JP2021116763A - 大気圧下の常温において液体である物質が気化した流体を吸引して凝縮させる装置と方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】大気圧下の常温において液体である物質が気化した流体を吸引して凝縮させるための、構造が簡単で保守・管理が容易という特徴を持つ、気化した流体を吸引して凝縮させる装置を提供する。【解決手段】容器内の液面がこの容器の底部付近の位置に達したことを検知するための装置を備えた圧力が変化しても変形しない複数の容器、流路切替え装置、逆止弁、ポンプ及びこれらを接続する配管と、容器内の液面がこの容器の底部付近の位置に達したことを検知するための装置からの信号により流路切替え装置の流路を切替える制御装置を有することを特徴とする、気化した流体を吸引して凝縮させる装置。【選択図】図2
Description
本発明は、大気圧下の常温において液体である物質が気化した流体を吸引して凝縮させるという装置に係わり、(1)基本原理は、液体が入っている圧力が変化しても変形しない容器の上部に接続された配管を、大気圧下の常温において液体である物質が気化した流体に接続(挿入)し、この容器の下部に接続された配管をポンプの吸入側に接続して、容器内の液面がこの容器の底部付近の位置に達するまでポンプを運転することにより、この容器の液面が低下して発生する負圧により流体を容器内に吸引されるという作用と、この容器の下部に接続された配管をポンプの吐出側に接続してポンプを運転することにより、この容器内の液面が上昇して容器内の流体を圧縮することによりこれを凝縮(液化)させるという作用を行わせるもので、(2)ポンプ以外に摺動部が無いため構造が簡単で保守・管理が容易かつ長寿命という特徴を持っている。(3)また、これに容器内の液面がこの容器の底部付近の位置に達したことを検知するための装置を備えた圧力が変化しても変形しない複数の容器、流路切替え装置、逆止弁、ポンプ及びこれらを接続する配管と制御装置加えることにより、連続して気化した流体を吸引して凝縮させることができるようになる。(4)さらに、この装置に真空ポンプと凝縮装置という2つの役割を持たせることにより、この装置を減圧(真空)乾燥装置や減圧蒸留装置の一部として使用することができるという特性を有する装置の提供に関する。
液体成分(水や溶剤など)を短時間で乾燥させたり、液体中に含まれる混合物を沸点の差により分離させるために、乾燥容器内や減圧蒸留容器内の圧力を低く設定することにより容器内の被乾燥物に含まれる液体成分や液体中に含まれる混合物の沸点を下げて、効果的に乾燥させたり気化させることにより分離させたりする装置と方法が広く用いられている。これを行うための装置として真空ポンプが用いられており、油回転真空ポンプ、水封式真空ポンプ、ルーツ型及びスクリュー式ドライ真空ポンプなどがある。
これらの方法のうち、代表的な真空ポンプである油回転式真空ポンプを用いる場合、例えば、特許文献1、2、3に記載されているように、気化した水蒸気などがオイルに混合され、真空ポンプ内にキャビテーションを発生して故障の原因になるため、真空ポンプに到達するまでに液化することを防いだり気化した成分がポンプに至る前にこれを分離したりするとともに、ポンプ本体に混入した水分をポンプ本体のオイルから分離して除去する必要がある。
また、水封式真空ポンプを用いる場合、特許文献5,6に記載されているように真空ポンプの作動に必要なシール水とこれを貯蔵するための水槽を設ける必要があるとともに、冷却水の温度により到達圧力が制限される(水温15℃の場合、約3kPa)。
本発明においては、気化した成分を連続的に乾燥容器外に排出することにより容器内の圧力を設定された値に保持する必要がある。これを行うための装置として油回転真空ポンプ、水封式真空ポンプ、ルーツ型及びスクリュー式ドライ真空ポンプなどが用いられている。しかし、油回転真空ポンプは気化した水(水蒸気)などと油が混入するとポンプに不具合が生じるためこれを直接吸引することが出来ない。水封式真空ポンプは水分を乾燥させる際には使用可能であるが溶剤などを乾燥させる場合は封水と混合する可能性があるため後処理装置(封水に混入した溶剤などの分離・除去作業)を設ける必要があるとともに、気化した物質の種類によらず真空ポンプのシール水とこれを貯蔵するための水槽を設ける必要があり冷却水の温度により到達圧力が制限される。ルーツ型及びスクリュー式ドライ真空ポンプはその吐出部において圧力が上昇するため気化した物質が凝縮してポンプの運転に不具合が生じる可能性があるため、背景技術において記載した一般的な真空ポンプや先行技術文献1〜6で示した技術では、本発明に対応することは困難である。
そこで本発明は、「大気圧よりも低い圧力を発生させる(真空状態を作り出す)ことにより、流体を吸引する」というポンプの基本原理と、気化した流体を圧縮することにより凝縮温度を上昇させて凝縮(液化)させるという凝縮装置の基本原理を、大気圧下の常温において液体である物質が気化した流体に接続(挿入)し、この容器の下部に接続された配管をポンプの吸入側に接続して、容器内の液面がこの容器の底部付近の位置に達するまでポンプを運転することにより、この容器の液面が低下して発生する負圧により流体を容器内に吸引されるという作用と、この容器の下部に接続された配管をポンプの吐出側に接続してポンプを運転することにより、この容器内の液面が上昇して容器内の流体を圧縮することによりこれを凝縮(液化)させるという構造と機能を持つ装置で実用化させたもので、この装置を構成するポンプが常に液体で満たされている(呼び水を必要としない)ため、流体の状態(温度、粘度、形態、混合物の有無)に適したポンプが選定(使用)できるとともに、吸引ポンプ以外の摺動部が無いため構造が簡単で保守点検が容易かつ長寿命という特徴を持っている。また、複数の容器、流路切替え装置、逆止弁、容器内の液面がこの容器の底部付近の位置に達したことを検知するための装置とこの装置から発せられる信号により各流路切替え装置の流路を切替えるための制御装置により構成される装置とすることにより、連続して流体を吸引して凝縮させることができるようになる。さらに、この装置に真空ポンプと凝縮装置という2つの役割を持たせることにより、この装置を減圧(真空)乾燥装置や減圧蒸留装置の一部として使用することができるような構造と機能を有する装置を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、大気圧下の常温において液体である物質が気化した流体を吸引して凝縮させる装置であって、圧力が変化しても変形しない容器に接続され開閉弁が設置された配管を、大気圧下の常温において液体である物質が気化した流体に接続(挿入)し、開閉弁を開いた状態でこの容器の内部容積を増加させることにより気化した流体を容器内に吸引し、その後、開閉弁を閉じた状態でこの容器内の容積を減少させることにより容器内部の圧力を増加させて、容器内にある流体を凝縮(液化)させることができることを特徴とする。
