が識別困難となる「ラスト???回」という文字表示で報知されることで、特別図柄の変動が停止する毎に天井遊技状態が終了してしまう危機感を感じ、終了しなかった場合の安堵感とのコントラストを楽しむことができ、遊技の興趣を向上することができる。
図622に示すように特別図柄の変動回数が600回(天井遊技状態の残時短回数1回)となるとその変動が停止するタイミングで天井遊技状態が終了し、通常遊技状態へと移行されるタイミングとなり、特別図柄の変動中に終了演出が実行される。図621は、この終了演出において第3図柄表示装置81で表示される演出態様の内容の一例を示した図である。終了演出態様では、特別図柄の変動開始から先に説明した終了待機演出と同様にウサギ801が穴の空いた雲の上をダッシュする演出がされ、特別図柄の変動停止5秒前に図621に示すように穴812から落ちる演出が実行される。また、小表示領域Dm7には、「ラスト???回」という演出上の残時短回数が識別困難な態様が表示され、特別図柄の変動表示は、変動時間が仮停止され、変動時間が経過するのを待機されている(小表示領域Dm1参照)。また、副表示領域Dsには、チャンスタイム(天井遊技状態(時短遊技状態))が終了したことを示す「チャンスタイム終了!」の文字が表示される。また、主表示領域Dmの上部には、「〜終了〜」の文字が表示されチャンスタイムの終了を示す報知がされている。
このように、上記した相違点1の構成により規定回数の残り回数が、時短図柄当選し、突然時短遊技状態が継続して設定される変動回数よりも少なくなった場合には、時短図柄当選時に、その後に設定される天井遊技状態が継続される変動回数も加味した変動回数を設定可能な時短回数として演出を実行するように構成した。このように構成することで、実際に付与される時短回数よりも多くの残時短回数を時短図柄当選に基づいたタイミングで報知することも可能であるし、実際の回数よりも多い残時短回数となるように上乗せ演出を実行することも可能となるので、遊技者に実際の回数が何回であるか予想させ難くできる。また、遊技者が想定外となる残時短回数が報知されるので、遊技者に新鮮味のある演出を提供することができる。
<相違点2および3における演出について>
次に、図623〜図625を参照して、上記した相違点2および3における第3図柄表示装置81で表示される演出の一例について説明する。上記した相違点2では、ラムクリアの操作がされて電源が投入されても天井遊技状態が設定される規定回数をカウントするためのカウンタの値を初期化がされず、カウント値が保持されるので、そのカウント値の値に基づいて特別図柄を変動表示するための変動パターン群(変動パターンシナリオ)が切り替えられる。また、上記した相違点3では、天井遊技状態が設定され、設定された時短回数が実行されたことに基づいて通常遊技状態へ移行した後に、再度、規定回数の特別図柄の変動が実行され天井遊技状態へ移行する場合に、天井遊技状態に移行する毎に変動パターン群(変動パターンシナリオ)を切り替えて特定の変動パターンが選択され易くするように構成されている。
図623(a)および(b)は、規定回数目の特別図柄の変動が停止表示され、その次の1変動目に実行される変動パターンの演出の一例を示した図である。規定回数目の特別図柄の変動が停止表示されることに基づいて、特別図柄の変動パターンを決定するための変動パターン群が天井到達時用テーブル202sb4(図628(c)参照)が選択されるように設定される。天井到達時用テーブル202sb4(変動パターン群)から選択される変動パターンは、図623(a)に示すように第3図柄表示装置81の表示領域の右上の小表示領域Ds1に特別図柄が縮小して変動表示され、主表示領域Dmにはウサギのキャラクタ801が表示され、ウサギ801の右上方には、天使のキャラクタ809が文字情報の表示されたボードを持って表示される。ボードには、天井遊技状態に到達するまでの遊技状態を示すための「天井までの軌跡」という文字情報が表示され、さらに、天井遊技状態が設定されるまでに実行された小当たり遊技の回数(小ボーナス:2回の文字表示)と、特別図柄の変動回数(スタート回数:500回の文字表示)とが文字表示されている。また、小表示領域Dm7には、「天井!?」という規定回数の特別図柄の変動が実行されたことを示唆するための態様が文字情報で表示委されている。また、副表示領域Dsには、「天井到達!!チャンスタイムGET!」という規定回数の特別図柄の変動が実行されたことを示すための報知態様が文字情報で表示される。
図623(a)でしたした態様が10秒間表示(動的表示)された後には、図623(b)に示す演出態様が表示される。図623(a)の演出態様が表示された後に表示される図623(b)に示す演出態様は、特別図柄の変動は、小表示領域Dm1で継続して変動表示されており、主表示領域Dmでは、ウサギのキャラクタ801が継続して表示され、天使のキャラクタ809が持っていたボードが非表示となり、天使809から「チャンスタイム中に当たると大チャンス!?」というコメント表示を吹き出しで表示されて、天井遊技状態で大当たりの抽選がされると、遊技者に通常遊技状態よりも有利となることを示唆するための態様が報知される。
ここで、本制御例では、天井遊技状態中に大当たりとなると、遊技者に有利となる大当たり種別が通常遊技状態で大当たりとなるよりも選択され易く設定されている。これにより、天井遊技状態が設定される100回の特別図柄が抽選される間に大当たりとなると有利となることを促す演出を実行することで、天井遊技状態中に大当たりとなった場合に、より興趣を向上させることができる。さらに、天井遊技状態に移行することを遊技者に期待させることができるので、遊技者が継続して規定回数まで特別図柄の変動が実行されることを目指して長期間遊技を行わせることができる。
また、図623(b)に示すように、小表示領域Dm4には、「右打ち」という文字表示がされ、天井遊技状態に移行するため、右打ち遊技を実行させることを示唆するための報知が実行される。また、小表示領域Dm7には、「ラスト100回」という文字表示がされ、残時短回数の報知が実行される。また、副表示領域Dsには、「天井到達!!チャンスタイムGET!」という規定回数の特別図柄の変動が実行されたことを示すための報知態様が文字情報で表示される。
このように構成することで、天井遊技状態が設定されるための規定回数(本制御例では、500回)が経過して、501回目となると、変動パターンテーブルが切り替えられることで、501回目の変動を専用の変動パターンを実行することができ、天井遊技状態に移行することを事前に報知して、天井遊技状態での遊技方法等を分かり易く報知することができる。
図624(a)および(b)を参照して、本制御例における上記した相違点2および3における特別図柄の変動回数に基づいて変動パターンテーブルが切り替えられることで実行される天井遊技状態が設定されるための規定回数までの残り回数を示唆するための演出について説明する。図624(a)は、天井遊技状態が設定される規定回数に到達したことへの期待度が低い場合に実行される弱煽り演出態様の一例を示した図である。
図624(a)に示すように、表示領域における右上に配置された小表示領域Dm1では、特別図柄が縮小して変動表示され、主表示領域Dmでも大きい特別図柄が変動表示されている。主表示領域Dmの右下には、保留図柄hr1、hr2(黒丸図柄)が表示され、保留球数が2個であることが報知されている。主表示領域Dmには、天使のキャラクタ809が表示され、コメント表示で「近づいている・・・?」という規定回数までの残り回数への期待度を示すための態様が表示される。小表示領域Dm7には「ボーナス間350回」という大当たり遊技が実行されてからの特別図柄の変動が実行された回数を示唆するための態様が表示されている。また、副表示領域Dsには、「天使出現!」という文字表示がされ、規定回数までの報知がされる予告態様が実行されていることを示唆するための態様が文字表示で報知されている。
このように、ラムクリアが実行されても初期化されない大当たりが実行されてから特別図柄の変動回数をカウント値に基づいて変動パターンテーブルが決定され、所定の変動回数で規定回数に到達することへの期待度を示した予告演出を実行することで、予告演出より規定回数に到達するまでの残回数を遊技者が予測して遊技を行うことができ、遊技を継続するか否かの判断を行う楽しみを与えることができる。
次に、図624(b)を参照して、規定回数に到達することへの期待度が高い強煽り演出態様の一例について説明する。強煽り演出態様では、小表示領域Dm7に「ボーナス間450回」という大当たり遊技が実行されてから特別図柄の変動回数が450回であることを示唆する態様が文字表示される。また、主表示領域Dmには、特別図柄の変動表示に加えて、天使のキャラクタ809とは異なる大天使のキャラクタ809zが表示され、コメント表示で「大接近中!!」という天井遊技状態が設定される規定回数までの残り回数が少ないことへの期待度が高いことを示唆するための態様が文字表示される。
詳細は、後述するが、本制御例では、ラムクリアが実行されてもリセットされない大当たり遊技間の特別図柄の変動回数をカウントするための特図抽選カウンタ203laの値に基づいて変動パターンテーブルが切り替えて設定される。本制御例では、図629(b)の変動パターンシナリオ19テーブル202sjで規定されているように、特図抽選カウンタ203laの値が350、400、450・・・というように50回毎に天井煽り用テーブル202sb3が設定されるように構成されている。天井煽り用テーブルでは、抽選により変動パターンが設定されているように割り当てられており、特図抽選カウンタ203laの値が規定回数(500回、1000回・・・)に近い程、先に説明した強煽り演出態様が決定される割合が高くなるように設定されている。このように構成することで、強煽り演出態様が実行された場合に、残り回数が少ないことを期待させることができ、遊技者に継続して遊技を行わせることができる。また、上述した第16制御例と同様に、本第19制御例でも、小ボーナス(特殊大当たりおよび小当たり)を搭載しており、表示上の抽選回数(ボーナス間の抽選回数)は小ボーナス当選でリセットされるように構成している。つまり、天井抽選回数までの残回数がリセットされない小当たりでも見た目上の抽選回数(ボーナス間回数)が0にリセットされるため、表示上の抽選回数から完全に天井抽選回数までの残回数を見抜くことが困難に構成している。係る状況下において、天井抽選回数が近づくほど大天使のキャラクタ809zが表示される天井煽り演出を設定する構成とすることにより、演出態様から天井抽選回数までの残り回数を遊技者に予測させる遊技性を実現することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
次に、図625を参照して、天井遊技状態に1度移行した後に、継続回数まで特別図柄の変動が実行され、通常遊技状態に移行した後、再度大当たり遊技が実行されることなく規定回数まで残り150回となる特別図柄の変動回数が850回目となり、天井煽りテーブル202sb3が設定され、選択された変動パターンにより実行される演出態様の一例を示した図である。図625に示すように、主表示領域Dmに特別図柄の変動表示に加え、天使のキャラクタ809が表示され、コメントとして「再び近づいている・・・?」という2度目の天井遊技状態が設定される規定回数の残り回数を示唆するための態様が文字表示される。このように、大当たり遊技が実行されずに、連続して天井遊技状態が設定される場合には、1回目の天井煽りの演出態様とは異なる演出態様が実行されるようにされているので、再度天井遊技状態が設定されることへの期待度であることを認識して遊技を行うことができ、大当たり遊技が実行される確率等を遊技者が判別して継続して遊技を行うかの判断をすることができる。
<第19制御例における電気的構成について>
次に、図626〜図630を参照して、本第19制御例における電気的構成について説明する。なお、第16制御例と相違する点についてのみ説明し、同一の内容については、図示とその説明を省略する。
図626(a)は、本第19制御例における主制御装置110のROM202の内容を模式的に示した模式図である。本第19制御例では、第1当たり乱数19テーブル202sa、変動パターン選択19テーブル202sb、時短当たり種別選択19テーブル202si、変動パターンシナリオ19テーブル202sjの内容が変更されている。
図627は、第1当たり乱数19テーブル202saの内容を模式的に示した模式図である。第1当たり乱数19テーブル202saは、第1入球口64または第2入球口640に遊技球が入球したことに基づいて取得された第1当たり乱数カウンタC1の当否判定(判別)を実行するための情報が設定されている。遊技状態として通常遊技状態や時短遊技状態(突然時短遊技状態、天井遊技状態を含む)として大当たりの判定確率が低確率に設定されている低確率状態である場合と、確変遊技状態(潜伏確変遊技状態)として大当たりの判定確率が低確率状態よりも高く設定される高確率状態である場合とでそれぞれ設定として1〜6までのそれぞれに対して大当たりと判定する設定値(判定値)が設定されている。図627に示すように、低確率状態である場合には、設定1に対して0〜4、設定2に対して0〜5、設定3に対して0〜6、設定4に対して0〜7、設定5に対して0〜8、設定6に対して0〜9、がそれぞれ判定値として設定されている。また、高確率状態である場合には、設定1に対して0〜19、設定2に対して0〜23、設定3に対して0〜27、設定4に対して0〜31、設定5に対して0〜36、設定6に対して0〜39、がそれぞれ判定値として設定されている。また、第1当たり乱数カウンタC1の40〜64までのそれぞれの値が、小当たりと判定されるように判定値が設定されている。
次に、図628を参照して、変動パターン選択10テーブル202sbについて説明する。変動パターン選択19テーブル202sbは、取得された特別図柄の変動開始時において取得された変動種別カウンタCS1の値と、特別図柄の当否判定結果、現在の保留球数に基づいて変動パターンを選択するための変動パターンテーブル(変動パターン群)を決定するための選択テーブルである。選択される変動パターンテーブルは、現在設定されている遊技状態の種別(通常遊技状態、時短遊技状態、突然時短遊技状態、天井遊技状態、確変遊技状態)や特別図柄の変動回数等に基づいて1の変動パターンテーブルが決定される。なお、本制御例では、上記したように変動パターンテーブルを選択したが、それに限らず、所定の抽選を実行して、変動パターンテーブルの種別を決定してもよいし、大当たり遊技の終了タイミングや、小当たり遊技の実行後に1の変動パターンテーブルを所定の選択確率で実行した選択抽選の結果や、遊技状態や、特別図柄の変動回数や、大当たり、小当たりの回数情報や、天井遊技状態までの残変動回数、天井遊技状態に移行した回数情報等のいずれかまたはそのうちのいくつかを組み合わせた情報に基づいて選択するように構成してもよい。
図628(a)は、変動パターン選択19テーブル202sbの内容を模式的に示した模式図である。変動パターン選択10テーブル202sbには、通常用19テーブル202sb1、確変・時短用19テーブル202sb2、天井煽り用テーブル202sb3,天井到達時用テーブル202sb4がそれぞれ設定されている。
通常用19テーブル202sb1と確変・時短用19テーブル202sb2とは、図示は省略するが、簡略的に説明すると、通常用19テーブル202sb1は、通常遊技状態が設定されている場合に、変動パターンの選択がされるテーブルとして設定されるテーブルである。大当たり判定の結果(当たり、外れ、小当たり)、現在の保留球数、取得している変動種別カウンタCS1の値に対応して複数の変動パターンが設定されている。なお、各変動パターンには、予め特別図柄の変動時間(変動パターンの実行期間)が設定されていることから、変動パターンの選択は、変動期間(動的表示期間)の選択と言い換えることもできる。このように構成することで、1の当否判定結果が表示されるまでの期間を設計上で設定しておくことができるので、時間当たりに抽選される回数を制限することが可能となり、遊技の射幸性を調整して設計することができる。
確変・時短用19テーブル202sb2は、確変遊技状態、時短遊技状態である場合に変動パターンを選択するための変動パターンテーブルとして選択されるものであり、確変遊技状態、時短遊技状態のそれぞれに対応して、当否判定結果、現在の保留個数、変動種別カウンタCS1の値とに対応して複数の変動パターンがそれぞれ設定されている。なお、確変・時短用19テーブル202sb2に設定されている変動パターンは、通常用19テーブルに設定されている変動パターンよりも変動時間が短く設定されており、短時間に多くの抽選を実行させることが可能となっている。
次に、図628(b)を参照して、天井煽り用テーブル202sb3について説明する。図628(b)は、この天井煽り用テーブル202sb3の内容を模式的に示した模式図である。この天井煽り用テーブル202sb3は、大当たり遊技が実行された後の特別図柄の変動回数(大当たり遊技が実行されていない遊技機では遊技開始から特別図柄の変動回数)が350回、400回、450回である場合に選択されるテーブルである。なお、選択するための変動回数の判別は、特図抽選カウンタ203laの値に基づいて選択される。
天井煽り用テーブル202sb3は、特別図柄の当否判定結果(当たり、特殊当たり、小当たり、外れ(時短図柄当選時)、外れ)に対応してそれぞれ変動種別カウンタCS1の値が割り当てられており、その変動種別カウンタCS1の値に対応して複数の変動パターンがそれぞれ設定されている。天井煽り用テーブル202sb3で選択される各変動パターンでは、先に説明した天井煽り用の演出(図624および625)が実行されるように構成されている。
次に、図628(b)を参照して、天井到達時用テーブル202sb4について説明する。図628(b)は、この天井到達時用テーブル202sb4の内容を模式的に示した模式図である。天井到達時用テーブル202sb4は、天井遊技状態が設定される規定回数に特別図柄の変動回数が達し、その次の特別図柄の変動が実行される際(即ち、501回目)に選択される変動パターンテーブルである。
天井到達時用テーブル202sb4は、特別図柄の当否判定結果(当たり、特殊当たり、当たりおよび特殊当たり以外)に対応してそれぞれ変動種別カウンタCS1の値が割り当てられており、その変動種別カウンタCS1の値に対応して複数の変動パターンがそれぞれ設定されている。天井到達時用テーブル202sb4で選択される各変動パターンでは、先に説明した天井到達時用の演出(図623)が実行されるように構成されている。
次に、図629(a)を参照して、時短当たり種別選択19テーブル202siについて説明する。図629(a)は、時短当たり種別選択19テーブル202siの内容を模式的に示した模式図である。この時短当たり種別選択19テーブル202siは、当否判定の抽選において、時短図柄当選した場合に、天井時短遊技状態が継続して設定される特別図柄の変動回数(時短回数)を選択するためのデータテーブル(抽選テーブル)である。始動入賞時に取得している第1当たり種別カウンタC2の値に対応して時短図柄の種別がそれぞれ設定されている。
詳細には、図629(a)に示すように、第1当たり種別カウンタC2の値が0である場合には時短図柄A(時短回数100回)が選択され、第1当たり種別カウンタC2の値が1〜19である場合には時短図柄B(時短回数50回)が選択され、第1当たり種別カウンタC2の値が20〜99である場合には時短図柄C(時短回数30回)が選択されるように構成されている。
次に、図629(b)を参照して、変動パターンシナリオ19テーブルsjについて説明する。図629(b)は、変動パターンシナリオ19テーブルsjの内容を模式的に示した模式図である。この変動パターンシナリオ19テーブルsjは、大当たり遊技が実行されてからの特別図柄の変動回数(特図抽選カウンタ203laの値)に基づいて変動パターンテーブルを選択するためのデータが規定されたデータテーブルである。このシナリオテーブルは、天井遊技状態に未到達時である場合には、天井未到達に対応したシナリオテーブルが後述するシナリオ格納エリア203sbに格納されて、特図抽選カウンタ203laの値に基づいて変動パターン種別が選択される。一方、天井遊技状態に到達し、設定された時短遊技状態(天井遊技状態)が終了した場合には、天井到達に対応したシナリオテーブルがシナリオ格納エリア203sbに格納されて、特図抽選カウンタ203laの値に基づいて変動パターン種別が選択される。
図629(b)に示すように、天井未到達時のシナリオは、通常状態(通常遊技状態)と通常状態以外とでそれぞれシナリオが設定されている。通常状態である場合には、特図抽選カウンタ203laの値(大当たり遊技後からの特別図柄の変動回数)が1〜349である場合には、通常用(通常用19テーブル202sb1)が選択され、350である場合には、天井煽り用(天井煽り用テーブル203sb3)が選択され、351〜399である場合には、通常用(通常用19テーブル202sb1)が選択され、400である場合には、天井煽り用(天井煽り用テーブル203sb3)が選択され、401〜449である場合には、通常用(通常用19テーブル202sb1)が選択され、450である場合には、天井煽り用(天井煽り用テーブル203sb3)が選択され、451〜500である場合には、通常用(通常用19テーブル202sb1)が選択されるように設定されている。なお、通常状態以外である場合には、常に確変・時短用19テーブル202sb2が選択されるように設定されている。
一方、天井到達時のシナリオは、通常状態(通常遊技状態)と通常状態以外とでそれぞれシナリオが設定されている。通常状態である場合には、特図抽選カウンタ203laの値(大当たり遊技後からの特別図柄の変動回数)が1である場合には、天井到達時用(天井到達時用テーブル202sb4)が選択され、2〜349である場合には、通常用(通常用19テーブル202sb1)が選択され、350である場合には、天井煽り用(天井煽り用テーブル203sb3)が選択され、351〜399である場合には、通常用(通常用19テーブル202sb1)が選択され、400である場合には、天井煽り用(天井煽り用テーブル203sb3)が選択され、401〜449である場合には、通常用(通常用19テーブル202sb1)が選択され、450である場合には、天井煽り用(天井煽り用テーブル203sb3)が選択され、451〜500である場合には、通常用(通常用19テーブル202sb1)が選択されるように設定されている。なお、通常状態以外である場合には、常に確変・時短用19テーブル202sb2が選択されるように設定されている。
このように構成することで、天井到達時毎(大当たりの遊技後から特別図柄の変動回数が500回実行される毎)にその次の変動パターンとして天井到達時専用の変動パターンとすることができ、遊技者に天井遊技状態へ移行することを分かり易く報知でき、いきなり大当たり遊技も実行されずに遊技状態が移行することへの違和感を抑制できる。
また、図629に示した通り、天井未到達用の変動パターンシナリオも、天井到達用の変動パターンシナリオも、通常状態におけるシナリオと通常状態以外の遊技状態におけるシナリオとの2つが一組として構成されている。つまり、変動パターンシナリオを設定する(シナリオ格納エリア223sbに格納する)際は、通常状態におけるシナリオと通常状態以外の遊技状態におけるシナリオとの2つを一組で設定する構成とし、通常状態の間は、設定されている一組のシナリオのうち通常状態用のシナリオを参照して特別図柄の抽選回数に対応する変動パターン選択テーブルの種別を特定する一方で、通常状態とは異なる遊技状態(確変状態や時短状態)の間は、設定されている一組のシナリオのうち通常状態以外用のシナリオを参照して特別図柄の抽選回数に対応する変動パターン選択テーブルの種別を特定する構成としている。つまり、遊技状態が途中で変更された場合(例えば、通常状態において時短図柄に当選して時短状態に変更された場合等)においても、変動パターンシナリオを参照する際の特別図柄の抽選回数(変動回数)をリセットせずに、設定されている一組のシナリオのうち対応する遊技状態用のシナリオを参照して変動パターン選択テーブルを特定することができるので、他の遊技状態に移行せずに通常状態が続いた場合でも、時短状態に1又は複数回移行して通常状態が設定された場合であっても、通常状態に滞在している間は、前回の大当たり終了後からの特別図柄の抽選回数と、参照する変動パターン選択テーブルの種別との対応関係を共通化することができる。よって、通常状態が設定された経緯によらず、天井抽選回数までの残り回数が特定回数(150回、100回、および50回)となった場合に天井煽り用の変動パターンを選択することができ、天井煽り用の演出を実行することができる。よって、通常状態における演出態様を好適に設定することができる。
次に、図626(b)を参照して、本第19制御例における主制御装置110のRAM203について説明する。本第19制御例におけるRAM203は、第16制御例に対して天井時短待機フラグ203saと、シナリオ格納エリア203sbとが追加されている店で相違している。同一の構成については、その説明を省略する。
なお、特図抽選カウンタ203laは、通常のラムクリアが実行されてもリセットがされず、バックアップした値が保持されるように構成した。この特図抽選カウンタ203laは、特殊ラムクリアとして、ラムクリアして電源投入後、電源断させ、5秒以内に再度ラムクリアして電源投入を行うことでリセットされるように構成されている。
天井待機フラグ203saは、特別図柄の変動回数が、天井遊技状態が設定される規定回数まで到達したことを示すフラグである。規定回数まで到達した場合にオンに設定され、天井遊技状態に移行した場合にオフに設定される。
シナリオ格納エリア203pbは、変動パターンシナリオ19テーブルより取得した天井未到達用のシナリオか、天井到達用のシナリオを格納するためのエリアである。ラムクリアされても、特殊ラムクリアが実行されるまで情報がバックアップされて保持される領域である。
次に、図630を参照して、本第19制御例における音声ランプ制御装置113のRAM223について説明する。図630は、RAM223の構成を示したブロック図である。図630に示した通り、本第19制御例におけるRAM223は、上述した第16制御例におけるRAM223の構成(図520(b)参照)に対して、時短表示回数カウンタ223saと、天井到達済みフラグ223sbと、が追加されている点で相違している。
時短表示回数カウンタ223saは、時短状態の表示上の残りの抽選回数を示すカウンタであり、時短状態が設定される際に、当該設定される時短状態の時短回数に対応するカウンタ値が設定される。また、例外的に、時短図柄当選に基づいて設定される時短状態中に天井抽選回数に到達する可能性がある(当たりに当選しなければ時短回数内に天井抽選回数に到達する)場合は、時短図柄当選に基づく時短状態が開始されてから天井抽選回数到達に基づいて設定される時短状態が終了するまでの判別回数に応じたカウンタ値が設定される(図636のS34558A,S34559A参照)。時短状態が継続している間は、この時短表示回数カウンタ223saのカウンタ値に応じた時短回数が残りの時短回数として第3図柄表示装置81に表示される。
天井到達済フラグ223sbは、前回の大当たり終了後に天井抽選回数到達に基づく時短状態(天井遊技状態)に1回以上移行済みであるか否かを示すフラグである。この天井到達済フラグ223sbがオンであれば、天井遊技状態に移行済みであることを意味し、オフであれば、天井遊技状態が未設定であることを意味する。この天井到達済フラグ223sbは、初期値がオフに設定されており、天井抽選回数に到達した場合にオンに設定される(図635のS34521A参照)。天井煽り用の変動パターンが変動パターンコマンドにより通知された場合は、この天井到達済フラグ223sbの状態を参照して、天井煽り用の演出として天井未到達時用の演出態様(図624(a),(b)参照)を設定するか、1回以上天井遊技状態が終了した場合用の演出態様(図625参照)を設定するかが切り替えられる(図637のS34573A参照)。
<第19制御例における主制御装置の制御処理について>
次に、図631〜633を参照して、本第19制御例における主制御装置110により実行される制御処理について説明する。なお、第16制御例と同一の内容については、その図示と説明を省略する。
図631は、第19制御例における主制御装置110により実行される天井判定処理19(S8321A)の制御処理の内容を示したフローチャートである。この天井判定処理19は、天井遊技状態が設定される規定回数まで特図抽選カウンタ203la(大当たり遊技後の特別図柄の変動回数)が到達したかを判別して、到達した場合には、天井遊技状態を設定するための処理が実行される。
天井判定処理19が実行されると、まず、遊技状態格納エリア203gから現在の遊技状態を読み出し(S38101)、現在の遊技状態が特別図柄の低確率状態であるかを判別する(S38102)。特別図柄の低確率状態であると判別した場合は(S38102:Yes)、特図抽選カウンタ203laの値の1を加算し(S38103)、天井時短待機フラグ203saがオンであるか判別される(S38121A)。この天井時短待機フラグ203saは、特図抽選カウンタ203laの値が規定回数である500となった場合にオンに設定されるフラグであり、天井遊技状態を設定するための規定回数まで特別図柄の変動が実行されたことを示している(オンである場合)。天井時短待機フラグ203saがオフである場合には(S38121A:No)、加算後の特図抽選カウンタ203laの値が500に到達したかを判別する(S38104)。
S38104の処理において、特図抽選カウンタ203laの値が500に到達していないと判別した場合は(S38104:No)、現在の特図抽選カウンタ203laの値を示す情報を含む状態コマンドを設定し(S38105)、本処理を終了する。S38105の処理によって設定された状態コマンドは、上述した第5制御例にて設定される他の状態コマンドと同様に音声ランプ制御装置113へと出力される。音声ランプ制御装置113側では、特図抽選カウンタ203laの値を示す状態コマンドを受信した場合に、特図抽選回数カウンタ223lcの値が更新される。これにより、音声ランプ制御装置113側においても、特図抽選カウンタ203laの値、即ち、ハマリ回数を判別可能となる。
一方、S38104の処理において、特図抽選カウンタ203laの値が500であると判別した場合には(S38104:Yes)、遊技状態格納エリア203gに第3時短状態を示すデータを設定し(S38112A)、今回の時短抽選に基づく情報をクリアする処理を実行し(S38113A)、第3時短状態を示す情報と、時短回数(100回)を示す情報とを含む状態コマンドを設定する(S38114A)。特図抽選カウンタ203laの値に1加算して更新し(S38124A)、天井時短待機フラグ203saをオンに設定して(S38125A)、シナリオ格納エリア203sbに天井到達後用のシナリオを変動パターンシナリオ19テーブル202sjから選択して設定する(S38126A)。大当たり3信号(CN9)を0.2秒間出力するように設定する(S3817A)。その後、この処理を終了する。
一方、S38121Aの処理において、天井時短待機フラグ203saがオンであると判別された場合には(S38121A:Yes)、時短カウンタ203hに100を設定し(S38122A)、天井待機フラグ203saおよび天井時短フラグ203paをオンに設定し(S38123A)、この処理を終了する。
次に、図632を参照して、本第19制御例における主制御装置110に電源が投入された場合に主制御装置110内のMPU201により実行される立ち上げ処理について説明する。図632は、この立ち上げ処理を示すフローチャートである。なお、図166を参照して説明した内容を重複する部分があるが、理解を容易にするために再度説明する。
この立ち上げ処理は電源投入時のリセットにより起動される。立ち上げ処理(図632)では、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S1701)。例えば、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。次いで、サブ側の制御装置(音声ランプ制御装置113、払出制御装置111等の周辺制御装置)が動作可能な状態になるのを待つために、ウエイト処理(本制御例では1秒)を実行する(S1702)。そして、RAM203のアクセスを許可する(S1703)。
その後は、設定キーがオン位置まで回された状態であるか判別する(S1751A)。設定キーがオン位置である場合には、設定値制御処理(S1752A)の処理を実行した後に、処理を終了する。なお、設定値制御処理(S1752A)については、詳細を後述するが、RAMクリアの操作がされている場合には、初期化の処理がされた後に、遊技機の設定(1〜6)に関する処理が実行される。一方、設定キーがオフ位置である場合には、S1704の処理を実行する。S1704の処理では、電源装置115に設けたRAM消去スイッチ122(図121参照)がオンされているか否かを判別し(S1704)、オンされていれば(S1704:Yes)、処理をS1712へ移行する。一方、RAM消去スイッチ122がオンされていなければ(S1704:No)、更にRAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S1705)、記憶されていなければ(S1705:No)、前回の電源遮断時の処理が正常に終了しなかった可能性があるので、この場合も、処理をS1712へ移行する。
RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S1705:Yes)、RAM判定値を算出し(S1706)、算出したRAM判定値が正常でなければ(S1707:No)、即ち、算出したRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、バックアップされたデータは破壊されているので、かかる場合にも処理をS1712へ移行する。なお、RAM判定値は、例えばRAM203の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM203の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断するようにしても良い。
S1712の処理では、サブ側の制御装置(周辺制御装置)となる払出制御装置111を初期化するために払出初期化コマンドを送信する(S1712)。払出制御装置111は、この払出初期化コマンドを受信すると、RAM203の初期化処理として使用RAM領域のうち、特図抽選カウンタ203laおよびシナリオ格納エリア203sb以外の領域を初期化(クリア)処理(S1753A)を実行する。その後、RAM222のうち、特図抽選カウンタ203laおよびシナリオ格納エリア203sb以外の領域を初期設定として、初期データが設定される(S1754A)。
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時にRAMデータを初期化する場合にはRAM消去スイッチ122を押しながら電源が投入される。従って、立ち上げ処理の実行時にRAM消去スイッチ122が押されていれば、RAM203の初期化処理として使用RAM領域のうち、特図抽選カウンタ203laおよびシナリオ格納エリア203sb以外の領域を初期化(クリア)処理(S1753A)を実行する。その後、RAM222のうち、特図抽選カウンタ203laおよびシナリオ格納エリア203sb以外の領域を初期設定として、初期データが設定される(S1754A)。その後、S1710の処理を実行する。
また、電源断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様に、S1712,S1753A,S1754Aの処理を実行した後にS1710の処理へ移行する。
一方、RAM消去スイッチ122がオンされておらず(S1704:No)、電源断の発生情報が記憶されており(S1705:Yes)、更にRAM判定値(チェックサム値等)が正常であれば(S1707:Yes)、RAM203にバックアップされたデータを保持したまま、電源断の発生情報をクリアする(S1708)。次に、サブ側の制御装置(周辺制御装置)を駆動電源遮断時の遊技状態に復帰させるための復電時の払出復帰コマンドを送信し(S1709)、S1721Aの処理へ移行する。S1721Aの処理では、立ち上げ時信号出力処理(S1721A)が実行される。この立ち上げ時信号出力処理(S1721A)については、上述した第16制御例における図533の処理と同一の処理であるので、その図示と説明を省略する。
立ち上げ時信号出力処理(S1721A)の実行後には、特図抽選カウンタ203laの値を示す情報を含む状態コマンドを音声ランプ制御装置113へと送信する処理(S31701)と、遊技状態格納エリア203gに格納されている情報を含む状態コマンドを音声ランプ制御装置113へと送信する処理(S31702)が実行される。
次に、音声ランプ制御装置113に対して、各種演出を実行することを許可する演出許可コマンドを出力する(S1710)。その後、割込みを許可し(S1711)、後述するメイン処理に移行する。
次に、図633を参照して、本第10制御例における主制御装置110に実行される立ち上げ処理(図632)内の一処理である設定値制御処理(S1752A)について説明する。図633は、この設定値制御処理(S1752A)の制御内容を示したフローチャートである。設定値制御処理(S1752A)では、主に遊技機の設定を変更、確認するための処理が実行される。
まず、設定値制御処理(S1752A)では、RAM消去スイッチ122がオン(操作されている)か判別される(S1761A)。RAM消去スイッチ122がオンであると判別された場合には(S1761A:Yes)、サブ側の制御装置(周辺制御装置)となる払出制御装置111を初期化するために払出初期化コマンドを送信し(S1712)、RAM203の初期化処理として使用RAM領域のうち、特図抽選カウンタ203laおよびシナリオ格納エリア203sb以外の領域を初期化(クリア)処理(S1763A)を実行する。その後、RAM222のうち、特図抽選カウンタ203laおよびシナリオ格納エリア203sb以外の領域を初期設定として、初期データが設定される(S1764A)。
その後、設定の変更が実行される状態であることを示すための設定変更状態を示す状態コマンドが設定される(S1765A)。設定スイッチがオンであるか判別する(S1766A)。設定スイッチがオンであると判別した場合には(S1766A:Yes)、設定値格納エリアのデータを設定された設定種別に更新する(S1767A)。設定キーはオフ位置であるか判別され(S1768A)、設定キーがオフ位置であると判別された場合には(S1768A:Yes)、この処理を終了する。一方、設定キーがオン位置であると判別された場合には(S1768:No)、S1766A,S1767AおよびS1768Aまでの処理を設定キーがオフ位置となるまで繰り返し実行される。
一方、S1761Aの処理においてRAM消去スイッチがオフであると判別した場合には(S1761A:No)、サブ側の制御装置(周辺制御装置)を駆動電源遮断時の遊技状態に復帰させるための復電時の払出復帰コマンドを送信し(S1769A)、設定値格納エリアのデータを読み出し(S1770A),読み出したデータに対応する設定値を設定表示装置に表示し(S1771A)、設定確認状態を示す状態コマンドを設定し(S1772A)、設定キーがオフであるか判別する(S1773A)。設定キーがオフ位置であると判別した場合には(S1773A:Yes)、この処理を終了する。設定キーがオン位置であると判別した場合には(S1773A:No)、S1773Aの処理が、設定キーがオン位置となるまで繰り返し実行される。
次に、図634〜図637を参照して、本第19制御例における音声ランプ制御装置113により実行される制御処理について説明する。なお、第16制御例と同一の内容については、図示とその説明は省略する。
図634を参照して、音声ランプ制御装置113により実行される演出態様設定処理19(S5001A)について説明する。図634は、この演出態様設定処理19(S5001A)の制御処理の内容を示したフローチャートである。
この演出態様設定処理19(S5001)は、特別図柄変動に対応する変動演出の演出態様を設定するための処理が実行されるものであって、演出態様を設定する対象となる特別図柄抽選の結果や、設定されている遊技状態に応じて、様々な演出態様を設定するための処理が実行される。
演出態様設定処理19(S5001A)が実行されると、まず、時短中カウンタ223daの値が0よりも大きいか、即ち、現在が第2時短状態、或いは、第3時短状態であるかを判別し(S34401)、0よりも大きく無いと判別した場合は(S34401:No)、通常モード用演出設定処理19を実行し(S34431A)、その後、本処理を終了する。
一方、S34401の処理において、時短中カウンタ223daの値が0よりも大きいと判別した場合は(S34401:Yes)、特別図柄の抽選結果(判別結果)が大当たりであるか判別し(S34432A)、大当たりであると判別した場合には(S34432A:Yes)、大当たり当選を示す演出態様を設定し(S3433A)、S34407の処理を実行した後に、この処理を終了する。一方、S34432Aの処理において、抽選結果が大当たり以外であると判別した場合には(S34432:No)、時短中カウンタ223daの値を1減算し(S34403)、天井到達時用の変動パターンが設定されているか判別し(S34434A)、天井到達時用の変動パターンが設定されていると判別した場合には(S34434A:Yes)、ボーナス履歴格納エリア223pbのデータに基づいて天井到達時用の演出態様を設定し(S34435A)、S34407の処理を実行した後に、本処理を終了する。
一方、天井到達時用の変動パターンでないと判別した場合(S34434A:No)、時短表示回数カウンタの値が0より大きい値であるか、即ち、演出上の残時短回数が0より大きい値であるか判別する(S34436A)。時短表示回数カウンタの値が0以下であると判別した場合には(S34436A:No)、時短中カウンタ223daの値が0であるか判別し(S34437:Yes)、0であると判別した場合には(S34437A:Yes)、チャンスタイム(時短遊技状態)が終了することを示す演出態様を決定し(S34438A)、S34407の処理を実行した後に、本処理を終了する。一方、S34437Aの処理において、時短中カウンタ223daの値が0でないと判別した場合には(S34437A:No)、チャンスタイムの終了を回避する演出態様(ウサギのキャラクタが雲の穴か落ちない演出態様等(図620(b)参照))決定され(S34439A)、S34407の処理が実行された後に、本処理を終了する。
また、S34436Aの処理において、時短表示回数カウンタ223saの当たりが0より大きい値であると判別した場合には(S34436A:Yes)、時短表示回数カウンタ223saの値を1減算し、減算後の時短表示回数カウンタ223saの値を示すための表示用コマンドを設定する(S34441A)。その後、時短表示回数カウンタ223saの値が0であるか判別し(S34442A)、時短表示回数カウンタ223saの値が0であると判別した場合には(S34442:Yes)、時短中カウンタ223daの値が10より大きい値であるか判別し(S34444A)、時短中カウンタ223daの値が10より大きい値であると判別した場合には(34444A:Yes)、時短回数として時短中カウンタの値以下の10の倍数のうち、最大の値が上乗せされる演出態様を決定する(S34448A)。その後、S34407の処理を実行した後に、本処理を終了する。S34407の処理では、決定した演出態様を示す表示用変動パターンコマンドが設定される。
一方、S34442Aの処理において、時短表示回数カウンタ223saの値が0でないと判別した場合には(S34442A:No)、受信した変動パターンに応じたチャンスタイム用の演出態様を決定し(S34443A)、その後、S34407の処理を実行した後に、本処理を終了する。また、S34444Aの処理において、時短中カウンタ223daの値が10以下であると判別した場合には(S34444A:Yes)、時短中カウンタ223daの値が0であるか判別し(S34445A)、0である場合には(S34445A:Yes)、チャンスタイム(時短遊技状態)が終了することを示す演出態様が決定される(S34447A)。その後、S34407の処理が実行され、本処理を終了する。一方、S34445Aの処理において、時短中カウンタ223daが0でないと判別した場合には(S3445A:No)、終了待機ゾーン(図620(b)参照)への移行を示す演出態様を決定する(S3446A)。その後、S34407の処理を実行した後に、本処理を終了する。
次に、図635を参照して、先に説明した演出態様設定処理19(S5001:図634)内の一処理である通常モード用演出設定処理(S34431A)の処理について説明する。図635は、この通常モード用演出設定処理(S34431A)の制御処理の内容を示したフローチャートである。この通常用演出設定処理(S34431A)では、天井遊技状態が設定されるまでに実行される演出態様を設定するための処理が実行される。
通常モード用演出設定処理19(S34431A)では、まず、時短示唆演出選択テーブル222pbを読み出し(S34511A)、特図抽選回数カウンタ223lcの値と、ボーナス履歴格納エリア223pbのデータとに対応する示唆演出の演出態様を決定する(S34512A)。特図抽選回数カウンタ223lcの値は天井遊技状態が設定される規定回数を示す500であるか判別する(S3413A)。特図抽選回数カウンタ223lcの値が500である場合には(S34513A:Yes)、天井遊技状態を設定するための規定回数に特別図柄の変動回数が達しているので、天井遊技状態に移行することを示すための天井到達済フラグ223sbをオンに設定した後に、S34518Aの処理へと移行する。
一方、S34513Aの処理において、特図抽選カウンタ223lcの値が500でない場合には(S34513A:No)、ボーナス履歴格納エリア223pbのデータを読み出し(S34514A)、前回の通常ボーナス後の抽選回数は500であるか判別する(S34515A)。抽選回数が500であると判別した場合には(S34515A:Yes)、S34518Aの処理へ移行する。一方、S34515Aの処理において、抽選回数が500でないと判別した場合には(S34515A:No)、最古の小ボーナス後の抽選回数は500であるか判別する(S34516A)。抽選回数が500でないと判別した場合には(S34516A:No)、S34522の処理へ移行する。一方、抽選回数が500であると判別した場合には(S34516A:Yes)、ボーナス履歴格納エリア223pbから最古の小ボーナスの履歴を削除し(S34517)、S34518の処理へ移行する。
S34518Aの処理では、右打ち遊技を行わないように促す表示態様を設定し(S34518A)、S34522Aへ移行する。S34522Aでは、変動パターン設定処理が実行される(S34522A)。その後、決定した演出態様に応じて連動演出フラグ223peを更新し(S34520A)、本処理を終了する。なお、変動パターン設定処理(S34522A)については、図636を参照して、詳細を後述する。
次に、図636を参照して、先に説明した通常用演出設定処理19(S34431:図635)内の一処理である変動パターン設定処理(S34522)について説明する。図636は、この変動パターン設定処理(S34522A)の制御処理の内容を示したフローチャートである。
変動パターン設定処理(S34522A)では、まず、特別図柄の当否判定結果は、時短図柄当選であるか判別する(S34551A)。当否判定結果が時短図柄当選であると判別した場合には(S34551A:Yes)、今回の時短図柄に対応する時短回数は、天井抽選回数(天井遊技状態が設定される規定回数)までの残回数以上であるか判別する(S34553A)。残回数以上であると判別された場合には(S34553A:Yes)時短回数カウンタに天井時短(天井遊技状態)が終了するまでの特別図柄の抽選回数を示す値を設定する(S34556A)。時短回数カウンタの値が150未満であるか判別する(S34557A)。時短回数カウンタの値が150未満であると判別した場合には(S34557A:Yes)、時短回数150回が報知される演出態様を決定し(S34559A)、本処理を終了する。一方、S34557Aの処理において、時短回数カウンタの値が150未満でないと判別した場合には(S34557A:No)、時短回数100回が報知される演出態様を決定し(S34558A)、本処理を終了する。
また、S34553Aの処理において、今回の時短図柄に対応する時短回数は、天井抽選回数(天井遊技状態が設定される規定回数)までの残回数以上でないと判別した場合には(S34553A:No)、時短図柄に対応する時短回数が報知される演出態様を決定し(S34554A)、時短回数カウンタに選択された時短図柄A〜Cのいずれかに対応する時短回数の値を設定する(S34555A)。その後、本処理を終了する。
S34551Aの処理において、時短図柄当選でないと判別した場合には(S34551A:No)、天井関連演出設定処理を実行する(S34552A)。
図637は、音声ランプ制御装置113により実行される天井関連演出設定処理(S34552A)の内容を示したフローチャートである。この天井関連演出設定処理(S34552A)では、受信した変動パターンコマンドが天井煽り用の変動パターンである場合に、天井到達済みフラグにより天井遊技状態に既に移行したことがあるか否かを判別して、対応した演出態様を実行するための設定が実行される。
まず、天井関連演出設定処理(S34552)では、受信した変動パターンコマンドが天井煽り用の変動パターンであるか判別する(S34571A)。天井煽り用の変動パターンであると判別した場合には(S34571A:Yes)、天井遊技状態に移行したことがあるか否かを示す天井到達済みフラグ223sbがオンであるは判別する(S34574A)。天井到達済みフラグ223sbがオンであると判別した場合には(S34573A:Yes)、再天井に対応する天井煽り用の演出態様を抽選により決定する。ここでは、図625に示したような演出態様が決定される。その後、この処理を終了する。
一方、S34571Aの処理において、天井煽り用の変動パターンでないと判別した場合には(S34571A:No)、受信した変動パターンコマンドに対応した変動パターンを選択し、この処理を終了する。S34573Aの処理において天井到達済フラグ223sbがオフであると判別した場合には(S34573A:No)、初回の天井に対応した天井煽り用の演出態様(図624参照)が決定され(S34575A)、この処理を終了する。
以上説明した通り、第19制御例におけるパチンコ機10では、特別図柄の抽選で規定回数(例えば、500回)に渡って連続して大当たりとならなかった場合、および特別図柄の抽選で時短図柄に当選した場合に、直接的に(大当たり遊技を介さずに)時短遊技状態を設定する仕様を前提として、時短図柄当選に基づく変動表示演出の実行中に、変動表示態様の一種として、時短回数を報知(示唆)する演出を実行する構成としている。そして、時短図柄に当選し、当該時短図柄当選に基づいて直接的に設定される時短状態の時短回数(大当たりに当選しない場合に時短状態が終了される特別図柄の変動回数)が、天井抽選回数までの残りの抽選回数よりも多い(時短図柄当選に基づいて設定される時短状態の時短回数内で天井抽選回数に到達する)場合には、報知(示唆)される時短回数として、時短図柄当選に基づいて設定される時短回数よりも多い時短回数が報知され得る特殊な演出制御を実行するように構成した。より具体的には、時短状態において大当たりに当選しないと仮定した場合に、時短図柄当選から実際に時短状態が途切れる(通常状態に移行する)までの特別図柄の抽選回数(つまり、時短図柄当選に基づく時短状態中に天井抽選回数に到達する場合は、天井抽選回数到達に基づく時短状態が終了するまでの抽選回数)を加味して見た目上の時短回数を報知する構成としている。このように構成することで、時短図柄当選に基づいて設定される時短回数よりも多い時短回数を報知可能なケースを発生させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
また、本第19制御例におけるパチンコ機10では、RAMクリア操作を伴う電源投入が行われたとしても、天井抽選回数までの残りの抽選回数がクリアされることを抑制すると共に、変動パターン群(変動パターン選択テーブル)を切り替え設定するためのカウンタ値のデータも保持する(変動パターンシナリオの進行状況を保持する)ように構成している。このように構成することで、RAMクリア等の処理が実行された場合であっても特別図柄の変動が規定回数実行された(天井抽選回数に到達した)場合に時短状態を設定することができる上に、RAMクリア操作の有無によらず、天井抽選回数までの各変動回数において好適な変動パターン選択テーブル(変動パターン群)を用いて変動パターン(変動時間)を設定することができる。よって、天井抽選回数に到達するまでの間、段階的に期待感を高めていく遊技性を、RAMクリア操作の有無によらず実現することができる。また、RAMクリア操作を伴う電源投入が行われたとしても天井抽選回数までの残りの抽選回数が増加することがないため、RAMクリア操作が行われた可能性が高いパチンコ機10(例えば、前日のホールの閉店時に通常状態以外の有利な状態となっていた場合等)において遊技を敬遠されてしまうことを抑制することができる。
また、本第19制御例におけるパチンコ機10では、大当たりが終了し、新たな変動パターンシナリオが設定されたことを契機として、変動パターンシナリオの進行状況(特別図柄の抽選(変動)回数)を管理するための特定のカウンタ(特図抽選カウンタ203la)のカウンタ値を特定の更新条件(特別図柄の抽選の実行条件)が成立する毎に更新していき、特定のカウンタの値が予め定められた規定回数(天井抽選回数)に対応するカウンタ値(第1のカウンタ値)に更新された場合に、新たな変動パターンシナリオを設定する制御(特定の制御)を実行すると共に特定のカウンタの値を第1のカウンタ値未満の値である第2のカウンタ値(例えば、0)に更新する構成としている。より具体的には、大当たりに当選する毎に特定のカウンタの値を0クリアすると共に、新たな変動パターンシナリオを設定し、特別図柄の抽選が実行される毎に、特定のカウンタの値を1ずつ加算して更新していき、特定のカウンタの値が天井抽選回数に対応する500に更新されたことに基づいて特定のカウンタの値を0クリアすると共に特定の制御を実行する構成としている。より詳述すると、特別図柄の変動回数が大当たりの判定がされることなく、規定回数(天井抽選回数)に到達し、その次の特別図柄の変動表示が停止する毎に時短遊技状態(天井遊技状態)が大当たり遊技を経ずに設定される構成を前提として、天井抽選回数に到達することで天井抽選回数までの残り回数がリセットされるように構成した。つまり、天井抽選回数に到達した後において、更に天井抽選回数分の特別図柄の抽選が実行されることで、再度、時短遊技状態(天井遊技状態)が設定されるように構成した。これにより、天井抽選回数到達に基づいて設定された時短遊技状態の間に大当たりに当選することができずに通常状態に移行(転落)してしまったとしても、再度天井抽選回数に到達すること(再度の天井発動)を遊技者に目指させることができるので、遊技者の遊技に対するモチベーションが低下し難い遊技性を実現することができる。また、これに伴って、本第19制御例では、天井抽選回数に到達したことに基づいて変動パターンシナリオを再設定する構成とした。つまり、天井抽選回数に到達したことに基づいて、次の天井抽選回数到達までに渡る各変動回数と、参照する変動パターン選択テーブルと、の対応関係を再設定する構成とした。このように構成することで、天井抽選回数に未到達であるか、1回以上天井抽選回数に到達して時短状態をスルーしたかによらず、天井抽選回数までの残りの抽選回数が特定回数(残り150回、100回、および50回)となった場合に特殊な変動パターンを選択することができる。つまり、天井抽選回数までの残りの抽選回数が特定回数となった場合に天井煽り演出を実行することができるので、1回以上天井抽選回数に到達したか否かによらず、天井抽選回数に到達するまでの間に遊技者の期待感を段階的に向上させていく遊技性を実現することができる。
また、本第19制御例におけるパチンコ機10では、変動パターンシナリオ(変動パターンを選択するための変動パターン選択テーブルの種別と、特別図柄の抽選回数との対応関係を規定したデータテーブル)として、通常状態におけるシナリオと通常状態以外の遊技状態におけるシナリオとを一組で設定する(シナリオ格納エリア223sbに格納する)構成とし、通常状態の間は、設定されている一組のシナリオのうち通常状態用のシナリオを参照して特別図柄の抽選回数に対応する変動パターン選択テーブルの種別を特定する一方で、通常状態とは異なる遊技状態(確変状態や時短状態)の間は、設定されている一組のシナリオのうち通常状態以外用のシナリオを参照して特別図柄の抽選回数に対応する変動パターン選択テーブルの種別を特定する構成としている。つまり、遊技状態が途中で変更された場合(例えば、通常状態において時短図柄に当選して時短状態に変更された場合等)においても、変動パターンシナリオを参照する際の特別図柄の抽選回数(変動回数)をリセットせずに、設定されている一組のシナリオのうち対応する遊技状態用のシナリオを参照して変動パターン選択テーブルを特定することができるので、他の遊技状態に移行せずに通常状態が続いた場合でも、時短状態に1又は複数回移行して通常状態が設定された場合でも、通常状態に滞在している間は、前回の大当たり終了後からの特別図柄の抽選回数と、参照する変動パターン選択テーブルの種別との対応関係を共通化することができる。よって、通常状態が設定された経緯によらず、天井抽選回数までの残り回数が特定回数(150回、100回、および50回)となった場合に天井煽り用の変動パターンを選択することができ、天井煽り用の演出を実行することができる。言い換えれば、本第19制御例では、変動毎に通常状態用の変動パターンシナリオを参照して変動パターン選択テーブルを特定する制御を実行する状態(通常状態)において、遊技状態の変更条件が成立した場合に、変動毎に変更後の遊技状態に対応する変動パターンシナリオを参照して変動パターン選択テーブルを特定する制御を実行し、変更後の遊技状態の終了条件が成立して再度通常状態に戻る場合は、通常状態用の変動パターンシナリオにおける遊技状態が変更されていた間に実行された特別図柄の抽選回数を加味した特別図柄の抽選回数から、変動パターン選択テーブルの特定を再開する構成としている。つまり、他の遊技状態に設定されたタイミングおよび抽選回数によらず、通常状態が設定されており、前回の大当たり(若しくは天井抽選回数への到達)後の特別図柄の抽選回数が共通であれば、同じ変動パターン選択テーブルを参照して変動パターンを選択する構成としている。これにより、通常状態が設定された経緯によらず、天井抽選回数までの残り回数が特定回数(150回、100回、および50回)となった場合に天井煽り用の変動パターンを選択することができ、天井煽り用の演出を実行することができる。よって、通常状態における演出態様を好適に設定することができる。
なお、本第19制御例では、大当たり終了後、大当たりに当選せずに最初に天井抽選回数に到達した場合に設定される時短状態と、2回目以降に天井抽選回数に到達した場合に設定される時短状態とで全く同一の有利度合いとなるように構成していたが、これに限られるものではなく、これらの有利度合いを異ならせる構成としてもよい。より具体的には、初回の天井遊技状態と2回目以降の天井遊技状態とで、時短回数を異ならせることで有利度合いを異ならせる構成としてもよいし、例えば、上述した第17制御例のように、時短状態A(主として有利度合いが低い第1特別図柄の抽選が実行される時短状態)と時短状態B(主として有利度合いが高い第2特別図柄の抽選が実行される時短状態)とを設ける構成とし、初回の天井遊技状態と2回目以降の天井遊技状態とで設定される時短状態の種別を異ならせる構成とすることで有利度合いを異ならせる構成としてもよい。また、この場合において、初回の天井遊技状態よりも2回目以降の天井遊技状態を有利にしてもよいし、初回の天井遊技状態の方が有利となるように構成してもよい。2回目以降の天井遊技状態の方が有利度合いが高くなるように構成することで、1回目の天井遊技状態において大当たりに当選せずに通常遊技状態へと移行してしまったとしても、2回目のより有利度合いが高い天井遊技状態を目指させることができるので、遊技者の遊技に対するモチベーションを維持することができる。また、1回目の天井遊技状態の方が有利度合いが高くなるように構成することで、天井遊技状態をスルーした後において、次の天井抽選回数を心の支えとして、大当たりに当選するまで遊技を辞めない遊技方法の選択を抑制させることができる。よって、遊技者が遊技に過剰にのめり込んでしまうことを防止することができる。
本第19制御例では、設定変更が行われたか否かによらず、RAMクリア操作を伴う電源投入が行われた場合にも、特図抽選カウンタ203laの値を電源遮断時の値のまま保持する構成とし、天井抽選回数までの残回数が増加しないように構成していた。即ち、RAMクリア操作を伴わない電源投入と、RAMクリア操作を伴う電源投入とで、電源投入後の天井抽選回数までの残りの抽選回数を共通とする構成としていたが、天井抽選回数までの残回数以外の要素についても共通化してもよい。具体的には、例えば、電源投入時における第1図柄表示装置37の表示態様を共通化してもよい。より具体的には、例えば、電源が投入されてから少なくとも1回目の変動表示が開始されるまでの間において、第1図柄表示装置37の表示を消去したり、共通の図柄を仮で表示させたり、第1図柄表示装置37の前面に所定の可動役物を可動させることで第1図柄表示装置37を隠す構成としてもよい。このように構成することで、単に電源が投入されただけであるのか、RAMクリア操作を伴って電源が投入されたのかをより判別し難くすることができる。この場合において、変動表示の実行中である状況下で電源が遮断され、単に電源投入のみを行った(即ち、RAMクリア操作が行われなかった)場合にも、変動表示を再開させずに上述した制御(第1図柄表示装置37の表示を消去したり、共通の図柄を仮で表示させる制御)を実行してもよい。また、逆に、電源遮断時における特別図柄の状態(例えば、変動表示の実行中であるか否か等)を示す情報を、RAMクリア操作を伴う電源投入が行われてもクリアされないように保持しておき、前回の電源遮断時に変動表示の実行中であったと判別される場合は、RAMクリア操作を伴う電源投入が行われた場合にも、電源投入時に第1図柄表示装置37において変動表示が疑似的に再開されたかのような表示態様を設定する構成としてもよい。また、前回の電源遮断時が大当たり遊技状態であると判別される場合は、第1図柄表示装置37において疑似的に大当たり遊技中であることを示す表示態様を設定する構成としてもよい。このように構成することで、RAMクリア操作を伴う電源投入が行われたのか、RAMクリア操作を伴わない電源投入が行われたのかを遊技者が判別し難くなるように構成することができるので、RAMクリア操作が行われたか否かを遊技者に予測させることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
本第19制御例では、天井抽選回数に到達した場合に特図抽選カウンタ203laの値を0にクリアすることで次の天井抽選回数までに渡る変動パターンシナリオを再セットすると共に天井抽選回数までの残回数をリセットする構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、変動パターンシナリオの進行状況を管理するためのカウンタを別で設け、天井抽選回数に到達した場合は変動パターンシナリオの進行状況を管理するためのカウンタを0にクリアするのではなく、特定値に戻す(例えば、天井抽選回数の半分である250に戻す)構成としてもよい。このように構成することで、初回の天井抽選回数到達までのシナリオとは大きく異なる変動パターンシナリオにすることができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
本第19制御例では、大当たりが終了し、新たな変動パターンシナリオが設定されたことを契機として、特定のカウンタ(特図抽選カウンタ203la)のカウンタ値を特定の更新条件(特別図柄の抽選の実行条件)が成立する毎に更新していき、特定のカウンタの値が予め定められた規定回数(天井抽選回数)に対応するカウンタ値(第1のカウンタ値)に更新された場合に、新たな変動パターンシナリオを設定する制御(特定の制御)を実行すると共に特定のカウンタの値を第1のカウンタ値未満の値である第2のカウンタ値(例えば、0)に更新する構成としていたが、特定のカウンタは変動パターンシナリオの進行状況を管理するためのカウンタに限られるものではないし、特定の制御は変動パターンシナリオを設定する制御に限られるものではなく、パチンコ機10に搭載されている他のカウンタおよび制御に本第19制御例の制御を転用してもよい。例えば、特別図柄の抽選を実行するための第1当たり乱数カウンタC1を特定のカウンタに採用してもよいし、変動パターンを選択するための変動種別カウンタCS1を特定のカウンタに採用してもよいし、音声ランプ制御装置113側において演出態様を選択するためのカウンタに採用してもよい。また、当たり遊技を実行する制御処理を特定の制御として採用してもよいし、変動パターンを選択する処理を特定の制御として採用してもよいし、変動パターンコマンドにより音声ランプ制御装置113に対して通知された変動種別に応じた演出態様を決定する制御を特定の制御として採用してもよいし、入賞情報コマンドにより音声ランプ制御装置113に対して通知された先読み結果に応じた演出態様を決定する制御を特定の制御として採用してもよい。
本第19制御例では、変動毎に通常状態用の変動パターンシナリオを参照して変動パターン選択テーブルを特定する制御を実行する状態(通常状態)において、遊技状態の変更条件が成立した場合に、変動毎に変更後の遊技状態に対応する変動パターンシナリオを参照して変動パターン選択テーブルを特定する制御を実行し、変更後の遊技状態の終了条件が成立して再度通常状態に戻る場合は、通常状態用の変動パターンシナリオにおける遊技状態が変更されていた間に実行された特別図柄の抽選回数を加味した特別図柄の抽選回数から、変動パターン選択テーブルの特定を再開する構成としていたが、本制御は、変動パターンシナリオから変動パターン選択テーブルを特定する制御に限られるものではない。第1の制御と第2の制御とを所定の順序で実行している間に優先度が高い第3の制御の実行条件が成立した場合に、第1の制御および第2の制御よりも第3の制御を優先的に実行する状況が生じるものであれば採用することができる。例えば、楽曲等の音声を再生する制御の実行中に優先順位が高い音声の再生条件が成立した場合に、当該優先順位が高い音声を再生している間も、元々再生されていた楽曲を音量0の状態で再生させておき、優先順位が高い音声の再生が終了した時点で元々再生されていた楽曲の音量を通常の音量に戻すことで、優先順位が高い音声の出力期間も加味して元々再生されていた音声を続きから再生させる制御としてもよい。
<第20制御例>
次に、図638から図649を参照して、第20制御例におけるパチンコ機10について説明する。上述した第17制御例では、変動パターンシナリオとして、天井抽選回数に2回到達する回数(即ち、300回)までの範囲の特別図柄の抽選回数に渡るシナリオを予め規定しておく構成とし、大当たりに当選せずに2回目の天井抽選回数に到達した場合は、特図抽選カウンタ203qaのカウンタ値を初回の天井抽選回数到達に対応するカウンタ値(即ち、150)に更新する構成としていた。つまり、1度天井抽選回数に到達した後は、変動パターンシナリオのうち特図抽選回数が150回〜300回の範囲(天井抽選回数到達に基づく時短状態が発動してから次の天井抽選回数に到達するまでの抽選回数の範囲)のシナリオを繰り返すように構成することで、特別図柄の抽選回数が300回を超える範囲の変動パターンシナリオを省略可能に構成し、ROM202の記憶容量を削減する構成としていた。また、変動パターンシナリオから変動パターンを特定する際の特別図柄の抽選回数を判断するためのカウンタとして、天井抽選回数への到達有無を判別するための特図抽選カウンタ203qaを用いる構成とすることにより、RAMクリア操作(即ち、RAMクリアスイッチ122をオンにする操作)を伴う電源投入の有無によらず、特別図柄の変動回数と変動パターンシナリオの進行状況とを常に一致させる構成としていた。
これに対して本第20制御例におけるパチンコ機10では、特別図柄の抽選回数をカウントするためのカウンタ(特図抽選カウンタ203qa)と、変動パターンシナリオから変動パターンを特定する際の特別図柄の抽選回数を判断するためのカウンタ(シナリオ用カウンタ203tb)とを別々に設ける構成とし、RAMクリアスイッチ122がオンの状態でパチンコ機10に対して電源が投入された場合には、特図抽選カウンタ203qaの値のみがリセットされ、シナリオ用カウンタ203tbの値が保持されるように構成している。つまり、変動パターンシナリオの進行状況が電源遮断時の状態から保持されたまま、天井抽選回数までの残り回数のみがリセットされるように構成している。加えて、本第20制御例では、RAMクリアスイッチ122がオンの状態でパチンコ機10に対して電源が投入された後における特別図柄の抽選で最初に大当たりとは異なる特定の抽選結果(例えば、小当たりに対応する抽選結果)となったことに基づいて、天井抽選回数までの抽選回数に渡る変動パターンシナリオを設定する構成としている。また、本第20制御例では、電源投入後1回目の特別図柄の抽選を契機として確実に変動パターンシナリオを設定するために、上述した第17制御例と同様に、第1特別図柄の抽選が大当たり又は小当たりのどちらかとなる仕様を採用している。より詳述すると、第17制御例と同様に、所謂1種2種混合機の仕様を採用すると共に、第1特別図柄の抽選が実行されると1/50(18/900)の確率で大当たりに当選し、1/49(872/900)の確率で賞球をほとんど得ることができない上にV入賞を発生させることも困難(不可能な)な種別の小当たりに当選する構成としている。このように構成することで、RAMクリアスイッチ122がオンの状態でパチンコ機10に対して電源が投入されてから1回第1特別図柄の抽選が実行されることにより、変動パターンシナリオを再セットすることができるので、天井抽選回数までに渡る変動パターン演出を好適に実行させることができる。
この第20制御例におけるパチンコ機10が、上述した第17制御例におけるパチンコ機10と構成上において相違する点は、主制御装置110におけるROM202、およびRAM203の構成が一部変更となっている点、音声ランプ制御装置113におけるRAM223の構成が一部変更となっている点、主制御装置110のMPU201により実行される制御処理が一部変更となっている点、および音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される制御処理が一部変更となっている点である。その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行されるその他の処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行されるその他の処理、表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については、第17制御例におけるパチンコ機10と同一である。以下、第17制御例と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。
まず、図638を参照して、本第20制御例における特徴的な演出態様について説明する。上述した通り、本第20制御例では、RAMクリアスイッチ122がオンされた状態でパチンコ機10に対して電源が投入された場合に、天井抽選回数までの残回数はリセットする一方で、変動パターンシナリオの進行状況は保持する構成とし、電源投入後、初回の小当たり当選に基づいて、天井抽選回数までに渡る変動パターンシナリオをセットする構成としている。また、上述した通り、本第20制御例では、第1特別図柄の抽選が実行されると大当たりまたは小当たりのどちらかに必ず当選するように構成している。これにより、電源投入後、初回の第1特別図柄の抽選が大当たりであれば、他の制御例と同様に天井抽選回数までの残回数がリセットされると共に当該リセットされた残回数に応じた変動パターンシナリオを再セットすることができる一方で、初回の第1特別図柄の抽選が大当たり以外の抽選結果となった場合(即ち、小当たりとなった場合)であっても、天井抽選回数までの抽選回数に渡る変動パターンシナリオを設定することができる。図638では、初回の第1特別図柄の抽選が大当たりとは異なる特定の抽選結果(即ち、小当たり)となって変動パターンシナリオを新たに設定する条件が成立した場合の演出態様を示している。
図638(a)は、RAMクリアスイッチ122がオンされた状態でパチンコ機10に対して電源が投入され、初回の第1特別図柄の抽選結果が小当たりとなった場合の変動表示態様の一例を示した図である。図638(a)に示した通り、電源投入後、初回の第1特別図柄の抽選結果が小当たりになると、主表示領域Dmにおいて第3図柄の変動表示が実行されると共に、主表示領域Dmの下部に、布団852、布団852の中で眠るウサギを模したキャラクタ801、およびアラームを鳴らす目覚まし時計851が表示される。また、副表示領域Dsに対して、「起床待機中・・・」という文字が表示される。これらの表示内容により、ウサギのキャラクタ801が起床することで何かが起きるということを遊技者に対して容易に認識させることができる。
図638(b)は、初回の第1特別図柄の抽選結果が小当たりとなった場合の変動表示態様のうち、変動停止時の表示態様の一例を示した図である。図638(b)に示した通り、第1特別図柄の小当たり(即ち、実質的に他の制御例における外れと同等の抽選結果)に対応する変動表示の停止タイミングになると、主表示領域Dmにおいて第3図柄が外れの組み合わせで停止表示されると共に、ウサギのキャラクタ801が布団852をはね除ける表示態様が表示される。また、ウサギのキャラクタ801の左側に吹き出しを模した吹き出し画像FDが表示されると共に、吹き出し画像FDに対して、「出発だ!」という文字が表示される。更に、副表示領域Dsに対して、「起床完了!」という文字が表示される。これらの表示内容により、パチンコ機10において内部的に何らかの準備が整ったということを遊技者に対して示唆することができる。また、RAMクリアスイッチ122がオンされた状態で電源が投入された場合に、初回の特別図柄の抽選に基づく変動表示態様において特別な演出態様を発生させる構成とすることにより、RAMクリアが行われたか否かを遊技者に対して容易に判別させることができる。つまり、天井抽選回数までの残回数がクリアされているか否かを、初回の第1特別図柄の抽選により判別可能に構成しているので、電源投入後、少なくとも1回特別図柄の抽選を実行させてみたいと遊技者に思わせることができる。よって、ホールの開店直後におけるパチンコ機10の稼働率を向上させることができる。また、上述した第19制御例のように、複数段階の設定に変更可能な仕様のパチンコ機10であれば、RAMクリアが行われたことが確定する演出態様を設ける構成とすることにより、設定変更の可能性の有無まで遊技者に判別させることができる。よって、ホールの開店直後におけるパチンコ機10の稼働率をより向上させることができる。
なお、本第20制御例では、ウサギを模したキャラクタ801が起床することでパチンコ機10の内部的に何がセットされたのかを明示しない構成としていたが、演出態様により変動パターンシナリオが設定されたことを明示してもよい。このように構成することで、何らかの有利な状態に移行したと遊技者に勘違いさせてしまうことを抑制できる。
<第20制御例における電気的構成>
次に、図639を参照して、本第20制御例におけるROM202の詳細について説明する。図639は、本第20制御例における主制御装置110内に設けられているROM202の構成を示したブロック図である。図639に示した通り、本第20制御例におけるROM202は、上述した第17制御例におけるROM202の構成(図552参照)に対して、変動パターンシナリオ17テーブル202qjに代えて変動パターンシナリオ20テーブル202tjが設けられている点で相違している。また、変動パターン17テーブル202qdの規定内容についても一部変更となっている。その他の構成については、上述した第17制御例と同一であるため、ここではその詳細な説明については省略する。この変動パターンシナリオ20テーブル202tjの詳細について、図641、および図642を参照して説明する。
図641(a)は、本第20制御例における変動パターンシナリオテーブル202tjの構成を示したブロック図である。この変動パターンシナリオテーブル202tjは、上述した第17制御例における変動パターンシナリオ17テーブル202qjと同様に、特別図柄の抽選回数毎に参照する変動パターンテーブルが対応付けて規定されているデータテーブルである。図641(a)に示した通り、本第20制御例における変動パターンシナリオテーブル202tjは、大当たり終了後における特別図柄の抽選回数と参照すべき変動パターンテーブルの種別との対応関係を規定した当たり後用テーブル202tj1と、RAMクリア後、初回の第1特別図柄の小当たり当選後における特別図柄の抽選回数と参照すべき変動パターンテーブルの種別との対応関係を規定した小当たり後用テーブル202tj2と、天井抽選回数に到達した後における特別図柄の抽選回数と参照すべき変動パターンテーブルの種別との対応関係を規定した天井到達用テーブル202tj3と、で少なくとも構成されている。まず、図641(b)を参照して、上述した当たり後用テーブル202tj1の詳細について説明する。
図641(b)は、この当たり後用テーブル202tj1の規定内容を示した図である。図641(b)に示した通り、本第20制御例における当たり後用テーブル202tj1は、前回実行された大当たり遊技の種別毎に、特別図柄の抽選回数(シナリオ用カウンタ)と現在の遊技状態との組み合わせに対応する変動パターンテーブルの種別が対応付けて規定されている。
より具体的には、図641(b)に示した通り、前回の大当たり種別が「大当たりA17」、現在の遊技状態が通常状態という状況において、特別図柄の抽選回数(シナリオ用カウンタ203tbの値)が1〜99の範囲、101〜139の範囲、および141〜150の範囲に対して、通常用テーブル202qd1が対応付けて規定されている。よって、これらの抽選回数の範囲内で特別図柄の抽選が実行された場合は、通常用テーブル202qd1が参照されて変動パターン(変動時間)が選択される。一方、特別図柄の抽選回数が100、および140に対しては、天井煽り用テーブル202sb3が対応付けて規定されている。この天井煽り用テーブル202sb3は、上述した第19制御例における変動パターン選択19テーブル202sbに設けられていた天井煽り用テーブル202sb3と同一のデータテーブルであり、図示については省略したが、本第20制御例における変動パターン17テーブル202qdにも追加されている。なお、上述した通り、本第20制御例における第1特別図柄の小当たりは、他の制御例における外れに相当する抽選結果であるため、本第20制御例において第1特別図柄の小当たりとなった場合は、外れ抽選結果に対応する振り分けで変動パターンが選択される。つまり、変動時間が15秒間のノーマルリーチ外れ、若しくは変動時間が30秒間のスーパーリーチ外れのどちらかが必ず選択されるように構成されている。よって、15秒間や30秒間の変動時間の変動表示演出が設定された場合に、天井抽選回数が近いと遊技者に思わせることができるので、遊技者の天井抽選回数到達に対する期待感を向上させることができる。なお、本第20制御例では、天井抽選回数に到達した場合に変動パターンシナリオが天井到達時用テーブル202sb4を参照するシナリオに切り替わるため、当たり後用テーブル202tj1には天井抽選回数までの範囲のシナリオのみが規定されている。
また、図641(b)に示した通り、前回の大当たり種別が「大当たりA17」、現在の遊技状態が時短状態という状況においては、特別図柄の抽選回数(シナリオ用カウンタ203tbの値)によらず、特図1時短用テーブル202qd2が対応付けて規定されている。よって、大当たりA17が終了してから天井抽選回数に到達するまでの間は、時短状態が継続する(時短回数が残っている)限り特図1時短用テーブル202qd2が参照されるため、第1特別図柄の抽選が主として実行される時短状態Aを形成する。
また、図641(b)に示した通り、前回の大当たり種別が「大当たりB17」、現在の遊技状態が通常状態という状況においては、前回の大当たり種別が「大当たりA17」である場合と同一の変動パターンシナリオが規定されている。つまり、特別図柄の抽選回数(シナリオ用カウンタ203tbの値)が1〜99の範囲、101〜139の範囲、および141〜150の範囲に対して、通常用テーブル202qd1が対応付けて規定され、特別図柄の抽選回数が100および140に対して、天井煽り用テーブル202sb3が対応付けて規定されている。これに対し、大当たり種別が「大当たりB17」、現在の遊技状態が時短状態という状況においては、特別図柄の抽選回数(シナリオ用カウンタ203tbの値)が7〜150の範囲に対して、特図1時短用テーブル202qd2が対応付けて規定され、特別図柄の抽選回数(シナリオ用カウンタ203tbの値)が1〜6の範囲に対して、特図2時短用テーブル202qd3が対応付けて規定されている。よって、大当たりB17の終了後7回〜150回の抽選回数では、時短状態が継続する(時短回数が残っている)限り特図1時短用テーブル202qd2が参照されるため、第1特別図柄の抽選が主として実行される時短状態Aを形成する。また、大当たりB17の終了後1回〜6回の抽選回数では、特図2時短用テーブル202qd3が参照されるため、時短状態Bを形成する。よって、主として第2特別図柄の抽選が実行される極めて有利な状態を形成する。
また、図641(b)に示した通り、前回の大当たり種別が「大当たりC17〜E17」、現在の遊技状態が通常状態という状況においては、前回の大当たり種別が「大当たりA17」や「大当たりB17」である場合と同一の変動パターンシナリオが規定されている。つまり、特別図柄の抽選回数(シナリオ用カウンタ203tbの値)が1〜99の範囲、101〜139の範囲、および141〜150の範囲に対して、通常用テーブル202qd1が対応付けて規定され、特別図柄の抽選回数が100および140に対して、天井煽り用テーブル202sb3が対応付けて規定されている。これに対し、大当たり種別が「大当たりC17〜E17」、現在の遊技状態が時短状態という状況においては、特別図柄の抽選回数(シナリオ用カウンタ203tbの値)が12〜150の範囲に対して、特図1時短用テーブル202qd2が対応付けて規定され、特別図柄の抽選回数(シナリオ用カウンタ203tbの値)が1〜11の範囲に対して、特図2時短用テーブル202qd3が対応付けて規定されている。よって、大当たりC17〜E17の終了後12回〜150回の抽選回数では、時短状態が継続する(時短回数が残っている)限り特図1時短用テーブル202qd2が参照されるため、第1特別図柄の抽選が主として実行される時短状態Aを形成する。また、大当たりB17の終了後1回〜11回の抽選回数では、特図2時短用テーブル202qd3が参照されるため、時短状態Bを形成する。よって、主として第2特別図柄の抽選が実行される極めて有利な状態を形成する。
次に、図642(a)を参照して、上述した変動パターンシナリオテーブル202tjを構成するデータテーブルの1つである小当たり後用テーブル202tj2の詳細について説明する。この小当たり後用テーブル202tj2は、上述した通り、RAMクリア操作を伴う電源投入後、最初に第1特別図柄の小当たりに当選した場合に設定される変動パターンシナリオを規定したデータテーブルである。より具体的には、図642(a)に示した通り、現在の遊技状態が通常状態という状況においては、特別図柄の抽選回数(シナリオ用カウンタ203tbの値)が1〜99、101〜139、および141〜150範囲に対して、通常用テーブル202qd1が対応付けて規定され、特別図柄の抽選回数が100および140に対して、天井煽り用テーブル202sb3が対応付けて規定されている。一方で、現在の遊技状態が時短状態という状況においては、特別図柄の抽選回数(シナリオ用カウンタ203tbの値)が1〜150の全範囲に対して、特図1時短用テーブル202qd2が対応付けて規定されている。よって、RAMクリア操作を伴う電源投入後、150回(天井抽選回数以下の抽選回数)で時短状態に移行した場合は、比較的有利度合いが低い時短状態Aを形成する。なお、本第20制御例は、第17制御例をベースにしており、第1特別図柄の抽選に時短図柄当選の振り分けがないため、RAMクリア操作を伴う電源投入後、150回以内に時短状態に移行するケースとしては、第2特別図柄の抽選で時短図柄に当選する場合のみである。つまり、時短状態でないにもかかわらず右打ちにより第2特別図柄の抽選を実行させる変則的な遊技方法を行った場合であるため、基本的に発生しないケースである。
次に、図642(b)を参照して、上述した変動パターンシナリオテーブル202tjを構成するデータテーブルの1つである天井到達用テーブル202tj3の詳細について説明する。この天井到達用テーブル202tj3は、上述した通り、特別図柄の抽選回数が天井抽選回数に到達した場合に設定される変動パターンシナリオを規定したデータテーブルである。より具体的には、図642(b)に示した通り、現在の遊技状態が通常状態という状況においては、特別図柄の抽選回数(シナリオ用カウンタ203tbの値)が1〜99、101〜139、および141〜150範囲に対して、通常用テーブル202qd1が対応付けて規定され、特別図柄の抽選回数が100および140に対して、天井煽り用テーブル202sb3が対応付けて規定されている。一方で、現在の遊技状態が時短状態という状況においては、特別図柄の抽選回数(シナリオ用カウンタ203tbの値)が1に対して、天井到達時用テーブル202sb4が対応付けて規定され、特別図柄の抽選回数(シナリオ用カウンタ203tbの値)が2〜12の範囲に対して、特図2時短用テーブル202qd3が対応付けて規定され、特別図柄の抽選回数(シナリオ用カウンタ203tbの値)が13〜150の範囲に対して、特図1時短用テーブル202qd2が対応付けて規定されている。よって、天井抽選回数に到達した後、1回目の特別図柄の抽選が当たりとならなかった場合は、必ず変動時間が30秒間のスーパーリーチ変動が設定される。つまり、天井抽選回数に到達したことを祝福する演出態様等の各種の報知を行うための十分な演出期間を確保することができるので、演出態様を好適に設定することができる。また、天井抽選回数に到達した後、2回〜12回の抽選回数では、特図2時短用テーブル202qd3が参照されるため、時短状態Bを形成する。よって、主として第2特別図柄の抽選が実行される極めて有利な時短状態Bを形成する。また、13回以降の抽選回数では、時短回数が残っている限り、主として第1特別図柄の抽選が実行される比較的有利度合いが低い時短状態Aを形成する。更に、時短回数が0になると、通常状態用のシナリオが参照されるため、天井到達後、100回目や140回目の特別図柄の抽選が当たりとならなかった場合は、天井煽り用の演出を実行することができる。よって、再度の天井抽選回数への到達を遊技者に対して期待させることができる。
このように、本第20制御例では、変動パターンシナリオを参照する際の特図抽選回数を、シナリオ用カウンタ203tbの値によって把握する構成とし、当該シナリオ用カウンタ203tbはRAMクリア操作を伴う電源投入を行った場合にも値が保持されるように構成している。そして、RAMクリア操作を伴う電源投入が行われ、初回の第1特別図柄の抽選が小当たりであった場合には、小当たり後用テーブル202tj2を変動パターンシナリオとして設定する構成としている。このように構成することで、RAMクリア操作によってシナリオ用カウンタ203tbを初期化しなくても、天井抽選回数までに渡る変動パターンシナリオを好適に設定し直すことができる。よって、RAMクリア操作を伴う電源投入の有無によらず、天井抽選回数までに渡る演出態様を好適に設定することができる。
次に、図640を参照して、本第20制御例におけるRAM203の詳細について説明する。図640は、本第20制御例における主制御装置110内に設けられているRAM203の構成を示したブロック図である。図640に示した通り、本第20制御例におけるRAM203は、上述した第17制御例におけるRAM203の構成(図553参照)に対して、天井時短待機フラグ203sa、シナリオ格納エリア203sb、初回小当たりフラグ203ta、およびシナリオ用カウンタ203tbが追加されている点で相違する。その他の構成については、上述した第17制御例と同一であるため、ここではその詳細な説明については省略する。
天井時短待機フラグ203saは、上述した第19制御例におけるRAM203に追加されていた天井時短待機フラグ203saと同一であり、天井抽選回数に到達したことに基づいて時短状態の設定条件が成立した場合に、当該時短状態の発生を天井抽選回数目の変動表示が終了した後で1回目に実行される変動表示の終了まで待機させるためのフラグである。また、シナリオ格納エリア203sbは、上述した第19制御例におけるRAM203に追加されていたシナリオ格納エリア203sbと同一であり、現在設定されている変動パターンシナリオを示すデータを格納するための記憶領域である。
初回小当たりフラグ203taは、RAMクリアスイッチ122がオンされた状態で電源が投入された後(RAMクリア操作を伴う電源投入後)、1回以上第1特別図柄の小当たりとなったか否かを示すフラグである。この初回小当たりフラグ203taがオンであれば、1回以上小当たりに当選済みであることを意味し、オフであれば、1回も小当たりに当選していないことを意味する。この初回小当たりフラグ203taは、初期値がオフに設定されており、第1特別図柄の抽選で小当たりに当選した場合にオンに設定される(図646のY773参照)。第1特別図柄の抽選で小当たりとなった場合には、この初回小当たりフラグ203taの状態が参照されて、RAMクリア後1回目の小当たり当選であるか否かが判別される。初回の小当たりである場合は、天井抽選回数(150回)までの範囲の変動パターンシナリオが上書きされる。
シナリオ用カウンタ203tbは、変動パターンシナリオに応じた変動パターンテーブルを選択する際に、現在の特別図柄の抽選回数を判別するためのカウンタである。このシナリオ用カウンタ203tbは、RAMクリア後、最初に第1特別図柄の小当たりに当選して小当たり終了後用の変動パターンシナリオ(小当たり後用テーブル202tj2)を設定した場合に値が1に設定される(図646のY773参照)。また、大当たり終了時や天井抽選回数到達時に、対応する変動パターンシナリオを設定するとともに値が0にリセットされる(図645のS38133A、図648のY2712参照)。また、特別図柄の変動開始時に値に1が加算される(図644のY521参照)。このシナリオ用カウンタ203tbによって特別図柄の抽選回数を管理する構成とすることで、天井抽選回数に到達する50回前や10回前に、天井抽選回数が近づいていることを示すための変動パターンを設定することができる。よって、天井抽選回数までの間の遊技者の期待感を好適に向上させることができる。
次に、図643を参照して、本第20制御例における音声ランプ制御装置113内に設けられているRAM223の詳細について説明する。図643は、本第20制御例におけるRAM223の構成を示したブロック図である。図643に示した通り、本第20制御例におけるRAM223は、上述した第17制御例におけるRAM223の構成(図558参照)に対して、シナリオセット済フラグ223taが追加されている点でのみ相違している。このシナリオセット済フラグ223taは、パチンコ機10に対してRAMクリア操作を伴う電源投入が行われた後で、変動パターンシナリオが1回以上設定されたか否かを示すフラグであり、オンであれば変動パターンシナリオが1回以上設定されたことを意味し、オフであれば変動パターンシナリオが未設定であることを意味する。このシナリオセット済フラグ223taは、初期値がオフに設定されており、RAMクリア操作を伴わずに電源が投入された場合や、RAMクリア操作を伴う電源投入後、最初に変動パターンシナリオが設定された場合にオンに設定される(図649のS9114A、図650のS9515A参照)。第1特別図柄の抽選で小当たりに当選した場合は、このシナリオセット済フラグ223taを参照して、シナリオセット済フラグ223taがオフである場合は、今回の小当たりにより変動パターンシナリオの再設定が行われることを意味するため、起床完了演出(図638(b)参照)を実行することによりパチンコ機10の内部制御として何らかの設定が完了したことを遊技者に対して示唆することができる。よって、パチンコ機10の内部状態をある程度遊技者に対して把握させることができる。
<第20制御例における主制御装置の制御処理について>
次に、図644から図648を参照して、本第20制御例における主制御装置110のMPU201により実行される各種処理について説明する。まず、図644を参照して、本第20制御例における第1特別図柄変動パターン選択処理20(Y331)の詳細について説明する。この第1特別図柄変動パターン選択処理20(Y331)は、上述した第17制御例における第1特別図柄変動パターン選択処理17(図564参照)に代えて実行される処理であり、上述した第1特別図柄変動パターン選択処理17(図564参照)と同様に、第1特別図柄の抽選が実行された場合に変動パターンを選択するために実行される処理である。
この第20制御例における第1特別図柄変動パターン選択処理20(図644参照)のうち、Y501〜Y503,Y505〜Y508、およびY512の各処理では、それぞれ上述した第17制御例における第1特別図柄変動パターン選択処理17(図563参照)のY501〜Y503,Y505〜Y508、およびY512の各処理と同一の処理が実行される。また、本第20制御例における第1特別図柄変動パターン選択処理20(図644参照)では、Y503の処理が終了すると、シナリオ用カウンタ203tbの値に1を加算して更新し(Y521)、シナリオ格納エリア203sbに格納されているデータに対応する変動パターンシナリオから更新後のシナリオカウンタ203tbの値に対応する変動パターン選択テーブルを特定して(Y522)、処理をY512へと移行する。
この第1特別図柄変動パターン選択処理20(図644参照)を実行することで、シナリオ用カウンタ203tbを、特図抽選カウンタ203qaとは独立して更新していき、当該独立して更新された特図抽選カウンタ203qaの値に応じて変動パターンシナリオから対応する変動パターン選択テーブルを正確に特定することができる。
次に、図645を参照して、本第20制御例における天井判定処理20(Y332)の詳細について説明する。この天井判定処理20(Y332)は、上述した第17制御例における天井判定処理17(図564参照)に代えて実行される処理であり、天井判定処理17(図564参照)と同様に、特図抽選カウンタ203qaの値に応じて天井抽選回数への到達有無を判定するための処理である。図645は、この天井判定処理20(Y332)を示すフローチャートである。
この第20制御例における天井判定処理20(図645参照)のうち、S38103,S38105,S38112A〜S38114A,S38123A、およびS38124Aの各処理では、それぞれ第17制御例における天井判定処理17(図564参照)のS38103,S38105,S38112A〜S38114A,S38123A、およびS38124Aの各処理と同一の処理が実行される。また、本第20制御例では、S38121A,S38122Aの各処理が削除されている。
また、本第20制御例における天井判定処理20(図645参照)では、S38123Aの処理において特図抽選カウンタ203qaの値が151に更新されたと判別した場合に(S38123A:Yes)、特図抽選カウンタ203qaの値を1に更新し(S38131A)、シナリオ格納エリア203sbに対して天井到達用テーブル202tj3を示すデータを格納することで天井到達用テーブル202tj3を参照する変動パターンシナリオを設定する(S38132A)。次いで、シナリオ用カウンタ203tbの値を0クリアして(S38133A)、本処理を終了する。
次に、図646を参照して、本第20制御例における特図1外れ停止処理20(Y731)の詳細について説明する。この特図1外れ停止処理20(Y731)は、上述した第17制御例における特図1外れ停止処理17(図566参照)に代えて実行される処理であり、第17制御例における特図1外れ停止処理17(図566参照)と同様に、第1特別図柄の外れに対応する変動表示の変動時間が経過した場合に外れ図柄の停止表示を設定するための処理である。
この第20制御例における特図1外れ停止処理20(図646参照)のうち、Y751〜Y761の各処理では、それぞれ上述した第17制御例の特図1外れ停止処理17(図566参照)のY751〜Y761の各処理と同一の処理が実行される。また、本第20制御例における特図1外れ停止処理20(図646参照)では、S759の処理が終了すると、初回小当たりフラグ203taがオンであるか否かを判別し(Y771)、初回小当たりフラグ203taがオンであると判別した場合は(Y771:Yes)、そのまま本処理を終了する。
一方、Y771の処理において、初回小当たりフラグ203taがオフであると判別した場合は(Y771:No)、RAMクリア操作を伴う電源投入が行われた後、初回の第1特別図柄の小当たりに対応する変動表示が終了したことを意味するため、シナリオ格納エリア203sbに対して小当たり後用テーブル202tj2を示すデータを格納することで小当たり後用テーブル202tj2を参照する変動パターンシナリオを設定し(Y772)、初回小当たりフラグ203taをオンに設定すると共にシナリオ用カウンタ203tbの値を1に設定して(Y773)、本処理を終了する。
この特図1外れ停止処理20(図646参照)を実行することにより、RAMクリア操作を伴う電源投入が行われた場合に、第1特別図柄の抽選が1回実行されることで、確実に、天井抽選回数までに渡る変動パターンシナリオを設定することができる。また、Y771の処理において、初回小当たりフラグ203taがオンであり、既に変動パターンシナリオを設定済みである状況下で第1特別図柄の小当たりに当選した場合に、変動パターンシナリオを再設定することを抑制することができるので、変動パターンシナリオの設定タイミングを共通化する(RAMクリア操作後、初回の抽選時)ことができる。
次に、図647を参照して、本第20制御例における主制御装置110のMPU201により実行される立ち上げ処理の詳細について説明する。この立ち上げ処理は、上述した第17制御例(および第1制御例)における立ち上げ処理(図166参照)と同様に、パチンコ機10に対して電源が投入された場合に実行される処理である。
この第20制御例における立ち上げ処理20(図647参照)のうち、S1701〜S1712の各処理では、それぞれ第17制御例(および第1制御例)における立ち上げ処理のS1701〜S1712の各処理と同一の処理が実行される。また、本第20制御例における立ち上げ処理(図647参照)では、S1712の処理が終了すると、使用RAM領域のうちシナリオ格納エリア203sb、およびシナリオ用カウンタ203tb以外の記憶領域をクリアし(S1761A)、RAM203のうちシナリオ格納エリア203sb、およびシナリオ用カウンタ203tb以外の記憶領域に対して初期値を設定して(S1762A)、処理をS1710へと移行する。
この第20制御例における立ち上げ処理(図647参照)を実行することにより、RAMクリア操作を伴う電源投入が行われた場合に、設定されている変動パターンシナリオの情報(シナリオ格納エリア203sbのデータ)、および変動パターンシナリオの進行状況(シナリオ用カウンタ203tbの値)を電源遮断時の状態に保持したまま、RAM203の他のデータを初期化することができる。
次に、図648を参照して、本第20制御例における大当たり終了処理20(Y11621)の詳細について説明する。この大当たり終了処理20(Y11621)は、上述した第17制御例(および第12制御例)における大当たり終了処理12(図437参照)に代えて実行される処理であり、大当たり終了処理12(図437参照)と同様に、大当たり終了に基づく各種設定を行うための処理である。
この第20制御例における大当たり終了処理20(図648参照)のうち、Y2704〜Y2707の各処理では、それぞれ上述した第17制御例(および第12制御例)における大当たり終了処理20(図437参照)のY2704〜Y2707の各処理と同一の処理が実行される。また、本第20制御例における大当たり終了処理20(図648参照)では、Y2707の処理が終了すると、シナリオ格納エリア203sbに対して今回の大当たり種別に対応する変動パターンシナリオを示すデータを格納し(Y2711)、シナリオ用カウンタ203tbを0にリセットして(Y2712)、本処理を終了する。
<第20制御例における音声ランプ制御装置の制御処理>
次に、図649、および図650を参照して、本第20制御例における音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される各種制御処理について説明する。まず、図649を参照して、本第20制御例における通常状態演出設定処理20(S9011A)の詳細について説明する。この通常状態演出設定処理20(S9011A)は、上述した第17制御例(および第5制御例)における通常状態演出設定処理(図264参照)に代えて実行される処理であり、通常状態演出設定処理(図264参照)と同様に、遊技状態として状態コマンドにより通常状態が通知された場合における演出態様を設定するための処理である。
この通常状態演出設定処理20(図649参照)が実行されると、まず、パチンコ機10に対する電源投入時の遊技状態として通常状態が通知されたか否かを判別し(S9111A)、電源投入に基づいて通知された通常状態ではないと判別した場合は(S9111A:No)、通常状態に対応する演出モード用の表示コマンドを設定して(S9112A)、本処理を終了する。一方、S9111Aの処理において、電源投入に基づいて通知された通常状態であると判別した場合は(S9111A:Yes)、次いで、RAMクリア操作を伴う電源投入により通常状態に設定されたのか否かを判別し(S9113A)、RAMクリア操作を伴わない電源投入であると判別した場合は(S9113A:No)、シナリオセット済フラグ223taをオンに設定して(S9114A)、処理をS9112Aへと移行する。
これに対し、S9113Aの処理において、RAMクリア操作を伴う電源投入であると判別した場合は(S9113A:Yes)、起床待機中モード用の表示コマンドを設定することで、特別図柄の抽選が実行された場合に起床待機中演出(図638(a)参照)が実行されるように設定し(S9115A参照)、本処理を終了する。この通常状態演出設定処理20(図649参照)を実行することにより、RAMクリア操作を伴う電源投入が行われた場合に、シナリオセット済フラグ223taをオフ状態としたまま、起床待機中モード用の演出態様を設定することができる。
次に、図650を参照して、本第20制御例における特図1演出態様設定処理20(S4991A)の詳細について説明する。この特図1演出態様設定処理20(S4991A)は、第17制御例(および第5制御例)における特図1演出態様設定処理5(図268参照)に代えて実行される処理であり、特図1演出態様設定処理5(図2689参照)と同様に、第1特別図柄の変動表示態様を設定するための処理である。図650は、この特図1演出態様設定処理20(S4991A)を示すフローチャートである。
この第20制御例における特図1演出態様設定処理20(図650参照)のうち、S9501〜S9504の各処理では、それぞれ第17制御例(および第5制御例)における特図1演出態様設定処理5(図268参照)のS9501〜S9504の各処理と同一の処理が実行される。また、本第20制御例における特図1演出態様設定処理20(図650参照)では、S9501〜S9503の各処理が終了すると、次いで、シナリオセット済フラグ223taがオンであるか否かを判別し(S9511A)、シナリオセットフラグ223taがオンであれば(S9511A:Yes)、変動パターンコマンドにより通知された変動パターン種別に応じた変動表示態様を決定して(S9512A)、処理をs9504へと移行する。
一方、S9511Aの処理において、シナリオセット済フラグ223taがオフであると判別した場合は(S9511A:No)、次いで、今回の変動パターンコマンドが小当たりに対応する変動パターンコマンドであるか否かを判別し(S9513A)、小当たりに対応する変動パターンコマンドではない(即ち、大当たりに対応する変動パターンコマンドである)と判別した場合は(S9513A:No)、処理をS9512Aへと移行する。これに対し、S9513Aの処理において、小当たりに対応する変動パターンコマンドであると判別した場合は(S9513A:Yes)、起床完了演出(図638(b)参照)を伴う変動表示態様を決定し(S9514A)、シナリオセット済フラグ223taをオンに設定して(S9515A)、処理をS9504へと移行する。
この特図1演出態様設定処理20(図650参照)を実行することにより、RAMクリア操作を伴う電源投入後、初回の第1特別図柄の抽選で小当たりとなった場合に、起床完了演出を実行することができるので、パチンコ機10の内部制御として何らかの設定が行われたということを遊技者に対して示唆することができる。
以上説明した通り、本第20制御例におけるパチンコ機10では、通常遊技中に比較的頻繁に成立する第1条件の成立(第1特別図柄の小当たり当選)に基づいて、予め定められた特定制御(新たな変動パターンシナリオの設定)を実行し、一旦特定制御が実行された後は、第1条件が成立しても特定制御が実行されることを回避(抑制)可能に構成した。つまり、特定条件が成立していない状況下において第1条件が成立した場合にのみ、特定制御の実行を許容し、特定条件が成立している状況下で第1条件が成立したとしても、特定制御の実行を回避する特徴的な制御を行う構成としている。より具体的には、本第20制御例では、RAMクリアスイッチ122がオンの状態でパチンコ機10に対して電源が投入された後(RAMクリア操作を伴う電源投入後)における特別図柄の抽選で最初に大当たりとは異なる抽選結果(例えば、小当たりに対応する抽選結果)となったことを第1条件の成立として、天井抽選回数までの抽選回数に渡る変動パターンシナリオを設定する構成とする一方で、RAMクリア操作を伴う電源投入後、既に1回以上小当たりに当選している状況下(特定条件が成立している状況下)では、小当たりに当選したとしても変動パターンシナリオの設定を回避する構成としている。つまり、RAMクリア操作を伴う電源投入後、初回の特別図柄の抽選で大当たりに当選した場合は、大当たり終了時に大当たり種別に応じた変動パターンシナリオを設定する一方で、大当たりとは異なる抽選結果(小当たり)となった場合についても、天井抽選回数までに渡る変動パターンシナリオを設定する構成とした。また、一旦変動パターンシナリオが設定された後は、変動パターンシナリオが上書きされないように規制する構成とした。これにより、RAMクリア操作を伴う電源が投入された場合に、初回の特別図柄の抽選が実行されることにより、ほぼ確実に、変動パターンシナリオを設定することができる。よって、RAMクリア操作を伴う電源投入の有無によらず、天井抽選回数までに渡る変動パターンシナリオを好適に設定することができる。なお、これに伴って、本第20制御例では、特別図柄の抽選回数をカウントするためのカウンタ(特図抽選カウンタ203qa)と、変動パターンシナリオから変動パターンを特定する際の特別図柄の抽選回数を判断するためのカウンタ(シナリオ用カウンタ203tb)とを別々に設ける構成とし、RAMクリアスイッチ122がオンの状態でパチンコ機10に対して電源が投入された場合には、特図抽選カウンタ203qaの値のみがリセットされ、シナリオ用カウンタ203tbの値が保持されるように構成している。
また、本第20制御例では、RAMクリア操作を伴う電源投入が行われた場合に、何らかの設定が待機されていることを示唆する第1の演出態様(起床待機中モード)を設定し、第1の演出態様の実行中に第1特別図柄の抽選が実行された場合に、何らかの設定が行われたことを遊技者に示唆可能な第2の演出態様(起床演出)を実行する構成としている。このように構成することで、RAMクリア操作を伴う電源投入が行われたか否かを遊技者に対して容易に理解させることができる。よって、RAMクリア操作が行われたか否かを判別するために、ホールの開店後、初回の特別図柄の抽選が実行されていないパチンコ機10において少なくとも1回の特別図柄の抽選を実行させようと思わせることができるので、ホールの開店後におけるパチンコ機10の稼働率を向上させることができる。
なお、本第20制御例では、RAMクリア操作を伴う電源投入が行われた後で、初回の第1特別図柄の抽選が実行されて変動パターンシナリオが設定されたことを示唆する演出として第2の演出態様(起床演出)を実行する構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、RAMクリア操作を伴う電源投入が行われた場合に設定され得る天井抽選回数が複数設けられている仕様を前提として、天井抽選回数が再設定されたことを遊技者に示唆する演出として第2の演出態様(起床演出)を実行する構成としてもよい。このように構成することで、遊技者の有利度合いに直接的に影響する設定内容が設定されたことを示す演出として第2の演出態様を構成することができる。この場合において、天井抽選回数としていずれの値が設定されたのかを示唆する演出を第2の演出態様において実行する構成としてもよい。このように構成することで、第2の演出態様を確認したいとより強く遊技者に思わせることができるので、ホールの開店後におけるパチンコ機10の稼働率をより向上させることができる。また、例えば、第19制御例等のように、複数段階のいずれかの設定に変更可能な仕様において、RAMクリア操作を伴う電源投入時に設定変更も行われた場合に第2の演出態様を実行する構成としてもよい。この場合は、第2の演出態様が実行されることで設定変更がなされたことを遊技者が把握することができるので、遊技者の利便性を向上させることができる。
なお、本第20制御例では、RAMクリア操作を伴う電源投入が行われた後、最初に第1特別図柄の小当たりとなった(第1条件が成立した)ことに基づいて、小当たり後用テーブル202tj2を参照して変動パターン選択テーブルを特定する変動パターンシナリオを設定すると共にシナリオ用カウンタ203tbの値をリセットする制御(特定制御)を実行する一方で、2回目以降の小当たり当選時は特定制御の実行を回避(抑制)する構成としていたが、特定制御の実行及び回避の条件はこれに限られるものではない。例えば、2以上の特定回数(例えば、10回)に渡って連続して第1特別図柄の小当たりに当選した場合に特定制御を実行するように構成してもよい。また、特定制御の実行条件(第1条件)として、小当たりに代えて、例えば、単なる外れを採用してもよいし、特定の変動種別(例えば、短外れやノーマルリーチ外れ等)を採用してもよいし、所定の大当たり種別の大当たり当選を採用してもよい。このように様々な制御および条件を特定制御および第1条件として許容することで、開発の自由度を向上させることができる。
本第20制御例では、RAMクリア操作を伴う電源投入が行われた後、最初に第1特別図柄の小当たりとなった(第1条件が成立した)ことに基づいて、小当たり後用テーブル202tj2を参照して変動パターン選択テーブルを特定する変動パターンシナリオを設定すると共にシナリオ用カウンタ203tbの値をリセットする制御(特定制御)を実行する一方で、2回目以降の小当たり当選時は特定制御の実行を回避(抑制)する構成としていたが、最初は新たな変動パターンシナリオの設定(特定制御の実行)が回避される(電源遮断時の変動パターンシナリオ及びシナリオの進行状況が引き継がれる)状態を設定し、所定の解除条件の成立(例えば、RAMクリア操作を伴う電源投入後、天井抽選回数未満の特定回数(例えば、100回)の特別図柄の抽選が実行されたこと)を契機として、特定制御の実行が許容される状態を形成する構成としてもよい。このように構成した場合、RAMクリア操作を伴う電源投入が行われた時点で天井抽選回数までの残り回数はリセットされる一方で、100回の特別図柄の抽選が実行されるまでは、RAMクリア操作を伴う電源投入が行われていても、RAMクリア操作を伴わない電源投入が行われていれも、変動パターンの選択傾向が共通の傾向となるため、RAMクリア操作の有無を遊技者に把握し難く構成することができる。なお、この場合、特定制御として設定する変動パターンシナリオは、特定回数目の特別図柄の抽選回数から天井抽選回数目の特別図柄の抽選回数までに渡るシナリオを用意しておけば足りるので、ROM202の記憶容量を削減することができるという副次的な効果も得られる。
本第20制御例では、RAMクリア操作を伴う電源投入が行われた後、最初に第1特別図柄の小当たりとなった(第1条件が成立した)ことに基づいて、小当たり後用テーブル202tj2を参照して変動パターン選択テーブルを特定する変動パターンシナリオを設定すると共にシナリオ用カウンタ203tbの値をリセットする制御(特定制御)を実行する一方で、2回目以降の小当たり当選時は、回避条件が成立していると判別して特定制御の実行を回避(抑制)する構成としていたが、第1条件、特定制御、および回避条件はこれらに限定されるものではない。パチンコ機10において成立し得る他の条件を第1条件や回避条件として採用してもよいし、搭載している他の制御を特定制御として採用してもよい。例えば、音声ランプ制御装置113側の演出制御に採用してもよい。より具体的には、例えば、上述した第16制御例における保留変化演出の設定を特定制御として採用し、第1条件を新たな始動入賞に基づく入賞情報コマンドの受信として採用してもよい。この場合、回避条件としては、例えば、保留変化演出が既に設定されている間の状態を設定してもよいし、大当たり遊技の実行中を設定してもよい。このように構成することで、保留変化演出が実行されるタイミングを好適に設定することができる。
<第21制御例>
次いで、図651から図664を参照して、第21制御例におけるパチンコ機10について説明する。上述した第19制御例におけるパチンコ機10では、大当たり終了後の抽選回数をカウントするためのカウンタ(特図抽選カウンタ203la)のカウンタ値によって天井抽選回数への到達有無を判別すると共に、変動パターンシナリオから変動パターン選択テーブルを特定する際の変動回数(特別図柄の抽選回数)を判別する構成としていた。そして、RAMクリア操作を伴う電源投入が行われた場合であっても、特図抽選カウンタ203laの値がクリアされずに保持されるように構成していた。つまり、パチンコ機10の電源が遮断されたり、RAMクリア操作が行われたりしたとしても、天井抽選回数までの残りの抽選回数や変動パターンシナリオの進行状況がクリアされずに保持されるように構成していた。そして、第19制御例では、変動パターンシナリオとして、大当たり終了時または天井抽選回数到達時に、通常状態用の変動パターンシナリオと通常状態以外の遊技状態用の変動パターンシナリオとをセットで設定する構成とし、遊技状態が通常状態であれば設定されている変動パターンシナリオのうち通常状態用の規定内容を参照して変動パターン選択テーブルを特定する一方、通常状態以外の遊技状態であれば通常状態以外用の規定内容を参照して変動パターン選択テーブルを特定する構成としていた。つまり、変動パターンシナリオの設定タイミングを天井抽選回数がリセットされるタイミングに統一することで、大当たり終了後の遊技状態によらず、通常状態に移行した場合における天井抽選回数までに渡る変動パターンシナリオを共通化することを可能に構成した。つまり、通常状態において天井抽選回数までの残りの抽選回数が150回、100回、および50回になると、常に、天井煽り用の特殊な変動パターンが選択され易くなるように構成していた。
これに対して本第21制御例では、天井抽選回数に到達したことに基づいて設定される時短状態や、時短図柄に当選したことに基づいて設定される時短状態の終了を契機として、変動パターンシナリオを切り替える構成とし、これらの時短状態終了後における所定回数の特別図柄の抽選に渡って変動パターンの選択比率を通常と異ならせるように構成した。つまり、抽選結果と各種変動パターンの選択比率との対応関係を通常と異ならせることで変動時間の傾向を異ならせ、変動時間に応じて設定される変動表示態様も異ならせることにより、特殊な演出モードを形成するように構成した。このように構成することで、大当たりを介さずに設定された時短状態が終了した(賞球を何ら獲得することなく有利な時短状態が終了した)場合に、特殊な演出モードを形成することで、遊技者の落胆を緩和すると共に、特殊な演出モードが終了するまでの間、遊技を継続しようと思わせることを可能に構成した。これにより、時短状態の終了後におけるパチンコ機10の稼働率を向上させることができる。
この第21制御例におけるパチンコ機10が、上述した第19制御例におけるパチンコ機10と構成上において相違する点は、主制御装置110におけるROM202、およびRAM203の構成が一部変更となっている点、音声ランプ制御装置113におけるRAM223の構成が一部変更となっている点、主制御装置110のMPU201により実行される制御処理が一部変更となっている点、および音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される制御処理が一部変更となっている点である。その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行されるその他の処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行されるその他の処理、表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については、第19制御例におけるパチンコ機10と同一である。以下、第19制御例と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。
まず、図651、および図652を参照して、本第21制御例における特徴的な演出態様について説明する。ここで、本第21制御例では、時短図柄に当選したことに基づいて発動した時短状態、または天井抽選回数に到達したことに基づいて発動した時短状態のいずれかが終了したことに基づいて、変動パターンシナリオを再設定する構成としている。より具体的には、時短状態が終了したことに基づいて、特殊な演出モードを形成すべく、通常とは異なる選択比率で各種変動パターンが選択される特殊な状態を所定期間(特別図柄の抽選が20回終了するまでの間)形成する構成としている。まず、図651(a)を参照して、本第21制御例において時短図柄に当選したことに基づいて発動した時短状態、または天井抽選回数に到達したことに基づいて発動した時短状態のいずれかが終了した後の演出態様について説明する。なお、以降の説明では、説明の簡略化のため、時短図柄に当選したことに基づいて発動した時短状態、および天井抽選回数に到達したことに基づいて発動した時短状態(大当たりを介さずに直接移行する時短状態)のことを、まとめて通常時短と称する。本第20制御例では、通常時短が終了した時点で第2特別図柄の保留球が1以上存在する場合に、通常時短が終了した後の通常状態において第2特別図柄の保留球を消化しきるまでの期間を利用して、通常時短状態の終了を示す演出態様を実行する構成としている。なお、通常時短状態においては、右打ちを行い続けることにより、ほぼ、通常時短状態の終了時に第2特別図柄の保留球が上限個数(4個)まで貯まった状態となる。図651(a)は、この通常時短状態の終了を示す演出態様(通常時短状態用のエンディング演出)の演出態様の一例を示した図である。
図651(a)に示した通り、通常時短状態が終了すると、第2特別図柄の保留球が消化されるまでの間に渡って、主表示領域Dmにおける中央部分にウサギを模したキャラクタ801がうなだれて落涙する表示態様が表示されると共に、キャラクタ801の上方に「〜END〜」という文字が表示される。更に、副表示領域Dsに対して、「チャンスタイム終了・・・」という文字が表示される。これらの表示態様により、通常時短状態が完全に終了してしまったことを遊技者に対して容易に理解させることができる。また、図651(a)に示した通り、通常時短状態用のエンディング演出の実行中は、主表示領域Dmの右上における比較的狭い範囲(遊技者が認識し難い範囲)において、第2特別図柄の変動表示が実行されるように構成されている。
なお、図示については省略したが、通常時短状態用のエンディング演出(通常時短終了演出)の実行中に第2特別図柄の抽選で大当たりとなった場合は、当該大当たり変動において天使を模したキャラクタ809が出現してウサギのキャラクタ801に対して大当たりを通知する比較的短い演出時間の演出が実行される。また、通常時短状態の終了時に第2特別図柄の保留球が存在せず、第1特別図柄の保留球のみが存在する場合は、1つめの第1特別図柄の保留球に基づく変動表示期間を用いて通常時短状態用のエンディング演出を実行するように制御する。更に、通常時短終了時に第1特別図柄の保留球も第2特別図柄の保留球も存在しない場合は、通常時短終了時に通常時短終了演出を開始させ、新たな特別図柄の抽選が実行された時点で通常時短状態用のエンディング演出(通常時短終了演出)を打ち切る構成としている。これにより、通常時短状態の終了時における保留球の個数によらず、通常時短状態用のエンディング演出(通常時短終了演出)を実行することができる。
次に、図651(b)を参照して、通常時短終了後、特別図柄の抽選が20回終了するまで(且つ、通常時短終了演出の終了後)における演出態様について説明する。図651(b)は、通常時短終了後、特別図柄の抽選が20回終了するまで(且つ、通常時短終了演出の終了後)における演出態様を示した図である。ここで、詳細については後述するが、本第21制御例では、通常時短が終了してから特別図柄の抽選が20回終了するまでの間、第1特別図柄の外れとなった場合の変動時間として短い変動時間(例えば、5秒間)が選択される割合が大幅に上昇する(15秒以上の変動時間が選択される割合が大幅に低くなる)ように変動パターンシナリオを設定する構成としている。つまり、外れで長い変動時間が選択され難くなることにより、相対的に、長い変動時間となった場合に大当たりや時短図柄当選となる期待度が上昇する構成としている。この特殊な変動パターンシナリオが設定されている間(通常時短終了後、20回の特別図柄の抽選が終了するまで)は、図651(b)に示した通り、主表示領域Dmにおいて、ウサギを模したキャラクタ801が岩山をよじ登る演出態様が表示されると共に、キャラクタ801の上方に、「〜修行ゾーン〜」という文字が表示される。また、副表示領域Dsに対して、「リーチ発生で大チャンス!?」という文字が表示される。これらの表示内容により、特殊な変動パターンシナリオが設定されている(特殊な演出モードが設定されている)こと、および長い変動時間が設定された(リーチが発生する変動種別が選択された)場合の大当たり期待度が通常よりも高くなるということを遊技者に対して容易に理解させることができる。
図652は、特殊な演出モード(修行ゾーン演出)が設定されている間に通常時短状態への移行条件が再度成立した(天井抽選回数に到達するか、時短図柄に当選した)場合における演出態様の一例を示した図である。図652では、天井抽選回数に到達して100回の時短回数が付与された場合を例示している。図652に示した通り、特殊な演出モード(修行ゾーン演出)において通常時短状態への移行条件が成立した場合には、主表示領域Dmにおいて、キャラクタ801が岩山を登りきって岩山の頂上に到達する演出が実行される。また、岩山の頂上の周囲には、チャンスタイム中の演出においてウサギを模したキャラクタ801が滞在するのと同じ雲が一面に広がっている表示態様に設定される。更に、副表示領域Dsにおいて、「チャンスタイム100回ゲット!」という文字が表示される。これらの表示内容により、通常時短状態に突入するということを遊技者に対して容易に理解させることができる。
次に、図653を参照して、通常時短状態が終了する前後における演出態様の推移について、大当たり後250回目の特別図柄の変動表示が終了することで時短状態が終了する場合を例にとって説明する。図653に示した通り、大当たり後250回目の特別図柄の抽選で通常時短状態が終了する場合、250回目(即ち、通常時短状態における最後)の変動表示演出における演出態様として、上述した第19制御例と同様に、チャンスタイム(時短状態)の終了を示す演出態様(図621参照)を伴う変動表示演出が実行される。また、通常時短状態における最後の変動表示演出が終了し、右打ちにより第2特別図柄の抽選が実行され易い遊技状態が終了すると、通常時短状態の間に保留されていた第2特別図柄の保留球に基づく変動表示が全て終了するまでの期間を用いて、通常時短状態のエンディング演出(図651(a)参照)が実行される。これにより、通常時短状態が終了したことをより強調することができる。なお、詳細については後述するが、通常時短終了後の変動パターンシナリオとして、時短終了後の特別図柄の抽選回数が1回〜4回の範囲では、第2特別図柄の外れの変動時間が1秒間に固定化されるように構成されている。このため、第2特別図柄の保留球が外れである場合は、第2特別図柄の保留球数×1秒間の演出期間で通常時短状態のエンディング演出が実行されることになるため、通常時短状態のエンディング演出は最大(保留が4個貯まっている状況)で4秒間となる。
また、図653に示した通り、第2特別図柄の保留球を消化しきって通常時短状態のエンディング演出が終了すると、特殊な演出モードであることを示す修行ゾーン演出が実行される。この修行ゾーン演出は、通常時短状態の終了後20回の特別図柄の抽選が終了するまで継続する。この修行ゾーン演出が実行される20回の変動回数の間は、第1特別図柄の抽選で外れとなった場合に15秒以上の変動時間(リーチ演出が発生する変動時間)の変動種別が選択される割合が通常よりも大幅に低くなる。言い換えれば、リーチ演出が発生した場合に大当たりとなる期待度が通常よりも大幅に高くなるため、リーチ演出が発生することを遊技者に対してより強く期待させることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。また、通常とは異なる遊技性(リーチ演出の期待度が大幅にアップする遊技性)となるため、遊技者に対して目新しさを感じさせることができ、修行ゾーン演出が実行されている間は遊技を継続しようと思わせることができる。よって、通常時短状態が終了した直後に遊技を辞めてしまうことを抑制し、パチンコ機10の稼働率を向上させることができる。なお、特別図柄の抽選が20回終了して、修行ゾーン演出が終了すると、通常モード用の演出が実行される状態に移行する。
このように、本第21制御例では、通常時短状態が終了したことを契機として専用の変動パターンシナリオ(後述する時短終了後用テーブル202uj3(図657参照)を参照して変動パターン選択テーブルを特定するシナリオ)を設定することにより、通常時短状態が終了して通常状態に移行した後において、通常時短状態のエンディング演出の実行期間を確保したり、第2特別図柄の保留球を消化した後で、特殊な演出モード(リーチ演出が発生した場合の大当たり期待度が跳ね上がる遊技性のモード)に移行させることを可能としている。これにより、通常時短状態が終了した後における遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
なお、この場合、天井抽選回数までの残回数を考慮せずに、単純に通常時短状態の終了に基づいて専用の変動パターンシナリオを設定する構成としているため、弊害として、上述した第19制御例のように、大当たり終了後(若しくはRAMクリア操作を伴う電源投入後)の抽選回数が特定回数(350回、400回、および450回)において天井煽り用の特殊な変動パターンを選択することが困難となる。これについては、開発者がどちらの制御を重視するかに応じて任意に選択することができる。
<第21制御例における電気的構成>
次に、図654(a)を参照して、本第21制御例における主制御装置110内に設けられているROM202の詳細について説明する。図654(a)は、本第21制御例におけるROM202の構成を示したブロック図である。図654(a)に示した通り、本第21制御例におけるROM202は、上述した第19制御例におけるROM202の構成(図626(a)参照)に対して、変動パターン選択19テーブル202sbに代えて変動パターン選択21テーブル202ubが設けられている点、および変動パターンシナリオ19テーブル202sjに代えて変動パターンシナリオ21テーブル202ujが設けられている点でのみ相違する。その他の構成については上述した第19制御例におけるROM202と同一であるため、ここではその詳細な説明については省略する。
まず、図655(a)を参照して、本第21制御例における変動パターン選択21テーブル202ubの詳細について説明する。図655(a)は、本第21制御例における変動パターン選択21テーブル202ubの構成を示したブロック図である。図655(a)に示した通り、本第21制御例における変動パターン選択21テーブル202ubは、上述した第19制御例における変動パターン選択19テーブル202sb(図628(a)参照)に対して、時短終了報知用テーブル202ub5と時短終了後用テーブル202ub6とが追加されている点で相違している。その他の構成については上述した第19制御例における変動パターン選択19テーブル202sbと同一であるため、ここではその詳細な説明については省略する。
まず、図655(b)を参照して、本第21制御例における変動パターン選択21テーブル202ubを構成するデータテーブルの1つである時短終了報知用テーブル202ub5の詳細について説明する。この時短終了報知用テーブル202ub5は、通常時短状態の終了後特別図柄の抽選回数が4回以内の範囲において参照される変動パターン選択テーブルであり、通常時短状態の終了時に貯まっていた第2特別図柄の保留球を消化する際の外れ時の変動時間を1秒間に固定化するためのデータテーブルである。
図655(b)は、この時短終了報知用テーブル202ub5の規定内容を示した図である。図655(b)に示した通り、時短終了報知用テーブル202ub5には、特別図柄の種別および特別図柄の抽選結果毎に、各種変動パターンに対応する変動種別カウンタCS1の値の範囲が対応付けられている。具体的には、特別図柄の種別が第1特別図柄である場合に、特別図柄の抽選結果「大当たり」に対して、変動種別カウンタCS1の値が0〜149の範囲に変動時間が15秒のノーマルリーチ当たりが対応付けて規定され、150〜198の範囲に変動時間が30秒のスーパーリーチ当たりが対応付けて規定されている。また、第1特別図柄の抽選結果が「特殊当たり」および「小当たり」に対しては、変動種別カウンタCS1の取り得る全範囲に対して、変動時間が15秒間のノーマルリーチ当たりが対応付けて規定されている。また、特別図柄の抽選結果「時短図柄当選」に対しては、変動種別カウンタCS1の取り得る全範囲に対して、変動時間が15秒間のノーマルリーチが対応付けて規定されている。更に、第1特別図柄の抽選結果「外れ」に対しては、変動種別カウンタCS1の値が0〜196の範囲に変動時間が5秒の短外れが対応付けて規定され、197,198の範囲に変動時間が15秒のノーマルリーチ外れが対応付けて規定されている。このため、時短終了報知用テーブル202ub5が参照される状況下において第1特別図柄の抽選が実行されると、外れの場合に15秒以上の変動時間の変動種別が選択される割合が極めて低くなる(2/199になる)。よって、第1特別図柄の抽選が実行された場合には、リーチ演出が発生するだけで大当たりとなることに対する期待感を大きく向上させることができる。
また、図655(b)に示した通り、特別図柄の種別が第2特別図柄である場合には、特別図柄の抽選結果「大当たり」に対して、変動種別カウンタCS1の取り得る全範囲に対して、変動時間が5秒間の短当たりが対応付けて規定されている。一方、第2特別図柄の抽選結果「外れ」に対しては、変動種別カウンタCS1の取り得る全範囲に対して、変動時間が1秒間の「超短外れ」が対応付けて規定されている。このため、通常時短状態の終了後、4回以内の特別図柄の抽選が第2特別図柄により実行された場合には、抽選結果が大当たりになると、必ず5秒間の変動時間が設定され、外れになると必ず1秒間の変動時間が設定される。これにより、通常時短終了時に貯まっていた第2特別図柄の保留球を消化する際の消化時間を固定化することができるので、通常時短状態の終了後におけるエンディング演出の演出期間を確保することができる。
次に、図655(c)を参照して、本第21制御例における変動パターン選択21テーブル202ubを構成するデータテーブルの1つである時短終了後用テーブル202ub6の詳細について説明する。この時短終了後用テーブル202ub6は、通常時短状態の終了後特別図柄の抽選回数が5回から20回の範囲において参照される変動パターン選択テーブルであり、リーチ演出が発生した場合の大当たり期待度が通常よりも大幅に向上する特殊な演出モードを形成するために参照されるデータテーブルである。図655(c)に示した通り、この時短終了後用テーブル202ubは、時短終了報知用テーブル202ub5(図655(b)参照)における第1特別図柄に対応する規定内容が、第1特別図柄および第2特別図柄に共通する規定内容として設定されている。よって、この時短終了後用テーブル202ub6が参照された場合、特別図柄の外れにおいて15秒以上の変動時間の変動種別が選択される割合が極めて低くなる(2/199になる)。よって、特別図柄の抽選が実行された場合には、リーチ演出が発生するだけで大当たりとなることに対する期待感を大きく向上させることができる斬新な遊技性を実現することができる。これにより、通常時短状態が終了した後も、少なくとも特別図柄の抽選が20回実行されるまでは遊技を継続しようと遊技者に思わせることができるので、パチンコ機10の稼働率を向上させることができる。
次に、図656(a)を参照して、本第21制御例における変動パターンシナリオ21テーブル202ujの詳細について説明する。図656(a)は、本第21制御例における変動パターンシナリオ21テーブル202ujの構成を示したブロック図である。図656(a)に示した通り、本第21制御例における変動パターンシナリオ21テーブル202ujは、大当たり終了を契機として設定される変動パターンシナリオを規定したデータテーブルである当たり後用テーブル202uj1と、天井抽選回数に到達したことを契機として設定される変動パターンシナリオを規定したデータテーブルである天井到達後用テーブル202uj2と、通常時短状態(時短図柄当選に基づく時短状態、および天井抽選回数到達に基づく時短状態)が終了したことを契機として設定される変動パターンシナリオを規定したデータテーブルである時短終了後用テーブル202uj3と、で少なくとも構成されている。まず、図656(b)を参照して、当たり後用テーブル202uj1の詳細について説明する。図656(b)は、この当たり後用テーブル202uj1の規定内容を示したブロック図である。
図656(b)に示した通り、現在の遊技状態が通常状態という状況においては、特別図柄の抽選回数(シナリオ用カウンタ203uaの値)が1〜349、351〜399、401〜449、および451〜500の範囲に対して、通常用19テーブル202sb1が対応付けて規定され、特別図柄の抽選回数が350、400、および450に対して、天井煽り用テーブル202sb3が対応付けて規定されている。一方で、現在の遊技状態が通常状態以外の遊技状態という状況においては、特別図柄の抽選回数(シナリオ用カウンタ203uaの値)が1〜500の全範囲に対して、確変・時短用19テーブル202sb2が対応付けて規定されている。よって、大当たり終了後においては、遊技状態が通常状態であれば、天井抽選回数までの残回数が150回、100回、および50回となる毎に、天井煽り用の特殊な変動パターンが選択されることにより、天井煽り用の演出(図624、図625参照)を実行することができる。
次に、図656(c)を参照して、上述した天井到達後用テーブル202uj2の詳細について説明する。図656(c)は、この天井到達後用テーブル202uj2の規定内容を示した図である。図656(c)に示した通り、天井到達後用テーブル202j2には、通常状態以外の遊技状態に対するシナリオのみが対応付けられている。つまり、天井抽選回数到達に基づいて設定された時短回数の通常時短状態が終了するか、通常時短状態の間に時短図柄に当選して設定された通常時短状態が終了するまでの間の状態に対するシナリオのみが規定されている。これは、上述した通り、通常時短状態が終了するタイミング(即ち、通常状態に移行するタイミング)で、通常時短終了時用の変動パターンシナリオ(時短終了後用テーブル202uj3を参照する変動パターンシナリオ)に切り替えられるため、通常状態において天井到達後用テーブル202uj2を参照する可能性が無いためである。
図656(c)に示した通り、現在の遊技状態が通常状態以外の遊技状態という状況においては、特別図柄の抽選回数(シナリオ用カウンタ203uaの値)が1に対して、天井到達時用テーブル202sb4が対応付けて規定され、特別図柄の抽選回数が2〜500の範囲に対して、確変・時短用19テーブル202sb2が対応付けて規定されている。よって、第19制御例と同様に、天井抽選回数に到達して時短状態に設定された後、1回目の変動表示における変動時間を、外れの場合に30秒間に固定化することができるので、時短状態に突入したことに基づいて実行される各種の報知を行うための演出期間を十分に確保することができる。
次に、図657を参照して、上述した時短終了後用テーブル202uj3の詳細について説明する。図657は、この時短終了後用テーブル202uj3の規定内容を示した図である。図657に示した通り、現在の遊技状態が通常状態という状況においては、特別図柄の抽選回数(シナリオ用カウンタ203uaの値)が1〜4の範囲に対して、時短終了報知用テーブル202ub5(図655(b)参照)が対応付けて記載され、特別図柄の抽選回数(シナリオ用カウンタ203uaの値)が5〜20の範囲に対して、時短終了後用テーブル202ub6(図655(c)参照)が対応付けて規定され、特別図柄の抽選回数が21回以降の範囲に対して、通常用19テーブル202sb1が対応付けて規定されている。これに対し、現在の遊技状態が通常状態以外という状況においては、特別図柄の抽選回数によらず、確変・時短用19テーブル202sb2が対応付けて規定されている。
通常時短状態の終了後に時短終了後用テーブル202uj3を参照する変動パターンシナリオを設定する構成とすることで、通常時短状態が終了してから第2特別図柄の保留球を全て消化するまでの間の期間で通常時短状態のエンディング演出を実行することができる。また、通常時短状態が終了してから20回の特別図柄の抽選が終了するまでの間、リーチ演出が発生した際の大当たり期待度が大きく向上する特殊なモードを形成することができる。よって、通常時短状態の終了後、20回の特別図柄の抽選が終了するまでは少なくとも遊技を継続しようと遊技者に対して思わせることができるので、パチンコ機10の稼働率を向上させることができる。
次に、図654(b)を参照して、本第21制御例における主制御装置110内に設けられているRAM203の詳細について説明する。図654(b)は、本第21制御例におけるRAM203の構成を示したブロック図である。図654(b)に示した通り、本第21制御例におけるRAM203は、上述した第19制御例におけるRAM203の構成に対して、シナリオ用カウンタ203uaと、通常時短フラグ203ubと、が追加されている点でのみ相違している。
シナリオ用カウンタ203uaは、上述した第20制御例におけるシナリオ用カウンタ203tbと同様に、変動パターンシナリオに応じた変動パターンテーブルを選択する際に、現在の特別図柄の抽選回数を判別するためのカウンタである。つまり、本第21制御例では、上述した第20制御例と同様に、特図抽選カウンタ203laとシナリオ用カウンタ203tbとを別々に設ける構成とし、別々に更新する制御を採用している。具体的には、本第21制御例におけるシナリオ用カウンタ203tbは、各種変動パターンシナリオを設定する際に値が0にリセットされ(図660のS8323A、図661のS38131A参照)、特別図柄の変動パターンを選択する際に値が1ずつ加算して更新される(図659のS38263)。このシナリオ用カウンタ203uaを参照して現在設定されている変動パターンシナリオから対応する変動パターン選択テーブルを特定する構成としている。
通常時短フラグ203ubは、時短状態が大当たり終了後に設定された時短状態であるか通常時短状態(時短図柄当選に基づく時短状態、若しくは天井抽選回数到達に基づく時短状態)であるかを示すフラグである。この通常時短フラグ203ubがオンであれば、通常時短状態であることを意味し、オフであれば、大当たり終了後に設定された時短状態であることを意味する。この通常時短フラグ203ubは、初期値がオフに設定されており、通常時短状態へと移行する際にオンに設定される(図661のS38132A参照)。また、通常時短状態の終了時にオフに設定される(図660のS8322A参照)。この通常時短フラグ203ubがオンの状態で時短状態が終了した場合は、通常時短状態が終了したと判別して、変動パターンテーブルが再セットされる。即ち、通常時短状態のエンディング演出や、リーチ演出が高期待度となる演出モード等を実現可能な変動パターンシナリオを設定することができるので、通常時短状態の終了後において、遊技者が遊技を辞めたいと思い難く構成することができる。よって、パチンコ機10の稼働率を向上させることができる。
次に、図658を参照して、本第21制御例における音声ランプ制御装置113内に設けられているRAM223の詳細について説明する。図658は、本第21制御例におけるRAM223の構成を示したブロック図である。図658に示した通り、本第21制御例におけるRAM223は、上述した第19制御例におけるRAM223の構成(図630参照)に対して、演出モードフラグ223uaが追加されている点でのみ相違している。その他の構成については上述した第19制御例におけるRAM223と同一であるため、ここではその詳細な説明については省略する。
演出モードフラグ223uaは、現在の演出モードを示すフラグである。この変動パターンコマンドに応じて変動表示態様を決定する際は、この演出モードフラグ223uaにより示される演出モードに応じた変動表示態様が選択される。
<第21制御例における主制御装置の制御処理について>
次に、図659から図662を参照して、本第21制御例における主制御装置110のMPU201により実行される各種制御処理について説明する。まず、図659を参照して、本第21制御例における特別図柄変動パターン選択処理21(S30261A)の詳細について説明する。この特別図柄変動パターン選択処理21(S30261A)は、上述した第19制御例(および第13制御例)における特別図柄変動パターン選択処理13(図454参照)に代えて実行される処理であり、特別図柄変動パターン選択処理13(図454参照)と同様に、特別図柄の抽選が実行された場合に、抽選結果に応じた変動パターンを設定するための処理である。図659は、この特別図柄変動パターン選択処理21(S30261A)を示したフローチャートである。
この第21制御例における特別図柄変動パターン選択処理21(図659参照)のうち、S8201,S8203、およびS8205〜S8209の各処理では、それぞれ上述した第19制御例における特別図柄変動パターン選択処理19(図454参照)のS8201,S8203、およびS8205〜S8209の各処理と同一の処理が実行される。また、本第21制御例における特別図柄変動パターン選択処理21(図659参照)では、S8201の処理において特別図柄の抽選結果が大当たりであると判別された場合(S8201:Yes)、大当たり種別選択16テーブル202pdより今回の大当たり種別を決定し(S38261A)、処理をS8203へと移行する。
また、本第21制御例における特別図柄変動パターン選択処理21(図659参照)では、S8209の処理において、時短図柄当選に対応する抽選結果であると判別した場合に(S8209:Yes)、時短当たり種別選択19テーブル202si(図629(a)参照)を参照して時短当たりの種別を特定し(S38262A)、処理をS8203へと移行する。
更に、本第21制御例における特別図柄変動パターン選択処理21(図659参照)では、S8203の処理が終了すると、シナリオ用カウンタ203uaの値に1を加算して更新し(S38263A)、次に、シナリオ格納エリア203sbのデータに基づいて現在設定されている変動パターンシナリオを読み出す(S38264A)。S38264Aの処理が終了すると、読み出した変動パターンシナリオに基づいて現在の遊技状態、特別図柄の抽選結果、およびシナリオ用カウンタ203uaの値に対応する変動パターン選択テーブルを特定して(S38265A)、処理をS8205へと移行する。
次に、図660を参照して、本第21制御例における更新処理21(S241A)について説明する。この更新処理21(S241A)は、上述した第19制御例(および第16制御例)における更新処理16(図525参照)に代えて実行される処理であり、更新処理16(図525参照)と同様に、特別図柄の変動停止時に遊技状態の更新を行うための処理である。
この第21制御例における更新処理21(図660参照)のうち、S8301〜S8307、およびS8313の各処理では、それぞれ第19制御例(および第16制御例)における更新処理16(図525参照)のS8301〜S8307、およびS8313の各処理と同一の処理が実行される。また、本第21制御例における更新処理21(図660参照)では、S8306の処理が終了すると、通常時短フラグ203ubがオンであるか否かを判別し(S8321)、オンであると判別した場合は(S8321:Yes)、次いで、シナリオ格納エリア203sbに対して時短終了後用テーブル202uj3を参照して変動パターン選択テーブルを特定するシナリオを示すデータを格納する(S8322A)。S8322Aの処理が終了すると、通常時短フラグ203ubをオフに設定し(S8323)、シナリオ用カウンタ203saの値を0にリセットして(S8324A)、処理をS8313へと移行する。これに対し、S8321Aの処理において、通常時短フラグ203ubがオフであると判別した場合は、処理をS8307へと移行する。
また、本第21制御例における更新処理21(図660参照)では、S8307の処理が終了すると、上述した第19制御例における天井判定処理19(図631参照)に代えて天井判定処理21を実行し(S8325)、本処理を終了する。この天井判定処理21(S8325)の詳細については、図661を参照して後述する。
この更新処理21(図660参照)を実行することにより、通常時短状態が終了した場合に、時短終了後用の変動パターンシナリオを設定することができるので、通常時短状態のエンディング演出やリーチ演出に発展した際の期待度が向上する特殊モード等を形成することができる。
次に、図661を参照して、上述した天井判定処理21(S8325A)の詳細について説明する。この天井判定処理21(S8325A)は、上述した通り、第19制御例における天井判定処理19(図631参照)に代えて実行される処理であり、天井判定処理19(図631参照)と同様に、特別図柄の抽選回数から天井抽選回数への到達有無を判別し、天井抽選回数に到達した場合に時短状態を発生させるための処理である。
この第21制御例における天井判定処理21(図661参照)のうち、S38101〜S38105,S38112A〜S38114A,S38117A,S38121A〜S38123A、およびS38126Aの各処理では、上述した第19制御例における天井判定処理19(図631参照)におけるS38101〜S38105,S38112A〜S38114A,S38117A,S38121A〜S38123A、およびS38126Aの各処理と同一の処理が実行される。
また、本第21制御例における天井判定処理21(図661参照)では、S38114Aの処理が終了すると、特図抽選カウンタ203laの値、およびシナリオ用カウンタ203uaの値を0にクリアし(S38131)、天井時短待機フラグ203sa、および通常時短フラグ203ubをオンに設定して(S38132)、処理をS38126Aへと移行する。
次に、図662を参照して、本第21制御例における立ち上げ処理の詳細について説明する。この立ち上げ処理は、上述した第19制御例における立ち上げ処理と同様に、パチンコ機10に対する電源投入に基づいて実行される処理である。図662は、この第21制御例における立ち上げ処理を示すフローチャートである。
この第21制御例における立ち上げ処理のうち、S1701〜S1712,S1721A,S1751A,S1752A,S31701A、およびS31702Aの各処理では、それぞれ第19制御例における立ち上げ処理(図632参照)のS1701〜S1712,S1721A,S1751A,S1752A,S31701A、およびS31702Aの各処理と同一の処理が実行される。
また、本第21制御例における立ち上げ処理(図662参照)では、S1712の処理が終了すると、RAM203の使用RAM領域のうち、特図抽選カウンタ203la、シナリオ用カウンタ203ua、シナリオ格納エリア203sb以外の記憶領域をクリアし(S1761A)、RAM203のうち、特図抽選カウンタ203la、シナリオ用カウンタ203ua、シナリオ格納エリア203sb以外の記憶領域に対して初期値を設定して(S1762A)、処理をS1710へと移行する。これにより、RAMクリア操作を伴う電源投入が行われた場合にも、天井抽選回数までの残りの抽選回数や変動パターンシナリオの進行状況等を維持することができる。
<第21制御例における音声ランプ制御装置の制御処理について>
次に、図663、および図664を参照して、本第21制御例における音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される各種制御処理について説明する。まず、図663を参照して、本第21制御例における演出態様設定処理21(S5011A)について説明する。この演出態様設定処理21(S5011A)は、上述した第19制御例における演出態様設定処理19(図634参照)に代えて実行される処理であり、第19制御例における演出態様設定処理19(図634参照)と同様に、変動パターンコマンドを受信した場合に、当該受信した変動パターンコマンドにより通知された変動種別に応じた変動表示態様を設定するための処理である。
この第21制御例における演出態様設定処理21(図663参照)のうち、S34401,S34403,S34407、およびS34431A〜S34448Aの各処理では、それぞれ第19制御例における演出態様設定処理19(図634参照)のS34401,S34403,S34407、およびS34431A〜S34448Aの各処理と同一の処理が実行される。また、本第21制御例における演出態様設定処理21(図663参照)では、S34447Aの処理が終了すると、演出モードフラグ223uaを通常時短状態のエンディング演出用の値に更新して(S34451A)、処理をS34407へと移行する。
次に、図664を参照して、本第21制御例における天井関連演出設定処理21(S34561A)の詳細について説明する。この天井関連演出設定処理21(S34561A)は、上述した第19制御例における天井関連演出設定処理(図637参照)に代えて実行される処理であり、第19制御例における天井関連演出設定処理(図637参照)と同様に、天井に関連する演出態様を設定するための処理である。
この第21制御例における天井関連演出設定処理21(図664参照)のうち、S34571A、およびS34573A〜S34575Aの各処理では、それぞれ上述した第19制御例における天井関連演出設定処理(図664参照)のS34571A、およびS34573A〜S34575Aの各処理と同一の処理が実行される。また、本第21制御例における天井関連演出設定処理21(図664参照)では、S34571Aの処理において今回の変動パターンが天井煽り用の変動パターンではないと判別した場合に(S34571A:No)、受信した変動パターンと演出モードフラグ223uaが示す演出モードとに応じた演出態様を決定し(S34581A)、演出モードの切り替わりタイミングであるか否かを判別する(S34582A)。具体的には、演出モードが通常時短状態の終了後のエンディング演出用のモードであり、第2特別図柄の保留球が0になった場合は、修行ゾーンを示す状態に更新し、通常時短状態の終了後における特別図柄の抽選回数が20回となった場合は、通常の演出モードを示す状態に更新する。
S34582Aの処理において、演出モードの切り替わりタイミングであると判別した場合は(S34582A:Yes)、演出モードフラグ223uaを切り替わり後の演出モードに対応する状態に更新して(S34583A)、本処理を終了する。これに対して、S34582Aの処理において、演出モードの切り替わりタイミングではないと判別した場合は(S34582A:No)、S34583Aの処理をスキップして、そのまま本処理を終了する。
以上説明した通り、本第21制御例におけるパチンコ機10では、天井抽選回数に到達したことに基づいて設定される時短状態や、時短図柄に当選したことに基づいて設定される時短状態(通常時短状態)の終了を契機として、変動パターンシナリオを切り替える構成とし、変動時間に応じて設定される変動表示態様も異ならせることにより、特殊な演出モードを形成するように構成した。このように構成することで、大当たりを介さずに設定された時短状態が終了した(賞球を何ら獲得することなく有利な時短状態が終了した)場合に、特殊な演出モードを形成することで、遊技者の落胆を緩和すると共に、特殊な演出モードが終了するまでの間、遊技を継続しようと思わせることを可能に構成した。これにより、時短状態の終了後におけるパチンコ機10の稼働率を向上させることができる。
なお、本第21制御例では、大当たり終了時、天井抽選回数到達時、および通常時短状態の終了時に変動パターンシナリオを再設定する構成としていたが、これに限られるものではない。大当たり終了後に設定される時短状態が終了した場合にも、変動パターンシナリオを再セットする構成としてもよい。このように構成することで、大当たり終了後に設定された時短状態が終了した場合にも、特殊な演出モードを形成することができるので、特殊な演出モードが設定されている間は、遊技を継続しようと思わせ易く構成することができる。よって、パチンコ機10の稼働率をより向上させることができる。なお、大当たり終了後に設定される時短状態の終了タイミングは固定化されている(大当たり終了後100回で終了する)ため、時短状態や確変状態が終了した時点における天井抽選回数までの残回数は毎回共通(400回)となる。よって、大当たり終了後の時短状態が終了した場合に設定する変動パターンシナリオにおいては、シナリオセット後の抽選回数が250回、300回、及び350回で天井煽り用の変動パターンテーブル(天井煽り用テーブル202sb3)を参照する構成とすることで、天井抽選回数までの残回数が150回、100回、および50回のタイミングで天井煽り用の演出を実行することができる。つまり、上述した第19制御例や第21制御例と同一の挙動を実現することができる。
上述した第19制御例から第21制御例では、RAMクリア操作を伴う電源投入が行われた場合に、RAM203の一部のデータが初期化されることを回避する構成としていた。この場合において、初期化されることを回避するデータを格納するアドレスを固定化する構成としてもよい。つまり、第19制御例において初期化が回避されるシナリオ格納エリア203sbおよび特図抽選カウンタ203la、第20制御例において初期化が回避されるシナリオ格納エリア203sbおよびシナリオ用カウンタ203tb、第21制御例において初期化が回避される特図抽選カウンタ203la、シナリオ格納エリア203sb、およびシナリオ用カウンタ203uaを、RAM203の固定のアドレス範囲に格納する構成としてもよい。このように構成した場合、少なくとも第19制御例から第21制御例の各仕様のうち1の仕様のパチンコ機10をベースとして、他の仕様のパチンコ機10を開発する際に、プログラムの転用を容易にすることができる。つまり、主制御装置110の立ち上げ処理(図637、図647、図662参照)に対応するプログラムを転用先の仕様に合わせて書き替える際に、RAMクリア操作を伴う電源投入が行われた場合に初期化が回避されるアドレス範囲を共通化することができるので、この部分のプログラムを変更する必要がなくなり、プログラム開発者の手間を少なくすることができる。また、プログラムの変更する必要がなくなることにより、初期化が回避されるアドレスとしてプログラム開発段階で誤ったアドレスに書き替えられてしまうことを抑制できるので、パチンコ機10の誤動作を抑制することができる。
<第22制御例>
次に、図665から図734を参照し、第22制御例におけるパチンコ機10について説明する。従来より、遊技者が選択ボタン(操作手段)を操作することにより、パチンコ機10の光量(LEDの輝度や、液晶ディスプレイのバックライトの明るさ)を調整可能な光量調整機能を有するものがある。この光量調整機能を用いることにより、特別図柄抽選の結果を示すための変動演出や、大当たり当選時に実行される大当たり遊技中の大当たり遊技演出や、設定されている遊技状態を示すための状態演出の明るさ(装飾用LEDの輝度や、第3図柄表示装置81として用いられる液晶ディスプレイのバックライトの明るさ)を、遊技者が任意の明るさに調整することができるため、遊技者が所望する快適な演出を提供することができるものであった。しかしながら、従来型のパチンコ機10では、待機期間(特別図柄抽選が実行されておらず、且つ、当たり遊技が実行されていない期間)中において光量を調整可能とするものが一般的であり、光量調整機能を用いて光量を調整する時点において発光している装飾用LEDの輝度や、待機画面が表示されている液晶ディスプレイのバックライトの明るさの可変度合いを目視確認しながら所望する光量へと調整するものであった。
ここで、近年、遊技者が遊技を実行していない待機画面(デモ画面)表示中は、パチンコ機10全体の光量を抑えることで、パチンコ機10の省エネ化を図るものがある。また、遊技者の遊技中であっても、実行される演出に対する大当たり期待度に対応させて、パチンコ機10全体の光量を可変させることにより、遊技者に対してメリハリのある演出を実行可能とすると共に、実行中の演出の内容に遊技者を注視させるタイミング(例えば、大当たり当選の有無を報知するタイミングや、当たり遊技の内容を報知するタイミング)においてはパチンコ機10全体の光量を高めることにより遊技者が演出を見逃してしまうことを抑制可能に構成しているものがある。
このように構成された従来型のパチンコ機10では、待機画面中であるパチンコ機10の光量、即ち、遊技中とは異なる(遊技中よりも低く設定されている)光量を基準に光量調整操作を行うことになるため、実際に遊技を実行した場合に、所望する光量と設定した光量とが乖離していることに気付き、再度、遊技者に光量調整操作を行わせてしまうという問題があった。
これに対して、本第22制御例では、待機画面中に実行される光量調整操作時に、比較的高輝度なLEDが設けられた装飾用可動役物(剣役物Ym3)を光量調整位置へと可動させ、装飾用可動役物(剣役物Ym3)のLEDを発光させた状態で光量調整可能に構成している。つまり、遊技が実行されていない状態であっても、変動演出に用いられる装飾用可動役物(剣役物Ym3)を用いて光量調整可能に構成している。このように構成することで、遊技者の所望する光量へと適切に調整し易くすることができる。
また、本第22制御例では、実際の変動演出にて可変される可変位置(第3図柄表示装置81の表示面を覆う位置)へと装飾用可動役物(剣役物Ym3)を可変させた状態を環境調整位置とし、環境調整位置に位置する装飾用可動役物(剣役物Ym3)に備えられている発光手段(LED)を発光させるように構成している。
従来型のパチンコ機10では、特別図柄抽選の結果を示すための変動演出の演出態様として、大当たり当選の有無を報知するタイミングや、大当たり当選の期待度が高い演出態様へと変動演出の内容が切り替わるか否かを報知するタイミングにおいて、装飾用可動役物を可動させることで遊技者に実行中の変動演出を注視させるものがある。この場合、パチンコ機10に設けられた装飾用の発光手段(LED)の光量を高めた発光演出を併せて実行するのが一般的である。
つまり、本第22制御例によれば、実際の変動演出にて装飾用可動役物(剣役物Ym3)を可動させた状態と同様の状態を疑似的に再現し、その状態において光量調整操作を実行可能に構成している。このように構成することで、眩しすぎる演出が実行されることを抑制するために、光量調整操作を実行し、光量を下げようとする遊技者に対して、比較的光量の高い演出を基準に光量調整を行わせることが可能となるため、遊技者の所望する光量へと適切に調整し易くすることができる。
また、本第22制御例では、待機画面中だけで無く、特別図柄変動が実行されている最中や、大当たり遊技が実行されている最中、即ち、遊技者が遊技を実行している遊技期間内においても光量調整操作を実行可能に構成しており、遊技期間中において光量調整操作を実行した場合には、装飾用可動役物(剣役物Ym3)を環境調整位置へと可動させること無く、光量調整が実行されるように構成している。このように構成することで、遊技期間中に実行される光量調整操作に基づいて装飾用可動役物(剣役物Ym3)が可動してしまい、変動演出の一環として装飾用可動役物(剣役物Ym3)が可動したと遊技者に誤解を与えてしまうことを抑制することができる。
ここで、遊技者が待機画面表示中に光量調整操作を実行している状態、即ち、装飾用可動役物(剣役物Ym3)が環境調整位置に位置している状態で操作ハンドル21を操作し、第1入球口64へと遊技球を入球させた場合には、光量調整操作中に第1特別図柄変動が開始し、第3図柄表示装置81の表示画面では、実行された第1特別図柄変動に対応する変動演出が実行される事象が発生することになる。
この場合、装飾用可動役物(剣役物Ym3)を環境調整位置に位置させた状態を、光量調整操作が終了するまで継続させてしまうと、環境調整位置に位置している装飾用可動役物(剣役物Ym3)が、第3図柄表示装置81の表示画面にて実行されている変動演出と重なってしまい、遊技者に分かり難い演出を提供してしまうという問題があった。また、変動演出の一環として装飾用可動役物(剣役物Ym3)が可動し得る位置を環境調整位置としているため、光量調整操作に基づいて環境調整位置に位置している装飾用可動役物(剣役物Ym3)が、変動演出として可動していると遊技者に誤解を与えてしまうという問題があった。
そこで、本第22制御例では、装飾用可動役物(剣役物Ym3)が環境調整位置に位置している状態で特別図柄変動が開始された場合(遊技が実行された場合)には、光量調整操作を継続させながら、装飾用可動役物(剣役物Ym3)を環境調整位置から初期位置(格納位置)へと可動させるように構成している。
このように構成することで、待機画面中に光量調整操作を実行している最中に特別図柄変動が開始された場合であっても、違和感の無い演出を遊技者に提供することができる。
より具体的に説明をすると、特別図柄変動が実行されることに基づいて装飾用可動役物(剣役物Ym3)を環境調整位置から初期位置(格納位置)へと可動させる場合には、装飾用可動役物(剣役物Ym3)を可動させる前に、光量確認用として発光させていた装飾用可動役物(剣役物Ym3)の発光手段(LED)を消灯させる消灯制御を実行し、LEDが全消灯している状態で装飾用可動役物(剣役物Ym3)を初期位置へと可動させる可動制御を実行するように構成している。
このように構成することで、装飾用可動役物(剣役物Ym3)を環境調整位置から初期位置へと可動させている間は、装飾用可動役物の発光手段(LED)が点灯していない状態とすることができるため、変動演出の一環として装飾用可動役物(剣役物Ym3)が可動していないことを遊技者に分かり易く把握させることができる。
また、本第22制御例では、装飾用可動役物(剣役物Ym3)が環境調整位置に位置している状態で実行された光量調整操作が完了し、装飾用可動役物(剣役物Ym3)が初期位置(格納位置)へと格納された場合には、その後10秒間の間、剣役物Ym3が可動されない期間を設定可能に構成している。
具体的には、待機画面中における光量調整操作が完了した直後に、再度、光量調整操作を実行した場合には、装飾用可動役物(剣役物Ym3)が可動すること無く、光量調整操作画面が表示される態様の光量調整操作が実行されることになる。また、装飾用可動役物(剣役物Ym3)が環境調整位置に位置している状態で特別図柄変動が開始された場合(遊技が実行された場合)には、その特別図柄変動に対応する変動演出の演出パターンとして、装飾用可動役物(剣役物Ym3)が可動されることの無い演出パターンが決定されるように構成している。
このように構成することで、短期間の間に装飾用可動役物(剣役物Ym3)に対する可動制御が実行されてしまうことを抑制することができるため、剣役物Ym3が頻繁に可動してしまい、剣役物Ym3が故障してしまう事態が発生することを抑制することができる。加えて、剣役物Ym3が可動可能な状態となるよりも前に次の剣役物Ym3に対する可動制御が実行され、剣役物Ym3の可動期間にズレが発生したり、正常な可動動作が実行されなかったりする事態が発生することを抑制することができる。
次に、上述した各制御例では、獲得した保留球数を示す保留図柄を液晶画面に表示させ、その保留球の抽選結果を先読み(事前判別)した結果に基づいてその保留球に対応する保留図柄の表示態様を変化させることで、遊技者に対して先読みの結果を報知する演出(保留変化演出)を第3図柄表示装置81のみで行う構成であった。
これに対して、本第22制御例のパチンコ機10では、この保留変化演出が実行される場合に、役物を用いて第3図柄表示装置81に表示されている変化対象の保留図柄以外の保留図柄を覆い隠す構成としている。このように構成することで、どの保留図柄が変化対象なのかを遊技者に対して明確にすることができる。
より具体的に説明すると、本第22制御例における保留変化演出では、2つの装飾用可動役物(左チェンジ役物Ym1と右チェンジ役物Ym2、図672(b)参照)によって、表示装置において保留図柄が表示されている表示領域を覆い隠すことが可能に構成しており、この装飾用可動役物(チェンジ役物Ym1,Ym2)の可変位置によって、保留図柄の表示領域を、遊技者が視認可能な部分と視認困難な部分に分けることが可能である。これにより、変化対象の保留図柄が表示された表示領域のみを遊技者に視認可能な状態とし、変化対象の保留図柄を遊技者に分かり易くすることができる。
ここで、従来より、派手なエフェクトを用いた保留変化演出を実行し、遊技者を保留変化演出に注目させるものがある。例えば、変化対象の保留図柄を激しく発光させた後、保留図柄の表示態様を変化させる演出である。このような保留変化演出において、変化対象の保留図柄の他に保留図柄が表示されている場合に、保留変化演出のエフェクトが変化対象の保留図柄に隣接して表示されている保留図柄に重なって表示されることで、遊技者に変化対象の保留図柄を勘違いさせてしまう虞がある。もし、表示されている複数の保留図柄の内、変化対象の保留図柄に隣接する保留図柄が変化した方が遊技者にとって望ましい状態(例えば、変化対象の保留図柄が白色の保留図柄(通常保留図柄)で、隣接する保留図柄が緑色の保留図柄(変化すると最も大当たり期待度が高い赤色の保留図柄になる保留図柄))である場合に、このような勘違いが生起することで、遊技者をぬか喜びさせることになり、遊技者の遊技意欲低下に繋がる虞があった。
これに対して、本第22制御例のパチンコ機10では、保留変化演出においてチェンジ役物Ym1,Ym2を用いて、第3図柄表示装置81に表示されている変化対象以外の保留図柄を覆い隠す構成とすることで、どの保留図柄が変化対象なのかを遊技者に明確にし、遊技者が変化対象の保留図柄を勘違いすることを抑制することができる。
また、本第22制御例では、保留変化演出が開始されるまでは装飾用可動役物(チェンジ役物Ym1,Ym2)を第3図柄表示装置81と重ならない位置である初期位置(図669(a)参照)とし、保留変化演出が開始されると、初期位置から装飾用可動役物(チェンジ役物Ym1,Ym2)の動作シナリオに応じた動作位置に動作をする構成としている。
具体的には、装飾用可動役物(チェンジ役物Ym1,Ym2)は初期位置から直接、変化対象以外の保留図柄が表示されている表示領域を視認困難な状態とするのではなく、段階的に視認可能な保留図柄を、4個から2個、そして2個から1個へと狭めていく動作を行う構成としている。
このように構成することで、保留変化演出の開始から保留変化演出の終了までの期間で遊技者にどの保留図柄が変化するのか段階的に予測させる楽しみを提供することが可能となり、遊技者に装飾用可動役物(チェンジ役物Ym1,Ym2)がどのように動くのかに興味を持たせることで、遊技の興趣を向上させることができる。
さらに、本第22制御例では、保留図柄が複数表示されている場合に、隣接する保留図柄の表示態様が、変化対象の保留図柄の表示態様に反映される構成としている。
より具体的に説明すると、本第22制御例では、1つの保留図柄に対して全7色(白、青、黄、紫、緑、赤、虹)の中から1色が付与され、付与された色がその保留図柄の保留色となる。本第22制御例における保留変化演出では、変化対象の保留図柄の保留色を、隣接する保留図柄の保留色から移植させることによって可変させることが可能であり、例えば、変化対象の保留図柄が「青」であり、1つ前に表示されている保留図柄が「黄」である場合には、変化対象の保留図柄に1つ前の保留図柄から「黄」が移植されることによって、変化対象の保留図柄が「緑」に可変し、1つ前の保留図柄は「白」に可変する。なお、この場合、保留色「緑」は、保留色「青」と「白」よりも大当たり当選の期待度が高い場合に表示され易い保留色であるため、「緑」は「青」と「白」よりも上位の保留色となる。
一方、変化対象の保留図柄が「青」であり、1つ前の保留図柄が「白」である場合には、保留色が移植されても上位の保留色に変化し得ないが、変化対象の保留図柄の次に表示される保留図柄の保留色が「黄」であれば、変化対象の保留図柄に次の保留図柄から「黄」が移植されることによって、変化対象の保留図柄を「緑」とすることが可能な構成としている。
このように構成することで、表示されている保留図柄の保留色が大当たり当選の期待度の低い保留色であっても、新たに保留図柄を獲得することにより、上位の保留色に可変させることができるかもしれないと遊技者に思わせることが可能となり、保留図柄を獲得するために意欲的に遊技を行わせることができる。
<第22制御例におけるパチンコ機10の遊技盤13の構成について>
図665は、第22制御例におけるパチンコ機10の正面図であり、図666はパチンコ機10の遊技盤13の正面図であり、図667はパチンコ機10の背面図である。
図665に示すように、パチンコ機10は、略矩形状に組み合わせた木枠により外殻が形成される外枠11と、その外枠11と略同一の外形形状に形成され外枠11に対して開閉可能に支持された内枠12とを備えている。外枠11には、内枠12を支持するために正面視(図665参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ18が取り付けられ、そのヒンジ18が設けられた側を開閉の軸として内枠12が正面手前側へ開閉可能に支持されている。
内枠12には、多数の釘や入賞口63,64等を有する遊技盤13(図666参照)が裏面側から着脱可能に装着される。この遊技盤13の正面を球(遊技球)が流下することにより弾球遊技が行われる。なお、内枠12には、球を遊技盤13の正面領域に発射する球発射ユニット112a(図687参照)やその球発射ユニット112aから発射された球を遊技盤13の正面領域まで誘導する発射レール(図示せず)等が取り付けられている。
内枠12の正面側には、その正面上側を覆う正面枠14と、その下側を覆う下皿ユニット15とが設けられている。正面枠14及び下皿ユニット15を支持するために正面視(図665参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ19が取り付けられ、そのヒンジ19が設けられた側を開閉の軸として正面枠14及び下皿ユニット15が正面手前側へ開閉可能に支持されている。なお、内枠12の施錠と正面枠14の施錠とは、シリンダ錠20の鍵穴21に専用の鍵を差し込んで所定の操作を行うことでそれぞれ解除される。
正面枠14は、装飾用の樹脂部品や電気部品等を組み付けたものであり、その略中央部には略楕円形状に開口形成された窓部14cが設けられている。正面枠14の裏面側には2枚の板ガラスを有するガラスユニット16が配設され、そのガラスユニット16を介して遊技盤13の正面がパチンコ機10の正面側に視認可能となっている。
正面枠14には、球を貯留する上皿17が前方へ張り出して上面を開放した略箱状に形成されており、この上皿17に賞球や貸出球などが排出される。上皿17の底面は正面視(図665参照)右側に下降傾斜して形成され、その傾斜により上皿17に投入された球が球発射ユニット112aへと案内される。また、上皿17の上面には、演出ボタン22(図668(a)参照)と選択スイッチ600(図668(b)参照)が設けられている。この演出ボタン22は、例えば、後述する第3図柄表示装置81(図666参照)で表示される演出や背景などを可変させる場合などに、遊技者により操作される。
選択スイッチ600は、図668(b)に示すように、演出等の選択を決定する決定スイッチ600a、上方向の選択を指示するための上スイッチ600b、右方向の選択を指示するための右スイッチ600c、下方向の選択を指示するための下スイッチ600d、左方向の選択を指示するための左スイッチ600eで構成されている。
正面枠14には、その周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて、点灯又は点滅することにより発光態様が変更制御され、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。窓部14cの周縁には、LED等の発光手段を内蔵した電飾部29〜33が設けられている。パチンコ機10においては、これら電飾部29〜33が大当たりランプ等の演出ランプとして機能し、大当たり時やリーチ演出時等には内蔵するLEDの点灯や点滅によって各電飾部29〜33が点灯または点滅して、大当たり中である旨、或いは大当たり一歩手前のリーチ中である旨が報知される。また、正面枠14の正面視(図665参照)左上部には、LED等の発光手段が内蔵され賞球の払い出し中とエラー発生時とを表示可能な表示ランプ34が設けられている。
また、右側の電飾部32下側には、正面枠14の裏面側を視認できるように裏面側より透明樹脂を取り付けて小窓35が形成され、遊技盤13正面の貼着スペースK1(図666参照)に貼付される証紙等がパチンコ機10の正面から視認可能とされている。また、パチンコ機10においては、より煌びやかさを醸し出すために、電飾部29〜33の周りの領域にクロムメッキを施したABS樹脂製のメッキ部材36が取り付けられている。
窓部14cの下方には、貸球操作部40が配設されている。貸球操作部40には、度数表示部41と、球貸しボタン42と、返却ボタン43とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)(図示せず)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部40が操作されると、その操作に応じて球の貸出が行われる。具体的には、度数表示部41はカード等の残額情報が表示される領域であり、内蔵されたLEDが点灯して残額情報として残額が数字で表示される。球貸しボタン42は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿17に供給される。返却ボタン43は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿17に球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部40が不要となるが、この場合には、貸球操作部40の設置部分に飾りシール等を付加して部品構成は共通のものとしても良い。カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との共通化を図ることができる。
上皿17の下側に位置する下皿ユニット15には、その左側部に上皿17に貯留しきれなかった球を貯留するための下皿50が上面を開放した略箱状に形成されている。下皿50の右側には、球を遊技盤13の正面へ打ち込むために遊技者によって操作される操作ハンドル51が配設される。
操作ハンドル51の内部には、球発射ユニット112aの駆動を許可するためのタッチセンサ51aと、押下操作している期間中には球の発射を停止する発射停止スイッチ51bと、操作ハンドル51の回動操作量(回動位置)を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器(図示せず)などが内蔵されている。操作ハンドル51が遊技者によって右回りに回動操作されると、タッチセンサ51aがオンされると共に可変抵抗器の抵抗値が回動操作量に対応して変化し、その可変抵抗器の抵抗値に対応した強さ(発射強度)で球が発射され、これにより遊技者の操作に対応した飛び量で遊技盤13の正面へ球が打ち込まれる。また、操作ハンドル51が遊技者により操作されていない状態においては、タッチセンサ51aおよび発射停止スイッチ51bがオフとなっている。
下皿50の正面下方部には、下皿50に貯留された球を下方へ排出する際に操作するための球抜きレバー52が設けられている。この球抜きレバー52は、常時、右方向に付勢されており、その付勢に抗して左方向へスライドさせることにより、下皿50の底面に形成された底面口が開口して、その底面口から球が自然落下して排出される。この球抜きレバー52の操作は、通常、下皿50の下方に下皿50から排出された球を受け取る箱(一般に「千両箱」と称される)を置いた状態で行われる。下皿50の右方には、上述したように操作ハンドル51が配設され、下皿50の左方には灰皿(図示せず)が取り付けられている。
図666に示すように、遊技盤13は、正面視略正方形状に切削加工したベース板60に、球案内用の多数の釘(図示せず)や風車(可動部材310を図示し、その他は図示せず)の他、レール61,62、一般入賞口63、第1入賞口64、第2入賞口640、第1可変入賞装置65、第2可変入賞装置(図示せず)、普通図柄始動口(スルーゲート)67、可変表示装置ユニット80等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠12(図665参照)の裏面側に取り付けられる。ベース板60は光透過性の樹脂材料からなり、その正面側からベース板60の後面側に配設された各種構造体を遊技者に視認させることが可能に形成される。一般入賞口63、第1入賞口64、第2入賞口640、第1可変入賞装置65、第2可変入賞装置(図示せず)、可変表示装置ユニット80は、ルータ加工によってベース板60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤13の正面側からタッピングネジ等により固定されている。
遊技盤13の正面中央部分は、正面枠14の窓部14c(図665参照)を通じて内枠12の正面側から視認することができる。以下に、主に図666を参照して、遊技盤13の構成について説明する。
遊技盤13の正面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した外レール62が植立され、その外レール62の内側位置には外レール62と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レール61が植立される。この内レール61と外レール62とにより遊技盤13の正面外周が囲まれ、遊技盤13とガラスユニット16(図665参照)とにより前後が囲まれることにより、遊技盤13の正面には、球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤13の正面であって2本のレール61,62とレール間を繋ぐ樹脂製の外縁部材73とにより区画して形成される領域(入賞口等が配設され、発射された球が流下する領域)である。
2本のレール61,62は、球発射ユニット112a(図687参照)から発射された球を遊技盤13上部へ案内するために設けられたものである。内レール61の先端部分(図666の左上部)には戻り球防止部材68が取り付けられ、一旦、遊技盤13の上部へ案内された球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。外レール62の先端部(図666の右上部)には、球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴム69が取り付けられ、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴム69に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される。
遊技領域の正面視左側下部(図666の左側下部)には、発光手段である複数のLED及び7セグメント表示器を備える第1図柄表示装置37A,37Bが配設されている。第1図柄表示装置37A,37Bは、主制御装置110(図687参照)で行われる各制御に応じた表示がなされるものであり、主にパチンコ機10の遊技状態の表示が行われる。本第22制御例では、第1図柄表示装置37A,37Bは、球が、第1入賞口64へ入賞したか、第2入賞口640へ入賞したかに応じて使い分けられるように構成されている。具体的には、球が、第1入賞口64へ入賞した場合には、第1図柄表示装置37Aが作動し、一方で、球が、第2入賞口640へ入賞した場合には、第1図柄表示装置37Bが作動するように構成されている。
また、第1図柄表示装置37A,37Bは、LEDにより、パチンコ機10が確変中か時短中か通常中であるかを点灯状態により示したり、変動中であるか否かを点灯状態により示したり、停止図柄が確変大当たりに対応した図柄か普通大当たりに対応した図柄か外れ図柄であるかを点灯状態により示したり、保留球数を点灯状態により示すと共に、7セグメント表示装置により、大当たり中のラウンド数やエラー表示を行う。なお、複数のLEDは、それぞれのLEDの発光色(例えば、赤、緑、青)が異なるよう構成され、その発光色の組み合わせにより、少ないLEDでパチンコ機10の各種遊技状態を示唆することができる。
尚、本パチンコ機10では、第1入賞口64及び第2入賞口640へ入賞があったことを契機として抽選が行われる。パチンコ機10は、その抽選において、大当たりか否かの当否判定(大当たり抽選)を行うと共に、大当たりと判定した場合はその大当たり種別の判定も行う。ここで判定される大当たり種別としては、15R確変大当たり、4R確変大当たり、15R通常大当たりが用意されている。第1図柄表示装置37A,37Bには、変動終了後の停止図柄として抽選の結果が大当たりであるか否かが示されるだけでなく、大当たりである場合はその大当たり種別に応じた図柄が示される。
ここで、「10R確変大当たり」とは、最大ラウンド数が10ラウンドの大当たりの後に特別図柄の高確率状態へ移行する確変大当たりのことであり、「3R確変大当たり」とは、最大ラウンド数が3ラウンドの大当たりの後に特別図柄の高確率状態へ移行する確変大当たりのことである。また、「3R時短大当たり」は、最大ラウンド数が3ラウンドの大当たりの後に、特別図柄の低確率状態へ移行すると共に、所定の変動回数の間(例えば、100変動回数)は時短状態となる大当たりのことである。
また、「高確率状態」とは、大当たり終了後に付加価値としてその後の大当たり確率がアップした状態、いわゆる確率変動中(確変中)の時をいい、換言すれば、特別遊技状態へ移行し易い遊技の状態のことである。本実施形態における高確率状態(確変中)は、後述する第2図柄の当たり確率がアップして第2入賞口640へ球が入賞し易い遊技の状態を含む。「低確率状態」とは、確変中でない時をいい、大当たり確率が通常の状態、即ち、確変の時より大当たり確率が低い状態をいう。また、「低確率状態」のうちの時短状態(時短中)とは、大当たり確率が通常の状態であると共に、大当たり確率がそのままで第2図柄の当たり確率のみがアップして第2入賞口640へ球が入賞し易い遊技の状態のことをいう。一方、パチンコ機10が通常中とは、確変中でも時短中でもない遊技の状態(大当たり確率も第2図柄の当たり確率もアップしていない状態)である。
確変中や時短中は、第2図柄の当たり確率がアップするだけではなく、第2入賞口640に付随する電動役物640aが開放される時間も変更され、通常中と比して長い時間が設定される。電動役物640aが開放された状態(開放状態)にある場合は、その電動役物640aが閉鎖された状態(閉鎖状態)にある場合と比して、第2入賞口640へ球が入賞しやすい状態となる。よって、確変中や時短中は、第2入賞口640へ球が入賞し易い状態となり、大当たり抽選が行われる回数を増やすことができる。
なお、確変中や時短中において、第2入賞口640に付随する電動役物640aの開放時間を変更するのではなく、または、その開放時間を変更することに加えて、1回の当たりで電動役物640aが開放する回数を通常中よりも増やす変更を行うものとしてもよい。また、確変中や時短中において、第2図柄の当たり確率は変更せず、第2入賞口640に付随する電動役物640aが開放される時間および1回の当たりで電動役物640aが開放する回数の少なくとも一方を変更するものとしてもよい。また、確変中や時短中において、第2入賞口640に付随する電動役物640aが開放される時間や、1回の当たりで電動役物640aを開放する回数はせず、第2図柄の当たり確率だけを、通常中と比してアップするよう変更するものであってもよい。
遊技領域には、球が入賞することにより5個から15個の球が賞球として払い出される複数の一般入賞口63が配設されている。また、遊技領域の中央部分には、可変表示装置ユニット80が配設されている。可変表示装置ユニット80には、第1入賞口64及び第2入賞口640への入賞(始動入賞)をトリガとして、第1図柄表示装置37A,37Bにおける変動表示と同期させながら、第3図柄の変動表示を行う液晶ディスプレイ(以下単に「表示装置」と略す)で構成された第3図柄表示装置81と、普通図柄始動口(スルーゲート)67の球の通過をトリガとして第2図柄を変動表示するLEDで構成される第2図柄表示装置(図示せず)とが設けられている。また、可変表示装置ユニット80には、第3図柄表示装置81の外周を囲むようにして、センターフレーム86が配設されている。
第3図柄表示装置81は9インチサイズの大型の液晶ディスプレイで構成されるものであり、表示制御装置114(図687参照)によって表示内容が制御されることにより、例えば上、中及び下の3つの図柄列が表示される。各図柄列は複数の図柄(第3図柄)によって構成され、これらの第3図柄が図柄列毎に横スクロールして第3図柄表示装置81の表示画面上にて第3図柄が可変表示されるようになっている。本実施形態の第3図柄表示装置81は、主制御装置110(図687参照)の制御に伴った遊技状態の表示が第1図柄表示装置37A,37Bで行われるのに対して、その第1図柄表示装置37A,37Bの表示に応じた装飾的な表示を行うものである。なお、表示装置に代えて、例えばリール等を用いて第3図柄表示装置81を構成するようにしても良い。
