JP2021093947A - 皮膚バリア機能低下抑制剤の評価又は選択方法 - Google Patents

皮膚バリア機能低下抑制剤の評価又は選択方法 Download PDF

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Abstract

【課題】皮膚バリア機能低下抑制剤の評価又は選択のための迅速で簡便な方法の提供。【解決手段】被験物質及び黄色ブドウ球菌プロテアーゼを適用した3次元培養皮膚モデルにおける、サイトカインの発現、細胞接着因子の量、及び角層構造からなる群より選択される少なくとも1つを評価することを含む、皮膚バリア機能低下抑制剤の評価及び/又は選択方法。【選択図】なし

Description

本発明は、皮膚バリア機能低下抑制剤を評価又は選択する方法に関する。
皮膚の最外層には、角層と呼ばれる数層から数十層に規則正しく重なる構造が存在する。角層は、皮膚の内側からの水分の蒸散を防ぐ機能と、外界から皮膚への物質の侵入を防ぐ機能をつかさどっており、これらの機能は皮膚のバリア機能と呼ばれている。アトピー性皮膚炎の患者では、皮膚バリア機能が恒常的に低下していることが知られている。アトピー性皮膚炎との関連が報告されている因子として、アレルゲン(例えばハウスダストダニ、花粉)、黄色ブドウ球菌などが知られている。バリア機能が低下した皮膚は、これらのアレルゲン又は菌が侵入しやすい状態にある。侵入したアレルゲン又は菌は、それらが保有するプロテアーゼによりさらに皮膚バリア機能を低下させ、又は炎症性応答を介して様々な皮膚トラブルを惹起する可能性がある。皮膚のバリア機能の維持及び低下の抑制は、健康な皮膚を維持し、又は乾燥肌、荒れ肌、アトピー性皮膚炎等を改善するために重要である。
従前、皮膚バリア機能の評価は、実験動物又は動物から単離した皮膚組織を用いて行われていた(例えば非特許文献1、2)。しかし、これらの方法は手間や時間がかかり、また実験動物を必要とするため好ましくない。非特許文献3では、培養ケラチノサイトを用いて小麦グルテン、ダニ、トリプシンなどのアレルゲンタンパク質に対する免疫応答を調べたことが開示されている。しかし、ケラチノサイトの単層培養物は、実際の皮膚とは構造的に異なるため、皮膚モデルとしては不十分である。特許文献1には、再生表皮モデルにハウスダスト及びシソエキスを適用して48時間培養した後、炎症性サイトカイン関連遺伝子及び皮膚バリア機能関連遺伝子の発現を指標に、該表皮モデルの炎症や皮膚バリア機能を評価したことが開示されている。
特開2018−183105号公報
J Invest Dermatol, 2010, 130(2):614-617 J Invest Dermatol, 2008, 128(4):906-916 J Immunotoxicol, 2017, 14(1):178-187
本発明は、皮膚バリア機能低下抑制剤の評価又は選択のための迅速かつ簡便な方法を提供する。
本発明者らは、3次元培養皮膚モデルに黄色ブドウ球菌プロテアーゼを曝露する試験系を用い、かつ該皮膚モデルにおけるサイトカインの発現レベル、細胞接着因子の分解レベル、又は角層構造の保持レベルを指標とすることで、比較的短時間に、被験物質の皮膚バリア機能低下に及ぼす作用を評価することができることを見出した。
したがって、本発明は、被験物質及び黄色ブドウ球菌プロテアーゼを適用した3次元培養皮膚モデルにおける、サイトカインの発現、細胞接着因子の量、及び角層構造からなる群より選択される少なくとも1つを評価することを含む、皮膚バリア機能低下抑制剤の評価及び/又は選択方法を提供する。
本発明によれば、実験動物又は動物から単離した皮膚組織を用いることなく、簡便かつ迅速に、物質の皮膚バリア機能低下抑制作用を評価することができる。また本発明では、3次元培養皮膚モデルを用いることでプロテアーゼ刺激に対する皮膚の応答を再現することができるので、現実の皮膚に対して効果のある皮膚バリア機能低下抑制剤を効率よく探索することができる。
