JP2021087298A - 需要家の電力取引に対する調整電力量を制御する電力取引制御装置、プログラム及び方法 - Google Patents
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Abstract
Description
一方で、近年、一般家庭にも、太陽光発電設備が設置されてきている。この場合、一般家庭のような需要家も、電力市場からの買電だけでなく、売電にも参加できるようになってきている。
電力は、大量に蓄電できないために、「送電元及び受電先」と「時間帯」とを、予め計画しておく必要がある。電力を安定的に供給するためには、需給バランス(需要と供給)を常に一致させる必要がある。需要家内の電力設備装置から電力系統へ放電する場合も、その電力量や時間帯を、需要家と小売電気事業者との間で事前に計画しておく必要がある。
しかしながら、電気自動車は移動可能なものであるために、予め計画された放電又は充電の時間に、電気自動車が需要家宅の充放電設備装置に接続されていない場合もあり得る。このように、需要家の宅内に配置された蓄電池の「不接続」によって、予め約定された電力取引を実行できないという問題がある。
勿論、蓄電池の電力の自家利用によって蓄電池残量が減少し、予め計画された電力量を電力系統へ放電できない場合もある。
そのために、小売電気事業者は、約定された電力取引が実行されない不確実度を予め想定し、その分のインバランスに備えた調整電力量を、他の需要家から調達できるようにしておく必要がある。
しかしながら、調整電力量が膨大となるほど、他者に依存した調整電力量の確保は、高コストとなる。
これに対し、本願の発明者らは、自事業者が提供する需要家間電力取引のサービスに加入する他の需要家、即ち、需要家同士の間で、調整電力量を調達することができないか、と考えた。
需要家の充放電設備装置それぞれについて、所定単位時間毎に、蓄電池の接続状態(接続/切断)を記録した接続状態履歴データベースと、
需要家の充放電設備装置それぞれについて、所定単位時間毎に、現単位時間よりも一定時間前の蓄電池の第1の接続状態から、現単位時間の蓄電池の第2の接続状態へ遷移する各状態遷移を記録する状態遷移履歴データベースと、
需要家の充放電設備装置それぞれについて、所定期間の所定時間帯毎に、蓄電池の第2の接続状態が「接続」となる状態遷移確率毎に、充放電確実度として算出する充放電確実度算出手段と、
実需給開始時点で電力取引をするべく約定された需要家の充放電設備装置の全てについて、実需給開始時点の時間帯における充放電確実度が低いほど、調整電力量が多くなるように決定する調整電力量決定手段と
を有することを特徴とする。
移動可能な蓄電池は、電気自動車である
ことも好ましい。
蓄電池の第1の接続状態から、蓄電池の第2の接続状態へ遷移する組合せとして、
接続/切断から接続/切断への4組の状態遷移
となることも好ましい。
需要家の世帯に属する各ユーザに、携帯端末が所持されており、
需要家毎の各携帯端末について、所定単位時間毎に、ユーザの在宅状態(在宅/不在)を記録した在宅状態履歴データベースを更に有し、
状態遷移履歴データベースは、所定単位時間毎に、現単位時間から一定時間前の蓄電池の第1の接続状態及びユーザの第1の在宅状態から、現単位時間の蓄電池の第2の接続状態及びユーザの第2の在宅状態へ遷移する各状態遷移を記録する
ことも好ましい。
蓄電池の第1の接続状態及びユーザの第1の在宅状態から、蓄電池の第2の接続状態及びユーザの第2の在宅状態へ遷移する組合せとして、
接続/切断及び在宅/不在から、接続/切断及び在宅/不在への16組の状態遷移
となることも好ましい。
在宅状態履歴データベースは、
需要家毎の携帯端末と、需要家の世帯のHEMS(Home Energy Management System)ゲートウェイとの疎通/不通を、在宅状態(在宅/不在)として記録するか、又は、
需要家毎の各携帯端末の位置情報が、需要家の世帯の位置情報の所定周辺範囲に含まれるか否かを、在宅状態(在宅/不在)として記録する
ことも好ましい。
需要家が複数の携帯端末を保有する際に、在宅を記録すべき携帯端末を選択する携帯端末選択手段を更に有し、
携帯端末選択手段は、
複数の携帯端末を保有する各需要家について、所定単位時間毎に、蓄電池の接続状態(接続/切断)と共に、各携帯端末の在宅状態(在宅/不在)を記録すると共に、
蓄電池の接続状態(接続/切断)と最も相関性の高い在宅状態(在宅/不在)となる携帯端末を選択する
ことも好ましい。
携帯端末選択手段は、所定期間毎に、携帯端末を選択し直すことも好ましい。
充放電確実度算出手段は、充放電確実度を、平日と休日とに、曜日毎に、月毎に又は季節毎に別々に区分する
ことも好ましい。
複数の需要家から、実需給開始時点の時間帯を指定した入札情報を受信し、注文を合致させて電力取引を約定させる約定処理手段と、