第2図柄表示装置は、球が普通図柄始動口(スルーゲート)67を通過する毎に表示図柄(第2図柄(図示せず))としての「○」の図柄と「×」の図柄とを所定時間交互に点灯させる変動表示を行うものである。パチンコ機10では、球が普通図柄始動口(スルーゲート)67を通過したことが検出されると、当たり抽選が行われる。その当たり抽選の結果、当たりであれば、第2図柄表示装置において、第2図柄の変動表示後に「○」の図柄が停止表示される。また、当たり抽選の結果、外れであれば、第2図柄表示装置において、第3図柄の変動表示後に「×」の図柄が停止表示される。
パチンコ機10は、第2図柄表示装置における変動表示が所定図柄(本実施形態においては「○」の図柄)で停止した場合に、第2入賞口640に付随された電動役物640aが所定時間だけ作動状態となる(開放される)よう構成されている。
第2図柄の変動表示にかかる時間は、遊技状態が通常中の場合よりも、確変中または時短中の方が短くなるように設定される。これにより、確変中および時短中は、第2図柄の変動表示が短い時間で行われるので、当たり抽選を通常中よりも多く行うことができる。よって、当たり抽選において当たりとなる機会が増えるので、第2入賞口640の電動役物640aが開放状態となる機会を遊技者に多く与えることができる。よって、確変中および時短中は、第2入賞口640へ球が入賞しやすい状態とすることができる。
なお、確変中または時短中において、当たり確率を高める、1回に当たりに対する電動役物640aの開放時間や開放回数を増やすなど、その他の方法によっても、確変中または時短中に第2入賞口640へ球が入賞しやすい状態としている場合は、第2図柄の変動表示にかかる時間を遊技状態にかかわらず一定としてもよい。一方、第2図柄の変動表示にかかる時間を、確変中または時短中において通常中よりも短く設定する場合は、当たり確率を遊技状態にかかわらず一定にしてもよいし、また、1回の当たりに対する電動役物640aの開放時間や開放回数を遊技状態にかかわらず一定にしてもよい。
普通図柄始動口(スルーゲート)67は、可変表示装置ユニット80の下側の領域における右方において遊技盤に組み付けられ、遊技盤に発射された球のうち、遊技盤の右方を流下する球の一部が通過可能に構成されている。普通図柄始動口(スルーゲート)67を球が通過すると、第2図柄の当たり抽選が行われる。当たり抽選の後、第2図柄表示装置にて変動表示を行い、当たり抽選の結果が当たりであれば、変動表示の停止図柄として「○」の図柄を表示し、当たり抽選の結果が外れであれば、変動表示の停止図柄として「×」の図柄を表示する。
球の普通図柄始動口(スルーゲート)67の通過回数は、合計で最大4回まで保留され、その保留球数が上述した第1図柄表示装置37A,37Bにより表示されると共に第2図柄保留ランプ(図示せず)においても点灯表示される。第2図柄保留ランプは、最大保留数分の4つ設けられ、第3図柄表示装置81の下方に左右対称に配設されている。
なお、第2図柄の変動表示は、本第22制御例のように、第2図柄表示装置において複数のランプの点灯と非点灯を切り換えることにより行うものの他、第1図柄表示装置37A,37B及び第3図柄表示装置81の一部を使用して行うようにしても良い。同様に、第2図柄保留ランプの点灯を第3図柄表示装置81の一部で行うようにしても良い。また、普通図柄始動口(スルーゲート)67の球の通過に対する最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、普通図柄始動口(スルーゲート)67の組み付け数は1つに限定されるものではなく、複数(例えば、2つ)であっても良い。また、普通図柄始動口(スルーゲート)67の組み付け位置は可変表示装置ユニット80の右方に限定されるものではなく、例えば、可変表示装置ユニット80の左方でも良い。また、第1図柄表示装置37A,37Bにより保留球数が示されるので、第2図柄保留ランプにより点灯表示を行わないものとしてもよい。
可変表示装置ユニット80の下方には、球が入賞し得る第1入賞口64が配設されている。この第1入賞口64へ球が入賞すると遊技盤13の裏面側に設けられる第1入賞口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第1入賞口スイッチのオンに起因して主制御装置110(図687参照)で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37Aで示される。
一方、第1入賞口64の正面視右方には、球が入賞し得る第2入賞口640が配設されている。この第2入賞口640へ球が入賞すると遊技盤13の裏面側に設けられる第2入賞口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第2入賞口スイッチのオンに起因して主制御装置110(図687参照)で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37Bで示される。
また、第1入賞口64および第2入賞口640は、それぞれ、球が入賞すると5個の球が賞球として払い出される入賞口の1つにもなっている。なお、本第22制御例においては、第1入賞口64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数と第2入賞口640へ球が入賞した場合に払い出される賞球数とを同じに構成したが、第1入賞口64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数と第2入賞口640へ球が入賞した場合に払い出される賞球数とを異なる数、例えば、第1入賞口64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数を3個とし、第2入賞口640へ球が入賞した場合に払い出される賞球数を5個として構成してもよい。
第2入賞口640には電動役物640aが付随されている。この電動役物640aは開閉可能に構成されており、通常は電動役物640aが閉鎖状態(縮小状態)となって、球が第2入賞口640へ入賞しにくい状態となっている。一方、普通図柄始動口(スルーゲート)67への球の通過を契機として行われる第2図柄の変動表示の結果、「○」の図柄が第2図柄表示装置に表示された場合、電動役物640aが開放状態(拡大状態)となり、球が第2入賞口640へ入賞しやすい状態となる。
上述した通り、確変中および時短中は、通常中と比して第2図柄の当たり確率が高く、また、第2図柄の変動表示にかかる時間も短いので、第2図柄の変動表示において「○」の図柄が表示され易くなって、電動役物640aが開放状態(拡大状態)となる回数が増える。更に、確変中および時短中は、電動役物640aが開放される時間も、通常中より長くなる。よって、確変中および時短中は、通常時と比して、第2入賞口640へ球が入賞しやすい状態を作ることができる。
ここで、第1入賞口64に球が入賞した場合と第2入賞口640へ球が入賞した場合とで、大当たりとなる確率は、低確率状態であっても高確率状態でも同一である。しかしながら、大当たりとなった場合に選定される大当たりの種別として15R確変大当たりとなる確率は、第2入賞口640へ球が入賞した場合のほうが第1入賞口64へ球が入賞した場合よりも高く設定されている。一方、第1入賞口64は、第2入賞口640にあるような電動役物は有しておらず、球が常時入賞可能な状態となっている。
よって、通常中においては、第2入賞口640に付随する電動役物が閉鎖状態にある場合が多く、第2入賞口640に入賞しづらいので、電動役物のない第1入賞口64へ向けて、可変表示装置ユニット80の左方を球が通過するように球を発射し(所謂「左打ち」)、第1入賞口64への入賞によって大当たり抽選の機会を多く得て、大当たりとなることを狙った方が、遊技者にとって有利となる。
一方、確変中や時短中は、普通図柄始動口(スルーゲート)67に球を通過させることで、第2入賞口640に付随する電動役物640aが開放状態となりやすく、第2入賞口640に入賞しやすい状態であるので、第2入賞口640へ向けて、可変表示装置80の右方を球が通過するように球を発射し(所謂「右打ち」)、普通図柄始動口(スルーゲート)67を通過させて電動役物を開放状態にすると共に、第2入賞口640への入賞によって15R確変大当たりとなることを狙った方が、遊技者にとって有利となる。
このように、本第22制御例のパチンコ機10は、パチンコ機10の遊技状態(確変中であるか、時短中であるか、通常中であるか)に応じて、遊技者に対し、球の発射の仕方を「左打ち」と「右打ち」とに変えさせることができる。よって、遊技者に対して、球の打ち方に変化をもたらすことができるので、遊技を楽しませることができる。
第1入賞口64の下方右側には第1可変入賞装置65が配設されており、その略中央部分に横長矩形状の特定入賞口(大開放口)65aが設けられている。パチンコ機10においては、第1入賞口64又は第2入賞口640への入賞に起因して行われた大当たり抽選が大当たりとなると、所定時間(変動時間)が経過した後に、大当たりの停止図柄となるよう第1図柄表示装置37A又は第1図柄表示装置37Bを点灯させると共に、その大当たりに対応した停止図柄を第3図柄表示装置81に表示させて、大当たりの発生が示される。その後、球が入賞し易い特別遊技状態(大当たり)に遊技状態が遷移する。この特別遊技状態として、通常時には閉鎖されている特定入賞口65aが、所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放される。
この特定入賞口65aは、所定時間が経過すると閉鎖され、その閉鎖後、再度、その特定入賞口65aが所定時間開放される。この特定入賞口65aの開閉動作は、最高で例えば15回(15ラウンド)繰り返し可能にされている。この開閉動作が行われている状態が、遊技者にとって有利な特別遊技状態の一形態であり、遊技者には、遊技上の価値(遊技価値)の付与として通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。
第1可変入賞装置65は、具体的には、特定入賞口65aを覆う横長矩形状の開閉板と、その開閉板の下辺を軸として正面側に開閉駆動するための大開放口ソレノイド(図示せず)とを備えている。特定入賞口65aは、通常時は、球が入賞できないか又は入賞し難い閉状態になっている。大当たりの際には大開放口ソレノイドを駆動して開閉板を正面下側に傾倒し、球が特定入賞口65aに入賞しやすい開状態を一時的に形成し、その開状態と通常時の閉状態との状態を交互に繰り返すように作動する。
なお、上記した形態に特別遊技状態は限定されるものではない。特定入賞口65aとは別に開閉される大開放口を遊技領域に設け、第1図柄表示装置37A,37Bにおいて大当たりに対応したLEDが点灯した場合に、特定入賞口65aが所定時間開放され、その特定入賞口65aの開放中に、球が特定入賞口65a内へ入賞することを契機として特定入賞口65aとは別に設けられた大開放口が所定時間、所定回数開放される遊技状態を特別遊技状態として形成するようにしても良い。また、特定入賞口65aは1つに限るものではなく、1つ若しくは2以上の複数(例えば3つ)を配置しても良く、また配置位置も第1入賞口64の下方右側や、第1入賞口64の下方左側に限らず、例えば、可変表示装置ユニット80の左方でも良い。
遊技盤13の下側における右隅部には、証紙や識別ラベル等を貼着するための貼着スペースK1が設けられ、貼着スペースK1に貼られた証紙等は、正面枠14の小窓35(図665参照)を通じて視認することができる。
遊技盤13には、第1アウト口71が設けられている。遊技領域を流下する球であって、いずれの入賞口63,64,65a,640にも入賞しなかった球は、第1アウト口71を通って図示しない球排出路へと案内される。第1アウト口71は、第1入賞口64の下方に配設される。
遊技盤13には、球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)とが配設されている。本実施形態においては、風車の内の一つ(可動部材310と称す)が遊技盤13の正面視左側上方に配設され、図666において図示されている。
図667に示すように、パチンコ機10の背面側には、制御基板ユニット90,91と、裏パックユニット94とが主に備えられている。制御基板ユニット90は、主基板(主制御装置110)と音声ランプ制御基板(音声ランプ制御装置113)と表示制御基板(表示制御装置114)とが搭載されてユニット化されている。制御基板ユニット91は、払出制御基板(払出制御装置111)と発射制御基板(発射制御装置112)と電源基板(電源装置115)とカードユニット接続基板116とが搭載されてユニット化されている。
裏パックユニット94は、保護カバー部を形成する裏パック92と払出ユニット93とがユニット化されている。また、各制御基板には、各制御を司る1チップマイコンとしてのMPU、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等が、必要に応じて搭載されている。
なお、主制御装置110、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114、払出制御装置111及び発射制御装置112、電源装置115、カードユニット接続基板116は、それぞれ基板ボックス100〜104に収納されている。基板ボックス100〜104は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えており、そのボックスベースとボックスカバーとが互いに連結されて、各制御装置や各基板が収納される。
また、基板ボックス100(主制御装置110)及び基板ボックス102(払出制御装置111及び発射制御装置112)は、ボックスベースとボックスカバーとを封印ユニット(図示せず)によって開封不能に連結(かしめ構造による連結)している。また、ボックスベースとボックスカバーとの連結部には、ボックスベースとボックスカバーとに亘って封印シール(図示せず)が貼着されている。この封印シールは、脆性な素材で構成されており、基板ボックス100,102を開封するために封印シールを剥がそうとしたり、基板ボックス100,102を無理に開封しようとすると、ボックスベース側とボックスカバー側とに切断される。よって、封印ユニット又は封印シールを確認することで、基板ボックス100,102が開封されたかどうかを知ることができる。
払出ユニット93は、裏パックユニット94の最上部に位置して上方に開口したタンク130と、タンク130の下方に連結され下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール131と、タンクレール131の下流側に縦向きに連結されるケースレール132と、ケースレール132の最下流部に設けられ、払出モータ216(図687参照)の所定の電気的構成により球の払出を行う払出装置133とを備えている。タンク130には、遊技ホールの島設備から供給される球が逐次補給され、払出装置133により必要個数の球の払い出しが適宜行われる。タンクレール131には、当該タンクレール131に振動を付加するためのバイブレータ134が取り付けられている。
また、払出制御装置111には状態復帰スイッチ120が設けられ、発射制御装置112には可変抵抗器の操作つまみ121が設けられ、電源装置115にはRAM消去スイッチ122が設けられている。状態復帰スイッチ120は、例えば、払出モータ216(図687参照)部の球詰まり等、払出エラーの発生時に球詰まりを解消(正常状態への復帰)するために操作される。操作つまみ121は、発射ソレノイドの発射力を調整するために操作される。RAM消去スイッチ122は、パチンコ機10を初期状態に戻したい場合に電源投入時に操作される。
次に、図669を参照して、本第22制御例における装飾用可動役物について説明する。本第22制御例では、装飾用可動役物として、左チェンジ役物Ym1、右チェンジ役物Ym2、剣役物Ym3を有している。チェンジ役物Ym1,Ym2は、本第22制御例における保留変化演出において使用される装飾用可動役物であり、保留変化演出が実行されていない場合は格納状態となり、図669(a)に示す通り、第3図柄表示装置81の下方に格納されているため(初期位置)、遊技者が第3図柄表示装置81において実行される変動演出を視認し易く構成している。
一方、保留変化演出が実行される場合には、図669(b)に示す通り、チェンジ役物Ym1,Ym2が第3図柄表示装置81の表示領域と一部重なる状態となる。本第22制御例では、チェンジ役物Ym1,Ym2が第3図柄表示装置81の表示領域と一部重なることで、重なる表示領域に表示されている保留図柄を覆い隠し、視認困難な状態とすることが可能となる。なお、チェンジ役物Ym1,Ym2の詳細な動作パターンについては、図697を参照して後述する。
剣役物Ym3は、特別図柄の変動演出の一部として使用されるだけでなく、デモ演出中に遊技者が光量調整を実行する場合に調整用役物として可動され、それ以外の場合は格納状態となり、格納状態である場合には、図669(a)に示す通り、第3図柄表示装置81の右側に格納されているため(初期位置)、遊技者が第3図柄表示装置81において実行される変動演出を視認し易く構成している。
一方、剣役物Ym3が可動状態となった場合には、図669(b)に示す通り、初期位置から第3図柄表示装置81の表示領域に一部重なる位置(環境調整位置)に出現し、遊技者は剣役物Ym3を視認可能となり、第3図柄表示装置81の剣役物Ym3が重なっている表示領域を視認困難になる。なお、本第22制御例における剣役物Ym3を使用した変動演出態様は、特別図柄抽選の結果が大当たり当選である場合に設定され易く構成しており、変動演出中に剣役物Ym3が可動状態となることで、第3図柄表示装置81のみで実行される演出よりも迫力のある演出を提供することが可能となり、遊技の興趣を向上させることができる。
図670は、第1可変入賞装置65の断面図である。図670(c)は第1可変入賞装置65の上面図であり、図670(b)は、第1可変入賞装置65のLb−Lb断面図である。図670(b)に示すように、第1可変入賞装置65には、遊技球が入球可能な開口部である第1特定入賞口65aが形成されている。第1特定入賞口65aは、パチンコ機10の上方を略長方形状の開口が形成されており、その開口を通過した遊技球が図670(b)の左方向に誘導されるように左下方に傾斜した底面が形成されている。底面の左端部には、遊技球の入賞を検知するための磁気センサで構成された検出口65a1が配置されている。この検出口65a1を通過した遊技球は、図671(b)で示す裏カバー体65eの背面側に形成された振り分け流路へと誘導される。
なお、図670(b)に示すように第1特定入賞口65aの開口は、遊技盤13側より出没可能なシャッター機構で構成された開閉扉65f1により遊技球が入球可能な開放状態と入球不可能(入球困難)な閉鎖状態とに可変される。閉鎖状態では、開口が完全に開閉扉65f1によって覆われ、開閉扉の上部を遊技球が転動可能に構成される。また、開放状態では、開閉扉65f1は、ベース部材65cの内側(遊技盤13の内部)に退避されることにより第1特定入賞口65a内から退避されるように構成されている。
このように構成することで、第1可変入賞装置65の開口が閉鎖されている場合には、遊技球が第1可変入賞装置65の上面を転動して、第2入球口640側へと誘導されるように構成されている。よって、時短遊技中(確変遊技中含む)にも、右打ちした状態のまま、第2始動口640へと遊技球を入球させることが可能となり、大当たり遊技後に直ちに左打ちへと遊技方法を変更させる手間を軽減できる。従って、より楽に遊技を行うことができる。
また、開放状態においては、遊技球が流下する方向と直交する面を第1可変入賞装置65の開口として構成できるので、より多くの遊技球が効率よく第1特定入賞口65a内に入賞できる。よって、大当たり遊技に要する時間を短くすることができ、遊技の効率化をはかることができる。
図670(a)は、図670(b)に示すLa−La断面図である。図670(a)に示すように検出口65a1を有する検出スイッチ65c1は、裏カバー体65eの振り分け流路側へと検出口65a1が傾くようにベース部材65cに固定されている。
図671を参照して、裏カバー体65eの振り分け流路に誘導された遊技球が後述する通常排出口65e1と特別排出口65e2とに振り分けられる構成について説明する。
図671(a)は、遊技球が特別排出口65e2に振り分けられるように切替部材65hが作動された状態を示す裏カバー体65eの背面図である。図671(a)に示すように、切替部材65hは、リンク部材65iの突部が挿入される係止穴65h1と遊技球を誘導する誘導片65h2とを有しており、流路カバー体65gに背面側より回動可能に軸支されている。ここで、流路カバー体65gには、この誘導片65h2を挿通することが可能な開口部が設けられており、流路カバー体65gの背面側より振り分け流路内に誘導片65h2を回動可能に配置することが可能に構成されている。
図671(a)に示すように、検出口65a1より振り分け流路内に誘導された遊技球は、左斜め下方に配置された誘導片65h2の上面に誘導されて特別排出口65e2に誘導される。特別排出口65e2を通過した遊技球は特別排出口65e2に設けられた遊技球の通過を検出可能な磁気センサで構成された確変スイッチ65e3により検出されてアウト球としてパチンコ機10外へ排出される。
ここで、詳細については後述するが、本第22制御例におけるパチンコ機10では、大当たり遊技中に上記した確変スイッチ65e3を遊技球が通過することにより、大当たり遊技後の遊技状態が高確率遊技状態(確変遊技状態)に設定される。即ち、確変スイッチ65e3は、確変遊技状態を付与するための入賞口として構成されている。また、切替部材65hは、大当たり後の遊技状態を低確率遊技状態(通常遊技状態ST1)か確変遊技状態かに振り分けるための構成となる。
このように、大当たり遊技中に第1特定入賞口65aに入賞した遊技球の流下ルートにより大当たり遊技後に設定される遊技状態が可変されるので、大当たり遊技中にも遊技者の興趣を向上させることができる。なお、第1可変入賞装置65の開口から特別排出口65e2の入り口(切替部材65hの誘導片65h2により閉鎖さる開口面)を通過するのに必要な時間は、最短でも1秒で構成されている。切替部材65hの作動は、大当たり種別により作動タイミングと作動時間が設定されている。本第22制御例では、大当たりA、大当たりC、大当たりDに当選した場合には、14ラウンド目の開始における第1可変入賞装置65の開放タイミングに合わせて切替部材65hが5秒間作動されるように構成されている。また、大当たりB、大当たりEに当選した場合には、14ラウンド目の開始における第1可変入賞装置65の開放タイミングに合わせて切替部材65hが0.5秒間作動されるように構成されている。
よって、大当たりAでは、第1可変入賞装置65に入賞した遊技球が確変スイッチ65e3を通過することが可能に構成されているが、大当たりBでは、確変スイッチ65e3を通過することが不可能に構成されている。よって、大当たり種別により確変付与割合を制御することができ、過剰に有利不利が発生してしまわないように構成できる。
図671(b)を参照して、通常排出口65e1に遊技球が誘導される場合について説明する。図671(b)は、流路ソレノイド65kが非作動であり、特別排出口65e2の入り口の開口面を切替部材65hの誘導片65h2が塞いでいる状態を示す図である。
検出口65a1より振り分け流路に誘導された遊技球は、切替部材65hの誘導片65h2の上面に誘導されて通常排出口65e1に誘導される。この通常排出口65e1の端部には遊技球の通過を検出可能な磁気センサで構成された球排出口スイッチ65e4が設けられている。これにより、第1可変入賞装置65内に入球した遊技球が全て排出されたかを球排出口スイッチ65e4と確変スイッチ65e3との合計により判別できる。よって、14ラウンド前に入賞した遊技球が排出されていない状態で14ラウンド目に入賞して、大当たりBであっても確変スイッチ65e3に入賞する不具合を抑制できる。
このように、第1可変入賞装置65内に第1特定入賞口65aに入賞した遊技球が検出スイッチ65c1により検出され、それに基づいて、遊技者に特典として賞球(本実施形態では1球入賞に対して15個の賞球)を払い出すことができる。また、その検出された後の遊技球を利用して、確変スイッチ65e3に通過するか否かを振り分け可能に構成することで、確変遊技状態を付与するか否かの抽選も実行することができる。よって、確変遊技状態を付与するための専用の入賞口を第1可変入賞装置65とは別に設ける必要がなく、遊技盤13のスペースを有効に利用することができる。
<第22制御例における演出内容について>
ここで、図672から図686を参照して、本第22制御例におけるパチンコ機10で実行される各種演出のうち、特徴的な演出内容について説明をする。まず、図672〜図677を参照して、装飾用可動役物(チェンジ役物Ym1,Ym2)を用いた保留変化演出の内容について説明する。上述したように、本第22制御例では、保留変化演出が実行される場合に、変化対象の保留図柄以外の保留図柄をチェンジ役物Ym1,Ym2によって隠すことによって、どの保留図柄が変化対象であるのかを遊技者に分かり易くする構成としている。そして、保留変化演出において、チェンジ役物Ym1,Ym2が段階的に変化対象以外の保留図柄を隠すように動作することで、遊技者に変化対象がどの保留図柄であるのか予測させる楽しみを提供することができる。以下、本第22制御例にて実行される保留変化演出の具体的な内容について説明する。
図672(a)は、チェンジ役物Ym1,Ym2が格納された状態における特別図柄変動中の表示画面の一例である。図672(a)に示す通り、主表示領域Dmにおける正面視右上には小表示領域Dm1が形成されている。この小表示領域Dm1は、特別図柄の抽選状況(抽選中(変動中)であるか否か、及び、抽選結果)を示すための識別情報(第4図柄)が表示される領域であって、特別図柄(特図)の抽選状況を示すための第4図柄(特図1第4図柄)が小表示領域Dm1に表示されるように構成している。
このように小表示領域Dm1を設けることにより、特別図柄の抽選状況を遊技者に報知することができる。なお、詳細は後述するが、本第22制御例のパチンコ機10では、第4図柄を数字を用いた表示態様で示しており、小表示領域Dm1にて第4図柄を変動表示させることで(図672(a)の小表示領域Dm1参照)、特別図柄が変動している状況を示し、小表示領域Dm1にて第4図柄を停止表示させることで(図678(a)の小表示領域Dm1参照)、特別図柄の抽選結果を示すように構成しているが、これに限ること無く、例えば、第4図柄として丸印とバツ印といった図形を模した表示態様や、複数の色を示す表示態様を用いて、数字や、色を可変させる表示態様によって特別図柄が変動していることを示し、特定の図柄や色を示す表示態様を停止表示させることで、特別図柄の抽選結果を示すように構成しても良い。
さらに、本第22制御例では、第4図柄を用いて、特別図柄の抽選状況(抽選中(変動中)であるか否か、及び、抽選結果)を示すように構成しているが、これに限ること無く、特別図柄が抽選中(変動中)であるか否かのみを報知するように構成しても良い。また、図672(a)に示した通り、本第22制御例では、特別図柄の抽選状況を示すための第4図柄が表示される第4図柄表示領域(小表示領域Dm1)を主表示領域Dmの右上側に形成する例を示しているが、この第4図柄表示領域が形成される位置や、大きさを、主表示領域Dmの中央部分で実行される変動演出の演出態様に応じて可変させるように構成しても良い。
このように構成することで、第4図柄表示領域によって、変動演出が実行される領域が制限されてしまい、演出効果が低下してしまうことを抑制することができる。なお、この場合、小表示領域Dm1を第3図柄表示装置81の主表示領域Dmから削除し、可変表示装置ユニット80に設けられた発光手段(LED等)を用いて第4図柄の変動表示を実行するように構成しても良い。
また、主表示領域Dmの左上側には、現在設定されている遊技状態における遊技方法を遊技者に案内するための案内報知態様が表示される小表示領域Dm4が形成され、図672(a)に示した例では、設定されている遊技状態が通常遊技状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)であることから、遊技者に第1特別図柄抽選を実行させるための遊技(左打ち遊技)を案内するために、小表示領域Dm4に「左打ち」の文字が表示されている。このように、通常遊技状態中の遊技方法を表示可能に構成することで、遊技者に対して、分かり易い遊技を提供することができる。
なお、確変遊技状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の高確率状態)又は時短遊技状態(特別得柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)である場合には、遊技者に第2特別図柄抽選を実行させるための遊技(右打ち遊技)を案内するために、小表示領域Dm4に「右打ち」の文字が表示される。
また、主表示領域Dmの中央上側では、第4図柄の変動表示に対応して装飾的な表示を行うものである第3図柄が変動表示される。このように第3図柄が主表示領域Dmの中央上側に表示されることで、遊技者は、小表示領域Dm1に表示される第4図柄を見ることなく、主表示領域Dmにおいて実行される変動演出と、第3図柄によって示される特別図柄の抽選状況を同時に見ながら遊技を行うことができる。
次に、主表示領域Dmの中央下側は、現在実行中の特別図柄に対応する保留図柄が表示される領域である表示領域HR1が形成される。表示領域HR1には、実行中の保留図柄が表示される領域であることを示す「NOW」という文字が表示される。これにより、表示領域HR1は、実行中の保留図柄が表示される領域であることを遊技者に分かり易く認識させることができる。また、実行中保留図柄hr0が表示されることで、遊技者が実行中保留図柄hr0の表示態様から実行中の特別図柄の抽選結果を予測し易くなり、実行中保留図柄hr0が表示されていない場合には特別図柄抽選遊技が実行されていないことを遊技者に分かり易くすることができる。
なお、本第22制御例では、実行中保留図柄hr0とその他の保留図柄を異なる表示領域で表示する構成としたが、遊技者が実行中保留図柄h0を識別できる構成であれば良く、例えば、同じ表示領域に表示し、実行中保留図柄hr0とその他の保留図柄の大きさを異ならせることで遊技者が識別可能な構成としても良い。
表示領域HR1の下側には、獲得中の保留球の個数に対応した保留図柄が表示される領域である表示領域HR2が形成される。この表示領域HR2には、左から順に1〜4の数字が表示されており、どの保留図柄から順番に消化されるのかを遊技者に分かり易く報知している。
表示領域HR2には第1保留図柄hr1〜第4保留図柄hr4が表示されており、それぞれ異なる色が付与されている。第1保留図柄hr1〜第4保留図柄hr4は、それぞれ第1特別図柄保留球格納エリア203va(第2特別図柄保留球格納エリアvb)の保留エリア1〜保留エリア4に格納されている保留球に対応しており、遊技者が保留球を獲得した場合には第1保留図柄hr1から若い順に保留図柄が表示され、保留球の個数が減少すると(保留球が消化されると)、それに合わせて保留図柄の表示位置が可変する。具体的には、実行中保留図柄hr0に対応する特別図柄変動が終了すると、第1保留図柄hr1の位置に表示されていた保留図柄は実行中保留図柄hr0が表示されていた位置にシフトし、第2保留図柄hr2の位置に表示されていた保留図柄は第1保留図柄hr1が表示されていた位置にシフトする。そして、第3保留図柄hr3の位置に表示されていた保留図柄は第2保留図柄hr2が表示されていた位置に、第4保留図柄hr4の位置に表示されていた保留図柄は第3保留図柄hr3が表示されていた位置にそれぞれシフトする。
ここで、図677(a)を参照して、本第22制御例における保留図柄の表示態様について説明する。図677(a)は、保留図柄の色と大当たり当選期待度との関係を示した図である。図677(a)に示す通り、「虹」が最も大当たり当選期待が高く、次に「赤」、「緑」の順に期待度が高くなり、「白」、「青」、「黄」、「紫」は同程度の期待度となっている。なお、後述する保留演出設定処理22(図722,F2504参照)において保留変化演出を実行しないと決定された場合には、保留色「白」が設定される構成としており、保留色「白」は標準の保留色である。
図677(b)は、保留図柄の色の可変パターンの一例を示したものである。図677(b)に示す通り、保留色「虹」は、「白」を除く3種類以上の異なる保留色の要素を合成すると可変する保留色である。保留色「赤」は、「紫」から「紫」を構成する要素の1つである「青」を他の保留図柄に移植することで可変する保留色である。保留色「緑」は、保留色「青」の要素と「黄」の要素を合成することで可変する保留色である。このように、複数の保留図柄の色を合成してより上位の表示態様(色)に可変可能な構成とすることで、現在表示されている保留図柄がいずれも大当たり当選期待度の低い保留図柄であっても、それらを構成する要素が組み合わさることでより上位の保留図柄に可変することを遊技者に期待させることができるため、表示されている保留図柄の表示態様から可変可能な保留図柄の表示態様を遊技者に予測させることが可能となり、遊技の興趣を向上させることができる。
上述したように、本第22制御例では、隣接する保留図柄の色の要素が合成される構成である。従って、例えば、第1保留図柄hr1が「紫」、第2保留図柄hr2が「青」である場合に、次に表示される保留図柄(この場合、第3保留図柄hr3)の色が「白」、「紫」、「青」以外であれば「虹」への可変が可能であり、「黄」であれば「緑」への可変も可能であることから、遊技者に対して次に表示される保留図柄の色は何色かにも興味を持たせることが可能となり、保留球を獲得するために意欲的に遊技を行わせることができる。
図672(a)に戻り説明を続ける。上述したように、「白」、「青」、「黄」、「紫」は同程度の期待度であるため、図672(a)に示す例では、どの保留図柄も大当たり当選の期待度が変わらない状態である。なお、図672(a)に示す例では、第1保留図柄hr1〜第4保留図柄hr4それぞれが異なる表示態様(色)で表示されているが、本第22制御例では、保留図柄の表示態様(色)を特別図柄抽選の結果に基づいてランダムで決定しているため、例えば、「白」「白」「白」「白」のように、同じ色が連続する場合もある。
図672(a)に示すように、第3図柄表示装置81の下方には、チェンジ役物Ym1,Ym2が格納されている(初期位置)。チェンジ役物Ym1,Ym2は、表示領域HR2の大きさと同じ大きさの役物、或いは、表示領域HR2の大きさよりも大きな役物で構成し、少なくともチェンジ役物Ym1,Ym2と重なる表示領域HR2に表示されている保留図柄が遊技者に視認困難な状態となるように構成する。このチェンジ役物Ym1,Ym2は、本第22制御例において、保留変化演出が実行される場合に可動状態となるため、チェンジ役物Ym1,Ym2が可動状態となった場合には、遊技者に保留変化演出が実行されることを報知することができる。チェンジ役物Ym1,Ym2の動作パターンについて、図672(b)〜図674(a)を参照して説明する。
図672(b)は、保留変化演出が開始され、チェンジ役物Ym1,Ym2が可動を開始した場合の表示画面の一例である。図672(b)に示すように、左チェンジ役物Ym1は左にスライドした後、第1保留図柄hr1を隠す位置に、右チェンジ役物Ym2は右にスライドした後、第4保留図柄hr4を隠す位置に、それぞれ移動する(第1動作)。第1動作が終了した時点では、第2保留図柄hr2と第3保留図柄hr3のどちらが変化対象の保留図柄なのか遊技者には分からない状態となる。従って、遊技者にどちらの保留図柄が変化対象なのかを予測する楽しみを提供することができる。
図673(a)は、第1動作が終了してから第2動作が実行された場合の表示画面の一例である。第2動作では、右チェンジ役物Ym2が正面視左方向にスライドし、第3保留図柄hr3を隠す動作が実行される。そして、主表示領域Dmでは、右チェンジ役物Ym2の動作と連動して、表示領域HR2から第3保留図柄hr3の保留色「青」が第2保留図柄hr2に移植されたように見せる演出が実行され、図673(b)に示すように、第2保留図柄hr2の「黄」に第3保留図柄hr3の「青」が移植され、「緑」に可変する演出が実行される。このように、表示領域HR2に表示されている変化対象以外の保留図柄がチェンジ役物Ym1,Ym2によって隠されることで、変化対象の保留図柄を遊技者に分かり易くすることができる。
その後、左チェンジ役物Ym1は下降した後に正面視右方向にスライドし、右チェンジ役物Ym2はそのまま下降して格納状態(初期位置)に戻る(第3動作)。
図674(a)は、図673(b)の状態からチェンジ役物Ym1,Ym2が初期位置に戻った時の表示画面の一例である。図672(a)の状態と異なり、表示領域HR2に表示されている第2保留図柄hr2が「黄」から「緑」に、第3保留図柄hr3が「青」から「白」に可変している。これにより、表示領域HR2に表示されている保留図柄の内、第2保留図柄hr2に対応する保留球が大当たり当選の期待度が高いことを遊技者は予測できる。
ここで、例えば、第2保留図柄hr2の保留変化シナリオとして保留変化シナリオ8(図695参照)が設定され、第1保留図柄hr1の保留色が「黄」、第2保留図柄hr2の保留色が「青」、第3保留図柄hr3の保留色が「赤」で表示されている場合に、第1保留図柄hr1と第3保留図柄hr3の保留色を構成する要素を第2保留図柄hr2に移植し、保留色を「虹」に可変する保留変化演出が実行された後に、第1保留図柄hr1と第3保留図柄hr3の保留色をそのまま(即ち、第1保留図柄hr1は「黄」、第3保留図柄hr3は「赤」のまま)とした場合、実際には、第2保留図柄hr2のみが大当たり当選であるにも関わらず、遊技者に第2保留図柄hr2と第3保留図柄hr3が大当たり当選する期待度が高いと誤解を与えてしまう。これを防ぐために、本第22制御例では、保留図柄の色を構成する要素が移植された場合には、移植されたことに対応する色に可変して表示する構成としている。
図674(b)は、保留図柄の保留色の一部が隣の保留図柄に移植される場合の表示画面の一例である。第1動作が終了した時点では、表示領域HR2には第2保留図柄hr2が「紫」の表示態様で、第3保留図柄hr3が「白」の表示態様で表示されている。その後、第2動作が開始されると、左チェンジ役物Ym1が正面視右方向にスライドし、第2保留図柄hr2を隠す動作を行う。この時に、主表示領域Dmでは、図675(a)に示すように、第2保留図柄hr2の「紫」から「紫」を構成する成分の一つである「青」が第3保留図柄r3に移植される演出が実行される。そして、チェンジ役物Ym1,Ym2が初期位置に戻ると、第2保留図柄hr2が「赤」、第3保留図柄hr3が「青」に可変した状態となる。従って、この場合は、チェンジ役物Ym1によって隠された第2保留図柄hr2の方が、他の保留図柄よりも大当たり当選の期待度が高い状態となる。
なお、本第22制御例では、保留図柄を構成する色のみを移植する構成としたが、これに限るものではなく、保留図柄そのものを移植する構成としても良い。具体的には、図673(a)の状態で、第3保留図柄hr3の位置に表示されていた保留図柄が第2保留図柄hr2に移植される演出が実行され、保留変化演出終了後の表示領域HR2の第3保留図柄hr3の位置には、元々第4保留図柄hr4の位置に表示されていた保留図柄を表示させ、第4保留図柄hr4の位置を空白(何の保留図柄も表示されていない状態)とし、第2保留図柄hr2に対応する保留球に基づく特別図柄変動が実行される場合に、第2保留図柄hr2に対応する保留球の抽選結果と第3保留図柄hr3に対応する保留球の抽選結果をまとめて報知する構成としても良い。このように構成することで、遊技者に対して外れ当選であることが報知される回数を減らすことができるので、遊技者に実際の大当たり当選確率よりも高い確率で大当たり当選しているかのように思わせることができる。
なお、図675(a)の状態で、第2保留図柄hr2から移植される移植色hr2aを「赤」とするパターンも設定しており、この場合は、第3保留図柄hr3が他の保留図柄よりも大当たり当選の期待度が高い保留図柄となる。このように構成することで、遊技者にチェンジ役物Ym1,Ym2の動きだけでなく、第3図柄表示装置81で行われる演出にも興味を持たせることができるため、遊技の興趣を向上させることができる。
図676(a)は、図674(b)の状態から、第2動作が実行されても、隠された方の保留図柄が移植されずに、変化対象の保留図柄が単独で変化する場合の表示画面の一例である。第2保留図柄hr2が隠されたにも関わらず、色が移植されず、第3保留図柄hr3が「緑」に可変している。このように、保留変化のパターンを多様に設定することで、保留変化演出が単調にならず遊技者が早期に飽きることを抑制することができる。
上述したように、本第22制御例では、チェンジ役物Ym1,Ym2を用いて変化対象以外の保留図柄を隠すことにより、変化対象の保留図柄を遊技者に明確にすることができるものである。このように、チェンジ役物Ym1,Ym2によって第3図柄表示装置81の保留図柄表示領域の一部分を隠すため、第3図柄表示装置81で発光等のエフェクトを用いた保留変化演出が実行される場合に、変化対象の保留図柄に対するエフェクトがその他の保留図柄に重なる場合であっても、その他の保留図柄がチェンジ役物Ym1,Ym2によって隠されることで、遊技者にどの保留図柄が変化対象なのかを明確にすることができる。
なお、本第22制御例では、チェンジ役物Ym1,Ym2によって隠す構成としたが、これに限るものではなく、例えば、第3図柄表示装置81においてシャッターを模した表示によって、変化対象以外の保留図柄を隠す構成としても良いし、第3図柄を拡大表示させることで変化対象以外の保留図柄を隠す構成としても良い。
また、本第22制御例では、第2保留図柄hr2の色を第3保留図柄hr3に移植するパターンと、第3保留図柄hr3の色を第2保留図柄hr2に移植するパターンのみを説明したが、これに限るものではなく、例えば、第2保留図柄hr2の色を第1保留図柄hr1に移植するパターンを設定しても良いし、第3保留図柄hr3の色を第4保留図柄hr4に移植するパターンを設定しても良い。
なお、本第22制御例では、変化対象の保留図柄と隣接する保留図柄の色を合成する構成としたが、これに限るものではなく、例えば、第4保留図柄hr4の色を第1保留図柄hr1に移植するパターンを設ける構成としても良い。
なお、本第22制御例では、保留図柄の色をランダムに付与する構成としたが、これに限るものではなく、例えば、保留球数に応じて色を付与する構成としても良い。具体的には、保留球数が2個の場合には、第1保留図柄hr1に「白」、第2保留図柄hr2に「紫」を表示し、保留球が1個消化され、保留球数が1個になると、第2保留図柄hr2に表示されていた「紫」保留図柄が、第1保留図柄hr1にシフトする場合に「白」保留図柄に可変する。保留球数が4個の場合には、第1保留図柄hr1に「白」、第2保留図柄hr2に「紫」、第3保留図柄hr3に「黄」を表示し、第4保留図柄hr4に「青」を表示する。この場合、第1保留図柄hr1と第2保留図柄hr2の位置で保留変化演出が実行される場合には、遊技者にいずれかの保留図柄が「赤」への変化を期待させることが可能であり、第3保留図柄hr3の位置で保留変化演出が実行される場合には、遊技者に「虹」、又は、「緑」への変化を期待させることが可能であり、第4保留図柄hr4の位置で保留変化演出が実行される場合には、遊技者に「緑」への変化を期待させることができる。
このように、通常は表示領域HR2のそれぞれの保留図柄が表示される位置に対応して色が付与される構成とすることで、変化対象の保留図柄が変化する時の位置によって可変する保留色が異なるため、遊技者に保留変化演出が実行される位置にも興味を持たせることができ、遊技の興趣を向上することができる。
次に、図678〜図680を参照して、本第22制御例で実行される光量調整機能の内容について説明する。本第22制御例では、パチンコ機10の遊技環境(音量・光量)を遊技者が調整できる環境調整機能を有しており、待機画面中(デモ演出中)に光量調整を実行する場合には、装飾用可動役物(剣役物Ym3)を環境調整位置(図678(b)参照)に可変させることにより、実際の変動演出にて装飾用可動役物を可動させた状態と同様の状態を疑似的に再現し、その状態において光量調整操作を実行可能に構成している。
図678(a)は、特別図柄の変動が実行されていない待機期間において表示されるデモ画面(デモ画面)の一例である。主表示領域Dmの正面視右下側には、選択ボタン600を模した表示用選択ボタンSw1〜Sw5が表示される小表示領域Dm3が形成される。この小表示領域Dm3には、遊技環境を調整するための操作方法を遊技者に案内するための案内態様として「ボタンを押すと調整できるよ」という文字が表示され、表示用上ボタンSw1には「+」、表示用下ボタンSw3には「−」が表示され、表示用上ボタンSw1の上側に「音量」と表示されることにより、上ボタン600bと下ボタン600dを操作することで音量を調整できることを遊技者に分かり易く報知できる。
また、表示用右ボタンSw2には「+」、表示用左ボタンSw4には「−」が表示され、表示用右ボタンSw2の右側に「光量」と表示されることで、右ボタン600cと左ボタン600eを操作することで光量を調整できることが遊技者に分かり易く報知できる。
主表示領域Dmの正面視左下側には、現在設定中の音量と光量を遊技者に示すための環境情報報知態様である音量ゲージ小ga1と光量ゲージ小ga2が表示されている。この音量ゲージ小ga1と、光量ゲージ小ga2は、5段階で構成されており、それぞれのゲージの左側には「MIN」、右側には「MAX」と表示され、遊技者が選択ボタン600を操作した場合に、環境設定値ga1a,ga2aが連動して可変することで、遊技者の好みの遊技環境と現在の遊技環境との差を分かり易くすることができる。
主表意領域Dmの下方に形成される副表示領域Dsには、遊技情報を表示するための遊技情報表示態様である「デモ演出中」という文字が表示されることで、現在特別図柄の変動が実行されていない待機期間中であることを遊技者に分かり易く報知している。
図678(b)は、遊技者が待機期間中に光量調整を行うためのボタン操作をした場合の光量調整画面の一例である。図678(b)に示す例は、遊技者が左ボタン600eを操作したことに基づいて、調整用役物(剣役物Ym3)が環境調整位置に可変した状態である。遊技者の左ボタン600eの操作に連動して光量ゲージ小ga2の光量設定値ga2aが1段階減少する。なお、剣役物Ym3に付随するLEDのLED設定値Ym3aも5段階で可変する構成であり、光量ゲージ小ga2と連動して可変する。
このように構成することで、遊技が実行されていない状態であっても、変動演出に用いられる装飾用可動役物(剣役物Ym3)を用いて光量調整可能であるため、遊技者の所望する光量へと適切に調整し易くすることができる。
主表示領域Dmの正面視右上側には、剣役物Ym3が環境調整位置に可変される場合に、光量調整用の模擬可動であることを報知するための報知態様を表示する表示領域HR3が形成される。表示領域HR3には「光量調整用役物可動中」という文字が表示されることで、今回の剣役物Ym3の可動は変動演出に関連するものではないことを遊技者に分かり易く報知し、遊技者に誤解を与えない構成としている。
図679(a)は、光量調整が終了し、遊技者が決定ボタン600aを操作した場合の調整終了画面の一例である。遊技者が決定ボタン600aを操作すると、光量ゲージ小ga2の上側に、環境調整が終了したことを示すための案内態様である環境調整終了表示cm1が表示される。これにより、遊技者は現在表示されている光量設定値ga2aの値が設定されたことを認識することができる。
また、遊技者が決定ボタン600aを操作したことに基づいて、剣役物Ym3は環境調整位置から初期位置(図669(a)参照)に可変する。
ここで、光量調整終了前に特別図柄の変動が開始された場合、剣役物Ym3が環境調整位置にある状態では、剣役物Ym3が第3図柄表示装置81と重なってしまい、遊技者が第3図柄表示装置81において実行される変動演出を視認し難いという不具合が生じる。
これに対して、本第22制御例では、光量調整中に特別図柄の変動が開始された場合には、光量調整を継続して実行しつつも、剣役物Ym3を環境調整位置から初期位置へと可変させる構成としている。具体的には、図679(b)に示すように、特別図柄の変動開始に合わせて、剣役物Ym3が環境調整位置から初期位置へと可変し、光量ゲージ小ga2が光量ゲージ大ga3に切り替わる。このように光量ゲージ大ga3に切り替わることで、剣役物Ym3が初期位置へと可変しても光量調整が継続していることを遊技者に認識させることができる。
また、剣役物Ym3が初期位置へと可変する動作が変動演出中に実行されると、遊技者に今回の剣役物Ym3の動作が変動演出の一環であるという誤解を与える虞がある。従って、本第22制御例では、特別図柄の変動開始に基づいて剣役物Ym3が可変した場合には、決定ボタン600aの操作によって剣役物Ym3が可変した場合と異なり、剣役物Ym3に付随するLEDを全消灯させた後に初期位置へと可変させる構成としている。このように構成することで、変動演出の一環として剣役物Ym3可動していないことを遊技者に分かり易く把握させることができる。
図680は、剣役物Ym3の可動が制限されている場合の光量調整画面の一例である。本第22制御例では、剣役物Ym3が環境調整位置から初期位置へと可変した場合に、一定期間(10秒間)は剣役物Ym3の可動を制限する構成としている。このように構成することで、変動演出の一環として剣役物Ym3を可動させる演出態様が設定された場合に、環境調整位置から初期位置へと可変している期間に演出の実行タイミングとなってしまい、剣役物Ym3が不自然な動作を行ったり、剣役物Ym3に負荷がかかり故障したりすることを抑制することができる。
待機期間中に剣役物Ym3の可動が制限されている場合、即ち、光量調整を終了した遊技者が再度光量調整を実行した場合には、主表示領域Dmの中央上側に剣役物Ym3が作動制限中であることを示すための案内態様を表示する表示領域HR4が形成される。表示領域HR4には、「役物作動制限中」という文字が表示されることにより、遊技者に対して剣役物Ym3が可動しないのは故障のためではないということを分かり易く報知できる。
次に、図681〜637を参照して、本第22制御例にて実行されるリーチ演出の一つであるシャッター閉鎖リーチ演出の内容について説明する。シャッター閉鎖リーチ演出は、1つのリーチ演出を6段階に区切り、最終段階(6段階目)まで到達することができれば(即ち、所定回数シャッターが開閉すれば)、大当たり当選であることが報知されるリーチ演出である。以下、シャッター閉鎖リーチ演出の具体的な内容について説明する。
まず、図681〜図682を参照して、シャッター閉鎖リーチ演出の基本パターンについて説明する。
図681(a)は、シャッター閉鎖リーチ演出開始時の表示画面の一例である。主表示領域Dmの正面視左側と正面視右側には、次の段階に進むことができるか否かを煽るためのシャッターSt1,St2が表示され、主表示領域Dmの中央上側には、演出の進捗度合いを報知するための案内態様が表示される表示領域HR4が形成される。また、副表示領域Dsには、演出の成功条件を報知するための遊技情報報知態様が表示される。表示領域HR4に「シャッター閉鎖で継続1/6」という文字が表示され、副表示領域Dsに「完走できれば大当たり」と言う文字が表示されることにより、主表示領域Dmに表示されているシャッターSt1,St2が閉鎖することで段階が進み、表示領域HR4の表示が「6/6」になれば大当たりであることを遊技者に分かり易く報知できる。
また、主表示領域Dmの中央部には第3図柄として「3」図柄が2つと、第3図柄が変動中であることを示す下向きの矢印が表示されており、「3」図柄のリーチ状態であることを示している。
図681(a)に示すように、シャッター閉鎖リーチ演出では、シャッターSt1,St2がガタガタと振動している状態が、次の段階に進むか否かの分岐演出であり、次の段階に進む場合には、図681(b)に示すように、シャッターSt1とSt2が閉鎖することにより、シャッターSt1に表示されていた「継」の文字St1aと、シャッターSt2に表示されていた「続」の文字St2aが合体することで「継続」となり、演出が継続することを遊技者に分かり易く報知する構成としている。
また、シャッターSt1,St2の閉鎖に合わせて表示領域HR4に表示される演出の進捗度合いが「1/6」から「2/6」に可変することにより、シャッターSt1,St2が閉鎖したことで次の段階に進んだことを遊技者が認識できる。
一方、図示しないが、分岐演出において次の段階に進まない場合には、シャッターSt1,St2が閉鎖されることなく振動が止まり、演出の終了を示す終了態様(例えば、「失敗」の文字)が表示される。このように構成することで、リーチ演出が終了したことを遊技者に分かり易く報知することができる。
図682(a)は、シャッター閉鎖リーチ演出の5段階目まで到達した場合の表示画面の一例である。図681(a)の状態とは異なり、主表示領域Dmの中央部には、第3図柄として「7」図柄がリーチ状態で表示され、シャッターSt1に表示される「継」の文字St1aが「祝」の文字St1bに、シャッターSt2に表示される「続」の文字St2aが「福」の文字St2bにそれぞれ可変している。このように、シャッターSt1,St2の文字が次の段階に進むことを示す「継続」から大当たり当選であることを示す「祝福」に可変することで、次にシャッターSt1,St2が閉鎖すると大当たりであることを遊技者に分かり易く報知している。
ここで、本第22制御例のシャッター閉鎖リーチ演出では、シャッターSt1,St2が閉鎖する毎に、主表示領域Dmに停止表示されている第3図柄の数字が1ずつ加算されていく構成としている。従って、図682(a)に示す例では、図681(a)の状態からシャッターSt1,St2が4回閉鎖しているため、「3」図柄に4加算され「7」図柄に可変している。従って、5段階目でシャッターSt1,St2が閉鎖した場合には、主表示領域Dmに停止表示されている第3図柄の数字は「8」図柄となり、図682(b)に示すように、シャッターSt1,St2が完全開放され、2つの「8」図柄の間に大当たり当選であることを示す報知態様nz1が表示されることで大当たり当選が報知される。
本第22制御例では、シャッター閉鎖リーチの1段階目で停止表示されている第3図柄の数字は、特別図柄の当否判定結果に基づいてランダムに決定する構成であり、例えば、シャッター閉鎖リーチ演出の1段階目で停止表示されている第3図柄の数字が「2」図柄であれば、最終段階(6段階目)到達時に「7」図柄が表示されることになる。
なお、後述するが、本第22制御例では、停止表示されている第3図柄の数字によって遊技者が大当たり種別を予測できる構成としており、「7」図柄は、大当たり遊技のラウンド数が最も多く、大当たり遊技終了後に確変遊技状態が設定される大当たり種別である「大当たりA」に当選した場合のみ表示される第3図柄種別であり、それ以外の図柄は、大当たりAよりも大当たり遊技のラウンド数が少ない大当たり種別である「大当たりB」と、大当たりAよりも大当たり遊技のラウンド数が少なく、大当たり遊技終了後に確変遊技状態が設定されない「大当たりC」に当選したことを示している。
このように、1段階目で停止表示されている第3図柄の数字から、遊技者は最終段階到達時に表示される第3図柄の数字を予測することができるため、シャッター閉鎖リーチの1段階目で停止表示されている第3図柄の数字に興味を持たせることが可能となり、遊技の興趣を向上させることができる。
以上、シャッター閉鎖リーチ演出の基本パターンについて説明した。上述したように、シャッター閉鎖リーチ演出の基本パターンは、遊技者に対して最終段階まで到達できるか否かを楽しませるものである。しかしながら、単に分岐演出においてシャッターSt1,St2が閉鎖するか否かを見せるだけでは、単調な演出となってしまい、遊技者が早期に演出に飽きてしまうという問題があった。
この問題に対して、本第22制御例では、最終段階に到達するまでの過程で実行される演出の態様によって、最終段階で実行される演出の態様が可変する構成を加えている。図683を参照して、シャッター閉鎖リーチ演出の特殊パターンの一例について説明する。
図683(a)は、シャッター閉鎖リーチ演出の3段階目でカプセル獲得演出が発生した場合の表示画面の一例である。シャッター閉鎖リーチの2段階目の分岐演出においてシャッターSt1,St2が閉鎖した後、シャッター閉鎖リーチの3段階目が開始されるとカプセルCp1を獲得する演出が実行される場合がある。このカプセルCp1は3段階目の時点では中身が何か分からない態様で表示される。カプセルCp1を獲得すると、主表示領域Dmの正面視右下側にカプセル保有数を報知するための遊技情報報知態様を表示する表示領域HR4が形成される(図683(b)参照)。
そして、図683(b)に示すように、5段階目の分岐演出において、表示領域HR4に表示されているカプセルCp1が開放され、カプセルCp1の中からHOLD券Cp1aが飛び出し、主表示領域Dmに停止表示されている第3図柄の数字に貼り付く演出が実行される。このHOLD券Cp1aは、現在表示されている図柄の数字を、シャッターSt1,St2が閉鎖しても更新させないことができるものであり、この場合、5段階目の分岐演出が成功すると、6段階目で「7」図柄によって大当たり当選が報知される。
なお、カプセルCp1の中身は、HOLD券Cp1aだけでなく、他にも「カギ」を模した表示態様が選択されるパターンを規定している。このカギが選択された場合には、カギの使用が成功した段階でシャッターSt1,St2が完全開放され、その時点で表示されている図柄の数字によって大当たり当選であることが報知される。
なお、カプセルCp1からHOLD券Cp1a等のアイテムが出現した場合であっても、大当たり当選が報知されない場合(即ち、外れ当選である場合)もあるため、遊技者に対してカプセルCp1を獲得できるか、カプセルCp1の中身は何か、アイテムの使用は成功するかといった興味を持たせることが可能となり、遊技者がシャッター閉鎖リーチに早期に飽きてしまうことを抑制することができる。
このように、本第22制御例では、シャッター閉鎖リーチ演出の演出態様を可変させるための演出可変態様であるカプセルCp1を獲得可能な構成を加えることで、シャッター閉鎖リーチ演出の1段階目では表示される図柄の数字、3段階目ではカプセル獲得演出の有無、4段階目と5段階目ではカプセルCp1の中身にそれぞれ興味を持たせることが可能であるため、シャッター閉鎖リーチ演出の開始から終了まで遊技者の演出に対する注目を持続させることができる。
次に、図684〜図686を参照して、本第22制御例にて実行されるリーチ演出の一つであるムービー実行リーチ演出について説明する。このムービー実行リーチ演出は、前半部分と後半部分に分かれており、リーチ演出の前半部分終了時に後半部分の演出に移行するか否かの分岐演出が実行される。この分岐演出が成功すると、リーチ演出の後半部分であるスペシャルムービーが開始される。そして、スペシャルムービーが終了すると大当たり当選であることが報知される。
図684(a)は、ムービー実行リーチ演出の分岐演出が実行された場合の表示画面である。主表示領域Dmの中央部に演出ボタン22を模した表示用演出ボタンSw6が表示され、その下にSW有効期間を示すための報知態様である有効期間ゲージga4が表示される。この有効期間ゲージga4は、残有効期間を示すための残有効期間ga4aと、経過時間を示すための経過時間ga4bで構成され、時間の経過に合わせて残有効期間ga4aの表示部分が減少し、経過時間ga4bの表示部分が増加することで、遊技者に演出ボタン22の操作が有効となる残り期間を報知ずる構成としている。
また、副表示領域Dsには、ムービー実行リーチ演出の成功条件となる遊技情報を示すための案内態様である「ボタンPUSHでスペシャルムービー開始?」という文字が表示される。主表示領域Dmの中央に表示される表示用演出ボタンSw6と、その上に遊技者に演出ボタンの操作を促すための示唆態様である下向きの矢印が表示されることに加えて、副表示領域Dsの案内態様が表示されることで、遊技者に演出ボタン22を操作すると演出が発展する可能性があることを分かり易く報知している。
図684(b)は、分岐演出中に演出ボタン22が操作された場合のスペシャルムービー終了時の表示画面の一例である。主表示領域Dmの中央上側には、スペシャルムービーが終了したことを示す報知態様を表示するための表示領域HR4が形成される。この表示領域HR4に「スペシャルムービー終了」と表示されることで、遊技者はスペシャルムービーが終了したことを容易に認識することができる。
なお、本第22制御例では、スペシャルムービーが終了した場合に表示領域HR4において報知態様を表示する構成としたが、これに限るものではなく、遊技者にスペシャルムービーが終了したことを認識させることができる態様であれば良い。
ここで、本第22制御例におけるムービー実行リーチ演出のスペシャルムービーは、遊技者がSW有効期間中に演出ボタン22を操作しなかった場合を想定してムービーの再生時間を設定している。このように構成することで、遊技者が演出ボタン22を操作しなかった場合にスペシャルムービーが特別図柄の変動時間内で終了しないという不具合が生じない。一方で、SW有効期間中に遊技者が演出ボタン22を操作した場合には、遊技者が演出ボタン22を操作した時点からスペシャルムービーが開始されるため、スペシャルムービー終了時に特別図柄の変動時間が終了していない状態となる。このため、本第22制御例では、スペシャルムービー終了時に特別図柄の変動が終了していない場合には、スペシャルムービー終了時から特別図柄の変動停止までの間、仮停止した図柄を揺れ待機させる構成としている。
従って、遊技者がSW有効期間中に演出ボタン22を操作しなかった場合には、図685に示すように、スペシャルムービー終了に合わせて、小表示領域Dm1に表示されている第4図柄も大当たり当選を示す表示態様で停止し、第3図柄も大当たり当選を示す表示態様で停止して、副表示領域Dsに大当たり当選を示すための報知態様が表示されることで、遊技者に大当たり当選であることが報知される。
一方、SW有効期間中に遊技者が演出ボタン22を操作した場合には、図684(b)に示すように、小表示領域Dm1では第4図柄が変動中であっても、スペシャルムービー終了に合わせて第3図柄が大当たり当選を示す表示態様で仮停止し、副表示領域Dsには大当たり当選を示すための報知態様が表示される。このように、ムービー実行リーチ演出では、SW有効期間中に演出ボタン22を操作した遊技者に、特別図柄の変動停止前に大当たり当選であることが報知される。
図686は、スペシャルムービーの演出時間と特別図柄の変動時間との関係を示したタイミングチャートである。上述したように、分岐演出中に演出ボタン22が操作された場合にはスペシャルムービー終了から変動停止までの期間に図柄揺れ期間が設定され、大当たり報知が変動停止よりも前に実行されることが示されている。
<第22制御例における電気的構成について>
次に、図687を参照して、本パチンコ機10の電気的構成について説明する。図687は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。
主制御装置110には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU201が搭載されている。MPU201には、該MPU201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM202と、そのROM202内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM203と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。主制御装置110では、MPU201によって、大当たり抽選や第1図柄表示装置37a,37b及び第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行する。
なお、払出制御装置111や音声ランプ制御装置113などのサブ制御装置に対して動作を指示するために、主制御装置110から該サブ制御装置へ各種のコマンドがデータ送受信回路によって送信されるが、かかるコマンドは、主制御装置110からサブ制御装置へ一方向にのみ送信される。
主制御装置110では、特別図柄の抽選、普通図柄の抽選、第1図柄表示装置37における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示の設定、および、第3図柄表示装置81における表示の設定といったパチンコ機10の主要な処理を実行する。そして、RAM203には、これらの処理を制御するための各種カウンタが設けられている。ここで、図688を参照して、主制御装置110のRAM203内に設けられるカウンタ等について説明する。図688は、主制御装置110のRAM203内に設けられるカウンタ等を模式的に示した模式図である。これらのカウンタ等は、特別図柄の抽選、普通図柄の抽選、第1図柄表示装置37における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示の設定、および、第3図柄表示装置81における表示の設定などを行うために、主制御装置110のMPU201で使用される。
特別図柄の抽選や、第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81の表示の設定には、特別図柄の抽選に使用する第1当たり乱数カウンタC1と、特別図柄の大当たり種別を選択するために使用する第1当たり種別カウンタC2と、特別図柄における外れの停止種別を選択するために使用する停止種別選択カウンタ(C3)と、第1当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する初期値乱数カウンタCINI1と、変動パターン選択に使用する変動種別カウンタCS1と、が用いられる。
また、普通図柄の抽選には、第2当たり乱数カウンタC4が用いられ、第2当たり乱数カウンタC4の初期値設定には第2初期値乱数カウンタCINI2と、普通図柄の変動パターン選択に使用する変動種別カウンタCS1と、が用いられる。これら各カウンタは、更新の都度、前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。
各カウンタは、例えば、タイマ割込処理(図698参照)の実行間隔である2ミリ秒間隔で更新され、また、一部のカウンタは、メイン処理(図709参照)の中で不定期に更新されて、その更新値がRAM203の所定領域に設定されたカウンタ用バッファに適宜格納される。RAM203には、4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)からなる第1球口64への入球に対応する第1特別図柄保留球格納エリア203saと、4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)からなる第2入球口640への入球に対応する第2特別図柄保留球格納エリア203sbと、が設けられており、第1特別図柄保留球格納エリア203saには、第1入球口64への入球タイミングに合わせて、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3、及び変動種別カウンタCS1の各値がそれぞれ格納され、第2特別図柄保留球格納エリア203sbには、第2入球口64への入球タイミングに合わせて、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3、及び、変動種別カウンタCS1の各値が格納される。
そして、特別図柄の始動条件(変動条件)が成立した場合に、第1特別図柄保留球格納エリア203saの保留第1エリアに格納されている各種値、或いは、第2特別図柄保留球格納エリア203sbの保留第1エリアに格納されている各種値のうち、次に抽選が実行される特別図柄種別に対応する特別図柄の情報を特別図柄実行エリアへシフトし、格納されている各種値に基づいた特別図柄変動が開始される。
なお、本第22制御例では、特別図柄の種別が2種類(第1特別図柄、第2特別図柄)の構成を用いているが、これに限ること無く、特別図柄の種別を1種類としても良い。そして、第1特別図柄の始動条件(変動条件)、或いは、第2特別図柄の始動条件(変動条件)が成立した場合に、対応する特別図柄種別の特別図柄保留球格納エリアの保留第1エリアに格納されている各種値を特別図柄実行エリアへシフトし、格納されている各種値に基づいた特別図柄変動が開始されるように構成すれば良い。このように構成することで、複数の特別図柄種別を用いたパチンコ機10であっても、各々の特別図柄変動を円滑に実行することができる。
さらに、本第22制御例のように、複数の特別図柄種別(第1特別図柄、第2特別図柄)を有するパチンコ機10であれば、第1特別図柄の抽選と、第2特別図柄の抽選とを同時に(並行して)実行可能に構成しても良く、この場合、各特別図柄保留球格納エリア(第1特別図柄保留球格納エリア203sa、第2特別図柄保留球格納エリア203sb)がそれぞれ特別図柄実行エリアを有するように構成すれば良い。これにより、各特別図柄の始動条件が成立した場合に、速やかに次の特別図柄変動を実行させることができる。
また、本第22制御例では、特別図柄の抽選結果が大当たりと外れのみとなるように構成しているが、これに限ること無く、例えば、特別図柄の抽選結果が外れである場合の一部において、大当たり当選時よりも少ない特典(大当たり当選時とは異なる特典)を遊技者に付与可能な小当たりに当選し得るように構成しても良い。このように構成することで、大当たり当選しなかった場合であっても、遊技者に特典を付与する機会を設けることができるため、遊技の興趣を向上させることができる。この場合、主制御装置110のRAM203内に、小当たり種別カウンタを設け、取得した小当たり種別カウンタの値を特別図柄保留球格納エリアに格納可能に構成し、特別図柄の抽選を実行する場合に参照するように構成すれば良い。
加えて、特別図柄抽選で小当たり当選可能に構成した場合には、例えば、大当たり当選に基づく遊技状態の移行内容と、小当たり当選に基づく遊技状態の移行内容と、を異ならせるように構成しても良く、例えば、大当たり当選した場合は、大当たり遊技の開始時に遊技状態を通常状態へと移行させ、さらに、設定された大当たり種別に基づいて、大当たり遊技終了後に新たな遊技状態を設定可能に構成し、小当たり当選した場合は、小当たり当選時の遊技状態を維持したまま小当たり遊技を実行し、その小当たり遊技終了後も遊技状態を移行させないように構成しても良い。
このように構成することで、当選した当たり種別(大当たり、小当たり)に応じて、遊技状態の移行の有無や、移行内容を異ならせることができるため、バリエーションに富んだ遊技を提供することができる。
さらに、本第22制御例のRAM203には、4つの保留エリア(保留第1エリア)からなるスルーゲート67への入球(球の通過)に対応する普通図柄保留球格納エリア203vcが設けられており、普通図柄保留球格納エリア203vcには、スルーゲート67への入球タイミングに合わせて、第2当たり乱数カウンタC4、及び普図変動種別カウンタCS2の各値がそれぞれ格納される。
そして、普通図柄の始動条件(変動条件)が成立した場合に、普通図柄保留球格納エリア203vcの保留第1エリアに格納されている各種値を普通図柄実行エリアへシフトし、格納されている各種値に基づいた普通図柄変動が開始される。
次に、図688を参照して、各カウンタについて詳しく説明する。第1当たり乱数カウンタC1は、所定の範囲(例えば、0〜999)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、0〜999の値を取り得るカウンタの場合は999)に達した後0に戻る構成となっている。特に、第1当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の第1初期値乱数カウンタCINI1の値が当該第1当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。
また、第1初期値乱数カウンタCINI1は、第1当たり乱数カウンタC1と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成される。即ち、例えば、第1当たり乱数カウンタC1が0〜399の値を取り得るループカウンタである場合には、第1初期値乱数カウンタCINI1もまた、0〜399の範囲のループカウンタである。この第1初期値乱数カウンタCINI1は、タイマ割込処理(図698参照)の実行毎に1回更新されると共に、メイン処理(図709参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
第1当たり乱数カウンタC1の値は、例えば定期的に(本第22制御例ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64に入球したタイミングでRAM203の第1特別図柄保留球格納エリア203saに、第2入球口640に入球したタイミングでRAM203の第2特別図柄保留球格納エリア203sbに格納される。そして、特別図柄の大当たりとなる乱数の値は、主制御装置110のROM202に格納される第1当たり乱数テーブル202vaによって設定されており、第1当たり乱数カウンタC1の値が、第1当たり乱数テーブル202vaによって設定された大当たりとなる乱数の値と一致する場合に、特別図柄の大当たりと判定する。
ここで、図690を参照して、第1当たり乱数テーブル202vaについて説明する。図690は、第1当たり乱数テーブル202vaに規定されている内容を模式的に示した模式図である。この第1当たり乱数テーブル202vaは、特別図柄の抽選において、大当たりと判別される乱数値(判定値)が規定されたテーブルである。
具体的には、第1当たり乱数テーブル202vaには、大当たりと判定される判定値を遊技状態(特別図柄の確率状態)に応じて異ならせて規定している。図690に示した通り、遊技状態として特別図柄の低確率状態(通常状態、時短状態)に対しては、第1当たり乱数カウンタC1の値のうち「0〜4」が大当たり判定値として規定されており、それ以外の値(「5〜999」)が外れの判定値として規定されている。また、遊技状態として特別図柄の高確率状態(確変状態)に対しては、第1当たり乱数カウンタC1の値のうち「0〜19」が大当たり判定値として規定されており、それ以外の値(「20〜999」)が外れの判定値として規定されている。つまり、第1当たり乱数テーブル202aの更新範囲は「0〜999」の1000個であるため、特別図柄の低確率状態において、大当たりと判定される確率は1/200(1000個のうち5個)となり、特別図柄の高確率状態において、大当たりと判定される確率は1/50(1000個のうち20個)となる。
なお、本第22制御例では、2種類の大当たり確率が遊技状態に応じて設定されるように構成しているが、これに限ること無く、大当たりに当選する確率を遊技状態に関わらず同一の確率となるように構成しても良いし、3種類以上の大当たり確率が設定されるように構成しても良い。この場合、例えば、特別図柄の状態と、普通図柄の状態と、を組み合わせることによって設定される最大で4種類の遊技状態毎に特別図柄の大当たり確率を異ならせるように構成しても良いし、単純に、特別図柄の状態を高確率状態、通常確率状態、低確率状態のように3種類以上設定可能にし、各状態に対して異なる大当たり確率を設定するように構成しても良い。
また、本第22制御例では、特別図柄の抽選結果として、「大当たり」と「外れ」の2種類の抽選結果が判定されるように構成しているが、これに加えて、第3の抽選結果として、「外れ」の1種として「小当たり」を判定可能に構成しても良い。この「小当たり」に当選した場合には、可変入賞装置65を「大当たり」よりも短い期間(1ラウンド分)開放させる小当たり遊技が実行されるように構成すると良い。このように構成することで、大当たり当選しなかった場合において、少量の特典(賞球)を遊技者に付与することができる。なお、「小当たり」を「外れ」の1種とする場合には、遊技者に対して小当たり遊技による賞球を付与可能であるが、大当たり当選していないため、遊技状態を可変させる(当選時の遊技状態とは異なる遊技状態を設定する)処理が実行されないように構成すると良い。これにより、大当たり当選に基づいて遊技者に付与される特典と、小当たり当選に基づいて遊技者に付与される特典と、を明確に異ならせることができる。
上述した通り、特別図柄の抽選結果として「小当たり」に当選し得るように構成する場合は、第1当たり乱数テーブル202vaに「小当たり」に対応する第1当たり乱数カウンタC1の値を規定するように構成すれば良い。このように構成することで、特別図柄の大当たり抽選と小当たり抽選と、を同一の処理で実行することができるため、大当たり抽選と小当たり抽選とを異なる処理で実行する場合に比べ、主制御装置110の処理負荷を軽減することができる。また、1つの特別図柄抽選において、大当たりと小当たりとに重複して当選してしまうことを禁止することができる。
第1当たり種別カウンタC2は、特別図柄の大当たりとなった場合に、第1図柄表示装置37の表示態様を決定するものであり、所定の範囲(例えば、0〜99)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、0〜99の値を取り得るカウンタの場合は99)に達した後0に戻る構成となっている。第1当たり種別カウンタC2の値は、例えば、定期的に(本第22制御例ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64へと入球したタイミングでRAM203の第1特別図柄保留球格納エリア203saに、第2入球口640へと入球したタイミングでRAM203の第2特別図柄保留球格納エリア203sbに格納される。
本第22制御例のパチンコ機10における第1当たり種別カウンタC2の値は、0〜99の範囲のループカウンタとして構成されている。本実施形態では取得した第1当たり種別カウンタC2の値を用いて、第1当たり種別選択テーブル202scを参照して大当たりに当選した場合の大当たり種別を判別するように構成している。ここで、図691(a)を参照して大当たり種別選択テーブル202sbの内容について説明をする。
図691(a)は、第1当たり種別選択テーブル202vbに規定されている内容を模式的に示した模式図である。上述した通り、この第1当たり種別選択テーブル202vbは、第1特別図柄の抽選または第2特別図柄の抽選で大当たり当選した場合に設定する大当たり種別を選択するためのデータテーブルであって、取得した第1当たり種別カウンタC2の値に応じて異なる大当たり種別が規定されているものである。
具体的には、第1特別図柄(特図1)の大当たり種別としては、第1当たり種別カウンタC2の値(更新範囲「0〜99」)が「0」の範囲に対して、大当たり種別として「大当たりA」が対応付けて規定されている。この「大当たりA」は、大当たりのラウンド数が10ラウンドであり、確変大当たり遊技が実行される大当たり種別であって、大当たり遊技終了後に時短カウンタ203shの値に「120」が、確変中カウンタ203vuの値に「120」が設定される大当たり種別である。なお、確変大当たり遊技中に可変入賞装置65内に設けられた特定領域(Vゲート)65vを球が流下(通過)しなかった場合は(非V時は)、大当たり遊技終了後に確変中カウンタ203vuの値に「0」が設定される。
第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「大当たりA」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)が1個であるので、第1特別図柄の抽選で大当たりになった場合に、「大当たりA」が決定される割合は1%(1/100)である。
第1当たり種別カウンタC2の値(更新範囲「0〜99」)が「1」の範囲に対して、大当たり種別として「大当たりB」が対応付けて規定されている。この「大当たりB」は、大当たりのラウンド数が3ラウンドであり、確変大当たり遊技が実行される大当たり種別であって、大当たり遊技終了後に時短カウンタ203shの値に「120」が、確変中カウンタ203vuの値に「120」が設定される大当たり種別である。なお、確変大当たり遊技中に可変入賞装置65内に設けられた特定領域(Vゲート)65vを球が流下(通過)しなかった場合は(非V時は)、大当たり遊技終了後に確変中カウンタ203vuの値に「0」が設定される。
第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「大当たりB」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)が1個であるので、第1特別図柄の抽選で大当たりになった場合に、「大当たりB」が決定される割合は1%(1/100)である。
また、図691(a)に示した通り、第1当たり種別カウンタC2の値が「2〜99」の範囲に対して、大当たり種別として「大当たりC」が対応付けて規定されている。この「大当たりC」は、大当たりのラウンド数が3ラウンドであり、通常大当たり遊技が実行される大当たり種別であって、大当たり遊技終了後に時短中カウンタ203vtの値に「100」が、確変中カウンタ203vuの値に「0」が設定される大当たり種別である。
第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「大当たりC」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)が98個であるので、第1特別図柄の抽選で大当たりになった場合に、「大当たりC」が決定される割合は98%(98/100)である。
即ち、第1特別図柄抽選で大当たり当選した場合に設定され得る2個の大当たり種別(大当たりB、大当たりC)は、大当たり遊技のラウンド数は同一であるが、大当たり遊技中に可変入賞装置65内に設けられた特定領域(Vゲート)65vへの球の通過させ易さを異ならせており、「大当たりB」のほうが「大当たりC」よりも大当たり遊技中に球を特定ゲートへと流下させ易い大当たり遊技が実行されるように構成している。よって、「大当たりB」は、「大当たりC」よりも有利な大当たり種別となる。
次に、第2特別図柄(特図2)の大当たり種別として、特別当たり種別カウンタC2の値が「0〜24」の範囲に対して、大当たり種別として「大当たりA」が対応付けて規定されている。この「大当たりA」は、大当たりのラウンド数が10ラウンドであり、確変大当たり遊技が実行される大当たり種別であって、大当たり遊技終了後に時短カウンタ203shの値に「120」が、確変中カウンタ203vuの値に「120」が設定される大当たり種別である。なお、確変大当たり遊技中に可変入賞装置65内に設けられた特定領域(Vゲート)65vを球が流下(通過)しなかった場合は(非V時は)、大当たり遊技終了後に確変中カウンタ203vuの値に「0」が設定される。
特別当たり種別カウンタC2の取り得る100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「大当たりA」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)が25個であるので、第2特別図柄の抽選で大当たりになった場合に、「大当たりA」が決定される割合は25%(25/100)である。
また、図691(a)に示した通り、第1当たり種別カウンタC2の値が「25〜41」の範囲に対して、大当たり種別として「大当たりB」が対応付けて規定されている。この「大当たりB」は、大当たりのラウンド数が3ラウンドであり、確変大当たり遊技が実行される大当たり種別であって、大当たり遊技終了後に時短中カウンタ203vtの値に「120」が、確変中カウンタ203vuの値に「120」が設定される大当たり種別である。なお、確変大当たり遊技中に可変入賞装置65内に設けられた特定領域(Vゲート)65vを球が流下(通過)しなかった場合は(非V時は)、大当たり遊技終了後に確変中カウンタ203vuの値に「0」が設定される。
第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「大当たりB」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)が12個であるので、第2特別図柄の抽選で大当たりになった場合に、「大当たりB」が決定される割合は12%(12/100)である。
また、図691(a)に示した通り、第1当たり種別カウンタC2の値が「42〜51」の範囲に対して、大当たり種別として「大当たりD」が対応付けて規定されている。この「大当たりD」は、大当たりのラウンド数が2ラウンドであり、確変大当たり遊技が実行される大当たり種別であって、大当たり遊技終了後に時短中カウンタ203vtの値に「120」が、確変中カウンタ203vuの値に「120」が設定される大当たり種別である。なお、確変大当たり遊技中に可変入賞装置65内に設けられた特定領域(Vゲート)65vを球が流下(通過)しなかった場合は(非V時は)、大当たり遊技終了後に確変中カウンタ203vuの値に「0」が設定される。
第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「大当たりD」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)が10個であるので、第2特別図柄の抽選で大当たりになった場合に、「大当たりD」が決定される割合は10%(10/100)である。
また、図691(a)に示した通り、第1当たり種別カウンタC2の値が「52〜68」の範囲に対して、大当たり種別として「大当たりE」が対応付けて規定されている。この「大当たりE」は、大当たりのラウンド数が4ラウンドであり、確変大当たり遊技が実行される大当たり種別であって、大当たり遊技終了後に時短中カウンタ203vtの値に「120」が、確変中カウンタ203vuの値に「120」が設定される大当たり種別である。なお、確変大当たり遊技中に可変入賞装置65内に設けられた特定領域(Vゲート)65vを球が流下(通過)しなかった場合は(非V時は)、大当たり遊技終了後に確変中カウンタ203vuの値に「0」が設定される。
第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「大当たりB」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)が17個であるので、第2特別図柄の抽選で大当たりになった場合に、「大当たりE」が決定される割合は17%(17/100)である。
また、図691(a)に示した通り、第1当たり種別カウンタC2の値が「69〜82」の範囲に対して、大当たり種別として「大当たりF」が対応付けて規定されている。この「大当たりF」は、大当たりのラウンド数が5ラウンドであり、確変大当たり遊技が実行される大当たり種別であって、大当たり遊技終了後に時短中カウンタ203vtの値に「120」が、確変中カウンタ203vuの値に「120」が設定される大当たり種別である。なお、確変大当たり遊技中に可変入賞装置65内に設けられた特定領域(Vゲート)65vを球が流下(通過)しなかった場合は(非V時は)、大当たり遊技終了後に確変中カウンタ203vuの値に「0」が設定される。
第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「大当たりF」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)が14個であるので、第2特別図柄の抽選で大当たりになった場合に、「大当たりF」が決定される割合は14%(14/100)である。
また、図691(a)に示した通り、第1当たり種別カウンタC2の値が「83〜90」の範囲に対して、大当たり種別として「大当たりG」が対応付けて規定されている。この「大当たりG」は、大当たりのラウンド数が6ラウンドであり、確変大当たり遊技が実行される大当たり種別であって、大当たり遊技終了後に時短中カウンタ203vtの値に「120」が、確変中カウンタ203vuの値に「120」が設定される大当たり種別である。なお、確変大当たり遊技中に可変入賞装置65内に設けられた特定領域(Vゲート)65vを球が流下(通過)しなかった場合は(非V時は)、大当たり遊技終了後に確変中カウンタ203vuの値に「0」が設定される。
第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「大当たりG」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)が8個であるので、第2特別図柄の抽選で大当たりになった場合に、「大当たりG」が決定される割合は8%(8/100)である。
また、図691(a)に示した通り、第1当たり種別カウンタC2の値が「91〜97」の範囲に対して、大当たり種別として「大当たりH」が対応付けて規定されている。この「大当たりH」は、大当たりのラウンド数が7ラウンドであり、確変大当たり遊技が実行される大当たり種別であって、大当たり遊技終了後に時短中カウンタ203vtの値に「120」が、確変中カウンタ203vuの値に「120」が設定される大当たり種別である。なお、確変大当たり遊技中に可変入賞装置65内に設けられた特定領域(Vゲート)65vを球が流下(通過)しなかった場合は(非V時は)、大当たり遊技終了後に確変中カウンタ203vuの値に「0」が設定される。
第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「大当たりH」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)が7個であるので、第2特別図柄の抽選で大当たりになった場合に、「大当たりH」が決定される割合は7%(7/100)である。
また、図691(a)に示した通り、第1当たり種別カウンタC2の値が「98」の範囲に対して、大当たり種別として「大当たりI」が対応付けて規定されている。この「大当たりI」は、大当たりのラウンド数が8ラウンドであり、確変大当たり遊技が実行される大当たり種別であって、大当たり遊技終了後に時短中カウンタ203vtの値に「120」が、確変中カウンタ203vuの値に「120」が設定される大当たり種別である。なお、確変大当たり遊技中に可変入賞装置65内に設けられた特定領域(Vゲート)65vを球が流下(通過)しなかった場合は(非V時は)、大当たり遊技終了後に確変中カウンタ203vuの値に「0」が設定される。
第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「大当たりI」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)が1個であるので、第2特別図柄の抽選で大当たりになった場合に、「大当たりI」が決定される割合は1%(1/100)である。
また、図691(a)に示した通り、第1当たり種別カウンタC2の値が「99」の範囲に対して、大当たり種別として「大当たりJ」が対応付けて規定されている。この「大当たりJ」は、大当たりのラウンド数が9ラウンドであり、確変大当たり遊技が実行される大当たり種別であって、大当たり遊技終了後に時短中カウンタ203vtの値に「120」が、確変中カウンタ203vuの値に「120」が設定される大当たり種別である。なお、確変大当たり遊技中に可変入賞装置65内に設けられた特定領域(Vゲート)65vを球が流下(通過)しなかった場合は(非V時は)、大当たり遊技終了後に確変中カウンタ203vuの値に「0」が設定される。
第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「大当たりJ」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)が1個であるので、第2特別図柄の抽選で大当たりになった場合に、「大当たりJ」が決定される割合は1%(1/100)である。
即ち、第2特別図柄抽選で大当たり当選した場合に設定され得る9個の大当たり種別(大当たりA、大当たりB、大当たりD、大当たりE、大当たりF、大当たりG、大当たりH、大当たりI大当たりJ)は、何れも確変大当たり遊技が実行されるが、大当たり遊技のラウンド数を異ならせており、最も多くのラウンド遊技が実行される「大当たりA」が最も遊技者に有利な大当たり種別となり、「大当たりD」が最も遊技者に不利な大当たり種別となる。
以上、説明をした通り、第2特別図柄抽選で大当たり当選した場合には、必ず確変大当たり遊技が実行されるため、2%の割合で確変大当たり遊技が実行される第1特別図柄抽選よりも、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態の面では、有利な大当たり種別となる。
図688に戻り説明を続ける。変動種別カウンタCS1は、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCS1によって、いわゆる短時間外れ、長時間外れ、ノーマルリーチ、スーパーリーチ等の大まかな表示態様(変動時間)が決定される。表示態様の決定は、具体的には、図柄変動の変動時間の決定である。変動種別カウンタCS1により決定された変動時間に基づいて、音声ランプ制御装置113や表示制御装置114により第3図柄表示装置81で表示される第3図柄のリーチ種別や細かな図柄変動態様が決定される。変動種別カウンタCS1の値は、後述するメイン処理(図709参照)が1回実行される毎に1回更新され、当該メイン処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。尚、変動種別カウンタCS1の値(乱数値)から、図柄変動の変動時間を一つ決定する乱数値を格納した変動パターン選択テーブル202vc(図692参照)は、主制御装置110のROM202内に設けられている。
ここで、図692を参照して、変動パターンテーブル202scについて説明する。この変動パターンテーブル202scは、図692(a)に示すように、大当たり用変動パターンテーブル202vc1(図692(b)参照)と、外れ(通常)用変動パターンテーブル202sc2(図692(c)参照)と、外れ(確変・時短)用変動パターンテーブル202sc3(図692(d)参照)とが少なくとも規定されている。
まず、図692(b)を参照して、大当たり用テーブル202sc1について説明する。図692(b)は、この大当たり用変動パターンテーブル202vc1の内容を模式的に示した模式図である。大当たり用変動パターンテーブル202vc1は、特別図柄の抽選結果が大当たりである場合に、選択される変動パターンの種別(変動時間)が規定されたデータテーブルである。大当たりの変動パターンとしては、ノーマルリーチ各種(30秒)、スーパーリーチ各種(60秒)、スペシャルリーチ(90秒)がそれぞれ規定されている。大当たり用変動パターンテーブル202vc1には、変動種別カウンタCS1の値毎に、各変動パターンが対応付けられている。
具体的には、変動種別カウンタCS1の値の判定値として「0〜50」の範囲にはノーマルリーチ各種(30秒)の変動パターンが対応付けられ、「51〜179」の範囲にはスーパーリーチ各種(60秒)の変動パターンが対応付けられ、「180〜198」の範囲にはスペシャルリーチ各種(90秒)の変動パターンが対応付けられている。主制御装置110のMPU201は、特別図柄の抽選結果が大当たりとなる場合の変動パターンを選択する場合に、取得している変動種別カウンタCS1の値に対応する判定値が設定されている変動パターンを大当たり用変動パターンテーブル202vc1より選択する。
図692(c)は、外れ用(通常)変動パターンテーブル202vc2の内容を模式的に示した模式図である。外れ用(通常)変動パターンテーブル202vc2は、特別図柄の低確率状態において、特別図柄の抽選結果が外れであった場合に選択される変動パターンの種別(変動時間)が規定されたデータテーブルである。特別図柄の抽選結果が外れである場合には、上述したように、図示しない停止種別選択テーブルより停止種別が完全外れ(非リーチ)であるか、リーチ外れ(リーチ共通)であるかが停止種別選択カウンタC3の値によって決定される。具体的には、例えば、特別図柄の低確率状態において停止種別選択カウンタC3の値が「0〜79」の範囲にあれば完全外れを設定し、「80〜99」の範囲にあれば外れリーチ(前後外れリーチ、前後外れ以外リーチ)を設定する。
ここで、変動パターン種別が、完全外れである場合には、変動時間が比較的短い短外れ(7秒)と、変動時間が比較的長い長外れ(10秒)のいずれかが設定される。短外れ(7秒)に対しては、「0〜98」が、長外れ(10秒)に対しては、「99〜198」が変動種別カウンタCS1の判定値として設定されている。
また、外れリーチに対しては、変動種別カウンタCS1の判定値が「0〜149」の範囲には外れのノーマルリーチ各種(30秒)が、「150〜197」の範囲には外れのスーパーリーチ各種(60秒)が、「198」には外れのスペシャルリーチ各種(90秒)がそれぞれ設定されている。
このように、主制御装置110のMPU201は、通常遊技状態時に特別図柄の抽選結果が外れである場合には、停止種別が決定され、外れ用(通常)変動パターンテーブル202vc2より取得している変動種別カウンタCS1の値に基づいて、外れ用(通常)変動パターンテーブル202vc2より変動パターンを選択する。
図692(d)は、外れ用(確変・時短)変動パターンテーブル202sc3の内容を模式的に示した模式図である。この外れ用(確変・時短)変動パターンテーブル202sc3は、特別図柄の確変状態において、特別図柄の抽選が外れとなった場合に選択される変動パターンの種別(変動時間)が規定されたデータテーブルである。この外れ用(確変・時短)変動パターンテーブル202sc3では、設定されている変動種別カウンタCS1の値が、上述した外れ用(通常)変動パターンテーブル202vc2とは異なっている。
なお、上述したように、遊技状態が確変遊技状態である場合には、図示しない停止種別選択テーブルにより停止種別選択カウンタC3の値が「0〜89」の範囲にあれば、完全外れが決定され、「90〜99」の範囲にあれば外れリーチ(前後外れリーチ、前後外れ以外リーチ)が決定される。
このように、通常遊技状態よりも確変遊技状態、または、時短遊技状態である場合には、外れである場合にリーチとなる確率が低く設定されている。よって、確変時に外れの変動時間が長くなってしまい、大当たりとなるまでの期間が長くなってしまうことを抑制できる。よって、大当たりし易い確変遊技状態時に遊技が間延びしてしまい、遊技者が退屈に感じる不具合を抑制できる。
図688に戻り説明を続ける。第2当たり乱数カウンタC4は、例えば0〜299の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり299)に達した後0に戻るループカウンタとして構成されている。また、第2当たり乱数カウンタC4が1周した場合、その時点の第2初期値乱数カウンタCINI2の値が当該第2当たり乱数カウンタC4の初期値として読み込まれる。第2当たり乱数カウンタC4の値は、本実施形態ではタイマ割込処理(図698参照)毎に、例えば定期的に更新され、球が普通始動口(スルーゲート)67を通過したことが検知された時に取得され、RAM203の普通図柄保留球格納エリア203vcに格納される。
そして、普通図柄の当たりとなる乱数の値は、主制御装置のROM202に格納される第2当たり乱数テーブル202vdによって設定されており、第2当たり乱数カウンタC4の値が、第2当たり乱数テーブル202vdによって設定された当たりとなる乱数の値と一致する場合に、普通図柄(第2図柄)の当たりと判定する。また、この第2当たり乱数テーブル202vdは、普通図柄の低確率時用と、その低確率時より普通図柄の当たりとなる確率の高い高確率時用との2種類に分けられ、それぞれに含まれる大当たりとなる乱数の個数が異なって設定されている。このように、当たりとなる乱数の個数を異ならせることにより、普通図柄の低確率時と普通図柄の高確率時とで、当たりとなる確率が変更される。
この第2当たり乱数テーブル202vdに規定されている内容について、図691(b)を参照して説明をする。図691(b)は、第2当たり乱数テーブル202vdに規定されている内容を模式的に示した模式図である。図691(b)に示した通り、普通図柄の低確率状態である場合は、取得した第2当たり乱数カウンタC4が「0〜2」の値に普図当たりが規定され、普通図柄の高確率状態である場合は、取得した第2当たり乱数カウンタC4が「0〜149」の範囲に普図当たりが規定されている。
つまり、本第22制御例では、普通図柄の低確率状態が設定されている場合には、普通図柄の抽選で当たりとなる確率(1/100)が低確率に設定されている。これにより、普通図柄の低確率状態である通常状態と、普通図柄の高確率状態である時短状態と、で同一の遊技方法(左打ち遊技)が実行される本実施形態において、通常状態中に普図当たりに当選し難くすることができるため、通常状態中に普図当たり遊技が実行され第2入球口640内に球が入球する事態を発生し難くすることができる。一方、普通図柄の高確率状態が設定されている場合には、普通図柄の抽選で当たりとなる確率(1/2)が高確率に設定されている。これにより、時短状態中において普通図柄の当たり当選に基づく普図当たり遊技を実行し易くすることができる。
また、本第22制御例では、設定されている遊技状態に応じて普通図柄抽選の結果を示すための普通図柄変動の変動時間として異なる長さの変動時間が設定されるように構成されており、普通図柄の低確率状態が設定されている場合のほうが、普通図柄の高確率状態が設定されている場合よりも長い変動時間(例えば、10秒)が設定されるように構成している。このように、普通図柄抽選で当たり当選する確率と、普通図柄変動の変動時間の長さと、を遊技状態に応じて可変させることにより、普通図柄抽選で当たり当選し、第2入球口640へと球を入球させ易い遊技状態(確変状態、時短状態)を容易に設定することができる。
さらに、本第22制御例では、普通図柄の低確率状態が設定されている状態で実行された普通図柄抽選にて当たり当選した場合に、第2入球口640へと球を複数個入球させることが可能な動作態様(ロング開放)で電動役物640が開放動作される普図当たり遊技を実行可能に構成している。よって、普通図柄抽選で当たり当選し難い遊技状態(通常状態)であっても、一時的に第2入球口640へと球を入球させ易くすることができるため、どのような遊技状態が設定されている状態であっても、遊技者に対して第2特別図柄抽選が実行される可能性を残すことができ、遊技の興趣を向上させることができる。
第2初期値乱数カウンタCINI2は、第2当たり乱数カウンタC4と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成され(値=0〜299)、タイマ割込処理(図698参照)毎に1回更新されると共に、メイン処理(図709参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
このように、RAM203には種々のカウンタ等が設けられており、主制御装置110では、このカウンタ等の値に応じて大当たり抽選や第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行することができる。
図687に戻り説明を続ける。ROM202は、図688に図示した各種カウンタに対応して規定される各種データテーブル等を有している。ここで、図689(a)を参照して、本第22制御例のパチンコ機10における主制御装置110のROM202の内容について説明をする。図689(a)は、本第22制御例におけるパチンコ機10の主制御装置110のROM202の内容を模式的に示した模式図である。
図689(a)に示した通り、本第22制御例におけるパチンコ機10の主制御装置110のROM202は、第1当たり乱数テーブル202va、第1当たり種別選択テーブル202vb、変動パターン選択テーブル202vc、第2当たり乱数テーブル202vdを少なくとも有している。なお、第1当たり乱数テーブル202va、第1当たり種別選択テーブル202vb、変動パターン選択テーブル202vc、第2当たり乱数テーブル202vdについては、図688に図示した各種カウンタを説明する際に上述したため、その説明を省略する。
図687に戻り、説明を続ける。RAM203は、図688に図示した各種カウンタのほか、MPU201の内部レジスタの内容やMPU201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。
なお、RAM203は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM203に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。
停電などの発生により電源が遮断されると、その電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタの値がRAM203に記憶される。一方、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAM203に記憶される情報に基づいて、パチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。RAM203への書き込みはメイン処理(図167参照)によって電源遮断時に実行され、RAM203に書き込まれた各値の復帰は電源投入時の立ち上げ処理(図166参照)において実行される。なお、MPU201のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路252からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU201へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図707参照)が即座に実行される。
また、RAM203は、図689(c)に示すように、特別図柄1保留球格納エリア203va、特別図柄2保留球格納エリア203vb、普通図柄保留球格納エリア203vc、特別図柄1保留球数カウンタ203vd、特別図柄2保留球数カウンタ203ve、普通図柄保留球数カウンタ203vf、確変フラグ203vg、確変設定フラグ203vh、確変通過カウンタ203vi、入賞個数カウンタ203vj、動作カウンタ203vk、報知カウンタ203vm、残球タイマフラグ203vn、残球タイマ203vo、確変有効フラグ203vp、確変有効タイマ203vr、排出個数カウンタ203vs、時短中カウンタ203vt、確変中カウンタ203vu、その他メモリエリア203vzを少なくとも有している。
特別図柄1保留球格納エリア203vaは、図688に示すように1つの実行エリアと、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)とを有しており、これらの各エリアには、第1入賞口64に入賞したことに基づいて取得された第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2の各値がそれぞれ格納される。
より具体的には、球が第1入賞口64へ入賞(始動入賞)したタイミングで、各カウンタC1〜C3の各値が取得され、その取得されたデータが、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1〜第4)の小さいエリアから順番に記憶される。つまり、エリア番号の小さいエリアほど、時間的に古い入賞に対応するデータが記憶され、保留第1エリアには、時間的に最も古い入賞に対応するデータが記憶される。尚、4つの保留エリアの全てにデータが記憶されている場合には、新たに何も記憶されない。
その後、主制御装置110において、特別図柄の抽選が行われる場合には、特別図柄1保留球格納エリア203aの保留第1エリアに記憶されている各カウンタC1〜C3の各値が、実行エリアへシフトされ(移動させられ)、その実行エリアに記憶された各カウンタC1〜C3の各値に基づいて、特別図柄の抽選などの判定が行われる。
尚、保留第1エリアから実行エリアへデータをシフトすると、保留第1エリアが空き状態となる。そこで、他の保留エリア(保留第2エリア〜保留第4エリア)に記憶されている入賞のデータを、エリア番号の1小さい保留エリア(保留第1エリア〜保留第3エリア)に詰めるシフト処理が行われる。本実施形態では、特別図柄1保留球格納エリア203aにおいて、入賞のデータが記憶されている保留エリア(第2保留エリア〜第4保留エリア)についてのみデータのシフトが行われる。
特別図柄2保留球格納エリア203vbは、特別図柄1保留球格納エリア203vaに対して、第2入賞口640への入賞に対して取得されたカウンタ値がそれぞれ記憶される点で異なるのみで、その他の構成については、同一であるので、詳細な説明については省略する。
普通図柄保留球格納エリア203vcは、特別図柄1保留球格納エリア203vaまたは特別図柄2保留球格納エリア203vbと同様に、1つの実行エリアと、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)とを有している。これらの各エリアには、第2当たり乱数カウンタC4が格納される。
より具体的には、球が左右何れかの普通始動口67を通過したタイミングで、カウンタC4の値が取得され、その取得されたデータが、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1〜第4)の小さいエリアから順番に記憶される。つまり、特別図柄1保留球格納エリア203vaと同様に、入賞した順序が保持されつつ、入賞に対応するデータが格納される。尚、4つの保留エリアの全てにデータが記憶されている場合には、新たに何も記憶されない。
その後、主制御装置110において、普通図柄の当たりの抽選が行われる場合には、普通図柄保留球格納エリア203vcの保留第1エリアに記憶されているカウンタC4の値が、実行エリアへシフトされ(移動させられ)、その実行エリアに記憶されたカウンタC4の値に基づいて、普通図柄の当たりの抽選などの判定が行われる。
尚、保留第1エリアから実行エリアへデータをシフトすると、保留第1エリアが空き状態となるので、特別図柄1保留球格納エリア203vaの場合と同様に、他の保留エリアに記憶されている入賞のデータを、エリア番号の1小さい保留エリアに詰めるシフト処理が行われる。また、データのシフトも、入賞のデータが記憶されている保留エリアについてのみ行われる。
特別図柄1保留球数カウンタ203vdは、第1入賞口64への入球(始動入賞)に基づいて第1図柄表示装置37で行われる第1特別図柄(第1図柄)の変動表示(第3図柄表示装置81で行われる変動表示)の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。この特別図柄1保留球数カウンタ203vdは、初期値がゼロに設定されており、第1入賞口64へ球が入球して変動表示の保留球数が増加する毎に、最大値4まで1加算される(図703のF604参照)。一方、特別図柄1保留球数カウンタ203vdは、新たに特別図柄の変動表示が実行される毎に、1減算される(図699のF211参照)。
この特別図柄1保留球数カウンタ203vdの値(特別図柄における変動表示の保留回数N)は、特別図柄1保留球数コマンドによって音声ランプ制御装置113に通知される(図699のF212、図703のF605参照)。特別図柄1保留球数コマンドは、特別図柄1保留球数カウンタ203vdの値が変更される度に、主制御装置110から音声ランプ制御装置113に対して送信されるコマンドである。
音声ランプ制御装置113は、特別図柄1保留球数カウンタ203vdの値が変更される度に、主制御装置110より送信される特別図柄1保留球数コマンドによって、主制御装置110に保留された変動表示の保留球数そのものの値を取得することができる。これにより、音声ランプ制御装置113の特別図柄1保留球数カウンタ223vbによって管理される変動表示の保留球数が、ノイズ等の影響によって、主制御装置110に保留された実際の変動表示の保留球数からずれてしまった場合であっても、次に受信する保留球数コマンドによって、そのずれを修正することができる。
なお、音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドに基づいて保留球数を管理し、保留球数が変化する度に表示制御装置114に対して、保留球数を通知するための表示用保留球数コマンドを送信する。表示制御装置114は、この表示用保留球数コマンドによって通知された保留球数を基に、第3図柄表示装置81の保留球数図柄(保留図柄)を表示する。
特別図柄2保留球数カウンタ203veは、特別図柄1保留球数カウンタ203vdに対して、第2入賞口640に入賞して、保留された保留球の数が格納される点で相違する点で異なるので、その詳細な説明については省略する。なお、特別図柄2保留球数カウンタ203veの値が変更されると、特別図柄2保留球数コマンドによって音声ランプ制御装置113に対して通知される。
普通図柄保留球数カウンタ203vfは、普通始動口67における球の通過に基づいて第2図柄表示装置83で行われる普通図柄(第2図柄)の変動表示の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。この普通図柄保留球数カウンタ203vfは、初期値がゼロに設定されており、球が普通始動口67を通過して変動表示の保留球数が増加する毎に、最大値4まで1加算される(図706のF904参照)。一方、普通図柄保留球数カウンタ203vfは、新たに普通図柄(第2図柄)の変動表示が実行される毎に、1減算される(図705のF805参照)。
球が左右何れかの普通始動口67を通過した場合に、この普通図柄保留球数カウンタ203vfの値(普通図柄における変動表示の保留回数M)が4未満であれば、第2当たり乱数カウンタC4の値が取得され、その取得されたデータが、普通図柄保留球格納エリア203vcに記憶される(図706のF905)。一方、球が左右いずれかの普通始動口67を通過した場合に、この普通図柄保留球数カウンタ203vfの値が4であれば、普通図柄保留球格納エリア203vcには新たに何も記憶されない(図706のF903:No)。
確変フラグ203vgは、現在の遊技状態が確変遊技状態(確変遊技状態)であるか否かを示すフラグである。確変フラグ203vgがオンに設定されていると、遊技状態が確変遊技状態であることを示し、オフであると低確率遊技状態(時短遊技状態含む)であることを示している。本第22制御例では、大当たり遊技終了時に後述する確変設定フラグ203vhがオンに設定されている場合に確変フラグ203vgがオンに設定される(図712のF1304参照)。一方、大当たり遊技が開始される場合にオフに設定される。なお、初期化された状態では、オフに設定され、通常の電源断が発生した場合には、電源断直前の状態がバックアップされるように構成されている。
確変設定フラグ203vhは、大当たり遊技後に遊技状態を確変遊技状態に移行させるか否かを示すフラグである。本パチンコ機10では、遊技状態が確変遊技状態に設定されるか否かは、大当たり遊技中に確変スイッチ65e3(図671(a)参照)に遊技球が通過したか否かにより決定される。ここで、この確変スイッチ65e3に遊技球が通過すると確変設定フラグ203vhがオンに設定される(図714のF1242)。一方、この確変設定フラグ203vhは、確変フラグ203vgがオンに設定される(図712のF1306)のに基づいて、オフに設定される。なお、この確変設定フラグ203vhは、電源断時にはバックアップされ、復帰時(電源投入時)には電源断直前の状態に設定される。また、初期化された状態ではオフに設定される。
なお、電源投入時に確変設定フラグ203vhがオンに設定されている場合には、確変スイッチ65e3に電源断前に通過したかを判別して、通過していると判別できた場合に、確変設定フラグ203vhを正式にオンに設定して復帰するように構成してもよい。この場合、電源断前に確変スイッチ65e3を通過しているかの判別は、後述する確変通過カウンタ203viが0より大きい値であるかにより判別できる。このように構成することで、電源断されている状態で、確変設定フラグ203vhのみをオンに書き換えて電源を再投入されるような不正を判別して、遊技店側の被害を低減することができる。
確変通過カウンタ203viは、大当たり遊技中の1つのラウンド(本第22制御例では、大当たりA,B、D〜Jでの2ラウンド)で確変スイッチ65e3を通過した遊技球の数をカウントするためのカウンタである。なお、この確変通過カウンタ203viと後述する排出個数カウンタ203vsとの合計により第1可変入賞装置65に入賞した遊技球が全て排出されたかを判別することができる。この確変通過カウンタ203viは、確変スイッチ65e3を通過した場合に1ずつ加算されて更新される(図714のF1241)。また、第1可変入賞装置65に入賞した遊技球の数と排出個数が一致するかの処理を実行した後に、初期値である「0」にリセットされる(図715のF1271)。なお、この確変通過カウンタ203viは、電源断時にはバックアップされる。また、初期化された状態では、0に設定される。
入賞個数カウンタ203vjは、大当たり遊技における1つのラウンドで第1可変入賞装置65の特定入賞口65aに入賞した遊技球の数(即ち、第1可変入賞装置65に入球した遊技球の数)をカウントするためのカウンタである。具体的には、第1可変入賞装置65に設けられた検出口65a1(図671参照)を遊技球が通過したと検出されることに基づいて、1ずつ加算されて更新される(図77のF1233)。一方、1つのラウンドが終了した場合に、第1可変入賞装置65に入賞した個数(入賞個数カウンタ203vjの値)と排出された個数(排出個数カウンタ203vsと確変通過カウンタ203viとの合計値)とが一致しているか判別(図715のF1267)された後に、初期値である「0」にリセットされる。なお、この入賞個数カウンタ203vjの値は、電源断時にはバックアップされる。また、初期化された状態では、0に設定される。
動作カウンタ203vkは、流路ソレノイド(確変ソレノイド)65kがオン(励磁)に設定される時間を計時(カウント)するためのカウンタである。本パチンコ機10では、大当たりAでは、2ラウンドの開始に基づいて流路ソレノイド65kが5秒間オンに設定され、大当たりCでは2ラウンドの開始に基づいて流路ソレノイド65kが0.5秒間オンに設定される。動作カウンタ203vkには、大当たりAでは、2ラウンドの開始データとして5秒に対応するカウンタ値が設定され、大当たりCでは0.5秒に対応するカウンタ値が設定される(図711のF1202)。一方、主制御装置110のMPU2011の実行する入賞処理22(図714、F1115)のF1239の処理において1ずつ減算されて更新される。また、この動作カウンタ203vkの値が0と判別されること(図714のF1243:Yes)に基づいて、流路ソレノイド65kがオフに設定される。なお、この動作カウンタ203vkは、電源断時にはバックアップされ、初期化された状態では、初期値である0が設定される。このように、動作カウンタ203vkを設定して流路ソレノイド65kを制御することで、確変スイッチ65e3への入賞を大当たり種別により制御できる。
報知カウンタ203vmは、遊技者の注意を惹きつけるための報知演出(本第22制御例では、「液晶を見て」という音声)を出力するタイミングを判別するためのカウンタである。本第22制御例では2ラウンド目の終了タイミング(第1可変入賞装置65に10球入賞か30秒が経過)に1秒間に対応する報知カウンタ203vmが設定される。この報知カウンタ203vmは、主制御装置110の報知処理(図713、F1114)のF1224の処理により1ずつ減算されて更新される。報知カウンタ203vmが0となることに基づいて、音声ランプ制御装置113に対して出力される報知コマンドが設定される。音声ランプ制御装置113では、このコマンドを受信すると上記した音声を出力する為の処理が実行される。
このように構成することで、流路ソレノイド65kが動作される2ラウンド目の開始前に「液晶を見て」という音声が出力されるので、遊技者は、液晶に相当する第3図柄表示装置81を注視する。2ラウンド目には、流路ソレノイド65kが作動するので、その作動を遊技者に注視されると、実行されている大当たり種別を流路ソレノイド65kの動作期間により判別されてしまう。遊技者には大当たり遊技の終了まで確変遊技状態が付与されることへの期待を持ち続けさせるために、切替部材65h(図671(a)参照)の動きを遊技者が見え難くするような報知演出が実行されている。しかしながら、2ラウンド目が終了した場合に、インターバル表示中に切替部材65hを遊技者が見てしまう虞があるので、そのインターバル期間中に、音声により第3図柄表示装置81を注視するように報知する報知演出が実行される。これにより、インターバル演出が実行された後に、表示される表示内容に遊技者の注意を惹きつけることができ、切替部材65hの動作から遊技者の注意をそらすことができる。
なお、本第22制御例では、第3図柄表示装置81を見せるように報知することで、切替部材65hから遊技者の注意をそらすように構成したが、それに限らず、2ラウンド開始前に、第1可変入賞装置65に遊技者の手をかざすように報知することで、切替部材65hの動きを遊技者の手によって隠れるように報知してもよい。また、第3図柄表示装置81に限らず、装飾ランプ34等を遊技者に見るように報知することで、遊技者の注意をそらすように構成してもよい。さらに、2ラウンド中に、3次元コード等を表示させて、携帯電話で読み取るように促す報知をすることで、遊技者の注意をそらすように構成してもよい。本第22制御例では、注意をそらす演出は、切替部材65hの動作が終了するまでの最長時間(2ラウンド開始から5秒間)が設定される。これにより、報知時間により大当たりAであるか大当たりBであるかが判別される不具合を抑制できる。
残球タイマフラグ203vnは、1のラウンドで第1可変入賞装置65の開閉扉65f1が閉鎖したことを示すフラグである。この残球タイマフラグ203vnがオンに設定されていると、1のラウンドで第1可変入賞装置65の開閉扉65f1が開放状態から閉鎖状態に設定されたことを示している。この残球タイマフラグ203vnがオンに設定されることで、後述する残球タイマ203voが1ずつ加算されて更新される(図715のF1264参照)。残球タイマ203voは、開閉扉65f1が閉鎖されてからの時間を判別するためのカウンタであり、第1可変入賞装置65内の遊技球が排出されるのに必要な時間が経過したかを判別するためのカウンタである。
残球タイマ203voは、予め設定されている1のラウンドが終了して第1可変入賞装置65の開閉扉65f1が閉鎖した場合に、第1可変入賞装置65に入賞した遊技球が排出されるのに必要な時間が経過したかを判別するためのカウンタである。本第22制御例では、第1可変入賞装置81に入賞した遊技球が排出されるまでに必要な時間は2秒であり、本第22制御例では、予め3秒に対応するカウンタ値が残球タイマ203voの上限値として設定されている。この残球タイマ203voの上限値(本第22制御例では、3秒)となったことに基づいて、第1可変入賞装置65への入賞個数とその排出個数とが一致しているかの判別が実行される(図715のF1267)。一致しない場合には、エラーコマンドが設定されて、その旨が報知される。よって、第1可変入賞装置65内に遊技球が球詰まりしていることを早期に知らせることができる。よって、不正に第1可変入賞装置65内に遊技球を残存させておき、2ラウンドの開始タイミングで衝撃等を与えて、実際よりも早く切替部材65hまで遊技球を到達させて、大当たりBであっても確変スイッチ65e3に遊技球を通過させる不正を抑制できる。
なお、入賞個数と排出個数が一致しない場合には、専用のフラグをオンに設定しておき、そのフラグがオンである場合には確変スイッチ65e3を遊技球が通過しても確変設定フラグ203vhをオンに設定しない構成にしてもよい。このように構成することで、不正に確変遊技状態が付与されることを抑制できる。
確変有効フラグ203vpは、流路ソレノイド65kがオフに設定された後に、遊技球が確変スイッチ65e3に通過した場合に、その通過を有効とするか否かを判別するためのフラグである。この確変有効フラグ203vpがオンに設定されている場合には、流路ソレノイド65kがオンであることに基づいて、特別排出口65e2(図671(a)参照)に流入した遊技球が確変スイッチ65e3を通過するのに必要な時間以下であることを示している。即ち、確変有効フラグ203vpがオンである期間は、確変スイッチ65e3に遊技球が通過することが正常な期間であることを示している。
確変有効タイマ203vrは、上述した確変有効フラグ203vpがオンに設定されてからの時間をカウントする為のカウンタである。この確変有効タイマ203vrにより流路ソレノイド65kがオフとなった後に、確変スイッチ65e3を正常に通過するのに必要な期間を判別(計測)することができる。本第22制御例では、特別排出口65e2に入球した遊技球が確変スイッチ65e3を通過するのに要する時間は1秒である。確変有効タイマ203vrの上限値は1.2秒に対応するカウンタ値に設定されており、それ以後に確変スイッチ65e3を通過しても不正と判別して通過と判別しない。
これにより、切替部材65hが特別排出口65e2に誘導しない状態で、不正に特別排出口65e2に入球させて確変スイッチ65e3に遊技球を通過させたり、確変スイッチ65e3の下方よりピアノ線等で遊技球を押し上げて通過させたり、電波等により磁気センサーを通過と誤検出させたりする不正による被害を抑制できる。
排出個数カウンタ203vsは、1のラウンドで排出確認スイッチ65e4(図671(a)参照)を通過した遊技球の数をカウントするためのカウンタである。この排出個数カウンタ203vsは、第1可変入賞装置65に入賞した遊技球の数と排出個数とが判別された後に初期値である0にリセットされる(図715のF1271)。
時短中カウンタ203vtは、時短遊技状態における残りの特別図柄の変動回数をカウントするためのカウンタである。この時短中カウンタ203vtは、大当たり遊技終了時に確変設定フラグがオフである場合に、100が設定される。即ち、本第22制御例では、大当たり遊技後に確変遊技状態に設定されない場合には、100回の時短遊技状態に移行する。
確変中カウンタ203vuは、確変遊技状態における残りの特別図柄の変動回数をカウントするためのカウンタである。この確変中カウンタ203vuは、大当たり遊技終了時に確変設定フラグがオンである場合に、120が設定される。即ち、本第22制御例では、大当たり遊技終了後に確変遊技状態が設定される場合には、120回の確変遊技状態に移行する。
その他メモリエリア203vzは、遊技に必要なその他のデータや、カウンタ、フラグ等が設定(記憶)される。
図687に戻って説明を続ける。払出制御装置111は、払出モータ216を駆動させて賞球や貸出球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU211は、そのMPU211により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM212と、ワークメモリ等として使用されるRAM213とを有している。
払出制御装置111のRAM213は、主制御装置110のRAM203と同様に、MPU211の内部レジスタの内容やMPU211により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。RAM213は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM213に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。なお、主制御装置110のMPU201と同様、MPU211のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路252から停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU211へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図示せず)が即座に実行される。
払出制御装置111のMPU211には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン214を介して入出力ポート215が接続されている。入出力ポート215には、主制御装置110や払出モータ216、発射制御装置112などがそれぞれ接続されている。また、図示はしないが、払出制御装置111には、払い出された賞球を検出するための賞球検出スイッチが接続されている。なお、該賞球検出スイッチは、払出制御装置111に接続されるが、主制御装置110には接続されていない。
発射制御装置112は、主制御装置110により球の発射の指示がなされた場合に、操作ハンドル51の回動操作量に応じた球の打ち出し強さとなるよう球発射ユニット112aを制御するものである。球発射ユニット112aは、図示しない発射ソレノイドおよび電磁石を備えており、その発射ソレノイドおよび電磁石は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、球の発射を停止させるための発射停止スイッチ51bがオフ(操作されていないこと)を条件に、操作ハンドル51の回動操作量(回動位置)に対応して発射ソレノイドが励磁され、操作ハンドル51の操作量に応じた強さで球が発射される。
音声ランプ制御装置113は、音声出力装置(スピーカ308など)226における音声の出力、ランプ表示装置(電飾部29〜33、表示ランプ34など)227における点灯および消灯の出力、変動演出(変動表示)や予告演出といった表示制御装置114で行われる第3図柄表示装置81の表示態様の設定などを制御するものである。演算装置であるMPU221は、そのMPU221により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM222と、ワークメモリ等として使用されるRAM223とを有している。
図687に示す通り、音声ランプ制御装置113のMPU221には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン224を介して入出力ポート225が接続されている。入出力ポート225には、主制御装置110、表示制御装置114、音声出力装置226、ランプ表示装置227、その他装置228、枠ボタン22A(演出ボタン22、選択ボタン600)、駆動モータ群が接続されている。この駆動モータ群には剣役物用モータ771と、チェンジ役物用モータ773,774と、その他モータが含まれている。
上述した各モータはステッピングモータとモータドライバとにより構成されており、音声ランプ制御装置113のMPU221から各モータドライバに対して動作内容を設定する動作コマンド(動作(回転)速度(pps)、動作ステップ数と、および動作(回転)方向を指定可能なコマン)が出力される。この音声ランプ制御装置113から出力されるモータ動作コマンドは、音声ランプ制御装置113のRAM223に格納される動作シナリオテーブル222vfに規定される内容を参照して設定される。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から受信した各種のコマンド(変動パターンコマンド、停止種別コマンド等)に基づいて、第3図柄表示装置81の表示態様を決定し、決定した表示態様をコマンド(表示用変動パターンコマンド、表示用停止種別コマンド等)によって表示制御装置114へ通知する。また、音声ランプ制御装置113は、枠ボタン22Aからの入力を監視し、遊技者によって枠ボタン22Aが操作された場合は、第3図柄表示装置81で表示されるステージを変更したり、スーパーリーチ時の演出内容を変更したりするように、表示制御装置114へ指示する。ステージが変更される場合は、変更後のステージに応じた後面画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、変更後のステージに関する情報を含めた後面画像変更コマンドを表示制御装置114へ送信する。ここで、後面画像とは、第3図柄表示装置81に表示させる主要な画像である第3図柄の後面側に表示される画像のことである。表示制御装置114は、この音声ランプ制御装置113から送信されるコマンドに従って、第3図柄表示装置81に各種の画像を表示する。
なお、遊技者によって枠ボタン22Aが操作された場合に、図示しない演出用の役物を駆動させるためにその他装置228へ役物駆動コマンドを送信したり、枠ボタン22Aへの操作内容に対応した音声を音声出力装置226に出力させるための音声出力コマンドを設定したり、枠ボタン22Aへの操作内容に対応した発光態様でランプ表示装置227を発光させるためのランプ出力コマンドを設定したりするように構成しても良い。
また、音声ランプ制御装置113は、表示制御装置114から第3図柄表示装置81の表示内容を表すコマンド(表示コマンド)を受信する。音声ランプ制御装置113では、表示制御装置114から受信した表示コマンドに基づき、第3図柄表示装置81の表示内容に合わせて、その表示内容に対応する音声を音声出力装置226から出力し、また、その表示内容に対応させてランプ表示装置227の点灯および消灯を制御する。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110からのコマンドや、音声ランプ制御装置113に接続された各種装置等の状況に応じてエラーを判定し、そのエラーの種別を含めてエラーコマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114では、受信したエラーコマンドによって示されるエラー種別(例えば、振動エラー)に応じたエラーメッセージ画像を第3図柄表示装置81に遅滞無く表示させる制御が行われる。
ここで、本第22制御例における音声ランプ制御装置113のMPU221が有するROM222に規定されている内容について説明をする。音声ランプ制御装置113のROM222には、図693(a)に示すように、変動パターン選択テーブル222vaと、保留変化演出抽選テーブル222vbと、保留色選択テーブル222vcと、保留変化シナリオ選択テーブル222vdと、シャッター閉鎖リーチ選択テーブル222veと、動作シナリオテーブル222vfと、が少なくとも記憶されている。
変動パターン選択テーブル222vaは、図示しない変動パターン選択用のカウンタ値に各変動パターンの種別(ど外れ、リーチ外れ、リーチ各種等)の変動パターンがそれぞれ設定されている。音声ランプ制御装置113は、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドが示す変動パターン種別、当否判定結果、取得した選択用のカウンタ値に基づいて、詳細な変動パターンを選択する。これにより、変動時間や変動パターンの種別等の大まかな情報は厳守しつつ、音声ランプ制御装置113が多種多様の変動態様を選択することができる。よって、同じ変動表示態様等が頻繁に表示されることが防止でき、遊技者が早期に飽きてしまう不具合を抑制できる。
変動パターン選択テーブル222vaは、図示しない変動パターン選択用のカウンタ値に各変動パターンの種別(ど外れ、リーチ外れ、リーチ各種等)の変動パターンがそれぞれ設定されている。音声ランプ制御装置113は、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドが示す変動パターン種別、当否判定結果、取得した選択用のカウンタ値に基づいて、詳細な変動パターンを選択する。これにより、変動時間や変動パターンの種別等の大まかな情報は厳守しつつ、音声ランプ制御装置113が多種多様の変動態様を選択することができる。よって、同じ変動表示態様等が頻繁に表示されることが防止でき、遊技者が早期に飽きてしまう不具合を抑制できる。
保留変化演出抽選テーブル222vbは、第1演出カウンタ223vfのカウンタ値に保留変化演出の態様(実行しない、単独保留変化演出、複合保留変化演出)がそれぞれ設定されている。音声ランプ制御装置113は、主制御装置110より特図用の入賞コマンドを受信した場合に、この保留変化演出抽選テーブル222vbに基づいて、その入賞情報に対応する保留図柄に対して保留変化演出を実行するか否かを決定する。
ここで、図694(a)を参照して、保留変化演出抽選テーブル222vbの内容について説明する。図694(a)は、保留変化演出抽選テーブル222vbの内容を模式的に示した模式図である。図694(a)に示す通り、本第22制御例では、第1演出カウンタ223vfのカウンタ値に基づいて、主制御装置110から受信した特図用の入賞コマンドに対応する保留図柄に対して保留変化演出を実行するか否かを決定する。
第1演出カウンタ223vfの値が「0〜29」の範囲に対して「保留変化演出を実行しない」が対応付けて規定され、「30〜89」の範囲に対して「単独保留変化演出」が対応付けて規定され、「90〜98」の範囲に対して「複合保留変化演出」が対応付けて規定されている。
ここで、単独保留変化演出とは、主制御装置110から特図用の入賞コマンドを受信した場合に、保留図柄の表示開始時の保留色を、保留色選択テーブル222vcから決定された保留色で表示する演出である。なお、保留変化演出が実行されない場合には、保留色として「白」が設定される。
また、複合保留変化演出とは、複数の保留図柄を用いた保留変化演出であり、予め設定された保留変化シナリオに基づいて、特別図柄の変動開始時に表示されている複数の保留図柄の保留色を可変させる演出である。
図693(a)に戻り説明を続ける。保留色選択テーブル222vcは、第2演出カウンタ223vgのカウンタ値に保留色がそれぞれ設定されている。この保留色選択テーブル222vcは、単独保留変化演出が実行される場合に、主制御装置110から受信した入賞コマンドに対応する保留図柄の色を決定するために参照されるテーブルである(図722のF2559参照)。
ここで、図694(b)を参照して、保留色選択テーブル222vcの内容について説明する。図694(b)は保留色選択テーブル222vcの内容を模式的に示した模式図である。図694(b)に示す通り、本第22制御例では、当否判定の結果と、第2演出カウンタ223vgのカウンタ値に基づいて、保留図柄の保留色が決定される。
当否判定結果が「当たり」である場合、第2演出カウンタ223vgの値が「0〜29」の範囲に対して保留色「白」が対応付けて規定され、「30〜59」の範囲に対して保留色「青」が対応付けて規定され、「60〜89」の範囲に対して保留色「黄色」が対応付けて規定され、「90〜119」の範囲に対して保留色「紫」が対応付けて規定され、「120〜179」の範囲に対して保留色「緑」が対応付けて規定され、「180〜194」の範囲に対して保留色「赤」が対応付けて規定され、「195〜198」の範囲に対して保留色「虹」が対応付けて規定されている。当否判定結果が「当たり」である場合には、いずれの保留色が選択されても保留演出制限中フラグ223vmがオンに設定され、保留演出情報格納エリア223vlに「当たり保留」であることを示す情報が格納される。
保留演出情報格納エリア223vlは、音声ランプ制御装置113のRAM223に設けられており、保留図柄に対して保留変化演出を実行するための保留演出情報を格納するものである。
保留演出制限中フラグ223vmは、保留変化演出の対象となる保留図柄が表示されている期間に、他の保留図柄を対象とする保留変化演出が新たに設定されないようにするためのフラグである。上述したように、本第22制御例では、対象保留図柄の保留色と、前後の保留図柄の保留色を組み合わせる保留変化演出を実行する(図672〜図677参照)。この保留変化演出では、予め定められた保留変化シナリオに対応する動作シナリオで左チェンジ役物Ym1と、右チェンジ役物Ym2が可動するため、例えば、保留変化演出の対象である保留図柄の次の保留図柄にも異なる保留変化シナリオが設定された場合に、保留変化演出の実行タイミングが重なってしまい、遊技者に誤った遊技情報を与えてしまう虞があるため、これを防ぐために、保留演出制限中フラグ223vmがオンである期間は、新たに保留変化演出が実行されない構成としている。
一方、当否判定結果が「外れ」である場合、第2演出カウンタ223vgの値が「0〜49」の範囲に対して保留色「白」が対応付けて規定され、「50〜149」の範囲に対して保留色「青」が対応付けて規定され、「150〜174」の範囲に対して保留色「黄」が対応付けて規定され、「175〜194」の範囲に対して保留色「紫」が対応付けて規定され、「195〜197」の範囲に対して保留色「緑」が対応付けて規定され、「198」の範囲に対して保留色「赤」が対応付けて規定されている。当否判定結果が「外れ」である場合には、いずれの保留色が選択されても、保留演出制限中フラグ223vmはオフに設定され、保留演出情報格納エリア223vlには選択された保留色に対応する保留色情報が格納される。
図694(b)に示す通り、当否判定結果が「当たり」である場合には、当否判定結果が「外れ」である場合よりも保留色「緑」および「赤」が選択される範囲が多く、また、「虹」が選択可能な構成となっている。このように、当否判定結果が「当たり」の場合と、「外れ」の場合とで選択され易い保留色を設定することで、表示される保留図柄の保留色に基づいて、遊技者が当否判定結果を予測することができる。
なお、本第22制御例では、保留色を7色としたが、これに限るものではなく、6色以下でも良いし、8色以上でも良い。
図693(a)に戻り、説明を続ける。保留変化シナリオ選択テーブル222vdは、複合保留変化演出が実行される場合に、当否判定結果と、1つ前の保留色と、第2演出カウンタ223vgの値に基づいて、主制御装置110から受信した入賞コマンドに対応する保留図柄の保留色や、保留変化シナリオ等の保留演出情報を決定するために参照されるテーブルである。
ここで、図695を参照して、保留変化シナリオ選択テーブル222vdの内容について説明する。図695は、保留変化シナリオ選択テーブル222vdの内容を模式的に示した模式図である。図695に示す通り、保留変化シナリオ選択テーブル222vdは、主制御装置110から受信した入賞コマンドに含まれる当否判定結果と、1つ前の入賞コマンドに対応する保留図柄の保留色と、第2演出カウンタ223vgの値に基づいて、受信した入賞コマンドに対応する保留図柄の保留色を決定し、保留変化演出制限中フラグ223smと、後保留設定フラグ223vnをオンにするか否かを設定する。また、保留変化シナリオを設定し、その保留図柄に基づく特別図柄の変動が開始されるまでの期間中の所定のタイミングで保留色が変化する演出を実行するための情報を保留演出情報格納エリア223vlに格納する。
なお、後保留設定フラグ223vnは、音声ランプ制御装置113に設けられており、複合保留変化演出の保留変化シナリオが設定された場合に、次に受信した入賞コマンドに対応する保留図柄の保留色を強制的に決定するためのフラグである。複合保留変化演出設定処理22(図723のF2517参照)において特定の保留変化シナリオが決定された場合にオンされ(図723のF2605参照)、次に受信した入賞コマンドの保留色を決定した場合にオフされる(図722のF2553参照)。
図695に戻り説明を続ける。当否判定結果が「当たり」であり、1つ前の保留図柄の保留色が「白」である場合に第2演出カウンタ223vgの値が「0〜49」の範囲であれば、受信した入賞コマンドに対応する保留図柄の保留色として「紫」が決定され、保留演出制限中フラグ223vmがオンに設定される。また、保留演出情報格納エリア223vlには、保留色として「紫」、保留変化シナリオとして「保留変化シナリオ1」が格納される。保留変化シナリオ1は、対象保留図柄の保留色「紫」の1つ前の保留図柄の保留色が「白」であるため、左チェンジ役物Ym1によって、1つ前の保留図柄が隠された場合に、何の色も移植されず、保留図柄の保留色が変わらないシナリオである。なお、この場合、次に受信した入賞コマンドに対する保留色の指定はされないため、後保留設定フラグ223vnはオフの状態が維持される。
本第22制御例では、「白」保留図柄を隠した場合に、保留図柄の保留色が変わらない構成としたが、これに限るものではなく、変化対象の保留図柄単独で保留変化演出を実行する構成としても良い。
当否判定結果が「当たり」であり、1つ前の保留図柄の保留色が「白」である場合に第2演出カウンタ223vgの値が「50〜89」の範囲であれば、受信した入賞コマンドに対応する保留図柄の保留色として「紫」が決定され、保留演出制限中フラグ223vmがオンに設定される。また、保留演出情報格納エリア223vlには、保留色として「紫」、保留変化シナリオとして「保留変化シナリオ2」が格納される。保留変化シナリオ2は、対象保留図柄の保留色「紫」の1つ前の保留図柄の保留色が「白」であるため、右チェンジ役物Ym1によって、対象保留図柄が隠された場合に、対象保留図柄「紫」から「青」が1つ前の保留図柄に移植され、対象保留図柄が「赤」に、1つ前の保留図柄が「青」に可変するシナリオである。なお、この場合、次に受信した入賞コマンドに対する保留色の指定はされないため、後保留設定フラグ223vnはオフの状態が維持される。
このように、チェンジ役物Ym1,Ym2によって隠された方の保留図柄が大当たり当選期待度の高い表示態様に可変可能な構成であるため、遊技者に意外性のある演出を提供することができる。
当否判定結果が「当たり」であり、1つ前の保留図柄の保留色が「白」である場合に第2演出カウンタ223vgの値が「90〜198」であれば、受信した入賞コマンドに対応する保留図柄の保留色として「青」が決定され、保留演出制限中フラグ223vmがオンに設定される。また、保留演出情報格納エリア223vlには、保留色として「青」、次の入賞コマンドに対応する保留図柄の保留色として「黄」、保留変化シナリオとして「保留変化シナリオ3」が格納される。保留変化シナリオ3は、対象保留図柄の保留色「青」に、次の保留図柄の保留色である「黄」が移植され、対象保留図柄は「緑」に可変し、次の保留図柄の保留色が「黄」から「白」に可変するシナリオである。この場合、次の入賞コマンドに対応する保留図柄の保留色が「黄」に指定されているため、後保留設定フラグ223vnをオンに設定する。
当否判定結果が「当たり」であり、1つ前の保留図柄の保留色が「青」である場合に第2演出カウンタ223vgの値が「0〜69」であれば、受信した入賞コマンドに対応する保留図柄の保留色として「黄」が決定され、保留演出制限中フラグ223vmがオンに設定される。また、保留演出情報格納エリア223vlには、保留色として「黄」、保留変化シナリオとして「保留変化シナリオ4」が格納される。保留変化シナリオ4は、対象保留図柄の保留色「黄」に、1つ前の保留図柄の保留色である「青」を移植し、1つ前の保留図柄は「白」に可変し、対象保留図柄の保留色が「黄」から「緑」に可変するシナリオである。この場合、次の入賞コマンドに対応する保留図柄の保留色が指定されていないため、後保留設定フラグ223vnはオフの状態が維持される。
当否判定結果が「当たり」であり、1つ前の保留図柄の保留色が「青」である場合に第2演出カウンタ223vgの値が「70〜149」であれば、受信した入賞コマンドに対応する保留図柄の保留色として「白」が決定され、保留演出制限中フラグ223vmがオンに設定される。また、保留演出情報格納エリア223vlには、保留色として「白」、次の入賞コマンドに対応する保留図柄の保留色として「紫」、保留変化シナリオとして「保留変化シナリオ5」が格納される。保留変化シナリオ5は、対象保留図柄の保留色「白」に、次の保留図柄の保留色である「紫」から「赤」が移植され、対象保留図柄は「赤」に可変し、次の保留図柄の保留色が「紫」から「青」に可変するシナリオである。この場合、次の入賞コマンドに対応する保留図柄の保留色が「紫」に指定されているため、後保留設定フラグ223vnをオンに設定する。
当否判定結果が「当たり」であり、1つ前の保留図柄の保留色が「青」である場合に第2演出カウンタ223vgの値が「150〜198」であれば、受信した入賞コマンドに対応する保留図柄の保留色として「黄」が決定され、保留演出制限中フラグ223vmがオンに設定される。また、保留演出情報格納エリア223vlには、保留色として「黄」、次の入賞コマンドに対応する保留図柄の保留色として「赤」、保留変化シナリオとして「保留変化シナリオ6」が格納される。保留変化シナリオ6は、対象保留図柄の保留色「黄」に、1つ前の保留図柄の保留色である「青」と、次の保留図柄の保留色である「赤」が移植され、対象保留図柄は「虹」に可変し、1つ前の保留図柄の保留色が「青」から「白」、次の保留図柄の保留色が「赤」から「白」に可変するシナリオである。この場合、次の入賞コマンドに対応する保留図柄の保留色が「赤」に指定されているため、後保留設定フラグ223vnをオンに設定する。
このように、大当たり当選期待度の高い表示態様の保留図柄(赤保留図柄)が表示されても、別の保留図柄に移植されることで、更に大当たり当選期待度の高い表示態様の保留図柄(虹保留図柄)となることが可能な構成であり、最初に大当たり当選期待度の高い表示態様の保留図柄が表示されても、どの保留図柄に移植されるか保留変化演出が実行されるまで分からないため、大当たり当選期待度の高い表示態様の保留柄以前に獲得している保留球に基づく抽選遊技が消化試合になることを抑制することができる。
当否判定結果が「当たり」であり、1つ前の保留図柄の保留色が「黄」である場合に第2演出カウンタ223vgの値が「0〜149」であれば、受信した入賞コマンドに対応する保留図柄の保留色として「青」が決定され、保留演出制限中フラグ223vmがオンに設定される。また、保留演出情報格納エリア223vlには、保留色として「青」、保留変化シナリオとして「保留変化シナリオ7」が格納される。保留変化シナリオ7は、対象保留図柄の保留色「青」に、1つ前の保留図柄の保留色である「黄」を移植し、1つ前の保留図柄は「白」に可変し、対象保留図柄の保留色が「緑」に可変するシナリオである。この場合、次の入賞コマンドに対応する保留図柄の保留色が指定されていないため、後保留設定フラグ223vnはオフの状態が維持される。
当否判定結果が「当たり」であり、1つ前の保留図柄の保留色が「黄」である場合に第2演出カウンタ223vgの値が「150〜198」であれば、受信した入賞コマンドに対応する保留図柄の保留色として「青」が決定され、保留演出制限中フラグ223vmがオンに設定される。また、保留演出情報格納エリア223vlには、保留色として「青」、次の入賞コマンドに対応する保留図柄の保留色として「赤」、保留変化シナリオとして「保留変化シナリオ8」が格納される。保留変化シナリオ8は、対象保留図柄の保留色「青」に、次の保留図柄の保留色である「赤」を移植し、対象保留図柄は「紫」に可変し、次の保留図柄の保留色が「白」に可変するシナリオである。この場合、次の入賞コマンドに対応する保留図柄の保留色が「赤」に指定されているため、後保留設定フラグ223vnをオンに設定する。
なお、上述したように、本第22制御例では、保留色「紫」よりも保留色「赤」の方が大当たり当選期待度の高い表示態様であり、保留図柄の表示態様が下位の表示態様に可変した後に外れが報知されると遊技者の遊技意欲を激しく低下させてしまう虞があるが、本第22制御例では、大当たり当選の場合のみ、下位の表示態様に可変可能な構成としている。このように構成することで、遊技者に意外性のある遊技を提供することができる。
当否判定結果が「当たり」であり、1つ前の保留図柄の保留色が「紫」である場合に第2演出カウンタ223vgの値が「0〜99」であれば、受信した入賞コマンドに対応する保留図柄の保留色として「白」が決定され、保留演出制限中フラグ223vmがオンに設定される。また、保留演出情報格納エリア223vlには、保留色として「白」、保留変化シナリオとして「保留変化シナリオ9」が格納される。保留変化シナリオ9は、対象保留図柄の保留色「白」に、1つ前の保留図柄の保留色「紫」から「赤」が移植され、対象保留図柄の保留色が「赤」に、1つ前の保留図柄の保留色が「青」に可変するシナリオである。なお、この場合、次に受信した入賞コマンドに対する保留色の指定はされないため、後保留設定フラグ223vnはオフの状態が維持される。
当否判定結果が「当たり」であり、1つ前の保留図柄の保留色が「紫」である場合に第2演出カウンタ223vgの値が「100〜149」であれば、受信した入賞コマンドに対応する保留図柄の保留色として「白」が決定され、保留演出制限中フラグ223vmがオンに設定される。また、保留演出情報格納エリア223vlには、保留色として「白」、保留変化シナリオとして「保留変化シナリオ10」が格納される。保留変化シナリオ10は、対象保留図柄の保留色「白」が単独で「緑」に可変するシナリオである。なお、この場合、次に受信した入賞コマンドに対する保留色の指定はされないため、後保留設定フラグ223vnはオフの状態が維持される。
当否判定結果が「当たり」であり、1つ前の保留図柄の保留色が「紫」である場合に第2演出カウンタ223vgの値が「150〜198」であれば、受信した入賞コマンドに対応する保留図柄の保留色として「緑」が決定され、保留演出制限中フラグ223vmがオフに設定される。また、保留演出情報格納エリア223vlには、保留色として「緑」が格納される。なお、この場合、保留変化シナリオは設定されず、また、次の入賞コマンドに対応する保留図柄の保留色が指定されていないため、後保留設定フラグ223vnはオフの状態が維持される。
当否判定結果が「当たり」であり、1つ前の保留図柄の保留色が「青」である場合に第2演出カウンタ223vgの値が「0〜198」であれば、受信した入賞コマンドに対応する保留図柄の保留色として「黄」が決定され、保留演出制限中フラグ223vmがオンに設定される。また、保留演出情報格納エリア223vlには、保留色として「黄」、次の入賞コマンドに対応する保留図柄の保留色として「青」、保留変化シナリオとして「保留変化シナリオ11」が格納される。保留変化シナリオ11は、対象保留図柄の保留色「黄」に、1つ前の保留図柄の保留色である「赤」と、次の保留図柄の保留色である「青」が移植され、対象保留図柄は「虹」に可変し、1つ前の保留図柄の保留色が「赤」から「白」、次の保留図柄の保留色が「青」から「白」に可変するシナリオである。この場合、次の入賞コマンドに対応する保留図柄の保留色が「青」に指定されているため、後保留設定フラグ223vnをオンに設定する。
当否判定結果が「外れ」であり、1つ前の保留図柄の保留色が「白」である場合に第2演出カウンタ223vgの値が「0〜149」であれば、受信した入賞コマンドに対応する保留図柄の保留色として「白」が決定され、保留演出制限中フラグ223vmがオフに設定される。また、保留演出情報格納エリア223vlには、保留色として「白」が格納される。なお、この場合、保留変化シナリオは設定されず、また、次の入賞コマンドに対応する保留図柄の保留色が指定されていないため、後保留設定フラグ223vnはオフの状態が維持される。
当否判定結果が「外れ」であり、1つ前の保留図柄の保留色が「白」である場合に第2演出カウンタ223vgの値が「150〜198」であれば、受信した入賞コマンドに対応する保留図柄の保留色として「青」が決定され、保留演出制限中フラグ223vmがオンに設定される。また、保留演出情報格納エリア223vlには、保留色として「青」、次の入賞コマンドに対応する保留図柄の保留色として「黄」、保留変化シナリオとして「保留変化シナリオ3」が格納される。この場合、次の入賞コマンドに対応する保留図柄の保留色が「黄」に指定されているため、後保留設定フラグ223vnをオンに設定する。
当否判定結果が「外れ」であり、1つ前の保留図柄の保留色が「青」である場合に第2演出カウンタ223vgの値が「0〜169」であれば、受信した入賞コマンドに対応する保留図柄の保留色として「白」が決定され、保留演出制限中フラグ223vmがオフに設定される。また、保留演出情報格納エリア223vlには、保留色として「白」が格納される。なお、この場合、保留変化シナリオは設定されず、また、次の入賞コマンドに対応する保留図柄の保留色が指定されていないため、後保留設定フラグ223vnはオフの状態が維持される。
当否判定結果が「外れ」であり、1つ前の保留図柄の保留色が「青」である場合に第2演出カウンタ223vgの値が「170〜198」であれば、受信した入賞コマンドに対応する保留図柄の保留色として「黄」が決定され、保留演出制限中フラグ223vmがオンに設定される。また、保留演出情報格納エリア223vlには、保留色として「黄」、保留変化シナリオとして「保留変化シナリオ4」が格納される。また、次の入賞コマンドに対応する保留図柄の保留色が指定されていないため、後保留設定フラグ223vnはオフの状態が維持される。
当否判定結果が「外れ」であり、1つ前の保留図柄の保留色が「黄」である場合に第2演出カウンタ223vgの値が「0〜169」であれば、受信した入賞コマンドに対応する保留図柄の保留色として「白」が決定され、保留演出制限中フラグ223vmがオフに設定される。また、保留演出情報格納エリア223vlには、保留色として「白」が格納される。なお、この場合、保留変化シナリオは設定されず、また、次の入賞コマンドに対応する保留図柄の保留色が指定されていないため、後保留設定フラグ223vnはオフの状態が維持される。
当否判定結果が「外れ」であり、1つ前の保留図柄の保留色が「黄」である場合に第2演出カウンタ223vgの値が「170〜198」であれば、受信した入賞コマンドに対応する保留図柄の保留色として「青」が決定され、保留演出制限中フラグ223vmがオンに設定される。また、保留演出情報格納エリア223vlには、保留色として「青」、保留変化シナリオとして「保留変化シナリオ7」が格納される。また、次の入賞コマンドに対応する保留図柄の保留色が指定されていないため、後保留設定フラグ223vnはオフの状態が維持される。
当否判定結果が「外れ」であり、1つ前の保留図柄の保留色が「紫」である場合に第2演出カウンタ223vgの値が「0〜129」であれば、受信した入賞コマンドに対応する保留図柄の保留色として「白」が決定され、保留演出制限中フラグ223vmがオフに設定される。また、保留演出情報格納エリア223vlには、保留色として「白」が格納される。なお、この場合、保留変化シナリオは設定されず、また、次の入賞コマンドに対応する保留図柄の保留色が指定されていないため、後保留設定フラグ223vnはオフの状態が維持される。
当否判定結果が「外れ」であり、1つ前の保留図柄の保留色が「紫」である場合に第2演出カウンタ223vgの値が「130〜198」であれば、受信した入賞コマンドに対応する保留図柄の保留色として「白」が決定され、保留演出制限中フラグ223vmがオンに設定される。また、保留演出情報格納エリア223vlには、保留色として「白」、保留変化シナリオとして「保留変化シナリオ9」が格納される。また、次の入賞コマンドに対応する保留図柄の保留色が指定されていないため、後保留設定フラグ223vnはオフの状態が維持される。
当否判定結果が「外れ」であり、1つ前の保留図柄の保留色が「白、青、黄、紫」以外である場合に第2演出カウンタ223vgの値が「0〜198」であれば、受信した入賞コマンドに対応する保留図柄の保留色として「白」が決定され、保留演出制限中フラグ223vmがオフに設定される。また、保留演出情報格納エリア223vlには、保留色として「白」、保留変化シナリオとして「保留変化シナリオ8」が格納される。また、次の入賞コマンドに対応する保留図柄の保留色が指定されていないため、後保留設定フラグ223vnはオフの状態が維持される。
このように、本第22制御例では、保留変化演出の保留変化シナリオが設定された後に獲得された保留図柄も保留変化演出の一部として組み込むことが可能に構成されており、次の保留図柄を獲得したことによって対象保留図柄の保留色が可変するパターンも存在するため、遊技者に保留色が可変することを期待させることで、保留図柄を獲得しようと思わせることができる。
図693(a)に戻り説明を続ける。シャッター閉鎖リーチ選択テーブル222veは、本第22制御例において特別図柄の変動演出の一つとして実行される「シャッター閉鎖リーチ」の演出態様を設定するために参照されるテーブルである。なお、シャッター閉鎖リーチの内容は上述の通りである。
ここで、図696を参照して、シャッター閉鎖リーチ選択テーブル222veの内容について説明をする。図696は、シャッター閉鎖リーチ選択テーブル222veの規定内容を模式的に示した模式図である。このシャッター閉鎖リーチ選択テーブル222veは、その変動における特別図柄の当否判定結果と、当たり種別と、第1演出カウンタ223vfの値に基づいて演出態様を決定する。
当否判定結果が「当たり」であり、当たり種別が「大当たりA」である場合に、第1演出カウンタ223vfの値が「0〜149」であれば、「閉鎖リーチ1」が決定される。閉鎖リーチ1は初期図柄として「2」図柄が設定され、シャッターが閉鎖される毎に図柄が1ずつ大きくなる。従って、最終段階(6段階目)に到達した場合には、「7」図柄が3つ揃った状態で表示される。
一方、当否判定結果が「当たり」であり、当たり種別が「大当たりB、C」である場合に、第1演出カウンタ223vfの値が「0〜149」であれば、「閉鎖リーチ4」が決定される。閉鎖リーチ4は初期図柄として「3」図柄が設定され、シャッターが閉鎖される毎に図柄が1ずつ大きくなる。従って、最終段階(6段階目)に到達した場合には、「8」図柄が3つ揃った状態で表示される。
なお、本第22制御例では、当たり種別が大当たりAである場合のみ「7」図柄が3つ揃った状態で表示され、当たり種別が大当たりB、Cである場合には「7」図柄以外の図柄が3つ揃った状態で表示される構成としている。本第22制御例では、大当たりAの方が大当たりB、Cよりも大当たり遊技のラウンド数が多いため、遊技者にとってはシャッター閉鎖リーチにおいて「7」図柄が3つ揃った状態となった方が、それ以外の図柄が表示されるよりも有利となる。このように、シャッター閉鎖リーチでは、初期図柄として設定された図柄の種別によって、遊技者が当たり種別を予測することが可能となるため、遊技の興趣を向上させることができる。
当否判定結果が「当たり」であり、当たり種別が「大当たりA」である場合に、第1演出カウンタ223vfの値が「150〜174」であれば、「閉鎖リーチ2」が決定される。閉鎖リーチ2は初期図柄として「3」図柄が設定され、シャッターが閉鎖される毎に図柄が1ずつ大きくなる。従って、最終段階(6段階目)に到達した場合には、「8」図柄が3つ揃った状態で表示される。しかしながら、閉鎖リーチ2では、3段階目到達時に「HOLD」カプセルが付与される。この「HOLD」カプセルは、上述したように5段階目到達時に使用され、5段階目到達時点で表示されている図柄(この場合は「7」図柄)が6段階目到達時まで維持される。従って、閉鎖リーチ2では、初期図柄として「3」図柄が設定されたものの、最終段階に到達した場合に「7」図柄が3つ揃った状態となる。
また、当否判定結果が「当たり」であり、当たり種別が「大当たりA」である場合に、第1演出カウンタ223vfの値が「175〜198」であれば、「閉鎖リーチ3」が決定される。閉鎖リーチ3は初期図柄として「3」図柄が設定され、シャッターが閉鎖される毎に図柄が1ずつ大きくなる。従って、最終段階(6段階目)に到達した場合には、「8」図柄が3つ揃った状態で表示される。しかしながら、閉鎖リーチ3では、3段階目到達時に「カギ」カプセルが付与される。この「カギ」カプセルが付与された場合は、5段階目でシャッターを完全開放させる演出が実行される。従って、5段階目到達時点で表示されている図柄(この場合は「7」図柄)が3つ揃った状態で表示される。従って、閉鎖リーチ3では、初期図柄として「3」図柄が設定されたものの、「7」図柄が3つ揃った状態となる。
また、当否判定結果が「当たり」であり、当たり種別が「大当たりB、C」である場合に、第1演出カウンタ223vfの値が「150〜174」であれば、「閉鎖リーチ5」が決定される。閉鎖リーチ5は初期図柄として「2」図柄が設定されるものの、4段階目到達時から6段階目到達時まで「5」図柄のまま図柄が可変しない態様となっている。従って、6段階目到達時に「5」図柄が3つ揃った状態が表示される。
当否判定結果が「当たり」であり、当たり種別が「大当たりB、C」である場合に、第1演出カウンタ223vfの値が「175〜198」であれば、「閉鎖リーチ6」が決定される。閉鎖リーチ6では、初期図柄として「2」図柄が設定され、シャッターが閉鎖される毎に図柄が1ずつ大きくなる。従って、最終段階(6段階目)に到達した場合には、「7」図柄が3つ揃った状態で表示されるが、閉鎖リーチ3と同様に、3段階目到達時に「カギ」カプセルが付与され、5段階目でシャッターを完全開放させる演出が実行される。従って、5段階目到達時点で表示されている図柄(この場合は「6」図柄)が3つ揃った状態で表示される。従って、閉鎖リーチ6では、初期図柄として「2」図柄が設定されたものの、「6」図柄が3つ揃った状態となる。なお、閉鎖リーチ2,3及び6で付与されるカプセルの中身は、5段階目到達時まで遊技者に分からないように構成している。
当否判定結果が「外れ」であり、第1演出カウンタ223vfの値が「0〜99」であれば、「閉鎖リーチ7」が決定される。閉鎖リーチ7は、初期図柄として「2」図柄、または、「3」図柄が設定され、シャッター閉鎖時に図柄が大きくなる。しかしながら、2段階目から3段階目に移行する時に失敗を示す表示態様が表示され、演出が終了する。
当否判定結果が「外れ」であり、第1演出カウンタ223vfの値が「100〜159」であれば、「閉鎖リーチ8」が決定される。閉鎖リーチ8は、初期図柄として「2」図柄、または、「3」図柄が設定され、シャッター閉鎖時に図柄が大きくなる。しかしながら、3段階目から4段階目に移行する時に失敗を示す表示態様が表示され、演出が終了する。また、3段階目到達時にカプセル付与失敗の演出が実行される。
当否判定結果が「外れ」であり、第1演出カウンタ223vfの値が「160〜169」であれば、「閉鎖リーチ9」が決定される。閉鎖リーチ9は、初期図柄として「2」図柄、または、「3」図柄が設定され、シャッター閉鎖時に図柄が大きくなる。しかしながら、4段階目から5段階目に移行する時に失敗を示す表示態様が表示され、演出が終了する。
当否判定結果が「外れ」であり、第1演出カウンタ223vfの値が「170〜179」であれば、「閉鎖リーチ10」が決定される。閉鎖リーチ10は、初期図柄として「2」図柄、または、「3」図柄が設定され、シャッター閉鎖時に図柄が大きくなる。しかしながら、5段階目から6段階目に移行する時に失敗を示す表示態様が表示され、演出が終了する。
当否判定結果が「外れ」であり、第1演出カウンタ223vfの値が「180〜189」であれば、「閉鎖リーチ11」が決定される。閉鎖リーチ11は、初期図柄として「2」図柄が設定され、シャッター閉鎖時に図柄が大きくなる。しかしながら、5段階目から6段階目に移行する時に失敗を示す表示態様が表示され、演出が終了する。また、4段階目から5段階目に移行する場合に、「5」図柄が更新されない。
当否判定結果が「外れ」であり、第1演出カウンタ223vfの値が「190〜194」であれば、「閉鎖リーチ12」が決定される。閉鎖リーチ12は、初期図柄として「3」図柄が設定され、シャッター閉鎖時に図柄が大きくなる。しかしながら、5段階目から6段階目に移行する時に失敗を示す表示態様が表示され、演出が終了する。また、3段階目到達時に「HOLD」カプセルが付与され、5段階目において使用されるものの、6段階目に到達しないため、大当たり当選を報知する表示態様が表示されない。
当否判定結果が「外れ」であり、第1演出カウンタ223vfの値が「195〜198」であれば、「閉鎖リーチ13」が決定される。閉鎖リーチ13は、初期図柄として「2」図柄が設定され、シャッター閉鎖時に図柄が大きくなる。しかしながら、5段階目から6段階目に移行する時に失敗を示す表示態様が表示され、演出が終了する。また、3段階目到達時に「カギ」カプセルが付与され、5段階目において使用されるものの、カギが合わない演出が実行され、シャッターを完全開放させる演出が実行されないため、大当たり当選を報知する表示態様が表示されない。
このように、本第22制御例におけるシャッター閉鎖リーチでは、遊技者に対して、単に最終段階まで到達できるかどうかだけでなく、シャッター閉鎖リーチ開始時の初期図柄の種別や、3段階目でカプセルが付与されるか否かや、段階が進んでも図柄が更新されない状態とならないかに興味を持たせることで、遊技者が早期に飽きてしまうことを抑制することができる。
図693(a)に戻り説明を続ける。動作シナリオテーブル222vfは、左チェンジ役物Ym1と右チェンジ役物Ym2の動作シナリオを設定するためのテーブルである。動作シナリオ種別は、後述する変動開始時保留演出実行処理22(図730のF3109参照)において、複合保留変化演出が実行される場合に設定されている保留変化シナリオに対応する動作シナリオが設定される。
ここで、図697を参照して、動作シナリオテーブル222vfの内容について説明をする。図697は、動作シナリオテーブル222vfの規定内容を模式的に示した模式図である。この動作シナリオテーブル222vfには、動作シナリオ種別毎に動作パターンが規定されている。
動作シナリオ1は、第2保留hr2(図672(a)参照)を変化対象とした保留変化演出が実行される場合に使用される動作シナリオである。第1動作として、左チェンジ役物Ym1が初期位置から上昇することで第1保留hr1を隠し、右チェンジ役物Ym2が初期位置から上昇することによって第4保留hr4を隠し、第2保留hr2と第3保留hr3のみが表示される位置となる(図672(b)参照)。その後、第2動作として、右チェンジ役物Ym2が左方向に可動することで第3保留hr3を隠す(図673(a)参照)。なお、この時に、第3図柄表示装置81の表示領域HR2では、保留変化シナリオに基づいて第3保留hr3の保留色が第2保留hr2に移植される演出が実行される。その後、第3動作として、左チェンジ役物Ym1と右チェンジ役物Ym2は、第2動作位置から下降し、初期位置に戻る。
動作シナリオ2は、第3保留hr3(図672(a)参照)を変化対象とした保留変化演出が実行される場合に使用される動作シナリオである。第1動作として、左チェンジ役物Ym1が初期位置から上昇することで第1保留hr1を隠し、右チェンジ役物Ym2が初期位置から上昇することによって第4保留hr4を隠し、第2保留hr2と第3保留hr3のみが表示される位置となる(図672(b)参照)。その後、第2動作として、左チェンジ役物Ym1が右方向に可動することで第2保留hr2を隠す(図675(a)参照)。なお、この時に、第3図柄表示装置81の表示領域HR2では、保留変化シナリオに基づいて第2保留hr2の保留色が第3保留hr3に移植される演出が実行される。その後、第3動作として、左チェンジ役物Ym1と右チェンジ役物Ym2は、第2動作位置から下降し、初期位置に戻る。
動作シナリオ3は、第2保留hr2(図672(a)参照)を変化対象とした保留変化演出が実行される場合に使用される動作シナリオである。第1動作として、左チェンジ役物Ym1が初期位置から上昇し、右チェンジ役物Ym2が初期位置から上昇することによって第4保留hr4を隠し、第1保留hr1と第2保留hr2と第3保留hr3が表示される位置となる(図示しない)。その後、第2動作として、左チェンジ役物Ym1が右方向に可動することで第1保留hr1を隠し、右チェンジ役物Ym2が左方向に可動することで第3保留hr3を隠す(図示しない)。なお、この時に、第3図柄表示装置81の表示領域HR2では、保留変化シナリオに基づいて第1保留hr1と第3保留hr3の保留色が第2保留hr2に移植される演出が実行される。その後、第3動作として、左チェンジ役物Ym1と右チェンジ役物Ym2は、第2動作位置から下降し、初期位置に戻る。
このように、本第22制御例では、保留変化シナリオに対応する動作パターンで左チェンジ役物Ym1と右チェンジ役物Ym2を可動させることにより、第3図柄表示装置81と左チェンジ役物Ym1と右チェンジ役物Ym2が連動した保留変化演出を実行可能に構成している。保留変化演出が実行される場合に、左チェンジ役物Ym1と右チェンジ役物Ym2の動作パターンによって変化する保留図柄が変わるため、遊技者に左チェンジ役物Ym1と右チェンジ役物Ym2の動作パターンに興味を持たせることが可能となる。
次に、図687(b)を参照して、音声ランプ制御装置113のMPU221のRAM223について説明する。図687(b)に示すように、音声ランプ制御装置113のRAM223には、入賞情報格納エリア223va、特別図柄1保留球数カウンタ223vb、特別図柄2保留球数カウンタ223vc、変動開始フラグ223vd、停止種別選択フラグ223ve、第1演出カウンタ223vf、第2演出カウンタ223vg、従状態格納エリア223vh、調整用役物可動中フラグ223vi、制限タイマ223vj、環境情報格納エリア223vk、保留演出情報格納エリア223vl、保留演出制限中フラグ223vm、後保留設定フラグ223vn、演出用SW有効時間記憶エリア223vp、時短中カウンタ223vq、確変中カウンタ223sr、V演出実行フラグ223vs、V入賞フラグ223vt、V報知フラグ223vu、ムービー中フラグ223vv、揺れ待機フラグ223vw、調整期間中フラグ223vx、経過タイマ223vy、その他メモリエリア223vzが少なくとも設けられている。以下に、本第22制御例の音声ランプ制御装置113のRAM223の詳細について説明する。
入賞情報格納エリア223vaは、1つの実行エリアと、4つのエリア(第1エリア〜第4エリア)とを有しており、これらの各エリアには、入賞情報がそれぞれ格納される。この入賞情報格納エリア223aに格納される情報により、保留球の抽選結果等が変動開始前に音声ランプ制御装置113により判別できる。
特別図柄1保留球数カウンタ223vbは、主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203vdと同様に、第1図柄表示装置37(および第3図柄表示装置81)で行われる変動演出(変動表示)であって、主制御装置110において保留されている変動演出の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。即ち、第1特別図柄に対応する保留球の数が、主制御装置110より出力される保留球数コマンドに基づいて設定される。
上述したように、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110に直接アクセスして、主制御装置110のRAM203に格納されている特別図柄1保留球数カウンタ203vdの値を取得することができない。よって、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110から送信される保留球数コマンドに基づいて保留球数をカウントし、特別図柄1保留球数カウンタ223vbにて、その第1特別図柄の保留球数を管理するようになっている。
具体的には、主制御装置110では、第1入賞口64への入球によって変動表示の保留球数が加算された場合、又は、主制御装置110において特別図柄における変動表示が実行されて保留球数が減算された場合に、加算後または減算後の特別図柄1保留球数カウンタ203vdの値を示す保留球数コマンドを、音声ランプ制御装置113へ送信する。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110より送信される保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから、主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203vdの値を取得して、特別図柄1保留球数カウンタ223vbに格納する(図718のF2210参照)。このように、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110より送信される保留球数コマンドに従って、特別図柄1保留球数カウンタ223vbの値を更新するので、主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203vdと同期させながら、その値を更新することができる。
特別図柄1保留球数カウンタ223vbの値は、第3図柄表示装置81における保留球数図柄の表示に用いられる。即ち、音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドの受信に応じて、そのコマンドにより示される保留球数を特別図柄1保留球数カウンタ223vbに格納すると共に、格納後の特別図柄1保留球数カウンタ223vbの値を表示制御装置114に通知するべく、表示用保留球数コマンドを表示制御装置114に対して送信する。
表示制御装置114では、この表示用保留球数コマンドを受信すると、そのコマンドにより示される保留球数の値、即ち、音声ランプ制御装置113の特別図柄1保留球数カウンタ223vbの値分の保留球数図柄を第3図柄表示装置81の表示領域HR4に表示するように、画像の描画を制御する。上述したように、特別図柄1保留球数カウンタ223vbは、主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203saと同期しながら、その値が変更される。従って、第3図柄表示装置81に表示される保留球数図柄の数も、主制御装置110の特別図柄保留球数カウンタ203saの値に同期させながら、変化させることができる。よって、第3図柄表示装置81には、変動表示が保留されている保留球の数を正確に表示させることができる。
特別図柄2保留球数カウンタ223vcは、特別図柄1保留球数カウンタ223vbに対して、第2特別図柄に対応する保留球の数が主制御装置110から出力される保留球数コマンドに基づいて記憶される点で異なるのみであるので、その詳細な説明については省略する。
変動開始フラグ223vdは、主制御装置110から送信される変動パターンコマンドを受信した場合にオンされ(図718のF2204参照)、第3図柄表示装置81における変動表示の設定がなされるときにオフされる(図728のF2907参照)。変動開始フラグ223vdがオンになると、受信した変動パターンコマンドから抽出された変動パターンに基づいて、表示用変動パターンコマンドが設定される。
ここで設定された表示用変動パターンコマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図717参照)のコマンド出力処理(F2102)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114では、この表示用変動パターンコマンドを受信することによって、この表示用変動パターンコマンドによって示される変動パターンで、第3図柄表示装置81において第3図柄の変動表示が行われるように、その変動演出の表示制御が開始される。
停止種別選択フラグ223veは、主制御装置110から送信される停止種別コマンドを受信した場合にオンされ(図718のF2207参照)、第3図柄表示装置81における停止種別の設定がなされるときにオフされる(図728のF2912参照)。停止種別選択フラグ223veがオンになると、受信した停止種別コマンドから抽出された停止種別(大当たりの場合には大当たり種別)に基づいて、停止種別がそのまま設定される。
第1演出カウンタ223vfは、予告演出や、各種抽選に使用されるカウンタである。0〜198の範囲で繰り返し更新される。図示は省略したが、音声ランプ制御装置113のMPU221が実行するメイン処理(図717参照)が実行される毎に1ずつ更新される。
第2演出カウンタ223vgは、本第22制御例の保留変化演出における保留図柄の色(保留色)を設定するために使用されるカウンタである。0〜198の範囲で繰り返し更新される。図示は省略したが、音声ランプ制御装置113のMPU221が実行するメイン処理(図717参照)が実行される毎に1ずつ更新される。
従状態格納エリア223vhは、主制御装置110から送信される状態コマンドが示す情報に対応する遊技状態が格納される現状態エリアと、1つ前に現状態エリアに格納されていた遊技状態を格納する前状態エリアとを有する。この現状態エリアに格納されている遊技状態により、現在設定されている遊技状態を音声ランプ制御装置113により判別できる。
調整用役物可動中フラグ223viは、剣役物Ym3(調整用役物)が環境調整位置へと可変される場合にオンされ(図732のF3308参照)、特別図柄の変動表示が開始される場合にオフされる(図728のF2903参照)。この調整用役物可動中フラグ223viがオンに設定されることで、音声ランプ制御装置113により剣役物Ym3が環境調整位置にあることを判別することができる。これにより、剣役物Ym3が環境調整位置にある状態で特別図柄の変動が開始された場合には、剣役物Ym3を初期位置に可変させる処理が実行され、第3図柄表示装置81において実行される特別図柄の変動表示が環境調整位置にある剣役物Ym3によって視認困難な状態になることを防ぐことができる。
制限タイマ223vjは、剣役物Ym3(調整用役物)が環境調整位置から初期位置へと可変された場合に、剣役物Ym3の可動を一定時間(本第22制御例では、10秒間)制限するためのタイマである。剣役物Ym3を初期位置へと可動させるための動作シナリオを設定した場合にタイマの値が設定され(図727のF2906、図734のF3507参照)、タイマの値は音声ランプ制御装置113のMPU221が実行するメイン処理(図717参照)が実行される毎に1ずつ更新される。この制限タイマ223vjの値が0秒以上である場合には、特別図柄の変動演出を設定する際に決定可能な演出態様の候補から剣役物Ym3を動作させる演出態様が排除される(図728のF3009参照)。
このように、剣役物Ym3が環境調整位置から初期位置へと可変された場合に、剣役物Ym3の可動を一定時間制限することで、剣役物Ym3が頻繁に可動することで生じる負荷を軽減することができる。
環境情報格納エリア223vkは、遊技者による音量調整ボタン、または、光量調整ボタンの操作によって調整された環境情報を格納するためのエリアである。この環境情報格納エリア223vkに格納されている環境情報は、遊技者のボタン操作内容に対応して更新されるため(図731のF3311参照)、遊技者の好みに合わせた遊技環境を提供することができる。
保留演出情報格納エリア223vlは、保留演出における各保留図柄の色、保留変化シナリオに関する情報を格納するためのエリアである。主制御装置110からの入賞コマンドを受信した場合に、その入賞コマンドに対応する保留演出情報を決定し、この保留演出情報格納エリア223vlに格納される。
保留演出情報格納エリア223vlは、上述の通り、保留図柄に対して保留変化演出を実行するための保留演出情報を格納するものである。
保留演出制限中フラグ223vmは、保留変化演出の対象となる保留図柄が表示されている期間に、他の保留図柄を対象とする保留変化演出が新たに設定されないようにするためのフラグである。上述したように、本第22制御例では、対象保留図柄の保留色と、前後の保留図柄の保留色を組み合わせる保留変化演出を実行する(図672〜図677参照)。この保留変化演出では、予め定められた保留変化シナリオに対応する動作シナリオで左チェンジ役物Ym1と、右チェンジ役物Ym2が可動するため、例えば、保留変化演出の対象である保留図柄の次の保留図柄にも異なる保留変化シナリオが設定された場合に、保留変化演出の実行タイミングが重なってしまい、遊技者に誤った遊技情報を与えてしまう虞があるため、これを防ぐために、保留演出制限中フラグ223vmがオンである期間は、新たに保留変化演出が実行されない構成としている。
後保留設定フラグ223vnは、上述の通り、複合保留変化演出の保留変化シナリオが設定された場合に、次に受信した入賞コマンドに対応する保留図柄の保留色を強制的に決定するためのフラグである。複合保留変化演出設定処理22(図723のF2517参照)において特定の保留変化シナリオが決定された場合にオンされ(図723のF2605参照)、次に受信した入賞コマンドの保留色を決定した場合にオフされる(図722のF2553参照)。
演出用SW有効時間記憶エリア223vpは、演出ボタン22が有効として判別される期間が記憶される記憶される記憶エリアである。本第22制御例では、特別図柄抽選の結果を示すための演出態様が設定された場合に、演出パターンに対応した操作有効期間の設定情報をこの演出用SW有効時間記憶エリア223vpに格納する(図729のF3106参照)。
時短中カウンタ223vqは、時短状態(普通図柄の高確率状態)が設定される期間を計測するためのカウンタであって、普通図柄の高確率状態が設定される場合に(大当たり遊技終了後に)、予め定められた値(本第22制御例では「100」、又は、「120」)が設定される。そして、時短中カウンタ223vqの値が1以上である状態で特別図柄変動が実行されると、その値が1減算され、時短中カウンタ223vqの値が「0」となった場合に、普通図柄の低確率状態へと移行したと判別する。また、時短中カウンタ223vqの値に基づいて、普通図柄の高確率状態における詳細な期間を判別するように構成している。
確変中カウンタ223srは、確変状態が継続する期間を計測するためのカウンタであって、状態コマンド受信処理22(図719のF2202参照)において、遊技状態が確変状態へと移行したと判別された場合に(図719のF2308:Yes)、カウンタ値として「120」が設定される(図719のF673参照)。そして、確変中カウンタ223srの値が1以上である状態で特別図柄変動が実行されると、その値が1減算され、確変中カウンタ223srの値が「0」となった場合に、特別図柄の低確率状態へと移行したと判別する。また、確変中カウンタ223srの値に基づいて、特別図柄の高確率状態における詳細な期間を判別するように構成している。
V演出実行フラグ223vsは、主制御装置110から大当たり開始コマンドを受信した場合に、その大当たり開始コマンドに含まれる大当たり種別情報が大当たりAである場合にオンされ(図725のF2706参照)、V入賞コマンドを受信した場合にオフにされる(図720のF2406参照)。このV演出実行フラグ223vsがオンの場合には、大当たり遊技中の特定ラウンド(本第22制御例では、2ラウンド目)においてV演出が実行される。なお、V入賞コマンドとは、特定領域(Vゲート)65vを球が流下したことを通知するためのコマンドである。
V入賞フラグ223vtは、主制御装置110からV入賞コマンドを受信した場合にオンされ(図720のF2404参照)、エンディング処理22においてオフされる(図726のF2802参照)。このV入賞フラグ223vtは、可変入賞装置65内に配設された特定領域(Vゲート)65Vを遊技球が通過したことを音声ランプ制御装置113により判別するためのフラグであり、V演出の実行中に(Vゲート)65Vを遊技球が通過した場合と、通過しなかった場合とでエンディング演出の後半期間の表示態様を切り替えることができる。
V報知フラグ223vuは、主制御装置110からV入賞コマンドを受信した場合に、V入賞を報知するための表示用コマンドを設定した場合にオンされ(図720のF2408参照)、主制御装置110から遊技状態を確変状態に変更する状態コマンドを受信した場合にオフされる(図719のF2311参照)。
ムービー中フラグ223vvは、ムービー実行リーチにおける演出用SW有効期間中に演出ボタン22が操作された場合にオンされる(図733のF3404参照)。このムービー中フラグ223vvがムービー終了時にオンである場合には、特別図柄の変動時間がまだ経過していないことを示しており、その場合にはムービー終了時の表示態様が、特別図柄の変動時間が経過するまでの間、揺れ表示態様に設定される(図734のF3512参照)。
揺れ待機フラグ223vwは、ムービー実行リーチにおいてムービー終了から特別図柄の変動時間が経過するまでの間、揺れ表示態様が設定された場合にオンされ(図734のF3513)、主制御装置110から停止コマンドを受信した場合にオフされる(図724のF2653参照)。この揺れ待機フラグ223vwがオンである場合に、音声ランプ制御装置113が主制御装置110から停止コマンドを受信すると、大当たり当選を示す表示態様を示すための表示用コマンドが設定される(図724のF2652参照)。
