[第1実施形態]
以下、本発明の好適な実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、遊技機の説明における前後左右とは、遊技中の遊技者から見た方向を指すものとする。
〔遊技機全体図〕
図1は、遊技機を説明する図である。
遊技機10は島設備に固定される枠11に、ヒンジを介して開閉回動自在に取り付けられる開閉枠を備える。開閉枠は、前面枠12(本体枠)及びガラス枠15によって構成されている。
前面枠12には、遊技盤30(図2参照)が配設されるとともに、遊技盤30の前面を覆うカバーガラス14を有するガラス枠15が取り付けられる。カバーガラス14は、遊技盤30に形成される遊技領域32(図2参照)を視認可能とする遊技視認領域として機能する。
前面枠12及びガラス枠15は、それぞれ個別に開放することが可能となっている。例えば、ガラス枠15のみを開放することで、遊技盤30の遊技領域32にアクセスすることができる。また、前面枠12をガラス枠15が開放されていない状態で開放することで、遊技盤30の裏面側に配設された遊技制御装置(主基板)100(図3参照)等にアクセスすることができる。
ガラス枠15のカバーガラス14周囲の縁部分には、種々の枠構成部材が配設されている。
ガラス枠15の上部中央及び左側部には、遊技状態に応じて発光演出可能な装飾装置18a,18bが配設されている。装飾装置18a,18bは、内部にLED等の照明部材を収容しており、遊技状態に応じた発光演出を行う。これら装飾装置18a,18bの内部に配設される照明部材は、枠装飾装置18(図4参照)の一部を構成している。
ガラス枠15の上右角部分及び上左角部分には、上スピーカ19aがそれぞれ配設される。これら上スピーカ19aとは別に遊技機10の下部には、2つの下スピーカ19bが設けられている。下スピーカ19bは、ガラス枠15の下左角部分及び前面枠12の下右角部分に配設されている。これら上スピーカ19a及び下スピーカ19bは、効果音や警報音、報知音等を発するものである。
ガラス枠15の右側部には、遊技機10の上下方向に延設されるとともに、前方(遊技者側)に向かって突出する突出演出ユニット13が配設されている。突出演出ユニット13は、遊技の進行状態に応じて発光演出等を行う演出装置である。突出演出ユニット13の内部に配設される照明部材も枠装飾装置18(図4参照)の一部を構成している。
ガラス枠15の下部には、遊技球を貯留可能な上皿21を有する上皿ユニットが取り付けられている。上皿21は、上面が開口した箱状に形成されている。上皿21に貯留されている遊技球は、一球ずつ球発射装置(図示省略)に供給される。
上皿ユニットは、遊技者からの入力操作を受け付ける演出操作装置と、遊技者からの入力操作を受け付ける球貸操作装置と、遊技状態に応じて発光演出等を行う装飾装置22と、をさらに備える。
演出操作装置は、演出ボタン25にタッチパネル25bを組み込んだ操作装置であり、遊技者が操作しやすいように上皿ユニットの上部中央に設けられている。
遊技者が演出操作装置を操作することによって、表示装置41(図2参照)に表示される特図変動表示ゲーム等において遊技者の操作を介入させた演出を行うことができる。例えば、演出パターン(演出態様)を選択したり、始動記憶に対応する変動表示ゲームの結果を事前に予告する予告演出を実行したりすることができる。なお、変動表示ゲームには特図変動表示ゲームが含まれ、単に変動表示ゲームとした場合には、本明細書では特図変動表示ゲームを指すものとする。
また、変動表示ゲームの実行中だけでなく、非実行中に遊技者が演出操作装置を操作することによっても演出パターンを変更するようにしてもよい。
なお、変動表示ゲームが実行される際の遊技状態は、複数の遊技状態からなる。通常遊技状態(通常状態)とは、特別な遊技状態が発生していない遊技状態である。また、特別な遊技状態とは、例えば、特定遊技状態としての時短状態や変動表示ゲームにおいて特別結果(例えば大当り)の発生確率が高い状態(確変状態、確率変動状態)、大当り状態(特別遊技状態)、小当り遊技状態(小当り状態)である。
ここで、確変状態(特定遊技状態)は、次の大当りが発生するまで継続するもの(ループタイプ)、所定回数の変動表示ゲームが実行されるまで継続するもの(回数切りタイプ、ST)、及び所定の確率転落抽選に当選するまで継続するもの(転落抽選タイプ)等がある。
さらに、確変状態を発生させるか否かを大当り図柄乱数によって決定せずに、大当りが発生した場合に必ず確変状態を発生させるようにしてもよい。
球貸操作装置は、遊技者が遊技球を借りる場合に操作する操作装置であって、上皿ユニットの上部右側に設けられている。球貸操作装置は、球貸ボタン27と、返却ボタン28と、残高表示部26と、を備えている。球貸ボタン27は遊技球を借りる場合に遊技者が操作するボタンであり、返却ボタン28は遊技機10に隣接するように配置されるカードユニット(図示省略)からプリペイドカード等を排出させる場合に遊技者が操作するボタンである。残高表示部26は、プリペイドカード等の残高が表示される表示領域である。
装飾装置22は、内部にLED等の照明部材を収容しており、遊技状態に応じて発光演出等を行う装置であって、上皿ユニットの前側部分に設けられている。装飾装置22の内部に配設される照明部材は、枠装飾装置18(図4参照)の一部を構成している。
上記した上皿ユニット等を備えるガラス枠15の下方であって、前面枠12の下部には、球発射装置(図示省略)の動作を制御するための操作ハンドル24と、遊技球を貯留可能な下皿23とが設けられている。
操作ハンドル24は、前面枠12の右下部であって、右側の下スピーカ19bの下方に配置されている。遊技者が操作ハンドル24を回動操作することによって、球発射装置は上皿21から供給された遊技球を遊技盤30の遊技領域32に発射する。球発射装置から発射される遊技球の発射速度は、操作ハンドル24の回動操作量が大きくなるほど速くなるように設定されている。即ち、球発射装置は、遊技領域に遊技球を発射する勢(速度)である発射勢を、遊技者による操作ハンドル24の操作に対応して変更でき、発射勢の異なる種々の発射態様で遊技球を発射できる。発射態様には、遊技領域32の左側において遊技球を流下させる左打ち(通常打ち)と、遊技領域32の右側において遊技球を流下させる右打ちが含まれる。
下皿23は、上皿ユニットに対して所定の間隔をあけて、上皿ユニットの下方に配置されている。下皿23は、当該下皿23の底面を上下方向に貫通する球抜き穴23aと、球抜き穴23aを開閉するための開閉操作部23bと、を有している。遊技者が開閉操作部23bを操作して、球抜き穴23aを開くことによって、下皿23に貯留されていた遊技球を球抜き穴23aを通じて外部に排出することができる。
〔遊技盤〕
続いて、図2を参照して、遊技機10の遊技盤30について説明する。図2は、遊技機10に備えられる遊技盤30の正面図である。
図2に示すように、遊技盤30は、各種部材の取付ベースとなる平板状の遊技盤本体30aを備える。遊技盤本体30aは木製又は合成樹脂製であって、当該遊技盤本体30aの前面にはガイドレール31で囲まれた遊技領域32が設けられている。遊技機10は、ガイドレール31で囲まれた遊技領域32内に球発射装置から遊技球を発射して遊技を行うように構成されている。遊技領域32には遊技球の流下方向を変換する部材として風車や障害釘等が配設されており、発射された遊技球はこれら部材により転動方向を変えながら遊技領域32を流下する。
遊技領域32の略中央には、変動表示ゲームの表示領域となる窓部を形成するセンターケース(前面構成体)40が取り付けられている。センターケース40に形成された窓部の後方には、複数の識別情報を変動表示(可変表示)する演出表示装置(変動表示装置)としての表示装置41が配置されている。表示装置41は、例えば、液晶ディスプレイを備え、センターケース40の窓部を介して遊技盤30の前面側から表示内容が視認可能となるように配置される。なお、表示装置41は、液晶ディスプレイを備えるものに限らず、ELやCRT等のディスプレイを備えるものであってもよい。
表示装置41の表示画面(表示部)には、複数の変動表示領域が設けられており、各変動表示領域に識別情報(特別図柄)や変動表示ゲームを演出するキャラクタが表示される。その他、表示画面には遊技の進行に基づく画像(大当り表示やファンファーレ表示、エンディング表示等)が表示される。
また、センターケース40には、遊技領域32を流下する遊技球をセンターケース40の内側に導くためのワープ通路40eへの流入口40aと、ワープ通路40eを通過した遊技球が転動可能なステージ部40bとが設けられている。センターケース40のステージ部40bは、始動入賞口36及び普通変動入賞装置37の上方に配置されているため、ステージ部40b上で転動した遊技球は始動入賞口36又は普通変動入賞装置37に入賞しやすくなっている。
センターケース40の上部及び右側部には、それぞれ上部演出ユニット40c及び側部演出ユニット40dが設けられる。上部演出ユニット40c及び側部演出ユニット40dは、盤装飾装置46(図4参照)及び盤演出装置44(図4参照)の一部を構成している。
センターケース40の右側方の遊技領域32には、普通図柄始動ゲート(普図始動ゲート)34が設けられている。普図始動ゲート34の内部には、当該普図始動ゲート34を通過した遊技球を検出するためのゲートスイッチ(SW)34a(図3参照)が設けられている。遊技領域32内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート34を通過すると、普図変動表示ゲームが実行される。
センターケース40の左下方の遊技領域32には一般入賞口35が配置されており、センターケース40の右下方の遊技領域32にも一般入賞口35が配置されている。これら一般入賞口35への遊技球の入賞は、一般入賞口35に備えられた入賞口スイッチ(SW)35a〜35n(図3参照)によって検出される。
センターケース40の下方の遊技領域32には、特図変動表示ゲームの開始条件を付与する始動入賞口(始動口1、第1始動入賞領域)36が設けられる。センターケース40の右側の遊技領域32において、普図始動ゲート34の下方には第2始動入賞口(始動口2、第2始動入賞領域)を備えた普通変動入賞装置37(普通電動役物、普電)が設けられる。普通変動入賞装置37は、前方へ回動することで、遊技球が流入し易い状態に変換する可動部材(可動片)37bを備える。可動部材37bが閉状態である場合には遊技球が普通変動入賞装置37に入賞できないようになっている。遊技球が始動入賞口36又は普通変動入賞装置37に入賞した場合には、補助遊技として特図変動表示ゲームが実行される。なお、始動入賞口36には、左打ち時に遊技球が入賞し易くなり、普通変動入賞装置37には、右打ち時に遊技球が入賞し易くなる。
可動部材37bは、いわゆるベロ型の普通電動役物であり、普図変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様となった場合に、普電ソレノイド37c(図3参照)を介して動作して開いて、遊技球が普通変動入賞装置37に流入しやすい開状態(遊技者にとって有利な入賞容易状態)に変化する。
なお、可動部材37bは、後述する遊技制御装置100によって制御される。遊技制御装置100は、普図変動表示ゲームの変動時間を短縮したり普図変動表示ゲームの当り確率を通常よりも高確率としたりすることで入賞容易状態の発生頻度を高めたり、特別な遊技を行わない通常遊技状態で発生する入賞容易状態よりも入賞容易状態の発生時間を長くしたりすることで、前述の特定遊技状態として時短状態(普電サポート状態)を発生させる。なお、確変状態(潜伏確変状態を除く)においても、重複して時短状態(普電サポート状態)が発生する。
始動入賞口36の右方の遊技領域32には、下大入賞口ソレノイド38b(図7参照)によって前方から奥側に引っ込むことで大入賞口を開放する下大入賞口を開放するアタッカ形式の開閉扉38cを有する第1特別変動入賞装置38(特別電動役物)が設けられている。第1特別変動入賞装置38は、特図変動表示ゲームの結果によって大入賞口を閉じた状態(遊技者にとって不利な閉塞状態)から開放状態(遊技者にとって有利な遊技状態)に変換し、下大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせることで、遊技者に所定の遊技価値(例えば、賞球や大当り終了後の時短回数/確変回数)を付与するようになっている。なお、下大入賞口内には、当該大入賞口に入った遊技球を検出する検出手段として下大入賞口スイッチ38a(カウントスイッチ)が配設されている。なお、第1特別変動入賞装置38には、右打ち時に遊技球が入賞し易くなる。
普通変動入賞装置37の上方の遊技領域32には、上大入賞口ソレノイド39b(図3参照)によって上端側が右側に倒れる方向に回動することで上大入賞口を開放する開閉扉39cを有する第2特別変動入賞装置39が設けられている。第2特別変動入賞装置39は、特図変動表示ゲームの結果によって大入賞口を閉じた状態(遊技者にとって不利な閉塞状態)から開放状態(遊技者にとって有利な特別遊技状態)に変換し、大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせることで、遊技者に所定の遊技価値(例えば、賞球や大当り終了後の時短回数/確変回数)を付与するようになっている。なお、大入賞口内には、当該大入賞口に入った遊技球を検出する検出手段として上大入賞口スイッチ39a(カウントスイッチ)(図3参照)が配設されている。なお、第2特別変動入賞装置39には、右打ち時に遊技球が入賞し易くなる。また、下大入賞口スイッチ38aと上大入賞口スイッチ39aを総称して、大入賞口スイッチ43と呼ぶ。
第2特別変動入賞装置39の内部には、特定領域86(いわゆるV入賞口)が設けられている。小当りによって開閉扉39cが開放された後に特定領域86(V入賞口)に遊技球が入球した場合に大当りが確定する。特定領域86は、小当り中にのみ、長時間開放されるなどして遊技球が容易に通過できるようにしてよい。なお、遊技制御装置100は、特定領域86への遊技球の通過(V入賞)をセンサ(後述の特定領域スイッチ72)等を介して検知でき、V入賞を検知すると小当り終了後に大当り状態に移行することを確定するとともに、後述の演出制御装置300にV入賞があったことを示す情報(特定領域通過コマンド等)を送信する。そして、演出制御装置300は、V入賞を表示装置41などにおいて報知できる。
即ち、本実施形態では、遊技機10は、いわゆる1種2種混合機(1+2種機)である。本実施形態では、小当りで第2特別変動入賞装置39が開放されることによって、第2特別変動入賞装置39内の特定領域86(V入賞口)に遊技球がV入賞して、大当りが発生する。
一般入賞口35、始動入賞口36、普通変動入賞装置37、及び特別変動入賞装置38、39の大入賞口に遊技球が入賞すると、払出制御装置200(図3参照)は、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球を払出装置から上皿21に排出する。また、下方の遊技領域32には、入賞口等に入賞しなかった遊技球を回収するアウト口30bが設けられている。また、一般入賞口35、始動入賞口36、普通変動入賞装置37、及び特別変動入賞装置38、39やその近傍には、遊技球が入賞した場合などに発光可能なLED(後述の盤装飾装置46の一部)が配設されている。
また、遊技領域32の外側であって遊技盤本体30aの右下角部には、特図変動表示ゲーム(特図1変動表示ゲーム、特図2変動表示ゲーム)及び普図変動表示ゲームを実行する一括表示装置50が設けられている。一括表示装置50は、現在の遊技状態等の情報を表示する表示部51〜60を備える。
一括表示装置50は、7セグメント型の表示器(LEDランプ)等で構成された変動表示ゲーム用の第1特図変動表示部51(特図1表示器、ランプD1)及び第2特図変動表示部52(特図2表示器、ランプD2)と、普図変動表示ゲーム用の変動表示部53(普図表示器、ランプD8、D10、D18)と、各変動表示ゲームの始動(保留)記憶数報知用の記憶表示部(特図1保留表示器54、特図2保留表示器55、普図保留表示器56)と、を有している。特図1保留表示器54はランプD11、D12により構成される。特図2保留表示器55は、ランプD13、D14により構成される。普図保留表示器56は、ランプD15、D16により構成される。
また、一括表示装置50には、右打ち時(右打ちすべき時)又は左打ち時(通常打ち時)であることを報知する第1遊技状態表示部57(第1遊技状態表示器、ランプD7)、時短状態が発生すると点灯して時短状態発生を報知する第2遊技状態表示部58(第2遊技状態表示器、ランプD17)、遊技機10の電源投入時に大当りの確率状態が高確率状態となっていることを表示する第3遊技状態表示部59(第3遊技状態表示器、確率状態表示部、ランプD9)、大当り時のラウンド数(特別変動入賞装置38、39の開閉回数)を表示するラウンド表示部60(ランプD3−D6)が設けられている。
特図1表示器51と特図2表示器52において、変動表示ゲームは、識別情報(例えば、中央のセグメント)の点灯消灯(点滅)を繰り返す変動表示によって実行される。なお、特図1表示器51、特図2表示器52は、このようなセグメント型の表示部に限らず、複数のLEDの集合体により構成されていてもよいし、変動表示を実行する場合に、表示器として設けられるすべてのLEDにより全点灯全消灯(全LEDの同時点滅)や、循環点灯(何れか1のLEDから所定時間毎に所定の順序で点灯し、消灯する)、または複数のLEDのうちの所定数のLEDによる点灯消灯(点滅)や循環点灯によって行ってもよい。普図表示器53においても、変動表示ゲームは、ランプD10、D18の点灯消灯を繰り返す変動表示(点滅)によって実行される。また、普図表示器53も特図1表示器51、特図2表示器52と同様に適宜構成することが可能である。
ランプ表示装置80は、図柄(後述の第四特別図柄)として点灯表示と消灯表示を繰り返す変動表示(点滅)を実行するランプ表示部1、2(LED)と、各特図変動表示ゲームの始動(保留)記憶数報知用のランプ表示部3−6(LED)を有する。なお、ランプ表示装置80は、演出制御装置300(後述)で制御される。
ランプ表示部1、2は、変動表示として所定の点滅周期(例えば200msec(ミリ秒))で点滅する。一括表示装置50の特図1表示器51、特図2表示器52、普図表示器53における変動表示の変動時間が遊技制御装置100で計測されるのに対して、ランプ表示装置80のランプ表示部1、2の変動時間は演出制御装置300(後述)で計測される。
ランプ表示部3、4(特図1保留LED1、特図1保留LED2)は、消灯状態、点灯状態、点滅状態の組合せによって、特図1保留数(第1始動記憶数)を表示する。同様に、ランプ表示部5、6(特図2保留LED1、特図2保留LED2)は、消灯状態、点灯状態、点滅状態の組合せによって、特図2保留数(第2始動記憶数)を表示する。ランプ表示部3−6は、大当り発生により保留数の表示を終了するが、大当り状態中以外の場合(表示装置41で後述のリーチが発生している場合も含む)では、保留数の表示を行う。
次に、遊技機10における遊技の流れ、普図変動表示ゲーム及び特図変動表示ゲームの詳細について説明する。
遊技機10では、図示しない球発射装置から遊技領域32に向けて遊技球が打ち出されることによって遊技が行われる。打ち出された遊技球は、遊技領域32内の各所に配置された障害釘や風車等によって転動方向を変えながら遊技領域32を流下し、普図始動ゲート34、一般入賞口35、始動入賞口36、普通変動入賞装置37、又は特別変動入賞装置38、39に入賞するか、遊技領域32の最下部に設けられたアウト口30bへ流入し、遊技領域32から排出される。そして、一般入賞口35、始動入賞口36、普通変動入賞装置37、又は特別変動入賞装置38、39に遊技球が入賞すると、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球が払出装置を介して上皿21に排出される。
普図始動ゲート34には、当該普図始動ゲート34を通過した遊技球を検出するゲートスイッチ34a(図3参照)が設けられている。遊技球が普図始動ゲート34を通過すると、ゲートスイッチ34aによって検出され、このときに抽出された当り判定用乱数値の判定結果に基づき普図変動表示ゲームが実行される。
普図変動表示ゲームを開始できない状態、例えば、既に普図変動表示ゲームが行われており当該普図変動表示ゲームが終了していない場合や、普図変動表示ゲームの結果が当りとなって普通変動入賞装置37が開放状態に変換されている場合に、遊技球が普図始動ゲート34を通過すると、普図始動記憶数(普図保留数)が上限数未満ならば当該記憶数が加算(+1)される。
普図始動記憶(普図保留)には普図変動表示ゲームの当りはずれを決定するための当り判定用乱数値が記憶されており、この当り判定用乱数値が判定値と一致した場合に、当該普図変動表示ゲームが当りとなって特定の結果態様(特定結果)が導出される。
普図変動表示ゲームは、一括表示装置50に設けられた普図表示器53で実行されるようになっている。普図表示器53は、普通識別情報(普図)として点灯状態の場合に当りを示し、消灯状態の場合にはずれを示すLEDから構成され、このLEDを点滅表示することで普通識別情報の変動表示を行い、所定の変動表示時間の経過後、LEDを点灯又は消灯することで結果を表示するようになっている。
普図始動ゲート34通過時に抽出された普図乱数値が当り値である場合には、普図表示器53に表示される普通図柄(普図)が当り状態で停止し、当り状態となる。このとき、普電ソレノイド37c(図3参照)が駆動されることにより、可動部材37bが所定の時間(例えば3秒間×2回)だけ開状態に変換され、普通変動入賞装置37への遊技球の入賞が許容される。
遊技球の始動入賞口36への入賞及び普通変動入賞装置37への入賞は、始動口1スイッチ36a(図3参照)及び始動口2スイッチ37a(図3参照)によって検出される。始動入賞口36に入賞した遊技球は特図1変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、所定の上限数を限度に記憶されるとともに、普通変動入賞装置37に入賞した遊技球は特図2変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、所定の上限数を限度に記憶される。
特図変動表示ゲームの始動入賞球の検出時には、大当り乱数値や大当り図柄乱数値、各変動パターン乱数値等が抽出される。これら乱数値は、遊技制御装置100の特図保留記憶領域(RAMの一部)に特図始動入賞記憶として各々所定回数分(例えば最大で8回分)を限度に記憶される。特図始動入賞記憶の記憶数は、一括表示装置50の始動入賞数報知用の特図1保留表示器54や特図2保留表示器55に表示されるとともに、表示装置41の表示画面にも表示される。
遊技制御装置100は、始動入賞口36への入賞若しくは第1始動記憶(特図1始動記憶、特図1保留)に基づいて、特図1表示器51で特図1変動表示ゲームを実行する。また、遊技制御装置100は、普通変動入賞装置37への入賞若しくは第2始動記憶(特図2始動記憶、特図2保留)に基づいて、特図2表示器52で特図2変動表示ゲームを実行する。
特図1変動表示ゲーム(第1特図変動表示ゲーム)及び特図2変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)は、特図1表示器51及び特図2表示器52において識別情報(特別図柄、特図)を変動表示した後に所定の結果態様を停止表示することで行われる。
また、表示装置41では、各特図変動表示ゲームに対応して複数種類の識別情報(例えば、数字、記号、キャラクタ図柄など)を変動表示させる飾り特図変動表示ゲームが実行される。
表示装置41における飾り特図変動表示ゲームは、前述した数字等で構成される飾り特別図柄(識別情報)が左(第一特別図柄)、右(第二特別図柄)、中(第三特別図柄)の順に変動表示(スクロール表示)を開始して、所定時間後に変動している図柄を順次停止させて、特図変動表示ゲームの結果を表示することで行われる。また、表示装置41では、興趣向上のためにキャラクタの出現等の多様な演出表示が行われる。さらに、飾り特図変動表示ゲームでは、他の飾り特別図柄(識別情報)として、ランプ表示装置80のランプ表示部1、2において、点灯表示と消灯表示の繰り返し(点滅)によって第四特別図柄(第4図柄)が変動する。ランプ表示部1、2の変動表示は、開始から所定時間後に、はずれの場合は「消灯」、大当りもしくは小当りの場合は「点灯」で停止する。
始動入賞口36又は普通変動入賞装置37への遊技球の入賞が所定のタイミングでなされた場合(入賞検出時の大当り乱数値が大当り値である場合)には、特図変動表示ゲームの結果として表示図柄により特定の結果態様(特別結果態様)が導出され、大当り状態(特別遊技状態)となる。これに対応して、表示装置41の表示態様は特別結果態様(例えば「7,7,7」等の数字が揃った状態)となる。
このとき、特別変動入賞装置38、39は、大入賞口ソレノイド(38b、39b)(図3参照)への通電によって、大入賞口が所定の時間(例えば30秒)だけ閉状態から開状態に変換される。すなわち、特別変動入賞装置38、39に備えられた大入賞口が所定の時間又は所定数の遊技球が入賞するまで大きく開き、この間遊技者は多くの遊技球を獲得することができるという特典が付与される。
第1始動入賞口36又は普通変動入賞装置37への遊技球の入賞が所定のタイミングでなされた場合(入賞検出時の大当り乱数値が小当り値である場合)には、特図変動表示ゲームの結果として表示図柄により特定結果態様(小当り結果態様)が導出され、小当り状態となる。これに対応して、表示装置41の表示態様は小当り結果態様となる。なお、本実施形態では、小当りの判定にも大当り乱数値が使用されるが、小当り値(小当り判定値)は、大当り値(大当り判定値)と異なる。
このとき、特別変動入賞装置38、39は、大入賞口ソレノイド38b、39b(図3参照)への通電によって、大入賞口が所定の短時間だけ閉状態から開状態に変換される。なお、大入賞口の全開放時間は、小当り状態(小当り遊技状態)の方が大当り状態(特別遊技状態)よりも短いため、小当り状態では大当り状態よりも遊技者が獲得可能な遊技価値(獲得球数)が少ない。なお、小当り状態と大当り状態では両方とも大入賞口が開放状態となるが、大当り状態を第1特別遊技状態と呼び、小当り状態を第2特別遊技状態と呼んでもよい。なお、簡単のため、本実施形態では、小当り状態で特別変動入賞装置39(上大入賞口)のみが開状態に変換され、大当り状態(小当り中のV入賞による大当り状態も含む)で特別変動入賞装置38(下大入賞口)のみが開状態に変換される構成を説明する。
ここで、大当りと小当りとの違いについて説明する。
大当りとは条件装置の作動を伴う特別結果であり、小当りとは条件装置の作動を伴わない特定結果である。条件装置とは、特図変動表示ゲームで大当りが発生(大当り図柄の停止表示)した場合に作動するもので、条件装置が作動するとは、例えば大当り状態が発生して特別電動役物としての特別変動入賞装置38、39を連続して作動させるための特定のフラグがセットされることを意味する。また、条件装置が作動するとは、特定領域86への遊技球の通過(V入賞)があったことを意味してもよい。条件装置が作動しないとは、例えば単に小当り抽選に当選した場合のように上述の特定のフラグがセットされないことを意味する。ただし、本実施形態で後述するように、小当り状態中にV入賞があった場合には条件装置が作動することになる。なお、「条件装置」は、上記のようなソフトウェア的にオンオフされるフラグのようなソフトウェア手段であっても良いし、電気的にオンオフされるスイッチのようなハードウェア手段であっても良い。また、「条件装置」は、その作動が電動役物の連続作動に必要条件とされる装置として、パチンコ遊技機の分野においては一般的に使用されている用語であり、本明細書においても同様の意味を有する用語として使用している。
具体的には、大当りの場合は、大当りフラグが設定されることにより特別変動入賞装置が開放されるのに対して、小当りの場合は、小当りフラグが設定されることにより特別変動入賞装置が開放される。
なお、特図1表示器51及び特図2表示器52は、別々の表示器として構成してもよいし同一の表示器として構成してもよいが、各特図変動表示ゲームが同時に実行されないように設定される。なお、特図2変動表示ゲームは、特図1変動表示ゲームよりも優先して実行されるようになっており、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームの始動記憶があり、特図変動表示ゲームの実行が可能な状態になった場合は特図2変動表示ゲームが実行される(特図2保留優先消化、特図2優先変動)。
表示装置41における飾り特図変動表示ゲームについては、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームとを別々の表示装置や別々の表示領域で実行するようにしてもよいし、同一の表示装置や表示領域で実行するようにしてもよい。この場合、特図1変動表示ゲーム及び特図2変動表示ゲームに対応する飾り特図変動表示ゲームが同時に実行されないようにしてよい。
なお、以下の説明において、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームを区別しない場合は、単に特図変動表示ゲームと称する。
また、特に限定されるわけではないが、上記始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、ゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a、カウントスイッチ(38a、39a)には、磁気検出用のコイルを備え該コイルに金属が近接すると磁界が変化する現象を利用して遊技球を検出する非接触型の磁気近接センサ(以下、近接スイッチと称する)が使用されている。また、遊技機10のガラス枠15等に設けられたガラス枠開放検出スイッチ63や前面枠(遊技枠)12等に設けられた前面枠開放検出スイッチ64(本体枠開放検出スイッチ)には、機械的な接点を有するマイクロスイッチを用いることができる。
〔遊技制御装置〕
図3は、遊技機10の遊技制御系のブロック図である。遊技機10は遊技制御装置100(主基板)を備え、遊技制御装置100は、遊技を統括的に制御する主制御装置(主基板)であって、遊技用マイクロコンピュータ(以下、遊技用マイコンと称する)111を有するCPU部110と、入力ポートを有する入力部120と、出力ポートやドライバなどを有する出力部130、CPU部110と入力部120と出力部130との間を接続するデータバス140などからなる。
CPU部110は、アミューズメントチップ(IC)と呼ばれる遊技用マイコン(CPU)111と、水晶振動子のような発振子を備え、CPUの動作クロックやタイマ割込み、乱数生成回路の基準となるクロックを生成する発振回路(水晶発振器)113などを有する。遊技制御装置100及び該遊技制御装置100によって駆動されるソレノイドやモータなどの電子部品には、電源装置400で生成されたDC32V,DC12V,DC5Vなど所定のレベルの直流電圧が供給されて動作可能にされる。
電源装置400は、24Vの交流電源からDC32Vの直流電圧を生成するACDCコンバータやDC32Vの電圧からDC12V,DC5Vなどのより低いレベルの直流電圧を生成するDC−DCコンバータなどを有する通常電源部410と、遊技用マイコン111の内部のRAMに対して停電時に電源電圧を供給するバックアップ電源部420と、停電監視回路を有し、遊技制御装置100に停電の発生、回復を知らせる停電監視信号やリセット信号などの制御信号を生成して出力する制御信号生成部430などを備える。
本実施形態では、電源装置400は、遊技制御装置100と別個に構成されているが、バックアップ電源部420及び制御信号生成部430は、別個の基板上あるいは遊技制御装置100と一体、すなわち、主基板上に設けるように構成してもよい。遊技盤30及び遊技制御装置100は機種変更の際に交換の対象となるので、実施例のように、電源装置400若しくは主基板とは別の基板にバックアップ電源部420及び制御信号生成部430を設けることにより、交換の対象から外しコストダウンを図ることができる。
バックアップ電源部420は、電解コンデンサのような大容量のコンデンサ1つで構成することができる。バックアップ電源は、遊技制御装置100の遊技用マイコン111(特に内蔵RAM)に供給され、停電中あるいは電源遮断後もRAMに記憶されたデータが保持されるようになっている。制御信号生成部430は、例えば通常電源部410で生成された32Vの電圧を監視してそれが例えば17V以下に下がると停電発生を検出して停電監視信号を変化させるとともに、所定時間後にリセット信号を出力する。また、電源投入時や停電回復時にもその時点から所定時間経過後にリセット信号を出力する。
また、遊技制御装置100にはRAM初期化スイッチ112が設けられている。RAM初期化スイッチ112が押下げられてオン操作されると初期化スイッチ信号が生成され、これに基づき遊技用マイコン111内のRAM111c及び払出制御装置200内のRAMに記憶されている情報を強制的に初期化する処理が行われる。特に限定されるわけではないが初期化スイッチ信号は電源投入時に読み込まれ、停電監視信号は遊技用マイコン111が実行するメインプログラムのメインループの中で繰り返し読み込まれる。リセット信号は強制割込み信号の一種であり、制御システム全体をリセットさせる。
また、遊技制御装置100(主基板)は、設定キースイッチ93を備える。設定キースイッチ93は、操作者の回転操作等によってオンすることによって遊技条件(遊技)に関する設定に応じた確率設定値(設定値)を変更可能な状態にする。なお、RAM初期化スイッチ112は、操作者の操作に応じて確率設定値を変更可能な設定値変更スイッチとしても使用可能である。本実施形態では、確率設定値は、大当り確率や小当り確率などの当選確率を設定するための設定値であるが、確率以外の他の遊技条件(演出など)も確率設定値に応じて変更可能である。設定キースイッチ93とRAM初期化スイッチ112は、遊技条件に関する設定(確率設定値)を変更可能な設定変更手段(設定変更装置42)を構成する。なお、RAM初期化スイッチ112ではなく、他のスイッチが、設定値変更スイッチを兼用してもよいし、専用に独自の設定値変更スイッチを設けてもよい。
設定キースイッチ93とRAM初期化スイッチ112は、遊技機10内部の遊技制御装置100上に設けられることによって、前面枠12(本体枠)が開放されなければ操作できない位置(アクセスできない位置)に配置される。即ち、一般の遊技者は、設定キースイッチ93とRAM初期化スイッチ112にアクセスして操作することができない。
後述するように、遊技機10の電源投入(停電復旧、復電)の際に、遊技機10は、設定キースイッチ93とRAM初期化スイッチ112のオン/オフ状態に応じて、確率設定値を変更可能な設定可変状態(設定変更状態、設定変更モード)、確率設定値を確認可能な設定確認状態(設定確認モード)などの各種状態に、移行することができる。
本実施形態において、確率設定値は、例えば6段階で規定され、確率設定値1(設定1)、確率設定値2(設定2)、確率設定値3(設定3)、確率設定値4(設定4)、確率設定値5(設定5)、確率設定値6(設定6)がある。一般的に、設定1が遊技者に最も不利な設定であり、設定6が遊技者に最も有利な設定である。設定1、2が低設定であり、設定3、4が中間の設定(中間設定)であり、設定5、6が高設定である。
確率設定変更処理では、操作者によってRAM初期化スイッチ112が押下操作される度に、作業用設定値領域の作業用設定値(設定)が、設定値0(設定1、確率設定値1)→設定値1(設定2、確率設定値2)→設定値2(設定3、確率設定値3)→設定値3(設定4、確率設定値4)→設定値4(設定5、確率設定値5)→設定値5(設定6、確率設定値6)→設定値0(設定1)→設定値1(設定2)→・・・のように変更される。このように、RAM初期化スイッチ112は、設定値変更スイッチとしても機能する。なお、説明の都合上、設定変更状態(設定変更モード)中に、作業用設定値0〜5をそれぞれ確率設定値1〜6に対応して設けるが、作業用設定値と確率設定値は同じ数値範囲(即ち0〜5又は1〜6)に揃えて同じものとして取り扱ってもよい(作業用設定値と確率設定値を同じ数値にする)。
なお、RAM初期化スイッチ112(設定値変更スイッチ)の操作ではなく、設定キースイッチ93を所定の位置に回転操作して確率設定値を変更する構成としてもよい。また、確率設定値は6段階に限られない。そして、選択されている0〜5の作業用設定値に対応する表示用確率設定値が、例えば4桁の7セグメント型(ドットDpを含めると8セグメント型)の表示器である性能表示装置152等に表示される。
遊技用マイコン111は、CPU(中央処理ユニット:マイクロプロセッサ)111a、読出し専用のROM(リードオンリメモリ)111b及び随時読出し書込み可能なRAM(ランダムアクセスメモリ)111cを備える。
ROM111bは、遊技制御のための不変の情報(プログラム、固定データ、各種乱数の判定値等)を不揮発的に記憶する。RAM111cは、遊技制御時にCPU111aの作業領域や各種信号や乱数値の記憶領域として利用されるもので、遊技に関する情報(遊技情報)が記憶され、停電が発生しても記憶された情報の記憶保持が可能な保持記憶手段となる。ROM111b又はRAM111cとして、EEPROMのような電気的に書換え可能な不揮発性メモリを用いてもよい。
また、ROM111bは、例えば、特図変動表示ゲームの実行時間、演出内容、リーチ状態の発生の有無などを規定する変動パターン(変動態様)を決定するための変動パターンテーブルを記憶している。変動パターンテーブルとは、始動記憶として記憶されている変動パターン乱数1〜3をCPU111aが参照して変動パターンを決定するためのテーブルである。また、変動パターンテーブルには、結果がはずれとなる場合に選択されるはずれ変動パターンテーブル、結果が大当りとなる場合に選択される大当り変動パターンテーブル等が含まれる。さらに、これらのパターンテーブルには、リーチ状態となった後の変動パターンである後半変動パターンを決定するためのテーブル(後半変動グループテーブルや後半変動パターン選択テーブル等)、リーチ状態となる前の変動パターンである前半変動パターンを決定するためのテーブル(前半変動グループテーブルや前半変動パターン選択テーブル等)が含まれている。
ここでリーチ(リーチ状態)とは、表示状態が変化可能な表示装置を有し、該表示装置が時期を異ならせて複数の表示結果を導出表示し、該複数の表示結果が予め定められた特別結果態様となった場合に、遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態(特別遊技状態)となる遊技機10において、複数の表示結果の一部がまだ導出表示されていない段階で、既に導出表示されている表示結果が特別結果態様となる条件を満たしている表示状態をいう。また、別の表現をすれば、リーチ状態とは、表示装置の変動表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点でも、特別結果態様となる表示条件からはずれていない表示態様をいう。そして、例えば、特別結果態様が揃った状態を維持しながら複数の変動表示領域による変動表示を行う状態(いわゆる全回転リーチ)もリーチ状態に含まれる。また、リーチ状態とは、表示装置の表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点での表示状態であって、表示結果が導出表示される以前に決定されている複数の変動表示領域の表示結果の少なくとも一部が特別結果態様となる条件を満たしている場合の表示状態をいう。
よって、例えば、特図変動表示ゲームに対応して表示装置に表示される飾り特図変動表示ゲームが、表示装置における左、中、右の変動表示領域の各々で所定時間複数の識別情報を変動表示した後、左、右、中の順で変動表示を停止して結果態様を表示するものである場合、左、右の変動表示領域で、特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報)で変動表示が停止した状態がリーチ状態となる。他に、すべての変動表示領域の変動表示を一旦停止した時点で、左、中、右のうちいずれか二つの変動表示領域で特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報となった状態、ただし特別結果態様は除く)をリーチ状態とし、リーチ状態から残りの一つの変動表示領域を変動表示するようにしてもよい。
そして、リーチ状態には複数のリーチ演出が含まれ、特別結果態様(大当り態様)が導出される可能性が異なる(期待度が異なる)リーチ演出の系統(種類)として、ノーマルリーチ(Nリーチ)、スペシャル1リーチ(SP1リーチ)、スペシャル2リーチ(SP2リーチ)、スペシャル3リーチ(SP3リーチ)、プレミアリーチが設定されている。なお、大当りの期待度(期待値)は、リーチなし<ノーマルリーチ<スペシャル1リーチ<スペシャル2リーチ<スペシャル3リーチ<プレミアリーチの順に高くなるようになっている。また、リーチ状態は、少なくとも特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出される場合(大当りとなる場合)における変動表示態様に含まれるようになっている。すなわち、特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出されないと判定する場合(はずれとなる場合)における変動表示態様に含まれることもある。よって、リーチ状態が発生した状態は、リーチ状態が発生しない場合と比較して大当りとなる可能性の高い状態である。
なお、演出(予告)の期待度は、その演出が選択された場合に大当りになる確率を示唆し、大当りであるときのその演出の選択率及び大当りでないとき(はずれのとき)のその演出の選択率などに基づいて算出することができる。
CPU111aは、ROM111b内の遊技制御用プログラムを実行して、払出制御装置200や演出制御装置300に対する制御信号(コマンド)を生成したりソレノイドや表示装置の駆動信号を生成して出力して遊技機10全体の制御を行う。また、図示しないが、遊技用マイコン111は、特図変動表示ゲームの大当りを判定するための大当り乱数や大当りの図柄を決定するための大当り図柄乱数、小当りの図柄を決定するための小当り図柄乱数、特図変動表示ゲームでの変動パターン(各種リーチやリーチなしの変動表示における変動表示ゲームの実行時間等を含む)を決定するための変動パターン乱数等を生成するための乱数生成回路と、発振回路113からの発振信号(原クロック信号)に基づいてCPU111aに対する所定周期(例えば、4msec(ミリ秒))のタイマ割込み信号や乱数生成回路の更新タイミングを与えるクロックを生成するクロックジェネレータを備えている。
また、CPU111aは、特図変動表示ゲームに関する処理において、ROM111bに記憶されている複数の変動パターンテーブルの中から、いずれか一の変動パターンテーブルを取得する。具体的には、CPU111aは、特図変動表示ゲームの遊技結果(大当りあるいははずれ)や、現在の遊技状態としての特図変動表示ゲームの確率状態(通常確率状態あるいは高確率状態)、始動記憶数などに基づいて、複数の変動パターンテーブルの中から、いずれか一の変動パターンテーブルを選択して取得する。ここで、CPU111aは、特図変動表示ゲームを実行する場合に、ROM111bに記憶された複数の変動パターンテーブルのうち、いずれか一の変動パターンテーブルを取得する変動振り分け情報取得手段をなす。
払出制御装置200は、CPU、ROM、RAM、入力インタフェース、出力インタフェース等を備え、遊技制御装置100からの賞球払出し指令(コマンドやデータ)に従って、払出ユニットの払出モータ91を駆動させ、賞球を払い出させるための制御を行う。また、払出制御装置200は、カードユニット600からの貸球要求信号に基づいて払出ユニットの払出モータ91を駆動させ、貸球を払い出させるための制御を行う。
遊技用マイコン111の入力部120には、遊技機に対する電波の発射を検出する電波センサ62(盤電波センサ)、普図始動ゲート34のゲートスイッチ34a、第1始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、第2始動入賞口37(普通変動入賞装置)内の始動口2スイッチ37a、一般入賞口35の入賞口スイッチ35a、特別変動入賞装置38、39の大入賞口スイッチ43(下大入賞口スイッチ38a、上大入賞口スイッチ39a)に接続され、これらのスイッチから供給されるハイレベルが11Vでロウレベルが7Vのような負論理の信号が入力され、0V−5Vの正論理の信号に変換するインタフェースチップ(近接I/F)121が設けられている。
さらに、インタフェースチップ(近接I/F)121は、特定領域スイッチ72、残存球排出口スイッチ73、アウト球検出スイッチ74に接続される。特定領域スイッチ72は、特定領域86(V入賞口)への遊技球の通過(V入賞)を検出する。残存球排出口スイッチ73は、特別変動入賞装置38、39からの遊技球を排出する残存球排出口を通過した遊技球を検出する。アウト球検出スイッチ74は、アウト口30bを通過する遊技球のみを検出してもよいし、遊技領域に発射されて遊技を終えた全ての遊技球を検出してもよい。
近接I/F121の出力は、第2入力ポート123、第3入力ポート124、又は、第4入力ポート126に供給されデータバス140を介して遊技用マイコン111に読み込まれる。なお、近接I/F121の出力のうち、ゲートスイッチ34a、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、入賞口スイッチ35a、大入賞口スイッチ43の検出信号は第3入力ポート124に入力される。
また、近接I/F121の出力のうち、電波センサ62の検出信号及びセンサやスイッチの異常を検出した際に出力される異常検知信号は第2入力ポート123に入力される。
また、近接I/F121の出力のうち、特定領域スイッチ72、残存球排出口スイッチ73、又は、アウト球検出スイッチ74の検出信号は第4入力ポート126に入力される。
また、第2入力ポート123には、遊技機10の前面枠12等に設けられた不正検出用の磁気センサスイッチ61の検出信号、遊技機10のガラス枠15等に設けられたガラス枠開放検出スイッチ63、前面枠12(本体枠)等に設けられた前面枠開放検出スイッチ64(本体枠開放検出スイッチ)からの信号、遊技機10の振動を検出する振動センサ65からの信号が入力される。
また、第2入力ポート123は、設定キースイッチ93からの設定キースイッチ信号を取り込んでデータバス140を介して遊技用マイコン111に供給する。
また、近接I/F121の出力のうち、第3入力ポート124への出力は、遊技制御装置100から中継基板70を介して図示しない試射試験装置へも供給されるようになっている。さらに、近接I/F121の出力のうち始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aの検出信号は、第3入力ポート124の他、遊技用マイコン111に入力されるように構成されている。
前述のように近接I/F121は、信号のレベル変換機能を有する。このようなレベル変換機能を可能にするため、近接I/F121には、電源装置400から通常のICの動作に必要な例えば5Vのような電圧の他に、12Vの電圧が供給されるようになっている。
第3入力ポート124が保持しているデータは、遊技用マイコン111が第3入力ポート124に割り当てられているアドレスをデコードすることによってイネーブル信号CE2をアサート(有効レベルに変化)することよって、読み出すことができる。第2入力ポート123、第4入力ポート126や後述の第1入力ポート122も同様である。
また、入力部120には、払出制御装置200から出力される枠電波不正信号、払出ビジー信号、払出異常を示すステータス信号、払出前の遊技球の不足を示すシュート球切れスイッチ信号、オーバーフローを示すオーバーフロースイッチ信号、操作ハンドル24に設けられたタッチスイッチの入力に基づくタッチスイッチ信号、RAM初期化スイッチ112からの信号を取り込んでデータバス140を介して遊技用マイコン111に供給する第1入力ポート122が設けられている。オーバーフロースイッチ信号は、下皿23に遊技球が所定量以上貯留されていること(満杯になったこと)を検出したときに出力される信号である。枠電波不正信号は前面枠12(本体枠)に設けられた枠電波センサが電波を検出することに基づき出力される信号であり、払出ビジー信号は払出制御装置200がコマンドを受付可能な状態か否かを示す信号である。
また、入力部120には、電源装置400からの停電監視信号やリセット信号などの信号を遊技用マイコン111等に入力するためのシュミットバッファ125が設けられており、シュミットバッファ125はこれらの入力信号からノイズを除去する機能を有する。電源装置400からの停電監視信号は、一旦第1入力ポート122に入力され、データバス140を介して遊技用マイコン111に取り込まれる。つまり、前述の各種スイッチからの信号と同等の信号として扱われる。遊技用マイコン111に設けられている外部からの信号を受ける端子の数には制約があるためである。
一方、シュミットバッファ125によりノイズ除去されたリセット信号RSTは、遊技用マイコン111に設けられているリセット端子に直接入力されるとともに、出力部130の各ポートに供給される。また、リセット信号RSTは出力部130を介さずに直接中継基板70に出力することで、試射試験装置に出力するために中継基板70のポート(図示省略)に保持される試射試験信号をオフするように構成されている。
また、リセット信号RSTを中継基板70を介して試射試験装置に出力可能に構成するようにしてもよい。なお、リセット信号RSTは入力部120の各ポート122,123,124には供給されない。リセット信号RSTが入る直前に遊技用マイコン111によって出力部130の各ポートに設定されたデータはシステムの誤動作を防止するためリセットする必要があるが、リセット信号RSTが入る直前に入力部120の各ポートから遊技用マイコン111が読み込んだデータは、遊技用マイコン111のリセットによって廃棄されるためである。
出力部130には、遊技用マイコン111から演出制御装置300への通信経路及び遊技用マイコン111から払出制御装置200への通信経路に配されるシュミットバッファ132が設けられている。遊技制御装置100から演出制御装置300及び払出制御装置200へは、シリアル通信でデータが送信される。なお、演出制御装置300の側から遊技制御装置100へ信号を入力できないようにした片方向通信とされている。
さらに、出力部130には、データバス140に接続され図示しない認定機関の試射試験装置へ変動表示ゲームの特図図柄情報を知らせるデータや大当りの確率状態を示す信号などを中継基板70を介して出力するバッファ133が実装可能に構成されている。バッファ133は遊技店に設置される実機(量産販売品)としてのパチンコ遊技機の遊技制御装置(主基板)には実装されない部品である。なお、前記近接I/F121から出力される始動口スイッチなど加工の必要のないスイッチの検出信号は、バッファ133を通さずに中継基板70を介して試射試験装置に供給される。
一方、磁気センサスイッチ61や電波センサ62のようにそのままでは試射試験装置に供給できない検出信号は、一旦遊技用マイコン111に取り込まれて他の信号若しくは情報に加工されて、例えば遊技機が遊技制御できない状態であることを示すエラー信号としてデータバス140からバッファ133、中継基板70を介して試射試験装置に供給される。
なお、中継基板70には、バッファ133から出力された信号を取り込んで試射試験装置に供給するポートや、バッファを介さないスイッチの検出信号の信号線を中継して伝達するコネクタなどが設けられている。中継基板70上のポートには、遊技用マイコン111から出力されるチップイネーブル信号CEも供給され、該信号CEにより選択制御されたポートの信号が試射試験装置に供給されるようになっている。
また、出力部130には、データバス140に接続され普通変動入賞装置37を開放させるソレノイド(普電ソレノイド)37c、第1特別変動入賞装置38を開放させる下大入賞口ソレノイド38b(大入賞口ソレノイド1)、第2特別変動入賞装置39を開放させる上大入賞口ソレノイド39b(大入賞口ソレノイド2)、レバーを動作させ特定領域86を開放させるレバーソレノイド86bの開閉データを出力するための第2出力ポート134が設けられている。
また、出力部130には、一括表示装置50に表示する内容に応じてLEDのアノード端子が接続されているセグメント線のオン/オフデータを出力するための第3出力ポート135、一括表示装置50のLEDのカソード端子が接続されているデジット線のオン/オフデータを出力するための第4出力ポート136が設けられている。
また、出力部130には、大当り情報など遊技機10に関する情報を外部情報端子71に出力するための第5出力ポート137が設けられている。外部情報端子71にはフォトリレーが備えられ、例えば遊技店に設置された外部装置(情報収集端末や遊技場内部管理装置(ホールコンピュータ)など)に接続可能であり、遊技機10に関する情報を外部装置に供給することができるようになっている。また、第5出力ポート137からはシュミットバッファ132を介して払出制御装置200に発射許可信号も出力される。
さらに、出力部130には、第2出力ポート134から出力される普電ソレノイド37cや大入賞口ソレノイド38b、39bなどの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号を生成し出力する第1ドライバ(駆動回路)138a、第3出力ポート135から出力される一括表示装置50の電流供給側のセグメント線のオン/オフ駆動信号を出力する第2ドライバ138b、第4出力ポート136から出力される一括表示装置50の電流引き込み側のデジット線のオン/オフ駆動信号を出力する第3ドライバ138c、第5出力ポート137から管理装置等の外部装置に供給する外部情報信号を外部情報端子71に出力する第4ドライバ138dが設けられている。
第1ドライバ138aには、32Vで動作するソレノイドを駆動できるようにするため、電源電圧としてDC32Vが電源装置400から供給される。また、一括表示装置50のセグメント線を駆動する第2ドライバ138bには、DC12Vが供給される。デジット線を駆動する第3ドライバ138cは、表示データに応じたデジット線を電流で引き抜くためのものであるため、電源電圧は12V又は5Vのいずれであってもよい。
12Vを出力する第2ドライバ138bによりセグメント線を介してLEDのアノード端子に電流を流し込み、接地電位を出力する第3ドライバ138cによりカソード端子よりデジット線を介して電流を引き抜くことで、ダイナミック駆動方式で順次選択されたLEDに電源電圧が流れて点灯される。外部情報信号を外部情報端子71に出力する第4ドライバ138dは、外部情報信号に12Vのレベルを与えるため、DC12Vが供給される。なお、バッファ133や第2出力ポート134、第1ドライバ138a等は、遊技制御装置100の出力部130、すなわち、主基板ではなく、中継基板70側に設けるようにしてもよい。
さらに、出力部130には、外部の検査装置500へ各遊技機の識別コードやプログラムなどの情報を送信するためのフォトカプラ139が設けられている。フォトカプラ139は、遊技用マイコン111が検査装置500との間でシリアル通信によってデータの送受信を行えるように双方通信可能に構成されている。なお、かかるデータの送受信は、通常の汎用マイクロプロセッサと同様に遊技用マイコン111が有するシリアル通信端子を利用して行われるため、入力ポート122,123,124のようなポートは設けられていない。
さらに、出力部130には、第2出力ポート134から出力されるシリアルデータ(制御用データ、点灯パターンデータ、キャラクタコード(文字コード)など)を受けて、性能表示装置152(状態表示装置)を駆動するドライバ150が設けられている。本実施形態では、性能表示装置152は、複数(4つ)の7セグメント型(ドットDpを含めると8セグメント型)の表示器(LEDランプ)からなり、ドライバ150はLEDドライバであるが、これに限られるものではない。
性能表示装置152は、遊技制御装置100(主基板)上に設けられるものであるが、他の場所に設けられてもよい。例えば、性能表示装置152は、表示用確率設定値や役物比率や出玉率や排出球数を表示可能である。
ここで、排出球数は、遊技領域32から排出された遊技球の数(アウト球数とも呼ぶ)であり、入賞口を通過した遊技球の数(入賞数)とアウト口30bを通過した遊技球の数との合計である。排出球数は、アウト球検出スイッチ74の信号などをカウント(計数)することにより取得できる。本実施形態では、入賞口には、一般入賞口35、始動入賞口36(第1始動入賞口、始動口1)、普通変動入賞装置37(第2始動入賞口、始動口2)、及び、特別変動入賞装置38、39(大入賞口)が含まれる。
出玉率は、排出球数(或は発射球数)に対する賞球数の合計の比率(割合)であり、(獲得球数÷排出球数)×100(%)で計算される。即ち、出玉率は、排出球数100個当りの獲得球数(賞球数の合計)となる。
例えば、役物比率は、所定期間(例えば、遊技機10の電源投入から現在まで)に入賞口に入賞したことで得られた全賞球数(賞球の合計数)のうち、大当り状態中に大入賞口に入賞したことで得られた賞球数(役物別獲得球数)の割合(%)(=いわゆる連続役物比率)である。なお、役物比率は、全賞球数のうち、大入賞口に入賞したことで得られた賞球数(大当り状態中と小当り状態中)の割合(=大入賞口比率)でもよいし、或は、大入賞口及び普通変動入賞装置37(第2始動入賞口)に入賞したことで得られた賞球数の割合(=一般的に使用されるいわゆる役物比率(全役物比率))でもよい。
〔演出制御装置〕
次に、図4を用いて、演出制御装置300(サブ基板)の構成について説明する。図4は、遊技機10の演出制御系のブロック図である。
演出制御装置300は、遊技用マイコン111と同様にアミューズメントチップ(IC)からなる主制御用マイコン(CPU)311と、主制御用マイコン311からのコマンドやデータに従って表示装置41への映像表示のための画像処理を行うグラフィックプロセッサとしてのVDP(Video Display Processor)312と、各種のメロディや効果音などをスピーカ19から再生させるため音の出力を制御する音源LSI314を備えている。
主制御用マイコン311には、CPUが実行するプログラムや各種データを格納したPROM(プログラマブルリードオンリメモリ)からなるプログラムROM321、作業領域を提供するRAM322、停電時に電力が供給されなくとも記憶内容を保持可能なFeRAM323、現在の日時(年月日や曜日、時刻など)を示す情報を生成する計時手段をなすRTC(リアルタイムクロック)338が接続されている。なお、主制御用マイコン311の内部にも作業領域を提供するRAMが設けられている。
また、主制御用マイコン311にはWDT(ウォッチドッグ・タイマ)回路324が接続されている。主制御用マイコン311は、遊技用マイコン111からのコマンドを解析し、演出内容を決定してVDP312に出力映像の内容を指示したり、音源LSI314への再生音の指示、装飾ランプの点灯、モータやソレノイドの駆動制御、演出時間の管理などの処理を実行する。
VDP312には、作業領域を提供するRAM312aや、画像を拡大、縮小処理するためのスケーラ312bが設けられている。また、VDP312にはキャラクタ画像や映像データが記憶された画像ROM325や、画像ROM325から読み出されたキャラクタなどの画像データを展開したり加工したりするのに使用される超高速なVRAM(ビデオRAM)326が接続されている。
特に限定されるわけではないが、主制御用マイコン311とVDP312との間は、パラレル方式でデータの送受信が行われるように構成されている。パラレル方式でデータを送受信することで、シリアルの場合よりも短時間にコマンドやデータを送信することができる。
VDP312から主制御用マイコン311へは、表示装置41の映像とガラス枠15や遊技盤30に設けられている装飾ランプの点灯を同期させるための垂直同期信号VSYNC、データの送信タイミングを与える同期信号STSが入力される。なお、VDP312から主制御用マイコン311へは、VRAMへの描画の終了等処理状況を知らせるため割込み信号INT0〜n及び主制御用マイコン311からのコマンドやデータの受信待ちの状態にあることを知らせるためのウェイト信号WAITなども入力される。
演出制御装置300には、LVDS(小振幅信号伝送)方式で表示装置41に送信する映像信号を生成する信号変換回路313が設けられている。VDP312から信号変換回路313へは、映像データ、水平同期信号HSYNC及び垂直同期信号VSYNCが入力されるようになっており、VDP312で生成された映像は、信号変換回路313を介して表示装置41に表示される。
音源LSI314には音声データが記憶された音声ROM327が接続されている。主制御用マイコン311と音源LSI314は、アドレス/データバス340を介して接続されている。また、音源LSI314から主制御用マイコン311へは割込み信号INTが入力されるようになっている。演出制御装置に300には、ガラス枠15に設けられた上スピーカ19a及び前面枠12に設けられた下スピーカ19bを駆動するオーディオパワーアンプなどからなるアンプ回路337が設けられており、音源LSI314で生成された音声はアンプ回路337を介して上スピーカ19a及び下スピーカ19bから出力される。
また、演出制御装置300には、遊技制御装置100から送信されるコマンドを受信するインタフェースチップ(コマンドI/F)331が設けられている。コマンドI/F331を介して、遊技制御装置100から演出制御装置300に送信された飾り特図保留数コマンド、飾り特図コマンド、変動コマンド、停止情報コマンド等を、演出制御指令信号(演出コマンド)として受信する。遊技制御装置100の遊技用マイコン111はDC5Vで動作し、演出制御装置300の主制御用マイコン311はDC3.3Vで動作するため、コマンドI/F331には信号のレベル変換の機能が設けられている。
また、演出制御装置300には、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられているLED(発光ダイオード)を有する盤装飾装置46を駆動制御する盤装飾LED制御回路332、ガラス枠15に設けられているLED(発光ダイオード)を有する枠装飾装置(例えば枠装飾装置18等)を駆動制御する枠装飾LED制御回路333、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられている盤演出装置44(例えば表示装置41における演出表示と協働して演出効果を高める可動役物等)を駆動制御する盤演出可動体制御回路334が設けられている。なお、盤装飾装置46には、前述のランプ表示装置80が含まれてよい。
ランプやモータ及びソレノイドなどを駆動制御するこれらの制御回路332〜334は、アドレス/データバス340を介して主制御用マイコン311と接続されている。なお、ガラス枠15に設けられているモータ等の枠演出装置を駆動制御する枠演出可動体制御回路を備えていてもよい。
さらに、演出制御装置300には、ガラス枠15に設けられた演出ボタン25に内蔵されている演出ボタンスイッチ25a、演出ボタン25の表面に設けられているタッチパネル25b、盤演出装置44内のモータの初期位置等を検出する演出役物スイッチ47(演出モータスイッチ)のオン/オフ状態を検出して主制御用マイコン311に検出信号を入力する機能や、演出制御装置300に設けられた音量調節スイッチ335の状態を検出して主制御用マイコン311に検出信号を入力するスイッチ入力回路336が設けられている。
電源装置400の通常電源部410は、前述のような構成を有する演出制御装置300やそれによって制御される電子部品に対して所望のレベルの直流電圧を供給するため、モータやソレノイドを駆動するためのDC32V、液晶パネルからなる表示装置41、モータやLEDを駆動するためのDC12V、コマンドI/F331の電源電圧となるDC5Vの他に、モータやLED、スピーカを駆動するためのDC15Vの電圧を生成するように構成されている。
さらに、主制御用マイコン311として、3.3Vあるいは1.2Vのような低電圧で動作するLSIを使用する場合には、DC5Vに基づいてDC3.3VやDC1.2Vを生成するためのDC−DCコンバータが演出制御装置300に設けられる。なお、DC−DCコンバータは通常電源部410に設けるようにしてもよい。
電源装置400の制御信号生成部430により生成されたリセット信号は、主制御用マイコン311に供給され、当該デバイスをリセット状態にする。また、主制御用マイコン311から出力される形で、VDP312(VDPRESET信号)、音源LSI314、スピーカを駆動するアンプ回路337(SNDRESET信号)、ランプやモータなどを駆動制御する制御回路332〜334(IORESET信号)に供給され、これらをリセット状態にする。また、演出制御装置300には遊技機10の各所を冷却する冷却FAN45が接続され、演出制御装置300の電源が投入された状態では冷却FAN45が駆動するようにされている。
次に、これらの制御回路において行われる遊技制御について説明する。遊技制御装置100の遊技用マイコン111のCPU111aは、普図始動ゲート34に備えられたゲートスイッチ34aからの遊技球の検出信号の入力に基づき、普図の当り判定用乱数値を抽出してROM111bに記憶されている判定値と比較し、普図変動表示ゲームの当り外れを判定する。
そして、普図表示器53に、識別図柄を所定時間変動表示した後、停止表示する普図変動表示ゲームを表示する。普図変動表示ゲームの結果が当りの場合は、普図表示器53に特別の結果態様を表示するとともに、普電ソレノイド37cを動作させ、普通変動入賞装置37の可動部材37bを所定時間(例えば、3秒間×2回)前述のように開放する制御を行う。すなわち、遊技制御装置100が、変換部材(可動部材37b)の変換制御を行う変換制御実行手段をなす。なお、普図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、普図表示器53にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
また、始動入賞口36に備えられた始動口1スイッチ36aからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動入賞(始動記憶)を記憶し、始動記憶に基づき、特図1変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM111bに記憶されている判定値と比較し、特図1変動表示ゲームの当り外れを判定する。
また、普通変動入賞装置37に備えられた始動口2スイッチ37aからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動記憶を記憶し、始動記憶に基づき、特図2変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM111bに記憶されている判定値と比較し、特図2変動表示ゲームの当り外れを判定する。
そして、遊技制御装置100のCPU111aは、特図1変動表示ゲームや特図2変動表示ゲームの判定結果を含む制御信号(演出制御コマンド)を、演出制御装置300に出力する。そして、特図1表示器51や特図2表示器52に、識別図柄を所定時間変動表示した後、停止表示する特図変動表示ゲームを表示する。すなわち、遊技制御装置100が、遊技領域32を流下する遊技球の始動入賞領域(第1始動入賞口36、普通変動入賞装置37)への入賞に基づき変動表示ゲームの進行制御を行う遊技制御手段をなす。
また、演出制御装置300は、遊技制御装置100からの制御信号に基づき、表示装置41で特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームを表示する。さらに、演出制御装置300は、遊技制御装置100からの制御信号に基づき、演出状態の設定や、スピーカ19a,19bからの音の出力、各種LEDの発光を制御する処理等を行う。すなわち、演出制御装置300が、遊技(変動表示ゲーム等)に関する演出を制御する演出制御手段をなす。
そして、遊技制御装置100のCPU111aは、特図変動表示ゲームの結果が当りの場合は、特図1表示器51や特図2表示器52に特別結果態様を表示するとともに、特別遊技状態を発生させる。特別遊技状態を発生させる処理においては、CPU111aは、例えば、大入賞口ソレノイド39bにより特別変動入賞装置39の開閉扉39cを開放させ、大入賞口内への遊技球の流入を可能とする制御を行う。
そして、大入賞口に所定個数(例えば、10個)の遊技球が入賞するか、大入賞口の開放から所定の開放可能時間(例えば、27秒又は0.05秒)が経過するかのいずれかの条件が達成されるまで大入賞口を開放することを1ラウンド(R)とし、これを所定ラウンド回数(例えば、15回、11回又は2回)継続する(繰り返す)制御(サイクル遊技)を行う。すなわち、遊技制御装置100が、停止結果態様が特別結果態様となった場合に、大入賞口を開閉する制御を行う大入賞口開閉制御手段をなす。また、特図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、特図1表示器51や特図2表示器52にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様に基づき、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として高確率状態を発生可能である。高確率状態(確変状態)は、特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が、通常確率状態と比較して高い状態である。また、特図1変動表示ゲーム及び特図2変動表示ゲームのどちらの特図変動表示ゲームの結果態様に基づき高確率状態となっても、特図1変動表示ゲーム及び特図2変動表示ゲームの両方が高確率状態となる。
