JP2021085363A - 内部中圧型多段圧縮コンプレッサ - Google Patents

内部中圧型多段圧縮コンプレッサ Download PDF

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Abstract

【課題】高段側の圧縮室から吐出される潤滑油量を減少させることができる内部中圧型多段圧縮コンプレッサを提供する。【解決手段】オイルリッチ圧縮室空間34BXに、オイル排出通路91、92、93、94、95のオイル導入口91a、92a、93a、94a、95aを形成し、オイルリッチ圧縮室空間34BX内の圧力とケース内圧との差圧によって、潤滑油をオイル導入口91a、92a、93a、94a、95aからオイル排出通路91、92、93、94、95に導くことを特徴とする。【選択図】 図3

Description

本発明は、冷媒として特に二酸化炭素を用いる場合に適した内部中圧型多段圧縮コンプレッサに関するものである。
特許文献1は内部中圧型多段圧縮コンプレッサを開示している。
特許文献1では、圧縮機構部として、1段目の低段圧縮を行う第1圧縮機構部と、2段目の高段圧縮を行う第2圧縮機構部とを有し、第2圧縮機構部の吸入通路に給油通路を形成し、第1圧縮機構部で圧縮したガス冷媒を密閉容器内に吐出し、ガス冷媒を第2圧縮機構部で圧縮して密閉容器外に吐出し、密閉容器内のケース内圧と第2圧縮機構部の吸入通路内の吸入圧との差圧によって、給油通路から第2圧縮機構部の第2圧縮室に給油を行い、ピストンが上死点から吸入通路の位置まで旋回する際に、ベーンとシリンダとピストンとの間に閉鎖空間を形成しないことで、潤滑油が高段側の圧縮室に設定量以上に流れ込むことを防止している。
特開2018−188986号公報
図10は特許文献1で開示されているような内部中圧型多段圧縮コンプレッサの高段側の圧縮機構部の要部平面図である。
圧縮機構部100は、シリンダ101と、シリンダ101内に配置されるローラ102と、シリンダ101内を仕切るベーン103とを有している。
図10では、圧縮機構部100の吸入通路104にオイル供給通路105を形成している。
高段側の圧縮室106には、オイル供給通路105から直接潤滑油が供給され図10に示すように、ローラ102が上死点から150°以上公転することで、圧縮室106には、オイルリッチ圧縮室空間106aが形成される。オイルリッチ圧縮室空間106aは、圧縮行程時に密閉容器内のケース内圧より圧力が高くなる空間であり、潤滑油はガス冷媒よりも比重が大きいため、ローラ102の公転運動による遠心力および潤滑油の慣性力によって多くの潤滑油が存在する潤滑油溜まりXが発生する。
図10に示す状態から更にローラ102が公転することで、吐出ポート107からガス冷媒が吐出されるが、オイルリッチ圧縮室空間106aに存在する潤滑油の多くは、ガス冷媒とともに吐出ポート107から吐出される。
内部中圧型多段圧縮コンプレッサでは、冷媒が高段側の圧縮機構部から密閉容器外へ直接吐出されるため、密閉容器内に冷媒を吐出して潤滑油を密閉容器内で分離・回収する内部高圧型多段圧縮コンプレッサと比較してOCR(潤滑油循環比率)が高く、冷凍サイクル効率を低下させてしまう。
特許文献1によれば、潤滑油が高段側の圧縮室に設定量以上に流れ込むことを防止できるが、圧縮室に流れ込んだ潤滑油の吐出量を減少させるものではない。
本発明は、高段側の圧縮室から吐出される潤滑油量を減少させることができる内部中圧型多段圧縮コンプレッサを提供することを目的とする。
請求項1記載の本発明の内部中圧型多段圧縮コンプレッサは、密閉容器10内に電動機部20と圧縮機構部30とを備え、前記電動機部20と前記圧縮機構部30とはシャフトによって連結され、前記圧縮機構部30は、シリンダ31A、31Bと、前記シリンダ31A、31B内に配置されるローラ32A、32Bと、前記シリンダ31A、31B内を仕切るベーン33とを有し、前記圧縮機構部30として、低段圧縮を行う低段圧縮機構部30Aと、高段圧縮を行う高段圧縮機構部30Bとを有し、前記高段圧縮機構部30Bの高段圧縮室34Bに通じるオイル供給通路36を形成し、前記低段圧縮機構部30Aで圧縮したガス冷媒を前記密閉容器10内に吐出し、前記密閉容器10内のケース内圧と前記高段圧縮機構部30Bの吸入通路35B内の吸入圧との差圧によって、前記オイル供給通路36から前記高段圧縮機構部30Bの前記高段圧縮室34Bに潤滑油を供給し、前記高段圧縮室34Bには、圧縮行程時に、前記ケース内圧より圧力が高くなるとともに、前記高段圧縮機構部30Bの高段ローラ32Bの公転運動による遠心力および前記潤滑油の慣性力によって前記オイル供給通路36から供給される前記潤滑油の多くが存在するオイルリッチ圧縮室空間34BXが形成される内部中圧型多段圧縮コンプレッサであって、前記オイルリッチ圧縮室空間34BXに、オイル排出通路91、92、93、94、95のオイル導入口91a、92a、93a、94a、95aを形成し、前記オイルリッチ圧縮室空間34BX内の圧力と前記ケース内圧との差圧によって、前記潤滑油を前記オイル導入口91a、92a、93a、94a、95aから前記オイル排出通路91、92、93、94、95に導くことを特徴とする。
請求項2記載の本発明は、請求項1に記載の内部中圧型多段圧縮コンプレッサにおいて、前記オイルリッチ圧縮室空間34BXが、前記高段ローラ32Bが上死点から150°公転した位置から、前記高段ローラ32Bが前記上死点から360°公転した位置までの範囲に形成されることを特徴とする。
請求項3記載の本発明は、請求項1又は請求項2に記載の内部中圧型多段圧縮コンプレッサにおいて、前記潤滑油を前記オイル排出通路91、92、93、94、95から前記高段ローラ32Bの内部空間に導くことを特徴とする。
