JP2021117743A - 業務支援システム及び業務支援方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】既存文書中のスタイルの誤りを訂正できる業務支援システム及び業務支援方法を提供する。【解決手段】情報処理部101と,ストレージ102と,を有し,前記情報処理部101は,文書データ121を前記ストレージ102に記録する文書入力部111と,前記文書データ121から当該文書のスタイルの規則性データ122を抽出する規則性抽出部112と,前記規則性データを前記文書データ121に適用して前記文書のスタイルを校正する規則適用部113と,を備えた。【選択図】図1

Description

本発明は,業務支援システム及び業務支援方法に関する。
人などが発声する音声や人などが生成する文などの自然言語で入力された質問に対して,コンピュータなどから人への回答を自動的に自然言語で出力させる,チャットボットを代表とする自然言語対話システムに関する研究が,近年盛んに行われている。また,RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)に代表されるように,ホワイトカラーの定型化しやすい業務を自動化することで業務改革(BPR,ビジネス・プロセス・リエンジニアリング)を行う研究も,近年盛んに行われている。本技術分野の背景技術として,以下の先行技術がある。
特許文献1には,「利用者の好みに応じた文書スタイルの設計を効果的に支援する文書スタイル設計支援装置において、利用者がエディトリアルデザインの知識を持たなくとも、自分の意図や用途にあった、見栄えの良い文書スタイルに関するデザインを容易に得ることができるようにする」(要約)ことを目的とし,「文書の評価用語や文書スタイルデザイン要素等からなる文書スタイルデザイン知識情報を用いて推論を行い、最適な文書スタイルデザインを決定する」(要約)ことが開示されている。
特許文献2には,「入力文書を文書スタイルごとに適切に分類する」(要約)ことを目的とし,「スタイル固有定型表現を文書スタイルごとに参照辞書として用意し、入力文書に対してその文書の中に存在するスタイル固有定型表現の出現状況に基づいて定型表現リストを抽出し、定型表現リストをもとに文書スタイル毎に確信度を算出し、入力文書が属する文書スタイルを決定する」(要約)ことが開示されている。
特許文献3には,「入力された文書に記載必要項目が記載されていないことを検出し、ユーザーによる文書の作成を支援する」(要約)ことを目的とし,「文書解析装置は、被解析文書由来の被解析データを取得する被解析データ取得部と、被解析文書の種類に対応した記載必要項目の有無に関する判定基準データを取得する判定基準データ取得部と、被解析データと判定基準データとを用いて、被解析文書中における記載必要項目に関連する要求データの有無を判定する判定部と、判定部の判定結果を出力する出力部と、を有する」(要約)ことが開示されている。
特開平5−108641号公報 特開2005−115628号公報 特開2016−212533号公報
上記特許文献1−3に記載の装置は,新規に文書を作成するときに,文書のスタイルの選択を支援するものである。本発明の目的は,既存文書中のスタイルの誤りを訂正できる業務支援システム及び業務支援方法を提供することにある。
上記課題を解決するために,本発明は,情報処理部と,ストレージと,を有し,前記情報処理部は,文書データを前記ストレージに記録する文書入力部と,前記文書データから当該文書のスタイルの規則性データを抽出する規則性抽出部と,前記規則性データを前記文書データに適用して前記文書のスタイルを校正する規則適用部と,を備えた。
本発明によれば,既存文書中のスタイルの誤りを訂正できる業務支援システム及び業務支援方法を提供できる。
実施例1に係る業務支援システムの構成を示す図である。 業務支援システムの処理手順を示すフローチャートである。 文書データの詳細を示す図である。 スタイルの詳細を示す図である。 元の文書データを示す表である。 スタイルの規則性データを示す表である。 段落番号2,6のスタイル名毎のスコアの例を示す表である。 校正後文書データを示す表である。 差異を強調した文書データを示す表である。 知識抽出ルールを示す表である。 正しく構造化された知識を示すツリー図である。 正しく構造化された知識をjson形式で示す図である。 対話コンテンツ作成支援システムの構成を示す図である。 チャットボット対話コンテンツの作成ルールを示す図である。 チャットボット対話コンテンツを構成する正しいQA対リストを示す図である。 正しく作成されたチャットボット対話コンテンツを用いた対話を示す図である。 構造化された知識(誤りを含む)を示すツリー図である。 構造化された知識(誤りを含む)をjson形式で示す図である。 チャットボット対話コンテンツを構成する誤ったQA対リストを示す図である。 チャットボット対話コンテンツ(誤りを含む)を用いた対話を示す図である。 実施例2に係る業務支援システムの構成を示す図である。
自然言語を用いた業務効率化支援システムの例として,チャットボットと,RPAを取り上げる。
まず,チャットボットについて説明する。チャットボットの有益性を高めるためには,チャットボットがユーザーの発話意図に沿った回答をユーザーに高い確率で伝達できることが必須である。そのためには,ユーザーが発話する可能性のある膨大な発話に対する回答(対話コンテンツ)を準備する必要があり,その準備を効率的に,少ない時間(工数)で行えるよう支援する支援システムが必要とされる。
