<第1の実施形態>
以下、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)の第1の実施形態を、図面に基づいて説明する。図1はパチンコ機10の正面図である。
パチンコ機10は、図1に示すように、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11に対して前方に回動可能に取り付けられた遊技機本体12とを有する。遊技機本体12は、内枠(図示略)と、その内枠の前方に配置される前扉枠14と、内枠の後方に配置される裏パックユニット(図示略)とを備えている。
遊技機本体12のうち内枠が、左右両側部のうち一方を支持側として外枠11に回動可能に支持されている。また、内枠には、前扉枠14が回動可能に支持されており、左右両側部のうち一方を支持側として前方へ回動可能とされている。また、内枠には、裏パックユニットが回動可能に支持されており、左右両側部のうち一方を支持側として後方へ回動可能とされている。
なお、遊技機本体12には、その回動先端部に施錠装置(図示略)が設けられており、遊技機本体12を外枠11に対して開放不能に施錠状態とする機能を有しているとともに、前扉枠14を内枠に対して開放不能に施錠状態とする機能を有している。これらの各施錠状態は、パチンコ機10前面にて露出させて設けられたシリンダ錠17に対して解錠キーを用いて解錠操作を行うことにより、それぞれ解除される。
内枠には遊技盤24が搭載されている。ここで、遊技盤24の構成を図2に基づいて説明する。図2は、遊技盤24の正面図である。
遊技盤24には、ルータ加工が施されることによって前後方向に貫通する大小複数の開口部が形成されている。各開口部には一般入賞口31,可変入賞装置32,上作動口33,下作動口34,スルーゲート35、可変表示ユニット36、メイン表示部43及び役物用表示部44等がそれぞれ設けられている。
一般入賞口31、可変入賞装置32、上作動口33及び下作動口34への入球が発生すると、それが遊技盤24の背面側に配設された検知センサ(図示略)により検知され、その検知結果に基づいて所定数の賞球の払い出しが実行される。
その他に、遊技盤24の最下部にはアウト口37が設けられており、各種入賞口等に入らなかった遊技球はアウト口37を通って遊技領域から排出される。また、遊技盤24には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘38が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
ここで、入球とは、所定の開口部を遊技球が通過することを意味し、開口部を通過した後に遊技領域から排出される態様だけでなく、開口部を通過した後に遊技領域から排出されない態様も含まれる。但し、以下の説明では、アウト口37への遊技球の入球と明確に区別するために、可変入賞装置32、上作動口33、下作動口34又はスルーゲート35への遊技球の入球を、入賞とも表現する。
上作動口33及び下作動口34は、作動口装置としてユニット化されて遊技盤24に設置されている。上作動口33及び下作動口34はともに上向きに開放されている。また、上作動口33が上方となるようにして両作動口33,34は鉛直方向に並んでいる。下作動口34には、左右一対の可動片よりなるガイド片(サポート片)としての電動役物34aが設けられている。電動役物34aの閉鎖状態(非サポート状態又は非ガイド状態)では遊技球が下作動口34に入賞できず、電動役物34aが開放状態(サポート状態又はガイド状態)となることで下作動口34への入賞が可能となる。
可変入賞装置32は、遊技盤24の背面側へと通じる大入賞口32aを備えているとともに、当該大入賞口32aを開閉する開閉扉32bを備えている。開閉扉32bは、通常は遊技球が入賞できない又は入賞しにくい閉鎖状態になっており、内部抽選において開閉実行モード(開閉実行状態)への移行に当選した場合に遊技球が入賞しやすい所定の開放状態に切り換えられるようになっている。ここで、開閉実行モードとは、大当たり当選となった場合に移行することとなるモードである。当該開閉実行モードについては、後で詳細に説明する。可変入賞装置32の開放態様としては、所定時間(例えば30sec)の経過又は所定個数(例えば10個)の入賞を1ラウンドとして、複数ラウンド(例えば15ラウンド)を上限として可変入賞装置32が繰り返し開放される態様がある。
メイン表示部43及び役物用表示部44は、遊技領域の下部側の外縁に沿って配設された装飾部材39に設けられている。装飾部材39は、遊技盤24の盤面からパチンコ機10前方に延出している。より具体的には、装飾部材39の前面は、遊技領域をパチンコ機10前方から視認可能とするために前扉枠14に設けられた窓パネル62と対向しており、さらに窓パネル62との間の距離は遊技球1個分よりも狭くなっている。これにより、装飾部材39の前面の前方を遊技球が落下していくのが防止されている。
装飾部材39の前面から露出するようにしてメイン表示部43及び役物用表示部44が設けられている。つまり、メイン表示部43及び役物用表示部44は、前扉枠14の窓パネル62を通じてパチンコ機10前方から視認可能となっているとともに、これら両表示部43,44の前方を遊技球が落下していくのが防止されている。
メイン表示部43では、上作動口33又は下作動口34への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、上作動口33又は下作動口34への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が表示によって明示される。つまり、本パチンコ機10では、上作動口33への入賞と下作動口34への入賞とが内部抽選において区別されておらず、上作動口33又は下作動口34への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が共通の表示領域であるメイン表示部43にて明示される。そして、上作動口33又は下作動口34への入賞に基づく内部抽選の結果が開閉実行モードへの移行に対応した当選結果であった場合には、メイン表示部43にて所定の停止結果が表示されて変動表示が停止された後に、開閉実行モードへ移行する。
なお、メイン表示部43は、複数のセグメント発光部が所定の態様で配列されてなるセグメント表示器により構成されているが、これに限定されることはなく、液晶表示装置、有機EL表示装置、CRT、ドットマトリックス等その他のタイプの表示装置によって構成されていてもよい。また、メイン表示部43にて変動表示される絵柄としては、複数種の文字が変動表示される構成、複数種の記号が変動表示される構成、複数種のキャラクタが変動表示される構成又は複数種の色が切り換え表示される構成などが考えられる。
役物用表示部44では、スルーゲート35への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、スルーゲート35への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が表示によって明示される。スルーゲート35への入賞に基づく内部抽選の結果が電役開放状態への移行に対応した当選結果であった場合には、役物用表示部44にて所定の停止結果が表示されて変動表示が停止された後に、電役開放状態へ移行する。電役開放状態では、下作動口34に設けられた電動役物34aが所定の態様で開放状態となる。
可変表示ユニット36には、絵柄の一種である図柄を変動表示(又は、可変表示若しくは切換表示)する図柄表示装置41が設けられている。また、可変表示ユニット36には、図柄表示装置41を囲むようにしてセンターフレーム42が配設されている。このセンターフレーム42は、その上部がパチンコ機10前方に延出している。これにより、図柄表示装置41の表示画面の前方を遊技球が落下していくのが防止されており、遊技球の落下により表示画面の視認性が低下するといった不都合が生じない構成となっている。
図柄表示装置41は、液晶ディスプレイを備えた液晶表示装置として構成されており、後述する表示制御装置により表示内容が制御される。なお、図柄表示装置41は、液晶表示装置であることに限定されることはなく、プラズマディスプレイ装置、有機EL表示装置又はCRTといった他の表示装置であってもよい。
図柄表示装置41には、例えば上、中及び下に並べて図柄が表示され、これらの図柄が左右方向にスクロールされるようにして変動表示されるようになっている。この場合、図柄表示装置41における変動表示は、上作動口33又は下作動口34への入賞に基づいて開始される。すなわち、メイン表示部43において変動表示が行われる場合には、それに合わせて図柄表示装置41において変動表示が行われる。そして、例えば、開閉実行モードとして可変入賞装置32の大入賞口32aの開放が行われることとなる開閉実行モードに移行する遊技回には、図柄表示装置41では予め設定されている有効ライン上に所定の組み合わせの図柄が停止表示される。
ちなみに、いずれかの作動口33,34への入賞に基づいて、メイン表示部43及び図柄表示装置41にて変動表示が開始され、所定の停止結果を表示し上記変動表示が停止されるまでが遊技回の1回に相当する。
センターフレーム42の前面側における左上部分には、メイン表示部43及び図柄表示装置41に対応して保留数を発光表示するメイン保留発光部45が設けられている。メイン保留発光部45はLEDで構成されている。遊技球が上作動口33又は下作動口34に入賞した個数は最大4個まで保留され、メイン保留発光部45の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。
センターフレーム42の右上部分には、役物用表示部44に対応して保留数を発光表示する役物用保留発光部46が設けられている。役物用保留発光部46はLEDで構成されている。遊技球がスルーゲート35を通過した回数は最大4回まで保留され、役物用保留発光部46の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。
遊技盤24には、内レール部51と外レール部52とが取り付けられており、これら内レール部51と外レール部52とにより誘導レールが構成され、内枠において遊技盤24の下方に搭載された遊技球発射機構(図示略)から発射された遊技球が遊技領域の上部に案内されるようになっている。遊技球発射機構は、前扉枠14に設けられた発射ハンドル54が操作されることにより遊技球の発射動作が行われる。
内枠の前面側全体を覆うようにして前扉枠14が設けられている。前扉枠14には、図1に示すように、遊技領域のほぼ全域を前方から視認することができるようにした窓部61が形成されている。窓部61は、略楕円形状をなし、上述した窓パネル62が嵌め込まれている。窓パネル62は、ガラスによって無色透明に形成されているが、これに限定されることはなく合成樹脂によって無色透明に形成してもよい。
窓部61の周囲には、各種発光部等の発光手段が設けられている。当該各種発光部の一部として表示発光部63が窓部61の上方に設けられている。これら各種発光部はLEDから構成されている。また、表示発光部63の左右両側には、遊技状態に応じた効果音などが出力されるスピーカ部64が設けられている。
前扉枠14における窓部61の下方には、手前側へ膨出した上側膨出部65と下側膨出部66とが上下に並設されている。上側膨出部65内側には上方に開口した上皿71が設けられており、下側膨出部66内側には同じく上方に開口した下皿72が設けられている。上皿71は、後述する払出装置より払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら遊技球発射機構側へ導くための機能を有する。また、下皿72は、上皿71内にて余剰となった遊技球を貯留する機能を有する。上皿71及び下皿72には、裏パックユニットに搭載された払出装置から払い出された遊技球が排出される。
内枠の背面側には、主制御装置と、演出制御装置と、表示制御装置とが搭載されている。また、内枠の背面に対しては既に説明したとおり裏パックユニットが設けられており、当該裏パックユニットには、払出装置を含む払出機構部と、払出制御装置と、電源及び発射制御装置とが搭載されている。以下、パチンコ機10の電気的な構成について説明する。
<パチンコ機10の基本的な電気的構成>
次に、パチンコ機10の電気的構成について、図3のブロック図に基づいて説明する。
主制御装置81に設けられた主制御基板201には、MPU202が搭載されている。MPU202には、当該MPU202により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM203と、そのROM203内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM204と、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路、乱数発生器としての各種カウンタ回路などが内蔵されている。なお、MPU202に対してROM203及びRAM204が1チップ化されていることは必須の構成ではなく、それぞれが個別にチップ化された構成としてもよい。これは、他の制御装置のMPUにおいても同様である。
MPU202には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU202の入力側には、主制御装置81に設けられた電断監視基板205、払出制御装置97及び各種検知センサ211などが接続されている。この場合に、電断監視基板205には電源及び発射制御装置98が接続されており、MPU202には電断監視基板205を介して電力が供給される。また、各種検知センサ211の一部として、一般入賞口31、可変入賞装置32、上作動口33、下作動口34及びスルーゲート35などといった入賞対応入球部(払出対応入球部)に対して1対1で対応させて設けられた複数の検知センサが接続されており、主制御装置81のMPU202において各入球部への入賞判定(入球判定)が行われる。また、MPU202では、上作動口33又は下作動口34への入賞に基づいて大当たり発生抽選を実行するとともに、スルーゲート35への入賞に基づいてサポート発生抽選を実行する。
MPU202の出力側には、電断監視基板205、払出制御装置97及び演出制御装置82が接続されている。払出制御装置97には、例えば、上記入賞対応入球部への入賞判定結果に基づいて賞球コマンドが出力される。この場合、賞球コマンドの出力に際しては、ROM203のコマンド情報記憶エリア223が参照される。そして、一般入賞口31への入賞を特定した場合には、10個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力され、可変入賞装置32への入賞を特定した場合には、15個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力され、上作動口33への入賞を特定した場合には、3個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力され、下作動口34への入賞を特定した場合には、4個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力される。
演出制御装置82には、変動用コマンド、種別コマンド、変動終了コマンドなどの各種コマンドが出力される。この場合、これら各種コマンドの出力に際しては、ROM203のコマンド情報記憶エリア223が参照される。これら各種コマンドの詳細については、後に説明する。なお、上記各コマンドは、所定のバイト数の情報として構成されており、当該所定のバイト数の情報として各種情報が含まれている。
また、MPU202の出力側には、可変入賞装置32の開閉扉32bを開閉動作させる可変入賞駆動部32c、下作動口34の電動役物34aを開閉動作させる電動役物駆動部34b、及びメイン表示部43が接続されている。主制御基板201には各種ドライバ回路が設けられており、当該ドライバ回路を通じてMPU202は各種駆動部の駆動制御を実行する。
電断監視基板205は、主制御基板201と電源及び発射制御装置98とを中継し、また電源及び発射制御装置98から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視する。払出制御装置97は、主制御装置81から入力した賞球コマンドに基づいて、払出装置96により賞球や貸し球の払出制御を行うものである。
電源及び発射制御装置98は、例えば、遊技場等における商用電源(外部電源)に接続されている。そして、その商用電源から供給される外部電力に基づいて主制御基板201や払出制御装置97等に対して各々に必要な動作電力を生成するとともに、その生成した動作電力を所定の電力経路を通じて供給する。また、電源及び発射制御装置98は、主制御基板201から出力された発射許可信号に基づいて遊技球発射機構の発射制御を担うものであり、遊技球発射機構は所定の発射条件が整っている場合に駆動される。
演出制御装置82は、主制御装置81から入力した各種コマンドに基づいて、可変表示ユニット36に設けられた各保留発光部45,46及び前扉枠14に設けられた表示発光部63やスピーカ部64を駆動制御する。また、演出制御装置82は、表示制御装置212を制御する。表示制御装置212では、演出制御装置82から入力したコマンドに基づいて、図柄表示装置41の表示制御を実行する。
ここで、図柄表示装置41の表示内容について図4に基づいて説明する。図4は図柄表示装置41の表示画面Gを示す図である。
図4(a)に示すように、図柄表示装置41の表示画面Gには、複数の変動表示領域が設定されている。具体的には、複数の変動表示領域として、上段・中段・下段の3つの図柄列Z1,Z2,Z3が設定されている。各図柄列Z1〜Z3は、主図柄と副図柄が所定の順序で配列されて構成されている。
詳細には、上図柄列Z1には、「1」〜「9」の9種類の主図柄が数字の降順に配列されるとともに、各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。下図柄列Z3には、「1」〜「9」の9種類の主図柄が数字の昇順に配列されるとともに、各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。つまり、上図柄列Z1と下図柄列Z3は18個の図柄により構成されている。これに対し、中図柄列Z2には、数字の昇順に「1」〜「9」の9種類の主図柄が配列された上で「9」の主図柄と「1」の主図柄との間に「4」の主図柄が付加的に配列され、これら各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。つまり、中図柄列Z2に限っては、10個の主図柄が配されて20個の図柄により構成されている。そして、表示画面Gでは、これら各図柄列Z1〜Z3の図柄が周期性をもって所定の向きにスクロールするように変動表示される。また、図4(b)に示すように、表示画面Gは、図柄列毎に3個の図柄が停止表示されるようになっており、結果として3×3の計9個の図柄が停止表示されるようになっている。
また、表示画面Gには、5つの有効ライン、すなわち左ラインL1、中ラインL2、右ラインL3、右下がりラインL4、右上がりラインL5が設定されている。そして、上図柄列Z1→下図柄列Z3→中図柄列Z2の順に変動表示が停止し、いずれかの有効ラインに同一の数字が付された図柄の組み合わせが形成された状態で全図柄列Z1〜Z3の変動表示が終了すれば、後述する通常大当たり結果又は確変大当たり結果の発生として大当たり動画が表示されるようになっている。
本パチンコ機10では、奇数番号(1,3,5,7,9)が付された主図柄は「特定図柄」に相当し、確変大当たり結果が発生する場合には、同一の特定図柄の組み合わせが停止表示される。また、偶数番号(2,4,6,8)が付された主図柄は「非特定図柄」に相当し、通常大当たり結果が発生する場合には、同一の非特定図柄の組み合わせが停止表示される。
なお、図柄表示装置41における図柄の変動表示の態様は上記のものに限定されることはなく任意であり、図柄列の数、図柄列における図柄の変動表示の方向、各図柄列の図柄数などは適宜変更可能である。また、図柄表示装置41にて変動表示される絵柄の種類は上記のように数字が付された図柄に限定されることはなく、例えば、数字そのものが変動表示される構成としてもよく、図柄そのものが変動表示される構成としてもよい。
表示画面Gの下部には、保留表示領域Gaが設定されている。保留表示領域Gaは、遊技球が上作動口33又は下作動口34に入賞した場合の最大保留個数と同一の数の単位保留表示領域Ga1〜Ga4が左右方向に並べて区画表示されるようにして設けられている。具体的には、遊技球が上作動口33又は下作動口34に入賞した場合の最大保留個数は4個であり、これに対応させて保留表示領域Gaには、第1単位保留表示領域Ga1、第2単位保留表示領域Ga2、第3単位保留表示領域Ga3、第4単位保留表示領域Ga4が設定されている。
例えば、遊技球が上作動口33又は下作動口34に入賞した場合の保留個数が1個の場合には、第1単位保留表示領域Ga1のみにて所定の保留用画像が表示され、遊技球が上作動口33又は下作動口34に入賞した場合の保留個数が4個の場合には、第1単位保留表示領域Ga1〜第4単位保留表示領域Ga4の全てにおいて所定の保留用画像が表示される。
さらに表示画面Gの下部には、保留表示領域Gaと並列させて実行用表示領域Gbが設定されている。実行用表示領域Gbには、現在実行している遊技回に対応する上記所定の保留用画像が表示される。
<各種カウンタ及び保留球格納エリアについて>
次に、上記の如く構成されたパチンコ機10の動作について説明する。
MPU202は遊技に際し各種カウンタ情報を用いて、大当たり発生抽選、メイン表示部43の表示の設定、図柄表示装置41の図柄表示の設定、役物用表示部44の表示の設定などを行うこととしており、具体的には、図5に示すように、大当たり発生の抽選に使用する大当たり乱数カウンタC1と、確変大当たり結果や通常大当たり結果等の大当たり種別を判定する際に使用する大当たり種別カウンタC2と、図柄表示装置41が外れ変動する際のリーチ抽選に使用するリーチ乱数カウンタC3と、大当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する乱数初期値カウンタCINIと、メイン表示部43及び図柄表示装置41における変動表示時間を決定する変動種別カウンタCSとを用いることとしている。さらに、下作動口34の電動役物34aを電役開放状態とするか否かの抽選に使用する電動役物開放カウンタC4を用いることとしている。
各カウンタC1〜C3,CINI,CS,C4は、その更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。各カウンタは短時間間隔で更新され、その更新値がRAM204の抽選カウンタ用バッファ231に適宜格納される。このうち抽選カウンタ用バッファ231において、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び変動種別カウンタCSに対応した情報は、上作動口33又は下作動口34への入賞が発生した場合に、取得情報記憶手段としての保留球格納エリア232に格納される。
保留球格納エリア232は、保留用エリアREと、実行エリアAEとを備えている。保留用エリアREは、第1保留エリアRE1、第2保留エリアRE2、第3保留エリアRE3及び第4保留エリアRE4を備えており、上作動口33又は下作動口34への入賞履歴に合わせて、抽選カウンタ用バッファ231に格納されている大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び変動種別カウンタCSの各数値情報が保留情報として、いずれかの保留エリアRE1〜RE4に格納される。
この場合、第1保留エリアRE1〜第4保留エリアRE4には、上作動口33又は下作動口34への入賞が複数回連続して発生した場合に、第1保留エリアRE1→第2保留エリアRE2→第3保留エリアRE3→第4保留エリアRE4の順に各数値情報が時系列的に格納されていく。このように4つの保留エリアRE1〜RE4が設けられていることにより、上作動口33又は下作動口34への遊技球の入賞履歴が最大4個まで保留記憶されるようになっている。また、保留球格納エリア232は、保留数記憶エリアNAを備えており、当該保留数記憶エリアNAには上作動口33又は下作動口34への入賞履歴を保留記憶している数を特定するための情報が格納される。
実行エリアAEは、メイン表示部43の変動表示を開始する際に、保留用エリアREの第1保留エリアRE1に格納された各値を移動させるためのエリアであり、1遊技回の開始に際しては実行エリアAEに記憶されている各種数値情報に基づいて、当否判定などが行われる。
上記各カウンタについて詳細に説明する。
大当たり乱数カウンタC1は、例えば0〜299の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。特に大当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値が当該大当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINIは、大当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタである(値=0〜299)。大当たり乱数カウンタC1は定期的に更新され、遊技球が上作動口33又は下作動口34に入賞したタイミングでRAM204の保留球格納エリア232に格納される。
大当たり当選となる乱数の値は、ROM203における当否情報群記憶手段としての当否テーブル記憶エリア221に当否テーブル(当否情報群)として記憶されている。
ここで、本パチンコ機10では、当否抽選手段における抽選モードとして、低確率モード(低確率状態)と高確率モード(高確率状態)とが設定されている。そして、低確率モードにおいて参照される大当たり数値情報の数と、高確率モードにおいて参照される大当たり数値情報の数とが異なっており、前者の方が後者よりも少ない数となっている。これにより、高確率モードの方が低確率モードよりも大当たり当選となる確率が高くなる。
大当たり種別カウンタC2は、0〜29の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。大当たり種別カウンタC2は定期的に更新され、遊技球が上作動口33又は下作動口34に入賞したタイミングでRAM204の保留球格納エリア232に格納される。
大当たり種別カウンタC2に対する遊技結果の振分先は、ROM203における振分情報群記憶手段としての振分テーブル記憶エリアに振分テーブル(振分情報群)として記憶されている。そして、かかる振分先として、通常大当たり結果と、確変大当たり結果とが設定されている。
通常大当たり結果は、開閉実行モードの終了後に、当否抽選モードが低確率モードとなる大当たり結果である。また、確変大当たり結果は、開閉実行モードの終了後に、当否抽選モードが高確率モードとなる大当たり結果である。
振分テーブルにおいて、「0〜9」が通常大当たり結果に対応しており、「10〜29」が確変大当たり結果に対応しているが、この数値の振分は任意である。また、大当たり結果の振分先は、上記の2種類に限定されることはなく、例えば、開閉実行モードにおいて遊技球の獲得期待値が高低となるように複数のモードを設定し、当該開閉実行モードの移行先のモードに差異を設けることで大当たり結果の種別を上記の2種類よりも増やす構成としてもよい。
リーチ乱数カウンタC3は、例えば0〜239の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。リーチ乱数カウンタC3は定期的に更新され、遊技球が上作動口33又は下作動口34に入賞したタイミングでRAM204の保留球格納エリア232に格納される。そして、ROM203のリーチ用テーブル記憶エリアに記憶されたリーチ用テーブルに基づいてリーチを発生させるか否かを決定することとしている。例えば、「200〜239」がリーチ発生当選に対応した数値情報となるようにリーチ用テーブルが設定されている。
ちなみに、開閉実行モードに移行する遊技回においては、MPU202では、リーチ乱数カウンタC3の値に関係なくリーチ発生の決定を行う。
ここで、リーチ表示(リーチ状態)とは、図柄(絵柄)の変動表示(又は可変表示)を行うことが可能な図柄表示装置41を備え、可変入賞装置32が開閉実行モードとなる遊技回では変動表示後の停止表示結果が特別表示結果となる遊技機において、図柄表示装置41における図柄(絵柄)の変動表示(又は可変表示)が開始されてから停止表示結果が導出表示される前段階で、前記特別表示結果となり易い変動表示状態であると遊技者に思わせるための表示状態をいう。
換言すれば、図柄表示装置41の表示画面に表示される複数の図柄列のうち一部の図柄列について図柄を停止表示させることで、開閉実行モードの発生に対応した大当たり図柄の組み合わせが成立する可能性があるリーチ図柄の組み合わせを表示し、その状態で残りの図柄列において図柄の変動表示を行う表示状態のことである。
より具体的には、図柄の変動表示を終了させる前段階として、図柄表示装置41の表示画面内の予め設定された有効ライン上に、開閉実行モードの発生に対応した大当たり図柄の組み合わせが成立する可能性のあるリーチ図柄の組み合わせを停止表示させることによりリーチラインを形成させ、当該リーチラインが形成されている状況下において最終停止図柄列により図柄の変動表示を行うことである。
図4の表示内容について具体的に説明すると、先ず全図柄列Z1〜Z3について高速変動表示が開始される。この場合、どの図柄が表示されているかは認識できない又は困難となっている。その後、上図柄列Z1の変動表示態様が、高速変動表示から、遊技者が表示されている図柄を認識することができる低速変動表示に切り換わる。そして、上図柄列Z1の変動表示が終了するとともに、下図柄列Z3の変動表示態様が高速変動表示から低速変動表示に切り換わる。その後、下図柄列Z3の変動表示が終了する。この場合、いずれかの有効ラインL1〜L5に同一の数字が付された主図柄が停止表示されることでリーチラインが形成される。そして、中図柄列Z2の変動表示が高速変動表示から低速変動表示に切り換わり、開閉実行モードが発生する場合には、リーチラインを形成している主図柄と同一の数字が付された主図柄がリーチライン上に停止表示されるようにして中段の図柄列Z2における図柄の変動表示が終了される。
また、リーチ表示には、上記のようにリーチ図柄の組み合わせを表示した状態で、残りの図柄列において図柄の変動表示を行うとともに、その背景画面において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものや、リーチ図柄の組み合わせを縮小表示させる又は非表示とした上で、表示画面の略全体において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものが含まれる。また、リーチ表示が行われている場合又はリーチ表示の前に所定のキャラクタといった所定画像を用いた予告表示を行うか否かの決定を、リーチ乱数カウンタC3やその他のカウンタを用いて行うようにしてもよい。
変動種別カウンタCSは、例えば0〜199の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCSは定期的に更新され、遊技球が上作動口33又は下作動口34に入賞したタイミングでRAM204の保留球格納エリア232に格納される。変動種別カウンタCSは、メイン表示部43における変動表示時間と、図柄表示装置41における図柄の変動表示時間とをMPU202において決定する上で用いられる。なお、変動種別カウンタCSを用いて上記変動表示時間を決定する場合には、ROM203の変動表示時間テーブル記憶エリア222に記憶された変動表示時間テーブルが参照される。
電動役物開放カウンタC4は、例えば、0〜249の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。電動役物開放カウンタC4は定期的に更新され、スルーゲート35に遊技球が入賞したタイミングでRAM204の電役保留エリアに格納される。そして、所定のタイミングにおいて、その格納された電動役物開放カウンタC4の値によって電動役物34aを開放状態に制御するか否かの抽選が行われる。
<主制御基板201のMPU202にて実行される各種処理について>
次に、主制御基板201のMPU202にて各遊技回の遊技を進行させる上で実行されるタイマ割込み処理及び通常処理を説明する。
なお、MPU202では、上記タイマ割込み処理及び通常処理の他に、電源投入に伴い起動されるメイン処理が実行されるとともに、NMI端子(ノンマスカブル端子)への電断監視基板205からの電断信号の入力により起動されるNMI割込み処理が実行されるが、これらの処理については説明を省略する。
<タイマ割込み処理>
先ず、タイマ割込み処理について、図6のフローチャートを参照しながら説明する。本処理はMPU202により定期的に(例えば2msec周期で)起動される。
ステップS101では、読み込み処理を実行する。読み込み処理では、主制御装置81に接続されている上作動口33及び下作動口34に対応したセンサの状態を読み込むとともに、当該センサの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。
ステップS101にて読み込み処理を実行した後は、ステップS102に進む。ステップS102では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1加算するとともに、そのカウンタ値が最大値に達した際0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM204の該当するバッファ領域に格納する。
続くステップS103では、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び電動役物開放カウンタC4の更新を実行する。具体的には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び電動役物開放カウンタC4をそれぞれ1加算するとともに、それらのカウンタ値が最大値に達した際それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C4の更新値を、RAM204の該当するバッファ領域に格納する。
続くステップS104では、スルーゲート35への入賞に伴うスルー用の入賞処理を実行する。スルー用の入賞処理では、電役保留エリアに記憶されている役物保留記憶数が4未満であることを条件として、前記ステップS103にて更新した電動役物開放カウンタC4の値を電役保留エリアに格納する。また、演出制御装置82に対して、役物保留記憶数と対応する可変表示ユニット36の役物用保留発光部46を点灯させるための処理を実行する。
その後、ステップS105にて、作動口33,34への入賞に伴う作動口用の入賞処理を実行した後に、本タイマ割込み処理を終了する。
<作動口用の入賞処理>
作動口用の入賞処理について図7のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS201では、RAM204の各種フラグ格納エリア234における上作動口入賞フラグ格納エリアに上作動口入賞フラグが格納されているか否かを判定する。当該上作動口入賞フラグは、上作動口33への遊技球の入賞が発生した場合に、上記タイマ割込み処理(図6)の読み込み処理(ステップS101)にて格納される。上作動口入賞フラグが格納されていない場合には、ステップS202〜ステップS206の処理を実行することなくステップS207に進む。上作動口入賞フラグが格納されている場合には、ステップS202に進む。
ステップS202では、上作動口入賞フラグを消去する。続くステップS203では、保留球格納エリア232の保留数記憶エリアNAに格納された値を読み出し、保留用エリアREに保留記憶されている保留記憶数Nが上限値(本実施の形態では「4」)未満であるか否かを判定する。保留記憶数Nが上限値以上である場合には、そのままステップS207に進む。保留記憶数Nが上限値未満である場合には、ステップS204に進み、保留記憶数Nを1加算する。
続くステップS205では、前回のステップS103にて更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び変動種別カウンタCSの各値(各数値情報)を、保留用エリアREの空き保留エリアRE1〜RE4のうち最初の保留エリア、すなわち上記ステップS204にて1加算した保留記憶数Nと対応する保留エリアに格納する。
続くステップS206では、上作動口33又は下作動口34への入賞が発生したことをサブ側(副側)の制御装置である演出制御装置82及び表示制御装置212に認識させるとともに、演出制御装置82において保留予告を実行させるための処理である保留予告用の確認処理を実行する。かかる処理については、後で詳細に説明する。
ステップS201にて否定判定した場合、ステップS203にて否定判定した場合又はステップS206の処理を実行した後には、ステップS207にて、RAM204の各種フラグ格納エリア234における下作動口入賞フラグ格納エリアに下作動口入賞フラグが格納されているか否かを判定する。当該下作動口入賞フラグは、下作動口34への遊技球の入賞が発生した場合に、上記タイマ割込み処理(図6)の読み込み処理(ステップS101)にて格納される。下作動口入賞フラグが格納されていない場合には、そのまま本入賞処理を終了する。下作動口入賞フラグが格納されている場合には、ステップS208にて下作動口入賞フラグを消去した後に、ステップS203〜ステップS206の処理を実行する。この場合、ステップS203〜ステップS206の処理後におけるステップS207の処理にて否定判定をすることで、本入賞処理を終了する。
遊技領域に作動口として上作動口33と下作動口34とが設けられ両作動口33,34への入賞が同時に発生し得る構成において、タイマ割込み処理の1回の処理回で、上作動口33への入賞が発生したか否か及び下作動口34への入賞が発生したか否かが判定されるとともに、両作動口33,34への入賞が同時に発生している場合には、それぞれの入賞に対して、ステップS203〜ステップS205の情報取得処理と、ステップS206の入賞に基づくサブ側の制御装置への情報送信処理とが実行される。これにより、両作動口33,34への入賞が同時に発生した場合であっても、上作動口33への入賞に基づく保留情報の取得及び下作動口34への入賞に基づく保留情報の取得を正確に行うことができるとともに、サブ側の制御装置への情報送信処理を早いタイミングで実行することができる。
<通常処理>
次に、通常処理の流れを図8のフローチャートを参照しながら説明する。通常処理は電源投入に伴い起動されるメイン処理が実行された後に開始される処理であり、通常処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、ステップS301〜S306の処理が4msec周期の定期処理として実行され、その残余時間でステップS308,S309のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
通常処理において、ステップS301では、タイマ割込み処理又は前回の通常処理で設定したコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置に送信する。具体的には、賞球コマンドの有無を判定し、賞球コマンドが設定されていればそれを払出制御装置97に対して送信する。また、各種保留コマンド、変動用コマンド、種別コマンド、変動終了コマンド等の演出用コマンドが設定されている場合にはそれを演出制御装置82に対して送信する。