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様に基づき、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として時短状態(特定遊技状態)を発生可能である。時短状態においては、普図変動表示ゲーム及び普通変動入賞装置37を時短動作状態とする制御を行ってよく、特別な遊技を行わない通常遊技状態よりも、単位時間当りの普通変動入賞装置37の開放時間が実質的に多くなるように制御するため、普電サポート状態となる。なお、潜伏確変状態を除く高確率状態(通常の確変状態)でも、重複して時短状態にして普電サポートを実行する。
なお、時短状態においては、特図変動表示ゲームの実行時間(特図変動時間)も通常より短縮され得るようにし、特図変動表示ゲームの時間短縮変動も実行可能である。
また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの1回の当り結果に対して、普通変動入賞装置37の開放回数(普電開放回数)を第1開放回数(例えば2回)よりも多い回数(例えば、4回)の第2開放回数に設定することが可能である。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの当り結果となる確率(普図確率、普図当り確率)を通常動作状態である場合の通常確率(低確率)よりも高い高確率とすることが可能である。
時短状態においては、普図変動時間、普図停止時間、普電開放回数、普電開放時間、普図確率のいずれか一つ又は複数を変化させることで普通変動入賞装置37を開状態に状態変換する時間を通常よりも延長するようにする。これにより、時短状態では、特別な遊技を行わない通常遊技状態よりも普通変動入賞装置37への入賞が容易化して、単位時間当たりの特図変動表示ゲームの実行回数が当該通常遊技状態よりも増加可能である。また、変化させるものが異なる複数種類の時短状態を設定することも可能である。また、通常動作状態において可動部材37bを開放しないように設定(普図確率が0)してもよい。また、当りとなった場合に第1開放態様と第2開放態様のいずれかを選択するようにしてもよい。この場合、第1開放態様と第2開放態様の選択確率を異ならせてもよい。また、高確率状態と時短状態は、それぞれ独立して発生可能であり、両方を同時に発生することも可能であるし一方のみを発生させることも可能である。
〔電源投入時の移行状態〕
前述のように、電源投入時のRAM初期化スイッチ112及び設定キースイッチ93のオンオフ状態によって、4つの状態(モード)へ移行する。
電源投入時に、RAM初期化スイッチ112と設定キースイッチ93とがオンにされている場合には、確率設定値(設定値)を変更可能な設定可変状態(設定変更状態、設定変更モード)に移行する(図5BのA1027−A1036と図6B参照)。
次に、電源投入時に、設定キースイッチ93がオンにされているがRAM初期化スイッチ112がオフの場合には、確率設定値を確認可能な設定確認状態(設定確認モード)に移行する(図5BのA1031−A1036と図6B参照)。
また、電源投入時に、設定キースイッチ93がオフであるがRAM初期化スイッチ112がオンにされている場合には、RAM初期化状態(RAMクリアモード)に移行し、RAM初期化処理(RAMクリア処理)が実行されて、RAM111cが初期化される(図5BのA1042−1044参照)。
電源投入時に、設定キースイッチ93とRAM初期化スイッチ112とがオフである場合には、通常復電状態(通常復電モード)に移行し、単に復電されるだけの状態になる。
[遊技制御装置の制御]
以下、このような遊技を行う遊技機の制御について説明する。まず、上記遊技制御装置100の遊技用マイクロコンピュータ(遊技用マイコン)111によって実行される制御について説明する。遊技用マイコン111による制御処理は、主に図5A及び図5Bに示すメイン処理と、所定時間周期(例えば4msec)で行われる図9に示すタイマ割込み処理とからなる。
〔メイン処理(遊技制御装置)〕
まず、メイン処理について説明する。図5A及び図5Bは、遊技制御装置100によるメイン処理の手順を示すフローチャートである。メイン処理は、電源が投入されることで開始される。なお、遊技制御装置100が実行する処理のフローチャートにおいて、ステップの符号(番号)は「A****」と表されている。
図5Aに示すように、遊技制御装置100は、メイン処理を開始すると、まず、割込みを禁止する処理を実行する(A1001)。さらに、割込み発生時にレジスタ等の値を退避する領域の先頭アドレスであるスタックポインタを設定するスタックポインタ設定処理を実行する(A1002)。
続いて、使用するレジスタバンクとしてレジスタバンク0を指定し(A1003)、所定のレジスタにRAM先頭アドレスの上位アドレスをセットする(A1004)。例えば、RAMのアドレスが0000h〜01FFhの範囲である場合に、上位アドレスとして00hをセットする。
次に、遊技制御装置100は、発射禁止の信号を出力して発射許可信号を禁止状態に設定する(A1005)。発射許可信号は遊技制御装置100と払出制御装置200の少なくとも一方が発射禁止の信号を出力している場合に禁止状態に設定され、遊技球の発射が禁止されるようになっている。その後、遊技制御装置100は、設定キースイッチ93とRAM初期化スイッチ112の状態を読み込む(A1006)。即ち、設定キースイッチ93とRAM初期化スイッチ112からの信号を読み込む。
さらに、遊技制御装置100は、電源ディレイタイマを設定する(A1007)。電源ディレイタイマに所定の初期値を設定することにより、主制御手段をなす遊技制御装置100からの指示に従い種々の制御を行う従制御手段(例えば、払出制御装置200や演出制御装置300)のプログラムが正常に起動するまで待機するための待機時間(例えば3秒)が設定される。これにより、電源投入の際に仮に遊技制御装置100が先に立ち上がって従制御装置(例えば払出制御装置200や演出制御装置300)が立ち上がる前にコマンドを従制御装置に送ってしまい、従制御装置がコマンドを取りこぼすことを回避することができる。すなわち、遊技制御装置100が、電源投入時において、主制御手段(遊技制御装置100)の起動を遅らせて従制御装置(払出制御装置200、演出制御装置300等)の起動を待つための所定の待機時間を設定する待機手段をなす。
また、電源ディレイタイマの計時は、RAMの正当性判定(チェックサム算出)の対象とならない記憶領域(正当性判定対象外のRAM領域又はレジスタ等)を用いて行われる。これにより、RAM領域のチェックサム等のチェックデータを算出する際に、一部のRAM領域を除外して算出する必要がないため電源投入時の制御が複雑になることを防止することができる。
なお、待機時間の開始前に設定キースイッチ93とRAM初期化スイッチ112の状態を読み込むことで、設定キースイッチ93とRAM初期化スイッチ112の操作を確実に検出できる。すなわち、待機時間の経過後に設定キースイッチ93とRAM初期化スイッチ112の状態を読み込むようにすると、待機時間の経過を待ってから設定キースイッチ93とRAM初期化スイッチ112を操作したり、電源投入から待機時間の経過まで設定キースイッチ93とRAM初期化スイッチ112を操作し続けたりする必要がある。しかし、待機時間の開始前に状態を読み込むことで、このような煩わしい操作を行わなくても、電源投入時に行った設定キースイッチ93とRAM初期化スイッチ112の操作が受け付けられないような事態を防止できる。
電源ディレイタイマを設定すると(A1007)、遊技制御装置100は、待機時間の計時と、待機時間中における停電の発生を監視する処理とを実行する(A1008からA1010)。
停電監視処理が開始されると、遊技制御装置100は、まず、電源装置400から入力されている停電監視信号をポート及びデータバスを介して読み込むなどして、停電が発生しているか否か判定する(A1008)。停電が発生している場合に(A1008の結果が「Y」)、遊技機の電源が遮断されるまで待機する。
遊技制御装置100は、停電が発生していない場合には(A1008の結果が「N」)、電源投入ディレイタイマを−1更新し(A1009)、タイマの値が0であるか否かを判定する(A1010)。タイマの値が0でない場合(A1010の結果が「N」)、すなわち、待機時間が終了していない場合には、ステップA1008の処理に戻る。
すなわち、遊技制御装置100が、所定の待機時間において停電の発生を監視する停電監視手段をなす。これにより、主制御手段をなす遊技制御装置100の起動を遅らせている期間において発生した停電に対応することが可能となり、電源投入時における不具合に適切に対処することができる。なお、待機時間の終了まではRAMへのアクセスが許可されておらず、前回の電源遮断時の記憶内容が保持されたままとなっているため、ここでの停電発生時にはバックアップの処理等は行う必要がない。したがって、待機時間中に停電が発生してもRAMのバックアップを取る必要がなく、制御の負担を軽減することができる。
一方、遊技制御装置100は、タイマの値が0である場合(A1010の結果が「Y」)、すなわち、待機時間が終了した場合には、RAMやEEPROM等の読出し書込み可能なRWM(リードライトメモリ)のアクセスを許可し(A1011)、全出力ポートにオフデータを出力(出力が無い状態に設定)する(A1012)。
次に、遊技制御装置100は、シリアルポート(遊技用マイコン111に予め搭載されているポートで、本実施形態では、演出制御装置300や払出制御装置200との通信に使用)を設定する(A1013)。
さらに、ここで、性能表示装置152(状態表示装置)を駆動するドライバ150を初期設定してもよい。遊技制御装置100は、初期設定の内容に対応する制御用データを含むコマンドを、第2出力ポート134(シリアル通信回路)の送信バッファに書き込んでドライバ150に送信する。例えば、遊技制御装置100は、初期設定においてデューティ比を設定する。デューティ比は、性能表示装置152の各LED(各セグメント)の明るさに対応する。遊技制御装置100は、初期設定において、性能表示装置152の使用桁数を設定する。本実施形態では、使用桁数は4である。
次に、遊技制御装置100は、遊技用マイコン111(クロックジェネレータ)内のタイマ割込み信号及び乱数更新トリガ信号(CTC)を発生するCTC(Counter/Timer Circuit)回路を起動する(A1014)。なお、CTC回路は、遊技用マイコン111内のクロックジェネレータに設けられている。クロックジェネレータは、発振回路113からの発振信号(原クロック信号)を分周する分周回路と、分周された信号に基づいてCPU111aに対して所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号及び乱数生成回路に供給する乱数更新のトリガを与える信号CTCを発生するCTC回路とを備えている。
続いて、遊技制御装置100は、RAM(ここではRAM111c)の異常を示すRAM異常フラグをセットする(A1015)。ここでは、一旦、異常前提のフラグを所定のレジスタにセットしておく。
次に、遊技制御装置100は、RWM内の停電検査領域1の値が正常な停電検査領域チェックデータであるか否かを判定する(A1016)。そして、正常であれば(A1016の結果が「Y」)、RWM内の停電検査領域2の値が正常な停電検査領域チェックデータであるか否かを判定する(A1017)。
さらに、遊技制御装置100は、停電検査領域2の値が正常であれば(A1017の結果が「Y」)、RWM内の所定領域(例えば遊技制御用作業領域)のチェックサムを算出するチェックサム算出処理を実行し(A1018)、算出されたチェックサムと電源断時のチェックサムが一致するか否かを判定する(A1019)。チェックサムが一致する場合には(A1019の結果が「Y」)、RAMは正常であり、RAMの異常を示すRAM異常フラグをクリアする(A1020)。その後、ステップA1021の処理に移行する。
また、遊技制御装置100は、停電検査領域のチェックデータが正常なデータでないと判定された場合(A1016の結果が「N」、又は、A1017の結果が「N」)、チェックサムが一致しない場合には(A1019の結果が「N」)、RAM異常フラグをクリアすることなく、ステップA1021の処理に移行する。
次に、遊技制御装置100は、設定キースイッチ93及びRAM初期化スイッチ112の両スイッチがオンであるか否かを判定する(A1021)。遊技制御装置100は、両スイッチがオンである場合に(A1021の結果が「Y」)、設定可変状態(設定変更モード)に移行し、ステップA1027−A1037の確率設定変更中の処理を実行する。
遊技制御装置100は、設定キースイッチ93及びRAM初期化スイッチ112の少なくとも一方がオフである場合に(A1021の結果が「N」)、RAM(ここではRAM111c)の異常を示すRAM異常フラグがセットされているか否か判定する(A1022)。RAM異常フラグがセットされていない場合に(A1022の結果が「N」)、確率設定変更中フラグがセットされているか否かを判定する(A1023)。確率設定変更中フラグがセットされていない場合に(A1023の結果が「N」)、ステップA1031−A1037の確率設定確認中(設定確認状態中、設定確認モード中)の処理、ステップA1041−1044のRAM初期化処理(RAMクリア処理)、又は、ステップA1041、A1045、A1046の通常の電源投入時(電源復旧時)の処理を実行する。
遊技制御装置100は、確率設定変更中フラグがセットされている場合に(A1023の結果が「Y」)、遊技制御装置100(主基板、メイン基板)に異常があったことを報知するメイン異常エラー報知のコマンドを演出制御装置300に送信する(A1024)。メイン異常エラー報知のコマンドを受信した演出制御装置300は、遊技制御装置100の異常があったことを報知する。
続いて、遊技制御装置100は、遊技停止時の7セグ表示データ(図9(C)の「E1」のエラー表示のデータ)を性能表示装置152で表示するために性能表示装置152のドライバ150に出力する(A1025)。そして、外部装置(遊技場内部管理装置(ホールコンピュータ)や情報収集端末など)に異常を知らせるためのセキュリティ信号のオンデータを外部情報端子71に出力する(A1026)。なお、ここで、大当りに関する情報がRAM111cに残っている場合でも、大当り信号など外部情報端子71への他の信号はオフ状態に維持される。その後、ステップA1025とA1026の処理を繰り返して待機し、再度、設定変更の操作(設定キースイッチ93及びRAM初期化スイッチ112の両方のオン操作)をして電源が投入されるのを待つ。なお、ステップA1025とA1026の処理を繰り返して待機して待機している間、割込みは禁止されたままであり(A1001)、特図1、2ゲーム処理や普図ゲーム処理を実行可能なタイマ割込み処理(図7)が実行できないため、遊技(特図変動表示ゲーム、普図変動表示ゲーム)は実行できない。
このように、設定変更の操作(設定キースイッチ93及びRAM初期化スイッチ112の両方のオン操作)を実行していないのに、確率設定変更中フラグがセットされている場合に異常があったとして、A1024−A1026の処理を実行する。例えば、確率設定変更中(設定変更が完了する前)に電源がオフして再起動した場合などに、設定変更の操作を実行していないのに、確率設定変更中フラグがセットされることがある。
一方、遊技制御装置100は、RAM異常フラグがセットされている場合も(A1022の結果が「Y」)、遊技制御装置100(メイン基板)に異常があったことを報知するメイン異常エラー報知のコマンドを演出制御装置300に送信し(A1024)、遊技停止時の7セグ表示データ(図9(C)の「E1」のエラー表示のデータ)を性能表示装置152のドライバ150に出力し(A1025)、外部装置にRAM異常を知らせるために、セキュリティ信号のオンデータを外部情報端子71に出力する(A1026)。なお、前述と同様に、大当りに関する情報がRAM111cに残っている場合でも、大当り信号など外部情報端子71への他の信号はオフ状態に維持される。その後、ステップA1025とA1026の処理を繰り返して待機する。
遊技制御装置100は、設定キースイッチ93及びRAM初期化スイッチ112の両スイッチがオンである場合に(A1021の結果が「Y」)、確率設定変更中(設定可変状態中)の処理を開始して、まず、RAM異常フラグがセットされているか否かを判定する(A1027)。RAM異常フラグがセットされている場合に(A1027の結果が「Y」)、確率設定値が正しいものであるか不明であるため、RAM111cの確率設定値領域に記憶されている確率設定値をクリアし初期値(例えば最低設定値「1」)にしてから(A1028)、確率設定変更中であることを示す確率設定変更中フラグをセットする(A1029)。RAM異常フラグがセットされていない場合に(A1027の結果が「N」)、確率設定値をクリアせずに、確率設定変更中フラグをセットする(A1029)。次に、確率設定変更中のコマンドを演出制御装置300(演出制御基板)に送信し(A1030)、ステップA1034の処理に移行する。なお、確率設定変更中のコマンドを受信した演出制御装置300は、確率設定変更中であることを表示装置41などにおいて報知する。
遊技制御装置100は、設定キースイッチ93及びRAM初期化スイッチ112の少なくとも一方がオフであり(A1021の結果が「N」)、RAM異常フラグがセットされておらず(A1022の結果が「N」)、且つ、確率設定変更中フラグがセットされていない場合に(A1023の結果が「N」)、設定キースイッチ93がオンであるか否かを判定する(A1031)。設定キースイッチ93がオンである場合に(A1031の結果が「Y」)、RAM初期化スイッチ112はオフということになり、確率設定確認中(設定確認状態中)の処理が開始して、確率設定確認中であることを示す確率設定確認中フラグをセットする(A1032)。そして、確率設定確認中のコマンドを演出制御装置300(演出制御基板)に送信し(A1033)、ステップA1034の処理に移行する。なお、確率設定変更中のコマンドを受信した演出制御装置300は、確率設定確認中であることを表示装置41などにおいて報知する。
ステップA1030又はステップA1033の後に、遊技制御装置100は、確率設定変更中と確率設定確認中の共通の処理として、ステップA1034からA1040の処理を実行する。
遊技制御装置100は、まず、確率設定変更中と確率設定確認中においてセキュリティ信号を出力するために、セキュリティ信号制御タイマ領域に128ms(所定時間)をセーブする(A1034)。なお、セキュリティ信号制御タイマのカウントとセキュリティ信号の出力は、後述の確率設定変更/確認処理(図6B)において実行されるが、確率設定変更又は確率設定確認が早期に終了した場合には、残りのセキュリティ信号制御タイマのカウントとセキュリティ信号の出力は、外部情報編集処理(A1321)で実行される。確率設定変更中と確率設定確認中において、少なくとも50msは、セキュリティ信号は出力される。
次に、遊技制御装置100は、割込みを許可する(A1035)。これにより、タイマ割込み処理(図7)が実行可能となる。そして、設定キースイッチ93がオフであるか否かを判定する(A1036)。設定キースイッチ93がオンである場合に(A1036の結果が「N」)、停電が発生しているか否かを判定する(A1037)。停電が発生していない場合に(A1037の結果が「N」)、ステップA1036の処理に戻る。一方、停電が発生している場合に(A1037の結果が「Y」)、ステップA1055−A1061の停電発生時の処理を実行する。
このように、設定キースイッチ93がオンであり、停電が発生していない限り、確率設定値を変更可能な設定可変状態(設定変更状態、設定変更モード)、又は、確率設定値を確認可能な設定確認状態(設定確認モード)が継続される。
一方、遊技制御装置100は、設定キースイッチ93がオフである場合に(A1036の結果が「Y」)、割込みを禁止し(A1038)、報知終了のコマンドを演出制御装置300(演出制御基板)に送信する(A1039)。なお、報知終了のコマンドを受信した演出制御装置300は、確率設定確認中であることの報知又は確率設定変更中であることの報知を終了する。
次に、遊技制御装置100は、確率設定変更中フラグがセットされているか否か、即ち、これまで確率設定変更中であったか否かを判定する(A1040)。確率設定変更中フラグがセットされている場合に(A1040の結果が「Y」)、即ち、これまで確率設定変更中であった場合に、ステップA1042−A1044のRAM初期化処理(後述)を実行する。一方、確率設定変更中フラグがセットされていない場合に(A1040の結果が「N」)、即ち、これまで確率設定確認中であった場合に、ステップA1045以降の電源投入時(電源復旧時)の通常の処理を実行する。
遊技制御装置100は、設定キースイッチ93がオフである場合に(A1031の結果が「N」)、RAM初期化スイッチ112がオンであるか否かを判定する(A1041)。RAM初期化スイッチ112がオンである場合に(A1041の結果が「Y」)、RAM111cにおいて、確率設定値を記憶するための確率設定値領域以外のRAM領域を0クリアする(A1042)。即ち、確率設定値領域で記憶されている確率設定値を除いて、RAM111cに記憶された遊技情報は0クリアされる。さらに、前述の確率設定変更中フラグもここでクリアされる。また、ここで、確率設定値領域の他に、スタック領域や未使用領域をクリアしない構成や、性能情報やその表示(性能表示)に関連するワークエリア、スタック領域をクリアしない構成も可能である。なお、性能情報は、入賞により得られた賞球数に基づいて導出されるもので、例えば、出玉率、ベース値(通常遊技状態における出玉率)、役物比率、排出球数などである。
次に、遊技制御装置100は、初期化すべき領域にRAM初期化時の初期値をセーブする(A1043)。そして、RAM初期化時のコマンドを演出制御装置300(演出制御基板)に送信し(A1044)、ステップA1047の処理に移行する。
一方、遊技制御装置100は、RAM初期化スイッチ112がオフである場合に(A1041の結果が「N」)、設定キースイッチ93とRAM初期化スイッチ112が両方ともオフであるため、通常の電源投入時(電源復旧時)の処理を開始し、停電復旧処理を実行する(A1045)。例えば、初期化すべき領域に停電復旧時(復電時)の初期値をセーブする。また、前述の確率設定確認中フラグもここでクリアされる。次に、後述の特図ゲーム処理を合理的に実行するために用意されている処理番号に対応する停電復旧時のコマンドを演出制御装置300(演出制御基板)に送信し(A1046)、ステップA1047の処理に移行する。
なお、ステップA1044の処理で送信されるRAM初期化時のコマンド及びステップA1046の処理で送信される停電復旧時のコマンドには、遊技機の種類を示す機種指定コマンド、特図1、2の保留数を示す飾り特図1保留数コマンド及び飾り特図2保留数コマンド、確率の状態(高確率状態又は低確率状態)や時短状態の有無を示す確率情報コマンド、所定の演出モードで特図変動表示ゲームが実行された回数を示す演出回数情報コマンド、電源投入されたこと示す停電復旧コマンドが含まれる。
さらに、RAM初期化時のコマンド及び停電復旧時のコマンドには、遊技機10の確率設定値(設定値)の情報である設定値情報(設定情報)を示す設定値情報コマンド(確率設定値情報コマンド)が含まれる。遊技制御装置100は、電源の復旧(投入)時に、一度だけ設定値情報コマンドを演出制御装置300に送信するだけでよく、以降、演出制御装置300は自身が記憶した設定値情報を参照して演出制御を行える。
なお、RAM初期化時のコマンドには、RAM初期化のコマンド(RAMクリアのコマンド)も含まれる。RAM初期化のコマンドを受信した演出制御装置300は、例えば、表示装置41に客待ちデモを表示し、盤装飾装置46等のLEDとスピーカの音でRAM初期化(RAMクリア)の報知を30秒間行う。また、停電復旧時のコマンドには、表示装置41の画面の表示内容を指定する画面指定のコマンドが含まれる。なお、画面指定のコマンドは、特図1、2について共に普段処理中では(変動中でも当り中でもないとき)、客待ちデモコマンドであり、それ以外なら復旧画面コマンドである。
ステップA1044又はステップA1046の後に、遊技制御装置100は、乱数生成回路を起動設定する(A1047)。具体的には、乱数生成回路内の所定のレジスタ(CTC更新許可レジスタ)に乱数生成回路を起動させるためのコード(指定値)の設定などがCPU111aによって行われる。また、乱数生成回路のハードウェアで生成されるハード乱数(ここでは大当り乱数)のビット転置パターンの設定も行われる。
ビット転置パターンとは、抽出した乱数のビット配置(上段のビット転置前の配置)を、予め定められた順で入れ替えて異なるビット配置(下段のビット転置後の配置)として格納する際の入れ替え方を定めるパターンである。
本実施形態では、ビット転置パターンに従い乱数のビットを入れ替えることで、乱数の規則性を崩すことができるとともに、乱数の秘匿性を高めることができる。なお、ビット転置パターンは、固定された単一のパターンであってもよいし、予め用意された複数のパターンから選択するようにしてもよい。また、ユーザーが任意に設定できるようにしてもよい。
その後、遊技制御装置100は、電源投入時の乱数生成回路内の所定のレジスタ(ソフト乱数レジスタ1〜n)の値を抽出し、対応する各種初期値乱数(大当り図柄を決定する大当り図柄乱数の初期値(大当り図柄初期値乱数)、小当り図柄を決定する小当り図柄乱数の初期値(小当り図柄初期値乱数)(小当りがある場合のみ)、普図の当りを決定する当り乱数の初期値(当り初期値乱数)、転落抽選で使用する転落抽選乱数の初期値(転落抽選初期値乱数)等)のスタート値としてRWMの所定領域にセーブし(A1048)、割込みを許可する(A1049)。本実施形態で使用するCPU111a内の乱数生成回路においては、電源投入ごとにソフト乱数レジスタの初期値が変わるように構成されているため、この値を各種初期値乱数のスタート値(初期値)とすることで、ソフトウェアで生成される乱数の規則性を崩すことができ、遊技者による不正な乱数の取得を困難にすることができる。
続いて、遊技制御装置100は、各種初期値乱数の値を更新して乱数の規則性を崩すための初期値乱数更新処理を実行する(A1050)。なお、特に限定されるわけではないが、本実施形態においては、大当り乱数、大当り図柄乱数、当り乱数、転落抽選乱数は乱数生成回路において生成される乱数を使用して生成するように構成されている。ただし、大当り乱数はCPUの動作クロックと同等以上の速度のクロックを基にして更新される所謂「高速カウンタ」であり、大当り図柄乱数、当り乱数、転落抽選乱数はプログラムの処理単位であるタイマ割込み処理と同周期となるCTC出力(タイマ割込み処理のCTC(CTC0)とは別のCTC(CTC2))を基にして更新される「低速カウンタ」である。
また、大当り図柄乱数、当り図柄乱数、転落抽選乱数においては、乱数が一巡するごとに各々の初期値乱数(ソフトウェアで生成)を用いてスタート値を変更する所謂「初期値変更方式」を採用している。なお、前記各乱数は、+1あるいは1によるカウンタ式更新でもよいし、一巡するまで範囲内のすべての値が重複なくバラバラに出現するランダム式更新でもよい。つまり、大当り乱数はハードウェアのみで更新される乱数であり、大当り図柄乱数、当り乱数、転落抽選乱数はハードウェア及びソフトウェアで更新される乱数である。
続いて、遊技制御装置100は、割込みを禁止し(A1051)、性能情報やその表示(性能表示)を編集する性能表示編集処理を実行する(A1052)。ここで、性能情報(役物比率や出玉率など)を計算してよい。また、RAM異常フラグがレジスタにセットされていた場合に、性能情報やその表示(性能表示)に関連するワークエリア、スタック領域をクリアしてもよい(ステップA1042でクリアされていないなら)。その後、割込みを許可する(A1053)。これにより、タイマ割込み処理(図7)が実行可能となる。
次に、遊技制御装置100は、停電が発生しているか否かを判定する(A1054)。停電が発生していない場合に(A1054の結果が「N」)、ステップA1050の処理に戻る。これにより、停電が発生するまで、ステップA1050−A1054の処理が繰り返される。
停電が発生した場合に(A1054の結果が「Y」)、遊技制御装置100は、停電発生時の処理を開始し、一旦割込みを禁止し(A1055)、全出力ポートにオフデータを出力する(1056)。その後、停電検査領域1に停電検査領域チェックデータ1をセーブし(A1057)、停電検査領域2に停電検査領域チェックデータ2をセーブする(A1058)。さらに、RWMの電源遮断時のチェックサムを算出するチェックサム算出処理を実行し(A1059)、さらに、算出したチェックサムをセーブする(A1060)。最後に、RWMへのアクセスを禁止する処理を実行し(A1061)、遊技機の電源が遮断されるまで待機する。
このように、停電検査領域にチェックデータをセーブするとともに、電源遮断時のチェックサムを算出することで、電源の遮断の前にRWMに記憶されていた情報が正しくバックアップされているか否かを電源再投入時に判断することができる。
〔タイマ割込み処理〕
次に、タイマ割込み処理について説明する。図6Aは、タイマ割込み処理(割込み処理プログラム)の手順を示すフローチャートである。タイマ割込み処理は、クロックジェネレータ内のCTC回路で生成される周期的なタイマ割込み信号がCPU111aに入力されることで開始される。遊技用マイコン111においてタイマ割込みが発生すると、タイマ割込み処理が開始される。
タイマ割込み処理が開始されると、遊技制御装置100は、まず、使用するレジスタバンクとしてレジスタバンク1を指定し(A1301)、所定のレジスタにRAM先頭アドレスの上位アドレスをセットする(A1302)。タイマ割込み処理の開始時にメイン処理で使用するレジスタバンク0からレジスタバンク1に切り替えることで、メイン処理で使っているレジスタを退避したのと同等になる。なお、タイマ割込み処理が開始されると、自動的に割込み禁止状態になる。
次に、遊技制御装置100は、各種センサやスイッチからの入力や、信号の取り込み、すなわち、各入力ポートの状態を読み込む入力処理を実行する(A1303)。次に、確率設定変更中フラグと確率設定確認中フラグに基づいて、確率設定変更中又は確率設定確認中であるか否かを判定する(A1304)。確率設定変更中又は確率設定確認中である場合に(A1304の結果が「Y」)、確率設定値を変更又は確認するための確率設定変更/確認処理を実行する(A1305)。
遊技制御装置100は、確率設定変更中でも確率設定確認中でもない場合に(A1304の結果が「N」)、各種処理でセットされた出力データに基づき、ソレノイド(例えば大入賞口ソレノイド39b)等のアクチュエータの駆動制御やLEDの駆動制御(発光制御)などを行うための出力処理を実行する(A1306)。なお、メイン処理におけるステップA1005の処理で発射禁止の信号を出力した場合は、この出力処理が行われることで発射許可の信号が出力され、発射許可信号を許可状態に設定可能な状態とする。
次に、遊技制御装置100は、各種処理で送信バッファにセットされたコマンドを払出制御装置200に出力する払出コマンド送信処理を実行し(A1307)、さらに、乱数更新処理1(A1308)、乱数更新処理2(A1309)を実行する。その後、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、入賞口スイッチ35a、大入賞口スイッチ39aから正常な信号の入力があるか否かの監視や、エラーの監視(前面枠やガラス枠が開放されていないかなど)を行う入賞口スイッチ/状態監視処理を実行する(A1310)。
次に、遊技制御装置100は、大入賞口で遊技球の異常排出が発生中であるか否かを判定する(A1311)。後述の異常排出監視処理(A1318)によって異常排出発生中フラグが設定された場合に、異常排出が発生中であると判定できる。異常排出が発生中である場合に(A1311の結果が「Y」)、ステップA1315以降の処理を実行する。
遊技制御装置100は、異常排出が発生中でない場合に(A1311の結果が「N」)、特図変動表示ゲームに関する処理を行う特図ゲーム処理を実行する(A1312a)。なお、特図ゲーム処理の詳細については後述する。続いて、特別変動入賞装置38の下大入賞口の開放動作に関する処理を行う役物ゲーム処理を実行する(A1312b)。なお、役物ゲーム処理の詳細については後述する。
次に、遊技制御装置100は、普図変動表示ゲームに関する処理を行う普図ゲーム処理を実行する(A1313)。遊技機10に設けられ、特図変動ゲームの表示や遊技に関する各種情報を表示するセグメントLEDを所望の内容を表示するように駆動するセグメントLED編集処理を実行する(A1314)。
さらに、遊技制御装置100は、磁気センサスイッチ61からの検出信号をチェックして異常がないか否かを判定する磁石不正監視処理を実行する(A1315)。さらに、遊技盤の電波センサ62からの検出信号をチェックして異常がないか否かを判定する電波不正監視処理(盤電波不正監視処理)を実行する(A1316)。
その後、遊技制御装置100は、振動センサ65からの入力に基づいて振動による不正を監視する振動不正監視処理を実行する(A1317)。次に、大入賞口からの異常排出を監視する異常排出監視処理を実行する(A1318)。異常排出監視処理では、特別変動入賞装置39における大入賞口スイッチ39a、特定領域スイッチ72(V入賞口スイッチ)、残存球排出口スイッチ73からの入力に基づいて、特別変動入賞装置39の異常排出を監視し、異常排出が発生した場合に異常排出発生中フラグが設定される。なお、特別変動入賞装置39の大入賞口スイッチ39aを通過した遊技球は、特定領域スイッチ72(V入賞口スイッチ)又は残存球排出口スイッチ73を通過して排出される。
次に、遊技制御装置100は、各種外部装置に出力する信号を出力バッファにセットする外部情報編集処理を実行する(A1319)。そして、性能表示装置152の表示を制御する性能表示モニタ制御処理を実行する(A1320)。その後、タイマ割込み処理を終了する。
なお、タイマ割込み処理のリターンの際、割込み禁止状態の復元やレジスタバンクの指定の復元は、自動的に行われる構成とするが、使用するCPUによっては、外部情報編集処理の後に、割込みを許可する処理やレジスタバンクの指定をレジスタバンク0に戻す処理を行ってもよい。
〔確率設定変更/確認処理〕
次に、タイマ割込み処理における確率設定変更/確認処理(A1305)の詳細について説明する。図6Bは、確率設定変更/確認処理の手順を示すフローチャートである。確率設定変更/確認処理では、確率設定値が変更又は確認できる。
遊技制御装置100は、まず、確率設定値が正常範囲内であるか否かを判定する(A2401)。ここでの確率設定値は、RAM111cの確率設定値領域に記憶されている。
遊技制御装置100は、確率設定値が正常範囲内である場合に(A2401の結果が「Y」)、確率設定値に対応する確率設定値表示データを設定して(A2402)、性能表示装置152にドライバ150を介して出力する(A2404)。確率設定値が正常範囲内でない場合に(A2401の結果が「N」)、確率設定値表示データとして消灯データを設定して(A2403)、性能表示装置152にドライバ150を介して出力する(A2404)。
ここで、確率設定値表示データは、性能表示装置152で表示される表示用確率設定値のデータであり、確率設定値表示データ領域に記憶されている。なお、ホール関係者等の混乱を防止するため、確率設定値が異なっても同じ大当り確率(及び小当たり確率)であれば、表示用確率設定値を大当り確率(及び小当たり確率)に対応付けて同じにしてよい。即ち、同じ表示用確率設定値は、同じ大当り確率(及び小当たり確率)を意味してよい。
次に、遊技制御装置100は、セキュリティ信号制御タイマが0でなければ−1更新する(A2405)。セキュリティ信号制御タイマは、ステップA1034で設定された128ms(所定時間)である。続いて、外部装置(遊技場内部管理装置(ホールコンピュータ)など)に異常を知らせるためのセキュリティ信号のオンデータを外部情報端子71に出力する(A1026)。なお、ここで、大当り信号など外部情報端子71への他の信号はオフ状態に維持される。
その後、遊技制御装置100は、確率設定変更中フラグがセットされているか否かを判定する(A2407)。確率設定変更中フラグがセットされていない場合に(A2407の結果が「N」)、即ち、確率設定確認中である場合に、何もせずに確率設定変更/確認処理を終了する。
遊技制御装置100は、確率設定変更中フラグがセットされている場合に(A2407の結果が「Y」)、即ち、確率設定変更中である場合に、電源投入後の最初のタイマ割込み処理であるか否かを判定する(A2408)。電源投入後の最初のタイマ割込み処理である場合に(A2408の結果が「Y」)、確率設定変更/確認処理を終了する。これは、RAM初期化スイッチ112を押しっぱなしだった場合に、意図せずに確率設定値の更新がされる事態を防止するためである。
遊技制御装置100は、電源投入後の最初のタイマ割込み処理でない場合に(A2408の結果が「N」)、RAM初期化スイッチ112の入力があるか否かを判定する(A2409)。RAM初期化スイッチの入力がない場合に(A2409の結果が「N」)、確率設定変更/確認処理を終了する。
遊技制御装置100は、RAM初期化スイッチ112の入力がある場合に(A2409の結果が「Y」)、作業用設定値領域(RAM111c内又はレジスタ)の作業用設定値を0〜5の範囲で+1更新するとともに、作業用設定値に対応して確率設定値領域の確率設定値1〜6を+1更新する(A2410)。これにより、RAM初期化スイッチ112が操作される度に、確率設定値領域の確率設定値が1ずつ更新される。その後、確率設定変更/確認処理を終了する。なお、設定変更モードに入ったときに作業用設定値を格納する作業用設定値領域(RAM111c内又はレジスタ)に、確率設定値領域から読み出した確率設定値に対応する値(確率設定値から1減算した値)が格納されてよい。
なお、上記では、RAM初期化スイッチ112が操作される度に、作業用設定値の更新に対応して確率設定値領域の確率設定値を直接更新するようにしたが、RAM111cの作業用設定値領域に設定変更中の確率設定値(作業用設定値)を記憶するようにし、設定キースイッチ93がオフになり設定変更作業が完了したときに(A1036の結果が「Y」)、作業用設定値領域の作業用設定値に対応する値をはじめて確率設定値領域に格納するようにしてもよい。このようにすれば、設定変更中に停電が発生した場合(A1037の結果が「Y」)に、遊技制御や演出制御等に使用される確率設定値(確率設定値領域に記憶される確率設定値)が意図しない値で変更される事態を防止できる。
〔特図ゲーム処理〕
次に、前述のタイマ割込み処理における特図ゲーム処理(A1312a)の詳細について説明する。図7は、特図ゲーム処理の手順を示すフローチャートである。特図ゲーム処理では、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aの入力の監視と、特図変動表示ゲームに関する処理全体の制御、特図の表示の設定を行う。
遊技制御装置100は、まず、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aの入賞を監視する始動口スイッチ監視処理を実行する(A2600)。始動口スイッチ監視処理では、始動入賞口36、第2始動入賞口をなす普通変動入賞装置37に遊技球が入賞すると、各種乱数(大当り乱数など)を抽出し、当該入賞に基づく特図変動表示ゲームの開始前の段階で入賞に基づく遊技結果を事前に判定する遊技結果事前判定を行う。なお、始動口スイッチ監視処理の詳細については後述する。
続いて、特定領域86(V入賞口)への遊技球の入賞(入球)を監視する特定領域スイッチ監視処理を実行する(A2601)。なお、特定領域スイッチ監視処理の詳細については後述する。
次に、遊技制御装置100は、上大入賞口スイッチ監視処理を実行する(A2602)。上大入賞口スイッチ監視処理では、特別変動入賞装置39内に設けられたカウントスイッチ39aでの遊技球の検出を監視する。
次に、遊技制御装置100は、特図ゲーム処理タイマが0でなければ−1更新する(1だけ減算する)(A2603)。特図ゲーム処理タイマは、−1更新によって、タイマ割込み処理の割込み周期(4msec)の分だけ計時されることになる。なお、特図ゲーム処理タイマの最小値は0に設定されている。次に、特図ゲーム処理タイマが0であるか否かを判定する(A2604)。特図ゲーム処理タイマが0でない場合(A2604の結果が「N」)、ステップA2619の処理に移行する。
遊技制御装置100は、特図ゲーム処理タイマが0である場合(A2604の結果が「Y」)、すなわち、タイムアップした又は既にタイムアップしていた場合には、特図ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する特図ゲームシーケンス分岐テーブルをレジスタに設定する(A2605)。さらに、特図ゲームシーケンス分岐テーブルを用いて特図ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得する(A2606)。続いて、特図ゲーム処理番号によるサブルーチンコールを行って、特図ゲーム処理番号に応じたゲーム分岐処理を実行する(A2607)。
遊技制御装置100は、ステップA2607にてゲーム処理番号が「0」の場合には、特図変動表示ゲームの変動開始を監視し、特図変動表示ゲームの変動開始の設定、演出の設定や、特図変動中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図普段処理を実行する(A2608)。なお、特図普段処理の詳細については後述する。
遊技制御装置100は、ステップA2607にてゲーム処理番号が「1」の場合には、特図の停止表示時間の設定や、特図表示中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図変動中処理を実行する(A2609)。例えば、特図変動中処理では、特別図柄の停止を示す図柄停止コマンドや停止図柄パターンに対応する停止表示時間など必要な情報を設定して、特図表示中処理に係る処理番号「2」を設定し特図ゲーム処理番号領域にセーブする。
遊技制御装置100は、ステップA2607にてゲーム処理番号が「2」の場合には、大当り状態又は小当り状態に移行するために必要な情報の設定等を行う特図表示中処理を実行する(A2610)。例えば、特図表示中処理では、特図変動表示ゲームの結果が大当りであれば、条件装置が作動中であることを示す条件装置作動情報を条件装置作動情報領域に設定して特図普段処理に係る処理番号「0」を設定し特図ゲーム処理番号領域にセーブする。特図変動表示ゲームの結果が小当りであれば、小当りファンファーレコマンドや小当り開放前時間など必要な情報を設定して、小当り開放前処理に係る処理番号「3」を設定し特図ゲーム処理番号領域にセーブする。特図変動表示ゲームの結果がはずれであれば、特図普段処理に係る処理番号「0」を設定し特図ゲーム処理番号領域にセーブする。
遊技制御装置100は、ステップA2607にてゲーム処理番号が「3」の場合には、小当り開放前処理を実行する(A2611)。例えば、小当り開放前処理では、小当りによる大入賞口の開放時間(小当り開放時間、例えば1.6秒)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブし、上大入賞口ソレノイド出力データ領域にオンデータをセーブし、小当り開放中コマンドを演出コマンドとして設定し、小当り開放中処理に係る処理番号「4」を設定し特図ゲーム処理番号領域にセーブする。
遊技制御装置100は、ステップA2607にてゲーム処理番号が「4」の場合には、小当り開放中処理を実行する(A2612)。例えば、小当り開放中処理では、小当り残存球処理時間(例えば3.0秒)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブし、小当り残存球処理に係る処理番号「5」を設定し特図ゲーム処理番号領域にセーブする。
遊技制御装置100は、ステップA2607にてゲーム処理番号が「5」の場合には、小当り残存球処理を実行する(A2613)。例えば、小当り残存球処理では、特図普段処理に係る処理番号「0」を設定し特図ゲーム処理番号領域にセーブする。
特図ゲーム処理番号に基づく処理が終了すると、遊技制御装置100は、特図1表示器51の変動を制御するための特図1変動制御テーブルを準備した後(A2614)、特図1表示器51に係る図柄変動制御処理を実行する(A2615)。そして、特図2表示器52の変動を制御するための特図2変動制御テーブルを準備した後(A2616)、特図2表示器52に係る図柄変動制御処理を実行する(A2617)。次に、小当り中にレバーソレノイド86bを開放するようにレバーソレノイド86bの開放動作を制御するレバーソレノイド制御処理を実行して、特図ゲーム処理を終了する。
〔始動口スイッチ監視処理〕
次に、特図ゲーム処理における始動口スイッチ監視処理(A2600)の詳細について説明する。図8は、始動口スイッチ監視処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、始動入賞口36(始動口1)に対する入賞監視テーブルを準備し(A2701)、ハード乱数取得処理を実行し(A2702)、始動入賞口36への入賞があるか否かを判定する(A2703)。始動入賞口36への入賞がない場合(A2703の結果が「N」)には、ステップA2709以降の処理を実行する。一方、始動入賞口36への入賞がある場合(A2703の結果が「Y」)、右打ちする遊技状態であるか否かを判定する(A2704)。
遊技制御装置100は、右打ちする遊技状態でないと判定した場合(A2704の結果が「N」)、ステップA2707以降の処理を実行する。一方、右打ちする遊技状態である場合(A2704の結果が「Y」)、右打ち指示報知コマンドを演出コマンドとして準備して(A2705)、演出コマンド設定処理を実行する(A2706)。演出コマンド設定処理では、シリアル送信バッファに演出コマンドを書き込み、演出コマンドが演出制御装置300に送信されることになる。
即ち、普電サポート状態(時短状態)であれば、変動表示ゲームの確率状態(高確率状態/低確率状態)にかかわらず、右打ち指示報知コマンドを準備して、演出コマンド設定処理を実行する。本実施形態の場合、始動入賞口36へは左打ちの方が入賞し易く、普通変動入賞装置37へは右打ちでないと入賞しない。また、右打ちでないと、遊技球が普図始動ゲート34を通過しない。したがって、普電サポート状態(時短状態)は、左打ちよりも右打ちの方が有利となるが、普電サポート状態中に始動入賞口36に入賞があった場合(すなわち、普電サポート状態中に左打ちされた場合)には、右打ち指示報知コマンドを演出制御装置300に送信し、演出制御装置300は、右打ちするよう指示する報知(警告)を右打ち指示表示によって表示装置41等で実行する。
次に、遊技制御装置100は、始動入賞口36(始動口1)による保留の情報を設定するテーブルを準備した後(A2707)、特図始動口スイッチ共通処理を実行する(A2708)。そして、第2始動入賞口(普通変動入賞装置37)に対する入賞監視テーブルを準備し(A2709)、ハード乱数取得処理を実行し(A2710)、第2始動入賞口への入賞があるか否かを判定する(A2711)。第2始動入賞口への入賞がない場合(A2711の結果が「N」)には、始動口スイッチ監視処理を終了する。
一方、遊技制御装置100は、第2始動入賞口への入賞がある場合(A2711の結果が「Y」)には、普通電動役物(普通変動入賞装置37)が作動中であるか否か、すなわち、普通変動入賞装置37が作動して遊技球の入賞が可能な開状態となっているか否かを判定する(A2712)。普通電動役物が作動中である場合(A2712の結果が「Y」)、ステップA2714の処理に移行する。
一方、遊技制御装置100は、普通電動役物が作動中でない場合(A2712の結果が「N」)、普電不正発生中であるかを判定する(A2713)。普通変動入賞装置37への不正入賞数が不正発生判定個数(例えば5個)以上である場合に普電不正発生中であると判定する。普通変動入賞装置37は、閉状態では遊技球が入賞不可能であり、開状態でのみ遊技球が入賞可能である。従って、閉状態で遊技球が入賞した場合は何らかの異常や不正が発生した場合であり、このような閉状態で入賞した遊技球があった場合はその数を不正入賞数として計数する。そして、このように計数された不正入賞数が所定の不正発生判定個数(上限値)以上である場合に不正発生中と判定する。
遊技制御装置100は、普電不正発生中でない場合(A2713の結果が「N」)、第2始動入賞口(普通変動入賞装置37)による保留の情報を設定するテーブルを準備した後(A2714)、特図始動口スイッチ共通処理を実行し(A2715)、始動口スイッチ監視処理を終了する。また、A2713にて、普電不正発生中である(A2713の結果が「Y」)と判定した場合にも、始動口スイッチ監視処理を終了する。すなわち、第2始動記憶をそれ以上発生させないようにする。
〔特図始動口スイッチ共通処理〕
次に、始動口スイッチ監視処理における特図始動口スイッチ共通処理(A2708、A2715)の詳細について説明する。図9は、特図始動口スイッチ共通処理の手順を示すフローチャートである。特図始動口スイッチ共通処理は、始動口1スイッチ36aや始動口2スイッチ37aの入力があった場合に、各々の入力について共通して行われる処理である。
遊技制御装置100は、まず、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチへの入賞の回数に関する情報を遊技機10の外部の管理装置に対して出力する回数である始動口信号出力回数をロードし(A2901)、ロードした値を+1更新して(A2902)、出力回数がオーバーフローするか否かを判定する(A2903)。出力回数がオーバーフローしない場合(A2903の結果が「N」)、更新後の値をRWMの始動口信号出力回数領域にセーブして(A2904)、ステップA2905の処理に移行する。一方、出力回数がオーバーフローする場合(A2903の結果が「Y」)、ステップA2905の処理に移行する。本実施形態では、始動口信号出力回数領域に「0」から「255」までの値を記憶することができる。そして、ロードした値が「255」である場合には+1更新によって更新後の値は「0」になり、出力回数がオーバーフローすると判定するよう構成されている。
次に、遊技制御装置100は、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチに対応する更新対象の特図保留数(始動記憶数)が上限値(ここでは4)未満か否かを判定する(A2905)。更新対象の特図保留数が上限値未満でない場合(A2905の結果が「N」)は、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。また、更新対象の特図保留数が上限値未満(ここでは4)である場合(A2905の結果が「Y」)は、更新対象の特図保留数(特図1保留数又は特図2保留数)を+1更新して(A2906)、対象の始動口入賞フラグをセーブする(A2907)。
次に、遊技制御装置100は、監視対象の始動口スイッチ及び特図保留数に対応する乱数格納領域のアドレスを算出して(A2908)、ステップA2805にて準備した大当り乱数をRWMの大当り乱数格納領域にセーブする(A2909)。次に、監視対象の始動口スイッチの検出によって開始する特図変動表示ゲームの大当り図柄乱数を抽出し、RWMの大当り図柄乱数格納領域にセーブする(A2910)。続いて、監視対象の始動口スイッチの検出によって開始する特図変動表示ゲームの小当り図柄乱数を抽出し、小当り図柄乱数格納領域にセーブする(A2911)。
なお、本実施形態では、前述のように小当り後に確実にV入賞によって大当りが発生するため、小当り図柄乱数を使用しなくてもよく、ステップA2911はオプションであり実行されなくてもよい。また、特図1変動表示ゲームに小当り結果はないため、監視対象の始動口スイッチが始動口1スイッチ36aであれば、小当り図柄乱数を抽出しなくてもよい。
次に、遊技制御装置100は、変動パターン乱数1から3を対応するRWMの変動パターン乱数格納領域にセーブして(A2912)、特図保留情報判定処理を実行する(A2913)。特図保留情報判定処理では、セーブした大当り乱数や大当り図柄乱数に基づく停止図柄情報に対応する先読み停止図柄コマンドや、セーブした変動パターン乱数1から3に基づく前半変動番号(リーチ前変動の番号)及び後半変動番号(リーチ後変動の番号)に対応する先読み変動パターンコマンドを演出コマンドとして設定する。そして、監視対象の始動口スイッチ及び特図保留数に対応する飾り特図保留数コマンドを演出コマンドとして準備し(A2914)、演出コマンド設定処理(A2915)を実行して、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
ここで、遊技制御装置100(RAM111c)は、始動入賞口36や普通変動入賞装置37の始動入賞領域への遊技球の流入に基づき、所定の乱数を抽出し前記変動表示ゲームの実行権利となる始動記憶として所定数を上限に記憶する始動記憶手段をなす。また、始動記憶手段(遊技制御装置100)は、第1始動入賞口(始動入賞口36)への遊技球の入賞に基づき抽出した各種の乱数値を、所定数を上限に第1始動記憶として記憶し、第2始動入賞口(普通変動入賞装置37)への遊技球の入賞に基づき抽出した各種の乱数値を、所定数を上限に第2始動記憶として記憶する。
〔特定領域スイッチ監視処理〕
次に、特図ゲーム処理における特定領域スイッチ監視処理(A2601)の詳細について説明する。図10は、特定領域スイッチ監視処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、小当り中であるか否かを判定する(A3001)。特図ゲーム処理番号が「4」「5」であれば、小当り中であると判定できる。小当り中である場合に(A3001の結果が「Y」)、条件装置作動中であるか否かを判定する(A3002)。条件装置が作動中であることを示す条件装置作動情報が設定されていれば、条件装置作動中であると判定できる。
遊技制御装置100は、条件装置作動中でない場合に(A3002の結果が「N」)、特定領域スイッチ72に入力があるか否かを判定する(A3003)。特定領域スイッチ72に入力がある場合に(A3003の結果が「Y」)、即ち、特定領域86への入賞(V入賞)があった場合に、条件装置が作動中であることを示す条件装置作動情報を条件装置作動情報領域にセーブして(A3004)、特定領域スイッチ監視処理を終了する。
小当り中でない場合(A3001の結果が「N」)、条件装置作動中である場合(A3002の結果が「Y」)、又は、特定領域スイッチ72に入力がない場合に(A3003の結果が「N」)、何もせずに特定領域スイッチ監視処理を終了する。
〔特図普段処理〕
次に、特図ゲーム処理における特図普段処理(A2608)の詳細について説明する。図11は、特図普段処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、後述の役物ゲーム処理の役物普段処理中であり、且つ、大入賞口の残存球カウンタが0であるか否かを判定する(A3200)。役物普段処理中でないか、又は、大入賞口の残存球カウンタが0でない場合に(A3200の結果が「N」)、特図変動表示ゲームを開始せずステップA3215の処理に移行する。
遊技制御装置100は、役物普段処理中であり、且つ、大入賞口の残存球カウンタが0である場合に(A3200の結果が「Y」)、特図2保留数(第2始動記憶数)が0であるか否かを判定する(A3201)。特図2保留数が0である場合(A3201の結果が「Y」)、特図1保留数(第1始動記憶数)が0であるか否かを判定する(A3206)。そして、特図1保留数が0である場合(A3206の結果が「Y」)、客待ちデモが開始済みであるか否かを判定し(A3211)、客待ちデモが開始済みでない場合(A3211の結果が「N」)は、客待ちデモフラグ領域に客待ちデモ中フラグをセットする(A3212)。
続けて、遊技制御装置100は、客待ちデモコマンドを演出コマンドとして準備して(A3213)、演出コマンド設定処理を行い(A3214)、ステップA3215の処理に移行する。一方、ステップA3211にて、客待ちデモが開始済みである場合(A3211の結果が「Y」)、処理番号として特図普段処理に係る「0」を設定し(A3215)、特図ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブして(A3216)、変動図柄判別フラグ領域をクリアする(A3217)。そして、大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブして(A3218)、特図普段処理を終了する。
また、遊技制御装置100は、特図2保留数が0でない場合(A3201の結果が「N」)、特図2変動開始処理を実行し(A3202)、特図2保留数に対応する飾り特図保留数コマンド(飾り特図2保留数コマンド)を演出コマンドとして準備して(A3203)、演出コマンド設定処理を実行する(A3204)。そして、特図2の特図変動中処理移行設定処理を実行し(A3205)、特図普段処理を終了する。
特図2の特図変動中処理移行設定処理では、処理番号として「1」を設定し特図ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブし、客待ちデモフラグ領域をクリアし、特図2変動制御フラグ領域に変動中フラグをセーブする。
また、遊技制御装置100は、特図1保留数が0でない場合(A3206の結果が「N」)、特図1変動開始処理を実行し(A3207)、特図1保留数に対応する飾り特図保留数コマンド(飾り特図1保留数コマンド)を演出コマンドとして準備して(A3208)、演出コマンド設定処理を実行する(A3209)。そして、特図1の特図変動中処理移行設定処理を実行し(A3210)、特図普段処理を終了する。
特図1の特図変動中処理移行設定処理では、処理番号として「1」を設定し特図ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブし、客待ちデモフラグ領域をクリアし、特図1変動制御フラグ領域に変動中フラグをセーブする。
このように、特図2保留数のチェックを特図1保留数のチェックよりも先に行うことで、特図2保留数が0でない場合には特図2変動開始処理(A3202)が実行されることとなる。すなわち、特図2変動表示ゲームが特図1変動表示ゲームに優先して実行されることとなる(特図2保留優先消化)。つまり、遊技制御装置100が、第2始動記憶手段(遊技制御装置100)に第2始動記憶がある場合には、当該第2始動記憶に基づく変動表示ゲームを、第1始動記憶に基づく変動表示ゲームよりも優先的に実行する優先制御手段をなす。なお、特図1変動表示ゲームが特図2変動表示ゲームに優先して実行されることとする特図1保留優先消化にする場合には、ステップA3201の判定を、特図1保留数≠0であるか否かを判定すればよい。
〔特図1変動開始処理〕
次に、特図普段処理における特図1変動開始処理(A3207)の詳細について説明する。図12は、特図1変動開始処理の手順を示すフローチャートである。特図1変動開始処理は、特図1変動表示ゲームの開始時に行う処理である。
遊技制御装置100は、実行する特図変動表示ゲームの種別(ここでは特図1)を示す特図1変動フラグを変動図柄判別領域にセーブする(A3401)。続いて、特図1変動表示ゲームが大当りであるか否かを判別するための大当りフラグ1にはずれ情報や大当り情報を設定する大当りフラグ1設定処理を実行する(A3402)。大当りフラグ1設定処理の詳細については後述する。
次に、遊技制御装置100は、特図1変動表示ゲームに関する特図1停止図柄(図柄情報)の設定に係る特図1停止図柄設定処理を実行する(A3403)。特図1停止図柄設定処理では、はずれ時又は大当り時の停止図柄番号と、この停止図柄番号に対応するはずれ停止図柄パターン又は大当り停止図柄パターンをセーブする。そして、停止図柄パターンに対応する飾り特図コマンドを演出コマンドとして準備して、演出コマンド設定処理を実行する。また、停止図柄番号に対応するラウンド数情報(ラウンド上限値)と停止図柄番号に対応する確率変動判定データを取得してセーブする。
さらに、遊技制御装置100は、変動パターンを設定するためのパラメータである特図情報を設定する特図情報設定処理を実行する(A3404)。
続いて、遊技制御装置100は、特図1変動表示ゲームの変動パターンの設定に関する種々の情報を参照するための情報が設定されたテーブルである特図1変動パターン設定情報テーブルを準備する(A3405)。
その後、遊技制御装置100は、特図1変動表示ゲームにおける変動態様である変動パターン(変動パターン番号)を設定する変動パターン設定処理を実行する(A3406)。次に、遊技制御装置100は、特図1変動表示ゲームの変動開始の情報を設定する変動開始情報設定処理を実行し(A3407)、特図1変動開始処理を終了する。変動開始情報設定処理では、変動パターン(変動パターン番号)に対応する変動時間値を取得し、特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする。そして、変動パターン番号に対応する変動コマンド(MODE、ACTION)を演出コマンドとして準備して、演出コマンド設定処理を行う。また、変動開始情報設定処理では、これから開始する特図変動表示ゲームの特図種別(特図1又は特図2)に係る特図保留数を−1更新する(1だけ減少する)。
〔特図2変動開始処理〕
次に、特図普段処理における特図2変動開始処理(A3202)の詳細について説明する。図13は、特図2変動開始処理の手順を示すフローチャートである。特図2変動開始処理は、特図2変動表示ゲームの開始時に行う処理であって、図12に示した特図1変動開始処理での処理と同様の処理を、第2始動記憶を対象として行うものである。
遊技制御装置100は、まず、実行する特図変動表示ゲームの種別(ここでは特図2)を示す特図2変動フラグを変動図柄判別領域にセーブする(A3501)。続いて、特図2変動表示ゲームが大当りであるか否かを判別するための大当りフラグ2にはずれ情報や大当り情報を設定する大当りフラグ2設定処理を実行する(A3502)。
次に、遊技制御装置100は、特図2変動表示ゲームに関する特図2停止図柄(図柄情報)の設定に係る特図2停止図柄設定処理を実行する(A3503)。さらに、変動パターンを設定するためのパラメータである特図情報を設定する特図情報設定処理を実行する(A3504)。続いて、特図2変動表示ゲームの変動パターンの設定に関する種々の情報を参照するための情報が設定されたテーブルである特図2変動パターン設定情報テーブルを準備する(A3505)。
その後、遊技制御装置100は、特図2変動表示ゲームの変動パターンを設定する変動パターン設定処理を実行する(A3506)。最後に、特図2変動表示ゲームの変動開始の情報を設定する変動開始情報設定処理を実行し(A3507)、特図2変動開始処理を終了する。
〔大当りフラグ1設定処理〕
次に、特図1変動開始処理における大当りフラグ1設定処理(A3402)の詳細について説明する。図14は、大当りフラグ1設定処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、大当りフラグ1領域にはずれ情報をセーブする(A3601)。次に、RWMの特図1大当り乱数格納領域(保留数1用)から大当り乱数をロードし、準備して(A3602)、当該特図1大当り乱数格納領域(保留数1用)を0クリアする(A3603)。なお、保留数1用とは、消化順序が最先(ここでは特図1のうちで最先)の特図始動記憶についての情報(乱数等)を格納する領域である。その後、準備した大当り乱数値が大当り判定値と一致するか否かに応じて大当りであるか否かを判定する大当り判定処理を実行する(A3604)。
遊技制御装置100は、大当り判定処理(A3604)の判定結果が大当りである場合(A3605の結果が「Y」)、ステップA3601にてはずれ情報をセーブした大当りフラグ1領域に大当り情報を上書きしてセーブし(A3606)、大当りフラグ1設定処理を終了する。一方、大当り判定処理(A3605)の判定結果が大当りでない場合(A3605の結果が「N」)、大当りフラグ1設定処理を終了する。このように、本実施形態において、特図1変動表示ゲームの結果は、「大当り」及び「はずれ」のうちの何れかとなり、「小当り」はない。
〔大当りフラグ2設定処理〕
次に、特図2変動開始処理における大当りフラグ2設定処理(A3502)の詳細について説明する。図15は、大当りフラグ2設定処理の手順を示すフローチャートである。この処理は、図14に示した大当りフラグ1設定処理での処理と同様の処理を、第2始動記憶を対象として行うものである。
遊技制御装置100は、まず、大当りフラグ2領域にはずれ情報をセーブする(A3701)。次に、RWMの特図2大当り乱数格納領域(保留数1用)から大当り乱数をロードし、準備して(A3702)、当該特図2大当り乱数格納領域(保留数1用)を0クリアする(A3703)。なお、保留数1用とは、消化順序が最先(ここでは特図2のうちで最先)の特図始動記憶についての情報(乱数等)を格納する領域である。その後、準備した大当り乱数値が小当り判定値と一致するか否かに応じて小当りであるか否かを判定する小当り判定処理を実行する(A3704)。
遊技制御装置100は、小当り判定処理(A3704)の判定結果が小当りである場合(A3705の結果が「Y」)、ステップA3701にてはずれ情報をセーブした大当りフラグ2領域に小当り情報を上書きしてセーブし(A3706)、大当りフラグ2設定処理を終了する。
一方、小当り判定処理(A3704)の判定結果が小当りでない場合(A3705の結果が「N」)は、オプションで、準備した大当り乱数値が大当り判定値と一致するか否かに応じて大当りであるか否かを判定する大当り判定処理を実行してもよい(A3707)。遊技制御装置100は、大当り判定処理(A3707)の判定結果が大当りである場合(A3708の結果が「Y」)、ステップA3701にてはずれ情報をセーブした大当りフラグ2領域に大当り情報を上書きしてセーブし(A3709)、大当りフラグ2設定処理を終了する。一方、大当り判定処理(A3707)の判定結果が大当りでない場合(A3708の結果が「N」)、大当りフラグ2領域にはずれ情報をセーブしたまま大当りフラグ2設定処理を終了する。
このように、本実施形態では、特図2変動表示ゲームの結果は、「小当り」及び「はずれ」のうちの何れかとなるが、オプションで、特図2変動表示ゲームの結果として「大当り」を設ける構成も可能である。
〔大当り判定処理〕
次に、大当りフラグ1設定処理と大当りフラグ2設定処理等における大当り判定処理(A3604、A3707)の詳細について説明する。図16Aは、大当り判定処理の手順を示すフローチャートである。なお、大当り判定処理は、タイマ割込み処理中に実行される他の処理における大当り判定処理に共通する処理であり、特図保留情報判定処理などでも実行される。
遊技制御装置100は、まず、大当り判定値の下限判定値を設定し(A3801)、対象の大当り乱数の値が下限判定値未満であるか否かを判定する(A3802)。なお、大当りであるとは大当り乱数が大当り判定値と一致することである。大当り判定値は連続する複数の値であり、大当り乱数が、大当り判定値の下限の値である下限判定値以上で、かつ、大当り判定値の上限の値である上限判定値以下である場合に、大当りであると判定される。
遊技制御装置100は、対象の大当り乱数の値が下限判定値未満である場合(A3802の結果が「Y」)、判定結果としてはずれ(大当り以外)を設定し(A3804)、大当り判定処理を終了する。
遊技制御装置100は、対象の大当り乱数の値が上限判定値より大きいか否かを判定する(A3803)。大当り乱数の値が上限判定値より大きい場合(A3803の結果が「Y」)、判定結果としてはずれ(大当り以外)を設定する(A3804)。一方、大当り乱数の値が上限判定値より大きくない場合(A3803の結果が「N」)、判定結果として大当りを設定する(A3805)。判定結果を設定すると、大当り判定処理を終了する。
〔小当り判定処理〕
次に、大当りフラグ2設定処理における小当り判定処理(A3704)の詳細について説明する。図16Bは、小当り判定処理の手順を示すフローチャートである。なお、小当り判定処理は、タイマ割込み処理中に実行される他の処理における小当り判定処理に共通する処理であり、特図保留情報判定処理などでも実行される。
遊技制御装置100は、まず、対象(特図2)の大当り乱数の値が小当り下限判定値未満であるか否かを判定する(A3901)。なお、小当りであるとは大当り乱数が小当り判定値と一致することである。小当り判定値は連続する複数の値であり、大当り乱数が、小当り判定値の下限の値である小当り下限判定値以上で、かつ、小当り判定値の上限の値である小当り上限判定値以下である場合に、小当りであると判定される。