各種アレルゲンによる刺激の3時間後の3次元培養皮膚モデルにおけるサイトカイン発現。エラーバー=S.D.(n=3)、*;p<0.05、**;p<0.01(Dunnet検定 vs コントロール)。 プロテアーゼ刺激1〜18時間後の3次元培養皮膚モデルにおけるサイトカイン発現。(a)TSLP遺伝子発現結果、(b)IL−8遺伝子発現結果。エラーバー=S.D.(n=3)、*;p<0.05、**;p<0.01(Turkey検定)。 図2−1の続き。(c)IL−1α遺伝子発現結果、(d)IL−1β遺伝子発現結果。 図2−2の続き。(e)TNFα遺伝子発現結果。 3次元培養皮膚モデルにおけるサイトカイン発現に及ぼすプロテアーゼ刺激濃度の検討結果。エラーバー=S.D.(n=3)、*;p<0.05、**;p<0.01(Dunnet検定)。 3次元培養皮膚モデルにおけるプロテアーゼ刺激誘導サイトカイン発現に対する試験物質の抑制作用。エラーバー=S.D.(n=3)、*;p<0.05、**;p<0.01(Dunnet検定)。 3次元培養皮膚モデルにおける細胞接着因子のウエスタンブロット像。黒矢印は、上からE−Cadherin及びClaudin−1のバンドの位置を示す。 3次元培養皮膚モデルの組織切片の免疫染色像。
本発明は、皮膚バリア機能低下抑制剤の評価及び/又は選択方法を提供する。本発明においては、3次元培養皮膚モデルにおける、黄色ブドウ球菌プロテアーゼ刺激に対するサイトカインの発現、細胞接着因子の分解又は角層構造の保持を指標として、物質の皮膚バリア機能低下抑制作用を評価する。さらに、当該評価に基づいて、皮膚バリア機能低下抑制作用を有する物質を皮膚バリア機能低下抑制剤として選択する。
より詳細には、本発明の皮膚バリア機能低下抑制剤の評価及び/又は選択方法(以下、単に本発明の方法ともいう)は、被験物質及び黄色ブドウ球菌プロテアーゼを適用した3次元培養皮膚モデルにおける、サイトカインの発現、細胞接着因子の量、及び角層構造からなる群より選択される少なくとも1つを評価することを含む。
本発明の方法で用いられる3次元培養皮膚モデルとは、好ましくは3次元培養表皮細胞モデルであり、より好ましくは3次元培養ヒト由来表皮細胞モデルである。このような3次元培養皮膚モデルは、培養系を構築してもよいが、市販されているものを購入することもできる。一例において、3次元培養皮膚モデルは、特開2000−201695号公報又は特開2005−13717号公報に記載の方法に従って、コラーゲンゲルに包埋した繊維芽細胞と表皮細胞とを共培養することにより構築することができる。別の一例において、3次元培養皮膚モデルは、Ponecらの方法(J Invest Dermatol, 1997, 109:348-355)に従って、表皮細胞を気液界面培養することにより構築することができる。市販の3次元培養皮膚モデルの例としては、EpiDermTM、皮膚3次元モデルEPI−200・212・200X・606・606X・201・296、皮膚3次元モデルEFT−400・412、皮膚3次元モデルMEL−300・312・606・301、皮膚3次元モデルMLNM−FT−A375(MatTek);EpiSkin、RHE、RHPE(SkinEthic);TESTSKINTM LSE−high、MATREXTM LDM(TOYOBO);LabCyte EPI−MODEL(J−TEC)、等が挙げられる。本発明の方法で用いられる3次元培養皮膚モデルは、角層を含むものであればよいが、基底層、有棘層、顆粒層及び角層を含むものが好ましい。市販の3次元培養皮膚モデルを使用する場合は、角層を含む表皮構造が既に形成されている培養6日目程度の3次元培養皮膚モデルを購入し、1日〜数日間順化のため前培養し、その後本発明の方法に用いるのが好ましい。
本発明の方法で用いられる黄色ブドウ球菌プロテアーゼの例としては、V8プロテアーゼが挙げられる。V8プロテアーゼは黄色ブドウ球菌V8株が培地中に分泌するセリンプロテアーゼの一種で、グルタミン酸及びアスパラギン酸のC末端側のペプチド結合を特異的に切断するセリンプロテアーゼである。V8プロテアーゼは、黄色ブドウ球菌V8株の培養物から公知情報に従って精製・単離したものを用いても良いが、V8プロテアーゼとして市販されているものを用いても良い(例えば、富士フイルム和光純薬工業(株);164−13982)。
3次元培養皮膚モデルにプロテアーゼを適用する手法としては、皮膚がアレルゲンや菌に曝露される実環境を考慮し、プロテアーゼの溶液を、塗布、噴霧、散布、滴下、貼付等により3次元培養皮膚モデルの角層上に適用することが挙げられる。このうち、ろ紙や不織布等にプロテアーゼ溶液を含侵させたものを3次元培養皮膚モデルの角層上に貼付させることが好ましい。