次に、ステップS302では、変動種別カウンタCSの更新を実行する。具体的には、変動種別カウンタCSを1インクリメントするとともに、カウンタ値が最大値に達した際にはカウンタ値を0にクリアする。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAM204の該当するバッファ領域に格納する。
続くステップS303では、払出制御装置97より受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込む。その後、ステップS304では、各遊技回における遊技を制御するための遊技回制御処理を実行する。この遊技回制御処理では、大当たり判定、図柄表示装置41による図柄の変動表示の設定、及びメイン表示部43の表示制御などを行う。遊技回制御処理については、後で詳細に説明する。
その後、ステップS305では、遊技状態を移行させるための遊技状態移行処理を実行する。この遊技状態移行処理により、遊技状態が開閉実行モード、高確率モードなどに移行する。
その後のステップS306では、下作動口34に設けられた電動役物34aを駆動制御するための電役サポート用処理を実行する。この電役サポート用処理では、電動役物34aを開放状態とするか否かの判定、役物用表示部44の表示制御などを行う。この場合、既に説明した通り、スルーゲート35への入賞を契機に抽選を行い、当該抽選結果に基づいて電動役物34aの駆動制御を行う。
続くステップS307では、次の通常処理の実行タイミングに至ったか否か、すなわち前回の通常処理の開始から所定時間(本実施の形態では4msec)が経過したか否かを判定する。そして、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、乱数初期値カウンタCINI及び変動種別カウンタCSの更新を繰り返し実行する(ステップS308,S309)。つまり、ステップS308では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1インクリメントするとともに、そのカウンタ値が最大値に達した際0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM204の該当するバッファ領域に格納する。また、ステップS309では、変動種別カウンタCSの更新を実行する。具体的には、変動種別カウンタCSを1インクリメントするとともに、そのカウンタ値が最大値に達した際0にクリアする。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAM204の該当するバッファ領域に格納する。
ここで、ステップS301〜S306の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して乱数初期値カウンタCINIの更新を繰り返し実行することにより、乱数初期値カウンタCINI(すなわち、大当たり乱数カウンタC1の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCSについてもランダムに更新することができる。
<遊技回制御処理>
次に、ステップS304の遊技回制御処理を図9〜図11のフローチャートを参照して説明する。
図9に示す遊技回制御処理では、先ずステップS401にて、開閉実行モード中か否かを判定する。具体的には、RAM204の各種フラグ格納エリア234における開閉実行モードフラグ格納エリア(開閉実行状態情報記憶手段)に開閉実行モードフラグ(開閉実行状態情報)が格納されているか否かを判定する。当該開閉実行モードフラグは、遊技状態移行処理にて遊技状態を開閉実行モードに移行させる場合に格納され、同じく遊技状態移行処理にて開閉実行モードを終了させる場合に消去される。
開閉実行モード中である場合には、ステップS402以降の処理、すなわちステップS402〜ステップS405の遊技回開始用処理及びステップS406〜ステップS409の遊技回進行用処理のいずれも実行することなく、本遊技回制御処理を終了する。つまり、開閉実行モード中である場合には、作動口33,34への入賞が発生しているか否かに関係なく、遊技回が開始されることはない。
開閉実行モード中でない場合には、ステップS402にて、メイン表示部43が変動表示中であるか否かを判定する。なお、この判定は、RAM204の各種フラグ格納エリア234における変動表示中フラグ格納エリア(変動表示中情報記憶手段)に変動表示中フラグ(変動表示中情報)が格納されているか否かを判定することにより行う。変動表示中フラグは、メイン表示部43において変動表示を開始させる場合に格納され、その変動表示が終了する場合に消去される。
メイン表示部43が変動表示中でない場合には、ステップS403〜ステップS405の遊技回開始用処理に進む。遊技回開始用処理では、先ずステップS403にて、保留記憶数Nが「0」であるか否かを判定する。保留記憶数Nが「0」である場合とは、保留球格納エリア232に保留情報が記憶されていないことを意味する。したがって、そのまま本遊技回制御処理を終了する。
保留記憶数Nが「0」でない場合には、ステップS404にて保留球格納エリア232に記憶されているデータを変動表示用に設定するためのデータ設定処理を実行し、さらにステップS405にてメイン表示部43における変動表示及び図柄表示装置41における変動表示を開始させるための変動開始処理を実行する。変動開始処理を実行したら本遊技回制御処理を終了する。
ここで、ステップS404のデータ設定処理及びステップS405の変動開始処理について、以下に詳細に説明する。
先ず、ステップS404のデータ設定処理について、図10のフローチャートを参照して説明する。
データ設定処理では、先ずステップS501にて、保留記憶数Nを1減算する。続くステップS502にて、保留用エリアREの第1保留エリアRE1に格納されたデータを実行エリアAEに移動する。
その後、ステップS503にて、保留用エリアREの各保留エリアRE1〜RE4に格納されたデータ(すなわち、保留情報)をシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1保留エリアRE1〜第4保留エリアRE4に格納されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理であって、第1保留エリアRE1のデータをクリアするとともに、第2保留エリアRE2→第1保留エリアRE1、第3保留エリアRE3→第2保留エリアRE2、第4保留エリアRE4→第3保留エリアRE3といった具合に各エリア内のデータがシフトされる。
続くステップS504では、保留エリアのデータのシフトが行われたことを演出制御装置82に認識させるための情報であるシフト時コマンドを設定する。その後、本データ設定処理を終了する。ステップS504にて設定されたシフト時コマンドは、通常処理(図8)におけるステップS301にて、演出制御装置82に送信される。演出制御装置82では、シフト時コマンドを受信することで、メイン保留発光部45における表示を保留個数の減少に対応させて変更するための処理を実行する。また、演出制御装置82は、表示制御装置212を制御して、図柄表示装置41の保留表示領域Gaにおける表示を保留個数の減少に対応させて変更するための処理を実行する。
次に、ステップS405の変動開始処理について、図11のフローチャートを参照して説明する。
変動開始処理では、先ずステップS601にて、今回の変動開始処理に対応した保留情報が大当たり当選に対応しているか否かを判定するための当否判定処理を実行する。当否判定処理では、先ず当否抽選モードが高確率モードであるか否かを判定する。高確率モードである場合には当否テーブル記憶エリア221に記憶されているテーブルのうち高確率モード用の当否テーブルを参照して、実行エリアAEに格納された情報のうち当否判定用の情報、すなわち大当たり乱数カウンタC1に係る値が高確率用の大当たり数値情報と一致しているか否かを判定する。また、低確率モードである場合には当否テーブル記憶エリア221に記憶されているテーブルのうち低確率モード用の当否テーブルを参照して、実行エリアAEに格納されている大当たり乱数カウンタC1に係る値が低確率用の大当たり数値情報と一致しているか否かを判定する。
ステップS601にて当否判定処理を実行した後は、ステップS602にて大当たり当選であるか否かを判定する。具体的には、MPU202のレジスタに大当たり情報が記憶されているか否かを判定する。大当たり情報が記憶されている場合には、ステップS603にて種別判定処理を実行する。
種別判定処理では、実行エリアAEに格納された情報のうち種別判定用の情報、すなわち大当たり種別カウンタC2によって更新された情報から取得した情報を把握する。また、ROM203の振分テーブルから確変大当たり情報に対応した情報を取得する。そして、両情報を比較し、確変大当たり情報に対応しているか否かを特定する。
続くステップS604では、ステップS603における種別判定処理において特定した情報に基づいて今回の大当たり当選の種別が確変大当たり結果であるか否かを判定する。確変大当たり結果である場合には、ステップS605にて確変大当たり用の停止結果設定処理を実行し、確変大当たり結果でない場合には、ステップS606にて通常大当たり用の停止結果設定処理を実行する。また、ステップS602にて大当たり当選ではないと判定した場合には、ステップS607にて外れ時用の停止結果設定処理を実行する。
ステップS605〜ステップS607の各停止結果設定処理では、メイン表示部43に最終的に停止表示させる絵柄の態様の情報を、ROM203に予め記憶されている情報から特定し、その特定した情報をRAM204に記憶する。また、ステップS605及びステップS606では、今回の遊技回の当否判定結果が、確変大当たり結果又は通常大当たり結果であることをMPU202にて特定するための情報をRAM204の各種フラグ格納エリア234に格納する(対応するエリアに「1」の情報を記憶する)。具体的には、ステップS605では確変大当たりフラグを格納し、ステップS606では通常大当たりフラグを格納する。
ステップS605〜ステップS607のいずれかの処理を実行した後は、ステップS608にて、変動表示時間の設定処理を実行する。
変動表示時間の設定処理では、先ず今回の遊技回において図柄表示装置41にてリーチ表示が発生するか否かを判定する。具体的には、RAM204に確変大当たりフラグ又は通常大当たりフラグのいずれかが格納されているか否かを判定する。いずれかのフラグが格納されている場合には、リーチ表示が発生すると判定する。また、上記各フラグのいずれもが格納されていない場合であっても、実行エリアAEに格納されているリーチ乱数カウンタC3に係る値がリーチ発生に対応した値である場合には、リーチ表示が発生すると判定する。
リーチ表示が発生すると判定した場合には、ROM203の変動表示時間テーブル記憶エリア222に記憶されているリーチ発生用変動表示時間テーブルを参照して、作動口用の入賞処理(図7)にて取得された変動種別カウンタCSの値に対応した変動表示時間情報を取得し、その変動表示時間情報をRAM204の各種カウンタエリア233に設けられた変動表示時間カウンタ(変動表示時間計測手段)にセットする。一方、リーチ表示が発生しないと判定した場合には、変動表示時間テーブル記憶エリア222に記憶されているリーチ非発生用変動表示時間テーブルを参照して、作動口用の入賞処理にて取得された変動種別カウンタCSの値に対応した変動表示時間を取得し、その変動表示時間情報を上記変動表示時間カウンタにセットする。
なお、リーチ非発生時における変動表示時間は、保留記憶数Nの数が多いほど、変動表示時間が短くなるように設定されている。また、サポートモードが高頻度サポートモードである状況においては低頻度サポートモードである状況よりも、保留情報の数が同一である場合で比較して、短い変動表示時間が選択されるようにリーチ非発生用変動表示時間テーブルが設定されている。
以上のとおり、各遊技回の変動表示時間は、リーチ発生の有無及び変動種別カウンタCSの値をパラメータとして決定される。但し、各遊技回の変動表示時間は、他の保留情報の内容、具体的には、他の保留情報に含まれる大当たり判定用の情報及び種別判定用の情報をパラメータとすることなく決定される。
ステップS608にて変動表示時間の設定処理を実行した後は、ステップS609にて、変動用コマンド及び種別コマンドを設定する。変動用コマンドには、リーチ発生の有無の情報及び変動表示時間の情報が含まれる。また、種別コマンドには、遊技結果の情報が含まれる。つまり、種別コマンドには、遊技結果の情報として、確変大当たり結果の情報、通常大当たり結果の情報、外れ結果の情報などが含まれる。
ステップS609にて設定された変動用コマンド及び種別コマンドは、通常処理(図8)におけるステップS301にて、演出制御装置82に送信される。演出制御装置82では、受信した変動用コマンド及び種別コマンドに基づいて、その遊技回における演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。この演出の内容としては、図柄表示装置41での図柄の変動表示態様が含まれており、この決定された図柄の変動表示態様は演出制御装置82から表示制御装置212に表示内容コマンドとして出力される。表示制御装置212では、演出制御装置82から受信した表示内容コマンドに基づいて、各遊技回に対応した図柄の変動表示が行われるように図柄表示装置41を表示制御する。その後、ステップS610にてメイン表示部43において絵柄の変動表示を開始させた後に、本変動開始処理を終了する。
遊技回制御処理(図9)の説明に戻り、メイン表示部43が変動表示中である場合には、ステップS406〜ステップS409の遊技回進行用処理を実行する。遊技回進行用処理では、先ずステップS406にて、今回の遊技回の変動表示時間が経過したか否かを判定する。具体的には、RAM204の変動表示時間カウンタエリアに格納されている変動表示時間情報の値が「0」となったか否かを判定する。当該変動表示時間情報の値は、上述したように、変動表示時間の設定処理(ステップS608)においてセットされる。また、このセットされた変動表示時間情報の値は、タイマ割込み処理(図6)が起動される度に、1減算される。
変動表示時間が経過していない場合には、ステップS407にて変動表示用処理を実行する。変動表示用処理では、今回の遊技回に係る結果表示部における表示態様を変更する。その後、本遊技回制御処理を終了する。
変動表示時間が経過している場合には、ステップS408にて変動終了処理を実行する。変動終了処理では、上記ステップS605〜ステップS607のいずれかの処理にてRAM204に記憶した情報を特定し、その情報に対応した絵柄の態様がメイン表示部43にて表示されるように当該メイン表示部43を表示制御する。
続くステップS409では、変動終了コマンドを設定する。ここで設定された変動終了コマンドは、通常処理(図8)におけるステップS301にて、演出制御装置82に送信される。演出制御装置82では、受信した変動終了コマンドに基づいて、その遊技回における演出を終了させる。また、当該変動終了コマンドは、演出制御装置82から表示制御装置212に送信され、表示制御装置212では当該変動終了コマンドを受信することにより、その遊技回における最終停止図柄の組み合わせを確定表示(最終停止表示)させる。ステップS409の実行後は、本遊技回制御処理を終了する。
<保留予告について>
ここで、本パチンコ機10では、保留球格納エリア232に記憶されている保留情報の内容を示唆する保留予告が、当該保留情報に係る遊技回が開始されるよりも前のタイミングにおいて所定の確率で行われる構成となっている。かかる保留予告は、主制御装置81から送信された所定のコマンドに基づいて演出制御装置82にて所定の制御が実行されることにより行われる。当該保留予告に係る電気的構成及び処理構成を以下に説明する。
<保留予告に係る電気的構成について>
先ず、演出制御装置82及び表示制御装置212の電気的構成について、図12のブロック図を参照して以下に説明する。
演出制御装置82に設けられた演出制御基板241には、MPU242が搭載されている。MPU242には、当該MPU242により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM243と、そのROM243内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM244と、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路などが内蔵されている。
MPU242には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU242の入力側には主制御装置81が接続されている。主制御装置81からは、変動用コマンド、種別コマンド及び変動終了コマンドといった遊技回制御用コマンド(遊技回制御用情報)を受信する。また、シフト時コマンド及び後述する各種保留コマンドといった保留表示制御用コマンド(保留表示制御用情報)を受信する。
MPU242の出力側には、既に説明したように、可変表示ユニット36に設けられた各保留発光部45,46及び前扉枠14に設けられた表示発光部63やスピーカ部64が接続されているとともに、表示制御装置212が接続されている。この場合に、上記各種コマンドは、それら受信したコマンドを解析し又は受信したコマンドに基づき所定の演算処理を行って表示制御装置212に送信される。
表示制御装置212は、プログラムROM253及びワークRAM254が複合的にチップ化されたMPU252と、ビデオディスプレイプロセッサ(VDP)255と、キャラクタROM256と、ビデオRAM257とがそれぞれ搭載された表示制御基板251を備えている。
MPU252は、演出制御装置82から、各種コマンドを受信する。そして、それら受信したコマンドを解析し又は受信したコマンドに基づき所定の演算処理を行ってVDP255の制御(具体的にはVDP255に対する内部コマンドの生成)を実施する。
プログラムROM253は、MPU252により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するためのメモリであり、背景画像用のJPEG形式画像データも併せて記憶保持されている。
ワークRAM254は、MPU252による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグ等を一時的に記憶するためのメモリである。
VDP255は、図柄表示装置41に組み込まれた液晶表示部ドライバとしての画像処理デバイスを直接操作する一種の描画回路である。VDP255はICチップ化されているため「描画チップ」とも呼ばれ、その実体は、描画処理専用のファームウェアを内蔵したマイコンチップとでも言うべきものである。VDP255は、MPU252、ビデオRAM257等のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在するとともに、ビデオRAM257に記憶させる画像データを、キャラクタROM256から所定のタイミングで読み出して図柄表示装置41に表示させる。
キャラクタROM256は、図柄表示装置41に表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するための画像データライブラリとしての役割を担うものである。このキャラクタROM256には、各種の表示図柄のビットマップ形式画像データ、ビットマップ画像の各ドットでの表現色を決定する際に参照する色パレットテーブル等が保持されている。
なお、キャラクタROM256を複数設け、各キャラクタROM256に分担して画像データ等を記憶させておくことも可能である。また、前記プログラムROM253に記憶した背景画像用のJPEG形式画像データをキャラクタROM256に記憶する構成とすることも可能である。
ビデオRAM257は、図柄表示装置41に表示させる表示データを記憶するためのメモリであり、ビデオRAM257の内容を書き替えることにより図柄表示装置41の表示内容が変更される。ビデオRAM257には、保留表示領域Gaに対応した保留表示用エリア271が設定されている。
保留表示用エリア271には、保留表示領域Gaにおける第1〜第4単位保留表示領域Ga1〜Ga4と1対1で対応するように、第1単位エリア272、第2単位エリア273、第3単位エリア274、第4単位エリア275が設定されている。保留表示領域Gaの各単位保留表示領域Ga1〜Ga4では、各単位エリア272〜275に書き込まれたデータに応じた画像が表示される。なお、データが設定されていない単位エリア272〜275に対応した単位保留表示領域Ga1〜Ga4では、何ら画像が表示されない又は図柄表示装置41の表示画面Gにおける背景画像が表示される。
<保留予告の概要>
次に、本実施形態における保留予告の概要について、図13を参照して説明する。図13(a)は、図柄表示装置41の表示画面Gにおける保留表示領域Gaを説明するための説明図であり、図13(b)は特別保留用画像Pbの構成を説明するための説明図であり、図13(c)は特別保留用画像Pbの動きを説明するための説明図である。
図13(a)に示すように、保留表示領域Gaの各単位保留表示領域Ga1〜Ga4には各々に所定の保留用画像が表示可能になっており、その保留用画像には、保留予告の内容を報知するものでない通常保留用画像Paと、保留予告の内容を報知する特別保留用画像Pbとが含まれている。各単位保留表示領域Ga1〜Ga4において、通常時(保留予告が実行されない場合)には通常保留用画像Paが表示され、保留予告が実行される場合には特別保留用画像Pbが表示される。
各単位保留表示領域Ga1〜Ga4には、保留情報の取得の順序が古いものからGa1,Ga2,Ga3,Ga4の順に保留用画像Pa,Pbが表示される。また、実行用表示領域Gbには、現在実行している遊技回に対応する保留用画像Pa,Pbが表示される。この場合、各単位保留表示領域Ga1〜Ga4では、1つの遊技回が終了するのに伴い各遊技回の保留用画像Pa,PbがGa4側からGa1側に1つずつ移動するとともに、第1単位保留表示領域Ga1に表示されていた保留用画像が実行用表示領域Gbに移動するようになっている。
図13(a)においては、単位保留表示領域Ga1,Ga3と実行用表示領域Gbとに通常保留用画像Paが表示され、単位保留表示領域Ga2に特別保留用画像Pbが表示されている。つまり、保留2個目の遊技回(現遊技回の2回後の遊技回)について保留予告が行われている。
本実施形態では、特別保留用画像Pbは、サイコロのような六面体を斜め上方から見た画像となっており、その六面体の3つ面を用いて保留予告が行われるようになっている。つまり、図13(b)に示すように、特別保留用画像Pbは、3つの変動用領域R1,R2,R3を有しており、それら各変動用領域R1〜R3に、保留情報の内容を示唆する画像がそれぞれ表示される。この特別保留用画像Pbは、あたかも六面体(サイコロ)が転がるようにして動き、その動きに合わせて各変動用領域R1〜R3に表示される画像がR1〜R3間で移動するようになっている。本実施形態では、所定時間(例えば2sec)ごとに、各変動用領域R1〜R3に表示される画像がR1→R2→R3→R1の順に移動する。
特別保留用画像Pbにおいて、各変動用領域R1〜R3に表示される画像(示唆画像)は、いずれかの大当たり結果を示唆する当選画像と、確変大当たり結果を示唆する確変画像と、外れ結果を示唆する外れ画像とを含んでいる。なお本実施形態では、当選画像を「当」、確変画像を「確」、外れ画像を「×」でそれぞれ表しているが、その表示画像は、保留情報の内容を示唆できるものであれば任意でよい。上記以外に、例えば、当選画像を笑顔マーク、確変画像をハートマーク、外れ画像をどくろマークで表すなどであってもよい。また、特別保留用画像Pbは六面体(サイコロ形)以外に、サークル形状であってもよい。いずれにしろ複数の変動用領域に表示される画像が順番にシフトする(ローテーションする)形態になっていればよい。
各変動用領域R1〜R3のうち中央に位置する変動用領域R1が予告の確定位置であり、特別保留用画像Pbの動き(六面体の転がり)が停止した時に確定位置(R1)に停止している画像が、保留情報の内容を示唆する結果となっている。この場合、確定位置(R1)とそれ以外(R2,R3)とを明確に区別できるようにすべく、確定位置(R1)において、当選/確変/外れの各画像を他よりも拡大表示したり、同画像を光らせて発光表示させたりするとよい。
保留予告が実行される場合、図13(c)に示すように、各変動用領域R1〜R3に当選画像、確変画像、外れ画像のいずれかが表示され、これら各画像が所定周期で規則的にローテーションされる。なお、図では当選/確変/外れの各画像を1つずつ示すが、画像の組み合わせ及び順序は任意である。例えば、当選画像が1つ&外れ画像が2つ、当選画像が2つ&確変画像が1つ、3つすべてが当選画像、3つすべてが外れ画像等々であってもよい。当然、これら各画像の組み合わせによっては遊技者の期待度が相違することとなる。なお、本実施形態では、画像の組み合わせに少なくとも外れ画像が含まれるように設定されている。すなわち本実施形態では、保留予告における所謂確定演出が含まれないように設定されている。これは、保留予告により保留の内容を予測する、という遊技を行う意義を高める工夫である。
図13(c)では、当選/確変/外れの各画像が、変動用領域R1→R2→R3→R1の順に、言うなれば時計回り方向(所定回転方向)に回転するようにしてそれぞれシフトする。この場合、シフト(回転)の周期が2secであれば、6sec間で各画像が一周する。そして、特別保留用画像Pbの動きが停止した時点で、変動用領域R1に表示されている画像によって保留予告(遊技者への報知)が行われることとなる。
特別保留用画像Pbは、当該画像がGa1〜Ga4間で移動する過程において動き(2sec周期の動き)を継続するものであり、単位保留表示領域Ga1にシフトした後に動きを停止する。例えば、当初Ga3にて表示されるとともに動きを開始した場合に次のGa2でも動きを継続し、その後Ga1で動きを停止する。この場合、特別保留用画像Pbの動き(回転変動)が停止するタイミングは、特別保留用画像Pbが実行用表示領域Gbに移動する前であり、動きが停止した後に、その停止状態の特別保留用画像Pbが第1単位保留表示領域Ga1から実行用表示領域Gbに移動する。したがって、保留予告の対象となる保留情報の遊技回が実行される際には、実行用表示領域Gbに、予告結果を示した状態の特別保留用画像Pb(予告結果を示唆する画像)が表示される。この場合、遊技者は、今回実行される遊技回の開始当初に、当該遊技回の結果を当該特別保留用画像Pbにより認識(予測)することが可能となる。
保留予告を行う場合には、特別保留用画像Pbの動きの開始から停止までの動作期間(すなわち保留予告の開始タイミングから予告報知が完了するタイミングまでの期間)が、その動きの開始前に予め算出され、その動作期間と回転変動の周期(2sec)とに基づいて、特別保留用画像Pbの動き始めの画像(各変動用領域R1〜R3の画像)が決定される。
本実施形態における保留予告によれば、遊技者は、単位保留表示領域Ga1においてどの画像で停止するかを期待感と不安感とを持ちつつ推測することとなる。そして、遊技者は、確定位置(R1)に利益画像(当選画像又は確変画像)がある場合にはそのまま停止することを期待し、確定位置(R1)に不利益画像(外れ画像)がある場合には動きが継続されることを期待する。本実施形態では、遊技者が、こうした特別保留用画像Pbの動き(以下の説明では、保留用変動表示ともいう)に注目しつつ、停止時の予告結果を推測することで、既存の遊技演出とは異なる新規な遊技演出を楽しむことができるものとなっている。
なお以下の説明では、特別保留用画像Pbにおいて各変動用領域R1〜R3で画像がシフトされる周期(2sec)をシフト周期ともいい、当該画像が1回り(巡回変動)する周期(6sec)を周回周期(巡回周期)ともいう。
以下、当該保留予告を実行するための各処理について説明する。
<保留予告に関する処理について>
次に、主制御装置81のMPU202及び演出制御装置82のMPU242にて実行される保留予告に関する処理について説明する。
<保留予告用の確認処理>
先ず、主制御装置81のMPU202にて実行される保留予告用の確認処理について、図14のフローチャートを参照して説明する。ここで、保留予告用の確認処理は既に説明したとおり、タイマ割込み処理(図6)の一部の処理として設定された作動口用の入賞処理(図7)のステップS206において実行される。
先ずステップS701では、保留用エリアREに記憶されている保留情報であって、上作動口33及び下作動口34の今回の入賞に基づきステップS205で取得した保留情報である、大当たり乱数カウンタC1の値(大当たり判定用の情報)や、大当たり種別カウンタC2の値(大当たり種別判定用の情報)、リーチ乱数カウンタC3の値(リーチ発生の判定用の情報)、変動種別カウンタCSの値(変動種別に関する情報)を把握する。
続くステップS702では、RAM204に保留用高確率フラグが格納されているか否かを判定する。
ここで、保留用高確率フラグについて説明する。保留用エリアREに格納された保留情報は順次消化されるのに対して、保留予告用の確認処理は当該保留情報の消化タイミングとは異なるタイミングにて実行される。この場合、所定の保留情報について保留予告用の確認処理の対象となったタイミングと当該保留情報が消化されるタイミングとで抽選モードが異なる状況が発生し得る。例えば、所定の保留情報が保留予告用の確認処理の対象となったタイミングで抽選モードが低確率モードであっても、そのタイミングから所定の保留情報が消化されるタイミングまでの間に確変大当たりに対応した保留情報が消化された場合には抽選モードは高確率モードとなる。保留用高確率フラグは、上記抽選モードの変化をMPU202にて把握し、その内容を保留予告用の確認処理における当否判定に反映するためのフラグである。
保留用高確率フラグを設けたことで、保留用エリアREに格納された保留情報によってその後に消化される保留情報について抽選モードが変わる場合にも、正しい抽選モードにて保留予告用の確認処理が行え、当否判定の把握を正確に行うことが可能となる。
ステップS702にて肯定判定をした場合には、ステップS703にて高確率モードに対応した当否判定処理を実行する。また、ステップS702にて否定判定をした場合には、ステップS704にて低確率モードに対応した当否判定処理を実行する。
ステップS703又はステップS704の実行後は、ステップS705にてステップS703又はステップS704における当否判定の判定結果情報をRAM204に設けられた判定結果記憶エリアに一時記憶させる処理を実行する。これにより、当該判定結果記憶エリアに記憶されている判定結果情報を把握することにより、今回の当否判定の判定結果を把握することができる。
続くステップS706では、今回の保留情報が確変大当たりに対応したものか否かを判定する。具体的には、判定結果情報が大当たり情報で且つ大当たり種別カウンタC2の値が「10〜29」であるか否かを判定する。ステップS706にて肯定判定をした場合、ステップS707にて保留用高確率フラグに「1」を格納することによりフラグをセットする。
ステップS706にて否定判定をした場合、ステップS708にて今回の保留情報が通常大当たりに対応したものか否かを判定する。具体的には、判定結果情報が大当たり情報で且つ大当たり種別カウンタC2の値が「0〜9」であるか否かを判定する。ステップS708にて肯定判定をした場合、ステップS709にて保留用高確率フラグを「0」クリアする。
ステップS707,S709のいずれかを実行した後か、ステップS708にて否定判定をした場合には、ステップS710にて、保留コマンドの設定処理を実行して本保留予告用の確認処理を終了する。
ステップS710にて実行される保留コマンドの設定処理は、保留情報の内容として遊技結果の情報と変動表示時間の情報とを演出制御装置82へ把握させるための処理である。
ここで、各遊技回の変動表示時間について説明する。
先ず、リーチ表示の内容について説明する。本パチンコ機10では、リーチ表示は、ノーマルリーチとスーパーリーチとが設定されている。ここで、スーパーリーチとは、ノーマルリーチよりも大当たり当選の期待度が高く設定されたリーチ表示である。さらにスーパーリーチには、スーパーリーチAとスーパーリーチBとが設定されている。スーパーリーチAとスーパーリーチBとは、スーパーリーチAのほうがスーパーリーチBよりも大当たり当選の期待度が高く設定されており、演出内容も相違している。具体的には、スーパーリーチAでは、実写のムービーが再生されるように設定されており、スーパーリーチBでは、アニメーションムービーが再生されるように設定されている。
両スーパーリーチA,Bは、いずれも一旦ノーマルリーチを実行した後に、上記の演出が行われる。具体的に図4を再度参照して説明すると、上図柄列Z1及び下図柄列Z3においていずれかの有効ラインL1〜L5にリーチラインを形成した後に、中図柄列Z2において遊技者が図柄を識別できる程度の速度(低速変動表示)で変動表示を実行する表示態様がノーマルリーチに相当する。ノーマルリーチの場合、遊技結果に基づいて大当たり結果であればリーチラインを形成する図柄と同じ図柄(以下の説明では、リーチ当たり図柄ともいう)が同リーチライン上に停止表示され、外れ結果であればリーチラインを形成する図柄と異なる図柄(主図柄又は副図柄)がリーチライン上に停止表示される。いずれかのスーパーリーチA,Bが選択されている場合には、ノーマルリーチにおいて中図柄列Z2における変動表示を一旦停止させ、その後、上記のムービー演出に切り替わるようになっている。そして、いずれのスーパーリーチA,Bも、大当たり結果に対応するムービー演出と外れ結果に対応するムービー演出とが設定されており、遊技結果に基づいて対応するムービー演出が選択される。
ここで、ノーマルリーチからいずれかのムービー演出へ切り替わる場合(スーパーリーチへ発展する場合)、当該切り替わりのタイミングは予め定められている。具体的には、その切り替わりのタイミングは、変動表示中である中図柄列Z2においてリーチ当たり図柄がリーチラインを通過した後のタイミングであり、リーチ当たり図柄がリーチラインから1図柄分変動方向側にずれた位置で一旦停止(停留表示又は仮停止表示)した後に、いずれかのムービー演出へ切り替わるように設定されている。そして、外れ結果の場合に選択されるノーマルリーチにおいては、中図柄列Z2が最長で変動した場合に、リーチ当たり図柄がリーチラインから1図柄分変動方向側にずれた位置で停止するように設定されている。つまり、当該リーチラインから1図柄分変動方向側にずれた位置でリーチ当たり図柄が停止した場合には、外れ結果としてそのまま遊技回が終了するか、いずれかのムービー演出へ切り替わるか、のいずれかとなる。したがって、遊技者は、中図柄列Z2の変動表示において、リーチ当たり図柄がリーチライン上を通過中はそのタイミングで停止表示されることを期待し、当該リーチ当たり図柄がリーチラインを通過して停止した場合にはムービー演出に切り替わることを期待する。
既に説明したとおり、遊技回における変動表示時間は、変動開始処理(図11)の変動時間の設定処理(ステップS608)にて設定される。かかる処理において、リーチ表示が発生する場合にはリーチ発生用変動表示時間テーブルを参照し、リーチ表示が発生しない場合にはリーチ非発生用変動表示時間テーブルを参照して変動表示時間が設定される。
ここで、リーチ発生用変動表示時間テーブル及びリーチ非発生用変動表示時間テーブルについて詳細に、図15を参照して説明する。
リーチ発生用変動表示時間テーブルでは、図15(a)に示すように、保留球格納エリア232に格納された変動種別カウンタCSの数値情報によって、リーチ表示の種類と変動表示時間が一義的に定められている。具体的には、遊技結果がいずれかの大当たり結果である場合には、リーチ乱数カウンタC3によらずにリーチ表示が発生する。この場合、変動種別カウンタCSによって、リーチ表示の種類と変動表示時間が定められている。具体的には、両スーパーリーチA,Bの方がノーマルリーチよりも選択される確率が高く、また、スーパーリーチAよりもスーパーリーチBの方が選択される確率が高く設定されている。そして、各リーチ表示の変動表示時間は、両スーパーリーチA,Bのほうがノーマルリーチよりも長い。より具体的に説明すると、変動種別カウンタCSが「0〜49」の場合にはスーパーリーチAが選択され、「50〜179」の場合にはスーパーリーチBが選択され、「180〜199」の場合にはノーマルリーチが選択される。両スーパーリーチA,Bが選択された場合の変動表示時間はいずれも「60sec」であり、ノーマルリーチが選択された場合の変動表示時間は「39.0sec」である。
遊技結果が外れ結果である場合には、リーチ乱数カウンタC3の値によってリーチ表示が発生するか否かが決定され、リーチ乱数カウンタC3が「200〜239」の場合にリーチ表示が発生する。リーチ表示の種類としては、両スーパーリーチA,Bよりもノーマルリーチが選択される確率が高く設定されており、変動種別カウンタCSが「0〜9」の場合にはスーパーリーチAが選択され、「10〜39」の場合にはスーパーリーチBが選択され、「40〜199」の場合にはノーマルリーチが選択される。両スーパーリーチA,Bが選択された場合、変動表示時間は、大当たり結果の場合と同じくいずれも「60sec」に設定されている。ノーマルリーチが選択された場合、変動種別カウンタCSによって設定された複数の変動態様のうちのいずれの変動表示時間となるかが決定される。具体的には、上記の大当たり結果に対応するノーマルリーチの変動表示時間である「39.0sec」を除いて、0.5sec刻みで「30.0sec〜39.5sec」までのいずれかの変動表示時間が選択される。上記のノーマルリーチにおいて最も長く中図柄列Z2が変動する変動態様とは、変動表示時間が「39.5sec」が選択された場合である。リーチ発生用変動表示時間テーブルでは、ノーマルリーチが選択された場合に、変動表示時間が「39.5sec」となる確率が最も高くなるように変動種別カウンタCSの数値が割り振られている。
リーチ非発生用変動表示時間テーブルでは、図15(b)に示すように、保留記憶数Nの数が多いほど変動表示時間が短くなるように設定されている。具体的には、保留記憶数Nが「1」の場合の変動表示時間は「21sec」であり、「2」又は「3」の場合の変動表示時間は「9sec」であり、「4」の場合の変動表示時間は「3sec」となっている。したがって、保留球格納エリア232に保留情報が多数記憶されている場合には変動表示時間が短くなり、遊技の進行がスムーズになる。また、保留情報が記憶されていない又は記憶されている場合であっても記憶されている数が少ない場合には変動表示時間が長くなり、遊技回が実行されていない期間ができるだけ短くなるようになっている。
さて、保留コマンドの設定処理について、図16のフローチャートを参照して説明する。
先ずステップS801では、上記ステップS705において判定結果記憶エリアに記憶された情報として、いずれかの大当たり結果に対応する情報が記憶されているか否かを判定する。いずれかの大当たり結果に対応する情報が記憶されている場合には、ステップS802及びステップS803にて、大当たり結果の種類の情報と変動表示時間の情報とを演出制御装置82に把握させるための処理を実行する。具体的には、ステップS802では、保留情報の大当たり種別カウンタC2と振分テーブルとを取得して、確変大当たり結果及び通常大当たり結果のいずれに対応する保留情報かを把握するとともに、保留情報の変動種別カウンタCSを取得して変動表示時間を把握する。なお、上記のようにいずれかの大当たり結果である場合には、必ずリーチ表示が発生するため、変動種別カウンタCSに基づいて変動表示時間を把握することができる。
