[第1実施形態]
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
[機能フロー]
図1は、本発明の一実施形態に係るパチンコ遊技機の機能フローを示す図である。同図に示すように、パチンコゲームは、ユーザの操作により遊技球が発射され、その遊技球が各種入賞した場合に遊技球の払出制御処理が行われるゲームである。また、パチンコゲームには、特別図柄を用いる特別図柄ゲーム、普通図柄を用いる普通図柄ゲームが含まれる。なお、この明細書において、「パチンコ遊技機」と称する場合もあれば「パチンコ機」と称する場合もある。
特別図柄ゲームにおいて「大当り」となったときや、普通図柄ゲームにおいて「当り」となったときには、相対的に、遊技球が入賞する可能性が増大し、遊技球の払出制御処理が行われ易くなる。
また、各種入賞には、特別図柄ゲームにおいて特別図柄の可変表示が行われるための一つの条件である特別図柄始動入賞や、普通図柄ゲームにおいて普通図柄の可変表示が行われるための一つの条件である普通図柄始動入賞も含まれる。
なお、本明細書でいう「可変表示」とは、変動可能に表示される概念であり、例えば、実際に変動して表示される「変動表示」、実際に停止して表示される「停止表示」等を可能にするものである。
また、「可変表示」では、例えば特別図柄ゲームの結果として特別図柄(識別情報)が表示される「導出表示」を行うことができる。すなわち、本明細書では、「変動表示」の開始から「導出表示」までの動作を1回の「可変表示」と称する。
以下、特別図柄ゲーム及び普通図柄ゲームの処理フローの概要を説明する。
(1)特別図柄ゲームにおいて特別図柄始動入賞があった場合には、大当り判定用カウンタ及び図柄決定用カウンタからそれぞれ乱数値(大当り判定用乱数値及び図柄決定用乱数値)が抽出され、抽出された各乱数値が記憶される(図1に示す特別図柄ゲーム中の特別図柄始動入賞処理のフロー参照)。
また、図1に示すように、特別図柄ゲーム中の特別図柄制御処理では、最初に、特別図柄の可変表示を開始する条件が成立したか否かが判定される。この判定処理では、特別図柄始動入賞によって乱数値が記憶されているか否かを参照し、乱数値が記憶されていることを一つの条件として、特別図柄の可変表示を開始する条件が成立したと判定する。
次いで、特別図柄の可変表示を開始する場合、大当り判定用カウンタから抽出された大当り判定用乱数値が参照され、「大当り」とするか否かの大当り判定が行われる。その後、停止図柄決定処理が行われる。この処理では、図柄決定用カウンタから抽出された図柄決定用乱数値と、上述した大当り判定の結果とが参照され、停止表示させる特別図柄を決定する。
次いで、変動パターン決定処理が行われる。この処理では、変動パターン決定用カウンタから乱数値が抽出され、その乱数値と、上述した大当り判定の結果と、上述した停止表示させる特別図柄とが参照され、特別図柄の変動パターンを決定する。
次いで、演出パターン決定処理が行われる。この処理では、演出パターン決定用カウンタから乱数値が抽出され、その乱数値と、上述した大当り判定の結果と、上述した停止表示させる特別図柄と、上述した特別図柄の変動パターンとが参照され、特別図柄の可変表示に伴って実行する演出パターンを決定する。
次いで、決定された大当り判定の結果、停止表示させる特別図柄、特別図柄の変動パターン、及び、特別図柄の可変表示に伴う演出パターンが参照され、特別図柄の可変表示の制御を行う可変表示制御処理、及び、所定の演出を行う演出制御処理が実行される。
そして、可変表示制御処理及び演出表示制御処理が終了すると、「大当り」となるか否かが判定される。この判定処理において、「大当り」となったと判定されると、大当り遊技を行う大当り遊技制御処理が実行される。なお、大当り遊技では、上述した各種入賞の可能性が増大する。一方、「大当り」とならなかったと判定されると、大当り遊技制御処理が実行されない。
「大当り」とならなかったと判定された場合、又は、大当り遊技制御処理が終了した場合には、遊技状態を移行させるための遊技状態移行制御処理が行われる。この遊技状態移行制御処理では、大当り遊技状態とは異なる通常時の遊技状態の管理が行われる。
通常時の遊技状態としては、例えば、上述した大当り判定において、「大当り」と判定される確率が増大する遊技状態(以下、「確変遊技状態」という)や、特別図柄始動入賞が得られやすくなる遊技状態(以下、「時短遊技状態」という)などが挙げられる。その後、再度、特別図柄の可変表示を開始させるか否かの判定処理を行い、その後は、上述した特別図柄制御処理の各種処理が繰り返される。
なお、本実施形態のパチンコ遊技機において、特別図柄の変動表示中に遊技球が始動入賞した場合には、該始動入賞時に取得される各種データ(大当り判定用乱数値、図柄決定用乱数値等)が保留される。
すなわち、特別図柄の変動表示中に遊技球が始動入賞した場合には、該始動入賞に対応する特別図柄の可変表示(変動表示)が保留され、現在実行されている特別図柄の変動表示終了後に保留されている特別図柄の可変表示が開始される。以下では、保留されている特別図柄の可変表示を「保留球」ともいう。
また、本実施形態のパチンコ遊技機では、後述するように、2種類の特別図柄始動入賞(第1始動口入賞及び第2始動口入賞)を設け、各特別図柄始動入賞に対して最大4個の保留球を取得することができる。すなわち、本実施形態では、最大8個の保留球を取得することができる。
なお、本実施形態のパチンコ遊技機は、図1には示さないが、上述した保留球の情報に基づいて保留球の当落(「大当り」当選の有無)や変動パターンを判定し、さらに、その判定結果に基づいて所定の演出を行う機能、すなわち先読み演出機能を備えていてもよい。
(2)普通図柄ゲームにおいて普通図柄始動入賞があった場合には、当り判定用カウンタから乱数値が抽出され、その乱数値が記憶される(図1に示す普通図柄ゲーム中の普通図柄始動入賞処理のフロー参照)。
また、図1に示すように、普通図柄ゲーム中の普通図柄制御処理では、最初に、普通図柄の可変表示を開始する条件が成立したか否かが判定される。この判定処理では、普通図柄始動入賞によって乱数値が記憶されているか否かが参照され、乱数値が記憶されていることを一つの条件として、普通図柄の可変表示を開始する条件が成立したと判定する。
次いで、普通図柄の可変表示を開始する場合、当り判定用カウンタから抽出された乱数値が参照され、「当り」とするか否かの当り判定が行われる。その後、変動パターン決定処理が行われる。この処理では、当り判定の結果が参照され、普通図柄の変動パターンを決定する。
次いで、決定された当り判定の結果、及び、普通図柄の変動パターンが参照され、普通図柄の可変表示の制御を行う可変表示制御処理、及び、所定の演出を行う演出制御処理が実行される。
可変表示制御処理及び演出表示制御処理が終了すると、「当り」となるか否かが判定される。この判定処理において、「当り」となると判定されると、当り遊技を行う当り遊技制御処理が実行される。
当り遊技制御処理では、上述した各種入賞の可能性、特に、特別図柄ゲームにおける遊技球の特別図柄始動入賞の可能性が増大する。一方、「当り」とならないと判定されると、当り遊技制御処理が実行されない。その後、再度、普通図柄の可変表示を開始させるか否かの判定処理を行い、その後は、上述した普通図柄制御処理の各種処理が繰り返される。
上述のように、パチンコゲームでは、特別図柄ゲームにおいて「大当り」となるか否か、遊技状態の移行状況、普通図柄ゲームにおいて「当り」となるか否か等の条件により、遊技球の払出制御処理の行われ易さが変化する。
なお、本実施形態において、各種の乱数値の抽出方式としては、プログラムを実行することによって乱数値を生成するソフト乱数方式を用いる。しかしながら、本発明はこれに限定されず、例えば、パチンコ遊技機が、所定周期で乱数が更新される乱数発生器を備える場合には、その乱数発生器におけるカウンタ(いわゆる、リングカウンタ)から乱数値を抽出するハード乱数方式を、上述した各種乱数値の抽出方式として採用してもよい。
なお、ハード乱数方式を用いる場合は、所定周期とは異なるタイミングで、乱数値の初期値を決定することによって、所定周期で同じ乱数値が抽出されることを防止することができる。
[パチンコ遊技機の構造]
次に、図2〜図4を参照して、本実施形態におけるパチンコ遊技機の構造について説明する。図2は、パチンコ遊技機の正面図、図3は、パチンコ遊技機の外観を示す斜視図、図4は、パチンコ遊技機の分解斜視図である。なお、以下の説明においては、基本的に特に断らない限り、パチンコ遊技機1の正面側を前方向、パチンコ遊技機1の背面側を後方向、パチンコ遊技機1の前方から見て左側を左方向、パチンコ遊技機1の前方から見て右側を右方向、パチンコ遊技機1の上側を上方向、パチンコ遊技機1の下側を下方向、パチンコ遊技機1を正面から見て時計回りの方向を右回りの方向、その逆に反時計回りの方向を左回りの方向として説明する。
パチンコ遊技機1は、図2及び図3に示すように、本体2と、本体2に対して開閉自在に取り付けられたベースドア3と、ベースドア3に対して開閉自在に取り付けられたガラスドア4とを備える。
[本体]
本体2は、長方形状の開口2aを有する枠状部材で構成される(図4参照)。この本体2は、例えば、木材等の材料により形成される。
[ベースドア]
ベースドア3は、本体2の外形形状と略等しい長方形の外形形状を有する板状部材で構成される。ベースドア3は、本体2の前方(パチンコ遊技機1の正面側)に配置されており、ベースドア3を本体2の一方の側辺端部を軸にして回動させることにより、本体2の開口2aが開閉される。
ベースドア3には、図4に示すように、四角形状の開口3aが設けられる。この開口3aは、ベースドア3の略中央部から上側の領域に渡って形成され、該領域の大部分を占有する大きさで形成される。
また、ベースドア3には、スピーカ11と、遊技盤12と、皿ユニット14と、発射装置15と、払出ユニット16と、基板ユニット17とが取り付け可能である。遊技盤12には、液晶表示装置13が取り付けられる。なお、液晶表示装置13は、遊技盤12に取り付けず、遊技盤12の背面側に、遊技盤12との間に間隔が存在する状態で配設されていてもよい。
スピーカ11は、ベースドア3の上部(上端部付近)に配置される。遊技盤12は、ベースドア3の前方(パチンコ遊技機1の正面側)に配置され、ベースドア3の開口3aを覆うように配置される。
遊技盤12は、光透過性を有する板形状の樹脂部材で構成される。なお、光透過性を有する樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、メタクリル樹脂等を用いることができる。
また、遊技盤12の前面(パチンコ遊技機1の正面側の表面)には、発射装置15から発射された遊技球が転動する遊技領域12aが形成される。この遊技領域12aは、ガイドレール(具体的には後述のガラスドア4の開口4aを囲む図示しない外レール41a)に囲まれた領域であり、その外周形状は略円状である。
さらに、遊技領域12aには、図示しない複数の遊技釘が打ちこまれている。なお、遊技盤12(遊技領域12a)の構成については、図5(a)を参照して後述する。
液晶表示装置13は、遊技盤12の背面側(パチンコ遊技機1の正面側とは反対側)に取り付けられる。この液晶表示装置13は、画像を表示する表示領域13aを有する。表示領域13aの大きさは、遊技盤12の表面一部の領域を占めるような大きさに設定される。なお、液晶表示装置13の表示領域13aの大きさは、遊技盤12の表面全体の領域を占める大きさであってもよい。
この液晶表示装置13の表示領域13aには、演出用の識別図柄(装飾図柄)、演出画像、装飾用画像等の各種画像が表示される。遊技者は、遊技盤12を介して、液晶表示装置13の表示領域13aに表示された各種画像を視認することができる。
なお、本実施形態では、表示装置として液晶表示装置13を用いたが、本発明はこれに限定されず、液晶表示装置13に代えて、例えば、プラズマディスプレイ、リアプロジェクションディスプレイ、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ等の表示機器を適用してもよい。
また、遊技盤12の背面側(パチンコ遊技機1の正面側とは反対側)には、スペーサ19が設けられる。このスペーサ19は、遊技盤12の背面(パチンコ遊技機1の背面側の表面)と液晶表示装置13の前面(パチンコ遊技機1の正面側の表面)との間に設けられ、遊技盤12の遊技領域12aを転動する遊技球の流路となる空間を形成する。
スペーサ19は、光透過性を有する材料で形成される。なお、本発明はこれに限定されず、スペーサ19は、例えば、一部が光透過性を有する材料で形成されていてもよいし、光透過性を有さない材料で形成されていてもよい。
皿ユニット14は、遊技盤12の下方に配置される。この皿ユニット14は、上皿21と、その下方に配置された下皿22とを有する。上皿21及び下皿22には、遊技球の貸出、遊技球の払出(賞球)を行うための払出口21a及び払出口22aがそれぞれ形成される。
所定の払出条件が成立した場合には、払出口21a又は払出口22aから遊技球が排出され、それぞれ排出された遊技球が上皿21や下皿22に貯留される。また、上皿21に貯留された遊技球は、発射装置15によって遊技領域12aに発射される。
また、皿ユニット14には、演出ボタン23が設けられる。この演出ボタン23は、上皿21上に取り付けられる。また、演出ボタン23の周縁には、ジョグダイヤル24が演出ボタン23に対して回転可能に取り付けられる。
本実施形態のパチンコ遊技機1は、演出ボタン23及びジョグダイヤル24の少なくともいずれか一方を用いて行う所定の演出機能を有し、所定の演出を行う場合には、液晶表示装置13の表示領域13aに、演出ボタン23及びジョグダイヤル24の少なくともいずれか一方の操作を促す画像が表示される。
発射装置15は、ベースドア3の前面において、右下の領域(右下角部付近)に配置される。この発射装置15は、遊技者によって操作可能な発射ハンドル25と、皿ユニット14の右下部に係合するパネル体26とを備える。発射ハンドル25は、パネル体26の前面側に配置され、パネル体26に回動可能に支持される。
なお、図2〜図4には示さないが、パネル体26の背面側には、遊技球の発射動作を制御するソレノイドアクチュエータが設けられる。また、図2〜図4には示さないが、発射ハンドル25の周縁部には、タッチセンサが設けられ、発射ハンドル25の内部には、発射ボリュームが設けられる。発射ボリュームは、発射ハンドル25の回動量に応じて抵抗値を変化させ、ソレノイドアクチュエータに供給する電力を変化させる。
本実施形態のパチンコ遊技機1では、遊技者の手が発射ハンドル25のタッチセンサに接触すると、タッチセンサは検知信号を出力する。これにより、遊技者が発射ハンドル25を握持したことが検知され、ソレノイドアクチュエータによる遊技球の発射が可能になる。
そして、遊技者が発射ハンドル25を把持して時計回り(遊技者側から見て右回り)の方向へ回動操作すると、発射ハンドル25の回動角度に応じて発射ボリュームの抵抗値が変化し、その抵抗値に対応する電力がソレノイドアクチュエータに供給される。その結果、上皿21に貯留された遊技球が順次発射され、発射された遊技球は、ガイドレールに案内されて遊技盤12の遊技領域12aへ放出される。
また、図2〜図4には示さないが、発射ハンドル25の側部には、発射停止ボタンが設けられる。発射停止ボタンは、ソレノイドアクチュエータによる遊技球の発射を停止させるために設けられたボタンである。遊技者が発射停止ボタンを押下すると、発射ハンドル25を把持して回動させた状態であっても、遊技球の発射が停止される。
払出ユニット16及び基板ユニット17は、ベースドア3の背面側に配置される。払出ユニット16には、貯留ユニット(不図示)から遊技球が供給される。払出ユニット16は、貯留ユニットから供給された遊技球の中から、払出条件の成立に基づいて、所定個数の遊技球を上皿21又は下皿22に払い出す。
基板ユニット17は、各種制御基板を有する。各種制御基板には、後述する主制御回路70や副制御回路200、払出・発射制御回路300等が設けられる(後述の図8参照)。
[ガラスドア]
ガラスドア4は、矩形枠状に形成される。また、ガラスドア4は、遊技盤12の前面側に配置され、遊技盤12を覆う大きさを有する。このガラスドア4の前面において、スピーカ11と対向する上部領域には、上部装飾ユニット58が設けられる。上部装飾ユニット58は、パチンコ遊技機1の前方に突出するように配置されている。
また、ガラスドア4の中央部において、遊技盤12の遊技領域12aと対向する領域には、少なくとも遊技領域12aを露出させるような大きさの開口4aが形成される。ガラスドア4の開口4aは、光透過性を有する保護ガラス28が取り付けられ、これにより、開口4aが塞がれる。
したがって、ガラスドア4をベースドア3に対して閉じると、保護ガラス28は、遊技盤12の少なくとも遊技領域12aに対面するように配置される。図2に示すように、ガラスドア4の開口4aの左右両端及び下端には、電飾カバー58A〜58Cが設けられている。電飾カバー58A〜58Cの後面には、LED(Light Emitting Diode)59A〜59C(図8参照)が設けられている。LED59A〜59Cは、液晶表示装置13に表示される演出、演出ボタン、電飾カバー58A、58Bの発光などと連動して点灯あるいは点滅するように制御される。
[遊技盤]
次に、遊技盤12の構成について、図5(a)を参照して説明する。図5(a)は、遊技盤12の構成を示す正面図である。
遊技盤12の前面には、図5(a)に示すように、ガイドレール41と、球通過検出器43と、第1始動口44と、第2始動口45と、普通電動役物46とが設けられる。また、遊技盤12の前面には、一般入賞口51、52と、第1大入賞口53と、第2大入賞口54と、アウト口55と、図示しない複数の遊技釘とが設けられる。
また、遊技盤12の前面において第2大入賞口54付近は、膨出カバー(図示略)が設けられており、膨出カバーは、遊技盤12の前面から前方に膨れ出ている。以後、遊技盤12の前方とは、遊技盤12に対して遊技者側を表し、遊技盤12の後方とは、遊技盤12に対して遊技者側と反対側を表す。また、遊技盤12に対して右側、左側とは、遊技盤12を正面から見て右側、左側を表す。したがって、遊技盤12を後方から見た場合には、紙面において遊技盤12の右側が左側となり、遊技盤12の左側が右側となる。
さらに、遊技盤12の前面において、その右下部には、特別図柄表示装置61と、普通図柄表示装置62と、普通図柄保留表示装置63と、第1特別図柄保留表示装置64と、第2特別図柄保留表示装置65とが設けられる(図5(a)において符号省略し、図8参照)。
なお、本実施形態では、特別図柄の停止表示の結果が「大当り」である場合に点灯する報知LEDや、大当り遊技中のラウンド数を表示するラウンド数表示LED等を設けてもよい。
[遊技領域の各種構成部材]
ガイドレール41は、遊技領域12aを区画するように円弧状に延在し、ガラスドア4の開口4aを囲む図示しない外レール41a(図5(a)において破線で示す)と、この外レール41aの内側(内周側)に配置されて円弧状に延在する内レール41bとで構成される。
遊技領域12aは、外レール41aの内側に形成される。外レール41a及び内レール41bは、遊技者側から見て、遊技領域12aの左側端部付近において互いに対向するように配置され、これにより、外レール41aと内レール41bとの間に、発射装置15によって発射された遊技球を遊技領域12aの上部へと案内するガイド経路41cが形成される。
また、遊技領域12aの左側上部に位置する内レール41bの先端部には、該内レール41bの先端部と、それと対向する外レール41aの一部とにより、玉放出口41dが形成される。そして、内レール41bの先端部には、玉放出口41dを塞ぐようにして、玉戻り防止片42が設けられる。
この玉戻り防止片42は、玉放出口41dから遊技領域12aに放出された遊技球が、再び玉放出口41dを通過してガイド経路41cに進入することを防止する。
玉放出口41dから放出された遊技球は、遊技領域12aの上部から下部に向かって流下する。この際、遊技球は、複数の遊技釘、第1始動口44、第2始動口45等の遊技領域12aに設けられた各種部材に衝突して、その進行方向を変えながら遊技領域12aの上部から下部に向かって流下する。
遊技領域12aの略中央には、液晶表示装置13の表示領域13aが設けられる。この表示領域13aの上端には、障害物13bが設けられる。障害物13bを設けることにより、遊技球は、遊技領域12a内の表示領域13aと重なる領域上を通過しない。
球通過検出器43は、遊技者側から見て、表示領域13aの右側における第1大入賞口53の上部付近に配置される。球通過検出器43には、通過する遊技球を検出するための通過球センサ43a(後述の図8参照)が設けられる。また、球通過検出器43を遊技球が通過することにより、普通図柄ゲームの「当り」か否かの抽選が行われ、該抽選の結果に基づいて普通図柄の変動表示が開始される。
第1始動口44は、表示領域13aの下方に配置され、第2始動口45は、第1始動口44の下方に配置される。第1始動口44及び第2始動口45は、遊技球を受け入れ可能な部材で構成される。
以下、遊技球が第1始動口44又は第2始動口45に入ること又は通過することを「入賞」という。そして、遊技球が第1始動口44又は第2始動口45に入賞すると、所定数(例えば3個)の遊技球が払い出される。
また、第1始動口44に遊技球が入球することにより、「大当り」であるか否かの抽選及び「小当り」であるか否かの抽選が行われ、該抽選の結果に基づいて第1特別図柄の変動表示が開始される。さらに、第2始動口45に遊技球が入球することにより、「大当り」であるか否かの抽選が行われ、該抽選の結果に基づいて第2特別図柄の変動表示が開始される。第1特別図柄及び第2特別図柄は、それぞれ特図1及び特図2という場合がある。
第1始動口44には、入賞した遊技球を検出するための第1始動口入賞球センサ44a(後述の図8参照)が設けられる。また、第2始動口45には、第2始動口45に入賞した遊技球を検出するための第2始動口入賞球センサ45a(後述の図8参照)が設けられる。なお、第1始動口44及び第2始動口45に入賞した遊技球は、遊技盤12に設けられた回収口(不図示)を通過して遊技球の回収部(不図示)に搬送される。
普通電動役物46は、第2始動口45に設けられる。普通電動役物46は、遊技盤12の前後方向に前傾姿勢・後退姿勢をなすように開閉動作する羽根状の部材であり、第2始動口45への遊技球の入賞を可能とする開放状態と、第2始動口45への遊技球の入賞を不可能又は困難とする閉鎖状態とを切り替え可能に構成されている。普通電動役物46は、普通電動役物ソレノイド46a(後述の図8参照)により開閉駆動される。
なお、本実施形態では、普通電動役物46が閉鎖状態である場合、一対の羽根部材の開口形態を、入賞不可能にする形態でなく、遊技球の入賞が困難になるような形態にしてもよい。また、普通電動役物46としては、羽根状の部材を前後方向に開閉するように動作させるものに限らず、例えば遊技盤12の左右方向に回動することで始動口を拡開するいわゆる電動チューリップ型のものや、遊技盤12の前後方向に水平移動することで始動口を開閉する舌状部材であってもよい。
一般入賞口51は、遊技者側から見て、遊技領域12aの左下部付近に配置される。また、一般入賞口52は、球通過検出器43の右方に配置され、かつ、遊技者側から見て、遊技領域12aの右下部付近に配置される。
一般入賞口51及び一般入賞口52は、遊技球を受け入れ可能な部材で構成される。以下では、遊技球が一般入賞口51又は一般入賞口52に入ること又は通過することもまた、「入賞」という。一般入賞口51又は一般入賞口52に遊技球が入賞すると、所定数(例えば10個)の遊技球が払い出される。
一般入賞口51には、入賞した遊技球を検出するための一般入賞球センサ51a(後述の図8参照)が設けられる。また、一般入賞口52には、一般入賞口52に入賞した遊技球を検出するための一般入賞球センサ52a(後述の図8参照)が設けられる。
第1大入賞口53及び第2大入賞口54は、球通過検出器43の下方で、かつ、第1始動口44及び第2始動口45の右方に配置される。第1大入賞口53及び第2大入賞口54は、遊技球の流路に沿って上下方向に配置され、第1大入賞口53は、第2大入賞口54の上方に配置される。
第1大入賞口53及び第2大入賞口54は、ともに、いわゆるアタッカー式の開閉装置であり、開閉可能なシャッタ53a,54aと、これらのシャッタ53a,54aを駆動させるソレノイドアクチュエータ(後述の図8中の第1大入賞口ソレノイド53b及び第2大入賞口ソレノイド54b)とを有する。
第1大入賞口53及び第2大入賞口54のそれぞれは、対応するシャッタ53a,54aが開いている状態(開放状態)のときに遊技球を受け入れ、シャッタが閉じている状態(閉鎖状態)のときには遊技球を受け入れない。
以下では、遊技球が第1大入賞口53又は第2大入賞口54に入ること又は通過することもまた、「入賞」という。第1大入賞口53に遊技球が入賞すると、所定数(例えば10個)の遊技球が払い出される。一方、第2大入賞口54に遊技球が入賞すると、所定数(例えば15個)の遊技球が払い出される。
また、第1大入賞口53には、入賞した遊技球を計数するためのカウントセンサ53c(後述の図8参照)が設けられる。さらに、第2大入賞口54には、入賞した遊技球を計数するためのカウントセンサ54c(図5(a)及び後述の図8参照)が設けられる。
本実施形態のパチンコ遊技機1において、第1大入賞口53は、遊技球が複数個同時に入賞可能となるように比較的横幅寸法が大きい開口として遊技盤12の前面に形成されている一方、第2大入賞口54は、遊技球が1個ずつ入賞し得るように比較的寸法が小さい開口として図示しない膨出カバーの上端面一部に形成されている。
第1大入賞口53に対応するシャッタ53aは、遊技盤12の前後方向に前傾姿勢・後退姿勢をなすように開閉動作することにより、第1大入賞口53を開放状態あるいは閉鎖状態に切り替えるものであり、閉鎖状態において第1大入賞口53を覆うように配置されている。すなわち、シャッタ53aは、第1大入賞口53への遊技球の入賞が可能な開放状態と、遊技球の入賞が不可能又は困難な閉鎖状態とに変化するように第1大入賞口ソレノイド53b(後述の図8参照)により駆動される。
第2大入賞口54に対応するシャッタ54aは、遊技盤12の前後方向に水平移動することにより、第2大入賞口54を開放状態あるいは閉鎖状態に切り替えるものであり、閉鎖状態において第2大入賞口54を覆うように配置されている。すなわち、シャッタ54aは、第2大入賞口54への遊技球の入賞が可能な開放状態と、遊技球の入賞が不可能又は困難な閉鎖状態とに変化するように第2大入賞口ソレノイド54b(後述の図8参照)により駆動される。
また、本実施形態のパチンコ遊技機1において、膨出カバーの内側には、第2大入賞口54を通過してカウントセンサ54cにより検知された遊技球が通過可能な特定領域38A及び非特定領域38Bが設けられている。第2大入賞口54から特定領域38A及び非特定領域38Bに至る遊技球の球通路は、膨出カバーの内面に設けられた仕切り壁(図示略)により形成される。第2大入賞口54に入賞した遊技球は、特定領域38A及び非特定領域38Bのいずれか一方を通過した後、遊技盤12の背後へと導かれて回収される。第2大入賞口54から特定領域38A及び非特定領域38Bへと至るまでの球通路の途中位置には、カウントセンサ54cが配置されている。特定領域38Aには、特定領域センサ380Aが配置されており、特定領域38Aにおける遊技球の通過は、特定領域センサ380Aにより検出される。非特定領域38Bには、非特定領域センサ380Bが配置されており、非特定領域38Bへの遊技球の通過は、非特定領域センサ380Bにより検知される。また、特定領域38Aの近傍には、これを開閉するための変位部材39が設けられている。
変位部材39は、遊技盤12の前後方向に水平移動することにより、特定領域38Aを開放状態あるいは閉鎖状態に切り替えるものであり、閉鎖状態では特定領域38Aを覆うように位置する。すなわち、変位部材39は、特定領域38Aへの遊技球の通過が容易な開放状態と、通過が不可能又は困難な閉鎖状態とに変化するように変位部材ソレノイド390(後述の図8参照)により駆動される。特定領域38Aが閉鎖状態にある場合、特定領域38Aを通過できない遊技球は、非特定領域38Bを通過することとなる。
以下では、遊技球が特定領域38Aを通過することを、「V入賞」という場合がある。また、特定領域38Aが設けられた第2大入賞口54については、「Vアタッカー」という場合がある。本実施形態のパチンコ遊技機1において、V入賞に成功した大当り遊技状態の終了後は、確変遊技状態に移行する。そのため、V入賞を「V確」という場合がある。変位部材39については、「Vベロ」という場合がある。
なお、V入賞を実現するための構成としては、図5(b)に示すような構成としてもよい。すなわち、第2大入賞口54の内部には、下方へと遊技球を導くための球通路が形成され、球通路の下端には、左右に隣接するように特定領域38Aと非特定領域38Bとを設ける。第2大入賞口54から球通路へと進入する位置には、カウントセンサ54cが配置される。特定領域38Aには、特定領域センサ380Aが配置されており、特定領域38Aへの遊技球のV入賞は、特定領域センサ380Aにより検出される。非特定領域38Bには、非特定領域センサ380Bが配置されており、非特定領域38Bへの遊技球の通過は、非特定領域センサ380Bにより検知される。そして、球通路において特定領域38A及び非特定領域38Bの近傍には、左右に回動可能な変位部材39を設ける。変位部材39は、実線で示す姿勢が変位後の開放姿勢であり、仮想線で示す位置が通常の閉鎖姿勢である。
変位部材39は、特定領域38Aを開放状態あるいは閉鎖状態に切り替えるものである。変位部材39は、実線で示す開放姿勢にあるとき、特定領域38Aを開放状態とし、当該特定領域38Aへの遊技球のV入賞を容易な状態とする。このとき、変位部材39は、球通路の右側にある特定領域38Aへと遊技球を案内する。これにより、第2大入賞口54から球通路へと導かれてきた遊技球は、特定領域38Aを通過することでV入賞となる。また、変位部材39は、仮想線で示す閉鎖姿勢にあるとき、特定領域38Aを閉鎖状態とし、当該特定領域38Aへの遊技球のV入賞を不可能あるいは困難な状態とするとともに、球通路の左側にある非特定領域38Bへと遊技球を案内する。これにより、第2大入賞口54から球通路へと導かれてきた遊技球は、特定領域38Aを通過せずに非特定領域38Bを通過する。このような構成でもV入賞を実現することができる。なお、カウントセンサ54cが遊技球の通過を検出したときに賞球を払い出し、カウントセンサ54c、特定領域センサ380A、非特定領域センサ380Bからの信号に基づいて、第2大入賞口54から遊技球が排出されたか否か(第2大入賞口54内に遊技球が残留しているか否か)を判定するようにしてもよい。
アウト口55は、遊技領域12aの最下部に設けられる。このアウト口55は、第1始動口44、第2始動口45、一般入賞口51、52、第1大入賞口53及び第2大入賞口54のいずれにも入賞しなかった遊技球を受け入れる。
本実施形態の遊技領域12aにおける各種構成部材の配置を図5(a)に示すような配置にすると、遊技者により遊技領域12aの右側の領域に遊技球が打ち込まれた場合(いわゆる右打ちの場合)、遊技釘等により遊技球が第2始動口45に誘導される。
この場合、第1始動口44に入賞する可能性はほとんどなくなる。なお、本実施形態では、第2始動口45に入賞した方が、第1始動口44に入賞した場合より、遊技者にとって有利な「大当り」の抽選を受け易くなる。
それゆえ、第2始動口45への入賞が比較的容易になるいわゆる「時短遊技状態」では、右打ちを行うことにより、第1始動口44への入賞の可能性(遊技者にとって不利な遊技状態となる可能性)を低くすることができる。
膨出カバーは、第1大入賞口53の下方に設けられており、膨出カバーの上面は、傾斜面として形成されている。この傾斜面は、遊技者側から見て右上方から左下方に向かって左下がりに傾斜している。傾斜面は、遊技領域12aの上部から下部に向かって流下する遊技球を第2大入賞口54へと導くようになっており、傾斜面上を転動する遊技球が図示しないリブ等に衝突すると、遊技球の速度が低下してシャッタ54aが開放状態にある第2大入賞口54に遊技球が入賞し易くなる。
また、図5(a)に示すように、遊技盤12の表示領域13aの周囲には電飾カバー58E〜58Hが設けられており、電飾カバー58E〜58Hの後面にはLED59e〜59h(図8参照)が設けられている。電飾カバー58E〜58Hは、LED59e〜59hの点灯あるいは点滅によって演出表示を行う。
[液晶表示装置]
液晶表示装置13は、液晶で構成され、その表示領域13aにおいて各種演出表示を行う。
具体的に、本実施形態では、後述する特別図柄表示装置61に表示される特別図柄と関連する(対応する)演出画像が表示領域13aに表示される。この際、例えば、特別図柄表示装置61において特別図柄が変動表示中であるときには、特定の場合を除いて、例えば、1〜8までの数字や各種文字等からなる複数の演出用識別図柄(装飾図柄)が表示領域13aに変動表示される。
そして、特別図柄表示装置61において特別図柄が停止表示されると、表示領域13aにも、特別図柄に対応する複数の装飾図柄が停止表示される。
そして、特別図柄表示装置61において停止表示された特別図柄が特定の態様である(停止表示の結果が「大当り」である)場合には、「大当り」であることを遊技者に把握させるための演出画像が表示領域13aに表示される。
「大当り」であることを遊技者に把握させるための演出としては、例えば、まず、停止表示された複数の装飾図柄が特定の態様(例えば、同一の装飾図柄が所定の方向に沿って並ぶ態様)となり、その後、「大当り」を報知する画像を表示するような演出が挙げられる。
また、本実施形態では、液晶表示装置13の表示領域13aに、後述する第1特別図柄保留表示装置64及び第2特別図柄保留表示装置65の表示内容と関連する演出画像が表示される。例えば、表示領域13aには、特別図柄の可変表示の保留個数を報知する保留情報(例えば、保留個数と同じ数の保留用図柄)が表示される。また、例えば、本実施形態のパチンコ遊技機1では、特別図柄の保留球の情報に基づいて先読み演出を行うが、この際の予告報知も表示領域13aに表示される。
また、本実施形態では、後述する普通図柄表示装置62において停止表示された普通図柄が所定の態様であった場合に、その情報を遊技者に把握させる演出画像を液晶表示装置13の表示領域13aに表示させる機能をさらに設けてもよい。
[特別図柄表示装置]
特別図柄表示装置61は、液晶表示装置13の表示領域13aの右下部に配置される。特別図柄表示装置61は、特別図柄ゲームにおいて、特別図柄を可変表示(変動表示及び停止表示)する表示装置である。本実施形態では、特別図柄を数字や記号等からなる図柄で表示する7セグ表示器により特別図柄表示装置61を構成する。
なお、本発明はこれに限定されず、特別図柄表示装置61を、例えば、複数のLEDにより構成してもよい。この場合には、複数のLEDの点灯・消灯によって構成される表示パターンを特別図柄として表す。
特別図柄表示装置61は、遊技球が第1始動口44又は第2始動口45に入賞したこと(特別図柄始動入賞)を契機に、特別図柄(識別情報)の変動表示を行う。そして、特別図柄表示装置61は、所定時間、特別図柄の変動表示を行った後、特別図柄の停止表示を行う。
以下では、遊技球が第1始動口44に入賞したときに、特別図柄表示装置61において変動表示される特別図柄を、第1特別図柄という。また、遊技球が第2始動口45に入賞したときに、特別図柄表示装置61において変動表示される特別図柄を、第2特別図柄という。
特別図柄表示装置61において、停止表示された第1特別図柄又は第2特別図柄が特定の態様(「大当り」の態様)である場合には、遊技状態が、通常遊技状態から遊技者に有利な状態である大当り遊技状態に移行する。
すなわち、特別図柄表示装置61において、第1特別図柄又は第2特別図柄が大当り遊技状態に移行する態様で停止表示されることが、「大当り」である。
大当り遊技状態では、第1大入賞口53又は第2大入賞口54が開放状態になる。具体的には、本実施形態では、遊技球が第1始動口44に入賞し、特別図柄表示装置61において第1特別図柄が特定の態様で停止表示された場合には、第1大入賞口53が開放状態となる。
一方、遊技球が第2始動口45に入賞し、特別図柄表示装置61において第2特別図柄が特定の態様で停止表示された場合には、第2大入賞口54が開放状態となる。
各大入賞口の開放状態は、遊技球が所定個数入賞するまで、又は、一定期間(例えば30秒)が経過するまで維持される。そして、各大入賞口の開放状態の経過期間が、このいずれかの条件を満たすと、開放状態であった大入賞口が閉鎖状態になる。
以下では、第1大入賞口53又は第2大入賞口54が遊技球を受け入れやすい状態(開放状態)となっている遊技をラウンドゲームという。ラウンドゲーム間は、大入賞口が閉鎖状態となる。
また、ラウンドゲームは、1ラウンド、2ラウンド等のラウンド数として計数される。例えば、1回目のラウンドゲームを第1ラウンド、2回目のラウンドゲームを第2ラウンドと称する。
なお、特別図柄表示装置61において、停止表示された特別図柄が特定の態様以外の態様(「ハズレ」の態様)である場合には、転落抽選に当選した場合を除き遊技状態は移行しない。
すなわち、特別図柄ゲームは、特別図柄表示装置61により、特別図柄が変動表示され、その後、特別図柄が停止表示され、その結果によって遊技状態が移行又は維持されるゲームである。
また、本実施形態のパチンコ遊技機1では、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動表示中に遊技球が第1始動口44に入賞した場合、該入賞に対応する第1特別図柄の可変表示(保留球)が保留される。
そして、現在、変動表示中の第1特別図柄又は第2特別図柄が停止表示されると、保留されていた第1特別図柄の変動表示が開始される。本実施形態では、保留される第1特別図柄の可変表示の数(いわゆる、「保留個数(保留球の個数)」)を、最大4回(個)に規定する。
さらに、本実施形態では、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動表示中に遊技球が第2始動口45に入賞した場合、該入賞に対応する第2特別図柄の可変表示(保留球)が保留される。
そして、現在、変動表示中の第1特別図柄又は第2特別図柄が停止表示されると、保留されていた第2特別図柄の変動表示が開始される。本実施形態では、保留される第2特別図柄の可変表示の数(保留個数)を、最大4回(個)に規定する。したがって、本実施形態では、特別図柄の可変表示の保留個数は、合わせて最大8個となる。
また、本実施形態では、第1特別図柄の保留球及び第2特別図柄の保留球が混在した場合、一方の特別図柄の変動表示を、他方の特別図柄の変動表示よりも優先的に実行する。具体的には、第1特別図柄の保留球よりも第2特別図柄の保留球が優先的に消化されるようになっている。なお、本発明はこれに限定されず、第1特別図柄の保留球及び第2特別図柄の保留球が混在した場合、保留された順番に特別図柄の変動表示を実行するようにしてもよい。
[普通図柄表示装置]
普通図柄表示装置62は、液晶表示装置13の表示領域13aの右下部に配置される。そして、本実施形態では、普通図柄表示装置62は、遊技者側から見て、特別図柄表示装置61の左側に配置される。
普通図柄表示装置62は、普通図柄ゲームにおいて、普通図柄を可変表示(変動表示及び停止表示)する表示装置であり、普通図柄表示装置62は、複数のLED(普通図柄表示LED)により構成される。そして、普通図柄表示装置62では、各普通図柄表示LEDの点灯・消灯によって構成される表示パターンを普通図柄として表す。
普通図柄表示装置62は、遊技球が球通過検出器43を通過したことを契機に、2つの普通図柄表示LEDを交互に点灯・消灯して、普通図柄の変動表示を行う。そして、普通図柄表示装置62は、所定時間、普通図柄の変動表示を行った後、普通図柄の停止表示を行う。
普通図柄表示装置62において、停止表示された普通図柄が所定の態様(「当り」の態様)である場合には、普通電動役物46が所定の期間だけ閉鎖状態から開放状態になる。一方、停止表示された普通図柄が所定の態様以外の態様(「ハズレ」の態様)である場合には、普通電動役物46は閉鎖状態を維持する。
すなわち、普通図柄ゲームは、普通図柄表示装置62により、普通図柄が変動表示されて、その後、普通図柄が停止表示され、その結果に応じて普通電動役物46が動作するゲームである。
なお、普通図柄の変動表示中に遊技球が球通過検出器43を通過した場合には、普通図柄の可変表示が保留される。そして、現在、変動表示中の普通図柄が停止表示されると、保留されていた普通図柄の変動表示が開始される。本実施形態では、保留される普通図柄の可変表示の数(すなわち、「保留個数」)を、最大4回(個)に規定する。
[普通図柄保留表示装置]
普通図柄保留表示装置63は、液晶表示装置13の表示領域13aの右下部に配置される。
普通図柄保留表示装置63は、普通図柄の可変表示の保留個数を表示する装置であり、普通図柄保留表示装置63は、複数の普通図柄保留表示LEDを備えており、普通図柄保留表示装置63では、各普通図柄保留表示LEDの点灯・消灯により、普通図柄の可変表示の保留個数を表示する。
具体的には、普通図柄保留表示装置63は、普通図柄の可変表示の保留個数に応じて普通図柄保留表示LEDが表示され、普通図柄保留表示LEDは、普通図柄の可変表示の保留個数に応じて最大で4個点灯される。
[第1特別図柄保留表示装置]
第1特別図柄保留表示装置64は、液晶表示装置13の表示領域13aの右下部に配置される。
第1特別図柄保留表示装置64は、保留されている第1特別図柄の可変表示(第1特別図柄の保留球)に関する情報を表示する装置である。本実施形態では、第1特別図柄保留表示装置64は、複数の第1特別図柄保留表示LEDを備えている。
具体的に、第1特別図柄保留表示装置64は、第1特別図柄の可変表示の保留個数に応じて第1特別図柄保留表示LEDが表示され、第1特別図柄保留表示LEDは、第1特別図柄の可変表示の保留個数に応じて最大で4個点灯される。
[第2特別図柄保留表示装置]
第2特別図柄保留表示装置65は、液晶表示装置13の表示領域13aの右下部に配置される。
第2特別図柄保留表示装置65は、保留されている第2特別図柄の可変表示(第2特別図柄の保留球)に関する情報を表示する装置であり、第2特別図柄保留表示装置65は、複数の第2特別図柄保留表示LEDを備えている。
具体的には、第2特別図柄保留表示装置65は、第2特別図柄の可変表示の保留個数に応じて第2特別図柄保留表示LEDが表示され、第2特別図柄保留表示LEDは、第2特別図柄の可変表示の保留個数に応じて最大で4個点灯される。
[CCDカメラ]
図6及び図7は、CCDカメラによって撮影される範囲を示す図である。
図6は、パチンコ遊技機の一部切欠き側面図(模式図)である。図6に示すように、パチンコ遊技機1において、上部装飾ユニット58の背面側には、CCDカメラ1000が配設されている。CCDカメラ1000は、ガラスドア4の後方上部に取り付けられており、ガラスドア4をベースドア3に対して閉じた際、遊技盤12の前方に位置している。これにより、CCDカメラ1000を用いて、遊技盤12の前面を撮影することができるようになっている。
図6及び図7では、CCDカメラ1000によって撮影される範囲を太線で示している。図7では、CCDカメラ1000によって撮影される範囲をパチンコ遊技機1の正面から見た様子を示している。図7に示すように、CCDカメラ1000は、比較的広範な画角θ(視野角)で撮影可能であり、遊技盤12の大部分が撮影範囲に含まれている。特に、遊技盤12に形成された遊技領域12aは、全て撮影範囲に含まれている。そのため、CCDカメラ1000によって撮影された画像には、遊技領域12aを転動する遊技球が含まれることになる。
[パチンコ遊技機が備える回路の構成]
次に、図8を参照しながら、本実施形態のパチンコ遊技機1が備える各種回路の構成について説明する。なお、図8は、パチンコ遊技機1の回路構成を示すブロック図である。
パチンコ遊技機1は、図8に示すように、主に遊技動作の制御を行う主制御回路70と、遊技の進行に応じた演出動作の制御を行う副制御回路200と、主に遊技球の払出や発射に関する制御を行う払出・発射制御回路300とを有する。
[主制御回路]
主制御回路70は、メインCPU(Central Processing Unit)71と、メインROM(Read Only Memory)72と、メインRAM(Random Access Memory:Read Write Memoryを略して「RWM」ともいう)73とを備える。また、主制御回路70は、リセット用クロックパルス発生回路74と、初期リセット回路75と、シリアル通信用IC(Integrated Circuit)76とを備える。なお、上述のように、本実施形態では、第1始動口44又は第2始動口45の入賞時に特別図柄の抽選処理を行うが、この処理は、主制御回路70により制御される。すなわち、主制御回路70は、遊技状態を遊技者にとって有利な状態に移行させるか否かの抽選処理を行う手段(抽選手段)も兼ねる。
メインCPU71には、メインROM72、メインRAM73、リセット用クロックパルス発生回路74、初期リセット回路75、シリアル通信用IC76等が接続される。メインROM72には、メインCPU71によりパチンコ遊技機1の動作を制御するための各種プログラムや、各種データテーブル等が記憶されている。
メインCPU71は、メインROM72に記憶されたプログラムに従って、各種処理を実行する。メインRAM73は、メインCPU71が各種処理を実行する際の一時記憶領域として機能し、メインCPU71が各種処理に必要となる種々のフラグや変数の値が記憶される。
なお、本実施形態では、メインCPU71の一時記憶領域としてメインRAM73を用いるが、本発明はこれに限定されず、読み書き可能な記憶媒体であれば任意の記録媒体を一時記憶領域として用いてもよい。
リセット用クロックパルス発生回路74は、後述するシステムタイマ割込処理を実行するために、所定の周期(例えば2ミリ秒)でクロックパルスを発生する。初期リセット回路75は、電源投入時にリセット信号を生成する。そして、シリアル通信用IC76は、副制御回路200に対してコマンドを供給する。
また、主制御回路70には、図8に示すように、主制御回路70から送られた出力信号に応じて動作する各種の装置が接続される。
具体的には、主制御回路70には、特別図柄表示装置61、普通図柄表示装置62、普通図柄保留表示装置63、第1特別図柄保留表示装置64及び第2特別図柄保留表示装置65が接続される。
これらの各装置は、主制御回路70から送られた出力信号に基づいて所定の動作を行う。例えば、主制御回路70から特別図柄表示装置61に所定の出力信号が送信されると、特別図柄表示装置61は、その出力信号に基づいて、特別図柄ゲームにおける特別図柄の可変表示の動作制御を行う。
また、主制御回路70には、普通電動役物ソレノイド46a、第1大入賞口ソレノイド53b及び第2大入賞口ソレノイド54bが接続される。そして、主制御回路70は、普通電動役物ソレノイド46aを駆動制御して、普通電動役物46の一対の羽根部材を開放状態又は閉鎖状態にする。
また、主制御回路70は、第1大入賞口ソレノイド53b及び第2大入賞口ソレノイド54bをそれぞれ駆動制御して、第1大入賞口53及び第2大入賞口54を開放状態又は閉鎖状態にする。
さらに、主制御回路70には、図8に示すように、各種センサに接続され、各種センサの出力信号を受信する。具体的には、主制御回路70には、カウントセンサ53c,54c、一般入賞球センサ51a,52a、通過球センサ43a、第1始動口入賞球センサ44a及び第2始動口入賞球センサ45a、特定領域センサ380A及び非特定領域センサ380B、バックアップクリアスイッチ121等が接続される。
カウントセンサ53cは、第1大入賞口53に入賞した遊技球を計数し、その結果を示す所定の出力信号を主制御回路70に出力する。カウントセンサ54cは、第2大入賞口54に入賞した遊技球を計数し、その結果を示す所定の出力信号を主制御回路70に出力する。
一般入賞球センサ51aは、一般入賞口51に遊技球が入賞した場合に、所定の検知信号を主制御回路70に出力する。一般入賞球センサ52aは、一般入賞口52に遊技球が入賞した場合に、所定の検知信号を主制御回路70に出力する。
また、通過球センサ43aは、遊技球が球通過検出器43を通過した場合に、所定の検知信号を主制御回路70に出力する。
第1始動口入賞球センサ44aは、遊技球が第1始動口44に入賞した場合に、所定の検知信号を主制御回路70に出力する。第2始動口入賞球センサ45aは、遊技球が第2始動口45に入賞した場合に、所定の検知信号を主制御回路70に出力する。
特定領域センサ380Aは、遊技球が特定領域38Aを通過した場合に、所定の検知信号を主制御回路70に出力する。非特定領域センサ380Bは、遊技球が非特定領域38Bを通過した場合に、所定の検知信号を主制御回路70に出力する。
バックアップクリアスイッチ121は、電断時等にバックアップデータが遊技店の管理者等の操作に応じてクリアされた場合に、所定の検知信号を主制御回路70及び払出・発射制御回路300に出力する。
主制御回路70には、払出・発射制御回路300が接続される。ここで、主制御回路70は、所定の払出条件が成立したことを条件に払い出される遊技球の数である賞球数を決定する。所定の払出条件は、上述した各種始動口や各種入賞口に遊技球が入賞したことである。
また、主制御回路70は、上述のように決定された賞球数を含む情報を賞球制御コマンドとして払出・発射制御回路300に送信する。
[払出・発射制御回路]
払出・発射制御回路300は、CPU、ROM、RAMといったマイクロコンピュータを備える。払出・発射制御回路300には、払出装置170が接続され、払出・発射制御回路300のマイクロコンピュータは、例えば払出装置170による遊技球の払出動作を制御する。
また、払出・発射制御回路300には、遊技球の発射を行う発射装置15、外部端子板140、及びカードユニット150が接続される。外部端子板140には、データ表示器141が接続され、カードユニット150には、貸し出し用操作部151が接続される。
ここで、カードユニット150は、所定の払出条件が成立したことを条件に払い出される遊技球の数である貸し球数を決定する。なお、所定の払出条件は、上述した貸し出し用操作部151が操作されたことである。
払出・発射制御回路300は、発射ハンドル25が遊技者によって把持され、かつ、時計回り方向へ回動操作されたときに、その回動角度に応じて発射装置15のソレノイドアクチュエータに電力を供給する。これにより、発射装置15は、遊技球を発射させる制御を行う。
外部端子板140は、ホール(遊技場)内の全てのパチンコ遊技機を管理するホールコンピュータにデータ送信するために用いられる。データ表示器141は、例えばパチンコ遊技機1の上部にホールの付帯設備として設置され、ホール係員を呼び出す機能や当り回数を表示する機能を有する。
貸し出し用操作部151は、遊技者に操作されると、カードユニット150に遊技球の貸し出しを要求する信号を出力する。カードユニット150は、貸し出し用操作部151から遊技球の貸出を要求する信号を受信すると、決定された貸し球数の情報を含む貸し球制御信号を払出・発射制御回路300に送信する。
このような払出・発射制御回路300は、主制御回路70から送信される賞球制御コマンド、カードユニット150から送信される貸し球制御信号を受信し、払出装置170に対して所定の信号を送信する。これにより、払出装置170は、遊技球を払い出す。
[副制御回路]
副制御回路200は、主制御回路70のシリアル通信用IC76に接続される。そして、副制御回路200は、主制御回路70から送信される各種のコマンドに応じて、液晶表示装置13における表示制御、スピーカ11から発生させる音声に関する制御、LED59A〜59E、59e〜59hの制御、各種役物を用いた演出動作の制御等を行う。
すなわち、副制御回路200は、主制御回路70からの指令に基づいて、遊技の進行に応じた各種演出を実行する。なお、本実施形態では、副制御回路200から主制御回路70に対して信号を供給できない構成としたが、本発明はこれに限定されず、副制御回路200から主制御回路70に信号送信可能な構成を備えていてもよい。
副制御回路200は、図8に示すように、サブCPU201と、プログラムROM202と、ワークRAM203と、表示制御回路205と、音声制御回路206と、LED制御回路207と、駆動制御回路208とを備える。サブCPU201には、プログラムROM202、ワークRAM203、表示制御回路205、音声制御回路206、LED制御回路207及び駆動制御回路208が接続される。
プログラムROM202には、サブCPU201によりパチンコ遊技機1の演出動作を制御するための各種プログラムや、各種データテーブルが記憶される。そして、サブCPU201は、プログラムROM202に記憶されたプログラムに従って、各種の処理を実行する。特に、サブCPU201は、主制御回路70から送信される各種のコマンドに従って、副制御回路200全体の制御を行う。
なお、本実施形態では、プログラムや各種テーブル等を記憶する記憶手段として、メインROM72及びプログラムROM202を適用したが、本発明はこれに限定されない。このような記憶手段としては、制御手段を備えたコンピュータにより読み取り可能な記憶媒体であれば別態様の記憶媒体を用いてもよく、例えば、ハードディスク装置、CD−ROM及びDVD−ROM、ROMカートリッジ等の記憶媒体を適用してもよい。
また、プログラムの各々が別々の記憶媒体に記録されていてもよい。さらに、プログラムは、予め記録媒体に記録されていてもよいし、電源投入後に外部等からダウンロードされ、メインRAM73やワークRAM203等に記録されてもよい。
ワークRAM203は、サブCPU201が各種処理を実行する際の一時記憶領域として機能し、サブCPU201が各種処理に必要となる種々のフラグや変数の値が記憶される。なお、本実施形態では、サブCPU201の一時記憶領域としてワークRAM203を用いるが、本発明はこれに限定されず、読み書き可能な記憶媒体であれば任意の記録媒体を一時記憶領域として用いてよい。
表示制御回路205は、演出に関する画像を液晶表示装置13に表示させる制御を行う。この表示制御回路205は、図示しないが、画像データプロセッサ(以下、VDP(Video Display Processor)と称する)、画像データROM、フレームバッファ、及び、D/A(Digital to Analog)コンバータ等を有する。
なお、画像データROMには、各種の画像データを生成するためのデータが記憶される。フレームバッファは、画像データを一時的に保存する。また、D/Aコンバータは、画像データ(デジタル電気信号)を画像信号(アナログ電気信号)に変換する。
表示制御回路205は、サブCPU201から供給されるデータに基づいて、液晶表示装置13の表示領域13aに画像を表示させるための種々の処理を行う。また、表示制御回路205は、サブCPU201から供給される演出指定情報(メッセージ)に基づいて、装飾図柄(演出用識別図柄)を示す装飾図柄画像データ、背景画像データ、演出用画像データ等の画像データを一時的にフレームバッファに格納する。
そして、表示制御回路205は、フレームバッファに格納した画像データを所定のタイミングでD/Aコンバータに供給する。D/Aコンバータは、画像データを画像信号に変換し、その画像信号を所定のタイミングで液晶表示装置13に供給する。これにより、液晶表示装置13の表示領域13aに所定の演出画像が表示される。
音声制御回路206は、音声に関する制御を行う音源IC、各種の音声データを記憶する音声データROM、及び、音声信号を増幅するための増幅器(以下、AMPと称する)等を有する。
なお、音源ICは、スピーカ11から発生させる音声の制御を行う。音源ICは、サブCPU201から供給される演出指定情報(メッセージ)に基づいて、音声データROMに記憶されている複数の音声データから一つの音声データを選択する。
そして、音源ICは、選択した音声データを音声データROMから読み出し、読み出した音声データを所定の音声信号に変換して、AMPに供給する。また、AMPは、音声信号を増幅して、スピーカ11から音声を発生させる。
LED制御回路207は、LED制御信号を供給するためのドライブ回路、及び複数種類のLED点灯パターンが記憶されているLEDデータROM等を有する。ドライブ回路は、サブCPU201から供給される演出指定情報(メッセージ)に基づいて、LEDデータROMに記憶されている複数の点灯・点滅パターンから一つのLED点灯・点滅パターンを選択する。これにより、点灯・点滅パターンに応じてLED59(59A〜59E、59e〜59h)が点灯あるいは点滅する。
駆動制御回路208は、サブCPU201から供給される演出指定情報(メッセージ)に基づいて、各種役物を作動させるための演出用駆動モータ60を駆動する。
また、副制御回路200には、演出ボタン23が押下操作されたことを検出する演出ボタンスイッチ230と、ジョグダイヤル24が回転操作された際の回転方向や操作量を検出するジョグダイヤルスイッチ240とが接続される。サブCPU201は、演出ボタンスイッチ230やジョグダイヤルスイッチ240からの検出信号(入力信号)に応じて所定の演出表示が行われるように制御する。
また、副制御回路200には、CCDカメラ1000が接続されている。サブCPU201は、CCDカメラ1000により入力された画像データに対して各種処理を行う。
このような副制御回路200は、所定の演出画像を液晶表示装置13に表示させるとともに、スピーカ11から音声を発生させたり、LED59A〜59E、59e〜59hを点灯あるいは点滅させることによって演出表示を行わせる。また、副制御回路200は、CCDカメラ1000によって撮影された画像(カメラ映像)を解析し、解析結果に応じた制御を行う。
[アニメーションリクエスト構築処理の概要]
図9を参照しながら、アニメーションリクエスト構築処理の概要を説明する。なお、図9は、アニメーションリクエスト構築時の動作(各種リクエストの生成動作)概要を示す図である。
サブCPU201(ホスト制御回路)は、主制御回路70から各種コマンドを受信する。また、サブCPU201(ホスト制御回路)は、CCDカメラ1000によって撮影された画像(カメラ映像)のデータを受信する。そして、サブCPU201は、受信したコマンド及びデータに基づいて、演出内容の指定情報を含むアニメーションリクエストと称するリクエストを生成する(不図示)。次いで、サブCPU201は、生成されたアニメーションリクエストに基づいて、描画リクエスト、サウンドリクエスト、ランプリクエスト、役物リクエストなどの各種リクエスト(演出開始要求)を生成する。
その後、サブCPU201は、生成された各リクエストを、対応する演出装置の制御回路(コントローラ)に出力する。具体的には、サブCPU201は、サウンドリクエスト及びランプリクエストを、音声・LED制御回路206、207に出力し、描画リクエストを表示制御回路205に出力し、役物リクエストを駆動制御回路208に出力する。なお、音声制御回路206及びLED制御回路207は、別体としてもよいし、一の制御回路により構成してもよい。
音声・LED制御回路206、207は、入力されたサウンドリクエストに基づいて、スピーカ11による音声再生動作の制御を行う。また、音声・LED制御回路206、207は、入力されたランプリクエストに基づいて、ランプ(LED)群59による発光演出(LEDアニメーション)動作の制御を行う。表示制御回路205は、入力された描画リクエストに基づいて、液晶表示装置13による画像表示演出動作の制御を行う。また、駆動制御回路208は、生成された役物リクエストに基づいて、各種役物による演出動作の制御を行う。
[スピーカの駆動制御手法]
次に、パチンコ遊技機1のホスト制御回路(サブCPU201)から音声・LED制御回路206、207にサウンドリクエストが出力された際に、音声・LED制御回路206、207が実行する、スピーカ11の駆動制御処理の内容について説明する。図10(a)は、スピーカ駆動(音声再生)時の信号フロー図である。
スピーカ11の音声再生(出力)時には、まず、副制御回路200内のホスト制御回路(サブCPU201)から音声・LED制御回路206、207にサウンドリクエストが出力される。なお、本実施形態では、サブCPU201の演出制御処理(後述の図26に示す副制御メイン処理)は、所定のFPS周期(例えば、30FPS)で行われるので、表示制御回路205への描画リクエストの送信処理や音声・LED制御回路206、207へのサウンドリクエストの送信処理も所定のFPS周期で行われる。
次いで、音声・LED制御回路206、207にサウンドリクエストが入力されると、音声・LED制御回路206、207は、該サウンドリクエストに基づいて、スピーカ11からの音声出力パターンを設定するための音声信号(オーディオデータ)を内蔵中継基板に送信する。
そして、内蔵中継基板は、受信した音声信号を増幅し、スピーカ11へ出力して、スピーカ11を駆動する。これにより、スピーカ11による音声再生(演出)動作が実行される。
[ランプ(LED)の駆動制御手法]
次に、ホスト制御回路(サブCPU201)から音声・LED制御回路206、207にランプリクエストが出力された際に、音声・LED制御回路206、207が実行する、ランプ(LED)群59に含まれる複数のLEDの各種駆動制御処理の内容について説明する。なお、以下に説明する本実施形態のランプ制御手法では、発光素子としてLEDを例に挙げて説明するが、本発明はこれに限定されず、他の任意の発光素子に対しても本実施形態のランプ制御手法は同様に適用することができる。図10(b)は、LED駆動(点灯/消灯)時の信号フロー図である。
LEDの駆動(点灯/消灯)時には、まず、副制御回路200内のホスト制御回路(サブCPU201)から音声・LED制御回路206、207にランプリクエスト(LED制御リクエスト)が出力される。なお、本実施形態では、サブCPU201の演出制御処理(後述の図26に示す副制御メイン処理)は、所定のFPS周期で行われるので、音声・LED制御回路206、207へのランプリクエストの送信処理も所定のFPS周期で行われる。
次いで、音声・LED制御回路206、207にランプリクエストが入力されると、音声・LED制御回路206、207は、該ランプリクエストに基づいて、LEDの点灯パターン(LEDアニメーション)を設定するためのLEDデータ(駆動データ)をLED群59内の各LEDドライバに送信する。
そして、LEDドライバは、受信したLEDデータに基づいて、接続されているLED59を所定のパターンで点灯/消灯する。これによりLEDアニメーションによる演出動作が実行される。例えば、LED59は、演出動作として、所定の周期(例えば、12ミリ秒間隔)で点滅するように制御される。
なお、LEDデータに基づく発光態様は、LEDドライバからLED59に送信されるLEDデータに基づいて生成された信号(制御信号)より制御される。具体的には、LEDドライバからLED59に送信される信号の電気的な波形パラメータ(電圧値、電流値、パルス幅のデューティー比等)により、LED59の点灯、消灯、点滅、輝度等の発光態様が制御される。
次に、図11〜図13を参照しながら、主制御回路70のデータ構成等について説明する。
[当り乱数判定テーブル]
図11は、主制御回路70のメインROM72に記憶されている当り乱数判定テーブル(第1始動口、第2始動口)を示す図である。当り乱数判定テーブル(第1始動口)は、第1始動口44に遊技球が入賞した際に取得される当り判定用乱数値に基づいて、「大当り」、「小当り」、及び「ハズレ」のいずれかを抽選により決定するために参照される。当り乱数判定テーブル(第2始動口)は、第2始動口45に遊技球が入賞した際に取得される当り判定用乱数値に基づいて「大当り」及び「ハズレ」のいずれかを抽選により決定する際に参照される。
当り判定用乱数値は、始動口入賞を契機に行われる抽選結果を判定するための乱数値である。より具体的にいうと、当り判定用乱数値は、特別図柄(第1特別図柄及び第2特別図柄)の抽選結果を示す値である。本実施形態において、当り判定用乱数値は、0〜65535(65536種類)の中から選ばれる。
本実施形態では、第1始動口44に遊技球が入賞した場合、「大当り」、「小当り」及び「ハズレ」のいずれかが抽選により決定される。それゆえ、当り乱数判定テーブル(第1始動口入賞時)には、確変フラグの値(「0(=オフ)」又は「1(=オン)」)毎に、「大当り」、「小当り」及び「ハズレ」のそれぞれの当選が決定される当り判定用乱数値の範囲(幅)と、それに対応する判定値データ(「大当り判定値データ」、「小当り判定値データ」及び「ハズレ判定値データ」)との関係が規定される。確変フラグは、メインRAM73に格納される管理フラグの一つであり、遊技状態が「確変遊技状態」であるか否かを管理するためのフラグである。遊技状態が「確変遊技状態」である場合には、確変フラグは「1」となり、「非確変遊技状態」である場合には、確変フラグは「0」となる。
本実施形態では、第1始動口44入賞時に、確変フラグが「0」であり、当り判定用乱数値が「0」〜「204」のいずれかである場合には、「大当り」が当選し、「大当り判定値データ」が決定される。すなわち、この場合における「大当り」の当選確率(大当り確率)は、205/65536(≒1/319)となる。
また、第1始動口44入賞時に、確変フラグが「0」であり、当り判定用乱数値が「205」〜「409」のいずれかである場合には、「小当り」が当選し、「小当り判定値データ」が決定される。すなわち、この場合における「小当り」の当選確率は、205/65536(≒1/319)となる。
さらに、第1始動口44入賞時に、確変フラグが「0」であり、当り判定用乱数値が「0」〜「409」のいずれでもない場合には、「ハズレ」が当選し、「ハズレ判定値データ」が決定される。
一方、第1始動口44入賞時に、確変フラグが「1」であり、当り判定用乱数値が「0」〜「1092」のいずれかである場合には、「大当り」が当選し、「大当り判定値データ」が決定される。すなわち、この場合における「大当り」の当選確率(大当り確率)は、1093/65536(≒1/60)となり、確変フラグが「0」である場合のそれより高くなる。
また、第1始動口44入賞時に、確変フラグが「1」であり、当り判定用乱数値が「1093」〜「1297」のいずれかである場合には、「小当り」が当選し、「小当り判定値データ」が決定される。すなわち、この場合における「小当り」の当選確率は、205/65536(≒1/319)となり、確変フラグが「0」である場合と同一となる。
さらに、第1始動口44入賞時に、確変フラグが「1」であり、当り判定用乱数値が「0」〜「1297」のいずれでもない場合には、「ハズレ」が当選し、「ハズレ判定値データ」が決定される。
上述のように、本実施形態では、第1始動口44に遊技球が入賞した場合には、入賞時の遊技状態が「確変遊技状態」であるか否かによって、大当り確率が変動する。具体的には、遊技状態が「確変遊技状態」である時に第1始動口44に遊技球が入賞した場合の大当り確率は、遊技状態が「確変遊技状態」でない時の約5倍程度高くなる。
同様に、第2始動口45入賞時に、確変フラグが「0」であり、当り判定用乱数値が「0」〜「204」のいずれかである場合には、「大当り」が当選し、「大当り判定値データ」が決定される。すなわち、この場合における「大当り」の当選確率(大当り確率)は、205/65536(≒1/319)となる。
また、第2始動口45入賞時に、確変フラグが「0」であり、当り判定用乱数値が「205」〜「409」のいずれでもない場合には、「ハズレ」が当選し、「ハズレ判定値データ」が決定される。
一方、第2始動口45入賞時に、確変フラグが「1」であり、当り判定用乱数値が「0」〜「1092」のいずれかである場合には、「大当り」が当選し、「大当り判定値データ」が決定される。すなわち、この場合における「大当り」の当選確率(大当り確率)は、1093/65536(≒1/60)となり、確変フラグが「0」である場合のそれより高くなる。
また、第2始動口45入賞時に、確変フラグが「1」であり、当り判定用乱数値が「0」〜「1092」のいずれでもない場合には、「ハズレ」が当選し、「ハズレ判定値データ」が決定される。
上述のように、本実施形態では、第2始動口45に遊技球が入賞した場合には、「小当り」に当選することなく、入賞時の遊技状態が「確変遊技状態」であるか否かによって、大当り確率が変動し、遊技状態が「確変遊技状態」である時の大当り確率は、「確変遊技状態」でない時の約5倍程度高くなる。
[図柄判定テーブル]
図12は、主制御回路70のメインROM72に記憶されている図柄判定テーブル(第1始動口、第2始動口)を示す図である。図柄判定テーブル(第1始動口、第2始動口)は、第1始動口44あるいは第2始動口45に遊技球が入賞した際に取得される図柄乱数値と先述の判定値データとに基づいて、停止図柄を決定付ける「当り時選択図柄コマンド」及び「図柄指定コマンド」を選択するために参照される。「当り時選択図柄コマンド」は、当たり当選時の当たり種類に応じて定められる当り図柄を指定するためのコマンドであり、「図柄指定コマンド」は、特別図柄の変動停止時に表示される図柄を指定するためのコマンドである。図柄乱数値は、例えば0〜99(100種類)の中から抽出される。
本実施形態の図柄判定テーブル(第1始動口)によれば、大当り判定値データが得られた場合であって図柄乱数値が「0」〜「49」のいずれかである場合、50/100の確率で当り時選択図柄コマンドとして「z0」が選択され、図柄指定コマンドとして「zA1」が選択される。また、大当り判定値データが得られた場合であって図柄乱数値が「50」〜「99」のいずれかである場合、50/100の確率で当り時選択図柄コマンドとして「z1」が選択され、図柄指定コマンドとして「zA1」が選択される。また、小当り判定値データが得られた場合であって図柄乱数値が「0」〜「99」のいずれかである場合、当り時選択図柄コマンドとして「z2」が選択され、図柄指定コマンドとして「zA2」が選択される。一方、ハズレ判定値データが得られた場合であって図柄乱数値が「0」〜「99」のいずれかである場合、当り時選択図柄コマンドが選択されず、図柄指定コマンドとして「zA3」が選択される。
また、本実施形態の図柄判定テーブル(第2始動口)によれば、大当り判定値データが得られた場合であって図柄乱数値が「0」〜「49」のいずれかである場合、50/100の確率で当り時選択図柄コマンドとして「z3」が選択され、図柄指定コマンドとして「zA4」が選択される。また、大当り判定値データが得られた場合であって図柄乱数値が「50」〜「99」のいずれかである場合、50/100の確率で当り時選択図柄コマンドとして「z4」が選択され、図柄指定コマンドとして「zA5」が選択される。一方、ハズレ判定値データが得られた場合であって図柄乱数値が「0」〜「99」のいずれかである場合、当り時選択図柄コマンドが選択されず、図柄指定コマンドとして「zA6」が選択される。
[大当り種類決定テーブル]
図13は、主制御回路70のメインROM72に記憶されている大当り種類決定テーブルを示す図である。大当り種類決定テーブルは、大当りに係る当り時選択図柄コマンドに応じて、ラウンド数やV入賞の容易性といった大当りの種類を決定するために参照される。なお、本実施形態では、大当りの種類に関係なく大当りに当選すれば、時短フラグが「1」にセットされ、時短回数が例えば100回としてセットされる。また、大当り遊技状態においてV入賞となった場合に限り、確変回数が例えば124回としてセットされる。時短フラグは、メインRAM73に格納される管理フラグの一つであり、遊技状態が「時短遊技状態」であるか否かを管理するためのフラグである。遊技状態が「時短遊技状態」である場合には、時短フラグは「1」となり、「非時短遊技状態」である場合には、時短フラグは「0」となる。時短回数は、時短遊技状態が継続可能な特別図柄ゲームの変動回数であり、確変回数は、確変遊技状態が継続可能な特別図柄ゲームの変動回数である。すなわち、時短遊技状態において大当りに当選することなく時短回数分(100回)の特別図柄変動が行われると、時短遊技状態が終了して非時短遊技状態に移行する。確変遊技状態において大当りに当選することなく確変回数分の特別図柄変動が行われると、確変遊技状態が終了して非確変遊技状態に移行する。