膨大な量の対話コンテンツを作成するためには,大きな金銭的,時間的コスト(工数)が必要であり,対話コンテンツの作成支援が求められている。既に,企業は業務の手順書や事務規定,運用手順書などの各種文書(以下,業務手順書とする)があり,また,新システムの導入にあたって,新しく業務手順書を作成することがある。そのため,既存,もしくは新しく作成する業務手順書から,文書から知識を抽出するプログラム(以下,知識抽出部とする)を用いて業務知識を抽出して,その業務知識を利用して対話コンテンツの作成支援を行う方法が考えられる。ここで業務知識は,知識の構成要素間の上下関係や依存関係,並列関係,見出しと本文の関係などが定義され,構造化されていることが望ましい。例えば,見出しをチャットボット利用者は質問することが多く,その見出しに対応する本文がチャットボットの答えとして適切であることが多い。そのため,業務を遂行するための様々な知識と,複数の知識の間の関係情報(以下,業務知識と知識間の関係情報を合わせて,構造化された知識とする)を用いることで高品質な対話コンテンツを作成することができる。
ここで業務手順書は,ある一定のスタイル規則に,ほぼ従って記述された文書という意味であり,業務を遂行する手順書に限定されない。例えば,企業リポートや,新聞記事,Web上のニュースサイトの記事,有価証券報告書やIR(インベスター・リレーションズ,Investor Relations)報告書,都道府県などの自治体や中央省庁の報告書,研究者の実験レポートや論文,顧客からのメールや社内メール,オフィスソフトに含まれることもあるプレゼンテーションソフトで作成された企業内部の打ち合わせ資料を対象とする。このような文書には,ある程度決まった,しかし,完全には統一されていないスタイルが存在することから,本発明の対象として効果がある。例えば,プレゼンテーションソフトで作成された打ち合わせ資料にはタイトルが存在することが多いが,すべてのスライドにタイトルが必ずあるわけでもない。一方でまったくスタイルが無い,もしくは小説のように定まったスタイルが少ない文書には,本発明の効果は少ない。逆に完全にスタイルの定まった文書,例えば,プログラムのソースコードについても,本発明の効果は少ない。但し,プログラムにおいては同じ目的を実現するために,複数の書き方が存在する場合があり,それらをコーディングスタイルとして捉えたときには,本発明の効果が得られることもある。また,上述した業務手順書から抽出した構造化した知識を抽出した応用先は自然言語入力を解釈し、もしくは自然言語内に含まれる命令を実行する自然言語を用いた業務システムである。但し,応用先は,チャットボットとRPAに限定されない。例えば,営業支援システムや研究者支援システム,企画担当者支援システムが考えられる。
業務手順書から,構造化された知識を抽出するときには,スタイルを手掛かりとして構造化を行うのが良い。ここでスタイルとは,オフィスソフトに含まれることもある文書作成ソフトウェアで使用されるスタイル名(「見出し1」,「表題」,「標準」など)や,罫線,フォントサイズ,インデント量,行間隔,表構造(表の見出しや大項目,小項目,セル本文など),グラフのタイトル,軸名,単位,「■」や「・」,「(注)」,「備考」などの行頭文字である。なお,構造化するときの手掛かりとしてはスタイル以外にも,テキスト情報(文字数,単語,文の情報)を用いても良い。例えば,業務手順書の段落の文字数が短ければ見出しとし,長ければ本文であると推定できる。但し,テキスト情報のみを使用した場合に比べて,スタイル情報を使用する,もしくはテキスト情報とスタイル情報を併用することで,知識の抽出精度は高くなるため,スタイル情報を使用することが望ましい。
次に,RPAについて説明する。RPAシステムの定義情報を生成するには,業務がどのように行われているかを網羅的に調べる必要がある。そして,業務の全体をカバーするだけの膨大な量の定義情報を作成するためには,大きな金銭的,時間的コスト(工数)が必要であり,定義情報の作成支援が求められている。さらに,RPAシステムを実際に運用するにあたっては例外的なケースに対応する場合の指針を定める運用手順書や,RPAシステム利用者向けの手順書が必要になり,運用手順書などの作成に大きな金銭的,時間的コスト(工数)が必要であり,運用手順書などの作成支援も求められている。定義情報と運用手順書などをまとめて,以下,RPA情報とする。ここで,既存,もしくは新しく作成する業務手順書から構造化された知識を抽出して,その構造化された知識を利用してRPA情報の作成支援を行う方法が考えられる。なお,新規に業務手順書を作成するときにはRPAやチャットボットの運用を考慮して,厳格なルールに従って,業務手順書を作成することができる。しかし,その場合においても人手での作業であるため,一定の誤りが混入する。
我々は,実際に業務手順書からの知識の構造化を試行したところ,次の課題が存在することが明らかになった。
すなわち,業務手順書は人が読むために作成されており,スタイルの設定誤りが存在する。しかし,スタイルの設定誤りが存在しても,印刷を行うことで見た目が同一になる,もしくは,若干違うが,人が読むにあたっては,あまり支障とならないことがある。また,人間は高度な誤り訂正能力を持つため,誤った業務手順書からも業務の遂行が出来る正しい情報を推定して読み取ることができる。すなわち,スタイルの設定誤りは,人が読むためには大きな問題とはならない。
一方,知識抽出部が業務手順書から構造化された知識を抽出するときには,上述したようにスタイルを手掛かりとして構造化を行うため,スタイルの設定誤りがある業務手順書からは,誤った構造化された知識が生成される。誤った構造化された知識を用いてしまうと,誤った対話コンテンツやRPA情報が生成されるため,業務手順書から品質の高い対話コンテンツやRPA情報の作成支援を行うことが困難になる。
すなわち,人が可読な業務手順書(ヒューマンリーダブルデータ)は必ずしも機械(知識抽出部)が可読な業務手順書(マシンリーダブルデータ)ではない。さらに業務手順書の量は膨大であることが多く,人手で業務手順書の誤りを訂正するためには膨大な工数が必要となってしまう。
以下,上述の課題を解決するための実施例について,詳述する。
実施例1は,業務手順書のデータを用いて,チャットボット向け対話コンテンツの作成を支援する業務支援システム103である(図1参照)。