気化した流体を凝縮(液化)するために、これを圧縮することにより凝縮温度を上昇させて凝縮させる方法は冷凍機のサイクルなどにおいて広く用いられている。しかし、これらの機器において作動流体として用いられている物質は、アンモニアやフロン類などの低沸点物質であり、大気圧下の常温においては気体の場合が多い。このため、圧縮により凝縮温度を高くしただけでは凝縮できないため、別に凝縮装置を設置して凝縮温度以下になるまで冷却するという方法を併用している。
これに対して本発明が対象とする物質は大気圧下の常温において液体である水や油類で、「本発明が解決すべき課題」は「物質に含まれる水分除去のための減圧(真空)乾燥装置と方法」や、「油類などの液体中に含まれる混合物分離のための減圧蒸留装置と方法」である。具体的には、水の場合、大気圧下における沸点は100℃であり、植物性油の場合、大気圧下における沸点は約350℃である。このため、これらの物質を減圧下に置いてその沸点を低下させることにより、昇温時におけるエネルギー投入量を低減でき(省エネルギー効果)、さらに、同じ装置を用いて加圧することにより凝縮温度を上昇させて凝縮(液化)させることが可能となる。すなわち、本発明による装置と方法を用いることにより冷却(水)をほとんど必要としないで(圧縮という作用によって)気化した流体を凝縮(液化)させることが可能となる。
気化した流体を凝縮(液化)するために、これを圧縮することにより凝縮温度を上昇させて凝縮させる方法は冷凍機のサイクルなどにおいて広く用いられている。しかし、これらの機器において作動流体として用いられている物質は、アンモニアやフロン類などの低沸点物質であり、大気圧下の常温においては気体の場合が多い。このため、圧縮により凝縮温度を高くしただけでは凝縮できないため、別に凝縮装置を設置して凝縮温度以下になるまで冷却するという方法を併用している。
これに対して本発明が対象とする物質は大気圧下の常温において液体である水や油類で、「本発明が解決すべき課題」は「物質に含まれる水分除去のための減圧(真空)乾燥装置と方法」や、「油類などの液体中に含まれる混合物分離のための減圧蒸留装置と方法」である。具体的には、水の場合、大気圧下における沸点は100℃であり、植物性油の場合、大気圧下における沸点は約350℃である。このため、これらの物質を減圧下に置いてその沸点を低下させることにより、昇温時におけるエネルギー投入量を低減でき(省エネルギー効果)、さらに、同じ装置を用いて加圧することにより凝縮温度を上昇させて凝縮(液化)させることが可能となる。すなわち、本発明による装置と方法を用いることにより冷却(水)をほとんど必要としないで(圧縮という作用によって)気化した流体を凝縮(液化)させることが可能となる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載した装置を用いた方法であることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、大気圧下の常温において液体である物質が気化した流体を吸引して凝縮させるという作用を連続して行う装置であって、液体が入っている圧力が変化しても変形しない容器の上部に接続された配管を、大気圧下の常温において液体である物質が気化した流体に接続(挿入)し、この容器の下部に接続された配管をポンプの吸入側に接続して、容器内の液面がこの容器の底部付近の位置に達するまでポンプを運転することにより、この容器の液面が低下して発生する負圧により流体を容器内に吸引されるという作用と、この容器の下部に接続された配管をポンプの吐出側に接続してポンプを運転することにより、この容器内の液面が上昇して容器内の流体を圧縮することによりこれを凝縮(液化)させるという作用を連続して行わせるために、容器内の液面がこの容器の底部付近の位置に達したことを検知するための装置を備えた圧力が変化しても変形しない複数の容器、切替え装置、逆止弁、ポンプ及びこれらを接続する配管と、容器内の液面がこの容器の底部付近の位置に達したことを検知するための装置からの信号により切替え装置の流路を切替える制御装置を有することを特徴とする。
請求項1に示した装置を用いることにより、大気圧下の常温において液体である物質が気化した流体を吸引して凝縮させることが可能となるが、これを連続して行わせるためにはサイクルの考え方を取り入れる必要がある。これを実施するためには、大気圧下の常温において液体である物質が気化した流体を吸引するという行程と、吸引した大気圧下の常温において液体である物質が気化した流体を圧縮することにより凝縮(液化)させるという行程を同時に行うとともに、これを交互に繰り返し行う必要がある。
ガソリンエンジンやディーゼルエンジンにおける吸入・排気行程はまさにこれを実施しており、複数のシリンダ(容器)を用いて、吸入行程と圧縮行程を同時に実施している。これらのエンジンにおいては、圧力が変化しても変形しないで内容積を増減できる装置としてシリンダとピストンの組み合わせを用いており、シリンダ内でピストンを往復運動させる装置(方法)としてクランク機構を用いている。冷凍機や真空ポンプにおいても同様の装置と方法を用いているものがあるが、これらの装置(方法)は構造が複雑で重く振動と騒音を伴う。しかも面圧を伴った多くの摺動部分を持つため摩耗による劣化や、摩耗粉による周囲(周辺機器)への悪影響が懸念される。
請求項1に示した装置を用いることにより、大気圧下の常温において液体である物質が気化した流体を吸引して凝縮させることが可能となるが、これを連続して行わせるためにはサイクルの考え方を取り入れる必要がある。これを実施するためには、大気圧下の常温において液体である物質が気化した流体を吸引するという行程と、吸引した大気圧下の常温において液体である物質が気化した流体を圧縮することにより凝縮(液化)させるという行程を同時に行うとともに、これを交互に繰り返し行う必要がある。