そしてステップS803にて、大当たり対応保留コマンドを演出制御装置82への送信対象として設定して、本保留コマンドの設定処理を終了する。当該大当たり対応保留コマンドには、今回の保留情報が大当たり結果であることの情報に加え、大当たり種別の情報と変動表示時間の情報とが含まれている。ここで設定された大当たり対応保留コマンドは、通常処理(図8)におけるステップS301にて演出制御装置82へ送信される。演出制御装置82は、受信した大当たり対応保留コマンドに基づいて、メイン保留発光部45の発光制御を実行するとともに、表示制御装置212を制御して図柄表示装置41の保留表示領域Gaにて保留用画像を変更するための処理を実行する。かかる処理については、後で詳細に説明する。
なお、上記大当たり対応保留コマンドに変動表示時間の情報が含まれる構成としたが、変動種別カウンタCSの情報が含まれる構成とし、演出制御装置82側で主制御装置81の変動表示時間テーブルと同様のテーブルを記憶しておき、上記変動種別カウンタCSに基づいて演出制御装置82にて変動表示時間を把握してもよい。これは、他の保留コマンドにおける変動表示時間の情報についても同様である。
ステップS801にて大当たり結果に対応する情報が判定結果記憶エリアに記憶されていない場合、ステップS804に進む。ステップS804ではリーチ表示が発生する保留情報であるか否かを判定する。具体的には、リーチ乱数カウンタC3の数値情報を取得し、当該リーチ乱数カウンタC3が「200〜239」の場合にはリーチ表示が発生する保留情報であると判定する。
リーチ表示が発生する保留情報である場合、ステップS805にて、保留情報の変動表示時間を把握する。この処理では、保留情報の変動種別カウンタCSと、リーチ発生用の変動表示時間テーブル(図15(a))と、を取得して、変動表示時間を把握する。
ステップS804にてリーチ表示が発生しない保留情報である場合、ステップS806にて、保留情報の変動表示時間を変動種別カウンタCSの情報に基づかず、一律で21secとして設定する。
ここで、当該保留コマンドの設定処理が実行されるタイミングは、いずれかの作動口33,34へ遊技球の入賞が発生したタイミングであり、遊技回制御処理(図9)に含まれる一処理である変動開始処理(図11)において変動表示時間が設定されるタイミングとは異なっている。したがって、保留コマンドの設定処理(図16)で把握する保留情報の変動表示時間と、変動開始処理(図11)にて設定される変動表示時間とは互いに相違する可能性を有するものとなっている。
つまり、リーチ発生時の変動表示時間は変動種別カウンタCSの情報に基づいて定められるため(図15(a)参照)、変動種別カウンタCSが同一値であれば、これら両処理において把握又は設定される変動表示時間に相違は生じない。これに対して、リーチ非発生時の変動表示時間は保留記憶数Nに基づいて定められるため(図15(b)参照)、保留コマンドの設定処理後の入賞状況によっては両処理において把握又は設定される変動表示時間に相違が生じ得る。そこで、ステップS806では、仮の変動表示時間(21sec)を保留情報の変動表示時間として設定することとしている。
ステップS805又はステップS806の処理を実行した後は、ステップS807に進む。ステップS807では、外れ対応保留コマンドを演出制御装置82への送信対象として設定して、本保留コマンドの設定処理を終了する。当該外れ対応保留コマンドには、今回の保留情報が外れ結果であることの情報に加え、リーチ表示が発生する場合にはその種類の情報と、ステップS805又はステップS806の処理にて把握した変動表示時間の情報と、が含まれている。ここで設定された外れ対応保留コマンドは、通常処理(図8)におけるステップS301にて演出制御装置82へ送信される。演出制御装置82は、受信した外れ対応保留コマンドに基づいて、メイン保留発光部45の発光制御を実行するとともに、表示制御装置212を制御して図柄表示装置41の保留表示領域Gaにて保留用画像を変更するための処理を実行する。かかる処理については、後で詳細に説明する。
<保留表示制御用コマンド対応処理>
次に、演出制御装置82のMPU242にて実行される保留表示制御用コマンド対応処理を、図17のフローチャートを参照しながら説明する。保留表示制御用コマンド対応処理は、MPU242において繰り返し実行される複数種の処理のうちの一部の処理であり、概ね所定周期(例えば、2msec周期)で起動される。
先ずステップS901では、いずれかの保留コマンド(大当たり対応保留コマンド、外れ対応保留コマンド)を受信したか否かを判定する。ステップS901にて肯定判定をした場合には、ステップS902にて、RAM244の保留用カウンタエリア245に記憶されている副側保留記憶数SNを1加算する。続くステップS903では、受信した保留コマンドに含まれる変動表示時間に対応する数値情報をRAM244に設けられた保留用記憶エリア246に記憶させる。
ここで、保留用記憶エリア246は、総保留数に対応させて、第1記憶エリア、第2記憶エリア、第3記憶エリア、第4記憶エリアの4個の記憶エリアを有している。各記憶エリアには、各保留コマンドに含まれる変動表示時間の情報がそれぞれ記憶される。
すなわち、各記憶エリアには、主制御装置81側の変動開始処理において当否判定が実行される順番に対応させて、保留コマンドに含まれる変動表示時間の情報が記憶される。この場合、次回以降のn回目(n:1,2,3,4のいずれか)の当否判定において実行対象となる保留情報に係る変動表示時間の情報が第n記憶エリアに記憶されるように構成されている。
続くステップS904では、受信した保留コマンドに対応した保留表示を決定する保留表示決定処理を実行する。当該保留表示決定処理については、後で詳細に説明する。
続くステップS905では、今回受信した保留コマンドに含まれる変動表示時間に対応する数値を、RAM244の残余時間算出用エリア247に設けられた積算用カウンタACに加算する処理を実行する。積算用カウンタACは、保留予告を実行する場合に用いられるカウンタである。
ステップS901にて否定判定をした場合又はステップS905の実行後は、ステップS906に進み、シフト時コマンドを受信したか否かを判定する。ステップS906にて肯定判定をした場合には、ステップS907にて副側保留記憶数SNを1減算する。
続くステップS908では、保留用記憶エリア246の第1記憶エリアに記憶された変動表示時間に対応する数値を、上記積算用カウンタACから減算する処理を実行する。既に説明した通り、遊技回制御処理に含まれる変動開始処理(図11)では、リーチ非発生時の変動表示時間が保留記憶数Nに基づいて定められるのに対し、保留コマンドの設定処理(図16)では、リーチ非発生時の変動表示時間が仮の変動表示時間(21sec)として設定され、さらにその情報を含む外れ対応保留コマンドが設定される。したがって、第1記憶エリアに記憶された変動表示時間と、実際の変動表示時間とは相違する可能性がある。ただし、ステップS908で積算用カウンタACから減算する情報は、第1記憶エリアに記憶されている変動表示時間の情報(保留コマンドに含まれる情報)であり、リーチ非発生時においては実際の変動表示時間のうち最長の変動表示時間(21sec)である。つまり、保留コマンドに基づいて記憶された変動表示時間は、実際の変動表示時間よりも短くなることはないように設定されており、ステップS908にて積算用カウンタACから実際の変動表示時間を減算した場合に当該積算用カウンタACがマイナス値になってしまうことがない。これは、カウンタACがマイナス値になることによって生じる処理負荷の増加を抑制するための工夫である。
続くステップS909では、シフト処理を実行する。当該シフト処理では、保留用記憶エリア246における各記憶エリアのデータをシフトさせる。具体的には、第1記憶エリアに記憶されていた情報を消去するとともに、第2記憶エリア→第1記憶エリア、第3記憶エリア→第2記憶エリア、第4記憶エリア→第3記憶エリアといった具合に各記憶エリアに記憶されている各種情報をシフトさせる。またシフト処理では、副側保留記憶数SNの減少に対応させてメイン保留発光部45を制御する。
続くステップS910では、シフト時コマンドを表示制御装置212へ送信する。当該シフト時コマンドを受信した表示制御装置212は、ビデオRAM257における保留表示用エリア271の第1単位エリア272〜第4単位エリア275に設定されている保留表示情報を下位エリア側に順にシフトさせるように、VDP255に対して内部コマンドを出力する。具体的には、第1単位エリア272の保留表示情報をクリアするとともに、第2単位エリア273→第1単位エリア272、第3単位エリア274→第2単位エリア273、第4単位エリア275→第3単位エリア274といった具合に各単位エリア272〜275内の保留表示情報がシフトされる。また当該保留表示情報のシフトに基づいて、各単位保留表示領域Ga1〜Ga4の保留用画像Pa,Pbの表示を下位の領域にシフトさせるよう図柄表示装置41を制御する。具体的には、実行用表示領域Gbに保留用画像Pa,Pbが表示されている場合には当該保留用画像Pa,Pbを消去する。また、第1単位保留表示領域Ga1の保留用画像Pa,Pbを実行用表示領域Gbにシフトさせるとともに、第2単位保留表示領域Ga2→第1単位保留表示領域Ga1、…、第4単位保留表示領域Ga4→第3単位保留表示領域Ga3といった具合に、各単位保留表示領域Ga1〜Ga4の保留用画像Pa,Pbをシフトさせる。
ステップS906にて否定判定をした場合又はステップS910の実行後は、本保留予告制御処理を終了する。
<保留表示決定処理>
次に、保留表示制御用コマンド対応処理のステップS904にて実行される保留表示決定処理について、図18のフローチャートを参照して説明する。
保留表示決定処理では、先ずステップS1001にて、副側保留記憶数SNが「1」であるか否かを判定し、副側保留記憶数SNが「1」である場合にはステップS1002に進む。ステップS1001にて副側保留記憶数SNが「1」である場合とは、上記いずれかの保留コマンドを受信したタイミング(ステップS901)で副側保留記憶数SNが「0」であった場合であり、保留予告の開始タイミングから今回の保留コマンドの契機となった保留情報の消化タイミングまでの期間が、保留用変動表示におけるシフト周期(2sec)よりも短い可能性がある。
そこで、ステップS1002では、保留予告を実行可能なタイミングであるか否かを判定する。詳細には、RAM244の残余時間算出用エリア247には、各遊技回における変動表示時間の残り時間を計測するための残余カウンタNCが設けられている。当該残余カウンタNCは、遊技回の開始に際して変動表示時間に対応する数値が入力され、所定周期(本実施形態では2msec)ごとに1減算され、遊技回の終了時には0となるカウンタである。ステップS1002では、当該残余カウンタNCの値が所定の値(本実施形態では、シフト周期に対応する「4000」)よりも大きい値である場合に、保留予告を実行可能であると判定する。すなわち、現在実行している遊技回の変動表示時間の残り時間が2secよりも長い場合に、保留予告を実行可能なタイミングであると判定する。
ステップS1002にて保留予告を実行できないと判定した場合には、ステップS1003にて通常保留表示設定処理を実行する。通常保留表示設定処理では、副側保留記憶数SNを把握して、当把握した情報を含む通常保留表示コマンドを表示制御装置212に送信する。表示制御装置212は、受信した通常保留表示コマンドに基づいて、副側保留記憶数SNと対応する各単位エリア272〜275へ保留表示情報を記憶させる。また、キャラクタROMの保留用画像データ記憶エリア269から保留用画像Paを読み出し、対応する単位保留表示領域Ga1〜Ga4へ表示させるように図柄表示装置41を制御する。また、ステップS1003では、副側保留記憶数SNの増加に対応させてメイン保留発光部45を制御する。ステップS1003の処理を実行した後は、保留表示決定処理を終了する。
ステップS1001にて副側保留記憶数SNが「2」以上である場合、又はステップS1002にて保留予告を実行可能なタイミングであると判定した場合、ステップS1004に進む。ステップS1004では、保留予告を実行中であるか否かを判定する。保留予告を実行中でない場合には、続くステップS1005にて開閉実行モード中であるか否かを判定する。開閉実行モード中でない場合には、続くステップS1006にて当否抽選モードが高確率モードであるか否かを判定する。高確率モードではない場合(低確率モードの場合)には、続くステップS1007にて高頻度サポートモードであるか否かを判定する。高頻度サポートモードではない場合(低頻度サポートモードの場合)には、ステップS1008に進む。ステップS1004〜ステップS1007のいずれかで肯定判定した場合には、ステップS1003に進み、上記の通常保留表示設定処理を実行する。したがって保留予告は、既に保留予告を実行している場合、開閉実行モード中である場合、当否抽選モードが高確率モードである場合、及びサポートモードが高頻度サポートモード中である場合、のいずれかである場合には実行されない。
ステップS1008では、今回受信した保留コマンドが大当たり対応保留コマンドであったか否かを判定する。大当たり対応保留コマンドであった場合には、続くステップS1009にて、今回の保留情報の保留表示にて保留予告を実行するか否かを決定する処理として、大当たり用の保留予告抽選処理を実行する。具体的には、RAM244の抽選用カウンタエリア248に設けられた保留予告抽選用乱数カウンタから値を取得して、取得した値が保留予告の実行に対応している場合に保留予告抽選に当選したと判定する。大当たり用の保留予告抽選処理の当選確率は、例えば50%に設定されている。
続くステップS1010では、上記ステップS1009の処理結果に基づいて、保留予告抽選処理に当選であるか否かを判定する。ステップS1010で否定判定した場合も、上記のステップS1003に進み、通常保留表示設定処理を実行する。
ステップS1010にて当選であると判定した場合には、続くステップS1011にて、大当たり用の保留予告設定処理を実行して、本保留表示決定処理を終了する。
ここで、大当たり用の保留予告設定処理について、図19のフローチャートを参照して説明する。
大当たり用の保留予告設定処理では、保留予告の開始タイミングから終了タイミングまでの時間(以下の説明では、総残余時間ともいう)を算出して、当該総残余時間に基づいて保留予告の開始時における各変動用領域R1〜R3へ表示させる画像を決定する処理を実行する。保留予告の終了タイミングは、本実施形態では、保留予告の対象となっている保留情報の1つ前の保留情報に係る遊技回の変動表示の終了タイミングとして設定されている。
先ずステップS1101では、今回の保留コマンドの契機となった保留情報を除く保留情報の総変動表示時間を把握する。具体的には、積算用カウンタACの数値情報を、RAM244の残余時間算出用エリア247に設けられた演算用カウンタECに入力する処理を実行する。演算用カウンタECは、総残余時間に基づいて保留予告の開始時に各変動用領域R1〜R3へ表示させる画像を決定するために用いられるカウンタである。
続くステップS1102では、現在実行中の遊技回の残り変動表示時間を把握する。具体的には、残余カウンタNCの数値を取得して、当該数値を上記演算用カウンタECに加算する処理を実行する。これにより、演算用カウンタECは総残余時間に対応する数値情報となる。
ステップS1102の処理を実行した後は、ステップS1103及びステップS1104にて総残余時間を保留予告における周回周期で除算した場合の剰余時間を算出する。具体的には、ステップS1103にて、演算用カウンタECの数値情報が周回周期(6sec)に対応する「12000」よりも小さいか否かを判定し、「12000」以上である場合(ステップS1103:NO)には、ステップS1104にて演算用カウンタECの数値情報から「12000」を減算する処理を実行してからステップS1103に戻る。そして、演算用カウンタECの数値情報が12000よりも小さくなった場合に、当該演算用カウンタECの数値情報は、上記総残余時間を周回周期で除算した場合の剰余時間に対応するものとなり、ステップS1103で肯定判定する。
既に説明したとおり、リーチ表示が発生しない遊技回に対応する保留情報の場合には、「21sec」を仮の変動表示時間としている関係上、演出制御装置82側で保留コマンド受信時に積算用カウンタACに加算する変動表示時間の情報は実際の変動表示時間とは異なり得る。つまり、ステップS1102の処理を行った演算用カウンタECの数値情報も実際の総残余時間とは異なり得る。
そこで、本実施形態では、上記仮の変動表示時間と、実際の変動表示時間との差が、いずれも保留用変動表示の周回周期の自然数倍となるように設定している。具体的には、保留情報の消化時における保留記憶数Nが「4」である場合には、仮の変動表示時間と実際の変動表示時間とは同じであり差は生じない。また、保留記憶数Nが「3」又は「2」である場合には、上記差は「12sec」であり周回周期の2倍である。保留記憶数Nが「1」である場合には、上記差は「18sec」であり周回周期の3倍である。このような構成とすることで、入賞時に特定した変動表示時間が、消化時に設定する変動表示時間と異なる場合であっても、総残余時間を周回周期で除算した場合の譲与時間(ステップS1103で肯定判定する際の演算用カウンタECの数値)は変化しない。これにより、変動表示時間の相違による不都合を回避することができる。
なお、本実施形態では、上記のように入賞時には一律の変動表示時間を仮の変動表示時間とする構成としたが、入賞時の保留記憶数Nに基づいて仮の変動表示時間を特定する構成としてもよい。この場合であってもリーチ非発生時変動表示時間テーブル(図15(b))において、保留記憶数Nの相違による変動表示時間の差を保留用変動表示の周回周期の自然数倍となるように設定しているため、同様の効果を奏することが可能である。
また、リーチ表示が発生しない遊技回に対応する保留情報については、上記ステップS905で変動表示時間を積算用カウンタACに加算しない構成としてもよい。この場合、リーチ非発生時変動表示時間テーブルにおいて各変動表示時間を周回周期の自然数倍に設定しておけば、消化時にいずれの保留記憶数Nであっても数回周期の自然数倍の変動表示時間が加算されることになるため、リーチ非発生時の変動表示時間が含まれない総残余時間を周回周期で除算した場合の剰余時間は変化しない。この構成とすると、リーチ表示が発生しない遊技回に対応する保留情報の変動表示時間を加算する処理を省略することができ、処理数を減らすことができる。但し、リーチ表示が発生する場合の保留コマンドかリーチ表示が発生しない場合の保留コマンドかを特定する処理が必要となる。したがって、保留コマンドの種類の増加や、当該特定のための処理が加わることによる処理負荷の増加という観点からすると、本実施形態のように、リーチ表示の発生の有無に関わらず、変動表示時間を積算用カウンタACに加算する構成とすることが好ましい。
さらに、リーチ表示が発生しない遊技回の変動表示時間を保留記憶数Nに関わらず一律の変動表示時間とする構成や、保留記憶数Nに関わらず変動種別カウンタCSによって変動表示時間を決定する構成としてもよい。この場合、上記一律の変動表示時間、又は変動種別カウンタCSによって決定される変動表示時間を、積算用カウンタACに加算するとよい。一律の変動表示時間とする構成とすると、遊技者はリーチ表示が発生しない遊技回の変動表示時間を把握し易くなり、保留予告における遊技結果の推測を容易なものとすることができる。また、変動種別カウンタCSによって変動表示時間を決定する構成とすると、変動表示時間をより多様なものとすることが可能となり、保留予告における遊技結果の推測を複雑化することができる。
大当たり用の保留予告設定処理(図19)の説明に戻り、ステップS1103にて肯定判定した場合、続くステップS1105〜ステップS1109にて、総残余時間を周回周期で除算した場合の剰余時間と、保留予告におけるシフト周期の長さと、に基づいて、保留予告の終了時に第1変動用領域(確定位置)R1に表示する示唆画像を、保留予告の開始時にいずれの変動用領域R1〜R3に表示すべきかを逆算して決定する処理を実行する。
すなわち、ステップS1105では、演算用カウンタECの数値情報が、保留予告における1回分のシフト周期(2sec)よりも短い時間に対応するか否かを判定する。具体的には、演算用カウンタECの数値情報が、「4000」よりも小さいか否かを判定する。ステップS1105にて肯定判定した場合、ステップS1106にて、第1変動用領域R1を停止領域として設定し、第2変動用領域R2及び第3変動用領域R3を非停止領域として設定する。停止領域とは、今回の保留コマンドの契機となった保留情報を消化するタイミングで第1変動用領域(確定位置)R1に表示する示唆画像を、保留予告の開始時に表示すべき領域である。非停止領域とは、今回の保留コマンドの契機となった保留情報を消化するタイミングで第1変動用領域R1に表示する示唆画像と異なる示唆画像を、保留予告の開始時に表示する領域である。RAM244に設けられた停止領域記憶エリア249には変動用領域R1〜R3に対応させて3つのエリアが設けられており、設定した停止領域に対応するエリアにフラグをセットすることで、MPU242はいずれの変動用領域R1〜R3が停止領域に相当するかを確認することができる。
ステップS1105にて否定判定した場合、ステップS1107にて、演算用カウンタECの数値情報が、保留予告における2回分のシフト周期(4sec)よりも短い時間に対応するか否かを判定する。具体的には、演算用カウンタECの数値情報が、「8000」よりも小さいか否かを判定する。ステップS1107にて肯定判定した場合とは、演算用カウンタECの数値情報が、1回分のシフト周期以上であって2回分のシフト周期未満に対応するものであることを意味する。この場合、ステップS1108にて第3変動用領域R3を停止領域として設定し、第1変動用領域R1及び第2変動用領域R2を非停止領域として設定する。
ステップS1107にて否定判定した場合、演算用カウンタECの数値情報が、2回分のシフト周期以上であって3回分のシフト周期(周回周期)未満に対応するものであることを意味する。この場合、ステップS1109にて、第2変動用領域R2を停止領域として設定し、第1変動用領域R1及び第3変動用領域R3を非停止領域として設定する。
ステップS1106、ステップS1108及びステップS1109のいずれかの処理を実行した後は、ステップS1110に進む。ステップS1110では、今回受信した大当たり対応保留コマンドに基づいて、大当たり種別を把握する。続くステップS1111では、ステップS1110にて把握した大当たり種別が確変大当たり結果であるか否かを判定する。確変大当たり結果ではない場合、ステップS1112にて、停止領域に表示させる画像として当選画像を設定する。また、ステップS1112では、非停止領域に表示させる画像としていずれかの示唆画像(当選画像、確変画像、外れ画像のいずれか)を設定する。この場合、非停止領域に表示させる画像は抽選等によりランダムに決定される。
ここで、ステップS1112で設定する複数の示唆画像のパターンについて、図20(a)を参照して説明する。
図20(a)に示すように、ステップS1112で設定する示唆画像のパターンとしてはA1〜A3の3つのパターンがある。具体的には、いずれのパターンであっても停止領域に表示させる画像は当選画像であり、2つの非停止領域に表示させる画像は他の画像の組み合わせとなっている。但し、2つの非停止領域のうちのいずれかに外れ画像が含まれるようになっている。2つの非停止領域に表示させる組み合わせとしては、A1のパターンではいずれも外れ画像であり、A2のパターンでは一方が当選画像で他方が外れ画像であり、A3のパターンでは一方が確変画像で他方が外れ画像である。
各パターンA1〜A3を選択する確率は、A1のパターンを選択する確率が最も高く、A3のパターンを選択する確率が最も低く、A1、A2、A3の順で選択する確率が低くなるように設定されている。また、2つの非停止領域にいずれの示唆画像を表示させるかは、ランダムに決定される。
大当たり用の保留予告設定処理(図19)の説明に戻り、ステップS1111にて確変大当たり結果である場合には、ステップS1113に進む。ステップS1113では、保留予告にて確変大当たり結果であることを報知するか否かを抽選により決定する。具体的には、RAM244の抽選用カウンタエリア248に設けられた種別報知抽選用乱数カウンタから値を取得して、取得した値が種別報知に対応している場合に確変大当たり結果であることを報知すると決定する。続くステップS1114では、ステップS1113の処理結果に基づいて、確変大当たり結果であることを報知か否かを判定する。報知しない場合には、上記ステップS1112に進み、保留予告の開始時における停止領域及び非停止領域の画像を設定する。
ステップS1114にて確変大当たり結果であることを報知すると判定した場合には、ステップS1115にて、停止領域に表示させる画像として確変画像を設定し、非停止領域に表示させる画像としていずれかの示唆画像(当選画像、確変画像、外れ画像のいずれか)を設定する。この処理でも、非停止領域に表示させる画像を抽選等によりランダムに決定する。
ここで、ステップS1115で設定する複数の示唆画像のパターンについて、図20(b)を参照して説明する。
図20(b)に示すように、ステップS1115で設定する示唆画像のパターンとしては、B1〜B3の3つのパターンがある。具体的には、いずれのパターンであっても停止領域に表示させる画像は確変画像であり、2つの非停止領域に表示させる画像は他の画像の組み合わせとなっている。但し、2つの非停止領域のうちのいずれかに外れ画像が含まれるようになっている。2つの非停止領域に表示させる組み合わせとしては、上記A1〜A3のパターンと同様であるため説明を省略する。
各パターンB1〜B3を選択する確率は、B1のパターンを選択する確率が最も高く、B3のパターンを選択する確率が最も低く、B1、B2、B3の順で選択する確率が低くなるように設定されている。また、上記ステップS1112と同様に、2つの非停止領域にいずれの画像を表示させるかは、ランダムに決定される。
大当たり用の保留予告設定処理(図19)の説明に戻り、ステップS1112又はステップS1115の処理を実行した後は、ステップS1116に進み、特別保留表示設定処理を実行する。特別保留表示設定処理では、ステップS1112又はステップS1115にて設定した停止領域及び非停止領域の示唆画像の情報を把握するとともに、副側保留記憶数SNの情報を把握し、これら把握した情報を含む特別保留表示コマンドを表示制御装置212に送信する。表示制御装置212は、受信した特別保留表示コマンドに基づいて、副側保留記憶数SNと対応する各単位エリア272〜275へ保留表示情報を記憶させる。また、当該記憶させた単位エリア272〜275に対応する単位保留表示領域Ga1〜Ga4に、キャラクタROMの保留用画像データ記憶エリア269から読み出した示唆画像を、停止領域及び非停止領域に対応する変動用領域R1〜R3へ表示させるように図柄表示装置41を制御する。また、ステップS1116では、副側保留記憶数SNの増加に対応させてメイン保留発光部45を制御する。ステップS1116の処理を実行した後は、大当たり用の保留予告設定処理を終了する。
保留表示決定処理(図18)の説明に戻り、ステップS1008にて今回受信した保留コマンドが外れ対応保留コマンドであった場合、ステップS1012に進む。ステップS1012では、今回の保留情報の保留表示にて保留予告を実行するか否かを抽選する処理として、外れ用の保留予告抽選処理を実行する。具体的には、RAM244の抽選用カウンタエリア248に設けられた保留予告抽選用乱数カウンタから値を取得して、取得した値が保留予告の実行に対応している場合に保留予告抽選に当選と判定する。外れ用の保留予告実行抽選の当選確率は、上記ステップS1009の大当たり用の保留予告抽選処理における当選確率よりも低く、例えば1%に設定されている。
続くステップS1013では、上記ステップS1012の処理結果に基づいて、保留予告実行抽選に当選であるか否かを判定する。ステップS1013で非当選と判定した場合には、ステップS1003にて通常保留表示設定処理を実行する。
ステップS1013にて当選であると判定した場合には、続くステップS1014にて、外れ用の保留予告設定処理を実行して、本保留表示決定処理を終了する。
ここで、外れ用の保留予告設定処理について、図21のフローチャートを参照して説明する。
外れ用の保留予告設定処理は、上記大当たり用の保留予告設定処理(図19)と処理構成が概ね同様であるが、停止領域及び非停止領域に設定する画像が異なっている。
具体的には、ステップS1101〜ステップS1109の処理と同様に、ステップS1201〜ステップS1209にて、総残余時間を算出して当該総残余時間に基づいて停止領域及び非停止領域を設定した後、ステップS1210に進む。ステップS1210では、停止領域に表示させる画像として外れ画像を設定し、非停止領域に表示させる画像としていずれかの画像(当選画像、確変画像、外れ画像のいずれか)を設定する。この場合、いずれの画像を設定するかは抽選等によりランダムに決定される。但し、各変動用領域R1〜R3のいずれもが外れ画像とならないように決定する。
ステップS1210で設定する複数の示唆画像のパターンについて、図20(c)を参照して説明する。
図20(c)に示すように、ステップS1210で設定する示唆画像のパターンとしては、C1〜C5の5つのパターンがある。具体的には、いずれのパターンであっても停止領域に表示させる画像は外れ画像であり、2つの非停止領域に表示させる画像は、いずれも外れ画像となる組み合わせを除く組み合わせとなっている。
2つの非停止領域に表示させる組み合わせとしては、C1のパターンでは、一方が当選画像で他方が外れ画像であり、上記A1のパターンと画像の組み合わせが同じである。C2のパターンでは一方が確変画像で他方が外れ画像であり、上記B1のパターンと画像の組み合わせが同じである。C3のパターンでは、いずれも当選画像であり、上記A2のパターンと画像の組み合わせが同じである。C4のパターンでは、一方が当選画像で他方が確変画像であり、上記A3及びB2のパターンと画像の組み合わせが同じである。C5のパターンでは、いずれも確変画像であり、上記B3のパターンと画像の組み合わせが同じである。
すなわち、C1〜C5はいずれのパターンであっても、上記大当たり用の保留予告設定処理にて設定するパターンと画像の組み合わせが対応している。したがって、遊技者は保留予告の開始時には遊技結果を特定しにくい。
外れ用の保留予告設定処理(図21)の説明に戻り、ステップS1210の処理を実行した後は、ステップS1211に進み、特別保留表示設定処理を実行する。ステップS1211の特別保留表示設定処理は、ステップS1116の処理と同様であるため説明を省略する。ステップS1211の処理を実行した後は、外れ用の保留予告設定処理を終了する。
<変動表示制御処理>
次に、演出制御装置82にて実行される変動表示制御処理について説明する。変動表示制御処理は、保留表示制御用コマンド対応処理が実行された後に起動される処理である。
変動表示制御処理では、主制御装置81から送信された変動用コマンドを受信している場合に、図柄表示装置41において1遊技回分の図柄の変動表示を開始させるとともに、主制御装置81から送信された変動終了コマンドを受信している場合に、図柄の変動表示を最終停止表示させる処理を実行する。また、変動表示制御処理では、保留予告における残余時間の算出や保留用変動表示を実行するための処理を実行する。
図22のフローチャートに示すように、ステップS1301にて、1遊技回の実行中であるか否かを判定する。1遊技回の実行中ではない場合にはステップS1302にて、変動用コマンドを受信しているか否かを判定する。変動用コマンドを受信していない場合には、そのまま本変動表示制御処理を終了する。変動用コマンドを受信している場合には、ステップS1303にて変動開始用処理を実行した後に、本変動表示制御処理を終了する。一方、1遊技回の実行中である場合には、ステップS1304にて、変動終了コマンドを受信しているか否かを判定する。変動終了コマンドを受信していない場合にはステップS1305にて変動中用処理を実行した後に、本変動表示制御処理を終了する。また、変動終了コマンドを受信している場合には、ステップS1306にて変動終了用処理を実行した後に、本変動表示制御処理を終了する。
以下、変動開始用処理、変動中用処理、変動終了用処理について説明する。
<変動開始用処理>
図23のフローチャートに示すように、変動開始用処理では、ステップS1401にて、今回受信した変動用コマンドを読み出し、当該コマンドからリーチ発生の有無の情報及び変動表示時間の情報を特定する。また、既に説明したように主制御装置81は変動用コマンドを送信する場合には種別コマンドも送信する。したがって、ステップS1401では、今回受信した変動用コマンドとともに受信している種別コマンドを読み出し、当該コマンドから、確変大当たり結果の情報、通常大当たり結果の情報、外れ結果の情報といった遊技結果の情報を特定する。そして、ステップS1401では、上記特定した情報から、大当たり当選の有無の情報、大当たり当選である場合には大当たり種別の情報、大当たり非当選である場合にはリーチ発生の有無の情報、変動表示時間の情報を把握し、その把握した情報をMPU242のレジスタに記憶する。
続くステップS1402では、今回の遊技回の変動表示時間を計測するための処理を実行する。具体的には、上記ステップS1401にて把握した今回の変動表示時間に対応する数値を、残余カウンタNCに入力する処理を実行する。
ステップS1402の処理を実行した後は、ステップS1403にて停止結果設定処理を実行する。
停止結果設定処理では、停止ラインの決定処理、図柄の組み合わせの決定処理及び停止情報のアドレス情報の記憶処理を実行する。ここで、本パチンコ機10では既に説明したように、図柄表示装置41の表示画面Gに5つの有効ラインL1〜L5が設定されており、確変大当たり結果又は通常大当たり結果となる場合には、いずれかの有効ライン上に大当たり図柄の組み合わせが停止表示される。また、確変大当たり結果及び通常大当たり結果のいずれにもならない場合であってもリーチ表示となる場合には、いずれかの有効ライン上にリーチ図柄の組み合わせが停止表示される。この場合に、停止ラインの決定処理では、上記各種図柄の組み合わせを停止表示させるための有効ラインを決定するための処理を実行する。図柄の組み合わせの決定処理では、ROM243に設けられた組み合わせ情報テーブルを参照し、ステップS1401にて把握した情報に対応した図柄の組み合わせの情報を特定する。また、ROM243には停止情報テーブルが設けられている。当該停止情報テーブルには、各有効ラインの情報に対する各停止図柄の組み合わせの情報がアドレス情報と1対1で対応させて設定されている。停止情報のアドレスの記憶処理では、特定した停止ラインの情報及び図柄の組み合わせの情報に対応したアドレス情報を停止情報テーブルから読み出し、その読み出した停止情報のアドレス情報を、RAM244の停止情報アドレスの記憶エリアに格納する。
ステップS1403の処理を実行した後は、ステップS1404にて演出パターンの設定処理を実行する。演出パターンの設定処理では、ROM243に設けられた演出パターンテーブルを参照して、ステップS1401にてMPU242のレジスタに記憶した変動表示時間の情報と、ステップS1403にて停止情報アドレスの記憶エリアに格納した情報との両方に対応した演出パターンの情報を特定する。
続くステップS1405では、ステップS1403の処理結果に対応した停止結果コマンドと、ステップS1404の処理結果に対応したパターンコマンドを表示制御装置212に送信する。表示制御装置212では、受信した停止結果コマンド及びパターンコマンドに基づいて、今回の遊技回用の演出を図柄表示装置41にて行うためのデータテーブルをプログラムROM253から読み出し、そのデータテーブルに従って予め定められた画像更新タイミングとなる度に(例えば、20msec周期で)、VDP255に対して描画リストを出力する。これにより、図柄表示装置41では演出制御装置82のMPU242にて決定された演出パターンに従って遊技回用の演出が実行されるとともに、当該MPU242にて決定された停止結果が最終的に停止表示される。ステップS1405の処理を実行した後は、変動開始用処理を終了する。
<変動中用処理>
図24のフローチャートに示すように、変動中用処理では、ステップS1501にて、今回の遊技回を制御するための処理を実行する。具体的にステップS1501では、上記ステップS1404にて設定された演出パターンに基づいて表示発光部63及びスピーカ部64を制御する。またステップS1501では、遊技回の変動表示時間の情報と演出パターンの情報に基づいて、表示制御装置212に対して図柄列Z1〜Z3の変動表示の切り換えを指示する。具体的には、遊技回の開始に際しては全図柄列Z1〜Z3を高速変動表示させ、その後所定タイミングで上図柄列Z1、下図柄列Z3、中図柄列Z2の順で高速変動表示から低速変動表示へ切り換える。リーチ表示における中図柄列Z2の変動を除いて、各図柄列Z1〜Z3を低速変動表示へ切り換えた後は、所定の期間(本実施形態では0.8sec)が経過したことに基づいて当該図柄列Z1〜Z3の変動表示を終了させる。リーチ表示では、上下の図柄列Z1,Z3の変動表示を終了してリーチラインを形成させた後、中図柄列Z2の変動を低速変動表示に切り換える。そしてノーマルリーチでは、予め定められた変動表示時間(図15(a))に基づいて、中図柄列Z2の変動表示を終了させる。また、スーパーリーチでは、リーチ図柄をリーチラインよりも1図柄分変動先側へ変動させた位置で中図柄列Z2の変動表示を一旦停止させ、その後、対応する演出を実行させる。これら遊技回の変動表示と、保留予告との関係については後に詳細に説明する。
続くステップS1502では、保留予告を実行中であるか否かを判定する。この処理において、保留予告を実行中ではない場合とは、各単位保留表示領域Ga1〜Ga4にて特別保留用画像Pbを表示していない場合であり、保留予告の対象となる保留情報の遊技回を実行中も含まれる。すなわち、特別保留用画像Pbが実行用表示領域Gbに表示されている期間は、ステップS1502以降の処理が行われない。
ステップS1502にて肯定判定した場合、ステップS1503にて、保留用変動表示におけるシフトタイミングであるか否かを判定する。具体的には、RAM244の保留用カウンタエリア245に設けられたシフトカウンタSCの数値情報が「0」であるか否かを判定する。シフトカウンタSCは、保留予告の開始に際して又はシフトを行うごとに「4000」がセットされ、所定周期(2msec)ごとに「1」減算されるカウンタである。
