JP2021104109A - 呼吸回数算出装置、呼吸回数算出方法、及びプログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】呼吸音を含む音響データを処理することにより呼吸回数を算出する際に、その算出精度を高くする。【解決手段】フィルタ処理部120は、呼吸音のパワーの時間変化を示す呼吸音パワーデータに対して平滑化用のフィルタを処理することにより、フィルタ処理後データを生成する。この平滑化処理により、処理対象となるデータからノイズ成分の多くが除去される。呼吸回数算出部130は、フィルタ処理後データを処理することにより、呼吸回数を算出する。ここでフィルタ処理部120は、パワーが極値となるタイミングである極値タイミングを複数特定し、当該複数の極値タイミングのうち基準を見満たす極値タイミングを用いて呼吸回数を算出する。そしてここで用いられる基準は、極値タイミングの間隔に関するものである。【選択図】図1

Description

本発明は、呼吸回数算出装置、呼吸回数算出方法、及びプログラムに関する。
人や動物などの生体の呼吸回数を特定することは、その生体の状態を把握する際に重要である。このため、呼吸音を含む音響データを用いて呼吸回数を算出する装置が開発されている。例えば特許文献1には、生体から発生する音響エネルギーを処理することにより、当該音響エネルギーから、心音に対応する成分及び外部ノイズに対応する成分を除去することが記載されている。
特開平1−37933号公報
上記したように、呼吸音を含む音響データには、呼吸以外の要因に起因した成分が含まれている。このため、音響データを処理することによって精度よく呼吸回数を算出することは難しい。
本発明が解決しようとする課題としては、呼吸音を含む音響データを処理することにより呼吸回数を算出する際に、その算出精度を高くすることが一例として挙げられる。
請求項1に記載の発明は、呼吸音のパワーの時間変化を示す呼吸音パワーデータに対して平滑化用のフィルタを処理することにより、フィルタ処理後データを生成するフィルタ処理部と、
前記フィルタ処理後データにおいて、前記パワーが極値となるタイミングである極値タイミングを複数特定し、当該複数の極値タイミングのうち基準を見満たす極値タイミングを用いて呼吸回数を算出する呼吸回数算出部と、
を備え、
前記基準は、前記極値タイミングの間隔に関する基準である呼吸回数算出装置である。
請求項4に記載の発明は、コンピュータが、
呼吸音のパワーの時間変化を示す呼吸音パワーデータに対して平滑化用のフィルタを処理することにより、フィルタ処理後データを生成し、
前記フィルタ処理後データにおいて、前記パワーが極値となるタイミングである極値タイミングを複数特定し、当該複数の極値タイミングのうち基準を見満たす極値タイミングを用いて呼吸回数を算出し、
前記基準は、前記極値タイミングの間隔に関する基準である呼吸回数算出方法である。
請求項5に記載の発明は、コンピュータに、
呼吸音のパワーの時間変化を示す呼吸音パワーデータに対して平滑化用のフィルタを処理することにより、フィルタ処理後データを生成する機能と、
前記フィルタ処理後データにおいて、前記パワーが極値となるタイミングである極値タイミングを複数特定し、当該複数の極値タイミングのうち基準を見満たす極値タイミングを用いて呼吸回数を算出する機能と、
を持たせ、
前記基準は、前記極値タイミングの間隔に関する基準であるプログラムである。
実施形態にかかる呼吸回数算出装置10の機能構成の一例を示す図である。 呼吸回数算出装置10のハードウェア構成例を示す図である。 呼吸回数算出装置10が行う処理の一例を示すフローチャートである。 スペクトルデータの一例を示す図である。 呼吸音パワーデータと、この呼吸音パワーデータを用いて生成された候補データの一つを示す図である。 図3のステップS50の詳細例を示すフローチャートである。 図6のステップS130の第1例を説明するための図である。 図6のステップS130の第2例を説明するための図である。