調整期間中フラグ223vxは、環境情報調整画面が表示される場合にオンされる(図731のF3304参照)。この調整期間中フラグ223vxは、遊技者が音量調整、または、光量調整を実行中であることを示すためのフラグである。
経過タイマ223vyは、調整情報調整画面が表示を開始してから一定時間(本第22制御例では10秒)経過した場合に環境調整終了を示す表示態様を表示するために設定されるタイマである。この経過タイマ223vyのタイマ値は、演出ボタン22、又は、選択ボタン600が操作された場合に対応するタイマ値が設定され、演出更新処理22が実行される毎に「1」ずつ更新される。
その他メモリエリア223vzは、その他、主制御装置110より受信したコマンドを、そのコマンドに対応した処理が行われるまで一時的に記憶するコマンド記憶領域(図示せず)などを有している。なお、コマンド記憶領域はリングバッファで構成され、FIFO(First In First Out)方式によってデータの読み書きが行われる。
図687に戻り説明を続ける。表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113及び第3図柄表示装置81が接続され、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81における第3図柄の変動演出などの表示を制御するものである。また、表示制御装置114は、第3図柄表示装置81の表示内容を通知する表示コマンドを適宜音声ランプ制御装置113へ送信する。音声ランプ制御装置113は、この表示コマンドによって示される表示内容にあわせて音声出力装置226から音声を出力することで、第3図柄表示装置81の表示と音声出力装置226からの音声出力とをあわせることができる。
電源装置115は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部251と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路252と、RAM消去スイッチ122(図667参照)が設けられたRAM消去スイッチ回路253とを有している。電源部251は、図示しない電源経路を通じて、各制御装置110〜114等に対して各々に必要な動作電圧を供給する装置である。その概要としては、電源部251は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチ208などの各種スイッチや、ソレノイド209などのソレノイド、モータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧及びバックアップ電圧を各制御装置110〜114等に対して必要な電圧を供給する。
停電監視回路252は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置110のMPU201及び払出制御装置111のMPU211の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路252は、電源部251から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断、電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置110及び払出制御装置111へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置110及び払出制御装置111は、停電の発生を認識し、NMI割込処理を実行する。なお、電源部251は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置110及び払出制御装置111は、NMI割込処理(図示せず)を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路253は、RAM消去スイッチ122(図667参照)が押下された場合に、主制御装置110へ、バックアップデータをクリアさせるためのRAM消去信号SG2を出力するための回路である。主制御装置110は、パチンコ機10の電源投入時に、RAM消去信号SG2を入力した場合に、バックアップデータをクリアすると共に、払出制御装置111においてバックアップデータをクリアさせるための払出初期化コマンドを払出制御装置111に対して送信する。
<第22制御例における主制御装置により実行される制御処理について>
次に、図698から図715のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU201の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理と、定期的に(本制御例では2m秒間隔で)起動されるタイマ割込処理と、NMI端子への停電信号SG1の入力により起動されるNMI割込処理とがあり、説明の便宜上、はじめにタイマ割込処理とNMI割込処理とを説明し、その後、立ち上げ処理とメイン処理とを説明する。
本第22制御例では、上述した通り、第1特別図柄の抽選権利(特図1保留)と、第2特別図柄の抽選権利(特図2保留)と、を共に記憶している状態において、第2特別図柄の抽選を優先的に実行するように構成している。また、大当たり遊技が実行されている間に、可変入賞装置65内に配設された特定領域(Vゲート)65Vに球を通過させることにより、大当たり遊技の終了後に特別図柄の高確率状態が設定されるように構成している。さらに、遊技者に有利な遊技状態である確変状態を終了させるための終了条件として、特別図柄抽選で大当たり当選した場合に成立する終了条件以外に、特別図柄抽選が所定回数(例えば、100回)実行された場合に成立する終了条件を設けるように構成している。
図698は、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込処理は、例えば2ミリ秒毎に実行される定期処理である。タイマ割込処理では、まず各種入賞スイッチの読み込み処理を実行する(F101)。即ち、主制御装置110に接続されている各種スイッチの状態を読み込むと共に、当該スイッチの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。
次に、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を実行する(F102)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本制御例では999)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。同様に、第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本制御例では999)に達した際、0にクリアし、その第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値をRAM203の該当するバッファ領域に格納する。
更に、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、第2当たり乱数カウンタC4の更新を実行する(F103)。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、第2当たり乱数カウンタC4をそれぞれ1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本制御例ではそれぞれ、999,99,999)に達した際、それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1,C2,C4の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。
次に、第1図柄表示装置37a,37bにおいて表示を行うための処理であると共に、第3図柄表示装置81による第3図柄の変動パターンなどを設定する特別図柄変動処理22を実行する(F104)。その後、第1入球口64への球の入球(始動入賞)や第2入球口640への球の入球(始動入賞)に伴う始動入賞処理22を実行する(F105)。尚、特別図柄変動処理22、始動入賞処理22の詳細は、図699〜図704を参照して後述する。
始動入賞処理22を実行した後は、第2図柄表示装置において表示を行うための処理である普通図柄変動処理22を実行し(F106)、普通図柄始動口(スルーゲート)67における球の通過に伴うスルーゲート通過処理22を実行する(F107)。尚、普通図柄変動処理22、及び、スルーゲート通過処理22の詳細は、図705および図706を参照して後述する。スルーゲート通過処理22を実行した後は、次いで、発射制御処理を実行し(F108)、更に、定期的に実行すべきその他の処理を実行して(F109)、タイマ割込処理を終了する。なお、発射制御処理は、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、且つ、発射を停止させるための発射停止スイッチ51bが操作されていないことを条件に、球の発射のオン/オフを決定する処理である。主制御装置110は、球の発射がオンである場合に、発射制御装置112に対して球の発射指示をする。
次に、図699を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理の一処理である特別図柄変動処理22(F104)を説明する。図699は、この特別図柄変動処理22(F104)を示すフローチャートである。特別図柄変動処理22(図699のF104参照)は、特別図柄を、取得した各カウンタ値に基づいて、各種判定(当否判定)や決定を行い、所定の制御によりその決定された変動表示態様で、第1図柄表示装置37に変動表示を可能に制御したり、第3図柄表示装置81にて第3図柄、第4図柄の変動表示演出を実行させるための各種コマンドを設定したり、判定結果(当否判定結果)を示す表示態様で停止表示させるための制御が実行される。以下、特別図柄変動処理22(図699のF104参照)について説明する。
この特別図柄変動処理22(F104)では、まず、今現在が、特別図柄の大当たり中(大当たり遊技中)であるかを判別する(F201)。具体的には、大当たり中フラグ203vvがオンであるかを判別する。判別の結果、特別図柄の大当たり中(大当たり遊技中)であれば(F201:Yes)、そのまま本処理を終了する。
F201の処理において、特別図柄の大当たり中(大当たり遊技中)ではないと判別した場合は(F201:No)、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中であるか否かを判定し(F202)、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中でなければ(F202:No)、即ち、新たな特別図柄抽選(変動)を実行可能な状態であれば、第1特別図柄保留球数カウンタ203sdの値(第1特別図柄の抽選に基づく変動表示の保留回数N1)と、第2特別図柄保留球数カウンタ203seの値(第2特別図柄の抽選に基づく変動表示の保留回数N2)を取得する(F203)。次に、第2特別図柄保留球数カウンタ203seの値(N2)が0よりも大きいかを判別する(F204)。第2特別図柄保留球数カウンタ203seの値(N2)が0でなければ(F204:Yes)、第2特別図柄保留球数カウンタ203seの値(N2)を1減算し(F205)、演算により変更された第2特別図柄保留球数カウンタ203seの値を示す保留球数コマンドを設定する(F206)。ここで設定された保留球数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理の外部出力処理の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから第2特別図柄保留球数カウンタ203seの値を抽出し、抽出した値をRAM223の特別図柄保留球数カウンタ223scに格納する。
F206の処理により保留球数コマンドを設定した後は、第2特別図柄保留球格納エリア203sbに格納されたデータをシフトする(F207)。F207の処理では、第2特別図柄保留球格納エリア203sbの保留第1エリア〜保留第4エリアに格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトし、F208の処理へ移行する。
一方、F204の処理において、第2特別図柄保留球数カウンタ203seの値(N2)が0である場合は(F204:No)、F203の処理で取得した第1特別図柄保留球数カウンタ203sdの値(N1)が0よりも大きいかを判別する(F210)。
F210の処理において、第1特別図柄保留球数カウンタ203sdの値(N1)が0であると判別した場合は(F210:No)、そのまま本処理を終了する。一方、F210の処理において、第1特別図柄保留球数カウンタ203sdの値(N1)が0でない(即ち、1以上である)と判別した場合は(F210:Yes)、第1特別図柄保留球数カウンタ203sdの値(N1)を1減算し(F211)、演算により変更された第1特別図柄保留球数カウンタ203sdの値を示す保留球数コマンドを設定する(F212)。ここで設定された保留球数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理の外部出力処理の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから第1特別図柄保留球数カウンタ203sdの値を抽出し、抽出した値をRAM223の特別図柄保留球数カウンタ223scに格納する。
F212の処理により保留球数コマンドを設定した後は、第1特別図柄保留球格納エリア203saに格納されたデータを、F207の処理と同一の手法によりシフトして(F213)、処理をF208の処理へと移行する。F207、またはF213の処理後に実行されるF208の処理では、特別図柄大当たり判定処理22を実行し(F208)、次いで、特別図柄変動パターン選択処理22を実行し(F209)、その後、本処理を終了する。この特別図柄大当たり判定処理22(F208)および特別図柄変動パターン選択処理22(F209)の詳細については図700および図701を参照して後述する。
F202の処理において、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中であれば(F202:Yes)、次いで、変動時間が経過したか否かを判別する(F214)。変動時間が経過していなければ(F214:No)、第1図柄表示装置37の表示を更新し(F215)、その後、本処理を終了する。F215の処理では、特別図柄の変動時間を計測するための変動時間カウンタの値が更新され、更新後の変動時間カウンタの値に対応させて第1図柄表示装置81の表示が更新される。この変動時間カウンタには、特別図柄変動パターン選択処理22(F209)にて選択された変動パターンに対応する変動時間を示す値が、特別図柄変動の開始タイミングでセットされ、その後、F215の処理を実行する毎に更新(減算)される。一方、F214の処理で変動時間が経過したと判別された場合は(F214:Yes)、即ち、F215の処理で更新された変動時間カウンタの値が0である場合は、第1図柄表示装置37の停止図柄に対応した表示態様を設定する(F216)。停止図柄の設定は、特別図柄変動パターン選択処理22(F209)によって予め行われる。この特別図柄変動パターン選択処理22(F209)が実行されると、実行エリアに格納された各種カウンタの値に基づいて、特別図柄の抽選が行われる。より具体的には、第1当たり乱数カウンタC1の値に応じて特別図柄の大当たりか否かが決定されると共に、特別図柄の大当たりである場合には、第1当たり種別カウンタC2の値に応じて大当たりA〜Eのいずれかが決定される。
尚、本第22制御例では、大当たりAになる場合には、第1図柄表示装置37において青色のLEDを点灯させ、大当たりBになる場合には赤色のLEDを点灯させ、大当たりCとなる場合には、緑色のLEDを点灯させ、大当たりDとなる場合には、青色のLEDと緑色のLEDを点灯させる。また、外れである場合には赤色のLEDと緑色のLEDとを点灯させる。なお、各LEDの表示は、次の変動表示が開始される場合に点灯が解除されるが、変動の停止後数秒間のみ点灯させるものとしても良い。
F216の処理が終了した後は、第1図柄表示装置37において実行中の変動表示が開始されたときに、特別図柄変動開始処理22によって行われた特別図柄の抽選結果(今回の抽選結果)が、特別図柄の大当たりであるかを判定する(F217)。今回の抽選結果が特別図柄の大当たりであれば(F217:Yes)、大当たり開始フラグ203vwをオンに設定し(F218)、時短カウンタ203sh、確変カウンタ203siの値をクリア(0に設定)し(F219)、F220の処理へと移行する。S220の処理によって、大当たり開始フラグ203vwがオンに設定されると、主制御装置110にて実行されるメイン処理の大当たり制御処理22(図710のF1004参照)が実行された場合に、F1101:Yesへ分岐して、オープニングコマンドが設定される(F1102)。その結果、第3図柄表示装置81において、大当たり演出が開始される。
F217の処理において、今回の抽選結果が特別図柄の外れであれば(F217:No)、F218,F219の処理をスキップして、更新処理22を実行し(F221)、その後、F220へと移行する。
ここで設定された状態コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理の外部出力処理(F1801)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、状態コマンドを受信すると、状態コマンドに含まれる遊技状態を取得する。これにより、音声ランプ制御装置113の把握する状態を、実際のパチンコ機10の状態に一致させることができる。S220の処理では、特図確定コマンドを設定し(F220)、本処理を終了する。
次に、図700を参照して、特別図柄変動処理22(図699のF104)の一処理である特別図柄大当たり判定処理22(F208)について説明する。図700は、この特別図柄大当たり判定処理22(F208)を示すフローチャートである。
特別図柄大当たり判定処理22(図700のF208)では、まず、特別図柄保留球実行エリア(図示せず)に記憶されている各カウンタ値を取得する(F301)。そして、第1当たり乱数テーブル202va(図690参照)に基づいて、F301の処理で取得した第1当たり乱数カウンタC1の値が大当たり判定値と一致するか否かを判定し、その抽選結果(判定結果)を取得する(F302)。
F302の処理を終えると、次に、今回の抽選結果が大当たりであるかを判別し(F303)、大当たりであると判別した場合は(F303:Yes)、特別図柄の抽選結果を大当たりに設定し(F304)、取得した当たり種別カウンタC2の値に基づいて、第1図柄表示装置37に表示する特別図柄の大当たり図柄をセットし(F305)、本処理を終了する。一方、F303の処理において今回の抽選結果が大当たりでは無いと判別した場合は(F303:No)、第1図柄表示装置37に特別図柄の外れ図柄をセットし(F306)、本処理を終了する。
次に、図701を参照して、特別図柄変動処理22(図699のF104)の一処理である特別図柄変動パターン選択処理22(F209)について説明する。図701はこの特別図柄変動パターン選択処理22(F209)を示すフローチャートである。
特別図柄変動パターン選択処理22(図701のF209)では、まず、特別図柄大当たり判定処理22(図700のF208)において、特別図柄の抽選結果が大当たりであるか否か、即ち、特別図柄の大当たりが設定されているか否かを判別する(F401)。
F401の処理において、特別図柄の大当たりが設定されていると判別された場合には(F401:Yes)、第1当たり種別選択テーブル202vb(図691参照)と、取得している第1当たり種別カウンタC2の値とに基づいて、大当たり種別を決定する(F402)。次いで、特別図柄実行エリアに格納されている変動種別カウンタCS2の値を取得し(F403)、遊技状態格納エリア203sgに記憶されている情報に対応する現在の遊技状態(通常状態、潜伏状態、確変状態)に対応した変動パターン選択テーブル202vcを読み出す(F404)。
そして、F403の処理で取得した変動種別カウンタCS2の値と、F404の処理で読み出した変動パターン選択テーブル202vcとに基づいて変動パターンを選択し(F405)、F405の処理で選択した変動パターンに基づいて、特図変動パターンコマンドを設定する(F406)。ここで設定される特図変動パターンコマンドには、特別図柄抽選の抽選結果、特別図柄の変動時間を示す情報が含まれており、主制御装置110のメイン処理の外部出力処理(図709のF1801参照)にて音声ランプ制御装置113へと出力される。
次に、特別図柄の停止図柄を示す特図停止種別コマンドを設定し(F407)、第1図柄表示装置37で特別図柄の変動開始を設定し(F408)、選択した変動パターンの変動時間を示す値を特図変動時間カウンタ(図示せず)の値にセットし(F409)、本処理を終了する。F407の処理で設定される特図停止種別コマンドには、今回の特別図柄変動の結果を示す停止図柄の種別、即ち、リーチ外れや、リーチにならない外れといった大まかな種別を示す情報が含まれており、主制御装置110のメイン処理(図709)の外部出力処理(図709のF1801参照)にて音声ランプ制御装置113へと出力される。
一方、F401の処理において、特別図柄の抽選結果が外れであると判別した場合には(F401:No)、F402の処理をスキップしてF403の処理へ移行する。
次に、図702を参照して、特別図柄変動処理22(図699のF104参照)にて実行される更新処理22(F221)の内容について説明をする。図702は、更新処理22(F221)の内容を示したフローチャートである。この更新処理22(F221)では、特別図柄変動の変動時間が経過した場合(変動停止時)に実行される処理であって、確変状態が継続して設定される期間の残期間を更新したり、時短状態が継続して設定される期間の残期間を更新したりするための処理が実行される。
更新処理22(F221)が実行されると、まず確変カウンタ203siの値が0よりも大きい、即ち、現在が特別図柄の高確率状態であるかを判別し(F501)、確変カウンタ203siの値が0よりも大きいと判別した場合は(F501:Yes)、確変カウンタ203siの値を1減算(更新)し(F502)、次いで、更新後の確変カウンタ203siの値が0であるかを判別し(F503)、0であると判別した場合は(F503:Yes)、遊技状態格納エリア203sgに時短状態を設定し(F504)、F505の処理へ移行する。また、F501の処理において確変カウンタ203siの値が0よりも大きくない(0である)と判別した場合(F501:No)は、現在が特別図柄の高確率状態では無いため、確変カウンタ203siの値を更新するための上述したF502〜F504の処理をスキップしてF505の処理へ移行する。
また、F503の処理において、確変カウンタ203siの値が0では無い、即ち、確変カウンタ203siの値が0よりも大きく、確変状態(特別図柄の高確率状態)が継続する場合も(F503:No)、F504の処理をスキップしてF505の処理へ移行する。
F505の処理では、時短カウンタ203shの値が0よりも大きいかを判別し、0よりも大きいと判別した場合、即ち、現在が普通図柄の高確率状態である場合は(F505:Yes)、時短カウンタ203shの値を1減算し(F506)、減算後の時短カウンタ203shの値が0であるかを判別する(F507)。F507の処理において時短カウンタ203shの値が0であると判別した場合は、遊技状態格納エリア203sgに通常状態を設定し(F508)、確変カウンタ203siの値、時短カウンタ203shの値、現在の遊技状態を示す状態コマンドを設定し(F509)、本処理を終了する。また、F505の処理において時短カウンタ203shの値が0よりも大きく無い(0である)と判別した場合(F505:No)、或いは、F507の処理において時短カウンタ203shの値が0では無いと判別した場合(F507:No)は、そのままF509の処理へ移行する。
次に、図703を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理(図698)の一処理である始動入賞処理22(F105)を説明する。図703は、この始動入賞処理22(F105)を示すフローチャートである。始動入賞処理22(図703のF105)は、第1入球口64、第2入球口640のいずれかにに球が入球(始動入賞)したか判別して、始動入賞した場合には、保留上限個数(第1入球口64、第2入球口640に最大4個)まで、取得した各カウンタ値を第1特別図柄保留球格納エリア203saまたは第2特別図柄保留球格納エリア203sbにそれぞれ格納する処理である。
また、保留球に基づいて取得された各カウンタ値が、第1特別図柄保留球格納エリア203saまたは第2特別図柄保留球格納エリア203sbにそれぞれ記憶されると、第1特別図柄保留球格納エリア203saまたは第2特別図柄保留球格納エリア203sbのそれぞれに記憶されている各カウンタ値に基づいて、事前に当否判定結果や選択される変動パターン等を予測する処理(所謂、先読み処理)が実行される。以下、始動入賞処理22(図703のF105)について説明する。
始動入賞処理22(図703のF105)では、まず、球が第1始動口である第1入球口64に入球(始動入賞)したか否かを判別する(F601)。ここでは、第1入球口64内に設けられた球検知スイッチ(図示せず)への球の入球を検出する。球が第1入球口64に入球した(始動入賞があった)と判別する(F601:Yes)、第1特別図柄保留球数カウンタ203sdの値(N1)を取得し(F602)、その取得した値(N1)が4未満であるかを判別する(F603)。
つまり、現時点で第1入球口64に対する保留個数が上限値である4個よりも少ない状態であるか(即ち、保留個数が上限値まで記憶されていないか)が判別される。取得した値(N1)が4未満であると判別した場合には(F603:Yes)、第1特別図柄保留球数カウンタ203sdの値(N1)を1加算し(F604)、音声ランプ制御装置113に対して第1入球口64の保留個数(第1特別図柄の抽選権利保留数)を通知するための保留球数コマンドを設定する(F605)。
そして、各種カウンタ値(第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、変動種別カウンタCS1)の各値をカウンタ用バッファから読み出し(取得して)、RAM203の第1特別図柄保留球実行エリアの対応する保留球数の記憶エリアに各々保留(格納)し(F606)、F607の処理へ移行する。
また、F601の処理で球が第1入球口64に入球していないと判別した場合(F601:No)、或いは、F603の処理で、現時点で第1入球口64に対する保留個数が上限値であると判別した場合(F603:No)は、第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(N1)を加算する処理をスキップして、F607の処理へ移行する。
次に、F607〜F612までの各処理については、F601〜F606までの各処理で実行された第1始動口(第1入球口64)への球の入賞に対して行われた処理と同様の処理が、第2入球口640に対して実行される処理であることが相違するのみであるので、詳細な説明は省略する。
F601〜F612までの各処理を実行後、先読み処理を実行し(F613)、本処理を終了する。
この先読み処理22(F613)については、図704を参照して後述するが、新たに第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは第2特別図柄保留球格納エリア203bに記憶された各カウンタ値から当否判定結果や、決定される変動パターン、停止種別等を判別する処理が実行される。なお、本制御例では、新たに記憶された各カウンタ値に基づいて当否判定結果や、決定される変動パターン、停止種別等を判別する処理を実行するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、新たな始動入賞があった場合に、第1特別図柄保留球格納エリア203saまたは第2特別図柄保留球格納エリア203sbに記憶(格納)されている全ての保留記憶に対して当否判定結果や、決定される変動パターン、停止種別等を判別する処理を実行するように構成しても良い。
また、本第22制御例では、第1特別図柄保留球格納エリア203saまたは第2特別図柄保留球格納エリア203sbに新たな情報(入賞情報)を格納する場合、即ち、特別図柄の抽選権利を新たに獲得した場合に、特別図柄の抽選権利(入賞情報)の内容を事前に判別する構成としているが、これに限ること無く、例えば、球がスルーゲート67を通過した場合や、普通図柄の抽選結果に応じて、特別図柄の抽選権利(入賞情報)の内容を事前に判別するように構成しても良い。
上述した通り、本第22制御例では、第1特別図柄保留球数カウンタ203sdの値(N1)または第2特別図柄保留球数カウンタ203seの値(N2)を加算した場合に、加算された入賞に関する情報(入賞情報)に基づいた先読み処理22(F613)を実行するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、F603の処理で第1特別図柄保留球数カウンタ203sdの値(N1)が上限数(4)であると判別した場合(F603:No)、即ち、特別図柄の保留球数が上限に到達している状態で第1入球口64に球を入球させた場合に先読み処理22(F613)を実行することができるように構成しても良い。これにより、特別図柄の保留球数が上限に到達している状態においても、先読み処理を実行させるために遊技者に継続して遊技を行わせることができる。また、特別図柄の保留球数が上限に到達している状態で第1入球口64に球を入球させた場合に付加価値を付与することができるため、特別図柄の保留球数が上限に到達している状態で第1入球口64に球が入球した際に遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができる。
次に、図704を参照して、始動入賞処理22(図704のF105)の一処理である先読み処理22(F613)について説明する。図704は、この先読み処理22(F613)を示すフローチャートである。
先読み処理22(図704のF613)では、まず、新たに第1特別図柄保留球格納エリア203saまたは第2特別図柄保留球格納エリア203sbに記憶された格納エリアから各種カウンタ値である、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、変動種別カウンタCS1の各値を読み出す(F701)。そして、読み出したデータを先読み保留記憶エリアの空いている記憶エリアのうち、入賞順序がもっとも小さいエリアに記憶する(F702)。
次に、新たに先読み保留記憶エリアに記憶された各カウンタ値に基づいて、当否判定結果を判定する。なお、ここでは、特別図柄の低確率状態である場合の当否判定と、特別図柄の高確率状態である場合の当否判定との両方が判別される。これは、新たな保留記憶が発生したタイミング(第1特別図柄保留球格納エリア203saまたは第2特別図柄保留球格納エリア203sbに新たな保留(入賞情報)が記憶されたタイミング)と、今回新たに保留された入賞情報に基づいて大当たり判定が実行されるタイミングとにはタイムラグが発生することから、今回新たに保留された入賞情報に基づく大当たり判定が実行されるタイミングで設定されている遊技状態(特別図柄の確率状態)を予測することが困難だからである。
次に、当否判別結果が大当たりであるか否かを判別する(F703)。判別結果が大当たりであると判別した場合は(F703:Yes)、読み出した各種カウンタ値に基づいて、大当たり種別と、変動パターンと、を特定可能な情報を含む入賞コマンドを設定し(F704)、その後、本処理を終了する。
一方、F703の処理における判別結果が大当たりでは無いと判別した場合は(F703:No)、読み出した各種カウンタ値に基づいて、外れ当選と、変動パターンと、を特定可能な情報を含む入賞コマンドを設定し(F705)、その後、本処理を終了する。
ここで、F704、或いはF705の処理で設定された入賞コマンドは、上述した当否判定結果を示すための情報(当否判定結果に基づいて異なる意味を持たせる情報)に加え、共通情報として、F701の処理によって読み出された各種カウンタ値の値を示すための情報も含んで設定される。そして、本処理で設定された入賞コマンドが主制御装置110のメイン処理(図709参照)にて実行される外部出力処理(F1801)によって音声ランプ制御装置113に対して出力される。
音声ランプ制御装置113側では、入賞コマンドを受信した場合に、入賞コマンドに含まれる各種情報に基づいて、保留球の表示態様を可変させて(例えば、保留球の色を通常とは異なる色で可変して)表示させたり、変動開始前に予告図柄等を表示して遊技者に当否判定結果を示唆したりする演出(先読み演出)を実行できる。
なお、本第22制御例では、特別図柄の確率状態が1つ(特別図柄の低確率状態)しかないため、入賞コマンドに設定する情報(当否判定結果)を遊技状態に関わらず設定することができるが、例えば、特別図柄の確率状態を複数(特別図柄の高確率状態、特別図柄の低確率状態)有する遊技機においては、特別図柄の高確率状態の場合の当否判定結果と、特別図柄の低確率状態の場合の当否判定結果とを判別し、各判別の結果に基づいた入賞コマンドを設定するように構成しても良いし、特別図柄が高確率状態であっても、低確率状態であっても大当たりと判定される判定値(第1当たり乱数カウンタC1の値)を規定し、その判定値を読み出した場合のみ特別図柄の大当たりを示す入賞コマンドを設定するように構成しても良い。
このように構成することで、音声ランプ制御装置113側に対して、特定の大当たりであることを事前判別した場合のみ大当たりを示す入賞コマンドを出力することになるため、先読み演出が実行されない特別図柄変動に対して、大当たり当選の期待感を持たせることができる。
さらに、第1特別図柄保留球格納エリア203saまたは第2特別図柄保留球格納エリア203sbに格納(記憶)されている保留記憶(入賞情報)に基づく特別図柄の抽選が行われる際の遊技状態を正確に判別して、その遊技状態に基づいて当否判定を実行するように構成してもよい。この場合には、変動パターンの選択を保留球数によって可変するのではなく、変動開始時の保留球数に関わらず一定の変動パターンを選択するように構成することで判別が可能となる。先読みを実行する場合に、その保留球が変動開始されるまでの変動順序を保留記憶されている情報に基づいて判別することで変動開始時の遊技状態を判別できる。
また、本第22制御例では、第1特別図柄保留球格納エリア203saまたは第2特別図柄保留球格納エリア203sbに新たな保留記憶(入賞情報)が格納(記憶)された場合に、その入賞情報に基づく先読み処理を実行し、その先読み処理の中で当否判定を事前に予測する構成を用いているが、これに限ること無く、主制御装置110の先読み処理において、第1特別図柄保留球格納エリア203saまたは第2特別図柄保留球格納エリア203sbに新たに格納(記憶)された入賞情報(保留記憶)の内容(各カウンタ値)を示す情報を入賞コマンドとして設定し、音声ランプ制御装置113側で受信した入賞コマンドに含まれる情報に基づいて当否判定結果を予測するように構成しても良い。
このように構成することで、主制御装置110の処理負荷を軽減することができる。また、音声ランプ制御装置113側で、先読み演出を実行するか否かを判別する処理を実行し、先読み演出を実行すると判別した場合に、主制御装置110から受信した入賞コマンドに含まれる情報を解析(当否判定結果の予測)するように構成すると良い。これにより、先読み演出を実行しない場合には、具体的な先読み処理(当否判定結果の予測)が実行されないため、パチンコ機10にて無駄な制御が実行されることを抑制することができる。また、無題に実行された先読み処理の結果を遊技者に不正に取得されてしまう不具合を抑制することができる。
次に、図705を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理の一処理である普通図柄変動処理22(F106)について説明する。図705は、この普通図柄変動処理22(F106)を示すフローチャートである。普通図柄変動処理22(F106)は、第2図柄(普通図柄)の変動表示や、電動役物640aの開放時間などを制御するための処理であり、普通図柄変動(抽選)に関連する様々な処理(普通図柄変動を実行する処理、実行する普通図柄変動の変動態様(変動時間)を設定する処理、実行中の普通図柄変動を更新する処理、普通図柄変動を停止させる処理、普通図柄抽選の結果が当たりである場合に実行される普図当たり遊技の遊技内容を決定する処理)が実行される処理である。
この普通図柄変動処理22(図705のF106)では、まず、今現在が、普通図柄(第2図柄)の当たり中であるかを判別する(F801)。普通図柄(第2図柄)の当たり中としては、第2図柄表示装置83において当たりを示す表示がなされてから(当たり図柄が停止表示してから)電動役物640aの開閉制御がなされている最中まで(当たり遊技が終了するまで)が含まれる。普通図柄(第2図柄)の当たり中であると判別した場合には(F801:Yes)、そのまま本処理を終了する。
一方、普通図柄(第2図柄)の当たり中でないと判別した場合には(F801:No)、第2図柄表示装置83の普通図柄が変動表示中であるかを判別する(F802)。普通図柄の変動表示中では無い、即ち、現在が新たな普通図柄変動(抽選)を実行可能な状態であると判別した場合は(F802:No)、次に、普通図柄保留球数カウンタ203vfの値(M)を取得し(F803)、その値が0よりも大きいかを判別する(F804)。
F804の処理で普通図柄保留球数カウンタ203vfの値(M)が0であると判別された場合には(F804:No)、そのまま本処理を終了する。一方、普通図柄保留球数カウンタ203vfの値が0よりも大きいと判別した場合は(F804:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203vfの値(M)を1減算する(F805)。つまり、F804の処理において新たな普通図柄変動を実行するための条件(普通図柄変動に用いるための入賞情報が保留記憶されていること)が成立していると判別された場合は、保留記憶されている入賞情報を用いて普通図柄変動を実行するため、普通図柄保留球数カウンタ203vfの値を1減算する。
次に、普通図柄保留球格納エリア203vcに格納されたデータをシフトする(F806)。F806の処理では、普通図柄保留球格納エリア203vcの普通図柄保留1〜普通図柄保留4に格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には、普通図柄保留1→実行エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトする。データをシフトした後は、普通図柄保留球実行エリア(図示せず)に格納されている第2当たり乱数カウンタC4の値を取得する(F807)。
次に、時短カウンタ203shがオンであるか否か、即ち、現在が普通図柄の高確率状態(時短中)であるか否かを判別し(F808)、時短カウンタ203shがオンに設定されていると判別した場合は(F808:Yes)、高確率時用の第2当たり乱数テーブル202sc(図691(b)参照)の当たり判定値に基づいて当否判定結果(抽選結果)を取得し(F809)、F811の処理へ移行する。一方、時短カウンタ203shがオフであると判別した場合は(F808:No)、低確率時用の第2当たり乱数テーブル202sc(図691(b)参照)の当たり判定値に基づいて、当否判定結果が取得され(F810)、F811の処理へ移行する。
F811の処理では、今回の普通図柄変動(抽選)が当たりであるかを判別し(F811)、当たりであると判別した場合は(F811:Yes)、当たり時の表示態様である「○」の表示態様を設定し(F812)、F814の処理へ移行する。一方、F811の処理で、今回の普通図柄変動(抽選)が当たりでは無い(外れである)と判別した場合は(F811:No)、外れ時の表示態様である「×」の表示態様を設定し(F813)、F814の処理へ移行する。
F814の処理では、現在の遊技状態が時短中(普通図柄の高確率状態)であるかを時短カウンタ203shの値を参照して判別し(F814)、時短中(普通図柄の高確率状態)であると判別した場合は(F814:Yes)、普通図柄の変動時間を3秒に設定し(F815)、本処理を終了する。一方、F814の処理で時短中(普通図柄の高確率状態)では無いと判別した場合は(F814:No)、普通図柄の変動時間を10秒に設定し(F816)、本処理を終了する。
なお、本第22制御例では、上述した通り、設定される普通図柄の確率状態に応じて、普通図柄の変動時間を異ならせているが、これに限ること無く、設定されている遊技状態に関わらず、常に変動時間として3秒が設定されるように構成してもよい。このように構成することで、遊技状態が切り替わるタイミングにおいて、具体的には、一般的に長い変動時間が設定され易い通常状態(普通図柄の低確率状態)から、短い変動時間が設定され易い時短状態(普通図柄の高確率状態)へと遊技状態が切り替わる大当たり遊技終了のタイミングにおいて、長い変動時間の普通図柄変動が実行されており、時短状態が設定されたにも関わらず、時短状態中の普通図柄抽選が実行されない事態が発生することを抑制することができる。
なお、普通図柄の変動時間の設定方法については、本制御例の構成に限ること無く、遊技状態に応じて変動時間を異ならせたり、普図保留球数に応じて変動時間を異ならせたり、取得した所定値に応じて変動時間を異ならせたりしても良く、例えば、本制御例では、普通図柄変動の変動時間を、設定されている普通図柄の確率状態(高確率状態、低確率状態)と、普通図柄保留球数カウンタ203vfの値(普図保留数)と、に基づいて可変設定するように構成しても良い。さらに、設定された普通図柄の変動時間によって、第2入球口640への球の入球のし易さが異なるように構成しても良い。
このように、設定される普通図柄の変動時間の長さに応じて、第2入球口640への球の入球具合を可変させるように構成することで、第2入球口640への球の入球のし易さを遊技状態に応じて容易に可変することができるため、様々な遊技性を創り出すことができる。
一方、F802の処理において、普通図柄(第2図柄)が変動表示中ではないと判別した場合には(F802:No)、第2図柄表示装置83において実行している普通図柄の変動時間が経過したかを判別し(F817)、変動時間が経過していないと判別した場合は(F817:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、F817の処理において変動時間が経過していると判別した場合は(F817:Yes)、次に、第2図柄表示装置83の停止表示を設定する(F818)。F818の処理では、今回の普通図柄の抽選が当たりである場合には、第2図柄表示装置83には「○」図柄が停止表示(点灯表示)されるように設定する。一方、普通図柄の抽選が外れである場合には、第2図柄表示装置83には「×」図柄が停止表示(点灯表示)される。つまり、上述したF812、或いはF813の処理で設定された表示態様を停止表示させるための設定が行われる。
F818の処理により、停止表示を設定すると、第2図柄表示装置83における変動表示が終了し、F812の処理、或いはF813の処理で設定された表示態様で、停止図柄(第2図柄)が第2図柄表示装置83に停止表示(点灯表示)される。
次に、今回の普通図柄の抽選結果は当たりであるかを判別する(F819)。普通図柄の抽選結果が当たりでは無い(外れである)と判別した場合は(F819:No)、そのまま本処理を終了する。一方、今回の普通図柄の抽選結果は当たりであると判別した場合には(F819:Yes)、現在の遊技状態が時短中(普通図柄の高確率状態)であるかを時短カウンタ203shの値を参照して判別し(F820)、時短中(普通図柄の高確率状態)であると判別した場合は(F820:Yes)、普図当たり遊技の遊技内容として、電動役物640aの開放時間が1秒間×2回の遊技内容(開放動作)を設定し(F823)、F822の処理へ移行する。
一方、F820の処理で時短中(普通図柄の高確率状態)では無いと判別した場合は(F820:No)、普図当たり遊技の遊技内容として、電動役物640aの開放時間が5秒間×1回の遊技内容(開放動作)を設定し(F821)、F822の処理へ移行する。
F822の処理では、F821、或いはF823の処理において設定されたシナリオに基づいて電動役物640aの開閉制御開始を設定し(F822)、本処理を終了する。
次に、本第22制御例における電動役物640aの開閉制御態様(開放パターン)について説明をする。本第22制御例のパチンコ機10では、普通図柄の当否判定を行うタイミング(F808〜F811の処理を行うタイミング)にて設定されている普通図柄の確率状態(高確率状態、低確率状態)に基づいて普通図柄の当否判定を実行し、電動役物640aの開放制御態様(開放パターン)を設定するタイミング(F817の処理で変動時間が経過したと判別したタイミング)にて設定されている普通図柄の確率状態(高確率状態、低確率状態)に基づいて電動役物640aの開放制御態様(開放パターン)を設定するように構成している。
即ち、本第22制御例では、普通図柄に関する変動処理(抽選処理)と、特別図柄に関する変動処理(抽選処理)とが独立して実行されるように構成されており、さらに、特別図柄に関する変動処理(抽選処理)の結果に基づいて普通図柄の確率状態(高確率状態、低確率状態)が可変するように構成している。よって、普通図柄に関する変動処理(抽選処理)が実行されている期間中に並行して実行される特別図柄に関する変動処理(抽選処理)の結果によっては、普通図柄の当否判定を行うタイミングでは普通図柄の高確率状態が設定され、電動役物640aの開放制御態様(開放パターン)を設定するタイミングでは普通図柄の低確率状態が設定される場合が発生する。
このような状況において、例えば、普通図柄の当否判定を行うタイミングにて設定されている普通図柄の確率状態(高確率状態、低確率状態)に基づいて、電動役物640aの開放制御態様(開放パターン)を設定してしまうと、普通図柄の低確率状態が設定されている状態で、電動役物640aがロング開放(普通図柄の高確率状態中が設定されている場合に実行される開放パターン)してしまうという問題があった。
そこで、本第22制御例では、電動役物640aの開放制御態様(開放パターン)を設定するタイミングにおける普通図柄の確率状態(高確率状態、低確率状態)を判別し、その判別結果に基づいて電動役物640aの開放制御態様(開放パターン)を設定するように構成している。これにより、設定されている遊技状態に応じた開放パターンで電動役物640aを開放させることができる。
なお、本第22制御例では、普通図柄の当否判定を行うタイミングにおける普通図柄の確率状態に基づいて普通図柄の当否判定を実行し、普通図柄の当たり遊技にて可動させる電動役物640aの開放制御態様(開放パターン)を設定するタイミングにおける普通図柄の確率状態に基づいて電動役物640aの開放パターンを設定するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、普通図柄の当否判定を行うタイミングで普通図柄の高確率状態が設定されており、且つ普通図柄の当たり遊技にて可動させる電動役物640aの開放制御態様(開放パターン)を設定するタイミングでも普通図柄の高確率状態が設定されている場合にのみ、電動役物640aがロング開放するように構成しても良いし、普通図柄の当否判定を行うタイミングで設定されている遊技状態に基づいて、電動役物640aの開放パターンを設定するように構成しても良い。
また、詳細な説明は省略しているが、普通図柄変動処理22(図705のF106参照)において決定された各種情報(普通図柄抽選の結果、普通図柄変動の変動時間、普図当たりシナリオ等)は、それぞれ各種情報の内容を示すコマンドが設定され、主制御装置110のメイン処理(図709参照)の外部出力処理(図709のF1801参照)にて音声ランプ制御装置113へと出力される。
次に、図706を参照してスルーゲート通過処理22(F107)の内容について説明をする。図706は、スルーゲート通過処理22(F660参照)の内容を示したフローチャートである。このスルーゲート通過処理22(F107)は、タイマ割込処理(図698参照)の中で実行され、普通図柄始動口(スルーゲート)67における球の通過の有無を判断し、球の通過があった場合に、第2当たり乱数カウンタC4が示す値を取得し実行エリアに格納するための処理である。また、取得した普通当たり乱数カウンタC5の値を用いて、実際の当否判定が実行されるよりも前に(普通図柄変動処理22(図705のF106参照)にて当否判定(F811参照)が実行されるよりも前に)、抽選結果(当否判定結果)を事前に取得するための処理である。
スルーゲート通過処理22(F107)では、まず、球が普通図柄始動口(スルーゲート)67を通過したか否かを判定する(F901)。ここでは、普通図柄始動口(スルーゲート)67における球の通過を3回のタイマ割込処理にわたって検出する。そして、球が普通図柄始動口(スルーゲート)67を通過したと判定されると(F901:Yes)、次に、普通図柄保留球数カウンタ203vfの値(M)を取得し(F902)、次いで、その取得した普通図柄保留球数カウンタ203vfの値(M)が4よりも大きくないか(普通図柄の保留球数が上限値に到達していないか)を判別する(F903)。
F903の処理で、普通図柄保留球数カウンタ203vfの値(M)が4よりも大きい(上限値の4である)と判別した場合は(F903:No)、そのまま本処理を終了する。一方、普通図柄保留球数カウンタ203vfの値(M)が4よりも大きくないと判別した場合は(F903:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203vfの値(M)に1を加算し(F904)、第2当たり乱数カウンタC4の値を普通図柄保留球格納エリア203vcに格納し(F905)、本処理を終了する。
次に、図707を参照して、NMI割込処理について説明をする。図707は、主制御装置110内のMPU201により実行されるNMI割込処理を示すフローチャートである。NMI割込処理は、停電の発生等によるパチンコ機10の電源遮断時に、主制御装置110のMPU201により実行される処理である。このNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM203に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から主制御装置110内のMPU201のNMI端子に出力される。すると、MPU201は、実行中の制御を中断してNMI割込処理を開始し、電源断の発生情報の設定として、電源断の発生情報をRAM203に記憶し(F1601)、NMI割込処理を終了する。
なお、上記のNMI割込処理は、払出発射制御装置111でも同様に実行され、かかるNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM213に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から払出制御装置111内のMPU211のNMI端子に出力され、MPU211は実行中の制御を中断して、NMI割込処理を開始するのである。
次に、図708を参照して、主制御装置110に電源が投入された場合に主制御装置110内のMPU201により実行される立ち上げ処理22について説明する。図708は、この立ち上げ処理22を示すフローチャートである。
この立ち上げ処理22は電源投入時のリセットにより起動される。立ち上げ処理22(図708)では、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(F1701)。例えば、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。次いで、サブ側の制御装置(音声ランプ制御装置113、払出制御装置111等の周辺制御装置)が動作可能な状態になるのを待つために、ウエイト処理(本制御例では1秒)を実行する(F1702)。そして、RAM203のアクセスを許可する(F1703)。
その後は、電源装置115に設けたRAM消去スイッチ122(図667参照)がオンされているか否かを判別し(F1704)、オンされていれば(F1704:Yes)、処理をF1712へ移行する。一方、RAM消去スイッチ122がオンされていなければ(F1704:No)、更にRAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(F1705)、記憶されていなければ(F1705:No)、前回の電源遮断時の処理が正常に終了しなかった可能性があるので、この場合も、処理をF1712へ移行する。
RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(F1705:Yes)、RAM判定値を算出し(F1706)、算出したRAM判定値が正常でなければ(F1707:No)、即ち、算出したRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、バックアップされたデータは破壊されているので、かかる場合にも処理をF1712へ移行する。なお、RAM判定値は、例えばRAM203の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM203の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断するようにしても良い。
F1712の処理では、サブ側の制御装置(周辺制御装置)となる払出制御装置111を初期化するために払出初期化コマンドを送信する(F1712)。払出制御装置111は、この払出初期化コマンドを受信すると、RAM213のスタックエリア以外のエリア(作業領域)をクリアし、初期値を設定して、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。主制御装置110は、払出初期化コマンドの送信後は、RAM203の初期化処理(F1713、F1714)を実行する。
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時にRAMデータを初期化する場合にはRAM消去スイッチ122を押しながら電源が投入される。従って、立ち上げ処理の実行時にRAM消去スイッチ122が押されていれば、RAM203の初期化処理(F1713、F1714)を実行する。
また、電源断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様に、RAM203の初期化処理(F1713、F1714)を実行する。RAMの初期化処理(F1713、F1714)では、RAM203の使用領域を0クリアし(F1713)、その後、RAM203の初期値を設定する(F1714)。RAM203の初期化処理の実行後は、F1710の処理へ移行する。
一方、RAM消去スイッチ122がオンされておらず(F1704:No)、電源断の発生情報が記憶されており(F1705:Yes)、更にRAM判定値(チェックサム値等)が正常であれば(F1707:Yes)、RAM203にバックアップされたデータを保持したまま、電源断の発生情報をクリアする(F1708)。次に、サブ側の制御装置(周辺制御装置)を駆動電源遮断時の遊技状態に復帰させるための復電時の払出復帰コマンドを送信し(F1709)、F1710の処理へ移行する。払出制御装置111は、この払出復帰コマンドを受信すると、RAM213に記憶されたデータを保持したまま、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。
次に、音声ランプ制御装置113に対して、各種演出を実行することを許可する演出許可コマンドを出力する(F1710)。その後、割込みを許可し(F1711)、後述するメイン処理に移行する。
次に、図709を参照して、上記した立ち上げ処理後に主制御装置110内のMPU201により実行されるメイン処理について説明する。図709は、このメイン処理を示すフローチャートである。このメイン処理では、大別して、カウンタの更新処理と、電源断時処理とが実行される。
メイン処理(図709参照)においては、まず、タイマ割込処理(図698参照)の中でRAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶されたコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置(周辺制御装置)に送信する外部出力処理を実行する(F1801)。具体的には、タイマ割込処理(図698参照)におけるスイッチ読み込み処理で検出した入賞検知情報の有無を判別し、入賞検知情報があれば払出制御装置111に対して獲得球数に対応する賞球コマンドを送信する。また、特別図柄変動処理22(図699参照)や始動入賞処理22(図703参照)で設定された保留球数コマンドを音声ランプ制御装置113に送信する。更に、この外部出力処理(図709のF1801)により、主制御装置110の各種処理にて設定された各種コマンドを音声ランプ制御装置113に送信し、第3図柄表示装置81にて表示される各種演出(変動演出、装飾演出等)を設定するための情報とする。また、大当たり制御処理22(図710参照)で設定されたオープニングコマンド、ラウンド数コマンド、エンディングコマンドを音声ランプ制御装置113へ送信する。さらに、その他制御処理において設定された各種コマンドを音声ランプ制御装置113へ送信する。加えて、球の発射を行う場合には、発射制御装置112へ球発射信号を送信する。
次に、変動種別カウンタCS1の値を更新する(F1802)。具体的には、変動種別カウンタCS1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本第22制御例では198)に達した際、0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。
変動種別カウンタCS1の更新が終わると、払出制御装置111より受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込み(F1803)、次いで、特別図柄の大当たり状態である場合に、音声ランプ制御装置113にて大当たり演出を実行させるためのコマンドの設定や、可変入賞装置65の特定入賞口65aを開放動作するための大当たり制御処理を実行する(F1804)。
大当たり制御処理22(F1804)の詳細な内容については、図710〜図715を参照して後述するが、この大当たり制御処理22(F1804)では、大当たり状態のラウンド毎に特定入賞口65a(以下、入賞口等と称す)を開放し、入賞口等(特定入賞口65a)の最大開放時間が経過したか、又は入賞口等(特定入賞口65a)に球が規定数入賞したかを判定する。そして、これら何れかの条件が成立すると入賞口等(特定入賞口65a)を閉鎖する。この入賞口等(特定入賞口65a)の開放と閉鎖とを所定ラウンド数繰り返し実行する。尚、本制御例では、大当たり制御処理22(F1804)をメイン処理において実行しているが、タイマ割込処理において実行しても良い。
次いで、第2入球口640に付随する電動役物640aの開閉制御を行う電動役物開閉処理を実行する(F1806)。電動役物開閉処理では、普通図柄変動処理22(図705参照)のF822の処理によって電動役物の開閉制御開始が設定された場合に、電動役物の開閉制御を開始する。尚、この電動役物の開閉制御は、普通図柄変動処理22におけるF821の処理、F823の処理、によって設定された期間が終了するまで継続される。
次に、第1図柄表示装置37A,37Bの表示を更新する第1図柄表示更新処理を実行する(F1807)。第1図柄表示更新処理では、特別図柄変動パターン選択処理22(図701のF209)によって変動パターンが設定された場合に、その変動パターンに応じた変動表示を、第1図柄表示装置37A,37Bにおいて開始する。本第22制御例では、第1図柄表示装置37A,37BのLEDの内、変動が開始されてから変動時間が経過するまでは、例えば、現在点灯しているLEDが赤であれば、その赤のLEDを消灯すると共に緑のLEDを点灯させ、緑のLEDが点灯していれば、その緑のLEDを消灯すると共に青のLEDを点灯させ、青のLEDが点灯していれば、その青のLEDを消灯すると共に赤のLEDを点灯させる。
なお、メイン処理は4ミリ秒毎に実行されるが、そのメイン処理の実行毎にLEDの点灯色を変更すると、LEDの点灯色の変化を遊技者が確認することができない。そこで、遊技者がLEDの点灯色の変化を確認することができるように、メイン処理が実行される毎にカウンタ(図示せず)を1カウントし、そのカウンタが100に達した場合に、LEDの点灯色の変更を行う。即ち、0.4s毎にLEDの点灯色の変更を行う。尚、カウンタの値は、LEDの点灯色が変更されたら、0にリセットされる。
また、第1図柄表示更新処理では、特別図柄変動パターン選択処理22(図701のF209)によって設定された変動パターンに対応する変動時間が終了した場合に、第1図柄表示装置37A,37Bにおいて実行されている変動表示を終了し、特別図柄変動パターン選択処理22(図701のF209参照)のF407で設定された表示態様で、停止図柄を第1図柄表示装置37A,37Bに停止表示(点灯表示)する。
さらに、本第22制御例では、一方の特別図柄が大当たりを示す表示態様(大当たり図柄)で停止表示された場合に、他方の特別図柄を、外れを示す表示態様(外れ図柄)で停止表示させるように構成しており、そのための停止表示も実行される。
次に、第2図柄表示装置の表示を更新する第2図柄表示更新処理を実行する(F1808)。第2図柄表示更新処理では、普通図柄変動処理22(図705参照)のF815の処理、F816の処理によって第2図柄の変動時間が設定された場合に、第2図柄表示装置において変動表示を開始する。これにより、第2図柄表示装置では、第2図柄としての「○」の図柄と「×」の図柄とを交互に点灯させる変動表示が行われる。また、第2図柄表示更新処理(F1808)では、普通図柄変動処理22(図705参照)のF818の処理によって第2図柄表示装置の停止表示が設定された場合に、第2図柄表示装置において実行されている変動表示を終了し、普通図柄変動処理22(図705参照)のF812の処理またはF813の処理によって設定された表示態様で、停止図柄(第2図柄)を第2図柄表示装置に停止表示(点灯表示)する。
その後は、RAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(F1809)、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていなければ(F1809:No)、停電監視回路252から停電信号SG1は出力されておらず、電源は遮断されていない。よって、かかる場合には、次のメイン処理の実行タイミングに至ったか否か、即ち今回のメイン処理の開始から所定時間(本制御例では4m秒)が経過したか否かを判別し(F1810)、既に所定時間が経過していれば(F1810:Yes)、処理をF1801へ移行し、上述したF1801以降の各処理を繰り返し実行する。
一方、今回のメイン処理の開始から未だ所定時間が経過していなければ(F1810:No)、所定時間に至るまで間、即ち、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、第1初期値乱数カウンタCINI1、第2初期値乱数カウンタCINI2及び変動種別カウンタCS1の更新を繰り返し実行する(F1811,F1812)。
まず、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2との更新を実行する(F1811)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本制御例では999、999)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域にそれぞれ格納する。次に、変動種別カウンタCS1の更新を、F1811の処理と同一の方法によって実行する(F1812)。なお、このF1812の処理では、変動種別カウンタCS1の値と同様に普図変動種別カウンタCS2の値も更新される。
ここで、F1801〜F1808の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を繰り返し実行することにより、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2(即ち、第1当たり乱数カウンタC1の初期値、第2当たり乱数カウンタC4の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCS1、普図変動種別カウンタCS2の値についてもランダムに更新することができる。よって、特別図柄や普通図柄の抽選に関する判定値を更新するための処理内容を把握され難くすることができ、当たりに対応する判定値が取得されるタイミングを狙った不正遊技が実行されることを抑制することができる。
また、F1809の処理において、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(F1809:Yes)、停電の発生または電源のオフにより電源が遮断され、停電監視回路252から停電信号SG1が出力された結果、図165のNMI割込処理が実行されたということなので、F1813以降の電源遮断時の処理が実行される。まず、各割込処理の発生を禁止し(F1813)、電源が遮断されたことを示す電源断コマンドを他の制御装置(払出制御装置111や音声ランプ制御装置113等の周辺制御装置)に対して送信する(F1814)。そして、RAM判定値を算出して、その値を保存し(F1815)、RAM203のアクセスを禁止して(F1816)、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。ここで、RAM判定値は、例えば、RAM203のバックアップされるスタックエリア及び作業エリアにおけるチェックサム値である。
なお、F1809の処理は、F1801〜F1808で行われる遊技の状態変化に対応した一連の処理の終了時、又は、残余時間内に行われるF1811とF1812の処理の1サイクルの終了時となるタイミングで実行されている。よって、主制御装置110のメイン処理において、各設定が終わったタイミングで電源断の発生情報を確認しているので、電源遮断の状態から復帰する場合には、立ち上げ処理の終了後、処理をF1801の処理から開始することができる。即ち、立ち上げ処理において初期化された場合と同様に、処理をF1801の処理から開始することができる。よって、電源遮断時の処理において、MPU201が使用している各レジスタの内容をスタックエリアへ退避したり、スタックポインタの値を保存しなくても、初期設定の処理(図708,F1701)において、スタックポインタが所定値(初期値)に設定されることで、F1801の処理から開始することができる。従って、主制御装置110の制御負担を軽減することができると共に、主制御装置110が誤動作したり暴走したりすることなく正確な制御を行うことができる。
次に、図710のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される大当たり制御処理22(F1804)を説明する。図710は、この大当たり制御処理22(F1804)を示すフローチャートである。この大当たり制御処理22(F1804)は、メイン処理(図709参照)の中で実行され、パチンコ機10が特別図柄の大当たり状態である場合に、大当たりに応じた各種演出の実行や、特定入賞口(大開放口)65aを開放又は閉鎖するための処理である。
大当たり制御処理22(図710,F1804)では、まず、特別図柄の大当たりが開始されるかを判定する(F1101)。具体的には、特別図柄変動処理22(図699参照)のF218またはF220の処理が実行され、特別図柄の大当たりの開始が設定されていれば、特別図柄の大当たりが開始されると判定する。F1101の処理において、特別図柄の大当たりが開始される場合には(F1101:Yes)、オープニングコマンドを設定し(F1102)、大当たり開始フラグ203vwをオフに設定し、大当たり中フラグ203vvをオンに設定して(F1103)、本処理を終了する。
一方、F1101の処理において、特別図柄の大当たりが開始されない場合には(F1101:No)、特別図柄の大当たり中であるかを判定する(F1104)。特別図柄の大当たり中としては、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81において特別図柄の大当たり(特別図柄の大当たり遊技中も含む)を示す表示がなされている最中と、特別図柄の大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。F1103の処理において、特別図柄の大当たり中でなければ(F1104:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、F1104の処理において、特別図柄の大当たり中であると判別した場合には(F1104:Yes)、F1105の処理を実行する。F1105の処理では、新たなラウンドの開始タイミングであるか判別する(F1105)。F1105の処理において、新たなラウンドの開始タイミングであると判別した場合には(F1105:Yes)、大当たり動作設定処理22を実行する(F1106)。
ここで、図711を参照して、大当たり動作設定処理22について説明する(F1106)。図711は、この大当たり動作設定処理22(F1106)の内容を示したフローチャートである。大当たり動作設定処理22(図711、F1106)では、まず、開始する大当たりのラウンド数に対応した開放動作を設定されている開放シナリオから読み込む(F1201)。流路ソレノイド(確変ソレノイド)65kの開放動作をF1201で読み込んだデータに基づいて設定する(F1202)。第1可変入賞装置65の開閉扉65f1の開放動作をF1201の処理で読み込んだデータにより設定する。その後、この処理を終了する。なお、F1202の処理では、1ラウンド毎の流路ソレノイド65kの動作、開閉扉65f1の動作が設定される。
このように、各ラウンドの開始毎に、第1可変入賞装置65の各動作が設定されるので、予期せぬ電源断が大当たり遊技中に発生しても、大当たり遊技が途中で終了してしまうような不具合を抑制できる。
図710に戻って説明を続ける。F1105の処理において、新たなラウンドの開始タイミングでないと判別した場合には(F1105:No)、開閉扉65f1、流路ソレノイド(確変ソレノイド)65kの動作タイミングであるか判別する(F1107)。動作タイミングであると判別した場合には(F1107:Yes)、開放ソレノイド65f2をオンに設定する(F1108)。その後、流路ソレノイド(確変ソレノイド)65kをオンに設定する(F1109)。その後、この処理を終了する。
一方、F1106の処理において、開放動作のタイミングでないと判別した場合には(F1107:No)、エンディング演出の開始タイミングであるか判別する(F1110)。エンディング演出の開始タイミングは、特別図柄変動パターン選択処理22(図701参照)のF402で決定された大当たり種別に対応する最終ラウンドが終了して開閉扉65f1が閉状態にされ、球はけ時間である待機時間(本実施形態では、3秒)が経過した場合に、エンディング演出の開始タイミングとして判別する。エンディング演出の開始タイミングであると判別した場合には(F1110:Yes)エンディングコマンドを設定して(F1111)、この処理を終了する。ここで設定されたエンディングコマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理の外部出力処理の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、エンディングコマンドを受信すると、表示用エンディングコマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114によって表示用エンディングコマンドが受信されると、第3図柄表示装置81において大当たりの終了を示すエンディング演出が開始される。
一方、F1110の処理において、現在実行されているエンディング期間の開始タイミングではないと判別した場合は(F1110:No)、次に、大当たりの終了タイミングであるかを判別する(F1112)。ここで、大当たりの終了タイミングとは、エンディング演出の実行期間が経過した場合を示す。F1112の処理において、大当たりの終了タイミングであると判別した場合は(F1112:Yes)、大当たり終了後の遊技状態を設定するための大当たり終了処理22を実行し(F1113)、本処理を終了する。この大当たり終了処理22の詳細については図712を参照して後述する。一方、F1112の処理において、大当たり終了のタイミングではないと判別した場合には(F1112:No)、報知処理22を実行する(F1114)。報知処理22の詳細については図713を参照して後述する。
報知処理22(図713、F1114)が実行されると、特定入賞口65aへの入賞に応じた制御を行うための入賞処理22を実行し(F1115)、特定入賞口65aに対して入球した球が正常に排出されたかを判別するための異常処理22を実行し(F1116)、その後、本処理を終了する。入賞処理22および異常処理22の詳細については図714および図715を参照して後述する。
次に、図711のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される大当たり動作設定処理22(F1106)の詳細について説明する。図711は、この大当たり動作設定処理22(F1106)を示すフローチャートである。この大当たり動作設定処理22(F1106)は、大当たり制御処理の中で実行され、上述した通り、ラウンド数に応じた特定入賞口65aの開閉動作を設定するための処理である。
この大当たり動作設定処理22(図711参照)が開始されると、まず、ラウンド数に対応した開放動作を読み込み(F1201)、確変ソレノイドの開放動作を設定して(F1202)、可変入賞装置65の大開放口65cの開放動作を設定し(F1203)、本処理を終了する。なお、図示しないが、F1201の処理では、新たに開始するラウンド数を示すラウンド数コマンドを設定する。
ここで設定されたラウンド数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理の外部出力処理(S1801)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、ラウンド数コマンドを受信すると、新たに開始されたラウンド数を第3図柄表示装置81において表示するための表示用ラウンド数コマンドを設定する。これにより、大当たりのラウンド数に合わせて第3図柄表示装置81の表示内容を更新することができる。
ここで、詳細な説明は省略するが、本制御例では、1回の大当たり遊技中に複数回実行されるラウンド遊技のうち、特定のラウンド数(2ラウンド目)に実行されるラウンド遊技の内容を、大当たり種別に応じて異ならせており、具体的には、特定の大当たり種別(確変大当たり)の場合のみ、2ラウンド目のラウンド遊技として、球が特定領域(Vゲート65V)へと流下させ易くなるように切替弁65yを動作させるラウンド遊技が実行されるように構成している。このように構成することで、長期間実行される大当たり遊技のうち、特定の期間のみ球を特定領域(Vゲート65V)へと流下させる確率を高めることができるため、遊技者が集中力を切らすこと無く大当たり遊技中の遊技を実行することができる。
なお、本第22制御例では、大当たりAに当選した場合の大当たり遊技における2ラウンド目が実行される場合に、第3図柄表示装置81の表示面にて遊技者に対して特定領域(Vゲート65V)へと球を流下させるチャンス期間であることを示すための案内報知態様として「Vを狙え」の文字が表示されるV報知演出を実行可能に構成している。これにより、遊技者に対して、長期間実行される大当たり遊技のうち、特定領域(Vゲート65V)へと球を流下させ易い特定の期間を分かり易く報知することができる。さらに、球が特定領域(Vゲート65V)を流下したことを検知手段が検知したことに基づいて、第3図柄表示装置81の表示面に球が特定領域(Vゲート65V)を流下したことを案内するための案内報知態様として「VGET」の文字が表示されるように構成している。これにより、遊技者に対して、大当たり遊技終了後に確変状態が設定される条件を満たしたことを分かり易く報知することができる。
なお、上述した案内報知の報知態様を、条件成立に応じて可変させても良く、例えば、特定ゲートへと球を流下させ易い特定期間の経過時間、或いは残時間に基づいて「Vを狙え」の文字色を可変させたり、表示領域の大きさを可変させたり、より強調した内容の文字(例えば「早くVを狙うんだ」)に可変させたりすると良い。これにより、特定領域(Vゲート65V)へと球を流下させ易い状況にて遊技者が球を発射しない事態が発生することを抑制することができる。
また、本第22制御例では、可変入賞装置65へと入賞した球の流路を切り替えるためのV役物として切替弁65yを設け、その切替弁65yの動作パターンを可変させることで球が特定ゲートへと流下しやすい期間とし難い期間とを設定可能としているが、これに限ること無く、例えば、大当たり遊技開始時から共通の動作パターンで切替弁65yを動作させるように構成し、特定入賞口65aが開放状態となるタイミングを大当たり種別によって可変させることにより、球が特定領域(Vゲート65V)へと流下しやすい期間とし難い期間とを設定可能に構成しても良い。これにより、切替弁65yの動作パターンを共通化することができるため、切替弁65yの動作内容を把握されたとしても今回の大当たり遊技が球を特定領域(Vゲート65V)へと通過させ易い大当たり遊技であるか否かを遊技者に把握され難くすることができる。また、切替弁65yの動作内容を統一化することができるため、Vソレノイド209aに対する負荷を軽減することができ、V役物(切替弁65y)の故障を抑制することができる。
この大当たり動作設定処理(図711参照)を実行することにより、大当たりの各ラウンドにおいて特定入賞口65aを開放することができると共に、2ラウンド目に特定領域(Vゲート65V)を球が通過可能に設定することができる。これにより、大当たりA,C〜Eでは、2ラウンド目に遊技者が球を発射するだけで、ほぼ確実に球が特定領域(Vゲート65V)を通過するので、大当たり遊技の終了後に確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の高確率状態)を設定することができる。
次に、図712のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される大当たり終了処理22(F1113)の詳細について説明する。図712は、この大当たり終了処理22(F1113)を示すフローチャートである。この大当たり終了処理22(F1113)は、大当たり制御処理22(図710のF1804参照)の中で実行され、上述した通り、大当たり終了後の遊技状態を設定するための処理である。
この大当たり終了処理22(F1113)では、まず、確変設定フラグ203smがオンであるかを判別する(F1301)。F1301の処理において、確変設定フラグ203smがオンであると判別した場合は(F1301:Yes)、大当たり中にVゲート(特定領域)65vを球が通過したことを意味するので、確変中カウンタ203vuの値の値に120を設定し(F1302)、時短中カウンタ203vtの値に120を設定し(F1303)、確変フラグ203vgをオンに設定して(F1304)、F1305の処理へ移行する。一方、F1301の処理において、確変設定フラグ203smがオフであれば(F1301:No)、時短中カウンタ203vtの値に100を設定し、S2105の処理へ移行する。
S2105の処理では、時短中カウンタ203vtの値、確変中カウンタ203vuの値に基づいて、状態コマンドを設定する(F1305)。ここで設定された状態コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理の外部出力処理(F1801)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、状態コマンドを受信すると、その状態コマンドで通知された遊技状態に合わせて従状態設定エリア223shを更新する。これにより、音声ランプ制御装置113において、パチンコ機10の遊技状態を正確に把握することができる。次いで、大当たり中フラグ203vvおよび確変設定フラグ203vhを共にオフに設定して(F1306)、本処理を終了する。
この大当たり終了処理22(図712参照)を実行することにより、大当たり遊技中にVゲート(特定領域)65vを球が通過したか否かに応じて大当たり終了後の遊技状態を正確に設定することができる。
報知処理22(F1114)では、まず、報知カウンタ203vmの値が0より大きい値であるか判別する(F1221)。報知カウンタ203vmの値が0であると判別した場合には(F1221:No)、2ラウンド目の終了タイミングであるか判別する(F1222)。2ラウンド目の終了タイミングの判別は、2ラウンド目において、10球入賞したことを検知した場合または30秒が経過したと判別した場合によって判別を行う。2ラウンド目の終了タイミングであると判別した場合には(F1222:Yes)、報知カウンタ203vmに2秒に対応するカウンタ値を設定する。その後、この処理を終了する。一方、F1222の処理において、2ラウンド目の終了タイミングでないと判別した場合には(F1222:No)、この処理を終了する。ここで、F1223で2秒のカウンタが設定されることで、2ラウンドが終了した後の球はけ時間であるインターバル時間の3秒間中に報知カウンタ203vmが0となり、液晶を見てという音声が出力される。よって、2ラウンド目に流路ソレノイド65kが動作するが、遊技者は2ラウンド終了後のインターバル時間より液晶に注意が惹きつけられるので、第1可変入賞装置65の切替部材65hの動きを識別されて、大当たり種別を遊技者に識別されてしまうことを抑制できる。よって、遊技者は、大当たり遊技の終了まで、確変遊技状態が付与されることを期待して遊技を行うことができる。
なお、本第22制御例では、報知カウンタ203vmを設けることにより、インターバル時間の終了1秒前より2ラウンド目に跨って液晶に注意を惹きつける演出を行うようにしたがそれに限らず、2ラウンド目より継続的に実行してもよい。
一方、F1221の処理において、報知カウンタ203vmの値が0より大きい値であると判別した場合には(F1221:Yes)、報知カウンタ203vmの値を−1して更新する(F1224)。更新後の報知カウンタ203vmの値が0であるか判別する(F1225)。報知カウンタ203vmの値が0であると判別した場合には(F1225:Yes)、報知コマンドを設定する(F1226)。その後、この処理を終了する。この報知コマンドにより音声ランプ制御装置113により、「液晶を見て」という音声の出力の設定が実行される。
次に、図714のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される入賞処理22(F1115)の詳細について説明する。図714は、この入賞処理22(F1115)を示すフローチャートである。この入賞処理22(F1115)は、大当たり制御処理22(図710参照)の中で実行され、上述した通り、特定入賞口65aへの入賞に応じた制御を行うための処理である。
入賞処理22(図714、F1115)では、まず、ラウンド有効期間であるか判別する(F1231)。ラウンド有効期間とは、ラウンド遊技が設定されている期間、即ち、開放扉65f1の開放状態からインターバル期間(3秒)が終了するまでの期間である。ラウンド有効期間外であると判別した場合には(F1231:No)、この処理を終了する。一方、ラウンド有効期間内であると判別した場合には(F1231:Yes)、特定入賞口65aの検出スイッチ65c1を通過したか判別される。特定入賞口65aの検出スイッチ65c1を通過したと判別した場合には(F1232:Yes)、入賞個数カウンタ203vjを1加算して更新する(F1233)。その後、F1234の処理を実行する。一方、検出スイッチ65c1を通過していないと判別した場合には(F1232:No)、F1234の処理を実行する。
F1234の処理では、入賞個数カウンタ203vjの値が10以上であるか判別する(F1234)。入賞個数カウンタ203vjの値が10以上であると判別した場合には(F1234:Yes)、特定入賞口65aの開閉扉65f1の閉鎖を設定する(F1236)。その後、残球タイマフラグ203vnをオンに設定する(F1237)。その後、F1238の処理を実行する。この残球タイマフラグ203vnがオンに設定されることで、開閉扉203nが閉鎖されてから球はけ時間中であることが判別できる。
一方、F1234の処理において、入賞個数カウンタ203vjの値が10未満であると判別した場合には、ラウンド時間(本実施形態では、30秒)が経過したか判別する(F1235)。ラウンド時間が経過したと判別した場合には(F1235:Yes)、F1236の処理を実行する。一方、ラウンド時間が経過していないと判別した場合には(F1235:No)、F1238の処理を実行する。
F1238の処理では、動作カウンタ203vkの値が0より大きい値であるか判別する(F1238)。動作カウンタ203vkの値が0より大きい値であると判別した場合には(F1238:Yes)、動作カウンタ203vkの値を−1して更新する(F1239)。確変スイッチ65e3を遊技球が通過したか判別する(F1240)。確変通過スイッチ65e3を遊技球が通過したと判別した場合には(F1240:Yes)、確変通過カウンタ203viの値に1加算して更新する(F1241)。確変設定フラグ203vhをオンに設定し(F1242)、V入賞コマンドを設定し(F1243)、その後、F1244の処理を実行する。一方、F1240の処理において、確変スイッチ65e3を遊技球が通過していないと判別した場合には(F1240:No)、F1244の処理を実行する。F1244の処理では、動作カウンタ203vkが0であるか判別する(F1244)。動作カウンタ203vkが0であると判別した場合には、流路ソレノイド65kをオフに設定する(F1245)。確変有効フラグ203vpをオンに設定する(F1246)。その後、この処理を終了する。ここで、確変有効フラグ203vpがオンに設定されることで、切替部材65hが切り替えられた後も、特別流路65e2に残存している遊技球が確変スイッチ65e3を通過した場合には、確変遊技が設定されるように制御できる。
一方、F1238の処理において、動作カウンタ203vkが0であると判別した場合には(F1238:No)、確変有効フラグ203vpがオンであるか判別する(F1247)。確変有効フラグ203vpがオフである場合には(F1247:No)、この処理を終了する。一方、確変有効フラグ203vpがオンであると判別した場合には(F1247:Yes)、確変有効タイマ203vrに1加算して更新する(F1248)。確変有効タイマの値が上限値(本実施形態では、1.2s)であるか判別する(F1249)。確変有効タイマ203vrが上限値であると判別した場合には(F1249:Yes)、確変有効フラグ203vpをオフに設定する(F1250)。確変有効タイマ203vrを初期値である0にリセットする(F1251)。その後、この処理を終了する。一方、F1249の処理において、確変有効タイマ203vrが上限値でないと判別した場合には(F1249:No)、F1240の処理を実行する。
これにより、確変有効タイマ203vrが上限値でないと、確変スイッチ65e3を遊技球が通過したか判別されるので、球はけの時間を考慮して確変遊技状態を設定できる。また、有効と判別される時間に上限があるので、不正に確変スイッチ65e3に遊技球を通過させて確変遊技状態が付与されることを抑制できる。
次に、図715のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される異常処理22(F1116)を説明する。図715は、この異常処理22(F1116)の内容を示したフローチャートである。異常処理22(F1116)では、不正に確変スイッチ65e3を通過させられていないかを監視する処理を実行する。
異常処理22(図715、F1116)では、まず、ラウンド有効期間であるか判別する(F1261)。ラウンド有効期間外である場合には(F1261:No)、この処理を終了する。一方、ラウンド有効期間内であると判別した場合には(F1261:Yes)、球排出口スイッチ65e4を遊技球が通過したか判別する(F1262)。球排出口スイッチ65e4を遊技球が通過したと判別した場合には(F1262:Yes)、球排個数カウンタ203sの値を1加算して更新する(F1263)。その後、F1264の処理を実行する。一方、球排出口スイッチ65e4を遊技球が通過していないと判別した場合には(F1262:No)、F1264の処理を実行する。
F1264の処理では、残球タイマフラグ203nがオンであるか判別する(F1264)。残球タイマフラグ203vnがオフであると判別した場合には(F1264:No)、この処理を終了する。一方、残球タイマフラグ203vnがオンであると判別した場合には(F1264:Yes)、球はけ時間の期間中であるので、残球タイマ203voを1加算して更新する(F1265)。残球タイマ203voは上限値(本第22制御例では、3秒)が経過したか判別する(F1266)。上限値でないと判別した場合には(F1266:No)、この処理を終了する。一方、上限値であると判別した場合には(F1266:Yes)、排出個数(確変通過カウンタ203viと排出個数カウンタ203vsとの合計値)と入賞個数(入賞個数カウンタ203vjの値)とが一致するか判別する(F1267)。
一致すると判別した場合には(F1267:Yes)、F1269の処理を実行する。一方、一致しないと判別した場合には(F1267:No)、エラーコマンドを設定する(F1268)。その後、F1269の処理を実行する。エラーコマンドを音声ランプ制御装置113が受信することにより、エラー表示(例えば、入賞個数不一致エラーの文字を表示)がされ、ホールコンピュータに対して、エラー信号の出力がされる。よって、第1可変入賞装置65内に不正に遊技球を残存させて、大当たりCであっても確変スイッチ65e3に遊技球を通過させる不正を抑制できる。
F1269の処理では、残球タイマフラグ203vnをオフに設定し(F1269)、残球タイマ203voを初期値である0にリセットする(F1270)。その後、入賞個数カウンタ203vj、排出個数カウンタ203vs、確変通過カウンタ203viが初期値にそれぞれリセットされ(F1271)、その後、この処理を終了する。
<第22制御例における音声ランプ制御装置により実行される制御処理について>
次に、図716から図734を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU221の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理とがある。
まず、図716を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される立ち上げ処理を説明する。図716は、この立ち上げ処理を示したフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時に起動される。
立ち上げ処理が実行されると、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(F2001)。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。その後、電源断処理中フラグがオンしているか否かによって、今回の立ち上げ処理が瞬間的な電圧降下(瞬間的な停電、所謂「瞬停」)によって、F2117の電源断処理(図717参照)の実行途中に開始されたものであるか否かが判断される(F2002)。図717を参照して後述する通り、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から電源断コマンドを受信すると(図717のF2114参照)、F2117の電源断処理を実行する。かかる電源断処理の実行前に、電源断処理中フラグがオンされ、該電源断処理の終了後に、電源断処理中フラグはオフされる。よって、F2117の電源断処理が実行途中であるか否かは、電源断処理中フラグの状態によって判断できる。
電源断処理中フラグがオフであれば(F2002:No)、今回の立ち上げ処理は、電源が完全に遮断された後に開始されたか、瞬間的な停電が生じた後であってF2117の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始されたものである。よって、これらの場合には、RAM223のデータが破壊されているか否かを確認する(F2003)。
RAM223のデータ破壊の確認は、次のように行われる。即ち、RAM223の特定の領域には、F2006の処理によって「55AAh」のキーワードとしてのデータが書き込まれている。よって、その特定領域に記憶されるデータをチェックし、該データが「55AAh」であればRAM223のデータ破壊は無く、逆に「55AAh」でなければRAM223のデータ破壊を確認することができる。RAM223のデータ破壊が確認されれば(F2003:Yes)、F2004へ移行して、RAM223の初期化を開始する。一方、RAM223のデータ破壊が確認されなければ(F2003:No)、F2008へ移行する。
なお、今回の立ち上げ処理が、電源が完全に遮断された後に開始された場合には、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードは記憶されていないので(電源断によってRAM223の記憶は喪失するから)、RAM223のデータ破壊と判断され(F2003:Yes)、F2004へ移行する。一方、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってF2117の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって開始された場合には、RAM223の特定領域には「55AAh」のキーワードが記憶されているので、RAM223のデータは正常と判断されて(F2003:No)、F2008へ移行する。
電源断処理中フラグがオンであれば(F2002:Yes)、今回の立ち上げ処理は、瞬間的な停電が生じた後であって、F2117の電源断処理の実行途中に、音声ランプ制御装置113のMPU221にリセットがかかって開始されたものである。かかる場合は電源断処理の実行途中なので、RAM223の記憶状態は必ずしも正しくない。よって、かかる場合には制御を継続することはできないので、処理をS1404へ移行して、RAM223の初期化を開始する。
S2004の処理では、RAM223の全範囲の記憶領域をチェックする(F2004)。チェック方法としては、まず、1バイト毎に「0FFh」を書き込み、それを1バイト毎に読み出して「0FFh」であるか否かを確認し、「0FFh」であれば正常と判別する。かかる1バイト毎の書き込み及び確認を、「0FFh」に次いで、「55h」、「0AAh」、「00h」の順に行う。このRAM223の読み書きチェックにより、RAM223のすべての記憶領域が0クリアされる。
RAM223のすべての記憶領域について、読み書きチェックが正常と判別されれば(F2005:Yes)、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードを書き込んで、RAM破壊チェックデータを設定する(F2006)。この特定領域に書き込まれた「55AAh」のキーワードを確認することにより、RAM223にデータ破壊があるか否かがチェックされる。一方、RAM223のいずれかの記憶領域で読み書きチェックの異常が検出されれば(F2005:No)、RAM223の異常を報知して(F2007)、電源が遮断されるまで無限ループする。RAM223の異常は、表示ランプ34により報知される。なお、音声出力装置226により音声を出力してRAM223の異常報知を行うようにしても良いし、表示制御装置114にエラーコマンドを送信して、第3図柄表示装置81にエラーメッセージを表示させるようにしてもよい。
F2008の処理では、電源断フラグがオンされているか否かを判別する(F2008)。電源断フラグはF2117の電源断処理の実行時にオンされる(図717のF2116参照)。つまり、電源断フラグは、F2117の電源断処理が実行される前にオンされるので、電源断フラグがオンされた状態でF2008の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってF2117の電源断処理の実行を完了した状態で開始された場合である。従って、かかる場合には(F2008:Yes)、音声ランプ制御装置113の各処理を初期化するためにRAMの作業エリアをクリアし(F2009)、RAM223の初期値を設定した後(F2010)、割込み許可を設定して(F2011)、メイン処理へ移行する。なお、RAM223の作業エリアとしては、主制御装置110から受信したコマンド等を記憶する領域以外の領域をいう。
一方、電源断フラグがオフされた状態でF2008の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、例えば電源が完全に遮断された後に開始されたためにF2004からF2006の処理を経由してF2008の処理へ至ったか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始された場合である。よって、かかる場合には(F2008:No)、RAM223の作業領域のクリア処理であるF2009をスキップして、処理をF2010へ移行し、RAM223の初期値を設定した後(F2010)、割込み許可を設定して(F2011)、メイン処理へ移行する。
なお、F2009のクリア処理をスキップするのは、F2004からF2006の処理を経由してF2008の処理へ至った場合には、F2004の処理によって、既にRAM223のすべての記憶領域はクリアされているし、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって、立ち上げ処理が開始された場合には、RAM223の作業領域のデータをクリアせず保存しておくことにより、音声ランプ制御装置113の制御を継続できるからである。
次に、図717を参照して、音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理後に音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理について説明する。図717は、このメイン処理を示したフローチャートである。メイン処理が実行されると、まず、メイン処理が開始されてから、又は、今回のF2101の処理が実行されてから1m秒以上が経過したか否かが判別され(F2101)、1m秒以上経過していなければ(F2101:No)、F2102〜F2111の処理を行わずにF2112の処理へ移行する。F2101の処理で、1m秒経過したか否かを判別するのは、F2102〜F2111が主に表示(演出)に関する処理であり、短い周期(1m秒以内)で編集する必要がないのに対して、F2112のコマンド判定処理22や、F2113の変動表示設定処理22を短い周期で実行する方が好ましいからである。F2112の処理が短い周期で実行されることにより、主制御装置110から送信されるコマンドの受信洩れを防止でき、F2113の処理が短い周期で実行されることにより、コマンド判定処理22によって受信されたコマンドに基づき、変動演出に関する設定を遅滞なく行うことができる。
F2101の処理で1m秒以上経過していれば(F2101:Yes)、まず、F2103〜F2113の処理によって設定された、表示制御装置114に対する各種コマンドを、表示制御装置114に対して送信する(F2102)。次いで、表示ランプ34の点灯態様の設定や後述するF2108の処理で編集されるランプの点灯態様となるよう各ランプの出力を設定し(F2103)、その後電源投入報知処理を実行する(F2104)。電源投入報知処理は、電源が投入された場合に所定の時間(例えば30秒)電源が投入されたことを知らせる報知を行うものであり、その報知は音声出力装置226やランプ表示装置227により行われる。また、第3図柄表示装置81の画面において電源が供給されたことを報知するようコマンドを表示制御装置114に送信するものとしても良い。なお、電源投入時でなければ、電源投入報知処理による報知は行わずにF2105の処理へ移行する。
F2105の処理では客待ち演出処理が実行され、その後、保留個数表示更新処理が実行される(F2106)。客待ち演出処理では、パチンコ機10が遊技者により遊技されない時間が所定時間経過した場合に、第3図柄表示装置81の表示をタイトル画面に切り替える設定などが行われ、その設定がコマンドとして表示制御装置114に送信される。保留個数表示更新処理では、特別図柄1保留球数カウンタ223vbの値に応じて保留ランプ(図示せず)を点灯させる処理が行われる。
その後、枠ボタン入力監視・演出処理22が実行される(F2107)。この枠ボタン入力監視・演出処理22は、演出効果を高めるために遊技者に操作される枠ボタン22Aが押されたか否かの入力を監視し、枠ボタン22Aの入力が確認された場合に対応した演出を行うよう設定する処理である。この処理では、枠ボタン22Aの遊技者による操作が検出されると、表示制御装置114に対して枠ボタン22Aの操作に対応する表示用コマンドを設定する。尚、この枠ボタン入力監視・演出処理22の詳細については、図731を参照して後述する。
枠ボタン入力監視・演出処理22が終わると、ランプ編集処理を実行し(F2108)、その後音編集・出力処理を実行する(F2109)。ランプ編集処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう電飾部29〜33の点灯パターンなどが設定される。音編集・出力処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう音声出力装置226の出力パターンなどが設定され、その設定に応じて音声出力装置226から音が出力される。
F2109の処理後、液晶演出実行管理処理が実行される(F2110)。液晶演出実行管理処理では、主制御装置110から送信される変動パターンコマンドに基づいて第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間が設定される。この液晶演出実行監視処理で設定された時間に基づいてF2008のランプ編集処理が実行される。なお、F2009の音編集・出力処理も第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間で実行される。
液晶演出実行管理処理の後に、演出更新処理22が実行される(F2111)。演出更新処理22では、音声ランプ制御装置113のRAM223の各種カウンタ、及び、各種タイマの値を更新するための処理が実行される。なお、演出更新処理22の詳細については、図734を参照して後述する。
演出更新処理22の後に、主制御装置110より受信したコマンドに応じた処理を行うコマンド判定処理22を行う(F2112)。このコマンド判定処理22の詳細については、図718を参照して後述する。
次に、F2113の処理へ移行する。F2113の処理では、変動表示設定処理22が実行される(F2113)。変動表示設定処理22では、第3図柄表示装置81において変動演出を実行させるために、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドに基づいて表示用変動パターンコマンドが生成されて設定される。その結果、そのコマンドが表示制御装置114に送信される。尚、この変動表示設定処理22の詳細については、図718を参照して後述する。
そして、変動表示設定処理22が終わると、ワークRAM233に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別する(F2114)。電源断の発生情報は、主制御装置110から電源断コマンドを受信した場合に記憶される。F2114の処理で電源断の発生情報が記憶されていれば(F2114:Yes)、電源断フラグ及び電源断処理中フラグを共にオンして(F2116)、電源断処理を実行する(F2117)。電源断処理の実行後は、電源断処理中フラグをオフし(F2118)、その後、処理を、無限ループする。電源断処理では、割込処理の発生を禁止すると共に、各出力ポートをオフして、音声出力装置226およびランプ表示装置227からの出力をオフする。また、電源断の発生情報の記憶も消去する。
一方、F2114の処理で電源断の発生情報が記憶されていなければ(F2114:No)、RAM223に記憶されるキーワードに基づき、RAM223が破壊されているか否かが判別され(F2115)、RAM223が破壊されていなければ(F2115:No)、F2101の処理へ戻り、繰り返しメイン処理が実行される。一方、RAM223が破壊されていれば(F2115:Yes)、以降の処理の実行を停止させるために、処理を無限ループする。ここで、RAM破壊と判別されて無限ループするとメイン処理が実行されないので、その後、第3図柄表示装置81による表示が変化しない。よって、遊技者は、異常が発生したことを知ることができるので、ホールの店員などを呼びパチンコ機10の修復などを頼むことができる。また、RAM223が破壊されていると確認された場合に、音声出力装置226やランプ表示装置227によりRAM破壊の報知を行うものとしても良い。
次に、図718を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるコマンド判定処理22(F2112)について説明する。図718は、このコマンド判定処理22(F2112)を示したフローチャートである。このコマンド判定処理22(F2112)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図717参照)の中で実行され、上述したように、主制御装置110から受信したコマンドを判定する。
コマンド判定処理22(図718,F2112)では、まず、RAM223に設けられたコマンド記憶領域から、未処理のコマンドのうち主制御装置110より受信した最初のコマンドを読み出し、解析して、主制御装置110より変動パターンコマンドを受信したか否かを判定する(F2201)。状態コマンドを受信した場合には(F2201:Yes)、状態コマンド受信処理22を実行し(F2202)、その他のコマンドに応じた処理を実行し(F2217)、メイン処理に戻る。この状態コマンド受信処理22(F2202)は、主制御装置110において遊技状態が変更された場合に、第3表示制御装置81に変更された遊技状態に対応する表示モードを設定するための処理である。なお、状態コマンド受信処理22の詳細は、図719を参照して後述する。
また、その他のコマンドが、音声ランプ制御装置113で用いるコマンドであればそのコマンドに対応した処理を行い、処理結果をRAM223に記憶し、表示制御装置114で用いるコマンドであればそのコマンドを表示制御装置114に送信するように、コマンドの設定を行うものである。
一方、状態コマンドを受信していない場合には(F2203:No)、次いで、主制御装置110より変動パターンコマンドを受信したか否かを判定する(F2203)。そして、変動パターンコマンドを受信した場合には(F2203:Yes)、変動開始フラグ223vdをオンに設定し(F2204)、受信した変動パターンコマンドから変動パターンを抽出して(F2205)、その他のコマンドに応じた処理を実行し(F2217)、メイン処理に戻る。
一方、変動パターンコマンドを受信していない場合には(F2203:No)、次いで、主制御装置110より停止種別コマンドを受信したか否かを判定する(F2206)。そして、停止種別コマンドを受信した場合には(F2206:Yes)、RAM223の停止種別選択フラグ223veをオンに設定し(F2207)、受信した停止種別コマンドから停止種別を抽出して(F2208)、その他のコマンドに応じた処理を実行し(F2217)、メイン処理に戻る。ここで抽出された停止種別は、RAM223に記憶され、後述の変動表示設定処理22(図727参照)が実行される場合に参照される。そして、表示制御装置114に対して変動演出の停止種別を通知する表示用停止種別コマンドを設定するために用いられる。
一方、停止種別コマンドを受信していない場合には(F2206:No)、次いで、主制御装置110より保留球数コマンドを受信したか否かを判定する(F2209)。そして、保留球数コマンドを受信した場合には(F2209:Yes)、受信した保留球数コマンドが特図1保留球数コマンドであるか、特図2保留球数コマンドであるかを判別して、そのコマンドに含まれている値、即ち、主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203vdの値(特別図柄における変動表示の保留回数N1)、または、主制御装置110の特別図柄2保留球数カウンタ203veの値(特別図柄における変動表示の保留回数N2)を抽出し、これを音声ランプ制御装置113の特別図柄1保留球数カウンタ223vb、または、特別図柄2保留球数カウンタ223vcに格納する(F2210)。また、F2210の処理では、更新された特別図柄1保留球数カウンタ223vb、特別図柄2保留球数カウンタ223vcの値をそれぞれ表示制御装置114へ通知するための表示用保留球数コマンドを設定する。F2210の処理の終了後は、その他のコマンドに応じた処理を実行し(F2217)、メイン処理に戻る。
ここで、特図1保留球数コマンド又は特図2保留球数コマンドは、球が第1入賞口64又は第2入賞口640に入賞(始動入賞)したとき、又は、特別図柄の抽選が行われたときに主制御装置110から送信されるので、始動入賞が検出される毎に、又は、特別図柄の抽選が行われる毎に、F2210の処理によって音声ランプ制御装置113の特別図柄1保留球数カウンタ223vb、特別図柄2保留球数カウンタ223vcの値を主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203vd、特別図柄2保留球数カウンタ203veの値に合わせることができる。よって、ノイズなどの影響により、音声ランプ制御装置113の特別図柄1保留球数カウンタ223vbまたは特別図柄2保留球数カウンタ223vcの値が主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203vdまたは特別図柄2保留球数カウンタ203veの値とずれても、始動入賞の検出時や特別図柄の抽選時に、音声ランプ制御装置113の特別図柄1保留球数カウンタ223vbまたは特別図柄2保留球数カウンタ223vcの値を修正し、主制御装置110の特別図柄1保留球数カウンタ203vdまたは特別図柄2保留球数カウンタ203veの値に合わせることができる。尚、F2210の処理が実行されると、更新された特別図柄1保留球数カウンタ223vb、特別図柄2保留球数カウンタ223vcの値を表示制御装置114へ通知するための表示用保留球数コマンドが設定される。これにより、表示制御装置114では、保留球数に応じた保留球数図柄が第3図柄表示装置81に表示される。
F2209の処理において、保留球数コマンドを受信していない場合には(F2209:No)、次いで、主制御装置110より入賞コマンドを受信したか判別する(F2211)。入賞コマンドを受信したと判別した場合には(F2211:Yes)、入賞コマンド処理22を実行し(F2212)、その他のコマンドに応じた処理を実行して(F2217)、メイン処理に戻る。この入賞コマンド処理22は、主制御装置110から特別図柄抽選の抽選権利を獲得した場合に設定される入賞コマンド(入賞情報コマンド)や、普通図柄抽選の抽選権利を獲得した場合に設定される普図用入賞情報コマンドや、大当たり遊技中に球が特定ゲート(確変スイッチ)を流下(通過)した場合に設定されるV入賞コマンドを受信した場合に実行される処理である。なお、入賞コマンド処理22の詳細は、図720を参照して後述する。
次に、F2211の処理において、入賞コマンドを受信していないと判別した場合には(F2211:No)、主制御装置110より停止コマンドを受信したか判別する(F2213)。停止コマンドを受信したと判別した場合には(F2213:Yes)、停止コマンド処理22を実行し、その他のコマンドに応じた処理を実行して(F2217)、メイン処理に戻る。この停止コマンド処理22は、主制御装置110から停止コマンドを受信した場合、即ち、特別図柄の停止タイミングにおける各種処理を実行するものである。なお、停止コマンド処理22の詳細は、図724を参照して後述する。
一方、F2213の処理において、停止コマンドを受信していないと判別した場合には(F2213:No)、大当たり関連コマンドを受信したか判別する(F2215)。大当たり関連コマンドを受信したと判別した場合には(F2215:Yes)、大当たり関連処理を実行し(F2216)、その他のコマンドに応じた処理を実行して(F2217)、メイン処理に戻る。この大当たり関連処理は、大当たりに当選した場合に実行される大当たり遊技に対応した演出表示を第3図柄表示装置81に実行させるための処理を行うものであり、大当たりに当選した場合に、主制御装置110から送信される様々なコマンドに対応した処理が実行される。なお、大当たり関連処理の詳細は、図725を参照して後述する。
次に、図719を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される状態コマンド受信処理22(F2202)について説明する。図719は、この状態コマンド受信処理22(F2202)を示したフローチャートである。この状態コマンド受信処理22(F2202)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるコマンド判定処理22(図718参照)の中で実行されるものであって、設定されている遊技状態に応じて第3図柄表示装置81に表示される表示モードを異ならせて設定するための処理を実行するものである。以下、状態コマンド受信処理22(F2202)の詳細を説明する。
状態コマンド受信処理22(F2202)が実行されると、まず、現在設定されている遊技状態が変更されるか否かを判別する(F2301)。ここでは、従状態格納エリア223vhに設定されている遊技状態と、今回受信した状態コマンドが示す遊技状態とが、相違するか否かが判別される。F2301の処理において、遊技状態に変更がないと判別した場合は(F2301:No)、そのまま本処理を終了する。遊技状態に変更があると判別した場合は(F2301:Yes)、変更後の遊技状態が通常状態であるかを判別する(F2302)。
F2302の処理において、変更後の遊技状態が通常状態であると判別した場合(今回受信した状態コマンドが通常状態を示すコマンドである場合)は(F2302:Yes)、通常モードを示す表示用コマンドを設定し(F2303)、F2304の処理へ移行する。
F2302の処理において、変更後の遊技状態が通常状態では無いと判別した場合(今回受信した状態コマンドが通常状態を示すコマンドでは無い場合)は(F2302:No)、次いで、変更後の遊技状態が時短状態であるかを判別し(F2305)、遊技状態が時短状態である(今回受信した状態コマンドが時短状態を示すコマンドである)と判別した場合は(F2305:Yes)、時短中カウンタ223vqの値に100を設定し(F2306)、チャンスモードを示す表示用コマンドを設定し(F2307)、F2304の処理へ移行する。
F2305の処理において、遊技状態が時短状態はないと判別した場合は(F2305:No)、次いで、変更後の遊技状態が確変状態であるかを判別し(F2308)、遊技状態が確変状態である(今回受信した状態コマンドが確変状態を示すコマンドである)と判別した場合は(F2308:Yes)、確変中カウンタ223srの値に120を設定し(F2309)、V報知フラグ223vuがオンであるか否かを判別する(F2310)。V報知フラグ223vuがオフの場合は(F2310:No)、上述したF2306の処理へ移行する。V報知フラグ223vuがオンである場合は(F2310:Yes)、V報知フラグ223vuをオフに設定し(F2311)、スーパーチャンスモードを示す表示用コマンドを設定し(F2312)、F2304の処理へ移行する。
F2304の処理では、従状態設定エリア223shの現状態エリアに設定されている遊技状態を過去状態エリアに設定し(F2304)、従状態設定エリア223shの現状態エリアに受信した状態コマンドが示す情報に対応する遊技状態を設定し(F2304)、本処理を終了する。
ここで、F2303、F2307およびF2312の処理で設定されたコマンドが表示制御装置114に通知されることにより遊技状態に対応した変動演出表示が実行されることになる。このように、本第22制御例では、音声ランプ制御装置113にて、主制御装置110から出力された状態コマンドに基づいて第3図柄表示装置81の表示領域にて表示される各種表示態様の種別(モード、背景)を設定し、その種別を示すコマンドを表示制御装置114へと出力するように構成している。
このように構成することで、例えば、音声ランプ制御装置113側で設定されている遊技状態に対してそれぞれ変動演出表示の表示態様を設定する必要を無くすことが可能となる。つまり、現在設定されている遊技状態に対応する各種表示態様の種別を示すコマンド(種別コマンド)と、特別図柄の変動表示に対応する変動パターンコマンド(共通コマンド)とを表示制御装置114に出力するだけで、表示制御装置114側で受信した種別コマンドと、共通コマンドとに基づいて、現在の遊技状態と受信した変動パターンとに対応した表示態様で第3図柄表示装置81に表示させる表示データを設定することができる。よって、音声ランプ制御装置113の処理負荷を軽減させることができる。
なお、上述したように、音声ランプ制御装置113から受信した複数のコマンドを表示制御装置114側で組み合わせることにより第3図柄表示装置81に表示させる表示データを設定するように構成した場合には、表示制御装置114側から音声ランプ制御装置113側へと設定後の表示データの内容を示す情報(確認情報)を出力するように構成し、音声ランプ制御装置113側で受信した確認情報が適正であるかを判別する判別手段を設け、その判別結果が適正では無いと判別した場合に、適正な情報を示す簡易的な表示用変動パターンコマンドを設定し、既に設定されている表示データの内容を簡易的な表示データに書き換えるように構成すると良い。
このように構成することで、音声ランプ制御装置113が主制御装置110から受信した各種コマンドに対して適正な表示データが設定されなかった場合に、適正な情報を示す簡易的な表示データを設定することができ、その簡易的な表示データに基づく変動演出表示を表示することができる。よって、実際の遊技結果(特別図柄の抽選結果)とは異なる内容の変動演出表示が実行されてしまい、遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができる。また、上述した簡易的な表示データにとしては、例えば、どの遊技状態にも対応しない特殊モード(例えば、黒背景のモード)を表示する表示データや、第4図柄の変動表示を実行する表示データといった、通常の変動演出表示にて用いる表示データよりもデータ量の少ない表示データを用いれば良い。
なお、本第22制御例では、上述した構成を用いているがこれに限ること無く、音声ランプ制御装置113側で、現在の遊技状態と、受信した変動パターンとに基づいた表示用変動パターンコマンドを設定するように構成しても良い。
次に、図720を参照して、コマンド判定処理22(図718のF2112参照)にて実行される入賞コマンド処理22(F2212参照)の内容を説明する。図720は、入賞コマンド処理22(F2212)の内容を示したフローチャートである。この入賞コマンド処理22(F2212)は、主制御装置110から特別図柄抽選の抽選権利を獲得した場合に設定される入賞コマンド(入賞情報コマンド)や、普通図柄抽選の抽選権利を獲得した場合に設定される普図用入賞情報コマンドや、大当たり遊技中に球が特定ゲート(確変スイッチ)を流下(通過)した場合に設定されるV入賞コマンドを受信した場合に実行される処理である。
入賞コマンド処理22(F2212)が実行されると、まず、今回受信した入賞コマンド(入賞情報コマンド)の情報を入賞情報格納エリア(入賞情報記憶エリア)223bの対応する領域に格納(設定)し(F2401)、特図用入賞情報コマンド処理を実行する(F2402)。なお、特図用入賞情報コマンド処理の詳細は、図721を参照して後述する。
特図用入賞情報コマンド処理が終わると、次いで、今回受信したコマンドはV入賞コマンド(入賞処理22(図714のF1115参照)にて確変スイッチ(特定ゲート)へと球が流下した場合に設定されるコマンド(F1243参照))であるかを判別する(F2403)。受信したコマンドがV入賞コマンドである場合には(F2403:Yes)、V入賞フラグ223vtをオンに設定し(F2406)、V演出実行フラグ223vsがオンであるか判別する(F2405)。V演出実行フラグ223vsがオンである場合には(F2407:Yes)、V演出実行フラグ223vsをオフに設定し(F2406)、V入賞を報知するための表示用コマンドを設定する(F2407)。そして、V報知フラグ223vuをオンに設定し(F2408)、その他の処理を実行して(F2409)、本処理を終了する。
一方、F2403の処理において、受信したコマンドはV入賞コマンドではない場合には(F2403:No)、F2405〜F2408の処理をスキップし、F2409の処理へ移行する。
また、F2405の処理において、V演出実行フラグ223vsがオンでない場合には(F2405:No)、F2406〜F2408の処理をスキップし、F2409の処理へ移行する。
F2409の処理では、その他の処理を実行し(S4413)、本処理を終了する。
次に、図721を参照して、入賞コマンド処理22(図720のF2212)にて実行される特図用入賞情報コマンド処理22(F2402)の内容を説明する。図721は、特図用入賞情報コマンド処理22(F2402)の内容を示したフローチャートである。
特図用入賞情報コマンド処理22(F2402)が実行されると、まず、今回受信した入賞コマンドは特図用の入賞コマンドであるか判別する(F2501)。受信したコマンドが特図用入賞コマンドである場合には(F2501:Yes)、従状態設定エリア223shに設定されている情報に基づいて現在の遊技状態を抽出し(F2502)、通常遊技状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)を示す情報であるか判別する(F2503)。通常遊技状態である場合には(F2503:Yes)、保留演出設定処理22を実行し(F2504)、F2505の処理へ移行する。この保留演出設定処理22は、上述した保留変化演出の演出内容を設定するための処理である。保留演出設定処理22の詳細は、図722を参照して後述する。一方、通常遊技状態でない場合には(F2503:No)、F2504の処理をスキップし、F2505の処理へ移行する。
なお、本第22制御例では、遊技状態として通常遊技状態が設定されている場合に保留変化演出を実行可能な構成としているが、これに限るものではなく、確変状態及び時短状態においても保留演出を実行可能な構成としても良い。
F2505の処理では、受信した特図用入賞情報コマンドに含まれる情報に基づいた表示用コマンドを設定し(F2505)、本処理を終了する。
次に、図722を参照して、特図用入賞コマンド処理22(図721のF2402)にて実行される保留演出設定処理22(F2504)の内容を説明する。図722は、保留演出設定処理22(F2504)の内容を示したフローチャートである。
保留演出設定処理22(F2504)が実行されると、まず、後保留設定フラグ223vnがオンであるか判別する(F2551)。上述したように、後保留設定フラグ223vnは複合保留変化演出の保留変化シナリオが設定され、変化対象の保留球の次に獲得した保留球の保留図柄の色が指定されている場合にオンに設定される。従って、後保留設定フラグ223vnがオンである場合には(F2551:Yes)、保留演出情報格納エリア223vlに格納されている保留演出情報に基づいて、対応する保留図柄の色を決定し(F2552)、後保留フラグ223snをオフに設定して(F2553)、決定した保留図柄の表示態様(色)を示すための表示用コマンドを設定し、F2555の処理へ移行する。
一方、F2551の処理において、後保留設定フラグ223vnがオンでない場合には(F2551:No)、保留演出制限中フラグ223vmはオンであるか判別する(F2556)。保留演出制限中フラグ223vmがオンである場合には(F2556:Yes)、保留変化演出を新たに設定することが制限されている期間であるため、保留変化演出の設定に関連する処理をスキップし、F2555の処理へ移行する。
F2556の処理において、保留演出制限中フラグ223vmがオンでない場合には(F2556:No)、保留変化演出抽選テーブル222vb(図694(a)参照)を参照して、保留変化演出実行の有無を決定する(F2557)。そして、F2557の処理において、単独保留変化演出の実行が決定されたかを判別し(F2558)、単独保留変化演出の実行が決定された場合には(F2558:Yes)、保留色選択テーブル222vc(図694(b)参照)を参照して、今回の入賞コマンドに対応する保留図柄の色を決定し(F2559)、決定した保留演出情報を保留演出情報格納エリア223vlに格納する(F2560)。その後、決定した内容に対応させて保留演出制限中フラグ223vmを設定し(F2561)、F2554の処理へ移行する。
一方、F2558の処理において、単独保留変化演出は実行されないと判別した場合には(F2558:No)、F2557の処理において複合保留変化演出の実行が決定されたかを判別する(F2562)。複合保留変化演出の実行が決定された場合には(F2562:Yes)、複合保留変化演出設定処理22を実行し(F2563)、F2554の処理に移行する。
ここで、図723を参照して、複合保留変化演出設定処理22について説明する。図723は、複合保留変化演出設定処理22の内容を示したフローチャートである。
複合保留変化演出設定処理22(F2517)が実行されると、まず、保留変化シナリオ選択テーブル222vd(図695参照)を参照して保留変化シナリオを決定し(F2601)、F2601の処理で決定した内容に対応する保留図柄の色を決定する(F2602)。そして、F2601の処理で決定した内容用を示す保留演出情報を保留演出情報格納エリア223vlに格納する(F2603)。その後、F2601の処理で決定した内容に対応させて、保留演出制限中フラグ223vmを設定し(F2604)、F2601の処理で決定した内容に対応させて後保留設定フラグ223vnを設定して(F2605)、保留演出設定処理22(図722参照)に戻る。
図722に戻り説明を続ける。F2562の処理において、複合保留変化演出は実行されないと判別した場合には(F2562:No)、F2555の処理に移行する。
F2555の処理では、今回受信した特図用入賞情報コマンドに含まれる情報に基づいた表示用コマンドを設定し(F2555)、F2555の処理終了後、特図用入賞情報コマンド処理22に戻る。
次に、図724を参照して、コマンド判定処理22(図718のF2112参照)にて実行される停止コマンド処理22(F2214)の内容について説明する。図724は、停止コマンド処理22(F2214)の内容を示したフローチャートである。主制御装置110から停止コマンドを受信した場合、即ち、特別図柄の停止タイミングにおける各種処理を実行するものである。
停止コマンド処理22(F2214)が実行されると、まず、揺れ待機フラグ223vwはオンであるか判別する(F2651)。揺れ待機フラグ223vwがオンである場合には(F2652:Yes)、大当たり当選を示す表示態様(本第22制御例では、「祝福」の表示)を示すための表示用コマンドを設定し(F2652)、揺れ待機フラグ223vwをオフに設定して(F2653)、F2654の処理へ移行する。一方、F2651の処理において、揺れ待機フラグ223vwがオンでない場合には(F2651:No)、F2652、F2653の処理をスキップし、F2654の処理を実行する。
F2654の処理では、保留演出情報格納エリア223vlに格納されている保留演出情報を読み出し(F2654)、変動実行中の特別図柄に対応する保留図柄を変化対象とする保留変化シナリオはあるか判別し(F2655)、変動実行中の特別図柄に対応する保留図柄を変化対象とする保留変化シナリオがある場合には(F2655:Yes)、保留演出制限中フラグ223vmをオフに設定し(F2656)、第3図柄の停止表示を決定して(F2657)、本処理を終了する。一方、F2655の処理において、変動実行中の特別図柄に対応する保留図柄を変化対象とする保留変化シナリオがない場合には(F2655:No)、F2656の処理をスキップし、F2657の処理へ移行する。
次に、図726を参照して、大当たり関連処理22(F2216)の内容について説明をする。図726は、大当たり関連処理(F2216)の内容を示したフローチャートである。大当たり関連処理(F2216)では、大当たりに当選した場合に実行される大当たり遊技に対応した演出表示を第3図柄表示装置81に実行させるための処理を行うものであり、大当たりに当選した場合に、主制御装置110から送信される様々なコマンドに対応した処理が実行される。
大当たり関連処理22(F2216)では、まず、今回受信したコマンドが、大当たり開始コマンドであるかを判別する(F2701)。大当たり開始コマンドであると判別した場合には(F2701:Yes)、表示用大当たり開始コマンドを設定する(F2702)。ここで設定される表示用大当たり開始コマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図717参照)のコマンド出力処理(F2102)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114は、表示用大当たり開始コマンドを受信すると、大当たりの開始を示唆する演出を第3図柄表示装置81に表示する。
次いで、今回の大当たり種別が大当たりC(3R時短大当たり)であるかを判別し(F2703)、大当たりCであると判別した場合は(F2703:Yes)、チャンスモード突入ことを示すエンディング表示態様を設定し(F2704)、本処理を終了する。一方、大当たりCでは無いと判別した場合(F2703:No)、今回の大当たり種別が大当たりA(10R確変大当たり)であるかを判別し(F2505)、大当たりAではないと判別した場合(F2705:No)、即ち、大当たりB(3R確変大当たり)である場合には、F2704の処理へ移行する。
ここで、本第22制御例におけるチャンスモードは、設定されている遊技状態が確変遊技状態か、時短遊技状態かを遊技者が識別できないモードとして構成しており、このように構成することで、大当たり遊技終了後に設定される表示モードがスーパーチャンスモード(確変遊技状態が設定されている場合のみ設定される表示モード)ではなくても、確変状態が設定されていることを期待させることで遊技者の遊技意欲低下を抑制することができるものである。
しかしながら、確変大当たりに当選した場合に実行される大当たり遊技中にV演出(遊技者に特定領域(Vゲート)65vに向けて遊技球の発射を促すための演出)が実行されることで、遊技者は確変大当たりに当選したことを認識できるため、V演出が実行されなかった大当たり遊技終了後に設定されるチャンスモードは確変遊技状態ではないと分かってしまう虞があった。
このため、本第22制御例では、確変大当たりである大当たりBに当選した場合には、その大当たり遊技実行中にV演出を実行しない構成としている。このように構成することで、遊技者に今回のチャンスモードは確変遊技状態か、時短遊技状態かを分かり難くし、確変状態が設定されていることを期待させることで遊技者の遊技意欲低下を抑制することができる。
一方で、F2705の処理において、大当たりAであると判別した場合には(F2705:Yes)、V演出実行フラグ223vsオンに設定し(F2706)、スーパーチャンスモード突入(確変状態が設定される)ことを示すエンディング表示態様を設定し(F2707)、本処理を終了する。
このように、本第22制御例では、図725を参照して上述した通り、設定される大当たり種別(大当たりA、大当たりB、大当たりC)に応じて異なるエンディング表示態様が設定されており、大当たり遊技が開始されるタイミングにて今回実行される大当たり遊技のエンディング期間に対応させたエンディング表示態様を予め設定するように構成している。このように構成することで、各種制御(大当たり遊技の進行状況に応じて可変表示させる大当たり遊技情報の可変表示制御(例えば、獲得した賞球数を示すための情報を表示させる制御や実行中のラウンド遊技数を示すための情報を表示させる制御)や、大当たり遊技中に可変入賞装置65へと入賞した球数に応じて賞球を払い出すための賞球払出制御)が頻繁に実行される大当たり遊技期間中にエンディング表示態様を設定するための表示制御を実行する必要が無くなるため、音声ランプ制御装置113、表示制御装置114の処理負荷を軽減させることができる。なお、本第22制御例では、大当たり遊技の開始タイミングにてエンディング表示態様を設定する処理を実行しているが、これに限ること無く、大当たり遊技が実行されることが確定している特別図柄の大当たり変動中にエンディング表示態様を設定しても良いし、大当たり遊技期間のうち、制御処理が少ない期間に実行される音声ランプ制御装置113のメイン処理の残余期間を用いて設定するように構成しても良い。
一方、F2701の処理にて、大当たり開始コマンドを受信していないと判別した場合は(F2701:No)、次に、ラウンド数コマンドを受信したかを判別し(F2708)、ラウンド数コマンドを受信したと判別した場合は(F2708:Yes)、ラウンド数に基づいて表示用ラウンド数コマンドを設定し(F2710)、今回のラウンド数が2ラウンド(Vラウンド)であるかを判別する(F2710)。2ラウンド(Vラウンド)であると判別した場合は(F2710:Yes)、V演出実行フラグ223vsがオンであるか否かを判別する(F2711)。V演出実行フラグ223vsがオンであると判別した場合は(F2711:Yes)、V入賞を案内する表示用コマンドを設定し(F2712)、本処理を終了する。また、F2710の処理で今回のラウンド数が2ラウンド(Vラウンド)では無い、即ち、2ラウンド目以外のラウンド遊技が開始されると判別した場合と(F2710:No)、F2711の処理において、V演出実行フラグ223vsがオフであると判別した場合も(F2711:No)、そのまま本処理を終了する。
F2708の処理でラウンド数コマンドを受信していないと判別した場合は(F2708:No)、次に、エンディングコマンドを受信したかを判別し(F2713)、受信したと判別した場合は(F2713:Yes)、エンディング処理22を実行し(F2714)、本処理を終了する。また、F2713の処理にてエンディングコマンドを受信していないと判別した場合は(F2713:No)、そのまま本処理を終了する。
次に、図727を参照して、エンディング処理22(F2714)の処理について説明をする。図727は、エンディング処理22(F2714)の内容を示したフローチャートである。このエンディング処理22(F2714)は、上述した大当たり関連処理22(図725のF2216参照)にてエンディングコマンドを受信したと判別した場合に実行される処理であって、エンディング期間中に実行されるエンディング表示態様を最終的に決定するための処理を実行するものである。
エンディング処理22(F2714)が実行されると、まず、V入賞フラグ223vtがオンに設定されているかを判別し(F2801)、オンに設定されていると判別した場合は(F2801:Yes)、V入賞フラグ223vtをオフに設定し(F2802)、既に設定されているエンディング表示態様に対応するエンディング表示の実行を設定し(F2805)、本処理を終了する。また、F2801の処理においてV入賞フラグ223vtがオンに設定されていないと判別した場合は(F2801:No)、V演出実行フラグ223vsがオンであるかを判別し(F2803)、V演出実行フラグ223vsがオフであると判別した場合は(F2803:No)、そのままF2804の処理へ移行する。
一方、F2803の処理において、V演出実行フラグ223vsがオンであると判別した場合は(F2803:Yes)、エンディング期間のうち、後半期間(7秒)の表示態様を切り替えるための表示切替コマンドを設定し(F2804)、F2805の処理へ移行する。
F2804の処理において表示切替コマンドが設定されると、表示制御装置114へと通知され、予めスーパーチャンスモードが設定されることに対応して設定されていたエンディング期間の後半期間の表示態様を、チャンスモードが設定されることに対応する表示態様へと切り替える処理が実行される。本第22制御例では、この表示切替コマンドに基づいて切り替えられる表示態様の表示期間を一定(7秒)にしているため、容易に表示態様を切り替えることができる。
次に、図728を参照して、変動表示設定処理22(F2113)の内容について説明をする。図727は、変動表示設定処理22(F2113)の内容を示したフローチャートである。この変動表示設定処理22(F2113)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図717参照)の中で実行され、第3図柄表示装置81において変動演出を実行させるために、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドに基づいて表示用変動パターンコマンドを生成し設定する。
変動表示設定処理22(F2113)では、まず、RAM223に設けられた変動開始フラグ223vdがオンかを判別する(F2901)。そして、変動開始フラグ223vdがオンではない(即ち、オフである)と判別した場合(F2901:No)、主制御装置110より変動パターンコマンドを受信していない状態であるので、F2911の処理へ移行する。一方、変動開始フラグ223vdがオンであると判別した場合(F2901:Yes)、次に、調整用役物可動中フラグ223viはオンであるか判別する(F2902)。調整用役物可動中フラグ223viがオンである場合(F2902:Yes)、調整用可動役物(剣役物Ym3)が調整位置にある状態(図678(b)参照)であるので、調整用役物可動中フラグ223viをオフに設定し(F2903)、調整用役物(剣役物Ym3)に付随するLEDを全消灯させるためのランプ制御用コマンドを設定する(F2904)。その後、調整用役物(剣役物Ym3)を初期位置(図669(a)参照)へと可動させるための役物動作シナリオを設定し(F2905)、制限タイマ223vjに10秒に対応する値を設定して(F2906)、F2907の処理へ移行する。
このように、本第22制御例では、特別図柄の変動表示が実行されていない待機期間中に遊技者が剣役物Ym3を用いた光量調整を実行している場合に、特別図柄の変動表示が開始されると、遊技者が変動演出を視認し易いように剣役物Ym3を格納させるための処理を実行する構成としている。また、この際に、剣役物Ym3が発光した状態で調整位置から初期位置へと戻る動作を行うと、その動作が変動演出における演出の一部であると遊技者に誤解を与える虞があるため、それを抑制するために、剣役物Ym3が調整位置から初期位置へと戻る動作をする前に、剣役物Ym3に付随するLEDを全消灯することにより、今回の剣役物Ym3の動作は変動演出とは関係がないことを遊技者に分かり易くすることができる。
なお、剣役物Ym3が調整位置にある状態で開始された特別図柄の抽選結果が大当たり当選であった場合には、剣役物Ym3に付随するLEDを全消灯させるのではなく、例えば、虹色に発光させてから初期位置へと戻す構成としても良い。
一方、F2902の処理において、調整用役物可動中フラグ223viがオンでない場合には(F2902:No)、F2903〜F2906の処理をスキップし、F2907の処理に移行する。
F2907の処理では、変動開始フラグ223vdをオフに設定し(F2907)、次いで、コマンド判定処理22(図718のF2203参照)のF2205の処理で抽出した変動パターンを取得する(F2908)。そして、表示制御装置114へ通知するための表示用変動パターンコマンドを取得した変動パターン種別に基づいて生成するための変動演出設定処理22を実行し(F2909)、表示用変動パターンコマンドを設定して(F2910)、F2911の処理へ移行する。変動演出設定処理22(F2909)の詳細については図728を参照して後述する。
F2911の処理では、RAM223に設けられた停止種別選択フラグ223veがオンかを判別する(F2911)。そして、停止種別選択フラグ223veがオンではない(即ち、オフである)と判別した場合(F2911:No)、主制御装置110より停止種別コマンドを受信していない状態であるので、そのまま本処理を終了する。一方、停止種別選択フラグ223veがオンであると判別した場合(F2911:Yes)、オンに設定されている停止種別選択フラグ223veをオフに設定し(F2912)、次いで、コマンド判定処理22(図718のS2112参照)のS2208の処理において抽出した停止種別を取得し(F2913)、抽出した停止種別をそのまま設定する(F2914)。その後、表示用停止種別コマンドを設定して(F2915)、本処理を終了する。
次に、図728を参照して、変動表示設定処理22(図727のF2113参照)にて実行される変動演出設定処理22(F2909)の内容について説明する。図728は、変動演出設定処理22(F2909)の内容を示したフローチャートである。この変動演出設定処理22(F2909)は、変動表示設定処理22(図727のF2113参照)にて、特別図柄の変動演出を設定する際に実行されるものであって、設定されている遊技状態に対応した変動演出の演出態様を設定するための処理が実行される。
変動演出設定処理22(F2909)が実行されると、まず、時短中カウンタ223vqの値が0以上であるか判別する(F3001)。時短中カウンタsqの値が0以上ではない場合(F3001:No)、即ち、表示モードとしてチャンスモードが設定されている場合にはF3002、F3003の処理をスキップし、F3004の処理に移行する。一方、時短中カウンタ223vqの値が0以上である場合(F3001:Yes)、時短中カウンタ223vqの値を1減算し(F3002)、減算後の時短中カウンタ223vqの値を示すための表示用コマンドを設定して(F3003)、F3004の処理に移行する。
F3004の処理では、確変中カウンタ223srの値が0以上であるか判別する(F3004)。確変中カウンタ223srの値が0以上ではない場合(F3004:No)、即ち、確変遊技状態が設定されてない場合には、F3005〜F3007の処理をスキップし、F3008の処理に移行する。
一方、F3004の処理において、確変中カウンタ223srの値が0以上である場合には(F3004:Yes)、確変中カウンタ223srの値を1減算し(F3005)、次いで、表示モードとしてスーパーチャンスモードが設定されているか判別する(F3006)。スーパーチャンスモードが設定されている場合には(F3006:Yes)、減算後の確変中カウンタ223srの値を示すための表示用コマンドを設定する。一方、F3006の処理において、スーパーチャンスモードが設定されていない場合には(F3006:No)、F3007の処理をスキップし、F3008の処理へ移行する。
F3008の処理では、制限タイマ223vjの値が0以上であるか判別する(F3008)。制限タイマ223vjの値が0以上である場合(F3008:Yes)、即ち、剣役物Ym3が調整位置から初期位置に戻ってから10秒経過していない場合には、決定可能な演出態様の候補から剣役物Ym3の動作を含む演出態様の排除を決定する(F3009)。一方、制限タイマ223vjの値が0以上ではない場合(F3008:No)、F3009の処理をスキップし、F3010に移行する。
このように、本第22制御例では、剣役物Ym3が可動した後、一定期間(10秒)経過するまでは、剣役物Ym3を可動させる演出態様が選択されない構成としている。このように構成することで、短期間の間に剣役物Ym3に対する可動制御が実行されてしまうことを抑制することができるため、剣役物Ym3が頻繁に可動してしまい、剣役物Ym3が故障してしまう事態が発生することを抑制することができる。加えて、剣役物Ym3が可動可能な状態となるよりも前に次の剣役物Ym3に対する可動制御が実行され、剣役物Ym3の可動期間にズレが発生したり、正常な可動動作が実行されなかったりする事態が発生することを抑制することができる。
F3010の処理では、従状態格納エリア223vhに格納されている遊技状態を読み出し(F3010)、遊技状態が時短遊技状態であるか判別する(F3011)。時短遊技状態である場合には(F3011:Yes)、時短中カウンタ223vqの値が1であるか判別し(F3012)、1である場合には(F3012:Yes)、演出結果がチャンスモード終了となる時短終了示唆演出の演出態様を決定して(F3013)、F3014の処理に移行する。一方、時短中カウンタ223vqの値が1ではないと判別した場合には(F3012:No)、F3013の処理をスキップし、F3014の処理へ移行する。F3014の処理では、変動パターンコマンドが示す基本コマンドに対応する演出態様を決定し、F3019の処理へ移行する。
F3011の処理において、時短遊技状態ではないと判別した場合には(F3011:No)、確変遊技状態であるか判別する(F3013)。確変状態であると判別した場合には(F3015:Yes)、時短中カウンタ223vqの値が1であるか判別して(F3016)、1である場合には(F3016:Yes)、演出結果がスーパーチャンスモード昇格となる時短終了示唆演出の演出態様を決定し(F3017)、F3014の処理へ移行する。
このように、本第22制御例では、大当たりB(3R確変大当たり)に当選したことに基づいて確変遊技状態が設定された場合には、大当たり遊技終了後にチャンスモードが設定されても、所定回数(100回)の特別図柄の変動表示が実行されると、スーパーチャンスモードに昇格する構成としている。このように構成することで、チャンスモードの最終変動においてスーパーチャンスモードに昇格するかもしれないと遊技者に思わせることが可能となり、チャンスモードの残回数が0回となった場合に遊技者の遊技意欲が低下することを抑制することができる。
F3015の処理において、確変遊技状態ではないと判別された場合には(F3015:No)、通常遊技状態が設定されているため、通常状態演出態様決定処理22が実行される(F3018)。ここで、図729を参照して、通常状態演出態様決定処理22(F3018)の内容について説明する。図729は、通常状態演出態様決定処理22(F3018)の内容を示したフローチャートである。
通常状態演出態様決定処理22(F3018)が実行されると、まず、変動表示設定処理22(図727のF2113)のF2908の処理において取得した変動パターンに基づいて、変動パターン選択テーブル(図示しない)を参照して、変動演出種別を決定する(F3101)。そして、決定された変動演出態様はシャッター閉鎖リーチであるか判別する(F3102)。シャッター閉鎖リーチが決定された場合には(F3102:Yes)、特別図柄抽選の結果と第1演出カウンタ223vfの値に基づいて、シャッター閉鎖リーチ選択テーブル222ve(図696参照)を参照して、演出態様を決定し(F3103)、F3108の処理へ移行する。
一方、F3102の処理において、シャッター閉鎖リーチではないと判別した場合には(F3102:No)、ムービー実行リーチであるか判別する(F3104)。ムービー実行リーチであると判別した場合には(F3104:Yes)、特別図柄抽選の結果を示すための演出態様を決定し(F3105)、演出パターンに対応した操作有効期間の設定情報を演出用SW有効時間記憶エリア223vpに格納して(F3106)、F3108の処理へ移行する。
F3104の処理において、ムービー実行リーチではないと判別した場合には(F3104:No)、その他、決定された変動演出種別に対応する演出態様を決定し(F3107)、F3108の処理へ移行する。F3108の処理では、変動開始時保留演出実行処理22(F3108)を実行する。なお、変動開始時保留演出実行処理22の内容は、図730を参照して後述する。その後、決定した演出態様を示す表示用変動パターンコマンドを設定し、本処理を終了する。
このように、本第22制御例では、通常遊技状態において、確変遊技状態及び時短遊技状態よりも多様なリーチ演出を実行可能に構成しているため、確変遊技状態及び時短遊技状態よりも遊技者に不利な通常遊技状態での遊技に遊技者が早期に飽きてしまうことを抑制することができる。
次に、図730を参照して、変動開始時保留演出実行処理22の内容について説明する。図730は、変動開始時保留演出実行処理22の内容を示したフローチャートである。この変動開始時保留演出実行処理22(F3109)は、保留演出情報格納エリア223vlに格納されている保留変化シナリオに基づいて複合保留変化演出を実行するための処理である。
変動開始時保留演出設定処理22(F3109)が実行されると、まず、保留演出情報格納エリア223vlに格納されている保留演出情報を読み出し(F3201)、保留変化シナリオ情報があるか判別する(F3202)。保留変化シナリオがない場合には(F3202:No)、複合保留変化演出が設定されていないため、本処理を終了する。一方、保留変化シナリオ情報がある場合には(F3202:Yes)、今回の特別図柄の変動時間は10秒以上であるか判別する(F3203)。変動時間が10秒以上ではない場合には(F3203:No)、本処理を終了する。
このように、本第22制御例では、変動時間が10秒以上である場合のみ保留変化シナリオに対応する複合保留変化演出を実行する構成としている。これは、本第22制御例で実行される保留変化演出では、左チェンジ役物Ym1と右チェンジ役物Ym2を動作させた演出であることから、保留変化演出が実行され、左チェンジ役物Ym1と右チェンジ役物Ym2が可動してから格納状態となるまでの期間に特別図柄の変動が終了し、左チェンジ役物Ym1と右チェンジ役物Ym2が可動状態のまま次の変動が開始されることを防ぐためである。
F3203の処理において、変動時間が10秒以上である場合には(F3203:Yes)、格納されている保留変化シナリオは1,4,7,9のいずれかであるか判別する(F3204)。保留変化シナリオが1,4,7,9のいずれかである場合には(F3204:Yes)、保留変化の対象保留図柄は第3保留図柄hr3(図672参照)であるかを判別し(F3205)、第3保留図柄hr3である場合には(F3205:Yes)、役物動作シナリオ2(図697参照)を決定し(F3206)、F3207の処理へ移行する。一方、保留変化の対象保留図柄が第3保留図柄hr3ではない場合には、本処理を終了する。
なお、保留変化シナリオ1,4,7,9はいずれも、保留変化の対象保留図柄の色に、その1つ前の保留図柄の色を移植するシナリオであるため、保留変化の対象保留図柄の1つ前の保留図柄を左チェンジ役物Ym1によって隠す動作が行われる。なお、保留変化シナリオ2は、保留変化の対象保留をチェンジ役物Ym2で隠すことにより、対象保留の色を可変する特殊なシナリオである。
F3204の処理において、保留変化シナリオは1,2,4,7,9のいずれでもない場合には(F3204:No)、保留変化の対象保留図柄は第2保留図柄hr2(図672参照)であるか判別する(F3210)。第2保留図柄hr2ではない場合には(F3210:No)、本処理を終了する。一方、第2保留図柄hr2であると判別した場合には(F3210:Yes)、後保留設定フラグ223vnがオンであるか判別する(F3211)。後保留設定フラグ223vnがオンである場合(F3211:Yes)、即ち、保留変化の対象保留図柄に対応する保留球を獲得してから次の保留球を獲得していない状態である場合には、後保留設定フラグ223vnをオフに設定し(F3215)、保留演出情報格納エリア223vlに格納されている保留変化シナリオをクリアして(F3216)、本処理を終了する。
このように、後保留設定フラグ223vnがオンである場合には、複合保留変化演出を実行しない構成とするのは、保留変化シナリオ1,4,7,9以外の保留変化シナリオがいずれも保留変化の対象保留図柄の後に獲得した保留図柄の色に、保留変化の対象保留図柄の色を移植するシナリオであるためであり、このように構成することで、遊技者に対して不自然な演出が実行されることを抑制することができる。
F3211の処理において、後保留設定フラグ223vnがオンではない場合には(F3211:No)、次に、格納されている保留変化シナリオが5,9のいずれかであるか判別する(F3212)。保留変化シナリオが6,11のいずれかではないと判別した場合には(F3212:No)、役物動作シナリオ1を決定し(F3213)、F3207の処理に移行する。上述したように、保留変化シナリオ3,5,8,10はいずれも保留変化の対象保留図柄の後に獲得した保留図柄の色を、保留変化の対象保留図柄の色に移植するシナリオであるため、右チェンジ役物Ym2によって保留変化の対象保留図柄を隠す動作が行われる。
一方、F3212の処理において、保留変化シナリオ6,11のいずれかであると判別した場合には(F3214:Yes)、役物動作シナリオ3(図697参照)を決定し(F3214)、F3207の処理に移行する。なお、保留変化シナリオ6,11はいずれも、保留変化の対象保留図柄の前後の保留図柄の色を対象保留図柄に移植するシナリオであるため、役物動作シナリオ3では第1保留図柄hr1を左チェンジ役物Ym1で隠し、第3保留図柄hr3を右チェンジ役物Ym2で隠す動作を行う。
F3207の処理では、保留演出情報格納エリア223vlに格納されている保留変化シナリオに対応する演出態様を決定し(F3207)、決定した演出態様を示す表示用パターンコマンドを設定する(F3208)。そして、決定した役物動作シナリオを示す役物動作用コマンドを設定し(F3209)、保留演出制限中フラグ223vmをオフに設定して(F3217)、本処理を終了する。
このように、本第22制御例では、予め設定されている保留変化シナリオに基づいて、その変動において保留変化シナリオに対応する保留変化演出の実行可否を判別し、実行可能であれば保留変化演出を実行する構成としている。このように構成することで、保留変化演出の実行中に特別図柄の変動が終了することによって生じる不具合や、遊技者に対して不自然な演出が実行されることを抑制することができる。
次に、図731を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される枠ボタン入力監視・演出処理22(F2107)について説明する。図731は、この枠ボタン入力監視・演出処理22(F2107)を示したフローチャートである。この枠ボタン入力監視・演出処理22(F2107)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図717参照)の中で実行され、第3図柄表示装置81において演出効果を高めるために遊技者の操作に応じた演出を実行させるために、枠ボタン22Aの操作に基づいて表示用コマンドを生成し設定する。
枠ボタン入力監視・演出処理22(図731,F2107)では、まず、音量調整ボタン(上ボタン600b、又は、下ボタン600d)又は、光量調整ボタン(右ボタン600c、又は、左ボタン600e)への操作があったか判別する(F3301)。操作があった場合には(F3301:Yes)、調整期間中フラグ223vxがオンであるか判別し(F3302)、オンでない場合には(F3302:No)、環境情報調整画面の表示を決定し(F3303)、調整期間中フラグ223vxをオンに設定して(F3304)、経過タイマ223vyに10秒に対応する値をセットする(F3305)。
その後、待機期間中であるか判別し(F3306)、待機期間中であると判別した場合には(F3306:Yes)、調整用役物(剣役物Ym3)を環境調整位置(図678(b)参照)へと可変させるための動作シナリオを設定し(F3307)、調整用役物可動中フラグ223viをオンに設定する(F3308)。そして、調整用役物可動中であることを示すための態様(図678の表示領域HR3の表示)を決定し(F3309)、F3310の処理へ移行する。
一方、F3306の処理において、待機期間中ではないと判別した場合には(F3306:No)、即ち、特別図柄の変動表示中、或いは、大当たり遊技中であるため、F3307〜F3309の処理をスキップし、F3310の処理へ移行する。このように、本第22制御例では、待機期間以外の期間に選択ボタン600が操作された場合には、調整用役物(剣役物Ym3)を環境調整位置に可変させない構成とすることで、変動演出に調整用役物(剣役物Ym3)が重なって遊技者が変動演出を視認できないという不具合が生起しない構成としている。
なお、本第22制御例では、待機期間以外の期間で選択ボタン600が操作された場合には、調整用役物(剣役物Ym3)を環境調整位置に可変させない構成としたが、これに限るものではなく、例えば、調整用役物Ym3を環境調整位置に可変させ、特別図柄の変動演出を調整用役物(剣役物Ym3)と重ならない位置に縮小表示させる構成としても良い。
F3302の処理において、調整期間中フラグ223vxがオンである場合には(F3302:Yes)、既に環境情報調整画面の表示がされている状態であるため、環境情報格納エリア223vkに格納されている環境情報をボタン操作内容に対応させて更新し(F3311)、更新後の環境情報に対応する態様を決定する(F3312)。そして、経過タイマ223vyに10秒に対応する値を再セットし(F3313)、F3310の処理へ移行する。
F3301の処理において、音量調整ボタン(上ボタン600b、又は、下ボタン600d)又は、光量調整ボタン(右ボタン600c、又は、左ボタン600e)への操作がなかった場合には(F3301:No)、決定ボタン600aの操作があったか判別する(F3314)。決定ボタン600aの操作があった場合には(F3314:Yes)、決定ボタン操作処理22(F3315)を実行し、F3310の処理へ移行する。なお、決定ボタン操作処理22の内容は、図732を参照して後述する。
一方、F3314の処理において、決定ボタンの操作がなかった場合には(F3314:No)、演出ボタン操作処理22を実行し(F3316)、F3310の処理を実行する。F3310の処理では、決定した態様に対応する表示用コマンドを設定し(F3310)、本処理を終了する。なお、演出ボタン操作処理22の内容は、図733を参照して後述する。
次に、図732を参照して、枠ボタン入力監視・演出処理22(図731のF2107参照)にて実行される決定ボタン操作処理22(F3315)の内容について説明する。図732は、決定ボタン操作処理22の内容を示したフローチャートである。
決定ボタン操作処理22(F3315)が実行されると、まず、調整期間中フラグ223vxがオンであるか判別する(F3351)。調整期間中フラグ223vxがオンでないと判別した場合には(F3351:No)、本処理を終了する。一方、調整期間中フラグ223vxがオンである場合には(F3351:Yes)、経過タイマの値を1にセットし(F3352)、調整用役物可動中フラグ223viがオンであるか判別する(F3353)。調整用役物可動中フラグ223viがオンでない場合には(F3353:No)、本処理を終了する。
一方、調整用役物可動中フラグ223viがオンである場合には(F3352:Yes)、調整用役物(剣役物Ym3)が環境調整位置にある状態であるため、調整用役物(剣役物Ym3)を初期位置へと可変させるための動作シナリオを設定し(F3354)、環境調整の終了を示す表示態様(図679(a)の環境調整終了表示cm1)を決定する(F3355)。そして、調整用役物可動中フラグ223viをオフに設定し(F3356)、制限タイマ223vjに10秒に対応する値をセットして(F3357)、本処理を終了する。
なお、調整用役物(剣役物Ym3)が環境調整位置にある場合に、特別図柄の変動表示が開始された場合には、調整用役物Ym3に付随するLEDを全消灯させる処理(図727のF2904参照)を実行したが、決定ボタンが操作されたことに対応して調整用役物(剣役物Ym3)を環境調整位置から初期位置へと可変させる場合には、まだ特別図柄の変動演出が実行されていない状態であり、遊技者に対して調整用役物(剣役物Ym3)の動作が変動演出の一部であると誤解させる虞がないため、調整用役物(剣役物Ym3)に付随するLEDを全消灯させずに初期位置へと可変させる。
また、決定ボタン操作処理22において、経過タイマ223vyの値を1に設定することで、次の演出更新処理22(図734のF2111参照)が実行された時に経過タイマ223vyの値を0にすることができるため、調整期間中フラグ223vxをオフに設定する処理を統一することができる。
次に、図733を参照して、枠ボタン入力監視・演出処理22(図731のF2107参照)にて実行される演出ボタン操作処理22(F3319)の内容について説明する。図733は、演出ボタン操作処理22(F3319)の内容を示したフローチャートである。
演出ボタン操作処理22(F3319)が実行されると、まず、演出ボタン22の操作があったか判別する(F3401)。演出ボタン22の操作がなかった場合には(F3401:No)、本処理を終了する。一方、演出ボタン22の操作があった場合には(F3401:Yes)、演出用SW有効期間中であるか判別する(F3402。)演出用SW有効期間は、演出用SW有効時間記憶エリア223vpに記憶されている情報に基づいて設定される。演出用SW有効期間中であると判別した場合には(F342:Yes)、ムービー再生態様を決定し(F3403)、ムービー中フラグ223vvをオンに設定する(F3404)。その後、その他演出ボタン押下に対応する演出態様を決定し(F3405)、本処理を終了する。
F3402の処理において、演出用SW有効期間中ではないと判別した場合には(F3402:No)、F3405の処理を実行し、本処理を終了する。
次に、図734を参照して、演出更新処理22(F2111)の内容について説明する。図734は、演出更新処理22(F2111)の内容を示したフローチャートである。演出更新処理22(F2111)が実行されると、まず、経過タイマ223vyの値が0以上であるか判別する(F3501)。
経過タイマ223vyの値が0以上である場合には(F3501:Yes)、経過タイマ223vyの値を更新し(F3502)、更新した経過タイマ223vyの値が0であるか判別する(F3503)。経過タイマ223vyの値が0でない場合には(F3503:No)、F3510の処理へ移行する。
一方、経過タイマ223vyの値が0である場合には(F3503:Yes)、環境調整終了を示す表示態様(図679の環境調整終了表示cm1)を設定し(F3504)、調整期間中フラグ223vxをオフに設定する(F3505)。そして、調整用役物可動中フラグ223viがオンであるか判別する(F3506)。調整用役物可動中フラグ223viがオンでない場合には(F3506:No)、F3510の処理に移行する。調整用役物可動中フラグ223viがオンである場合には(F3506:Yes)、調整用役物(剣役物Ym3)を初期位置へと可動させるための動作シナリオを設定し(F3507)、調整用役物可動中フラグ223viをオフに設定して(F3508)、制限タイマ223vjに10秒に対応する値をセットし(F3509)、F3510の処理に移行する。
F3501の処理において、経過タイマ223vyの値が0以上でない場合(F3501:No)、即ち、環境情報調整画面が表示されていない状態である場合には、F3502〜F3509の処理をスキップし、F3510の処理へ移行する。
F3510の処理では、制限タイマ223vjの値が0以上であるか判別し(F3510)、制限タイマ223vjの値が0以上である場合には(F3511:Yes)、制限タイマ223vjの値を更新し(F3511)、F3512の処理に移行する。一方、F3510の処理において、制限タイマ223vjの値が0以上ではない場合(F3510)、即ち、制限タイマ223vjに値が設定されていない状態である場合には、F3512の処理に移行する。
F3512の処理では、ムービー実行リーチにおいてムービーの実行が終了したか判別する(F3512)。ムービーの実行が終了していない場合には(F3512:No)、F3517の処理に移行する。一方、ムービーの実行が終了した場合には(F3512:Yes)、ムービー中フラグ223vvがオンであるか判別する(F3513)。ムービー中フラグ223vvがオンでない場合には(F3513:No)、ムービー実行リーチが実行されていない場合であるので、F3514〜F3516の処理をスキップし、F3517の処理に移行する。
F3513の処理において、ムービー中フラグ223vvがオンである場合には(F3513:Ye数)、揺れ表示態様(図684(b)に示す、第3図柄が揺れている表示態様)を設定し(F3514)、揺れ待機フラグ223vwをオンに設定し(F3515)、ムービー中フラグ223vvをオフに設定して(F3516)、F3517の処理に移行する。
F3517の処理では、その他各種カウンタ、及び各種タイマの更新処理を実行し(F3517)、本処理を終了する。
以上説明した通り、本第22制御例におけるパチンコ機10では、獲得した保留球に対応する保留図柄の表示態様を可変する演出(保留変化演出)が実行される場合に、変化対象以外の保留図柄を装飾用可動役物(チェンジ役物Ym1,Ym2)によって隠す構成とした。このように構成することで、遊技者に変化対象である保留図柄がどれであるかを明確にすることできる。
また、装飾用可動役物(装飾用可動役物Ym1,Ym2)が変化対象以外の保留図柄を隠す動作を行う場合に、段階的に変化対象以外の保留図柄を隠す動作を行う構成としている。このように構成することで、保留変化演出の開始から保留変化演出が終了するまでの期間で、遊技者に対してどの保留図柄が変化対象となるのかを予測する楽しみを提供することができる。
なお、本第22制御例では、装飾用可動役物によって変化対象以外の保留図柄を隠す構成としたが、これに限るものではなく、第3図柄表示装置81において変化対象以外の保留図柄が表示されている表示領域を視認できなくするための遮断態様(例えば、シャッターを模した表示態様等)を表示する構成としても良い。或いは、第3図柄を利用して、変化対象以外の保留図柄を隠す構成としても良い。
<第22制御例の変形例>
次に、図797を参照して、上述した第2制御例の変形例について説明する。上述した第22制御例では、パチンコ機10の光量調整機能を有し、待機期間中に実行される光量調整に際して、特別図柄の変動演出で使用される装飾用可動役物(剣役物Ym3)を環境調整位置に可変させて、装飾用可動役物(剣役物Ym3)に付随するLEDによって光量調整が可能な構成であった。これに対して、第22制御例の変形例では、剣役物Ym3の代わりに大剣役物Ym4を用いて光量調整を行う点で相違している。
ここで、近年、第3図柄表意装置81の表示領域の大部分を隠す大きさの装飾用可動役物を搭載したパチンコ機10が知られている。このようなパチンコ機10において、待機期間中に実行されるデモ演出に合わせて装飾用可動役物を可動させるものがある。このように構成することで、装飾用可動役物をデモ演出において可動させることで、遊技者に対して遊技中に実行される変動演出のイメージを抱き易くし、この装飾用可動役物を用いた変動演出を見てみたいと思わせることにより、遊技者の遊技意欲を向上させることができるものであった。
しかしながら、かかるパチンコ機10では、デモ演出の実行中に光量調整を行おうとした場合に、装飾用可動役物が動作シナリオに沿って可動するため、液晶ディスプレイに表示される光量調整用のインジケータが視認し難くなり、光量調整の妨げとなってしまうという問題があった。このような問題に対して、本第22制御例の変形例について、図797を参照して説明する。
図797(a)は、デモ演出中に装飾用可動役物(大剣役物Ym4)が可動した状態のパチンコ機10の一例である。図797(a)に示すように、大剣役物Ym4が可動状態となると、第3図柄表示装置81の主表示領域Dmの大部分が視認困難となる。遊技者が選択ボタン600を操作していない状態では、この大剣役物Ym4が設定された動作シナリオに沿って動作を行う。この動作シナリオは、第22制御例の客待ち演出処理において設定される(図717,F2105参照)。
一方、遊技者が選択ボタン600を操作すると、操作した時の大剣役物Ym4の動作パターンと大剣役物Ym4の位置に対応した光量調整が実行される構成としている。より具体的には、第22制御例の枠ボタン入力監視・演出処理22(図731,F2107参照)のF3306の処理において、待機期間中であると判別された場合に(F3306:Yes)、大剣役物Ym4の位置が初期位置(第3図柄表示装置81と重ならない格納状態の位置)であるかを判別する。初期位置である場合には、大剣役物Ym4を環境調整位置a(図751(a)に示す位置)に可変させずに、第3図柄表示装置81の主表示領域Dmに光量ゲージ大ga3(図679(b)参照)を表示させる処理を行う。
一方、初期位置ではない場合には、大剣役物Ym4が環境調整位置aであるか判別する。大剣役物Ym4が環境調整位置aである場合には、大剣役物Ym4を環境調整位置で停止させた状態とし、大剣役物Ym4に付随するLEDを用いた光量調整を行うための処理を行う。
本第22制御例の変形例では、大剣役物Ym4が環境調整位置aではない場合には、大剣役物Ym4が動作中であることから、大剣役物Ym4を初期位置、又は、環境調整位置aに可変させるまでの間、光量調整の開始を待機(遅延)させるため、遊技者に待機(遅延)中であることを報知するための報知態様(例えば、大剣役物Ym4と重なっていない第3図柄表示装置81の表示領域に「光量調整準備中」という文字を表示)を表示させるための処理を行う。
次に、大剣役物Ym4の動作パターンが初期位置から環境調整位置aに可変する動作パターン(動作パターンA)であるかを判別する。動作パターンAである場合には、大剣役物Ym4を環境調整位置aにて停止させ、設定されている動作シナリオを破棄(又は、中断)する処理を行い、遊技者に待機(遅延)中であることを報知するための報知態様を非表示とする処理を行う。一方、大剣役物Ym4の動作パターンが動作パターンAではない場合、即ち、環境調整位置aから初期位置へ可変する動作パターン(動作パターンB)である場合には、大剣役物Ym4が初期位置にて停止させ、主表示領域Dmに光量ゲージga3を表示させる処理を行い、遊技者に待機(遅延)中であることを報知するための報知態様を非表示とする処理を行う。
このように構成することで、動作シナリオに沿った動作パターンで動作している大剣役物Ym4に対して、異なる動作パターンを設定し直す処理を省くことができる。
なお、大剣役物Ym4の動作中の位置に応じて初期位置に可変させるか、環境調整位置aに可変させるかを決定する構成としても良い。例えば、動作パターンAが設定されている場合であっても、現在の大剣役物Ym4の位置が環境調整位置aよりも初期位置に近い場合には、初期位置に可変させることで、光量調整開始を待機させる期間を短縮することができる。
図797(b)は、光量調整中に特別図柄の変動が開始された場合の表示画面の一例である。上述した本第22制御例では、装飾用可動役物が環境調整位置にある状態で特別図柄の変動が開始された場合には、装飾用可動役物を環境調整位置から初期位置へと可変させる構成であった。これに対して、第22制御例の変形例では、図797(b)に示すように、光量調整が終了するまでの期間は、大剣役物Ym4を環境調整位置b(図797(b)の位置)に可変させ、特別図柄の変動を主表示領域Dmの正面視左側の表示領域HR7で縮小表示する構成としている。そして、遊技者が決定ボタン600aを操作し、光量調整が終了した場合に大剣役物Ym4を格納状態(第3図柄表示装置81の液晶ディスプレイに重ならない位置)に可変させる。
なお、大剣役物Ym4が環境調整位置bにある場合(即ち、特別図柄の変動中に光量調整が実行されている場合)で、例えば、特別図柄の変動演出の態様として大当たり当選期待度の高い大剣役物Ym4を使用する変動演出態様が選択された場合、或いは、大当たり当選期待度の高いリーチ演出(スペシャルリーチ等)が実行される変動パターンが選択された場合には、光量調整が終了する前(即ち、遊技者の決定ボタン600aの操作によらず)に大剣役物Ym4を格納状態に可変させ、特別図柄の変動演出が表示される表示領域HR7を拡大表示させる構成としても良い。このように構成することで、遊技者が大当たり当選期待度の高い演出を見逃すことを抑制することができる。また、光量調整中の大剣役物Ym4の動作にも興味を持たせることができるため、遊技の興趣を向上させることができる。
次に、図798、図799を参照して、本第22制御例にて実行するシャッター閉鎖リーチ演出の変形例について説明する。上述したシャッター閉鎖リーチ演出(図681〜図683参照)では、シャッターが閉鎖することで次の段階に進み、最終段階に到達した場合、或いは、途中の段階で入手したアイテムによってシャッターが完全開放された場合に、大当たり当選であることが報知される構成であった。これに対して、シャッター閉鎖リーチ演出の変形例では、最終段階に到達した場合に大当たり当選であることが報知されるとは限らず、どの段階においても大当たり当選であることが報知され得る構成としている点で大きく相違している。また、シャッターの色によってリーチ状態における変動中の中図柄が停止する時の図柄種別を示唆し、シャッターが閉鎖する回数で最終的に停止表示される第3図柄種別を示唆する構成としている。より具体的には、図798、図799を参照して説明する。
図798(a)は、リーチ状態となった場合に、シャッター閉鎖リーチ演出変形例の発展煽りが発生した場合の表示画面の一例である。主表示領域Dmの中央には、3つの図柄列の内、2つの図柄列に第3図柄が「11」で停止表示されている状態で残り1つの図柄列では第3図柄(最終停止図柄)が変動表示されているリーチ状態が表示され、主表示領域Dmの中央上側には、リーチ状態であることを遊技者に報知するための案内態様が表示される表示領域HR4が形成される。このように構成することで、リーチ状態であることを遊技者に分かり易くすることができる。
また、主表示領域Dmの左右端には、シャッターSt3,St4がガタガタと振動した態様で表示され、副表示領域Dsには、遊技者に演出に関連する遊技情報を報知するための報知態様である「シャッターが閉まればシャッター閉鎖リーチに発展」という文字が表示される。このように構成することで、主表示領域Dmに表示されているシャッターSt3,St4が閉鎖すると上位のリーチ演出(シャッター閉鎖リーチ演出)に発展することを遊技者に分かり易くすることができる。
なお、図798(a)に示す例では、主表示領域Dmの中央部の2つの図柄列に第3図柄が「11」で停止表示されているが、本第22制御例では、「1」〜「8」の数字の中から特別図柄の抽選結果に基づいて数字を設定する構成としている。
図798(b)は、シャッター閉鎖リーチ演出へと発展した場合の表示画面の一例である。図798(b)に示すように、主表示領域Dmでは、シャッターSt3,St4が第1表示態様であることを示すための「青」という文字St3a,St4aが表示されたシャッターSt3,St4が閉鎖する演出が実行され、副表示領域Dsには、遊技者に演出に関連する遊技情報を報知するための報知態様である「シャッター閉鎖リーチ開始、偶数図柄がチャンス」という文字が表示される。
ここで、シャッター閉鎖リーチ演出の変形例では、シャッターSt3,St4の表示態様として、「青」という文字が表示された第1表示態様と、「赤」という文字が表示された第2表示態様のいずれかを設定する構成としている。第1表示態様が表示された場合には最終停止図柄が偶数の数字図柄で停止することを示唆し、第2表示態様が表示された場合には最終停止図柄が奇数の数字図柄で停止することを示唆する。図798(b)に示す例では、シャッターSt3,St4に「青」という文字St3a,St4aが表示されている(即ち、第1表示態様である)ため、副表示領域Dsには「偶数図柄がチャンス」という報知態様が表示される。一方、シャッターSt3,St4に「赤」という文字が表示されている場合(即ち、第2表示態様である場合)、副表示領域Dsには「奇数図柄がチャンス」という報知態様が表示される。
また、シャッター閉鎖リーチ演出の変形例では、シャッターが完全開放された時点で最終停止図柄が停止表示される構成としており、シャッターSt3,St4が第1表示態様で表示されている場合には、最終停止図柄として「2,4,6,8」のいずれかの数字が停止表示され、第2表示態様で表示されている場合には、最終停止図柄として「1,3,7,9」のいずれかの数字が停止表示される。
なお、シャッター閉鎖リーチ演出の変形例では、シャッターSt3,St4の表示態様を2種類としたが、これに限るものではなく、3種類以上としても良い。例えば、「虹」という文字が表示されたシャッターSt3,St4の第3表示態様を設定可能に構成しても良く、第3表示態様が表示された場合は、偶数回、奇数回何れの回でシャッターSt3,St4が完全開放しても大当たり当選であることが報知される。
また、シャッターSt3,St4の表示態様として、「青」(または、「赤」)という文字St3a,St4aを表示せずに、シャッターSt3,St4の色を青色(または、赤色)にすることで遊技者がどの表示態様であるか識別可能な構成としても良い。
一方、シャッター閉鎖リーチ演出変形例の発展煽り(図799(a)参照)が失敗した場合には、外れ当選であることを示す組み合わせとなる最終停止図柄が停止表示され、シャッター閉鎖リーチ演出への発展が失敗したことを示すための報知態様(例えば、「失敗」の文字)が表示される。
図799(a)は、図798(b)の状態から、シャッター閉鎖リーチ演出変形例における分岐演出が実行されている場合の表示画面の一例である。主表示領域Dmでは、シャッターSt3,St4が閉鎖した状態(図798(b)参照)から、シャッターSt3,St4が半開の状態となり、ガタガタと振動することによって再度閉鎖するか否かを煽る演出が実行される。
また、主表示領域Dmの中央部には、3つの図柄列の内、2つの図柄列に第3図柄が「22」で停止表示されている状態で残り1つの図柄列では第3図柄(最終停止図柄)が変動表示されているリーチ状態が表示される。
また、主表示領域Dmの中央上側には、現在到達している段階と、最終段階を示すための案内態様が表示される表示領域HR4には、「シャッターが閉鎖すれば継続2/6」と表示される。このように構成することで、現在がシャッター閉鎖リーチ演出の2段階目であり、今回のシャッター閉鎖リーチ演出が最大で6段階目まであることを遊技者に分かり易くすることができる。
なお、シャッター閉鎖リーチ演出変形例では、最終段階が6段階目のパターンと、最終段階が5段階目のパターンの内のいずれかを設定可能に構成している。
ここで、シャッター閉鎖リーチ演出では、シャッターSt3,St4が閉鎖されると、次の段階に進むとともに、主表示領域Dmの中央部に停止表示されている第3図柄の数字に1加算される。図799(a)に示す例では、図798(a)の状態からシャッターSt3,St4が1回閉鎖されたため、図798(a)の主表示領域Dmの中央部で停止表示していた第3図柄「1」に1が加算され、図799(a)に示すように「2」となる。
図799(a)に示す例では、6段階目が最終段階であるため、6段階目到達までにシャッターSt3,St4の閉鎖が5回実行される。従って、最終段階まで到達した場合には、主表示領域Dmの中央部に停止表示されている第3図柄が「66」となる。そして、上述したように、シャッターSt3,St4が第1表示態様で表示されている場合には最終停止図柄が偶数数字であるため、最終段階に到達した場合には大当たり当選であることが報知される可能性が高いことを遊技者に示唆している。
一方、シャッターSt3,St4の表示態様が第2表示態様で表示されている場合には最終停止図柄が奇数数字であるため、最終段階まで到達した場合には大当たり当選であることが報知される可能性が低いことを遊技者に示唆している。従って、この場合は、最終段階に到達する前の奇数段階でシャッターSt3,St4が完全開放された場合に、大当たり当選であることが報知される可能性が高いことを遊技者に示唆している。
図799(b)は、4段階目でシャッターが完全開放された時の表示画面の一例である。図799(b)に示す例では、表示領域HR4に現在の段階が4段階目であることを遊技者に報知するための案内態様として「4/6」という文字が表示され、主表示領域Dmでは、シャッターSt3,St4が閉鎖状態(図798(b)参照)から完全に開放される演出が実行される。そして、主表示領域Dmに表示される第3図柄が大当たり当選であることを報知するための表示態様である「444」で表示され、副表示領域Dsには大当たり当選したことを示すための報知態様である「大当たり」という文字が表示されることで、遊技者に4段階目でシャッターSt3,St4が完全開放される演出が実行され、大当たり当選となったことを分かり易く報知している。
なお、上述したように、特別図柄の抽選結果が大当たり当選ではない場合には、シャッターが完全開放された時に、主表示領域Dmに表示される第3図柄が外れ当選であることを報知するための表示態様(例えば、「454」)で表示され、副表示領域Dsには外れ当選であることを報知するための報知態様(例えば、「残念」の文字)が表示される。
以上説明したように、シャッター閉鎖リーチの変形例では、シャッター閉鎖リーチ演出の開始時に主表示領域Dmの中央部に停止表示される第3図柄の種類という情報と、シャッターSt3,St4の表示態様の種類という情報と、表示領域HR4に表示される最終段階のパターンという情報を段階的に表示することで、遊技者にそれらの情報を組み合わせて停止表示される第3図柄を予測する楽しみを提供することができる。
シャッターSt3,St4の表示態様によって遊技者にとって有利な段階と不利な段階が示唆されており、有利な段階ではシャッターが完全開放することを期待させ、不利な段階ではシャッターが閉鎖することを期待させることで、遊技者に対して最後まで飽きること無くリーチ変動演出を実行させることができる。
なお、図799(a)に示す例では、表示領域HR4にて、現在到達している段階と、最終段階を示すための案内態様が表示される構成としたが、これに限るものではなく、現在のシャッター閉鎖回数に対応する数字と最大で閉鎖され得る回数を表示する構成としても良い。
また、図683を参照して説明したカプセルCp1を獲得する演出を実行する構成としても良い。例えば、図683(b)に示すHOLD券Cp1aが使用された場合には、主表示領域Dmにて現在停止表示されている第3図柄の数字が次の段階に進んでも維持されることになるため、シャッターSt3,St4の表示態様に対応する第3図柄が表示されている場合(例えば、シャッターSt3,St4が第1表示態様である場合に停止表示されている第3図柄が偶数数字である場合)にHOLD券Cp1aが使用されることで大当たり当選である可能性が高くなる。一方で、シャッターSt3,St4の表示態様に対応していない第3図柄が表示されている場合(例えば、シャッターSt3,St4が第1表示態様である場合に停止表示されている第3図柄が奇数数字である場合)にHOLD券Cp1aが使用されると、大当たり当選である可能性が低くなる。このように、HOLD券Cp1aの使用タイミングによっても、遊技者の有利不利を可変させることができるため、更に遊技の興趣を向上させることができる。
なお、例えば、シャッターSt3,St4の表示態様として第2表示態様が設定され(即ち、奇数数字の第3図柄がチャンスとなる場合)、5段階目到達時点で主表示領域Dmに「55」の第3図柄が停止表示されている場合には、シャッターSt3,St4が閉鎖された時点でリーチ状態の第3図柄は「66」で、最終停止図柄が奇数数字となることを遊技者が認識しているため、シャッターSt3,St4が完全開放される前に外れ当選であると分かってしまい、シャッター閉鎖リーチの最後まで遊技者の期待感を持続させることができない虞がある。一方で、シャッターSt3,St4の表示態様は、最終停止図柄の種別(偶数・奇数)を示唆するものであるため、シャッターSt3,St4が第2表示態様である場合に最終停止図柄として偶数数字の第3図柄を停止表示させると、シャッターSt3,St4の表示態様によって示唆される情報の信憑性が損なわれてしまう。このため、シャッターSt3,St4の表示態様が示す情報と、大当たり当選であることを報知するための表示態様が対応していない場合には、図682(b)に示す「大当たり」という文字が表示された中図柄nz1を最終停止図柄として停止表示することで、遊技者に違和感を与えることなく、意外性のある抽選結果報知を行うことが可能となるため、遊技者にシャッター閉鎖リーチの最後まで遊技者の期待感を持続させることができる。
<第23制御例>
次に、図735から図755を参照して、第23制御例について説明をする。本第23制御例におけるパチンコ機10では、上述した第22制御例におけるパチンコ機10に対して、実行される変動演出に対する大当たり当選の期待度が異なる演出モードを遊技者が任意に選択可能(演出カスタム可能)に構成している点と、実行中の特別図柄変動が大当たり当選している期待度を高めるための変動演出として、チェンジ役物Ym1,Ym2を可動させる実行中保留変化演出を実行可能に構成している点と、で相違している。それ以外の内容については同一であり、同一の内容についてはその詳細な説明を省略する。
従来より、実行される変動演出の各演出態様が示す大当たり当選の期待度を異ならせるための選択操作(演出カスタム操作)を実行可能なパチンコ機10がある。ここで、大当たり当選の期待度とは、対象となる演出態様が設定された変動演出が実行された場合における大当たり当選の期待度を示すものであって、対象となる演出態様が大当たり当選した場合に実行される変動演出(大当たり変動演出)の演出態様として設定される割合と、外れ当選した場合に実行される変動演出(外れ変動演出)の演出態様として設定される割合と、に基づいて特定されるものであり、大当たり変動演出中に設定される割合が高い程、又は、外れ変動演出中に設定される割合が低い程、大当たり当選の期待度が高い演出態様となるものである。一方で、大当たり変動演出中に設定される割合が低い程、又は、外れ変動演出中に設定される割合が高い程、大当たり当選の期待度が低い演出態様となるものである。
つまり、大当たり変動演出の演出態様として特定演出態様が選択される割合を高める、或いは、外れ変動演出の演出態様として特定演出態様が選択される割合を低くすることによって、特定演出態様に対する大当たり当選期待度が高くなる。よって、大当たり当選期待度が高く設定される演出態様は、大当たり当選していない場合には設定され難くすることが可能となる。一方、大当たり当選期待度が低く設定される演出態様は、大当たり当選している場合には設定され難くすることが可能となる。
本第23制御例では、上述した各制御例と同様に、特別図柄抽選にて大当たり当選する確率よりも、大当たり当選しない確率(外れ当選する確率)の方が高くなるように構成している。よって、大当たり当選の期待度を高く設定する場合よりも、大当たり当選の期待度を低く設定した場合のほうが外れ変動演出として実行され易くなる分、実行頻度を高くすることができる。