3次元培養皮膚モデルに対するプロテアーゼの適用量は、3次元培養皮膚モデルの角層の表面積1cm2あたり、好ましくは5〜15U(液量として32〜97μL)、より好ましくは10〜15U(液量として64〜97μL)である。なお、プロテアーゼ活性1単位(U)とは、2−Phe−Leu−Glu−4−NAを基質としてpH7.8、25℃において1分間に1μmolの4−ニトロアニリンを生成する酵素量とする。プロテアーゼの溶液を用いる場合、該溶液中のプロテアーゼ濃度は、上述した量のプロテアーゼを角層の表面に満遍なく適用することができるように、適宜調整すればよい。例えば、該溶液中のプロテアーゼ濃度は、好ましくは0.5〜1.5質量%、より好ましくは1.0〜1.5質量%であればよい。また、プロテアーゼタンパク量当たりのプロテアーゼ活性としては、好ましくは5〜40U/mgであり、より好ましくは10〜30U/mgである。
本発明の方法で用いられる被験物質は、皮膚バリア機能低下抑制剤として使用することを所望する物質であれば、特に制限されない。被験物質は、天然に存在する物質であっても、化学的又は生物学的方法等で人工的に合成した物質であってもよく、また化合物であっても、組成物若しくは混合物であってもよい。被験物質の形態は、特に制限されず、固形、半固形、ゲル、液体、気体等いずれの形態であってもよいが、ゲル又は液体が好ましい。
3次元培養皮膚モデルに被験物質を適用する手法としては、例えば、被験物質を所定の最終濃度になるように含有する培地で3次元培養皮膚モデルを培養すること;3次元培養皮膚モデルを含む培地に、被験物質を所定の最終濃度になるように添加すること;被験物質を、塗布、噴霧、散布、滴下、貼付、照射等により、3次元培養皮膚モデルに対して直接適用すること、などが挙げられる。被験物質が外用剤もしくは外用剤として用いることを企図した物質であるか、又は被験物質がゲル又は液体である場合、該被験物質は、塗布、噴霧、散布、滴下、貼付等により、3次元培養皮膚モデルの角層上に適用されることが好ましい。
被験物質の濃度及び適用量は、被験物質の形態、化学的性質、細胞毒性、予想される皮膚感作性の強度等に基づいて適宜設定すればよい。好ましくは、被験物質の濃度及び適用量は、該被験物質を角層の表面に満遍なく適用することができるように適宜調整される。
3次元培養皮膚モデルに対する被験物質及び黄色ブドウ球菌プロテアーゼの適用の順序は特に制限されない。一実施形態においては、3次元培養皮膚モデルに対して被験物質を適用し、次いで黄色ブドウ球菌プロテアーゼを適用する。別の一実施形態においては、3次元培養皮膚モデルに対して黄色ブドウ球菌プロテアーゼを適用し、次いで被験物質を適用する。別の一実施形態においては、3次元培養皮膚モデルに対して被験物質及び黄色ブドウ球菌プロテアーゼを同時に適用する。好ましくは、3次元培養皮膚モデルに対して被験物質を適用し、次いで黄色ブドウ球菌プロテアーゼを適用する。
より好ましい実施形態においては、まず、被験物質を、塗布、噴霧、散布、滴下、貼付等により、3次元培養皮膚モデルの角層上に適用し、次いで、黄色ブドウ球菌プロテアーゼの溶液を、塗布、噴霧、散布、滴下、貼付等により、該3次元培養皮膚モデルの角層上に適用する。被験物質を適用後、黄色ブドウ球菌プロテアーゼを適用するまでの間隔には特に限定はないが、好ましくは1〜60分間、より好ましくは5〜30分間、さらに好ましくは10〜20分間である。
本発明の方法においては、被験物質及び黄色ブドウ球菌プロテアーゼを適用した3次元培養皮膚モデルを培養する。培養の時間は、1時間以上であればよく、好ましくは3時間以上、より好ましくは3〜18時間、さらに好ましくは3〜9時間である。その他の培養条件は、3次元培養皮膚モデルの通常の培養条件に従えばよい。例えば、培地には、市販の3次元培養皮膚モデルに付属の培地又は付属のプロトコルに従って調製した培地を用いることができる。当該培地を用いて、好ましくは37℃、5%CO2の条件下で、上述の時間で該皮膚モデルを培養すればよい。
続いて、上記の手順で培養した3次元培養皮膚モデルにおけるサイトカインの発現、細胞接着因子の量、又は角層構造を評価する。本発明の方法においては、サイトカインの発現、細胞接着因子の量、及び角層構造のいずれか1つを評価すればよいが、これらの2つ以上、又は全てを評価してもよい。
本発明の方法で評価するサイトカインは、黄色ブドウ球菌プロテアーゼの曝露によりその発現量が変化するサイトカインであれば特に制限されるものではなく、インターロイキン、インターフェロン、胸腺間質性リンパ球新生因子(thymic stromal lymphopoietin;TSLP)、腫瘍壊死因子(tumor necrosis factor;TNF)、TGF、FGF、KGF、HGF、IGF、エイコサノイド、SCF、MCP、CSFなどが挙げられる。測定方法の簡便性の観点から、好ましい例としてインターロイキン−1α(IL−1α)、インターロイキン−1β(IL−1β)、インターロイキン−8(IL−8)、TSLP、TNFαが挙げられ、より好ましい例としてIL−1β及びIL−8が挙げられる。本発明の方法においては、上記に挙げたサイトカイン種のいずれか1種又はいずれか2種以上の発現を評価すればよい。