実需給開始時点の時間帯について、約定処理手段によって約定されなかった需要家の充放電設備装置を選択する調整需要家選択手段と、
調整電力量決定手段によって決定された調整電力量を、調整需要家選択手段によって選択された需要家の充放電設備装置から確保する調整電力量制御手段と
を更に有することも好ましい。
調整需要家選択手段は、約定されなかった需要家に対して調整電力量の提供の要求を送信し、提供可能の応答を受信した需要家の中から需要家の充放電設備装置を選択し、
調整電力量制御手段は、選択された需要家に対して調整電力量の確保の要求を送信する
ことも好ましい。
需要家の充放電設備装置それぞれについて、所定単位時間毎に、過去に電力取引を約定した約定電力量と、その電力取引を実施した実績電力量とを記録した充放電履歴データベースを更に有し、
充放電確実度算出手段は、需要家の充放電設備装置それぞれについて、約定した所定期間の所定時間帯毎に、実際に充放電された時間実績率を、充放電確実度に重み付ける
ことも好ましい。
需要家の充放電設備装置は、電力網と、HEMSゲートウェイ及び/又はホームゲートウェイを介した通信網とに接続されており、
需要家のHEMSゲートウェイは、通信網を介して電力取引制御装置に対して入札情報を送信すると共に約定情報を受信し、約定情報に応じて、電力網を介して送配電設備装置との間で電力を送電又は受電することを充放電設備装置に指示する
ことも好ましい。
需要家の充放電設備装置それぞれについて、所定単位時間毎に、蓄電池の接続状態(接続/切断)を記録した接続状態履歴データベースと、
需要家の充放電設備装置それぞれについて、所定単位時間毎に、現単位時間よりも一定時間前の蓄電池の第1の接続状態から、現単位時間の蓄電池の第2の接続状態へ遷移する各状態遷移を記録する状態遷移履歴データベースと、
需要家の充放電設備装置それぞれについて、所定期間の所定時間帯毎に、蓄電池の第2の接続状態が「接続」となる状態遷移確率毎に、充放電確実度として算出する充放電確実度算出手段と、
実需給開始時点で電力取引をするべく約定された需要家の充放電設備装置の全てについて、実需給開始時点の時間帯における充放電確実度が低いほど、調整電力量が多くなるように決定する調整電力量決定手段と
してコンピュータを機能させることを特徴とする。
装置は、
需要家の充放電設備装置それぞれについて、所定単位時間毎に、蓄電池の接続状態(接続/切断)を記録した接続状態履歴データベースと、
需要家の充放電設備装置それぞれについて、所定単位時間毎に、現単位時間よりも一定時間前の蓄電池の第1の接続状態から、現単位時間の蓄電池の第2の接続状態へ遷移する各状態遷移を記録する状態遷移履歴データベースと
を有し、
需要家の充放電設備装置それぞれについて、所定期間の所定時間帯毎に、蓄電池の第2の接続状態が「接続」となる状態遷移確率毎に、充放電確実度として算出する第1のステップと、
実需給開始時点で電力取引をするべく約定された需要家の充放電設備装置の全てについて、実需給開始時点の時間帯における充放電確実度が低いほど、調整電力量が多くなるように決定する第2のステップと
を実行することを特徴とする。
需要家設備装置2は、予め、通信網を介して電力取引制御装置1に対して、他の需要家に対する電力売買について入札する。また、需要家設備装置2は、約定された電力取引時に、送配電設備装置3によって管理される電力網を介して、他の需要家設備装置との間で電力を送電又は受電する。
送配電設備装置3は、約定された電力取引情報に応じて、需要家同士の間の電力系統を制御する。
充放電設備装置21は、電力網に接続され、送配電設備装置3の電力系統の制御に応じて電力を送電又は受電する。これは、電力網における交流の電気と、需要家宅内に接続さされた蓄電池における直流の電気とを変換する機能を有し、一般に「パワーコンディショナー」と称される。
充放電設備装置21は、HEMSゲートウェイ22からの指示によって蓄電池を充放電させ、電力網を介して送配電設備装置3との間で電力を送電又は受電する。
HEMSゲートウェイ22は、売電の場合、放電時刻(放電時間帯)と放電電力量とを含む「入札情報」を、ホームゲートウェイ23及び通信網を介して電力取引制御装置1へ送信する。
一方で、HEMSゲートウェイ22は、買電の場合、充電時刻(充電時間帯)と充電電力量とを含む「入札情報」を、ホームゲートウェイ23及び通信網を介して電力取引制御装置1へ送信する。このとき、入札情報に基づく電力取引時刻に宅内で消費されると予想される電力量を、買電の充電電力量としてもよい。
そして、HEMSゲートウェイ22は、通信網及びホームゲートウェイ23を介して電力取引制御装置1から、約定情報を受信する。その約定情報に基づいて充放電設備装置21へ指示する。
尚、HEMSゲートウェイ22は、ホームゲートウェイ23を介して携帯端末24と通信する。HEMSゲートウェイ22は、携帯端末24から、需要家のユーザからの入札情報を受信すると共に、約定情報を携帯端末24へ送信する。