このように演出カスタム操作を実行可能に構成することで、特定の演出態様(例えば、チャンス予告)が設定された場合における大当たり当選の期待度を設定されている演出モードによって異ならせることが可能となるため、例えば、大当たり当選の有無に関わらず、特定の演出態様が設定される変動演出を体験したい遊技者は、各演出態様に対する大当たり当選の期待度を下げるように演出カスタム操作を実行することで、様々な演出態様が設定される変動演出の実行頻度を高めることができる。一方で、大当たり当選の有無に注視している遊技者は、特定の演出態様(例えば、チャンス予告)が設定される変動演出の大当たり当選の期待度を高めるように演出カスタム操作を実行することで、大当たり当選している可能性が高いことを実行される演出の内容によって事前に把握することができる。
ここで、従来型のパチンコ機10では、特別図柄変動中において上述した演出カスタム操作を実行した場合には、実行中の特別図柄変動の変動演出が停止表示された後に、実行した演出カスタム操作に対応する演出モードを設定可能とするものが一般的である。つまり、従来型のパチンコ機10では、特別図柄変動の開始タイミングにおいて当該特別図柄変動期間中に実行される変動演出の演出態様を決定し、決定した演出態様に基づいた変動演出を実行するように構成しているため、実行中の変動演出に対して途中で演出態様を切り替えることが出来ず、次の特別図柄変動に対応する変動演出から設定された演出モードに対応した演出態様を設定するものが一般的であった。
この場合、遊技者が演出カスタム操作を実行するタイミングと、演出カスタム操作の実行に基づいて演出モードを切り替えるタイミングとが乖離してしまい、遊技者の所望する変動演出が実行され難くなるという問題があった。
これに対して、本第23制御例では、特別図柄変動が実行されている期間中に演出カスタム操作を実行した場合において、実行中の特別図柄変動に対応する変動演出の演出態様を、演出カスタム操作に基づいて新たに設定された演出モードに対応させることが可能に構成している。このように構成することで、遊技者が演出カスタム操作を実行するタイミングと、演出カスタム操作の実行に基づいて演出モードを切り替えるタイミングとが乖離してしまうという従来の問題を解決することができる。
さらに、本第23制御例では、演出カスタム操作にて選択可能な演出モードの種類を、演出カスタム操作が実行されるタイミングに応じて異ならせるように構成している。具体的には、大当たり変動中に演出カスタム操作が実行された場合に選択可能となる特殊演出モード(プレミアムモード)を搭載している。このように構成することで、演出カスタム操作を実行することによって大当たり当選の有無を遊技者に把握させることが可能となるため、大当たり当選の有無をいち早く把握しようとする遊技者に対して演出カスタム操作を意欲的に行わせることができる。
さらに、本第23制御例では、演出カスタム操作によって新たな演出モードを決定する際の決定操作(決定ボタン600aの押下)を実行したことに基づいて、実行中の特別図柄変動が大当たり変動であることを遊技者に報知可能な報知演出を実行可能に構成している。
つまり、本第23制御例では、演出カスタム操作にて演出モードを選択する操作を実行した場合(右ボタン600c、左ボタン600eを操作した場合)に、大当たり変動中であることを遊技者に報知可能とする第1報知演出と、演出カスタム操作にて演出モードを決定する操作を実行した場合(決定ボタン600aを押下した場合)に、大当たり変動中であることを遊技者に報知可能とする第2報知演出と、を実行可能に構成している。
このように構成することで、第1報知演出が実行された場合には、実行中の特別図柄変動(大当たり当選する特別図柄変動)に対して、演出モードとして特殊演出モード(プレミアムモード)を選択し、通常では見ることの出来ない演出を見るか、敢えて、特殊演出モード(プレミアムモード)を選択せず、通常実行される変動演出を安心しながら見るかを選択させることが可能となり、遊技者の趣向に合った演出を提供し易くすることができる。
また、第2報知演出は、演出カスタム操作の決定操作に基づいて実行されるため、演出モードを切り替えようと決定操作を実行した遊技者に対して意外性のある演出を提供することができる。
そして、本第23制御例では、第1報知演出と第2報知演出とを組み合わせて実行可能に構成しているため、特別図柄変動中に演出カスタム操作を実行する遊技者に対して、演出モードの選択操作段階にて大当たり変動であるか否かを報知可能にし、さらに、演出モードの選択操作段階にて大当たり変動であることを示す第1報知演出が実行されなかった場合であっても、演出モードの決定操作段階にて第2報知演出を実行可能としている。
このように構成することで、特別図柄変動中に演出カスタム操作を実行することで、様々なタイミングにて大当たり変動中であることを報知することができるため演出効果を高めることができる。
さらに、本第23制御例では、演出カスタム操作によって特定の演出態様が設定された場合における大当たり当選期待度が他の演出モード(通常モード)よりも高くなる演出モード(チャンスアップモード)を決定した場合の方が、他の演出モード(通常モード)を決定した場合よりも第2報知演出が実行され易くなるように構成している。つまり、いち早く大当たり当選の有無を把握(予測)したい遊技者が所望する演出モード種別が決定された場合に、第2報知演出が比較的実行され易くなるように構成している。このように構成することで、遊技者の趣向に合った演出をより実行させ易くすることができる。
次に、本第23制御例では、上述した通り、実行中の変動演出の演出パターン(リーチ態様)が、大当たり当選期待度の高い演出パターンへと進行した場合(発展した場合)に、保留図柄表示を非表示にするように構成している。つまり、第3図柄表示装置81の表示面において実行されている演出が、実行中の特別図柄変動の結果を示すための変動演出であることを遊技者に分かり易く報知するために、保留図柄表示を非表示とするように構成している。
そして、保留図柄を非表示にする演出態様として、上述した第22制御例において保留変化演出が実行される場合と同様にチェンジ役物Ym1,Ym2を可動させる演出態様を設定し、チェンジ役物Ym1,Ym2が可動した直後には、保留図柄の表示態様を変化させるための保留変化演出が実行されたのか、保留図柄を非表示にする演出が実行されたのかを遊技者に把握させ難くするように構成している。
このように構成することで、チェンジ役物Ym1,Ym2が可動した場合に、演出の対象が何れであるかを予測する楽しみを遊技者に提供することができる。
さらに、本第23制御例では、変動演出として保留図柄を非表示にするためにチェンジ役物Ym1,Ym2を可動させる演出態様が設定される際に、保留図柄表示として3色以上の表示態様で保留図柄が表示されている場合であり、且つ、実行される変動演出に対応する特別図柄抽選の結果が大当たり当選である場合に、チェンジ役物Ym1,Ym2が全ての保留図柄表示を隠すと共に、実行中の特別図柄変動に対応する実行保留図柄(実行中保留図柄)の表示態様を、大当たり当選を示す表示態様(虹色)へと可変させる演出を実行可能に構成している。
このように構成することで、単に保留図柄表示を非表示にするための演出(チェンジ役物Ym1,Ym2を可動させる演出)に対して、実行中の特別図柄変動の抽選結果を報知する機能を持たせることができるため、遊技者に対して意外性のある演出を実行することができ、演出効果を高めることができる。
<第23制御例における演出内容について>
ここで、図735から図740を参照して、本第23制御例におけるパチンコ機10で実行される各種演出のうち、特徴的な演出内容について説明をする。本第23制御例におけるパチンコ機10では、上述した第22制御例におけるパチンコ機10に対して、実行される変動演出に対する大当たり当選期待度を異ならせることが可能な演出モード選択機能(演出カスタム機能)を有しており、演出モードを選択するための演出カスタム操作に基づいた演出を実行可能に構成している点と、実行中の特別図柄変動に対応する変動演出として、保留図柄表示を非表示にする演出を実行可能に構成している点と、で相違している。
まず、図735から図738を参照して、演出カスタム操作に基づいて実行される演出内容について説明をする。詳細な説明は、図737を参照して後述するが、本第23制御例では、演出カスタム操作によって選択可能な演出モードとして、4種類の演出モード(ノーマルモード、チャンスアップモード、確変告知モード、プレミアムモード)を選択可能に構成しており、特別図柄変動が実行されていない状態、或いは、特別図柄変動が実行されている状態において演出モードを選択するための演出カスタム操作を実行可能に構成している。
図735(a)は、遊技状態として通常状態が設定されており、且つ、演出モードとしてノーマルモードが設定されている状態であって、特別図柄変動に対応する変動演出の後半期間中(リーチ成立後)に演出カスタム操作によってチャンスアップモードを決定した場合に表示される表示画面の一例を示した図である。
図735(a)に示した通り、遊技状態として通常状態が設定されている場合には、上述した第22制御例と同様に、遊技者が有利となる遊技方法を案内するための遊技方法案内態様として、第3図柄表示装置81の表示画面の左上側に形成される小表示領域Dm4に「左打ち」の文字が表示されており、通常状態中は左打ち遊技、即ち、可変表示ユニット80(図620参照)の左側に形成された遊技領域(左側領域)に向けて遊技球を発射させる左打ち遊技が遊技者に有利な遊技方法であることを遊技者に報知している。
詳細な説明は省略するが、本第23制御例では設定される遊技状態や大当たり遊技の有無に関わらず、遊技方法案内態様が表示される小表示領域Dm4は常に表示画面の同一位置(左上位置)に形成されるように構成している。このように構成することで、パチンコ機10の遊技に不慣れな遊技者に対して、常に同じ位置で遊技方法の案内を表示することができるため、分かり易い遊技を提供することができる。
なお、本第23制御例では、上述した第22制御例と同様に、遊技者が有利となる遊技方法(左打ち遊技、右打ち遊技)を示すための遊技方法案内態様(左打ち、右打ち)を常に小表示領域Dm4に表示するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、左打ち遊技が実行されることを通常遊技とし、小表示領域Dm4に遊技方法案内態様が表示されていない状態を通常遊技(左打ち遊技)が遊技者に有利となる遊技状態とし、通常遊技とは異なる遊技方法(右打ち遊技)が遊技者に有利となった場合に、小表示領域Dm4にて「右打ち」の文字を表示するように構成しても良い。このように構成することで、通常遊技(左打ち遊技)が遊技者に有利となる遊技状態では、遊技方法案内態様(左打ち)を表示する必要が無くなるため、第3図柄表示装置81の表示面の表示領域を他の用途(例えば、変動演出)に用いることができる。
また、小表示領域Dm4に遊技方法案内態様を常時表示させるのでは無く、遊技者に有利となる遊技方法を遊技者が把握したい場合にのみ小表示領域Dm4に遊技方法案内態様を表示するように構成しても良く、例えば、操作手段(枠ボタン22)に対して所定の操作(長押し)を実行した場合に、小表示領域Dm4に遊技方法案内態様が表示されるように構成しても良い。このように構成することで、パチンコ機10の遊技に不慣れな遊技者に対しては、小表示領域Dm4に遊技方法案内態様が表示させることで分かり易く遊技を行わせると共に、熟練の遊技者に対しては、遊技方法案内態様が表示され得る表示領域も利用した迫力のある演出(小表示領域Dm4が形成されている場合よりも実行領域が大きい演出)を実行させることで演出効果を高めることができる。なお、この場合、操作手段への操作に基づいて、小表示領域Dm4の表示、非表示を切り替えるのでは無く、小表示領域Dm4の大きさを可変させるように構成しても良い。
図735(a)に示した通り、小表示領域Dm4の下方には、小表示領域Dm15が形成され、現在設定されている演出モードを示すための設定中モード表示態様として「ノーマルモード設定中」の文字が表示されている。図735(a)は、演出モードとしてノーマルモードが設定されている状態における表示画面を示しているため、小表示領域Dm15には、ノーマルモードが設定されていることを示す「ノーマルモード設定中」の文字が表示されている。なお、チャンスアップモードが設定されている場合には、小表示領域Dm15に「チャンスアップモード設定中」の文字が、確変告知モードが設定されている場合には、小表示領域Dm15に「確変告知モード設定中」の文字が、プレミアムモードが設定されている場合には、小表示領域Dm15に「プレミアムモード設定中」の文字が表示される。このように構成することで、現在設定されている演出モードを遊技者が一目で把握することができる。
主表示領域Dmの右下側には、演出カスタム操作に関連する各種態様が表示されている。本第23制御例では、光量調整操作や音量調整操作を実行していない状態で中ボタン600aを押下することで、演出モードを選択操作可能な演出カスタム状態が設定され、演出カスタム状態中に右ボタン600c、或いは、左ボタン600eを押下することで、演出モードを選択可能に構成している。そして、所望する演出モードを選択した状態で中ボタン600aを操作(押下)することで、選択している演出モードを設定可能に構成している。
演出カスタム状態が設定されると、図735(a)に示した通り、表示領域HR6が形成され選択中の演出モードが表示される。そして、表示領域HR6の上側には、小表示領域Dm16が形成され、演出カスタム状態中における操作方法、即ち、演出モードを選択するための操作方法を示すための案内態様として「左右ボタン+中ボタンでモードを切り替えるよ」の文字が表示される。
なお、詳細な図示は省略するが、演出カスタム状態が設定されるまでの間、即ち、演出モードを選択するために中ボタン600aを押下するまでの間は、小表示領域Dm15の下側に、演出カスタム状態を設定するための操作方法を遊技者に案内するための案内態様として「中ボタンを押下すると、演出モード選択画面が表示されるよ」の文字が表示されるように構成している。つまり、現在設定されている演出モードを示すための小表示領域Dm15の近傍に、演出モードを変更するための操作方法が表示されるように構成している。このように構成することで、現在設定されている演出モードを把握した遊技者に対して、演出モードを変更可能な機能を有している点と、演出モードを変更させるための操作方法とを分かり易く報知することができる。
演出カスタム状態が設定されると、表示領域HR6には現在設定されている演出モードを示すための表示態様が表示される。そして、表示領域HR6の左方には左矢印LYが表示され、表示領域HR6の右方には右矢印RYが表示される。この左矢印LY、及び右矢印RYは、表示領域HR6に表示されている演出モードを他の演出モードへと切り替えるための切替操作を案内するための表示態様であり、遊技者が右ボタン600cを操作した場合に、右矢印RYが発光表示され、左ボタン600eを操作した場合に、左矢印LYが発光表示される。
右ボタン600c、或いは、左ボタン600eを操作することで、現在設定されている演出モードとは異なる演出モードが表示領域HR6に表示されるように構成している。図735(a)に示した通り、本第23制御例では、表示領域HR6には1つの演出モードしか表示されないように構成しており、次に、右ボタン600cを操作した場合に、何れの演出モードを示す表示態様が表示領域HR6に表示されるのかを遊技者に把握させないように構成している。
ここで、本第23制御例におけるパチンコ機10では、大当たり変動中に演出モードを変更するための演出カスタム操作が実行された場合において、特殊演出モード(プレミアムモード)を選択可能に構成している。よって、今回の演出カスタム操作において選択され得る演出モードの種類が遊技者に容易に把握されないようにするために、演出モードの選択操作を実行するまでは表示領域HR6に次の演出モードを表示しないように構成している。このように構成することで、特殊演出モード(プレミアムモード)を選択可能な状態であるか否かを把握するために遊技者に対して意欲的に演出モードの選択操作を実行させることができる。
なお、演出カスタム状態が設定されている状態における表示領域HR6の表示内容はこれに限ること無く、例えば、現在選択している演出モードを示す表示態様に加え、左ボタン600eを操作した場合に選択される演出モードを示す表示態様の少なくとも一部と、右ボタン600cを操作した場合に選択される演出モードを示す表示態様の少なくとも一部と、が表示領域HR6に表示されるように構成しても良い。
このように構成することで、任意の演出モードを選択しようとする遊技者に対して、効率良く演出カスタム操作を実行させることができる。
そして、演出カスタム操作によって、所望する演出モードを示すための表示態様が表示領域HR6に表示された状態で再度中ボタン600aを押下することで、演出モードの切り替え操作が完了する。
図735(a)は、演出カスタム操作によって異なる演出モードが決定された時点において即座に演出モードを切り替えることができないことを示すための表示画面を示しており、予備表示領域HR6aには、演出モードの切り替え操作を正常に受け付けた状態であって、演出モードが切り替わっていないことを示すための待機態様として「スタンバイ中」の文字が表示されている。
この待機態様「スタンバイ中」を表示することにより、遊技者に対して演出モードの切り替え操作が正常に行われたことを報知することができるため、演出モードの切り替え操作を実行したにも関わらず、小表示領域Dm15に表示される演出モードが切り替わらない状況に対して、パチンコ機10が故障しているのではと誤解を与えてしまうことを抑制することができる。
なお、図735(a)では、表示領域HR6の近傍に予備表示領域HR6aを形成することで、表示領域HR6の表示内容を把握しながら演出モードの切り替え操作を実行した遊技者に対して、「スタンバイ中」であることを把握させ易くするように構成しているが、予備表示領域HR6aの形成位置を、小表示領域Dm15の近傍、或いは、小表示領域Dm15と表示位置を重複させるように形成しても良い。このように構成することで、演出モードの切り替え操作を実行したことに基づいて、演出モードが切り替わったか否かを把握するために小表示領域Dm15の表示内容を確認しようとする遊技者に対して、「スタンバイ中」であることを把握させ易くすることができる。
一方で、演出モードの切り替え操作を実行したタイミングにおいて、即座に演出モードを切り替え可能な場合には、図735(b)に示した表示画面が表示される。図735(b)は、遊技状態として通常状態が設定されており、且つ、演出モードとしてノーマルモードが設定されている状態であって、特別図柄変動に対応する変動演出の前半期間中(リーチ成立前)に演出カスタム操作によってチャンスアップモードを決定した場合に表示される表示画面の一例を示した図である。
図735(b)に示した通り、演出モード切り替え操作を実行したことに基づいて、即座に演出モードが切り替わる場合には、予備表示領域HR6aには、演出モードが切り替わったことを示すための案内態様として「セット完了」の文字が表示され、小表示領域Dm15には、切り替わった演出モードを示す「チャンスアップモード設定中」の文字が表示される。
詳細な説明は後述するが、本第23制御例では、特別図柄変動が実行されている状態で演出カスタム操作を実行した場合に、実行中の変動演出の経過状況に応じて演出モードを切り替えるタイミングを異ならせるように構成している。また、選択した演出モードの種別に応じて演出モードを切り替えるタイミングを異ならせるように構成している。加えて、後に実行される変動演出の内容に応じて演出モードを切り替えるタイミングを異ならせるように構成している。
このように特別図柄変動中に演出カスタム操作を実行した場合において、様々な要因によって演出モードを切り替えるタイミングを異ならせることで、遊技者に対して、演出モードが切り替わるタイミングと、実行中の変動演出の内容とを複合して実行中の変動演出の結果を予測させるという斬新な遊技性を提供することができる。
次に、図736を参照して、演出カスタム状態における演出モードの選択操作中に表示される表示内容について説明をする。図736(a)は、特別図柄抽選の結果が外れであることを示すための外れ変動中に演出モードを選択する場合に表示される表示画面の一例を示した図である。
図736(a)に示した表示例は、演出モードとして「チャンスアップモード」が設定されている状態であって、演出カスタム操作によって「確変告知モード」を選択している状態から、さらに左ボタン600eを操作して「ノーマルモード」を選択する状態を示した表示例である。従って、図736(a)では、小表示領域Dm15に「チャンスアップモード設定中」の文字が表示されている。そして、左ボタン600eが操作されたことを示す態様で左矢印LYが表示されると共に、表示領域HR6には、選択している演出モードが「確変告知モード」から「ノーマルモード」へと切り替わったことを示す表示態様として、「確変告知モード」を示す表示態様の一部(図では「告知モード」の表示)と、「ノーマルモード」を示す表示態様の一部(図では「ノーマル」の表示)とが表示されている。図736(a)に示した状態は、左ボタン600eを操作したことにより、表示領域HR6に表示されている表示態様が左方向へとスクロール移動している最中の表示態様を示しており、表示領域HR6に「ノーマルモード」が表示されるまでスクロール表示される。
なお、図736(a)では、演出カスタム状態中に、左ボタン600eを操作することで表示領域HR6に表示されている表示態様を左方向へとスクロール移動させている場合の表示例を示しているが、右ボタン600cを操作することで演出モードを選択する場合には、右ボタン600cが操作されたことを示すための表示態様で右矢印RYが表示されると共に、表示領域HR6の表示態様が右方向へとスクロール移動する表示が実行される。
また、本第23制御例では、図735(a)に示した通り、表示領域HR6には選択中の演出モードを示すための表示態様のみが表示されるように構成しており、遊技者が操作手段(右ボタン600c、左ボタン600e)を操作し、表示領域HR6に表示されている表示態様をスクロール移動させない限り、今回の演出カスタム状態において選択可能である全ての演出モードを把握できないように構成している。そして、詳細な説明は、図737を参照して後述するが、本第23制御例では、演出カスタム状態を設定するタイミングに応じて、選択可能な演出モードの種類を異ならせるように構成している。
よって、様々な演出モードでの遊技を所望する遊技者に対して、演出カスタム状態を設定するための操作(中ボタン600aの操作)を、様々なタイミングで実行させ易くすることができる。よって、遊技者を、操作手段を操作させる遊技に積極的に参加させ易くすることができる。
さらに、本第23制御例では、特別図柄抽選で大当たり当選した場合に実行される大当たり変動中に演出カスタム状態を設定した場合の一部において、大当たり変動が実行されていない場合には選択することが出来ない(選択し難い)専用の演出モード(プレミアムモード)を選択可能に構成している。このように構成することで、演出モードを選択するための選択操作を実行したことに基づいて、特別図柄抽選の結果を、特別図柄変動が停止表示されるよりも前に遊技者に報知することが可能となるため、特別図柄抽選の結果をいち早く把握したい遊技者に対して、積極的に演出カスタム状態を設定させることができる。
加えて、本第23制御例では、演出カスタム状態が設定された場合において、選択中の演出モード以外の演出モードを示すための表示態様が表示領域HR6に表示されないように構成している。このように構成することで、演出カスタム状態を設定しただけでは他に設定可能な演出モードを把握することが出来ないため、遊技者に対して演出カスタム状態を設定するための操作(中ボタン600aの操作)を実行させるだけで無く、演出モードを選択するための操作(右ボタン600c、左ボタン600eの操作)を実行させ易くすることができる。よって、遊技者を、操作手段を操作させる遊技に積極的に参加させ易くすることができる。
なお、本第23制御例では、上述した通り、1の演出モードを示すための表示態様のみを表示領域HR6に表示させるように構成しているが、これに限ること無く、選択中の演出モードを示すための表示態様に加え、右ボタン600cを操作した場合に選択される演出モードや、左ボタン600eを操作した場合に選択される演出モードを、遊技者が右ボタン600c、左ボタン600eを操作する前に遊技者が把握できるように表示領域HR6に対応する表示態様の少なくとも一部を表示させるように構成しても良い。このように構成することで、所望する演出モードを遊技者に選択させ易くすることができる。
次に、図736(b)を参照して、「プレミアムモード」を選択可能な状態において演出カスタム操作を実行した場合の演出内容について説明をする。図736(b)は、特別図柄抽選の結果が大当たりであることを示すための大当たり変動中に演出モードを選択する場合に表示される表示画面の一例を示した図である。本第23制御例では、大当たり遊技終了後に遊技者に有利な遊技状態である確変状態が設定される大当たり種別である「大当たりA」に当選している大当たり変動中において、演出カスタム操作を実行した場合に、大当たり変動中以外では選択することができない演出モード「プレミアムモード」を選択可能に構成している。
よって、「プレミアムモード」を選択可能な状態で演出カスタム操作(演出カスタム状態中における右ボタン600c、左ボタン600e操作)が実行された場合には、表示領域HR6に「プレミアムモード」に対応する表示態様が表示される。上述した通り、本第23制御例では、表示領域HR6には選択中の演出モードを示すための表示態様しか表示されないため、演出カスタム状態において遊技者が操作手段(右ボタン600c、左ボタン600e)を操作した場合に、初めて、「プレミアムモード」に対応する表示態様が表示領域HR6に表示されることになる。
このように構成することで、単に演出モードを変更することを目的として演出カスタム操作を実行している遊技者に対して、実行中の特別図柄変動の結果を報知することが可能となるため、意外性のある演出を提供することができる。また、実行中の特別図柄変動の変動結果(特別図柄抽選の抽選結果)を、いち早く把握しようとする遊技者に対して、積極的に演出カスタム操作を行わせることができる。
さらに、本第23制御例では、演出カスタム状態を設定しただけでは「プレミアムモード」を選択可能な状態であるか否かを遊技者が把握できないように構成しているため、例えば、遊技中に遊技者が誤って中ボタン600aを操作してしまい、意図すること無く演出カスタム状態が設定された場合であっても、演出カスタム状態が設定されたことに基づいて表示される表示態様(表示領域HR6に表示される表示態様)によって、実行中の特別図柄変動の変動結果を遊技者に報知してしまうことを抑制することができる。
なお、図736(b)に示した表示例では、表示領域HR6に表示される演出モードに対応する表示態様として、対応する演出モードを示すための識別情報(演出モードを示すための文字)を異ならせているだけであり、それ以外は同一の表示態様を示しているが、これに限ること無く、遊技者に有利となる演出モード(例えば、「プレミアムモード」)に対応する表示態様を、他の演出モードに対応する表示態様よりも遊技者が注視し易くするために装飾を施した表示態様としても良い。このように構成することで、遊技者にとって有利となる演出モードを選択可能な状態であることを遊技者に視覚的に報知可能となり、遊技者に分かり易い演出を提供することができる。
ここで、図737を参照して、演出カスタム操作によって選択可能となる演出モードの選択範囲について説明をする。図737(a)は、特別図柄抽選の結果が外れであることを示すための外れ変動中に設定される演出モードの選択範囲を模式的に示した図であって、図737(b)は、特別図柄抽選の結果が大当たりであることを示すための大当たり変動中に設定され得る演出モードの選択範囲を模式的に示した図である。
図737(a)に示した通り、外れ変動中は、演出モードとして、「ノーマルモード」、「チャンスアップモード」、「確変告知モード」の3種類を選択可能な通常選択範囲(通常演出モード選択エリア)が設定され、図737(b)に示した通り、大当たり変動中は、演出モードとして、「ノーマルモード」、「チャンスアップモード」、「確変告知モード」、「プレミアムモード」の4種類を選択可能な特殊選択範囲(特殊演出モード選択エリア)が設定され得るように構成している。
詳細な説明は後述するが、本第23制御例のパチンコ機10が有する音声ランプ制御装置113のROM222には、演出カスタム情報テーブル222waが設けられており、この演出カスタム情報テーブル222waには、各演出モードに対応する演出規定情報と、遊技者が演出カスタム操作を実行した場合に選択される演出モードの選択順序を示す情報とが規定されている。図737に示した演出モード選択エリアは、この演出カスタム情報テーブル222waに規定されている演出モードの選択順序を模式的に示したものである。
本第23制御例では、遊技者が中ボタン(決定ボタン)600aを押下し、演出カスタム状態が設定されたタイミングにおける遊技状況(大当たり変動中であるか否か)に基づいて、選択可能な演出モードの種別を決定するように構成しており、遊技者が中ボタン(決定ボタン)600aを押下し、演出カスタム状態が設定されたタイミングが遊技者に最も有利な特典が付与される大当たり(大当たり遊技のラウンド数が10ラウンドで、大当たり遊技終了後の遊技状態が確変状態となる大当たりA)に当選する特別図柄変動中であって、且つ、「プレミアムモード」を選択可能にするか否かを決定するための抽選に当選した場合に、演出モードとして「プレミアムモード」が選択可能となる。
そして、演出カスタム操作によって選択可能な演出モードが決定されると、その選択範囲内において、演出カスタム情報テーブル222waに規定されている選択順序に従って、演出モードを選択可能になる。よって、特別図柄抽選の結果が外れ当選であることを示すための特別図柄変動期間中に演出カスタム操作として右ボタン600cを操作した場合には、「確変告知モード」、「チャンスアップモード」、「ノーマルモード」の順に演出モードが選択される。そして、「ノーマルモード」が選択されている状態で、さらに、右ボタン600cを操作した場合には、ロータリー式に「確変告知モード」が選択される。このように構成することで、演出カスタム状態において、右ボタン600c、或いは、左ボタン600eの何れかのみを操作した場合であっても、確実に選択可能な選出モードを全て選択することができるため、演出カスタム状態中に複数の操作手段(右ボタン600c、左ボタン600e)を操作することが煩わしいと感じる遊技者に対しても、演出カスタム操作を確実に実行させることができる。
なお、本第23制御例では、演出カスタム状態が設定されると、現在設定している演出モードを示すための表示態様が表示領域HR6に最初に表示されるように構成している。よって、例えば、「チャンスアップモード」が設定されている外れ変動中に演出カスタム状態を設定した場合には、表示領域HR6には「チャンスアップモード」の表示態様が表示されることになる。そして、右ボタン600c、左ボタン600eの操作内容に応じて、図737(a)に示した順序に従って、演出モードが選択され、選択された演出モードに対応する表示態様が表示領域HR6に表示される。このように構成することで、演出モードを変更するための操作を、表示領域HR6に表示される表示態様に基づいて実行することができるため、遊技者に分かり易く演出カスタム操作を行わせることができる。
また、「プレミアムモード」を選択可能な状態で、演出カスタム操作として左ボタン600eを操作した場合には、「ノーマルモード」、「チャンスアップモード」、「確変告知モード」、「プレミアムモード」の順に演出モードが選択される。そして、「プレミアムモード」が選択されている状態で、さらに、左ボタン600eを操作した場合には、ロータリー式に「ノーマルモード」が選択される。このように構成することで、演出カスタム状態において、右ボタン600c、或いは、左ボタン600eの何れかのみを操作した場合であっても、確実に選択可能な選出モードを全て選択することができるため、演出カスタム状態中に複数の操作手段(右ボタン600c、左ボタン600e)を操作することが煩わしいと感じる遊技者に対しても、演出カスタム操作を確実に実行させることができる。
なお、本第23制御例では、図737に示した通り、複数の演出モードを予め定められた選択順序に基づいて遊技者に選択させるように構成しているが、これに限ること無く、演出モードを選択するための操作を実行した場合に、選択可能な複数の演出モードの中からランダム(順不同)で1の演出モードを選択可能に構成しても良い。このように構成することで、現在選択可能な演出モードの種別を遊技者に把握させ難くすることができるため、「プレミアムモード」が選択可能であるか否かを把握させるために遊技者に操作手段をより多く操作させ易くすることができる。
次に、図738を参照して、演出モードの切り替え操作(演出カスタム操作)を実行した場合(決定ボタン600aを操作した場合)に実行される演出内容について説明をする。図738は、演出モードの切り替え操作を実行した際に、大当たり当選を報知する報知演出(第2報知演出)が実行される例を示した図である。
図735(a)を参照して上述した通り、通常であれば、変動演出の後半期間において、演出カスタム操作を実行した場合には、実行中の変動演出が終了するまで(実行中の特別図柄変動が停止表示されるまで)、演出モードが切り替わること無く、予備表示領域HR6aに「スタンバイ中」が表示されるように構成しているが、変動演出の後半期間において実行される演出カスタム操作が所定条件を満たしている場合には、図738に示した通り、変動演出が実行されている最中に演出モードを切り替え可能に構成している。
具体的には、大当たり変動に対応する変動演出の後半期間であって、演出カスタム操作によって切り替え後の演出モードとして「チャンスアップモード」を決定した場合に、所定条件が成立し、変動演出が実行されている最中に演出モードを切り替え可能に構成している。そして、この場合、演出モードが切り替わったことを示すための表示態様として予備表示領域HR6aに「セット完了」が表示されると共に、音声出力装置226に接続されるスピーカー部308から大当たり当選を示すための「おめでとう」の音声Ke1が出力されるように構成している。
このように、特別図柄変動中に実行される演出カスタム操作によって大当たり変動であることを報知可能に構成することで、演出カスタム操作を実行するタイミングに応じて、演出モードを切り替える以外の特典を付与することが可能となるため、遊技者に対して様々なタイミングで演出カスタム操作を実行させることが可能となる。
なお、本第23制御例では、大当たり変動に対応する変動演出の後半期間であって、演出カスタム操作によって切り替え後の演出モードとして「チャンスアップモード」を決定した場合に、遊技者に特典を付与するための所定条件が成立し、「おめでとう」の音声が出力されることで大当たり当選を報知する特典が遊技者に付与されるように構成しているが、大当たり当選を報知する態様は、これに限ること無く、例えば、演出カスタム操作に用いられる操作手段(決定ボタン600a等)に発光手段(LED等)を設け、所定条件が成立した場合に操作手段を特定態様(例えば、虹色)で発光させるように構成しても良い。
さらに、演出カスタム操作が実行されることによって所定条件が成立した場合に付与される特典として大当たり当選を報知する特典以外の特典を付与可能に構成しても良く、例えば、現在設定されている遊技状態を報知する特典を付与したり、異なる大当たり確率を設定可能な設定機能(詳細は、後述する第24制御例参照)を有するパチンコ機10であれば現在設定されている設定値を示唆するための特典を付与したりするように構成しても良い。
このように構成することにより、本第23制御例では、大当たり変動中のみ所定条件が成立し得るものであったが、それ以外の場合であっても所定条件を成立させることが可能となり、様々なタイミングにおいて演出カスタム操作に基づいて特典を付与することが可能となる。
以上、説明をした通り、本第23制御例では、様々な演出モードを遊技者に選択させることが可能に構成している。このように構成することで、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができる。
また、本第23制御例では、選択した演出モードに応じて、同一の演出態様で演出(予告演出)が実行された場合における当たり当選の期待度を異ならせるように構成している。このように構成することで、遊技者が所望する遊技内容に応じた遊技を実行させ易くすることができる。
さらに、本第23制御例では、大当たり変動中において演出モードを切り替えるための操作(演出カスタム操作)を実行した場合に、大当たり変動中以外において演出モードを切り替えるための操作(演出カスタム操作)を実行した場合には選択することができない演出モードを選択可能に構成している。つまり、演出カスタム操作を実行するタイミングが所定条件を満たしている場合には、所定条件を満たしていない場合では選択することが出来ない演出モードを選択可能に構成している。
このように構成することで、遊技者に対して、様々なタイミングで演出カスタム操作を実行させ易くすることができ、遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができる。
なお、本第23制御例では、演出カスタム操作によって選択可能な演出モードを異ならせるための所定条件として、大当たり変動中であるか否かに関する情報を用いているが、これに限ること無く、特別図柄変動が実行されている状態と、特別図柄変動が実行されていない状態とで、演出カスタム操作によって選択可能な演出モードの種別を異ならせても良いし、前回の大当たり遊技が終了してから実行された特別図柄抽選回数が所定回数(例えば、500回)を超えた場合と、超えていない場合とで、演出カスタム操作によって選択可能な演出モードの種別を異ならせても良いし、設定されている遊技状態に応じて、演出カスタム操作によって選択可能な演出モードの種別を異ならせても良い。
また、過去に設定していた演出モードの履歴に応じて選択可能な演出モードの種別を異ならせても良い。この場合、例えば、初期状態としては、演出モードA、演出モードB、演出モードCを選択可能に構成し、その状態で演出モードAを選択した場合には、次に選択可能な演出モードとして、演出モードA1、演出モードA2、演出モードA3を選択可能に構成すると良い。このように構成することで、演出モードを選択した履歴に応じて、選択可能な演出モードを異ならせることができるため、全ての演出モードで遊技を実行したい遊技者に対して、様々な演出モードを設定させることができる。
次に、図739、図740を参照して、実行中の特別図柄変動に対応する変動演出であって、チェンジ役物Ym1,Ym2を用いて保留図柄表示を非表示にし、実行中保留図柄のみを表示させる実行中保留演出の演出内容について説明をする。図739(a)は、実行中保留演出が開始され、チェンジ役物Ym1,Ym2が第3図柄表示装置81の表示画面の一部を隠すように可動している状態を示す図であって、図739(b)は、実行中保留演出として、チェンジ役物Ym1,Ym2が保留図柄の表示領域(表示領域HR2)を全て隠すように可動している状態を示す図である。
本第23制御例では、上述した通り、実行中の変動演出の演出パターン(リーチ態様)が、大当たり当選期待度の高い演出パターンへと進行した場合(発展した場合)に、保留図柄表示を非表示にするように構成している。つまり、第3図柄表示装置81の表示面において実行されている演出が、実行中の特別図柄変動の結果を示すための変動演出であることを遊技者に分かり易く報知するために、保留図柄表示を非表示とするように構成している。
そして、保留図柄を非表示にする演出態様として、上述した第22制御例において保留変化演出が実行される場合と同様にチェンジ役物Ym1,Ym2を可動させる演出態様を設定し、チェンジ役物Ym1,Ym2が可動した直後には、保留図柄の表示態様を変化させるための保留変化演出が実行されたのか、保留図柄を非表示にする演出が実行されたのかを遊技者に把握させ難くするように構成している。
このように構成することで、チェンジ役物Ym1,Ym2が可動した場合に、演出の対象が何れであるかを予測する楽しみを遊技者に提供することができる。
さらに、本第23制御例では、変動演出として保留図柄を非表示にするためにチェンジ役物Ym1,Ym2を可動させる演出態様が設定される際に、保留図柄表示として3色以上の表示態様で保留図柄が表示されている場合であり、且つ、実行される変動演出に対応する特別図柄抽選の結果が大当たり当選である場合に、チェンジ役物Ym1,Ym2が全ての保留図柄表示を隠すと共に、実行中の特別図柄変動に対応する実行保留図柄(実行中保留図柄)の表示態様を、大当たり当選を示す表示態様(虹色)へと可変させる演出を実行可能に構成している。
このように構成することで、単に保留図柄表示を非表示にするための演出(チェンジ役物Ym1,Ym2を可動させる演出)に対して、実行中の特別図柄変動の抽選結果を報知する機能を持たせることができるため、遊技者に対して意外性のある演出を実行することができ、演出効果を高めることができる。
実行中保留演出が開始されると、チェンジ役物Ym1,Ym2が格納位置から第3図柄表示装置81の表示面の一部を覆う可動位置へと可動する可動動作が実行される。この実行中保留演出は、実行中の変動演出の演出態様が大当たり当選期待度の低い第1演出態様(例えば、ノーマルリーチ態様)から、その第1演出態様よりも大当たり当選期待度の高い第2演出態様(例えば、スーパーリーチ態様)へと切り替わるタイミングに併せて実行されるものである。つまり、実行中保留演出によってチェンジ役物Ym1,Ym2が可動することにより、実行中の変動演出の演出態様が切り替わることを遊技者に分かり易く報知することができる。
実行中保留演出では、チェンジ役物Ym1,Ym2が上述した第22制御例における保留変化演出と同様に、保留図柄が表示されている表示領域HR2の一部を覆うように可動し、図739(a)に示した状態となる。このように構成することで、チェンジ役物Ym1,Ym2の可動契機が保留変化演出なのか実行中保留演出なのかを遊技者に判別させ難くすることができる。
このチェンジ役物Ym1,Ym2の可動態様は、表示領域HR2に表示されている保留図柄の数や、表示態様に応じて異ならせることができるように構成しており、図739(a)に示した表示例では、表示領域HR2に4つの保留図柄が表示されている状態であって、且つ、第1保留図柄hr1が「黄」、第2保留図柄hr2が「青」、第3保留図柄hr3が「緑」、第4保留図柄hr4が「赤」の表示態様で表示されている状態、即ち、第1保留図柄hr1〜第3保留図柄hr3が異なる3色で表示されている状態であり、第4保留図柄hr4のみがチェンジ役物Ym2によって隠されている場合の例を示している。
そして、実行中保留演出が進行すると、図739(b)に示した通り、チェンジ役物Ym1,Ym2が表示領域HR2を全て覆う第2可動位置へと可動する可動動作を実行すると共に、第3図柄表示装置81の表示面に対して、第2可動位置へとチェンジ役物Ym1,Ym2が可動したことに対応する装飾表示(図では黒色の暗転表示)を実行する。そして、チェンジ役物Ym1,Ym2が可動位置から第2可動位置へと可動したことにより隠された複数の保留図柄(第1保留図柄hr1〜第3保留図柄hr3)の表示態様に関する表示要素(各保留図柄の色を示す要素)に対応する付加図柄が表示領域HR1に表示されている実行中保留hr0に向かって放出される演出が実行される。
図739(b)では、表示領域HR2に表示されていた第1保留図柄hr1,第2保留図柄hr2,第4保留図柄hr4が表示領域HR2から放出され、実行中保留図柄hr0に吸収される演出例を示している。なお、チェンジ役物Ym1,Ym2が第2可動位置へと可動したことに基づいて表示領域HR2から放出される付加図柄の表示態様として、図739(b)に示した通り、表示領域HR2に表示されていた保留図柄の表示態様をそのまま用いても良いし、保留図柄の表示態様を構成する特定の要素(色情報)のみを示した表示態様を用いても良い。図739(b)に示した通り、実行中保留図柄hr0が表示される表示領域HR1は、表示領域HR2の中央部上方に形成されており、且つ、左チェンジ役物Ym1と、右チェンジ役物Ym2とが第2可動位置へと可動した場合に当接する位置の上方に設けられている。よって、実行中保留演出が実行され、チェンジ役物Ym1,Ym2が第2可動位置へと可動する演出と、表示領域HR2に表示されていた保留図柄(第1保留図柄hr1〜第4保留図柄hr4)が放出され、表示領域HR1に表示されている実行中保留図柄hr0に吸収される演出とに関連性があることを遊技者に把握させ易くすることができる。
そして、表示領域HR2に表示されていた第1保留図柄hr1,第2保留図柄hr2,第4保留図柄hr4が実行中保留図柄hr0に吸収されることで、図740に示した通り、実行中保留図柄hr0の表示態様が「白」から「虹」へと変化し、実行中保留演出が終了する。実行中保留図柄hr0の表示態様が「虹」へと変化することにより、実行中の特別図柄変動が大当たり当選していることを遊技者に報知することができる。また、実行中保留演出の演出結果が遊技者に有利な演出結果となった場合には、第3図柄表示装置81の表示面において、その演出結果に対応する装飾態様(図740では、星の表示態様)が表示される。
実行中保留演出は、実行中の特別図柄変動に対応する変動演出が演出結果を報知するよりも前の時点(実行中の変動演出の演出態様が大当たり当選期待度の低い第1演出態様(例えば、ノーマルリーチ態様)から、その第1演出態様よりも大当たり当選期待度の高い第2演出態様(例えば、スーパーリーチ態様)へと切り替わるタイミング)に併せて実行されるものであるため、図740では、実行中保留演出の演出結果に関わらず、予め設定されていた変動演出が継続して実行されており、副表示領域Dsには、ノーマルリーチからSPリーチ(スーパーリーチ)へと演出態様が切り替わったことを報知するための表示態様である「SPリーチ」が表示されている。
つまり、実行中保留演出の演出結果として、遊技者に有利な演出結果(実行中保留図柄hr0が虹色に変化する演出結果)が表示された場合には、変動演出の演出結果が大当たり当選を示す演出結果となることを事前に把握した状態で変動演出を見ることができるため、遊技者に安心して遊技を行わせることができる。また、変動演出の演出結果が大当たり当選を示す演出結果となることを事前に把握することができるため、変動演出の演出態様として、なるべく大当たり期待度の低い演出態様が設定され、頻繁に体験することができない演出結果が報知(表示)されることを期待させながら遊技を行わせることができる。
図740に示した実行中保留演出が終了すると、チェンジ役物Ym1,Ym2が初期位置へと可動し、表示領域HR2が遊技者に視認可能な状態となる。この場合には、実行中保留演出が実行される前に表示されていた保留図柄(第1保留図柄hr1〜第4保留図柄hr4)の表示態様(色)が、全てデフォルトの表示態様(白)で表示される。このように構成することで、各保留図柄に対して実行された保留変化演出によって付された表示態様(色)が、実行中保留演出に用いられたと遊技者に思わせ易くすることができるため、各保留図柄に対する保留変化演出と、実行中保留演出とに関連性を持たせ易くすることができる。また、図740に示した通り、実行中保留演出の演出結果が大当たり当選を示す演出結果である場合には、大当たり当選を示す第3図柄が停止表示されるまで実行中保留演出が継続し、第3図柄が大当たり当選を示す表示態様で停止表示された場合に、実行中保留演出が終了するように構成している。
よって、大当たり遊技終了後に実行される特別図柄抽選に用いられる保留情報に対応する保留図柄の表示態様を、一旦、デフォルト(白)の表示態様をすることができるため、例えば、大当たり遊技終了前と、終了後とで、特別図柄抽選の結果が変更される場合(特別図柄の確率状態が切り替わる場合)であっても、大当たり遊技前に実行された保留変化演出によって設定された表示態様が大当たり遊技終了後も継続して表示されてしまい、遊技者に分かり難い予告演出が実行されてしまうことを抑制することができる。
次に、図741から図743を参照して、本第23制御例における演出カスタム操作の実行タイミングのうち、特別図柄変動期間中における演出カスタム操作の実行タイミングと、演出カスタム操作が実行された特別図柄変動に対応する変動演出の演出態様を設定する流れについて説明をする。
上述した通り、本第23制御例では、特別図柄変動期間中に演出カスタム操作を実行可能に構成しており、演出カスタム操作の実行タイミングに応じて、特別図柄変動期間中であっても演出モードを切り替え可能に構成している。ここでは、特別図柄変動期間中において演出モードを切り替え可能な場合と、切り替え出来ない場合と、の違いについて説明をする。
まず、図741を参照して、特別図柄変動期間に対応して実行される変動演出の演出態様を決定する流れについて説明をする。図741は、特図変動中に変動演出を設定する流れを示した図である。図741では、変動演出の演出態様を決定する基本的な流れを説明するために、特図変動中に演出カスタム操作を実行しない場合の流れを示している。
よって、図741(a)に示した通り、対応する特図変動期間中は常に演出モードとして「ノーマルモード」が設定されている。図741(b)に示した通り、変動時間が30秒の特別図柄変動の開始タイミングにおいて、対応する変動演出の演出態様として、全体の演出パターン(演出A)と、前半期間(10秒間)にて実行されるチャンスアップ演出(前半予告態様)の種別(青)が決定され、特別図柄変動の開始に対応させて変動演出が実行される。そして、図741(c)に示した通り、変動演出(演出A)が開始されてから6秒が経過すると、2秒間の前半予告が実行され、前半予告が終了してから2秒経過後(前半期間の経過タイミング)、即ち、特別図柄変動が開始されてから10秒が経過したタイミングにて、後半期間(20秒間)にて実行されるチャンスアップ演出(後半予告態様)の種別(青)が決定される。
つまり、本第23制御例では、1の特別図柄変動に対応した変動演出の演出態様を、複数のタイミングで決定するように構成している。このように構成することで、1の変動演出が実行されている変動演出期間中に成立した要件に応じて、実行中の変動演出の少なくとも一部の演出態様を決定することが可能となるため、要件の成立に対応させた演出態様を遅滞無く決定させ易くすることができる。
なお、本第23制御例では、1の変動演出を前半期間と、後半期間との2つの演出期間に区分けし、各演出期間において実行される予告演出の態様(予告態様)を異なるタイミングで決定するように構成しているが、1の変動演出を3つ以上の演出期間に区分けするように構成しても良い。このように、変動演出を複数の演出期間に区分けする程、1の演出期間の長さを短くし易くすることができるため、変動演出中に成立した要件に応じた予告態様を遅滞無く決定させ易くすることができる。
また、本第23制御例では、1の変動演出が実行されるタイミングにおいて、1の変動演出期間全体に渡って実行される変動演出の演出パターン(演出態様)を決定しておき、変動演出期間のうち特定期間(変動演出が開始されてから6秒経過した後の2秒間である第1予告期間と、変動演出が開始されてから28秒が経過した後の2秒間である第2予告期間)にて実行される予告演出の態様(予告態様)を、異なるタイミングで決定可能に構成している。このように構成することで、1の変動演出期間全体に渡って実行される演出パターン(演出態様)を継続して実行しながらも、予告演出の態様(予告態様)を異なるタイミングで設定することができるため、遊技者に違和感の無い演出を実行することができる。
なお、本第23制御例では、1の特別図柄変動に対応して実行される変動演出の演出期間に対して、その演出期間全体に渡って実行される演出パターン(演出態様)を予め(変動演出の開始タイミングで)設定し、その演出期間のうち、特定期間内で実行される予告演出の演出態様(予告態様)を、異なるタイミングで適宜決定するように構成しているが、これに限ること無く、複数の特別図柄変動に対応して実行される変動演出の演出期間に対して、その演出期間全体に渡って実行される演出パターン(演出態様)を予め(変動演出の開始タイミングで)設定し、その演出期間のうち、特定期間内で実行される予告演出の演出態様(予告態様)を、異なるタイミングで適宜決定するように構成しても良いし、複数の特別図柄変動が実行され得る演出期間(例えば、設定している遊技状態を示すための状態演出が実行される演出期間)に対して、その演出期間全体に渡って実行される演出パターン(例えば、背景演出)を予め(遊技状態が設定されるタイミングで)設定し、その演出期間のうち、特定期間内で実行される演出の演出態様(例えば、変動演出の演出態様)を、異なるタイミングで適宜決定するように構成しても良い。
次に、図742を参照して、特図変動中に変動演出を設定する流れと、変動演出の前半期間において演出カスタム操作を実行した場合の演出モードの移行について説明をする。図742は、特図変動中に変動演出を設定する流れと、変動演出の前半期間において演出カスタム操作を実行した場合の演出モード移行の流れと、を示した図である。
上述した図741に対して、図742では、変動演出の前半期間中に演出カスタム操作が実行され、変動演出期間中に演出モードが切り替わる点で相違している。具体的には、図742(a)に示した通り、対応する特図変動が実行される時点では演出モードとして「ノーマルモード」が設定されている。そして、図742(b)に示した通り、変動時間が30秒の特別図柄変動の開始タイミングにおいて、対応する変動演出の演出態様として、全体の演出パターン(演出A)と、前半期間(10秒間)にて実行されるチャンスアップ演出(前半予告態様)の種別(青)が決定される。そして、図742(c)に示した通り、変動演出(演出A)が開始されてから6秒が経過すると、2秒間の前半予告が実行される。
そして、変動演出の前半期間中に演出カスタム操作を実行し、「チャンスアップモード」を選択した場合には、前半期間が経過するよりも前に、後半期間に実行される予告演出(後半予告態様)を決定する処理が実行される。図742(b)では、演出カスタム操作を実行したタイミングにて後半予告態様として(赤)が決定された例を示している。この後半予告態様(赤)は、「チャンスアップモード」を設定した場合に実行可能な演出態様であるため、図742(a)に示した通り、演出カスタム操作を実行したタイミングで演出モードが「ノーマルモード」から「チャンスアップモード」へと切り替わったことを示すための表示態様が表示される。
一方、図742の流れに対して、変動演出の前半期間中に演出カスタム操作を実行し、「チャンスアップモード」を選択した場合に、実行された後半期間に実行される予告演出(後半予告態様)を決定する処理によって、後半予告態様として(青)が決定された場合には、この後半予告態様(青)は、「チャンスアップモード」を設定した場合に実行不可能な演出態様であるため、図743(a)に示した通り、演出カスタム操作を実行したタイミングでは、「ノーマルモード」が継続して表示され、次変動から「チャンスアップモード」へと切り替わることを示すための表示態様が表示される。
つまり、本第23制御例では、変動演出が実行されている期間中に演出カスタム操作を実行した場合に、残りの残期間中に実行される変動演出の演出態様に応じて演出カスタム操作に基づいて演出モードが切り替わったことを報知するタイミングを異ならせている。具体的には、演出カスタム操作を実行した場合に、残りの残期間中に実行される変動演出の演出態様が変更後の演出モードに適合する演出態様である場合には、即座に演出モードが切り替わったことを報知し、残りの残期間中に実行される変動演出の演出態様が変更後の演出モードに適合しない演出態様である場合、或いは、設定される演出モードに関わらず共通して実行され易い演出態様である場合には、残期間経過後に演出モードが切り替わったことを報知するように構成している。
このように構成することで、変動演出中に演出カスタム操作を実行した場合において、その演出カスタム操作に基づいてどのタイミングで演出モードが切り替わるのかについて遊技者に興味を持たせることができる。また、本第23制御例では、演出カスタム操作を実行した後に実行される予告演出の演出態様に応じて、演出カスタム操作によって演出モードが切り替わったことを報知するタイミングを異ならせているため、例えば、演出カスタム操作によって、予告演出が実行されるだけで大当たり当選期待度が高いことを報知可能な演出モードである「チャンスアップモード」を設定した場合において、変動演出期間中に演出モードが切り替わったことが報知されるだけで、実行中の変動演出が大当たり当選を示す演出結果である可能性が高いと遊技者に予測させ易くすることができる。
<第23制御例における電気的構成について>
次に、図744から図747を参照して、本第23制御例における電気的構成について説明をする。本第23制御例におけるパチンコ機10では、上述した第22制御例におけるパチンコ機10の電気的構成に対して、音声ランプ制御装置113のMPU221が有するROM222の構成の一部と、RAM223の構成の一部と、を変更している点で相違しており、それ以外の構成は同一である。同一の内容については、その説明を省略する。
まず、図744を参照して、本第23制御例のパチンコ機10における音声ランプ制御装置113のMPU221が有するROM222の構成について説明をする。図744は、音声ランプ制御装置113のMPU221が有するROM222の構成を模式的に示した図である。図744に示した通り、本第23制御例では、上述した第22制御例に対して、演出カスタム情報テーブル222waと、後半予告演出選択テーブル222wbと、を追加した点で相違しており、それ以外の構成については同一である。同一の構成については、同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
演出カスタム情報テーブル222waは、遊技者が選択可能な各演出モードに対応する情報が規定されているデータテーブルであって、演出カスタム操作によって演出モードが決定(設定)された場合に、決定(設定)された演出モードに対応する情報を読み出す際に参照される。ここで読み出された情報は、後述するカスタム情報格納エリア223wbに格納され、変動演出の演出態様を決定する際に参照される。
ここで、図745を参照して、演出カスタム情報テーブル222waに規定されている内容について説明をする。図745は、演出カスタム情報テーブル222waに規定されている内容を示すための図である。図745に示した通り、演出カスタム情報テーブル222waには、遊技者が選択可能な4種類のカスタム種別(演出モード種別)に対して、演出カスタム操作によって選択可能となる選択条件と、選択された場合における演出態様の設定内容(規定内容)とが規定されている。
本第23制御例では、演出カスタム操作を実行することで最大で4種類の演出モード種別(カスタム種別)を選択可能に構成しており、選択された演出モード種別(カスタム種別)に応じて、実行される演出(先読み演出、予告演出等)の実行頻度や、当たり当選に対する期待度を異ならせることができるように構成している。
より具体的には、演出モード種別(カスタム種別)に応じて、保留変化演出の実行頻度、確変報知演出の実行頻度、後半予告演出の実行頻度が異なるように各演出モード種別(カスタム種別)に対して、演出態様の設定条件が規定されている。
図745に示した通り、カスタム種別(演出モード種別)「ノーマルモード」に対しては、選択条件として「常時」が規定されている。つまり、「ノーマルモード」は、演出カスタム操作によって常に選択可能なカスタム種別(演出モード種別)として規定されている。そして、保留変化演出の実行頻度「中」、確変報知の実行頻度「中」、後半予告演出の実行頻度「中」が規定されている。つまり、「ノーマルモード」が選択されている場合には、通常頻度で各種演出が実行されるように構成している。
そして、カスタム種別(演出モード種別)「チャンスアップモード」に対しては、選択条件として「常時」が規定されている。つまり、「チャンスアップモード」は、演出カスタム操作によって常に選択可能なカスタム種別(演出モード種別)として規定されている。そして、保留変化演出の実行頻度「低」、確変報知の実行頻度「中」、後半予告演出の実行頻度「低」が規定されている。つまり、「チャンスアップモード」が選択されている場合には、「ノーマルモード」が選択されている場合よりも、保留変化演出や後半予告演出の実行頻度が低くなるように構成している。
本第23制御例では、各種演出の実行頻度が低く設定されているほど、実行された場合における大当たり当選の期待度が高くなるように構成している。つまり、大当たり当選時における演出態様を選択する選択割合を変更すること無く、外れ当選時における演出態様の選択割合を変更することで各種演出の実行頻度を変更するように構成している。よって、「ノーマルモード」に対して「チャンスアップモード」が選択されている場合には、保留変化演出や後半予告演出が実行された場合における大当たり当選の期待度を高めることができる。
次に、カスタム種別(演出モード種別)「確変告知モード」に対しては、選択条件として「常時」が規定されている。つまり、「確変告知モード」は、演出カスタム操作によって常に選択可能なカスタム種別(演出モード種別)として規定されている。そして、保留変化演出の実行頻度「中」、確変報知の実行頻度「高」、後半予告演出の実行頻度「中」が規定されている。つまり、「確変告知モード」が選択されている場合には、「ノーマルモード」と同一頻度で保留変化演出や後半予告演出が実行され、確変報知の実行頻度が高くなるように構成している。
最後に、カスタム種別(演出モード種別)「プレミアムモード」に対しては、選択条件として「大当たり変動中の一部」が規定されている。つまり、「プレミアムモード」は、演出カスタム操作が大当たり変動中の一において実行された場合に選択可能なカスタム種別(演出モード種別)として規定されている。
この「プレミアムモード」が選択された場合には、実行中の変動演出の残期間や、既に設定されている演出態様の内容に関わらず、大当たり変動が停止表示されるまでの期間を用いて特別な専用演出(祝福演出)が実行されるように構成している。よって、保留変化演出、及び、後半予告演出が実行されることが無く、保留変化演出の実行頻度「−」、後半予告演出の実行頻度「−」が規定されている。また、「プレミアムモード」は、大当たり遊技終了後に確変状態が設定される大当たり種別「大当たりA」が設定されている場合のみ選択可能となるように構成しているため、「プレミアムモード」が選択された場合に実行される特別な専用演出(祝福演出)が、確変状態が設定されることを示すための確変報知の機能を有することになるため、確変報知として「確定報知」が規定されている。
なお、本第23制御例では、上述した4種類の演出モードを選択可能に構成しているが、遊技者が選択可能な演出モードとして5種類以上の演出モードを選択可能に構成しても良い。この場合、選択可能とする演出モードとして、例えば、大当たり当選の期待度を示唆するための演出(予告演出)が実行されない(実行され難い)演出モード(サイレントモード)を設定可能に構成しても良い。このような演出モードを設けることにより、大当たり当選するか否かを遊技者に事前に判別させ難くすることができるため、常に大当たり当選を期待しながら遊技を行わせることができる。また、特定の識別情報の表示態様を段階的に可変させることで大当たり期待度を段階的に示唆可能な演出を実行可能なパチンコ機10であれば、大当たり期待度を段階的に示すための表示態様を入れ替えた演出モード(ハプニングモード)を設定可能に構成しても良い。例えば、大当たり当選期待度を、保留図柄の色を段階的に変化させることで遊技者に示唆可能な保留変化演出を実行可能なパチンコ機10において、通常であれば、保留図柄の色が「青→緑→赤→虹」の順で大当たり当選期待度が高くなるのに対して、上述したハプニングモードが設定されることで、「虹→赤→緑→青」の順で大当たり当選期待度が高くなるように構成すると良い。
このように構成することで、設定される演出モードに応じて、識別情報の表示態様と、大当たり期待度と、の関係性を異ならせることができるため、通常であれば、外れ当選し易い演出が大当たり当選し易い演出となり、通常であれば、大当たり当選し易い演出が外れ当選し易い演出となる。よって、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができる。
後半予告演出選択テーブル222wbは、変動演出の後半期間にて実行される後半予告の演出態様(予告態様)を決定する際に参照されるデータテーブルであって、対象となる変動演出の演出パターンに対応させて異なる予告態様が規定されており、演出更新処理23(図754のF2161参照)において実行される変動演出更新処理23(図755のF3551参照)にて、変動演出の前半期間終了タイミングであると判別した場合(図755のF3902:Yes)に、後半予告演出の演出態様を決定するために参照される。また、変動演出の前半期間中において演出カスタム操作を実行し、演出モードを切り替えた場合(図752のF3709:Yes)にも、後半予告演出の演出態様を決定するために参照される。
ここで、図746を参照して、後半予告演出選択テーブル222wbに規定されている内容について説明をする。図746は、後半予告演出選択テーブル222wbに規定されている内容を示した図である。図746に示した通り、後半予告演出選択テーブル222wbには、現在設定されているカスタム種別(演出モード種別)と、当否判定結果(対象となる変動演出に対応する特別図柄抽選の抽選結果)と、取得した第1演出カウンタ223vfの値と、実行演出(対象となる変動演出の演出パターン)とに対応付けて異なる後半予告演出の演出態様(予告態様)が規定されている。
図746に示した通り、変動演出として実行される演出パターンには「演出A」と「演出B」があり、実行される変動演出の演出パターンに応じて、変動演出期間の後半期間にて実行される予告演出の回数を異ならせている。具体的には、演出パターンとして「演出A」が設定された場合には、後半期間に予告演出が1回、「演出B」が設定された場合には、後半期間に予告演出が2回実行可能となるように構成している。このように構成することで、実行される変動演出の演出パターンに応じて後半期間に実行される予告演出の実行回数を異ならせることができ、演出効果を高めることができる。
具体的には、カスタム種別(演出モード種別)として「ノーマルモード」、或いは、「確変告知モード」が設定されている場合、即ち、後半予告演出の実行頻度「中」であるカスタム種別(演出モード種別)が設定されている場合であって、当否判定結果が「当たり」の場合は、実行中の変動演出の演出パターンが「演出A」であれば、取得した第1演出カウンタ223vfの値が「0〜39」の範囲に対して、後半第1予告「青」が、「40〜69」の範囲に対して、後半第1予告「緑」が、「70〜98」の範囲に対して、後半第1予告「赤」が、規定されており、実行中の変動演出の演出パターンが「演出B」であれば、取得した第1演出カウンタ223vfの値が「0〜39」の範囲に対して、後半第1予告「青」、後半第2予告「赤」が、「40〜69」の範囲に対して、後半第1予告「緑」、後半第2予告「緑」が、「70〜98」の範囲に対して、後半第1予告「緑」、後半第2予告「赤」が規定されている。
また、当否判定結果が「外れ」の場合は、実行中の変動演出の演出パターンが「演出A」であれば、取得した第1演出カウンタ223vfの値が「0〜39」の範囲に対して、後半第1予告「青」が、「40〜69」の範囲に対して、後半第1予告「緑」が、「70〜98」の範囲に対して、後半第1予告「赤」が、規定されており、実行中の変動演出の演出パターンが「演出B」であれば、取得した第1演出カウンタ223vfの値が「0〜39」の範囲に対して、後半第1予告「青」、後半第2予告「赤」が、「40〜69」の範囲に対して、後半第1予告「緑」、後半第2予告「緑」が、「70〜98」の範囲に対して、後半第1予告「緑」、後半第2予告「赤」が規定されている。
ここで、後半予告演出選択テーブル222wbに規定されている各予告態様の種別について説明をする。図746に示した通り、本第23制御例では、各予告態様の種別に応じて大当たり(当たり)当選の期待度が異なるように構成しており、「青」、「緑」、「赤」の順に当たり当選の期待度が高くなるように構成している。
具体的には、演出パターンとして「演出A」が実行されている場合における後半第1予告では、予告態様「青」は、当否判定結果が「当たり」の場合の40/90の割合で選択され、「外れ」の場合の30/99で選択され、予告態様「緑」は、当否判定結果が「当たり」の場合の30/90の割合で選択され、「外れ」の場合の9/99で選択され、予告態様「赤」は、当否判定結果が「当たり」の場合の29/90の割合で選択され、「外れ」の場合には選択されないように構成している。
つまり、当たり当選している場合における各予告態様の選択比率に対して、外れ当選している場合における各予告態様の選択比率を大きく異ならせることにより、各予告態様が設定された場合における当たり当選の期待度を異ならせるように構成しており、予告態様「青」が最も当たり当選期待度が低く、次いで、予告態様「緑」、予告態様「赤」の順に当たり当選期待度が高くなるように構成している。
そして、予告態様「青」や「緑」に対して、予告態様「赤」は、当たり当選している場合にのみ選択されるように構成している。このように構成することで、演出モード種別として「ノーマルモード」や「確変告知モード」が設定されている場合には、当否判定結果が「当たり」である場合も、「外れ」である場合も、様々な予告態様の後半予告演出が実行され易く、遊技者が遊技に早期に飽きることの無い演出を提供することができる。
一方で、カスタム種別(演出モード種別)として「チャンスアップモード」が設定されている場合、即ち、後半予告演出の実行頻度「低」であるカスタム種別(演出モード種別)が設定されている場合であって、当否判定結果が「当たり」の場合は、実行中の変動演出の演出パターンが「演出A」であれば、取得した第1演出カウンタ223vfの値が「0〜59」の範囲に対して、後半第1予告「無」が、「60〜98」の範囲に対して、後半第1予告「赤」が規定されており、実行中の変動演出の演出パターンが「演出B」であれば、取得した第1演出カウンタ223vfの値が「0〜59」の範囲に対して、後半第1予告「無」、後半第2予告「無」が、「60〜79」の範囲に対して、後半第1予告「無」、後半第2予告「赤」が、「80〜98」の範囲に対して、後半第1予告「赤」、後半第2予告「赤」が規定されている。
また、当否判定結果が「外れ」の場合は、実行中の変動演出の演出パターンが「演出A」であれば、取得した第1演出カウンタ223vfの値が「0〜94」の範囲に対して、後半第1予告「無」が、「95〜98」の範囲に対して、後半第1予告「赤」が規定されており、実行中の変動演出の演出パターンが「演出B」であれば、取得した第1演出カウンタ223vfの値が「0〜94」の範囲に対して、後半第1予告「無」、後半第2予告「無」が、「95〜98」の範囲に対して、後半第1予告「無」、後半第2予告「赤」が規定されている。
つまり、「チャンスアップモード」が設定されている場合には、「ノーマルモード」や「確変告知モード」が設定されている場合よりも後半予告演出が実行され難く(予告態様が設定され難く)、後半予告演出が実行された(予告態様が設定された)時点において、当たり当選の期待度を高めることが可能となる。よって、いち早く大当たり当選の有無を遊技者に予測させ易くすることができる。
なお、本第23制御例では、図746を参照して上述した通り、様々な予告態様で後半予告演出が実行される「ノーマルモード」、「確変告知モード」では当たり当選している場合のみ予告態様「赤」が設定され、特定の予告態様のみで後半予告演出が実行される「チャンスアップモード」では当たり当選していない場合にも予告態様「赤」が設定されるように構成している。つまり、「ノーマルモード」、「確変告知モード」が設定されている場合には、後半予告演出が実行される(予告態様が設定される)だけでは当たり当選の期待度が低く、特定の予告態様「赤」が設定された場合に当たり当選の期待度が高くなるのに対して、「チャンスアップモード」が設定されている場合には、後半予告演出が実行される(予告態様が設定される)だけで当たり当選の期待度が高くなる一方、外れ当選している場合の一部において特定の予告態様「赤」が設定されるように構成している。
このように構成することで、設定している演出モード種別(カスタム種別)に応じて、後半予告演出に関する注視ポイントを異ならせることができるため、遊技者に対して様々な演出モード種別(カスタム種別)で遊技を行わせ易くすることができる。
次に、カスタム種別(演出モード種別)として「プレミアムモード」が設定されている場合、即ち、大当たり変動中である場合は、実行中の変動演出の演出パターンが「演出A」、「演出B」の何れであっても、実行され得る後半予告演出に対して、予告態様「虹」が必ず設定されるように構成している。つまり、上述した通り、「プレミアムモード」は、大当たり遊技終了後に確変状態が設定される大当たり種別「大当たりA」が設定される大当たり変動中のみ選択可能なカスタム種別(演出モード種別)であることから、「プレミアムモード」を選択した時点で、遊技者に大当たり変動中であることが報知されているため、「プレミアムモード」が設定された以降に後半予告演出を設定する場合には、大当たり当選していることを示すための特殊予告態様「虹」が必ず設定されるように構成している。
このように構成することで、「プレミアムモード」が設定されたことにより、大当たり当選することを把握している遊技者に対して、大当たり当選期待度の高低を示す予告態様(例えば、「青」、「緑」)で後半予告演出が実行されてしまい、大当たり当選していないのでは?と困惑させてしまうことを抑制することができる。
次に、図747を参照して、本第23制御例における音声ランプ制御装置113のMPU221が有するRAM223の内容について説明をする。図747は、本第23制御例における音声ランプ制御装置113のMPU221が有するRAM223の構成を示した図である。図747に示した通り、本第23制御例では、上述した第22制御例に対して、演出カスタム中フラグ223wa、カスタム情報格納エリア223wb、モード変更待機フラグ223wc、後半予告設定済フラグ223wd、後半予告情報格納エリア223weを追加している点で相違している。それ以外の要素については同一であり、同一の要素については同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
演出カスタム中フラグ223waは、遊技者が演出モード種別を変更するための演出カスタム操作を実行している状態であることを示すためのフラグであって、演出カスタム操作を実行している間、オンに設定される。この演出カスタム中フラグ223waは、遊技者が音量調整操作や光量調整操作(環境調整操作)を実行していない状態で決定ボタン(中ボタン)600aを操作(押下)し、演出モード種別を選択可能な状態(演出カスタム状態)が設定された場合(図753のF3806参照)にオンに設定され、演出カスタム状態中において、演出モード種別を決定するための決定ボタン(中ボタン)600aが操作された場合にオフに設定される(図752のF3707参照)。
このように、演出カスタム状態であることを判別可能な演出カスタム中フラグ223waを設けることにより、右ボタン600c、左ボタン600eを操作した場合における制御処理の内容を、演出カスタム中フラグ223waの設定状況に応じて異ならせることができる。具体的には、演出カスタム中フラグ223waがオンに設定されている状態、即ち、演出カスタム状態である場合には、右ボタン600c、或いは、左ボタン600eが操作されたことに基づいて、演出モード種別を選択可能な選択制御を実行し、演出カスタム中フラグ223waがオフに設定されている状態、即ち、演出カスタム状態では無い場合には、右ボタン600c、或いは、左ボタン600eが操作されたことに基づいて、光量レベルを選択可能な選択制御を実行することができる。
このように構成することで、同一の操作手段(右ボタン600c、左ボタン600e)を用いて、異なる選択制御を実行することが可能となるため、様々な遊技環境(光量レベル、音量レベル、演出モード等)を変更するための操作を遊技者に実行させることが可能なパチンコ機10において、各変更操作に対応させて専用の操作手段を設ける場合よりも、操作手段の種類を削減することができる。よって、操作手段を設けるための領域を確保し易くすることができる。また、同一の領域に対して備えられる操作手段の種類を削減することにより、1つの操作手段(押下ボタン)を大きく設計することが可能となるため、遊技者が操作し易い操作手段を提供し易くすることができる。
さらに、本第23制御例では、各遊技環境を変更するための変更状態(光量調整操作状態、演出カスタム状態)を、遊技者が決定ボタン(中ボタン)600aを操作することにより終了させることができるように構成している。つまり、遊技者が任意の遊技環境を決定した段階で、各変更状態を終了させることができるように構成している。よって、各変更状態が設定された場合において、経過時間に基づいて設定された変更状態が終了する制御を実行する場合に比べて、変更状態が設定されている期間を短くすることができるため、短時間の間に複数種類の遊技環境を変更させ易くすることができる。
カスタム情報格納エリア223wbは、演出カスタム操作によって選択された演出モード種別(カスタム種別)を示すための情報が一時的に記憶される記憶領域であって、演出カスタム状態中において遊技者が左右ボタン(600c,600e)を操作し、遊技モードを選択する毎に、選択された遊技モードを示すための情報が記憶される。カスタム情報格納エリア223wbに格納された情報(選択された演出モードを示すための情報)は、変動演出の演出態様を決定する際に参照される。
このカスタム情報格納エリア223wbに記憶されている情報は、パチンコ機10への電源供給が停止されることに基づいてクリアされ、電源供給が開始された場合に実行される立ち上げ処理によって「ノーマルモード」に対応する初期情報が記憶されるように構成している。よって、パチンコ機10への電源供給が開始された初期状態では、演出モード種別として「ノーマルモード」が設定されることになる。
このように構成することで、演出モードを変更することに興味の無い遊技者に対しては、各種演出が均等に実行される演出モードを用いてパチンコ機10の遊技を実行させることができるため、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができる。
モード変更待機フラグ223wcは、演出カスタム状態中において演出カスタム操作を実行し、現状とは異なる演出モードを決定してから、実際に演出モードが切り替わったことを示す表示態様が表示されるまでの期間を示すためのフラグであって、現状とは異なる演出モードを決定したタイミングでオンに設定され、実際に演出モードが切り替わったことを示すための表示態様が表示されるまでオン状態が継続するように構成している。
本第23制御例では、モード変更待機フラグ223wcがオンに設定されたことに基づいて、第3図柄表示装置81の表示画面には、演出モードの変更条件が成立していることを待機している「待機中」の画像が表示されるように構成している。このように構成することで、演出カスタム操作を正常に実行したにも関わらず、演出モードが切り替わっていない状況であるか、そもそも演出カスタム操作が正常に実行されず、演出モードが切り替わっていないのかを遊技者に容易に把握させることができる。
後半予告設定済フラグ223wdは、変動演出の後半期間に実行される後半予告演出の演出態様が決定されていることを示すためのフラグであって、変動演出の実行中であって、変動演出の前半期間が経過するまでに、演出カスタム操作の実行に基づいて後半予告演出の演出態様が決定された場合にオンに設定される。そして、変動演出の前半期間において設定状況が判別され、オンに設定されていないと判別した場合は変動演出の前半期間経過時に後半予告演出の演出態様が決定される。一方、オンに設定されていると判別した場合は、変動演出の前半期間経過時における後半予告演出の演出態様を決定する処理がスキップされる。
本第23制御例では、1の変動演出(1の特別図柄変動に対応して設定される変動演出)として設定される複数の演出態様を、1のタイミング(例えば、変動演出の開始タイミング)で全て決定するのでは無く、一部の演出態様を変動演出が実行された以降に決定可能に構成している。具体的には、1の変動演出の実行期間を前半期間と後半期間とに区分けし、後半期間に実行される予告演出(後半予告演出)の演出態様を、前半期間経過時に決定するように構成している。このように構成することで、変動演出の前半期間において発生した各種事象(例えば、演出モードの変更操作や、新たな特図保留の獲得等)に対応させた演出態様を後半予告演出の演出態様として決定することが可能となるため、1の変動演出として設定される複数の演出態様を、変動演出の開始タイミングにおいて全て決定する場合に比べて、変動演出中に各種事象(例えば、演出モードの変更操作や、新たな特図保留の獲得等)が発生した場合において、発生した事象に対応する演出態様をいち早く(変動演出実行期間中に)決定し易くすることができる。
さらに、変動演出期間の前半期間が経過するよりも前に、演出カスタム操作を実行することで演出モードを変更した場合には、その時点で変更後の演出モードに基づいて後半予告演出の演出態様を決定可能に構成している。そして、後半予告演出の演出態様が変更後の演出モードの内容と合致していると判別した場合には、演出カスタム操作を実行した時点で演出モードが切り替わったことを示すための表示態様(「セット完了」)を表示し、後半予告演出の演出態様が変更後の演出モードの内容と合致していないと判別した場合には、演出モードの切り替えを待機していることを示す表示態様(「待機中」)を表示するように構成している。このように構成することで、変動演出期間中において演出カスタム操作を実行した遊技者に対して、演出モードが切り替わるのを実行中の変動演出が終了するまで待機させること無く、即座に演出モードの切り替え表示を実行することができる。さらに、演出モードの切り替え表示が実行された直後に、切り替わった(変更した)演出モードに対応する演出態様で予告演出(後半予告演出)が実行されるため、演出モードが切り替わったことを遊技者に実感させ易くすることができる。
なお、本第23制御例では、変動演出の前半期間中において演出カスタム操作を実行した場合に、変動演出期間中に実行される予告演出のうち、演出態様(予告態様)が決定されていない予告演出(後半予告演出)に対して、変更後の演出モードに基づいて演出態様を決定する処理を実行するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、変動演出の開始タイミングにおいて、変動演出期間中に実行される各種予告演出の演出態様(予告態様)を決定しておき、演出カスタム操作によって演出モードを切り替えるための操作を実行した時点において、まだ実行されていない予告演出に対して設定済の演出態様(予告態様)の内容を判別し、判別された演出態様(予告態様)の内容が、変更後の演出モードと合致する場合には、演出モードの切り替え表示を実行し、合致しない場合は、演出モード切り替えの待機表示を実行するように構成しても良い。
つまり、予め設定されている予告演出の演出態様が、演出カスタム操作に基づいて設定される演出モードの内容と合致している場合のみ、演出モード変更を受け付けた表示を実行するように構成すると良い。このように構成することで、演出モードの切り替え表示が実行された直後に、切り替わった(変更した)演出モードに対応する演出態様で予告演出(後半予告演出)が実行されるため、演出モードが切り替わったことを遊技者に実感させ易くすることができる。
後半予告情報格納エリア223weは、変動演出期間の前半期間中に決定された後半予告演出の演出態様を示すための情報を一時的に記憶するための記憶領域であって、前半期間中に演出カスタム操作が実行され、前半期間が経過するよりも前に後半予告演出の演出態様(予告態様)が決定された場合に、その決定された演出態様(予告態様)を示すための情報が格納される(図752のF3711参照)。そして、変動演出期間の前半期間が経過し、後半予告演出の演出態様(予告態様)を設定されるタイミングにおいて、すでに後半予告演出の演出態様(予告態様)が決定されていると判別した場合(図755のF3903:Yes)に、後半予告情報格納エリア223weに格納されている情報が読み出され、読み出された情報に基づいた演出態様(予告態様)が設定される(図755のF3905)。
<第23制御例における音声ランプ制御装置113の制御処理について>
次に、図748から図755を参照して、本第23制御例のパチンコ機10における音声ランプ制御装置113のMPU221が実行する制御処理のうち、上述した第22制御例と相違する制御処理の内容について説明をする。本第23制御例では、上述した通り、実行される予告演出に対する当たり当選期待度を異ならせた複数の演出モードを選択可能に構成している点と、保留図柄を非表示にする演出(実行中保留演出)を実行可能に構成している点と、で上述した第22制御例と相違しており、その相違点に関する制御処理が音声ランプ制御装置113のMPU221にて実行される点で、上述した第22制御例と相違している。
具体的には、変動開始時保留演出実行処理22(図730のF3109参照)に代えて変動開始時保留演出実行処理23(図748のF3159参照)を、枠ボタン入力監視・演出処理22(図731のF2107参照)に代えて枠ボタン入力監視・演出処理23(図750のF2137参照)を、決定ボタン操作処理22(図732のF3315参照)に代えて決定ボタン操作処理23(図751のF3332参照)を、演出更新処理22(図734ののF2111参照)に代えて演出更新処理23(図754のF2161参照)を、実行する点で相違しており、それ以外の制御処理内容は同一である。同一の制御内容については、同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
まず、図748を参照して、変動開始時保留演出実行処理23(F3159)について説明をする。図748は、変動開始時保留演出実行処理23(F3159)の処理内容を示したフローチャートである。図748に示した通り、本第23制御例では、上述した第22制御例の変動開始時保留演出実行処理22(図730のF31909参照)に対して、保留演出情報格納エリア223vlに保留変化シナリオを示す情報が無いと判別した場合に(F3201:No)、実行中保留図柄(図739の表示領域HR1に表示される実行保留hr0)の表示態様を変化させる実行中保留変化演出を設定するための実行中保留変化演出設定処理23(F3251)を実行する点で相違している。それ以外の処理内容は同一であり、同一の処理内容については同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
ここで、図749を参照して、実行中保留変化演出設定処理23(F3251)の処理内容について説明をする。図749は、実行中保留変化演出設定処理23(F3251)の処理内容を示したフローチャートである。この実行中保留変化演出設定処理23(F3251)では、実行中保留演出の演出態様を設定するための処理が実行される。
実行中保留変化演出設定処理23(F3251)が実行されると、まず、今回の変動演出の演出パターンが、チェンジ役物Ym1,Ym2を可動させる可動演出であるかを判別し(F3601)、可動演出であると判別した場合は(F3601:Yes)、保留演出情報格納エリア223vlに格納されている情報を読み出し(F3602)、読み出した情報の中に、保留変化シナリオを示す情報があるか、即ち、獲得済みの保留図柄の中に保留変化演出の実行契機となる保留図柄が存在するかを判別する(F3603)。
F3603の処理において、保留変化シナリオを示す情報が無いと判別した場合は(F3603:No)、次に、獲得済の保留図柄(第1保留図柄hr1〜第4保留図柄hr4)が3色以上の表示態様で表示されているかを判別する(F3604)。F3604の処理では、保留情報格納エリア223vlに格納されている各保留図柄の表示態様を示す情報(保留色情報)に基づいて、表示されている保留図柄の表示態様(色)が判別される。
F3604の処理において、3色以上の保留図柄が表示されていると判別した場合は(F3604:Yes)、次に、今回の変動演出に対応する特別図柄変動が大当たり変動であるかを判別し(F3605)、大当たり変動であると判別した場合は(F3605:Yes)、実行中保留変化演出を示すための表示用変動パターンコマンドを設定し(F3606)、役物動作シナリオ4を決定し(F3607)、決定した役物動作シナリオを示す役物動作用コマンドを設定し(F3608)、本処理を終了する。
ここで、F3605の処理では、主制御装置110から受信した変動パターンコマンドに含まれる情報に基づいて今回の変動演出が大当たり変動に対応する変動演出である否かが判別される。つまり、主制御装置110から出力される変動パターンコマンドは、今回の特別図柄変動の変動パターンとして、特別図柄変動の変動時間を示すための情報と、特別図柄抽選の結果を示すための情報と、を少なくとも含む情報が設定されている。
なお、本第23制御例では、上述した第22制御例と同様に、特別図柄抽選の結果が大当たり当選しているか否かを、特別図柄変動の変動時間によって遊技者に把握されてしまうことを抑制するために、特別図柄抽選の結果に関わらず同一長さの変動時間(変動パターン)を設定可能に構成しているため、変動パターンコマンドには、今回設定された変動パターン(変動時間)を示す情報とは別に、特別図柄抽選の結果を示すための情報を含ませるように構成しているが、これに限ること無く、例えば、設定された変動パターン(変動時間)の長さに基づいて、特別図柄抽選の結果を音声ランプ制御装置113側で判別可能な場合、即ち、特別図柄抽選で大当たり当選した場合と、外れ当選した場合とで異なる長さの変動時間を設定するように構成している場合は、特別図柄抽選の結果を示すための情報を別途設定する必要は無く、特別図柄変動の変動時間の長さ(変動パターン)を示す情報のみを変動パターンコマンドに含ませるように構成すれば良い。なお、この場合、特別図柄抽選の結果に基づいて設定される長さの異なる変動時間(変動パターン)として、大当たり当選時に設定される各種変動パターンに対して、外れ当選時に設定される各種変動パターンの長さを若干(遊技者が違いを判別困難な程度)異ならせるように構成すると良く、例えば、大当たり当選時に設定可能となる変動パターンとして変動時間が60秒の変動パターンを有している場合には、外れ当選時に設定可能となる変動パターンとして変動時間が60.5秒の変動パターンを有するように構成すると良い。
このように構成することで、変動パターンコマンドには設定された変動パターン(変動時間)を示すための情報を含ませるだけで、今回設定される変動演出が、大当たり当選している特別図柄変動に対応させて実行される変動演出であるか、大当たり当選していない(外れ当選している)特別図柄変動に対応させて実行される変動演出であるかを、音声ランプ制御装置113側にて容易に判別可能とすることができると共に、設定された変動パターンの相違(変動時間の相違)を、遊技者に気付かれ難くすることができる。
また、大当たり変動と外れ変動とで略同一の長さの変動時間を設定可能に構成しているため、大当たり変動中に実行される変動演出と、外れ変動中に実行される変動演出と、で演出結果のみを異ならせ、それ以外は同一の変動演出を実行させ易くすることができる。
ここで、図749にて説明をした実行中保留変化演出設定処理23(F3251)にて設定される役物動作シナリオ(役物動作シナリオ4)の内容について説明をする。この役物動作シナリオは、上述した第22制御例と同様に、チェンジ役物Ym1,Ym2を所定態様で動作させるためのシナリオであって、動作シナリオ23テーブル222wfに予め規定されているものである。なお、動作シナリオ23テーブル222wfには、上述した第22制御例と同一内容の役物動作シナリオ1〜役物動作シナリオ3に加え、実行中保留変化演出中に選択され得る役物動作シナリオ4に対応する情報が規定されており、役物動作シナリオ4が設定された場合には、まず、表示領域HR2に表示される複数(最大で4個)の保留図柄のうち、特定の3つの保留図柄(3色の保留図柄)以外を隠した第1特定位置へとチェンジ役物Ym1,Ym2が可動し(図739(a)参照)、その後、表示領域HR2に表示されている保留図柄(第1保留図柄〜第4保留図柄)を全て隠す第2特定位置までチェンジ役物Ym1,Ym2を可動させ(図739(b)参照)、その後、チェンジ役物Ym1,Ym2を初期位置(格納位置)へと可動するようにチェンジ役物Ym1,Ym2が可動制御される。
そして、実行中保留演出が実行された場合には、上述した役物動作シナリオ4に対応するチェンジ役物Ym1,Ym2の可動状況に対応させて第3図柄表示装置81の表示面にて保留図柄を非表示にし、実行中保留図柄の表示態様を可変させる演出(図739、図740参照)が実行される。
なお、本第23制御例では、保留図柄の表示領域HR2が視認困難となる位置までチェンジ役物Ym1,Ym2を可動させる可動演出を実行し、表示領域HR2に表示されていた保留図柄がチェンジ役物Ym1,Ym2によって視認困難となるタイミングに合わせて、表示領域HR2に表示されていた保留図柄の表示態様を用いて、実行中保留図柄の表示態様を可変させる演出を実行することにより、チェンジ役物Ym1,Ym2の可動によって、単に保留図柄が見え難くなってしまうのでは無く、実行中保留図柄を変化させるためにチェンジ役物Ym1,Ym2を可動させたように遊技者に思わせることができるため、演出効果を高めることができる。
ここで、本第23制御例では、保留図柄の表示領域HR2が視認困難となる位置までチェンジ役物Ym1,Ym2を可動させる例を示しているが、これに限ること無く、例えば、第3図柄表示装置81の表示面で実行される第3図柄の変動表示位置までチェンジ役物Ym1,Ym2を可動させることにより、遊技者に対して、実行中の特別図柄が当たり当選している期待度が高いことを示唆するように構成しても良い。この場合、保留図柄が表示される表示領域HR2に加え、実行中保留図柄hr0が表示される表示領域HR1も可動したチェンジ役物Ym1,Ym2によって視認困難となってしまい、実行中保留図柄の表示態様も含めて、実行中の特別図柄抽選の結果を遊技者に予測させ難くなるという問題があった。
この場合、チェンジ役物Ym1,Ym2の可動演出が実行されることに対応させて、実行中保留図柄の表示位置(表示領域HR1が形成される位置)を可変させると良く、例えば、チェンジ役物Ym1,Ym2の可動領域以外に表示領域HR1を形成するように構成すると良い。これにより、チェンジ役物Ym1,Ym2が可動した状態であっても、実行中保留図柄を確実に視認させることができるため、遊技者に対して、実行中の特別図柄抽選の結果を予測させ易くすることができる。
しかしながら、上述した構成を用いた場合、つまり、実行中保留図柄が表示されている状態で、実行中保留図柄が表示される表示領域HR1の形成位置を変更した場合には、変更後の表示領域HR1に表示される保留図柄が、実行中保留図柄であるか、実行前の保留図柄であるかを遊技者が判別し難くなるという問題があった。つまり、実行中保留図柄hr0が「白」の表示態様で表示されており、且つ、第1保留図柄hr1も「白」の表示態様で表示されている状態において、チェンジ役物Ym1,Ym2が可動し、第1保留図柄hr1が表示されている表示領域HR2と、実行中保留図柄hr0が表示されている表示領域HR1と、がチェンジ役物Ym1,Ym2に覆われた場合に、表示領域HR2を非表示にし、表示領域HR1を別の表示位置(可動中のチェンジ役物Ym1,Ym2と重複しない表示位置)に形成し、実行中保留図柄hr0を「白」の表示態様で表示した場合には、チェンジ役物Ym1,Ym2の可動に併せて第1保留図柄hr1が非表示となることから、表示されている「白」の表示態様の保留図柄が、実行中保留図柄hr0であるか第1保留図柄hr1であるかを遊技者が即座に判別することが出来ないという問題があった。
よって、この場合は、チェンジ役物Ym1,Ym2が表示領域HR2を覆うタイミングに対応させて、表示領域HR2に表示されている保留図柄(第1保留図柄hr1〜第4保留図柄hr4)が非表示となることを示す演出態様を設定し、チェンジ役物Ym1,Ym2が表示領域HR1を覆うタイミングに対応させて表示領域HR1の位置が移動することを示す演出態様を設定するように構成すると良い。このように構成することで、保留図柄の表示位置を移動させた後でも、表示されている保留図柄が実行中保留図柄であるか、実行前の保留図柄であるかを遊技者に把握させ易くすることができる。
次に、図750を参照して、枠ボタン入力監視・演出処理23(F2137)の処理内容について説明をする。図750は、枠ボタン入力監視・演出処理23(F2137)の処理内容を示したフローチャートである。図750に示した通り、枠ボタン入力監視・演出処理23(F2137)では、上述した第22制御例の、枠ボタン入力監視・演出処理22(図731のF2107参照)に対して、演出モードを選択するための演出カスタム操作(演出カスタム選択)に関する処理を追加した点と、決定ボタン(中ボタン)600aを押下した場合に実行される決定ボタン操作処理22(F3315)に代えて、決定ボタン操作処理23(F3332)を実行する点で相違している。それ以外の処理内容については同一であり、同一の処理内容については、同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
枠ボタン入力監視・演出処理23(F2137)が実行されると、まず、演出カスタム選択処理23を実行し(F3331)、F3331の処理を終えると、次いで、上述した枠ボタン入力監視・演出処理22(図731のF2107参照)と同一のF3301〜F3314の処理を実行する。そして、F3314の処理において、決定ボタン(中ボタン)600aを操作したと判別した場合は(F3314:Yes)、決定ボタン操作処理23を実行し(F3332)、F3310を実行し、本処理を終了する。
また、F3314の処理において、決定ボタン(中ボタン)600aが操作されていないと判別した場合は(F3314:No)、上述した第22制御例の枠ボタン入力監視・演出処理22(図731のF2107参照)と同一のF3316の処理(演出ボタン操作処理22)を実行し、その後、F3310の処理を実行し、本処理を終了する。
次に、図751を参照して、演出カスタム選択処理23(F3331)の処理内容について説明をする。図751は、演出カスタム選択処理23(F3331)の処理内容を示したフローチャートである。この演出カスタム選択処理23(F3331)では、演出カスタム状態中における操作手段(中ボタン600a、右ボタン600c、左ボタン600e)への操作内容に基づいて演出モードを選択するための処理が実行される。
演出カスタム選択処理23(F3331)が実行されると、まず、演出カスタム中フラグ223waがオンに設定されているかを判別し(F3701)、オンに設定されていないと判別した場合、即ち、演出カスタム状態では無いと判別した場合は(F3701:No)、操作手段(中ボタン600a、右ボタン600c、左ボタン600e)の操作によって、演出モードの選択制御では無く、他の選択制御(例えば、光量調整)を実行させるため、演出カスタム選択処理23(F3331)の全処理をスキップして本処理を終了する。
一方、F3701の処理において、演出カスタム中フラグ223waがオンに設定されていると判別した場合は(F3701:Yes)、次に、右ボタン600c、或いは、左ボタン600eへの操作があったかを判別し(F3702)、操作があったと判別した場合は(F3702:Yes)、判別された操作内容に対応させて選択中の演出モードを更新し(F3703)、更新した演出モードを示すための情報をカスタム情報格納エリア223wbに格納し(F3704)、更新した演出モードを示すための表示用コマンドを設定し(F3705)、F3706の処理へ移行する。
F3705の処理において設定された表示用コマンドに対応させて、第3図柄表示領域81の表示面に形成される表示領域HR6(図735(a)参照)に表示される表示態様(選択中の演出モードを示すための表示態様)が決定される。なお、この状態は、演出モードの変更候補が表示領域HR6に表示されているだけであり、演出カスタム操作によって変更後の演出モードが決定されていない状態である。この状態において、遊技者が決定ボタン(中ボタン)600aを押下することにより、表示領域HR6に表示されている表示態様に対応する演出モードを決定するための決定処理が実行される。
一方、F3702の処理において、右ボタン600c、或いは、左ボタン600eへの操作が無いと判別した場合は(F3702:No)、次に、決定ボタン(中ボタン)600aへの操作があるかを判別し(F3706)、決定ボタン(中ボタン)600aへの操作があったと判別した場合、即ち、演出カスタム状態にて変更後の演出モードを決定するための操作が実行された場合は(F3706:Yes)、演出カスタム中フラグ223waをオフに設定し(F3707)、現在が特図変動中(特別図柄変動中)であるかを判別し(F3708)、特図変動中であると判別した場合は(F3708:Yes)、現在が変動前半期間(変動演出の前半期間)であるかを判別する(F3709)。
F3709の処理において、変動前半期間であると判別した場合は(F3709:Yes)、カスタム情報格納エリア223wbに格納されている情報に対応する演出モード(表示領域HR6に表示されている演出モード)に基づいて、後半予告演出選択テーブル222wbを参照して後半予告演出の演出態様を決定し(F3710)、後半予告情報格納エリア223weに、決定した演出態様を示すための情報を格納する(F3711)。
なお、図746を参照して説明をした通り、後半予告演出選択テーブル222wbには、後半予告演出を実行しないことを示す内容(図では「無し」と記載)も規定されており、「無し」が決定された場合には、後半予告演出が実行されないように構成している。よって、F3710の処理では、後半予告演出の実行の有無、及び、実行する場合における演出態様(予告態様)を決定する処理を実行している。そして、F3711の処理では、F3710の処理結果、即ち、後半予告演出の実行の有無、及び、後半予告演出として設定される演出態様を示す情報が後半予告情報格納エリア223weに格納される。つまり、F3711の処理では、後半予告演出を実行しないことを示す情報も格納されることになる。
F3711の処理を終えると、次に、後半予告設定済フラグ223wdをオンに設定し(F3712)、F3710の処理において決定された後半予告演出の演出態様と、更新後の演出モードの種別とが適合しているかを判別し(F3713)、適合していると判別した場合は(F3713:Yes)、演出モードが変更されることを示すための表示用コマンドを設定し(F3719)、本処理を終了する。
また、F3713の処理において、適合していないと判別した場合は(F3713:No)、次変動から(実行中の特別図柄変動が停止表示された後から)演出モードが変更されることを示すための表示用コマンドを設定し(F3714)、モード変更待機フラグ223wcをオンに設定し(F3715)、本処理を終了する。
一方、F3709の処理において、現在が変動前半期間では無い、即ち、特図変動中における変動後半期間であると判別した場合は(F3709:No)、実行中の特別図柄変動が、大当たりAが設定される大当たり変動であるかを判別し(F3716)、大当たりA変動であると判別した場合は(F3716:Yes)、演出モードが変更されることを示すための表示用コマンドを設定し(F3717)、大当たり当選を示す音声用コマンドを設定し(F3718)、本処理を終了する。
最後に、F3706の処理において、決定ボタン(中ボタン)600aへの操作が無いと判別した場合は(F3706:No)、そのまま本処理を終了する。
次に、図752を参照して、決定ボタン操作処理23(F3332)の処理内容について説明をする。図752は、決定ボタン操作処理23(F3332)の処理内容を示したフローチャートである。この決定ボタン操作処理23(F3332)は、遊技者が決定ボタン(中ボタン)600aを操作(押下)したことに基づく処理が実行されるものであって、上述した決定ボタン操作処理22(図732のF3315参照)に対して、調整期間中フラグ223sxがオンに設定されていない状態、即ち、光量調整や音量調整が実行されていない状態で決定ボタン(中ボタン)600aを操作した場合に実行される処理を追加した点で相違し、それ以外は同一である。同一の処理内容については、同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
決定ボタン操作処理23(F3332)が実行されると、まず、期間調整中フラグ223vxがオンに設定されているかを判別し(F3351)、オンに設定されていないと判別した場合、即ち、光量調整や音量調整が実行されていない状態で遊技者が決定ボタン(中ボタン)600aを操作(押下)したと判別した場合は(F3351:No)、演出カスタム実行処理23を実行し(F3371)、その後、本処理を終了する。一方、F3351の処理において、期間調整中フラグ223vxがオンに設定されていると判別した場合は(F3351;Yes)、上述した第22制御例の決定ボタン操作処理22(図732のF3315参照)と同一のF3352〜F3357の処理を実行し、本処理を終了する。
ここで、図753を参照して、演出カスタム実行処理23(F3371)の処理内容について説明をする。図753は、演出カスタム実行処理23(F3371)の処理内容を示したフローチャートである。この演出カスタム実行処理23(F3371)では、演出カスタム状態、即ち、演出モードの選択操作を実行可能な状態を設定するための処理が実行される。
演出カスタム実行処理23(F3371)が実行されると、まず、現在が大当たりA変動中であるかを判別し(F3801)、大当たりA変動中であると判別した場合は(F3801:Yes)、プレミアムモードを選択可能にするか否かの抽選を実行し(F3802)、F3802の抽選で当選したかを判別する(F3803)。F3803の処理で当選したと判別した場合は(F3803:Yes)、演出カスタム操作で選択可能な対象である演出カスタム選択対象「プレミアムモード有り」(図738(b)参照)を決定し(F3804)、F3806の処理へ移行する。
一方、F3803の処理で非当選と判別した場合は(F3803:No)、演出カスタム選択対象「通常」(図738(a)参照)を決定し(F3805)、F3806の処理へ移行する。なお、F3801の処理において、大当たりA変動中では無い、即ち、演出モードとして「プレミアムモード」を選択可能とする条件を満たしていないと判別した場合は(F3801:No)、そのまま、F3805の処理へ移行し、演出カスタム選択対象「通常」(図738(a)参照)が決定される。
次に、F3806の処理では、演出カスタム中フラグ223waをオンに設定し(F3806)、演出カスタム中を示すための表示用コマンドを設定し(F3807)、本処理を終了する。
次に、図754を参照して、演出更新処理23(F2161)の処理内容について説明をする。図754は、演出更新処理23(F2161)の処理内容を示したフローチャートである。この演出更新処理23(F2161)は、上述した第22制御例にて実行される演出更新処理22(図734のF2111参照)に対して、変動演出に関する更新処理(変動演出更新処理23)を実行する点で相違しており、それ以外は同一である。同一の処理内容については同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
演出更新処理23(F2161)が実行されると、まず、上述した演出更新処理22(図734のF2111参照)と同一のF3501〜F3516の処理を実行し、次に、変動演出更新処理23を実行し(F3551)、その後、F3517の処理を実行し、本処理を終了する。
ここで、図755を参照して、変動演出更新処理23(F3551)の処理内容について説明をする。図755は、変動演出更新処理23(F3551)の処理内容を示したフローチャートである。この変動演出更新処理23(F3551)では、変動演出が実行されてからの経過時間に基づく処理が実行される。本第23制御例では、変動演出の演出態様の一部(後半期間に実行される予告演出の演出態様)を、変動演出の実行後(前半期間の経過時点)に設定可能に構成している。このように構成することで、変動演出が実行された後に、演出態様の決定条件の一部(演出モード種別)が変更されたとしても、実行中の変動演出に設定される演出態様の一部を、変更された決定条件に対応させて設定することが可能となる。よって、変更された決定条件に対応した変動演出を即座に実行することができるため、演出モードを選択する操作(演出カスタム操作)を実行したにも関わらず、変更後の演出モードに対応した演出態様が決定されるまでに時間を要してしまい、遊技者の演出モードを変更しようとする意欲が低下してしまうことを抑制することができる。
変動演出更新処理23(F3551)が実行されると、まず、実行中の変動演出の演出パターンが「演出A」、或いは「演出B」であるかを判別する(F3901)。ここで、演出パターン「演出A」、「演出B」は、変動演出の後半期間における予告演出の演出態様を前半期間経過時に決定することが予め規定されている演出パターンである。
F3901の処理において、演出パターン「演出A」、「演出B」であると判別した場合は(F3901:Yes)、次に、前半期間終了のタイミングであるかを判別し(F3902)、前半期間終了のタイミングであると判別した場合は(F3902:Yes)、後半予告設定済フラグ223wdがオンに設定されているかを判別する(F3903)。
F3903の処理において、後半予告設定済フラグ223wdがオンに設定されていると判別した場合、即ち、前半期間中において、演出モードの変更操作(演出カスタム操作)が実行され、その実行タイミングにおいて既に後半予告演出の演出態様(予告態様)が決定されていると判別した場合は(F3903:Yes)、後半予告設定済フラグ223wdをオフに設定し(F3907)、後半予告情報格納エリア223weに格納されている後半予告演出の演出態様を示す情報を読み出し(F3908)、後半予告演出の演出態様を示すための表示用コマンドを設定し(F3906)、本処理を終了する。
一方、F3903の処理において、後半予告設定済フラグ223wdがオンに設定されていないと判別した場合、即ち、前半期間中において、演出モードの変更操作(演出カスタム操作)が実行されていないと判別した場合は(F3903:No)、カスタム情報格納エリア223wbから現在のカスタム情報(演出モード)を特定し(F3904)、特定したカスタム情報(演出モード)に基づいて、後半予告演出選択テーブル222wbを参照して後半予告演出の演出態様を決定し(F3905)、後半予告演出の演出態様を示すための表示用コマンドを設定し(F3906)、本処理を終了する。
また、F3901の処理において、演出パターン「演出A」、「演出B」では無いと判別した場合、即ち、実行中の変動演出の演出パターンが、変動演出中に新たな演出態様を決定可能な演出パターンでは無いと判別した場合(F3901:No)、或いは、現在が、前半期間終了のタイミングでは無いと判別した場合(F3902:No)は、後半予告演出に関する演出態様を設定すること無く、本処理を終了する。
<第24制御例>
次に、図756から図782を参照して、第24制御例について説明をする。本第24制御例におけるパチンコ機10は、上述した第22制御例におけるパチンコ機10に対して、同一の確率状態(低確率状態、或いは、高確率状態)において特別図柄抽選で大当たり当選する確率を異ならせて設定可能な設定変更機能を有している点と、音声出力装置226に第3図柄表示装置81の表示面に表示される各種キャラクタに対応したボイスデータを予め記憶させておき、音声ランプ制御装置113から出力されるボイスコマンドに基づいて、パチンコ機10から出力される音声(ボイス)の種別を切り替え可能に構成している点と、で大きく相違している。さらに、実行される演出に関しては、設定変更機能によって設定された設定値を遊技者に示唆可能な設定示唆演出と、第3図柄表示装置81の表示面に表示される保留図柄(表示領域HR2に表示される第1保留図柄hr1〜第4保留図柄hr4)の表示位置がシフトされる際に対象となる保留情報に大当たり情報が含まれているか否かを示唆可能な保留シフト演出と、を実行可能に構成している点で相違している。
従来より、パチンコ機10の遊技には様々なキャラクタが用いられており、その中で特定のキャラクタの音声(ボイス)を用いて、遊技状況を案内したり、賑やかしの音声を出力したりすることで、演出効果を高めているものがある。しかしながら、常に特定のキャラクタの音声(ボイス)が出力されるだけでは、長時間遊技を行っている遊技者は出力されるボイスの種別に馴れてしまい、演出効果が低下してしまうという問題があった。
また、出力される音声の内容(セリフ)が同一の場合、その音声が示す遊技に対する意味合いが常に同一であるため、音声の内容(セリフ)についても、長時間遊技をしている遊技者は飽きてしまい、演出効果が低下してしまうという問題があった。
これに対して、本第24制御例では、特別図柄抽選の結果を示すための第3図柄が停止表示された場合に、その停止表示された第3図柄の組合せに基づいて、異なる種別のボイスで音声を出力可能に構成している。このように構成することで、特別図柄抽選の結果に基づいて様々な種別のボイスを出力することが可能となるため、長時間遊技を実行している遊技者に対しても演出効果が低下することを抑制することができる。
さらに、本第24制御例では、停止表示された第3図柄の組合せに基づいて出力される音声の内容(セリフ)を決定可能に構成している。具体的には、大当たり当選した場合に停止表示される第3図柄の組合せ(ぞろ目)や、リーチハズレで停止表示される第3図柄の組合せや、リーチ状態になること無く停止表示される第3図柄の組合せ(バラケ目)によって、異なる内容の音声を出力可能に構成している。このように構成することで、出力される音声の内容(セリフ)が単調になることを抑制することができる。
加えて、特別図柄抽選の結果が遊技者に不利となる抽選結果(外れ)である場合において、遊技者に特典(設定示唆)を付与可能な音声(セリフ)を出力可能に構成している。このように構成することで、特別図柄抽選の結果が遊技者に不利となる抽選結果(外れ)であったとしても、遊技者に有利な特典を付与することができるため、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができる。
さらに、大当たり当選期待度の高い演出(例えば、特定図柄(7図柄)でのリーチ演出)が実行されたにも関わらず、大当たり当選していなかった場合、つまり、遊技者に対して大当たり当選している可能性が極めて高い演出が実行されたにも関わらず、演出結果が外れとなった場合において、遊技者により有利となる特典(例えば、設定報知)を付与可能に構成している。このように構成することで、特別図柄抽選の結果が遊技者に不利となる抽選結果(外れ)であったとしても、遊技者に有利な特典を付与することができるため、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができる。
また、本第24制御例では、特別図柄抽選の結果を示すための識別情報(数字アイコン)と、キャラクタとで1つの第3図柄が形成されるように構成しており、その組合せを切り替え可能に構成している。つまり、特定の数字アイコン(例えば、7)に付随するキャラクタの種別を異ならせることが可能に構成している。そして、音声として出力されるセリフの内容として、第3図柄に付随するキャラクタを示唆するセリフを出力可能に構成している。
このように構成することで、同一のキャラクタを示唆するセリフが出力された場合であっても、そのキャラクタに付随する数字アイコンの種別を異ならせることにより、そのセリフの意味合いを大きく異ならせることができる。よって、長時間遊技を行っている遊技者に対して、同一内容のセリフが出力された場合において、そのセリフが示唆するキャラクタが有利なキャラクタであるか否かを予測する楽しみを提供することができる。
加えて、本第24制御例では、第3図柄の停止表示態様に対応させてボイス種別が決定されるように構成し、特定の停止表示態様(大当たり当選を示す第3図柄の停止表示態様)に基づいてボイス種別が決定された場合には、そのボイス種別に基づく音声出力を特定期間継続させるか否かを遊技者に選択させることが可能に構成している。このように構成することで、遊技者がお気に入りのキャラクタが付された第3図柄が大当たり当選を示す表示態様で停止表示された場合には、お気に入りのキャラクタのボイス種別に基づく音声出力を長時間実行させることが可能となる。
まず、図756を参照して、本第24制御例におけるパチンコ機10の背面側の構造について説明をする。図756は、第24制御例のパチンコ機10の背面側の構成を模式的に示した背面図である。図756に示した通り、本第24制御例のパチンコ機10は、上述した第22制御例のパチンコ機に対して、設定値を表示させることが可能な設定値表示装置110aと、設定変更動作(および設定確認動作)を受け付ける状態と、受け付けない状態(通常遊技状態)とを切り替えることが可能な設定キー110bと、設定変更動作を受け付ける状態(設定変更状態)において操作者(例えば、パチンコ機10を設置しているホールの店員)の操作に応じてパチンコ機10の設定値を変更することが可能な設定スイッチ110cと、で少なくとも構成されている設定変更機構を主制御装置110に設けている点で相違している。それ以外の構成は同一であり、同一の構成については同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
ここで、図757を参照して、設定変更機構を用いた設定変更の方法、および設定確認の方法について、詳細に説明をする。まず、図757(a)〜(d)を参照して、設定変更機構を用いたパチンコ機10の設定変更手順について説明する。図757(a)〜(d)に示した通り、パチンコ機10の設定を変更するためには、まず、パチンコ機10の電源が遮断された状態において、設定キー110bを時計回りに回動することによりON位置へと回動させる(図757(a)参照)。つまり、設定変更を行うためには、まず、パチンコ機10の電源を遮断しておく必要がある。次に、設定キー110bをON側に回動させた状態でRAMクリアスイッチ122をオンにしてパチンコ機10の電源を投入する(図757(b)参照)。これにより、電源投入後のパチンコ機10の状態が設定変更中であることを示す設定変更状態に設定される。設定変更状態になると、4桁の7セグメントディスプレイで構成された設定値表示装置110aの各桁に対して、「−」が表示される。この表示内容により、設定変更状態に正常に遷移したということを操作者(例えば、ホールの店員)に対して容易に理解させることができる。
設定変更状態に移行すると、設定スイッチ110cを押下する毎に、設定値が1ずつ切り替わる(図757(c)参照)。なお、本第24制御例では、設定1〜3の3種類の設定値が設けられており、数値が大きくなる程大当たり確率が高くなるように構成されている。即ち、設定1の大当たり確率が最も低く(例えば、低確率状態で1/262、高確率(確変)状態で1/65)、設定3の大当たり確率が最も高くなる(例えば、低確率状態で1/218、高確率状態で1/55)ように構成されている。設定変更状態では、設定スイッチ110cを押下する毎に、設定が1→2→3→1・・・といった具合に変更されていく。また、設定値が3の状態で設定スイッチ110cが押下された場合は、設定値が1に戻るようにロータリー式で構成されている。また、設定スイッチ110cが押下される毎に、設定値表示装置110aに対して現在の設定値を示す数字が表示される。なお、図757(c)は、設定値が「3」に設定されている状態における表示態様を示した図である。図757(c)に示した通り、設定スイッチ110cに対する押下操作によって設定値が3に切り替えられると、設定値表示装置110aにおける下1桁に対して、設定3を示す「3」という数字が表示される。
操作者が所望の設定値への切り替え動作を完了した後は、設定キー110bを反時計回りに回動させて設定キー110bをOFF位置に配置させることにより、設定変更状態が終了する(図757(d)参照)。なお、設定キー110bは、鍵型のキー部と、キー部に合致する鍵穴形状の鍵穴部と、で構成されており、キー部を取り外すことができる。これにより、操作者(例えば、ホールの店員)が設定変更動作を行う際にのみキー部を鍵穴部に挿入し、設定変更動作を終了した際にはキー部を取り外して保管しておくことができる。これにより、不正遊技者等が営業中にパチンコ機10の設定を不正に変更することを抑制することができるので、ホールに対して不測の不利益を被らせてしまうことを防止することができる。
そして、設定変更動作が終了することで、主制御装置110の初期設定処理が再開される。再開後の初期設定処理では、設定変更動作が完了したことを示す設定変更完了コマンドや、設定変更動作によって決定した設定値を示す設定値コマンドを音声ランプ制御装置113へと送信するための処理が実行される。また、設定変更動作が終了するまで待機される音声ランプ制御装置113の初期設定処理を再開させるためのコマンド(初期化コマンド)を送信するための処理が実行される。
次に、図757(e)〜(g)を参照して、設定確認を行ための手順(設定確認動作)について説明する。設定確認を行うためには、まず、設定変更動作と同様に、パチンコ機10の電源が遮断された状態において、設定キー110bをON位置に回動させる(図757(e)参照)。そして、RAMクリアスイッチ122をオンにせずに(即ち、オフの状態のままで)パチンコ機10の電源を投入することにより、設定確認状態に設定される(図757(f)参照)。設定確認状態に移行すると、設定値表示装置110aに対して現在設定されている設定値が表示される。図757(f)の例では、設定値として「3」が設定されている状態を示している。操作者による設定の確認が終了すると、設定キー110bをON側に回動することで設定確認状態が終了されて通常遊技が可能な状態に移行される(図757(g)参照)。
なお、本第24制御例では、設定キー110bと設定スイッチ110cとを別々に設ける構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、設定スイッチ110cを削除して、設定キー110bの回動量に応じて設定を変更することができるように構成してもよい。より具体的には、設定キー110bを60度回動させる毎に、設定が1→2→3→1・・・設定キー110bのキー部を鍵穴部から引き抜くことで通常遊技が可能な状態に戻すように構成してもよい。このように構成することで、設定変更機構の構成を簡素化することができるので、部品点数の削減を図ることができる。よって、パチンコ機10の原価率を低減させることができる。
本第24制御例では、図757に示した通り、パチンコ機10の背面側、即ち、遊技中の遊技者が視認し得ない位置に設定変更機構を設けている。よって、遊技中に設定変更機構が操作されてしまうことを確実に抑制することができる。また、実際に設定変更動作を行う場合には、パチンコ機10の背面側に設けられている設定キー110bや設定スイッチ110cを操作するために内枠12および正面枠14を開放する必要があるが、これらが開放した状態においては、内枠12および外枠14が開閉軸のみによって支持された比較的不安定な状態となる。このような状況にてパチンコ機10の電源を投入し、パチンコ機10に設けられた装飾用の役物の復帰動作が実行してしまうと、開閉軸等に過剰な負荷が掛ってしまい破損を招来してしまう可能性がある。
これに対して、本実施形態では、音声ランプ制御装置113の初期設定処理が待機される待機処理が終了した後に、役物の復帰動作が実行されるように構成している。つまり、設定変更動作中に役物の復帰動作が実行されることが無いように構成している。このように構成することで、設定変更動作中に役物の復帰動作が実行されてしまい、パチンコ機10が破損してしまう事態が発生することを抑制することができる。また、操作者が設定スイッチ110cを操作している最中に役物の復帰動作が実行される場合に比べて、設定変更動作中にパチンコ機10が振動し難くすることができるため、設定スイッチ110cの誤操作が発生し難くすることができる。
本実施形態では設定変更動作を実行する場合に、必ずRAMクリアスイッチ122をオンに設定するように構成しているため、例えば、遊技者に有利な確変状態が設定されている状態を維持したまま設定変更動作を行うことができない。つまり、設定変更操作が実行された後に設定される遊技状態が初期状態(通常状態)となる。よって、設定変更動作が行われた後に実行される遊技に対して、設定値に基づく大当たり確率の相違以外の遊技条件を統一することができるため、遊技者に対して公平な遊技を提供し易くすることができる。
<第24制御例における演出内容について>
次に、図758から図760を参照して、本第24制御例のパチンコ機10において実行される各種演出のうち特徴的な演出内容について説明をする。本第24制御例のパチンコ機10では、第3図柄表示装置81に停止表示された複数の第3図柄の表示態様の組合せに基づいて、異なるボイス種別で音声出力が実行されるボイス演出を実行可能に構成している。また、第3図柄表示装置81の表示面に表示される保留図柄(表示領域HR2に表示される第1保留図柄hr1〜第4保留図柄hr4)の表示位置がシフトされる際に対象となる保留情報に大当たり情報が含まれているか否かを示唆可能な保留シフト演出と、を実行可能に構成している。
まず、図758(a)を参照して、特別図柄変動の開始タイミングにおける演出例について説明をする。図758(a)は、特別図柄変動の開始タイミングにおける第3図柄と、スピーカー部308から出力される音声を示した図である。図758(a)に示した通り、本第24制御例では、変動演出に用いられる第3図柄の表示態様が、特別図柄抽選の結果を示すための識別情報である「数字部(数字アイコン)」と、装飾用のキャラクタ部(キャラアイコン)とから形成されるように構成しており、基本パターンとして、各数字部に対応させて異なるキャラアイコンが付された基本第3図柄が形成され、基本第3図柄を用いた変動演出が実行される。
基本第3図柄の表示態様を具体的に説明すると、数字アイコン「1」には、タコを模したキャラアイコンが付された第3図柄D1が基本第3図柄として形成され、数字アイコン「4」には、サメを模したキャラアイコンが付された第3図柄D4が基本第3図柄として形成される。なお、基本第3図柄の表示データは、表示制御装置114が有するキャラクタROM234に予め格納されており、基本第3図柄以外の表示態様である特殊第3図柄を用いるための専用コマンドが出力されない限り、基本第3図柄の表示態様を用いた変動演出が実行されるように構成している。このように構成することで、遊技者に対して、変動表示されるキャラアイコンを把握するだけで特別図柄抽選の結果を把握させ易くすることができるため遊技者に分かり易い演出を提供することができる。
ここで、本第24制御例では、基本第3図柄に代えて、数字アイコンの種別と、キャラアイコンの種別との組合せを異ならせた特殊第3図柄を変動表示可能に構成している。具体的には、図758(a)に示した通り、数字アイコン「3」に、タコを模したキャラアイコンが付された特殊第3図柄を表示可能に構成している。このように構成することで、変動表示される第3図柄に付されたキャラアイコンを確認するだけでは数字アイコンの種別(特別図柄抽選の結果を示すための識別情報)を把握することができない事象を発生させることができるため、遊技者に意外性のある変動演出結果を提供することができる。
さらに、本第24制御例では、表示画面上に表示されている第3図柄(基本第3図柄、特殊第3図柄)に付されているキャラアイコンの種別(キャラ種別)に対応させた音声を出力可能に構成しており、その音声を用いて、次変動にて停止表示される第3図柄に付されたキャラクタ種別を遊技者に示唆可能に構成している。加えて、特殊第3図柄が用いられる変動表示が実行される場合には、図758(a)に示した通り、その特殊第3図柄の表示態様を一旦遊技者に報知してから、変動演出を開始させるように構成している。このように構成することで、音声によって実行される示唆演出の演出結果を遊技者に予測させ易くすることができる。
具体的には、図758(a)に示した通り、特別図柄変動の開始に対応して変動演出が実行される場合には、前回の特別図柄変動に対応した第3図柄が停止表示されている状態から、変動演出が開始される。この場合に、特殊第3図柄を用いた変動演出が実行される場合には、第3図柄D3に示した通り、数字アイコン「3」にカメを模したキャラアイコンを付した特殊第3図柄を表示させた状態で変動演出が実行される。そして、スピーカー部308からは、今回実行される変動演出の演出結果を示すための第3図柄の停止表示態様を示唆するための示唆演出として「タコ君次は当たるかなー、カメ君いくよ」の音声が出力される。
この示唆演出によって、今回実行される変動演出の演出結果を示すための第3図柄の停止表示態様として、タコのキャラアイコン、又はカメのキャラアイコンが付された第3図柄が停止表示される可能性が高いことが遊技者に示唆される。遊技者は示唆演出として出力された音声の内容を把握することにより、大当たり当選を示す第3図柄が停止表示される可能性を算出しながら(予測しながら)遊技を行うことが可能となる。ここで、上述した通り、本第24制御例では、特殊第3図柄を表示可能に構成しているため、上述した示唆演出により遊技者に提供される内容(停止表示され得るキャラアイコン種別)に基づいて予想し得る第3図柄の停止表示パターンを増加させることが可能となり、遊技者に今後の遊技内容(演出結果)を予測する楽しみを増大させることができる。
さらに、特殊第3図柄が用いられる場合には、図758(a)に示した通り、変動演出が開始される前に、特殊第3図柄が用いられることを遊技者に報知可能な報知演出を実行可能に構成している。そして、報知演出として、実際に用いられる特殊第3図柄の表示態様の少なくとも一部を遊技者に報知可能に構成している。このように構成することで、特殊第3図柄の表示態様も含めて、示唆演出により遊技者に提供される内容(停止表示され得るキャラアイコン種別)に基づいて第3図柄の停止表示パターンを予測することが可能となるため、予測精度を高め易くすることができる。
なお、図758(a)に示した図では、特殊第3図柄が用いられることを示すために、実際に用いられる特殊第3図柄の表示態様を表示可能に構成しているが、これに限ること無く、基本第3図柄とは異なる組合せの特殊第3図柄が用いられた変動演出が実行されることを示すだけの報知演出(例えば、キャラシャッフル中の文字表示)を実行するように構成しても良い。
さらに、図758(a)に示した図では、特殊第3図柄が1種類表示される例を示しているが、1の変動演出において用いられる特殊第3図柄の種類を2種類以上としても良い。この場合、1の変動演出において用いられる特殊第3図柄の表示態様を、変動演出が開始されるよりも前に全て遊技者に報知可能に構成しても良いし、少なくとも一部のみを遊技者に報知可能に構成しても良い。
また、本第24制御例では、パチンコ機10の音声ランプ制御装置113が有するMPU221により実行される処理によって、特殊第3図柄を用いるか否か、或いは、用いられる特殊第3図柄の表示態様を決定するように構成しているが、これに限ること無く、遊技者が任意の組合せで特殊第3図柄を生成することができるように構成しても良い。
次に、図758(b)を参照して、音声出力を用いる別の演出内容について説明をする。図758(b)は、前回の変動演出の結果を示す第3図柄の停止表示態様が、特定の停止表示態様(7リーチハズレ)であった場合における、次変動中に実行される音声演出を示した図である。上述した通り、本第24制御例では、前回の変動演出の結果として停止表示された第3図柄に付されたキャラアイコン種別(キャラ種別)に応じた音声を用いた音声演出を、前回の変動演出が終了した後に実行可能に構成している。さらに、前回の変動演出の結果として停止表示された第3図柄の組合せに応じた特典を音声演出によって遊技者に付与可能に構成している。
具体的には、図758(b)は、前回実行された変動演出の結果が「7リーチ外れ」であるため、後述するボイスコマンド選択テーブル222xaを参照して選択されたキャラボイス(7リーチキャラ)が設定されている状態であるため、変動演出が実行されている間、表示領域HR30に、現在設定されている音声データ(キャラボイス)を示すための案内態様として「キャラボイス7キャラ」が表示されている。そして、スピーカー部308からは、「7リーチ外れ」に対応する音声演出として遊技者に付与される特典である設定示唆演出「今日の運勢は大吉だよ」の音声が出力される。
このように構成することで、次の変動演出が実行されたことにより、前回の変動演出にて停止表示された第3図柄の停止表示態様を視認できなくなったとしても、音声出力されているキャラボイスがどのキャラアイコンに対応したものであるかを遊技者に把握させ易くすることができる。
次に、特別図柄変動に対応させて実行される変動演出の演出結果を示すための第3図柄が停止表示された状態が継続する状態、即ち、次の特別図柄抽選が実行されない状態(待機状態))における音声演出の内容について、図759(a)を参照して説明をする。図759(a)は、待機状態中(デモ演出中)に実行される音声演出の内容を示した図である。図759(a)に示した通り、前回の変動演出の演出結果として数字アイコン「1」にタコを模したキャラアイコンが付された第3図柄D1と、数字アイコン「4」にサメを模したキャラアイコンが付された第3図柄D4と、数字アイコン「3」にカメを模したキャラアイコンが付された第3図柄D3と、が停止表示された状態で待機状態が設定されると、通常であれば、停止表示されている3つの第3図柄のうち、左側の図柄列(最初に停止表示される図柄列)に停止表示された第3図柄D1に付されたキャラ種別に対応するキャラボイス(ボイスデータ)で待機状態中における音声演出が実行される。このように、待機状態中に出力される音声のボイスデータを、停止表示されている第3図柄(前回の変動演出の演出結果を示すために停止表示された第3図柄)の種別に応じて異ならせることができるため、遊技者に対して多彩な演出(音声演出)を実行することができ、演出効果を高めることができる。
本第24制御例では、上述した通り、実行される音声演出に用いられるボイスデータの種別を、停止表示された第3図柄に付されたキャラクタ種別に応じて異ならせることができるように構成している。そして、第3図柄が停止表示される毎にボイスデータの種別が切り替わってしまうことを抑制するために、音声出力に用いられるボイスデータを所定条件が成立するまで固定可能に構成している。具体的には、大当たり当選を示す表示態様で第3図柄が停止表示された場合には、その第3図柄に対応するキャラ種別のボイスデータを用いた音声出力を、次に大当たり図柄が停止表示されるまでの間、継続して実行可能に構成している。つまり、大当たり当選を示す表示態様で第3図柄が停止表示された場合には、大当たり当選以外を示す表示態様で第3図柄が停止表示された場合とは異なる特典として、同一のボイスデータを継続して出力可能とする特典を付与可能に構成している。
このように構成することで、遊技者が所望するお気に入りのキャラクタ種別が付された第3図柄で大当たりすることを遊技者に期待させながら遊技を行わせることができる。また、特別図柄抽選が実行される毎にボイスデータが切り替わってしまい、統一性の無い音声演出が実行され演出効果が低下してしまうことを抑制することができる。
図759(b)に示した通り、ボイスデータが固定されている場合には、主表示領域Dmの右側の表示領域HR30に現在設定されているボイスデータを示すための表示態様として「キャラボイス7キャラ」が表示されると共に、その上方に形成される表示領域HR31に、ボイスデータが固定されている状態であることを示すための「ボイス固定中」の表示態様が表示される。これにより、現在が「7キャラ」に対応するボイスデータが固定されていることを遊技者に分かり易く把握させることができる。
さらに、表示領域HR32には、ボイスデータが固定されている状態を解除するための遊技方法(操作方法)を案内するための表示態様として、演出ボタン22を模したボタンアイコンを表示し、「ボタン押下でボイス固定解除出来るよ」の文字が表示される。これにより、現在固定されているボイスデータに基づく音声出力を解除可能であることを遊技者に分かり易く報知することができる。
図759(b)に示した例では、7キャラに対応する第3図柄で大当たり当選し、「7キャラ」のボイスデータが固定されているため、大当たり遊技終了後に複数回特別図柄抽選を実行し、前回の変動演出の演出結果として数字アイコン「1」にタコを模したキャラアイコンが付された第3図柄D1と、数字アイコン「4」にサメを模したキャラアイコンが付された第3図柄D4と、数字アイコン「3」にカメを模したキャラアイコンが付された第3図柄D3と、が停止表示された状態で待機状態が設定された場合であっても、その待機状態中に「7キャラ」のボイスデータを用いた音声演出が実行される。
詳細は後述するが、本制御例では、「7キャラボイス」を用いた音声演出が実行される場合には、特典としてパチンコ機10に設定されている設定値を示唆可能な設定示唆演出を実行可能に構成しているため、待機状態中実行される音声演出の一部において設定示唆演出が実行される場合がある。設定示唆演出が実行された場合には、図759(b)に示した通り、図758(b)に示した例と同様にスピーカー部308から「今日の運勢は大吉だよ」という音声が出力され、設定値が遊技者に有利な設定値であることを報知している。
このように、本第24制御例では、第3図柄の停止表示態様に応じて異なるボイスデータで音声演出を実行するだけで無く、第3図柄の停止表示態様の種別に応じ専用の特典を付与することができるため、停止表示される第3図柄の表示態様に応じた演出を実行可能となり、演出効果を高めることができる。
次に、図760を参照して、本第24制御例における保留図柄を用いた演出(先読み演出)のうち、保留図柄の表示位置が移行(シフト)する際に実行される保留シフト時チャンス演出の演出内容について説明をする。図760(a)は、保留変化演出の実行対象となる保留図柄が表示領域HR2に表示されている画面(保留変化前兆表示画面)であって、特別図柄変動が実行されている状態に表示される表示画面の一例を示した図であって、図760(b)は、保留変化演出の実行対象となる保留図柄が表示領域HR2に表示されている画面(保留変化前兆表示画面)であって、特別図柄変動が実行されていない状態(特別図柄が停止表示されている状態)に表示される表示画面の一例を示した図であって、図760(c)は、保留変化演出の実行対象となる保留図柄が表示位置をシフトする場合に実行される保留シフト時チャンス演出の一例を示した図であって、図760(d)は、保留変化演出の実行対象となる保留図柄が表示位置をシフトする場合に実行される保留シフト時チャンス演出の一例を示した図である。
上述した第22制御例では、保留変化演出が実行されるまで、保留変化演出の対象となる保留図柄を遊技者が把握し難くなるように、保留変化演出が実行されるまでは、保留図柄の表示態様を保留変化演出の対象とならない保留図柄の表示態様と同一の表示態様を用いていた。これに対して、本第24制御例では、保留変化演出の対象となる保留図柄を、保留変化演出が実行されるよりも前に、遊技者が識別可能となるように専用の表示態様(前兆表示態様)を設定可能に構成している。
具体的には、図760(a)に示した通り、上述した第22制御例と同様に、通常の保留図柄は、色付きの表示態様(第1保留図柄hr1、第2保留図柄hr2、第4保留図柄hr4)で表示されるが、保留変化演出の対象となる保留図柄に対しては、通常の表示態様とは異なる表示態様として、第3保留図柄hr3に示したとおり、渦巻き状の表示態様(前兆表示態様)で表示されるように構成している。このように構成することで、保留変化演出が実行されるよりも前に、保留変化演出が実行される可能性があることを遊技者に示唆することができるため、演出効果を高めることができる。
さらに、図760(a)に示した通り、前兆表示態様は、特別図柄変動が実行されている最中、即ち、保留図柄の表示位置が移行(シフト)しない間、右回りに回転表示されるように構成している。このように前兆表示態様を動的表示(回転表示)させることにより、静的表示(停止表示)されている通常の保留図柄との違いを遊技者に分かり易くすることができる。
そして、図760(b)に示した通り、実行中の特別図柄変動が停止表示され、新たな特別図柄変動(第1保留図柄hr1に対応する保留情報(入賞情報)を用いた特別図柄変動)が実行される場合には、上述した第22制御例と同様に、各保留図柄の表示位置をシフトする(第1保留図柄hr1が、実行中保留図柄が表示される表示領域HR1(図672参照)へとシフト移動し、次いで、表示領域HR2に表示される各保留図柄の表示位置が一つ左にシフト移動する)演出が実行される。
ここで、特別図柄変動の変動時間は、特別図柄抽選の結果に応じて様々な変動時間が設定されるように構成しているため、特別図柄変動が停止表示されるタイミングにおける前兆保留図柄の表示態様が異なってしまう事象が発生する。具体的には、前兆表示態様が第1態様から第2態様を経て第1態様へと動的表示される表示態様を繰り返し実行するものであれば、特別図柄変動が停止表示されるタイミングにおいて、前兆保留図柄が第1態様で表示されている場合もあれば、第2態様で表示されている場合もある。
本第24制御例では、動的(回転)表示される前兆表示態様が付された前兆保留図柄を、特別図柄変動の停止表示タイミングで静的(停止)表示させるように構成している。具体的には、動的表示されている前兆表示態様を、所定の初期停止態様(第1態様)で表示させるように構成している。そして、保留図柄をシフト移行させる演出を実行する場合には、前兆表示態様の保留図柄に対して、初期停止態様(第1態様)の状態から様々な動作演出が実行される演出パターンを設定可能に構成している。
このように構成することで、保留図柄のシフト演出を実行する場合に設定される演出パターンを、初期停止態様から開始される演出パターンのみとすることができるため、保留図柄のシフト移行時における前兆表示態様の動的位置(動作位置)に対応させて演出パターンを設ける場合に比べて、少なくすることができる。
詳細な説明は後述するが、本第24制御例では、前兆保留図柄がシフト移行する際に保留シフト時チャンス演出を実行可能に構成しており、保留シフト時チャンス演出として設定される演出態様の種別に応じて、大当たり当選の期待度や、設定値を遊技者に示唆可能に構成している。つまり、動的表示されている前兆保留図柄を停止表示させるタイミングよりも、前兆保留図柄がシフト移行するタイミングの方が、遊技者が前兆保留図柄を注視することになる。よって、特別図柄変動が停止表示されるタイミングにおいて前兆保留図柄がどの態様で表示されているかに関わらず強制的に初期停止態様(第1態様)で停止表示させたとしても、遊技者に違和感を与え難くすることができる。
なお、本第24制御例では、特別図柄変動が停止表示されるタイミングにおける前兆保留図柄の表示態様に関わらず、特別図柄変動が停止表示されると、前兆保留図柄を強制的に初期停止態様で停止表示させるように構成し、前兆保留図柄がシフト移行する際には、初期停止態様から開始される演出パターンを設定するように構成しているが、これに限ること無く、例えば、初期停止態様として少なくとも2種類の停止態様(第1初期停止態様、第2初期停止態様)を設定可能に構成し、特別図柄変動が停止表示されるタイミングにおける前兆保留図柄の表示態様に基づいて、何れかの初期停止態様を設定するように構成し、前兆保留図柄がシフト移行する際に実行される演出パターンとして、第1初期停止態様から開始される演出パターンと、第2初期停止態様から開始される演出パターンと、を設定可能に構成しても良い。このように構成することで、動的表示している前兆保留図柄を停止表示させる際にも遊技者に違和感を与え難くすることができる。
さらに、特別図柄変動が停止表示される直前から、前兆保留図柄がシフト移行されるまでの間の期間(例えば、特別図柄の確定表示期間)において、動的表示中の前兆保留図柄が初期停止態様に対応する第1態様で表示されたと判別した場合に、前兆保留図柄を停止表示させるように構成しても良い。つまり、特別図柄変動の停止表示タイミングと前兆保留図柄の停止表示タイミングとをズラすことで、違和感無く前兆保留図柄の動的表示を終了させるように構成しても良い。この場合、特別図柄の確定表示期間よりも、前兆保留図柄の動的表示期間(第1態様から動的表示され、再度第1態様となるまでの期間)の方が短くなるように構成すると良い。このように構成することで、特別図柄が確定表示されている期間内において、前兆保留図柄を第1態様で違和感無く停止表示させることができる。
図760(c)は、保留シフト時チャンス演出の演出態様として「ジャンプ」が設定された場合における表示領域HR2付近の表示画面の一例を示した図である。図760(c)に示した通り、保留シフト時チャンス演出が実行されると、前兆保留図柄のみ、他の保留図柄とは異なる演出態様(動的表示態様)でシフト移行する。図760(c)では、前兆保留図柄である第3保留図柄hr3が、表示領域HR2の上方へ飛び出した後、シフト先の表示位置へと移動する演出態様を示している。つまり、前兆保留図柄のみ、他の保留図柄よりも移動距離が長くなる演出態様を示している。よって、保留シフト時チャンス演出の演出態様として「ジャンプ」が設定された場合には、前兆保留図柄が表示領域HR2の外部を移動している間に、他の保留図柄がシフト先の表示位置(表示領域)への移行が完了し、次いで、前兆保留図柄がシフト先の表示位置(表示領域)へと移行する演出が実行される。
このように構成することで、通常の保留図柄と、前兆保留図柄とで、表示位置(表示領域)のシフト移行が完了するタイミングを異ならせることができるため、遊技者に対して、前兆保留図柄の演出態様をより注視させることができる。また、通常の保留図柄よりも、前兆保留図柄の方が、表示位置(表示領域)のシフト移行が完了するタイミングを遅らせている。即ち、前兆保留図柄がシフト移行するのに要する期間を、通常の保留図柄がシフト移行するのに要する期間よりも長くなるように構成しているため、保留シフト時チャンス演出の演出期間をより長くすることができる。
次に、図760(d)は、保留シフト時チャンス演出の演出態様として「高速」が設定された場合における表示領域HR2付近の表示画面の一例を示した図である。図760(d)に示した通り、保留シフト時チャンス演出が実行されると、前兆保留図柄のみ、他の保留図柄とは異なる演出態様(動的表示態様)でシフト移行する。図760(d)では、前兆保留図柄である第3保留図柄hr3が、他の通常保留図柄よりも早く、シフト先の表示位置へと移動する演出態様を示している。よって、保留シフト時チャンス演出の演出態様として「高速」が設定された場合には、他の保留図柄がシフト先の表示位置(表示領域)への移行が完了するよりも前に、前兆保留図柄がシフト先の表示位置(表示領域)へと移行するため、同一の表示位置(表示領域)に、複数(2つ)の保留図柄(の少なくとも一部)が一時的に表示されることになる。このように構成することで、遊技者に対して、違和感を与えることができ、演出効果を高めることができる。
なお、本第24制御例における前兆保留図柄の表示態様を、上述した第22制御例において適用しても良い。このように構成することで、保留変化演出の対象となる保留図柄を遊技者に分かり易く報知することができる。
また、本第24制御例において、上述した第22制御例と同様に前兆保留図柄を用いること無く、シフト時チャンス演出の実行タイミングにおいて、対象となる保留図柄のみシフト移行時の演出態様として、図760(c)、図760(d)に示した演出態様を設定可能に構成しても良い。このように構成することで、遊技者に対して意外性のある演出を提供することができる。
また、本第24制御例では、前兆保留図柄のみシフト時チャンス演出を実行可能に構成しているが、これに限ること無く、前兆保留図柄にてシフト時チャンス演出が実行される場合に、同一の演出態様を用いて、他の保留図柄もシフト移行するように構成しても良い。このように構成することで、表示領域HR2に表示されている複数の保留図柄に対して通常とは異なる演出態様(「ジャンプ」、「高速」)を設定することができるため、遊技者に対してシフト時チャンス演出が実行されたことを分かり易く報知することができる。
<第24制御例における電気的構成について>
次に、図761を参照して、本第24制御例におけるパチンコ機10の電気的構成について説明する。図761は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。図761に示した通り、本第24制御例におけるパチンコ機10の電気的構成は、上述した第22制御例におけるパチンコ機10の電気的構成(図687参照)に対して、主制御装置110のMPU201にバスライン204を介して接続されている入出力ポート205に、設定値表示装置110a、設定スイッチ110c、設定キー110bが接続され、MPU201は設定キー110bや設定スイッチ110cへの操作に応じて出力される信号に基づいて設定値を変更する処理や、設定値を表示する処理を実行する点で相違している。なお、設定キー110bや設定スイッチ110cを用いた各種操作の内容や、設定値表示装置110aに表示される表示内容については、図757を参照して上述したため、その説明を省略する。
次に、図762を参照して、本第24制御例のパチンコ機10における音声出力装置226の電気的構成について説明をする。図762は、音声出力装置226の電気的構成を簡易的に示したブロック図である。図762に示した通り、音声出力装置226は、音声ランプ制御装置113とデータの送受信が可能に接続されている。
図762に示した通り、音声出力装置226は、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU301が搭載されている。MPU301には、当該MPU301により実行される各種の制御プログラムや固定値データ(ボイスデータ)を記憶したROM302と、そのROM302内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM203とが内蔵されている。
音声出力装置226のMPU301は、入出力ポート305、および音声合成部306と電気的に接続されている。音声ランプ制御装置113から音声出力装置226に対して、音声データを指定するコマンドを受信した場合には、そのコマンドが入出力ポート305を介してMPU301へ入力される。また、音声ランプ制御装置113によって指定された音声データは、ROM302から読み出されて、音声合成部306の、音声種別に対応するチャンネルに対して出力される。
音声合成部306は、各チャンネルに入力された音声データを合成して、合成音声データとしてアンプ部307へと出力する公知の音声合成LSIで構成されている。合成音声データは、アンプ部307によって増幅され、スピーカー部308に入力される。これにより、スピーカー部308から、音声ランプ制御装置113によって指定された各種音声を出力することができる。なお、本第24制御例では、音声合成部306によって生成された合成音声データを、アンプ部307だけでなく、公知のAC−DCコンバータで構成されたADC309に対しても入力する構成としている。このADC309は、アナログデータである合成音声データを、デジタルデータに変換してMPU301に対して出力可能に構成されている。
より具体的には、ADC309は、比較器309a1〜309a15と、デコード部309bとを少なくとも有している。各比較器309a1〜309a15は、それぞれ受信したアナログデータの振幅(電圧)が、各比較器309a1〜309a15に対応する電圧よりも大きいか否かを判別することができる。なお、各比較器309a1〜309a15に対応する電圧としては、7ボルトから−7ボルトまでの範囲で1ボルトずつ設定されている。各比較器309a1〜309a15は、対応する電圧値よりも合成音声データの電圧値の方が大きい場合に、Lを出力し、合成音声データの方が小さければHを出力する構成となっている。
デコード部309bは、各比較器309a1〜309a15の出力の組み合わせから、今回の合成音声データの電圧値の範囲を特定して、4ビットのデジタル値に変換する。即ち、電圧が低い範囲の順に、「0000B」から「1111B」までのデジタル値に変換する。具体的には、例えば、合成音声データの電圧値が7ボルトよりも大きい場合には、デジタル値として「1111B」が出力される。また、例えば、合成音声データの電圧値が3ボルトより大きく、4ボルト以下である場合には、デジタル値として「1011B」が出力される。
MPU301では、ADC309から出力された合成後の音声データを所定期間(例えば、0.1秒間)に渡ってサンプリングして、その平均値(平均の振幅)を音声ランプ制御装置113に対して出力する構成としている。音声ランプ制御装置113は、受信した平均の振幅から、対応する振動強度(DUTY比)を特定する。そして、その特定した振動強度(DUTY比)で音声ランプ制御装置113の入出力ポート225に接続されている駆動モータ770のうち、振動付与用モータ(図示せず)を駆動させるための動作コマンドをモータ制御用ICに対して設定する。これにより、スピーカー部308から出力される音声に合わせて、振動強度を可変させることができるので、臨場感のある演出を提供することができる。
なお、本第24制御例では、ADC309から出力されたデジタル値をMPU301に出力する構成としているが、直接入出力ポート305に対して出力することで、デジタル値をそのまま音声ランプ制御装置113に対して出力する構成としてもよい。そして、振動演出を伴う変動演出を実行する場合には、音声ランプ制御装置113側において、デジタル値を所定期間(例えば、0.1秒間)に渡ってサンプリングすることで平均の振幅を算出する構成としてもよい。そして、算出した平均の振幅に応じた振動強度(DUTY比)をモータ制御用ICに対して動作コマンドで通知する構成としてもよい。これにより、MPU301の処理負荷を軽減することができる。
本第24制御例では、合成音声データを、振幅の絶対値の平均値に変換して、その平均値に基づいて振動強度(DUTY比)を特定する構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、サンプリングを行う所定期間(例えば、0.1秒間)における絶対値の最大値を、音声出力装置226から音声ランプ制御装置113に対して出力する構成としてもよいし、実効値(振幅の最大値を2の平方根で除算した値)を算出して音声出力装置226から音声ランプ制御装置113に対して出力する構成としてもよい。
また、音声ランプ制御装置113から出力されるボイスコマンドに対応させて、振動付与用モータを駆動させるための動作コマンドの種別を可変設定するように構成しても良く、例えば、高い音域のボイスデータを指定するためのボイスコマンドが設定された場合には、短い振幅に応じた振動強度を動作コマンドとして設定し、低い音域のボイスデータを指定するためのボイスコマンドが設定された場合には、長い振幅に応じた振動強度を動作コマンドとして設定するように構成しても良い。
このように構成することで、ボイスデータの種別を異ならせたことにより実行される音声出力に対して、より明確な差を設けることができる。
次に、図763を参照して、本第24制御例における主制御装置110のMPU201が有するROM202の構成のうち、特別図柄大当たり乱数テーブル202xaの内容について説明をする。本第24制御例のパチンコ機10における主制御装置110のMPU201が有するROM202は、上述した第22制御例のパチンコ機10における主制御装置110のMPU201が有するROM202に対して、特別図柄抽選の当否判定(大当たり判定)を決定する際に参照されるデータテーブルを異ならせている点で相違し、それ以外は同一である。同一の要素についてはその詳細な説明を省略する。
ここで、図763を参照して、特別図柄大当たり乱数テーブル202xaに規定されている内容について説明をする。この特別図柄大当たり乱数テーブル202xaは、特別図柄の抽選を実行する際に参照されるデータテーブルであり、大当たりと判定される第1当たり乱数カウンタC1の値の範囲が、特別図柄の状態、および設定値毎に規定されている。図763は、この特別図柄大当たり乱数テーブル202aの規定内容を示した図である。
図763に示した通り、特別図柄の低確率状態において特別図柄の大当たりと判定される乱数値(カウンタ値)として、設定値「1」に対して「0〜249」の250個が設定され、設定値「2」に対して「0〜274」の275個が設定され、設定値「3」に対して、「0〜299」の300個が設定されている。一方、図763に示した通り、確変遊技状態(特別遊技状態)において特別図柄の大当たりと判定される乱数値(カウンタ値)としては、設定値「1」に対して「0〜999」の1000個が設定され、設定値「2」に対して「0〜1099」の1100個が設定され、設定値「3」に対して「0〜1199」の1200個が設定されている。
本第24制御例では、第1当たり乱数カウンタの取り得る値が「0〜65535」の65536通りであることから、設定「1」が設定されている場合であって、特別図柄の低確率状態では大当たり当選する確率(大当たり確率)が約1/262となり、特別図柄の高確率状態では大当たり確率が約1/65となる。また、設定「2」が設定されている場合であって、特別図柄の低確率状態では大当たり確率が約1/238となり、特別図柄の高確率状態では大当たり確率が約1/60となる。また、設定「3」が設定されている場合であって、特別図柄の低確率状態では大当たり確率が約1/218となり、特別図柄の高確率状態では大当たり確率が約1/55となる。
よって、設定「1」が最も大当たり当選し難い設定値(不利設定値)となり、設定「3」が最も大当たり当選し易い設定値(有利設定値)となる。そして、上述した通り、本第24制御例では、何れの設定値が設定されている場合であっても、特別図柄の低確率状態における大当たり確率に対して特別図柄の高確率状態における大当たり確率が4倍となるように構成している。つまり、何れの設定値が設定されている場合であっても、特別図柄の低確率状態から特別図柄の高確率状態へと移行した場合に、同一の特典(大当たり当選し易くするための特典)を遊技者に提供するように構成している。このように構成することで、複数段階の設定値を設定可能に構成したパチンコ機10において、特別図柄の確率状態が切り替わる際に付与される特典を設定値に関わらず均一にすることができるため、設定値に応じて遊技内容が過剰に異なってしまうことを抑制することができる。
なお、設定値に応じて、特別図柄の低確率状態から特別図柄の高確率状態へと移行した場合に付与される特典内容を異ならせても良く、例えば、設定「1」よりも設定「3」のほうが、特別図柄の低確率状態から特別図柄の高確率状態へと移行した場合における大当たり確率の可変度合いが大きくなるように構成しても良く、設定「1」の場合は、特別図柄の低確率状態における大当たり確率に対して特別図柄の高確率状態における大当たり確率が4倍となり、設定「3」の場合は、特別図柄の低確率状態における大当たり確率に対して特別図柄の高確率状態における大当たり確率が6倍となるように構成しても良い。このように構成することで、不利設定である設定「1」に対する有利設定である設定「3」の有利度合いをより大きくすることができるため、遊技者に対して、有利な設定値が設定されているパチンコ機10にて遊技を行おうと意欲的に遊技を行わせることができる。
本第24制御例では、パチンコ機10に設けられた設定値を3段階としているが、これに限ること無く、設定値を2段階にしても良いし、4段階以上(例えば、6段階)にしても良い。さらに、本第24制御例では、特別図柄の大当たり確率に設定差を設けているが、これに限ること無く、例えば、大当たり確率や小当たり確率や確変状態の設定確率や確変状態が継続する期間や、大当たり遊技の遊技内容といった遊技の有利度合いを可変可能な各種要素に対して設定差を設けるように構成しても良い。このような場合であっても、設定される設定値に応じて遊技者に異なる有利度合いを提供することができるため、遊技者に対して、有利な設定値が設定されているパチンコ機10にて遊技を行おうと意欲的に遊技を行わせることができる。
次に、図764を参照して、本第24制御例のパチンコ機10における主制御装置110のMPU201が有するRAM223の構成について説明をする。図764は、RAM203の構成を示したブロック図である。図764に示した通り、本第24制御例におけるRAM203は、上述した第22制御例におけるRAM203(図689(b)参照)に対して、設定値格納エリア203xaを追加した点で相違し、それ以外は同一である。同一の構成については同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
設定値格納エリア203xaは、パチンコ機10の設定値に対応するデータを格納しておくための記憶領域である。より具体的には、設定値格納エリア203xaにデータとして「00H」が格納されていれば、設定値「1」が設定されていることを示し、データとして「01H」が格納されていれば、設定値「2」が設定されていることを示し、データとして「02H」が格納されていれば、設定値「3」が設定されていることを示す。特別図柄の抽選を実行する際は、この設定値格納エリア203xaのデータを読み出して、その読み出したデータが示す設定値に対応する抽選確率で特別図柄の抽選(大当たり抽選)を実行する。即ち、特別図柄大当たり乱数テーブル202xa(図763参照)のうち、設定値格納エリア203xaのデータが示す設定値に対応する乱数値の範囲と、実行エリアに格納されている第1当たり乱数カウンタC1の値とを比較することにより特別図柄の抽選を実行する。なお、設定値格納エリア203xaの値は、初期値が「00H」に設定されており、設定変更状態において設定スイッチ110cが押下(操作)される毎に、「01H」→「02H」と「01H」ずつ値が更新され、データが「02H」の状態で更に設定スイッチ110cが押下されると、データが「01H」に更新される。なお、RAMクリアスイッチ122の押下を伴って電源が投入されると、RAM203のデータは全て初期値にリセット(クリア)される。よって、単にRAMクリア操作のみを行った場合、設定値格納エリア203gの値も初期値である「00H」にリセットされる。即ち、設定変更動作を実行せずに、単にRAMクリア動作のみを行ったとしても、設定1には変更することができる。これにより、ホールの利便性を向上させることができる。
次に、図765を参照して、本第24制御例における音声ランプ制御装置113のMPU221が有するROM222の構成について説明をする。図765は、本第24制御例における音声ランプ制御装置113が有するROM222の構成を示した図である。図765に示した通り、本第24制御例のパチンコ機10における音声ランプ制御装置113が有するROM222は、上述した第22制御例の音声ランプ制御装置113が有するROM222(図693(a)参照)に対して、ボイスコマンド選択テーブル222xaと、保留アクション選択テーブル222xbと、を追加した点で相違し、それ以外は同一である。同一の構成については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
ボイスコマンド選択テーブル222xaは、第3図柄表示装置81の表示画面に表示される第3図柄のキャラクタに対応したボイス種別を選択する際に参照されるデータテーブルである。本第24制御例では、第3図柄表示装置81に表示される第3図柄の種別として、特別図柄抽選の結果に対応した「1」〜「7」の7つの数字アイコンの何れかと、7種類のキャラクタ(「1キャラ」〜「7キャラ」)との何れかが組み合わさった第3図柄が停止表示されるように構成している。
基本的には、数字アイコン「1」と、キャラクタ「1キャラ」とが組み合わさって「第1第3図柄」が、数字アイコン「2」と、キャラクタ「2キャラ」とが組み合わさって「第2第3図柄」が、数字アイコン「3」と、キャラクタ「3キャラ」とが組み合わさって「第3第3図柄」が、数字アイコン「4」と、キャラクタ「4キャラ」とが組み合わさって「第4第3図柄」が、数字アイコン「5」と、キャラクタ「5キャラ」とが組み合わさって「第5第3図柄」が、数字アイコン「6」と、キャラクタ「6キャラ」とが組み合わさって「第6第3図柄」が、数字アイコン「7」と、キャラクタ「7キャラ」とが組み合わさって「第7第3図柄」が、それぞれ形成されるように構成している。
さらに、第3図柄の組合せ変更条件(例えば、特別図柄変動回数が所定回数(500回)に到達した場合に成立する変更条件や、大当たり当選回数が所定回数(5回)に到達した場合に成立する変更条件等)が成立した場合には、第3図柄を形成する数字アイコンに対して異なる種別のキャラクタが組み合わされる特殊第3図柄を形成可能に構成している。
そして、本第24制御例では、停止表示した第3図柄の数字アイコンの種別に関わらず、キャラクタ種別に応じたボイスデータを音声出力装置226から出力される音声に用いることが可能に構成している。このように構成することで、特別図柄抽選が実行される毎に(遊技を実行する毎に)、異なる種別のボイスデータを用いた音声がパチンコ機10から出力されるため、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができる。
さらに、本第24制御例では、第3図柄表示装置81の表示面に停止表示された第3図柄の組合せ(キャラクタ種別の組合せ)に応じて、専用の特典を付与可能に構成している。具体的には、大当たり当選を示す第3図柄が停止表示された場合には、その第3図柄に付随しているキャラクタ種別に対応するボイスデータに基づく音声出力を継続させて遊技を行うか否かを遊技者が選択可能な特典を付与可能とし、第3図柄表示装置81の表示面に特定の組合せ(例えば、リーチハズレ)で第3図柄が停止表示した場合には、そのリーチ状態となっている第3図柄に付随しているキャラクタ種別に対応するボイスデータに基づく音声によって、パチンコ機10に設定されている設定値(「1」〜「3」)を示唆可能なセリフが発せられる設定示唆特典を付与可能に構成している。
このように構成することで、特別図柄抽選の結果が大当たり当選であることにのみ注視していた遊技者に対して、当たり当選以外の特典が付与されることを期待しながら特別図柄抽選の結果(第3図柄表示装置81の表示面に停止表示される第3図柄の停止表示態様)を注視させることが可能となる。よって、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができる。
加えて、本第24制御例では、第3図柄表示装置81の表示面に表示される第3図柄として、数字アイコンの種別と、キャラクタ種別とを通常とは異ならせた特殊第3図柄を停止表示可能に構成している。さらに、第3図柄表示装置81の表示面に停止表示される第3図柄に付随するキャラクタを示唆可能なセリフを音声出力可能に構成している。
つまり、音声出力されたセリフに基づいて次に停止表示される第3図柄種別を遊技者に予測させることが可能に構成しながらも、第3図柄として数字アイコンの種別と、キャラクタ種別とを通常とは異ならせた特殊第3図柄を表示可能に構成しているため、例えば、「1キャラ」が数字アイコン「1」に対応する第3図柄と、数字アイコン「3」に対応する第3図柄とに付随している状態では、「1キャラ」が停止表示されることを示唆するセリフが音声出力された場合において、遊技者に対して、数字アイコン「1」に対応する第3図柄が停止表示するのか数字アイコン「3」に対応する第3図柄が停止表示するのかを予測させる楽しみを提供することができる。
ここで、図766を参照して、本第24制御例においてボイスデータを決定する際に参照されるデータテーブルであるボイスコマンド選択テーブル222xaの内容について説明をする。図766はボイスコマンド選択テーブル222xaに規定されている内容を示した図である。
ボイスコマンド選択テーブル222xaは、第3図柄が停止表示された場合に実行される停止コマンド処理24(図777のF2273参照)において、停止表示されている第3図柄の停止表示態様に基づいて対応するボイスコマンドを決定する際に参照される(図777のF2672参照)。図766に示した通り、停止表示された第3図柄に付随されているキャラクタ種別に応じて、各キャラクタ種別に対応するボイスデータを特定するためのボイスコマンドが規定されている。また、停止表示された第3図柄に付随されているキャラクタ種別の組合せに応じた特典も規定されている。
ボイスコマンド選択テーブル222xaを参照してボイスコマンドを決定すると、決定したボイスコマンドに対応する音声用ボイスコマンドが音声出力装置226に対して出力される。そして、音声出力装置226では、受信したボイスコマンドに基づいて、対応するボイスデータを特定し、特定したボイスデータを用いて遊技用の共通音声が出力される。つまり、パチンコ機10から常時出力される内容の音声のボイスデータのみを変更させることが可能となる。
さらに、音声出力装置226が受信したボイスコマンドに特定のセリフ出力を示す情報が含まれている場合には、対応するセリフデータを読み出して、受信したボイスデータを用いて受信したセリフを出力することが可能に構成している。このように構成することで、第3図柄表示装置81の表示面に停止表示される第3図柄の停止表示態様(キャラクタ種別)によって、パチンコ機10から出力される音声のボイスデータを異ならせるだけで無く、専用のセリフを出力することも可能となるため、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができる。
加えて、本第24制御例では、特定のボイスコマンド専用のセリフとして、遊技者に有利な情報(例えば、設定値情報)を示唆可能なセリフも含んでいるため、様々なボイスデータで音声が出力されることによる演出効果の向上に加え、遊技者に有利な特典を付与可能となるため、遊技者に対してボイスデータが変更されることに興味を持たせることができる。
次に、ボイスコマンド選択テーブル222xaに規定されている内容について図766を参照して詳細に説明をする。図766に示した通り、ボイスコマンド選択テーブル222xaには、停止表示された第3図柄種別として、大当たり当選を示す第3図柄種別と、リーチハズレを示す第3図柄種別と、完全外れ(バラケ目)を示す第3図柄種別と、が大別され、大別された第3図柄種別毎に異なる特典を付与可能に構成している。そして、大別された第3図柄種別のそれぞれに対して、実際に停止表示された第3図柄種別(キャラクタ種別)に対応するボイスが規定されている。
具体的には、第3図柄種別が「大当たり」、即ち、同一の数字アイコンが3つ並んで停止表示された場合は、停止表示されている第3図柄に付されているキャラクタが「1キャラ」に対して、選択ボイス「1キャラ」を特定するためのボイスコマンド「コマンド1」が規定されており、停止表示されている第3図柄に付されているキャラクタが「2キャラ」に対して、選択ボイス「2キャラ」を特定するためのボイスコマンド「コマンド2」が規定されており、停止表示されている第3図柄に付されているキャラクタが「3キャラ」に対して、選択ボイス「3キャラ」を特定するためのボイスコマンド「コマンド3」が規定されており、停止表示されている第3図柄に付されているキャラクタが「4キャラ」に対して、選択ボイス「4キャラ」を特定するためのボイスコマンド「コマンド4」が規定されており、停止表示されている第3図柄に付されているキャラクタが「5キャラ」に対して、選択ボイス「5キャラ」を特定するためのボイスコマンド「コマンド5」が規定されており、停止表示されている第3図柄に付されているキャラクタが「6キャラ」に対して、選択ボイス「6キャラ」を特定するためのボイスコマンド「コマンド6」が規定されており、停止表示されている第3図柄に付されているキャラクタが「7キャラ」に対して、選択ボイス「7キャラ」を特定するためのボイスコマンド「コマンド7」が規定されている。
そして、第3図柄種別が「大当たり」である場合には、付与される特殊特典として、設定されたボイスデータを継続設定可能な特殊特典が規定されている。つまり、特別図柄抽選で大当たり当選した場合には、その大当たり図柄に付されているキャラクタに対応したボイスデータで後の遊技(大当たり中の遊技や、大当たり遊技終了後の遊技)に関する音声出力が実行されるように構成している。本第24制御例では、次に大当たり当選するまでの期間、同一のボイスデータを用いた音声出力が継続されるように構成している。このように構成することで、お気に入りのキャラクタに対応するボイスデータが特定されたにも関わらず、即座に別のボイスデータが特定されてしまうことを抑制することができる。
また、本第24制御例では、特定のボイスデータに対応する音声出力を継続させる特典を、大当たり当選した場合に付与可能に構成しているため、様々な遊技音声をお気に入りのキャラクタに対応するボイスデータで出力させることを希望する遊技者に対して、特定のキャラクタ種別が付された第3図柄で大当たり表示されることを期待しながら継続して遊技を行わせることができる。
なお、本第24制御例では、大当たり当選(大当たり図柄の停止表示)に基づいて特定されたボイスデータを用いた音声出力を次の大当たり当選まで継続するように構成しているが、これに限ること無く、遊技者が操作手段(例えば、演出ボタン22)を操作することによって、大当たり当選したことに基づいて付与される特殊特典をクリアするように構成しても良い。このように構成することで、遊技者が所望しないボイスデータが特定されるキャラクタが付された第3図柄が大当たり当選を示す表示態様で停止表示された場合であっても、そのボイスデータに基づく音声出力が長時間継続してしまうことを抑制することができる。
さらに、本第24制御例では、大当たり当選(大当たり図柄の停止表示)に基づいて特定されたボイスデータを用いた音声出力を次の大当たり当選まで継続するように構成することで、お気に入りのキャラクタに対応するボイスデータが特定されるまで遊技者に継続して遊技を行わせ易くするものであるが、これに限ること無く、例えば、大当たり当選した回数や、遊技時間(特別図柄抽選回数)に基づいて、大当たり当選する場合に停止表示される第3図柄に付されるキャラクタ種別を遊技者が任意に選択可能に構成しても良い。このように構成することで、長時間遊技を行い、何回も大当たり当選したにも関わらず、お気に入りのキャラクタが付された第3図柄が大当たり当選を示す表示態様で停止表示されず、遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができる。
次に、第3図柄種別として「リーチハズレ」、即ち、第3図柄表示装置81の表示面に停止表示される複数の第3図柄のうち、一部の第3図柄が大当たり当選を示す組合せで停止表示された状態(リーチ状態)が表示された後、残りの第3図柄が大当たり当選を示す組合せとは異なる表示態様で停止表示された場合は、リーチ状態で表示されている第3図柄に付されているキャラクタが「7キャラ」に対して、選択ボイス「リーチキャラ(7キャラ)」を特定するためのボイスコマンド「コマンド8」が規定されており、リーチ状態で表示されている第3図柄に付されているキャラクタが「7を除く奇数キャラ(1キャラ、3キャラ、5キャラ)」に対して、選択ボイス「リーチキャラ(1キャラ、3キャラ、5キャラ)」を特定するためのボイスコマンド「コマンド9」〜「コマンド11」が規定されており、リーチ状態で表示されている第3図柄に付されているキャラクタが「偶数キャラ(2キャラ、4キャラ、6キャラ)」に対して、選択ボイス「リーチキャラ(2キャラ、4キャラ、6キャラ)」を特定するためのボイスコマンド「コマンド12」〜「コマンド14」が規定されている。
そして、第3図柄種別が「リーチハズレ」である場合には、パチンコ機10に設定されている設定値を示唆可能なセリフ出力(会話セリフ)を特殊特典として付与可能な情報が規定されている。ここで、詳細な説明は省略するが、本第24制御例では、リーチ状態となった第3図柄の種別に応じて、大当たり当選の期待度を異ならせており、数字アイコン「7」が付された第3図柄がリーチ状態となる「7リーチ」が成立した場合には、他の第3図柄がリーチ状態となる場合よりも大当たり当選の期待度が高くなるように構成している。具体的には、「7リーチ」が成立した場合の約90%が大当たり当選するように構成している。
このように構成することで、リーチ状態となった第3図柄の種別に応じて、全ての第3図柄が停止表示されるよりも前に大当たり当選の期待度を遊技者に予測させることができる。また、同一の演出態様の変動演出(リーチ演出)が実行された場合であっても、リーチ状態となった第3図柄の種別によって大当たり当選の期待度を異ならせることが可能となる。よって、大当たり期待度の異なる変動演出を、同一の演出態様を用いて提供することができるため、変動演出に用いられる画像データ(リーチ映像データ)の量を削減することができる。
このように構成されたパチンコ機10では、大当たり当選の期待度が高い第3図柄の種別でリーチ状態(7リーチ状態)が表示された後、外れ当選を示す表示態様で第3図柄が停止表示された場合、即ち、大当たり当選の期待度が高い変動演出が実行されたにも関わらず、外れ当選した場合に、遊技者の遊技意欲が著しく低下してしまうという問題があった。
これに対して、本第24制御例では、大当たり当選の期待度が高いにも関わらず、外れ当選した場合に停止表示される第3図柄の組合せ(7リーチハズレ)で第3図柄が停止表示された場合に、大当たり当選とは異なる特典(設定示唆)を遊技者に提供可能に構成している。このように構成することで遊技者の遊技意欲が著しく低下してしまうことを抑制することができる。
また、本第24制御例では、大当たり当選を示す組合せで第3図柄が停止表示された場合における第3図柄の種別に応じて、設定される大当たり種別(通常(時短)大当たり、確変大当たり)を遊技者に示唆可能に構成しており、停止表示された第3図柄の種別が数字アイコン「奇数(1,3,5,7)」である場合の方が、数字アイコン「偶数(2,4,6)」である場合よりも遊技者に有利な大当たり(確変大当たり)に当選した可能性が高くなるように構成している。
よって、第3図柄表示装置81にリーチハズレを示す組合せで第3図柄が停止表示される場合において、数字アイコン「奇数」のリーチ状態がリーチハズレになった場合と、数字アイコン「偶数」のリーチ状態がリーチハズレになった場合とで、遊技者の遊技意欲の低下度合いが異なるものであった。
ここで、本第24制御例では、停止表示された第3図柄種別が「リーチハズレ」である場合に付与される特殊特典の内容を、「リーチハズレ」となった第3図柄の種別に応じて異ならせるように構成しており、「リーチハズレ」の表示態様で第3図柄が停止表示された場合における遊技者の遊技意欲の低下度合いが高い程、即ち、大当たり当選の期待度が高いリーチ状態で外れ当選したり、大当たり当選時に遊技者に有利な特典が付与され易い第3図柄のリーチ状態で外れ当選したりする方が、遊技者に有利となる特殊特典が付与されるように構成している。
より具体的には、図766に示した通り、「リーチハズレ」の対象が「7リーチ」である場合には、パチンコ機10に設定されている設定値を分かり易く報知する「設定示唆強」の音声出力(図758(b)参照)を実行可能な特殊特典が規定されており、「リーチハズレ」の対象が「7以外の奇数リーチ」である場合には、パチンコ機10に設定されている設定値を示唆可能な「設定示唆弱」の音声出力を実行可能な特殊特典が規定されており、「リーチハズレ」の対象が「偶数リーチ」である場合には、パチンコ機10に設定されている設定値が示唆されることの無い賑やかし用の音声出力を実行可能な特殊特典が規定されている。
このように構成することで、遊技者に対して、第3図柄表示装置81の表示面に停止表示された第3図柄が大当たり当選を示す表示態様であるか否かだけで無く、どの第3図柄種別で停止表示されたかについても興味を持たせることができるため、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができる。また、遊技者に有利な特殊特典を付与可能な第3図柄の停止表示態様として「リーチハズレ」を規定しているため、例えば、第3図柄の停止表示態様に関わらず、第3図柄が全て停止表示したタイミングにおいて、所定の確率で特殊特典(設定示唆)を付与可能に構成する場合に対して、特殊特典が付与される可能があることを特殊特典が付与されるよりも前(リーチ状態が成立した時点)に遊技者に把握させることができるため、特殊特典が急に付与されてしまい、特殊特典として付与された情報を遊技者が把握し損なう事態が発生することを抑制することができる。
また、遊技者に有利な特殊特典を付与可能な第3図柄の停止表示態様として「リーチハズレ」を規定しているため、第3図柄の変動演出として、大当たり当選の期待度が高くなる程、大当たり当選していなかった場合(外れ当選した場合)に特殊特典を付与し易くすることが可能となる。よって、遊技者の遊技意欲が過剰に低下してしまう事態が発生することを抑制することができる。
なお、本第24制御例では、第3図柄種別の大別として「リーチハズレ」を規定し、リーチ状態となった第3図柄の種別(リーチ種別)に応じて付与される特殊特典の内容を異ならせるように構成しているが、この構成に加え、「リーチハズレ」となった場合における最終停止第3図柄の種別に応じて、更に第3図柄種別を細分化し、付与される特殊特典の内容を異ならせるように構成しても良い。
この場合、例えば、同一種別のリーチ状態(例えば、「5リーチ」)であって、最終停止第3図柄が、リーチ状態である第3図柄「5」に近い(例えば、「4」や「6」)である場合の方が、リーチ状態である第3図柄「5」に近くない(例えば、「1」や「2」)場合よりも遊技者に有利な特殊特典が付与され易くなるように構成すると良い。
つまり、近年のパチンコ機10では、変動表示中の第3図柄がリーチ状態となった場合に実行されるリーチ演出において、大当たり当選期待度が高いリーチ演出(高リーチ演出)が実行された場合は、大当たり当選するか否かの演出結果が表示される直前において、大当たり当選に対応する第3図柄の組合せ(「555」)が停止表示されるか否かを遊技者に煽るために、リーチ状態である第3図柄「5」と、その前後に表示される第3図柄「4」や「6」との何れが停止表示されるかを分かり難くする演出が実行されるように構成し、大当たり当選期待度が低いリーチ演出(低リーチ演出)が実行された場合は、遊技者に過度に大当たり当選を期待させることを抑制するために、リーチハズレ時における最終停止第3図柄を、リーチ状態である第3図柄とは大きく異ならせるように構成するものが一般的である。
よって、第3図柄種別として規定される「リーチハズレ」を、「リーチハズレ(1コマズレ)」と、「リーチハズレ(それ以外)」と細分化して規定することにより、大当たり当選の期待度が高いリーチ演出が実行されたにも関わらず、外れ当選した場合に特殊特典を付与させ易くすることができる。
また、本第24制御例では、設定されている遊技状態に関わらず、図766に示したボイスコマンド選択テーブル222xaを参照してボイスコマンドを決定するように構成しているが、これに限ること無く、設定されている遊技状態に応じて異なるボイスコマンドが決定されるようにボイスコマンド選択テーブル222xaの内容を規定しても良い。この場合、例えば、設定されている遊技状態に応じて、リーチ状態が成立する確率を異ならせているパチンコ機10であれば、リーチ状態が成立し難い遊技状態が設定されている場合の方が、リーチ状態が成立し易い遊技状態が設定されている場合よりも、「リーチハズレ」において特殊特典が付与され易くなるように規定したり、設定されている遊技状態が遊技者に有利な遊技状態(例えば、確変状態)である場合には、設定されている遊技状態が遊技者に不利な遊技状態(例えば、通常状態)である場合よりも、全体的に特殊特典が付与され難くなるように規定したりしても良い。
図766に戻り説明を続ける。第3図柄種別として「バラケ目」、即ち、リーチ状態が成立すること無く外れ当選を示すための組合せで第3図柄が停止表示された場合には、左停止図柄(図758(a)の図柄D1参照)に表示されているキャラクタ種別(図758(a)では「タコ」)に対応するボイスデータが特定され、停止表示されている第3図柄のキャラクタ種別の組合せ(図758(a)では「タコ、サメ、カメ」の組合せ)に対応させたセリフを音声出力可能な特殊特典が付与されるボイスコマンド(コマンド15・・・)が規定されている。なお、本第24制御例では、第3図柄種別として「バラケ目」が停止表示された場合に付与可能な特殊特典として、賑やかし用のセリフが音声出力される特殊特典と、次変動にて停止表示されるキャラクタ種別を示唆するためのセリフが音声出力される特殊特典と、を付与可能に構成している。
このように構成することで、第3図柄表示装置81の表示面に停止表示される第3図柄が「バラケ目」が停止表示された場合であっても、その停止表示態様(左停止図柄)に対応したボイスデータを用いた音声出力や、停止表示態様の組合せに対応した会話セリフの音声出力を実行することが可能となるため、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができる。さらに、「バラケ目」に基づいて音声出力される会話セリフの一部において、次変動における停止図柄種別(停止表示される第3図柄のキャラクタ種別)を示唆するための特殊特典が付与されるため、特別図柄抽選の結果をいち早く把握しようとする遊技者に対して、音声出力される会話セリフの内容に興味を持たせることができる。
さらに、本第24制御例では、数字アイコンとキャラクタ種別とを通常とは異ならせた特殊第3図柄を表示可能に構成しているため、変動における停止図柄種別(停止表示される第3図柄のキャラクタ種別)を示唆するための特殊特典が付与された場合において、停止表示される第3図柄のキャラクタ種別に基づいて、停止表示される第3図柄の種別(数字アイコンの種別)を、予測する楽しみを提供することができる。
保留アクション選択テーブル222xbは、表示領域HR2に表示される保留図柄、即ち、獲得済みの特別図柄抽選の実行権利数を示すための表示態様を移動させる際の動作パターンを決定する際に参照されるデータテーブルであって、新たな特別図柄変動の開始に基づいて、保留図柄の表示領域をシフトさせる場合における動作態様(アクション)を決定する際に参照される(図779のF4101参照)。
ここで、上述した第22制御例では、特別図柄抽選の実行権利を含む保留情報を、各特別図柄種別に対して最大で4個記憶(保留記憶)可能に構成し、その記憶されている保留情報の数を遊技者に示すための保留図柄を第3図柄表示装置81の表示面に形成される表示領域HR2に表示可能に構成している。そして、新たな特別図柄抽選が実行される際には、保留記憶されている保留情報に含まれる情報に基づいて特別図柄抽選が実行されるように構成している。つまり、保留情報には、後に実行される特別図柄抽選において大当たり判定を行う際に参照される情報(取得した第1当たり乱数カウンタC1の値)が既に格納された状態で保留記憶されている。よって、上述した第22制御例では、特別図柄抽選が実行されていない保留情報(第3図柄表示装置81の表示面に形成された表示領域HR2に表示される保留図柄に対応する保留情報)に含まれている情報を事前に判別し、大当たり当選する可能性を示唆するための保留変化演出(図672〜図676参照)を実行可能に構成している。
しかしながら、表示領域HR2に表示される保留図柄は、新たな特別図柄変動が実行される毎に、保留図柄の表示位置がシフトしていくため、上述した第22制御例のように保留図柄の表示位置を固定させた状態でチェンジ役物Ym1,Ym2を可動させる保留変化演出を実行する場合には、所定期間(10秒)以上の変動パターンで特別図柄変動が実行される場合、即ち、所定期間(10秒)の間、保留図柄の表示位置が変わらないという条件が成立した場合にのみ保留変化演出が実行可能となり、その条件が成立していない場合には、保留変化演出を実行することができないという問題があった。