続くステップS1504では、保留用シフト処理を実行する。保留用シフト処理では、保留用シフトコマンドを表示制御装置212に送信する。保留用シフトコマンドを受信した表示制御装置212は、図柄表示装置41を制御して、各変動用領域R1〜R3に表示されている示唆画像をシフトさせる。具体的には、第1変動用領域R1に表示されている画像を消去するとともに、当該消去した画像を第2変動用領域R2に表示させる。第2変動用領域R2に表示されている画像を消去するとともに、当該消去した画像を第3変動用領域R3に表示させる。第3変動用領域R3に表示されている画像を消去するとともに、当該消去した画像を第1変動用領域R1に表示させる。示唆画像をシフトさせる際に、第1変動用領域(確定位置)R1を強調表示したり拡大表示したりして、遊技者に対して各示唆画像を報知する構成としてもよい。このようにすることで遊技者は、各示唆画像の変動を認識し易くなる。また、示唆画像のシフトに対応させて、特別保留用画像Pbを揺動等させてもよい。このようにすることで遊技者は、保留用変動表示が継続していることを認識し易くなる。ステップS1502及びステップS1503のいずれかで否定判定した場合、又はステップS1504の処理を実行した後は、変動中用処理を終了する。
<変動終了用処理>
図25のフローチャートに示すように、変動終了用処理では、ステップS1601にて、今回の遊技回を終了させるための処理を実行する。具体的にステップS1601では、上記ステップS1404にて設定された演出パターンに基づいて表示発光部63及びスピーカ部64を制御する。またステップS1601では、変動終了コマンドを表示制御装置212へ送信する。表示制御装置212では、受信した変動終了コマンドに基づいて、図柄の変動表示を終了し、主制御装置81の抽選結果に対応した最終停止図柄を停止するよう図柄表示装置41を制御する。
続くステップS1602では、保留予告を実行中であるか否かを判定する。保留予告を実行中である場合にはステップS1603に進み、今回の遊技回が当該保留予告の対象となっている保留情報の直前(1つ前)の保留情報の遊技回であるか否か、すなわち保留予告の終了タイミングであるか否かを判定する。ステップS1602又はステップS1603にて否定判定した場合には、そのまま変動表示制御処理を終了する。ステップS1603にて、保留予告の終了タイミングである場合には、ステップS1604にて保留予告終了処理を実行してから、変動終了用処理を終了する。保留予告終了処理では、実行中の保留予告における保留用変動表示を終了させる。保留用変動表示の終了に際しては、例えば第1変動用領域(確定表示部)R1を強調表示させたり拡大表示させたりしてもよい。また、上記保留用シフト処理(ステップS1504)にて、特別保留用画像Pbを揺動等させる構成としたならば、保留用変動表示の終了に際しても特別保留用画像Pbを揺動さてから最終停止させる構成とするとよい。このようにすることで遊技者は、特別保留用画像Pbの揺動中、保留用変動表示が継続するか終了するかについて関心をよせ、結果、保留予告の注目度を高めることが可能となる。
<遊技回と保留予告の関係>
遊技回と保留予告の関係について、図26及び図27を参照して説明する。図26(a)は、遊技回及び保留予告が行われる様子を示すタイミングチャートであり、図26(b)は保留予告が行われる様子を説明するための説明図である。また、図27は図柄表示装置41の表示画面Gの表示内容を説明するための説明図である。
図26(a)では、t1のタイミングで、いずれかの作動口33,34へ遊技球が入賞して遊技回が開始され、当該遊技回が行われている状況であるt2及びt3のタイミングで、再度いずれかの作動口33,34へ遊技球が入賞した場合であって、t3のタイミングで発生した入賞に基づいて保留予告が行われる場合を例として示している。この場合、保留予告では、現在実行している遊技回(t1のタイミングで開始された遊技回)の残りの変動表示時間と、保留情報の変動表示時間(t2のタイミングで記憶した保留情報の変動表示時間)と、に基づいて総残余時間が算出され、停止領域及び非停止領域が決定される。保留予告の対象となる保留情報が、通常大当たり結果に対応するものである場合、決定した停止領域及び非停止領域においてパターンA1〜A3(図20参照)のいずれかの特別保留用画像Pbが表示される。例えば、決定した停止領域が第2変動用領域R2であり、非停止領域が第1変動用領域R1及び第3変動用領域R3であり、選択された表示パターンがA1である場合、図26(b1)に示すように、停止領域である第2変動用領域R2に当選画像が表示され、非停止領域である第1変動用領域R1及び第3変動用領域R3に外れ画像が表示されて保留予告が開始される。なお、当該保留予告の特別保留用画像Pbは第2単位保留表示領域Ga2に表示され、第1単位保留表示領域Ga1にはt2のタイミングの入賞に対応する通常保留用画像Paが表示される。また、実行用表示領域Gbには、t1のタイミングの入賞に対応する通常保留用画像Paが表示される。
そして、保留予告の開始タイミング(t3のタイミング)から2sec後であるt4のタイミングに、1回目のシフトが行われ、図26(b2)に示すように、第2変動用領域R2に表示されていた当選画像は第3変動用領域R3へシフトされ、第1変動用領域R1及び第3変動用領域R3に表示されていた外れ画像は第1変動用領域R1及び第2変動用領域R2へシフトされる。さらに2sec後であるt5のタイミングで、再度シフトが行われ、その後も2secごとにシフトが行われる。ここで、t6のタイミングで実行していた遊技回(t1のタイミングで開始した遊技回)の変動表示が終了し、続けてt7のタイミングで次の遊技回(t2のタイミングで記憶した保留情報に対応する遊技回)が開始されると、図26(b3)に示すように、保留予告における特別保留用画像Pbが表示される領域は第2単位保留表示領域Ga2から第1単位保留表示領域Ga1へ移動する。この場合であっても、保留用変動表示はシフト周期にしたがって繰り返される。つまり、遊技回の進行状況に関わらず保留用変動表示は独立して実行される。なお、実行用表示領域Gbには、今回の遊技回の保留情報に対応する通常保留用画像Paが表示される。
t8のタイミングで今回の遊技回が終了し、t9のタイミングで保留予告の対象となっている保留情報の当否判定が行われる場合、第1単位保留表示領域Ga1の表示が実行用表示領域Gbに移動し、以降は画像のシフトが行われない。この場合、図26(b4)に示すように、特別保留用画像Pbは第1変動用領域R1に当選画像が表示されており、遊技者は今回実行されている遊技回の遊技結果がいずれかの大当たり結果であることを認識することができる。そして、t10のタイミングで今回の遊技回が終了する際には、各図柄列Z1〜Z3に通常大当たり結果に対応する図柄が揃って停止表示される。
既に説明したとおり、各遊技回の変動表示時間は、保留個数の数と、リーチ表示の発生の有無と、リーチ表示が発生する場合にはその種類と、によって予め定められており、いずれの変動表示時間も、保留用変動表示のシフト周期よりも長く設定されている。したがって、遊技者が保留予告から遊技結果を推測するにあたり、特に、当該保留予告が行われている保留情報の遊技回の1個前の遊技回の変動表示時間の長さが重要となる。
ここで、各図柄列Z1〜Z3の変動表示の態様について、図27を参照して詳細に説明する。
遊技回が開始されると、図27(a1)に示すように、先ず全図柄列Z1〜Z3について高速変動表示が開始される。この場合、どの図柄が表示されているかは認識できない又は困難となっている。その後、図27(a2)に示すように、上図柄列Z1の変動表示態様が、高速変動表示から、遊技者が表示されている図柄を認識することができる低速変動表示に切り換わる。そして、図27(a3)に示すように、上図柄列Z1の変動表示が終了するとともに、下図柄列Z3の変動表示態様が高速変動表示から低速変動表示に切り換わる。そして、図27(a4)に示すように、下図柄列Z3の変動表示が終了する。この場合、リーチ表示が発生する遊技回の場合には、リーチ図柄の組み合わせが表示され、リーチラインが形成される。リーチ表示が発生しない遊技回の場合には、中図柄列Z2の変動表示が高速変動表示から低速変動表示に切り換わり、その後、図27(a5)に示すように中図柄列Z2の変動表示が終了する。
既に説明したとおり、各図柄列Z1〜Z3において高速変動表示から低速変動表示に切り換わってから当該図柄列の変動表示が終了するまでの時間は予め定められており、本実施形態では0.8secとなっている。
したがって、保留予告のシフト周期との関係で、上下の図柄列Z1,Z3でリーチラインが形成されなかった場合には、その時点で当該保留予告の最終的な停止結果を認識することができる。例えば、図26(a)におけるt7のタイミングで開始する遊技回でリーチ表示が行われない場合、t8のタイミングで遊技回が終了する0.8sec前のタイミングである上下の図柄列Z1,Z3の変動表示が終了したタイミングで、遊技者は今回の遊技回ではリーチ表示が発生しないことを認識することができる。保留予告との関係では、当該タイミングで保留予告における前回のシフトが1.2sec以上前である場合には、今回の遊技回の終了タイミングまでにもう1度シフトが行われ、前回のシフトから1.2secが経過していない場合には、そのままシフトが行われない。
例えば、図27(b1)に示すように、上下の図柄列Z1,Z3における変動表示の終了タイミングが前回のシフトの1.2sec以上前である場合であって、前回のシフトにより第1変動用領域R1に外れ画像が表示されるとともに第3変動用領域R3に当選画像が表示されている場合には、上下の図柄列Z1,Z3でリーチラインが形成されなければあと1回のシフトで保留用変動表示が終了するため、遊技者は保留予告の対象となる保留情報がいずれかの大当たり結果であることを認識することができる。
一方、図27(b2)に示すように、上下の図柄列Z1,Z3における変動表示の終了タイミングが前回のシフトの1.2sec以上前である場合であっても、前回のシフトにより第1変動用領域R1に当選画像が表示されるとともに第3変動用領域R3に外れ画像が表示されている場合には、上下の図柄列Z1,Z3でリーチラインが形成されなければあと1回のシフトで保留用変動表示が終了してしまうため、遊技者は保留予告の対象となる保留情報が外れ結果であることを認識することができる。
図27(b1)に示すように、上下の図柄列Z1,Z3における変動表示の終了タイミングが前回のシフトから1.2sec経過前である場合であって、前回のシフトにより第1変動用領域R1に外れ画像が表示されるとともに第3変動用領域R3に当選画像が表示されている場合には、上下の図柄列Z1,Z3でリーチラインが形成されなければこのまま保留用変動表示が終了するため、遊技者は保留予告の対象となる保留情報が外れ結果であることを認識することができる。
一方、図27(b2)に示すように、上下の図柄列Z1,Z3における変動表示の終了タイミングが前回のシフトから1.2sec経過前である場合であっても、前回のシフトにより第1変動用領域R1に当選画像が表示されるとともに第3変動用領域R3に外れ画像が表示されている場合には、上下の図柄列Z1,Z3でリーチラインが形成されなければこのまま保留用変動表示が終了してしまうため、遊技者は保留予告の対象となる保留情報がいずれかの大当たり結果であることを認識することができる。
さらに、各図柄列Z1〜Z3において高速変動表示から低速変動表示に切り換わってから当該図柄列の変動表示が終了するまでの時間は予め定められていることから、上下の図柄列Z1,Z3における変動表示の終了タイミングよりも前のタイミングで、遊技者はリーチ表示が発生するか否かを認識することができる。具体的には、少なくとも下段の図柄列Z3が低速変動表示に切り換わったタイミングで、遊技者はリーチ表示が発生するか否かを認識することができる。つまり、当該タイミングでリーチ表示が発生しないと認識した場合には、保留予告の表示内容とシフトのタイミングとにより、保留予告の対象となっている遊技回の遊技結果を認識することが可能となっている。
また、既に説明したとおり、リーチ表示には、ノーマルリーチとスーパーリーチとが設定されている。ノーマルリーチの場合には変動表示時間が複数設定されており、例えば、図27(b3)に示すように、中図柄列Z2の変動表示においてリーチ図柄がリーチラインよりも手前のラインで停止した場合であって、第1変動用領域R1に当選画像が表示されている場合には、今回の遊技回は外れ結果であるものの、遊技者は保留予告の対象となっている保留情報がいずれかの大当たり結果であることを認識することができる。また、中図柄列Z2の変動表示においてリーチ図柄がリーチライン上に存在している場合、そのまま中図柄列Z2が停止すれば今回の遊技回が大当たり当選となり、リーチ図柄がリーチラインを通過して停止した場合であっても、図27(b4)に示すように、保留予告で第1変動用領域R1に当選画像が表示されている場合には、保留情報が大当たり当選であることを認識できる。
特に、リーチ表示では、スーパーリーチはノーマルリーチの発展系であって、ノーマルリーチからスーパーリーチに切り換わるタイミングが一義的に定められている。当該切り換わりタイミングは、中図柄列Z2のリーチ図柄がリーチラインから変動先側に1ラインずれて停止したタイミングである。この場合、図27(b4)に示すように、保留予告において第1変動用領域R1に当選画像が表示されていれば、遊技者はノーマルリーチからスーパーリーチに発展せずにそのままリーチが外れて今回の遊技回が終了して欲しいと期待する。また、スーパーリーチに発展した場合であっても、スーパーリーチは大当たり当選となる期待度が高いため、今回の遊技回で大当たり当選となることについても期待できる。ちなみに、このタイミングで遊技回が終了する(発展せずにノーマルリーチが終了する)場合、変動表示時間は「39.5sec」が選択されており、スーパーリーチに発展する場合には変動表示時間は「60sec」が選択されている。換言すれば、スーパーリーチに発展する場合には、当該タイミングで遊技回が終了する場合と比較して、「20.5sec」分長く遊技回が継続する。したがって、図26(b4)における保留用変動表示では、10回多くシフトが行われることになり、この場合、最終的に第1変動用領域R1には外れ画像が表示される。つまり、保留予告の対象となっている保留情報は外れ結果である。
一方、図27(b5)に示すように、上記切り換わりタイミングで、保留予告において第1変動用領域R1に外れ画像が表示されていれば、遊技者は当該リーチ表示がスーパーリーチに発展することを期待する。つまり、今回の遊技回が終了しないことを期待する。ちなみに、スーパーリーチに発展する場合には、上記の変動表示時間の相違により、図27(b5)における保留用変動表示では10回多くシフトが行われ、最終的に第1変動用領域R1には当選画像が表示される。つまり、保留予告の対象となっている保留情報はいずれかの大当たり結果である。
したがって、本実施形態の保留予告によれば、保留予告に対する注目度を高めるだけでなく、現在実行されている遊技回の進行状況についても注目度を高めることができる。
以上詳述した本実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
保留予告では、各変動用領域R1〜R3にいずれかの示唆画像を表示させ、保留予告の対象となる保留情報が当否判定されるタイミングで、第1変動用領域R1に表示されている示唆画像が当該当否判定の結果となるように保留用変動表示が行われる。そして、保留用変動表示のシフト周期を予め定められた周期とし、保留予告の開始タイミングから保留予告の対象となっている保留情報の消化タイミングまでの総残余時間を算出して、保留予告開始時に各変動用領域R1〜R3に表示させる示唆画像を決定する構成とした。これにより、保留予告が行われる場合、遊技回の進行状況から保留情報の遊技結果を予測するという、斬新な遊技を提供することができる。
保留用変動表示において示唆画像のシフトは、遊技者が示唆画像を視認可能な予め定められシフト周期で実行する構成とした。仮に、示唆画像がランダムな周期で行われる構成であったり、予め定められた周期であっても示唆画像を視認できないくらい短い周期であったりすると、遊技者が保留情報の遊技結果を予測しにくくなり、結果的に保留予告の注目度が低下しかねない。したがって、本構成のようにすることで、予測を容易なものとし、遊技者が積極的に保留情報の予測を行うことが期待できる。これにより、遊技への積極参加が促され、遊技者を遊技へ没頭させることが可能となる。
シフト周期を、各遊技回の変動表示時間よりも短い周期とした。これにより、遊技者が保留情報の遊技結果を予測する際は、特に保留予告の対象となっている保留情報の1つ前に実行される保留情報の変動表示時間との関係で遊技結果を予測することになり、それよりも前に実行される保留情報の変動表示時間は関係なくなる。したがって、保留情報の予測を行う際に肝となるポイントを集約することで、遊技者に本実施形態の遊技性を理解させやすくなる。
保留予告は、総残余時間がシフト周期よりも短い場合には実行しない構成とした。総残余時間がシフト周期よりも短い場合にも保留予告を実行する構成とすると、この場合に保留予告で表示される内容はそのまま保留予告の対象となる保留情報の遊技結果を示す内容となる。したがって、シフト周期と総残余時間との関係から保留情報の遊技結果を予測するという斬新な遊技において、予測せずとも結果が見たとおりとなってしまうような事象の発生を抑制することができる。
保留予告用の仮の変動表示時間と、消化時の保留記憶数Nに基づいて決定される変動表示時間の差を保留予告の周回周期の自然数倍となるように設定した。これにより、算出した総残余時間と実際の総残余時間が異なる場合であっても、保留予告開始時の表示を決定する際の不都合を回避することが可能となる。
各遊技回の変動表示の内容として、各図柄列Z1〜Z3で高速変動表示が行われ、順に上図柄列Z1が低速変動表示に切り換えられてから停止し、下図柄列Z3が低速変動表示に切り換えられてから停止し、上下の図柄列Z1,Z3でリーチラインが形成されていなければその後中図柄列Z2が低速変動表示に切り換えられてから停止する。この場合、各図柄列Z1〜Z3の低速変動表示に切り換えられてから停止するまでの期間が予め定められている。したがって、保留予告の表示内容とシフトタイミングとの関係から、保留予告の終了タイミングよりも前のタイミングで保留予告の最終的な表示内容を認識することが可能となる。これにより、保留予告に対する注目度だけでなく、保留予告が行われている最中に実行されている遊技回の進行状況に対しても注目度を高めることができる。
リーチ表示の内容として、ノーマルリーチとスーパーリーチとが設定されており、ノーマルリーチからスーパーリーチへ発展する場合の発展タイミングが予め定められている。したがって、当該発展タイミングにおいては、保留予告の表示内容とシフトタイミングとの関係から、遊技者にとって発展したほうが有利である場合と不利である場合とが生じ、今回の遊技回における注目度を高めることが可能となる。
上記のリーチ表示において、スーパーリーチはノーマルリーチよりも大当たり当選となる期待度が高く設定されている。したがって、保留予告との関係で不利な場合であっても、スーパーリーチに発展した場合には今回の遊技回で大当たり当選となることも期待できる。これにより、各遊技回の期待感を持続させ、遊技へ没頭させることができる。
<第2の実施形態>
本実施形態では、保留予告の内容が上記第1の実施形態と異なっている。以下、異なる内容について説明する。
先ず、本実施形態における保留予告の概要について、図28を参照して説明する。
図28(a)に示すように、本実施形態では、保留予告を行う場合、第1の実施形態における特別保留用画像Pbの代わりに特別保留用画像Peが表示される。なお、以下の説明では、本実施形態における特別保留用画像Peを第2特別保留用画像Peともいう。
第2特別保留用画像Peは、例えば側面に示唆画像が付された立方体を側方から見た画像である。そして、この立方体が各図柄列Z1〜Z3の変動表示が終了するたびに横方向に90度回転して正面を向く面が切り換わり、側面に付された示唆画像がシフトされる。そして、保留予告の対象となっている保留情報の遊技回を実行する場合には、遊技結果に対応する示唆画像にシフトされた状態の第2特別保留用画像Peが実行用表示領域Gbに表示される。したがって、保留予告の対象となっている遊技回が実行される場合には、今回の遊技回の遊技結果を実行用表示領域Gbの表示内容から認識することができる。ちなみに、上記遊技結果に対応する示唆画像にシフトされた状態とは、保留予告の対象となっている保留情報の遊技回の1つ前の変動表示が終了した際にシフトされた状態である。
ここで、図28(b)に示すように、各側面を第1面S1〜第4面S4とすると、各面S1〜S4に付される示唆画像は上記のように立方体が回転しても、当該付される示唆画像の位置関係は維持される。つまり、各示唆画像は各面S1〜S4に付された順序でシフトされ、4回シフトされることで1周することになる。また、上記のように画像をシフトする場合、図柄列Z1〜Z3の変動表示の終了時にシフトが開始され、次の変動表示の開始時に停止表示されるようになっている。
さらに、本実施形態の保留予告では、保留予告が開始される際に、各面S1〜S4に付された示唆画像を遊技者が視認できるように、上記立方体を低速周回させて表示する。その後、この示唆画像を遊技者が視認できない高速周回の表示に切り換えてから、第1面S1が正面を向くように停止表示させる。そして、上記のように変動表示が終了するたびに、第2面S2→第3面S3→第4面S4→第1面S1、…、と画像のシフトが行われる。
つまり保留予告が行われると、上記のように低速周回されることにより、遊技者は上記各面S1〜S4にいずれの示唆画像が付されているかを認識でき、示唆画像の並び順を認識することができる。一方で、その後高速周回された後に第1面S1に付された示唆画像が停止表示されるものの、遊技者は各面S1〜S4のいずれが停止表示されているかは付された示唆画像からしか認識できない。したがって、例えば複数の面に同じ画像が付されていた場合には、遊技者はいずれの面S1〜S4に対応する画像が停止表示されているかを認識できない。また、例えば第1面S1に付された画像が他の面S2〜S4には付されていなかった場合には、第1面S1に対応する画像が停止表示されていることを認識することができる。そして、その後に変動表示が終了するたびに示唆画像がシフトされることで、シフトされた示唆画像と、認識した示唆画像の並び順との関係から、現在表示されている面がいずれの面S1〜S4に対応する示唆画像であるかを認識することができる。
したがって本実施形態では、保留予告の開始時に認識する示唆画像の並び順と、保留予告の対象となっている遊技回の前に各図柄列Z1〜Z3の変動表示が終了する回数と、の関係から、保留予告の対象となっている保留情報の遊技結果を予測するという斬新な遊技となっている。
なお、以下の説明においては、保留予告の対象となっている遊技回の前に変動表示が終了する回数、すなわち各図柄列Z1〜Z3の変動表示が開始されてから停留表示(仮停止表示)されるまでを1セットとする単位表示が行われる回数を変動終了回数ともいう。また、変動表示の終了時に行う第2特別保留用画像Peの画像のシフトを終了時シフトともいう。さらに、上記各面S1〜S4が1周するのに要する終了時シフトの回数(4回)を周回回数ともいう。
<保留コマンドの設定処理>
次に、本実施形態における、保留コマンドの設定処理について、図29のフローチャートを参照して説明する。
先ずステップS1701では、ステップS801と同様に、いずれかの大当たり情報が判定結果記憶エリアに記憶されているか否かを判定する。大当たり情報が記憶されている場合、ステップS802及びステップS803と同様に、ステップS1702及びステップS1703にて大当たり対応保留コマンドの設定のための処理を実行する。但し、ステップS1702では、変動表示時間を把握せず、リーチ表示の種類を把握する。そのため、本実施形態における大当たり対応保留コマンドには、大当たり結果の種類の情報と、リーチ表示の種類の情報が含まれている。ステップS1703にて大当たり対応保留コマンドの設定処理を実行した後は、保留コマンドの設定処理を終了する。なお、ここで設定された大当たり対応コマンドが演出制御装置82へ送信される態様は既に説明したとおりである。また、上記ステップS1703にて設定した保留コマンドにリーチ表示の種類の情報が含まれる構成としたが、変動種別カウンタCSの情報を含む構成とし、演出制御装置82側で当該変動種別カウンタCSに基づいてリーチ表示の種類を把握する構成としてもよい。これは他の保留コマンドについても同様である。
ステップS1701にて大当たり情報が記憶されていない場合、ステップS804と同様に、ステップS1704にてリーチ表示が発生する保留情報か否かを判定する。リーチ表示が発生する保留情報である場合には、ステップS1705にて、リーチ表示の種類を把握する。続くステップS1706では、リーチ外れ対応保留コマンドを演出制御装置82への送信対象として設定し、保留コマンドの設定処理を終了する。ここで設定されたリーチ外れ対応保留コマンドは、当該保留情報に対応する遊技回にて発生するリーチ表示の種類の情報が含まれている。当該リーチ外れ対応保留コマンドは、通常処理(図8)におけるステップS301にて演出制御装置82に送信される。演出制御装置82は、受信したリーチ外れ対応保留コマンドに基づいて、メイン保留発光部45の発光制御を実行するとともに、表示制御装置212を制御して図柄表示装置41の保留表示領域Gaにて保留用画像を変更するための処理を実行する。
ステップS1704にてリーチ表示が発生しない場合、ステップS1707にて通常外れ対応保留コマンドを演出制御装置82への送信対象として設定して、保留コマンドの設定処理を終了する。当該通常外れ対応保留コマンドは、通常処理(図8)におけるステップS301にて演出制御装置82に送信される。演出制御装置82は、受信した通常外れ対応保留コマンドに基づいて、メイン保留発光部45の発光制御を実行するとともに、表示制御装置212を制御して図柄表示装置41の保留表示領域Gaにて保留用画像を変更するための処理を実行する。
<保留表示制御用コマンド対応処理>
次に、本実施形態における保留表示制御用コマンド対応処理について、図30のフローチャートを参照して説明する。
本実施形態における保留表示制御用コマンド対応処理では、上記ステップS901及びステップS902と同様に、ステップS1801にていずれかの保留コマンドを受信しているか否かを判定し、受信している場合には、続くステップS1802にて、副側保留記憶数SNの加算処理を実行する。ステップS1803では、リーチ表示が発生するか否かの情報と、リーチ表示が発生する場合にはその種類の情報とを保留用記憶エリア246に記憶する処理を実行する。
ここで、本実施形態における保留用記憶エリア246は、各保留コマンドに含まれるリーチ表示が発生するか否かの情報と、リーチ表示が発生する場合にはその種類の情報と、を記憶可能に構成されている。本実施形態では、変動表示時間の情報に代えて、これらリーチ表示に関する情報を、副側保留記憶数SNに対応する記憶エリアに各情報を記憶させる。なお、変動表示時間の情報に加えて、リーチ表示に関する情報を記憶させる構成としてもよい。この場合、第1の実施形態のように、各保留コマンドに変動表示時間の情報が含まれる構成とするとよい。
続くステップS1804では、今回受信した保留情報の遊技回において、連続演出を実行するか否かを決定する連続演出決定処理を実行する。本実施形態では、遊技回の変動表示のパターンの一種として、一の遊技回において複数回(2〜5回)の変動表示を繰り返す連続演出が設定されている。
連続演出について、図4を再度参照して説明する。
既に説明したとおり、遊技回が開始されると各図柄列Z1〜Z3における変動表示が開始され、上図柄列Z1→下図柄列Z3→中図柄列Z2の順で変動態様の切り換え及び変動表示の終了がなされる。
この場合、連続演出では、下図柄列Z3が停止する場合には、上図柄列Z1の図柄とリーチラインを形成しないようにして、すなわち下図柄列Z3において停止中の上図柄列Z1とともにリーチラインを形成し得る図柄が上図柄列Z1に対してずれた位置で停止する。その後、中図柄列Z2が停止して全ての図柄列が停止表示されると、表示画面Gの有効位置に特定の図柄組み合わせ(再始動図柄組み合わせ、又は、仮停止図柄組み合わせ)が形成された状態となる。特定の図柄組み合わせとしては、例えば、「3,4,1」の組み合わせが設定されている。
その後、一度停止した全ての図柄列が特定の効果音及びフラッシュ等のエフェクトを伴って再変動を開始する。つまり、あたかも1遊技回が終了したかのように見えて、実際は遊技回が継続されている状況下にて仮停止→再変動が行われる。なお、連続演出を実行中は、全ての図柄列が停止した状態でも、メイン表示部43については可変表示が継続され、遊技回が終了することなく継続している旨が明示されている。
このように、リーチ表示に移行しなかったり大当たり結果等に対応する図柄の組み合わせが停止しなかったりしても、当該遊技回が大当たりに当選している可能性を残すことで、停止した図柄組み合わせへの注目度が下図柄列Z3や中図柄列Z2が停止した際に一気に低下するといった不都合を生じにくくすることができる。
そして、連続演出では設定された最終回の変動表示においてリーチ表示を実行し、遊技結果に対応する停止表示を実行する。換言すると、連続演出は、図柄の変動表示と停留表示(仮停止表示)とを1セットとする単位表示が複数回行われる演出であり、最後のセットにてリーチ表示を行うとともに遊技結果に対応する停止表示が行われる演出である。
詳細には後述するが、本実施形態では、この連続演出の各停止表示でも終了時シフトが行われる。したがって、連続演出が発生した場合には、遊技回の回数よりも変動終了回数が多くなる。
保留表示制御用コマンド対応処理(図30)の説明に戻り、ステップS1804にて連続演出決定処理を実行した後は、ステップS1805にて保留表示決定処理を実行する。連続演出決定処理及び保留表示決定処理については、後で詳細に説明する。
ステップS1801にて否定判定した場合、又はステップS1805にて保留表示決定処理を実行した後は、ステップS1806に進む。ステップS1806ではシフト時コマンドを受信したか否かを判定する。ステップS1806にて肯定判定をした場合には、ステップS1807にて副側保留記憶数SNを1減算する。
続くステップS1808では、保留用記憶エリア246の第1記憶エリアに記憶された保留情報が上記連続演出を実行するものに対応するか否かを判定する。詳細は後述するが、ステップS1804にて実行される連続演出決定処理では、連続演出を実行する保留情報である場合に、保留用記憶エリア246の対応する記憶エリアに連続演出における連続回数を記憶させる処理を行う。ステップS1808では、第1記憶エリアに連続回数が記憶されているか否かを確認することで、連続演出を実行する保留情報であるかを判定することができる。連続演出を実行する保留情報である場合には、続くステップS1809にて、変動終了回数を保留個数だけでなく連続演出を加味した回数とする連続演出用調整処理を実行する。この調整処理では、積算用カウンタACから連続回数を減算する処理を実行する。
ステップS1808にて連続演出を実行しない保留情報である場合、又はステップS1809の処理を実行した後は、ステップS1810にてシフト処理を実行する。この処理では、上記ステップS908の処理と同様に、各記憶エリアのデータをシフトさせるとともに、副側保留記憶数SNの減少に対応させてメイン保留発光部45を制御する。
続くステップS1811では、上記ステップS909と同様に、シフト時コマンドを表示制御装置212へ送信する。当該シフト時コマンドを受信した表示制御装置212は、保留表示用エリア271に設定されている保留情報を下位エリアにシフトするとともに、各単位保留表示領域Ga1〜Ga4の保留用画像Pa,Peの表示を下位の領域にシフトさせるよう図柄表示装置41を制御する。
ステップS1806にて否定判定をした場合又はステップS1811の実行後は、本保留表示制御用コマンド対応処理を終了する。
<連続演出決定処理>
次に、ステップS1804にて実行される連続演出決定処理について、図31(a)のフローチャートを参照して説明する。
ステップS1901では、今回受信した保留コマンドが大当たり対応保留コマンドであるか否かを判定する。大当たり対応保留コマンドである場合、続くステップS1902にて、当該大当たり対応保留コマンドに対応する遊技回で実行されるリーチ表示が、いずれかのスーパーリーチA,Bであるかを判定する。いずれかのスーパーリーチA,Bが実行される場合には、続くステップS1903にて、大当たり用連続演出抽選処理を実行する。この処理では、RAM244の抽選用カウンタエリア248に設けられた連続演出抽選カウンタを取得して、ROM243に記憶されている大当たり用連続演出抽選テーブルに基づいて、連続演出を実行するか否かを決定する。大当たり用連続演出抽選処理における当選確率は任意であるが、本実施形態では50%としている。
続くステップS1904では、上記ステップS1903の処理結果に基づいて、連続演出を実行するか否かを判定する。連続演出を実行する場合には、続くステップS1905にて、大当たり用連続回数決定処理を実行する。この処理では、RAM244の抽選用カウンタエリア248に設けられた連続回数抽選カウンタを取得して、ROM243に記憶されている大当たり用連続回数テーブルに基づいて、連続演出における連続回数を決定する。
ここで、大当たり用連続回数テーブルについて、図31(b)を参照して説明する。
大当たり用連続回数テーブルでは、2回〜5回の連続回数のうち、5回を選択する確率が最も高く、2回を選択する確率が最も低くなるように設定されている。より具体的には、5回を選択する確率は50%であり、4回を選択する確率は30%であり、3回を選択する確率は15%であり2回を選択する確率は5%である。
例えば、5回が選択された場合には、連続演出において特定の図柄組み合わせが停止表示される変動表示が4回行われた後、リーチ表示となる変動表示が行われ遊技結果に対応する図柄の組み合わせが停止表示される。
ステップS1905の処理を実行した後は、ステップS1906にて、ステップS1905により決定した連続回数から1減算した数値を、積算用カウンタACに加算する処理を実行する。
続くステップS1907では、保留用記憶エリア246に記憶されているリーチ表示に関する情報に上記連続演出の情報を書き換える処理を実行する。詳細な説明は省略するが、本実施形態における変動開始用処理(図23)における演出パターンの設定処理(ステップS1404)では、保留用記憶エリア246の第1記憶エリアに連続演出が記憶されている場合には、連続演出用の演出パターンテーブルに基づいて演出パターンを特定する構成としている。これにより、各保留コマンドの受信時に決定した内容と、保留情報の消化時の内容と、を対応付けることができる。
ステップS1902にてノーマルリーチである場合、ステップS1904にて非当選である場合、又はステップS1907の処理を実行した後は、連続演出決定処理を終了する。
ステップS1901にて今回受信した保留コマンドが大当たり対応保留コマンドでない場合、ステップS1908に進む。ステップS1908では、今回受信した保留コマンドがリーチ外れ対応保留コマンドであるか否かを判定する。リーチ外れ対応保留コマンドである場合には、続くステップS1909にて、当該リーチ外れ保留コマンドに対応する遊技回で実行されるリーチ表示が、いずれかのスーパーリーチA,Bであるか否かを判定する。いずれかのスーパーリーチA,Bである場合には、ステップS1910に進む。
ステップS1910では、外れ用連続演出抽選処理を実行する。この抽選処理は、抽選テーブルをROM243に設けられた外れ用連続演出抽選テーブルとすること以外は、ステップS1903の処理と同様である。但し、外れ用連続演出抽選処理の当選確率は、大当たり用連続演出抽選処理の当選確率よりも低く、例えば20%である。
続くステップS1911では、ステップS1910の処理結果に基づいて、連続演出を実行するか否かを判定する。連続演出を実行する場合、続くステップS1912にて、外れ用連続回数決定処理を実行する。この処理は、回数テーブルをROM243に設けられた外れ用連続回数テーブルとすること以外は、ステップS1905の処理と同様である。
外れ用連続回数テーブルでは、図31(b)に示すように、2回を選択する確率が最も高く、5回を選択する確率が最も低くなるように設定されている。より具体的には、2回を選択する確率が50%であり3回を選択する確率が30%であり、4回を選択する確率は15%であり、5回を選択する確率は5%である。したがって、いずれかの大当たり結果の保留情報と比較して、外れ結果の保留情報では、連続回数が2回〜4回である確率が高く、5回である確率が低く設定されている。
続くステップS1913では、ステップS1906の処理と同様に、ステップS1912にて決定した連続回数から1減算した数値を、積算用カウンタACに加算する処理を実行し、ステップS1914にて、保留用記憶エリア246の対応する記憶エリアに連続演出に関する情報を記憶させる処理を実行する。
ステップS1908にて通常外れ対応保留コマンドである場合、ステップS1909にてノーマルリーチである場合、ステップS1911にて非当選である場合、又はステップS1914の処理を実行した後は、連続演出決定処理を終了する。
したがって、連続演出は、いずれかのスーパーリーチA,Bを実行する遊技回において所定の確率で実行される。既に説明したとおり、いずれかのスーパーリーチA,Bが実行される遊技回の変動表示時間は「60sec」であり、本実施形態において設定される最長の変動表示時間である。また、連続演出では、特定の図柄組み合わせが停止表示されて再変動を行うため、変動表示時間が比較的長くなり得る。そこで、上記のように最長の変動表示時間が設定されている遊技回において連続演出を実行することで、主制御装置81側で設定された変動表示時間を変更することなく、連続演出を実行することができる。
ちなみに連続演出では、特定の図柄組み合わせが停止表示される変動表示を「8sec」で実行するように設定されている。また、再変動開始までに「1sec」の待機時間が設定されている。つまり、2回の連続演出では残りの「51sec」でリーチ表示が行われる変動表示を実行し、3回の連続演出では残りの「42ec」でリーチ表示が行われる変動表示を実行し、4回の連続演出では残りの「33sec」でリーチ表示が行われる変動表示を実行し、5回の連続演出では残りの「25sec」でリーチ表示が行われる変動表示を実行する。したがって、いずれの回数であっても主制御装置81側で設定された変動表示時間を変更することがない。なお、これらのリーチ表示の演出内容としては、それぞれアニメーションのムービー演出が設定されており、連続演出が実行される遊技回では、表示制御装置212により図柄表示装置41が制御され、特定の図柄組み合わせが停止表示される変動表示が繰り返された後、上記ムービー演出が表示される。
また、大当たり当選である場合の連続回数は5回が選択される確率が高く、大当たり非当選である場合の連続回数は2回〜4回が選択される確率が高い。したがって、連続回数によって、遊技者は今回の遊技回の期待度を把握することができる。
なお、本実施形態では連続演出を実行後に必ずリーチ表示が行われる構成としているが、連続演出後にリーチ表示が行われずに単なる外れ変動となる所謂がせ演出も実行される構成としてもよい。この場合、主制御装置81側で設定された変動表示時間を変更することなく、当該がせ演出を実行するべく、例えば、ノーマルリーチに対応する遊技回を所定の確率で当該がせ演出に変更する構成とするとよい。
<保留表示決定処理>
次に、保留表示制御用コマンド対応処理(図30)のステップS1805にて実行される保留表示設定処理について、図32のフローチャートを参照して説明する。