当然ながら、同じ特図変動表示ゲームの結果が小当り且つ大当りとなることを避けるべく、小当り判定値の範囲(小当り下限判定値と小当り上限判定値の間)は、前述の大当り判定値の範囲(下限判定値と上限判定値の間)とは重ならない。なお、本実施形態では、独自に小当り乱数を設けることはせず、小当りの判定にも大当り乱数を利用するが、独自の小当り乱数を設ける構成も可能である。
遊技制御装置100は、対象(特図2)の大当り乱数の値が小当り下限判定値未満である場合(A3901の結果が「Y」)、判定結果としてはずれを設定し(A3903)、小当り判定処理を終了する。
また、遊技制御装置100は、大当り乱数の値が小当り下限判定値未満でない場合には(A3901の結果が「N」)、対象(特図2)の大当り乱数の値が小当り上限判定値より大きいか否かを判定する(A3902)。大当り乱数の値が小当り上限判定値より大きい場合(A3902の結果が「Y」)、判定結果としてはずれを設定する(A3903)。一方、大当り乱数の値が小当り上限判定値より大きくない場合(A3902の結果が「N」)、判定結果として小当りを設定する(A3904)。判定結果を設定すると、小当り判定処理を終了する。なお、本実施形態では、小当り確率が1/8(=12.5%)になるように、小当り下限判定値と小当り上限判定値が設定されるが、小当り確率は他の値でもよい。
〔特図1停止図柄設定処理〕
次に、特図1変動開始処理における特図1停止図柄設定処理(A3403)の詳細について説明する。図17は、特図1停止図柄設定処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、大当りフラグ1は大当りであるか否か、即ち、大当りフラグ1領域に大当り情報がセーブされているか判定する(A4001)。大当りフラグ1が大当りである場合(A4001の結果が「Y」)、特図1大当り図柄乱数格納領域(保留数1用)から大当り図柄乱数をロードする(A4002)。次に、特図1大当り図柄テーブルを設定し(A4003)、ロードした大当り図柄乱数に対応する停止図柄番号を取得してRWMの特図1停止図柄番号領域にセーブする(A4004)。この処理により特別結果の種類が選択される。
その後、遊技制御装置100は、特図1大当り停止図柄情報テーブルを設定し(A4005)、停止図柄番号に対応する停止図柄パターンを取得して停止図柄パターン領域にセーブする(A4006)。停止図柄パターンとは、特図表示器(ここでは特図1表示器51)での停止図柄や表示装置41での停止図柄を設定するためのものである。そして、停止図柄番号に対応するラウンド数上限値情報を取得し、RWMの特図1ラウンド数上限値情報領域にセーブし(A4007)、停止図柄番号に対応するファンファーレ情報を取得し、ファンファーレ情報領域にセーブする(A4008)。これらの情報は、特別遊技状態の実行態様を設定するためのものである。
次に、遊技制御装置100は、停止図柄番号に対応する時間短縮判定データを取得し、時間短縮判定データ領域にセーブする(A4009)。時間短縮判定データは、大当り終了後の時短状態の有無(時短あり又は時短なし)の情報を含み、後述の特図1大当り終了処理と特図2大当り終了処理で使用される。続いて、停止図柄パターン(或は停止図柄番号、後述の図柄A)に対応する演出モード移行情報をセーブする(A4010)。その後、ステップA4013の処理に移行する。
一方、遊技制御装置100は、大当りフラグ1が大当りでない場合(A4001の結果が「N」)、はずれ時の停止図柄番号を特図1停止図柄番号領域にセーブし(A4011)、はずれ停止図柄パターンを停止図柄パターン領域にセーブする(A4012)。その後、ステップA4013の処理に移行する。
遊技制御装置100は、ステップA4010、A4012の後、停止図柄パターンに対応する飾り特図1コマンドを準備し、演出コマンドとして飾り特図1コマンドを飾り特図1コマンド領域にセーブする(A4013)。以上の処理により、特図1変動表示ゲームの結果に対応した停止図柄が設定される。
その後、遊技制御装置100は、演出コマンド設定処理を実行する(A4014)。これにより、飾り特図1コマンドは、演出制御装置300に送信される。
次に、遊技制御装置100は、停止図柄番号に対応する図柄データを試験信号出力データ領域にセーブし(A4015)、特図1大当り図柄乱数格納領域(保留数1用)を0クリアする(A4016)。その後、特図1停止図柄設定処理を終了する。
〔特図2停止図柄設定処理〕
次に、特図2変動開始処理における特図2停止図柄設定処理(A3503)の詳細について説明する。図18は、特図2停止図柄設定処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、大当りフラグ2は小当りであるか否か、即ち、大当りフラグ2領域に小当り情報がセーブされているか判定する(A4101)。大当りフラグ2が小当りである場合(A4101の結果が「Y」)、特図2大当り図柄乱数格納領域(保留数1用)から大当り図柄乱数をロードする(A4102)。次に、特図2大当り図柄テーブルを設定し(A4103)、ロードした大当り図柄乱数に対応する停止図柄番号を取得してRWMの特図2停止図柄番号領域にセーブする(A4104)。この処理により特別結果の種類が選択される。
なお、本実施形態では、小当りで第2特別変動入賞装置39が開放されることによって遊技球がV入賞し、小当り後にすぐに大当りが発生するため、特図2変動表示ゲームが小当り(大当りフラグ2が小当り)であっても大当り図柄乱数をロードしている。しかし、小当り図柄乱数(A2911)をロードし、小当り図柄乱数に対応する停止図柄番号を取得する構成も可能である。この構成では、V入賞時(図10のA3003の結果が「Y」となった時)に大当り図柄乱数をロードして停止図柄番号を取得してステップA4107からA4110からの処理を実行してもよい。
その後、遊技制御装置100は、特図2大当り停止図柄情報テーブルを設定し(A4105)、停止図柄番号に対応する停止図柄パターンを取得して停止図柄パターン領域にセーブする(A4106)。停止図柄パターンとは、特図表示器(ここでは特図2表示器52)での停止図柄や表示装置41での停止図柄を設定するためのものである。そして、停止図柄番号に対応するラウンド数上限値情報を取得し、RWMの特図2ラウンド数上限値情報領域にセーブし(A4107)、停止図柄番号に対応するファンファーレ情報を取得し、ファンファーレ情報領域にセーブする(A4108)。これらの情報は、特別遊技状態の実行態様を設定するためのものである。
次に、遊技制御装置100は、停止図柄番号に対応する時間短縮判定データを取得し、時間短縮判定データ領域にセーブする(A4109)。時間短縮判定データは、大当り終了後の時短状態の有無(時短あり又は時短なし)の情報を含み、後述の特図1大当り終了処理と特図2大当り終了処理で使用される。続いて、停止図柄パターン(或は停止図柄番号、後述の図柄B−G)に対応する演出モード移行情報をセーブする(A4010)。その後、ステップA4114の処理に移行する。
一方、遊技制御装置100は、大当りフラグ2が小当りでない場合(A4101の結果が「N」)、大当りフラグ2は大当りであるか否か、即ち、大当りフラグ2領域に大当り情報がセーブされているか判定する(A4111)。小当りフラグ2は大当りである場合(A4111の結果が「Y」)、ステップA4102以降の処理に移行するが、小当りの場合と異なる特図2大当り図柄テーブルや特図2大当り停止図柄情報テーブルを使用してよい。
遊技制御装置100は、小当りフラグ2は大当りでない場合(A4111の結果が「N」)、はずれ時の停止図柄番号を特図2停止図柄番号領域にセーブし(A4112)、はずれ停止図柄パターンを停止図柄パターン領域にセーブする(A4113)。その後、ステップA4114の処理に移行する。
なお、本実施形態では、特図2変動表示ゲームの結果として「大当り」を設けないため、ステップA4111の処理はオプションであり実行しなくてもよい。即ち、大当りフラグ2が小当りでない場合(A4101の結果が「N」)、ステップA4112の処理に移行してよい。
遊技制御装置100は、ステップA4110、A4113の後、停止図柄パターンに対応する飾り特図2コマンドを準備し、演出コマンドとして飾り特図2コマンドを飾り特図2コマンド領域にセーブする(A4114)。以上の処理により、特図2変動表示ゲームの結果に対応した停止図柄が設定される。
その後、遊技制御装置100は、演出コマンド設定処理を実行する(A4115)。飾り特図2コマンドは、演出制御装置300に送信される。
次に、遊技制御装置100は、停止図柄番号に対応する図柄データを試験信号出力データ領域にセーブし(A4116)、特図2大当り図柄乱数格納領域(保留数1用)を0クリアする(A4117)。また、小当り図柄乱数(A2911)を抽出した場合には、特図2小当り図柄乱数格納領域(保留数1用)を0クリアしてもよい。その後、特図2停止図柄設定処理を終了する。
このように、遊技制御装置100が、第1始動入賞口36での遊技球の検出に基づいて変動表示ゲームとして特図1変動表示ゲームを実行し、普通変動入賞装置37での遊技球の検出に基づいて変動表示ゲームとして特図2変動表示ゲームを実行する変動表示ゲーム実行手段をなす。また、遊技制御装置100が、判定手段(遊技制御装置100)による判定結果に基づき変動表示ゲームの実行を制御する変動表示ゲーム実行制御手段をなす。
〔特図情報設定処理〕
次に、特図1変動開始処理と特図2変動開始処理における特図情報設定処理(A3404、A3504)の詳細について説明する。図19は、特図情報設定処理の手順を示すフローチャートである。本実施形態において、確率状態(低確率/高確率、時短あり/なし)は変動の振り分けに直接影響せず、遊技制御装置100が管理している演出モードが変動の振り分けに影響する。演出モードは、確率状態、時短状態の有無、特図変動表示ゲームの進行状況などに応じて、複数の演出モードから一の演出モードが設定されるようになっている。なお、確率状態、時短状態の有無、特図変動表示ゲームの進行状況などに基づいて直接的に変動の振り分けを行ってもよい。
遊技制御装置100は、まず、前半変動グループ選択ポインタテーブルを設定して(A4201)、演出モード情報に対応する前半変動グループ選択ポインタを取得する(A4202)。次いで、前半変動グループ選択オフセットテーブルを設定して(A4203)、対象の特図保留数(特図1保留数又は特図2保留数)と停止図柄パターンに対応するオフセットデータを取得する(A4204)。
次に、遊技制御装置100は、前半変動グループ選択ポインタとオフセットデータを加算して(A4205)、加算して得た値を変動振分情報1領域にセーブする(A4206)。これにより変動振分情報1領域には、停止図柄の種類、保留数、及び演出モードに基づいて生成された変動振分情報1がセーブされる。この変動振分情報1は、前半変動(リーチ開始前までの変動態様)を振り分けるためのテーブルポインタであり、後に変動グループを選択するために用いられる。ただし、機種の仕様次第であるが、保留数が多い時に変動時間を短くするのははずれの場合のみであるため、はずれ以外の場合には、結果として保留数は前半変動の振り分けに影響しない。なお、変動グループとは複数の変動パターンが含まれたもので、変動パターンを決定する際には、まず変動グループを選択し、さらにこの変動グループの中から一の変動パターンを選択するようになっている。
次に、遊技制御装置100は、後半変動グループ選択ポインタテーブルを設定して(A4207)、演出モード情報に対応する後半変動グループ選択ポインタを取得する(A4208)。次いで、後半変動グループ選択オフセットテーブルを設定して(A4209)、対象の特図保留数と停止図柄パターンに対応するオフセットデータを取得する(A4210)。
次に、遊技制御装置100は、後半変動グループ選択ポインタとオフセットデータを加算して(A4211)、加算して得た値を変動振分情報2領域にセーブして(A4212)、特図情報設定処理を終了する。これにより変動振分情報2領域には、停止図柄の種類、保留数、及び演出モードに基づいて生成された変動振分情報2がセーブされる。この変動振分情報2は、後半変動(リーチの種類(リーチなしも含む。))を振り分けるためのテーブルポインタであり、後に変動グループを選択するために用いられる。ただし、はずれの場合のみ保留数に応じてリーチの発生率が変化する(保留数が多い時にリーチの発生率が低くなる)ため、はずれ以外の場合には、結果として保留数は後半変動の振り分けに影響しない。
〔変動パターン設定処理〕
次に、特図1変動開始処理及び特図2変動開始処理における変動パターン設定処理(A3406、A3506)の詳細について説明する。図20は、変動パターン設定処理の手順を示すフローチャートである。
変動パターンは、特図変動表示ゲームの開始からリーチ状態となるまでの変動態様である前半変動パターンと、リーチ状態となってから特図変動表示ゲームの終了までの変動態様である後半変動パターンとからなり、先に後半変動パターンを設定してから前半変動パターンを設定する。
遊技制御装置100は、まず、変動グループ選択アドレステーブルを設定し(A4301)、変動振分情報2に対応する後半変動グループテーブルのアドレスを取得し、準備して(A4302)、対象の変動パターン乱数1格納領域(保留数1用)から変動パターン乱数1をロードし、準備する(A4303)。本実施形態において、後半変動グループテーブルの構造は、当り用とはずれ用とで構造が異なる。具体的には、当り用は1バイトサイズ、はずれ用は2バイトサイズとなっている。はずれの発生率よりも当りの発生率が低く、1バイトでも足りるため、データ容量の節約の観点から、当り用は1バイトサイズになっている。したがって、当り時は、2バイトの変動パターン乱数1の下位の値だけを使用している。また、当りの発生率よりもはずれの発生率は高く、より多様な演出を出現させたいため、はずれ用は2バイトサイズになっている。
そして、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果がはずれであるかを判定し(A4304)、はずれである場合(A4304の結果が「Y」)、2バイト振り分け処理(A4305)を行って、ステップA4307の処理に移行する。また、はずれでない場合(A4304の結果が「N」)、振り分け処理(A4306)を行って、ステップA4307の処理に移行する。
次に、遊技制御装置100は、振り分けられた結果得られた後半変動選択テーブル(後半変動パターン選択テーブル)のアドレスを取得し、準備して(A4307)、対象の変動パターン乱数2格納領域(保留数1用)から変動パターン乱数2をロードし、準備する(A4308)。そして、振り分け処理を実行し(A4309)、振り分けられた結果得られた後半変動番号を取得し、後半変動番号領域にセーブする(A4310)。この処理により、後半変動パターンが設定されることとなる。
次に、遊技制御装置100は、前半変動グループテーブルを設定し(A4311)、変動振分情報1と後半変動番号を基にテーブル選択ポインタを算出する(A4312)。そして、算出したポインタに対応する前半変動選択テーブル(前半変動パターン選択テーブル)のアドレスを取得し、準備して(A4313)、対象の変動パターン乱数3格納領域(保留数1用)から変動パターン乱数3をロードし、準備する(A4314)。その後、振り分け処理(A4315)を行い、振り分けられた結果得られた前半変動番号を取得し、前半変動番号領域にセーブして(A4316)、変動パターン設定処理を終了する。この処理により、前半変動パターンが設定され、特図変動表示ゲームの変動パターンが設定されることとなる。すなわち、遊技制御装置100が、ゲームの実行態様である変動パターンを複数のうちから設定する変動パターン設定手段をなす。
〔2バイト振り分け処理〕
次に、変動パターン設定処理における2バイト振り分け処理(A4305)の詳細について説明する。図21は、2バイト振り分け処理の手順を示すフローチャートである。2バイト振り分け処理は、変動パターン乱数1に基づいて後半変動グループテーブルから特図変動表示ゲームの後半変動選択テーブルを選択するための処理である。
遊技制御装置100は、まず、選択テーブル(A4302にて準備した後半変動グループテーブル)の先頭のデータが振り分けなしのコード(すなわち「0」)であるかをチェックする(A4401)。ここで、後半変動グループテーブルは、少なくとも一の後半変動選択テーブルと対応付けて所定の振り分け値を記憶しているが、後半変動パターンが「リーチなし」となる後半変動選択テーブルのみを規定する後半変動グループテーブル(例えば、結果がはずれの場合の一部の変動グループテーブル)にあっては、振り分けの必要がないため、振り分け値「0」、すなわち、振り分けなしのコードが先頭に規定されている。
そして、遊技制御装置100は、選択テーブル(後半変動グループテーブル)の先頭のデータが振り分けなしのコードである場合(A4402の結果が「Y」)は、振り分けた結果に対応するデータのアドレスに更新して(A4407)、2バイト振り分け処理を終了する。一方、選択テーブル(後半変動グループテーブル)の先頭のデータが振り分けなしのコードでない場合(A4402の結果が「N」)は、選択テーブル(後半変動グループテーブル)に最初に規定されている一の振り分け値を取得する(A4403)。
続けて、ステップA4303にて準備した乱数値(変動パターン乱数1の値)からステップA4403にて取得した振り分け値を減算して新たな乱数値を算出し(A4404)、当該算出した新たな乱数値が「0」よりも小さいかを判定する(A4405)。そして、新たな乱数値が「0」よりも小さくない場合(A4405の結果が「N」)は、次の振り分け値のアドレスに更新した後(A4406)、ステップA4403の処理に移行して、それ以降の処理を行う。すなわち、選択テーブル(後半変動グループテーブル)に次に規定されている振り分け値を取得し(A4403)、その後、前回のステップA4405にて判定済みの乱数値から振り分け値を減算することで新たな乱数値を算出して(A4404)、算出した新たな乱数値が「0」よりも小さいか否かを判定する(A4405)。
上記の処理をステップA4405にて新たな乱数値が「0」よりも小さいと判定(A4405の結果が「Y」)するまで実行する。これにより、選択テーブル(後半変動グループテーブル)に規定されている少なくとも一の後半変動選択テーブルの中から何れか一の後半変動選択テーブルが選択される。そして、ステップA4405にて、新たな乱数値が「0」よりも小さいと判定すると(A4405の結果が「Y」)、振り分けた結果に対応するデータのアドレスに更新して(A4407)、2バイト振り分け処理を終了する。
〔振り分け処理〕
次に、変動パターン設定処理における振り分け処理(A4306、A4309、A4315)の詳細について説明する。図22は、振り分け処理の手順を示すフローチャートである。振り分け処理は、変動パターン乱数2に基づいて、後半変動選択テーブル(後半変動パターングループ)から特図変動表示ゲームの後半変動パターンを選択したり、変動パターン乱数3に基づいて、前半変動選択テーブル(前半変動パターングループ)から特図変動表示ゲームの前半変動パターンを選択したりするための処理である。
遊技制御装置100は、まず、対象の選択テーブル(A4302にて準備した後半変動グループテーブル、ステップA4307にて準備した後半変動選択テーブル、又はステップA4313にて準備した前半変動選択テーブル)の先頭のデータが振り分けなしのコード(すなわち「0」)であるかをチェックする(A4501)。ここで、後半変動グループテーブル、後半変動選択テーブル、及び前半変動選択テーブルは、少なくとも一の後半変動選択テーブルや後半変動パターン(後半変動番号)や前半変動パターン(前半変動番号)と対応付けて所定の振り分け値を記憶しているが、振り分けの必要がない選択テーブルの場合、振り分け値「0」、すなわち、振り分けなしのコードが先頭に規定されている。
そして、遊技制御装置100は、対象の選択テーブル(後半変動グループテーブルや後半変動選択テーブルや前半変動選択テーブル)の先頭のデータが振り分けなしのコードである場合(A4502の結果が「Y」)、振り分けた結果に対応するデータのアドレスに更新して(A4507)、振り分け処理を終了する。一方、対象の選択テーブル(後半変動グループテーブルや後半変動選択テーブルや前半変動選択テーブル)の先頭のデータが振り分けなしのコードでない場合(A4502の結果が「N」)、対象の選択テーブル(後半変動グループテーブルや後半変動選択テーブルや前半変動選択テーブル)に最初に規定されている一の振り分け値を取得する(A4503)。
続けて、遊技制御装置100は、ステップA4303やA4308やA4314にて準備した乱数値(変動パターン乱数1や変動パターン乱数2や変動パターン乱数3の値)からステップA4503にて取得した振り分け値を減算して新たな乱数値を算出し(A4504)、当該算出した新たな乱数値が「0」よりも小さいかを判定する(A4505)。そして、新たな乱数値が「0」よりも小さくない場合(A4505の結果が「N」)は、次の振り分け値のアドレスに更新した後(A4506)、ステップA4503の処理に移行して、それ以降の処理を行う。
すなわち、対象の選択テーブル(後半変動グループテーブルや後半変動選択テーブルや前半変動選択テーブル)に次に規定されている振り分け値を取得し(A4503)、その後、前回のステップA4505にて判定済みの乱数値から振り分け値を減算することで新たな乱数値を算出して(A4504)、算出した新たな乱数値が「0」よりも小さいか否かを判定する(A4505)。上記の処理をステップA4505にて新たな乱数値が「0」よりも小さいと判定(A4505の結果が「Y」)するまで実行する。これにより、対象の選択テーブル(後半変動グループテーブルや後半変動選択テーブルや前半変動選択テーブル)に規定されている少なくとも一の後半変動選択テーブルや後半変動パターン(後半変動番号)や前半変動パターン(前半変動番号)の中から何れか一の後半変動選択テーブルや後半変動パターン(後半変動番号)や前半変動パターン(前半変動番号)が選択される。
そして、遊技制御装置100は、ステップA4505にて、新たな乱数値が「0」よりも小さいと判定すると(A4505の結果が「Y」)、振り分けた結果に対応するデータのアドレスに更新して(A4507)、振り分け処理を終了する。
〔変動開始情報設定処理〕
次に、特図1変動開始処理及び特図2変動開始処理における変動開始情報設定処理(A3407、A3507)の詳細について説明する。図23は、変動開始情報設定処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、開始する変動表示ゲームが特図2変動表示ゲームであるか否かを判定する(A4600a)。開始する変動表示ゲームが特図2変動表示ゲームでなく特図1変動表示ゲームである場合に(A4600aの結果が「N」)、対象の変動パターン乱数1〜3の乱数格納領域をクリアする(A4601)。次に、前半変動時間値テーブルを設定し(A4602)、前半変動番号に対応する前半変動時間値を取得する(A4603)。さらに、後半変動時間値テーブルを設定し(A4604)、後半変動番号に対応する後半変動時間値を取得する(A4605)。
そして、遊技制御装置100は、前半変動時間値と後半変動時間値を加算し(A4606)、加算値(全変動時間値)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(A4607)。その後、前半変動番号に対応する変動コマンド(MODE)を準備し(A4608)、後半変動番号に対応する変動コマンド(ACTION)を演出コマンドとして準備して(A4609)、演出コマンド設定処理を行う(A4610)。次に、開始する変動の図柄(特図1又は特図2)を示す変動図柄判別フラグに対応する特図保留数を−1更新して(A4611)、変動図柄判別フラグに対応する乱数格納領域のアドレスを設定する(A4612)。次いで、乱数格納領域をシフトし(A4613)、シフト後の空き領域をクリアして(A4614)、変動開始情報設定処理を終了する。
遊技制御装置100は、まず、開始する変動表示ゲームが特図2変動表示ゲームである場合に(A4600aの結果が「Y」)、特図2変動表示ゲームの結果が小当り又は大当りであるか否かを判定する(A4600b)。特図2変動表示ゲームの結果が小当り又は大当りである場合に(A4600bの結果が「Y」)、開始する変動表示ゲームが特図1変動表示ゲームである場合と同様にステップA4601以降の処理を実行する。
遊技制御装置100は、特図2変動表示ゲームの結果が小当りでもなく大当りでもない場合(A4600bの結果が「N」)、即ち、特図2変動表示ゲームの結果がはずれ結果の場合に、大当り終了後の特図2変動回数(特図2変動表示ゲームの実行回数)に対応する変動時間値(全変動時間値)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(A4615)。
従って、特図1変動表示ゲームの変動時間値と、小当り又は大当りの場合の特図2変動表示ゲームの変動時間値は、振り分け(抽選)で設定され固定されない時間値である一方、はずれの場合の特図2変動表示ゲームの変動時間値は、大当り終了後の特図2変動回数ごとに設定される固定時間値となる。即ち、特図2変動表示ゲームの変動時間値は、回転数制御がなされる。なお、小当り又は大当りの場合の特図2変動表示ゲームの変動時間値も固定時間値とする構成も可能である。
その後、遊技制御装置100は、変動時間値に対応した変動コマンド(MODE,ACTION)を演出コマンドとして準備し、ステップA4610以降の処理を実行する。
なお、後述の変形例のように普電サポートの態様(内容)に関するサポ状態(サポ態様、普電開放パターン)が可変である場合に、変動時間値は、大当り終了後の特図2変動回数だけでなく、サポ状態にも対応して設定してもよい。
以上の処理により、特図変動表示ゲームの開始に関する情報が設定される。すなわち、遊技制御装置100が、始動記憶手段(遊技制御装置100)に記憶された各種の乱数値の判定を行う判定手段をなす。また、遊技制御装置100が、始動記憶の判定情報に基づいて、変動表示ゲームで実行する識別情報の変動パターンを決定することが可能な変動パターン決定手段をなす。
そして、これらの特図変動表示ゲームの開始に関する情報は後に演出制御装置300に送信され、演出制御装置300では、特図変動表示ゲームの開始に関する情報の受信に基づき、決定された変動パターンに応じて飾り特図変動表示ゲームでの詳細な演出内容を設定する。これらの特図変動表示ゲームの開始に関する情報としては、始動記憶数(保留数)に関する情報を含む飾り特図保留数コマンド、停止図柄に関する情報を含む飾り特図コマンド、特図変動表示ゲームの変動パターンに関する情報を含む変動コマンドが挙げられ、この順でコマンドが演出制御装置300に送信される。特に、飾り特図コマンドを変動コマンドよりも先に送信することで、演出制御装置300での処理を効率よく進めることができる。
〔特図変動中処理〕
次に、特図ゲーム処理における特図変動中処理(A2609)の詳細について説明する。図24は、特図変動中処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、特図2変動中(特図2変動表示ゲームが実行中)であるか否かを判定する(A4801)。特図2変動中でない場合、即ち、特図1変動中(特図1変動表示ゲームが実行中)である場合に(A4801の結果が「N」)、停止図柄パターンに対応する表示時間を設定する(A4802)。
一方、遊技制御装置100は、特図2変動中である場合(A4801の結果が「Y」)、特図2変動表示ゲームのか結果が小当り又は大当りであるか否かを判定する(A4803)。特図2変動表示ゲームのか結果が小当り又は大当りである場合に(A4803の結果が「Y」)、停止図柄パターンに対応する表示時間を設定する(A4802)。表示時間(停止表示時間)は、変動表示ゲームの結果である停止図柄(停止表示)の表示時間である。
遊技制御装置100は、特図2変動表示ゲームの結果が小当り又は大当りでない場合、即ち、はずれの場合に(A4803の結果が「N」)、大当り終了後の特図2変動回数(特図2変動表示ゲームの実行回数)に対応する表示時間を設定する(A4804)。
従って、特図1変動表示ゲームの表示時間と、小当り又は大当りの場合の特図2変動表示ゲームの表示時間は、抽選で設定された停止図柄パターンに基づく固定されない時間である一方、はずれの場合の特図2変動表示ゲームの表示時間は、大当り終了後の特図2変動回数(特図2変動表示ゲームの実行回数)ごとに固定的に設定される。なお、小当り又は大当りの場合の特図2変動表示ゲームの表示時間も固定的に設定する構成も可能である。
なお、後述のように普電サポートの態様(内容)に関するサポ状態(サポ態様、普電開放パターン)が可変である場合に、表示時間(停止表示時間)は、大当り終了後の特図2変動回数だけでなく、サポ状態にも対応して設定してもよい。
次に、遊技制御装置100は、ステップA4802又はA4804で設定された表示時間を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(A4805)。その後、特図表示中処理移行設定処理を実行する(A4806)。特図表示中処理移行設定処理では、特図表示中処理に係る処理番号「2」を設定し特図ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブし、特図1表示器51での変動停止に係る停止フラグを特図1変動制御フラグ領域にセーブし、特図2表示器52での変動停止に係る停止フラグを特図2変動制御フラグ領域にセーブする。その後、特図変動中処理を終了する。
〔特図表示中処理〕
次に、特図ゲーム処理における特図表示中処理(A2610)の詳細について説明する。図25は、特図表示中処理の手順を示すフローチャートである。図25Aは、特図表示中処理の前半部分を示し、図25Bは、特図表示中処理の後半部分を示す。
遊技制御装置100は、まず、今回実行したのが特図1の変動であるか否かを判定する(A5001)。即ち、停止図柄の表示(停止表示)が特図1変動表示ゲームに関するものであるか否かを判定する。今回実行したのが特図1の変動である場合に(A5001の結果が「Y」)、大当りフラグ1をロードし(A5002)、大当りフラグ1領域をクリアし(A5003)、ロードした大当りフラグ1は大当りであるか否かを判定する(A5004)。
遊技制御装置100は、ロードした大当りフラグ1は大当りである場合に(A5004の結果が「Y」)、条件装置が作動中であることを示す条件装置作動情報を条件装置作動情報領域にセーブし(A5005)、ステップA5006の処理に移行する。ロードした大当りフラグ1は大当りでない場合に(A5004の結果が「N」)、そのままステップA5006の処理に移行する。
そして、遊技制御装置100は、特図普段処理移行設定処理1を実行する(A5006)。特図普段処理移行設定処理1では、特図普段処理に係る処理番号として0を設定し特図ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブし、変動図柄判別フラグ領域をクリアする。その後、特図表示中処理を終了する。
一方、遊技制御装置100は、今回実行したのが特図2の変動である場合に(A5001の結果が「N」)、大当りフラグ2をロードし(A5007)、大当りフラグ2領域をクリアする(A5008)。ロードした大当りフラグ2は大当りであるか否かを判定する(A5009)。大当りフラグ2は大当りである場合に(A5009の結果が「Y」)、条件装置が作動中であることを示す条件装置作動情報を条件装置作動情報領域にセーブし(A5010)、ステップA5006の処理に移行する。大当りフラグ2が大当りでない場合に(A5009の結果が「N」)、即ち、小当り又ははずれの場合に、ステップA5011の処理に移行する。
なお、本実施形態では、特図2変動表示ゲームの結果として「大当り」を設けないため、ステップA5009とA5010の処理はオプションであり実行しなくてもよい。即ち、ステップ5008の後に、ステップA5011の処理に移行してよい。
次に、遊技制御装置100は、大当りフラグ2は小当りであるか否かを判定する(A5011)。大当りフラグ2は小当りである場合に(A5011の結果が「Y」)、小当りファンファーレコマンドを演出コマンドとして準備し(A5012)、演出コマンド設定処理を実行する(A5013)。そして、飾り特図2コマンド領域から飾り特図2コマンドを演出コマンドとしてロードし、準備し(A5014)、演出コマンド設定処理を実行する(A5015)。その後、小当り開放前処理移行設定処理を実行して(A5016)、特図表示中処理を終了する。
小当り開放前処理移行設定処理では、小当り開放前処理に係る処理番号として3を設定し、特図ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブし、小当り開放前時間(例えば300ms)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする。
一方、遊技制御装置100は、大当りフラグ2は小当りである場合、即ち、はずれの場合に(A5011の結果が「N」)、時間短縮変動回数を更新する時間短縮変動回数更新処理(A5017)を実行し、演出モードの設定に関する演出モード情報チェック処理を実行する(A5018)。そして、演出モード番号に対応する切替準備残り回転数(切替準備残りゲーム数)を設定して(A5019)、演出残り回転数(演出残りゲーム数)と切替準備残り回転数とが一致するか否かを判定する(A5020)。
なお、切替準備残り回転数は、複数の演出モードのうちの全ての演出モードにおいて異なる値(回転数)であってもよいし、複数の演出モードのうちの何れかの演出モードにおいて同一の値(回転数)であってもよいし、複数の演出モードのうちの全ての演出モードにおいて同一の値(回転数)であってもよい。
遊技制御装置100は、演出残り回転数と切替準備残り回転数とが一致しない場合(A5020の結果が「N」)、前述の特図普段処理移行設定処理1を実行し(A5023)、特図表示中処理を終了する。
一方、遊技制御装置100は、演出残り回転数と切替準備残り回転数とが一致する場合(A5020の結果が「Y」)、演出モード切替準備コマンドを演出コマンドとして準備して(A5021)、演出コマンド設定処理(A5022)を行った後に、特図普段処理移行設定処理1を実行し(A5023)、特図表示中処理を終了する。
演出モード切替準備コマンドは、演出モードが切り替わる数回転前(数ゲーム前)から先読み演出を行わないようにするためのコマンドであり、演出モード切替準備コマンドを演出制御装置300に送信することによって、モードをまたいで演出に矛盾等が生じないようにすることができる。なお、本実施形態において、時短回数(後述の時間短縮変動回数初期値)が所定値(例えば5)以下で少ない場合に、時短状態(普電サポート状態)に対応する演出モード(時短モード#1)と、普電サポートによって生じた第2始動記憶(特図2始動記憶、特図2保留)の消化中(時短状態後)に対応する演出モード(残保留消化モード)において、切替準備残り回転数は0とし、最大限に先読み演出を行ってよい。
〔時間短縮変動回数更新処理〕
次に、特図表示中処理における時間短縮変動回数更新処理(A5017)の詳細について説明する。図26は、時間短縮変動回数更新処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、時間短縮変動回数を−1更新(1だけ減算)し(A5201)、時間短縮変動回数が0となったか否かを判定する(A5202)。時間短縮変動回数が0でない場合(A5202の結果が「N」)、すなわち、次の特図変動表示ゲームでも時短状態(普電サポート状態)が継続する場合には、時間短縮変動回数更新処理を終了する。
一方、遊技制御装置100は、時間短縮変動回数が0である場合(A5202の結果が「Y」)、すなわち、今回の特図変動表示ゲームで時短状態が終了する場合には、確率情報コマンド(時短終了)を演出コマンドとして準備し(A5203)、演出コマンド設定処理を実行する(A5204)。そして、時短終了に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブし(A5205)、時短終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(A5206)。
次に、遊技制御装置100は、遊技状態表示番号領域に時短なしの番号をセーブし(A5207)、普図ゲームモードフラグ領域に低確率フラグをセーブする(A5208)。そして、停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(通常中)をセーブし(A5209)、時間短縮変動回数更新処理を終了する。
このように、本実施形態において、時短状態では、普図変動表示ゲームの当りになる確率(普図確率、普図当り確率)が高確率(普図高確率)となり、時短状態以外では、普図変動表示ゲームの当りになる確率(普図確率、普図当り確率)が低確率(普図低確率)となる。
また、時間短縮変動回数更新処理は、特図2変動表示ゲームがはずれの場合(A5011の結果が「N」)にのみ実行されるため、特図2変動表示ゲームでのみ時間短縮変動回数を−1更新する。このため、時短状態の終了する時短終了条件は、大当り終了後の特図2変動回数が所定値(時短回数、時間短縮変動回数初期値)に到達することである。しかし、特図1変動表示ゲームがはずれの場合にも時間短縮変動回数を−1更新することによって、時短終了条件を、大当り終了後の特図1と特図2の合計変動回数(特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームの合計の実行回数)が所定値に到達することとしてもよい。或は、時短終了条件を、大当り終了後の特図2変動回数が第1所定回数(例えば、5回)に到達すること、又は、大当り終了後の特図1と特図2の合計変動回数が第2所定回数(例えば、第1所定値の2倍=10回)に到達することのいずれかが成立することとしてもよい。
〔演出モード情報チェック処理〕
次に、特図表示中処理における演出モード情報チェック処理(A5018)の詳細について説明する。図27は、演出モード情報チェック処理の手順を示すフローチャートである。なお、演出モード情報チェック処理は、特図変動表示ゲームの結果がはずれの場合に実行される。
遊技制御装置100は、まず、次モード移行情報が更新なしコードであるか否かを判定する(A5401)。次モード移行情報が更新なしコードである場合(A5401の結果が「Y」)は、演出モード情報チェック処理を終了する。この場合は、実行した特図変動表示ゲームの回数に応じた演出モードの変更が行われない場合であって、例えば次回の大当りまで継続する演出モードが選択されている場合である。
また、遊技制御装置100は、次モード移行情報が更新なしコードでない場合(A5401の結果が「N」)は、演出モードの変更までの特図変動表示ゲームの実行可能回数である演出残り回転数を−1更新し(A5402)、演出残り回転数が0となったか否かを判定する(A5403)。ここで、演出残り回転数は、今回実行したのが主となる特図変動表示ゲーム(ここでは特図2変動表示ゲーム)である場合にのみ、−1更新されるが、主ではない変動表示ゲーム(ここでは特図1変動表示ゲーム)である場合も−1更新される構成も可能である。
遊技状態等に応じて、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームのうち一方の変動表示ゲームが、主となる変動表示ゲームとして定められている。例えば、主となる変動表示ゲーム(主変動表示ゲーム)は、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームのうち頻繁に実行される方であり、主ではない変動表示ゲーム(従変動表示ゲーム)は、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームのうち頻繁には実行されない方である。なお、遊技制御装置100及び/又は演出制御装置300は、遊技状態等に応じて、主となる変動表示ゲームを示す情報(特図1又は特図2)を記憶してもよい。
演出残り回転数が0となっていない場合(A5403の結果が「N」)には、ステップA5413の処理に移行する。また、演出残り回転数が0となった場合(A5403の結果が「Y」)、すなわち次の特図変動表示ゲームから演出モードを変更する場合は、演出モード情報アドレステーブルを設定し(A5404)、次モード移行情報に対応するテーブルのアドレスを取得する(A5405)。
そして、遊技制御装置100は、移行する演出モードの演出モード番号を取得し、RWM内の演出モード番号領域にセーブして(A5406)、移行する演出モードの演出残り回転数(初期値)を取得し、RWM内の演出残り回転数領域にセーブして(A5407)、移行する演出モードの次モード移行情報を取得し、RWM内の次モード移行情報領域にセーブする(A5408)。
なお、時短状態の終了(時間短縮変動回数=0)によって演出モードを移行する場合には、移行する演出モードの演出残り回転数(初期値)を規定の残保留数(例えば4〜9)に設定してよい。残保留数とは、時短状態終了後に消化される特図2保留(残保留)の数であり、時短終了後の特図2変動回数である。残保留は、時短状態中の普図当りによって開放される普通変動入賞装置37への入賞によって生じる。このようにして、残保留(特図2保留、特図2始動記憶)の消化中に対応する演出モードとして残保留消化モード(図54)を設定できる。
或は、時短状態中の普図当りによって開放される普通変動入賞装置37の開放(後述の後半開放に対応)が終了した際に演出モードを移行する場合には、移行する演出モードの演出残り回転数(初期値)をその時点での特図2保留数に設定してよい。これにより、時短状態中の普図当りによって開放される普通変動入賞装置37の開放が終了した後の特図2保留の消化中に対応する演出モードとして普電開放終了後モード(図54A)を設定できる。さらに、この場合に、時短状態の終了(時間短縮変動回数=0)によって移行する演出モードの演出残り回転数(初期値)を時短回数に応じた所定値(例えば6から時短回数を減算した値)に設定して、普電開放終了前モード(図54A)を設定できる。
さらに、時短状態の終了(時間短縮変動回数=0)によって演出モードを切り替える場合には、移行する演出モードの演出残り回転数(初期値)をその時点での特図2保留数又は特図2保留数以下の所定数に設定してよい。このようにして、時短終了時の特図2保留数又は所定数の残保留(特図2保留、特図2始動記憶)の消化中に対応する演出モードとして時短中発生残保留消化モード(図54B)を設定できる。時短中発生残保留消化モードの後に移行する演出モードの演出残り回転数(初期値)を、規定の残保留数(例えば10)から時短中発生残保留消化モードで消化された残保留の数を引いた値(過剰保留数)に設定できる。このようにして、時短中発生残保留消化モード後の演出モードとして過剰保留消化モード(図54B)を設定できる。
その後、遊技制御装置100は、新たに設定された演出モード番号に対応する確率情報コマンド(確率状態の情報と時短の有無の情報と演出モードの情報を含む)を演出コマンドとして準備し(A5409)、準備した確率情報コマンドが停電復旧時送信コマンド領域の値と一致するか否かを判定する(A5410)。準備した確率情報コマンドが停電復旧時送信コマンド領域の値と一致する場合(A5410の結果が「Y」)、すなわち確率の状態が変化していない場合には、ステップA5412の処理に移行する。
また、準備した確率情報コマンドが停電復旧時送信コマンド領域の値と一致しない場合(A5410の結果が「N」)には、準備した確率情報コマンドを停電復旧時送信コマンド領域にセーブして(A5411)、確率情報コマンドを演出コマンドとして設定する演出コマンド設定処理を実行する(A5412)。
次いで、遊技制御装置100は、演出残り回転数に対応する演出回転数コマンドを演出コマンドとして準備して(A5413)、演出コマンド設定処理を実行する(A5414)。これにより、演出制御装置300は、演出残り回転数を取得できる。次に、時間短縮変動回数に対応する時間短縮変動回数コマンドを演出コマンドとして準備して(A5415)、演出コマンド設定処理(A5416)を実行する。これにより、演出制御装置300は、時間短縮変動回数を取得できる。
次いで、遊技制御装置100は、ステップA5406で新たな演出モード番号が取得された場合に、新たな演出モードは左打ちするモードであるか否かを判定し(A5417)、左打ちするモードでない場合(A5417の結果が「N」)には、演出モード情報チェック処理を終了する。また、左打ちするモードである場合(A5417の結果が「Y」)には、左打ち指示報知コマンドを演出コマンドとして準備し(A5418)、演出コマンド設定処理を実行して(A5419)、演出モード情報チェック処理を終了する。
なお、演出モード情報チェック処理は、特図2変動表示ゲームがはずれの場合(A5011の結果が「N」)にのみ実行されるため、特図2変動表示ゲームでのみ演出残り回転数を−1更新する(A5402)。これにより、特図2変動回数のみに応じて演出モードを更新できる。しかし、特図1変動表示ゲームがはずれの場合にも演出残り回転数を−1更新してもよい。このようにすれば、特図1と特図2の合計変動回数(特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームの合計の実行回数)に応じて演出モードを更新できる。
〔役物ゲーム処理〕
次に、前述のタイマ割込み処理における役物ゲーム処理(A1312b)の詳細について説明する。図28は、役物ゲーム処理の手順を示すフローチャートである。役物ゲーム処理では、大当り状態に関する処理全体の制御を行う。
遊技制御装置100は、まず、下大入賞口スイッチ監視処理を実行する(A5601)。下大入賞口スイッチ監視処理では、特別変動入賞装置38内に設けられたカウントスイッチ38aでの遊技球の検出を監視する。
次に、遊技制御装置100は、役物ゲーム処理タイマが0でなければ−1更新する(1だけ減算する)(A5602)。役物ゲーム処理タイマは、−1更新によって、タイマ割込み処理の割込み周期(4msec)の分だけ計時されることになる。なお、役物ゲーム処理タイマの最小値は0に設定されている。次に、役物ゲーム処理タイマが0であるか否かを判定する(A5603)。役物ゲーム処理タイマが0でない場合(A5603の結果が「N」)、役物ゲーム処理を終了する。
遊技制御装置100は、役物ゲーム処理タイマが0である場合(A5603の結果が「Y」)、すなわち、タイムアップした又は既にタイムアップしていた場合には、役物ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する役物ゲームシーケンス分岐テーブルをレジスタに設定する(A5604)。さらに、役物ゲームシーケンス分岐テーブルを用いて役物ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得する(A5605)。続いて、役物ゲーム処理番号によるサブルーチンコールを行って、役物ゲーム処理番号に応じたゲーム分岐処理を実行する(A5606)。
遊技制御装置100は、ステップA5606にてゲーム処理番号が「0」の場合には、大当り開始の際の設定などを行う役物普段処理を実行する(A5607)。例えば、役物普段処理では、所定の場合にファンファーレ中処理に係る処理番号「1」を設定し役物ゲーム処理番号領域にセーブする。なお、役物普段処理の詳細については、図29にて後述する。
遊技制御装置100は、ステップA5606にてゲーム処理番号が「1」の場合には、ファンファーレ中処理を実行する(A5608)。例えば、ファンファーレ中処理では、インターバル中処理に係る処理番号「2」を設定し役物ゲーム処理番号領域にセーブする。
遊技制御装置100は、ステップA5606にてゲーム処理番号が「2」の場合には、インターバル中処理を実行する(A5609)。例えば、インターバル中処理では、ラウンド数を+1更新して、下大入賞口開放時間を役物ゲーム処理タイマ領域にセーブし、下大入賞口ソレノイド出力データ領域にオンデータをセーブし、ラウンドコマンドを演出コマンドとして設定し、大当り開放中処理に係る処理番号「3」を設定し役物ゲーム処理番号領域にセーブする。
遊技制御装置100は、ステップA5606にてゲーム処理番号が「3」の場合には、大当りラウンドが最終ラウンドでなければインターバルコマンドを設定する一方で最終ラウンドであればエンディングコマンドを設定する処理や、大入賞口残存球処理を行うために必要な情報の設定等を行う大当り開放中処理を実行する(A5610)。例えば、大入賞口開放中処理では、インターバルコマンドやエンディングコマンドなど必要な情報を設定して、大当り残存球処理に係る処理番号「4」を設定し役物ゲーム処理番号領域にセーブする。
遊技制御装置100は、ステップA5606にてゲーム処理番号が「4」の場合には、大当りラウンドが最終ラウンドであれば大入賞口内にある残存球が排出されるための時間を設定する処理や、大当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行う大当り残存球処理を実行する(A5611)。例えば、大当り残存球処理では、最終ラウンドでなければインターバル時間を役物ゲーム処理タイマ領域にセーブし、インターバル中処理に係る処理番号「2」を設定し役物ゲーム処理番号領域にセーブする。最終ラウンドであればエンディング時間を役物ゲーム処理タイマ領域にセーブし、大当り終了処理に係る処理番号「5」を設定し役物ゲーム処理番号領域にセーブする。
遊技制御装置100は、ステップA5606にてゲーム処理番号が「5」の場合には、役物普段処理を実行するために必要な情報の設定等を行う大当り終了処理を実行する(A5612)。例えば、大当り終了処理では、大当り終了後の時短状態の有無(時短あり又は時短なし)の情報を含む時間短縮判定データに基づいて、大当り状態終了後の普電サポート状態(時短状態)など必要な情報の設定を行い、役物普段処理に係る処理番号「0」を設定し役物ゲーム処理番号領域にセーブする。
〔役物普段処理〕
次に、前述の役物ゲーム処理における役物普段処理(A5607)の詳細について説明する。図29は、役物普段処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、条件装置が作動中であるか否かを判定する(A5801)。条件装置作動情報が条件装置作動情報領域にセーブされている場合に(A3004、A5005、A5010)、即ち、大当りフラグ1或は大当りフラグ2に大当り情報があるか、又は、特定領域86(V入賞口)への入賞(特定領域スイッチ72への入力、V入賞)があった場合に、条件装置が作動中であると判定できる。条件装置が作動中でない場合に(A5801の結果が「N」)、役物普段処理を終了する。
遊技制御装置100は、条件装置が作動中である場合に(A5801の結果が「Y」)、ラウンド数上限値情報に対応するラウンド数上限値をラウンド数上限値領域にセーブする(A5802)。続いて、ラウンド数上限値情報に対応するラウンドLED出力ポインタをラウンドLED出力ポインタ領域にセーブし(A5803)、確率情報コマンド(通常中)を演出コマンドとして準備し(A5804)、演出コマンド設定処理を実行する(A5805)。
次に、遊技制御装置100は、ファンファーレ情報に対応するファンファーレコマンドを演出コマンドとして準備し(A5806)、演出コマンド設定処理を実行する(A5807)。そして、今回大当り又は小当りとなった特図の飾り特図コマンド領域から飾り特図コマンド(飾り特図1コマンド又は飾り特図2コマンド)をロードし、演出コマンドとして準備し(A5808)、演出コマンド設定処理を実行する(A5809)。
続いて、遊技制御装置100は、条件装置作動情報に対応する信号を外部情報出力データ領域にセーブし(A5810)、条件装置作動情報に対応する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(A5811)。そして、ラウンド数領域に初期値をセーブする(A5812)。初期値は、大当り情報によって条件装置が作動中の場合には0であり、特定領域86への入賞(V入賞)によって条件装置が作動中の場合には1である。
次に、遊技制御装置100は、ファンファーレ中処理移行設定処理を実行し(A5813)、役物普段処理を終了する。例えば、ファンファーレ中処理移行設定処理では、ファンファーレ中処理に係る処理番号として「1」を設定して役物ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブし、ファンファーレ時間を役物ゲーム処理タイマ領域にセーブし、時間短縮変動回数領域をクリアする。
〔大当り終了処理〕
次に、前述の役物ゲーム処理における大当り終了処理(A5612)の詳細について説明する。図30は、大当り終了処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、時間短縮判定データ(A4009、A4109)が、時短ありのデータであるか否かを判定する(A6001)。時短ありのデータは、大当り状態終了後に時短状態(普電サポート状態)になることを示す。時短なしのデータは、大当り状態終了後に時短状態(普電サポート状態)にならないことを示す。
遊技制御装置100は、時間短縮判定データが時短なしのデータの場合に、大当り終了後に通常遊技状態に移行するために大当り終了設定処理1を実行し(A6002)、時間短縮判定データが時短ありのデータの場合に、大当り終了後に時短状態(普電サポート状態)に移行するために大当り終了設定処理2を実行する(A6003)。
遊技制御装置100は、演出モード情報アドレステーブルを設定し(A6004)、停止1図柄設定処理又は停止2図柄設定処理で設定した演出モード移行情報(A4010、A4110)に対応するテーブルのアドレスを取得し(A6005)、大当り状態の終了後に設定される演出モードの演出モード番号(演出モードの番号)を取得してセーブする(A6006)。これにより、大当り終了後に移行する演出モードが選択できる。
次に、遊技制御装置100は、特別遊技状態の終了後に設定される演出モードの演出残り回転数(初期値)を取得してセーブする(A6007)。例えば、演出残り回転数(初期値)は、時短回数(時間短縮変動回数初期値)や、時短回数と規定の残保留数の合計回数(例えば10回)である。これにより、例えば、大当り終了後に、時短が終了するまで、又は、残保留に係る特図2変動表示ゲームが全て実行されるまで、同一の演出モードが継続できる。
続いて、遊技制御装置100は、大当り状態終了直後に設定される演出モードの次のモードへの移行の情報である次モード移行情報を取得してセーブする(A6009)。そして、特図ゲームモードフラグと今回新たに設定された演出モード番号に対応する確率情報コマンドを演出コマンドとして準備し(A6009)、準備した確率情報コマンドを停電復旧時送信コマンド領域にセーブし(A6010)、確率情報コマンドを演出コマンドとして設定する演出コマンド設定処理を実行する(A6011)。ここで、確率情報コマンドには、大当り状態の終了後における確率状態、時短(普電サポート)の有無、演出モードの情報が含まれる。
次に、遊技制御装置100は、演出残り回転数に対応する演出回転数コマンドを演出コマンドとして準備し(A6012)、演出コマンド設定処理を実行する(A6013)。そして、時間短縮変動回数(ここでは初期値である時短回数)に対応する時間短縮変動回数コマンドを演出コマンドとして準備し(A6014)、演出コマンド設定処理を実行する(A6015)。
その後、遊技制御装置100は、演出モード移行情報領域をクリアし(A6016)、役物普段処理移行設定処理を実行し(A6017)、大当り終了処理を終了する。役物普段処理移行設定処理では、役物普段処理に移行するために、役物普段処理に係る処理番号「0」を設定し役物ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブし、条件装置作動情報領域をクリアし、時間短縮判定データ領域をクリアする。
〔大当り終了設定処理1〕
次に、大当り終了処理における大当り終了設定処理1(A6002)の詳細について説明する。図31は、大当り終了設定処理1の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、大当りの終了に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブし(A6201)、大当りの終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブし(A6202)、一括表示装置50の第2遊技状態表示部58(ランプD17)の表示データとして遊技状態表示番号2領域に通常中の番号をセーブする(A6203)。
次に、遊技制御装置100は、普図ゲームモードフラグ領域に低確率フラグをセーブし
(A6204)、特図ゲームモードフラグ領域に特図時短なしフラグをセーブする(A6205)。そして、時間短縮変動回数領域をクリアし(A6206)、一括表示装置50の第1遊技状態表示部57(ランプD7)の表示データとして遊技状態表示番号1領域に左打ち状態中の番号をセーブし(A6207)、大当り終了設定処理1を終了する。
〔大当り終了設定処理2〕
次に、大当り終了処理における大当り終了設定処理2(A6003)の詳細について説明する。図32は、大当り終了設定処理2の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、大当りの終了に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブし(A6401)、大当りの終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(A6402)。そして、時短の開始に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブし(A6403)、時短の開始に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(A6404)。
次に、遊技制御装置100は、一括表示装置50の第2遊技状態表示部58(ランプD17)の表示データとして遊技状態表示番号2領域に時短中の番号をセーブし(A6405)、普図ゲームモードフラグ領域に高確率フラグをセーブし(A6406)、特図ゲームモードフラグ領域に特図時短中フラグをセーブする(A6407)。
続いて、遊技制御装置100は、時短終了後に特図2変動表示ゲームが大当りになったか否か、即ち、残保留に係る特図2変動表示ゲームが大当りになったか否かを判定する(A6408)。特図1変動表示ゲームが大当りになった場合又は時短状態中に特図2変動表示ゲームが大当りになった場合に(A6408の結果が「N」)、時間短縮変動回数領域に停止図柄パターン(或は停止図柄番号、後述の図柄A−F)に対応する時間短縮変動回数初期値(時短回数)をセーブして(A6409)、ステップA6411以降の処理を実行する。
遊技制御装置100は、時短終了後に特図2変動表示ゲームが大当りになった場合、即ち、残保留に係る特図2変動表示ゲームが大当りになった場合に(A6408の結果が「Y」)、時間短縮変動回数領域に時間短縮変動回数初期値(時短回数、ここでは99)をセーブする(A6410)。
その後、遊技制御装置100は、停止図柄パターン(或は停止図柄番号、後述の図柄A−G)に対応して、普電サポートの状態(態様)であるサポ状態(サポ態様、普電開放パターン)の種別をサポ状態領域にセーブする(A6411)。なお、ステップA6411の処理は、オプションであり、後述の変形例のように普電サポートの態様(内容)に関するサポ状態が可変である場合に実行される。
次に、遊技制御装置100は、一括表示装置50の第1遊技状態表示部57(ランプD7)の表示データとして遊技状態表示番号1領域に右打ち状態中の番号をセーブし(A6412)、右打ち指示報知コマンドを演出コマンドとして準備し(A6413)、演出コマンド設定処理を実行し(A6414)、大当り終了設定処理2を終了する。
〔普図ゲーム処理〕
次に、タイマ割込み処理における普図ゲーム処理(A1310)の詳細について説明する。図33は、普図ゲーム処理の手順を示すフローチャートである。普図ゲーム処理では、ゲートスイッチ34aの入力の監視と、普図変動表示ゲームに関する処理全体の制御、普図の表示の設定等を行う。
遊技制御装置100は、まず、ゲートスイッチ34aからの入力を監視するゲートスイッチ監視処理を実行する(A7601)。ゲートスイッチ監視処理の詳細については、後述する。
続いて、遊技制御装置100は、始動口2スイッチ37aからの入力を監視する普電入賞スイッチ監視処理を実行する(A7602)。普電入賞スイッチ監視処理の詳細については、後述する。
次に、遊技制御装置100は、普図ゲーム処理タイマが0でなければ−1更新する(1だけ減算する)(A7603)。なお、普図ゲーム処理タイマの最小値は0に設定されている。そして、遊技制御装置100は、普図ゲーム処理タイマの値が0となったか否かを判定する(A7604)。
遊技制御装置100は、普図ゲーム処理タイマの値が0である場合(A7604の結果が「Y」)、すなわち、タイムアップした又はすでにタイムアップしていた場合には、普図ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する普図ゲームシーケンス分岐テーブルをレジスタに設定する(A7605)。
さらに、遊技制御装置100は、設定された普図ゲームシーケンス分岐テーブルに基づいて普図ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得する(A7606)。そして、普図ゲーム処理番号によるサブルーチンコールを行って、普図ゲーム処理番号に応じたゲーム分岐処理を実行する(A7607)。
遊技制御装置100は、ステップA7607にてゲーム処理番号が「0」の場合には、普図変動表示ゲームの変動開始を監視し、普図変動表示ゲームの変動開始の設定や演出の設定や、普図変動中処理を行うために必要な情報の設定等を行う普図普段処理を実行する(A7608)。普図普段処理の詳細については、後述する。
また、遊技制御装置100は、ステップA7607にてゲーム処理番号が「1」の場合には、普図表示中処理を行うために必要な情報の設定等を行う普図変動中処理を実行する(A7609)。例えば、普図変動中処理では、普図表示中処理に移行するために、ゲーム処理番号として「2」を設定して普図ゲーム処理番号領域にセーブする他、普図表示時間を普図ゲーム処理タイマ領域にセーブする。
また、遊技制御装置100は、ステップA7607にてゲーム処理番号が「2」の場合には、普図変動表示ゲームの結果が当りであれば、普電開放時間の設定や、普図当り中処理を行うために必要な情報の設定等を行う普図表示中処理を実行する(A7610)。例えば、普図表示中処理では、普図変動表示ゲームの結果が当りの場合に、普図当り中処理に移行するために、ゲーム処理番号として「3」を設定して普図ゲーム処理番号領域にセーブする一方、はずれの場合に、普図普段処理に移行するために、ゲーム処理番号として「0」を設定して普図ゲーム処理番号領域にセーブする。
また、遊技制御装置100は、ステップA7607にてゲーム処理番号が「3」の場合は、普図当り中処理の継続、あるいは普電残存球処理を行うために必要な情報の設定等を行う普図当り中処理を実行する(A7611)。例えば、普図当り中処理では、所定回数だけ普通変動入賞装置37を開放するための設定を行った後、普電残存球処理に移行するために、ゲーム処理番号として「4」を設定して普図ゲーム処理番号領域にセーブする。
また、遊技制御装置100は、ステップA7607にてゲーム処理番号が「4」の場合は、普図当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行う普電残存球処理を実行する(A7612)。例えば、普電残存球処理では、普図当り終了処理に移行するために、ゲーム処理番号として「5」を設定して普図ゲーム処理番号領域にセーブする他、普図エンディング時間を普図ゲーム処理タイマ領域にセーブする。
また、遊技制御装置100は、ステップA7607にてゲーム処理番号が「5」の場合は、普図普段処理(A7608)を行うために必要な情報の設定等を行う普図当り終了処理を実行する(A7613)。例えば、普図当り終了処理では、普図普段処理に移行するために、ゲーム処理番号として「0」を設定して普図ゲーム処理番号領域にセーブする。
その後、遊技制御装置100は、普図表示器53による普通図柄の変動を制御するための普図変動制御テーブルを準備する(A7614)。その後、普図表示器53による普通図柄(普図)の変動の制御に係る図柄変動制御処理を実行し(A7615)、普図ゲーム処理を終了する。
一方、遊技制御装置100は、普図ゲーム処理タイマの値が0でない場合(A7604の結果が「N」)、すなわち、タイムアップしていない場合には、ステップA7614以降の処理を実行する。
〔ゲートスイッチ監視処理〕
図34は、ゲートスイッチ監視処理の手順を示すフローチャートである。ゲートスイッチ監視処理は、図33に示した普図ゲーム処理におけるステップA7601にて実行される。
遊技制御装置100は、まず、ゲートスイッチ34aに入力があるか否かを判定する(A7701)。そして、ゲートスイッチ34aに入力がある場合(A7701の結果が「Y」)、右打ちする遊技状態であるか否かを判定する(A7702)。右打ちする遊技状態は、大当り状態、時短状態(普電サポート状態)である。右打ちする遊技状態である場合(A7702の結果が「Y」)、ステップA7705の処理に移行する。右打ちする遊技状態でない場合(A7702の結果が「N」)、左打ち指示報知コマンド(左打ち指示コマンド)を演出コマンドとして準備し(A7703)、演出コマンド設定処理を実行する(A7704)。左打ち指示報知コマンドを受信した演出制御装置300は、左打ちするよう指示する報知(警告)を左打ち指示表示によって表示装置41等で実行する。
次に、遊技制御装置100は、普図保留数を取得して当該普図保留数が上限値(本実施形態では1)未満であるか否かを判定する(A7705)。遊技制御装置100は、普図保留数が上限値未満である場合には(A7705の結果が「Y」)、普図変動表示ゲームの変動中(実行中)又は普図当り状態中であるか否かを判定する(A7706)。普図変動表示ゲームの変動中でも普図当り状態中でもない場合に(A7706の結果が「N」)、普図保留数を+1更新する(A7707)。このように、普図変動表示ゲームの変動中や普図当り状態中でない場合にだけ普図保留数が+1更新され、+1更新されるとすぐに普図保留は消化されるため、普図保留は実質的に貯まらず普図変動表示ゲームが開始する直前のみ瞬間的に1となる(普図保留数は実質的に0となる)。
続いて、遊技制御装置100は、更新後の普図保留数に対応する当り乱数格納領域のアドレスを算出する(A7708)。そして、当り乱数を抽出してRWMの当り乱数格納領域にセーブし(A7709)、当り図柄乱数を抽出し、当り図柄乱数格納領域にセーブし(A7710)、ゲートスイッチ監視処理を終了する。
一方、遊技制御装置100は、ゲートスイッチ34aに入力がない場合(A7701の結果が「N」)、普図保留数が上限値未満でないと判定された場合(A7705の結果が「N」)、又は、普図変動表示ゲームの変動中又は普図当り状態中である場合には(A7706の結果が「Y」)、ゲートスイッチ監視処理を終了する。
〔普電入賞スイッチ監視処理〕
次に、普図ゲーム処理における普電入賞スイッチ監視処理(A7602)の詳細について説明する。図35は、普電入賞スイッチ監視処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、普図当り中か否か、すなわち、普図変動表示ゲームが当り状態となって普通変動入賞装置37が所定回数の開放動作を実行中であるか否かを判定する(A7801)。そして、普図当り中である場合には(A7801の結果が「Y」)、始動口2スイッチ37aに入力があるか否かを判定する(A7802)。始動口2スイッチ37aに入力がある場合には(A7802の結果が「Y」)、普電カウンタのカウント数を+1更新する(A7803)。
次に、遊技制御装置100は、更新後の普電カウンタのカウント数が上限値(例えば、10)に達したか否かを判定する(A7804)。そして、カウント数が上限値に達した場合には(A7804の結果が「Y」)、RWM内の普図当り終了ポインタ領域から当り終了ポインタ値(例えば、2)をロードし、RWM内の普図当り中制御ポインタ領域にセーブする(A7805)。
最後に、普図ゲーム処理タイマをクリアし(A7806)、普電入賞スイッチ監視処理を終了する。すなわち、普図の当り状態中に上限値以上の普電入賞があった場合には、その時点で普図当り中処理制御ポインタ領域に当り終了の値をセーブし、普通変動入賞装置37が閉じられて普図の当り状態が途中で終了するようにする。
一方、遊技制御装置100は、普図当り中でないと判定された場合(A7801の結果が「N」)、始動口2スイッチ37aに入力がないと判定された場合(A7802の結果が「N」)、又は、カウント数が上限値に達していないと判定された場合には(A7804の結果が「N」)、普電入賞スイッチ監視処理を終了する。
〔普図普段処理〕