これに対して、例えば、上述した第22制御例に用いられた保留変化演出、即ち、チェンジ役物Ym1,Ym2を可動させることによって、保留変化し得る保留図柄を特定する保留変化演出を、保留図柄の表示位置がシフトする場合も継続して実行可能に構成するには、実行される特別図柄変動の変動時間に基づいて保留図柄の表示位置がシフトするタイミングを特定し、その特定したタイミングに合わせてチェンジ役物Ym1,Ym2の可動位置を制御する必要があり、保留変化演出を実行するための制御処理内容が莫大になるという問題があった。また、短時間の特別図柄変動が連続して実行された場合には、保留変化演出が実行されている際中に、保留変化演出の対象となる保留図柄に対応する保留情報を用いた特別図柄抽選が実行されてしまうという問題があった。
これに対して、本第24制御例では、保留図柄の表示態様を可変させるための保留変化演出の実行条件が成立している状態であって、且つ、実行される(実行中の)特別図柄変動の変動時間として短時間(例えば、5秒)が設定される(された)場合に、保留図柄の表示位置をシフト移動させる動作の動作パターン(アクション)を異ならせる保留アクション演出を実行することにより、保留変化演出の対象となる保留図柄の大当たり当選期待度を遊技者に報知可能に構成している。
このように構成することで、保留図柄が特定の表示位置に所定期間(例えば、10秒)維持されない状況(特別図柄の短時間変動が実行される状況)が発生した場合であっても、遊技者に対して保留情報に対する事前判別結果を分かり易く報知することができる。
さらに、本第24制御例では、保留アクション演出として実行される保留アクションの態様と、対象となる保留情報に基づく特別図柄抽選の結果とに基づいて、パチンコ機10に設定されている設定値を示唆可能に構成している。具体的には、大当たり当選の期待度が高い保留アクション態様(例えば、ジャンプ態様)が実行されたにも関わらず、その保留アクション演出の対象となる保留情報に基づく特別図柄抽選の結果が外れ当選である場合には、遊技者に有利となる設定値(設定「3」)が設定されている可能性が高いことを遊技者に示唆可能に構成している。このように構成することで、保留図柄の表示位置がシフト移動する場合に実行される保留アクション態様に対してより興味を持たせることができる。
ここで、図767を参照して、保留アクション選択テーブル222xbに規定されている内容について説明をする。図767は、保留アクション選択テーブル222xbに規定されている内容を示した図である。図767に示した通り、保留アクション選択テーブル222xbには、保留アクション演出の対象となる保留図柄のシフト移動時に実行されるアクション態様として複数種類のアクション態様(通常、高速、ジャンプ)が、対象保留先読み結果(対象となる保留情報に対する事前判別結果)、保留変化シナリオ設定の有無、設定値と、取得した第1演出カウンタ223vfの値とに対応付けて規定されている。
具体的には、保留アクション演出の対象となる保留図柄に対応する保留情報(入賞情報)の先読み結果(事前判別結果)が、大当たり当選であり、当該保留図柄に対して保留変化演出を実行するための情報(保留シナリオ情報)が設定されている状態で、設定値「1」が設定されている場合には、取得した第1演出カウンタ223vfの値が「0〜59」の範囲に対して保留アクション「ジャンプ」が、「60〜89」の範囲に対して保留アクション「高速」が、「90〜98」の範囲に対して保留アクション「ジャンプ」が規定されている。また、設定値「2」が設定されている場合には、取得した第1演出カウンタ223vfの値が「0〜59」の範囲に対して保留アクション「高速」が、「60〜89」の範囲に対して保留アクション「ジャンプ」が、「90〜98」の範囲に対して保留アクション「ジャンプ」が規定されている。また、設定値「3」が設定されている場合には、取得した第1演出カウンタ223vfの値が「0〜59」の範囲に対して保留アクション「ジャンプ」が、「60〜89」の範囲に対して保留アクション「高速」が、「90〜98」の範囲に対して保留アクション「高速」が規定されている。
一方、保留アクション演出の対象となる保留図柄に対応する保留情報(入賞情報)の先読み結果(事前判別結果)が、大当たり当選であり、当該保留図柄に対して保留変化演出を実行するための情報(保留シナリオ情報)が設定されていない状態で、設定値「1」が設定されている場合には、取得した第1演出カウンタ223vfの値が「0〜59」の範囲に対して保留アクション「通常」が、「60〜89」の範囲に対して保留アクション「通常」が、「90〜98」の範囲に対して保留アクション「高速」が規定されている。また、設定値「2」が設定されている場合には、取得した第1演出カウンタ223vfの値が「0〜59」の範囲に対して保留アクション「通常」が、「60〜89」の範囲に対して保留アクション「通常」が、「90〜98」の範囲に対して保留アクション「ジャンプ」が規定されている。また、設定値「3」が設定されている場合には、取得した第1演出カウンタ223vfの値が「0〜59」の範囲に対して保留アクション「ジャンプ」が、「60〜89」の範囲に対して保留アクション「高速」が、「90〜98」の範囲に対して保留アクション「通常」が規定されている。
さらに、保留アクション演出の対象となる保留図柄に対応する保留情報(入賞情報)の先読み結果(事前判別結果)が、外れ当選であり、当該保留図柄に対して保留変化演出を実行するための情報(保留シナリオ情報)が設定されている状態で、設定値「1」が設定されている場合には、取得した第1演出カウンタ223vfの値が「0〜59」の範囲に対して保留アクション「高速」が、「60〜89」の範囲に対して保留アクション「通常」が、「90〜98」の範囲に対して保留アクション「通常」が規定されている。また、設定値「2」が設定されている場合には、取得した第1演出カウンタ223vfの値が「0〜59」の範囲に対して保留アクション「高速」が、「60〜89」の範囲に対して保留アクション「通常」が、「90〜98」の範囲に対して保留アクション「ジャンプ」が規定されている。また、設定値「3」が設定されている場合には、取得した第1演出カウンタ223vfの値が「0〜59」の範囲に対して保留アクション「高速」が、「60〜89」の範囲に対して保留アクション「ジャンプ」が、「90〜98」の範囲に対して保留アクション「通常」が規定されている。
一方、保留アクション演出の対象となる保留図柄に対応する保留情報(入賞情報)の先読み結果(事前判別結果)が、外れ当選であり、当該保留図柄に対して保留変化演出を実行するための情報(保留シナリオ情報)が設定されていない状態で、設定値「1」が設定されている場合には、取得した第1演出カウンタ223vfの値が「0〜59」の範囲に対して保留アクション「通常」が、「60〜89」の範囲に対して保留アクション「通常」が、「90〜98」の範囲に対して保留アクション「高速」が規定されている。また、設定値「2」が設定されている場合には、取得した第1演出カウンタ223vfの値が「0〜59」の範囲に対して保留アクション「通常」が、「60〜89」の範囲に対して保留アクション「高速」が、「90〜98」の範囲に対して保留アクション「通常」が規定されている。また、設定値「3」が設定されている場合には、取得した第1演出カウンタ223vfの値が「0〜59」の範囲に対して保留アクション「通常」が、「60〜89」の範囲に対して保留アクション「高速」が、「90〜98」の範囲に対して保留アクション「ジャンプ」が規定されている。
次に、図768を参照して、本第24制御例における音声ランプ制御装置113が有するRAM223の構成について説明をする。図768は、本第24制御例における音声ランプ制御装置113が有するRAM223の構成を示した図である。図768に示した通り、本第24制御例における音声ランプ制御装置113が有するRAM223は、上述した第22制御例における音声ランプ制御装置113が有するRAM223(図693(b)参照)に対して、設定値格納エリア223xaと、設定変更中フラグ223xbと、ボイス固定フラグ223xcと、を追加している点で相違し、それ以外は同一である。同一の内容については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
設定値格納エリア223xaは、主制御装置110から出力される設定値に関する情報を受信した場合に、その情報に基づいた設定値を格納するための記憶領域である。具体的には、主制御装置110の立ち上げ処理24(図770参照)にて設定値に関する情報を含む状態コマンドが設定され(図770のS1753参照)、その状態コマンドを受信した場合に、受信した状態コマンドに含まれる情報に基づいて設定値を特定し、特定した設定値を示す情報が設定値格納エリア223xaに格納される。
そして、設定値格納エリア223xaに格納された情報が、設定示唆演出の演出態様を決定する際に参照される。詳細な説明は後述するが、本制御例では、設定値を変更するための設定変更操作を実行する場合に、必ずパチンコ機10の電源を投入する動作を必要とするように構成し、且つ、設定変更操作が完了した後に、設定値に関する情報を含む状態コマンドが設定されるように構成している。さらに、パチンコ機10に電源が投入される毎に(主制御装置110の立ち上げ処理24(図770参照)が実行される毎に)、設定値に関する情報を含む状態コマンドが主制御装置110から音声ランプ制御装置113へと出力されるように構成している。このように構成することで、電源投入時という限定されたタイミングでのみ設定値に関する情報を主制御装置110から音声ランプ制御装置113へと出力するように構成したとしても、音声ランプ制御装置113側で現在の設定値を確実に把握させることができる。
また、設定値に関する情報が出力される機会を最小限に抑えることにより、設定値に関する情報を不正に取得する行為が行われることを抑制することができる。さらに、本実施形態では、パチンコ機10に設定される設定値を示す信号を直接外部に出力するのでは無く、設定値に関する情報を出力するように構成しているため、万が一、不正に取得されたとしても、その情報が示す設定値を特定し難くなるため、設定値に関する情報を不正に取得する行為が行われることを抑制することができる。加えて、本実施形態では、遊技状態を示すための状態コマンドの一部(例えば、状態コマンドを生成するための8ビットのうち空きビットとなり易い上位ビット)を用いて設定値に関する情報を設定するように構成しているため、設定値に関する情報を単独で出力する場合よりも、出力された情報が示す設定値を特定し難くなるため、設定値に関する情報を不正に取得する行為が行われることを抑制することができる。
さらに、設定値を示す値では無く、設定値を示すための情報を、設定値格納エリア223xaに格納するように構成しているため、設定値格納エリア223xaに格納されている情報を不正に取得された場合であっても、出力された情報が示す設定値を特定し難くなるため、設定値に関する情報を不正に取得する行為が行われることを抑制することができる。
なお、本制御例では、設定値に関する情報(設定値を示すための情報)を格納するための記憶領域として設定値格納エリア223xaという専用の記憶領域を設けているが、これに限ること無く、他の記憶エリアの一部(空き領域)を用いて設定値を示すための情報を記憶するように構成し、設定値に関する情報(設定値を示すための情報)が格納されている記憶領域を示すアドレスを特定の領域に記憶させるように構成しても良く、この場合、定期的、或いは不規則に設定値に関する情報(設定値を示すための情報)を記憶する領域を変更させるように構成すると良い。
また、設定値に関する情報(設定値を示すための情報)を記憶する記憶領域の仕様に対応させて予め定められた規則に従って設定値に関する情報を加工するように構成すると良い。このように構成することで、音声ランプ制御装置113のRAM223に記憶されている情報に基づいて設定値を不正に取得されてしまう事態が発生し難くすることができる。
設定変更中フラグ223xbは、現在が設定変更中であることを示すためのフラグであって、設定変更中であることを示す変更中コマンドが主制御装置110から出力された場合に、オンに設定される(図773のF2072参照)。そして、設定変更が完了したことを示す変更完了コマンドを受信したと判別した場合にオフに設定される(図773のF2074参照)。
この設定変更中フラグ223xbを設けることにより、主制御装置110にて実行される設定変更操作の操作状況を音声ランプ制御装置113側で把握することが可能となるため、設定変更操作が完了するまでの間実行される待機処理(図773のF2051参照)の処理を設定変更操作の操作状況に応じて切り替えることができる。よって、音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される制御処理の処理負荷を軽減させることができる。
ボイス固定フラグ223xcは、音声出力されるボイスデータが変更されない期間を示すためのフラグであって、音声出力されるボイスデータが変更されない期間が設定された場合にオンに設定されるものである。本第24制御例では、第3図柄が停止表示された場合に、その停止表示されている第3図柄に付されているキャラクタ種別に対応するボイスデータを用いてパチンコ機10から出力される音声の種別を決定可能に構成している。そして、大当たり当選したことを示すための第3図柄が停止表示された場合には、次に大当たり当選するまでの間、大当たり当選したことを示すための第3図柄に付されたキャラクタ種別に対応するボイスデータを用いた音声出力を継続して実行可能に構成している。
ボイス固定フラグ223xcは、第3図柄を停止表示させるための停止コマンドを受信した場合に実行される停止コマンド処理24(図777のF2273参照)において、停止表示させる第3図柄が大当たり当選を示す第3図柄(大当たり当選変動に対応する第3図柄)であると判別した場合にオンに設定され(図777のF2675)、その設定状況が停止コマンドを受信する毎に判別される(図777のF2671参照)。ここで、ボイス固定フラグ223xcがオンに設定されていると判別された場合は(図777のF2671:Yes)、今回の第3図柄停止表示に対して新たなボイスコマンドを特定するための処理がスキップされる。そして、大当たり当選変動に対応する停止種別を設定する際にオフに設定される(図776のF4003参照)。
なお、詳細な説明は省略するが、本第24制御例では、遊技者が操作手段(演出ボタン22)を操作することにより、オンに設定されているボイス固定フラグ223xcをオフに設定することが可能に構成している。このように構成することで、遊技者が意図しないキャラクタ種別が付された第3図柄で大当たり当選した場合に、長時間の間、意図しないキャラクタ種別に対応したボイスデータを用いた音声出力が継続してしまうことを抑制することができる。
次に、図769を参照して、本第24制御例における音声出力装置226のMPU301に設けられたROM302の構成について説明する。図769(a)は、ROM302の構成を示したブロック図である。図769(a)に示した通り、ROM302には、音声ファイル記憶エリア302xaが少なくとも設けられている。
音声ファイル記憶エリア302xaには、パチンコ機10で実行される各種演出において楽曲や効果音等を出力するために用いる音声ファイル(音声データ)に加え、キャラクタ種別に対応するボイスデータが記憶されている記憶領域である。各種演出の実行が音声ランプ制御装置113により通知された場合には、この音声ファイル記憶エリア302xaから演出に対応する音声ファイルが読み出され、音声合成部306の対応するチャンネルに出力される。
また、ボイスデータの種別を示すための音声用ボイスコマンドが音声ランプ制御装置113により通知された場合には、この音声ファイル記憶エリア302xaから、ボイスコマンドに対応するボイスデータが読み出され、音声合成部306の対応するチャンネルに出力される。
さらに、音声ファイル記憶エリア302xaには、音声用ボイスコマンドが音声ランプ制御装置113により通知された場合において出力される専用の音声ファイルが記憶されており、ボイスデータの種別を示すための音声用ボイスコマンドが音声ランプ制御装置113により通知された場合には、この音声ファイル記憶エリア302xaから、ボイスコマンドに対応する専用の音声ファイルが読み出され、音声合成部306の対応するチャンネルに出力される。
次に、図769(b)を参照して、音出力装置132に設けられたRAM303の構成について説明する。図769(b)は、RAM303の構成を示したブロック図である。図769(b)に示した通り、RAM303は、コマンド記憶領域303xaと、選択中ボイス格納エリア303xbと、が少なくとも設けられている。
コマンド記憶領域303aは、音声ランプ制御装置113から音声出力装置226へ出力された各種コマンドがそのコマンドに対する処理が実行されるまで一時的に記憶され領域である。詳細には、リングバッファで構成され、FIFO(First In First Out)方式によってデータの読み書きが行われる。音声出力装置226のコマンド判定処理(図781のF6002参照)が実行されると、コマンド記憶領域303aに記憶された未処理のコマンドのうち、最初に格納されたコマンドが読み出され、コマンド判定処理によって、そのコマンドが解析されて、そのコマンドに応じた処理が行われる。
選択中ボイス格納エリア303xbは、音声ランプ制御装置113から通知された音声用ボイスコマンドに対応して、音声ファイル記憶エリア302xaから読み出されたボイスデータの種別を記憶するための記憶領域である。音声ランプ制御装置113から音声用ボイスコマンドが出力された場合には、音声ファイル記憶エリア302xaから受信した音声用ボイスコマンドに対応するボイスデータの種別が記憶され、その後、音声出力装置226にて新たな音声を出力する処理を実行する際には、選択中ボイス格納エリア303xbに格納されているボイスデータの種別を示す情報に基づいて出力させる音声のボイスデータが形成される。
<第24制御例における主制御装置110の制御処理について>
次に、図770を参照して、主制御装置110に電源が投入された場合に主制御装置110内のMPU201により実行される立ち上げ処理24について説明する。図770は、この立ち上げ処理を示すフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時のリセットにより起動される。立ち上げ処理では、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(F1701)。初期設定処理(F1701)では、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。次いで、サブ側の制御装置(音声ランプ制御装置113、払出制御装置111等の周辺制御装置)が動作可能な状態になるのを待つために、ウエイト処理(本実施形態では1秒)を実行する(F1702)。そして、RAM203のアクセスを許可する(F1703)。
次に、設定キー110bがオン位置に配置されているか否かを判別する(F1751)。F1751の処理において、設定キー110bがオン位置に配置されていると判別した場合は(F1751:Yes)、設定変更状態、若しくは設定確認状態に設定されていることを意味するため、これらの状態に対応する制御を行うための設定値制御処理を実行し(F1752)、後述するF1710の処理へ移行する。この設定値制御処理(F1752)の詳細については、図771を参照して後述する。一方、F1751の処理において、設定キー110bがオン位置ではないと判別した場合には(F1751:No)、F1704の処理に移行する。
F1704の処理では、電源装置115に設けたRAM消去スイッチ122(図756参照)がオンされているか否かを判別し(F1704)、オンされていれば(F1704:Yes)、処理をF1712へ移行する。一方、RAM消去スイッチ122がオンされていなければ(F1704:No)、更にRAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(F1705)、電源断の発生情報が記憶されていなければ(F1705:No)、前回の電源遮断時の処理が正常に終了しなかった可能性があるので、この場合も、処理をF1712へ移行する。
RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(F1705:Yes)、RAM判定値を算出し(F1706)、算出したRAM判定値が正常でなければ(F1707:No)、即ち、算出したRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、バックアップされたデータは破壊されているので、かかる場合にも処理をF1712へ移行する。なお、RAM判定値は、例えばRAM203の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM203の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断するようにしても良い。
F1712の処理では、サブ側の制御装置(周辺制御装置)となる払出制御装置111を初期化するために払出初期化コマンドを送信する(F1712)。払出制御装置111は、この払出初期化コマンドを受信すると、RAM213のスタックエリア以外のエリア(作業領域)をクリアし、初期値を設定して、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。主制御装置110は、払出初期化コマンドの送信後は、RAM203の初期化処理(F1713,F1714)を実行する。
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時にRAMデータを初期化する場合にはRAM消去スイッチ122を押しながら電源が投入される。従って、立ち上げ処理の実行時にRAM消去スイッチ122が押されていれば、RAMの初期化処理(F1713,F1714)を実行する。また、電源断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様に、RAM203の初期化処理(F1713,F1714)を実行する。RAMの初期化処理(F1713,F1714)では、RAM203の使用領域を0クリアし(F1713)、その後、RAM203の初期値を設定する(F1714)。RAM203の初期化処理の実行後は、F1710の処理へ移行する。
一方、RAM消去スイッチ122がオンされておらず(F1704:No)、電源断の発生情報が記憶されており(F1705:Yes)、更にRAM判定値(チェックサム値等)が正常であれば(F1707:Yes)、RAM203にバックアップされたデータを保持したまま、電源断の発生情報をクリアする(F1708)。次に、サブ側の制御装置(周辺制御装置)を駆動電源遮断時の遊技状態に復帰させるための復電時の払出復帰コマンドを送信し(F1709)、F1710の処理へ移行する。払出制御装置111は、この払出復帰コマンドを受信すると、RAM213に記憶されたデータを保持したまま、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。
F1710の処理では、演出許可を示す初期化コマンドを音声ランプ制御装置113へ送信し、音声ランプ制御装置113および表示制御装置114に対して各種演出の実行を許可する。次いで、現在の遊技状態を示す情報と、現在の設定値に関する情報と、を含む状態コマンドを設定し(F1753)、割込み許可を設定し(F1712)、メイン処理に移行する。
次に、図771を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される立ち上げ処理24(図770参照)の中の一処理である設定値制御処理(F1752)の内容について説明をする。図771は、設定値制御処理(F1752)の詳細な内容を示したフローチャートである。
図771に示した通り、設定値制御処理(F1752)では、まず、RAM消去スイッチ122(図756参照)がオンされているか否かを判別し(F1901)、オンされていれば(F1901:Yes)、サブ側の制御装置(周辺制御装置)となる払出制御装置111を初期化するために払出初期化コマンドを送信する(F1902)。払出制御装置111は、この払出初期化コマンドを受信すると、RAM213のスタックエリア以外のエリア(作業領域)をクリアし、初期値を設定して、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。主制御装置110は、払出初期化コマンドの送信後は、RAM203の初期化処理(F1903、F1904)を実行する。RAMの初期化処理(F1903、F1904)では、RAM203の使用領域をクリアし(F1903)、その後、RAM203の初期値を設定する(F1904)。RAM203の初期化処理の実行後は、設定変更中を示す変更中コマンドを送信し(F1905)、処理をF1906へと移行する。
F1906の処理では、設定スイッチ110cがオンさたか(押下されたか)否かを判別する(F1906)。F1906の処理において、設定スイッチ110cがオンされた(押下された)と判別した場合は(F1906:Yes)、設定値格納エリア203xaのデータを1加算することにより更新し(F1907)、F1908の処理へ移行する。一方、F1906の処理において、設定スイッチがオフであると判別した場合は(F1906:No)、F1907の処理をスキップし、F1908の処理へ移行する。
F1908の処理では、設定キー110bがオフ位置に配置されているか否かを判別し(F1908)。設定キー110bがオフ位置に配置されていると判別した場合は(F1908:Yes)、設定変更完了を示す変更完了コマンドを音声ランプ制御装置113に送信し(F1909)、本処理を終了する。即ち、設定変更状態を終了して、立ち上げ処理24(図770参照)へと戻る。これにより、通常の遊技が可能な遊技可能状態に移行させることができる。
一方、F1908の処理において、設定キー110bがオフ位置に配置されていないと判別した場合は(F1908:No)、F1906の処理へと戻る。つまり、F1908の処理において設定キー110bがオフ位置に配置されたと判別されるまで、F1906〜F1908の各処理が繰り返される。
また、F1901の処理において、RAM消去スイッチ122がオンされていないと判別した場合は(F1901:No)、まず、払出制御装置111へ払出復帰コマンドを送信し(F1910)、次いで、設定値格納エリア203xaのデータを読み出す(F1911)。F1911の処理が終了すると、次に、読み出したデータに対応する設定値を設定値表示装置110aに表示させ(F1912)、設定確認状態を示す状態コマンドを設定して(F1913)、設定キー110bがオフ位置に配置されているか否かを判別する(F1914)。F1914の処理において、設定キー110bがオフ位置に配置されていると判別した場合には(F1914:Yes)、そのまま本処理を終了する。つまり、遊技可能状態に移行させる。一方、F1914の処理において、設定キー110bがオフ位置に配置されていないと判別した場合は(F1914:No)、F1914の処理を繰り返し実行する。つまり、設定キー110bがオフ位置に配置されるまで、設定確認状態を継続させる。
この設定値制御処理(F1752:図771参照)を実行することにより、設定変更状態において設定スイッチ110cに対する操作に応じて設定値を可変させることができる。また、設定確認状態において、設定スイッチ110bがオフ位置に配置されるまで、設定値表示装置110aに対して設定値を表示させ続けることができる。
<第24制御例における音声ランプ制御装置113の制御処理について>
次に、図772から図779を参照して、本第24制御例のパチンコ機10における音声ランプ制御装置113にて実行される制御処理の内容について説明をする。本第24制御例では、上述した第22制御例のパチンコ機10における音声ランプ制御装置113にて実行される制御処理の内容に対して、立ち上げ処理(図716参照)に代えて立ち上げ処理24(図772参照)を実行する点、コマンド判定処理(図718のF2112参照)に代えて、コマンド判定処理24(図774のF2172参照)を実行する点、状態コマンド受信処理(図719のF2202参照)に代えて状態コマンド受信処理24(図775のF2271参照)を、実行する点と、主制御装置110から停止種別コマンドを受信した場合に停止図柄種別設定処理24(図776のF2272参照)を実行する点と、で相違している。それ以外の処理内容については同一であり、同一の処理内容については、同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
まず、図772を参照して、立ち上げ処理24の処理内容について説明をする。図772は立ち上げ処理24の処理内容を示したフローチャートである。図772に示した通り、立ち上げ処理24は、上述した第22制御例にて実行される立ち上げ処理(図716参照)に対して、RAMの初期値設定を実行するF2010の処理を実行する前に待機処理(F2051)を実行する点で相違し、それ以外は同一である。同一の処理内容については同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
ここで、立ち上げ処理24(図772参照)にて実行される待機処理(F2051)の処理内容について、図773を参照して説明をする。図773は、待機処理(F2051)の処理内容を示したフローチャートである。この待機処理(F2051)では、設定変更操作が実行されている場合において、設定変更操作が完了するまでの間、音声ランプ制御装置113による立ち上げ処理24の進行を待機させるための処理が実行される。
待機処理(F2051)が実行されると、まず、変更中コマンドを受信したかを判別し(F2071)、受信したと判別した場合は(F2071:Yes)、設定変更中フラグ223xbをオンに設定し(F2072)、次いで、変更完了コマンドを受信したかを判別する(F2073)。
F2073の処理において、変更完了コマンドを受信したと判別した場合、即ち、設定変更操作が完了したことを示すコマンドを受信したと判別した場合は(F2073:Yes)、設定変更中フラグ223xbをオフに設定し(F2074)、立ち上げ処理24へ移行する。一方で、F2073の処理において変更完了コマンドを受信していないと判別した場合、即ち、設定変更操作が完了したことを示すコマンドを受信していない場合は(F2073:No)、変更完了コマンドを受信するまで、F2073の処理をループさせる。このように構成することで、設定変更操作中に音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理24(図772参照)が終了してしまうことを抑制することができる。
また、F2071の処理において、変更中コマンドを受信していないと判別した場合、即ち、設定変更操作が実行されていない場合は(F2071)、F2072〜F2074の処理をスキップして、立ち上げ処理24へ移行する。このように構成することで、パチンコ機10の電源投入時に設定変更操作を実行していない場合は、無用に音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理を待機させることが無くなるため、パチンコ機10の電源投入時に実行される各種処理(各制御装置における立ち上げ処理)を迅速に完了させ易くすることができる。
次に、図774を参照して、本第24制御例におけるコマンド判定処理24(F2172)の処理内容について説明をする。図774は、コマンド判定処理24(F2172)の処理内容を示したフローチャートである。図774に示した通り、コマンド判定処理24(F2172)は、上述した第22制御例におけるコマンド判定処理(図718のF2112参照)に対して、状態コマンドを受信した場合に実行される処理を、状態コマンド受信処理22(図719のF2202参照)から状態コマンド受信処理24(図775のF2271)に変更した点と、停止種別コマンドを受信した場合に、停止図柄種別決定処理24(図776のF2272参照)を実行する点と、停止コマンドを受信した場合に実行される処理を、停止コマンド処理22(図724のF2214参照)から停止コマンド処理24(図777のF2273参照)に変更した点と、で相違している。それ以外の処理内容は同一であり、同一の処理内容については同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
次に、図775を参照して、状態コマンド受信処理24(F2271)の処理内容について説明をする。図775は、状態コマンド受信処理24(F2271)の処理内容を示したフローチャートである。この状態コマンド受信処理24(F2271)は、上述した第22制御例におけるコマンド判定処理(図718のF2112参照)に対して、設定値情報を受信したと判別した場合に実行される処理を追加した点で相違し、それ以外は同一である。同一の内容については同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
コマンド判定処理(図718のF2112参照)が実行されると、まず、設定値情報を受信したかを判別し(F2371)、設定値情報を受信したと判別した場合に(F2371:Yes)、受信したコマンドに含まれる設定値情報を設定値格納エリア223xaに格納し(F2372)、F2301の処理へ移行する。
F2371の処理において、設定値情報を受信していないと判別した場合(F2371:No)、或いは、F2372の処理を終えると、上述した第22制御例におけるコマンド判定処理(図718のF2112参照)と同一のF2301〜F2312の処理を実行し、本処理を終了する。
上述した通り、F2372の処理によって、設定値情報を設定値格納エリア223xaに格納することで、設定されている設定値を示唆するための設定示唆演出を設定する際に、現在設定されている設定値に基づく演出態様を確実に設定することができる。
次に、図776を参照して、停止図柄種別設定処理24(F2272)の処理内容について説明をする。図776は、停止図柄種別設定処理24(F2272)の処理内容を示したフローチャートである。この停止図柄種別設定処理24(F2272)では、主制御装置110から受信した停止種別コマンド(大当たり、リーチ外れ、バラケ目)に基づいて、今回停止表示させる第3図柄の種別を設定するための処理が実行される。
停止図柄種別設定処理24(F2272)が実行されると、まず、停止種別選択フラグをオンに設定し(F4001)、今回の停止図柄種別が「大当たり」であるかを判別し(F4002)、「大当たり」であると判別した場合は(F4002:Yes)、ボイス固定フラグ223xcをオンに設定する。つまり、大当たり当選時に付与される特典を設定する(F4003)。
次に、大当たり種別が「大当たりA」、即ち、遊技者に有利となる大当たりであるかを判別し(F4004)、「大当たりA」であると判別した場合は(F4004;Yes)、第3図柄の種別を決定する抽選によって、奇数の数字を示す数字アイコンが付された第3図柄(奇数当たり図柄)を決定し、決定した第3図柄種別に対応する停止種別を設定し(F4005)、その後、F4010の処理へ移行する。
一方、F4004の処理において、大当たり種別が「大当たりA」では無いと判別した場合は(F4004:No)、第3図柄の種別を決定する抽選によって、偶数の数字を示す数字アイコンが付された第3図柄(偶数当たり図柄)を決定し、決定した第3図柄種別に対応する停止種別を設定し(F4005)、その後、F4010の処理へ移行する。
また、F4002の処理において、今回の停止図柄種別が「大当たり」では無いと判別した場合は(F4002:No)、受信した停止種別が「リーチ外れ」であるかを判別し(F4007)、「リーチ外れ」であると判別した場合は(F4007:Yes)、第3図柄の種別を決定する抽選によって、リーチハズレに対応する停止種別を設定し(F4008)、その後、F4010の処理へ移行する。F4007の処理において「リーチ外れ」ではないと判別した場合は(F4007:No)、変動種別に対応したはずれ図柄の停止種別を設定し(F4009)、F4010の処理へ移行する。
つまり、本第24制御例では、「大当たりA」に当選した場合のみ、奇数図柄が付された第3図柄が大当たり当選を示すための表示態様で停止表示されるように構成している。よって、第3図柄に付される複数の数字(数字アイコン)は、大当たり当選時における大当たり種別を示唆可能な識別情報となる。そして、偶数の数字が付された第3図柄よりも、奇数の数字が付された第3図柄の方が、遊技者に有利となる大当たり当選に対応づけられていることから、遊技者に有利な第3図柄となる。
F4010の処理では、キャラ変更抽選が実行され(F4010)、次に、キャラ変更抽選に当選したかを判別し(F4011)、当選したと判別した場合は(F4011:Yes)、当選内容に対応させた特殊第3図柄の表示を決定し(F4012)、決定した内容に対応する表示用コマンドを設定し(F4013)、本処理を終了する。一方、F4011の処理において、当選していないと判別した場合は(F4011:No)、そのまま本処理を終了する。
なお、本第24制御例では、特殊第3図柄(基本第3図柄に対して、数字アイコンの種別と、キャラクタ種別とを異ならせて表示される第3図柄)の表示決定を、抽選によって実行するように構成しているが、これに限ること無く、遊技者が任意に選択可能に構成しても良い。この場合、特殊第3図柄の表示決定の有無を遊技者に選択可能に構成しても良いし、特殊第3図柄の組合せ(特定の数字アイコンに対して付されるキャラクタ種別の決定や、特定のキャラクタ種別に対して付される数字アイコン種別の決定)も遊技者が選択可能に構成しても良い。さらに、遊技者が特殊第3図柄の組合せを選択(決定)可能に構成する場合には、遊技者が選択(決定)した特殊第3図柄の表示態様を、変動表示される第3図柄とは別に表示可能に構成し、遊技者が任意に特殊第3図柄の表示態様を確認できるように構成すると良い。
次に、図777を参照して、停止コマンド処理24(F2273)の処理内容について説明をする。図777は、停止コマンド処理24(F2273)の処理内容を示したフローチャートである。図777に示した通り、停止コマンド処理24(F2273)は、上述した第22制御例における停止コマンド処理22(図724のF2214参照)に対して、ボイスデータの設定に関する処理を追加した点で相違し、それ以外は同一である。同一の処理内容については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
停止コマンド処理24(F2273)が実行されると、まず、上述した第22制御例の停止コマンド処理22(図724のF2214参照)と同一のF2651〜F2656の処理を実行する。そして、F2656の処理を終えると、ボイス固定フラグ223xcがオンに設定されているかを判別し(F2671)、オンに設定されていないと判別した場合は(F2671:No)、ボイスコマンド選択テーブル222xaを参照してボイスコマンドを決定し(F2672)、決定したボイスコマンドを示すための音声用ボイスコマンドを設定し(F2673)、F2674の処理へ移行する。一方、F2671の処理において、ボイス固定フラグ223xcがオンに設定されていると判別した場合は(F2671:Yes)、今回の停止表示に基づいて新たなボイスデータを決定する必要が無いため、F2672,F2673の処理をスキップしてF2674の処理へ移行する。
F2674の処理では、今回停止表示される第3図柄が大当たり停止であるか(大当たり当選した特別図柄に対応する第3図柄停止であるか)を判別し(F2674)、大当たり当選であると判別した場合は(F2674:Yes)、ボイス固定フラグ223xcをオンに設定し(F2675)、F2657の処理を実行し、本処理を終了する。F2674の処理において大当たり当選では無いと判別した場合は(F2674:No)、F2675の処理をスキップしてF2657の処理を実行し、本処理を終了する。
次に、図778を参照して、変動開始時保留演出実行処理24(F3179)の処理内容について説明をする。図778は、変動開始時保留演出実行処理24(F3179)の処理内容を示したフローチャートである。図778に示した通り、変動開始時保留演出実行処理24(F3179)は、上述した第22制御例における変動開始時保留演出実行処理22(F3109)に対して、変動時間が10秒未満であると判別した場合(F3203:No)において保留アクション決定処理(F3271)を実行する点で相違し、それ以外は同一である。同一の処理内容については同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
ここで、図779を参照して、保留アクション決定処理(F3271)の処理内容について説明をする。図779は、保留アクション決定処理(F3271)の処理内容を示したフローチャートである。この保留アクション決定処理(F3271)では、実行される特別図柄変動の変動時間が短く(10秒未満)、保留図柄を同一の表示領域に維持させた状態で保留変化演出(第22制御例参照)を実行することが困難な場合において、シフト時チャンス演出を設定するための処理が行われる。
図779に示した通り、保留アクション決定処理(F3271)が実行されると、まず、保留アクション選択テーブル222xbを参照して保留アクションを決定し(F4101)、決定した保留アクションに対応する演出態様を示す表示用コマンドを設定し(F4102)、本処理を終了する。
<音声出力装置226における制御処理について>
次に、図780から図782を参照して、本第24制御例における音声出力装置226にて実行される制御処理の内容について説明をする。
まず、図780(a)を参照して、音声出力装置226のMPU301により実行されるメイン処理について説明する。図780(a)は、このメイン処理の内容を示したフローチャートである。
この音声出力装置226のメイン処理が実行されると、まず、コマンド判定処理(F6002)の中で合成音声データを所定期間(0.1秒間)サンプリングすることで得られた平均の振幅に基づいて生成される合成音声コマンドを音声ランプ制御装置113に対して送信するためのコマンド出力処理を実行する(F6001)。次に、音声ランプ制御装置113や、ADC309から受信したコマンドに応じた処理を行うコマンド判定処理を実行する(F6002)。このコマンド判定処理(F6002)の詳細については、図781を参照して後述する。F6002の処理後、演出に応じた音声データ(音声ファイル)を再生する音声設定処理を実行する(F6003)。この音声設定処理(F6003)の詳細については、図782を参照して後述する。
F6003の処理が終わると、ワークRAM303に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別する(F6004)。F6004の処理で電源断の発生情報が記憶されていれば(F6004:Yes)、電源断フラグ及び電源断処理中フラグを共にオンして(F6006)、電源断処理を実行する(F6007)。電源断処理の実行後は、電源断処理中フラグをオフし(F6008)、その後、処理を無限ループする。
一方、F6004の処理で電源断の発生情報が記憶されていなければ(F6004:No)、RAM303に記憶されるキーワードに基づき、RAM303が破壊されているか否かが判別され(F6005)、RAM303が破壊されていなければ(F6005:No)、F6001の処理へ戻り、繰り返しメイン処理が実行される。一方、RAM303が破壊されていれば(F6005:Yes)、以降の処理の実行を停止させるために、処理を無限ループする。
次に、図780(b)を参照して、音声出力装置226のMPU301により実行されるコマンド割込処理について説明する。図780(b)は、このコマンド割込処理の内容を示したフローチャートである。
このコマンド割込処理(図780(b)参照)は、音声ランプ制御装置113からコマンドを受信する毎に実行する処理である。
このコマンド割込処理では、受信したコマンドデータを抽出し、RAM303に設けられたコマンドバッファ領域に、その抽出したコマンドデータを順次格納して(F6501)、終了する。このコマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納された各種コマンドは、後述するコマンド判定処理によって読み出され、そのコマンドに応じた処理が行われる。
次に、図781を参照して、音声出力装置226のMPU301により実行されるメイン処理(図780参照)内の一処理であるコマンド判定処理(F6002)について説明する。図781は、このコマンド判定処理(F6002)の内容を示したフローチャートである。
コマンド判定処理(F6002)では、まず、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがあるか否かを判別し(F6101)、未処理の新規コマンドがなければ(F6101:No)、コマンド判定処理を終了してメイン処理に戻る。一方、未処理の新規コマンドがあれば(F6101:Yes)、オン状態で新規コマンドを処理したことを示す新規コマンドフラグをオンに設定し(F6102)、次いで、コマンドバッファ領域に格納されている未処理のコマンドすべてについて、そのコマンドの種別を解析する(F6103)。
そして、未処理のコマンドの中に、まず、音声用変動パターンコマンドがあるか否かを判別する(F6104)。この音声用変動パターンコマンドは、音声ランプ制御装置113の変動表示設定処理22(図727のF2113参照)の中で、変動パターンの詳細な表示態様を選択したタイミング(図727のF2910参照)で、あわせて、その表示態様に対応して再生すべき音声の種別および出力タイミングを通知するために設定される。
F6104の処理において、未処理のコマンドの中に音声用変動パターンコマンドがあると判別されると(F6104:Yes)、通知された変動パターンコマンドの実行中に用いる楽曲、効果音を特定し(F6105)、特定した楽曲、効果音の出力チャンネル、出力タイミングを設定して(F6106)、F6101の処理へ戻る。
F6104の処理において、音声用変動パターンコマンドがないと判別されると(F6104:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、ボイスコマンド(音声用ボイスコマンド)があるか否かを判別する(F6107)。この音声用ボイスコマンドは、音声ランプ制御装置113の停止コマンド処理24(図777参照)の中で、停止表示された第3図柄に付されているキャラクタ種別に基づくボイスデータを決定する処理(図777のF2672参照)に応じて生成され、音声ランプ制御装置113のメイン処理(図717参照)のコマンド出力処理(F2102)によって音声出力装置226に対して出力される。
F6107の処理において、未処理のコマンドの中に音声用ボイスコマンドがあると判別した場合は(F6107:Yes)、通知されたボイス種別に対応するボイスデータを特定(取得)し(F6108)、特定したボイスデータを選択中ボイス格納エリア303xbに格納し(F6109)、今回受信した音声用ボイスコマンドに特殊特典を付与するための情報が含まれているかを判別する(F6110)。特殊特典ありと判別した場合は(F6110:Yes)、対応する特典音声を音声ファイル記憶エリア302xaから読み出し、特典音声の出力タイミングを設定し(F6111)、S6101の処理へ戻る。
次に、図782を参照して、音声出力装置226のMPU301により実行されるメイン処理(図780参照)内の一処理である音声設定処理(F6003)の詳細について説明する。図782は、この音声設定処理(F6003)の内容を示したフローチャートである。
音声設定処理(F6003)では、まず、楽曲の出力(再生)タイミングであるか判別する(F6201)。F6201の処理において、楽曲の出力タイミングであると判別した場合は(F6201:Yes)、今回の楽曲に対応する音声ファイルを読み出し(F6202)、読み出した音声ファイルを、対応するチャンネルに出力し(F6203)、楽曲出力中フラグをオンに設定して(F6204)、F6205の処理へ移行する。なお、音声ファイルを出力するチャンネルは、ファイル毎に予め定められており、例えば、変動演出に用いる楽曲の音声ファイルは、チャンネル1に対して出力することが予め設定されている。
一方、F6201の処理において、楽曲の出力タイミングでないと判別した場合は(F6201:No)、F6202からF6204の処理をスキップして、F6205の処理へ移行する。
F6205の処理では、効果音の出力タイミングであるか否かを判別する(F6205)。効果音の出力タイミングでなければ(F6205:No)、本処理を終了する。一方、効果音の出力タイミングであれば(F6205:Yes)、今回の効果音に対応する音声ファイルを読み出し(F6206)、読み出した音声ファイルを対応するチャンネルに出力して(F6207)、特典音声の出力タイミングであるか判別する(F6208)。F6208の処理において、特典音声の出力タイミングでは無いと判別した場合は(F6208:No)、そのまま本処理を終了する。一方、F6208の処理において、特典音声の出力タイミングであると判別した場合は(F6208:Yes)、今回の特典音声に対応する音声ファイルを読み出し(F6209)、読み出した音声ファイルを対応するチャンネルに出力し(F6210)、本処理を終了する。
<第25制御例>
次に、図783から図794を参照して、第25制御例について説明をする。従来より、複数(3個)の第3図柄を特定の組合せ(同一図柄)で停止表示させることで大当たり当選したことを示す変動演出であって、複数の第3図柄の一部(例えば、3個の第3図柄のうち2個)が大当たり当選を示す特定の組合せの一部を示す態様で停止表示され、残りの第3図柄(例えば、3個の第3図柄のうち残りの1個)を変動表示されている状態(所謂、リーチ状態)にて、残りの第3図柄が何れの態様で停止表示されるかを遊技者に煽るための変動演出(リーチ変動演出)を実行するものが知られている。
そして、リーチ変動演出として、停止表示され得る第3図柄の種別数を変動表示される第3図柄の種別数よりも限定した範囲で遊技者に対して報知し、その報知された第3図柄種別の中から1の第3図柄を停止表示させるリーチ変動演出を実行するものがある。
このように構成することで、リーチ変動演出中において変動表示されている第3図柄(最終停止図柄)が停止表示されるよりも前に、停止表示される第3図柄の種別を遊技者に予測させ易くすることができるため、例えば、報知された内容が、大当たり当選したことを示す組合せで最終停止図柄が停止表示される可能性が高いことを示すものであった場合(最終停止図柄として停止表示され得る第3図柄の種別として報知された第3図柄種別のうち、大当たり当選を示す第3図柄種別の占有率が高い場合)には、大当たり当選への期待感を高めながら遊技者にリーチ変動演出を注視させることができ、演出効果を高めることができるものであった。
加えて、リーチ変動演出中に停止表示され得る第3図柄の種別数を変動表示される第3図柄の種別が同一の態様が複数報知されるように構成しているものも知られている。具体的には、例えば、「111」の組合せで第3図柄が停止表示した場合に大当たり当選を示すものであって、2個の第3図柄が「11」で停止表示されている状態で残り1個の第3図柄(最終停止図柄)が変動表示されているリーチ状態において、最終停止図柄の停止表示態様候補として、大当たり当選を示す「1」が2個、外れ当選を示す「2」が3個の計5個の候補を最終停止図柄が停止表示されるよりも前に報知可能なものが知られている。
このように構成することで、最終停止図柄の停止表示態様候補全体に対して、当たり当選を示す停止表示態様が占める割合を容易に異ならせることができるため、実行中の変動演出の演出結果が大当たり当選を示す演出結果であるか、外れ当選を示す演出結果であるかを遊技者に対して事前に予測させ易くすることができるものであった。
しかしながら、上述したリーチ変動演出では、演出結果が大当たり当選を示す演出結果となる場合には、事前に報知される最終停止図柄の停止表示態様として、大当たり当選を示す停止表示態様が占める割合を高くすることで、遊技者の大当たり当選への期待度を徐々に高める演出を提供することができる一方で、演出結果が大当たり当選では無い場合には、事前に報知される最終停止図柄の停止表示態様として、大当たり当選を示す停止表示態様が占める割合が低くなってしまい、リーチ変動演出の演出結果が停止表示(最終停止図柄が停止表示)されるよりも前に遊技者の遊技意欲を低下させてしまうという問題があった。
これに対して、本第25制御例では、特定のリーチ状態において、最終停止図柄の停止表示態様候補を報知した後に、リーチ状態として表示されている第3図柄の種別を可変可能に構成している。具体的には、「22」のリーチ状態中に報知される最終停止図柄の停止表示態様候補として「1,1,1,2,2」が報知された後に、リーチ状態の態様を「22」から「11」へと切り替え可能に構成している。
つまり、特定のリーチ状態では外れ当選を示す最終停止図柄の停止表示態様が、当たり当選を示す最終停止図柄の停止表示態様となるようにリーチ状態中の第3図柄種別を異ならせるように構成している。
このように構成することで、最終停止図柄の停止表示態様候補が報知された時点で当たり当選を示す停止表示態様が占める割合が低い場合であっても、リーチ状態の第3図柄種別が切り替わり、当たり当選を示す停止表示態様が占める割合が増加する可能性を残すことが可能となるため、遊技者に対して最後まで飽きること無くリーチ変動演出を実行させることができる。
さらに、本第25制御例では、特定のリーチ状態において、最終停止図柄の停止表示態様候補を報知した後に、リーチ状態として表示されている第3図柄の種別を増加可能に構成している。具体的には、「22」のリーチ状態中に報知される最終停止図柄の停止表示態様候補として「1,1,1,2,3」が報知された後に、リーチ状態の態様を「22」(シングルリーチ)から「11」と「22」(ダブルリーチ)へと切り替え可能に構成している。
このように構成することで、最終停止図柄の停止表示態様候補が報知された時点で当たり当選を示す停止表示態様が占める割合が低い場合であっても、リーチ状態となる第3図柄種別数を増加させ、当たり当選を示す停止表示態様が占める割合が増加する可能性を残すことが可能となるため、遊技者に対して最後まで飽きること無くリーチ変動演出を実行させることができる。
従来より、特別図柄抽選の抽選結果を示すための識別情報(特別図柄)が変動表示されている期間中に、液晶ディスプレイで構成された表示画面(第3図柄表示装置)にて、特別図柄に対応させた第3図柄を変動表示させる変動演出を実行するパチンコ機10がある。この従来型のパチンコ機10では、実行される変動演出の内容によって特別図柄抽選の結果が遊技者に有利な抽選結果(大当たり当選)であるか、遊技者に不利な抽選結果(外れ当選)であるかを、抽選結果が報知されるよりも前に遊技者に予測させるものが一般的であり、対応する特別図柄抽選の結果に基づいて異なる演出態様の変動演出を実行可能にすることで、大当たり当選している場合の方が、大当たり当選していない場合(外れ当選している場合)よりも実行され易い変動演出(有利変動演出)と、大当たり当選している場合よりも、大当たり当選していない場合(外れ当選している場合)の方が実行され易い変動演出(不利変動演出)と、を実行可能にするものが知られている。
さらに、パチンコ機10では、大当たり当選した場合において、遊技者に有利な特典が付与される遊技特性上、特別図柄抽選において大当たり当選する確率が、外れ当選する確率よりも低く設定されていることが一般的であり、特別図柄抽選の結果が外れ当選となる遊技を遊技者が長時間継続して実行した場合であっても、遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制するために、不利変動演出の演出態様として多種多様な演出態様を設定可能に構成し、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制しているものがある。
このように構成された、従来型のパチンコ機10によれば、変動演出の演出態様としてより多くの演出態様を決定可能に構成するほど、遊技者が遊技に飽き難くすることができるが、設定される演出態様が増加する分、変動演出を実行するために必要となる表示データの容量が増加してしまい、製造コストが増加してしまうという問題があった。
これに対して、本第25制御例では、変動演出の演出態様として設定される表示データを変えること無く、表示領域の縮尺を可変させることで遊技者に対して異なる変動演出を提供可能に構成している。具体的には、表示制御装置114に対して、表示領域の縮尺を変更させるための縮尺コマンドを送信することで、第3図柄表示装置81の表示画面に全体に表示されていた表示画像が縮小され、表示画面の一部領域に表示されたり、第3図柄表示装置81の表示画面の一部領域に表示されていた表示画像が表示画面全体を占めるように拡大表示されたりすることができるように構成している。また、表示画像の縮尺を変更するだけで無く、表示画像にひねりを加えたり、奥行き方向への立体バランスを可変させたりすることができるように構成している。
このように構成することで、変動演出の表示データを増加させること無く、遊技者に対して多くの表示態様で変動演出を体験させることができ、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことの無いパチンコ機10を提供することができる。
加えて、本第25制御例では、第3図柄表示装置81の表示面に表示される表示画像を形成するために複数の画層(レイヤ)を有しており、上述した表示領域の縮尺設定を、各画層に対して設定可能に構成している。このように構成することで、例えば、第3図柄表示装置81の表示面に表示される各種画像のうち、実行中の変動演出に対応する表示画像が表示される画層と、遊技に関する情報(例えば、保留図柄数を示す保留情報や、時短回数を示す時短情報等)に対応する表示画像が表示される画層と、を異ならせて形成し、変動演出に対応する表示画像が表示される画層のみに対して、縮尺設定を実行することができる。よって、表示画像の縮尺を異ならせることで遊技者に対して斬新な演出を提供しながらも、遊技者に報知すべき情報(遊技情報)に対応する表示画像(例えば、時短回数表示や、保留図柄表示)を縮尺させること無く継続して表示させることができるため、遊技者に多彩な演出を提供しながらも、遊技に関する情報を分かり易く報知することができる。
さらに、本第25制御例におけるパチンコ機10では、変動演出に対応する画層(変動表示用画層)として、複数の画層を有しており、例えば、少なくとも第3図柄が変動表示される主画層と、その主画層よりも背面側に形成され、変動演出の背景画像が表示される副画層と、を有している。そして、主画層が正常の尺度で縮尺設定されている場合は、副画層に表示される表示態様を遊技者が視認し難くなるように構成している。
そして、主画層に対して表示領域を縮小させるための縮尺設定が実行された場合には、第3図柄表示装置81の表示面である表示領域よりも小さい領域で、主画層に表示される表示画像が表示されるため、第3図柄表示装置81の表示面である表示領域のうち、縮小された主画層に表示される表示画像が表示されていない領域(空き表示領域)から、副画層に表示されている表示画像を遊技者が視認可能となるように構成している。
このように構成することで、表示画像を単に縮尺するだけで無く、新たな表示態様(副画層に表示されている表示態様)を、遊技者に視認させることができるため、より演出効果を高めることができる。
また、本第25制御例におけるパチンコ機10では、実行されている変動演出に対して、様々なタイミングで表示画像の尺度を変更するための縮尺設定を実行可能に構成している。このように構成することで、どのタイミングで、表示画像を縮尺させる縮尺演出が実行されるかを遊技者に把握させ難くすることができるため、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができる。
さらに、本第25制御例では、実行中の変動演出が大当たり当選している場合の方が、大当たり当選していない場合よりも、上述した縮尺演出が実行され易くなるように構成している。このように構成することで、縮尺演出が実行されることを遊技者に期待させながら遊技を行わせることができる。
なお、この場合、縮尺演出が実行される場合において、表示領域が縮小される画層(主画層)よりも背面側に形成される画層(副画層)のうち、縮小された主画層と重複しない表示領域、即ち、主画層の表示領域が縮小された場合に遊技者が視認することができる表示領域に、縮尺演出が実行されていることを遊技者に報知するための表示態様(例えば、「縮尺演出実行中」の表示)や、大当たり当選している期待度が高いことを示すための表示態様(例えば、「チャンス」の表示)が表示されるように、副画層に対して表示態様を予め設定しておくように構成すると良い。
このように構成することで、第3図柄表示装置81の表示面に表示されている表示画像の尺度を異ならせる演出(縮尺演出)が実行された場合に、パチンコ機10が故障したと遊技者に思われることを抑制することができる。また、縮尺演出が実行された場合に、視認可能となる情報として、遊技者に有利となる情報を遊技者に提供することができるため、縮尺演出が実行されることを遊技者により期待させながら遊技を行わせることができる。
ここで、本第25制御例のように、第3図柄表示装置81の表示面に表示させる表示画像を構成する表示データを変更すること無く、表示画像が表示される表示領域を縮尺する設定を実行可能に構成した場合、設定された尺度に対応して表示画像に表示される表示態様(例えば、第3図柄を示す数字アイコン)の尺度も変更されるため、縮尺前と、縮尺後で縦横比を異ならせた場合には、表示される表示態様の縦横比も変更することになる。この場合、大当たり当選の有無を遊技者に示唆するための変動演出として数字アイコン(第3図柄)が表示されている最中に縮尺演出が実行された場合には、第3図柄として表示されている数字が変形し、遊技者が誤認してしまうという問題があった。
また、複数の第3図柄がリーチ状態で停止表示され、残りの第3図柄が変動表示している状態のうち、残りの第3図柄(変動表示している第3図柄)がコマ送り(リーチ成立ライン上で各第3図柄が仮停止しながら変動する態様)で変動表示している状態において縮尺演出が実行された場合に、リーチ成立ライン上に仮停止している第3図柄の種別(数字の種類)を遊技者が誤認してしまうという問題があった。
加えて、変動演出として、変動演出期間中に第3図柄を外れを示す組合せで仮停止させ、その後、第3図柄を再度変動表示させることで大当たり期待度の高い演出(発展演出)を実行させる変動演出を実行可能なパチンコ機10において、第3図柄が仮停止している状態で縮尺演出を実行された場合には、仮停止している第3図柄が変形することで、遊技者が第3図柄の種別(数字の種類)を誤認してしまうという問題があった。
上述したように、遊技者が第3図柄の種別(数字の種類)を誤認する事態が発生した場合には、外れを示す第3図柄の組合せが表示されている場合であっても、あたかも第3図柄が大当たり当選を示す組合せで表示されていると誤認してしまい、大当たり遊技が実行されないことに対して不信感を与えてしまうという問題が発生する虞があった。
具体的には、数字の「9」に対応する第3図柄がリーチ状態となり、残りの第3図柄がリーチ成立ライン上に「8」を仮停止している状態で縮尺演出が実行された場合に、変形した「9」の表示態様と、「8」の表示態様が判別し難くなり、同一種別の第3図柄が成立ライン上に停止表示されている(大当たり当選を示す組み合わせで第3図柄が停止表示されている)と遊技者に誤認を与えてしまうという問題が発生する虞があった。
このような問題に対して、本第25制御例では、全ての第3図柄が成立ライン上に停止表示(仮停止表示含む)されている状態、或いは、全ての第3図柄が成立ライン上に停止表示(仮停止表示含む)される直前の状態にて縮尺演出が実行される場合には、少なくとも最後に停止表示される第3図柄(最終第3図柄)を遊技者が視認困難となる表示制御を実行可能に構成している。
具体的には、第3図柄が表示される主画層(レイヤ)の前面側に、常に透過率100%の予備画層を設けておき、縮尺演出が実行される場合において、主画層と予備画層とに対して同一の縮尺設定を実行可能に構成している。そして、縮尺演出が実行される場合において主画層にて実行されている変動演出の演出パターンを判別し、実行されている変動演出の演出パターンが、上述した問題が発生し得る演出パターンであると判別した場合には、予備画層の表示領域のうち、主画層における最終第3図柄の表示領域と重複する表示領域の超過率を低下させ、最終第3図柄を遊技者が視認困難となるように構成している。
このように構成することで、縮尺演出が実行された状態で最終第3図柄の表示態様を遊技者が視認し難くなるため、成立ライン上に停止表示(仮停止表示含む)されている第3図柄の組合せを遊技者が誤認してしまうという問題が発生してしまうことを抑制することができる。
このように、主画層と予備画層とに対して同一の尺度で表示領域を縮尺させるように構成することで、どのような尺度で縮尺演出が実行されたとしても、予備画層に表示される表示態様を用いて、主画層の任意の箇所を非表示(視認し難い状態)にすることができる。
さらに、本第25制御例では、予備画層の表示領域のうち、少なくとも主画層における最終第3図柄の表示領域と重複する表示領域に、大当たり当選の期待度が高いことを遊技者に示すための表示態様(例えば、「チャンス」の文字)が表示される表示制御を予め実行しておき、縮尺演出が実行されることに基づいて予備画層の一部領域の透過率を低下させた場合に、予備画層に表示されている大当たり当選の期待度が高いことを遊技者に示すための表示態様(例えば、「チャンス」の文字)が遊技者に視認可能な態様で表示されるように構成している。
<第25制御例における演出内容について>
次に、図783から図787を参照して、本第25制御例のパチンコ機10にて実行される特徴的な演出の内容について説明をする。本第25制御例では、リーチ状態が表示された後に、最終的に停止表示される第3図柄(最終停止第3図柄)の種別を示唆するための図柄アイコンを複数表示し、その表示された複数の図柄アイコンのうち、何れか1つの図柄アイコンに対応する第3図柄を最終的に停止表示させる図柄ストックリーチ演出を実行可能に構成している。
このように構成することで、リーチ状態が成立した後に、最終停止第3図柄として停止表示され得る候補を遊技者に報知することができるため、今回の変動演出の演出結果を遊技者に予測させ易くすることができる。
ここで、図783から図784を参照して、図柄ストックリーチ演出の演出内容について説明をする。図783(a)は、図柄ストックリーチ演出が開始された直後に表示される表示画面の一例を示した図であって、図783(b)は、図柄ストックリーチ演出にて複数の図柄アイコンをストックした時点において表示される表示画面の一例を示した図であって、図784(a)は、ストックされた複数の図柄アイコンが、一旦、表示画面上から非表示となる場合の表示画面の一例を示した図であって、図784(b)は、図柄ストックリーチ演出の演出結果を示した表示画面の一例を示した図である。
図783(a)に示した通り、主表示領域Dmの上方に、現在がリーチ状態あることを示すための表示態様「2↓2」の表示態様で第3図柄が変動表示し、リーチ状態を示す表示態様で表示されている第3図柄の近傍に形成された表示領域HR3に、リーチ状態であることを示すための案内態様である「リーチ」の文字が表示されている状態で、図柄ストックリーチ演出が開始されると、副表示領域Dsには、図柄ストックリーチ演出の演出内容を案内するための案内態様として「図柄をストックしろ」のコメントが表示されると共に、主表示領域Dmの下方にて、キャラクタ801が図柄アイコンを貯める演出が実行される。
図783(a)に示した例では、既に1個の図柄アイコン(第1図柄アイコン802a)を獲得している(貯めている)状態を示している。図柄アイコンには、対応する第3図柄の種別を遊技者が認識可能な表示態様が付されており、図783(a)に示した第1図柄アイコン802aは、「1」の第3図柄に対応していることを示すための表示態様「1」が付されている。本第25制御例では、最終停止第3図柄の表示態様を示唆するための表示態様として、図柄アイコンを表示可能に構成しており、図柄アイコンの表示態様は、対応する第3図柄の種別を遊技者に把握させることが可能であり、且つ、図柄アイコンが第3図柄では無いことを遊技者に把握させることが可能となる表示態様で形成される。
具体的には、図柄アイコン(第1図柄アイコン802a)は、丸いボー−ルを模した球体の中に対応する第3図柄の種別(数字)を示すマークを付した表示態様で形成されている。このように構成することで、第3図柄がリーチ状態中に図柄アイコン(第1図柄アイコン802a)が表示された場合に、図柄アイコン(第1図柄アイコン802a)事態が最終停止第3図柄であると遊技者に誤解を与えてしまうことを抑制することができる。
また、図783(a)に示した通り、第3図柄の変動表示領域とは大きく異なる箇所に図柄アイコンを表示するように構成している。このように構成することで、変動演出が実行されている際中に、図柄アイコンが1つ(例えば、第1図柄アイコン802a)表示された場合において、リーチ状態である第3図柄(2個)と、図柄アイコン(1個)を組み合わせて大当たり当選を示す組合せで第3図柄が停止表示されたと遊技者に誤解を与えてしまうことを抑制することができる。
次に、図柄ストックリーチ演出において、複数の図柄アイコンを獲得(ストック)すると、図783(b)に示した通り、複数の図柄アイコン(第1図柄アイコン802a〜第4図柄アイコン802d)が表示される。本第25制御例では、図柄アイコンの最大ストック数が4個であるため、図783(b)に示した状態が図柄アイコンを最大数ストックした状態となる。よって、副表示領域Dsには、最大数の図柄アイコンを獲得(ストック)したことを案内するための案内態様として「ストック完了」のコメントが表示される。
このように構成することで、図柄ストックリーチ演出中において、ストックした図柄アイコンの数が最大数であるか否かを遊技者に分かり易く報知することができるため、図柄アイコンのストック数がこれ以上増えることの無い状態においても、更に図柄アイコンがストックされることを無用に期待してしまう事態が発生することを抑制することができる。
また、第1図柄アイコン802aと第2図柄アイコン802bとの間にキャラクタ801を位置させることにより、3つの図柄アイコンが横並びに表示されることが無いように構成している。このように構成することで、同一の第3図柄種別(例えば「1」)に対応する図柄アイコンが他の表示態様を挟むこと無く横並びに表示されてしまい、大当たり当選を示す第3図柄が停止表示していると遊技者に誤解を与えてしまうことを抑制することができる。
なお、図783(b)に示した例では、4個の図柄アイコンが直線上に表示されているため、例えば、キャラクタ801の右側に表示されている第1図柄アイコン802aと、第4図柄アイコン802dと、が同一の第3図柄種別を示すための表示態様で表示されている合には、第1図柄アイコン802aと、第4図柄アイコン802dとで、新たなリーチ成立ラインが成立したのではと遊技者に誤解を与えてしまうという問題があった。
そこで、図783(b)に示したように、複数の図柄アイコン(第1図柄アイコン802a〜第4図柄アイコン802d)が表示された場合には、各図柄アイコンが直線上に位置しないように、各図柄アイコンの表示位置を決定すると良い。このように構成することで、表示画面上に複数の図柄アイコンが表示されたとしても、新たなリーチ成立ラインが成立したと遊技者に誤解を与え難くすることができる。また、これ以外にも、各図柄アイコンの表示態様を異ならせたり、大きさを異ならせたりするように構成しても良い。このような構成を用いた場合であっても、新たなリーチ成立ラインが成立したと遊技者に誤解を与え難くすることができる。
その後、図柄ストックリーチ演出にてストック(獲得)を上限数獲得した場合には、図784(a)に示した通り、獲得した図柄アイコンが上昇し、一旦表示領域から外れる演出が実行される。そして、その後、獲得した図柄アイコンを再度表示画面上に表示させるアクションをキャラクタ801が実行すると共に、ストックされた図柄アイコンの何れかに対応する第3図柄が最終停止第3図柄として停止表示される。
ここで、上述した図柄ストックリーチ演出では、演出結果が大当たり当選を示す演出結果となる場合には、事前に表示される図柄アイコンの種別として、大当たり当選を示す第3図柄に対応する図柄アイコンが占める割合を高くすることで、遊技者の大当たり当選への期待度を徐々に高める演出を提供することができる一方で、演出結果が大当たり当選では無い場合には、事前に表示される図柄アイコンの種別として、大当たり当選を示す第3図柄に対応する図柄アイコンが占める割合が低くなってしまい、図柄ストックリーチ演出の演出結果が停止表示(最終停止第3図柄が停止表示)されるよりも前に遊技者の遊技意欲を低下させてしまうという問題があった。
これに対して、本第25制御例では、ストックされた図柄アイコンを用いて、リーチ状態が成立している第3図柄の種別も変更可能に構成している。この場合、図784(b)にでは、図784(a)に示した状態では、「2↓2」のリーチ状態が表示されていたが、図柄アイコンによって、「1↓1」のリーチ状態へと切り替わり、最終停止第3図柄として「1」が停止表示され、遊技者に対して大当たり当選したことを示すための組合せで第3図柄を停止表示している。
つまり、図柄ストックリーチ演出の前半期間においては、外れ当選を示す最終停止第3図柄に対応する図柄アイコンが、当たり当選を示す最終停止第3図柄に対応する図柄アイコンへと切り替わるように構成している。
このように構成することで、図柄ストックリーチ演出にて図柄アイコンが全て表示された時点で当たり当選を示す図柄アイコンが占める割合が低い場合であっても、リーチ状態の第3図柄種別が切り替わり、当たり当選を示す図柄アイコンが占める割合が増加する可能性を残すことが可能となるため、遊技者に対して最後まで飽きること無く図柄ストックリーチ演出を実行させることができる。
なお、図示は省略しているが、本第25制御例では、図柄ストックリーチ演出として、図柄アイコンを全て表示した後に、リーチ状態として表示されている第3図柄の種別を増加させる演出態様を設定可能に構成している。具体的には、図784(a)に示した「2↓2」のリーチ状態から、図柄アイコンを用いて、リーチ状態の態様を「11」と「22」(ダブルリーチ)へと切り替え可能に構成している。
このように構成することで、最終停止第3図柄の停止表示態様候補である図柄アイコンが全て表示された時点で当たり当選を示す図柄アイコンが占める割合が低い場合であっても、リーチ状態となる第3図柄種別数を増加させることで、当たり当選を示す図柄アイコンが占める割合を増加させる可能性を残すことが可能となるため、遊技者に対して最後まで飽きること無く図柄ストックリーチ演出を実行させることができる。
次に、図785、及び、図786を参照して、本第25制御例における画面プレス演出の演出内容について説明をする。本第25制御例では、第3図柄表示装置81の表示画面に表示される表示画像を作成した後、その表示画像を加工する加工処理を実行可能に構成している。そして、その加工処理を、表示画像全体では無く、表示画像に表示される各種スプライトを、複数の画層単位に区分けし、各画層に対応させて加工処理を実行可能に構成している。
具体的には、図785(a)に示した通り、表示画像を形成する画層として、後面側から副画層fr、主画層sr、予備画層yr、本画層hrを少なくとも設けている。通常第3図柄表示装置81に表示され、遊技者が視認可能となる表示画像は、第3図柄の変動演出等の主演出が表示される主画層srと、遊技結果に関わる第4図柄が表示される本画層hrとに生成される表示画像によって形成される。
副画層frは、常に、主画層srに表示される表示画像によって、遊技者からは視認困難となるように構成されており、例えば、主画層srに対して表示領域を縮小させる加工処理が施された場合にのみ、遊技者に視認可能となる。また、予備画層yrは、通常時は透過率100%が設定されており、予備画層yrに表示されている表示画像を遊技者が視認できないように構成している。この予備画層yrは、主画層srとセットで加工処理が実行されるように規定されている。
つまり、主画層srに対して縮小率A%の加工処理を実行した場合には、予備画層yrに対しても縮小率A%の加工処理が実行されるように構成している。よって、主画層srに表示される表示画像と、予備画層yrに表示される表示画像とは、加工処理の処理内容に関わらず、常に表示位置が同期するように構成している。そして、予備画層yrに対しては、加工処理として透過率を可変させる加工処理が実行されるように構成している。このように構成することで、例えば、縦横比を異ならせるための加工処理を、主画層srに対して実行した場合に、主画層srに表示される第3図柄の表示態様が変形し、遊技者が停止表示されている第3図柄の種別を誤認してしまう虞がある場合には、予備画層yrの透過率を下げる(0%)にすることで、変形した第3図柄を隠すことが可能となる。
次に、図785(b)を参照して、予備画層yrの表示画像について説明をする。図785(b)に示した通り、予備画層yrは、主画層srに表示される第3図柄の表示領域(少なくとも第3図柄のうち、最終停止される第3図柄が表示される表示領域)と表示位置が重複する領域に目隠し用の表示画像が表示される画層である。本第25制御例では、予備画層yrに対して、常に表示処理が実行され、透過率100%が設定されている。そして、大当たり当選期待度が高い変動演出として、主画層srの縦横比が変形する画面プレス演出が実行された場合に、透過率を100%から0%へと可変させる加工処理が施される。よって、図785(b)に示した通り、目隠し用の表示画像として、遊技者に対して大当たり当選の期待度が高いことを示すための表示態様として「チャンス」の文字を付した表示画像が表示されている。
次に、主画層srには、上述した各制御例にて実行される様々な変動演出に対応する表示画像が表示される(図785(c)参照)。そして、副画層frには、図785(b)に示した通り、大当たり当選期待度が高い変動演出として、主画層srの縦横比が変形する画面プレス演出が実行された場合に対応する表示画像が常に表示されている。なお、図示は省略しているが、本画層hrには、遊技結果に関わる遊技情報(特別図柄抽選の結果を示す情報や、エラー表示)が表示される。この本画層hrが、表示画像に対する加工処理が一切施されることの無い画層である。このように構成することで、表示画像の尺度を変更させる加工処理を実行した場合であっても、遊技に関わる重要な情報を常に同一態様で報知することができる。
ここで、図786を参照して、画面プレス演出の内容について説明をする。図786(a)は、画面プレス演出が開始される直前における通常表示画面を示した図であって、図786(b)は、画面プレス演出中の表示画面の一例を示した図である。図786(a)に示した図は、何れの画層に対しても加工処理が実行されていない状態である。よって、副画層frの表示画像を視認することができず、且つ、予備画層yrの表示画像も視認できない状態である。なお、この状態であっても、副画層fr、予備画層yrに対しては表示処理が実行されている。
そして、画面プレス演出が実行されると、主画層sr、及び、予備画層yrに対して、尺度A(通常縦横比が1:2に対して、1:8とする尺度)の加工処理が施され、主画層srの表示領域(表示画像)が通常時に対して、上下方向につぶれた変動演出が実行される。この場合、主画層srに表示されている第3図柄「9」や「8」が見た目上、「0」に近い表示態様となるため、図786(a)に示した第3図柄の表示態様のまま、プレス演出が実行されてしまうと、「0」が付された第3図柄が大当たり当選を示す表示態様で停止表示したと誤解してしまう虞がある。よって、図786(b)に示した通り、主画層sr、及び、予備画層yrに対して、尺度A(通常縦横比が1:2に対して、1:8とする尺度)の加工処理には、予備画層yrの透過率を0%にする加工情報が含まれており、中図柄「8」に対応する位置に予備画層yrの表示画像が表示される。これにより、「0」が付された第3図柄が大当たり当選を示す表示態様で停止表示したと遊技者が誤認してしまうことを抑制している。
さらに、予備画層yrの表示画像として「チャンス」の文字が付された表示画像を遊技者に視認させるようにしているため、単に第3図柄を目隠しするだけでなく、大当たり当選の期待度が高いことを示すための表示態様としても用いることができる。
そして、主画層srに対して加工処理が施されことにより生じた空き表示領域には、副画層frの表示画像が遊技者に視認可能な状態で表示される。副画層frには、主画層srが潰されたことに対する演出効果を高めるための表示画像(矢印)が表示されている。また、「画面プレス演出発生」の文字が表示されている。このように構成することで、主画層srの表示領域が急に変形した場合において、パチンコ機10が故障したと遊技者が誤解してしまうことを抑制することができる。
<第25制御例における音声ランプ制御装置113の電気的構成について>
次に、図787を参照して、本第25制御例の音声ランプ制御装置113が有するROM222の構成について説明をする。図787は、本第25制御例の音声ランプ制御装置113が有するROM222の構成を示した図である。図787に示した通り、本第25制御例の音声ランプ制御装置113が有するROM222は、上述した第22制御例の音声ランプ制御装置113が有するROM222(図693(a)参照)に対して、図柄ストックリーチ選択テーブル222yaを追加している点で相違し、それ以外は同一である。同一の内容については同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
図柄ストックリーチ選択テーブル222yaは、図柄ストックリーチ演出の演出態様を決定する際に参照されるデータテーブルであって、遊技状態として通常状態が設定されている場合における特別図柄変動に対応する変動演出を設定するための通常状態演出態様決定処理25(図791のF3098参照)において、変動演出種別が図柄ストックリーチであると判別された場合(図791のF3191:Yes)に、参照される。
ここで、図788を参照して、図柄ストックリーチ選択テーブル222yaの内容について説明をする。図788は、図柄ストックリーチ選択テーブル222yaに規定されている内容を示した図である。図788に示した通り、当否判定結果や、取得した第2演出カウンタ223vgの値に応じて、異なる演出パターンが規定されている。ここで、本第25制御例では、奇数図柄の方が、偶数図柄よりも遊技者に有利な大当たりに当選していることを報知し易く構成している。よって、図柄ストックリーチの演出態様として、奇数図柄「1.1」のリーチ状態から「2.2」のリーチ状態へと切り替わることが無いように各演出パターンを規定している。このように構成することで、変動演出が進行する過程で遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができる。
<第25制御例における表示制御装置114の電気的構成について>
次に、図789を参照して、本第25制御例における表示制御装置114の電気的構成について説明をする。本第25制御例における表示制御装置114は、上述した第1制御例における表示制御装置114に対して、キャラクタROM234が有するNAND型フラッシュメモリ234aに画像加工データ記憶エリア234a3を設けた点と、ワークRAM233に加工情報格納エリア233aaを設けた点と、で相違している。
画像加工データ記憶エリア234a3は、描画リストに基づいて第1フレームバッファ236b、或いは第2フレームバッファ236cに格納された描画情報に基づいて表示処理される表示画像、即ち、第3図柄表示装置81の表示面に表示される表示画像全体に対して、その表示画像の尺度や傾きを変更するための加工情報(画像加工データ)が記憶されている記憶領域である。
本第25制御例では、表示制御装置114が有する画像コントローラ237によって生成される表示画像に対して、画像加工データ記憶エリア234a3から読み出した加工情報に基づく加工処理を実行可能に構成している。このように構成することで、同一の描画処理によって生成された表示画像の見た目を容易に異ならせることが可能となる。よって、描画処理の処理負荷を増加させること無く、表示態様を異ならせた表示画像を第3図柄表示装置81の表示面に表示させることができる。
加工情報格納エリア233aaは、画像加工データ記憶エリア234a3から読み出された加工情報を一時的に記憶するための記憶領域である。表示制御装置114が表示処理を実行する場合には、第1フレームバッファ236b、或いは第2フレームバッファ236cの何れかに対して、描画リストに基づいて描画情報を格納する処理と並行して、他方のフレームバッファに既に格納されている描画情報と、加工情報格納エリア233aaに格納されている加工データとに基づいた表示処理が実行される。
次に、図790を参照して、本第25制御例における表示制御装置114にて生成される描画リストの内容について説明をする。図790は、本第25制御例における描画リストを模式的に示した図である。
図790に示した通り、本第25制御例では、1フレーム分の画像の描画に用いられる全スプライトに対する詳細な描画情報(詳細情報)を生成すると共に、その詳細情報をスプライト毎に並び替え、レイヤ種別を大別させた状態で描画リストを作成している点で上述した第1制御例と異ならせている。つまり、上述した第1制御例と同様に、MPU231により描画リストを生成するにあたり、1フレーム分の画像の中で、最も背面側に配置すべきスプライトから前面側に配置すべきスプライト順に並び替えて、それぞれのスプライトに対する詳細な描画情報(詳細情報)を記述するように構成しており、そのスプライト順に対して、レイヤ種別を規定するように構成している。そして、レイヤ種別単位で画像加工処理を実行可能に構成している。
具体的には、図790に示した通り、レイヤ種別として、背面側から順に、副画層fr、主画層sr、予備画層yr、本画層hrが規定されている。
<第25制御例における音声ランプ制御装置113の処理内容について>
次に、本第25制御例における音声ランプ制御装置113の処理内容について説明をする。本第25制御例における音声ランプ制御装置113の制御処理は、上述した第22制御例における音声ランプ制御装置113の制御処理に対して、通常状態演出態様決定処理22(図728のF3018参照)に代えて、通常状態演出態様決定処理25(図791のF3098参照)を実行する点で相違し、それ以外は同一である。同一の内容については同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
ここで、図791を参照して、通常状態演出態様決定処理25(F3098)の処理内容について説明をする。図791は、通常状態演出態様決定処理25(F3098)の処理内容を示したフローチャートである。この通常状態演出態様決定処理25(F3098)では、変動演出種別として、図柄ストックリーチが決定された場合と、加工リーチが決定された場合とで、実行される制御処理を追加した点で相違し、それ以外は同一である。同一の処理内容については同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
通常状態演出態様決定処理25(F3098)が実行されると、まず、上述した通常状態演出態様決定処理22(図729のF3018参照)と同一のF3101〜F3106の処理を実行する。そして、F3104の処理において、ムービー実行リーチでは無いと判別した場合(F3104:No)は、次に、今回の変動演出種別が図柄ストックリーチであるかを判別し(F3191)、図柄ストックリーチであると判別した場合は(F3191:Yes)、図柄ストックリーチ選択テーブル222yaを参照して演出態様を決定し(F3192)、F3108の処理へ移行する。
また、F3191の処理において、図柄ストックリーチでは無いと判別した場合は(F3191:No)、次に、今回の変動演出種別が加工リーチであるかを判別し(F3193)、加工リーチであると判別した場合は(F3193:Yes)、対応する加工コマンド(画像加工情報及び、画像を加工する演出期間を示す情報を含むコマンド)を設定し(F3194)、F3108の処理へ移行する。一方、F3194の処理において、加工リーチでは無いと判別した場合は(F3194:No)、上述した通常状態演出態様決定処理22(図729のF3018参照)と同一のF3107〜F3108の処理を実行し本処理を終了する。
F3194の処理において設定された加工コマンドは、音声ランプ制御装置113のメイン処理(図717参照)にて実行されるコマンド出力処理(図717のF2102参照)によって、表示制御装置114へと出力される。表示制御装置114側では、加工コマンドを受信した場合に、受信した加工コマンドに含まれる情報から表示画像を加工するための加工情報と、表示画像が加工される演出期間を示す期間情報と、を特定し、特定した加工情報に対応する加工データを、画像加工データ記憶エリアから読み出し、読み出した加工データ及び、期間情報を加工情報格納エリア233aaに格納する。
そして、表示処理を実行する際に加工情報格納エリア233aaに格納されている各種情報に基づいて画層種別(レイヤ種別)単位で画像加工処理を施し、表示画面に表示画像を表示する。このように構成することで、表示画像を形成する複数の画層のうち、一部の画層(例えば、主画層sr)のみ縮小加工を施すことにより、主画層srよりも背面側に形成される副画層frに表示される表示画像を遊技者に視認させることが可能となる。
このように構成することで、同一の描画リストを用いて形成される表示画像を用いて異なる表示態様を表示させることが可能となるため、演出効果を高めることができる。
次に、図792から図794を参照して、本第25制御例における表示制御装置114にて実行される制御処理の内容について説明をする。本第25制御例では、上述した第1制御例における表示制御装置114の制御処理内容に対して、コマンド判定処理(図190のS6302)に代えてコマンド判定処理25(図792のF6302参照)を実行する点と、描画処理に代えて描画処理25(図794のF6306参照)を実行する点と、で相違している。それ以外の処理内容は同一であり、同一の内容については同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
まず、図792を参照して、コマンド判定処理25(F6302)の処理内容について説明をする。図792は、コマンド判定処理25(F6302)の処理内容を示したフローチャートである。このコマンド判定処理25(F6302)は、上述した第1制御例におけるコマンド判定処理(図190のS6302参照)に対して、加工コマンドを受信した場合に実行する処理を追加した点で相違しており、それ以外は同一である。なお、図792に示したコマンド判定処理25(F6302)では、上述したコマンド判定処理(図190のS6302)に対して、説明の便宜上、各処理内容に対して付している符号のうちアルファベットを「S」から「F」へと変更しているが、数字が同一の制御処理は同一の内容であるため、その詳細な説明を省略している。
図792に示した通り、コマンド判定処理25(F6302)が実行されると、まず、上述したコマンド判定処理(図190のS6302)と同一のF6401〜F6417の処理を実行する。そして、F6416の処理において、表示用報知コマンドが無いと判別した場合は(F6416:No)、次に、未処理のコマンドの中に加工コマンドがあるかを判別し(F6451)、加工コマンドがあると判別した場合は(F6451:Yes)、加工コマンド処理を実行し(F6452)、その後、F6401へと移行する。
一方、F6451の処理において、加工コマンドが無いと判別した場合は(F6451:No)、上述したコマンド判定処理(図190のS6302)と同一のF6420〜F6422の処理を実行し、その後、F6401へと移行する。
次に、コマンド判定処理25(F6302)において実行される加工コマンド処理(F6452)の処理内容について、図793を参照して説明をする。図793は、加工コマンド処理(F6452)の処理内容を示したフローチャートである。この加工コマンド処理(F6452)では、音声ランプ制御装置113から出力された加工コマンド(表示画像を形成する各画層(副画層fr、主画層sr、予備画層yr、本画層hr)単位で設定される加工情報と、各画層を加工する演出期間を示す情報を含むコマンド)に基づいて、表示画像を加工する際に用いる加工情報を設定するための処理が実行される。
加工コマンド処理(F6452)が実行されると、まず。今回受信した加工コマンドに対応した加工情報を、画像加工データ記憶エリア234a3より読み出し(F6901)、読み出した情報に含まれる加工情報と、その実行期間(演出期間)とを、加工情報格納エリア233aaに設定し(F6902)、本処理を終了する。本処理を実行することにより、表示処理を実行する際に、表示画像を形成する各画層に対して、各画層単位で加工(縮尺変更や傾き変更や透過率変更等)を施すことが可能となる。
次に、図794を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である描画処理25(F6306)の詳細について説明する。図794は、この描画処理25(F6306)を示すフローチャートである。この描画処理25(F6306)は、上述した第1制御例における描画処理(図201のS6306参照)に対して、加工情報に基づく表示処理を実行する点で相違し、それ以外は同一である。なお、図794に示した描画処理25(F6306)では、上述した描画処理(図201のS6306参照)に対して、説明の便宜上、各処理内容に対して付している符号のうちアルファベットを「S」から「F」へと変更しているが、数字が同一の制御処理は同一の内容であるため、その詳細な説明を省略している。
描画処理25(F6306)が実行されると、まず、上述した第1制御例における描画処理(図201のS6306参照)におけるS7801〜S7803と同一のF7801〜F7803の処理を実行する。その後、加工情報格納エリア233aaに表示画像を加工するための情報が格納されているかを判別し(F7851)、情報があると判別した場合は(F7851:Yes)、本処理において描画リストに基づいて画像の描画処理が実行されたフレームバッファとは異なる側のフレームバッファに展開されている画像情報に対して、加工処理を実行し(F7852)、第3図柄表示装置81に表示し(F7853)、本処理を終了する。一方、F7851の処理において、加工情報格納エリア233aaに情報が無いと判別した場合は、本処理において描画リストに基づいて画像の描画処理が実行されたフレームバッファとは異なる側のフレームバッファに展開されている画像情報をそのまま第3図柄表示装置81に表示させる表示処理を実行し(F7854)、本処理を終了する。
このように構成することで、同一の描画リストに基づいてフレームバッファに展開した画像情報を用いて、加工情報に基づく加工処理を実行することにより、多彩な表示態様を第3図柄表示装置81に表示させることが可能となる。よって、演出効果を高めることができる。
また、本第25制御例では、表示画像全体に対してでは無く、レイヤ種別(画層種別)単位で加工処理を実行可能に構成しているため、特定の画層(主画層sr)に対して表示領域が縮小する加工処理を実行することで、特定の画層(主画層sr)よりも背面側に形成される画層(副画層fr)の表示態様を遊技者に視認させることが可能となる。よって、同一の描画リストに基づいてフレームバッファに展開した画像情報を用いて、表示態様を大きく異ならせた表示画像を表示させることが可能となる。
さらに、装飾用の第3図柄(数字アイコン)が表示される主画層srの表示画像に対して縦横比を異ならせる加工処理を実行した場合には、主画層srに表示される第3図柄(数字アイコン)の縦横比も変形し、遊技者が識別困難な第3図柄が表示されてしまう虞があるが、本第25制御例では、主画層srの全面側に、主画層srと同一の加工処理が施される予備画層yrを設けており、主画層srに対して、縦横比を変形させる加工処理が施された場合に、予備画層yrの表示態様を用いて、縦横比が変形した第3図柄を遊技者が視認困難となるように構成している。このように構成することで、外れ当選していることを示すための第3図柄が停止表示しているにも関わらず、大当たり当選していることを示すための第3図柄が停止表示していると遊技者に誤解を与えてしまうことを抑制することができる。
加えて、本第25制御例では、予備画層yrの表示領域のうち、主画層srにて第3図柄(最終停止第3図柄)が停止表示される表示位置と重複する位置に対して、第3図柄を見えにくくするための表示態様を配置しておき、常時、予備画層yrの透過率を100%とすることで、通常であれば、予備画層yrに表示されている表示態様を遊技者が視認できないように構成し、主画層srに対して、縦横比を変形させる加工処理が施された場合に、予備画層yrの透過率を0%にすることで、変形した最終停止第3図柄を遊技者が視認できないように構成している。このように構成することで、変形した最終停止第3図柄を隠すための表示態様についても予め描画リストに基づいて展開しておくことが可能となるため、加工処理の有無に基づいて異なる描画リストを生成する手間を省略することができる。
<第25制御例の第1変形例について>
次に、図795、及び図796を参照して、上述した第25制御例の第1変形例について説明をする。本第25制御例の第1変形例では、上述した第25制御例において実行された図柄ストックリーチ演出の演出態様を異ならせている点で相違している。それ以外の内容は同一であるため、その詳細な説明を省略する。
上述した第25制御例では、図783、及び図784を参照して上述した通り、図柄ストックリーチ演出として、リーチ状態中に最終停止第3図柄の停止表示態様候補となる複数の図柄アイコン(第1図柄アイコン802a〜第4図柄アイコン802d)を表示させ(図783(b)参照)、その複数の図柄アイコンを一旦表示領域外へと持ち上げる演出(図784(a)参照)を実行した後に、キャラクタ801のアクション(剣を振り下ろす動作)に併せて、複数の図柄アイコン(第1図柄アイコン802a〜第4図柄アイコン802d)のうち、何れかの図柄アイコンが示す第3図柄の表示態様で最終停止第3図柄を停止表示させる演出を実行するように構成していた。また、キャラクタ801のアクション(剣を振り下ろす動作)に併せて、複数の図柄アイコン(第1図柄アイコン802a〜第4図柄アイコン802d)によって、リーチ状態である第3図柄の表示態様まで切り替える演出(図784(b)参照)を実行するように構成していた。
つまり、上述した第25制御例における図柄ストックリーチ演出では、獲得(ストック)した複数の図柄アイコンの内容を遊技者に把握させた後に、一旦非表示にし、再度表示させる状態において、最終停止第3図柄のみをストックされた図柄アイコンの何れかに対応させて停止表示させる演出、或いは、リーチ状態の第3図柄も含めてストックされた図柄アイコンの何れかに対応させて停止表示させる演出の何れかを実行するものであった。
このように、ストックした全ての図柄アイコンを遊技者に把握させた後に、一旦、非表示とすることで、図柄アイコンを用いてどのような演出結果が表示されるのかを分かり難くすることができ、意外性のある演出結果を提供し易くすることができるものであった。
よって、例えば、図柄ストックリーチ演出が実行され、獲得(ストック)した複数の図柄アイコンとして、現在のリーチ状態において大当たり当選となる第3図柄に対応する表示態様の図柄アイコンを数多く獲得している場合には、図柄ストックリーチ演出として、最終停止第3図柄のみがストックされた図柄アイコンに対応した停止表示態様となる演出が実行されることを遊技者に期待させ、現在のリーチ状態において大当たり当選とはならない第3図柄に対応する表示態様の図柄アイコンを数多く獲得している場合であっても、図柄ストックリーチ演出として、リーチ状態を示す第3図柄の表示態様も含めてストックされた図柄アイコンに対応した停止表示態様となる演出が実行されることを期待させることができるため、図柄ストックリーチ演出の演出結果が停止表示されるまで、大当たり当選を期待させながら演出を楽しませることができるものであった。
しかしながら、上述した第25制御例にて実行される図柄ストックリーチ演出では、最終停止第3図柄のみが図柄アイコンに対応した表示態様で停止表示されるタイミングと、リーチ状態である第3図柄の種別が図柄アイコンに対応した種別(表示態様)へと切り替え表示されるタイミングと、が何れも、一旦、図柄アイコンを非表示にした後であるため、図柄ストックリーチ演出の進行に併せて段階的に大当たり期待度を異ならせ難いという問題があった。
これに対して、本第25制御例の第1変形例における図柄ストックリーチ演出では、複数の図柄アイコンを表示した状態から、その複数の図柄アイコンを一旦表示領域外へと持ち上げる演出において、表示画面に表示されている複数の図柄アイコンのうち一部を表示画面に残表示させ、残表示させた図柄アイコンを用いて、リーチ状態を示す第3図柄の種別を増加させる演出を実行可能に構成している。
このように構成することで、図柄ストックリーチ演出が実行された場合において、獲得(ストック)した図柄アイコンの種別に対して、まず遊技者に興味を持たせ、次に、図柄アイコンを持ち上げる演出(表示されている図柄アイコンを非表示にする演出)の演出態様に興味を持たせ、最後に、図柄ストックリーチ演出の演出結果に興味を持たせることができる。よって、図柄ストックリーチ演出が実行される演出期間において、様々なタイミングで遊技者が演出内容に注視するタイミングを設定することが可能となり、遊技者に対して継続して興味を持たせる演出を実行することができ演出効果を高めることができる。
本第25制御例の第1変形例では、図柄ストックリーチ演出が実行されると、上述した第25制御例における図柄ストックリーチ演出と同様に、リーチ状態中の第3図柄表示とは別に、第1図柄アイコン802aが表示される。図795に示した例では、第3図柄種別「9」に対応した表示態様「9」で第1図柄アイコン802aが表示されている。つまり、図795に示した例では、リーチ状態を示す第3図柄の種別が「1」であるため、第1図柄アイコン802aの表示態様が示す「9」に対応する第3図柄が最終停止第3図柄として停止表示された場合には外れ当選を示す第3図柄の組合せとなる。
このように、本変形例では、図柄ストックリーチ演出が実行された場合において、最初に表示される図柄アイコンの種別が、リーチ状態である第3図柄に対して外れ当選となる第3図柄の種別に対応した種別となるように構成している。このように構成することで、図柄ストックリーチ演出において1個目の図柄アイコンが停止表示された場合(図795(a)に示した状態)において、表示画面に表示されているリーチ状態である第3図柄(2つ)と、図柄アイコン(1つ)と、の合計3つの図柄に付される表示態様が同一の表示態様となり、遊技者に大当たり当選したのではと誤解を与えてしまうことを抑制することができる。
<第26制御例>
次に、図810から図827を参照して、本第26制御例におけるパチンコ機10について説明をする。本第26制御例におけるパチンコ機10は、上述した第22制御例におけるパチンコ機10に対して、遊技状態として通常状態が設定されている状態において実行される変動演出として新たな変動演出を追加した点と、時短状態が設定されている状態において実行される変動演出として新たな変動演出を追加している点で相違している。
ここで、本第26制御例におけるパチンコ機10において実行される変動演出のうち、上述した第22制御例とは異なる変動演出について簡単に説明をする。
従来より、遊技者が操作可能な操作手段(枠ボタン22等)への操作内容に基づいた操作演出を実行可能なパチンコ機10がある。また、操作演出の演出態様として、例えば、敵キャラの体力値を減少させる演出態様(以下、ゲージ減少演出)がある。
このゲージ減少演出を操作演出の演出態様として実行する場合には、所定の操作有効期間中に、遊技者に操作手段(枠ボタン22等)を操作させることで、第3図柄表示装置81の表示画面に表示されている体力値(HPゲージ)を徐々に減少させていく演出が実行され、実行される操作演出の演出結果が遊技者に有利な演出結果(例えば、大当たり当選を示す演出結果)である場合には、敵キャラの体力値(HPゲージ)が0となり敵キャラを討伐する演出が実行される一方、実行される操作演出の演出結果が遊技者に不利な演出結果(例えば、外れ当選を示す演出結果)である場合には、敵キャラの体力値(HPゲージ)が残った状態で敵キャラから反撃される演出が実行されるように構成される。
つまり、上述したゲージ減少演出が実行された場合には、操作有効期間中におけるHPゲージの減少度合いに興味を持たせるものであった。しかしながら、上述した通り、従来型のゲージ減少演出では、演出結果に応じて、最終的に減少させることが可能な体力値が決定されるため、遊技者は操作手段への操作に基づいて体力値の減少度合いのみに注視することとなり、ゲージ減少演出中に体力値の減少が途中で停止してしまうと、今回の演出結果が遊技者に不利な演出結果であることを演出結果が表示されるよりも前に容易に予測されてしまい、演出効果を高めることができないという問題があった。
これに対して、本第26制御例では、ゲージ減少演出が実行されている操作有効期間の一部期間において、演出結果に関わらず、体力値が減少されない非減少期間を設定可能に構成している。このように構成することで、ゲージ減少演出中に体力値の減少が途中で停止された場合であっても、遊技者に有利となる演出結果となる可能性を残すことができるため、遊技者に対してゲージ減少演出を最後まで楽しませることができる。
具体的には、操作手段への操作に基づいて体力値を減少させる毎に、非減少期間を設定するか否かの突入抽選を実行し、突入抽選に当選した場合に非減少期間を設定するように構成している。そして、非減少期間が設定された場合には、所定時間の経過、或いは、非減少期間を解除するか否かの解除抽選に当選するまで、体力値を減少させることが無い演出が実行されるように構成している。このように、ゲージ減少演出が実行されている間にも体力値の減少度合いを可変させるための処理を追加するように構成することで、遊技者が操作手段に対して同一の操作を行った場合であっても、ゲージ減少演出における体力値の減少パターンをゲージ減少演出実行時に予め定めた演出パターンにのみ基づいて設定する場合に比べて増加させ易くすることができるため演出効果を高めることができる。
また、本第26制御例では、解除抽選の当選確率を、非減少期間が設定された時点における残体力値と、実行中のゲージ減少演出の演出結果とに基づいて異ならせるように構成しており、残体力値が大きい程、解除抽選の当選確率が高くなるように構成している。このように構成することで、ゲージ減少演出の序盤で非減少期間が設定された場合には、ゲージ減少演出の終盤で非減少期間が設定された場合よりも解除抽選に当選し易くすることができるため、ゲージ減少演出が実行されたにも関わらず、即座に設定された非減少期間が長時間継続してしまい、今回のゲージ減少演出にて減少させることが可能な値まで体力値を減少させることができない事態が頻繁に発生することを抑制することができる。
さらに、実行中のゲージ減少演出の演出結果が有利な演出結果となる場合の方が、演出結果が不利な演出結果となる場合よりも解除抽選の当選確率が高くなるように構成している。ここで、本第26制御例では、ゲージ減少演出の演出結果が遊技者に有利となる演出結果となる場合の方が、遊技者に不利となる演出結果となる場合よりも、ゲージ減少演出にて体力値を大きく減少させる(残体力値を0にする)演出が実行され易くなるように構成している。つまり、今回のゲージ減少演出にて減少させることが可能な体力値が大きい程、解除抽選の当選確率が高くなるように構成している。このように構成することで、ゲージ減少演出の演出結果が有利な演出結果となるゲージ減少演出にて非減少期間が設定された場合には、ゲージ減少演出の演出結果が不利な演出結果となるゲージ減少演出にて非減少期間が設定された場合よりも解除抽選に当選し易くすることができるため、体力値を大きく減少させることができるゲージ減少演出が実行されたにも関わらず、非減少期間が長時間継続してしまい、今回のゲージ減少演出にて減少させることが可能な値まで体力値を減少させることができない事態が頻繁に発生することを抑制することができる。
加えて、本第26制御例では、非減少期間が継続する期間に上限(リミット)を設け、解除抽選に当選すること無く非減少期間が上限に到達した場合には強制的に非減少期間を解除するように構成している。このように構成することで、非減少期間が解除されるタイミングをランダムにするために解除抽選を用いた場合であっても、解除抽選に当選すること無くゲージ減少演出が終了するまで非減少期間が継続してしまい、ゲージ減少演出の演出効果が著しく低下してしまう事態が発生してしまうことを抑制することができる。
さらに、本第26制御例では、非減少期間が解除され、体力値を減少させることが可能な減少期間が設定された場合に、設定されていた非減少期間の長さに応じて体力値を減少させる追加減少演出を実行可能に構成している。具体的には、今回のゲージ減少演出の演出結果が遊技者に有利となる演出結果にて非減少期間が設定されたり、ゲージ減少演出の序盤にて非減少期間が設定されたりした場合、即ち、解除抽選の当選確率が高く設定された場合において非減少期間が長時間継続した場合には、非減少期間が解除された場合に実行される追加減少演出にて体力値を大きく減少させることが可能となるように構成している。
このように構成することで、非減少期間が長時間継続した場合であっても、追加減少演出によって体力値を大きく減少させることが可能となるため、非減少期間が長時間継続している遊技者に対しても、実行中のゲージ減少演出の演出結果が遊技者に有利となる演出結果となることを期待させながら遊技を行わせることができる。また、今回のゲージ減少演出にて減少させることが可能な値まで体力値を減少させることができない事態が頻繁に発生することを抑制することができる。
加えて、本第26制御例では、ゲージ減少演出中における遊技者の操作手段への操作方法に応じて、体力値を減少させるための演出パターンを異ならせるように構成している。具体的には、ゲージ減少演出における操作有効期間中に遊技者が操作手段を継続して押下した場合(所謂、長押し操作を実行した場合)と、操作手段を連続して押下した場合(所謂、連打操作を実行した場合)と、で体力値を減少させる演出を実行可能に構成しており、長押し操作を実行した場合には、上述した非減少期間を設定可能な演出パターンが決定され、連打操作を実行した場合には、上述した非減少期間が設定されることの無い(突入抽選を実行しない)演出パターンが決定されるように構成している。
このように構成することで、同一の演出結果を示すためのゲージ減少演出における体力値の減少過程を、操作手段の操作方法に応じて異ならせることが可能となる。よって、様々な演出パターンでゲージ減少演出を実行させたい遊技者に対して異なる操作方法で操作手段を操作させ易くすることができるため、遊技者の遊技への参加意欲を高めることができ、遊技に対する興趣を向上させることができる。
また、本第26制御例では、操作手段への長押し操作を中止することによっても、非減少期間を強制的に解除可能に構成している。つまり、遊技者に対して、操作手段を操作(押下)させることを促すゲージ減少演出中において、操作手段への操作を中止させる選択肢を遊技者に提供可能に構成している。このように構成することで、操作手段に対する操作方法の選択肢を増加させることができる。
なお、本第26制御例では、ゲージ減少演出に長押し操作を実行した場合には、長押し操作の継続時間に応じて体力値を減少させる演出シナリオが進展するように構成しており、継続時間が長くなる程、体力値が減少し易くなる演出シナリオが設定され易くなるように構成している。そして、途中で実行中の長押し操作を中止した場合には、押下継続時間の更新が中断され、再度長押し操作を実行した場合には、中断中の押下継続時間を引き継いで更新可能に構成している。よって、途中で長押し操作を中断した場合であっても、継続して操作手段を操作させ易くすることができる。
また、上述した通り、操作手段への長押し操作を中止することによっても、非減少期間を強制的に解除可能に構成し、且つ、途中で実行中の長押し操作を中止した場合には、押下継続時間の更新が中断され、再度長押し操作を実行した場合には、中断中の押下継続時間を引き継いで更新可能に構成している。このように構成することで、ゲージ減少演出中に長押し操作を実行している遊技者に対して、長押し操作を継続して実行する場合よりも、途中で一旦長押し操作を中断し、再度、長押し操作を実行した場合の方が、非減少期間が短くなり、ゲージ減少演出において体力値を大きく減少させることが可能となり得る状況を提供することが可能となる。
また、従来より、特別図柄抽選の結果を示すための変動演出を、様々な演出態様で実行することにより、特別図柄抽選の抽選結果が大当たり当選以外(外れ)の抽選結果となる期間が長時間継続した場合であっても、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制しているパチンコ機10がある。このような従来型のパチンコ機10では、特別図柄抽選の抽選結果が外れである場合に選択される割合と、特別図柄抽選の抽選結果が大当たりである場合に選択される割合と、の比率を示す大当たり当選期待度を異ならせた様々な演出態様を決定可能に構成し、変動演出に対応する特別図柄抽選の結果と、変動演出の演出態様を決定するための演出抽選結果と、に基づいて演出態様を決定可能に構成することで、特別図柄抽選の抽選結果が大当たり当選以外(外れ)の抽選結果となる遊技が複数回連続した場合であっても、遊技者に対して、大当たり期待度を異ならせた様々な変動演出を実行させることができるため、遊技者に対して適度に大当たりへと期待感を持たせながら遊技を行わせることができるものであった。
しかしながら、従来型のパチンコ機10では、特別図柄抽選の抽選結果が外れであることを示すための変動演出の演出態様を抽選(演出抽選)で決定しているため、場合によっては、長時間の間、大当たり当選期待度が低い変動演出しか実行されず遊技者が遊技に飽きてしまい易くなるという問題があった。また、大当たり当選期待度が高くなるように選択割合が規定されている演出態様を短期間で複数回選択してしまい、遊技者に不信感を与えてしまうという問題があった。
これに対して、本第26制御例では、過去に実行された変動演出の演出態様に関する情報(演出履歴情報)と、特別図柄抽選の抽選結果が外れであることを示すための変動演出(外れ変動演出)が連続して実行された回数(連続外れ回数)に関する情報と、に基づいて、変動演出の演出態様を決定可能に構成している。
具体的には、連続外れ回数の増加に基づいて特定のカウンタ値(実行演出カウンタの値)を加算し、実行演出カウンタの値が特定値(例えば、50)に到達した場合には、変動演出の演出態様を決定する際に参照されるデータテーブルとして、通常時に参照されるデータテーブル(通常時演出態様選択テーブル)とは異なる特殊演出態様選択テーブルを参照するように構成し、大当たり期待度が高い演出態様を、通常時よりも決定し易くするように構成している。
このように構成することで、定期的に大当たり期待度が高い演出態様の変動演出を実行させることができるため、大当たり当選期待度が低い変動演出しか実行されず遊技者が遊技に飽きてしまう事態を発生させ難くすることができる。
さらに本第26制御例では、上述した実行演出カウンタの値を減算する処理を実行可能に構成しており、例えば、外れ変動演出の演出態様として、大当たり当選期待度が高い演出態様が決定された場合には、決定された演出態様に応じて実行演出カウンタの値を減算するように構成している。具体的には、大当たり当選期待度が比較的高い演出態様を外れ変動演出の演出態様として決定した場合には、実行演出カウンタの値を30減算するように構成している。
このように構成することで、大当たり当選期待度が高い演出態様で外れ変動演出が実行された直後に、特殊演出態様選択テーブルを参照して演出態様が決定される外れ変動演出が実行されてしまうことを抑制することができるため、大当たり当選期待度が高い演出態様で外れ変動演出が連続して実行されてしまい、遊技者に不信感を与えてしまうことを抑制することができる。
また、本第26制御例では、上述した実行演出カウンタの値を特別図柄変動の実行回数以上の加算する処理を実行可能に構成しており、例えば、外れ変動演出の演出態様として、遊技者の遊技意欲が低下し得る演出態様、例えば、段階的に当たり期待度が上昇していくチャンスアップ演出の演出態様として、最も当たり期待度が低い段階の演出態様が設定された場合(チャンスアップ演出が実行されたにも関わらず、チャンスアップ演出が実行されなかった場合のほうが当たり期待度が高くなる場合)には、通常の特別図柄変動が実行された場合に加算される「1」の値よりも大きな「2」の値が実行演出カウンタに加算されるように構成している。
このように構成することで、チャンスアップ演出が実行されること無く淡々と特別図柄変動が実行され続ける場合よりも、大当たり期待度の低い(チャンスアップ演出が実行されない場合よりも低い)チャンスアップ演出が実行された場合の方が、短い間隔で大当たり当選期待度が高い演出態様で外れ変動演出を実行させ易くすることができる。
加えて、本第26制御例では、特殊演出態様選択テーブルを参照して演出態様を決定する際に、過去に実行された外れ変動演出の演出態様に関する情報に基づいて決定される演出態様の種別を異ならせるように構成している。具体的には、通常時に参照される通常時演出態様選択テーブルを参照して決定された大当たり当選期待度の高い演出態様を、特殊演出態様選択テーブルを参照して決定させ難くなるように構成している。このように構成することで、外れ変動演出に対して同一の演出態様を決定させ難くすることができるため、通常の大当たり当選期待度が規定されている通常時演出態様選択テーブルとは異なる内容で各種演出態様が規定されている特殊演出態様選択テーブルを参照して演出態様を決定可能に構成したとしても、特定の演出態様に対する大当たり当選期待度が著しく低下してしまうことを抑制することができる。
<第26制御例にて実行される演出内容について>
次に、図800から図809を参照して、本第26制御例におけるパチンコ機10において実行される特徴的な演出の内容について説明をする。まず、図800から図806を参照して、時短状態中に実行されるバトル演出の内容について説明をする。このバトル演出は、1の特別図柄抽選の結果を示すための特別図柄変動期間中に実行される変動演出であって、味方キャラと敵キャラとのバトルが行われ、最終的に敵キャラの体力値(HP値)が0まで減少した場合(敵キャラを倒した場合)に、大当たり当選を示す演出態様(勝利態様)の演出結果が表示され、最終的に敵キャラの体力値(HP値)が1以上である場合に、外れ当選を示す演出態様(敗北態様)の演出結果が表示される演出である。
このバトル演出では、味方キャラの仲間が敵キャラを攻撃する先制攻撃演出(第1パート演出)と、味方キャラが直接敵キャラを攻撃する攻撃演出(第2パート演出)とを実行可能に構成されており、バトル演出が実行される場合には、上述した第2パート演出は必ず実行され、上述した第1パート演出は、決定されたバトル演出の演出パターンに応じて実行の有無が決定されるように構成している。
そして、第1パート演出が実行されるバトル演出(第1パート演出と、第2パート演出が実行されるバトル演出)の方が、第1パート演出が実行されないバトル演出(第2パート演出のみが実行されるバトル演出)よりも、特別図柄抽選で大当たり当選している場合に選択され易くなるように構成している。このように構成することで、バトル演出中に第1パート演出が実行されることを期待させながら遊技者にバトル演出を注視させることができる。
さらに、第1パート演出が実行されるバトル演出が実行された場合には、第1パート演出にて敵キャラのHP値を減少させる程、大当たり当選の期待度が高くなるように構成している。このように構成することで、バトル演出として第1パート演出が実行された場合、即ち、第1パート演出が実行されることの無いバトル演出よりも大当たり期待度が高いバトル演出が実行された場合において、次に、第1パート演出にて敵キャラに与えるダメージ量(減少させるHP値)に興味を持たせることができる。
ここで、バトル演出が実行された場合に第3図柄表示装置81に表示される表示内容について説明をする。図800(a)は、バトル演出が開始された場合に表示される表示画面の一例を示した図であって、図800(b)は、バトル演出にて味方キャラの仲間が先制攻撃を行った場合(第1パート演出が実行された場合)に表示される表示内容の一例を示した図である。
図800(a)に示した通り、バトル演出が開始されると、第3図柄表示装置81の表示画面に形成される主表示領域Dmに、勇者を模した味方キャラ801aが表示され、その次に怪獣を模した敵キャラ880aが表示されることで味方キャラ801aと、敵キャラ880aとが対峙している表示画面が表示される。そして、表示された敵キャラ880aに対応した体力値(HP値)を示すための表示態様としてHPゲージ890が表示され、そのHPゲージ890の上方には、バトル演出の演出内容を案内するための案内態様として「敵を倒せ!!」の文字が表示される。この表示によって、実行中の演出(バトル演出)が敵キャラ880aを倒すことを目的とした演出であることを遊技者に分かり易く報知することができる。
そして、主表示領域Dmの下方に形成される副表示領域Dsには、バトル演出の演出内容をより詳細に説明するための詳細案内態様として「敵のHPゲージを0まで削れば大当たり」の文字が表示される。本第26制御例では、上述した各制御例と同様に、第3図柄表示装置81の表示面を、変動演出(バトル演出)が実行される表示領域(主表示領域Dm)と、変動演出(バトル演出)が実行されない表示領域(副表示領域Ds)と、に区画し、実行中の演出の内容を文字で詳細に説明する詳細案内態様を、変動演出(バトル演出)が実行されない表示領域(副表示領域Ds)に表示するように構成している。
このように構成することで、動画像(アニメーション)を用いて実行される変動演出の実行領域と、静止画像(文字)を用いて実行される案内報知と、を遊技者に選択して注視させ易くすることができる。
図800(a)に示した通り、HPゲージ890の右端上部には、敵キャラ880aのHPの上限値を示す「MAX」が表示され、HPゲージ890の左端上部には、敵キャラ880aのHPの下限値を示す「0」が表示されており、敵キャラ880aへの攻撃が実行されていない状態では、敵キャラ880aのHPが上限値であるため、敵キャラ880aの残HP値890aがHPゲージ890の全領域を占める状態で表示されている。
なお、本第26制御例では、図800(a)に示した通り、現状のHP値を示すための指標として、HP値が上限であることを示す「MAX」の指標と、HP値が下限であることを示す「0」の指標のみを表示しているが、これに限ること無く、例えば、HPゲージ890の中間地点にHP値が上限の半分であることを示すための指標として「50%」の指標を表示するように構成しても良いし、より細分化した指標を表示するように構成しても良い。
このように構成することで、バトル演出中に減少する敵キャラ880aのHP値をより明確に把握させることが可能となる。また、HP値の上限値、及び下限値だけで無く、その間の値を示す指標を表示することにより、HPゲージ890が示す残HP値の減少度合いを把握させ易くすることができる。具体的には、HPゲージ890の中間位置に、HP値が上限値の半分であることを示す「50%」の指標が表示されている場合には、HPゲージ890の全領域が、減少したHP値に対して均等に減少するものであることを遊技者に予測させ易くすることができる。
本第26制御例では、バトル演出にて対峙する敵キャラ880aを異なる種別から決定可能に構成しており、選択された敵キャラ880aの種別に応じて、HP値の上限を異ならせるように構成している。よって、バトル演出が実行された場合には、先に同一のキャラが登場する味方キャラ801aを先に表示させた状態で、敵キャラ880aを登場させるように構成している。このように構成することで、バトル演出が開始されてから、今回のバトル演出にて対峙する敵キャラ880aの種別を報知するまでの期間を長くすることができるため、遊技者が実行される演出に早期に飽きてしまうことを抑制することができる。
また、本第26制御例では、敵キャラ880aのHP値を示すためのHPゲージ890を用いて敵キャラ880aの残HP値を報知する際に、HP値の上限値を100とした百分率(%)で表示するように構成している。よって、HP値の上限値が異なる敵キャラ880aが表示された場合であっても、HPゲージ890の表示態様を変更すること無くバトル演出を実行することができる。しかしながら、この場合、異なる種別の敵キャラ880aが登場したとしても、HPゲージ890の表示態様を見ただけではHP値の上限値が高い敵キャラ880aなのか低い敵キャラ880aなのかを遊技者が容易に判別することが出来ないという問題が発生するため、敵キャラ880aの種別としてHP値の上限値が高い敵キャラ880aが表示された場合には、表示される敵キャラ880aの近傍に、HP値の上限値が他よりも高い敵キャラ880aであることを報知するための報知態様として「強敵出現」の文字を表示すると良い。一方、HP値の上限値が他の敵キャラ880aよりも低い敵キャラ880aが表示された場合には、表示される敵キャラ880aの近傍に、HP値の上限値が他よりも低い敵キャラ880aであることを報知するための報知態様として「弱小出現」の文字を表示すると良い。このように構成することで、バトル演出中において敵キャラ880aが表示された時点で今回のバトル演出の演出結果を予測させ易くすることができる。
さらに、同様の効果を奏するための別の手法として、HPゲージ890に表示される「MAX」に付随させて、登場した敵キャラ880aのHP値の上限値を示す数値を表示するように構成しても良いし、バトル演出にて出現し得る敵キャラ880aの全種別に対して、倒し易さランク(大当たり当選時に選択され易いランク)を付して表示するように構成しても良い。また、HP値の上限値に応じてHPゲージ890の表示態様(長さ)を異ならせるように構成しても良い。
バトル演出にて第1パート演出(仲間が敵に対して先制攻撃を実行する演出)が実行されると、図800(b)に示した通り、ネコを模した仲間キャラ801cが敵キャラ880aに襲いかかる演出が実行され、仲間キャラ801cの攻撃によって敵キャラ880aに与えたダメージに応じてHPゲージ890に表示される残HP値が減少表示される。具体的には、図880を用いて表示された敵キャラ880aはHP値の上限が「100」であり、仲間キャラ801cによる先制攻撃によって「40」のダメージを与えたため、残HP値890aが占める表示領域が、HPゲージ890全体の60%まで減少表示される。そして、HPゲージ890の表示領域のうち、残HP値890aが表示されていない表示領域には、減少した敵キャラ880aのHP値を示すダメージ量890bが表示される。つまり、HPゲージ890の表示領域は、常に、残HP値890aと、ダメージ量890bとの何れかの表示領域となるように構成している。
このように構成することで、敵キャラ880aに対して既に与えたダメージ量と、残りのHP値とを遊技者に比較させることができるため、残りのHP値を全て削るために必要な攻撃内容(演出内容)を予測させ易くすることができる。
そして、副表示領域Dsには、今回のバトル演出において第1パート演出が実行されたことを遊技者に示すための案内報知態様として「先制攻撃!!敵にダメージを与えた!!」の文字が表示される。
なお、本第26制御例では、ダメージ量890bを継続して表示するように構成することで、残HP値が減少した状態において、HP値が上限値である場合と比してどの程度HP値が減少しているのかを遊技者に分かり易く報知するように構成しているが、これに限ること無く、既に与えたダメージ量890bを表示しないように構成しても良い。この場合、表示画面に残HP値に対応する表示態様のみを表示すれば良いため、既に与えたダメージ量を累積して管理する処理を省くことが出来る分、バトル演出における敵キャラ880aのHP値に関する情報を表示するための制御処理を簡素化することができる。
また、本第26制御例では、図800(b)に示した通り、敵キャラ880aを攻撃したことにより減少させた敵キャラ880aのHP値(ダメージ量)を数値で表示すること無く、HPゲージ890の減少度合いで遊技者にダメージ量(残HP値)を報知するように構成することで、具体的な数値を表示するための表示制御や、具体的な数値を算出するための処理を簡素化しているが、これに限ること無く、敵キャラ880aを攻撃したことにより減少させた敵キャラ880aのHP値(ダメージ量)を数値で表示するように構成しても良い。
そして、第1パート演出が終了すると、次に、味方キャラ801aが直接敵キャラ880aを攻撃する第2パート演出が実行される。この第2パート演出では、遊技者による演出ボタン22への操作に基づいて敵キャラ880aの残HP値890aを減少させる演出が実行される。次に、図801及び図802を参照して、バトル演出における第2パート演出中に表示される表示内容について説明をする。図801(a)は、バトル演出における第2パート演出が開始された時点において表示される表示画面の一例を示した図であり、図801(b)は、バトル演出における第2パート演出中に演出ボタン22に対して連打操作が実行された場合に表示される表示画面の一例を示した図であり、図802は、バトル演出における第2パート演出中に演出ボタン22に対して長押し操作が実行された場合に表示される表示画面の一例を示した図である。
図801(a)に示した通り、第2パート演出が実行されると、味方キャラ801aが直接敵キャラ880aと戦う演出が主表示領域Dmにて実行される。この第2パート演出は、図800を参照して上述した第1パート演出が終了した後に実行される演出であるため、HPゲージ890に表示される残HP値890aは、図800(b)に示した値が継続して表示されている。
そして、表示領域Dmの左側には、遊技者に演出ボタン22を操作させる操作演出が開始されることを示唆するための示唆態様として、演出ボタン22を模した表示用演出ボタンSw6と、操作演出の有効期間(操作有効期間)を示すための有効期間ゲージga4が表示される。さらに、操作演出中の操作内容を案内するための案内態様として「連打準備」の文字が表示される。つまり、図801(a)に示した示唆態様を、実際に操作演出が開始されるよりも前に表示することにより、遊技者に対して、演出ボタン22を連打操作する必要がある操作演出が間も無く開始されることを遊技者に分かり易く報知することができるため、操作演出が開始されるよりも前に連打操作に対する準備を行わせることができる。よって、急に操作演出が開始されてしまい、有効期間の初期段階において演出ボタン22を操作できない事態が発生することを抑制することができる。
なお、本第26制御例では、図801(a)に示した通り、操作演出が開始されることを示唆するための示唆態様を表示可能に構成しているが、これに加えて、操作演出が開始されるタイミングを示すためのカウントダウン表示を実行しても良い。このように構成することで、遊技者に対して操作演出が開始されるタイミングをより分かり易く報知することができる。
さらに、実際に操作演出における有効期間(操作有効期間)が設定されるよりも前の所定期間(例えば、0.5秒間)を含んだ態様で有効期間ゲージの減算を開始させる(操作演出を開始する)ように構成しても良い。つまり、操作演出が開始されたこを即座に把握した遊技者が最初に演出ボタン22を押下するまでの反応時間分、実際に有効期間が設定されるタイミングよりも前倒しで操作演出を開始させる(有効期間ゲージの減算を開始させる)ように構成しても良い。このように構成することで、有効期間が設定された直後から遊技者に演出ボタン22を押下させ易くすることができるため、操作演出を最大限楽しませることができる。
ここで、図801(a)に示した通り、本第26制御例では、演出ボタン22を連打操作させる操作演出を実行するように構成している。ここで、近年のパチンコ機10では、操作手段(演出ボタン22)を連打操作する代わりに、長押し操作した場合であっても、内部的に連打操作と同様の押下制御を実行可能なものがある。このように構成することで、操作手段を短期間で複数回操作する必要がある連打操作を実行することが困難な遊技者に対しても、操作手段を継続して押下し続けるだけで連打操作した場合と同様の演出を提供することができるため演出効果を高めることができるものであった。
しかしながら、連打操作の代わりに長押し操作を実行した場合には、長押し操作が継続している期間において常に遊技者が高速連打操作(例えば、0.5秒に1回の間隔で演出ボタン22を押下する連打操作)している状況と同一の押下制御が実行されるため、所定の有効期間(例えば、10秒)の間に実行された演出ボタン22の押下回数(連打回数)に基づいて障害物を徐々に破壊していく操作演出において、通常の連打操作を実行する場合に比べて、長押し操作を実行した場合の方が短期間で押下回数(連打回数)が増加していき、操作演出の演出結果(今回の操作演出における障害物の最終破壊態様)が早期に表示され易くなり、有効期間を存分に用いた操作演出を提供することができない事態が発生してしまうという問題があった。また、長押し操作時の押下制御として、演出ボタン22が押下された場合と同一の押下制御が実行される間隔を広げてしまうと、有効期間内において操作演出の演出結果を表示させることができない(今回の操作演出における障害物の最終破壊態様を表示させるために必要とされる回数分の押下制御を実行することができない)という問題が発生してしまう虞があった。
一方で、長押し操作が実行された場合に実行される押下制御(高速連打操作時の押下制御)の内容を基準に連打操作演出における障害物の破壊態様を決定してしまうと、通常の連打操作(例えば、1秒に1回の間隔で演出ボタン22を押下する連打操作)を実行している遊技者に対して、操作演出の演出結果を表示させることができない(今回の操作演出における障害物の最終破壊態様を表示させるために必要とされる回数分の押下制御を実行することができない)という問題が発生してしまう虞があった。
つまり、演出ボタン22を連打操作させる連打操作演出を実行可能であって、演出ボタン22への連打操作に加え、演出ボタン22への長押し操作を実行した場合にも連打操作演出を進展させることが可能な機能を有しているパチンコ機10において、演出ボタン22を連打操作した場合と、演出ボタン22を長押し操作した場合とで同様の押下制御を実行してしまうと、連打操作演出中に演出ボタン22を連打操作する遊技者と、長押し操作する遊技者の両者に対して好適な演出(連打操作演出)を提供することが困難になるという問題があった。
これに対して、本第26制御例では、連打操作演出中に演出ボタン22を長押し操作した場合には、所定間隔(例えば、0.5秒間隔)で演出ボタン22が押下された場合と同様の押下制御が実行され、その押下制御に基づいて演出態様(HPゲージ)を可変(減少)させていく演出が実行されると共に、演出態様を可変させない非可変期間(非減少期間)を設定可能に構成している。
このように構成することで、連打操作を実行する場合よりも、短い期間で演出態様を可変させ易い長押し操作を実行した場合において、遊技者による演出ボタン22への操作(押下)を有効に判別可能な有効期間(操作有効期間)中に、演出態様が可変することの無い期間を設けることができる。よって、長押し操作を実行した場合であっても、今回の操作演出の演出結果が多くの残期間を残した状態で表示されてしまい操作演出の演出効果が低下してしまうことを抑制することができる。
本第26制御例では、図801(b)に示した通り、バトル演出における第2パート演出にて連打操作を実行した場合には、選択ボタン22への押下操作に応じて敵キャラ880aの体力値を減少させる(HPゲージ890の残HP値890aの表示領域が徐々に短くなる)演出が実行される。具体的には、本第26制御例では、第2パート演出が実行される期間中に遊技者による演出ボタン22の操作(押下)が有効に判別される期間として3秒の有効期間が設定されるように構成しており、有効期間がセットされると(遊技者が演出ボタン22を操作可能な期間に突入すると)、有効期間がセットされる前段階であることを示す「連打準備」(図801(a)参照)に代えて、「連打!!」の文字が表示される。
さらに、表示用演出ボタンSw6の下方に表示されている有効期間ゲージga4が時間経過に合わせて可変表示される。図801(b)に示した通り、有効期間ゲージga4は、全ての表示領域の大きさ(長さ)を用いて、今回の有効期間の長さを示しており、有効期間がセットされた直後、残有効期間が減少していない状態では、残有効期間ga4aが有効期間ゲージga4の全領域を占めるように表示され(例えば、図801(a)参照)、その後、時間経過に応じて有効期間ゲージga4の右端から左端に向けて残有効期間ga4aの表示領域が徐々に小さく(短く)なるように有効期間ゲージga4の表示態様が可変表示される。そして、有効期間ゲージga4の表示領域のうち、残有効期間ga4aが表示されていない表示領域には有効期間がセットされてからの経過時間を示す経過時間ga4bが表示される。
つまり、有効期間がセットされてからの経過時間が長くなればなるほど(有効期間の残期間が短く)、有効期間ゲージga4の表示領域のうち、残有効期間ga4aが占める割合が小さく(短く)なり、経過時間ga4bが占める割合が大きく(長く)なるように有効期間ga4aの表示態様が可変表示されるように構成している。
このように構成することで、遊技者は有効期間ga4の表示の表示態様を確認するだけで、今回の操作演出における有効期間の残時間を容易に把握することができる。さらに、今回セットされた有効期間の長さに対応する情報(有効期間ゲージga4の表示態様)と、既に経過した時間を示す情報(経過時間ga4bの表示態様)と、が合わせて表示されるため、遊技者は、有効期間がセットされてからの経過時間の長さに基づいて、有効期間の残時間の長さをより詳細に把握することができる。
本第26制御例では、図801(b)に示した通り、有効期間の残期間の長さに対応する情報(残有効期間ga4aの表示態様)と、今回セットされた有効期間の長さに対応する情報(有効期間ゲージga4の表示態様)と、既に経過した時間を示す情報(経過時間ga4bの表示態様)と、を有効期間中において継続して表示することで遊技者に対して有効期間の残時間を把握させ易くするように構成しているが、これに限ること無く、有効期間の残時間のみを示す情報(残有効期間ga4aの表示態様)のみを可変表示するように構成しても良い。
なお、バトル演出の第2パート演出において連打操作を実行した場合におけるHPゲージ890の残HP値890aを減少表示させる流れについては、図802(a)を参照して後述する。
次に、図802を参照して、バトル演出の第2パート演出において長押し操作を実行した場合における表示画面の一例について説明をする。図802に示した通り、第2パート演出において長押し操作を実行した場合には、連打操作を実行した場合と同一の演出画面が表示される。なお、表示用演出ボタンSw6の表示態様のみ連打操作時と異ならせており、現在が長押し操作中であることを示すために、表示用演出ボタンSw6の表示態様として継続して押下されている状態を示す表示態様が表示され、上方には、現在が長押し操作中(長押し操作判定がされている状態)であることを示す「連打(長押し中)」の文字が表示される。
このように構成することで、連打操作演出である第2パート演出において、正常に長押し操作が判定されていることを遊技者に分かり易く報知することができる。よって、第2パート演出中に演出ボタン22を長押し操作したにも関わらず一定期間HPゲージ890の表示態様が可変しない事態、即ち、残HP値890aを減少させる抽選に連続して当選しなかった場合であっても、長押し操作が無効と判定されていないことを分かり易く理解させることができる。
さらに、本第26制御例では、長押し操作中であると判定された場合には、残HP値890aを減少させる抽選の結果に関わらず、味方キャラ801aと敵キャラ880aとが戦う動画像(アニメーション)を主表示領域Dmの右側にて表示するように構成している。このように連打操作演出中において遊技者が演出ボタン22を適正に操作(連打操作、或いは、長押し操作)していることを報知可能に構成することにより、演出ボタン22を適正に操作していない遊技者には提供されることの無い特典映像を提供することができるため、HPゲージ890の残HP値890aを減少させる(0にする)以外の目的で遊技者に操作手段(演出ボタン22)を操作させ易くすることができる。
よって、例えば、今回のバトル演出の演出結果が敵キャラ880aに敗北する演出結果、即ち、残HP値890aが0にならない演出結果であったとしても、操作手段(演出ボタン22)を操作することにより、特典映像を提供することができるため、遊技者の操作手段を操作する意欲が著しく低下してしまうことを抑制することができる。
また、特典映像に含まれる情報として、パチンコ機10の遊技に関する情報を提供可能に構成すると良く、例えば、特別図柄抽選によって大当たり当選する確率を複数の設定値から設定可能な設定機能を有している場合には、再生される特典映像に現在設定されている設定値に対応する情報を含ませるように構成すると良い。このように構成することで、遊技者に対して貴重な映像を提供するだけで無く、遊技に役に立つ情報を獲得させることが可能となるため、特典映像を見ようと意欲的に操作手段を操作させることができる。
次に、図803、及び図804を参照して、バトル演出におけるHPゲージ890の表示態様変化の流れについて説明をする。図803は、演出ボタン22を連打操作した場合におけるHPゲージ890の表示態様変化の流れを示したものである。図803(a)に示した状態で演出ボタン22への操作(押下)が判別されると、減少抽選が実行され、減少抽選の結果、減少値「A」が決定された場合には、HPゲージ890の残HP値890aの表示領域を小さく(残HP値が減少値「A」分減少したことを示す表示態様)するための可変表示が実行される。そして、残HP値890aの表示領域が小さくなった箇所には、ダメージ量890bが表示される。このように構成することで、遊技者に対して、敵キャラ880aにどの程度ダメージを与えたのかを分かり易く報知することができる。
一方、演出ボタン22に対して長押し操作を実行した場合には、図804に示した通り、非減少期間が設定されるように構成されている。図804(a)に示した状態で長押し操作が実行され、減少値「A」及び、非減少期間が設定されると、HPゲージ890の残HP値890aの表示領域を小さく(残HP値が減少値「A」分減少したことを示す表示態様)するための可変表示が実行される。そして、残HP値890aの表示領域が小さくなった領域に、非減少期間が設定されていることを示す非減少期間890cが表示される(図804(b)参照)。
非減少期間は、解除抽選による解除当選、上限期間の経過、長押し操作のキャンセルの何れかの終了条件を満たした場合に解除されるように構成しており、非減少期間が上限期間(2秒)に到達するまでの残期間を示すように、非減少期間890cの表示領域が小さくなる演出が実行される。そして、非減少期間が解除されるタイミングでは、HPゲージ890の表示領域が残HP値890a、及び、ダメージ量890bによって表示される。
非減少期間890cの表示領域は、非減少期間が上限期間(2秒)に到達するまでの残期間に対応させて均等に減少するように構成している。よって、非減少期間890cの表示態様の可変状況に基づいて非減少期間が継続し得る最大の残期間を遊技者に予測させることができる。また、上限期間の経過以外の終了条件が成立した場合には、非減少期間890cの表示態様(表示領域の大きさ)に関わらず、0.1秒で非減少期間890cの表示領域が非表示となる消去演出が実行され、非減少期間890cが表示されていた領域がダメージ量890bの表示領域へと切り替わる。このように構成することで、非減少期間が解除されたことを遊技者に分かり易く報知することができる。
そして、非減少期間を解除させるための複数の終了条件のうち、特定の終了条件(解除抽選に当選、上限期間の経過)が成立した場合には、演出ボタン22への操作に基づくこと無く、残HP値を減少させるための追加減少演出が実行される。ここで、追加減少演出として減少値「B」が決定された場合には、図804(d)に示した通り、非減少期間890cが非表示となり、HPゲージ890の残HP値890aの表示領域を小さく(残HP値が減少値「B」分減少したことを示す表示態様)するための可変表示が実行される。
次に、図805から図808を参照して、討伐リーチ演出の演出内容について説明をする。図805(a)は、討伐リーチ演出の開始時に表示される表示内容の一例を示した図であって、図805(b)は、討伐リーチ演出における1回目の攻撃を開始する際に表示される表示内容の一例を示した図であって、図806(a)は、討伐リーチ演出における1回目の攻撃中に表示される表示内容の一例を示した図であって、図806(b)は、討伐リーチ演出における2回目の攻撃を開始する際に表示される表示内容の一例を示した図であって、図807(a)は、討伐リーチ演出における2回目の攻撃中に表示される表示内容の一例を示した図であって、図807(b)は、討伐リーチ演出における3回目の攻撃を開始する際に表示される表示内容の一例を示した図であって、図808は、討伐リーチ演出における3回目の攻撃中に表示される表示内容の一例を示した図である。
次に、図809を参照して、本第26制御例において実行されるチャンス予告演出の内容について説明をする。図809は、チャンス予告演出の対象態様の一例を示す図である。本第26制御例では、特別図柄抽選の結果を示すための変動演出に用いられる対象態様の表示態様を可変させることで、大当たり当選の期待度を示唆するためのチャンス予告演出を実行可能に構成している。
例えば、図809に示した通り、様々なコメントが表示されるコメント表示部HR52の表示態様(コメント表示態様ch1)を可変させるチャンス予告演出や、実行中の保留図柄hr0の表示態様(実行中保留表示態様)を可変させるチャンス予告演出や、変動表示に用いられるキャラ801の表示態様(キャラ表示態様ch3)を可変させるチャンス予告演出等を実行可能に構成している。
各対象態様の表示態様を初期態様(デフォルト)を含め4段階に可変表示可能に構成しており、初期態様が「LV1」となり、「LV2」,「LV3」,「LV4」とレベルが上昇する毎に大当たり期待度が高くなるように構成している。例えば、チャンス予告演出の対象態様であるコメント表示態様Ch1(図809参照)は、設定される段階レベルに応じて、コメント表示部HR52の背景色を可変表示させるチャンス予告演出が実行されるように構成しており、「LV1」は背景色「白色」、「LV2」は背景色「黄色」、「LV3」は背景色「赤色」、「LV4」は背景色「虹色」が表示されるように構成している。
さらに、本第26制御例では、チャンス予告演出が実行されない期間が所定期間継続した場合に、強制的にチャンス予告演出を実行可能に構成している。
ここで、図810を参照して、強制的にチャンス予告演出を実行する流れについて説明をする。図810は、特別図柄変動回数と、実行されるチャンスアップ演出の流れを示した図である。特別図柄変動の実行に応じて、変動演出の演出態様を設定する際にチャンス予告演出を実行するか否かの抽選が実行される。そして、チャンス予告演出の実行抽選に当選しなかった場合は、演出実行カウンタ223aahに1が加算される(図810(a),(b)参照)。そして、加算後の演出実行カウンタ223aahの値が50に到達した場合には、強制的にチャンス予告演出が実行される。
また、チャンス予告演出の実行抽選に当選し、決定されたチャンス予告演出の演出態様が、大当たり期待度の低い態様(LV2)である場合には、演出実行カウンタ223aahの値に、通常の「1」に加え、低期待度態様「1」が加算される。つまり、1回の特別図柄変動で演出実行カウンタ223aahの値に「2」が加算される(図810(b)参照)。このように構成することで、特別図柄変動の変動回数と、演出実行カウンタ223aahの値との更新内容を異ならせることができるため、強制的にチャンス予告演出が実行されたのか、チャンス予告演出抽選に当選したことに基づいてチャンス予告演出が実行されたのかを分かり難くすることができる。
さらに、図810(c)に示した通り、チャンス予告演出抽選に当選したことに基づいてチャンス予告演出が実行された場合であって、外れ変動演出に対して大当たり期待度の高い態様(LV4)が設定された場合には、演出実行カウンタ223aahの値を減算(30減算)するように構成している。このように構成することで、外れ変動演出にて過剰に期待度の高いチャンス予告演出が実行されてしまうことを抑制することができる。
<第26制御例における電気的構成について>
次に、図811を参照して、本第26制御例のパチンコ機10における音声ランプ制御装置113のROM222の構成のうち、上述した第22制御例のパチンコ機10における音声ランプ制御装置113のROM222と異なる内容について説明をする。
長押し演出シナリオテーブル222aaaは、バトル演出の第2パート演出(連打操作演出)中に遊技者が長押し操作をした場合におけるHPゲージ890の残HP値890aの減少シナリオが複数規定されているデータテーブルであって、第2パート演出中における操作有効期間中に長押し操作が実行されたと判別した場合に減少シナリオ決定するために参照される。
本第26制御例では、連打操作演出における遊技者による操作手段(演出ボタン22)への操作内容に応じて、異なる態様で残HP値890aが減少するように構成しており、連打操作演出中に長押し操作をした場合には、長押し判定されている期間の長さに応じて残HP値890aが減少するように構成している。一方、連打操作演出中に連打操作を実行した場合には、操作手段(演出ボタン22)が押下されたと判定される毎に残HP値890aを減少させるか否かを決定する抽選を実行し、その抽選に当選した場合に残HP値890aを減少させるように構成している。
このように構成することで、遊技者に対して、連打操作演出の演出結果が表示されるまでの過程を、連打操作演出に遊技者が実行した操作手段への操作方法に応じて異ならせることが可能となる。よって、様々な過程を楽しみたい遊技者に対して異なる操作方法で操作手段を操作させることができるため、遊技者が早期に飽きてしまうことを抑制することができる。
ここで、図813を参照して、長押し演出シナリオテーブル222aaaに規定されている内容について説明をする。図813は、長押し演出シナリオテーブル222aaaに規定されている規定内容を模式的に示した図である。図813に示した通り、長押し演出シナリオテーブル222aaaには、当否判定結果と、取得した第1演出カウンタ223vfの値と、に対応させて異なるシナリオ種別が規定されている。
各シナリオ種別には、長押し期間の経過に応じて、HP値を減少させる傾向を異ならせたシナリオが規定されている。そして、残HP値と、最終HP値と、に基づいて各タイミングにおけるHP値の減少値が決定される。
外れ時最終HP選択テーブル222aabは、バトル演出の演出結果として、敵キャラ880aのHPゲージ890の最終表示態様(減少させることが可能なHP値の上限値)を決定する際に参照されるデータテーブルである。
ここで、バトル演出は、上述した通り、敵キャラ880aのHP値を徐々に減少させていく演出であって、対応する特別図柄抽選の結果が大当たりである場合には、当たり演出結果として敵キャラ880aを倒す(HP値を0まで減少させる)演出結果が決定され、対応する特別図柄抽選の結果が外れである場合には、外れ演出結果として敵キャラ880aを倒すことができない(HP値を0まで減少させることができない)演出結果が決定されるように構成している。
さらに、本第26制御例では、外れ演出結果が表示される場合において、減少させることが可能となる敵キャラ880aのHP値として複数の値の中から1の値を決定可能に構成している。このように構成することで、外れ演出結果となるバトル演出が実行された場合であっても、減少させることが可能なHP値を異ならせることができる。
加えて、本第26制御例では、長押し操作を実行した場合において所定期間(最大で2秒)の間、敵キャラ880aのHP値を減少させることが出来ない非減少期間を設定可能に構成している。よって、バトル演出の最中において操作手段を操作しているにも関わらず、敵キャラ880aのHP値が減少しない事態が発生した場合に、実行中のバトル演出の演出結果が外れ演出結果であって、これ以上HP値を減少させることが出来ない状況であるのか、非減少期間が設定されているためHP値890aを減少させることが出来ない状況であるのかを遊技者に分かり難くすることができる。
よって、有効期間が経過する最後まで、遊技者に対して操作手段を意欲的に操作させることが可能となる。
ここで、図814(a)を参照して、外れ時最終HP選択テーブル222aabの内容について説明をする。図814(a)は、外れ時最終HP選択テーブル222aabに規定されている内容を模式的に示した図である。図814(a)に示した通り、外れ時最終HP選択テーブル222aabには、取得した第1演出カウンタ223vfの値に対応させて様々な最終HP値が規定されている。
具体的には、取得した第1演出カウンタ223vfの値が「0〜4」の範囲に対しては、最終HP値として「50」が、「5〜14」の範囲に対しては、最終HP値として「30」が、「15〜24」の範囲に対しては、最終HP値として「20」が、「25〜44」の範囲に対しては、最終HP値として「10」が、「45〜98」の範囲に対しては、最終HP値として「5」がそれぞれ規定されている。
例えば、最終HP値として「50」が選択された場合には、バトル演出の第2パート演出中に演出ボタン22を操作したとしても、残HP値が50を下回ることが無いため、残HP値890aが50を示す表示態様(0とMAXの中間位置までを占める表示態様)から可変表示(減少表示)されることが無い演出が実行されることになる。よって、選択された最終HP値に応じて、第2パート演出中において演出ボタン22を操作しているにも関わらずHP値を減少させることが出来ない状況を様々なタイミング(異なる残HP値)で発生させることが可能となる。
よって、バトル演出の最終HP値として小さいHP値が選択された場合には、最終HP値として大きいHP値が選択された場合よりも、HPゲージ890の残HP値890aの表示領域を小さく(短く)する演出を進行させることが可能となるため、実行中のバトル演出の演出結果が大当たり当選に対応する演出結果(HP値が0になる演出結果)となることを期待させ易くすることができる。
ここで、バトル演出の演出結果が大当たり当選以外(外れ当選)であることを示す演出結果、即ち、最終HP値として「0」以外が選択されたバトル演出が実行された場合であっても、大当たり当選に対応する演出結果(HP値が0になる演出結果)が表示されることを期待させるために、最終的に減少させることが可能なHP値(最終HP値)を異ならせて設定可能にすることが考えられる。
つまり、バトル演出の演出結果が外れ当選である場合において、HP値を「0」近くまで減少させることが可能なバトル演出(最終HP値として小さな値(「5」等)が設定されたバトル演出)と、HP値を「0」近くまで減少させることが出来ないバトル演出(最終HP値として大きな値(「50」等)が設定されたバトル演出)と、を実行可能にすることで、外れ当選である場合に常に一定のHP値(例えば、「5」)までHP値を減少させることが可能なバトル演出が実行される場合と比べて、所定のHP値(例えば、「5」)まで減少させることが出来ないバトル演出が実行される分、バトル演出にて所定のHP値(例えば、「5」)までHP値が減少した場合における大当たり当選の期待度を高めることができる。
このように構成することで、遊技者に対してHP値が「0」となるか否かだけでなく、HP値の減少過程についても興味を持たせることができるため、バトル演出が実行される長期間の間、実行される演出の内容に対して遊技者を注視させることができる。
なお、上述した通り、最終的に減少させることが可能なHP値(最終HP値)を異ならせて設定可能に構成した場合には、少なくとも、他の演出結果よりも最終HP値として大きな値(例えば、「50」等)が設定されるバトル演出を実行させる必要がある。そして、最終HP値として大きなHP値が設定されたバトル演出が実行された場合には、他のバトル演出よりも早い段階でHP値が最終HP値に到達してしまうことで、遊技者に対して、実行中のバトル演出の演出結果が外れ演出結果であることを早期に把握されてしまうという問題があった。
これに対して本第26制御例では、操作手段への操作に基づいてHP値を減少させることが可能な操作演出期間中に、操作手段を操作したにも関わらず、且つ、最終HP値に到達していないにも関わらず、HP値を減少させることが出来ない(困難となる)期間として、非減少期間を設定可能に構成している。
このように非減少期間を設定可能に構成することにより、最終HP値に到達していない状態であっても非減少期間が設定されている間、HP値の減少を止めることができるため、バトル演出中において、操作手段を操作したにも関わらずHP値が減少しない事態が生じたとしても、最終HP値に到達したのか、非減少期間が設定されたのかを遊技者に把握させ難くすることができる。よって、バトル演出中にHP値が再度減少される(非減少期間が解除される)ことを期待させることができ、演出効果を高めることができる。
図814(a)に示した通り、本第26制御例では、特別図柄抽選の結果が外れ当選であることを示すバトル演出(外れバトル演出)の最終HP値として、「5」,「10」,「20」,「30」,「50」の5種類を決定可能に構成し、最終HP値として小さい値の方が、大きい値よりも選択され易くなるように構成しており、外れバトル演出が実行された場合の約5%で最終HP値「50」が、約10%で最終HP値「30」が、約10%で最終HP値「20」が、約20%で最終HP値「10」が、約45%で最終HP値「5」が、選択されるように構成している。
よって、バトル演出が実行された場合には、HP値「50」,「30」,「20」,「10」,「5」の何れかまでHP値が減少する毎に、その段階でHP値の減少が終了してしまうか否か(最終HP値であるか否か)に興味を持たせることができると共に、HP値の減少が継続した場合において大当たり当選の期待度を高めさせることができる。
突入抽選テーブル222aacは、遊技者による操作手段(演出ボタン22)への操作に基づいて演出態様を可変させる(HP値を減少させる)ことが可能な操作演出(バトル演出)における操作有効期間(有効期間)中に、演出態様が可変されることの無い非可変期間(非減少期間)を設定するか否かを決定するための突入抽選を実行する際に参照されるデータテーブルであって、バトル演出の第2パート演出中に遊技者による操作手段への操作に基づいて敵キャラ880aのHP値を減少させることを決定した場合に参照される。
突入抽選テーブル222aacを参照して実行される突入抽選に当選した場合には、非減少期間が設定される。この非減少期間中は、遊技者が操作手段を操作したとしてもその操作に基づいてHP値が減少されないように構成している。非減少期間が設定されている間は、非減少期間を解除するか否かを決定するための解除抽選が所定間隔(0.5秒間隔)で実行されるように構成しており、解除抽選に当選した場合、或いは、予め定められている非減少期間の上限期間(3秒)が経過した場合に、非減少期間が解除されるように構成している。
ここで、図814(b)を参照して、突入抽選テーブル222aacの詳細な内容について説明をする。図814(b)は、突入抽選テーブル222aacに規定されている内容を模式的に示した図である。図814(b)に示した通り、突入抽選テーブル222aacには、当否判定結果(特別図柄抽選結果)と、現時点における残HP値と、取得した第1演出カウンタ223vfの値とに対応させて、突入抽選の結果(当選、非当選)が規定されている。
具体的には、当否判定結果が「当たり」で、残HP値が「100」である場合には、取得した第1演出カウンタ223vfの値の取り得る全範囲「0〜98」に対して、突入抽選「非当選」が規定されている。つまり、残HP値が「100」、即ち、敵キャラ880aのHP値が減少していない状態では非減少期間が設定されることが無いように構成している。このように構成することで、バトル演出が実行されたにも関わらず、操作手段への操作に基づいてHP値を減少させること無くバトル演出が終了してしまい、遊技者の操作手段を操作しようとする操作意欲が低下してしまうことを抑制することができる。
また、残HP値が「99〜70」の範囲である場合には、取得した第1演出カウンタ223vfの値が「0〜79」の範囲に対して「非当選」が、「80〜98」の範囲に対して「当選」が規定されており、残HP値が「69〜40」の範囲である場合には、取得した第1演出カウンタ223vfの値が「0〜54」の範囲に対して「非当選」が、「55〜98」の範囲に対して「当選」が規定されており、残HP値が「39〜20」の範囲である場合には、取得した第1演出カウンタ223vfの値が「0〜34」の範囲に対して「非当選」が、「35〜98」の範囲に対して「当選」が規定されており、残HP値が「19〜1」の範囲である場合には、取得した第1演出カウンタ223vfの値の取り得る全範囲「0〜98」に対して、突入抽選「当選」が規定されている。
同様に、当否判定結果が「外れ」で、残HP値が「100」である場合には、取得した第1演出カウンタ223vfの値の取り得る全範囲「0〜98」に対して、突入抽選「非当選」が規定されており、残HP値が「99〜70」の範囲である場合には、取得した第1演出カウンタ223vfの値が「0〜94」の範囲に対して「非当選」が、「95〜98」の範囲に対して「当選」が規定されており、残HP値が「69〜40」の範囲である場合には、取得した第1演出カウンタ223vfの値が「0〜79」の範囲に対して「非当選」が、「80〜98」の範囲に対して「当選」が規定されており、残HP値が「39〜20」の範囲である場合には、取得した第1演出カウンタ223vfの値が「0〜54」の範囲に対して「非当選」が、「55〜98」の範囲に対して「当選」が規定されており、残HP値が「19〜1」の範囲である場合には、取得した第1演出カウンタ223vfの値が「0〜94」の範囲に対して「非当選」が、「95〜98」の範囲に対して「当選」が規定されている。
つまり、本第26制御例では、残HP値が小さくなるほど突入抽選の当選確率が高くなるように構成している。このように構成することで、バトル演出が実行されたにも関わらず、HP値をあまり減少させていない状態で非減少期間が設定されてしまうことを抑制することができる。
また、特別図柄抽選の結果が大当たり当選している場合の方が、外れ当選している場合よりも、突入抽選の当選確率が高くなるように構成している。つまり、最終HP値として「0」が設定されるバトル演出(当たりバトル演出)が実行される場合の方が、最終HP値として「0」以外の値が設定されるバトル演出(外れバトル演出)が実行される場合よりも、非減少期間が設定され易くなるように構成している。
このように構成することで、何れの演出結果が設定されるバトル演出であっても、HP値が「0」となるよりも前の所定タイミングにて、HP値が減少しない期間(非減少期間が設定される期間、最終HP値に到達した以降の期間)を設定し易くすることができる。よって、HP値が減少しない期間が設定された時点で実行中のバトル演出の演出結果を予測させ難くすることができる。
さらに、HP値が減少しない期間が設定された場合であっても、再度、HP値を減少させる期間が設定される可能性を残すことができるため、HP値が減少しない期間が設定さされた後も、再度HP値が減少することを期待しながらバトル演出を続行(操作手段への操作を続行)させることができる。
また、詳細な説明は後述するが、本第26制御例では、1回の操作有効期間(有効期間)に対して、非減少期間を1回のみ設定可能に構成している。つまり、操作有効期間中であって、1度も非減少期間が設定されていない状態においてのみ突入抽選を実行可能に構成している。よって、1回の操作有効期間内で非減少期間が複数回設定されてしまい、HP値を減少させることが可能な期間が殆ど設定されること無く操作有効期間が経過してしまうことを抑制することができる。
解除抽選テーブル222aadは、設定されている非減少期間を解除するための解除抽選を実行する際に参照されるデータテーブルである。解除抽選は非減少期間が設定されている間、所定間隔(0.5秒間隔)で実行されるものであって、非減少期間中の経過時間が長くなる程(残操作有効期間が短くなる程)、解除抽選の当選確率が高くなるように構成している。このように構成することで、非減少期間が無用に長く継続してしまうことを抑制することができる。
なお、本第26制御例では、非減少期間が継続する期間に操作有効期間(5秒)よりも短い期間で上限を設けており、非減少期間が3秒継続した場合に、非減少期間の上限に到達し非減少期間が終了するように構成している。つまり、非減少期間を解除するための解除抽選に当選すること無く、繰り返し解除抽選が実行される事態が発生した場合であっても、時間経過に基づいて非減少期間を終了させることができるように構成している。このように構成することで、非減少期間が無用に長く継続してしまうことを抑制することができる。
また、非減少期間が設定された時点における残HP値の値が大きい場合の方が、残HP値の値が小さい場合よりも、解除抽選の当選確率が高くなるように構成している。このように構成することで、残HP値が大きい状態で非減少期間が設定された場合の方が、非減少期間が長時間継続し難くすることができる。
追加減少値選択テーブル222aaeは、非減少期間が解除された場合に付与されるHP値の減少値を決定する際に参照されるデータテーブルであって、非減少期間を終了させるための終了条件(解除抽選の当選、時間経過)が成立した場合に参照される。本第26制御例におけるパチンコ機10は、残HP値が最終HP値に到達していない状態であっても、操作手段への操作に基づいてHP値が減少されることの無い非減少期間を設定可能に構成しており、バトル演出中の操作有効期間内において操作手段を操作したにも関わらず残HP値が減少しない事態が発生した場合であっても、残HP値が最終HP値に到達したか否かを遊技者に把握させ難くするように構成している。
そして、操作有効期間内に非減少期間が設定された場合、即ち、操作手段への操作に基づいて残HP値を減少させることが可能な期間が短くなった場合であっても、操作有効期間内に残HP値が最終HP値に到達し易くするために、非減少期間が終了した時点において、操作手段への操作に基づくこと無く、残HP値を減少させる追加減少演出を実行可能に構成している。このように構成することで、非減少期間が設定された場合であっても、操作有効期間に残HP値を最終HP値へと到達させ易くすることができるため、最終HP値が「0」に設定される演出結果を表示可能なバトル演出、即ち、大当たり当選を示すバトル演出が実行されたにも関わらず、操作有効期間内に残HP値を「0」まで減少させることが出来ず、遊技者の操作手段をしようとする意欲が低下してしまうことを抑制することができる。
ここで、追加減少演出にて減少させるHP値を決定する際に参照される追加減少値選択テーブル222aaeに規定されている詳細な内容について、図816を参照して説明をする。図816は、追加減少値選択テーブル222aaeの規定内容を模式的に示した図である。図816に示した通り、追加減少値選択テーブル222aaeには、実行中のバトル演出の演出結果に対応する特別図柄抽選の当否判定結果、残HP値と、最終HP値との差分を示す差分HP値、非減少期間が継続した期間の長さを示すための非減少期間カウンタ223aabの値、及び、取得した第2演出カウンタ223vgの値に対応させて、異なる減少値が規定されている。
具体的には、当否判定結果が「当たり」で、差分HP値が「1〜19」の範囲内であり、非減少期間カウンタ223aabの値が「1〜500」の場合は、取得した第2演出カウンタ223vgの値が「0〜179」の範囲に対して減少値「0」が、「180〜198」の範囲に対して減少値「5」が規定されている。また、非減少期間カウンタ223aabの値が「501〜1500」の場合は、取得した第2演出カウンタ223vgの値が「0〜99」の範囲に対して減少値「0」が、「100〜198」の範囲に対して減少値「5」が規定されており、非減少期間カウンタ223aabの値が「1501〜2999」の場合は、取得した第2演出カウンタ223vgの値が「0〜99」の範囲に対して減少値「0」が、「100〜179」の範囲に対して減少値「5」が、「180〜198」の範囲に対して減少値「差分HP全て」が規定されている。そして、非減少期間カウンタ223aabの値が「3000」、即ち、上限に到達した場合は、取得した第2演出カウンタ223vgの値に関わらず、減少値「差分HP全て」が規定されている。
ここで、減少値「差分HP全て」とは、算出された差分HP値と同一の値を示すものである。つまり、追加減少演出にて減少させるHP値として「差分HP全て」が選択された場合には、追加減少演出にて減少させることが可能な全HP値を減少させる演出が実行されることになる。例えば、最終HP値が「0」に設定される当たりバトル演出において、追加減少演出にて減少させるHP値として「差分HP全て」が選択された場合には、追加減少演出によって敵キャラ880aが倒れる演出(残HP値を0まで減少する演出)が実行される。このように、HP値を減少させることが出来ない非減少期間が設定された場合であっても、非減少期間が解除された場合に実行される追加減少演出の演出態様によっては、非減少期間が設定されない場合よりも非減少期間が設定された場合の方がバトル演出の演出結果を遊技者に早期に報知可能となるように構成することで、非減少期間が設定されたことによって遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができる。
一方、最終HP値が「0」以外に設定される外れバトル演出において、追加減少演出にて減少させるHP値として「差分HP全て」が選択された場合には、追加減少演出によって敵キャラ880aの残HP値を最終HP値まで減少させる演出が実行される。このように構成することで、追加減少演出にてHP値を大きく減少させることができるため、残り期間で残HP値を「0」まで減少させることができるのではと思わせ、意欲的に操作手段を操作させることができる。
また、非減少期間が解除されたタイミングで「差分HP全て」を減少値とした追加減少演出が実行されることで、残HP値が最終HP値へと減少されるため、追加減少演出が実行される前の期間(非減少期間)と、追加減少演出が実行された後の期間(残HP値が最終HP値に到達した後の期間)と、を共に、HP値を減少させることが出来ない期間とすることができる。このように構成することで、遊技者に対して、操作手段への操作に基づいてHP値を減少させることが出来ない期間が継続している状態において、途中でHP値を減少させる演出が割り込む可能性があると思わせることができる。よって、残HP値が最終HP値に到達してしまい、操作手段を操作したとしても残HP値を減少させることが出来ない状況が継続する事態が発生した場合であっても、遊技者に対して、残HP値が減少する可能性を持たせながらバトル演出を注視させることができる。
つまり、本第26制御例では、差分HP値が同一の範囲内である場合には、非減少期間が長くなる程、非減少期間が解除された場合に実行される追加減少演出にて減少されるHP値が大きくなり易くなるように構成している。このように構成することで、非減少期間が長く設定されたことによりバトル演出にてHP値を最終HP値へと減少させることが出来ない事態が発生してしまうことを抑制することができる。
また、非減少期間カウンタ223aabの値が上限に到達した場合、即ち、非減少期間中に実行される解除抽選に当選すること無く、非減少期間の上限期間に到達してしまった場合には、途中で解除抽選に当選した場合よりも、HP値を大きく減少させる追加減少演出が実行され易くなるように構成している。このように構成することで、非減少期間が設定された場合において、いち早く非減少期間が解除されることを所望する遊技と、非減少期間が上限まで継続することを所望する遊技と、を遊技者に行わせることができる。
図816に戻り、追加減少値選択テーブル222aaeに規定されている内容について引き続き説明をする。当否判定結果が「当たり」で、差分HP値が「20〜69」の範囲内であり、非減少期間カウンタ223aabの値が「1〜500」の場合は、取得した第2演出カウンタ223vgの値が「0〜99」の範囲に対して減少値「0」が、「100〜179」の範囲に対して減少値「5」が、「180〜198」の範囲に対して減少値「10」が規定されている。また、非減少期間カウンタ223aabの値が「501〜1500」の場合は、取得した第2演出カウンタ223vgの値が「0〜99」の範囲に対して減少値「10」が、「100〜179」の範囲に対して減少値「0」が、「180〜198」の範囲に対して減少値「15」が規定されており、非減少期間カウンタ223aabの値が「1501〜2999」の場合は、取得した第2演出カウンタ223vgの値が「0〜99」の範囲に対して減少値「15」が、「100〜179」の範囲に対して減少値「10」が、「180〜198」の範囲に対して減少値「差分HP全て」が規定されている。そして、非減少期間カウンタ223aabの値が「3000」、即ち、上限に到達した場合は、取得した第2演出カウンタ223vgの値が「0〜99」の範囲に対して減少値「差分HP全て」が、「100〜179」の範囲に対して減少値「15」が、「180〜198」の範囲に対して減少値「10」が規定されている。
当否判定結果が「当たり」で、差分HP値が「70〜99」の範囲内であり、非減少期間カウンタ223aabの値が「1〜500」の場合は、取得した第2演出カウンタ223vgの値が「0〜179」の範囲に対して減少値「0」が、「180〜198」の範囲に対して減少値「10」が規定されている。また、非減少期間カウンタ223aabの値が「501〜1500」の場合は、取得した第2演出カウンタ223vgの値が「0〜99」の範囲に対して減少値「15」が、「100〜179」の範囲に対して減少値「0」が、「180〜198」の範囲に対して減少値「10」が規定されており、非減少期間カウンタ223aabの値が「1501〜2999」の場合は、取得した第2演出カウンタ223vgの値が「0〜99」の範囲に対して減少値「15」が、「100〜179」の範囲に対して減少値「20」が、「180〜198」の範囲に対して減少値「差分HP全て」が規定されている。そして、非減少期間カウンタ223aabの値が「3000」、即ち、上限に到達した場合は、取得した第2演出カウンタ223vgの値が「0〜99」の範囲に対して減少値「25」が、「100〜179」の範囲に対して減少値「差分HP全て」が、「180〜198」の範囲に対して減少値「20」が規定されている。
以上、説明をした通り、追加減少値選択テーブル222aaeには、対応する特別図柄抽選の結果(当否判定結果)が同一である場合であって、且つ、非減少期間カウンタ223aabの値が同一の範囲内である場合には、追加減少演出が実行される時点における差分HP値が大きくなる程、追加減少演出にて減少させることが可能なHP値として大きな値が選択され易くなるように構成している。このように構成することで、バトル演出の操作有効期間において、HP値を殆ど減少させていない状態で非減少期間が設定された場合には、HP値を減少させた状態で非減少期間が設定された場合よりも、追加減少演出にてHP値を大きく減少させることができるため、操作有効期間中に非減少期間が設定されたとしても、遊技者に違和感を与えること無く、非減少期間が解除された以降も演出ボタン22への操作を継続させ易くすることができる。
また、差分HP値が大きい場合よりも小さい場合の方が追加減少演出にて減少させるHP値(減少値)として差分HP値が選択される割合が高くなるように構成している。このように構成することで、差分HP値が大きい状態、即ち、バトル演出が実行されてからHP値が減少されていない状態において非減少期間が設定された場合には、非減少期間が解除された場合に実行される追加減少演出にて、最終HP値までHP値が減少され難くすることができる。よって、バトル演出中に遊技者が演出ボタン22を操作したことに基づいてHP値を減少させる機会を無用に排除してしまうことを抑制することができる。
一方、当否判定結果が「外れ」で、差分HP値が「1〜19」の範囲内であり、非減少期間カウンタ223aabの値が「1〜500」の場合は、取得した第2演出カウンタ223vgの値に関わらず、即ち、取得した第2演出カウンタ223vgの値が「0〜198」の全範囲に対して減少値「0」が規定されている。また、非減少期間カウンタ223aabの値が「501〜1500」の場合は、取得した第2演出カウンタ223vgの値が「0〜179」の範囲に対して減少値「0」が、「180〜198」の範囲に対して減少値「5」が規定されており、非減少期間カウンタ223aabの値が「1501〜2999」の場合は、取得した第2演出カウンタ223vgの値が「0〜99」の範囲に対して減少値「0」が、「100〜198」の範囲に対して減少値「5」が規定されている。そして、非減少期間カウンタ223aabの値が「3000」、即ち、上限に到達した場合は、取得した第2演出カウンタ223vgの値が「0〜99」の範囲に対して減少値「0」が、「100〜179」の範囲に対して減少値「15」が、「180〜198」の範囲に対して減少値「差分HP全て」が規定されている。
また、当否判定結果が「外れ」で、差分HP値が「20〜69」の範囲内であり、非減少期間カウンタ223aabの値が「1〜500」の場合は、取得した第2演出カウンタ223vgの値が「0〜99」の範囲に対して減少値「0」が、「100〜198」の範囲に対して減少値「5」が規定されている。また、非減少期間カウンタ223aabの値が「501〜1500」の場合は、取得した第2演出カウンタ223vgの値が「0〜99」の範囲に対して減少値「0」が、「100〜179」の範囲に対して減少値「10」が、「180〜198」の範囲に対して減少値「15」が規定されており、非減少期間カウンタ223aabの値が「1501〜2999」の場合は、取得した第2演出カウンタ223vgの値が「0〜99」の範囲に対して減少値「0」が、「100〜179」の範囲に対して減少値「15」が、「180〜198」の範囲に対して減少値「10」が規定されている。そして、非減少期間カウンタ223aabの値が「3000」、即ち、上限に到達した場合は、取得した第2演出カウンタ223vgの値が「0〜99」の範囲に対して減少値「0」が、「100〜179」の範囲に対して減少値「差分HP全て」が、「180〜198」の範囲に対して減少値「15」が規定されている。
当否判定結果が「外れ」で、差分HP値が「70〜99」の範囲内であり、非減少期間カウンタ223aabの値が「1〜500」の場合は、取得した第2演出カウンタ223vgの値が「0〜179」の範囲に対して減少値「0」が、「180〜198」の範囲に対して減少値「10」が規定されている。また、非減少期間カウンタ223aabの値が「501〜1500」の場合は、取得した第2演出カウンタ223vgの値が「0〜99」の範囲に対して減少値「0」が、「100〜179」の範囲に対して減少値「10」が、「180〜198」の範囲に対して減少値「15」が規定されており、非減少期間カウンタ223aabの値が「1501〜2999」の場合は、取得した第2演出カウンタ223vgの値が「0〜99」の範囲に対して減少値「0」が、「100〜179」の範囲に対して減少値「15」が、「180〜198」の範囲に対して減少値「差分HP全て」が規定されている。そして、非減少期間カウンタ223aabの値が「3000」、即ち、上限に到達した場合は、取得した第2演出カウンタ223vgの値が「0〜99」の範囲に対して減少値「0」が、「100〜198」の範囲に対して減少値「差分HP全て」が規定されている。
以上、説明をした通り、実行中のバトル演出が外れバトル演出である場合には、当たりバトル演出である場合よりも、HP値を減少させる追加減少演出が実行され難くなるように構成している。このように構成することで、当たりバトル演出よりも大きな値が最終HP値として設定される外れバトル演出において、追加減少演出によってHP値が減少してしまい、バトル演出中に遊技者が演出ボタン22を操作したことに基づいてHP値を減少させる機会を無用に排除してしまうことを抑制することができる。
なお、本第26制御例では、図816に示した通り、追加減少演出にて減少させるHP値(減少値)として「0」を選択可能に構成している。減少値「0」が選択された場合には、非減少期間が解除されたことを示す演出のみが実行され、味方キャラ801aが敵キャラ880aのHP値を減少させる演出が実行されない演出態様が設定されるように構成している。このように構成することで、減少値「0」が選択された場合であっても、遊技者に対して非減少期間が解除されたことを分かり易く報知することができる。
なお、減少値「0」が設定された場合に実行される追加減少演出の演出態様として、別の演出態様を設定するように構成しても良く、例えば、味方キャラ801aが敵キャラ880aに向かって攻撃を仕掛けるが、敵キャラ880aが攻撃を避けることでHP値が減少しないことを示す演出態様を設定可能に構成しても良い。このように構成することで、追加減少演出が実行される場合において、選択された減少値に関わらず、味方キャラ801aが敵キャラ880aを攻撃する演出が実行されるため、減少値「0」が選択されたことを気付かれ難くすることができる。また、この場合、演出ボタン22への操作に基づいて敵キャラ880aのHP値を減少させる演出の一部においても、敵キャラ880aが味方キャラ801aの攻撃を避ける演出態様が設定されるように構成すると良い。このように構成することで、追加減少演出以外の演出においても減少値「0」に対応した演出を実行することができるため、追加減少演出にて減少値「0」に対応した演出が実行された場合であっても、遊技者に違和感を与え難くすることができる。
チャンス予告抽選テーブル222aafは、特別図柄抽選の結果を示すための変動演出において、大当たり当選の期待度を高めるためのチャンスアップ演出を実行するか否かを決定する際に参照されるデータテーブルである。本第26制御例では、上述した各制御例と同様に、主制御装置110から音声ランプ制御装置113へと特別図柄抽選の結果を示すための変動パターンコマンドが出力されると、音声ランプ制御装置113において、受信した変動パターンコマンドに対応する表示用変動パターン(変動演出の演出パターン)を設定する処理が実行される。
この表示用変動パターンの種別は、主制御装置110にて設定された変動パターンコマンドに含まれる情報に基づいて決定されるものであり、設定される種別に応じて、大当たり当選期待度が異なるものである。具体的には、主制御装置110のタイマ割込処理(図698参照)にて実行される特図別図柄変動パターン選択処理22(図701のF209参照)において、変動パターン選択テーブル202vc(図692参照)を参照して変動パターンを選択(決定)する処理(図701のF403〜F405参照)を実行し、選択された変動パターンを示すための特図変動パターンコマンドが設定される(図701のF406参照)。
変動パターン選択テーブル202vc(図692参照)には、特別図柄抽選の結果や、設定されている遊技状態に対応させて異なるデータテーブルが規定されており、各条件に応じて異なる変動パターン(変動時間)を選択するように構成されている。より具体的には、同一の遊技状態(例えば、通常状態)においては、変動パターンとして変動時間が長い(90秒)変動パターンは、特別図柄抽選の結果が大当たり当選である場合の方が、外れ当選である場合よりも選択され易くなるように規定されており、一方、変動時間が短い(7秒)変動パターンは、特別図柄抽選の結果が大当たり当選である場合よりも、外れ当選である場合の方が選択され易くなるように規定されている。つまり、選択された変動パターン(変動時間)によって、大当たり当選の期待度を異なるように構成している。
ここで、主制御装置110から出力される変動パターンコマンド(特図変動パターンコマンド)を受信した場合に音声ランプ制御装置113にて設定される表示用変動パターン(変動演出の演出パターン)は、少なくとも、特別図柄変動の変動時間の長さに対応した演出パターンが設定されるように構成している。つまり、変動時間が90秒の変動パターンを示す変動パターンコマンドを受信した場合には、90秒間の変動演出が実行される演出態様に対応する演出パターン(変動パターン)が決定され、決定された演出パターンに対応する表示用変動パターンコマンドが設定されるように構成している。よって、音声ランプ制御装置113にて設定される変動パターン(演出パターン)の種別に応じて大当たり当選の期待度が異なる。
チャンス予告抽選テーブル222aafには、チャンス予告抽選の当選確率が、音声ランプ制御装置113にて設定される変動パターン種別毎に異ならせるように規定しており、大当たり当選期待度が高い変動パターン(長時間の特図変動に対応する演出パターン)の方が、大当たり当選期待度が低い変動パターン(短時間の特図変動に対応する演出パターン)よりもチャンス予告抽選の当選確率が高くなるように構成している。このように構成することで、チャンス予告が実行された場合における大当たり当選期待度を高めることが可能となるため、チャンス予告演出は大当たり当選する期待度が高いことを示すための演出態様となる。
ここで、図817(a)を参照して、チャンス予告抽選テーブル222aafの詳細な内容について説明をする。図817(a)は、チャンス予告抽選テーブル222aafに規定されている内容を模式的に示した図である。図817(a)に示した通り、チャンス予告抽選テーブル222aafには、今回の変動演出に対応する当否判定結果(特別図柄抽選の抽選結果)と、今回の変動演出の変動パターン種別(演出パターンの種別)と、取得した第1演出カウンタ223vfの値とに基づいてチャンス予告抽選の当否が規定されている。
具体的には、当否判定結果が「当たり」であって、選択されている変動パターン種別が「変動パターン1」である場合には、取得した第1演出カウンタ223vfの値が「0〜98」の全範囲に対して、チャンス予告抽選「当選」が規定されている。また、変動パターン種別が「変動パターン2」である場合には、取得した第1演出カウンタ223vfの値が「0〜94」の範囲に対して、チャンス予告抽選「当選」が、「95〜98」の範囲に対して、チャンス予告抽選「非当選」が規定されている。そして、選択されている変動パターン種別が、変動パターン種別「変動パターンn」である場合には、取得した第1演出カウンタ223vfの値が「0〜94」の範囲に対して、チャンス予告抽選「非当選」が、「95〜98」の範囲に対して、チャンス予告抽選「当選」が規定されている。
一方、当否判定結果が「外れ」であって、選択されている変動パターン種別が「変動パターン2」である場合には、取得した第1演出カウンタ223vfの値が「0〜94」の範囲に対して、チャンス予告抽選「当選」が、「95〜98」の範囲に対して、チャンス予告抽選「非当選」が規定されている。そして、選択されている変動パターン種別が、変動パターン種別「変動パターンn+1」である場合には、取得した第1演出カウンタ223vfの値が「0〜98」の全範囲に対して、チャンス予告抽選「非当選」が規定されている。
ここで、音声ランプ制御装置113にて選択可能な変動パターン(演出パターン)の種別は、主制御装置110から出力される変動パターンコマンドに含まれる情報(変動種別を示す情報)に基づいて決定されるものであり、決定された変動パターン(演出パターン)に応じた変動演出が第3図柄表示装置81の表示面にて実行されるものである。
また、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制するために、近年では、音声ランプ制御装置113にて決定される変動パターン(演出パターン)の種別を多く設けるものが主流となっている。この場合、主制御装置110から特定変動パターンコマンドが出力されると、その特定変動パターンコマンドに含まれる特定情報と、音声ランプ制御装置113にてランダムに更新される演出乱数値と、に基づいて異なる種別の変動パターン(演出パターン)を選択可能に構成すると良い。
このように構成することで、主制御装置110にて設定される変動パターンの種類よりも、音声ランプ制御装置113にて設定される変動パターン(演出パターン)の種類を多くし易くすることができる。よって、容量に制限のある主制御装置110にて選択される変動種別の種類を増加させること無く、実行される変動演出の種類を増加させることができる。