請求項4記載の本発明は、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の内部中圧型多段圧縮コンプレッサにおいて、前記高段圧縮機構部30Bの高段シリンダ31Bの一方の面には中間仕切板52を配置し、前記高段シリンダ31Bの他方の面には上軸受53を配置し、前記オイル排出通路91、92、93、94、95を、前記中間仕切板52及び前記上軸受53の少なくとも一方に形成したことを特徴とする。
請求項5記載の本発明は、請求項4に記載の内部中圧型多段圧縮コンプレッサにおいて、前記オイル排出通路91、92、93、94、95を、前記中間仕切板52の高段シリンダ側仕切板端面52A又は前記上軸受53の高段シリンダ側軸受端面53Aに、溝によって形成したことを特徴とする。
請求項6記載の本発明は、請求項5に記載の内部中圧型多段圧縮コンプレッサにおいて、前記溝をI字状に形成したことを特徴とする。
請求項7記載の本発明は、請求項6に記載の内部中圧型多段圧縮コンプレッサにおいて、前記溝を前記シャフト40の回転中心Sを中心とした半径方向に沿って形成したことを特徴とする。
請求項8記載の本発明は、請求項5に記載の内部中圧型多段圧縮コンプレッサにおいて、前記溝をL字状に形成したことを特徴とする。
請求項9記載の本発明は、請求項3に記載の内部中圧型多段圧縮コンプレッサにおいて、前記オイル排出通路91、92、93、94、95のオイル導出口91b、92b、93b、94b、95bは、前記オイルリッチ圧縮室空間34BXが形成される期間内の所定時間で前記高段ローラ32Bの前記内部空間に開口し、前記オイルリッチ圧縮室空間34BXが形成されない期間では前記高段ローラ32Bによって閉口することを特徴とする。
請求項10記載の本発明は、請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の内部中圧型多段圧縮コンプレッサにおいて、前記圧縮機構部30で圧縮する冷媒として二酸化炭素を用いたことを特徴とする。
本発明によれば、高段側である高段圧縮室に供給される潤滑油が、冷媒とともに高段圧縮室から密閉容器外に吐出することを防止できる。
本発明の一実施例による内部中圧型2段圧縮コンプレッサの断面図 図1の要部拡大断面図 (a)同内部中圧型2段圧縮コンプレッサの高段側の圧縮機構部の要部平面図、(b)中間仕切板の平面図 同内部中圧型2段圧縮コンプレッサの高段側の圧縮機構部での圧縮行程を示す要部平面図 (a)本発明の他の実施例による内部中圧型2段圧縮コンプレッサの高段側の圧縮機構部の要部平面図、(b)中間仕切板の平面図 同内部中圧型2段圧縮コンプレッサの高段側の圧縮機構部での圧縮行程を示す要部平面図 (a)本発明の更に他の実施例による内部中圧型2段圧縮コンプレッサの高段側の圧縮機構部の要部平面図、(b)中間仕切板の平面図 同内部中圧型2段圧縮コンプレッサの高段側の圧縮機構部での圧縮行程を示す要部平面図 本発明の更に他の実施例による内部中圧型2段圧縮コンプレッサの上軸受の平面図 従来の内部中圧型2段圧縮コンプレッサの高段側の圧縮機構部の要部平面図
本発明の第1の実施の形態による内部中圧型多段圧縮コンプレッサは、圧縮行程時に、ケース内圧より圧力が高くなるとともに、高段圧縮機構部の高段ローラの公転運動による遠心力および潤滑油の慣性力によってオイル供給通路から供給される潤滑油の多くが存在するオイルリッチ圧縮室空間に、オイル排出通路のオイル導入口を形成し、オイルリッチ圧縮室空間内の圧力とケース内圧との差圧によって、潤滑油をオイル導入口からオイル排出通路に導くものである。本実施の形態によれば、高段圧縮室に供給される潤滑油が、冷媒とともに高段圧縮室から密閉容器外に吐出することを防止できる。
本発明の第2の実施の形態は、第1の実施の形態による内部中圧型多段圧縮コンプレッサにおいて、オイルリッチ圧縮室空間が、高段ローラが上死点から150°公転した位置から、高段ローラが上死点から360°公転した位置までの範囲に形成されるものである。本実施の形態によれば、排除容積や運転条件に応じて、この範囲においてオイルリッチ圧縮室空間を形成することで、ケース内圧とオイルリッチ圧縮室空間内の圧力との圧力差を確保でき、オイルリッチ圧縮室空間に多く存在する潤滑油を排出できる。
本発明の第3の実施の形態は、第1又は第2の実施の形態による内部中圧型多段圧縮コンプレッサにおいて、潤滑油をオイル排出通路から高段ローラの内部空間に導くものである。本実施の形態によれば、高段ローラの内部空間がケース内圧力であるため、オイルリッチ圧縮室空間内の圧力とケース内圧との差圧によって、潤滑油をオイルリッチ圧縮室空間から排出できる。
本発明の第4の実施の形態は、第1から第3のいずれかの実施の形態による内部中圧型多段圧縮コンプレッサにおいて、高段圧縮機構部の高段シリンダの一方の面には中間仕切板を配置し、高段シリンダの他方の面には上軸受を配置し、オイル排出通路を、中間仕切板及び上軸受の少なくとも一方に形成したものである。本実施の形態によれば、中間仕切板及び上軸受のいずれか一方にオイル排出通路を形成することで、潤滑油をオイルリッチ圧縮室空間から排出でき、中間仕切板及び上軸受の双方にオイル排出通路を形成することで、潤滑油をオイルリッチ圧縮室空間から更に確実に排出できる。
本発明の第5の実施の形態は、第4の実施の形態による内部中圧型多段圧縮コンプレッサにおいて、オイル排出通路を、中間仕切板の高段シリンダ側仕切板端面又は上軸受の高段シリンダ側軸受端面に、溝によって形成したものである。本実施の形態によれば、オイル排出通路の形成を容易に行える。