次に、普図ゲーム処理における普図普段処理(A7608)の詳細について説明する。図36は、普図普段処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、普図保留数が0であるか否かを判定する(A7901)。普図保留数が0でない場合には(A7901の結果が「N」)、RWMの普図当り乱数格納領域(保留数1用)から当り乱数をロードし、RWMの普図当り図柄乱数格納領域(保留数1用)から当り図柄乱数をロードし、ロードした後の普図当り乱数格納領域(保留数1用)と普図当り図柄乱数格納領域(保留数1用)を0クリアする(A7902)。さらに、普図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が通常よりも高い普図高確率中(高確率状態中)であるか否か、すなわち、時短状態(普電サポート状態)であるか否かを判定する(A7903)。なお、本実施形態において、当り乱数の範囲は0〜250であり、高確率中の普図当り確率は251/251であり、低確率中での普図当り確率は0/251である。なお、これに限られず、低確率中での普図当り確率は、0%より大きい値(例えば、2/251(0.8%))でもよい。
遊技制御装置100は、普図高確率中でない場合(A7903の結果が「N」)、普図低確率中の下限判定値である低確率下限判定値(ここでは251)を設定し(A7904)、普図高確率中である場合(A7903の結果が「Y」)、普図高確率中の下限判定値である高確率下限判定値(ここでは0)を設定し(A7905)、ステップA7906の処理に移行する。
遊技制御装置100は、当り乱数が上限判定値(ここでは251)以上であるか否か判定する(A7906)。なお、ここでの上限判定値は、普図高確率中と普図低確率中とで共通する。当り乱数が上限判定値以上である場合(A7906の結果が「Y」)、即ち、はずれの場合、ステップA7908の処理に移行する。当り乱数が上限判定値未満である場合(A7906の結果が「N」)、当り乱数が下限判定値未満であるか否かを判定する(A7907)。
遊技制御装置100は、当り乱数が下限判定値未満である場合(A7907の結果が「Y」)、即ち、はずれの場合、当りフラグ領域にはずれ情報をセーブする(A7908)。さらに、普図停止図柄番号としてはずれ停止図柄番号を設定し(A7909)、はずれ図柄情報を普図停止図柄情報領域にセーブし(A7910)、ステップA7914の処理に移行する。
遊技制御装置100は、当り乱数が下限判定値未満でない場合(A7907の結果が「N」)、即ち、当りの場合、当りフラグ領域に当り情報をセーブし(A7911)、ロードした当り図柄乱数に対応する当り停止図柄番号を設定し(A7912)、当り停止図柄番号に対応する当り停止図柄情報を普図停止図柄情報領域にセーブし(A7913)、ステップA7914の処理に移行する。なお、ここでは、当り停止図柄(普図当り図柄)は1種類であるが、後述の変形例では数種類存在してよい。
次に、遊技制御装置100は、停止図柄番号を普図停止図柄領域にセーブし(A7914)、停止図柄番号を試験信号出力データ領域にセーブし(A7915)、普図当り乱数格納領域をシフトし(A7916)、シフト後の空き領域を0クリアした後(A7917)、普図保留数を−1更新する(A7918)。
すなわち、最も古い普図保留数1に関する普図変動表示ゲームが実行されることに伴い、普図保留数1以降に保留となっている普図保留数2〜4の順位を1つずつ繰り上げる。この処理により、普図当り乱数格納領域の普図保留数1用の値がクリアされて0になるとともに、普図保留数が1デクリメントされ0になる。
その後、遊技制御装置100は、サポ状態(サポ態様、普電開放パターン)の情報をロードしする(A7919)。なお、ステップA7919の処理は、オプションであり、後述の変形例のように普電サポートの状態(態様)であるサポ状態が可変である場合に実行される。
次に、遊技制御装置100は、固定の普図変動時間(例えば200msec)を設定し、普図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(A7920)。なお、後述の変形例のように普電サポートの状態(態様)であるサポ状態(サポ態様、普電開放パターン)が可変である場合に、サポ状態に対応する可変の普図変動時間を設定し、普図ゲーム処理タイマ領域にセーブする。そして、普図変動中処理移行設定処理を実行し(A7921)、普図普段処理を終了する。なお、普図変動中処理移行設定処理については後述する。
また、遊技制御装置100は、普図保留数が0である場合には(A7901の結果が「Y」)、普図普段処理に移行するための処理番号として「0」を設定し(A7922)、処理番号を普図ゲーム処理番号領域にセーブする(A7923)。その後、普電不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブし(A7924)、普図普段処理を終了する。
〔普図変動中処理移行設定処理〕
図37は、普図変動中処理移行設定処理の手順を示すフローチャートである。普図変動中処理移行設定処理は、普図普段処理におけるステップA7921にて実行される。
遊技制御装置100は、まず、普図変動中処理に移行するための処理番号として「1」を設定し(A8101)、処理番号を普図ゲーム処理番号領域にセーブする(A8102)。
その後、遊技制御装置100は、普図変動表示ゲームの開始に関する信号(普通図柄1変動中信号をオン)を試験信号出力データ領域にセーブし(A8103)、普図変動表示ゲームが変動中であることを示す変動中フラグを普図変動制御フラグ領域にセーブする(A8104)。そして、普図表示器の点滅周期のタイマの初期値である点滅制御タイマ初期値を普図点滅制御タイマ領域にセーブし(A8105)、普図変動図柄番号領域に初期値(ここでは0)をセーブする(A8106)。その後、普図変動中処理移行設定処理を終了する。
〔普図変動中処理〕
次に、普図ゲーム処理における普図変動中処理(A7609)の詳細について説明する。図38は、普図変動中処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、普図表示中処理に移行するための設定処理として処理番号を「2」に設定し(A8301)、処理番号を普図ゲーム処理番号領域にセーブする(A8302)。その後、遊技制御装置100は、普図表示器における普図変動表示ゲームの結果の表示時間である普図表示時間(普図停止時間、例えば、48msec)を普図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(A8303)。
さらに、遊技制御装置100は、普図の変動終了に関する信号(普通図柄1変動中信号をオフ)を試験信号出力データ領域にセーブする(A8304)。そして、普図変動表示ゲームが停止中であることを示す停止フラグを普図変動制御フラグ領域にセーブし(A8305)、普図変動中処理を終了する。
〔普図表示中処理〕
次に、普図ゲーム処理における普図表示中処理(A7610)の詳細について説明する。図39は、普図表示中処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、普図普段処理にて設定された当りフラグ(当り情報又ははずれ情報)をロードし(A8401)、RWMの当りフラグ領域をクリアする(A8402)。そして、ロードされた当りフラグに当り情報が設定されているか否かを判定する(A8403)。
遊技制御装置100は、当りフラグに当り情報が設定されている場合には(A8403の結果が「Y」)、当り中処理設定テーブルを設定し(A8404)、普図停止図柄情報に対応する当り開始ポインタ値(ここでは0)を取得し、普図当り中制御ポインタ領域にセーブする(A8405)。また、普図停止図柄情報に対応する当り終了ポインタ値を取得し、普図当り終了ポインタ領域にセーブする(A8406)。次いで、普図停止図柄情報に対応する普電開放時間(例えば3000msec)を取得し、普図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(A8407)。以上の処理により時短状態中での普通変動入賞装置37の開放態様が設定され、例えば2回の開放が可能となる。なお、当りの普図停止図柄(普図当り図柄)は1種類であり、当り開始ポインタ値、当り終了ポインタ値、普電開放時間は、固定されているが、後述の変形例のように普電サポートに関するサポ状態(サポ態様、普電開放パターン)が可変である場合に、サポ状態に対応する当り開始ポインタ値、当り終了ポインタ値、普電開放時間を設定し、普図ゲーム処理タイマ領域にセーブしてよい。
続いて、遊技制御装置100は、普図当り中処理に移行するための処理番号として「3」を設定し(A8408)、処理番号を普図ゲーム処理番号領域にセーブする(A8409)。その後、普図変動表示ゲームの当りに関する信号(普通図柄1当り中信号をオン)と、普電作動開始に関する信号(普通電動役物1作動中信号をオン)を試験信号出力データ領域にセーブする(A8410)。さらに、普電ソレノイドを駆動(オン)する信号を出力するために普電ソレノイド出力データ領域にオンデータをセーブする(A8411)。
さらに、遊技制御装置100は、普通変動入賞装置37への入賞数を記憶する普電カウント数領域の情報をクリアし(A8412)、普電不正監視期間における普通変動入賞装置37への入賞数を記憶する普電不正入賞数領域の情報をクリアする(A8413)。最後に、普通変動入賞装置37の不正監視期間外を規定するフラグを普電不正監視期間フラグ領域にセーブする(A8414)。
遊技制御装置100は、当りフラグに当り情報が設定されていない場合には(A8403の結果が「N」)、普図普段処理に移行するための処理番号として「0」を設定し(A8415)、処理番号を普図ゲーム処理番号領域にセーブする(A8416)。その後、普電不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブし(A8417)、普図表示中処理を終了する。
〔普図当り中処理〕
次に、普図ゲーム処理における普図当り中処理(A7611)の詳細について説明する。図40は、普図当り中処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、普図当り中制御ポインタをロードして準備し(A8601)、ロードされた普図当り中制御ポインタの値が普図当り中制御ポインタ上限値(当り終了ポインタ値)に達したか否かを判定する(A8602)。
そして、遊技制御装置100は、普図当り中制御ポインタの値が普図当り中制御ポインタ上限値領域の値(当り終了ポインタ値)に達していない場合には(A8602の結果が「N」)、普図当り中制御ポインタを+1更新する(A8603)。さらに、普電作動移行設定処理を実行し(A8604)、普図当り中処理を終了する。なお、普電作動移行設定処理の詳細については後述する。
また、遊技制御装置100は、普図当り中制御ポインタの値が普図当り中制御ポインタ上限値領域の値(当り終了ポインタ値)に達した場合には(A8602の結果が「Y」)、ステップA8603における普図当り中処理制御ポインタ領域を更新(+1)する処理を実行せずに、普電作動移行設定処理を実行し(A8604)、普図当り中処理を終了する。
〔普電作動移行設定処理〕
次に、普図当り中処理における普電作動移行設定処理(A8604)の詳細について説明する。図41は、普電作動移行設定処理の手順を示すフローチャートである。普電作動移行設定処理は、普通変動入賞装置37を開閉するための普電ソレノイド37cの駆動制御を行う処理であり、制御ポインタの値に応じて処理を分岐するようにしている。
遊技制御装置100は、まず、制御ポインタ(普図当り中制御ポインタ)の値に応じて処理を分岐させる(A8701)。なお、ここで、制御ポインタは、ステップA8603で更新する前の値を使用する。制御ポインタの例は、後述の図56、図72、図73に示される。制御ポインタの値が偶数の値であった場合には、ステップA8702の処理に移行して普通変動入賞装置37の閉塞を制御するため、制御ポインタに対応する普通変動入賞装置37の閉塞後のウェイト時間(普電インターバル時間、例えば60000msec)を普図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(A8702)。なお、後述の変形例のように普電サポートに関するサポ状態(サポ態様、普電開放パターン)が可変である場合に、サポ状態に対応してウェイト時間(普電インターバル時間)を設定してよい。
さらに、遊技制御装置100は、普電ソレノイド37cをオフさせるために普電ソレノイド出力データ領域にオフデータを設定し(A8703)、普電作動移行設定処理を終了する。
また、制御ポインタの値が奇数の値であった場合には、遊技制御装置100は、ステップA8704の処理に移行して普通変動入賞装置37の開放を制御するため、制御ポインタに対応する普通変動入賞装置37の開放時間である普電開放時間を普図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(A8704)。ここでの普電開放時間は、ステップA8407で設定した値(例えば3000msec)と同じでよい。さらに、普電ソレノイド37cをオンさせるために普電ソレノイド出力データ領域にオンデータを設定し(A8705)、普電作動移行設定処理を終了する。
さらに、制御ポインタの値が当り終了ポインタ値であった場合には、遊技制御装置100は、ステップA8706に移行して普通変動入賞装置37の開放制御を終了して普電残存球処理(A7612)を実行するために、処理番号として「4」を設定し(A8706)、処理番号を普図ゲーム処理番号領域にセーブする(A8707)。
続いて、遊技制御装置100は、普電残存球処理時間(例えば600msec)を普図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(A8708)。その後、普電ソレノイド37cをオフに設定するために普電ソレノイド出力データ領域にオフデータをセーブし(A8709)、普電作動移行設定処理を終了する。なお、後述の変形例のように普電サポートに関するサポ状態(サポ態様、普電開放パターン)が可変である場合に、サポ状態に対応して普電残存球処理時間を設定してよい。
〔普電残存球処理〕
次に、普図ゲーム処理における普電残存球処理(A7612)の詳細について説明する。図42は、普電残存球処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、普図当り終了処理に係る処理番号「5」を設定し(A8901)、処理番号を普図ゲーム処理番号領域にセーブする(A8902)。その後、普図エンディング時間(例えば、100msec)を普図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(A8903)。なお、後述の変形例のように普電サポートに関するサポ状態(サポ態様、普電開放パターン)が可変である場合に、サポ状態に対応して普図エンディング時間を設定してよい。
さらに、遊技制御装置100は、普通変動入賞装置37の作動終了に関する信号(普通電動役物1作動中信号をオフ)を試験信号出力データ領域にセーブする(A8904)。続いて、普通変動入賞装置37への入賞数を計数する普電カウント数領域をクリアし(A8905)、さらに、普図当り中制御ポインタ領域をクリアする(A8906)。その後、普図当り終了ポインタ領域をクリアし(A8907)、普電残存球処理を終了する。
〔普図当り終了処理〕
次に、普図ゲーム処理における普図当り終了処理(A7613)の詳細について説明する。図43は、普図当り終了処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、普図普段処理に係る処理番号「0」を設定し(A9101)、さらに、処理番号を普図ゲーム処理番号領域にセーブする(A9102)。その後、普図変動ゲームの当り終了に関する信号(普通図柄1当り中信号をオフ)を試験信号出力データ領域にセーブする(A9103)。
さらに、遊技制御装置100は、普通変動入賞装置37の不正監視期間を規定するフラグ(不正監視期間中フラグ)を普電不正監視期間フラグ領域にセーブし(A9104)、その後、普図当り終了処理を終了する。
[演出制御装置の制御]
以下に、演出制御装置300が演出制御用プログラムによって実行する制御(処理)を説明する。
〔メイン処理(演出制御装置)〕
最初に、演出制御装置300によって実行されるメイン処理の詳細を説明する。図44は、演出制御装置300によって実行されるメイン処理(メインプログラム)の手順を示すフローチャートである。メイン処理は、遊技機10に電源が投入されると主制御用マイコン311(演出用マイコン)によって実行される。なお、演出制御装置300が実行する処理のフローチャートにおいて、ステップの符号(番号)は「B****」と表されている。
演出制御装置300は、メイン処理の実行が開始されると、まず、割込みを禁止する(B0001)。次にCPU311及びVDP312の初期設定を実行し(B0002、B0003)、割込みを許可する(B0004)。割込みが許可されると、遊技制御装置100から送信されたコマンドを受信するコマンド受信割込み処理を実行可能な状態となる。
次に、演出制御装置300は、表示装置41等に表示する表示用データの生成を許可し(B0005)、乱数生成に用いる乱数シードを設定する(B0006)。そして、初期化すべき領域に電源投入時の初期値をセーブする(B0007)。
続いて、演出制御装置300は、WDT(ウォッチドックタイマ)をクリアする(B0008)。WDTは、上述したCPU初期設定(B0002)で起動され、CPU311が正常に動作しているかどうかを監視する。WDTが一定周期を経過してもクリアされない場合は、WDTがタイムアップしてCPU311がリセットされる。
その後、演出制御装置300は、RTC(リアルタイムクロック)338から時刻の情報を読み込むRTC読込処理を実行する(B0009)。
RTC読込処理では、所定の周期(例えば2時間おき)でRTC338から時刻の情報を読み込む構成としてもよく、ステップB0009へ処理が移行する度に時刻の情報を読み込む必要はない。演出制御装置300への電源投入(即ち遊技機10への電源投入)の際に、一度だけ、RTC読込処理を実行する構成としてもよい(RTC読込処理の位置を変えて、例えばステップB0003とB0004の間で実行してもよい)。演出制御装置300は、RAM内のタイマ領域に時刻を計時する時刻用タイマ(計時手段)を設定し、所定の周期でRTC338から時刻の情報を読み込んだ際又は電源投入時に一度だけRTC338から時刻の情報を読み込んだ際に、時刻用タイマ(計時手段)をRTC338の時刻に合わせるよう調整してよい。そして、演出制御装置300は、時刻用タイマを使用して各種処理を実行してもよい。このようにすれば、RTC338から時刻を読み込む処理の回数を低減でき、CPU311の負荷が減少する。
次に、演出制御装置300は、遊技者による演出ボタン25の操作信号(演出ボタンスイッチ25a又はタッチパネル25bの信号)を検出したり、検出した信号に応じて演出内容(設定)を変更したりする演出ボタン入力処理を実行する(B0010)。続いて、遊技場(遊技店)の責任者や遊技者等によるLEDや液晶の輝度、音量の変更などの操作を受け付けるホール・遊技者設定モード処理を実行する(B0011)。ホール・遊技者設定モード処理において、後述の演出ポイントに応じて、遊技者は演出をカスタマイズすることができる。
次に、演出制御装置300は、演出ポイントの加算やクリアを実行する演出ポイント制御処理を実行する(B0012)。演出ポイント制御処理では、演出ポイントの加算対象となる演出や操作が実行されることで演出ポイントが加算される処理がされ、また、演出ポイントを次回の遊技に繰り越せるよう遊技終了時などに、例えば、演出ポイントの情報等を含む情報がQRコード(登録商標)として表示装置41に表示される。例えば、演出制御装置300は、ホール・遊技者設定モード処理において、QRコード(登録商標)を表示装置41に表示できる。
次に、演出制御装置300は、演出乱数などの乱数を更新するための乱数更新処理を実行し(B0013)、遊技制御装置100から受信した受信コマンドを解析して対応する受信コマンドチェック処理を実行する(B0014)。なお、受信コマンドチェック処理の詳細については、図45にて後述する。
続いて、演出制御装置300は、表示装置41で表示される客待ちデモの内容を編集して制御する客待ちデモ編集処理を実行し(B0015)、客待ち中の遊技機10の節電状態を制御する節電制御処理を実行する(B0016)。
次に、演出制御装置300は、表示装置41等の表示装置(表示手段)に表示する内容に合わせて各種データの更新を行ったり、表示装置41に表示する描画を表示フレームバッファに設定したりする演出表示編集処理を実行する(B0017)。このとき設定される描画データは、フレーム周期1/30秒(約33.3msec)以内にVDP312が描画を完了することができるものであれば問題なく表示装置41の画像を更新することができる。そして、表示フレームバッファへの描画準備を完了させて描画コマンド準備終了設定を実行する(B0018)。
続いて、演出制御装置300は、フレーム切替タイミングであるか否かを判定する(B0019)。フレーム切替タイミングでない場合は(B0019の結果が「N」)、フレーム切替タイミングになるまでB0019の処理を繰り返し、フレーム切替タイミングである場合は(B0019の結果が「Y」)、表示装置41への画面描画を指示する(B0020)。本実施形態のフレーム周期は1/30秒なので、例えば1/60秒(フレーム周期の1/2)毎の周期的なVブランク(画像更新)が2回実行されるとフレームの切り替えが行われる。なお、1/60秒で画像を更新せず、さらに間隔を大きくしてもよい。
また、演出制御装置300は、スピーカ19から出力される音を制御するサウンド制御処理を実行する(B0021)。
また、演出制御装置300は、LED等からなる装飾装置(盤装飾装置46、枠装飾装置18)を制御する装飾制御処理を実行する(B0022)。装飾制御処理では、例えば、LED等の装飾装置の輝度制御(発光制御)を実行する。
さらに、演出制御装置300は、モータ及びソレノイドで駆動される電動役物などの演出装置(盤演出装置44)を制御する可動体制御処理を実行する(B0023)。可動体制御処理では、例えば、モータを駆動する役物動作演出を設定する。
そして、演出制御装置300は、前述のB0023の処理を終えると、B0008の処理に戻る。以降、B0008からB0023までの処理を繰り返す。
〔受信コマンドチェック処理〕
次に、図45を参照して、上述したメイン処理(図44)における受信コマンドチェック処理(B0014)の詳細について説明する。図45は、演出制御装置300によって実行される受信コマンドチェック処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置300は、まず、遊技制御装置100から受信したコマンド数をチェックするためにRAMのコマンド受信カウンタ領域のコマンド受信カウンタの値をコマンド受信数としてロードする(B1101)。そして、コマンド受信数が0でないか否かを判定する(B1102)。コマンド受信数が0である場合、すなわち、遊技制御装置100から受信したコマンドがない場合には(B1102の結果が「N」)、解析するコマンドがないので、受信コマンドチェック処理を終了する。
一方、演出制御装置300は、コマンド受信数が0でない場合、すなわち、遊技制御装置100からコマンドを受信している場合には(B1102の結果が「Y」)、コマンド受信カウンタ領域のコマンド受信カウンタ値をコマンド受信数分減算した後(B1103)、RAMの受信コマンドバッファの内容を解析用のコマンド領域にコピーする(B1104)。ここで、受信コマンドバッファはリングバッファなので、バッファ内の内容をコマンド領域にコピーする前にコマンド受信数を減算しても問題ない。また、コピー中に新たにコマンドを受信してもデータが上書きされることはない。
そして、演出制御装置300は、コマンド読出インデックスを0〜31の範囲で+1更新(1だけ加算)する(B1105)。受信コマンドバッファは受信したコマンドを32個まで保存できるよう構成されている。受信したコマンドは、コマンド読出インデックス0〜31の順に受信コマンドバッファに格納されており、ここではインデックス順に受信したコマンドを読み出して、解析用のコマンド領域にコピーする。なお、解析用のコマンド領域へのコピーが完了したタイミングで、読みだしたコマンド読出インデックスに対応する受信コマンドバッファの格納領域内はクリアされる。
演出制御装置300は、ステップB1101の処理にてロードしたコマンド受信数分のコマンドのコピーが完了したか否かを判定し(B1106)、コピーが完了していない場合は(B1106の結果が「N」)、ステップB1104からB1106の処理を繰り返す。
遊技制御装置100から送信されたコマンドを演出制御装置300が受信すると、受信コマンドバッファに受信したコマンドの内容が保存されると同時にコマンド受信カウンタ領域のコマンド受信カウンタ値が加算更新される。受信コマンドバッファには32個分のコマンドを保存することができるが、受信したコマンドの解析は、別途、解析用のコマンド領域で行われる。そして、解析用のコマンド領域に受信したコマンドの内容がコピーされると、受信コマンドバッファ及びコマンド受信カウンタ値はクリアされる。このように、受信コマンドバッファ内で直接解析を行わずに常に空き領域を確保しておくことで、コマンドの大量受信に備えることができる。
続いて、演出制御装置300は、コピーが完了した場合には(B1106の結果が「Y」)、解析用のコマンド領域の受信したコマンド内容をロードし(B1107)、内容を解析する受信コマンド解析処理を実行する(B1108)。なお、受信コマンド解析処理の詳細については、次の図46にて後述する。また、解析用のコマンド領域のアドレスを更新する(B1109)。その後、ステップB1101の処理にてロードしたコマンド受信数分のコマンドの解析が完了したか否かを判定し(B1110)、解析が完了していない場合は(B1110の結果が「N」)、ステップB1107からB1110の処理を繰り返す。解析が完了した場合には(B1110の結果が「Y」)、受信コマンドチェック処理を終了する。
〔受信コマンド解析処理〕
次に、図46を参照して、前述した受信コマンドチェック処理(図45)における受信コマンド解析処理(B1108)の詳細について説明する。図46は、演出制御装置300によって実行される受信コマンド解析処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置300は、まず、受信したコマンドの上位バイトをMODE部、下位バイトをACTION部(ACT部)として分離する(B1201)。遊技制御装置100から演出制御装置300に送信されるコマンドは、MODE部(MODEコマンド)及びACTION部(ACTIONコマンド)によって構成されており、通常、コマンドの種類を示すMODE部から連続して送信される。従って、受信したコマンドの上位、下位はMODE部、ACTION部の順に構成される。
次に、演出制御装置300は、MODE部が正常範囲であるか否かを判定する(B1202)。すなわち、コマンドの種類を示すMODE部が取り得る値(種類を示すコマンド仕様として割り当てられた値)であるか否かを判定する。そして、MODE部が正常範囲である場合には(B1202の結果が「Y」)、同様にACTION部が正常範囲であるか否かを判定する(B1203)。すなわち、コマンドの内容(具体的な演出指示等)を示すACTION部が取り得る値(内容を示すコマンド仕様として割り当てられた値)であるか否かを判定する。そして、ACTION部が正常範囲である場合には(B1203の結果が「Y」)、さらに、MODE部に対するACTION部は正しい組み合せか否かを判定する(B1204)。すなわち、ACTION部の値が、MODE部によって特定される種類のコマンドが取り得る値であるのか否かを判定する。そして、正しい組み合せである場合には(B1204の結果が「Y」)、B1205以降の処理でコマンドの系統に応じたコマンド処理を実行する。
演出制御装置300は、まず、MODE部の値が変動系コマンドの範囲か否かを判定する(B1205)。なお、変動系コマンドは、飾り特別図柄の変動パターンなどを指令するコマンドであり、例えば変動コマンドがある。そして、MODE部が変動系コマンドを表す場合には(B1205の結果が「Y」)、変動系コマンド処理を実行し(B1206)、受信コマンド解析処理を終了する。
演出制御装置300は、MODE部が変動系コマンドを表していない場合には(B1205の結果が「N」)、次に、MODE部が当り系コマンドの範囲か否かを判定する(B1207)。なお、当り系コマンドは、大当り中や小当り中の演出に関する動作(ファンファーレ画面やラウンド画面の表示など)などを指令するコマンドであり、例えば、ファンファーレ画面を指令するためのファンファーレコマンド、ラウンド画面を指令するためのラウンドコマンド、インターバル画面を指令するためのインターバルコマンド、エンディング画面を指令するためのエンディングコマンドなどである。そして、MODE部が当り系コマンドを表す場合には(B1207の結果が「Y」)、当り系コマンド処理を実行し(B1208)、受信コマンド解析処理を終了する。
演出制御装置300は、MODE部が当り系コマンドを表していない場合には(B1207の結果が「N」)、次に、MODE部が図柄系コマンドの範囲か否かを判定する(B1209)。なお、図柄系コマンドには、例えば、停止図柄パターンに対応する飾り特図1コマンドと飾り特図2コマンドがある。そして、MODE部が図柄系コマンドを表す場合には(B1209の結果が「Y」)、図柄系コマンド処理を実行し(B1210)、受信コマンド解析処理を終了する。
演出制御装置300は、MODE部が図柄系コマンドを表していない場合には(B1209の結果が「N」)、次に、MODE部が単発系コマンドの範囲か否かを判定する(B1211)。そして、MODE部が単発系コマンドを表す場合には(B1211の結果が「Y」)、単発系コマンド処理を実行し(B1212)、受信コマンド解析処理を終了する。
演出制御装置300は、MODE部が単発系コマンドを表していない場合には(B1211の結果が「N」)、次に、MODE部が先読み図柄系コマンドの範囲か否かを判定する(B1213)。先読み図柄系コマンドには、例えば、先読み停止図柄コマンドがある。そして、MODE部が先読み図柄系コマンドを表す場合には(B1213の結果が「Y」)、先読み図柄系コマンド処理を実行し(B1214)、受信コマンド解析処理を終了する。
演出制御装置300は、MODE部が先読み図柄系コマンドを表していない場合には(B1213の結果が「N」)、次に、MODE部が先読み変動系コマンドの範囲か否かを判定する(B1215)。先読み変動系コマンドには、例えば、先読み変動パターンコマンドがある。そして、MODE部が先読み変動系コマンドを表す場合には(B1215の結果が「Y」)、先読み変動系コマンド処理を実行し(B1216)、受信コマンド解析処理を終了する。
一方、演出制御装置300は、MODE部が先読み変動系コマンドを表していない場合には(B1215の結果が「N」)、予期しないコマンド(例えば、テストモード中のみ使用するコマンド)を受信した可能性があるので、受信コマンド解析処理を終了する。また、MODE部が正常範囲でない場合(B1202の結果が「N」)、ACTION部が正常範囲でない場合(B1203の結果が「N」)、もしくは、MODE部に対するACTION部が正しい組合せでない場合も(B1204の結果が「N」)、受信コマンド解析処理を終了する。
〔単発系コマンド処理〕
次に、図47を参照して、前述した受信コマンド解析処理(図46)における単発系コマンド処理(B1212)の詳細について説明する。図47は、演出制御装置300によって実行される単発系コマンド処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置300は、まず、MODE部が遊技機の種類を示す機種指定コマンドを表すか否かを判定する(B1301)。そして、MODE部が機種指定コマンドを表す場合には(B1301の結果が「Y」)、遊技機の種類を設定する機種設定処理を実行し(B1302)、単発系コマンド処理を終了する。
演出制御装置300は、MODE部が機種指定コマンドを表していない場合には(B1301の結果が「N」)、次に、MODE部がRAM初期化のコマンドを表すか否かを判定する(B1303)。そして、MODE部がRAM初期化のコマンドを表す場合には(B1303の結果が「Y」)、RAM初期化の報知等を行うRAM初期化設定処理を実行し(B1304)、単発系コマンド処理を終了する。
演出制御装置300は、MODE部がRAM初期化のコマンドを表していない場合には(B1303の結果が「N」)、次に、MODE部が停電復旧系コマンドを表すか否かを判定する(B1305)。例えば、停電復旧系コマンドとして、停電復旧コマンドと復旧画面コマンドがある。そして、MODE部が停電復旧系コマンドを表す場合には(B1305の結果が「Y」)、停電復旧設定処理を実行し(B1306)、単発系コマンド処理を終了する。
演出制御装置300は、MODE部が停電復旧系コマンドを表していない場合には(B1305の結果が「N」)、次に、MODE部が客待ちデモコマンドを表すか否かを判定する(B1307)。そして、MODE部が客待ちデモコマンドを表す場合には(B1307の結果が「Y」)、客待ちデモ設定処理を実行し(B1308)、単発系コマンド処理を終了する。
演出制御装置300は、MODE部が客待ちデモコマンドを表していない場合には(B1307の結果が「N」)、次に、MODE部が飾り特図1保留数コマンドを表すか否かを判定する(B1309)。そして、MODE部が飾り特図1保留数コマンドを表す場合には(B1309の結果が「Y」)、特図1保留情報設定処理を実行し(B1310)、単発系コマンド処理を終了する。
演出制御装置300は、MODE部が飾り特図1保留数コマンドを表していない場合には(B1309の結果が「N」)、次に、MODE部が飾り特図2保留数コマンドを表すか否かを判定する(B1311)。そして、MODE部が飾り特図2保留数コマンドを表す場合には(B1311の結果が「Y」)、特図2保留情報設定処理を実行し(B1312)、単発系コマンド処理を終了する。
演出制御装置300は、MODE部が飾り特図2保留数コマンドを表していない場合には(B1311の結果が「N」)、次に、MODE部が確率情報コマンドを表すか否かを判定する(B1313)。そして、MODE部が確率情報コマンドを表す場合には(B1313の結果が「Y」)、確率情報設定処理を実行し(B1314)、単発系コマンド処理を終了する。
演出制御装置300は、MODE部が確率情報コマンドを表していない場合には(B1313の結果が「N」)、次に、MODE部がエラー/不正系のコマンドを表すか否かを判定する(B1315)。なお、エラー/不正系のコマンドとして、例えば、不正発生コマンド、不正解除コマンド、状態オフコマンド、状態オンコマンド、磁石不正報知コマンド(磁気エラーコマンド)、盤電波不正報知コマンド(盤電波エラーコマンド)がある。不正発生コマンドとして、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、入賞口スイッチ35a、大入賞口スイッチ43の信号に基づく不正入賞の発生を示すコマンドがある。不正解除コマンドは、不正の解除を示すコマンドである。入賞口スイッチ/状態監視処理(A1310)において、不正入賞の発生と不正の解除が監視されて、不正発生コマンドと不正解除コマンドが送信され得る。状態オンコマンドとして、ガラス枠開放検出スイッチ63からの信号の発生(ガラス枠開放エラー)や、前面枠開放検出スイッチ64(本体枠開放検出スイッチ)からの信号の発生(本体枠開放エラー、前面枠開放エラー)を示すコマンドがある。また、状態オフコマンドは、エラーの不発生を示す。入賞口スイッチ/状態監視処理(A1310)において状態オンコマンドと状態オフコマンドが送信され得る。磁気センサスイッチ61からの検出(磁石不正)があった場合に、磁石不正監視処理(A1315)において磁石不正報知コマンドが送信される。電波センサ62からの検出(電波不正)があった場合に、電波不正監視処理(A1316)において盤電波不正報知コマンドが送信される。
そして、MODE部がエラー/不正系のコマンドを表す場合には(B1315の結果が「Y」)、エラーや不正の報知や報知解除をするためのエラー/不正設定処理を実行し(B1316)、単発系コマンド処理を終了する。エラー/不正設定処理では、エラーや不正の報知音を発生するよう設定する。
演出制御装置300は、MODE部がエラー/不正系のコマンドを表していない場合には(B1315の結果が「N」)、次に、MODE部が演出モード切替用のコマンド(特図表示中処理等で設定)を表すか否かを判定する(B1317)。そして、MODE部が演出モード切替用のコマンドを表す場合には(B1317の結果が「Y」)、演出モード切替設定処理を実行し(B1318)、単発系コマンド処理を終了する。
演出制御装置300は、MODE部が演出モード切替用のコマンドを表していない場合には(B1317の結果が「N」)、次に、MODE部がアウト球数を示すアウト球数コマンドを表すか否かを判定する(B1319)。そして、MODE部がアウト球数コマンドを表す場合には(B1319の結果が「Y」)、アウト球数受信時処理を実行し(B1320)、単発系コマンド処理を終了する。
演出制御装置300は、MODE部がアウト球数コマンドを表していない場合には(B1319の結果が「N」)、次に、MODE部がカウントのコマンド(大入賞口カウントコマンド)を表すか否かを判定する(B1321)。そして、MODE部が大入賞口スイッチのカウントのコマンドを表す場合には(B1321の結果が「Y」)、カウント情報設定処理を実行し(B1322)、単発系コマンド処理を終了する。
演出制御装置300は、MODE部がカウントのコマンドを表していない場合には(B1321の結果が「N」)、MODE部が設定値情報コマンド(確率設定値情報コマンド)を表すか否かを判定する(B1323)。設定値情報コマンドは、図6BのステップA1046の停電復旧時のコマンド及びステップA1044の処理で送信されるRAM初期化時のコマンドに含まれる。そして、MODE部が設定値情報コマンドを表す場合には(B1323の結果が「Y」)、設定値受信時処理を実行し(B1324)、単発系コマンド処理を終了する。設定値受信時処理では、設定値(確率設定値)をRAM等の記憶部に記憶するとともに必要な処理を実行する。
演出制御装置300は、MODE部が設定値情報コマンドを表していない場合には(B1323の結果が「N」)、MODE部が設定変更系のコマンドを表すか否かを判定する(B1325)。設定変更系のコマンドとして、例えば、確率設定変更中のコマンド(A1030)がある。そして、MODE部が設定変更系のコマンドを表す場合には(B1325の結果が「Y」)、設定変更系情報設定処理を実行し(B1326)、単発系コマンド処理を終了する。設定変更系情報設定処理では、設定変更系のコマンドの内容を記憶し、コマンドに対応する処理を実行する。例えば、確率設定変更中のコマンドを受信した場合に、設定変更系情報設定処理では、遊技者に設定変更中であること報知する設定変更中表示を表示装置41に表示する。
演出制御装置300は、MODE部が設定変更系のコマンドを表していない場合には(B1325の結果が「N」)、MODE部が設定確認系のコマンドを表すか否かを判定する(B1327)。設定確認系のコマンドとして、例えば、確率設定確認中のコマンド(A1033)がある。そして、MODE部が設定確認系のコマンドを表す場合には(B1327の結果が「Y」)、設定確認系情報設定処理を実行し(B1328)、単発系コマンド処理を終了する。設定確認系情報設定処理では、設定確認系のコマンドの内容を記憶し、コマンドに対応する処理を実行する。例えば、確率設定確認中のコマンドを受信した場合に、設定確認系情報設定処理では、遊技者に設定確認中であること報知する設定確認中表示を表示装置41に表示する。
次に、MODE部が図柄停止のコマンドを表すか否かを判定する(B1329)。なお、図柄停止のコマンドには、例えば、特図1の図柄停止コマンド(飾り特図1停止コマンド)と特図2の図柄停止コマンド(飾り特図2停止コマンド)がある。そして、MODE部が図柄停止のコマンドを表す場合には(B1329の結果が「Y」)、演出制御装置300は、次に、MODE部のコマンドが正常なコマンドであるか否かを判定する(B1330)。
MODE部のコマンドが正常なコマンドである場合には(B1330の結果が「Y」)、演出制御装置300は、対応する特図の停止態様を設定し(B1331)、全図柄が停止した後に遊技状態フラグを通常状態に設定して(B1332)、単発系コマンド処理を終了する。B1332の処理では、一例として、遊技状態フラグを通常状態に設定しているが、本処理が実行されるタイミングによって、遊技状態フラグは、「変動中」「大当り中」「小当り中」のフラグが設定される。
一方、MODE部が図柄停止のコマンドを表していない場合(B1329の結果が「N」)、または、MODE部のコマンドが正常ではない場合(B1330の結果が「N」)には、演出制御装置300は、単発系コマンド処理を終了する。
その他、演出制御装置300は、図47には記載されていないコマンドに対する処理を単発系コマンド処理において実行してよい。例えば、演出制御装置300は、時間短縮変動回数コマンド、演出回転数コマンド、打ち方指示報知コマンド(左打ち指示報知コマンド、右打ち指示報知コマンド)などを遊技制御装置100から受信して、当該コマンドに対応する処理を行ってよい。演出制御装置300は、時間短縮変動回数コマンド(時間短縮変動回数)から時短状態における残りの変動回数を取得でき、演出回転数コマンドから各演出モードの演出残り回転数を取得でき、時短状態における残りの変動回数や各演出モードの演出残り回転数に基づいて演出を設定できる。演出制御装置300は、打ち方指示報知コマンド(左打ち指示報知コマンド又は右打ち指示報知コマンド)に応じて、打ち方を指示(示唆)する打ち方指示表示(左打ち指示表示又は右打ち指示表示)を表示装置41などにおいて表示(報知)できる。
〔先読み図柄系コマンド処理〕
次に、図48を参照して、前述した受信コマンド解析処理(図46)における先読み図柄系コマンド処理(B1214)の詳細について説明する。図48は、演出制御装置300によって実行される先読み図柄系コマンド処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置300は、まず、最新保留情報が特図1保留(特図1始動記憶)の情報であるか否か、例えば、最新で受信した飾り特図保留数コマンドが飾り特図1保留数コマンドであるか否かを判定する(B1601)。最新保留情報が特図1保留の情報である場合(B1601の結果が「Y」)、先読み図柄系コマンド(先読み停止図柄コマンド)を特図1保留数に対応する特図1先読み図柄コマンド領域にセーブする(B1602)。
演出制御装置300は、最新保留情報が特図1保留の情報でない場合(B1601の結果が「N」)、即ち、最新で受信した飾り特図保留数コマンドが飾り特図2保留数コマンドである場合、先読み図柄系コマンド(先読み停止図柄コマンド)を特図2保留数に対応する特図2先読み図柄コマンド領域にセーブする(B1603)。
演出制御装置300は、ステップB1602とB1603の後、先読み変動系コマンドの受信待ちであることを示す先読み変動系コマンド受信待ちフラグを設定する(B1604)。これは、先読み図柄系コマンドと先読み変動系コマンドがセットになっているため、遊技制御装置100から先読み図柄系コマンドに続いて先読み変動系コマンドが送信されるためである。その後、先読み図柄系コマンド処理を終了する。
〔先読み変動系コマンド処理〕
次に、図49を参照して、前述した受信コマンド解析処理(図46)における先読み変動系コマンド処理(B1216)の詳細について説明する。図49は、演出制御装置300によって実行される先読み変動系コマンド処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置300は、まず、先読み変動系コマンド(先読み変動パターンコマンド)の受信待ち中であるか否かを判定する(B1701)。前述の先読み変動系コマンド受信待ちフラグ(B1604)が設定されている場合、先読み変動系コマンドの受信待ち中であると判定できる。先読み変動系コマンドの受信待ち中でない場合(B1701の結果が「N」)、先読み変動系コマンド処理を終了する。先読み変動系コマンドの受信待ち中である場合(B1701の結果が「Y」)、先読み変動系コマンド受信待ちフラグをクリアする(B1702)。
次に、演出制御装置300(サブ基板)は、最新保留情報の図柄(特図1又は特図2)の保留数に対応する先読み変動MODE変換テーブルを設定し(B1703)、先読み変動系コマンドのMODE部に対応してサブ内先読み変動コマンドMODE部を取得する(B1704)。次に、先読み変動ACT変換テーブルを設定し(B1705)、先読み変動系コマンドのACTION部(ACT部)に対応するサブ内先読み変動コマンドACT部を取得する(B1706)。
次に、演出制御装置300は、変換後のMODE部とACT部(即ち、サブ内先読み変動コマンドMODE部とACT部)が共に0以外であるか否かを判定する(B1707)。なお、正常(有効)なコマンドであれば0以外に変換される。変換後のMODE部、ACT部が共に0以外である場合(B1707の結果が「Y」)、変換後のMODE部とACT部から構成される変換後のコマンドを最新保留情報、保留数に対応する先読み変動コマンド領域(特図1先読み変動コマンド領域又は特図2先読み変動コマンド領域)にセーブする(B1708)。そして、先読みコマンド整合チェック処理を実行して(B1709)、変換後のMODE部とACT部の組合せが正常であるか否か判定する(B1710)。
なお、保留が変動表示ゲームを開始するときの保留数によって、MODE部に対応する前半変動の時間が変化する。保留が変動表示ゲームを開始するときに、保留が他になければ長めの前半変動になり、新たに保留が発生して保留数が多ければ短めの前半変動となる。従って、前半変動の時間値が遷移しても、演出制御装置300の内部コマンドが同じに扱えるように、受信した先読み変動系コマンドのMODE部をサブ内先読み変動コマンドMODE部に変換しておく。
また、リーチの種類は保留数に関係ないため、サブ内先読み変動コマンドACT部に対応する後半変動は保留数に依存しない。しかし、同一系統のリーチにも種類があるため、仮に先読み変動系コマンドのACT部(後半変動の値)を変換せずに、演出制御装置300がそのまま使うと数が多くなりチェックが困難になる。例えば、ノーマルリーチにも、ノーマルリーチ−1停止はずれ、ノーマルリーチ+1停止はずれなどの種類が存在する。従って、同一系統のリーチを示すACT部を、同じサブ内先読み変動コマンドACT部に変換することで、数を減らし、先読みコマンド整合チェック処理等のチェック処理の負担を軽減する。
次に、演出制御装置300は、変換後のMODE部とACT部(即ち、サブ内先読み変動コマンドMODE部とACT部)の少なくとも一方が0である場合(B1707の結果が「N」)、又は、変換後のMODE部とACT部の組合せが正常でない場合(B1710の結果が「N」)、変換後のコマンドに異常があるとして、先読み変動系コマンド処理を終了する。
演出制御装置300は、変換後のMODE部とACT部の組合せが正常である場合(B1710の結果が「Y」)、先読み対象の保留情報(最新保留の情報)を先読み変動コマンド領域からロードし(B1711)、最新保留の先読み演出に関する先読み抽選処理を実行する(B1712)。先読み演出としては、例えば、連続予告演出(チャンス目先読み演出を含む)、先読みゾーン演出、保留変化予告などがある。続いて、最新保留の先読み演出(保留変化予告等)が発生するか否かを判定する(B1713)。最新保留の先読み演出が発生する場合(B1713の結果が「Y」)、選出された先読み演出に対応するポイント情報を設定する(B1714)。
次に、演出制御装置300は、発生する先読み演出(保留変化予告等)が直ちに開始する演出であるか否か判定する(B1715)。発生する先読み演出が直ちに開始する演出である場合(B1715の結果が「Y」)、選出された先読み演出に対応する表示を設定する(B1716)。発生する先読み演出が直ちに開始する演出でない場合(B1715の結果が「N」)、保留シフトの際(保留表示の移動の際、保留数減少の際)の先読み演出に対応する表示を設定、保存する(B1717)。そして、先読み変動系コマンド処理を終了する。
一方、演出制御装置300は、最新保留の先読み演出が発生しない場合(B1713の結果が「N」)、そのまま、先読み変動系コマンド処理を終了する。
〔図柄系コマンド処理〕
次に、図50を参照して、前述した受信コマンド解析処理(図46)における図柄系コマンド処理(B1210)の詳細について説明する。図50は、演出制御装置300によって実行される図柄系コマンド処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置300は、受信した図柄系コマンド(飾り特図1コマンド又は飾り特図2コマンド)のMODE部に対応する特図種別を設定する(B1801)。特図種別は、特図1又は特図2である。そして、図柄系コマンドのMODE部とACTION部(ACT部)の組合せに対応する図柄種別を設定し、RAM等の所定領域にセーブする(B1802)。ここで、特図1と特図2では、図柄の振分け割合が変わるので、MODE毎にテーブルを使用して、図柄種別を設定する。なお、本実施形態において、図柄種別は、はずれ図柄や、特図1の大当り図柄A、特図2の大当り図柄B−F、残保留(特図2保留)での大当り図柄Gに対応する。
〔変動系コマンド処理〕
次に、図51を参照して、前述した受信コマンド解析処理(図46)における変動系コマンド処理(B1206)の詳細について説明する。図51は、演出制御装置300によって実行される変動系コマンド処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置300は、受信した変動系コマンド(変動コマンド)の特図種別(特図1又は特図2)が未確定であるか否かを判定する(B1901)。特図種別が未確定である場合(B1901の結果が「Y」)、変動系コマンド処理を終了する。特図種別が未確定でない場合(B1901の結果が「N」)、受信した変動系コマンドと図柄系コマンドの組合せをチェックし(B1902)、変動系コマンドと図柄種別が不整合であるか否かを判定する(B1903)。ここで、不整合とは、はずれの変動系コマンドを受信したのに大当り図柄の図柄系コマンドを受信していた場合など、演出を行う上で矛盾してしまうことである。変動系コマンドと図柄種別が不整合である場合(B1903の結果が「Y」)、変動系コマンド処理を終了する。
演出制御装置300は、変動系コマンドと図柄種別が不整合でない場合(B1903の結果が「N」)、変動系コマンド(変動コマンド)から変動パターン種別を判別し(B1904)、変動中の演出である変動演出を設定する変動演出設定処理を実行する(B1905)。なお、同じ変動系コマンドに対して、複数の演出が存在する。続いて、遊技状態(P機状態)を示す遊技状態フラグに特図変動中を設定し(B1906)、連続演出等の先読み演出回数が0でなければ−1更新する(B1907)。
〔変動演出設定処理〕
次に、図52を参照して、前述した変動系コマンド処理(図51)における変動演出設定処理(B1905)の詳細について説明する。図52は、演出制御装置300によって実行される変動演出設定処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置300は、まず、変動パターン種別が、リーチなし変動(リーチ状態にならない変動)であるか否かを判定する(B2001)。変動パターン種別がリーチなし変動である場合(B2001の結果が「Y」)、演出ポイントのポイント数、機種コード、特図種別、演出モード、設定情報(設定値)に対応する前半予告振分グループアドレステーブルを設定し(B2002)、変動系コマンド(変動コマンド)のMODE部と特図種別の保留数に対応する前半予告振分グループテーブルのアドレスを取得する(B2003)。リーチなし変動の場合、保留数が多いほど変動時間が短縮されるため、保留数に対応するテーブルのアドレスを取得している。
演出制御装置300は、変動パターン種別がリーチなし変動でない場合(B2001の結果が「N」)、即ち、リーチあり変動である場合、演出ポイントのポイント数、機種コード、特図種別、演出モード、図柄種別、設定情報(設定値)に対応する前半予告振分グループアドレステーブルを設定し(B2004)、変動系コマンド(変動コマンド)のMODE部と変動パターン種別に対応する前半予告振分グループテーブルのアドレスを取得する(B2005)。
演出制御装置300は、ステップB2003、B2005の後、前半変動中(リーチ前)に出現する予告の抽選を行う(B2006)。続いて、演出ポイントのポイント数、機種コード、特図種別、演出モード、図柄種別、設定情報(設定値)に対応する後半予告振分グループアドレステーブルを設定し(B2007)、変動系コマンドのACT部に対応する後半予告振分グループテーブルのアドレスを取得し(B2008)、後半変動中(リーチ中)に出現する予告の抽選を行う(B2009)。その後、変動系コマンド(変動コマンド)のMODE部、ACT部に対応する変動演出の内容を決定する(B2010)。なお、変動系コマンドから変動時間や主なリーチ内容などがわかる。
次に、演出制御装置300は、予告の抽選結果に対応する演出(予告演出)の内容を決定する(B2011)。その後、リーチ演出等の変動演出や予告演出の内容に応じて、飾り特図変動表示ゲームの停止図柄を決定する(B2012)。ここで、はずれ図柄の場合にばらけ目を決定するなど、飾り停止図柄を具体的に決定する。
次に、演出制御装置300は、変動演出の表示設定を行い(B2013)、予告演出の表示設定を行う(B2014)。続いて、特図種別に対応する保留減少の表示設定を行い、例えば、今回変動する飾り特図に対応する保留表示が減る表示(保留シフトの表示)が設定される(B2015)。続いて、スピーカの音声による演出態様(音出力態様)を定める音声番号、装飾装置の発光による演出態様を定める装飾番号を設定する(B2016)。装飾装置(盤装飾装置46、枠装飾装置18)は、複数の装飾用発光部(装飾LED等)を有し、装飾番号で定められる発光態様(各LEDの色や発光タイミング等)で発光する。
なお、音声番号や装飾番号を演出内容だけでなく設定情報(設定値)に基づいて設定することも可能である。このようにすると、遊技者は、装飾装置の発光態様、即ち、装飾用発光部(LED)の発光態様から遊技機10の設定情報(設定値)を推測することを楽しめる。
次に、演出制御装置300は、特図種別に対応する飾り特図変動の表示設定を行い(B2017)、表示装置41で変動する前述の第一から第三の特別図柄以外に第四特別図柄(第4図柄、識別情報)に関する第4図柄変動の表示設定を行う(B2018)。なお、第4図柄変動は、表示装置41以外に設けた前述のランプ表示装置80のランプ表示部1、2(LED)で表示されてもよいし、表示装置41の表示画面上で実行されてもよい。
〔当り系コマンド処理〕
次に、図53を参照して、前述した受信コマンド解析処理(図46)における当り系コマンド処理(B1208)の詳細について説明する。図53は、演出制御装置300によって実行される当り系コマンド処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置300は、まず、受信した当り系コマンドのMODE部がファンファーレを表すか否かを判定する(B2101)。当り系コマンドのMODE部がファンファーレを表す場合(B2101の結果が「Y」)、即ち、当り系コマンドが大当りファンファーレコマンド又は小当りファンファーレコマンドである場合、ファンファーレ演出を設定するためのファンファーレ演出設定処理を実行する(B2102)。また、大当りファンファーレコマンド又は小当りファンファーレコマンドに対応して、打ち方指示(左打ち指示又は右打ち指示)の表示を表示装置41などにおいて表示(報知)してよい。なお、ファンファーレコマンドには、今回の大当りのラウンド数上限値の情報が含まれている。続いて、現在の遊技機10の遊技状態(P機状態)を示す遊技状態フラグにファンファーレ中を設定し(B2103)、当り系コマンド処理を終了する。なお、ラウンド数上限値は、図柄系コマンド(停止図柄パターンに対応する飾り特図コマンド)から判定される図柄種別からも得ることができる。
演出制御装置300は、受信した当り系コマンドのMODE部がファンファーレを表さない場合には(B2101の結果が「N」)、当り系コマンドのMODE部がラウンドを表すか否かを判定する(B2104)。MODE部がラウンドを表す場合(B2104の結果が「Y」)、即ち、当り系コマンドがラウンドコマンド又は小当り開放中コマンドである場合、演出制御装置300は、ラウンド演出設定処理を実行し、現在の遊技機10の遊技状態(P機状態)を示す遊技状態フラグにラウンド中を設定し(B2105、B2106)、当り系コマンド処理を終了する。
受信した当り系コマンドのMODE部がラウンドを表さない場合には(B2104の結果が「N」)、演出制御装置300は、当り系コマンドのMODE部がインターバルを表すか否かを判定する(B2107)。MODE部がインターバルを表す場合(B2107の結果が「Y」)、即ち、当り系コマンドがインターバルコマンドである場合、演出制御装置300は、インターバル演出設定処理を実行し、現在の遊技機10の遊技状態(P機状態)を示す遊技状態フラグにインターバル中を設定し(B2108、B2109)、当り系コマンド処理を終了する。
受信した当り系コマンドのMODE部がインターバルを表さない場合には(B2107の結果が「N」)、演出制御装置300は、当り系コマンドのMODE部がエンディングを表すか否かを判定する(B2110)。MODE部がエンディングを表す場合(B2110の結果が「Y」)、即ち、当り系コマンドがエンディングコマンドである場合、演出制御装置300は、エンディング演出を設定するためのエンディング演出設定処理を実行し、現在の遊技機10の遊技状態(P機状態)を示す遊技状態フラグにエンディング中を設定し(B2111、B2112)、当り系コマンド処理を終了する。
なお、受信した当り系コマンドのMODE部がエンディングを表さない場合には(B2110の結果が「N」)、演出制御装置300は、いずれの処理も実行せずに、当り系コマンド処理を終了する。
〔遊技状態遷移図(ゲームフロー)の例〕
図54Aは、第1実施形態における遊技状態の遷移を例示する遊技状態遷移図(ゲームフロー)である。遊技状態は、遊技制御装置100の遊技制御によって遷移(移行)する。遊技状態は、特に、大当りの発生を契機として遷移するものや、所定のゲーム数(回転数、変動回数)の経過を契機として遷移するものなどが示されている。図54Aにおいて、それぞれの遊技状態について、大当り確率(特図確率)の状態、普図変動表示ゲームの当り結果となる確率である普図当り確率(普図確率)の状態、演出モード、主となる変動表示ゲーム(主変動表示ゲーム、主変動)、右打ち又は左打ちの発射態様などの特徴が示されている。
なお、演出モード(演出ステージ)は、前述のように、遊技制御装置100が大当り終了処理(図30)や演出モード情報チェック処理(図27)によって設定することができる。しかし、これに限られず、演出制御装置300が、時短回数、規定の残保留数、大当り終了後の特図2変動表示ゲームの実行回数などに基づいて設定することもできる。
第1実施形態において、遊技状態は、通常遊技状態、特定遊技状態、移行状態が存在する。本実施形態において、特定遊技状態は時短状態であるが、特定遊技状態を大当り確率が高確率状態である確変状態とする構成も可能である。
なお、移行状態において大当り確率と普図当り確率は通常遊技状態と変わらないため、確率的には移行状態を通常遊技状態に含めてよい。即ち、移行状態を主変動表示ゲームが特図2変動表示ゲームとなる通常遊技状態とみなしてもよい。しかし、移行状態では、残保留の消化によって特図2変動表示ゲームが実行されて特図2変動表示ゲームが主変動表示ゲームとなり、小当りひいては小当り中でのV通過(V入賞口への遊技球の通過、V入賞)による大当りが、小当り確率(1/8)で発生する。このため、移行状態は、通常よりも遊技者に有利な有利状態であり、この観点では通常遊技状態とは区別できる遊技状態とみなしてもよい。また、移行状態と特定遊技状態(時短状態)とまとめて遊技者に有利な有利状態としてもよいし、或は、特定遊技状態(時短状態)を第1有利状態とし、移行状態を第2有利状態としてもよい。
まず、各遊技状態について説明する。通常遊技状態において、遊技制御装置100は、大当り確率を低確率とし(特図低確率)、普図当り確率も低確率とする(普図低確率)。なお、本実施形態では、普図低確率の状態を普電サポートのない状態(サポ無し状態)とし、普図高確率の状態を普電サポートのある状態(サポ有り状態)とする。従って、本実施形態では、サポ有り状態での普図当りに起因して普通変動入賞装置37(普電)が開放されても、開放時に普図低確率となっている場合にはサポ無し状態となる。しかし、これに限られず、普通変動入賞装置37の開放中はサポ有り状態とみなす構成も可能である。
また、通常遊技状態において、演出モードは通常モードである。通常遊技状態において、第1始動入賞口36への遊技球の入球を容易にする左打ちが、右打ちよりも遊技者にとって有利となり、遊技球の発射態様として推奨される。推奨される発射態様で遊技球が入賞し易い主始動領域は第1始動入賞口36となり、主変動表示ゲーム(主変動特図)は特図1変動表示ゲームとなる。推奨される発射態様で遊技球が入賞し難い従始動領域は普通変動入賞装置37となり、従変動表示ゲームは特図2変動表示ゲームとなる。
特定遊技状態(時短状態)において、遊技制御装置100は、大当り確率は低確率状態であるが、普図当り確率は高確率(普図高確率)となるように制御する。特定遊技状態において、遊技球の発射態様として、普通変動入賞装置37が開放され易くなり普通変動入賞装置37を狙う右打ちが推奨される。そのため、特定遊技状態において、主始動領域は普通変動入賞装置37となり従始動領域は第1始動入賞口36となることから、主変動表示ゲームは特図2変動表示ゲームとなり、従変動表示ゲームは特図1変動表示ゲームとなる。
また、特定遊技状態において、時短回数が基準回数(ここでは5回)以下である場合(時短回数≦5)と、基準回数より大きい99回の場合(時短回数=99)がある。時短回数≦5の場合の演出モードを時短モード#1として、時短回数=99の場合の演出モードを時短モード#2とし、時短モード#1と時短モード#2の演出の態様を異ならせて遊技の興趣を向上してよい。なお、基準回数は、例えば、小当り確率1/8の逆数の値(8回)程度であればよく、7回等でもよい。基準回数が小さいほど、時短モード#1で小当り(小当り中でのV通過で大当り状態になるもの)が発生し難くなる一方、演出モード#2との差が大きくなりメリハリがでる。
移行状態は、特定遊技状態(時短状態)の終了後に発生可能な状態である。移行状態において、特定遊技状態中の普図当りによって開放される普通変動入賞装置37(普電)への入賞によって生じる残保留が消化され、主変動表示ゲームとして特図2変動表示ゲームが実行される。移行状態の演出モードは、残保留消化モードである。さらに、残保留消化モードを、特定遊技状態中の普図当りによる普電の開放が終了する前の普電開放終了前モードと、普電の開放が終了した後の普電開放終了後モードに分けてもよい。普電開放終了前モードでは、普電を狙う右打ちが推奨され、普電開放終了後モードでは普電が閉鎖されているため左打ちが推奨される。
移行状態の演出モードである残保留消化モードを普電開放終了前モードと普電開放終了後モードに分けると、遊技者は、普電が開放されているか(右打ちすべきか)、閉鎖されているか(左打ちすべき)をわかり易くなる。なお、分けない場合には、移行状態を通して、残保留が消化中であることが認識し易くなる。
また、前述のように、移行状態と特定遊技状態(時短状態)とまとめて遊技者に有利な有利状態とし、有利状態において、演出モードを分けずに同じ演出モードとしてもよい。この場合には、特図2変動表示ゲームが主変動表示ゲームとなる有利状態を共通の演出態様とすることができる。後述のように、残保留の消化で特図の当り(小当り中でのV通過で大当り)が発生した場合に、特定遊技状態中に特図の当りが発生した場合よりも、遊技者に付与する遊技価値を大きくすれば、時短状態中であるか残保留の消化中であるか共通の演出態様から不明であるにもかかわらず大きな遊技価値が得られて、遊技者を喜ばすことができる。なお、ここでは、遊技価値(特典)は、大当り終了後の時短回数や最終的に得られる大当りの回数などである。
次に、各遊技状態からの遷移(移行)について説明する。まず、通常遊技状態において、特図変動表示ゲームによって大当り(V入賞によるものではない)が発生すると、大当り状態の終了後に特定遊技状態に遷移する。
特定遊技状態において、特図変動表示ゲームによって小当り(V通過で大当り状態になるもの)が発生すると、大当り状態の終了後に再び特定遊技状態に戻る。なお、この場合は、時短モード#1に戻って、遊技価値(特典)としての時短回数は基準回数以下である(時短回数≦5)。
所定の遷移条件が成立した場合に、特定遊技状態から移行状態に遷移する。例えば、この所定の遷移条件は、(i)特定遊技状態における特図2変動表示ゲームの実行回数が時短回数(第1所定回数)を超えること、及び、(ii)特定遊技状態における特図変動表示ゲーム(特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲーム)の合計の実行回数が時短回数(第1所定回数)よりも大きい第2所定回数(例えば時短回数の2倍)を超えること、(iii)所定開放回数(例えば2回)の普電開放が終了すること、の何れかが成立することである。
特定遊技状態では、主変動表示ゲームである特図2変動表示ゲームが時短回数実行できることが遊技機10の本来の仕様(性能)であるが、従来の如く、特図変動表示ゲームの合計の実行回数が時短回数を超えることだけを特定遊技状態からの遷移条件とすると、従変動表示ゲームである特図1変動表示ゲームが実行された分、遊技機10の本来の仕様から離れてしまう。しかし、2つの条件(i)(ii)を設けることで従変動表示ゲームの実行分はおまけ(特典)として扱い、遊技者に損をさせることなく本来の仕様で遊技を行わせることができる。なお、遊技者が普通に遊技すれば、(i)の条件の成立で移行状態に移行し、(ii)の条件が成立することはまずありえない。(iii)の条件を設けた理由については図66に関連して後述する。
なお、特定遊技状態の時短モード#2では、時短回数99回の特図2変動表示ゲームが実行されるまで継続可能であるため、ほぼ確実に小当り(V通過で大当り状態になる)が発生し、大当り状態終了後に再度特定遊技状態(時短モード#1)になる。従って、時短モード#2は、大当り状態終了後に特定遊技状態が確実に継続する次回継続確定モード(確定モード)となる。
移行状態において、特図2変動が終了すると、主変動表示ゲームが特図1変動表示ゲームとなる通常遊技状態に遷移する。一方、移行状態において、小当り(小当り中でのV通過で大当り状態になる)が発生すると、大当り状態終了後に特定遊技状態の時短モード#2に遷移して99回の時短回数が付与される。即ち、残保留が消化される移行状態(残保留消化モード)において小当り(V通過後に大当り)が発生すると、特定遊技状態において小当り(V通過後に大当り)が発生した場合の時短回数(≦5)よりも、時短回数が多くなり、遊技者に付与する遊技価値が大きくなる。さらに、移行状態(残保留消化モード)において小当り(V通過後に大当り)が発生すると、次の時短モード#2でほぼ確実に小当り(V通過後に大当り)が発生するから、合計2回の大当りが遊技価値として確保される。
〔遊技状態遷移図(ゲームフロー)の別例〕
図54Bは、遊技状態の遷移を示す遊技状態遷移図の別例である。なお、図54Bの遊技状態の遷移は、第2実施形態においても適用することができる。
図54Bでは、時短終了後に消化される全ての特図2保留である残保留を、所定残保留(第1残保留)と過剰保留(第2残保留)に分けるとともに、移行状態に対応する演出モードとしての残保留消化モードを、所定残保留が消化される時短中発生残保留消化モードと、過剰保留が消化される過剰保留消化モードとに分ける。ここで、所定残保留は、時短中に発生して時短終了後に消化される特図2保留のうちの最初の所定個(当該特図2保留のうちの全部または一部)であり、過剰保留は、所定残保留の後に消化される特図2保留(残保留)である。過剰保留消化モードは、例えば、遊技結果を示すリザルト画面を表示装置41に表示するモードやその他の特殊モードを含んでよい。なお、時短中発生残保留消化モードと時短モード(時短モード#1又は時短モード#2)は、時短中に発生した特図2保留を消化する点で共通するため、同じ演出モードとして演出態様を共通にしてもよい。
〔図柄に対応する時短回数と規定残保留数〕
図55は、特図変動表示ゲームの当りの種類である図柄に対応する時短回数と規定の残保留数(規定残保留数)などについて示すテーブルである。図柄は、当りの停止図柄であり停止図柄番号と停止図柄パターンの何れに対応させてもよい。(A)は、特図1変動表示ゲームの当りの図柄に関するものである。(B)の上図は、普図高確率状態中(時短状態中)における特図2変動表示ゲームの当りの図柄に関するものであり、下図は、普図低確率状態中における特図2変動表示ゲームの当りの図柄(残保留での当りの図柄)に関するものである。