図817(a)に示したチャンス予告抽選テーブル222aafでは、特別図柄抽選の結果が大当たりである場合の方が、特別図柄抽選の結果が外れである場合よりも、選択され易い順で各変動パターン種別が規定されている。具体的には、「変動パターン1」が、最も大当たり当選時に選択される割合が高い(大当たり当選時のみ選択される)変動パターンであって、「変動パターンn+1」が最も大当たり当選時に選択される割合が低い(外れ当選時のみ選択される)変動パターンである。
ここで、本第26制御例では、音声ランプ制御装置113にて選択される変動パターン種別の中に、大当たり当選した場合にのみ選択される変動パターン(変動パターン1)と、大当たり当選していない場合にのみ選択される変動パターン(変動パターンn+1)を、有している。つまり、大当たり当選した特別図柄抽選に対応する変動パターン種別は、「変動パターン1」〜「変動パターンn」までの範囲から選択され、外れ当選した特別図柄抽選に対応する変動パターン種別は、「変動パターン2」〜「変動パターンn+1」までの範囲から選択されるように構成している。
そして、「変動パターン2」〜「変動パターンn」は、特別図柄抽選の結果が大当たり当選である場合も、外れ当選である場合も、選択され得る変動パターン種別となり、「変動パターン2」から昇順で大当たり期待度が高くなるように構成されている。
このように構成することで、選択される変動パターン種別として、大当たり確定の変動パターンと、外れ確定の変動パターンと、を設けることができるため、大当たり、外れ何れもあり得る変動パターンのみを設けた場合に比べて、変動パターン(演出パターン)を選択する際の振り分けが偏ってしまい、予め規定されている変動パターン種別に対する大当たり当選期待度とは異なる頻度で変動演出が実行され難くすることができる。
チャンス態様選択テーブル222aagは、チャンス予告抽選に当選した場合に実行されるチャンス予告の演出態様を選択する際に参照されるデータテーブルである。本第26制御例では、1の変動演出において、複数のチャンス予告を実行可能に構成しており、例えば、図809を参照して上述した通り、様々なコメントが表示されるコメント表示部HR52の表示態様(コメント表示態様ch1)を可変させるチャンス予告演出や、実行中の保留図柄hr0の表示態様(実行中保留表示態様)を可変させるチャンス予告演出や、変動表示に用いられるキャラ801の表示態様(キャラ表示態様ch3)を可変させるチャンス予告演出等を実行可能に構成している。
そして、チャンス態様選択テーブル222aagには、実行される変動演出に対応する特別図柄抽選の結果と、取得した第2演出カウンタ223vgの値とに対応させて、何れの表示態様をどの程度可変させるかを示す情報(可変後のレベル情報)を含む態様変化シナリオ(変化シナリオ)が規定されている。加えて、強制的にチャンス予告演出を実行すると判定された変動演出に対して、実行される変動演出に対応する特別図柄抽選の結果と、取得した第2演出カウンタ223vgの値とに対応させて、特殊変化シナリオが規定されている。
ここで、本第26制御例では、大当たり当選すること無く実行される複数回の特別図柄変動(外れ変動)に対応する変動演出(外れ変動演出)の実行回数や、実行内容に応じて、強制的にチャンス予告演出を実行可能に構成している。例えば、大当たり当選すること無く、外れ変動演出が50回連続で実行される場合であって、且つ、その50回の外れ変動演出の演出態様として、チャンス予告演出が一度も実行されなかった場合には、次に実行される外れ変動演出の演出態様として、チャンス予告演出を含む演出態様が強制的に選択されるように構成している。
このように構成することで、チャンス予告演出が実行されない外れ変動演出が連続して実行されてしまい遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができる。
加えて、本第26制御例では、過去に実行された変動演出に用いられたチャンス予告演出の演出態様に関する情報を記憶可能な記憶手段を有しており、強制的にチャンス予告演出を実行すると決定された変動演出に用いられるチャンス予告演出の演出態様を、記憶手段が記憶している情報に基づいて選択可能に構成している。例えば、大当たり当選する確率が高い(大当たり期待度が高い)チャンス予告演出の演出態様(チャンス態様)が外れ変動演出の演出態様として選択されたことを示す情報が記憶手段に記憶されている状態で、強制的にチャンス予告演出を選択する際には、強制的にチャンス予告演出が実行される変動演出の演出結果が大当たり当選を示す演出結果となる(当たり変動演出である)場合には、記憶手段に記憶されている情報に含まれる演出態様をチャンス予告演出の演出態様として選択可能に構成している。このように構成することで、大当たり当選する確率が高い(大当たり期待度が高い)チャンス予告演出の演出態様(チャンス態様)が連続した外れ変動演出の演出態様として設定されてしまい、遊技者に不信感を与えてしまう事態が発生すること抑制することができる。
一方、強制的にチャンス予告演出実行される変動演出の演出結果が外れを示す演出結果となる(外れ変動演出である)場合には、記憶手段に記憶されている情報に含まれる演出態様以外の演出態様をチャンス予告演出の演出態様として選択可能に構成している。このように構成することで、大当たり当選する確率が高い(大当たり期待度が高い)チャンス予告演出の演出態様(チャンス態様)が連続した外れ変動演出の演出態様として設定されてしまい、遊技者に不信感を与えてしまう事態が発生することを抑制することができる。
さらに、本第26制御例では、記憶手段に記憶されている情報に基づいて、前回の当たり変動演出にて用いられたチャンス予告演出の演出態様を読み出し、読み出した演出態様を、強制的にチャンス予告演出が実行される外れ変動演出の演出態様として設定可能に構成している。
このように構成することで、チャンス予告演出の演出態様のうち、一部の演出態様が当たり変動演出の演出態様としてのみ偏って選択され続けてしまうことを抑制することができるため、チャンス予告演出の演出態様として選択可能な複数の演出態様のそれぞれに対する大当たり当選への期待度を適正に維持することができる。
なお、前回の当たり変動演出にて設定されたチャンス予告演出の演出態様を、強制的にチャンス予告演出が実行される外れ変動演出の演出態様として設定可能な構成を用いた場合であって、例えば、前回の当たり変動演出にて設定されたチャンス予告演出の演出態様が当たり変動演出に対してのみ選択可能に規定されている場合には、その演出態様を特殊仕様として外れ変動演出に用いても良い。このように構成することで、予め定められている規定内容とは異なる変動演出を実行することが可能となるため、実行される変動演出のバリエーションを増加させることができる。また、前回の当たり変動演出にて設定されたチャンス予告演出の演出態様が当たり変動演出に対してのみ選択可能に規定されている場合には、前々回の当たり変動演出にて設定されたチャンス予告演出の演出態様を、強制的にチャンス予告演出が実行される外れ変動演出の演出態様として設定可能とするために、記憶手段に複数の情報を記憶させることができるように構成しても良い。
ここで、図817(b)を参照して、チャンス態様選択テーブル222aagの詳細な内容について説明をする。図817(b)は、チャンス態様選択テーブル222aagに規定されている内容を模式的に示した図である。図817(b)に示した通り、特別図柄抽選の結果(当否判定結果)が「当たり(通常)」であって、取得した第2演出カウンタ223vgの値が「0〜99」の範囲に対しては「変化シナリオ1」が、「100〜159」の範囲に対しては「変化シナリオ2」が、「160〜189」の範囲に対しては「変化シナリオ3」が、「190〜196」の範囲に対しては「変化シナリオ4」が、「197,198」の範囲に対しては「変化シナリオ5」が、それぞれ規定されている。また、特別図柄抽選の結果(当否判定結果)が「外れ(通常)」であって、取得した第2演出カウンタ223vgの値が「0〜99」の範囲に対しては「変化シナリオ6」が、「100〜159」の範囲に対しては「変化シナリオ7」が、「160〜189」の範囲に対しては「変化シナリオ8」が、「190〜195」の範囲に対しては「変化シナリオ9」が、「196,197」の範囲に対しては「変化シナリオ10」が、「198」の値に対しては「変化シナリオ11」がそれぞれ規定されている。
ここで、特別図柄抽選の結果(当否判定結果)の「当たり(通常)」、及び「外れ(通常)」とは、チャンス予告抽選テーブル222aafを参照して実行されるチャンス予告抽選に当選したことに基づいてチャンス予告演出が実行される通常パターンを示すものであって、チャンス予告抽選に当選した場合においてチャンス予告演出の演出態様を選択する場合には、特別図柄抽選の結果(当否判定結果)の「当たり(通常)」、及び「外れ(通常)」の何れかから演出態様が選択される。
次に、チャンス態様選択テーブル222aagに規定されている各態様変化シナリオのうち、チャンス予告演出が通常パターンで実行される場合に選択される態様変化シナリオ(「変化シナリオ1」〜「変化シナリオ11」)の内容について説明をする。この態様変化シナリオは、変動演出中に第3図柄表示装置81の表示面に表示される複数の態様のうち、チャンス予告演出の対象となる対象態様(コメント表示部HR52、実行中保留図柄hr0、キャラ810)の表示態様(コメント表示態様Ch1、実行中保留表示態様Ch2、キャラ表示態様Ch3)を可変させるための情報のうち、少なくとも、可変させることが可能な段階レベルの上限値が規定されているものである。
本第26制御例では、各対象態様の表示態様を初期態様(デフォルト)を含め4段階に可変表示可能に構成しており、初期態様が「LV1」となり、「LV2」,「LV3」,「LV4」とレベルが上昇する毎に大当たり期待度が高くなるように構成している。例えば、チャンス予告演出の対象態様であるコメント表示態様Ch1(図809参照)は、設定される段階レベルに応じて、コメント表示部HR52の背景色を可変表示させるチャンス予告演出が実行されるように構成しており、「LV1」は背景色「白色」、「LV2」は背景色「黄色」、「LV3」は背景色「赤色」、「LV4」は背景色「虹色」が表示されるように構成している。
なお、図817(b)に示したチャンス態様選択テーブル222aagには、態様変化シナリオに含まれる情報として、可変させることが可能な段階レベルの上限値を記載しているが、それ以外にも、例えば、初期態様「LV1」から上限値の段階レベル(例えば「LV3」)へと可変させるための過程(「LV1」から「LV3」へと直接可変させる過程、又は、「LV1」、「LV2」、「LV3」の順に可変させる過程、又は、初期態様「LV1」を表示させること無く「LV3」を表示させる過程等)を示す情報や、段階レベルを可変させるタイミング(例えば、対象態様が表示された直後や、表示されてから所定期間経過後等)を示す情報も含まれている。これにより、設定された変化シナリオを参照することで各対象態様の表示態様を適正に可変表示させることができる。
次に、図812を参照して、本第26制御例のパチンコ機10における音声ランプ制御装置113のMPU221が有するRAM223の構成について説明をする。本第26制御例のパチンコ機10のRAM223は、上述した第22制御例のパチンコ機10におけるRAM223に対して、バトル演出中における各種演出を実行するための情報を管理するために、非減少期間中フラグ223aaa、非減少期間カウンタ223aab、非減少期間設定済フラグ223aac、残HP記憶エリア223aad、長押し中フラグ223aae、長押しカウンタ223aaf、長押しシナリオ格納エリア223iを追加した点と、強制的にチャンス予告演出を実行させるための情報を管理するために、チャンス態様情報格納エリア223aag、演出実行カウンタ223aahを追加した点で相違している。それ以外の要素は同一であり、同一の内容については同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
非減少期間中フラグ223aaaは、バトル演出における操作有効期間中に非減少期間が設定されていることを示すためのフラグであって、非減少期間が設定された場合にオンにセットされる。この非減少期間中フラグ223aaaがオンに設定されている間は、長押し操作を継続して実行していたとしても、その操作期間が無効とする処理が実行される。つまり、操作有効期間中であっても、非減少期間が設定されている間は、長押し操作に基づいて敵キャラ880aのHP値が減算されることが無い。
非減少期間は、終了条件(所定期間の経過、解除抽選の当選、長押し操作の中止)の何れかが成立した場合に終了するように構成されており、非減少期間が終了した場合に非減少期間中フラグ223aaaがオフに設定される。
非減少期間カウンタ223aabは、非減少期間が継続している期間を計測するためのカウンタであって、非減少期間が設定された場合にカウンタ値として「1」がセットされる。そして、非減少期間カウンタ223aabの値が「1」以上である場合には、1ミリ秒毎に実行される音声ランプ制御装置113のメイン処理(図717参照)にて実行される演出更新処理26(図826のF2171参照)が実行される毎に、カウンタ値に「1」が加算される(図826のF4173参照)。
この非減少期間カウンタ223aabの値は、非減少期間が継続する長さが上限値(3秒)に到達したか否かを判定する際に参照される。また、非減少期間が終了(解除)された際に実行される追加減少演出におけるHP値の減少値を決定する際に参照される。
非減少期間設定済フラグ223aacは、1回のバトル演出において、既に非減少期間が設定されたことを示すためのフラグであって、設定された非減少期間が終了(解除)された場合にオンに設定される。そして、バトル演出における操作有効期間中に遊技者が長押し操作を実行し、非減少期間の突入抽選を実行するか否かを判定する際に参照される。
本第26制御例では、1回のバトル演出において、非減少期間が2回以上設定されることが無いように構成している。つまり、非減少期間の突入抽選を実行するか否かを判定する際に非減少期間設定済フラグ223aacがオンに設定されているかを判定し、オンに設定されていると判定された場合には突入抽選が実行されないように構成している(図827のF4707:Noの処理)。
このように構成することで、1回のバトル演出において非減少期間が複数回設定されてしまい、操作手段(演出ボタン22)への操作に基づいて敵キャラ880aのHP値を減少させる機会を減少させてしまい、遊技者の操作手段を操作する操作意欲が低下してしまうことを抑制することができる。加えて、本第26制御例では、遊技者が長押し操作を終了させる(演出ボタン22から手を離す)ことで非減少期間を解除可能に構成しているため、非減少期間が設定された場合において、遊技者に長押し操作を終了させて早期に非減少期間を終了(解除)させることで、操作手段への操作に基づいて敵のHP値を減少させることを目指す遊技、或いは、長押し操作を継続することで別の終了条件(解除抽選の当選、上限期間の経過)が成立するまで非減少期間を継続させることで追加減少演出を実行させることを目指す遊技、を選択させることが可能となる。
このように構成することで、長押し操作が有効となる操作演出(バトル演出の操作有効期間中)において、遊技者に長押し操作を継続するか、一旦中断し、再度長押し操作を実行するかを選択させることができるという斬新な遊技性を提供することができる。また、操作手段への操作に基づいて演出態様(敵キャラ880aのHP値)を可変させるという視点では、長押し操作を中断した場合の方が、非減少期間を早期に終了させ易いため遊技者に有利な遊技となる。
なお、本第26制御例では、1回のバトル演出において非減少期間が設定される回数の上限を1回としているが、これに限ること無く、非減少期間を2回以上設定可能に構成しても良い。この場合、1回目の非減少期間と、2回目の非減少期間とで、突入条件や解除条件を異ならせると良く、例えば、バトル演出の演出結果が遊技者に有利な演出結果(当たり当選を示す演出結果)となる場合の方が、不利な演出結果(外れを示す演出結果)となる場合よりも、2回目の非減少期間が設定され易くなるように構成すると良い。このように構成することで、バトル演出の操作有効期間中において、敵キャラ880aのHP値が減少しない期間が複数回設定されることを遊技者に期待させる。即ち、従来であれば、操作手段を操作することにより、演出態様(HP値)がより多く可変(減少)することを遊技者に期待させる操作演出において、操作手段への操作に基づいて演出態様(HP値)が減少しないことにも期待させるという斬新な遊技性を提供することができる。
残HP記憶エリア223aadは、バトル演出における敵キャラ880aのHP値を記憶するための記憶領域であって、バトル演出の演出態様(敵キャラ種別)を決定した際に、決定した演出態様(敵キャラ種別)に対応するHP値(MAX値)を示すための情報が記憶される(図819のF4207参照)。さらに、実行されるバトル演出の最終結果、即ち、減少させることが可能となる敵キャラの最終HP値を示すための情報が記憶される(図819のF4210参照)。加えて、遊技者が操作手段を操作(連打操作、長押し操作)したことに基づいて決定されたHP値の減少値に関する情報や、追加減少演出にて決定されたHP値の減少値に関する情報も記憶される。
この残HP記憶エリア223aadに記憶されている各情報を読み出すことにより、現時点における敵キャラ880aの残HP値や、HP差分値(残HP値と最終HP値との差分値)を算出可能となる。
長押し中フラグ223aaeは、長押し操作が実行されていることを示すためのフラグであって、遊技者が操作手段(演出ボタン22)を操作した際に出力される情報(演出ボタン22が押下されたことを検知可能な検知手段が、押下を検知した際に出力する出力信号等)に基づいて、長押し操作が実行されていると判定した場合にオンに設定される。なお、演出ボタン22に対する遊技者の操作が、押下操作であるか長押し操作であるかの判定は、演出ボタン22が継続して押下状態となる期間の長さに基づいて判定するように構成しており、詳細な内容については、上述した制御例にて説明をしているため省略する。なお、上述した制御例に記載されている内容以外の手法であっても、周知公用の技術を用いて異なる操作方法を判別可能に構成しても良い。
長押しカウンタ223aafは、長押し操作の継続期間を計測するためのカウンタであって、長押し操作の実行が判定された場合(長押し中フラグ223aaeがオンに設定された場合)にカウンタ値として「1」がセットされる。そして、長押しカウンタ223aafの値が「1」以上である場合には、1ミリ秒毎に実行される音声ランプ制御装置113のメイン処理(図717参照)にて実行される演出更新処理26(図826のF2171参照)において、カウンタ値に「1」が加算される(図826のF4702参照)。
この長押しカウンタ223aafの値は、長押し操作中における敵キャラ880aのHP値を減少させる演出シナリオを更新させるために用いられる。そして、操作有効期間が終了した場合に0にクリアされる。
本第26制御例では、長押し中フラグ223aaeがオンに設定されている状態(長押し操作が継続している状態)であっても、非減少期間が設定されている間は、長押しカウンタ223aafの値が更新されることが無いように構成している(図826のF4701:Yes)。また、一旦長押し操作を中断しても、操作有効期間が終了するまでは、長押しカウンタ223aafの値がクリアされないように構成している。
よって、遊技者が長押し操作中に誤って手を離してしまっても、再度、演出ボタン22を長押し操作することで、演出シナリオの更新に基づいて実行される演出を継続して実行させることが可能となる。なお、この場合、再度、演出ボタン22への操作に対して、再度長押し判定を実行する必要があるため、演出ボタン22を押下した全期間に対する演出シナリオの更新期間(長押し操作が判定されている期間)が、一度も長押し操作を中断しなかった場合に比べて若干短くなるが、遊技者が長押し操作中に誤って手を離した場合に、長押しカウンタ223aafの値が0にクリアされてしまう仕様よりは確実に、演出シナリオを更新させ易くすることができる。
長押しシナリオ格納エリア223aaiは、バトル演出の操作有効期間中における遊技者の操作手段への操作方法が、長押し操作であると判定した場合に決定される演出シナリオを格納するための記憶領域である。長押し操作が実行されている間は、この長押しシナリオ格納エリア223aaiに格納されている演出シナリオに基づいて演出態様(敵キャラ880aのHP値)の可変表示が実行される。
なお、本第26制御例では、長押し操作中における演出態様(HP値)を、長押し操作が実行されている期間の時間経過(長押しカウンタ223aafの値)に基づいて可変させるように構成しているが、これに限ること無く、別の手法を用いて長押し操作中における演出態様(HP値)を可変させるように構成しても良い。
例えば、長押し操作が実行されている期間の長さに対応して、演出ボタン22が疑似的に押下された回数(疑似押下回数)を決定し、その疑似押下回数に基づいて長押し操作中における演出態様(HP値)の可変態様を決定するように構成しても良い。
チャンス態様情報格納エリア223aagは、変動演出の演出態様としてチャンス予告演出を実行する場合において決定されたチャンス予告演出の演出態様(チャンス態様)を示すための情報(チャンス態様情報)を記憶するための記憶領域であって、変動演出に対応するチャンス態様情報が記憶されるものである。このチャンス態様は、変動演出の演出態様を設定する処理(通常状態演出態様決定処理26(図821のF3053参照))において実行されるチャンスアップ演出決定処理26(図823のF3153参照)にて決定され、チャンス態様選択テーブル222aagに格納される。
チャンス態様選択テーブル222aagに格納されたチャンス態様情報は、変動演出の実行中に読み出され、対象態様の可変タイミングが到来した場合に、対象態様の表示態様を可変させるための表示用コマンドが設定される。このチャンス態様情報格納エリア223aagには、過去に設定されたチャンス態様情報を複数個(3個)記憶可能な過去情報領域を有しており、実行中の変動演出に対応するチャンス態様情報に加え、過去に実行された変動演出に対応するチャンス態様情報も所定期間記憶可能に構成している。
そして、本第26制御例では、チャンス態様を決定する際に特定条件を満たしている場合には、チャンス態様情報格納エリア223aagに記憶されている過去情報を参照してチャンス態様を決定可能に構成している。このように構成することで、同一のチャンス態様が連続して決定されてしまい、バリエーションに乏しいチャンス予告演出が実行されてしまい演出効果が低下してしまうことを抑制することができる。
演出実行カウンタ223aahは、強制的にチャンス予告演出を実行させるための実行条件が成立したか否かを判別する際に参照されるカウンタであって、変動演出が実行される毎にカウンタ値が「1」されるものである。さらに、実行される変動演出の演出態様に応じて、カウンタ値を加算、或いは減算する更新処理が実行され、カウンタ値が「50」に到達した場合に、強制的にチャンス予告演出を実行させるための実行条件が成立したと判定される。そして、強制的にチャンス予告演出を実行させるための演出態様を決定した場合に「0」にクリアされる。
<第26制御例における音声ランプ制御装置113の制御処理内容について>
次に、図818から図827を参照して、本第26制御例のパチンコ機10における音声ランプ制御装置113のMPU221が実行する制御処理の内容について、上述した第22制御例と相違する点を中心に説明をする。なお、上述した第22制御例と同一の処理内容については、その説明を省略する。
まず、図818を参照して、変動演出設定処理26(F2959)の処理内容について説明をする。図818は、変動演出設定処理26(F2959)の処理内容を示したフローチャートである。図818に示した通り、変動演出設定処理26(F2959)では、上述した第22制御例における変動演出設定処理22(図728のF2909参照)に対して、各遊技状態において実行される処理内容(F3051〜F3053)を異ならせている点で相違し、それ以外は同一である。
ここで、図819を参照して、変動演出設定処理26(F2959)において、時短状態が設定されている場合の変動演出を設定する際に実行される時短状態演出態様決定処理26(F3051)の処理内容について説明をする。図819は、時短状態演出態様決定処理26(F3051)の処理内容を示したフローチャートである。
図819に示した通り、時短状態演出態様決定処理26(F3051)では、時短状態中に実行されるバトル演出の演出態様を決定するための各種処理(F4206〜F4212)が実行される。
具体的には、今回の変動演出種別がバトル演出リーチであると判別した場合に(F4204:Yes)、バトル演出の演出態様を抽選で決定する(F4206)。F4206の処理では、バトル演出における味方キャラ801aの種別、敵キャラ880aの種別、第1パート演出(図800(b)参照)の有無、が抽選にて決定される。
その後、F4206の処理にて決定された演出態様のうち、決定された敵キャラ880aの種別に対応したHP値(MAX値)を残HP記憶エリア223aadに格納し(F4207)、次いで、今回のバトル演出における最終HP値を決定するために、まず、今回の変動演出が当たり変動演出であるかを判別し(F4208)、当たり変動演出であると判別した場合は(F4208:Yes)、最終HP値として「0」を決定し(F4211)、決定した最終HP値を残HP記憶エリア223aadに格納する(F4210)。
一方、F4208の処理において、今回の変動演出が当たり変動演出では無い(外れ変動演出である)と判別した場合は(F4208:No)、外れ時最終HP選択テーブル222aadを参照して最終HP値を決定し(F4209)、F4210の処理へ移行する。上述した通り、本第26制御例では、バトル演出の演出態様を決定する際において、敵キャラ880aのHP値の上限値(MAX値)と、下限値(最終HP値)と、を異なる抽選で決定するように構成している。このように構成することで、敵キャラ880aのHP値の上限値(MAX値)と、下限値(最終HP値)と、を1の抽選で決定する場合に比べて、各抽選結果を組み合わせて演出パターンを生成することが出来る分、同数の演出パターンを実行可能とする場合において、予め記憶させておく演出パターンのデータ量を削減することができる。
加えて、本第26制御例におけるバトル演出では、差分HP値(残HP値と最終HP値との差分値)に基づいて演出態様を決定可能に構成しているため、例えば、HPの上限値が同一となる敵キャラ880aが選択された場合であって、残HPが同一の状況であっても、最終HP値が異なっていれば差分HP値も異なるため、実行される演出の態様を異ならせることができる。よって、見た目上同一条件である場合に実行される演出のバリエーションを増加させ易くすることができる。
F4210の処理を終えると、次に、演出パターンに対応した操作有効期間の設定情報を演出用SW有効時間記憶エリア223vpに格納し(F4212)、本処理を終了する。ここで、演出用SW有効時間記憶エリア223vpの内容について説明をする。この演出用SW有効時間記憶エリア223vpには、操作有効期間が設定され得る演出種別毎に操作有効期間が設定される期間(開始タイミングと終了タイミング)を示すための設定情報と、操作有効期間が設定される期間の2秒前を示す準備情報と、第3図柄表示装置81の表示画面に表示される有効期間ゲージga4(図801(a)参照)や、表示用演出ボタンSw6(図801(a)参照)の表示態様に関する表示情報と、を記憶可能に構成している。
そして、演出用SW有効時間記憶エリア223vpに記憶されている準備情報に基づいて、実際に操作有効期間が設定されるよりも前に準備画面(図801(a)参照)を表示する。この準備画面(図801(a)参照)に表示される表示態様は、演出用SW有効時間記憶エリア223vpに格納されている表示情報に基づいて設定される。
ここで、本第26制御例では、バトル演出中に設定される操作有効期間の長さを、バトル演出の演出結果に基づいて決定可能に構成しており、例えば、バトル演出の演出結果が当たり当選に対応する演出結果(当たりバトル演出)となる場合の方が、長い操作有効期間が設定され易くなるように構成している。このように構成することで、最終HP値として「0」が設定される当たりバトル演出の方が、最終HP値として「0」よりも大きな値が設定される外れバトル演出よりも、操作有効期間の長さを長くすることができるため、操作手段への操作に基づいてHP値を減少させる演出を実行させ易くすることができる。
また、本第26制御例では、実際に設定される操作有効期間の長さと、第3図柄表示装置81の表示面に表示される表示態様(有効期間ゲージga4(図801(a)参照)や、表示用演出ボタンSw6(図801(a)参照)の表示態様)を異ならせることが可能に構成している。このように構成することで、第3図柄表示装置81の表示面に表示される表示態様に基づいて遊技者に演出結果を早期に判別されてしまうことを抑制することができる。
次に、図820を参照して、変動演出設定処理26(F2959)において、確変状態が設定されている場合の変動演出を設定する際に実行される確変状態演出態様決定処理26(F3052)の処理内容について説明をする。図819は、確変状態演出態様決定処理26(F3052)の処理内容を示したフローチャートである。
図820に示した通り、確変状態演出態様決定処理26(F3052)では、時短状態であるか確変状態であるのかを遊技者に分かり難くするためのモード演出であるチャンスモードの最終変動が実行される場合、即ち、時短中カウンタ223vqの値が1であると判別した場合(F4301:Yes)において、変動演出の演出結果がスーパーチャンスモード昇格となる時短終了示唆演出の演出態様を決定し(F4302)、F4311の処理へ移行する点では、上述した第22制御例と同一の処理が実行される。
確変状態演出態様決定処理26(F3052)では、上述した第22制御例における確変状態中の演出態様を決定する処理に対して、確変状態の残期間(確変中カウンタ223vrの値)に応じて、異なるモード演出を実行する点で相違している。
本第26制御例では、大当たり遊技の終了後に確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の高確率状態)が設定されると、その後、特別図柄抽選が120回実行される、或いは、特別図柄抽選が120回実行されるよりも前に大当たり当選するまで確変状態が継続するように構成している。具体的には、大当たり遊技終了後に確変状態が設定される場合には、確変中カウンタ223vrの値に「120」をセットする。そして、確変中カウンタ223vrの値が「1」以上である状態で特別図柄変動が実行されたことに基づいて確変中カウンタ223vrの値が1減算される。これにより、確変中カウンタ223vrの値を読み出すことで確変状態の残期間(残確変回数)を判別可能に構成している。
そして、本第26制御例では、残確変回数が20回を下回ると、複数回の特別図柄抽選結果を1の期間演出の演出結果を用いて遊技者に報知するモード演出が実行されるように構成している。このように構成することで、特別図柄抽選の結果が外れであることを示す変動演出が実行され難くなり、遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができる。また、複数回の特別図柄抽選が実行される期間を跨いで1の期間演出を実行可能に構成しているため、確変状態中に実行可能な特別図柄抽選の残回数を遊技者に把握させ難くすることができる。
具体的には、本第26制御例では、図820のF4303〜F4310の処理が実行されることにより、残確変回数が20回〜15回までの6回の特別図柄抽選の結果を示す特別図柄変動期間を用いて期間演出として第1モード演出が実行され、残確変回数が14回〜8回までの7回の特別図柄抽選の結果を示す特別図柄変動期間を用いて期間演出として第2モード演出が実行され、残確変回数が7回〜1回までの7回の特別図柄抽選の結果を示す特別図柄変動期間を用いて期間演出として第3モード演出が実行されるように構成している。
加えて、本第26制御例では、各モード演出の演出態様(演出結果)を、既にモード演出が実行されている状態において新たに獲得した情報(保留記憶した入賞情報)に基づいて決定可能に構成している。より具体的には、第1モード演出が実行される最終変動(残確変回数が15回となる特図変動)が開始される際に、入賞情報格納エリア223vaに格納されている情報(保留記憶情報)を読み出し、格納されている保留記憶情報に基づいて特別図柄抽選の結果を事前に判別する(先読みする)。そして、事前判別の結果、大当たり当選に対応する保留記憶情報を獲得していると判別した場合には、第1モード演出の演出結果を、大当たり当選を示す演出結果に書き換え、第1モード演出を、大当たり当選する特別図柄変動が停止表示されるまで延長して実行するように構成している。
このように、第1モード演出(期間演出)を実行した後に獲得した情報に基づいて、第1モード演出(期間演出)の対象となる特別図柄抽選回数を可変可能に構成することで、確変状態中に実行可能な特別図柄抽選の残回数を遊技者に把握させ難くすることができる。
なお、本第26制御例では、先読み結果に基づいて1の期間演出が実行される期間を可変可能に構成しているがこれに限ること無く、ランダムに期間を決定するように構成しても良いし、遊技者が任意の期間を選択可能に構成しても良い。また、先読み(事前判別)を実行するタイミングを、予め定められているモード演出の対象期間における最後の特別図柄変動が開始されるタイミングでは無く、それよりも前の特別図柄変動が開始されるタイミングにしても良いし、最後の特別図柄変動が開始されてから所定期間経過後(演出結果が遊技者に報知されるよりも前の特定タイミング)としても良い。さらに、事前判別を実行する際において、獲得済みの保留記憶情報の全てを事前判別しても良いし、特定の範囲のみ(例えば、入賞情報格納エリア223vaに格納された順が古い2個)事前判別を実行するように構成しても良い。
加えて、事前判別の結果、大当たり当選に対応する保留記憶情報を獲得していると判別した場合に、期間演出を延長させるか否かの抽選を実行し、その抽選結果に基づいて、期間演出の演出結果を書き換えるか否かを決定したり、期間演出を延長させるか否かを決定したりするように構成しても良い。
次に、図822を参照して、討伐リーチ演出決定処理26(F3152)の処理内容について説明をする。図822は、討伐リーチ演出決定処理26(F3152)の処理内容を示したフローチャートである。この討伐リーチ演出決定処理26(F3152)では、討伐リーチ演出の演出態様を決定するための処理が実行される。
次に、図823を参照して、チャンスアップ演出決定処理26(F3153)の処理内容について説明をする。図823は、チャンスアップ演出決定処理26(F3153)の処理内容を示したフローチャートである。このチャンスアップ演出決定処理26(F3153)では、チャンス予告演出を実行するか否かを決定する処理と、実行する場合における演出態様を決定する処理と、が実行される。
次に、図824を参照して、演出ボタン操作処理26(F3379)の処理内容について説明をする。図824は、演出ボタン操作処理26(F3379)の処理内容を示したフローチャートである。この演出ボタン操作処理26(F3379)では、遊技者が演出ボタン22を操作したことに基づいて各種処理が実行され、上述した第22制御例に対して、バトル演出中に設定される操作有効期間中に演出ボタン22を操作した際に実行される処理内容を追加した点で相違している。
具体的には、バトル演出中の操作有効期間中における演出ボタン22への操作内容に基づいて、連打操作(押下操作)が実行されたのか、長押し操作が実行されているのかを判別する処理を実行し、判別結果に基づいて、バトル演出の演出態様を可変させるための異なる処理が実行されるように構成している。ここで、連打操作が実行されていると判定した場合は、押下判定される毎にHP値の減少値を決定するための減少抽選を実行する。
そして、減少抽選の抽選結果に対応する減少値を残HP値から減算し、減算結果を残HP値として残HP記憶エリア223aadに格納すると共に、敵キャラ880aのHP値を減算するための演出態様と、HPゲージ890の表示態様を可変させるための演出態様と、を少なくとも含む演出態様を示すための表示用コマンドを設定する。
一方、長押し操作が実行されていると判定した場合は、図825に示した長押し時演出設定処理26(F3464)が実行される。図825は、長押し時演出設定処理26(F3464)の処理内容を示したフローチャートである。この長押し時演出設定処理26(F3464)では、長押し操作に基づいてHP値を減少させるための演出シナリオを決定するための処理と、長押し操作期間を計測するための各種処理が実行される。
次に、図826を参照して、演出更新処理26(F2171)の処理内容について説明をする。図826は、演出更新処理26(F2171)の処理内容を示したフローチャートである。この演出更新処理26(F2171)では、上述した第22制御例に対して、長押し中に関する処理を追加した点で相違している。
ここで、演出更新処理26(F2171)において実行される長押し中処理26(F3551)の処理内容について、図827を参照して説明をする。図827は、長押し中処理26(F3551)の処理内容を示したフローチャートである。この長押し中処理26(F3551)では、長押し操作を継続して実行している期間を更新する処理と、長押し操作中に非減少期間を設定するか否かを決定するための処理と、非減少期間が終了した際に実行される追加減少演出の演出態様を決定するための処理と、が実行される。
以上、説明をした通り、本第26制御例では、ゲージ減少演出(バトル演出)が実行されている操作有効期間の一部期間において、演出結果に関わらず、体力値が減少されない非減少期間を設定可能に構成している。このように構成することで、ゲージ減少演出(バトル演出)中に体力値の減少が途中で停止された場合であっても、遊技者に有利となる演出結果となる可能性を残すことができるため、遊技者に対してゲージ減少演出を最後まで楽しませることができる。
具体的には、操作手段への操作に基づいて体力値を減少させる毎に、非減少期間を設定するか否かの突入抽選を実行し、突入抽選に当選した場合に非減少期間を設定するように構成している。そして、非減少期間が設定された場合には、所定時間の経過、或いは、非減少期間を解除するか否かの解除抽選に当選するまで、体力値を減少させることが無い演出が実行されるように構成している。このように、ゲージ減少演出が実行されている間にも体力値の減少度合いを可変させるための処理を追加するように構成することで、遊技者が操作手段に対して同一の操作を行った場合であっても、ゲージ減少演出における体力値の減少パターンをゲージ減少演出実行時に予め定めた演出パターンにのみ基づいて設定する場合に比べて増加させ易くすることができるため演出効果を高めることができる。
また、本第26制御例では、解除抽選の当選確率を、非減少期間が設定された時点における残体力値と、実行中のゲージ減少演出の演出結果とに基づいて異ならせるように構成しており、残体力値が大きい程、解除抽選の当選確率が高くなるように構成している。このように構成することで、ゲージ減少演出の序盤で非減少期間が設定された場合には、ゲージ減少演出の終盤で非減少期間が設定された場合よりも解除抽選に当選し易くすることができるため、ゲージ減少演出が実行されたにも関わらず、即座に設定された非減少期間が長時間継続してしまい、今回のゲージ減少演出にて減少させることが可能な値まで体力値を減少させることができない事態が頻繁に発生することを抑制することができる。
さらに、実行中のゲージ減少演出の演出結果が有利な演出結果となる場合の方が、演出結果が不利な演出結果となる場合よりも解除抽選の当選確率が高くなるように構成している。ここで、本第26制御例では、ゲージ減少演出の演出結果が遊技者に有利となる演出結果となる場合の方が、遊技者に不利となる演出結果となる場合よりも、ゲージ減少演出にて体力値を大きく減少させる(残体力値を0にする)演出が実行され易くなるように構成している。つまり、今回のゲージ減少演出にて減少させることが可能な体力値が大きい程、解除抽選の当選確率が高くなるように構成している。このように構成することで、ゲージ減少演出の演出結果が有利な演出結果となるゲージ減少演出にて非減少期間が設定された場合には、ゲージ減少演出の演出結果が不利な演出結果となるゲージ減少演出にて非減少期間が設定された場合よりも解除抽選に当選し易くすることができるため、体力値を大きく減少させることができるゲージ減少演出が実行されたにも関わらず、非減少期間が長時間継続してしまい、今回のゲージ減少演出にて減少させることが可能な値まで体力値を減少させることができない事態が頻繁に発生することを抑制することができる。
加えて、本第26制御例では、非減少期間が継続する期間に上限(リミット)を設け、解除抽選に当選すること無く非減少期間が上限に到達した場合には強制的に非減少期間を解除するように構成している。このように構成することで、非減少期間が解除されるタイミングをランダムにするために解除抽選を用いた場合であっても、解除抽選に当選すること無くゲージ減少演出が終了するまで非減少期間が継続してしまい、ゲージ減少演出の演出効果が著しく低下してしまう事態が発生してしまうことを抑制することができる。
さらに、本第26制御例では、非減少期間が解除され、体力値を減少させることが可能な減少期間が設定された場合に、設定されていた非減少期間の長さに応じて体力値を減少させる追加減少演出を実行可能に構成している。具体的には、今回のゲージ減少演出の演出結果が遊技者に有利となる演出結果にて非減少期間が設定されたり、ゲージ減少演出の序盤にて非減少期間が設定されたりした場合、即ち、解除抽選の当選確率が高く設定された場合において非減少期間が長時間継続した場合には、非減少期間が解除された場合に実行される追加減少演出にて体力値を大きく減少させることが可能となるように構成している。
このように構成することで、非減少期間が長時間継続した場合であっても、追加減少演出によって体力値を大きく減少させることが可能となるため、非減少期間が長時間継続している遊技者に対しても、実行中のゲージ減少演出の演出結果が遊技者に有利となる演出結果となることを期待させながら遊技を行わせることができる。また、今回のゲージ減少演出にて減少させることが可能な値まで体力値を減少させることができない事態が頻繁に発生することを抑制することができる。
加えて、本第26制御例では、ゲージ減少演出中における遊技者の操作手段への操作方法に応じて、体力値を減少させるための演出パターンを異ならせるように構成している。具体的には、ゲージ減少演出における操作有効期間中に遊技者が操作手段を継続して押下した場合(所謂、長押し操作を実行した場合)と、操作手段を連続して押下した場合(所謂、連打操作を実行した場合)と、で体力値を減少させる演出を実行可能に構成しており、長押し操作を実行した場合には、上述した非減少期間を設定可能な演出パターンが決定され、連打操作を実行した場合には、上述した非減少期間が設定されることの無い(突入抽選を実行しない)演出パターンが決定されるように構成している。
このように構成することで、同一の演出結果を示すためのゲージ減少演出における体力値の減少過程を、操作手段の操作方法に応じて異ならせることが可能となる。よって、様々な演出パターンでゲージ減少演出を実行させたい遊技者に対して異なる操作方法で操作手段を操作させ易くすることができるため、遊技者の遊技への参加意欲を高めることができ、遊技に対する興趣を向上させることができる。
さらに、本第26制御例では、体力値が減少されない非減少期間の長さに応じてゲージ減少演出の演出結果を示唆可能に構成している。具体的には、非減少期間中に味方キャラが力を貯める演出(チャージ演出)が実行され、非減少期間の長さが長くなるほど、チャージ演出にて貯まる力が大きくなり易くなるように構成している。そして、チャージ演出中に貯めた力が大きいほど、非減少期間の経過後に体力値を大きく減少させる演出が実行され易くなるように構成している。
このように構成することで、ゲージ減少演出期間中に非減少期間を設定した場合であっても、遊技者が実行されているゲージ減少演出に早期に飽きてしまうことを抑制することができる。
加えて、本第26制御例では、演出結果が遊技者に不利となる演出結果となるゲージ減少演出において、チャージ演出を終了させること無く、ゲージ減少演出を終了させることが可能に構成している。つまり、チャージ演出にて力を貯めたにも関わらず、その力を利用して敵キャラを攻撃すること無くゲージ減少演出の演出結果が表示される演出パターンを設定可能に構成している。このように構成することで、ゲージ減少演出の演出結果が遊技者に不利となる場合であっても、チャージ演出を実行させ易くすることができるため、演出効果を高めることができる。
また、本第26制御例では、操作手段への長押し操作を中止することによっても、非減少期間を強制的に解除可能に構成している。つまり、遊技者に対して、操作手段を操作(押下)させることを促すゲージ減少演出中において、操作手段への操作を中止させる選択肢を遊技者に提供可能に構成している。このように構成することで、操作手段に対する操作方法の選択肢を増加させることができる。
なお、本第26制御例では、ゲージ減少演出に長押し操作を実行した場合には、長押し操作の継続時間に応じて体力値を減少させる演出シナリオが進展するように構成しており、継続時間が長くなる程、体力値が減少し易くなる演出シナリオが設定され易くなるように構成している。そして、途中で実行中の長押し操作を中止した場合には、押下継続時間の更新が中断され、再度長押し操作を実行した場合には、中断中の押下継続時間を引き継いで更新可能に構成している。よって、途中で長押し操作を中断した場合であっても、継続して操作手段を操作させ易くすることができる。
また、上述した通り、操作手段への長押し操作を中止することによっても、非減少期間を強制的に解除可能に構成し、且つ、途中で実行中の長押し操作を中止した場合には、押下継続時間の更新が中断され、再度長押し操作を実行した場合には、中断中の押下継続時間を引き継いで更新可能に構成している。このように構成することで、ゲージ減少演出中に長押し操作を実行している遊技者に対して、長押し操作を継続して実行する場合よりも、途中で一旦長押し操作を中断し、再度、長押し操作を実行した場合の方が、非減少期間が短くなり、ゲージ減少演出において体力値を大きく減少させることが可能となり得る状況を提供することが可能となる。
さらに、本第26制御例では、ゲージ減少演出の実行期間中において、遊技者による操作手段への操作が有効に判別される有効期間(操作有効期間)を表示するように構成している。そして、表示される操作有効期間の長さを異ならせるように構成している。具体的には、ゲージ減少演出の演出結果が遊技者に有利となる演出結果である場合の方が、遊技者に不利となる演出結果よりも長い操作有効期間を示す表示が実行され易くなるように構成している。
このように構成することで、ゲージ減少演出にて敵キャラの体力値を減少させるよりも前(操作有効期間を示す表示態様が表示された時点)に、今回の演出結果を遊技者に予測させ易くすることができる。また、操作手段への操作(長押し操作)に基づいて敵キャラの体力値を減少させる演出にて体力値の減少度合い(経過時間と減少値との関係性)だけで無く、体力値を減少させることが可能な残時間(残操作有効期間)の長さも考慮して演出結果を予測させることになるため、演出結果を遊技者に予測させるための要素を増加させる分、演出結果を予測させ難くすることができ、実行される演出(ゲージ減少演出)の演出効果を高めることができる。
さらに、本第26制御例では、ゲージ減少演出の演出結果が遊技者に有利となる演出結果である場合と、遊技者に不利となる演出結果である場合と、で同一の演出シナリオ(操作手段への操作時間に応じた体力値の減少値)を設定可能に構成し、設定される操作有効時間の長さに応じて、最終的に表示可能な体力値を異ならせるように構成している。
このように構成することで、同一の演出シナリオを用いて、異なる演出結果を創出することができるため、ゲージ減少演出を実行する際に用いられる演出データ(演出シナリオ)として、遊技者に有利となる演出結果専用の演出シナリオと、遊技者に不利となる演出結果専用の演出シナリオと、のみを用いた場合よりも、ゲージ減少演出に関する演出データ(演出シナリオ)の量を削減することができる。
また、従来より、特別図柄抽選の結果を示すための変動演出を、様々な演出態様で実行することにより、特別図柄抽選の抽選結果が大当たり当選以外(外れ)の抽選結果となる期間が長時間継続した場合であっても、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制しているパチンコ機10がある。このような従来型のパチンコ機10では、特別図柄抽選の抽選結果が外れである場合に選択される割合と、特別図柄抽選の抽選結果が大当たりである場合に選択される割合と、の比率を示す大当たり当選期待度を異ならせた様々な演出態様を決定可能に構成し、変動演出に対応する特別図柄抽選の結果と、変動演出の演出態様を決定するための演出抽選結果と、に基づいて演出態様を決定可能に構成することで、特別図柄抽選の抽選結果が大当たり当選以外(外れ)の抽選結果となる遊技が複数回連続した場合であっても、遊技者に対して、大当たり期待度を異ならせた様々な変動演出を実行させることができるため、遊技者に対して適度に大当たりへと期待感を持たせながら遊技を行わせることができるものであった。
しかしながら、従来型のパチンコ機10では、特別図柄抽選の抽選結果が外れであることを示すための変動演出の演出態様を抽選(演出抽選)で決定しているため、場合によっては、長時間の間、大当たり当選期待度が低い変動演出しか実行されず遊技者が遊技に飽きてしまい易くなるという問題があった。また、大当たり当選期待度が高くなるように選択割合が規定されている演出態様を短期間で複数回選択してしまい、遊技者に不信感を与えてしまうという問題があった。
これに対して、本第26制御例では、過去に実行された変動演出の演出態様に関する情報(演出履歴情報)と、特別図柄抽選の抽選結果が外れであることを示すための変動演出(外れ変動演出)が連続して実行された回数(連続外れ回数)に関する情報と、に基づいて、変動演出の演出態様を決定可能に構成している。
具体的には、連続外れ回数の増加に基づいて特定のカウンタ値(実行演出カウンタの値)を加算し、実行演出カウンタの値が特定値(例えば、100)に到達した場合には、変動演出の演出態様を決定する際に参照されるデータテーブルとして、通常時に参照されるデータテーブル(通常時演出態様選択テーブル)とは異なる特殊演出態様選択テーブルを参照するように構成し、大当たり期待度が高い演出態様を、通常時よりも決定し易くするように構成している。
このように構成することで、定期的に大当たり期待度が高い演出態様の変動演出を実行させることができるため、大当たり当選期待度が低い変動演出しか実行されず遊技者が遊技に飽きてしまう事態を発生させ難くすることができる。
さらに本第26制御例では、上述した実行演出カウンタの値を減算する処理を実行可能に構成しており、例えば、外れ変動演出の演出態様として、大当たり当選期待度が高い演出態様が決定された場合には、決定された演出態様に応じて実行演出カウンタの値を減算するように構成している。具体的には、大当たり当選期待度が比較的高い演出態様を外れ変動演出の演出態様として決定した場合には、実行演出カウンタの値を30減算するように構成している。
このように構成することで、大当たり当選期待度が高い演出態様で外れ変動演出が実行された直後に、特殊演出態様選択テーブルを参照して演出態様が決定される外れ変動演出が実行されてしまうことを抑制することができるため、大当たり当選期待度が高い演出態様で外れ変動演出が連続して実行されてしまい、遊技者に不信感を与えてしまうことを抑制することができる。
加えて、本第26制御例では、特殊演出態様選択テーブルを参照して演出態様を決定する際に、過去に実行された外れ変動演出の演出態様に関する情報に基づいて決定される演出態様の種別を異ならせるように構成している。具体的には、通常時に参照される通常時演出態様選択テーブルを参照して決定された大当たり当選期待度の高い演出態様を、特殊演出態様選択テーブルを参照して決定させ難くなるように構成している。このように構成することで、外れ変動演出に対して同一の演出態様を決定させ難くすることができるため、通常の大当たり当選期待度が規定されている通常時演出態様選択テーブルとは異なる内容で各種演出態様が規定されている特殊演出態様選択テーブルを参照して演出態様を決定可能に構成したとしても、特定の演出態様に対する大当たり当選期待度が著しく低下してしまうことを抑制することができる。
従来より、1の演出を実行する前に、その演出にて用いられる複数の情報(演出要素)を遊技者に順に報知することで、後に実行される演出の内容を遊技者に予測させる報知演出を実行するものがある。具体的には、敵キャラを攻撃するバトル演出を実行する場合において、バトル演出に用いられる味方キャラの種別を示す情報を報知し、次いで、味方キャラがバトル演出にて用いる武器の種別を示す情報を報知する報知演出を実行し、その報知演出にて報知された演出要素を用いたバトル演出を実行するものがある。このように構成することで、後に実行されるバトル演出の内容を徐々に遊技者に報知することができるため、何の前ぶれも無くバトル演出を実行する場合に比べて、遊技者が後に実行されるバトル演出の内容を予測可能な期間(報知演出期間)を設けた分、実行される演出に興味も持たせる期間を長くすることができ、演出効果を高めることができるものであった。
しかしながら、従来型のパチンコ機10では、報知演出によって演出要素が報知される順序が固定されているため、例えば、先に報知される演出要素の内容が遊技者に不利となる演出結果となる場合の方が、遊技者に有利となる演出結果となる場合よりも選択され易い演出要素である場合に、その時点で後に実行されるバトル演出への期待感が大幅に減少してしまい、遊技意欲が早期に低下してしまうという問題があった。
これに対して、本第26制御例では、討伐リーチ演出における報知演出にて遊技者に報知する複数の情報の報知順序を異ならせることが可能となるように構成している。具体的には、報知演出にて報知可能な複数の情報のうち、後に実行される攻撃演出の演出結果を遊技者に予測させ易い情報の方が、攻撃演出の演出結果を遊技者に予測させ難い情報よりも後に報知され易くなるように構成している。
具体的には、攻撃演出に用いられる味方キャラの種別として、少なくとも、第1味方キャラと第2味方キャラとを決定可能に構成し、第1味方キャラは第1演出要素よりも第2演出要素の方がバトル演出の演出結果を予測させ易い情報となり、第2味方キャラは第2演出要素よりも第1演出要素の方がバトル演出の演出結果を予測させ易い情報となるように構成し、第1味方キャラが決定された場合には、第1演出要素に関する情報を報知した後に第2演出要素に関する情報を報知し、第2味方キャラが決定された場合には、第2演出要素に関する情報を報知した後に第1演出要素に関する情報を報知するように構成している。
このように構成することで、報知演出の途中段階で後に実行されるバトル演出への期待感が大幅に減少してしまい、遊技意欲が早期に低下してしまう事態が発生することを抑制することができる。
従来より、特定期間(例えば、特別図柄抽選が10回実行される期間)中に実行される複数回の特別図柄抽選の結果を、1のモード演出を用いて報知可能に構成したパチンコ機10として、第1特定期間(例えば、特別図柄抽選1回目〜5回目)にて第1モード演出を実行し、第2特定期間(例えば、特別図柄抽選6回目〜10回目)にて第2モード演出を実行するものがある。このような従来型のパチンコ機10では、1のモード演出によって複数回の特別図柄抽選の結果を報知することができるため、1のモード演出の対象となる複数回の特別図柄抽選に遊技者に有利となる抽選結果(例えば、大当たり当選)が含まれていれば、モード演出の演出結果として遊技者に有利となる演出結果を表示することが可能となる。よって、実行される特別図柄抽選毎にその抽選結果を示すための演出を実行する場合に比べて、特別図柄抽選の結果が遊技者に不利となる抽選結果(例えば、外れ当選)を示す演出(外れ演出)が実行される回数を削減することができるため、遊技者に不利となる抽選結果を示す演出(外れ演出)が多く実行されることにより遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができるものであった。
しかしながら、従来型のパチンコ機10では、各モード演出にて抽選結果が示唆される特別図柄抽選の回数が固定されているため、各モード演出の演出結果が遊技者に有利な演出結果となる確率が常に固定されるものであった。よって、各モード演出のうち、演出結果に影響を与える特別図柄抽選の回数が多いモード演出は、演出結果に影響を与える特別図柄抽選の回数が少ないモード演出よりも、遊技者に有利となる演出結果が表示され易くなってしまい、様々なモード演出において遊技者に有利となる演出結果が表示されることを期待する遊技者に対して、偏った演出を提供し易くなり演出効果が低下してしまうという問題があった。
これに対して、本第26制御例では、残確変回数が20回を下回ると、複数回の特別図柄抽選結果を1の期間演出の演出結果を用いて遊技者に報知するモード演出が実行されるように構成している。このように構成することで、特別図柄抽選の結果が外れであることを示す変動演出が実行され難くなり、遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができる。また、複数回の特別図柄抽選が実行される期間を跨いで1の期間演出を実行可能に構成しているため、確変状態中に実行可能な特別図柄抽選の残回数を遊技者に把握させ難くすることができる。
具体的には、本第26制御例では、図820のF4303〜F4310の処理が実行されることにより、残確変回数が20回〜15回までの6回の特別図柄抽選の結果を示す特別図柄変動期間を用いて期間演出として第1モード演出が実行され、残確変回数が14回〜8回までの7回の特別図柄抽選の結果を示す特別図柄変動期間を用いて期間演出として第2モード演出が実行され、残確変回数が7回〜1回までの7回の特別図柄抽選の結果を示す特別図柄変動期間を用いて期間演出として第3モード演出が実行されるように構成している。
加えて、本第26制御例では、各モード演出の演出態様(演出結果)を、既にモード演出が実行されている状態において新たに獲得した情報(保留記憶した入賞情報)に基づいて決定可能に構成している。より具体的には、第1モード演出が実行される最終変動(残確変回数が15回となる特図変動)が開始される際に、入賞情報格納エリア223vaに格納されている情報(保留記憶情報)を読み出し、格納されている保留記憶情報に基づいて特別図柄抽選の結果を事前に判別する(先読みする)。そして、事前判別の結果、大当たり当選に対応する保留記憶情報を獲得していると判別した場合には、第1モード演出の演出結果を、大当たり当選を示す演出結果に書き換え、第1モード演出を、大当たり当選する特別図柄変動が停止表示されるまで延長して実行するように構成している。
このように、第1モード演出(期間演出)を実行した後に獲得した情報に基づいて、第1モード演出(期間演出)の対象となる特別図柄抽選回数を可変可能に構成することで、確変状態中に実行可能な特別図柄抽選の残回数を遊技者に把握させ難くすることができる。
なお、本第26制御例では、先読み結果に基づいて1の期間演出が実行される期間を可変可能に構成しているがこれに限ること無く、ランダムに期間を決定するように構成しても良いし、遊技者が任意の期間を選択可能に構成しても良い。また、先読み(事前判別)を実行するタイミングを、予め定められているモード演出の対象期間における最後の特別図柄変動が開始されるタイミングでは無く、それよりも前の特別図柄変動が開始されるタイミングにしても良いし、最後の特別図柄変動が開始されてから所定期間経過後(演出結果が遊技者に報知されるよりも前の特定タイミング)としても良い。さらに、事前判別を実行する際において、獲得済みの保留記憶情報の全てを事前判別しても良いし、特定の範囲のみ(例えば、入賞情報格納エリア223vaに格納された順が古い2個)事前判別を実行するように構成しても良い。
加えて、事前判別の結果、大当たり当選に対応する保留記憶情報を獲得していると判別した場合に、期間演出を延長させるか否かの抽選を実行し、その抽選結果に基づいて、期間演出の演出結果を書き換えるか否かを決定したり、期間演出を延長させるか否かを決定したりするように構成しても良い。
従来より、遊技者に操作手段(演出ボタン22)を操作させるための操作演出を実行可能に構成し、操作演出が実行される場合において、操作手段への操作が有効に判別される期間(有効期間)を遊技者に報知可能に構成したものがある。このように構成することで、遊技者に対して、有効期間の残期間を把握させ易くすることができ、操作演出の演出態様と、有効期間の残期間とに基づいて、操作演出の演出結果を予測させることができるものであった。
しかしながら、従来型のパチンコ機10では、操作演出の演出結果に関わらず、操作手段への操作が有効に判別される期間(有効期間)として同一の長さの有効期間が設定されるため、設定されている有効期間を報知してしまうと、有効期間の残期間を把握させ易くすることができ、操作演出の演出態様と、有効期間の残期間とに基づいて、今回の演出結果が遊技者に不利となる演出結果であることが早期に判別されてしまい、遊技者の操作手段を操作する意欲を低下させてしまうという問題があった。
これに対して、本第26制御例では、操作演出の演出結果に応じて、設定される有効期間の長さを異ならせることができるように構成している。そして、遊技者に報知する報知期間の長さとして、実際に設定される有効期間よりも短い期間を報知可能に構成している。
<その他>
従来より、特定の遊技期間(例えば、大当たり遊技期間)において、楽曲を再生すると共に、第3図柄表示装置81の表示画面に再生されている楽曲に対応する歌詞を表示することで、遊技者の遊技に対する興趣を向上させるものがある。
しかしながら、上述した従来型のパチンコ機10では、再生されている楽曲と、表示されている歌詞がズレてしまうという問題があった。具体的には、大当たり遊技が実行され、楽曲の再生タイミングが到来した場合には、音声ランプ制御装置113は、音声出力装置226に対して対応する楽曲の音声データを再生(出力)するためのコマンドを出力し、表示制御装置114に対しては、大当たり遊技の進行状況に合わせて、第3図柄表示装置81の表示面に表示させる表示内容を示すコマンドを出力するように構成しているため、楽曲の再生と、歌詞の表示とは、開始タイミングを合わせることは可能であるが、それ以降において楽曲の再生状況と、歌詞の表示状況とを同期させることができず、楽曲再生処理、或いは、歌詞の表示処理にて処理が停滞した場合等に再生されている楽曲と、表示されている歌詞がズレてしまうという問題があった。
また、再生されている楽曲と、表示されている歌詞がズレてしまうことを懸念して、最初から歌詞を表示しない構成を有しているパチンコ機10もあるが、再生されている楽曲の歌詞が表示されないことで、楽曲の意味を遊技者が把握できず演出効果が低下してしまうという問題があった。
これに対して、従来型のパチンコ機10と同様に、楽曲の再生タイミングに合わせて歌詞表示を行い、再生されている楽曲と、表示されている歌詞がズレ得る事象が発生した場合にのみ歌詞を非表示にするように構成している。そして、歌詞を非表示する事態が発生した場合には、再生されている楽曲に関する情報(歌詞とは異なる情報)を歌詞の代わりに表示するように構成すると良い。
このように構成することで、再生されている楽曲と、表示されている歌詞とがズレてしまい演出効果が低下してしまうことを抑制することができると共に、歌詞が非表示となったとしても演出効果が低下してしまうことを抑制することができる。
<記載技術まとめ>
<まとめA>(ボタン操作演出のひっかかり期間)
遊技者が操作可能な操作手段(演出ボタン22)と、その操作手段に対する操作が有効に判別される操作有効期間を設定可能な操作有効期間設定手段(バトル演出における第2パート演出にて特別図柄抽選の結果に応じて操作有効期間を決定する処理)と、その操作有効期間設定手段により設定された前記操作有効期間中に、前記操作手段に対して所定の前記操作が実行されたことを判別可能な操作判別手段(長押し操作を判定する処理)と、その操作判別手段により前記所定の操作が実行されたと判別されたことに基づいて、演出態様(HP値)を、第1態様から、その第1態様とは異なる第2態様を含む複数の態様へと段階的に可変させることが可能な演出可変手段(HP値の減少に応じてHPゲージ890の表示態様を可変させる処理)と、前記演出態様が前記第2態様へと可変された場合に特定演出を実行可能な特定演出実行手段(残HP値が0となった場合に処理演出を実行する処理)と、を有した遊技機において、前記演出態様を可変させることが可能な第1期間(非減少期間が設定されていない期間)と、その第1期間よりも前記演出態様を可変させることが困難な第2期間(非減少期間)とを、前記演出態様を可変させることが可能な状態(残HP値が最終HP値では無い状態)で実行される前記所定の操作(長押し操作)に基づいて決定可能な期間決定手段(非減少期間の突入抽選)を有することを特徴とする遊技機A1。
<まとめB>(長押し操作演出において、長押しキャンセルした方が演出が進みやすい)
遊技者が操作可能な操作手段と、その操作手段に対する操作が有効に判別される操作有効期間を設定可能な操作有効期間設定手段と、その操作有効期間設定手段により設定された前記操作有効期間中に前記操作手段に対して所定期間継続して操作が実行される継続操作が実行されていることを判別可能な操作判別手段と、その操作判別手段により前記継続操作が実行されていると判別されている間、演出態様を、第1態様から、その第1態様とは異なる第2態様を含む複数の態様へと段階的に可変させることが可能な演出可変手段と、前記演出態様が前記第2態様へと可変された場合に特定演出を実行可能な特定演出実行手段と、を有した遊技機において、前記継続操作を第1期間継続して実行する場合の方が、前記第1期間よりも短い第2期間で前記継続操作を終了する場合よりも、前記演出態様を前記第2態様へと可変させ易い第1演出制御(非減少期間が設定されていない場合における長押し操作に基づくHP値を減少させる制御)と、前記継続操作を第1期間継続して実行する場合よりも、前記第1期間よりも短い第2期間で前記継続操作を終了する場合の方が、前記演出態様を前記第2態様へと可変させ易い第2演出制御(非減少期間が設定されている状態において、長押し操作を中断することで非減少期間を解除する制御)と、を実行可能な演出制御手段を有することを特徴とする遊技機B1。
<まとめC>(連打演出中に、連打操作した場合と長押し操作した場合とで異なる演出制御を実行)
遊技者が操作可能な操作手段と、その操作手段が操作されたことに基づいて信号を出力する信号出力手段と、その信号出力手段により出力される信号を判別する信号判別手段と、その信号判別手段による判別結果が所定の実行条件を満たした場合に、演出態様を、第1態様から、その第1態様とは異なる第2態様を含む複数の態様へと段階的に可変させることが可能な演出可変手段と、その演出可変手段によって前記演出態様を可変させることが可能となる最終態様を前記複数の態様の中から決定可能な最終態様決定手段(最終HP値を決定する処理)と、を有した遊技機において、前記演出可変手段は、前記所定の実行条件として、第1実行条件が成立した場合(押下操作と判別された場合)と、その第1実行条件とは異なる第2実行条件が成立した場合(長押し操作と判別された場合)とで、異なる可変態様で前記演出態様を前記最終態様へと可変させるものであることを特徴とする遊技機C1。
<特徴D群>(強制チャンス演出実行制御)
判別を実行可能な判別手段と、その判別手段による判別結果を示すための識別情報を表示手段に動的表示させることが可能な動的表示手段と、前記表示手段に特定の前記判別結果を示すための識別情報が表示された場合に、特典を付与可能な特典付与手段と、を有した遊技において、前記識別情報が動的表示される期間に演出を実行可能な演出実行手段と、前記演出の演出態様として、前記動的表示されている前記識別情報に対応する前記判別結果が前記特定の判別結果である場合の方が、前記特定の判別結果では無い場合よりも選択され易い第1演出態様を少なくとも含む複数の演出態様の中から1の演出態様を決定可能な演出態様決定手段と、前記演出実行手段により実行される前記演出に関する情報に基づいて演出値を更新可能な更新手段と、を有し、前記演出態様決定手段は、前記判別手段による前記判別結果に基づいて前記演出態様を決定する第1決定(チャンス予告演出を実行するか否かを決定する抽選に当選したことに基づいてチャンス予告演出の演出態様を決定)と、前記更新手段によって更新される前記演出値が実行条件を満たした場合に前記判別手段による前記判別結果に関わらず前記第1演出態様を前記演出態様として決定する第2決定(演出実行カウンタ223aahの値に基づいて強制的にチャンス予告演出の演出態様を決定)と、を実行可能であることを特徴とする遊技機D1。
<まとめE>(激アツ外れ予告発生後の大当たり演出で外した激アツ予告を実行)
判別を実行可能な判別手段と、その判別手段による判別結果を示すための識別情報を表示手段に動的表示させることが可能な動的表示手段と、前記表示手段に特定の前記判別結果を示すための識別情報が表示された場合に、特典を付与可能な特典付与手段と、を有した遊技において、前記識別情報が動的表示される期間に演出を実行可能な演出実行手段と、前記演出の演出態様として、前記動的表示されている前記識別情報に対応する前記判別結果が前記特定の判別結果である場合の方が、前記特定の判別結果では無い場合よりも選択され易い第1演出態様を少なくとも含む複数の演出態様の中から1の演出態様を決定可能な演出態様決定手段と、前記特定の判別結果以外の前記判別結果を示すための識別情報が動的表示される期間に実行される前記演出の演出態様として前記第1演出態様が決定されたことを示す決定情報を所定期間記憶可能な記憶手段と、を有し、前記演出態様決定手段は、前記判別手段による前記判別結果に基づいて前記演出態様を決定する第1決定と、前記特定の判別結果を示すための識別情報が動的表示されている期間に実行される前記演出の演出態様として、前記記憶手段に前記決定情報が記憶されている場合に、前記第1演出態様を決定する第2決定(チャンス態様情報格納エリア223aagに格納されている外れ演出に用いられた演出態様を当たり演出に用いる処理)と、を実行可能であることを特徴とする遊技機E1。
<まとめF>(操作有効期間が通常よりも長いロングボタン表示)
判別を実行可能な判別手段と、その判別手段による前記判別の結果が特定の判別結果であることに基づいて遊技者に特典を付与可能な特典付与手段と、遊技者が操作可能な操作手段と、その操作手段が操作されたことを判別可能な操作判別手段と、その操作判別手段により前記操作手段への操作が有効に判別される有効期間を設定する有効期間設定手段と、その有効期間設定手段により設定された前記有効期間の少なくとも一部期間を遊技者に報知可能な有効期間報知手段と、その有効期間報知手段により前記有効期間が報知されている状態で前記操作判別手段により前記操作手段の操作が判別されたことに基づいて、前記判別手段による前記判別の結果を示すための操作演出を実行可能な操作演出実行手段と、を有した遊技機において、前記有効期間設定手段は、前記有効期間として、第1有効期間と、その第1有効期間よりも長い第2有効期間を設定可能であり、前記判別手段による前記判別の結果が前記特定の判別結果である場合の方が、前記特定の判別結果では無い場合よりも、前記第2有効期間を設定し易いものであることを特徴とする遊技機F1。
<まとめG>(絆60秒ミッション)
取得条件の成立に基づいて取得情報を取得する取得手段と、その取得手段により取得された取得情報を、所定数を上限に記憶可能な記憶手段と、所定の判別条件が成立した場合に、前記記憶手段に記憶された前記取得情報に基づいて判別を実行する判別手段と、その判別手段による前記判別の結果が特定の判別結果である場合に遊技者に有利となる特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、前記取得手段が前記取得情報を取得し易い第1遊技状態と、その第1遊技状態よりも取得し難い第2遊技状態と、設定可能な遊技状態設定手段と、を有した遊技機において、前記判別手段により実行される複数回の前記判別の結果に関する情報に基づいて演出態様が決定される期間演出を実行可能な期間演出実行手段(残確変回数が20回以降に実行される各モード演出を実行する手段)を有し、前記遊技機は、前記期間演出の前記演出態様を決定する際に参照される前記情報に含まれる前記判別の範囲を異ならせる(先読み結果を対象にするか否かを決定、遊技者によって範囲を選択)ことが可能であることを特徴とする遊技機G1。
<技術思想まとめ1>
次に、上述した各制御例に記載された各技術思想について簡単に説明をする。まず、上述した第5制御例では、普通図柄の確率状態を低確率状態から高確率状態へと移行させるための契機として、特別図柄抽選の大当たり当選以外の契機を設けており、特別図柄抽選の抽選結果が大当たり当選とは異なる抽選結果(外れ)の一部において、普通図柄の高確率状態を設定させるための契機が成立するように構成している。
つまり、特別図柄抽選で大当たり当選しなかった遊技者に対しても、大当たり遊技とは異なる特典を付与可能に構成している。このように構成することで、1回の特別図柄抽選において、大当たり遊技が実行される抽選結果と、時短状態(普通図柄の高確率状態)が設定される抽選結果とを遊技者に別々に提供することができるため、遊技者に対して有利となる抽選結果の種別の多様化を図りやすくすることができる。
さらに、上述した第5制御例では、設定されている遊技状態に応じて、普通図柄の高確率状態を設定させるための契機の成立のし易さを異ならせており、具体的には、遊技状態として通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)が設定されている場合は、特別図柄抽選が実行された場合に大当たり当選の有無に加え、時短当選(普通図柄の高確率状態を設定させるための契機の成立の有無)の有無を判定可能に構成し、通常状態以外の遊技状態が設定されている場合は、特別図柄抽選が実行された場合に大当たり当選の有無のみを判定可能に構成している。
このように構成することで、通常状態が設定されている状態では、普通図柄の高確率状態が設定され得る契機として、特別図柄抽選における大当たり当選、或いは、時短当選が成立可能となり、通常状態以外の遊技状態では、普通図柄の高確率状態が設定され得る契機として、特別図柄抽選における大当たり当選が成立可能となる。即ち、時短当選の有無が判定可能となる通常状態のほうが、通常状態以外の遊技状態よりも、普通図柄の高確率状態を設定させるための契機が成立し易くなるように構成している。よって、各図柄(特別図柄、普通図柄)が低確率状態に設定されており、各図柄抽選において最も当たり当選し難い遊技状態(遊技者に不利となる遊技状態)である通常状態のほうが、他の遊技状態よりも普通図柄の高確率状態を設定させ易くすることができ、通常状態中の遊技を実行している遊技者の遊技意欲を高めることができる。
加えて、上述した第5制御例では、普通図柄の高確率状態が設定されている遊技状態(確変状態、時短状態)のほうが、普通図柄の低確率状態が設定されている遊技状態(通常状態、第2確変状態)よりも第2特別図柄抽選が実行され易くなるように構成しており、且つ、第2特別図柄抽選の実行権利(特図2保留)を、所定数(4個)を上限に記憶可能(保留記憶可能)に構成している。そして、第1特別図柄抽選よりも第2特別図柄抽選のほうが時短当選し易くなるように構成している。
つまり、普通図柄の高確率状態が設定されている何れかの遊技状態(確変状態、時短状態)から通常状態へと遊技状態が移行した場合(遊技者に有利な遊技状態から不利な遊技状態へと移行した場合)において、移行後の通常状態中に、移行前の普通図柄の高確率状態にて保留記憶された第2特別図柄抽選の実行権利(特図2保留)に基づく第2特別図柄抽選が実行された場合に時短当選し易くなるように構成している。
このように構成することで、遊技者に有利な遊技状態から不利な遊技状態へと移行した場合にも所定期間の間、遊技者に有利な遊技状態へと復帰し易い特別図柄抽選を遊技者に実行させることができるため、遊技者に不利となる遊技状態である通常状態が設定された場合に遊技者の遊技意欲が著しく低下してしまうことを抑制することができる。また、通常状態中により多くの第2特別図柄抽選を実行させるために、第2特別図柄抽選の実行権利(特図2保留)を上限数(4個)獲得した状態で普通図柄の高確率状態を終了させようと、普通図柄の高確率状態が終了する最後の瞬間まで特図2保留を獲得するための遊技を意欲的に行わせることができる。
上述した第5制御例では、特別図柄抽選で大当たり当選した場合に加え、特別図柄抽選で時短当選した場合にも普通図柄の高確率状態を設定可能に構成しており、大当たり当選に基づいて設定される普通図柄の高確率状態(第1時短)と、時短当選に基づいて設定される普通図柄の高確率状態(第2時短)とで、普通図柄の高確率状態を終了させるための終了条件の成立のし易さを異ならせている。
具体的には、第1時短の終了条件として設定される時短回数よりも第2時短の終了条件として設定される時短回数のほうが多くなり易くなるように構成している。このように、普通図柄の高確率状態が設定された場合において、その設定契機(普通図柄の高確率状態を設定するための成立契機)に応じて有利度合いを異ならせた普通図柄の高確率状態を設定可能とすることにより、普通図柄の高確率状態が設定されるか否かだけで無く、どのような契機で普通図柄の高確率状態が設定されるのかという遊技の過程についても遊技者に興味を持たせることができるため、遊技者に継続して遊技を行わせ易くすることができる。
なお、上述した第5制御例では、普通図柄の高確率状態において遊技者に付与される特典の有利度合いを異ならせるために、時短終了条件の成立のし易さ(時短回数)を異ならせているが、これに限ること無く、例えば、第1時短が設定された場合と、第2時短が設定された場合とで、第2特別図柄抽選の保留記憶の獲得のし易さ(電動役物640aの開放パターン)を異ならせたり、普通図柄の高確率状態中に特別図柄抽選で大当たり当選した場合に付与される特典の有利度合い(例えば、大当たり遊技中に付与される賞球数や、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態の種別)を異ならせたりするように構成しても良い。
次に、上述した第5制御例の第1変形例は、通常状態が設定されている場合に実行される第1特別図柄抽選でも時短当選し得るように構成している点で上述した第5制御例と相違している。
上述した第5制御例では、普通図柄の高確率状態(確変状態、時短状態)が設定されている状態で第2特別図柄抽選を実行する遊技を行わせ、普通図柄の高確率状態中に第2特別図柄抽選の実行権利(特図2保留)を獲得可能に構成していた。そして、普通図柄の高確率状態中に獲得した特図2保留に基づく第2特別図柄抽選を普通図柄の低確率状態が設定されている通常状態において実行した場合に、大当たり抽選に加え、時短抽選も実行されるように構成することで、遊技者に有利となる普通図柄の高確率状態中の遊技(有利遊技)を体験した遊技者に対して、有利遊技が終了した後に、通常時よりも高確率で有利遊技へと復帰し易い遊技(引き戻し遊技)を実行させることができるものであった。
しかしながら、上述した第5制御例では、通常状態において実行される特別図柄抽選(第1特別図柄抽選)にて大当たり当選し、普通図柄の高確率状態が設定された遊技(有利遊技)を実行しない限り、時短抽選の恩恵を受けることが出来ないため、時短抽選の恩恵を受けること無く遊技者が遊技に飽きてしまうという問題があった。
これに対して、上述した第5制御例の第1変形例では、通常状態にて実行される第1特別図柄抽選においても時短当選し得るように構成しているため、遊技者に対して時短抽選の恩恵を受け易くすることができる。
さらに、上述した第5制御例では、特別図柄抽選で大当たり当選したことに基づいて設定される普通図柄の高確率状態(確変状態、時短状態)よりも、特別図柄抽選で時短当選したことに基づいて設定される普通図柄の高確率状態(時短状態)のほうが、普通図柄の高確率状態が継続する期間(普図高確期間)が長くなり易くなるように構成していた。つまり、特別図柄抽選で時短当選した場合に、次の大当たり当選まで普図高確期間を継続させ易くするという特典を遊技者に付与可能に構成していた。
これに対して、上述した第5制御例の第1変形例では、第1特別図柄抽選で時短当選した場合には、短期間(例えば、時短回数1回)の時短状態を設定可能に構成し、その短期間の時短状態が設定される期間(普図高確期間)において、第2特別図柄抽選の実行権利を獲得させる遊技を実行可能に構成している。つまり、本第1変形例では、上述した第5制御例における引き戻し遊技を、大当たり当選すること無く実行させ得るように構成している。このように構成することで、通常状態において実行される第1特別図柄抽選にて大当たり当選すること無く、通常状態中に第2特別図柄抽選を実行させ易くすることができる。
さらに、上述した第5制御例の第1変形例では、時短状態中に実行される第1特別図柄抽選の変動パターンとして、複数の変動時間を選択可能に構成している。本第1変形例では、通常状態中に実行される第1特別図柄抽選にて時短当選すると、所定の変動時間の変動を経て時短当選を示すための表示態様(時短図柄)で第1特別図柄が停止表示された後に時短状態(時短回数1回)が設定され、次に実行される特別図柄変動が停止表示されるまでの間、時短状態が継続するように構成している。
つまり、時短状態中に実行される特別図柄変動の変動時間に対応して時短状態が継続する期間の長さが決定することになる。よって、時短状態中に実行される特別図柄変動の変動時間が長ければ長い程、時短状態中に多くの特図2保留を獲得し易くなるため遊技者に有利な時短状態とすることができる。
次に、上述した第5制御例の第2変形例では、上述した第5制御例に対して更なる興趣向上を目指すために、普通図柄の高確率状態が設定されている状態において実行される特別図柄抽選で大当たり当選した場合に付与される特典の内容を、普通図柄の高確率状態が設定された契機(第1時短又は第2時短)に応じて異ならせるように構成している。つまり、第1時短中に大当たり当選した場合と、第2時短中に大当たり当選した場合とで、同一の大当たり種別が設定された場合に付与される特典の内容を異ならせている。このように構成することで、普通図柄の高確率状態(時短状態)が設定された場合において、どの契機で時短状態が設定されたのかについても遊技者に興味を持たせることができるため、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
さらに、上述した第5制御例の第2変形例では、特別図柄抽選で大当たり当選した場合に実行される大当たり遊技として、ラウンド数が少なく、且つ、1回のラウンド遊技の遊技時間が短い大当たり遊技(2R大当たり)を実行可能に構成し、その2R大当たり遊技が実行された後に、時短状態が設定されるように構成している。このように構成することで、特別図柄抽選で大当たり当選したことに基づいて時短状態が設定される場合、即ち、第1時短が設定される場合と、大当たり遊技が実行されること無く時短状態が設定される場合、即ち、第2時短が設定される場合とで、実行される遊技の内容の相違を遊技者に気付かれ難くすることができる。
加えて、上述した第5制御例の第2変形例では、第1時短が設定される過程において実行される変動演出と、第2時短が設定される過程において実行される変動演出と、を同様の演出態様で実行可能に構成している。具体的には、第1時短が設定される大当たり当選(2R大当たり当選)したことを示すための特別図柄変動が開始されてから、その特別図柄変動が停止表示され、その後、2R大当たり遊技が終了するまでの第1期間と、第2時短が設定される時短当選したことを示すための特別図柄変動の変動時間である第2期間と、が略同期間となるように設定し、その期間を用いて共通の演出態様で演出を実行するように構成している。
このように構成することで、第1時短が設定される場合と、第2時短が設定される場合とで、特別図柄変動が開始されてから、時短状態が設定されるまでの期間において共通の演出態様の演出を実行させることができるため、何れの契機で時短状態が設定されたのかを遊技者により分かり難くすることができる。
次に、上述した第6制御例では、通常状態以外の遊技状態が設定されている状態においても特別図柄抽選で時短当選し得るように構成している点で上述した第5制御例とは大きく相違している。
このように構成することで、例えば、時短状態が設定されている状態において、新たに時短当選した場合に、時短状態が継続する残期間を更新可能とすることができる。よって、時短状態がいつまで継続するかを遊技者に把握させ難くすることができる。
また、時短状態が継続する残期間を更新させる場合において、現状の残期間よりも時短状態が継続する期間が長くなるように更新(有利更新)される場合と、短くなるように更新(不利更新)される場合とが発生するように構成している。つまり、時短抽選において時短当選するタイミングと、時短当選した場合に設定される時短回数(時短期間)とによって、時短当選が遊技者に有利な特典となる場合と、不利な特典となる場合が発生するように構成している。このように構成することで、時短当選を期待する遊技性と、時短当選を期待しない遊技性と、を備える斬新な遊技性を提供することができる。
さらに、上述した第6制御例では、大当たり当選すること無く、連続して時短当選すればするほど遊技者に有利な時短状態が設定され易くなるように構成している。具体的には、遊技者の有利度合いを異ならせた時短種別が複数規定されており、時短状態中に時短当選する程、有利な時短種別が設定され易くなるように構成している。このように構成することで、大当たり当選しない期間が長くなればなるほど、遊技者に有利な特典を付与し易くすることができる。
加えて、遊技者に最も有利な時短種別が設定されている場合には、その時短種別よりも不利な時短種別が設定されている場合よりも、遊技者に不利な時短種別へと移行し易くなるように構成している。つまり、有利度合いを異ならせた複数段階の時短種別を有し、時短当選に基づいて徐々に有利度合いの高い時短種別が設定されていき、最高段階の時短種別に到達した場合には、最低段階の時短種別へと転落し易くなるように構成している。このように構成することで、遊技者に有利な時短種別が過剰に長時間継続してしまうことを抑制することができる。
なお、上述した第6制御例のように、時短状態が設定されている状態で時短抽選を実行可能に構成したパチンコ機10、即ち、時短状態が設定されている状態で新たな時短状態の設定条件が成立した場合における処理内容として、既に設定されている時短状態の内容(残時短期間)に関わらず、新たな時短状態を設定する処理を実行するように構成しても良いし、既に設定されている時短状態の内容(残時短期間)と、新たに設定条件が成立した時短状態の内容(時短期間)とを判別し、その判別結果に基づいて、新たな時短状態を設定するか否かを決定する処理を実行するように構成しても良いし、既に設定されている時短状態の内容と、新たに設定条件が成立した時短状態の内容との差分を算出し、その差分に対応する情報(時短期間)を、既に設定されている時短状態の残時短期間に加算(減算)する処理を実行するように構成しても良い。
また、既に設定されている時短状態が終了するまで、新たに設定条件が成立した時短状態が設定されることを待機させる処理を実行可能に構成しても良い。この場合、既に設定されている時短状態が終了するまでの間に、時短状態の設定条件が複数成立した場合には、設定条件が成立した全ての時短状態を順に設定するように構成しても良いし、待機中の時短状態のうち、遊技者に有利となる時短状態を所定数を上限に記憶可能に構成し、記憶されている時短状態のみを順に設定するように構成しても良い。
なお、上述した第6制御例に記載された各技術思想を、上述した各制御例に適用して勿論良く、また、時短状態の設定条件として、上述した第13制御例に記載された技術思想、即ち、天井特典として時短状態を設定可能な技術思想を上述した第6制御例に適用しても良い。
次に、上述した第7制御例では、1回の特別図柄抽選で大当たり当選と、時短当選と、を重複して判定可能に構成している。また、上述した第7制御例では、大当たり当選の判定が実行される前に時短当選の判定を実行するように構成し、時短当選した場合には、当該特別図柄抽選にて大当たり当選の判定が実行されるよりも前に時短状態を設定し、時短状態が設定されている状態で当該特別図柄抽選における大当たり当選の判定を実行し、当該特別図柄抽選の抽選結果を示すための特別図柄変動が実行されるタイミングにて時短状態を終了させることが可能に構成している。
具体的には、通常状態における第1特別図柄抽選で時短当選した場合において、上述した通り、当該特別図柄抽選にて大当たり判定が実行されるタイミングを含む短期間の間、時短状態となるように構成している。つまり、上述した第5制御例では、次の大当たり当選に向けて遊技者に有利な遊技(特別図柄抽選を実行させ易い遊技)を、大当たり遊技を介すること無く所定期間(最大で10000回)実行させるために特別図柄抽選にて時短当選可能な機能(時短期間設定機能)を設けていたのに対して、上述した第7制御例では、上述した時短期間設定機能に加え、通常状態において、特別図柄抽選を実行させ易くすること無く、特別図柄抽選による大当たり判定が実行されるタイミングが時短状態となるように構成することで通常状態にて実行される遊技(左打ち遊技)の最中に時短状態における特別図柄抽選の大当たり判定を実行可能にする機能(特殊抽選機能)を設けている。
このように構成することで、遊技者に対して、特別図柄抽選で時短当選したことを把握され難くしながら時短状態における特別図柄抽選の大当たり判定を実行することができるため、特別図柄抽選の結果として意外性のある抽選結果を報知することが可能となる。
また、上述した第7制御例では、第1特別図柄抽選にて大当たり当選した場合に付与される特典を、通常状態にて大当たり当選した場合と、時短状態にて大当たり当選した場合とで、異ならせており、通常状態よりも時短状態で大当たり当選した場合のほうが、遊技者に有利な特典(例えば、ラウンド数の多い大当たり遊技)が付与されるように構成している。つまり、通常状態において実行される第1特別図柄抽選において、時短当選と大当たり当選とに重複当選した場合のほうが、大当たりのみ当選した場合よりも有利な特典が付与されることになる。
加えて、上述した第7制御例では、特別図柄抽選の結果を示すための変動演出の演出態様として、時短当選の有無を示唆可能な示唆態様(報知態様)と、大当たり当選の有無を示唆可能な示唆態様(報知態様)と、を設定可能に構成している。
つまり、実行される変動演出の演出態様を把握することで実行中の特別図柄抽選に対して実行された大当たり判定の結果と、時短当選判定の結果と、を遊技者に予測させることが可能に構成している。さらに、変動演出として、時短当選の有無を報知するタイミングと、大当たり当選の有無を報知するタイミングを異ならせるように構成している。このように構成することで、1回の特別図柄抽選に対して異なる複数の特典を付与するための判定を実行可能なパチンコ機10において、少なくとも1の判定結果を把握(予測)した状態で、他の判定結果を示唆するための示唆態様を把握させることができる。
また、上述した第7制御例では、時短当選の有無を示唆可能な示唆態様を含む演出(時短演出)の演出結果が、時短非当選を示唆する示唆態様を含む演出結果であった場合のほうが、時短演出が実行されない場合よりも大当たり当選の期待度が高くなるように構成している。このように、付与判定を異ならせた複数の特典を1回の特別図柄抽選にて付与可能な構成を用いたパチンコ機10において、1の特典に対する付与判定の結果を示唆可能な判定結果示唆演出が実行された場合に、その判定結果示唆演出の演出結果が1の特典が付与されないことを示唆する演出結果であることで、判定結果示唆演出が実行されなかった場合に比べて他の特典が付与される期待度が高くなるように構成することで、判定結果示唆演出が実行された時点で、判定結果示唆演出が実行されなかった場合に比べて、何れかの特典が付与され易い状態であることを遊技者に報知することができる。
上述した第7制御例のように、1回の特別図柄抽選が実行されることに基づいて、複数の特典を重複して付与可能な構成を、上述した各制御例に適用しても勿論良く、例えば、1回の特別図柄抽選が実行されたことに基づいて、大当たり抽選と時短抽選とに重複して当選可能に構成する技術思想を上述した第13制御例から第16制御例に適用しても良いし、上述した第5制御例から第8制御例に対して、上述した第13制御例から第18制御例に用いられた天井特典に関する技術思想を適用しても良い。
例えば、第7制御例に対して、天井特典に関する技術思想を付加した場合には、1回の特別図柄抽選が実行されることにより最大で3つの異なる特典(大当たり当選、時短当選、天井特典)を遊技者に付与することが可能となり、遊技者に対して、特別図柄抽選の結果により興味を持たせることができる。また、この場合、付与され得る3つの特典を全て提供可能に構成しても良いし、少なくとも1の特典が破棄されるように構成しても良い。このように構成することで、遊技者に対して過剰に有利な特典を提供してしまう事態が発生することを抑制することができる。
次に、上述した第8制御例は、通常状態において実行される第1特別図柄抽選、及び第2特別図柄抽選の何れにおいても時短当選の判定(時短抽選)を実行可能に構成し、高確率(外れ当選の殆ど)で時短当選するように構成し、時短当選したことに基づいて設定される時短状態(第2時短)が、通常状態よりも遊技者に不利な遊技状態となるように構成している。
加えて、上述した第8制御例では、第1特別図柄抽選と第2特別図柄抽選とが交互に実行され易くなるように遊技盤13が構成されており、上述した第2時短の終了条件として、一方の種別の特別図柄抽選が連続して実行された場合に成立する終了条件が設定されるように構成している。
このように構成された上述した第8制御例におけるパチンコ機10では、通常状態が設定されている状態にて実行される特別図柄抽選にて大当たり当選(大当たり確率1/300)しなかった場合には、高確率(298/300)で時短当選することより第2時短が設定される。そして、第2時短の終了条件が成立するまで、第2時短で特別図柄抽選が実行される。
また、第2時短の終了条件として、第2時短中に実行された特別図柄抽選の合算回数が特定数(100回)に到達した場合に成立する第1時短終了条件と、所定の順序で特別図柄抽選が実行された場合に成立する第2時短終了条件とが設定されるように構成しており、第2時短終了条件は、第1時短終了条件が成立するよりも前に成立し得るように構成している。
よって、第2時短が設定された場合には、いち早く第2時短を終了させるために第2時短終了条件を成立させようと遊技者に意欲的に遊技を行わせることができる。
また、通常状態において実行される特別図柄抽選の種別に応じて、遊技者への有利度合いを異ならせるように構成しており、通常状態で実行される第1特別図柄抽選で大当たり当選した場合の方が、通常状態で実行される第2特別図柄抽選で大当たり当選した場合よりも、大当たり遊技終了後に有利な遊技状態を設定し易くなるように構成している。
このように構成することで、第2時短が終了した後に実行される特別図柄抽選の種別に対して遊技者に興味を持たせることができる。
なお、上述した第8制御例では、時短状態が設定された直後に実行される特別図柄抽選の種別が特定条件(時短状態が設定された特別図柄と同一種別)を満たす場合に、その直後に実行される特別図柄抽選によって時短終了条件を成立させる(短縮時短終了条件を成立させる)ように構成しているが、短縮時短終了条件を成立させるための構成は、これに限られること無く、例えば、時短状態が設定されている状態においても、時短抽選を実行可能に構成し、且つ、時短状態中に時短当選した場合には、新たに時短当選した内容の時短状態が設定されるように構成しても良い。
上述した第8制御例では、第2特別図柄抽選において不利時短当選した場合には、その不利時短状態が終了するまでの間、第1特別図柄抽選においても、通常状態よりも不利となる特別図柄抽選が実行されるように構成している。換言すれば、1の特別図柄抽選の結果に応じて、他の特別図柄抽選に対してペナルティを課すことができるように構成している。
このようなペナルティを課す遊技方法として、例えば、上述した第12制御例のように、第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示を同時に(並行して)実行可能に構成(所謂、同時変動仕様)されたパチンコ機10において、特定の遊技状態(通常状態)において、適正では無い遊技を実行することで第2特別図柄抽選を実行した場合に、不利時短状態が設定され、不利時短状態が設定されている間は、第1特別図柄抽選にて通常状態よりも遊技者に不利な特別図柄抽選が実行されるように構成しても良い。
次に、上述した第12制御例は、第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示を同時に(並行して)実行可能に構成(所謂、同時変動仕様)している。このように構成することで、所定時間内に、より多くの特別図柄の抽選遊技を実行させることができ、遊技者に大当たりが所定時間内に付与される確率が高くできる。従って、遊技者は、効率よく遊技を行うことができる。
また、上述した第12制御例では、第1特別図柄抽選と第2特別図柄抽選の両方で時短抽選を実行可能に構成し、第1特別図柄または第2特別図柄の一方のみが時短当選した場合よりも、一方の特別図柄が時短当選し、その特別図柄の変動表示が停止するまでの期間で、他方の特別図柄でも時短当選した場合に遊技者に有利な特典が付与されるように構成している。
上述した第12制御例では、通常状態において第1特別図柄または第2特別図柄が時短当選した場合に時短A状態が設定される。一方、通常状態において第1特別図柄が時短当選した場合には、長時間(300秒)の変動時間が設定され(時短当選変動状態)、第1特別図柄の変動が終了するまで(つまり、時短当選したことを示す第1特別図柄が停止表示されるまで)の期間で第2特別図柄が時短当選した場合には、時短A状態よりも遊技者に有利な時短B状態が設定されるように構成している。
このように構成することで、一方の特別図柄が時短当選した場合に、他方の特別図柄でも時短当選することで遊技者に有利な特典が付与されるため、一方の特別図柄が時短当選し、時短当選したことを示す特別図柄の変動中に、他方の特別図柄でも時短当選したいと遊技者に思わせることで、意欲的に遊技を行わせることが可能となり、遊技の興趣を向上させることができる。
加えて、大当たり遊技終了後に時短状態(普通図柄の高確率状態)が設定され得る大当たり種別の大当たりに当選した場合であっても、大当たり遊技終了後に通常状態(普通図柄の低確率状態)を設定させるための処理を実行する構成としている。
このように構成することで、遊技者に有利な遊技状態(時短状態)が長時間に渡って継続することで遊技者が過剰に有利になることを抑制し、遊技者の射幸心の向上を抑制することができる。
また、同時変動仕様の遊技機において、一方の特別図柄抽選において大当たり(または小当たり)に当選した場合に、他方の特別図柄の変動表示を強制的に停止させる(破棄させる)か、或いは、仮停止させる(中断させる)かの一方のみを実行する仕様であることが一般的であるが、上述した第12制御例では、大当たり種別(または小当たり種別)によって、他方の特別図柄の変動表示を強制停止させるか、仮停止させるかを決定する構成としている。つまり、他方の特別図柄の変動を強制停止させる(破棄させる)大当たり種別と、他方の特別図柄の変動表示を仮停止させる(中断させる)大当たり種別が規定されている。
このように構成することで、遊技者に有利な遊技状態が設定されている状態において、一方の特別図柄が停止表示されることにより遊技者に不利な遊技状態が設定され得る場合に、他の特別図柄の変動を破棄することができる大当たり種別の大当たりに当選した場合には不利な遊技状態が設定されることを防ぐことができるが、他の特別図柄を中断させる大当たり種別の大当たりに当選した場合には不利な遊技状態が設定され得る状況が継続するので、大当たり当選した場合に、遊技者に他の特別図柄の変動を破棄できたか否かに興味を持たせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、上述した第12制御例における遊技性、即ち、同時変動仕様の遊技性を、上述した各制御例に対して適用しても勿論良い。また、同時変動仕様のパチンコ機10において、一方の特別図柄抽選に基づいて、他方の特別図柄抽選の結果を破棄する構成として、例えば、一方の特別図柄抽選が実行されたことに基づいて、時短当選した場合や、天井特典が付与された場合に、実行中の他方の特別図柄抽選(変動)を破棄する構成を用いても良い。
<技術思想まとめ2>
次に、上述した各制御例に記載された各技術思想について簡単に説明をする。まず、時短中に獲得した特図2保留を用いた特図2抽選の実行回数が所定回数を超えると、特図2抽選により有利特典が付与される確率が高くなる技術思想について、上述した第5制御例のパチンコ機10によれば、第2入球口640に遊技球が入球した場合には、第2特別図柄抽選の実行権利を取得する手段を有し(情報を取得することが可能な取得手段)と、第2特別図柄抽選の実行権利(特図2保留)を上限数(4個)まで保留記憶可能な手段を有する(取得手段により取得された前記情報を記憶することが可能な記憶手段)。そして、保留記憶されている第2特別図柄抽選の実行権利(特図2保留)に基づいて、第2特別図柄抽選が実行される(記憶手段に記憶されている前記情報に基づいて判別を実行することが可能な判別手段)。そして、第2特別図柄抽選の抽選結果が大当たり当選(第1判別結果)であることに基づいて大当たり遊技(特定遊技)が実行される。そして、大当たり遊技が終了した後には、第2入球口640へと遊技球を入球させ易くなる普通図柄の高確率状態(特定設定)が、普通図柄の高確率状態を終了させるための終了条件(時短終了条件)が成立するまでの間継続する。また、第2特別図柄抽選では、大当たり当選の判定とは別に時短当選判定を実行可能に構成しており、時短当選判定において時短当選したと判別された場合は(第2判別結果であると判別された場合は)、大当たり遊技を実行すること無く、普通図柄の高確率状態(特定設定)を設定可能である。さらに、上述した第5制御例では、複数の遊技状態を設定可能に構成しているが、その中で、通常状態(特定期間)が設定されている状態においてのみ、時短当選判定を実行可能である。
このように構成することで、第2特別図柄抽選で大当たり当選したことに基づいて普通図柄の高確率状態が設定される場合は、特別図柄変動の停止タイミングでは無く、大当たり遊技の終了タイミングにて普通図柄の高確率状態が設定され、第2特別図柄抽選で時短当選したことに基づいて普通図柄の高確率状態が設定される場合は、特別図柄変動の停止タイミングにて普通図柄の高確率状態が設定される。よって、普通図柄の高確率状態を設定されるタイミングを時短状態の設定契機に応じて異ならせることができる。
また、時短当選判定を実行可能な期間(通常状態が設定されている期間)と、実行不可能な期間(通常状態が設定されていない期間)と、を設けることができるため、特別図柄抽選が実行される期間についても遊技者に興味を持たせることができる。なお、上述した第5制御例では、通常状態でのみ時短当選判定を実行するように構成しているが、時短当選判定を実行可能な期間と、実行しない期間と、を設ければ良く、例えば、普通図柄の低確率状態が設定されている遊技状態(通常状態、第2確変状態)において時短当選判定を実行可能とし、普通図柄の高確率状態が設定されている遊技状態(時短状態、確変状態)において時短当選判定を実行しないように構成しても良い。
さらに、時短当否判定の実行の有無を設定されている遊技状態に応じて切り替えるのでは無く、時短当否判定において時短当選する確率を遊技状態に応じて異ならせても良く、例えば、通常状態が設定されている場合における時短当否判定では1/6の確率で時短当選し、それ以外の遊技状態においては、1/200の確率で時短当選するように構成しても良い。このように構成することで、時短当選し易い遊技状態と、時短当選し難い遊技状態と、を設定することができるため、上述した技術思想と同様に効果、即ち、特別図柄抽選が実行される期間についても遊技者に興味を持たせることができる。
さらに、上述した第5制御例では、遊技球が入球することにより、第1特別図柄抽選の実行契機となり得る第1入球口64(遊技球が入球可能な第1入球手段)と、第2特別図柄抽選の実行契機となり得る第2入球口640(その第1入球手段とは異なる第2入球手段)と、を設けており、時短当選判定は、第2特別図柄抽選でのみ実行可能に構成している。
つまり、第1特別図柄抽選では、何れの遊技状態が設定されていても時短当選判定が実行されず、第2特別図柄抽選では特定期間(通常状態)において時短当選判定を実行可能としている。このように構成することで、第1特別図柄抽選と、第2特別図柄抽選とで、ひいては、第1入球口64への遊技球の入球と、第2入球口640への遊技球の入球とで、後に遊技者へと付与される価値の量を大きく異ならせることができる。
なお、上述した第5制御例では、第1特別図柄抽選では時短当選判定を実行せずに、第2特別図柄抽選では特定期間(通常状態)において時短当選判定を実行可能に構成しているが、これに限ること無く、例えば、第1特定期間(通常状態)においては第2特別図柄抽選のみ時短当選判定を実行し、第1特定期間とは異なる第2特定期間(第2確変状態)においては、第1特別図柄抽選のみが時短当選判定を実行可能に構成してもよい。このように構成することで、設定されている期間によって、第1入球口64への遊技球の入球が、第2入球口640への遊技球の入球より遊技者に有利な価値を付与し易い状況と、第1入球口64への遊技球の入球よりも、第2入球口640への遊技球の入球が遊技者に有利な価値を付与し易い状況と、を創出することが可能となる。よって、遊技者に対してより有利な価値が付与され易い遊技を実行しようと意欲的に遊技を行わせることができる。
さらに、この場合、図329に示した変形例のように、何れの遊技状態が設定されている場合であっても、第1入球口64への遊技球の入球度合いと、第2入球口640への遊技球の入球度合いとが同様となるようにパチンコ機10の遊技盤13を構成すると良い。このように構成することで、遊技者の判断によって、何れの入球口へと遊技球を入球させるかを選択することができるため、遊技の興趣を向上させることができる。
さらに、各制御例に記載した通り、大当たり当選に基づいて設定される時短状態(第1時短)よりも、時短当選判定により時短当選したことに基づいて設定される時短状態(第2時短)のほうが、遊技者に有利な時短状態、即ち、時短終了条件が成立し難い時短状態が設定され易くなるように構成している。つまり、時短状態の設定契機に応じて、設定された時短状態の有利度合いを異ならせるように構成している。これにより、時短状態(特定設定)が設定される期間(時短終了条件)を判別された判別結果(設定契機)により可変させることが可能となるので、遊技を多様にすることができ興趣をより向上できるという効果がある。
この場合、時短状態が設定される前の遊技状態に応じて、第1時短よりも第2時短のほうが遊技者に有利な時短状態となる場合と、第2時短よりも第1時短のほうが遊技者に有利な時短状態となる場合と、を設けると良い。このように構成することで、どの状況で時短状態が設定されたかについても遊技者に興味を持たせることができる。
より具体的には、例えば、前回の大当たり遊技が終了してから実行された特別図柄抽選の回数(ハマリ回数)が所定数を超えた場合のほうが、超えていない場合よりも、有利な時短状態となり易くなるように構成しても良い。
次に、上述した第7制御例では、1回の特別図柄抽選において、大当たり当選と、時短当選とに重複して当選可能に構成している(図315参照)。これにより、大当たり当選(第1判別結果)と時短当選(第2判別結果)とを重複して判別することが可能に構成されているので、1回の特別図柄抽選において、大当たり当選、時短当選、大当たりと時短との両方に当選と、様々な抽選結果を期待することができる。さらに、第7制御例では、時短当選と大当たり当選とが重複した場合に、重複して当選しなかった場合よりも遊技者に有利な大当たり遊技が実行されるように構成している(図306(b)参照)。よって、重複して判別されることで遊技者に有利となる種別の特定遊技が実行され易いので、遊技者に多様な判別結果に対応した特典を付与することで遊技を多様にすることができるという効果がある。
なお、重複当選した場合のほうが、重複当選していない場合よりも、遊技者に有利な特典を付与する構成として、上述した第7制御例の構成以外を用いても良く、例えば、大当たり遊技が終了した後に設定される遊技状態が、重複当選した場合のほうが、重複当選していない場合よりも、有利な遊技状態(例えば、確変状態、時短状態等)を設定可能に構成しても良い。
また、上述した第7制御例では、時短当選の判定(第2判別結果であるか否かの判別)を実行した後に、大当たり判定(第1判別結果であるか否かの判別)を実行するように構成しており、1の特別図柄抽選において、時短当選した場合には、当該特別図柄抽選における大当たり判定を時短状態で実行することができるように構成している。このように構成することで、重複当選した場合に実行される特典遊技の有利度合いと、重複当選しなかった場合に実行される特典遊技の有利度合いと、を異ならせることができる。
次に、上述した第5制御例の第2変形例では、特別図柄抽選で大当たり当選したことに基づいて設定される普通図柄の高確率状態(第1時短)と、特別図柄抽選で時短当選したことに基づいて設定される普通図柄の高確率状態(第2時短)と、で普通図柄の高確率状態が設定されている状態で大当たり当選した場合に遊技者に付与される特典の種別(大当たり遊技終了後に付与される時短回数)を異ならせている(図280(b)参照)。よって、設定種別(第1時短、第2時短)に応じて特典遊技の種別における選択割合(大当たり遊技の内容と、付与される時短回数)が可変されるので、同じ普通図柄の高確率状態(第2遊技状態)であっても遊技者へと付与される特典を異なるものとすることができ、遊技状態を多数設定しなくとも遊技を多様にして遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
なお、上述した第5制御例の第2変形例では、設定種別(第1時短と第2時短)に応じて、付与される時短回数に差を設けているが、これに限ること無く、実行される大当たり遊技の内容(例えば、ラウンド遊技数)を異ならせるように構成しても良い。
さらに、上述した第5制御例の第2変形例では、第1時短よりも第2時短が設定された場合、即ち、大当たり遊技が実行されること無く普通図柄の高確率状態が設定された場合のほうが、終了条件が成立し難い普通図柄の高確率状態が設定され易くなるように構成している。つまり、大当たり遊技中に賞球を獲得すること無く、普通図柄の高確率状態が設定された場合、即ち、第1時短よりも普通図柄の高確率状態が設定されるまでに付与される特典が少ない第2時短のほうが、普通図柄の高確率状態を長くすることができるため、遊技者に対して公平に特典を付与することができるという効果がある。
さらに、上述した第5制御例の第2変形例では、上述した第5制御例や第5制御例の第1変形例と同様に、通常状態でのみ時短当選判定(第2判別結果の判別)を実行可能に構成している。換言すれば、通常状態以外では、時短当選判定が実行されることを規制している。よって、遊技状態に応じて時短当選判定が実行されないので、設定されている遊技状態に興味をより持たせ、第2判別結果が判別可能となる遊技状態が設定されることを期待させることができるという効果がある。
加えて、上述した第5制御例の第2変形例では、第1時短が設定されたか第2時短が設定されたかを、遊技者に判別させ難くするように、特別図柄抽選の結果を示すための演出態様を設定可能に構成している(図278、及び図279参照)。つまり、第1時短が設定される場合には、特別図柄変動時間と、その後の大当たり遊技期間とを合算した第1期間に対して特定演出(図278(a)参照)を実行し、第2時短が設定される場合には、特別図柄変動時間(確定時間含む)である第2期間に対して特定演出(図278(b)参照)を実行するように構成している。
より具体的には、上述した第1期間と第2期間とが略同一期間となるように、各特別図柄抽選結果に対応させて変動時間や、大当たり遊技期間を予め規定しておき、特定演出の演出期間が同一となるように構成している。このように構成することで、第3図柄表示装置81の表示画面に表示される演出として、演出期間、及び、演出態様が同一の特定演出が実行された後に、普通図柄の高確率状態を示す演出が実行されることになる。よって、第3図柄表示装置81の表示画面にて実行される演出を注視している遊技者に対して、何れの設定契機で普通図柄の高確率状態が設定されたのかを判別させ難くすることができる。
次に、上述した第6制御例では、時短状態(第2遊技状態)中においても時短当選判定を実行可能に構成しており、時短状態(第2遊技状態)中に時短当選した場合には、時短終了条件が成立し難い(時短回数が多い、又は、時短当選確率が高い)時短種別の時短状態(第2遊技状態)を設定可能に構成している。
これにより、時短状態が設定されている期間が長くなるほど、時短終了条件が成立し難い時短種別の時短状態が設定され易くなるため、特典遊技が実行され易くすることができる。
なお、上述した第6制御例では、図286(a)に示した通り、設定されている遊技状態に応じて、時短当選確率を異ならせているが、時短当選確率を同一に規定しても良い。また、遊技状態に応じて時短当選確率を異ならせているが、それ以外に例えば、前回の大当たり遊技が実行されてからの特別図柄抽選回数に応じて時短当選確率を異ならせても良い。この場合、前回の大当たり遊技が実行されてからの特別図柄抽選回数が所定回数(例えば、200回)を超えた場合に、時短当選確率が高くなるように構成すると良い。このように構成することで、特別図柄抽選で長時間大当たり当選していない遊技者に対して、大当たり遊技とは異なる時短当選という特典を付与し易くすることができる。なお、本技術思想は、他の制御例にも適用可能であることは言うまでも無い。
以上、説明をした各実施形態、或いは各制御例に用いたパチンコ機10の構成として、以下の構成を用いても良い。
<普通図柄の高確率状態に関する構成について>
上述した各実施形態では、特別図柄抽選で大当たり当選した場合の一部において、その大当たり遊技終了後に普通図柄の高確率状態を設定可能に構成していたが、普通図柄の高確率状態を設定するための設定契機として、特別図柄抽選の大当たり当選以外の設定契機を設けても良く、例えば、大当たり当選することなく特別図柄変動の実行回数が所定回数(例えば、特別図柄の低確率状態にて実行される特別図柄抽選で大当たり当選する確率の分母の値の2倍)に到達した場合に、普通図柄の高確率状態を設定するための設定契機が成立するように構成しても良い。
このように構成することで、大当たり当選しない特別図柄抽選(変動)が繰り返し実行される状況、即ち、遊技者の遊技意欲が低下し易い状況が発生した場合に、遊技者に有利な特典(普通図柄の高確率状態)を付与することができるため、遊技者の遊技意欲が著しく低下してしまうことを抑制することができる。
また、上述した設定契機を成立させるための要素である特別図柄変動の実行回数を、遊技状況に応じて可変可能に構成しても良く、例えば、設定されている遊技状態に応じて普通図柄の高確率状態を設定するための設定契機を成立させる特別図柄変動の実行回数を異ならせるように構成しても良い。具体的には、通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)が設定されている場合と、第2確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の低確率状態)が設定されている場合、即ち、普通図柄の低確率状態が設定されている遊技状態の種別に応じて設定契機を成立させる特別図柄変動の実行回数を異ならせるように構成すると良い。このように構成することで、普通図柄の高確率状態が設定される期待度を、設定されている遊技状態に応じて異ならせることができる。
なお、この場合、特別図柄の高確率状態が設定されている第2確変状態のほうが、特別図柄の低確率状態が設定されている通常状態よりも、特別図柄抽選で大当たり当選し易いため(特別図柄抽選の大当たり確率が高いため)、第2確変状態が設定されている場合のほうが、通常状態が設定されている場合よりも、少ない特別図柄変動の実行回数で普通図柄の高確率状態を設定するための設定契機が成立するように構成すると良い。このように構成することで、何れの遊技状態が設定されている状態であっても、普通図柄の高確率状態を設定するための設定契機の成立のし易さを同程度にすることが可能となる。
一方、第2確変状態が設定されている場合よりも、通常状態が設定されている場合のほうが、少ない特別図柄変動の実行回数で普通図柄の高確率状態を設定するための設定契機が成立するように構成しても良い。つまり、特別図柄の確率状態においても遊技者に不利な低確率状態が設定されている通常状態(遊技者に最も不利な遊技状態)において、普通図柄の高確率状態を設定するための設定契機が成立し易くすることができるため、遊技者に過剰に不利な遊技を実行され難くすることができる。また、特別図柄変動の実行回数が所定回数に到達した場合に成立する設定契機に基づいて普通図柄の高確率状態が設定され易くなるため、大当たり当選すること無く普通図柄の高確率状態が設定されるという意外性のある遊技を遊技者に提供し易くすることができる。
さらに、設定されている遊技状態に応じて普通図柄の高確率状態を設定するための設定契機を異ならせるように構成した場合において、設定されている遊技状態の一部において、普通図柄の高確率状態を設定するための設定契機が成立し得ない(し難い)遊技状態を設けても良く、例えば、通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)として複数の種別(例えば、通常AA、通常AB)を設定可能に構成し、通常AAの遊技状態が設定されている場合よりも、通常ABの遊技状態が設定されている場合のほうが、普通図柄の高確率状態を設定するための設定契機が成立し易くなるように構成しても良い。
このように構成することで、通常状態が設定されている遊技機で遊技を行っている遊技者に対して、どのタイミングで普通図柄の高確率状態が設定されるか?或いは、普通図柄の高確率状態を設定するための設定契機が成立し得る遊技状態であるか?を、予測させながら遊技を行わせることができるため、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができる。なお、この場合、現在設定されている遊技状態(種別毎の遊技状態)が、普通図柄の高確率状態の設定契機が成立し易い遊技状態であるか否かを遊技者に予測させることが可能な演出を実行可能に構成すると良い。
さらに、普通図柄の高確率状態が設定されている遊技状態のほうが、普通図柄の低確率状態が設定されている遊技状態よりも、特別図柄抽選で大当たり当選した場合に遊技者に付与される特典(大当たり遊技内容や、大当たり遊技終了に設定される遊技状態)が遊技者に有利となり易い遊技仕様を有する遊技機においては、普通図柄の高確率状態が設定される設定契機が成立するまでの残期間(残特別図柄変動回数)を示す情報と、特別図柄抽選の抽選結果を示すための情報(又は、特別図柄抽選の抽選結果を事前に判別した事前判別結果(先読み結果)を示すための情報)と、に基づいて演出態様を異ならせた演出を実行可能に構成すると良い。
例えば、特別図柄抽選で大当たりに当選している場合のほうが、当選していない場合よりも実行され易い演出(例えば、リーチ演出)の演出態様を決定する際に、普通図柄の高確率状態が設定される設定契機が成立するまでの残期間(残特別図柄変動回数)を参照し、残特別図柄変動回数が少ない場合、即ち、普通図柄の高確率状態が間もなく設定される第1状況と、残特別図柄変動回数が多く場合、即ち、普通図柄の高確率状態が暫く設定されることが無い第2状況と、で異なる演出態様が決定されるように構成し、第1状況のほうが、第2状況よりも、遊技者に有利な状況であることを報知可能な演出態様でリーチ演出が実行され易くなるようにリーチ演出の演出態様を決定すると良い。
このように構成することで、大当たり当選を示唆するためのリーチ演出が実行されるタイミングと、普通図柄の高確率状態が設定されるタイミングと、によって異なる演出態様のリーチ演出を実行することが可能となるため、様々な演出態様でリーチ演出を実行することができ、演出効果を高めることができる。加えて、実行されるリーチ演出の演出態様に基づいて、リーチ演出が実行されたタイミングの有利度合い(普通図柄の高確率状態が設定される直前であるか否か)を遊技者に把握させることが可能となるため、実行中のリーチ演出の演出結果が外れ(特別図柄抽選の結果が外れであることを示す演出結果)となることを遊技者に期待させるという斬新な演出を提供することができる。
また、普通図柄の低確率状態が設定されている状態で、大当たり当選すること無く特別図柄抽選が100回実行された場合に、普通図柄の高確率状態が設定されるように構成している場合であって、普通図柄の低確率状態中に大当たり当選した場合よりも、普通図柄の高確率状態中に大当たり当選した場合のほうが、大当たり遊技終了後に普通図柄の高確率状態が設定され易くなるように構成した遊技機において、特別図柄抽選の結果を示すための変動演出として、別図柄抽選で大当たりに当選している場合のほうが、当選していない場合よりも実行され易い特定演出(例えば、リーチ演出)を実行可能に構成し、且つ、特定演出の演出態様として、大当たり遊技終了後に普通図柄の高確率状態が設定される大当たりに当選していることを示唆する第1演出態様と、単に大当たり当選を示唆する第2演出態様と、を決定可能とし、普通図柄の高確率状態が設定されるまでの特別図柄変動の残回数に関わらず、第1演出態様の特定演出が実行される頻度を固定し、第2演出態様の特定演出が実行される頻度を、普通図柄の高確率状態が設定されるまでの特別図柄変動の残回数が少なくなるほど低くするように構成しても良い。
このように構成することで、普通図柄の高確率状態が設定される特別図柄変動回数に近付くほど、特定演出が実行された場合における第1演出態様の選択割合を高くすることができるため、普通図柄の高確率状態が設定される特別図柄変動回数に近い状態(例えば、前回の大当たり遊技終了後からの特別図柄変動回数が90回〜99回の間)において特定演出が実行された場合であっても、遊技者を落胆させること無く、特定演出の演出結果に興味を持たせることができる。
また、普通図柄の高確率状態を設定するための設定契機を成立させる特別図柄変動の実行回数を決定するための回数抽選手段を設け、その回数抽選手段の抽選結果に基づいて設定契機を成立させる特別図柄変動の実行回数を決定しても良い。この場合、例えば、回数抽選手段により決定され得る実行回数の範囲として、最も設定契機が成立し易い実行回数として、特別図柄変動の実行回数が「0」を決定可能に構成すると良い。
このように構成することで、普通図柄の低確率状態が設定される大当たり種別が設定された場合であっても、実質、普通図柄の高確率状態が設定された場合と同一の遊技状態を設定することが可能となる。
つまり、同一の遊技状態が設定されている状態で、同一の大当たり種別(普通図柄の低確率状態が設定される大当たり種別)が設定された場合においても、回数抽選手段の抽選結果に基づいて、大当たり遊技終了後(1回目の特別図柄変動が実行されるまで)に設定される遊技状態(普通図柄の確率状態)を異ならせることができる。
よって、遊技者に対して、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態を予測させ難くすることができると共に、意外性のある遊技を遊技者に提供することができる。
また、上述した回数抽選手段が実行されるタイミングは適宜設定すれば良く、例えば、大当たり遊技が終了するタイミングでも良いし、特別図柄変動が所定回数(50回)実行される毎に回数抽選手段を実行可能に構成しても良い。この場合、回数抽選手段の抽選結果として決定された特別図柄変動の実行回数を既に経過している場合には、回数抽選手段による抽選が実行された直後に普通図柄の高確率状態が設定されるように構成すれば良い。
このように、特別図柄変動が所定回数(50回)実行される毎に回数抽選手段を実行可能に構成することにより、大当たり当選すること無く特別図柄変動が複数回実行している期間内で、普通図柄の高確率状態を設定するための設定契機の内容(設定契機が成立する特別図柄変動回数)を異ならせることが可能となる。よって、どのタイミングで普通図柄の高確率状態が設定されるかを遊技者に予測させ難くすることができる。なお、この場合、大当たり遊技が終了してから次の大当たりに当選するまでの間における回数抽選手段による回数抽選の実行回数に基づいて、抽選によって決定される特別図柄変動の実行回数の範囲を異ならせると良く、具体的には、回数抽選の実行回数が増加するほど、普通図柄の高確率状態が設定され易くなるように構成すると良い。このように構成することで、大当たり間で実行された特別図柄変動回数が増加するほど、普通図柄の高確率状態を設定し易くすることができるため、遊技者の遊技意欲が著しく低下してしまうこうと抑制することができる。
加えて、上述した回数抽選手段では、普通図柄の高確率状態を設定するための設定契機が成立する特別図柄変動回数を決定するための抽選が実行されるものであったが、これに限ること無く、例えば、回数抽選手段が実行されてから、普通図柄の高確率状態が設定されるまでに要する特別図柄変動回数を決定するように回数抽選手段の内容を構成しても良い。
さらに、特別図柄変動が所定回数(50回)実行される毎に回数抽選手段を実行する構成、即ち、特別図柄変動の実行に基づいて所定の抽選条件が成立した場合に回数抽選手段を実行可能に構成した遊技機において、上述した回数抽選手段に代えて、普図高確抽選手段を設け、この普図高確抽選手段に当選した場合に、普通図柄の高確率状態を設定するように構成しても良い。
なお、普通図柄の高確率状態の設定契機としてさらに別の設定契機を設けても良く、例えば、特別図柄抽選の結果が大当たり当選以外の特定の抽選結果(例えば、小当たり当選)となった回数を計測する計測手段を設け、その計測手段の計測結果が所定の計測結果である場合に、普通図柄の高確率状態を設定する設定契機が成立するように構成しても良いし、前回の大当たり遊技が終了してからの遊技結果(出玉の増減)が所定範囲を超えた場合(例えば、出玉の減少度合いが著しく激しい場合)に普通図柄の高確率状態を設定する設定契機が成立するように構成しても良い。
さらに、普通図柄の高確率状態を設定する設定契機の成立度合い(成立のし易さ)を、過去の遊技結果に応じて異ならせても良く、例えば、過去の当選した大当たりが、遊技者に不利な大当たりに偏っている場合、即ち、遊技者に不利となる遊技が所定期間継続している場合において、普通図柄の高確率状態を設定する設定契機が成立し易くなるように構成しても良いし、遊技者に有利となる遊技が所定期間継続している場合において、普通図柄の高確率状態を設定する設定契機が成立し難くなるように構成しても良い。このように構成することで、長時間遊技を行っている遊技者に対して、過剰に不利な遊技、或いは、過剰に有利な遊技が継続して実行されてしまうことを抑制することができる。
上述した各実施形態においては、時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)が設定されている状態において時短終了条件が成立した場合に、通常状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の低確率状態)を設定するように構成している。そして、時短終了条件として、特別図柄変動回数が所定回数(例えば、100回)実行された(される)場合に成立する時短終了条件が設定されるように構成している。
なお、時短終了条件の内容はこれに限ること無く、例えば、特別図柄の種別に応じて異なる時短終了条件を設定しても良く、具体的には、第1特別図柄の変動回数が第1回数実行された場合や、第2特別図柄の変動回数が第2回数実行された場合や、第1特別図柄の変動回数と第2特別図柄の変動回数との合算回数が第3回数実行された場合等で時短終了条件が成立するように構成しても良い。
また、特別図柄変動の実行回数に基づいて成立する時短終了条件を設定する場合には、その時短終了条件が成立する特別図柄変動回数として、様々な回数を設定可能に構成しても良く、上述した各実施形態に示した通り、特別図柄変動回数が100回に到達した場合以外に、特別図柄変動回数が100回よりも多い回数(例えば、200回)実行された場合に時短終了条件が成立するように構成しても良いし、100回よりも少ない回数(例えば、50回)実行された場合に時短終了条件が成立するように構成しても良い。さらに、時短状態を設定させるために成立した設定契機(大当たり種別や特別図柄変動回数等)に応じて、時短終了条件の内容を異ならせても良く、1の設定契機が成立した場合よりも、他の設定契機が成立した場合のほうが、時短終了条件が成立し易くなるように、時短終了条件が成立する特別図柄変動回数を少なくするように構成すると良い。このように構成することで、時短状態が設定された場合において、どのタイミングで時短状態が終了するのかを遊技者に分かり難くすることができると共に、どの設定契機が成立したことに基づいて時短状態が設定されたのかについて遊技者に興味を持たせることができる。
加えて、時短終了条件を成立させる要素として特別図柄変動の実行回数以外の要素を用いても良く、例えば、特別図柄抽選の結果が特定の抽選結果(小当たり)となった回数が所定回数に到達した場合に時短終了条件が成立するように構成しても良い。
また、時短終了条件が成立したことに基づいて時短状態を終了させるタイミングとしては、対応する特別図柄変動(抽選)の開始タイミングでも良いし、対応する特別図柄変動の停止タイミングでも良いし、対応する特別図柄変動の次の特別図柄抽選が実行されるまでの特定タイミングでも良い。さらに、当たり遊技(大当たり遊技、小当たり遊技)の開始タイミングや、終了タイミングで時短状態を終了させても良いし、普通図柄変動の開始タイミングや停止タイミング、普図当たり遊技の開始タイミングや終了タイミングで時短状態を終了させても良い。
この場合、何れの時短終了条件が成立した場合であっても、同一のタイミングで時短状態を終了させるように構成しても良いし、成立した時短終了条件の種別に応じて異なるタイミングで時短状態を終了させるように構成しても良く、例えば、特別図柄変動の実行回数に基づいて時短終了条件が成立した場合には、特別図柄変動に関わる所定タイミングで時短状態を終了させ、特別図柄抽選の結果に基づいて時短終了条件が成立した場合(小当たり当選等)には、その抽選結果に基づいて実行される当たり遊技(小当たり遊技、大当たり遊技)に関わる所定タイミングで時短状態を終了させるように構成すると良い。このように構成することで、成立した時短終了条件の種別に応じて、時短状態を終了させるタイミングを異ならせることができるため、時短状態がいつまで継続するのかをより分かり難くすることができる。
上述した各実施形態では、遊技状態として、第2確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の低確率状態)が設定されている場合において、大当たり当選すること無く、出玉を増加させることが可能な遊技性(頻繁に発生する小当たり遊技によって出玉を増加させることが可能な遊技性)で遊技が実行されるように構成しているが、大当たり当選すること無く、出玉を増加させることが可能な遊技性として、異なる遊技性を用いることにより、他の遊技状態が設定されている状態であっても、出玉を増加させることが可能となるように構成しても良い。
例えば、普通図柄の高確率状態が設定されている場合に球が入球し易くなる入球口(例えば、右第1入球口64b2)に球が入球した場合に払い出される賞球数として多くの賞球数を設定することにより、普通図柄の高確率状態が設定されている場合に、大当たり当選すること無く、出玉を増加させることが可能となるように構成しても良い。このように構成することで、特別図柄の大当たり当選を目指す遊技と、普通図柄の当たり当選を目指す遊技と、を遊技者に重複して実行させることができるため、遊技者の遊技に対する興趣を向上することができる。
さらに、普通図柄の高確率状態が設定される第1遊技状態(時短状態)と、第2遊技状態(確変状態)とで、単位時間当たりにおける出玉数を異ならせるために普通図柄変動時間の長さを異ならせたり、普図当たり当選した場合に実行される普図当たり遊技の遊技期間のうち、実際に球を右第1入球口64b2へと入球させることが可能な期間の長さを異ならせたりすることができるように構成しても良く、第1遊技状態のほうが、第2遊技状態よりも、単位時間当たりにおいて多くの出玉を獲得可能に構成しても良い。
なお、普通図柄の高確率状態が設定されている状態で、大当たり当選すること無く出玉を増加させることが可能な性能を有した遊技機に対して、普通図柄の高確率状態を設定させるための設定契機として上述した設定契機(特別図柄変動回数に基づいて成立する設定契機)を設けると良い。これにより、普通図柄の低確率状態である通常状態において大当たり当選すること無く長時間の間、特別図柄変動(抽選)を実行している遊技者に対して、普通図柄の高確率状態を設定し、出玉を増加させる遊技(救済遊技)を実行させることが可能となる。よって、遊技者に対して過剰に不利な遊技結果となる遊技が実行されることを抑制することができる。
上述した通り、時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)において大当たり当選すること無く実行される遊技によって出玉を増加させることが可能な構成としては、例えば、時短状態中に継続して発射される球数に対して、払い出される賞球数が同等或いは、若干(発射された球数の1倍〜1.2倍程度の範囲)多くなるように構成すれば良い。このように構成することで、時短状態中の遊技が長くなり易い遊技仕様(例えば、特別図柄の大当たり確率が低い遊技仕様や、時短状態中に実行される特別図柄変動の変動パターンとして比較的長い変動時間が設定される遊技仕様)の遊技機であっても、長時間継続する時短状態中の遊技に対して遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができる。
以上、普通図柄の高確率状態に関する構成について説明をしたが、同様の内容を特別図柄の高確率状態に関する構成として適用しても良い。この場合、上述した内容の普通図柄に対応する要素を、特別図柄へと変更した内容の構成を適用すれば良い。このように構成することで、特別図柄の確率状態(低確率状態、高確率状態)に対しても、どのタイミングで設定されるかを遊技者に分かり難くすることができ、遊技の興趣を向上させることが出来る。さらに、普通図柄、特別図柄の何れに対しても、上述した内容の構成を用いても良い。
<特別図柄の高確率状態に関する構成について>
上述した各実施形態では、特別図柄抽選で大当たり当選した場合に設定される大当たり種別に応じて、大当たり遊技終了後に特別図柄の高確率状態が設定される割合として、第1特別図柄に対応する大当たり種別と、第2特別図柄に対応する大当たり種別と、で同一の割合が予め規定されている構成を用いているが、これに限ること無く、例えば、大当たり遊技終了後に特別図柄の高確率状態を設定可能な大当たり種別が設定されている状態(特別図柄の高確率状態を設定するための権利を獲得している状態)において、大当たり遊技中に球を特定領域へと通過させることにより、大当たり遊技終了後に特別図柄の高確率状態を設定するように構成し、第1特別図柄抽選の大当たり当選に基づいて実行される大当たり遊技と、第2特別図柄抽選の大当たり当選に基づいて実行される大当たり遊技とで、大当たり遊技中に特定領域へと球を通過させることが可能な有利大当たり遊技と、大当たり遊技中に特定領域へと球を通過させ難い不利大当たり遊技と、の実行割合を異ならせるように構成しても良い。
このように構成することで、大当たり遊技終了後に特別図柄の高確率状態が設定される割合として、第1特別図柄に対応する大当たり種別と、第2特別図柄に対応する大当たり種別と、で同一の割合を予め規定している場合であっても、実際に特別図柄の高確率状態が設定される割合を、第1特別図柄抽選で大当たり当選した場合と、第2特別図柄抽選で大当たり当選した場合と、で異ならせることが可能となる。
なお、それ以外の構成を用いても良く、例えば、第1特別図柄に対応する大当たり種別と、第2特別図柄に対応する大当たり種別とで、大当たり遊技終了後に特別図柄の高確率状態が設定される割合を異ならせて予め規定するように構成しても良い。この場合、さらに、大当たり当選した時点における遊技状態(当選時遊技状態)におうじて、同一の特別図柄種別に対して、大当たり遊技終了後に特別図柄の高確率状態が設定される割合を異ならせるように予め規定するように構成しても良い。
また、所定の設定抽選を実行可能に構成し、その設定抽選の結果に基づいて、各特別図柄の大当たり種別に対して大当たり遊技終了後に特別図柄の高確率状態が設定されるか否かを決定する情報を付与するように構成しても良い。つまり、予め定められている大当たり種別に対して、当該大当たり種別が設定された場合において設定される遊技状態の種別を、遊技状況に応じて異ならせるように構成しても良い。この場合、遊技状況としては、例えば、所定期間内における大当たり当選状況や、大当たり遊技間に実行された特別図柄変動回数や、遊技者が獲得している出玉量等があり、遊技状況の判別結果が、遊技者に不利な判別結果である場合のほうが、遊技者に有利な判別結果である場合よりも、特別図柄の高確率状態が設定され易くなるように構成すると良い。これにより、遊技者に対して過剰に不利な遊技結果となる遊技が実行されることを抑制することができる。
また、同様に、特別図柄の高確率状態が設定されている状態において大当たり当選した場合に、その大当たり遊技終了後に特別図柄の低確率状態が設定される割合に対しても、上述した内容を適用して構成しても良い。
上述した各実施形態では、特別図柄の高確率状態が設定されている状態における特別図柄抽選で大当たり当選した場合に設定される大当たり種別に応じて、大当たり遊技終了後に特別図柄の低確率状態が設定される割合として、第1特別図柄に対応する大当たり種別と、第2特別図柄に対応する大当たり種別と、で同一の割合が予め規定されている構成を用いているが、これに限ること無く、例えば、大当たり遊技終了後に特別図柄の高確率状態を設定可能な大当たり種別が設定されている状態(特別図柄の高確率状態を設定するための権利を獲得している状態)において、大当たり遊技中に球が特定領域を通過しなかったことにより、大当たり遊技終了後に特別図柄の低確率状態を設定するように構成し、第1特別図柄抽選の大当たり当選に基づいて実行される大当たり遊技と、第2特別図柄抽選の大当たり当選に基づいて実行される大当たり遊技とで、大当たり遊技中に特定領域へと球を通過させることが可能な有利大当たり遊技と、大当たり遊技中に特定領域へと球を通過させ難い不利大当たり遊技と、の実行割合を異ならせるように構成しても良い。
このように構成することで、大当たり遊技終了後に特別図柄の低確率状態が設定される割合として、第1特別図柄に対応する大当たり種別と、第2特別図柄に対応する大当たり種別と、で同一の割合を予め規定している場合であっても、実際に特別図柄の低確率状態が設定される割合を、第1特別図柄抽選で大当たり当選した場合と、第2特別図柄抽選で大当たり当選した場合と、で異ならせることが可能となる。
なお、それ以外の構成を用いても良く、例えば、第1特別図柄に対応する大当たり種別と、第2特別図柄に対応する大当たり種別とで、特別図柄の高確率状態中に当選した大当たり遊技終了後に特別図柄の低確率状態が設定される割合を異ならせて予め規定するように構成しても良い。この場合、さらに、大当たり当選した時点における遊技状態(当選時遊技状態)に応じて、同一の特別図柄種別に対して、大当たり遊技終了後に特別図柄の低確率状態が設定される割合を異ならせるように予め規定するように構成しても良い。
また、所定の設定抽選を実行可能に構成し、その設定抽選の結果に基づいて、各特別図柄の大当たり種別に対して大当たり遊技終了後に特別図柄の低確率状態が設定されるか否かを決定する情報を付与するように構成しても良い。つまり、予め定められている大当たり種別に対して、当該大当たり種別が設定された場合において設定される遊技状態の種別を、遊技状況に応じて異ならせるように構成しても良い。この場合、遊技状況としては、例えば、所定期間内における大当たり当選状況や、大当たり遊技間に実行された特別図柄変動回数や、遊技者が獲得している出玉量等があり、遊技状況の判別結果が、遊技者に有利な判別結果である場合のほうが、遊技者に不利な判別結果である場合よりも、特別図柄の低確率状態が設定され易くなるように構成すると良い。これにより、遊技者に対して過剰に有利な遊技結果となる遊技が実行されることを抑制することができる。
さらに、上述した各実施形態では、特別図柄の高確率状態を終了させるための終了条件として、特別図柄抽選の大当たり当選に基づく終了条件を設定可能に構成しており、特別図柄の高確率状態が設定された場合において、次の大当たりに当選するまで特別図柄の高確率状態が継続するように構成していたが、これ以外の終了条件を設けても良く、上述した各実施形態における普通図柄の高確率状態を終了させるための時短終了条件として用いた構成を、特別図柄の高確率状態を終了させるための終了条件として用いても良い。
具体的には、特別図柄の高確率状態が設定されてからの特別図柄変動回数が特定回数(例えば、150回)に到達した場合に終了条件が成立するように構成しても良い。これにより、大当たり当選する確率が高い特別図柄の高確率状態を、大当たり当選することなく終了させることが可能となるため、特別図柄の高確率状態が設定されている遊技状態を遊技している遊技者に対して、終了条件が成立するよりも前に大当たり当選させようと意欲的に遊技を行わせることができる。
また、上述した終了条件と、時短終了条件と、を両方有するように遊技機を構成しても良く、この場合、終了条件として設定される特別図柄変動の実行回数と、時短終了条件として設定される特別図柄変動の実行回数と、が異なる実行回数となるように構成すると良い。このように構成することで、各終了条件が成立する毎に遊技状態を切り替えることが可能となるため、遊技者に対して飽きの来ない遊技を提供することができる。
さらに、終了条件として設定される特別図柄変動回数として、第1変動回数と、その第1変動回数とは異なる第2変動回数と、を少なくとも含む複数の変動回数の中から1の特別図柄変動回数を設定可能に構成すると良い。このように構成することで、終了条件が成立するタイミングを遊技者に分かり難くさせることができる。
また、終了条件として設定される特別図柄変動回数を異ならせることが可能に構成した遊技機に対して、特別図柄変動回数に関わる終了条件を設定可能に構成する場合には、終了条件として設定可能な特別図柄変動回数のうち、第1変動回数を、時短終了条件が成立する特別図柄変動回数よりも少ない変動回数とし、第1変動回数とは異なる第2変動回数を、時短終了条件が成立する特別図柄変動回数よりも多い変動回数とするように構成すると良い。このように構成することで、設定される終了条件に応じて、終了条件と時短終了条件とのうち、先に成立する条件を異ならせることができる。
よって、例えば、第1確変状態(特別図柄の高確率状態、普通図柄の高確率状態)が設定されている状況において、次に設定される遊技状態が第2確変状態)(特別図柄の高確率状態、普通図柄の低確率状態)となるか、時短状態(特別図柄の低確率状態、普通図柄の高確率状態)となるかを、設定されている終了条件の内容に応じて異ならせることができるため、遊技者に対して、設定されている終了条件の内容に興味を持たせながら、次に設定される遊技状態を予測させる遊技を実行させることができ、遊技に対する興趣を向上させることができる。
なお、このように、終了条件や時短終了条件として異なる内容を設定可能に構成した遊技機においては、現在設定されている各条件の内容を示すための情報を、遊技者に報知可能な報知演出を実行可能に構成すると良い。このように構成することで、各条件が成立し得るタイミングや、設定されている各条件の内容を、遊技者に予測させるための情報を遊技者に付与することができるため、実行される報知演出に対して興味を持たせることができ、演出効果を高めることができる。
以上、特別図柄の高確率状態を終了させるための終了条件として、特別図柄変動の実行回数に基づいて成立する終了条件について説明をしたが、これに限ること無く、例えば、特別図柄の高確率状態を低確率状態へと移行させるための抽選(転落抽選)を、特別図柄の大当たり抽選(特別図柄抽選)とは別に実行可能に構成し、その転落抽選に当選した場合に終了条件が成立するように構成しても良い。この場合においても、転落抽選の当選確率や、特別図柄抽選が1回実行される期間における転落抽選の実行回数を異ならせることが可能に構成することで特別図柄の高確率状態中における終了条件の成立のし易さを異ならせるように構成しても良い。これにより、特別図柄の高確率状態が設定されてから終了条件が成立するタイミングを遊技者に分かり難くさせることができる。
<高確率状態を連続して設定可能な期間に上限を設ける機能(リミット機能)について>
特別図柄の確率状態として高確率状態と低確率状態を、普通図柄の確率状態として高確率状態と低確率状態を、それぞれ設定可能であって、設定される確率状態に応じて異なる有利度合いの遊技状態を設定可能な遊技機において、遊技者に有利となる確率状態(例えば、高確率状態)が連続して設定される回数に上限を設定し、上限に到達した場合に遊技者に有利となる確率状態(例えば、高確率状態)を、その確率状態よりも不利な確率状態(例えば、低確率状態)を強制的に設定する機能(リミット機能)を設けることで、遊技者に有利な遊技状態が過剰に設定されてしまい、遊技者に対して過剰に有利な遊技が実行されてしまうことを抑制することができる。
このようなリミット機能を有する遊技機において、成立するリミット設定条件に応じて、リミット機能の発動条件を異ならせるように構成しても良く、具体的には、大当たり当選した場合に設定される大当たり種別に基づいて、リミット機能が発動し易い第1発動条件と、その第1発動条件よりも発動し難い第2発動条件と、のうち、何れかの発動条件を選択し、設定するように構成しても良い。
具体的には、特別図柄の高確率状態が連続して設定される回数に上限を設定し、上限に到達した場合に特別図柄の低確率状態を強制的に設定する確変リミット機能を有する遊技機において、大当たり種別に応じて確変リミット機能が発動するまでの上限値を異ならせて設定可能に構成し、第1大当たり種別が設定された場合には上限が「5回」、第1大当たり種別とは異なる第2大当たり種別が設定された場合には上限が「3回」となるように発動条件を設定可能に構成すると良い。
このように構成することで、発動条件として設定された値に応じて、遊技者に有利な遊技状態で遊技を継続して実行可能な有利遊技期間の長さを、設定される大当たり種別に基づいて異ならせることができる。
なお、上述した例では、特別図柄の高確率状態に対するリミット機能(確変リミット機能)について説明をしたが、これに限ること無く、普通図柄の高確率状態に対するリミット機能(時短リミット機能)に対して上述した内容を適用しても良いし、各リミットに対して、上述下内容を複合させて適用しても良い。さらに、図柄種別の確率状態として、低確率状態のほうが高確率状態よりも遊技者に有利な遊技状態となり得る遊技仕様の遊技機に対しては、低確率状態が連続して設定される回数に対して上限を設定し、上限に到達した場合に高確率状態を強制的に設定するリミット機能を設けても良い。
加えて、上述した例では、遊技者に過剰に有利な遊技の実行を抑制することを目的として上述したリミット機能を用いているが、リミット機能を他の目的のために用いても良く、例えば、遊技者に不利な遊技状態(低確率状態)が連続して設定される回数に上限を設け、上限に到達した場合に、遊技者に有利な遊技状態(高確率状態)を強制的に設定するリミット機能を設けても良い。このように構成することで、遊技者に過剰に不利な遊技が実行されてしまうことを抑制することができる。
<特定領域を球が通過したことに基づいて当たり遊技を実行可能な構成について>
上述した各実施形態では、特別図柄抽選にて大当たり当選した場合に、大当たり遊技を実行可能に構成していた。遊技者に有利な大当たり遊技の実行契機として別の実行契機を設けても良く、例えば、球が入球可能な入球手段と、その入球手段へと球が入球したことに基づいて動作条件が成立した場合に、第1状態と、その第1状態とは異なる第2状態とに可変可能な可変パターンで開放動作される可変手段と、その可変手段が第1状態へと可変された場合に、第2状態へと可変された場合よりも球が入球し易い第2入球手段と、その第2入球手段へと入球した球が通過可能な特定領域と、その特定領域へと球が通過したことに基づいて大当たり遊技を実行可能な大当たり遊技実行手段と、を有する構成、即ち、球が特定領域を通過したことに基づいて大当たり遊技の実行契機が成立するように構成した遊技機(所謂、2種仕様)としても良い。このように構成することで、第2入球手段へと入球した球の挙動によって、大当たり遊技が実行されるか否かが決定されるため、遊技者に対して球の挙動を楽しませることができる。
なお、このような2種仕様の遊技機において、上述した入球手段へと球が入球したことに基づいて動作条件が成立するように構成しても良いし、入球手段へと球が入球したことに基づいて動作抽選を実行し、その動作抽選に当選した場合に動作条件が成立するように構成しても良く、前者の場合は、入球手段へと球が入球したことにより必ず動作条件を成立させることができるため、遊技者に対して球の挙動に興味を持たせ易くすることができる。一方、後者の場合は、入球手段へと球が入球したとしても動作抽選で当選しない限り動作条件が成立しないため、入球手段への球の入球頻度を高めることができる。
さらに、上述した2種仕様の遊技機において、第2入球手段へと入球した球の流路として、特定領域を通過可能な第1流路と、その第1流路よりも特定領域を通過困難な第2流路とを少なくとも含む複数の流路を設け、さらに、第2入球手段へと入球した球を複数の流路の何れかへと振分可能な振分手段を設け、その振分手段の振分状況に応じて第2入球手段に入球した球が特定領域を通過する割合を可変させるように構成しても良い。
このように構成することで、振分手段の振分状況によって、大当たり遊技の実行契機の成立度合いを異ならせることができるため、第2入球手段へと入球した球がどのタイミングで振分手段へと到達するのかに興味を持たせることができる。
上述した通り、振分手段の振分状況によって、大当たり遊技の実行契機の成立度合いを異ならせることが可能な構成を有する遊技機においては、振分手段の振分動作内容として、パチンコ機10に電源が投入されてから常時一定の動作が実行されるように構成しても良いし、入球手段への球の入球、動作条件の成立、或いは、第2入球手段への球の入球の何れかに基づいて、常時一定の動作が実行されるように構成しても良い。
さらに、振分手段の振分動作内容を成立条件に応じて異ならせても良く、例えば、動作抽選に当選した場合における当選種別に応じて、特定領域を球が通過し易い第1振分動作内容と、第1振分動作内容よりも特定領域を球が通過し難い第2振分動作内容とを少なくとも含む複数の振分動作内容のうち何れかの振分動作内容を決定し、振分手段を動作させるように構成しても良い。
また、特別図柄抽選で大当たり当選した場合と、特定領域を球が通過した場合と、の何れにおいても大当たり遊技の実行契機が成立可能に構成された遊技機(所謂、1種2種混合仕様)において、特別図柄抽選で大当たり当選したことに基づいて実行される大当たり遊技中に、球が特定領域を通過することにより、実行中の大当たり遊技の実行期間を延長可能、換言すれば、特別図柄抽選で大当たり当選したことに基づいて実行される大当たり遊技中に、球が特定領域を通過することにより、実行中の大当たり遊技が途中で終了すること無く継続可能となるように構成しても良い。即ち、特別図柄抽選で大当たり当選したことに基づいて実行される大当たり遊技中に、球が特定領域を通過しなかった場合には、実行中の大当たり遊技が延長されない(強制的に終了される)ように構成しても良い。
このように構成することで、特別図柄抽選の結果と、特定領域に向けて流下する球の挙動との両方に対して遊技者に興味を持たせることができる。
<球の落下方向に変化を与えるための構成について>
パチンコ機10に構成される遊技盤13に形成される遊技領域を流下する球の流下方向(落下方向)に変化を与えるための構成として、上述した各実施形態にて用いた釘部材、即ち、重力方向に逆らうことの無い範囲で球の流下方向に変化を与えることが可能な部材とは別に、重力方向とは異なる方向(例えば、上昇方向)に向けて球を移動させるための手段を設けても良く、例えば、電気的駆動源を用いたり、他の球の移動エネルギーを用いたりすることで、重力方向とは異なる方向(例えば、上昇方向)に向けて球を移動させる(例えば、上昇させる)ための移動手段を設けても良い。
このように構成することで、遊技領域を流下する球の移動方向を、重力方向とは異なる方向も含めた様々な方向にすることができるため、球の挙動を注視する遊技者に対して意外性のある球の移動を提供することができる。また、遊技領域の最下流付近に到達した球、即ち、遊技者に特典が付与される入球口へと入球しなかった球を、遊技領域の上流側へと移動(上昇)させることが可能となるため、1の球の挙動に対して最後まで遊技者に期待を持たせることができる。
さらに、例えば、球が通過可能なゲート部材を遊技領域に設け、そのゲート部材を球が通過した場合に所定の特典を付与可能に構成した遊技機において、そのゲート部材を通過した球が到達し得る領域に移動手段を設け、移動手段によってゲート部材よりも上方に球が排出されるように構成すると良い。このように構成することで、1の球によって複数の特典を遊技者に付与可能という斬新な遊技性を提供することが可能となる。
また、上述した移動手段を、当たり遊技(大当たり遊技、小当たり遊技)中に球が入球し易くなる領域(例えば、当たり遊技中に開放される入賞装置の内部領域)に設けても良い。このように構成することで、入賞装置の内部において球を上昇させることが可能となるため、例えば、大当たり遊技の特定ラウンド中に球を特定領域へと通過させることで遊技者に有利な特典を付与可能に構成された遊技機において、特定ラウンドよりも前のラウンドで入賞装置へと入賞した球を、移動手段によって上昇させることで、所定期間の間、滞留させ、滞留されている球が排出されるタイミングに応じて、特定ラウンド中に特定領域を通過可能に構成することが可能となる。
このように、球を所定期間の間、特定の領域範囲内で滞留させるために移動手段を用いても良い。このように構成することで、特定の領域範囲内から球が排出されるタイミングを遊技者に予測させ難くすることができる。
<入球口への球の入球に作用して、別の入球口を開放させる構成について>
遊技球が入球可能な第1作動口と、その第1作動口へと遊技球が入球したことに作用して、第1作動口へと遊技球が入球し易くなる第1状態に作動する第1作動部材と、を設け、第1作動部材が、第1作動口へと所定数(例えば、2個)の遊技球が入球したことに作用して、第1状態よりも第1作動口へと遊技球が入球し難くなる第2状態へと作動するように構成する。
そして、第1作動口へと入球した遊技球が特定領域に入球したことに作用して、第1作動口とは異なる第2作動口へと遊技球が入球可能な第3状態へと作動する第2作動部材を設ける。この第2作動部材は、第2作動口へと所定数(例えば、1個)の遊技球が入球した場合に第3状態よりも第2作動口へと遊技球が入球し難い第4状態へと作動するように構成する。
このように構成することにより、第1作動口へと遊技球が入球したことに基づいて、第2作動部材が第3状態へと作動することにより第2作動口へと遊技球を入球させることが可能となり、その状態で第2作動口へと遊技球を1個入球させることにより第2作動部材が第4状態へと作動する。そして、第1作動部材が第1状態である第1作動口へと再度遊技球を入球させることにより、第2作動部材を再度第3状態へと再度作動させ、第2作動口へと遊技球を入球させることが可能となる。
より具体的には、第1作動部材が第2状態である状態で第1作動口へと遊技球を入球させた場合に、最大で4個の球を作動口(第1作動口、第2作動口)へと入球させることが可能になる。さらに、第2作動口へと入球した遊技球が、第2特定領域へと入球したことに基づいて第1当否抽選(第1普通図柄の抽選)を実行し、第1当否抽選の結果が当たり当選(当たり確率約1/2)である場合に、第1可変入球手段への遊技球の入球を規制可能な第1普通電動役物を第1閉鎖条件(例えば、5.8秒経過、或いは、4個入賞)が成立するまで開放動作(第1可変入球手段への遊技球の入球を許容可能な状態へと可変)させる。そして、第1可変入球手段に入球した遊技球が入球可能な第3特定領域へと入球したことに基づいて、第2当否抽選(第2普通図柄抽選)を実行し、第2当否抽選の結果が当たり当選(当たり確率約1/1)である場合に、第2可変入球手段への遊技球の入球を規制可能な第2普通電動役物を第2閉鎖条件(例えば、5.8秒経過、或いは、4個入賞)が成立するまで開放動作(第2可変入球手段への遊技球の入球を許容可能な状態へと可変)させる。そして、第2可変入球手段に入球した遊技球が入球可能な第4特定領域へと入球したことに基づいて、第3当否抽選(第3普通図柄抽選)を実行し、第3当否抽選の結果が当たり当選(当たり確率約1/1)である場合に、第3可変入球手段への遊技球の入球を規制可能な第3普通電動役物を第3閉鎖条件(例えば、5.8秒経過、或いは10個入賞)が成立するまで開放動作(第3可変入球手段への遊技球の入球を許容可能な状態へと可変)させるように構成すると良い。
この場合、第1作動口へと遊技球を入球(入賞)させたことに基づいて各作動口へと入賞させることが可能となる遊技球の最大入賞数を、第1作動口への最大入賞数「2」に、第1作動口への最大入賞数(2)に対して、第1作動口へと遊技球を入賞させる毎に、入賞可能となる第2作動口への最大入賞数(1)を乗じた値「2」を加算させた「4」と算出しても良いし、第1作動口へと遊技球を入球(入賞)させたことに基づいて実行される当たり遊技(複数の普通電動役物を用いた当たり遊技)が実行されるまでの期間において各作動口へと入賞させることが可能となる遊技球の数を最大入賞数、即ち、当たり遊技を1回実行させるまでに要する入賞数(第1作動口への入球数「1」に、第2作動口への入球数「1」を加算した「2」)として算出するように構成しても良いし、第1作動口への最大入賞数に、第1作動口への最大入賞数に対して、第1作動口へと遊技球を入賞させる毎に、入賞可能となる第2作動口への最大入賞数を除した値を加算させたものを最大入賞数としても良い。
そして、最大入賞数が予め定められた制限数に到達した場合に当たり遊技を終了させるように構成し、切替条件が成立したことに基づいて、制限数に到達したか否かを判別する際に算出される最大入賞数の値を、上述した様々な算出式により算出された値(最大入賞数)の中から切り替えて参照するように構成しても良い。そして、切り替えられた値が制限数に到達していない場合は、切り替えた後の最大入賞数が制限数に到達するまで当たり遊技を延長可能に構成しても良い。
つまり、算出後の値を異ならせることが可能な様々な算出式を用いて、第1作動口へと遊技球が入賞した場合において一連の遊技の流れで複数の作動口へと入賞させることが可能な遊技球数が制限数となるように各作動口への最大入賞数を規定しておき、条件に応じて、最大入賞数を特定するための算出式を異ならせて特定し、特定した算出式に対応して規定された各作動口への最大入賞数に基づいて当たり遊技を実行するように構成しても良い。
このように構成することで、特定された算出式によって、当たり遊技の内容(各作動口、各可変入球手段への合計入賞数)を異ならせることができる。
また、上述した最大入賞数の値を条件に応じて異ならせるように構成しても良く、例えば、第1条件が成立した場合には、第1作動口への最大入賞数を「2」から「3」へと変更し、第1条件とは異なる第2条件が成立した場合には、第1作動口への最大入賞数を「2」から「1」へと変更するように構成しても良い。このように構成することで、成立する条件に応じて、第1作動口へと遊技球が入球したことを契機に実行される当たり遊技(各作動口、可変入球手段へと遊技球を入球させる遊技)の内容を異ならせることができるため、遊技者に有利な有利成立条件(当たり遊技中に付与される賞球数の合計が多くなる設定がされる成立条件)が成立すること、及び有利成立条件が成立している状態で当たり遊技が実行されることを期待させながら遊技を行わせることができる。
<複数段階の設定値を設定可能な遊技機について>
大当たり抽選に係る確率の組み合わせ(通称、設定と称される)が複数段階設けられ、遊技店側で設定を変更することが可能に構成されているパチンコ機として実施してもよい。
なお、複数段階の設定が設けられているパチンコ機としては、大当たり確率の組み合わせ(低確率状態における大当たり確率と、確変状態における大当たり確率との組み合わせ)を複数段階(例えば、6段階)のいずれかに設定することが可能なものが代表例として挙げられるが、これに限られるものではない。大当たり確率の組み合わせに代えて、又は加えて、例えば、大当たりとなった場合に決定される各大当たり図柄(各大当たり種別)の割合を、設定に応じて可変させることが可能なパチンコ機として実施してもよい。即ち、設定に応じて遊技者に有利な種別の大当たりが決定される割合を可変させたり、遊技者に不利な種別の大当たりが決定される割合を可変させたりしてもよい。より具体的には、例えば、ラウンド数が多い(例えば、16ラウンドの)大当たりが決定される割合を、設定に応じて可変させたり、ラウンド数が少ない(例えば、2ラウンドの)大当たりが決定される割合を、設定に応じて可変させたりすることにより、設定毎の有利度合いを可変させる構成としてもよい。また、例えば、大当たり終了後に多い時短回数(例えば、100回)が付与される大当たりが決定される割合を、設定に応じて可変させたり、少ない時短回数(例えば、0回)が付与される大当たりが決定される割合を、設定に応じて可変させたりしてもよい。更に、大当たり終了後に有利な遊技状態(例えば、確変状態)へと移行する(若しくは移行し易い)大当たりが決定される割合を、設定に応じて可変させたり、不利な遊技状態(例えば、通常状態)へと移行する(若しくは移行し易い)大当たりが決定される割合を、設定に応じて可変させたりしてもよい。また、特定の設定でのみ決定される割合が大幅に高くなる(他の設定ではほぼ決定されることがない)大当たり種別を設ける構成としてもよい。具体的には、例えば、設定を1から6の6段階で設定可能に構成しておき、最も有利な設定を設定6とする。そして、設定6では、大当たりとなった場合に2%の割合でラウンド数が6ラウンドの大当たりが決定される一方で、他の設定では0.01%の割合でしか6ラウンドの大当たりが決定されない構成としてもよい。このように構成することで、大当たりが6ラウンドで終了した時点で、最も有利な設定6である可能性が極めて高くなるので、遊技者に対して大当たりのラウンド数に注目して遊技を行わせることができる。また、これに代えて、又は加えて、例えば、設定6では、大当たり終了後に66回の時短回数が付与される大当たり種別となる割合が他の設定よりも高くなるように構成してもよい。このように構成することで、時短状態が終了する回数に注目して遊技を行わせることができる。また、これらに代えて、又は加えて、例えば、大当たり遊技の実行中に他の大当たり種別とは異なる作動パターンで大入賞口(若しくは大入賞口の内部の役物等)が作動する大当たり種別を設ける構成とし、当該大当たり種別が特定の設定で決定され易くなる(決定される割合が高くなる)ように構成してもよい。また、大当たりの確率の組み合わせを設定に応じて可変させる場合において、低確率状態では、遊技者に有利な設定であるほど大当たり確率を高くする一方で、確変状態では、遊技者に不利な設定であるほど大当たり確率を高くする構成としてもよい。本構成は、特に、確変状態において、特別図柄の抽選回数が多くなる程持ち球を増加させ易い(発射された遊技球の数よりも、払い出される賞球数の方が多くなり易い)タイプの遊技機において有効である。より具体的には、例えば、確変状態が次に大当たりに当選するまで継続する構成であり、且つ、確変状態では高確率で小当たりとなるタイプの遊技機に適用することで、高設定の優位性をより高めることができる。即ち、確変状態において大当たりとなる確率が低いと、次に大当たりとなるまでの抽選回数が多くなり易いので、小当たりとなって賞球を獲得する機会も多くなる。よって、確変状態になると、次に大当たりとなるまでの間により多くの賞球を獲得し易くなるので、遊技者にとって有利となる。
また、複数段階の設定値が設けられているパチンコ機において、設定された設定値を変更することにより、特別図柄抽選によって当たり当選(大当たり当選、小当たり当選等)する確率を異ならせる構成以外の構成を用いても良く、例えば、特別図柄抽選で当たり当選する確率として第1確率が設定される第1遊技状態(特別図柄の低確率状態)と、その第1確率よりも当たり当選する確率が高い第2確率が設定される第2遊技状態(特別図柄の高確率状態)と、を設定可能な遊技機であって、第2遊技状態が継続する期間として特定期間、例えば、特別図柄抽選の実行回数が所定回数となるまで継続する期間や、所定の終了抽選(所謂、転落抽選)に当選するまでの期間が設定される場合において、設定された設定値に応じて特定期間の長さを異ならせるように構成しても良く、例えば、遊技者に有利な設定値が設定された場合のほうが、遊技者に不利な設定値が設定された場合よりも、第2遊技状態が継続する特定期間が長くなり易くなるように構成しても良い。
このように構成することで、特別図柄抽選の当たり確率を設定値に応じて変更する構成を用いなくても、第2遊技状態が継続する長さを異ならせることで、設定された設定値に応じて特別図柄抽選による当たり当選頻度を異ならせることができる。
上述した例では、複数段階の設定値が設けられているパチンコ機において、遊技状況に関わらず遊技者に有利な設定値と、遊技者に不利な設定値と、を設定可能に構成した例を示しているが、これに限ること無く、パチンコ機10において設定される各種遊技状況(例えば、特別図柄の確率状態と普通図柄の確率状態との組合せにより設定される複数種類の遊技状態のうち、特定の遊技状態が設定されている遊技状況、大当たり遊技が実行されている遊技状況、小当たり遊技が実行されている遊技状況)のうち、少なくとも1の遊技状況において、遊技者に有利となる設定値と、遊技者に不利となる設定値と、を設定可能に構成しても良いし、特定の設定値が設定されている場合のほうが、特定の設定値以外の所定の設定値が設定されている場合よりも、特定の遊技状況において遊技者に有利となり、特定の設定値が設定されている場合よりも、特定の設定値以外の所定の設定値が設定されている場合のほうが、特定の遊技状況以外の所定の遊技状況において遊技者に有利となるように各設定値に対応して設定される遊技の内容を規定しても良い。
このように構成することで、設定されている設定値に対して、絶対的な有利不利が排除され、実行される遊技状況に応じて各設定値の相対的な有利度合いを切り替えることが可能となるため、どのような設定値が設定されている場合であっても、遊技者に意欲的に遊技を行わせることができる。
また、設定されている設定値を把握した遊技者に対して、設定されている設定値が他の設定値よりも相対的に有利となる遊技状況における遊技を期待させながら遊技を行わせることができる。つまり、設定されている設定値に応じて遊技者が所望する遊技状況として異なる遊技状況を設定することが可能となる。よって、遊技者が早期に飽きることの無い遊技を提供することができる。
なお、上述した例では、設定された設定値に応じて遊技者の有利度合いを異ならせることを目的とした構成について説明をしたが、それ以外の目的で複数段階の設定値を設けるように構成しても良く、例えば、遊技者への有利度合いを変えること無く、その有利度合いに対応した特典が遊技者に付与されるまでの遊技過程が設定値に応じて異なるように構成しても良く、例えば、設定されている設定値に応じて特別図柄の大当たり確率を異ならせたパチンコ機10において、所定期間内に大当たり当選する確率(期待度)が設定値によって異ならない(大きく相違しない)ように、設定値に応じて所定期間の長さを異ならせても良く、例えば、設定値「1」が設定された場合には、特別図柄抽選が10回実行されるまでの特定期間の間、特別図柄抽選で大当たり当選する確率が1/10となる遊技(特定期間中に大当たり当選する確率が、約65%)を実行可能にし、設定値「6」が設定された場合には、特別図柄抽選が9回実行されるまでの特定期間の間、特別図柄抽選で大当たり当選する確率が1/9となる遊技(特定期間中に大当たり当選する確率が、約65%)を実行可能に構成すると良い。
このように構成することで、各設定値に応じて特別図柄抽選の大当たり確率を変更した場合であっても、遊技者への有利度合いを大きく変えること無く、遊技内容のみを異ならせることが可能となる。よって、遊技者に対して多様な遊技を実行させることができる。
また、上述した複数段階の設定値をパチンコ機への電源投入に基づく処理(初期設定処理)の一環として設定(変更)可能に構成すると良い。このように構成することで、パチンコ機に電源が投入されている状況において設定値が変更されることを抑制することができるため、例えば、遊技中の遊技者が不正に設定値を操作するという不正遊技が行われ難くすることができる。
なお、設定値を設定(変更)可能なタイミングとして、それ以外のタイミングを用いても良く、例えば、パチンコ機の遊技結果として、出玉(パチンコ機から払い出された球数からパチンコ機での遊技に用いた球数を差し引いた値)が上限数以上払い出されたことに基づいて現在設定されている設定値から異なる設定値(遊技者に不利となる設定値)へと変更させたり、出玉(パチンコ機から払い出された球数からパチンコ機での遊技に用いた球数を差し引いた値)が下限数よりも払い出されなかったことに基づいて現在設定されている設定値から異なる設定値(遊技者に有利となる設定値)へと変更させたりするように構成しても良い。このように構成することで、遊技者に対して過剰に有利な遊技や、過剰に不利な遊技が実行されてしまうことを抑制することができる。
上記各実施形態では、主制御装置110において特別図柄1保留球数カウンタ203bの値(AN)が更新される度(即ち、増加した場合や、減少した場合にそれぞれ)に、保留球数コマンドを主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ送信する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、主制御装置110において特別図柄1保留球数カウンタ203bの値(AN)が増加する場合だけ、保留数コマンドを主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ送信する。また、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110より送信された変動パターンコマンドを受信すると、特別図柄2保留球数カウンタ223b2の値を1減らすように構成する。これにより、主制御装置110が音声ランプ制御装置113へ保留数コマンドを送信する回数と、音声ランプ制御装置113が保留数コマンドを受信する回数とをそれぞれ減らすことができるので、主制御装置110および音声ランプ制御装置113の制御的負担を軽減することができる。
上記各実施形態においては、第1入球口64への入賞は最大4回まで、スルーゲート67の通過は最大4回まで保留されるように構成したが、最大保留球数はこれに限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定してもよい。また、第1入球口64への入賞に基づく変動表示の保留球数を、第3図柄表示装置81の一部において、数字で、或いは、4つに区画された領域を保留球数分だけ異なる態様(例えば、色や点灯パターン)にして表示するようにしてもよく、第1図柄表示装置37とは別体でランプ等の発光部材を設け、該発光部材によって保留球数を通知するように構成してもよい。
また、上記各実施形態に示すように、動的表示の一種である変動表示は、第3図柄表示装置81の表示画面上で識別情報としての図柄を縦方向にスクロールさせるものに限定されず、縦方向あるいはAL字形等の所定経路に沿って図柄を移動表示して行うものであってもよい。また、識別情報の動的表示としては、図柄の変動表示に限られるものではなく、例えば、1又は複数のキャラクタを図柄と共に、若しくは、図柄とは別に多種多様に動作表示または変化表示させて行われる演出表示なども含まれるのである。この場合、1又は複数のキャラクタが、第3図柄として用いられる。また、特別図柄の抽選結果を示すための第3図柄の動的表示の表示態様と、普通図柄の抽選結果を示すための装飾図柄の動的表示の表示態様と、を遊技者が識別困難となるように、例えば、表示制御装置114が有する共通の画像データを用いて各表示態様を設定するように構成しても良い。
上述した各実施形態では、遊技者に各図柄の抽選結果を示すための第3図柄表示を1つの表示手段(第3図柄表示装置81)にて実行しているが、それ以外の構成を用いてもよく、例えば、第3図柄のうち、遊技者に強調して表示される主図柄を表示する表示手段と、従図柄を表示する表示手段とで異なる表示手段を設けてもよい。また、表示手段の構成として、液晶ディスプレイ以外の構成を用いても良い。
上述した各実施形態では、遊技状態に応じて遊技盤13の狙う領域(遊技領域)を異ならせるように構成しているが、これに限られること無く、遊技者に有利となる遊技状態(時短状態)の場合と、その時短状態よりも遊技者に不利となる遊技状態(通常状態)の場合とで、遊技盤13の左側領域を狙う左打ち遊技が実行されるように構成しても良い。また、時短状態中に左打ち遊技を実行させ、通常状態中に右打ち遊技を実行させてもよい。
上述した各実施形態では、遊技者が操作可能な操作手段として、遊技者が押下動作することにより、操作手段が操作されたことが判別される枠ボタン22を用いているが、それ以外の構成を用いてもよく、遊技者が左右または前後に傾倒させることで操作されたことを判別可能なレバー状に構成された操作手段や、遊技者が接触または近接したで操作されたことを判別可能なタッチセンサ式の操作手段や、所定の電波を発信することで操作されたことを判別可能な無線式の操作手段等を用いても良い。また、枠ボタン22を音声ランプ制御装置113に対して電気的に接続させており、枠ボタン22を、パチンコ機10にて実行される演出の演出態様を、遊技者の操作に基づいて可変させるための演出用操作手段として用いているが、枠ボタン22に対する遊技者の操作に基づいてパチンコ機10で実行される各種演出の演出態様を可変させることができれば良く、例えば、枠ボタン22を表示制御装置114に対して電気的に接続させても良いし、操作手段(枠ボタン22)からの出力信号を入力可能にし、表示制御装置114、音声ランプ制御装置113、音声出力装置226、ランプ表示装置227へと出力可能な演出設定信号を生成可能な制御装置を設けても良い。このように構成することで、演出用操作手段を複数設けた場合であっても、複数の演出用操作手段から出力される出力信号(操作信号)を集中管理することができるため、演出用操作手段への遊技者の操作に対する演出態様を円滑に設定することができる。
大当たり種別の振り分け(割合)や、大当たり終了後の時短回数や確変回数(ASAT回数)、大当たり確率や小当たり確率、普通図柄の当たり確率、各入賞口への入賞に対する賞球数や、確変リミット回数等の遊技の仕様に関する数値(確率)は、上記各実施形態の数値に限定されるものではなく、各実施形態の趣旨を変更しない範囲で任意に変更することができる。有利な大当たり種別の割合を高くしたり、時短回数やASAT回数を多くしたり、大当たり確率や小当たり確率を高くしたり、賞球数を多くしたり、確変リミット回数を多くすることで、遊技者の有利度合いをより高めることができる。また、逆に、有利な大当たり種別の割合を低くしたり、時短回数やASAT回数を少なくしたり、大当たり確率や小当たり確率を低くしたり、賞球数を少なくしたり、確変リミット回数を少なくすることで、遊技者にとって過剰に有利となってしまうことを抑制することができる。
本発明を上記各実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施してもよい。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される)として実施してもよい。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞させることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるパチンコ機として実施してもよい。また、AVゾーン等の特別領域を有する入賞装置を有し、その特別領域に球を入賞させることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機に実施してもよい。また、大当たり抽選に係る確率の組み合わせ(通称、設定と称される)が複数段階設けられ、遊技店側で設定を変更することが可能に構成されているパチンコ機として実施してもよい。更に、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球、スロットマシン、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機などの各種遊技機として実施するようにしてもよい。
なお、複数段階の設定が設けられているパチンコ機としては、大当たり確率の組み合わせ(低確率状態における大当たり確率と、確変状態における大当たり確率との組み合わせ)を複数段階(例えば、6段階)のいずれかに設定することが可能なものが代表例として挙げられるが、これに限られるものではない。大当たり確率の組み合わせに代えて、又は加えて、例えば、大当たりとなった場合に決定される各大当たり図柄(各大当たり種別)の割合を、設定に応じて可変させることが可能なパチンコ機として実施してもよい。即ち、設定に応じて遊技者に有利な種別の大当たりが決定される割合を可変させたり、遊技者に不利な種別の大当たりが決定される割合を可変させたりしてもよい。より具体的には、例えば、ラウンド数が多い(例えば、16ラウンドの)大当たりが決定される割合を、設定に応じて可変させたり、ラウンド数が少ない(例えば、2ラウンドの)大当たりが決定される割合を、設定に応じて可変させたりすることにより、設定毎の有利度合いを可変させる構成としてもよい。また、例えば、大当たり終了後に多い時短回数(例えば、100回)が付与される大当たりが決定される割合を、設定に応じて可変させたり、少ない時短回数(例えば、0回)が付与される大当たりが決定される割合を、設定に応じて可変させたりしてもよい。更に、大当たり終了後に有利な遊技状態(例えば、確変状態)へと移行する(若しくは移行し易い)大当たりが決定される割合を、設定に応じて可変させたり、不利な遊技状態(例えば、通常状態)へと移行する(若しくは移行し易い)大当たりが決定される割合を、設定に応じて可変させたりしてもよい。また、特定の設定でのみ決定される割合が大幅に高くなる(他の設定ではほぼ決定されることがない)大当たり種別を設ける構成としてもよい。具体的には、例えば、設定を1から6の6段階で設定可能に構成しておき、最も有利な設定を設定6とする。そして、設定6では、大当たりとなった場合に2%の割合でラウンド数が6ラウンドの大当たりが決定される一方で、他の設定では0.01%の割合でしか6ラウンドの大当たりが決定されない構成としてもよい。このように構成することで、大当たりが6ラウンドで終了した時点で、最も有利な設定6である可能性が極めて高くなるので、遊技者に対して大当たりのラウンド数に注目して遊技を行わせることができる。また、これに代えて、又は加えて、例えば、設定6では、大当たり終了後に66回の時短回数が付与される大当たり種別となる割合が他の設定よりも高くなるように構成してもよい。このように構成することで、時短状態が終了する回数に注目して遊技を行わせることができる。また、これらに代えて、又は加えて、例えば、大当たり遊技の実行中に他の大当たり種別とは異なる作動パターンで大入賞口(若しくは大入賞口の内部の役物等)が作動する大当たり種別を設ける構成とし、当該大当たり種別が特定の設定で決定され易くなる(決定される割合が高くなる)ように構成してもよい。また、大当たりの確率の組み合わせを設定に応じて可変させる場合において、低確率状態では、遊技者に有利な設定であるほど大当たり確率を高くする一方で、確変状態では、遊技者に不利な設定であるほど大当たり確率を高くする構成としてもよい。本構成は、特に、確変状態において、特別図柄の抽選回数が多くなる程持ち球を増加させ易い(発射された遊技球の数よりも、払い出される賞球数の方が多くなり易い)タイプの遊技機において有効である。より具体的には、例えば、確変状態が次に大当たりに当選するまで継続する構成であり、且つ、確変状態では高確率で小当たりとなるタイプの遊技機に適用することで、高設定の優位性をより高めることができる。即ち、確変状態において大当たりとなる確率が低いと、次に大当たりとなるまでの抽選回数が多くなり易いので、小当たりとなって賞球を獲得する機会も多くなる。よって、確変状態になると、次に大当たりとなるまでの間により多くの賞球を獲得し易くなるので、遊技者にとって有利となる。
さらに、複数段階の設定を設定可能なパチンコ機10においては、設定されている設定値に基づいて、主制御装置110にて変動パターンを選択する際に参照される変動パターン選択テーブル202bの種別を異ならせたり、音声ランプ制御装置113にて第3図柄の変動パターン(変動演出)を選択する際に参照される変動パターン選択テーブル222aの種別を異ならせたり、変動演出として実行される詳細な演出態様を選択する際に参照される各種選択テーブルの種別を異ならせたりするように構成すると良い。このように構成することで、実行される変動演出の内容に応じて、パチンコ機10に設定されている設定値を予測することが可能となるため、遊技者が興味を持つ変動演出を実行することができる。
また、操作演出の演出態様を選択する際に参照されるデータテーブルを、パチンコ機10に設定されている設定値に基づいて異ならせる場合には、操作演出の演出態様として、設定されている設定値を示唆するための「設定示唆」の演出態様を、各設定値に対して用いられる各データテーブルで選択割合が同一となるように規定しておき、「設定示唆」の演出態様で実行される操作演出の演出内容を、各設定値に応じて異ならせるように構成し、その他の演出態様の選択割合を設定値に応じて可変させるように構成すると良い。このように構成することで、設定値を直接示唆する「設定示唆」の操作演出が実行された場合には、その演出内容を、それ以外の操作演出が実行された場合には、各演出態様の選択割合を、複合的に把握することにより、パチンコ機10に設定されている設定値を予測することが可能となるため、実行される様々な操作演出に対して遊技者に興味を持たせることができる。
さらに、上述した通り、操作演出における各演出態様の選択割合は、設定されている遊技状態に応じても異ならせるように構成しているため、例えば、遊技者に不利となる設定「1」から遊技者に有利となる設定「6」までの6段階で設定値を設定可能なパチンコ機10において、設定「1」〜「3」が設定されており、且つ、遊技者に有利な第1遊技状態(確変状態)が設定されている場合に選択される操作演出の選択割合と、設定「4」〜「6」が設定されており、且つ、第1遊技状態よりも遊技者に不利な第2遊技状態(時短状態)が設定されている場合に選択される操作演出の選択割合とを同一にすることで、遊技者に不利となる設定値が設定されているパチンコ機10を遊技している遊技者に対しても、遊技者に有利となる設定値が設定されているのではと思わせることができる。
このように、パチンコ機10に設定されている設定値と、その他の遊技状況(大当たりの抽選結果、設定されている遊技状態、選択された変動パターン(変動時間))とに基づいて演出態様の選択割合を可変させるように構成することで、パチンコ機10に設定されている設定値を遊技者に容易に判別されてしまうことを抑制することができる。
また、スロットマシンは、例えばコインを投入して図柄有効ラインを決定させた状態で操作レバーを操作することにより図柄が変動され、ストップボタンを操作することにより図柄が停止されて確定される周知のものである。従って、スロットマシンの基本概念としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を変動表示した後に識別情報を確定表示する表示装置を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の変動表示が停止して確定表示され、その停止時の識別情報の組合せが特定のものであることを必要条件として、遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるスロットマシン」となり、この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
また、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する表示装置を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の球の投入の後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップボタンの操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技が発生させられ、遊技者には、下部の受皿に多量の球が払い出されるものである。かかる遊技機をスロットマシンに代えて使用すれば、遊技ホールでは球のみを遊技価値として取り扱うことができるため、パチンコ機とスロットマシンとが混在している現在の遊技ホールにおいてみられる、遊技価値たるメダルと球との別個の取扱による設備上の負担や遊技機設置個所の制約といった問題を解消し得る。
上記した各実施形態について、その全部またはその一部を組み合わせて構成してもよい。
以下に、本発明の遊技機に加えて上述した実施形態に含まれる各種発明の概念を示す。
<経路構成手段を通る球が被通過手段の目隠しになるポイント>
遊技球が流下可能に構成される経路構成手段と、その経路構成手段を流下した遊技球が通過可能に構成される被通過手段と、を備え、前記経路構成手段は、所定方向視における、前記被通過手段の上流側で前記経路構成手段を流下する第1の遊技球の手前側で、その第1の遊技球の少なくとも一部と重なる位置に配置可能な変位可能手段を備えることを特徴とする遊技機AA1。
パチンコ機等の遊技機において、球検出孔431へ向けた遊技球の流下経路を複数種類構成可能な大入賞部品300を備え、球検出孔431付近が化粧板302によって認識し難く構成される遊技機がある(例えば、特開2017−185021号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、化粧板302により常に球検出孔431を認識し難く構成されているので、球検出孔431への入球を確認して遊技球の発射の継続または停止を行うという遊技態様に対応できず、遊技者が不満に感じる可能性があった。即ち、遊技球の発射操作と関連する部分において改善の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機AA1によれば、経路構成手段において第1の遊技球の視認性を低下させる手段が所定の変位可能手段であるので、第1の遊技球が見え易い状態を構成可能とされる。従って、第1の遊技球が見え易い状態においては、第1の遊技球の流下を確認して、遊技球の発射操作の継続または停止の判断を行い易くなることから、遊技球の発射操作と関連する部分において改善することができる。
なお、所定の変位可能手段の態様は何ら限定されるものではない。例えば、別の遊技球でも良いし、遊技球の流下経路とガラスユニットとの間で変位可能に構成される装飾用部材でも良い。
なお、被通過手段の態様は何ら限定されるものではない。例えば、特定領域を構成する開口でも良いし、図柄の抽選に関わる入球口(例えば、始動口)でも良いし、賞球の払い出しに関わる賞球口でも良いし、遊技球が通過可能なその他の手段でも良い。
遊技機AA1において、前記変位可能手段は、前記第1遊技球の上流側を流下する第2の遊技球であることを特徴とする遊技機AA2。