サイトカインの発現は、該サイトカインのポリペプチドの発現、該ポリペプチドをコードする遺伝子もしくはmRNAの発現、又は該遺伝子のプロモーターの活性化等に基づいて該サイトカインの発現量を測定することにより、評価することができる。サイトカイン発現量の測定は、目的のパラメータ(例えば、ポリペプチド発現、遺伝子又はmRNA発現、プロモーター活性化等)の測定方法として当該分野で公知の方法に従って行えばよい。例えば、遺伝子又はmRNA発現の測定方法としては、ドットブロット法、ノーザンブロット法、RT−PCR、リアルタイムRT−PCR、マイクロアレイが、レポーター遺伝子を用いたプロモーター活性や転写活性の蛍光・光学的測定(レポーターアッセイ)等、及びこれらの組み合わせが挙げられる。ポリペプチド発現の測定方法の例としては、アガロースゲル電気泳動、SDS−PAGE、クロマトグラフィー法、免疫学的測定法(例えば、免疫組織化学、ELISA、ウエスタンブロット、免疫沈降等)、比色定量法、質量分析、電子顕微鏡観察等、及びこれらの組み合わせが挙げられる。
測定したサイトカインの発現を対照と比較することで、黄色ブドウ球菌プロテアーゼによるサイトカイン発現の上昇(すなわち、該プロテアーゼによる炎症)に対する被験物質の影響を調べることができる。より詳細には、被験物質添加群におけるサイトカイン発現レベルが対照と比較して低いか否かを調べる。例えば、被験物質添加群におけるサイトカイン発現レベルが対照と比較して統計学的に有意に低下していれば、該サイトカイン発現の上昇が該被験物質により抑制されたと判断し得る。また例えば、被験物質添加群におけるサイトカイン発現レベルが対照に対して好ましくは80%以下、より好ましくは70%以下に低下していれば、該サイトカイン発現の上昇が該被験物質により抑制されたと判断し得る。
本発明の方法で評価する細胞接着因子の例としては、Cadherinなどの細胞表面タンパク質;Claudin、Desmoglein−1(DSG−1)、Occludin、junctional adhesion molecule(JAM)などの膜貫通型タンパク質;zonula occludens(ZO)−1、2及び3などの細胞質内に存在するタンパク質、などが挙げられ、特に制限されない。好ましい例としては、E−Cadherin、Claudin−1、DSG−1及びZO−1が挙げられる。本発明の方法においては、上記に挙げた細胞接着因子のいずれか1種又はいずれか2種以上の量を評価すればよい。
細胞接着因子の量の測定は、当該分野で公知のタンパク質の測定方法に従って行えばよい。測定方法の例としては、アガロースゲル電気泳動、SDS−PAGE、クロマトグラフィー法、免疫学的測定法(例えば、免疫組織化学、ELISA、ウエスタンブロット、免疫沈降等)、比色定量法、質量分析、電子顕微鏡観察等、及びこれらの組み合わせが挙げられる。
測定した細胞接着因子の量を対照と比較することで、黄色ブドウ球菌プロテアーゼによる細胞接着因子の分解(すなわち、該プロテアーゼによる皮膚組織の破壊)に対する被験物質の影響を調べることができる。より詳細には、被験物質添加群における細胞接着因子の量が対照と比較して多いか否かを調べる。例えば、被験物質添加群における細胞接着因子の量が対照と比較して統計学的に有意に増加していれば、該細胞接着因子の分解が該被験物質により抑制されたと判断し得る。また例えば、被験物質添加群における細胞接着因子の量が対照に対して120%以上、好ましくは150%以上に増加していれば、該細胞接着因子の分解が該被験物質により抑制されたと判断し得る。
角層構造の評価は、3次元培養皮膚モデルの顕微鏡観察、免疫組織化学的観察等により実施することができる。角層構造を対照と比較することで、黄色ブドウ球菌プロテアーゼによる角層構造の破壊に対する被験物質の影響を調べることができる。より詳細には、角層の厚さ、角層の形状などに基づいて、被験物質添加群における角層構造が、対照と比較してより保持されているか(より破壊されていないか)否かを調べる。被験物質添加群における角層構造が対照群よりも保持されていれば、該角層構造の破壊が被験物質により抑制されたと判断し得る。