図柄Aは、大当り図柄乱数によって決定される停止図柄であり、特図1変動表示ゲームの大当りの停止図柄である。図柄B−Fも、大当り図柄乱数によって決定される停止図柄であるが、普図高確率状態中(時短状態中)における特図2変動表示ゲームの小当りでのV通過(V入賞)に関する大当りの停止図柄である。図柄Gも、大当り図柄乱数によって決定される停止図柄であるが、普図低確率状態中における特図2変動表示ゲームの小当り(残保留での小当り)でのV通過(V入賞)に関する大当りの停止図柄である。なお、大当り図柄乱数の他に小当り図柄乱数がある場合には、図柄B−Fと図柄Gを、小当り図柄乱数によって決定される小当りの停止図柄とする構成も可能である。
図柄Aは、振り分け(選択率)が100%であり、特図1変動表示ゲームの大当りの停止図柄は図柄Aしか存在しない。図柄B−Fは、それぞれ、大当り図柄乱数に対する振り分けが40%、25%、15%、10%、10%である。図柄Gは、振り分けが100%である。
特図1変動表示ゲームの大当りの種類である図柄Aでは、大当り後の時短回数は1回である。また、図柄Aでは、時短状態終了後に消化される規定(予定)の残保留数は4個である。従って、大当り状態終了後に特図2変動表示ゲームの実行によって消化可能な特図2保留の合計数は、規定では5(=1+4)になる。図柄Aでは、1/8の小当り確率に対して、継続率は、{1−(1−1/8)5}×100%=48.7%であり、確定モード移行率は、(1−1/8)×{1−(1−1/8)4}×100%=36.2%となる。
普図高確率状態中に開始した特図2変動表示ゲームの大当りの種類である図柄B−Fでは、各々、大当り後の時短回数は5回、4回、3回、2回、1回である。また、図柄B−Fでは、各々、規定残保留数は、5個、6個、7個、8個、9個である。従って、大当り状態終了後に特図2変動表示ゲームの実行によって消化可能な特図2保留の合計数は、図柄B−Fのいずれでも規定では10になる。図柄B−Fでは、1/8の小当り確率に対して、各々、継続率は同じであり、{1−(1−1/8)10}×100%=73.7%であり、確定モード移行率は、各々、25.0%、32.3%、40.7%、50.3%、61.2%となる。
普図低確率状態中に開始した特図2変動表示ゲームの大当り(残保留の大当り)の種類である図柄Gでは、大当り後の時短回数は99回である。また、図柄Gでは、規定残保留数は4個である。従って、大当り状態終了後に特図2変動表示ゲームの実行によって消化可能な特図2保留の合計数は103になる。図柄Gでは、1/8の小当り確率に対して、各々、継続率は略100%であり、確定モード移行率は略0%となる。従って、図柄Gでは、残保留での大当り終了後には、時短モード#2に移行して確実に再度大当りとなりその後に特定遊技状態(時短状態)が継続する。一方、図柄Gでは確定モード移行率は略0%であり、特定遊技状態の時短モード#2から大当りを経て時短モード#1に遷移する流れがほとんどである。
なお、継続率は、大当り状態終了後の特図2変動表示ゲーム(図柄Aでは5回内、図柄B−Fでは10回内、図柄Gでは103回内)によって特定遊技状態が継続する確率であり、通常遊技状態(通常モード)を経ずに特定遊技状態へ再度突入する確率である。確定モード移行率は、大当り状態終了後に残保留に基づく特図2変動表示ゲームによって残保留消化モードから時短モード#2(確定モード、次回継続確定モード)に移行する確率である。
継続率は、大当り状態終了後に消化される特図2保留の合計数(即ち、大当り状態終了後の特図2変動表示ゲームの実行回数)に依存し、合計数が10である図柄B−Fの場合の継続率は、合計数が5である図柄Aの場合の継続率よりも大きい。また、図柄B−Fの順に、時短回数が減少して規定残保留数が増加するのに伴って、確定モード移行率が上昇する。
以上のように、図柄B−Fにおいて、時短回数は、大当りの種類(特別結果の種類)である図柄に応じて設定されるため、大当り終了後の特定遊技状態が、抽選(振り分け)で設定されランダムに変化するような可変な時短回数(1〜5)を有して、遊技の興趣が向上する。さらに、特定遊技状態の終了後に特図2変動表示ゲームが実行される実行回数である残保留数(5〜9)を時短回数に応じて変化させている。従って、残保留数も抽選で設定されるランダム且つ可変なものとなり、遊技の興趣が向上する。特に、特定遊技状態での大当りと残保留での大当りとに遊技価値の差を設ける場合には、抽選で設定される残保留数で遊技者が一喜一憂して遊技の興趣が向上することになる。
また、さらに、特定遊技状態での主変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)の当り図柄B−Fに関して、時短回数と残保留数が可変でも、時短回数と残保留数との合計を一定(10)にしているため、特定遊技状態の継続率を同じにしつつ、確定モード移行率を可変にできる。前述のように、時短回数と残保留数との合計の数の特図2変動表示ゲームが実行される間、即ち、特定遊技状態(時短モード)と移行状態(残保留消化モード)において同じ演出モードを実行すると、遊技者は時短中なのか残保留消化中なのか見分けにくくなり、残保留での大当りで大きな遊技価値(99回の時短回数)が得られると驚くことになり、遊技の興趣が向上する。
〔普図変動表示ゲームと普電動作の特徴等〕
図56は、普図変動表示ゲームと普電動作の特徴等ついて示す図である。
図56(A)のように、普図変動表示ゲームの当り図柄(当り停止図柄、普図当り図柄)は1種類のみであり、常に同じ普電開放パターンとなり、普図変動表示ゲームの当り状態において、普通変動入賞装置37(普電)は常に同じタイミングで開放される。
普図当り確率は、低確率状態で0/251(0%)、高確率状態で251/251(100%)である。普図変動表示ゲームは高確率状態では必ず当り、低確率状態では必ずはずれるため、ランダム性が排除される。なお、これに限られず、普図当り確率は、低確率状態(通常遊技状態等)において0%より大きい値(例えば、2/251(0.8%))でもよい。
普図変動表示ゲームの始動記憶数(普図保留数)は実質的に0であり、普図変動表示ゲームの当り状態中(普電動作中)と変動中において、普図始動ゲート34を遊技球が通過しても普図変動表示ゲームの普図始動記憶は記憶されない。普図変動表示ゲームは停止図柄の停止表示中においてのみ開始でき、停止表示中に遊技球が普図始動ゲート34を通過すると普図始動記憶が発生するがすぐに消化されて普図変動表示ゲームが開始する。このように普図変動表示ゲームの始動記憶が実質的に貯まらないため、テンポよく普図変動表示ゲームが実行される。従って、特定遊技状態において、普図変動表示ゲーム又は普電動作と特図変動表示ゲームとがズレなしで連動し易くなるとともに、攻略の防止にもつながる。
普図変動表示ゲームの変動時間である普図変動時間は200msecである。なお、普図高確率状態で200msecとし、普図低確率状態では200msecよりも長くしてもよい。普図停止時間(普図表示時間)は、48msecである。特定遊技状態(時短状態、普図高確率状態)において、普図変動表示ゲーム(ひいては普電動作)と特図変動表示ゲームとをズレなしで連動させるために、普図変動時間と普図停止時間は極力短い時間であることが好ましい。遊技球の発射速度が1分ごとに100個であると想定すると、普図始動ゲート34には600msecごとに遊技球が通過可能なため、1回の普図変動表示ゲームに要する時間、即ち普図変動時間と普図停止時間の合計は、600msecより小さいことが好ましい。
また、普電の最大カウント数(カウント数上限値)は10である。
図56(B)は、普図始動ゲート34と普通変動入賞装置37(普電)とその周囲の構成を示す図である。遊技機10は、普電の開放(普電開放)に合わせて右打ちしたほぼ全ての遊技球が普図始動ゲート34を通過して普電に入賞するための以下の構成を有する。
まず、普電開放に合わせた右打ち時に普通変動入賞装置37への入賞率(遊技球1個が入賞する割合)を一定にするために、遊技球の動きにムラが生じ難い構成として、普図始動ゲート34と普通変動入賞装置37の周囲の遊技領域32から障害釘32aや構造物が極力排除される。例えば、遊技領域32において普図始動ゲート34と普通変動入賞装置37の間や左右に障害釘32aや構造物が配置されない。普図始動ゲート34の略真上に配置される障害釘32aは、2列で遊技球の通路を形成し、そこから遊技球が外に漏れ難いようにしている。2列の障害釘32aが形成する当該通路は、構造物によって形成される上側の通路32cとなだらかに繋がっている。
また、普図始動ゲート34と普通変動入賞装置37は、普図始動ゲート34を通過した遊技球がそのまま普通変動入賞装置37に入るような位置関係で配置される。即ち、普通変動入賞装置37は、普図始動ゲート34の直下に配置される。例えば、普図始動ゲート34を通過した遊技球が普通変動入賞装置37に到達するまでに、普通変動入賞装置37が開放されるようにする場合には、普図始動ゲート34と普通変動入賞装置37の間の距離L(上下方向の中心間の距離)は、遊技球の平均落下速度と1回の普図変動表示ゲームに要する時間とを乗算したものより大きくしてもよい。しかし、距離Lは、普図始動ゲート34を通過した遊技球の落下方向が垂直からずれてもそのまま普通変動入賞装置37に入るような近い距離とする。
さらに、普通変動入賞装置37への入賞数にムラが生じ難いように、前述の通り、普通変動入賞装置37は可動部材37bが前方へ倒れるように回動可能ないわゆるベロ型であることが好ましい。
図56(C)は、本実施形態の普通変動入賞装置37(普電)の開放パターン(普電開放パターン)を示す。普電開放パターンは、一回の普図当りによる普電の動作態様を示す。大当り状態終了後の普電開放パターンは、大当りの図柄A−G(即ち大当りの種類)によらず同じである。なお、四角の枠に囲まれた数字は、普図当り中制御ポインタ(図41等)の値である。
本実施形態では、一回の普図当りによる普電開放パターンにおいて、普電は2回開放される。なお、普電は2回以上の複数回開放されてもよい。普電開放は、普電の閉状態である長時間のインターバルを挟んで前半開放と後半開放に分けられる。インターバルの時間である普電インターバル時間(ウェイト時間)は60000msecであり、前半開放と後半開放の普電開放時間は、両方とも、3000msecである。
例えば、遊技球の発射速度が1分ごとに100個であるとすると、600msecごとに遊技球が普電に到達するため、3000msecの前半開放の間に5回普電に入賞可能であり、60000msecのインターバルの後、3000msecの後半開放の間に5回普電に入賞可能である。前半開放の間に貯めた特図2保留は、60000msecの普電の閉状態であるインターバルの間に消化して特図2保留数を0にすることができ、その後の後半開放の間に最大限(ここでは4個)の特図2保留が貯められる。
普電のインターバル中(閉状態中)に、大当り状態終了後の特図2変動表示ゲームの実行回数が時短回数に到達すると特定遊技状態(時短状態、普図高確率状態、サポ有り状態)が終了して普図低確率状態(移行状態)となる。そして、前半開放の間に貯めたが時短状態終了後に消化される特図2保留は残保留となり、加えて、3000msecの後半開放の間に普電への入賞によって貯まる特図2保留も残保留となる。このように、普図低確率状態になっても、後半開放によって残保留を多く貯めることができる。
以上のように、普図変動表示ゲームの1回の普図当り(特定結果)が導出されることによって、普通変動入賞装置37を開状態に複数回変換可能であり、普図変動表示ゲームが普図当りとなる確率が高確率である高確率状態と低確率である低確率状態の両方で、普通変動入賞装置37を開状態に変換可能である。従って、普図当りとなる確率が低確率であっても、普通変動入賞装置37を開状態に変換でき特図2保留を貯めることができるため、遊技者を喜ばすことができ遊技の興趣が向上する。
さらに、普電の前半開放で特図2保留を貯めインターバルで消化することができるとともに、普電の後半開放で特図2保留を再度貯め普電動作終了後に消化することができる。このため、残保留を特図2保留数の上限値である4よりも多くすることができるとともに、時短回数を可変にすることによって残保留数も可変にすることができる。
〔タイミングチャート〕
図57−図59は、大当りの後に関して、遊技状態、普図確率(普図当り確率)、普図状態、普電状態、特図2保留数、特図変動表示ゲーム(特図変動)などを示すタイミングチャートである。なお、タイミングチャートにおいて右側にいくほど時間が経過する。図57は、図柄Aの大当りの後に関し、図58は、図柄Bの大当りの後に関し、図59は、図柄Fの大当りの後に関するものである。
図柄B−Fの大当りの後の様子については、時短回数と規定残保留数が異なることによって普図高確率状態(特定遊技状態)から普図低確率状態に変化するタイミングが異なるだけであるため、図柄Bと図柄Fについてのみを例示している。遊技状態と普図確率の2つ以外の様子は、図柄B−Fの全てに関して共通する。
また、図57−図59は、普図始動ゲート34(普図ゲート)の遊技球の通過(ゲートスイッチ34aの検出)と、普通変動入賞装置37(普電)への遊技球の入賞(始動口2スイッチ37aの検出)もパルスで示す。図57−図59において、普図ゲートの遊技球の通過、普図状態、普電状態、普電入賞(普電への入賞)の様子や変化については同じであり、適宜説明が省略される。
図57−図59において、大当り状態の一部として大当りラウンド中(大当り中)と大当りエンディングが示されている。エンディング演出が実行される大当りエンディングにおいて、遊技者は、右打ち指示表示に促されるなどして右打ちをすると、普図始動ゲート34(普図ゲート)を遊技球が通過し(図57の最初のパルスで示す)、普図(普通図柄)が普図表示器53で変動して普図変動表示ゲームが実行されて、その後停止する。ここで、普図の変動開始時に普図低確率状態であるため、はずれ停止する。
ここでは普図がはずれ停止する際に大当りエンディングが終了して、普図確率の高確率状態になり、図54Aの特定遊技状態(時短モード#1)に対応して、サポ有りの右打ち状態になる。サポ有りの右打ち状態(普図高確率状態)の最初に、普図始動ゲート34を遊技球が通過して、普図の変動が開始する。そして、普図確率100%の高確率状態であるため、普図当りとなり普電動作が開始し、前半開放として普電は開放される。普電が開放された開状態において、普図始動ゲート34を通過した遊技球はそのまま普電に入賞する(パルスで示される)。特図2保留が1個発生するとすぐに特図2保留は消化され、特図2変動表示ゲームが開始されて特図2保留数は0になる。
前述のように、遊技制御装置100は、特図2変動表示ゲームの変動時間(実行時間)と停止表示時間を、大当り状態終了からの特図2変動回数(特図2変動表示ゲームの実行回数)に基づいて制御している(図23の変動開始情報設定処理と図24の特図変動中処理)。なお、遊技制御装置100は、特図2変動表示ゲームの変動時間と停止表示時間を、図柄Aの大当り終了後、図柄B−Fの大当り終了後、図柄Gの大当り終了後の3種類で異なるように設定する。
図57の図柄Aの大当りの後においては、1回目の特図2変動表示ゲームが少なくとも普電動作の終了、即ち、後半開放の終了まで継続するように変動時間が十分長く設定されている。1回目の特図2変動表示ゲームの変動時間は、図57では普電動作時間(66000msec、66秒)と略同一であるが、普電動作時間にマージン(数秒〜十数秒)を加えたものでもよい。このように、2回の開状態を含む普電動作に対応して(合わせて)、1回目の特図2変動表示ゲームが実行中となり、この特図2変動表示ゲームの実行中に特図2保留が上限値である4個貯められる。
図柄Aの大当りの後の時短回数は1回であるため、1回目の特図2変動表示ゲームが終了すると、特定遊技状態(時短モード)が終了し普図低確率状態になり、移行状態(残保留消化モード)に遷移する。移行状態(残保留消化モード)では、残保留として4個貯めた特図2保留に基づく特図2変動表示ゲームが1回目よりもかなり短い変動時間で4回実行される(2〜5回目の特図2変動表示ゲーム)。この2〜5回目の特図2変動表示ゲームは、いずれも同じ固定の変動時間を有してよい。
図58の図柄Bの大当りの後においては、1回目の特図2変動表示ゲームが少なくとも普電の前半開放の終了前に開始し終了以降まで継続する。また、1回目の特図2変動表示ゲームの変動時間は、図58では普電開放時間(3000msec、3秒)と略同一であるが、変動時間の詳細については図62に関連して説明する。普電の前半開放に対応して(合わせて)、1回目の特図2変動表示ゲームが実行中となり、この特図2変動表示ゲームの実行中に特図2保留が上限値である4個貯められる。4個貯めた特図2保留が普電の閉状態であるインターバル中に全て消化され、インターバル中に、特図2変動表示ゲームが1回目よりもかなり短い変動時間で4回実行される(2〜5回目の特図2変動表示ゲーム)。この2〜5回目の特図2変動表示ゲームは、いずれも同じ固定の変動時間を有してよい。
図柄Bの大当りの後の時短回数は5回であるため、5回目の特図2変動表示ゲームが終了すると、特定遊技状態(時短モード)が終了し普図低確率状態になり、移行状態(残保留消化モード)に遷移する。移行状態(残保留消化モード)では、後半開放として普電は開放される。開状態の普電への入賞によって特図2保留が残保留として1個発生するとすぐに特図2保留は消化され、6回目の特図2変動表示ゲームが開始されて特図2保留数は0になる。
普電の後半開放に対応して(合わせて)、6回目の特図2変動表示ゲームが実行中となり、この特図2変動表示ゲームの実行中に特図2保留が上限値である4個貯められる。6回目の特図2変動表示ゲームは少なくとも普電の後半開放の終了前に開始し終了以降まで継続する。6回目の特図2変動表示ゲームの変動時間は、図58では普電開放時間(3000msec、3秒)と略同一であるが、詳細については図62に関連して説明する。
6回目の特図2変動表示ゲームの後、残保留として4個貯めた特図2保留に基づく特図2変動表示ゲームが1回目と6回目よりもかなり短い変動時間で4回実行される(7〜10回目の特図2変動表示ゲーム)。このように、6〜10回目の特図2変動表示ゲームに対応する5個の規定残保留数が実現できる。
7〜10回目の特図2変動表示ゲームは、いずれも同じ固定の短い変動時間を有してよく、2〜5回目の特図2変動表示ゲームの変動時間(特に時短状態中の変動時間)と同じかより短い固定の変動時間でよい。これにより、テンポよく同じリズムで特図2変動表示ゲームが実行できるとともに、早く残保留を消化できる。なお、7〜10回目の特図2変動表示ゲームは、特図2保留を消化するだけで貯めることと関係がないため、変動パターンの振り分け(抽選)によって選択されるような可変の変動時間にすると、遊技が単調でなくなる。また、7〜10回目の特図2変動表示ゲームの変動時間を、2〜5回目の特図2変動表示ゲームの変動時間(特に時短状態中の変動時間)よりも長くして、ゆっくりと対応する演出を行うこともできる。
また、普電の後半開放が終了すると、普図当り状態は終了して、普図始動ゲート34(普図ゲート)の遊技球の通過によって普図変動表示ゲームが実行できるが、普図当り確率0%の普図低確率状態であるため、普図変動表示ゲームに当り結果は生じない。なお、普図当り状態の終了後の停止は、普電残存球処理時間と普図エンディング時間に相当する。
図59の図柄Fの大当りの後においては、普図ゲートの遊技球の通過、普図状態、普電状態、普電入賞、特図2保留数、特図変動表示ゲーム(特図変動)の様子や変化については、図58の図柄Bの大当りの後と同じである。しかし、時短回数と規定残保留数が図柄Bと図柄Fで異なることによって特定遊技状態(普図高確率状態)から移行状態(普図低確率状態、残保留消化モード)に変化するタイミングが異なる。
図柄Fの大当りの後において、1回目の特図2変動表示ゲームが終了すると、特定遊技状態(時短モード)が終了し普図低確率状態になり、移行状態(残保留消化モード)に遷移する。その後、図柄Bの大当りの後と同様に、9回の特図2変動表示ゲームが実行され、9個の規定残保留数が実現できる。
図58と図59のように、遊技制御装置100は、普電の開状態に対応して特図2変動表示ゲームを長時間実行し、普電の閉状態(インターバル)に対応して特図2変動表示ゲームを短時間で実行可能である。従って、普電の前半開放で特図2保留を貯めインターバルで消化することができるとともに、普電の後半開放で特図2保留を再度貯め普電動作終了後に消化することができる。このため、残保留を特図2保留数の上限値である4個よりも多くすることができるとともに、時短回数を可変にすることによって残保留数も可変にすることができる。
なお、図柄Gの大当りの後について図示しないが、例えば、普電動作を繰り返しながら特図2変動表示ゲームが、図57−図59の2〜5回目、7〜10回目のような短い固定の変動時間で時短回数(99回)と残保留分(4個)だけ実行されてよい。なお、図柄Gの大当りの後の特図2変動表示ゲームの変動時間は、固定であるとテンポよく特図2変動表示ゲームが実行でき、固定はなく可変の変動時間とすると遊技が単調でなくなる。
〔ズレ対策〕
ここで、大当り状態終了後における普電開放(普電動作)の開始タイミングと特図2変動表示ゲームの開始タイミングのズレ対策として、特図2変動表示ゲームと普電動作に関する適切な時間値について検討する。
図60と図61は、普電開放の開始タイミングと特図2変動表示ゲームの開始タイミングのズレ発生の例1と例2を示すタイムチャートである。なお、図60と図61は、図58に対応し、図柄B(時短回数5回、規定残保留数5個)の大当りの後の様子を示す。
図60において、特定遊技状態の前の大当りエンディング(大当り状態)で普図始動ゲート34(普図ゲート)の遊技球の通過があり普図変動表示ゲーム(はずれ変動)が開始すると、普図変動表示ゲームは時短状態よりも長い変動時間となる場合がある。この場合に、特定遊技状態で普図ゲートに次の遊技球の通過があっても普図変動表示ゲームが開始できずに、さらに次の遊技球の普図ゲートへの通過でようやく普図変動表示ゲーム(当り変動)が開始して、普電開放の開始タイミングが、大当りエンディング後すぐに開始される場合(図58)よりも後ろにズレる(ズレ<1>)。
また、図60において、大当りが繰り返される連チャン時などにおいて、大当り状態前の特図2保留が大当り状態後に持ち越されて、大当り状態が終了すると普電開放を待たずにすぐに特図2変動表示ゲームが開始される。そして、特図2変動表示ゲームが普電開放後に開始される場合(図58)よりも、特図2変動表示ゲームの開始タイミングが前にズレる(ズレ<2>)。
ズレ<1>とズレ<2>が同時に発生すると、普電開放の開始タイミングに対して、1回目の特図2変動表示ゲームの開始タイミングが前に大きくズレてしまう(前ズレ)。そして、図60のように、6回目の長時間の特図2変動表示ゲームも普電の後半開放から大きく前にズレて、後半開放中に7回目と8回目の特図2変動表示ゲームが開始してしまい、後半開放中に図58よりも普電に過剰な入賞が生じて特図2保留が余分に1個発生する。従って、実際の残保留数が、規定残保留数5個よりも1個多い6個になってしまう。
図61において、大当り状態中やそれ以前に発生した特図1保留が、大当り状態後に持ち越されて、大当り状態の終了時に特図2保留がないと(特図2保留数=0)、大当り状態の終了時にすぐに特図1変動表示ゲームが開始されて、特図2変動表示ゲームの開始タイミングが普電開放後すぐに開始される場合(図58)よりも後にズレる。
即ち、普電開放の開始タイミングに対して、1回目の特図2変動表示ゲームの開始タイミングが後に大きくズレてしまう(後ズレ)。そして、図61のように、後半開放中に5回目の特図2変動表示ゲームが実行されるとともに、6回目の長時間の特図2変動表示ゲームが普電の後半開放の開始から大きく後にズレて、後半開放中に貯まる特図2保留が3個しか貯まらず4個から1個不足する。従って、実際の残保留数が、規定残保留数5個よりも1個少ない4個になってしまう。
特に、本実施形態の特図2保留優先消化(特図2優先変動)と異なり、特図1保留優先消化の場合には、1回目の特図2変動表示ゲームの開始タイミングが後に大きくズレが生じてしまう。
図62は、上記の前ズレと後ズレによる特図2保留の過不足を防止して、実際の残保留数と規定残保留数の相違をなくすズレ対策について説明する図である。図62も、図58に対応し、図柄B(時短回数5回、規定残保留数5個)の大当りの後の様子を示す。
ズレ対策として、1回目の特図2変動表示ゲームの変動時間Taを、前半の普電開放時間にマージン(数秒〜十数秒)を加えた値にする。また、普電インターバル時間Tbを、特図2変動表示ゲームが短い固定の変動時間で4回変動するに要する時間にマージン(数秒〜十数秒)を加えた値にする。例えば、この4回変動するに要する時間は、(固定の変動時間+固定の停止表示時間)×4である。さらに、6回目の特図2変動表示ゲームの変動時間Tcを後半の普電開放時間よりも大きな値にする。
図63と図64は、各々、ズレ対策の前ズレに対する効果(効果1)と後ズレに対する効果(効果2)を示すタイムチャートである。
図63では、1回目の特図2変動表示ゲームの前ズレによって、普電の前半開放が1回目の特図2変動表示ゲームより遅れても、1回目の特図2変動表示ゲームの変動時間Taが、前半開放の普電開放時間(3000msec、3秒)よりもマージン(数秒〜十数秒)の分だけ長いため、普電の前半開放の遅れを吸収できる。即ち、大当り状態前の特図2保留の持ち越しによって1回目の特図2変動表示ゲームが大当り状態終了の直後に開始して長時間継続する間に、普電の前半開放が行われている。
また、普電の閉状態の期間である普電インターバル時間Tbの間に特図2変動表示ゲームが短い固定の変動時間で4回以上実行される。このため、普電の後半開放が始まるまでに特図2保留が必ず0個になり、後半開放の1個目の普電への入賞が特図2変動表示ゲームの開始となるため、普電の前半開放の遅れの影響が消される。
さらに、6回目の特図2変動表示ゲームの変動時間Tcを後半の普電開放時間よりも大きな値にするため、特図2保留が上限値の4個まで貯まり、後半開放中に実際の残保留と規定残保留数が相違することが抑制できる。
図64では、1回目の特図2変動表示ゲームが後ズレによって普電の前半開放に対して遅れても、長い普電インターバル時間Tbの間に吸収できる。このため、普電の後半開放が始まるまでに特図2保留が必ず0個になり、後半開放の1個目の普電への入賞が特図2変動表示ゲームの開始となるため、1回目の特図2変動表示ゲームの遅れの影響が消される。
なお、その他の後ズレの対策として、特図2変動表示ゲームの後ズレが、特定遊技状態において実行される特図1変動表示ゲームに起因することから、特図1変動表示ゲームの時間値(変動時間と停止表示時間)を普電の前半開放中に特図2変動表示ゲームが必ず開始できる超短時間の変動にすることがある。超短時間の変動として、図64と異なり、特定遊技状態において特図1変動表示ゲームの変動時間を特図2変動表示ゲームの短い固定の変動時間よりもさらに短くしてもよい。
また、そもそも、本実施形態では、特図2変動表示ゲームを特図1変動表示ゲームよりも優先して実行する特図2保留優先消化(特図2優先変動)であるため、特定遊技状態において実行される特図1変動表示ゲームはせいぜい1回程度となるから、特図2保留優先消化自体が後ズレの対策となっている。
〔止め打ち対策〕
図65は、止め打ちによって規定残保留数よりも実際の残保留を増やす方法を説明するタイムチャートである。図65は、図58に対応し、図柄B(時短回数5回、規定残保留数5個)の大当りの後の様子を示す。
図64において、普電の前半開放中に止め打ちによって4個しか普電に入賞させず、最大5個までは入賞させない。即ち、普電の前半開放中に特図2保留を4個だけ発生させ、最大(規定の時短回数に対応する5個)までは発生させない。このため、規定の時短回数の5回転目が始まらず、図58や図62と異なり、普電のインターバル中に普図当り確率が低確率に落ちない。
2回目の普電動作(2回目の普図当り)によって、普電の前半開放中に5回目の特図2変動表示ゲームが始まり、ようやく普図低確率状態になるが、普電はすでに動作しているため、普電動作は後半開放まで継続してさらに特図2保留を発生できる。このように、止め打ちによって普図高確率状態が延命されて普電が2回動作するため、残保留数を数個(ここでは4個)増やせる。
図66は、止め打ち対策について説明するタイムチャートである。遊技制御装置100は、特定遊技状態において、1回の普電動作における後半開放が終了したとき(普電動作が終了したとき)、即ち、規定回数(2回)の普電の開状態が終了したときに、特定遊技状態を終了させる。例えば、普電残存球処理(図42)或いは普図当り終了処理(図43)において、時間短縮変動回数を0に設定する処理ステップを設けることによって、遊技制御装置100は後半開放が終了したとき特定遊技状態を終了させることができる。
これは、先に図54Aに関連して説明した、特定遊技状態から移行状態に遷移する遷移条件の(iii)に相当し、遷移条件の(iii)が成立すると特定遊技状態(時短モード)の終了後に移行状態(残保留モード)に遷移する。なお、後半開放の終了によって特定遊技状態を終了させる際に特図2保留がなければ、移行状態(残保留モード)を飛び越して図54Aの通常遊技状態(通常モード)に遷移する。
このようにすると、図65のように、特図2変動回数は時短回数(ここでは5回)に達してしていないが、1回の普電動作終了(後半開放終了)を契機に、普図当り確率は低確率に落ちているため、2回目の普図当りはなく2回目の普電動作もない。このため、止め打ちの利点がなくなり、遊技者は止め打ちすることがなくなる。
なお、別の止め打ちとして、大当り状態前の特図2保留が大当り状態後に持ち越される場合に、この特図2保留が全て消化されるまで遊技球を打ち出さないと残保留が増える可能性がある。この対策として、大当り状態終了後に普図始動ゲート34のゲートスイッチ34aで遊技球を検出した後に、特図2変動表示ゲームを開始することが挙げられる。
〔打ち方指示表示〕
図67は、表示装置41において遊技者に遊技球の発射態様を示唆(指示)する打ち方指示表示の一例を示す図である。図67のように、打ち方指示表示の態様が段階的に変化してよい。特に、図67では、右打ち指示表示の態様が段階的に変化する様子を示しているが、左打ち指示表示が同様に段階的に変化してもよい。
図67において、大当り中(大当りラウンド中)と普電開放中は、大入賞口(特別変動入賞装置)と普電(普通変動入賞装置37)が開放されるため、遊技者は右打ちする利益がある。従って、大当り中(大当りラウンド中)と普電開放中において、演出制御装置300は、右打ち指示表示を目立つように大きな態様で表示している。しかし、それ以外の大当りエンディングや普電のインターバル中(閉状態中)において、右打ち状態中であっても右打ちする利益があまりなく必ずしも右打ちで遊技球を発射する必要がない。このため、大当りエンディングや普電のインターバル中において、演出制御装置300は、右打ち指示表示を目立たない小さな態様で表示している。
普電の前半開放の直前と後半開放の直前に、演出制御装置300は、目立たないように小さく表示されていた右打ち指示表示の態様を段階的に変化させて、前半開放の開始と後半開放の開始の際又は直後に目立つように大きな態様で表示する。これにより、遊技者は、前半開放の前から前半開放に備えて右打ちでの遊技球の打ち出しを開始することができるとともに、後半開放の前から後半開放に備えて右打ちでの遊技球の打ち出しを開始することができる。従って、普電の前半開放と後半開放において、普電への入賞を重ねて確実に規定された個数の特図2保留を貯めることができ、規定の残保留数を達成できる。
図68は、打ち方指示表示(ここでは右打ち指示表示)の段階的変化を例示する図である。
(A)は、図67に示した段階的変化と同じであるが、実線の矢印のように、矢印形状の右打ち指示表示が、目立たない小さな態様から段階的(3段階)に変化して目立つ大きな態様になる。なお、逆に、点線の矢印のように、大当りエンディングの直前や普電のインターバルの直前などに、目立つ大きな態様から段階的(3段階)に変化して目立たない小さな態様になってもよい。
(B)では、実線の矢印のように、右打ち指示表示が、目立たない白抜きの態様から多段階(3段階)で部分的に(徐々に)赤色などで着色されていき、全体的に着色された目立つ態様になる。逆に、点線の矢印のように、大当りエンディングの直前や普電のインターバルの直前などに、全体的に着色された目立つ態様から段階的(3段階)に変化して目立たない白抜きの態様になってもよい。
(C)では、実線の矢印のように、右打ち指示表示が、目立たない白色(白抜き)の態様から段階的(3段階)に目立つ色に変化し、青色から黄色を経て、目立つ赤色の態様になる。なお、色変化として、淡い色(彩度低い状態)から濃い色(彩度高い状態)へと変化してもよいし、暗い色(明度の低い状態)から明るい色(明度の高い状態)へと変化してもよい。また、逆に、点線の矢印のように、大当りエンディングの直前や普電のインターバルの直前などに、目立つ赤色の態様から段階的(3段階)に目立たない白色(白抜き)の態様になってもよい。
〔画面遷移の一例〕
図69Aから図69Dは、第1実施形態に関して、表示装置41の表示画面を時系列で示した画面遷移図の一例である。表示装置41での演出は、演出制御装置300によって制御される。なお、図69は、図58(図柄Bでの大当り後)に対応するものである。
(ア)では、大当り中の最後の大当りラウンド(10R)において、大当りラウンド演出が実行されている。右打ちする利益があるため、矢印形状の右打ち指示表示551が目立つ大きな態様で表示されている。
続いて、(イ)では、最後の大当りラウンドの後の大当りエンディングにおいて、大当りエンディング演出が実行されている。右打ち状態中であっても右打ちする利益があまりないため、右打ち指示表示551が目立たない小さな態様で表示されている。
次に、(ウ)では、大当りエンディング後の時短状態において、特図変動表示ゲームの開始前の状態である。演出モードは時短モード#1になっている。表示装置41の表示画面の右上隅の特図1保留数表示部650と特図2保留数表示部660には、それぞれ、特図1保留数を示す数字「0」と特図2保留数を示す数字「0」が表示されている。サポ有りの右打ち状態(普図高確率状態)であり、すぐに普電が開放されるため、右打ち指示表示551が目立つ大きな態様で表示されている。なお、前述の通り、小さく表示されていた右打ち指示表示551の態様を段階的に変化させて大きな態様にしてもよい。
普図始動ゲート34を遊技球が通過して普図の変動が開始するが、普図確率100%の高確率状態であるため、普図当りとなり普電動作が開始し、前半開放(前半の普電開放)として普電は開放される。
そして、(エ)では、普電の開状態において普図始動ゲート34を通過した遊技球はそのまま普電に入賞し、飾り特図2変動表示ゲームが開始されている。飾り特図2変動表示ゲームの開始時に変動演出設定処理(図52)によって、時短モード#1に対応した演出が設定されている。
そして、識別情報として飾り特別図柄(大図柄)の変動(↓↓↓)が変動表示領域610で実行中となり、識別情報として飾り縮小図柄(小図柄)の変動(↓↓↓)が変動表示領域615で実行中となる。変動表示領域610の左領域610A、右領域610B、中領域610Cで、それぞれ、左図柄(飾り第1図柄A)、右図柄(飾り第1図柄B)、中図柄(飾り第1図柄C)が変動している。各飾り特別図柄(左図柄、右図柄、中図柄)は、四角形状の枠(枠画像)と数字(数字画像)からなるが、四角形状の枠ではなくキャラクタ(キャラクタ画像)でもよい。枠内において、数字の色は、数字以外の部分の色と異なる。また、(エ)で、各飾り特別図柄は高い移動速度で変動中(高速変動中)であるが、枠画像(又はキャラクタ画像)を非表示にして(削除して)、数字だけが変動してよい。また、高速変動中に各飾り特別図柄は半透明で薄く表示されてよい。
変動表示ゲーム実行前の第2始動記憶(特図2始動記憶)を第2保留表示として表示する第2保留表示部530b(待機領域)において、普電への入賞によって保留表示533(第2保留表示)が瞬間的に表示されるが、すぐに左側の四角形枠の保留消化領域540に移動(保留シフト)する。保留消化領域540では、実行中の特図変動表示ゲームに係る変動中保留(この特図変動表示ゲームの実行権利となっていた始動記憶)を示す変動中保留表示533bが、表示されている。なお、第1始動記憶(特図1始動記憶)を第1保留表示(第1始動記憶表示)として表示する第1保留表示部530aは、ここでは表示されていない。
その後、(オ)では、普電の前半開放中に、普電への入賞によって特図2保留が次々に発生し、第2保留表示部530bに特図2保留に対応する保留表示533が次々に表示される。そして、特図1保留数表示部650と特図2保留数表示部660には、それぞれ、特図1保留数を示す数字「0」と特図2保留数を示す数字「3」が表示されている。また、後の対戦演出(バトル演出)で対戦することになる敵のキャラクタ554(おたまじゃくし)が出現するとともに、味方のキャラクタ557も出現する。セリフ演出として、敵のキャラクタ554のセリフ「勝負だ」が文字表示され、味方のキャラクタ557のセリフ「保留増加」が、特図2保留の増加したことに対応して文字表示される。セリフは、音声としてスピーカから出力されてもよい。
そして、(カ)では、特図2保留が上限値である4個貯められたことに対応して、味方のキャラクタ557のセリフ「充填完了」が文字表示される。特図2保留数表示部660には、特図2保留数を示す数字「4」が表示されている。
次に、(キ)では、前半開放(前半の普電開放)が終了するとともに、大当り状態終了後の1回目の特図2変動表示ゲームが終了してはずれ停止図柄「1,8,2」が、変動表示領域610,615に表示される。普電のインターバル中(閉状態中)になるため、右打ち状態中であっても右打ちする利益があまりなく、右打ち指示表示551が目立たない小さな態様で表示される。
また、ここで、先読み演出(保留変化予告)として、通常態様の保留表示533が、特図2保留の変動表示ゲームの大当りになる期待度を示す態様(キャラクタ)に変化して保留表示533d−533gとなる。例えば、キャラクタの期待度の大きさは、保留表示533e>保留表示533d>保留表示533g>保留表示533fとなる。
その後、(ク)では、保留表示533dの特図2保留が消化され、大当り状態終了後の2回目の特図2変動表示ゲームが、1回目の特図2変動表示ゲームよりもかなり短い変動時間で普電のインターバル中に実行される。また、特図2保留数表示部660には、特図2保留数を示す数字「3」が表示されている。さらに、第2保留表示部530bは、右上側に移動しているが、保留表示533dは消えている。
保留消化領域540では、保留表示533dに対応する変動中保留表示533bが表示される。変動中保留表示533b(▽)は、キャラクタを模した保留表示533とは異なる態様であるが、同じ態様でもよい。異なる態様であると狭い保留消化領域540で変動中保留表示533bは表示し易く、同じ態様であると待機中(消化前)の保留表示533と消化中の変動中保留表示533bの関連性がわかり易い。
画面の中央では、保留表示533dのキャラクタが味方のキャラクタ557となって、対戦演出として敵のキャラクタ554を攻撃して(敵のキャラクタ554に作用して)、ビーム(光線)を敵のキャラクタ554に放射している。普電のインターバル中に出現する敵のキャラクタ554は、普電の前半開放中の(オ)(カ)で出現したものであり、演出の連続性が保たれる。なお、キャラクタ557になるのではなく、キャラクタを模した保留表示533dが直接的に敵のキャラクタ554に作用して対戦してもよい。この場合、(ク)において、保留消化領域540と変動中保留表示533bを非表示にする(後述の(チ)なども同様)。
その後、(ケ)では、大当り状態終了後の3回目の特図2変動表示ゲームが、2回目の特図2変動表示ゲームの終了後に、短い変動時間で普電のインターバル中に実行される。保留消化領域540では、保留表示533eに対応する変動中保留表示533bが表示される。また、特図2保留数表示部660には、特図2保留数を示す数字「2」が表示されている。また、第2保留表示部530bから保留表示533eは消えている。
画面では、保留表示533eのキャラクタが、味方のキャラクタ557を応援するサブキャラクタ558a(助っ人キャラクタ、補助キャラクタ)となって、敵のキャラクタ554の攻撃に参加して、味方のキャラクタ557(メインキャラクタ)とともにビーム(光線、エフェクト)を敵のキャラクタ554に放射している。なお、攻撃に参加した際に、サブキャラクタ558aのビームの態様は、攻撃に参加したことが認識できるように、味方のキャラクタ557のビームの態様と異なっている。なお、サブキャラクタ558aになるのではなく、キャラクタを模した保留表示533eが直接的に敵のキャラクタ554に作用して対戦してもよい(以下で、保留表示533f,533gについても同様)。この場合、(ケ)から(サ)において、保留消化領域540と変動中保留表示533bを非表示にする(後述の(ツ)から(ト)なども同様)。
また、第2保留表示部530bでの保留表示533のキャラクタと、サブキャラクタ558は、メインキャラクタであるキャラクタ557よりも目立たないように、例えば、小さく表示されたり、モノクロや淡い色で表示される。これにより、どのキャラクタがメインキャラクタであるか認識し易くなる。
続いて、(コ)では、大当り状態終了後の4回目の特図2変動表示ゲームが、3回目の特図2変動表示ゲームの終了後に、短い変動時間で普電のインターバル中に実行される。保留消化領域540では、保留表示533fに対応する変動中保留表示533bが表示される。また、特図2保留数表示部660には、特図2保留数を示す数字「1」が表示されている。また、第2保留表示部530bから保留表示533fは消えている。
画面では、保留表示533fのキャラクタが、味方のキャラクタ557を応援するサブキャラクタ558bとなって、敵のキャラクタ554の攻撃に参加して、味方のキャラクタ557(メインキャラクタ)とサブキャラクタ558aとともにビーム(光線)を敵のキャラクタ554に放射している。
続いて、(サ)では、大当り状態終了後の5回目の特図2変動表示ゲームが、4回目の特図2変動表示ゲームの終了後に、短い変動時間で普電のインターバル中に実行される。保留消化領域540では、保留表示533gに対応する変動中保留表示533bが表示される。また、特図2保留数表示部660には、特図2保留数を示す数字「0」が表示されている。また、第2保留表示部530bから保留表示533gは消えている。
画面では、保留表示533gのキャラクタが、味方のキャラクタ557を応援するサブキャラクタ558cとなって、敵のキャラクタ554の攻撃に参加して、味方のキャラクタ557(メインキャラクタ)とサブキャラクタ558a,558bとともにビーム(光線)を敵のキャラクタ554に放射している。
次に、(シ)では、大当り状態終了後の5回目の特図2変動表示ゲームが終了して、はずれ停止図柄「7,2,3」が、変動表示領域610,615に表示される。また、これにより、時短状態(時短モード#1)が終了して、残保留を消化可能な移行状態(普図低確率状態)になる。その後、後半開放(後半の普電開放)が開始して普電は開放される。
続いて、(ス)では、普電の開状態において普図始動ゲート34を通過した遊技球はそのまま普電に入賞し、飾り特図2変動表示ゲームが開始されている。ここではサポ無しの右打ち状態(普図低確率状態)であるが、後半開放として普電が開放されるため、右打ち指示表示551が目立つ大きな態様で表示されている。なお、前述の通り、小さく表示されていた右打ち指示表示551の態様を段階的に変化させて大きな態様にしてもよい。
ここでは、普図高確率の時短状態が終了して、遊技者が普電の開放されていることをよく認識できない可能性があるため、「普電を狙え」という文字表示と共に、遊技盤30における普電の位置を模式的に示す普電位置画像561を表示してもよい。
なお、以降の(ス)から(ナ)では、時短状態終了後の移行状態において残保留が消化されることによって、大当り状態終了後の6回目から10回目までの特図2変動表示ゲームが実行される様子を示す。図69Cと図69Dにおいて、移行状態の(ス)から(ナ)では、前述のように時短状態から遊技者に有利な有利状態が継続しているとして、時短状態の時短モード#1と同じ演出モード(共通の演出モード)とする。従って、(ス)から(ナ)では、(エ)から(シ)と同様の演出が実行される。
即ち、普電の後半開放中の(ス)から(ソ)では6回目の特図2変動表示ゲームに対応して特図2保留(残保留)を4つ貯める演出が実行され、後半開放終了後の(タ)から(ナ)では7回目から10回目までの特図2変動表示ゲームが実行されつつ、各特図2変動表示ゲームに対応する対戦演出が実行される。
このように時短状態と移行状態を同じ演出モードにすると、時短状態中であるか残保留の消化中であるか共通の演出態様で認識し難い傾向にもかかわらず、残保留の変動表示ゲームの当りで大きな遊技価値が得られることがあり、遊技者を喜ばすことができる。
なお、移行状態において、時短状態の時短モード#1から別の残保留消化モードに切り替える例については、図69Eと図69Fにおいて後述する。
(ス)から(ソ)では、普電の後半開放(後半の普電開放)が維持されるとともに、6回目の特図2変動表示ゲームが実行され、残保留として特図2保留が増加する。その後、(タ)から(ナ)では、後半開放で貯まった4個の特図2保留(残保留)が7回目から10回目までの特図2変動表示ゲームの実行によって消化される。なお、(ナ)以降に、通常遊技状態になり、演出モードも通常モードに変化する。
なお、普電の後半開放の開始以降において出現する敵のキャラクタ554は、時短状態の(エ)から(シ)で出現したものであり、時短モード#1との演出の連続性が保たれる。また、(ス)から(ナ)は、(エ)から(シ)に対応して同様の演出となるが、(セ)での敵のキャラクタ554のセリフと、味方のキャラクタ557(メインキャラクタ)、保留表示533のキャラクタなどは、時短モード#1から相違してよい。また、(タ)以降では、後半開放終了により右打ち状態から左打ち状態に変化し、左打ち指示表示552が目立たない小さな態様で表示されている。なお、(タ)から(ト)のように特図2保留が消化されている間は、遊技者が混乱することを防止するために打ち方指示表示(ここでは左打ち指示表示552)を表示せず、特図2保留が全て消化されて特図1変動表示ゲームが開始可能になった(ナ)以降から打ち方指示表示を表示してよい。
また、(ニ)から(ネ)は、(ツ)の8回目の特図2変動表示ゲームが小当り(V通過後に大当り)又は大当りになる場合を示し、(ニ)でSPリーチとなりムービー演出が実行される。なお、ムービーでは、敵のキャラクタ554(おたまじゃくし)が爆発して消滅するような演出が行われてよい。
また、(ニ)で、ムービー演出等の邪魔にならないように、左打ち指示表示552が目立つ色(赤色)から目立たない色(青色)に変化している。また、(ニ)で、保留表示533gの態様を元の態様(▽)に戻してもよい。さらに、(ニ)で、ムービー演出等の邪魔にならないように、保留表示533、保留消化領域540、変動中保留表示533bを非表示にしてもよい。
続いて、(ヌ)では、小当り又は大当りの停止図柄が表示され、(ネ)で小当り又は大当りのファンファーレ演出が実行される。
以上、図69A−Dを参照して、図柄Bの大当り後の表示装置41での演出の一例について説明したが、図柄C−Fの大当り後の演出は、時短状態の終了のタイミングが(サ)よりも前になるだけで図69A−Dと同じ演出が実行される。例えば、図柄Fの大当り後では、(キ)の時点で時短状態の終了となる。
また、図柄Aの大当り後では、(エ)から(カ)の特図2保留を貯める演出が、普電の後半開放の終了(普電動作終了)まで実行され、(キ)から(ソ)までの演出を省略して、後半開放の終了後に(タ)以降の演出を実行すればよい。また、図柄Gの大当り後では、例えば、時短状態の終了まで(エ)から(サ)の演出を繰り返せばよい。
〔画面遷移の別例〕
図69Eと図69Fは、第1実施形態に関して、表示装置41の表示画面を時系列で示した画面遷移図の別例である。図69Eと図69Fの(ス1)から(ネ1)は、前述の図69Cと図69Dの(ス)から(ネ)を置き換えたものである。この別例も、図58(図柄Bの大当り後)に対応するものである。
移行状態の(ス1)から(ナ1)では、前述の(ス)から(ナ)と異なり、時短状態の終了後に、演出モードは、時短状態の時短モード#1から異なる残保留消化モード(図54A)に変化する。ハッチングで示すように残保留消化モードでは、演出モードの変化に関連して、時短モード#1と異なる画面背景にしてよい。従って、(ス1)から(ナ1)では、(エ)から(シ)と異なる態様の演出が実行される。
(ス1)から(ソ1)では、普電の後半開放(後半の普電開放)が維持されるとともに、6回目の特図2変動表示ゲームが実行され、残保留として特図2保留が増加する。なお、敵のキャラクタ554は、演出モードの変化に関連して、(ウ)から(サ)の時短モード#1のキャラクタ(おたまじゃくし)から別のキャラクタ(UFO)に変化している。他は、(ス)から(ソ)と同様である。
その後、(タ1)から(ナ1)では、後半開放で貯まった4個の特図2保留(残保留)が7回目から10回目までの特図2変動表示ゲームの実行によって消化される。なお、(ナ1)以降に、通常遊技状態になり、演出モードも通常モードに変化する。
(タ1)から(ナ1)では、第2保留表示部530bにおける保留表示533d−533gを、(タ)から(ナ)と異なって弾丸を模した態様で表示する。そして、(ス1)から(ソ1)で表示された味方のキャラクタ557が、別の味方のキャラクタである戦車のキャラクタ563に乗り込んで合体し(作用して合体し)、敵のキャラクタ554(UFO)を弾丸で撃ち落とす演出が実行される。なお、保留変化予告として、第2保留表示部530bにおける保留表示533d−533gの態様(色、形状、模様等)を大当りの期待度に応じて変化させてもよい。
新しい特図2変動表示ゲームが実行される度に第2保留表示部530bにおける弾丸を模した保留表示533が消去され、戦車のキャラクタ563で敵のキャラクタ554(UFO)への砲撃に使用されるかのような演出が実行できる。消去された保留表示533は、保留消化領域540の変動中保留表示533bになるが、変動中保留表示533b(▽)は、弾丸を模した保留表示533とは異なる態様である。
また、(ニ1)から(ネ1)は、保留表示533gの態様を除いて、(ニ)から(ネ)と同じであるため、説明を省略する。なお、(ニ1)のムービーでは、敵のキャラクタ554(UFO)が撃墜されて落下するような演出が行われてよい。
なお、(タ1)以降では、普電の後半開放が終了して左打ちの状態となるため、図54Aのように、演出モードとしての残保留消化モードは、(ス1)から(ソ1)の普電開放終了前モードと、(タ1)から(ナ1)(又は(ヌ1))の普電開放終了後モードに分けられる。このため、(ス1)から(ソ1)の背景画像(ハッチングで示す)と、(タ1)から(ナ1)(又は(ヌ1))の背景画像(網掛けで示す)等は異なり、別々の演出態様となる。なお、普電開放終了前モードと普電開放終了後モードとで敵のキャラクタ554(UFO)を同じにするなど、演出に共通性を持たせてもよい。
以上の図69E−Fのように、時短状態終了後に普電が開状態に変換される所定状態の演出態様を、所定状態以外での演出態様とは異ならせる。所定状態以外での演出態様とは、普電が閉状態となった残保留の消化中の(タ1)から(ナ1)(又は(ヌ1))の演出態様や、時短状態中の(ウ)から(サ)の演出態様や、大当り状態での演出態様、対戦演出のないような通常遊技状態(通常モード)での演出態様である。特に、同じ右打ちの状態でも、時短状態中と異なる演出とすることによって、時短状態終了後に普電が開状態になる所定状態を遊技者に認識し易くすることができる。なお、本実施形態と異なって普図の低確率を0%より大きくする場合(例えば、数%程度)には、通常遊技状態(通常モード)中に普図当りによって普電が開状態に変換される場合があるが、この場合も普電が開状態に変換される所定状態に含めてもよい。
以上、図69E−Fを参照して、図柄Bの大当り後の表示装置41での演出の別例について説明した。しかし、図柄C−Fの大当り後の演出では、時短状態の終了のタイミングが(サ)よりも前になるため、(サ)よりも前から残保留消化モードに変化して、保留表示の態様やキャラクタの態様や画面背景などの演出態様が変わる。(サ)よりも前に、保留表示の態様やキャラクタの態様を変化させると違和感がある場合には、画面背景だけを残保留消化モードのものに切り替えればよい。
また、図柄Aの大当り後では、(エ)から(カ)の特図2保留を貯める演出が、普電の後半開放の終了(普電動作終了)まで実行され、(キ)から(ソ1)までの演出を省略して、後半開放の終了後に(タ1)以降の演出を実行すればよい。また、図柄Gの大当り後では、例えば、時短状態の終了まで(エ)から(サ)の演出を繰り返せばよい。
[第1実施形態の変形例]
図70から図77を参照して、第1実施形態の変形例について説明する。本変形では、図柄B−Fにおいて、時短回数が4回で一定となるが、普電サポートの態様に関する状態であるサポ状態が図柄に応じて異なり、その結果、規定の残保留数(規定残保留数)も図柄に応じて変化する。
〔変形例に係る図柄に対応する時短回数と規定残保留数〕
図70は、変形例に関して、特図変動表示ゲームの当りの種類である図柄に対応するサポ状態と時短回数と規定の残保留数などについて示すテーブルである。図柄Aと図柄Gに関しては、サポ状態Aであることを除いて図55と同様であるため、説明を省略する。
普図高確率状態中に開始した特図2変動表示ゲームの大当りの種類である図柄B−Fでは、大当りの後の時短回数は4回で一定であるが、図柄B−Fでの大当りの後のサポ状態は、各々、サポ状態A−Eであり、図柄に対応して変化する。
また、図柄B−Dでは、各々、規定残保留数は、サポ状態に応じて4個、6個、8個であるが、図柄Eと図柄Fでは、サポ状態Dとサポ状態Eのためランダムである。従って、大当り状態終了後に特図2変動表示ゲームの実行によって消化可能な特図2保留の合計数は、図柄B−Dでは8、10、12になり、図柄Eと図柄Fではランダムである。
図柄B−Dでは、1/8の小当り確率に対して、継続率は、各々、65.6%、73.7%、79.9%であり、確定モード移行率は、各々、24.3%、32.3%、38.5%となる。図柄Eと図柄Fでは、継続率と確定モード移行率はランダムである。継続率は、大当り状態終了後に消化される特図2保留の合計(即ち、大当り状態終了後の特図2変動表示ゲームの実行回数)に依存し、図柄B−Dで合計が増加するにつれて、継続率が大きくなる。また、図柄B−Dで規定残保留数が増加するのに伴って、確定モード移行率が大きくなる。
このように、大当り(特別結果)の種類(図柄B−F)に応じて、大当り状態の終了後の普電の動作態様(サポ状態、サポ態様)が異なるため、大当りの種類(図柄B−F)に応じて、継続率も確定モード移行率も異なり遊技の興趣が向上する。
〔変形例に係る普図変動表示ゲームと普電動作の特徴等〕
図71は、変形例に関して、普図変動表示ゲームと普電動作の特徴等ついて示す図である。普図当り確率、普電の最大カウント数、普図停止時間は、図56と同じである。
普図変動表示ゲームの当り図柄(当り停止図柄、普図当り図柄)は1種類又は複数(ここでは4つ)であり、大当りの図柄Eと図柄Fでは複数となるが、その他の大当りの図柄では1種類となる。
普図変動表示ゲームの始動記憶数(普図保留数)は1であり、普図変動表示ゲームの当り状態中(普電動作中)と変動中においても、普図始動ゲート34を遊技球が通過すると普図変動表示ゲームの始動記憶が1だけ記憶される。このため、本変形例では、ゲートスイッチ監視処理(図34)のステップA7706の処理を実行しないようにし、普図変動表示ゲームの変動中や普図当り状態中である場合でも普図保留数が+1更新できる。
普図変動表示ゲームの変動時間である普図変動時間は、サポ状態に対応して設定される。普図停止時間(普図表示時間)は、固定の48msecである。前述のとおり、普図変動時間と普図停止時間の合計は、600msecより小さいことが好ましい。
〔変形例に係る普電開放パターン〕
図72と図73は、本変形例の普通変動入賞装置37(普電)の開放パターン(普電開放パターン)を示す。普電開放パターンは、一回の普図当りによる普電の動作態様を示す。大当り状態終了後に選択される普電開放パターンは、大当りの図柄A−G(即ち大当りの種類)に依存して異なる。なお、四角の枠に囲まれた数字は、普図当り中制御ポインタ(図41等)の値である。
図柄A,B,Gでの大当り状態の終了後において、普電サポートの態様に関する状態は、サポ状態Aとなる(図70)。図72のように、サポ状態Aの普電開放パターンでは、一回の普図当りによる普電動作においてインターバルを挟んで普電は2回開放されるになる。普電インターバル時間(ウェイト時間)は100msecであり、前半開放と後半開放の普電開放時間は、両方とも、1300msecである。
遊技球の発射速度が1分ごとに100個であると想定すると、普電には600msecごとに遊技球が入賞可能なため、サポ状態Aでは、一回の普電動作で普電に遊技球が4個入賞することが想定される。なお、当然ながら、普電に遊技球がうまく入賞しない場合には、実際の入賞の個数は、想定される数(ここでは4個)よりも少なくなる。前半開放と後半開放の普電の総開放時間2600msecは、入賞間隔600msecと想定される数(ここでは4個)とを乗算したものよりも若干大きく、余裕を持たせてある。
図柄Cでの大当り状態の終了後において、普電サポートの態様に関する状態は、サポ状態Bとなる(図70)。図72のように、サポ状態Bの普電開放パターンでは、一回の普図当りによる普電動作においてインターバルを挟んで普電は2回開放されるになる。普電インターバル時間(ウェイト時間)は30000msecであり、前半開放と後半開放の普電開放時間は、両方とも、1950msecである。
遊技球の発射速度が1分ごとに100個であると想定すると、普電には600msecごとに遊技球が入賞可能なため、サポ状態Bでは、一回の普電動作で普電に遊技球が6個入賞することが想定される。前半開放と後半開放の普電の総開放時間3900msecは、入賞間隔600msecと想定される数(ここでは6個)とを乗算したものよりも若干大きく、余裕を持たせてある。
図柄Dでの大当り状態の終了後において、普電サポートの態様に関する状態は、サポ状態Cとなる(図70)。図72のように、サポ状態Cの普電開放パターンでは、一回の普図当りによる普電動作においてインターバルを挟んで普電は2回開放されるになる。普電インターバル時間(ウェイト時間)は30000msecであり、前半開放と後半開放の普電開放時間は、両方とも、2600msecである。
遊技球の発射速度が1分ごとに100個であると想定すると、普電には600msecごとに遊技球が入賞可能なため、サポ状態Cでは、一回の普電動作で普電に遊技球が8個入賞することが想定される。前半開放と後半開放の普電の総開放時間5200msecは、入賞間隔600msecと想定される数(ここでは8個)とを乗算したものよりも若干大きく、余裕を持たせてある。
以上のように、大当り状態の終了後の特定遊技状態中又は特定遊技状態後における普電の開状態の期間と閉状態(インターバル)の期間を、大当り(特別結果)の種類である図柄に応じて変化可能である。従って、時短回数が同じ4回であっても、大当りの図柄に応じて、規定残保留数ひいては実際の残保留数を変えることができ、遊技のバリエーションが増えて遊技の興趣が向上する。
図柄E,Fでの大当り状態の終了後において、普電サポートの態様に関する状態は、サポ状態D,Eとなる(図70)。図73(A)のように、サポ状態D,Eにおいて、普図変動表示ゲームの当り図柄は、普図当り図柄1〜4の4つがあり、普図当りの度に当り図柄乱数による振り分け(抽選)で選択される。サポ状態D,Eで普図当り図柄1〜4が選択された状態を、それぞれ、サポ状態D1,E1、サポ状態D2,E2、サポ状態D3,E3、サポ状態D4,E4と呼んでよい。
一回の普図当りによる普電動作において、普図当り図柄1〜4(サポ状態D1−D4,E1−E4)では、各々、インターバルを挟んで普電は1〜4回開放される普電開放パターンになる。普図当り図柄1〜4(サポ状態D1−D4,E1−E4)に応じた開放回数によらず、一回の普電インターバル時間(ウェイト時間)は100msecであり、一回の普電開放時間は、1500msecである。
また、サポ状態D1とサポ状態E1の両方、サポ状態D2とサポ状態E2の両方、サポ状態D3とサポ状態E3の両方、サポ状態D4とサポ状態E4の両方は、同一の普電開放パターンである。
遊技球の発射速度が1分ごとに100個であると想定すると、普電には600msecごとに遊技球が入賞可能である。このため、総開放時間に基づいて、一回の普電動作で遊技球が普電に入賞する個数は、サポ状態D1,E1で2個、サポ状態D2,E2で5個、サポ状態D3,E3で7個、サポ状態D4,E4で10個と、想定される。なお、当然ながら、普電に遊技球がうまく入賞しない場合には、実際の入賞の個数は、想定される数よりも少なくなる。
図73(B)(C)のように、サポ状態Dとサポ状態Eは、当り図柄乱数による振り分け(抽選)における普図当り図柄1〜4の振り分け率(選択率)だけが異なっている。図柄Eに対応するサポ状態Dでは、普図当り図柄1〜4の振り分け率(選択率)がそれぞれ、40%、30%、20%、10%である。図柄Fに対応するサポ状態Eでは、普図当り図柄1〜4の振り分け率(選択率)がそれぞれ、10%、20%、30%、40%である。従って、一回の普図当りによる普電動作において、普電の開放回数の平均値が、サポ状態E(平均値=3回)では、サポ状態D(平均値=2回)よりも大きくなる。
このように、大当り(特別結果)が所定の種類(図柄E,F)である場合に、大当り状態終了後の普電の動作態様を、普図当りの度に複数の動作態様(サポ状態D1−D4,E1−E4)から振り分け(抽選)によって決定する。従って、大当りが所定の種類(図柄E,F)であれば、規定された残保留数というものがなく、遊技者は実際の残保留数がいくつになるのか予想できずに、残保留数に期待感を持って遊技をできるため遊技の興趣が向上する。
〔変形例に係るタイミングチャート〕
図74−図76は、本変形例の大当りの後に関して、遊技状態、普図確率(普図当り確率)、普図状態、普電状態、特図2保留数、特図変動表示ゲーム(特図変動)などを示すタイミングチャートである。なお、タイミングチャートにおいて右側にいくほど時間が経過する。図74は、図柄Bでの大当りの後にサポ状態Aになる場合、図75は、図柄Dの大当りの後にサポ状態Cになる場合、図76は、図柄E(又は図柄F)の大当りの後にサポ状態D(又はサポ状態E)になる場合を例示する。
また、図74−図76は、普図始動ゲート34(普図ゲート)の遊技球の通過(ゲートスイッチ34aの検出)と、普通変動入賞装置37(普電)への遊技球の入賞(始動口2スイッチ37aの検出)もパルスで示す。
図74−図76において、1回目の普電動作及びそれに伴う1回目の特図2変動表示ゲームが開始されるまでは、図57−図59までと同様である。
図74において、図柄Bでの大当りの後に、サポ状態Aでの普電動作(前半開放+インターバル+後半開放)が3回実行され、合計6回普電が開放される。前述のように、遊技制御装置100は、特図2変動表示ゲームの変動時間(実行時間)と停止表示時間を、大当り状態終了からの特図2変動回数(特図2変動表示ゲームの実行回数)に基づいて制御する。そして、サポ状態Aでは、3回目の普電動作(普図当り状態)に合わせて、時短回数に相当する4回目の特図2変動表示ゲームが実行されるように制御される。なお、普図当り状態の終了後の停止は、普電残存球処理時間と普図エンディング時間に相当する。
特図2保留数は、普電の開放中(開状態)に増加し、普電の閉鎖中(閉状態)に特図2保留の消化によって減少する傾向となる。
なお、時短状態中かつ3回目の普電動作中に特図2保留が4個貯められるように、4回目の特図2変動表示ゲームの変動時間は、1回目から3回目の特図2変動表示ゲームの変動時間よりも長く且つ1回の普電開放時間(前半開放又は後半開放の時間)よりも長く設定される。
図74では、2回目の普電動作における後半開放の終了に合わせて、4回目の特図2変動表示ゲームを開始させているが、この後半開放の終了後且つ3回目の普電動作の開始前であれば4回目の特図2変動表示ゲームをいつ終了してもよい。また、3回目の普電動作における前半開放の終了に合わせて、4回目の特図2変動表示ゲームを停止させているが、この前半開放の終了後且つ後半開放の開始前であれば4回目の特図2変動表示ゲームをいつ終了してもよい。
そして、時短状態中の普図当りによって開始した3回目の普電動作の終了後に、5回目の特図2変動表示ゲームが開始されるように制御される。時短状態の終了後に残保留によって実行される5〜8回目の特図2変動表示ゲームの変動時間は、時短状態中の1〜3回目の特図2変動表示ゲームの変動時間以下でよい。これにより、早く残保留を消化できる。逆に、5〜8回目の特図2変動表示ゲームの変動時間を、時短状態中の1〜3回目の特図2変動表示ゲームの変動時間よりも長くして、ゆっくりと対応する演出を行うこともできる。また、図柄Bでは、規定残保留数は、時短状態中に発生した4個になる。
図75において、図柄Dでの大当りの後に、サポ状態Cでの普電動作(前半開放+インターバル+後半開放)が2回実行され、合計4回普電が開放される。サポ状態Cでは、1回目の普電動作の後半開放(1回目の後半開放)及び2回目の普電動作の前半開放(2回目の前半開放)に合わせて、時短回数に相当する4回の特図2変動表示ゲームが実行されるように制御される。
なお、時短状態中かつ2回目の普電動作の前半開放中に特図2保留が4個貯められるように、4回目の特図2変動表示ゲームの変動時間は、1〜3回目の特図2変動表示ゲームの変動時間よりも長く且つ1回の普電開放時間よりも長く設定される(図75では普電開放時間の2倍程度に設定される)。なお、図75では、2回目の普電動作における前半開放の終了に合わせて、4回目の特図2変動表示ゲームを停止させているが、2回目の前半開放後に5回目の特図2変動表示ゲームを実行するのであれば、多少ずれてもよい。
特図2保留数は、普電の開放中(開状態)に増加し、普電の閉鎖中(閉状態)に特図2保留の消化によって減少する傾向となる。
そして、2回目の前半開放の終了後のインターバル中に、5〜7回目の特図2変動表示ゲームが開始されるように制御される。その後、時短状態中の普図当りによって開始した2回目の普電動作における後半開放が、時短状態の終了後に行われ、特図2保留を残保留として増やしつつ特図2変動表示ゲームを実行する。時短状態の終了後に残保留によって実行される5回目以降の特図2変動表示ゲームの変動時間を適切に調整すると、時短終了後に8個の特図2保留(残保留)の消化によって5〜12回目の特図2変動表示ゲームが実行できる。このようにして、図柄Dでは、規定残保留数は8個になる。
なお、早く残保留を消化できるため、5〜12回目の特図2変動表示ゲームの変動時間は、時短状態中の1〜3回目の特図2変動表示ゲームの変動時間以下でよい。逆に、5〜12回目の特図2変動表示ゲームの変動時間は、時短状態中の1〜3回目の特図2変動表示ゲームの変動時間よりも長くして、ゆっくりと演出を行ってもよい。
なお、図柄Dの場合と同様に、図柄Cについても、普電の動作態様(サポ状態B)に対応して、特図2変動表示ゲームの変動時間(実行時間)と停止時間を実行回数に応じて変化させて、残保留数が6個になるようにできる。例えば、図柄Cについて、時短終了後の普電のインターバル中に開始される特図2変動表示ゲームの数を図柄Dの場合よりも減らすことによって、残保留数が6個になる。
以上のように、特図2変動表示ゲームの実行回数に応じた変動時間(実行時間)と停止時間のパターンを、普電の動作態様(サポ状態A−C)に応じて設定する。このため、普電の動作態様(サポ状態A−C)に応じて、残保留数を変化させることができる。
図76において、図柄E又図柄Fはでの大当りの後に、サポ状態D又はサポ状態Eで、普図当り図柄に応じた普電動作(前半開放+インターバル+後半開放+・・・)がランダムに繰り返され、合計何回か普電が開放される。サポ状態D又はサポ状態Eでは、時短回数に相当する4回の特図2変動表示ゲームがランダムな普電の開放に合わせて実行されるように制御することは難しい。
しかし、特図2保留数は、普電の開放中(開状態)に増加し、普電のインターバル中(閉状態)に特図2保留の消化によって減少する傾向となる。
なお、時短状態中に特図2保留が4個貯められるように、4回目の特図2変動表示ゲームの変動時間は、1〜3回目の特図2変動表示ゲームの変動時間よりも長く且つ1回の普電開放時間よりも長く設定される。残保留数は、4回目の特図2変動表示ゲームの変動中の最後に普図当りとなった場合の普図当り図柄1〜4(サポ状態D1−D4,E1−E4)に対応する普電動作態様で決まる。図76のように、4回目の特図2変動表示ゲームの変動中の最後に普図当り図柄4で普図当りとなった場合に、普電の総開放時間が大きいため残保留数も大きくなるが、普図当り図柄1で普図当りとなった場合に、普電の総開放時間が小さいため残保留数も小さくなる。
なお、早く残保留を消化できるため、時短状態終了後の5回目以降の特図2変動表示ゲームの変動時間は、時短状態中の1〜3回目の特図2変動表示ゲームの変動時間以下でよい。逆に、5回目以降の特図2変動表示ゲームの変動時間は、時短状態中の1〜3回目の特図2変動表示ゲームの変動時間よりも長くして、ゆっくりと演出を行ってもよい。
本変形例における前述の前ズレへのズレ対策として、規定残保留数と実際の残保留数を一致させるために、図柄B−Dの大当り後に関しては、4回目の特図2変動表示ゲーム中に開始した普電開放(前半開放)が終了するまで、5回目の特図2変動表示ゲームを実行しないことが挙げられる。前述の後ズレへのズレ対策として、規定残保留数と実際の残保留数を一致させるために、図柄B−Dの大当り後に関しては、4回目の特図2変動表示ゲーム中の普図当りによる普電の後半開放を、所定回(例えば、図柄Bでは0回、図柄Dでは2回)の特図2変動表示ゲームが開始されてから実行することが挙げられる。なお、図柄E,Fの大当り後に関しては、残保留数は規定できずランダムなため、ズレ対策を行わなくてよい。逆に、ズレ対策を行わなくてよいため、図柄B−Dに関しても、図柄E,Fと同様に普図当り図柄を4つ設ける構成も可能である。