本実施形態の大当り種類決定テーブルによれば、当り時選択図柄コマンドが「z0」の場合、ラウンド数が「10」でV入賞が困難な大当りが決定される。当り時選択図柄コマンドが「z1」の場合、ラウンド数が「10」でV入賞が容易な大当りが決定される。当り時選択図柄コマンドが「z3」の場合、ラウンド数が「4」でV入賞が容易な大当りが決定される。当り時選択図柄コマンドが「z4」の場合、ラウンド数が「16」でV入賞が容易な大当りが決定される。
以下に、パチンコ遊技機1で実行される各種の処理を示す。
[電源投入時処理]
図14は、メインCPU71による電源投入時処理を示している。パチンコ遊技機1の電源が投入されると、同図に示すように、メインCPU71は、初期値をスタックポインタに設定する(ステップS11)。
次に、メインCPU71は、電断検知信号がONか否かを判別する(ステップS12)。電断検知信号は、例えば所定レベルまで電圧が降下するとONとなる。電断検知信号がONの場合、メインCPU71は、電断検知状態と判別し、電断検知信号がOFFになるまでステップS12の処理を繰り返し行う。電断検知信号がOFFの場合、メインCPU71は、電断検知状態と判別し、ステップS13の処理に移る。
ステップS13において、メインCPU71は、RWM(メインRAM)に対するアクセスを許可する。
次に、メインCPU71は、副制御回路200が信号を受け付け可能になるまで待機する副制御受信受付ウェイト処理を行う(ステップS14)。
次に、メインCPU71は、CPU内蔵の各種デバイスについて初期化処理を行う(ステップS15)。
次に、メインCPU71は、バックアップクリア信号がONか否かを判別する(ステップS16)。バックアップクリア信号は、主制御回路70を構成するメインCPU71に備えられたメインRAM73や、払出・発射制御回路300を構成するRAM(図示せず)のバックアップ内容のクリアを指令するための信号である。バックアップクリア信号がONの場合、メインCPU71は、ステップS23の処理に移る。バックアップクリア信号がOFFの場合、メインCPU71は、ステップS17の処理に移る。
ステップS17において、メインCPU71は、電断検知フラグが設定オンである否かを判別する。電断検知フラグは、電断発生に応じて電断処理を実行したことを示すフラグである。電断検知フラグが設定オンである場合、メインCPU71は、ステップS18の処理に移る。電断検知フラグが設定オフである場合、メインCPU71は、ステップS23の処理に移る。
ステップS18において、メインCPU71は、メインRAM73について例えばチェックサムを用いて作業領域損傷チェックを行う。
次に、メインCPU71は、作業領域が正常か否かを判別する(ステップS19)。作業領域が正常である場合、メインCPU71は、ステップS20の処理に移る。作業領域が正常でない場合、メインCPU71は、ステップS23の処理に移る。
ステップS20において、メインCPU71は、電断復旧時に初期値を必要とする作業領域の初期設定を行う。
次に、メインCPU71は、電断復旧時の高確率遊技状態(確変遊技状態)についての報知設定を行う(ステップS21)。
次に、メインCPU71は、電断復帰時のコマンド(電断復帰コマンド)を副制御回路200に対して送信する処理を行う(ステップS22)。この処理を終了すると、メインCPU71は、電源投入時処理を終了する。
ステップS23において、メインCPU71は、メインRAM73の作業領域をクリアする処理を行う。
次に、メインCPU71は、RWM(メインRAM)初期化時に初期値を必要とする作業領域の初期設定を行う(ステップS24)。
次に、メインCPU71は、RWM初期化時のコマンド(初期化コマンド)を副制御回路200に対して送信する処理を行う(ステップS25)。この処理を終了すると、メインCPU71は、電源投入時処理を終了する。
[システムタイマ割込処理]
図15は、メインCPU71によるシステムタイマ割込処理を示している。システムタイマ割込処理は、例えば2msごとに実行される。同図に示すように、メインCPU71は、各レジスタの値をメインRAM73のスタックエリアに退避する(ステップS31)。
次に、メインCPU71は、各種の乱数値を更新する乱数更新処理を行う(ステップS32)。
次に、メインCPU71は、各種スイッチからの入力信号を検出するためのスイッチ入力検出処理を実行する(ステップS33)。スイッチ入力検出処理については、図16を参照して後述する。
次に、メインCPU71は、各種タイマの値を更新するタイマ更新処理を行う(ステップS34)。
次に、メインCPU71は、副制御回路200に各種コマンドを出力(送信)するコマンド出力処理を行う(ステップS35)。
次に、メインCPU71は、副制御回路200に各種遊技情報を出力(送信)する遊技情報出力処理を行う(ステップS36)。遊技情報は、主制御回路70、副制御回路200、払出・発射制御回路300などにおいて処理される遊技に関わる情報であり、副制御回路200や払出・発射制御回路300、ホールコンピュータに送信される。
次に、メインCPU71は、退避した各レジスタの値を復帰させる処理を行う(ステップS37)。この処理を終了すると、メインCPU71は、システムタイマ割込処理を終了する。
[スイッチ入力検出処理]
図16は、メインCPU71によるスイッチ入力検出処理を示している。スイッチ入力検出処理は、先述したシステムタイマ割込処理の実行中にサブルーチンとして呼び出される。同図に示すように、メインCPU71は、始動口入賞検出処理を実行する(ステップS41)。始動口入賞検出処理については、図17を参照して後述する。
次に、メインCPU71は、一般入賞口通過検出処理を行う(ステップS42)。一般入賞口通過検出処理では、例えば一般入賞口51、52への入賞時に払出個数等を示す払出情報をセットする。
次に、メインCPU71は、大入賞口通過検出処理を行う(ステップS43)。大入賞口通過検出処理では、例えば第1大入賞口53又は第2大入賞口54への入賞時に払出個数等を示す払出情報をセットする。
次に、メインCPU71は、球通過検出器通過検出処理を行う(ステップS44)。球通過検出器通過検出処理では、球通過検出器43による遊技球の通過検出に応じて普通図柄ゲームの抽選結果(乱数値)を取得する。この処理を終了すると、メインCPU71は、スイッチ入力検出処理を終了する。
[始動口入賞検出処理]
図17は、メインCPU71による始動口入賞検出処理を示している。始動口入賞検出処理は、先述したスイッチ入力検出処理の実行中にサブルーチンとして呼び出される。同図に示すように、まず、メインCPU71は、第1始動口入賞球センサ44aで遊技球を検出したか否かを判別する(ステップS51)。第1始動口入賞球センサ44aで遊技球を検出した場合、メインCPU71は、ステップS52の処理に移る。第1始動口入賞球センサ44aで遊技球を検出していない場合、メインCPU71は、ステップS59の処理に移る。
ステップS52において、メインCPU71は、第1始動口入賞に応じた払出情報をセットする処理を行う。
次に、メインCPU71は、第1始動口入賞の保留個数(第1特別図柄の保留個数)が4個未満であるか否かを判別する(ステップS53)。当該保留個数が4個未満の場合、メインCPU71は、ステップS54の処理に移る。当該保留個数が4個の場合、メインCPU71は、ステップS59の処理に移る。
ステップS54において、メインCPU71は、第1始動口入賞の保留個数を1加算する処理を行う。
次に、メインCPU71は、当り判定用乱数値及び図柄乱数値を取得し、これらの乱数値をメインRAM73に格納する処理を行う(ステップS55)。
次に、メインCPU71は、第1特別停止図柄判断処理を行う(ステップS56)。第1特別停止図柄判断処理では、当り判定用乱数値及び図柄乱数値に基づいて、当り乱数判定テーブル(第1始動口)及び図柄判定テーブル(第1始動口)、大当り種類決定テーブルを参照し、停止表示される予定の第1特別図柄に係る図柄指定コマンドや当り時選択図柄コマンド等を決定する。
次に、メインCPU71は、変動パターン決定処理を実行する(ステップS57)。変動パターン決定処理では、図柄指定コマンドや判定値データ、遊技状態等に基づいて、第1特別図柄に係る変動パターンを決定する。
次に、メインCPU71は、第1始動口入賞の保留個数増加コマンドをセットする処理を行う(ステップS58)。第1始動口入賞の保留個数増加コマンドは、第1特別図柄の保留個数を1増加する旨を示すコマンドであり、ステップS57の処理で決定された変動パターンを示すコマンド(変動パターン指定コマンド)等とともに副制御回路200へと送信される。
次に、メインCPU71は、第2始動口入賞球センサ45aで遊技球を検出したか否かを判別する(ステップS59)。第2始動口入賞球センサ45aで遊技球を検出した場合、メインCPU71は、ステップS60の処理に移る。第2始動口入賞球センサ45aで遊技球を検出していない場合、メインCPU71は、始動口入賞検出処理を終了する。
ステップS60において、メインCPU71は、第2始動口入賞に応じた払出情報をセットする処理を行う。
次に、メインCPU71は、第2始動口入賞の保留個数(第2特別図柄の保留個数)が4個未満であるか否かを判別する(ステップS61)。当該保留個数が4個未満の場合、メインCPU71は、ステップS62の処理に移る。当該保留個数が4個の場合、メインCPU71は、始動口入賞検出処理を終了する。
ステップS62において、メインCPU71は、第2始動口入賞の保留個数を1加算する処理を行う。
次に、メインCPU71は、当り判定用乱数値及び図柄乱数値を取得し、これらの乱数値をメインRAM73に格納する処理を行う(ステップS63)。
次に、メインCPU71は、第2特別停止図柄判断処理を行う(ステップS64)。第2特別停止図柄判断処理も、第1特別停止図柄判断処理と同様に、当り判定用乱数値及び図柄乱数値に基づいて、当り乱数判定テーブル(第2始動口)及び図柄判定テーブル(第2始動口)、大当り種類決定テーブルを参照し、停止表示される予定の第2特別図柄に係る図柄指定コマンドや当り時選択図柄コマンド等を決定する。
次に、メインCPU71は、変動パターン決定処理を実行する(ステップS65)。この変動パターン決定処理も、図柄指定コマンドや判定値データ、遊技状態等に基づいて、第2特別図柄に係る変動パターンを決定する。
次に、メインCPU71は、第2始動口入賞の保留個数増加コマンドをセットする処理を行う(ステップS66)。第2始動口入賞の保留個数増加コマンドは、第2特別図柄の保留個数を1増加する旨を示すコマンドであり、ステップS65の処理で決定された変動パターンを示すコマンド(変動パターン指定コマンド)等とともに副制御回路200へと送信される。この処理を終了すると、メインCPU71は、始動口入賞検出処理を終了する。
[主制御メイン処理]
図18は、メインCPU71による主制御メイン処理を示している。パチンコ遊技機1に電源が投入されると、同図に示すように、メインCPU71は、初期設定処理を行う(ステップS81)。この処理において、メインCPU71は、先述の電源投入時処理等の処理を行う。
次に、メインCPU71は、初期値乱数更新処理を行う(ステップS82)。この処理において、メインCPU71は、初期値乱数カウンタを更新する処理を行う。
次に、メインCPU71は、特別図柄制御処理を行う(ステップS83)。特別図柄制御処理については、図19を参照して後述する。
次に、メインCPU71は、普通図柄制御処理を行う(ステップS84)。普通図柄制御処理については、図25を参照して後述する。
次に、メインCPU71は、図柄表示装置制御処理を行う(ステップS85)。この処理において、メインCPU71は、ステップS83及びステップS84でメインRAM73に記憶された特別図柄制御処理の結果及び普通図柄制御処理の結果に応じて、特別図柄表示装置61及び普通図柄表示装置62を駆動するための制御信号をメインRAM73に記憶する処理を行う。これにより、メインCPU71は、特別図柄表示装置61及び普通図柄表示装置62に制御信号を送信し、特別図柄表示装置61及び普通図柄表示装置62は、受信した制御信号に基づいて特別図柄や普通図柄を変動表示及び停止表示する。
次に、メインCPU71は、遊技情報データ生成処理を行う(ステップS86)。この処理において、メインCPU71は、副制御回路200や払出・発射制御回路300、ホールコンピュータに送信するための遊技情報データに関する遊技状態コマンドを生成し、メインRAM73に記憶する。
次に、メインCPU71は、記憶・遊技状態データ生成処理を行う(ステップS87)。この処理において、メインCPU71は、確変フラグの値及び時短フラグの値に基づいて、副制御回路200に送信する記憶・遊技状態データを生成し、当該記憶・遊技状態データをメインRAM73に記憶する。この処理を終了すると、メインCPU71は、ステップS82の処理に移る。
[特別図柄制御処理]
図19は、メインCPU71による特別図柄制御処理を示している。特別図柄制御処理は、先述した主制御メイン処理の実行中にサブルーチンとして呼び出される。なお、同図に示す各処理の右方に括弧書きで記載した数値(「00」〜「08」)は、制御状態フラグの値を示す。この制御状態フラグは、メインRAM73内の所定の記憶領域に格納される。メインCPU71は、制御状態フラグの数値に応じた処理を実行することにより、特別図柄ゲームを進行させる。
図19に示すように、メインCPU71は、制御状態フラグをロードする処理を行う(ステップS91)。この処理において、メインCPU71は、メインRAM73に記憶された制御状態フラグの値を読み出す。メインCPU71は、読み出した制御状態フラグの値に基づいて、後述のステップS92〜ステップS100の各処理を実行するか否かを判定する。この制御状態フラグは、特別図柄ゲームの状態を示すものであり、ステップS92〜ステップS100のいずれかの処理を実行可能にするものである。また、メインCPU71は、ステップS92〜ステップS100の各処理に対して設定された待ち時間などに応じて決定された所定のタイミングで各処理を実行する。なお、この所定のタイミングに至る前は、各処理を実行せずに、他のサブルーチンに係る処理を実行する。もちろん、所定の周期で先述のシステムタイマ割込処理(図15参照)も実行する。
次に、メインCPU71は、特別図柄記憶チェック処理を行う(ステップS92)。この処理において、メインCPU71は、制御状態フラグが特別図柄記憶チェック処理を示す値(「00」)である場合に、特別図柄の可変表示の保留個数をチェックし、保留個数が「0」でない場合(保留球がある場合)には、始動口入賞検出処理で得られた当り判定結果、特別図柄の決定結果、特別図柄の変動パターンの決定結果等を取得する。また、メインCPU71は、この処理において、制御状態フラグに、後述の特別図柄変動時間管理処理(ステップS93)を示す値(「01」)にセットし、今回の処理で取得された変動パターンに対応する特別図柄の変動時間を待ち時間タイマにセットする。すなわち、始動口入賞検出処理で決定された変動パターンに対応する特別図柄の変動時間が経過した後、後述の特別図柄表示時間管理処理が実行されるように設定される。一方、保留個数が「0」である場合(保留球がない場合)、メインCPU71は、デモ画面を表示するためのデモ表示処理を行う。この特別図柄記憶チェック処理については、図20を参照して詳述する。
次に、メインCPU71は、特別図柄変動時間管理処理を行う(ステップS93)。この処理において、メインCPU71は、制御状態フラグが特別図柄変動時間管理処理を示す値(「01」)であり、特別図柄の変動時間が経過した場合に、制御状態フラグに、後述の特別図柄表示時間管理処理(ステップS94)を示す値(「02」)をセットし、確定後待ち時間(例えば600ms)を待ち時間タイマにセットする。すなわち、このステップS93の処理でセットされた確定後待ち時間が経過した後、後述の特別図柄表示時間管理処理が実行されるように設定される。この特別図柄変動時間管理処理については、図21を参照して詳述する。
次に、メインCPU71は、特別図柄表示時間管理処理を行う(ステップS94)。この処理において、メインCPU71は、制御状態フラグが特別図柄表示時間管理処理を示す値(「02」)であり、ステップS93の処理でセットされた確定後待ち時間が経過した場合に、当り判定の結果が「大当り」又は「小当り」であるか否かを判断する。そして、当り判定の結果が「大当り」又は「小当り」である場合、メインCPU71は、制御状態フラグに、後述の大当り開始インターバル管理処理(ステップS95)を示す値(「03」)をセットし、大当り開始インターバルに対応する時間を待ち時間タイマにセットする。すなわち、このステップS94の処理でセットされた大当り開始インターバルに対応する時間が経過した後、後述の大当り開始インターバル管理処理が実行されるように設定される。一方、当り判定の結果が「大当り」又は「小当り」でない場合、メインCPU71は、制御状態フラグに、後述の特別図柄ゲーム終了処理(ステップS100)を示す値(「08」)をセットする。すなわち、この場合には、後述の特別図柄ゲーム終了処理が実行されるように設定される。この特別図柄表示時間管理処理については、図22を参照して後述する。
次に、メインCPU71は、大当り開始インターバル管理処理を行う(ステップS95)。この処理において、メインCPU71は、制御状態フラグが大当り開始インターバル管理処理を示す値(「03」)であり、ステップS94の処理でセットされた大当り開始インターバルに対応する時間が経過した場合に、第1大入賞口53又は第2大入賞口54を開放させるため、メインROM72から読み出されたデータに基づいて、メインRAM73に位置付けられた変数を更新する。また、この処理において、メインCPU71は、制御状態フラグに、後述の大入賞口開放中処理(ステップS96)を示す値(「04)」をセットするとともに、大入賞口の開放上限時間(例えば30秒)を大入賞口開放時間タイマにセットする。すなわち、この処理により、後述の大入賞口開放中処理が実行されるように設定される。
次に、メインCPU71は、大入賞口開放中処理を行う(ステップS96)。この処理において、まず、メインCPU71は、制御状態フラグが大入賞口開放中処理を示す値(「04」)である場合に、大入賞口入賞カウンタが所定数以上であるという条件、及び、開放上限時間を経過した(大入賞口開放時間タイマが「0」である)という条件の一方が満たされた(所定の閉鎖条件が成立した)か否かを判断する。一方の条件が満たされた場合、メインCPU71は、第1大入賞口53又は第2大入賞口54を閉鎖させるため、メインRAM73に位置付けられた変数を更新する。そして、メインCPU71は、制御状態フラグに、後述の大入賞口内残留球監視処理(ステップS97)を示す値(「05」)をセットするとともに、大入賞口内残留球監視時間を待ち時間タイマにセットする。すなわち、この処理により、ステップS96でセットされた大入賞口内残留球監視時間が経過した後、後述の大入賞口内残留球監視処理が実行されるように設定される。なお、この大入賞口開放中処理の終了直前には、副制御回路200に対してラウンド間表示コマンドが送信される。
次に、メインCPU71は、大入賞口内残留球監視処理を行う(ステップS97)。この処理において、メインCPU71は、制御状態フラグが大入賞口内残留球監視処理を示す値(「05」)であり、大入賞口内残留球監視時間が経過した場合に、大入賞口開放回数カウンタの値が大入賞口開放回数の最大値以上である(最終ラウンドである)という条件が満たされたか否かを判断する。上記条件を満たさないと判別した場合、メインCPU71は、大入賞口再開放待ち時間管理処理を示す値(「06」)を制御状態フラグにセットする。また、メインCPU71は、ラウンド間インターバルに対応する時間を待ち時間タイマにセットする。すなわち、この処理により、ラウンド間インターバルに対応する時間が経過した後、後述の大入賞口再開放前待ち時間管理処理が実行されるように設定される。一方、ステップS97において、上記条件を満たしたと判別した場合、メインCPU71は、大当り終了インターバル処理を示す値(「07」)を制御状態フラグにセットし、大当り終了インターバルに対応する時間(大当り終了インターバル時間)を待ち時間タイマにセットする。すなわち、この処理でセットされた大当り終了インターバルに対応する時間が経過した後、後述の大当り終了インターバル処理が実行されるように設定される。
次に、メインCPU71は、大入賞口開放回数カウンタの値が大入賞口開放回数の最大値以上ではないと判別した場合、大入賞口再開放前待ち時間管理処理を行う(ステップS98)。この処理において、メインCPU71は、制御状態フラグが大入賞口再開放前待ち時間管理処理を示す値(「06」)であり、ラウンド間インターバルに対応する時間が経過した場合に、大入賞口開放回数カウンタの値を「1」増加するように記憶更新する。また、メインCPU71は、大入賞口開放中処理を示す値(「04」)を制御状態フラグにセットする。そして、メインCPU71は、開放上限時間(例えば30秒)を大入賞口開放時間タイマにセットする。すなわち、この処理で上述した大入賞口開放中処理(ステップS96)が再度実行されるように設定される。なお、大入賞口再開放前待ち時間管理処理の終了直前には、副制御回路200に対して大入賞口開放中表示コマンドが送信される。
また、メインCPU71は、大入賞口開放回数カウンタの値が大入賞口開放回数の最大値以上であると判別した場合に、大当り終了インターバル処理を行う(ステップS99)。この処理において、メインCPU71は、制御状態フラグが大当り終了インターバル処理を示す値(「07」)であり、大当り終了インターバルに対応する時間が経過した場合に、特別図柄ゲーム終了処理を示す値(「08」)を制御状態フラグにセットする。すなわち、この処理により、ステップS99の処理後に後述の特別図柄ゲーム終了処理が実行されるように設定される。このとき、大当り中のV入賞に成功していた場合、メインCPU71は、遊技状態を確変遊技状態に移行させる制御を行い、大当り中のV入賞に失敗していた場合には、遊技状態を非確変遊技状態に移行させる制御を行う。なお、大当り図柄が「小当り」に対応する図柄である場合、メインCPU71は、遊技状態を維持するような制御を行う。
次に、メインCPU71は、大当り遊技状態あるいは小当り遊技状態が終了した場合、又は、「ハズレ」に当選した場合、特別図柄ゲーム終了処理を行う(ステップS100)。この処理において、メインCPU71は、制御状態フラグが特別図柄ゲーム終了処理を示す値(「08」)である場合に、保留個数を示すデータ(始動記憶情報)を「1」減少するように記憶更新する。また、メインCPU71は、次回の特別図柄の変動表示を行うために、特別図柄記憶領域の更新を行う。さらに、メインCPU71は、特別図柄記憶チェック処理を示す値(「00」)を制御状態フラグにセットする。すなわち、この処理により、ステップS100の処理後、上述した特別図柄記憶チェック処理(ステップS92)が実行されるように設定される。この特別図柄ゲーム終了処理を終了すると、メインCPU71は、特別図柄制御処理を終了する。
上述したように、本実施形態のパチンコ遊技機1では、制御状態フラグに各種値を順次セットすることにより、特別図柄ゲームを進行させる。具体的に、遊技状態が大当り遊技状態及び小当り遊技状態のいずれでもなく、当り判定の結果が「ハズレ」である場合に、メインCPU71は、制御状態フラグを「00」、「01」、「02」、「08」の順にセットする。これにより、メインCPU71は、上述した特別図柄記憶チェック処理(ステップS92)、特別図柄変動時間管理処理(ステップS93)、特別図柄表示時間管理処理(ステップS94)及び特別図柄ゲーム終了処理(ステップS100)をこの順で所定のタイミングで実行する。
また、メインCPU71は、遊技状態が大当り遊技状態及び小当り遊技状態のいずれでもなく、当り判定の結果が「大当り」又は「小当り」である場合、制御状態フラグを「00」、「01」、「02」、「03」の順でセットする。これにより、メインCPU71は、上述した特別図柄記憶チェック処理(ステップS92)、特別図柄変動時間管理処理(ステップS93)、特別図柄表示時間管理処理(ステップS94)及び大当り開始インターバル管理処理(ステップS95)をこの順で所定のタイミングで実行し、大当り遊技状態又は小当り遊技状態への移行制御を実行する。
さらに、メインCPU71は、大当り遊技状態又は小当り遊技状態への移行制御が実行された場合、制御状態フラグを「04」、「05」、「06」の順でセットする。これにより、メインCPU71は、上述した大入賞口開放中処理(ステップS96)、大入賞口内残留球監視処理(ステップS97)及び大入賞口再開放前待ち時間管理処理(ステップS98)をこの順で所定のタイミングで実行し、大当り遊技又は小当り遊技を実行する。
なお、大当り遊技状態中に、当該大当り遊技状態の終了条件が成立した場合、メインCPU71は、制御状態フラグを「04」、「05」、「07」、「08」の順でセットする。これにより、メインCPU71は、上述した大入賞口開放中処理(ステップS96)、大入賞口内残留球監視処理(ステップS97)、大当り終了インターバル処理(ステップS99)及び特別図柄ゲーム終了処理(ステップS100)をこの順で所定のタイミングで実行し、大当り遊技状態を終了する。
上述したように、特別図柄制御処理では、ステータスに応じて処理フローを分岐させている。また、図18に示す主制御メイン処理中のステップS84の普通図柄制御処理(後述の図25参照)もまた、特別図柄制御処理と同様に、ステータスに応じて処理フローを分岐させる。
本実施形態の処理プログラムは、ステータスに応じて処理を分岐させて行う場合にコール命令で、小モジュールから親モジュールへの純粋な戻り処理が可能となるように、プログラミングされている。その結果、上記処理を実行するためにジャンプテーブルを配置する場合と比較して、本実施形態では、プログラムの容量を削減することができる。
[特別図柄記憶チェック処理]
図20は、メインCPU71による特別図柄記憶チェック処理を示している。特別図柄記憶チェック処理は、先述した特別図柄制御処理の実行中にサブルーチンとして呼び出される。同図に示すように、まず、メインCPU71は、メインRAM73内の所定の記憶領域から制御状態フラグをロード処理によって読み出す(ステップS101)。
次に、メインCPU71は、読み出した制御状態フラグが特別図柄記憶チェック処理を示す値(「00」)であるか否かを判別する(ステップS102)。制御状態フラグが「00」でないと判別した場合、メインCPU71は、特別図柄記憶チェック処理を終了する。一方、制御状態フラグが「00」であると判別した場合、メインCPU71は、ステップS103の処理に移る。
ステップS103において、メインCPU71は、第2始動口入賞(第2特別図柄の可変表示)の保留個数(第2始動記憶数)が「0」であるか否かを判別する。第2始動口入賞の保留個数が「0」でないと判別した場合、メインCPU71は、ステップS104の処理に移る。第2始動口入賞の保留個数が「0」であると判別した場合、メインCPU71は、ステップS109の処理に移る。
ステップS104において、メインCPU71は、第2始動口入賞の保留個数に対応する第2始動記憶数の値を「1」減算する。本実施形態において、メインCPU71は、メインRAM73に設けられた第2特別図柄始動記憶領域(0)〜第2特別図柄始動記憶領域(4)にデータが記憶されているか否かを判別して、変動中又は保留中の第2特別図柄の可変表示に対応する特別図柄ゲームの始動記憶があるか否かを判別する。第2特別図柄始動記憶領域(0)には、変動中の第2特別図柄の可変表示に対応する特別図柄ゲームのデータ(情報)が始動記憶情報として記憶される。そして、第2特別図柄始動記憶領域(1)〜第2特別図柄始動記憶領域(4)には、保留されている4回分の第2特別図柄の可変表示(保留球)に対応する特別図柄ゲームのデータ(情報)が始動記憶情報として記憶される。なお、各第2特別図柄始動記憶領域の始動記憶情報には、例えば、第2始動口45の入賞時に取得した当り判定用乱数値や図柄乱数値、決定された変動パターン等を示すデータが含まれる。
次に、メインCPU71は、第2始動口入賞に基づいて特別図柄記憶転送処理を行う(ステップS105)。この処理において、メインCPU71は、第2特別図柄始動記憶領域(1)〜(4)のデータを、それぞれ第2特別図柄始動記憶領域(0)〜(3)にシフトする。このときまた、メインCPU71は、副制御回路200に対して保留減算コマンドを送信する。その後、メインCPU71は、ステップS106の処理に移る。
ステップS106において、メインCPU71は、制御状態フラグに特別図柄変動時間管理処理を示す値(「01」)をセットする処理を行う。このときまた、メインCPU71は、副制御回路200に対して特別図柄演出開始コマンドを送信する。
次に、メインCPU71は、大当り・小当り判定処理を行う(ステップS107)。この処理において、メインCPU71は、始動口入賞時に抽出され、かつ、第1特別図柄始動記憶領域(0)又は第2特別図柄始動記憶領域(0)において先にセットされた大当り判定用乱数値に基づき、入賞始動口の種別に対応する当り乱数判定テーブル(図11参照)を参照して、判定値データを取得する。そして、メインCPU71は、取得した判定値データに基づいて、「大当り」、「小当り」及び「ハズレ」のいずれに当選したかを判定(当り判定)する。
次に、メインCPU71は、決定された特別図柄の変動パターンに対応する変動時間を待ち時間タイマにセットする(ステップS108)。この処理を終了すると、メインCPU71は、特別図柄記憶チェック処理を終了する。
ステップS109において、メインCPU71は、第1始動口入賞(第1特別図柄の可変表示)の保留個数(第2始動記憶数)が「0」であるか否かを判別する。第1始動口入賞の保留個数が「0」でないと判別した場合、メインCPU71は、ステップS110の処理に移る。第1始動口入賞の保留個数が「0」であると判別した場合、メインCPU71は、ステップS112の処理に移る。
ステップS110において、メインCPU71は、第1始動口入賞の保留個数に対応する第1始動記憶数の値を「1」減算する。本実施形態において、メインCPU71は、メインRAM73に設けられた第1特別図柄始動記憶領域(0)〜第1特別図柄始動記憶領域(4)にデータが記憶されているか否かを判別して、変動中又は保留中の第1特別図柄の可変表示に対応する特別図柄ゲームの始動記憶があるか否かを判別する。第1特別図柄始動記憶領域(0)には、変動中の第1特別図柄の可変表示に対応する特別図柄ゲームのデータ(情報)が始動記憶情報として記憶される。そして、第1特別図柄始動記憶領域(1)〜第1特別図柄始動記憶領域(4)には、保留されている4回分の第1特別図柄の可変表示(保留球)に対応する特別図柄ゲームのデータ(情報)が始動記憶情報として記憶される。なお、各第1特別図柄始動記憶領域の始動記憶情報には、例えば、第1始動口44の入賞時に取得した当り判定用乱数値や図柄乱数値、決定された変動パターン等を示すデータが含まれる。
次に、第1始動口入賞に基づいて特別図柄記憶転送処理を行う(ステップS111)。この処理において、メインCPU71は、第1特別図柄始動記憶領域(1)〜(4)のデータを、それぞれ第1特別図柄始動記憶領域(0)〜(3)にシフトする。このときまた、メインCPU71は、副制御回路200に対して保留減算コマンドを送信する。その後、メインCPU71は、ステップS106の処理に移る。
ステップS112において、メインCPU71は、デモ画面を表示するためのデモ表示処理を行う。この処理において、メインCPU71は、特別図柄表示装置61において特別図柄の変動が停止してから所定時間が経過したか否かを判断し、所定時間が経過したと判断した場合に、副制御回路200に対してデモ表示コマンドを送信する。
本実施形態では、特別図柄表示装置61において特別図柄の変動が停止した後、所定時間に亘って第1始動口44及び第2始動口45への入賞が発生しなかった場合に、デモ画面が表示される。
具体的に、メインCPU71は、ステップS108でセットした待ち時間タイマ(特別図柄の変動パターンに対応する変動時間)が0になった場合(図21のステップS122参照)に、デモ移行用タイマをオンにセットする。すなわち、メインCPU71は、特別図柄の変動が停止してから経過した時間の計測を開始する。そして、メインCPU71は、ステップS112において、デモ移行用タイマの値が所定値(例えば、3分に対応する値)以上であるか否かを判断し、デモ移行用タイマの値が所定値以上であると判断した場合に、副制御回路200に対してデモ表示コマンドを送信する。デモ表示コマンドを受信すると、副制御回路200では、デモ画面の表示に係る処理が行われる。
なお、デモ移行用タイマの値が所定値に達する前に、第1始動口44又は第2始動口45への入賞が発生した場合、メインCPU71は、デモ移行用タイマをオフにする。具体的に、メインCPU71は、図17のステップS51において第1始動口入賞球センサ44aで遊技球を検出したと判断した場合、デモ移行用タイマをオフにする。また、メインCPU71は、図17のステップS59において第2始動口入賞球センサ45aで遊技球を検出したと判断した場合、デモ移行用タイマをオフにする。これにより、メインCPU71は、特別図柄の変動が停止してから経過した時間の計測を終了する。
本実施形態では、以上の処理が実行されることにより、特別図柄の変動が停止した後始動口(第1始動口44及び第2始動口45)への入賞が発生しないまま所定時間が経過した場合に、デモ画面に移行することになる。ステップS112の処理を終了すると、メインCPU71は、特別図柄記憶チェック処理を終了する。
[特別図柄変動時間管理処理]
図21を用いて、図19のステップS93で行われる特別図柄変動時間管理処理について説明する。図21は、メインCPU71により実行される特別図柄変動時間管理処理を示すフローチャートである。この特別図柄変動時間管理処理は、以下のステップ単位に実行される。
図21に示すように、ステップS121において、メインCPU71は、制御状態フラグが特別図柄変動時間管理を示す値(「01」)であるか否かの判定を行う。メインCPU71は、特別図柄変動時間管理を示す値(「01」)であると判定した場合には、ステップS122に処理を移す。一方、メインCPU71は、特別図柄変動時間管理を示す値(「01」)でないと判定した場合には、特別図柄変動時間管理処理ルーチンを終了する。
ステップS122において、メインCPU71は、待ち時間タイマが「0」であるか否かの判定を行う。メインCPU71は、待ち時間タイマが「0」であると判定した場合には、ステップS123に処理を移す。待ち時間タイマが「0」でないと判定した場合には、特別図柄変動時間管理処理ルーチンを終了する。
ステップS123において、メインCPU71は、特別図柄表示時間管理を示す値(「02」)を制御状態フラグにセット(記憶)する処理を行い、ステップS124に処理を移す。
ステップS124において、メインCPU71は、特別図柄演出停止コマンドをセットする処理を行う。この処理において、メインCPU71は、特別図柄演出停止コマンドをメインRAM73にセット(記憶)する処理を行う。そして、特別図柄演出停止コマンドは、主制御回路70のメインCPU71から副制御回路200のサブCPU81に図柄停止コマンドとして供給されることにより、副制御回路200が図柄停止を認識するようになる。この処理を終了した場合には、ステップS125に処理を移す。
ステップS125において、メインCPU71は、メインRAM73における待ち時間タイマとして機能する領域に、確定後待ち時間をセットする処理を行う。この処理を終了した場合には、特別図柄変動時間管理処理ルーチンを終了する。
[特別図柄表示時間管理処理]
図22は、メインCPU71による特別図柄表示時間管理処理を示している。特別図柄表示時間管理処理は、先述した特別図柄制御処理の実行中にサブルーチンとして呼び出される。同図に示すように、メインCPU71は、制御状態フラグが特別図柄表示時間管理処理を示す値(「02」)であるか否かを判別する(ステップS131)。制御状態フラグが特別図柄表示時間管理処理を示す値(「02」)でないと判別した場合、メインCPU71は、特別図柄表示時間管理処理を終了する。一方、制御状態フラグが特別図柄表示時間管理処理を示す値(「02」)であると判別した場合、メインCPU71は、ステップS132の処理に移る。
ステップS132において、メインCPU71は、待ち時間タイマの値(待ち時間)が「0」であるか否かを判別する。この処理において、メインCPU71は、待ち時間タイマにセットされた変動確定後の待ち時間(変動開始待ち時間)が消化されたか否かを判別する。待ち時間タイマの値が「0」でないと判別した場合、メインCPU71は、特別図柄表示時間管理処理を終了する。一方、待ち時間タイマの値が「0」であると判別した場合、メインCPU71は、ステップS133の処理に移る。
ステップS133において、メインCPU71は、特別図柄ゲームが「大当り」であるか否かを判別する。特別図柄ゲームが「大当り」であると判別した場合、メインCPU71は、ステップS142の処理に移る。一方、特別図柄ゲームが「大当り」でないと判別した場合、メインCPU71は、ステップS134の処理に移る。
ステップS134において、メインCPU71は、さらに特別図柄ゲームが「小当り」であるか否かを判別する。特別図柄ゲームが「小当り」であると判別した場合、メインCPU71は、ステップS137の処理に移る。一方、特別図柄ゲームが「小当り」でないと判別した場合、すなわち特別図柄ゲームが「はずれ」の場合、メインCPU71は、ステップS135の処理に移る。
ステップS135において、メインCPU71は、時短・確変回数減算処理を行う。この時短・確変回数減算処理については、図23を参照して後述する。
次に、メインCPU71は、制御状態フラグに特別図柄ゲーム終了処理を示す値(「08」)をセットする処理を行う(ステップS136)。この処理を終了すると、メインCPU71は、特別図柄表示時間管理処理を終了する。
ステップS137において、メインCPU71は、小当りを示す小当りフラグをセットする処理を行う。この処理を終了すると、メインCPU71は、ステップS138の処理に移る。
ステップS138において、メインCPU71は、制御状態フラグに大当り開始インターバル管理処理を示す値(「03」)をセットする処理を行う。
次に、メインCPU71は、特別図柄(第1特別図柄又は第2特別図柄)に対応する大当り開始インターバル時間(例えば、5000ms)を待ち時間タイマにセットする処理を行う(ステップS139)。
次に、メインCPU71は、特別図柄に対応する大当り開始コマンド又は小当り開始コマンドをメインRAM73にセットする処理を行う(ステップS140)。これにより、副制御回路200には、大当り開始コマンド又は小当り開始コマンドが送信される。
次に、メインCPU71は、大当り種類決定テーブル(図13参照)を参照し、特別図柄(図柄指定コマンドの種別)に対応するラウンド数上限値(大入賞口開放回数上限値)をメインRAM73にセットし、ラウンド数表示LEDパターンフラグをセットする(ステップS141)。なお、ラウンド数表示LEDパターンフラグは、残りラウンド数を所定パターンで表示するか否かを示すフラグである。この処理を終了すると、メインCPU71は、特別図柄表示時間管理処理を終了する。
ステップS142において、メインCPU71は、大当りを示す大当りフラグをセットする処理を行う。この処理を終了すると、メインCPU71は、S143の処理に移る。
ステップS143において、メインCPU71は、時短状態変動回数カウンタ、並びに時短フラグ及び確変フラグをクリアする処理を行う。この処理を終了すると、メインCPU71は、ステップS138の処理に移る。
[時短・確変回数減算処理]
図23は、メインCPU71による時短・確変回数減算処理を示している。時短・確変回数減算処理は、先述した特別図柄表示時間管理処理あるいは後述の大当り終了インターバル処理の実行中にサブルーチンとして呼び出される。同図に示すように、メインCPU71は、時短状態変動回数カウンタの値が0であるか否かを判別する(ステップS151)。時短状態変動回数カウンタは、セットされた時短回数(本実施形態では一例として100回)が0になるまで計数する減算カウンタである。時短状態変動回数カウンタの値が0である場合、メインCPU71は、ステップS155の処理に移る。時短状態変動回数カウンタの値が0でない場合、メインCPU71は、ステップS152の処理に移る。
ステップS152において、メインCPU71は、時短状態変動回数カウンタの値を1減算する処理を行う。
次に、メインCPU71は、再び時短状態変動回数カウンタの値が0であるか否かを判別する(ステップS153)。時短状態変動回数カウンタの値が0である場合、メインCPU71は、ステップS154の処理に移る。時短状態変動回数カウンタの値が0でない場合、メインCPU71は、ステップS155の処理に移る。
ステップS154において、メインCPU71は、時短フラグとして「0」をセットする処理を行う。この処理を終了すると、メインCPU71は、ステップS155の処理に移る。
ステップS155において、メインCPU71は、確変状態変動回数カウンタの値が0であるか否かを判別する。確変状態変動回数カウンタは、セットされた確変回数(本実施形態では一例として124回)が0になるまで計数する減算カウンタである。確変状態変動回数カウンタの値が0である場合、メインCPU71は、時短・確変回数減算処理を終了する。確変状態変動回数カウンタの値が0でない場合、メインCPU71は、ステップS156の処理に移る。
ステップS156において、メインCPU71は、確変状態変動回数カウンタの値を1減算する処理を行う。
次に、メインCPU71は、再び確変状態変動回数カウンタの値が0であるか否かを判別する(ステップS157)。確変状態変動回数カウンタの値が0である場合、メインCPU71は、ステップS158の処理に移る。確変状態変動回数カウンタの値が0でない場合、メインCPU71は、時短・確変回数減算処理を終了する。
ステップS158において、メインCPU71は、確変フラグとして「0」をセットする処理を行う。この処理を終了すると、メインCPU71は、時短・確変回数減算処理を終了する。
[大当り終了インターバル処理]
図24は、メインCPU71による大当り終了インターバル処理を示している。大当り終了インターバル処理は、先述した特別図柄制御処理の実行中にサブルーチンとして呼び出される。同図に示すように、メインCPU71は、制御状態フラグが大当り終了インターバル処理を示す値(「07」)であるか否かを判別する(ステップS161)。制御状態フラグが大当り終了インターバル処理を示す値(「07」)でないと判別した場合(Sステップ161:NO)、メインCPU71は、大当り終了インターバル処理を終了する。一方、制御状態フラグが大当り終了インターバル処理を示す値(「07」)であると判別した場合、メインCPU71は、ステップS162の処理に移る。
ステップS162において、メインCPU71は、待ち時間タイマの値が「0」であるか否かを判別する。この処理において、メインCPU71は、待ち時間タイマにセットされた大当り終了インターバル時間が消化されたか否かを判別する。待ち時間タイマの値が「0」でないと判別した場合、メインCPU71は、大当り終了インターバル処理を終了する。一方、待ち時間タイマの値が「0」であると判別した場合、メインCPU71は、ステップS163の処理に移る。
ステップS163において、メインCPU71は、大入賞口開放回数表示LEDパターンフラグをクリアする。大入賞口開放回数表示LEDパターンフラグは、大当り時のラウンド数をLEDの発光パターンによって表示するか否かを示す管理フラグとして用いられる。
次に、メインCPU71は、ラウンド数振り分けフラグをクリアする(ステップS164)。このラウンド数振り分けフラグは、メインRAM73に格納される管理フラグの一つであり、1ラウンド中にあっても予め決められた回数だけ第1大入賞口53又は第2大入賞口54を周期的に開閉させるか否かを示すためのフラグである。1ラウンド中でも第1大入賞口53又は第2大入賞口54を周期的に開閉させる場合は、ラウンド数振り分けフラグが「1」となる。このときまた、メインCPU71は、副制御回路200に対して特別図柄当り終了表示コマンドを送信する。
次に、メインCPU71は、制御状態フラグに特別図柄ゲーム終了処理を示す値(「08」)をセットする処理を行う(ステップS165)。
次に、メインCPU71は、特別図柄ゲームが「大当り」であるか否かを判別する(ステップS166)。特別図柄ゲームが「大当り」であると判別した場合、メインCPU71は、ステップS167の処理に移る。一方、特別図柄ゲームが「大当り」でないと判別した場合、メインCPU71は、ステップS174の処理に移る。
ステップS167において、メインCPU71は、大当りフラグの値をクリアする処理を行う。
次に、メインCPU71は、大当り中にV入賞に成功したか否かを判別する(ステップS168)。V入賞に成功した場合、メインCPU71は、ステップS169の処理に移る。V入賞に失敗した場合、メインCPU71は、ステップS171の処理に移る。
ステップS169において、メインCPU71は、確変フラグとして「1」をセットする処理を行う。
次に、メインCPU71は、確変状態変動回数カウンタに規定の確変回数(本実施形態では一例として124回)をセットする処理を行う(ステップS170)。
次に、メインCPU71は、時短フラグとして「1」をセットする処理を行う(ステップS171)。
次に、メインCPU71は、時短状態変動回数カウンタに規定の時短回数(本実施形態では一例として100回)をセットする処理を行う(ステップS172)。この処理を終了すると、メインCPU71は、大当り終了インターバル処理を終了する。
ステップS174において、メインCPU71は、小当りフラグの値をクリアする処理を行う。この処理を終了すると、メインCPU71は、大当り終了インターバル処理を終了する。
[普通図柄制御処理]
図25は、メインCPU71による普通図柄制御処理を示している。普通図柄制御処理は、先述した主制御メイン処理の実行中にサブルーチンとして呼び出される。なお、図25に示すフローチャート中の各処理の右方に括弧書きで記載した数値(「00」〜「04」)は、普通図柄制御状態フラグを示し、この普通図柄制御状態フラグは、メインRAM73内の所定の記憶領域に格納される。メインCPU71は、普通図柄制御状態フラグの数値に対応する各処理を実行することにより、普通図柄ゲームを進行させる。
図25に示すように、メインCPU71は、普通図柄制御状態フラグをロードする処理を行う(ステップS191)。この処理において、メインCPU71は、メインRAM73に記憶された普通図柄制御状態フラグを読み出す。メインCPU71は、読み出した普通図柄制御状態フラグの値に基づいて、後述のステップS192〜ステップS196の各種の処理を実行するか否かを判定する。この普通図柄制御状態フラグは、普通図柄ゲームの遊技の状態を示すものであり、ステップS192〜ステップS196のいずれかの処理を実行可能にするものである。また、メインCPU71は、ステップS192〜ステップS196の各処理に対して設定された待ち時間などに応じて決定される所定のタイミングで各処理を実行する。なお、この所定のタイミングに至る前は、各処理を実行せずに他のサブルーチン処理を実行する。もちろん、所定の周期で先述のシステムタイマ割込処理(図15参照)も実行する。
次に、メインCPU71は、普通図柄記憶チェック処理を行う(ステップS192)。この処理において、メインCPU71は、普通図柄制御状態フラグが普通図柄記憶チェック処理を示す値(「00」)である場合に、普通図柄の可変表示の保留個数をチェックし、保留個数が「0」でないときには、当り判定等の処理を行う。また、この処理において、メインCPU71は、普通図柄制御状態フラグに後述の普通図柄変動時間監視処理(ステップS193)を示す値(「01」)をセットし、今回の処理で決定された変動時間を待ち時間タイマにセットする。すなわち、ステップS192の処理により、決定された普通図柄の変動時間が経過した後、後述の普通図柄変動時間監視処理が実行されるように設定される。
次に、メインCPU71は、普通図柄変動時間監視処理を行う(ステップS193)。この処理において、メインCPU71は、普通図柄制御状態フラグが普通図柄変動時間監視処理を示す値(「01」)であり、普通図柄の変動時間が経過した場合に、普通図柄制御状態フラグに後述の普通図柄表示時間監視処理(ステップS194)を示す値(「02」)をセットし、確定後待ち時間(例えば0.5秒)を待ち時間タイマにセットする。すなわち、ステップS193の処理により、セットされた確定後待ち時間が経過した後、後述の普通図柄表示時間監視処理が実行されるように設定される。
次に、メインCPU71は、普通図柄表示時間監視処理を行う(ステップS194)。この処理において、メインCPU71は、普通図柄制御状態フラグが普通図柄表示時間監視処理を示す値(「02」)であり、ステップS193の処理でセットされた確定後待ち時間が経過した場合に、当り判定の結果が「当り」であるか否かを判断する。そして、当り判定の結果が「当り」である場合、メインCPU71は、普通電動役物開放設定処理を行い、普通図柄制御状態フラグに後述の普通電動役物開放処理(ステップS195)を示す値(「03」)をセットする。すなわち、この処理により、後述の普通電動役物開放処理が実行されるように設定される。一方、当り判定の結果が「当り」でない場合、メインCPU71は、普通図柄制御状態フラグに後述の普通図柄ゲーム終了処理(ステップS196)を示す値(「04」)をセットする。すなわち、この場合には、後述の普通図柄ゲーム終了処理が実行されるように設定される。
次に、メインCPU71は、ステップS194において当り判定の結果が「当り」であると判定された場合、普通電動役物開放処理を行う(ステップS195)。この処理において、メインCPU71は、普通図柄制御状態フラグが普通電動役物開放処理を示す値(「03」)である場合に、普通電動役物46の開放中において所定数の入賞があったという条件、及び、普通電動役物46の開放上限時間を経過した(普通電役開放時間タイマが「0」である)という条件の一方が満たされたか否かを判断する。上記一方の条件が満たされた場合、メインCPU71は、普通電動役物46である羽根状の部材を閉鎖状態にするため、メインRAM73に位置付けられた変数を更新する。そして、メインCPU71は、普通図柄制御状態フラグに後述の普通図柄ゲーム終了処理(ステップS196)を示す値(「04」)をセットする。すなわち、この処理により、後述の普通図柄ゲーム終了処理が実行されるように設定される。
次に、メインCPU71は、普通図柄ゲーム終了処理を行う(ステップS196)。この処理において、メインCPU71は、普通図柄制御状態フラグが普通図柄ゲーム終了処理を示す値(「04」)である場合に、普通図柄の可変表示の保留個数を示すデータを「1」減少させるように記憶更新する。また、メインCPU71は、次回の普通図柄の変動表示を行うために、普通図柄記憶領域の更新を行う。さらに、メインCPU71は、普通図柄制御状態フラグに普通図柄記憶チェック処理を示す値(「00」)をセットする。すなわち、ステップS196の処理後、上述した普通図柄記憶チェック処理(ステップS192)が実行されるように設定される。この処理を終了すると、メインCPU71は、普通図柄制御処理を終了する。
[副制御回路メイン処理]
一方、副制御回路200は、副制御回路メイン処理を実行することとなる。この副制御回路メイン処理について図26を用いて説明する。なお、この副制御回路メイン処理は、電源が投入されたときに開始される処理である。
図26に示すように、サブCPU201は、RAMアクセス許可、作業領域の初期化、ハードウェア初期化、デバイス初期化、アプリケーション初期化、バックアップ復帰初期化等といった初期化処理を行う(ステップS201)。
次に、サブCPU201は、ウォッチドッグタイマのカウンタ値をクリアする処理を行う(ステップS202)。ウォッチドッグタイマは、起動時にリセット時間(例えば2000ms)が設定され、サービスパルスの書き込みが行われなかった場合(タイムアウト時)に電断処理が実行されることとなる。
次に、サブCPU201は、操作手段入力処理を実行する(ステップS203)。操作手段入力処理については、図28を参照して後述する。
次に、サブCPU201は、コマンド解析処理を実行する(ステップS204)。コマンド解析処理については、図29を参照して後述する。
次に、サブCPU201は、演出態様決定処理を実行する(ステップS205)。この処理(アニメーションリクエスト構築処理)において、サブCPU201は、演出内容の指定情報を含むアニメーションリクエストを生成し、該アニメーションリクエストに基づいて、各種演出装置を動作させるための各種リクエスト(描画リクエスト、サウンドリクエスト、ランプリクエスト、及び、役物リクエスト)を生成する。演出態様決定処理については、後に図30を用いて説明する。
次に、サブCPU201は、描画制御処理を実行する(ステップS206)。この処理において、サブCPU201は、描画リクエストを表示制御回路205に送信する。表示制御回路205は、サブCPU201から送信されたメッセージ(描画リクエスト)に基づいて液晶表示装置13に画像を表示させるための描画制御を行う。
次に、サブCPU201は、音声制御処理を実行する(ステップS207)。この処理において、サブCPU201は、サウンドリクエストを音声制御回路206に送信する。音声制御回路206は、サブCPU201から送信されたメッセージ(サウンドリクエスト)に基づいてスピーカ11に音声を出力させるための音声制御を行う。
次に、サブCPU201は、LED制御処理を実行する(ステップS208)。この処理において、サブCPU201は、ランプリクエストをLED制御回路207に送信する。LED制御回路207は、サブCPU201から送信されたメッセージ(ランプリクエスト)に基づいてLED59A〜59E、59e〜59hを点灯あるいは点滅させるための発光制御を行う。
次に、サブCPU201は、役物制御処理を実行する(ステップS209)。この処理において、サブCPU201は、役物リクエストを駆動制御回路208に送信する。駆動制御回路208は、サブCPU201から送信されたメッセージ(役物リクエスト)に基づいて可動役物に係る演出用駆動モータ60を動作させるための駆動制御を行う。このような副制御回路メイン処理においては、ステップS201の初期化処理が終了した後、ステップS202からステップS209の各処理が繰り返し実行される。
[ボタン入力割込処理]
図27は、サブCPU201によるボタン入力割込処理を示している。ボタン入力割込処理は、測定用のタイマ更新により例えば1msごとに副制御回路メイン処理に並行して実行される。同図に示すように、サブCPU201は、演出ボタンスイッチ230から入力信号があるか否かを判別している(ステップS221)。演出ボタンスイッチ230から入力信号がある場合、サブCPU201は、ステップS222の処理に移る。演出ボタンスイッチ230から入力信号がない場合、サブCPU201は、ボタン入力割込処理を終了する。
ステップS222において、サブCPU201は、演出ボタンスイッチ230からの入力信号に基づいて演出ボタン23の操作状態を判断し、当該操作状態を示す情報を生成する。この処理を終了すると、サブCPU201は、ボタン入力割込処理を終了する。
[操作手段入力処理]
図28は、サブCPU201による操作手段入力処理を示している。操作手段入力処理は、先述した副制御回路メイン処理の実行中にサブルーチンとして呼び出される。同図に示すように、サブCPU201は、操作状態を示す情報に基づいて操作状態を取得する(ステップS231)。操作状態には、演出ボタン23であれば押下回数等が含まれ、ジョグダイヤル24であれば回転方向や回転角度、さらには回転速度等が含まれる。演出エフェクトは、操作状態に応じて決定される。この処理を終了すると、サブCPU201は、操作手段入力処理を終了する。
[コマンド解析処理]
次に、図29を参照して、副制御メイン処理(図26参照)中のステップS204で行うコマンド解析処理について説明する。図29は、本実施形態におけるコマンド解析処理の手順を示すフローチャートである。
まず、サブCPU201は、ワークRAM203に格納された受信コマンドを取得すると共に、取得した受信コマンドを解析する処理を行う(ステップS241)。なお、この際、受信コマンドに対応付けられたエラー情報がある場合には、サブCPU201は、該受信コマンドを破棄する。
また、サブCPU201は、受信したコマンドの解析において、該コマンドの種別を特定する。また、この処理では、サブCPU201は、特定したコマンド種別の情報をワークRAM203に保存する。なお、コマンド種別は、各コマンドのコマンド種別部(先頭バイト領域)に格納された情報(予め設定された値)に基づいて特定される。
なお、サブCPU201が、コマンド種別の特定処理において受信したコマンドと対応するコマンド種別がないと判断した場合、サブCPU201は、該受信コマンドを破棄する。また、サブCPU201は、受信コマンドに含まれるパラメータ数を確認し、該パラメータ数が特定されたコマンド種別に対応するパラメータ数と異なる場合には、該受信コマンドを破棄する。
次いで、サブCPU201は、受信したコマンドの整合性をチェックする処理(コマンドパラメータチェック処理)を行う(ステップS242)。この処理では、サブCPU201は、コマンド毎に設定されている各種パラメータ内の情報(以下、コマンドパラメータという)の内容をチェックする。具体的には、サブCPU201は、例えば、パラメータ内の所定のビット領域に設けられた常時0領域のチェック、パラメータ内に格納されている各データの有効範囲のチェック、及び、格納データの組み合わせのチェックを行う。
また、サブCPU201は、受信したコマンドの整合性のチェックにおいて、受信コマンドに含まれるコマンドパラメータが正常であるか否かのチェックを行う。具体的には、サブCPU201は、コマンドパラメータが正常であるか否か(コマンドの有効性の有無)を判別する。なお、サブCPU201が、受信コマンドに含まれるコマンドパラメータが正常でないと判別した場合、サブCPU201は、該受信コマンドのデータを破棄する。
一方、サブCPU201が、受信コマンドに含まれるコマンドパラメータが正常であると判別した場合、サブCPU201は、コマンドパラメータ(ゲームステータス等の情報)をゲームデータに反映(登録)させる。また、サブCPU201は、コマンドパラメータが反映されたゲームデータをワークRAM203内の所定領域に格納する。なお、「ゲームデータ」とは、コマンド内のパラメータの情報などが含まれ、サブCPU201で行われる各種抽選処理やアニメーションリクエスト構築処理などで参照されるデータの構造体(記憶領域又は変数の集合体)のことをいう。「ゲームデータ」には、後述するように、各種抽選処理の抽選結果の情報(例えば演出パターン等)も登録される。
次いで、サブCPU201は、サブ抽選処理を行う(ステップS243)。この処理では、サブCPU201は、演出用の各種乱数値を取得し、受信したコマンドのコマンド種別に対応する演出内容の決定に係る抽選処理を行う。
例えば、受信したコマンドが特別図柄演出開始コマンドである場合には、サブCPU201は、装飾図柄の変動パターン(サブ変動パターン)、背景画像を表示する画像演出パターンなど、各種の演出パターンを決定する。また、例えば、受信したコマンドが保留個数増加コマンドである場合には、サブCPU201は、先読み演出に係る演出パターンを決定する。
また、ステップS243の処理では、サブCPU201は、サブ抽選処理の抽選結果(例えば、上述した各種演出パターンの情報)をワークRAM203内の所定領域に格納する。
次に、サブCPU201は、デモ移行制御処理を実行する(ステップS244)。この処理において、サブCPU201は、受信したコマンドがデモ表示コマンド(図20のステップS112参照)である場合に、描画リクエスト(液晶表示装置13にデモ画面を表示させるためのリクエスト)を生成する。
次いで、サブCPU201は、演出パターン選択の処理を行う(ステップS245)。この処理では、サブCPU201は、ステップS243のサブ抽選処理により得られた抽選結果(演出パターン)の選択を行う。具体的には、サブCPU201は、ステップS243のサブ抽選処理により得られた演出パターン(例えば、サブ変動パターンや、先読み演出に係る演出パターン)をワークRAM203に格納されたゲームデータに反映(登録)させる。そして、ステップS245の処理後、サブCPU201は、コマンド解析処理を終了し、処理を副制御回路メイン処理(図26参照)のステップS205に移す。
[演出態様決定処理]
次に、図30を参照して、副制御メイン処理(図26参照)中のステップS205で行う演出態様決定処理について説明する。なお、図30は、本実施形態における演出態様決定処理の手順を示すフローチャートである。
まず、サブCPU201は、カメラ映像解析処理を実行する(ステップS261)。カメラ映像解析処理については、後に図31を用いて説明する。
次に、サブCPU201は、映像関係の選択処理を行う(ステップS262)。この処理では、サブCPU201は、ワークRAM203に格納されたゲームデータの情報を参照し、アニメーションリクエストを生成し、該アニメーションリクエストをワークRAM203の所定領域にセットする。この処理によりコマンド受信及びカメラ映像の解析結果に応じたアニメーションリクエストが生成される。次いで、サブCPU201は、アニメーションリクエストに基づいて、描画リクエスト(液晶表示装置13を制御するための制御信号)を生成する。
次いで、サブCPU201は、ランプパターン(ランプリクエスト)選択処理を行う(ステップS263)。この処理では、サブCPU201は、ランプリクエスト(LED59を制御するための制御信号)を生成する。
次いで、サブCPU201は、サウンドパターン(サウンドリクエスト)選択処理を行う(ステップS264)。この処理では、サブCPU201は、サウンドリクエスト(スピーカ11を制御するための制御信号)を生成する。
次いで、サブCPU201は、その他(すなわち、映像関係、ランプリクエスト、及びサウンドリクエスト以外)の選択処理を行う(ステップS265)。なお、この処理には、例えば各種役物の演出動作を制御するための役物リクエストの選択処理が含まれる。
そして、ステップS265の処理後、サブCPU201は、演出態様決定処理を終了し、処理を副制御回路メイン処理(図26参照)のステップS206に移す。
[カメラ映像解析処理]
図31を用いて、図30のステップS261で行われるカメラ映像解析処理について説明する。図31は、本発明の一実施形態に係るパチンコ遊技機において実行されるカメラ映像解析処理を示すフローチャートである。
まず、サブCPU201は、CCDカメラ1000から、撮影によって得られた画像データを受信する(ステップS281)。本実施形態において、CCDカメラ1000によって撮影された画像(カメラ映像)は、複数の静止画像(フレーム画像)から構成される動画像である。すなわち、カメラ映像は、多数の静止画像(フレーム画像)が経時的に連続することにより構成される内容となっている。CCDカメラ1000のフレームレートは、特に限定されないが、例えば、250fps(frames per second)のCCDカメラを採用することができる。ステップS281の処理において、サブCPU201は、CCDカメラ1000の備える制御LSIに対して、フレーム画像に対応するデータ(フレーム画像データ)の送信を要求する。CCDカメラ1000では、副制御回路200に送信すべきフレーム画像データが存在する場合、1フレーム分のフレーム画像データをバッファに記憶することが可能である。CCDカメラ1000の制御LSIは、フレーム画像データがバッファに記憶されている場合、当該フレーム画像データを副制御回路200に送信する。このようにして、CCDカメラ1000によって撮影された画像は、フレーム単位で副制御回路200に入力される。フレーム画像データを受信すると、サブCPU201は、受信したフレーム画像データをワークRAM203に記憶させる。
次に、サブCPU201は、受信したフレーム画像データに対して、射影変換を行う。図32(a)は、射影変換を行う前の画像を示す図である。図32(b)は、射影変換を行った後の画像を示す図である。上述したように、本実施形態において、CCDカメラ1000は、撮影対象となる遊技盤12の上側に位置しており(図6参照)、遊技盤12を上方から撮影する。このことに起因して、CCDカメラ1000によって撮影された画像には、歪みが生じ、当該画像は、下に伸びて見えることになる(図32(a)参照)。このような画像に対して4点マーカーに基づく射影変換を行うことにより、当該歪みを補正することができる(図32(b)参照)。
また、サブCPU201は、フレーム画像データに対して、各画素における濃淡を示す値(画素値)を変換すること(画素ごとの濃淡変換)により、コントラストを強調する処理を行う(ステップS282)。この処理において、サブCPU201は、画素ごとの濃淡変換(濃度変換)前の各画素値と濃度変換後の各画素値との対応関係を示す所定の関数に基づいて、各画素値を変換する。このような濃淡変換は、例えば、ヒストグラム伸張化やヒストグラム平坦化等の方法により行うことができる。これにより、フレーム画像の濃淡にメリハリをつけることができる。
さらに、サブCPU201は、フレーム画像データに対して、各画素の周囲の画素も含めた濃淡変換(領域に基づく濃淡変換)により、フィルタリングを行う(ステップS283)。この処理において、サブCPU201は、所定の空間フィルタを用いることにより、各画素値を変換する。空間フィルタとしては、例えば、平滑化フィルタを用いることができ、平滑化フィルタとしては、平均化フィルタ(移動平均フィルタ)や加重平均化フィルタを用いることができる。本実施形態では、例えば、加重平均化フィルタとして、ガウシアンフィルタ(ガウスフィルタ)を用いることが望ましい。ガウスフィルタでは、ガウス分布を示す関数に基づいて、フィルタによって覆われる領域内の画素に対して重み付けがなされる。
図33は、移動平均フィルタの一例を示す図である。図33(a)では、3×3画素のフィルタを示し、図33(b)では、5×5画素のフィルタを示している。移動平均フィルタでは、フィルタによって覆われる領域内の画素値が全て同じ値(当該領域内の画素値の平均値)となっている。図34は、加重平均化フィルタの一例を示す図である。図34(a)では、3×3画素のフィルタを示し、図34(b)では、5×5画素のフィルタを示している。このような加重平均化フィルタ(ガウスフィルタ)では、移動平均フィルタと比較して、フィルタの原点(注目画素)に近い画素ほど重み付けの程度が大きくなっており、こうしたフィルタを用いることによって、より滑らかで自然な平滑化を行うことができる。以上で説明したような空間フィルタリングでは、フィルタリング後の画像(出力画像)中の一の画素の値が、フィルタリング前の画像(入力画像)における当該一の画素に対応する画素の値だけではなく、図33及び図34に示すように当該画素の周囲の画素を含む一定の範囲内の画素の値に基づいて計算される。また、移動平均フィルタ及び加重平均化フィルタでは、フレーム画像データに対して、一の値が設定された一のパラメータ(例えば、係数等)を適用することで、各画素に対する処理を実行することが可能であるが、特に、加重平均化フィルタでは、フレーム画像データの頂点部分(例えば、フレーム画像データの中心部分等)からの距離をガウス関数に適用して一の値を求めることができる。従って、ガウス関数に渡す値を変更すれば、各画素に対して設定する値を容易に変更することができる。また、ガウス関数では、二次元のみならず三次元で計算した場合にも、頂点部分からどの程度の距離にあるかによってパラメータを求めることができるため、重み付けを行う処理を各画素で共通化し、引数を変更することで各画素に対する処理を行うことが可能となり、処理の汎用性を高めることもできる。なお、一の値が記憶された一のパラメータを適用する例に限定されず、複数の値が記憶された一のパラメータ(例えば、係数、配列、構造体等)、複数の値が記憶された複数のパラメータ(例えば、係数、配列、構造体等)、一の値が記憶された複数のパラメータ(例えば、係数、配列、構造体等)などを様々に設定することが可能である。これにより、フレーム画像に含まれるノイズに起因する濃淡変動を軽減することができる。
本実施形態では、以上で説明した射影変換、コントラストの強調、空間フィルタリング等の技術、その他の画像処理技術を用いることにより、フレーム画像データに対して処理を行って、画質の向上を図ることが可能である。以上のようにして得られるフレーム画像データは、ワークRAM203に記憶され、以降の処理に用いられる。ステップS282及びステップS283の処理は、以降の処理においてフレーム画像における遊技球の位置を抽出しやすくするための前処理として位置付けられる。
次に、サブCPU201は、前後フレーム間の差分を抽出する処理を行う(ステップS284)。以下、前後フレーム間差分抽出について、図35〜図40を用いて説明する。
<前後フレーム間差分抽出>
図35は、前後フレーム間差分抽出の概念図である。図36は、遊技球が遊技領域を転動する様子を示す図である。図37は、時刻T1に撮影されたフレーム画像と時刻T2に撮影されたフレーム画像とから差分画像(1)を得る過程を示す図である。図38は、時刻T2に撮影されたフレーム画像と時刻T3に撮影されたフレーム画像とから差分画像(2)を得る過程を示す図である。図39は、差分画像(1)と差分画像(2)とから時刻T2における遊技球を抽出する過程を示す図である。図40は、マスキング領域を示す図である。
図36では、複数の遊技球が遊技領域12aを転動している状態において、1個の遊技球に着目し、時刻T1における当該遊技球の位置を遊技球120aとして示し、時刻T2における当該遊技球の位置を遊技球120bとして示し、時刻T3における当該遊技球の位置を遊技球120cとして示している。なお、遊技球120a、遊技球120b、及び、遊技球120cの近傍には、LED59(演出LED)が設けられている。
図35に示すように、時刻T1では演出LEDが消灯しており、時刻T1と時刻T2との間に演出LEDが点灯し、その後時刻T4にかけて演出LEDの点灯している状態が継続していると仮定する。
図37〜図39では、CCDカメラ1000によって撮影される全範囲のうち、時刻T1〜時刻T3の間に1個の遊技球(図36に示す遊技球)が移動する領域の近傍に着目して示している。これらの図では、説明を分かりやすくするため、撮影範囲の一部のみを示しているが、実際には、撮影範囲全体について以下の処理が一括で行われる。なお、遊技球と演出LED以外については、図示を省略している。
前後フレーム間差分抽出においては、まず、図37に示すように、時刻T1に撮影されたフレーム画像(1フレーム目の画像)及び時刻T2に撮影されたフレーム画像(2フレーム目の画像)に対して差分処理を実行することにより、1フレーム目の画像と2フレーム目の画像との差分に対応する画像を作成する。当該画像は、1フレーム目の画像及び2フレーム目の画像における各画素値の差の絶対値を示している。このようにして得られる画像を差分画像(1)とする。なお、差分処理を行った後しきい値処理を施すことによって得られる2値画像を、差分画像(1)としてもよい。2値化により、しきい値以上の画素値を1(白画素)に、しきい値未満の画素値を0(黒画素)に変換することで(逆でも可)、1フレーム目の画像と2フレーム目の画像との間で特に変化の大きかった領域を抽出することができる。差分画像(1)は、時刻T1における遊技球(遊技球120a)、時刻T2における遊技球(遊技球120b)、及び、LED59(演出LED)の位置情報を含んでいる。