上述したサイトカイン発現レベル、細胞接着因子の量、及び角層構造の比較に用いられる対照としては、被験物質の適用条件以外は上述と同様の条件で培養した3次元培養皮膚モデルが挙げられる。例えば、被験物質非添加で黄色ブドウ球菌プロテアーゼを適用して培養した3次元培養皮膚モデル(例えば、黄色ブドウ球菌プロテアーゼのみを適用して培養した3次元培養皮膚モデル、黄色ブドウ球菌プロテアーゼと対照物質とを適用して培養した3次元培養皮膚モデル、等)、黄色ブドウ球菌プロテアーゼと低濃度の被験物質を適用して培養した3次元培養皮膚モデル、などが挙げられる。ただし、被験物質の影響を比較できる限りにおいて、対照の種類はこれらに限定されない。
本発明の方法においては、上述のとおり評価したサイトカインの発現レベル、細胞接着因子の分解レベル、又は角層構造の保持レベルを指標として、被験物質の皮膚バリア機能の低下抑制作用を評価する。
一例として、サイトカインの発現レベルを指標とする場合、被験物質添加群でのサイトカイン発現レベルが対照と比較して低下していれば、該被験物質は、黄色ブドウ球菌プロテアーゼによるサイトカイン発現の上昇を抑制したと判断される。該被験物質は、皮膚バリア機能低下抑制剤として選択することができる。
別の一例として、細胞接着因子の分解レベルを指標とする場合、被験物質添加群での細胞接着因子の量が対照と比較して増加していれば、該被験物質は、黄色ブドウ球菌プロテアーゼによるによる細胞接着因子の分解を抑制したと判断される。該被験物質は、皮膚バリア機能低下抑制剤として選択することができる。
別の一例として角層構造の保持レベルを指標とする場合、被験物質添加群での角層構造が対照と比較して保持されていれば、該被験物質は、黄色ブドウ球菌プロテアーゼによるによる角層構造の破壊を抑制したと判断される。該被験物質は、皮膚バリア機能低下抑制剤として選択することができる。
また、本発明の方法を、経皮水分蒸散量(TEWL)や蛍光物質等の皮膚への浸透量等を指標とする従来公知の皮膚バリア機能評価方法と併用して、皮膚バリア機能低下抑制剤の評価又は選択を行うことも可能である。
本発明の例示的実施形態として、さらに以下を本明細書に開示する。ただし、本発明はこれらの実施形態に限定されない。
〔1〕被験物質及び黄色ブドウ球菌プロテアーゼを適用した3次元培養皮膚モデルにおける、サイトカインの発現、細胞接着因子の量、及び角層構造からなる群より選択される少なくとも1つを評価することを含む、皮膚バリア機能低下抑制剤の評価及び/又は選択方法。
〔2〕好ましくは、以下:
前記3次元培養皮膚モデルの角層上に、前記被験物質を適用し、次いで前記黄色ブドウ球菌プロテアーゼの溶液を適用すること;
該3次元培養皮膚モデルを培養すること;及び、
該3次元培養皮膚モデルにおける、サイトカインの発現、細胞接着因子の量、及び角層構造からなる群より選択される少なくとも1つを評価すること、
を含む、〔1〕記載の方法。
〔3〕好ましくは前記黄色ブドウ球菌プロテアーゼがV8プロテアーゼである、〔1〕又は〔2〕記載の方法。
〔4〕前記サイトカインが、
好ましくはインターロイキン、インターフェロン、TSLP、TNF、TGF、FGF、KGF、HGF、IGF、エイコサノイド、SCF、MCP、及びCSFからなる群より選択される少なくとも1種であり、
より好ましくはIL−1α、IL−1β、IL−8、TSLP、及びTNFαからなる群より選択される少なくとも1種であり、
さらに好ましくはIL−1β及びIL−8からなる群より選択される少なくとも1種である、
〔1〕〜〔3〕のいずれか1項記載の方法。
〔5〕前記細胞接着因子が、
好ましくは、細胞表面タンパク質、膜貫通型タンパク質、及び細胞質内タンパク質からなる群より選択される少なくとも1種であり、
より好ましくは、Cadherin、Claudin、DSG−1、Occludin、JAM、ZO−1、ZO−2、及びZO−3からなる群より選択される少なくとも1種であり、
さらに好ましくは、E−Cadherin、Claudin−1、DSG−1及びZO−1からなる群より選択される少なくとも1種である、
〔1〕〜〔4〕のいずれか1項記載の方法。
〔6〕前記培養が、好ましくは3時間以上、より好ましくは3〜18時間、さらに好ましくは3〜9時間行われる、〔2〕〜〔5〕のいずれか1項記載の方法。
〔7〕好ましくは、前記被験物質及び前記黄色ブドウ球菌プロテアーゼを適用した3次元培養皮膚モデルにおけるサイトカインの発現、細胞接着因子の量及び角層構造からなる群より選択される少なくとも1つを、対照と比較することをさらに含む、〔1〕〜〔6〕のいずれか1項記載の方法。