本発明の第6の実施の形態は、第5の実施の形態による内部中圧型多段圧縮コンプレッサにおいて、溝をI字状に形成したものである。本実施の形態によれば、オイル排出通路の加工を容易に行える。
本発明の第7の実施の形態は、第6の実施の形態による内部中圧型多段圧縮コンプレッサにおいて、溝をシャフトの回転中心を中心とした半径方向に沿って形成したものである。本実施の形態によれば、オイル排出通路の加工を更に容易に行える。
本発明の第8の実施の形態は、第5の実施の形態による内部中圧型多段圧縮コンプレッサにおいて、溝をL字状に形成したものである。本実施の形態によれば、オイル排出通路からの潤滑油の排出タイミングを調整しやすく、オイル排出通路の設計自由度が高くなる。
本発明の第9の実施の形態は、第3の実施の形態による内部中圧型多段圧縮コンプレッサにおいて、オイル排出通路のオイル導出口は、オイルリッチ圧縮室空間が形成される期間内の所定期間で高段ローラの内部空間に開口し、オイルリッチ圧縮室空間が形成されない期間では高段ローラによって閉口するものである。本実施の形態によれば、潤滑油を排出しないタイミングではオイル排出通路を閉塞することで、吸入工程時および圧縮工程時の体積効率の低下を防げる。
本発明の第10の実施の形態は、第1から第9のいずれかの実施の形態による内部中圧型多段圧縮コンプレッサにおいて、圧縮機構部で圧縮する冷媒として二酸化炭素を用いたものである。本実施の形態によれば、冷媒圧力が高く吸込と吐出との圧力差が大きい二酸化炭素を冷媒に用いた場合でも、密閉容器の内圧を中圧としているため、密閉容器を薄肉化でき、小型軽量化を図れ、更に1段あたりの差圧を低減しているため、体積効率が向上する。
以下、本発明の一実施例による内部中圧型多段圧縮コンプレッサについて図面を参照しながら説明する。なお、本実施例では、内部中圧型2段圧縮コンプレッサについて説明するが、3段以上の内部中圧型多段圧縮コンプレッサに適用できる。
図1は本実施例による内部中圧型2段圧縮コンプレッサの断面図、図2は図1の要部拡大断面図である。
本実施例による内部中圧型2段圧縮コンプレッサは、密閉容器10内に電動機部20と圧縮機構部30とを備えている。電動機部20と圧縮機構部30とはシャフト40によって連結されている。
電動機部20は、密閉容器10内面に固定される固定子21と、固定子21内で回転する回転子22とから構成される。
本実施例による内部中圧型2段圧縮コンプレッサは、圧縮機構部30として、1段目の低段圧縮を行う第1圧縮機構部30Aと、2段目の高段圧縮を行う第2圧縮機構部30Bとを有している。
第1圧縮機構部30Aは、第1シリンダ31Aと、第1シリンダ31A内に配置される第1ローラ32Aと、第1シリンダ31A内を仕切るベーン(図示せず)とを有し、第1ローラ32Aが第1シリンダ31A内で公転運動することで、低圧のガス冷媒を吸入して圧縮する。
第1圧縮機構部30Aと同様に、第2圧縮機構部30Bは、第2シリンダ31Bと、第2シリンダ31B内に配置される第2ローラ32Bと、第2シリンダ31B内を仕切るベーン33(図3参照)とを有し、第2ローラ32Bが第2シリンダ31B内で公転運動することで、中圧のガス冷媒を吸入して圧縮する。
第1シリンダ31Aの一方の面には下軸受51を配置し、第1シリンダ31Aの他方の面には中間仕切板52を配置している。
また、第2シリンダ31Bの一方の面には中間仕切板52を配置し、第2シリンダ31Bの他方の面には上軸受53を配置している。
すなわち、中間仕切板52は第1シリンダ31Aと第2シリンダ31Bとを仕切る。中間仕切板52は、シャフト40の径よりも大きな開口部を有する。
シャフト40は、回転子22を取り付けて上軸受53で支持される主軸部41と、第1ローラ32Aを取り付ける第1偏芯部42と、第2ローラ32Bを取り付ける第2偏芯部43と、下軸受51で支持される副軸部44とで構成される。
第1偏芯部42と第2偏芯部43とは180度の位相差を持って形成され、第1偏芯部42と第2偏芯部43との間には、連結軸部45を形成している。
第1圧縮室34Aは、下軸受51と中間仕切板52との間で、第1シリンダ31A内周面と第1ローラ32A外周面との間に形成される。また、第2圧縮室34Bは、中間仕切板52と上軸受53との間で、第2シリンダ31B内周面と第2ローラ32B外周面との間に形成される。
密閉容器10内の底部にはオイル溜め11が形成され、シャフト40の下端部にはオイルピックアップ12を設けている。
また、シャフト40の内部には、軸方向にシャフト内オイル供給通路46を形成している。シャフト内オイル供給通路46には、圧縮機構部30の摺動面に潤滑油を供給するための連通路47が形成されている。
連通路47は、第1偏芯部42及び第2偏芯部43に形成している。
図2に示すように、第2圧縮機構部30Bの吸入通路35Bにはオイル供給通路36を形成している。
中間仕切板52には、シャフト内オイル供給通路46の潤滑油をオイル供給通路36に導く中間仕切板内オイル供給通路60を形成している。
中間仕切板内オイル供給通路60は、中間仕切板52の内周面から外周面に至る第1通路61と、第1通路61に一端が開口し、オイル供給通路36に他端が開口する第2通路62とで構成される。
図1に示すように、密閉容器10の側面には、第1吸入管13Aと第2吸入管13Bとが接続され、密閉容器10には、中間圧吐出管14と吐出管(図示せず)とが接続されている。中間圧吐出管14は、中間圧吐出ポート15に接続されている。
第1吸入管13Aは第1圧縮機構部30Aの吸入通路35Aに、第2吸入管13Bは第2圧縮機構部30Bの吸入通路35Bに、それぞれ接続されている。
吸入通路35Aは第1圧縮室34Aに繋がり、吸入通路35Bは第2圧縮室34Bに繋がっている。