図1は、実施形態にかかる呼吸回数算出装置10の機能構成の一例を示す図である。本実施形態にかかる呼吸回数算出装置10は、フィルタ処理部120及び呼吸回数算出部130を備えている。フィルタ処理部120は、呼吸音のパワーの時間変化を示す呼吸音パワーデータに対して平滑化用のフィルタを処理することにより、フィルタ処理後データを生成する。本実施形態において、フィルタ処理部120はデジタルフィルタであるが、アナログ回路によって構成されていてもよい。そして平滑化用のフィルタの一例は、ローパスフィルタである。以下、このフィルタがローパスフィルタとして説明を行う。そしてこの平滑化処理により、処理対象となるデータからノイズ成分の多くが除去される。呼吸回数算出部130は、フィルタ処理後データを処理することにより、呼吸回数を算出する。ここでフィルタ処理部120は、パワーが極値となるタイミングである極値タイミングを複数特定し、当該複数の極値タイミングのうち基準を見満たす極値タイミングを用いて呼吸回数を算出する。そしてここで用いられる基準は、極値タイミングの間隔に関するものである。フィルタ処理部120及び呼吸回数算出部130が行う処理の詳細、および極値タイミングに関する基準については、他の図を用いて後述する。
呼吸回数算出装置10は、さらに変換処理部110を有している。変換処理部110は、センサが生成したセンサデータを取得する。このセンサデータは呼吸音を含む音響データであり、例えば人体や動物などの生体に取り付けられた振動センサや音響センサによって生成される。この音響データには心音などの様々なノイズが含まれている。
そして変換処理部110は、この音声データを処理することにより、呼吸音パワーデータを生成する。呼吸音パワーデータは、上記したように呼吸音のパワーの時間変化を示している。なお、呼吸音のパワーは、例えば呼吸音の音圧(振幅)を用いて算出することができ、呼吸音が示す音波のエネルギーとみることもできる。変換処理部110が行う処理の詳細は、フローチャートを用いて後述する。
図2は、呼吸回数算出装置10のハードウェア構成例を示す図である。呼吸回数算出装置10は、バス1010、プロセッサ1020、メモリ1030、ストレージデバイス1040、入出力インタフェース1050、及びネットワークインタフェース1060を有する。
バス1010は、プロセッサ1020、メモリ1030、ストレージデバイス1040、入出力インタフェース1050、及びネットワークインタフェース1060が、相互にデータを送受信するためのデータ伝送路である。ただし、プロセッサ1020などを互いに接続する方法は、バス接続に限定されない。
プロセッサ1020は、CPU(Central Processing Unit) やGPU(Graphics Processing Unit)などで実現されるプロセッサである。
メモリ1030は、RAM(Random Access Memory)などで実現される主記憶装置である。
ストレージデバイス1040は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、メモリカード、又はROM(Read Only Memory)などで実現される補助記憶装置である。ストレージデバイス1040は呼吸回数算出装置10の各機能(例えば変換処理部110、フィルタ処理部120、及び呼吸回数算出部130)を実現するプログラムモジュールを記憶している。プロセッサ1020がこれら各プログラムモジュールをメモリ1030上に読み込んで実行することで、そのプログラムモジュールに対応する各機能が実現される。
入出力インタフェース1050は、呼吸回数算出装置10と各種入出力機器(例えばセンサデータを生成するセンサ)とを接続するためのインタフェースである。
ネットワークインタフェース1060は、呼吸回数算出装置10をネットワークに接続するためのインタフェースである。このネットワークは、例えばLAN(Local Area Network)やWAN(Wide Area Network)である。ネットワークインタフェース1060がネットワークに接続する方法は、無線接続であってもよいし、有線接続であってもよい。