〔8〕好ましくは、前記対照と比較して、前記サイトカインの発現が低下しているか、前記細胞接着因子の量が増加しているか、又は前記角層構造が保持されている場合に、前記被験物質を皮膚バリア機能低下抑制剤として選択することをさらに含む、〔7〕記載の方法。
〔9〕前記対象が、
好ましくは、被験物質非添加で黄色ブドウ球菌プロテアーゼを適用して培養した3次元培養皮膚モデルであり、
より好ましくは、黄色ブドウ球菌プロテアーゼのみを適用して培養した3次元培養皮膚モデル、又は黄色ブドウ球菌プロテアーゼと対照物質とを適用して培養した3次元培養皮膚モデルである、
〔7〕又は〔8〕記載の方法。
以下、実施例に基づき本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
実施例1 アレルゲン刺激による細胞応答の誘導
3次元培養皮膚モデル(LabCyte EPI−MODEL12、6日培養品、12well、J−TEC、製品コード:401112)をアッセイ培地(キット付属品)で1日培養した(37℃、5%CO2濃度)。細胞の角層側にアレルゲン溶液又はPBS(コントロール)を60μL含浸させたろ紙(PAPER DISC FOR ANTIBIOTIC ASSAY,THIN,8mm,ADVANTECTM)を載置し、さらに3時間培養し、細胞を回収した。アレルゲン溶液には、表1記載のものを用いた。
Figure 2021093947
回収した細胞をPBSで一度洗浄した。RNeasy mini kit(QIAGEN)に付属のRNA抽出用溶液を含む1.5mLチューブに洗浄した細胞を入れ、該キット付属のプロトコルに従ってRNAを抽出した。抽出したRNAを逆転写反応に供した。逆転写反応にはHigh−Capacity RNA−to−cDNA Kit(Life Technologies)を用い、付属のプロトコルに従ってcDNAを得た。得られたcDNAを用いて、リアルタイムPCRによりサイトカイン TSLP、IL−8、IL−1α及びIL−1βの発現を解析した。TaqMan Gene Expression Assays(Applied Biosystems)を使用し、7500 Real Time PCR System(Applied Biosystems)を用いて各サイトカインの遺伝子発現を解析した。解析に使用したプローブ(全てApplied Biosytems)は以下に示す通りであった。各遺伝子の発現量は、RPLP0の発現量で補正した。
RPLP0: Hs9999902_m1
TSLP: Hs00263639_m1
C−X−C motif chemokine ligand 8(IL−8): Hs00174103_m1
IL−1α: Hs00174092_m1
IL−1β: Hs01555410_m1
遺伝子発現解析の結果を図1に示す。アレルゲンとして黄色ブドウ球菌プロテアーゼを用いた場合、刺激から3時間程度で調べた全てのサイトカイン種が統計学的に有意に発現増加した。黄色ブドウ球菌プロテアーゼ以外のアレルゲンを適用した場合には、3時間後ではサイトカイン発現に有意な増加がみられない場合があった。3次元培養皮膚モデルに対して黄色ブドウ球菌プロテアーゼを直接適用することで、短時間でアレルゲン刺激に対する強い炎症反応が誘導されることが示された。
実施例2 プロテアーゼ刺激に対する細胞応答の経時変化
アレルゲン溶液として実施例1で用いた黄色ブドウ球菌プロテアーゼ(V8プロテアーゼ)溶液及びダニ培地抽出物溶液を用いた。実施例1と同様の手順で、ただしアレルゲン溶液又はPBSを適用した後の培養時間を1、3、9又は18時間に変えて3次元培養皮膚モデルを培養し、細胞におけるTSLP、IL−8、IL−1α、IL−1β及びTNFαの発現を解析した。なお、TNFαの発現解析に使用したプローブ(Applied Biosytems)は以下に示す通りであった。
TNFα: Hs00174128_m1
遺伝子発現解析の結果を図2−1〜2−3に示す。V8プロテアーゼ溶液を適用した場合、調べた5種のサイトカイン全てにおいて、プロテアーゼ刺激3時間後に統計学的に有意な発現増加がみられた。
実施例3 プロテアーゼ刺激に対する細胞応答(プロテアーゼ濃度依存性)
実施例1で用いたV8プロテアーゼを用い、実施例1と同様の手順で、ただしV8プロテアーゼ溶液の濃度を0.5、1.0又は1.5質量%(5、10又は15U)に変えて3次元培養皮膚モデルに適用した。適用後3時間培養し、実施例1と同様の手順で細胞におけるTSLP、IL−8、IL−1α及びIL−1βの発現を解析した。