中間圧吐出管14は、中圧ガス冷媒を冷却するインタークーラ16に接続され、インタークーラ16は、第2吸入管13Bに接続される。
図2に示すように、下軸受51の下部にはカップマフラー71を設け、上軸受53の上部には上部カバー72を設けている。下軸受51とカップマフラー71との間には第1消音室81が形成され、上軸受53と上部カバー72との間には第2消音室82が形成される。
第1消音室81には第1圧縮室34Aで圧縮された中圧ガス冷媒が吐出され、第2消音室82には第2圧縮室34Bで圧縮された高圧ガス冷媒が吐出される。
シャフト40の回転によって、第1ローラ32A及び第2ローラ32Bは、第1圧縮室34A及び第2圧縮室34B内で公転運動を行う。
第1ローラ32Aの公転運動によって、第1吸入管13Aから吸入通路35Aを通って第1圧縮室34Aに吸入されたガス冷媒は、第1圧縮室34Aで圧縮された後に第1消音室81に吐出される。
第1消音室81に吐出された中圧ガス冷媒は、下軸受51、第1シリンダ31A、中間仕切板52、第2シリンダ31B、及び上軸受53に形成した冷媒通路83を通って密閉容器10内に吐出される。
密閉容器10に吐出された中圧ガス冷媒は、中間圧吐出ポート15から中間圧吐出管14に導かれ、更にインタークーラ16で冷却された後に第2吸入管13Bに導かれる。
第2ローラ32Bの公転運動によって、第2吸入管13Bから吸入通路35Bを通って第2圧縮室34Bに吸入されたガス冷媒は、第2圧縮室34Bで圧縮された後に第2消音室82に吐出される。
第2消音室82に吐出された高圧ガス冷媒は、吐出管(図示せず)から密閉容器10外に吐出される。密閉容器10外に吐出された高圧ガス冷媒は、放熱器、減圧器、及び蒸発器を経由し、低圧ガス冷媒となって第1吸入管13Aに導かれる。
また、シャフト40の回転によって、オイル溜め11から吸い上げた潤滑油は、連通路47から圧縮機構部30に供給され、圧縮機構部30の摺動面の潤滑を行う。
連通路47から供給される潤滑油の一部は、シャフト内オイル供給通路46内の圧力、すなわち、密閉容器10内のケース内圧と、第2圧縮機構部30Bの吸入通路35B内の吸入圧との差圧によって、中間仕切板内オイル供給通路60からオイル供給通路36を経由して第2圧縮機構部30Bの第2圧縮室34Bに導かれる。
図3(a)は本実施例による内部中圧型2段圧縮コンプレッサの高段側の圧縮機構部の要部平面図、図3(b)は中間仕切板の平面図である。
中間仕切板52の第2シリンダ側仕切板端面52Aには、オイル排出通路91を形成している。
図3(a)に示すように、第2ローラ32Bが上死点から150°以上公転することで、第2圧縮室34Bには、オイルリッチ圧縮室空間34BXが形成される。オイルリッチ圧縮室空間34BXは、圧縮行程時に密閉容器10内のケース内圧より圧力が高くなる空間である。そして、オイルリッチ圧縮室空間34BXには、第2ローラ32Bの公転運動による遠心力および潤滑油の慣性力によって多くの潤滑油が存在する潤滑油溜まりが発生する。なお、オイルリッチ圧縮室空間34BXは、第2圧縮室34Bで圧縮した冷媒が吐出ポート37から吐出される前までの空間とすることが好ましい。
オイルリッチ圧縮室空間34BXは、第2ローラ32Bが上死点から150°公転した位置から、第2ローラ32Bが上死点から360°公転した位置までの範囲に形成される。この範囲においてオイルリッチ圧縮室空間34BXを形成することで、排除容積や運転条件に応じて、ケース内圧とオイルリッチ圧縮室空間34BX内の圧力との圧力差を確保でき、オイルリッチ圧縮室空間34BXに多く存在する潤滑油を排出できる。
オイル排出通路91のオイル導入口91aは、オイルリッチ圧縮室空間34BXに位置するように形成し、オイル排出通路91のオイル導出口91bは、第2ローラ32Bの内部空間に位置するように形成している。
本実施例では、オイル排出通路91を溝によって形成しているため、図3(a)に示すように、第2ローラ32Bの公転動作に伴い第2ローラ32Bの端面でオイル排出通路91の一部を閉塞することで、オイル排出通路91の一端にオイル導入口91aが形成され、オイル排出通路91の他端にオイル導出口91bが形成される。
第2ローラ32Bの内部空間はケース内圧力であるため、オイル導出口91bを第2ローラ32Bの内部空間に位置するように形成することで、オイルリッチ圧縮室空間34BX内の圧力とケース内圧との差圧によって、潤滑油をオイルリッチ圧縮室空間34BXから排出できる。
本実施例に示すように、オイル排出通路91を、I字状、すなわち直線状の溝によって形成することで、加工を容易に行える。
図4は、本実施例による内部中圧型2段圧縮コンプレッサの高段側の圧縮機構部での圧縮行程を示す要部平面図である。
図4(a)は第2ローラ32Bが上死点に位置する状態を示し、図4(b)は図4(a)の状態から第2ローラ32Bが上死点から180°手前の位置まで公転した状態を示し、図4(c)は図4(b)の状態から更に第2ローラ32Bが上死点から180°を過ぎた位置まで公転した状態を示し、図4(d)は図4(c)の状態から更に第2ローラ32Bが公転した状態を示し、図4(e)は図4(d)の状態から更に第2ローラ32Bが公転した状態を示し、図4(f)は図4(e)の状態から更に第2ローラ32Bが公転した状態を示しており、第2ローラ32Bは図4(f)に示す状態から図4(a)に示す状態に公転する。
図4(a)に示す状態では、第2圧縮室34Baは、ほぼ吸入圧の状態にある。また、オイル排出通路91のオイル導出口91bは第2ローラ32Bによって閉塞された状態である。