以上、各図柄での大当り状態の終了後について説明したが、大当り状態の終了後の4回目の特図2変動表示ゲーム以外(1〜3回目と5回目以降の特図2変動表示ゲーム)の変動時間を図柄B−Fに関係なく同じにして、制御を簡単にするとともにROM111bやRAM111c等において使用する記憶容量を減少してもよい。
〔変形例に係る画面遷移の一例〕
図77Aと図77Bは、第1実施形態の変形例に関して、表示装置41の表示画面を時系列で示した画面遷移図の一例である。なお、図77は、図75(図柄Dの大当り後)に対応するものである。
図69の(ア)から(オ)までと同じ演出が行われた後、時短状態中において、普電の開状態と閉状態が繰り返されるが、(オ1)のように、普電の閉状態(普電閉鎖中)では特図2保留が減少してなかなか特図2保留数が4個に到達しない。
その後、(カ)で時短状態終了の際に特図2保留数が4個に到達し、その後に図69の(キ)、(ク)と同じ演出が行われる。
次に、(ク1)から(ク4)において、図69の(ク)から(サ)と異なって、第2保留表示部530b(待機領域)の保留表示533e−533i等のキャラクタが、味方のキャラクタ557を応援するサブキャラクタではなく、メインキャラクタとして一対一で次々に敵のキャラクタ554と対戦する。なお、(ク4)の後に、図69の(ツ)以降と同じ演出が行われ、ここでは第2保留表示部530b(待機領域)の保留表示533e−533i等のキャラクタが、味方のキャラクタ557を応援するサブキャラクタ558として使用される。
なお、時短状態終了後に、(ク)から(ク2)の普電の閉状態(普電閉鎖中)では特図2保留が減少し、(ク3)から(ク4)の普電の開状態(普電開放中)では特図2保留が増加する。そして、普電の閉状態では、右打ち状態中であっても右打ちする利益があまりなく、右打ち指示表示551が目立たない小さな態様で表示され、普電の開状態では、右打ちする利益があるため、右打ち指示表示551が目立つ大きな態様で表示される。
以上、第1実施形態とその変形例について説明したが、特定遊技状態は、時短状態だけでなく確変状態(潜伏確変状態を除く)でもよい。また、1種2種混合機(1+2種機)だけでなく、単に、特定遊技状態(時短状態又は確変状態)を有する1種の遊技機(いわゆるデジパチ)に第1実施形態とその変形例を適用してもよい。確変状態を有する1種の遊技機では、特に、確変状態終了後の特図低確率でも大当り確率が高い機種(いわゆる甘デジ、ちょいパチ)について、残保留数に大当りが期待できるため、第1実施形態とその変形例を適用すると効果が大きい。
[第1実施形態の作用・効果]
第1実施形態に係る遊技機10は、ゲーム(特図変動表示ゲーム)を実行可能な遊技制御手段(例えば遊技制御装置100)を備える。遊技機10は、特定遊技状態(例えば時短状態又は確変状態)において開状態と閉状態とに変換可能な変動入賞装置(普通変動入賞装置37、普電)を備える。遊技制御手段(例えば遊技制御装置100)は、変動入賞装置への入賞によって発生する始動記憶(例えば特図2保留)に基づいてゲーム(例えば特図2変動表示ゲーム)を実行可能である。特定遊技状態においてゲームが特別結果(例えば、小当り又は大当り、小当り後のV入賞による大当りも含む)となる場合に遊技者に付与する遊技価値(例えば時短回数又は確変回数)は、特定遊技状態の終了後においてゲームが特別結果となる場合に遊技者に付与する遊技価値と異なる。
このような遊技機10では、特定遊技状態中と特定遊技状態の終了後において、ゲームの特別結果で付与する遊技価値に差があるため、特定遊技状態中に発生して特定遊技状態の終了後にゲームが実行される始動記憶の数に関して遊技者が一喜一憂して、遊技の興趣が向上することになる。
第1実施形態に係る遊技機10は、ゲーム(普図変動表示ゲーム)を実行可能な遊技制御手段(例えば遊技制御装置100)を備える。遊技機10は、ゲーム(普図変動表示ゲーム)の結果が特定結果(普図当り)となる場合に開状態と閉状態とに変換可能な変動入賞装置(普通変動入賞装置37、普電)を備える。遊技制御手段は、1回の特定結果(普図当り)が導出されることによって、変動入賞装置を開状態に複数回変換可能であり、ゲームが特定結果(普図当り)となる確率が高確率である高確率状態と低確率である低確率状態の両方で、変動入賞装置を開状態に変換可能である。
このような遊技機10では、ゲームが特定結果(普図当り)となる確率が低確率であっても、変動入賞装置(普通変動入賞装置37、普電)を開状態に変換でき、変動入賞装置への入賞によって発生する始動記憶(例えば特図2保留)を貯めることができるため、遊技者を喜ばすことができ、遊技の興趣が向上する。
第1実施形態に係る遊技機10は、ゲームを実行可能な遊技制御手段(例えば遊技制御装置100)と、ゲームに関連する演出を実行可能な演出制御手段(例えば演出制御装置300)と、を備える。遊技機10は、特定遊技状態(例えば時短状態又は確変状態)において開状態と閉状態とに変換可能な変動入賞装置(普通変動入賞装置37、普電)を備える。遊技制御手段は、特定遊技状態の終了後においても、変動入賞装置が開状態に変換される所定状態(例えば普図低確率の右打ち状態)を発生可能であり、演出制御手段は、所定状態での演出態様を、所定状態以外での演出態様とは異ならせる。
このような遊技機10では、特定遊技状態の終了後において、特定遊技状態と同様に変動入賞装置が開状態に変換される所定状態を、演出上の見た目で特定遊技状態と区別できる。また、所定状態に特有の演出態様とすることによって、遊技の興趣を向上できる。
第1実施形態において、遊技制御手段は、変動入賞装置の開状態に対応してゲーム(特図変動表示ゲーム)を実行可能である。従って、変動入賞装置の開状態で、ゲーム(特図変動表示ゲーム)の実行権利となる始動記憶(例えば特図2保留)を消化することなく、変動入賞装置への入賞によって当該始動記憶を貯めることができる。
第1実施形態において、遊技制御手段は、変動入賞装置の開状態に対応してゲーム(特図変動表示ゲーム)を長時間で実行し、変動入賞装置の閉状態に対応してゲームを短時間で実行可能である。従って、特定遊技状態中に変動入賞装置の開状態(例えば前半開放)で始動記憶(例えば特図2保留)を多く貯め、その後の閉状態(例えばインターバル)で始動記憶(例えば特図2保留)を多く消化し、特定遊技状態終了後に再度の開状態(例えば後半開放)で始動記憶(例えば特図2保留)を多く貯められる。このため、特定遊技状態終了後に消化される始動記憶の数(残保留数)を、始動記憶数の上限値(例えば4個)よりも多くすることができる。さらに、残保留数を可変にすることができる。
第1実施形態において、遊技制御手段は、変動入賞装置の開状態の時間よりも長い時間、変動入賞装置の開状態に対応してゲーム(特図変動表示ゲーム)を実行する。従って、変動入賞装置の開状態とゲーム(特図変動表示ゲーム)の実行期間(変動時間、変動期間)がズレても、ズレを吸収でき、実際の残保留数が規定の残保留数に過不足なく一致する。
第1実施形態において、遊技制御手段は、変動入賞装置の閉状態の期間において、ゲーム(特図変動表示ゲーム)を所定回数(例えば4回)以上実行可能である。従って、変動入賞装置の開状態とゲーム(特図変動表示ゲーム)の実行期間(変動時間、変動期間)がズレても、ズレを吸収でき、実際の残保留数が規定の残保留数に過不足なく一致する。
第1実施形態において、遊技制御手段は、ゲーム(特図変動表示ゲーム)が所定回数(例えば時短回数又は確変回数)実行された場合に特定遊技状態が終了するように制御する。そして、特定遊技状態の終了後に、変動入賞装置への入賞によって発生する始動記憶に基づくゲームが実行される実行回数(規定の残保留数5〜9)を、所定回数(例えば時短回数又は確変回数)に応じて変化させる。従って、所定回数を抽選で選択すれば、残保留数も抽選で設定されるランダム且つ可変なものとなり、残保留数で遊技者が一喜一憂して遊技の興趣が向上することになる。
第1実施形態において、遊技制御手段は、ゲーム(特図変動表示ゲーム)が特別結果(小当り又は大当り)となる場合に遊技者に付与する遊技価値として所定回数(例えば時短回数又は確変回数)を設定可能であり、所定回数を特別結果の種類(図柄)に応じて設定する。従って、特別結果に基づく特別遊技状態の終了後の特定遊技状態の所定回数が抽選(振り分け)で設定され可変(例えば1〜5)となりランダムに変化するようになり、遊技の興趣が向上する。
第1実施形態において、遊技制御手段は、特定遊技状態の終了後にゲーム(特図変動表示ゲーム)が実行される実行回数(規定残保留数)と、所定回数(例えば時短回数又は確変回数)との合計を一定(例えば10)とする。従って、特定遊技状態の継続率を同じにしつつ、残保留数を可変にできる。特定遊技状態中と特定遊技状態の終了後にこの一定の数の特図2変動表示ゲームが実行される間、同じ演出モードを実行すると、遊技者は特定遊技状態中なのか特定遊技状態の終了後なのか見分けにくくなり、特定遊技状態の終了後の残保留の大当りで大きな遊技価値が得られると驚くことになり、遊技の興趣が向上する。
第1実施形態において、ゲームは、第1のゲーム(特図1変動表示ゲーム)と第2のゲーム(特図2変動表示ゲーム)を含む。遊技制御手段は、所定の入賞領域(例えば始動入賞口36)への遊技球の入賞によって発生する始動記憶に基づいて第1のゲームを実行可能であり、変動入賞装置への遊技球の入賞によって発生する始動記憶に基づいて第2のゲームを実行可能である。第2のゲーム(特図2変動表示ゲーム)を第1のゲーム(特図1変動表示ゲーム)よりも優先して実行可能であるとともに、特定遊技状態において第1のゲームが実行される場合には、第2のゲームよりも短い時間で実行される。
従って、特定遊技状態において第1のゲーム(特図1変動表示ゲーム)が実行される回数が少なくなるとともに、特定遊技状態において第1のゲーム(特図1変動表示ゲーム)が実行されても、第2のゲーム(特図2変動表示ゲーム)の開始が大きく遅れない。
第1実施形態において、ゲームは、第1ゲーム(普図変動表示ゲーム)と第2ゲーム(特図変動表示ゲーム)を含む。遊技制御手段は、所定の領域(普図始動ゲート34)での遊技球の通過に基づいて第1ゲームを実行可能であり、変動入賞装置(普通変動入賞装置37、普電)への入賞によって発生する始動記憶に基づいて第2ゲーム(特図変動表示ゲーム)を実行可能である。特定遊技状態において、第1ゲームの実行中、及び、第1ゲームの特定結果によって発生する当り状態中に、所定の領域(普図始動ゲート34)で遊技球の通過があっても、第1ゲームの実行権利となる始動記憶(普図記憶)を発生させない。
従って、第1ゲーム(普図変動表示ゲーム)は停止表示中においてのみ開始でき、停止表示中に遊技球が所定の領域(普図始動ゲート34)を通過するとすぐに普図変動表示ゲームが開始する。このように第1ゲーム(普図変動表示ゲーム)の始動記憶(普図記憶)が実質的に貯まらないため、テンポよく第1ゲーム(普図変動表示ゲーム)が実行される。このため、特定遊技状態において、第1ゲーム(普図変動表示ゲーム)の当りによる変動入賞装置の動作と第2ゲーム(特図変動表示ゲーム)とがズレなしで連動し易くなる。
第1実施形態において、遊技制御手段は、特定遊技状態において変動入賞装置(普通変動入賞装置37、普電)の開状態が規定回数(例えば2回)終了した場合に、特定遊技状態を終了させる。従って、止め打ちによって変動入賞装置への入賞数を所定回数(例えば時短回数又は確変回数)未満として特定遊技状態を延長するような事態を防止できる。さらに、延長された特定遊技状態での第1ゲーム(普図変動表示ゲーム)の当りに起因して変動入賞装置の開状態を余分に増やすことを防止できる。
第1実施形態において、遊技制御手段は、特別遊技状態の終了からのゲーム(特図変動表示ゲーム)の実行回数に基づいてゲームの実行時間(変動時間)を制御する。従って、変動入賞装置の開状態に対応してゲーム(特図変動表示ゲーム)を実行可能となり、変動入賞装置の開状態で、ゲーム(特図変動表示ゲーム)の実行権利となる始動記憶(例えば特図2保留)を貯めることができる。
第1実施形態の変形例に係る遊技機10において、ゲーム(特図変動表示ゲーム)の結果が特別結果(例えば、小当り又は大当り、小当り後のV入賞による大当りも含む)となる場合に、遊技者に有利な特別遊技状態(例えば大当り状態)を発生可能である。遊技機10は、開状態と閉状態とに変換可能であり、特別遊技状態後の特定遊技状態(例えば時短状態又は確変状態)において特別遊技状態よりも開状態に変換し易くなる変動入賞装置(普通変動入賞装置37、普電)を備える。変動入賞装置は、特別結果の種類(図柄)に応じて特別遊技状態の終了後の動作態様(サポ状態、サポ態様)が異なる。
従って、特別結果の種類(図柄)に応じて、特定遊技状態後のゲーム(特図変動表示ゲーム)の実行回数である残保留数や特定遊技状態の継続率なども特別結果の種類(図柄)に応じて変化する。このため、特別結果の種類(図柄)に遊技者が注目するようになり、遊技の興趣も向上する。
第1実施形態の変形例において、遊技機10はゲーム(特図変動表示ゲーム)を実行可能な遊技制御手段を備える。遊技制御手段は、特別遊技状態の終了後において、ゲームの実行回数に応じてゲームの実行時間とゲームの停止時間を設定する。ゲームの実行回数に応じた実行時間と停止時間のパターンを、変動入賞装置の動作態様(サポ状態A−C)に応じて設定する。従って、特別結果の種類(図柄)ひいては変動入賞装置の動作態様(サポ状態A−C)に応じて、特定遊技状態の終了後におけるゲーム(特図変動表示ゲーム)の実行回数である残保留数を変化させることができる。
第1実施形態の変形例において、遊技制御手段は、特別結果が所定の種類(図柄E又は図柄F)である場合に、特別遊技状態の終了後の変動入賞装置の動作態様を、複数の動作態様から抽選(普図当り図柄の抽選)によって決定する。従って、特別結果が所定の種類(図柄E又は図柄F)であれば、規定された残保留数というものがなく、遊技者は実際の残保留数がいくつになるのか予想できずに、残保留数に期待感を持って遊技をできるため遊技の興趣が向上する。
第1実施形態の変形例において、遊技制御手段は、特定遊技状態中又は特定遊技状態後における変動入賞装置の開状態の期間と閉状態の期間を、特別結果の種類(図柄B−D)に応じて変化可能である。従って、特別結果の種類(図柄B−D)ひいては普電の動作態様(サポ状態A−C)に応じて、残保留数を変化させることができる。
[第2実施形態]
図78から図80を参照して、第2実施形態について説明する。なお、以下で述べる以外の構成は、第1実施形態と同様でよい。また、以下の実施形態では、第1実施形態と同じ機能を果たす構成には同一の符号を用い、重複する記載を適宜省略して説明する。第2実施形態は、特定遊技状態としての時短状態(普電サポート状態、電サポ)中または時短状態後の第2始動記憶に対応する保留表示(始動記憶表示)の表示態様に関する。
〔時短状態から時短状態後にかけての画面遷移例〕
図78から図80を参照して、時短状態から時短状態後における第2始動記憶に対応する保留表示の表示態様について説明する。
図78は、表示装置41の表示画面を時系列で示した画面遷移図であり、時短状態から時短状態後の画面遷移の一例(前半)である。また、図79は時短状態から時短状態後の画面遷移の一例(中盤)であり、図80は時短状態から時短状態後の画面遷移の一例(後半)である。
図78の(あ)は、大当り終了後に時短状態になってから、大当り前に発生した第1始動記憶に基づいて特図1変動表示ゲームが実行されているときの表示装置41の表示画面である。
表示装置41の表示画面の中央には、複数の変動表示領域610(左領域610A、右領域610B、中領域610C)が設けられる。変動表示領域610において、左領域610Aには飾り第1図柄A(識別情報、図柄、飾り特別図柄)が、右領域610Bには飾り第1図柄Bが、中領域610Cには飾り第1図柄Cが、それぞれ大図柄で拡大表示され、変動表示(「↓↓↓」)される。
表示画面の右上隅には、変動表示ゲームが飾り特別図柄(小図柄)によって実行される変動表示領域615が設けられている。変動表示領域615の小図柄は、通常の変動態様で変動表示(「↓↓↓」)される。変動表示領域610及び変動表示領域615の変動表示の結果は、互いに一致する内容となる。また、変動表示ゲームが実行されている場合には、表示装置41の表示画面において、変動表示領域610及び変動表示領域615のうちの少なくとも1つが表示されるようにする。
なお、時短状態において特図1変動表示ゲームが実行される場合には、変動表示領域610の飾り第1図柄A〜Cを表示せずに、右上隅の変動表示領域615で小図柄のみを変動表示してもよい。このように、時短状態などの特定遊技状態中に、変動表示領域610の飾り第1図柄A〜Cで特図1変動表示ゲームに係る変動表示を表示させないことによって、通常遊技状態における主となるゲームである特図1変動表示ゲームと、特定遊技状態における主となるゲームである特図2変動表示ゲームと、遊技者が区別し易くなり、遊技の興趣を高めることができる。また、時短状態において特図1変動表示ゲームが実行される場合には、変動表示領域610の飾り第1図柄A〜Cに直前の停止図柄、すなわち大当り図柄が表示されたままにしてもよく、デフォルト(初期状態)の図柄(例えば「123」)等が表示されている状態で待機していてもよい。
また、表示装置41の表示画面の右上隅には、特図1保留数表示部650と特図2保留数表示部660とが設けられる。特図1保留数表示部650と特図2保留数表示部660には、それぞれ、特図1保留数を示す数字「1」と特図2保留数を示す数字「0」が表示されている。
表示装置41の表示画面の下部には、始動記憶表示領域(特定表示部、特定表示領域)として、四角枠の保留消化領域640(変動中保留表示領域)と第2保留表示部630bとが設けられる。
保留消化領域640には、実行中(消化中)の変動表示ゲーム(特図1変動表示ゲーム)に係る第1始動記憶(特図1保留)に対応する保留表示(始動記憶表示、特図1保留表示、特図変動中保留表示、特図消化中保留表示)として変動中保留表示633wが表示される。すなわち、大当り前に発生した第1始動記憶が2つあり、当該2つの第1始動記憶のうち先に発生した始動記憶(古い始動記憶)に対応する保留表示が、変動中保留表示633wに相当する。
また、2つの第1始動記憶のうち後に発生した始動記憶(新しい始動記憶)は消化されずに待機しており、特図1保留数表示部650の特図1保留数を示す数字が前述のように「1」となる。なお、第1始動記憶に対応する変動中保留表示633wや、当該変動中保留表示633wが表示される領域である保留消化領域640は、時短状態においては非表示にされてもよい。
第2保留表示部630bには、発生した第2始動記憶(特図2保留)に対応する保留表示(始動記憶表示、特図2保留表示、待機中保留表示)が表示される。例えば大当り終了直後に時短状態になったばかりの図78の(あ)では、第2始動記憶はまだ発生しておらず、第2始動記憶に対応する保留表示は表示されていない(0個)。また、時短状態等の特定遊技状態における主となる変動表示ゲームの始動記憶は第2始動記憶となる。なお、第1実施形態と同様に、遊技状態等に応じて、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームのうち一方の変動表示ゲームが、主となる変動表示ゲームとして定められている。
なお、表示画面の下部の始動記憶表示領域において、第1始動記憶に対応する保留表示が表示される第1保留表示部630aは非表示になっており、待機中の第1始動記憶に対応する保留表示は時短状態中に表示されない。他方で、遊技状態が通常遊技状態であるときには、演出制御装置300は、第2保留表示部630bに代えて、第1保留表示部630aを表示画面の下部(特定表示部)に表示できる。すなわち、通常遊技状態における主となる変動表示ゲームの始動記憶は第1始動記憶となる。
また、演出制御装置300は、時短状態になってから第2始動記憶が発生するまでの間、右打ち表示(右打ち指示画像)を表示するようにしてもよい。さらに、第2始動記憶が発生してからも、右打ち状態のときは右打ち表示を継続して表示してもよい。なお、大当り遊技(特別遊技)中から遊技者は右打ち遊技を行っているので、演出制御装置300は、遊技者が左打ちを行わない限りは、右打ち表示を表示しないでもよい。
図78の(い)は、第1始動記憶に基づいて図78の(あ)に示すように特図1変動表示ゲームが実行されてから、第2始動記憶が複数発生したときの表示装置41の表示画面である。
普通変動入賞装置37(普通電動役物、普電)の第2始動入賞口(始動口2、第2始動入賞領域)に遊技球が入賞することによって、第2始動記憶が発生する。その際、例えば図78の(い)に示すように第2始動記憶が3つ発生した場合には、特図2保留数表示部660の特図2保留数を示す数字が「3」になるとともに、第2保留表示部630bに保留表示633x、633y、633zが表示される。
第2保留表示部630bに表示される保留表示633x、633y、633zは、第1始動記憶に対応する保留表示633wの表示態様(例えば「〇」)とは異なる所定の表示態様(例えば「▽」)で表示される。なお、第1始動記憶の保留表示と形状(「〇」や「▽」等)を異ならせる以外にも、所定の表示態様として色や模様(柄)や大きさ等を異ならせてもよい。したがって、第1始動記憶に対応する保留表示と第2始動記憶に対応する保留表示とがそれぞれ異なる表示態様で表示されるので、どちらの始動記憶に対応する保留表示であるかを遊技者が判別し易くなる。
また、保留表示633x、633y、633zの下部には、これらの保留表示が特別な保留表示であることを示す所定の表示態様として台座となる長方形の四角枠(例えば「□」)が表示される。そのため、当該四角枠の台座を遊技者が視認することで、保留表示633x、633y、633zが特別な保留表示であることを認識でき、期待感を高めることができる。当該特別な保留表示は、後述する第1残保留に対応する保留表示となり、当該特別な保留表示に基づいて変動表示ゲームが実行される際に所定の演出モードに演出が切り替えられる。なお、図78の(い)や後述する図では、新たに発生した保留表示であることが分かるように、当該保留表示の上部に「new」という説明書きを図示しているが、表示装置41の表示画面上に「new」という文字を実際に表示させて遊技者に新たな保留表示が発生したことを報知してもよい。
図78の(う)は、図78の(あ)(い)で実行されていた特図1変動表示ゲームが変動停止したときの表示装置41の表示画面である。
例えば、図78の(う)に示すように、変動表示ゲームがはずれ図柄(例えば「358」)で変動停止すると、待機中の保留(始動記憶)に応じて次の変動表示ゲームが実行されることになる。また、図78の(う)では、新たに第2始動記憶が発生して、第2保留表示部630bに保留表示633が表示される。特図2保留数表示部660の特図2保留数を示す数字は「4」になる。なお、以下の説明では、変動表示ゲームの停止結果は、全てはずれになるものとして説明する。
また、変動表示ゲームの停止結果が、仮に大当りまたは小当りになる場合には、以下の説明の途中で大当りや小当りに伴う演出(ファンファーレ演出やV入賞を狙うよう打ち方指示する演出等)に遷移できるものとする。また、大当りや小当りに伴う演出となる場合の変動表示ゲームの変動時間値は、はずれとなる場合の変動時間値よりも長め設定され、演出制御装置300は、当該演出として専用演出を実行できる。また、大当り等やはずれとなる場合の変動時間値は、固定値(固定の変動時間値)でよい。
また、第2始動記憶が発生するまでに、特図1変動表示ゲームが先に実行されることになるので、当該特図1変動表示ゲーム中に第2始動記憶を溜めやすくなる。そのため、所定の演出モード(所定の演出ステージ)に切り替わった際に、遊技者は、複数の第2始動記憶による一連の演出(連続演出)を途切れることなく連続して視認し易くなり、遊技の興趣を高めることができる。さらに、演出制御装置300は、時短状態のときの特図1変動表示ゲームを短縮変動(固定の変動時間値)で実行する。そのため、特図1変動表示ゲームを間延びしないで変動停止できるので、速やかに特図2変動表示ゲームを開始することができ、遊技の興趣を高めることができる。
また、特図1変動表示ゲームが変動停止した際に、待機中の第2始動記憶がある場合には、保留消化領域640の四角枠が変化し、第2始動記憶を消化するための専用の枠(例えば「凸状の台座」)に切り替わる。そのため、次の変動表示ゲームが特図2変動表示ゲームであることを遊技者に認識させ易くでき、期待感を高めることができるので、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、演出制御装置300は、図78の(う)等では時短状態中に第1保留表示部630aを表示していないが、第2保留表示部630bとともに第1保留表示部630aを表示して、第1始動記憶に対応する保留表示を表示するようにしてもよい。また、保留消化領域640の表示態様(枠)は、第1始動記憶の保留表示用の表示態様(四角枠、例えば「□」)と第2始動記憶の保留表示用の表示態様(専用の枠、例えば「凸状の台座」)とを分けなくてもよく、共通の表示態様、例えば第2始動記憶の保留表示用の表示態様(専用の枠、例えば「凸状の台座」)で表示してもよい。
図78の(え)は、特図1変動表示ゲームの後に、第2始動記憶に基づいて特図2変動表示ゲームが実行されているときの表示装置41の表示画面である。遊技制御装置100は、待機(記憶)している第1始動記憶よりも第2始動記憶を優先して、特図2変動表示ゲームを実行することができる(特図2優先変動)。
特図2変動表示ゲームが実行されると、図78の(え)に示すように、変動表示領域610の飾り第1図柄A〜Cや変動表示領域615の小図柄が変動表示(「↓↓↓」)される。また、特図2変動表示ゲームが開始される際に、第2保留表示部630bに表示されている保留表示633x、633y、633z、633が左側に1つずつ移動(保留シフト)するとともに、第2保留表示部630bの左端の1つの保留表示633xが保留消化領域640に移動し、保留消化領域640の凸状の台座上に変動中保留表示633xが表示される。
また、演出制御装置300は、時短状態中に特図2変動表示ゲームが実行される際に、時短状態に対応する演出モード(時短モード、時短ステージ)に演出を切り替えることができる。なお、時短状態になった際や、時短状態中に最初の変動表示ゲーム、すなわち特図1変動表示ゲームが実行される際に(図78の(あ))、時短状態に対応する演出モードに演出を切り替えてもよい。
また、図78の(え)では、新たに保留表示633aが発生し、特図2保留数表示部660の特図2保留数を示す数字は「4」になる。
保留消化領域640の変動中保留表示633xには、例えば、「残り4」という所定の演出モードの残り回数を遊技者に報知する文字が表示される。なお、図78の(え)に示すように、残り回数を示す数字を変動中保留表示633xと一体的に表示し、「残り」を変動中保留表示633xの上部に表示させてもよい。このような表示態様によれば、保留シフトに合わせて残り回数を示す数字のみを切り替えることができるので、どの変動中保留表示に対応して表示される数字であるかが分かり易くなり、所定の演出モードの残り回数を遊技者が正確に把握し易くなる。
なお、共通の表示態様で保留消化領域640を表示する場合において、第1始動記憶の保留表示が保留消化領域640に表示されるときには、「残り4」等の残り回数を報知する文字を非表示にしてもよい。また、第1始動記憶の保留表示が保留消化領域640に表示されるときには、当該残り回数を報知する文字は、半透明やグレー等の目立たない表示態様にすることで、遊技者が注視し難いように表示してもよい。
また、例えば本実施形態では時短回数は1回に設定されており、変動中保留表示633xに対応する特図2変動表示ゲームが変動停止すると、時短状態が終了(時短終了)し、遊技状態が移行状態に移行する。そして、時短状態中(時短中)に発生したが(記憶されたが)、時短中に消化されなかった第2始動記憶(特図2保留)は、残保留として時短終了後の移行状態において消化される。図78の(え)では、残保留に対応する保留表示は、保留表示633y、633x、633、633aになる。そのため、移行状態では、通常遊技状態と同様の大当り確率および普図確率となる一方で、残保留の消化によって小当り確率(例えば1/8)で小当りを発生させやすい有利状態となる。したがって、第1実施形態と同様に、確率的には移行状態を通常遊技状態に含めてもよいし、有利状態であることから通常遊技状態とは区別して扱ってもよい。また、遊技者は、小当り中のV通過(V入賞口への遊技球の通過、V入賞)によって大当りを発生させることができる(1種2種混合機)。
ここで、第1実施形態では、時短終了後に消化される第2始動記憶(特図2保留)を全て残保留と呼んだが、第2実施形態では、例えば、時短中に発生して時短終了後に消化される特図2保留を所定残保留(第1残保留、時短中発生残保留)と呼び、時短終了後に発生する特図2保留を過剰保留(第2残保留、過剰な残保留)と呼んでよい。
また、例えば、第2実施形態では、時短中に発生して時短終了後に消化される特図2保留のうち最初の所定個を所定残保留(第1残保留)と呼び、所定残保留の後に消化される特図2保留を過剰保留(第2残保留)と呼んでもよい。
所定残保留に係る変動表示ゲームの実行後に、過剰保留に係る変動表示ゲームが実行開始される際に、所定の演出モード(所定の演出ステージ)から他の演出モードに演出が切り替えられる。このため、別の言い方では、所定残保留は、所定の演出モード中に変動表示ゲームが実行される残保留となり、過剰保留は、他の演出モード中に変動表示ゲームが実行される残保留となる。
例えば、図78の(え)では、時短中に発生し、時短終了後に消化される保留表示633y、633x、633、633aが所定残保留(第1残保留、時短中発生残保留)に対応する保留表示となる。また、この場合の所定残保留(第1残保留、時短中発生残保留)の数は、例えば4個となる。
図78の(お)は、時短終了後に、1つ目の第1残保留に基づいて特図2変動表示ゲームが実行されているときの表示装置41の表示画面である。
演出制御装置300は、第1残保留に基づく変動表示ゲームが実行開始される際に、時短モードから所定の演出モードとして例えば移行状態の時短中発生残保留消化モードに演出を切り替えることができる。
時短中発生残保留消化モードは、時短中に発生し、時短終了後に消化される第1残保留(所定残保留、時短中発生残保留)を消化するモードである。
時短中発生残保留消化モードで所定個(例えば4個)の第1残保留が消化されると、それ以降の保留(過剰保留、第2残保留、過剰な残保留)を消化する過剰保留消化モード(第1演出)に演出が移行する。
また、これらの時短中発生残保留消化モードと過剰保留消化モードとからなるモードとして、移行状態の残保留消化モードがある。
例えば、所定の演出モードとしての時短中発生残保留消化モードにおける演出は、直前に実行される時短モードによる演出とストーリーや登場するキャラクタ等が関連する一連の演出として実行可能である。したがって、時短中に消化される特図第2保留と、時短終了後に消化される第1残保留とに、基づいて実行される複数の変動表示ゲームに亘って展開(表示、再生)されるシナリオを一連の演出として遊技者が視認でき、ストーリー性が深いより複雑な演出を楽しめるようになるので、遊技の興趣を高めることができる。なお、前述のように移行状態と特定遊技状態といった有利状態における演出モード(時短モード、残保留消化モードの時短中発生残保留消化モード)を分けずに同じ演出モードにして共通の演出態様としてもよい。
また、例えば時短終了後に、普通変動入賞装置37の開放、普図変動表示ゲームのさらなる当り(普図の低確率が0%より大きい場合)等によって普通変動入賞装置37(普電)の可動部材37bが開いて、遊技球が普通変動入賞装置37に入賞すると、第2残保留が発生し、図78の(お)に示すように第2残保留に対応する保留表示633bが新たに表示される(「new」と表示)。なお、時短終了後でも普通変動入賞装置37の開放が行われる場合とは、例えば、時短終了時点で普通変動入賞装置37の開放中で時短終了後も開放状態が若干継続する場合や第1実施形態の後半開放の場合である。第2残保留に対応する保留表示633bは、時短中発生残保留消化モードで所定個(例えば4個)の第1残保留が消化された後に移行する過剰保留消化モードで、消化されることになる過剰な残保留である。
第1残保留に対応する保留表示633z、633、633aの下部には、台座となる長方形の四角枠(例えば「□」)が表示される一方で、第2残保留に対応する保留表示633bの下部には、台座となる長方形の四角枠は表示されない。そのため、最後(最新)の第1残保留に対応する保留表示633aを見分け易くなるので、どこまで所定の演出モードとして時短中発生残保留消化モードによる演出が行われるかを、遊技者に認識させ易くできる。さらに、最後(最新)の第1残保留に対応する保留表示633aを見分け易くするように、保留表示633aの台座には、「Last」という文字を表示することもできる。
また、保留消化領域640の変動中保留表示633yに表示される所定の演出モードの残り回数を遊技者に報知する文字(モード残り回数)は、例えば「残り3」に切り替わる。そのため、所定の演出モードとして時短中発生残保留消化モードによる演出が後何回行われるかを、遊技者に認識させ易くできる。
図78の(か)は、時短終了後に、2つ目の第1残保留に基づいて特図2変動表示ゲームが実行されているときの表示装置41の表示画面である。
保留シフトの後、2つ目の第1残保留、すなわち変動中保留表示633zに対応する第2始動記憶に基づいて特図2変動表示ゲームが実行されると、保留消化領域640の変動中保留表示633zに表示されるモード残り回数は、例えば「残り2」に切り替わる。また、遊技球が普通変動入賞装置37に入賞すると第2残保留が発生し、当該第2残保留に対応する保留表示633cが新たに表示される(「new」と表示)。なお、時短終了後の残保留消化モード(時短中発生残保留消化モードや過剰保留消化モード)では、消化保留(変動中保留表示)や待機中保留の保留シフト演出を省略するようにしてもよい。
図79の(き)は、時短終了後に、3つ目の第1残保留に基づいて特図2変動表示ゲームが実行されているときの表示装置41の表示画面である。
保留シフトの後、図78の(か)と同様に3つ目の第1残保留、すなわち変動中保留表示633に対応する第2始動記憶に基づいて特図2変動表示ゲームが実行され、保留消化領域640の変動中保留表示633に表示されるモード残り回数が例えば「残り1回」に切り替わる。また、新たな第2残保留に対応する保留表示633dが第2保留表示部630bに表示される(「new」と表示)。
図79の(く)は、時短終了後に、4つ目の第1残保留に基づいて特図2変動表示ゲームが実行されているときの表示装置41の表示画面である。
保留シフトの後、4つ目の第1残保留、すなわち変動中保留表示633aに対応する第2始動記憶に基づいて特図2変動表示ゲームが図78の(か)と同様に実行され、保留消化領域640の変動中保留表示633aに表示されるモード残り回数が例えば「残り0」に切り替わる。
第2保留表示部630bには、3つの第2残保留に対応する保留表示633b、633c、633dが表示される。特図2保留数表示部660の特図2保留数を示す数字は、「3」になる。
図79の(け)は、4つ目の第1残保留に基づいて特図2変動表示ゲームが実行され、図79の(く)の後に第2始動記憶(特図2保留)が発生したときの表示装置41の表示画面である。
遊技球が普通変動入賞装置37に入賞すると、第2始動記憶の第2残保留が発生し、当該第2残保留に対応する保留表示633eが新たに表示される(「new」と表示)。また、特図2保留数表示部660の特図2保留数を示す数字は、「4」になる。そして、待機中の第1残保留は0個になり、第2残保留が4個になる。
図79の(こ)は、4つ目の第1残保留に基づいて特図2変動表示ゲームが実行され、図79の(け)の後にリザルト画面670に遷移したときの表示装置41の表示画面である。
4つ目の第1残保留、すなわち最後(最新)の第1残保留に基づいて特図2変動表示ゲームが実行され、変動後半になると、演出制御装置300は、表示装置41の表示画面に所定期間の遊技結果を示すリザルト画面670を表示することができる(リザルト表示)。なお、4つ目の第1残保留に基づく特図2変動表示ゲームは実行中であり、図79の(こ)における演出モードは時短中発生残保留消化モードが継続している。なお、これに限られず、リザルト表示の時点で時短中発生残保留消化モードが終了して他の演出モードである過剰保留消化モードに遷移してもよい。
このように、演出制御装置300は、時短モードから時短中発生残保留消化モードにおける変動表示ゲームが全てはずれ結果となる場合に、最新の第1残保留に基づく変動表示ゲームの実行途中でリザルト表示を行うことができる。
リザルト画面670には、直近(最新)の大当りで獲得した遊技球数や、初当り(最初に通常大当り)になってからの一連の大当りで獲得した遊技球数や一連の大当り回数、大当り内容の内訳(通常大当りや時短中や移行状態中のV入賞による大当り、大当り発生時の演出内容)等を表示することができる。一連の大当りには、例えば右打ち状態が継続している間に発生した全ての大当りが含まれる。
また、演出制御装置300は、リザルト表示中に変動表示領域610や第2保留表示部630b、保留消化領域640を非表示にする。したがって、表示画面に大きくリザルト画面670を表示することができ、遊技者がリザルト画面670を視認し易くなるので、遊技の興趣を高めることができる。
他方で、変動表示領域615や特図1保留数表示部650、特図2保留数表示部660の表示は維持されており、遊技者は変動図柄や特図1保留数、特図2保留数を確認することができる。
なお、リザルト画面670は、1つ目の(最初の)第2残保留に基づく変動表示ゲームが開始されるタイミング(図79の(さ))で表示されるようにしてもよい。また、第2残保留が待機していない場合には、リザルト画面670は、最後の第1残保留に基づく変動表示ゲームが変動停止するタイミング(図79の(こ)直後)で非表示にされてもよい。
図79の(さ)は、リザルト表示中に、1つ目の第2残保留に基づいて特図2変動表示ゲームが実行されているときの表示装置41の表示画面である。
1つ目の第2残保留に基づいて特図2変動表示ゲームが実行されると、所定の演出モード(時短中発生残保留消化モード)から他の演出モードである過剰保留消化モードに演出が切り替えられる。また、過剰保留消化モードに演出が切り替えられても、表示装置41の表示画面にはリザルト画面670の表示が維持される。したがって、リザルト画面670に表示される遊技結果を確認するための十分な時間を遊技者が確保することができる。
また、第2残保留に基づく特図2変動表示ゲームが実行されることで、特図2保留数表示部660の特図2保留数を示す数字は「3」になる。
なお、過剰保留消化モードにおいて、リザルト画面670が表示されている状態をリザルトモードと呼んでもよい。
図79の(し)は、1つ目の第2残保留に基づく特図2変動表示ゲームが変動停止したときの表示装置41の表示画面である。
例えば、1つ目の第2残保留に基づく特図2変動表示ゲームが変動停止するとリザルトモードが終了して、図79の(し)に示すように、リザルト画面670から表示が切り替わり、変動表示ゲームがはずれ図柄(例えば「267」)で変動停止する。すなわち、演出制御装置300は、第2残保留に基づく特図2変動表示ゲームが1回実行されるまで、リザルト画面670を表示するようにできる。なお、リザルト画面670からの表示の切り替えタイミング(画面遷移の契機)は、始動入賞口36(第1始動入賞領域、始動口1)や普通図柄始動ゲート34(普図始動ゲート)に遊技球が入賞または通過したタイミングでもよい。
また、図79の(し)では、リザルト画面670が非表示になるとともに、第1保留表示部630aと保留消化領域640とが表示される。このように、最後の第1残保留に基づく変動表示ゲーム中に表示開始されたリザルト画面670は、1つ目の(最初の)第2残保留に基づく変動表示ゲームが変動停止するタイミングで、非表示にされる。なお、演出制御装置300は、第1保留表示部630aを表示して待機中の第2残保留を表示する一方で、リザルト画面670とともに保留消化領域640を非表示にして消化中の第2残保留(変動中保留表示)を非表示にしてもよい。
図80の(す)は、2つ目の第2残保留に基づいて特図2変動表示ゲームが実行されているときの表示装置41の表示画面である。
演出制御装置300は、過剰保留消化モード中にリザルトモードから特殊モード(専用モード、特殊ステージ)に演出を切り替えて、リザルト画面670を非表示にし、変動表示領域610を表示画面に表示する。すなわち、過剰保留消化モードは、リザルトモードと特殊モードとに分けることができる。
特殊モード(専用モード、特殊ステージ)では、第2残保留を消化するための特図2変動表示ゲームが、通常遊技状態における特図1変動表示ゲームの変動時間の平均値と比べて比較的短い変動時間(固定の変動時間値)で実行される。また、特殊モードにおける表示画面の背景やステージには、通常遊技状態とは異なる専用の背景やステージを用いてもよく、通常遊技状態と同じものを用いてもよい。
また、特殊モードでは、第2保留表示部630bは表示されずに、第1保留表示部630aが表示される。そして、表示された第1始動記憶(特図1保留)の保留表示633fは消化されずに第1保留表示部630aに待機したままであり、非表示の第2始動記憶(特図2保留)が優先消化される(特図2優先変動)。なお、特図2保留数は、特図2保留数表示部660に表示されている数字「2」から簡単に確認することができる。
また、保留消化領域640には、2つ目の第2残保留に対応する保留表示633c(例えば「▽」)が表示される。したがって、第1保留表示部630aの保留表示633fが保留シフトしないことと、保留消化領域640に第2残保留の保留表示633cが表示されることを、視認した遊技者は、特殊モードで変動中の変動表示ゲームが特図2変動表示ゲームであることを簡単に認識することができる。このように、特殊モードにおける主となる変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)の始動記憶は第2始動記憶(特図2保留)になる。
なお、保留消化領域640に表示される第2残保留(変動中保留表示633c)は、非表示にされてもよく、後述する図87の(す7)に示すように、第1始動記憶(特図1保留)と同じ表示態様(例えば「〇」)で表示されてもよい。
図80の(せ)は、3つ目の第2残保留に基づいて特図2変動表示ゲームが実行されているときの表示装置41の表示画面であり、図80の(そ)は、4つ目の第2残保留に基づいて特図2変動表示ゲームが実行されているときの表示装置41の表示画面である。
図80の(せ)に示すように、3つ目の第2残保留、すなわち変動中保留表示633dに対応する第2始動記憶に基づいて特図2変動表示ゲームが図80の(す)と同様に実行され、特図2保留数表示部660に表示されている特図2保留数を示す数字が「1」になる。
また、図80の(そ)に示すように、4つ目の第2残保留、すなわち変動中保留表示633eに対応する第2始動記憶に基づいて特図2変動表示ゲームが同様に実行され、特図2保留数表示部660の特図2保留数を示す数字が「0」になる。
なお、図79の(さ)から図80の(た)に示すリザルトモードや特殊モードにおける第2残保留に基づく特図2変動表示ゲームは、短縮変動(固定の変動時間値)で実行される。
すなわち、第2残保留に基づく特図2変動表示ゲームは、時短中の特図2変動表示ゲーム(図78の(え))や、第1残保留に基づく特図2変動表示ゲーム(図78の(お)〜図79の(こ))と比べて、変動時間が短く早期に終了(変動停止)する。
また、第2残保留に基づく特図2変動表示ゲームは、時短中に実行される特図1変動表示ゲーム(図78の(あ)〜(う))と比べても変動時間が短く早期に終了する。
したがって、時短モードや時短中発生残保留消化モードでの一連の演出が終了した後に、過剰保留消化モード(第1演出)で第2残保留が速やかに消化され、通常モード(第2演出)に戻ることができる。そのため、移行状態が間延びすることを抑制でき、テンポよくゲームを進行できるので、遊技の興趣を高めることができる。
なお、時短中に実行される特図1変動表示ゲームも、時短中の特図2変動表示ゲームや第1残保留に基づく特図2変動表示ゲームと比べて、変動時間が短く早期に終了する。したがって、時短開始時に実行された特図1変動表示ゲームが間延びすることを抑制しつつ、特図2保留を溜めて、速やか特図2変動表示ゲームを開始できる。そのため、特図2変動表示ゲームの実行に伴う一連の演出を遊技者が途切れることなく連続して視認し易くなるので、遊技の興趣を高めることができる。
図80の(た)は、4つ目の第2残保留に基づく特図2変動表示ゲームが変動停止したときの表示装置41の表示画面である。
例えば、図80の(た)に示すように、変動表示ゲームがはずれ図柄(例えば「416」)で変動停止すると、保留消化領域640の変動中保留表示633eが非表示になり、特図2保留数表示部660の特図2保留数を示す数字は「0」になる。
第2残保留が全て消化されると、特殊モードが終了し通常モードに演出が切り替わる。また、表示画面の左上隅には、左打ち表示671(左打ち指示画像)が表示される。左打ち表示671は、遊技者に左打ちを指示するための表示である。
なお、左打ち表示671は、第2残保留が全て消化されたときに限らず、時短終了後(図78の(お))に表示されるようにしてもよい。また、左打ち表示671は、リザルト画面670が表示される図79の(こ)のタイミングや、過剰保留消化モードに演出が切り替わる図79の(さ)のタイミングや、特殊モードに演出が切り替わる図80の(す)のタイミングで表示されるようにしてもよい。
図80の(ち)は、第1始動記憶(特図1保留)に基づいて特図1変動表示ゲームが実行されているときの表示装置41の表示画面である。
保留シフトによって、特図1保留に対応する変動中保留表示633fが第1保留表示部630aから保留消化領域640へと移動し表示されて、当該特図1保留に基づいて特図1変動表示ゲームが実行される。
図80の(つ)は、特図1変動表示ゲームが変動停止したときの表示装置41の表示画面である。
その後、例えば、図80の(つ)に示すように、変動表示ゲームがはずれ図柄(例えば「521」)で変動停止すると、特図1保留や特図2保留が全て消化された状態となる。その後、第1始動記憶または第2始動記憶が発生することで、次の変動表示ゲームが開始される。
なお、普通変動入賞装置37が開放されにくい通常モード(左打ち)時には、第2始動記憶が発生することは通常難しくなっており、遊技者は第1始動記憶に基づく変動表示ゲームを開始させるために、始動入賞口36(第1始動入賞領域、始動口1)に遊技球を入賞させることを通常狙うことになる。
また、第1始動記憶が発生することが普通である通常モードで、仮に第2始動記憶が発生した場合(普図の低確率が0%より大きい場合)には、図79(こ)(さ)のリザルト表示中や図79(す)〜(そ)の特殊モード中と異なって、演出制御装置300は、第2保留表示部630bを表示し、発生した第2始動記憶に対応する保留表示を表示してもよい。これにより、通常モードで遊技者は第2始動記憶が発生したことを認識できる。
逆に、通常モードで仮に第2始動記憶が発生した場合(普図の低確率が0%より大きい場合)には、図79(こ)(さ)のリザルト表示中や図79(す)〜(そ)の特殊モード中と同じく、演出制御装置300は、第2保留表示部630bを表示せず、発生した第2始動記憶に対応する保留表示を表示しなくてもよい。これにより、通常モードで第2始動記憶が発生しても、遊技者に違和感を与えない。
〔時短100回機における時短状態からの画面遷移例〕
図81を参照して、時短100回機における時短状態からの第2始動記憶に対応する保留表示の表示態様について説明する。なお、以下の説明では、図78から図80における内容と同様のものについては適宜省略して説明する。
図81は、表示装置41の表示画面を時系列で示した画面遷移図であり、時短100回機における時短状態からの画面遷移の一例である。なお、時短100回機(時短機)は、時短状態(特定遊技状態)に移行可能な一般的な遊技機で、大当りの後に所定回数(例えば100回)の時短状態(普電サポート状態)が発生可能なものをいうものとする。
図81の(は)は、遊技状態が大当り終了後に時短状態になってから、時短1回目の特図2変動表示ゲームが実行されているときの表示装置41の表示画面である。
保留消化領域640は、第2始動記憶を消化するための専用の枠(例えば「凸状の台座」)に切り替わっており、当該凸状の台座上に、変動中保留表示633vが特図2保留(第2始動記憶)を示す表示態様(例えば「▽」)で表示されている。
保留消化領域640の変動中保留表示633vには、例えば、「残り99」という時短モードの残り回数(時短残り回数)を遊技者に報知する文字が表示される。なお、図81の(は)や後述する図では、時短回数が分かるように、第2保留表示部630bの上部に「時短x回目」という説明書きを図示しているが、表示装置41の表示画面上に「時短x回目」という文字を実際に表示させて遊技者に時短回数を報知してもよい。このように時短回数を報知することで、遊技者が現在何回目の時短状態における変動表示ゲームであるかを認識し易くなり、遊技の興趣を高めることができる。
また、第2保留表示部630bには、第2始動記憶を示す表示態様(例えば「▽」)で保留表示633uが表示されている。当該保留表示633uの下部には、当該保留表示633uが時短中に消化されることを示す所定の表示態様として台座となる長方形の四角形(例えば「□」)が表示される。そのため、どの保留表示まで時短状態が継続するのかを遊技者が認識し易くなり、遊技の興趣を高めることができる。
図81の(ひ)は、その後、時短状態で特図2変動表示ゲームが繰り返されて、時短95回目の特図2変動表示ゲームが実行されているときの表示装置41の表示画面である。
保留消化領域640の変動中保留表示633wには、例えば、「残り5」という時短残り回数が表示される。また、第2保留表示部630bには、第2始動記憶を示す表示態様(例えば「▽」)で保留表示633x、633y、633zが表示されている。当該保留表示633x、633y、633zの下部には、時短中に消化されることを示す所定の表示態様の台座(例えば「□」)が前述した保留表示633uと同様に表示される。
図81の(う2)は、図81の(ひ)で実行されていた特図2変動表示ゲームが変動停止したときの表示装置41の表示画面である。
例えば、図81の(う2)に示すように、変動表示ゲームがはずれ図柄(例えば「358」)で変動停止すると、図78の(う)と同様に、待機中の保留(始動記憶)に応じて次の変動表示ゲームが実行されることになる。また、図81の(う2)でも、新たに第2始動記憶が発生して、第2保留表示部630bに保留表示633が表示される。
また、特図2変動表示ゲームが変動停止した際に、待機中の次の第2始動記憶に基づく特図2変動表示ゲームが実行されるまでの間、保留消化領域640には変動中保留表示は表示されずに、第2始動記憶を消化するための専用の枠(例えば「凸状の台座」)のみが表示される。なお、演出制御装置300は、保留シフトのシフト演出(保留がシフトする演出)を行ってから、次の第2始動記憶に基づく特図2変動表示ゲームを実行してもよく、シフト演出を行わずに保留表示を瞬時に次の位置(保留シフト後の位置)に切り替えてから特図2変動表示ゲームを実行してもよい。なお、変動停止中において、変動中の変動中保留表示とは色や透明度を異なせた保留表示を保留消化領域640に表示し、次の時短残り回数(例えば「残り4」)を表示してもよい。
図81の(え2)は、時短96回目の特図2変動表示ゲームが実行されているときの表示装置41の表示画面である。
保留消化領域640の変動中保留表示633xには、例えば、「残り4」という時短残り回数が表示される。また、第2保留表示部630bには、第2始動記憶を示す表示態様(例えば「▽」)の保留表示633aが新たに表示される。
ここで、演出制御装置300は、図81の(え2)に示すように、新たな保留表示633aの下部の台座(例えば「□」)に「Last」という時短状態を終了することを報知する文字を表示することができる。したがって、残り回数を表示した部分を注視しなくても、時短終了のタイミングを遊技者が保留表示から認識できるようになるので、遊技の流れを把握し易くなって遊技の興趣を高めることができる。
図81の(お2)は、時短97回目の特図2変動表示ゲームが実行されているときの表示装置41の表示画面である。
第2保留表示部630bには、第2始動記憶(特図2保留)に対応する保留表示633bが新たに表示される。当該保留表示633bは、時短状態が終了した後に移行する移行状態(確率的には通常遊技状態)で消化されることになる残保留(所定残保留、第1残保留、時短中発生残保留)である。このように、時短残り回数が3回以下になると、時短終了後に消化される残保留が第2保留表示部630bに溜まり始めることになる。
なお、時短終了後に消化される残保留は第2始動記憶であり、当該第2始動記憶の大当り図柄乱数は、第1始動記憶の大当り図柄乱数よりも確変状態の発生する確率が高くなる有利な振り分けとなっている。そのため、残保留が消化される移行状態中(残保留消化モード中)は、確率的には通常遊技状態であるが遊技者に有利な有利状態であるとも言える。
また、演出制御装置300は、新たに表示される保留表示633bの下部にも所定の表示態様として台座(例えば「□」)を表示してもよい。このような表示態様によっても、保留表示633aの下部の台座に「Last」という文字を遊技者が視認でき、時短終了のタイミングを保留表示から認識することができる。また、時短中に消化される保留と時短終了後に消化される残保留とで、保留表示の表示態様が同じになり統一性が増すので、時短モードにおける演出に違和感が生じることを抑制でき、遊技の興趣を高めることができる。
図81の(か2)は、時短98回目の特図2変動表示ゲームが実行されているときの表示装置41の表示画面である。
第2保留表示部630bには、第2始動記憶(特図2保留)に対応する保留表示633cが新たに表示される。当該保留表示633cも、保留表示633bと同様に残保留である。
その後、時短99回目の特図2変動表示ゲームが実行されると、表示装置41の表示画面は、図79の(き)と同様の画面遷移になり、時短100回目では図79の(く)(け)と同様の画面遷移になる。そして、演出制御装置300は、時短終了後に、図79の(こ)移行に示すようにリザルト画面670を表示してもよい。
なお、上述した1種2種混合機における図79の(き)〜(け)の画面遷移例では、第2保留表示部630bに表示される保留表示633b、633c、633d、633eは、過剰な残保留の第2残保留であると説明した。しかしながら、時短100回機において図81の(か2)から遷移して図79の(き)〜(け)となる場合には、当該保留表示633b、633c、633d、633eは、時短中に発生して時短終了後に消化される第1残保留(残保留)になる。4個の残保留に基づく特図2変動表示ゲームが時短100回後に実行可能になるので、遊技者は、合計で104回(100+4回)の特図2変動表示ゲームを行って大当りを狙うことができ、遊技の興趣を高めることができる。
〔特図2保留表示の変形例における画面遷移例〕
図82、図83を参照して、特図2保留表示の変形例の表示態様として、特図2保留の全消化までのリザルト表示を継続する表示態様について説明する。なお、以下の図87までの変形例は、図78から図80で説明した1種2種混合機(時短回数1回)の遊技機10における特図2保留表示の変形例になる。
図82は、表示装置41の表示画面を時系列で示した画面遷移図であり、特図2保留表示の変形例における画面遷移の一例(前半)である。図83は、特図2保留表示の変形例における画面遷移の一例(後半)である。
図82の(き2)は、時短終了後の時短中発生保留消化モードに、3つ目の第1残保留に基づいて特図2変動表示ゲームが実行されているときの表示装置41の表示画面である。
保留シフトの後、3つ目の第1残保留(第2始動記憶)の変動中保留表示633に基づいて特図2変動表示ゲームが実行されると、保留消化領域640の変動中保留表示633に表示されるモード残り回数は例えば「残り1」になる。また、特図1保留数表示部650の特図1保留数を示す数字は「1」であり、特図2保留数表示部660の特図2保留数を示す数字は「4」である。すなわち、図82の(き2)では、図79の(き)と同じ特図1保留数、特図2保留数になっており、待機中の第1残保留が1個、第2残保留が3個になっている。
ここで、演出制御装置300は、図82の(き2)に示すように、第1残保留の保留表示633aを表示する一方で、3個の第2残保留の保留表示は表示しない。したがって、第1残保留(保留表示633a)だけが表示されているので、どの保留が消化されるまで、所定の演出モード(移行状態の時短中発生残保留消化モード)による演出が実行されるのかを遊技者が把握し易くなり、遊技の興趣を高めることができる。また、実行される演出との関連性が強い第1残保留のみが表示されるので効果的な演出を行えるとともに、関連性が弱い第2残保留は非表示になるので演出の妨げとなることを抑制でき遊技者を演出に集中させ易くできるので、遊技の興趣を高めることができる。
なお、図82の(き2)以降の図において第2残保留の保留表示は表示されていないが、特図2保留数表示部660に特図2保留数を示す数字「4」が表示されているので、遊技者は特図2保留数を把握することができる。
図82の(く2)は、時短終了後に、4つ目の第1残保留に基づいて特図2変動表示が実行されているときの表示装置41の表示画面である。
保留シフトの後、4つ目の第1残保留である変動中保留表示633aに基づいて特図2変動表示ゲームが図82の(き2)と同様に実行され、保留消化領域640の変動中保留表示633aに表示されるモード残り回数が例えば「残り0」に切り替わる。
また、演出制御装置300は、第2残保留の保留表示を第2保留表示部630bに表示しない状態を維持している。特図2保留数表示部660の特図2保留数を示す数字は、「3」になる。
図82の(け2)は、4つ目の第1残保留に基づいて特図2変動表示ゲームが実行され、図82の(く2)の後に第2始動記憶(特図2保留)が発生したときの表示装置41の表示画面である。
第2始動記憶の第2残保留が発生すると、特図2保留数表示部660の特図2保留数を示す数字は「4」になる。その際、第2保留表示部630bには保留表示が表示されていないので、第2始動記憶が発生したことが分かり易くなるように、特図2保留数表示部660の近くに第2始動記憶が発生したことを報知する文字(例えば「new」という文字)を表示してもよい。
図82の(こ2)は、4つ目の第1残保留に基づいて特図2変動表示ゲームが実行され、図82の(け2)の後にリザルト画面670に遷移したときの表示装置41の表示画面である。
4つ目(最後、最新)の第1残保留に基づく特図2変動表示ゲームの変動後半で、演出制御装置300は、表示装置41の表示画面に所定期間の遊技結果を示すリザルト画面670を表示する(リザルト表示)。演出制御装置300は、リザルト画面670を表示する一方で、第2残保留の保留表示は第2保留表示部630bに表示しない状態を維持している。したがって、表示画面には、第2残保留の保留表示が表示されなくなり、代わりにリザルト画面670が大きく表示されるので、当該リザルト画面670を遊技者が視認し易くなり、遊技の興趣を高めることができる。
図82の(さ2)は、リザルト表示中に、1つ目の第2残保留に基づいて特図2変動表示ゲームが実行されているときの表示装置41の表示画面である。
1つ目の第2残保留に基づく特図2変動表示ゲームの実行に伴い、時短中発生残保留消化モードから過剰保留消化モード(リザルトモード)に演出が切り替えられる。表示装置41の表示画面にはリザルト画面670が引き続き表示されている。
図82の(し2)は、1つ目の第2残保留に基づく特図2変動表示ゲームが変動停止したときの表示装置41の表示画面である。また、図83の(す2)から(そ2)は、2つ目から4つ目の第2残保留に基づいて特図2変動表示ゲームが実行されているときの表示装置41の表示画面である。
本変形例では、例えば1つ目の第2残保留に基づく特図2変動表示ゲームが変動停止してもリザルトモードが継続され、図82の(し2)に示すように、リザルト画面670の表示が維持される。なお、変動表示領域615では、小図柄が変動停止し、はずれ図柄(例えば「267」)となっている。
その後も、2つ目から4つ目の第2残保留に基づいて特図2変動表示ゲームが実行される際もリザルトモードが継続されており、図83の(す2)から(そ2)に示すように、リザルト画面670の表示が維持される。その際、特図2保留数表示部660の特図2保留数を示す数字は、特図2変動表示ゲームが実行される毎に1つずつ減少し、最終的には図83の(そ2)に示すように「0」になる。
したがって、第2残保留が全て消化されるまでリザルトモードが維持されることになるので、リザルト画面670を確認するための時間を長めに確保することができ、遊技者が遊技の結果を慌てずにゆっくりと確認できるようになる。また、リザルト画面670を比較的長めに表示可能になるので、演出制御装置300は、演出内容等のより詳細なデータをリザルト画面670に表示するようにしてもよい。
図82の(た2)は、4つ目の第2残保留に基づく特図2変動表示ゲームが変動停止したときの表示装置41の表示画面である。
4つ目の第2残保留に基づく特図2変動表示ゲームが変動停止すると、リザルトモードが終了して通常モードに演出が切り替わり、リザルト画面670が非表示になる。また、表示画面の変動表示領域610には、特図2変動表示ゲームのはずれ図柄(例えば「416」)が表示される。そして、図80の(た)と同様に、保留消化領域640と第1保留表示部630aと左打ち表示671とが表示された状態になる。第1保留表示部630aには、特図1保留に対応する保留表示633fが表示される。
その後、図82の(ち2)(つ2)では、図80の(ち)(つ)と同様に、第1始動記憶(特図1保留)に基づいて特図1変動表示ゲームが実行され、はずれ図柄(例えば「521」)で変動停止する。
なお、リザルト画面670の非表示になるタイミングは、4つ目の第2残保留に基づく特図2変動表示ゲームが変動停止するタイミングに限らず、特図1変動表示ゲームが開始されるタイミングでもよく、また、両方の条件が成立するタイミングでもよい。
〔特図2保留表示の変形例2における画面遷移例〕
図84を参照して、特図2保留表示の変形例2の表示態様として、リザルト表示時の表示態様について説明する。
図84は、表示装置41の表示画面を時系列で示した画面遷移図であり、特図2保留表示の変形例2における画面遷移の一例である。
図84の(け)は、時短中発生残保留消化モード中に、4つ目の第1残保留に基づいて特図2変動表示ゲームが実行される図79の(く)の後に、第2始動記憶(特図2保留)が発生したときの表示装置41の表示画面であり、図79の(け)と同じものである。第2始動記憶の第2残保留が発生すると、当該第2残保留に対応する保留表示633eが新たに表示される(「new」と表示)。
図84の(こ3)は、4つ目の第1残保留に基づいて特図2変動表示ゲームが実行され、図84の(け)の後にリザルト画面670に遷移したときの表示装置41の表示画面である。
4つ目(最後、最新)の第1残保留に基づいて特図2変動表示ゲームが実行され、変動後半になると、演出制御装置300はリザルト表示を行う。
その際、特図2保留表示の変形例2では、演出制御装置300は、リザルト表示中に変動表示領域610を非表示にする一方で、第2保留表示部630bや保留消化領域640の表示を維持する。したがって、遊技者は、特図2保留数表示部660と第2保留表示部630bの保留表示とを視認することで、特図2保留の数を確認できるとともに、当該特図2保留が第2残保留であることも簡単に確認することができる。
なお、表示装置41の表示画面の中央には、図79の(こ)と同様に、変動表示領域610に代わってリザルト画面670が大きく表示されているので、当該リザルト画面670を遊技者が視認し易くなり、遊技の興趣を高めることができる。
図84の(さ3)は、リザルトモードにおけるリザルト表示中に、1つ目の第2残保留に基づいて特図2変動表示ゲームが実行されているときの表示装置41の表示画面である。
表示装置41の表示画面にはリザルト画面670の表示が維持されるとともに、保留消化領域640の変動中保留表示633bの上部には「終了」という時短中発生残保留消化モードの終了を報知する文字が表示される。したがって、時短中の特図2保留と第1残保留とに基づく複数の特図2変動表示ゲームによる一連の演出が終了したことを、遊技者は容易に認識することができる。
また、1つ目の第2残保留が変動中保留表示633bとして保留消化領域640に位置するとともに、第2保留表示部630bの第2残保留に対応する保留表示633c、633d、633eも一つ左に位置する。なお、リザルトモード(過剰保留消化モード)では、演出制御装置300は、特図2変動表示ゲームの短縮変動(固定の変動時間値)に合わせて保留シフトのシフト演出を省略し、第2残保留がより早期に消化されるようにしてもよい。また、演出制御装置300は、保留シフトのシフト演出を省略せずに、遊技者にどの保留表示が消化されているかを分かり易く表示するようにしてもよい。
図84の(し3)は、1つ目の第2残保留に基づく特図変動表示ゲームが変動停止したときの表示装置41の表示画面である。
例えば、特図2保留表示の変形例2では、1つ目の第2残保留に基づく特図2変動表示ゲームが変動停止してもリザルトモードは終了せず、図84の(し3)に示すように、リザルト画面670や第2保留表示部630b、保留消化領域640の表示が維持される。変動表示領域615には、はずれ図柄(例えば「267」)の小図柄が変動停止する。
そして、リザルトモードで第2残保留が全て消化されて、図83の(た2)に示すように、変動表示領域610と第1保留表示部630aが表示されるまで、リザルト画面670と同様に、第2保留表示部630bや保留消化領域640の表示も維持される。したがって、第2残保留が全て消化されるまで、遊技者はどの保留表示が消化されているかを容易に確認することができる。
〔特図2保留表示の変形例3における画面遷移例〕
図85を参照して、特図2保留表示の変形例3の表示態様として、リザルト表示前の表示態様について説明する。
図85は、表示装置41の表示画面を時系列で示した画面遷移図であり、特図2保留表示の変形例3における画面遷移の一例である。
図85の(き4)は、時短終了後の時短中発生残保留消化モード中に、3つ目の第1残保留に基づいて特図2変動表示ゲームが実行されているときの表示装置41の表示画面である。
図85の(き4)では、第2保留表示部630bの第2残保留に対応する保留表示633b、633c、633dは、第1始動記憶(特図1保留)の保留表示と同じ表示態様(例えば「〇」)で表示される。
他方で、第1残保留に対応する保留表示633aは、所定の表示態様(例えば「▽」)で表示され、当該保留表示633aの下部には台座(例えば「□」)が表示される。
図85の(く4)(け4)は、4つ目の第1残保留に基づいて特図変動表示ゲームが実行されているときの表示装置41の表示画面である。図85の(け4)では、新たな第2始動記憶(特図2保留)として第2残保留が発生している。図85の(く4)(け4)でも同様に、第2保留表示部630bの第2残保留に対応する保留表示633b、633c、633d、633eは、第1始動記憶(特図1保留)の保留表示と同じ表示態様(例えば「〇」)で表示される。
したがって、過剰保留消化モード(リザルトモード、特殊モード)で消化される第2残保留が、その後すぐに移行する通常モードで消化される第1始動記憶の保留表示と同じ表示態様で表示されることになるので、第2残保留と第1始動記憶の保留表示が異なる表示態様となることで生じる演出の違和感を抑制することができる。また、第2残保留と第1始動記憶の保留表示が共通の表示態様で表示されることで変動表示ゲーム中の演出の邪魔になることも抑制できるので、遊技者が演出に集中し易くなり、遊技の興趣を高めることができる。
その後、演出制御装置300は、過剰保留消化モードのリザルトモードに演出を切り替えて、図79の(こ)に示すようにリザルト画面670を表示することができる(リザルト表示)。
〔特図2保留表示の変形例4、5における画面遷移例〕
図86を参照して、特図2保留表示の変形例4、5の表示態様として、リザルト表示後の表示態様について説明する。
図86は、表示装置41の表示画面を時系列で示した画面遷移図であり、特図2保留表示の変形例4、5における画面遷移の一例である。
図86の(さ)は、リザルトモードにおけるリザルト表示中に、1つ目の第2残保留に基づいて特図2変動表示ゲームが実行されているときの表示装置41の表示画面であり、図79の(さ)と同じものである。その後、例えば、特図2保留表示の変形例4の表示態様では図86の(し5)のように画面遷移し、変形例5の表示態様では図86の(し6)のように画面遷移する。
図86の(し5)は、1つ目の第2残保留に基づく特図2変動表示ゲームが変動停止したときの、特図2保留表示の変形例4における表示装置41の表示画面である。
図86の(し5)では、第2始動記憶(第2残保留)に基づく保留表示633c、633d、633eと、第1始動記憶に基づく保留表示633fとが、共通保留表示部630cにまとめて表示される。
共通保留表示部630cは、第2始動記憶(第2残保留)基づく保留表示および第1始動記憶に基づく保留表示の共通の保留表示領域である。すなわち、共通保留表示部630cは、第1保留表示部630aと第2保留表示部630bとを含む表示部である。
なお、演出制御装置300は、第1始動記憶の保留表示の表示態様(例えば「〇」)と区別し易くなるように、第2残保留の保留表示を所定の表示態様(例えば「▽」)で表示することができる。
したがって、このように共通保留表示部630cを用いるとともに複数の表示態様で保留表示を行うことで、待機中の保留表示の数や種類が分かり易くなって遊技者が遊技の流れを把握し易くなるので、遊技の興趣を高めることができる。