遺伝子発現解析の結果を図3に示す。調べた4種のサイトカイン中の3つ(TSLP、IL−8及びIL−1α)でプロテアーゼ濃度依存的に有意な発現の増加がみられた。一方、IL−1βでは1.0質量%プロテアーゼ条件で有意な発現の増加がみられた。
実施例4 試験物質のバリア機能低下抑制作用の評価
プロテアーゼ刺激3次元培養皮膚モデルを用いた試験物質のバリア機能低下抑制作用評価系を、バリア機能を担う角層細胞間脂質の膜構造と類似した被膜を形成することが既知である、合成セラミド(SLE、sphingolipid E;N−(ヘキサデシロキシヒドロキシプロピル)−N−ヒドロキシエチルヘキサデカナミド、花王製)を用いて検証した。SLEは、例えば日本化学会誌、1993年、No.10、p.1107-1117に記載の方法に準じて合成することができる。
1)試験物質の適用
3次元培養皮膚モデル(LabCyte EPI−MODEL12、6日培養品、12well、J−TEC、製品コード:401112)をアッセイ培地(キット付属品)で1日培養した。試験物質にはSLE含有製剤[SLE 2.5質量%、ステアリルアルコール 0.85質量%、液状油(スクワラン、シリコーン油)計4質量%、活性剤(モノステアリン酸グリセリン、N−アシル−L−グルタミン酸ナトリウム)計1.0質量%及び精製水、を含有するクリーム製剤]を用いた。対照物質にはSLE非含有製剤[SLE 0質量%、ステアリルアルコール 0.85質量%、液状油(スクワラン、シリコーン油)計4質量%、活性剤(モノステアリン酸グリセリン、N−アシル−L−グルタミン酸ナトリウム)計1.0質量%及び精製水、を含有するクリーム製剤]を用いた。3次元培養皮膚モデルの角層側に、試験物質又は対照物質を10μLずつ塗布し、10分間放置後実施例1で用いたV8プロテアーゼ溶液を含浸させたろ紙を載置した((+)SLE→V8プロテアーゼ刺激群、及び(−)SLE→V8プロテアーゼ刺激群)。無塗布→V8プロテアーゼ刺激群には、3次元培養皮膚モデルの角層側に、何も塗布せず実施例1で用いたV8プロテアーゼ溶液を含浸させたろ紙を載置した。無塗布→PBS群には、3次元培養皮膚モデルの角層側に、何も塗布せずPBSを含浸させたろ紙を載置した(表2参照)。
Figure 2021093947
2)培養
各群の3次元培養皮膚モデルを3時間培養した後、細胞におけるサイトカイン発現及び細胞接着因子の量を測定し、また角層構造を観察した。
3)サイトカイン発現の測定
実施例1と同様の手順でIL−1β及びIL−8の遺伝子発現を解析した。
4)細胞接着因子の測定
ウエスタンブロットにより細胞接着因子ZO−1、E−Cadherin、Claudin−1及びDSG−1を解析した。3次元培養皮膚モデルの細胞をPBSで一度洗浄してから、Urea含有Lysis buffer(2M Urea、100mM Tris−HCl(pH9.0)、2% SDS、Protease Inhibitor(cOmplete ULTRA,EDTA−free, #5892953001,Roche)で溶解した後、ホモジナイズと遠心を行い、その上清を蛋白質溶液とした。BCA Protein Assay Kit(#23225,Thermo Fischer Scientific、検量線作成はウシ血清アルブミンを使用)を用いてタンパク質定量を行った後、約1.5μg相当をSDS−PAGEで泳動し(70V,4−20%ミニプロティアンTGXゲル(#4561093,BioRad))、次いで転写(Trans−Blot Turbo Transfer Pack,MIXED MW(7min.1.3A constant);Bio−Rad)を行った。メンブレン(トランスブロット TurboTM ミニPVDF転写パック,#1704156,Bio−Rad)を5%スキムミルクでブロッキング(室温、1h)した後、Can Get Signal solution 1(TOYOBO)で希釈した一次抗体を反応させ(4℃、overnight)、次いでCan Get Signal solution 2(TOYOBO)で希釈した二次抗体を反応させた(4℃、1h)。検出は、ECL(Clarity Western ECL Substrate,Bio−Rad)を用いて行った。観察はImage Quant LAS−4000(富士フイルム)で行った。表3に使用した抗体と希釈率を示す。
Figure 2021093947
5)角層構造の観察