次に、図38に示すように、時刻T2に撮影されたフレーム画像(2フレーム目の画像)及び時刻T3に撮影されたフレーム画像(3フレーム目の画像)に対して差分処理を実行することにより、2フレーム目の画像と3フレーム目の画像との差分に対応する画像を作成する。当該画像は、2フレーム目の画像及び3フレーム目の画像における各画素値の差の絶対値を示している。このようにして得られる画像を差分画像(2)とする。なお、差分処理を行った後しきい値処理を施すことによって得られる2値画像を、差分画像(2)としてもよい。2値化により、しきい値以上の画素値を1(白画素)に、しきい値未満の画素値を0(黒画素)に変換することで(逆でも可)、2フレーム目の画像と3フレーム目の画像との間で特に変化の大きかった領域を抽出することができる。差分画像(2)は、時刻T2における遊技球(遊技球120b)、及び、時刻T3における遊技球(遊技球120c)の位置情報を含んでいる。
次に、図39に示すように、差分画像(1)と差分画像(2)との論理積をとる処理(AND処理)を行う。これにより、差分画像(1)と差分画像(2)との共通部分が抽出され、このようにして得られる画像(差分画像(1)と差分画像(2)とのAND画像)は、時刻T2における遊技球(遊技球120b)の位置情報を示すことになる。
以上のようにして、本実施形態では、演出LEDの点灯及び消灯の影響を排除しつつ、時刻T2における遊技球の位置を検出することができる。同様に、2フレーム目の画像と3フレーム目の画像との差分に対応する画像(差分画像(2))と、3フレーム目の画像と4フレーム目の画像との差分に対応する画像(差分画像(3))との論理積をとることにより、時刻T3における遊技球の位置を検出することができる(図35参照)。
なお、時刻T2から時刻T3にかけて演出LEDの点灯している状態は継続しているため、差分画像(2)には、LED59(演出LED)の位置情報が含まれていない(図38参照)。従って、当該差分画像(2)と、差分画像(1)と差分画像(2)とのAND画像(図39参照)との差分をとることによっても、時刻T3における遊技球の位置を検出することができる。このようにすれば、より迅速に遊技球の位置を検出することが可能であり、遊技球の転動(位置変化)に応じて、演出等の各種制御をよりリアルタイムに実行することができる。
上述したように、本実施形態では、CCDカメラ1000のフレームレートが250fpsとなっている。すなわち、CCDカメラ1000によるフレーム画像の取得間隔は、1フレーム当たり4ミリ秒である。一方、LED59(演出LED)は、12ミリ秒の周期間隔で点滅する(12ミリ秒の点灯と12ミリ秒の消灯とが繰り返される)ように制御され、CCDカメラ1000による画像取得間隔が、演出LEDの点滅周期間隔の1/3となっている。本実施形態では、CCDカメラ1000による画像取得間隔を、演出LEDの点滅周期間隔の1/2以下(又は、1/3以下、1/4以下等)とすることが望ましい。あるいは、演出LEDの状態が「消灯→点灯→消灯」又は「点灯→消灯→点灯」と切り替わる場合における点灯区間又は消灯区間のうちの最短区間の長さが、CCDカメラ1000による画像取得間隔の2倍以上(又は、3倍以上、4倍以上等)となるように、演出LEDを制御することが望ましい。
これにより、演出LEDの状態が「消灯→点灯→消灯」又は「点灯→消灯→点灯」と切り替わった場合であっても、連続する3つのフレーム画像(1フレーム目の画像、2フレーム目の画像、及び、3フレーム目の画像)として、下記(i)〜(vi)のうちの何れかを取得することができる。「消灯状態」及び「点灯状態」は、各フレーム画像に含まれる演出LEDの状態を示している。下記(i)〜(vi)の何れであっても、以上で説明した方法により、演出LEDの点灯及び消灯の影響を排除しつつ、遊技球の位置を検出することができる。
(i)1フレーム目の画像:消灯状態、2フレーム目の画像:消灯状態、3フレーム目の画像:点灯状態
(ii)1フレーム目の画像:消灯状態、2フレーム目の画像:点灯状態、3フレーム目の画像:点灯状態
(iii)1フレーム目の画像:点灯状態、2フレーム目の画像:消灯状態、3フレーム目の画像:消灯状態
(iv)1フレーム目の画像:点灯状態、2フレーム目の画像:点灯状態、3フレーム目の画像:消灯状態
(v)1フレーム目の画像:消灯状態、2フレーム目の画像:消灯状態、3フレーム目の画像:消灯状態
(vi)1フレーム目の画像:点灯状態、2フレーム目の画像:点灯状態、3フレーム目の画像:点灯状態
なお、図36〜図39の例では、遊技球の近傍にLED59(演出LED)が設けられている場合について説明したが、演出LED以外の他の物体が設けられている場合についても、同様の説明が妥当する。当該他の物体には、静止している物体だけではなく、動作可能な物体(可動部材)も含まれる。そのような可動部材としては、入賞口(始動口)への遊技球の入球を可能にする状態(開放状態)と遊技球の入球を不可能又は困難にする状態(閉鎖状態)とを切り替え可能な(開閉動作を行う)役物や、その他の演出用の可動役物等、遊技盤における所定位置に配設された各種可動部材を挙げることができる。具体的には、遊技盤の左右方向に回動する電動チューリップ型の役物、羽根状の部材を動作させる役物、遊技盤の前後方向に水平移動する舌状部材から構成される役物、遊技盤に対して垂直な方向又は鉛直方向を回転軸として回転可能な回転部材等を挙げることができる。このような可動部材は、遊技盤における所定位置を基準として(位置を変化させずに)動作を行うことにより、その外観を経時的に変化させるため、当該外観の変化がフレーム画像にも現れることになる。しかし、図36〜図39を用いて説明した方法によって、当該可動部材を画像から除去することが可能であり、そうした外観変化の影響を排除しつつ、遊技球の位置を検出することができる。
また、遊技球の位置情報を誤って検出する要因となる構造物(例えば、発射通路や風車等)の配置された領域や、遊技球の追跡が必要のない領域(遊技球が通過し得ない領域)に対して、予めマスキングを行って(図40参照)、当該領域を画像処理の対象から外すこととしてもよい。これにより、誤検出を防止することが可能であるとともに、画像処理にかかる負担を軽減することができる。なお、図40において、黒く塗りつぶした領域がマスキング領域である。図40では、発射通路となるガイド経路41c(遊技球が玉放出口41dから遊技領域12aに放出されるまでに通過する領域)、及び、風車125(図36参照)にマスキングが施されている様子を示している。なお、図40では、風車125の一部(上下の僅かな部分)にマスキングが施されていない様子を示しているが、風車125全体がマスキング領域に含まれることとしてもよい。
以上、図35〜図40を用いて、図31のステップS284で行われる前後フレーム間差分抽出処理について説明した。図31に説明を戻す。
ステップS284の処理を実行した後、サブCPU201は、射出位置(射出領域)及び排出位置(排出領域)の確認を行う(ステップS285)。以下、射出領域及び排出領域について、図41及び図42を用いて説明する。
<射出領域及び排出領域>
図41は、射出領域及び排出領域を示す図である。図42は、遊技球に対するIDの割り当てについて説明するための概念図である。
図41に示すように、射出領域及び排出領域は、遊技領域12a内の一定範囲として設定された領域である。図中、射出領域及び排出領域は、四角で囲まれた領域として示している。射出領域は、遊技球が玉放出口41d(図5参照)から遊技領域12aに放出される際に最初に通過する領域である。排出領域は、遊技領域12aを転動した遊技球が遊技領域12aの外部に排出される際に最後に通過する領域である。具体的に、射出領域は、玉戻り防止片42(図5参照)の近傍における所定範囲内の領域である。排出領域としては、排出領域1〜5の5つの領域が設定されている。排出領域1は、第1始動口44の近傍における所定範囲内の領域であり、排出領域2は、第2始動口45の近傍における所定範囲内の領域であり、排出領域3は、第1大入賞口53の近傍における所定範囲内の領域であり、排出領域4は、第2大入賞口54の近傍における所定範囲内の領域であり、排出領域5は、アウト口55の近傍における所定範囲内の領域である。また、図41では図示していないが、一般入賞口の近傍における所定範囲内の領域も排出領域となる。
本実施形態では、複数の遊技球が同時に遊技領域12aを転動し得るが、これらの複数の遊技球には、それぞれ識別情報(ID)が割り当てられている。各遊技球のIDには、当該遊技球の位置情報が対応付けられており、複数の遊技球がそれぞれ、遊技領域12a内のどこに存在するのかが、個別に管理されている。
図42に示すように、IDとは、各遊技球に対して、それぞれ異なる数字やマークや色を割り当てるようなイメージである。IDは、遊技球が玉放出口41dから遊技領域12aに放出された直後(射出領域を通過する際)に割り当てられる。具体的に、図31のステップS285において、サブCPU201は、以下の処理を行う。
上述した前後フレーム間差分抽出処理(図31のステップS284参照)において、遊技領域12aを転動している各遊技球の位置が検出される。このようにして位置が特定された複数の遊技球(遊技領域12aを転動する複数の遊技球)のなかに、射出領域に属する遊技球があれば、当該遊技球に対して新たにIDを割り当てる。図42では、一の遊技球が射出領域内に完全に収まっている様子を示しているが、一の遊技球の少なくとも一部分が射出領域に含まれていれば、当該遊技球に対してIDを割り当てることとする。なお、一の遊技球が射出領域に属していたとしても、当該遊技球に対して既にIDが割り当てられている場合には、再度IDを割り当てる必要はないが、その場合、再度IDを割り当て直すこととしてもよい。サブCPU201は、当該新たにIDを割り当てられた遊技球の位置情報と、当該新たなIDとを対応付けて、ワークRAM203に記憶させる。
なお、射出領域を通過した全ての遊技球に対してIDを割り当ててもよいが、割り当てることの可能なIDの数に上限を設定しておき、既に割り当てられたIDの数が上限に達している場合には、既にIDを割り当てた遊技球の追跡(図44参照)を優先し、射出領域を通過した遊技球に対してIDを割り当てないこととしてもよい。一方、新たなIDの割り当てを優先し、既にIDを割り当てた遊技球(例えば、射出領域を通過してからの経過時間が最も長い遊技球)の追跡を終了してIDを解放した上で、新たに射出領域を通過した遊技球に対して当該IDを割り当てることとしてもよい。
また、追跡対象となる遊技球の数が増えすぎないように、遊技状態に応じて、射出領域を通過した遊技球に対して新たにIDを割り当てるのを一時停止することにより、新たに遊技領域に発射される遊技球を追跡対象から外すこととしてもよい。また、追跡処理の負担の大きな領域をマスキング領域として追跡対象領域から外し、単純にマスキング領域以外の遊技領域に遊技球が存在するか否かを判定するようにしてもよい。さらに、既に割り当てられたIDの数が所定数以上の場合(遊技領域12aに存在する遊技球の総数が一定以上の場合)には、射出領域を遊技球がN個(例えば、2個)通過するごとに、当該N個の遊技球のうち最初に射出領域を通過した遊技球のみが追跡対象となるように、当該遊技球にのみIDを割り当てることとしてもよい。例えば、大当り遊技状態においては、通常遊技状態よりも、遊技球が長時間に亘って遊技領域12aに保留されやすくなっている。遊技球の転動速度が遅くなるような構造を有するアタッカーも存在する。そのような場合に、遊技領域12aに存在する全ての遊技球の追跡を行うこととすれば、処理負担が増大してしまう。この点、上記のような構成を採用すれば、遊技領域12a内に通常よりも多くの遊技球が滞留する場合であっても、遊技球の追跡にかかる処理負担を一定限度に抑えることができる。一方で、そのような場合であっても、一部の遊技球に対する追跡を行うことによって、不正行為(図48参照)等への対策を講ずることができる。
一方、前後フレーム間差分抽出処理(図31のステップS284参照)により位置が特定された複数の遊技球(遊技領域12aを転動する複数の遊技球)のなかに、排出領域1〜5の何れかに属する遊技球が存在するかを確認する。一の遊技球が排出領域内に完全に収まっている場合だけでなく、一の遊技球の少なくとも一部分が排出領域に含まれていれば、当該遊技球は排出領域に属すると判定する。排出領域1〜5の何れかに属する遊技球が存在する場合、サブCPU201は、当該遊技球のIDと対応付けて、当該遊技球が排出領域に属することを示す情報(排出直前フラグ)を、ワークRAM203に記憶させる。
このような射出領域及び排出領域は、それぞれ任意に設定することができる。例えば、遊技機のホールメニューや各種設定画面において、予め定められた複数の領域のなかから選択された一の領域を、射出領域や排出領域として設定することが可能である。また、タッチパネル等を用いて、遊技盤内における任意の領域を、射出領域や排出領域として設定することができるように構成してもよい。もちろん、機種に応じて予め自動的に設定されていてもよい。排出領域は、始動口や大入賞口の近傍の他、一般入賞口の近傍に設定してもよい。また、入賞口の近傍に排出領域を設定する場合、入賞口が大きいほど、排出領域が広い範囲で設定されるようにしてもよい。なお、マスキング領域(図40参照)についても、射出領域や排出領域と同様に設定することが可能である。
以上、図41及び図42を用いて、図31のステップS285で行われる射出排出位置確認処理について説明した。図31に説明を戻す。
ステップS285の処理を実行した後、サブCPU201は、遊技媒体追跡処理を実行する(ステップS286)。以下、遊技媒体追跡処理について、図43〜図45を用いて説明する。
<遊技媒体追跡処理>
図43(a)は、時刻T2における遊技球の位置を示す図である。図43(b)は、時刻T3における遊技球の位置を示す図である。図44は、本発明の一実施形態に係るパチンコ遊技機において実行される遊技媒体追跡処理を示すフローチャートである。図45は、時刻T2における遊技球の位置を基準とした検索範囲を示す図である。
図35〜図39を用いて説明したように、時刻T1に撮影されたフレーム画像(1フレーム目の画像)と、時刻T2に撮影されたフレーム画像(2フレーム目の画像)と、時刻T3に撮影されたフレーム画像(3フレーム目の画像)とに基づいて、時刻T2における遊技球の位置が特定される。
遊技領域12aには、多数の遊技球が同時に存在し得るが、説明を分かりやすくするため、図43(a)では、2個の遊技球に着目し、時刻T2におけるこれらの2個の遊技球の位置を示している。2個の遊技球には、それぞれ、ID(1)及びID(2)というIDが割り当てられている。
また、時刻T2に撮影されたフレーム画像(2フレーム目の画像)と、時刻T3に撮影されたフレーム画像(3フレーム目の画像)と、時刻T4に撮影されたフレーム画像(4フレーム目の画像)とに基づいて、時刻T3における遊技球の位置が特定される。
図43(a)と同様に、図43(b)では、2個の遊技球に着目し、時刻T3におけるこれらの2個の遊技球の位置を示している。図中、一方の遊技球の位置を遊技球120dとして示し、他方の遊技球の位置を遊技球120eとして示している。
図43の例では、ID(1)で示される遊技球が、時刻T2から時刻T3の間に、遊技球120dとして示される位置に移動し、ID(2)で示される遊技球が、時刻T2から時刻T3の間に、遊技球120eとして示される位置に移動したと考えられる。しかし、多数の遊技球が遊技領域12aを同時に転動している状態において、遊技球120dがID(1)で示される遊技球であると同定し、遊技球120eがID(2)で示される遊技球であると同定すること(遊技球120dがID(1)で示される遊技球と同一であり、遊技球120eがID(2)で示される遊技球と同一であると正確に把握すること)は、実際には容易ではない(遊技球120eがID(1)で示される遊技球と同一であり、遊技球120dがID(2)で示される遊技球と同一である、という可能性も簡単に排除できない)。
図44に示す遊技媒体追跡処理は、このような時刻T2における遊技球と時刻T3における遊技球との対応付けを行う処理である。すなわち、遊技媒体追跡処理は、時刻T2において遊技領域12aに存在する複数の遊技球と、時刻T3において遊技領域12aに存在する複数の遊技球とについて、同一の遊技球同士を結び付ける処理、換言すれば、時刻T2の時点においてある位置に存在した遊技球が時刻T2から時刻T3の間にどの位置に移動したのかを追跡する処理である。
前提として、上述した前後フレーム間差分抽出処理(図31のステップS284参照)により、時刻T2における遊技球の位置、及び、時刻T3における遊技球の位置が特定されているとする。時刻T2における遊技球の位置を示す画像を球位置画像(T2)と表記し、時刻T3における遊技球の位置を示す画像を球位置画像(T3)と表記する。
球位置画像(T2)は、差分画像(1)と差分画像(2)とのAND画像(図39参照)であり、球位置画像(T3)は、差分画像(2)と差分画像(3)とのAND画像である。球位置画像(T2)には、時刻T2において遊技領域12aに存在する複数の遊技球の位置情報が含まれており、各位置情報は、当該位置に存在する遊技球に割り当てられたIDと対応付けて、ワークRAM203に記憶されている。球位置画像(T3)には、時刻T3において遊技領域12aに存在する複数の遊技球の位置情報が含まれており、各位置情報は、ワークRAM203に記憶されている。遊技媒体追跡処理を行う前の時点において、球位置画像(T3)に含まれる遊技球の各位置情報は、遊技球のIDと対応付けられていない。遊技媒体追跡処理を行うことにより、球位置画像(T3)に含まれる遊技球の各位置情報と遊技球のIDとが対応付けられることになる。以下、具体的に説明する。
まず、サブCPU201は、対象フレームの画像を取得する(ステップS301)。対象フレームとは、球位置画像(T2)及び球位置画像(T3)を指している。サブCPU201は、球位置画像(T2)を示すデータ及び球位置画像(T3)を示すデータをワークRAM203から読み出す。
次に、サブCPU201は、現在管理対象となっている全てのIDのうちの一のID(例えば、ID(1))を処理対象に決定するとともに、前フレーム(球位置画像(T2))に含まれる複数の遊技球のうち、当該一のIDが対応付けられた遊技球の位置を基準とした検索範囲を設定する(ステップS302)。
上記のように、球位置画像(T2)に含まれる複数の遊技球(時刻T2において遊技領域12aに存在する複数の遊技球)には、それぞれ、遊技球のIDが対応付けられている。そして、当該複数の遊技球(複数のID)には、それぞれ、検索範囲が設定されている。検索範囲とは、時刻T2(ある時点)においてある位置に存在した遊技球が時刻T3(1フレームに相当する時間が経過した後)において存在する可能性の高い領域(1フレームに相当する時間で遊技球が移動可能な範囲)であり、球位置画像内の各位置に応じて予め設定されている。
例えば、ID(1)で示される遊技球に対しては、ID(1)の遊技球の位置の近傍領域に、図45に示すような検索範囲が設定される。他のIDが割り当てられた遊技球についても同様であり、球位置画像(T2)に含まれる遊技球の個数分だけ、検索範囲が設定される。ここで、ステップS302〜ステップS314の処理は、ループするようになっており、例えば、ID(1)についてステップS302〜ステップS314の処理を行った後、ID(2)についてステップS302〜ステップS314の処理を行い、その後ID(3)についてステップS302〜ステップS314の処理を行う、といったようにして、本サブルーチンは進行する。なお、各ステップをループさせるのではなく、ステップごとに全てのIDについて一括して処理を行うようにしてもよい。
このような検索範囲は、実験等により算出された遊技球の転動に関わる値(例えば、転動可能速度や加速度等)に基づいて予め設定されていてもよいし、カメラ映像の解析結果に基づいて遊技球の転動可能範囲を予測する処理を別途行うことにより設定されることとしてもよい。
ステップS303の処理において、サブCPU201は、球位置画像(T3)に含まれる複数の遊技球それぞれの位置と、時刻T2における一の遊技球(例えば、ID(1)の遊技球)に対して設定された検索範囲とを比較して、球位置画像(T3)に含まれる複数の遊技球のなかに、当該検索範囲内に属する遊技球が存在するか否かを判断する。
球位置画像(T3)に含まれる複数の遊技球のなかに、当該検索範囲内に属する遊技球が存在すると判断した場合、サブCPU201は、今回検出位置に対してマークを設定する(ステップS304)。「マーク」とは、遊技球の位置情報とIDとを対応付けることである。この処理において、サブCPU201は、当該検索範囲内に属すると判断された遊技球の位置情報と、当該検索範囲の基準となる遊技球のID、すなわち、現在処理対象となっているID(例えば、ID(1))とを対応付けて、ワークRAM203に記憶させる。
次に、サブCPU201は、再検索回数カウンタに「0」をセットする(ステップS305)。再検索回数カウンタの値は、検索範囲が再設定されるごとに加算される値であり(ステップS312参照)、一の遊技球のIDと対応付けて、ワークRAM203に記憶されている。ステップS305の処理において、サブCPU201は、現在処理対象となっているID(例えば、ID(1))と対応付けられた再検索回数カウンタに「0」をセットする。
なお、図示しないが、サブCPU201は、当該ID(例えば、ID(1))と対応付けて、検索終了フラグをオンにセットする。検索終了フラグは、現在処理対象となっているIDに対する検索処理(ステップS303の処理)をこれ以上行わないことを示すフラグである。全てのIDと対応付けて検索終了フラグがオンにセットされたことを条件として、本サブルーチンは終了することとなる(ステップS315参照)。
次に、サブCPU201は、消失フラグをオフにセットする(ステップS306)。消失フラグは、検索処理(ステップS303の処理)において球位置画像(T3)に含まれる複数の遊技球のなかに検索範囲内に属する遊技球が存在しないと判断された場合にセットされるフラグであり(ステップS310参照)、一の遊技球のIDと対応付けて、ワークRAM203に記憶されている。ステップS306の処理において、サブCPU201は、現在処理対象となっているID(例えば、ID(1))と対応付けられた消失フラグをオフにセットする。その後、サブCPU201は、処理をステップS315に移す。
ステップS303において、球位置画像(T3)に含まれる複数の遊技球のなかに、当該検索範囲内に属する遊技球が存在しないと判断した場合、サブCPU201は、排出領域内での消失であるか否かを判断する(ステップS307)。この処理において、サブCPU201は、現在処理対象となっているID(例えば、ID(1))の遊技球が、時刻T2において図41に示す排出領域(排出領域1〜5のうちの何れか)に属していたか否かを判断する。具体的に、サブCPU201は、現在処理対象となっているID(例えば、ID(1))と対応付けて、上述した排出直前フラグがセットされているか否かを判断する。
現在処理対象となっているID(例えば、ID(1))の遊技球が、時刻T2において排出領域に属していたと判断した場合、サブCPU201は、当該IDを解放する(ステップS308)。すなわち、サブCPU201は、当該IDを管理対象から外す。その後、サブCPU201は、ステップS305に処理を移す。
ステップS307において、現在処理対象となっているID(例えば、ID(1))の遊技球が、時刻T2において排出領域に属していなかったと判断した場合、サブCPU201は、当該ID(例えば、ID(1))と対応付けられた消失フラグがオンにセットされているか否かを判断する(ステップS309)。
当該ID(例えば、ID(1))と対応付けられた消失フラグがオンにセットされていないと判断した場合、サブCPU201は、当該ID(例えば、ID(1))と対応付けられた消失フラグをオンにセットする(ステップS310)。
ステップS309において当該ID(例えば、ID(1))と対応付けられた消失フラグがオンにセットされていると判断した場合、又は、ステップS310の処理を実行した後、サブCPU201は、当該ID(例えば、ID(1))に対して、前回設定した検索範囲とは異なる検索範囲を再度設定する(ステップS311)。これにより、当該再設定された検索範囲に基づいて、当該ID(例えば、ID(1))に対する検索処理(ステップS303の処理)が再度行われることとなる。
次に、サブCPU201は、再検索回数カウンタの値を1加算する(ステップS312)。この処理において、サブCPU201は、ワークRAM203に記憶されている再検索回数カウンタの値に1を加えた値を、新たな再検索回数カウンタの値としてワークRAM203に記憶させる。
次に、サブCPU201は、再検索回数カウンタの値が50よりも大きいか否かを判断する(ステップS313)。再検索回数カウンタの値が50よりも大きいと判断した場合、サブCPU201は、現在処理対象となっているID(例えば、ID(1))に対する検索を終了する(ステップS314)。この処理において、サブCPU201は、当該ID(例えば、ID(1))と対応付けて、検索終了フラグをオンにセットする。
ステップS313において再検索回数カウンタの値が50以下であると判断した場合、又は、ステップS314若しくはステップS306の処理を実行した後、サブCPU201は、全てのIDに対する検索が終了したか否かを判断する(ステップS315)。この処理において、サブCPU201は、球位置画像(T2)に含まれる全ての遊技球のIDと対応付けて、検索終了フラグがオンにセットされているか否かを判断する。
少なくとも一の遊技球のIDに対して検索終了フラグがオンにセットされていないと判断した場合、サブCPU201は、処理をステップS302に戻す。これにより、検索が終了していないID(ステップS305又はステップS314の処理が完了していないID)に対してステップS302〜ステップS314の処理が行われることとなる。
具体的に、初めて処理対象となるIDに対しては、予め定められた検索範囲に基づいて、検索処理(ステップS303の処理)が行われる。一方、既に処理対象となったことのあるIDに対しては、ステップS311で再設定された検索範囲に基づいて、検索処理(ステップS303の処理)が行われる。
ステップS315において、球位置画像(T2)に含まれる全ての遊技球のIDと対応付けて、検索終了フラグがオンにセットされていると判断した場合、サブCPU201は、本サブルーチンを終了する。
以上、図43〜図45を用いて、図31のステップS286で行われる遊技媒体追跡処理について説明した。図31に説明を戻す。
ステップS286の処理を実行した後、サブCPU201は、重なり離散のID維持に係る処理を実行する(ステップS287)。以下、重なり離散のID維持について、図46及び図47を用いて説明する。
<重なり離散のID維持>
図46(a)は、時刻T2における遊技球の位置を示す図である。図46(b)は、時刻T3における遊技球の位置を示す図である。図47は、時刻T2における遊技球の位置を基準とした検索範囲を示す図である。
図43(a)と同様に、図46(a)は、時刻T2における遊技球の位置を示す画像(球位置画像(T2))中の2個の遊技球に着目し、時刻T2におけるこれらの2個の遊技球の位置を示している。2個の遊技球には、それぞれ、ID(1)及びID(2)というIDが割り当てられている。
図43(b)と同様に、図46(b)では、時刻T3における遊技球の位置を示す画像(球位置画像(T3))中の2個の遊技球に着目し、時刻T3におけるこれらの2個の遊技球の位置を示している。図中、一方の遊技球の位置を遊技球120dとして示し、他方の遊技球の位置を遊技球120eとして示している。なお、時刻T2におけるID(1)の遊技球の位置及びID(2)の遊技球の位置も、仮想線で示している。
図46(b)では、遊技球120dと遊技球120eとが重なっている様子が示されている。複数の遊技球が遊技領域12aを同時に転動している状態においては、遊技球同士の位置関係や遊技球とCCDカメラ1000との位置関係次第で、このように、遊技球同士が画像上において重なり合う場合がある。
このような場合、図47に示すように、時刻T2における一の遊技球(この例では、ID(1)の遊技球)に対して設定された検索範囲(図44のステップS302参照)内に時刻T3において2つ以上の遊技球が属する、という状況が発生し得る。こうした状況においては、検索範囲内に属する2つ以上の遊技球のうち、何れの遊技球が当該検索範囲の基準となるIDの遊技球(図47の例では、ID(1)の遊技球)であるのか、直ちに判別することができない。
このような場合においては、球位置画像(T3)における遊技球同士の重なりの態様、時刻T2よりも前の遊技球の位置(例えば、1フレーム前の球位置画像(T1))、時刻T3よりも後の遊技球の位置(例えば、1フレーム後の球位置画像(T4))等を参照する。これにより、重なり合っている各遊技球の遊技領域12a内での存在位置、移動方向や速度等を考慮して、検索範囲内に属する2つ以上の遊技球のうち、当該検索範囲の基準となるIDの遊技球(図47の例では、ID(1)の遊技球)である確率が高い遊技球に対して、当該ID(図47の例では、ID(1))を割り当てる。このようにして、検索範囲内に2つ以上の遊技球が属する場合であっても、IDを維持することができる。
また、図46(b)に示すように、時刻T3(球位置画像(T3))において2つ以上の遊技球が重なり合っている場合、時刻T3における遊技球の位置を基準に検索範囲(図示せず)を設定して、時刻T4(球位置画像(T4))における遊技球を追跡する際(図44に示す遊技媒体追跡処理を行う際)、重なり合う2つ以上の遊技球(例えば、図46(b)に示す遊技球120dと遊技球120e)に対して設定される各検索範囲が、広範囲で重複する可能性がある。そうすると、時刻T4(球位置画像(T4))においてこれらの検索範囲内に2つ以上の遊技球が属する、という状況がやはり発生し得る。こうした状況においても、上記と同様に、球位置画像(T3)における遊技球同士の重なりの態様、時刻T3よりも前の遊技球の位置(例えば、1フレーム前の球位置画像(T2))、時刻T4よりも後の遊技球の位置(例えば、1フレーム後の球位置画像(T5))等を参照することにより、IDを維持することができる。
なお、以上では、遊技球同士が画像上において重なり合う場合について説明したが、遊技球同士が近接(接触)する場合についても、基本的に同様の説明が当てはまる。
以上、図46及び図47を用いて、図31のステップS287で行われる重なり離散のID維持に係る処理について説明した。図31に説明を戻す。
ステップS287の処理を実行した後、サブCPU201は、詰まり・消失検知に係る処理を実行する(ステップS288)。以下、詰まり・消失検知について、図48〜図50を用いて説明する。
<詰まり・消失検知>
図48は、遊技盤上において複数の遊技球により球詰まりが発生している様子を示す図である。図49は、本発明の一実施形態に係るパチンコ遊技機において実行される詰まり・消失検知に係る処理を示すフローチャートである。図50(a)は、消失ポイント及び消失検知の領域について説明するための図である。図50(b)は、球詰まりが発生した様子を示す図である。図50(c)は、遊技球同士の重なり及び重なり検知の領域について説明するための図である。
図48では、8個の遊技球120f〜120mが釘の間に挟まって積もっている様子を示している。8個の遊技球120f〜120mは、遊技盤12と保護ガラス28(図4参照)との間に挟まっており、これにより球詰まりが発生している。そして、これらの8個の遊技球120f〜120mによって所謂「ぶどう」(ぶどうの房のような塊)が形成されている。
パチンコ遊技においては、磁石を用いることによってこのような「ぶどう」を意図的に作り出し、当該「ぶどう」を利用することによって遊技球を入賞口(始動口)へと誘導することで出玉を獲得しようとする不正行為(所謂「ぶどうゴト」)が行われることがある。本実施形態では、「ぶどう」が発生したことを検出することが可能であり、「ぶどうゴト」が行われてしまうことを未然に防止することができる。以下、「ぶどう」(球詰まり)が発生したことを検出するための方法について説明する。
本実施形態では、下記(i)及び(ii)のうち少なくとも一方の条件が成立した場合に、球詰まりが発生した旨判定される。
(i)遊技球の位置が所定時間に亘って変化しないという現象(消失)が、所定の領域内において所定回数以上発生すること
(ii)一の遊技球の位置と他の遊技球の位置とが画像上で重なり合うこと(重なり)が、所定の領域内において所定数以上発生すること
以下、具体的な処理について、図49を用いて説明する。
まず、サブCPU201は、一定時間以上動いていない(同じ位置に停留している)遊技球が存在するか否かを判断する(ステップS351)。この処理において、サブCPU201は、現在管理されている全てのIDについて、ワークRAM203において対応付けられた位置情報(図44のステップS304参照)を参照し、当該位置情報が所定時間(連続する所定数のフレーム画像)に亘って同じであるか否かを判断する。
一定時間以上動いていない(同じ位置に停留している)遊技球が存在すると判断した場合、サブCPU201は、当該遊技球のIDを解放する(ステップS352)。一の遊技球が同じ位置に停留している場合、差分処理(図38参照)を実行した際に差分画像に当該遊技球の位置情報が含まれないため、当該遊技球については、それ以上追跡を行うことは困難である。そこで、その場合、サブCPU201は、当該遊技球のIDを管理対象から外す。なお、ステップS352及び次のステップS353の処理は、例えば、図44のステップS314の処理を行った後、ステップS315の処理を行う前に、実行することとしてもよい。
次に、サブCPU201は、消失ポイントを設定する(ステップS353)。この処理において、サブCPU201は、ステップS352において管理対象から外したIDと対応付けられた位置情報を、別途ワークRAM203に記憶させる。消失ポイントは、当該位置情報に対応しており、一定時間以上動いていない遊技球の停留位置を示す。図50(a)では、ID(1)の遊技球が一定時間以上一定の位置に停留した場合に、当該位置が消失ポイントとして設定される様子を示している。なお、消失ポイントの設定は、所定時間が経過した後解除される。
ステップS351において一定時間以上動いていない遊技球が存在しないと判断した場合、又は、ステップS353の処理を実行した後、サブCPU201は、消失ポイントが所定数(例えば、3つ)以上設定されているか否かを判断する(ステップS354)。
消失ポイントが所定数(例えば、3つ)以上設定されていると判断した場合、サブCPU201は、消失検知の領域を設定する(ステップS355)。この処理において、サブCPU201は、当該所定数以上の消失ポイントのうち一番最初に設定された消失ポイントを基準として設定される所定の範囲を、消失検知の領域として設定する。図50(a)では、ID(1)の遊技球が一定時間以上一定の位置に停留した場合に、当該位置を基準として消失検知の領域が設定される様子を示している。消失検知の領域は、基準となる消失ポイントを含む一定の範囲として設定される。
具体的に、消失検知の領域は、球位置画像内の各位置に応じて予め設定されており、球位置画像内の位置情報と消失検知の領域との対応関係を示すテーブルがプログラムROM202に記憶されている。ステップS355において、サブCPU201は、プログラムROM202に記憶されている当該テーブルを参照し、基準となる消失ポイント(一番最初に設定された消失ポイント)に対応する位置情報に基づいて、該位置情報に応じて設定された領域を、消失検知の領域として決定する。
次に、サブCPU201は、ステップS355で設定した消失検知の領域に消失ポイントが所定数(例えば、3つ)以上存在するか否かを判断する(ステップS356)。この処理において、サブCPU201は、消失ポイントの少なくとも一部が消失検知の領域に属していれば、当該消失ポイントは消失検知の領域に存在すると判断する。消失検知の領域に消失ポイントが所定数(例えば、3つ)未満しか存在しないと判断した場合、サブCPU201は、本サブルーチンを終了する。
一方、消失検知の領域に消失ポイントが所定数(例えば、3つ)以上存在すると判断した場合、サブCPU201は、球詰まり判定を行う(ステップS357)。消失検知の領域に消失ポイントが所定数以上存在するということは、「消失検知の領域において、遊技球の位置が所定時間に亘って変化しないという現象(消失)が、所定回数以上発生したこと」(上記条件(i)参照)を意味する。図50(b)では、図50(a)に示す消失検知の領域において、ID(1)の遊技球に加え、ID(2)の遊技球とID(3)の遊技球とがそれぞれ所定時間に亘って停留したことにより、球詰まりと判定された様子を示している。球詰まりポイントは、球詰まりが発生した大凡の位置を示している。
ステップS357の処理において、サブCPU201は、例えば、球詰まりが発生したことを報知する画像を液晶表示装置13に表示させたり、球詰まりが発生したことを報知する音をスピーカ11から出力させたりする。また、サブCPU201は、ホール(遊技場)内のパチンコ遊技機を管理するホールコンピュータに対して、球詰まりが発生したことを示す球詰まり発生信号を送信する。球詰まり発生信号には、球詰まりポイントを示す情報が含まれることとしてもよい。ステップS357の処理を実行した後、サブCPU201は、本サブルーチンを終了する。
ステップS354において消失ポイントが所定数(例えば、3つ)未満しか設定されていないと判断した場合、サブCPU201は、他の遊技球と重なっている遊技球が存在するか否かを判断する(ステップS358)。なお、ステップS356において消失検知の領域に消失ポイントが所定数(例えば、3つ)未満しか存在しないと判断した場合、本サブルーチンを終了することとして説明したが、この場合にも、ステップS358の処理に移行することとしてもよい。ステップS358の処理において、サブCPU201は、上述した前後フレーム間差分抽出処理(図35〜図39参照)により得られた球位置画像(例えば、図46(b)に示す球位置画像(T3))上において、遊技球同士の重なりが発生しているか否かを判断する。
図50(c)では、時刻T3における遊技球の位置を示す画像(球位置画像(T3))中の3個の遊技球に着目し、時刻T3におけるこれらの3個の遊技球の位置を示している。上述した遊技媒体追跡処理(図44のステップS304参照)により、3個の遊技球には、それぞれ、ID(1)、ID(2)、及び、ID(3)というIDが割り当てられている。当該画像上において、ID(1)の遊技球とID(2)の遊技球とが重なっており、ID(1)の遊技球とID(3)の遊技球とが重なっている。図中、ID(1)の遊技球とID(2)の遊技球との重複部分、及び、ID(1)の遊技球とID(3)の遊技球との重複部分を、それぞれ、網掛けで示している。ステップS358の処理において、サブCPU201は、このような重なりが発生しているか否か(球位置画像上に重複部分が存在するか否か)を判断する。
重なりが発生していないと判断した場合、サブCPU201は、本サブルーチンを終了する。一方、重なりが発生していると判断した場合、サブCPU201は、重なり検知の領域を設定する(ステップS359)。この処理において、サブCPU201は、他の遊技球との重複部分(図50(c)において網掛けで示す部分)を有する遊技球のうち、一番最初にIDの割り当てられた遊技球(最初に射出領域を通過した遊技球)の位置を基準として設定される所定の範囲を、重なり検知の領域として設定する。図50(c)では、ID(1)の遊技球の位置を基準として重なり検知の領域が設定される様子を示している。重なり検知の領域は、基準となる遊技球を含む一定の範囲として設定される。
具体的に、重なり検知の領域は、球位置画像内の各位置に応じて予め設定されており、球位置画像内の位置情報と重なり検知の領域との対応関係を示すテーブルがプログラムROM202に記憶されている。ステップS359において、サブCPU201は、プログラムROM202に記憶されている当該テーブルを参照し、基準となる遊技球(一番最初にIDの割り当てられた遊技球)の位置情報に基づいて、該位置情報に応じて設定された領域を、重なり検知の領域として決定する。
次に、サブCPU201は、ステップS359で設定した重なり検知の領域で所定数(例えば、5つ)以上の重なりが発生しているか否かを判断する(ステップS360)。この処理において、サブCPU201は、重なり検知の領域内に存在する重なり(上記重複部分)の個数が所定数(例えば、5つ)以上であるか否かを判断する。なお、サブCPU201は、重なり(重複部分)の少なくとも一部が重なり検知の領域に属していれば、当該重なり(重複部分)は重なり検知の領域に存在すると判断する。重なり検知の領域内に存在する重なり(重複部分)の個数が所定数(例えば、5つ)未満であると判断した場合、サブCPU201は、本サブルーチンを終了する。
一方、重なり検知の領域内に存在する重なり(重複部分)の個数が所定数(例えば、5つ)以上であると判断した場合、サブCPU201は、球詰まり判定を行う(ステップS361)。重なり検知の領域内に存在する重複部分の個数が所定数以上であるということは、「重なり検知の領域において、一の遊技球の位置と他の遊技球の位置とが画像上で重なり合うこと(重なり)が、所定数以上発生したこと」(上記条件(ii)参照)を意味する。
例えば、図50(c)に示すID(1)〜ID(3)の遊技球に加え、図示しないID(4)〜ID(6)の遊技球が重なり検知の領域に存在し、ID(1)の遊技球とID(4)の遊技球とが重なっており、ID(2)の遊技球とID(5)の遊技球とが重なっており、ID(5)の遊技球とID(6)の遊技球とが重なっており、これらの重なり(重複部分)が全て重なり検知の領域内に存在するような場合、重なり検知の領域内に存在する重なりは5個となる。この場合、上記「所定数」=5であれば、上記条件(ii)が成立し、球詰まりと判定されることになる。
なお、ステップS361の球詰まり判定において、サブCPU201は、ステップS357と同様の処理を行う。その後、サブCPU201は、本サブルーチンを終了する。
以上、図48〜図50を用いて、図31のステップS288で行われる詰まり・消失検知に係る処理について説明した。図31に説明を戻す。
ステップS288の処理を実行した後、サブCPU201は、図31に示すカメラ映像解析処理を終了する。
以上、本発明の一実施形態として、第1実施形態に係るパチンコ遊技機1について説明した。
第1実施形態に係るパチンコ遊技機1によれば、時刻T1に撮影されたフレーム画像(1フレーム目の画像)と時刻T2に撮影されたフレーム画像(2フレーム目の画像)との差分に対応する差分画像(1)、及び、時刻T2に撮影されたフレーム画像(2フレーム目の画像)と時刻T3に撮影されたフレーム画像(3フレーム目の画像)との差分に対応する差分画像(2)が作成される。ここで、1フレーム目の画像の撮影タイミング(時刻T1)と2フレーム目の画像の撮影タイミング(時刻T2)との間に、遊技球の位置変化以外に、遊技領域12aにおける環境変化が発生した場合、当該環境変化が差分画像(1)に現れることとなる。同様に、2フレーム目の画像の撮影タイミング(時刻T2)と3フレーム目の画像の撮影タイミング(時刻T3)との間に、遊技球の位置変化以外に、遊技領域12aにおける環境変化が発生した場合、当該環境変化が差分画像(2)に現れることとなる。しかしながら、第1実施形態に係るパチンコ遊技機1によれば、このような環境変化の差分画像への現れは、差分画像(1)と差分画像(2)との論理積をとることによって、除去することが可能である。これにより、そのような環境変化(例えば、外来光の変化)が発生した場合であっても、当該環境変化に起因する画像への影響を排除しつつ、遊技球の位置を高い精度で把握することができる。
また、第1実施形態に係るパチンコ遊技機1では、各フレーム画像に下記(i)〜(iv)の状態にある演出LEDが含まれる場合がある。
(i)1フレーム目の画像:消灯状態、2フレーム目の画像:消灯状態、3フレーム目の画像:点灯状態
(ii)1フレーム目の画像:消灯状態、2フレーム目の画像:点灯状態、3フレーム目の画像:点灯状態
(iii)1フレーム目の画像:点灯状態、2フレーム目の画像:消灯状態、3フレーム目の画像:消灯状態
(iv)1フレーム目の画像:点灯状態、2フレーム目の画像:点灯状態、3フレーム目の画像:消灯状態
上記(i)及び(iv)の場合においては、差分画像(1)に演出LEDが含まれず、差分画像(2)に演出LEDの状態変化に起因する差分が含まれる。また、上記(ii)及び(iii)の場合においては、差分画像(1)に演出LEDの状態変化に起因する差分が含まれ、差分画像(2)に演出LEDが含まれない。第1実施形態に係るパチンコ遊技機1によれば、上記(i)〜(iv)の何れの場合においても、差分画像(1)と差分画像(2)との論理積をとることによって、演出LEDを画像から除去することが可能である。これにより、演出LEDの状態が上記(i)〜(iv)の何れの態様で変化した場合であっても、その影響を排除しつつ、遊技球の位置を高い精度で把握することができる。
なお、演出LEDが遊技盤12における遊技領域12a以外の箇所に設けられている場合には、演出LEDの存在位置をマスキング領域として設定することによっても、演出LEDを画像から除去することが可能である。これにより、演出LEDを遊技球と誤って検出するといったことも防止することができる。
以上のようにして得られた遊技球の位置情報は、適宜各種デバイスに対して送信され、演出等の各種制御に用いられることとなる。例えば、得られた遊技球の位置情報を液晶表示装置13に表示することによって、遊技球の軌跡を可視化することとしてもよい。その際、IDごとに異なる色で遊技球を表示することとすれば、遊技領域12aを転動している多数の遊技球の動きを、遊技球ごとに個別に追跡することも可能となる。
このような遊技球の追跡は、図44に示す遊技媒体追跡処理により実現することができる。遊技媒体追跡処理では、時刻T2(ある時点)においてある位置に存在した遊技球が時刻T3(1フレームに相当する時間が経過した後)において、時刻T2における存在位置から距離の近い位置に移動したということを前提として説明した。本実施形態における遊技球の追跡では、距離の他、差分処理を行った際に差分画像に現れる情報(遊技球に対応する部分の輝度等)や、上述した消失や重なり等の情報を加味して、処理を行うこととしてもよい。
また、第1実施形態に係るパチンコ遊技機1によれば、連続する所定数のフレーム画像に亘って、一の遊技球の位置が変化していない場合に、該一の遊技球について「消失」が発生したと認識される。そして、該一の遊技球のフレーム画像における位置を基準とした所定範囲(消失検知の領域)内で、該一の遊技球以外のN個(例えば、2個)以上の遊技球についても「消失」が発生したと認識された場合に、「球詰まり」が発生したと認識される。これにより、遊技球同士が積み重なることで「球詰まり」が発生していることを検出することが可能であり、「球詰まり」に起因する問題を除去する(例えば、「ぶどうゴト」を防止する)機会を得ることができる。
また、第1実施形態に係るパチンコ遊技機1によれば、一の遊技球の位置と他の遊技球の位置とが画像上で重なっている場合に、該一の遊技球と該他の遊技球との間で「重なり」が発生していると認識される。そして、該一の遊技球のフレーム画像における位置を基準とした所定範囲(重なり検知の領域)内で、該一の遊技球と該他の遊技球との間での「重なり」以外にもM個(例えば、4個)以上の「重なり」が発生していると認識された場合に、「球詰まり」が発生したと認識される。これにより、遊技球同士が積み重なることで「球詰まり」が発生していることを検出することが可能であり、「球詰まり」に起因する問題を除去する(例えば、「ぶどうゴト」を防止する)機会を得ることができる。
以上、第1実施形態では、本発明をパチンコ遊技機に適用した例について説明したが、本発明は、パチンコ遊技機以外の遊技機に適用することもできる。以下に示す第2実施形態では、本発明をパチスロ遊技機に適用した例について説明している。さらに、物体が移動可能な領域を備える装置である限り、遊技機以外の装置にも、本発明を適用することが可能である。
また、第1実施形態では、パチンコ遊技機における遊技球の追跡を行う場合について説明した。パチンコ遊技機における遊技球は、本発明における対象物に相当する。本発明における対象物としては、この例に限定されず、移動可能な任意の物体を適宜採用することが可能である。第2実施形態では、パチスロ遊技機に使用されるメダルを対象物として採用した例について説明している。
また、第1実施形態では、パチンコ遊技機における遊技領域を撮影対象とする場合について説明した。パチンコ遊技機における遊技領域は、本発明における撮影対象領域に相当する。本発明における撮影対象領域としては、この例に限定されず、対象物が移動可能な任意の領域を適宜採用することが可能である。第2実施形態では、パチスロ遊技機に使用されるメダルが移動可能な領域(メダルレール)を、撮影対象領域として採用した例について説明している。
また、第1実施形態では、副制御回路200(サブCPU201)においてカメラ映像解析処理(図31参照)が行われる場合について説明した。本発明において、画像処理を行う回路は、副制御回路(演出制御回路)に限定されず、表示制御回路や音声・LED制御回路等において画像処理(カメラ映像解析処理)が行われることとしてもよい。また、撮影装置(カメラ)自体(カメラの備える制御LSI)がカメラ映像解析処理を行うこととしてもよい。演出制御回路以外の制御回路でカメラ映像解析処理を行う場合、カメラ映像解析処理の全てを当該制御回路で行うこととしてもよいし、カメラ映像解析処理の一部のみを当該制御回路で行い、残りの処理は他の制御回路で行うこととしてもよい。このように、本発明における画像処理は、複数の制御回路において分担して行うこととしてもよい。また、演出制御回路以外の制御回路でカメラ映像解析処理を行う場合、解析結果を演出制御回路に送信し、当該解析結果に基づいて演出制御回路で演出パターンの選択を行うように制御してもよい。さらに、演出制御回路を介さずに表示制御回路等でカメラ映像を解析して遊技球の追跡を行う(例えば、上述したように、遊技球の動きを液晶表示装置に表示する)ように制御し、追跡結果のみを演出制御回路にフィードバックすることとしてもよい。
[第2実施形態]
上記のように、第2実施形態では、本発明をパチスロ遊技機に適用した例について説明する。より具体的には、パチスロ遊技機に使用されるメダルが移動可能な領域(メダルレール)をカメラで撮影する例について説明する。以下においては、第1実施形態における説明が第2実施形態においても当てはまる部分については、説明を省略することとする。
<機能フロー>
まず、図51を参照して、パチスロの機能フローについて説明する。本実施の形態のパチスロでは、遊技を行うための遊技媒体としてメダルを用いる。遊技媒体としては、メダル以外にも、コイン、遊技球、遊技用のポイントデータまたはトークン等を対象とすることもできる。
遊技の開始時において、遊技者によりメダルが投入され、スタートレバーが操作されると、予め定められた数値の範囲(例えば、0〜65535)の乱数から1つの値(以下、乱数値)が抽出される。
内部抽籤手段は、抽出された乱数値に基づいて抽籤を行い、内部当籤役を決定する。この内部抽籤手段は、後述する主制御回路が担う。内部当籤役の決定により、後述の入賞判定ラインに沿って表示を行うことを許可する図柄の組合せが決定される。なお、図柄の組合せの種別としては、メダルの払い出し、再遊技の作動、ボーナスの作動等といった特典が遊技者に与えられる「入賞」に係るものと、それ以外のいわゆる「ハズレ」に係るものとが設けられている。
また、スタートレバーが操作されると、複数のリールの回転が行われる。その後、遊技者により所定のリールに対応するストップボタンが押されると、リール停止制御手段は、内部当籤役とストップボタンが押されたタイミングとに基づいて、該当するリールの回転を停止する制御を行う。このリール停止制御手段は、後述する主制御回路が担う。
パチスロでは、基本的に、ストップボタンが押されたときから規定時間(190msecまたは75msec)内に、該当するリールの回転を停止する制御が行われる。本実施形態では、この規定時間内にリールの回転に伴って移動する図柄の数を「滑り駒数」と呼ぶ。規定期間が190msecである場合には、滑り駒数の最大数を図柄4個分に定め、規定期間が75msecである場合には、滑り駒数の最大数を図柄1個分に定める。
リール停止制御手段は、入賞に係る図柄の組合せ表示を許可する内部当籤役が決定されているときは、通常、190msec(図柄4コマ分)の規定時間内に、その図柄の組合せが入賞判定ラインに沿って極力表示されるようにリールの回転を停止させる。また、リール停止制御手段は、例えば、第2種特別役物であるチャレンジボーナス(CB)及びCBを連続して作動させるミドルボーナス(MB)の動作時には、1つ以上のリールに対して、規定時間75msec(図柄1コマ分)内に、その図柄の組合せが入賞判定ラインに沿って極力表示されるようにリールの回転を停止させる。さらに、リール停止制御手段は、遊技状態に対応する各種規定時間を利用して、内部当籤役によってその表示が許可されていない図柄の組合せが入賞判定ラインに沿って表示されないようにリールの回転を停止させる。
こうして、複数のリールの回転がすべて停止されると、入賞判定手段は、入賞判定ラインに沿って表示された図柄の組合せが、入賞に係るものであるか否かの判定を行う。この入賞判定手段は、後述する主制御回路が担う。入賞判定手段により入賞に係るものであるとの判定が行われると、メダルの払い出し等の特典が遊技者に与えられる。パチスロでは、以上のような一連の流れが1回の遊技として行われる。
また、パチスロでは、前述した一連の流れの中で、液晶表示装置などの表示装置により行う映像の表示、各種ランプにより行う光の出力、スピーカにより行う音の出力、或いはこれらの組合せを利用して様々な演出が行われる。
スタートレバーが操作されると、上述した内部当籤役の決定に用いられた乱数値とは別に、演出用の乱数値(以下、演出用乱数値)が抽出される。演出用乱数値が抽出されると、演出内容決定手段は、内部当籤役に対応づけられた複数種類の演出内容の中から今回実行するものを抽籤により決定する。この演出内容決定手段は、後述する副制御回路が担う。
演出内容が決定されると、演出実行手段は、リールの回転開始時、各リールの回転停止時、入賞の有無の判定時等の各契機に連動させて対応する演出を実行する。このように、パチスロでは、内部当籤役に対応づけられた演出内容を実行することによって、決定された内部当籤役(言い換えると、狙うべき図柄の組合せ)を知る機会または予想する機会が遊技者に提供され、遊技者の興味の向上を図ることができる。
<パチスロの構造>
次に、図52〜図56を参照して、本実施形態におけるパチスロ2001の構造について説明する。
[外観構造]
図52は、パチスロ2001の外部構造を示す斜視図である。
図52に示すように、パチスロ2001は、外装体2002を備えている。外装体2002は、後述するホッパー装置2051やメダル補助収納庫2052等(図55参照)を収容するキャビネット2002aと、キャビネット2002aに対して開閉可能に取り付けられるフロントドア2002bとを有している。キャビネット2002aの両側面には、把手2007が設けられている(図52では一側面の把手2007のみを示す)。この把手2007は、パチスロ2001を運搬するときに手をかける凹部である。
外装体2002の内部には、3つのリール2003L、2003C、2003Rが横並びに設けられている。以下、各リール2003L、2003C、2003Rを、それぞれ左リール2003L、中リール2003C、右リール2003Rという。各リール2003L、2003C、2003Rは、円筒状に形成されたリール本体と、リール本体の周面に装着された透光性のシート材を有している。シート材の表面には、複数(例えば20個)の図柄が周方向に沿って所定の間隔をあけて描かれている。
フロントドア2002bは、ドア本体2009と、フロントパネル2010と、表示装置の一具体例を示す液晶表示装置2011とを備えている。
ドア本体2009は、ヒンジ(不図示)を用いてキャビネット2002aに取り付けられており、キャビネット2002aの開口部を開閉する。ヒンジは、パチスロ2001の前方からドア本体2009を見た場合に、ドア本体2009における左側の端部に設けられている。液晶表示装置2011は、ドア本体2009の上部に取り付けられている。この液晶表示装置2011は、表示部(表示画面)2011aを備えており、液晶表示装置2011を用いて映像の表示による演出が実行される。
フロントパネル2010は、液晶表示装置2011の表示部2011a側に重畳して配置され、液晶表示装置2011の表示部2011aを露出させるパネル開口2010aを有する枠状に形成されている。フロントパネル2010には、ランプ群2018が設けられている。ランプ群2018は、LED(Light Emitting Diode)等で構成され、演出内容に対応するパターンで、光を点灯及び消灯する。
フロントドア2002bの中央には、台座部2012が形成されている。この台座部2012には、図柄表示領域2004と、遊技者による操作の対象となる各種装置が設けられている。
図柄表示領域2004は、正面から見て3つのリール2003L、2003C、2003Rに重畳する手前側に配置されており、3つのリール2003L、2003C、2003Rに対応して設けられている。この図柄表示領域2004は、表示窓としての機能を果たすものであり、その背後に設けられた各リール2003L、2003C、2003Rを透過することが可能な構成になっている。以下、図柄表示領域2004を、リール表示窓2004という。
リール表示窓2004は、その背後に設けられたリール2003L、2003C、2003Rの回転が停止されたとき、各リール2003L、2003C、2003Rの複数種類の図柄のうち、その枠内における上段、中段及び下段の各領域にそれぞれ1個の図柄(合計で3個)を表示する。本実施の形態では、リール表示窓2004の上段、中段及び下段からなる3つの領域のうち予め定められたいずれかを組み合わせて構成される擬似的なラインを、入賞か否かの判定を行う対象となるライン(入賞判定ライン)として定義する。
リール表示窓2004は、台座部2012に設けられた枠部材2013により形成されている。この枠部材2013は、リール表示窓2004と、情報表示窓2014と、ストップボタン取付部2015を有している。
情報表示窓2014は、リール表示窓2004の下部に連続して設けられており、上方に向かって開口している。すなわち、リール表示窓2004と情報表示窓2014は、連続する1つの開口部として形成されている。この情報表示窓2014及びリール表示窓2004は、透明の窓カバー2016によって覆われている。
窓カバー2016は、枠部材2013の内面側に配置されており、フロントドア2002bの前面側から取り外し不可能になっている。また、枠部材2013は、窓カバー2016を挟んで情報表示窓2014の開口に対向するシート載置部2017を有している。そして、シート載置部2017と窓カバー2016との間には、遊技に関する情報が記載されたシート部材(情報シート)が配置されている。したがって、情報シートは、凹凸や隙間の無い滑らかな表面を有する窓カバー2016により覆われている。
情報シートの取付部を構成する窓カバー2016は、フロントドア2002bの前面側から取り外し不可能であり、凹凸や隙間の無い滑らかな表面であるため、情報シートの取付部を利用して、パチスロ2001の内部にアクセスする不正行為を防ぐことができる。
ストップボタン取付部2015は、情報表示窓2014の下方に設けられており、正面を向いた平面に形成されている。このストップボタン取付部2015には、ストップボタン2019L、2019C、2019Rが貫通する貫通孔が設けられている。ストップボタン2019L、2019C、2019Rは、3つのリール2003L、2003C、2003Rのそれぞれに対応づけられ、対応するリールの回転を停止するために設けられる。以下、ストップボタン2019L、2019C、2019Rを、それぞれ左ストップボタン2019L、中ストップボタン2019C、右ストップボタン2019Rという。
ストップボタン2019L、2019C、2019Rは、遊技者による操作の対象となる各種装置の一例を示す。また、台座部2012には、遊技者による操作の対象となる各種装置として、メダル投入口2021、BETボタン2022、スタートレバー2023が設けられている。
メダル投入口2021は、遊技者によって外部から投下されるメダルを受け入れるために設けられる。メダル投入口2021に受け入れられたメダルは、予め定められた規定数(例えば、3枚)を上限として1回の遊技に投入されることとなり、規定数を超えた分はパチスロ2001の内部に預けることが可能となる(いわゆるクレジット機能)。
BETボタン2022は、パチスロ2001の内部に預けられているメダルから1回の遊技に投入する枚数を決定するために設けられる。スタートレバー2023は、全てのリール(2003L、2003C、2003R)の回転を開始するために設けられる。
また、フロントドア2002bを正面から見てリール表示窓2004の左側方には、7セグメントLED(Light Emitting Diode)からなる7セグ表示器2024が設けられている。この7セグ表示器2024は、特典として遊技者に対して払い出すメダルの枚数(以下、払出枚数)、パチスロ内部に預けられているメダルの枚数(以下、クレジット枚数)等の情報をデジタル表示する。
フロントドア2002bを正面から見て台座部2012の左側には、精算ボタン2027が設けられている。この精算ボタン2027は、パチスロ2001の内部に預けられているメダルを外部に引き出す(排出する)ために設けられる。台座部2012の下方には、腰部パネルユニット2031が設けられている。腰部パネルユニット2031は、任意の画像が描かれた装飾パネルと、この装飾パネルを背面側から照明するための光を出射する光源を有している。
腰部パネルユニット2031の下方には、メダル払出口2032と、スピーカ用孔2033L、2033Rと、メダルトレイユニット2034が設けられている。メダル払出口2032は、後述のメダルセレクタ2201から排出されるメダルや後述のホッパー装置2051の駆動により排出されるメダルを外部に導く。メダル払出口2032から排出されたメダルは、メダルトレイユニット2034に貯められる。スピーカ用孔2033L、2033Rは、演出内容に応じた効果音や楽曲等の音を出力するために設けられている。
[内部構造]
図53及び図54は、パチスロ2001の内部構造を示す斜視図である。この図53では、フロントドア2002bが開放され、フロントドア2002bの裏面側に設けられたミドルドア2041がフロントドア2002bに対して閉じた状態を示している。また、図54では、フロントドア2002bが開放され、ミドルドア2041がフロントドア2002bに対して開いた状態を示している。また、図55は、キャビネット2002aの内部を示す説明図である。図56は、フロントドア2002bの裏面側を示す説明図である。
キャビネット2002aは、上面板2020aと、底面板2020bと、左右の側面板2020c、2020dと、背面板2020eを有している(図55参照)。キャビネット2002a内部の上側には、キャビネット側スピーカ2042が配設されている。このキャビネット側スピーカ2042は、取付ブラケット2043L、2043Rを介してキャビネット2002aの背面板2020eに取り付けられている。キャビネット側スピーカ2042は、例えば、効果音を出力するためのスピーカである。
キャビネット2002a内部を正面から見て、キャビネット側スピーカ2042の左側方には、キャビネット側中継基板2044が配設されている。このキャビネット側中継基板2044は、キャビネット2002aの左側面板2020cに取り付けられている。キャビネット側中継基板2044は、ミドルドア2041(図53及び図54参照)に取り付けられた後述する主制御基板2071(図58参照)と、ホッパー装置2051、メダル補助収納庫スイッチ(不図示)、メダル払出カウントスイッチ(不図示)とを接続する配線の中継を行う。
キャビネット2002a内部の中央部には、キャビネット側スピーカ2042による音の出力を制御するアンプ基板2045が配設されている。このアンプ基板2045は、左右の側面板2020c、2020dに固定された取付棚2046に取り付けられている。
また、キャビネット2002a内部を正面から見て、アンプ基板2045の右側には、外部集中端子板2047が配設されている(図55参照)。この外部集中端子板2047は、キャビネット2002aの右側面板2020dに取り付けられている。外部集中端子板2047は、メダル投入信号、メダル払出信号及びセキュリティー信号などの信号をパチスロ1の外部へ出力するために設けられている。
キャビネット2002a内部を正面から見て、アンプ基板2045の左側には、サブ電源装置2048が配設されている。このサブ電源装置2048は、キャビネット2002aの左側面板2020cに取り付けられている。サブ電源装置2048は、交流電圧100Vの電力を後述する電源装置2053に供給する。また、交流電圧100Vの電力を直流電圧の電力に変換して、アンプ基板2045に供給する。
キャビネット2002aの内部の下側には、メダル払出装置(以下、ホッパー装置)2051と、メダル補助収納庫2052と、電源装置2053が配設されている。
ホッパー装置2051は、キャビネット2002aにおける底面板2020bの中央部に取り付けられている。このホッパー装置2051は、多量のメダルを収容可能であり、それらを1枚ずつ排出可能な構造を有する。ホッパー装置2051は、例えば、精算ボタン2027(図52参照)が押圧されてパチスロ内部に預けられているメダルの精算を行うときに、収容したメダルをクレジット枚数分排出する。ホッパー装置2051によって払い出されたメダルは、メダル払出口2032(図52参照)から排出される。
メダル補助収納庫2052は、ホッパー装置2051から溢れ出たメダルを収納する。このメダル補助収納庫2052は、キャビネット2002a内部を正面から見て、ホッパー装置2051の右側に配置されている。メダル補助収納庫2052は、キャビネット2002aの底面板2020bに係合されており、底面板2020bに対して着脱可能に構成されている。
電源装置2053は、キャビネット2002a内部を正面から見て、ホッパー装置2051の左側に配置されており、左側面板2020cに取り付けられている。この電源装置2053は、電源スイッチ2053aと、電源基板2053bを有している(図58参照)。電源装置2053は、サブ電源装置2048から供給された交流電圧100Vの電力を各部で必要な直流電圧の電力に変換して、変換した電力を各部へ供給する。
図53、図54及び図56に示すように、ミドルドア2041は、フロントドア2002bの裏面における中央部に配置され、リール表示窓2004(図54参照)を裏側から開閉可能に構成されている。ミドルドア2041の上部と下部には、ドアストッパ2041a、2041b、2041cが設けられている。このドアストッパ2041a、2041b、2041cは、リール表示窓2004を裏側から閉じた状態のミドルドア2041の開動作を固定(禁止)する。すなわち、ミドルドア2041を開くには、ドアストッパ2041a、2041b、2041cを回転させてミドルドア2041の固定を解除する必要がある。
ミドルドア2041には、主制御基板2071(図58参照)を収納した主制御基板ケース2055と、3つのリール2003L、2003C、2003Rが取り付けられている。3つのリール2003L、2003C、2003Rには、所定の減速比をもったギアを介してステッピングモータが接続されている。
図56に示すように、主制御基板ケース2055には、設定用鍵型スイッチ2056が設けられている。この設定用鍵型スイッチ2056は、パチスロ2001の設定を変更もしくはパチスロ2001の設定の確認を行うときに使用する。本実施の形態では、主制御基板ケース2055と、この主制御基板ケース2055に収納された主制御基板2071により、主制御基板ユニットが構成されている。
主制御基板ケース2055に収納された主制御基板2071は、後述する主制御回路2091(図59参照)を構成する。主制御回路2091は、内部当籤役の決定、リール2003L、2003C、2003Rの回転及び停止、入賞の有無の判定といった、パチスロ2001における遊技の主な流れを制御する回路である。主制御回路2091の具体的な構成は後述する。
ミドルドア2041の上方には、副制御基板2072(図58参照)を収容する副制御基板ケース2057が配設されおり、副制御基板ケース2057の上方には、センタースピーカ2058が配設されている。副制御基板ケース2057に収納された副制御基板2072は、副制御回路2101(図60参照)を構成する。この副制御回路2101は、映像の表示等による演出の実行を制御する回路である。副制御回路2101の具体的な構成は後述する。
フロントドア2002bを裏面側から見て、副制御基板ケース2057の右側方には、副中継基板2061が配設されている。この副中継基板2061は、副制御基板2072と主制御基板2071とを接続する配線を中継する。また、副制御基板2072と副制御基板2072の周辺に配設された基板とを接続する配線を中継する基板である。なお、副制御基板2072の周辺に配設される基板としては、後述するLED基板2062A、2062B、2062Cが挙げられる。
LED基板2062A、2062B、2062Cは、フロントドア2002bの裏面側から見て、副制御基板ケース2057の両側に配設されている。これらLED基板2062A、2062B、2062Cは、副制御回路2101(図60参照)の制御により実行される演出に応じて、光源の一具体例を示す複数のLED(Light Emitting Diode)2082(図58参照)を発光させて、点滅パターンを表示する。なお、本実施形態に係る遊技機では、LED基板2062A、2062B、2062C以外に複数のLED基板を備えている。
副中継基板2061の下方には、24hドア開閉監視ユニット2063が配設されている。この24hドア開閉監視ユニット2063は、ミドルドア2041の開閉の履歴を保存する。また、ミドルドア2041を開放したときに、液晶表示装置2011にエラー表示を行うための信号を副制御基板2072(副制御回路2101)に出力する。
ミドルドア2041の下方には、ボードスピーカ2064と、下部スピーカ2065L、2065Rが配設されている。ボードスピーカ2064は、腰部パネルユニット2031(図52参照)に対向しており、下部スピーカ2065L、2065Rは、それぞれスピーカ用孔2033L、2033R(図52参照)に対向している。
下部スピーカ2065Lの上方には、メダルセレクタ2201と、メダルシュート2202と、ドア開閉監視スイッチ2067と、が配設されている。メダルセレクタ2201は、メダルの材質や形状等が適正であるか否かを判別する装置であり、メダル投入口2021に投入されたメダルを、スロープ2203を介してホッパー装置2051へ案内し、またはメダルシュート2202へ案内する。メダルセレクタ2201の具体的な構成については後述する。
メダルシュート2202は、略Y字状の筒状の部材であり、メダルセレクタ2201によって案内されたメダルやホッパー装置2051から排出されたメダルをメダル払出口2032(図52参照)に案内する。
ドア開閉監視スイッチ2067は、フロントドア2002bを裏面側から見て、メダルセレクタ2201の左側方に配置されている。このドア開閉監視スイッチ2067は、パチスロ2001の外部へ、フロントドア2002bの開閉を報知するためのセキュリティー信号を出力する。