ガソリンエンジンやディーゼルエンジンにおける吸入・排気行程はまさにこれを実施しており、複数のシリンダ(容器)を用いて、吸入行程と圧縮行程を同時に実施している。これらのエンジンにおいては、圧力が変化しても変形しないで内容積を増減できる装置としてシリンダとピストンの組み合わせを用いており、シリンダ内でピストンを往復運動させる装置(方法)としてクランク機構を用いている。冷凍機や真空ポンプにおいても同様の装置と方法を用いているものがあるが、これらの装置(方法)は構造が複雑で重く振動と騒音を伴う。しかも面圧を伴った多くの摺動部分を持つため摩耗による劣化や、摩耗粉による周囲(周辺機器)への悪影響が懸念される。
これに対し本発明においては、容器内の液面がこの容器の底部付近の位置に達したことを検知するための装置を備えた圧力が変化しても変形しない複数の容器、流路切替え装置、逆止弁、ポンプ及びこれらを接続する配管と、容器内の液面がこの容器の底部付近の位置に達したことを検知するための装置からの信号により切替え装置の流路を切替える制御装置という構造が簡単で軽量、しかも摺動部がなく、それぞれの機器が独立した構造と機能を有するため、用途に応じてその機種を選択できるとともに、損傷時には単品毎に交換(新替)できるという非常に優れた機能を有するものである。
なお、容器内の液面がこの容器の底部付近の位置に達したことを検知するための装置の具体例としては、(1)容器内にレベルセンサーを設置、(2)液面に隔離板を浮かべておくことにより、吸引した気化した流体(気体)と容器内の作動流体(液体)の分離・断熱効果を行うとともに、この隔離板の位置を検出するセンサーを設置、(3)容器内に吸引する流体の量を検出することにより液面の位置を算出する、などがある。
なお、容器内の液面がこの容器の底部付近の位置に達したことを検知するための装置の具体例としては、(1)容器内にレベルセンサーを設置、(2)液面に隔離板を浮かべておくことにより、吸引した気化した流体(気体)と容器内の作動流体(液体)の分離・断熱効果を行うとともに、この隔離板の位置を検出するセンサーを設置、(3)容器内に吸引する流体の量を検出することにより液面の位置を算出する、などがある。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載した装置を用いた方法であることを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項3に記載した機器の構造と機能及び装置としての構造と機能を具体的に示したことを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載した装置を用いた方法であることを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、大気圧下の常温において液体である物質が気化した流体を吸引して凝縮させるという作用を連続して行う装置であって、液体が入っている圧力が変化しても変形しない容器の上部に接続された配管を、大気圧下の常温において液体である物質が気化した流体に接続(挿入)し、この容器の下部に接続された配管をポンプの吸入側に接続して、容器内の液面がこの容器の底部付近の位置に達するまでポンプを運転することにより、この容器の液面が低下して発生する負圧により流体が容器内に吸引されるという作用と、この容器の下部に接続された配管をポンプの吐出側に接続してポンプを運転することにより、この容器内の液面が上昇して容器内の流体を圧縮することによりこれを凝縮(液化)させるという作用を有する装置に真空ポンプと凝縮装置という2つの役割を持たせることにより、この装置を減圧(真空)乾燥装置や減圧蒸留装置の一部として使用することができることを特徴とする。
本発明が主目的とする「産業上の利用可能性」は、「物質に含まれる水分除去のための減圧(真空)乾燥装置と方法」や、「油類などの液体中に含まれる混合物分離のための減圧蒸留装置と方法」などである。これらの装置と方法の基本は、(1) 減圧により対象物の沸点を低下させることにより、加熱時に必要なエネルギー(顕熱)の減少による省エネルギー効果と対象物の熱損傷を防止できるという効果が得られる。(2)気化した流体を圧縮や冷却により凝縮(液化)させることにより、これを製品として取り出すことができる、である。
本発明の「気化した流体を吸引する」という効果(真空ポンプとしての役割)を用いることにより基本(1)の「減圧により対象物の沸点を低下させる。」という効果を得ることができる。また、「吸引した気化した流体を圧縮することにより凝縮(液化)させる」という効果(凝縮装置としての役割)を用いることにより基本(2)の「圧縮により凝縮(液化)させる」という効果を得ることができる。
本発明が主目的とする「産業上の利用可能性」は、「物質に含まれる水分除去のための減圧(真空)乾燥装置と方法」や、「油類などの液体中に含まれる混合物分離のための減圧蒸留装置と方法」などである。これらの装置と方法の基本は、(1) 減圧により対象物の沸点を低下させることにより、加熱時に必要なエネルギー(顕熱)の減少による省エネルギー効果と対象物の熱損傷を防止できるという効果が得られる。(2)気化した流体を圧縮や冷却により凝縮(液化)させることにより、これを製品として取り出すことができる、である。
本発明の「気化した流体を吸引する」という効果(真空ポンプとしての役割)を用いることにより基本(1)の「減圧により対象物の沸点を低下させる。」という効果を得ることができる。また、「吸引した気化した流体を圧縮することにより凝縮(液化)させる」という効果(凝縮装置としての役割)を用いることにより基本(2)の「圧縮により凝縮(液化)させる」という効果を得ることができる。
基本(1)の「減圧により対象物の沸点を低下させる。」という効果を得る場合、減圧の割合を大きく(真空度を高く)するほどこの効果は大きくなる。本発明の基本は「ポンプによる吸引」であるため、この効果はポンプの性能に大きく影響される。また、どんなに高性能のポンプを用いても、単体としてみた場合、その性能には限界がある。