基本的には,まず業務手順書の文書データ121から知識抽出部115を用いて,業務手順書に記載された事柄を知識化し,また,それぞれの知識の関係(上下関係や並列関係)を業務手順書の章,節,項,本文といったスタイルの情報を基に推定することで,知識を構造化する。その構造化された知識を用いて対話コンテンツのプロトタイプを作成する。チャットボットのコンテンツ管理者は対話コンテンツのプロトタイプを確認し,問題があれば修正することで,対話コンテンツのプロトタイプから対話コンテンツを作成する。チャットボットは対話コンテンツを用いることでチャットボット利用者との対話を行い,チャットボット利用者に適切な情報を提供する。
ここで重要なのは,業務手順書の文書データ121のスタイルには,誤りが含まれていることがあるという点である。誤りがあると誤った構造化された知識が生成されてしまい,結果として誤った対話コンテンツが生成されてしまう。そこで,文書データ121に含まれるスタイルの規則性データ122を,規則性抽出部112を用いて抽出し,抽出した規則を文書データ121に適用することで文書データ121を校正し,校正後文書データ123を生成する。さらに文書データ121と校正後文書データ123を比較し,その差異を強調した文書データ124を作成し,チャットボットの対話コンテンツ作成者に校正後文書データ123のスタイルが正しいかを確認してもらうことが望ましい。対話コンテンツ作成者の確認後に,業務支援システム103は知識抽出部115を使って,文書のスタイルを基に文書に書かれた知識を構造化する。このようにして誤りの少ない構造化された知識126を作成し,その構造化された知識126を基に対話コンテンツのプロトタイプを作成し,その後,対話コンテンツを作成する。
ここで,対話コンテンツについて説明する。対話コンテンツの一例としては,ユーザーが発話すると想定される文(質問文)と,それへの答えとなる文(回答文)をペアとし,このペアを複数備えるペアの集合が挙げられる。対話コンテンツの他の例としては,チャットボットからユーザーに問いかけることでユーザーに発話を行ってもらい,対話に必要な情報を提供してもらうための制御情報をセットとし,このセットを複数備えるセットの集合も挙げられる。対話コンテンツの更に他の例としては,上記ペアを生成できる手掛かりとなる対話ペア生成手掛かり情報をセットとし,このセットを複数備えるセットの集合も挙げられる。勿論,これらの集合の組合せも対話コンテンツに含まれる。
また,チャットポッドが実行する対話は,一問一答対話と,シナリオ対話,雑談の3種類が考えられる。
まず一問一答対話では,質問文と回答文からなるペア(以下,QA対とする)を複数個用意した集合が,対話コンテンツとなる。図15の例では,アカウントの作成に関する一問一答対話のコンテンツが示されている。ここでチャットボット利用者(以下,利用者とする)が例えば,アカウント作成時のパスワードの設定ルールを知るために,「アカウントの作成をしたいんだけどパスワードの入力について教えてください」と発話を行ったとする。この場合チャットボットは,利用者の発話を用いて,対話コンテンツに含まれるQA対の質問を検索する。ここで候補は「アカウントの作成ユーザー名の入力」,「アカウントの作成パスワードの入力」,「アカウントの作成生年月日の入力」の3つである。チャットボットは利用者の発話と候補の比較を行い,一致する単語の数などを基に,最も近いQA対の質問を検索する。この場合,QA対番号が2であるQA対の質問「アカウントの作成パスワードの入力」が選ばれる。そして,チャットボットはQA対の質問に対応する答えである「英数字8文字以上とすること。」を利用者に対して回答する。これにより利用者はアカウント作成時のパスワードの設定ルールを知ることが可能になり,適切にアカウントの作成業務を行うことができるようになる。
次にシナリオ対話は,利用者がチャットボットに情報が一部欠落した質問をしたときに行われる対話である。例えば,利用者が「パスワード入力について教えて」などと発話したときに,チャットボットが「どのようなパスワードについて知りたいですか?1.アカウント,2.メール」などと質問を行う。これに対して利用者が「1」などと回答することで情報を補うことにより,チャットボットが「英数字8文字以上とすること。」と正しい答えを出力することができるようにする対話である。シナリオ対話を行うためには,QA対の質問と答えに加えて,チャットボットから利用者に問いかけることで利用者に発話を行ってもらい,対話に必要な情報を提供してもらう制御情報が必要となる。
最後に雑談対話は,利用者が業務を遂行するにあたって直接は必要とされないが,チャットボットが回答を期待される対話である。例えば,利用者が「疲れたなあ」などと発話したときに,利用者の業務量や予定表,天気などのオープンデータ(機械可読に適したデータ形式で、二次利用が可能な利用ルールで公開されたデータ)を基に,「今日はたくさん仕事をしましたね。お疲れ様です。」や「暑い中,長距離の出張,ご苦労様でした」などと発話することで,利用者の勤労意欲を高める対話である。この対話ではQA対と制御データ(発話の条件となる業務量や気温のしきい値など)を用いたり,LSTM(Long short−term memory),RNN(Recurrent Neural Network),CNN(Convolutional Neural Network),双方向トランスフォーマー(Bidirectional Transformers)などのディープラーニングを用いた自然言語生成アルゴリズムで学習した対話モデルを用いたりする。
図1は,本実施例の業務支援システム103の構成を示す図である。図1に示すように,本実施例の業務支援システム103は,情報処理部101と,ストレージ102と,を有している。また,情報処理部101は,文書入力部111と,規則性抽出部112と,規則適用部113と,文書比較出力部114と,知識抽出部115と,知識出力部116と,を備えている。
業務支援システム103の動作について,図2を用いて説明する。まず,チャットボットの対話コンテンツを作成する担当者(以下,対話コンテンツ作成者とする)が文書入力部111を用いて,業務支援システム103に文書を登録する。登録された文書は,ストレージ102の文書データ121に記録される。