図4(b)に示す状態では、第2圧縮室34Baは、吸入圧より高い圧力になるが、オイルリッチ圧縮室空間34BXを未だ形成せず、第2圧縮室34Bbは、吸入圧の状態にある。また、オイル排出通路91のオイル導出口91bは第2ローラ32Bによって閉塞された状態である。
図4(c)に示す状態では、第2圧縮室34Baは、オイルリッチ圧縮室空間34BXを形成するが、オイル排出通路91のオイル導出口91bは第2ローラ32Bによって閉塞された状態としている。第2圧縮室34Bbは、吸入圧の状態にある。
図4(d)に示す状態では、第2圧縮室34Baは、オイルリッチ圧縮室空間34BXを形成し、オイル排出通路91のオイル導出口91bは第2ローラ32Bの内部空間に開口する。従って、ケース内圧とオイルリッチ圧縮室空間34BX内の圧力との圧力差によって、オイルリッチ圧縮室空間34BXにある潤滑油は、オイル導入口91aからオイル排出通路91に導かれ、更にオイル導出口91bから第2ローラ32Bの内部空間に導かれる。第2圧縮室34Bbは、吸入圧の状態にある。なお、図4(d)に示す状態では、第2圧縮室34Baの冷媒は、吐出ポート37から吐出されていない状態が好ましい。
図4(e)に示す状態では、オイル導入口91a及びオイル導出口91bは第2ローラ32Bによって閉塞され、第2圧縮室34Baは、ケース内圧より高い圧力であるが、既に第2圧縮室34Ba内の潤滑油の多くは排出されているため、オイルリッチ圧縮室空間34BXを形成しない。第2圧縮室34Baの冷媒は、オイル導入口91a及びオイル導出口91bが第2ローラ32Bによって閉塞された後に、吐出ポート37から吐出される。
第2圧縮室34Bbは、吸入圧の状態にある。
図4(f)に示す状態では、少なくともオイル導出口91bは第2ローラ32Bによって閉塞されることが好ましい。第2圧縮室34Bbは、吸入圧の状態にある。
以上のように、オイルリッチ圧縮室空間34BX内の圧力とケース内圧との差圧によって、潤滑油をオイル導入口91aからオイル排出通路91に導くことで、第2圧縮室34Bに供給される潤滑油が、冷媒とともに第2圧縮室34Bから密閉容器10外に吐出することを防止できる。
また、オイル排出通路91のオイル導出口91bは、オイルリッチ圧縮室空間34BXが形成される期間内の所定期間で第2ローラ32Bの内部空間に開口し、オイルリッチ圧縮室空間34BXが形成されない期間では第2ローラ32Bによって閉口しており、潤滑油を排出しないタイミングではオイル排出通路91を閉塞することで、吸入工程時および圧縮工程時の体積効率の低下を防げる。
図5(a)は本発明の他の実施例による内部中圧型2段圧縮コンプレッサの高段側の圧縮機構部の要部平面図、図5(b)は中間仕切板の平面図である。
中間仕切板52の第2シリンダ側仕切板端面52Aには、オイル排出通路92を形成している。オイル排出通路92のオイル導入口92aは、オイルリッチ圧縮室空間34BXに位置するように形成し、オイル排出通路92のオイル導出口92bは、第2ローラ32Bの内部空間に位置するように形成している。
本実施例に示すように、オイル排出通路92は、図3に示す実施例と同様に、I字状、すなわち直線状の溝によって形成するが、本実施例に示すオイル排出通路92は、溝をシャフト40の回転中心Sを中心とした半径方向に沿って形成している。このように、オイル排出通路92を、I字状の溝によって形成し、溝をシャフト40の回転中心Sを中心とした半径方向に沿って形成することで、更に加工を容易に行える。
本実施例のその他の構成は、図1から図3に示す実施例と同一であり、説明を省略する。
図6は、本実施例による内部中圧型2段圧縮コンプレッサの高段側の圧縮機構部での圧縮行程を示す要部平面図である。
図6(a)は第2ローラ32Bが上死点に位置する状態を示し、図6(b)は図6(a)の状態から第2ローラ32Bが上死点から180°手前の位置まで公転した状態を示し、図6(c)は図6(b)の状態から更に第2ローラ32Bが上死点から180°を過ぎた位置まで公転した状態を示し、図6(d)は図6(c)の状態から更に第2ローラ32Bが公転した状態を示し、図6(e)は図6(d)の状態から更に第2ローラ32Bが公転した状態を示し、図6(f)は図6(e)の状態から更に第2ローラ32Bが公転した状態を示しており、第2ローラ32Bは図6(f)に示す状態から図6(a)に示す状態に公転する。
図6(a)に示す状態では、第2圧縮室34Baは、ほぼ吸入圧の状態にある。また、オイル排出通路92のオイル導出口92bは第2ローラ32Bによって閉塞された状態である。
図6(b)に示す状態では、第2圧縮室34Baは、吸入圧より高い圧力になるが、オイルリッチ圧縮室空間34BXを未だ形成せず、第2圧縮室34Bbは、吸入圧の状態にある。また、オイル排出通路92のオイル導出口92bは第2ローラ32Bによって閉塞された状態である。
図6(c)に示す状態では、第2圧縮室34Baは、吸入圧より高い圧力で、オイルリッチ空間34BXを形成しつつあり、オイル排出通路92のオイル導出口92bは、第2ローラ32Bによって閉塞された状態である。第2圧縮室34Bbは、吸入圧の状態にある。
図6(d)に示す状態では、第2圧縮室34Baは、オイルリッチ圧縮室空間34BXを形成し、オイル排出通路92のオイル導出口92bは第2ローラ32Bの内部空間に開口する。従って、ケース内圧とオイルリッチ圧縮室空間34BX内の圧力との圧力差によって、オイルリッチ圧縮室空間34BXにある潤滑油は、オイル導入口92aからオイル排出通路92に導かれ、更にオイル導出口92bから第2ローラ32Bの内部空間に導かれる。第2圧縮室34Bbは、吸入圧の状態にある。なお、図6(d)に示す状態では、第2圧縮室34Baの冷媒は、吐出ポート37から吐出されていない状態が好ましく、オイル導出口92bが第2ローラ32Bによって閉塞された後に、吐出ポート37から吐出される。