3次元培養皮膚モデルはSCEM(Super Cryoembedding Medium)液(川本法)にて包埋し凍結した。その後、クライオトーム(Thermo Scientific Microm クリオスタット HM550)で6μm厚の切片を作製し、使用するまで−80℃で保存した。凍結切片を融解後、冷却した4%PFA−PBSで組織切片を固定した。その後、Protein Block Serum−Free Ready to Use(Dako)で非特異的な結合を阻害した。1次抗体をCan get signal solution A(TOYOBO)に希釈し、1時間反応させた。その後、2次抗体とDAPI溶液(Invitrogen)をCan get signal solution Aで希釈し、30分間反応させた。Fluoromount−G(0100−01,SouthernBiotech)にて封入を行い、蛍光顕微鏡で観察した(蛍光フィルター:Alexa FluorTM555,Alexa FluorTM488,DAPI、顕微鏡:DM5500B(Leica))。表4に使用した抗体と希釈率を示す。
Figure 2021093947
各群におけるサイトカイン発現を図4に、細胞接着因子のウエスタンブロット像を図5に、3次元培養皮膚モデルの組織切片の免疫染色像を図6に示す。図4に示すとおり、バリア機能を担う角層細胞間脂質の膜構造と類似した被膜を形成するSLEを含有する製剤を塗布した細胞((+)SLE→V8プロテアーゼ刺激群)では、無塗布→V8プロテアーゼ刺激群と比較してIL−1βの発現が有意に抑制され、IL−8発現にも抑制傾向がみられた。一方、SLE非含有製剤を塗布した細胞((−)SLE→V8プロテアーゼ刺激群)では、いずれのサイトカイン発現にも有意な抑制は見られなかった。また図5に示すとおり、無塗布→V8プロテアーゼ刺激群及び(−)SLE→V8プロテアーゼ刺激群では細胞接着因子のバンドが消失していたが、(+)SLE→V8プロテアーゼ刺激群では細胞接着因子のバンドが観察され、SLEにより細胞接着因子の分解が抑制されていたことが示された。また図6の上図に示す通り、無塗布→V8プロテアーゼ刺激群及び(−)SLE→V8プロテアーゼ刺激群では角層が観察できなかったが、(+)SLE→V8プロテアーゼ刺激群では角層が観察され(上図中の白矢印を参照)、SLEにより角層構造の破壊が抑制されていたことが示された。また、図6の下図に示す通り、無塗布→V8プロテアーゼ刺激群及び(−)SLE→V8プロテアーゼ刺激群では細胞接着因子が破壊されていたが(下図中の矢印で示す囲った領域を参照)、(+)SLE→V8プロテアーゼ刺激群では細胞接着因子の構造が維持されていた。これらの結果は、SLEがV8プロテアーゼによる炎症誘導や角層構造の破壊を抑制することで、皮膚バリア機能の低下を抑制したことを表す。

Claims (8)

  1. 被験物質及び黄色ブドウ球菌プロテアーゼを適用した3次元培養皮膚モデルにおける、サイトカインの発現、細胞接着因子の量、及び角層構造からなる群より選択される少なくとも1つを評価することを含む、皮膚バリア機能低下抑制剤の評価及び/又は選択方法。
  2. 前記プロテアーゼがV8プロテアーゼである、請求項1記載の方法。
  3. 前記サイトカインがIL−1α、IL−1β、IL−8、TSLP、及びTNFαからなる群より選択される少なくとも1種である、請求項1又は2記載の方法。
  4. 前記細胞接着因子がE−Cadherin、Claudin−1、DSG−1及びZO−1からなる群より選択される少なくとも1種である、請求項1又は2記載の方法。
  5. 前記3次元培養皮膚モデルの角層上に、前記被験物質を適用し、次いで前記黄色ブドウ球菌プロテアーゼの溶液を適用すること;
    該3次元培養皮膚モデルを培養すること;及び、
    該3次元培養皮膚モデルにおける、サイトカインの発現、細胞接着因子の量、及び角層構造からなる群より選択される少なくとも1つを評価すること、
    を含む、請求項1〜4のいずれか1項記載の方法。
  6. 前記培養が3時間以上行われる、請求項5記載の方法。
  7. 前記被験物質及び前記黄色ブドウ球菌プロテアーゼを適用した3次元培養皮膚モデルにおけるサイトカインの発現、細胞接着因子の量及び角層構造からなる群より選択される少なくとも1つを、対照と比較することをさらに含む、請求項1〜6のいずれか1項記載の方法。
  8. 前記対照と比較して、前記サイトカインの発現が低下しているか、前記細胞接着因子の量が増加しているか、又は前記角層構造が保持されている場合に、前記被験物質を皮膚バリア機能低下抑制剤として選択することをさらに含む、請求項7記載の方法。
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