また、リール表示窓4の下方であってミドルドア2041により開閉される領域には、ドア中継端子板2068が配設されている(図54参照)。このドア中継端子板2068は、主制御基板ケース2055内の主制御基板2071(図58参照)と、各種のボタンやスイッチ、副制御基板2072(図58参照)、メダルセレクタ2201及び遊技動作表示基板2081(図58参照)との配線を中継する基板である。なお、各種のボタン及びスイッチとしては、例えば、BETボタン2022、精算ボタン2027、ドア開閉監視スイッチ2067、後述するBETスイッチ2077、スタートスイッチ2079等を挙げることができる。
<メダルの移動経路>
図57は、メダルセレクタがメダルをホッパー装置へ案内する場合のメダルの移動経路を示す図である。
図57に示すように、メダルセレクタ2201の上端部には、メダル投入口2021(図52参照)から投入されるメダルを受け入れるメダル入口部2211が設けられている。メダル入口部2211からメダルセレクタ2201内に投入されたメダル(メダル2120a、2120b、2120c)は、メダルレール2210に沿って上方から下方へ移動する。メダルセレクタ2201の下部には、メダル出口部2204が設けられている。メダルセレクタ2201内を移動したメダル(メダル2120a、2120b、2120c)は、メダル出口部2204から排出され、スロープ2203(図54参照)を介してホッパー装置2051に収容される。
図示しないが、メダルセレクタ2201には、カメラユニットが配設されている。カメラユニットは、メダルレール2210上を移動する物体が正規のメダルであるか否かを判別するためのユニットである。カメラユニットには、CMOSイメージセンサ、LED、及び、制御LSIが設けられている。
CMOSイメージセンサは、メダルレール2210全体を撮像可能なように配置されており、メダルレール2210上を移動するメダル(メダル2120a、2120b、2120c)を撮像し、撮像したメダルの画像データを制御LSIに出力する。LEDは、CMOSイメージセンサの周囲で面発光し、メダルレール2210上を移動するメダルに光を照射する。制御LSIは、CMOSイメージセンサから出力された画像データに基づいて、メダルレール2210上を移動する物体が正規メダルであるか否かを判別する。また、制御LSIは、当該画像データに対して、所定の処理(図31に示すカメラ映像解析処理と同様の処理)を実行することにより、メダルレール2210上をメダルが正常に流下しているか否かを判別することができる。
<パチスロの回路構成>
次に、パチスロ2001が備える回路の構成について、図58〜図60を参照して説明する。まず、図58を参照してパチスロ2001が備える回路全体の概要について説明する。図58は、パチスロ1が備える回路全体のブロック構成図である。
パチスロ2001は、ミドルドア2041に配設された主制御基板2071と、フロントドア2002bに配設された副制御基板2072を有している。主制御基板2071には、リール中継端子板2074と、設定用鍵型スイッチ2056と、外部集中端子板2047と、ホッパー装置2051と、メダル補助収納庫スイッチ2075と、電源装置2053の電源基板2053bが接続されている。設定用鍵型スイッチ2056、外部集中端子板2047、ホッパー装置2051及びメダル補助収納庫スイッチ2075は、キャビネット側中継基板2044を介して主制御基板2071に接続されている。外部集中端子板2047及びホッパー装置2051については、上述したため、説明を省略する。
リール中継端子板2074は、各リール2003L、2003C、2003Rのリール本体の内側に配設されている。このリール中継端子板2074は、各リール2003L、2003C、2003Rのステッピングモータ(不図示)に電気的に接続されており、主制御基板2071からステッピングモータに出力される信号を中継する。
メダル補助収納庫スイッチ2075は、メダル補助収納庫2052のスイッチ貫通孔(非表示)を貫通している。このメダル補助収納庫スイッチ2075は、メダル補助収納庫2052がメダルで満杯になっているか否かを検出する。
電源装置2053の電源基板2053bには、電源スイッチ2053aが接続されている。この電源スイッチ2053aは、パチスロ2001に必要な電源を供給するときにONにする。
また、主制御基板2071には、ドア中継端子板2068を介して、メダルセレクタ2201、ドア開閉監視スイッチ2067、BETスイッチ2077、精算スイッチ2078、スタートスイッチ2079、ストップスイッチ基板2080、遊技動作表示基板2081及び副中継基板2061が接続されている。ドア開閉監視スイッチ2067及び副中継基板2061については、上述したため、説明を省略する。
BETスイッチ2077は、BETボタン2022が遊技者により押されたことを検出する。精算スイッチ2078は、精算ボタン2027が遊技者により押されたことを検出する。スタートスイッチ2079は、スタートレバー2023が遊技者により操作されたこと(開始操作)を検出する。
ストップスイッチ基板2080は、回転しているリールを停止させるための回路と、停止可能なリールをLEDなどにより表示するための回路を構成する基板である。このストップスイッチ基板2080には、ストップスイッチが設けられている。ストップスイッチは、各ストップボタン2019L、2019C、2019Rが遊技者により押されたこと(停止操作)を検出する。
遊技動作表示基板2081は、メダルの投入を受け付けるとき、3つのリール2003L、2003C、2003Rが回動可能なとき及び再遊技を行うときに、投入されたメダルの枚数を7セグ表示器2024に表示させるための基板である。この遊技動作表示基板2081には、7セグ表示器2024とLED2082が接続されている。LED2082は、例えば、遊技の開始を表示するマークや再遊技を行うマークなどを点灯させる。
副制御基板2072は、ドア中継端子板2068と副中継基板2061を介して主制御基板2071に接続されている。この副制御基板2072には、副中継基板2061を介して、サウンドI/O基板2084、LED基板2062A、2062B、2062C、24hドア開閉監視ユニット2063が接続されている。これらLED基板2062A、2062B、2062C及び24hドア開閉監視ユニット2063については、上述したため、説明を省略する。
サウンドI/O基板2084は、センタースピーカ2058、ボードスピーカ2064、下部スピーカ2065L、2065R及びフロントドア2002bに設けられた不図示のスピーカへの音声の出力を行う。
また、副制御基板2072には、ロムカートリッジ基板2086と、液晶中継基板2087が接続されている。これらロムカートリッジ基板2086及び液晶中継基板2087は、副制御基板2072と共に副制御基板ケース2057に収納されている。ロムカートリッジ基板2086は、演出用の画像(映像)、音声、LED基板2062A、2062B及びその他のLED基板(不図示)、通信のデータを管理するための基板である。液晶中継基板2087は、副制御基板2072と液晶表示装置2011とを接続する配線を中継する基板である。
[主制御回路]
次に、主制御基板2071により構成される主制御回路2091について、図59を参照して説明する。図59は、パチスロ2001の主制御回路2091の構成例を示すブロック図である。
主制御回路2091は、主制御基板2071上に設置されたマイクロコンピュータ2092を主たる構成要素としている。マイクロコンピュータ2092は、メインCPU2093、メインROM2094及びメインRAM2095により構成される。
メインROM2094には、メインCPU2093により実行される制御プログラム(例えば、上述した内部抽籤処理の実行のためのプログラム)、データテーブル、副制御回路2101に対して各種制御指令(コマンド)を送信するためのデータ等が記憶されている。メインRAM2095には、制御プログラムの実行により決定された内部当籤役等の各種データを格納する格納領域が設けられる。
メインCPU2093には、クロックパルス発生回路2096、分周器2097、乱数発生器2098及びサンプリング回路2099が接続されている。クロックパルス発生回路2096及び分周器2097は、クロックパルスを発生する。メインCPU2093は、発生されたクロックパルスに基づいて、制御プログラムを実行する。乱数発生器2098は、予め定められた範囲の乱数(例えば、0〜65535)を発生する。サンプリング回路2099は、発生された乱数の中から1つの値を抽出する。
メインCPU2093は、リールインデックスを検出してから各リール2003L、2003C、2003Rのステッピングモータに対してパルスを出力した回数をカウントする。これにより、メインCPU2093は、各リール2003L、2003C、2003Rの回転角度(主に、リールが図柄何個分だけ回転したか)を管理する。なお、リールインデックスとは、リールが一回転したことを示す情報である。このリールインデックスは、例えば、発光部及び受光部を有する光センサと、各リール2003L、2003C、2003Rの所定の位置に設けられ、各リール2003L、2003C、2003Rの回転により発光部と受光部との間に介在される検知片を備えたリール位置検出部(不図示)により検出する。
ここで、各リール2003L、2003C、2003Rの回転角度の管理について、具体的に説明する。ステッピングモータに対して出力されたパルスの数は、メインRAM2095に設けられたパルスカウンタによって計数される。そして、図柄1つ分の回転に必要な所定回数(例えば16回)のパルスの出力がパルスカウンタで計数される毎に、メインRAM2095に設けられた図柄カウンタが1ずつ加算される。図柄カウンタは、各リール2003L、2003C、2003Rに応じて設けられている。図柄カウンタの値は、リール位置検出部(不図示)によってリールインデックスが検出されるとクリアされる。
つまり、本実施の形態では、図柄カウンタを管理することにより、リールインデックスが検出されてから図柄何個分の回転が行われたのかを管理するようになっている。したがって、各リール2003L、2003C、2003Rの各図柄の位置は、リールインデックスが検出される位置を基準として検出される。
上述したように、滑り駒数の最大数を図柄4個分に定めた場合は、左ストップボタン2019Lが押されたときにリール表示窓2004の中段にある左リール2003Lの図柄と、その4個先の図柄までの範囲内にある各図柄が、リール表示窓2004の中段に停止可能な図柄となる。
[副制御回路]
次に、副制御基板2072により構成される副制御回路2101について、図60を参照して説明する。図60は、パチスロ2001の副制御回路2101の構成例を示すブロック図である。
副制御回路2101は、主制御回路2091と電気的に接続されており、主制御回路2091から送信されるコマンドに基づいて演出内容の決定や実行等の処理を行う。副制御回路101は、基本的に、サブCPU2102、サブRAM2103、レンダリングプロセッサ2104、描画用RAM2105、ドライバ2106を含んで構成されている。
サブCPU2102は、主制御回路2091から送信されたコマンドに応じて、ロムカートリッジ基板2086に記憶されている制御プログラムに従い、映像、音、光の出力の制御を行う。ロムカートリッジ基板2086は、基本的に、プログラム記憶領域とデータ記憶領域によって構成される。
プログラム記憶領域には、サブCPU2102が実行する制御プログラムが記憶されている。例えば、制御プログラムには、主制御回路2091との通信を制御するための主基板通信タスクや、演出用乱数値を抽出し、演出内容(演出データ)の決定及び登録を行うための演出登録タスクが含まれる。また、決定した演出内容に基づいて液晶表示装置2011(図52参照)による映像の表示を制御する描画制御タスク、LED2082等の光源による光の出力を制御するランプ制御タスク、スピーカ2058、2064、2065L、2065R等のスピーカによる音の出力を制御する音声制御タスク等が含まれる。
データ記憶領域は、各種データテーブルを記憶する記憶領域、各演出内容を構成する演出データを記憶する記憶領域、映像の作成に関するアニメーションデータを記憶する記憶領域が含まれている。また、BGMや効果音に関するサウンドデータを記憶する記憶領域、光の点消灯のパターンに関するランプデータを記憶する記憶領域等が含まれている。
サブRAM2103は、決定された演出内容や演出データを登録する格納領域や、主制御回路91から送信される内部当籤役等の各種データを格納する格納領域が設けられている。
サブCPU2102、レンダリングプロセッサ2104、描画用RAM(フレームバッファを含む)2105及び2ドライバ106は、演出内容により指定されたアニメーションデータにしたがって映像を作成し、作成した映像を液晶表示装置11に表示させる。
また、サブCPU2102は、演出内容により指定されたサウンドデータにしたがってBGMなどの音をスピーカ2058、2064、2065L、2065R等のスピーカにより出力させる。また、サブCPU2102は、演出内容により指定されたランプデータにしたがってLED2082等の光源の点灯及び消灯を制御する。
以上、本発明の一実施形態として、第2実施形態に係るパチスロ2001について説明した。
第2実施形態に係るパチスロ2001によれば、メダルセレクタ2201に配設されたカメラユニットの備える制御LSIによってカメラ映像解析処理(図31参照)が実行される。これにより、メダルレール2210上をメダルが正常に流下しているか否かを判別することができる。また、詰まり・消失検知に係る処理(図49参照)が実行されることにより、例えば、メダルレール2210においてメダルが詰まっている場合に、当該メダル詰まりを検出するといったことも可能となる。なお、このようなカメラ映像の解析結果は、主制御回路2091(図59参照)や副制御回路2101(図60参照)に送信されることとし、当該解析結果に基づいた処理(例えば、図49のステップS357及びステップS361参照)が実行されるように構成することが可能である。
第2実施形態では、カメラユニットの備える制御LSIによってカメラ映像解析処理(図31参照)が実行されることとして説明した。以下、変形例として、副制御回路2101においてカメラ映像解析処理(図31参照)が実行される場合について説明する。この変形例では、カメラユニットの備える制御LSIが、副制御回路2101を構成するサブCPU2102からの要求に応じて、フレーム画像データを副制御回路2101に送信する。副制御回路2101において実行される処理は、第1実施形態で説明した図26〜図31の処理と略同様であるため、ここでの説明は省略する。以下では、主制御回路2091において実行される処理について説明する。
[主制御メイン処理]
まず、図61及び図62を参照して、メインCPU2093の制御による主制御メイン処理について説明する。なお、図61及び図62は、パチスロ2001の主制御メイン処理の手順を示すフローチャートである。
最初に、パチスロ2001に電源が投入されると、メインCPU2093は、電源投入時処理を行う(ステップS1001)。この電源投入時処理は、バックアップが正常であるか、設定変更が適切に行われたかなどが判断され、判断結果に応じた初期化処理が実行される。
次に、メインCPU2093は、一遊技(単位遊技)終了時の初期化処理を行う(ステップS1002)。この処理において、メインCPU2093は、例えば、一遊技終了時の初期化の格納領域を指定して初期化する。この初期化処理によって、メインRAM2095の内部当選役格納領域や表示役格納領域に格納されたデータがクリアされる。
続いて、メインCPU2093は、メダル受付・スタートチェック処理を行う(ステップS1003)。この処理では、メインCPU2093は、投入枚数に基づいて入賞判定ラインを有効にするとともに開始操作が可能であるか否かを判別する。
次に、メインCPU2093は、乱数値を抽出し、乱数値格納領域に格納する(ステップS1004)。この乱数値は、後述の内部抽選処理(ステップS1006)において使用される。続いて、メインCPU2093は、演出用乱数値を抽出し、演出用乱数値格納領域に格納する(ステップS1005)。この演出用乱数値は、ロック決定処理において使用される。続いて、メインCPU2093は、内部抽選処理を行う(ステップS1006)。なお、この処理では、メインCPU2093は、内部当選役を決定する。内部当選役は、遊技状態(一般遊技状態、ボーナス遊技状態、RT遊技状態等)に応じた内部抽籤テーブルに基づく抽籤が行われることにより決定される。
続いて、メインCPU2093は、リール停止初期設定処理を行う(ステップS1007)。この処理では、メインCPU2093は、リール2003L、2003C、2003Rの回転を停止する制御に係る領域等の初期化を行う。
次に、メインCPU2093は、スタートコマンドデータを生成し、生成されたスタートコマンドデータをメインRAM2095の通信データ格納領域に格納する(ステップS1008)。通信データ格納領域に格納されたスタートコマンドデータは、後述の通信データ送信処理(図64)において主制御回路2091から副制御回路2101へ送信されることになる。スタートコマンドには、内部当選役等、演出に必要な各種の情報(内部当選役、遊技状態等)が含まれる。これにより、副制御回路2101は、開始操作に応じて演出を行うことができる。
次に、メインCPU2093は、遊技開始時ロック処理を行う(ステップS1009)。この処理では、メインCPU2093は、内部当選役に基づいてリール2003L、2003C、2003Rの回転を開始するタイミングを遅らせるか否かを決定する。
続いて、メインCPU2093は、ウェイト処理を行う(ステップS1010)。この処理では、メインCPU2093は、前回の遊技開始から所定時間(例えば、4.1秒)経過するまで、又は、遊技開始時ロック処理において設定されたロック時間(例えば、5秒)経過するまで待機する。なお、遊技開始時ロック処理により設定したロック時間を、リール2003L、2003C、2003Rの回転開始後にストップボタン2019L、2019C、2019Rの停止操作を無効とすることにより消化してもよい。この場合、遊技者は、回転が開始されたにも拘わらず、停止操作が可能にならないことからロックしていることを認識できる。また、このロック中に、リールのスロー回転や逆回転などを行い(リールアクション)、ロック中であることをより認識しやすくしてもよい。
続いて、メインCPU2093は、リール回転開始処理を行う(ステップS1011)。この処理では、メインCPU2093は、リール2003L、2003C、2003Rの回転の開始を要求するとともに、リール回転開始コマンドをメインRAM2095の通信データ格納領域に格納する(ステップS1012)。通信データ格納領域に格納されたリール回転開始コマンドデータは、通信データ送信処理(図64)において主制御回路2091から副制御回路2101へ送信されることになる。この処理により、副制御回路2101では、リール回転開始を認識することができるようになり、各種の演出を実行するタイミング等を決定することができる。
次に、メインCPU2093は、引込優先順位格納処理を行う(ステップS1013)。続いて、メインCPU2093は、リール停止制御処理を行う(ステップS1014)。
次に、メインCPU2093は、入賞検索処理を行う(ステップS1015)。この処理では、メインCPU2093は、リール2003L、2003C、2003Rの停止後に入賞判定ラインに沿って表示された図柄組合せと図柄組合せテーブルとを照合し、表示役を決定するとともに、メダルの払出枚数の決定を行う。
次に、メインCPU2093は、RT制御処理を行う(ステップS1016)。この処理では、表示役に応じてRT遊技状態フラグの更新を行う。
次に、メインCPU2093は、ステップS1015の処理において決定されたメダルの払出枚数に基づいてメダルを払い出す(ステップS1017)。続いて、メインCPU2093は、入賞作動コマンドデータをメインRAM2095の通信データ格納領域に格納する(ステップS1018)。格納された入賞作動コマンドデータは、後述する割込処理の通信データ送信処理(図64)において副制御回路2101に送信される。
次に、メインCPU2093は、遊技終了時ロック処理を行う(ステップS1019)。この処理では、メインCPU2093は、内部当選役に基づいて遊技の進行をロックさせる否かを決定する。
続いて、メインCPU2093は、ボーナス終了チェック処理を行う(ステップS1020)。この処理では、メインCPU2093は、ボーナスゲームを終了する条件を満たした場合にボーナスゲームの作動を終了する。具体的に、この処理において、メインCPU2093は、払い出されたメダルの数(ステップS1015参照)をボーナス終了枚数カウンタの値から減算し、ボーナス終了枚数カウンタの値が0よりも小さくなった場合に、ボーナスゲームの作動を終了する。ボーナスゲームとしては、BB遊技状態やMB遊技状態を挙げることができる。
続いて、メインCPU2093は、ボーナス作動チェック処理を行い(ステップS1021)、次に、ステップS1002の処理を行う。なお、この処理では、メインCPU2093は、ボーナスゲームを開始する条件を満たした場合にボーナスゲームの作動を開始し、再遊技の条件を満たした場合に再遊技の作動を行う。具体的に、この処理において、メインCPU2093は、入賞判定ラインに沿って表示された図柄組合せがBB(又はMB)に対応する図柄組合せである場合、ボーナスゲームの作動を開始し、ボーナス終了枚数カウンタに所定値をセットする。
[割込処理]
本実施形態のパチスロ2001では、メインCPU2093は、メイン処理の実行中であっても、所定周期(例えば、1.1173mS毎)でメイン処理を中断し、割込処理を実行する。なお、図63は、割込処理の手順を示すフローチャートである。
初めに、メインCPU2093は、レジスタの退避を行う(ステップS1031)。続いて、メインCPU2093は、入力ポートチェック処理を行う(ステップS1032)。この処理では、メインCPU2093は、マイクロコンピュータ2092へ送信される信号の有無を確認する。例えば、メインCPU2093は、スタートスイッチ2079、ストップスイッチ等のオンエッジ、オフエッジを割込処理毎に格納する。また、メインCPU2093は、各種スイッチのオンエッジ、オフエッジの情報を含む入力状態コマンドをメインRAM2095の通信データ格納領域に格納する。格納された入力状態コマンドは、後述する通信データ送信処理において副制御回路2101に送信される。これにより、スタートレバー2023やストップボタン2019L、2019C、2019Rといった操作手段を用いて各種演出を実行することができる。
続いて、メインCPU2093は、タイマ更新処理を行う(ステップS1033)。次に、メインCPU2093は、後述する通信データ送信処理を行う(ステップS1034)。この処理では、通信データ格納領域に格納されたコマンドを副制御回路2101へ送信する。続いて、メインCPU2093は、リール2003L、2003C、2003Rの回転を制御する処理を行う(ステップS1035)。より詳細には、メインCPU2093は、リール2003L、2003C、2003Rの回転を開始する旨の要求、すなわち、開始操作に応じて、リール2003L、2003C、2003Rの回転を開始するとともに、一定の速度でリール2003L、2003C、2003Rが回転するように制御を行う。また、停止操作に応じて、停止操作に対応するリール2003L、2003C、2003Rの回転が停止するように制御を行う。
続いて、メインCPU2093は、ランプ・7SEG駆動処理を行う(ステップS1036)。例えば、メインCPU2093は、クレジットされているメダルの数、払出枚数等を各種表示部に表示する。続いて、メインCPU2093は、レジスタの復帰を行い(ステップS1037)、定期的に発生する割込の処理を終了する。
[通信データ送信処理]
図64は、図63のステップS1034の処理で呼び出される通信データ送信処理のサブルーチンを示すフローチャートである。初めに、メインCPU2093は、通信データ送信タイマを1減算し(ステップS1051)、続いて、通信データ送信タイマは0であるか否かを判別する(ステップS1052)。通信データ送信タイマが0である場合(ステップS1052がYES判定の場合)、メインCPU2093は、ステップS1053へ処理を移す。これに対して、ステップS1052において、通信データ送信タイマが0でない場合(ステップS1052がNO判定の場合)、メインCPU2093は、本サブルーチンを終了する。
ステップS1053において、メインCPU2093は、通信データ格納領域に未送信データがあるか否かを判別する。未送信データがある場合(ステップS1053がYES判定の場合)、メインCPU2093は、ステップS1055へ処理を移し、未送信データがない場合(ステップS1053がNO判定の場合)、ステップS1054へ処理を移す。
ステップS1054において、メインCPU2093は、無操作コマンドデータを生成し、生成された無操作コマンドをメインRAM2095の通信データ格納領域に格納する。すなわち、通信データ格納領域に未送信データがない場合、メインCPU2093は、通信データ格納領域に無操作コマンドデータを格納する。これにより、通信データ格納領域に送信すべきコマンドデータが常に格納されている状態を生成するようになっている。具体的には、メインCPU2093は、上述した入力ポートチェック処理(ステップS1032)において、メインRAM2095に格納された操作状態を、無操作コマンドとして生成する。無操作コマンドとして生成された操作状態を表すデータは、後の通信データ送信処理(ステップS1056)において、無操作コマンドが送信される条件(入力状態コマンドが送信済となってクリアされた状態)が成立した場合に、主制御回路2091から副制御回路2101へ送信される。なお、入力状態コマンドは、演出に関連したコマンドデータであり、スイッチなどの操作に対応した演出についての操作対応コマンドを意味する。これに対して、無操作コマンドは、入力状態コマンド等の操作対応コマンドが送信されない場合に送信されるコマンド(操作非対応コマンド)である。
なお、通信データ格納領域に未送信データがない場合に無操作コマンドを副制御回路2101に送信することは必須ではなく、ステップS1053及びステップS1054の処理は行わないこととしてもよい。
ステップS1055において、メインCPU2093は、通信データ送信タイマに初期値(16)をセットする。すなわち、上述のステップS1052において、通信データ送信タイマが0になっている状態であるので、メインCPU2093は、ステップS1055においてあらためて通信データ送信タイマに初期値(16)をセットする。これにより、次回の通信データ送信処理から、通信データ送信処理を行うごとに、順次、通信データ送信タイマが1ずつ減算処理されて行き、通信データを送信すべきタイミングを得ることができる。
メインCPU2093は、ステップS1055の処理の後、通信データ格納領域に格納された通信データを送信する(ステップS1056)。この場合、通信データ格納領域には、それまでの主制御回路2091における処理で通信データ格納領域に格納されたコマンドデータ(例えば、初期化コマンドデータ、メダル投入コマンドデータ、スタートコマンドデータ、リール回転開始コマンドデータ、リール停止コマンドデータ、入賞作動コマンドデータ、ボーナス開始コマンドデータ、ボーナス終了コマンドデータ、入力状態コマンドデータ、等)又は、送信すべきデータが無い場合には、上述のステップS1054において格納された無操作コマンドデータが格納されていることにより、何らかのコマンドデータが必ず送信されることになる。
ステップS1056の処理の後、メインCPU2093は、通信データ格納領域を更新した後(ステップS1057)、本サブルーチンを終了する。
このように、メインCPU2093は、通信データ送信処理を実行することにより、通信データ送信タイマでカウントされる所定タイミングごとに、通信データ格納領域に格納されているコマンドデータを副制御回路2101に送信する。副制御回路2101では、受信したコマンドデータに基づいて、コマンド解析処理(図26のステップS204参照)が実行される。
[デモコマンド送信処理]
図65は、本発明の一実施形態に係るパチスロの主制御回路において行われるデモコマンド送信処理を示すフローチャートである。
図65に示すデモコマンド送信処理は、割込処理(図63参照)において行われる。例えば、ステップS1032の処理を実行した後、ステップS1033の処理を実行する前に、デモコマンド送信処理を実行するように構成することができる。
デモコマンド送信処理において、まず、メインCPU2093は、メダル投入可能状態であるか否かを判断する(ステップS1071)。この処理において、メインCPU2093は、メダル払出処理(図62のステップS1017参照)が実行されてから所定時間経過後からスタートスイッチ2079がオンになるまでの間であれば、メダル投入可能状態であると判断する。メダル投入可能状態ではないと判断した場合、メインCPU2093は、本サブルーチンを終了する。
一方、メダル投入可能状態であると判断した場合、メインCPU2093は、エラーフラグがオンにセットされているか否かを判断する(ステップS1072)。エラーフラグは、何らかのエラーが発生していることを示すフラグである(ステップS1082参照)。電源投入時には、エラーフラグがオフにセットされている。エラーとしては、例えば、ホッパー装置2051に収容されたメダルが少なくなったことを示すホッパエンプティエラーを挙げることができる。また、メダルレール2210でメダルが詰まったことを示すメダル詰まりエラーも挙げることができる。上述したように、メダルレール2210においてメダルが詰まっていることが検出された場合に、その旨を示す信号を主制御回路2091に送信することとすれば、メインCPU2093は、メダル詰まりエラーが発生したことを認識することができる。
エラーフラグがオンにセットされていないと判断した場合、メインCPU2093は、デモコマンド送信フラグがオンにセットされているか否かを判断する(ステップS1073)。電源投入時には、デモコマンド送信フラグがオフにセットされている。デモコマンド送信フラグがオンにセットされていないと判断した場合、メインCPU2093は、デモコマンド送信タイマに初期値をセットし(ステップS1074)、デモコマンド送信フラグをオンにセットする(ステップS1075)。
ステップS1073においてデモコマンド送信フラグがオンにセットされていると判断した場合、又は、ステップS1075の処理を実行した後、メインCPU2093は、デモコマンド送信タイマを1減算する(ステップS1076)。なお、メダル投入口2021からメダルが投入された場合、又は、BETボタン2022の押下によりメダルが投入された場合には、デモコマンド送信タイマの減算がキャンセルされ、再びデモコマンド送信タイマに初期値がセットされる。
次に、メインCPU2093は、デモコマンド送信タイマが0であるか否かを判断する(ステップS1077)。デモコマンド送信タイマが0ではないと判断した場合、メインCPU2093は、本サブルーチンを終了する。
ステップS1072においてエラーフラグがオンにセットされていると判断した場合、又は、ステップS1077においてデモコマンド送信タイマが0であると判断した場合、メインCPU2093は、エラー(例えば、ホッパエンプティエラーやメダル詰まりエラー等)が発生しているか否かを判断する(ステップS1078)。
エラーが発生していないと判断した場合、メインCPU2093は、デモコマンドデータを生成し、生成したデモコマンドデータをメインRAM2095の通信データ格納領域に格納する(ステップS1079)。通信データ格納領域に格納されたデモコマンドデータは、通信データ送信処理(図64参照)において主制御回路2091から副制御回路2101へ送信される。デモコマンドデータを受信すると、副制御回路2101では、デモ画面の表示に係る処理が行われる(図20のステップS112参照)。
そして、メインCPU2093は、デモコマンド送信フラグをオフにセットし(ステップS1080)、エラーフラグをオフにセットする(ステップS1081)。その後、メインCPU2093は、本サブルーチンを終了する。
ステップS1078においてエラーが発生していると判断した場合、メインCPU2093は、エラーフラグをオンにセットし(ステップS1082)、その後、本サブルーチンを終了する。
以上、図61〜図65を用いて、パチスロ2001の主制御回路2091において実行される処理について説明した。
以上では説明しなかったが、パチスロ2001においては、AT遊技状態が設けられていてもよい。AT遊技状態は、内部当籤役に対応する図柄の組合せ(コンビネーション)を入賞させるための情報(例えば、押し順(ストップボタンの停止順序))が報知される状態である。AT遊技状態において、所定の押し順役(適切な順序でストップボタンが押下されることにより入賞が成立するコンビネーションを規定する内部当籤役)が内部当籤した場合、該押し順役に対応する押し順が報知されると、遊技者は、報知された押し順に従ってストップボタンを操作することにより、該押し順役によって規定されるコンビネーションを入賞させることができる。
また、パチスロ2001においては、リプレイの当籤確率が相対的に高い状態(高RT遊技状態)が設けられていてもよい。さらに、このような高RT遊技状態であり、且つ、AT遊技状態における報知が行われる状態(ART遊技状態)が設けられていてもよい。高RT遊技状態においては、リプレイが高確率で当籤するため、遊技媒体(メダル)の消費を少なく抑えることができる。一方で、AT遊技状態において、遊技媒体(メダル)の払出枚数の多いコンビネーションを入賞させるために必要な情報(押し順)が報知されることにより、遊技者に対して、効率的に遊技媒体(メダル)を増やす機会を提供することができる。
このようなART遊技状態には、例えば、所定の内部当籤役が内部当籤した場合に行われるART抽籤に当籤したことを契機として移行するように構成することができる。また、ART遊技状態は、所定回数の単位遊技が行われた場合に終了するように構成することができる。さらに、所定の条件が成立した場合には、ART遊技状態の残りゲーム数(ARTゲーム数)を増加(上乗せ)させることとしてもよい。
以上、本発明をパチスロ遊技機に適用した例について説明した。以下では、本発明をルーレット装置に適用した変形例について説明する。図66は、ルーレット装置の上面図である。
ルーレット装置2500は、筐体に固定される枠体2501と、枠体2501の内側に回転可能に収納支持されたルーレットホイール2502とを備えている。ルーレットホイール2502の上面には、凹状のナンバーポケット2503が多数(38個)形成されている。さらに、各ナンバーポケット2503の外方向におけるルーレットホイール2502の上面には、各ナンバーポケット2503と対応するように「0」、「00」、「1」〜「36」の各番号が表示された番号表示板2504が形成されている。
枠体2501の内部には、ボール投入口2507が形成されている。ボール投入口2507には、ボール投入装置(図示せず)が連結され、ボール投入装置の駆動に伴って、ボール投入口2507からルーレットホイール2502上にボール2505が投入されるようになっている。
ルーレットホイール2502の下方には、ホイール駆動用モータ(図示せず)が設けられており、ホイール駆動用モータの駆動に伴ってルーレットホイール2502が回転する。
また、ルーレットホイール2502の下方には、所定間隔で金属板(図示せず)が取り付けられており、この金属板を、近接センサが検出することにより、ナンバーポケット2503の位置を検出可能に構成されている。
枠体2501は、緩やかに内側に向けて傾斜しており、その中間部にはガイド壁2506が形成されている。ガイド壁2506は、投入されたボール2505を遠心力に抗するようにガイドしてボール2505を転動させるものである。ボール2505は、回転速度が弱まり遠心力を失っていくと、枠体2501の斜面を転がり落ちて内側へと向かい、回転するルーレットホイール2502に至る。そして、ルーレットホイール2502に転がって来たボール2505は、さらに回転するルーレットホイール2502の外側の番号表示板2504上を通っていずれかのナンバーポケット2503に収納される。その結果、収納されたナンバーポケット2503に対応する番号表示板2504に記載された番号がボールセンサによって判定され、当選番号となる。
このようなルーレット装置2500をカメラで撮影し、撮影によって得られたカメラ映像に対してカメラ映像解析処理(図31参照)と同様の処理を行う。これにより、ナンバーポケット2503に収納されるまでのボール2505の動きを追跡することができる。
なお、このようなルーレット装置は、パチスロ遊技機に設けられることとしてもよい。具体的には、パチスロ遊技機における適宜な位置(例えば、パチスロ2001におけるフロントドア2002bの台座部2012(図52参照))にルーレット装置を取り付け、遊技の状況に応じてルーレットゲームを行うようにしてもよい。その場合、ナンバーポケットの数は、もっと少なく(例えば、3〜6個程度と)してもよい。このようなパチスロ遊技機においては、例えば、ルーレットゲームの結果(当選番号)に基づいて、ボーナスやARTへの当籤の有無を示唆したり、ARTゲーム数の上乗せ回数を決定したりすることが可能である。このようなパチスロ遊技機において、ナンバーポケットに収納されるまでのボールの動きを追跡して、追跡結果に基づく演出を行うようにすれば、ボールの動きに対する遊技者の関心を高めることが可能であり、遊技の興趣を向上させることができる。
[第3実施形態]
以上、第1実施形態及び第2実施形態について説明した。以下、第3実施形態について説明する。第3実施形態に係るパチンコ遊技機1の基本的な構成は、第1実施形態に係るパチンコ遊技機1と同じである。以下においては、第1実施形態に係るパチンコ遊技機1の構成要素と同一の構成要素には、同一の符号を付して説明することとする。また、第1実施形態及び第2実施形態における説明が第3実施形態においても当てはまる部分については、説明を省略することとする。
<遊技媒体追跡処理>
第1実施形態では、遊技媒体追跡処理(図31のステップS286参照)として、図44に示す処理が行われることとして説明した。これに対し、第3実施形態では、図67に示す遊技媒体追跡処理が行われる。
図67は、本発明の一実施形態に係るパチンコ遊技機において実行される遊技媒体追跡処理を示すフローチャートである。図68は、球位置画像中における遊技球の大きさについて説明するための図である。図69は、球位置画像中における遊技球の大きさと検索範囲の広さとの関係について説明するための図である。図70は、検索範囲設定テーブルを示す図である。
図44に示す遊技媒体追跡処理と同様、図67に示す遊技媒体追跡処理は、時刻T2における遊技球(図43(a)参照)と時刻T3における遊技球(図43(b)参照)との対応付けを行う処理である。第1実施形態で説明したように、時刻T2における遊技球の位置を示す画像を球位置画像(T2)と表記し、時刻T3における遊技球の位置を示す画像を球位置画像(T3)と表記する。球位置画像(T2)は、差分画像(1)と差分画像(2)とのAND画像(図39参照)であり、球位置画像(T3)は、差分画像(2)と差分画像(3)とのAND画像である。
図67に示す遊技媒体追跡処理において、まず、サブCPU201は、ステップS1301〜ステップS1303の処理を実行するが、これらの処理は、図44のステップS301〜ステップS303の処理と同様の処理である。
ステップS1303において、サブCPU201は、図44のステップS303と同様に、球位置画像(T3)に含まれる複数の遊技球それぞれの位置と、時刻T2における一の遊技球(例えば、ID(1)の遊技球)に対して設定された検索範囲とを比較して、球位置画像(T3)に含まれる複数の遊技球のなかに、当該検索範囲内に属する遊技球が存在するか否かを判断する。
第1実施形態で説明したように、球位置画像(T2)に含まれる複数の遊技球(時刻T2において遊技領域12aに存在する複数の遊技球)には、それぞれ、遊技球のIDが対応付けられている。そして、当該複数の遊技球(複数のID)には、それぞれ、検索範囲が設定される。検索範囲は、時刻T2(ある時点)においてある位置に存在した遊技球が時刻T3(1フレームに相当する時間が経過した後)において存在する可能性の高い領域(1フレームに相当する時間で遊技球が移動可能な範囲)である。
本実施形態においても、第1実施形態(図45参照)と同様に、球位置画像(T2)に含まれる各遊技球に対して、当該遊技球の位置の近傍領域に検索範囲が設定されるが、検索範囲の広さが、球位置画像(T2)における遊技球の位置によって異なっている。以下、この点について、図68及び図69を用いて説明する。
ある時点(時刻T2)において、ID(1)の遊技球が、遊技盤12(遊技領域12a)上における図68(a)に示す位置にあり、ID(2)の遊技球が、遊技盤12(遊技領域12a)上における図68(b)に示す位置にあると仮定する。ID(1)の遊技球とCCDカメラ1000との鉛直方向における距離はαであり、ID(2)の遊技球とCCDカメラ1000との鉛直方向における距離はβである。ID(2)の遊技球の方がID(1)の遊技球よりも下方に位置しており、α<βとなっている。
ここで、パチンコ遊技機1において、遊技領域12aは、平坦な面として形成されており、遊技球は、当該平面に略拘束されて、基本的に二次元方向にのみ移動するようになっている。当該平面の方向は、鉛直方向となっているため、遊技球とCCDカメラ1000との水平方向における距離は一定(γ)である。なお、本実施形態において、CCDカメラ1000と遊技盤12との距離はかなり短く(図6参照)、γの値に対してαの値及びβの値は、かなり大きな値(例えば、5倍〜50倍、あるいは、10倍〜30倍程度)となっている。図68(a)及び(b)では、分かりやすくするため、γをある程度大きな値として示している。
図68(c)では、球位置画像(T2)におけるID(1)の遊技球及びID(2)の遊技球を示している。図68(c)は、球位置画像(T2)全体を表すものであり、実際には、ID(1)の遊技球及びID(2)の遊技球以外にも多数の遊技球が含まれるが、ID(1)の遊技球及びID(2)の遊技球以外の遊技球については図示を省略している。
球位置画像は、長方形の形状を有しているところ、図68(c)において、球位置画像(T2)(長方形)の上辺からの距離は、ID(1)の遊技球でα′、ID(2)の遊技球でβ′となっている。α′とβ′との比率は、αとβとの比率と同じであり(α:β=α′:β′)、α′<β′となっている。
また、ID(1)の遊技球の方がID(2)の遊技球よりもCCDカメラ1000の近くに位置していることに起因して、球位置画像中において、ID(1)の遊技球は、ID(2)の遊技球よりも大きくなっている。具体的には、ID(1)の遊技球の径が、ID(2)の遊技球の径のβ/α倍となっている。本実施形態において、球位置画像中における遊技球の大きさ(径)は、遊技領域12aにおける遊技球とCCDカメラ1000との鉛直方向における距離に反比例する。
図69では、このようなID(1)の遊技球及びID(2)に対して設定される検索範囲を示している。ID(1)の遊技球に対して設定される検索範囲(1)は、ID(2)の遊技球に対して設定される検索範囲(2)よりも広くなっている。本実施形態において、一の遊技球に対して設定される検索範囲の広さは、球位置画像中における当該遊技球の面積に比例する。
図69に示すように、球位置画像(長方形)の上辺に沿ってX軸、左辺に沿ってY軸を設定し、球位置画像中における遊技球の位置を、X軸座標の値及びY軸座標の値で表した場合、一の遊技球に対して設定される検索範囲は、当該遊技球のY軸座標の値に応じた広さとなる。具体的に、検索範囲は、矩形形状を有する領域(長方形領域)として設定され、一の遊技球に対して設定される検索範囲の大きさ(当該長方形領域におけるX軸方向の長さ及びY軸方向の長さ)は、当該遊技球のX軸座標の値にかかわらず、当該遊技球のY軸座標の値に比例する。なお、遊技球の位置は、当該遊技球の重心の位置座標によって表されるものとし、検索範囲の重心は、遊技球の重心と一致することとする。
図69に示す例では、ID(1)の遊技球のY軸座標の値はα′であり、ID(2)の遊技球のY軸座標の値はβ′である(図68(c)参照)。これにより、検索範囲(1)の大きさと検索範囲(2)の大きさとを比較すると、長方形領域におけるX軸方向の長さ及びY軸方向の長さは、ともに、検索範囲(1)が検索範囲(2)のβ′/α′(=β/α)倍となる。
例えば、ID(1)の遊技球のY軸座標の値を50(α′=50)、ID(2)の遊技球のY軸座標の値を100(β′=100)と仮定し、検索範囲(1)を、X軸方向の長さ及びY軸方向の長さがそれぞれ2の正方形領域であると仮定する。この場合、検索範囲(2)は、X軸方向の長さ及びY軸方向の長さがそれぞれ1(=2×50/100)の正方形領域とすることができる。
図67のステップS1303において、サブCPU201は、時刻T2における一の遊技球(例えば、ID(1)の遊技球又はID(2)の遊技球)に対して、図68及び図69を用いて説明したように、該遊技球のY軸座標の値に基づいて検索範囲を設定する。そして、サブCPU201は、球位置画像(T3)に含まれる複数の遊技球のなかに、当該検索範囲内に属する遊技球が存在するか否かを判断する。
球位置画像(T3)に含まれる複数の遊技球のなかに、当該検索範囲内に属する遊技球が存在すると判断した場合、サブCPU201は、ステップS1304〜ステップS1306の処理を実行するが、これらの処理は、図44のステップS304〜ステップS306の処理と同様の処理であるため、ここでの説明は省略する。
一方、球位置画像(T3)に含まれる複数の遊技球のなかに、当該検索範囲内に属する遊技球が存在しないと判断した場合、サブCPU201は、ステップS1307及びステップS1308の処理を実行するが、これらの処理は、図44のステップS307及びステップS308の処理と同様の処理であるため、ここでの説明は省略する。
ステップS1307において、排出領域内での消失ではないと判断した場合、すなわち、現在処理対象となっているID(例えば、ID(1))の遊技球が、時刻T2において排出領域(図41参照)に属していなかったと判断した場合、サブCPU201は、マスキングエリアに遊技球が存在するか否かを判断する(ステップS1309)。この処理において、サブCPU201は、マスキング領域(図40参照)のうちの一部を検索範囲に設定して、当該検索範囲内に遊技球が存在するか否かを判断する。
第1実施形態で説明したように、マスキング領域は、原則として、画像処理の対象から除かれているが、ここでは、マスキング領域を対象として検索が行われる。具体的に、サブCPU201は、全マスキング領域のうち、現在処理対象となっているID(例えば、ID(1))の遊技球の時刻T2における位置から一定範囲内にある領域(当該遊技球の近傍に位置するマスキング領域)に対して、前後フレーム間差分抽出処理(図31のステップS284参照)等の画像処理を実行することにより、当該領域に遊技球が存在するか否かを判断する。
ここで、マスキング領域は、遊技球を見失いやすい領域として予め設定されている範囲である。例えば、LEDの配設位置から所定範囲内の領域(LEDの点灯が特に激しい領域等)は、LEDが遊技球として誤検出されてしまう可能性があるため、マスキング領域として設定することが望ましい。このような領域に対して前後フレーム間差分抽出処理を行うには、例えば、後述する第4実施形態で説明するような方法(図77参照)を用いればよい。なお、マスキング領域は、多数の矩形領域から構成されている。1つ1つの矩形領域の面積を小さくすることによって、検索範囲に含まれるマスキング領域の範囲を調整しやすくなる。これにより、必要最小限度のマスキング領域のみが検索範囲に含まれるようにすることが可能であり、過剰なマスキング領域が検索範囲に含まれることによって処理負担が増大してしまうことを防止することができる。
ステップS1309においてマスキング領域に遊技球が存在すると判断した場合、サブCPU201は、球通過領域外で遊技球が消失したとして、エラー報知を行う(ステップS1310)。この処理において、サブCPU201は、マスキング領域のうち、通常は遊技球が存在し得ない領域(例えば、役物が配設されている領域)に遊技球が存在する場合(例えば、遊技球がセンター役物を越えて跳ねた場合や、装飾役物に遊技球が引っ掛かった場合等)、必要に応じて、エラーが発生したことを示すエラー信号を表示制御回路205や音声制御回路206に送信する。これにより、エラーが発生したことを報知する画像が液晶表示装置13に表示されたり、エラーが発生したことを報知する音がスピーカ11から出力されたりする。また、サブCPU201は、ホール(遊技場)内のパチンコ遊技機を管理するホールコンピュータに対して、エラー信号を送信することとしてもよい。また、この場合、サブCPU201は、現在処理対象となっているIDを解放してもよい。なお、上述したようなLEDの点灯が特に激しい領域がマスキング領域として設定されている場合において、当該領域に遊技球が存在すると判断したような場合には、エラーが発生したわけではないため、サブCPU201は、ステップS1310の処理を行わないこととしてもよい。
ステップS1310の処理を実行した後、サブCPU201は、処理をステップS1305に移す。あるいは、サブCPU201は、エラー報知を行った後、本サブルーチンを終了することとしてもよい。また、ステップS1310の処理において現在処理対象となっているIDを解放しなかった場合、サブCPU201は、処理をステップS1304に移し、マスキング領域内に存在すると判断された遊技球の位置情報に、当該IDを対応付ける(マークを設定する)こととしてもよい。
ステップS1309においてマスキング領域に遊技球が存在しないと判断した場合、サブCPU201は、ステップS1311及びステップS1312の処理を実行するが、これらの処理は、図44のステップS309及びステップS310の処理と同様の処理であるため、ここでの説明は省略する。
ステップS1312の処理を実行した後、サブCPU201は、消失タイマの加算を開始する。消失タイマの値は、現在処理対象となっているIDに対する検索処理(ステップS1303の処理)を行ってからの経過時間(検索処理を開始してから経過した時間、検索処理を行っている途中を起点として経過した時間、検索処理を終了してから経過した時間等)に対応している。
ステップS1311において現在処理対象となっているID(例えば、ID(1))と対応付けて消失フラグがオンにセットされていると判断した場合、又は、ステップS1313の処理を実行した後、サブCPU201は、消失タイマの値に応じて、当該ID(例えば、ID(1))に対する検索範囲を再度設定する(ステップS1314)。
本実施形態では、図70に示す検索範囲設定テーブルがプログラムROM202に記憶されている。検索範囲設定テーブルにおいては、消失タイマの取り得る値の範囲と初回検索範囲に対する倍率との対応関係が規定されており、消失タイマの値が大きくなるほど、初回検索範囲に対する倍率として大きな値が設定されている。初回検索範囲とは、球位置画像(T3)に対する検索を行うに当たり、各IDに対して初めて設定される検索範囲であり、図69を用いて説明したようにして設定される。ステップS1314の処理において、サブCPU201は、プログラムROM202に記憶されている検索範囲設定テーブルを参照することにより、現在の消失タイマの値に対応する倍率を取得し、当該倍率と初回検索範囲とに基づいて、新たな検索範囲を算出する。例えば、図69に示す検索範囲(1)のように、初回検索範囲がX軸方向の長さ及びY軸方向の長さがそれぞれ2の正方形領域である場合において、消失タイマの値が100である場合、新たな検索範囲は、X軸方向の長さ及びY軸方向の長さがそれぞれ3.2(=2×1.6)の正方形領域となる。
このようにして再設定された検索範囲に基づいて、当該IDに対する検索処理(ステップS1303の処理)が再度行われることとなる。なお、検索範囲の長さ(X軸方向の長さ及びY軸方向の長さ)の単位は、特に限定されず、cmやmmやμm等の任意の単位を採用することができる。
次に、サブCPU201は、ステップS1315の処理を実行するが、この処理は、図44のステップS312の処理と同様の処理であるため、ここでの説明は省略する。
次に、サブCPU201は、再検索回数カウンタの値が50よりも大きいか、又は、消失タイマの値が200msに相当する値よりも大きいかを判断する(ステップS1316)。
再検索回数カウンタの値が50以下であり、消失タイマの値が200msに相当する値以下であると判断した場合、サブCPU201は、前回検出位置に対してマークを設定する(ステップS1317)。第1実施形態で説明したように、「マーク」とは、遊技球の位置情報とIDとを対応付けることである。ステップS1317の処理において、サブCPU201は、現在処理対象となっているID(例えば、ID(1))と、当該ID(例えば、ID(1))の遊技球の最新の位置情報(球位置画像(T2)に含まれる当該遊技球の位置情報)とを対応付けて、引き続きワークRAM203に記憶させる。
一方で、再検索回数カウンタの値が50よりも大きい、又は、消失タイマの値が200msに相当する値よりも大きいと判断した場合、サブCPU201は、球通過領域内で遊技球が消失したとして、エラー報知を行う(ステップS1318)。この処理において、サブCPU201は、エラーが発生したことを示すエラー信号を表示制御回路205や音声制御回路206に送信する。これにより、エラーが発生したことを報知する画像が液晶表示装置13に表示されたり、エラーが発生したことを報知する音がスピーカ11から出力されたりする。また、サブCPU201は、ホール(遊技場)内のパチンコ遊技機を管理するホールコンピュータに対して、エラー信号を送信することとしてもよい。なお、図示しないが、ステップS1318の処理において、サブCPU201は、現在処理対象となっているID(例えば、ID(1))に対する検索を終了する(図44のステップS314参照)。すなわち、サブCPU201は、当該ID(例えば、ID(1))と対応付けて、検索終了フラグをオンにセットする。
次に、サブCPU201は、カメラ撮影領域の角度修正に係る処理を行う(ステップS1319)。この処理において、サブCPU201は、CCDカメラ1000を制御して、レンズの向きを変更することにより、撮影範囲の調整を行う。サブCPU201は、ステップS1319の処理を実行した後、処理をステップS1320に移すが、ステップS1320の処理を行うことなく、本サブルーチンを終了することとしてもよい、また、サブCPU201は、ステップS1318の処理を実行した後、ステップS1319の処理を行うことなく、本サブルーチンを終了することとしてもよい、
ステップS1306、ステップS1317、又は、ステップS1319の処理を実行した後、サブCPU201は、ステップS1320の処理を実行するが、この処理は、図44のステップS315の処理と同様の処理であるため、ここでの説明は省略する。その後、サブCPU201は、再度検索処理(ステップS1303の処理)を行うか、本サブルーチンを終了することになる。
以上、本発明の一実施形態として、第3実施形態に係るパチンコ遊技機1について説明した。
<付記1>
従来、パチンコ遊技機における遊技領域を転動する遊技球をカメラ等の撮影装置で撮影し、撮影によって得られる画像を解析することによって、遊技球の動きを追跡する技術が知られている(特開2005−237864号公報参照)。
しかしながら、通常、パチンコ遊技機においては、遊技球がそれなりのスピードで転動するところ、上述したような従来の技術では、画像解析に時間を要してしまう結果として、刻々と変化する遊技球の位置をリアルタイムに把握しつつ遊技球を継続的に追跡する、ということが困難になってしまうことが想定される。
本発明は、上記のような問題点に鑑みてなされたものであり、遊技球の追跡を容易にすることが可能な遊技機を提供することを目的とする。
この点、第3実施形態に係るパチンコ遊技機1は、以下の特徴を備えている。
(1−1) 遊技球が移動可能な遊技領域(遊技領域12a)を備える遊技盤(遊技盤12)と、
前記遊技領域を撮影可能なように配設された撮影装置(CCDカメラ1000)と、
前記遊技領域を撮影することによって得られる動画像として、連続する複数のフレーム画像を順次取得するフレーム画像取得手段(図31のステップS281の処理を実行するサブCPU201)と、
前記フレーム画像取得手段により取得される複数のフレーム画像のうち、連続する2つのフレーム画像を、それぞれ、第1フレーム画像(時刻T2に撮影されたフレーム画像)及び第2フレーム画像(時刻T3に撮影されたフレーム画像)と表記したとき、前記第1フレーム画像に含まれる一の遊技球について、前記第2フレーム画像における位置を特定する遊技球追跡手段(図67の処理を実行するサブCPU201)と、を備え、
前記遊技球追跡手段は、
フレーム画像において、互いに直交するX軸及びY軸により規定される座標系(図69に示す座標系)を設定し、前記第1フレーム画像に含まれる一の遊技球の位置を(X1,Y1)とする一方、前記第2フレーム画像における該遊技球の位置を(X2,Y2)とした場合に、X1及びY1のうち何れか一方の値に応じた検索(図67のステップS1303の処理)を行うことにより、X2及びY2の双方の値を特定することが可能である、
ことを特徴とする遊技機。
第3実施形態に係るパチンコ遊技機1によれば、フレーム画像において、互いに直交するX軸及びY軸により規定される座標系(図69に示す座標系)を設定し、第1フレーム画像(時刻T2に撮影されたフレーム画像)に含まれる一の遊技球(例えば、図68(c)に示すID(1)の遊技球又はID(2)の遊技球)の位置を(X1,Y1)とする一方、第2フレーム画像(時刻T3に撮影されたフレーム画像)における該遊技球の位置を(X2,Y2)とした場合に、X1及びY1のうち何れか一方の値に応じた検索を行うことにより、X2及びY2の双方の値を特定することが可能である。このように、一の遊技球の動きを追跡するための検索において、X軸座標の値とY軸座標の値とのうち一方の値のみを参照すれば足りるため、追跡処理にかかる負荷を軽減することが可能となり、追跡を容易にすることができる。
(1−2) 前記(1−1)の遊技機であって、
フレーム画像中における一の遊技球は、該遊技球のY軸座標の値に応じた面積を有している、
ことを特徴とする。
第3実施形態に係るパチンコ遊技機1によれば、フレーム画像中における一の遊技球(例えば、図68(c)に示すID(1)の遊技球又はID(2)の遊技球)は、該遊技球のY軸座標の値(例えば、α′又はβ′)に応じた面積を有している。すなわち、第1フレーム画像(時刻T2に撮影されたフレーム画像)に含まれる一の遊技球(例えば、図68(c)に示すID(1)の遊技球又はID(2)の遊技球)は、第1フレーム画像(時刻T2に撮影されたフレーム画像)における当該遊技球の位置座標を(X1,Y1)とすれば、Y1(例えば、α′又はβ′)の値に応じた大きさで第1フレーム画像(時刻T2に撮影されたフレーム画像)を占有していることになる。ここで、第1フレーム画像(時刻T2に撮影されたフレーム画像)に含まれる一の遊技球(例えば、図68(c)に示すID(1)の遊技球又はID(2)の遊技球)の面積が大きいほど、第1フレーム画像の撮影タイミング(時刻T2)における当該遊技球の位置座標(X1,Y1)と、第2フレーム画像の撮影タイミング(時刻T3)における当該遊技球の位置座標(X2,Y2)との間での位置変化(フレーム画像中での遊技球の移動スピード)も、大きくなると考えられる。そのため、第1フレーム画像(時刻T2に撮影されたフレーム画像)に含まれる一の遊技球(例えば、図68(c)に示すID(1)の遊技球又はID(2)の遊技球)の面積が大きいほど検索範囲が広くなるようにすれば(すなわち、Y1の値に応じた検索範囲を設定すれば)、第2フレーム画像(時刻T3に撮影されたフレーム画像)における当該遊技球を、検索範囲の中に効果的に含めることができるものと想定される。これにより、検索処理の効率化を図ることが可能となり、追跡処理にかかる負荷を大きく軽減することができる。
なお、第3実施形態では、図69に示すようにX軸及びY軸を設定することとして説明したが、X軸及びY軸は、任意に設定することが可能である。どのような座標系を設定したとしても、フレーム画像中における一の遊技球(例えば、図68(c)に示すID(1)の遊技球又はID(2)の遊技球)は、X軸座標の値とY軸座標の値とのうち一方の値(例えば、α′又はβ′)のみに応じた大きさとなり、当該一方の値に応じた検索範囲(例えば、図69に示す検索範囲(1)又は検索範囲(2))に基づいて検索を行うことができる。そして、このような検索範囲を用いてパターンマッチングをすれば、単純に2フレーム間での比較を行って差分の大きな領域を抽出するだけで、CPUの計算量及びメモリ使用量を抑えつつ、遊技球の追跡を行うことができる。
<付記2>
従来、パチンコ遊技機における遊技領域を転動する遊技球をカメラ等の撮影装置で撮影し、撮影によって得られる画像を解析することによって、遊技球の動きを追跡する技術が知られている(特開2005−237864号公報参照)。
ところで、遊技機業界においては、従来、不正な方法により出玉を獲得しようとするゴト行為が知られている。特に、近年では、巧妙に細工された不正行為が多発しており、こうした行為を防止することが望まれている。また、遊技機に不具合が発生した場合、遊技店としては、当該不調をいち早く察知し、適切な対応をとることが求められる。
本発明者は、上述したような遊技球を追跡する技術について鋭意検討を行う過程において、自身の開発した技術を用いることによって遊技機に発生した異常を検出し、不正行為の防止や遊技機の不調への対応に役立てることができるのではないかという考えに想到した。
本発明は、上記のような問題点に鑑みてなされたものであり、遊技機に発生した異常を検出することを目的とする。
この点、第3実施形態に係るパチンコ遊技機1は、以下の特徴を備えている。
(2−1) 遊技球が流下可能な遊技領域(遊技領域12a)を備える遊技盤(遊技盤12)と、
前記遊技領域を流下した遊技球が入球可能であり、入球した遊技球を前記遊技領域の外部へと排出可能な排出用領域(第1始動口44、第2始動口45、第1大入賞口53、第2大入賞口54、アウト口55等)と、
前記遊技領域を撮影可能なように配設された撮影装置(CCDカメラ1000)と、
前記遊技領域を撮影することによって得られる動画像として、連続する複数のフレーム画像を順次取得するフレーム画像取得手段(図31のステップS281の処理を実行するサブCPU201)と、
前記フレーム画像取得手段により取得される複数のフレーム画像のうち、連続する2つのフレーム画像を、それぞれ、第1フレーム画像(時刻T2に撮影されたフレーム画像)及び第2フレーム画像(時刻T3に撮影されたフレーム画像)と表記したとき、前記第1フレーム画像に含まれる一の遊技球について、前記第2フレーム画像における位置を特定する遊技球追跡手段(図67の処理を実行するサブCPU201)と、を備え、
前記遊技球追跡手段は、
前記第2フレーム画像について、前記第1フレーム画像に含まれる一の遊技球の位置を基準とした範囲であって、予め定められた検索対象外領域(図40に示すマスキング領域)を含まない範囲として設定された検索範囲を対象に検索を実行する検索実行手段(図67のステップS1302及びステップS1303の処理を実行するサブCPU201)と、
前記検索実行手段による検索の結果、前記第2フレーム画像における前記検索範囲内に存在すると判定された遊技球を、前記第1フレーム画像に含まれる該一の遊技球と同一の遊技球であると判定する遊技球同定手段(図67のステップS1304の処理を実行するサブCPU201)と、を備え、
前記検索実行手段による検索の結果、前記第1フレーム画像に含まれる該一の遊技球と同一の遊技球であると判定されるべき遊技球が前記第2フレーム画像における前記検索範囲内に存在せず、前記検索対象外領域にも存在しない場合であって、且つ、前記第1フレーム画像に含まれる該一の遊技球が前記排出用領域に入球していない場合に、前記遊技球追跡手段による遊技球の追跡に失敗したことを示すエラー信号を送信するエラー信号送信手段(図67のステップS1318の処理を実行するサブCPU201)を備える、
ことを特徴とする遊技機。
第3実施形態に係るパチンコ遊技機1によれば、第1フレーム画像(時刻T2に撮影されたフレーム画像)に含まれる一の遊技球(例えば、ID(1)の遊技球)の位置を基準とした範囲であって、予め定められた検索対象外領域(マスキング領域)を含まない範囲として設定された検索範囲を対象に検索が実行される。そして、検索の結果、第2フレーム画像(時刻T3に撮影されたフレーム画像)における該検索範囲内に存在すると判定された遊技球が、第1フレーム画像(時刻T2に撮影されたフレーム画像)に含まれる該一の遊技球(例えば、ID(1)の遊技球)と同一の遊技球であると判定される。一方、検索の結果、第1フレーム画像(時刻T2に撮影されたフレーム画像)に含まれる該一の遊技球(例えば、ID(1)の遊技球)と同一の遊技球であると判定されるべき遊技球が第2フレーム画像(時刻T3に撮影されたフレーム画像)における該検索範囲内に存在せず、検索対象外領域(マスキング領域)にも存在しない場合であって、且つ、第1フレーム画像(時刻T2に撮影されたフレーム画像)に含まれる該一の遊技球(例えば、ID(1)の遊技球)が排出用領域(第1始動口44、第2始動口45、第1大入賞口53、第2大入賞口54、アウト口55等)に入球していない場合に、遊技球の追跡に失敗したことを示すエラー信号が送信される。
第1フレーム画像(時刻T2に撮影されたフレーム画像)に含まれる該一の遊技球(例えば、ID(1)の遊技球)と同一の遊技球であると判定されるべき遊技球が第2フレーム画像(時刻T3に撮影されたフレーム画像)における該検索範囲内に存在しない場合(目的とする遊技球を検索範囲内に発見することができない場合)には、何らかの異常が発生しており、不正行為が行われていたり、遊技機に不具合が発生したりしている可能性がある。第3実施形態に係るパチンコ遊技機1によれば、このような場合に、エラー信号を送信することにより、不正行為を防止したり、遊技機の不調に対応したりする機会を提供することができる。なお、目的とする遊技球が排出用領域(第1始動口44、第2始動口45、第1大入賞口53、第2大入賞口54、アウト口55等)に入球したことに起因して、検索範囲内に当該遊技球を発見することができない場合には、異常が発生しているわけではないため、エラー信号は送信されないようになっている。また、検索対象外領域(マスキング領域)(遊技球を見失いやすい領域として設定されている範囲)は、予め検索範囲から除かれているところ、遊技球が正常に動いているものの、そのような見失いやすい領域に位置していることに起因して、当該遊技球を偶々発見することができない場合にも、エラー信号は送信されないようになっている。これにより、異常が発生していないにもかかわらず、異常である旨誤って検出されてしまうことを防止することができる。
なお、本明細書において、「排出用領域」と「排出領域」(図41参照)とは、異なる概念である。「排出用領域」は、遊技領域を流下した遊技球を入球させることを可能にする構造を有する部分(排出口)と、入球した遊技球を遊技領域の外部へと排出するための通路の形成されている部分とから構成される。「排出用領域」は、このような遊技球を入球及び排出させることが可能な構造により規定される。これに対し、「排出領域」は、図41を用いて説明したように、一の排出用領域の近傍における所定範囲内の領域である。「排出領域」は、その全体が撮影装置(カメラ)による撮影範囲に含まれるように設定される。例えば、一の時刻において撮影範囲に含まれていた遊技球が、当該一の時刻から1フレームに相当する時間(例えば、4ms)が経過した後には、排出用領域に入球したことにより撮影範囲に含まれなくなっているような状況において、当該一の時刻において遊技球の存在し得る範囲が、上記所定範囲として設定される。すなわち、所定範囲は、排出用領域の近傍のうちカメラの撮影範囲に含まれる部分と、遊技球が1フレームに相当する時間が経過する間に当該排出用領域の近傍を移動し得る距離とを考慮して設定される。遊技球が1フレームに相当する時間が経過する間に排出用領域の近傍を移動し得る距離は、遊技機(遊技盤)の構造に応じて異なるが、実験を行うことにより求めることができる。一方、「排出用領域」は、上記のようにその構造により規定され、カメラの撮影範囲とは無関係であり、その一部が撮影範囲に含まれていてもよいし、全体が撮影範囲外となっていてもよい。排出用領域の一部が撮影範囲に含まれる場合、当該部分は、排出用領域の一部であるとともに、排出領域の一部でもあることになる。すなわち、排出領域と排出用領域とは、互いの一部が重複していてもよい。また、排出用領域に入球した遊技球が比較的長い時間(例えば、1フレームに相当する時間以上)カメラの撮影範囲内に留まる場合(排出用領域の広い範囲がカメラの撮影範囲に含まれるような場合)には、排出領域全体が排出用領域に含まれていてもよい。上記のように、「排出領域」は、一の排出用領域の近傍における所定範囲内の領域であるが、「近傍」は排出用領域自体を含んでいてもよく、「排出領域」は、その一部又は全部が「排出用領域」に含まれるように設定されてもよい。
(2−2) 前記(2−1)の遊技機であって、
前記検索実行手段は、
前記第1フレーム画像に含まれる該一の遊技球と同一の遊技球であると判定されるべき遊技球が前記第2フレーム画像における検索範囲内に存在しない場合に、該検索範囲とは異なる範囲を新たな検索範囲(図67のステップS1314で再設定される検索範囲)として、前記第2フレーム画像に対する検索を繰り返し実行することが可能であり、
前記エラー信号送信手段は、 前記検索の繰り返し回数が所定回数に達した場合に、前記エラー信号を送信する、
ことを特徴とする。
第3実施形態に係るパチンコ遊技機1によれば、検索の繰り返し回数が所定回数に達した場合に、エラー信号が送信される。検索の繰り返し回数が所定回数に達したということは、所定回数に亘って検索を繰り返したにもかかわらず、目的とする遊技球を発見することができなかったことを意味しており、何らかの異常が発生している蓋然性が高いものと想定される。第3実施形態に係るパチンコ遊技機1によれば、このような場合にエラー信号を送信することにより、異常を的確に検出することができる。
<付記3>
従来、パチンコ遊技機における遊技領域を転動する遊技球をカメラ等の撮影装置で撮影し、撮影によって得られる画像を解析することによって、遊技球の動きを追跡する技術が知られている(特開2005−237864号公報参照)。
しかしながら、上述したような従来の技術では、刻々と変化する遊技球の位置を検出するための具体的な方法や、画像解析に係る処理時間等について考慮されておらず、リアルタイムに遊技球を追跡することが困難になってしまうことが想定される。
本発明は、上記のような問題点に鑑みてなされたものであり、遊技球の追跡を高い精度で行うことが可能な遊技機を提供することを目的とする。
この点、第3実施形態に係るパチンコ遊技機1は、以下の特徴を備えている。
(3−1) 遊技球が移動可能な遊技領域(遊技領域12a)を備える遊技盤(遊技盤12)と、
前記遊技領域を撮影可能なように配設された撮影装置(CCDカメラ1000)と、
前記遊技領域を撮影することによって得られる動画像として、連続する複数のフレーム画像を順次取得するフレーム画像取得手段(図31のステップS281の処理を実行するサブCPU201)と、
前記フレーム画像取得手段により取得される複数のフレーム画像のうち、連続する2つのフレーム画像を、それぞれ、第1フレーム画像(時刻T2に撮影されたフレーム画像)及び第2フレーム画像(時刻T3に撮影されたフレーム画像)と表記したとき、前記第1フレーム画像に含まれる一の遊技球について、前記第2フレーム画像における位置を特定する遊技球追跡手段(図67の処理を実行するサブCPU201)と、を備え、
前記遊技球追跡手段は、
前記第2フレーム画像について、前記第1フレーム画像に含まれる該一の遊技球の位置を基準とした所定範囲を対象に検索を実行する初回検索実行手段(図67のステップS1302及びステップS1303の処理を実行するサブCPU201)と、