図6(e)に示す状態では、オイル導入口92aは第2ローラ32Bによって閉塞され、第2圧縮室34Baは、ケース内圧より高い圧力であるが、既に第2圧縮室34Ba内の潤滑油の多くは排出されているため、オイルリッチ圧縮室空間34BXを形成せず、第2圧縮室34Baの冷媒は、吐出ポート37から吐出される。第2圧縮室34Bbは、吸入圧の状態にある。
図6(f)に示す状態では、オイル導入口92a及びオイル導出口92bは第2ローラ32Bによって閉塞されておらず、第2圧縮室34Bbは吸入圧の状態にあるが、第2ローラ32Bの内部空間の圧力、すなわち密閉容器10内のケース内圧と第2圧縮室34Bbの圧力はほぼ同圧であるため、第2圧縮室34Bb内の冷媒が第2ローラ32Bの内部空間に導出されることはない。
また、オイル排出通路92のオイル導出口92bは、オイルリッチ圧縮室空間34BXが形成される期間内の所定期間で第2ローラ32Bの内部空間に開口し、オイルリッチ圧縮室空間34BXが形成されない期間では第2ローラ32Bによって閉口しており、潤滑油を排出しないタイミングではオイル排出通路92を閉塞することで、吸入工程時および圧縮工程時の体積効率の低下を防げる。
図7(a)は本発明の更に他の実施例による内部中圧型2段圧縮コンプレッサの高段側の圧縮機構部の要部平面図、図7(b)は中間仕切板の平面図である。
中間仕切板52の第2シリンダ側仕切板端面52Aには、オイル排出通路93を形成している。オイル排出通路93のオイル導入口93aは、オイルリッチ圧縮室空間34BXに位置するように形成し、オイル排出通路93のオイル導出口93bは、第2ローラ32Bの内部空間に位置するように形成している。
本実施例に示すように、オイル排出通路93は、L字状の溝によって形成している。このように、オイル排出通路93を、L字状の溝によって形成することで、オイル排出通路93からの潤滑油の排出タイミングを調整しやすく、設計自由度が高くなる。なお、L字状の溝は、曲線状、例えばC字状であってもよい。
本実施例のその他の構成は、図1から図3に示す実施例と同一であり、説明を省略する。
図8は、本実施例による内部中圧型2段圧縮コンプレッサの高段側の圧縮機構部での圧縮行程を示す要部平面図である。
図8(a)は第2ローラ32Bが上死点に位置する状態を示し、図8(b)は図8(a)の状態から第2ローラ32Bが上死点から180°手前の位置まで公転した状態を示し、図8(c)は図8(b)の状態から更に第2ローラ32Bが上死点から180°を過ぎた位置まで公転した状態を示し、図8(d)は図8(c)の状態から更に第2ローラ32Bが公転した状態を示し、図8(e)は図8(d)の状態から更に第2ローラ32Bが公転した状態を示し、図8(f)は図8(e)の状態から更に第2ローラ32Bが公転した状態を示しており、第2ローラ32Bは図8(f)に示す状態から図8(a)に示す状態に公転する。
図8(a)に示す状態では、第2圧縮室34Baは、ほぼ吸入圧の状態にある。また、オイル排出通路93のオイル導出口93bは第2ローラ32Bによって閉塞された状態である。
図8(b)に示す状態では、第2圧縮室34Baは、吸入圧より高い圧力になるが、オイルリッチ圧縮室空間34BXを未だ形成せず、第2圧縮室34Bbは、吸入圧の状態にある。また、オイル排出通路93のオイル導出口93bは第2ローラ32Bによって閉塞された状態である。
図8(c)に示す状態では、第2圧縮室34Baは、オイルリッチ圧縮室空間34BXを形成しつつあり、オイル排出通路93のオイル導出口93bは第2ローラ32Bによって閉塞された状態としている。第2圧縮室34Bbは、吸入圧の状態にある。
図8(d)に示す状態では、第2圧縮室34Baは、オイルリッチ圧縮室空間34BXを形成し、オイル排出通路93のオイル導出口93bは第2ローラ32Bの内部空間に開口する。従って、ケース内圧とオイルリッチ圧縮室空間34BX内の圧力との圧力差によって、オイルリッチ圧縮室空間34BXにある潤滑油は、オイル導入口93aからオイル排出通路93に導かれ、更にオイル導出口93bから第2ローラ32Bの内部空間に導かれる。第2圧縮室34Bbは、吸入圧の状態にある。なお、図8(d)に示す状態では、第2圧縮室34Baの冷媒は、吐出ポート37から吐出されていない状態が好ましい。
図8(e)に示す状態では、オイル導入口93a及びオイル導出口93bは第2ローラ32Bによって閉塞され、第2圧縮室34Baは、ケース内圧より高い圧力であるが、既に第2圧縮室34Ba内の潤滑油の多くは排出されているため、オイルリッチ圧縮室空間34BXを形成しない。第2圧縮室34Baの冷媒は、オイル導入口93a及びオイル導出口93bが第2ローラ32Bによって閉塞された後に、吐出ポート37から吐出される。
第2圧縮室34Bbは、吸入圧の状態にある。
図8(f)に示す状態では、少なくともオイル導出口93bは第2ローラ32Bによって閉塞されることが好ましい。第2圧縮室34Bbは、吸入圧の状態にある。
以上のように、オイルリッチ圧縮室空間34BX内の圧力とケース内圧との差圧によって、潤滑油をオイル導入口93aからオイル排出通路93に導くことで、第2圧縮室34Bに供給される潤滑油が、冷媒とともに第2圧縮室34Bから密閉容器10外に吐出することを防止できる。
また、オイル排出通路93のオイル導出口93bは、オイルリッチ圧縮室空間34BXが形成される期間内の所定期間で第2ローラ32Bの内部空間に開口し、オイルリッチ圧縮室空間34BXが形成されない期間では第2ローラ32Bによって閉口しており、潤滑油を排出しないタイミングではオイル排出通路93を閉塞することで、吸入工程時および圧縮工程時の体積効率の低下を防げる。