ホームゲートウェイ23は、通信網に接続する装置であって、これを経由してユーザが所持する携帯端末24やHEMSゲートウェイ22は、電力取引制御装置1と通信する。
携帯端末24は、需要家のユーザによって所持されたスマートフォンであって、ホームゲートウェイ23を介してHEMSゲートウェイ22と通信する。勿論、携帯端末24は、ホームゲートウェイ23を介して、通信網に接続(又は直接的に通信網に接続)する。
携帯端末24は、買電の場合、ユーザ操作によって、充電時刻(充電時間帯)と充電電力量とを含む「入札情報」を、HEMSゲートウェイ22へ送信する。
また、携帯端末24は、HEMSゲートウェイ22から受信した電力取引の約定情報や蓄電池状態情報を受信し、需要家のユーザへ明示する。
<約定時>2019年6月29日15:00
約定された電力取引:
取引時刻:2019年7月1日18:00〜18:30
売手:需要家A
買手:需要家C
電力量:1kWh
価格:20.5円
推定時点とは、約定された電力取引に基づく実需給開始時点よりも一定時間前の時点をいう。ここでは、実需給開始時点よりも1時間前を、推定時点とする。
推定時点で、電力取引制御装置1は、取引時刻:2019年7月1日18:00〜18:30における全ての需給バランスを考慮し、調整電力量を決定する。電力取引の需要家全てについて電力取引が不実施となるであろう確率が高いほど、調整電力量も多く決定する。
また、電力取引制御装置1は、決定された調整電力量に基づいて売買可能な他の調整需要家を選択する。
ここで、本発明によれば、電力取引が不実施となるであろう条件として、電力取引が約定された需要家について、実需給開始時点に、移動可能な蓄電池(例えば電気自動車)の切断となっているか否かを推定する。一方で、調整需要家は、実需給開始時点に、電力取引が約定しなかったが、移動可能な蓄電池が接続されている確率が高い需要家が選択される。
需給開始時点には、約定された需要家の電力取引を実行すると共に、推定時点に決定された他の調整需要家の電力取引も実行する。これによって、この需給開始時点における全ての需給バランスを維持することができる。
図5は、電力取引制御装置と需要家設備装置との間のシーケンス図である。
図4によれば、電力取引制御装置1は、接続状態履歴データベース101と、在宅状態履歴データベース102と、状態遷移履歴データベース103と、充放電履歴データベース104とを有する。また、電力取引制御装置1は、充放電確実度算出部11と、調整電力量決定部12と、調整需要家選択部13と、調整電力量制御部14と、約定処理部15と、携帯端末選択部16とを有する。これら機能構成部は、装置に搭載されたコンピュータを機能させるプログラムを実行することによって実現される。また、これら機能処理部の処理の流れは、装置の電力取引制御方法としても理解できる。
約定処理部15は、複数の需要家から、実需給開始時点の時間帯を指定した入札情報を受信し、注文を合致させて電力取引を約定させる。
入札情報は、需要家設備装置2のHEMSゲートウェイ22から、ホームゲートウェイ23及び通信網を介して受信する。入札情報には、例えば以下の情報が含まれる。
需要家ID: 需要家(世帯)毎の識別子
蓄電池ID: 需要家が保有する移動可能な蓄電池(電気自動車)毎の識別子
(世帯毎に複数の蓄電池も識別)
取引種別: 売電/買電
日付時間帯(30分単位): 電力取引の対象とする日付時間帯
電力量: 例えば2kWh
入札価格: 例えば20.0円
これに対し、約定処理部15は、需要家のHEMSゲートウェイ22から、自動的に又はユーザ操作に応じて、調整電力量としての売電/買電の可否を受信する。約定処理部15は、当該需要家の蓄電池(電気自動車)について「調整電力可能」を受信した場合、その需要家の蓄電池を、調整電力供給の候補リストに登録する。
接続状態履歴データベース101は、需要家の充放電設備装置それぞれについて、所定単位時間毎に、蓄電池の接続状態(接続/切断)を記録したものである。
需要家ID: 需要家(世帯)毎の識別子
蓄電池ID: 需要家が保有する移動可能な蓄電池(電気自動車)毎の識別子
(世帯毎の複数の蓄電池も識別)
単位時間: 蓄電池の接続切断を評価する時間
(例えばJEPX運営の既存の電力市場における取引単位(30分))
蓄電池接続切断: 充放電設備装置に対する蓄電池の接続/切断の状態
接続されているか否かは、HEMSゲートウェイと充放電設備
装置との間のECHONET Liteによる通信で検知可能
状態遷移履歴データベース103は、需要家の充放電設備装置それぞれについて、所定単位時間毎に、現単位時間よりも一定時間前の蓄電池の第1の接続状態から、現単位時間の蓄電池の第2の接続状態へ遷移する各状態遷移を記録する。
日付 :1日単位であって、単位時間30分の48コマで表現
状態遷移:現単位時間よりも1時間前の蓄電池の第1の接続状態から、