次に,業務支援システム103は,規則性抽出部112を用いて,文書データ121からスタイルの規則性データ122を抽出する(S22)。
規則性抽出部112における処理を詳細に説明する。文書には,スタイル名や,罫線,フォントサイズ,インデント量,行間隔,表構造,グラフのタイトル,軸名,単位,行頭文字,文体などのスタイルがある。ここで,スタイル名とは,オフィスソフトに含まれることもある文書作成ソフトウェアで使用されるスタイル名(「見出し1」,「表題」,「標準」など)のことである。さらに,文体とは,例えば特徴1〜特徴6などが挙げられる。特徴1:文末の句点「。」の有無(句点「。」が無いと見出しになりやすく,文末に句点「。」があると本文になりやすい),特徴2:文字数の長さ(文字数が短いと見出しになりやすい),特徴3:助詞の数,特徴4:高頻出の単語(idf値が低い。idfとはInverse Document Frequencyであり,逆文書頻度のこと。文書での出現頻度が高いことを意味する。見出しには文書で多用される言葉が出現しやすいことを利用して,見出しと本文を区別する)のみで構成されているか,特徴5:見出しに特徴的に含まれる単語を登録した見出し語辞書に含まれる単語を含むか,特徴6:体言止めで終わるか。このような文体を利用して,見出しか本文かをある程度の精度で推定することが可能である。
構造化された知識を抽出するための手掛かりを,以下,構造化の手掛かりとする。構造化とは,業務手順書に書かれた複数の知識の上下関係や並列関係を定義することである。例えば図5の文書の例だと,段落番号1の「アカウントの作成」という段落(本実施例では文章を段落とする。本実施例では章を最上位の階層とし,その下の階層として節。さらにその下の階層として本文があるとする。段落番号1は「章」の階層となる。)は,段落番号2の「■ ユーザー名の入力」(節の階層)と段落番号4の「■ パスワードの入力」(節の階層)に影響するため,段落番号2と4の上位ノード(項目)であるといえる。一方,段落番号2の「■ ユーザー名の入力」は,段落番号4の「■ パスワードの入力」に影響しないため,上位ノードではない。一方,段落番号2の「■ ユーザー名の入力」と,段落番号4の「■ パスワードの入力」は,同じ階層(節の階層)であり,同じ上位階層を持つため,並列関係にあると言える。業務手順書では,1つの段落のテキストだけでは状況を特定できないことがある。例えば,段落番号2の「■ ユーザー名の入力」だけでは,アカウント作成時のユーザー名の入力なのか,荷物発送時のユーザー名の入力なのかを区別できない。段落の上位項目の情報(ここでは,アカウントの作成)が組み合わされることで初めて,状況を特定できることがある。そのため,各知識の上下関係や並列関係を正しく推定すること(高品質な知識の構造化)は極めて重要である。
構造化の手掛かりは,上記のスタイルの構成要素の中から1個,もしくは複数個を選択する。その構造化する手掛かりを利用して知識抽出部115は文書に記載された知識を構造化する。
本実施例では,スタイル名を構造化する手掛かりとして用いることを例にして説明する。もちろん,スタイル名以外に罫線,フォントサイズ,インデント量,行間隔,表構造,グラフのタイトル,軸名,単位,行頭文字など(以下,それぞれをスタイルの構成要素とする)をスタイルとして用いることが可能であることは言うまでもない。さらに,スタイルのすべてを構造化の手掛かりにすることもできる。また,連続する段落において,その前後の段落のスタイルの変化も構造化の手掛かりとなる。このような前後の関係を含む系列情報を特徴量として取り扱う機械学習の手法としてCRF(Conditional Random Fields)やRNN(Recurrent Neural Network,回帰型ニューラルネットワーク)を用いて機械学習を行うことで高品質なモデルを作成し,高精度な構造化の手掛かりの推定を行うことが可能である。なお,直前や直後の段落のスタイルだけでなく,複数個離れた段落とのスタイルの情報を利用できることも言うまでもない。
ここで,構造化の手掛かりとしては,スタイルの構成要素の中から2種類以下を用いることが望ましい。これにより,構造化の手掛かりの個数を減らすことが可能になり,人が構造化の手掛かりの修正前後を確認し,構造化の手掛かりを検証し,修正する工数が低減できるためである。なお,構造化の手掛かりとして,スタイルの構成要素のすべてを使用することもできる。
文書データと段落,スタイルの関係を図3に示す。文書データは複数の段落から構成されており,それぞれの段落は段落のスタイルと段落のテキストから構成される。文書に含まれる段落のスタイルを総称してスタイルとする。ここで,スタイルの一部は,句点「。」の有無のように,テキストから生成される。本実施例では,最上位の章の階層が見出し1のスタイル名であり,節の階層が見出し2のスタイル名であり,本文の階層が「本文」のスタイル名である。
人手で作成している構造化の手掛かりは誤りが含まれていることがある。この誤りは構造化された知識の誤りにつながるため,修正が必要である。構造化の手掛かりの誤りを修正するための手掛かりを,以下,特徴量とする。特徴量としては,スタイルの中から構造化の手掛かりと相関関係のあるものを用いる。ここで,特徴量は構造化の手掛かりとは異なるスタイルの構成要素を用いることが望ましい。異なるスタイルの構成要素を用いることで,構造化の手掛かりの個数を減らすことが可能になり,人が構造化の手掛かりの修正前後を確認し,構造化の手掛かりを検証し,修正する工数が低減できるためである。なお,特徴量として構造化の手掛かりの一部,もしくは,すべてを使用できることは言うまでもない。
スタイルと,構造化の手掛かり,特徴量の関係を図4に示す。スタイルの構成要素の中で,一部の構成要素が構造化の手掛かりとなり,また,別の一部の構成要素が特徴量になる。構成要素の一部(ここでは,行間隔)は構造化の手掛かりにも,特徴量にもならない。本実施例では業務手順書における構造化の手掛かりをスタイル名としたが,インデント量とフォント名を構造化の手掛かりとしたり,表構造を構造化の手掛かりとしたりしても良い。