本実施形態における保留表示決定処理では、上記ステップS1001と同様に、ステップS2001にて副側保留記憶数SNが「1」であるか否かを判定する。副側保留記憶数SNが「1」である場合には、続くステップS2002にて、保留予告を実行可能なタイミングであるか否かを判定する。既に説明したとおり本実施形態では、保留予告の開始時に第2特別保留用画像Peを低速周回させて遊技者に各面S1〜S4に付された示唆画像を認識させその後高速周回させる。ステップS2002では、この演出に必要な時間が保留情報の消化タイミングまでにあるか否かを判定する。ちなみに上記演出に必要な時間は、低速周回では、遊技者が各示唆画像の並び順を認識できる程度の時間であればよく、本実施形態では2secとなっている。また、高速周回では各面S1〜S4に付された示唆画像を認識できない程度の時間であればよく、本実施形態では0.5secとなっている。そこでステップS2003では、残余カウンタNCの数値を参照し、2.5secに相当する「5000」よりも大きいか否かを判定する。「5000」以下である場合には、ステップS2003にて、通常保留表示設定処理を実行し、保留表示決定処理を終了する。通常保留表示設定処理は、上記ステップS1003の処理と同様の処理である。
ステップS2001にて副側保留記憶数SNが「2」以上である場合、又はステップS2002にて保留予告を実行可能なタイミングである場合には、ステップS2004に進む。ステップS2004では、現在実行中の遊技回にて連続演出が行われているか否かを判定する。この処理では、RAM244に連続中フラグがセットされているか否かにより、連続演出が行われているかを確認できる。連続中フラグは、遊技回の開始に際して変動開始用処理(図23)の演出パターンの設定処理(ステップS1404)にてセットされる。連続演出が行われている場合には、ステップS2003にて通常保留表示設定処理を実行する。
連続演出が行われていない場合には、ステップS2005に進む。ステップS2005〜ステップS2015の処理は、大当たり用の保留予告設定処理(ステップS2012)及び外れ用の保留予告設定処理(ステップS2015)を除き上記ステップS1004〜ステップS1014の処理と同様であるため説明を省略する。
したがって、本実施形態では、保留予告を実行可能なタイミングでない場合、既に保留予告を実行中である場合、開閉実行モード中である場合、高確率モード中である場合、及び高頻度サポートモード中である場合に加え、各保留コマンド受信時に連続演出を実行中である場合にも保留予告が行われない(ステップS2004:YES)。これは、連続演出は大当たり当選の期待度が高い演出であることから、遊技者は各図柄列Z1〜Z3の変動表示に注目していると想定されるためである。この場合にも、保留予告を開始すると、保留予告の開始時に行う第2特別保留用画像Peの低速周回を見逃す恐れがあり、せっかく保留予告を行っても保留予告の対象となる遊技結果を推測しにくくなってしまう。そこで、各保留コマンド受信時に連続演出を実行している場合には、保留予告を行わない構成としている。
一方で、保留予告が開始されてからは、保留予告の対象となっている遊技回よりも前の遊技回では連続演出が発生し得る。これは、保留予告の開始タイミングは各作動口33,34への入賞タイミングであり不定期であるのに対して、保留予告における終了時シフトは変動表示の終了時であり上記開始タイミングと比較してある程度定期的であることによるものである。つまり、遊技者は保留予告における終了時シフトのタイミングを容易に把握可能であり、各図柄列Z1〜Z3の変動表示に注目している場合であっても保留予告の内容を把握する妨げにはならないからである。
次に、本実施形態における大当たり用の保留予告設定処理について図33のフローチャートを参照して説明する。
先ずステップS2101では、副側保留記憶数SNを把握して、演算用カウンタECに入力する処理を実行する。続くステップS2102では、現在、各図柄列Z1〜Z3の変動表示を実行中であるか否かを判定する。ちなみに変動表示を実行中である場合とは、各図柄列Z1〜Z3の変動表示を行っている場合であり、各図柄列Z1〜Z3が停止表示され次の遊技回が開始されるまでの待機期間を含まない。ステップS2102にて変動表示中である場合には、続くステップS2103にて演算用カウンタECに「1」加算する処理を実行する。ステップS2102にて停止表示中である場合、又はステップS2103の処理を実行した後は、ステップS2104にて、連続演出による変動表示の増加分を把握して、演算用カウンタECに加算する処理を実行する。具体的には、積算用カウンタACの数値を演算用カウンタECに加算する。これにより、演算用カウンタECは、変動終了回数に対応するものとなる。
ステップS2104の処理を実行した後は、ステップS2105及びステップS2106にて、変動終了回数を周回回数で除算した場合の残余回数を算出する処理を実行する。この処理は、第1の実施形態におけるステップS1103及びステップS1104の処理に対応するものである。具体的には、ステップS2105にて演算用カウンタECの数値情報が周回回数である「4」よりも小さいか否かを判定し、「4」以上である場合にはステップS2106にて演算用カウンタECから「4」を減算してステップS2105に戻る。演算用カウンタECが「4」よりも小さくなった場合にステップS2105で肯定判定し、ステップS2107に進む。
ステップS2107では、演算用カウンタECが「0」であるか否かを判定する。「0」である場合とは、保留予告の対象となっている遊技回の直前の終了時シフトでシフトさせる画像(保留予告の対象となっている保留情報に対応する示唆画像)が、保留予告における高速周回後に表示させる画像(保留予告の開始時に表示する示唆画像)に対応する。ステップS2107で肯定判定した場合、ステップS2108にて、第2面S2を停止領域として設定し、第1面S1、第3面S3、第4面S4を非停止領域として設定する。ちなみに、本実施形態におけるRAM244の停止領域記憶エリア249では、各面S1〜S4に対応させて4つエリアが設けられており、設定した停止領域に対応するエリアにフラグをセットすることで、MPU242はいずれの面S1〜S4が停止領域に相当するかを確認することができる。
ステップS2107にて演算用カウンタECが「0」ではない場合、ステップS2109にて、演算用カウンタECが「1」であるか否かを判定する。「1」である場合とは、保留予告の対象となっている遊技回の直前の終了時シフトでシフトさせる画像が、保留予告における高速周回後に表示させる画像の次にシフトされる画像に対応する。ステップS2109にて肯定判定した場合、ステップS2110にて、第4面S4を停止領域として設定し、第1面S1〜第3面S3を非停止領域として設定する。
ステップS2109にて演算用カウンタECが「1」ではない場合、ステップS2111にて、演算用カウンタECが「2」であるか否かを判定する。「2」である場合とは、保留予告の対象となっている遊技回の直前の終了時シフトでシフトさせる画像が、保留予告における高速周回後に表示させる画像の2回後にシフトされる画像に対応する。ステップS2111にて肯定判定した場合、ステップS2112にて、第3面S3を停止領域として設定し、第1面S1,第2面S2及び第4面S4を非停止領域として設定する。
ステップS2111にて演算用カウンタECが「2」ではない場合、演算用カウンタECが「3」であることを意味する。「3」である場合とは、保留予告の対象となっている遊技回の直前の終了時シフトでシフトさせる画像が、保留予告における高速周回後に表示させる画像の3回後にシフトされる画像に対応する。この場合、ステップS2113にて、第2面S2を停止領域として設定し、第1面S1,第3面S3及び第4面S4を非停止領域として設定する。
ステップS2108、ステップS2110、ステップS2112及びステップS2113のうちのいずれかの処理を実行した後は、ステップS2114に進む。ステップS2114〜ステップS2120の処理は、第1の実施形態におけるステップS1110〜ステップS1116の処理と概ね同様である。すなわち、ステップS2114にて大当たり種別を把握して、ステップS2115にて確変大当たり結果であるか否かを判定する。通常大当たり結果である場合には、ステップS2116にて停止領域に当選画像を設定し、非停止領域にいずれかの示唆画像を設定する。
また、ステップS2115にて確変大当たり結果である場合には、ステップS2117にて種別報知抽選処理を実行し、ステップS2118にて種別報知抽選に当選したか否かを判定し、非当選の場合にはステップS2116に進む。ステップS2118にて当選である場合には、ステップS2119にて停止領域に確変画像を設定し、非停止領域にいずれかの示唆画像を設定する。
ステップS2116又はステップS2119にて各非停止領域に設定する示唆画像は、上記第1の実施形態と同様に、抽選によりランダムに決定される。但し、本実施形態では非停止領域を3つ設定する関係上、非停止領域に設定するパターンは6パターンずつ存在する。本実施形態でも、各パターンは、いずれかの非停止領域に外れ画像が含まれるように設定されている。
ここで、ステップS2116にて非停止領域に設定するパターンについて詳細に、図34(a)及び図34(b)を参照して説明する。D1及びE1のパターンでは、いずれの領域にも外れ画像を設定する。D2及びE2のパターンでは、当選画像を1つの領域に設定し、外れ画像を2つの領域に設定する。D3及びE3のパターンでは、確変画像を1つの領域に設定し、外れ画像を2つの領域に設定する。D4及びE4のパターンでは、当選画像を2つの領域に設定し、外れ画像を1つの領域に設定する。D5及びE5のパターンでは、当選画像を1つの領域に設定し、外れ画像を1つの領域に設定し、確変画像を1つの領域に設定する。D6及びE6のパターンでは、確変画像を2つの領域に設定し、外れ画像を1つの領域に設定する。
各パターンにおいて3つの非停止領域へ示唆画像を設定する順番は抽選等によりランダムで決定される。また、ステップS2116及びステップS2119では、D1(E1)を選択する確率が最も高く、D6(E6)を選択する確率が最も低く設定されている。より具体的には、D1(E1)、D2(E2)、D3(E3)、D4(E4)、D5(E5)、D6(E6)の順で選択する確率が低くなるように設定されている。
大当たり用の保留予告設定処理(図33)の説明に戻り、ステップS2116又はステップS2119の処理を実行した後は、ステップS2120にて特別保留表示設定処理を実行し、大当たり用の保留予告設定処理を終了する。本実施形態における特別保留表示設定処理では、ステップS2116又はステップS2119にて設定した停止領域及び非停止領域の示唆画像の情報を把握するとともに、副側保留記憶数SNの情報を把握し、これら把握した情報を含む特別保留表示コマンドを表示制御装置212に送信する。表示制御装置212は、受信した特別保留表示コマンドに基づいて、副側保留記憶数SNと対応する各単位エリア272〜275へ保留表示情報を記憶させる。この場合、停止領域及び非停止領域が第2特別保留用画像Peにおけるいずれの面S1〜S4に対応するものであるかを対応する単位エリア272〜275に記憶するとともに、停止領域及び非停止領域に設定された示唆画像についても記憶する。また表示制御装置212は、当該記憶させた単位エリア272〜275に対応する単位保留表示領域Ga1〜Ga4にて保留予告を開始するように図柄表示装置41を制御する。この場合、保留用画像データ記憶エリア269から読み出した示唆画像を、停止領域及び非停止領域に対応する各面S1〜S4へ表示させて低速周回及び高速周回を行わせた後に、第1面S1を停止表示させて保留予告を開始する。また、特別保留表示設定処理では、副側保留記憶数SNの増加に対応させてメイン保留発光部45を制御する。
次に外れ用の保留予告設定処理について、図35のフローチャートを参照して説明する。本実施形態における外れ用の保留予告設定処理も、上記大当たり用の保留予告設定処理(図33)と処理構成が概ね同様であり、停止領域及び非停止領域に表示させる画像が異なっている。
具体的には、ステップS2101〜ステップS2113の処理と同様に、ステップS2201〜ステップS2213にて、変動終了回数を算出して当該変動終了回数に基づいて、停止領域及び非停止領域を設定した後、ステップS2214に進む。ステップS2214では、停止領域に表示させる画像として外れ画像を設定し、非停止領域に表示させる画像としていずれかの示唆画像を設定する。この場合、いずれの示唆画像を設定するかは抽選等によりランダムに決定される。但し、各各面S1〜S4のいずれもが外れ画像とならないように決定する。
ステップS2214で設定する示唆画像のパターンについて、図34(c)を参照して説明する。各示唆画像の組み合わせは、D1(E1)〜D6(E6)のパターンのいずれかと同じとなるように設定されている。具体的には、F1のパターンはD1のパターンと同じである。F2のパターンはE1のパターンと同じである。F3のパターンはD2のパターンと同じである。F4のパターンはD3及びE2のパターンと同じである。F5のパターンはE3のパターンと同じである。F6のパターンはD4のパターンと同じである。F7のパターンはD5及びE4のパターンと同じである。F8のパターンはD6及びE5のパターンと同じである。F9のパターンはE6のパターンと同じである。したがって、F1〜F9のパターンはいずれのパターンであっても、上記大当たり用の保留予告設定処理にて設定するパターンと画像の組み合わせが対応している。これにより、遊技者は保留予告の開始時には遊技結果を特定しにくい。
外れ用の保留予告設定処理(図35)の説明に戻り、ステップS2214の処理を実行した後は、ステップS2215に進み、特別保留表示設定処理を実行してから、外れ用の保留予告設定処理を終了する。ステップS2215の特別保留表示設定処理は、ステップS2120の処理と同様であるため説明を省略する。
<保留予告における終了時シフトを行うための処理>
次に、保留予告における終了時シフトを行うための処理について説明する。この処理は、変動表示制御処理(図22)にて実行される変動中用処理(ステップS1305)と、変動終了用処理(ステップS1306)にて行われる。既に説明したとおり、変動中用処理は各遊技回が開始されてから変動終了コマンドを主制御装置81から受信するまで実行される処理である。また、変動終了用処理は、主制御装置81からの変動終了コマンドを受信することに基づいて遊技回を終了させるために実行される処理である。ここでは先ず変動終了用処理について説明し、その後、変動中用処理について説明する。
変動終了用処理では、図36のフローチャートに示すように、先ずステップS2301にて、遊技回終了用処理を実行する。遊技回終了用処理は、上記ステップS1601の処理と同様である。
続くステップS2302では、保留予告を実行中であるか否かを判定し、実行中でない場合にはそのまま変動終了用処理を終了する。ここでいう保留予告を実行中ではない場合には、第2特別保留用画像Peを実行用表示領域Gbに表示している期間が含まれる。保留予告を実行中である場合には、ステップS2303にて保留用シフトコマンドを表示制御装置212に送信する。保留用シフトコマンドを受信した表示制御装置212は、図柄表示装置41を制御して、第2特別保留用画像Peにおける各面S1〜S4の示唆画像のシフトを実行する。具体的には、第1面S1が表示されている場合にはその画像を第2面S2にシフトさせ、第2面S2が表示されている場合にはその画像を第3面S3にシフトさせ、第3面S3が表示されている場合にはその画像を第4面S4にシフトさせ、第4面S4が表示されている場合にはその画像を第1面S1にシフトさせる。この場合、保留予告を実行している単位エリア272〜275から、シフト後の面S1〜S4に対応する示唆画像を把握するとともに、保留用画像データ記憶エリア269から画像データを読み出して、当該読み出した画像にシフトされるように図柄表示装置41を制御する。上記のように画像のシフトを行う場合、各図柄列Z1〜Z3が停留表示されてからシフトが開始され、次の変動表示の開始時に当該シフトが終了するように設定されている。したがって、遊技者は、シフト中はシフト前の画像とシフト後の画像とを同時に認識することができる。ステップS2303の処理を実行した後は、変動終了用処理を終了する。
次に、変動中用処理について、図37のフローチャートを参照して説明する。
先ずステップS2401では、遊技回中用処理を実行する。遊技回中用処理は、上記ステップS1501の処理と同様である。続くステップS2402では、連続演出に対応する遊技回であるか否かを判定する。連続演出に対応する遊技回ではない場合には、そのまま変動中用処理を終了する。
ステップS2401にて連続演出に対応する遊技回である場合には、ステップS2403にて、一回の連続演出における変動表示の終了タイミングであるか否かを判定する。具体的には、図柄表示装置41における変動表示において、中図柄列Z2が停止して有効ライン上に特定の図柄組み合わせが形成された状態で、全ての図柄列が停留表示するタイミングであるか否かを判定する。この処理では、残余カウンタNCの値を参照することで当該連続演出における変動表示の終了タイミングを把握することができる。
ステップS2403にて連続演出における変動終了タイミングでない場合、ステップS2404にて連続演出用処理を実行して、変動中用処理を終了する。連続演出用処理では、連続演出決定処理(図31)にて決定された連続回数に基づいて各図柄列Z1〜Z3の変動表示に対応させて表示発光部63及びスピーカ部64を制御するとともに、設定された最終回の変動表示におけるリーチ表示に対応させて表示発光部63及びスピーカ部64を制御する。
ステップS2403にて連続演出における変動終了タイミングである場合には、ステップS2405にて連続停止用処理を実行する。連続停止用処理では、各図柄列Z1〜Z3の変動表示の終了時の演出に対応させて表示発光部63及びスピーカ部64を制御する。また、再変動時の特定の効果音及びフラッシュ等の演出に対応させて表示発光部63及びスピーカ部64を制御する。
続くステップS2406では、保留予告を実行中であるか否かを判定する。保留予告を実行中である場合には、ステップS2407にて保留用シフトコマンドを表示制御装置212に送信する。保留用シフトコマンドを受信した表示制御装置212の処理は上記の通りである。
ステップS2406にて保留予告を実行中ではない場合、又はステップS2407の処理を実行した後は本変動中用処理を終了する。
<遊技回と保留予告との関係>
次に遊技回の変動表示と保留予告との関係について、図38及び図39を参照して説明する。図38(a)及び図39(a)は、各図柄列Z1〜Z3の変動表示と保留予告のシフトとの関係を示すタイミングチャートであり、図38(b)及び図39(b)は保留予告において画像がシフトされる様子を説明するための説明図である。
先ず、保留予告の対象となっている遊技回の前に実行される遊技回の回数が変動終了回数と同数である場合、すなわち連続演出が行われない場合について、図38を参照して説明する。ここでは例として、保留予告の対象となっている遊技結果が通常大当たり結果であり、第1面S1〜第3面S3に外れ画像が付され、第4面S4に当選画像が付されている(D1のパターン)とする。また、変動終了回数を3回とする。
t1のタイミングの保留予告の開始時には第2特別保留用画像Peが低速周回する。この場合、遊技者は、4つの面S1〜S4のうち1つの面に当選画像が付され、3つの面に外れ画像が付されていることを認識する。続いてt2のタイミングから第2特別保留用画像Peが高速周回する。その後t3のタイミングで、第1面S1のみを表示させて停止表示される。この場合、図38(b1)に示すように外れ画像が表示され、遊技者は、第1面S1〜第3面S3のいずれの面に対応する外れ画像であるかを特定することができない。
その後、t4のタイミングで遊技回の変動表示が終了すると第2特別保留用画像Peのシフトが開始され、t5のタイミングで第2面S2が表示される。この場合、図38(b2)に示すように外れ画像が表示されているので、遊技者は、t3のタイミングで表示された面が第1面S1又は第2面S2であったことを認識することができる。換言すれば、t5のタイミングで開始された遊技回の変動表示が終了すると、外れ画像(第3面S3)又は当選画像(第4面S4)にシフトされることを認識することができる。
t5のタイミングで開始された遊技回の変動表示がt6のタイミングで終了すると第2特別保留用画像Peのシフトが開始され、t7のタイミングで第3面S3が表示される。この場合、図38(b3)に示すように外れ画像が表示されているので、遊技者はt3のタイミングで表示された面が第1面S1であったことを認識することができる。換言すれば、t7のタイミングで開始された遊技回の変動表示が終了すると、当選画像(第4面S4)にシフトされることを認識することができる。したがって、遊技者は当該保留予告の対象となった保留情報がいずれかの大当たり結果であることを認識することができる。
t7のタイミングで開始された遊技回の変動表示がt8のタイミングで終了すると第2特別保留用画像Peのシフトが開始され、t9のタイミングで第4面S4が表示される。この場合、図38(b4)に示すように当選画像が表示された状態で実行用表示領域Gbに第2特別保留用画像Peが表示される。
ここで、上記のように画像のシフトは変動表示が終了する度に行われる。したがって上記の例によると、変動終了回数が3回である点と、保留予告の開始時に当選画像が1つ含まれるとともに外れ画像が3つ連続して含まれることを認識した点からすると、遊技者は、t3のタイミングで停止表示される画像が外れ画像であることを期待する。また、変動終了回数と認識した並び順との関係により、t5及びt7のタイミングで停止表示される画像も外れ画像であることを期待する。したがって、上記認識した並び順によっては、保留予告の対象となる遊技回が開始されるまで期待感を引き伸ばすことができる。
また、例えば、変動終了回数が3回であって、第1面S1のみに外れ画像が付され、他の面S2〜S4に当選画像付されている場合(D4のパターンの場合)、t3、t5及びt7のタイミングのうちのいずれかで外れ画像が停止表示された時点で、その後連続演出が行われなければ、遊技者は保留予告の対象となっている保留情報がいずれかの大当たり結果であることを認識することができる。
したがって、第2特別保留用画像Peにおける示唆画像の並び順と、変動終了回数との関係により、保留予告の遊技結果を認識させるタイミングを異ならせることが可能となる。これにより、保留予告の遊技結果を変動終了回数と保留予告の表示内容とから推測する、という斬新な遊技とすることができる。
ちなみに、保留予告の遊技結果がいずれかの大当たり結果である場合、遊技者としては、当該遊技結果を認識するタイミングが早ければ早いほど優越感に長く浸ることができ、当該タイミングが遅ければ遅いほど保留予告の内容を長く楽しむことが可能となる。一方で、保留予告の遊技結果が外れ結果である場合には、遊技者としては、当該遊技結果を認識するタイミングが早ければ早いほど、無駄な演出が繰り返されることによるむなしさを感じかねない。
そこで本実施形態では遊技回の演出として連続演出が設定されており、当該連続演出の変動終了時にも終了時シフトが行われる構成としている。遊技者は、上記のようにいずれかの大当たり結果であることを認識した場合には、連続演出が発生しないことを期待する。つまり、変動終了回数が変化しないことを期待する。これに対して、保留予告の遊技結果が外れ結果であると認識した場合には、遊技者は、連続演出が発生することを期待する。つまり、変動終了回数が変化して認識した遊技結果と異なる結果(大当たり結果)となることを期待する。
したがって、保留予告を行うことで、当該保留予告に対する注目度だけでなく、各遊技回の変動表示の内容への注目度も高めることが可能となる。
次に、保留予告の対象となっている遊技回の前に連続演出が行われる場合について、図39を参照して説明する。ここでは例として、保留予告の対象となっている遊技結果が通常大当たり結果であり、第1面S1に当選画像が付され、第2面S2〜第4面S4に外れ画像が付されている(D1のパターン)とする。また、保留予告の対象となっている保留情報よりも前に当否判定の対象となる保留情報は実行中の遊技回に係る保留情報を除き1とし、保留予告開始時に第1保留エリアRE1に保留されている保留情報の遊技回にて3回の連続演出が行われ、変動終了回数は5回とする。
t1のタイミングの保留予告の開始時には第2特別保留用画像Peが低速周回する。この場合、遊技者は、4つの面S1〜S4のうち1つの面に当選画像が付され、3つの面に外れ画像が付されていることを認識する。続いてt2のタイミングから第2特別保留用画像Peが高速周回する。その後t3のタイミングで、第1面S1のみを表示させて停止表示される。この場合、図39(b1)に示すように当選画像が表示され、遊技者は今回又は次の遊技回で連続演出が発生しなければ、保留予告の対象となっている保留情報は外れ結果であると遊技者は予想する。つまり、t3のタイミングで遊技者が予測した遊技結果は、遊技者にとって好ましくない情報である。
その後、t4のタイミングで遊技回の変動表示が終了すると第2特別保留用画像Peのシフトが開始され、t5のタイミングで第2面S2が表示される。この場合、図39(b2)に示すように外れ画像が表示される。また、t4のタイミングで終了した遊技回は連続演出が行われなかったため、第2特別保留用画像Peは第2単位保留表示領域Ga2から第1単位保留表示領域Ga1に移動される。
さらに、t5のタイミングで開始された遊技回の変動表示がt6のタイミングで一旦停止すると、第2特別保留用画像Peのシフトが開始され、t7のタイミングで図39(b3)に示すように第3面S3(外れ画像)が表示される。そしてこのt6のタイミングでの変動表示の終了は連続演出によるものであり、遊技回は終了せずに再度図柄の変動表示が開始される。そして、t7のタイミングで再開された図柄の変動表示は、t8のタイミングで一旦停止(2回目の変動終了)し、第2特別保留用画像Peのシフトが開始され、t9のタイミングで図39(b4)に示すように第4面S4(外れ画像)が表示される。さらにこのt8のタイミングでの変動表示の終了は連続演出によるものであり、遊技回は終了せずに再度図柄の変動表示が開始される。そして、t9のタイミングで再開された図柄の変動表示は、t10のタイミングで終了し、第2特別保留用画像Peのシフトが開始され、t11のタイミングで図39(b5)に示すように第1面S1(当選画像)が表示される。
ここで、t9のタイミングで再開された図柄の変動表示ではリーチ表示が行われる。すなわち今回の連続演出は、連続回数が3回である。既に説明したとおり、連続演出において連続回数が2回〜4回の場合には外れ結果である可能性が高く、連続回数が5回である場合には大当たり結果である可能性が高い。そのため、上記のようにt9のタイミングで再開された図柄の変動表示でリーチ表示が行われた場合には、遊技者は、今回の遊技回の遊技結果が外れ結果である可能性が高いと落胆し得る。一方で、保留予告の対象となっている保留情報は、上記のとおりt11のタイミングで当選画像が表示されていることから、いずれかの大当たり結果となる。すなわちこの例では、連続演出において連続回数が3回であれば保留予告の対象となっている保留情報がいずれかの大当たり結果であることになるため、遊技者は3回目の変動表示においてリーチ表示が行われること(連続回数が4回又は5回ではないこと)を期待する。つまり、連続演出の最後の変動表示にてリーチ表示を行う構成としているため、連続演出において変動表示の終了よりも前のタイミングであるリーチ表示が行われた時点又はリーチ表示が行われなかった時点で、遊技者は保留予告の対象となっている保留情報の遊技結果を確信することが可能となる。よって、保留予告自体及び保留予告の対象となっている遊技回、だけでなくそれよりも前に実行される遊技回への注目度を好適に高めることが可能となる。
図示による詳細な説明は省略するが、上記の例で、仮にt5のタイミングで開始された遊技回において5回の連続演出が実行されると、保留予告については当初予測していたとおりとなるが、当該連続演出が行われる遊技回については上記のとおり大当たり結果である期待度が高く、遊技者にとって好ましい結果となる。
このように、連続演出を用いることで、変動終了回数を保留数と異ならせることが可能となり、この変動終了回数を用いた保留予告について、遊技者が予測した遊技結果と異なる結果とすることが可能となる。
上記のように連続演出は、外れ結果である場合には2回〜4回が選択されやすく5回が選択されにくくなっている。一方で、いずれかの大当たり結果である場合には5回が選択されやすく2回〜4回が選択されにくくなっている。連続演出において2回〜4回が選択された場合には、保留予告では変動終了回数が1回〜3回増加することで、遊技者が最終停止すると認識した面とは異なる面が最終停止することになる。また、連続演出において5回が選択された場合には、保留予告では変動終了回数が4回増加するものの、当該増加する回数は周回回数に相当し、遊技者が最終停止すると認識した面と同じ面が最終停止されることになる。
つまり、保留予告が行われている状況において最終停止すると認識した面が変化して欲しいと期待する場合は、2回〜4回の連続演出が発生することを期待する。2回〜4回の連続演出が発生した場合には、今回の遊技回は外れ結果である可能性が高いものの、最終停止すると認識した面が変化することにより保留予告の対象となっている遊技回への期待感を高めることができる。これに対して、5回の連続演出が発生した場合は、最終停止すると認識した面は変化しないものの、今回の遊技回が大当たり結果である可能性が高く、今回の遊技回への期待感を高めることが可能となる。
また、変動終了回数が変化しないことを期待する場合は、各遊技回において連続演出が発生せず特定の図柄組み合わせが停止表示されないこと期待する。つまり、保留予告の遊技結果を認識した後のタイミングであっても、各遊技回の変動表示の注目度を低下させることがない。また、連続演出が発生した場合であっても、5回の連続演出であれば最終停止すると認識した面が変化せず、保留予告への期待感は低下しない。さらに5回の連続演出であれば、上記のように今回の遊技回への期待感も高めることが可能となる。2回〜4回の連続演出が発生した場合には、再度の連続演出の発生を期待することになる。連続演出の発生を期待する状況については上記の通りである。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果を奏することが可能となる。
遊技回における所定の演出として各図柄列Z1〜Z3の変動表示が終了される演出が行われる度に、保留予告における第2特別保留用画像Peをシフトさせる構成とした。そのため、保留予告の内容から保留予告の対象となっている保留情報の予測を行うために、遊技者は遊技回における変動表示に対して注目する。このようにすることで、保留予告への注目度を高めつつ、遊技回への注目度を好適に高めることが可能となる。
保留予告の開始時に第2特別保留用画像Peを低速周回させ、各図柄列Z1〜Z3の変動表示の終了時に終了時シフトを行い、保留予告の対象となっている遊技回では遊技結果に対応する示唆画像にシフトされた状態で表示させる構成とした。これにより、低速周回によって遊技者は示唆画像の並び順を認識し、当該認識した並び順と変動終了回数との関係から保留予告の遊技結果を推測する、という斬新な遊技を提供することが可能となる。
遊技回の演出としては連続演出が含まれており、当該連続演出における各変動表示の終了時にも終了時シフトを行う構成とした。これにより、各遊技回の演出内容によって変動終了回数が変化することになり、保留予告に対する注目度だけでなく、保留予告の対象となっている遊技回よりも前の遊技回に対する注目度を高めることが可能となる。
遊技回の演出として連続演出が実行されている場合には、保留予告を行わない構成とした。連続演出は大当たり当選の期待度が高い演出であり、遊技者は当該演出に注目していることが想定される。この場合に保留予告を行う構成とすると、保留予告の開始時の低速周回が見逃されてしまう恐れがある。そこで、本実施形態のようにすることで、上記保留予告の遊技結果を推測する遊技を好適に行わせることが可能となる。
一方で、保留予告を開始してからは連続演出が発生し得る構成とした。保留予告における示唆画像のシフトは変動表示の終了時であるため、遊技者としては当該シフトが行われるタイミングを把握しやすい。さらにその後も次の変動表示の終了時まで、第2特別保留用画像Peは停止表示されていることから、何の画像にシフトされたかを当該シフトされたタイミングに見逃した場合であっても後から確認することが可能である。そこで、本実施形態のようにすることで、上記のように連続演出を行うことの効果を奏することが可能となる。
<第3の実施形態>
本実施形態では、上記第2の実施形態において、上作動口33への遊技球の入賞と下作動口34への遊技球の入賞とが区別される。
先ず、本実施形態における保留球格納エリア232の構成について図40を参照して説明する。
本実施形態における保留球格納エリア232は、第1取得情報記憶手段として設けられた第1結果表示部用保留エリアRaと、第2取得情報記憶手段として設けられた第2結果表示部用保留エリアRbと、を備えている。第1結果表示部用保留エリアRaは、上作動口33への遊技球の入賞履歴に合わせて、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び変動種別カウンタCSの各値を時系列的に格納するための保留エリアである。なお、当該第1結果表示部用保留エリアRaに記憶された大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び変動種別カウンタCSの1組の組み合わせが、上作動口33に係る保留情報に相当し、当該保留情報が本実施形態における特別情報(第1特別情報)に相当する。
また第2結果表示部用保留エリアRbは、下作動口34への遊技球の入賞履歴に合わせて、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び変動種別カウンタCSの各値を時系列的に格納するための保留エリアである。なお、当該第2結果表示部用保留エリアRbに記憶された大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び変動種別カウンタCSの1組の組み合わせが、下作動口34に係る保留情報に相当し、当該保留情報が本実施形態における特別情報(第2特別情報)に相当する。
第1結果表示部用保留エリアRa及び第2結果表示部用保留エリアRbは、それぞれ第1エリア〜第4エリアの4つの記憶エリアと、保留数記憶領域とより構成されている。各記憶エリアは、大当たり乱数カウンタC1の値を格納するためのC1記憶領域と、大当たり種別カウンタC2の値を格納するためのC2記憶領域と、リーチ乱数カウンタC3の値を格納するためのC3記憶領域と、変動種別カウンタCSの値を格納するためのCS記憶領域とより構成されている。この第1エリア〜第4エリアの4つの記憶エリアにより、上作動口33又は下作動口34への遊技球の入賞履歴がそれぞれ最大4個まで保留記憶されるようになっている。
そして、本実施形態における作動口用の入賞処理(図7)では、上作動口33への入賞が発生した場合には、第1結果表示部用保留エリアRaの保留記憶数RaNが4未満であることを条件に、対応する記憶エリアへ大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び変動種別カウンタCSの各バッファ値を格納する。また、下作動口34への入賞が発生した場合には、第2結果表示部用保留エリアRbの保留記憶数RbNが4未満であることを条件に、対応する記憶エリアへ大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び変動種別カウンタCSの各バッファ値を格納する。
また、図による詳細な説明は省略するが、本変形例では、メイン保留発光部45が上作動口33用の発光部(第1保留発光部)と、下作動口34用の発光部(第2保留発光部)と、に区別されて設けられている。図柄表示装置41の表示画面Gにおける保留表示領域Gaも、上作動口33用の保留表示領域(第1保留表示領域)と、下作動口34用の保留表示領域(第2保留表示領域)と、に区別されて設定されている。各保留発光部は、各保留記憶数RaN,RbNの最大記憶数に対応させて4つずつ設けられ、各保留表示領域も最大記憶数に対応させて4つずつに区画されている。
そして、上記の作動口用の入賞処理で設定される各保留コマンドには、いずれの作動口33,34への入賞に基づく保留コマンドであるかの情報が含まれている。さらに、演出制御装置82側の保留用記憶エリア246も、上作動口33に対応する第1記憶エリア〜第4記憶エリアと、下作動口34に対応する第1記憶エリア〜第4記憶エリアとが設定されており、保留表示制御用コマンド対応処理(図30)では各保留コマンドを受信したことに基づいて、対応する記憶エリアへリーチ表示が発生するか否かの情報と、リーチ表示が発生する場合にはその種類の情報と、が記憶される。そして、当該保留コマンドを受信した演出制御装置82は、対応する保留発光部を、保留記憶数の増加に対応させて制御する。表示制御装置212の保留表示用エリア271も、上作動口33に対応する第1単位エリア〜第4単位エリアと、下作動口34に対応する第1単位エリア〜第4単位エリアとが設定されている。演出制御装置82は、表示制御装置212を制御して、対応する保留表示領域に保留用画像を表示させるための処理を実行する。
次に、本実施形態におけるデータ設定処理について図41のフローチャートを参照して説明する。既に説明したとおり、データ設定処理は遊技回制御処理(図9)において各遊技回の開始に際して実行される処理である。
本実施形態におけるデータ設定処理では、先ずステップS2501にて、第2結果表示部用保留エリアRbに保留記憶されている第2始動保留記憶数RbNが「0」か否かを判定する。第2始動保留記憶数RbNが「0」である場合にはステップS2502〜ステップS2507の第1結果表示部用のデータ設定処理を実行し、第2始動保留記憶数RbNが「0」でない場合にはステップS2508〜ステップS2513の第2結果表示部用のデータ設定処理を実行する。
ここで、データ設定処理が実行される場合とは、第1結果表示部用保留エリアRaの第1始動保留記憶数RaNと第2結果表示部用保留エリアRbの第2始動保留記憶数RbNの合計数である共通保留数CRNが1以上である場合である。この場合に、データ設定処理では、第2始動保留記憶数RbNが「0」であるか否かを判定し、「0」でない場合には、第1始動保留記憶数RaNが1以上であるか否かに関係なく、第2結果表示部用保留エリアRbに記憶されているデータを変動表示用として設定するようにした。これにより、第1結果表示部用保留エリアRa及び第2結果表示部用保留エリアRbの両方に保留情報が記憶されている場合には、下作動口34に対応した第2結果表示部用保留エリアRbに記憶されている保留情報が優先されることとなる。
第1結果表示部用のデータ設定処理では、先ずステップS2502にて、第1結果表示部用保留エリアRaの保留記憶数RaNを1減算する。続くステップS2503では共通保留数CRNを1減算する。その後、ステップS2504では、第1結果表示部用保留エリアRaの第1エリアに格納されたデータを実行エリアAEに移動する。
その後、ステップS2505にて第1結果表示部用保留エリアRaの記憶エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1エリア〜第4エリアに格納されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理であって、第1エリアのデータをクリアするとともに、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。