現単位時間の蓄電池の第2の接続状態へ遷移した状態遷移
蓄電池の第1の接続状態から、蓄電池の第2の接続状態へ遷移する組合せとして、以下の4組の状態遷移がある。
S11:接続から接続への状態遷移
S12:接続から切断への状態遷移
S21:切断から接続への状態遷移
S22:切断から切断への状態遷移
2019年6月24日23:00〜23:30 [接続]
2019年6月24日23:30〜24:00 [接続]
2019年6月25日00:00〜00:30 [接続]
2019年6月25日00:30〜01:00 [接続]
2019年6月25日01:00〜01:30 [切断]
2019年6月25日01:30〜02:00 [切断]
2019年6月25日02:00〜02:30 [切断]
2019年6月25日02:30〜03:00 [切断]
・・・・・
現単位時間2019年6月25日00:00〜00:30[接続]から遡って、一時間前の2019年6月24日23:00〜23:30[接続]であるので、状態遷移S11[接続->接続]となる。
現単位時間2019年6月25日00:30〜01:00[接続]から遡って、一時間前の2019年6月24日23:30〜24:00[接続]であるので、状態遷移S11[接続->接続]となる。
現単位時間2019年6月25日01:00〜01:30[切断]から遡って、一時間前の2019年6月25日00:00〜00:30[接続]であるので、状態遷移S12[接続->切断]となる。
現単位時間2019年6月25日01:30〜02:00[切断]から遡って、一時間前の2019年6月25日00:30〜01:00[接続]であるので、状態遷移S12[接続->切断]となる。
現単位時間2019年6月25日02:00〜02:30[切断]から遡って、一時間前の2019年6月25日01:00〜01:30[切断]であるので、状態遷移S22[切断->切断]となる。
現単位時間2019年6月25日02:30〜03:00[切断]から遡って、一時間前の2019年6月25日01:30〜02:00[切断]であるので、状態遷移S22[切断->切断]となる。
・・・・・
充放電確実度算出部11は、需要家の充放電設備装置21それぞれについて、所定期間(1日)の所定時間帯(30分)毎に、蓄電池の第2の接続状態が「接続」となる状態遷移確率毎に、充放電確実度として算出する。
充放電確実度とは、電力取引の実需給開始時点に対応する所定時間帯に、当該充放電設備装置21に移動可能な蓄電池(電気自動車)が接続されており、電力取引が実施されるであろう確率をいう。
蓄電池が、その時間帯に「接続」となっている確率が低い(「切断」となっている確率が高い)ということは、実需給開始時点で、電力取引が実施されない可能性が高いことを意味する。
期間種別:1日単位であって、単位時間30分の48コマで表現
ここで、平日/休日、曜日毎に、月毎に又は季節毎に、種別で区分する
例えば1ヶ月間(又は直近過去N日)について、平日(22日)と休日(8日)とに区分する。勿論、平日と休日に限らず、曜日毎に、月毎に又は季節毎であってもよい。
充放電確実度は、需要家の移動可能な蓄電池(電気自動車)が、その時間帯に「接続」されているであろう確率を意味する。
充放電確実度={出現確率P11,出現確率P21}
(1)充放電確実度を、時間帯毎に、過去の接続時間率の平均値を算出する。
接続時間率=接続時間/時間帯時間
(2)充放電確実度を目的変数として、接続時間率、時間帯、曜日、蓄電池残量割合、宅内消費電力量などを説明変数とした過去の教師データとして、機械学習により、未来の時間帯毎の充放電確実度を予測するモデルを構築する。電力取引対象の時間帯から一定時間前の時点における過去のデータを当該予測モデルに入力し、電力取引対象の時間帯における充放電確実度の予測値を出力する。
在宅状態履歴データベース102は、需要家毎の各携帯端末について、所定単位時間毎に、ユーザの在宅状態(在宅/不在)を記録したものである。
需要家ID: 需要家(世帯)毎の識別子
端末ID: 需要家のユーザが所持する携帯端末毎の識別子
単位時間: 蓄電池の接続切断を評価する時間であり、図6と同様の時間
(例えばJEPX運営の既存の電力市場における取引単位(30分))
在宅情報:当該携帯端末を所持するユーザにおける需要家宅での在宅/不在
(在宅不在情報1)需要家毎の携帯端末24と、需要家の世帯のHEMSゲートウェイ22との疎通/不通を、在宅状態(在宅/不在)として記録する。
携帯端末24は、需要家間の電力取引用アプリケーションソフトウェアを予めインストールしている。このアプリケーションは、定期的に、需要家宅内のホームゲートウェイ23を介してHEMSゲートウェイ22との間で通信する。具体的には、携帯端末24は、HEMSゲートウェイ22との間で、例えばkeep aliveメッセージを送受信することによって、疎通/不通を確認する。そして、HEMSゲートウェイ22又は携帯端末24は、その疎通有無の情報を、電力取引制御装置1へ送信する。