図86の(す5)は、その後、2つ目の第2残保留に基づいて特図2変動表示ゲームが実行されているときの表示装置41の表示画面である。リザルトモードから特殊モード(専用モード)に演出が切り替わっても、演出制御装置300は、同様に共通保留表示部630cを表示して、まとめて保留表示を行うことができる。
その後、同様に3つ目、4つ目の第2残保留に基づいて特図変動表示ゲームが実行された後、演出制御装置300は、例えば図80の(た)に示すように画面遷移して、特殊モードから通常モードへと演出の切り替えを行うことができる。
他方で、図86の(し6)は、1つ目の第2残保留に基づく特図2変動表示ゲームが変動停止したときの、特図2保留表示の変形例5における表示装置41の表示画面である。
図86の(し6)では、独立した保留表示領域に区分けされて、第1保留表示部630aと第2保留表示部630bとが表示画面の下部に同時に表示される。
なお、演出制御装置300は、第1保留表示部630aの表示領域(例えば実線の四角枠)と区別し易くなるように、第2保留表示部630bの表示領域(例えば破線の四角枠)を表示することができる。
図86の(す6)は、その後、2つ目の第2保留に基づいて特図2変動表示ゲームが実行されているときの表示装置41の表示画面である。保留表示の移動に合わせて、すなわち特図2保留の数に応じて、独立した保留表示領域における第1保留表示部630aの占める割合が大きくなり、第2保留表示部630bの占める割合が小さくなる。
したがって、独立した保留表示領域における第1保留表示部630aと第2保留表示部630bとの占める割合を比較することによっても、待機中の第2残保留の数が分かり易くなり、遊技者が遊技の流れを把握し易くなるので、遊技の興趣を高めることができる。
その後、同様に3つ目、4つ目の第2残保留に基づいて特図変動表示ゲームが実行された後、演出制御装置300は、例えば変形例4と同様に、図80の(た)に示すように画面遷移することができる。
〔特図2保留表示の変形例6における画面遷移例〕
図87を参照して、特図2保留表示の変形例6の表示態様として、リザルト表示後の消化中保留の表示態様について説明する。
図87は、表示装置41の表示画面を時系列で示した画面遷移図であり、特図2保留表示の変形例6における画面遷移の一例である。
図87の(さ)は、リザルトモードにおけるリザルト表示中に、1つ目の第2残保留に基づいて特図2変動表示ゲームが実行されているときの表示装置41の表示画面であり、図79の(さ)と同じものである。また、図87の(し)は、1つ目の第2残保留に基づく特図2変動表示ゲームが変動停止したときの表示装置41の表示画面であり、図79の(し)と同じものである。
第2残保留に基づく特図2変動表示ゲームがはずれ図柄(例えば「267」)で変動停止されると、演出制御装置300は、リザルト表示を終了してリザルト画面670を非表示にするとともに、当該はずれ図柄が表示される変動表示領域610を表示する。
図87の(す7)は、2つ目の第2残保留に基づいて特図2変動表示ゲームが実行されているときの表示装置41の表示画面である。
2つ目の第2残保留に基づいて特図2変動表示ゲームが実行されると、第1保留表示部630aの第1始動記憶の保留表示633fの位置を変化させずに、保留消化領域640に変動中保留表示633cを表示する。変動中保留表示633cは、2つ目の第2残保留に基づく変動中の保留表示である。
また、演出制御装置300は、図87の(す7)に示すように、所定の表示態様(例えば「▽」)に代えて、第1始動記憶の保留表示と同じ表示態様(例えば「〇」)で、変動中保留表示633cを表示することができる。
このように、第2残保留の変動中保留表示633cを、第1始動記憶の保留表示と同じ共通の表示態様(例えば「〇」)で表示することによって、第2残保留と第1始動記憶の変動中保留表示が異なる表示態様となることで生じる演出の違和感を抑制することができる。また、第2残保留と第1始動記憶の変動中保留表示が共通の表示態様で表示されることで変動表示ゲーム中の演出の邪魔になることも抑制できるので、遊技者が演出に集中し易くなり、遊技の興趣を高めることができる。
その後、同様に3つ目、4つ目の第2残保留に基づいて特図変動表示ゲームが実行された後、演出制御装置300は、例えば図80の(た)に示すように画面遷移することができる。
[第2実施形態の作用・効果]
第2実施形態に係る遊技機10は、ゲーム(変動表示ゲーム(特図1変動表示ゲーム、特図2変動表示ゲーム))を実行可能な遊技制御手段(遊技制御装置100)と、ゲームに関連する演出を実行可能な演出制御手段(演出制御装置300)と、演出を表示可能な表示手段(表示装置41)と、を備える。遊技機10では、遊技制御手段は遊技者に有利な遊技状態として特定遊技状態(時短状態(時短モード))を発生可能であり、演出制御手段は、特定遊技状態から通常遊技状態(通常モード)に移行するとき(移行状態(過剰保留消化モード))、特定遊技状態における主となるゲーム(特図2変動表示ゲーム)の始動記憶(第2始動記憶)に応じた所定の始動記憶表示(第2残保留の表示)を表示手段の特定表示部(始動記憶表示領域(保留消化領域640、第1保留表示部630a、第2保留表示部630b))に表示しない。
このような遊技機10によれば、どの保留が消化されるまで特定遊技状態に対応する演出(一連の演出)が実行されるのかを、遊技者がより把握し易い表示態様とすることができるので、遊技の興趣を向上させることができる。
また、遊技機10は、ゲームの実行権利として始動記憶(第1始動記憶、第2始動記憶)を記憶可能な始動記憶手段(遊技制御装置100のRAM111c)を備える。演出制御手段は、特定遊技状態において発生した始動記憶(時短中に消化される第2始動記憶、第1残保留など)に応じた始動記憶表示(例えば所定の表示態様として台座となる長方形の四角枠(「□」の表示))を特定表示部に表示可能である。
このような遊技機10によれば、複数の表示態様で保留表示が行われるので、保留表示の数や種類が分かり易くなって遊技者が遊技の流れを把握し易くなるので、遊技の興趣を向上させることができる。
また、遊技機10では、演出制御手段は、特定遊技状態の終了後に、第1演出(過剰保留消化モード(リザルトモード、特殊モード))とその後の第2演出(通常モード)を実行し、第2演出は、通常遊技状態における主となるゲーム(特図1変動表示ゲーム)に関連して実行される。
このような遊技機10によれば、第1始動記憶に基づくゲームと異なる態様で第2始動記憶に基づくゲームが実行されることになるので、変動中のゲームがどちらの始動記憶に基づくゲームであるかが遊技者にとって分かり易くなる。その結果、遊技者は有利状態であるときのゲームの結果に対して特に期待感を高めることができるので、遊技の興趣を向上させることができる。
また、遊技機10では、演出制御手段は、特定遊技状態において発生した始動記憶に基づく所定回数(例えば100回)のゲームが完了する際に、演出の態様を切り替え可能(例えば時短モードから通常モードへの切り替え)であり、所定回数のゲームのうち最後のゲームの始動記憶(例えば100回目)に応じた始動記憶表示を特殊な態様で表示する(例えば下部の台座に「LAST」表示)。
このような遊技機10によれば、遊技者が特定遊技状態の残り回数の表示を注視しなくても、特定遊技状態の終了タイミングを保留表示から認識できるようになるので、遊技の流れを把握し易くなって遊技の興趣を向上させることができる。
また、遊技機10では、特定表示部は、ゲームの実行前に始動記憶表示を表示する待機保留表示領域(第1保留表示部630a、第2保留表示部630b)とゲームの実行中に始動記憶表示を表示する変動中保留表示領域(保留消化領域640)のうち少なくとも一つを含む。
このような遊技機10によれば、少なくとも待機保留表示領域または変動中保留表示領域のどちらかを遊技者が視認することで、どの保留(始動記憶)が消化されるまで特定遊技状態に対応する演出(一連の演出)が実行されるのかを把握することができるので、遊技の興趣を向上させることができる。
また、遊技機10では、演出制御手段は、特定遊技状態において発生した始動記憶に基づく所定回数(例えば時短回数(1回)+4回)のゲームが完了する際に、表示手段において特殊画像(リザルト画面670)を表示可能であり、特定遊技状態における主となるゲームの始動記憶が特定遊技状態よりも後に発生しても(第2残保留)、当該始動記憶に基づくゲームが全て終了するまで特殊画像を継続して表示し、特殊画像の表示中は、ゲームの実行時間が振り分け(抽選)で選択されずに固定されている。
このような遊技機10によれば、特定遊技状態における主となる始動記憶(第2残保留)が全て消化されるまで特殊画像が継続して表示されているので、変動中のゲームが第1始動記憶または第2始動記憶のどちらの始動記憶に基づくゲームであるかが遊技者にとって分かり易くなり、遊技の興趣を向上させることができる。
また、遊技機10では、演出制御手段は、特定遊技状態において発生して特定遊技状態の後にゲームが実行される始動記憶(時短中発生保留、第1残保留)に応じた所定の始動記憶表示(保留消化領域640の変動中保留表示)を、当該始動記憶に基づく全てのゲームが完了するまでのゲーム数(ゲームの実行回数)を示す態様(所定の演出モードの残り回数を遊技者に報知する文字(例えば「残りx」))にて表示可能である。
このような遊技機10によれば、特定遊技状態において発生して特定遊技状態の後にゲームが実行される始動記憶に基づくゲームが終了するタイミングを遊技者が把握し易くなるので、遊技の興趣を向上させることができる。
また、遊技機10では、特定遊技状態において発生した始動記憶と、特定遊技状態の後において発生した始動記憶とで、所定の始動記憶表示(第2始動記憶の保留表示(例えば「▽」))を異なる態様(所定の表示態様(例えば台座となる長方形の四角形「□」)の有無)で表示する。
このような遊技機10によれば、特定遊技状態において発生した始動記憶を遊技者が容易に識別できるので、どの保留が消化されるまで特定遊技状態に対応する演出(一連の演出)が実行されるのかを把握し易くなり、遊技の興趣を向上させることができる。
[第3実施形態]
図88から図93を参照して、第3実施形態について説明する。なお、以下で述べる以外の構成は、第1実施形態や第2実施形態と同様でよい。また、以下の実施形態では、第1実施形態や第2実施形態と同じ機能を果たす構成には同一の符号を用い、重複する記載を適宜省略して説明する。第3実施形態は、主に、特定遊技状態としての時短状態(普電サポート状態、電サポ)中の第2始動記憶(特図2始動記憶、特図2保留、残保留)の発生可能状態や発生を報知する発生待機表示と発生演出の表示態様に関する。第3実施形態も、始動記憶表示(保留表示)の表示態様に関連するが、第2実施形態とは異なる表示態様に関するものである。
〔第2始動記憶の発生待機表示と発生演出が行われるときの時短状態から時短状態後にかけての画面遷移例〕
図88および図89を参照して、第2始動記憶の発生待機表示と発生演出が行われるときの時短状態から時短状態後における第2始動記憶に対応する保留表示(始動記憶表示)の表示態様について説明する。
また、第3実施形態では、第1実施形態における特図変動表示ゲームの当りの図柄A−G(図55)に関して大当り後の時短回数を1回に変更し、時短状態(時短モード、特定遊技状態)において発生する残保留の数を1個に変更した例を主に説明する。特図2保留数の上限値(図9のA2905)を1にすることによって、時短状態で発生する残保留の数を1個にできる(特図1保留数の上限値は4のまま)。なお、時短状態で発生する残保留の数は4個でもよい(特図1保留数と特図2保留数の上限値は両方とも4)。また、第3実施形態では、普電開放パターンを、一回の普図当りで一回だけ開放されるものとする(後半開放(図56)を無くしたもの)。また、第3実施形態では、第1実施形態と同様に、小当り確率が1/8である例を説明するが、小当り確率は他の値でもよい。
以上のように、第3実施形態の遊技機10では、遊技制御装置100は、発生した第2始動記憶(特図2始動記憶、特図2保留)を1つまで記憶可能である。なお、第1実施形態や第2実施形態と同様に、第1始動記憶(特図1始動記憶、特図1保留)は4つまで記憶可能である。
図88は、第3実施形態に係る表示装置41の表示画面を時系列で示した画面遷移図であり、第2始動記憶の発生待機表示と発生演出が行われるときの時短状態から時短状態後の画面遷移の一例(前半)である。また、図89は時短状態から時短状態後の画面遷移の一例(後半)である。
図88の(な)は、大当り終了後(ラウンド遊技後)に遊技状態が時短状態になったときの表示装置41の表示画面である。演出制御装置300は、遊技状態が時短状態になったときに、表示装置41の表示画面上で特定の演出モード(時短モードやその後の残保留消化モード)を開始することができる。図88の(な)では、第1始動記憶や第2始動記憶はなく、変動表示ゲームは実行されていない。なお、特定の演出モードは、遊技状態が大当り状態(特別遊技状態)であるときに開始されてもよい。例えば、大当り状態において、ラウンド開始時(1ラウンド目)に特定の演出モードを開始してもよく、ラウンドの途中(8ラウンド目や16ラウンド目)で特定の演出モードを開始し、遊技者により有利な遊技状態になる昇格抽選が行われることを期待させるようにしてもよい。なお、滞在中の演出モード(演出ステージ)を表示装置41の表示画面に、文字表示したり背景として示してよい。
表示装置41の表示画面の左部には、変動表示ゲームが飾り特別図柄(小図柄)によって実行される変動表示領域615が設けられている。変動表示領域615の小図柄は、直前の変動表示ゲームの停止図柄、すなわち大当りが発生したときの特定の結果態様(特別結果態様)で停止表示(例えば「333」)されている。
また、複数の変動表示領域610(左領域610A、右領域610B、中領域610C)は、表示画面の上部に表示にされている。なお、複数の変動表示領域610は、例えば通常遊技状態のときなどに表示画面の中央に表示されることができる。変動表示ゲームが実行されている場合には、変動表示領域610及び変動表示領域615のうちの少なくとも1つが表示される。また、変動表示領域610及び変動表示領域615の変動表示の結果は、互いに一致する内容となる。
表示装置41の表示画面の左部における変動表示領域615の下方には、特図1保留数表示部650と特図2保留数表示部660とが設けられる。特図1保留数表示部650と特図2保留数表示部660には、それぞれ、特図1保留数を示す数字「0」と特図2保留数を示す数字「0」が表示されている。
表示装置41の表示画面の中央には、大きな発生待機表示672g、672h(発生待機大表示、表示態様A)がそれぞれ表示される。
発生待機表示672g、672hは、時短モードで発生可能な第2始動記憶に対応する表示である。発生待機表示672g、672hを遊技者が視認することによって、当該時短モードで発生する第2始動記憶の発生予定数を遊技者が認識できる。そのため、遊技者は、特定の演出モードで実行されるゲーム数(変動表示ゲームの回数)を把握し易くなる。すなわち、特定演出モードにおけるゲーム(遊技)の仕様が遊技者に伝わり易くなるので、遊技者が適切に遊技を行えて、製作者の意図した演出を実行することができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、発生待機表示672g、672hは、始動記憶表示領域(特定表示部、特定表示領域)としての第2保留表示部630b上に表示される。演出制御装置300は、例えば、第2保留表示部630bを表示画面の上層(前面、遊技者側)のレイヤに表示してもよい。このような態様にすることで、複数の変動表示領域610を非表示にしないでも、第2保留表示部630bの下層(背面、奥側)のレイヤに当該変動表示領域610が描画されるので、変動表示領域610の大図柄を表示画面に表示しないようにできる。なお、図88の(な)から(ぬ)に示す第2始動記憶(特図2保留)を溜める期間中(第2始動記憶を増やせる期間)に、変動表示領域610の大図柄を表示画面に小さく表示してもよい。すなわち、保留を溜める期間中における発生待機表示672g、672hや保留表示633g、633hは、大図柄よりも大きく表示されることができる(発生待機表示672g、672h、保留表示633g、633h>大図柄)。
表示装置41の表示画面の左上隅には、「準備中」という文字が表示される。また、表示画面の右上隅には、例えば「右打ち→」という右打ち表示(右打ち指示画像)が表示される。遊技者は、表示画面の「準備中」という文字を発生待機表示672g、672hとともに視認することで、時短モードにおける特定の演出を開始するために第2始動記憶を発生させて特図2変動表示ゲームを行う必要があることを適切に認識できる。また、そのために遊技者は、右打ちを行い普通変動入賞装置37(普通電動役物、普電)の第2始動入賞口(始動口2、第2始動入賞領域)に遊技球を入賞させる必要があることを、表示画面の「右打ち→」という文字から認識できる。
図88の(に)は、時短中に消化される保留(時短保留)用の第2始動記憶が発生したときの表示装置41の表示画面である。時短保留用の第2始動記憶が発生すると、演出制御装置300は、当該第2始動記憶の発生を報知する演出として第2始動記憶発生演出(時短保留)を行う。
第2始動記憶発生演出(時短保留)が行われると、例えば表示装置41の表示画面に第2始動記憶に対応する保留表示633gが動きながら大きく表示され(表示態様B)、第2始動記憶が発生したことが強調される。また、保留表示633gは、例えば、徐々に表示(フェードイン)されたり拡大表示(ズームイン)されることで、沸きあがる(ポップする)印象を遊技者に与えるようにして、保留表示633gの発生態様が強調されるように表示されてもよい。このように、保留表示633gは、第2始動記憶が発生したことを遊技者が認識可能な態様で表示されてよい。
また、第2始動記憶が発生すると、すぐに特図2変動表示ゲームが開始されることになるので、保留表示633gは、図88の(に)に太実線で示すように消化中(変動中)の保留であることを示す表示態様となる(表示態様B)。なお、特図2変動表示ゲームが開始されることで、変動表示領域615の飾り縮小図柄(小図柄)は変動表示(「↓↓↓」)される。
他方で、発生待機表示672hは、画面の下部の右側に小さく表示される(発生待機小表示、表示態様C)。したがって、表示態様Bで大きく表示される保留表示633gと比べて、発生待機表示672hが目立たない態様の表示態様Cで小さく表示されるので、遊技者を第2始動記憶発生演出(時短保留)に注目し易くさせることができる。
また、発生した第2始動記憶が即消化中となり特図2変動表示ゲームが開始されることによって、記憶されている第2始動記憶がなくなるので、時短モード中に発生する第2始動記憶をさらに1つ記憶可能(上限値まで記憶可能)となる。そして、表示装置41の表示画面の左上隅に表示されていた「準備中」という文字は、特定の演出が開始されるまでの時間をカウントダウン形式で表示するカウントダウン表示(例えば「アト06:97」)に切り替わる。したがって、引き続き特定の演出モードで実行されるゲーム数の分だけ保留(第2始動記憶)を溜めなければならないことを、遊技者に印象付けることができる。
図88の(ぬ)は、第2始動記憶発生演出(時短保留)が行われた後の表示装置41の表示画面である。
第2始動記憶発生演出(時短保留)が終わると、表示装置41の表示画面の中央には、大きな発生待機表示672h(発生待機大表示、表示態様A)が再度表示される。また、図88の(な)で大きな発生待機表示672gが表示されていた位置には、大きな消化中(変動中)の保留表示633g(消化保留大表示、変動中保留表示、表示態様D)が表示される。
また、時間の経過とともに、表示装置41の表示画面の左上隅に表示されているカウントダウン表示(例えば「アト02:36」)の時間が減少(カウントダウン)する。
図88の(ね)は、時短保留用の第2始動記憶に基づく特図2変動表示ゲームの後半変動でバトル演出が開始されるときの表示装置41の表示画面である。なお、特図2変動表示ゲームが後半変動になり、特定の演出モードにおける演出が発展してバトル演出が開始されると、変動表示領域610の大図柄は非表示にされる。なお、変動表示領域610の大図柄を表示し続けてもよい。
カウントダウン表示が「アト00:00」になると、特図2変動表示ゲームは後半変動になり、時短モードの特定の演出として例えばバトル演出(対戦演出)が開始される。なお、図88の(ね)では、表示画面に「アト00:00」というカウントダウン表示をバトル演出が開始されてから所定の時間(例えば5sec)だけ残しているが、演出制御装置300は、時短モードの演出をバトル演出に切り替える際にカウントダウン表示を非表示にしてもよい。
特定の演出としてバトル演出が開始されると、表示画面の中央には、互いに対峙する味方のキャラクタ767と敵のキャラクタ769とが表示される。
他方で、表示画面の下部には、消化中(変動中)の保留表示633gが小さく表示される(消化保留小表示、変動中保留表示、表示態様E)。また、保留表示633gの横に、発生待機表示672hが小さく表示される(発生待機小表示、表示態様C)。
なお、カウントダウン表示は止まっているが、遊技者が右打ち遊技を継続することで、時短モード後の残保留消化モードで消化される保留(残保留)用の第2始動記憶を発生させることができる。
図88の(の)は、残保留用の第2始動記憶が発生したときの表示装置41の表示画面である。残保留用の第2始動記憶が発生すると、演出制御装置300は、当該第2始動記憶の発生を報知する演出として第2始動記憶発生演出(残保留)を行う。
第2始動記憶発生演出(残保留)が行われると、第2始動記憶発生演出(時短保留)と同様に、例えば表示装置41の表示画面に第2始動記憶に対応する保留表示633hが動きながら大きく表示され(表示態様F)、第2始動記憶が発生したことが強調される。
また、残保留用の第2始動記憶が発生した際、時短保留用の第2始動記憶に基づく特図2変動表示ゲームが実行されているので、保留表示633hは、図88の(の)に細実線で示すように待機中の保留(待機保留)であることを示す表示態様となる(表示態様F)。なお、残保留用の第2始動記憶が発生することで、第2保留表示部630bの数字は「1」になる。
他方で、消化中の保留表示633gは、画面の下部の左側に小さく表示される(消化保留小表示、変動中保留表示、表示態様E)。したがって、表示態様Fで大きく表示される保留表示633hと比べて、消化中の保留表示633gが目立たない態様の表示態様Eで小さく表示されるので、遊技者を第2始動記憶発生演出(残保留)に注目し易くさせることができる。
なお、第2始動記憶発生演出(残保留)を例えば表示画面の右下隅等で小さく表示して、遊技者をバトル演出に注目し易くさせてもよい。また、第2始動記憶発生演出(残保留)(図88の(の))を省略して、図88の(ね)から(は)の表示画面に画面遷移させてもよい。また、演出制御装置300は、例えば図88の(ぬ)の特図変動表示ゲームの前半変動で、すなわちカウントダウン表示で示される時間が減少しているときに、残保留用の第2始動記憶が発生した場合には、バトル演出になる前に第2始動記憶発生演出(残保留)を行ってもよい。
図88の(は)は、その後、バトル演出としてムービー演出(動画演出)が実行されているときの表示装置41の表示画面である。
時短用の保留表示633gとともに、残保留用の保留表示633hは、表示画面の下部に小さく表示される(待機保留小表示、表示態様G)。そして、以後の特定の演出モードでの第2始動記憶(特図2保留)を増やせない期間における保留表示633g、633hは、大図柄よりも小さく表示される(保留表示633g、633h<大図柄)。なお、図89で後述する消化済み表示673g、673hも同様に大図柄よりも小さく表示される(消化済み表示673g、673h<大図柄)。ここで、第2始動記憶を増やせない期間は、時短モード中であって第2始動記憶が上限値1に達した後の期間、又は、時短モード終了後に普電が開放されない期間である。
表示装置41の表示画面の中央では、味方のキャラクタ767と敵のキャラクタ769とが闘うバトル演出が行われ、例えば敵のキャラクタ769が味方のキャラクタ767に攻撃するシーンが表示される。
次に、図89の(ひ)は、時短保留用の第2始動記憶に基づく特図2変動表示ゲームが変動停止したときの表示装置41の表示画面である。
特図2変動表示ゲームが変動停止すると、変動表示領域610の大図柄は例えば「167」という図柄で停止表示される。また、変動表示領域615の小図柄も同様に例えば「167」という図柄で停止表示される。
表示装置41の表示画面の下部では、消化中(変動中)であった保留表示633gが非表示にされ、図89の(ひ)に破線で示すように消化済み表示673g(表示態様H)が表示される。すなわち、表示画面上では、保留表示633gが消化済み表示673gに切り替わる表示態様となる。消化済み表示673gは、保留表示633gに対応する時短保留用の第2始動記憶が消化されたことを示す表示である。
また、演出制御装置300は、消化済み表示673gの右側にある残保留用の保留表示633h(待機保留小表示)の表示(表示態様G)を維持する。すなわち、第3実施形態の遊技機10では保留シフトが行われないので、保留表示633gが消化されても、保留表示633hの位置は変わることがない。ここで、保留シフトは、表示装置41の表示画面において、待機中の保留(後に発生した始動記憶、残保留)に基づく変動表示ゲームが開始される際に、先に発生した始動記憶(時短保留)が表示されていた所定の表示領域(時短保留に係る保留消化領域や変動中保留表示領域)に、待機中の保留を移動するような演出である。
図89の(ふ)は、残保留用の第2始動記憶に基づく特図2変動表示ゲームが開始された後の表示装置41の表示画面である。
残保留用の第2始動記憶に基づく特図2変動表示ゲームが開始されると、特定の演出モードは時短モードから残保留消化モードに切り替わり、表示装置41の表示画面の中央では、バトル演出が再開される。バトル演出では、例えば味方のキャラクタ767が敵のキャラクタ769に反撃するシーンが表示される。また、表示画面の左側に表示されている変動表示領域615で小図柄が変動表示(「↓↓↓」)される。
表示装置41の表示画面の下部では、第2始動記憶に基づく特図2変動表示ゲームが開始されることで、図89の(ふ)に太実線で示すように残保留用の保留表示633hが消化中(変動中)の保留表示633h(消化保留小表示、変動中保留表示、表示態様E)になる。また、特図2保留数表示部660の数字は「0」になる。
なお、仮に残保留用の保留表示633hが消化されている際に、新たな残保留(過剰保留)が発生しても、当該新たな残保留は表示画面に表示されず、当該新たな残保留に対応する第2始動記憶発生演出(残保留)も行われない。したがって、特定の演出モードで行われる特図2変動表示ゲームのゲーム数の分だけ保留を溜めるということを、遊技者に印象付けることができる。なお、時短状態終了後に発生する第2始動記憶は過剰保留として扱う。第3実施形態では、普電開放パターンから後半開放を無くして(前半開放のみ実行)基本的に過剰保留が発生しないが、過剰保留を発生させる場合には、第1実施形態と同様に、普電開放パターンを一回の普図当りで前半開放だけでなく後半開放が発生する仕様としてよい(図56)。
図89の(へ)は、特図2変動表示ゲームにおけるバトル演出で、バトルの決着がついた際の表示装置41の表示画面である。例えば、味方のキャラクタ767が勝利すると、遊技者は変動中の特図2変動表示ゲームの結果が大当りになる期待感をより一層高めることができる。
その後、図89の(ほ)は、特図2変動表示ゲームが停止表示されたときの表示装置41の表示画面である。
残保留用の第2始動記憶に基づく第2変動表示ゲームの停止結果が大当り(特別結果)になると、表示画面の変動表示領域610の大図柄や変動表示領域615の小図柄は特別結果態様(例えば「222」)で停止表示される。
また、第2変動表示ゲームが停止表示されることで、消化中であった残保留用の保留表示633hが非表示にされ、図89の(ほ)に破線で示すように消化済み表示673h(表示態様H)が表示される。すなわち、表示画面上では、保留表示633hが消化済み表示673hに切り替わる表示態様となる。消化済み表示673hは、保留表示633hに対応する残保留用の第2始動記憶が消化されたことを示す表示である。なお、消化済み表示673h、673g(表示態様H)は、小さな発生待機表示672h(発生待機小表示、表示態様C)と同じ表示態様で表示されてもよく、異なる表示態様で表示されてもよい。
その後、演出制御装置300は、ファンファーレ演出を実行する。そして、遊技状態は大当り状態に変わり、遊技者は大当り遊技を行うことができる。
なお、図88および図89で説明した小さな表示態様となる発生待機表示672h(表示態様C)、消化中の保留表示633g、633h(表示態様E)、残保留用の保留表示633h(表示態様G)、および消化済み表示673g、673h(表示態様H)は、非表示、半透明、または暗めの表示態様で表示されてもよい。
また、これらの小さな表示態様C、E、G、Hによる表示は、特定の演出が表示されるレイヤよりも下層(背面、奥側)のレイヤに表示されてもよい。したがって、遊技者を大きく表示されるバトル演出や第2始動記憶発生演出等に注目させ易くなるので、遊技の興趣を向上させることができる。
また、これらの小さな表示態様C、E、G、Hによる表示は、変動表示領域610の大図柄よりも小さな表示となる(表示態様C、E、G、H<大図柄)。
他方で、大きな表示態様となる発生待機表示672g、672h(表示態様A)、第2始動記憶発生演出(時短保留)の保留表示633g(表示態様B)、消化中の保留表示633g(表示態様D)、および第2始動記憶発生演出(残保留)の保留表示633h(表示態様F)は、変動表示領域610の大図柄よりも大きな表示となる(大図柄<表示態様A、B、D、F)。
さらに、表示装置41での表示とともに、一括表示装置50の特図2保留表示器55(LED)や第4図柄表示器(ランプ表示装置80)のランプ表示部5、6(LED)で、発生待機表示や消化済み表示を行ってもよい。例えば、保留表示が点灯態様で表示される場合には、周期を変えた点滅態様で発生待機表示や消化済み表示を表示することで、LEDを増やすことなく発生待機表示や消化済み表示を行うことができる。
また、第3実施形態では、遊技制御装置100は、発生した第2始動記憶を1つまで記憶可能であるとしたが、4つまで記憶できる場合でも、すなわち残保留が4つまで発生する場合でも、演出制御装置300は、表示装置41の表示画面において、同様に発生待機表示や消化済み表示や第2始動記憶発生演出を行うことができる。例えば、残保留に関する表示672h、633h、673h等を4つ用意するか、残保留に関する表示672h、633h、673h等を1つずつ用意して1〜4つの残保留をまとめて表示する。
また、残保留が4つまで発生する場合には、一括表示装置50または第4図柄表示器の2つのLEDを用いて、消化中の保留1つと1〜4個の記憶されている待機中の保留とをそれぞれ表示することができる。この場合には、待機中の保留はまとめて表示されるが1個でもあれば待機中の保留表示用のLEDは点灯態様になる。なお、2つのLEDではなく5つのLEDで保留表示を行う場合には、5つのLEDを消化中の保留表示用のLED(1個)と待機中の保留表示用のLED(4個)として保留表示にそれぞれ用いることができる。
〔第2始動記憶の発生待機表示と非発生演出が行われるときの時短状態における画面遷移例〕
図90を参照して、第2始動記憶の発生待機表示と非発生演出が行われるときの時短状態における表示態様について説明する。なお、以下の説明では、図88および図89における内容と同様のものについては適宜省略して説明する。
図90は、第3実施形態に係る表示装置41の表示画面を時系列で示した画面遷移図であり、第2始動記憶の発生待機表示と非発生演出が行われるときの時短状態における画面遷移の一例である。
図90の(な)は、大当り終了後(ラウンド遊技後)に遊技状態が時短状態になったときの表示装置41の表示画面であり、図88の(な)と同じものである。
図88の(な)では時短中に消化される保留(時短保留)用の第2始動記憶が発生することで、図88の(に)に表示画面が画面遷移したが、図90では、時短状態中に時短保留用の第2始動記憶が発生しなかった結果、当該始動記憶に係る特図2変動表示ゲームに対応する特定の演出を省略して、図90の(や)に表示画面が画面遷移する。
時短状態中に時短保留用の第2始動記憶が発生しない場合として、時短状態になってから普通変動入賞装置37(普電)に遊技球が入賞する前に特図1変動表示ゲームが所定回数(例えば10回)行われ時短終了条件が成立するような場合が挙げられる。このような場合、すなわち所定回数(10回目)の特図1変動表示ゲームが実行される場合に、時短状態が終了し、時短保留用の第2始動記憶を発生させることができなくなる。なお、第1実施形態で上述したように、普図始動ゲート34(普図ゲート)を遊技球が通過して普図変動表示ゲームが普図当たりとなった場合に普電は開放され、また時短状態中は普図当たりが発生し易くなっている。
図90の(や)は、時短保留用の第2始動記憶が発生しなかったときの表示装置41の表示画面である。
時短保留用の第2始動記憶が発生しなかった場合、演出制御装置300は、時短保留用の発生待機表示672g(発生待機大表示、表示態様A)を非表示にし、非発生表示674g(表示態様I)を表示する。すなわち、表示画面上では、時短保留用の発生待機表示672gが非発生表示674gに切り替わる表示態様となる。
また、非発生表示674gが表示されると、表示画面の左上の「準備中」という文字がカウントダウン表示(例えば「アト06:97」)に切り替わる。なお、残保留用の第2始動記憶は発生可能な状態であるので、発生待機表示672hはそのまま維持される。その後、さらに残保留用の第2始動記憶が発生しなかった場合(例えば、図56のような普電の後半開放によって過剰保留を発生可能な仕様では、普電の後半開放の期間が過ぎた場合)には、図90の(ゆ)に表示画面が遷移する。なお、残保留用の第2始動記憶が発生した場合には、図88の(の)の表示画面のように第2始動記憶発生演出(残保留)を行い、残保留消化モードに移行することができる。
残保留用の第2始動記憶が発生しない場合として、普電が開放されずに時短状態が終了した場合や、時短状態で普電が開放されたものの遊技球が入賞せず閉じられてその後も再開放されない状態となった場合が挙げられる。このような場合には、残保留用の第2始動記憶を発生させることができなくなる。例えば、普電が開放されずに、所定回数(10回目)の特図1変動表示ゲームが変動終了した場合には、残保留用の第2始動記憶を発生させることができなくなる。
図90の(ゆ)は、時短保留用だけでなく残保留用の第2始動記憶も発生しなかったときの表示装置41の表示画面である。
残保留用の第2始動記憶が発生しなかった場合、演出制御装置300は、残保留用の発生待機表示672hを非表示にし、非発生表示674hを表示する。すなわち、表示画面上では、残保留用の発生待機表示672hが非発生表示674hに切り替わる表示態様となり、表示画面の中央に非発生表示674g、674hがそれぞれ表示される。したがって、特定の演出モードにおいて第2始動記憶が予定数に達しない場合に、非発生表示674g、674hの少なくとも一方が表示されることになる。そのため、ゲーム回数が少なくなってしまったことを遊技者に報知できるようになり、当該特定の演出モードのゲーム回数の誤認を防ぐとともに、次回以降にゲーム回数が少なくならないように遊技者に警告とは異なる態様で注意喚起できる。
その後、演出モードは残保留消化モードにはならずに通常遊技モードになり、遊技状態は時短状態から通常遊技状態に戻る。なお、残保留用の第2始動記憶が発生しなかった場合、演出制御装置300は、非発生表示674hを表示せずに通常遊技モードに切り替えてもよい。すなわち、図90の(ゆ)の画面遷移は省略してもよい。
なお、時短用の保留表示633gが表示された後に残保留用の第2始動記憶が発生しなかった場合にも、演出制御装置300は、非発生表示674hを表示することができる。すなわち、表示画面上には、時短用の保留表示633gとともに非発生表示674hが表示される。また、演出制御装置300は、非発生表示674g、674hを表示画面の中央に大きな表示態様で表示させたが(表示態様I)、表示画面の下部に小さく表示させてもよい。
〔大当り図柄の候補表示演出における画面遷移例〕
図91を参照して、大当り図柄(特別の結果態様、特別結果態様)の候補表示演出が行われるときの表示態様について説明する。
図91は、第3実施形態に係る表示装置41の表示画面を時系列で示した画面遷移図であり、大当り図柄の候補表示演出における画面遷移の一例である。
演出制御装置300は、例えば、図89の(へ)でバトル演出によるバトルの決着がついた後、図89の(ほ)に示すように特図2変動表示ゲームを停止表示せずに、図91の(ほ2)に示すように特図2変動表示ゲームを変動させたまま、いわゆる全回転リーチへ演出を発展させることもできる。全回転リーチは、リーチ状態の一種であり、特別結果態様が揃った状態を維持しながら複数の変動表示領域610による変動表示を行う状態である。
図91の(ほ2)は、特図2変動表示ゲームで一時的に変動表示領域610の大図柄が大当り図柄(例えば「222」)で仮停止されたときの表示装置41の表示画面である。
演出制御装置300は、大図柄を大当り図柄(例えば「222」)で仮停止させることで、遊技者は実行中の特図2変動表示ゲームが大当りになる期待感をより一層高めることができる。なお、大図柄を仮停止させずに、低速で変動させてもよい。
図91の(ま)は、大当り図柄の候補表示演出が開始されたときの表示装置41の表示画面である。
演出制御装置300が大当り図柄の候補表示演出を実行すると、表示装置41の表示画面の上部には、大当り図柄の候補を並べて表示する候補表示675が表示される。
候補表示675には、図91の(ま)に示すように、まず大当りになる可能性のある図柄として1〜7の図柄が全て表示される。
ここで、大当り(特別結果)となった際に遊技状態がより有利になる大当り図柄(例えば「7」)には、図91の(ま)にハッチングで示すように特殊な色や模様等を付してもよい。有利になる大当り図柄では、例えば停止図柄番号に対応するラウンド数上限値が大きい値に設定されることができる。したがって、当該有利になる大当り図柄で大当りになった場合には、遊技者はラウンド数の多い大当り遊技を行うことができ、遊技の興趣を向上させることができる。なお、有利になる大当り図柄は、「7」に限らず、例えば奇数図柄(「1」、「3」、「5」、「7」)等の他の図柄であってもよい。
また、有利になる大当り図柄で大当りになった場合には、時短回数(時間短縮変動回数初期値)に大きい値(例えば99回)が設定されるようにしてもよい。さらに他の態様として、有利になる大当り図柄で大当りになった場合には、時短状態に代えて特定遊技状態を大当り確率が高確率状態である確変状態とする構成にしてもよい。
変動表示領域610は、候補表示675の視認性を妨げないように表示画面の中央よりやや下方に表示され、大図柄による全回転リーチが行われる。また、全回転リーチが行われていることが強調されるように、演出制御装置300は、複数の変動表示領域610のうち少なくとも一部の領域(例えば中領域610C)を拡大して変動表示してもよい。
図91の(み)、(む)は、大当り図柄の候補表示演出によって大当り図柄の絞り込みが行われているときの表示装置41の表示画面である。大当り図柄の候補表示演出が実行されている間、変動表示領域610では大図柄による全回転リーチが継続して行われる。
候補表示675では、図91の(み)に示すように大当り図柄の候補表示から除外される数字(例えば「5」、「3」)に「×」が付される。なお、既に大当り図柄の候補表示から除外されている数字(例えば「4」、「2」)は、非表示にされている。
続いて、図91の(む)に示すように、大当り図柄の候補表示から除外された数字(例えば「5」、「3」)は所定時間(例えば5sec)の経過後に非表示にされる。なお、変動表示領域610では大図柄による全回転リーチが続いている。したがって、候補表示675の大当り図柄の候補を示す数字が限定(例えば「6」、「7」、「1」)されていく態様を遊技者が視認することで、大当りに対する期待感を高めることができ、遊技の興趣を向上させることができる。このように大当り図柄の候補が表示されることによって、何の図柄で止まる可能性があるのかを遊技者に示すことができ、遊技者に理解し易い演出にすることができる。さらに、有利になる大当り図柄の表示態様が変わっていたり、候補の絞り込み時に止まる可能性のない図柄が候補表示675から消去されていくことによっても、何の図柄で止まる可能性があるのかを同様に遊技者に示すことができ、遊技者に理解し易い演出にすることができる。
その後、候補表示675の大当り図柄の候補は、例えば「6」や「1」が候補表示から除外されることで、大当り(特別結果)となった際に遊技状態がより有利になる大当り図柄「7」に絞られる。したがって、止まる可能性のない大当り図柄の候補がいつまでも表示されることで、変動表示ゲームに対応する演出がまだ続くと遊技者に誤認させることを予防でき、大当り図柄を分かり易く報知することができる。なお、大当り図柄の候補表示演出は、図91に示す態様に限らず、他の態様で行うようにしてもよい。演出制御装置300は、例えば、ルーレットを回す態様で大当り図柄の候補演出を行うようにしてもよい(ルーレット演出)。
図91の(め)は、大当り図柄の候補が有利になる大当り図柄「7」に絞られた後の演出が表示されたときの表示装置41の表示画面である。
演出制御装置300は、候補表示675の大当り図柄の候補が「7」に絞られた後、例えば図91の(め)に示すようにスパーク(爆発)状のエフェクト676を表示する演出を行う。エフェクト676には、例えば機種やメーカー等に関する文字(例えば頭文字の「そ」)が大きく表示されることで、遊技者に機種やメーカー等に関する情報を宣伝することができる。また、大当り直前に機種やメーカー等に関する情報が表示されることで、大当りへの期待感が高揚している遊技者に視認させて好印象を持ち易くできるので、宣伝効果を高くでき、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、大当り図柄の候補が「7」(有利になる大当り図柄)以外である場合には、当該演出の際に「7」になるように切り替えてもよい。
図91の(も)は、全回転リーチが終了して、特図2変動表示ゲームの停止結果が大当り(特別結果)となり、変動表示領域610の大図柄や変動表示領域615の小図柄が大当り図柄「777」(特別結果態様)で停止したときの表示装置41の表示画面である。「777」は、上述の通り、候補表示675の大当り図柄の候補が「7」が示唆する停止図柄であり、大当り(特別結果)となった際に遊技状態がより有利になる大当り図柄である。
その後、演出制御装置300は、ファンファーレ演出を実行する。そして、遊技状態は大当り状態に変わり、遊技者は大当り遊技を行うことができる。
〔可動役物(透過部材)と当該可動役物を用いたファンファーレ演出における画面遷移例〕
図92および図93を参照して、可動役物(透過部材)と当該可動役物を用いたファンファーレ演出が行われるときの表示態様について説明する。
図92は、第3実施形態に係る遊技盤30の正面図である。図93は、第3実施形態に係る表示装置41の表示画面を時系列で示した画面遷移図であり、可動部材677が動作するときの画面遷移の一例である。
図92に示すように、第3実施形態に係る遊技盤30には、表示装置41の表示画面の上方に可動部材677(透過役物)が設けられている。
可動部材677は、後方(奥)が透けて見える透過性のガラスやプラスチックからなる窓部と、当該窓の周囲を囲う枠体と、を備えており、上下に昇降可能である。可動部材677は、図92に示す初期位置から下降することによって、図93で後述するように表示装置41の表示画面の前方に位置することができる。また、その際に、遊技者は、可動部材677の窓部を介して後方の表示画面を視認することができる。
図93の(ら)は、特図2変動表示ゲームの停止結果が例えば図89の(ほ)に示すように「222」で大当り(特別結果)となり、ファンファーレ演出が開始されたときの表示装置41の表示画面である。なお、他の図柄による大当り(例えば図91の(も)に示すような「777」による大当り)からファンファーレ演出が開始されるときにも、同様の表示画面に遷移できる。
ファンファーレ演出が開始することで、表示装置41の表示画面では、図93の(ら)に示すように味方のキャラクタ767が勝利した後の演出が行われる。図93の(ら)では、例えば味方のキャラクタ767に対して集中線のエフェクトが引かれる演出によって遊技者の視線を集め易くしているが、味方のキャラクタ767を大きく描画することで遊技者の視線を集め易くしてもよい。なお、味方のキャラクタ767が目立つ態様であれば、演出制御装置300は、集中線のエフェクトに限らず他のエフェクトを表示できる。例えば、演出制御装置300は、他のエフェクトとしてスパーク(爆発)状や稲妻状のエフェクト等を表示してもよい。
また、ファンファーレ演出の開始に伴い、可動部材677は、表示装置41の表示画面の前方に位置するように初期位置から下降する。その際、表示装置41の表示画面は、可動部材677の後方にあたる部分が非表示になる。例えば図93の(ら)では、表示画面に表示されている集中線のエフェクトが、可動部材677と重なる位置で非表示になっており、可動部材677を介して視認できる表示画面の画面領域が暗転した状態(暗い状態、例えば黒表示)になっている。
図93の(り)は、可動部材677が下降して表示装置41の表示画面の前方に位置したときの表示装置41の表示画面である。
表示装置41の表示画面には、可動部材677と重ならない位置において集中線のエフェクトが表示されており、他方で可動部材677と重なる位置では味方のキャラクタ767と別の味方のキャラクタ768とが出会う態様のキャラクタ演出が表示される。
そのため、遊技者は透明な可動部材677を介して表示画面に表示されるキャラクタ演出を視認することができる。このように、演出制御装置300は、表示装置41の表示画面において、可動部材677と重なる位置と重ならない位置とで独立した演出を表示することによって、遊技者に可動部材677上に演出が表示されているように錯覚させることができる。その結果、可動部材677に表示装置を設けなくても、可動部材677と重なる演出を表示させることで、装置コストを削減しつつ遊技者に意外性のある演出を行えるので、遊技の興趣を向上させることができる。
図93の(る)は、可動部材677が上昇して表示装置41の表示画面の上方の初期位置に戻るときの表示装置41の表示画面である。
表示装置41の表示画面では、可動部材677と重なる位置に表示されるキャラクタ演出が進行し、味方のキャラクタ767と別の味方のキャラクタ768とが近づいた態様となっている。なお、可動部材677の移動に応じて表示画面のキャラクタ演出が行われている画面領域も上側にシフトする。
可動部材677の上部は、表示画面の上方に位置しており、表示画面に表示される味方のキャラクタ767と別の味方のキャラクタ768とは、上側(頭側、顔側)が切れた(途切れた)態様で表示される。このように、表示画面に表示されるキャラクタ演出は、可動部材677が初期位置に戻る際も、可動部材677と重なる位置に表示され続ける。
また、図93の(ら)や(り)では可動部材677と重ならない位置において表示されていた集中線のエフェクトは、図93の(る)に示すように可動部材677が初期位置に戻る際には可動部材677と重なる位置にも表示される。したがって、表示画面の可動部材677と重なる位置では、キャラクタ演出と集中線のエフェクトとが両方表示された態様になる。なお、集中線が集中する位置に表示されていた勝利後の味方のキャラクタ767の表示(図93の(ら))は、可動部材677が初期位置に戻る際に、表示されていてもよく、図93の(る)に示すように非表示にされてもよい。
図93の(れ)は、可動部材677が初期位置に戻ったときの表示装置41の表示画面である。
表示装置41の表示画面では、可動部材677と重なる画面領域がなくなることで、キャラクタ演出が見えなくなる。なお、集中線のエフェクトはそのまま表示されている。そして、ファンファーレ演出が終了し、遊技状態が大当り状態に変わることで、遊技者は大当り遊技を行うことができる。
以上のように、第3実施形態を説明したが、小当り確率が1/8でなく、極めて高確率(例えば1/1(=100%))の場合は、特図2変動表示ゲームの当りの図柄に図柄B−Gだけでなく図柄J(第5実施形態参照)も設けてよい。そして、図柄Jに関して大当り後の時短回数を0回にして、大当り後に移行状態(残保留消化モード)又は通常遊技状態に遷移し、大当り後に時短にならないようにする。即ち、図54Aの特定遊技状態において、図柄Jの当りで移行状態(残保留消化モード)に遷移し、さらに移行状態において、図柄Jの当りで通常遊技状態に遷移するようにしてよい。また、第3実施形態において、時短状態を確変状態に置き換えてもよい。
[第3実施形態の作用・効果]
第3実施形態に係る遊技機10は、ゲーム(変動表示ゲーム(特図1変動表示ゲーム、特図2変動表示ゲーム))を実行可能な遊技制御手段(遊技制御装置100)と、ゲームに関連する演出を実行可能な演出制御手段(演出制御装置300)と、演出を表示可能な表示手段(表示装置41)と、を備える。遊技機10では、遊技制御手段は、遊技者に有利な遊技状態として特定遊技状態(時短状態)を発生可能であり、演出制御手段は、特定遊技状態のときに特定の演出モード(時短モードやその後の残保留消化モード)を開始可能であり、表示手段は、特定の演出モードで発生可能な始動記憶(第2始動記憶(時短保留、残保留)、特図2保留)に対応する表示を第1表示態様(大きな発生待機表示672g、672h、発生待機大表示、表示態様A)で表示した後、特定の演出モードで実際に発生した始動記憶に対応する表示を第2表示態様(保留表示633g、633h、消化保留小表示、変動中保留表示、表示態様E、待機保留小表示、表示態様G)で表示可能である。
このような遊技機10によれば、特定の演出モードで何個の始動記憶を発生させるべきか又は特定の演出モードで実行されるべき変動表示ゲームのゲーム数を、遊技者により把握し易い表示態様にすることができるので、遊技の興趣を向上させることができる。
また、遊技機10では、遊技制御手段(遊技制御装置100)は、特定の演出モード(時短モードやその後の残保留消化モード)において、複数の始動記憶(第2始動記憶、特図2保留)に係るゲーム(変動表示ゲーム(特図1変動表示ゲーム、特図2変動表示ゲーム))を順次実行可能であり、表示手段(表示制御手段)は、特定の演出モード中に、後に発生した始動記憶(残保留)に係るゲームが開始される際に、先に発生した始動記憶(時短保留)が表示されていた位置に、後に発生した始動記憶(残保留)の表示を移動させない(保留シフトしない)。
このような遊技機10によれば、保留シフトが行われないことによって、遊技者は、特定の演出モードで発生させるべき始動記憶の数、又は、特定の演出モードで実行されるゲーム数(変動表示ゲームの回数)をさらに把握し易くなる。したがって、特定の演出モードにおけるゲーム(遊技)の仕様が遊技者に伝わり易くなるので、遊技者が適切に遊技を行えて、製作者の意図した演出を実行することができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、遊技機10では、表示手段(表示装置41)は、特定の演出モード(時短モードやその後の残保留消化モード)において、当該特定の演出モード中に実行可能なゲーム数(始動記憶の発生予定数)を超える過剰な始動記憶(過剰保留、第2残保留、過剰な残保留)が発生した際に、当該過剰な始動記憶を表示しない。
このような遊技機10によれば、遊技者は特定の演出モード(過剰保留を消化する過剰保留消化モードを除く)で実行されるゲーム数(変動表示ゲームの回数)を把握し易くなるので、同様に適切な遊技を行えて、製作者の意図した演出を実行することができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、遊技機10では、演出制御手段(演出制御装置300)は、特定の演出モード(時短モードやその後の残保留消化モード)で発生可能な始動記憶(第2始動記憶(時短保留、残保留)、特図2保留)が発生不能になった際に、当該発生不能になった始動記憶に係るゲーム(特図変動表示ゲーム、変動表示ゲーム)に対応する特定の演出を省略可能であり、表示手段(表示装置41)は、特定の演出が省略される際に、発生不能になった始動記憶に対応する表示を第3表示態様(非発生表示674g、674h(表示態様I))で表示可能である。
このような遊技機10によれば、特定の演出モードにおいて第2始動記憶が予定数に達しない場合に、第3表示態様が表示されることになる。そのため、ゲーム回数が少なくなってしまったことを遊技者に報知できるようになり、当該特定の演出モードのゲーム回数の誤認を防ぐとともに、次回以降にゲーム回数が少なくならないように遊技者に警告とは異なる態様で注意喚起できる。
また、遊技機10では、表示手段(表示装置41)は、特定の演出モード(時短モードやその後の残保留消化モード)が開始される際に、特定の演出モードで発生可能な全ての始動記憶に対応する表示を第1表示態様で表示する。
このような遊技機10によれば、特定遊技状態(時短状態)において特定の演出モードで発生させるべき始動記憶の数や、特定の演出モードで実行されるゲーム数(変動表示ゲームの回数)をさらに把握し易い態様で表示することができるので、遊技の興趣を向上させることができる。
また、遊技機10では、表示手段(表示装置41)は、特定の演出モード(時短モードやその後の残保留消化モード)で始動記憶(第2始動記憶(時短保留、残保留)、特図2保留)に係るゲーム(変動表示ゲーム(特図1変動表示ゲーム、特図2変動表示ゲーム))が終了すると、当該始動記憶に対応する表示を第4表示態様(消化済み表示673g、673h(表示態様H))にする。
このような遊技機10によれば、特定遊技状態(時短状態)において各保留がどこまで消化されたかが把握し易くなり、特定の演出モードがどのゲームまで実行されたかを、遊技者により把握し易い態様で表示することができるので、遊技の興趣を向上させることができる。
[第4実施形態]
図94から図104を参照して、第4実施形態について説明する。なお、以下で述べる以外の構成は、第1実施形態から第3実施形態と同様でよい。また、以下の実施形態では、第1実施形態から第3実施形態と同じ機能を果たす構成には同一の符号を用い、重複する記載を適宜省略して説明する。第4実施形態は、第1実施形態に対して、特図2の残保留消化後に特図1変動表示ゲームに関する時短モード(時短状態、普電サポート状態)を追加したものである。
〔遊技状態遷移図(ゲームフロー)の例〕
図94は、第4実施形態における遊技状態の遷移を例示する遊技状態遷移図(ゲームフロー)である。図94は、第1実施形態の図54Aの遊技状態遷移図を改変したものであり、以下、図54Aと異なる点を主に説明する。
図94においては、図54Aの特定遊技状態を特定遊技状態A(第1特定遊技状態)とし、図54Aの移行状態を特定遊技状態B(第2特定遊技状態)とする。特定遊技状態Aでは、普電サポートによって特図2保留が発生し易くなる時短状態になる。特定遊技状態Bでは、特定遊技状態Aの終了後に特図2の残保留が消化されるとともに、普電サポートによって特図1保留が発生し易くなる時短状態になる。なお、特図1保留が発生し易くなる時短状態は、後述の第1開閉部材164(開閉部材A)とのその特図1始動入賞口36−2によって実現される。
第4実施形態でも、特図2変動表示ゲームが特図1変動表示ゲームよりも優先して実行される特図2優先変動(特図2保留優先消化)である。従って、特定遊技状態Bでは、最初に、特図2の残保留が消化されて特図2変動表示ゲームが主変動表示ゲームとなり、その後に、特定遊技状態Bで発生した特図1保留が消化されて特図1変動表示ゲームが主変動表示ゲームとなる。時短状態である特定遊技状態Bにおいて、特図2変動表示ゲーム(第2ゲーム)が全て終了した後に、特図1変動表示ゲーム(第1ゲーム)が通常遊技状態よりも短い時間で実行される。これによって、遊技者にチャンスを与えることができ、遊技の興趣が向上する。例えば、特図1変動表示ゲームの平均の変動時間は、特定遊技状態Bにおいて通常遊技状態よりも短いか、或は、特図1変動表示ゲームの変動時間は、特定遊技状態Bにおいて、通常遊技状態での最短の変動時間(最短の特図1変動時間)よりも短い。なお、後述のように、特定遊技状態Bでは、遊技球が始動口2スイッチ37aを通過しないため特図2保留は発生しない。
特定遊技状態A(第1特定遊技状態)と特定遊技状態B(第2特定遊技状態)の両方において、遊技制御装置100は、大当り確率は低確率状態であるが、普図当り確率は高確率(普図高確率)となるように制御する。特定遊技状態A,Bにおいて、遊技球の発射態様として、普通変動入賞装置37或は後述の第1開閉部材164と第2開閉部材168を狙う右打ちが推奨される。なお、普図高確率によって、後述するように、特定遊技状態Aでは、特図2保留を発生させるための普電サポートが実行され、特定遊技状態Bでは、特図1保留を発生させるための普電サポートが実行される。
特定遊技状態Aは小当り確率が高いと繰り返す可能性が高いため(例えばX回繰り返す)、特定遊技状態Aの演出モードをループモード(X回ループモード)とする。特定遊技状態Bの演出モードは、残保留消化&時短モードである。なお、残保留消化&時短モードを残保留消化モードとその後の時短モードに分けると、遊技者は、残保留消化モードで特図2変動表示ゲームが主変動表示ゲームであることと時短モードで特図1変動表示ゲームが主変動表示ゲームであることをわかり易くなる。なお、分けない場合には、残保留消化&時短モードを通して、同一の演出が実行され、残保留消化&時短モードを通して普図高確率であることが分かり易くなる。また、本実施形態では、残保留消化モードを普電開放終了前モードと普電普電開放終了後モードに分けなくてもよい。なお、滞在中の演出モード(演出ステージ)を表示装置41の表示画面に、文字表示したり背景として示してよい。
また、特定遊技状態Aと特定遊技状態Bとまとめて遊技者に有利な有利状態とし、有利状態において、演出モードを分けずに同じ演出モードとしてもよい。この場合には、有利状態である特定遊技状態Aと特定遊技状態Bを共通の演出態様とすることができる。特定遊技状態Bで特図の当り(小当り中でのV通過で大当り)が発生した場合に、特定遊技状態Aで特図の当りが発生した場合よりも、遊技者に付与する遊技価値を大きくすれば、特定遊技状態Aと特定遊技状態Bのいずれであるか共通の演出態様から不明であるにもかかわらず大きな遊技価値が得られて、遊技者を喜ばすことができる。なお、ここでは、遊技価値(特典)は、大当り終了後の時短回数や最終的に得られる大当りの回数やラウンド数の上限値などである。
次に、各遊技状態からの遷移(移行)について説明する。なお、第1実施形態と同様に、特図2変動表示ゲームでの小当り確率(小当り中でのV通過による大当りの発生確率)が1/8(=12.5%)の場合を説明するが、後述のように小当り確率は他の確率でもよい。なお、本実施形態において、特図1変動表示ゲームで小当りは発生しない(小当り確率=0)ような例を説明する。また、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームにおいて大当り確率(V通過による大当りではない)が1/300である場合を説明する。なお、特図2変動表示ゲームにおいて大当り確率=0で大当りが発生しない構成も可能である。
まず、通常遊技状態において、特図1変動表示ゲームによって大当り(V入賞によるものではない)が発生すると、当りの図柄Aでは大当り状態の終了後に特定遊技状態Aに遷移し、当りの図柄Mでは大当り状態の終了後に特定遊技状態Bに遷移し、当りの図柄Kでは大当り状態の終了後に通常遊技状態に戻る。なお、本実施形態において、通常遊技状態で、特図2保留が発生せず特図2変動表示ゲームが実行されない構成とする。
特定遊技状態Aにおいて、特図2変動表示ゲームによって大当り(小当り中でのV通過による大当り)が発生すると、当りの図柄Pでは大当り状態の終了後に特定遊技状態A(時短モード♯1)に戻り、当りの図柄Qでは大当り状態の終了後に特定遊技状態Bに遷移する。稀にしか発生しないため図94では省略されているが、特定遊技状態Aにおいて、特図2変動表示ゲームによって大当り(V入賞によるものではない)が発生すると、当りの図柄Aでは図柄Pと同じく大当り状態の終了後に特定遊技状態A(時短モード♯1)に戻り、当りの図柄Mでは図柄Qと同じく大当り状態の終了後に特定遊技状態Bに遷移する。
また、所定の遷移条件が成立した場合に、特定遊技状態Aから特定遊技状態Bに遷移する。例えば、この所定の遷移条件は、(i)特定遊技状態Aにおける特図2変動表示ゲームの実行回数が時短回数(第1所定回数、例えば、5回)に達すること、又は、(ii)特定遊技状態Aにおける特図変動表示ゲーム(特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲーム)の合計の実行回数が時短回数(第1所定回数)よりも大きい第2所定回数(例えば時短回数の2倍)に達すること、の何れかが成立することである。なお、遊技者が普通に遊技すれば、(i)の条件の成立で遷移し、(ii)の条件が成立することはまずありえない。
特定遊技状態Bにおいて、特図2変動表示ゲームによって大当り(小当り中でのV通過による大当り)が発生すると、当りの図柄Gでは大当り状態の終了後に特定遊技状態A(時短モード♯2)に遷移し、当りの図柄Qでは大当り状態の終了後に特定遊技状態Bに戻る。稀にしか発生しないため図94では省略されているが、特定遊技状態Bにおいて、特図2変動表示ゲームによって大当り(V入賞によるものではない)が発生すると、当りの図柄Rでは図柄Gと同じく大当り状態の終了後に特定遊技状態A(時短モード♯2)に遷移し、当りの図柄Mでは図柄Qと同じく大当り状態の終了後に特定遊技状態Bに戻る。
特定遊技状態Bにおいて、残保留に基づく全ての特図2変動表示ゲームが完了した後又は残保留がもともとない場合に、特定遊技状態Bで生じた特図1保留に基づく特図1変動表示ゲームよって大当り(V入賞によるものではない)が発生すると、当りの図柄Aでは大当り状態の終了後に特定遊技状態A(時短モード♯1)に遷移し、当りの図柄Mでは大当り状態の終了後に特定遊技状態Bに戻り、当りの図柄Kでは大当り状態の終了後に通常遊技状態に遷移する。なお、特定遊技状態Bで生じた特図1保留に基づく特図1変動表示ゲームよって大当りが発生すると、大当り状態の終了後に時短モード♯2に遷移する構成も可能である。
また、特定遊技状態Bにおいて、特図1変動回数が第3所定回数(時短回数、例えば99回)に達するか、特定遊技状態Bにおける特図変動表示ゲーム(特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲーム)の合計の実行回数が時短回数よりも大きい回数(例えば第3所定回数+規定残保留数=103回)に達した場合に、通常遊技状態に遷移してよい。
〔図柄に対応する時短回数と規定残保留数〕
図95は、特図変動表示ゲームの当りの種類である図柄に対応する時短回数と規定の残保留数(規定残保留数)などについて示すテーブルである。図柄は、当りの停止図柄であり停止図柄番号と停止図柄パターンの何れに対応させてもよい。
図95(A)は、特図1変動表示ゲームの当りの図柄に関するものである。図95(B)の上図は、ループモード中(特定遊技状態A中)における特図2変動表示ゲームの当りの図柄に関するものであり、下図は、残保留消化&時短モード中(特定遊技状態B中)における特図2変動表示ゲームの当りの図柄(残保留での当りの図柄)に関するものである。
本実施形態において、図柄A,K,M,Rは、例えば、大当り図柄乱数(A2910)によって決定される大当り停止図柄である。本実施形態において、図柄G,P,Qは、例えば、小当り図柄乱数(A2911)によって決定される小当り停止図柄である。なお、小当り中でのV入賞は確実に発生することから、第1実施形態と同様に、図柄G,P,Qは、大当り図柄乱数(A2910)によって決定されてもよい。
なお、本実施形態において、特図2停止図柄設定処理(図18)は以下のように変更される。大当りフラグ2は小当りである場合には(A4101の結果が「Y」)、特図2小当り図柄乱数格納領域(保留数1用)から小当り図柄乱数をロードし(A4102)、特図2小当り図柄テーブルを設定し(A4103)、ロードした小当り図柄乱数に対応する停止図柄番号を取得してRWMの特図2停止図柄番号領域にセーブする(A4104)。そして、特図2小当り停止図柄情報テーブルを設定し(A4105)、停止図柄番号に対応する停止図柄パターンを取得して停止図柄パターン領域にセーブする(A4106)。
特図1変動表示ゲームの大当りの図柄は、各々振り分け(選択率)が34%、46%、20%となる図柄A,K,Mである。ループモード(特定遊技状態A)中における特図2変動表示ゲームの大当りの図柄は、各々振り分けが34%、66%となる図柄A,Mであり、小当りの図柄は、各々振り分けが34%、66%となる図柄P,Qである。なお、図柄A,Mの振り分けを図柄P,Qの振り分けと異ならせてもよい。残保留消化&時短モード中(特定遊技状態B中)における特図2変動表示ゲームの大当りの図柄(残保留での当りの図柄)は、各々振り分けが34%、66%となる図柄R,Mであり、小当りの図柄は、各々振り分けが34%、66%となる図柄G,Qである。なお、図柄R,Mの振り分けを図柄G,Qの振り分けと異ならせてもよい。
当りの種類である図柄A,Pでは、大当り後の特図2変動表示ゲームに関する時短回数は1回であり、時短状態(特定遊技状態A)終了後に消化され得る規定の残保留数(特図2保留数)は4個である。従って、時短回数と残保留数の合計数は、規定では5(=1+4)になる。なお、ここでは、特図1保留数(特図1始動記憶数)と特図2保留数(特図2始動記憶数)の上限値(図9のA2905)は、両方とも4である。また、遊技が変化に富むようにするため、大当り図柄Aと小当り図柄Pで、時短回数や規定の残保留数が異なってもよい。
当りの種類である図柄Kでは、大当り後の時短回数が0回であり、通常遊技状態終了後、又は、時短状態(特定遊技状態B)終了後に消化される規定の残保留数(特図2保留数)は0個である。従って、時短回数と残保留数の合計数は、規定では0になる。
当りの種類である図柄Mでは、通常遊技状態での特図1変動表示ゲームの当りの場合には、通常遊技状態終了後に消化される規定の残保留数(特図2保留数)は0個であり、通常遊技状態終了後の特図1変動表示ゲームに関する時短回数が99回である。時短回数と残保留数の合計数は、規定では99になる。
また、図柄M,Qでは、ループモード(特定遊技状態A)での特図2変動表示ゲームの当りの場合には、ループモード(時短状態)終了後に消化され得る規定の残保留数(特図2保留数)は4個であり、ループモード後の特図1変動表示ゲームに関する時短回数が99回である。時短回数と残保留数の合計数は、規定では103になる。なお、遊技が変化に富むようにするため、大当り図柄Mと小当り図柄Qで、時短回数や規定の残保留数が異なってもよい。
さらに、図柄M,Qでは、残保留消化&時短モード(特定遊技状態B)での特図2変動表示ゲームの当りの場合には、再度突入した残保留消化モードで消化され得る規定の残保留数はその時点での既存の特図2保留数m個であり、残保留消化モード後の特図1変動表示ゲームに関する時短回数が99回である。時短回数と残保留数の合計数は、規定では99+mになる。
当りの種類である図柄R,Gでは、大当り後の特図2変動表示ゲームに関する時短回数は99回であり、規定残保留数は4個である。従って、大当り状態終了後に特図2変動表示ゲームの実行によって消化可能な特図2保留の合計数は103になる。なお、遊技が変化に富むようにするため、大当り図柄Rと小当り図柄Gで、時短回数や規定の残保留数が異なってもよい。図柄R,Gでは、1/8の小当り確率に対して、継続率は略100%であり、確定モード移行率は略0%となる。従って、図柄R,Gでは、大当り終了後には、時短モード#2(確定モード)に移行して確実に再度大当りとなりその後に特定遊技状態(時短状態)が継続する。一方、図柄R,Gでは確定モード移行率は略0%であり、特定遊技状態Aの時短モード#2から大当りを経て時短モード#1に遷移する流れがほとんどである。
時短モード#1と残保留消化モードを同じ演出モードとして同じ演出を実行すると、遊技者は特図2の時短中なのか特図2の残保留消化中なのか見分けにくくなり、残保留での大当りで大きな遊技価値(99回の時短回数)が得られると驚くことになり、遊技の興趣が向上する。
以上のように、遊技状態(演出モード)と当りの種類である図柄によって、大当り終了後の時短回数や規定残保留数を変えることができ、遊技のスペック(仕様)や遊技性の幅を広げることができ、遊技の興趣を向上できる。
〔特図表示中処理〕
図96Aは、第4実施形態に係る特図表示中処理の前半部分の手順を示すフローチャートである。以下、第1実施形態の特図表示中処理(図25A)と同じ処理には同じステップ番号を付して説明を省略する。
特図1変動表示ゲームがはずれ結果の場合に(A5004の結果が「N」)、特図2変動表示ゲームがはずれ結果の場合(A5011の結果が「N」)と同様に、時間短縮変動回数を更新する時間短縮変動回数更新処理(A5004a)を実行し、演出モードの設定に関する演出モード情報チェック処理を実行する(A5004b)。
〔時間短縮変動回数更新処理〕