遊技機AA2によれば、遊技機AA1の奏する効果に加え、被通過手段へ向けて案内される遊技球を利用して第1の遊技球の視認性を変化させることができるので、変位可能手段として他の装飾部材を用意する場合に比較して、材料コストや設計コストを低減することができる。
遊技機AA2において、前記経路構成手段は、第1の遊技球の正面側に第2の遊技球を配置可能な前後幅長さで形成される前後方向経路を備えることを特徴とする遊技機AA3。
遊技機AA3によれば、遊技機AA2の奏する効果に加え、第1の遊技球の正面側に、第2の遊技球を配置可能に前後方向経路が構成されるので、正面視において、第2の遊技球で第1の遊技球の少なくとも一部を隠すことができる。
遊技機AA3において、前記前後方向経路は、前記第1の遊技球と前記第2の遊技球とが、発射装置に設定された発射間隔で前記経路構成手段を流下した場合に、前記第2の遊技球が前記第1の遊技球の少なくとも一部を隠すよう構成されることを特徴とする遊技機AA4。
遊技機AA4によれば、遊技機AA3の奏する効果に加え、発射間隔のままで経路構成手段を複数の遊技球が流下した場合に、第1の遊技球を第2の遊技球で認識し難くする効果を奏することができる。これにより、認識し難い状況を平常時から生じさせることができる。
遊技機AA3又はAA4において、前記前後方向経路は、正面側構成部が、背面側構成部よりも遊技領域の中央側に配置されることを特徴とする遊技機AA5。
遊技機AA5によれば、遊技機AA3又はAA4の奏する効果に加え、被通過手段を見る遊技者の視線に沿う傾きを有する経路として前後方向経路を構成することができるので、第1の遊技球が第2の遊技球に隠される状態を生じ易くすることができる。即ち、目隠しの効果を向上させることができる。
遊技機AA5において、前記正面側構成部は、被通過手段を見る遊技者の視線上に配置されることを特徴とする遊技機AA6。
遊技機AA6によれば、遊技機AA5の奏する効果に加え、前後方向経路に配置される第1の遊技球と第2の遊技球との間隔の長短に関わらず、同様の目隠し効果を生じさせることができる。
即ち、通常であれば、第1の遊技球と第2の遊技球とが近接しているほど、目隠し効果を向上させることができると考えられるが、視線上に第1の遊技球および第2の遊技球が配置されている場合には、間隔の長短が及ぼす影響を無くすことができる。
遊技機AA2からAA6のいずれかにおいて、前記経路構成手段は、第1の遊技球の正面側に第2の遊技球を配置可能な前後幅長さで形成される前後方向経路と、その前後方向経路の上流側で遊技球が左右方向に流下可能な左右幅で形成される左右方向経路と、を備えることを特徴とする遊技機AA7。
遊技機AA7によれば、遊技機AA2からAA6のいずれかの奏する効果に加え、左右方向経路を流下する遊技球によっても遊技者の視線を遮ることができるので、遊技者が、被通過手段に対して左右に位置ずれしない視線で被通過手段を視認する場合に限らず、左右に位置ずれして、覗き見るような視線に対しても、目隠し効果を生じさせることができる。即ち、遊技者の視線の方向に寄らず、被通過手段への入球態様を認識し難くすることができる(全方位で目隠し効果を生じさせることができる)。
この作用は、前後方向に延びる流路の左右片側を壁部で封じることにより顕著に生じる。即ち、左右片側が壁部で封じられている構成では、左右片側においては壁部が目隠しとなるので、被通過手段への視界が通らない状態を構成し易くできる。
遊技機AA1からAA7のいずれかにおいて、前記経路構成手段は、遊技球が前記被通過手段を第1の態様で通過する第1の流下経路と、遊技球が第2の態様で通過する第2の流下経路と、を備え、前記第1の遊技球が、前記経路構成手段のいずれの流下経路を流下するかに関わらず、前記所定の変位可能手段に少なくとも一部を覆われて視認され得るよう構成されることを特徴とする遊技機AA8。
遊技機AA8によれば、遊技機AA1からAA7のいずれかの奏する効果に加え、被通過手段の通過の有無に関わらず、経路構成手段を流下する遊技球の流下態様を認識し難くし得るので、経路構成手段を流下する遊技球に対する注目力を向上させることができる。
なお、第1の態様や、第2の態様としては、何ら限定されるものではない。例えば、球の流下方向が違う態様でも良いし、球が通過する検出センサが異なる態様でも良い。
遊技機AA1からAA8のいずれかにおいて、前記被通過手段の上流側において遊技球の流下方向を分ける分岐手段を備え、前記分岐手段は、受け入れた遊技球の流下方向を切り替える切替手段を備え、前記経路構成手段は、分岐手段で流下経路が分けられる遊技球であって前記切替手段に到達した遊技球が、所定区間は同じ経路を流下するよう構成されることを特徴とする遊技機AA9。
遊技機AA9によれば、遊技機AA1からAA8のいずれかの奏する効果に加え、切替手段に到達した遊技球が所定区間は同じ経路を流下するので、切替手段に到達した遊技球が即座にその後の流下経路に対応した流下態様となる場合に比較して、遊技球の流下の把握を困難とすることができる。これにより、遊技球に対する遊技者の注目力を向上することができる。
遊技機AA9において、前記経路構成手段は、流下する遊技球側に突設される突設部を備え、その突設部は、前記分岐手段における遊技球の分岐に作用することを特徴とする遊技機AA10。
遊技機AA10によれば、遊技機AA9の奏する効果に加え、突設部で遊技球の分岐に作用することができるので、例えば、弁体の移動により分岐を生じさせる場合に比較して、構造の耐久性を向上させることができる。
遊技機AA10において、前記突設部は、所定方向に延びる第1突設部と、その第1突設部とは異なる方向に延びる第2突設部と、を備え、前記第1突設部の突設量と前記第2突設部の突設量とが異なるように構成されることを特徴とする遊技機AA11。
遊技機AA11によれば、遊技機AA10の奏する効果に加え、遊技球の流下態様に応じて、第1突設部が遊技球に与える影響と、第2突設部が遊技球に与える影響とを異ならせることができる。これにより、固定の第1突設部および第2突設部を利用しながら、遊技球の流下態様に応じた所定のルールで遊技球を分岐させる作用を生じさせることができる。
<経路構成手段を通る球が被通過手段への導入をアピールするポイント>
遊技球が流下可能に構成される経路構成手段と、その経路構成手段を流下した遊技球が通過可能に構成される被通過手段と、を備え、前記経路構成手段は、前記被通過手段よりも上流側を構成する所定部を備え、その所定部は、前記被通過手段よりも目立つ側に配置され、前記被通過手段へ遊技球を案内可能に構成されることを特徴とする遊技機AB1。
パチンコ機等の遊技機において、球検出孔431へ向けた遊技球の流下経路を複数種類構成可能な大入賞部品300を備え、球検出孔431付近が化粧板302によって認識し難く構成され、大入賞部品300の状態の違いによって、化粧板302から外れた位置を遊技球が流下したり、化粧板302の後方に隠されるようにして遊技球が流下したりする遊技機がある(例えば、特開2017−185021号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、化粧板302から外れて流下する視認性の良い遊技球は、むしろ球検出孔431を逸れて流下するよう構成され、化粧板302の後方に隠されるように流下する遊技球の一部が球検出孔431に案内されるので、遊技球の見え易さの良し悪しと、遊技者が得られる利益の多少とが対応しておらず、遊技球に注目したことが無駄になり易いので遊技者が不満に感じる可能性があった。即ち、注目を集めた後の遊技球の流下態様を、注目する意義があるものにするという点で改善の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機AB1によれば、目立つ側に配置される所定部を流下した遊技球が、被通過手段へ案内可能に構成されていることから、遊技球に対する注目力の向上度合いと、遊技球が被通過手段を通過することとを対応づけることができる。従って、所定部を流下した遊技球が被通過手段を通過する可能性を向上させることができるので、注目を集めた後の遊技球に注目する意義があるという点で改善することができる。
また、このように構成することで、所定部を流下する遊技球で遊技者の視線を誘導し易くすることができ、被通過手段に遊技球が向かうことを遊技者が見逃す可能性を低くすることができる。
なお、被通過手段の態様は何ら限定されるものではない。例えば、特定領域を構成する開口でも良いし、図柄の抽選に関わる入球口(例えば、始動口)でも良いし、賞球の払い出しに関わる賞球口でも良いし、遊技球が通過可能なその他の手段でも良い。
なお、目立つ側の態様は何ら限定されるものではない。例えば、遊技者の目を引き易い表示装置側でも良いし、入賞口側や始動口側でも良いし、遊技者にとって視認し易い前方側(手前側)でも良いし、特定の入球口への入球確率が際立って高くなる箇所として視線が集まり易い部分としてのステージ(主に、センターフレームにより形成される枠の下縁部において遊技球を一時滞留させる箇所)側や、大当たり獲得に直結するV入賞口側や、操作対象としての球貸し装置側や、演出操作ボタン側や、入球口から逸れた遊技球が流下する範囲(遊技者が、悔しくてついつい目で追ってしまう範囲)側や、発光手段での明暗での切替として明るい側や、その他の側でも良い。また、目立ちがたい側を敢えて形成し、相対的に目立たせるようにしても良い。
遊技機AB1において、前記経路構成手段は、その経路構成手段へ入球した遊技球を、入球時よりも目立たなくする第2所定部を備え、前記所定部は、前記第2所定部よりも目立つ側に配置されることを特徴とする遊技機AB2。
遊技機AB2によれば、遊技機AB1の奏する効果に加え、経路構成手段に入球した遊技球が所定部を流下する前に、第2所定部において注目力を下げることで、所定部を流下する際の遊技球の注目力を際立たせることができる。
遊技機AB1又はAB2において、前記所定部は、遊技球の流下速度が異なる区間を備えることを特徴とする遊技機AB3。
遊技機AB3によれば、遊技機AB1又はAB2の奏する効果に加え、遊技球の流下速度に差が無い場合に比較して、遊技者の視線を集める効果を向上することができる。
遊技機AB3において、前記所定部を流下する遊技球の第1流下速度よりも、前記第2所定部を流下する遊技球の第2流下速度の方が高速となるよう構成されることを特徴とする遊技機AB4。
遊技機AB4によれば、遊技機AB3の奏する効果に加え、経路構成手段に入球した遊技球が所定部に到達するまでの期間を短縮することができる。
遊技機AB1からAB4のいずれかにおいて、前記所定部は、所定方向視における遊技球の変位速度が異なる区間を備えることを特徴とする遊技機AB5。
遊技機AB5によれば、遊技機AB1からAB4のいずれかの奏する効果に加え、実際の遊技球の流下速度の大小に関わらず、所定方向視における見かけ上の遊技球の変位速度が異なる区間を構成することができるので、任意の所定箇所において所定方向視における遊技球の変位速度を小さくすることにより、遊技者の視線を所定箇所に容易に集め、その他の部分から目を逸らさせることができる。
なお、見かけ上の遊技球の変位速度を異ならせる態様は何ら限定されるものではない。例えば、正面視において前後方向と直交する平面に配置される直線上を変位する場合と、前後方向成分を有する直線上を変位する場合とでの異なりでも良いし、直線上を変位する場合と、曲線状または蛇行状に変位する場合とでの異なりでも良いし、その他の異なりでも良い。
遊技機AB1からAB5のいずれかにおいて、前記経路構成手段へ遊技球を導入可能に構成される導入手段を備え、前記所定部は、所定方向視において前記導入手段の外方に配置されることを特徴とする遊技機AB6。
遊技機AB6によれば、遊技機AB1からAB5のいずれかの奏する効果に加え、導入手段の視認性を確保することができる。従って、導入手段の視認性の確保と、被通過手段を通過する可能性の高い遊技球の注目力の向上とを両立させることができる。
遊技機AB1からAB6のいずれかにおいて、前記経路構成手段の正面側における遊技球が、前記被通過手段へ向けた視線または前記所定部を避けるよう流下するように構成する回避手段を備えることを特徴とする遊技機AB7。
遊技機AB7によれば、遊技機AB1からAB6のいずれかの奏する効果に加え、経路構成手段の正面側において遊技球が流下可能に構成され、遊技球の流下経路が被通過手段へ向けた視線を避けるようにするための回避手段を備えているので、遊技領域の大きさの確保と、被通過手段へ向けた遊技球の視認性の確保と、を両立させることができる。
なお、回避手段の影響を受けた遊技球の流下態様は、何ら限定されるものではない。例えば、被通過手段の正面位置を避けて流下するものでも良いし、被通過手段と遊技者の目の位置とを結ぶ直線を避けて流下するものでも良いし、被通過手段へ向かう遊技球を遊技者が確認できる最後の位置を基準として、その位置の正面位置を避けて流下するものでも良いし、上述の最後の位置と遊技者の目の位置とを結ぶ直線を避けて流下するものでも良いし、その他でも良い。
遊技機AB7において、前記経路構成手段は、流下する遊技球を受け入れ可能な受入状態と受入不能な非受入状態とで状態変化可能に構成される受入状態変化手段を備え、その受入状態変化手段は、前記受入状態から前記非受入状態への状態変化において、前記受入状態において受入状態変化手段に到達していた遊技球を経路構成手段側へ案内可能に構成されることを特徴とする遊技機AB8。
遊技機AB8によれば、遊技機AB7の奏する効果に加え、受入状態変化手段に到達してから橋渡しされるように流下した遊技球が、被通過手段へ向けた視線を遮ることを防止することができる。
遊技機AB7又はAB8において、正面視で前記被通過手段の上方に配設され、遊技領域を区画する区画手段を備え、その区画手段は、遊技球が左右外側を流下可能に構成されることを特徴とする遊技機AB9。
遊技機AB9によれば、遊技機AB7又はAB8の奏する効果に加え、区画手段によって、被通過手段の正面位置を遊技球が流下する事態を避けることができるので、被通過手段へ向けた視界を確保し易くすることができる。
なお、区画手段の態様としては、何ら限定されるものではない。例えば、遊技球の流下面を構成する板状部でも良いし、遊技球が入球可能な入球口構成手段でも良い。また、区画手段は、形状(外観)固定の手段でも良いし、形状(外観)可変の手段でも良い。
遊技機AB9において、前記経路構成手段は、流下する遊技球を受け入れ可能な受入状態と受入不能な非受入状態とで状態変化可能に構成される受入状態変化手段を備え、前記区画手段の前記受入状態変化手段側の部分が、遊技球を前記受入状態変化手段側へ案内し易く構成されることを特徴とする遊技機AB10。
遊技機AB10によれば、遊技機AB9の奏する効果に加え、受入状態変化手段へ受け入れられる途中の遊技球を、区画手段によって受入状態変化手段へ押し込む態様で受け入れさせるよう構成することができる。これにより、受け入れられる途中の状態で横滑りした遊技球が、受入状態変化手段から逸れて被通過手段の正面側を落下する事態の発生を避け易くすることができる。
例えば、受入状態変化手段として、左右方向軸で傾倒変位する開閉板を備える特別入賞装置が想定され、区画手段として特別入賞装置の特別入賞口の上方に配置される第1入賞口が想定される。開閉板の閉鎖間際に特別入賞口に到達した遊技球は、しばしば、開閉板の回動先端と、開閉板に蓋をされる開口の縁部との間に挟まれ、縁部の形成方向(開閉板の回動軸方向)に横滑りする。
横滑りした後の遊技球は、開閉板の回動先端の形成範囲のいずれの位置にも到達し得るので、開閉板の少なくとも一部が被通過手段の上方に配置される場合には、横滑りした後の遊技球が正面側に落下した後で被通過手段の正面位置を通過する可能性があり、横滑りした後の遊技球を正面側に落下させるべきでは無い。
横滑りした後の遊技球の正面側への落下を回避できない場合には、被通過手段の正面視上位置を避けて開閉板を配置する必要が生じるので、開閉板の設計自由度が低下することになる。
これに対し、遊技機AB10によれば、横滑りした後の遊技球が開閉板の正面側へ落下することを回避し易くすることができ、開閉板の設計自由度を向上することができる。
遊技機AB7からAB10のいずれかにおいて、前記経路構成手段を流下する遊技球と、前記経路構成手段の正面側を流下する遊技球とが、類似の流下態様で流下するよう構成されることを特徴とする遊技機AB11。
遊技機AB11によれば、遊技機AB7からAB10のいずれかの奏する効果に加え、経路構成手段を流下し被通過手段を通過する可能性のある遊技球と、経路構成手段の正面側を流下し被通過手段を通過しない遊技球と、を区別し難くすることで、経路構成手段を流下する遊技球の個数を判別し難くすることができる。
換言すれば、経路構成手段に遊技球が入り易い場合と、入りにくい場合とを、経路構成手段付近を流下する遊技球から判別することを困難とすることができる。
遊技機AB1からAB11のいずれかにおいて、前記所定部を流下する球の後側から光を照射する発光手段を備えることを特徴とする遊技機AB12。
遊技機AB12によれば、遊技機AB1からAB11のいずれかの奏する効果に加え、所定部を流下する球の前側が光で反射し、球が見え難くなることを回避し易くすることができる。
<V通口への経路長さを省スペースで確保するポイント>
遊技球が流下可能に構成される経路構成手段と、その経路構成手段を流下した遊技球が通過可能に構成される被通過手段と、遊技球が前記被通過手段に流下可能な第1状態とその第1状態とは異なる第2状態とで切り替え可能に構成される状態切替手段と、を備え、前記経路構成手段は、遊技球の上下方向の変位を遅らせる遅延手段を備え、その遅延手段により遊技球を前記被通過手段へ向けて流下可能に構成されることを特徴とする遊技機AC1。
パチンコ機等の遊技機において、第2大入賞口12に入球した遊技球の流下経路に左右に移動可能に構成される振分部75が配設され、振分部75の配置によって遊技球の流下方向を変化可能に構成される遊技機がある(例えば、特開2014−155538号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、特定領域73への誤入賞や振分部75による球かみを防止するための振分部75の短期間動作が不可欠とされており、遊技者によっては振分部75の挙動を不信と感じ、安心して遊技を継続できない場合があった。
この解決のための手段の一例として、第2大入賞口12から振分部75までの流路長さを長くすることが想定される。例えば、振分部75の配置を、第2大入賞口12の真下から、遊技領域の左右中央部付近(第1大入賞口10付近)の位置に変えることで、第2大入賞口12から振分部75までの流路長さを長く確保することができる。これにより、特定領域73への誤入賞の可能性を低くすることができると考えられる。
一方、この手段を実行すると、第2大入賞口12から第1大入賞口10までの広範囲に亘って遊技球の流下経路の視認性を確保する必要が生じ、この範囲において遊技領域の設計自由度が制限される。即ち、特定領域73への誤入賞を回避するために、遊技領域の設計自由度が広範囲で制限されるという問題点があった。
換言すれば、遊技領域の設計自由度を高く維持しつつ、遊技球の誤入球を回避するという観点から改善の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機AC1によれば、経路構成手段が所定の遅延手段を備えることから、正面視における経路構成手段の上下長さを短くし省スペースに抑えた場合でも、経路構成手段に入球した遊技球が被通過手段を通過するまでに経過する時間を長く確保することができる。
そのため、被通過手段への遊技球の入球の可否を切り替えるために状態切替手段を作動させる必要が生じるタイミングを経路構成手段への遊技球の入球から所定時間後にすることができるので、経路構成手段への入球の可否を切り替える開閉装置を短期間動作させることなく、誤入賞を回避することができる。そのため、開閉手段が慌ただしく動作しているという印象を遊技者に与えることを回避することができる。これにより、遊技領域の設計自由度を高く維持しつつ、遊技球の誤入球を回避することができる。
なお、遅延手段の態様は何ら限定されるものではない。例えば、流下経路に減速用の凸部を構成する態様でも良いし、前後方向成分を有する流下経路で遊技球を流下させる所定の流下経路を備える態様でも良い。
遊技機AC1において、前記遅延手段は複数の所定の流下経路を備え、その所定の流下経路は、正面側へ向かう流下経路の方が、背面側へ向かう流下経路に比較して、流下する遊技球の加速度が大きくなるよう構成されることを特徴とする遊技機AC2。
遊技機AC2によれば、遊技機AC1の奏する効果に加え、所定の流下経路を流下する遊技球を遊技者に視認させる期間を長く確保することができる。
なお、遊技球の加速度の違いを生じる原因については、何ら限定されるものではない。例えば、所定の流下経路の水平面に対する傾斜の大小でも良いし、所定の流下経路の遊技球側の面形状の設計でも良い。
遊技機AC1又はAC2において、前記遅延手段は複数の所定の流下経路を備え、その所定の流下経路は、正面側へ向かう流下経路の方が、前後位置を維持して流下する流下経路に比較して、流下する遊技球の加速度が大きくなるよう構成されることを特徴とする遊技機AC3。
遊技機AC3によれば、遊技機AC1又はAC2の奏する効果に加え、手前側を流れる遊技球を遊技者に視認させる期間を長く確保することができる。これにより、所定の流下経路を流下する遊技球に対する遊技者の注目力を向上させ易くすることができる。
なお、遊技球の加速度の違いを生じる原因については、何ら限定されるものではない。例えば、所定の流下経路の水平面に対する傾斜の大小でも良いし、所定の流下経路の遊技球側の面形状の設計でも良い。
遊技機AC1からAC3のいずれかにおいて、前記遅延手段は複数の所定の流下経路を備え、その所定の流下経路は、所定方向視で前記被通過手段の手前に配置される手前位置を遊技球が通るように構成されることを特徴とする遊技機AC4。
遊技機AC4によれば、遊技機AC1からAC3のいずれかの奏する効果に加え、手前位置に遊技球が配置された場合に、被通過手段付近の視認性を低下させることができる。これにより、被通過手段付近の範囲に対する注目力を向上させることができる。
遊技機AC4において、前記手前位置を複数個構成可能とされることを特徴とする遊技機AC5。
遊技機AC5によれば、複数の手前位置に遊技球が配置されることにより、手前側の遊技球によって奥側の遊技球の少なくとも一部を隠すことができる。被通過手段は奥側の遊技球よりも背面側に配置されているので、被通過手段へ向けた視界を複数の遊技球で遮ることができ、被通過手段の視認性を低下させることができる。
この場合、所定の流下経路への遊技球の入球間隔が短い場合、手前位置のいずれかに常に遊技球が配置される状態を構成可能となるので、被通過手段を視認不能な状態を構成可能となる。
遊技機AC1からAC5のいずれかにおいて、前記経路構成手段は、上面視で渦を巻く態様で視認されるように形成されることを特徴とする遊技機AC6。
遊技機AC6によれば、遊技機AC1からAC5のいずれかの奏する効果に加え、同じ長さの経路構成手段を配設するために要する上下幅を短くすることができる。
また、折り返し経路が形成される場合に比較して、経路壁の厚みを薄くする必要が無いので、流路の強度を向上することができるし、180度で折り返される折り返し経路に比較して、球の詰まり等が生じる可能性を低くできる。
遊技機AC1からAC6のいずれかにおいて、前記経路構成手段は、前後方向に延びる前後流路部を備えることを特徴とする遊技機AC7。
遊技機AC7によれば、遊技機AC1からAC6のいずれかの奏する効果に加え、経路構成手段の左右幅を抑えられるので、左右対称で一対の経路構成手段を抑えられた左右幅で構成することができる。
遊技機AC1からAC7のいずれかにおいて、前記被通過手段は、前記経路構成手段の球受入部を基準として、斜め下後方に配置されることを特徴とする遊技機AC8。
遊技機AC8によれば、遊技機AC1からAC7のいずれかの奏する効果に加え、正面側から視認する遊技者の視界に被通過手段と経路構成手段の球受入部とを収め易くすることができる。
遊技機AC1からAC8のいずれかにおいて、前記経路構成手段は、遊技球を受け入れ可能に構成される第1受入手段と、その第1受入手段とは異なる手段であって遊技球を受け入れ可能に構成される第2受入手段と、を備え、前記第1受入手段および前記第2受入手段の遊技球の受入態様により、遊技者が得られる利益が変化するように構成されることを特徴とする遊技機AC9。
遊技機AC9によれば、遊技機AC1からAC8のいずれかの奏する効果に加え、第1受入手段および第2受入手段が遊技球を常時受入可能に構成されており、更に、第1受入手段および第2受入手段の遊技球の受入態様により遊技者が得られる利益が変化するので、遊技球に対する注目力を向上させることができる。
なお、遊技球の受入態様としては、何ら限定されるものではない。例えば、第1受入手段に限定して遊技球が受け入れられる態様でも良いし、第2受入手段に限定して遊技球が受け入れられる態様でも良いし、第1受入手段に所定個数受け入れられ第2受入手段に所定個数受け入れられる態様でも良い。また、各受入手段に対する入球の頻度が異なる態様でも良いし、入球位置が異なる態様でも良い。
遊技機AC9において、遊技者が得られる利益の変化は、前記第1受入手段または前記第2受入手段の片方に限定して遊技球が受け入れられるか、前記第1受入手段および前記第2受入手段の両方に遊技球が受け入れられるかにより生じることを特徴とする遊技機AC10。
遊技機AC10によれば、遊技機AC9の奏する効果に加え、遊技者が得られる利益の大小の設定の仕方により、遊技者が、遊技球を所定の発射態様で打ち出し易いようにすることができる。
なお、遊技者が得られる利益としては、何ら限定されるものではない。例えば、流下する遊技球の認識し易さでも良いし、流下する遊技球により得られる遊技に関連する利益(賞球の払い出し、大当たりの獲得、大当たり終了後の遊技状態が確変状態となること、遊技状態が通常状態になること(転落すること)等)でも良い。
遊技機AC9又はAC10において、前記経路構成手段は、第1受入手段および第2受入手段から前記被通過手段までが左右対称で構成されることを特徴とする遊技機AC11。
遊技機AC11によれば、遊技機AC9又はAC10の奏する効果に加え、左右どちらを主にして遊技球を発射しても、遊技者が不利益を被る可能性を低くすることができる。
遊技機AC9からAC11のいずれかにおいて、前記経路構成手段は、流下する遊技球を受け入れ可能な受入状態と受入不能な非受入状態とで状態変化可能に構成される受入状態変化手段を備え、前記受入態様は、前記受入状態変化手段の形状または状態変化の態様により変化することを特徴とする遊技機AC12。
遊技機AC12によれば、遊技機AC9からAC11のいずれかの奏する効果に加え、受入状態変化手段の形状または状態変化の態様により受入態様が変化するので、遊技球の発射に関する遊技者の技術の熟練度が遊技者の得られる利益に与える影響を低くすることができる。
遊技機AC12において、前記受入状態変化手段の状態変化の態様が、複数種類で構成されることを特徴とする遊技機AC13。
遊技機AC13によれば、遊技機AC12の奏する効果に加え、一定の発射態様で遊技球が発射されている場合であっても、第1受入手段および第2受入手段への遊技球の受入態様を変化させることができる。これにより、受入状態変化手段の状態変化の態様から、遊技者が得られる利益を調整することができる。
<球の流下方向と平行に移動する開閉部材についてのポイント>
遊技球が流下可能に構成される経路構成手段と、その経路構成手段を流下した遊技球が通過可能に構成される被通過手段と、前記経路構成手段へ遊技球を導入可能な導入状態と前記経路構成手段へ遊技球を導入不能な非導入状態とで状態変化可能に構成される状態切替手段と、を備え、前記状態切替手段は、前記状態変化において生じる変位の方向が、遊技球の流下方向に沿うように構成されることを特徴とする遊技機XAA1。
パチンコ機等の遊技機において、球検出孔431へ向けた遊技球の流下経路を複数種類構成可能な大入賞部品300を備える遊技機がある(例えば、特開2017−185021号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、遊技球の流下方向と大入賞部品300の開閉板の開閉方向とが略直角方向であり、開閉が遊技球の転動に関与することなく開閉動作が完了することから、開閉板(状態切替手段)の役割について改善の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機XAA1によれば、状態切替手段の変位の方向が、遊技球の流下方向に沿うように構成されるので、遊技球が状態切替手段に近接または当接している状態で状態切替手段の変位を生じさせることで、遊技球の転動態様を変化させるように影響させることができる。これにより、状態切替手段の役割を改善することができる。
例えば、遊技球が左方へ流下している際に、その遊技球が上に乗った状態で状態切替手段を右方にスライド移動させることで、遊技球に対して転動回転の順方向に回転させる負荷を与えることになるので、遊技球を加速させることができる。
また、逆に、遊技球が左方へ流下している際に、その遊技球が上に乗った状態で状態切替手段を左方にスライド移動させることで、遊技球に対して転動回転の逆方向に回転させる負荷を与えることになるので、遊技球の回転を遅らせることができる。
また、転動する遊技球の下端部をかすめるように状態切替手段がスライド移動すると、遊技球の転動方向のみではなく、転動方向に直交する方向の成分も有する負荷を遊技球に与えることができるので、遊技球の流下態様の変化を複雑かつ不規則に生じさせることができる。
これらの遊技球の流下態様に与える影響により、状態切替手段の開閉動作時に状態切替手段に乗っていた球の流下態様を様々に変化させることができるので、遊技球を視認する遊技者を飽きさせることなく、遊技に集中させることができる。
また、状態切替手段の開閉動作と遊技球との配置関係は、何ら限定されるものではない。例えば、遊技球の側面と擦れる配置関係でも良いし、遊技球に流下方向で対抗して遊技球と衝突するような配置関係でも良い。
遊技球と衝突する態様で変位する状態切替手段において、閉鎖動作の方向は何ら限定されるものではない。例えば、遊技球の流下方向と対抗する方向で閉鎖動作し、遊技球を跳ね返せるように構成しても良いし、遊技球の流下方向の順方向で閉鎖動作し、それ以降の遊技球の導入を抵抗少なく規制可能に構成しても良い。
遊技機XAA1において、前記状態切替手段の状態変化は、前記状態切替手段と遊技球とが当接しながら実行可能に構成されることを特徴とする遊技機XAA2。
遊技機XAA2によれば、遊技機XAA1の奏する効果に加え、状態切替手段の状態変化によって、遊技球に回転を生じさせることができる。
遊技機XAA1又はXAA2において、前記状態切替手段は、前記変位の方向と交差する方向に負荷の方向を変化させる変化手段を備えることを特徴とする遊技機XAA3。
遊技機XAA3によれば、遊技機XAA1又はXAA2の奏する効果に加え、状態切替手段の変位中に遊技球から与えられる負荷を逃がすことができ、状態切替手段に与えられる負荷を低減することができる。
<開放時は第1方向へ、閉鎖時は第2方向へ球を流す開閉部材についてのポイント>
遊技球が流下可能に構成される経路構成手段と、その経路構成手段を流下した遊技球が通過可能に構成される被通過手段と、前記被通過手段へ遊技球を導入可能な導入状態と前記被通過手段へ遊技球を導入不能な非導入状態とで状態変化可能に構成される状態切替手段と、を備え、前記状態切替手段は、前記導入状態で遊技球を第1方向に案内可能とされ、前記非導入状態で遊技球を第2方向に案内可能に構成されることを特徴とする遊技機XAB1。
パチンコ機等の遊技機において、球検出孔431へ向けた遊技球の流下経路を複数種類構成可能な大入賞部品300を備える遊技機がある(例えば、特開2017−185021号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、下側可動体371は前側に張り出す状態では遊技球を右方に案内するものの、後側に退避する状態では、遊技球とは当接せず自由落下となり、案内はしない。換言すれば、遊技球の流下に下側可動体371が影響しない。そのため、後側に退避している状態では、下側可動体371以外で遊技球の流下を案内する部分(枠部等)を用意することが必要であり、遊技球の流下を案内するための構成(部材)の個数を削減するという観点で改善の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機XAB1によれば、状態切替手段が導入状態と、非導入状態とで、遊技球を異なる方向に案内するよう構成されるので、遊技球の流下経路を案内するための専用部材を不要とできるので、必要な構成(部材)の個数を削減することができる。これにより、限られたスペースで遊技球の流下方向の多様化を図ることができる。
なお、第1方向と第2方向との関係は何ら限定されるものではない。例えば、方向間の角度が鋭角でも良いし、直角でも良いし、鈍角でも良い。例えば、直角の場合において、前後方向に沿って流下する遊技球に対し、第1方向が下方、第2方向が左右方向に設定するようにしても良い。この場合、正面視において、状態切替手段に案内される前は遊技球の変位が僅かしか認められないようにしながら、状態切替手段による案内が開始された後の方向の差(違い)の最大化を図ることができる。
状態切替手段による案内の作用を生じさせる案内部の配置は何ら限定されるものではない。例えば、状態切替手段が備える可動部材に案内部が配設されても良いし、案内部は状態切替手段の周辺の非可動部に配設されており可動部材の動作によって遊技球が案内部に近接または当接し易い状態に切り替えられるように構成しても良い。
案内部が可動部材に配設される場合には、導入状態と非導入状態との状態切替が完了した後における案内に留まらず、状態を切り替える動作中において遊技球に与える影響も考慮した設計とすることが好ましい。
例えば、遊技球の流下方向に対抗する方向で変位する可動部材を状態切替手段が備える場合、流下方向と直交する平面形状の壁部を設けるよりは、流下方向と傾斜する面(平面、曲面等)形状の壁部を設ける方が、可動部材が遊技球に衝突した際に生じる負荷が、遊技球を逆流させる方向に大きくなる事態を回避し易くすることができる。これにより、遊技球の逆流を回避し易くすることができる。
遊技機XAB1において、前記状態切替手段の状態変化は第3方向への変位により生じるものであり、前記第3方向は、前記第1方向および第2方向と直交することを特徴とする遊技機XAB2。
遊技機XAB2によれば、遊技機XAB1の奏する効果に加え、案内されている遊技球から与えられる負荷により状態切替手段の動作不良が生じる可能性を低くすることができる。
遊技機XAB1又はXAB2において、前記経路構成手段は、左右一対の経路を備え、前記状態切替手段は、前記左右一対の経路からそれぞれ遊技球を受け入れ可能な一対の案内部を備え、それら一対の案内部において、前記第1方向および第2方向が、それぞれ左右対称に構成されることを特徴とする遊技機XAB3。
遊技機XAB3によれば、遊技機XAB1又はXAB2の奏する効果に加え、遊技球の流下する経路を複雑化することができる。また、一対の案内部において、第1方向および第2方向が、それぞれ左右対称に構成されるので、一対の案内部が遊技球から受ける負荷により状態切替手段が受ける変位を、左右で対称とすることができる。
これにより、例えば、左右一対の経路に遊技球を略同等の個数で入球させる場合等、遊技球から案内部が受ける負荷によって、状態切替手段の配置を均一化し易くすることができる。
遊技機XAB3において、前記状態切替手段は、前記第3方向と交差する方向で張り出すように形成される張出部を備えることを特徴とする遊技機XAB4。
遊技機XAB4によれば、遊技機XAB3の奏する効果に加え、張出部により他の部材との接触面積を低減することができ、状態切替手段の変位抵抗を低減することができる。
遊技機XAB3又はXAB4において、前記状態切替手段の導入状態または非導入状態において当接可能に構成される当接手段を備え、その当接手段との当接により、前記状態切替手段の左右方向の変位を修正可能に構成されることを特徴とする遊技機XAB5。
遊技機XAB5によれば、遊技機XAB3又はXAB4の奏する効果に加え、遊技球からの負荷を左右いずれの方向からも受け得るので、変位態様が無秩序になり易い状態切替手段の変位を、当接手段の作用により秩序的に戻すことができる。
<分離、反転、合体、回転が一連動作>
視認される面が変化するように変位可能に構成される変位手段を備え、前記変位手段は、第1変位部材と、第2変位部材と、を備え、所定態様の変位において、前記第1変位部材と前記第2変位部材とが相対変位するように構成されることを特徴とする遊技機AD1。
パチンコ機等の遊技機において、ベースアーム220の先端部に配設される回動ベース214が複数回回転可能に構成される遊技機がある(例えば、特開2016−116782号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、回動ベース214が回転変位するものの、遊技者側に見えている面は同一なので、変位手段への注目力を維持し難いという問題点があった。
これに対し、遊技機AD1によれば、変位手段の視認される面を、変位に伴い変化可能に構成されるので、変位手段への注目力を維持することができる。
また、第1変位部材と第2変位部材とが相対変位することで、変位手段の外観を変化させることができるので、変位手段に対する注目力を向上させることができる。
遊技機AD1において、前記所定態様の変位は、前記第1変位部材と前記第2変位部材とが集合配置される集合部を基準として近接離反する第1の変位と、前記第1変位部材と前記第2変位部材とが前記集合部を基準として回転動作する第2の変位と、を少なくとも含むことを特徴とする遊技機AD2。
遊技機AD2によれば、遊技機AD1の奏する効果に加え、第1変位部材と第2変位部材との相対動作を動的に生じさせ易くすることができる。即ち、集合部を基準とした変位として、第1の変位だけでは、集合部からの距離が最短または最長となる終端部において第1変位部材と第2変位部材との変位が低減され易く、第1変位部材と第2変位部材とが止まって見えてしまい、演出効果が低くなる可能性があるところ、第2の変位を混ぜることで、終端部においても回転方向の変位を生じさせることができるので、演出効果を向上させることができる。
遊技機AD1又はAD2において、前記所定態様の変位は、前記変位手段の視認される面が反転する第3の変位を少なくとも含むことを特徴とする遊技機AD3。
遊技機AD3によれば、遊技機AD1又はAD2の奏する効果に加え、第3の変位により視認される面を反転させることで、第3の変位の前後で遊技者に視認させる装飾を顕著に異ならせることができる。
遊技機AD1からAD3のいずれかにおいて、前記第1変位部材および前記第2変位部材は、吸着または接着により固定可能に構成され、その固定に係る負荷は、前記第1変位部材および前記第2変位部材の変位を制限する向きで作用することを特徴とする遊技機AD4。
遊技機AD4によれば、遊技機AD1からAD3のいずれかの奏する効果に加え、固定に係る負荷が第1変位部材および第2変位部材の変位を制限する向きで作用するので、固定に係る負荷を加味して、第1変位部材および第2変位部材の変位を設計することができる。
例えば、ギアに寄る駆動力伝達の場合に、形状の変形を加味しない場合には機械的に変位が生じる場合に、固定に係る負荷を加味すれば、その負荷による部材の弾性変化が顕在化することで、部材の変位タイミングの遅れを生じさせることができる。
また、固定の程度が第1変位部材および第2変位部材の視認される面に対応して異なるよう構成しても良い。
この場合、固定による作用が視認される面に対応して異なるので、遊技者が視認される側面における固定の程度に強弱を設けることができる。
これにより、例えば、同じ変位手段の、反転された面について、一方の面は固く合体して一体的に視認させ易く、他方の面は緩く合体して相対変位し易い状態で視認させ易くすることができる。
また、例えば、第1変位部材および第2変位部材の吸着の程度が固定位置ごとに異なるよう構成することで、第1変位部材および第2変位部材の固定の程度が異なる状態を構成することができる。
なお、吸着可能にする態様は何ら限定されるものではない。例えば、粘着テープで接着する態様でも良いし、磁石と金属部との吸着力を利用するものでも良い。また、磁石に吸着する金属部として、例えば、固定用のビス、ネジ等を利用するように第1反転部材や第2反転部材を設計しても良い。
遊技機AD1からAD4のいずれかにおいて、前記変位手段は、正逆方向に変位可能に構成され、所定状態において、正方向へは、第1変位態様で変位し、逆方向へは、前記第1変位態様とは異なる第2変位態様で変位し、前記第2変位態様は、所定態様での変位後、前記第1変位態様で変位するよう構成されることを特徴とする遊技機AD5。
遊技機AD5によれば、遊技機AD1からAD4のいずれかの奏する効果に加え、変位手段の変位態様が、正逆方向で異なるように構成され、第2変位態様は第1変位態様の前に所定態様が追加された変位態様として構成されるので、変位手段を退避させる際に変位手段に必要とされる変位量を低減することができる。これにより、退避時における変位手段への注目力を低減することができるので、相対的に、演出位置で変位する変位手段の注目力を向上させることができる。
従来機では、回転の態様が正逆方向で同様なので、演出位置(液晶表示領域の正面側位置)へ張り出して演出した後で、退避位置(液晶表示領域の外方位置)へ退避するまでに逆方向に再び複数回回転する必要があった。この場合、演出位置から退避する部材に視線が集まり易くなることが問題視される可能性があった。
なお、変位態様としては、何ら限定されるものではない。例えば、回転変位でも良いし、直動変位でも良い。また、変位は平面上におけるものでも良いし、複数平面にまたがるものでも良いし、3次元的なものでも良い。
遊技機AD5において、前記変位手段は、動作抵抗が所定量よりも大きくなると負荷伝達を解除するように構成される解除手段を備えることを特徴とする遊技機AD6。
遊技機AD6によれば、遊技機AD5の奏する効果に加え、変位手段の変位態様の変化を、変位手段の内部の構成の動作抵抗の大小により生じさせることができる。
遊技機AD1からAD6のいずれかにおいて、前記変位手段へ向けて光を照射する発光手段を備え、前記変位手段は前記第1変位部材および前記第2変位部材を備え、前記第1変位部材および前記第2変位部材は、視認される面が一側か、他側かで、発光手段からの光の視認態様を変化可能に構成されることを特徴とする遊技機AD7。
遊技機AD7によれば、遊技機AD1からAD6のいずれかの奏する効果に加え、発光手段からの光に関して変位手段の見え方を、第1変位部材および第2変位部材の視認される面に対応して変化させることができる。
例えば、第1変位部材および第2変位部材が個別に発光しているように視認される場合と、第1変位部材および第2変位部材が一体的に発光しているように視認される場合とで変化させることができる。
遊技機AD1からAD7のいずれかにおいて、前記変位手段の配置を検出する検出手段を備え、前記検出手段は、前記変位手段の変位が許容可能な状態か否かを検出可能に構成されることを特徴とする遊技機AD8。
遊技機AD8によれば、遊技機AD1からAD7のいずれかにおいて、前記変位手段の変位を許容可能な状態を検出手段により検出可能なので、変位手段が変位中に周囲の構造部と衝突することを回避することができる。
また、検出手段により変位手段の変位可能な区間を検出しつつ、変位手段の変位を実行することができるので、ある程度、演出位置から退避位置へ向けて変位した後で拡大縮小を含む変位態様で変位するように制御することで、演出位置から退避位置に変位する際に変位開始時から拡大縮小を含む変位態様で変位する場合に比較して、変位手段に対する注目力の上昇を押さえることができる。
遊技機AD1からAD7のいずれかにおいて、前記変位手段の状態を検出する検出手段を備え、その検出手段は、前記変位手段の変位について2種類以上の数値を検出可能に構成されることを特徴とする遊技機AD9。
遊技機AD9によれば、遊技機AD1からAD7の奏する効果に加え、検出手段の配設個数を削減することができる。なお、変位手段の変位についての数値の種類としては、種々の態様が例示される。例えば、異なる可動部材のそれぞれの配置や姿勢についての数値でも良いし、所定タイミングで動作態様が変化する場合にその動作態様の変化に関与する数値でも良い。
また、検出手段の配置は何ら限定されるものではない。例えば、変位手段の変位基端側に検出手段を配置することで、その変位手段の変位先端側に連結される第2変位手段の配置や姿勢を検出する構造を構成し易い。
遊技機AD1からAD9のいずれかにおいて、前記変位手段は前記第1変位部材および前記第2変位部材を備え、その第1変位部材および前記第2変位部材は遊技者側に向ける面が一側の面となる姿勢と、他側の面となる姿勢とで反転動作可能に構成され、前記第1変位部材および前記第2変位部材が一側の面を遊技者側に向ける場合には、第1変位部材および第2変位部材を区別可能とされる一方、前記第1変位部材および前記第2変位部材が他側の面を遊技者側に向ける場合には、第1変位部材および第2変位部材を区別不能に構成されることを特徴とする遊技機AD10。
遊技機AD10によれば、遊技機AD1からAD9のいずれかの奏する効果に加え、一側が遊技者側に向けられている場合の第1変位部材および第2変位部材の状態に関わらず、反転動作が生じることに対する遊技者の期待感を高く維持することができる。
<複数の被視認面を備える変位手段の配置により視認容易面を変えるポイント>
視認可能に構成される第1視認可能面および第2視認可能面を備える変位手段を備え、その変位手段は、配置に応じて、前記第1視認可能面が視認し易い第1状態と、前記第2視認可能面が視認し易い第2状態と、を切り替え可能に構成されることを特徴とする遊技機AE1。
パチンコ機等の遊技機において、反転可能に構成される反転動作部71を備え、視認される面を変化させることで遊技者に視認される外観を変化可能に構成される遊技機がある(例えば、特開2016−153095号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、反転動作部71の反転は、位置が固定された状態で行われるので、視認される面の変化により遊技者の視線を変化させることはできない。即ち、遊技者の視線を効率よく変化させるという観点で改善の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機AE1によれば、変位手段が、配置に応じて、第1視認可能面が視認し易い状態と、第2視認可能面が視認し易い状態とが切り替えられるので、第1視認可能面または第2視認可能面を見たいと考える遊技者の視線を、変位手段の配置変化の経路に沿う態様で変化させることができる。
遊技機AE1において、前記変位手段を視認可能に開放される開放部を備え、前記変位手段は、前記開放部側が視認され易いように構成されることを特徴とする遊技機AE2。
遊技機AE2によれば、遊技機AE1の奏する効果に加え、開放部を通して奥側を視認する遊技者が、変位手段の第1視認可能面または第2視認可能面を容易に視認できる。
遊技機AE2において、前記変位手段は、開放部の中央側に配置される場合よりも、開放部の縁側に配置される場合の方が、配置が背面側に寄ることを特徴とする遊技機AE3。
遊技機AE3によれば、遊技機AE2の奏する効果に加え、変位手段が開放部の中央側に配置される場合に変位手段を手前側で大きく視認可能としながら、変位手段が開放部の縁側に配置される場合に変位手段を見る際の視線の動きを少なくすることができる。これにより、変位手段の視認性と、変位手段を目で追う遊技者の疲労抑制と、の両立を図ることができる。
遊技機AE1からAE3のいずれかにおいて、前記変位手段は、複数組の前記第1視認可能面および前記第2視認可能面を備え、一の組の前記第1視認可能面および前記第2視認可能面が視認可能な状態において、他の組の前記第1視認可能面および前記第2視認可能面を視認し難く構成することを特徴とする遊技機AE4。
遊技機AE4によれば、遊技機AE1からAE3のいずれかの奏する効果に加え、第1視認可能面および第2視認可能面に、組ごとに異なる文字や図形を施しておくことで、変位手段を視認する遊技者に対して、異なる文字や図形を視認させることができ、且つ、視認させることを目的としない組の第1視認可能面および第2視認可能面に関しては視認し難く構成することで、変位手段の外観がみっともなくなることを回避することができる。
例えば、第1の組には、抽選結果が大当たりである期待感が低いことを示す文字や図形が第1視認可能面および第2視認可能面に表示され、第2の組には、抽選結果が大当たりである期待感が高いことを示す文字や図形が第1視認可能面および第2視認可能面に表示される場合に、変位手段の配置に関わらず、変位手段を通して、大当たりの期待感の高低を確認することができる。この場合において、変位手段が表示装置の表示領域の正面側から退避した後においても、変位手段による大当たりの期待感についての表示を維持できるので、液晶表示装置から目線を外した遊技者に対しても、大当たりの期待感についての表示を視認させることを継続することができる。
なお、視認し難く構成する態様は何ら限定されるものではない。例えば、遊技者側とは異なる側の面(後側面、左右外側面、等)に配置するようにしても良いし、遮蔽手段で遮蔽することで視認性を落とすように構成しても良い。
遊技機AE4において、視認される前記第1視認可能面および前記第2視認可能面の組を切り替える動作は、動作中において、前記第1視認可能面および前記第2視認可能面を認識され難いよう構成されることを特徴とする遊技機AE5。
遊技機AE5によれば、遊技機AE4において、視認される第1視認可能面および第2視認可能面の組を切り替える動作中(確定前)に、遊技者側に表示される第1視認可能面および第2視認可能面の組を予測されることを回避し易くすることができる。これにより、変位手段に対する注目力を向上させることができる。
なお、上述の切り替える動作中において第1視認可能面および第2視認可能面を認識され難いよう構成される態様については、何ら限定されるものではない。例えば、変位手段を高速で回転動作させ認識され難くしても良いし、第1視認可能面(第2視認可能面)の一部と、その他の部分とを結合分離可能に構成し、それら一部とその他の部分とを分離した状態で動作させることで認識され難くしても良いし、発光手段による明暗の設定により相対的に暗くする部分を作り認識され難くしても良い。
なお、この場合において、分離した状態の態様としては、何ら限定されるものではない。例えば、上述の切り替える動作中において、第1視認可能面(第2視認可能面)の一部と、その他の部分との一方のみが視認され、他方は視認されないように背面側を向いて動作するよう構成しても良いし、それら一部とその他の部分とが同時に視認可能であるが配置がずれて視認される状態で動作するよう構成しても良い。
遊技機AE5において、前記変位手段を視認可能に開放される開放部を備え、前記切り替える動作は、前記変位手段が前記開放部の中央側に配置されている状態で実行されることを特徴とする遊技機AE6。
遊技機AE6によれば、遊技機AE5の奏する効果に加え、切り替える動作を遊技者に視認させ易くすることができ、切り替える動作に対する注目力を向上させることができる。
遊技機AE5又はAE6において、前記切り替える動作中において、前記第1視認可能面の一部とその他の部分との、一方は正面側を向き、他方は正面側とは異なる側を向くことを特徴とする遊技機AE7。
遊技機AE7によれば、遊技機AE5又はAE6の奏する効果に加え、動作中において第1視認可能面の一部を視認可能とし、全体は視認不可能とすることで、動作中において第1視認可能面を認識され難くすることができる。
遊技機AE1からAE7のいずれかにおいて、前記第2視認可能面への視線の少なくとも一部を遮蔽可能に構成される第2変位手段を備え、前記変位手段は、前記第2変位手段と共に前記第1視認可能面を視認させるための第3状態に切替可能に構成されることを特徴とする遊技機AE8。
遊技機AE8によれば、遊技機AE1からAE7のいずれかの奏する効果に加え、第2変位手段により第2視認可能面の少なくとも一部を視認し難く構成することにより、変位手段の演出位置の設計自由度を向上させることができる。
遊技機AE1からAE8のいずれかにおいて、前記変位手段は、変位に伴って、所定方向視で視認される面を第1視認可能面と第2視認可能面との間で変化させるように構成されることを特徴とする遊技機AE9。
遊技機AE9によれば、遊技機AE1からAE8のいずれかの奏する効果に加え、所定方向視で視認される面が第1視認可能面と第2視認可能面との間で変化するので、遊技者の視線の変化量に依存せずに、視認し易い面を任意に変更することができる。
遊技機AE9において、前記第1状態と前記第2状態とで前記変位手段の姿勢が変化することを特徴とする遊技機AE10。
遊技機AE10によれば、遊技機AE9の奏する効果に加え、第1状態における変位手段の外観と第2状態における変位手段の外観との違いを、変位手段の姿勢を違えることにより大きくすることができる。
遊技機AE9又はAE10において、前記変位手段に近接配置可能に構成される補助手段を備え、前記第1状態では、前記変位手段は前記補助手段に近接配置され、前記第2状態では、前記変位手段は前記補助手段から離れて配置されることを特徴とする遊技機AE11。
遊技機AE11によれば、遊技機AE9又はAE10の奏する効果に加え、補助手段を変位手段に近接配置させ、一体的に視認させる状態と、補助手段と変位手段とを分けて視認させる状態とを構成することができ、変位手段が遊技者に与える印象を複数構成することができる。
なお、補助手段の態様は何ら限定されるものではない。例えば、配置が固定された手段でも良いし、可動の手段でも良い。
遊技機AE11において、前記補助手段は、前記変位手段と一体的に視認させる状態と、前記変位手段とは分離して視認させる状態と、を切替可能に構成されることを特徴とする遊技機AE12。
遊技機AE12によれば、遊技機AE11の奏する効果に加え、変位手段と補助手段とを一体的に視認させるか分離して視認させるかを切り替えることができるので、部材個数に対する視認可能態様のバリエーションを増やすことができる。
<変位手段の変位量と配設手段の変位量との同時点での比が区間で異なるポイント>
変位可能に構成される変位手段と、その変位手段に第1の部分が配設される配設手段と、前記配設手段の第2の部分を支持する支持手段と、を備え、その支持手段は、前記変位手段の変位中における前記第1の部分を基準とした前記第2の部分の配置を制御可能に構成されることを特徴とする遊技機AF1。
パチンコ機等の遊技機において、傾倒変位可能なベースアーム220と、そのベースアーム220の傾倒先端側に回動可能に取り付けられた回動役物211と、その回動役物211を回動させるための駆動力を発生させる駆動モータ222と、を備え、ベースアーム220の変位と独立して回動役物211を回動可能に構成される遊技機がある(例えば、特開2016−116782号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、回動役物211がベースアーム220の先端においてぐらつき易く、ベースアーム220の傾倒変位中に回動役物211を回動させると機構に不具合が生じる可能性がある結果、回動役物211の回動変位はベースアーム220の停止中に行うと想定されることから、変位の自由度が低くなっていた。
即ち、変位可能な部分の変位の設計自由度を高くするという観点で改善の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機AF1によれば、配設手段が変位手段と支持手段とに少なくとも2点で支持され、その2つの支持点が変位手段の変位中に相対変位するように構成されており、支持手段により、第1の部分を基準とする第2の部分の配置を制御可能としているので、配設手段を安定的に支持しながら、変位手段の変位中に配設手段を変位させることができる。これにより、配設手段(変位可能な部分)の変位の設計自由度を高めることができる。
なお、支持手段の態様は、何ら限定されるものではない。例えば、固定のベース手段に形成される案内溝に変位を制限される態様で支持されても良いし、変位可能な第2の変位手段に連結されて支持されても良い。また、支持手段による制御は、電子制御に限定されるものではなく、第2の部分の変位を壁部で規制(案内)する等の機械的な制御も含まれる。
遊技機AF1において、前記変位手段は、第1の区間および第2の区間を、変位可能に構成され、前記支持手段は、前記変位手段が前記第1区間を変位する場合に前記第2の部分を支持する第1範囲と、前記変位手段が前記第2区間を変位する場合に前記第2の部分を支持する第2範囲と、を備え、前記第1範囲において前記第2の部分が変位する方向と、前記第2範囲において前記第2の部分が変位する方向とが異なるよう構成されることを特徴とする遊技機AF2。
遊技機AF2によれば、遊技機AF1の奏する効果に加え、変位手段の変位速度を一定とする場合であっても、配設手段の変位速度を異ならせることができ、支持手段は、第2の部分の変位方向の変化を許容するように構成されるので、第2の部分の変位方向が不規則に変化するとしても配設手段の変位を滑らかにすることができる。
遊技機AF1又はAF2において、前記支持手段は、前記第2の部分の変位を制限する制限部を備えることを特徴とする遊技機AF3。
遊技機AF3によれば、遊技機AF1又はAF2の奏する効果に加え、第1範囲と第2範囲との境界位置(制限部)において第2の部分の変位を制限することができるので、第2の部分を変位の大きい側から小さい側へ向けて変位させる場合に、第1範囲と第2範囲との境界位置(制限部)で第2の部分を停止し易くすることができる。
なお、第2の部分の第1の部分を基準とした変位に要する負荷の態様は何ら限定されるものではない。例えば、第2の部分が引かれる態様でも良いし、第2の部分が押進される態様でも良い。
なお、制限部の態様は何ら限定されるものではない。例えば、第2の部分の変位抵抗の増減を設定する態様でも良いし、第2の部分の変位方向を切り替える態様でも良い。
遊技機AF2又はAF3において、前記第1の区間は、前記第2の区間よりも前記変位手段の変位範囲の終端側に配置され、前記第2の区間における前記変位手段を基準とした配設手段の相対的な変位量は、前記第1の区間における前記変位手段を基準とした配設手段の相対的な変位量に比較して小さくなるように構成されることを特徴とする遊技機AF4。
遊技機AF4によれば、遊技機AF2又はAF3の奏する効果に加え、変位手段の変位途中位置において、変位手段を基準とした配設手段の相対的な変位量が小さくなる区間を構成することができるので、変位手段の変位終端位置の他に、変位手段と配設手段とを一体的に視認し易い位置を設けることができ、結果として、変位手段と配設手段とを一体的に視認し易い位置を増やすことができる。
遊技機AF1からAF4のいずれかにおいて、前記第1の部分の変位速度を基準とした前記第2の部分の変位速度(の比)を変化可能に構成されることを特徴とする遊技機AF5。
遊技機AF5によれば、遊技機AF1からAF4のいずれかの奏する効果に加え、変位手段の変位速度が一定の場合であっても、支持手段側における配設手段の第2の部分の変位速度を変化させることができるので、駆動手段の簡易な駆動制御(等速駆動)で、配設手段の変位速度を可変とするような動作演出を構成することができる。
遊技機AF1からAF5のいずれかにおいて、前記支持手段は、前記第2の部分の変位終端における変位速度を低減するよう構成されることを特徴とする遊技機AF6。
遊技機AF6によれば、遊技機AF1からAF5の奏する効果に加え、第2の部分の跳ね戻りを防止することができ、変位終端において配設手段を早期に停止させ易くすることができる。
なお、第2の部分の跳ね戻りを防止する手法については何ら限定されるものではない。例えば、変位終端における第2の部分の変位速度(例えば、第1の部分が所定の単位長さ変位する場合の第2の部分の変位量)を低減するように構成する手法でも良いし、第1の部分が停止した状態における第2の部分の変位方向に壁を立てる等の形状的工夫により第2の部分の変位を規制するような手法でも良い。
また、第2の部分の変位量を低減する手法に限らず、第2の部分の変位抵抗を増加させるようにしても良い。例えば、第2の部分の変位終端において磁力等により負荷を与え、第2の部分の変位抵抗を向上するようにしても良いし、コイルスプリング等の付勢力で変位抵抗を向上するようにしても良い。
遊技機AF6において、前記支持手段は、前記第1の部分の変位に伴う前記第2の部分の変位の変位軌跡と、前記第1の部分が変位終端で停止した場合の前記第2の部分の変位の変位軌跡とが、交差するよう構成されることを特徴とする遊技機AF7。
遊技機AF7によれば、遊技機AF6の奏する効果に加え、第1の部分の変位に伴う第2の部分の変位を案内する機能を有する支持手段により、第1の部分が停止した場合における第2の部分の戻り変位(バウンド)を低減することができる。
遊技機AF1からAF7のいずれかにおいて、前記配設手段に変位可能に支持される被支持手段を備え、その被支持手段は、前記変位手段を基準とした前記配設手段の相対的変位量に応じた変位量で変位するように構成されることを特徴とする遊技機AF8。
遊技機AF8によれば、遊技機AF1からAF7のいずれかの奏する効果に加え、配設手段と共同で変位する被支持手段により、複雑な演出を実行することができる。
なお、被支持手段の変位の態様は、何ら限定されるものではない。例えば、配設手段が変位する所定平面上を配設手段と並走するように変位する態様でも良いし、配設手段が変位する所定平面とは離れた位置において配設手段の変位態様(例えば、所定平面上のスライド変位態様)とは異なる変位態様(例えば、所定の軸を中心とした回転変位態様)でも良い。
なお、配設手段の変位量に係る配設手段の変位の態様については、何ら限定されるものではない。例えば、姿勢変化でも良いし、姿勢を維持したままでの変位でも良い。
遊技機AF8において、前記第1の部分が所定方向に変位する間に、前記第2の部分は、前記第1の部分の変位軌跡と交差する方向に往復変位可能な区間を備えることを特徴とする遊技機AF9。
遊技機AF9によれば、遊技機AF8の奏する効果に加え、第1の部分が変位している間に、第1の部分に対する第2の部分の相対変位量が戻り変化する(例えば、増加後に減少する)態様とすることができるので、第2の部分の配置は維持しながら、被支持手段の変位量は大きくするという変位態様を実現することができる。
遊技機AF8又はAF9において、前記配設手段を基準とした前記被支持手段の(相対)回転の変位速度は、前記変位手段の変位速度と同等となるよう構成されることを特徴とする遊技機AF10。
遊技機AF10によれば、遊技機AF8又はAF9の奏する効果に加え、被支持手段の変位態様を、配設手段を挟んで変位手段と同等することができる。これにより、あたかも、被支持手段が独自の駆動手段で変位しているように遊技者に錯覚させることができる。
遊技機AF1からAF10のいずれかにおいて、前記配設手段は、自らの変位に伴い遊技者側に向ける面を第1面と第2面とで切り替えるように姿勢変化する姿勢変化手段を備え、その姿勢変化手段は、前記第2の部分が変位終端に配置された状態において、前記第1面または前記第2面が遊技者側に向けられる姿勢となるように構成されることを特徴とする遊技機AF11。
遊技機AF11によれば、遊技機AF1からAF10のいずれかの奏する効果に加え、姿勢変化手段の第1面または第2面が遊技者側に向けられることで、第2の部分が変位終端に到達したことを遊技者が把握できるので、変位手段による演出動作の終期を分かり易く構成することができる。
遊技機AF1からAF11のいずれかにおいて、前記第2の部分を通して前記配設手段に電気配線が挿通されるよう構成され、前記電気配線が内部に配置されると共に前記第2の部分に固定される配置手段を備え、前記配置手段は、前記電気配線を挿通可能な開口部を備え、その開口部は、周囲に形成される周囲部分との前記電気配線の接触を避けるよう変位可能に構成されることを特徴とする遊技機AF12。
遊技機AF12によれば、遊技機AF1からAF11のいずれかの奏する効果に加え、電気配線が周囲部分と接触することを避けることができる。
配置手段は、第2の部分が複数部材で構成される場合にそれら複数部材を合体させるための手段として構成しても良いし、第2の部分に別部材が配設される場合に、その別部材の第2の部分からの脱落を防止するための手段として構成しても良い。
<特徴BA群>
第1情報取得条件の成立に基づいて第1情報を取得可能な第1情報取得手段と、その第1情報取得手段により取得された前記第1情報に基づいて、第1判別を実行可能な第1判別手段と、その第1判別手段による第1判別結果を示すための第1識別情報を表示手段に動的表示させることが可能な第1動的表示手段と、その第1動的表示手段により動的表示される前記第1識別情報の第1動的表示態様を決定することが可能な第1動的表示態様決定手段と、第2情報取得条件の成立に基づいて第2情報を取得可能な第2情報取得手段と、その第2情報取得手段により取得された前記第2情報が記憶される第2情報記憶手段と、前記第2情報取得手段により取得された前記第2情報に基づいて、第2判別を実行可能な第2判別手段と、その第2判別手段による第2判別結果を示すための第2識別情報を前記表示手段に動的表示させることが可能な第2動的表示手段と、その第2動的表示手段により動的表示される前記第2識別情報の第2動的表示態様を決定することが可能な第2動的表示態様決定手段と、特定の前記第1判別結果を示すための第1識別情報または特定の前記第2判別結果を示すための第2識別情報が前記表示手段に停止表示された場合に、遊技者に有利となる特典遊技を実行可能な特典遊技実行手段と、を有した遊技機において、前記第2識別情報の動的表示期間中に演出態様を実行可能な演出態様実行手段と、その演出態様実行手段により実行される演出態様を選択可能な演出態様選択手段と、を有し、前記演出態様選択手段は、前記第2情報記憶手段に記憶されている少なくとも前記第2情報の数に基づいて前記演出態様を選択するものであることを特徴とする遊技機BA1。
パチンコ機等の遊技機には、始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて行われる抽選の結果を示すための演出として抽選結果等に基づいて抽選で抽選結果を報知するための演出態様を決定して、その決定された演出態様を実行することにより、遊技の興趣向上を図っているものがある(例えば、特許文献1:特許第2514417号公報)。
しかしながら、上述した従来の遊技機では、演出態様の内容に遊技者が早期に遊技に飽きてしまう問題点があった。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技者が早期に遊技に飽きてしまうことを抑制できる遊技機を提供することを目的としている。
遊技機BA1によれば、第2識別情報の動的表示期間中に実行される演出態様が記憶されている第2情報の数によって可変されるので、その後に実行されることが可能となっている第2識別情報の動的表示の回数に対応させた演出の実行が可能となり、特定の第2判定結果を示すための第2識別情報が表示されない場合にも、その後の遊技に対して継続して興味を持たせることで遊技者が早期に遊技に飽きてしまう不具合を抑制できる。
遊技機BA1において、前記第2識別情報の動的表示は、前記第1識別情報の動的表示よりも優先して実行されるものであり、前記演出態様実行手段は、特定の前記第2動的表示態様が実行されている場合に前記演出態様を実行するものであることを特徴とする遊技機BA2。
遊技機BA2によれば、特定の第2動的表示態様が実行されることで、第2情報が記憶されることに意欲を抱かせることができ、遊技者の興趣を向上できるという効果がある。
遊技機BA1またはBA2において、前記演出態様は、前記第2情報が記憶されている数に対応して前記実行されている前記第2動的表示態様の期間が終了した後に連続して実行される次の前記第2識別情報の動的表示に跨がった期間で設定されているものであることを特徴とする遊技機BA3。
遊技機BA3によれば、遊技機BA1またはBA2の奏する効果に加え、演出態様は複数回連続して実行される第2識別情報の動的表示期間に跨がって実行可能に構成されているので、複数回の第2動的表示態様を1の動的表示のように見せて興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機BA1からBA3のいずれかにおいて、遊技球が入球可能な第1入球手段と、前記第1入球手段とは異なる第2入球手段と、その第2入球手段に遊技球が入球可能な第1状態と前記第1状態よりも遊技球の入球が困難となる第2状態とに可変可能な可変部材と、前記可変部材を特定条件の成立に基づいて前記第2状態から第1状態へと所定条件が成立するまで可変させる可変制御手段と、前記特定条件の成立前に、前記特定条件の成立を事前に判別可能な事前判別手段と、を有した遊技機において、前記演出態様選択手段は、少なくとも前記事前判別手段の結果に基づいて特定の演出態様を選択することが可能に構成されているものであることを特徴とする遊技機BA4。
遊技機BA4によれば、遊技機BA1からBA3の奏する効果に加え、第2情報が取得され易くなる契機となる特定条件の成立を事前に判別した結果に基づいて特定の演出態様が選択されるので、第2情報の取得に対して期待を持たせることができるという効果がある。
<特徴BB群>(変動パターンの実行中の途中で特図2保留数によって、演出可変)
第1情報取得条件の成立に基づいて第1情報を取得可能な第1情報取得手段と、その第1情報取得手段により取得された前記第1情報に基づいて、第1判別を実行可能な第1判別手段と、その第1判別手段による第1判別結果を示すための第1識別情報を表示手段に動的表示させることが可能な第1動的表示手段と、その第1動的表示手段により動的表示される前記第1識別情報の第1動的表示態様を決定することが可能な第1動的表示態様決定手段と、第2情報取得条件の成立に基づいて第2情報を取得可能な第2情報取得手段と、その第2情報取得手段により取得された前記第2情報が記憶される第2情報記憶手段と、前記第2情報取得手段により取得された前記第2情報に基づいて、第2判別を実行可能な第2判別手段と、その第2判別手段による第2判別結果を示すための第2識別情報を前記表示手段に動的表示させることが可能な第2動的表示手段と、その第2動的表示手段により動的表示される前記第2識別情報の第2動的表示態様を決定することが可能な第2動的表示態様決定手段と、特定の前記第1判別結果を示すための第1識別情報または特定の前記第2判別結果を示すための第2識別情報が前記表示手段に停止表示された場合に、遊技者に有利となる特典遊技を実行可能な特典遊技実行手段と、を有した遊技機において、前記第1識別情報の動的表示期間中に演出態様を実行可能な演出態様実行手段と、その演出態様実行手段により実行される演出態様を選択可能な演出態様選択手段と、を有し、前記演出態様選択手段は、前記第2情報記憶手段に記憶されている少なくとも前記第2情報の数に基づいて前記演出態様を選択するものであることを特徴とする遊技機BB1。
ここで、パチンコ機等の遊技機には、始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて行われる抽選の結果を示すための演出として抽選結果等に基づいて抽選で抽選結果を報知するための演出態様を決定して、その決定された演出態様を実行することにより、遊技の興趣向上を図っているものがある(例えば、特許文献1:特許第2514417号公報)。
しかしながら、上述した従来の遊技機では、演出態様の内容に遊技者が早期に遊技に飽きてしまう問題点があった。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技者が早期に遊技に飽きてしまうことを抑制できる遊技機を提供することを目的としている。
遊技機BB1によれば、第1識別情報が動的表示の開始時に決定された第1動的表示態様で動的表示されている期間に実行される演出態様が第2情報の記憶されている数に基づいて決定されるので、第1判別の結果だけでなく、第2判別が実行されることが可能であることに関する情報も演出態様から判別することができ、遊技者が遊技に早期に飽きてしまう不具合を抑制できるという効果がある。
遊技機BB1において、前記演出態様選択手段は、少なくとも前記第2情報の数と動的表示されている前記第1識別情報の動的表示態様とに基づいて前記演出態様を選択するものであることを特徴とする遊技機BB2。
遊技機BB2によれば、遊技機BB1の奏する効果に加え、実行されている第1動的表示態様とその実行中における第2情報が記憶されている数により演出態様が選択されるので、多様な演出態様を実行できるという効果がある。
遊技機BB1またはBB2において、前記第2識別情報の動的表示は、前記第1識別情報の動的表示よりも優先して実行されるように構成され、前記演出態様は、その後に実行される前記第2識別情報の動的表示態様に関連する演出が実行されるものであることを特徴とする遊技機BB3。
遊技機BB3によれば、遊技機BB1またはBB2の奏する効果に加え、第2情報が記憶されている場合には、実行されている第1識別情報が終了した後には、第2識別情報の動的表示が開始されることになり、その第2動的表示態様と関連する演出態様を第2識別情報の動的表示の開始前に実行することができるので、優先して実行される第2識別情報の動的表示が開始されることを早期に遊技者に認識させることができるという効果がある。
遊技機BB1からBB3のいずれかにおいて、遊技球が入球可能な第1入球手段と、前記第1入球手段とは異なる第2入球手段と、その第2入球手段に遊技球が入球可能な第1状態と前記第1状態よりも遊技球の入球が困難となる第2状態とに可変可能な可変部材と、前記可変部材を特定条件の成立に基づいて前記第2状態から第1状態へと所定条件が成立するまで可変させる可変制御手段と、前記特定条件の成立前に、前記特定条件の成立を事前に判別可能な事前判別手段と、を有した遊技機において、前記演出態様選択手段は、少なくとも前記事前判別手段の結果に基づいて特定の演出態様を選択することが可能に構成されているものであることを特徴とする遊技機BB4。
遊技機BB4によれば、遊技機BB1からBB3の奏する効果に加え、第2情報が取得され易くなる契機となる特定条件の成立を事前に判別した結果に基づいて特定の演出態様が選択されるので、第2情報の取得に対して期待を持たせることができるという効果がある。
<特徴BC群>(特図2変動の疑似演出として、特図1変動演出を用いる)
第1の判別条件の成立に基づいて第1判別を実行する第1判別手段と、前記第1の判別条件とは異なる第2の判別条件の成立に基づいて第2判別を実行する第2判別手段と、前記第1判別手段の判別結果が予め定められた第1の判別結果になったことに基づいて遊技者に有利な第1特典遊技を実行する第1特典遊技実行手段と、前記第2判別手段の判別結果が予め定められた第2の判別結果になったことに基づいて遊技者に有利な第1特典遊技を実行する第2特典遊技実行手段と、前記第1判別が実行されたことに基づいて、当該第1判別の判別結果を示すための第1演出を実行する第1演出実行手段と、前記第2判別が実行されたことに基づいて、当該第2判別の判別結果を示すための演出として前記第1演出とは異なる第2演出を実行する第2演出実行手段と、を備え、前記第2演出実行手段は、少なくとも予め定められた特定条件が成立している場合に、前記第1演出の演出期間において実行され易い特定の演出態様を少なくとも含む演出態様の前記第2演出を実行可能に構成されていることを特徴とする遊技機BC1。
パチンコ機等の遊技機には、始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて行われる抽選の結果を示すための演出として抽選結果等に基づいて抽選で抽選結果を報知するための演出態様を決定して、その決定された演出態様を実行することにより、遊技の興趣向上を図っているものがある(例えば、特許文献1:特許第2514417号公報)。
しかしながら、上述した従来の遊技機では、演出態様の内容に遊技者が早期に遊技に飽きてしまう問題点があった。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技者が早期に遊技に飽きてしまうことを抑制できる遊技機を提供することを目的としている。
遊技機BC1によれば、第2判別の判別結果を示すための演出として第1演出を実行可能とすることができるため、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機BC1において、前記第2演出実行手段は、前記第1演出の演出態様として、前記第1判別の結果を示す表示態様を少なくとも含む演出態様の前記第2演出を実行可能なものであることを特徴とする遊技機BC2。
遊技機BC2によれば、遊技機BC1の奏する効果に加え、第1判別の判別結果を示す表示態様を用いた第2演出を実行することができるため、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機BC2において、前記第2演出実行手段は、第2判別の判別結果を示す1の演出内で前記第2判別の判別結果を示すための第2演出態様と、前記演出態様とを実行するものであることを特徴とする遊技機BC3。
遊技機BC3によれば、遊技機BC2の奏する効果に加え、より意外性のある演出を実行することができるという効果がある。
<特徴BD群>(通常当たりでも確変含むダブル表示)
第1判別を実行可能な第1判別手段と、所定の動的表示態様で複数の第1識別図柄を表示手段に動的表示させた後に、前記第1判別手段による第1判別結果を示すための組み合わせで停止表示させることが可能な第1動的表示手段と、第2判別を実行可能な第2判別手段と、所定の動的表示態様で複数の第2識別図柄を表示手段に動的表示させた後に、前記第2判別手段による第2判別結果を示すための組み合わせで停止表示させることが可能な第2動的表示手段と、前記表示手段に特定の前記第1判別結果を示すための特定の組み合わせで前記第1識別図柄が停止表示された場合または前記表示手段に特定の前記第2判別結果を示すための特定の組み合わせで前記第2識別図柄が停止表示された場合に、遊技者に有利な特典を付与可能な特典付与手段と、を有した遊技機において、前記特典付与手段は、前記特定の組み合わせのうち、第1特定組み合わせに対応する識別図柄の組み合わせで停止表示された場合に前記特典として第1特典を付与可能であり、前記第1特定組み合わせとは異なる第2特定組み合わせに対応する識別図柄の組み合わせで停止表示された場合に前記第1特典よりも遊技者に有利な第2特典を付与可能に構成され、前記遊技機は、前記特典付与手段により付与される前記特典の種別を決定可能な決定手段を有し、前記第1動的表示手段は、特定期間が設定されている場合には、1の第1識別図柄を動的表示させた状態で残りの識別図柄を前記第1特定組み合わせと前記第2特定組み合わせのうちいずれかの組み合わせとなることが可能な組み合わせで停止表示させる複数リーチ表示態様を表示させた後に、前記第1識別図柄を前記特定の組み合わせで表示させるものであることを特徴とする遊技機BD1。
パチンコ機等の遊技機には、始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて行われる抽選の結果を複数の図柄の組み合わせで報知する場合に、表示された図柄の種類によりその後に付与される特典が異なるように構成することで、遊技の興趣向上を図っているものがある(例えば、特許文献1:特許第2514417号公報)。
しかしながら、上述した従来の遊技機では、遊技者が望む特典よりも低い特典が付与されない組み合わせを構成する一部の図柄が停止表示されることで、結果が報知されるよりも前に遊技に対する興趣が低下してしまう問題点があった。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技者の興趣を向上できる遊技機を提供することを目的としている。
遊技機BD1によれば、特定期間に識別図柄が特定の組み合わせで表示される場合に複数リーチ表示態様を経て特定の組み合わせが表示されるので、第1特典に対応した組み合わせと第2特典に対応した組み合わせの双方が表示される期待を長く持たせることができ、遊技の興趣を向上できるという効果がある。
遊技機BD1において、前記決定手段は、前記特定期間において前記特定の第1判別結果である場合に前記第1特典を決定するものであることを特徴とする遊技機BD2。
遊技機BD2によれば、遊技機BD1の奏する効果に加え、決定手段により第1特典が決定される特定期間であっても、複数リーチ表示態様を経て特定の組み合わせが表示されるので、特定期間に第1判別が実行された場合にも第2特典が付与されることへの期待感を持ちやすくすることができるという効果がある。
遊技機BD2において、前記決定手段は、前記特定期間において前記特定の第2判別結果である場合に前記第2特典を決定するものであり、前記第2動的表示手段は、特定期間が設定されている場合には、1の第2識別図柄を動的表示させた状態で残りの識別図柄を2以上の異なる前記第2特定組み合わせのうちいずれかの組み合わせとなることが可能な組み合わせで停止表示させる特別複数リーチ表示態様を表示させた後に、前記第2識別図柄を前記特定の組み合わせで表示させるものであることを特徴とする遊技機BD3。
遊技機BD3によれば、遊技機BD2の奏する効果に加え、特定期間では、遊技者に有利な第2特典が特定の第2判定結果である場合に必ず付与されることを早期に認識させることができるという効果がある。
<特徴BE群>(確変当たり時のパンクED制御)
判別を実行可能な判別手段と、その判別手段による判別結果が特定の判別結果である場合に遊技者に有利な特典遊技を実行可能な特典遊技実行手段と、その特典遊技実行手段により実行される前記特典遊技の種別を複数の種別から決定可能な特典遊技種別決定手段と、特定の前記特典遊技が実行される場合に、遊技球が通過可能となる特定領域と、その特定領域を遊技球が通過した場合に前記特典遊技の実行後に設定される遊技状態として通常遊技状態よりも遊技者に有利となる有利遊技状態を終了条件が成立するまで設定することが可能な設定手段と、前記特典遊技が終了する場合に、該特典遊技の実行後に設定される前記遊技状態を示唆可能な示唆態様を実行する示唆態様実行手段と、を有した遊技機において、前記示唆態様は、第1示唆態様と第2示唆態様とが組み合わされて構成されており、前記通常遊技状態を示唆するための第2示唆態様と前記有利遊技状態を示唆するための第2示唆態様とは同一の期間で構成された示唆態様で構成されているものであることを特徴とする遊技機BE1。
パチンコ機等の遊技機には、始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて行われる抽選の結果が当たりとなり、その当たり種別によって異なる当たり遊技を実行して、特定の種別の当たり遊技中には、遊技球が入球可能な状態と困難な状態とに可変される可変入球領域が入球可能な状態に可変され、遊技球が入球することで当たり遊技後の遊技状態を遊技者に有利な遊技状態とすることで遊技の興趣向上を図っているものがある(例えば、特許文献1:特許第2514417号公報)。
しかしながら、上述した従来の遊技機では、特定の種別の当たり遊技が実行されても、可変入球領域に遊技球が入球しない場合が発生することで、その場合の報知制御における制御負荷が増大してしまう問題点があった。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、制御負荷を軽減できる遊技機を提供することを目的としている。
遊技機BE1によれば、第2示唆態様を同一の期間としたことで、示唆態様を表示させる期間が可変することを抑制しながら特定領域への入球状態によって示唆する態様を設定することで特典遊技の終了時における示唆態様の報知制御を容易にして制御負荷を軽減することができるという効果がある。
遊技機BE1において、前記特典遊技が実行される場合に、実行される特典遊技の種別に対応して前記示唆態様実行手段により実行される前記示唆態様を設定する示唆態様設定手段と、前記特定の特典遊技中に前記特定領域に遊技球が入球しなかった場合に設定されている前記示唆態様のうち、前記第2示唆態様を前記特定の特典遊技以外に対応した第2示唆態様に切替えることが可能な切替手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機BE2。
遊技機BE2によれば、遊技機BE1の奏する効果に加え、特典遊技の終了時における制御負荷が集中することを抑制するように開始時に示唆態様を設定する構成であっても、示唆態様を表示するための期間を変動させることなく通常遊技状態に対応した示唆態様に切替えて示唆することができるので、制御負荷を抑制して正しい示唆を実行することができるという効果がある。
<特徴BF群>(大当たり種別に応じて異なる長さのED期間を設ける)
判別を実行可能な判別手段と、その判別手段の判別結果が特定の判別結果になったことに基づいて遊技者に有利な特典遊技を実行可能な特典遊技実行手段と、その特典遊技実行手段により実行される前記特典遊技の種別を複数の種別から決定可能な特典遊技種別決定手段と、前記特典遊技の実行中に予め定められた終了条件が成立したことに基づいて、前記特典遊技の終了を示すための期間として、実行中の前記特典遊技の種別に応じた長さの期間を設定する期間設定手段と、を備えることを特徴とする遊技機BF1。
パチンコ機等の遊技機には、始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて行われる抽選の結果を示すための演出として抽選結果等に基づいて抽選で抽選結果を報知するための演出態様を決定して、その決定された演出態様を実行することにより、遊技の興趣向上を図っているものがある(例えば、特許文献1:特許第2514417号公報)。
しかしながら、上述した従来の遊技機では、演出態様の内容に遊技者が早期に遊技に飽きてしまう問題点があった。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技者が早期に遊技に飽きてしまうことを抑制できる遊技機を提供することを目的としている。
遊技機BF1によれば、特典遊技の種別に応じて異なる期間を設定することができるため、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機BF1において、前記期間設定手段により設定された前記期間を用いて特定演出を実行可能な特定演出実行手段を備えることを特徴とする遊技機BF2。
遊技機BF2によれば、遊技機BF1の奏する効果に加え、特典遊技の種別に応じて設定される異なる期間にて特定演出を実行することができるため、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機BF1またはBF2において、前記特典遊技の実行中に可変条件が成立した場合に、前記期間設定手段により設定された前記期間の長さを異なる長さに切替可能な期間切替手段を備えることを特徴とする遊技機BF3。
遊技機BF3によれば、遊技機BF1またはBF2の奏する効果に加え、特典遊技の実行中に可変条件が成立した場合にも期間の長さを異ならせることができるため、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
<特徴BG群>(ED期間をV入賞の有無で可変させる)
判別を実行可能な判別手段と、その判別手段の判別結果が特定の判別結果になったことに基づいて遊技者に有利な特典遊技を実行可能な特典遊技実行手段と、前記特典遊技の実行中に遊技球が通過可能となる特定領域と、前記特典遊技の実行中に前記特定領域を遊技球が通過したことに基づいて、遊技者に有利となる有利遊技状態を設定することが可能な遊技状態設定手段と、前記特典遊技の実行中に予め定められた終了条件が成立したことに基づいて、前記特典遊技の終了を示すための特定期間を設定する特定期間設定手段と、を備え、前記特定期間設定手段は、前記特典遊技の実行中に前記特定領域を遊技球が通過した場合と通過しなかった場合とで、異なる長さの前記特定期間を設定可能に構成されていることを特徴とする遊技機BG1。
パチンコ機等の遊技機には、始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて行われる抽選の結果を示すための演出として抽選結果等に基づいて抽選で抽選結果を報知するための演出態様を決定して、その決定された演出態様を実行することにより、遊技の興趣向上を図っているものがある(例えば、特許文献1:特許第2514417号公報)。
しかしながら、上述した従来の遊技機では、演出態様の内容に遊技者が早期に遊技に飽きてしまう問題点があった。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技者が早期に遊技に飽きてしまうことを抑制できる遊技機を提供することを目的としている。
遊技機BG1によれば、特典遊技の実行中に特定領域を遊技球が通過した場合と通過しなかった場合とで、異なる長さの特定期間を設定可能にしているため、遊技の興趣を向上させることができる。
遊技機BG1において、前記特定期間中に特定演出を実行可能な特定演出実行手段を有するものであることを特徴とする遊技機BG2。
遊技機BG2によれば、遊技機BG1の奏する効果に加え、特定期間内に特定演出を実行することができるため、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機BG2において、前記特定演出は、前記特典遊技中における前記特定領域への遊技球の通過状況を報知するための報知態様を少なくとも含むものであることを特徴とする遊技機BG3。
遊技機BG3によれば、特定演出に報知態様が含まれるため、遊技者に分かり易い遊技を提供することが出来るという効果がある。
<特徴BH群>(ボタン操作の制限制御)
判別結果を示すための識別情報が表示される表示手段と、その表示手段に表示される前記識別情報を動的表示させることが可能な動的表示手段と、前記表示手段に特定の判別結果を示すための識別情報が停止表示された場合に、遊技者に有利となる特典を付与可能な特典付与手段と、を有した遊技機において、遊技者が操作可能な操作手段と、その操作手段が操作されたことに基づいて操作に対応した設定を実行することが可能な設定実行手段と、前記識別情報の動的表示期間において特定条件が成立している場合に前記操作手段が操作されたことに基づく前記設定の実行を規制する規制手段と、を有することを特徴とする遊技機BH1。
従来より、特別図柄抽選が実行された場合に、所定期間の特別図柄変動期間を介して抽選結果を報知(停止表示)するように構成し、特別図柄抽選が実行されてから、その抽選結果が停止表示されるまでの期間(特別図柄変動期間)を用いて様々な演出(変動演出)を実行することで遊技者が遊技に早期に飽きないよう工夫を凝らしているものが多々ある。その中で、複数の演出モードを予め容易しておき、各演出モードに対して特別図柄変動期間中に実行される変動演出の態様を異ならせるように構成しているものがある。
このように構成された遊技機では、演出モードが切り替わることにより、異なる変動演出を遊技者に提供することができるため、同一の変動演出ばかり提供されることにより遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができる。さらに、遊技者が操作可能な操作手段を操作することで、任意に演出モードを切替可能とする遊技機もある(例えば、特許文献1:特開2012−249877号公報)。このような遊技機では、複数の演出モードのうち、最も興味のある演出モードを遊技者自身が選択することができるため、興味の低い変動演出が実行されてしまい遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができる。また、演出モードを切り替えるために遊技者自身が操作手段を操作する必要があることから遊技の興趣を向上させることができる。
しかしながら、上述したように、遊技者が操作手段を操作することで、任意のタイミングで演出モードを切替可能とした場合には、例えば、特別図柄抽選の結果が停止表示される直前や、特別図柄変動期間として短時間の変動期間が設定される場合において、演出モードが切り替わることにより、特別図柄抽選の結果を遊技者が把握し難くなってしまうため、操作手段を操作しようとする意欲が低下してしまうという問題があった。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技者の遊技意欲を向上できる遊技機を提供することを目的としている。
遊技機BH1によれば、識別情報の動的表示期間において特定条件が成立している場合に操作手段が操作されたことに基づく設定の実行を規制することができるため、操作手段が操作されたことにより不具合が発生することを抑制することができる。
遊技機BH1において、前記動的表示手段により前記識別情報が動的表示される動的表示期間を決定する動的表示期間決定手段と、終了条件が成立するまで前記動的表示期間決定手段により決定される動的表示期間として短い動的表示期間が決定され易い短遊技状態を設定可能な遊技状態設定手段と、前記特定条件は、前記短遊技状態が設定されていることが少なくとも成立条件の1つとして設定されているものであることを特徴とする遊技機BH2。
遊技機BH2によれば、遊技機BH1の奏する効果に加え、短遊技状態中において、操作手段が操作されたことに基づく設定の実行を規制することができるため、設定実行手段が実行されることにより、判別手段の判別結果を遊技者が把握し難くなることを抑制することができる。よって、遊技者に分かり易い遊技を提供することができるという効果がある。
遊技機BH1またはBH2において、前記設定実行手段により実行された設定に基づいて、第1演出モードと、その第1演出モードとは異なる第2演出モードと、を少なくとも設定可能な演出モード設定手段を有することを特徴とする遊技機BH3。
遊技機BH3によれば、遊技機BH1またはBH2の奏する効果に加え、操作手段が操作されたことに基づいて異なる演出モードを設定することができるため、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機BH1からBH3のいずれかにおいて、特定設定を実行可能な特定設定手段を有し、前記規制手段は、前記特定条件が設定されている場合に前記操作手段の操作に基づいて前記設定実行手段による前記設定の実行をさせずに前記特定設定手段による特定設定を実行可能に構成されているものであることを特徴とするBH4。
遊技機BH4によれば、遊技機BH1からBH3のいずれかの奏する効果に加え、特定条件が成立している期間に操作手段を操作することで設定の実行が規制される場合にも、特定設定が実行されるので操作手段を操作した遊技者に対して操作手段を操作したことによる作動を提供することで、操作手段の操作を意味のある行為にすることができるという効果がある。
遊技機BH4において、前記特定設定に基づいて、前記識別情報が停止表示されるよりも前に停止表示される前記識別情報の情報を示唆可能な示唆演出を実行可能な示唆演出実行手段を有するものであることを特徴とする遊技機BH5。
遊技機BH5によれば、遊技機BH4の奏する効果に加え、特定条件が成立している場合には、停止表示される識別情報の情報が示唆演出により停止表示前に識別可能となり、特定条件が成立している場合に操作することで多様な演出を実行して遊技者が早期に飽きてしまう不具合を抑制できるという効果がある。
<特徴BI群>(複数の遊技状態を跨いだ有利期間を報知)
判別を実行可能な判別手段と、その判別手段による判別結果が特定の判別結果である場合に遊技者に有利な特典遊技を実行可能な特典遊技実行手段と、遊技状態として第1遊技状態と、その第1遊技状態よりも遊技者に有利となる第2遊技状態と、前記第1遊技状態よりも遊技者に有利となり、前記第2遊技状態とは異なる第3遊技状態と、を少なくとも設定可能な遊技状態設定手段と、を有した遊技機において、前記遊技状態設定手段は、前記特典遊技実行手段に実行される前記特典遊技の終了後に、前記第2遊技状態を設定可能であり、前記第2遊技状態が設定されている状態において第1設定条件が成立した場合に前記第3遊技状態を設定可能であり、前記第3遊技状態が設定されている状態において前記第1設定条件とは異なる第2設定条件が成立した場合に前記第1遊技状態を設定可能であり、前記遊技状態設定手段により、前記第2遊技状態が設定された場合に、前記第2設定条件が成立するまでの期間に基づいて有利期間を決定する有利期間決定手段と、その有利期間決定手段により決定された前記有利期間を報知可能な報知手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機BI1。
従来より、遊技者にとって有利となる有利遊技状態(例えば、時短状態)が設定された場合に、その有利遊技状態が継続する期間(特別図柄変動回数)を遊技者に報知するものがある。具体的には、有利遊技状態が継続する期間を示す残期間表示態様として「100回」を表示し、特別図柄抽選が実行される毎に、残期間表示態様の値を1減算表示するものがある。これにより、現在設定されている有利遊技状態中にあと何回の特別図柄抽選を実行することができるのかを遊技者に容易に把握させることができるものであった。
また、近年の遊技機では、遊技者にとって有利となる有利遊技状態として複数の状態種別を設定可能なものがあり、有利遊技状態として、第1有利遊技状態(例えば、時短状態)と、その第1有利遊技状態よりもさらに有利な第2有利遊技状態(例えば、確変状態)と、を設定可能なものがある。
このように構成された遊技機では、例えば、第1有利遊技状態(例えば、時短状態)が設定されている場合に第1有利遊技状態が継続する期間(残期間)を遊技者に報知することは可能であるが、第1有利遊技状態が終了した後に、どの遊技状態が設定されるのかを報知することができないという問題があった。つまり、遊技者は第1有利遊技状態が終了した場合に、第1有利遊技状態よりも遊技者に有利となる遊技状態が設定されるのか、それとも第1有利遊技状態よりも遊技者に不利となる遊技状態が設定されるのかを把握することができず、第1有利遊技状態中において何を目指して遊技を行えば良いのか分かり難く遊技意欲が低下してしまうという問題があった。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技者の遊技意欲を向上させることで遊技の興趣を向上させることができる遊技機を提供することを目的としている。
遊技機BI1によれば、第1遊技状態よりも有利な第2遊技状態が設定された場合に、報知手段により、再度第1遊技状態が設定されるまでの期間に基づいて決定された有利期間が報知されるため、第1遊技状態よりも遊技者に有利となる遊技状態を複数有する遊技機であっても、第1遊技状態よりも有利な遊技状態が設定される期間を把握することができる。よって、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機BI1において、前記報知手段により前記有利期間であることが報知されている状態において、前記遊技状態設定手段により設定されている前記遊技状態を示唆するための示唆演出を実行可能な示唆演出実行手段を有するものであることを特徴とする遊技機BI2。
遊技機BI2によれば、第1遊技状態が設定されるまでの有利期間を遊技者に報知しながらも、現在設定されている遊技状態を示唆することができるため、実行される示唆演出の内容に興味を持たせることができ、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機BI2において、前記示唆演出実行手段は、前記報知手段により前記有利期間であることが報知されている状態において、前記遊技状態設定手段により設定されていた前記遊技状態を示唆するための過去示唆演出も実行可能であることを特徴とする遊技機BI3。
遊技機BI3によれば、示唆演出実行手段により、過去に設定されていた遊技状態を遊技者に示唆することができる。よって、過去示唆演出の内容に基づいて現在の遊技状態を予測したり、有利期間中における過去の遊技内容を解析したりすることができるため、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機BI2またはBI3において、前記報知手段は、前記有利期間の残期間を示すための残期間表示態様を表示手段に表示可能であり、前記示唆演出実行手段は、前記残期間表示態様を可変させることで、現在設定されている遊技状態、或いは、過去に設定されていた遊技状態を示唆可能であることを特徴とする遊技機BI4。
遊技機BI4によれば、有利期間の残期間を示すための残期間表示態様を可変させることにより、遊技状態に関する示唆演出が実行されるため、有利期間の残期間を注視する遊技者に対して示唆演出を分かり易く実行することができ、演出効果を高めることができるという効果がある。
遊技機BI1からBI4の何れかにおいて、前記報知手段により前記有利期間であることが報知されている状態において、前記第1設定条件が成立し得るタイミングを示唆可能な第2示唆演出手段を有することを特徴とする遊技機BI5。
遊技機BI5によれば、有利期間中において遊技状態が切り替わるタイミングを遊技者に予測させることができるため、有利期間中における遊技に遊技者が早期に飽きてしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機BI1からBI5の何れかにおいて、前記第2遊技状態と、前記第3遊技状態のうち、遊技者に有利となる遊技状態を遊技者に報知可能な有利報知手段を有するものであることを特徴とする遊技機BI6。
遊技機BI6によれば、有利期間中に設定される複数の遊技状態の優劣を遊技者が把握することができるため、現在設定されている遊技状態が何れの遊技状態であるかの予測により興味を持たせることができる。
<特徴BJ群>(複数の図柄表示制御で1の図柄列を変動表示させる)
判別結果を示唆可能な示唆情報が表示される表示手段と、その表示手段に表示される前記示唆情報を動的表示させることが可能な動的表示手段と、前記表示手段に特定の判別結果を示すための特定表示態様が表示された場合に遊技者に有利な特典を付与可能な特典付与手段と、を有した遊技機において、前記示唆情報は、複数の図柄で構成された図柄列で構成された第1図柄列と、その第1図柄列とは異なる複数の図柄で構成された図柄列で構成された第2図柄列とが少なくとも設定されており、前記動的表示手段は、第1図柄列を第1方向に動的表示させている期間に、前記第2図柄列を前記第1方向とは異なる第2方向に動的表示させることが可能に構成されているものであることを特徴とする遊技機BJ1。
従来より、特別図柄抽選の結果を示すための識別情報として、第3図柄を変動表示させるものがあった(例えば、特許文献1:特許第2514417号公報)。また、その第3図柄の変動表示中に様々な演出(変動演出)を実行し、遊技者に対して、特別図柄抽選の結果を示唆することで大当たり当選を期待させながら遊技を行わせることができるものがあった。また、一般的な遊技機では、複数の第3図柄(例えば、1〜9の数字が付された第3図柄)によって1の図柄列を構成し、その図柄列を複数(例えば、3つ)用いた図柄変動表示を実行し、1の図柄列を除いた他の図柄列にて所定の第3図柄が所定位置に停止表示された場合に、大当たり当選の期待度を高めた演出(例えば、リーチ演出)を実行するものがある。このように複数の図柄列を用いて第3図柄を変動表示させながら特別図柄抽選の結果が大当たり当選であるか否かを示唆するための変動演出を実行することにより、遊技者に対して大当たり当選への期待度を徐々に高めることができるため、遊技の興趣を向上させることができるものであった。
しかしながら、従来の遊技機では、図柄列を形成する各図柄の順序を可変させることなく、図柄列単位で第3図柄を変動表示させるだけであるため、例えば、各図柄列の変動表示の速度を可変させたり、各図柄列の変動方向を可変させたり、各図柄列が表示される大きさを可変させたりする程度のバリエーションしか無く、図柄列の変動表示を用いた変動演出の演出効果をより高めることでさらなる遊技の興趣向上が求められているという問題があった。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技の興趣を向上させることができる遊技機を提供することを目的としている。
遊技機BJ1によれば、第1図柄列と第2図柄列とが互いに異なる方向に動的表示されるので第1図柄列と第2図柄列とを区別し易くなり判別結果を示唆情報より判別し易くできるという効果がある。
遊技機BJ1において、前記示唆情報が動的表示されることが可能な動的表示期間を決定する動的表示期間決定手段を有し、前記第1図柄列は、前記動的表示期間の開始に基づいて前記第1方向に動的表示されるように構成され、前記第2図柄列は、特定条件の成立に基づいて前記第2方向へと前記第1図柄列で動的表示された図柄と前記第2図柄列を構成する図柄の一部が少なくとも重なる位置で前記第2方向へと動的表示されるものであることを特徴とする遊技機BJ2。
遊技機BJ2によれば、遊技機BJ1の奏する効果に加え、第1図柄列と第2図柄列とが重なる位置で動的表示されるので、表示領域を有効に利用した演出を実行することができるという効果がある。
遊技機BJ2において、前記示唆情報が動的表示されることが可能な動的表示期間を決定する動的表示期間決定手段を有し、前記第1図柄列と第2図柄列とは、前記動的表示期間の開始に基づいて前記第1方向と前記第2方向とにそれぞれ動的表示されるように構成されているものであることを特徴とする遊技機BJ3。
遊技機BJ3によれば、遊技機BJ2の奏する効果に加え、第1図柄列と第2図柄列とは、動的表示期間の開始に基づいてそれぞれ第1方向と第2方向とにそれぞれ動的表示されるので、遊技の興趣を向上できるという効果がある。
遊技機BJ1からBJ3の何れかにおいて、前記示唆情報を表示制御可能な表示制御手段を有し、前記表示制御手段は、前記第1図柄列の表示態様により前記判別結果を表示するように前記第1図柄列を表示制御可能であることを特徴とする遊技機BJ4。
遊技機BJ4によれば、遊技機BJ3の奏する効果に加え、第1図柄列の表示態様を用いて判別結果が表示されるため、第1図柄列の動的表示の表示態様を判別結果に基づいて表示制御すれば良く、第2図柄列の動的表示の表示態様を自由に設定することが可能となる。よって、示唆情報の動的表示における演出効果を高めることができ、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機BJ4において、前記第1図柄列を動的表示可能な第1表示画層と、前記第2図柄列を動的表示可能な第2表示画層と、を有し、前記遊技機は、前記第1表示画層における第1表示領域と、前記第2表示画層における第2表示領域との少なくとも一部が重複するように構成されるものであり、前記第1表示領域と、前記第2表示領域とが重複する箇所では、前記第1図柄列が前記第2図柄列よりも優先して遊技者に視認可能となるように表示可能であることを特徴とする遊技機BJ5。
遊技機BJ5によれば、遊技機BJ4の奏する効果に加え、第1図柄列と第2図柄列とが重複する場合には、第1図柄列のほうが遊技者に視認可能となるように表示される。よって、表示領域を有効に利用した演出を実行しながらも、判別結果を示すための表示態様を遊技者に分かり易く表示することができるという効果がある。
遊技機BJ4またはBJ5において、前記表示制御手段は、前記第1図柄列を構成する前記複数の図柄と、前記第2図柄列を構成する前記複数の図柄と、が所定の順序で配置された合算図柄列で構成されているように前記第1図柄列と前記第2図柄列とを表示制御可能であることを特徴とする遊技機BJ6。
遊技機BJ6によれば、遊技機BJ4またはBJ5の奏する効果に加え、第1図柄列と第2図柄列とを合算図柄列として動的表示させることができるため、遊技者に対して、合算図柄列が構成されていると思わせることができる。その中で、第1図柄列と第2図柄列とを逆方向に動的表示させることができるため、遊技者に意外性のある演出を提供することができ、演出効果を高めることができるという効果がある。
遊技機BJ6において、前記表示制御手段は、前記判別結果が前記特定の判別結果である場合よりも、前記特定の判別結果以外である場合のほうが、前記合算図柄列として前記第1図柄列と前記第2図柄列とを動的表示させ易くなるように表示制御可能であることを特徴とする遊技機BJ7。
遊技機BJ7によれば、遊技機BJ6の奏する効果に加え、判別結果が特定の判別結果である場合のほうが、合算図柄列として第1図柄列と第2図柄列とを動的表示され難くすることができる。よって、第1図柄列の動的表示と第2図柄列の動的表示とが異なる態様となった場合に、特定の判別結果への期待感を高めさせることができ、演出効果を高めることができるという効果がある。
<特徴BK群>(V確機のベロ制御をアタッカ入球数に基づいて実行)
遊技者に有利な特典遊技を実行可能な特典遊技実行手段と、その特典遊技実行手段により前記特典遊技が実行された場合に、遊技球が入球困難な第1状態からその第1状態よりも入球し易い第2状態へと可変可能な可変入球手段と、を有した遊技機において、前記可変入球手段に入球した遊技球が通過可能な第1特定領域と、その第1特定領域を遊技球が通過したことを検出可能な第1検出手段と、前記第1特定領域を通過した遊技球が通過可能な第2特定領域と、その第2特定領域を遊技球が通過したことを検出可能な第2検出手段と、前記第1特定領域を通過した遊技球を前記第2特定領域へと誘導可能な誘導路と、前記第2特定領域に遊技球が通過可能な許容状態と通過困難な規制状態とに可変可能な可変手段とを有し、前記可変手段は、前記第1検出手段により所定数の遊技球が検出されたことに基づいて前記規制状態から前記許容状態へと可変条件が成立するまで可変されるように構成されているものであることを特徴とする遊技機BK1。
従来より、大当たり遊技中に開放動作されるアタッカ内に特定領域を設け、大当たり遊技中に遊技球が特定領域を通過すると、その大当たり遊技終了後に確変状態を設定する遊技機(所謂、V確機)があった(例えば、特許文献1:特開2015−119807号公報)。このような遊技機では、大当たり遊技が開始されてからの経過期間に基づいて特定領域を遊技球が通過し易い第1状態を所定期間設定することにより、確変状態が設定される割合を予め規定可能に構成していた。
しかしながら、従来型の遊技機では、大当たり遊技が実行されてからの経過期間に基づいて第1状態が設定されてしまうため、例えば、大当たり遊技中に遊技機のトラブルによって遊技球をアタッカに入賞させることができない事態が発生したまま、第1状態が設定される所定期間が経過してしまい、遊技者の遊技意欲が低下してしまうという問題があった。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技者の遊技意欲を向上させることで遊技の興趣を向上させることができる遊技機を提供することを目的としている。
遊技機BK1によれば、可変入球手段に入球した遊技球の計測結果に基づいて、可変手段が許容状態へと可変されるので、可変入球手段に入球した数によって第2特定領域へと遊技球を通過させることが可能となり、遊技者に可変入球手段に入球させた数に対して興味を持たせて遊技の興趣を向上できるという効果がある。
遊技機BK1において、前記可変手段は、前記第1特定領域を前記所定数目となる遊技球が前記許容状態に可変された状態の前記可変手段へと到達可能となる期間で前記許容状態へと可変されるものであることを特徴とする遊技機BK2。
遊技機BK2によれば、遊技機BK1の奏する効果に加え、第1特定領域を通過した所定数目の遊技球を第2特定領域へと入球させることが可能となり、第2特定領域を通過する遊技球を制御して、第2特定領域への入球数を制限することができるという効果がある。
遊技機BK1またはBK2において、前記第1特定領域を前記所定数目の遊技球が通過した後に、前記第2検出手段に遊技球が検出されるまでの期間を判別することが可能な期間判別手段と、前記期間判別手段の判別結果に基づいて異常処理を実行可能な異常処理手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機BK3。
遊技機BK3によれば、遊技機BK1またはBK2の奏する効果に加え、第1特定領域を所定数の遊技球を通過したにもかかわらず、誘導路上で滞留している場合等の不具合を早期に発見することができるという効果がある。
遊技機BK1からBK3の何れかにおいて、前記終了条件は、前記所定数目の遊技球が前記第2検出手段に検出された後に、次の遊技球が前記可変手段に到達する期間よりも短い期間が経過した場合に成立するように設定されているものであることを特徴とする遊技機BK4。
遊技機BK4によれば、遊技機BK1からBK3の何れかの奏する効果に加え、確実に所定数目の遊技球を第2特定領域に入球させることができるという効果がある。
遊技機BK1からBK4の何れかにおいて、前記第2検出手段に遊技球が検出されたことに基づいて、遊技者に有利となる特典を付与可能な特典付与手段を有するものであることを特徴とする遊技機BK5。
遊技機BK5によれば、遊技機BK1からBK4の何れかの奏する効果に加え、特典遊技が実行された場合にも、第2特定領域へ遊技球を入球させることに対する意欲を持たせることができ、特典遊技が退屈になる不具合を抑制できるという効果がある。
<特徴BL群>(図柄列を可変させることで、図柄列内の一部図柄を切り替える)
判別を実行可能な判別手段と、その判別手段の判別結果を示すための識別図柄が表示される表示手段と、その表示手段に前記識別図柄を動的表示させることが可能な動的表示手段と、前記識別図柄が動的表示された後、特定の前記判別結果を示すための前記識別図柄が表示された場合に、遊技者に有利となる特典を付与可能な特典付与手段と、その特典付与手段により付与される特典種別を決定することが可能な特典種別決定手段と、を有した遊技機において、前記識別図柄が動的表示される期間を少なくとも含む動的表示期間を決定可能な動的表示期間決定手段と、その動的表示期間決定手段により決定された動的表示期間のうち、第1期間では第1の結果を示すための前記識別図柄として第1識別図柄が表示され、第2期間では前記第1の結果とは異なる第2の結果を示すためのものであって、前記第1識別図柄とは異なる第2識別図柄が少なくとも表示されるように設定可能な設定手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機BL1。
従来より、特別図柄抽選の結果を示すための識別情報として、第3図柄を変動表示させるものがあった。また、その第3図柄の変動表示中に様々な演出(変動演出)を実行し、遊技者に対して、特別図柄抽選の結果を示唆することで大当たり当選を期待させながら遊技を行わせることができるものがあった。また、一般的な遊技機では、複数の第3図柄(例えば、1〜9の数字が付された第3図柄)によって1の図柄列を構成し、その図柄列を複数(例えば、3つ)用いた図柄変動表示を実行し、1の図柄列を除いた他の図柄列にて所定の第3図柄が所定位置に停止表示された場合に、大当たり当選の期待度を高めた演出(例えば、リーチ演出)を実行するものがある。このように複数の図柄列を用いて第3図柄を変動表示させながら特別図柄抽選の結果が大当たり当選であるか否かを示唆するための変動演出を実行することにより、遊技者に対して大当たり当選への期待度を徐々に高めることができるため、遊技の興趣を向上させることができるものであった。
しかしながら、従来の遊技機では、第3図柄変動が開始されてから停止表示されるまでの変動期間中に特別図柄抽選の結果を示すための第3図柄が変動するだけであるため、第3図柄の変動表示開始から変動表示終了までの期間中に、遊技者が遊技に飽きてしまい遊技意欲が低下してしまうという問題があった。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、第3図柄変動の期間中における遊技意欲の低下を抑制することにより、遊技の興趣を向上させることができる遊技機を提供することを目的としている。
遊技機BL1によれば、動的表示期間決定手段により決定された動的表示期間のうち、第1期間で動的表示される第1識別図柄と、第2期間で動的表示される第2識別図柄とで異なる結果を示すことが可能となるため、動的表示手段により動的表示される識別図柄に対して、遊技者に継続して興味を持たせることができる。よって、動的表示期間中における遊技者の遊技意欲の低下を抑制することができ、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機BL1において、前記動的表示手段は、前記第1期間の終了時に前記第1識別図柄を停止表示可能であり、前記第2期間は、少なくとも前記第1期間が経過した後の期間であることを特徴とする遊技機BL2。
遊技機BL2によれば、遊技機BL1の奏する効果に加え、第1期間が終了し、第2期間が始まることを遊技者に分かり易く報知することができるため、演出効果を高めることができるという効果がある。
遊技機BL2において、前記動的表示手段は、前記第1の結果として、前記判別手段の判別結果が、前記特定の判別結果であることを示すための前記第1識別図柄を表示可能であることを特徴とする遊技機BL3。
遊技機BL3によれば、遊技機BL2の奏する効果に加え、動的表示期間決定手段により決定された動的表示期間が経過するよりも前に、判別手段の判別結果を遊技者に報知することができるため、いち早く判別手段の判別結果を把握しようとする遊技者に対して、動的表示手段により実行される識別図柄の動的表示を注視させることができる。よって、遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができるため、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機BL3において、前記動的表示手段は、前記第2の結果として、前記特典種別決定手段により決定された前記特典種別を示すための前記第2識別図柄を表示可能であることを特徴とする遊技機BL4。
遊技機BL4によれば、遊技機BL3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2期間の終了後に前記特典種別を示すための識別図柄を表示することができる。つまり、判別手段の判別結果を表示した後に、特典種別決定手段により決定された特典種別を表示することができる。よって、判別手段の判別結果が特定の判別結果であることを遊技者に報知した後に、特典種別決定手段により決定された特典種別を遊技者に報知することができるため、少なくとも特典遊技が実行されるという安心感を持たせた状態で第2期間の動的表示を実行することができるという効果がある。
遊技機BL4において、前記特典種別決定手段は、少なくとも、第1特典種別と、その第1特典種別よりも遊技者に有利となる第2特典種別とを含む複数の特典種別のうち、何れかの特典種別を決定するものであり、前記第2識別図柄は、少なくとも前記特典種別決定手段により決定された前記特典種別を示すための情報が含まれている表示態様で表示されるものであることを特徴とする遊技機BL5。
遊技機BL5によれば、遊技機BL4の奏する効果に加え、第2識別図柄の表示態様が前記特典種別決定手段によって決定された特典種別を示しているため、第2識別図柄が動的表示されている期間中においても、決定された特典手段を遊技者に予測させることができ、演出効果を高めることができるという効果がある。
遊技機BL5において、前記動的表示手段により動的表示される複数の前記識別図柄が所定の順序で表示される図柄列を設定可能な図柄列設定手段を有し、前記動的表示手段は、前記図柄列設定手段により設定された前記図柄列に基づいて前記識別図柄を動的表示可能であり、前記図柄列設定手段は、第1期間中に設定される第1図柄列の少なくとも一部を形成する前記第1識別図柄を、前記第2識別図柄へと切り替えた第2図柄列を設定可能であることを特徴とする遊技機BL6。
遊技機BL6によれば、遊技機BL5の奏する効果に加え、第1図柄列の少なくとも一部を形成する第1識別図柄を第2識別図柄へと切り替えた第2図柄列が設定されるため、第1図柄列が有する識別図柄の数と、第2図柄列が有する識別図柄の数と、同一にすることができる。よって、動的表示手段により実行される識別図柄の動的表示態様を、設定される図柄列の種別に応じて可変させる必要が無いため、識別図柄を動的表示させるための処理負荷を軽減させることができるという効果がある。
遊技機BL6において、前記図柄列設定手段は、前記判別手段の同一の判別結果を示すための第1識別図柄を重複させた前記第1図柄列を形成可能であり、前記第2図柄列を設定する場合、前記重複している前記第1識別図柄の何れかを前記第2識別図柄へと切替可能であることを特徴とする遊技機BL7。
遊技機BL7によれば、第1図柄列に重複して含まれる第1識別図柄を第2識別図柄へと切り替えるため、第2期間中においても、第1期間中に実行された動的表示にて表示されていた各第1識別図柄を確認することが可能となる。よって、遊技者に分かり易い遊技を提供することができるという効果がある。
<特徴BM群>(ボタン操作の制限制御中に別操作で制限解除)
判別結果を示すための識別情報が表示される表示手段と、その表示手段に表示される前記識別情報を動的表示させることが可能な動的表示手段と、前記表示手段に特定の判別結果を示すための識別情報が停止表示された場合に、遊技者に有利となる特典を付与可能な特典付与手段と、を有した遊技機において、操作可能な操作手段と、その操作手段に対する操作の種別として、第1操作と、その第1操作とは異なる第2操作と、を少なくとも判別可能な操作判別手段と、その操作判別手段の判別結果に基づいた設定を実行することが可能な設定実行手段と、前記操作判別手段により前記第1操作と判別された場合に、前記設定実行手段により第1設定が実行されることを規制する規制手段と、を有し、前記設定実行手段は、前記規制手段による前記規制中において、前記操作判別手段により前記第2操作が判別された場合に、前記第1設定を実行可能であることを特徴とする遊技機BM1。
従来より、特別図柄抽選が実行された場合に、所定期間の特別図柄変動期間を介して抽選結果を報知(停止表示)するように構成し、特別図柄抽選が実行されてから、その抽選結果が停止表示されるまでの期間(特別図柄変動期間)を用いて様々な演出(変動演出)を実行することで遊技者が遊技に早期に飽きないよう工夫を凝らしているものが多々ある。その中で、複数の演出モードを予め容易しておき、各演出モードに対して特別図柄変動期間中に実行される変動演出の態様を異ならせるように構成しているものがある(例えば、特許文献1:特開2012−249877号公報)。
このように構成された遊技機では、演出モードが切り替わることにより、異なる変動演出を遊技者に提供することができるため、同一の変動演出ばかり提供されることにより遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができる。さらに、遊技者が操作可能な操作手段を操作することで、任意に演出モードを切替可能とする遊技機もある。このような遊技機では、複数の演出モードのうち、最も興味のある演出モードを遊技者自身が選択することができるため、興味の低い変動演出が実行されてしまい遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができる。また、演出モードを切り替えるために遊技者自身が操作手段を操作する必要があることから遊技の興趣を向上させることができる。
しかしながら、上述したように、遊技者が操作手段を操作することで、任意のタイミングで演出モードを切替可能とした場合には、例えば、特別図柄抽選の結果が停止表示される直前や、特別図柄変動期間として短時間の変動期間が設定される場合において、演出モードが切り替わることにより、特別図柄抽選の結果を遊技者が把握し難くなってしまうため、操作手段を操作しようとする意欲が低下してしまうという問題があった。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技者の遊技意欲を向上できる遊技機を提供することを目的としている。
遊技機BM1によれば、第1操作に基づく第1設定が規制されている状態であっても、第2操作を実行することで第1設定を実行することができる。よって、様々な操作を実行しようと意欲的に遊技者に操作手段を操作させることができるという効果がある。
遊技機BM1において、前記設定実行手段は、前記規制手段による前記規制中において、前記操作判別手段により前記第1操作が判別された場合に、前記第1設定とは異なる第2設定を実行可能であることを特徴とする遊技機BM2。
遊技機BM2によれば、遊技機BM1の奏する効果に加え、規制中に第1操作を実行した場合に、第2設定が実行されるため、第1操作を実行したにも関わらず設定実行手段が何も実行しない事態を抑制することができる。よって、遊技者に意欲的に操作手段を操作させることができるという効果がある。
遊技機BM1またはBM2において、前記動的表示手段により前記識別情報が動的表示される動的表示期間を決定する動的表示期間決定手段と、終了条件が成立するまで前記動的表示期間決定手段により決定される動的表示期間として短い動的表示期間が決定され易い短遊技状態を設定可能な遊技状態設定手段と、を有し、前記規制手段は、前記短遊技状態が設定されている状態であって、前記操作判別手段により前記第1操作と判別された場合に、前記設定実行手段により第1設定が実行されることを規制し得るものであることを特徴とする遊技機BM3。
遊技機BM3によれば、遊技機BM1またはBM2の奏する効果に加え、短遊技状態中において、操作手段が操作されたことに基づく設定の実行を規制することができるため、設定実行手段が実行されることにより、判別手段の判別結果を遊技者が把握し難くなることを抑制することができる。よって、遊技者に分かり易い遊技を提供することができるという効果がある。
遊技機BM3において、前記設定実行手段により実行された設定に基づいて、第1演出モードと、その第1演出モードとは異なる第2演出モードと、を少なくとも設定可能な演出モード設定手段を有することを特徴とする遊技機BM4。
遊技機BM4によれば、遊技機BM3の奏する効果に加え、操作手段が操作されたことに基づいて異なる演出モードを設定することができるため、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機BM1からBM4の何れかにおいて、前記操作手段は、前記第1操作を実行するための第1操作部と、前記第2操作を実行するための前記第1操作部とは異なる第2操作部と、を有するものであることを特徴とする遊技機BM5。
遊技機BM5によれば、遊技機BM1からBM4のいずれかの奏する効果に加え、第1操作を実行する場合と、第2操作を実行する場合とで、異なる操作部に対して操作を実行することになるため、遊技者が第1操作と第2操作とを間違えて実行してしまうことを抑制することができる。よって、遊技者に分かり易い遊技を提供することができるという効果がある。
遊技機BM5において、前記第2操作部は、前記第1操作部よりも遊技中の遊技者が操作し難い箇所に設けられていることを特徴とする遊技機BM6。
遊技機BM6によれば、遊技機BM5の奏する効果に加え、各操作部の操作のし易さを異ならせることにより、第1操作部を用いる第1操作を通常の操作とし、第2操作部を用いる第2操作を非常用の操作とすることが可能となる。よって、遊技者が何れの操作を実行するか悩んでしまうことを抑制することができるという効果がある。
<特徴BN群>(ボタン操作の制限制御中に操作で別内容を実行)
判別結果を示すための識別情報が表示される表示手段と、その表示手段に表示される前記識別情報を動的表示させることが可能な動的表示手段と、前記表示手段に特定の判別結果を示すための識別情報が停止表示された場合に、遊技者に有利となる特典を付与可能な特典付与手段と、を有した遊技機において、遊技者が操作可能な操作手段と、その操作手段が操作されたことに基づいて操作に対応した第1設定を実行することが可能な第1設定実行手段と、前記操作手段が操作されたことに基づく前記第1設定の実行を規制する規制手段と、その規制手段により前記第1設定の実行が規制されている状態で、前記操作手段を操作した場合に前記第1設定とは異なる第2設定を実行する第2設定実行手段と、を有することを特徴とする遊技機BN1。
従来より、特別図柄抽選の結果を示すための識別情報として、第3図柄を変動表示させるものがあった。また、その第3図柄の変動表示中に様々な演出(変動演出)を実行し、遊技者に対して、特別図柄抽選の結果を示唆することで大当たり当選を期待させながら遊技を行わせることができるものがあった。また、一般的な遊技機では、複数の第3図柄(例えば、1〜9の数字が付された第3図柄)によって1の図柄列を構成し、その図柄列を複数(例えば、3つ)用いた図柄変動表示を実行し、1の図柄列を除いた他の図柄列にて所定の第3図柄が所定位置に停止表示された場合に、大当たり当選の期待度を高めた演出(例えば、リーチ演出)を実行するものがある。このように複数の図柄列を用いて第3図柄を変動表示させながら特別図柄抽選の結果が大当たり当選であるか否かを示唆するための変動演出を実行することにより、遊技者に対して大当たり当選への期待度を徐々に高めることができるため、遊技の興趣を向上させることができるものであった。
しかしながら、従来の遊技機では、第3図柄変動が開始されてから停止表示されるまでの変動期間中に特別図柄抽選の結果を示すための第3図柄が変動するだけであるため、第3図柄の変動表示開始から変動表示終了までの期間中に、遊技者が遊技に飽きてしまい遊技意欲が低下してしまうという問題があった。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、第3図柄変動の期間中における遊技意欲の低下を抑制することにより、遊技の興趣を向上させることができる遊技機を提供することを目的としている。
遊技機BN1によれば、動的表示期間決定手段により決定された動的表示期間のうち、第1期間で動的表示される第1識別図柄と、第2期間で動的表示される第2識別図柄とで異なる結果を示すことが可能となるため、動的表示手段により動的表示される識別図柄に対して、遊技者に継続して興味を持たせることができる。よって、動的表示期間中における遊技者の遊技意欲の低下を抑制することができ、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機BN1によれば、第1設定が規制されている状態で操作手段が操作された場合に、第2設定が実行されるため、操作手段を操作したにも関わらず何も実行されない事態を抑制することができる。よって、遊技者に意欲的に操作手段を操作させることができるという効果がある。
遊技機BN1において、前記規制手段は、前記識別情報の動的表示期間において特定条件が成立している場合に前記第1設定の実行を規制可能であることを特徴とする遊技機BN2。
遊技機BN2によれば、遊技機BN1の奏する効果に加え、識別情報の動的表示が実行されている間に規制手段により第1設定の実行が規制されるため、第1設定が実行されたことにより、識別情報の動的表示結果を遊技者が把握し難くなることを抑制することができるという効果がある。
遊技機BN2において、前記動的表示手段により前記識別情報が動的表示される動的表示期間を決定する動的表示期間決定手段と、終了条件が成立するまで前記動的表示期間決定手段により決定される動的表示期間として短い動的表示期間が決定され易い短遊技状態を設定可能な遊技状態設定手段と、を有し、前記規制手段は、前記短遊技状態が設定されている状態であって、前記操作判別手段により前記第1操作と判別された場合に、前記設定実行手段により第1設定が実行されることを規制し得るものであることを特徴とする遊技機BN3。
遊技機BN3によれば、遊技機BN1またはBN2の奏する効果に加え、短遊技状態中において、操作手段が操作されたことに基づく設定の実行を規制することができるため、設定実行手段が実行されることにより、判別手段の判別結果を遊技者が把握し難くなることを抑制することができる。よって、遊技者に分かり易い遊技を提供することができるという効果がある。
遊技機BN3において、前記設定実行手段により実行された前記第1設定に基づいて、第1演出モードと、その第1演出モードとは異なる第2演出モードと、を少なくとも設定可能な演出モード設定手段を有することを特徴とする遊技機BN4。
遊技機BN4によれば、遊技機BN3の奏する効果に加え、操作手段が操作されたことに基づいて異なる演出モードを設定することができるため、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機BN1からBN4の何れかにおいて、前記操作手段は、第1操作を実行するための第1操作部と、前記第1操作とは異なる第2操作を実行するための前記第1操作部とは異なる第2操作部と、を有するものであることを特徴とする遊技機BM5。
遊技機BN5によれば、遊技機BN1からBN4の何れかの奏する効果に加え、第1操作を実行する場合と、第2操作を実行する場合とで、異なる操作部に対して操作を実行することになるため、遊技者が第1操作と第2操作とを間違えて実行してしまうことを抑制することができる。よって、遊技者に分かり易い遊技を提供することができるという効果がある。
遊技機BN5において、前記第2操作部は、前記第1操作部よりも遊技中の遊技者が操作し難い箇所に設けられていることを特徴とする遊技機BN6。
遊技機BN6によれば、遊技機BN5の奏する効果に加え、各操作部の操作のし易さを異ならせることにより、第1操作部を用いる第1操作を通常の操作とし、第2操作部を用いる第2操作を非常用の操作とすることが可能となる。よって、遊技者が何れの操作を実行するか悩んでしまうことを抑制することができるという効果がある。
<特徴BO群>(ステージチェンジし難い状態でステージチェンジしたらチャンス)
判別結果を示すための識別情報が表示される表示手段と、その表示手段に表示される前記識別情報を動的表示させることが可能な動的表示手段と、前記表示手段に特定の判別結果を示すための識別情報が停止表示された場合に、遊技者に有利となる特典を付与可能な特典付与手段と、を有した遊技機において、遊技者が操作可能な操作手段と、その操作手段が操作されたことに基づいて、演出モードとして第1演出モードと、その第1演出モードとは異なる第2演出モードと、を少なくとも設定可能な演出モード設定手段と、その演出モード設定手段による前記演出モードの設定を実行可能な第1期間と、その第1期間よりも前記演出モードの設定を実行し難い第2期間と、を設定可能な期間設定手段と、を有し、前記遊技機は、前記演出モードの設定が、前記第2期間中に実行されたほうが、前記第1期間中に実行されるよりも遊技者に有利な情報を提供可能であることを特徴とする遊技機BO1。
従来より、特別図柄抽選の結果を示すための識別情報として、第3図柄を変動表示させるものがあった。また、その第3図柄の変動表示中に様々な演出(変動演出)を実行し、遊技者に対して、特別図柄抽選の結果を示唆することで大当たり当選を期待させながら遊技を行わせることができるものがあった。また、一般的な遊技機では、複数の第3図柄(例えば、1〜9の数字が付された第3図柄)によって1の図柄列を構成し、その図柄列を複数(例えば、3つ)用いた図柄変動表示を実行し、1の図柄列を除いた他の図柄列にて所定の第3図柄が所定位置に停止表示された場合に、大当たり当選の期待度を高めた演出(例えば、リーチ演出)を実行するものがある。このように複数の図柄列を用いて第3図柄を変動表示させながら特別図柄抽選の結果が大当たり当選であるか否かを示唆するための変動演出を実行することにより、遊技者に対して大当たり当選への期待度を徐々に高めることができるため、遊技の興趣を向上させることができるものであった。
しかしながら、従来の遊技機では、第3図柄変動が開始されてから停止表示されるまでの変動期間中に特別図柄抽選の結果を示すための第3図柄が変動するだけであるため、第3図柄の変動表示開始から変動表示終了までの期間中に、遊技者が遊技に飽きてしまい遊技意欲が低下してしまうという問題があった。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、第3図柄変動の期間中における遊技意欲の低下を抑制することにより、遊技の興趣を向上させることができる遊技機を提供することを目的としている。
遊技機BO1によれば、動的表示期間決定手段により決定された動的表示期間のうち、第1期間で動的表示される第1識別図柄と、第2期間で動的表示される第2識別図柄とで異なる結果を示すことが可能となるため、動的表示手段により動的表示される識別図柄に対して、遊技者に継続して興味を持たせることができる。よって、動的表示期間中における遊技者の遊技意欲の低下を抑制することができ、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機BO1によれば、演出モードが設定され難い第2期間において演出モードの設定がされた場合に、遊技者に有利な情報を提供することができるため、第2期間中において演出モードが設定されることを期待させながら遊技者に遊技を行わせることができる。よって、遊技者に対して意欲的に操作手段を操作させることができ、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機BO1において、前記演出モード設定手段は、前記第2期間中に前記演出モードの設定を実行する場合に、前記第1演出モード、及び前記第2演出モードとは異なる第3演出モードを設定可能であることを特徴とする遊技機BO2。
遊技機BO2によれば、遊技機BO1の奏する効果に加え、第3演出モードが設定されることで、第2期間中に演出モードが設定されたことを遊技者に報知することができるため、遊技者に分かり易い演出を提供することができるという効果がある。
遊技機BO1からBO3の何れかにおいて、前記動的表示手段により前記識別情報が動的表示される動的表示期間を決定する動的表示期間決定手段と、終了条件が成立するまで前記動的表示期間決定手段により決定される動的表示期間として短い動的表示期間が決定され易い短遊技状態を設定可能な遊技状態設定手段と、を有し、前記期間設定手段は、前記短遊技状態が設定されている場合に前記第2期間を設定可能であることを特徴とする遊技機BO4。
遊技機BO4によれば、遊技機BO1からBO3の何れかの奏する効果に加え、短遊技状態中において、演出モードが設定され難くすることができるため、演出モードが設定されることにより、判別手段の判別結果を遊技者が把握し難くなることを抑制することができる。よって、遊技者に分かり易い遊技を提供することができるという効果がある。
遊技機BO1からBO4の何れかにおいて、前記期間設定手段により前記第2期間が設定されることを、前記第2期間が設定されるよりも前に遊技者に報知可能な報知手段を有することを特徴とする遊技機BO5。
遊技機BO5によれば、遊技機BO1からBO4の何れかの奏する効果に加え、遊技者に対して第2期間が設定されることを事前に把握させることができるため、所望の演出モードを設定した状態で第2期間を設定させることができる。よって、遊技者が所望しない演出モードにて第2期間が設定されてしまい遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができるという効果がある。
<特徴BP群>(先読みでステージチェンジのし易さを可変)
情報取得条件の成立に基づいて情報を取得可能な情報取得手段と、その情報取得手段により取得された前記情報が記憶される情報記憶手段と、その情報記憶手段に記憶された前記情報に基づいて、判別を実行可能な判別手段と、その判別手段による前記判別の結果を示すための識別情報を表示手段に動的表示させることが可能な動的表示手段と、前記判別手段による判別結果が特定の判別結果であることを示すための識別情報が前記表示手段に停止表示された場合に、遊技者に有利となる特典遊技を実行可能な特典遊技実行手段と、を有した遊技機において、前記情報記憶手段に記憶されている前記情報を、その情報に基づく前記判別手段による判別が実行されるよりも前に事前判別可能な事前判別手段と、切替条件が成立した場合に、第1演出モードから、その第1演出モードとは異なる第2演出モードへと演出モードを切替可能な切替手段と、を有し、前記切替条件は、前記事前判別手段の事前判別結果が第1事前判別結果である場合よりも、前記第1事前判別結果とは異なる第2事前判別結果である場合のほうが、成立し易いものであることを特徴とする遊技機BP1。
従来より、特別図柄抽選の結果を示すための識別情報として、第3図柄を変動表示させるものがあった。また、その第3図柄の変動表示中に様々な演出(変動演出)を実行し、遊技者に対して、特別図柄抽選の結果を示唆することで大当たり当選を期待させながら遊技を行わせることができるものがあった。また、一般的な遊技機では、複数の第3図柄(例えば、1〜9の数字が付された第3図柄)によって1の図柄列を構成し、その図柄列を複数(例えば、3つ)用いた図柄変動表示を実行し、1の図柄列を除いた他の図柄列にて所定の第3図柄が所定位置に停止表示された場合に、大当たり当選の期待度を高めた演出(例えば、リーチ演出)を実行するものがある。このように複数の図柄列を用いて第3図柄を変動表示させながら特別図柄抽選の結果が大当たり当選であるか否かを示唆するための変動演出を実行することにより、遊技者に対して大当たり当選への期待度を徐々に高めることができるため、遊技の興趣を向上させることができるものであった。
しかしながら、従来の遊技機では、第3図柄変動が開始されてから停止表示されるまでの変動期間中に特別図柄抽選の結果を示すための第3図柄が変動するだけであるため、第3図柄の変動表示開始から変動表示終了までの期間中に、遊技者が遊技に飽きてしまい遊技意欲が低下してしまうという問題があった。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、第3図柄変動の期間中における遊技意欲の低下を抑制することにより、遊技の興趣を向上させることができる遊技機を提供することを目的としている。
遊技機BP1によれば、動的表示期間決定手段により決定された動的表示期間のうち、第1期間で動的表示される第1識別図柄と、第2期間で動的表示される第2識別図柄とで異なる結果を示すことが可能となるため、動的表示手段により動的表示される識別図柄に対して、遊技者に継続して興味を持たせることができる。よって、動的表示期間中における遊技者の遊技意欲の低下を抑制することができ、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機BP1によれば、事前判別手段による事前判別結果に応じて切替条件の成立のし易さを異ならせることができるため、演出モードが切り替わった場合における事前判別手段の事前判別結果を遊技者に予測させることができ、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機BP1において、遊技者が操作可能な操作手段と、その操作手段に対する操作を判別可能な操作判別手段と、を有し、前記切替条件は、前記操作判別手段により前記操作が判別された場合に成立し得るものであることを特徴とする遊技機BP2。
遊技機BP2によれば、遊技機BP1の奏する効果に加え、遊技者が操作手段を操作した場合にも切替条件が成立させることができるため、遊技者に対して意欲的に操作手段を操作させることができ、遊技に早期に飽きてしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機BP2において、前記切替手段は、前記事前判別手段の判別結果が前記第2事前判別結果である場合に、前記第1演出モードから前記第2演出モードとは異なる第3演出モードへと切替可能であることを特徴とする遊技機BP3。
遊技機BP3によれば、遊技機BP2の奏する効果に加え、第3演出モードが設定されることで、事前判別手段による事前判別の結果が第2事前判別結果であることを遊技者に報知することが可能となる。よって、遊技者に分かり易い演出を提供することができるという効果がある。
遊技機BP1からBP3の何れかにおいて、前記動的表示手段により前記識別情報が動的表示される動的表示期間を決定する動的表示期間決定手段と、終了条件が成立するまで前記動的表示期間決定手段により決定される動的表示期間として短い動的表示期間が決定され易い短遊技状態を設定可能な遊技状態設定手段と、を有し、前記切替条件は、前記短遊技状態が設定されている場合のほうが、前記短遊技状態が設定されていない場合よりも成立し難いものであることを特徴とする遊技機BP4。
遊技機BP4によれば、遊技機BP1からBP3の何れかの奏する効果に加え、短遊技状態中において、演出モードを切替難くすることができるため、演出モードが設定されることにより、判別手段の判別結果を遊技者が把握し難くなることを抑制することができる。よって、遊技者に分かり易い遊技を提供することができるという効果がある。
遊技機BP1からBP4の何れかにおいて、前記遊技状態設定手段により前記短遊技状態が設定されることを、前記短遊技状態が設定されるよりも前に遊技者に報知可能な報知手段を有することを特徴とする遊技機BP5。
遊技機BP5によれば、遊技機BP1からBP4の何れかの奏する効果に加え、遊技者に対して短遊技状態が設定されることを事前に把握させることができるため、短遊技状態が設定されるよりも前に切替条件を成立させようと操作手段を意欲的に操作させることができる。これにより、所望の演出モードを設定した状態で短遊技状態を設定させ易くすることができるため、遊技者が所望しない演出モードにて短遊技状態が設定されてしまい遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができるという効果がある。
<5066シリーズ>
<特徴CA群>(時短中に獲得した特図2保留を用いた特図2抽選の実行回数が所定回数を超えると、特図2抽選により有利特典が付与される確率が高くなる)
情報を取得することが可能な取得手段と、その取得手段により取得された前記情報を記憶することが可能な記憶手段と、その記憶手段に記憶されている前記情報に基づいて判別を実行することが可能な判別手段と、その判別手段による判別結果が第1判別結果であることに基づいて特定遊技を実行することが可能な特定遊技実行手段と、前記特定遊技が実行された後に特定設定を終了条件が成立するまで設定することが可能な設定手段と、を有した遊技機において、前記判別手段により前記第1判別結果とは異なる第2判別結果であると判別された場合に前記特定遊技を実行せずに前記設定手段により前記特定設定を設定させることが可能な設定制御手段を有し、前記判別手段は、特定期間が設定されている場合に前記第2判別結果を判別することが可能に構成されているものであることを特徴とする遊技機CA1。
遊技機CA1によれば、特定期間が設定されている場合に第2判別結果と判別されることが可能にされているので、特定期間が設定されると第2判別結果と判別されることで特定設定が設定されることで、特定設定が通常時と異なるタイミングで設定されることとなり、特定遊技が実行されることだけでなく、特定期間が設定される期間にも期待度を高めることで遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
従来より、パチンコ機などの遊技機として、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行され、特典遊技の終了後に遊技の当否抽選が実行され易い有利状態が設定される構成が提案されていた(先行技術文献:特開2012−217766号公報)。
しかしながら、特典遊技が実行されない限り、有利状態が設定されることが無かったため、遊技の当否抽選の結果が当たりにならない遊技が長時間継続した遊技者に対して、遊技が単調となる問題点があった。上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技が単調とすることを抑制できる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機CA1において、遊技球が入球可能な第1入球手段と、その第1入球手段とは異なる第2入球手段と、を有し、前記取得手段は、前記第1入球手段に遊技球が入球したことに基づいて前記情報として第1情報を取得可能であり、前記第2入球手段に遊技球が入球したことに基づいて前記情報として第2情報を取得可能であり、前記判別手段は、前記第2情報に基づいて前記第2判別結果を判別可能に構成されているものであることを特徴とする遊技機CA2。
遊技機CA2によれば、遊技機CA1の奏する効果に加え、前記第2入球手段に入球させることで第2判別結果が判別可能に構成されているので、第1入球手段と第2入球手段とで遊技球の入球に対する価値を可変させることができ、特定期間が設定されている場合に第2情報が記憶されているように遊技を行わせるようにでき、遊技を多様にすることで遊技の興趣を向上できるという効果がある。
遊技機CA1またはCA2において、前記第2判別結果が判別されたことに基づいて設定される前記特定設定は、特定遊技の実行後に設定される特定設定よりも長い期間設定されることが可能に構成されているものであることを特徴とする遊技機CA3。
遊技機CA3によれば、遊技機CA1またはCA2の奏する効果に加え、特定設定が設定される期間を判別された判別結果により可変させることが可能となるので、遊技を多様にすることができ興趣をより向上できるという効果がある。
<特徴CB群>(1回の特図抽選で大当たりと時短とに重複当選した場合に、何れか一方に当選した場合よりも有利な特典と付与)
情報を取得することが可能な取得手段と、その取得手段により取得された前記情報を記憶することが可能な記憶手段と、その記憶手段に記憶されている前記情報に基づいて判別を実行することが可能な判別手段と、その判別手段による判別結果が第1判別結果であることに基づいて特定遊技を実行することが可能な特定遊技実行手段と、前記特定遊技が実行された後に特定条件が成立していることに基づいて特定設定を終了条件が成立するまで設定することが可能な設定手段と、を有した遊技機において、前記判別手段により前記第1判別結果とは異なる第2判別結果であると判別された場合に前記特定遊技を実行せずに前記設定手段により前記特定設定を設定させることが可能な設定制御手段を有し、前記判別手段は、前記第1判別結果と前記第2判別結果とを重複して判別することが可能に構成されているものであることを特徴とする遊技機CB1。
従来より、パチンコ機などの遊技機として、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行され、特典遊技の終了後に遊技の当否抽選が実行され易い有利状態が設定される構成が提案されていた(先行技術文献:特開2012−217766号公報)。
しかしながら、特典遊技が実行されない限り、有利状態が設定されることが無かったため、遊技の当否抽選の結果が当たりにならない遊技が長時間継続した遊技者に対して、遊技が単調となる問題点があった。上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技が単調とすることを抑制できる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機CB1によれば、第1判別結果と第2判別結果とを重複して判別することが可能に構成されているので、特定条件が成立しなかった場合にも特定設定が設定されることが可能にでき、特定設定がされるタイミングを多様にすることで遊技の興趣を向上できるという効果がある。
遊技機CB1において、前記判別手段により前記第1判別結果と前記第2判別結果とが重複して判別されたことに基づいて前記特定遊技として重複して判別されなかった場合よりも遊技者に有利となる特定遊技の種別が実行され易くされているものであることを特徴とする遊技機CB2。
遊技機CB2によれば、遊技機CB1の奏する効果に加え、重複して判別されることで遊技者に有利となる種別の特定遊技が実行され易いので、遊技者に多様な判別結果に対応した特典を付与することで遊技を多様にすることができるという効果がある。
遊技機CB1またはCB2において、前記設定制御手段は、前記判別手段により前記第2判別結果と判別された後に前記第1判別結果であるかを判別する期間で前記特定設定を設定することが可能に構成されているものであることを特徴とする遊技機CB3。
遊技機CB3によれば、遊技機CB1またはCB2の奏する効果に加え、前記第2判別結果と判別されると、その後に実行される第1判別結果であるかの判別がされる期間に特定設定がされるので、特定設定がされた状態で第1判別結果であるかを判別することができ、多様な状態で判別を行わせることができるという効果がある。
<特徴CC群>(時短成立契機に応じて、時短状態中に時短大当たり当選した場合の有利度合いを異ならせる)
判別を実行可能な判別手段と、その判別手段により実行される前記判別の結果が特定の第1判別結果であることに基づいて特典遊技を実行可能な特典遊技実行手段と、第1遊技状態よりも前記判別手段による前記判別が実行され易い第2遊技状態を設定可能な遊技状態設定手段と、を有した遊技機において、前記遊技状態設定手段は、前記第2遊技状態を設定するための設定種別として、前記特典遊技実行手段の終了後に前記第2遊技状態を設定可能な第1設定と、前記判別手段により実行される前記判別の結果が前記第1判別結果とは異なる第2判別結果であることに基づいて前記特典遊技を実行すること無く、前記第2遊技状態を設定可能な第2設定と、を少なくとも実行可能であり、前記遊技機は、前記設定種別に応じて、前記第2遊技状態中に実行された前記判別手段による前記判別の結果が前記第1判別結果であることに基づいて実行される前記特典遊技の種別の選択割合を異ならせることが可能であることを特徴とする遊技機CC1。
従来より、パチンコ機などの遊技機として、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行され、特典遊技の終了後に遊技の当否抽選が実行され易い有利状態が設定される構成が提案されていた(先行技術文献:特開2012−217766号公報)。
しかしながら有利状態が設定された場合には、遊技当否抽選が実行され易くなるという効果はあるが、有利状態中において、遊技の当否抽選の結果が当たりとなった場合には、常に同一の特典が付与されることから遊技が単調となる問題点があった。上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技が単調とすることを抑制できる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機CC1によれば、設定種別に応じて特典遊技の種別における選択割合が可変されるので、同じ第2遊技状態であっても異なるものとすることができ、遊技状態を多数設定しなくとも遊技を多様にして遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機CC1において、前記第2遊技状態は、終了条件が成立するまで継続して設定されるものであり、前記第2設定が設定されている場合に前記特典遊技が実行された場合には、その特典遊技が実行された後に、前記終了条件が成立するまでの期間を長くなるようにすることが可能な設定がされ易いものであることを特徴とする遊技機CC2。
遊技機CC2によれば、遊技機CC1の奏する効果に加え、前記第2設定がされることで、第2遊技状態が設定される期間を長くすることが可能となるので、第2遊技状態において特典遊技が実行された場合に終了条件が設定されるまでの期間について興味をより持たせることができるという効果がある。
遊技機CC1またはCC2において、前記判別手段は、遊技状態によって前記第2判別結果を判別することが規制されるものであることを特徴とする遊技機CC3。
遊技機CC3によれば、遊技機CC1またはCC2の奏する効果に加え、遊技状態によって第2判別結果が判別されないので、設定されている遊技状態に興味をより持たせ、第2判別結果が判別可能となる遊技状態が設定されることを期待させることができるという効果がある。
<特徴CD群>(ハマればハマるほど時短成立時に有利時短が設定され易い)
判別を実行可能な判別手段と、その判別手段により実行される判別結果が特定の第1判別結果であることに基づいて特典遊技を実行可能な特典遊技実行手段と、その特典遊技実行手段により実行された前記特典遊技の終了後に、第1遊技状態よりも前記判別手段による前記判別が実行され易い設定がされる第2遊技状態を設定可能な遊技状態設定手段と、を有した遊技機において、前記遊技状態設定手段は、前記第2遊技状態が設定されている状態で所定の終了条件が成立したことに基づいて前記第1遊技状態を設定可能であり、前記遊技機は、前記遊技状態設定手段により前記第2遊技状態が設定されている場合に設定されることが可能な設定情報を判別可能な設定情報判別手段を有し、前記設定情報判別手段により前記第1設定情報よりも後に設定される第2設定情報が判別された場合に、前記特典遊技の終了後に前記終了条件が成立し難い前記第2遊技状態を設定可能であることを特徴とする遊技機CD1。
従来より、パチンコ機などの遊技機として、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行され、特典遊技の終了後に遊技の当否抽選が実行され易い有利状態が設定される構成が提案されていた(先行技術文献:特開2012−217766号公報)。
しかしながら、特典遊技が実行されない限り、有利状態が設定されることが無かったため、遊技の当否抽選の結果が当たりにならない遊技が長時間継続した遊技者に対して、遊技が単調となる問題点があった。上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技が単調とすることを抑制できる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機CD1によれば、第2遊技状態が設定されている期間が長くなるほど特典遊技が実行された場合に終了条件が成立し難くされているので、遊技者に特典遊技が実行されることを期待する期間と、特典遊技が実行されることを期待させない期間とを切り替えて設定することができ、遊技を多様にして遊技の興趣をより向上させることができるという効果がある。
遊技機CD1において、前記特定の第1判別結果とは異なる特定の第2判別結果と前記判別手段により判別されたことに基づいて前記設定情報を設定することが可能な設定情報設定手段を有し、前記設定情報設定手段は、設定されている設定情報の種別に対応した設定情報を設定することが可能に構成されているものであることを特徴とする遊技機CD2。
遊技機CD2によれば、遊技機CD1の奏する効果に加え、設定情報の履歴に応じて設定される設定情報を規則的に可変させることができるので第2遊技状態の設定されている期間を容易に判別させることができるという効果がある。
遊技機CD1またはCD2において、前記判別手段は、遊技状態によって前記第2判別結果を判別することが規制されるものであることを特徴とする遊技機CD3。
遊技機CD3によれば、遊技機CD1またはCD2の奏する効果に加え、遊技状態によって第2判別結果が判別されないので、設定されている遊技状態に興味をより持たせ、第2判別結果が判別可能となる遊技状態が設定されることを期待させることができるという効果がある。
<特徴CE群>(大当たり抽選+時短抽選を実行可能な特図1と、大当たり抽選+小当たり抽選を実行可能な特図2)
第1判別を実行可能な第1判別手段と、その第1判別手段により実行される前記第1判別の結果が、第1判別結果であることに基づいて第1特典を付与可能であり、前記第1判別の結果が、前記第1判別結果とは異なる第2判別結果であることに基づいて前記第1特典とは異なる第2特典を付与可能な第1特典付与手段と、を有した遊技機において、前記第1判別とは異なる第2判別を実行可能な第2判別手段と、その第2判別手段により実行される前記第2判別の結果が、第3判別結果であることに基づいて前記第1特典を付与可能であり、前記第2判別の結果が前記第3判別結果とは異なる第4判別結果であることに基づいて、前記第1特典及び前記第2特典とは異なる第3特典を付与可能な第2特典付与手段と、を有し、前記遊技機は、前記第1判別手段により実行される前記第1判別に基づいて前記第3特典が付与されることが無く、且つ、前記第2判別手段により実行される前記第2判別に基づいて前記第2特典が付与されることが無いように構成されていることを特徴とする遊技機CE1。
従来より、パチンコ機などの遊技機として、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典が付与されるものであって、特典を付与するか否かの抽選として、第1抽選と第2抽選とを実行可能な構成が提案されていた(先行技術文献:特開2012−217766号公報)。
しかしながら、第1抽選が実行された場合も、第2抽選が実行された場合も、当選した場合に付与される特典が同一であることから、遊技が単調となる問題点があった。上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技が単調となることを抑制できる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機CE1によれば、第1判別が実行された場合と、第2判別が実行された場合とで、異なる特典を付与可能に構成しているため、遊技者に対して、異なる判別を実行させようと意欲的に遊技を行わせることが可能となり、遊技が単調となることを抑制できるという効果がある。
<特徴CF群>(第1有利条件が成立してから第1有利状態が設定されるまでの間に第2有利条件が成立した場合に、特定有利状態を設定可能)
第1条件が成立したことを判別するための第1判別を実行可能な第1判別手段と、その第1判別手段により前記第1条件が成立したと判別されたことに基づいて第1有利状態を設定可能な第1状態設定手段と、第1条件とは異なる第2条件が成立したことを判別するための第2判別を実行可能な第2判別手段と、その第2判別手段により前記第2条件が成立したと判別されたことに基づいて第2有利状態を設定可能な第2状態設定手段と、を有した遊技機において、前記第1判別手段により前記第1条件が成立したと判別されてから前記第1状態設定手段により前記第1有利状態が設定されるまでの間に、前記第2判別手段により前記第2条件が成立したと判別されたことに基づいて、前記第1有利状態、及び前記第2有利状態よりも遊技者に有利となる第3有利状態を設定可能な第3状態設定手段を有することを特徴とする遊技機CF1。
従来より、パチンコ機などの遊技機として、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典が付与されるものであって、特典を付与するか否かの抽選として、第1抽選と第2抽選とを実行可能な構成が提案されていた(先行技術文献:特開2012−217766号公報)。
しかしながら、第1抽選が実行された場合も、第2抽選が実行された場合も、抽選結果が特典が付与される抽選結果となった場合に、それぞれに対応する特典が付与されるだけであり、遊技が単調となる問題点があった。上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技が単調となることを抑制できる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機CF1によれば、第1条件が成立したことに基づいて第1有利状態が設定され、第2条件が成立したことに基づいて第2有利状態が設定される。そして、第1条件が成立してから第1有利状態が設定されるまでの間に、第2条件が成立した場合には、第1有利状態、及び第2有利状態よりも遊技者に有利となる第3有利状態が設定される。よって、第1条件が成立するタイミングと、第2条件が成立するタイミングとに対して遊技者に興味を持たせることができるため、遊技が単調となることを抑制することができるという効果がある。
<特徴CG群>(特定周期で有利抽選を実行)
判別を実行可能な判別手段と、その判別手段による前記判別の結果が第1判別結果であることに基づいて特典遊技を実行可能な特典遊技実行手段と、第1遊技状態と、その第1遊技状態とは異なる第2遊技状態とを少なくとも含む複数の遊技状態の中から1の遊技状態を設定可能な遊技状態設定手段と、を有した遊技機において、前記遊技状態設定手段は、前記第1遊技状態が設定されている状態において実行された前記判別手段による前記判別の結果が前記第1判別結果とは異なる第2判別結果であることに基づいて前記第2遊技状態を設定可能であり、前記第2遊技状態が設定されている状態において終了条件が成立したことに基づいて前記第1遊技状態を設定可能であり、前記第1遊技状態が設定されている状態において実行された前記判別手段による前記判別の結果が前記第1判別結果及び前記第2判別結果とは異なる第3判別結果であることに基づいて、前記第2遊技状態よりも遊技者に有利な第3遊技状態を設定可能であることを特徴とする遊技機CG1。
従来より、パチンコ機などの遊技機として、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行される構成が提案されていた(先行技術文献:特開2012−217766号公報)。
しかしながら、常に同一内容の当否抽選が実行されるだけであり、遊技が単調となる問題点があった。上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技が単調とすることを抑制できる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機CG1によれば、第2遊技状態が設定されている間は、第3遊技状態が設定され難くすることができるため、第1遊技状態が設定されている期間にて第3遊技状態が設定される遊技を目指すことになる。よって、遊技状況に応じて有利度合いの異なる遊技を実行することが可能となるため、遊技が単調とすることを抑制できるという効果がある。
遊技機CG1において、前記判別手段は、前記判別の結果が前記第2判別結果となる確率よりも前記第3判別結果となる確率のほうが低くなるように前記判別を実行可能であることを特徴とする遊技機CG2。
遊技機CG2によれば、遊技機CG1の奏する効果に加え、第3判別結果となるよりも第2判別結果となり易いため、遊技者に対して、判別手段の判別結果が第2判別結果となり、第3遊技状態が設定され難い第2遊技状態へと遊技状態が移行してしまうことを避けながら、第3遊技状態が設定されることを目指した遊技を行わせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機CG1またはCG2において、前記終了条件として、前記第2遊技状態が設定されている状態において実行される前記判別手段による前記判別の回数が所定回数に到達したことに基づいて成立可能な第1終了条件を少なくとも設定可能な終了条件設定手段を有することを特徴とする遊技機CG3。
遊技機CG3によれば、遊技機CG1またはCG2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2遊技状態中に実行された判別の回数が所定回数に到達した場合に第2遊技状態を終了させることができるため、少なくとも特定周期で第1遊技状態における判別手段の判別を実行することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機CG3において、前記終了条件設定手段は、前記判別手段による前記判別の結果が特定判別結果であることに基づいて成立可能な第2終了条件を設定可能であることを特徴とする遊技機CG4。
遊技機CG4によれば、遊技機CG3の奏する効果に加え、第2終了条件が成立することにより、特定周期よりも短い間隔で第2遊技状態を終了させることができるため、遊技者に対して意外性のある遊技を提供することができるという効果がある。
遊技機CG1からCG4の何れかにおいて、前記判別手段は、前記第1遊技状態中に実行される前記判別の結果が前記第3判別結果となる確率よりも前記第2遊技状態中に実行される前記判別の結果が前記第3判別結果となる確率のほうが低くなるように前記判別を実行可能であることを特徴とする遊技機CG5。
遊技機CG5によれば、遊技機CG1からCG4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2遊技状態よりも第1遊技状態のほうが、第3遊技状態が設定されやすいため、第2遊技状態が設定されていない状況で判別が実行されることを期待しながら遊技を行わせることができるという効果がある。
<特徴CH群>(終わらせた方が良い時短と、終わらせない方が良い時短とを設定可能)
判別を実行可能な判別手段と、その判別手段により実行される前記判別の結果が特定の第1判別結果であることに基づいて特典遊技を実行可能な特典遊技実行手段と、第1遊技状態と、その第1遊技状態とは異なる第2遊技状態とを少なくとも含む複数の遊技状態の中から1の遊技状態を設定可能な遊技状態設定手段と、を有した遊技機において、前記遊技状態設定手段により前記第2遊技状態を設定するための設定種別として、前記特典遊技実行手段の終了後に前記第2遊技状態を設定可能な第1設定と、前記判別手段により実行される前記判別の結果が前記第1判別結果とは異なる第2判別結果であることに基づいて前記特典遊技を実行すること無く、前記第2遊技状態を設定可能な第2設定と、を少なくとも設定可能な種別設定手段を有し、前記遊技状態設定手段は、前記種別設定手段により設定された前記設定種別に応じて、前記第1遊技状態よりも有利となる有利第2遊技状態と、前記第1遊技状態よりも不利となる不利第2遊技状態と、を設定可能であることを特徴とする遊技機CH1。
従来より、パチンコ機などの遊技機として、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行され、特典遊技の終了後に遊技の当否抽選が実行され易い有利状態が設定される構成が提案されていた(先行技術文献:特開2012−217766号公報)。
しかしながら、特典遊技が実行された後に有利状態が設定されるだけであり、遊技が単調となる問題点があった。上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技が単調となることを抑制できる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機CH1によれば、第1遊技状態よりも有利な遊技状態と、第1遊技状態よりも不利な遊技状態と、を設定可能とすることができるため、遊技が単調となることを抑制することができるという効果がある。
<5068の技術思想>
<特徴DA群>(時短中に獲得した特図2保留を用いた特図2抽選の実行回数が所定回数を超えると、特図2抽選により有利特典が付与される確率が高くなる)
情報を取得することが可能な取得手段と、その取得手段により取得された前記情報を記憶することが可能な記憶手段と、その記憶手段に記憶されている前記情報に基づいて判別を実行することが可能な判別手段と、その判別手段による判別結果が第1判別結果であることに基づいて特定遊技を実行することが可能な特定遊技実行手段と、前記特定遊技が実行された後に特定設定を終了条件が成立するまで設定することが可能な設定手段と、を有した遊技機において、前記判別手段により前記第1判別結果とは異なる第2判別結果であると判別された場合に前記特定遊技を実行せずに前記設定手段により前記特定設定を設定させることが可能な設定制御手段を有し、前記判別手段は、特定期間が設定されている場合に前記第2判別結果を判別することが可能に構成されているものであることを特徴とする遊技機DA1。
遊技機DA1によれば、特定期間が設定されている場合に第2判別結果と判別されることが可能にされているので、特定期間が設定されると第2判別結果と判別されることで特定設定が設定されることで、特定設定が通常時と異なるタイミングで設定されることとなり、特定遊技が実行されることだけでなく、特定期間が設定される期間にも期待度を高めることで遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
従来より、パチンコ機などの遊技機として、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行され、特典遊技の終了後に遊技の当否抽選が実行され易い有利状態が設定される構成が提案されていた(先行技術文献:特開2012−217766号公報)。
しかしながら、特典遊技が実行されない限り、有利状態が設定されることが無かったため、遊技の当否抽選の結果が当たりにならない遊技が長時間継続した遊技者に対して、遊技が単調となる問題点があった。上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技が単調とすることを抑制できる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機DA1において、遊技球が入球可能な第1入球手段と、その第1入球手段とは異なる第2入球手段と、を有し、前記取得手段は、前記第1入球手段に遊技球が入球したことに基づいて前記情報として第1情報を取得可能であり、前記第2入球手段に遊技球が入球したことに基づいて前記情報として第2情報を取得可能であり、前記判別手段は、前記第2情報に基づいて前記第2判別結果を判別可能に構成されているものであることを特徴とする遊技機DA2。
遊技機DA2によれば、遊技機DA1の奏する効果に加え、前記第2入球手段に入球させることで第2判別結果が判別可能に構成されているので、第1入球手段と第2入球手段とで遊技球の入球に対する価値を可変させることができ、特定期間が設定されている場合に第2情報が記憶されているように遊技を行わせるようにでき、遊技を多様にすることで遊技の興趣を向上できるという効果がある。
遊技機DA1またはDA2において、前記第2判別結果が判別されたことに基づいて設定される前記特定設定は、特定遊技の実行後に設定される特定設定よりも長い期間設定されることが可能に構成されているものであることを特徴とする遊技機DA3。
遊技機DA3によれば、遊技機DA1またはDA2の奏する効果に加え、特定設定が設定される期間を判別された判別結果により可変させることが可能となるので、遊技を多様にすることができ興趣をより向上できるという効果がある。
<特徴DB群>(1回の特図抽選で大当たりと時短とに重複当選した場合に、何れか一方に当選した場合よりも有利な特典と付与)
情報を取得することが可能な取得手段と、その取得手段により取得された前記情報を記憶することが可能な記憶手段と、その記憶手段に記憶されている前記情報に基づいて判別を実行することが可能な判別手段と、その判別手段による判別結果が第1判別結果であることに基づいて特定遊技を実行することが可能な特定遊技実行手段と、前記特定遊技が実行された後に特定条件が成立していることに基づいて特定設定を終了条件が成立するまで設定することが可能な設定手段と、を有した遊技機において、前記判別手段により前記第1判別結果とは異なる第2判別結果であると判別された場合に前記特定遊技を実行せずに前記設定手段により前記特定設定を設定させることが可能な設定制御手段を有し、前記判別手段は、前記第1判別結果と前記第2判別結果とを重複して判別することが可能に構成されているものであることを特徴とする遊技機DB1。
従来より、パチンコ機などの遊技機として、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行され、特典遊技の終了後に遊技の当否抽選が実行され易い有利状態が設定される構成が提案されていた(先行技術文献:特開2012−217766号公報)。
しかしながら、特典遊技が実行されない限り、有利状態が設定されることが無かったため、遊技の当否抽選の結果が当たりにならない遊技が長時間継続した遊技者に対して、遊技が単調となる問題点があった。上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技が単調とすることを抑制できる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機DB1によれば、第1判別結果と第2判別結果とを重複して判別することが可能に構成されているので、特定条件が成立しなかった場合にも特定設定が設定されることが可能にでき、特定設定がされるタイミングを多様にすることで遊技の興趣を向上できるという効果がある。
遊技機DB1において、前記判別手段により前記第1判別結果と前記第2判別結果とが重複して判別されたことに基づいて前記特定遊技として重複して判別されなかった場合よりも遊技者に有利となる特定遊技の種別が実行され易くされているものであることを特徴とする遊技機DB2。
遊技機DB2によれば、遊技機DB1の奏する効果に加え、重複して判別されることで遊技者に有利となる種別の特定遊技が実行され易いので、遊技者に多様な判別結果に対応した特典を付与することで遊技を多様にすることができるという効果がある。
遊技機DB1またはDB2において、前記設定制御手段は、前記判別手段により前記第2判別結果と判別された後に前記第1判別結果であるかを判別する期間で前記特定設定を設定することが可能に構成されているものであることを特徴とする遊技機DB4。
遊技機DB4によれば、遊技機DB1またはDB2の奏する効果に加え、前記第2判別結果と判別されると、その後に実行される第1判別結果であるかの判別がされる期間に特定設定がされるので、特定設定がされた状態で第1判別結果であるかを判別することができ、多様な状態で判別を行わせることができるという効果がある。
<特徴DC群>(時短成立契機に応じて、時短状態中に時短大当たり当選した場合の有利度合いを異ならせる)
判別を実行可能な判別手段と、その判別手段により実行される前記判別の結果が特定の第1判別結果であることに基づいて特典遊技を実行可能な特典遊技実行手段と、第1遊技状態よりも前記判別手段による前記判別が実行され易い第2遊技状態を設定可能な遊技状態設定手段と、を有した遊技機において、前記遊技状態設定手段は、前記第2遊技状態を設定するための設定種別として、前記特典遊技実行手段の終了後に前記第2遊技状態を設定可能な第1設定と、前記判別手段により実行される前記判別の結果が前記第1判別結果とは異なる第2判別結果であることに基づいて前記特典遊技を実行すること無く、前記第2遊技状態を設定可能な第2設定と、を少なくとも実行可能であり、前記遊技機は、前記設定種別に応じて、前記第2遊技状態中に実行された前記判別手段による前記判別の結果が前記第1判別結果であることに基づいて実行される前記特典遊技の種別の選択割合を異ならせることが可能であることを特徴とする遊技機DC1。
従来より、パチンコ機などの遊技機として、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行され、特典遊技の終了後に遊技の当否抽選が実行され易い有利状態が設定される構成が提案されていた(先行技術文献:特開2012−217766号公報)。
しかしながら有利状態が設定された場合には、遊技当否抽選が実行され易くなるという効果はあるが、有利状態中において、遊技の当否抽選の結果が当たりとなった場合には、常に同一の特典が付与されることから遊技が単調となる問題点があった。上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技が単調とすることを抑制できる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機DC1によれば、設定種別に応じて特典遊技の種別における選択割合が可変されるので、同じ第2遊技状態であっても異なるものとすることができ、遊技状態を多数設定しなくとも遊技を多様にして遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機DC1において、前記第2遊技状態は、終了条件が成立するまで継続して設定されるものであり、前記第2設定が設定されている場合に前記特典遊技が実行された場合には、その特典遊技が実行された後に、前記終了条件が成立するまでの期間を長くなるようにすることが可能な設定がされ易いものであることを特徴とする遊技機DC2。
遊技機DC2によれば、遊技機DC1の奏する効果に加え、前記第2設定がされることで、第2遊技状態が設定される期間を長くすることが可能となるので、第2遊技状態において特典遊技が実行された場合に終了条件が設定されるまでの期間について興味をより持たせることができるという効果がある。
遊技機DC1またはDC2において、前記判別手段は、遊技状態によって前記第2判別結果を判別することが規制されるものであることを特徴とする遊技機DC3。
遊技機DC3によれば、遊技機DC1またはDC2の奏する効果に加え、遊技状態によって第2判別結果が判別されないので、設定されている遊技状態に興味をより持たせ、第2判別結果が判別可能となる遊技状態が設定されることを期待させることができるという効果がある。
<特徴DD群>(ハマればハマるほど時短成立時に有利時短が設定され易い)
判別を実行可能な判別手段と、その判別手段により実行される判別結果が特定の第1判別結果であることに基づいて特典遊技を実行可能な特典遊技実行手段と、その特典遊技実行手段により実行された前記特典遊技の終了後に、第1遊技状態よりも前記判別手段による前記判別が実行され易い設定がされる第2遊技状態を設定可能な遊技状態設定手段と、を有した遊技機において、前記遊技状態設定手段は、前記第2遊技状態が設定されている状態で所定の終了条件が成立したことに基づいて前記第1遊技状態を設定可能であり、前記遊技機は、前記遊技状態設定手段により前記第2遊技状態が設定されている場合に設定されることが可能な設定情報を判別可能な設定情報判別手段を有し、前記設定情報判別手段により前記第1設定情報よりも後に設定される第2設定情報が判別された場合に、前記特典遊技の終了後に前記終了条件が成立し難い前記第2遊技状態を設定可能であることを特徴とする遊技機DD1。
従来より、パチンコ機などの遊技機として、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行され、特典遊技の終了後に遊技の当否抽選が実行され易い有利状態が設定される構成が提案されていた(先行技術文献:特開2012−217766号公報)。
しかしながら、特典遊技が実行されない限り、有利状態が設定されることが無かったため、遊技の当否抽選の結果が当たりにならない遊技が長時間継続した遊技者に対して、遊技が単調となる問題点があった。上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技が単調とすることを抑制できる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機DD1によれば、第2遊技状態が設定されている期間が長くなるほど特典遊技が実行された場合に終了条件が成立し難くされているので、遊技者に特典遊技が実行されることを期待する期間と、特典遊技が実行されることを期待させない期間とを切り替えて設定することができ、遊技を多様にして遊技の興趣をより向上させることができるという効果がある。
遊技機DD1において、前記特定の第1判別結果とは異なる特定の第2判別結果と前記判別手段により判別されたことに基づいて前記設定情報を設定することが可能な設定情報設定手段を有し、前記設定情報設定手段は、設定されている設定情報の種別に対応した設定情報を設定することが可能に構成されているものであることを特徴とする遊技機DD2。
遊技機DD2によれば、遊技機DD1の奏する効果に加え、設定情報の履歴に応じて設定される設定情報を規則的に可変させることができるので第2遊技状態の設定されている期間を容易に判別させることができるという効果がある。
遊技機DD1またはDD2において、前記判別手段は、遊技状態によって前記第2判別結果を判別することが規制されるものであることを特徴とする遊技機DD3。
遊技機DD3によれば、遊技機DD1またはDD2の奏する効果に加え、遊技状態によって第2判別結果が判別されないので、設定されている遊技状態に興味をより持たせ、第2判別結果が判別可能となる遊技状態が設定されることを期待させることができるという効果がある。
<特徴DE群>(大当たり抽選+時短抽選を実行可能な特図1と、大当たり抽選+小当たり抽選を実行可能な特図2)
第1判別を実行可能な第1判別手段と、その第1判別手段により実行される前記第1判別の結果が、第1判別結果であることに基づいて第1特典を付与可能であり、前記第1判別の結果が、第2判別結果であることに基づいて前記第1特典とは異なる第2特典を付与可能な第1特典付与手段と、を有した遊技機において、前記第1判別とは異なる第2判別を実行可能な第2判別手段と、その第2判別手段により実行される前記第2判別の結果が、特定の第2判別結果であることに基づいて前記第1特典を付与可能であり、前記第2判別の結果が前記第3判別結果とは異なる第4判別結果であることに基づいて、前記第1特典及び前記第2特典とは異なる第3特典を付与可能な第2特典付与手段と、を有し、前記遊技機は、前記第1判別手段により実行される前記第1判別に基づいて前記第3特典が付与されることが無く、且つ、前記第2判別手段により実行される前記第2判別に基づいて前記第2特典が付与されることが無いように構成されていることを特徴とする遊技機DE1。
従来より、パチンコ機などの遊技機として、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典が付与されるものであって、特典を付与するか否かの抽選として、第1抽選と第2抽選とを実行可能な構成が提案されていた(先行技術文献:特開2012−217766号公報)。
しかしながら、第1抽選が実行された場合も、第2抽選が実行された場合も、当選した場合に付与される特典が同一であることから、遊技が単調となる問題点があった。上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技が単調となることを抑制できる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機DE1によれば、第1判別が実行された場合と、第2判別が実行された場合とで、異なる特典を付与可能に構成しているため、遊技者に対して、異なる判別を実行させようと意欲的に遊技を行わせることが可能となり、遊技が単調となることを抑制できるという効果がある。
<特徴DF群>(第1有利条件が成立してから第1有利状態が設定されるまでの間に第2有利条件が成立した場合に、特定有利状態を設定可能)
第1条件が成立したことを判別するための第1判別を実行可能な第1判別手段と、その第1判別手段による第1判別結果を示すための第1識別情報が表示される表示手段と、前記第1識別情報を動的表示させた後に前記第1判別結果を示す態様で停止表示させることが可能な第1動的表示手段と、第2判別を実行可能な第2判別手段と、その第2判別手段による第2判別結果を示すための第2識別情報を前記表示手段に動的表示させた後に前記第2判別結果を示すための態様で停止表示させることが可能な第2動的表示手段と、を有した遊技機において、遊技者に有利となることが可能な有利遊技状態が設定される前記第1識別情報の動的表示が開始された場合に特定遊技状態を設定する遊技状態設定手段と、前記特定遊技状態が設定されている場合には、前記第2判別手段により遊技者に有利となる前記第2判別結果が判別され易く構成されているものであることを特徴とする遊技機DF1。
従来より、パチンコ機などの遊技機として、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典が付与されるものであって、特典を付与するか否かの抽選として、第1抽選と第2抽選とを実行可能な構成が提案されていた(先行技術文献:特開2012−217766号公報)。
しかしながら、第1抽選が実行された場合も、第2抽選が実行された場合も、特典が付与される抽選結果となった場合に、それぞれに対応する特典が付与されるだけであり、遊技が単調となる問題点があった。上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技が単調となることを抑制できる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機DF1によれば、第1条件が成立したことに基づいて第1有利状態が設定され、第2条件が成立したことに基づいて第2有利状態が設定される。そして、第1条件が成立してから第1有利状態が設定されるまでの間に、第2条件が成立した場合には、第1有利状態、及び第2有利状態よりも遊技者に有利となる第3有利状態が設定される。よって、第1条件が成立するタイミングと、第2条件が成立するタイミングとに対して遊技者に興味を持たせることができるため、遊技が単調となることを抑制することができるという効果がある。