続くステップS2506では、シフト時コマンドを設定する。この場合、ROM203のコマンド情報記憶エリア223から、今回のデータのシフトの対象となった保留エリアが、第1結果表示部用保留エリアRaに対応していることの情報、すなわち上作動口33に対応していることの情報を含むシフト時コマンドを選定し、その選定したシフト時コマンドを演出制御装置82への送信対象のコマンドとして設定する。その後、本データ設定処理を終了する。
ステップS2507にて設定されたシフト時コマンドは、通常処理(図8)におけるステップS301にて、演出制御装置82に送信される。演出制御装置82では、受信したシフト時コマンドに基づいて、第1保留発光部における表示を保留個数の減少に対応させて変更するための処理を実行する。さらに演出制御装置82は、表示制御装置212を制御して、対応する保留表示領域の保留用画像を変更させるための処理を実行する。
第2結果表示部用のデータ設定処理では、先ずステップS2507にて、第2結果表示部用保留エリアRbの第2始動保留記憶数RbNを1減算する。続くステップS2508では共通保留数CRNを1減算する。その後、ステップS2509では、第2結果表示部用保留エリアRbの第1エリアに格納されたデータを実行エリアAEに移動する。
その後、ステップS2510にて第2結果表示部用保留エリアRbの記憶エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1エリア〜第4エリアに格納されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理であって、第1エリアのデータをクリアするとともに、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。
続くステップS2511では、シフト時コマンドを設定する。この場合、ROM203のコマンド情報記憶エリア223から、今回のデータのシフトの対象となった保留エリアが第2結果表示部用保留エリアRbに対応していることの情報、すなわち下作動口34に対応していることの情報を含むシフト時コマンドを選定し、その選定したシフト時コマンドを演出制御装置82への送信対象のコマンドとして設定する。その後、本データ設定処理を終了する。
ステップS2511にて設定されたシフト時コマンドは、通常処理(図8)におけるステップS301にて、演出制御装置82に送信される。演出制御装置82では、受信したシフト時コマンドに基づいて、第2保留ランプ部における表示を、保留個数の減少に対応させて変更するための処理を実行する。さらに演出制御装置82は、表示制御装置212を制御して、対応する保留表示領域の保留用画像を変更させるための処理を実行する。
したがって、本実施形態では、上作動口33への入賞に基づく保留情報が記憶されている場合であっても、当該保留情報が当否判定の対象となる前のタイミングで下作動口34への入賞が発生した場合には、下作動口34への入賞に基づく保留情報が先に当否判定の対象となる構成となる。そして、例えば上作動口33への入賞に基づく保留情報について保留予告を実行している場合に、下作動口34への入賞が発生すると、変動終了回数が変化し、実行中の保留予告に矛盾が生じる可能性がある。
そこで、本実施形態では、主制御装置81側の変動表示時間の設定処理(ステップS608)にて実行される変動表示時間の設定処理と、演出制御装置82側の連続演出決定処理(ステップS1804)と、にて、上記生じ得る矛盾を回避するための処理が行われる。
先ず、本実施形態における変動表示時間の設定処理について、図42のフローチャートを参照して説明する。
本実施形態の変動表示時間の設定処理では、先ず、ステップS2601にて、実行エリアAEに格納されている変動種別カウンタCS及びリーチ乱数カウンタC3の値を把握する。続くステップS2602では、今回の遊技回が上作動口33への入賞に対応するものであるか否かを判定する。ステップS2602にて肯定判定した場合、続くステップS2603にて、リーチ表示が発生するか否かを判定する。具体的には、いずれかの大当たり結果である場合にはリーチ表示が発生すると判定する。また、遊技結果が外れ結果であってもリーチ乱数カウンタC3の値がリーチ発生に対応した値である場合には、リーチ表示の発生として、ステップS2603にて肯定判定をする。
ステップS2603にて肯定判定した場合には、ステップS2604にて、リーチ発生用変動表示時間テーブル(図15(a))を取得して変動表示時間を決定する。また、ステップS2603にて否定判定した場合には、ステップS2605にて、リーチ非発生用変動表示時間テーブル(図15(b))を取得するとともに、上作動口33の保留記憶数RaNを把握して変動表示時間を決定する。ステップS2604及びステップS2605の処理にて決定される変動表示時間は、既に説明したとおりである。
ステップS2602にて下作動口34への入賞に対応するものである場合には、ステップS2606に進む。ステップS2606では、サポートモードが高頻度サポートモードであるか否かを判定する。高頻度サポートモードである場合には、続くステップS2607にて、リーチ表示が発生するか否かを判定する。この処理は、上記ステップS2603の処理と同様である。リーチ表示が発生する場合には、ステップS2604にてリーチ発生用変動表示時間テーブルを参照して変動表示時間が決定される。リーチ表示が発生しない場合には、ステップS2608にて変動表示時間を3secとして決定する。ステップS2606にて低頻度サポートモードである場合にはステップS2609にて変動表示時間を60secとして設定する。
ステップS2604、ステップS2605、ステップS2608及びステップS2609のうちのいずれかの処理を実行した後は、ステップS2610に進み、上記各処理に基づいてRAM204の各種カウンタエリア233に設けられた変動時間カウンタに変動表示時間を設定し、変動表示時間の設定処理を終了する。変動時間カウンタは、遊技回の変動表示の終了タイミングを把握するためのカウンタであり所定期間ごとに減算される。
したがって、本実施形態では、下作動口34への入賞に基づく変動表示時間は、高頻度サポートモード時はリーチ表示の発生の有無により相違し、低頻度サポートモード時には、リーチ表示が発生するか否かに係らず、60secに設定される。低頻度サポートモード時に設定される変動表示時間は、上記スーパーリーチを実行する遊技回の変動表示時間と同じ時間に設定されている。
次に、本実施形態における連続演出決定処理について、図43のフローチャートを参照して説明する。
先ず、ステップS2701では、サポートモードが低頻度サポートモードであるか否かを判定する。低頻度サポートモードである場合には、ステップS2702にて、受信した保留コマンドが、下作動口34への入賞に基づくものであるか否かを判定する。下作動口34への入賞に基づくものである場合、続くステップS2703にて、今回受信した保留コマンドの遊技結果に係らず、遊技回において実行する演出を4回の連続演出として設定し、保留用記憶エリア246の対応する記憶エリアに記憶させる処理を実行する。この場合、上記第2の実施形態のように、遊技結果(ステップS1901)や、連続演出を実行するか否かの抽選処理(ステップS1903、ステップS1910)や、連続回数を決定する処理(ステップS1905、ステップS1912)を経ずに、一律で4回の連続演出として変更する。これにより、仮に保留予告が実行されている場合に、保留予告における変動終了回数が周回回数と同数の4回増加することになり、既に決定された順序で第2特別保留用画像Peのシフトを行っている順序を変更せずに、上記矛盾を解消することが可能となる。また、保留予告が実行されていない場合であっても連続演出とすることで、主制御装置81側で設定された情報を変更せずに、演出制御装置82側で保留予告及び連続演出を設定することが可能となる。
ステップS2701又はステップS2702にて否定判定した場合、ステップS2704に進む。ステップS2704〜ステップS2717の処理は、上記ステップS1901〜ステップS1914の処理と同様であるため説明を省略する。
本実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
保留予告を実行中に当該保留予告の対象となっている保留情報よりも先に当否判定の対象となる保留情報が記憶された場合であっても、すなわち変動終了回数が変化する場合であっても、当該先に当否判定の対象となる保留情報の遊技回で連続演出を発生させることで、保留予告の内容に矛盾が生じず、好適に保留予告を実行することができる。
保留予告は、サポートモードが低頻度サポートモードである場合に、所定条件のもと実行される。つまり、上記の変動終了回数が変化する場合とは、低頻度サポートモード時に下作動口34への入賞が発生した場合である。そこで、低頻度サポートモード時に下作動口34への入賞が発生した場合には、主制御装置81側では連続演出が可能な変動表示時間を設定する構成としている。これにより、主制御装置81側で決定された変動表示時間を変更することなく、演出制御装置82側で連続演出を設定することが可能となる。
特に、第2の実施形態で説明したように、保留予告が行われると、遊技者は終了時シフトによりシフトされる画像へ注目している。したがって、上記のように積極的に連続演出を行う構成とすることで、終了時シフトの回数が増え、遊技者が注目する回数を増やすことができる。
さらに連続演出を実行可能な変動表示時間は、他の遊技回の変動表示時間よりも長いことから、遊技者の注目度が高まる期間を長くすることも可能となる。
一方で、連続演出は本来、大当たり当選の高い演出であるため、上記のように積極的に連続演出を発生させる構成とすると、その分、連続演出が行われることへの期待感が薄れかねない。一方、下作動口34への入賞に基づいて連続演出を発生させる場合とは、低頻度サポートモード時に下作動口34への入賞が発生した場合である。低頻度サポートモード時は高頻度サポートモード時よりも下作動口34への入賞が発生しにくいことから、上記のように積極的に連続演出を発生させる構成としつつも、連続演出に対する期待感の減少を抑制することが可能となる。また、低頻度サポートモード時に下作動口34への入賞が発生しにくい構成であることから、仮に入賞が発生した場合には、遊技者は何らかの特別な事象が発生すると期待するものと考えられる。そこで、低頻度サポートモード時に下作動口34への入賞が発生した場合に連続演出を発生させる構成とすることで、遊技者の期待に沿うことにも繋がり、これらの演出を好適に実施することができる。
<他の実施の形態>
なお、上述した各実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。ちなみに、以下の各構成を個別に上記各実施形態に対して適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて上記各実施形態に対して適用してもよい。
(1)上記第1の実施形態において、シフト周期は2secに限定されず、2secよりも短くてもよく、2secよりも長くてもよい。2secよりも短いものにする場合、保留予告の内容から遊技者に遊技結果を推測させるという観点からすると、少なくとも保留用変動表示において、各変動用領域R1〜R3に示唆画像が停止表示されている期間を認識できる程度の長さとするとよい。ただし、停止表示されている期間が認識できない程度のシフト周期とする場合であっても、例えば以下の構成とすることで、遊技結果を推測可能である。すなわち、特別保留用画像Pbの変動用領域R1〜R3の区分数をより細分化し、停止領域及び非停止領域を連続する複数区分に亘って設定する。これにより、各変動用領域を高速で示唆画像がシフトされても、実質的には非連続となる区分間でシフトされる際に対象となる示唆画像が切り換わることになり、シフト周期が短い場合であっても、連続する複数区分に亘って示唆画像がシフトされている状況から保留予告の内容から遊技結果を推測することが可能となる。
また、2secよりも長いものにする場合、例えば、各遊技回の変動表示時間よりも長く設定してもよい。この場合、保留予告の対象となっている保留情報の推測の際に、1つ前の遊技回の変動表示時間だけでなく、複数回前の遊技回の変動表示時間も関係してくるため、これら複数回前の遊技回の進行状況についても注目度を高めることができる。例えば、保留予告の表示内容から、複数回の遊技回に亘ってリーチ表示が発生しなければ保留予告の対象となっている保留情報が大当たり当選となる場合や、一方の遊技回でリーチ表示が発生しても他方でリーチ表示が発生しなければ大当たり当選となる場合や、各遊技回でのリーチ表示の種類によって大当たり当選となる場合など、推測における枝を増やすことができる。但し、シフト周期を長くすると、保留予告において示唆画像をシフトさせる回数が減るため、推測する面白味が低減してしまう可能性がある。
そこでこの場合、例えば、総残余時間が予め定められた時間よりも長い場合にのみ保留予告を実行する構成としてもよい。例えば、保留表示決定処理(図18)において、ステップS1001及びステップS1002の処理に代え、副側保留記憶数SNが「4」であるか否かを判定する処理を導入する。副側保留記憶数SNが「4」でない場合には、ステップS1003にて通常保留表示設定処理を実行し、副側保留記憶数SNが「4」である場合に、ステップS1004以降の処理を実行する。遊技者はできるだけ保留予告を見たいと考えるであろうから、本構成とすることで、保留記憶数N(副側保留記憶数SN)が上限個数である場合にのみ保留予告が行われることにより、保留記憶数Nを上限個数とするように、連続的に遊技球を発射させることが期待でき、所謂止め打ち等を抑制できる、という新たな効果を生じさせることが可能である。
また、総残余時間が予め定められた時間よりも長い場合にのみ保留予告を実行する構成として、保留予告の対象となっている保留情報よりも先に消化される保留情報のうちに、リーチ表示が発生する遊技回に対応するものが含まれる場合に保留予告を実行する構成としてもよい。この場合、保留予告が行われている場合には、それよりも先に消化される遊技回で必ずリーチ表示が発生するため、保留予告を行うことで当該保留予告の対象となっている保留情報以外の保留情報についても大当たり当選となる期待感を持たせることが可能となる。
(2)上記第1の実施形態においてはシフト周期を2secとしたが、算出された総残余時間によってシフト周期が変化する構成としてもよい。例えば、総残余時間が短くなればなるほどシフト周期が長くなる構成としてもよく、総残余時間が短くなればなるほどシフト周期が短くなる構成としてもよい。前者の場合、保留予告の対象となっている保留情報の予測を容易なものとすることができ、後者の場合、当該予測をしにくくすることができる。
また、シフト周期を予め複数設定しておき、抽選等により複数のうちの一のシフト周期が決定される構成としてもよい。この場合、シフト周期の長さを予め複数設定しておき、大当たり結果である場合のシフト周期は長い周期が選択されやすく、外れ結果である場合のシフト周期は短い周期が選択されやすい構成としてもよく、遊技結果と選択する周期との関係が上記のものと逆となる構成としてもよい。
いずれの場合であっても、シフト周期と示唆画像との兼ね合いから遊技者が遊技結果を予測するという遊技の意義を担保する、という観点から、一旦開始された保留予告においてはシフト周期が変更されない構成とすることが好ましい。
但し、シフト周期が変更されたとしても、その変更が遊技者の予測可能な範囲であれば遊技結果を予測する際の材料となる。遊技者の予測可能な範囲におけるシフト周期の変更としては、例えば、シフト周期が徐々に短くなったり又は長くなったりする構成や、1〜2回目のシフト周期と3回目のシフト周期とが異なるなど定期的にシフト周期が変更される構成が考えられる。
(3)上記第1の実施形態において、保留変動表示はシフト周期に基づいて示唆画像をシフトする構成としたが、所定の示唆画像が所定の変動用領域R1〜R3に表示されている場合にシフト周期が長くなる又は短くなる構成としてもよい。この場合例えば、当選画像又は確変画像が第1変動用領域R1に表示されている場合にシフト周期を長くする構成や、外れ画像が第1変動用領域R1に表示されている場合にシフト周期が短くなる構成とすると、保留予告の対象となっている保留情報の遊技結果が大当たり当選であることの期待感を高めることが可能となる。
(3)上記第1の実施形態において、特別保留用画像Pbの変動用領域R1〜R3の区分数は上記の3つに限定されず、2つであってもよく、4つ以上に区分されていてもよい。
(4)上記第1の実施形態では、総残余時間がシフト周期よりも短い場合には保留予告を実行しない構成としたが、これに代えて、周回周期よりも短い場合には保留予告を実行しない構成としてもよい。この場合、保留用変動表示は少なくとも1周するため、予測する期間を長くすることができる。
(5)上記第1の実施形態においても、第3の実施形態のように上作動口33への入賞に係る保留情報と下作動口34への入賞に係る保留情報とが区別して記憶されるとともに、下作動口34への入賞に係る保留情報が優先して消化される構成を適用してもよい。
この場合、保留予告の対象となっている保留情報の取得タイミングと当該保留情報が当否判定の対象となるタイミングとの間に、上記優先して消化される保留情報が記憶された場合には、保留情報の取得タイミングで算出した総残余時間と実際の総残余時間との間に差異が生じる。したがって、総残余時間を周回周期で除算した場合の剰余時間の算出結果に差異が生じないように、例えば、各遊技回の変動表示時間を周回周期の自然数倍となるように設定するとよい。
(6)上記第1の実施形態において、第2,第3の実施形態の第2特別保留用画像Peを採用してもよく、上記第2,第3の実施形態において、第1の実施形態の特別保留用画像Pbを採用してもよい。第1の実施形態に第2特別保留用画像Peを採用する場合であっても、予め定められたシフト周期ごとに示唆画像のシフトを行うことで、遊技回の進行状況との関係で遊技結果を予測させることが可能である。また、第2,第3の実施形態に特別保留用画像Pbを採用する場合であっても、連続演出が設定されていることから保留記憶数Nと変動終了回数とが相違するため、遊技結果がすぐに特定されてしまうことが抑制できる。
(7)上記第1の実施形態において、保留予告の対象となっている保留情報の直前の保留情報に係る遊技回が終了する際に保留用変動表示が終了する構成としたが、保留予告の対象となっている保留情報よりも前に当否判定の対象となる保留情報に係る遊技回であれば直前のものに限られない。例えば、特別保留用画像Pbが、当初Ga3にて表示されるとともに動きを開始した場合に次のGa2で動きを停止する構成であってもよい。また、保留用変動表示が終了する遊技回を抽選等によって決定する構成としてもよい。この場合、保留予告の開始に際して実行中の遊技回を含め、保留予告の対象となっている保留情報に係る遊技回よりも前に実行される遊技回のいずれかを選択する選択手段を備え、保留予告開始時から当該選択手段により選択された遊技回の終了タイミングまでの総残余時間を算出して、当該総残余時間に基づいて保留予告開始時の示唆画像を決定する構成とするとよい。このようにすることで、保留予告の演出を多様化することができる。
またこの場合、リーチ表示が発生するか否か、リーチ表示がスーパーリーチへ移行するか否か、といった演出の発展ポイントが含まれるような遊技回が選択されやすい構成としてもよい。リーチ表示が発生するか否か等の発展ポイントでは、そのまま遊技回が終了するか、それとも、それよりも大当たり結果となる期待度が高い演出に発展するか、について高い関心が寄せられる。そのため、このような演出が行われる遊技回において保留用変動表示が終了する構成とすることで、遊技回と保留予告との関連性をより高めることができ、両者の注目度を好適に高めることが可能となる。
さらにこの場合、選択された遊技回(保留用変動表示が終了する遊技回)において、背景画像を変更するなどして、当該選択されたことを遊技者が把握可能なようにするとよい。
なお、複数の保留情報に上記のような発展ポイントが含まれる場合、保留予告の対象となっている保留情報に近い保留情報を選択する構成とするとよい。このようにすることで、保留予告をより長く楽しませることが可能となる。
さらに、保留用変動表示の終了タイミングは、一遊技回の終了タイミングに限定されず、他のタイミングであってもよい。例えば、いずれかの図柄列が停止するタイミングであったり、終了よりも所定秒前のタイミングであったり、終了から所定秒後のタイミングであってもよい。これらの場合であっても、遊技回の進行状況との関係で、保留用変動表示の終了を望んだり継続を望んだり、といった楽しみを提供することができる。この場合、そのタイミングを、そのタイミングよりも以前から遊技者が遊技回の進行状況によって把握可能であると、保留用変動表示が終了するよりも前のタイミングからそれを予測することができ、より好ましい。この終了タイミングとしては、少なくとも保留予告の対象となっている遊技回が終了するよりも前のタイミングであればよい。
(8)上記第1の実施形態において、総残余時間を周回周期で除算した剰余に基づいて保留予告開始時の示唆画像を決定する構成としたが、開始時の示唆画像を決定するための処理はこれに限定されない。例えば、総残余時間をシフト周期で除算してシフト回数を把握したうえで、保留予告開始時の示唆画像を決定する構成としてもよい。
(9)上記第1の実施形態において、保留予告を行うために保留情報の変動表示時間を先に特定し、当該先に特定した変動表示時間がその保留情報が当否判定の対象となる時点での変動表示時間と異なる構成とし、先に特定する変動表示時間と実際の変動表示時間との差が周回周期の自然数倍となるように、これらの変動表示時間を予め設定したが、少なくともこれら変動表示時間の差の関係が保たれていればよい。例えば、先に特定する変動表示時間を任意の時間として抽選等により設定し、その保留情報の実際の変動表示時間はその設定された変動表示時間と周回周期の自然数倍の差になるように設定してもよい。また、例えば、先に特定する変動表示時間を上記第1の実施形態と同様に一律の時間として設定し、その保留情報の実際の変動表示時間はその設定された変動表示時間と周回周期の自然数倍の差になるように抽選等により設定してもよい。
(10)上記第2、第3の実施形態において、連続演出における連続回数は2〜5回に限定されず、6回以上であってもよく、4回以下であってもよく、2回、3回、4回及び5回のうちのいずれかが設定されていなくてもよく、2回、3回、4回及び5回のうちのいずれかのみが設定されていてもよい。但し、連続回数により第2特別保留用画像Peの表示される面を変化させないという観点からすると、周回回数の自然数倍の連続回数が含まれることが望ましく、連続回数により第2特別保留用画像Peの表示される面を変化させるという観点からすると、周回回数の自然数倍とは異なる回数が含まれることが望ましい。
(11)上記第2、第3の実施形態において、連続演出が行われる保留情報については、その保留情報が当否判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて別途報知を行う構成としてもよい。このようにすることで、連続演出が行われることが事前にわかり、保留予告の予測の枝を増やすことが可能となり、遊技の多様化に寄与することができる。
(12)上記第2、第3の実施形態において、第2特別保留用画像Peのシフトについて立方体を横方向に90度回転させるように表示することで示唆画像が切り換わる構成としたが、当該切り換えの態様はこれに限定されない。例えば、縦方向に回転させて切り換わる構成であってもよく、変動表示の終了時に瞬時に画像が切り換わる構成としてもよい。
(13)上記第2、第3の実施形態において、第2特別保留用画像Peを立方体の各面に示唆画像を付す構成としたが、上記のものに限定されない。要は、保留予告の開始時に遊技者が示唆画像の並び順を認識でき、当該並び順がシフト時に変化しない構成であればよい。
(14)上記第2、第3の実施形態において、連続演出の各停留表示では特定の図柄組み合わせが停止する構成としたが、これに限定されず、各停留表示にて異なる図柄組み合わせが停止する構成としてもよい。少なくとも、図柄の変動表示と停留表示とを1セットとする単位表示が複数回行われる演出であればよい。
(15)上記第2、第3の実施形態において、連続演出の各単位表示において示唆画像のシフトを行う構成としたが、所定の単位表示ではシフトを行わない構成としてもよい。例えば、連続演出における最終の単位表示、すなわちリーチ表示ではシフトを行わない構成や、連続演出は継続するものの特定の図柄組み合わせが停止しない場合にはシフトを行わない構成としてもよい。このようにすることで、単純に変動終了時にシフトされるのではなく、シフトされたりされなかったりする事象が生じ、保留情報の予測をより複雑化することができる。
(16)上記第2、第3の実施形態において、変動表示の終了時に示唆画像をシフトする構成としたが、当該シフトタイミングはこれに限定されない。例えば、変動表示の開始時であってもよく、変動表示が開始されてから所定期間が経過したタイミングであってもよい。但し、遊技者にシフトタイミングを明確に認識させるためには、各図柄列Z1〜Z3が変動していないタイミングであることが望ましい。
(17)上記第2、第3の実施形態において、変動表示が終了するたびに示唆画像をシフトする構成としたが、所定の演出が発生した場合に示唆画像をシフトする構成としてもよい。例えば、リーチ表示が発生した場合にシフトする構成としてもよく、ノーマルリーチが発生した場合にシフトする構成としてもよく、いずれかのスーパーリーチA,Bが発生した場合にシフトする構成としてもよく、予告表示が発生した場合にシフトする構成としてもよい。これらの場合、各遊技回の演出内容によって、シフトされるか否かが変化するため、保留予告を実行している期間における各遊技回への注目度をより高めることが可能となる。この場合、保留予告設定処理(図33、図35)では、変動終了回数を把握するのではなく上記所定の演出の発生回数を把握して、保留予告開始時の示唆画像を決定するとよい。
(18)上記第3の実施形態において、上作動口33への入賞に対応する保留情報について保留予告を実行している状況で、下作動口34への入賞が発生した場合に、当該下作動口34への入賞に対応する保留情報の遊技回にて4回の連続演出を実行する構成としたが、上作動口33と下作動口34との関係が逆であってもよい。
(19)上記第3の実施形態において、ステップS2703にて設定する連続演出の連続回数は上記のものに限定されない。例えば、下作動口34への入賞が複数回発生した場合には、初回の入賞時には4回を設定し、次の入賞時には上記初回の入賞を3回に変更するとともに今回の入賞では連続演出を発生させないように設定する構成としてもよい。また、例えば、保留予告の対象となっている保留情報よりも先に当否判定の対象となる保留情報の遊技回が、連続演出を実行する遊技回として設定されている場合には、当該遊技回の連続演出を変更することで、変動終了回数を周回回数の自然数倍増加又は減少させて、保留予告の矛盾を解消する構成としてもよい。
(20)上記第3の実施形態において、連続演出を行わせることで保留予告の矛盾を解消する構成としたが、例えば、複数の保留情報に係る遊技回を1つにまとめて変動終了回数を減らすことで保留予告の矛盾を解消する構成としてもよい。
(21)上記各実施形態において、示唆画像を周回させることを前提として保留予告の開始時の示唆画像を決定する構成としたが、周回を前提としなくてもよい。例えば、保留予告を実行する場合に示唆画像を複数個並列させて表示するとともに、現状いずれの示唆画像が選択されているかを認識可能とするように強調表示(例えば色を変化させて表示)し、選択されている画像が所定期間又は変動表示の終了時ごとに移行する構成としてもよい。この場合、選択されている画像の移行回数を総残余時間又は変動終了回数に基づいて算出して停止領域を設定するとよい。
(22)上記各実施形態において、保留予告における保留用変動表示の開始タイミングや終了タイミングは、上記のものに限定されない。例えば、第1の実施形態では、特別保留用画像Pbを表示させてから所定期間後に保留用変動表示を開始する構成としてもよく、保留予告の対象となっている保留情報の消化タイミングから所定期間前に保留用変動表示が終了する構成としてもよい。この場合、大当たり用の保留予告設定処理(図19)及び外れ用の保留予告設定処理(図21)において、総残余期間を周回周期で除算した場合の残余期間の算出を行う前に、上記の所定期間に相当する数値を演算用カウンタECから減算するとよい。なおこの場合、保留予告を実行可能か否かの判定処理(ステップS1002)では、シフト周期に代えて又は加えて、残余カウンタNCが上記所定期間以上のものに相当するか否かを判定するとよい。
また、第2,第3の実施形態では、第2特別保留用画像Peを表示させてから変動表示が所定回数終了してから終了時シフトを開始する構成としてもよく、保留予告の対象となっている保留情報の遊技回の直前の遊技回における変動表示の終了よりも所定回数前の変動表示の終了時に終了時シフトを終了する構成としてもよい。この場合、大当たり用の保留予告設定処理(図33)及び外れ用の保留予告設定処理(図35)において、変動終了回数を周回回数で除算した場合の回数の算出を行う前に、上記の所定回数に相当する数値を演算用カウンタECから減算するとよい。またこの場合、遊技回用の演出にて連続演出が行われている場合には、この連続演出が終了してから上記のように終了時シフトを開始する構成としてもよい。このようにすることで、連続演出に注目している遊技者が第2特別保留用画像Peの並び順を認識できない不都合を、好適に回避することができる。
(23)上記各実施形態において、既に保留予告を実行している場合にもさらに保留予告を行う構成としてもよい。この場合、一の保留予告において、外れ結果であると予測された場合であっても他の保留予告に期待感を持たせることができる。但し、遊技の複雑化を抑制するためには、上記のように既に保留予告を実行している場合には保留予告を行わない構成のほうが好ましい。
(24)上記各実施形態において、遊技者が操作可能な所定の操作部を設け、当該操作部が操作されることにより遊技回の変動表示が短縮又は終了する構成としてもよい。この場合、第1の実施形態では、当該操作部が操作されることにより総残余時間が短縮されることになるため、短縮された期間に示唆画像のシフトを実行する予定であった分を操作部が操作されたことに基づいてシフトさせる構成とするとよい。また、第2,第3の実施形態では、連続演出が実行される予定の遊技回において当該操作部が操作された場合には、予定していた連続回数分、変動終了回数が減少するため、その分を当該操作部が操作されたことに基づいてシフトさせる構成とするとよい。これらの場合であっても、当該シフトは遊技者による操作に基づくものであるため、シフト周期や変動終了時に基づかないシフトであっても遊技者に違和感を与えることがない。
(25)上記各実施形態において、いずれかの大当たり結果である場合には、大当たり用の保留予告実行抽選処理に代えて、ノーマルリーチが選択された保留情報の場合に保留予告を行う構成としてもよい。遊技者は、保留予告の対象となっている保留情報が当否判定の対象となるタイミングでは、既に当該保留情報の遊技結果を把握していることから、変動表示時間が短いリーチ表示であるノーマルリーチが発生する遊技回の場合に保留予告を行うことで、当該遊技回を冗長なものと感じさせないようにすることができる。また、この観点からすると、いずれかの大当たり結果である保留情報で保留予告を行う場合、当該保留情報の遊技回ではリーチ表示の内容を変更する、又はリーチ表示を実行せずに対応する図柄の組み合わせを突然停止させる等により、変動表示時間が短い遊技回に変更する構成としてもよい。この場合、保留予告を行うか否かを主制御装置81側で決定する構成とするとよい。
(26)上記各実施形態において、特別保留用画像Pb,Peの画像をシフトすることにより遊技結果の内容を予測させる構成としたが、大当たり当選の期待度を予測させる構成としてもよい。具体的には、例えば、示唆画像に代えて又は加えて、大当たり当選の期待度の高さを示す複数の期待度対応画像を設け、当該期待度対応画像を特別保留用画像Pb,Peにおいてシフトさせることで、大当たり当選の期待度を予測させる構成としてもよい。この場合、予測した遊技結果が確定するわけではないため、上記各実施形態と比較して、外れ結果であると予測した場合や、大当たり当選の期待度が低いと予測した場合において、保留予告の対象となっている保留情報の遊技回へ期待する余地を残すことができる。
また、保留予告の対象となっている保留情報の遊技回にて実行される演出の内容として、例えば、リーチ表示の種類や予告表示を予測させる構成としてもよい。この場合、リーチ表示や予告表示の種類によって大当たり当選の期待度が異なる構成とすることで、結果的に大当たり当選の期待度を予測させる構成と同様の効果を奏することができる。
(27)遊技結果の種類は上記のものに限定されない。例えば、開閉実行モードにおける可変入賞装置32の開閉制御の態様として、1回のラウンド遊技にて大入賞口32aへの入賞がラウンド遊技の上限個数分期待できない低頻度入賞態様が含まれる構成とする。そして、当該低頻度入賞態様にて開閉実行モードが行われる遊技結果として、開閉実行モードの終了後に、当否抽選モードが高確率モードとなるとともにサポートモードがそれまでのモードに維持される非明示確変大当たり結果(非明示高確率対応遊技結果又は潜伏確変状態となる結果)や、当否抽選モードが高確率モードとなるとともにサポートモードが高頻度サポートモードとなる明示確変大当たり結果(明示高確率対応遊技結果又は突然確変状態となる結果)や、当否抽選モード及びサポートモードがそれまでのモードに維持される特別外れ結果(小当たり結果)を設けてもよい。これらの場合、保留予告によりこれらの遊技結果も含めて又はこれらの遊技結果を予測させる構成とすることで予測の枝を増やすことができる。
(28)上記各実施形態において、大当たり用の保留表示設定処理にて設定する非停止領域には、外れ画像が必ず含まれる構成としたが含まれない構成としてもよい。外れ画像が含まれない構成とすると、大当たり用の保留表示設定処理にて設定される保留予告を開始することで、遊技者は当該保留情報がいずれかの大当たり結果であることを認識する所謂確定報知とすることができる。この場合、保留情報を予測する余地を残すために、例えば、当選画像と確変画像とが必ず含まれるように設定するとよい。また、外れ用の保留表示設定処理にて所定の確率で全ての非停止領域に外れ画像が設定される構成としてもよい。
(29)上記各実施形態において、保留予告を実行する領域は上記のものに限定されない。例えば、図柄表示装置41の表示画面Gにおける他の領域にて行う構成としてもよく、上記のように各単位保留表示領域Ga1〜Ga4にて特別保留用画像Pb,Peを表示させつつ他の領域でも表示させる構成としてもよい。また、他の表示装置や演出装置を設け、当該他の装置にて保留予告を実行する構成としてもよい。
(30)上記各実施形態において、保留予告においてシフト回数を表示してもよい。具体的には、図44(a)に示すように、例えば第1の実施形態において、特別保留用画像Pbの近く(例えば上方)に残りのシフト回数を「残りn回(nは自然数)」等と表示してもよい。この場合、図44(b)に示すように、保留予告設定処理において、ステップS1103及びステップS1104(ステップS1203及びステップS1204)において周回回数を把握する処理と、ステップS1105及びステップS1107(ステップS1205及びステップS1207)の残余回数を把握する処理と、に基づいて、ステップS2801にてシフト回数を算出して、続くステップS2802にて算出したシフト回数に基づいて上記演出を実行するよう表示制御装置212へコマンド出力する構成とするとよい。また、保留用シフト処理(ステップS1504)にて、上記の残りのシフト回数の表示を1ずつ減算して更新するとよい。
(31)上作動口33への入賞に係る保留情報が当否判定の対象となった場合と、下作動口34への入賞に係る保留情報が当否判定の対象となった場合とで、遊技者が得られる利益が異なる構成としてもよい。例えば、上作動口33への入賞に係る保留情報が当否判定の対象となる場合には上記各実施形態のような遊技結果の振分が行われるが、下作動口34への入賞に係る保留情報が当否判定の対象となり大当たり当選となった場合には確変大当たり結果となる構成としてもよい。
また、上記実施形態のように作動口を複数設ける構成においては、作動口の数は2個に限定されることはなく、3個以上であってもよい。また、作動口が1個のみ設けられた構成としてもよい。
(32)高確率モードでも保留予告が実行される構成としてもよい。この場合において、保留予告の実行の頻度はいずれのモードでも同じであってもよく、当該頻度が高確率モードよりも低確率モードのほうが低い又はその逆となる構成としてもよい。
(33)高頻度サポートモードでも保留予告が実行される構成としてもよい。この場合において、保留予告の実行の頻度はいずれのモードでも同じであってもよく、当該頻度が高頻度サポートモードよりも低頻度サポートモードのほうが低い又はその逆となる構成としてもよい。
(34)下作動口34の電動役物34aを不具備として、下作動口34への遊技球の入賞のし易さが、遊技状態に応じて変動しない構成としてもよい。
(35)下作動口34への遊技球の入賞に基づいて保留情報が4種まで記憶されるものであったが、保留情報を記憶可能な数を変更してもよい。すなわち、記憶可能な保留情報の種類が3種以下でもよいし、5種以上でもよい。記憶可能な保留情報の種類を増加させるほど、保留予告を実行する場合にそれよりも下位に保留情報が記憶されている可能性が高くなり、保留予告が実行される頻度高めるとともに実行される場合の期間を長くすることができる。
(36)上記各実施形態では、主制御装置81において当否判定が行われたことに基づいてメイン表示部43における一の遊技回が開始される構成としたが、これに限定されることはなく、主制御装置81において当否判定が行われる条件が成立した場合に実際に当否判定が行われるタイミングよりも前のタイミングで上記遊技回が開始され、その後に当否判定が行われたことに基づいてその遊技回におけるその後の変動表示パターン、変動表示時間及び停止結果が決定される構成としてもよい。
(37)上記各実施形態では、主制御装置81から出力されるコマンドに基づいて、演出制御装置82により表示制御装置212が制御される構成としたが、これに代えて、主制御装置81から出力されるコマンドに基づいて、表示制御装置212が演出制御装置82を制御する構成としてもよい。また、演出制御装置82と表示制御装置212とが別々に設けられた構成に代えて、両制御装置82,212が一のサブ側の制御装置として設けられた構成としてもよい。また、演出制御装置82又は表示制御装置212の機能が主制御装置81に集約された構成としてもよく、演出制御装置82及び表示制御装置212の両方の機能が主制御装置81に集約された構成としてもよい。
(38)上記第1の実施形態では、保留球格納エリア232に記憶されている保留情報に対応する変動表示時間を把握して、その変動表示時間に対応する保留予告として特別保留用画像Pbを用いた演出を実行する構成としたが、上記把握した変動表示時間に対応する保留予告の態様はこれに限定されない。以下、保留予告の変形例を図45を参照しながら説明する。