図96Bは、第4実施形態に係る時間短縮変動回数更新処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、特図変動表示ゲーム(特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲーム)の合計の時間短縮変動回数である合計時間短縮変動回数を−1更新(1だけ減算)する(A5200a)。なお、合計時間短縮変動回数の初期値(例えば、第2所定回数、第3所定回数+規定残保留数)は、時間短縮変動回数初期値(ステップA6409や後述のA5202b)と同様に設定される。
次に、遊技制御装置100は、合計時間短縮変動回数が0となったか否かを判定する(A5200b)。合計時間短縮変動回数が0である場合(A5200bの結果が「Y」)、すなわち、今回の特図変動表示ゲームで時短状態が終了する場合には、ステップA5203−A5209の時短終了時の処理を実行する。合計時間短縮変動回数が0でない場合(A5200bの結果が「N」)、現時点で特定遊技状態A(ループモード)であるか否かを判定する(A5200c)。現時点でループモードであるか否かは、例えば、演出モード番号から判定できる。
遊技制御装置100は、特定遊技状態A(ループモード)でない場合に(A5200cの結果が「N」)、ステップA5200eに移行する。特定遊技状態A(ループモード)である場合に(A5200cの結果が「Y」)、今回実行したのが特図1の変動であるか否かを判定する(A5200d)。今回実行したのが特図1の変動である場合に(A5200dの結果が「Y」)、時間短縮変動回数を−1更新することなく、ステップA5202に移行する。
一方、今回実行したのが特図1の変動でない場合に(A5200dの結果が「N」)、すなわち、今回実行したのが特図2の変動である場合に、現時点で特定遊技状態B(残保留消化&時短モード)であるか否かを判定する(A5200e)。特定遊技状態Bでない場合に(A5200eの結果が「N」)、ステップA5201の処理に移行する。
遊技制御装置100は、特定遊技状態B(残保留消化&時短モード)である場合に(A5200eの結果が「Y」)、今回実行したのが特図2の変動であるか否かを判定する(A5200f)。今回実行したのが特図2の変動でない場合に(A5200fの結果が「N」)、すなわち、今回実行したのが特図1の変動である場合に、時間短縮変動回数を−1更新し(A5201)、時間短縮変動回数が0となったか否かを判定する(A5202)。一方、遊技制御装置100は、今回実行したのが特図2の変動である場合に(A5200fの結果が「Y」)、時間短縮変動回数を−1更新せず、ステップA5202に移行する。
特定遊技状態A(ループモード)での時間短縮変動回数は、特図2の変動に関するものである一方、特定遊技状態B(残保留消化&時短モード)での時間短縮変動回数は、特図1の変動に関するものであるから、このように特定遊技状態Aにおいて特図1の変動で時間短縮変動回数が減らないようにし、特定遊技状態Bにおいて特図2の変動で時間短縮変動回数が減らないようにしている。
遊技制御装置100は、時間短縮変動回数が0でない場合(A5202の結果が「N」)、すなわち、次の特図変動表示ゲームでも時短状態(普電サポート状態)が継続する場合には、時間短縮変動回数更新処理を終了する。
一方、遊技制御装置100は、時間短縮変動回数が0である場合(A5202の結果が「Y」)、次モードは残保留消化&時短モードであるか否かを判定する(A5202a)。現時点での次モードは、例えば、次モード移行情報から判定できる。次モードは残保留消化&時短モードでない場合に(A5202aの結果が「N」)、すなわち、今回の特図変動表示ゲームで時短状態が終了する場合には、ステップA5203−A5209の時短終了時の処理を実行する。
遊技制御装置100は、次モードは残保留消化&時短モードである場合に(A5202aの結果が「Y」)、次の特図変動表示ゲームで特図1変動に関する時短回数が設定される特定遊技状態B(残保留消化&時短モード)に入るため、特図1変動表示ゲームに関する時間短縮変動回数初期値(時短回数)と、合計時間短縮変動回数初期値とをセーブする。このように、特定遊技状態A(ループモード)で特図変動表示ゲームの当たりにならずに特図2変動に関する時短状態が終了する場合に、新たに特定遊技状態B(残保留消化&時短モード)での特図1変動表示ゲームに関する時短回数が設定され、時短状態自体は継続する。
〔遊技盤〕
図97Aは、第4実施形態における遊技盤30の正面図である。第1実施形態等において、普通変動入賞装置37が第2始動入賞口(始動口2、第2始動入賞領域)を備える構成としたが、図97Aにおいて、普通変動入賞装置37と第2始動入賞口(始動口2、第2始動入賞領域)は分離されている。
普図始動ゲート34の直下には可動部材37bを有する普通変動入賞装置37(普通電動役物、普電)が配置される。遊技盤30(ここでは遊技盤本体30aの裏側)には、開状態の普通変動入賞装置37を通過した遊技球を、後述の第1作動口163(作動口A)と第2作動口167(作動口B)のいずれか一つに選択的に誘導するための誘導弁162が設けられる。また、遊技盤30の表側(遊技盤本体30aの表側)には、第1作動口163を通過する遊技球の荷重(作用)によって開放される非電動の第1開閉部材164(開閉部材A)と、第2作動口167を通過する遊技球の荷重(作用)によって開放される非電動の第2開閉部材168(開閉部材B)が設けられる。
なお、上記に限られず、第1開閉部材164と第2開閉部材168を遊技制御装置100によって制御される電動の開閉部材としてもよい。この場合には、第2開閉部材168は、普通変動入賞装置37の可動部材37bとなり、普通変動入賞装置37は第2開閉部材168の位置に配置されて、誘導弁162は設けられない。
図97Bは、第4実施形態における遊技制御系のブロック図である。遊技制御装置100は、第2出力ポート134を介して、誘導弁162を通常位置(初期位置)から動作位置へ動作(移動)させる誘導弁ソレノイド162bの開閉データを出力する。なお、第2出力ポート134からの開閉データは、中継基板70を介して試射試験装置にも出力される。
〔非電動役物〕
図98は、第4実施形態における非電動役物160の構成を示す図である。非電動役物160は、非電動の第1開閉部材164(開閉部材A、可動部材A、第1変換装置)を有する非電動役物160aと、非電動の第2開閉部材168(開閉部材B、可動部材B、第2変換装置)を有する非電動役物160bを備える。
普図始動ゲート34を通過した遊技球は、普図変動表示ゲームの当りによって普通変動入賞装置37の可動部材37bが開状態となっている場合には、可動部材37bに拾われて普通変動入賞装置37に入球する。なお、可動部材37bは、遊技球が1個だけ載る広さを有し、載った遊技球が奥方向に転動するように奥方向にやや傾斜していてよい。その後、遊技球は、遊技盤本体30aの裏面側に設けられた共通通路172(共通流路)を流下(落下)して、分岐部173に達する。共通通路172は、分岐部173において、第1分岐通路174aと第2分岐通路174bに分岐する。
誘導弁162(球振分け手段)が動作せずに通常位置(点線で示す)に位置する場合に、遊技球は共通通路172からそのまま第1分岐通路174aに流下(落下)するため、遊技球を第1分岐通路174a(第1通路)に振り分けることができる。誘導弁162が動作して動作位置(実線で示す)に位置する場合に、共通通路172からの遊技球は誘導弁162に当って誘導され第2分岐通路174bに流下するため、遊技球を第2分岐通路174b(第2通路)に振り分けることができる。このような球振分け手段は周知であり誘導弁162以外のものを用いてもよい。
遊技球は、第1分岐通路174aを通って第1作動口163(作動口A)に入球し、第2分岐通路174bを通って第2作動口167(作動口B)に入球し、その後、遊技機10の外部に排出される。
第1作動口163を通過する遊技球によってレバー等に荷重が掛って、図示しない周知の機構(レバーやリンクやギア等からなる機構)を介して、非電動の第1開閉部材164(開閉部材A)が開放されるように回転する。なお、上限個数(例えば2個)の遊技球が第1開閉部材164を通過して第1始動入賞口に入球すると、周知の機構によって、第1開閉部材164は開放される方向とは逆方向に回転して閉鎖される。
また、第2作動口167を通過する遊技球によってレバー等に荷重が掛って、図示しない周知の機構(リンクやギア等からなる機構)を介して、非電動の第2開閉部材168(開閉部材B)が開放されるように回転する。なお、上限個数(ここでは2個)の遊技球が第2開閉部材168を通過して第2始動入賞口に入球すると、周知の機構によって、第2開閉部材168は開放される方向とは逆方向に回転して閉鎖される。
開放された第1開閉部材164又は第2開閉部材168を通過する遊技球は、普図始動ゲート34を通過しない遊技球や、普図始動ゲート34を通過しても普通変動入賞装置37に入球しない遊技球(開いた可動部材37bに拾われなかった遊技球、可動部材37bの閉鎖中に普通変動入賞装置37の前方を通過する遊技球)である。
非電動役物160aは、第1開閉部材164(第1変換装置)と、始動口1スイッチ36a−2からなる第1始動入賞口(始動口1、第1始動入賞領域)と、を備える。始動口1スイッチ36a−2は、開状態の第1開閉部材164を通過した遊技球を検出し、特図1変動表示ゲームの始動記憶(特図1保留)を発生可能である。なお、遊技領域32の中央下部(センターケース40の下方)の始動入賞口36には始動口1スイッチ36a−1が設けられるため、第4実施形態において合計2つの始動口1スイッチ36aがある。
非電動役物160bは、第2開閉部材168(第2変換装置)と、始動口2スイッチ37aからなる第2始動入賞口(始動口2、第2始動入賞領域)と、を備える。始動口2スイッチ37aは、開状態の第2開閉部材168を通過した遊技球を検出し、特図2変動表示ゲームの始動記憶(特図2保留)を発生可能である。
なお、本実施形態において、普通変動入賞装置37、第1作動口163や第2作動口167へ入球すること自体では賞球は発生せず、あくまで始動口1スイッチ36a−2や始動口2スイッチ37aで遊技球が検出された場合に、賞球が払出装置から付与される。
以上の誘導弁162(球振分け手段)、第1開閉部材164(第1変換装置)、第2開閉部材168(第2変換装置)によって、特図1変動表示ゲームの始動記憶(特図1保留)と特図2変動表示ゲームの始動記憶(特図2保留)のいずれを普電サポートで発生させるか選択することができる。
本実施形態において、普図始動ゲート34、可動部材37b、第1開閉部材164、第2開閉部材168は、遊技盤本体30aの前面側に配置される一方、誘導弁162、共通通路172、第1分岐通路174a、第2分岐通路174b、第1作動口163、第2作動口167、始動口1スイッチ36a−2、始動口2スイッチ37aは、遊技盤本体30aの裏面側に配置される。これにより、遊技者が視認する必要性の高い部分を遊技盤本体30aの前面側に配置し、雑多な印象を与える部分を遊技盤本体30aの裏面側に遊技者が視認できないように配置できる。しかし、これに限られず、例えば、誘導弁162、共通通路172、第1分岐通路174a、第2分岐通路174b、第1作動口163、第2作動口167の一部を遊技盤本体30aの前面側に配置しつつ通路の壁(流路の壁)を透明にして、遊技球の動きを遊技者が視認できるようにしてもよい。
また、本実施形態において、図98の多数の部材(普図始動ゲート34、普通変動入賞装置37、誘導弁162、共通通路172、第1分岐通路174a、第2分岐通路174b、第1作動口163、第2作動口167、第1開閉部材164、第2開閉部材168、始動口1スイッチ36a−2、始動口2スイッチ37a)の全部または一部を、単一のユニットにまとめて構成してもよい。
〔普図変動表示ゲームと普電動作の特徴等〕
図99は、第4実施形態における普図変動表示ゲームと普電動作の特徴等ついて示す図である。図100は、第4実施形態におけるゲートスイッチ監視処理の手順を示すフローチャートである。図99(A)のように、第1実施形態(図56)と異なり、普図変動表示ゲームの始動記憶数(普図保留数)の上限は4である。このようにするため、図100のゲートスイッチ監視処理では、第1実施形態(図34)からステップA7706の処理が削除され、普図保留数は実質0とならないようにしている。他の点は、第1実施形態(図56)と同様である。
なお、第1実施形態と同様に、普図低確率の状態を普電サポートのない状態(サポ無し状態)とし、普図高確率の状態を普電サポートのある状態(サポ有り状態)とする。普電サポートが、少なくとも普図高確率とすることによって実行される。例えば、普図低確率では普図当り確率=0/251、普図高確率では普図当り確率=251/251であるが、これに限られない。
図99(B)のように、第1実施形態(図56)と異なり、遊技領域32における右上側の通路32cと普図始動ゲート34の間に、2列の障害釘32aが形成する通路は存在しない。そのため、通路32cからの遊技球は必ずしも普図始動ゲート34とその直下の普通変動入賞装置37を通らず、普図始動ゲート34を通過する遊技球の経路Aの他に、普図始動ゲート34を通過せずに第1開閉部材164(開閉部材A)や第2開閉部材168(開閉部材B)に向かう遊技球の経路Bがある。従って、普図始動ゲート34を通過しない分、普図変動表示ゲームの始動記憶数の上限を第1実施形態の実質0から増やしている。
図99(C)は、左側に、ループモード(特定遊技状態A)における普電開放パターンと誘導弁162の動作パターンを示し、右側に、残保留消化&時短モード(特定遊技状態B)における普電開放パターンと誘導弁162の動作パターンを示す。なお、本実施形態において、一回の普図当りによる普電開放パターンにおいて、普電の開放は1回のみであり、第1実施形態のような後半開放やインターバルはない。
誘導弁162は、ループモード(特定遊技状態A、第1特定遊技状態)において、普図当りによって普通変動入賞装置37が開状態に変換した場合に、遊技球を第2分岐通路174bに振り分けるよう動作し、動作位置に移動している。誘導弁162と普通変動入賞装置37は、同期して動作又は開放される。即ち、誘導弁162が動作位置にある動作時間は、普電開放時間と同じであり、誘導弁162が動作位置に移動するタイミングは、普通変動入賞装置37が開状態となるタイミングと同じであり、誘導弁162が通常位置に戻るタイミングは、普通変動入賞装置37が閉状態となるタイミングと同じである。なお、遊技球が可動部材37bから分岐部173に達する時間の分だけ、誘導弁162の動作は普通変動入賞装置37の開放から遅れてもよい(即ち、正確に同期しなくてもよい)。
このような特定遊技状態Aにおける誘導弁162の動作を実現するために、遊技制御装置100は、普電ソレノイド出力データ領域にオンデータ(又はオフデータ)をセーブする場合には、同時に、誘導弁ソレノイド出力データ領域にオンデータ(又はオフデータ)をセーブする(A8411、A8703、A8705、A8709等)。
一方、誘導弁162は、残保留消化&時短モード(特定遊技状態B、第2特定遊技状態)において、普図当りによって普通変動入賞装置37が開状態に変換した場合には、遊技球を第1分岐通路174aに振り分けるよう非動作の状態に維持され、通常位置(非動作位置)に位置している。
また、普電開放時間は、ループモード(特定遊技状態A)において短く、残保留消化&時短モード(特定遊技状態B)において長い。ループモードにおいて、普電開放時間と誘導弁162の動作時間は、例えば、各々約600msecである。残保留消化&時短モードにおいて、普電開放時間は、例えば約2400msecであり、誘導弁162の動作時間は、0secである。
一例として、遊技球の発射速度が1分ごとに100個であるとすると、600msecごとに遊技球が普通変動入賞装置37に到達する。この例では、ループモードでの600msecの普電開放の間に、普通変動入賞装置37に略1回入球が可能であり、さらに第2作動口167(作動口B)へ略1回入球が可能であり、第2開閉部材168(開閉部材B)が最大1回程度で開放可能である。また、この例では、残保留消化&時短モードでの2400msecの普電開放の間に、普通変動入賞装置37に略4回入球が可能であり、さらに第1作動口163(作動口A)へ略4回入球が可能であり、第1開閉部材164(開閉部材A)が最大4回程度で開放可能である。なお、第1開閉部材164は、遊技球が上限個数(ここでは2個)入球しないと閉じないため、開状態の時間が1200msec程度ある。従って、第1開閉部材164が、2400msecの普電開放の間に4回程度開放するのは稀である。
以上のように、誘導弁162は、ループモード(特定遊技状態A)において、遊技球を第2分岐通路174bに振り分けるよう動作し、残保留消化&時短モード(特定遊技状態B)において、遊技球を第1分岐通路174aに振り分けるよう動作する。従って、演出モードや遊技状態に応じて、特図1変動表示ゲームの始動記憶(特図1保留)と特図2変動表示ゲームの始動記憶(特図2保留)のいずれを主に発生させるか選択することができる。
〔タイミングチャート〕
図101は、大当りの後に関して、遊技状態、普図確率(普図当り確率)、普電状態、誘導弁状態、特図1入賞(特図1始動入賞)、特図2入賞(特図2始動入賞)、特図1保留数、特図2保留数、特図1変動表示ゲーム(特図1変動)、特図2変動表示ゲーム(特図2変動)を示すタイミングチャートの一例である。なお、タイミングチャートにおいて右側にいくほど時間が経過する。始動口1スイッチ36a−2での遊技球検出による特図1入賞と、始動口2スイッチ37aでの遊技球検出による特図2入賞は、パルスで示される。
なお、便宜上、図101では、特図1入賞と特図2入賞は、等しい間隔で発生しているように示されている場合もあるが、実際には、遊技球は、ランダムに第1開閉部材164又は第2開閉部材168に到達するため、特図1入賞と特図2入賞は等しい間隔で発生するわけではない。
図101において、大当り状態の一部として大当りラウンド中(大当り中)と大当りエンディングが示されている。大当りエンディングが終了して、普図確率が低確率状態から高確率状態になり、図94の特定遊技状態A(ループモード、時短モード#1)になる。
特定遊技状態Aの最初に、普図始動ゲート34を遊技球が通過して、普図変動表示ゲーム(普図の変動)が開始する。そして、普図確率100%の高確率状態であるため、普図当りとなり普電動作が開始し、普電(普通変動入賞装置37)は開放される。また、普電に同期して誘導弁162も通常位置から動作して動作位置に移動する。普電が開放された開状態において、普電を通過した遊技球は、第2作動口167(作動口B)に入球する。
第2作動口167(作動口B)に入球すると、第2開閉部材168(開閉部材B)が開状態となる。その後、第2作動口167に入球したものとは別の遊技球が第2開閉部材168に入賞すると、特図2保留が1個発生してすぐに消化されて、1回目の特図2変動表示ゲームが開始され、特図2保留数は0になる。1回目の特図2変動表示ゲームが終了するまで、普図高確率の特定遊技状態A(ループモード、時短モード#1)が維持される。特定遊技状態Aでは、普図高確率によって、特図2保留を発生させるための普電サポートが実行される。
第2開閉部材168は、遊技球が上限個数である2個入賞するまで開状態が維持される。次の遊技球が、第2開閉部材168を通過して始動口2スイッチ37aからなる第2始動入賞口に入賞すると、特図2保留が1個発生して、第2開閉部材168は機械的に閉状態になる。
本実施形態で、特定遊技状態A(時短モード#1)での特図2変動に係る時短回数は1であり、1回目の特図2変動表示ゲームが終了するまで特定遊技状態A(時短モード#1)が継続する。特定遊技状態Aの継続中に、普電開放と誘導弁162の動作がそれぞれ複数回のあり、第2作動口167に複数回入球して、第2開閉部材168が複数回開放される。第2開閉部材168の1回の開放で遊技球が上限個数である2個入賞する。従って、特定遊技状態A(時短モード#1)の継続中に特図2保留が例えば4個まで貯められる。
図101では、特定遊技状態A(時短モード#1)での時短回数(1回目)分の特図2変動表示ゲームの終了によって、特定遊技状態A(時短モード#1)から特定遊技状態B(残保留消化&時短モード)に遷移する。なお、特定遊技状態Aにおける特図2変動表示ゲームの図柄Q,Mでの大当り(V入賞によるものを含む)を経て特定遊技状態Bに遷移する場合もある。
特定遊技状態B(残保留消化&時短モード)では、最初に、特定遊技状態Aで発生した4つの特図2の残保留が優先的に消化され、2〜5回目の特図2変動表示ゲームが実行される。特定遊技状態Bでは、普図高確率によって、特図1保留を発生させるための普電サポートが実行される。特図2の残保留の消化中に、誘導弁162の動作を伴わない普電開放があり、第1作動口163(作動口A)に入球して、第1開閉部材164(開閉部材A)が開放される。第1開閉部材164の1回の開放で遊技球が上限個数である2個入賞する。普電開放中において第1作動口163に複数回入球可能であり、複数回第1開閉部材164が開放される。
なお、図101では、特定遊技状態Bでの最初の普電開放中に、第1開閉部材164の開放が3回開始されるものとする。ここでは、3回のうち最後の第1開閉部材164の開放は普電開放中に開始し、その普電開放終了後に特図1入賞が2回発生している状況が示されている。
特定遊技状態Bにおいて、4つの特図2の残保留が優先的に消化された後に、第1開閉部材164の開放による特図1入賞で発生した特図1保留の消化が開始し、特図1変動表示ゲームが開始される。以後、特図2保留数(残保留数)が0に維持されたまま、第1開閉部材164の開放する度に特図1保留が貯まりつつ、先に発生した順に特図1保留が消化されて繰り返して特図1変動表示ゲームが実行される(図101では1〜10回目までの特図1変動が示されている)。特図1変動表示ゲーム(第1ゲーム)が通常遊技状態よりも短い時間で実行される。これによって、遊技者にチャンスを与えることができ、遊技の興趣が向上する。例えば、特図1変動表示ゲームの平均の変動時間は、特定遊技状態Bにおいて通常遊技状態よりも短いか、或は、特図1変動表示ゲームの変動時間は、特定遊技状態Bにおいて、通常遊技状態での最短の変動時間(最短の特図1変動時間)よりも短い。本実施形態において、大当りが発生しなければ、特定遊技状態B(残保留消化&時短モード)において、特図1変動表示ゲームが第3所定回数(99回)まで実行され得る。
このように、特定遊技状態Aが終了してさらに特図2の残保留が全て消化されても、特定遊技状態Bで特図1変動表示ゲームが普電サポートによって頻繁に実行されるようになるため、遊技者にチャンスを与えることができ、遊技の興趣が向上する。即ち、特図2の残保留を全て消化したが小当り(小当りでのV入賞による大当り)が得られずに落胆した遊技者を喜ばすことができ、遊技の興趣が向上する。一方、特定遊技状態Bにおいて、特図1変動表示ゲームよりも小当り確率の高い特図2変動表示ゲームの実行権利となる特図2保留は発生しないため、遊技者が有利になりすぎることはない。また、特定遊技状態Bにおいて、特図1変動表示ゲームが通常遊技状態よりも短い時間で実行されるため、特図1変動表示ゲームがさらに頻繁に実行されるようになる。
〔特殊なスペックの例〕
図102は、第4実施形態における遊技状態の遷移を、遊技機10の特殊なスペック(仕様)に関して例示する遊技状態遷移図(ゲームフロー)である。図103は、特殊なスペックで特図変動表示ゲームの当りの種類である図柄に対応する時短回数と規定の残保留数(規定残保留数)などについて示すテーブルである。図102と図103は、第1実施形態の図94と図95を改変したものであり、以下、図94、図95と異なる点を主に説明する。
特殊なスペック(仕様)では、特図1保留数(特図1始動記憶数)の上限値は4である一方で、特図2保留数(特図2始動記憶数)の上限値は1である(A2905)。また、小当り確率は299/300(略1)であり、時短モード#1での特図2の時短回数は1である。
また、特定遊技状態Aにおける時短モード#2は存在しないが、代わりに小当り確率は1であることから、時短モード#1が大当り状態終了後に特定遊技状態に移行する次回継続確定モードとなる。さらに、小当り確率は1であることから、大当り(小当り中でのV通過による大当り)を経ずに、所定の遷移条件が成立によって特定遊技状態Aから特定遊技状態Bに遷移することはない。特定遊技状態Aは、高い確率で2回繰り返す可能性があるため2回ループモードと呼ぶ。
当りの種類である図柄A1,Pは、図柄A,Pと振り分け(選択率)と時短回数は同じであるが、図95の図柄A,Pと異なり、特定遊技状態Aの終了後に消化される規定の残保留数(特図2保留数)は1個である。ループモード(特定遊技状態A)での当りの種類である図柄Q,Mでは、図95と異なり、規定の残保留数(特図2保留数)は1個である。残保留消化&時短モード(特定遊技状態B)での当りの種類である図柄Q,Mでは、図95と異なり、規定の残保留数(特図2保留数)は0個である。
また、残保留消化&時短モード(特定遊技状態B)で図柄R,Gはなく、代わりに当りの種類である図柄A1,Pが設けられる。残保留消化&時短モードでの図柄A1,Pの当りによって特定遊技状態Bから特定遊技状態Aの時短モード#1に遷移する。
図104は、特殊なスペックに関するタイミングチャートであり、図101と類似するため図101と異なる点を主に説明する。
特定遊技状態A(ループモード、時短モード#1)において、普図高確率によって、特図2保留を発生させるための普電サポートが実行されるが、特図2保留数の上限値は1であるため、特図2保留は1個までしか貯まらず、特定遊技状態Aの終了後に消化される残保留も1個までしか貯まらない。残保留を1個貯めればよいため、特定遊技状態Aでの特図2変動表示ゲームの変動時間は図101よりも短くなっている。小当り確率は299/300(略1)で大当り確率(V通過による大当りではない)が1/300であるため、特定遊技状態Aでの特図2変動表示ゲームによって、小当りひいては小当り中のV入賞による大当り、又は、V入賞によらない大当りが必ず発生する。
図104では、特定遊技状態A(ループモード)での当りの図柄が図柄M、Qである場合(図柄A1、Pでない場合)を示す。図柄M、Qでの当りによって、特定遊技状態Aから大当り状態を経て特定遊技状態B(残保留消化&時短モード)に遷移する。なお、大当り状態では、普図確率が低確率状態になる。
特定遊技状態Bでは、特図2の残保留(1個)が消化されて特図2変動表示ゲームが実行されるが、当り確率は1であるため、特定遊技状態Bでの特図2変動表示ゲームによって、再度小当り(小当り中のV入賞による大当り)又は大当り(V入賞によるものでない)が発生する。図104では、特定遊技状態Bでの当りの図柄が図柄M、Qである場合(図柄A1、Pでない場合)を示す。図柄M、Qでの当りによって、特定遊技状態Bから大当り状態を経て再度特定遊技状態Bに遷移する。なお、大当り状態では、普図確率が低確率状態になる。
以上のように、小当り確率と大当り確率の合計は1であるため、特定遊技状態A(ループモード)と特定遊技状態B(残保留消化&時短モード)の両方から大当りが必ず発生して、出玉スピードが速くなる。
再突入した特定遊技状態B(残保留消化&時短モード)では、特図1保留を発生させるための普電サポートが実行され、誘導弁162の動作を伴わない普電開放が繰り返され、第1作動口163(作動口A)への入球によって第1開閉部材164(開閉部材A)が繰り返し開放される。そして、特図2の残保留は存在しないため(残保留数=0)、特定遊技状態Bに突入後すぐに特図1変動表示ゲームが繰り返し実行される。
以上、第4実施形態を説明したが、特定遊技状態A,Bに関して、時短状態を確変状態に置き換えてもよい。
[第4実施形態の作用・効果]
第4実施形態に係る遊技機10は、第1ゲーム(特図1変動表示ゲーム)と第2ゲーム(特図2変動表示ゲーム)を実行可能な遊技制御手段(例えば遊技制御装置100)を備え、第1ゲーム又は第2ゲームの結果が特別結果(大当り又は小当り)となる場合に、遊技者に有利な特別遊技状態を発生可能である。遊技機10において、第1ゲーム又は第2ゲームの実行権利として始動記憶を記憶可能な始動記憶手段(例えば遊技制御装置100)を備える。遊技制御手段は、特別遊技状態を介して発生可能であり、第1ゲームよりも第2ゲームが優先的に実行される第1特定遊技状態(特定遊技状態A)と、第1ゲームよりも第2ゲームが優先的に実行され、第1特定遊技状態中に発生した複数の始動記憶のうち、第1特定遊技状態中に第2ゲームが実行されなかった始動記憶(残保留)に係る第2ゲームが実行される第2特定遊技状態(特定遊技状態B)と、を発生可能である。第2特定遊技状態(特定遊技状態B)では、第2ゲームの始動記憶(特図2保留、特図2始動記憶)が発生しない。
このような遊技機10では、第1特定遊技状態(特定遊技状態A)が終了して、さらに第2特定遊技状態(特定遊技状態B)において第2ゲームの始動記憶(特図2の残保留)が全て消化された後は、第2特定遊技状態(特定遊技状態B)で第2ゲームの始動記憶(特図2保留)は発生しないために、第1ゲーム(特図1変動表示ゲーム)が実行されるようになる。このため、第2特定遊技状態において第2ゲームの終了後も、遊技者にチャンスを与えることができ、遊技の興趣が向上する。
なお、遊技機10は、第2特定遊技状態(特定遊技状態B)において遊技球が入球容易な開状態と入球困難な閉状態とに変換可能な第1変換装置(第1開閉部材164)を備えてよい。そして、開状態の第1変換装置(第1開閉部材164)に対して遊技球が入球した場合に第1ゲームの始動記憶(特図1保留、特図1始動記憶)を発生可能であると、第2特定遊技状態で第1ゲームが頻繁に実行されるようになり、さらに遊技の興趣が向上する。
第4実施形態において、遊技制御手段は、第2特定遊技状態(特定遊技状態B)において、第2ゲームの終了後に、第1ゲームを通常遊技状態よりも短い時間で実行する。
従って、第2特定遊技状態(特定遊技状態B)において、第1ゲームが通常遊技状態よりも短い時間で実行されるため、第2ゲームの終了後でも第1ゲームが頻繁に実行されるようになり、遊技者にチャンスを与えることができ遊技の興趣が向上する。
第4実施形態に係る遊技機10は、開状態と閉状態とに変換可能な変動入賞装置(普通変動入賞装置37、普電)と、開状態の変動入賞装置を通過した遊技球を第1通路(第1分岐通路174a)と第2通路(第2分岐通路174b)に振り分ける球振分け手段(誘導弁162)と、第1通路を通過した遊技球の作用によって閉状態(非動作状態)から開状態(動作状態)に変換する第1変換装置(第1開閉部材164)と、第2通路を通過した遊技球の作用によって閉状態(非動作状態)から開状態(動作状態)に変換する第2変換装置(第2開閉部材168)と、を備える。遊技制御手段は、開状態の第1変換装置に遊技球が入球した場合に、第1ゲームの始動記憶(特図1始動記憶、特図1保留)を発生可能であり、開状態の第2変換装置に遊技球が入球した場合に、第2ゲームの始動記憶(特図2始動記憶、特図2保留)を発生可能である。
このような遊技機10では、第1ゲームの始動記憶(特図1保留)と第2ゲームの始動記憶(特図2保留)のいずれを変動入賞装置の変換動作(普電サポート)によって発生させるか、球振分け手段によって選択することができる。
第4実施形態において、球振分け手段(誘導弁162)は、第1特定遊技状態(特定遊技状態A)において、変動入賞装置が開状態に変換した場合に遊技球を第2通路(第2分岐通路174b)に振り分け、第2特定遊技状態(特定遊技状態B)において、変動入賞装置が開状態に変換した場合に遊技球を第1通路(第1分岐通路174a)に振り分ける。
従って、特定遊技状態の種類に応じて、第1ゲームの始動記憶(特図1保留)と第2ゲームの始動記憶(特図2保留)のいずれを主に発生させるか選択することができる。これによって、遊技が変化に富み、遊技の興趣が向上する。
[第5実施形態]
図105から図115を参照して、第5実施形態について説明する。なお、以下で述べる以外の構成は、第1実施形態から第4実施形態と同様でよい。また、以下の実施形態では、第1実施形態から第4実施形態と同じ機能を果たす構成には同一の符号を用い、重複する記載を適宜省略して説明する。第5実施形態は、第1実施形態に対して、通常遊技状態における大当り発生によって、大当り状態終了後に必ず時短モード(時短状態、普電サポート状態)に遷移するようにしたものである。
〔遊技状態遷移図(ゲームフロー)の例〕
図105は、第5実施形態における遊技状態の遷移を例示する遊技状態遷移図(ゲームフロー)である。図105は、第1実施形態の図54Aの遊技状態遷移図を改変したものであり、以下、図54Aと異なる点を主に説明する。
図105においては、特定遊技状態Cは、通常遊技状態から大当りが発生した場合に、大当り終了後に必ず発生する遊技状態である。特定遊技状態Cにおいて、大当り確率は低確率状態(特図低確率)であるが、普図当り確率は高確率状態(普図高確率)となる。
特定遊技状態Cにおいて、時短回数は1であり、残保留数は0である。残保留数は0であるため、特定遊技状態Cの後に移行状態はない。残保留数を0にするための構成については後述する。なお、時短回数は1以外の所定回数でもよい。特定遊技状態Cの演出モードは、時短モード#3である。なお、特定遊技状態Cの時短回数は1で少ないため、特定遊技状態Cからの大当りが発生すると、通常遊技状態からの大当りと合わせて見かけ上2回分の大当りの出玉が一度(獲得球数)の大当りで得られたように遊技者は感じ、遊技の興趣が向上する。また、通常遊技状態からの大当りの演出、時短モード#3の演出、特定遊技状態Cからの大当りの演出に共通性を持たせて、一つながりの演出としてもよい。なお、滞在中の演出モード(演出ステージ)を表示装置41の表示画面に、文字表示したり背景として示してよい。
残保留がなく且つ時短回数が少ないために通常遊技状態よりも短期間となり易い特定遊技状態Cにおいて、特定の当りの図柄(図柄A)で特定遊技状態Aに遷移するため、遊技者は、自力で特定の当りの図柄を引いて特定遊技状態Aに移行したかのように感じて、自力感が増す。
なお、図54Aの特定遊技状態は特定遊技状態Cと区別して特定遊技状態Aと呼ぶ。特定遊技状態Aと特定遊技状態Cでは、普電サポートによって特図2保留が発生し易くなる時短状態になる。第5実施形態でも、特図2変動表示ゲームが特図1変動表示ゲームよりも優先して実行される特図2優先変動(特図2保留優先消化)である。従って、特定遊技状態Aと特定遊技状態Cでは、特図2の残保留が消化されて特図2変動表示ゲームが主変動表示ゲームとなる。特定遊技状態A,Cにおいて、遊技球の発射態様として、普通変動入賞装置37を狙う右打ちが推奨される。
特定遊技状態Aの時短回数は1であり、残保留数はnである。例えば、nは、特図1と特図2で共通の特図保留数の上限値(ここでは4、図9のA2905)よりも小さい整数であり、本実施形態では1である。特定遊技状態Aは小当り確率が高いと繰り返す可能性が高いため(例えばX回繰り返す)、特定遊技状態Aの演出モードをループモード(X回ループモード)とする。
移行状態は、図54Aと同様であるが、普電開放終了前モードと普電普電開放終了後モードに分けなくてよい。移行状態での特図2残保留変動回数mは、図柄Jの当りで移行状態が繰り返される度に減少してn以下の数である。
次に、各遊技状態からの遷移(移行)について説明する。なお、第1実施形態と同様に、特図2変動表示ゲームでの小当り確率(小当り中でのV通過による大当りの発生確率)が1/8(=12.5%)の場合を説明するが、後述のように小当り確率は他の確率でもよい。なお、特図1変動表示ゲームで小当りは発生しなくてよい(小当り確率=0)。また、特図1変動表示ゲームにおいて大当り確率(V通過による大当りではない)が1/300であり、特図2変動表示ゲームにおいて大当り確率=0で大当りが発生しない場合を説明する。なお、第4実施形態と同様に、特図2変動表示ゲームにおいて大当り確率(V通過による大当りではない)が1/300であってもよい。
まず、通常遊技状態において、特図1変動表示ゲームによって大当り(V入賞によるものではない)が発生すると、当りの図柄は図柄Hしかなく、必ず大当り状態の終了後に特定遊技状態Cに遷移する。なお、通常遊技状態では、特図2保留が発生せず特図2変動表示ゲームが実行されない構成とする。
特定遊技状態Cにおいて、特図2変動表示ゲームによって大当り(小当り中でのV通過による大当り)が発生すると、当りの図柄Aでは大当り状態の終了後に特定遊技状態A(時短モード♯1)に遷移し、当りの図柄Jでは大当り状態の終了後に通常遊技状態に遷移する。
また、所定の遷移条件が成立した場合に、特定遊技状態Cから通常遊技状態に遷移する。例えば、この所定の遷移条件は、(i)特定遊技状態Cにおける特図2変動表示ゲームの実行回数が時短回数(第4所定回数、例えば、1回)に達すること、又は、(ii)特定遊技状態Cにおける特図変動表示ゲーム(特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲーム)の合計の実行回数が時短回数(第4所定回数)よりも大きい第5所定回数(例えば10回)に達すること、の何れかが成立することである。なお、遊技者が普通に遊技すれば、(i)の条件の成立で遷移し、(ii)の条件が成立することはまずありえない。
特定遊技状態Aにおいて、特図2変動表示ゲームによって大当り(小当り中でのV通過による大当り)が発生すると、当りの図柄Aでは大当り状態の終了後に特定遊技状態A(時短モード♯1)に戻り、当りの図柄Jでは大当り状態の終了後に移行状態に遷移する。
また、所定の遷移条件が成立した場合に、特定遊技状態Aから移行状態に遷移する。なお、本実施形態において、この遷移条件では、(iii)所定開放回数(例えば2回)の普電開放が終了することは省略される。
移行状態において、残保留がなくなり特図2変動が終了すると、主変動表示ゲームが特図1変動表示ゲームとなる通常遊技状態に遷移する。一方、移行状態において、小当り(小当り中でのV通過で大当り状態になる)が発生すると、当りの図柄Jでは残保留が残っている場合には移行状態に戻り、当りの図柄Gでは、大当り状態終了後に特定遊技状態の時短モード#2に遷移して99回の時短回数が付与される。
なお、図105に対応して、本実施形態における時間短縮変動回数更新処理は、第4実施形態の時間短縮変動回数更新処理(図96B)から、ステップA5200e、A5200f、A5202a、A5202bの処理を削除し、ステップA5200cにおいて特定遊技状態A(ループモード)又は特定遊技状態C(時短モード#3)であるか否かを判定するものになる。
〔図柄に対応する時短回数と規定残保留数〕
図106は、特図変動表示ゲームの当りの種類である図柄に対応する時短回数と規定の残保留数(規定残保留数)などについて示すテーブルである。図柄は、当りの停止図柄であり停止図柄番号と停止図柄パターンの何れに対応させてもよい。
図106(A)は、特図1変動表示ゲームの当りの図柄に関するものである。図106(B)の上図は、普図高確率中(時短中)における特図2変動表示ゲームの当りの図柄に関するものであり、下図は、普図低確率中における特図2変動表示ゲームの当りの図柄(残保留での当りの図柄)に関するものである。
図柄A,H,J,Gは、大当り図柄乱数によって決定される停止図柄でよい。特図1変動表示ゲームの当りの図柄は、振り分け(選択率)が100%となる図柄Hのみである。普図高確率中における特図2変動表示ゲームの当りの図柄は、各々振り分けが34%、66%となる図柄A,Jである。普図低確率中(残保留消化中)における特図2変動表示ゲームの当りの図柄(残保留での当りの図柄)は、各々振り分けが34%、66%となる図柄G,Jである。
当りの種類である図柄Hでは、大当り後の特図2変動表示ゲームに関する時短回数は1回であり、時短状態(特定遊技状態C)終了後に消化される規定の残保留数(特図2保留数)は0個である。従って、時短回数と残保留数の合計数は、規定では1になる。
当りの種類である図柄Aでは、大当り後の特図2変動表示ゲームに関する時短回数は1回であり、時短状態(特定遊技状態A)終了後に消化される規定の残保留数(特図2保留数)はn個である。本実施形態において、nは1である。従って、時短回数と残保留数の合計数は、規定では1+nになる。なお、ここでは、特図1保留数(特図1始動記憶数)と特図2保留数(特図2始動記憶数)の共通の上限値(図9のA2905)は、両方とも4である。
当りの種類である図柄Jでは、大当り後の時短回数が0回であり、移行状態終了後、又は、時短状態(特定遊技状態A)終了後に消化される規定の残保留数(特図2保留数)はその時点での既存の特図2保留数m個である。時短回数と残保留数の合計数は、規定ではmになる。なお、mは、n以下の整数である。
当りの種類である図柄Gでは、大当り後の時短回数は99回であり、規定残保留数はn個である。従って、大当り状態終了後に特図2変動表示ゲームの実行によって消化可能な特図2保留の合計数は99+nになる。
以上のように、遊技状態(演出モード)と当りの種類である図柄によって、大当り終了後の時短回数や規定残保留数を変えることができ、遊技のスペック(仕様)や遊技性の幅を広げることができ、遊技の興趣を向上できる。
〔遊技盤〕
図107は、第5実施形態における遊技盤30の正面図である。第5実施形態の普通変動入賞装置37は、第1実施形態から第4実施形態までとは異なる構成を有する。
普図始動ゲート34の直下にはスライド式の可動部材37bを有する普通変動入賞装置37(普通電動役物、普電)が配置される。普通変動入賞装置37は、横向きのU字形状の遊技球の通路170を有する。始動口2スイッチ37aは、通路170の右下端に配置される。通路170の上側から通路170に入った遊技球は、通路170を通過して、可動部材37bが動作している場合には、始動口2スイッチ37aで検出可能である。遊技球は、可動部材37bが動作していない場合には、通路170の下側から排出される。なお、普通変動入賞装置37の詳細な構成と、その動作は図110で後述される。
〔普図変動表示ゲーム、普電動作の特徴、普電の構成等〕
図108は、第5実施形態における普図変動表示ゲームと普電動作の特徴等ついて示す図である。
図108(A)のように、第1実施形態(図56)と異なり、普図変動表示ゲームの始動記憶数(普図保留数)の上限は4である。このようにするため、第4実施形態の図100と同じく、ゲートスイッチ監視処理では、第1実施形態(図34)からステップA7706の処理が削除され、普図保留数は実質0とならないようにしている。
また、普電の最大カウント数(カウント数上限値、図35のA7804)は、特図1と特図2で共通に定められた特図保留数の上限値(図9のA2905)である4以下であり、例えば1である。カウント数は、始動口2スイッチ37aへの入力回数であり、カウント数がカウント数上限値に達した場合には、普通変動入賞装置37が非動作状態になる(図35のステップA7804、A7805)。
普図変動表示ゲームの変動時間である普図変動時間は100msecである。なお、普図高確率状態で100msecとし、普図低確率状態では100msecよりも長くしてもよい。普図停止時間(普図表示時間)は、500msecである。普電動作時間は、1000msecである。なお、普図当り時のファンファーレを設ける場合には、ファンファーレ時間は100msecとする。
図108(B)のように、第1実施形態(図56)と異なり、遊技領域32における右上側の通路32cと普図始動ゲート34の間に、2列の障害釘32aが形成する通路は存在しない。そのため、通路32cからの遊技球は必ずしも普図始動ゲート34とその直下の普通変動入賞装置37を通らない。
普図始動ゲート34の直下には、普図始動ゲート34と対峙して横向きのU字形状の通路170の入口171が配置され、普図始動ゲート34を通過した遊技球は通路170の入口171に入って、通路170を下側に流下する。可動部材37bが動作状態にある場合には、遊技球は始動口2スイッチ37aに到達する。
図108(C)は普電動作パターンを示す。普電の最大カウント数(カウント数上限値)に達しない限り、普通変動入賞装置37(普電)は普電動作時間1000msecだけ動作する。しかし、普通変動入賞装置37が動作する前に、普電の最大カウント数(例えば1)に達すると、点線のように普通変動入賞装置37が非動作状態になる(図35のステップA7804、A7805)。なお、本実施形態において、一回の普図当りによる普電開放パターンにおいて、普電の開放は1回のみであり、第1実施形態のような後半開放やインターバルはない。
図109は、普電動作と特図変動との関係を例示する図である。図109は、大当り終了後の特定遊技状態A,C(時短状態)の開始時に、特図1保留又は特図2保留が存在して開始した特図変動表示ゲームが特図変動時間(図23参照)だけ実行される場合を示す。特定遊技状態A,Cでは時短回数は1であり、普電の入賞容易状態が特図変動時間の間だけ継続する。特定遊技状態A,Cで普図始動ゲート34の通過によって普図変動表示ゲームが実行され、普図当りとなると普通変動入賞装置37は動作状態になる。
本実施形態では、普通変動入賞装置37(普電)の動作後において普通変動入賞装置37が動作しない時間TDIを、実行中の特図変動表示ゲームの実行時間としての特図変動時間よりも長く設定する。これにより、特図変動表示ゲーム中に普通変動入賞装置37が1回だけ動作状態となり、2回以上動作状態となることを防止できる。そして、特定遊技状態A,Cにおいて時短回数又は残保留数に相当する数の特図2保留(ここでは1とする)を、普電の最大カウント数に等しくして正確に発生させることができる。実行中の特図変動表示ゲームの特図変動時間の代わりに、最大の特図変動時間を用いてもよい。
例えば、時間TDIは、普電残存球処理時間(A8708)と普図エンディング時間(A8903)の和である(時間TDI=普電残存球処理時間+普図エンディング時間)。即ち、普電残存球処理時間+普図エンディング時間>特図変動時間が成立する。なお、普図エンディング時間>特図変動時間とすれば、必ず時間TDIは特図変動時間よりも長くなる。例えば、特図変動時間の最大値が30000msecである場合に、普電残存球処理時間は600msecであり、普図エンディング時間は30200msecである。
図110(A)−(C)は、普通変動入賞装置37の動作を詳細に説明する断面図である。左図は、遊技盤本体30aに平行な普通変動入賞装置37の断面図であり、右図は、遊技盤本体30aに垂直な普通変動入賞装置37の断面図である。
普通変動入賞装置37の横向きのU字形状の通路170は、上側通路170aと、下側通路170bと、上側通路170aと下側通路170bに連通する左側の転換通路170cを有する。下側通路170bにおいて、遊技球が右方向(第1方向)に移動可能である。始動口2スイッチ37aは、下側通路170bの右側の出口に配置される。下側通路170bの上方に配置される上側通路170aにおいて、右方向(第1方向)とは逆向きの左方向(第2方向)に遊技球が移動可能である。転換通路170cは、上側通路170aを左方向(第2方向)へ転動する遊技球の進路を右方向(第1方向)に転換してスムーズに下側通路170bへと案内することできる。
このように、始動口2スイッチ37aへの通路170を横向きのU字形状にコンパクトにまとめることができ、遊技盤30の遊技領域32のスペースを節約できる。なお、遊技球が上側通路170aと下側通路170bを同方向に通過する場合には、通路170の左右方向の横幅が略2倍となってしまう。
図110(A)のように、特定遊技状態A,Cにおいて、普図当りによって、可動部材37bは動作状態となり、遊技盤本体30aよりも前方に突き出た動作位置に位置する。これによって、可動部材37bは、下側通路170bの底部となるとともに始動口2スイッチ37a(検出手段)に隣接して配置されて、始動口2スイッチ37aへの通路を形成する。
図110(B)のように、始動口2スイッチ37aが通過する遊技球を1つ検出すると、始動口2スイッチ37aのカウント数がカウント数上限値(ここでは1、図35のA7804)に達して、普通変動入賞装置37が非動作状態になり遊技盤本体30a側(奥側)の通常位置又は初期位置に引っ込む。
そして、図110(C)のように、始動口2スイッチ37aを通過した遊技球は、始動口2スイッチ37aの右側に位置する排出流路37dに入る。一方、下側通路170bの底部となる可動部材37b上を通過中であった遊技球は、底が抜けたような状態で下方に落下する。
このように、特定遊技状態A,C(時短状態)において、始動口2スイッチ37a(検出手段)への通路となる下側通路170bを通り抜けられる遊技球の数を、カウント数上限値(図35のA7804)に対応する所定個(ここでは1個)に正確に制限することができる。即ち、一回の動作による普通変動入賞装置37への入賞数が、所定個より大きくならず、所定個以外の余剰な入賞(余剰な始動口2スイッチ37aでのカウント数)が発生しない。また、これによって、特定遊技状態A,C(時短状態)での一回の普電動作によって発生する特図2保留の数を、特図保留数の上限値(ここでは4)に関係なく、特図保留数の上限値未満のカウント数上限値(整数n、ここでは1)に制限することができる。
なお、一回の普電動作によって発生する特図2保留の数を、特図1と特図2で共通に乱数格納領域(図9)の広さ(幅、容量)として定められている特図保留数の上限値(図9のA2905)に制限することもできる。しかし、特図保留数の上限値は、遊技機の機種間で共通化しておくと、遊技制御用プログラムの開発コストが削減できる。このため、特図保留数の上限値は固定しておき、普通変動入賞装置37に関するカウント数の上限値を用いて、一回の普電動作によって発生する特図2保留の数を調整している。
なお、隣接して配置された動作状態の可動部材37bの右端と始動口2スイッチ37aとの距離が、遊技球の直径以下であれば、始動口2スイッチ37aのカウント数上限値に達した瞬間に、可動部材37bを非動作状態にして可動部材37bの右端上を通過中であった遊技球を下方に落とすことができるため、始動口2スイッチ37aのカウント数はカウント数上限値より大きくなることはない。
〔普電の構成の別例〕
図111は、普通変動入賞装置37の構成の別例を示す図である。図117では、普通変動入賞装置37は、風車181、通路183、始動口2スイッチ37a、可動部材37bを有する。遊技球の通路183の途中に風車181が設けられる。風車181は、遊技球を収容する収容部181aと、4つの収容部181aを形成する4つの突起部181bと、を有する。
収容部181aは一個の遊技球のみを収容でき、風車181は所定の回転抵抗をもって適度にゆっくりと回転する。これによって、風車181は、通路183を流下してきた遊技球を間隔を空けて下流に送り出す。風車181の下流には可動部材37bが配置され、可動部材37bの動作状態(開状態)において、遊技球は可動部材37bに当って下側の始動口2スイッチ37aを通過できる。始動口2スイッチ37aのカウント数がカウント数上限値に達した瞬間に可動部材37bは非動作状態(閉状態)になる。このように、動作した可動部材37bによって始動口2スイッチ37a(検出手段)への通路が形成され、始動口2スイッチ37aへの通路を可動部材37bの1回の動作で通り抜けられる遊技球の数を、カウント数上限値に対応する所定個(ここでは1個)に正確に制限することができる。
〔タイミングチャート〕
図112は、大当りの後に関して、遊技状態、普図確率(普図当り確率)、普図状態、普電状態、特図1入賞(特図1始動入賞)、特図2入賞(特図2始動入賞)、特図1保留数、特図2保留数、特図1変動表示ゲーム(特図1変動)、特図2変動表示ゲーム(特図2変動)を示すタイミングチャートの一例である。なお、タイミングチャートにおいて右側にいくほど時間が経過する。始動口1スイッチ36aでの遊技球検出による特図1入賞と、始動口2スイッチ37aでの遊技球検出による特図2入賞は、パルスで示される。
図112は、普電最大カウント数が1で、特定遊技状態Aの残保留数nが1の場合の例である。
大当り状態の一部として大当りラウンド中(大当り中)と大当りエンディングが示されている。通常遊技状態からの大当りによる大当りエンディングが終了して、普図確率が低確率状態から高確率状態になり、図105の特定遊技状態C(時短モード#3)になる。
特定遊技状態Cの最初に、普図始動ゲート34を遊技球が通過して、普図変動表示ゲーム(普図の変動)が開始する。そして、普図確率100%の高確率状態であるため、普図当りとなり普電(普通変動入賞装置37)の動作が開始する。なお、第1実施形態と異なり、普図停止時間が500msecで長いため、普図変動と普図当り状態の間の普図停止が省略せずに示されている。
普電の動作中に、特図2入賞があり特図2保留が発生して、特図2変動表示ゲーム(特図2変動)が開始する。特定遊技状態Cにおける特図2変動表示ゲームの変動時間(特図2変動時間)は、普図変動時間よりも短い時間で実行される。なお、特定遊技状態Cにおいて、通常遊技状態から持ち越された特図1保留によって特図1変動表示ゲーム(特図1変動)が開始する場合も、特図1変動表示ゲームの変動時間(特図1変動時間)は、普図変動時間よりも短い時間で実行される。1回の特図2変動表示ゲームの終了によって特定遊技状態C(時短状態)が終了するため、特定遊技状態Cにおいて、次の普図の変動が実行されることがなく、2回目の普電の動作もない。
このように、特定遊技状態Cにおける1回目の特図変動表示ゲームの変動時間(特図変動時間)は、特定遊技状態Cにおける普図変動表示ゲーム(第3ゲーム)の普図変動時間よりも短い時間で実行されるため、特定遊技状態Cの終了時の特図2保留数は0であり、特定遊技状態Cにおいて残保留数を0にすることができる。なお、代わりに、点線のように、特定遊技状態Cにおける1回目の特図変動表示ゲームの開始時に時短状態を終了させる時短終了処理を実行することによっても、特定遊技状態Cにおいて残保留数を確実に0にすることができる(図114、図115で後述)。
以後、特定遊技状態Cにおいて、当り図柄Aで特図2変動表示ゲームの大当りが発生して、特定遊技状態Aに遷移する場合を説明する。
大当り状態では普図確率が低確率状態であるが、特定遊技状態Aでは再度普図確率が高確率状態になる。特定遊技状態Aの最初に、普図始動ゲート34を遊技球が通過して、普図の変動が開始する。そして、普図確率100%の高確率状態であるため、普図当りとなり普電(普通変動入賞装置37)の動作が開始する。普電の動作中に、特図2入賞があり特図2保留が発生して、特図2変動表示ゲーム(特図2変動)が開始する。
特定遊技状態Aにおける特図2変動表示ゲームの変動時間(特図2変動時間)は、普図変動時間及び特定遊技状態Cにおける特図2変動時間よりも長い時間で実行される。そして、特定遊技状態Aにおける長い特図2変動表示ゲームの変動中に再度特図2入賞があり特図2保留が残保留として発生する(残保留数=1)。
以後、特定遊技状態Aにおいて当り図柄Jで特図2変動表示ゲームの大当り(小当りでのV入賞)が発生するか、又は、特図2変動表示ゲームがはずれで1回の時短回数が終了すると、移行状態(残保留消化モード)に遷移する。そして、移行状態で、残保留に基づく特図2変動表示ゲームが実行される。
図113は、図105と図112の特定遊技状態A(ここでは残保留数n=1)において当り図柄Aで特図2変動表示ゲームの大当りが発生して、特定遊技状態Aに再度突入する場合を示す。
大当り状態終了後に、大当り状態前の特定遊技状態A(所定の種類の特定遊技状態)から持ち越された1つの特図2保留(残保留)によって、ループした再度の特定遊技状態Aにおいて特図2変動表示ゲーム(特図2変動)が開始する。この特図2変動表示ゲーム中に1回より多く普電(普通変動入賞装置37)が動作すると、特定遊技状態Aにおいて残保留数が1を超えてしまう可能性がある。このため、再度の特定遊技状態Aにおいて、普電の動作を1回に制限するために、図109で説明したように、特図2変動表示ゲームが実行中の場合に、普電残存球処理時間と普図エンディング時間の合計を、実行中の特図2変動表示ゲームの特図2変動時間よりも長く設定する(電残存球処理時間+普図エンディング時間>特図2変動時間)。或は、普図エンディング時間を特図変動時間よりも長くする(普図エンディング時間>特図2変動時間)。実行中の特図2変動表示ゲームの特図変動時間は、最大の特図2変動時間に代えてもよい。
再度の特定遊技状態Aで1回の普電の動作で残保留が1つ生じた後、例えば、特図2変動表示ゲームの当り図柄Jでの大当り(小当りでのV入賞)が発生するか、又は、特図2変動表示ゲームがはずれで1回の時短回数が終了すると、移行状態(残保留消化モード)に遷移する。
〔特図1変動開始処理〕
図114は、第5実施形態に係る特図1変動開始処理の手順を示すフローチャートである。特図1変動開始処理は、特図1変動表示ゲームの変動開始時に行う処理である。なお、図12と同じ処理(A3401−A3407)には同じステップ番号を付して説明を省略する。
遊技制御装置100は、ステップA3407の後に、現在、時短モード#3(特定遊技状態C)であるか否かを判定する(A3408)。例えば、時短モード#3であるか否かは、演出モード番号からわかる。現在、時短モード#3(特定遊技状態C)である場合に(A3408の結果が「Y」)、通常遊技状態に遷移する時短終了変動回数条件が成立するか否かを判定する(A3409)。
ここでの時短終了変動回数条件は、図105の特定遊技状態Cから通常遊技状態に遷移する前述の所定の遷移条件(ii)の特定遊技状態Cにおける特図変動表示ゲーム(特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲーム)の合計の実行回数(変動回数)が第5所定回数(例えば10回)に達することである。なお、この時短終了変動回数条件が成立する場合とは、特定遊技状態Cにおいて、持ち越された特図1保留が消化されるか、或は、右打ちすべき状態であるにもかかわらず左打ちで特図1入賞を発生させさせ続けるような特殊な場合である。特定遊技状態Cで右打ちした場合は、特図2変動表示ゲームの実行により時短回数が達成され遷移条件(i)が成立して時短は終了する。また、この時短終了変動回数条件の判定では、特図変動表示ゲームの合計の実行回数には、開始しようとしている特図1変動表示ゲームの分を含める。
遊技制御装置100は、時短終了変動回数条件が成立する場合に(A3409の結果が「Y」)、時短状態(普図高確率状態、普電サポート状態)を終了させる時短終了処理を実行する。時短終了処理は、例えば、時間短縮変動回数更新処理(図26、図96B)のステップA5203−A5209の処理と同じであり、確率情報コマンド(時短終了)を演出コマンドとして準備して演出コマンド設定処理を実行したり、普図ゲームモードフラグ領域に低確率フラグをセーブしたりする。
このようにして、特定遊技状態Cにおいて、時短終了変動回数条件(終了条件)が成立した場合に、特図1変動表示ゲームの変動開始時に普電を動作状態に変換し難くする又は変換できないようにする時短終了処理を実行する。そして、通常遊技状態の特図1変動表示ゲーム(第1ゲーム)によって発生した大当り状態後の特定遊技状態Cにおいて、残保留を貯めないようにする(残保留数=0)。
遊技制御装置100は、現在、時短モード#3(特定遊技状態C)でない場合に(A3408の結果が「N」)、或は、時短終了変動回数条件が成立しない場合に(A3409の結果が「N」)、特図1変動開始処理を終了する。
なお、特定遊技状態A(時短モード#1,#2)において特図変動表示ゲーム(特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲーム)の合計の実行回数(変動回数)が第2所定回数に達した場合には、特図1変動表示ゲーム又は特図2変動表示ゲームの変動終了時(停止表示時)の時間短縮変動回数更新処理で普電を動作状態に変換し難くする又は変換できないようにする時短終了処理を実行する(図96BのステップA5203−A5209と同様)。これによって、特図2変動表示ゲーム(第2ゲーム)によって発生した大当り状態後の特定遊技状態Aにおいて、残保留が貯まるようにする(残保留数=n、本実施形態では1)。
〔特図2変動開始処理〕
図115は、第5実施形態に係る特図2変動開始処理の手順を示すフローチャートである。特図2変動開始処理は、特図2変動表示ゲームの変動開始時に行う処理である。なお、図13と同じ処理(A3401−A3407)には同じステップ番号を付して説明を省略する。
遊技制御装置100は、ステップA3507の後に、現在、時短モード#3(特定遊技状態C)であるか否かを判定する(A3508)。例えば、時短モード#3であるか否かは、演出モード番号からわかる。現在、時短モード#3(特定遊技状態C)である場合に(A3508の結果が「Y」)、通常遊技状態に遷移する時短終了変動回数条件が成立するか否かを判定する(A3509)。ここでの時短終了変動回数条件は、図105の特定遊技状態Cから通常遊技状態に遷移する前述の所定の遷移条件(i)の特定遊技状態Cにおける特図2変動表示ゲームの実行回数が時短回数(第4所定回数、例えば、1回)に達することである。また、この時短終了変動回数条件の判定では、特図2変動表示ゲームの実行回数には、開始しようとしている特図2変動表示ゲームの分を含める。
遊技制御装置100は、時短終了変動回数条件が成立する場合に(A3409の結果が「Y」)、時短状態(普図高確率状態、普電サポート状態)を終了させる時短終了処理を実行する。時短終了処理は、例えば、時間短縮変動回数更新処理(図26、図96B)のステップA5203−A5209の処理と同じであり、確率情報コマンド(時短終了)を演出コマンドとして準備して演出コマンド設定処理を実行したり、普図ゲームモードフラグ領域に低確率フラグをセーブしたりする。
このようにして、特定遊技状態Cにおいて、時短終了変動回数条件(終了条件)が成立した場合に、特図2変動表示ゲームの変動開始時に普電を動作状態に変換し難くする又は変換できないようにする時短終了処理を実行する(図112も参照)。そして、通常遊技状態の特図1変動表示ゲーム(第1ゲーム)によって発生した大当り状態後の特定遊技状態Cにおいて、残保留を貯めないようにする(残保留数=0)。
遊技制御装置100は、現在、時短モード#3(特定遊技状態C)でない場合に(A3508の結果が「N」)、或は、時短終了変動回数条件が成立しない場合に(A3509の結果が「N」)、特図1変動開始処理を終了する。
なお、特図2変動表示ゲーム(第2ゲーム)によって発生した大当り状態後の特定遊技状態A(時短モード#1,#2)において、特図2変動表示ゲームの実行回数が時短回数(第1所定回数、例えば、1回)に達した場合には、特図2変動表示ゲームの変動終了時(停止表示時)の時間短縮変動回数更新処理で普電を動作状態に変換し難くする又は変換できないようにする時短終了処理を実行する(図96BのステップA5203−A5209と同様)。これによって、特図2変動表示ゲーム(第2ゲーム)によって発生した大当り状態後の特定遊技状態Aにおいて、残保留が貯まるようにする(残保留数=n、本実施形態では1)。
以上、第5実施形態を説明したが、特定遊技状態A,Cに関して、時短状態を確変状態に置き換えてもよい。
[第5実施形態の作用・効果]
第5実施形態に係る遊技機10は、ゲーム(特図変動表示ゲーム)を実行可能な遊技制御手段(例えば遊技制御装置100)を備え、ゲームの結果が特別結果(大当り又は小当り)となる場合に遊技者に有利な特別遊技状態を発生可能である。遊技機10において、動作状態と非動作状態とに変換可能な変動入賞装置(普通変動入賞装置37、普電)を備える。変動入賞装置は、遊技球を検出可能な検出手段(例えば始動口2スイッチ37a)と、動作状態において動作することによって遊技球の検出手段への通路を形成し、検出手段に隣接して配置される可動部材(例えば可動部材37b)と、を備える。
このような遊技機10では、変動入賞装置(普通変動入賞装置37、普電)の動作状態において、検出手段(例えば始動口2スイッチ37a)への通路を通り抜けられる遊技球の数を、所定個(カウント数上限値、例えば1個)に正確に制限することができる。即ち、変動入賞装置への入賞数において、所定個以外の余剰な入賞(余剰な入賞カウント数)が発生しない。また、これによって、変動入賞装置の動作によって発生するゲームの始動記憶数(特図2保留数、時短回数+残保留数)を、乱数格納領域(図9)の広さ(幅、容量)として予め確保された所定の上限値(例えば4)に関係なく、所定の上限値未満のカウント数上限値(整数n、ここでは1)に正確に制限することができる。
第5実施形態において、遊技制御手段は、変動入賞装置の動作後において、変動入賞装置が動作しない時間(残存球処理時間とエンディング時間の合計、又は、エンディング時間)を、実行中のゲーム(特図変動表示ゲーム)の実行時間よりも長く設定可能である。
従って、ゲーム(特図変動表示ゲーム)中に変動入賞装置(普通変動入賞装置37、普電)が1回だけ動作状態となり、2回以上動作状態となることを防止できる。そして、特定遊技状態において、時短回数や残保留数(場合によってはそれらの合計に相当する数)の始動記憶(例えば特図2保留)を、変動入賞装置の最大カウント数に等しくして正確に発生させることができる。
第5実施形態において、遊技制御手段は、特別遊技状態(例えば大当り状態)の後に、変動入賞装置が通常遊技状態よりも動作状態に変換し易い特定遊技状態(特定遊技状態A,C)を発生させ、特定遊技状態において検出手段(例えば始動口2スイッチ37a)への通路を通過可能な遊技球の数を所定個(カウント数上限値)に制限する。
従って、特定遊技状態(特定遊技状態A,C)において発生する始動記憶(保留)の数を好適に制限(調整)することができる。
第5実施形態において、ゲーム(特図変動表示ゲーム)には、第1ゲーム(特図1変動表示ゲーム)と第2ゲーム(特図2変動表示ゲーム)が含まれる。遊技制御手段は、通常遊技状態後の最初の特別遊技状態を第1ゲームによって発生可能であり、第1ゲームによって発生した特別遊技状態後の特定遊技状態(特定遊技状態C)において、終了条件が成立した場合に第1ゲーム又は第2ゲームの変動開始時に変動入賞装置(普通変動入賞装置37、普電)を動作状態に変換し難くする処理(通常遊技状態や特別遊技状態よりも変換し難くする時短終了処理)を実行する。遊技制御手段は、第2ゲームによって発生した特別遊技状態後の特定遊技状態(特定遊技状態A)において、終了条件が成立した場合に第1ゲーム又は第2ゲームの変動終了時に変動入賞装置(普通変動入賞装置37、普電)を動作状態に変換し難くする処理(通常遊技状態や特別遊技状態よりも変換し難くする時短終了処理)を実行する。
従って、第1ゲーム(特図1変動表示ゲーム)によって発生した特別遊技状態後(大当り状態後)の特定遊技状態(特定遊技状態C)において、特定遊技状態に消化される残保留を貯めないようにすることができる(残保留数=0)。一方、第2ゲーム(特図2変動表示ゲーム)によって発生した特別遊技状態後(大当り状態後)の特定遊技状態(特定遊技状態A)において、残保留が貯まるようにすることができる(残保留数=n、本実施形態では1)。このため、遊技性に変化が出て、遊技の興趣を向上することができる。また、単時間で特定遊技状態(特定遊技状態C)を終了させることができ、特定遊技状態(特定遊技状態C)を挟む形で2回特別遊技状態(大当り状態)が発生する場合に、2回分の特定遊技状態の出玉(獲得球数)が一度の特別結果(例えば大当り)で得られたように遊技者は感じ、遊技の興趣が向上する。
第5実施形態において、ゲーム(特図変動表示ゲーム)には、第1ゲーム(特図1変動表示ゲーム)と第2ゲーム(特図2変動表示ゲーム)が含まれる。遊技制御手段は、通常遊技状態後の最初の特別遊技状態を第1ゲームによって発生可能であり、第1ゲームによって発生した特別遊技状態後の特定遊技状態(特定遊技状態C)において、第1ゲーム又は第2ゲームの実行時間(特図変動時間)を、変動入賞装置を動作状態に変換させるための第3ゲームの実行時間(普図変動表示ゲームの普図変動時間)よりも短くする。
従って、第1ゲーム(特図1変動表示ゲーム)によって発生した特別遊技状態後(大当り状態後)の特定遊技状態(特定遊技状態C)において、特定遊技状態に消化される残保留を貯めないようにすることができる(残保留数=0)。このため、単時間で特定遊技状態(特定遊技状態C)を終了させることができ、特定遊技状態(特定遊技状態C)を挟む形で2回特別遊技状態(大当り状態)が発生する場合に、2回分の特定遊技状態の出玉(獲得球数)が一度の特別結果(例えば大当り)で得られたように遊技者は感じ、遊技の興趣が向上する。また、遊技性に変化が出て、遊技の興趣を向上することができる。
第5実施形態において、遊技球は、検出手段(例えば始動口2スイッチ37a)への通路を下側通路(下側通路170b)として第1方向(例えば右方向)に通過する。遊技機10は、下側通路の上方に配置され、第1方向とは逆向きの第2方向(例えば左方向)に遊技球が通過する上側通路(上側通路170a)と、上側通路と下側通路に連通するとともに、上側通路を通過した遊技球の進行方向を第2方向から第1方向に転換する転換通路と、を備える。
従って、検出手段(例えば始動口2スイッチ37a)への通路(通路170)を横向きのU字形状(折って重ねた状態)にコンパクトにまとめることができ、遊技盤30の遊技領域32のスペースを節約できる。
なお、本発明は、以上説明した実施形態に限定されることなく、その技術的思想の範囲内において種々の変形や変更が可能であり、それらも本発明の技術的範囲に含まれることが明白である。例えば、時短状態を確変状態に置き換えることも可能である。例えば、複数の実施形態を組合せることも可能である。また、例えば、本発明を他の種類の遊技機(スロットマシンなど)に適用することもできる。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び内容の範囲でのすべての変更が含まれることが意図される。
例えば、上述の実施形態をスロットマシンに適用する場合において、遊技に使用する遊技媒体は、遊技球に代えてメダル(コイン)になり、賞球数はメダルの払い出し枚数に代えられる。そして、スロットマシンでは、性能情報としての出玉率(ベース)は、スロットマシンへのメダルの投入枚数に対する払い出し枚数の比率(%)となり、役物比率は、所定期間に払い出したメダルの枚数のうち、各種ボーナスにより払い出した枚数の比率(%)となる。