前記初回検索実行手段による検索の結果、前記第2フレーム画像における前記所定範囲内に存在すると判定された遊技球を、前記第1フレーム画像に含まれる該一の遊技球と同一の遊技球であると判定する初回追跡手段(図67のステップS1304の処理を実行するサブCPU201)と、
前記初回検索実行手段による検索の結果、前記第1フレーム画像に含まれる該一の遊技球と同一の遊技球であると判定されるべき遊技球が前記第2フレーム画像における前記所定範囲内に存在しない場合、前記第2フレーム画像について、前記所定範囲よりも広い拡張範囲を対象に検索を実行する継続検索実行手段(図67のステップS1314、ステップS1302、及び、ステップS1303の処理を実行するサブCPU201)と、
前記継続検索実行手段による検索の結果、前記第2フレーム画像における前記拡張範囲内に存在すると判定された遊技球を、前記第1フレーム画像に含まれる該一の遊技球と同一の遊技球であると判定する継続追跡手段(図67のステップS1304の処理を実行するサブCPU201)と、を備える、
ことを特徴とする遊技機。
第3実施形態に係るパチンコ遊技機1によれば、初回検索では、第1フレーム画像(時刻T2に撮影されたフレーム画像)に含まれる一の遊技球(例えば、ID(1)の遊技球)の位置を基準とした所定範囲を対象に、第2フレーム画像(時刻T3に撮影されたフレーム画像)について検索が実行される。そして、初回検索の結果、第1フレーム画像(時刻T2に撮影されたフレーム画像)に含まれる該一の遊技球(例えば、ID(1)の遊技球)と同一の遊技球であると判定されるべき遊技球が第2フレーム画像(時刻T3に撮影されたフレーム画像)における所定範囲内に存在しない場合、所定範囲よりも広い拡張範囲を対象に継続検索が実行される。これにより、初回検索の対象となる所定範囲をある程度限定された範囲に設定しておき、初回検索において検索範囲内に目的とする遊技球を発見することができない場合にのみ、拡張された範囲で検索を行うことが可能となる。この点、初回検索を広い範囲で行うことにすれば、目的とする遊技球は発見しやすくなるが、初回検索にかかる処理負荷が増大する結果として、かえって遊技球の追跡を行うことが困難になってしまう。これに対し、第3実施形態に係るパチンコ遊技機1によれば、初回検索にかかる処理負荷を軽減することが可能となり、遊技球の追跡を高い精度で行うことができる。
(3−2) 前記(3−1)の遊技機であって、
前記継続検索実行手段は、
前記第2フレーム画像における前記拡張範囲を対象とした検索の結果、前記第1フレーム画像に含まれる該一の遊技球と同一の遊技球であると判定されるべき遊技球が該拡張範囲内に存在しない場合、前記第2フレーム画像について、該拡張範囲よりも広い範囲を対象とした検索を繰り返し実行することが可能であり、
前記検索の繰り返し回数が増えるのに伴って時間が経過するほど、広い範囲を前記拡張範囲として設定する、
ことを特徴とする。
第3実施形態に係るパチンコ遊技機1によれば、継続検索の繰り返し回数が増えるのに伴い、経過時間に応じて随時検索範囲を拡張することができる。これにより、検索処理の効率化を図ることが可能となり、追跡処理にかかる負荷を一層軽減することができる。
なお、検索範囲を無制限に拡張すると、演出LEDやマスキング領域が検索範囲内に大量に含まれて、処理負担が増大してしまうため、ある程度の広さを上限として、検索範囲を広げるのを中止し、遊技球の追跡を終了することが望ましい。そのような広さの上限は、CPUの演算速度や遊技機(遊技盤)の物理的な構造等、様々な要因によって決定される。例えば、検索範囲がある程度の広さまで拡張されると、検索処理を実行する際に必要となるワーキングメモリの容量を超えてしまうことが想定されるため、メモリの容量に応じて検索範囲の広さに上限を設定することが考えられる。また、検索範囲内に存在するマスキング領域の面積が所定値以上となった場合には、処理負担が一定限度を超えるものとして、検索範囲をそれ以上広げないこととしてもよい。本実施形態のように、検索の繰り返し回数に上限を設定すれば、それによって検索範囲の広さの上限を規定することが可能であり、検索範囲が無制限に拡張してしまうことを防止することができる。もっとも、検索範囲の広さに上限を設定せず、遊技球が発見されない限り、CCDカメラ1000による撮影範囲全体まで、検索範囲を広げることとしてもよい。あるいは、CCDカメラ1000による撮影範囲に遊技機周辺の風景が含まれる場合には、撮影範囲全体まで検索範囲を広げることはせず、撮影により得られた画像から、遊技機に対応する領域を特定し(周辺の風景を除去し)、当該遊技機に対応する領域全体まで検索範囲を広げるようにしてもよい。また、遊技機のうち遊技盤に対応する領域を特定し(遊技盤以外を除去し)、当該遊技盤に対応する領域全体まで検索範囲を広げるようにしてもよい。
なお、本発明における撮影装置(カメラ)は、遊技領域を撮影可能なように配設されているところ、遊技領域が全て撮影範囲に含まれていてもよいし、遊技領域の一部のみが撮影範囲に含まれていてもよい。また、遊技領域以外が撮影範囲に含まれていてもよく、例えば、遊技領域以外の遊技機の構成や遊技機周辺の風景が撮影範囲に含まれていてもよい。遊技領域以外の遊技機の構成が撮影範囲に含まれる場合には、一の遊技機が全て撮影範囲に含まれていてもよいし、一の遊技機の一部のみが撮影範囲に含まれていてもよい。
以上、第3実施形態について説明した。詳細な説明は省略したが、第3実施形態においても、第1実施形態と同様に、遊技媒体追跡処理(図67参照)に先立ち、遊技球の位置を検出するために、前後フレーム間差分抽出に係る処理(図35〜図39参照)が行われる。しかし、第3実施形態において、遊技球の位置を検出するための方法としては、第1実施形態で説明した方法に限定されず、単純に、各フレーム画像と背景画像とに対して差分処理を実行する方法(背景差分法)を採用することとしてもよい。背景画像としては、遊技領域12aに遊技球が存在しない状態、且つ、演出LEDを点灯させない状態で遊技盤12を撮影することによって得られるLED消灯背景画像を用いることができる。この場合、各フレーム画像の撮影タイミングにおける演出LEDの状態に応じて、用いる背景画像を適宜選択することとしてもよい。すなわち、演出LED(LED59)は、サブCPU201(ホスト制御回路)からLED制御回路207に対して送信されたランプリクエスト(メッセージ)に基づいて、LED制御回路207によって制御されるため(図26のステップS208参照)、サブCPU201は、当該ランプリクエストに含まれる演出内容の指定情報(演出情報)に基づいて、演出LEDの状態を認識することができる。これにより、当該フレーム画像の撮影タイミングにおいて演出LEDが消灯していた場合には、LED消灯背景画像を選択し、演出LEDが点灯していた場合には、LED点灯背景画像(遊技領域12aに遊技球が存在しない状態、且つ、演出LEDを点灯させた状態で遊技盤12を撮影することによって得られる画像)を選択するといったことも可能である。また、1フレーム目の画像の撮影タイミング(時刻T1)から3フレーム目の画像の撮影タイミング(時刻T3)までの間に、演出LEDの状態に変化がない場合には、背景差分法を用いることとし、1フレーム目の画像の撮影タイミング(時刻T1)から3フレーム目の画像の撮影タイミング(時刻T3)までの間に、演出LEDの状態に変化があった場合にのみ、第1実施形態で説明したように、3フレーム間での比較を行うこととしてもよい。もっとも、外来光等の影響を含め、遊技盤12における環境変化に起因する画像への影響を効果的に排除するためには、常に3フレーム間での比較を行うのが望ましい。以上の点については、第3実施形態だけではなく、その他の実施形態にも妥当する。
<変形例>
第3実施形態では、遊技媒体追跡処理(図67参照)について、時刻T2における遊技球(図43(a)参照)と時刻T3における遊技球(図43(b)参照)との対応付けを行う処理として説明した。これに対し、図71及び図72に示す変形例では、より一般的に、時刻TNにおける遊技球と時刻TN+1における遊技球との対応付けを行う場合について説明する。
また、第3実施形態では、遊技媒体追跡処理(図67参照)の処理間隔がフレーム画像の取得間隔と同じである場合について説明した。これに対し、図75及び図76に示す変形例では、遊技媒体追跡処理の処理間隔がフレーム画像の取得間隔よりも短い場合について説明する。
<遊技媒体追跡処理(変形例)> 図71及び図72は、本発明の一実施形態に係るパチンコ遊技機において実行される遊技媒体追跡処理を示すフローチャートである。図73及び図74は、検索範囲が拡張される場合の一例を示す図である。
図71及び図72に示す遊技媒体追跡処理は、時刻TNにおける遊技球と時刻TN+1における遊技球との対応付けを行う処理であり、時刻TN+2において行われる。時刻TNにおける遊技球の位置を示す画像を球位置画像(TN)と表記し、時刻TN+1における遊技球の位置を示す画像を球位置画像(TN+1)と表記する。
まず、サブCPU201は、現在管理対象となっている全てのIDのうちの一のID(例えば、ID(1))を処理対象に決定するとともに、当該一のIDについて時刻TNにおける遊技球の追跡が完了しているか否かを判断する(ステップS1401)。「一のIDについて時刻TNにおける遊技球の追跡が完了している」とは、当該IDの遊技球について、時刻TNにおける位置が特定されている(マークが設定されている)ことを意味する。一のIDについて時刻TNにおける遊技球の追跡が完了している場合には、一のIDと、当該IDの遊技球の時刻TNにおける位置情報(球位置画像(TN)に含まれる複数の遊技球のうちの何れかの遊技球の位置情報)とが、ワークRAM203において対応付けて記憶されている(ステップS1404及びステップS1413参照)。
処理対象に決定されたID(例えば、ID(1))について、時刻TNにおける遊技球の追跡が完了している(当該IDの遊技球について、時刻TNにおける位置が特定されている)と判断した場合、サブCPU201は、時刻TNにおける当該遊技球の位置を基準とした検索範囲を設定する(ステップS1402)。ここで設定される検索範囲は、第3実施形態で説明した初回検索範囲(図69参照)である。
次に、サブCPU201は、球位置画像(TN+1)に含まれる複数の遊技球それぞれの位置と、ステップS1402で設定した検索範囲とを比較して、球位置画像(TN+1)に含まれる複数の遊技球のなかに、当該検索範囲内に属する遊技球が存在するか否かを判断する(ステップS1403)。
球位置画像(TN+1)に含まれる複数の遊技球のなかに、当該検索範囲内に属する遊技球が存在すると判断した場合、サブCPU201は、検出位置に対してマークを設定する(ステップS1404)。この処理において、サブCPU201は、当該検索範囲内に属すると判断された遊技球の位置情報と、現在処理対象となっているID(例えば、ID(1))とを対応付けて、ワークRAM203に記憶させる。
一方、球位置画像(TN+1)に含まれる複数の遊技球のなかに、当該検索範囲内に属する遊技球が存在しないと判断した場合、サブCPU201は、ステップS1405〜ステップS1408の処理を実行するが、これらの処理は、図67のステップS1307〜ステップS1310の処理と同様の処理であるため、ここでの説明は省略する。ステップS1408の処理を実行した後、サブCPU201は、本サブルーチンを終了する。
なお、ステップS1408の処理を実行した後、サブCPU201は、本サブルーチンを終了するのではなく、処理をステップS1423に移すこととしてもよい。これにより、図67と同様に、エラー報知が行われた後も、当該エラー報知の要因となった遊技球以外の遊技球に対しては、本サブルーチンにおける追跡処理が継続されることになる(ステップS1424参照)。また、ステップS1408の処理を実行した後、サブCPU201は、当該エラー報知の要因となった遊技球のIDを解放してもよいが、当該IDを解放せずに、処理をステップS1409に移すこととしてもよい。これにより、当該エラー報知の要因となった遊技球について、次回以降の本サブルーチンにおいて追跡処理が継続され、例えば、エラー報知の要因が解消した場合(マスキング領域にあった遊技球がマスキング領域外に戻った場合等)には、当該遊技球を検索範囲内に発見することができる可能性がある。さらに、例えば、第1実施形態で説明したように、追跡処理の結果として得られた遊技球の位置情報(ステップS1404参照)に基づいて、液晶表示装置13において遊技球の動きを可視化するような演出を行うようにすれば、エラー報知の画面とそのような演出画面との双方が液晶表示装置13に表示されるような状況も作り出すことができる。また、プロジェクタ等の投影装置を用いて、遊技球や遊技球の近傍に対して何らかの映像(第8実施形態参照)を投影することとしてもよい。これにより、例えば、エラー報知を行いつつ、マスキング領域に存在する遊技球に対して映像を投影するといったことも可能となる。あるいは、エラー報知を行いつつ(エラー報知とは別途)遊技球に対して映像を投影するのではなく、遊技球に対して映像を投影することをエラー報知の内容(ステップS1408の処理内容)としてもよい。その上で、液晶表示装置13では、エラー報知の画面を表示するのではなく、演出画面を表示することとしてもよい。また、エラー報知の要因となった遊技球に対しては、エラー報知用の映像を投影することとし、エラー報知の要因となった遊技球以外の遊技球に対しては、演出用の映像を投影することとしてもよい。その場合には、エラー報知用の映像と演出用の映像とを異ならせるとよい。これにより、汎用性の高い遊技機を提供することができる。
ステップS1407においてマスキング領域に遊技球が存在しないと判断した場合、サブCPU201は、時刻TNにおける遊技球の位置を基準とした検索において遊技球が消失したものとして、現在処理対象となっているIDと対応付けて、消失タイマ(TN)の加算を開始する(ステップS1409)。消失タイマ(TN)の値は、現在処理対象となっているIDについて、時刻TNにおける遊技球と時刻TN+1における遊技球との対応付けを行う処理(本サブルーチン)を開始してからの経過時間(時刻TN+2からの経過時間)に対応している。
次に、サブCPU201は、現在処理対象となっているIDと対応付けて、消失回数カウンタの値を1加算する(ステップS1410)。この処理において、サブCPU201は、ワークRAM203に記憶されている消失回数カウンタの値に1を加えた値を、新たな消失回数カウンタの値としてワークRAM203に記憶させる。消失回数は、現在処理対象となっているIDについて、時刻TNにおける遊技球と時刻TN+1における遊技球との対応付けを行うために本サブルーチンを実行した回数を示しており、当該IDの遊技球を見失って以降に本サブルーチンの実行された回数に対応している。なお、ある時刻に行われる本サブルーチンにおいて一のIDの遊技球を見失った場合(ステップS1407の判断結果がNOである場合)、消失回数は、本実施形態のように当該サブルーチンを含む回数であってもよい(当該サブルーチンから消失回数のカウントを開始することとしてもよい)し、本実施形態とは異なり、当該サブルーチンの次回のサブルーチンから、消失回数のカウントを開始することとしてもよい。
ステップS1401において、処理対象に決定されたID(例えば、ID(1))について、時刻TNにおける遊技球の追跡が完了していない(当該IDの遊技球について、時刻TNにおける位置が特定されていない)と判断した場合、サブCPU201は、当該IDについて追跡の完了している最新の球位置を基準として、消失タイマ(TK)に応じた検索範囲を設定する(ステップS1411)。ここで、「追跡の完了している最新の球位置」とは、当該IDの遊技球について、これまでに特定された(時間経過とともに随時更新された)球位置のうち、最後に特定された(最新の)球位置である。「追跡の完了している最新の球位置」を、「時刻TKにおける当該遊技球の位置」として、K<Nを満たす変数Kを定義する。ステップS1411の処理において、サブCPU201は、現在処理対象となっているIDの遊技球の時刻TKにおける位置を基準として、検索範囲を設定する。ここで設定される検索範囲は、現在処理対象となっているIDと対応付けられた消失タイマ(TK)の値(ステップS1409及びステップS1418参照)が大きいほど(時刻TK+2からの経過時間が長いほど)、その範囲が広くなる。消失タイマ(TK)の値が大きいほど検索範囲が広くなるようにするための方法は、特に限定されず、第3実施形態で説明したような検索範囲設定テーブル(図70参照)を用いることとしてもよいし、初回検索範囲に対する倍率が消失タイマ(TK)の値に比例するものとして今回の検索範囲を算出するように構成してもよい。また、初回検索範囲に対する倍率ではなく、検索範囲そのものが消失タイマ(TK)の値に対応付けられていてもよい。
次に、サブCPU201は、球位置画像(TK+1)に含まれる複数の遊技球のなかに、ステップS1411で設定した検索範囲内に属する遊技球が存在するか否かを判断する(ステップS1412)。
球位置画像(TK+1)に含まれる複数の遊技球のなかに、当該検索範囲内に属する遊技球が存在すると判断した場合、サブCPU201は、検出位置に対してマークを設定する(ステップS1413)。この処理において、サブCPU201は、当該検索範囲内に属すると判断された遊技球の位置情報と、現在処理対象となっているID(例えば、ID(1))とを対応付けて、ワークRAM203に記憶させる。
ここで、一例として、K=1である場合の例について、図73を用いて説明する。まず、前提として、図73(a)では、時刻T2における遊技球の位置(2フレーム目の球位置)が、時刻T1における遊技球の位置(1フレーム目の球位置)を基準とした初回検索範囲に含まれておらず、時刻T1における遊技球の位置(1フレーム目の球位置)を基準とした検索において遊技球が消失した状態となっている(ステップS1409参照)。初回の検索は、時刻T3(N=1)において行われている。その後、図73(b)では、時刻T1における遊技球の位置(1フレーム目の球位置)を基準とした検索範囲が拡張され(ステップS1411参照)、時刻T2における遊技球の位置(2フレーム目の球位置)は、当該拡張された検索範囲に含まれている。当該拡張された検索は、時刻T4(N=2)において行われる。これにより、時刻T1における遊技球の位置(1フレーム目の球位置)と、時刻T2における遊技球の位置(2フレーム目の球位置)との対応付けを行うことができる(ステップS1413参照)。
ステップS1413の処理を実行した後、サブCPU201は、現在処理対象となっているIDと対応付けられた消失タイマ(TK)の値をクリアするとともに、当該消失タイマ(TK)の加算を終了する(ステップS1414)。そして、サブCPU201は、Kの値に1を加算する(ステップS1415)。
次に、サブCPU201は、K=Nであるか否かを判断する(ステップS1416)。K=Nではない(すなわち、K<Nである)と判断した場合、サブCPU201は、ステップS1411〜ステップS1416の処理を繰り返す。なお、この場合、サブCPU201は、処理をステップS1412に戻し、ステップS1412〜ステップS1416の処理を繰り返すこととしてもよい。この場合には、ステップS1416の処理を実行した後は、検索範囲を設定する処理(ステップS1411の処理)が省略され、ステップS1416の処理の実行前に行われたステップS1411の処理(前回のステップS1411の処理)において設定された検索範囲が流用されることになる。
K=Nであると判断した場合、現在処理対象となっているIDの遊技球について、時刻TNにおける位置が特定されたことになるので、サブCPU201は、時刻TNにおける当該遊技球の位置を基準とした検索範囲を設定する(ステップS1417)。ここで、サブCPU201は、ステップS1402のように初回検索範囲を設定してもよいが、拡張された検索範囲(例えば、ステップS1411で設定した検索範囲のうち、最新の検索範囲)を採用することとしてもよい。
図74では、図73(b)において、拡張された検索範囲を用いることにより、時刻T1における遊技球の位置(1フレーム目の球位置)と、時刻T2における遊技球の位置(2フレーム目の球位置)との対応付けが行われた後、当該拡張された検索範囲を用いることにより、時刻T2における遊技球の位置(2フレーム目の球位置)と、時刻T3における遊技球の位置(3フレーム目の球位置)との対応付けが行われている様子を示している。なお、図74では、時刻T2における遊技球の位置(2フレーム目の球位置)を基準として、拡張された検索範囲が設定されているが、時刻T1における遊技球の位置(1フレーム目の球位置)を基準として、当該検索範囲を設定することとしてもよい。時刻T1における遊技球の位置(1フレーム目の球位置)を基準とした検索範囲に、時刻T3における遊技球の位置(3フレーム目の球位置)が含まれれば、時刻T1における遊技球の位置(1フレーム目の球位置)と時刻T2における遊技球の位置(2フレーム目の球位置)との対応付けをスキップして、時刻T1における遊技球の位置(1フレーム目の球位置)と時刻T3における遊技球の位置(3フレーム目の球位置)との対応付けを行うことも可能となる。
何れにしても、ステップS1417の処理を実行した後、サブCPU201は、処理をステップS1403に移す。これにより、現在処理対象となっているIDに対する検索処理が進行する。
ステップS1412において、球位置画像(TK+1)に含まれる複数の遊技球のなかに、当該検索範囲内に属する遊技球が存在しないと判断した場合、サブCPU201は、現在処理対象となっているIDと対応付けて、消失タイマ(TN)の加算を開始する(ステップS1418)。そして、サブCPU201は、現在処理対象となっているIDと対応付けて、消失回数カウンタの値を1加算する(ステップS1419)。
次に、サブCPU201は、消失回数カウンタの値が所定回数(例えば、2)よりも大きいか否かを判断する(ステップS1420)。消失回数カウンタの値が所定回数よりも大きいと判断した場合、サブCPU201は、ステップS1421及びステップS1422の処理を実行するが、これらの処理は、図67のステップS1318及びステップS1319の処理と同様の処理であるため、ここでの説明は省略する。ステップS1422の処理を実行した後、サブCPU201は、本サブルーチンを終了する。
ステップS1420において消失回数カウンタの値が所定回数以下であると判断した場合、又は、ステップS1404、ステップS1406、若しくは、ステップS1410の処理を実行した後、サブCPU201は、現在処理対象となっているID(例えば、ID(1))に対する検索を終了する(ステップS1423)。この処理において、サブCPU201は、当該ID(例えば、ID(1))と対応付けて、検索終了フラグをオンにセットする。
次に、サブCPU201は、ステップS1424の処理を実行するが、この処理は、図67のステップS1320の処理と同様の処理であるため、ここでの説明は省略する。その後、サブCPU201は、再度検索処理を行うか、本サブルーチンを終了することになる。
<遊技媒体追跡処理(変形例)>
図75及び図76は、本発明の一実施形態に係るパチンコ遊技機において実行される遊技媒体追跡処理を示すフローチャートである。
図75及び図76に示す遊技媒体追跡処理は、時刻TN−1における遊技球と時刻TNにおける遊技球との対応付け、又は、時刻TNにおける遊技球と時刻TN+1における遊技球との対応付けを行う処理であり、球位置画像(TN)を取得した後、球位置画像(TN+1)を取得するまでの間に行われる処理である。時刻TN―1における遊技球の位置を示す画像を球位置画像(TN―1)と表記し、時刻TNにおける遊技球の位置を示す画像を球位置画像(TN)と表記し、時刻TN+1における遊技球の位置を示す画像を球位置画像(TN+1)と表記する。
まず、サブCPU201は、時刻TN+1における球位置が特定されたか否かを判断する(ステップS1501)。この処理において、サブCPU201は、前後フレーム間差分抽出処理(図31のステップS284参照)により球位置画像(TN+1)が得られたか否かを判断する。本変形例では、遊技媒体追跡処理の処理間隔がフレーム画像の取得間隔よりも短いため、球位置画像(TN)が作成されてから球位置画像(TN+1)が作成されるまでに、遊技媒体追跡処理が複数回(例えば、4回)行われる。例えば、遊技媒体追跡処理の処理間隔(図26に示す副制御回路メイン処理の処理間隔)がフレーム画像の取得間隔の1/4であるとする。この場合、副制御回路メイン処理(図26参照)が4回行われるごとに、前後フレーム間差分抽出処理(図31のステップS284参照)において最新の球位置画像が作成される。例えば、時刻TN+1に行われる副制御回路メイン処理(図26参照)中の前後フレーム間差分抽出処理(図31のステップS284参照)において、球位置画像(TN)が作成されたとする。そうすると、当該副制御回路メイン処理(図26参照)中の遊技媒体追跡処理(図75及び図76参照)のステップS1501では、時刻TNにおける球位置が特定されたとして、YESと判断されることになる。次回以降3回の副制御回路メイン処理(図26参照)中の前後フレーム間差分抽出処理(図31のステップS284参照)では、新たな球位置画像が作成されない。従って、これらの3回の副制御回路メイン処理(図26参照)中の遊技媒体追跡処理(図75及び図76参照)のステップS1501では、NOと判断されることになる。そして、さらに次回の(時刻TN+2に行われる)副制御回路メイン処理(図26参照)中の前後フレーム間差分抽出処理(図31のステップS284参照)では、球位置画像(TN+1)が作成される。従って、当該副制御回路メイン処理(図26参照)中の遊技媒体追跡処理(図75及び図76参照)のステップS1501では、時刻TN+1における球位置が特定されたとして、YESと判断されることになる。このように、図75及び図76に示す遊技媒体追跡処理が4回実行された場合(図26に示す副制御回路メイン処理が4回実行されるのに伴い、図75及び図76のステップS1501の処理が4回実行された場合)、ステップS1501の処理の判断結果は、1回だけYESであり、残りの3回はNOとなる。
球位置画像(TN+1)が得られたと判断した場合、サブCPU201は、現在管理対象となっている全てのIDのうちの何れかのIDと対応付けて、消失フラグがオンにセットされているか否かを判断する(ステップS1502)。消失フラグは、時刻TN+1において本サブルーチンに係る処理が行われた際に、時刻TN―1における遊技球の位置を基準とした検索(ステップS1507参照)において遊技球が消失した場合にセットされるフラグであり(ステップS1511参照)、一の遊技球のIDと対応付けて、ワークRAM203に記憶されている。
現在管理対象となっている全てのIDのうちの何れかのIDと対応付けて、消失フラグがオンにセットされていると判断した場合、サブCPU201は、全てのIDに対応する消失タイマの値をクリアするとともに、消失タイマの加算を終了する(ステップS1503)。そして、サブCPU201は、全てのIDに対応する消失フラグをオフにセットする(ステップS1504)。なお、消失タイマの値は、時刻TN−1における遊技球と時刻TNにおける遊技球との対応付けを行う処理(本サブルーチン)を開始してからの経過時間(時刻TN+1からの経過時間)に対応している(ステップS1512参照)。
ステップS1502において、現在管理対象となっている全てのIDに対応する消失フラグがオフにセットされていると判断した場合、又は、ステップS1504の処理を実行した後、サブCPU201は、ステップS1505〜ステップS1510の処理を実行するが、これらの処理は、図69AのステップS1401〜ステップS1406の処理と同様の処理であるため、ここでの説明は省略する。
ステップS1509において排出領域内での消失ではないと判断した場合、サブCPU201は、現在処理対象となっているIDと対応付けて、消失フラグをオンにセットする(ステップS1511)。そして、サブCPU201は、現在処理対象となっているIDと対応付けて、消失タイマの加算を開始する(ステップS1512)。
ステップS1505において、処理対象に決定されたID(例えば、ID(1))について、時刻TNにおける遊技球の追跡が完了していない(当該IDの遊技球について、時刻TNにおける位置が特定されていない)と判断した場合、サブCPU201は、連続する複数フレーム分の球位置画像(球位置画像(TN−1)、球位置画像(TN)、球位置画像(TN+1)等)における各遊技球の大きさ、消失、重なり等を加味して、当該IDの遊技球について、時刻TNにおける位置を特定する(ステップS1513)。図68を用いて説明したように、本実施形態においては、CCDカメラ1000からの距離の遠近に応じて、球位置画像に含まれる各遊技球の大きさが異なっている。また、遊技球同士の位置関係や遊技球とCCDカメラ1000との位置関係次第で、遊技球同士が球位置画像上において重なり合う場合がある(図46(b)参照)。さらに、一の遊技球と他の遊技球とが完全に重なり合うことにより、一方の遊技球が球位置画像上において消失してしまう場合もある。サブCPU201は、球位置画像における遊技球の大きさや遊技球同士の重なりに関する情報に基づいて、球位置画像(TN)に含まれる複数の遊技球のうち、現在処理対象となっているIDの遊技球である確率の高い遊技球に対して、当該IDを割り当てる(図31のステップS287参照)。
ステップS1501において球位置画像(TN+1)が得られていないと判断した場合、サブCPU201は、現在管理対象となっている全てのIDのうちの何れかのIDと対応付けて、消失フラグ(ステップS1511参照)がオンにセットされているか否かを判断する(ステップS1516)。現在管理対象となっている全てのIDに対応する消失フラグがオフにセットされていると判断した場合、サブCPU201は、本サブルーチンを終了する。
一方、現在管理対象となっている全てのIDのうちの何れかのIDと対応付けて、消失フラグがオンにセットされていると判断した場合、サブCPU201は、消失フラグがオンにセットされている全てのIDのうちの一のID(例えば、ID(1))を処理対象に決定するとともに、当該一のIDの遊技球の時刻TN−1における位置を基準として、消失タイマに応じた検索範囲を設定する(ステップS1517)。ここで設定される検索範囲は、消失タイマの値(ステップS1512参照)が大きいほど(時刻TN+1からの経過時間が長いほど)、その範囲が広くなる(図70参照)。
次に、サブCPU201は、球位置画像(TN)に含まれる複数の遊技球のなかに、ステップS1517で設定した検索範囲内に属する遊技球が存在するか否かを判断する(ステップS1518)。
次に、サブCPU201は、ステップS1519及びステップS1520の処理を実行するが、これらの処理は、図72のステップS1413及びステップS1414の処理と同様の処理であるため、ここでの説明は省略する。ステップS1520の処理を実行した後、サブCPU201は、現在処理対象となっているIDと対応付けられた消失フラグをオフにセットする(ステップS1521)。
ステップS1518において、球位置画像(TN)に含まれる複数の遊技球のなかに当該検索範囲内に属する遊技球が存在しないと判断した場合、又は、ステップS1521の処理を実行した後、サブCPU201は、消失フラグがオンにセットされている全てのIDについて、ステップS1517〜ステップS1521の処理が完了したか否かを判断する(ステップS1522)。
消失フラグがオンにセットされている全てのIDのうちの何れかのIDについて、ステップS1517〜ステップS1521の処理が完了していないと判断した場合、サブCPU201は、当該IDについて、ステップS1517〜ステップS1521の処理を行う。一方、消失フラグがオンにセットされている全てのIDについて、ステップS1517〜ステップS1521の処理が完了したと判断した場合、サブCPU201は、本サブルーチンを終了する。
[第4実施形態]
以上、第1実施形態〜第3実施形態について説明した。以下、第4実施形態について説明する。第4実施形態に係るパチンコ遊技機1の基本的な構成は、第1実施形態及び第3実施形態に係るパチンコ遊技機1と同じである。以下においては、第1実施形態及び第3実施形態に係るパチンコ遊技機1の構成要素と同一の構成要素には、同一の符号を付して説明することとする。また、第1実施形態〜第3実施形態における説明が第4実施形態においても当てはまる部分については、説明を省略することとする。
<前後フレーム間差分抽出>
第1実施形態では、前後フレーム間差分抽出(図31のステップS284参照)に関し、図35に示したように、時刻T1で演出LEDが消灯しており、時刻T1と時刻T2との間に演出LEDが点灯し、その後時刻T4にかけて演出LEDの点灯している状態が継続している場合について説明した。演出LEDの状態がこのような態様で変化する場合については、第4実施形態においても、第1実施形態における説明が妥当する。以下では、演出LEDの状態が別の態様で変化する場合について説明する。
以下、図36に示した状況を前提として説明する。すなわち、第1実施形態と同様に、複数の遊技球が遊技領域12aを転動している状態において、1個の遊技球に着目し、時刻T1における当該遊技球の位置を遊技球120aとして示し、時刻T2における当該遊技球の位置を遊技球120bとして示し、時刻T3における当該遊技球の位置を遊技球120cとして示す(図36参照)。なお、遊技球120a、遊技球120b、及び、遊技球120cの近傍には、LED59(演出LED)が設けられている。
図77は、前後フレーム間差分抽出の概念図である。図78は、差分画像(1)と差分画像(2)とのAND画像を得る過程を示す図である。図79は、図78で得られたAND画像と演出LED単体画像とから時刻T2における遊技球を抽出する過程を示す図である。
図77に示すように、時刻T1では演出LEDが消灯しており、時刻T1と時刻T2との間に演出LEDが点灯し、時刻T2と時刻T3との間に演出LEDが消灯したと仮定する。
この場合における前後フレーム間差分抽出では、まず、時刻T1に撮影されたフレーム画像(1フレーム目の画像)及び時刻T2に撮影されたフレーム画像(2フレーム目の画像)に対して差分処理を実行することにより、1フレーム目の画像と2フレーム目の画像との差分に対応する画像(差分画像(1))を作成する。差分画像(1)の作成方法については、図37を用いて説明した通りである。図37と同様に、差分画像(1)は、時刻T1における遊技球(遊技球120a)、時刻T2における遊技球(遊技球120b)、及び、LED59(演出LED)の位置情報を含んでいる。
次に、時刻T2に撮影されたフレーム画像(2フレーム目の画像)及び時刻T3に撮影されたフレーム画像(3フレーム目の画像)に対して差分処理を実行することにより、2フレーム目の画像と3フレーム目の画像との差分に対応する画像(差分画像(2))を作成する。差分画像(2)の作成方法については、図38を用いて説明した通りである。ここで得られる差分画像(2)は、時刻T2における遊技球(遊技球120b)、時刻T3における遊技球(遊技球120c)、及び、LED59(演出LED)の位置情報を含んでいる。時刻T3における状態が図35と図77とで相違していることに起因して、図38に示す差分画像(2)に対して、LED59(演出LED)の位置情報が加わることになる。
次に、図78に示すように、差分画像(1)と差分画像(2)との論理積をとる処理(AND処理)を行う。これにより、差分画像(1)と差分画像(2)との共通部分が抽出される。図39では、差分画像(1)と差分画像(2)とのAND画像に、時刻T2における遊技球(遊技球120b)のみが含まれていたが、図78では、差分画像(1)と差分画像(2)とのAND画像に、時刻T2における遊技球(遊技球120b)に加え、LED59(演出LED)が含まれている。このように、LED59(演出LED)が混在しているため、当該AND画像では、時刻T2における遊技球の位置を検出することができていない。
そこで、図79に示すように、差分画像(1)と差分画像(2)とのAND画像、及び、演出LED単体画像に対して差分処理を実行して、当該AND画像と演出LED単体画像との差分に対応する画像を作成する。これにより、当該AND画像と演出LED単体画像との差分が抽出され、このようにして得られる画像は、時刻T2における遊技球(遊技球120b)の位置情報を示すことになる。
ここで、演出LED単体画像は、遊技領域12aに遊技球が存在しない状態、且つ、演出LEDを点灯させた状態で、遊技盤12を撮影することによって得られる画像に対して、しきい値処理を施した2値画像である。2値化により、しきい値以上の画素値を1(白画素)に、しきい値未満の画素値を0(黒画素)に変換することで(逆でも可)、演出LEDに対応する領域のみを抽出することができる。なお、演出LEDに対応する領域の画素値だけがしきい値以上となるように、演出LED単体画像を得るための撮影を行う際には、演出LEDを最大輝度で点灯させるとよい。これにより、演出LEDに対応する領域の画素値と、それ以外の領域の画素値との差異が大きくなり、演出LEDに対応する領域(光点)のみを抽出しやすくなる。あるいは、遊技領域12aに遊技球が存在しない状態、且つ、演出LEDを点灯させた状態で遊技盤12を撮影した場合と、遊技領域12aに遊技球が存在しない状態、且つ、演出LEDを点灯させない状態で遊技盤12を撮影した場合とで、それぞれ得られる画像の差分をとることによっても、演出LED単体画像を得ることができる。このように、撮影時(受信時、記憶時等)には、遊技盤に存在する構造物のうち演出LED以外のものも含まれる画像を得ることとし、当該画像から演出LED以外の構造物を除去したものを、演出LED単体画像とすることが可能である。また、演出LED単体画像は、演出LEDのみが含まれる画像に限定されず、少なくとも演出LEDが存在する画像であれば、演出LED以外の構造物が含まれていてもよい。例えば、演出LEDの他、マスキング領域内に存在する構造物が含まれている画像を、演出LED単体画像として用いて、図79に示すAND画像との差分をとった場合にも、演出LEDを画像から取り除くことができる。このような演出LED単体画像に対応するデータは、プログラムROM202に記憶されている。
以上のようにして、演出LED単体画像を利用することによって、演出LEDの状態が図77に示す態様で変化した場合であっても、演出LEDの点灯及び消灯の影響を排除しつつ、時刻T2における遊技球の位置を検出することができる。
以上、本発明の一実施形態として、第4実施形態に係るパチンコ遊技機1について説明した。
<付記4>
従来、パチンコ遊技機における遊技領域を転動する遊技球をカメラ等の撮影装置で撮影し、撮影によって得られる画像を解析することによって、遊技球の動きを追跡する技術が知られている(特開2005−237864号公報参照)。
ところで、刻々とその位置を変化させながら転動する遊技球を追跡するためには、その前提として、撮影によって得られる動画像を構成する各フレーム画像において、遊技球の存在位置を高い精度で把握することが必要である。しかしながら、上述したような従来の技術では、この点について充分な検討がなされていないという問題があった。
本発明は、上記のような問題点に鑑みてなされたものであり、遊技球の追跡に当たり、フレーム画像における遊技球の存在位置を高い精度で把握することが可能な遊技機を提供することを目的とする。
この点、第4実施形態に係るパチンコ遊技機1は、以下の特徴を備えている。
(4−1) 遊技球が移動可能な遊技領域(遊技領域12a)及び照明手段(演出LED)が設けられた遊技盤(遊技盤12)と、
前記遊技盤を撮影可能なように配設された撮影装置(CCDカメラ1000)と、
前記遊技領域に遊技球が存在しない状態、且つ、前記照明手段を点灯させた状態で、前記遊技盤を撮影することによって得られる画像(図79に示す演出LED単体画像)を記憶する照明手段単体画像記憶手段(プログラムROM202)と、
前記遊技盤を撮影することによって得られる動画像として、連続する複数のフレーム画像を順次取得するフレーム画像取得手段(図31のステップS281の処理を実行するサブCPU201)と、
前記フレーム画像取得手段により取得される複数のフレーム画像のうち、連続する3つのフレーム画像を、それぞれ、第1フレーム画像(時刻T1に撮影されたフレーム画像)、第2フレーム画像(時刻T2に撮影されたフレーム画像)、及び、第3フレーム画像(時刻T3に撮影されたフレーム画像)と表記したとき、前記第1フレーム画像と前記第2フレーム画像との差分に対応する第1差分画像(図37に示す差分画像(1))を作成する第1差分手段と、
前記第2フレーム画像と前記第3フレーム画像との差分に対応する第2差分画像(図38に示す差分画像(2))を作成する第2差分手段と、
前記第1差分手段により作成された第1差分画像と前記第2差分手段により作成された第2差分画像との論理積をとることにより、前記第2フレーム画像に含まれる遊技球の位置を特定する位置特定手段と、を備え、
前記位置特定手段は、
前記第2フレーム画像に点灯状態にある前記照明手段が含まれ、前記第1フレーム画像及び前記第3フレーム画像に消灯状態にある前記照明手段が含まれる場合、又は、前記第2フレーム画像に消灯状態にある前記照明手段が含まれ、前記第1フレーム画像及び前記第3フレーム画像に点灯状態にある前記照明手段が含まれる場合には、前記第1差分手段により作成された第1差分画像と前記第2差分手段により作成された第2差分画像との論理積をとることで得られるAND画像(図78に示すAND画像)と、前記照明手段単体画像記憶手段に記憶されている画像(図79に示す演出LED単体画像)との差分に対応する画像を作成することにより、前記第2フレーム画像に含まれる遊技球の位置を特定する、
ことを特徴とする遊技機。
第4実施形態に係るパチンコ遊技機1によれば、1フレーム目の画像(時刻T1に撮影されたフレーム画像)と2フレーム目の画像(時刻T2に撮影されたフレーム画像)との差分に対応する第1差分画像(差分画像(1))、及び、2フレーム目の画像(時刻T2に撮影されたフレーム画像)と3フレーム目の画像(時刻T3に撮影されたフレーム画像)との差分に対応する第2差分画像(差分画像(2))が作成される。ここで、1フレーム目の画像の撮影タイミング(時刻T1)と2フレーム目の画像の撮影タイミング(時刻T2)との間に、遊技球の位置変化以外に、遊技盤12における環境変化が発生した場合、当該環境変化が第1差分画像(差分画像(1))に現れることとなる。同様に、2フレーム目の画像の撮影タイミング(時刻T2)と第3フレーム目の画像の撮影タイミング(時刻T3)との間に、遊技球の位置変化以外に、遊技盤12における環境変化が発生した場合、当該環境変化が第2差分画像(差分画像(2))に現れることとなる。しかしながら、第4実施形態に係るパチンコ遊技機1によれば、このような環境変化の差分画像への現れは、第1差分画像(差分画像(1))と第2差分画像(差分画像(2))との論理積をとることによって、除去することが可能である。これにより、そのような環境変化が発生した場合であっても、当該環境変化に起因する画像への影響を排除しつつ、遊技球の位置を高い精度で把握することができる。
特に、第4実施形態に係るパチンコ遊技機1によれば、各フレーム画像に下記(i)又は(ii)の状態にある照明手段(演出LED)が含まれるような場合がある。
(i)1フレーム目の画像:消灯状態、2フレーム目の画像:点灯状態、3フレーム目の画像:消灯状態
(ii)1フレーム目の画像:点灯状態、2フレーム目の画像:消灯状態、3フレーム目の画像:点灯状態
すなわち、上記(i)及び(ii)の場合においては、第1差分画像(差分画像(1))及び第2差分画像(差分画像(2))に、照明手段(演出LED)の状態変化に起因する差分が含まれるため、第1差分画像(差分画像(1))と第2差分画像(差分画像(2))との論理積をとることで得られるAND画像にも照明手段(演出LED)が残ってしまう。しかしながら、第4実施形態に係るパチンコ遊技機1によれば、この場合、当該AND画像と、照明手段単体画像(演出LED単体画像)(遊技領域12aに遊技球が存在しない状態、且つ、照明手段(演出LED)を点灯させた状態で、遊技盤12を撮影することによって得られる画像)との差分に対応する画像が作成されるため、照明手段(演出LED)を画像から除去することが可能である。これにより、照明手段(演出LED)の状態が上記(i)又は(ii)の態様で変化した場合であっても、その影響を排除しつつ、遊技球の位置を高い精度で把握することができる。
なお、演出LEDの状態が上記(i)の態様で変化した場合については、図77〜図79を用いて説明した通りである。演出LEDの状態が上記(ii)の態様で変化した場合についても、同様の説明が妥当する。
さらに、演出LEDの状態が下記(a)又は(b)の態様で変化した場合についても、同様の説明が妥当する。
(a)1フレーム目の画像:消灯状態、2フレーム目の画像:点灯状態、3フレーム目の画像:点灯状態(時刻T2における演出LEDの輝度と、時刻T3における演出LEDの輝度とが異なる)
(b)1フレーム目の画像:点灯状態、2フレーム目の画像:点灯状態、3フレーム目の画像:消灯状態(時刻T1における演出LEDの輝度と、時刻T2における演出LEDの輝度とが異なる)
上記(a)としては、例えば、時刻T2(2フレーム目の画像の撮影タイミング)においては、演出LEDが最大輝度で点灯していたところ、時刻T3(3フレーム目の画像の撮影タイミング)では、演出LEDの輝度が低下していたような場合や、逆に、時刻T2(2フレーム目の画像の撮影タイミング)においては、演出LEDが最大輝度よりも低い輝度で点灯していたところ、時刻T3(3フレーム目の画像の撮影タイミング)では、演出LEDが最大輝度で点灯していたような場合等が挙げられる。同様に、上記(b)としては、例えば、時刻T1(1フレーム目の画像の撮影タイミング)においては、演出LEDが最大輝度よりも低い輝度で点灯していたところ、時刻T2(2フレーム目の画像の撮影タイミング)では、演出LEDが最大輝度で点灯していたような場合や、逆に、時刻T1(1フレーム目の画像の撮影タイミング)においては、演出LEDが最大輝度で点灯していたところ、時刻T2(2フレーム目の画像の撮影タイミング)では、演出LEDの輝度が低下していたような場合が挙げられる。
このように、第4実施形態に係るパチンコ遊技機1によれば、演出LEDが点灯している状態が継続している中で、その輝度が変化した場合であっても、その影響を排除しつつ、遊技球の位置を高い精度で把握することができる。その際、各時刻における演出LEDの輝度が最大輝度に対してどの程度の比率であるのかに基づいて、画像中の演出LEDに対応する領域の画素値、及び、遊技球に対応する領域の画素値に対して、2値化処理等を行うことにより、遊技球に対応する領域を抽出することとしてもよい。
なお、差分画像(1)と差分画像(2)とのAND画像、及び、演出LED単体画像に対する差分処理(図79参照)を実行するか否かは、1フレーム目の画像の撮影タイミング(時刻T1)、2フレーム目の画像の撮影タイミング(時刻T2)、及び、第3フレーム目の画像の撮影タイミング(時刻T3)における演出LEDの状態(消灯又は点灯、及び、点灯している場合における輝度)に基づいて判断すればよい。具体的に、演出LED(LED59)は、サブCPU201(ホスト制御回路)からLED制御回路207に対して送信されたランプリクエスト(メッセージ)に基づいて、LED制御回路207によって制御されるため(図26のステップS208参照)、サブCPU201は、当該ランプリクエストに含まれる演出内容の指定情報(演出情報)に基づいて、演出LEDの状態を認識することができる。当該演出情報に基づいて、差分画像(1)と差分画像(2)とのAND画像に演出LEDが含まれるような態様(例えば、上記(i)、(ii)、(a)、(b)のような態様)で演出LEDの状態が変化したか否かを判断することとし、そのような態様で演出LEDの状態が変化したと判断される場合に、差分画像(1)と差分画像(2)とのAND画像、及び、演出LED単体画像に対する差分処理(図79参照)を実行することとすればよい。
あるいは、前後フレーム間差分抽出(図31のステップS284参照)においては、差分画像(1)と差分画像(2)とのAND画像、及び、演出LED単体画像に対する差分処理(図79参照)は、一律実行しないこととしてもよい。この場合には、図78に示すように、差分画像(1)と差分画像(2)とのAND画像に演出LEDが含まれていたとしても、当該AND画像を、球位置画像(T2)(時刻T2における遊技球の位置を示す画像)として、処理を進めることになる。そうすると、遊技媒体追跡処理(図44参照)での検索において、一の演出LEDと当該演出LEDに近接して存在する一の遊技球とが双方とも一の検索範囲内に含まれるといった事態が発生し得る。遊技媒体追跡処理においてこのような問題が発生した時点で、差分画像(1)と差分画像(2)とのAND画像、及び、演出LED単体画像に対する差分処理(図79参照)を実行することとしてもよい。
なお、演出LED単体画像は、プログラムROM202等の記憶装置に予め記憶されていてもよいが、パチンコ遊技機の製造後、所定のタイミングで作成されることとしてもよい。例えば、電源を投入した際に演出LED単体画像が作成されるように構成してもよい、その場合には、演出LED単体画像を得るための撮影が完了するまで、発射ハンドルが回動操作されていても遊技球の発射が停止されるように構成してもよい。
(4−2) 遊技球が移動可能な遊技領域(遊技領域12a)及び照明手段(演出LED)が設けられた遊技盤(遊技盤12)と、
前記遊技盤を撮影可能なように配設された撮影装置(CCDカメラ1000)と、
前記遊技領域に遊技球が存在しない状態、且つ、前記照明手段を点灯させた状態で、前記遊技盤を撮影することによって得られる画像(図79に示す演出LED単体画像)を記憶する照明手段単体画像記憶手段(プログラムROM202)と、
前記遊技盤を撮影することによって得られる動画像として、連続する複数のフレーム画像を順次取得するフレーム画像取得手段(図31のステップS281の処理を実行するサブCPU201)と、
前記フレーム画像取得手段により取得される複数のフレーム画像のうち、連続する3つのフレーム画像を、それぞれ、第1フレーム画像(時刻T1に撮影されたフレーム画像)、第2フレーム画像(時刻T2に撮影されたフレーム画像)、及び、第3フレーム画像(時刻T3に撮影されたフレーム画像)と表記したとき、前記第1フレーム画像と前記第2フレーム画像と前記第3フレーム画像とに基づいて、前記第2フレーム画像に含まれる遊技球の位置を特定する位置特定手段(図31のステップS284の処理を実行するサブCPU201)と、を備え、
前記位置特定手段は、
前記第1フレーム画像と前記第2フレーム画像と前記第3フレーム画像とのうち、一のフレーム画像に含まれる前記照明手段の状態が、他のフレーム画像に含まれる前記照明手段の状態と異なる場合、前記照明手段単体画像記憶手段に記憶されている画像(図79に示す演出LED単体画像)に基づいて前記照明手段の状態変化の画像への現れを取り除くことにより、前記第2フレーム画像に含まれる遊技球の位置を特定する、
ことを特徴とする遊技機。
第4実施形態に係るパチンコ遊技機1によれば、1フレーム目の画像(時刻T1に撮影されたフレーム画像)と2フレーム目の画像(時刻T2に撮影されたフレーム画像)と3フレーム目の画像(時刻T3に撮影されたフレーム画像)とのうち、一のフレーム画像に含まれる照明手段(演出LED)の状態が、他のフレーム画像に含まれる照明手段(演出LED)の状態と異なる場合、照明手段単体画像(演出LED単体画像)(遊技領域12aに遊技球が存在しない状態、且つ、照明手段(演出LED)を点灯させた状態で、遊技盤12を撮影することによって得られる画像)に基づいて、照明手段(演出LED)の状態変化の画像への現れが取り除かれる。これにより、1フレーム目の画像の撮影タイミング(時刻T1)から3フレーム目の画像の撮影タイミング(時刻T3)までの間に、照明手段(演出LED)の状態が変化した場合であっても、その影響を排除しつつ、遊技球の位置を高い精度で把握することができる。
<前後フレーム間差分抽出(変形例)>
第4実施形態では、差分画像(1)と差分画像(2)とのAND画像、及び、演出LED単体画像に対して差分処理を実行することにより、演出LEDの状態変化の画像への現れを除去する場合について説明した。本発明において、演出LEDの状態変化の画像への現れを除去する方法は、この例に限定されない。以下、変形例について説明する。
図80は、前後フレーム間差分抽出の概念図である。図81は、演出LED以外の2フレーム目の画像を得る過程を示す図である。図82は、演出LED以外の2フレーム目の画像と1フレーム目の画像とから差分画像(1)を得る過程を示す図である。図83は、演出LED以外の2フレーム目の画像と3フレーム目の画像とから差分画像(2)を得る過程を示す図である。
図80に示すように、時刻T1では演出LEDが消灯しており、時刻T1と時刻T2との間に演出LEDが点灯し、時刻T2と時刻T3との間に演出LEDが消灯したと仮定する。この点は、図77と同様である。
まず、時刻T2に撮影されたフレーム画像(2フレーム目の画像)及び演出LED単体画像に対して差分処理を実行することにより、2フレーム目の画像と演出LED単体画像との差分に対応する画像(演出LED以外の2フレーム目の画像)を作成する。時刻T2における演出LEDの輝度は、演出LED単体画像を得るための撮影を行った際の演出LEDの輝度と同じ(最大輝度)であるとする。これにより、2フレーム目の画像から点灯状態の演出LEDが除去される。
次に、時刻T1に撮影されたフレーム画像(1フレーム目の画像)及び演出LED以外の2フレーム目の画像に対して差分処理を実行することにより、1フレーム目の画像と演出LED以外の2フレーム目の画像との差分に対応する画像(差分画像(1))を作成する。差分画像(1)の作成方法については、図37を用いて説明した通りである。ここで得られる差分画像(1)は、時刻T1における遊技球(遊技球120a)及び時刻T2における遊技球(遊技球120b)の位置情報を含んでいる。
次に、演出LED以外の2フレーム目の画像及び時刻T3に撮影されたフレーム画像(3フレーム目の画像)に対して差分処理を実行することにより、演出LED以外の2フレーム目の画像と3フレーム目の画像との差分に対応する画像(差分画像(2))を作成する。差分画像(2)の作成方法については、図38を用いて説明した通りである。ここで得られる差分画像(2)は、時刻T2における遊技球(遊技球120b)及び時刻T3における遊技球(遊技球120c)の位置情報を含んでいる。
次に、差分画像(1)と差分画像(2)との論理積をとる処理(AND処理)を行う。これにより、差分画像(1)と差分画像(2)との共通部分が抽出され、このようにして得られる画像(差分画像(1)と差分画像(2)とのAND画像)は、時刻T2における遊技球(遊技球120b)の位置情報を示すことになる。
以上のようにして、演出LED単体画像を利用することによって、演出LEDが除去された差分画像を論理積の対象とすることが可能であり、演出LEDの状態が図80に示す態様で変化した場合であっても、演出LEDの点灯及び消灯の影響を排除しつつ、時刻T2における遊技球の位置を検出することができる。
<付記5>
以上、第4実施形態の変形例について説明した。上記変形例に係るパチンコ遊技機1は、以下の特徴を備えている。
(5−1) 遊技球が移動可能な遊技領域(遊技領域12a)及び照明手段(演出LED)が設けられた遊技盤(遊技盤12)と、
前記遊技盤を撮影可能なように配設された撮影装置(CCDカメラ1000)と、
前記遊技領域に遊技球が存在しない状態、且つ、前記照明手段を点灯させた状態で、前記遊技盤を撮影することによって得られる画像(図81に示す演出LED単体画像)を記憶する照明手段単体画像記憶手段(プログラムROM202)と、
前記遊技盤を撮影することによって得られる動画像として、連続する複数のフレーム画像を順次取得するフレーム画像取得手段(図31のステップS281の処理を実行するサブCPU201)と、
前記フレーム画像取得手段により取得される複数のフレーム画像のうち、連続する3つのフレーム画像を、それぞれ、第1フレーム画像(時刻T1に撮影されたフレーム画像)、第2フレーム画像(時刻T2に撮影されたフレーム画像)、及び、第3フレーム画像(時刻T3に撮影されたフレーム画像)と表記したとき、前記第1フレーム画像、前記第2フレーム画像、及び、前記第3フレーム画像に対して差分処理を実行する差分手段と、
前記差分手段による差分処理に基づいて作成された差分画像同士(図82に示す差分画像(1)及び図83に示す差分画像(2))の論理積をとることにより、前記第2フレーム画像に含まれる遊技球の位置を特定する位置特定手段と、を備え、
前記差分手段は、
前記第1フレーム画像と前記第2フレーム画像と前記第3フレーム画像とのうち何れかのフレーム画像(時刻T2に撮影されたフレーム画像)に、点灯状態にある前記照明手段が含まれる場合に、前記照明手段単体画像記憶手段に記憶されている画像(図81に示す演出LED単体画像)に基づいて差分処理を実行する、
ことを特徴とする遊技機。
上記変形例に係るパチンコ遊技機1によれば、1フレーム目の画像(時刻T1に撮影されたフレーム画像)、2フレーム目の画像(時刻T2に撮影されたフレーム画像)、及び、3フレーム目の画像(時刻T3に撮影されたフレーム画像)が順次取得される。ここで、1フレーム目の画像の撮影タイミング(時刻T1)から3フレーム目の画像の撮影タイミング(時刻T3)までの間に、遊技球の位置変化以外に遊技盤12における環境変化が発生した場合、当該環境変化がフレーム画像に現れることとなる。しかしながら、上記変形例に係るパチンコ遊技機1によれば、このような環境変化の画像への現れは、差分画像同士(差分画像(1)及び(差分画像(2)))の論理積をとることによって、除去することが可能である。これにより、そのような環境変化が発生した場合であっても、当該環境変化に起因する画像への影響を排除しつつ、遊技球の位置を高い精度で把握することができる。
また、上記変形例に係るパチンコ遊技機1によれば、1フレーム目の画像(時刻T1に撮影されたフレーム画像)と2フレーム目の画像(時刻T2に撮影されたフレーム画像)と3フレーム目の画像(時刻T3に撮影されたフレーム画像)とのうち何れかのフレーム画像(2フレーム目の画像)に、点灯状態にある照明手段(演出LED)が含まれる場合には、照明手段単体画像(演出LED単体画像)(遊技領域12aに遊技球が存在しない状態、且つ、照明手段(演出LED)を点灯させた状態で、遊技盤12を撮影することによって得られる画像)に基づいて差分処理が実行される。これにより、照明手段(演出LED)を画像から除去することが可能であるため、照明手段(演出LED)が遊技球として誤検出されてしまうことを防止することができる。その結果、遊技球の位置を高い精度で把握することができる。
(5−2) 前記(5−1)の遊技機であって、
前記照明手段を用いた演出を制御する演出制御手段(図26のステップS208の処理を実行するサブCPU201)を備え、
前記照明手段単体画像記憶手段は、前記遊技領域に遊技球が存在しない状態、且つ、前記照明手段を最大輝度で点灯させた状態で、前記遊技盤を撮影することによって得られる最大輝度点灯画像(図81に示す演出LED単体画像)を記憶しており、
前記差分手段は、
前記演出制御手段による演出を制御するための演出情報に基づいて、前記第1フレーム画像と前記第2フレーム画像と前記第3フレーム画像とのうち何れかのフレーム画像(例えば、時刻T2に撮影されたフレーム画像)に含まれる前記照明手段が、所定の輝度以上で点灯していると判断される場合、該フレーム画像と前記最大輝度点灯画像との差分に対応する差分画像(図81に示す演出LED以外の2フレーム目の画像)を作成する輝度調整手段と、
前記輝度調整手段により作成された差分画像と、該フレーム画像以外のフレーム画像との差分に対応する差分画像(図82に示す差分画像(1)及び図83に示す差分画像(2))を作成する論理積対象用差分画像作成手段と、を備え、
前記位置特定手段は、
前記論理積対象用差分画像作成手段により作成された差分画像を用いて、差分画像同士の論理積をとることにより、前記第2フレーム画像に含まれる遊技球の位置を特定する、
ことを特徴とする。
一定以上の輝度を有する照明手段(演出LED)が画像に含まれる場合には、照明手段(演出LED)が遊技球として誤検出されてしまうことが懸念される。この点、上記変形例に係るパチンコ遊技機1によれば、1フレーム目の画像(時刻T1に撮影されたフレーム画像)と2フレーム目の画像(時刻T2に撮影されたフレーム画像)と3フレーム目の画像(時刻T3に撮影されたフレーム画像)とのうち何れかのフレーム画像(2フレーム目の画像)に含まれる照明手段(演出LED)が、所定の輝度以上(最大輝度)で点灯していると判断される場合、該フレーム画像(2フレーム目の画像)と最大輝度点灯画像(演出LED単体画像)(遊技領域12aに遊技球が存在しない状態、且つ、照明手段(演出LED)を最大輝度で点灯させた状態で、遊技盤12を撮影することによって得られる画像)との差分に対応する差分画像(演出LED以外の2フレーム目の画像)が作成される。これにより、画像に含まれる照明手段(演出LED)の輝度を減殺することが可能であり、照明手段(演出LED)が遊技球として誤検出されてしまうことを防止することができる。
上記変形例では、2フレーム目の画像の撮影タイミング(時刻T2)における演出LEDの輝度が最大輝度であり、当該タイミングで撮影された2フレーム目の画像と、最大輝度点灯画像(演出LED単体画像)との差分がとられる場合について説明した。しかし、最大輝度点灯画像(演出LED単体画像)との差分がとられるフレーム画像(2フレーム目の画像)の撮影タイミング(時刻T2)における演出LEDの輝度は、最大輝度でなくてもよく、所定の輝度以上(例えば、最大輝度の50%以上の輝度)であればよい。所定の輝度以上であれば、差分画像に含まれる演出LEDに対応する領域の画素値は、相対的に小さくなるため、必要に応じて2値化処理を行うことにより、演出LEDを除去することが可能となる。
また、上記変形例では、2フレーム目の画像と演出LED単体画像との差分に対応する画像(演出LED以外の2フレーム目の画像)を作成した後、当該演出LED以外の2フレーム目の画像と、1フレーム目の画像及び3フレーム目の画像それぞれとの差分をとることとして説明した。図84には、さらに別の例を示している。
図84は、前後フレーム間差分抽出の概念図である。この例では、図80と同じ態様で演出LEDの状態が変化している。差分画像(1)の作成方法は、図80と同様である。これに対し、差分画像(2)の作成方法は、図80と異なっており、差分画像(2)は、演出LED単体画像を用いることなく、単に2フレーム目の画像と3フレーム目の画像との差分をとることにより作成される。このような方法でも、差分画像(1)と差分画像(2)との論理積をとれば、演出LEDは除去され、演出LEDの点灯及び消灯の影響を排除しつつ、時刻T2における遊技球の位置を検出することができる。
また、図示しないが、第4実施形態と同様の方法により差分画像(1)及び差分画像(2)を作成した後(図78参照)、それらのAND画像を作成する前に、差分画像(1)及び差分画像(2)の一方又は双方に対して演出LED単体画像を用いて差分処理を行うこととし、その後論理積をとることによっても、AND画像として、演出LEDの除去された画像を得ることができる。このように、本発明において、演出LED単体画像を用いて差分処理を行うタイミング(当該差分処理の対象となる画像)は、特に限定されず、当該差分処理の対象となる画像を適宜設定することにより、演出LEDを除去することが可能である。
また、以上では、演出LEDの状態変化の画像への現れを除去する場合について説明したが、本発明を適用すれば、演出LED以外の物体の状態変化を画像から取り除くことも可能である。そのような物体としては、第1実施形態で説明した可動部材(遊技盤における所定位置を基準として(位置を変化させずに)動作を行うことにより、その外観を経時的に変化させる物体)を挙げることができる。そのような可動部材には、例えば、入賞口(始動口)への遊技球の入球を可能にする状態(開放状態)と遊技球の入球を不可能又は困難にする状態(閉鎖状態)とを切り替え可能な(開閉動作を行う)役物(電動チューリップ型の役物や羽根状の役物等)が含まれる。また、そのような可動部材は、モータやソレノイド等の駆動手段によって駆動可能な装飾部材であってもよい。こうした駆動可能な装飾部材が可動役物として設けられている場合であっても、当該装飾部材の状態変化を画像から取り除くことができる。一例として、こうした可動部材の外観が、各フレームの撮影タイミングにおいて、第1の外観→第2の外観→第1の外観と変化するような場合を想定する。このような場合であっても、演出LED単体画像の代わりに、可動部材単体画像を用いて差分処理を実行することにより、可動部材を画像から取り除くことができる。可動部材単体画像は、例えば、遊技領域に遊技球が存在しない状態、且つ、可動部材が第1の外観となっている状態で遊技盤を撮影した場合と、遊技領域に遊技球が存在しない状態、且つ、可動部材が第2の外観となっている状態で遊技盤を撮影した場合とで、それぞれ得られる画像の差分をとることによって得ることができる。これにより、可動部材の外観変化に起因する画像への影響を排除しつつ、遊技球の位置を的確に把握することができる。
[第5実施形態]
以上、第1実施形態〜第4実施形態について説明した。以下、第5実施形態について説明する。第5実施形態に係るパチンコ遊技機1の基本的な構成は、第1実施形態〜第4実施形態に係るパチンコ遊技機1と同じである。以下においては、第1実施形態〜第4実施形態に係るパチンコ遊技機1の構成要素と同一の構成要素には、同一の符号を付して説明することとする。また、第1実施形態〜第4実施形態における説明が第5実施形態においても当てはまる部分については、説明を省略することとする。
<詰まり・消失検知>
第1実施形態では、詰まり・消失検知に係る処理(図31のステップS288参照)として、図49に示す処理が行われることとして説明した。これに対し、第5実施形態では、図85に示す処理が行われる。
図85は、本発明の一実施形態に係るパチンコ遊技機において実行される詰まり・消失検知に係る処理を示すフローチャートである。図86は、球詰まりマークについて説明するための図である。図87は、球詰まり解消検知の領域について説明するための図である。
図85に示す詰まり・消失検知に係る処理において、まず、サブCPU201は、同箇所付近で消失が複数発生したか否かを判断する(ステップS1601)。ここで、「消失」とは、IDが解放されること(図44のステップS308及び図49のステップS352参照)を指している。ステップS1601の処理において、サブCPU201は、所定範囲内の領域において所定時間以内に所定回数(例えば、3回)以上、IDの解放が行われたか否かを判断する。「所定範囲内の領域」とは、排出領域(図41参照)又は消失検知の領域(図50(b)参照)である。なお、図示しないが、前提として、図49のステップS351〜ステップS355の処理と同様の処理(消失検知の領域を設定するための処理)が行われている。
なお、遊技球の追跡が不可能であると判断された場合や、撮影により得られた画像(前後フレーム間差分抽出処理(図31のステップS284参照)で作成された球位置画像)において遊技球が検出されなかった場合(遊技球を見失ったことによりエラー報知が行われた場合等、例えば、図72のステップS1421等参照)にIDを解放することとし、このようなIDの解放を上記「消失」に含めることとしてもよい。また、第1実施形態では説明しなかったが、遊技球と同様に、消失ポイントも、IDを対応付けることにより管理することとしてもよい。例えば、ID(1)の遊技球が一定時間以上動いていない(同じ位置に停留している)と判断されることにより、当該停留位置が消失ポイントとして設定されるとともに、ID(1)が追跡対象のIDから解放されたとする(図49のステップS351〜ステップS353参照)。そして、この場合において、当該消失ポイントにID(1)が対応付けられることにより、当該消失ポイントがIDで管理されているとする。このような状況において、ID(1)は既に追跡対象から解放されているため、新たに遊技領域12aに放出された遊技球(図41に示す射出領域を通過した遊技球)に対して、ID(1)が割り当てられることが想定される。そうすると、ID(1)により管理されている消失ポイントと、ID(1)により管理されている遊技球とが、併存することになる。そこで、このように消失ポイントをIDで管理する場合には、時間情報を対応付けることにする。すなわち、上記の例では、消失ポイントにID(1)を対応付ける際、その時点の時刻を示す時間情報を併せて対応付ける。また、その後、新たに遊技領域12aに放出された遊技球にID(1)を対応付ける際、その時点の時刻を示す時間情報を併せて対応付ける。これにより、当該時間情報(IDの新旧)に基づいて、上記のようなID(1)により管理されている消失ポイントと、ID(1)により管理されている遊技球とを、明確に区別することができる。なお、消失ポイントを一のIDにより管理している場合、当該消失ポイントが解除されるまで(ワークRAM203から削除されるまで)は、新たに遊技領域12aに放出された遊技球に対して当該IDを割り当てないこととしてもよい。
所定範囲内の領域において所定時間以内に所定回数(例えば、3回)以上、IDの解放が行われたと判断した場合、サブCPU201は、当該所定範囲内の領域が排出領域(図41参照)であるか否かを判断する(ステップS1602)。
当該所定範囲内の領域が排出領域ではないと判断した場合、サブCPU201は、球詰まりであると判定し、該当箇所に球詰まりマークを付与する(ステップS1603)。この処理において、サブCPU201は、図49のステップS357と同様の処理を行う。また、サブCPU201は、消失検知の領域に存在する所定数以上の消失ポイントのうち、一番最初に設定された消失ポイント(例えば、ID(1)の遊技球に対応する消失ポイント)を基準として、球詰まりマークを設定する(図86(a)参照)。球詰まりマークは、当該一番最初に設定された消失ポイントを中心とする所定の大きさの円である。
図86(a)に示すように、消失検知の領域に存在する所定数以上の消失ポイントは全て、少なくともその一部が、球詰まりマークとして設定された円の内部に属している。なお、第1実施形態で説明したように、消失ポイントの設定は、所定時間が経過した後解除されるが(図49のステップS353参照)、球詰まりマークの設定は、所定時間が経過しても解除されない。図86(b)では、ID(1)の遊技球に対応する消失ポイントの設定が解除された後も、球詰まりマークの設定が残っている様子を示している。このようにして設定された球詰まりマークを示す情報は、ワークRAM203に記憶される。なお、図86(b)に示すように、一番最初に設定された(一番古い)消失ポイント(ID(1)の遊技球に対応する消失ポイント)の設定が解除された後は、その次に古い消失ポイント(ID(2)の遊技球に対応する消失ポイント)を基準として新たに消失検知の領域が設定され、当該消失検知の領域に基づいて、球詰まり判定に係る処理(図49のステップS356及びステップS357参照)がさらに行われることになる。
ステップS1603の処理を実行した後、サブCPU201は、本サブルーチンを終了する。
ステップS1601において、所定範囲内の領域において所定時間以内に所定回数以上、IDの解放が行われたわけではないと判断した場合、又は、ステップS1602において、IDの解放が行われた領域が排出領域であると判断した場合、サブCPU201は、球詰まりマーク(図86参照)が設定されているか否かを判断する(ステップS1604)。球詰まりマークが設定されていないと判断した場合、サブCPU201は、本サブルーチンを終了する。
一方、球詰まりマークが設定されていると判断した場合、サブCPU201は、当該球詰まりマーク内の遊技球(消失ポイント)の直線上且つ遠方(下方)を遊技球が通過したか否かを判断する(ステップS1605)。この処理において、サブCPU201は、現在管理されている全てのIDについて、ワークRAM203において対応付けられた位置情報(図44のステップS304参照)を参照し、球詰まり解消検知の領域に遊技球が存在するか否かを判断する。