図9は本発明の更に他の実施例による内部中圧型2段圧縮コンプレッサの上軸受の平面図であり、図9(a)と図9(b)とは異なる実施例を示している。
上軸受53の第2シリンダ側軸受端面53Aには、オイル排出通路94を形成している。
図9(a)に示すオイル排出通路94は、オイル排出通路91と同様に、I字状、すなわち直線状の溝によって形成しており、図3(a)に示す状態と同様に、第2ローラ32Bの公転動作に伴い第2ローラ32Bの端面でオイル排出通路94の一部を閉塞することで、オイル排出通路94の一端にオイル導入口94aが形成され、オイル排出通路94の他端にオイル導出口94bが形成される。
図9(b)に示すオイル排出通路95は、オイル排出通路93と同様に、L字状の溝によって形成しており、図7(a)に示す状態と同様に、第2ローラ32Bの公転動作に伴い第2ローラ32Bの端面でオイル排出通路95の一部を閉塞することで、オイル排出通路95の一端にオイル導入口95aが形成され、オイル排出通路95の他端にオイル導出口95bが形成される。
図9(a)に示すオイル排出通路94、又は図9(b)に示すオイル排出通路95は、図3に示すオイル排出通路91、図5に示すオイル排出通路92、又は図7に示すオイル排出通路93とともに形成することで、潤滑油をオイルリッチ圧縮室空間34BXから更に確実に排出できる。
なお、図9(a)に示すオイル排出通路94を、図3に示すオイル排出通路91とともに形成する場合には、オイル排出通路94によってオイルリッチ圧縮室空間34BXと第2ローラ32Bの内部空間とを連通させるタイミングと、オイル排出通路91によってオイルリッチ圧縮室空間34BXと第2ローラ32Bの内部空間とを連通させるタイミングとを一致させてもよいが、タイミングをずらすように形成してもよい。
同様に、図9(a)に示すオイル排出通路94を、図5に示すオイル排出通路92とともに形成する場合には、オイル排出通路94によってオイルリッチ圧縮室空間34BXと第2ローラ32Bの内部空間とを連通させるタイミングと、オイル排出通路92によってオイルリッチ圧縮室空間34BXと第2ローラ32Bの内部空間とを連通させるタイミングとを一致させてもよいが、タイミングをずらすように形成してもよい。
同様に、図9(a)に示すオイル排出通路94を、図7に示すオイル排出通路93とともに形成する場合には、オイル排出通路94によってオイルリッチ圧縮室空間34BXと第2ローラ32Bの内部空間とを連通させるタイミングと、オイル排出通路93によってオイルリッチ圧縮室空間34BXと第2ローラ32Bの内部空間とを連通させるタイミングとを一致させてもよいが、タイミングをずらすように形成してもよい。
また、図9(b)に示すオイル排出通路95を、図3に示すオイル排出通路91とともに形成する場合には、オイル排出通路95によってオイルリッチ圧縮室空間34BXと第2ローラ32Bの内部空間とを連通させるタイミングと、オイル排出通路91によってオイルリッチ圧縮室空間34BXと第2ローラ32Bの内部空間とを連通させるタイミングとを一致させてもよいが、タイミングをずらすように形成してもよい。
同様に、図9(b)に示すオイル排出通路95を、図5に示すオイル排出通路92とともに形成する場合には、オイル排出通路95によってオイルリッチ圧縮室空間34BXと第2ローラ32Bの内部空間とを連通させるタイミングと、オイル排出通路92によってオイルリッチ圧縮室空間34BXと第2ローラ32Bの内部空間とを連通させるタイミングとを一致させてもよいが、タイミングをずらすように形成してもよい。
同様に、図9(b)に示すオイル排出通路95を、図7に示すオイル排出通路93とともに形成する場合には、オイル排出通路95によってオイルリッチ圧縮室空間34BXと第2ローラ32Bの内部空間とを連通させるタイミングと、オイル排出通路93によってオイルリッチ圧縮室空間34BXと第2ローラ32Bの内部空間とを連通させるタイミングとを一致させてもよいが、タイミングをずらすように形成してもよい。
また、図9(a)に示すオイル排出通路94、又は図9(b)に示すオイル排出通路95は、図3に示すオイル排出通路91、図5に示すオイル排出通路92、又は図7に示すオイル排出通路93に代えて形成することで、潤滑油をオイルリッチ圧縮室空間34BXから確実に排出できる。
なお、図9(a)に示すオイル排出通路94は、図5に示すオイル排出通路92と同様に、溝をシャフト40の回転中心Sを中心とした半径方向に沿って形成してもよい。
以上のように、オイル排出通路91、92、93、94、95を、中間仕切板52及び上軸受53の少なくとも一方に形成でき、中間仕切板52及び上軸受53のいずれか一方にオイル排出通路91、92、93、94、95を形成することで、潤滑油をオイルリッチ圧縮室空間34BXから排出でき、中間仕切板52及び上軸受53の双方にオイル排出通路91、92、93、94、95を形成することで、潤滑油をオイルリッチ圧縮室空間34BXから更に確実に排出できる。
なお、上記各実施例の内部中圧型2段圧縮コンプレッサには、冷媒として二酸化炭素を用いることができる。各実施例によれば、冷媒圧力が高く吸込と吐出との圧力差が大きい二酸化炭素を冷媒に用いた場合でも、密閉容器10の内圧を中圧としているため、密閉容器10を薄肉化でき、小型軽量化を図れ、1段あたりの差圧を低減しているため、体積効率が向上する。