一方、ポンプの性能の基本は「どの程度の負圧まで吸入できるか」と「どの程度の吐出圧力(揚程)を得ることができるか」で示される。このことから、本発明においては吐出側を大気圧とした場合、吸入側の負圧が大きくなるに伴いポンプ性能が低下することになるが、吐出側を負圧とすることにより吸入側の負圧が大きくなっても性能を維持できることになる。すなわち、「吐出側の圧力が低ければそれよりも低い圧力の流体を吸引できる。」ことになる。この特性を活かして、本発明の装置を直列に連結することにより、任意の負圧を得ることが可能となる。例えば、本発明を用いた装置の到達圧力(負圧)が50%真空(0.5気圧)とした場合、これを直列に連結すると単純計算では0.5気圧x 0.5気圧(0.5気圧の5割)=0.25気圧(75%真空)となり、到達圧力(負圧)が80%真空(0.2気圧)の装置を直列に連結した場合、単純計算では0.2気圧 x 0.2気圧(0.2気圧の2割)=0.04気圧(96%真空)となる。この負圧(96%真空)は、周囲温度(常温)を32℃とした場合の水の飽和蒸気圧力(水が沸騰する圧力)とほぼ同じである。すなわち、本発明の装置を用いることにより、常温の空気や水を加熱源とする減圧(真空)乾燥装置や減圧蒸留装置を製作することが可能となる。
一方、ポンプの性能の基本は「どの程度の負圧まで吸入できるか」と「どの程度の吐出圧力(揚程)を得ることができるか」で示される。このことから、本発明においては吐出側を大気圧とした場合、吸入側の負圧が大きくなるに伴いポンプ性能が低下することになるが、吐出側を負圧とすることにより吸入側の負圧が大きくなっても性能を維持できることになる。すなわち、「吐出側の圧力が低ければそれよりも低い圧力の流体を吸引できる。」ことになる。この特性を活かして、本発明の装置を直列に連結することにより、任意の負圧を得ることが可能となる。例えば、本発明を用いた装置の到達圧力(負圧)が50%真空(0.5気圧)とした場合、これを直列に連結すると単純計算では0.5気圧x 0.5気圧(0.5気圧の5割)=0.25気圧(75%真空)となり、到達圧力(負圧)が80%真空(0.2気圧)の装置を直列に連結した場合、単純計算では0.2気圧 x 0.2気圧(0.2気圧の2割)=0.04気圧(96%真空)となる。この負圧(96%真空)は、周囲温度(常温)を32℃とした場合の水の飽和蒸気圧力(水が沸騰する圧力)とほぼ同じである。すなわち、本発明の装置を用いることにより、常温の空気や水を加熱源とする減圧(真空)乾燥装置や減圧蒸留装置を製作することが可能となる。
基本(2)の「圧縮により凝縮(液化)させる」という効果を得る場合、本発明においては「液体が入っている圧力が変化しても変形しない容器」を用い、容器に減圧(真空)乾燥によって気化させる液体や減圧蒸留された液体を入れて(作動流体として)運転するため、温度管理が重要となる。すなわち、容器を減圧することにより作動流体である容器内の液体の沸点も低下する。減圧(真空)乾燥の場合は乾燥容器、減圧蒸留の場合は蒸発器において加熱されることにより気化した流体が本発明装置に吸入された場合、装置内の圧力は乾燥容器や蒸発器と同じ圧力であるが、本発明装置内の液体の温度は吸引された流体の「雰囲気圧力に対する沸点」よりも低い間、気化は起こらない。しかし、本発明装置で圧縮による凝縮(液化)を続けると凝縮熱(潜熱)を放出し続けるため作動流体の温度が上昇し、それ自身が気化することになる。しかし、この現象が発生すると容器内の圧力が上昇することにより凝縮温度も上昇するため、ある状態でバランスすることになるが、本来の目的である乾燥や蒸留に必要な減圧効果が低下することになる。また、容器内の液面が上昇し始めると(圧縮行程に入ると)圧力の上昇により凝縮温度が上昇するため同様の現象が発生する。この対応策として、容器を冷却しながら運転することにより、本発明装置を用いた効果的な継続運転が可能となる。
本発明の装置に真空ポンプと凝縮装置という2つの役割を持たせることにより、この装置を減圧(真空)乾燥装置や減圧蒸留装置の一部として使用するための具体的な操作方法は次のとおりである。
(1)まず、減圧(真空)乾燥装置においては乾燥容器、減圧蒸留装置においては蒸発装置(器)に気化させようとする大気圧下の常温において液体である物質を入れた状態で、本発明の装置を真空ポンプとして作動させることにより(容器内の空気を吸引して圧力を降下させるという作用により)乾燥容器や蒸発装置(器)の圧力を、その時の温度における対象物質の凝縮圧力以下まで低下させる。
(2)容器内の圧力が目的とする圧力に達し、大気圧下の常温において液体である物質が気化し始めたら、本発明の装置を大気圧下の常温において液体である物質が気化した流体を吸引して凝縮させる装置として作動させる。
(3)この時、別に設置した凝縮装置による大気圧下の常温において液体である物質が気化した流体を凝縮(液化)させることにより、本発明の装置を乾燥容器や蒸発装置(器)内及び凝縮装置内の圧力(真空度)を維持するための装置として作動させることができる。
(1)まず、減圧(真空)乾燥装置においては乾燥容器、減圧蒸留装置においては蒸発装置(器)に気化させようとする大気圧下の常温において液体である物質を入れた状態で、本発明の装置を真空ポンプとして作動させることにより(容器内の空気を吸引して圧力を降下させるという作用により)乾燥容器や蒸発装置(器)の圧力を、その時の温度における対象物質の凝縮圧力以下まで低下させる。
(2)容器内の圧力が目的とする圧力に達し、大気圧下の常温において液体である物質が気化し始めたら、本発明の装置を大気圧下の常温において液体である物質が気化した流体を吸引して凝縮させる装置として作動させる。
(3)この時、別に設置した凝縮装置による大気圧下の常温において液体である物質が気化した流体を凝縮(液化)させることにより、本発明の装置を乾燥容器や蒸発装置(器)内及び凝縮装置内の圧力(真空度)を維持するための装置として作動させることができる。
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載した装置を用いた方法であることを特徴とする。
本発明は、大気圧下の常温において液体である物質が気化した流体を吸引するとともに容器内においてこれを凝縮させることができる装置で、基本原理は、液体が入っている容器の上部に接続された配管の先端を大気圧下の常温において液体である物質が気化した流体に接続(挿入)し、液体が入っている容器の下部に接続された配管をポンプの吸入側に接続してポンプを運転すると、液体が入っている容器の液面が低下することにより容器内が負圧となるため流体が容器内に吸引されるという吸引ポンプの原理を実用化するとともに、気化した流体(気体)を凝縮させる方法のひとつである、温度を一定のままで圧力を上げてその温度における飽和蒸気圧(凝縮圧力)以上にすることによりその物質を凝縮(液化)させることができるという物理法則を具体化したものである。