球詰まり解消検知の領域の例を、図87に示している。図中のID(1)〜ID(3)は、球詰まりマークとして設定された円(図86(a)参照)の内部に含まれている消失ポイントを示している。球詰まりマークとして設定された円の内部に含まれている消失ポイントを、球詰まり対象消失ポイントと呼ぶこととする。図87の例において、球詰まり解消検知の領域は、各球詰まり対象消失ポイントと、辺Aと、辺Bと、辺Cと、によって囲まれる領域(図中の斜線で示す領域)である。辺Aは、左端に位置する球詰まり対象消失ポイント(この例では、ID(2)に対応する消失ポイント)の左端部における接線に沿った辺である。辺Cは、右端に位置する球詰まり対象消失ポイント(この例では、ID(3)に対応する消失ポイント)の右端部における接線に沿った辺である。辺Bは、当該球詰まりマークの基準となった消失ポイント(この例では、ID(1)に対応する消失ポイント)の重心からの距離がDとなるような辺であり、各球詰まり対象消失ポイントよりも下側に位置している。距離Dは、予め定められた一定の値であるが、その値は特に限定されず、球詰まりマークの基準となった消失ポイント(例えば、ID(1)に対応する消失ポイント)と、画像の下端との距離であってもよい(すなわち、辺Bは、画像の下辺と一致してもよい)。換言すると、球詰まり解消検知の領域は、左端に位置する球詰まり対象消失ポイント(例えば、ID(2)に対応する消失ポイント)を下方に向かって真っ直ぐ移動させた場合に描かれる軌跡の範囲と、右端に位置する球詰まり対象消失ポイント(例えば、ID(3)に対応する消失ポイント)を下方に向かって真っ直ぐ移動させた場合に描かれる軌跡の範囲と、これらの軌跡によって挟まれた範囲とから構成される。
ステップS1605において、サブCPU201は、このようにして設定される球詰まり解消検知の領域に基づいて、当該領域に遊技球が存在するか否かを判断する。なお、図68を用いて説明したように、遊技球は、ある程度の大きさをもって、画像上の領域に位置しているところ、一の遊技球全体が球詰まり解消検知の領域に属している場合に、サブCPU201は、当該遊技球が球詰まり解消検知の領域に存在すると判断する。図87では、ID(X)の遊技球が球詰まり解消検知の領域に存在している様子を示している。
球詰まり解消検知の領域に遊技球が存在すると判断した場合、サブCPU201は、球詰まりが解消したと判定し、該当箇所の球詰まりマークを削除する(ステップS1606)。この処理において、サブCPU201は、ステップS1603で設定した球詰まりマークをクリアする。
ステップS1605において球詰まり解消検知の領域に遊技球が存在しないと判断した場合、又は、ステップS1606の処理を実行した後、サブCPU201は、本サブルーチンを終了する。
以上、本発明の一実施形態として、第5実施形態に係るパチンコ遊技機1について説明した。
<付記6>
従来、パチンコ遊技機における遊技領域を転動する遊技球をカメラ等の撮影装置で撮影し、撮影によって得られる画像を解析することによって、遊技球の動きを追跡する技術が知られている(特開2005−237864号公報参照)。
本発明者は、上述したような遊技球を追跡する技術について鋭意検討を行う過程において、遊技球の移動軌跡が異常なものである場合に、そのことを検出する技術を開発した。こうした異常を検出することは、異常の原因に対して適切に対処する上で有用である。
そして、このような異常を検出する技術を採用する場合、いったん異常が検出されれば、それ以上、異常な軌跡を描く遊技球を追跡しても意味がないため、遊技球の追跡をいったん中断することが考えられる。しかしながら、異常が解消して、遊技球の移動軌跡が正常なものとなっているにもかかわらず、遊技球の追跡が再開されないとすれば、追跡の精度が低下してしまうことになる。
本発明は、上記のような問題点に鑑みてなされたものであり、遊技球の追跡を高い精度で行うことが可能な遊技機を提供することを目的とする。
この点、第5実施形態に係るパチンコ遊技機1は、以下の特徴を備えている。
(6−1) 遊技球が移動可能な遊技領域(遊技領域12a)を備える遊技盤(遊技盤12)と、
前記遊技領域を撮影可能なように配設された撮影装置(CCDカメラ1000)と、
前記遊技領域を撮影することによって得られる動画像として、連続する複数のフレーム画像を順次取得するフレーム画像取得手段(図31のステップS281の処理を実行するサブCPU201)と、
前記フレーム画像取得手段により取得される各フレーム画像に含まれる遊技球の位置を特定する位置特定手段(図31のステップS284及びステップS286の処理を実行するサブCPU201)と、
連続する所定数のフレーム画像に亘って、一の遊技球の位置が変化していない場合に、該一の遊技球が同じ位置に留まる停留現象が発生したと認識する停留現象認識手段(図49のステップS351〜ステップS353の処理を実行するサブCPU201)と、
一の遊技球について前記停留現象認識手段により前記停留現象が発生したと認識された場合において、該一の遊技球のフレーム画像における位置を基準とした所定範囲(図50(b)に示す消失検知の領域)内で、該一の遊技球以外のN個(Nは整数)以上の遊技球についても、前記停留現象認識手段により前記停留現象が発生したと認識された場合に、前記所定範囲内で前記停留現象が繰り返される詰まり現象が発生したと認識する詰まり現象認識手段(図49のステップS354〜ステップS357の処理を実行するサブCPU201)と、
前記詰まり現象認識手段により前記詰まり現象が発生したと認識された後、前記位置特定手段により特定された遊技球の位置が、該詰まり現象が発生している状態においては遊技球が存在することが困難又は不可能な領域として、該詰まり現象が発生している位置に応じて設定される詰まり解消判定用領域(例えば、図87に示す球詰まり解消検知の領域)に属すると判定された場合、該詰まり現象が解消したと認識する詰まり解消認識手段(図85のステップS1605及びステップS1606の処理を実行するサブCPU201)と、
を備えることを特徴とする遊技機。
遊技球同士が積み重なることで詰まり(球詰まり)が発生している場合、遊技店としては、そのような詰まり(異常)の原因に対して適切に対処することが必要である。ここで、こうした詰まり(球詰まり)が発生している場合には、一の遊技球が同じ位置に留まる停留現象が発生していると考えられる。この点、第5実施形態に係るパチンコ遊技機1によれば、連続する所定数のフレーム画像に亘って、一の遊技球の位置が変化していない場合に、該一の遊技球について停留現象(「消失」)が発生したと認識される。そして、該一の遊技球のフレーム画像における位置を基準とした所定範囲(消失検知の領域)内で、該一の遊技球以外のN個(例えば、2個)以上の遊技球についても停留現象(「消失」)が発生したと認識された場合に、詰まり現象(球詰まり)が発生したと認識される。これにより、遊技球同士が積み重なることで詰まり(球詰まり)が発生していることを検出することが可能であり、詰まり(球詰まり)に起因する問題を除去する機会を得ることができる。
特に、パチンコ遊技においては、「ぶどう」と呼ばれる球詰まり現象が知られている。「ぶどう」とは、複数の遊技球が釘の間に挟まって積み重なることで発生するものであり、ぶどうの房のような塊が形成されることから、このように呼ばれている。「ぶどう」は、遊技中に自然に発生することもあるが、悪意を持った遊技者が、磁石を用いることによって、意図的に「ぶどう」を作り出すこともある。後者に関しては、「ぶどう」を利用することによって遊技球を始動領域等へと誘導して出玉を獲得しようとする不正行為(所謂「ぶどうゴト」)として知られており、警戒されている。第5実施形態に係るパチンコ遊技機1によれば、このような「ぶどう」が発生したことを検出することが可能であり、「ぶどうゴト」が行われてしまうことを未然に防止することができる。
また、第5実施形態に係るパチンコ遊技機1によれば、詰まり現象(球詰まり)が発生したと認識された後、遊技球の位置が、該詰まり現象(球詰まり)が発生している状態においては遊技球が存在することが困難又は不可能な領域として設定された詰まり解消判定用領域(球詰まり解消検知の領域)に属すると判定された場合、該詰まり現象(球詰まり)が解消したと認識される。これにより、詰まり(異常)が発生したことにより、遊技球の追跡を中断していた場合であっても、詰まり(異常)が解消した場合には、追跡を速やかに再開することが可能であり、追跡の精度が低下してしまうことを防止することができる。
<詰まり・消失検知(変形例)> 第1実施形態では、下記(i)及び(ii)のうち少なくとも一方の条件が成立した場合に、球詰まりが発生した旨判定されることとして説明した。
(i)遊技球の位置が所定時間に亘って変化しないという現象(消失)が、所定の領域内において所定回数以上発生すること
(ii)一の遊技球の位置と他の遊技球の位置とが画像上で重なり合うこと(重なり)が、所定の領域内において所定数以上発生すること
第5実施形態では、上記(i)の条件についてのみ説明したが、本発明においては、球詰まりが発生した旨判定するための条件として、上記(i)の条件又は上記(ii)の条件を単独で採用してもよいし、上記(i)及び上記(ii)双方の条件を併用することとしてもよい。以下、変形例として、上記(i)及び上記(ii)双方の条件を併用する場合について説明する。
図88は、本発明の一実施形態に係るパチンコ遊技機において実行される詰まり・消失検知に係る処理を示すフローチャートである。図89は、本発明の一実施形態に係るパチンコ遊技機において実行される詰まり解消検知に係る処理を示すフローチャートである。図90は、球詰まり解消検知の領域について説明するための図である。
図88に示す詰まり・消失検知に係る処理において、まず、サブCPU201は、ステップS2351〜ステップS2353の処理を実行するが、これらの処理は、図49のステップS351〜ステップS353の処理と同様の処理であるため、ここでの説明は省略する。
ステップS2351において一定時間以上動いていない遊技球が存在しないと判断した場合、又は、ステップS2353の処理を実行した後、サブCPU201は、詰まりフラグがオンにセットされているか否かを判断する(ステップS2354)。詰まりフラグは、球詰まりが発生したことを示すフラグである(ステップS2360及びステップS2366参照)。
詰まりフラグがオンにセットされていないと判断した場合、サブCPU201は、ステップS2355〜ステップS2357の処理を実行するが、これらの処理は、図49のステップS354〜ステップS356の処理と同様の処理であるため、ここでの説明は省略する。
ステップS2357において、ステップS2356で設定した消失検知の領域に消失ポイントが所定数(例えば、3つ)以上存在すると判断した場合、サブCPU201は、エラー報知を行う(ステップS2358)。この処理において、サブCPU201は、球詰まりが発生したことを示す球詰まり発生信号を表示制御回路205や音声制御回路206に送信する。これにより、球詰まりが発生したことを報知する画像が液晶表示装置13に表示されたり、球詰まりが発生したことを報知する音がスピーカ11から出力されたりする。また、サブCPU201は、ホール(遊技場)内のパチンコ遊技機を管理するホールコンピュータに対して、球詰まりが発生したことを示す球詰まり発生信号を送信する。
次に、サブCPU201は、再報知用タイマの加算を開始する(ステップS2359)。再報知用タイマの値は、球詰まりが発生した旨判定されてからの経過時間に対応しており、再度エラー報知を行う際に用いられる(図89のステップS2404参照)。その後、サブCPU201は、詰まりフラグをオンにセットし(ステップS2360)、本サブルーチンを終了する。
ステップS2355において消失ポイントが所定数(例えば、3つ)未満しか設定されていないと判断した場合、サブCPU201は、他の遊技球と重なっている遊技球が存在するか否かを判断する(ステップS2361)。この処理において、サブCPU201は、図49のステップS358と同様に、前後フレーム間差分抽出処理(図31のステップS284参照)により得られた球位置画像上において、遊技球同士の重なり(図50(c)参照)が発生しているか否かを判断する。なお、上述したように、球位置画像中における遊技球の位置は、XY直交座標平面(図69参照)上の遊技球の重心の位置座標(X軸座標の値及びY軸座標の値)により表される。そして、球位置画像において、遊技球は一定の大きさを有する円であり、当該円の中心は上記重心と一致する。ここで、一の遊技球(例えば、ID(1)の遊技球)及び他の遊技球(例えば、ID(2)の遊技球)について、中心(重心)の位置をそれぞれ、(X1,Y1)及び(X2,Y2)とし、半径をそれぞれ、r1及びr2とする。(X1,Y1)と(X2,Y2)との距離が、これらの遊技球に対応する2つの円の半径の合計(r1+r2)よりも短ければ、これらの2つの遊技球は重なることになる。サブCPU201は、このように、2つの遊技球に対応する円の中心間の距離と半径の合計との大小関係を比較することにより、これらの2つの遊技球の間に重なりが発生しているか否かを判断することができる。
あるいは、サブCPU201は、以下のようにして、2つの遊技球の間に重なりが発生しているか否かを判断してもよい。ここでは、ID(1)の遊技球(半径r1)とID(2)の遊技球(半径r2)とが左右に並んでおり、ID(1)の遊技球の方がID(2)の遊技球よりも、左側に位置しているとする。そして、ID(1)の遊技球の左端部のX座標の値をX1、右端部のX座標の値をX2とし、ID(2)の遊技球の左端部のX座標の値をX3、右端部のX座標の値をX4とする。ID(1)の遊技球とID(2)の遊技球とが重なっている場合には、X1<X3<X2<X4という関係や、X4−X1<(r1+r2)×2という関係が成立することになる。同様に、ID(1)の遊技球(半径r1)とID(2)の遊技球(半径r2)とが上下に並んでおり、ID(1)の遊技球の方がID(2)の遊技球よりも、上側に位置しているとする。そして、ID(1)の遊技球の上端部のY座標の値をY1、下端部のY座標の値をY2とし、ID(2)の遊技球の上端部のY座標の値をY3、下端部のY座標の値をY4とする。ID(1)の遊技球とID(2)の遊技球とが重なっている場合には、Y1<Y3<Y2<Y4という関係や、Y4−Y1<(r1+r2)×2という関係が成立することになる。サブCPU201は、2つの遊技球の間に重なりが発生しているか否かを判断するに当たって、以上のような関係の成否を判断することとしてもよい。なお、以上では、遊技球の位置を二次元座標で表した場合について説明したが、上述したように、遊技球の位置を三次元座標で表すことも可能であり、その場合にも、サブCPU201は、同様にして、2つの遊技球の間に重なりが発生しているか否かを判断することができる。
ステップS2361において遊技球同士の重なりが発生していると判断した場合、サブCPU201は、ステップS2362及びステップS2363の処理を実行するが、これらの処理は、図49のステップS359及びステップS360の処理と同様の処理である。ステップS2363について、図49のステップS360で説明しなかった点について補足すると、この処理において、サブCPU201は、ステップS2361の処理結果に基づいて、各重なり(一の遊技球(例えば、ID(1)の遊技球)と他の遊技球(例えば、ID(2)の遊技球)との重複部分)について、当該重複部分の位置座標を特定し、当該位置座標がステップS2362で設定した重なり検知の領域内に存在するか否かを判断する。そして、サブCPU201は、重なり検知の領域内に存在する重なり(重複部分)の個数をカウントし、カウントされた個数が所定数以上であるか否かを判断する。
ステップS2363において、ステップS2362で設定した重なり検知の領域内に存在する重なり(重複部分)の個数が所定数(例えば、5つ)以上であると判断した場合、サブCPU201は、ステップS2364〜ステップS2366の処理を実行するが、これらの処理は、ステップS2358〜ステップS2360の処理と同様の処理であるため、ここでの説明は省略する。その後、サブCPU201は、本サブルーチンを終了する。
ステップS2354において詰まりフラグがオンにセットされていると判断した場合、サブCPU201は、詰まり解消検知に係る処理を実行し(ステップS2367)、本サブルーチンを終了する。以下、図89を用いて、詰まり解消検知に係る処理について説明する。
詰まり解消検知に係る処理において、まず、サブCPU201は、球詰まり解消検知の領域に遊技球が存在するか否かを判断する(ステップS2401)。球詰まり解消検知の領域としては、図87に示した領域を採用することができるが、ここでは、図90を用いて、球詰まり解消検知の領域の別の例について説明する。
図90(a)は、「遊技球の位置が所定時間に亘って変化しないという現象(消失)が、所定の領域内において所定回数以上発生すること」(上記(i)の条件)が成立することにより、球詰まりが発生した旨判定された場合(図88のステップS2360において詰まりフラグがオンにセットされた場合)に用いられる球詰まり解消検知の領域を示している。図90(b)は、「一の遊技球の位置と他の遊技球の位置とが画像上で重なり合うこと(重なり)が、所定の領域内において所定数以上発生すること」(上記(ii)の条件)が成立することにより、球詰まりが発生した旨判定された場合(図88のステップS2366において詰まりフラグがオンにセットされた場合)に用いられる球詰まり解消検知の領域を示している。
図90(a)に示す球詰まり解消検知の領域は、各球詰まり対象消失ポイントと、辺Aと、辺Bと、辺Cと、によって囲まれる領域(図中の斜線及び網掛けで示す領域)である。ここでの球詰まり対象消失ポイントは、消失検知の領域(図50(b)参照)に存在する消失ポイントを指す。消失検知の領域は、長方形の形状を有しているところ、辺Aは、消失検知の領域(長方形)の左辺と同一直線上にあり、辺Cは、消失検知の領域(長方形)の右辺と同一直線上にある。辺Bは、当該消失検知の領域の基準となった消失ポイントの重心からの距離がDとなるような辺であり、各球詰まり対象消失ポイントよりも下側に位置している。辺Bについては、図87に示す球詰まり解消検知の領域と同様である。図90(a)において網掛けで示す領域は、消失検知の領域と球詰まり解消検知の領域とが重複する部分である。
図90(b)に示す球詰まり解消検知の領域は、各球詰まり対象遊技球と、辺Aと、辺Bと、辺Cと、によって囲まれる領域(図中の斜線及び網掛けで示す領域)である。ここでの各球詰まり対象遊技球は、重なり検知の領域(図50(c)参照)に重なり(他の遊技球との重複部分)を有している遊技球を指す。重なり検知の領域は、長方形の形状を有しているところ、辺Aは、重なり検知の領域(長方形)の左辺と同一直線上にあり、辺Cは、重なり検知の領域(長方形)の右辺と同一直線上にある。辺Bは、当該重なり検知の領域の基準となった遊技球の重心からの距離がDとなるような辺であり、各球詰まり対象遊技球よりも下側に位置している。辺Bについては、図87に示す球詰まり解消検知の領域と同様である。図90(b)において網掛けで示す領域は、重なり検知の領域と球詰まり解消検知の領域とが重複する部分である。
図89のステップS2401の処理において、サブCPU201は、図88のステップS2360において詰まりフラグがオンにセットされた場合には、図90(a)に示す球詰まり解消検知の領域に遊技球が存在するか否かを判断し、図88のステップS2366において詰まりフラグがオンにセットされた場合には、図90(b)に示す球詰まり解消検知の領域に遊技球が存在するか否かを判断する。図90(a)及び図90(b)では、ID(X)の遊技球が球詰まり解消検知の領域に存在している様子を示している。
球詰まり解消検知の領域に遊技球が存在すると判断した場合、サブCPU201は、球詰まりが解消した旨の報知を行う(ステップS2402)。この処理において、サブCPU201は、球詰まりが解消したことを示す球詰まり解消信号を表示制御回路205や音声制御回路206に送信する。これにより、球詰まりが解消したことを報知する画像が液晶表示装置13に表示されたり、球詰まりが解消したことを報知する音がスピーカ11から出力されたりする。また、サブCPU201は、ホール(遊技場)内のパチンコ遊技機を管理するホールコンピュータに対して、球詰まりが解消したことを示す球詰まり解消信号を送信する。
その後、サブCPU201は、詰まりフラグをオフにセットする(ステップS2403)。図示しないが、遊技球の追跡に係る処理(図31のステップS284〜ステップS287参照)は、詰まりフラグがオフにセットされていることを条件として実行される。従って、遊技球の追跡は、図88のステップS2360又はステップS2366において詰まりフラグがオンにセットされることにより中断され、図89のステップS2403において詰まりフラグがオフにセットされることにより再開されることになる。ステップS2403の処理を実行した後、サブCPU201は、本サブルーチンを終了する。
ステップS2401において球詰まり解消検知の領域に遊技球が存在しないと判断した場合、サブCPU201は、再報知用タイマの値(図88のステップS2359及びステップS2365参照)が所定値以上であるか否かを判断する(ステップS2404)。
再報知用タイマの値が所定値以上であると判断した場合、サブCPU201は、再度エラー報知を行う(ステップS2405)。上述したように、再報知用タイマの値は、球詰まりが発生した旨判定されてからの経過時間に対応しており、再報知用タイマの値が所定値以上であるということは、球詰まりが発生している状態が一定時間以上継続していることを意味する。
ステップS2405の処理において、サブCPU201は、球詰まりが継続していることを示す球詰まり継続信号を表示制御回路205や音声制御回路206に送信する。これにより、球詰まりが継続していることを報知する画像が液晶表示装置13に表示されたり、球詰まりが継続していることを報知する音がスピーカ11から出力されたりする。また、サブCPU201は、ホール(遊技場)内のパチンコ遊技機を管理するホールコンピュータに対して、球詰まりが継続していることを示す球詰まり継続信号を送信する。これにより、ホールの店員等に対して、球詰まりが継続していることについて注意喚起をするとともに、ぶどうゴトが行われてしまう可能性のある状況となっていることについて、警告を発することができる。
ステップS2404において再報知用タイマの値が所定値未満であると判断した場合、又は、ステップS2405の処理を実行した後、サブCPU201は、本サブルーチンを終了する。
以上、第5実施形態の変形例について説明した。上記変形例に係るパチンコ遊技機1は、以下の特徴を備えている。
(6−2) 遊技球が移動可能な遊技領域(遊技領域12a)を備える遊技盤(遊技盤12)と、
前記遊技領域を撮影可能なように配設された撮影装置(CCDカメラ1000)と、
前記遊技領域を撮影することによって得られる動画像として、連続する複数のフレーム画像を順次取得するフレーム画像取得手段(図31のステップS281の処理を実行するサブCPU201)と、
前記フレーム画像取得手段により取得される各フレーム画像に含まれる複数の遊技球の位置を特定する位置特定手段(図31のステップS284及びステップS286の処理を実行するサブCPU201)と、
前記位置特定手段によりフレーム画像に含まれる複数の遊技球の位置が特定された場合において、一の遊技球の位置と他の遊技球の位置とが重なっている場合に、該一の遊技球と該他の遊技球との間で重なり現象が発生していると認識する重なり現象認識手段(図49のステップS358の処理を実行するサブCPU201)と、
前記重なり現象認識手段により一の遊技球と他の遊技球との間で前記重なり現象が発生していると認識された場合において、該一の遊技球のフレーム画像における位置を基準とした所定範囲(図50(c)に示す重なり検知の領域)内で、該一の遊技球と該他の遊技球との間での前記重なり現象以外にもM個(Mは整数)以上の前記重なり現象が発生していると、前記重なり現象認識手段により認識された場合に、前記所定範囲内で前記重なり現象が複数発生する詰まり現象が発生したと認識する詰まり現象認識手段(図49のステップS359〜ステップS361の処理を実行するサブCPU201)と、
前記詰まり現象認識手段により前記詰まり現象が発生したと認識された後、前記位置特定手段により特定された遊技球の位置が、該詰まり現象が発生している状態においては遊技球が存在することが困難又は不可能な領域として、該詰まり現象が発生している位置に応じて設定される詰まり解消判定用領域(図90(b)に示す球詰まり解消検知の領域)に属すると判定された場合、該詰まり現象が解消したと認識する詰まり解消認識手段(図89の処理を実行するサブCPU201)と、
を備えることを特徴とする遊技機。
遊技球同士が積み重なることで詰まり(球詰まり)が発生している場合、遊技店としては、そのような詰まり(異常)の原因に対して適切に対処することが必要である。ここで、こうした詰まり(球詰まり)が発生している場合には、一の遊技球と他の遊技球とが画像上で重なり合う重なり現象が発生していると考えられる。この点、上記変形例に係るパチンコ遊技機1によれば、一の遊技球の位置と他の遊技球の位置とが画像上で重なっている場合に、該一の遊技球と該他の遊技球との間で重なり現象(「重なり」)が発生していると認識される。そして、該一の遊技球のフレーム画像における位置を基準とした所定範囲(重なり検知の領域)内で、該一の遊技球と該他の遊技球との間での重なり現象(「重なり」)以外にもM個(例えば、4個)以上の重なり現象(「重なり」)が発生していると認識された場合に、詰まり現象(球詰まり)が発生したと認識される。これにより、遊技球同士が積み重なることで詰まり(球詰まり)が発生していることを検出することが可能であり、詰まり(球詰まり)に起因する問題を除去する機会を得ることができる。
また、上記変形例に係るパチンコ遊技機1によれば、詰まり現象(球詰まり)が発生したと認識された後、遊技球の位置が、該詰まり現象(球詰まり)が発生している状態においては遊技球が存在することが困難又は不可能な領域として設定された詰まり解消判定用領域(球詰まり解消検知の領域)に属すると判定された場合、該詰まり現象(球詰まり)が解消したと認識される。これにより、詰まり(異常)が発生したことにより、遊技球の追跡を中断していた場合であっても、詰まり(異常)が解消した場合には、追跡を速やかに再開することが可能であり、追跡の精度が低下してしまうことを防止することができる。
[第6実施形態]
以上、第1実施形態〜第5実施形態について説明した。以下、第6実施形態について説明する。第6実施形態に係るパチンコ遊技機1の基本的な構成は、第1実施形態〜第5実施形態に係るパチンコ遊技機1と同じである。以下においては、第1実施形態〜第5実施形態に係るパチンコ遊技機1の構成要素と同一の構成要素には、同一の符号を付して説明することとする。また、第1実施形態〜第5実施形態における説明が第6実施形態においても当てはまる部分については、説明を省略することとする。
<カメラ映像解析処理>
第1実施形態では、カメラ映像解析処理(図30のステップS261参照)として、図31に示す処理が行われることとして説明した。これに対し、第6実施形態では、図91に示す処理が行われる。
図91は、本発明の一実施形態に係るパチンコ遊技機において実行されるカメラ映像解析処理を示すフローチャートである。
図91に示すカメラ映像解析処理において、まず、サブCPU201は、ステップS3001〜ステップS3006の処理を実行するが、これらの処理は、図31のステップS281〜ステップS286の処理と同様の処理であるため、ここでの説明は省略する。
次に、サブCPU201は、玉移動に関するエラー判定に係る処理を実行する(ステップS3007)。玉移動に関するエラー判定に係る処理については、後に図92を用いて説明する。
次に、サブCPU201は、ステップS3008及びステップS3009の処理を実行するが、これらの処理は、図31のステップS287及びステップS288の処理と同様の処理であるため、ここでの説明は省略する。その後、サブCPU201は、本サブルーチンを終了する。
<玉移動に関するエラー判定>
図92は、本発明の一実施形態に係るパチンコ遊技機において実行される玉移動に関するエラー判定に係る処理を示すフローチャートである。図93は、遊技球の移動距離について説明するための図である。
図92に示す玉移動に関するエラー判定に係る処理において、まず、サブCPU201は、各遊技球の移動距離を検出する(ステップS3101)。ここで、第3実施形態で説明したように、現在の時刻を時刻TN+2であるとし、各IDの遊技球について、時刻TN+1における位置情報(最新の位置情報)がワークRAM203に記憶されているとする(図71のステップS1404参照)。また、最新の位置情報だけではなく、直近の所定数フレーム分の位置情報がワークRAM203に保持されているとする。ステップS3101の処理において、サブCPU201は、現在管理されている全てのIDについて、ワークRAM203において対応付けられた位置情報を参照し、最新の位置情報(時刻TN+1における遊技球の位置)と、所定数(=K、例えば、1)フレームに相当する時間だけ前の位置情報(時刻TN+1―Kにおける遊技球の位置)とに基づいて、K(例えば、1)フレームに相当する時間が経過する間に遊技球が移動した距離を算出する。
第3実施形態で説明したように、球位置画像においてX軸及びY軸により規定される座標系(図69参照)を設定すると、遊技球の位置情報は、X軸座標の値及びY軸座標の値で表される。ここでは、ID(1)の遊技球について、時刻TN+1―Kにおける位置を(X1,Y1)と表し、時刻TN+1における遊技球の位置を(X2,Y2)と表すこととする。一方で、第3実施形態で説明したように、球位置画像に含まれる遊技球の大きさは、遊技球の位置(CCDカメラ1000からの距離の遠近、すなわち、Y軸座標の値)に応じて異なっている(図68参照)。従って、球位置画像における(X1,Y1)と(X2,Y2)との距離は、遊技盤12(遊技領域12a)上で遊技球が実際に移動した距離とは一致しないことになる。
そこで、ステップS3101の処理において、サブCPU201は、球位置画像における位置座標(X1,Y1)及び(X2,Y2)を、遊技領域12aにおける位置座標に変換する。第3実施形態で説明したように、遊技領域12aは、二次元平面上に形成されるため、当該二次元平面においてx軸及びy軸により規定される座標系(図93参照)を設定すると、遊技領域12aにおける遊技球の位置は、x軸座標の値及びy軸座標の値で表される。球位置画像における位置座標と遊技領域12aにおける位置座標とは、一対一に対応しており、球位置画像における位置座標(X1,Y1)に対応する遊技領域12aにおける位置座標を(x1,y1)とし、球位置画像における位置座標(X2,Y2)に対応する遊技領域12aにおける位置座標を(x2,y2)とする。サブCPU201は、所定の関数に基づいて、球位置画像における位置座標(X1,Y1)及び(X2,Y2)を、それぞれ、遊技領域12aにおける位置座標(x1,y1)及び(x2,y2)に変換する。そして、サブCPU201は、変換後の位置座標に基づいて、(x1,y1)と(x2,y2)との距離を算出する。(x1,y1)は、時刻TN+1―Kの時点で遊技領域12aにおいて実際に遊技球が存在する位置を示しており、(x2,y2)は、時刻TN+1の時点で遊技領域12aにおいて実際に遊技球が存在する位置を示している。従って、(x1,y1)と(x2,y2)との距離は、時刻TN+1―Kから時刻TN+1までの間に(K(例えば、1)フレームに相当する時間が経過する間に)遊技球が実際に移動した距離を示している。サブCPU201は、このような移動距離を、現在管理されている全てのIDの遊技球について算出する。
図93では、K=1の場合の例として、遊技領域12aの形成される二次元平面においてx軸及びy軸により規定される座標系を設定した場合において、ID(1)の遊技球が時刻TN(1フレーム目の画像の撮影タイミング)から時刻TN+1(2フレーム目の画像の撮影タイミング)までの間に(1フレームに相当する時間が経過する間に)、(x1,y1)から(x2,y2)まで移動した様子を示している。この場合における遊技球の移動距離も併せて示している。
ステップS3101の処理を実行した後、サブCPU201は、各IDの遊技球について算出した移動距離のうち、所定の距離を超えているものが存在するか否かを判断する(ステップS3102)。所定の距離は、K(例えば、1)フレームに相当する時間に遊技球が移動可能な距離であり、パチンコ遊技機1における遊技盤12の構造等に応じて予め設定されている。当該パチンコ遊技機1において実験を行うことにより、所定の距離を決定することとしてもよい。
移動距離が所定の距離を超えている遊技球が存在すると判断した場合、サブCPU201は、エラー報知を行う(ステップS3103)。この処理において、サブCPU201は、遊技球の移動距離が所定の距離を超えたことを示す長距離移動発生信号を表示制御回路205や音声制御回路206に送信する。これにより、遊技球の移動距離が所定の距離を超えたことを報知する画像が液晶表示装置13に表示されたり、遊技球の移動距離が所定の距離を超えたことを報知する音がスピーカ11から出力されたりする。また、サブCPU201は、ホール(遊技場)内のパチンコ遊技機を管理するホールコンピュータに対して、遊技球の移動距離が所定の距離を超えたことを示す長距離移動発生信号を送信する。
ステップS3102において移動距離が所定の距離を超えている遊技球が存在しないと判断した場合、又は、ステップS3103の処理を実行した後、サブCPU201は、各遊技球の移動速度を検出する(ステップS3104)。この処理において、サブCPU201は、ステップS3101で変換した位置座標(遊技領域12aにおける位置座標)に基づいて、時刻TN+1―Kから時刻TN+1までの間の各IDの遊技球の移動速度を算出する。当該速度は、x軸方向の成分及びy軸方向の成分を有している。x軸方向の成分は、x軸方向の変位(x1→x2)を、当該変位に要した時間(K(例えば、1)フレームに相当する時間)で除することによって得られる。y軸方向の成分は、y軸方向の変位(y1→y2)を、当該変位に要した時間(K(例えば、1)フレームに相当する時間)で除することによって得られる。
次に、サブCPU201は、各IDの遊技球について算出した移動速度のうち、所定の速度を超えているものが存在するか否かを判断する(ステップS3105)。この処理において、サブCPU201は、各IDについて、ステップS3104で算出した速度のx軸方向の成分及びy軸方向の成分が、それぞれ、所定範囲外であるか否かを判断する。本実施形態において、x軸方向の成分に対する所定範囲と、y軸方向の成分に対する所定範囲とは、それぞれ別個に設定されている。x軸方向の成分に対する所定範囲をx軸方向速度許容範囲と呼び、y軸方向の成分に対する所定範囲をy軸方向速度許容範囲と呼ぶこととする。x軸方向速度許容範囲は、速度のx軸方向の成分のとり得る値の範囲(下限値〜上限値の範囲)であり、y軸方向速度許容範囲は、速度のy軸方向の成分のとり得る値の範囲(下限値〜上限値の範囲)である。これらの範囲は、パチンコ遊技機1における遊技盤12の構造等に応じて予め設定されている。当該パチンコ遊技機1において実験を行うことにより、これらの範囲を決定することとしてもよい。ステップS3105の処理において、サブCPU201は、少なくとも何れか一のIDについて、ステップS3104で算出した速度のx軸方向の成分とy軸方向の成分とのうちの少なくとも何れかが許容範囲外にあれば、移動速度が所定の速度を超えている遊技球が存在すると判断する。
移動速度が所定の速度を超えている遊技球が存在すると判断した場合、サブCPU201は、エラー報知を行う(ステップS3106)。この処理において、サブCPU201は、遊技球の移動速度が所定の速度を超えたことを示す高速移動発生信号を表示制御回路205や音声制御回路206に送信する。これにより、遊技球の移動速度が所定の速度を超えたことを報知する画像が液晶表示装置13に表示されたり、遊技球の移動速度が所定の速度を超えたことを報知する音がスピーカ11から出力されたりする。また、サブCPU201は、ホール(遊技場)内のパチンコ遊技機を管理するホールコンピュータに対して、遊技球の移動速度が所定の速度を超えたことを示す高速移動発生信号を送信する。
ステップS3105において移動速度が所定の速度を超えている遊技球が存在しないと判断した場合、又は、ステップS3106の処理を実行した後、サブCPU201は、各遊技球の加速度を検出する(ステップS3107)。本サブルーチンが1回実行されるごとに、サブCPU201は、ステップS3104の処理において、直近のK(例えば、1)フレームに相当する時間における遊技球の移動速度を算出する。そして、本サブルーチンが実行されるごとに算出された遊技球の移動速度は、当該遊技球のIDと対応付けて、ワークRAM203に累積的に記憶されている。従って、ワークRAM203に累積的に記憶された速度は、各遊技球の速度の変遷を示すものであり、サブCPU201は、時間の経過と速度の変化との関係を認識することができる。これにより、サブCPU201は、単位時間当たりの速度の変化量を求めることにより、各遊技球の加速度を算出することができる。なお、速度と同様、加速度も、x軸方向の成分及びy軸方向の成分を有している。
次に、サブCPU201は、各IDの遊技球について算出した加速度のうち、所定の加速度を超えているものが存在するか否かを判断する(ステップS3108)。この処理において、サブCPU201は、各IDについて、ステップS3107で算出した加速度のx軸方向の成分及びy軸方向の成分が、それぞれ、所定範囲外であるか否かを判断する。本実施形態において、x軸方向の成分に対する所定範囲と、y軸方向の成分に対する所定範囲とは、それぞれ別個に設定されている。x軸方向の成分に対する所定範囲をx軸方向加速度許容範囲と呼び、y軸方向の成分に対する所定範囲をy軸方向加速度許容範囲と呼ぶこととする。x軸方向加速度許容範囲は、加速度のx軸方向の成分のとり得る値の範囲(下限値〜上限値の範囲)であり、y軸方向加速度許容範囲は、加速度のy軸方向の成分のとり得る値の範囲(下限値〜上限値の範囲)である。これらの範囲は、パチンコ遊技機1において実験を行うことにより決定することができるが、y軸方向は鉛直方向(下向き)と一致するため、y軸方向加速度許容範囲には、重力が大きく影響することになる。ステップS3108の処理において、サブCPU201は、少なくとも何れか一のIDについて、ステップS3107で算出した加速度のx軸方向の成分とy軸方向の成分とのうちの少なくとも何れかが許容範囲外にあれば、所定の加速度を超えている遊技球が存在すると判断する。なお、遊技球は、遊技盤12に設けられた各種構造物(釘等)に衝突しながら転動するところ、これらの構造物と衝突した直後のy軸方向加速度は、大きなマイナス(鉛直方向上向き)の値(許容範囲外の値)となり得る。そこで、このようなy軸方向加速度は、判断対象から外すことが望ましい。遊技球がこのような構造物と衝突する際には、速度のy軸方向の成分がプラスの値からマイナスの値へと変化するため、サブCPU201は、速度のy軸方向の成分に基づいて、遊技球が構造物と衝突したことを認識することが可能であり、それに伴うy軸方向加速度の変化を判断対象外とすることができる。
所定の加速度を超えている遊技球が存在すると判断した場合、サブCPU201は、エラー報知を行う(ステップS3109)。この処理において、サブCPU201は、加速度が異常となったことを示す異常加速度発生信号を表示制御回路205や音声制御回路206に送信する。これにより、加速度が異常となったことを報知する画像が液晶表示装置13に表示されたり、加速度が異常となったことを報知する音がスピーカ11から出力されたりする。また、サブCPU201は、ホール(遊技場)内のパチンコ遊技機を管理するホールコンピュータに対して、加速度が異常となったことを示す異常加速度発生信号を送信する。
ステップS3108において所定の加速度を超えている遊技球が存在しないと判断した場合、又は、ステップS3109の処理を実行した後、サブCPU201は、各遊技球の移動方向を検出する(ステップS3110)。この処理において、サブCPU201は、各遊技球の移動方向が鉛直方向下向きと鉛直方向上向きの何れであるかを判定する。具体的に、サブCPU201は、ステップS3101で変換した位置座標(遊技領域12aにおける位置座標)に基づいて、各IDの遊技球について、時刻TN+1―Kにおける位置のy軸座標の値(図93に示す例では、y1)と、時刻TN+1における位置のy軸座標の値(図93に示す例では、y2)とを比較する。時刻TN+1における位置のy軸座標の値(図93に示す例では、y2)の方が時刻TN+1―Kにおける位置のy軸座標の値(図93に示す例では、y1)よりも大きければ、当該IDの遊技球の移動方向は、鉛直方向下向きであると判定する。逆に、時刻TN+1における位置のy軸座標の値(図93に示す例では、y2)の方が時刻TN+1―Kにおける位置のy軸座標の値(図93に示す例では、y1)よりも小さければ、当該IDの遊技球の移動方向は、鉛直方向上向きであると判定する。遊技球の移動方向が鉛直方向下向きと鉛直方向上向きの何れであるかを判定するための方法としては、この方法に限定されず、例えば、ステップS3101で変換した位置座標(遊技領域12aにおける位置座標)ではなく、変換前の位置座標(球位置画像における位置座標)をそのまま用いて、時刻TN+1―Kにおける遊技球の位置のY軸座標の値と、時刻TN+1における遊技球の位置のY軸座標の値とを比較することとしてもよい。また、ステップS3104で算出した速度のy軸方向の成分がプラスの値であれば、遊技球の移動方向が鉛直方向下向きであると判定し、当該速度のy軸方向の成分がマイナスの値であれば、遊技球の移動方向が鉛直方向上向きであると判定することとしてもよい。
次に、サブCPU201は、移動方向が異常な遊技球が存在するか否かを判断する(ステップS3111)。この処理において、サブCPU201は、何れかの遊技球の移動方向が鉛直方向上向きであれば、移動方向が異常な遊技球が存在すると判断する。なお、遊技球が玉放出口41dから遊技領域12aに放出された直後(図41に示す射出領域を通過した直後)は、当該遊技球は、鉛直方向上向きの速度成分を有しているのが正常であり、当該遊技球の移動方向が鉛直方向上向きになるというのは異常ではない。そこで、射出領域を通過してから(新たにIDを割り当てられてから)所定時間が経過していない遊技球については、本処理の対象外とすることが望ましい。
移動方向が異常な(移動方向が鉛直方向上向きである)遊技球が存在すると判断した場合、サブCPU201は、エラー報知を行う(ステップS3112)。この処理において、サブCPU201は、遊技球の移動方向が鉛直方向上向きであることを示す逆流発生信号を表示制御回路205や音声制御回路206に送信する。これにより、遊技球の移動方向が鉛直方向上向きであることを報知する画像が液晶表示装置13に表示されたり、遊技球の移動方向が鉛直方向上向きであることを報知する音がスピーカ11から出力されたりする。また、サブCPU201は、ホール(遊技場)内のパチンコ遊技機を管理するホールコンピュータに対して、遊技球の移動方向が鉛直方向上向きであることを示す逆流発生信号を送信する。なお、遊技球が構造物(釘等)と衝突した際には、遊技球の移動方向が一時的に鉛直方向上向きとなり得るため、遊技球の移動方向が1回鉛直方向上向きとなっただけではエラー報知を行わず、遊技球の移動方向が鉛直方向上向きとなった回数(逆流回数)が特定回数に達した場合(ステップS3114参照)に初めてエラー報知を行うこととしてもよい。
次に、サブCPU201は、移動方向が異常な(移動方向が鉛直方向上向きである)遊技球のIDと対応付けて、逆流回数カウンタの値を1加算する(ステップS3113)。この処理において、サブCPU201は、ワークRAM203に記憶されている逆流回数カウンタの値に1を加えた値を、新たな逆流回数カウンタの値としてワークRAM203に記憶させる。逆流回数は、当該IDの遊技球について、移動方向が鉛直方向上向きとなった回数を示している。なお、ステップS3111において移動方向が鉛直方向下向きであると判断された遊技球については、当該遊技球のIDに対応する逆流回数カウンタの値をクリアすることとしてもよい。このようにすれば、逆流回数は、当該IDの遊技球について、移動方向が鉛直方向上向きとなった連続回数を示すこととなる。
次に、サブCPU201は、遊技球の移動方向が異常であった(鉛直方向上向きとなった)回数が特定回数を超えたか否かを判断する(ステップS3114)。この処理において、サブCPU201は、各遊技球のIDについて、逆流回数カウンタの値が特定回数よりも大きいか否かを判断し、少なくとも一のIDに対応する逆流回数カウンタの値が特定回数よりも大きいと判断した場合、遊技球の移動方向が異常であった(鉛直方向上向きとなった)回数が特定回数を超えたと判断する。
遊技球の移動方向が異常であった(鉛直方向上向きとなった)回数が特定回数を超えたと判断した場合、サブCPU201は、電源断絶が起こるまでエラー報知を継続する(ステップS3115)。この処理において、サブCPU201は、遊技球の移動方向が連続的又は断続的に鉛直方向上向きとなっていることを示す逆流継続信号を表示制御回路205や音声制御回路206に送信する。これにより、遊技球の移動方向が連続的又は断続的に鉛直方向上向きとなっていることを報知する画像が液晶表示装置13に表示されたり、遊技球の移動方向が連続的又は断続的に鉛直方向上向きとなっていることを報知する音がスピーカ11から出力されたりする。また、サブCPU201は、ホール(遊技場)内のパチンコ遊技機を管理するホールコンピュータに対して、遊技球の移動方向が連続的又は断続的に鉛直方向上向きとなっていることを示す逆流継続信号を送信する。
ステップS3111において移動方向が異常な(移動方向が鉛直方向上向きである)遊技球が存在しないと判断した場合、ステップS3114において遊技球の移動方向が異常であった(鉛直方向上向きとなった)回数が特定回数を超えていないと判断した場合、又は、ステップS3115の処理を実行した後、サブCPU201は、本サブルーチンを終了する。
以上、本発明の一実施形態として、第6実施形態に係るパチンコ遊技機1について説明した。
<付記7>
従来、パチンコ遊技機における遊技領域を転動する遊技球をカメラ等の撮影装置で撮影し、撮影によって得られる画像を解析することによって、遊技球の動きを追跡する技術が知られている(特開2005−237864号公報参照)。
ところで、遊技機業界においては、従来、不正な方法により出玉を獲得しようとするゴト行為が知られている。特に、近年では、巧妙に細工された不正行為が多発しており、こうした行為を防止することが望まれている。また、遊技機に不具合が発生した場合、遊技店としては、当該不調をいち早く察知し、適切な対応をとることが求められる。
本発明者は、上述したような遊技球を追跡する技術について鋭意検討を行う過程において、自身の開発した技術を用いることによって遊技機に発生した異常を検出し、不正行為の防止や遊技機の不調への対応に役立てることができるのではないかという考えに想到した。
本発明は、上記のような問題点に鑑みてなされたものであり、遊技機に発生した異常を検出することを目的とする。
この点、第6実施形態に係るパチンコ遊技機1は、以下の特徴を備えている。
(7−1) 遊技球が移動可能な遊技領域(遊技領域12a)を備える遊技盤(遊技盤12)と、
前記遊技領域を撮影可能なように配設された撮影装置(CCDカメラ1000)と、
前記遊技領域を撮影することによって得られる動画像として、連続する複数のフレーム画像を順次取得するフレーム画像取得手段(図91のステップS3001の処理を実行するサブCPU201)と、
前記フレーム画像取得手段により取得される各フレーム画像に含まれる遊技球の位置を特定する位置特定手段(図91のステップS3004〜ステップS3006の処理を実行するサブCPU201)と、
前記位置特定手段により特定される各フレーム画像に含まれる遊技球の位置に基づいて、所定時間における一の遊技球の移動距離が所定の距離以上であると判定される場合に、遊技球の動きが異常であることを検知する異常検知手段(図92のステップS3101〜ステップS3103の処理を実行するサブCPU201)と、
を備えることを特徴とする遊技機。
一定の時間における遊技球の移動距離は、通常、遊技盤の構造や遊技球の発射速度等に応じて一定の上限値を超えることはないと考えられるところ、一定の時間における遊技球の移動距離がこのような上限値を超える場合には、何らかの異常が発生しており、不正行為が行われていたり、遊技機に不具合が発生したりしている可能性がある。この点、第6実施形態に係るパチンコ遊技機1によれば、所定時間(所定数(K)フレームに相当する時間)における一の遊技球の移動距離(図92のステップS3101で算出される移動距離)が所定の距離以上であると判定される場合に、遊技球の動きが異常であることが検知される(エラー報知が行われる)ように構成されているため、不正行為を防止したり、遊技機の不調に対応したりする機会を提供することができる。
(7−2) 遊技球が移動可能な遊技領域(遊技領域12a)を備える遊技盤(遊技盤12)と、
前記遊技領域を撮影可能なように配設された撮影装置(CCDカメラ1000)と、
前記遊技領域を撮影することによって得られる動画像として、連続する複数のフレーム画像を順次取得するフレーム画像取得手段(図91のステップS3001の処理を実行するサブCPU201)と、
前記フレーム画像取得手段により取得される各フレーム画像に含まれる遊技球の位置を特定する位置特定手段(図91のステップS3004〜ステップS3006の処理を実行するサブCPU201)と、
前記位置特定手段により特定される各フレーム画像に含まれる遊技球の位置に基づいて、所定時間における一の遊技球の移動速度が所定範囲外であると判定される場合に、遊技球の動きが異常であることを検知する異常検知手段(図92のステップS3104〜ステップS3106の処理を実行するサブCPU201)と、
を備えることを特徴とする遊技機。
一定の時間における遊技球の移動速度は、通常、遊技盤の構造や遊技球の発射速度等に応じて一定の範囲内に収まると考えられるところ、一定の時間における遊技球の移動速度がこのような範囲内に収まらない場合には、何らかの異常が発生しており、不正行為が行われていたり、遊技機に不具合が発生したりしている可能性がある。この点、第6実施形態に係るパチンコ遊技機1によれば、所定時間(所定数(K)フレームに相当する時間)における一の遊技球の移動速度(図92のステップS3104で算出される速度のx軸方向の成分及びy軸方向の成分)が所定範囲(x軸方向速度許容範囲及びy軸方向速度許容範囲)外であると判定される場合に、遊技球の動きが異常であることが検知される(エラー報知が行われる)ように構成されているため、不正行為を防止したり、遊技機の不調に対応したりする機会を提供することができる。
特に、第6実施形態に係るパチンコ遊技機1によれば、油等が塗られた不正な遊技球(「油玉」)を用いることにより出玉を獲得しようとするゴト行為(所謂「油玉ゴト」)を防止することが可能である。例えば、従来、遊技球にラードを塗って遊技球の移動速度を遅くすることにより、アタッカへの入賞を狙うゴト行為が知られている。また、近年では、油玉を用いて遊技球の移動速度を上げることにより、所謂電チューやアタッカへの入賞頻度を高めようとするゴト行為も登場している。このような「油玉」を用いたゴト行為では、遊技球の移動速度が通常よりも速かったり遅かったりするところ、所定時間(所定数(K)フレームに相当する時間)における遊技球の移動速度が所定範囲(x軸方向速度許容範囲及びy軸方向速度許容範囲)外となる可能性があり、また、移動距離も所定の距離以上又は所定の距離以下となる可能性がある。この点、第6実施形態に係るパチンコ遊技機1によれば、遊技球の移動速度が上がっていること又は下がっていることを検出することが可能であるため、「油玉」が用いられていることをいち早く察知することができる。例えば、アタッカ付近で極端に移動速度の遅い遊技球が発見された場合には、遊技球にラードが塗られており、当該遊技球は、アタッカに向けて不正に誘導されている可能性がある。また、通常よりも速いスピードで移動している遊技球が散見される場合には、電チューやアタッカへの入賞頻度が不正に高められている可能性がある。このように、通常とは異なるスピードで移動する遊技球が存在することを検出することにより、「油玉ゴト」が行われてしまうことを未然に防止することができる。
第6実施形態では、図92に示すサブルーチンが1回実行されるごとに、直近のKフレームに相当する時間における遊技球の移動距離が算出され、当該サブルーチンが繰り返し実行されるのに伴い、当該移動距離が繰り返し算出される。そして、このようにして得られる移動距離のうち最新の移動距離が所定の距離を超えた場合に、エラー報知が行われる(ステップS3101〜ステップS3103参照)。本発明においては、このようにして繰り返し得られる移動距離のうち、最新の移動距離(最新の1回のサブルーチン実行から得られた移動距離)だけではなく、直近の複数回分の移動距離(例えば、直近の10回のサブルーチン実行から得られた10回分の移動距離)に基づいてエラー報知を行うこととしてもよい。例えば、直近の複数回分の移動距離(例えば、直近の10回のサブルーチン実行から得られた10回分の移動距離)の平均が所定の距離を超えた場合に、エラー報知を行うこととしてもよいし、直近の複数回(例えば、10回)のうち所定の距離を超えている回数が所定割合(例えば、50%)以上である場合に、エラー報知を行うこととしてもよいし、直近の所定回数分の移動距離(例えば、直近の5回のサブルーチン実行から得られた5回分の移動距離)が全て所定の距離を超えている場合に(すなわち、所定回数連続して移動距離が所定の距離を超えた場合に)、エラー報知を行うこととしてもよい。
同様に、第6実施形態では、図92に示すサブルーチンが1回実行されるごとに、直近のKフレームに相当する時間における遊技球の移動速度が算出され、当該サブルーチンが繰り返し実行されるのに伴い、当該移動速度が繰り返し算出される。そして、このようにして得られる移動速度のうち最新の移動速度が所定の速度を超えた場合に、エラー報知が行われる(ステップS3104〜ステップS3106参照)。本発明においては、このようにして繰り返し得られる移動速度のうち、最新の移動速度(最新の1回のサブルーチン実行から得られた移動速度)だけではなく、直近の複数回分の移動速度(例えば、直近の10回のサブルーチン実行から得られた10回分の移動速度)に基づいてエラー報知を行うこととしてもよい。例えば、直近の複数回分の移動速度(例えば、直近の10回のサブルーチン実行から得られた10回分の移動速度)の平均が所定の速度を超えた場合に、エラー報知を行うこととしてもよいし、直近の複数回(例えば、10回)のうち所定の速度を超えている回数が所定割合(例えば、50%)以上である場合に、エラー報知を行うこととしてもよいし、直近の所定回数分の移動速度(例えば、直近の5回のサブルーチン実行から得られた5回分の移動速度)が全て所定の速度を超えている場合に(すなわち、所定回数連続して移動速度が所定の速度を超えた場合に)、エラー報知を行うこととしてもよい。
同様に、第6実施形態では、図92に示すサブルーチンが1回実行されるごとに、直近のKフレームに相当する時間における遊技球の加速度が算出され、当該サブルーチンが繰り返し実行されるのに伴い、当該加速度が繰り返し算出される。そして、このようにして得られる加速度のうち最新の加速度が所定の加速度を超えた場合に、エラー報知が行われる(ステップS3107〜ステップS3109参照)。本発明においては、このようにして繰り返し得られる加速度のうち、最新の加速度(最新の1回のサブルーチン実行から得られた加速度)だけではなく、直近の複数回分の加速度(例えば、直近の10回のサブルーチン実行から得られた10回分の加速度)に基づいてエラー報知を行うこととしてもよい。例えば、直近の複数回分の加速度(例えば、直近の10回のサブルーチン実行から得られた10回分の加速度)の平均が所定の加速度を超えた場合に、エラー報知を行うこととしてもよいし、直近の複数回(例えば、10回)のうち所定の加速度を超えている回数が所定割合(例えば、50%)以上である場合に、エラー報知を行うこととしてもよいし、直近の所定回数分の加速度(例えば、直近の5回のサブルーチン実行から得られた5回分の加速度)が全て加速度を超えている場合に(すなわち、所定回数連続して加速度が所定の加速度を超えた場合に)、エラー報知を行うこととしてもよい。
また、第6実施形態では、遊技球の移動距離が所定の距離を超えること、遊技球の速度が所定の速度を超えること、及び、遊技球の加速度が所定の加速度を超えること、という3つの条件のうちの1つの条件さえ成立すれば、エラー報知が行われることとして説明した。しかし、本発明においては、移動距離に関する条件、速度に関する条件、及び、加速度に関する条件のうちの2つ又は3つ全ての条件が成立した場合にエラー報知を行うように構成してもよい。
また、本発明において、「所定の速度」(速度の許容範囲、図92のステップS3105参照)は、遊技領域における遊技球の存在位置に応じて(遊技球の描く軌道に対応させて)、異ならせてもよい。例えば、遊技球が玉放出口41dから遊技領域12aに放出された直後(図41に示す射出領域を通過した直後)には、当該遊技球は、鉛直方向上向きの速度成分を有して移動するのに対し、落下を開始した遊技球は、基本的には鉛直方向下向きの速度成分を有して移動することになる。すなわち、遊技球が玉放出口41dから遊技領域12aに放出された直後は、遊技球が重力に抗して上方向に進む勢いがあるため、遊技球は、遊技領域12aの上部に滞留する(釘やその他の構造物に当たって跳ね返り、下に落ちてくるまでに時間がかかる)と考えられる。一方、その後は時間の経過に伴って、重力の作用により下向きの速度が増し、遊技球は自由落下するものと想定される。このことに対応させて、遊技球が射出領域から一定の範囲内にある場合(あるいは、射出領域でIDを割り当てられてからの経過時間が所定時間未満の場合)と、遊技球が当該範囲外にある場合(あるいは、射出領域でIDを割り当てられてからの経過時間が所定時間以上の場合)とで、速度のy軸方向の成分のとり得る値の範囲(下限値及び上限値)を異ならせてもよい。具体的には、図93に示すようなxy座標系を設定したと仮定して、遊技球が射出領域を基準とした一定の範囲外にある場合(射出領域でIDを割り当てられてからの経過時間が所定時間以上の場合)、遊技球が当該範囲内にある場合(射出領域でIDを割り当てられてからの経過時間が所定時間未満の場合)よりも、速度のy軸方向の成分のとり得る値の上限値(下限値)が大きくなるように、y軸方向速度許容範囲を設定することが可能である。これにより、上記のような遊技領域に放出されてから自由落下するまでの遊技球の動きを適切に管理することができる。
また、一の遊技球に対する速度の許容範囲は、前回のサブルーチンにおいて算出した当該遊技球の速度(図92のステップS3104参照)と、前回のサブルーチンにおいて算出した当該遊技球の加速度(図92のステップS3107)とによって随時決定されるように構成してもよい。すなわち、一の遊技球について、前回のサブルーチンにおいて算出した速度のx軸方向の成分をvx、加速度のx軸方向の成分をax、前回のサブルーチンから今回のサブルーチンまでの時間間隔(図92の処理が実行される時間間隔)をt(例えば、4ms)とすると、今回のサブルーチンにおいて算出されるであろう速度のx軸方向の成分は、その間における加速度が一定である(遊技球の運動が等加速度運動である)と仮定して、概ね、vx+ax×t程度であると予想される。このような予想値(vx+ax×t)を基準として、今回のサブルーチンにおいて算出される速度の許容範囲を算出することとしてもよい。例えば、下限値が(vx+ax×t−αx)であり、上限値が(vx+ax×t+βx)であるような範囲を、x軸方向速度許容範囲として設定することができる。同様に、一の遊技球について、前回のサブルーチンにおいて算出した速度のy軸方向の成分をvy、加速度のy軸方向の成分をay、前回のサブルーチンから今回のサブルーチンまでの時間間隔(図92の処理が実行される時間間隔)をt(例えば、4ms)として、下限値が(vy+ay×t−αy)であり、上限値が(vy+ay×t+βy)であるような範囲を、y軸方向速度許容範囲として設定することができる。αx、βx、αy、及び、βyは、それぞれ、予め定められる値であり、実験等により算出することが可能である。特に、x軸方向への遊技球の運動は、遊技球と遊技盤12等との摩擦を無視すると、等速度運動であると仮定することができ、そうすると、速度のx軸方向の成分の上記予想値は、前回と同じ値(vx)になる。そこで、x軸方向速度許容範囲として、下限値が(vx−αy)であり上限値が(vx+βy)であるような範囲を設定することも可能である。
また、第6実施形態では、球位置画像における位置座標が遊技領域12aにおける位置座標に変換されることとして説明した(図92のステップS3101参照)。しかし、本発明において、このような座標変換は必ずしも行われなくてもよい。座標変換を行わない場合には、移動距離の上限値(ステップS3102参照)や速度の許容範囲(ステップS3105参照)や加速度の許容範囲(ステップS3108参照)を、球位置画像における座標系(図69に示すXY座標系)に対応させて設定すればよい。例えば、移動距離が上限値を超えているか否かを判断するためには、前回フレーム画像(時刻TN+1―K)における遊技球の位置を基準として、当該位置からの距離が当該上限値以下となるような範囲(図69に示すような範囲)を設定し、今回フレーム画像(時刻TN+1)における遊技球の位置が当該範囲内か否かを判断することとしてもよい。その場合には、図69と同様に、当該範囲は、前回フレーム画像(時刻TN+1―K)における遊技球の位置のY軸座標の値に応じた大きさにするとよい。
<付記8>
従来、パチンコ遊技機における遊技領域を転動する遊技球をカメラ等の撮影装置で撮影し、撮影によって得られる画像を解析することによって、遊技球の動きを追跡する技術が知られている(特開2005−237864号公報参照)。
ところで、遊技機業界においては、従来、不正な方法により出玉を獲得しようとするゴト行為が知られている。特に、近年では、巧妙に細工された不正行為が多発しており、こうした行為を防止することが望まれている。また、遊技機に不具合が発生した場合、遊技店としては、当該不調をいち早く察知し、適切な対応をとることが求められる。
本発明者は、上述したような遊技球を追跡する技術について鋭意検討を行う過程において、自身の開発した技術を用いることによって遊技機に発生した異常を検出し、不正行為の防止や遊技機の不調への対応に役立てることができるのではないかという考えに想到した。
本発明は、上記のような問題点に鑑みてなされたものであり、遊技機に発生した異常を検出することを目的とする。
この点、第6実施形態に係るパチンコ遊技機1は、以下の特徴を備えている。
(8−1) 遊技球が流下可能な遊技領域(遊技領域12a)を備える遊技盤(遊技盤12)と、
前記遊技領域を撮影可能なように配設された撮影装置(CCDカメラ1000)と、
前記遊技領域を撮影することによって得られる動画像として、連続する複数のフレーム画像を順次取得するフレーム画像取得手段(図91のステップS3001の処理を実行するサブCPU201)と、
前記フレーム画像取得手段により取得される各フレーム画像に含まれる遊技球の位置を特定する位置特定手段(図91のステップS3004〜ステップS3006の処理を実行するサブCPU201)と、
一の遊技球について、一の時刻に対応するフレーム画像に含まれる該一の遊技球の位置と、該一の時刻よりも後の時刻に対応するフレーム画像に含まれる該一の遊技球の位置とを比較して、該一の時刻から該一の時刻よりも後の時刻までの間における該一の遊技球の位置変化が、通常の遊技球の流下では起こり得ない逆流に相当するか否かを判断する逆流検知手段(図92のステップS3107、ステップS3108、ステップS3110、ステップS3111、ステップS3113、及び、ステップS3114の処理を実行するサブCPU201)と、
前記逆流検知手段による判断結果に基づいて、遊技球の動きが異常であることを検知することが可能な異常検知手段と、
を備えることを特徴とする遊技機。
遊技球が遊技領域を移動する際、遊技球には重力が作用するところ、遊技球が重力に逆らって移動している場合には、何らかの異常が発生しており、不正行為が行われていたり、遊技機に不具合が発生したりしている可能性がある。そして、遊技球が通常に流下している際には起こり得ない態様で逆流(遊技球の鉛直方向上向きへの移動)が発生していれば、遊技球は、重力に逆らって移動している可能性がある。この点、第6実施形態に係るパチンコ遊技機1によれば、一の時刻(時刻TN+1―K)に対応するフレーム画像に含まれる一の遊技球の位置(例えば、図93に示す(x1,y1)に対応する位置)と、該一の時刻よりも後の時刻(時刻TN+1)に対応するフレーム画像に含まれる該一の遊技球の位置(例えば、図93に示す(x2,y2)に対応する位置)とを比較して、該一の時刻(時刻TN+1―K)から該一の時刻よりも後の時刻(時刻TN+1)までの間における該一の遊技球の位置変化が、通常の遊技球の流下では起こり得ない逆流に相当するか否かが判断される。これにより、遊技球が重力に逆らって移動していることを検出することが可能であり、当該検出結果に基づいて遊技球の動きが異常であることを検知することができる。これにより、不正行為を防止したり、遊技機の不調に対応したりする機会を提供することができる。
第6実施形態では、移動方向が異常な(移動方向が鉛直方向上向きである)遊技球が存在すれば、遊技球の動きが異常であることが検知される(エラー報知が行われる)こととして説明した(図92のステップS3111及びステップS3112参照)。しかし、本発明において、エラー報知が行われるための条件としては、単に移動方向が鉛直方向上向きであるような遊技球が存在することだけでは足りず、より限定的な条件が成立した場合に、エラー報知を行うこととしてもよい。例えば、鉛直方向上向きの移動距離が所定の距離以上であるような遊技球が存在することを条件として、エラー報知を行うこととしてもよい。一の遊技球の鉛直方向上向きの移動距離は、時刻TN+1―Kにおける当該遊技球の位置のy軸座標の値(図93に示す例では、y1)と、時刻TN+1における当該遊技球の位置のy軸座標の値(図93に示す例では、y2)との差として、算出することが可能である(図92のステップS3110参照)。また、鉛直方向上向きへの移動時間が所定時間以上であるような遊技球が存在することを条件として、エラー報知を行うこととしてもよい。鉛直方向上向きへの移動時間が所定時間以上であることは、移動方向が鉛直方向上向きとなることが所定回数連続することと同義であり、図92のステップS3113で説明した方法により判定することが可能である。このような鉛直方向上向きの移動距離に関する条件と、鉛直方向上向きへの移動回数に関する条件とは、それぞれ単独で用いてもよいし、双方の条件を組み合わせることとしてもよい。例えば、鉛直方向上向きの移動距離が所定の距離以上となることが所定回数連続するような遊技球が存在することを条件として、エラー報知を行うといったことも可能である。
このように、鉛直方向上向きの移動距離に関する条件や、鉛直方向上向きへの移動回数に関する条件を適宜設定することにより、「通常の遊技球の流下では起こり得ない逆流」を検出することができる。ここで、「通常の遊技球の流下では起こり得ない逆流」とは、「逆流」のうち、「通常の遊技球の流下で起こり得る逆流」を除外したものを指す。「逆流」とは、遊技球が鉛直方向上向きに移動することである。遊技球が通常に流下している際に逆流が生じる場合としては、上述したように、遊技球が何らかの構造物(釘等)と衝突した際に遊技球の移動方向が一時的に鉛直方向上向きとなる場合や、上下方向に傾斜し高低差を有する面(例えば、遊技球を始動口へと誘導するための所謂ステージ)上を遊技球が上向きに転動する場合等を挙げることができる。このような「通常の遊技球の流下で起こり得る逆流」においては、鉛直方向上向きの移動距離や鉛直方向上向きへの移動回数が、遊技機(遊技盤)の構造に応じて一定の範囲内に収まると考えられるところ、当該範囲は、実験を行うことにより求めることができる。本発明においては、このようにして求められる範囲を予め設定しておき、当該範囲内に収まらない「逆流」を「通常の遊技球の流下では起こり得ない逆流」として検出するように構成することが可能である。
あるいは、遊技球が遊技領域を流下する際、遊技球には重力が作用するところ、加速度のy軸方向の成分は、基本的に重力加速度(又はそれに近い値)に一致し、遊技球が遊技領域を流下している間略一定であると考えられる。厳密には、遊技盤や遊技盤に設けられた構造物と遊技球との間に発生する摩擦や空気抵抗に起因して、加速度のy軸方向の成分の値は重力加速度に一致しない可能性があるが、当該値は、遊技機(遊技盤)の構造に応じて一定の範囲内に収まると考えられ、このような加速度のy軸方向の成分がとり得る値の範囲(y軸方向加速度許容範囲)は、実験を行うことにより求めることができる。本発明においては、このようにして求められるy軸方向加速度許容範囲を予め設定しておき、加速度のy軸方向の成分が当該許容範囲外となる場合に、「通常の遊技球の流下では起こり得ない逆流」が発生した旨判定するように構成することとしてもよい。
(8−2) 遊技球が移動可能な遊技領域(遊技領域12a)を備える遊技盤(例えば、遊技盤12)と、
前記遊技領域を撮影可能なように配設された撮影装置(CCDカメラ1000)と、
前記遊技領域を撮影することによって得られる動画像として、連続する複数のフレーム画像を順次取得するフレーム画像取得手段(図91のステップS3001の処理を実行するサブCPU201)と、
前記フレーム画像取得手段により取得される各フレーム画像に含まれる遊技球の位置を特定する位置特定手段(図91のステップS3004〜ステップS3006の処理を実行するサブCPU201)と、
一の時刻に対応するフレーム画像に含まれる一の遊技球の位置と、該一の時刻よりも後の時刻に対応するフレーム画像に含まれる該一の遊技球の位置とに基づいて、該一の時刻から該一の時刻よりも後の時刻までにおける該一の遊技球の移動方向を検出する移動方向検出手段(図92のステップS3110の処理を実行するサブCPU201)と、
前記移動方向検出手段により検出された遊技球の移動方向に基づいて、遊技球の動きが異常であることを検知することが可能な異常検知手段(図92のステップS3111〜ステップS3115の処理を実行するサブCPU201)と、
を備えることを特徴とする遊技機。
遊技球が遊技領域を移動する際、遊技球が通常辿り得るルートは概ね決まっており、遊技球がこのルートから外れて移動している場合には、何らかの異常が発生しており、不正行為が行われていたり、遊技機に不具合が発生したりしている可能性がある。この点、第6実施形態に係るパチンコ遊技機1によれば、一の時刻(時刻TN+1―K)に対応するフレーム画像に含まれる一の遊技球の位置(例えば、図93に示す(x1,y1)に対応する位置)と、該一の時刻よりも後の時刻(時刻TN+1)に対応するフレーム画像に含まれる該一の遊技球の位置(例えば、図93に示す(x2,y2)に対応する位置)とに基づいて、該一の時刻(時刻TN+1―K)から該一の時刻よりも後の時刻(時刻TN+1)までにおける該一の遊技球の移動方向(鉛直方向下向き又は鉛直方向上向き)が検出される。これにより、当該遊技球の移動方向が通常と異なる(鉛直方向上向きである)場合に、遊技球の動きが異常であることを検知することが可能であるため、不正行為を防止したり、遊技機の不調に対応したりする機会を提供することができる。