図6は、スタイルの規則性データの例を示す表である。構造化の手掛かりであるスタイル名として,「見出し1」,「見出し2」,「本文」が挙げられている。また,特徴量としては,行頭文字と字下げ幅,フォント名が用いられている。行頭文字については,段落の冒頭文字が「■」であるかどうか,字下げ幅については,3文字未満であるか,3文字以上6文字未満であるか,6文字以上であるか,フォント名については,ゴシックであるか,明朝であるかを区別することとする。例えば行頭文字の場合,見出し1は段落の冒頭文字が「■」でないため「×」と表記され,見出し2は段落の冒頭文字が「■」であるため「〇」と表記されている。
なお段落とは、文書を構成する要素の一つであり,複数の段落で文書が構成される。なお,0個以上の文字で1つの段落が構成される。0個の文字の段落とは,段落が文書作成ソフトウェアのデータ上存在するが,テキスト(文字情報)が含まれていないという意味である。
ここで見出し1に注目すると,フォント名がゴシックであることがわかる。一方,本文はフォント名がゴシックでない(例えば,明朝)ことがわかる。すなわち,フォント名を調べることで見出し1か,本文かを一定の精度で推定することができる。つまり,特徴量から構造化の手掛かりを推定することが可能である。すなわち,構造化の手掛かりと相関関係のある特徴量を用いることで,構造化の手掛かりに誤りがあったときにそれを検出することが可能となる。
図5は,対話コンテンツ作成者が業務支援システム103に入力した文書(以下,元の文書とする)の例を示す表である。各段落に,その段落のテキスト,スタイル名,フォント名,字下げ量がそれぞれ示されている。例えば,段落番号1はスタイル名が「見出し1」となっており,段落番号2は「見出し2」となっている。このことから,段落番号1は,段落番号2に対して上位のノード(項目)であると推定できる。すなわち,スタイル名を手掛かりとして,業務手順書に書かれた知識を構造化できる。さらに,スタイル名が見出し2になっている段落はフォント名がゴシックであり,テキストの最初に「■」が付いており,冒頭文字「■」を用いていることがわかる。すなわち,段落のフォント名や冒頭文字を特徴量とし,構造化の手掛かりであるスタイル名を推測できる。つまり,段落のフォント名や冒頭文字は,構造化の手掛かりであるスタイル名と相関関係のある特徴量である。
このように規則性抽出部112は,文書データ121から構造化の手掛かり(本実施例では,スタイル名)と特徴量(本実施例では,フォント名,段落の冒頭文字,字下げ幅)の関係に含まれる規則性を統計的な処理を行うことで抽出する。抽出された結果を図6に示す。
なお,規則性の抽出と適用の手段として,機械学習を用いることができる。例えば,線形SVM(サポートベクターマシーン)を用いることができる。線形SVMのようなディープラーニングではない浅い機械学習を用いることで,規則性抽出部112がどのようなスタイルをどの程度の影響度で用いているかがわかるため,スタイルの規則性データ122の正しさを確認することが容易になる。すなわち,機械学習に比較的詳しく無い人であっても,スタイルの規則性データ122を検証できるため,業務支援システム103のアルゴリズムを学習するための工数が少なくなる効果がある。一方,スタイル間の遷移など多くのスタイルの情報を活用するときにはディープラーニング,特にRNN,さらにその一部であるLSTMを用いることが良い。LSTMを用いることで系列的なデータに含まれる多くの特徴を活用し,より高精度な規則性抽出部112と規則適用部113を作成できる。これにより,誤ったスタイルの修正能力が向上し,誤りの少ない対話コンテンツの作成が可能となるため,より高品質なチャットボットを提供できる。
次に,規則適用部113が,規則性データを元の文書に適用することで,スタイルの規則性が校正された文書(校正後文書)を作成する(S23)処理について説明する。
まず,例えば段落番号2に規則性データを適用した場合ついて説明する。図5に示すように,段落番号2は,段落の冒頭文字が「■」であり,字下げ幅が3文字以上6文字未満であり,フォント名がゴシックである。従って,図6の規則性データに照らし合わせると,図7に示すようなスコアとなる。見出し1の観点では,「字下げ幅が6文字以上」と「フォント名がゴシック」の2つの条件が当てはまるため,合計スコアが2点となる。見出し2の観点では,すべての条件が当てはまるため,4点となる。本文の観点では,すべての条件が当てはまらないため0点となる。そのため,この段落のスタイル名としては,合計スコアの最も高い見出し2が妥当だと考えられる。実際に,この段落番号2のスタイル名は見出し2であり,スタイル名の正しいことが裏付けられる。
さらに,段落番号6に規則性データを適用した場合について説明する。図5に示すように,段落番号6は,段落の冒頭文字が「■」であり,字下げ幅が3文字以上6文字未満であり,フォント名がゴシックである。従って,図6の規則性データに照らし合わせると,段落番号2の場合と同様に,図7に示すようなスコアとなる。つまり,この段落のスタイル名としては,合計スコアの最も高い見出し2が妥当と考えられる。ところが,この段落番号6のスタイル名は「本文」であり,スタイル名が誤っていることが分かる。そこで,規則適用部113は,元の文書のスタイル名「本文」を「見出し2」に校正し,校正後文書データ123として保存する。
図8は,校正後文書データ123の例を示す表である。図8によれば,段落番号6のスタイル名が「本文」から「見出し2」に校正されていることが分かる。