図3は、呼吸回数算出装置10が行う処理の一例を示すフローチャートである。まず呼吸回数算出装置10の変換処理部110は、生体に取り付けられたセンサが生成したセンサデータ、例えば音響データを取得する(ステップS10)。呼吸回数算出装置10は、センサから直接このデータを取得してもよいし、サーバを介して取得してもよい。前者の場合、センサは、リアルタイムでセンサデータを呼吸回数算出装置10に出力してもよいし、センサデータを記憶しておき、その後所定のタイミング、例えば外部から所定の入力があったタイミングで、このセンサデータを呼吸回数算出装置10に出力してもよい。
次いで変換処理部110は、ステップS10で取得したセンサデータを処理することにより、スペクトルデータを生成する(ステップS20)。スペクトルデータは、例えば図4に例示するように、周波数別のパワーの時間変化を示している。一例として、スペクトルデータは3次元のデータであり、x軸が時間(時刻)であり、y軸が周波数であり、色(又はz軸)がパワーを示している。
次いで変換処理部110は、ステップS20で生成したスペクトルデータを処理することにより、呼吸音パワーデータを生成する(ステップS30)。スペクトルデータは、上記したように、周波数別のパワーの時間変化を示している。言い換えると、スペクトルデータは、複数の時刻別かつ周波数別のパワーを示している。そして変換処理部110は、各時刻別に、周波数別のパワーを処理する(例えば所定の演算を行った後に加算する)ことにより、呼吸音パワーデータを生成する。
次いでフィルタ処理部120は、ステップS30で生成した呼吸音パワーデータに対して平滑化処理、具体的にはローパスフィルタを通す処理を行う。これにより、呼吸音パワーデータから、呼吸音の周波数より高周波の成分がある程度除去され、フィルタ処理後データが生成される。
次いで呼吸回数算出部130は、フィルタ処理後データを処理することにより呼吸回数を算出する(ステップS50)。
図6は、図3のステップS50の詳細例を示すフローチャートである。なお、各処理で生成されるデータの一例は、図5に示されている。
まず呼吸回数算出部130は、フィルタ処理後データを時間で微分することにより、微分データを生成する(ステップS110)。次いで呼吸回数算出部130は、微分データが0値をとるタイミング、言い換えると候補データが極大値及び極小値をとるタイミン(以下、極値タイミングと記載)を検出する(ステップS120)。
そして呼吸回数算出部130は、ステップS120で検出した極値タイミングのうち、基準を満たすタイミングを選択する(ステップS130)。ここで用いられる基準は、上記したように極値タイミングの間隔に関している。極値タイミングの間隔は、呼吸の間隔によって変化する。一方、呼吸の間隔は極端に短くなることはあり得ない。そこで呼吸回数算出部130は、間隔が極端に短い極値タイミングについては、処理対象から除く。この処理の具体例については、他の図を用いて後述する。
そして呼吸回数算出部130は、所定期間内における極値タイミングの回数、すなわち微分データが0値をとった回数を用いて、当該所定期間における呼吸回数を算出する(ステップS140)。一例として、極値タイミングが極大値のタイミング及び極小値のタイミングの双方を含んでいる場合、呼吸回数算出部130は、極値タイミングの回数を2で割った値を呼吸回数とする。一方、極値タイミングが極大値のタイミング及び極小値のタイミングの双方の一方のみであった場合、呼吸回数算出部130は、極値タイミングの回数をそのまま呼吸回数とする。
図7は、図6のステップS130で行われる処理の第1例を説明する図である。図6のステップS130において説明したように、極値タイミングの間隔は、呼吸の間隔によって変化する。そこで呼吸回数算出部130は、処理対象となっている呼吸音パワーデータに含まれる複数の極値タイミングの間隔を統計処理した結果を用いて、基準を満たす極値タイミングを選択する。例えば呼吸回数算出部130は、極値タイミングの間隔の平均値を算出し、この平均値に基準値(<1)を乗じた値未満となる間隔(以下、除去対象間隔と記載)があったとき、その除去対象間隔を定義する極値タイミングの少なくとも一方を、処理対象から除く。ここで用いられる基準値は、例えば0超0.2以下、好ましくは0超0.1以下の範囲から選択される。例えば極値タイミングが、極大値及び極小値の一方のみのタイミングとして規定されている場合、呼吸回数算出部130は、除去対象間隔を規定する極値タイミングのうち当該一方に相当する極値タイミングを除去する。一方、極値タイミングが、極大値のタイミング及び極小値のタイミングの双方を含んでいる場合、呼吸回数算出部130は、除去対象間隔を規定する極大値及び極小値の双方に対応する極値タイミングを除去する。