電力取引制御装置1は、在宅状態履歴データベース102に、受信した疎通有無の情報を、在宅/不在(疎通->在宅、不通->不在)として記録する。
尚、需要家宅内に複数のユーザが同居している場合、携帯端末24毎に、在宅/不在を記録する。
携帯端末24は、予めインストールされた電力取引用アプリケーションによって、定期的に、自ら測位した位置情報を、電力取引制御装置1へ送信する。これに対し、電力取引制御装置1は、需要家宅の位置情報を予め登録しておき、携帯端末24から受信した位置情報が、需要者宅の所定周辺範囲に含まれるか否かを判定する。
電力取引制御装置1は、在宅状態履歴データベース102に、所定周辺範囲の判定情報を、在宅/不在(所定周辺範囲に含まれる->在宅、所定周辺範囲に含まれない->不在)として記録する。
需要家の1つの世帯内で、複数のユーザがそれぞれ、自らの携帯端末を所持する場合も多い。即ち、需要家に1台の電気自動車しかない場合、いずれのユーザが所持する携帯端末が、その電気自動車と帯同しているかは不明となっている。その場合、時間帯に応じて、電気自動車と帯同している携帯端末を特定することができれば、その携帯端末の在宅状態によって、電気自動車の接続状態の推定確率を高めることができる。
(1)複数の携帯端末を保有する各需要家について、所定単位時間毎に、蓄電池の接続状態(接続/切断)と共に、各携帯端末の在宅状態(在宅/不在)を記録する。
(2)蓄電池の接続状態(接続/切断)と最も相関性の高い在宅状態(在宅/不在)となる携帯端末を選択する。
ここで、蓄電池「接続」のときに「在宅」となり、蓄電池「切断」のときに「不在」となる相関性が最も高い携帯端末を選択する。例えば蓄電池が電気自動車である場合、その携帯端末を所持するユーザは、その電気自動車と最も帯同している可能性が高い。即ち、電気自動車内に持ち込まれる可能性が最も高い携帯端末を推定する。
そのユーザが在宅であれば、その電気自動車は充放電設備装置に接続されている可能性が高いために、調整電力量の充放電先の対象となり得る。
一方で、そのユーザが不在であれば、その電気自動車は充放電設備装置から切断されている可能性が高いために、調整電力量の充放電先の対象とならない。
図11(a)によれば、電気自動車の接続とユーザの在宅とに相関性が有る場合を表す。
図11(b)によれば、電気自動車の接続とユーザの在宅とに相関性が無い場合を表す。
(条件A)電気自動車の接続から切断へ切り替わった時刻t11と、ユーザの在宅(携帯端末の疎通)から不在(携帯端末の不通)へ切り替わった時刻t21との時間差が、所定時間内である。
(条件B)電気自動車の切断から接続へ切り替わった時刻t12と、ユーザの不在(携帯端末の不通)から在宅(携帯端末の疎通)へ切り替わった時刻t22との時間差が、所定時間内である。
(条件C)電気自動車は時刻t11〜t12の間で継続して切断であるとともに、ユーザは時刻t21〜t22の間で継続して不在(携帯端末の不通)である
尚、需要家宅内の各ユーザによって所持される携帯端末それぞれについて、3つの条件A〜Cが成立する場合、過去の時系列データについて、これら条件に合致する回数が最も多いユーザを、電気自動車と専ら帯同するユーザとみなす。
蓄電池の第1の接続状態及びユーザの第1の在宅状態から、蓄電池の第2の接続状態及びユーザの第2の在宅状態へ遷移する組合せとして、以下の16組の状態遷移がある。
S11:接続及び在宅から、接続及び在宅への状態遷移
S12:接続及び在宅から、切断及び在宅への状態遷移
S13:接続及び在宅から、接続及び不在への状態遷移
S14:接続及び在宅から、切断及び不在への状態遷移
S21:切断及び在宅から、接続及び在宅への状態遷移
S22:切断及び在宅から、切断及び在宅への状態遷移
S23:切断及び在宅から、接続及び不在への状態遷移
S24:切断及び在宅から、切断及び不在への状態遷移
S31:接続及び不在から、接続及び在宅への状態遷移
S32:接続及び不在から、切断及び在宅への状態遷移
S33:接続及び不在から、接続及び不在への状態遷移
S34:接続及び不在から、切断及び不在への状態遷移
S41:切断及び不在から、接続及び在宅への状態遷移
S42:切断及び不在から、切断及び在宅への状態遷移
S43:切断及び不在から、接続及び不在への状態遷移
S44:切断及び不在から、切断及び不在への状態遷移
2019年6月24日23:00〜23:30 [接続・在宅]
2019年6月24日23:30〜24:00 [接続・在宅]
2019年6月25日00:00〜00:30 [接続・在宅]
2019年6月25日00:30〜01:00 [接続・不在]
2019年6月25日01:00〜01:30 [切断・不在]
2019年6月25日01:30〜02:00 [切断・不在]
2019年6月25日02:00〜02:30 [切断・不在]