この負圧による吸引作用と圧縮による凝縮(液化)作用を連続して行わせるために、容器内の液面がこの容器の底部付近の位置に達したことを検知するための装置を備えた圧力が変化しても変形しない複数の容器、流路切替え装置、逆止弁、ポンプ及びこれらを接続する配管と、容器内の液面がこの容器の底部付近の位置に達したことを検知するための装置からの信号により切替え装置の流路を切替える制御装置によって構成することにより、構造が簡単で保守・整備が容易という特徴を有する。また、ポンプ以外に摺動部が無いため構造が簡単で保守点検が容易かつ長寿命という特徴を有する。さらに、この装置を減圧(真空)乾燥装置や減圧蒸留装置として用いることもできるという、構造が簡単で保守・管理が容易な装置を提供することができる。
また、
(1)まず、減圧(真空)乾燥装置においては乾燥容器、減圧蒸留装置においては蒸発装置(器)に気化させようとする大気圧下の常温において液体である物質を入れた状態で、本発明の装置を真空ポンプとして作動させることにより(容器内の空気を吸引して圧力を降下させるという作用により)乾燥容器や蒸発装置(器)の圧力を、その時の温度における対象物質の凝縮圧力以下まで低下させる。
(2)容器内の圧力が目的とする圧力に達し、大気圧下の常温において液体である物質が気化し始めたら、本発明の装置を大気圧下の常温において液体である物質が気化した流体を吸引して凝縮させる装置として作動させる。
(3)この時、別に設置した凝縮装置による大気圧下の常温において液体である物質が気化した流体を凝縮(液化)させることにより、
本発明の装置に真空ポンプと凝縮装置という2つの役割を持たせることができるとともに、乾燥容器や蒸発装置(器)内及び凝縮装置内の圧力(真空度)を維持するための装置として作動させることができる。
この負圧による吸引作用と圧縮による凝縮(液化)作用を連続して行わせるために、容器内の液面がこの容器の底部付近の位置に達したことを検知するための装置を備えた圧力が変化しても変形しない複数の容器、流路切替え装置、逆止弁、ポンプ及びこれらを接続する配管と、容器内の液面がこの容器の底部付近の位置に達したことを検知するための装置からの信号により切替え装置の流路を切替える制御装置によって構成することにより、構造が簡単で保守・整備が容易という特徴を有する。また、ポンプ以外に摺動部が無いため構造が簡単で保守点検が容易かつ長寿命という特徴を有する。さらに、この装置を減圧(真空)乾燥装置や減圧蒸留装置として用いることもできるという、構造が簡単で保守・管理が容易な装置を提供することができる。
また、
(1)まず、減圧(真空)乾燥装置においては乾燥容器、減圧蒸留装置においては蒸発装置(器)に気化させようとする大気圧下の常温において液体である物質を入れた状態で、本発明の装置を真空ポンプとして作動させることにより(容器内の空気を吸引して圧力を降下させるという作用により)乾燥容器や蒸発装置(器)の圧力を、その時の温度における対象物質の凝縮圧力以下まで低下させる。
(2)容器内の圧力が目的とする圧力に達し、大気圧下の常温において液体である物質が気化し始めたら、本発明の装置を大気圧下の常温において液体である物質が気化した流体を吸引して凝縮させる装置として作動させる。
(3)この時、別に設置した凝縮装置による大気圧下の常温において液体である物質が気化した流体を凝縮(液化)させることにより、
本発明の装置に真空ポンプと凝縮装置という2つの役割を持たせることができるとともに、乾燥容器や蒸発装置(器)内及び凝縮装置内の圧力(真空度)を維持するための装置として作動させることができる。
以下に、本発明に係る実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る基本原理を示した概念図である。
図1(A)に示すように、ピストンとシリンダ及びこのシリンダに接続され開閉弁が設置された配管とからなる、「圧力が変化しても変形しない容器」において、「容器に接続され開閉弁が設置された配管」を「吸引しようとする大気圧下の常温において液体である物質が気化した流体に接続(挿入)」し、「この容器と気化した流体を接続する配管の途中に設置された開閉弁が開いた状態」でピストンを下降させることによりこの容器の内部容積を増加させると、気化した流体がこの容器内に吸引される。
図1(B)は、ピストンがこの容器の最下部(内部容積が最大となる位置)に達すると、この容器と気化した流体を接続する配管の途中に設置された開閉弁が閉じられることを示している。
図1(C)は、ピストンが最上部に達し、容器内部の容積が最小になった状態を示している。
図1の(B)から(C)に変化する行程においては、この容器と気化した流体を接続する配管の途中に設置された開閉弁を閉じた状態でピストンが上昇しているため、この容器の内部容積が減少することにより容器内部の圧力が増加する。
図1は、本発明の実施の形態に係る基本原理を示した概念図である。
図1(A)に示すように、ピストンとシリンダ及びこのシリンダに接続され開閉弁が設置された配管とからなる、「圧力が変化しても変形しない容器」において、「容器に接続され開閉弁が設置された配管」を「吸引しようとする大気圧下の常温において液体である物質が気化した流体に接続(挿入)」し、「この容器と気化した流体を接続する配管の途中に設置された開閉弁が開いた状態」でピストンを下降させることによりこの容器の内部容積を増加させると、気化した流体がこの容器内に吸引される。
図1(B)は、ピストンがこの容器の最下部(内部容積が最大となる位置)に達すると、この容器と気化した流体を接続する配管の途中に設置された開閉弁が閉じられることを示している。
図1(C)は、ピストンが最上部に達し、容器内部の容積が最小になった状態を示している。
図1の(B)から(C)に変化する行程においては、この容器と気化した流体を接続する配管の途中に設置された開閉弁を閉じた状態でピストンが上昇しているため、この容器の内部容積が減少することにより容器内部の圧力が増加する。