先ず、保留予告の態様を決定する処理としての予告演出選択処理について説明する。この予告演出選択処理は、保留予告の開始時として、例えばステップS904の保留表示決定処理において、特別保留予告の実行抽選に当選した場合に実行される。この処理では、図45(a)のフローチャートに示すように、先ず、ステップS2901にて、今回の保留情報以前に実行される遊技回に係る保留情報の変動表示時間を把握する処理を実行する。この処理では、上記第1の実施形態のように保留情報を取得するたびに変動表示時間をカウントしそのカウント値を利用する構成(積算用カウンタACを用いる構成)としてもよいし、当該予告演出選択処理が起動されてから記憶済みの保留情報の変動表示時間を把握する構成としてもよい。続くステップS2902では、ROM243に記憶されている予告演出テーブル(図45(b)参照)と、上記ステップS2901にて把握した今回の保留情報以前に実行される遊技回に係る保留情報の変動表示時間と、に基づいて、実行可能な予告演出を選択する処理を実行する。予告演出テーブルでは、予告演出と当該予告演出の実行時間とが1対1で対応付けられて記憶されている。具体的には、図45(b)に示すように、予告演出A乃至Dのムービー演出が設定され、それぞれのムービー演出の実行時間は、30sec、60sec、90sec、120secと設定されている。
例えば、現在実行中の遊技回の次に実行される遊技回の変動表示時間が10sec、その次の遊技回の変動表示時間が15sec、その次の遊技回が保留予告の対象となっている遊技回であってその変動表示時間が60secであったとする。この場合、ステップS2901にて把握した時間は85secとなり、ステップS2902では、予告演出テーブルを参照して、当該85secよりも短い60secの予告演出Bを選択する。この場合、予告演出Aと予告演出Bとが実行可能な予告演出であるが、予告演出Aよりも予告演出Bの実行時間が長いため、本変形例では予告演出Bが選択される構成としている。このようにすることで、実行可能な時間を最大限利用することができ、予告演出を好適に実行することができる。但し、実行可能な予告演出が複数存在する場合にはいずれも選択され得る構成としてもよい。このようにすることで、演出の多様化を図ることができる。
そして、ステップS2903にて、上記ステップS2902にて選択した予告演出を今回の予告演出として設定する処理を実行してから、本予告演出選択処理を終了する。
この場合、図45(c)のタイミングチャートに示すように、t1のタイミングで上記の予告演出選択処理が実行されたとすると、実行中の遊技回の次の遊技回が開始されるt2のタイミングから、上記ステップS2903にて設定された予告演出が開始される。この予告演出が行われている間は、遊技回における変動表示は、当該予告演出(ムービー演出)よりも小さく、例えば表示画面Gの右下にて表示される。各遊技回の遊技結果は、この表示画面Gの右下部にて明示される構成とするとよい。続くt3のタイミングでその次の遊技回が開始されても、当該予告演出は継続して実行される。t4のタイミングで保留予告の対象となっている遊技回が開始され、その遊技回の途中であるt5のタイミングにて予告演出が終了し、t6のタイミングで当該遊技回が終了して、その遊技結果が明示される。
このように、保留球格納エリア232に記憶されている保留情報に対応する変動表示時間を把握して、その長さに応じた予告演出(保留予告)を行う構成とすることで、その予告演出の対象となっている保留情報に係る遊技回までの時間を最大限に利用した演出を行うことが可能となり、演出効果を高めることができる。
上記変形例において、予告演出の開始タイミングを実行中の遊技回の次の遊技回の開始時としたが、これに限定されない。記憶されている保留情報の数や、保留予告の対象となっている保留情報の遊技結果等に応じて予告演出を開始する遊技回を選択する構成としてもよく、遊技回中の所定タイミング(例えばリーチ発生タイミングや、所定の図柄列の停止タイミングなど)から予告演出を開始する構成としてもよい。少なくとも、保留予告の対象となっている保留情報の遊技回の開始タイミングよりも前のタイミングで予告演出が開始される構成であればよい。
この場合、選択された予告演出の時間に応じて当該予告演出の開始タイミングを決定する構成としてもよい。具体的には、保留予告の対象となっている保留情報に係る遊技回が終了するまでの時間と選択された予告演出が終了するまでの時間が同じ又は略同じとなるタイミングで、当該予告演出を開始する構成としてもよい。このようにすることで、予告演出が終了してから保留予告の対象となっている保留情報に係る遊技回が終了するまでの時間を少なくすることが可能となり、演出設定の容易化を図ることができる。
また、保留予告の対象となっている保留情報を取得した時点で実行中の遊技回中に、上記予告演出を開始する構成としてもよい。例えば上記例のタイミングチャート(図45(c))で説明すると、t1のタイミングで実行中の遊技回の残りの変動表示時間が10secであったとする。この場合、保留予告の対象となっている保留情報に係る遊技回が終了するまでの時間は合計で95secとなる。そうすると、予告演出テーブル(図45(b))において、演出時間が90secに設定された予告演出Cも選択可能となる。
上記変形例において、記憶済みの保留情報に対応する変動表示時間を把握しようとしても、その把握時点では変動表示時間を特定できない場合には、上記第1の実施形態のように仮の変動表示時間として把握する構成としてもよい。この場合、変化し得る変動表示時間のうち最も短い変動表示時間を仮の変動表示時間とすることで、設定した予告演出が遊技回の途中で終了してしまうといった事象を回避することができる。
また、上記変形例において、保留球格納エリア232に記憶されている保留情報に対応する変動表示時間を把握して、その長さに応じた長さの予告演出を行う構成としたが、上記把握した長さに応じた予告演出であればよい。例えば、予告演出としてキャラクタの色や形が複数の色や形から選択可能な演出を設定し、その選択される色や形と把握した長さとが関連付けられている構成としてもよい。
(39)上記実施形態では、保留予告の開始時に、特別保留用画像Pb,Peの各領域R1〜R3、S1〜S4に表示する画像を設定する構成としたが、少なくとも保留予告の最終段階で表示される画像を設定する構成であればよく、他の画像は予め定められた一律の画像であってもよい。このようにすることで、画像設定時の処理負荷の軽減を図ることが可能となる。但し、表示される画像の多様化を図る観点では、上記実施形態のようにすることが望ましい。
(40)上記実施形態では、特別保留用画像Pb,Peを保留用変動として当該特別保留用画像Pb,Peが回転するようにして表示される画像が切り換わる構成としたが、この表示画像の切り換わり方法は上記のものに限定されない。例えば、切り換わりのタイミングにおいて、前に表示されている画像に対して次に表示される画像が重ね合わせて表示されて両画像が視認可能な状態が設定されているとともに、上記次に表示される画像が徐々に濃く表示される一方で、前に表示されていた画像は徐々に薄く表示されるようにして、切り換わる構成としてもよい。また、切り換わりのタイミングにおいて特別保留用画像Pb,Peが他の画像や役物によって視認不可能又は困難となり、画像が切り換わった後に特別保留用画像Pb,Peが視認可能となる構成としてもよい。
(41)上記実施形態において、第1の実施形態では所定周期毎に画像の表示を変化(切替表示)させる保留予告とし、第2,第3の実施形態では変動終了毎に画像の表示を変化(切替表示)させる保留予告としたが、この画像を変化(切替表示)させる期間は、少なくとも一遊技回の変動表示時間以下に設定されていればよい。このようにすることで、遊技回の終了時にのみ注目度が高まりがちな遊技機において、遊技回の最中にも画像の変化(切替表示)が発生するため、その画像の変化に対する注目度が高まれば、必然的に遊技回の終了時だけでなく他のタイミングにおいても注目度が高まる構成とすることが可能となる。
(42)上記各実施形態において示した特徴的な構成を、それぞれ交互に組み合わせて適用してもよい。
(43)上記各実施形態とは異なる他のタイプのパチンコ機等、例えば特別装置の特定領域に遊技球が入ると電動役物が所定回数開放するパチンコ機や、特別装置の特定領域に遊技球が入ると権利が発生して大当たりとなるパチンコ機、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機にも本発明を適用できる。
また、作動口33,34への入賞に基づいて、保留情報が取得される構成としたが、これに限られず、例えば、スタートレバーを設け、当該スタートレバーの操作に基づいて、保留情報が取得される構成としてもよい。要は、保留情報が取得される条件は任意である。
(44)弾球式でない遊技機、例えば、複数種の図柄が周方向に付された複数のリールを備え、メダルの投入及びスタートレバーの操作によりリールの回転を開始し、ストップスイッチが操作されるか所定時間が経過することでリールが停止した後に、表示窓から視認できる有効ライン上に特定図柄又は特定図柄の組み合わせが成立していた場合にはメダルの払い出し等といった特典を遊技者に付与するスロットマシンにも本発明を適用できる。
また、外枠に開閉可能に支持された遊技機本体に貯留部及び取込装置を備え、貯留部に貯留されている所定数の遊技球が取込装置により取り込まれた後にスタートレバーが操作されることによりリールの回転を開始する、パチンコ機とスロットマシンとが融合された遊技機にも本発明を適用できる。
<上記各実施形態から抽出される発明群について>
以下、上述した各実施形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記各実施形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
なお、以下の各特徴に記載された発明は、「例えばパチンコ遊技機等の遊技機においては、遊技領域に設けられた始動入球部に遊技球が入球したことを契機として、当たり遊技状態等の所定遊技状態に移行させるか否かの抽選が行われる。また、例えば遊技領域に設けられた表示装置では、上記抽選が行われたことに基づいて絵柄の変動表示が開始され、当該変動表示の最終的な停止表示に際して上記抽選結果に応じた停止結果が表示されるという1遊技回分の表示演出が実行される。また、絵柄の変動表示が行われている最中に遊技球が始動入球部に入球した場合、当たり抽選に用いる情報が予め定められた所定数(例えば4個)を上限として保留記憶されるようになっているパチンコ遊技機がある。保留記憶された場合には、絵柄の変動表示が終了した後に、前記保留記憶された情報を用いて当たり判定が行われ、次回の絵柄の変動表示が開始される(例えば特開2004−81853号公報参照)。」という技術背景について、「ここで、遊技機においては遊技への注目度を高める必要があり、この点について未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題を持ってなされたものである。
<特徴A群>
特徴A1.予め定められた取得条件が成立したことに基づいて、特別情報を取得する情報取得手段(主制御装置81における作動口用の入賞処理を実行する機能)と、
当該情報取得手段の取得した特別情報を、複数の数として予め定められた所定数を上限として記憶する取得情報記憶手段(主制御装置81における保留球格納エリア232)と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が、予め設定されている付与情報に対応しているか否かの付与判定を行うとともに、前記取得情報記憶手段に複数の特別情報が記憶されている場合にはそれら複数の特別情報に対して前記付与判定を順次行う付与判定手段(主制御装置81におけるステップS601の処理を実行する機能)と、
当該付与判定手段による付与判定の結果が、判定対象の特別情報が前記付与情報に対応しているとする付与対応結果となったことに基づいて、遊技者に対して特典を付与する特典付与手段(主制御装置81におけるステップS305の処理を実行する機能)と、
前記付与判定手段により前記付与判定が行われたことに基づいて遊技回用動作が開始され、前記付与判定手段の判定結果に対応した報知結果とし前記遊技回用動作が終了されることを遊技回の1回として、前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報に応じて各遊技回の前記遊技回用動作が行われるように報知手段(図柄表示装置41)を制御する遊技回制御手段(主制御装置81における遊技回制御処理を実行する機能)と、
を備えた遊技機において、
前記情報取得手段により取得された所定の特別情報について当該所定の特別情報が前記付与判定の対象となった場合における判定結果に対応する情報を、その特別情報が前記付与判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて特定する先特定手段(主制御装置81における保留予告用の確認処理を実行する機能)と、
前記先特定手段による特定が行われた場合に、該先特定手段による特定結果に対応する対応情報が含まれる複数の示唆情報(示唆画像)を設定する設定手段(演出制御装置82における保留表示決定処理を実行する機能)と、
前記先特定手段により特定対象となった前記所定の特別情報が前記付与判定の対象となるよりも前のタイミングを開始時点として前記設定手段により設定された前記複数の示唆情報の表示を予め定められた所定周期(シフト周期)で変化(保留用変動表示)させ、所定の終了タイミングにて前記変化を終了させる特別報知(保留予告)を、前記報知手段又はそれとは異なる報知手段において行わせる特別報知制御手段(演出制御装置82におけるステップS1502〜S1504,S1602〜S1604の処理を実行する機能)と、
前記特別報知を開始してから終了するまでの報知期間を算出する期間算出手段(演出制御装置82におけるステップS1101,S1102,S1201,S1202の処理を実行する機能)と、
を備え、
前記設定手段は、前記複数の示唆情報のうちの前記対応情報により前記特定結果の内容が示唆された状態で前記変化が終了されるように、前記所定周期と前記期間算出手段により算出された前記報知期間とに基づいて、前記特別報知の開始時に表示される前記示唆情報を設定することを特徴とする遊技機。
特徴A1によれば、取得情報記憶手段に記憶されている所定の特別情報について、それが付与判定の対象となるよりも前の特別報知として、先特定された情報を含む複数の示唆情報の表示の変化が行われる。この場合、その特別報知では、示唆情報の表示の変化が所定周期で行われ、最終的に先特定の内容が示唆された状態で当該変化が終了するようになっている。そのため、遊技者は、所定周期で行われる示唆情報の表示の変化を予測の材料として、特別報知において最終的に示唆される内容をこの変化が終了するよりも前のタイミングで予測することが可能となる。これにより、先特定手段により特定対象となった所定の特別情報を、当該所定の特別情報に対応する遊技回用動作よりも前に予測する、という遊技を好適に行うことが可能となり、遊技の多様化が図られる。よって、遊技の注目度を高めることができる。
ここで、付与判定の対象となっている特別情報に関する遊技回用動作とは別途、当該付与判定の対象となっていない所定の特別情報に関する特別報知(所謂保留先読み予告)が行われる遊技機においては、この特別報知に工夫を凝らせば凝らすほど、当該特別報知への注目度を高めることが可能となるものの、実行中の遊技回用動作への注目度が低下する、といった不都合が生じ得る。そのため、特別報知への注目度を高めつつ遊技回用動作への注目度を好適に高める、という観点では未だ改善の余地があった。本発明は、かかる課題を解決すべくなされたものであり、本発明では、特別報知において所定周期で行われる示唆情報の表示の変化が、所定のタイミングにおいて終了するように設定されている。この場合、この所定のタイミングにおける遊技回用動作との関係で、特別報知に表示されている示唆情報が好ましいものであればそのタイミングで上記変化が終了するように望むであろうし、同タイミングにおいて特別報知に表示されている示唆情報が好ましくないものであれば上記変化が終了しないように望む。例えば遊技回用動作において上記所定のタイミングが認識可能である構成とすると、特別報知における変化との関係で、その所定のタイミングにおける遊技回用動作への注目度を高めることが可能となる。このように特別報知と遊技回用動作とを関連付けることで、特別報知への注目度を高めつつ遊技回用動作への注目度を好適に高めることが可能となる。
このような特別報知を実現するために、設定手段は、特別報知の報知期間と所定周期とに基づいて特別報知の開始時における報知内容を設定する。したがって、所定の特別情報に対応する情報を示唆した状態で特別報知を終了させる場合に矛盾が生じずに、特別報知を好適に実行することが可能となる。
なお、所定の終了タイミングとしては、遊技者がその終了タイミングを終了よりも前のタイミングで把握(予測)可能なタイミングであると、示唆情報の変化が終了することを予測しながら最終的に表示される示唆画像に関心を寄せることが考えられ、より好ましい。この場合、終了タイミングをそれよりも前のタイミングで把握(予測)させる構成としては、例えば遊技回中の遊技回用動作から、把握(予測)させる構成であるとよりよい。このようにすることで、特別報知と遊技回用動作との関連性をより高め、特別報知への注目度を高めつつ遊技回用動作への注目度を高める効果をより好適に奏することができる。
特徴A2.前記所定の終了タイミングは、前記特別報知の契機となった特別情報に係る遊技回よりも前に実行される遊技回における遊技回用動作が終了するタイミングに応じて設定されていることを特徴とする特徴A1に記載の遊技機。
上記構成によれば、一遊技回中で最も注目度が高まることが想定される遊技回用動作の終了タイミングに応じて特別報知の終了タイミングが設定されているため、特別報知への注目度を最大限に高めることが可能となる。
上記構成において、いずれの遊技回における遊技回用動作が終了するタイミングを所定の終了タイミングとするかは、特別報知の対象となっている特別情報に係る遊技回よりも前の遊技回のうちから抽選等によって設定する構成としてもよい。但し、特別報知の対象となっている特別情報に係る遊技回の直前の遊技回における遊技回用動作が終了するタイミングとする構成とすれば、特別報知の実行時間を最長に設定することができるし、選択のための処理負荷の増加を懸念する必要も生じず好ましい。
特徴A3.前記遊技回制御手段は、前記遊技回用動作を開始してから当該遊技回用動作を終了するまでの動作期間を設定する動作期間設定手段(主制御装置81におけるステップS608の処理を実行する機能)を備え、当該動作期間設定手段により設定された動作期間に基づいて前記遊技回用動作を実行するものであり、
前記所定の特別情報よりも前に前記付与判定の対象となる特別情報における前記動作期間の情報を、当該前に付与判定の対象となる特別情報が前記付与判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて特定する先動作期間特定手段(主制御装置81におけるステップS802,S805,S806の処理を実行する機能)と、
前記遊技回制御手段による前記遊技回用動作が行われている状況での、前記動作期間の残りの期間を把握する把握手段(演出制御装置82におけるステップS1102,S1202の処理を実行する機能)と、
を備え、
前記期間算出手段は、前記先動作期間特定手段により特定された前記動作期間の情報と、前記把握手段により把握された実行中の遊技回用動作における残り期間の情報と、に基づいて前記報知期間の算出を行うものであることを特徴とする特徴A2に記載の遊技機。
上記構成によれば、特別情報が付与判定の対象となることに基づいて遊技回用動作の動作期間が設定される構成において、先動作期間特定手段により、当該遊技回用動作における動作期間の情報を付与判定の対象となる前のタイミングで特定することができる。また、把握手段により、実行中の遊技回用動作の残りの動作期間を把握することができる。これらにより、特別報知において特定結果の内容を示唆するうえで、期間算出手段による報知期間の算出を好適に実行することができる。
特徴A4.前記特別報知制御手段は、前記複数の示唆情報を巡回変化させるものであり、
前記設定手段は、前記期間算出手段により算出された前記報知期間を前記複数の示唆情報の巡回周期(一巡の周期)で除算した剰余と、前記複数の示唆情報を変化させる前記所定周期と、に基づいて、前記特別報知の開始時に表示される前記複数の示唆情報とその表示順序を設定する構成であることを特徴とする特徴A3に記載の遊技機。
上記構成によれば、複数の示唆情報を周期的に変化させることから、示唆情報の変化順序を明確に示すことができる。これにより、遊技者としては、特別情報の予測をし易くすることができる。
さらに、この周期的に変化させる構成を利用して、上記構成のように設定手段を簡素な構成とすることができる。これにより、特別報知を実行するにあたり極端な処理負荷の増加を抑制することが可能となる。
特徴A5.前記特別報知制御手段は、前記複数の示唆情報を巡回変化させるものであり、
前記動作期間設定手段により設定される動作期間は、当該設定される時点での遊技状況に応じて、前記先動作期間特定手段により特定された時点での動作期間と異なり得る構成であり、
これら動作期間の差が、前記示唆情報の巡回周期の自然数倍となるように設定されていることを特徴とする特徴A3又は特徴A4に記載の遊技機。
上記構成によれば、複数の示唆情報が巡回変化されることから、示唆情報の変化順序を遊技者は把握し易くなる。これにより、特別情報の予測をし易くなる。
さらに、動作期間設定手段により設定される動作期間と先動作期間特定手段により特定される動作期間とが、異なる構成であるものの、その差が巡回周期の自然数倍となるように設定されていることから、先動作期間特定手段により特定されたタイミングから遊技状況が変化して、該特定された動作期間と異なる動作期間で遊技回用動作が行われる場合であっても、特別報知の終了時に示唆する情報を変化させる必要が生じない。よって、特別報知を好適に実施することが可能となる。
特徴A6.前記動作期間設定手段は、前記取得情報記憶手段に記憶されている前記特別情報の数に応じて異なる動作期間が定められている動作期間情報群(リーチ非発生変動表示時間テーブル)に基づいて、前記動作期間を設定する記憶数対応期間設定手段(主制御装置81におけるリーチ非発生用変動表示時間テーブルに基づいて変動表示時間を設定する手段)を備え、
前記動作期間情報群には、前記取得情報記憶手段に記憶されている前記特別情報の数が第1個数(例えば1個)の場合に設定される第1動作期間(例えば1個の場合には21sec)と、前記第1個数よりも多い第2個数(例えば2個)の場合に設定され前記第1動作期間よりも短い第2動作期間(例えば2個の場合には9sec)と、が含まれており、
前記先動作期間特定手段により特定される動作期間(例えば21sec)と、前記第1動作期間及び前記第2動作期間との差が、前記示唆情報の巡回周期の自然数倍となるように設定されていることを特徴とする特徴A5に記載の遊技機。
上記構成によれば、記憶数対応期間設定手段は動作期間情報群に基づき、特別情報の数が少ない場合には長い動作期間(第1動作期間)を選択し、特別情報の数が多い場合には短い動作期間(第2動作期間)を選択する。そのため、遊技の円滑な進行が図られており、このような構成において特徴A5に記載した効果を奏することができる。よって、遊技の円滑な進行を図りつつ、特別報知を好適に実施することができる。
特徴A7.前記先動作期間特定手段は、予め定められた一定期間(例えば21sec)を前記動作期間として特定するものであることを特徴とする特徴A5又は特徴A6に記載の遊技機。
上記構成によれば、先動作期間特定手段が特定する動作期間は、予め定められた一律の期間であり、特定のための処理を簡素なものとすることができる。
特徴A8.前記動作期間設定手段は、前記取得情報記憶手段に記憶されている前記特別情報の数に応じて異なる動作期間が定められている動作期間情報群(リーチ非発生変動表示時間テーブル)に基づいて、前記動作期間を設定する記憶数対応期間設定手段(主制御装置81におけるリーチ非発生用変動表示時間テーブルに基づいて変動表示時間を設定する手段)を備え、
前記動作期間情報群には、前記取得情報記憶手段に記憶されている前記特別情報の数が第1個数(例えば1個)の場合に設定される第1動作期間(例えば1個の場合には21sec)と、前記第1個数よりも多い第2個数(例えば2個)の場合に設定され前記第1動作期間よりも短い第2動作期間(例えば2個の場合には9sec)と、が含まれており、
前記先動作期間特定手段により特定される動作期間と、前記第1動作期間及び前記第2動作期間との差が、前記示唆情報の巡回周期の自然数倍となるように設定されており、
前記一定期間は、前記第1動作期間以上の長さに設定されていることを特徴とする特徴A7に記載の遊技機。
上記構成によれば、先動作期間特定手段による動作期間の特定のための処理を簡素なものとしつつ、その後に期間対応設定手段による動作期間の設定がなされた場合に、報知期間よりも動作期間が長くなる不都合を抑制することができる。
特徴A9.前記動作期間設定手段は、前記取得情報記憶手段に記憶されている前記特別情報の数に応じて異なる動作期間が定められている動作期間情報群(リーチ非発生変動表示時間テーブル)に基づいて、前記動作期間を設定する記憶数対応期間設定手段(主制御装置81におけるリーチ非発生用変動表示時間テーブルに基づいて変動表示時間を設定する手段)を備え、
前記動作期間情報群には、前記取得情報記憶手段に記憶されている前記特別情報の数が第1個数(例えば1個)の場合に設定される第1動作期間(例えば1個の場合には21sec)と、前記第1個数よりも多い第2個数(例えば2個)の場合に設定され前記第1動作期間よりも短い第2動作期間(例えば2個の場合には9sec)と、が含まれており、
前記先動作期間特定手段は、前記動作期間を特定する時点での前記特別情報の数と前記動作期間情報群とに基づいて前記動作期間を特定するものであり、
前記第1動作期間と前記第2動作期間との差が、前記示唆情報の巡回周期の自然数倍となるように設定されていることを特徴とする特徴A5又は特徴A6に記載の遊技機。
上記構成によれば、先動作期間特定手段は動作期間情報群から動作期間を特定する。そのため、先動作期間特定手段による動作期間の特定のために専用の動作期間情報群を用意したり、抽選等を行う必要がなく、処理構成の簡素化が図られている。
特徴A10.前記期間算出手段による算出結果が前記所定周期よりも短い場合には前記特別報知の実行を制限する制限手段(演出制御装置82におけるステップS1002の処理を実行する機能、別例補充)を備えていることを特徴とする特徴A1乃至A9のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特別報知が実行される場合には、少なくとも1回は示唆情報の変化が行われる。仮に、1回も示唆情報の変化が行われない特別報知が実行され得る構成とすると、所定の特別情報に対応する情報をそのまま報知する構成となり、示唆情報が変化することにより特別情報を予測するという遊技を行うことができない。これに対して本構成によれば、特別情報の予測を好適に行わせることができる。
特徴A11.前記特別報知は、前記所定の特別情報よりも1つ前に前記付与判定の対象となる特別情報に係る前記遊技回用動作が終了されることに基づいて前記変化を終了するように設定されていることを特徴とする特徴A1乃至A10のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、直前の遊技回用動作が終了されるタイミングで、特別報知も終了する。そのため、特別報知が最も長く行われる構成となり、特別報知から特別情報の内容を予測する、という遊技を最大限に行わせることができる。
特徴A12.前記報知手段は、絵柄を変動表示する絵柄表示手段であり、
前記遊技回制御手段は、前記遊技回用動作として、前記絵柄表示手段における複数の変動表示領域において前記絵柄の変動表示が開始された後前記付与判定の判定結果に対応した絵柄を停止表示させるものであり、
前記遊技回用動作には、前記絵柄の変動表示を開始してから前記複数の変動表示領域における前記絵柄を停止表示又は仮停止表示させる第1動作(例えばノーマルリーチ)を行って当該遊技回用動作を終了する第1動作態様と、当該第1動作を行ってから、さらに前記絵柄の変動表示を行いその後当該絵柄を停止表示又は仮停止表示させる第2動作(例えばスーパーリーチ)を行って当該遊技回用動作を終了する第2動作態様と、が含まれており、
当該第2動作態様における前記第2動作は、少なくとも前記所定周期よりも長く行われるように設定されているものであることを特徴とする特徴A1乃至A11のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2動作は所定周期よりも長く行われるように設定されているため、特別報知が行われている状況で遊技回用動作が第1動作から第2動作へ移行すれば、その第2動作中に複数の示唆情報の変化が最低1回行われることになる。そのため、第1動作態様で遊技回用動作が終了する場合と、第2動作態様で遊技回用動作が終了する場合と、で、最終的に示唆される情報の予測結果を異ならせることができる。例えば、遊技回用動作において第1動作が終了しそうな状況で特別報知において遊技者にとって好ましい情報が示唆された状態であれば、遊技者はそのまま遊技回用動作が終了して欲しい(すなわち第1動作態様である)と期待し、逆に遊技回用動作において第1動作が終了しそうな状況で特別報知において遊技者にとって好ましくない情報が示唆された状態であれば、遊技者は第2動作が行われる(すなわち第2動作態様である)ことを期待する。このようにすることで、特別報知への注目度を高めつつ、遊技回用動作への注目度を高めることが可能となる。
特徴A13.前記付与判定手段による判定結果が前記付与対応結果である期待度が、前記第1動作態様よりも前記第2動作態様のほうが高くなるように設定されていることを特徴とする特徴A12に記載の遊技機。
上記構成によれば、特徴A12の遊技機において、遊技回用動作が第1動作で終了して欲しいと遊技者が期待している状況、すなわち、そのまま遊技回用動作が終了すれば特別報知の内容としては遊技者にとって好ましいものである状況で、遊技回用動作が第2動作に移行した場合において、特別報知の内容としては遊技者にとって好ましいものではなくなる可能性も生じ得るものの、第2動作態様のほうが付与対応結果である期待度が高く設定されていることから、今回の遊技回の遊技結果が付与対応結果であることを期待することができる。これにより、特別報知にて予測した内容が遊技者にとって好ましくないものであったとしても全体を通して注目度を低下させることがなく、好適に特別報知を実行することができる。
特徴A14.前記期間算出手段により算出された前記報知期間に基づいて、前記特別報知において前記複数の示唆情報の表示が変化される回数を把握する回数把握手段(演出制御装置82におけるステップS2801の処理を実行する機能)と、
前記回数把握手段により把握された変化回数を報知する回数報知手段(演出制御装置82におけるステップS2802の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴A1乃至A13のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、変化回数が回数報知手段によって報知されるため、その変化回数から、複数の示唆情報のうちいずれの示唆情報が最終的に示唆されるかを遊技者は予測することができる。
特徴A15.前記回数報知手段は、前記特別報知制御手段による前記特別報知の開始時から前記変化回数の報知を行うものであることを特徴とする特徴A14に記載の遊技機。
上記構成によれば、遊技者は特別報知の開始時からいずれの示唆情報が最終的に示唆されるかを予測することができる。
特徴A16.前記複数の示唆情報は、巡回変化されるものであることを特徴とする特徴A14又は特徴A15に記載の遊技機。
上記構成によれば、巡回回数との関係から最終的に示唆される情報を予測し易くなる。
特徴A17.前記特別報知は、前記所定の特別情報よりも1つ前に前記付与判定の対象となる特別情報に係る前記遊技回用動作が終了されることに基づいて前記変化を終了するように設定されており、
前記遊技回制御手段は、前記遊技回用動作を開始してから前記遊技回用動作が終了されるまでの動作期間を設定する動作期間設定手段(主制御装置81におけるステップS608の処理を実行する機能)を備え、
当該動作期間設定手段により設定される前記動作期間は、前記所定周期よりも長い期間であることを特徴とする特徴A1乃至A16のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特別報知における所定周期は遊技回用動作の動作期間よりも短くなり、そのため、特別情報の予測において、特別報知の対象となっている特別情報が付与判定の対象となる遊技回用動作の直前の遊技回用動作の進行状況が特に重要となる。これにより、直前の遊技回用動作の進行状況に対する注目度を高めることができる。
特徴A18.前記特別報知は、前記所定の特別情報よりも1つ前に前記付与判定の対象となる特別情報に係る前記遊技回用動作が終了されることに基づいて前記変化を終了するように設定されており、
前記遊技回制御手段は、前記遊技回用動作を開始してから前記遊技回用動作が終了されるまでの動作期間を設定する動作期間設定手段(主制御装置81におけるステップS608の処理を実行する機能)を備え、
当該動作期間設定手段により設定される前記動作期間には、前記所定周期よりも短い期間が含まれるものであることを特徴とする特徴A1乃至A17のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特別報知における所定周期は遊技回用動作の動作期間よりも長くなり得ることから、特別情報の予測において、特別報知の対象となっている特別情報が付与判定の対象となる遊技回用動作の複数回前の遊技回用動作の進行状況が関係することになる。これにより、特別報知に対する注目度だけでなく、当該複数回前の遊技回用動作の進行状況に対する注目度を高めることができる。
特徴A19.前記複数の示唆情報には、前記対応情報以外に、前記先特定手段による特定結果に対応しない情報が含まれていることを特徴とする特徴A1乃至A18のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、先特定手段の特定結果に対応しない情報も含んだ状態で特別報知が行われる。つまり、本構成では、特別報知において先特定手段の特定結果に対応する情報のみが報知される所謂確定報知が行われない。このように確定報知が行われない構成とすることで、特別情報を予測するという遊技の意義を高めることができる。
特徴A20.前記特別報知制御手段は、前記複数の示唆情報のうちの一を選択して報知し、前記所定周期で当該選択対象を切り替えることで前記変化を行う構成であり、
当該所定周期が、その選択されている示唆情報を遊技者が識別可能な程度の長さに設定されていることを特徴とする特徴A1乃至A19のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、遊技者は、特別報知において各示唆情報を1つずつ確認することができる。仮に、識別できない期間で示唆情報の表示の変化が行われる構成とすると、所定の特別情報に対応する情報が示唆された状態で特別報知が終了する時点では特別情報を確認又は予測することができるものの、それ以前においては示唆情報を識別することができない。したがって本構成のように示唆情報の表示の変化を遊技者が識別可能な所定周期ごとに行うことで、特別情報が付与判定の対象となるよりも以前に、報知されている示唆情報から特別情報の予測をすることが可能となり、当該予測をする遊技の意義を高めることができる。
なお、「識別可能な程度の長さ」としては、遊技者が一の示唆情報と他の示唆情報とを区別可能な期間であればよい。具体的には、一の示唆情報が選択報知される期間が1sec以上であることが望ましく、より好ましくは2sec以上であるとよい。
特徴A21.予め定められた取得条件が成立したことに基づいて、特別情報を取得する情報取得手段(主制御装置81における作動口用の入賞処理を実行する機能)と、
当該情報取得手段の取得した特別情報を、複数の数として予め定められた所定数を上限として記憶する取得情報記憶手段(主制御装置81における保留球格納エリア232)と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が、予め設定されている付与情報に対応しているか否かの付与判定を行うとともに、前記取得情報記憶手段に複数の特別情報が記憶されている場合にはそれら複数の特別情報に対して前記付与判定を順次行う付与判定手段(主制御装置81におけるステップS601の処理を実行する機能)と、
当該付与判定手段による付与判定の結果が、判定対象の特別情報が前記付与情報に対応しているとする付与対応結果となったことに基づいて、遊技者に対して特典を付与する特典付与手段(主制御装置81におけるステップS305の処理を実行する機能)と、
前記付与判定手段により前記付与判定が行われたことに基づいて遊技回用動作が開始され、前記付与判定手段の判定結果に対応した報知結果とし前記遊技回用動作が終了されることを遊技回の1回として、前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報に応じて各遊技回の前記遊技回用動作が行われるように報知手段(図柄表示装置41)を制御する遊技回制御手段(主制御装置81における遊技回制御処理を実行する機能)と、
を備えた遊技機において、
前記遊技回制御手段は、前記遊技回用動作を開始してから当該遊技回用動作を終了するまでの動作期間を設定する動作期間設定手段(主制御装置81におけるステップS608の処理を実行する機能)を備え、当該動作期間設定手段により設定された動作期間に基づいて前記遊技回用動作を実行するものであり、
前記情報取得手段により取得された所定の特別情報が前記付与判定の対象となった場合における判定結果に対応する情報を、当該所定の特別情報が前記付与判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて特定する先特定手段(主制御装置81における保留予告用の確認処理を実行する機能)と、
当該先特定手段による特定結果に対応する特別報知が、当該先特定手段による特定対象となった前記所定の特別情報が前記付与判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて前記報知手段又はそれとは異なる報知手段にて実行されるように制御する特別報知制御手段(演出制御装置82における保留表示決定処理を実行する機能)と、
前記所定の特別情報よりも前に前記付与判定の対象となる特別情報の遊技回における前記動作期間の情報を、当該前に付与判定の対象となる特別情報が前記付与判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて特定する先動作期間特定手段(演出制御装置82におけるステップS802,S805,S806の処理を実行する機能)と、
を備え、
前記特別報知制御手段は、前記先動作期間特定手段により特定される前記動作期間の情報を利用して、前記特別報知を行うものであることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、取得情報記憶手段に記憶されている所定の特別情報についての特別報知が、それが付与判定の対象となるよりも前に行われることがある。そのため、特別報知から所定の特別情報の内容を予測するという遊技が追加され、遊技の多様化が図られる。よって、遊技の注目度を高めることが可能となる。
特別報知は、先動作期間特定手段により特定される動作期間の情報を利用して行われる。そのため、この特別報知の内容を、取得情報に記憶されている特別情報に対応する遊技回の動作期間に対応付けることができる。このようにすることで、特別報知の内容から、動作期間の長短を予測することができるし、例えば、動作期間と付与対応情報である期待度とが関連付けられている遊技機に適用すると、この特別報知と付与対応情報である期待度とを関連付けることができる。これにより、遊技への注目度を好適に高めることができる。