さらに,文書比較出力部114は,校正後文書と元の文書の差異を強調した文書を作成する(S24)。これについて図9を用いて説明する。差異の強調方法として,文書上で目立つ,色やフォント,記号を用いて差異のある箇所を強調することが望ましい。本実施例では,差異を強調した文書データ124の生成方法として,元の文書データ121に,オフィスソフトに含まれることもある文書作成ソフトウェアの「蛍光ペン」機能を用いて差異のある箇所に,蛍光色を付与した差異情報のテキストを追加した。差異情報のテキストは,記号「★★★」及び校正後のスタイル名の他に,規則適用部113が推測したスコアをテキストとして連結したものとした。対話コンテンツ作成者は,スタイル名やスコアを参照することで,規則適用部113の判断の正しさの度合いを知ることができ,文書チェック作業を効率的に進められる。また,文書比較出力部114は,差異を強調した文書データ124の他に,スタイル名ごとの校正件数を出力する。これを利用して対話コンテンツ作成者は,校正を行うスタイル名を絞り込むことができる。これにより対話コンテンツ作成者のスタイル名の校正の工数を低減できる。文書データ121に含まれるスタイルの誤りは,必ずしもすべて校正する必要はない。章などの上位階層のデータを優先的に校正するべきであり,下位階層のデータの件数があまりにも多い場合は,その校正を諦めて,対話コンテンツを作成することもできる。この場合,誤った対話コンテンツが作成されるが,下位階層のみの誤りであるため,その影響範囲は小さい。このように,誤りと推定した箇所ごとの差異情報の生成だけでなく,差異情報の統計的なサマリを生成することで,対話コンテンツ作成者の工数を低減することができる。
さらに,業務支援システム103は,差異を強調した文書をユーザーに提示する(S25)。対話コンテンツ作成者は,校正後文書を確認し,その文書が正しいかを判断する。校正後文書の妥当性が高ければ,校正後文書からスタイルを手掛かりとして知識の抽出を行う(S27)。一方,元の文章の妥当性が高ければ,元の文書からスタイルを手掛かりとして知識の抽出を行う(S28)。
知識の抽出方法について図8,図10〜図12を用いて,説明する。構造化された知識126は,図8に示された校正後文書データ123から抽出される。この階層化された知識の抽出を行うために,図10に示す知識抽出ルール125を用いる。この知識抽出ルール125のルール番号2の内容を見ると,「見出し1の段落の後に見出し2の段落があれば,見出し2の段落を見出し1の段落の子要素とする。」と記載されている。このルールを用いると,図8の段落番号1「アカウントの作成」はスタイル名が「見出し1」であり,段落番号2「■ ユーザー名の入力」はスタイル名が「見出し2」であることから,「■ ユーザー名の入力」は「アカウントの作成」の子要素となる。なお,ルール番号1により,段落番号2「■ ユーザー名の入力」から「ユーザー名の入力」という知識が生成される。構造化された知識の例を図11に示す。「アカウントの作成」という知識を最上位の階層として,その下の階層として「ユーザー名の入力」,「パスワードの入力」,「生年月日の入力」というそれぞれの知識が示されている。
以上のようにして,業務手順書から構造化された知識を生成する。知識出力部116は,その構造化された知識を出力し,対話コンテンツ作成者が受け取る。
さらに,本実施例では,構造化された知識から対話コンテンツを作成する。その手順について,図13を用いて説明する。図13に示す通り,対話コンテンツ作成支援システム1505は,情報処理部1501に,チャットボット対話コンテンツ生成部1502が追加され,ストレージ102に,チャットボット対話コンテンツの作成ルール1503と,チャットボット対話コンテンツのプロトタイプ1504と,が追加されたものである。
ここで,チャットボット対話コンテンツの作成ルール1503について,図14を用いて説明する。図14に示すとおり,この作成ルールは「内部ノードをチャットボット対話コンテンツのQA対の質問とし,葉ノードをチャットボット対話コンテンツのQA対の答えとする。」となっている。この作成ルールを図11に示す構造化された知識126に適用する。ここで,葉ノードとは木構造(グラフ理論における木の構造をしたデータ構造のこと)における子ノードを持たないノードのことである。葉ノードは木構造の下位の末端にあるノードであり、ひとつの木に複数存在しうる。また,内部ノードとは子ノードを持つノード、すなわち葉ノード以外のノードのことである。
図11の最上位の階層である「アカウントの作成」から「ユーザー名の入力」,「姓名をユーザー名として使用すること。姓と名の間にスペースを入力しないこと。」までの経路に注目すると,内部ノードは,「アカウントの作成」と「ユーザー名の入力」であり,葉ノードは,「姓名をユーザー名として使用すること。姓と名の間にスペースを入力しないこと。」となる。ここで,図14に示したチャットボット対話コンテンツの作成ルール1503を適用すると,チャットボット対話コンテンツのQA対の質問は,「アカウントの作成」と「ユーザー名の入力」を連結した「アカウントの作成ユーザー名の入力」となり,答えは「姓名をユーザー名として使用すること。姓と名の間にスペースを入力しないこと。」となる。上記の方法を用いて作成されたチャットボット対話コンテンツのQA対リストを図15に示す。
チャットボット対話コンテンツのQA対リストは,チャットボット対話コンテンツのプロトタイプ1504となる。チャットボット対話コンテンツのプロトタイプ1504の内容を対話コンテンツ作成者は目視で確認し,また実際のチャットボットシステム上で使用することで,対話コンテンツとして正しいかをチェックし,不適切な部分は修正する。それにより,最終的な対話コンテンツが作成される。
図16は,業務手順書から抽出した構造化された知識126を用いて作成された対話コンテンツのプロトタイプ1504を利用した,チャットボットと利用者との対話を示したものである。業務手順書の情報を用いることで,チャットボットが利用者のさまざまな質問に的確に答えていることが分かる。ここで,チャットボットは複数のQA対を含むQA対リストの中から,それぞれのQA対の質問と利用者の発話を比較する。例えば共通する単語の数で比較できる。その結果,最も類似したQA対を選択し,そのQA対に含まれる答えを出力することで,利用者の発話に答える。