特に、第6実施形態に係るパチンコ遊技機1によれば、所謂「糸付き玉ゴト」を防止することが可能である。すなわち、糸が付けられた不正な遊技球(「糸付き玉」)が用いられている場合には、遊技球の移動方向が通常と異なる(特に、重力に逆らって遊技球の位置が上昇する)可能性がある。第6実施形態に係るパチンコ遊技機1によれば、遊技球の移動方向が鉛直方向上向きとなっていることを検出することが可能であるため、「糸付き玉」が用いられていることをいち早く察知することができる。例えば、糸付き玉を用いたゴト行為では、糸の付けられた遊技球を上皿から入れ、当該遊技球を発射装置で発射させて、当該遊技球が入賞装置を通った後に糸を引っ張ることにより、当該遊技球が入賞検知用のセンサの設置箇所を行ったり来たりするように操作される(遊技球を発射しなくても、入賞検知がなされる)。遊技球が当該センサの設置箇所を行ったり来たりする際には、遊技球が下向きに移動した後上向きに移動するという動作が繰り返されるところ、第6実施形態に係るパチンコ遊技機1によれば、このような遊技球の不自然な動作(上向きの移動)を検知することができる。これにより、「糸付き玉ゴト」が行われてしまうことを未然に防止することができる。
また、上述した「ぶどうゴト」においては、複数の遊技球が、一定の時間を隔てて、同様の軌跡を描きながら、「ぶどう」から始動領域等へと、繰り返し移動する可能性がある。この点、一の遊技球の移動軌跡を基準とした所定範囲内に、他の複数の遊技球の移動軌跡が含まれる場合には、これらの遊技球の移動軌跡が全て当該所定範囲に属することになり、これらの遊技球の移動軌跡が類似していると見なすことが可能である。ここで、遊技球の移動軌跡は、微小時間における移動に細分化することができる。こうした「微小時間における移動」は、所定数フレーム(図92では、Kフレーム)間における遊技球の移動方向を示すベクトル(図93の例では、(x1,y1)を始点とし(x2,y2)を終点とするベクトル)として表される。遊技球の移動軌跡は、このような移動方向(ベクトル)を多数連結したものとなる。従って、一の遊技球の移動軌跡を基準とした所定範囲内に、他の複数の遊技球の移動方向(ベクトル)が含まれていれば、これらの遊技球は、同様の軌跡を描いて移動していることになる。以上より、各遊技球の移動方向(ベクトル)を検出し、当該移動方向(ベクトル)が当該所定範囲に含まれるか否かの判断を行うようにすれば、これらの遊技球が同様の軌跡を描いていることを検出することが可能である。これにより、「ぶどうゴト」が行われようとしている状況を発見し、ゴト行為が完遂してしまうことを防止する機会を得ることができる。
[第7実施形態]
以上、第1実施形態〜第6実施形態について説明した。以下、第7実施形態について説明する。第7実施形態に係るパチンコ遊技機1の基本的な構成は、第1実施形態〜第6実施形態に係るパチンコ遊技機1と同じである。以下においては、第1実施形態〜第6実施形態に係るパチンコ遊技機1の構成要素と同一の構成要素には、同一の符号を付して説明することとする。また、第1実施形態〜第6実施形態における説明が第7実施形態においても当てはまる部分については、説明を省略することとする。
第1実施形態では、V入賞を実現するための構成について、第2大入賞口54の内部に特定領域38Aと非特定領域38Bとが設けられており(図5参照)、変位部材39の姿勢を変化させることによって、特定領域38Aへの遊技球のV入賞が容易な状態と当該V入賞が不可能又は困難な状態との間で切り替えることとして説明した。第7実施形態では、V入賞を実現するための構成として、別の構成が採用されている。
<クルーン>
図94は、V入賞を実現するための構成について説明するための図である。図95は、CCDカメラによって撮影された画像に含まれるクルーン及びステージの近傍領域を示す図である。
本実施形態では、図94に示す構成により、V入賞が実現される。具体的には、クルーン3001に孔が4つ設けられており、4つの孔のうち1つが特定領域3038Aを構成している。残りの3つの孔は、非特定領域3038B、3038C、3038Dを構成している。遊技球が特定領域3038Aを通過することにより、「V入賞」となる。
より詳細に説明すると、第2大入賞口54に入賞した遊技球は、図示しない誘導路によって誘導されて、傾斜面3002に到達する。傾斜面3002は、正面視において左から右にかけて下方に傾斜するように形成されている。傾斜面3002に到達した遊技球は、傾斜面3002と連続して形成されたステージ3003へと流下する。
ステージ3003には、遊技球の直径よりも僅かに大きな直径を有する孔が3つ設けられており、3つの孔は、ステージ3003を上下方向に貫通している。これにより、遊技球を下方へと案内する球通路3004(3004a、3004b、3004c)が形成されている。3つの球通路3004のうち、傾斜面3002に最も近いのが球通路3004aであり、傾斜面3002から最も遠いのが球通路3004cであり、球通路3004aと球通路3004cとの間に球通路3004bが設けられている。
ステージ3003の上面は、略平坦であるが、左右方向及び前後方向において若干の傾斜を有するように形成されている。左右方向においては、中央付近(球通路3004bの形成位置)が最も高く、球通路3004aの形成位置及び球通路3004cの形成位置が最も低くなっている。すなわち、ステージ3003の上面は、傾斜面3002から球通路3004aの形成位置までは、右に向かうにつれて下方に傾斜し、球通路3004aの形成位置から球通路3004bの形成位置までは、右に向かうにつれて上方に傾斜し、球通路3004bの形成位置から球通路3004cの形成位置までは、右に向かうにつれて下方に傾斜している。また、前後方向においては、球通路3004bよりも左側では球通路3004aの形成位置が最も低く、球通路3004bよりも右側では球通路3004cの形成位置が最も低くなっている。
これにより、傾斜面3002と連続して形成されたステージ3003へと流下した遊技球は、ステージ3003を転動した後、球通路3004a、3004b、3004cに対応する3つの孔のうちの何れかに必ず入り、ステージ3003の上面に遊技球が停止することのないようになっている。また、球通路3004aの形成位置及び球通路3004cの形成位置よりも球通路3004bの形成位置の方が上方にあることに起因して、球通路3004a及び球通路3004cに対応する2つの孔と比較して、球通路3004bに対応する孔には、遊技球が入りにくくなっている。
球通路3004(3004a、3004b、3004c)は、クルーン3001と連続しており、球通路3004a、3004b、3004cの何れかを通過した遊技球は、クルーン3001へと運ばれる。クルーン3001は、皿状の形状を有しており、周縁から中央にかけて下方に傾斜する構造を備えている。特定領域3038A、及び、非特定領域3038B、3038C、3038Dは、クルーン3001の中央付近に設けられており、球通路3004からクルーン3001へと運ばれた遊技球は、特定領域3038A、及び、非特定領域3038B、3038C、3038Dに対応する4つの孔のうちの何れかに必ず入り、クルーン3001上に遊技球が停止することのないようになっている。
特定領域3038A及び非特定領域3038Cは、正面視において、左右方向における位置が、球通路3004bと略一致しており、非特定領域3038Cよりも特定領域3038Aの方が、球通路3004bに近くなっている。非特定領域3038Bは、特定領域3038A及び非特定領域3038Cよりも右側に形成されており、球通路3004cよりも若干左側となっている。非特定領域3038Dは、特定領域3038A及び非特定領域3038Cよりも左側に形成されており、球通路3004aよりも若干右側となっている。また、特定領域3038A、及び、非特定領域3038B、3038C、3038Dに対応する4つの孔は、遊技球の直径よりも僅かに大きな直径を有しており、4つの孔の大きさは、略等しくなっている。
以上より、遊技球が球通路3004bを通過した場合には、遊技球が球通路3004a又は球通路3004cを通過した場合と比較して、遊技球が特定領域3038Aに入球する確率(V入賞となる確率)が高くなっている。遊技球が球通路3004aを通過した場合と遊技球が球通路3004cを通過した場合とでは、遊技球が特定領域3038Aに入球する確率(V入賞となる確率)は略等しくなっている。また、遊技球が球通路3004bを通過した場合には、遊技球が特定領域3038Aに入球する確率(V入賞となる確率)が、非特定領域3038B、3038C、3038Dに入球する確率よりも高くなっている。
また、遊技球が球通路3004aを通過した場合には、遊技球が球通路3004b又は球通路3004cを通過した場合と比較して、遊技球が非特定領域3038Dに入球する確率が高くなっている。また、遊技球が球通路3004aを通過した場合には、遊技球が非特定領域3038Dに入球する確率が、特定領域3038A、又は、非特定領域3038B、3038Cに入球する確率よりも高くなっている。
また、遊技球が球通路3004cを通過した場合には、遊技球が球通路3004a又は球通路3004bを通過した場合と比較して、遊技球が非特定領域3038Bに入球する確率が高くなっている。また、遊技球が球通路3004cを通過した場合には、遊技球が非特定領域3038Bに入球する確率が、特定領域3038A、又は、非特定領域3038C、3038Dに入球する確率よりも高くなっている。
本実施形態において、第2大入賞口54に入賞してステージ3003に到達した遊技球は、非特定領域3038B又は非特定領域3038Dに最も高い確率(例えば、それぞれ1/3の確率)で入球し、特定領域3038Aに次に高い確率(例えば、1/4の確率)で入球し、非特定領域3038Cに最も低い確率(例えば、1/12の確率)で入球する。各領域への入球確率は、特に限定されず、それぞれ同じ確率(1/4)であってもよい。
なお、図示しないが、特定領域3038Aには、特定領域センサ3380Aが配置されており、特定領域3038Aにおける遊技球の通過(V入賞)は、特定領域センサ3380Aにより検出される。同様に、非特定領域3038B、3038C、3038Dには、それぞれ、非特定領域センサ3380B、3380C、3380Dが配置されており、非特定領域3038B、3038C、3038Dにおける遊技球の通過は、非特定領域センサ3380B、3380C、3380Dにより検知される。
図94に示すように、クルーン3001、球通路3004、及び、ステージ3003は、全て、CCDカメラ1000による撮影範囲に含まれている。クルーン3001、球通路3004、及び、ステージ3003は、透明な部材で構成されたガラス板等で覆われていてもよいが、この場合にも、これらを移動する遊技球は、遊技者から視認可能であり、CCDカメラ1000による撮影から得られた画像にも、遊技球が含まれることになる(図95参照)。
<コマンド解析処理>
第1実施形態では、コマンド解析処理(図26のステップS204参照)として、図29に示す処理が行われることとして説明した。これに対し、第7実施形態では、図96に示す処理が行われる。
図96は、本発明の一実施形態に係るパチンコ遊技機において実行されるコマンド解析処理を示すフローチャートである。
図96に示すコマンド解析処理は、図29に示すコマンド解析処理と基本的に同じである。概要を説明すると、サブCPU201は、主制御回路70から受信した各種コマンドを解析する(ステップS3501)。第1実施形態では説明しなかったが、主制御回路70から受信するコマンドには、V入賞成功コマンド及びV入賞失敗コマンドが含まれる。V入賞成功コマンドは、V入賞に成功した場合に、主制御回路70から副制御回路200に送信されるコマンドである。V入賞失敗コマンドは、V入賞に失敗した場合に、主制御回路70から副制御回路200に送信されるコマンドである。
具体的に、V入賞に成功した場合(遊技球が特定領域3038Aに入球した場合)には、特定領域3038Aに配置された特定領域センサ3380Aから、主制御回路70へと検知信号が出力される。当該検知信号を受信することにより、主制御回路70のメインCPU71は、V入賞に成功したことを認識する。そして、メインCPU71は、V入賞成功コマンドを生成し、生成したV入賞成功コマンドをメインRAM73の通信データ格納領域に格納する。V入賞成功コマンドには、V入賞に成功したこと(遊技球が特定領域3038Aに入球したこと)を示す情報(V入賞成功情報)が含まれる。
同様に、V入賞に失敗した場合(遊技球が非特定領域3038B、3038C、3038Dの何れかに入球した場合)には、非特定領域3038B、3038C、3038Dにそれぞれ配置された非特定領域センサ3380B、3380C、3380Dの何れかから、主制御回路70へと検知信号が出力される。当該検知信号を受信することにより、主制御回路70のメインCPU71は、V入賞に失敗したことを認識する。そして、メインCPU71は、V入賞失敗コマンドを生成し、生成したV入賞失敗コマンドをメインRAM73の通信データ格納領域に格納する。V入賞失敗コマンドには、V入賞に失敗したこと(遊技球が非特定領域3038B、3038C、3038Dの何れかに入球したこと)を示す情報(V入賞失敗情報)、及び、非特定領域3038B、3038C、3038Dののうちの何れに遊技球が入球したのかを示す情報が含まれる。
通信データ格納領域に格納されたV入賞成功コマンド又はV入賞失敗コマンドは、コマンド出力処理(図15のステップS35参照)により、副制御回路200に送信される。ここで、コマンド出力処理としては、図64に示す通信データ送信処理と同様の処理が行われる。すなわち、システムタイマ割込処理(図15参照)が所定回数(図64の例では、16回)行われるごとに、メインRAM73の通信データ格納領域に格納されているコマンドが副制御回路200へと送信されることになる。
V入賞成功コマンド及びV入賞失敗コマンドは、以上のようにして、主制御回路70から副制御回路200に送信される。副制御回路200で受信したコマンドは、ワークRAM203に格納される。受信したコマンドがV入賞成功コマンドである場合、サブCPU201は、V入賞に成功したことに対応する演出パターン(図99参照)を決定し、受信したコマンドがV入賞失敗コマンドである場合、サブCPU201は、V入賞に失敗したことに対応する演出パターン(図99参照)を決定する(ステップS3503)。そして、サブCPU201は、決定した演出パターンを登録し(ステップS3505)、本サブルーチンを終了する。
<演出態様決定処理>
第1実施形態では、演出態様決定処理(図26のステップS205参照)として、図30に示す処理が行われることとして説明した。これに対し、第7実施形態では、図97に示す処理が行われる。
図97は、本発明の一実施形態に係るパチンコ遊技機において実行される演出態様決定処理を示すフローチャートである。図98は、特定領域及び非特定領域に対して排出領域が設定されている様子を示す図である。図99は、演出パターン決定テーブルを示す図である。
図97に示す演出態様決定処理において、まず、サブCPU201は、カメラ映像解析処理を実行する(ステップS3601)。カメラ映像解析処理については、第1実施形態〜第6実施形態で詳細に説明した通りであるため、ここでの説明は省略する。
次に、サブCPU201は、V入賞に成功している場合(遊技球が特定領域3038Aに入球した場合)又はV入賞に失敗している場合(遊技球が非特定領域3038B、3038C、3038Dに入球した場合)に、V入賞の成功又は失敗に応じた演出パターンを選択し、選択した演出パターンをワークRAM203に格納されたゲームデータに反映(登録)させる(ステップS3602)。
この処理において、サブCPU201は、ステップS3601の処理結果に基づいて、遊技球が何れかのV入賞用領域(特定領域3038A、及び、非特定領域3038B、3038C、3038D)に入球したか否かを判断する。本実施形態においては、各V入賞用領域に対して、当該V入賞用領域の近傍における所定範囲内の領域が排出領域(図41参照)として設定されている(図98参照)。従って、遊技球が何れかのV入賞用領域に入球した場合、サブCPU201は、図44のステップS307において「YES」の判断を行う(すなわち、遊技球が排出領域に属することを示す情報(排出直前フラグ)がセットされていると判断する)ことになる。ここで、遊技球がV入賞用領域に対して設定された排出領域に属する場合にセットされる排出直前フラグには、遊技球が何れのV入賞用領域に対して設定された排出領域に属するのかを示す情報(V入賞用領域情報)が対応付けられている。当該V入賞用領域情報に基づいて、サブCPU201は、遊技球が何れかのV入賞用領域に入球したか否かを判断することができるとともに、遊技球が何れかのV入賞用領域に入球したと判断した場合には、遊技球の入球したV入賞用領域が特定領域3038A、及び、非特定領域3038B、3038C、3038Dのうちの何れの領域であるのかを認識することができる。
そして、遊技球が何れかのV入賞用領域に入球したと判断した場合、サブCPU201は、プログラムROM202に記憶されている演出パターン決定テーブル(図99参照)に基づいて、入球したV入賞用領域に応じた演出パターンを選択する。図99に示す演出パターン決定テーブルにおいては、V入賞用領域ごとに、乱数値の範囲と演出パターンとが対応付けて規定されている。演出パターンには、V入賞の成功又は失敗に応じた演出内容を示す情報が含まれている。V入賞の成功に応じた演出(V入賞の成功を示唆する演出)としては、4種類のV入賞成功演出(V入賞成功演出1〜4)が設けられ、V入賞の失敗に応じた演出(V入賞の失敗を示唆する演出)としては、4種類のV入賞失敗演出(V入賞失敗演出1〜4)が設けられている。
例えば、特定領域3038Aに入球した場合において、取得された乱数値が100である場合には、演出パターンとして「EN1」が選択される。演出パターン「EN1」は、V入賞成功演出1に対応している。また、例えば、非特定領域3038Cに入球した場合において、取得された乱数値が500である場合には、演出パターンとして「EN10」が選択される。演出パターン「EN10」は、V入賞失敗演出1に対応している。
図99に示すように、遊技球が特定領域3038Aに入球した場合には、V入賞成功演出(V入賞成功演出1〜4の何れか)に対応する演出パターンが必ず選択される。また、遊技球が非特定領域3038B、3038C、3038Dのうちの何れかに入球した場合には、V入賞失敗演出(V入賞失敗演出1〜4の何れか)に対応する演出パターンが必ず選択される。
図97のステップS3602において、遊技球が何れのV入賞用領域にも入球していないと判断した場合、又は、遊技球が何れかのV入賞用領域に入球したと判断した場合において選択した演出パターン(図99参照)を登録した後、サブCPU201は、ステップS3603〜ステップS3606の処理を実行する。これらの処理は、図30のステップS262〜ステップS265の処理と同様の処理であるため、詳細な説明は省略するが、サブCPU201は、ステップS3602で登録した演出パターン及び図96のステップS3505で登録した演出パターンに応じて、各種演出装置(液晶表示装置13、スピーカ11、LED59、及び、各種可動役物等)を制御するためのリクエスト(描画リクエスト、サウンドリクエスト、ランプリクエスト、及び、役物リクエスト)を生成する。これらのリクエストに基づいて、各種演出装置が制御され、V入賞の成否に応じた演出等、各種演出が行われることになる(図26のステップS206〜ステップS209参照)。
なお、以上で説明したように、V入賞用領域(特定領域3038A、及び、非特定領域3038B、3038C、3038D)への入球に応じた演出パターンとしては、受信したコマンド(V入賞成功コマンド又はV入賞失敗コマンド)に基づいて演出パターンを登録する場合(図96のステップS3505参照)と、カメラ映像解析処理の結果に基づいて演出パターンを登録する場合(図97のステップS3602参照)とがある。ここで、遊技球がV入賞用領域に入球してから当該入球に応じた演出パターンが登録されるまでの時間は、受信したコマンドに基づいて演出パターンを登録する場合(図96のステップS3505参照)よりも、カメラ映像解析処理の結果に基づいて演出パターンを登録する場合(図97のステップS3602参照)の方が短くなる。
具体的に説明すると、上述したように、本実施形態では、主制御回路70においてシステムタイマ割込処理(図15参照)が所定回数行われるごとに、副制御回路200にコマンドが送信される。例えば、システムタイマ割込処理が2ms間隔で行われ、上記所定回数=16回(図64のステップS1055参照)とすると、コマンドは、32ms間隔で送信されることになる。従って、遊技球が何れかのV入賞用領域(特定領域3038A、及び、非特定領域3038B、3038C、3038D)に入球してから、V入賞成功コマンド又はV入賞失敗コマンドに応じた演出パターン(図96のステップS3505参照)が登録されるまで、最大で32ms程度の遅延が発生することとなる。
これに対し、副制御回路200における副制御メイン処理(図26参照)の時間間隔を4msとすると、カメラ映像解析処理(図97のステップS3601参照)の時間間隔も4msである。ここで、CCDカメラ1000のフレームレートを250fps(CCDカメラ1000によるフレーム画像の取得間隔=4ms)とすると、サブCPU201は、カメラ映像解析処理を1回行うごとに、CCDカメラ1000から最新のフレーム画像を1つ取得する(図31のステップS281参照)。その後の前後フレーム間差分抽出(図31のステップS284参照)に基づく遊技球の追跡(図44のステップS304参照)では、1フレームに相当する時間(4ms)だけ前の遊技球の位置を特定することになるため(図35参照)、遊技球がV入賞用領域に対して設定された排出領域を通過してから、サブCPU201がそのことを認識する(排出直前フラグをセットする)まで4msの時間がかかる。さらに、サブCPU201は、次回(1フレームに相当する時間=4ms経過後)の遊技媒体追跡処理(図44参照)のステップS307において「YES」の判断を行うことにより、遊技球がV入賞用領域に入球したことを認識することになるため、遊技球が何れかのV入賞用領域(特定領域3038A、及び、非特定領域3038B、3038C、3038D)に入球してから、演出パターン決定テーブル(図99参照)に基づいて、入球したV入賞用領域に応じた演出パターン(図97のステップS3602参照)を登録するまでの遅延時間は、最大で8ms程度である。
以上で説明したように、遊技球がV入賞用領域に入球してから当該入球に応じた演出パターンが登録されるまでの時間は、受信したコマンド(V入賞成功コマンド又はV入賞失敗コマンド)に基づいて演出パターンを登録する場合(図96のステップS3505参照)よりも、カメラ映像解析処理の結果に基づいて演出パターンを登録する場合(図97のステップS3602参照)の方が短くなる。ステップS3603〜ステップS3606の処理において、サブCPU201は、これらの演出パターンを双方とも参照してもよいし、カメラ映像解析処理の結果に基づいて登録した演出パターンの方が最新の情報を反映したものである点に鑑み、当該演出パターンのみを参照することとしてもよい。その場合には、コマンド(V入賞成功コマンド又はV入賞失敗コマンド)に基づいて演出パターンを登録する処理(図96のステップS3503及びステップS3505参照)は、行わないこととしてもよい。
ステップS3606の処理を実行した後、サブCPU201は、入賞情報判定処理を実行する(ステップS3607)。入賞情報判定処理については、後に図100を用いて説明する。ステップS3607の処理を実行した後、サブCPU201は、本サブルーチンを終了する。
<入賞情報判定処理>
図100は、本発明の一実施形態に係るパチンコ遊技機において実行される入賞情報判定処理を示すフローチャートである。
図100に示す入賞情報判定処理において、まず、サブCPU201は、主制御回路70から受信したコマンド(図96のステップS3501参照)に基づく入賞情報(1)を特定する(ステップS3701)。
この処理において、サブCPU201は、V入賞成功コマンドを受信した場合、V入賞成功コマンドに含まれる情報を特定する。上述したように、V入賞成功コマンドには、遊技球が特定領域3038Aに入球したことを示す情報(V入賞成功情報)が含まれる。サブCPU201は、V入賞成功情報を入賞情報(1)として特定し、ワークRAM203に記憶させる。
また、サブCPU201は、V入賞失敗コマンドを受信した場合、V入賞失敗コマンドに含まれる情報を特定する。上述したように、V入賞失敗コマンドには、遊技球が非特定領域3038B、3038C、3038Dの何れかに入球したことを示す情報(V入賞失敗情報)が含まれる。サブCPU201は、V入賞失敗情報を入賞情報(1)として特定し、ワークRAM203に記憶させる。
また、サブCPU201は、V入賞成功コマンドもV入賞失敗コマンドも受信していない場合、遊技球が何れのV入賞用領域(特定領域3038A、及び、非特定領域3038B、3038C、3038D)にも入球していないことを示す情報(非入球情報)を、入賞情報(1)として特定し、ワークRAM203に記憶させる。
次に、サブCPU201は、カメラ映像解析処理(図97のステップS3601参照)に基づく入賞情報(2)を特定する(ステップS3702)。
この処理において、サブCPU201は、図97のステップS3602で遊技球が何れのV入賞用領域(特定領域3038A、及び、非特定領域3038B、3038C、3038D)にも入球していないと判断した場合には、遊技球が何れのV入賞用領域にも入球していないことを示す情報(非入球情報)を、入賞情報(2)として特定し、ワークRAM203に記憶させる。
また、サブCPU201は、図97のステップS3602で遊技球が何れかのV入賞用領域(特定領域3038A、及び、非特定領域3038B、3038C、3038D)に入球したと判断した場合であって、遊技球の入球したV入賞用領域が特定領域3038Aであると判定した場合には、遊技球が特定領域3038Aに入球したことを示す情報(V入賞成功情報)を、入賞情報(2)として特定し、ワークRAM203に記憶させる。
また、サブCPU201は、図97のステップS3602で遊技球が何れかのV入賞用領域(特定領域3038A、及び、非特定領域3038B、3038C、3038D)に入球したと判断した場合であって、遊技球の入球したV入賞用領域が非特定領域3038B、3038C、3038Dの何れかであると判定した場合には、遊技球が非特定領域3038B、3038C、3038Dの何れかに入球したことを示す情報(V入賞失敗情報)を、入賞情報(2)として特定し、ワークRAM203に記憶させる。
次に、サブCPU201は、ステップS3701で特定した入賞情報(1)とステップS3702で特定した入賞情報(2)とを比較する(ステップS3703)。
次に、サブCPU201は、ステップS3703において入賞情報(1)と入賞情報(2)とを比較した結果、入賞情報(1)と入賞情報(2)との間に齟齬があれば、エラー報知を行う(ステップS3704)。この処理において、サブCPU201は、入賞情報(1)と入賞情報(2)とが異なっている場合に、入賞情報(1)と入賞情報(2)との間に齟齬があると判定する。そして、特に、サブCPU201は、入賞情報(1)がV入賞成功情報である一方、入賞情報(2)がV入賞失敗情報又は非入球情報である場合に、主制御回路70から受信したコマンドとカメラ映像の解析結果との間に齟齬があることを示すエラー信号を表示制御回路205や音声制御回路206に送信する。これにより、主制御回路70から受信したコマンドとカメラ映像の解析結果との間に齟齬があることを報知する画像が液晶表示装置13に表示されたり、主制御回路70から受信したコマンドとカメラ映像の解析結果との間に齟齬があることを報知する音がスピーカ11から出力されたりする。また、サブCPU201は、ホール(遊技場)内のパチンコ遊技機を管理するホールコンピュータに対して、主制御回路70から受信したコマンドとカメラ映像の解析結果との間に齟齬があることを示すエラー信号を送信する。ステップS3704の処理を実行した後、サブCPU201は、本サブルーチンを終了する。
なお、上述したように、遊技球がV入賞用領域に入球してから当該入球に応じた演出パターンが登録されるまでの時間は、受信したコマンド(V入賞成功コマンド又はV入賞失敗コマンド)に基づいて演出パターンを登録する場合(図96のステップS3505参照)よりも、カメラ映像解析処理の結果に基づいて演出パターンを登録する場合(図97のステップS3602参照)の方が短くなる。これと同様に、遊技球がV入賞用領域に入球してから、そのことを示す情報(V入賞成功情報又はV入賞失敗情報)が入賞情報(1)として特定されるまでの時間は、入賞情報(2)として特定されるまでの時間よりも長くなる。従って、遊技球がV入賞用領域に入球した後、入賞情報(2)がV入賞成功情報又はV入賞失敗情報である一方、入賞情報(1)が非入球情報であるという状況が発生し得る。そこで、そのような場合には、入賞情報(1)と入賞情報(2)との間に齟齬があると即断せず、入賞情報(2)を保持しつつ所定時間が経過するのを待ってから、改めて入賞情報(1)と入賞情報(2)とを比較するようにしてもよい。
以上、本発明の一実施形態として、第7実施形態に係るパチンコ遊技機1について説明した。
<付記9>
従来、パチンコ遊技機における遊技領域を転動する遊技球をカメラ等の撮影装置で撮影し、撮影によって得られる画像を解析することによって、遊技球の動きを追跡する技術が知られている(特開2005−237864号公報)。
ところで、遊技機業界においては、従来、不正な方法により出玉を獲得しようとするゴト行為が知られている。特に、近年では、巧妙に細工された不正行為が多発しており、こうした行為を防止することが望まれている。また、遊技機に不具合が発生した場合、遊技店としては、当該不調をいち早く察知し、適切な対応をとることが求められる。
本発明者は、上述したような遊技球を追跡する技術について鋭意検討を行う過程において、自身の開発した技術を用いることによって遊技機に発生した異常を検出し、不正行為の防止や遊技機の不調への対応に役立てることができるのではないかという考えに想到した。
本発明は、上記のような問題点に鑑みてなされたものであり、遊技機に発生した異常を検出することを目的とする。
この点、第7実施形態に係るパチンコ遊技機1は、以下の特徴を備えている。
(9−1) 遊技球が流下可能な遊技領域(遊技領域12a)を備える遊技盤(遊技盤12)と、
前記遊技領域を流下した遊技球が入球可能な入賞領域と、
特定の前記入賞領域(特定領域3038A)に遊技球が入球したことを示す特定入賞信号(V入賞成功コマンド)を受信する入賞信号受信手段と、
前記遊技領域を撮影可能なように配設された撮影装置(CCDカメラ1000)と、
前記遊技領域を撮影することによって得られる動画像として、連続する複数のフレーム画像を順次取得するフレーム画像取得手段(図31のステップS281の処理を実行するサブCPU201)と、
前記フレーム画像取得手段により取得される各フレーム画像に含まれる遊技球の位置を特定する位置特定手段(図31のステップS284〜ステップS286の処理を実行するサブCPU201)と、
前記位置特定手段により特定される各フレーム画像に含まれる遊技球の位置に基づいて、前記特定の入賞領域に遊技球が入球したことを検知する入賞検知手段(図97のステップS3602の処理を実行するサブCPU201)と、
前記入賞信号受信手段による前記特定入賞信号の受信の有無と、前記入賞検知手段による前記特定の入賞領域への遊技球の入球の検知の有無とに基づいて、異常を検知することが可能な異常検知手段(図100の処理を実行するサブCPU201)と、
を備えることを特徴とする遊技機。
ある入賞領域(特定領域3038A)に遊技球が入球していないにもかかわらず入賞信号(V入賞成功コマンド)が受信されたり、ある入賞領域(特定領域3038A)に遊技球が入球したにもかかわらず入賞信号(V入賞成功コマンド)が受信されなかったりする場合には、何らかの異常が発生しており、不正行為が行われていたり、遊技機に不具合が発生したりしている可能性がある。この点、第7実施形態に係るパチンコ遊技機1によれば、遊技領域を撮影装置(CCDカメラ1000)で撮影することによって得られるフレーム画像に含まれる遊技球の位置に基づいて、特定の入賞領域(特定領域3038A)に遊技球が入球した場合、当該入球が検知されるように構成されている。従って、当該検知の有無と入賞信号(V入賞成功コマンド)の受信の有無との間に齟齬がないか否かを判断することが可能であり、当該判断結果に基づいて齟齬がある場合には、当該齟齬を異常として検知することができる。これにより、不正行為を防止したり、遊技機の不調に対応したりする機会を提供することができる。
(9−2) 遊技球が流下可能な遊技領域(遊技領域12a)を備える遊技盤(遊技盤12)と、
前記遊技領域を流下した遊技球が入球可能な入賞領域と、
前記遊技領域を撮影可能なように配設された撮影装置(CCDカメラ1000)と、
遊技に関する制御を行う第1の制御手段(主制御回路70)と、
前記第1の制御手段とは異なる第2の制御手段(副制御回路200)と、を備え、
前記第1の制御手段は、
特定の前記入賞領域に遊技球が入球したことを示す特定入賞信号(V入賞成功コマンド)を前記第2の制御手段に送信する入賞信号送信手段(図64と同様の処理を実行するメインCPU71)を備え、
前記第2の制御手段は、
前記入賞信号送信手段により送信された前記特定入賞信号を受信する入賞信号受信手段と、
前記遊技領域を撮影することによって得られる動画像として、連続する複数のフレーム画像を順次取得するフレーム画像取得手段(図31のステップS281の処理を実行するサブCPU201)と、
前記フレーム画像取得手段により取得される各フレーム画像に含まれる遊技球の位置を特定する位置特定手段(図31のステップS284〜ステップS286の処理を実行するサブCPU201)と、
前記位置特定手段により特定される各フレーム画像に含まれる遊技球の位置に基づいて、前記特定の入賞領域に遊技球が入球したことを検知する入賞検知手段(図97のステップS3602の処理を実行するサブCPU201)と、
前記入賞信号受信手段による前記特定入賞信号の受信の有無と、前記入賞検知手段による前記特定の入賞領域への遊技球の入球の検知の有無とに基づいて、異常を検知することが可能な異常検知手段(図100の処理を実行するサブCPU201)と、
を備えることを特徴とする遊技機。
ある入賞領域(特定領域3038A)に遊技球が入球していないにもかかわらず入賞信号(V入賞成功コマンド)が受信されたり、ある入賞領域(特定領域3038A)に遊技球が入球したにもかかわらず入賞信号(V入賞成功コマンド)が受信されなかったりする場合には、何らかの異常が発生しており、不正行為が行われていたり、遊技機に不具合が発生したりしている可能性がある。この点、第7実施形態に係るパチンコ遊技機1によれば、第2の制御手段(副制御回路200)は、特定の入賞領域(特定領域3038A)に遊技球が入球した場合、遊技領域を撮影装置(CCDカメラ1000)で撮影することによって得られるフレーム画像に含まれる遊技球の位置に基づいて、当該入球を検知するように構成されている。従って、第2の制御手段(副制御回路200)は、当該検知の有無と第1の制御手段(主制御回路70)からの入賞信号(V入賞成功コマンド)の受信の有無との間に齟齬がないか否かを判断することが可能であり、当該判断結果に基づいて齟齬がある場合には、当該齟齬を異常として検知することができる。このように、第7実施形態に係るパチンコ遊技機1によれば、第1の制御手段(主制御回路70)と第2の制御手段(副制御回路200)とが協働することにより取得し得る情報(図100に示す入賞情報(1))と、第2の制御手段(副制御回路200)が単独で取得し得る情報(図96に示す入賞情報(2))とを比較したダブルチェックを行うことが可能であり、これにより、不正行為を防止したり、遊技機の不調に対応したりする機会を提供することができる。
(9−3) 前記(9−1)又は(9−2)の遊技機であって、
前記異常検知手段は、
前記入賞信号受信手段により前記特定入賞信号が受信された一方で、前記入賞検知手段により遊技球が前記特定の入賞領域に入球したことが検知されていない場合に、異常を検知する、
ことを特徴とする。
特定の入賞領域(特定領域3038A)に遊技球が入球していないにもかかわらず入賞信号(V入賞成功コマンド)が受信される場合には、不正行為が行われている可能性がある。この点、第7実施形態に係るパチンコ遊技機1によれば、特定の入賞領域(特定領域3038A)に遊技球が入球したことを示す特定入賞信号(V入賞成功コマンド)が受信された一方で、遊技球が特定の入賞領域(特定領域3038A)に入球したことが検知されていない場合に、異常が検知されるように構成されている。これにより、入賞信号を不正に操作することによって所謂「電波ゴト」が行われようとしている状況を察知し、ゴト行為が完遂してしまうことを防止する機会を得ることができる。
また、上述したように、第7実施形態に係るパチンコ遊技機1によれば、遊技球がV入賞用領域(特定領域3038A、及び、非特定領域3038B、3038C、3038D)に入球してから当該入球に応じた演出パターンが登録されるまでの時間は、受信したコマンドに基づいて演出パターンを登録する場合(図96のステップS3505参照)よりも、カメラ映像解析処理の結果に基づいて演出パターンを登録する場合(図97のステップS3602参照)の方が短くなる。これにより、遊技球がV入賞用領域に入球した状況において、仮に、主制御回路70から副制御回路200へのコマンド(V入賞成功コマンド又はV入賞失敗コマンド)の送信に比較的長い時間がかかる場合であっても、当該コマンド送信を待つことなく、カメラ映像解析処理の結果に基づいてV入賞の成否に応じた演出(図99参照)を行うことが可能であるため、遊技球がV入賞用領域に入球したことが演出内容に反映されるまでの遅延時間を短縮することができる。また、V入賞の成否に応じた演出(図99参照)を行うに当たって、コマンド(V入賞成功コマンド及びV入賞失敗コマンド)は必須ではないため、V入賞成功コマンド及びV入賞失敗コマンドは、主制御回路70において作成されないこととしてもよい。その場合、V入賞に失敗したこと(遊技球が非特定領域3038B、3038C、3038Dの何れかに入球したこと)は、そもそも検出されなくてもよく、遊技球が非特定領域3038B、3038C、3038Dに入球したことを検知するための非特定領域センサ3380B、3380C、3380Dも、設けないこととしてもよい。このように、第7実施形態に係るパチンコ遊技機1は、カメラ映像解析処理の結果に基づいて遊技球が所定の領域に入球したことを検知し、当該検知に応じて演出を行うように構成されており、このような特徴は、センサの設けられていない入賞口や、一発台等の各種機種に対しても、幅広く適用することが可能である。
<変形例>
第7実施形態では、遊技球がV入賞用領域(特定領域3038A、及び、非特定領域3038B、3038C、3038D)に入球したことを、カメラ映像解析処理(図97のステップS3602参照)の結果に基づいて検知し、当該検知に応じて、V入賞の成否に応じた演出(V入賞の成功又は失敗を示唆する演出)が行われる場合について説明した。以下の変形例では、遊技球がV入賞用領域(特定領域3038A、及び、非特定領域3038B、3038C、3038D)に入球する前の遊技球の動きを、カメラ映像解析処理の結果に基づいて検出し、当該検出結果に応じて、V入賞用領域への入球前にV入賞の成否に応じた演出(V入賞の成功又は失敗を示唆する演出)が行われる場合について説明する。
以下、図101〜図103を用いて、変形例について説明する。図101(a)は、クルーン上を遊技球が移動する様子を示す図である。図101(b)は、ステージ上を遊技球が転動する様子を示す図である。図102は、演出パターン決定テーブルを示す図である。図103は、球通路に対して排出領域が設定されている様子を示す図である。
まず、前提として、本変形例において、図97のステップS3602でサブCPU201の行う処理について説明する。遊技球は、時間の経過とともに、刻々とその位置を変化させるが、カメラ映像解析処理(図97のステップS3601参照)により、サブCPU201は、フレーム画像の撮影タイミングにおける遊技球の位置を随時特定することができる(図44のステップS304参照)。ここで、第6実施形態で説明したように、このようにして特定される遊技球の位置情報は、最新の位置情報だけではなく、直近の所定数フレーム分の位置情報がワークRAM203に保持されている(図92のステップS3101参照)。これにより、サブCPU201は、「時刻」と「遊技球の位置」との関係を把握することができる。そして、「時刻」と「遊技球の位置」との間には、「時刻の変化に伴って、遊技球の位置が変化する」という関係が成立し、また、「遊技球の位置」は、XY直交座標平面(図69参照)上のX軸座標の値及びY軸座標の値により表される。従って、「遊技球の位置のX軸座標の値」と「時刻」という2つの変数について、「遊技球の位置のX軸座標の値」は、「時刻」の関数として表すことができる。同様に、「遊技球の位置のY軸座標の値」と「時刻」という2つの変数について、「遊技球の位置のY軸座標の値」は、「時刻」の関数として表すことができる。これにより、「遊技球の位置のY軸座標の値」は、「遊技球の位置のX軸座標の値」の関数として表すことができる。サブCPU201は、ワークRAM203に記憶されている遊技球の位置情報(複数フレーム分の位置情報)に基づいて、当該関数を算出する。当該関数は、フレーム画像において遊技球の描く軌跡に対応する。このような関数を軌跡関数と呼ぶこととする。
図101(a)では、1個の遊技球がクルーン3001上を移動している様子を示しており、現在の遊技球の存在位置を遊技球120pとして示している。遊技球は、クルーン3001上を様々な軌道で移動し得るが、図101(a)では、このような軌道の例を2つ示している。
第1の例は、1個の遊技球が(I)及び(i)の軌道で移動するというものである。当該遊技球が現在位置に到達するまでに描く軌跡(すなわち、図101(a)に示す(I)の軌道)は、上述した軌跡関数として表すことができる。そして、外力の働かない状況下において、(I)の軌道と(i)の軌道とは同一の関数として表されるため、サブCPU201は、当該軌跡関数に基づいて、(i)の軌道(遊技球がこの先どのような軌道で移動するのか)を認識することができる。現在位置を通過した遊技球は、その後、(i)の軌道(当該軌跡関数)に沿って移動するところ、サブCPU201は、当該軌跡関数上に何れかのV入賞用領域(特定領域3038A、及び、非特定領域3038B、3038C、3038D)が存在すれば、遊技球が当該V入賞用領域に入球することを認識することができる。図101(a)の例では、(i)の軌道(軌跡関数)上に非特定領域3038Dが存在しており、この場合、サブCPU201は、遊技球が非特定領域3038Dに入球する旨判定する。また、第2の例は、1個の遊技球が(II)及び(ii)の軌道で移動するというものである。上記と同様にして、この場合、サブCPU201は、遊技球が非特定領域3038Bに入球する旨判定する。
以上のようにして、サブCPU201は、遊技球が何れのV入賞用領域に入球するのかを判定する。その後、サブCPU201は、プログラムROM202に記憶されている演出パターン決定テーブルに基づいて、入球すると判定されたV入賞用領域に応じた演出パターンを選択する。サブCPU201は、図99に示す演出パターン決定テーブルを参照してもよいが、ここでは、図102(a)に示す演出パターン決定テーブルを参照することとする。
図102(a)に示す演出パターン決定テーブルにおいては、V入賞用領域ごとに、乱数値の範囲と演出パターンとが対応付けて規定されている。演出パターンには、V入賞の成功又は失敗に応じた演出内容を示す情報が含まれている。V入賞の成功に応じた演出(V入賞の成功を示唆する演出)としては、3種類のV入賞成功演出(V入賞成功演出1〜3)が設けられ、V入賞の失敗に応じた演出(V入賞の失敗を示唆する演出)としては、3種類のV入賞失敗演出(V入賞失敗演出1〜3)が設けられている。
そして、図102(a)に示すように、遊技球が特定領域3038Aに入球すると判定された場合には、V入賞成功演出に対応する演出パターン(「EN1」〜「EN3」)の選択される確率がV入賞失敗演出に対応する演出パターン(「EN4」)の選択される確率よりも高くなっている。また、遊技球が特定領域3038Aに入球すると判定された場合にV入賞成功演出に対応する演出パターン(「EN1」〜「EN3」)の選択される確率は、遊技球が非特定領域3038Bに入球すると判定された場合にV入賞成功演出に対応する演出パターン(「EN8」)の選択される確率、遊技球が非特定領域3038Cに入球すると判定された場合にV入賞成功演出に対応する演出パターン(「EN12」)の選択される確率、及び、遊技球が非特定領域3038Dに入球すると判定された場合にV入賞成功演出に対応する演出パターン(「EN16」)の選択される確率よりも高くなっている。また、V入賞成功演出に対応する演出パターン(「EN1」〜「EN3」、「EN8」、「EN12」、「EN16」)が選択された場合において遊技球の入球するV入賞用領域が特定領域3038Aである確率は、V入賞成功演出に対応する演出パターン(「EN1」〜「EN3」、「EN8」、「EN12」、「EN16」)が選択された場合において遊技球の入球するV入賞用領域が非特定領域3038B、3038C、3038Dのうちの何れかである確率よりも高くなっている。また、V入賞成功演出に対応する演出パターン(「EN1」〜「EN3」、「EN8」、「EN12」、「EN16」)が選択された場合において遊技球の入球するV入賞用領域が特定領域3038Aである確率は、V入賞失敗演出に対応する演出パターン(「EN4」、「EN5」〜「EN7」、「EN9」〜「EN11」、「EN13」〜「EN15」)が選択された場合において遊技球の入球するV入賞用領域が特定領域3038Aである確率よりも高くなっている。
このような演出パターン決定テーブルに基づいて演出パターンを選択することにより、第7実施形態と同様に、V入賞の成否に応じた演出(V入賞の成功又は失敗を示唆する演出)が行われる。このようにして、本変形例では、V入賞用領域(特定領域3038A、及び、非特定領域3038B、3038C、3038D)への入球前に、V入賞に成功するのか又は失敗するのかを示唆することができる。
以上の変形例では、クルーン3001上における遊技球の移動軌跡に基づいて、V入賞の成否に応じた演出(V入賞の成功又は失敗を示唆する演出)が行われる場合について説明した。以下、別の変形例では、ステージ3003上における遊技球の移動軌跡に基づいて、V入賞の成否に応じた演出(V入賞の成功又は失敗を示唆する演出)が行われる場合について説明する。
図101(b)では、1個の遊技球がステージ3003上を転動している様子を示しており、現在の遊技球の存在位置を遊技球120qとして示している。遊技球は、ステージ3003上を様々な軌道で転動するが、図101(b)では、このような軌道の例を2つ示している。
第1の例は、1個の遊技球が(III)及び(iii)の軌道で移動するというものである。図101(a)と同様に、この場合、サブCPU201は、遊技球が球通路3004bに対応する孔に入球する旨判定する。第2の例は、1個の遊技球が(IV)及び(iv)の軌道で移動するというものである。この場合、サブCPU201は、遊技球が球通路3004aに対応する孔に入球する旨判定する。
以上のようにして、サブCPU201は、球通路3004a、球通路3004b、及び、球通路3004cのうち、何れの球通路に対応する孔に入球するのか(遊技球が何れの球通路3004を通過するのか)を判定する。その後、サブCPU201は、プログラムROM202に記憶されている演出パターン決定テーブル(図102(b)参照)に基づいて、通過すると判定された球通路3004に応じた演出パターンを選択する。
図102(b)に示す演出パターン決定テーブルにおいては、球通路3004(球通路3004a、球通路3004b、及び、球通路3004c)ごとに、乱数値の範囲と演出パターンとが対応付けて規定されている。図102(a)に示す演出パターン決定テーブルと同様に、演出パターンには、V入賞の成功又は失敗に応じた演出内容を示す情報が含まれている。V入賞の成功に応じた演出(V入賞の成功を示唆する演出)としては、3種類のV入賞成功演出(V入賞成功演出1〜3)が設けられ、V入賞の失敗に応じた演出(V入賞の失敗を示唆する演出)としては、3種類のV入賞失敗演出(V入賞失敗演出1〜3)が設けられている。
ここで、図94を用いて説明したように、球通路3004a、球通路3004b、及び、球通路3004cのうち、何れの球通路3004を遊技球が通過するのかによって、遊技球が特定領域3038Aに入球する確率(V入賞となる確率)が異なっている。具体的には、遊技球が球通路3004bを通過した場合には、遊技球が球通路3004a又は球通路3004cを通過した場合と比較して、遊技球が特定領域3038Aに入球する確率(V入賞となる確率)が高くなっている。
このことに対応して、図102(b)に示す演出パターン決定テーブルでは、遊技球が球通路3004bを通過する場合には、V入賞成功演出に対応する演出パターン(「EN5」〜「EN7」)の選択される確率がV入賞失敗演出に対応する演出パターン(「EN8」)の選択される確率よりも高くなっている。また、遊技球が球通路3004bを通過する場合にV入賞成功演出に対応する演出パターン(「EN5」〜「EN7」)の選択される確率は、遊技球が球通路3004aを通過する場合にV入賞成功演出に対応する演出パターン(「EN4」)の選択される確率、及び、遊技球が球通路3004cを通過する場合にV入賞成功演出に対応する演出パターン(「EN12」)の選択される確率よりも高くなっている。また、V入賞成功演出に対応する演出パターン(「EN4」〜「EN7」、「EN12」)が選択された場合において遊技球の通過する球通路が球通路3004bである確率は、V入賞成功演出に対応する演出パターン(「EN4」〜「EN7」、「EN12」)が選択された場合において遊技球の通過する球通路が球通路3004a又は球通路3004cである確率よりも高くなっている。また、V入賞成功演出に対応する演出パターン(「EN4」〜「EN7」、「EN12」)が選択された場合において遊技球の通過する球通路が球通路3004bである確率は、V入賞失敗演出に対応する演出パターン(「EN1」〜「EN3」、「EN8」〜「EN11」)が選択された場合において遊技球の通過する球通路が球通路3004bである確率よりも高くなっている。
このような演出パターン決定テーブルに基づいて演出パターンを選択することにより、第7実施形態と同様に、V入賞の成否に応じた演出(V入賞の成功又は失敗を示唆する演出)が行われる。このようにして、本変形例では、遊技球が球通路3004(3004a、3004b、3004c)を通過する前に、V入賞に成功するのか又は失敗するのかを示唆することができる。
以上の変形例では、ステージ3003上における遊技球の移動軌跡に基づいて、V入賞の成否に応じた演出(V入賞の成功又は失敗を示唆する演出)が行われる場合について説明した。以下、別の変形例では、遊技球が球通路3004(3004a、3004b、3004c)に対応する孔に入球したことを検知し、当該検知に応じて、V入賞の成否に応じた演出(V入賞の成功又は失敗を示唆する演出)が行われる場合について説明する。
ここで、第7実施形態では、各V入賞用領域(特定領域3038A、及び、非特定領域3038B、3038C、3038D)に対して、当該V入賞用領域の近傍における所定範囲内の領域が排出領域(図41参照)として設定されていることとして説明した(図98参照)。これに対し、本変形例では、図103に示すように、各球通路3004(3004a、3004b、3004c)に対応する孔に対して、当該孔の近傍における所定範囲内の領域が排出領域(図41参照)として設定されている。これにより、サブCPU201は、第7実施形態と同様に、遊技球が何れかの球通路3004に対応する孔に入球したか否かを判断することができるとともに、遊技球が何れかの球通路3004に対応する孔に入球したと判断した場合には、遊技球の入球した球通路3004が、球通路3004a、球通路3004b、及び、球通路3004cのうちの何れの球通路であるのかを認識することができる(図97のステップS3602参照)。
そして、遊技球が何れかの球通路3004に対応する孔に入球したと判断した場合、サブCPU201は、プログラムROM202に記憶されている演出パターン決定テーブル(図102(b)参照)に基づいて、入球した球通路3004に応じた演出パターンを選択する。これにより、上記変形例と同様に、V入賞の成否に応じた演出(V入賞の成功又は失敗を示唆する演出)が行われる。このようにして、本変形例では、V入賞用領域(特定領域3038A、及び、非特定領域3038B、3038C、3038D)への入球前に(球通路3004への入球の時点で)、V入賞に成功するのか又は失敗するのかを示唆することができる。
以上、第7実施形態に係るパチンコ遊技機1の変形例について説明した。
<付記10>
従来、パチンコ遊技機における遊技領域を転動する遊技球をカメラ等の撮影装置で撮影し、撮影によって得られる画像を解析することによって、遊技球の動きを追跡する技術が知られている(特開2005−237864号公報参照)。
ところで、従来のパチンコ遊技機においては、通常、始動入賞等に基づいて演出が行われるが、入賞に至るまでの遊技球の動きと演出内容とは対応しておらず、両者は乖離したものであることが一般的であった。上述したような遊技球の動きを追跡する技術においても、遊技球の追跡結果を演出に対して適切に反映させるための工夫が不充分であり、演出効果を高める上では改善の余地があった。
本発明は、上記のような問題点に鑑みてなされたものであり、演出効果を高めることが可能な遊技機を提供することを目的とする。
この点、上記変形例に係るパチンコ遊技機1は、以下の特徴を備えている。
(10−1) 遊技球が流下可能な遊技領域(遊技領域12a)を備える遊技盤(遊技盤12)と、
遊技者に有利な特定領域を含み、前記遊技領域を流下した遊技球がそれぞれ入球可能な複数の領域(特定領域3038A、及び、非特定領域3038B、3038C、3038D)と、 前記遊技領域を撮影可能なように配設された撮影装置(CCDカメラ1000)と、
前記遊技領域を撮影することによって得られる動画像として、連続する複数のフレーム画像を順次取得するフレーム画像取得手段(図31のステップS281の処理を実行するサブCPU201)と、
前記フレーム画像取得手段により取得される各フレーム画像に含まれる遊技球の位置を特定する位置特定手段(図31のステップS284〜ステップS286の処理を実行するサブCPU201)と、
前記位置特定手段により特定される各フレーム画像に含まれる一の遊技球の位置に基づいて、該一の遊技球が前記複数の領域のうち前記特定領域に入球する確率を示唆する態様で演出を実行する演出実行手段(図97のステップS3602の処理を実行するサブCPU201)と、
を備えることを特徴とする遊技機。
上記変形例に係るパチンコ遊技機1によれば、遊技領域を撮影することによって得られる動画像として、連続する複数のフレーム画像が順次取得され、各フレーム画像に含まれる遊技球の位置が特定される。そして、各フレーム画像に含まれる一の遊技球の位置に基づいて、該一の遊技球が特定領域(特定領域3038A)に入球する確率を示唆する態様で演出(V入賞成功演出又はV入賞失敗演出)が行われる。このように、各フレーム画像に含まれる遊技球の位置を特定することにより、遊技球の位置と遊技球が特定領域(特定領域3038A)に入球する確率とを関連付けて演出態様に反映させることが可能であるため、演出効果を高めることができる。
(10−2) 前記(10−1)の遊技機であって、
前記遊技領域を流下した遊技球が入球可能な入賞装置(第2大入賞口54)を備え、
前記複数の領域(特定領域3038A、及び、非特定領域3038B、3038C、3038D)は、前記入賞装置に入球した一の遊技球が前記複数の領域のうちの何れか一の領域に入球可能なようにそれぞれ設けられており、
前記位置特定手段は、
一の遊技球が前記入賞装置に入球した後に前記遊技領域を撮影することによって得られる複数のフレーム画像において、各フレーム画像に含まれる該一の遊技球の位置を特定し、
前記演出実行手段は、
前記位置特定手段により特定される各フレーム画像に含まれる該一の遊技球の位置に基づいて、前記入賞装置への入球後の該一の遊技球の位置変化に応じた演出を実行する、
ことを特徴とする。
上記変形例に係るパチンコ遊技機1によれば、特定領域(特定領域3038A)を含む複数の領域(V入賞用領域)は、入賞装置(第2大入賞口54)に入球した一の遊技球が複数の領域(V入賞用領域)のうちの何れか一の領域に入球可能なようにそれぞれ設けられている。そして、遊技球の位置の特定は、特に、一の遊技球が入賞装置(第2大入賞口54)に入球した後に得られる複数のフレーム画像において行われ、特定された当該遊技球の位置に基づいて、当該遊技球の入賞装置(第2大入賞口54)への入球後の位置変化に応じた演出(V入賞成功演出又はV入賞失敗演出)が行われる。これにより、入賞装置(第2大入賞口54)への入球後の遊技球の動きを演出態様に反映させることが可能であるため、演出効果を一層高めることができる。
<付記11>
従来、パチンコ遊技機における遊技領域を転動する遊技球をカメラ等の撮影装置で撮影し、撮影によって得られる画像を解析することによって、遊技球の動きを追跡する技術が知られている(特開2005−237864号公報参照)。
ところで、従来のパチンコ遊技機においては、通常、始動入賞等に基づいて演出が行われるが、入賞に至るまでの遊技球の動きと演出内容とは対応しておらず、両者は乖離したものであることが一般的であった。上述したような遊技球の動きを追跡する技術においても、遊技球の追跡結果を演出に対して適切に反映させるための工夫が不充分であり、演出効果を高める上では改善の余地があった。
本発明は、上記のような問題点に鑑みてなされたものであり、演出効果を高めることが可能な遊技機を提供することを目的とする。
この点、上記変形例に係るパチンコ遊技機1は、以下の特徴を備えている。
(11−1) 遊技球が流下可能な遊技領域(遊技領域12a)を備える遊技盤(遊技盤12)と、
前記遊技領域を流下した遊技球がそれぞれ通過可能な複数の球通路(球通路3004a、球通路3004b、及び、球通路3004c)と、
遊技者に有利な特定領域を含み、前記球通路を通過した遊技球が入球可能な複数の領域(特定領域3038A、及び、非特定領域3038B、3038C、3038D)と、
前記遊技領域を撮影可能なように配設された撮影装置(CCDカメラ1000)と、
前記遊技領域を撮影することによって得られる動画像として、連続する複数のフレーム画像を順次取得するフレーム画像取得手段(図31のステップS281の処理を実行するサブCPU201)と、
前記フレーム画像取得手段により取得される各フレーム画像に含まれる遊技球の位置を特定する位置特定手段(図31のステップS284〜ステップS286の処理を実行するサブCPU201)と、
演出を実行する演出実行手段(図97のステップS3602の処理を実行するサブCPU201)と、を備え、
前記複数の球通路及び前記複数の領域は、一の遊技球が前記複数の球通路のうちの特定の球通路(球通路3004b)を通過した場合と、該一の遊技球が前記特定の球通路以外の球通路を通過した場合とで、該一の遊技球が前記特定領域(特定領域3038A)に入球する確率が異なるように設けられており、
前記演出実行手段は、
前記位置特定手段により特定される各フレーム画像に含まれる一の遊技球の位置に基づいて、前記複数の球通路のうち、該一の遊技球が通過する球通路として判定される一の球通路に応じた演出を実行する、
ことを特徴とする遊技機。
上記変形例に係るパチンコ遊技機1によれば、遊技領域を撮影することによって得られる動画像として、連続する複数のフレーム画像が順次取得され、各フレーム画像に含まれる遊技球の位置が特定される。そして、各フレーム画像に含まれる一の遊技球の位置に基づいて、複数の球通路(球通路3004a、球通路3004b、及び、球通路3004c)のうちの一の球通路が、該一の遊技球が通過する球通路として判定され、該一の球通路に応じた演出(V入賞成功演出又はV入賞失敗演出)が実行される。ここで、一の遊技球が複数の球通路のうちの特定の球通路(球通路3004b)を通過した場合と、該一の遊技球が特定の球通路以外の球通路(球通路3004a又は球通路3004c)を通過した場合とで、該一の遊技球が特定領域(特定領域3038A)に入球する確率が異なっている。そのため、上記球通路に応じた演出(V入賞成功演出又はV入賞失敗演出)は、遊技球が特定領域(特定領域3038A)に入球する確率に応じたものとなる。このように、上記変形例に係るパチンコ遊技機1によれば、各フレーム画像に含まれる遊技球の位置を特定することにより、遊技球の位置と遊技球が特定領域(特定領域3038A)に入球する確率とを関連付けて演出態様に反映させることが可能であるため、演出効果を高めることができる。
また、上記変形例に係るパチンコ遊技機1は、以下のように構成されていてもよい。
(11−2) 前記(11−1)の遊技機であって、
前記位置特定手段は、
一の遊技球が前記複数の球通路のうちの一の球通路を通過した後に前記遊技領域を撮影することによって得られるフレーム画像においては、該一の遊技球の位置を特定しない、
ことを特徴とする。
例えば、遊技球が球通路3004に対応する孔に入球した後(遊技球が球通路3004を通過している途中や、遊技球がクルーン3001上を移動している際)は、遊技球の通過経路が複雑な構造を有する(例えば、遊技領域12aのような二次元平面として形成されているのではなく、三次元的な構造を有する)ことに起因して、遊技球の位置を特定する(追跡を行う)ことが困難になってしまう可能性がある。また、例えば、CCDカメラ1000とクルーン3001や球通路3004との位置関係に起因して、遊技球を撮影範囲に含めることができないことも想定される。クルーン3001や球通路3004の周囲に存在する構造物により、遊技球の撮影が妨げられてしまう可能性もある。このような場合には、例えば、球通路3004に対応する孔に対して排出領域を設定し(図103参照)、遊技球が当該孔に入球した場合には、当該遊技球のIDを解放して(図44のステップS308参照)、当該遊技球を追跡対象から外すことが考えられる。クルーン3001や球通路3004をマスキング領域(図40参照)として設定することとしてもよい。
このような場合には、一の遊技球が球通路(球通路3004a、球通路3004b、及び、球通路3004c)を通過した後(球通路の通過を開始した後)は、当該一の遊技球についてフレーム画像における位置が特定されないため、フレーム画像においては、遊技球が特定領域(特定領域3038A)に入球することを把握することができない。しかしながら、上記変形例に係るパチンコ遊技機1によれば、球通路3004と演出態様とを対応付けることにより、遊技球が特定領域(特定領域3038A)に入球する確率に応じた演出(V入賞成功演出又はV入賞失敗演出)を行うことができる。
なお、以上では、大当り中にV入賞した場合、大当り終了後の遊技状態が確変遊技状態になることとして説明したが(図24参照)、小当り中にV入賞することが可能であるとともに、小当り中にV入賞することで大当りが開始することとしてもよい。本発明の適用対象となるパチンコ遊技機の機種は、特に限定されず、例えば、所謂V確ST機であってもよいし、所謂1・2種混合機であってもよい。
[第8実施形態]
以上、第1実施形態〜第7実施形態について説明した。以下、第8実施形態について説明する。第8実施形態に係るパチンコ遊技機1の基本的な構成は、第1実施形態〜第7実施形態に係るパチンコ遊技機1と同じである。以下においては、第1実施形態〜第7実施形態に係るパチンコ遊技機1の構成要素と同一の構成要素には、同一の符号を付して説明することとする。また、第1実施形態〜第7実施形態における説明が第8実施形態においても当てはまる部分については、説明を省略することとする。
図104は、本発明の一実施形態に係るパチンコ遊技機の一部分解斜視図である。図105は、本発明の一実施形態に係るパチンコ遊技機におけるプロジェクタユニットを示す分解斜視図である。図106は、本発明の一実施形態に係るパチンコ遊技機の一部切欠き側面図である。
<プロジェクタユニット>
第1実施形態で説明したように、ガラスドア4(図3参照)の前面における上部領域には、上部装飾ユニット58が設けられている。上部装飾ユニット58は、パチンコ遊技機1の前方に突出するように配置されている。上部装飾ユニット58の内部は、空洞に形成されており、この空洞には、プロジェクタユニットBが収容される(図104及び図106参照)。
図104に示すように、プロジェクタユニットBは、上部装飾ユニット58に対して着脱可能に設けられている。ガラスドア4の背面側には、フレーム部材4bが設けられており、プロジェクタユニットBは、フレーム部材4bの上部に取り付けられる。
このようなプロジェクタユニットBは、演出として映像を投影可能な投影手段として機能し、いわゆるプロジェクションマッピングを実現するものである。プロジェクションマッピングは、一般的に、建造物や自然物などの立体物の表面に映像を投影するためのものであり、本実施形態においては、遊技盤12の前面全体のほか、装飾部材や可動役物、遊技球等を投影対象として、その位置や形状に応じた演出情報に基づき映像を投影することにより、高精細で迫力のある演出表示を実現することができる。
特に、本実施形態では、以上の実施形態で説明したような方法(図31参照)で遊技領域12aにおける遊技球の動きを追跡し、当該追跡により得られた結果に基づいて、遊技球又は遊技球の近傍に映像を投影することにより演出を行う。このようなプロジェクタユニットBを用いた演出については、後に図107〜図109を用いて説明することとし、以下では、まず、プロジェクタユニットBの構成について説明する。
図105に示すように、プロジェクタユニットBは、上部装飾ユニット58に着脱可能に収容されるプロジェクタカバーB1と、プロジェクタカバーB1の奥方に取り付けられ、映像を含む照射光を出射するプロジェクタ装置本体B2と、プロジェクタ装置本体B2の前方に配置されるようにプロジェクタカバーB1の前方に取り付けられ、プロジェクタ装置本体B2からの照射光を斜め下後方に配置された遊技盤12の方向に反射するミラー部材B3とを有している。
プロジェクタ装置本体B2は、プロジェクタカバーB1の上部の内側面に取り付けられる。プロジェクタ装置本体B2は、取り付け姿勢や角度を任意に調整可能に取り付けられる。図106に示すように、プロジェクタ装置本体B2は、図示しない光源から映像をなすように出射された照射光を前方のミラー部材B3に向けて出射する。
ミラー部材B3は、プロジェクタカバーB1の前部の内側面に取り付けられる。ミラー部材B3は、取り付け姿勢や角度を任意に調整可能に取り付けられる。図106に示すように、ミラー部材B3は、プロジェクタ装置本体B2からの照射光を表示領域13aや遊技領域12aに向けて反射する。
図示しないが、副制御回路200(図8参照)は、プロジェクタ制御回路を有しており、プロジェクタ制御回路には、プロジェクタ装置本体B2が接続されている。副制御回路200は、プロジェクタ装置本体B2を制御するための描画リクエストをプロジェクタ制御回路に送信する。これにより、プロジェクタ装置本体B2の映像出力動作がプロジェクタ制御回路により制御される。
より詳細に説明すると、プロジェクタ制御回路は、プロジェクタ装置本体B2のLED制御やフォーカス制御、画像処理等を行うためのものである。プロジェクタ装置本体B2は、電気的な構成要素として、プロジェクタ制御回路の他、光学機構や中継基板を備えている。プロジェクタ装置本体B2は、中継基板を介して副制御回路200に接続される。副制御回路200は、プロジェクタ制御回路を制御し、光学機構を介して遊技盤12の前面に向けて照射光を投影することにより、視覚的な演出として映像を表示する。
プロジェクタ制御回路は、制御LSI、EEPROM(登録商標)、DLP(登録商標)制御回路、LEDドライバ等を備える。制御LSIは、副制御回路200の指令に基づいて、照射光を投影するようにDLP制御回路を制御する。制御LSIは、副制御回路200の指令に基づいて、フォーカス機構を制御して投射レンズ(図示略)を光軸方向に移動させることにより、照射光の投影に際してフォーカス調整を行う。EEPROMには、制御LSIによる制御プログラムやプロジェクタ装置本体B2の設定・調整に関わるデータが記憶されている。
プロジェクタ装置本体B2のDLPシステムは、主として、DLP制御回路、LEDドライバ、並びに光学機構のLED光源及びDMDにより構成される。DLP制御回路の制御により、DMDで所定方向に反射した光は、レンズユニット(図示略)へと進み、投射レンズ(図示略)を透過することでミラー機構B3に入射し、最終的にミラー機構B3で反射することによって遊技盤12の前面へと導かれる。これにより、投影対象となる遊技盤12に対して照射光が投影され、演出に応じた映像が形成される。
<演出態様決定処理>
第1実施形態では、演出態様決定処理(図26のステップS205参照)として、図30に示す処理が行われることとして説明した。これに対し、第8実施形態では、図107に示す処理が行われる。
図107は、本発明の一実施形態に係るパチンコ遊技機において実行される演出態様決定処理を示すフローチャートである。図108は、本発明の一実施形態に係るパチンコ遊技機において実行されるプロジェクタ投影内容決定処理を示すフローチャートである。図109は、プロジェクタを用いた演出の例を示す図である。
図107に示す演出態様決定処理において、まず、サブCPU201は、カメラ映像解析処理を実行する(ステップS4001)。カメラ映像解析処理については、第1実施形態〜第7実施形態で詳細に説明した通りであるため、ここでの説明は省略する。
次に、サブCPU201は、プロジェクタ投影内容決定処理を実行する(ステップS4002)。ここで、図108を用いて、プロジェクタ投影内容決定処理について説明する。
プロジェクタ投影内容決定処理において、まず、サブCPU201は、プロジェクタにより映像を投影する演出パターン(プロジェクタ演出パターン)が選択されたか否かを判断する(ステップS4101)。この処理において、サブCPU201は、コマンド解析処理(図96参照)又は演出態様決定処理(図97参照)で選択した演出パターンがプロジェクタ演出パターンであるか否かを判断する。プロジェクタ演出パターンは、プロジェクタユニットBによって遊技球又は遊技球の近傍に映像を投影する演出に対応しており、「大当り」となった場合、「V入賞」に成功した場合、又は、「V入賞」に失敗した場合にのみ選択され得る演出パターンである。
具体的に説明すると、コマンド解析処理において、サブCPU201は、受信したコマンドが大当り開始コマンドである場合、プロジェクタユニットBを用いた演出に対応する演出パターン(プロジェクタ演出パターン)及び液晶表示装置13を用いた演出に対応する演出パターン等を含む複数の演出パターンのなかから、今回の演出に採用される一の演出パターンを抽選により選択する(図96のステップS3503参照)。大当り開始コマンドは、特別図柄ゲームにおいて「大当り」となった場合に主制御回路70から副制御回路200に送信されるコマンドである(図22のステップS140参照)。
また、演出態様決定処理において、サブCPU201は、第7実施形態で説明したように、カメラ映像解析処理(図97のステップS3601参照)で特定される遊技球の位置情報に基づいて、遊技球が何れかのV入賞用領域(特定領域3038A、及び、非特定領域3038B、3038C、3038D)に入球したと判断した場合(すなわち、「V入賞」に成功した場合、又は、「V入賞」に失敗した場合)、プロジェクタユニットBを用いた演出に対応する演出パターン(プロジェクタ演出パターン)及び液晶表示装置13を用いた演出に対応する演出パターン等を含む複数の演出パターンのなかから、今回の演出に採用される一の演出パターンを抽選により選択する(ステップS3602参照)。