大気圧下の常温において液体である物質が気化した流体(気体)を凝縮させるには、圧力を一定のままで温度を下げてその圧力における飽和温度(凝縮温度)以下にするか、温度を一定のままで圧力を上げてその温度における飽和蒸気圧(凝縮圧力)以上にする方法がある。
図1に示した装置と方法を用いることにより、容器内の圧力をその温度における凝縮圧力以上に上昇させることにより、容器内の大気圧下の常温において液体である物質が気化した流体を凝縮(液)させることができる。ここで問題となるのは、大気圧下の常温において液体である物質が気化した流体が凝縮(液化)するときに多量の凝縮熱を発生するため、このまま(図1の装置と方法)では「温度一定」という状態にならないことである。これを実現するためには容器を冷却して冷却媒体に凝縮熱を放熱させることにより、できるだけ「温度一定」の条件に近づけることが重要となる。しかし、「明細書における請求項7の説明」や「発明の効果」で記載しているように、この装置と方法を減圧(真空)乾燥装置や減圧蒸留装置の一部として用いる場合、まず、これらの装置内の圧力を低下させる真空ポンプとして用いることになる。この際、吸入するのは空気のみであるため、凝縮という作用は起こらず、圧縮による温度の上昇のみとなる。
図1に示した装置と方法を用いることにより、容器内の圧力をその温度における凝縮圧力以上に上昇させることにより、容器内の大気圧下の常温において液体である物質が気化した流体を凝縮(液)させることができる。ここで問題となるのは、大気圧下の常温において液体である物質が気化した流体が凝縮(液化)するときに多量の凝縮熱を発生するため、このまま(図1の装置と方法)では「温度一定」という状態にならないことである。これを実現するためには容器を冷却して冷却媒体に凝縮熱を放熱させることにより、できるだけ「温度一定」の条件に近づけることが重要となる。しかし、「明細書における請求項7の説明」や「発明の効果」で記載しているように、この装置と方法を減圧(真空)乾燥装置や減圧蒸留装置の一部として用いる場合、まず、これらの装置内の圧力を低下させる真空ポンプとして用いることになる。この際、吸入するのは空気のみであるため、凝縮という作用は起こらず、圧縮による温度の上昇のみとなる。
図2は、本発明の実施の形態に係る大気圧下の常温において液体である物質が気化した流体を連続して吸引して凝縮するための装置の一例を示したブロック線図である。
図2(a)の容器−1において、ポンプにより容器−1(CTN-1)内の液体が吸引されることにより発生した負圧によって、大気圧下の常温において液体である物質が気化した流体は、流路切替え装置−1(SWV-1)において容器1(CTN-1)に向かう経路を経て容器−1の上部へ導かれ、容器内に吸引される。途中、逆止弁−1(NRV-1)に分岐する配管を経由するが、この配管に設置された弁は流路切替え装置と容器を連結する配管の圧力がこの弁を経て外部に至る配管の圧力よりも高い場合のみ作動する(開く)という特性を有しており、図2(a)の状態ではこの配管の圧力は負圧となっているため作動しない。
ポンプによって吸引された容器−1(CTN-1)内の液体は、流路切替え装置−2(SWV-2)、ポンプ、流路切替え装置−3(SWV-3)を経て容器−2(CTN-2)の下部に流入し、液面を上昇させる。これにより、容器−2(CTN-2)内の圧力が上昇する。
容器−2(CTN-2)の上部にはこの容器と流路切替え装置−1(SWV-1)とを連結する配管が設置されているが、この配管に対応する流路切替え装置−1(SWV-1)の流路は閉ざされている。また、容器−2(CTN-2)と流路切替え装置−1(SWV-1)を連結する配管の途中には装置の外部につながる配管とその途中に逆止弁(NRV-2)が設置されている。この弁(NRV-2)は流路切替え装置と容器を連結する配管の圧力がこの弁を経て外部に至る配管の圧力よりも高い場合のみ作動する(開く)という特性を有しているため、容器−2(CTN-2)内の圧力が外部の圧力よりも高くなると開く。
図2(a)の容器−1において、ポンプにより容器−1(CTN-1)内の液体が吸引されることにより発生した負圧によって、大気圧下の常温において液体である物質が気化した流体は、流路切替え装置−1(SWV-1)において容器1(CTN-1)に向かう経路を経て容器−1の上部へ導かれ、容器内に吸引される。途中、逆止弁−1(NRV-1)に分岐する配管を経由するが、この配管に設置された弁は流路切替え装置と容器を連結する配管の圧力がこの弁を経て外部に至る配管の圧力よりも高い場合のみ作動する(開く)という特性を有しており、図2(a)の状態ではこの配管の圧力は負圧となっているため作動しない。
ポンプによって吸引された容器−1(CTN-1)内の液体は、流路切替え装置−2(SWV-2)、ポンプ、流路切替え装置−3(SWV-3)を経て容器−2(CTN-2)の下部に流入し、液面を上昇させる。これにより、容器−2(CTN-2)内の圧力が上昇する。
容器−2(CTN-2)の上部にはこの容器と流路切替え装置−1(SWV-1)とを連結する配管が設置されているが、この配管に対応する流路切替え装置−1(SWV-1)の流路は閉ざされている。また、容器−2(CTN-2)と流路切替え装置−1(SWV-1)を連結する配管の途中には装置の外部につながる配管とその途中に逆止弁(NRV-2)が設置されている。この弁(NRV-2)は流路切替え装置と容器を連結する配管の圧力がこの弁を経て外部に至る配管の圧力よりも高い場合のみ作動する(開く)という特性を有しているため、容器−2(CTN-2)内の圧力が外部の圧力よりも高くなると開く。
図2(a)において、容器−1(CTN-1)内の液面がこの容器の底部付近の位置に達すると、これを検知するための装置からの信号が制御装置に伝えられ、全ての流路切替え装置の流路が切替えられる。
図2(b)の容器−2において、ポンプにより容器−2(CTN-2)内の液体が吸引されることにより発生した負圧によって、大気圧下の常温において液体である物質が気化した流体は、流路切替え装置−1(SWV-1)において容器2(CTN-2)に向かう経路を経て容器−2の上部へ導かれ、容器内に吸引される。途中、逆止弁−2(NRV-2)に分岐する配管を経由するが、この配管に設置された弁は流路切替え装置と容器を連結する配管の圧力がこの弁を経て外部に至る配管の圧力よりも高い場合のみ作動する(開く)という特性を有しており、図2(b)の状態ではこの配管の圧力は負圧となっているため作動しない。