特徴A22.予め定められた取得条件が成立したことに基づいて、特別情報を取得する情報取得手段(主制御装置81における作動口用の入賞処理を実行する機能)と、
当該情報取得手段の取得した特別情報を、複数の数として予め定められた所定数を上限として記憶する取得情報記憶手段(主制御装置81における保留球格納エリア232)と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が、予め設定されている付与情報に対応しているか否かの付与判定を行うとともに、前記取得情報記憶手段に複数の特別情報が記憶されている場合にはそれら複数の特別情報に対して前記付与判定を順次行う付与判定手段(主制御装置81におけるステップS601の処理を実行する機能)と、
当該付与判定手段による付与判定の結果が、判定対象の特別情報が前記付与情報に対応しているとする付与対応結果となったことに基づいて、遊技者に対して特典を付与する特典付与手段(主制御装置81におけるステップS305の処理を実行する機能)と、
前記付与判定手段により前記付与判定が行われたことに基づいて遊技回用動作が開始され、前記付与判定手段の判定結果に対応した報知結果とし前記遊技回用動作が終了されることを遊技回の1回として、前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報に応じて各遊技回の前記遊技回用動作が行われるように報知手段(図柄表示装置41)を制御する遊技回制御手段(主制御装置81における遊技回制御処理を実行する機能)と、
を備えた遊技機において、
前記情報取得手段により取得された所定の特別情報について当該所定の特別情報が前記付与判定の対象となった場合における判定結果に対応する情報を、その特別情報が前記付与判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて特定する先特定手段(主制御装置81における保留予告用の確認処理を実行する機能)と、
前記先特定手段による特定が行われた場合に、該先特定手段による特定結果に対応する対応情報が含まれる複数の示唆情報(示唆画像)を設定する設定手段(演出制御装置82における保留表示決定処理を実行する機能)と、
前記先特定手段により特定対象となった前記所定の特別情報が前記付与判定の対象となるよりも前のタイミングを開始時点として前記設定手段により設定された前記複数の示唆情報の切替表示(保留用変動表示)を開始させ、所定の終了タイミングにて前記切替表示を終了させる特別報知(保留予告)を、前記報知手段又はそれとは異なる報知手段において行わせる特別報知制御手段(演出制御装置82におけるステップS1502〜S1504,S1602〜S1604の処理を実行する機能)と、
を備え、
前記特別報知制御手段による前記切替表示において、一の示唆情報の表示に切り替えてから次の示唆情報の表示に切り替えるまでの期間が、前記遊技回制御手段により一の遊技回の前記遊技回用動作が行われる動作期間以下に設定されていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、取得情報記憶手段に記憶されている所定の特別情報について、それが付与判定の対象となるよりも前の特別報知として、先特定された情報を含む複数の示唆情報の切替表示が行われる。この場合、その特別報知では、最終的に先特定の内容が示唆された状態で切替表示が終了するようになっている。そのため、遊技者は、示唆情報の切替表示を予測の材料として、特別報知において最終的に示唆される内容をこの切替表示が終了するよりも前のタイミングで予測することが可能となる。これにより、先特定手段により特定対象となった所定の特別情報を、当該所定の特別情報に対応する遊技回用動作よりも前に予測する、という遊技を好適に行うことが可能となり、遊技の多様化が図られる。
特に上記構成では、切替表示において、一の示唆情報の表示に切り替えてから次の示唆情報の表示に切り替えるまでの期間が、遊技回における動作期間以下に設定されているため、遊技回中に少なくとも1回の示唆情報の切り替えが行われる。したがって、付与判定手段の判定結果に対応した報知結果とし遊技回用動作が終了される遊技回において、当該終了されるタイミングに注目度が高まりがちな構成であっても、それ以外のタイミングで示唆情報の切り替えが行われ得るため、遊技回中の注目度をバランスよく高めることが可能となる。
<特徴B群>
特徴B1.予め定められた取得条件が成立したことに基づいて、特別情報を取得する情報取得手段(主制御装置81における作動口用の入賞処理を実行する機能)と、
当該情報取得手段の取得した特別情報を、複数の数として予め定められた所定数を上限として記憶する取得情報記憶手段(主制御装置81における保留球格納エリア232)と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が、予め設定されている付与情報に対応しているか否かの付与判定を行うとともに、前記取得情報記憶手段に複数の特別情報が記憶されている場合にはそれら複数の特別情報に対して前記付与判定を順次行う付与判定手段(主制御装置81におけるステップS601の処理を実行する機能)と、
当該付与判定手段による付与判定の結果が、判定対象の特別情報が前記付与情報に対応しているとする付与対応結果となったことに基づいて、遊技者に対して特典を付与する特典付与手段(主制御装置81におけるステップS305の処理を実行する機能)と、
絵柄を変動表示する絵柄表示手段(図柄表示装置41)と、
前記付与判定手段により前記付与判定が行われたことに基づいて、前記絵柄表示手段における複数の変動表示領域において前記絵柄の変動表示が開始された後絵柄を停止表示又は仮停止表示させる単位表示が少なくとも1回行われるようにし、前記付与判定の判定結果に対応した結果を停止表示させることを1回の遊技回とする遊技回用動作を実行するように前記絵柄表示手段を制御する遊技回制御手段(主制御装置81における変動開始処理を実行する機能)と、
を備えた遊技機において、
前記情報取得手段により取得された所定の特別情報について当該所定の特別情報が前記付与判定の対象となった場合における判定結果に対応する情報を、その特別情報が前記付与判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて特定する先特定手段(主制御装置81における保留予告用の確認処理を実行する機能)と、
前記先特定手段による特定が行われた場合に、該先特定手段による特定結果に対応する対応情報が含まれる複数の示唆情報(示唆画像)を設定する設定手段(第2,第3の実施形態の、演出制御装置82における保留表示決定処理を実行する機能)と、
前記先特定手段により特定対象となった前記所定の特別情報が前記付与判定の対象となるよりも前のタイミングを開始時点として、前記設定手段により設定された前記複数の示唆情報の表示を前記単位表示が実行される度に所定順序で変化させる特別報知(保留予告)を、前記絵柄表示手段又はそれとは異なる報知手段において行わせる特別報知制御手段(演出制御装置82におけるステップS2302,S2303,S2402〜S2407の処理を実行する機能)と、
前記特別報知を開始してから終了するまでに実行する前記単位表示の回数を算出する回数算出手段(演出制御装置82におけるステップS2001〜S2004,S2101〜S2104の処理を実行する機能)と、
を備え、
前記設定手段は、前記複数の示唆情報のうちの前記対応情報により前記特定結果の内容が示唆された状態で前記変化が終了されるように、前記所定順序と前記回数算出手段により算出された前記単位表示の回数に基づいて、前記特別報知の開始時に表示される前記示唆情報と前記所定順序とを設定することを特徴とする遊技機。
特徴B1によれば、取得情報記憶手段に記憶されている所定の特別情報について、それが付与判定の対象となるよりも前の特別報知として、先特定された情報を含む複数の示唆情報の表示の変化が行われる。この場合、その特別報知は、示唆情報の表示の変化が所定順序で行われ、最終的に先特定の内容が示唆された状態で当該変化が終了するようになっている。そのため、所定順序で行われる示唆情報の表示の変化を材料として特別報知において最終的に示唆される内容をこの変化が終了するよりも前のタイミングで予測することができる。これにより、先特定手段により特定対象となった所定の特別情報を、当該所定の特別情報に対応する遊技回用動作よりも前に予測する、という遊技を好適に行うことが可能となり、遊技の多様化が図られる。よって、遊技の注目度を高めることができる。
ここで、付与判定の対象となっている特別情報に関する遊技回用動作とは別途、当該付与判定の対象となっていない所定の特別情報に関する特別報知(所謂保留先読み予告)が行われる遊技機においては、この特別報知に工夫を凝らせば凝らすほど、当該特別報知への注目度を高めることが可能となるものの、実行中の遊技回用動作への注目度が低下する、といった不都合が生じ得る。そのため、特別報知への注目度を高めつつ遊技回用動作への注目度を好適に高める、という観点では未だ改善の余地があった。本発明は、かかる課題を解決すべくなされたものであり、本発明では、遊技回用動作における単位表示が行われるたびに示唆情報の表示が変化されるため、遊技者はその示唆情報の所定順序とその後に実行される単位表示の数との関係から、所定の特別情報の内容を予測することになる。つまり、特別報知の予測に関するパラメータである所定順序と単位表示の数は、いずれも遊技回用動作から確認することができる構成とすることで、特別報知と遊技回用動作とを関連付け、特別報知への注目度を高めつつ遊技回用動作への注目度を好適に高めることが可能となる。
このような特別報知を行う上で、設定手段は、特別報知の開始時から終了時までに実行される単位表示に基づいて特別報知の開始時における報知内容を設定する。したがって、所定の特別情報に対応する情報を表示した状態で特別報知を終了させる場合に矛盾が生じずに、特別報知を好適に実行することが可能となる。
特徴B2.前記特別報知制御手段は、前記単位表示が実行される度に、前記複数の示唆情報のうちの一の示唆情報を前記所定順序で表示するものであることを特徴とする特徴B1に記載の遊技機。
上記構成によれば、単位表示が行われる度に所定順序が徐々に明らかになる。遊技者は、その徐々に明らかになる内容を基に特別情報の内容を予測するため、その予測する遊技を長く行わせることが可能となる。よって、遊技への注目度を好適に高めることができる。
特徴B3.前記各示唆情報を変化させる前記所定順序を、前記特別報知の開始に際して報知する手段(演出制御装置82におけるステップS2120,S2215の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴B1又は特徴B2に記載の遊技機。
上記構成によれば、遊技者は、特別報知の予測に関するパラメータのうち、所定順序を把握することができる。これにより、遊技者は、特別報知に関する特別情報の内容を予測することができる。
特徴B4.前記特別報知制御手段は、前記単位表示において前記絵柄が停止表示又は仮停止表示されるタイミングに合わせて前記複数の示唆情報の変化を実行するものであることを特徴とする特徴B1乃至B3のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、遊技回用動作における絵柄の変動表示に注目している場合であっても、示唆情報が変化されたことを把握し易くなる。すなわち、遊技回用動作における絵柄の変動表示の最中には、示唆情報の変化が行われないため、絵柄の変動表示を心行くまで注目し該変動表示が終了してから示唆情報を確認することが可能となり、これら演出の注目度を好適に高めることが可能となる。
特徴B5.前記遊技回における前記遊技回用動作として、前記単位表示が複数回に亘って繰り返され、最終的に前記付与判定の判定結果に対応した結果が停止表示される連続表示動作を実行する連続表示制御手段(演出制御装置82における連続演出設定処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴B1乃至B4のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、連続表示動作が行われることで単位表示が行われる数が増加し、特別報知において示唆情報の変化が行われる契機の回数を増やすことができる。これにより、特別報知の内容を多様なものとすることができる。
特徴B6.前記特別報知制御手段は、前記連続表示動作による前記遊技回用動作が実行されている場合には、前記特別報知の開始を制限する手段(演出制御装置82におけるステップS1904の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴B5に記載の遊技機。
上記構成によれば、遊技回用動作として連続表示動作が行われている場合には特別報知の開始が制限される。これにより、連続表示動作に注目している遊技者が特別報知の開始を見逃す不具合を抑制することができる。
特に特徴B3の構成に本構成を適用することで、連続表示と所定順序の報知とが重ならず、所定順序を遊技者に好適に認識させることが可能となる。
特徴B7.前記特別報知制御手段は、前記特別報知の実行中においては前記連続表示制御手段により前記連続表示動作が実行されることを許容するものであることを特徴とする特徴B5又は特徴B6に記載の遊技機。
上記構成によれば、特別報知が開始されてからは連続表示動作が実行されることが許容される。これにより、特徴B5に示した効果を好適に奏することができる。
特に特徴B4の構成に本構成を適用することで、示唆情報の変化タイミングが明確となり、遊技者は遊技回用動作における連続表示動作に注目しつつも特別報知の内容を把握することが可能となる。
特徴B8.前記特別報知制御手段は、前記複数の示唆情報を巡回変化させるものであり、
前記連続表示制御手段により設定される前記連続表示動作における前記単位表示の回数を、当該遊技回用動作において前記複数の示唆情報の数(4回)の自然数倍となる回数の単位表示が増加するように設定する手段を備えていることを特徴とする特徴B5乃至B7のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、複数の示唆情報が巡回変化することから、示唆情報が変化する所定順序を明確に示すことができる。これにより、遊技者としては特別情報の予測がし易くなる。
さらに、連続表示制御手段により設定される単位表示の回数として、その増加分が複数の示唆情報の数の自然数倍となる回数が選択された場合には、巡回変化する示唆情報において最終的に表示される示唆情報が変化しない。したがって、遊技者が予測した内容が遊技者にとって好ましいものであれば、自然数倍となる回数の連続表示動作であって欲しいと期待し、当該連続表示動作の注目度を高めることが可能となる。
特徴B9.前記特別報知制御手段は、前記複数の示唆情報を巡回変化させるものであり、
前記連続表示制御手段により設定される前記連続表示動作における前記単位表示の回数を、当該遊技回用動作において前記複数の示唆情報の数の自然数倍となる数とは異なる回数の単位表示が増加するように設定する手段を備えていることを特徴とする特徴B5乃至B8のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、複数の示唆情報が巡回変化することから、示唆情報が変化する所定順序を明確に示すことができる。これにより、遊技者としては特別情報の予測がし易くなる。
さらに、連続表示制御手段により設定される単位表示の回数として、複数の示唆情報の数の自然数倍となる数とは異なる回数が選択された場合には、巡回変化される示唆情報において最終的に表示される示唆情報が変化する。したがって、遊技者が予測した内容が遊技者にとって好ましくないものであれば、自然数倍となる数とは異なる回数の連続表示動作であって欲しいと期待し、当該連続表示動作の注目度を高めることが可能となる。
特徴B10.前記特別報知制御手段は、前記複数の示唆情報を巡回変化させるものであり、
前記連続表示制御手段により設定される前記連続表示動作における前記単位表示の回数には、当該遊技回用動作における前記単位表示の増加分が前記複数の示唆情報の数の自然数倍となる回数と、その増加分が前記複数の示唆情報の数の自然数倍となる数とは異なる回数と、が含まれており、
前記連続表示制御手段は、前記付与判定の判定結果が前記付与対応結果である場合のほうがそうではない場合よりも、前記連続表示動作において前記複数の示唆情報の数の自然数倍となる回数を選択する確率が高く設定されていることを特徴とする特徴B5乃至B9のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、複数の示唆情報が巡回変化されることから、示唆情報が変化される所定順序を明確に示すことができる。これにより、遊技者としては特別情報の予測がし易くなる。
さらに、連続表示制御手段により設定される単位表示の回数として、その増加分が複数の示唆情報の数の自然数倍となる回数が選択された場合には、巡回変化される示唆情報において最終的に表示される示唆情報が変化しない。また、連続表示制御手段により設定される単位表示の回数として、複数の示唆情報の数の自然数倍となる数とは異なる回数が選択された場合には、巡回変化される示唆情報において最終的に表示される示唆情報が変化する。例えば、遊技者が特別報知から所定の特別情報が好ましいものではないと予測している場合、連続表示動作が行われることで示唆情報が変化して欲しいと望むものと考えられる。そこで、付与判定の結果が付与対応結果である場合のほうが連続表示動作による示唆情報の変化が行われない確率が高い構成とすることで、所定の特別情報が遊技者にとって好ましくないものである場合には、それが変化することで特別報知側は遊技者にとって好ましいものに変化し得るし、それが変化しない場合には当該遊技回において付与対応結果である可能性が高くなりそれは遊技者にとって好ましいものとなる。このようにすることで、特別報知と遊技回とに対する注目度を好適に高めることが可能となる。
特徴B11.遊技者による発射操作に基づいて、遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段(遊技球発射機構)と、
前記遊技領域に設けられ、当該遊技領域を流下する遊技球が入球可能な第1始動入球部(上作動口33)及び第2始動入球部(下作動口34)と、
を備え、
前記情報取得手段は、前記第1始動入球部又は前記第2始動入球部に遊技球が入球したことに基づいて、前記予め定められた取得条件が成立したとして、前記特別情報を取得するものであり、
前記取得情報記憶手段は、前記第1始動入球部に遊技球が入球した場合に前記情報取得手段が取得した特別情報を第1特別情報として記憶し、前記第2始動入球部に遊技球が入球した場合に前記情報取得手段が取得した特別情報を第2特別情報として記憶するものであり、
前記付与判定手段は、前記第1特別情報が複数記憶されている場合には先に取得された第1特別情報から順に前記付与判定を行うとともに、前記第2特別情報が複数記憶されている場合には先に取得された第2特別情報から順に前記付与判定を行うものであり、
前記第2特別情報が記憶されている場合には、その記憶されている第2特別情報よりも早いタイミングで取得された第1特別情報が記憶されていたとしても前記第2特別情報に対して前記付与判定が行われるようにする優先手段(第3の実施形態の主制御装置81におけるデータ設定処理を実行する機能)を備え、
前記特別報知制御手段は、前記第1特別情報に対応する前記特別報知を開始してから前記第2特別情報が記憶された場合には、前記単位表示の回数を増加又は減少させて特別報知の内容を調整する調整手段(演出制御装置82におけるステップS2701〜ステップS2703の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴B1乃至B10のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1始動入球部への遊技球の入球に基づく第1特別情報よりも、第2始動入球部への遊技球の入球に基づく第2特別情報のほうが、優先して付与判定手段による付与判定が行われる。そして、第1特別情報に対応する特別報知を行っている状況で第2特別情報が記憶された場合には、遊技回における単位表示の回数が増加することにより複数の示唆情報を変化させる回数も増加することになる。したがってこのような構成においては、単位表示の回数を増加又は減少させて特別報知の内容を調整する構成とすることで、特別報知の開始時に報知した内容と示唆情報の所定順序とに矛盾が生じず、好適に特別報知を実行することが可能となる。
特に特徴B3に本構成を適用すると、特別報知の開始時に報知した所定順序との矛盾が生じないため好ましい。
特徴B12.前記遊技回における前記遊技回用動作として、前記単位表示が複数回に亘って繰り返され、最終的に前記付与判定の判定結果に対応した結果が停止表示される連続表示動作を実行する連続表示制御手段(演出制御装置82における連続演出設定処理を実行する機能)を備え、
前記調整手段は、前記連続表示制御手段による前記連続表示動作を行わせることで前記単位表示の回数を増加させて前記特別報知の内容を調整するものであることを特徴とする特徴B11に記載の遊技機。
上記構成によれば、調整手段は連続表示動作により単位表示の回数を増加させて特別報知の内容を調整する。このように遊技回用動作の演出にからめて調整することで、違和感なく特別報知の内容の調整を行うことが可能となる。
特徴B13.記特別報知制御手段は、前記複数の示唆情報を巡回変化させるものであり、
前記連続表示制御手段により設定される前記連続表示動作における前記単位表示の回数には、前記複数の示唆情報の数の自然数倍となる回数(4回)が含まれており、
前記調整手段は、前記連続表示制御手段による前記連続表示動作における前記単位表示の回数を前記複数の示唆情報の数の自然数倍となる回数に設定して前記特別報知の内容を調整することを特徴とする特徴B12に記載の遊技機。
上記構成によれば、複数の示唆情報が巡回変化される構成において、調整手段により連続表示動作における単位表示の回数が複数の示唆情報の自然数倍となる回数に設定される。これにより、特別報知の内容を示唆画像の変更なく調整することができ、所定順序の矛盾を回避することができる。
特徴B14.前記複数の示唆情報には、少なくとも前記先特定手段による特定結果に対応する情報と当該先特定手段による特定結果に対応しない情報とが含まれていることを特徴とする特徴B1乃至B13のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、先特定手段の特定結果に対応しない情報も含んだ状態で特別報知が行われる。つまり、本構成は、特別報知において先特定手段による特定結果に対応する情報のみが報知される所謂確定報知が行われない構成である。このように確定報知が行われない構成とすることで、特別情報を予測するという遊技の意義を高めることができる。
<特徴C群>
特徴C1.予め定められた取得条件が成立したことに基づいて、特別情報を取得する情報取得手段(主制御装置81における作動口用の入賞処理を実行する機能)と、
当該情報取得手段の取得した特別情報を、複数の数として予め定められた所定数を上限として記憶する取得情報記憶手段(主制御装置81における保留球格納エリア232)と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が、予め設定されている付与情報に対応しているか否かの付与判定を行うとともに、前記取得情報記憶手段に複数の特別情報が記憶されている場合にはそれら複数の特別情報に対して前記付与判定を順次行う付与判定手段(主制御装置81におけるステップS601の処理を実行する機能)と、
当該付与判定手段による付与判定の結果が判定対象の特別情報が前記付与情報に対応しているとする付与対応結果となったことに基づいて、遊技者に対して特典を付与する特典付与手段(主制御装置81におけるステップS305の処理を実行する機能)と、
前記付与判定手段により前記付与判定が行われたことに基づいて遊技回用動作が開始され、前記付与判定手段の判定結果に対応した報知結果とし前記遊技回用動作が終了されることを遊技回の1回として、前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報に応じて各遊技回の前記遊技回用動作が行われるように報知手段(図柄表示装置41)を制御する遊技回制御手段(主制御装置81における遊技回制御処理を実行する機能)と、
を備えた遊技機において、
前記遊技回制御手段は、前記遊技回用動作を開始してから当該遊技回用動作を終了するまでの動作期間を設定する動作期間設定手段(主制御装置81におけるステップS608の処理を実行する機能)を備え、当該動作期間設定手段により設定された動作期間に基づいて前記遊技回用動作を実行するものであり、
前記情報取得手段により取得された所定の特別情報が前記付与判定の対象となった場合における判定結果に対応する情報を、当該所定の特別情報が前記付与判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて特定する先特定手段(主制御装置81における保留予告用の確認処理を実行する機能)と、
当該先特定手段による特定結果に対応する特別報知が、当該先特定手段による特定対象となった前記所定の特別情報が前記付与判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて前記報知手段又はそれとは異なる報知手段にて実行されるように制御する特別報知制御手段(演出制御装置82における保留表示決定処理を実行する機能)と、
前記所定の特別情報よりも前に前記付与判定の対象となる特別情報の遊技回における前記動作期間の情報を、当該前に付与判定の対象となる特別情報が前記付与判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて特定する先動作期間特定手段(演出制御装置82におけるステップS802,S805,S806の処理を実行する機能)と、
を備え、
前記特別報知制御手段は、前記先動作期間特定手段により特定される前記動作期間の情報を利用して、前記特別報知を行うものであり、
前記動作期間設定手段により設定される前記動作期間が、前記先動作期間特定手段により特定された時点での前記動作期間と異なる場合に、前記特別報知の内容を調整する調整手段(演出制御装置82におけるステップS908の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴C1によれば、取得情報記憶手段に記憶されている所定の特別情報についての特別報知が、それが付与判定の対象となるよりも前に行われることがある。そのため、特別報知から所定の特別情報の内容を予測するという遊技が追加され、遊技の多様化が図られる。よって、遊技の注目度を高めることが可能となる。
特別報知は、先動作期間特定手段により特定される動作期間の情報を利用して行われる。そして、先動作期間特定手段により動作期間の情報が特定されるタイミングは、動作期間設定手段により動作期間が設定されるタイミングよりも前のタイミングであり、このタイミングの相違により特定又は設定した動作期間が相違する場合には、動作期間の情報を利用して行われる特別報知の内容に支障が生じ得る。この場合、特徴C1によれば、調整手段により特別報知の内容が調整されるため、例えば特別報知の開始時から終了時までの期間に応じて特別報知の報知内容が変化する構成の場合に、報知内容に矛盾が生じない。また、動作期間を調節するのではなく特別報知側の内容が調節されるため、この調整に遊技回用動作に関する変更を要さず、既存の構成を利用して好適に特別報知を実行することができる。これにより、上記のように特定又は設定した動作期間が相違する構成であっても特別報知を好適に実行することが可能となる。
特徴C2.前記調整手段は、前記特別報知の開始後に前記特別報知の内容を調節するものであることを特徴とする特徴C1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特別報知を動作期間設定手段による動作期間の設定がなされるよりも前のタイミングで開始することができる。これにより、特別報知を行う期間を長く確保することができ、特別報知を好適に実行することができる。
特徴C3.前記特別報知制御手段は、前記特別報知として複数の情報の表示を周期的に巡回変化させて、前記先特定手段による特定結果の内容に対応する情報が表示された状態で当該特別報知を終了するものであり、
前記調整手段は、前記先動作期間特定手段により特定された前記動作期間と、前記動作期間設定手段により設定された前記動作期間と、の差を利用して前記特別報知の内容を調整するものであり、
これら各動作期間の差が、前記複数の情報の表示における巡回周期の自然数倍となるように設定されていることを特徴とする特徴C1又は特徴C2に記載の遊技機。
上記構成によれば、先動作期間特定手段により特定された動作期間と、動作期間設定手段により設定された動作期間との差が、巡回周期の自然数倍となっているため、これら動作期間に差が生じても、特別報知においてはその差によって複数の情報の表示の巡回回数が変化するだけで、特別報知の終了時の内容に影響がない。換言すると、調整手段は特別報知の巡回回数を変化させるだけでよく、特別な処理を必要とせず、内容の調整を好適に行うことが可能となる。
なお、上記特徴C1乃至C3のいずれか1に対して、特徴A1乃至A22、特徴B1乃至B14、特徴D1乃至D3のいずれかで示した構成を適用してもよい。
<特徴D群>
特徴D1.遊技者による発射操作に基づいて、遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段(遊技球発射機構)と、
前記遊技領域に設けられ、当該遊技領域を流下する遊技球が入球可能な始動入球部(上作動口33、下作動口34)と、
当該始動入球部に遊技球が入球したことに基づいて特別情報を取得する情報取得手段(主制御装置81における作動口用の入賞処理を実行する機能)と、
当該情報取得手段が取得した特別情報を、複数の数として予め定められた所定数を上限として記憶する取得情報記憶手段(第1結果表示部用保留エリアRa、第2結果表示部用保留エリアRb)と、
当該取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が、予め定められた付与情報に対応しているか否かの付与判定を行うとともに、前記取得情報記憶手段に複数の特別情報が記憶されている場合には、それら複数の特別情報に対して前記付与判定を順次行う付与判定手段(主制御装置81におけるステップS601の処理を実行する機能)と、
当該付与判定手段による付与判定の結果が、判定対象の特別情報が前記付与情報に対応している付与対応結果となったことに基づいて、遊技者に特典を付与する特典付与手段(主制御装置81におけるステップS305の処理を実行する機能)と、
絵柄を変動表示する絵柄表示手段(図柄表示装置41)と、
前記付与判定手段により前記付与判定が行われたことに基づいて、前記絵柄表示手段における複数の変動表示領域において前記絵柄の変動表示が開始された後絵柄を停止表示又は仮停止表示させる単位表示が少なくとも1回行われるようにし、各遊技回において前記付与判定の判定結果に対応した結果を停止表示させることを1回の遊技回として遊技回用動作を実行するように前記絵柄表示手段を制御する遊技回制御手段(主制御装置81における変動開始処理を実行する機能)と、
を備えている遊技機において、
前記遊技領域には、前記始動入球部として少なくとも第1始動入球部(上作動口33)と第2始動入球部(下作動口34)とが設けられており、
前記取得情報記憶手段は、前記第1始動入球部に遊技球が入球した場合に前記情報取得手段が取得した特別情報を第1特別情報として記憶し、前記第2始動入球部に遊技球が入球した場合に前記情報取得手段が取得した特別情報を第2特別情報として記憶するものであり、
前記付与判定手段は、前記第1特別情報が複数記憶されている場合には先に取得された第1特別情報から順に前記付与判定を行うとともに、前記第2特別情報が複数記憶されている場合には先に取得された第2特別情報から順に前記付与判定を行うものであり、
前記第2特別情報が記憶されている場合には、その記憶されている第2特別情報よりも早いタイミングで取得された第1特別情報が記憶されていたとしても前記第2特別情報に対して前記付与判定が行われるようにする優先手段(第3の実施形態の主制御装置81におけるデータ設定処理を実行する機能)と、
を備え、
前記遊技回制御手段は、前記優先手段により前記第2特別情報に対して当該第2特別情報よりも早いタイミングで取得された前記第1特別情報よりも先に前記付与判定を行わせる場合、当該第2特別情報が付与判定の対象となることに基づいて実行される遊技回の前記遊技回用動作として、前記単位表示が複数回に亘って繰り返され、最終的に前記付与判定の判定結果に対応した結果が停止表示されるように制御する連続表示実行手段(演出制御装置82におけるステップS2601〜ステップS2604の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴D1によれば、優先手段により第2特別情報が第1特別情報よりも優先されて付与判定が行われる場合には、当該第2特別情報の遊技回にて単位表示が複数回実行される。これにより、第2始動入球部への入球に基づく付与判定が行われたことを認識し易くなる。また、第2特別情報が優先されることで、その優先前と比べて単位表示の数が増加することになる。そしてこの連続表示実行手段による複数回の単位表示が行われる構成によれば、この優先時に増加する単位表示の数を、優先される特別情報の数よりも増加させることが可能となる。これにより、その単位表示の増加分を利用した演出を行うなど、斬新な遊技を創出することができる。
特徴D2.前記第2始動入球部に対して設けられ、当該第2始動入球部へ遊技球が入球する第1状態(開放状態)と当該第1状態よりも前記第2始動入球部へ遊技球が入球しにくい第2状態(閉鎖状態)とに切換可能な切換手段(電動役物34a)と、
当該切換手段を前記第1状態と前記第2状態とに切り換える切換制御手段(主制御装置81におけるステップS306の処理を実行する機能)と、
を備え、
前記切換制御手段による前記切換手段の切換モードとして、前記切換手段が前記第1状態とされる頻度が相対的に高低となるように高頻度モード(高頻度サポートモード)と低頻度モード(低頻度サポートモード)とが設定されており、
前記連続表示実行手段は、前記低頻度モード時に前記第2始動入球部へ入球したことに基づく前記第2特別情報が前記優先手段により優先される場合に、前記単位表示を前記複数回に亘って繰り返すよう制御するものであることを特徴とする特徴D1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2始動入球部への入球が低頻度となる低頻度モード時に、当該第2始動入球部へ入球した場合にその遊技回にて複数回の単位表示が行われる。遊技者としては、低頻度モード時に入賞した場合には、高頻度モード時に入賞した場合と比較して、何らかの特別な特典が得られるのでは、と期待するものと考えられる。そこでそのような状況(低頻度モード時に入賞した状況)において、単位表示を複数回に亘って繰り返すことで、遊技者の期待をさらに煽ることができる。これにより、この複数回に亘って繰り返す単位表示に対して遊技者の注目を集めることが可能となる。
特徴D3.前記情報取得手段により取得された所定の特別情報が前記付与判定の対象となった場合における判定結果に対応する情報を、当該所定の特別情報が前記付与判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて特定する先特定手段(主制御装置81における保留予告用の確認処理を実行する機能)と、
当該先特定手段による特定結果に対応する特別報知が、当該先特定手段による特定対象となった前記所定の特別情報が前記付与判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて前記絵柄表示手段又はそれとは異なる報知手段にて実行されるように制御する特別報知制御手段(演出制御装置82における保留表示決定処理を実行する機能)と、
前記特別報知を開始してから終了するまでに実行する前記単位表示の回数を算出する回数算出手段(演出制御装置82におけるステップS2001〜S2004,S2101〜S2104の処理を実行する機能)と、
を備え、
前記特別報知制御手段は、前記回数算出手段により算出された前記単位表示の回数に基づいて前記特別報知を実行するものであることを特徴とする特徴D1又は特徴D2に記載の遊技機。
上記構成によれば、取得情報記憶手段に記憶されている所定の特別情報についての特別報知が、それが付与判定の対象となるよりも前に行われることがある。そのため、特別報知から所定の特別情報の内容を予測するという遊技が追加され、遊技の多様化が図られる。よって、遊技の注目度を高めることが可能となる。
そしてこの特別報知は、単位表示の回数に基づいて実行される。そのため、特徴D1に記載したように第2始動入球部への入球に基づいて単位表示の回数が変化すると、この特別報知についても影響が及ぶものと遊技者は考える。すなわち、上記予測した所定の特別情報の内容が遊技者にとって好ましいものであればそれが変化して欲しいと望むであろうし、好ましくないものであればそれが変化して欲しいと望むものと考えられる。そのため、このような特別報知を行う構成において、特徴D1の構成を適用することで、特別報知における遊技者の予測に影響を及ぼすことができ、該特別報知への注目度を好適に高めることが可能となる。
なお、上記特徴D1乃至D3のいずれか1に対して、特徴A1乃至A22、特徴B1乃至B14、特徴C1乃至C3のいずれかで示した構成を適用してもよい。
以下に、以上の各特徴を適用し得る各種遊技機の基本構成を示す。
パチンコ遊技機:遊技者が操作する操作手段と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段と、その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く球通路と、遊技領域内に配置された各遊技部品とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。
スロットマシン等の回胴式遊技機:複数の絵柄を可変表示させる絵柄表示装置を備え、始動操作手段の操作に起因して前記複数の絵柄の可変表示が開始され、停止操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより前記複数の絵柄の可変表示が停止され、その停止後の絵柄に応じて遊技者に特典を付与する遊技機。
球使用ベルト式遊技機:複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄列を最終停止表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより図柄の変動が停止され、その停止時の最終停止図柄が特定図柄であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態(ボーナスゲーム等)を発生させるようにし、さらに、球受皿を設けてその球受皿から遊技球を取り込む投入処理を行う投入装置と、前記球受皿に遊技球の払出を行う払出装置とを備え、投入装置により遊技球が投入されることにより前記始動用操作手段の操作が有効となるように構成した遊技機。