遊技機DF1において、前記有利遊技状態が設定される前記第1識別情報の動的表示では、前記特定遊技状態で実行される前記第2識別情報の動的表示が複数回実行可能な期間より長い期間の動的表示が選択され易い動的表示態様群より動的表示態様が選択されるように制御され、前記特定遊技状態が設定されている場合には、前記第2識別情報の動的表示として通常の遊技状態よりも短い動的表示期間で構成された動的表示態様が選択され易い動的表示態様群より動的表示態様が選択されるものであることを特徴とすることを特徴とする遊技機DF2。
遊技機DF2によれば、遊技機DF1の奏する効果に加え、第1識別情報の動的表示期間として長い動的表示期間が選択されることで特定遊技状態を長く設定でき、その特定遊技状態では、第2識別情報の動的表示期間が短く設定されることで第2識別情報の動的表示を多回数実行することで、遊技者に第2識別情報の動的表示をより多く実行させるように意欲を持たせやすくして、遊技の興趣を向上できるという効果がある。
遊技機DF1またはDF2において、前記特定遊技状態が設定されている場合に、特定の前記第2判別結果であることに基づいて前記有利遊技状態よりも遊技者に有利となる遊技状態を設定可能にされているものであることを特徴とする遊技機DF3。
遊技機DF3によれば、遊技機DF1またはDF2の奏する効果に加え、第2識別情報が特定の第2判別結果となると有利遊技状態よりも有利な遊技状態が特定遊技状態において設定されることとなるので、特定遊技状態の残り期間によって遊技者に与える特典を可変させることができ、遊技を多様にすることができるという効果がある。
遊技機DF1からDF3のいずれかにおいて、前記第2識別情報の動的表示が停止表示され、特定条件が成立していることにより動的表示されている前記第1識別情報の動的表示を前記有利遊技状態が設定されないように強制的に停止表示させることが可能に構成されているものであることを特徴とする遊技機DF4。
遊技機DF4によれば、遊技機DF1からDF3のいずれかにおいて、第2識別情報の動的表示によって設定されるはずの有利遊技状態を強制的に破棄させることができるので、遊技を多様にすることができるという効果がある。
遊技機DF1からDF4のいずれかにおいて、前記特定遊技状態が設定されている場合に前記第2識別情報の動的表示が終了することで特典遊技が実行される場合には、動的表示されている前記第1識別情報の動的表示期間を中断し、前記特典遊技の実行が終了した後に再開して動的表示を実行可能に構成されているものであることを特徴とする遊技機DF5。
遊技機DF5によれば、遊技機DF1からDF4のいずれかの奏する効果に加え、特典遊技がされている期間には、第1識別情報の動的表示が中断された後に、特典遊技の終了後に再開されるので、特典遊技が実行されることで、有利遊技状態への期待を低減させて、特典遊技の価値を低下させる不具合を抑制できるという効果がある。
遊技機DF1からDF5のいずれかにおいて、前記有利遊技状態は、前記第1識別情報の動的表示後に実行される特典遊技が実行される前記第1識別情報の動的表示がされた場合に設定される第1設定条件と、前記特典遊技の実行されない前記第1識別情報の動的表示がされた場合に設定される第2設定条件と、に基づいて少なくとも設定可能にされているものであることを特徴とする遊技機DF6。
遊技機DF6によれば、遊技機DF1からDF5のいずれかの奏する効果に加え、 特典遊技が実行されなくとも有利遊技状態が設定されるように構成することで、有利遊技状態が設定されるタイミングを予測困難とすることができ、遊技に新鮮味を持たせることができるという効果がある。
<特徴DG群>(特定周期で有利抽選を実行)
判別を実行可能な判別手段と、その判別手段による前記判別の結果が第1判別結果であることに基づいて特典遊技を実行可能な特典遊技実行手段と、第1遊技状態と、その第1遊技状態とは異なる第2遊技状態とを少なくとも含む複数の遊技状態の中から1の遊技状態を設定可能な遊技状態設定手段と、を有した遊技機において、前記遊技状態設定手段は、前記第1遊技状態が設定されている状態において実行された前記判別手段による前記判別の結果が前記第1判別結果とは異なる第2判別結果であることに基づいて前記第2遊技状態を設定可能であり、前記第2遊技状態が設定されている状態において終了条件が成立したことに基づいて前記第1遊技状態を設定可能であり、前記第1遊技状態が設定されている状態において実行された前記判別手段による前記判別の結果が前記第1判別結果及び前記第2判別結果とは異なる第3判別結果であることに基づいて、前記第2遊技状態よりも遊技者に有利な第3遊技状態を設定可能であることを特徴とする遊技機DG1。
従来より、パチンコ機などの遊技機として、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行される構成が提案されていた(先行技術文献:特開2012−217766号公報)。
しかしながら、常に同一内容の当否抽選が実行されるだけであり、遊技が単調となる問題点があった。上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技が単調とすることを抑制できる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機DG1によれば、第2遊技状態が設定されている間は、第3遊技状態が設定され難くすることができるため、第1遊技状態が設定されている期間にて第3遊技状態が設定される遊技を目指すことになる。よって、遊技状況に応じて有利度合いの異なる遊技を実行することが可能となるため、遊技が単調とすることを抑制できるという効果がある。
遊技機DG1において、前記判別手段は、前記判別の結果が前記第2判別結果となる確率よりも前記第3判別結果となる確率のほうが低くなるように前記判別を実行可能であることを特徴とする遊技機DG2。
遊技機DG2によれば、遊技機DG1の奏する効果に加え、第3判別結果となるよりも第2判別結果となり易いため、遊技者に対して、判別手段の判別結果が第2判別結果となり、第3遊技状態が設定され難い第2遊技状態へと遊技状態が移行してしまうことを避けながら、第3遊技状態が設定されることを目指した遊技を行わせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機DG1またはDG2において、前記終了条件として、前記第2遊技状態が設定されている状態において実行される前記判別手段による前記判別の回数が所定回数に到達したことに基づいて成立可能な第1終了条件を少なくとも設定可能な終了条件設定手段を有することを特徴とする遊技機DG3。
遊技機DG3によれば、遊技機DG1またはDG2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2遊技状態中に実行された判別の回数が所定回数に到達した場合に第2遊技状態を終了させることができるため、少なくとも特定周期で第1遊技状態における判別手段の判別を実行することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機DG3において、前記終了条件設定手段は、前記判別手段による前記判別の結果が特定判別結果であることに基づいて成立可能な第2終了条件を設定可能であることを特徴とする遊技機DG4。
遊技機DG4によれば、遊技機DG3の奏する効果に加え、第2終了条件が成立することにより、特定周期よりも短い間隔で第2遊技状態を終了させることができるため、遊技者に対して意外性のある遊技を提供することができるという効果がある。
遊技機DG1からDG4の何れかにおいて、前記判別手段は、前記第1遊技状態中に実行される前記判別の結果が前記第3判別結果となる確率よりも前記第2遊技状態中に実行される前記判別の結果が前記第3判別結果となる確率のほうが低くなるように前記判別を実行可能であることを特徴とする遊技機DG5。
遊技機DG5によれば、遊技機DG1からDG4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2遊技状態よりも第1遊技状態のほうが、第3遊技状態が設定されやすいため、第2遊技状態が設定されていない状況で判別が実行されることを期待しながら遊技を行わせることができるという効果がある。
<特徴DH群>(終わらせた方が良い時短と、終わらせない方が良い時短とを設定可能)
判別を実行可能な判別手段と、その判別手段による判別結果を示すための識別情報が動的表示される表示手段と、特定の前記判別結果であることを示すための識別情報が表示された場合に特典遊技を実行可能な特典遊技実行手段と、第1遊技状態と、その第1遊技状態とは異なる第2遊技状態とを少なくとも含む複数の遊技状態の中から1の遊技状態を設定可能な遊技状態設定手段と、を有した遊技機において、第2遊技状態の設定が終了される終了条件が成立することで遊技者に有利な遊技状態が設定される第1状態と、前記終了条件が成立しない方が終了する場合よりも遊技な遊技状態が設定される第2状態と、を設定可能な状態設定手段を有するものであることを特徴とする遊技機DH1。
従来より、パチンコ機などの遊技機として、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行され、特典遊技の終了後に遊技の当否抽選が実行され易い有利状態が設定される構成が提案されていた(先行技術文献:特開2012−217766号公報)。
しかしながら、特典遊技が実行された後に有利状態が設定されるだけであり、遊技が単調となる問題点があった。上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技が単調となることを抑制できる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機DH1によれば、第2遊技状態が設定された場合に、第1状態と第2状態との設定により終了条件が成立することへの期待度を可変させることができるので、第2遊技状態が終了したことによる興趣を可変させて、遊技の興趣を向上できるという効果がある。
遊技機DH1において、前記第1状態が設定される場合に前記終了条件が成立することで前記第1遊技状態が設定され、その第1遊技状態が設定されている状態から前記第2遊技状態が設定されることに基づいて前記第2状態が設定されるものであることを特徴とする遊技機DH2。
遊技機DH2によれば、遊技機DH1の奏する効果に加え、第1状態が設定された後に、第1遊技状態を経て、第2状態が設定される第2遊技状態が設定されるので、遊技状態の設定される順序によって有利な遊技状態が設定されることとなり、徐々に期待度を高めながら遊技を継続させ易くできるという効果がある。
遊技機DH1またはDH2において、前記第2遊技状態は、前記特典遊技が実行される前記識別情報の動的表示がされた場合に設定されることが可能な第1条件と、前記特典遊技が実行されない前記識別情報の動的表示がされた場合に設定されることが可能な第2条件と、に基づいて設定可能に構成されているものであることを特徴とする遊技機DH3。
遊技機DH3によれば、遊技機DH1またはDH2の奏する効果に加え、第2遊技状態が設定されるタイミングを多様にすることができ、新鮮味のある遊技を提供できるという効果がある。
<特徴DI群>(通常状態で特図2抽選を実行した場合に、所定期間、特図1抽選にもペナルティ)
第1判別を実行可能な第1判別手段と、前記第1判別とは異なる第2判別を実行可能な第2判別手段と、を有した遊技機において、前記第1判別手段と前記第2判別手段とが第1順序で判別された場合に設定されることが可能な第1設定と、前記第1順序とは異なる第2順序で判別された場合に設定されることが可能な第2設定と、を設定可能な設定手段を有するものであることを特徴とする遊技機DI1。
従来より、パチンコ機などの遊技機として、複数の契機によりそれぞれ当たり等の判別を所定の順序で実行し、判別結果に基づいた報知を遊技者にし、当たり等の特定の報知がされた場合に遊技者に有利な特典が付与される構成が提案されていた(先行技術文献:特開2012−217766号公報)。
しかしながら、当たり等の判別が実行される順序が異なった場合であっても、個々の判別結果に基づく遊技が実行されるだけで有り、順序を異ならせたことにより遊技性の異なる遊技が実行されることが無いため、遊技が単調となる問題点があった。上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技が単調となることを抑制できる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機DI1によれば、第1判別と第2判別との実行順序に応じて異なる設定がされるため、判別が実行される順序に興味を持たせることが可能となり遊技の興趣を向上できるという効果がある。
遊技機DI1において、第1遊技状態と、その第1遊技状態とは異なる第2遊技状態とを設定可能な遊技状態設定手段を有し、前記遊技状態設定手段は、前記第1判別が実行されたことに基づいて前記第2遊技状態を設定可能であり、次に第1判別が実行されることに基づいて前記第1遊技状態を設定可能であることを特徴とする遊技機DI2。
遊技機DI2によれば、遊技機DI1の奏する効果に加え、第1遊技状態を周期的に設定することが可能となり、遊技状態を一定周期で可変させて遊技の興趣を向上できるという効果がある。
遊技機DI2において、前記遊技状態設定手段は、前記第2判別が実行されたことに基づいて前記第2遊技状態を設定可能であり、次に前記第2判別が実行されることに基づいて前記第1遊技状態を設定可能であることを特徴とする遊技機DI3。
第1判別と第2判別とが交互に実行されることで第1遊技状態を継続して設定することが可能となり、判別の順序に興味を持たせて遊技の興趣を向上できるという効果がある。
遊技機DI1からDI3のいずれかにおいて、前記第1設定では、特定の前記第1判別結果または特定の前記第2判別結果に基づいて第1特典遊技が実行され、前記第2設定では、特定の前記第1判別結果または特定の前記第2判別結果に基づいて第1特典遊技よりも遊技者に有利な第2特典遊技が実行されるものであることを特徴とする遊技機DI4。
遊技機DI4によれば、遊技機DI1からDI3のいずれかの奏する効果に加え、第2設定がされることで遊技者に有利とすることができ、判別の順序で遊技の興趣を可変させることができるという効果がある。
遊技機DI2からDI4の何れかにおいて、前記遊技状態設定手段は、前記第2遊技状態を設定する契機となった前記第1判別の次に、前記第2判別が実行された場合には、複数回の前記第1判別が少なくとも実行されることで成立可能な設定条件が成立したことに基づいて前記第1遊技状態を設定可能であることを特徴とする遊技機DI5。
<特徴DJ群>(通常状態、有利状態、超有利状態の3つの遊技状態を設定可能であり、通常状態からは有利状態、超有利状態の何れにも移行可能で、有利状態からは超有利状態へと移行し難い遊技性)
判別を実行可能な判別手段と、その判別手段により実行される前記判別の結果が第1判別結果であることに基づいて特典遊技を実行可能な特典遊技実行手段と、第1遊技状態よりも遊技者に有利となる第2遊技状態と、その第2遊技状態よりも遊技者に有利となる第3遊技状態と、を含む複数の遊技状態の中から1の遊技状態を設定可能な遊技状態設定手段と、を有した遊技機において、前記遊技状態設定手段は、前記特典遊技の終了後に前記第2遊技状態を設定可能であり、前記第1遊技状態が設定されている状態で実行された前記判別手段による前記判別の結果が前記第1判別結果とは異なる第2判別結果であることに基づいて前記第3遊技状態を設定可能であり、前記判別手段は、前記第1遊技状態が設定されている状態で実行される前記判別の方が、前記第2遊技状態が設定されている状態で実行される前記判別よりも、前記第2判別結果を判別し易いものであり、前記遊技機は、前記第2遊技状態が設定されている状態で前記判別が実行されるよりも、前記第1遊技状態が設定されている状態で前記判別が実行される場合の方が、前記第3遊技状態が設定され易くなるように構成していることを特徴とする遊技機DJ1。
従来より、パチンコ機などの遊技機として、複数の遊技状態を設定し、その遊技状態を当たり等の条件が成立することで切り替えることで、遊技者に多様な遊技状態が切り替えられるように構成して、遊技の意欲を高めた構成が提案されていた(先行技術文献:特開2012−217766号公報)。
さらに、複数の遊技状態として遊技者への有利度合いの異なる遊技状態を設定可能に構成し、有利度合いの低い遊技状態から徐々に有利度合いの高い遊技状態へと遊技状態を切り替えることにより、遊技者に対して現在よりも更に有利な遊技状態へと切り替わることを目指させることで高い遊技意欲を維持させるものがある。
しかしながら、上述した従来型の遊技機では、定期的に遊技状態が切り替わる場合には遊技者が遊技に早期に飽きること無く、高い遊技意欲を継続させることができるものであったが、遊技状態が切り替わること無く、有利度合いの低い遊技状態が長時間継続した場合には、遊技者の遊技意欲が著しく低下してしまうという問題があった。上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、興趣を向上できる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機DJ1によれば、第2遊技状態よりも、第2遊技状態よりも遊技者に不利となる第1遊技状態のほうが、第2遊技状態よりも遊技者に有利となる第3遊技状態が設定され易い判別が実行される。よって、第1遊技状態が設定されている遊技者に対して、特典遊技が実行された後に第2遊技状態が設定されることを目指す遊技と、第3遊技状態が設定されることを目指す遊技と、を並行して実行させることができ、遊技者が遊技に早期に飽きてしまうことの無い遊技機を提供することができるという効果がある。
また、第2遊技状態へと遊技状態が切り替わること無く、第1遊技状態が長時間継続することにより、第3遊技状態へと遊技状態が切り替わる可能性を高めることができるため、遊技者に不利な第1遊技状態が継続した場合においても遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機DJ1において、前記判別手段は、第1判別条件の成立に基づいて第1判別を実行可能であり、前記第1判別条件とは異なる第2判別条件の成立に基づいて第2判別を実行可能であり、前記第1遊技状態および前記第2遊技状態では、前記第2判別条件の成立が規制され、前記第3遊技状態では、前記第2判別条件の成立が許容される設定が実行可能にされているものであることを特徴とする遊技機DJ2。
遊技機DJ2によれば、遊技機DJ1の奏する効果に加え、遊技状態によって判別条件の成立し易さが種別毎に変更されるので遊技方法を可変させることができ、遊技に新鮮味を与えることができるという効果がある。
遊技機DJ1またはDJ2において、遊技状態設定手段は、前記第3遊技状態が設定されている場合に、前記第2判別により特定の判別結果と判別された場合に、前記第2遊技状態を設定可能に構成されているものであることを特徴とする遊技機DJ3。
遊技機DJ3によれば、遊技機DJ1またはDJ2の奏する効果に加え、第3遊技状態の後も有利な遊技状態である第2遊技状態へ移行させることができ、遊技者に有利な状態をより長い期間継続させることができるという効果がある。
<特徴DK群>(時短中の保留を貯めろ演出の演出態様を、保留先読み結果に基づいて異ならせる)
遊技球が入球可能な入球手段と、その入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて、情報を取得することが可能な取得手段と、その取得手段により取得された前記情報を、所定数を上限に記憶することが可能な記憶手段と、その記憶手段に記憶されている前記情報に基づいて判別を実行することが可能な判別手段と、その判別手段による判別結果が第1判別結果であることに基づいて特典遊技を実行することが可能な特典遊技実行手段と、前記記憶手段に記憶されている前記情報を、前記判別手段により前記判別されるよりも前に判別可能な事前判別手段と、第1遊技状態と、その第1遊技状態よりも前記入球手段へと遊技球を入球させ易くすることが可能な第2遊技状態と、を前記情報に基づいて成立可能な条件に基づいて設定可能な遊技状態設定手段と、を有した遊技機において、前記第2遊技状態が設定されている場合に前記事前判別手段による事前判別結果に基づいて第1条件が成立していることにより前記第1遊技状態では実行されない特定演出を実行可能に構成された特定演出実行手段を有するものであることを特徴とする遊技機DK1。
従来より、パチンコ機などの遊技機として、遊技球が始動口等に入球することにより乱数値等の情報が取得されて、その乱数値等に基づいて抽選が実行されることで遊技者に有利な特典を付与するか否かを決定する構成が提案されていた(先行技術文献:特開2012−217766号公報)。
さらに、取得した情報を、所定個数を上限に記憶することが可能に構成されると共に、遊技状態として、始動口等へと遊技球を入球させることが困難な第1遊技状態と、その第1遊技状態よりも遊技球を入球させ易い第2遊技状態と、を設定可能にする構成が提案されていた。
このような従来型の遊技機では、より多くの情報を記憶している状態で第2遊技状態を終了させることが遊技者に最も有利な遊技となり易いため、第2遊技状態中において始動口等へと多くの遊技球を入球させるための遊技が遊技者によって行われていた。
しかしながら、既に獲得している情報に基づく抽選の内容によっては、現在設定されている第2遊技状態が終了した後にも、再度、第2遊技状態が設定させる権利を獲得している場合があり、遊技者に対して無用に始動口等へと多くの遊技球を入球させるための遊技を実行させてしまう虞があった。また、第2遊技状態が終了する間際の遊技が単調となり、遊技の興趣が低下するという問題点があった。上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技の興趣を向上できる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機DK1によれば、第2遊技状態中における事前判別の結果に基づいて特定演出が実行されることで第1条件が成立していることを早期に識別することが可能となり、第2遊技状態が設定されていることへの価値を高めて遊技の興趣を向上できるという効果がある。
遊技機DK1において、前記入球手段として、第1入球手段と、その第1入球手段とは異なる第2入球手段と、が配置されており、前記判別手段は、前記第1入球手段に入球したことに基づいて第1判別を実行し、前記第2入球手段に入球したことに基づいて前記第1判別よりも有利となる第2判別を実行可能であり、前記第2遊技状態は、前記可変手段を前記第1状態から前記第2状態へと可変させ易くするものであることを特徴とする遊技機DK2。
遊技機DK2によれば、遊技機DK1の奏する効果に加え、第2遊技状態では、第2入球手段に入球させる頻度を高くすることができ遊技者の興趣を向上できるという効果がある。
遊技機DK1またはDK2において、前記第2遊技状態の終了条件として第1終了条件と、その第1終了条件よりも遊技者に有利な第2終了条件とが設定可能に構成されており、前記第1条件は、前記事前判別により前記第2終了条件が成立可能と判別されたことに基づいて成立可能にされているものであることを特徴とする遊技機DK3。
遊技機DK3によれば、遊技機DK1またはDK2の奏する効果に加え、第1条件が成立することで、情報をより多く記憶させて有利な第2判別をより多く実行させることが可能となるので、特定演出が実行されることで、第2判別がより多く実行されることを早期に判別でき、遊技に対する期待を事前に高めることができるという効果がある。
<5072の技術思想>
<特徴EA群>(異なる状態(天井や演出)を設定可能)
判別を実行可能な判別手段と、その判別手段による判別結果を示すための識別情報が動的表示される表示手段と、その表示手段に特定の判別結果を示すための識別情報が表示された場合に、遊技者に有利となる特典を付与可能な特典付与手段と、を有した遊技機において、第1遊技状態が設定されている場合に特定条件の成立に基づいて第1設定を設定可能であり、前記第1遊技状態とは異なる第2遊技状態が設定されている場合に前記特定条件の成立に基づいて前記第1設定とは異なる第2設定を設定可能な設定手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機EA1。
従来より、パチンコ機などの遊技機は、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、その抽選結果を報知するための図柄が所定期間変動表示された後に、抽選結果を示す態様で図柄が停止表示され、外れを示す抽選結果が報知された場合には、次の抽選結果を示すための図柄の変動表示が開始される。抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行された後に、所定条件が成立している場合には、遊技状態を遊技者に有利となる遊技状態に可変させることが可能な構成が提案されていた(先行技術文献:特開2012−217766号公報)。
しかしながら、さらなる遊技の興趣向上が求められていた。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技の興趣をさらに向上させた遊技機を提供することを目的とする。
遊技機EA1によれば、第1遊技状態と第2遊技状態とで特定条件が成立した場合における設定種別が異なるので、遊技の設定を多様に可変させることができ、第1遊技状態で特定条件が成立するか、第2遊技状態で特定条件が成立するかについて興味を持たせることで遊技の興趣をより向上できるという効果がある。
遊技機EA1において、前記特定条件は、前記識別情報が動的表示された回数に対応した条件が成立することで成立可能に設定されており、前記回数は、前記第1遊技状態から前記第2遊技状態へと移行した場合にもカウントされている値が維持されるものであることを特徴とする請求項1記載の遊技機EA2。
遊技機EA2によれば、遊技機EA1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技状態が可変した場合にも回数のカウント値が維持されるので、多様に遊技状態を可変させながら、特定条件が成立するまでの回数へ到達させることができるという効果がある。
遊技機EA1またはEA2において、前記第1設定は、遊技者に有利となる有利状態を第1期間において設定することが可能であり、前記第2設定は、前記第1期間よりも長い第2期間で前記有利状態を設定することが可能であることを特徴とする遊技機EA3。
遊技機EA3によれば、遊技機EA1またはEA2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2設定がされることで、有利状態が長期間設定されることが可能となるので、特定条件の成立により有利度合いを可変させることで遊技の興趣を向上できるという効果がある。
遊技機EA1からEA3のいずれかにおいて、前記判別手段による判別結果が前記特定の判別結果とは異なる第1判別結果である場合に、前記第2遊技状態を前記識別情報の動的表示が開始される前に設定することが可能に構成されているものであることを特徴とする遊技機EA4。
遊技機EA4によれば、遊技機EA1からEA3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1判別結果となることで、第2遊技状態へと移行されるので、遊技状態を多様に可変させることができるという効果がある。
遊技機EA1からEA4のいずれかにおいて、前記第2遊技状態が設定されている場合に、前記識別情報の動的表示が予め定められた所定回数実行されたことに基づいて前記第1遊技状態を設定可能に構成されているものであることを特徴とする遊技機EA5。
遊技機EA5によれば、遊技機EA1からEA4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特定条件が成立するまでの回数がカウントされるまでに、第1遊技状態と第2遊技状態とをそれぞれ移行させることができ、特定条件が成立するまでの回数が経過するまでの期間を多様にすることができるという効果がある。
遊技機EA1からEA5の何れかにおいて、前記特定条件が成立するよりも前に、前記第2遊技状態が設定されていることを示唆可能な示唆演出実行手段を有することを特徴とする遊技機EA6。
遊技機EA6によれば、遊技機EA1からEA5の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技者に第2遊技状態が設定されていることを把握することが可能となるため、特定条件が成立する時点において設定される遊技状態を予測する楽しみを提供することができるという効果がある。
遊技機EA3からEA6の何れかにおいて、少なくとも、前記判別手段による前記判別結果が前記特定の判別結果であることに基づいて、前記第2期間の前記有利状態を設定可能な有利状態設定手段を有することを特徴とする遊技機EA7。
遊技機EA7によれば、遊技機EA3からEA6の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、判別手段による判別の結果が特定の判別結果であることに基づいて第2期間の有利状態を設定することが可能となるため、特定条件が成立するよりも前に遊技者に第2期間の有利状態を提供することができる。よって、遊技者に対しては、特定条件として様々な条件が設定されていると思わせることができ、遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機EA7において、前記判別手段による前記判別結果が前記特定の判別結果とは異なる第1判別結果であることに基づいて前記第2期間の前記有利状態を設定可能であることを特徴とする遊技機EA8。
遊技機EA8によれば、遊技機EA7の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特典が付与される判別結果では無い場合でも、第2期間の有利状態を設定することができるので、あたかも識別情報が動的表示された回数に対応して第2期間の有利状態が設定されたと遊技者に思わせ易くすることができる。よって、遊技者に対しては、特定条件として様々な条件が設定されていると思わせることができ、遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機EA1からEA8の何れかにおいて、前記特定条件が成立しない期間が特定期間継続した場合に、前記第2設定よりも遊技者に有利となる第3設定を実行可能な第3設定実行手段を有することを特徴とする遊技機EA9。
遊技機EA9によれば、遊技機EA1からEA8の何れかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特定条件が成立しない期間が長期間継続した場合に、遊技者に有利となる第3設定を実行することができるため、遊技者の損害を抑制することができるという効果がある。
<特徴EB群>(発動回数をランダム化)
判別を実行可能な判別手段と、その判別手段による判別結果を示すための識別情報が動的表示される表示手段と、その表示手段に特定の前記判別結果を示すための識別情報が表示された場合に遊技者に有利となる第1特典を付与することが可能な第1特典付与手段と、を有した遊技機において、前記判別手段による判別結果が前記特定の判別結果とは異なる第1判別結果である場合に、第1設定を実行可能な第1設定手段と、前記第1設定が設定されている場合に、前記識別情報の動的表示が予め定められた回数実行されたことに基づいて前記第1設定を解除することが可能な解除手段と、前記第1設定が実行されている場合に、特定条件が成立することで前記第1設定とは異なる第2設定を実行可能な第2設定手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機EB1。
従来より、パチンコ機などの遊技機は、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、その抽選結果を報知するための図柄が所定期間変動表示された後に、抽選結果を示す態様で図柄が停止表示され、外れを示す抽選結果が報知された場合には、次の抽選結果を示すための図柄の変動表示が開始される。抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行された後に、所定条件が成立している場合には、遊技状態を遊技者に有利となる遊技状態に可変させることが可能な構成が提案されていた(先行技術文献:特開2012−217766号公報)。
しかしながら、さらなる遊技の興趣向上が求められていた。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技の興趣をさらに向上させた遊技機を提供することを目的とする。
遊技機EB1によれば、第2設定が実行されるまでの識別情報の動的表示回数をランダムにすることができ、遊技の興趣をより向上させることができるという効果がある。
遊技機EB1において、前記第1設定が実行されている場合に、前記第1特典が付与された後に前記第1設定を設定しないものであることを特徴とする遊技機EB2。
遊技機EB2によれば、遊技機EB1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特典が付与されることで第1設定が解除されるので、特典が長期間付与されない場合に、第2設定を実行させることが可能となり、一定期間以上で特典が付与されないことを遊技者に有利に感じさせることができるという効果がある。
遊技機EB1またはEB2において、前記第2設定が実行されることで、前記第1設定が設定されている場合よりも遊技者に有利な状態とすることが可能な手段を有するものであることを特徴とする遊技機EB3。
遊技機EB3によれば、遊技機EB1またはEB2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2設定が実行されることで、遊技者に有利な状態とできることで、長期間特典が付与されない状態が発生しても、遊技者の損害を抑制することができるという効果がある。
遊技機EB1からEB3の何れかにおいて、前記特定条件が成立しない期間が特定期間継続した場合に、前記第2設定よりも遊技者に有利となる第3設定を実行可能な第3設定実行手段を有することを特徴とする遊技機EB4。
遊技機EB4によれば、遊技機EB1からEB3の何れかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特定条件が成立しない期間が長期間継続した場合に、遊技者に有利となる第3設定を実行することができるため、遊技者の損害を抑制することができるという効果がある。
<特徴EEC群>(ランダム化その2)
判別を実行可能な判別手段と、その判別手段による判別結果を示すための識別情報が動的表示される表示手段と、その表示手段に特定の前記判別結果を示すための識別情報が表示された場合に遊技者に有利となる第1特典を付与することが可能な第1特典付与手段と、を有した遊技機において、前記判別手段による判別結果が前記特定の判別結果とは異なる第1判別結果である場合に、第1設定を実行可能な第1設定手段と、前記第1設定が設定されている場合に、前記識別情報の動的表示が予め定められた回数実行されたことに基づいて前記第1設定を解除することが可能な解除手段と、その解除手段により前記第1設定が解除された場合に、第1条件の成立に基づいて第2設定を実行することが可能な第2設定手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機EEC1。
従来より、パチンコ機などの遊技機は、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、その抽選結果を報知するための図柄が所定期間変動表示された後に、抽選結果を示す態様で図柄が停止表示され、外れを示す抽選結果が報知された場合には、次の抽選結果を示すための図柄の変動表示が開始される。抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行された後に、所定条件が成立している場合には、遊技状態を遊技者に有利となる遊技状態に可変させることが可能な構成が提案されていた(先行技術文献:特開2012−217766号公報)。
しかしながら、さらなる遊技の興趣向上が求められていた。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技の興趣をさらに向上させた遊技機を提供することを目的とする。
遊技機EC1によれば、第2設定が実行されるまでの識別情報の動的表示回数をランダムにすることができ、遊技の興趣をより向上させることができるという効果がある。
遊技機EC1において、前記第2設定手段は、前記識別情報の動的表示が予め定められた特定回数実行されたことに基づいて前記第2設定を実行可能に構成されているものであることを特徴とする遊技機EC2。
遊技機EC2によれば、遊技機EC1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、より第2設定が実行されるまでの動的表示回数をランダムにすることができるという効果がある。
遊技機EC1またはEC2において、前記第2設定手段は、前記判別手段による判別結果が前記第1判別結果とは異なる第2判別結果である場合に、前記第2設定を実行可能であることを特徴とする遊技機EC3。
遊技機EC3によれば、遊技機EC2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、複数の条件によって第2設定が実行されるため、第2設定が実行された契機を遊技者に把握させ難くすることができ、遊技の興趣をより向上させることができるという効果がある。
<特徴ED群>(ランダム化その3)
判別を実行可能な判別手段と、その判別手段による判別結果を示すための識別情報が動的表示される表示手段と、その表示手段に特定の前記判別結果を示すための識別情報が表示された場合に遊技者に有利となる特典を付与することが可能な特典付与手段と、を有した遊技機において、前記判別手段による判別結果が前記特定の判別結果とは異なる第1判別結果である場合に、第1設定を実行可能な第1設定手段と、前記第1設定が設定されている場合に、前記識別情報の動的表示が予め定められた回数実行されたことに基づいて前記第1設定を解除することが可能な解除手段と、前記識別情報の動的表示が予め定められた特定回数実行されたことに基づいて第2設定を実行可能な第2設定手段と、を有し、前記遊技機は、前記第1設定が実行されている場合に前記識別情報の動的表示が開始された場合には、前記特定回数をカウントするためのカウント値が更新されないものであることを特徴とする遊技機ED1。
従来より、パチンコ機などの遊技機は、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、その抽選結果を報知するための図柄が所定期間変動表示された後に、抽選結果を示す態様で図柄が停止表示され、外れを示す抽選結果が報知された場合には、次の抽選結果を示すための図柄の変動表示が開始される。抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行された後に、所定条件が成立している場合には、遊技状態を遊技者に有利となる遊技状態に可変させることが可能な構成が提案されていた(先行技術文献:特開2012−217766号公報)。
しかしながら、さらなる遊技の興趣向上が求められていた。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技の興趣をさらに向上させた遊技機を提供することを目的とする。
遊技機ED1によれば、第2設定が実行されるまでの識別情報の動的表示回数をランダムにすることができ、遊技の興趣をより向上させることができるという効果がある。
遊技機ED1において、前記第2設定は、前記第1設定よりも遊技者に有利となる設定で構成されているものであることを特徴とする遊技機ED2。
遊技機ED2によれば、遊技機ED1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1設定が設定されていない状態で特定回数の動的表示が実行されることで第2設定が設定されることで、遊技者に有利な設定が付与されるまでの期間をランダムとすることができ、遊技者に意外性のある遊技を提供することができるという効果がある。
遊技機ED1またはED2において、前記特典が遊技者に付与された場合に、前記特定回数をカウントするカウント値が初期値に更新されるものであることを特徴とする遊技機ED3。
遊技機ED3によれば、遊技機ED1またはED2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特典が付与されることで、特定回数をカウントするカウント値が初期値に更新されることで、遊技が遊技者に有利となり過ぎてしまう不具合を抑制できるという効果がある。
遊技機ED1からED3のいずれかにおいて、前記判別手段により前記第1判別結果と判別されたことを示すための動的表示が実行された場合に前記特定回数となった場合には、前記第1設定は設定されず、前記第2設定が設定されるように構成されているものであることを特徴とする遊技機ED4。
遊技機ED4によれば、遊技機ED1からED3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1設定よりも有利となる第2設定が優先して設定されることで、遊技者により有利な遊技を提供することができるという効果がある。
遊技機ED1からED4のいずれかにおいて、前記識別情報の動的表示回数を計測するための第1計測手段と、前記カウント値を計測するための第2計測手段と、を有し、前記第1計測手段による第1計測結果と、前記第2計測手段による第2計測結果と、に基づいた演出を実行可能な演出実行手段を有することを特徴とする遊技機ED5。
遊技機ED5によれば、遊技機ED1からED4のいずれかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、演出実行手段により実行される演出に基づいて、第2計測手段による計測値が特定回数に到達するまでの残回数を予測させ易くすることができるため、遊技者に対して第2設定が実行されるまでの残期間を予測させ易くすることができるという効果がある。
<特徴EE群>(状態移行時の抽選制御)
判別を実行可能な判別手段と、その判別手段による判別結果を示すための識別情報が動的表示される表示手段と、その表示手段に特定の前記判別結果を示すための前記識別情報が表示された場合に遊技者に有利となる特典を付与可能な特典付与手段と、を有した遊技機において、第1遊技状態と、その第1遊技状態とは異なる第2遊技状態を設定可能な遊技状態設定手段と、前記遊技機は、前記第1遊技状態で設定された情報が記憶された状態で前記第2遊技状態へ移行し、前記情報が記憶された状態で前記第2遊技状態が解除されることで遊技者に有利な期間が付与され易くする手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機EE1。
従来より、パチンコ機などの遊技機は、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、その抽選結果を報知するための図柄が所定期間変動表示された後に、抽選結果を示す態様で図柄が停止表示され、外れを示す抽選結果が報知された場合には、次の抽選結果を示すための図柄の変動表示が開始される。抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行された後に、所定条件が成立している場合には、遊技状態を遊技者に有利となる遊技状態に可変させることが可能な構成が提案されていた(先行技術文献:特開2012−217766号公報)。
しかしながら、さらなる遊技の興趣向上が求められていた。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技の興趣をさらに向上させた遊技機を提供することを目的とする。
遊技機EE1によれば、遊技状態が移行しても情報が記憶された状態で維持されることで遊技者に有利な期間が付与され易くされるので、情報が維持されているかに対して興味を持たせることができ、遊技状態の可変に対する興趣を向上できるという効果がある。
遊技機EE1において、前記情報を取得可能な取得手段と、その取得手段により取得された情報が記憶される記憶手段と、を有し、前記識別情報として第1識別情報が動的表示されている期間には、前記記憶手段に記憶された情報が維持されるものであることを特徴とする遊技機EE2。
遊技機EE2によれば、遊技機EE1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1識別情報の動的表示を継続させることで情報の記憶が維持されるので、第1識別情報の動的表示を期待させて遊技をさせることができ、遊技の興趣をより向上できるという効果がある。
遊技機EE1またはEE2において、第1情報を取得可能な第1情報取得手段と、その第1情報取得手段により取得された前記第1情報が記憶される第1記憶手段と、を有し、前記第1識別情報は、第1情報に基づいて前記判別手段により前記判別が実行された場合に動的表示が実行されるものであることを特徴とする遊技機EE3。
遊技機EE3によれば、遊技機EE1またはEE2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、情報の記憶が維持されるように第1情報が取得されることを期待させることができるので、第2遊技状態が解除されるまで第1情報の取得に対する期待を高めることができ、第1情報が取得される価値を期間によって可変させることができるという効果がある。
<特徴EF群>(Vアイコン制御その1)
情報を取得可能な取得手段と、その取得手段により取得された情報が記憶される記憶手段と、その記憶手段に記憶された前記情報を判別可能な判別手段と、その判別手段により判別された判別結果を示すための識別情報が動的表示される表示手段と、その表示手段に特定の前記判別結果を示すための識別情報が表示された場合に遊技者に有利な特典を付与可能な特典付与手段と、を有した遊技機において、前記記憶手段に記憶されている情報に基づいて前記判別手段よりも先に判別を実行することが可能な事前判別手段と、その事前判別手段により前記特定の判別結果と判別される前記情報が記憶されていると判別された場合に特定演出の実行を決定可能な決定手段と、前記記憶手段に記憶されている前記情報に対応した前記識別情報の動的表示期間において、前記特定演出の実行タイミングを設定することが可能な設定手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機EF1。
従来より、パチンコ機などの遊技機は、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、その抽選結果を報知するための図柄が所定期間変動表示された後に、抽選結果を示す態様で図柄が停止表示され、外れを示す抽選結果が報知された場合には、次の抽選結果を示すための図柄の変動表示が開始される。抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行された後に、所定条件が成立している場合には、遊技状態を遊技者に有利となる遊技状態に可変させることが可能な構成が提案されていた(先行技術文献:特開2012−217766号公報)。
しかしながら、さらなる遊技の興趣向上が求められていた。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技の興趣をさらに向上させた遊技機を提供することを目的とする。
遊技機EF1によれば、特定演出を実行するタイミングを設定することで、特定の判別結果となる情報がどの識別情報に対応しているか分かり難くすることができ遊技の興趣を向上できるという効果がある。
遊技機EF1において、前記決定手段により前記特定演出の実行が決定された場合には、前記特定演出の実行が決定されていることを示すための特定示唆態様を実行可能に構成されているものであることを特徴とする遊技機EF2。
遊技機EF2によれば、遊技機EF1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特定示唆態様が実行されることで、特定の判別結果となることが事前に遊技者が認識できるので、どの動的表示で特定の判別結果が報知されるかを楽しみに遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機EF1またはEF2において、前記設定手段は、前記記憶手段に複数の前記特定の判別結果となる情報が記憶されている場合には、後に動的表示が開始される前記情報に対応した前記識別情報の動的表示期間中に前記特定演出の実行タイミングを設定するものであることを特徴とする遊技機EF3。
遊技機EF3によれば、遊技機EF1またはEF2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特定の判別結果が報知され、特典が付与される動的表示が実行されたのに、特定演出の実行が開始されないことで、その後の動的表示でされに特定の判別結果となることを遊技者が認識できるので、遊技の興趣をさらに向上させることができるという効果がある。
<特徴EFa群>(Vアイコン制御その1)
情報を取得可能な取得手段と、その取得手段により取得された情報が記憶される記憶手段と、その記憶手段に記憶された前記情報を判別可能な判別手段と、その判別手段により判別された判別結果を示すための識別情報が動的表示される表示手段と、その表示手段に特定の前記判別結果を示すための識別情報が表示された場合に遊技者に有利な特典を付与可能な特典付与手段と、を有した遊技機において、前記記憶手段に記憶されている情報に基づいて前記判別手段よりも先に判別を実行することが可能な事前判別手段と、その事前判別手段により前記特定の判別結果と判別される前記情報が記憶されていると判別された場合に特定演出の実行を決定可能な決定手段と、前記記憶手段に記憶されている前記情報に対応した前記識別情報の動的表示期間において、前記特定演出の実行タイミングを設定することが可能な設定手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機EFa1。
従来より、パチンコ機などの遊技機は、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、その抽選結果を報知するための図柄が所定期間変動表示された後に、抽選結果を示す態様で図柄が停止表示され、外れを示す抽選結果が報知された場合には、次の抽選結果を示すための図柄の変動表示が開始される。抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行された後に、所定条件が成立している場合には、遊技状態を遊技者に有利となる遊技状態に可変させることが可能な構成が提案されていた(先行技術文献:特開2012−217766号公報)。
しかしながら、さらなる遊技の興趣向上が求められていた。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技の興趣をさらに向上させた遊技機を提供することを目的とする。
遊技機EFa1によれば、特定演出を実行するタイミングを設定することで、特定の判別結果となる情報がどの識別情報に対応しているか分かり難くすることができ遊技の興趣を向上できるという効果がある。
遊技機EFa1において、前記決定手段により前記特定演出の実行が決定された場合に、前記特定演出の前記実行タイミングとなるまでの待機期間において、前記特定演出の実行が待機していることを示すための報知態様を表示可能であることを特徴とする遊技機EFa2。
遊技機EFa2によれば、遊技機EFa1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、報知態様が表示されることによって特定演出の実行が待機されていることを遊技者が容易に認識可能となるため、特定演出の実行が決定されているにも関わらず、特定演出が実行されることを遊技者が気付かずに特定演出が実行される前に遊技を止めてしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機EFa2において、特定条件が成立した場合には、前記報知態様が表示されている状態における前記特定の判別結果と判別される前記情報に対応した前記識別情報の動的表示期間に前記特定演出を実行させないことが可能であることを特徴とする遊技機EFa3。
遊技機EFa3によれば、遊技機EFa2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特定演出の実行が待機していることを示す報知態様が表示されている期間に特定演出が実行されない場合であっても、特定の判別結果であることを示す識別情報が表示される場合があるため、遊技者に意外性のある遊技を提供することができるという効果がある。
遊技機EFa1からEFa3のいずれかにおいて、前記記憶手段に前記特定の判別結果と判別される前記情報が複数記憶されている状態で前記決定手段により前記特定演出の実行が決定された場合に、先に実行される前記特定の判別結果と判別される前記情報に対応した前記識別情報の動的表示と、後に実行される前記特定の判別結果と判別される前記情報に対応した前記識別情報の動的表示と、の何れの前記動的表示期間において前記設定手段により前記特定演出の前記実行タイミングが設定され易いかを、遊技者が予め選択可能な選択手段を有するものであることを特徴とする遊技機EFa4。
遊技機EFa4によれば、遊技機EFa1からEFa3のいずれかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、先に実行される特定の判別結果と判別される情報に対応した識別図柄の動的表示期間で特定演出が実行され易い設定を予め選択している遊技者には、特定演出が実行された時点で記憶手段に残っている情報の中に特定の判別結果と判別される情報があるか否かを予測する楽しみを提供することが可能となり、後に実行される特定の判別結果と判別される情報に対応した識別図柄の動的表示期間で特定演出が実行され易い設定を予め選択している遊技者には、識別情報の動的表示期間において特定演出が実行されなかったにも関わらず特定の判別結果であることを示すための識別情報が表示されるという意外性のある遊技を提供することが可能となるため、遊技者の好みに合わせた遊技を提供することができる。
<特徴EG群>(割合可変制御)
情報を取得可能な取得手段と、その取得手段により取得された情報が記憶される記憶手段と、その記憶手段に記憶された前記情報を判別可能な判別手段と、その判別手段により判別された判別結果を示すための識別情報が動的表示される表示手段と、その表示手段に特定の前記判別結果を示すための識別情報が表示された場合に遊技者に有利な特典を付与可能な特典付与手段と、を有した遊技機において、前記記憶手段に記憶されている情報に基づいて前記判別手段よりも先に判別を実行することが可能な事前判別手段と、その事前判別手段により前記特定の判別結果と判別される前記情報が記憶されていると判別された場合に特定演出の実行を前記記憶手段に記憶されている前記情報の個数情報に基づいて決定可能な決定手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機EG1。
従来より、パチンコ機などの遊技機は、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、その抽選結果を報知するための図柄が所定期間変動表示された後に、抽選結果を示す態様で図柄が停止表示され、外れを示す抽選結果が報知された場合には、次の抽選結果を示すための図柄の変動表示が開始される。抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行された後に、所定条件が成立している場合には、遊技状態を遊技者に有利となる遊技状態に可変させることが可能な構成が提案されていた(先行技術文献:特開2012−217766号公報)。
しかしながら、さらなる遊技の興趣向上が求められていた。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技の興趣をさらに向上させた遊技機を提供することを目的とする。
遊技機EG1によれば、特定演出を実行するタイミングを設定することで、特定の判別結果となる情報がどの識別情報に対応しているか分かり難くすることができ遊技の興趣を向上できるという効果がある。
遊技機EG1において、前記記憶手段に記憶されている前記情報に対応した前記識別情報の動的表示期間において、前記特定演出の実行タイミングを設定することが可能な設定手段を有するものであることを特徴とする遊技機EG2。
遊技機EG2によれば、遊技機EG1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特定演出の実行タイミングがランダムに設定することができるので、遊技者に特定演出が実行されるタイミングによって、特典が付与される期待度を可変させることができるという効果がある。
遊技機EG1またはEG2において、前記決定手段は、所定期間に記憶された前記情報の個数に対応した前記個数情報に基づいて前記特定演出の実行を決定する確率を可変可能に設定されているものであることを特徴とする遊技機EG3。
遊技機EG3によれば、遊技機EG1またはEG2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、所定期間に記憶された情報の個数によって決定確率が可変されるので、特定演出が実行されるタイミングを記憶された情報の個数に対応させて制御して、より興趣を向上できるという効果がある。
遊技機EG1からEG3のいずれかにおいて、前記決定手段により前記特定演出の実行が決定された場合には、前記特定演出の実行が決定されていることを示すための特定示唆態様を実行可能に構成されているものであることを特徴とする遊技機EG4。
遊技機EG4によれば、遊技機EG1からEG3のいずれかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特定示唆態様が実行されることで、特定の判別結果となることが事前に遊技者が認識できるので、どの動的表示で特定の判別結果が報知されるかを楽しみに遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機EG1からEG4のいずれかにおいて、前記設定手段は、前記記憶手段に複数の前記特定の判別結果となる情報が記憶されている場合には、後に動的表示が開始される前記情報に対応した前記識別情報の動的表示期間中に前記特定演出の実行タイミングを設定するものであることを特徴とする遊技機EG5。
遊技機EG5によれば、遊技機EG1からEG4のいずれかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特定の判別結果が報知され、特典が付与される動的表示が実行されたのに、特定演出の実行が開始されないことで、その後の動的表示でされに特定の判別結果となることを遊技者が認識できるので、遊技の興趣をさらに向上させることができるという効果がある。
<特徴EGa群>(割合可変制御)
情報を取得可能な取得手段と、その取得手段により取得された情報が記憶される記憶手段と、その記憶手段に記憶された前記情報を判別可能な判別手段と、その判別手段により判別された判別結果を示すための識別情報が動的表示される表示手段と、その表示手段に特定の前記判別結果を示すための識別情報が表示された場合に遊技者に有利な特典を付与可能な特典付与手段と、を有した遊技機において、前記記憶手段に記憶されている情報に基づいて前記判別手段よりも先に判別を実行することが可能な事前判別手段と、その事前判別手段により前記特定の判別結果と判別される前記情報が記憶されていると判別された場合に特定演出の実行を決定可能な決定手段と、その決定手段により前記特定演出の実行が決定された後、特定条件が成立するまでに前記記憶手段に記憶された前記情報に基づいて、前記特定演出の実行タイミングを設定することが可能な設定手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機EGa1。
従来より、パチンコ機などの遊技機は、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、その抽選結果を報知するための図柄が所定期間変動表示された後に、抽選結果を示す態様で図柄が停止表示され、外れを示す抽選結果が報知された場合には、次の抽選結果を示すための図柄の変動表示が開始される。抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行された後に、所定条件が成立している場合には、遊技状態を遊技者に有利となる遊技状態に可変させることが可能な構成が提案されていた(先行技術文献:特開2012−217766号公報)。
しかしながら、さらなる遊技の興趣向上が求められていた。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技の興趣をさらに向上させた遊技機を提供することを目的とする。
遊技機EGa1によれば、特定演出を実行するタイミングを設定することで、特定の判別結果となる情報がどの識別情報に対応しているか分かり難くすることができ遊技の興趣を向上できるという効果がある。
遊技機EGa1において、前記決定手段は、前記記憶手段に記憶されている前記特定の判別結果と判別される前記情報に対応した前記識別情報の動的表示が実行されるまでに、新たに前記記憶手段に記憶させることが可能な前記情報の数が多い程、前記特定演出の実行を決定し易いものであることを特徴とする遊技機EGa2。
遊技機EGa2によれば、遊技機EGa1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、記憶手段に記憶されている特定の判別結果と判別される情報に対応した識別情報の動的表示が実行されるまでに、新たに記憶手段に記憶させることが可能な情報の数が多い程、決定手段により特定演出の実行が決定され易いため、特定演出が実行された時点で記憶手段に記憶されている情報の内、その特定演出の実行が決定された時点で事前判別手段による事前の判別を受けていない情報の数が多くなり易く、特定演出が実行された後に記憶手段に残っている情報の判別結果を遊技者が予測し難くなり、遊技の興趣を向上させることができる。
遊技機EGa1またはEGa2において、前記記憶手段に記憶されている前記情報の数が所定数である場合には、前記記憶手段に記憶されている前記情報の内、前記特定の判別結果と判別される前記情報の数が1の場合よりも、前記特定の判別結果と判別される前記情報の数が複数ある場合の方が、前記決定手段により前記特定演出の実行が決定され易いものであることを特徴とする遊技機EGa3。
遊技機EGa3によれば、遊技機EGa1またはEGa2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、記憶手段に特定の判別結果と判別される情報が複数存在する場合に、決定手段により特定演出の実行が決定され易いため、特定演出の実行が決定された場合に、複数の特典が付与されることを遊技者に期待させることによって、遊技意欲を向上させることができる。
<特徴EH群>(使用箇所決定)
情報を取得可能な取得手段と、その取得手段により取得された情報が記憶される記憶手段と、その記憶手段に記憶された前記情報を判別可能な判別手段と、その判別手段により判別された判別結果を示すための識別情報が動的表示される表示手段と、その表示手段に特定の前記判別結果を示すための識別情報が表示された場合に遊技者に有利な特典を付与可能な特典付与手段と、を有した遊技機において、前記記憶手段に記憶されている情報に基づいて前記判別手段よりも先に判別を実行することが可能な事前判別手段と、その事前判別手段により前記特定の判別結果と判別される前記情報が記憶されていると判別された場合に特定演出の実行を決定可能な決定手段と、その決定手段により前記特定演出の実行が決定されていることを示すための特定示唆態様を実行可能な実行手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機EH1。
従来より、パチンコ機などの遊技機は、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、その抽選結果を報知するための図柄が所定期間変動表示された後に、抽選結果を示す態様で図柄が停止表示され、外れを示す抽選結果が報知された場合には、次の抽選結果を示すための図柄の変動表示が開始される。抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行された後に、所定条件が成立している場合には、遊技状態を遊技者に有利となる遊技状態に可変させることが可能な構成が提案されていた(先行技術文献:特開2012−217766号公報)。
しかしながら、さらなる遊技の興趣向上が求められていた。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技の興趣をさらに向上させた遊技機を提供することを目的とする。
遊技機EH1によれば、特定示唆態様が実行されることで、特定の判別結果となる情報が記憶されていることが早期に遊技者が認識させることができ、遊技の興趣を向上できるという効果がある。また、特定演出を実行するタイミングを設定することで、特定の判別結果となる情報がどの識別情報に対応しているか分かり難くすることができ遊技の興趣を向上できるという効果がある。
遊技機EH1において、前記記憶手段に記憶されている前記情報に対応する前記識別情報の動的表示が実行される場合に、決定されている前記特定演出の実行を決定することが可能な実行決定手段を有するものであることを特徴とする遊技機EH2。
遊技機EH2によれば、遊技機EH1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、実行決定手段により特定演出を実行する識別情報の動的表示に対して、それぞれ動的表示の開始時に決定可否の判断がされるので、新たに記憶された情報の内容によって、実行タイミングを設定することができるという効果がある。
遊技機EH1またはEH2のいずれかにおいて、前記決定手段により前記特定演出の実行が決定された場合には、前記特定演出の実行が決定されていることを示すための特定示唆態様を実行可能に構成されているものであることを特徴とする遊技機EH3。
遊技機EH3によれば、遊技機EH1からEH2のいずれかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特定示唆態様が実行されることで、特定の判別結果となることが事前に遊技者が認識できるので、どの動的表示で特定の判別結果が報知されるかを楽しみに遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機EH1からEH3のいずれかにおいて、前記設定手段は、前記記憶手段に複数の前記特定の判別結果となる情報が記憶されている場合には、後に動的表示が開始される前記情報に対応した前記識別情報の動的表示期間中に前記特定演出の実行タイミングを設定するものであることを特徴とする遊技機EH4。
遊技機EH4によれば、遊技機EH1からEH3のいずれかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特定の判別結果が報知され、特典が付与される動的表示が実行されたのに、特定演出の実行が開始されないことで、その後の動的表示でされに特定の判別結果となることを遊技者が認識できるので、遊技の興趣をさらに向上させることができるという効果がある。
<特徴EI群>(使用頻度可変)
情報を取得可能な取得手段と、その取得手段により取得された情報が記憶される記憶手段と、その記憶手段に記憶された前記情報を判別可能な判別手段と、その判別手段により判別された判別結果を示すための識別情報が動的表示される表示手段と、その表示手段に特定の前記判別結果を示すための識別情報が表示された場合に遊技者に有利な特典を付与可能な特典付与手段と、を有した遊技機において、前記識別情報の動的表示態様を決定可能な動的表示態様決定手段と、その動的表示態様決定手段により決定された動的表示態様の種別に基づいて前記記憶手段に記憶されている情報が前記特定の判別結果と判別される前記情報が記憶されていることを示すための特定演出の実行を決定することが可能な決定手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機EI1。
従来より、パチンコ機などの遊技機は、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、その抽選結果を報知するための図柄が所定期間変動表示された後に、抽選結果を示す態様で図柄が停止表示され、外れを示す抽選結果が報知された場合には、次の抽選結果を示すための図柄の変動表示が開始される。抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行された後に、所定条件が成立している場合には、遊技状態を遊技者に有利となる遊技状態に可変させることが可能な構成が提案されていた(先行技術文献:特開2012−217766号公報)。
しかしながら、さらなる遊技の興趣向上が求められていた。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技の興趣をさらに向上させた遊技機を提供することを目的とする。
遊技機EI1によれば、特定演出を実行するタイミングを設定することで、特定の判別結果となる情報がどの識別情報に対応しているか分かり難くすることができ遊技の興趣を向上できるという効果がある。
遊技機EI1において、前記記憶手段に記憶されている前記情報に対応した前記識別情報の動的表示期間において、前記特定演出の実行タイミングを設定することが可能な設定手段を有するものであることを特徴とする遊技機EI2。
遊技機EI2によれば、遊技機EI1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特定演出の実行タイミングがランダムに設定することができるので、遊技者に特定演出が実行されるタイミングによって、特典が付与される期待度を可変させることができるという効果がある。
遊技機EI1またはEI2において、前記決定手段により前記特定演出の実行が決定された場合には、前記特定演出の実行が決定されていることを示すための特定示唆態様を実行可能に構成されているものであることを特徴とする遊技機EI3。
遊技機EI3によれば、遊技機EI1またはEI2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特定示唆態様が実行されることで、特定の判別結果となることが事前に遊技者が認識できるので、どの動的表示で特定の判別結果が報知されるかを楽しみに遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機EI2またはEI3において、前記設定手段は、前記記憶手段に複数の前記特定の判別結果となる情報が記憶されている場合には、後に動的表示が開始される前記情報に対応した前記識別情報の動的表示期間中に前記特定演出の実行タイミングを設定するものであることを特徴とする遊技機EI4。
遊技機EI4によれば、遊技機EI2またはEI3のいずれかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特定の判別結果が報知され、特典が付与される動的表示が実行されたのに、特定演出の実行が開始されないことで、その後の動的表示でされに特定の判別結果となることを遊技者が認識できるので、遊技の興趣をさらに向上させることができるという効果がある。
<特徴EJ群>(ラウンドで制御)
情報を取得可能な取得手段と、その取得手段により取得された情報が記憶される記憶手段と、その記憶手段に記憶された前記情報を判別可能な判別手段と、その判別手段により判別された判別結果を示すための識別情報が動的表示される表示手段と、その表示手段に特定の前記判別結果を示すための識別情報が表示された場合に遊技者に有利な特典を付与可能な特典付与手段と、を有した遊技機において、前記特典付与手段により付与される特典を複数の特典種別より決定することが可能な特典種別決定手段と、前記記憶されている前記情報に基づいて前記特典付与手段により付与される特典の種別を事前に判定したことに対応する判定情報に基づいて前記記憶手段に記憶されている情報が前記特定の判別結果と判別される前記情報が記憶されていることを示すための特定演出の実行を決定することが可能な決定手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機EJ1。
従来より、パチンコ機などの遊技機は、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、その抽選結果を報知するための図柄が所定期間変動表示された後に、抽選結果を示す態様で図柄が停止表示され、外れを示す抽選結果が報知された場合には、次の抽選結果を示すための図柄の変動表示が開始される。抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行された後に、所定条件が成立している場合には、遊技状態を遊技者に有利となる遊技状態に可変させることが可能な構成が提案されていた(先行技術文献:特開2012−217766号公報)。
しかしながら、さらなる遊技の興趣向上が求められていた。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技の興趣をさらに向上させた遊技機を提供することを目的とする。
遊技機EJ1によれば、特定演出を実行するタイミングを設定することで、特定の判別結果となる情報がどの識別情報に対応しているか分かり難くすることができ遊技の興趣を向上できるという効果がある。
遊技機EJ1において、前記記憶手段に記憶されている前記情報に対応した前記識別情報の動的表示期間において、前記特定演出の実行タイミングを設定することが可能な設定手段を有するものであることを特徴とする遊技機EJ2。
遊技機EJ2によれば、遊技機EJ1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特定演出の実行タイミングがランダムに設定することができるので、遊技者に特定演出が実行されるタイミングによって、特典が付与される期待度を可変させることができるという効果がある。
遊技機EJ1またはEJ2において、前記特典は、特典遊技を前記特典の種別に対応した回数実行されるものであり、前記決定手段は、前記判定情報として所定回数以上の前記特典遊技が実行されることが決定されている場合に前記特定演出の実行を決定することが可能に構成されているものであることを特徴とする遊技機EJ3。
遊技機EJ3によれば、遊技機EJ1またはEJ2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特典遊技の実行が所定回数以上決定されている場合に特定演出の実行が決定されているので、遊技者は、所定回数未満の特典遊技が実行されて特典遊技が終了した場合には、その後に特定の判別結果となることを容易に認識でき、遊技の興趣を向上できるという効果がある。
遊技機EJ1からEJ3のいずれかにおいて、前記所定回数は、複数回の特典が付与された場合に実行される特典遊技の回数よりも多く設定されているものであることを特徴とする遊技機EJ4。
遊技機EJ4によれば、遊技機EJ1からEJ3のいずれかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特定演出が実行されることで特典が付与される回数に対して期待させることができ、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機EJ1からEJ4のいずれかにおいて、前記特定演出が実行された場合に、前記特典遊技の実行中に実行されている前記特定演出の態様を残りの特典遊技が実行される回数を示唆する態様に可変させることが可能な手段を有するものであることを特徴とする遊技機EJ5。
遊技機EJ5によれば、遊技機EJ1からEJ4のいずれかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特典遊技が実行されることで、残りの特典遊技の実行回数を特定態様で示唆することができ、遊技者により多い残り回数を期待させながら、遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機EJ1からEJ5のいずれかにおいて、前記決定手段により前記特定演出の実行が決定された場合には、前記特定演出の実行が決定されていることを示すための特定示唆態様を実行可能に構成されているものであることを特徴とする遊技機EJ6。
遊技機EJ6によれば、遊技機EJ1からEJ5のいずれかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特定示唆態様が実行されることで、特定の判別結果となることが事前に遊技者が認識できるので、どの動的表示で特定の判別結果が報知されるかを楽しみに遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機EJ2からEJ5のいずれかにおいて、前記設定手段は、前記記憶手段に複数の前記特定の判別結果となる情報が記憶されている場合には、後に動的表示が開始される前記情報に対応した前記識別情報の動的表示期間中に前記特定演出の実行タイミングを設定するものであることを特徴とする遊技機EJ7。
遊技機EJ7によれば、遊技機EJ2からEJ6のいずれかの奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特定の判別結果が報知され、特典が付与される動的表示が実行されたのに、特定演出の実行が開始されないことで、その後の動的表示でされに特定の判別結果となることを遊技者が認識できるので、遊技の興趣をさらに向上させることができるという効果がある。
<5071系の特徴群>
<特徴A群>(予め定められた特定回数の特図抽選の終了後に設定される有利状態と他の契機で設定される有利状態とで有利度合いを異ならせる)
判別条件の成立に基づいて判別を実行する判別手段と、その判別手段の判別結果が予め定められた第1の判別結果となったことに基づいて遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、所定の設定条件の成立に基づいて、第1状態と、その第1状態よりも前記判別条件が成立し易くなる第2状態と、を少なくとも含む複数のうち1の状態を設定可能な第1設定手段と、予め定められた特定条件が成立した後で前記判別手段の判別結果が予め定められた特定回数に渡って前記第1の判別結果とは異なる第2の判別結果となったことに基づいて、前記第1状態よりも前記判別条件が成立し易くなる状態であって前記第2状態とは有利度合いが異なる第3状態を設定する第2設定手段と、を備えることを特徴とする遊技機A1。
ここで、パチンコ機等の遊技機には、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球することで遊技の当否が抽選され、その抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる当たり遊技が実行されるものが存在する。さらに、係る遊技機の中には、当たり遊技の実行後に抽選が行われ易くなる時短遊技が所定期間実行されるものも存在する(例えば、特開2012−217766号公報)。
しかしながら、係る従来型の遊技機では、時短遊技が設定された条件によらず、時短遊技の有利度合いが共通であるため、遊技者の遊技に対する興趣を向上させ難いという問題点があった。
これに対して遊技機A1によれば、特典遊技が実行されない期間が続くと第3状態に可変されて判別条件が成立し易くなるので、特典遊技が実行されない期間が長く続いたとしても、遊技者の遊技に対するモチベーションが低下してしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機A1において、遊技球が入球可能な入球手段と、その入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて、前記判別手段の判別に用いられる判別情報を取得可能な判別情報取得手段と、前記入球手段へと遊技球が入球可能な第1位置と、その第1位置よりも遊技球が入球困難となる第2位置と、に可変可能な可変手段と、所定の可変条件の成立に基づいて、前記可変手段を第1可変制御と、その第1可変制御よりも前記入球手段へと遊技球が入球し易くなる第2可変制御と、を少なくとも含む複数の可変制御を実行可能な可変制御手段と、を備え、前記第2状態は、前記第1状態よりも前記第2可変制御で前記可変手段が制御され易い状態で構成されていることを特徴とする遊技機A2。
遊技機A2によれば、遊技機A1の奏する効果に加え、第1状態よりも第2状態の方が入球手段へと遊技球が入球し易くなるので、所定の設定条件が成立した場合に、第2状態が設定されることをより強く期待して遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機A2において、前記第3状態は、前記第1状態よりも前記第2可変制御で前記可変手段が制御され易い状態であって、前記第2状態よりも前記所定の可変条件が成立し難い状態で構成されていることを特徴とする遊技機A3。
遊技機A3によれば、遊技機A2の奏する効果に加え、第2状態を第3状態よりも判別手段の判別が実行され易い状態として構成することができるという効果がある。
遊技機A2又はA3において、遊技球が入球可能に構成され、前記入球手段とは異なる位置に設けられている第2入球手段と、その第2入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて、前記判別情報を取得可能な第2判別情報取得手段と、を備え、前記判別手段は、前記判別情報取得手段により取得された前記判別情報を用いた判別よりも、前記第2判別情報取得手段により取得された前記判別情報を用いた判別の方が遊技者に有利となり易く構成されているものであり、前記第3状態は、前記第2状態よりも、前記第2判別情報取得手段により取得された前記判別情報を用いた判別が実行され易くなる状態で構成されていることを特徴とする遊技機A4。
遊技機A4によれば、遊技機A2又はA3の奏する効果に加え、第3状態では第2判別情報取得手段により取得された判別情報を用いた有利度合いの高い判別が実行され易くなるので、第2状態よりも第3状態へと移行することをより強く期待して遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機A4において、前記入球手段と前記第2入球手段とに遊技球が到達し得る第1方向と、その第1方向とは異なる第2方向と、に少なくとも遊技球を発射可能に構成された発射手段と、その発射手段により前記第2方向に発射された遊技球が入球可能な位置であって前記第1方向に発射された遊技球が入球困難な位置に設けられている第3入球手段と、を備え、前記判別情報取得手段は、前記入球手段に遊技球が入球した場合と前記第3入球手段に遊技球が入球した場合とで前記判別情報を取得可能に構成されているものであり、前記第1状態は、前記第1方向へと遊技球を発射するよりも、前記第2方向へと遊技球を発射した方が前記判別手段による判別の実行頻度が高くなり易く構成されているものであり、前記第2状態と前記第3状態とは、前記第2方向へと遊技球を発射するよりも、前記第1方向へと遊技球を発射した方が前記判別手段による判別の実行頻度が高くなり易く構成されていることを特徴とする遊技機A5。
遊技機A5によれば、遊技機A4の奏する効果に加え、第1状態と、第2状態および第3状態とで、遊技球の発射方向を異ならせることができるので、遊技にメリハリをつけることができるという効果がある。
遊技機A1からA5のいずれかにおいて、遊技機の設定を初期化する初期化手段を備え、前記特定条件は、少なくとも前記初期化手段により遊技機の設定が初期化された場合に成立するものであることを特徴とする遊技機A6。
遊技機A6によれば、遊技機A1からA5のいずれかが奏する効果に加え、特典遊技が一度も実行されていなくても有利な第3状態が設定される斬新な挙動を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができるという効果がある。
遊技機A6において、前記特定条件は、前記初期化手段により遊技機の設定が初期化されたことに基づいて成立する第1特定条件と、前記判別手段の判別結果が前記第1の判別結果となったことに基づいて成立する第2特定条件と、で少なくとも構成されていることを特徴とする遊技機A7。
遊技機A7によれば、遊技機A6の奏する効果に加え、初期化後、または特典遊技の実行後における判別回数に注目して遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機A7において、前記特定条件は、前記第1特定条件と、前記第2特定条件と、前記第3状態が設定されたことに基づいて成立する第3特定条件と、で少なくとも構成されていることを特徴とする遊技機A8。
遊技機A8によれば、遊技機A7の奏する効果に加え、第3状態が設定された後も、特定回数の判別で連続して第2の判別結果となれば再度第3状態が設定されるので、第3状態が一旦終了したとしても、再度第3状態が設定されることを期待して遊技を行わせることができるという効果がある。
<特徴B群>(予め定められた特定回数の特図抽選の終了後に消化される保留球に対する先読み演出の実行を抑制する)
取得条件の成立に基づいて判別情報を取得する判別情報取得手段と、判別条件の成立に基づいて、前記判別情報取得手段によって取得された前記判別情報を用いた判別を実行する判別手段と、その判別手段の判別結果が予め定められた第1の判別結果となったことに基づいて遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、前記判別情報取得手段によって取得された前記判別情報を、所定の情報数を上限として、前記判別手段の判別に用いられるまで記憶可能な判別情報記憶手段と、その判別情報記憶手段に記憶された前記判別情報を用いて、当該判別情報が前記判別手段の判別に用いられるよりも前に前記判別手段の判別結果を特定する事前特定手段と、その事前特定手段により前記判別手段の判別結果が特定されたことに基づいて特定演出を実行する特定演出実行手段と、予め定められた第1条件が成立したことに基づいて第1遊技状態を設定する第1遊技状態設定手段と、前記第1遊技状態において予め定められた第2条件が成立したことに基づいて前記第1遊技状態とは異なる第2遊技状態を設定する第2遊技状態設定手段と、前記第2条件の成立後に前記判別手段の判別に用いられる前記判別情報が前記第1遊技状態において取得されたことに基づいて、前記特定演出実行手段により所定の演出態様の前記特定演出が実行されることを抑制する抑制手段と、を備えることを特徴とする遊技機B1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、液晶表示装置等の表示装置が設けられた遊技機が知られている。この従来型の遊技機では、表示装置において図柄の変動表示が行われ、図柄が予め定められた組み合わせで停止表示されることで、遊技者に有利な当たり遊技が付与される。また、表示装置には、図柄以外にもキャラクタや風景等の様々な画像が表示され、多種多様な興趣演出を実行することで遊技の興趣向上を図っていた(例えば、特許文献1:特開2003−325886号公報)。
また、係る従来型の遊技機の中には、当たり遊技が付与される可能性を示す演出を、図柄の変動表示が開始されるよりも前(例えば、始動入賞を検出した際)から示唆可能な示唆演出を実行することにより、遊技者の興趣向上を図っているものも存在する。
しかしながら、示唆演出を無条件に実行する構成とした場合、不具合が発生してしまう虞がある。よって、演出態様を好適に設定することが困難となってしまう可能性がある。
これに対して遊技機B1によれば、第2条件が成立して第2遊技状態が設定されることに対してより注目して遊技を行わせることができるので、演出態様を好適に設定することができるという効果がある。
遊技機B1において、前記第2条件は、前記第1遊技状態において予め定められた特定回数の前記判別手段の判別に渡って連続して前記第1の判別結果とは異なる第2の判別結果となった場合に少なくとも成立する条件で構成されていることを特徴とする遊技機B2。
遊技機B2によれば、遊技機B1の奏する効果に加え、第1遊技状態において第1の判別結果とならなくても、有利度合いが異なる第2遊技状態が設定されるので、遊技が単調となってしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機B1又はB2において、前記特定演出実行手段により実行される前記特定演出の演出態様として、第1演出態様と、その第1演出態様よりも前記事前特定手段によって前記第1の判別結果となった場合に決定され易い第2演出態様と、を少なくとも含む複数のうち1の演出態様を決定する演出態様決定手段を備え、前記抑制手段は、少なくとも前記第2演出態様の実行を抑制可能に構成されていることを特徴とする遊技機B3。
遊技機B3によれば、遊技機B1又はB2の奏する効果に加え、特定演出の演出態様に注目して遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができるという効果がある。
遊技機B3において、前記演出態様決定手段は、前記第1演出態様と、前記第2演出態様と、前記第1演出態様よりも前記第2条件が成立する場合に決定され易い第3演出態様と、を少なくとも含む複数のうち1の演出態様を決定可能に構成されているものであり、前記抑制手段は、少なくとも前記第2演出態様と前記第3演出態様との実行を抑制可能に構成されていることを特徴とする遊技機B4。
遊技機B4によれば、遊技機B3の奏する効果に加え、特定演出の演出態様によって、第1の判別結果となる可能性、および第2条件が成立する可能性の両方を示唆することができるので、演出態様をより好適に設定することができるという効果がある。
遊技機B1からB4のいずれかにおいて、前記第2遊技状態において予め定められた第3条件が成立したことに基づいて前記第2遊技状態を終了させる終了手段を備え、前記第1遊技状態において取得された前記判別情報であって前記第1の判別結果に対応する前記判別情報は、前記第2遊技状態の間に前記判別手段の判別に用いられた方が、前記第2遊技状態が前記終了手段によって終了された後で前記判別手段の判別に用いられた場合よりも有利度合いが高くなり易く構成されていることを特徴とする遊技機B5。
遊技機B5によれば、遊技機B1からB4のいずれかの奏する効果に加え、第2条件が成立する前に取得され、第2遊技状態へと移行した後で用いられる判別情報が第1の判別結果となる可能性が高いのか否かを特定演出の演出態様から把握困難にすることができるので、第1の判別結果になる可能性が高い場合にのみ第2遊技状態の間に抽選に用いられるように判別情報の使用順序を調節する変則的な遊技方法に対する抑制を図ることができるという効果がある。
遊技機B5において、前記終了手段により前記第2遊技状態が終了されたことに基づいて前記第1遊技状態に設定されるように構成されていることを特徴とする遊技機B6。
遊技機B6によれば、遊技機B5の奏する効果に加え、第2遊技状態が終了するよりも前に第1の判別結果となることを強く期待して遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができるという効果がある。
遊技機B5又はB6において、前記第1遊技状態において取得された前記判別情報であって前記第1の判別結果とは異なる外れ判別結果に対応する前記判別情報は、前記第2遊技状態の間に前記判別手段の判別に用いられるよりも、前記第2遊技状態が前記終了手段によって終了された後で前記判別手段の判別に用いられた方が有利度合いが高くなり易く構成されていることを特徴とする遊技機B7。
遊技機B7によれば、遊技機B5又はB6の奏する効果に加え、第2条件が成立する前に取得され、第2遊技状態へと移行した後で用いられる判別情報が第1の判別結果となる可能性が高いのか否かを特定演出の演出態様から把握困難にすることができるので、第1の判別結果になる可能性が低い場合に、第2遊技状態が終了してから抽選に用いられるように判別情報の使用順序を調節する変則的な遊技方法に対する抑制を図ることができるという効果がある。
遊技機B5からB7のいずれかにおいて、遊技球が入球可能な第1入球手段と、その第1入球手段とは異なる第2入球手段と、その第2入球手段へと遊技球が入球可能な第1位置と、その第1位置よりも遊技球が入球困難となる第2位置と、に可変可能な可変手段と、を備え、前記判別情報取得手段は、前記第1入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて前記判別情報として第1判別情報を取得し、前記第2入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて前記判別情報として第2判別情報を取得することが可能に構成されているものであり、前記判別手段は、前記第1判別情報を用いた判別よりも、前記第2判別情報を用いた判別の方が遊技者の有利度合いが高くなり易く構成されているものであり、前記第2遊技状態は、前記第1遊技状態よりも前記可変手段が前記第1位置に可変され易い遊技状態で構成されていることを特徴とする遊技機B8。
遊技機B8によれば、遊技機B5からB7のいずれかが奏する効果に加え、第2遊技状態の有利度合いをより高くすることができるので、第2遊技状態が設定されることをより強く期待して遊技を行わせることができるという効果がある。
<特徴C群>(第1状態に移行する場合と第2状態に移行する場合とで、外端の同一のチャンネルから互いに出力態様が異なる信号を出力する)
所定装置へ向けて所定の信号を出力可能な複数の信号出力端子で構成される信号出力部と、予め定められた第1の出力条件が成立したことに基づいて、前記複数の信号出力端子のうち予め定められた特定の信号出力端子から予め定められた第1の出力態様の信号が出力されるように制御する第1信号制御手段と、前記第1の出力条件とは異なる第2の出力条件が成立したことに基づいて、前記特定の信号出力端子から予め定められた第2の出力態様の信号が出力されるように制御する第2信号制御手段と、を備えることを特徴とする遊技機C1。
パチンコ機等の遊技機において、遊技の状況に応じて、所定装置(例えば、ホールコンピュータ等)へと遊技に関する情報を出力するものがある。かかる遊技機では、出力した遊技に関する情報に基づいて、遊技機において行われている遊技の状況を所定装置に対して把握させることができる(例えば、特許文献1:特許3848105号公報)。
しかしながら、上述した従来型の遊技機では、所定装置へと出力する情報が増大すると、信号を出力するための信号出力端子の数が増大してしまう可能性がある。よって、信号を好適に所定装置へと出力することが困難になってしまう虞がある。
これに対して遊技機C1によれば、第1の出力条件が成立した場合と第2の出力条件が成立した場合とで、同一の信号出力端子から信号の出力態様を異ならせて所定装置へと信号を出力することができるので、信号出力端子の端子数を削減することができるという効果がある。
遊技機C1において、判別条件の成立に基づいて判別を実行する判別手段と、その判別手段の判別結果が予め定められた特定の判別結果となったことに基づいて遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、予め定められた第1の設定条件が成立したことに基づいて、予め定められた第1遊技状態を設定する第1遊技状態設定手段と、前記第1遊技状態において予め定められた第2の設定条件が成立したことに基づいて、前記第1遊技状態よりも遊技者に有利な第2遊技状態を設定する第2遊技状態設定手段と、を備え、前記第1条件は、前記判別手段の判別結果が前記特定の判別結果となった場合に成立するものであり、前記第2条件は、前記第2の設定条件が成立した場合に成立するものであることを特徴とする遊技機C2。
遊技機C2によれば、遊技機C1の奏する効果に加え、特典遊技が実行されることを示す信号、および有利な第2遊技状態が設定されることを示す信号を、共通の信号出力端子から出力することができるので、信号出力端子の端子数を削減することができるという効果がある。
遊技機C2において、前記第2の設定条件は、前記判別手段の判別結果が前記特定の判別結果となったこととは少なくとも異なる条件で構成されていることを特徴とする遊技機C3。
遊技機C3によれば、遊技機C2の奏する効果に加え、特定の判別結果とならなくても有利度合いが高い遊技状態に設定されるという斬新な遊技性を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができるという効果がある。
遊技機C3において、前記第2の設定条件は、予め定められた特定条件が成立した後で実行される予め定められた特定回数の前記判別手段の判別に渡って連続して前記特定の判別結果とは異なる外れ判別結果となった場合に成立するように構成されていることを特徴とする遊技機C4。
遊技機C4によれば、遊技機C3の奏する効果に加え、外れ判別結果が連続することを期待させる斬新な遊技性を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができるという効果がある。
遊技機C3又はC4において、前記特典遊技の実行が終了した後の遊技状態として、前記第1遊技状態よりも有利な第3遊技状態を設定可能な第3遊技状態設定手段と、前記第2遊技状態と前記第3遊技状態とのどちらかが設定されてからその設定された前記第2遊技状態または前記第3遊技状態が終了されるまでの間、前記特定の信号出力端子とは異なる第1の信号出力端子から第3の出力態様の信号が出力されるように制御する第3信号出力制御手段と、遊技機に対して電源が投入されたことに基づいて遊技状態を判別する遊技状態判別手段と、その遊技状態判別手段により前記第2遊技状態と判別されたことに基づいて、前記特定の信号出力端子から第4の出力態様の信号が出力されるように制御する第4信号出力制御手段と、を備えることを特徴とする遊技機C5。
遊技機C5によれば、遊技機C3又はC4の奏する効果に加え、遊技機に電源が投入された時点の遊技状態が第2遊技状態であるか第3遊技状態であるかを、第4の出力態様の信号の有無によって所定装置に対して容易に判別させることができるという効果がある。
遊技機C4において、遊技機に対して電源が投入されたことに基づいて、前記特定条件が成立した後で前記外れ判別結果が連続した回数を特定する連続回数特定手段と、その連続回数特定手段によって特定された連続回数に応じた出力態様の信号が所定の信号出力端子から出力されるように制御する第5信号出力制御手段と、を備えることを特徴とする遊技機C6。
遊技機C6によれば、遊技機C4の奏する効果に加え、遊技機に電源が投入された時点の外れ判別結果の連続回数を所定装置に対して把握させることができるという効果がある。
遊技機C6において、遊技機の電源が遮断されたことに基づいて、前記特定条件が成立した後で前記外れ判別結果が連続した回数を特定する遮断時連続回数特定手段と、その遮断時連続回数特定手段によって特定された連続回数に応じた出力態様の信号が前記所定の信号出力端子から出力されるように制御する第6信号出力制御手段と、を備えることを特徴とする遊技機C7。
遊技機C7によれば、遊技機C6の奏する効果に加え、電源が遮断された時点の外れ判別結果の連続回数と、電源が投入された際の連続回数とを所定装置に対して把握させることができるので、仮に、電源が遮断された際の連続回数と次に電源が投入された際の連続回数とに齟齬がある場合に、所定装置において遊技機に対する不正行為の可能性を判断することができる。よって、不正行為に対する抑制を図ることができるという効果がある。
<特徴D群>(ハマり回数を外端から出力)
所定装置へ向けて所定の信号を出力可能な信号出力部を備えた遊技機において、判別条件の成立に基づいて判別を実行する判別手段と、その判別手段の判別結果が予め定められた第1の判別結果となったことに基づいて遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、少なくとも特定の遊技状態において前記判別手段の判別結果が前記第1の判別結果とは異なる第2の判別結果となった回数を計数する計数手段と、前記遊技機に対して電源が投入されたことに基づいて、前記信号出力部から前記計数手段の計数する回数に応じた信号を出力させる信号制御手段と、を備えることを特徴とする遊技機D1。
パチンコ機等の遊技機において、遊技の状況に応じて、所定装置(例えば、ホールコンピュータ等)へと遊技に関する情報を出力するものがある。かかる遊技機では、出力した遊技に関する情報に基づいて、遊技機において行われている遊技の状況を所定装置に対して把握させることができる(例えば、特許文献1:特許3848105号公報)。
しかしながら、上述した従来型の遊技機では、所定装置へと出力可能な情報に限りがあるため、信号を好適に所定装置へと出力することが困難になってしまう可能性がある。
これに対して遊技機D1によれば、遊技機に対して電源が投入された場合に所定装置に対して計数手段の計数値を把握させることができるという効果がある。
遊技機D1において、前記特定の遊技状態が設定された後において前記判別手段の判別結果が予め定められた特定回数に渡って連続して前記第2の判別結果となったことに基づいて、前記特定の遊技状態よりも遊技者に有利な有利遊技状態を設定可能な有利遊技状態設定手段を備えることを特徴とする遊技機D2。
遊技機D2によれば、遊技機D1の奏する効果に加え、第2の判別結果が連続することを期待する斬新な遊技性を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができるという効果がある。
遊技機D1又はD2において、前記信号制御手段は、前記遊技機の電源が遮断されたことに基づいて、前記信号出力部から前記計数手段の計数する回数に応じた信号を出力させることが可能に構成されていることを特徴とする遊技機D3。
遊技機D3によれば、遊技機D1又はD2の奏する効果に加え、電源が遮断された際の計数手段の計数値を所定装置に対して把握させることができるという効果がある。
遊技機D3において、前記所定装置は、前記遊技機の電源が遮断された際に前記信号出力部から出力された前記計数手段の計数する回数に応じた情報を、少なくとも前記遊技機に対して次に電源が投入されて前記計数手段の計数する回数に応じた情報を受信するまで記憶可能な記憶手段を備えることを特徴とする遊技機D4。
遊技機D4によれば、遊技機D3の奏する効果に加え、遊技機に対して電源が遮断されている間に計数手段の計数する回数が書き替えられる等の不正行為が行われた場合に、次回の電源投入時に当該不正行為を所定装置側で容易に把握することができるという効果がある。
<特徴E群>(演出表示用のディスプレイとは異なる他の装置へと所定の信号を出力する際に、ディスプレイにおいて所定演出を実行)
受信した信号の種別に応じた視認態様が設定される特定装置に対して信号を出力する信号出力手段と、判別条件の成立に基づいて判別を実行する判別手段と、その判別手段の判別結果が前記特定の判別結果となったことに基づいて遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、少なくとも前記判別手段の判別結果が予め定められた特定の判別結果となったことに基づいて、前記特定装置が特定の視認態様に設定され得る特定種別の信号が前記特定装置に対して出力されるように制御する信号制御手段と、前記判別手段の判別結果が前記特定の判別結果となったことに基づいて、前記特定装置が前記特定の視認態様となっていることを遊技者が確認し易くなる演出態様で構成されている第1演出を実行する第1演出実行手段と、を備えることを特徴とする遊技機E1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、液晶表示装置等の表示装置が設けられた遊技機が知られている。この従来型の遊技機では、表示装置において図柄の変動表示が行われ、図柄が予め定められた組み合わせで停止表示されることで、遊技者に有利な当たり遊技が付与される。また、表示装置には、図柄以外にもキャラクタや風景等の様々な画像が表示され、多種多様な興趣演出を実行することで遊技の興趣向上を図っていた(例えば、特許文献1:特開2003−325886号公報)。
しかしながら、遊技機において実行される興趣演出として、より斬新な演出態様が求められている。即ち、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることが求められている。
これに対して遊技機E1によれば、特定装置と遊技機とが連動して特典遊技が実行されることを報知しているかのように遊技者に思わせることができる斬新な演出態様を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機E1において、前記判別手段の判別結果が前記特定の判別結果となってから少なくとも前記第1演出が実行されるまでの間、前記特定の判別結果となったことを遊技者に認識困難とさせる第2演出を実行する第2演出実行手段を備えることを特徴とする遊技機E2。
遊技機E2によれば、遊技機E1の奏する効果に加え、第1演出および特定の視認態様によって突然特定の判別結果が報知されたかのような印象を遊技者に対して抱かせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができるという効果がある。
遊技機E2において、前記特定装置の視認態様を視認可能となる第1位置と、その第1位置よりも前記特定装置の視認態様が視認困難となる第2位置と、に可変可能な可変手段と、その可変手段を可変制御する可変制御手段と、を備え、前記可変手段は、少なくとも前記第2演出が実行されている間、前記第2位置に可変され、前記第1演出が実行されたことに基づいて前記第1位置に可変されるように構成されていることを特徴とする遊技機E3。
遊技機E3によれば、遊技機E2の奏する効果に加え、第2演出の実行中は、特定装置が特定の視認態様に設定されているか否かを視認することを物理的に困難とすることができるので、第1演出が実行される前から特定装置を視認していたとしても、特定の判部結果となることを第2演出の実行中に遊技者が察知することを困難とすることができるという効果がある。
遊技機E1からE3のいずれかにおいて、予め定められた第1の設定条件が成立したことに基づいて遊技者に不利な第1遊技状態を設定する第1遊技状態設定手段と、前記第1遊技状態において予め定められた第2条件が成立したことに基づいて、前記第1遊技状態よりも遊技者に有利な第2遊技状態を設定する第2遊技状態設定手段と、を備え、前記信号制御手段は、前記第2条件が成立したことに基づいて、前記特定装置が前記特定の視認態様とは異なる第1視認態様に設定され得る第1種別の信号が前記特定装置に対して出力されるように制御可能に構成されているものであり、前記第1演出実行手段は、前記第2条件が成立する場合に、前記第1演出を実行可能に構成されていることを特徴とする遊技機E4。
遊技機E4によれば、遊技機E1からE3のいずれかが奏する効果に加え、特典遊技が実行されることだけでなく、第2遊技状態が設定されることについても特定装置と遊技機とが連動しているかのような演出によって報知することができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができるという効果がある。
遊技機E4において、遊技球が入球可能な入球手段と、その入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて、前記判別手段の判別に用いる判別情報を取得可能な判別情報取得手段と、前記入球手段へと遊技球が入球可能となる第1位置と、その第1位置よりも遊技球が入球困難となる第2位置と、に可変可能な可変手段と、所定の可変条件の成立に基づいて、前記可変手段を所定期間、前記第2位置から前記第1位置へと可変させる可変制御手段と、を備え、前記第2遊技状態は、前記第1遊技状態よりも前記所定の可変条件が成立し易い遊技状態で構成されているものであり、前記第1演出実行手段は、前記第2条件が成立してから前記可変手段が前記可変制御手段により前記第1位置へと可変されるまでの期間が予め定められた特定期間以上になると前記第2条件が成立するよりも前に判別された場合に、前記第2遊技状態に設定された後で最初に前記可変手段が前記第1位置に可変したことに基づいて前記第1演出を実行可能に構成されていることを特徴とする遊技機E5。
遊技機E5によれば、遊技機E4の奏する効果に加え、実際に入球手段へと遊技球を入球させることが可能となってから第2遊技状態を報知することができるので、遊技者が遊技球を無駄に発射してしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機E1からE5のいずれかにおいて、前記特定の視認態様は、前記特典遊技の実行中であること遊技者に報知可能な視認態様で構成されていることを特徴とする遊技機E6。
遊技機E6によれば、遊技機E1からE5のいずれかが奏する効果に加え、特定装置によって特典遊技の実行中であることを明確に報知することができるという効果がある。
遊技機E1からE6のいずれかにおいて、前記信号制御手段は、前記判別手段の判別が実行されたことに基づいて第2種別の信号が前記特定装置に出力されるように制御可能に構成されているものであり、前記特定装置は、前記信号出力手段から出力された前記第2種別の信号の回数に応じて、前記判別手段による判別の実行回数を遊技者に示唆可能な視認態様を設定可能に構成されていることを特徴とする遊技機E7。
遊技機E7によれば、遊技機E1からE6のいずれかが奏する効果に加え、特定装置の視認態様によって実行された判別の回数を確認することができるので、遊技者の利便性を向上させることができるという効果がある。
遊技機E7において、前記特定装置は、前記信号出力手段から出力された前記特定種別の信号の回数に応じて、前記特典遊技が実行された回数を遊技者に示唆可能な視認態様を設定可能に構成されていることを特徴とする遊技機E8。
遊技機E8によれば、遊技機E7の奏する効果に加え、特定装置の視認態様によって実行された特典遊技の回数を確認することができるので、遊技者の利便性を向上させることができるという効果がある。
<特徴F群>(RAMクリアの有無によらず、当たり後の抽選回数が特定の抽選回数になることで天井時短を発動させる)
識別情報を表示可能な表示手段と、判別条件の成立に基づいて判別を実行可能な判別手段と、その判別手段の判別結果を示すための前記識別情報を前記表示手段に動的表示させることが可能な動的表示手段と、前記表示手段に特定の判別結果を示すための識別情報が表示されたことに基づいて、遊技者に有利な特典を付与可能な特典付与手段と、を有した遊技機において、前記識別情報の動的表示における動的表示態様を決定することが可能な動的表示態様決定手段と、その動的表示態様決定手段により決定され得る複数の異なる前記動的表示態様が規定された規定情報が複数記憶された規定情報記憶手段と、その規定情報記憶手段から前記動的表示態様を決定するための1の規定情報を選択することが可能な規定情報選択手段と、操作者が操作可能な操作手段と、その操作手段に対して所定の操作内容の操作が行われた状態で前記遊技機に対して電源が投入されたことに基づいて、前記遊技機の設定を予め定められた初期設定に初期化することが可能な初期化手段と、前記初期化手段により前記初期化が行われる場合に、前記規定情報を選択するための情報が変更されることを抑制する抑制手段と、を備えることを特徴とする遊技機F1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、液晶ディスプレイ等の表示手段に複数の図柄を動的表示させることによって、始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて行われる抽選の結果を報知するものがある。かかる遊技機では、動的表示された複数の図柄が予め定められた特定の組み合わせで停止表示された場合に、遊技者にとって有利ないわゆる当たり状態へと移行する(例えば、特許文献1:特開2003−230714号公報)。
しかしながら、係る従来型の遊技機では、好適に動的表示態様を決定することが困難となってしまう可能性があった。
これに対して遊技機F1によれば、初期化されたとしても規定情報を選択するための情報が変更されないように抑制されるので、初期化後においても規定情報を好適に選択することができるという効果がある。
遊技機F1において、前記特典の付与が終了した後で、前記特典が付与されずに前記判別手段の判別が予め定められた特定回数実行されたことに基づいて、遊技者に有利な特定遊技状態を設定するための情報を設定可能な設定手段を備えることを特徴とする遊技機F2。
遊技機F2によれば、遊技機F1の奏する効果に加え、判別手段の判別で特定の判別結果にならなくても、特定回数の判別が実行されることにより有利な特定遊技状態が設定されるので、特定の判別結果とならない期間が長く継続したとしても、遊技者の遊技に対するモチベーションを低下し難くすることができるという効果がある。
遊技機F2において、前記特典が付与されずに前記判別手段の判別が実行された回数をカウントするカウント手段と、前記初期化手段により前記初期化が行われる場合に、前記カウント手段がカウントするカウント値が初期化されることを抑制する第2抑制手段を備え、前記設定手段は、前記カウント手段のカウント値が前記特定回数に対応するカウント値になったことに基づいて、前記特定遊技状態を設定するための情報を設定可能に構成されていることを特徴とする遊技機F3。
遊技機F3によれば、遊技機F2の奏する効果に加え、遊技機が初期化されてもカウント手段のカウント値が維持されるので、遊技機が初期化されたとしても特定遊技状態に設定されるまでの判別手段の判別回数が電源遮断時から増加することを抑制することができる。よって、遊技者に、初期化された遊技機で遊技を行うことを敬遠されてしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機F3において、前記規定情報選択手段は、前記カウント手段のカウント値に少なくとも基づいて前記規定情報を選択可能に構成されていることを特徴とする遊技機F4。
遊技機F4によれば、遊技機F3の奏する効果に加え、特定遊技状態を設定するか否かを判別するために判別手段の判別回数を読み出す場合にも、規定情報を選択するために判別手段の判別回数を読み出す場合にも、共通してカウント手段のカウント値を用いることができ、両者がずれてしまう可能性を排除することができるので、規定情報を好適に選択することができるという効果がある。
遊技機F2からF4のいずれかにおいて、前記特定遊技状態が設定された後で、前記特典が付与されずに前記判別手段の判別が前記特定回数実行されたことに基づいて、前記特定遊技状態を設定するための情報を設定可能な第2設定手段を備えることを特徴とする遊技機F5。
遊技機F5によれば、一旦特定遊技状態が設定された後も、特典が付与されなければ判別回数が特定回数に到達することで再度特定遊技状態が設定されるので、特典が付与されなくても定期的に有利度合いが高くなる斬新な遊技性を実現することができるという効果がある。
遊技機F5において、前記特定遊技状態が設定されたことに基づいて前記カウント手段のカウント値を初期化可能な第2初期化手段を備えることを特徴とする遊技機F6。
遊技機F6によれば、遊技機F5の奏する効果に加え、特定遊技状態が設定されたことを契機としてカウント値を初期化することができるので、特定遊技状態が未設定の状況であっても、一旦特定遊技状態が設定された後の状況であっても、特定回数に対応するカウント値になったか否かによって特定遊技状態を設定するか否かを判別することができ、設定手段と第2設定手段とで制御を共通化することができるという効果がある。
遊技機F2からF6のいずれかにおいて、前記特典付与手段による前記特典の付与が終了したことに基づいて前記カウント手段のカウント値を初期化する第3初期化手段を備えることを特徴とする遊技機F7。
遊技機F7によれば、遊技機F2からF6のいずれかが奏する効果に加え、特典の付与が終了する毎にカウント手段のカウント値が初期化されるので、特典が付与されたタイミングによらず、特典の付与が終了してから判別手段の判別回数が特定回数になることで特定遊技状態を設定することができるという効果がある。
<特徴G群>(RAMクリア後の抽選で最初に当たりとは異なる所定の抽選結果となった場合に変動パターンシナリオをセットし、2回目以降の所定の抽選結果ではシナリオのセットを回避する)
遊技に関する所定の制御を行う制御手段を備えた遊技機において、所定の設定条件の成立に基づいて、予め定められた特定制御が前記制御手段によって行われるように設定する特定制御設定手段と、前記所定の設定条件の成立時点において予め定められた特定条件が成立している場合に、前記特定制御設定手段の設定を抑制する抑制手段と、を備えることを特徴とする遊技機G1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、遊技に関する制御を行う制御手段を搭載しているものがある。かかる遊技機では、当たり状態に移行する際等、遊技の状況が変化する場合に、設定値の設定等の所定の制御が制御手段によって実行されるように設定される(例えば、特許文献1:特開2001−276365号公報)。
しかしながら、かかる遊技機では、制御手段に対して好適な制御を行わせることが困難となってしまう可能性がある。
これに対して遊技機G1によれば、特定条件の成立下において特定制御が行われることを回避することができるので、より好適に制御を行わせることができるという効果がある。
遊技機G1において、判別条件の成立に基づいて判別を実行する判別手段と、その判別手段の判別結果が予め定められた特定の判別結果となったことに基づいて遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、識別情報を表示可能な表示手段と、前記判別手段の判別が実行されたことに基づいて、前記表示手段において前記判別手段の判別結果を示すための前記識別情報を動的表示させることが可能な動的表示手段と、その動的表示手段による前記識別情報の動的表示における動的表示期間を決定するための情報である動的表示期間情報と、前記判別手段の判別が前記特定の判別結果とは異なる判別結果となった回数である判別回数と、の対応関係が少なくとも規定された規定情報を複数記憶した規定情報記憶手段と、前記判別条件が成立したことに基づいて、前記規定情報記憶手段似記憶されている複数の前記規定情報のうち1の前記規定情報に応じて前記判別回数に対応する前記動的表示期間情報を特定する動的表示期間情報特定手段と、その動的表示期間情報特定手段により特定された前記動的表示期間情報に応じて前記動的表示期間を決定する動的表示期間決定手段と、を備え、前記制御設定手段は、前記所定の設定条件の成立に基づいて、前記規定情報記憶手段に記憶されている複数の前記規定情報のうち、前記動的表示期間情報特定手段による前記動的表示期間情報の特定に用いるための1の前記規定情報を特定する制御を前記特定制御として前記制御手段によって行われるように設定可能に構成されているものであることを特徴とする遊技機G2。
遊技機G2によれば、好適に動的表示期間を決定することができるという効果がある。
遊技機G2において、前記所定の設定条件は、前記判別手段の判別結果が前記特定の判別結果とは少なくとも異なる第1の判別結果となった場合に成立する条件であることを特徴とする遊技機G3。
遊技機G3によれば、遊技機G2の奏する効果に加え、第1の判別結果となった場合に規定情報を特定することができるので、第1の判別結果の前後で決定される動的表示期間の傾向を異ならせることができるという効果がある。
遊技機G3において、操作者が操作可能な操作手段と、その操作手段に対して所定の操作内容の操作が行われた状態で前記遊技機に対して電源が投入されたことに基づいて、前記遊技機の設定を予め定められた初期設定に初期化することが可能な初期化手段と、を備え、前記判別手段は、判別結果が前記特定の判別結果と前記第1の判別結果とのどちらかになるように構成されていることを特徴とする遊技機G4。
遊技機G4によれば、遊技機G3の奏する効果に加え、遊技機の初期化後に判別手段の判別が実行され、特定の判別結果にならなければ、規定情報を特定することができるので、ほぼ、遊技機の初期化後に判別手段の判別が1回実行されることで規定情報を特定することができる。よって、規定情報が特定されていない状態が長く続いてしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機G4において、前記特定条件は、前記初期化手段により前記遊技機の設定が前記初期設定に初期化された後で最初に前記第1の判別結果となった場合に成立する条件で構成されていることを特徴とする遊技機G5。
遊技機G5によれば、遊技機G4の奏する効果に加え、第1の判別結果となる毎に、繰り返し規定情報が特定されることを抑制できるという効果がある。
遊技機G4又はG5において、前記制御手段は、前記特定制御として、前記初期化手段により前記遊技機の設定が前記初期設定に初期化され、前記判別手段の判別結果が前記第1の判別結果となったことに基づいて1の前記規定情報を特定する第1特定制御と、前記特典遊技の実行が終了したことに基づいて1の前記規定情報を特定する第2特定制御と、を少なくとも行うことが可能に構成されていることを特徴とする遊技機G6。
遊技機G5によれば、遊技機G4又はG5の奏する効果に加え、特典遊技の実行が終了した場合にも規定情報を特定することができるので、特典遊技の終了を契機として、決定される動的表示期間の傾向を異ならせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができるという効果がある。
遊技機G4からG6のいずれかにおいて、前記初期化手段により前記遊技機の設定が前記初期設定に初期化された後における前記判別回数が予め定められた特定回数となったことに基づいて、遊技者に有利な有利遊技状態を設定する有利遊技状態設定手段を備え、前記特定制御は、少なくとも前記特定回数に到達するまでの間のそれぞれの前記判別回数と、前記動的表示期間情報と、の対応関係を規定した前記規定情報を特定する制御で構成されていることを特徴とする遊技機G7。
遊技機G7によれば、遊技機G4からG6のいずれかが奏する効果に加え、遊技機が初期化され、判別手段の判別結果が第1の判別結果となったことに基づいて特定された規定情報を、有利遊技状態が設定されるまでの間、使用し続けることができるので、有利遊技状態が設定されるまでに規定情報を切り替える制御を行う必要がなく、遊技機の処理負荷を軽減することができるという効果がある。
遊技機G4からG7のいずれかにおいて、前記初期化手段により前記遊技機が初期化され、前記判別手段の判別結果が前記第1の判別結果となったことに基づいて特定演出を実行する演出実行手段を備えることを特徴とする遊技機G8。
遊技機G8によれば、遊技機G4からG7の奏する効果に加え、特定演出が実行された場合に、特定条件が成立したことを遊技者に理解させることができるという効果がある。
遊技機G8において、前記演出実行手段は、前記遊技機に対して電源が投入され、前記初期化手段によって前記遊技機の設定が前記初期設定に初期化されなかった場合に、前記特定演出の実行を抑制可能に構成されていることを特徴とする遊技機G9。
遊技機G9によれば、遊技機G8の奏する効果に加え、特定演出が実行されるか否かによって遊技機が初期化されたか否かを遊技者に理解させることができるので、遊技機に対して電源が投入された場合に、少なくとも特定条件が成立するまで遊技を行って初期化の有無を判別したいと遊技者に思わせることができる。よって、特に、遊技機を設置しているホールの開店直後における遊技機の稼働率を向上させることができるという効果がある。
遊技機G2からG9のいずれかにおいて、前記動的表示期間情報は、前記動的表示期間として決定され得る複数の異なる期間が少なくとも規定されている情報で構成されていることを特徴とする遊技機G10。
遊技機G10によれば、遊技機G2からG9のいずれかが奏する効果に加え、動的表示期間を多様化させることで判別手段の判別結果が示されるまでの期間にバリエーションを持たせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
<特徴H群>(天井抽選回数到達を契機として変動パターンシナリオを再セットする)
識別情報を表示可能な表示手段と、判別条件の成立に基づいて判別を実行可能な判別手段と、その判別手段の判別結果を示すための前記識別情報を前記表示手段に動的表示させることが可能な動的表示手段と、前記表示手段に予め定められた特定の判別結果を示すための前記識別情報が表示されたことに基づいて、遊技者に有利な特典を付与可能な特典付与手段と、を有した遊技機において、前記特典の付与が終了された後で、前記特典が付与されずに前記判別手段の判別が予め定められた特定回数実行されたことに基づいて、遊技者に有利な特定遊技状態を設定するための情報を設定可能な設定手段と、前記識別情報の動的表示における動的表示態様を決定することが可能な動的表示態様決定手段と、その動的表示態様決定手段により決定され得る複数の異なる前記動的表示態様が規定された規定情報が複数記憶された規定情報記憶手段と、前記規定情報記憶手段から1の規定情報を選択させるための情報である選択情報として、複数の異なる選択情報のうち1の選択情報を特定する選択情報特定手段と、その選択情報特定手段によって特定された前記選択情報に応じて、規定情報記憶手段から前記動的表示態様を決定するための1の規定情報を選択することが可能な規定情報選択手段と、を備え、前記選択情報特定手段は、前記特典の付与が終了された後で、前記特典が付与されずに前記判別手段の判別が予め定められた特定回数実行されたことに基づいて、1の前記選択情報を特定可能に構成されていることを特徴とする遊技機H1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、液晶ディスプレイ等の表示手段に複数の図柄を動的表示させることによって、始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて行われる抽選の結果を報知するものがある。かかる遊技機では、動的表示された複数の図柄が予め定められた特定の組み合わせで停止表示された場合に、遊技者にとって有利ないわゆる当たり状態へと移行する(例えば、特許文献1:特開2003−230714号公報)。
しかしながら、係る従来型の遊技機では、好適に動的表示態様を決定することが困難となってしまう可能性があった。
これに対して遊技機H1によれば、選択情報を好適に特定することができるという効果がある。
遊技機H1において、前記選択情報特定手段は、前記特典が付与されたことに基づいて前記選択情報として第1選択情報を特定し、前記特典の付与が終了された後で、前記特典が付与されずに前記判別手段の判別が予め定められた特定回数実行されたことに基づいて前記第1選択情報とは異なる第2選択情報を特定することが可能に構成されていることを特徴とする遊技機H2。
遊技機H2によれば、遊技機H1の奏する効果に加え、特典の付与が修了された場合と特定遊技状態が設定される場合とで異なる選択情報を特定することができるので、決定される規定情報の傾向を多様化することができるという効果がある。
遊技機H1又はH2において、前記設定手段は、前記特定遊技状態が設定された後で、前記特典が付与されずに前記判別手段の判別が前記特定回数実行されたことに基づいて、前記特定遊技状態を設定するための情報を設定可能に構成されていることを特徴とする遊技機H3。
遊技機H3によれば、遊技機H1又はH2の奏する効果に加え、特定遊技状態が1回設定された後も、特典が付与されなければ再度特定遊技状態が設定されるので、特典が付与されなくても定期的に特定遊技状態が設定される斬新な遊技性を実現することができるという効果がある。
遊技機H3において、前記特典の付与が終了された後で、前記特典が付与されずに前記判別手段の判別が予め定められた特定回数実行されたことに基づいて特定される前記選択情報は、前記判別手段の判別回数が前記特定回数よりも少ない第1回数未満の範囲で前記規定情報選択手段に対して第1規定情報を選択させ、前記第1回数となったことに基づいて前記第2規定情報を選択させることが可能な情報で構成されていることを特徴とする遊技機H4。
遊技機H4によれば、特定遊技状態に設定された後で第1回数の判別が実行された場合に、決定される動的表示態様の傾向を異ならせることができるので、動的表示態様の傾向の変化によって特定回数が近づいてきたと遊技者に感じさせることができるという効果がある。
遊技機H4において、前記特典が付与されずに前記判別手段の判別が予め定められた特定回数実行されたことに基づいて特定される前記選択情報は、前記判別手段の判別回数が前記特定回数よりも少なく、前記第1回数よりも多い第2回数となったことに基づいて前記規定情報選択手段に対して前記第2規定情報を選択させ、前記判別手段の判別回数が前記第1回数よりも多く、前記第2回数未満の範囲で前記第1規定情報を選択させることが可能な情報で構成されていることを特徴とする遊技機H5。
遊技機H5によれば、遊技機H4の奏する効果に加え、特定遊技状態の設定後に実行された判別手段の判別回数が第1回数となった場合、および第2回数となった場合に、その他の回数の場合とは決定される動的表示態様の傾向を異ならせることができるので、動的表示態様の傾向が可変する毎に、段階的に、特定回数が近づいていると遊技者に感じさせることができるという効果がある。
遊技機H3からH5のいずれかにおいて、前記特典の付与が終了された後で最初に設定された前記特定遊技状態と、前記特定遊技状態が設定された後で、前記特典が付与されずに前記判別手段の判別が前記特定回数実行されたことに基づいて設定された前記特定遊技状態とで、有利度合いを可変させることが可能な有利度合い可変手段を備えることを特徴とする遊技機H6。
遊技機H6によれば、同じ特定遊技状態でも設定されるタイミングによって有利度合いを異ならせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機H6において、前記有利度合い可変手段は、前記特典の付与が終了された後で最初に設定された前記特定遊技状態よりも、前記特定遊技状態が設定された後で、前記特典が付与されずに前記判別手段の判別が前記特定回数実行されたことに基づいて設定された前記特定遊技状態の方が有利度合いが高くなるように有利度合いを可変可能に構成されていることを特徴とする遊技機H7。
遊技機H7によれば、遊技機H6の奏する効果に加え、より長い期間特典が付与されていない状態で設定された特定遊技状態の方が有利度合いを高くすることができるので、特典が付与されないことを期待させる斬新な遊技性を実現することができるという効果がある。
<特徴I群>(周期的に制御を可変させる周期制御中に優先度の高い所定の制御の割り込みが発生し、当該所定の制御が終了された場合に、所定の制御が実行されなかったと仮定した場合の制御位置から周期制御を再開させる)
予め定められた第1の実行条件の成立に基づいて第1制御を実行し、前記第1制御の実行中に予め定められた第2の実行条件が成立したことに基づいて前記第1制御とは異なる第2制御を実行する制御手段と、少なくとも前記第1制御の実行中に予め定められた第3の実行条件が成立したことに基づいて、前記第1制御とも前記第2制御とも異なる第3制御が前記制御手段によって実行されるように設定する第3制御設定手段と、前記第3制御の実行中に予め定められた終了条件が成立したことに基づいて第3制御を終了させる終了手段と、その終了手段により前記第3制御が終了された時点で予め定められた特定条件が成立している場合に前記第2制御が前記制御手段によって実行されるように設定し、前記特定条件が成立していない場合に前記第1制御が前記制御手段によって実行されるように設定する終了後制御設定手段と、を備えることを特徴とする遊技機I1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、遊技に関する制御を行う制御手段を搭載しているものがある。かかる遊技機では、当たり状態に移行する際等、遊技の状況が変化する場合に、設定値の設定等の所定の制御が制御手段によって実行されるように設定される(例えば、特許文献1:特開2001−276365号公報)。
しかしながら、かかる遊技機では、制御手段に対して好適な制御を行わせることが困難となってしまう可能性がある。
これに対して遊技機I1によれば、第3制御の終了時点における特定条件の成立有無に応じて、第3制御の終了後に第1制御を実行させるか第2制御を実行させるかを切り替えることができるので、より好適な制御を実現することができるという効果がある。
遊技機I1において、前記終了後制御設定手段は、前記第1制御の実行中に前記第3の実行条件が成立しなかったと仮定した場合に前記終了条件の成立時点で前記第2制御の実行中であれば、前記第2制御が前記制御手段によって実行されるように設定し、前記終了条件の成立時点で前記第1制御の実行中であれば、前記第1制御が前記制御手段によって実行されるように設定することが可能に構成されていることを特徴とする遊技機I2。
遊技機I2によれば、遊技機I1の奏する効果に加え、第3制御が終了される場合に、第3制御が実行されなかったと仮定した場合の制御内容を設定することができるので、より好適な制御を実現することができるという効果がある。
遊技機I1又はI2において、判別条件の成立に基づいて判別を実行する判別手段と、その判別手段の判別結果が予め定められた第1の判別結果となったことに基づいて遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、を備え、前記第2の実行条件は、前記第1の実行条件が成立した後で前記判別手段の判別結果が前記第1の判別結果とは異なる第2の判別結果となった回数が予め定められた特定回数となった場合に成立する条件であることを特徴とする遊技機I3。
遊技機I3によれば、遊技機I1又はI2の奏する効果に加え、第2の判別結果となった回数が特定回数となることで異なる制御に切り替えることができるので、有利な特典遊技が実行されない状況下において延々と第1制御が実行され続けてしまうことを抑制することができる。よって、遊技が単調となってしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機I3において、前記終了後設定手段は、前記終了条件の成立時点で、前回の前記第1の実行条件の成立後に前記第2の判別結果となった回数が前記特定回数以上である場合に前記第2制御が前記制御手段によって実行されるように設定し、前記第2の判別結果となった回数が特定回数未満である場合に前記第1制御が実行されるように設定可能に構成されていることを特徴とする遊技機I4。
遊技機I4によれば、遊技機I3の奏する効果に加え、第2の判別結果の回数に応じて第3制御の終了後における制御内容を切り替えることができるので、より好適な制御を実現することができるという効果がある。
遊技機I3又はI4において、識別情報を表示可能な表示手段と、前記判別手段の判別結果を示すための前記識別情報を前記表示手段において動的表示させる動的表示手段と、その動的表示手段による前記識別情報の動的表示における動的表示期間を決定する動的表示期間決定手段と、前記動的表示期間を決定するための情報が規定された所定の規定情報として、第1規定情報と、その第1規定情報とは異なる第2規定情報と、を少なくとも含む複数の規定情報を記憶した規定情報記憶手段と、を備え、前記制御手段は、前記第1制御として、前記第1規定情報を用いて前記動的表示期間を決定するように前記動的表示期間決定手段を制御し、前記第2制御として、前記第2規定情報を用いて前記動的表示期間を決定するように前記動的表示期間決定手段を制御することが可能に構成されていることを特徴とする遊技機I5。
遊技機I5によれば、第1制御が実行されるか、第2制御が実行されるかによって決定される動的表示期間の傾向を異ならせることができるので、判別手段の判別結果が示されるまでの期間の傾向も異ならせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機I3からI5のいずれかにおいて、予め定められた特定の設定条件の成立に基づいて第1遊技状態を設定する第1遊技状態設定手段と、前記第1遊技状態が設定された後において前記判別手段の判別結果が前記特定回数よりも多い予め定められた第1回数に渡って連続して前記第2の判別結果となったことに基づいて、前記第1遊技状態よりも遊技者に有利な第2遊技状態を設定する第2遊技状態設定手段と、を備え、前記第1の実行条件は、前記特定の設定条件が成立した場合に成立する条件で構成されていることを特徴とする遊技機I6。
遊技機I6によれば、遊技機I3からI5のいずれかが奏する効果に加え、第1遊技状態の間に第1制御から第2制御に切り替えることができるので、第2遊技状態が設定されるまでの間の遊技が単調となってしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機I6において、前記判別手段の判別結果が前記第1の判別結果とは異なる判別結果であって前記第2の判別結果の一部である第3の判別結果となったことに基づいて、前記第1遊技状態よりも遊技者に有利な第3遊技状態を設定する第3遊技状態設定手段を備え、前記第3の実行条件は、前記判別手段の判別結果が前記第3の判別結果となった場合に成立する条件で構成されていることを特徴とする遊技機I7。
遊技機I7によれば、遊技機I6の奏する効果に加え、第1遊技状態から第3遊技状態に切り替わった場合に制御も切り替えることができるので、遊技状態に応じた制御を実行することができるという効果がある。
遊技機I7において、前記第1遊技状態設定手段は、前記第3の判別結果となった後で実行された前記判別手段の判別結果が予め定められた第2回数に渡って連続して前記第2の判別結果となったことに基づいて、遊技状態を前記第1遊技状態に設定可能に構成されているものであり、前記終了条件は、前記第3の判別結果となった後で実行された前記判別手段の判別結果が予め定められた第2回数に渡って連続して前記第2の判別結果となった場合に成立する条件で構成されていることを特徴とする遊技機I8。
遊技機I8によれば、第3遊技状態が終了して第1遊技状態に戻る際に、第2の判別結果の回数に応じて第1制御を実行させるか第2制御を実行させるかを切り替えることができるので、より好適な制御を実現することができるという効果がある。
<特徴J群>(有利状態の設定条件が成立した時点で、当該有利状態中に再度有利状態の設定条件が成立すると判別された場合に、後で設定される有利状態を加味した有利度合いを報知する)
予め定められた特定の設定条件の成立に基づいて第1遊技状態を設定する第1遊技状態設定手段と、少なくとも前記第1遊技状態において成立し得る所定の設定条件の成立に基づいて、第1遊技状態よりも遊技者に有利な第2遊技状態を設定する第2遊技状態設定手段と、前記第2遊技状態の間に前記第2遊技状態の設定条件が再度成立する場合に、前記再度成立する設定条件を加味した有利度合いを遊技者に示唆する特定演出を、少なくとも前記第2遊技状態が設定されるよりも前に実行可能な特定演出実行手段と、を備えることを特徴とする遊技機J1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、液晶表示装置等の表示装置が設けられた遊技機が知られている。この従来型の遊技機では、表示装置において図柄の変動表示が行われ、図柄が予め定められた組み合わせで停止表示されることで、遊技者に有利な当たり遊技が付与される。また、表示装置には、図柄以外にもキャラクタや風景等の様々な画像が表示され、多種多様な興趣演出を実行することで遊技の興趣向上を図っていた(例えば、特許文献1:特開2003−325886号公報)。
しかしながら、更なる興趣の向上が求められていた。
また、係る従来型の遊技機の中には、有利度合いが異なる複数の遊技状態が設けられているものの知られており、有利度合いが高い遊技状態へと移行する際に、表示演出等によって有利度合いを報知するものも存在する。
しかしながら、係る従来型の遊技機では、単に直近で設定される有利状態の有利度合いのみを判別して有利度合いを報知する構成としているため、実際の有利度合いと報知される有利度合いとにずれが生じてしまう可能性がある。
これに対して遊技機J1によれば、第2遊技状態が設定されること、および第2遊技状態の間に再度第2遊技状態を設定するための設定条件が成立することが予め分かっている場合に、第2遊技状態が設定されるよりも前に、第2遊技状態が重複して設定されることを加味した有利度合いを遊技者に示唆する斬新な演出態様を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機J1において、判別条件の成立に基づいて判別を実行する判別手段と、その判別手段の判別結果が予め定められた第1の判別結果となったことに基づいて遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、前記第2遊技状態が設定された後で実行された前記判別手段の判別結果が予め定められた特定回数に渡って前記第1の判別結果とは異なる第2の判別結果となったことに基づいて、前記第2遊技状態を終了させる終了手段と、を備え、前記特定演出は、前記第2遊技状態が前記終了手段により終了されるまでの前記判別手段の判別回数を示唆することが可能な演出で構成されていることを特徴とする遊技機J2。
遊技機J2によれば、遊技機J1の奏する効果に加え、特定演出によって第2遊技状態が終了するまでの判別回数を示唆することができるので、特定演出に注目させることができるという効果がある。
遊技機J2において、前記所定の設定条件の成立に基づいて、前記第2遊技状態が前記終了手段により終了されるまでの前記判別手段の判別回数として、第1回数と、その第1回数よりも多い第2回数と、を少なくとも含む複数のうち1の回数を決定する終了回数決定手段を備えることを特徴とする遊技機J3。
遊技機J3によれば、終了回数決定手段により決定され得る回数が複数設けられているので、特定演出により示唆される回数により注目して遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機J2又はJ3において、前記所定の設定条件は、前記判別手段の判別結果が前記第1の判別結果とは異なる判別結果であって前記第2の判別結果に含まれる判別結果である第3の判別結果となった場合に成立する第1設定条件と、その第1設定条件とは異なる第2設定条件と、で少なくとも構成されていることを特徴とする遊技機J4。
遊技機J4によれば、遊技機J2又はJ3の奏する効果に加え、有利な遊技状態が設定される条件として複数の条件が設けられているため、第2遊技状態へと移行することを期待できる場面をより多くすることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができるという効果がある。
遊技機J4において、前記第2設定条件は、少なくとも前記第1遊技状態が設定された後で実行された前記判別手段の判別結果が予め定められた第3回数に渡って前記第2の判別結果となった場合に成立する条件で構成されていることを特徴とする遊技機J5。
遊技機J5によれば、遊技機J4の奏する効果に加え、有利度合いが低い第1遊技状態において第1の判別結果にならなくても、判別手段の判別が第3回数に渡って第2の判別結果となることで有利度合いが高い第2遊技状態が設定されるので、第1遊技状態において第1の判別結果とならない期間が長く継続したとしても、遊技者の遊技に対するモチベーションが低下してしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機J5において、前記特定演出実行手段は、前記特定演出の演出態様として、前記第1設定条件が成立し、当該第1設定条件の成立に基づいて設定される前記第2遊技状態において前記特定回数の前記判別手段の判別が実行されるまでに前記判別手段の判別回数が前記第3回数に到達する場合に、前記第1設定条件が成立してから前記判別手段の判別結果が前記第3回数に到達したことに基づいて設定される前記第2遊技状態が終了するまでの間に実行可能な判別回数に応じた演出態様を設定可能に構成されていることを特徴とする遊技機J6。
遊技機J6によれば、遊技機J5の奏する効果に加え、特定演出の演出態様として、実際に第2遊技状態が終了されるまでの判別回数に応じた演出態様を設定することができるので、特定演出に対してより注目して遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機J6において、前記特定演出実行手段により実行される前記特定演出の演出態様として、設定される前記第2遊技状態において前記第1の判別結果とならない場合に少なくとも第4回数の判別を実行可能であることを示す第1演出態様と、前記第4回数よりも多い第5回数の判別を実行可能であることを示す第2演出態様と、を少なくとも含む複数のうち1の演出態様を決定する演出態様決定手段を備え、前記演出態様決定手段は、設定される前記第2遊技状態において前記第1の判別結果とならない場合に実行可能な判別の回数が第1回数以上であり、且つ、第2回数未満である場合に、前記第1演出態様を決定可能に構成されていることを特徴とする遊技機J7。
遊技機J7によれば、遊技機J6の奏する効果に加え、第2遊技状態が終了するまでの判別回数が第1回数以上、且つ、第2回数未満である場合に、一律で第1演出態様を決定することができるので、遊技機の処理負荷を軽減することができるという効果がある。
遊技機J7において、演出態様を表示可能な表示手段と、前記第2遊技状態が設定されたことに基づいて、当該設定された前記第2遊技状態が終了されるまでに実行可能な判別回数を示す情報として、当該第2遊技状態が設定されるよりも前に実行された前記特定演出の演出態様に応じた判別回数を示す情報を前記表示手段に表示させる表示制御手段と、前記第2遊技状態において前記判別手段の判別が行われる毎に、前記表示手段に表示される前記判別回数を示す情報を、判別回数が1少ない情報に更新する更新手段と、を備えることを特徴とする遊技機J8。
遊技機J8によれば、遊技機J7の奏する効果に加え、第2遊技状態が終了するまでの判別回数が表示手段に表示されるので、第2遊技状態がいつまで継続するのかを遊技者にとって分かり易く構成することができるという効果がある。
<特徴K群>(所定範囲でカウンタを更新し、カウンタ値が第1カウンタ値となった場合に、カウンタ値を第2カウンタ値に更新する)
予め定められた特定の更新条件が成立したことに基づいて、特定のカウンタのカウンタ値を所定範囲内の1の値に更新することが可能な更新手段と、その更新手段により前記特定のカウンタのカウンタ値が予め定められた第1のカウンタ値に更新されたことに基づいて、予め定められた特定の制御を実行する特定制御実行手段と、前記更新手段により前記特定のカウンタのカウンタ値が前記第1のカウンタ値に更新されたことに基づいて、前記特定のカウンタのカウンタ値を前記所定範囲内の値であって前記第1のカウンタ値とは異なる値である第2のカウンタ値に設定するカウンタ値設定手段と、を備えることを特徴とする遊技機K1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、遊技に関する制御を行う制御手段を搭載しているものがある。かかる遊技機では、当たり状態に移行する際等、遊技の状況が変化する場合に、設定値の設定等の所定の制御が制御手段によって実行されるように設定される(例えば、特許文献1:特開2001−276365号公報)。
しかしながら、より好適な制御が求められている。
これに対して遊技機K1によれば、特定のカウンタ値が第1のカウンタ値に更新された場合に、第2のカウンタ値に更新することができるので、カウンタ値を好適に更新することができる。よって、特定の制御をより好適に実行することができるという効果がある。
遊技機K1において、前記第1のカウンタ値は、前記第2のカウンタ値よりも大きい値で構成されているものであり、前記更新手段は、前記特定のカウンタのカウンタ値を更新前よりも大きいカウンタ値に更新可能に構成されていることを特徴とする遊技機K2。
遊技機K2によれば、遊技機K1の奏する効果に加え、第2のカウンタ値に更新された後でカウンタ値の更新が繰り返されることで再度第1のカウンタ値に更新され得るので、特定制御が再度実行されることを遊技者に期待させることができるという効果がある。
遊技機K1又はK2において、識別情報を表示可能な表示手段と、判別条件の成立に基づいて判別を実行可能な判別手段と、その判別手段の判別結果を示すための前記識別情報を前記表示手段に動的表示させることが可能な動的表示手段と、前記表示手段に予め定められた特定の判別結果を示すための前記識別情報が表示されたことに基づいて、遊技者に有利な特典を付与可能な特典付与手段と、前記特典の付与が終了された後で、前記特典が付与されずに前記判別手段の判別が予め定められた特定回数実行されたことに基づいて、遊技者に有利な特定遊技状態を設定するための情報を設定可能な設定手段と、前記識別情報の動的表示における動的表示態様を決定することが可能な動的表示態様決定手段と、その動的表示態様決定手段により決定され得る複数の異なる前記動的表示態様が規定された規定情報が複数記憶された規定情報記憶手段と、その規定情報記憶手段から前記動的表示態様を決定するための1の規定情報を選択することが可能な規定情報選択手段と、を備え、前記更新条件は、前記判別条件の成立に基づいて成立するように構成されており、前記特定制御実行手段は、前記特定制御として、前記規定情報選択手段に対して前記規定情報記憶手段から1の規定情報を選択させるための情報である選択情報として予め規定されている複数の選択情報のうち、予め定められた特定の選択情報を特定する制御を実行可能に構成されているものであり、前記規定情報選択手段は、前記特定のカウンタのカウンタ値と、特定されている前記選択情報と、に応じて1の規定情報を選択可能に構成されていることを特徴とする遊技機K3。
遊技機K3によれば、選択情報を好適に特定することができるという効果がある。
遊技機K3において、前記特典が付与されたことに基づいて前記選択情報として前記特定の選択情報とは異なる第1選択情報を特定することが可能に構成されていることを特徴とする遊技機K4。
遊技機K4によれば、遊技機K3の奏する効果に加え、特典が付与された場合にも選択情報を特定することができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機K3又はK4において、前記設定手段は、前記特定遊技状態が設定された後で、前記特典が付与されずに前記判別手段の判別が前記特定回数実行されたことに基づいて、前記特定遊技状態を設定するための情報を設定可能に構成されていることを特徴とする遊技機K5。
遊技機K5によれば、遊技機K3又はK4の奏する効果に加え、特定遊技状態が1回設定された後も、特典が付与されなければ再度特定遊技状態が設定されるので、特典が付与されなくても定期的に特定遊技状態が設定される斬新な遊技性を実現することができるという効果がある。
<特徴L群>(周期的に制御を可変させる周期制御中に優先度の高い第1の制御の割り込みが発生し、当該第1の制御が終了された場合に、周期制御とは異なる第2の制御を実行する)
予め定められた第1の実行条件の成立に基づいて第1制御を実行し、前記第1制御の実行中に予め定められた第2の実行条件が成立したことに基づいて前記第1制御とは異なる第2制御を実行する制御手段と、少なくとも前記第1制御の実行中に予め定められた第3の実行条件が成立したことに基づいて、前記第1制御とも前記第2制御とも異なる第3制御が前記制御手段によって実行されるように設定する第3制御設定手段と、前記第3制御の実行中に予め定められた終了条件が成立したことに基づいて第3制御を終了させる終了手段と、その終了手段により前記第3制御が終了されたことに基づいて、前記第1の制御とも前記第2の制御とも異なる第4制御が前記制御手段によって実行されるように設定する終了後制御設定手段と、を備えることを特徴とする遊技機L1。
ここで、パチンコ機等の遊技機には、遊技に関する制御を行う制御手段を搭載しているものがある。かかる遊技機では、当たり状態に移行する際等、遊技の状況が変化する場合に、設定値の設定等の所定の制御が制御手段によって実行されるように設定される(例えば、特許文献1:特開2001−276365号公報)。
しかしながら、かかる遊技機では、制御手段に対して好適な制御を行わせることが困難となってしまう可能性がある。
これに対して遊技機L1によれば、第3制御が終了した場合に、第4制御を実行することができるので、より好適な制御を実現することができるという効果がある。
遊技機L1において、前記第1の実行条件は、少なくとも前記第4制御の実行中に成立し得る条件で構成されていることを特徴とする遊技機L2。
第4制御の実行中に第1の実行条件が成立することにより第1の制御が再び実行されるので、第4制御の実行中に第1の実行条件が成立することを期待させることができるという効果がある。
遊技機L1又はL2において、判別条件の成立に基づいて判別を実行する判別手段と、その判別手段の判別結果が予め定められた第1の判別結果となったことに基づいて遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、を備え、前記第2の実行条件は、前記第1の実行条件が成立した後で前記判別手段の判別結果が前記第1の判別結果とは異なる第2の判別結果となった回数が予め定められた特定回数となった場合に成立する条件であることを特徴とする遊技機L3。
遊技機L3によれば、遊技機L1又はL2の奏する効果に加え、第2の判別結果となった回数が特定回数となることで異なる制御に切り替えることができるので、有利な特典遊技が実行されない状況下において延々と第1制御が実行され続けてしまうことを抑制することができる。よって、遊技が単調となってしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機L3において、識別情報を表示可能な表示手段と、前記判別手段の判別結果を示すための前記識別情報を前記表示手段において動的表示させる動的表示手段と、その動的表示手段による前記識別情報の動的表示における動的表示期間を決定する動的表示期間決定手段と、前記動的表示期間を決定するための情報が規定された所定の規定情報として、第1規定情報と、その第1規定情報とは異なる第2規定情報と、を少なくとも含む複数の規定情報を記憶した規定情報記憶手段と、を備え、前記制御手段は、前記第1制御として、前記第1規定情報を用いて前記動的表示期間を決定するように前記動的表示期間決定手段を制御し、前記第2制御として、前記第2規定情報を用いて前記動的表示期間を決定するように前記動的表示期間決定手段を制御することが可能に構成されていることを特徴とする遊技機L4。
遊技機L4において、前記判別手段の判別結果が前記第1の判別結果とは異なる判別結果であって前記第2の判別結果に含まれる第3の判別結果となったことに基づいて遊技者に有利な特定遊技状態を設定する特定遊技状態設定手段を備え、前記第3の実行条件は、前記判別手段の判別結果が前記第3の判別結果となったことに基づいて成立する条件で構成されているものであり、前記第3制御は、前記動的表示期間決定手段に対して前記第1規定情報とも前記第2規定情報とも異なる第3規定情報を用いて前記動的表示期間を決定させるための制御で構成されていることを特徴とする遊技機L5。
遊技機L5によれば、特定遊技状態が設定された場合に決定される動的表示期間の傾向を異ならせることができるので、遊技が単調となってしまうことを抑制することができるという効果がある。
5073シリーズ
<特徴A群>
判別を実行可能な判別手段と、その判別手段による判別結果を示すための識別情報を表示手段に動的表示させることが可能な動的表示手段と、前記表示手段に特定の前記判別結果を示すための識別情報が表示された場合に、特典を付与可能な特典付与手段と、を有した遊技において、前記表示手段に複数の演出態様を表示することが可能な演出態様表示手段と、前記表示手段に表示された演出態様を可変させることが可能な可変表示手段と、前記演出態様が表示されている位置に報知態様を配置することが可能な報知手段と、前記複数の演出態様が表示されている場合に、前記報知態様が配置させることで可変可能な前記演出態様を示唆することが可能な示唆制御手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機A1。
従来より、パチンコ機などの遊技機は、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、その判定結果を報知する演出が実行される遊技機が提案されていた。(先行技術文献:特開2012−217766号公報)しかしながら、さらなる遊技の興趣向上が求められていた。本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技の興趣を向上できる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機A1によれば、可変される演出態様を報知態様が配置されることで遊技者が認識し易くすることができるので、可変される演出態様を見落とす不具合を抑制でき、遊技の興趣を向上できるという効果がある。
遊技機A1において、前記判別手段により判別されることが可能な情報を取得可能な取得手段と、その取得手段により取得された前記情報が記憶される記憶手段と、を有し、前記演出態様表示手段は、前記記憶手段に前記情報が記憶された場合に、前記演出態様を表示させることが可能であることを特徴とする遊技機A2。
遊技機A2によれば、遊技機A1の奏する効果に加え、記憶手段に記憶されている情報の個数を演出態様が表示されている個数で判別することができ、判別され得る回数を予測することができるという効果がある。
遊技機A2において、前記記憶手段に記憶された前記情報が前記判別手段により判別されるよりも前に判別を実行することが可能な事前判別手段を有し、前記可変表示手段は、前記事前判別手段の判別結果に基づいて可変させることが可能に構成されているものであることを特徴とする遊技機A3。
遊技機A3によれば、遊技機A1またはA2の奏する効果に加え、演出態様が事前判別手段による判別結果に基づいて可変されるので、演出態様が可変されることで判別結果を予測することが可能となり、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
<特徴B群>
所定の報知態様を報知可能な報知手段と、遊技者が操作可能な操作手段と、その操作手段の操作に基づいて設定を可変させるための情報を設定することが可能な設定手段と、可変された前記設定に対応した演出態様を実行することが可能な演出実行手段と、前記操作手段が操作された場合に、前記設定される情報に対応した識別態様を表示手段に表示させることが可能な識別態様表示手段と、通常期間よりも前記識別態様が視認困難となる特定期間を設定可能な設定手段と、前記識別態様が表示されない期間には、第1態様が実行され、特定期間に前記操作手段が操作された場合には、前記識別態様を示唆するための前記第1態様とは異なる第2態様が実行される態様実行手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機B1。
従来より、パチンコ機などの遊技機は、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、その判定結果を報知する演出が実行され、遊技機に設けられた遊技者が操作可能な操作手段を操作することで遊技の態様を可変させることが可能である遊技機が提案されていた。(先行技術文献:特開2012−217766号公報)しかしながら、操作手段を操作した場合に、遊技の態様が可変されたかを判別することが困難な場合があり、遊技の興趣が低下するという問題点があった。本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技の興趣を向上できる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機B1によれば、識別態様が視認困難な特定期間である場合には、識別態様を示唆するための第2態様が実行されるので、通常時は異なる第1態様が実行される態様実行手段を利用して、識別態様を遊技者に示唆することが可能となり遊技者に分かり易く遊技をさせることで、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機B1において、判別を実行可能な判別手段と、その判別手段による判別結果を示すための識別情報を表示手段に動的表示させることが可能な動的表示手段と、前記表示手段に特定の前記判別結果を示すための識別情報が表示された場合に、遊技者に有利となる特典を付与可能な特典付与手段と、を有し、前記演出実行手段は、前記識別情報が動的表示されていない期間に前記操作手段が操作されたことで可変された設定に基づいて、その後に実行される前記識別情報の動的表示期間中に可変して前記演出を実行することが可能に構成されているものであることを特徴とする遊技機B2。
遊技機B2によれば、遊技機B1の奏する効果に加え、動的表示されていない期間に操作された内容についてもその後に実行される動的表示期間中に反映されるので、識別情報の動的表示と合わせて演出を楽しむことができるという効果がある。
遊技機B1またはB2において、前記態様実行手段は、前記特定期間である場合に前記識別態様が表示されていた位置に移動されて実行されることが可能に構成されているものであることを特徴とする遊技機B3。
遊技機B3によれば、遊技機B1またはB2の奏する効果に加え、態様実行手段が識別態様の表示されていた位置に移動されて実行されるので、識別態様の代わりに第2態様が実行されていることを分かり易くでき、遊技の興趣を向上できるという効果がある。
<特徴C群>(扉開閉)
判別を実行可能な判別手段と、その判別手段による判別結果を示すための識別情報を表示手段に動的表示させることが可能な動的表示手段と、前記表示手段に特定の前記判別結果を示すための識別情報が表示された場合に、特典を付与可能な特典付与手段と、を有した遊技において、前記識別情報が動的表示される期間に演出を実行可能な演出実行手段と、前記演出が実行されている期間に特定条件が成立することに基づいて前記識別情報の態様を可変させることが可能な可変手段と、前記識別情報の動的表示期間が経過するまでの期間に、前記特定条件の成立回数を可変して決定することが可能な決定手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機C1。
従来より、パチンコ機などの遊技機は、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、その判定結果を報知する演出として複数の図柄を動的表示させた後に、抽選結果を報知する組み合わせで図柄を停止表示させる遊技機が提案されていた。(先行技術文献:特開2012−217766号公報)しかしながら、図柄の動的表示態様が単調となり易く、図柄が停止表示されるよりも前に報知される組み合わせを予測できてしまうことで遊技の興趣が低下するという問題点があった。本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技の興趣を向上できる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機C1によれば、特定条件が成立する毎に識別情報が可変することで、特定の判別結果を示す態様へと可変されることを特定条件が成立する毎に期待させることができるので、決定手段により決定された回数に興味を持たせることができ、遊技の興趣を向上できるという効果がある。
遊技機C1において、前記識別情報の動的表示は、前記識別情報を特定の前記判別結果を示す態様で表示されることが可能な態様で少なくとも一部の識別情報を仮停止させる仮停止態様を実行可能に構成され、前記特定条件は、前記仮停止態様が実行されている期間に成立可能に構成されているものであることを特徴とする遊技機C2。
遊技機C2によれば、遊技機C1の奏する効果に加え、仮停止されている期間に特定条件が成立して、識別情報の態様が可変されることで、可変したことを識別し易くすることができるという効果がある。
遊技機C1またはC2において、前記識別情報は、複数の図柄を組み合わせて表示させることで、前記特定の判別結果を示す態様を構成可能にされ、前記可変手段は、前記図柄の組み合わせを可変させるものであることを特徴とする遊技機C3。
遊技機C3によれば、遊技機C1またはC2の奏する効果に加え、特定条件が成立する毎に図柄の組み合わせを可変させることができ、特定の判別結果への期待を高めることができるという効果がある。
<特徴D群>
演出を実行可能な演出実行手段と、その演出実行手段により特定の演出が実行された場合に、遊技者に有利な特典を付与可能な特典付与手段と、遊技者が操作可能な操作手段と、その操作手段が操作されることに基づいて遊技の設定を可変させることが可能な設定手段と、を有した遊技機において、前記演出が実行されている期間に、前記操作手段が操作されたことに基づいて、前記演出の実行期間中に可変された遊技の設定に基づく演出を実行することが可能な遊技機D1。
従来より、パチンコ機などの遊技機は、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、その判定結果を報知する演出として、抽選により演出内容が決定され当否判定の期待度等を抽選結果が報知される前に予告演出として実行される遊技機が提案されていた。(先行技術文献:特開2012−217766号公報)しかしながら、実行される演出態様の内容が決定される頻度等が一定となり易く遊技の興趣が低下する問題点があった。本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技の興趣を向上できる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機D1によれば、演出の実行中に操作手段を操作することで遊技の設定が可変され、演出の実行期間中に可変された設定に基づいた演出を実行することができるので、遊技者の要望に合わせた設定に対応した状態で早期に遊技をさせて、遊技の興趣を向上できるという効果がある。
遊技機D1において、前記演出が実行される場合に、複数の設定に対応した演出態様を設定することが可能な演出設定手段を有するものであることを特徴とする遊技機D2。
遊技機D2によれば、遊技機D1の奏する効果に加え、演出が実行される場合に、複数の設定に対応した演出態様が設定されることで、容易に演出の実行中に演出態様を可変させることができるという効果がある。
遊技機D1またはD2において、前記特定の演出が実行される演出が実行されている期間に前記操作手段が操作されて前記設定が可変されることに基づいて特殊演出を実行可能に構成されているものであることを特徴とする遊技機D3。
遊技機D3によれば、遊技機D1またはD2の奏する効果に加え、設定を可変させることで、特定の演出が実行されることを早期に識別可能となり、遊技の興趣をより向上させることができるという効果がある。
<特徴E群>
判別を実行可能な判別手段と、その判別手段による判別結果を示すための識別情報を表示手段に動的表示させることが可能な動的表示手段と、前記表示手段に特定の前記判別結果を示すための識別情報が表示された場合に、特典を付与可能な特典付与手段と、を有した遊技機において、前記識別情報は、複数の図柄で構成されており、前記図柄が停止表示される場合に、停止される図柄種別に対応した演出態様を実行可能な演出実行手段を有するものであることを特徴とする遊技機E1。
従来より、パチンコ機などの遊技機は、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、その判定結果を報知する演出として、複数の図柄が動的表示された後に抽選結果を示す図柄の組み合わせで停止表示される遊技機が提案されていた。(先行技術文献:特開2012−217766号公報)しかしながら、単純に図柄の動的表示と停止が繰り返されることで遊技が単調となる遊技の興趣が低下するという問題点があった。本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技の興趣を向上できる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機E1によれば、停止図柄の種別に対応した演出態様が実行されるので、停止した図柄種別を分かり易くして遊技の興趣を向上できるという効果がある。
遊技機E1において、前記識別情報は、前記複数の図柄のそれぞれに識別態様を付加させて構成されており、前記識別態様は、前記図柄の種別に対応せずに決定されて付加されるものであることを特徴とする遊技機E2。
遊技機E2によれば、遊技機E1の奏する効果に加え、識別態様が図柄に種別に対応せずに付加されるので、識別情報のバリエーションを多様にすることができるという効果がある。
遊技機E1またはE2において、前記特定の判別結果を示すための態様は、特定の組み合わせで前記識別態様が表示されることで構成されているものであることを特徴とする遊技機E3。
遊技機E3によれば、遊技機E1またはE2の奏する効果に加え、図柄の種別に関わらず識別態様の組み合わせで特定の判別結果が報知されるので、図柄を識別態様に柔軟に組み合わせて報知することができるという効果がある。
<特徴F群>(保留図柄シフト時の動作パターンによって期待度を示唆)
情報を取得することが可能な取得手段と、判別条件の成立に基づいて、前記情報に基づく判別を実行することが可能な判別手段と、その判別手段による判別結果を示すための識別情報を動的表示可能な表示手段と、前記取得手段により取得された前記情報を記憶することが可能な記憶手段と、その記憶手段に記憶されている前記情報の個数を示すための識別図柄を前記表示手段に表示させることが可能な識別図柄表示手段と、前記表示手段に特定の判別結果を示すための前記識別情報が表示された場合に、遊技者に有利となる特典遊技を実行することが可能な特典遊技実行手段と、を有した遊技機において、前記記憶手段に記憶された前記情報の個数が変化した場合に、前記識別図柄の表示位置を新たな前記情報の個数に対応する表示位置に変更する表示位置変更手段と、その表示位置変更手段により前記識別図柄の表示位置が変更される場合の前記識別図柄の動作態様を設定可能な動作態様設定手段を有するものであることを特徴とする遊技機F1。
従来より、パチンコ機などの遊技機は、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、その判定結果を報知する演出が実行される遊技機が提案されていた。(先行技術文献:特開2012−217766号公報)しかしながら、さらなる遊技の興趣向上が求められていた。本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技の興趣を向上できる遊技機を提供することを目的とする。
前記遊技機F1によれば、動作態様設定手段により識別図柄の表示位置が変更される場合の動作態様を設定可能であるため、識別図柄の動作態様を用いた演出を実行可能となり、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
前記遊技機F1において、前記動作態様設定手段は、前記識別図柄に対応する前記識別情報が前記特定の判別結果を示すための前記識別情報である場合に、特定動作態様を設定可能であることを特徴とする遊技機F2。
前記遊技機F2によれば、識別図柄が表示位置を変更する場合に特定動作態様で動作することで、遊技者はその識別図柄に対応する識別情報が特定の判別結果を示すための識別情報であることを認識できるため、識別図柄の動作態様にも興味を持たせることが可能となり、遊技の興趣を向上させることができるという効果がある。
<特徴G群>(リーチ演出中に当該保留図柄以外の保留図柄を非表示とする演出)
情報を取得することが可能な取得手段と、判別条件の成立に基づいて、前記情報に基づく判別を実行することが可能な判別手段と、その判別手段による判別結果を示すための識別情報を動的表示可能な表示手段と、その表示手段に複数の演出態様を表示することが可能な演出態様表示手段と、前記表示手段に特定の判別結果を示すための前記識別情報が表示された場合に、遊技者に有利となる特典遊技を実行することが可能な特典遊技実行手段と、を有した遊技機において、前記表示手段を視認困難な状態とすることが可能な遮断手段と、その遮断手段により視認困難な状態とする範囲を設定可能な範囲設定手段とを有するものであることを特徴とする遊技機G1。
従来より、パチンコ機などの遊技機は、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、その判定結果を報知する演出が実行される遊技機が提案されていた。(先行技術文献:特開2012−217766号公報)しかしながら、複数の演出が同時に実行される場合に、遊技者がどの演出に注目すれば良いのか分からず、演出効果が低下する虞があった。本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技の興趣を向上できる遊技機を提供することを目的とする。
特徴G1によれば、範囲設定手段により範囲が設定され、その範囲が遮断手段により遮断されることで遊技者が視認困難な状態となるため、視認可能な範囲で実行される演出態様に遊技者を注目させることができるという効果がある。
特徴G1において、前記取得手段により取得された前記情報を記憶することが可能な記憶手段と、を有し、前記演出態様表示手段は、前記記憶手段に前記情報が記憶された場合に、前記演出態様を表示させることが可能であることを特徴とする遊技機G2。
遊技機G2によれば、遊技機G1の奏する効果に加え、記憶手段に記憶されている情報の個数を演出態様が表示されている個数で判別することができ、判別され得る回数を予測することができるという効果がある。
遊技機G2において、前記記憶手段は、前記情報を、特定数を上限に記憶可能であることを特徴とする遊技機G3。
遊技機G3によれば、遊技機G2の奏する効果に加え、判別手段による判別に用いられる情報の記憶数に上限を設けることができるため、過剰に多くの判別が実行されてしまうことを抑制することができるという効果がある。
<特徴H群>(図柄ストックリーチ)
判別を実行可能な判別手段と、その判別手段による判別結果を示すための複数の図柄列で構成された識別図柄を表示する表示手段と、その表示手段に前記識別図柄を動的表示した後に、前記判別結果を示すための表示態様で前記識別図柄を停止表示する表示制御手段と、前記判別手段により特定の判別結果を示すための停止表示態様で前記識別図柄が停止表示された場合に遊技者に有利となる特典遊技を実行可能な特典遊技実行手段と、を有した遊技機において、前記特定の判別結果であることを示すための停止表示態様は、前記複数の図柄列が特定の図柄の組み合わせで停止表示されるものであり、前記表示制御手段は、前記複数の図柄列のうち、少なくとも2以上の図柄列を前記特定の判別結果を示すための組み合わせの一部となる図柄の組み合わせで停止または仮停止表示させるリーチ表示態様で表示させることが可能に構成されており、前記リーチ表示態様が表示されている状態で動的表示されている前記図柄列に停止表示される前記識別図柄の表示態様を示唆するための示唆演出を実行可能であり、前記遊技機は、前記示唆演出によって示唆された前記識別図柄の表示態様に基づいて、前記リーチ表示態様を示す前記識別図柄の表示態様を可変可能であることを特徴とする遊技機H1。
従来より、パチンコ機などの遊技機は、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、その抽選結果を報知するための図柄が所定期間変動表示された後に、抽選結果を示す態様で図柄が停止表示され、外れを示す抽選結果が報知された場合には、次の抽選結果を示すための図柄の変動表示が開始される。抽選結果が当たりであった場合には、遊技者に有利となる特典遊技が実行された後に、所定条件が成立している場合には、遊技状態を遊技者に有利となる遊技状態に可変させることが可能な構成が提案されていた(先行技術文献:特開2012−217766号公報)。しかしながら、さらなる遊技の興趣向上が求められていた。本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技の興趣をさらに向上させた遊技機を提供することを目的とする。
遊技機H1によれば、リーチ表示態様が表示されている状態にて実行される示唆演出によって、動的表示中の識別図柄の停止表示態様を示唆しながら、リーチ表示態様を示す識別図柄を可変させることも可能となる。よって、示唆演出の内容に応じて、リーチ表示態様を示す識別図柄が可変すること無く、動的表示中の識別図柄が停止表示されることを期待させる遊技と、リーチ表示態様を示す識別図柄が可変することを期待させる遊技と、を実行させることが可能となる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機H1において、前記示唆演出は、識別図柄の表示態様に対応する情報を有する装飾図柄を複数表示させた後に、前記複数表示された前記装飾図柄の中から、演出結果を示すための所定数の前記装飾図柄を表示させるものであることを特徴とする遊技機H2。
遊技機H2によれば、示唆演出の演出結果を示すための装飾図柄を含む複数の装飾図柄を表示させることによって、示唆演出の演出結果を予測させる楽しみを提供することができる。また、表示される複数の装飾図柄が有する情報を把握することにより、今回の示唆演出によってリーチ表示態様を示す識別図柄が可変すること無く、動的表示中の識別図柄が停止表示されることを期待させる遊技と、リーチ表示態様を示す識別図柄が可変することを期待させる遊技と、を実行させることが可能となる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機H2において、前記示唆演出は、前記複数の装飾図柄を順に表示させるものであり、前記リーチ表示態様で表示されている前記識別図柄に対応する情報以外の情報を有する前記装飾図柄を最初に表示させるものであることを特徴とする遊技機H3。
遊技機H3によれば、リーチ表示態様が表示されている状態で最初に表示される装飾図柄を、リーチ表示態様で表示されている識別図柄に対応する情報以外の情報を有している装飾図柄とすることができるため、特定の判別結果を示すための識別図柄が停止表示されたと遊技者が誤認してしまうことを抑制することができるという効果がある。
<特徴I群>(画面プレス予告)
判別を実行可能な判別手段と、その判別手段による判別結果を示すための表示画像を作成可能な表示画像作成手段と、その表示画像作成手段により作成された前記表示画像を所定の表示領域に表示可能な表示手段と、前記表示画像作成手段により作成された前記表示画像を可変制御可能な画像制御手段と、を有した遊技機において、前記表示画像作成手段は、複数の画層を重ね合わせて前記表示画像を作成可能であり、前記画像制御手段は、前記画層単位で前記表示画像を可変制御可能であることを特徴とする遊技機I1。
従来より、液晶表示装置等の表示装置を用いて、判別手段の判別結果を示すための変動演出を実行するものがあり、多彩な変動演出を実行させることで演出効果を高めるために、液晶表示装置等の表示画面に様々な表示画像を表示させる遊技機が提案されていた(先行技術文献:特開2012−217766号公報)。しかしながら、変動演出の種類を増加させるほど、表示画像を作成するための表示データの量が大きくなり、製造コストを圧迫してしまうという問題が発生するため、表示画像を作成するための表示データ量の増加を抑えながらも、多様な変動演出を実行させることで、演出効果を高め、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることが可能な遊技機の提供が求められていた。本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技の興趣をさらに向上させた遊技機を提供することを目的とする。
遊技機I1によれば、表示画像作成手段により作成された表示画像を形成する複数の画層単位で、表示画像を可変制御させることができるため、同一の表示画像を用いて様々な表示態様を表示領域に表示させることができる。よって、表示画像を作成するための表示データ量の増加を抑えながらも、多様な変動演出を実行させることができるという効果がある。
遊技機I1において、前記画像作成手段は、前記判別手段の判別結果を示すための識別情報の表示画像を、前記複数の画層のうち特定の第1画層に作成可能であり、前記画像制御手段によって前記第1画層が可変制御される場合に、前記識別情報を視認困難とさせる補正制御を実行可能な補正手段を有することを特徴とする遊技機I2。
遊技機I2によれば、遊技機I1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、画像制御手段によって、識別情報の表示画像が可変制御される場合には、補正手段により可変制御された識別情報の表示画像を遊技者に視認させ難くすることができるため、表示手段に表示されている識別情報を遊技者が誤認してしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機I2において、前記複数の画像として、少なくとも、前記第1画層よりも前面側に第2画層を有し、前記画像制御手段は、前記第1画層と、前記画層とに同一内容の特定可変制御を実行するものであり、前記補正手段は、前記特定可変制御が実行された場合に、前記第2画層に表示される表示画像によって前記第1画層に表示される前記識別情報の表示画像を視認困難とさせるものであることを特徴とする遊技機I3。
遊技機I3によれば、遊技機I2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、可変制御された識別情報を示すための表示画像を視認困難とさせるために、識別情報の表示画像が作成される第1画層と、同一内容の特定可変制御が実行される第2画層に表示される表示画像を用いているため、どの様な可変制御が実行されたとしても、識別情報の表示画像の表示位置とズレること無く、第2画層の表示画像を表示させ易くすることができるという効果がある。
<特徴J群>
判別を実行可能な判別手段と、その判別手段による判別結果を示すための識別情報を表示手段に動的表示させることが可能な動的表示手段と、前記表示手段に特定の前記判別結果を示すための識別情報が表示された場合に、特典を付与可能な特典付与手段と、を有した遊技において、前記表示手段に複数の演出態様を表示することが可能な演出態様表示手段と、前記表示手段に表示された演出態様を可変させることが可能な可変表示手段と、前記複数の演出態様が表示されている位置に対応した表示態様を決定可能な表示態様決定手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機J1。
従来より、パチンコ機などの遊技機は、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、その判定結果を報知する演出が実行される遊技機が提案されていた。(先行技術文献:特開2012−217766号公報)しかしながら、さらなる遊技の興趣向上が求められていた。本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技の興趣を向上できる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機A1によれば、可変される演出態様を報知態様が配置されることで遊技者が認識し易くすることができるので、可変される演出態様を見落とす不具合を抑制でき、遊技の興趣を向上できるという効果がある。
遊技機J1において、前記可変表示手段は、前記表示態様決定手段により決定された前記表示態様に応じて、前記演出態様の可変度合いを異ならせることが可能であることを特徴とする遊技機J2。
遊技機J2によれば、遊技機J1の奏する効果に加え、決定された表示態様に応じて演出態様の可変度合いを異ならせることができるため、表示される表示態様に興味を持たせ易くすることができるという効果がある。
遊技機J2において、前記演出態様が表示されている位置に報知態様を配置することが可能な報知手段と、前記複数の演出態様が表示されている場合に、前記報知態様が配置させることで可変可能な前記演出態様を示唆することが可能な示唆制御手段と、を有するものであることを特徴とする遊技機J3。
遊技機J3によれば、遊技機J2の奏する効果に加え、可変される演出態様を報知態様が配置されることで遊技者が認識し易くすることができるので、可変される演出態様を見落とす不具合を抑制でき、遊技の興趣を向上できるという効果がある。
<特徴K群>
所定の報知態様を報知可能な報知手段と、遊技者が操作可能な操作手段と、その操作手段の操作に基づいて設定を可変させるための情報を設定することが可能な設定手段と、可変された前記設定に対応した演出態様を実行することが可能な演出実行手段と、を有した遊技機において、前記設定手段により前記情報が設定されたことに基づいて、特典を付与可能な特典付与手段を有することを特徴とする遊技機K1。
従来より、パチンコ機などの遊技機は、遊技盤面上に設けられた始動口に遊技球が入球すると、遊技の当否が抽選され、その判定結果を報知する演出が実行され、遊技機に設けられた遊技者が操作可能な操作手段を操作することで遊技の態様を可変させることが可能である遊技機が提案されていた。(先行技術文献:特開2012−217766号公報)しかしながら、操作手段を操作した場合に、遊技の態様が可変されたかを判別することが困難な場合があり、遊技の興趣が低下するという問題点があった。本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技の興趣を向上できる遊技機を提供することを目的とする。
遊技機K1によれば、情報を設定することに基づいて特典が付与されるため、特典の付与を求めて遊技者に操作手段を操作させることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機K1において、判別を実行可能な判別手段と、その判別手段により実行される前記判別の結果が特定の判別結果である場合に特典遊技を実行可能な特典遊技実行手段と、を有し、前記特典付与手段は、前記判別手段の結果が前記特定の判別結果があることを前記特典遊技が実行されるよりも前に報知するものであることを特徴とする遊技機K2。
遊技機K2によれば、遊技機K1の奏する効果に加え、特典遊技が実行されることを特典付与手段により遊技者にいち早く報知することができるため、特典の付与を求めて遊技者に操作手段を操作させることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機K2において、前記特典付与手段は、前記判別手段の判別結果を示すための識別情報が動的表示されている間に、前記設定手段により前記情報が設定された場合に前記特典を付与可能であることを特徴とする遊技機K3。
遊技機K3によれば、遊技機K2の奏する効果に加え、識別情報の動的表示期間中においても、特典の付与を求めて遊技者に操作手段を操作させることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
上述した各遊技機のいずれかにおいて、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機Z1。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
上述した各遊技機のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機Z2。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(又は作動口を通過)することを必要条件として、表示手段において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
上述した各遊技機のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機Z3。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。