本実施例では、内部中圧型2段圧縮コンプレッサについて説明したが、圧縮機構部30として、3段以上の多段圧縮コンプレッサについても適用できる。例えば、3段圧縮コンプレッサの場合に、1段目圧縮機構部で圧縮したガス冷媒を密閉容器10内に吐出する場合には、2段目圧縮機構部及び3段目圧縮機構部を、本発明における高段圧縮機構部として適用することができ、2段目圧縮機構部で圧縮したガス冷媒を密閉容器10内に吐出する場合には、3段目圧縮機構部を、本発明における高段圧縮機構部として適用することができる。
本発明は、内部中圧型2段圧縮コンプレッサとして説明したが、3段以上の圧縮コンプレッサでも適用可能である。
10 密閉容器
11 オイル溜め
12 オイルピックアップ
13A 第1吸入管
13B 第2吸入管
14 中間圧吐出管
15 中間圧吐出ポート
16 インタークーラ
20 電動機部
21 固定子
22 回転子
30 圧縮機構部
30A 第1圧縮機構部
30B 第2圧縮機構部
31A 第1シリンダ
31B 第2シリンダ
32A 第1ローラ
32B 第2ローラ
33 ベーン
34A 第1圧縮室
34B 第2圧縮室
34Ba 第2圧縮室
34Bb 第2圧縮室
34BX オイルリッチ圧縮室空間
35A 吸入通路
35B 吸入通路
36 オイル供給通路
37 吐出ポート
40 シャフト
41 主軸部
42 第1偏芯部
43 第2偏芯部
44 副軸部
45 連結軸部
46 シャフト内オイル供給通路
47 連通路
51 下軸受
52 中間仕切板
52A 第2シリンダ側仕切板端面
53 上軸受
53A 第2シリンダ側軸受端面
60 中間仕切板内オイル供給通路
61 第1通路
62 第2通路
71 カップマフラー
72 上部カバー
81 第1消音室
82 第2消音室
83 冷媒通路
91 オイル排出通路
91a オイル導入口
91b オイル導出口
92 オイル排出通路
92a オイル導入口
92b オイル導出口
93 オイル排出通路
93a オイル導入口
93b オイル導出口
94 オイル排出通路
94a オイル導入口
94b オイル導出口
95 オイル排出通路
95a オイル導入口
95b オイル導出口
S 回転中心

Claims (10)

  1. 密閉容器内に電動機部と圧縮機構部とを備え、
    前記電動機部と前記圧縮機構部とはシャフトによって連結され、
    前記圧縮機構部は、シリンダと、前記シリンダ内に配置されるローラと、前記シリンダ内を仕切るベーンとを有し、
    前記圧縮機構部として、低段圧縮を行う低段圧縮機構部と、高段圧縮を行う高段圧縮機構部とを有し、
    前記高段圧縮機構部の高段圧縮室に通じるオイル供給通路を形成し、
    前記低段圧縮機構部で圧縮したガス冷媒を前記密閉容器内に吐出し、
    前記密閉容器内のケース内圧と前記高段圧縮機構部の吸入通路内の吸入圧との差圧によって、前記オイル供給通路から前記高段圧縮機構部の前記高段圧縮室に潤滑油を供給し、
    前記高段圧縮室には、圧縮行程時に、前記ケース内圧より圧力が高くなるとともに、前記高段圧縮機構部の高段ローラの公転運動による遠心力および前記潤滑油の慣性力によって前記オイル供給通路から供給される前記潤滑油の多くが存在するオイルリッチ圧縮室空間が形成される内部中圧型多段圧縮コンプレッサであって、
    前記オイルリッチ圧縮室空間に、オイル排出通路のオイル導入口を形成し、
    前記オイルリッチ圧縮室空間内の圧力と前記ケース内圧との差圧によって、前記潤滑油を前記オイル導入口から前記オイル排出通路に導く
    ことを特徴とする内部中圧型多段圧縮コンプレッサ。
  2. 前記オイルリッチ圧縮室空間が、前記高段ローラが上死点から150°公転した位置から、前記高段ローラが前記上死点から360°公転した位置までの範囲に形成される
    ことを特徴とする請求項1に記載の内部中圧型多段圧縮コンプレッサ。
  3. 前記潤滑油を前記オイル排出通路から前記高段ローラの内部空間に導く
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の内部中圧型多段圧縮コンプレッサ。
  4. 前記高段圧縮機構部の高段シリンダの一方の面には中間仕切板を配置し、
    前記高段シリンダの他方の面には上軸受を配置し、
    前記オイル排出通路を、前記中間仕切板及び前記上軸受の少なくとも一方に形成した
    ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の内部中圧型多段圧縮コンプレッサ。
  5. 前記オイル排出通路を、前記中間仕切板の高段シリンダ側仕切板端面又は前記上軸受の高段シリンダ側軸受端面に、溝によって形成した
    ことを特徴とする請求項4に記載の内部中圧型多段圧縮コンプレッサ。
  6. 前記溝をI字状に形成した
    ことを特徴とする請求項5に記載の内部中圧型多段圧縮コンプレッサ。
  7. 前記溝を前記シャフトの回転中心を中心とした半径方向に沿って形成した
    ことを特徴とする請求項6に記載の内部中圧型多段圧縮コンプレッサ。
  8. 前記溝をL字状に形成した
    ことを特徴とする請求項5に記載の内部中圧型多段圧縮コンプレッサ。
  9. 前記オイル排出通路のオイル導出口は、前記オイルリッチ圧縮室空間が形成される期間内の所定時間で前記高段ローラの前記内部空間に開口し、前記オイルリッチ圧縮室空間が形成されない期間では前記高段ローラによって閉口する
    ことを特徴とする請求項3に記載の内部中圧型多段圧縮コンプレッサ。
  10. 前記圧縮機構部で圧縮する冷媒として二酸化炭素を用いた
    ことを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の内部中圧型多段圧縮コンプレッサ。
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