図8は、図6のステップS130で行われる処理の第2例を説明する図である。本図に示す例において、呼吸回数算出部130は、処理対象となっている呼吸音パワーデータに含まれる複数の極値タイミングの間隔があらかじめ設定された値未満となっている部分を、除去対象間隔として選択する。そして、除去対象間隔を定義する極値タイミングを、処理対象から除く。除去される極値タイミングの種類(極大値/極小値)は、図7を用いて説明したとおりである。
以上、本実施形態によれば、呼吸回数算出装置10は、呼吸音のパワーの時間変化を示す呼吸音パワーデータに対して平滑化用のフィルタを処理することにより、フィルタ処理後データを生成する。そして呼吸回数算出装置10は、フィルタ処理後データにおいて、前記パワーが極値となるタイミング、すなわち極値タイミングを複数特定し、これら複数の極値タイミングを用いて呼吸回数を算出する。ここで、極値タイミングの間隔は、呼吸の間隔によって変化する。ここで呼吸の間隔は極端に短くなることはあり得ない。そこで呼吸回数算出装置10は、間隔が基準を満たす極値タイミングを用いて、呼吸回数を算出する。したがって、呼吸回数の算出精度は高くなる。
以上、図面を参照して実施形態及び実施例について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
10 呼吸回数算出装置
110 変換処理部
120 フィルタ処理部
130 呼吸回数算出部

Claims (5)

  1. 呼吸音のパワーの時間変化を示す呼吸音パワーデータに対して平滑化用のフィルタを処理することにより、フィルタ処理後データを生成するフィルタ処理部と、
    前記フィルタ処理後データにおいて、前記パワーが極値となるタイミングである極値タイミングを複数特定し、当該複数の極値タイミングのうち基準を見満たす極値タイミングを用いて呼吸回数を算出する呼吸回数算出部と、
    を備え、
    前記基準は、前記極値タイミングの間隔に関する基準である呼吸回数算出装置。
  2. 請求項1に記載の呼吸回数算出装置において、
    前記基準は、前記呼吸音パワーデータに含まれる前記複数の極値タイミングの間隔を統計処理した結果を用いて設定されている呼吸回数算出装置。
  3. 請求項1に記載の呼吸回数算出装置において、
    前記基準は、「前記間隔があらかじめ設定された値以上」である呼吸回数算出装置。
  4. コンピュータが、
    呼吸音のパワーの時間変化を示す呼吸音パワーデータに対して平滑化用のフィルタを処理することにより、フィルタ処理後データを生成し、
    前記フィルタ処理後データにおいて、前記パワーが極値となるタイミングである極値タイミングを複数特定し、当該複数の極値タイミングのうち基準を見満たす極値タイミングを用いて呼吸回数を算出し、
    前記基準は、前記極値タイミングの間隔に関する基準である呼吸回数算出方法。
  5. コンピュータに、
    呼吸音のパワーの時間変化を示す呼吸音パワーデータに対して平滑化用のフィルタを処理することにより、フィルタ処理後データを生成する機能と、
    前記フィルタ処理後データにおいて、前記パワーが極値となるタイミングである極値タイミングを複数特定し、当該複数の極値タイミングのうち基準を見満たす極値タイミングを用いて呼吸回数を算出する機能と、
    を持たせ、
    前記基準は、前記極値タイミングの間隔に関する基準であるプログラム。
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