さらに,図11ではツリー図で示した構造化された知識を,別の記述形式であるjson(JavaScript(登録商標) Object Notation)で示した結果を,図12に示す。内容は図11と同じである。図12は,すべて文字情報で記述されており,コンピュータにとって扱いやすい(プログラマーがプログラミングに要する時間が短くなる)特長がある。また,jsonは人にも理解しやすいため,jsonファイルを出力することで,人がその内容を確認しやすい効果がある。さらに,jsonはツリー図に比べてコンピュータでの作成が簡単なため,jsonファイルで出力することで短期間に業務支援システム103を作成できる。したがって,知識出力部116が出力する形式は,json形式が望ましい。
ここで,本実施例の特筆するべき点を述べる。一般に機械学習では人手で正しいか,正しくないかを判断した教師データを用いることが多い。一方,本実施例では,文書データ121から規則性抽出部112が規則性を抽出するため,教師データが不要である。そのため,人手での教師データの作成が不要であり,業務支援システム103を作成する工数が少なくて済む。このときにスライディングウインドウ法(Window Sliding Technique)を用いることが望ましい。スライディングウインドウ法とは,文書を複数個(n個)に分割し,ある1個に注目し,その1個を除くn−1個を用いて規則性を抽出し,抽出した規則を注目した1個に適用する。さらに,注目した1個の処理が終わったら,別の1個に注目して処理を行う。これを合計n回行うことで,文書全体に対して規則の適用処理を行う方法をスライディングウインドウ法という。スライディングウインドウ法を用いることで,より高精度な文書の誤りの修正が可能になり,高品質なチャットボットを提供できる。
なお,業務手順書に更新が生じることは言うまでもない。その更新時において,前回の知識抽出時の結果を利用することで,更新された業務手順書からの知識抽出を効率的に行うことも可能である。例えば,業務手順書の更新点のみを抽出し,更新点のみから構造化された知識を生成し,元の構造化された知識を変更,追加,削除することができる。
上記ではスタイルの規則性を校正する手段を述べてきた。次にスタイルの規則性を校正することにより得られる効果について述べる。
元の文書データ121を示す図5と,校正後文書データ123を示す図8を比較すると,段落番号6のスタイル名が「本文」から「見出し2」に校正されていることが分かる。
ここで,規則適用部113によるスタイルの校正が行われなかったときにどうなるかを考える。この場合,図10に示す知識抽出ルールを元の文書データ121に適用することで,図17に示すような,誤って構造化された知識が生成される。図17では,「パスワードの入力」の下位項目が,本来,「英数字8文字以上とすること。」となるべきところに,誤って「英数字8文字以上とすること。生年月日の入力西暦で入力すること。」となっていることが分かる。さらに,「アカウントの作成」の下位項目に本来あるべき「生年月日の入力」が無いことが分かる。これをjson形式で記述したものを図18に示す。
この誤った知識に図14に示すチャットボット対話コンテンツの作成ルール1503を適用した結果を図19に示す。QA対番号2に着目すると,本来「英数字8文字以上とすること。」になるべき答えが,誤って「英数字8文字以上とすること。生年月日の入力西暦で入力すること。」になってしまっていることが分かる。さらに,質問が「アカウントの作成生年月日の入力」のQA対が存在しないことが分かる。
その結果として,チャットボットを用いた対話がうまく行われずに利用者に必要な情報を提供できなくなる。図20は,誤って作成されたチャットボット対話コンテンツを用いた対話を示したものである。利用者の「アカウントを作成時のパスワードの入力方法とは」という質問に対して,本来望ましい回答である「英数字8文字以上とすること。」ではなく,不要な知識が付加された回答である「英数字8文字以上とすること。生年月日の入力西暦で入力すること。」を行ってしまっている。さらに,利用者の「アカウントを作成したいんだけど生年月日の指定方法を教えて。」という質問に対して,答えることができていない。
上記のように誤ったスタイルを校正することにより,利用者の業務効率を改善できる高品質なチャットボットを提供することが可能になる。以上のように本実施例を用いると業務手順書からチャットボット対話コンテンツのプロトタイプを自動的に生成できるため,従来の手作業で対話コンテンツを作成する方法に比較して極めて短時間にチャットボット対話コンテンツを作成できる。そのため,従来コスト面からチャットボットを導入できなかった部署や業務に対しても新しく導入できるようになるため,チャットボットによる業務効率化の効果を大幅に高めることが可能になる。
実施例2は,複数の業務手順書の文書が入力されることを想定したものであり,RPA情報を出力するための業務支援システムとなっている。
図21は,本実施例の業務支援システム2001の構成を示す図である。本実施例は、実施例1と異なり,情報処理部101が文書種類判定部2002を有し,ストレージ102が文書種類データ2003を有している。
本実施例では,業務支援システム2001に複数の業務手順書が入力されると,文書種類判定部2002が、文書のスタイルに基づいて,文書データを分類(スタイルの近い文書をグループ化)する。そして,グループごとにスタイルの規則性データを生成し,同じグループの文書に対しては同じ規則性データを適用して、文書のスタイルを校正する。
これにより,1つの文書のみを用いる業務支援システムに比べて,規則性データを抽出できる文書の数が多くなり,より高品質なスタイルの規則性データを生成できる。結果として,スタイルの校正能力が向上し,利用者の業務向上をより高くできるチャットボットシステムの提供が可能となる。