ポンプによって吸引された容器−2(CTN-2)内の液体は、流路切替え装置−2(SWV-2)、ポンプ、流路切替え装置−3(SWV-3)を経て容器−1(CTN-1)の下部に流入し、液面を上昇させる。これにより、容器−1(CTN-1)内の圧力が上昇する。
容器−1(CTN-1)の上部にはこの容器と流路切替え装置−1(SWV-1)とを連結する配管が設置されているが、この配管に対応する流路切替え装置−1(SWV-1)の流路は閉ざされている。また、容器−1(CTN-1)と流路切替え装置−1(SWV-1)を連結する配管の途中には装置の外部につながる配管とその途中に逆止弁(NRV-1)が設置されている。この弁(NRV-1)は流路切替え装置と容器を連結する配管の圧力がこの弁を経て外部に至る配管の圧力よりも高い場合のみ作動する(開く)という特性を有しているため、容器−1(CTN-1)内の圧力が外部の圧力よりも高くなると開く。
ポンプによって吸引された容器−2(CTN-2)内の液体は、流路切替え装置−2(SWV-2)、ポンプ、流路切替え装置−3(SWV-3)を経て容器−1(CTN-1)の下部に流入し、液面を上昇させる。これにより、容器−1(CTN-1)内の圧力が上昇する。
容器−1(CTN-1)の上部にはこの容器と流路切替え装置−1(SWV-1)とを連結する配管が設置されているが、この配管に対応する流路切替え装置−1(SWV-1)の流路は閉ざされている。また、容器−1(CTN-1)と流路切替え装置−1(SWV-1)を連結する配管の途中には装置の外部につながる配管とその途中に逆止弁(NRV-1)が設置されている。この弁(NRV-1)は流路切替え装置と容器を連結する配管の圧力がこの弁を経て外部に至る配管の圧力よりも高い場合のみ作動する(開く)という特性を有しているため、容器−1(CTN-1)内の圧力が外部の圧力よりも高くなると開く。
図2(b)において、容器−2(CTN-2)内の液面がこの容器の底部付近の位置に達すると、これを検知するための装置からの信号が制御装置に伝えられ、全ての流路切替え装置の流路が切替えられる。
図2の(a),(b)に示す動作を繰り返し行うことにより、本発明の装置を用いて大気圧下の常温において液体である物質が気化した流体を連続して吸引して凝縮することができる。
本発明は、大気圧下の常温において液体である物質が気化した流体を吸引して凝縮させる場合に適用可能である。
CTN-1:容器−1
CTN-2:容器−2
PUMP:ポンプ
Controller:制御装置
SWV-1:流路切換え装置―1
SWV-2:流路切換え装置―2
SWV-3:流路切換え装置―3
NRV-1:逆止弁−1
NRV-2:逆止弁−2
SL :吸引用配管
DL :排出用配管
CTN-2:容器−2
PUMP:ポンプ
Controller:制御装置
SWV-1:流路切換え装置―1
SWV-2:流路切換え装置―2
SWV-3:流路切換え装置―3
NRV-1:逆止弁−1
NRV-2:逆止弁−2
SL :吸引用配管
DL :排出用配管
Claims (8)
- 大気圧下の常温において液体である物質が気化した流体を吸引して凝縮させる装置であって、圧力が変化しても変形しない容器に接続され開閉弁が設置された配管を、大気圧下の常温において液体である物質が気化した流体に接続(挿入)し、開閉弁を開いた状態でこの容器の内部容積を増加させることにより気化した流体を容器内に吸引し、その後、開閉弁を閉じた状態でこの容器内の容積を減少させることにより容器内部の圧力を増加させて、容器内にある流体を凝縮(液化)させることができることを特徴とする、気化した流体を吸引して凝縮させる装置。
- 大気圧下の常温において液体である物質が気化した流体を吸引して凝縮させる方法であって、圧力が変化しても変形しない容器に接続され開閉弁が設置された配管を、大気圧下の常温において液体である物質が気化した流体に接続(挿入)し、開閉弁を開いた状態でこの容器の内部容積を増加させることにより気化した流体を容器内に吸引し、その後、開閉弁を閉じた状態でこの容器内の容積を減少させることにより容器内部の圧力を増加させて、容器内にある流体を凝縮(液化)させることができる装置を用いることを特徴とする、気化した流体を吸引して凝縮させる方法。
- 大気圧下の常温において液体である物質が気化した流体を吸引して凝縮させるという作用を連続して行う装置であって、液体が入っている圧力が変化しても変形しない容器の上部に接続された配管を、大気圧下の常温において液体である物質が気化した流体に接続(挿入)し、この容器の下部に接続された配管をポンプの吸入側に接続して、容器内の液面がこの容器の底部付近の位置に達するまでポンプを運転することにより、この容器の液面が低下して発生する負圧により流体を容器内に吸引されるという作用と、この容器の下部に接続された配管をポンプの吐出側に接続してポンプを運転することにより、この容器内の液面が上昇して容器内の流体を圧縮することによりこれを凝縮(液化)させるという作用を連続して行わせるために、容器内の液面がこの容器の底部付近の位置に達したことを検知するための装置を備えた圧力が変化しても変形しない複数の容器、流路切替え装置、逆止弁、ポンプ及びこれらを接続する配管と、容器内の液面がこの容器の底部付近の位置に達したことを検知するための装置からの信号により流路切替え装置の流路を切替える制御装置を有することを特徴とする、気化した流体を吸引して凝縮させる装置。
- 大気圧下の常温において液体である物質が気化した流体を吸引して凝縮させるという作用を連続して行う方法であって、液体が入っている圧力が変化しても変形しない容器の上部に接続された配管を、大気圧下の常温において液体である物質が気化した流体に接続(挿入)し、この容器の下部に接続された配管をポンプの吸入側に接続して、容器内の液面がこの容器の底部付近の位置に達するまでポンプを運転することにより、この容器の液面が低下して発生する負圧により流体を容器内に吸引されるという作用と、この容器の下部に接続された配管をポンプの吐出側に接続してポンプを運転することにより、この容器内の液面が上昇して容器内の流体を圧縮することによりこれを凝縮(液化)させるという作用を連続して行わせるために、容器内の液面がこの容器の底部付近の位置に達したことを検知するための装置を備えた圧力が変化しても変形しない複数の容器、流路切替え装置、逆止弁、ポンプ及びこれらを接続する配管と、容器内の液面がこの容器の底部付近の位置に達したことを検知するための装置からの信号により流路切替え装置の流路を切替える制御装置を有する装置を用いることを特徴とする、気化した流体を吸引して凝縮させる方法。