2019年6月25日02:30〜03:00 [接続・在宅]
・・・・・
現単位時間2019年6月25日00:00〜00:30[接続・在宅]から遡って、一時間前の2019年6月24日23:00〜23:30[接続・在宅]であるので、状態遷移S11[接続・在宅->接続・在宅]となる。
現単位時間2019年6月25日00:30〜01:00[接続・不在]から遡って、一時間前の2019年6月24日23:30〜24:00[接続・在宅]であるので、状態遷移S13[接続・在宅->接続・不在]となる。
現単位時間2019年6月25日01:00〜01:30[切断・不在]から遡って、一時間前の2019年6月25日00:00〜00:30[接続・在宅]であるので、状態遷移S14[接続・在宅->切断・不在]となる。
現単位時間2019年6月25日01:30〜02:00[切断・不在]から遡って、一時間前の2019年6月25日00:30〜01:00[接続・不在]であるので、状態遷移S34[接続・不在
->切断・不在]となる。
現単位時間2019年6月25日02:00〜02:30[切断・不在]から遡って、一時間前の2019年6月25日01:00〜01:30[切断・不在]であるので、状態遷移S44[切断・不在->切断・不在]となる。
現単位時間2019年6月25日02:30〜03:00[接続・在宅]から遡って、一時間前の2019年6月25日01:30〜02:00[切断・不在]であるので、状態遷移S41[切断・不在->接続・在宅]となる。
・・・・・
図13によれば、期間種別毎の各時間帯(30分)の48個のコマそれぞれには、充放電確実度として、図12の16種の状態遷移S11〜S44のうち、第1の状態(4種)毎に分けて、第2の接続状態が「接続」となる状態遷移の出現確率が表されている。
充放電確実度は、需要家の移動可能な蓄電池(電気自動車)が、その時間帯に「接続」されているであろう確率を意味する。
充放電確実度={出現確率P11+出現確率P13,
出現確率P21+出現確率P23,
出現確率P31+出現確率P33,
出現確率P41+出現確率P43}
充放電履歴データベース104は、需要家の充放電設備装置21それぞれについて、所定単位時間(例えば30分)毎に、過去に電力取引を約定した「約定電力量」と、その電力取引を実施した「実績電力量」とを記録したものである。
蓄電池動作: 放電/充電/待機のいずれかの状態
蓄電池残量割合: 当該単位時間の動作を経た終了時における蓄電池残量を用いて
以下の式によって算出される。
蓄電池残量割合(%)=蓄電池残量/蓄電池容量
約定量: 約定された電力取引の電力量
実績量: 実際に充放電された電力量
時間実績率: 約定量に対する実績量の割合
自家利用実績量: 自家利用によって充放電した実績量
そして、充放電確実度算出部11は、需要家の充放電設備装置それぞれについて、約定した所定期間の所定時間帯毎に、実際に充放電された時間実績率を、充放電確実度に重み付ける。
これによって、充放電確実度は、以下のような意味合いを持つ。
(1)所定時間帯毎に、蓄電池が接続されている確率が高く、且つ、過去に約定した電力取引の充放電成功の実績が高いほど、充放電確実度は高くなる。
(2)所定時間帯毎に、蓄電池が接続されている確率が低い(切断されている確率が高い)か、又は、過去に約定した電力取引の充放電成功の実績が低いほど、充放電確実度は低くなる。
調整電力量決定部12は、実需給開始時点で電力取引をするべく約定された需要家の充放電設備装置の全てについて、実需給開始時点の時間帯における充放電確実度が低いほど、調整電力量が多くなるように決定する。逆に、充放電確実度が高いほど、調整電力量が少なくなるように決定する。
調整電力量=Σi=1 N(Bi×(1−Pi))
N:約定した需要家の移動可能な蓄電池の数(i=1〜N)
B:所定時間帯に約定された電力量
P:所定時間帯の充放電確実度(0≦Pi≦1)
調整需要家選択部13は、実需給開始時点の時間帯について、約定処理部15によって約定されなかった需要家の充放電設備装置を選択する。そして、選択された需要家の充放電設備装置は、調整電力量の充放電先として保持される。
調整需要家選択部13は、入札に基づく約定後、不足又は過剰な電力量を調整するために、調整電力量の充放電を許諾する需要家の蓄電池を選択する。
約定されなかった旨の通知
調整電力量としての充電又は放電の可否の問合せ
充電又は放電可能な調整電力量の問合せ
調整電力量としての価格の提示
実需給時に調整電力量を充電又は放電できなかった場合のペナルティ条件
また、HEMSゲートウェイ22が、携帯端末24へ調整電力量の許諾条件を送信し、携帯端末24に対するユーザ操作に基づいて、電力取引制御装置1の約定処理部15へ、許諾又は拒否を応答するものであってもよい。
更に、需要家設備装置2へ調整電力量の充放電の可否を問い合わせる代わり、需要家からの入札時に、入札情報として調整電力量の充放電の許諾有無を送信しておくものであってもよい。