グループ化の手法としてクラスタリング,特に,非階層クラスタリングの手法であるk平均法(k−means clustering)を用いることができる。k平均法は教師無しクラスタリング手法であるため,教師データを作成する必要がない。そのため,短期間で業務支援システム2001を作成することができる効果がある。k平均法の特徴量としてはスタイルの構成要素(例えば,スタイル名やフォント名)の1つ,もしくは複数を用いる。
業務では企業ごとに異なるテンプレートを用いて文書を作成することがある。テンプレートは部署ごと,もしくは文書の種類ごとにカスタマイズされることがある。そのような複数個のテンプレートが存在する場合においても,本実施例の構成を用いることで適切にグループ化を行い,高品質なRPA情報を作成できる。
構造化された知識からRPA情報を作成するときには,RPA情報作成ルールを用いる。RPA情報作成ルールには,例えば,「並列関係にある項目については,時系列的に順々に処理すること」や,「上下関係にある項目については,RPA利用者に問い合わせることで分岐処理を行い,葉ノードまで到達してから,次にその葉ノードの処理を行うこと」などと記載されている。このようなRPA情報作成ルールに従うことで知識からRPA情報を生成する。
実施例3は,教師データを用いる業務支援システムである。教師データを用いることで,よりエラーの少ない校正後の文書を得ることができる。
業務支援システムは,繰り返し利用されることで,校正後文書が蓄積される。特に,対話コンテンツ作成者が確認した正しい内容の文書が蓄積される。このように学習済み推定モデルを用いて規則性データを抽出し,入力された文書に適用してスタイルを校正することで,誤りのより少ない校正後文書データを得ることができ,高品質なチャットボットシステムの提供が可能となる。
また,上述の実施例1〜3は,本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また,ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることも可能であり,また,ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また,各実施例の構成の一部について,他の構成の追加・削除・置換をすることも可能である。
101,1501 情報処理部
102 ストレージ
103 業務支援システム
111 文書入力部
112 規則性抽出部
113 規則適用部
114 文書比較出力部
115 知識抽出部
116 知識出力部
121 文書データ
122 スタイルの規則性データ
123 校正後文書データ
124 差異を強調した文書データ
125 知識抽出ルール
126 構造化された知識
1502 チャットボット対話コンテンツ生成部
1503 チャットボット対話コンテンツの作成ルール
1504 チャットボット対話コンテンツのプロトタイプ
1505 対話コンテンツ作成支援システム
1601 段落
1602 段落のスタイル
1603 段落のテキスト
1701 スタイル
1702 構造化の手掛かり
1703 特徴量
2001 業務支援システム
2002 文書種類判定部
2003 文書種類データ
S21〜S29 業務手順書から構造化された知識を生成するための手順

Claims (9)

  1. 情報処理部と,ストレージと,を有し,
    前記情報処理部は,
    文書データを前記ストレージに記録する文書入力部と,
    前記文書データから当該文書のスタイルの規則性データを抽出する規則性抽出部と,
    前記規則性データを前記文書データに適用して前記文書のスタイルを校正する規則適用部と,
    を備えた業務支援システム。
  2. 請求項1に記載の業務支援システムにおいて,
    前記情報処理部は,前記規則性データを適用した結果、前記スタイルに誤りがあった場合に出力する文書比較出力部を備えた業務支援システム。
  3. 請求項1に記載の業務支援システムにおいて,
    前記規則性抽出部は,学習済みモデルを用いて前記規則性データを抽出する業務支援システム。
  4. 請求項1に記載の業務支援システムにおいて,
    前記規則性抽出部は,前記文書のスタイルの規則性データとして,前記文書のスタイルと前記文書のスタイル名を統計的に処理して抽出する業務支援システム。
  5. 請求項3に記載の業務支援システムにおいて,
    人が正しいと判断した教師データを用いて前記学習済みモデルが作成される業務支援システム。
  6. 請求項3に記載の業務支援システムにおいて,
    前記学習済みモデルは,前記文書のスタイルと前記文書のスタイル名を学習データとしてモデルのパラメータが学習された業務支援システム。
  7. 請求項1に記載の業務支援システムにおいて,
    前記情報処理部は,さらに,
    前記ストレージに記録されたルールに従って校正後の前記文書から構造化された知識を抽出する知識抽出部と,
    前記知識を用いて対話コンテンツを作成する対話コンテンツ生成部と,
    を備えた業務支援システム。
  8. 請求項1に記載の業務支援システムにおいて,
    前記ストレージには,複数の前記文書データが記録され,
    前記情報処理部は,さらに,
    文書のスタイルに基づいて前記文書データを分類する文書種類判定部と,
    前記ストレージに記録されたルールに従って校正後の前記文書から構造化された知識を抽出する知識抽出部と,
    前記知識を用いてロボティック・プロセス・オートメーション情報を出力する出力部と,
    を備え,
    前記規則適用部は、同一の種類の文書データに対しては、同一の前記規則性データを適用して前記文書のスタイルを校正する業務支援システム。
  9. ユーザーの業務を支援する業務支援方法であって,
    情報処理部は,文書データからスタイルの規則性データを抽出し,
    抽出した前記規則性データを前記文書データに適用し,
    前記文書データのスタイルを校正する業務支援方法。
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