- 大気圧下の常温において液体である物質が気化した流体を吸引して凝縮させるという作用を連続して行う装置であって、液体が入っている圧力が変化しても変形しない容器の上部に接続された配管を、大気圧下の常温において液体である物質が気化した流体に接続(挿入)し、この容器の下部に接続された配管をポンプの吸入側に接続して、容器内の液面がこの容器の底部付近の位置に達するまでポンプを運転することにより、この容器の液面が低下して発生する負圧により流体が容器内に吸引されるという作用と、この容器の下部に接続された配管をポンプの吐出側に接続してポンプを運転することにより、この容器内の液面が上昇して容器内の流体を圧縮することによりこれを凝縮(液化)させるという作用を連続して行わせるために、吸引する気化した流体と複数の容器の上部を連結する配管の途中に逆流防止機能付流路切替え装置を備え、この切替え装置と各容器を連結する配管の途中から分岐した配管に圧力調整機能付逆止弁を備え、各容器の底部とポンプを連結する配管の途中に逆流防止機能付流路切替え装置を備えるとともに、容器内の液面がこの容器の底部付近の位置に達したことを検知するための装置とこの装置から発せられる信号により各流路切替え装置の流路を切替えるための制御装置を装備することを特徴とする、請求項3に記載された、気化した流体を吸引して凝縮させる装置。
- 大気圧下の常温において液体である物質が気化した流体を吸引して凝縮させるという作用を連続して行う方法であって、液体が入っている圧力が変化しても変形しない容器の上部に接続された配管を、大気圧下の常温において液体である物質が気化した流体に接続(挿入)し、この容器の下部に接続された配管をポンプの吸入側に接続して、容器内の液面がこの容器の底部付近の位置に達するまでポンプを運転することにより、この容器の液面が低下して発生する負圧により流体が容器内に吸引されるという作用と、この容器の下部に接続された配管をポンプの吐出側に接続してポンプを運転することにより、この容器内の液面が上昇して容器内の流体を圧縮することによりこれを凝縮(液化)させるという作用を連続して行わせるために、吸引する気化した流体と複数の容器の上部を連結する配管の途中に逆流防止機能付流路切替え装置を備え、この切替え装置と各容器を連結する配管の途中から分岐した配管に圧力調整機能付逆止弁を備え、各容器の底部とポンプを連結する配管の途中に逆流防止機能付流路切替え装置を備えるとともに、容器内の液面がこの容器の底部付近の位置に達したことを検知するための装置とこの装置から発せられる信号により各切替え装置の流路を切替えるための制御装置を装備する装置を用いることを特徴とする、請求項4に記載された、気化した流体を吸引して凝縮させる方法。
- 大気圧下の常温において液体である物質が気化した流体を吸引して凝縮させるという作用を連続して行う装置であって、液体が入っている圧力が変化しても変形しない容器の上部に接続された配管を、大気圧下の常温において液体である物質が気化した流体に接続(挿入)し、この容器の下部に接続された配管をポンプの吸入側に接続して、容器内の液面がこの容器の底部付近の位置に達するまでポンプを運転することにより、この容器の液面が低下して発生する負圧により流体が容器内に吸引されるという作用と、この容器の下部に接続された配管をポンプの吐出側に接続してポンプを運転することにより、この容器内の液面が上昇して容器内の流体を圧縮することによりこれを凝縮(液化)させるという作用を有する装置に真空ポンプと凝縮装置という2つの役割を持たせることにより、この装置を減圧(真空)乾燥装置や減圧蒸留装置の一部として使用することができることを特徴とする請求項3又は請求項5に記載された、気化した流体を吸引して凝縮させる装置。
- 大気圧下の常温において液体である物質が気化した流体を吸引して凝縮させるという作用を連続して行う方法であって、液体が入っている圧力が変化しても変形しない容器の上部に接続された配管を大気圧下の常温において液体である物質が気化した流体に接続(挿入)し、この容器の下部に接続された配管をポンプの吸入側に接続して、容器内の液面がこの容器の底部付近の位置に達するまでポンプを運転することにより、この容器の液面が低下して発生する負圧により流体が容器内に吸引されるという作用と、この容器の下部に接続された配管をポンプの吐出側に接続してポンプを運転することにより、この容器内の液面が上昇して容器内の流体が圧縮されることにより容器内で凝縮(液化)させるという作用を有する装置に真空ポンプと凝縮装置という2つの役割を持たせ、この装置を減圧(真空)乾燥装置や減圧蒸留装置の一部として使用することができる装置を用いることを特徴とする請求項4又は請求項6に記載された、気化した流体を吸引して凝縮させる方法。
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JP2020011778A JP2021116763A (ja) | 2020-01-28 | 2020-01-28 | 大気圧下の常温において液体である物質が気化した流体を吸引して凝縮させる装置と方法 |
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Cited By (1)
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CN117255545A (zh) * | 2023-11-20 | 2023-12-19 | 浙江银轮机械股份有限公司 | 仿生热管理方法 |
-
2020
- 2020-01-28 JP JP2020011778A patent/JP2021116763A/ja active Pending
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CN117255545B (zh) * | 2023-11-20 | 2024-04-02 | 浙江银轮机械股份有限公司 | 仿生热管理方法 |
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