電力取引制御装置1の調整需要家選択部13は、約定されず、かつ調整電力量の充放電を許諾した需要家の蓄電池(電気自動車)を、リストに登録しておくことができる。そのリストに登録された需要家の蓄電池の中で、充放電確実度が最も高い蓄電池から順に選択される。
そして、提供可能の応答を受信した需要家の中から、実需給の時間帯で、充放電確実度が最も高い蓄電池(電気自動車)から順に、調整電力量を満たすまで選択される。即ち、選択された蓄電池を調整力として、その電力量を加算していく。必要な調整電力量になるまで、約定しなかった需要家の蓄電池の選択を繰り返す。
調整電力量制御部14は、調整電力量決定部12によって決定された調整電力量を、調整需要家選択部13によって選択された需要家の充放電設備装置21から確保する。
調整電力量制御部14は、実需給開始後の約定した需要家宅の蓄電池の接続状況に応じて、調整電力量の供出の指示を、調整需要家選択部13によって選択された需要家の充放電設備装置21へ送信する。
特に、需要家間の電力取引のうち、電気自動車搭載の蓄電池の充放電による電力を取引対象とする場合に、需要家が約定通り充放電しないことに起因するインバランスの電力量を調整することができる。
101 接続状態履歴データベース
102 在宅状態履歴データベース
103 状態遷移履歴データベース
104 充放電履歴データベース
11 充放電確実度算出部
12 調整電力量決定部
13 調整需要家選択部
14 調整電力量制御部
15 約定処理部
16 携帯端末選択部
2 需要家設備装置
21 充放電設備装置
22 HEMSゲートウェイ
23 ホームゲートウェイ
24 携帯端末
25 電気自動車
3 送配電設備装置
Claims (15)
- 移動可能な蓄電池が接続する需要家の充放電設備装置と送配電事業者の送配電設備装置との間で、約定された電力取引に基づく実需給開始時点よりも一定時間前の推定時点に、他の需要家からの調整電力量を推定する電力取引制御装置であって、
需要家の充放電設備装置それぞれについて、所定単位時間毎に、蓄電池の接続状態(接続/切断)を記録した接続状態履歴データベースと、
需要家の充放電設備装置それぞれについて、所定単位時間毎に、現単位時間よりも一定時間前の蓄電池の第1の接続状態から、現単位時間の蓄電池の第2の接続状態へ遷移する各状態遷移を記録する状態遷移履歴データベースと、
需要家の充放電設備装置それぞれについて、所定期間の所定時間帯毎に、蓄電池の第2の接続状態が「接続」となる状態遷移確率毎に、充放電確実度として算出する充放電確実度算出手段と、
実需給開始時点で電力取引をするべく約定された需要家の充放電設備装置の全てについて、実需給開始時点の時間帯における充放電確実度が低いほど、調整電力量が多くなるように決定する調整電力量決定手段と
を有することを特徴とする電力取引制御装置。 - 移動可能な蓄電池は、電気自動車である
ことを特徴とする請求項1に記載の電力取引制御装置。 - 蓄電池の第1の接続状態から、蓄電池の第2の接続状態へ遷移する組合せとして、
接続/切断から接続/切断への4組の状態遷移
となることを特徴とする請求項1又は2に記載の電力取引制御装置。 - 需要家の世帯に属する各ユーザに、携帯端末が所持されており、
需要家毎の各携帯端末について、所定単位時間毎に、ユーザの在宅状態(在宅/不在)を記録した在宅状態履歴データベースを更に有し、
状態遷移履歴データベースは、所定単位時間毎に、現単位時間から一定時間前の蓄電池の第1の接続状態及びユーザの第1の在宅状態から、現単位時間の蓄電池の第2の接続状態及びユーザの第2の在宅状態へ遷移する各状態遷移を記録する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の電力取引制御装置。 - 蓄電池の第1の接続状態及びユーザの第1の在宅状態から、蓄電池の第2の接続状態及びユーザの第2の在宅状態へ遷移する組合せとして、
接続/切断及び在宅/不在から、接続/切断及び在宅/不在への16組の状態遷移
となることを特徴とする請求項4に記載の電力取引制御装置。 - 在宅状態履歴データベースは、
需要家毎の携帯端末と、需要家の世帯のHEMS(Home Energy Management System)ゲートウェイとの疎通/不通を、在宅状態(在宅/不在)として記録するか、又は、
需要家毎の各携帯端末の位置情報が、需要家の世帯の位置情報の所定周辺範囲に含まれるか否かを、在宅状態(在宅/不在)として記録する
ことを特徴とする請求項4又は5に記載の電力取引制御装置。 - 需要家が複数の携帯端末を保有する際に、在宅を記録すべき携帯端末を選択する携帯端末選択手段を更に有し、
携帯端末選択手段は、
複数の携帯端末を保有する各需要家について、所定単位時間毎に、蓄電池の接続状態(接続/切断)と共に、各携帯端末の在宅状態(在宅/不在)を記録すると共に、
蓄電池の接続状態(接続/切断)と最も相関性の高い在宅状態(在宅/不在)となる携帯端末を選択する
ことを特徴とする請求項6に記載の電力取引制御装置。 - 携帯端末選択手段は、所定期間毎に、携帯端末を選択し直す
ことを特徴とする請求項7に記載の電力取引制御装置。 - 充放電確実度算出手段は、充放電確実度を、平日と休日とに、曜日毎に、月毎に又は季節毎に別々に区分する
ことを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の電力取引制御装置。 - 複数の需要家から、実需給開始時点の時間帯を指定した入札情報を受信し、注文を合致させて電力取引を約定させる約定処理手段と、
実需給開始時点の時間帯について、約定処理手段によって約定されなかった需要家の充放電設備装置を選択する調整需要家選択手段と、
調整電力量決定手段によって決定された調整電力量を、調整需要家選択手段によって選択された需要家の充放電設備装置から確保する調整電力量制御手段と
を更に有することを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載の電力取引制御装置。 - 調整需要家選択手段は、約定されなかった需要家に対して調整電力量の提供の要求を送信し、提供可能の応答を受信した需要家の中から需要家の充放電設備装置を選択し、
調整電力量制御手段は、選択された需要家に対して調整電力量の確保の要求を送信する
ことを特徴とする請求項10に記載の電力取引制御装置。 - 需要家の充放電設備装置それぞれについて、所定単位時間毎に、過去に電力取引を約定した約定電力量と、その電力取引を実施した実績電力量とを記録した充放電履歴データベースを更に有し、
充放電確実度算出手段は、需要家の充放電設備装置それぞれについて、約定した所定期間の所定時間帯毎に、実際に充放電された時間実績率を、充放電確実度に重み付ける
ことを特徴とする請求項1から11のいずれか1項に記載の電力取引制御装置。 - 需要家の充放電設備装置は、電力網と、HEMSゲートウェイ及び/又はホームゲートウェイを介した通信網とに接続されており、
需要家のHEMSゲートウェイは、通信網を介して電力取引制御装置に対して入札情報を送信すると共に約定情報を受信し、約定情報に応じて、電力網を介して送配電設備装置との間で電力を送電又は受電することを充放電設備装置に指示する
ことを特徴とする請求項1から12のいずれか1項に記載の電力取引制御装置。 - 移動可能な蓄電池が接続する需要家の充放電設備装置と送配電事業者の送配電設備装置との間で、約定された電力取引に基づく実需給開始時点よりも一定時間前の推定時点に、他の需要家からの調整電力量を推定する電力取引制御装置に搭載されたコンピュータを機能させるプログラムであって、
需要家の充放電設備装置それぞれについて、所定単位時間毎に、蓄電池の接続状態(接続/切断)を記録した接続状態履歴データベースと、
需要家の充放電設備装置それぞれについて、所定単位時間毎に、現単位時間よりも一定時間前の蓄電池の第1の接続状態から、現単位時間の蓄電池の第2の接続状態へ遷移する各状態遷移を記録する状態遷移履歴データベースと、
需要家の充放電設備装置それぞれについて、所定期間の所定時間帯毎に、蓄電池の第2の接続状態が「接続」となる状態遷移確率毎に、充放電確実度として算出する充放電確実度算出手段と、
実需給開始時点で電力取引をするべく約定された需要家の充放電設備装置の全てについて、実需給開始時点の時間帯における充放電確実度が低いほど、調整電力量が多くなるように決定する調整電力量決定手段と
してコンピュータを機能させることを特徴とするプログラム。 - 移動可能な蓄電池が接続する需要家の充放電設備装置と送配電事業者の送配電設備装置との間で、約定された電力取引に基づく実需給開始時点よりも一定時間前の推定時点に、他の需要家からの調整電力量を推定する装置の電力取引制御方法であって、
装置は、
需要家の充放電設備装置それぞれについて、所定単位時間毎に、蓄電池の接続状態(接続/切断)を記録した接続状態履歴データベースと、
需要家の充放電設備装置それぞれについて、所定単位時間毎に、現単位時間よりも一定時間前の蓄電池の第1の接続状態から、現単位時間の蓄電池の第2の接続状態へ遷移する各状態遷移を記録する状態遷移履歴データベースと
を有し、
需要家の充放電設備装置それぞれについて、所定期間の所定時間帯毎に、蓄電池の第2の接続状態が「接続」となる状態遷移確率毎に、充放電確実度として算出する第1のステップと、
実需給開始時点で電力取引をするべく約定された需要家の充放電設備装置の全てについて、実需給開始時点の時間帯における充放電確実度が低いほど、調整電力量が多くなるように決定する第2のステップと
を実行することを特徴とする電力取引制御方法。
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