なお、大当り開始コマンドを受信した場合と同様、V入賞成功コマンド又はV入賞失敗コマンドを受信した場合に演出パターンを選択することとしてもよい。第7実施形態で説明したように、V入賞成功コマンドは、「V入賞」に成功した場合(遊技球が特定領域3038A(図94参照)に入球した場合)に主制御回路70から副制御回路200に送信されるコマンドである。V入賞失敗コマンドは、「V入賞」に失敗した場合(遊技球が非特定領域3038B、3038C、3038D(図94参照)の何れかに入球した場合)に主制御回路70から副制御回路200に送信されるコマンドである。
図108のステップS4101において、サブCPU201は、以上の処理においてプロジェクタユニットBを用いた演出に対応する演出パターン(プロジェクタ演出パターン)が選択されたか否かを判断する。
プロジェクタ演出パターンが選択されていないと判断した場合、サブCPU201は、本サブルーチンを終了する。一方、プロジェクタ演出パターンが選択されたと判断した場合、サブCPU201は、遊技球の現在位置を取得し、プロジェクタユニットBによる投影位置として決定する(ステップS4102)。
この処理において、サブCPU201は、遊技領域12aに存在する複数の遊技球のなかから、プロジェクタユニットBによって映像を投影する対象に適した一の遊技球を特定する。具体的に、サブCPU201は、ワークRAM203に記憶されている各遊技球の位置情報(図44のステップS304参照)に基づいて、所定の位置(例えば、遊技者の視界に入りやすい位置として予め設定された位置)に最も近い位置に存在する一の遊技球を特定する。サブCPU201は、当該一の遊技球の位置を、映像の投影位置として決定する。
ここで、第7実施形態でも説明したように、このようにして特定される遊技球の位置は、1フレームに相当する時間(4ms)だけ前の時点での遊技球の位置であるため、現時点において、遊技球は、遊技媒体追跡処理(図44参照)において特定された位置から移動していると考えられる。ここで、サブCPU201は、1フレームに相当する時間(4ms)だけ前の時点での速度v及び加速度aを算出することが可能であり(図92のステップS3104及びステップS3107参照)、これらの値を参照すると、1フレームに相当する時間(t)での遊技球の位置の変位は、等加速度運動に関する公式から、(vt+at2/2)と予想することができる。サブCPU201は、当該計算式を用いて現時点における当該遊技球の位置を算出し、当該算出された位置を映像の投影位置として決定してもよい。あるいは、第7実施形態で説明した「遊技球の位置」と「時刻」との関係を示す関数に基づいて、現時点における当該遊技球の位置を算出することとしてもよい(図101参照)。
以上のようにして映像の投影位置として決定された遊技球の位置は、フレーム画像上での位置(例えば、図69に示すXY直交座標平面上の位置)であるため、図92を用いて説明したように、フレーム画像上での位置を遊技領域12a上での位置(例えば、図93に示すxy直交座標平面上の位置)に変換することとしてもよい。
ステップS4102の処理を実行した後、サブCPU201は、大当りの種類やV入賞の成否に基づいて、投影内容を選択する(ステップS4103)。
この処理において、サブCPU201は、「大当り」となったことに基づいてプロジェクタ演出パターンが選択された場合(図96のステップS3503参照)には、遊技球の周囲を円で囲む映像(図109(b)参照)を投影する演出パターンを、確定演出パターンとして選択する。当該円に対応する映像の色は、大当りの種類(図13参照)に応じて抽選により決定され、大当りの種類によって、決定されやすい色が異なっている。
また、サブCPU201は、「V入賞」に成功したことに基づいてプロジェクタ演出パターンが選択された場合(図97のステップS3602参照)には、遊技球に対して「V」という文字に対応する映像(図109(a)参照)を投影する演出パターンを、確定演出パターンとして選択する。また、サブCPU201は、「V入賞」に失敗したことに基づいてプロジェクタ演出パターンが選択された場合(図97のステップS3602参照)には、遊技球に対して「V」以外の文字や記号に対応する映像を投影する演出パターンを、確定演出パターンとして選択する。
ステップS4103において、サブCPU201は、以上のようにして選択した確定演出パターンをワークRAM203に格納されたゲームデータに反映(登録)させる。その後、サブCPU201は、本サブルーチンを終了する。
以上、図108を用いて、図107のステップS4002で行われるプロジェクタ投影内容決定処理について説明した。図107に説明を戻す。
ステップS4002の処理を実行した後、サブCPU201は、ステップS4003〜ステップS4006の処理を実行し、本サブルーチンを終了する。
ステップS4003〜ステップS4006の処理は、図97のステップS3603〜ステップS3606の処理と同様の処理であるため、詳細な説明は省略するが、特に、サブCPU201は、図108のステップS4103で登録した確定演出パターンに応じて、プロジェクタ装置本体B2を制御するためのリクエスト(描画リクエスト)を生成する。当該リクエストに基づいて、プロジェクタ装置本体B2が制御され、遊技球又は遊技球の近傍に映像が投影される演出が行われることになる。
具体的に、大当りとなった場合には、大当りの種類に応じて決定された色(赤や青や黄等)の円(演出用の円と呼ぶ)が、遊技球の周囲の遊技盤12上に表示される結果、遊技球が当該演出用の円によって囲まれるような外観を呈する(図109(b)参照)。当該演出用の円と当該遊技球(正面視における形状が円)とは、正面視において略同心円となっており、例えば、演出用の円の半径が遊技球の半径の1.5倍(1.1倍〜2倍程度)となっている。また、V入賞に成功した場合には、「V」の文字が遊技球の表面に表示される。これにより、「V」の文字と遊技球とが一体となった外観を呈する。同様に、V入賞に失敗した場合には、「V」以外の文字や記号(例えば、バツ印)が遊技球の表面に表示される。
なお、映像は、僅かな時間のみ投影することとしてもよいし、ある程度の時間に亘って継続的に投影することとしてもよい。映像の投影時間は特に限定されないが、映像が投影されている間も遊技球は移動を続けるため、遊技球の移動に合わせて、映像の投影位置も経時的に変化させることが望ましい。サブCPU201は、時間の経過に伴い刻々と変化する遊技球の位置情報を随時更新することが可能であるため(図44のステップS304参照)、遊技球の最新の位置情報に基づいて、映像の投影位置を随時更新すればよい。あるいは、上述した「遊技球の位置」と「時刻」との関係を示す関数を用いれば、一の遊技球を映像の投影対象に決定した時点(図108のステップS4102参照)で、当該遊技球のその後の軌道を予測することができる(図101参照)。従って、当該投影対象となる一の遊技球が決定された時点で、そのような軌道に合わせた映像(動画像)データを予め生成してワークRAM203の所定領域にセットすれば、遊技球の移動に伴って映像の投影位置を随時計算するといった処理は不要となる。
このように、遊技球の移動に合わせて映像の投影位置を経時的に変化させることにより、遊技球の位置が刻々と変化している間も、プロジェクタにより表示される映像(図109に示すような「V」や「円」)と遊技球との相対的な位置関係を維持することが可能であり、当該映像と遊技球との一体感を保ったまま一定時間演出を行うことができる。
以上、本発明の一実施形態として、第8実施形態に係るパチンコ遊技機1について説明した。
<付記12>
従来、パチンコ遊技機における遊技領域を転動する遊技球をカメラ等の撮影装置で撮影し、撮影によって得られる画像を解析することによって、遊技球の動きを追跡する技術が知られている(特開2005−237864号公報参照)。
しかしながら、上述したような従来の技術においては、遊技球の追跡結果を演出に反映させるための工夫が不充分であり、演出効果を高める上では改善の余地があった。
本発明は、上記のような問題点に鑑みてなされたものであり、演出効果を高めることが可能な遊技機を提供することを目的とする。
この点、第8実施形態に係るパチンコ遊技機1は、以下の特徴を備えている。
(12−1) 遊技球が移動可能な遊技領域(遊技領域12a)を備える遊技盤(遊技盤12)と、
映像を投影可能な投影装置(プロジェクタユニットB)と、
前記遊技領域を撮影可能なように配設された撮影装置(CCDカメラ1000)と、
前記遊技領域を撮影することによって得られる動画像として、連続する複数のフレーム画像を順次取得するフレーム画像取得手段(図31のステップS281の処理を実行するサブCPU201)と、
前記フレーム画像取得手段により取得される各フレーム画像に含まれる遊技球の位置を特定する位置特定手段(図31のステップS284〜ステップS286の処理を実行するサブCPU201)と、
前記位置特定手段により特定される各フレーム画像に含まれる一の遊技球の位置に基づいて、該一の遊技球又は該一の遊技球から所定範囲内にある前記遊技盤に対して、前記投影装置により映像を投影する映像投影手段(図108の処理を実行するサブCPU201)と、
を備えることを特徴とする遊技機。
第8実施形態に係るパチンコ遊技機1によれば、遊技領域を撮影することによって得られる動画像として、連続する複数のフレーム画像が順次取得され、各フレーム画像に含まれる遊技球の位置が特定される。そして、各フレーム画像に含まれる一の遊技球の位置に基づいて、該一の遊技球又は該一の遊技球から所定範囲内にある遊技盤に対して、映像が投影される。これにより、遊技球と映像との相乗により、従来の遊技機にはない視覚的効果を創出することが可能であり、斬新な演出を行うことができる。
ここで、「映像投影手段」は、一の遊技球又は一の遊技球から所定範囲内にある遊技盤に対して映像を投影するところ、一の遊技球に対して映像を投影する機能と、一の遊技球から所定範囲内にある遊技盤に対して映像を投影する機能とのうち、一方の機能のみを有して、他方の機能を有していなくてもよいし、双方の機能を有した上で何れか一方の機能を実行可能なように構成されていてもよい。
第8実施形態では、大当りとなった場合、プロジェクタにより投影される映像として、遊技球から所定範囲内にある遊技盤12に、演出用の円が表示されることとして説明した(図109(b)参照)。ここで、外観上において、プロジェクタにより投影された映像と遊技球との一体感を創出するためには、当該演出用の円は、遊技盤12上における遊技球の近傍領域に表示されることが望ましい。例えば、上記所定範囲を「遊技機を正面視したとき、当該一の遊技球の中心からの距離が遊技球の直径以下となるような範囲」を設定することができる。なお、遊技球の周囲に投影される映像としては、円に限らず、正方形や菱形や三角形等により遊技球が囲まれることとしてもよい。
また、V入賞に成功した場合には、「V」の文字が遊技球に表示されることとして説明したが(図109(a)参照)、「V」に限らず、任意の文字や記号や色等を遊技球に表示することが可能である。例えば、V入賞に成功した場合には、「当り」という文字が遊技球に表示されることとしてもよいし、赤い色が遊技球に表示されることとしてもよい。また、V入賞に失敗した場合には、何も表示しないこととしてもよい。
また、第7実施形態の変形例(図101〜図103参照)で説明したように、遊技球がV入賞用領域(特定領域3038A、及び、非特定領域3038B、3038C、3038D)に入球する前に、遊技球の移動軌跡や球通路3004への入球に応じて、本実施形態のようなV入賞に係る演出(図109(a)参照)を行うようにすれば、遊技球(又は、遊技球の近傍の遊技盤)に表示される文字や記号や色等によって、V入賞に成功する確率を示唆することもできる。例えば、演出パターン決定テーブル(図99及び図102参照)における「V入賞成功演出」として、「V」の文字を表示する演出(図109(a)参照)を採用し、「V入賞失敗演出」として、「V」以外の文字を表示する(あるいは、何も表示しない)演出を採用すればよい。
また、大当りとなった場合やV入賞に成功した場合には、遊技球(又は遊技球の近傍)に対して、プロジェクタにより映像を投影する一方で、液晶表示装置においても、大当りやV入賞に係る演出を行うように構成することが可能である。さらに、プロジェクタにより投影される映像を表示可能なスクリーンを設けることとし、当該スクリーンにおいても、大当りやV入賞に係る演出を行うこととしてもよい。このように構成することで、転動する遊技球(又は遊技球の近傍)に対する演出と、液晶表示装置における演出と、スクリーンにおける演出とを、同じタイミングで実行し、これらの演出を遊技者に同時に体感してもらうことを通じて遊技者を魅了し、これにより遊技の興趣を高めることも可能となる。
(12−2) 前記(12−1)の遊技機であって、 前記映像投影手段は、
該一の遊技球の移動に合わせて、映像の投影位置を経時的に変化させる、
ことを特徴とする。
第8実施形態に係るパチンコ遊技機1によれば、遊技球の移動に合わせて映像の投影位置が経時的に変化するため、遊技球の移動と投影される映像とを連動させることが可能であり、一層魅力的な演出を行うことができる。
なお、第8実施形態では、遊技領域12aを移動している遊技球又は当該遊技球の近傍の遊技盤12に対して、プロジェクタにより映像を投影することとして説明したが、本発明において、プロジェクタにより映像を投影する対象となる遊技球は、遊技領域を移動している遊技球に限定されない。例えば、アウト口55(図5参照)に入球した遊技球を、遊技者が視認可能な領域に一定時間とどめることとし、当該領域に存在する遊技球に対して、プロジェクタにより映像を投影することとしてもよい。
<変形例>
図110は、本発明の一実施形態に係るパチンコ遊技機の一部切欠き側面図である。
図110に示すように、本変形例に係るパチンコ遊技機1は、プロジェクタユニットBにミラー部材を設けず、プロジェクタ装置本体B2から遊技盤12の前面に向けて直接、映像を含む照射光を照射するように構成されている。このような構成によっても、第8実施形態で説明したプロジェクタ演出(図109参照)を実現することが可能である。
なお、プロジェクタ装置本体B2から出射された照射光は、上部装飾ユニット58の下端部を通過することになるところ、上部装飾ユニット58によって照射光が遮られないように、第8実施形態では、上部装飾ユニット58の下端部が光透過性を有する構造となっている。これに対し、本変形例では、上部装飾ユニット58の下端部に、プロジェクタ装置本体B2から出射された照射光を通過させるための孔が設けられている。一方で、保護ガラス28の前方には、別途保護ガラス29が設けられている。これにより、上部装飾ユニット58の下端部に設けられた孔を通じて、遊技者がプロジェクタ装置本体B2に触れてしまうことを防止することができるようになっている。
図111は、本発明の一実施形態に係るパチンコ遊技機の外観斜視図である。図112は、本発明の一実施形態に係るパチンコ遊技機の分解斜視図である。図113は、投影手段から投影領域へ投影される状態を示す概略側面図である。
図111〜図113を用いて、別の変形例について説明する。本発明において、撮影装置(カメラ)や投影装置(プロジェクタ)の配設位置は、特に限定されず、本変形例のような構成を採用することもできる。本変形例では、投影装置(投影手段)として、背面から照射光を投射するリアプロジェクタが採用されている。
図111及び図112に示すように、本変形例に係るパチンコ遊技機1は、例えば、遊技球が転動流下可能な遊技領域4095と、遊技領域4095の背面側に備えられる投影領域(第一の投影領域4121、第二の投影領域4141)と、が着脱可能に設けられる本体枠4001と、遊技領域4095を視認可能な開口部4009(以下、前枠開口部という)が設けられ、本体枠4001の前方(遊技者と対峙(対向)する側)において当該本体枠4001により回動可能に支持された前枠4007と、本体枠4001の後方(遊技機の奥行き方向で後方)に備えられ、投影手段(第一の投影手段4143、第二の投影手段4147)を所定位置に保持する保持枠4011と、を含んで構成されている。
前枠4007には、各種装飾部材(トップ飾り4019、右側装飾部材4021、左側装飾部材4023)、透光部材ユニット4067、貯留手段4025、遊技者が直接触れて発射装置を操作可能な発射ハンドル(操作手段)4079、などが備えられている。
本体枠4001には、上記前枠開口部4009に対向した所定位置に、当該前枠開口部4009と略同形状を成した本体枠開口部4003が設けられており、遊技領域4095と、遊技領域4095の背面側に備えられる投影領域(第一の投影領域4121、第二の投影領域4141)と、を備えて構成されている。また、図示は省略するが、所定の音声による演出を施す音声演出装置、主制御基板やサブ制御基板などの各種制御基板・中継基板なども備えられている。
図113に示すように、貯留手段4025の側面、すなわち、貯留手段4025に向かって右側の側面(発射ハンドル4079と対峙する側の側面)の所定箇所には、CMOSカメラ4053(又はCCDカメラ)が設けられており、遊技領域4095の方向に向けて画像を撮影可能なようにカメラの向きが設定されている。
また、本変形例では、遊技領域4095の後方に配される投影領域(第一の投影領域4121)の他に、遊技領域4095の上方に位置するように上方の投影領域(第二の投影領域4141)が設けられている。従って、発射装置4091の上方に位置する第二の投影領域4141と発射装置4091前方の装飾部材4093及び第一の投影領域4121とによって演出を行えば、遊技者に対して迫力のある演出を提供することが可能となる。
投影領域は、遊技盤4097の後方に配されており、上下方向に複数の投影領域が配設されており、後述する投影手段によって所定の画像が投影される。本変形例では、所定形状のリア透過型のスクリーンタイプが想定され、遊技機の高さ方向(鉛直方向)で上下に2個備えられている。本変形例では、下方の投影領域を第一の投影領域4121、上方の投影領域を第二の投影領域4141と便宜上称する。
第一の投影領域4121は、遊技領域4095の後方に配設されるように本体枠4001に着脱可能に取り付けられており、平坦状に形成されるとともに、その略中心領域に、遊技機の前方に向けて円弧状に突設された凸状領域4123を有する略矩形状のスクリーンが想定されている。
第一の投影領域4121は、後述する第一の投影手段4143を介して、例えば遊技者の遊技結果に関する情報を透過表示し、遊技盤4097には、遊技情報表示領域として演出表示される。例えば、遊技者の現在の持ち球数・大当たり回数・継続回数・確率変動突入回数など、所定の遊技情報が想定される。
すなわち、遊技者が遊技機に対峙して遊技をしているとき、第一の投影領域4121(遊技盤4097)は、少し上方から見下ろすように視認される。従って、本変形例の凸状領域4123のように、少なくとも一部が前方から見て上方に向けて斜めに傾く傾斜面4123aを有しているものであれば、上述のとおり遊技情報を投影した場合であっても、その凸状領域4123に投影された遊技情報などが遊技者から視認され易くなる。例えば、遊技者に対して第二の投影領域4141をメインの投影領域として提供し、第一の投影領域4121をサブの投影領域として提供した場合には、上方に視線が有る頻度が高いと考えられるため、サブの投影領域である第一の投影領域4121を視認する場合には、視線が上方から下方の投影領域に向けられるため、傾斜した投影領域の上側領域に遊技結果に関する情報を表示することによって遊技者が下方の投影領域に表示された情報を見やすくなる。
第一の投影領域4121には、遊技盤4097の所定箇所に対応する位置に所定形状の貫通孔(導光孔)が設けられている。貫通孔は、例えば、遊技盤4097に備えられている遊技釘に対応する位置に、当該遊技釘の径よりも僅かに大径に穿設する。これにより、第一の投影手段4143から投影された光が第一の投影領域4121に設けられた貫通孔を通り、遊技盤4097に備えられている遊技釘を根元から先端にかけて発光演出させることができる。また、貫通孔は、遊技釘に対応する位置に設けるだけではなく、遊技盤4097の所定位置に対応する位置や、他の遊技部材に対応する位置に所定形状で穿設することが想定され、発光演出する箇所に応じて対応可能である。このような貫通孔を通じて、遊技球(又は遊技球の近傍)に対して映像を投影することも可能である。
第二の投影領域4141は、第一の投影領域4121の上方で鉛直方向で上下に重なるようにして保持枠4011に着脱可能に取り付けられており、前方から見て全体的に後方(遊技機の奥行き方向)に窪んだ凹面に形成された略矩形状のスクリーンが想定され、後述する第二の投影手段4147を介して、例えば、遊技の演出に合わせた所定のキャラクター画像や装飾画像等が適宜設定されるものとする。
このように第二の投影領域4141を遊技機の奥行き方向に窪んだ凹面としたことにより、第二の投影手段4147を介して第二の投影手段4147に投影された画像が遊技者から奥行き方向に立体的に見えるため、遊技の演出上で投影されるキャラクター画像などの演出が効果的に行なえる。
投影手段は、投影領域に所定の画像や遊技に関する情報などを投影する投影装置(リアプロジェクタ)が想定され、第一の投影領域4121と第二の投影領域4141が備えられている本体枠4001の後方に配される保持枠4011に備えられている。
投影手段は、第一の投影領域4121と第二の投影領域4141に合わせてそれぞれ1個ずつ備えられており、第一の投影領域4121に対応して備えられる投影装置(下方の投影装置)を第一の投影手段4143、第二の投影領域4141に対応して備えられる投影装置(上方の投影装置)を第二の投影手段4147と、便宜上称する。
本変形例に用いられる投影手段は、投影領域に種々の遊技に関する画像や情報が投影可能な周知一般のリアプロジェクタ(投影装置)が想定されており、また、特に、第一の投影手段143にあっては、遊技進行に応じ、投影領域に設けた貫通孔を通過する投影光を変化させて発光態様を変化させることにより、遊技進行に係る報知を実行可能である投影装置(リアプロジェクタ)が採用可能で、それぞれ保持枠4011の所定位置に配設されている。
第一の投影手段4143は、保持枠4011の横フレーム4015を介して、投影レンズ4143aが後方に向けて下がった下り傾斜状に保持される。すなわち、第一の投影領域4121の方向とは反対の方向に投影レンズ4143aを向けて保持される。そして、保持枠4011に傾斜状に取り付けた固定ベース4013を介して所定角度の傾斜をもって備えられた反射鏡4145に投影光を反射させて第一の投影領域4121に投影する形態を採用している。
第二の投影手段4147は、保持枠4011の横フレーム4017を介して、投影レンズ4147aが真っ直ぐに第二の投影領域4141に対向するように保持されている。すなわち、第二の投影手段4147は第二の投影領域4141に直接投影する形態を採用している。図113にて、符号4200は、第一の投影手段4143と第二の投影手段4147のそれぞれの光路(理想光路)を示しており、第一の投影領域4121は第一の投影手段4143の光路4200中に備えられ、第二の投影領域4141は第二の投影手段4147の光路4200中に備えられている。
上記変形例に係るパチンコ遊技機1は、遊技盤をなるべく小さくして、遊技盤外の表示領域のスペースを大きく確保するように構成されている。このような構成を採用する場合、遊技者は、主に、遊技盤(遊技領域)における遊技球の転動よりも、表示領域における演出を視認し、転動中の遊技球に対してあまり目を向けないものと考えられる。一方で、このような遊技機において、遊技球(又は遊技球の近傍)に対して映像を投影すると、そのことを契機として、当該映像に気づいた遊技者が遊技球に視線を移すことになると考えられる。これにより、(通常の遊技機(遊技盤の比較的大きな遊技機や、遊技盤の中央に表示装置が設けられているような遊技機等)において、遊技球(又は遊技球の近傍)に対して同様の演出を行う場合と比較して)遊技者が意識を払っていないところで演出が行われるという点で、遊技者に意外性を感じさせることが可能であり、演出効果を高めることができる。
特に、カメラ撮影により得られた映像(カメラ映像解析処理(図31参照)により特定された遊技球の動き)を表示領域に表示する演出や、カメラ映像解析処理(図31参照)の結果に基づいて実行される演出(例えば、V入賞成功演出)を表示領域において行う場合には、表示領域が大きくなった分だけ、遊技球の動きを緻密に表示したり、演出において臨場感を創出したりすることができる。また、カメラ撮影により得られた映像を用いて演出を行う場合には、演出用の映像データを予め記憶しておく必要がないため、演出にかかる処理負荷を軽減することも可能となる。カメラ撮影により得られた映像を用いた演出としては、例えば、遊技球が所定の領域(例えば、図94に示すV入賞用領域(特定領域3038A、及び、非特定領域3038B、3038C、3038D))に入球した場合に、カメラ映像解析処理(図31参照)により特定された遊技球の動きに基づいて、当該入球のリプレイ動画を流すような演出を挙げることができる。当該リプレイ動画をスローモーションで再生することとすれば、当該入球に至るまでの遊技球の動きを、遊技者にじっくりと確認してもらうことができる。その際、当該遊技球が入球した領域の近傍を拡大した態様で、動画を再生することとすれば、遊技球が入球する様子をさらに分かりやすく示すことも可能である。
もっとも、上記変形例に係るパチンコ遊技機1のような構成においても、遊技盤(遊技領域)の中央付近に表示領域を設けることとしてもよい。これにより、当該表示領域において演出を行ったり、遊技の結果等の遊技情報を表示したりする一方で、遊技球(又は遊技球の近傍)に対して映像を投影する演出を別途実行すれば、表示領域における画像表示と、遊技球(又は遊技球の近傍)に対する演出とを相乗させることが可能となり、演出効果の向上を見込むことができる。
<付記(その他)>
従来、発射された遊技球が転動可能な遊技領域に設けられた始動領域を遊技球が通過したことなど、所定の可変表示開始条件の成立により、可変表示装置の表示領域上に識別情報を変動表示する制御を行い、変動表示が行われている識別情報を導出表示する制御を行う可変表示制御手段が備えられ、導出表示された識別情報が所定の組合せとなった場合に遊技者に有利な大当り遊技状態(所謂「大当り」)に移行するようにしたパチンコ遊技機が知られている(例えば、特開2013−13801号公報参照)。
しかしながら、従来のパチンコ遊技機では、本発明のような遊技機としての構成や機能を有さないことから、興趣の向上を図ることができなかった。本発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、興趣の向上を図ることができる遊技機を提供することを目的とする。
以上、第1実施形態〜第7実施形態では、プロジェクタを備えていない遊技機について説明し、第8実施形態では、プロジェクタを備える遊技機について説明した。もちろん、第1実施形態〜第7実施形態に係る遊技機も、第8実施形態で説明したようなプロジェクタを備えていてもよい。また、第2実施形態では、パチスロ遊技機について説明し、その他の実施形態では、パチンコ遊技機について説明したが、第2実施形態で説明した事項は、他の実施形態にも適用することができるし、逆に、他の実施形態で説明した事項を第2実施形態に適用することもできる。例えば、本発明は、第2実施形態で説明したようなパチスロ遊技機に適用することが可能であり、当該パチスロ遊技機は、第8実施形態で説明したようなプロジェクタを備えていてもよい。第1実施形態〜第8実施形態で説明した各構成は、適宜任意に組み合わせることが可能である。
上述した実施形態では、追跡処理の結果として得られた遊技球の位置情報に基づいて、液晶表示装置13において遊技球の動きを可視化する演出を行う場合について説明した。本発明においては、このように、カメラ撮影により得られた映像(カメラ映像解析処理(図31参照)により特定された遊技球の動き)をそのまま表示装置に表示するように構成されていてもよい。その際、追跡中の遊技球の動きを表示装置に表示するとともに、追跡を完了した遊技球(IDを解放した遊技球)については、表示装置上での表示を消去するように構成されていてもよい。また、上記のようにプロジェクタを備える遊技機に本発明を適用する場合には、プロジェクタにより投影される映像を表示可能なスクリーンを設けることとし、カメラ撮影により得られた映像(カメラ映像解析処理(図31参照)により特定された遊技球の動き)が当該スクリーンに表示されるようにしてもよい。
また、上述した実施形態では、パチンコ遊技機における遊技球及びパチスロ遊技機に使用されるメダルの追跡を行う場合について説明した。本発明における追跡対象物は、これらに限定されず、遊技球とは異なる擬似球、その他の役物や装飾部材であってもよい。また、物体ではなく、人物(遊技者や遊技場管理者等)を追跡対象としてもよい。なお、本明細書では、人物も含めて「対象物」と記載する。
また、上述した実施形態では、パチンコ遊技機における遊技球を追跡する場合について、遊技球の位置を当該遊技球の重心の位置座標(例えば、図69に示すXY直交座標平面上の座標)によって表すこととして説明した。本明細書において、遊技球(又は、上記のような他の追跡対象物)は、球位置画像(二次元平面)上において一定の面積を有する存在であり、「重心」という用語は、当該二次元平面上における重心、すなわち、図形(遊技球であれば、円)が密度の一様な薄い素材で作られている(重さが面積に比例する)と仮定したときの重心(数学的な意味合いでの重心、所謂幾何的重心)のことを指している。遊技球(追跡対象物)の位置は、重心に限らず、追跡対象物における任意の点を用いて表すことが可能である。例えば、画像上において、追跡対象物に反射した光が当該追跡対象物として検出される場合には、光点の中心によって当該追跡対象物の位置を表すこととしてもよい。追跡対象物が正面視多角形である場合には、一辺(例えば、一番長い辺)の中点によって当該追跡対象物の位置を表すこととしてもよい。また、追跡対象物の上端部、下端部、左端部、右端部等の位置座標を用いることとしてもよい。また、追跡対象物を複数の角度から撮影した場合や、斜めの角度から撮影した場合等には、追跡対象物の位置を二次元座標ではなく三次元座標によって表すことも考えられる。その場合、例えば、追跡対象物を三次元で捉えた場合における各頂点から等距離にある点(中心)を基準として、追跡対象物の位置を表すこととしてもよい。
また、上述した実施形態では、消失ポイント(図50(a)参照)の位置も、重心の位置座標によって表すこととして説明したが、消失ポイントの位置も、遊技球(追跡対象物)と同様に、重心に限らず、消失ポイントにおける任意の点を用いて表すことが可能である。また、上述した実施形態では、消失ポイントが、画像上において、遊技球(当該消失ポイントを設定する契機となった遊技球)と同じ大きさを有するものであることを前提として説明したが、消失ポイントの大きさは、追跡対象物の大きさと異なっていてもよい。例えば、追跡対象物の大きさが個々で揃っておらず、対象物ごとにバラツキがあるような場合であっても、消失ポイントの大きさを統一する(追跡対象物の面積や体積に応じて、消失ポイントの大きさを増減させる)ことにより、消失検知の領域(図50(b)参照)に存在する消失ポイントを的確に把握することができる。また、上述した実施形態では、重なりの検知については、消失ポイントではなく、遊技球同士の重複部分(図50(c)参照)に基づいて判定を行うこととして説明したが、消失ポイント同士の重複部分に基づいて判定を行うこととしてもよい。この場合にも、消失ポイントの大きさを統一する(追跡対象物の面積や体積に応じて、消失ポイントの大きさを増減させる)ことにより、重なり検知の領域(図50(c)参照)に存在する重なり(重複部分)を的確に把握することができる。
また、上述した実施形態では、エラー信号等の各種信号(図67のステップS1310及びステップS1318、図88のステップS2358及びステップS2364、図89のステップS2402及びステップS2405、図92のステップS3103、ステップS3106、ステップS3109、ステップS3112、ステップS3115、図100のステップS3704等)をホールコンピュータに対して送信する場合について説明したが、これらの信号は、ホールコンピュータ以外の遊技用装置に送信することとしてもよい。ホールコンピュータ以外の遊技用装置としては、例えば、サンド、データ表示機、島コンピュータ、代表ランプ、アウトボックス等を挙げることができる。なお、遊技者が遊技に使用した遊技球の数(所謂アウト数)に関しては、上記アウトボックスで計数することとしてもよい。
以上では、本発明の実施形態として、第1実施形態〜第8実施形態について説明したが、具体例を例示したに過ぎず、特に本発明を限定するものではなく、各手段等の具体的構成は、適宜設計変更可能である。また、本発明の実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施形態に記載されたものに限定されるものではない。
[第9実施形態]
以上、第1実施形態〜第8実施形態について説明した。以下、第9実施形態について説明する。第9実施形態に係るパチンコ遊技機1の基本的な構成は、第1実施形態および第3実施形態〜第8実施形態に係るパチンコ遊技機1と同じである。以下においては、第1実施形態および第3実施形態〜第8実施形態に係るパチンコ遊技機1の構成要素と同一の構成要素には、同一の符号を付して説明することとする。また、第1実施形態および第3実施形態〜第8実施形態における説明が第9実施形態においても当てはまる部分については、説明を省略することとする。
[座標変換に関連する処理]
CCDカメラ1000は、図6と同様に、パチンコ遊技機1の上部装飾ユニット58の背面側において、ガラスドア4の後方上部に取り付けられており、ガラスドア4をベースドア3に対して閉じた際、遊技盤12の前方に位置している。これにより、CCDカメラ1000を用いて、遊技盤12の前面を撮影することができるようになっている。
図114は、遊技盤12を正面側の上方から見た場合の斜視図の一例である。図114では、CCDカメラ1000による撮影範囲1050を一点鎖線で囲っており、この撮影範囲外の遊技盤12の部分を二点鎖線で示している。なお、図114では、遊技領域12aの略全域を撮影範囲1050としているが、これに限られず、例えば遊技領域12aの一部を撮影範囲としてもよい。なお、図114は、CCDカメラ1000による撮影範囲1050、射出領域1051および排出領域1052を説明するためだけの図であり、一般的な遊技領域を簡素化して示している。したがって、遊技領域12aに配置される各種部材のうち、始動口およびアウト口のみを図示し、一般入賞口や大入賞口を含む他の各種部材については、便宜上、図示していない。
図114に示すように、射出領域1051および排出領域1052は、遊技領域12a内の一定範囲として設定された領域である。射出領域1051は、発射された遊技球が遊技領域12aに放出される際に最初に通過する領域である。排出領域1052は、遊技領域12aを転動した遊技球が遊技領域12aの外部に排出される際に最後に通過する領域であり、例えば、始動口、大入賞口、アウト口等の近傍の領域である。サブCPU201は、射出領域1051に遊技球が属するとIDを付与し、排出領域1052に遊技球が属すると付与されたIDを解放するため、遊技領域12aを転動する各遊技球を識別できるようになっている。
ところで、本実施形態のパチンコ遊技機1では、CCDカメラ1000で撮影された遊技球の位置情報に基づいてサブCPU201により軌跡処理(軌跡処理については後述する)が実行されることにより、遊技領域12aを転動する遊技球の軌跡に沿った軌跡演出(例えば、遊技球の軌跡に沿って泡の画像が表示される泡演出)が表示制御回路205の制御によって液晶表示装置13に表示されるようになっている。CCDカメラ1000で撮影された遊技球の位置情報に基づいて軌跡処理を実行するとき、CCDカメラ1000の撮影方向、CCDカメラ1000と液晶表示装置13との距離、液晶表示装置13の表示領域の大きさ等によって、実際の遊技球の位置と軌跡演出において表示される画像(例えば泡の画像)の位置との間でずれが生じるおそれがある。
そこで、例えばホモグラフィ変換式を用いて、CCDカメラ1000で撮影された遊技球の位置情報(CCDカメラ1000で撮影されたフレーム画像に含まれる遊技球の物理座標)を、液晶表示装置13の表示領域上の位置である液晶座標に変換することにより、より実体に近いリアリティのある演出画像を表示することが可能となる。なお、ホモグラフィ変換式は、以下の式であらわされる。また、以下において、「CCDカメラ1000で撮影されたフレーム画像における遊技球の位置座標(物理座標)」を、単に「遊技球の位置座標」と称する。位置座標は、この明細書において、CCDカメラ1000で撮影されたフレーム画像上の位置を意味する。
u=(a×x+b×y+c)/(g×x+h×y+1)
v=(d×x+e×y+f)/(g×x+h×y+1)
x:変換前のX座標
y:変換前のY座標
u:変換後のX座標
v:変換後のY座標
a,b,c,d,e,f,g,hは変換係数
すなわち、座標変換に関連する処理として、変換係数(a〜h)を求める変換係数算出処理(後述する)を例えば電源投入時等に予め行い、求められた変換係数を上記のホモグラフィ変換式に代入して遊技中に座標変換処理(後述する)を実行すれば、遊技領域12aを転動する遊技球の位置座標を液晶座標に変換することができる。変換係数の求め方については、図115を参照して以下に説明する。
図115(A)は、液晶表示装置13を正面から見た模式図の一例であって、電源投入時に、液晶表示装置13に矩形画像1300が表示されたときの態様を示す。図115(B)は、電源投入時にCCDカメラ1000で撮影されたフレーム画像内の有効領域1200に、矩形画像1300が含まれる模式図の一例である。なお、CCDカメラ1000で撮影される撮影領域は有効領域1200よりも大きい領域であるが、図115(B)では、便宜上、撮影領域を示さずに有効領域1200を示すものとする。また、有効領域1200内には、本来であれば液晶表示装置13の他に例えば遊技釘や遊技球等も含まれるが、図115(B)では、便宜上、液晶表示装置13のみを示している。
図115(A)において、液晶表示装置13に表示される矩形画像1300は、p1、p2、p3およびp4を角部の頂点とし、例えば、液晶表示装置13の左上隅画素の中心を原点O1、紙面右方向をX軸の正方向、紙面下方向をY軸の正方向、p1の液晶座標を(200,200)、p2の液晶座標を(1080,200)、p3の液晶座標を(1080,824)、p4の液晶座標を(200,824)とする画像である。この矩形画像1300は、CCDカメラ1000で認識できるように白色で表示されることが好ましいが、CCDカメラ1000で認識できれば必ずしも白色に表示されることに限られない。
また、図115(B)において、CCDカメラ1000で撮影されたフレーム画像には、例えば、有効領域1200の左上角部の頂点を原点O2、紙面右方向をX軸の正方向、紙面下方向をY軸の正方向、q1の位置座標を(357,369)、q2の位置座標を(332,122)、q3の位置座標を(462,129)、q4の位置座標を(490,337)とする矩形画像1300が含まれる。なお、q1、q2、q3およびq4は、CCDカメラ1000で撮影されたフレーム画像に含まれる矩形画像1300の角部の頂点である。すなわち、q1がp1に対応する角部頂点であり、q2がp2に対応する角部頂点であり、q3がp3に対応する角部頂点であり、q4がp4に対応する角部頂点である。
そこで、既知の値であるp1〜p4の液晶座標およびCCDカメラ1000で撮影されたフレーム画像におけるq1〜q4の位置座標をホモグラフィ変換式に代入すると、以下の連立方程式が得られる。
p1x=(a×q1x+b×q1y+c)/(g×q1x+h×q1y+1)
p1y=(d×q1x+e×q1y+f)/(g×q1x+h×q1y+1)
p2x=(a×q2x+b×q2y+c)/(g×q2x+h×q2y+1)
p2y=(d×q2x+e×q2y+f)/(g×q2x+h×q2y+1)
p3x=(a×q3x+b×q3y+c)/(g×q3x+h×q3y+1)
p3y=(d×q3x+e×q3y+f)/(g×q3x+h×q3y+1)
p4x=(a×q4x+b×q4y+c)/(g×q4x+h×q4y+1)
p4y=(d×q4x+e×q4y+f)/(g×q4x+h×q4y+1)
上記の連立方程式を解くと、a〜hの変換係数が求められる。
このようにして求められた変換係数をホモグラフィ変換式に代入し、CCDカメラ1000で撮影されたフレーム画像に含まれる遊技球の位置座標を液晶座標に変換することにより、例えば遊技中にCCDカメラ1000で撮影された遊技球の位置(位置座標)に基づいて、実体に近いリアリティのある演出画像を液晶表示装置13に表示することが可能となる。
次に、上述の変換係数算出処理および座標変換処理について説明する。図116は、電源が投入されたときに、サブCPU201により実行される変換係数算出処理の一例を示すフローチャートである。図117は、遊技領域12aを流下する遊技球の位置座標を液晶座標に変換する座標変換処理の一例を示すフローチャートである。なお、サブCPU201は、上述したとおり電源が投入されたことに基づいて、p1、p2、p3およびp4を角部の頂点とする例えば白色の矩形画像1300を液晶表示装置13に表示させる制御を、表示制御回路205を介して行う。
先ず、変換係数算出処理について説明する。この変換係数算出処理は、上述したとおり電源投入時に行われる処理であるが、必ずしもこれに限られず、少なくとも座標変換処理を行う必要があるタイミングよりも前に行われればよい。例えば、遊技が行われていない間、デモ演出中、電源投入してから立ち上がるまでの起動中、バックアップクリアスイッチ121を操作しつつ電源投入された場合にはRAMクリア処理(バックアップクリア処理)が終了するまでのRAMクリア準備中等の時間を利用して、変換係数算出処理を行うようにしてもよい。
図116に示されるように、サブCPU201は、先ず、ステップS2101において、対象フレームの画像を取得する。
次に、サブCPU201は、ステップS2102において、対象フレームの画像に含まれる矩形画像1300の角部頂点q1〜q4の位置座標を取得する。
次に、サブCPU201は、ステップS2104において、取得したq1〜q4の位置座標(ステップS2102参照)および既知の値であるp1〜p4の液晶座標のそれぞれをホモグラフィ変換式に代入して得られた上述の連立方程式を解いて、ホモグラフィ変換式を用いて物理座標としての位置座標から液晶座標に変換するための変換係数を算出する。
サブCPU201は、ステップS2104の処理を行うと、変換係数算出処理を終了する。
次に、座標変換処理について説明する。この座標変換処理は、遊技中(遊技領域12aを遊技球が転動中)に行われる処理である。
図117に示されるように、サブCPU201は、先ず、ステップS2105において、対象フレームの画像に含まれる遊技球の位置座標を取得する。
次に、サブCPU201は、ステップS2106において、取得した位置座標(ステップS2105参照)を、ホモグラフィ変換式を用いて液晶座標に変換する。なお、このとき用いられるホモグラフィ変換式は、上述の変換係数算出処理で求められた変換係数を代入した式である。
サブCPU201は、ステップS2106の処理を行うと、座標変換処理を終了する。
このように、遊技球の位置座標を変換して液晶座標を求めることにより、軌跡処理を実行する際に、より実体に近いリアリティのある演出画像を表示することが可能となる。
<変換係数算出処理の変形例>
上述した変換係数算出処理では、矩形画像1300を液晶表示装置13に表示し、この矩形画像1300の4つの角部頂点p1〜p4の液晶座標およびCCDカメラ1000で撮影されたフレーム画像におけるq1〜q4の位置座標からホモグラフィ変換式の変換係数を求めるようにしている。以下の変形例では、これに代えて、矩形画像1300ではなく例えば三角形画像1310を液晶表示装置13に表示する場合について説明する。
図118(A)は、電源投入時に液晶表示装置13を正面から見た模式図の一例であって、液晶表示装置13に三角形画像1310が表示されたときの態様を示す。図118(B)は、電源投入時にCCDカメラ1000で撮影されたフレーム画像内の有効領域1200に、三角形画像1310が含まれる模式図の一例である。なお、図118(A)および(B)のいずれにも、後述する仮想の矩形画像1300を、二点鎖線で示している。また、図115(B)と同様、CCDカメラ1000で撮影される撮影領域は有効領域1200よりも大きい領域であるが、図118(B)では、便宜上、撮影領域を示さずに有効領域1200を示すものとする。また、図115(B)と同様、有効領域1200内には、本来であれば液晶表示装置13の他に例えば遊技釘や遊技球等も含まれるが、図115(B)では、便宜上、液晶表示装置13のみを示している。
図118(A)において、液晶表示装置13に表示される三角形画像1310は、p1、p2およびp3を角部の頂点とし、例えば、液晶表示装置13の左上隅画素の中心を原点O1、紙面右方向をX軸の正方向、紙面下方向をY軸の正方向、p1の液晶座標を(200,200)、p2の液晶座標を(1080,200)、p3の液晶座標を(1080,824)とする画像である。この三角形画像1310は、CCDカメラ1000で認識できるように白色で表示されることが好ましいが、CCDカメラ1000で認識できれば必ずしも白色に表示されることに限られない。
また、図118(B)において、CCDカメラ1000で撮影されたフレーム画像には、例えば、有効領域1200の左上角部の頂点を原点O2、紙面右方向をX軸の正方向、紙面下方向をY軸の正方向、q1の位置座標を(357,369)、q2の位置座標を(332,122)、q3の位置座標を(462,129)とする三角形画像1300が含まれる。なお、q1、q2およびq3は、CCDカメラ1000で撮影されたフレーム画像に含まれる三角形画像1300の角部の頂点である。すなわち、q1がp1に対応する角部頂点であり、q2がp2に対応する角部頂点であり、q3がp3に対応する角部頂点である。
電源投入時に、液晶表示装置13に例えば三角形画像1310が表示された場合、仮想の矩形画像1300の角部頂点q4(仮想点)の位置座標を設定する。仮想の矩形画像1300は、三角形画像1310の三つの角部頂点q1〜q3と仮想の角部頂点q4とを角部頂点とする画像である。そのため、CCDカメラ1000による撮影方向やCCDカメラ1000から各角部頂点q1〜q3までの距離等によって調整は必要であるものの、基本的には、三角形画像1310の角部頂点q1〜q3の位置座標(より詳しくは、q1の位置座標、X軸方向におけるq3の位置座標とq2の位置座標との差、および、Y軸方向におけるq3の位置座標とq2の位置座標との差)に基づいて、仮想の角部頂点q4の位置座標を設定することができる。
例えば、CCDカメラ1000からp1までのX軸方向の距離とCCDカメラ1000からp2までのX軸方向の距離とが等しく且つCCDカメラ1000からp1までのY軸方向の距離とCCDカメラ1000からp2までのY軸方向の距離とが等しいと仮定した場合、q1の位置座標(357,369)、q2の位置座標(332,122)、q3の位置座標(462,129)から、q4の仮想の位置座標を例えば(487,362)と設定することができる。
なお、p1の液晶座標(200,200)、p2の液晶座標(1080,200)およびp3の液晶座標(1080,824)が既知であるから、設定された仮想の角部頂点q4に対応する仮想のp4の液晶座標を(200,824)に設定することができる。
そして、既知の値であるp1〜p3の液晶座標、設定されたp4(仮想点)の液晶座標、CCDカメラ1000で撮影されたフレーム画像におけるq1〜q3の位置座標、および、設定されたq4(仮想点)の位置座標をホモグラフィ変換式に代入することによって、矩形画像1300が液晶表示装置13に表示された場合と同様に、a〜hの変換係数を求めることができる。
a〜hの変換係数を求めた後、図117に示した座標変換処理を行い、CCDカメラ1000で撮影されたフレーム画像に含まれる遊技球の位置座標を液晶座標に変換することにより、CCDカメラ1000で撮影された遊技球の位置(位置座標)に基づいて、実体に近いリアリティのある演出画像を液晶表示装置13に表示することが可能となる。
次に、変形例の変換係数算出処理について、図116に示される変換係数算出処理と異なる点について説明する。なお、座標変換処理については図117に示される処理と同様である。
図119は、電源が投入されたときに、サブCPU201により実行される変換係数算出処理の変形例を示すフローチャートである。表示制御回路205は、上述したとおり、電源が投入されたことに基づいて、p1、p2およびp3を角部の頂点とする例えば白色の三角形画像1310を液晶表示装置13に表示させる制御を行う。なお、図119において、図116に示されるフローチャートと同じ処理については、同じ番号を付している。
変形例の変換係数算出処理が第9実施形態の変換係数算出処理と異なる点は、ステップS2102とステップS2104との間で、ステップS2103の処理が実行される点である。
サブCPU201は、ステップS2102の処理を行うと、ステップS2103において、仮想の矩形画像1300の角部頂点q4の位置座標、および、p4に対応するp4の液晶座標を設定する処理を行う。
サブCPU201は、ステップS2103の処理を行うと、ステップS2104の処理を行う。このステップS2104以降の処理は第9実施形態と同様であるため、説明を省略する。
このように、必ずしも矩形画像1300が液晶表示装置13に表示される必要はなく、例えば三角形画像1310が液晶表示装置13に表示される場合であっても、軌跡処理を実行する際に、より実体に近いリアリティのある演出画像を表示することが可能となる。また、液晶表示装置13では矩形画像1300が表示されているものの、CCDカメラ1000で撮影された画像において3つの角部頂点しか位置座標を特定できなかったような場合であっても、変換係数を求めることができる。
なお、CCDカメラ1000から三角形画像の各角部頂点p1〜p3までの距離は、実際にはパチンコ遊技機毎に異なる。そこで、例えば、CCDカメラ1000の撮影方向や、CCDカメラ1000と液晶表示装置13との距離等に応じて、q4(仮想点)の位置座標を微調整する等、適宜補正を行うようにするとよい。例えば、CCDカメラ1000で撮影されたフレーム画像において、q1とq2とを結ぶ線がY軸に対して成す角度や、q2とq3とを結ぶ線がX軸に対して成す角度等に基づいて、液晶表示装置13に対するCCDカメラの方向や縮尺等を特定することにより、q4の位置座標を適宜補正することができる。なお、CCDカメラ1000および液晶表示装置13の位置は固定であるため、CCDカメラ1000から三角形画像の各角部頂点p1〜p3までの距離は、パチンコ遊技機固有の値として制御することもできる。
[画像調整処理]
また、本実施形態では、例えば電源投入時に座標変換処理が行われるが、この座標変換処理の前または後に、画質調整処理を行っている。この画質調整処理は、画像調整用の特定画像を液晶表示装置13に表示し、CCDカメラ1000で撮影されたフレーム画像に含まれる特定画像の見映えや外観にかかわる要素(例えば、色相、明度、彩度、輝度等)を判別し、この判別結果に基づいて、液晶表示装置13に表示される画像の見映えや外観にかかわる要素の調整を行うようにしたものである。なお、以下において、「見映えや外観にかかわる要素」を、単に「外観要素」と称する。
なお、液晶表示装置13に表示される画像の外観要素の調整として、例えば、色相、明度、彩度および輝度の全部について行うことができる構成としてもよいし、色相、明度、彩度および輝度のうちいずれか一つまたは複数について行うことができる構成としてもよいし、色相、明度、彩度または/および輝度に代えてこれらとは別のものを調整できるようにしてもよい。また、特定画像が複数色からなる場合には、コントラストを調整するものであってもよい。
また、画像調整用として液晶表示装置13に表示される特定画像は、例えば電源投入時に常に同じ画像が表示されるようにしてもよいし、調整対象に応じて異なる画像が表示されるようにしてもよい。後者の場合、例えば調整対象が明度である場合には明度の調整に適した画像を表示し、例えば調整対象が輝度である場合には輝度の調整に適した画像(例えば白色画像)を表示するとよい。
なお、CCDカメラ1000で撮影されたフレーム画像に含まれる特定画像の外観要素の判別結果に基づいて、液晶表示装置13に表示される画像の外観要素の調整を行うことに加え、例えば遊技者やホール関係者等が操作できる操作部を操作することによって、液晶表示装置13に表示される特定画像の外観要素の調整を行うことができるようにしてもよい。この場合、デフォルトとして、CCDカメラ1000で撮影されたフレーム画像に含まれる特定画像の外観要素の判別結果に基づいて液晶表示装置13に表示される画像の外観要素の調整が行われるものの、操作部が操作された場合には、デフォルトよりも操作部の操作を優先して、液晶表示装置13に表示される画像の外観要素の調整が行われるようにすることが好ましい。
次に、サブCPU201により実行される画像調整処理について、図120を参照して説明する。図120は、電源が投入されたときに、サブCPU201により実行される画像調整処理の一例を示すフローチャートである。
図120に示されるように、サブCPU201は、先ず、ステップS2111において、対象フレームの画像を取得する。
次に、サブCPU201は、ステップS2112において、対象フレームの画像に含まれる特定画像の外観要素の度合いを識別する。この処理では、CCDカメラ1000で撮影されたフレーム画像に含まれる特定画像の外観要素の度合い(例えば、色相の度合い、明度の度合い、彩度の度合い、輝度の度合い等)を例えば数値化することによって識別する。
次に、サブCPU201は、ステップS2113において、識別された特定画像の外観要素の度合いが基準値の範囲外でない場合すなわち基準値の範囲内である場合(ステップS2113におけるNO)、サブCPU201は、画像調整処理を終了する。基準値は、プログラムROM202に記憶するようにするとよい。
一方、識別された特定画像の外観要素の度合いが基準値の範囲外である場合(ステップS2113におけるYES)、サブCPU201は、ステップS2114に移り、液晶表示装置13に表示される画像の外観要素の度合い調整を行う。この処理では、例えば、液晶表示装置13に表示される画像の外観要素の度合いを複数段階(例えば10段階)で調整できる場合、識別された外観要素の度合いが基準値の下限を下回っているときは、液晶表示装置13に表示される画像の外観要素の度合いを例えば1段階アップさせる処理を行う。また、識別された外観要素の度合いが基準値の上限を上回っているときは、液晶表示装置13に表示される画像の外観要素の度合いを例えば1段階ダウンさせる処理を行う。
サブCPU201は、ステップS2114の処理を行うと、ステップS2111に戻り、識別された外観用紙の度合いが基準値の範囲内となるまで(ステップS2113においてNOと判別されるまで)、ステップS2111〜ステップS2114の処理を繰り返す。
このように、画像調整処理を行うことにより、例えば電源投入時にCCDカメラ1000により撮影された画像の外観要素の度合いに基づいて、液晶表示装置13に表示される画像の外観要素の度合いが調整されるため、液晶表示装置13に表示される画像の見映えや外観を向上させて興趣の低下を抑制することが可能となる。
なお、画像調整処理が行われるタイミングでは画像調整用の特定画像が液晶表示装置13に表示されるようにし、変換係数算出処理が行われるタイミングでは変換係数算出用の画像(例えば、矩形画像1300または三角形画像1310)が液晶表示装置13に表示されるようにしてもよいが、画像調整用の特定画像と変換係数算出用の画像とを共用画像とし、この共用画像が所定のタイミングで表示されるようにしてもよい。所定のタイミングとは、例えば電源投入時、遊技が行われていない間、デモ演出中、電源投入してから立ち上がるまでの起動中、バックアップクリアスイッチ121を操作しつつ電源投入された場合にはRAMクリア処理(バックアップクリア処理)が終了するまでのRAMクリア準備中等のタイミングが相当する。
[第10実施形態]
以上、第1実施形態〜第9実施形態について説明した。以下、第10実施形態について、図121〜図126を参照して説明する。第10実施形態に係るパチンコ遊技機1は、基本的な構成は第1実施形態および第3実施形態〜第9実施形態に係るパチンコ遊技機1と同じであるが、遊技球が転動可能な遊技領域12aの前面に設けられる始動口、大入賞口、アウト口等の配置位置等は異なる。以下においては、配置位置にかかわらず、第1実施形態および第3実施形態〜第9実施形態に係るパチンコ遊技機1の構成要素と同一の構成要素には、同一の符号を付して説明することとする。また、第1実施形態および第3実施形態〜第9実施形態における説明が第10実施形態においても当てはまる部分については、説明を省略することとする。なお、本実施形態において、始動口、大入賞口、アウト口55等の配置位置は限定されるものではない。また、図121〜図126において、第10実施形態の説明に必要な部材については符号を付与するが、第10実施形態の説明に必要としない部材については符号を付与しないものとする。
図121は、パチンコ遊技機1の遊技盤12を示す正面図の一例であり、ガイドレール41(外レール41a、内レール41b)、始動口、大入賞口、S字状の球通路を有する球通路部材554、ステージ部材555、アウト口55、多数の遊技釘556等が前面側に設けられた図である。このパチンコ遊技機1では、遊技盤12の略全体が透明の樹脂部材で構成されており、前面側から遊技盤12を見た場合に、遊技盤12の後方を視認できるようになっている。
遊技盤12の後面側には、遊技盤12と略同じ大きさの表示領域を有する大型の液晶表示装置(参照符号なし)が配置されており、遊技盤12の前面側(遊技者側)から遊技盤12をとおして大型の液晶表示装置に表示される画像を視認できるように構成されている。
図122は、パチンコ遊技機1の遊技盤12を示す正面図の一例であり、遊技盤12の後面側に配置された液晶表示装置に表示される画像を理解しやすいように、始動口、大入賞口、玉通路部材554およびステージ部材555等の図示を省略している。
図122に示されるように、液晶表示装置には、背景画像550として表示される火山、装飾図柄の演出領域として表示される図柄演出領域552の他、軌跡演出の画像として泡画像560が表示されている。
図123は、パチンコ遊技機1の遊技盤12を示す正面図の一例であり、遊技盤12の後面側に配置された液晶表示装置に画像が表示された態様を示している。このように、遊技球が転動する遊技領域12aの後方において画像を表示することができるようになっており、正面視で(遊技者側から見て)、液晶表示装置の表示領域に表示される画像を、遊技領域12aを転動する遊技球と重なるように表示することができる。
図123に示されるように、泡画像560は、上述した遊技媒体追跡処理を行うことにより表示される画像、すなわち遊技球580の位置情報に基づいて表示される画像であり、遊技球580の転動軌跡を示す画像として表示される。
なお、遊技盤12の後面側に大型の液晶表示装置が配置されるようにしたが、これに代えて、例えば図100に示すように、遊技盤12の前面全体に映像を投影することが可能な第プロジェクタユニットBを設けてもよい。また、液晶表示装置により表示される画像とプロジェクタユニットBにより投影される映像との両方で、遊技盤12の前面全体を演出領域として機能させるようにしてもよい。
また、遊技盤12の前面全体を演出領域として機能させることは必須ではなく、例えば、遊技領域12aの全域を演出領域として機能させてもよいし、遊技球580の転動軌跡を演出画像に反映させることができれば、遊技領域12aの全域を演出領域として機能させることも必須ではない。
[遊技媒体補完処理]
泡画像560のように遊技球580の位置情報に基づいて軌跡処理が実行される場合、その前提として、例えば第1実施形態において上述した遊技媒体追跡処理が行われる。上述したとおり、CCDカメラ1000で遊技領域12aが撮影されると、動画像として、連続する複数のフレーム画像が取得される(図31のステップS281参照)。遊技媒体追跡処理では、各フレーム画像に含まれる遊技球の位置情報が特定されるが、例えば、CCDカメラ1000と遊技球との間に障害物が割り込んだり、撮影上の不具合が生じたり、遊技球が突発的に大きく移動した場合等により、遊技球の位置情報を特定することが困難であったり、遊技球の位置情報を特定することはできるものの現実的でない位置情報(例えば、遊技球の位置情報に基づく画像を表示した場合に不自然な画像が表示されることとなる位置)となる場合がある。
そこで、このパチンコ遊技機1では、CCDカメラ1000で撮影されたフレームの画像において、遊技球の位置情報を特定することが困難であったり、遊技球の位置情報が現実的でない場合、サブCPU201により実行される遊技媒体追跡処理において、遊技球の位置情報を補完する遊技媒体補完処理を行っている。
図124は、パチンコ遊技機1の遊技盤12を示す正面図の一例であって、CCDカメラ1000で遊技領域12aが撮影された複数のフレーム画像のうち、任意の連続する複数フレーム(例えば3フレーム)の画像のうちの1フレーム目の画像に含まれる遊技球580a(以下、単に「遊技球580a」と称する)、2フレーム目の画像に含まれる遊技球580b(以下、単に「遊技球580b」と称する)および3フレーム目の画像に含まれる遊技球580c(以下、単に「遊技球580c」と称する)の位置を示す図である。なお、2フレーム目の画像は1フレーム目の画像の次に撮影された画像、3フレーム目の画像は2フレーム目の画像の次に撮影された画像とする。すなわち、1フレーム目の画像〜3フレーム目の画像は、CCDカメラ1000で撮影された連続する画像とする。図124では、遊技球580の軌跡を把握しやすいように、遊技盤12の後面側に配置される液晶表示装置に、背景画像550である火山や軌跡演出の画像である泡画像560を表示せずに装飾図柄演出領域552のみを表示している。
本実施形態において、遊技球580bが所定位置にない場合に、遊技媒体補完処理を行い、例えば遊技球580aの中心と遊技球580cの中心との略中央(以下、「特定位置」と称する)に、遊技球580bの位置情報を補完するようにしている。遊技球580bが所定位置にない場合とは、例えば以下のような場合が相当する。
・遊技球580aの位置情報と遊技球580cの位置情報との関係において、遊技球580bの位置情報が不自然である場合(ただし、後述するように、遊技球580bの位置情報が遊技球580aの位置情報よりも上方であるときは遊技媒体補完処理を行わない)。
・1フレーム目の画像に遊技球580aが含まれており且つ3フレーム目の画像にも遊技球580cが含まれているにもかかわらず、2フレーム目の画像に遊技球580bが含まれていない場合。
・遊技球580aの中心と遊技球580bの中心とを結ぶ距離が、予め定められた一定距離以上である場合。
次に、図125および図126を参照し、遊技媒体補完処理の態様について説明する。図125は、遊技球580aの位置情報と遊技球580cの位置情報との関係において、遊技球580bの位置情報が不自然である場合の遊技媒体補完処理の態様を示す図であって、(A)遊技媒体補完処理を行う必要がない場合の各フレームの画像、(B)遊技球580bの位置情報が遊技球580aの位置情報から離れすぎている場合の各フレームの画像、(C)遊技球580bの位置情報が遊技球580aの位置情報から離れすぎている場合に、遊技球580bの位置情報が補完された後の各フレームの画像である。図126は、1フレーム目の画像に遊技球580aが含まれており且つ3フレーム目の画像にも遊技球580cが含まれているにもかかわらず、2フレーム目の画像に遊技球580bが含まれていない場合の遊技媒体補完処理の態様を示す図であって、(A)遊技媒体補完処理を行う必要がない場合の各フレームの画像、(B)2フレーム目の画像に遊技球580bが含まれていない場合の各フレームの画像、(C)2フレーム目の画像に遊技球580bが含まれていない場合に遊技球580bの位置情報が補完された後の各フレームの画像である。なお、CCDカメラ1000で撮影される範囲は図114において例えば一点鎖線で示される撮影範囲1050であるから、本来、図125および図126において示される各フレームの画像も、上記撮影範囲1050を撮影した画像となる。しかしここでは、図125および図126では、便宜上、遊技領域12aを正面からみた場合の図として示し、水平方向をX軸方向、鉛直方向をY軸方向として図示している。また、図126(C)の2フレーム目の画像では、理解しやすいように、遊技球580aおよび遊技球580cを二点鎖線で示している。
先ず、図125を参照し、遊技球580aの位置情報と遊技球580cの位置情報との関係において、遊技球580bの位置情報が不自然である場合の遊技媒体補完処理の態様について説明する。
遊技球580aの中心を基準位置として、この基準位置から遊技球580bの中心までのX軸方向の距離およびY軸方向の距離のいずれもが適正距離Aであるとき(図125(A)参照)、遊技媒体補完処理を行わない。なお、図125(A)では、便宜上、Y軸方向の距離を適正距離Aと示している。適正距離Aすなわち上述の所定位置は、特定位置(遊技球580aの中心と遊技球580cの中心とを結ぶ直線の略中央)を含む一定の領域内である。特定位置を含む一定の領域内は、軌跡処理を実行した場合に不自然な画像が表示されることとならない範囲が相当する。
遊技球580aの中心から遊技球580bの中心までのY向距離αが、遊技球580bの中心から遊技球580cの中心までのY軸方向の距離βと比べて一定以上に大きい場合(図125(B)参照)、すなわちY向距離αが適正距離Aの範囲を超えている(適正距離A<Y向距離α)場合、遊技媒体補完処理を行う。Y軸方向の距離αが適正距離Aの範囲を超えている場合、Y軸方向の距離βは適正距離Aよりも小さくなる(Y向距離β<適正距離A)ことが多いため、一般的には、「Y向距離β<適正距離A<Y向距離α」となる。なお、Y方向距離αが適正距離Aの範囲を超えているか否かの判断は、例えば、Y方向距離αとY方向距離βとの和が、適正距離AのN倍(例えば2倍)よりも長いか短いかによって判断するようにしてもよい。
なお、遊技球580aの中心から遊技球580bの中心までのX軸方向の距離が、遊技球580bの中心から遊技球580cの中心までのX軸方向の距離と比べて一定以上に大きい場合にも、遊技媒体補完処理を行う。
図125(B)の場合、すなわち遊技球580aの中心から遊技球580bの中心までのY向距離αが適正距離Aの範囲を超えている場合、遊技媒体補完処理は、図125(c)に示されるように行われる。具体的には、遊技球580aの中心から遊技球580bの中心までのY軸方向の距離(図125(C)ではγで図示)と、遊技球580bの中心から遊技球580cの中心までのY軸方向の距離(図125(C)ではγで図示)とが略等しくなるように、2フレーム目の遊技球580bのY軸方向の位置情報が補完される。
また、遊技球580aの中心から遊技球580bの中心までのX軸方向の距離が適正距離Aの範囲を超えている場合には、遊技球580aの中心から遊技球580bの中心までのX軸方向の距離と、遊技球580bの中心から遊技球580cの中心までのX軸方向の距離とが略等しくなるように、2フレーム目の遊技球580bのX軸方向の位置情報が補完される。
そして、軌跡処理は補完後の遊技球580bの位置情報に基づいて実行されるため、液晶表示装置には、補完後の位置を遊技球580bが転動したかのような軌跡演出が表示される。
次に、図126を参照し、1フレーム目の画像に遊技球580aが含まれており且つ3フレーム目の画像にも遊技球580cが含まれているにもかかわらず、2フレーム目の画像に遊技球580bが含まれていない場合の遊技媒体補完処理の態様について説明する。
遊技球580aの中心から遊技球580bの中心までのX軸方向の距離およびY軸方向の距離のいずれもが適正距離であるとき、遊技媒体補完処理を行わない(図126(A)参照)。適正距離とは、軌跡処理が実行された場合に不自然な画像が表示されることとならない範囲が相当する。
また、2フレーム目の画像に遊技球580bが含まれていたとしても、この遊技球580bが1フレーム目の画像に含まれている遊技球580aよりも上方である場合には、遊技媒体補完処理を行わず、実際の遊技球580bの位置座標に基づいて軌跡演出を行うようにしている。これにより、実際の遊技球の位置と軌跡演出の画像である泡画像560の位置との間で大きな乖離が生じるような不自然な演出画像が行われることを防ぐことができ、演出効果を好適に高めて興趣の低下を抑制することが可能となる。
図126(B)に示されるように、2フレーム目の画像に遊技球580bが含まれていない場合、遊技媒体補完処理を行う。
図126(B)の場合、すなわち2フレーム目の画像に遊技球580bが含まれていない場合、遊技媒体補完処理は、図126(c)に示されるように行われる。具体的には、遊技球580aの中心から遊技球580bの中心までの距離Bと、遊技球580bの中心から遊技球580cの中心までの距離Bとが略等しくなるように、2フレーム目の遊技球580bの位置情報が補完される。さらに詳述すると、遊技球580aの中心から遊技球580bの中心までのX軸方向の距離と遊技球580bの中心から遊技球580cの中心までのX軸方向の距離とが略等しくなるように、且つ、遊技球580aの中心から遊技球580bの中心までのY軸方向の距離と遊技球580bの中心から遊技球580cの中心までのY軸方向の距離とが略等しくなるように、2フレーム目の遊技球580bの位置情報が補完される。
そして、液晶表示装置には、補完後の位置を遊技球580bが転動したかのような軌跡演出が表示される。
なお、上記では、1フレーム目の画像〜3フレーム目の画像が連続する画像として説明したが、必ずしもこれに限られない。例えば、1フレーム目の画像の複数フレーム後の画像を2フレーム目の画像とし、2フレーム後の画像の複数フレーム後の画像を3フレーム目の画像とするように、各フレーム画像は必ずしも連続する画像でなくてもよい。この場合、1フレーム目の画像と2フレーム目の画像との間のフレーム数と、2フレーム目の画像と3フレーム目の画像との間のフレーム数とが同じフレーム数であることが好ましい(すなわち、2フレーム目の画像は、1フレーム目の画像と3フレーム目の画像との中間の画像であることが好ましい)。ただし、各フレーム画像が連続しない場合には、1フレーム目の画像〜3フレーム目の画像が、サブCPU201のメインループの1フレームに相当する例えば33msecの範囲内の画像であることが好ましい。また、1フレーム目の画像を取得した後、サブCPU201のメインループとしての1フレームに相当する例えば33msec後に取得されるフレーム画像を2フレーム目の画像とし、2フレーム目の画像を取得してから33msec後に取得されるフレーム画像を3フレーム目の画像としてもよい。
また、上記では、2フレーム目の画像において遊技球bについての遊技媒体補完処理を行う場合、補完先である特定位置を、2つの遊技球の位置(1フレーム目の画像に含まれる遊技球aの位置および3フレーム目の画像に含まれる遊技球cの位置)に基づいて決めているが、必ずしもこれに限られず、2つよりも多くの遊技球(すなわち、3つ以上のフレーム画像に含まれる遊技球)の位置に基づいて決めるようにしてもよいし、1つの遊技球の遊技球の位置に基づいて決めるようにしてもよい。1つの遊技球の遊技球の位置に基づいて補完先である特定位置を決める場合、遊技球aの位置に基づいて特定位置を決めてもよいし、遊技球cの位置に基づいて特定位置を決めてもよい。また、1つの遊技球の遊技球の位置に基づいて補完先である特定位置を決める場合、例えば、1フレーム目の画像に遊技球aの残像がある場合にはこの残像に基づいて遊技球の転動方向や転動速度等を推測して特定位置を決めるようにしてもよいし、重力方向に特定位置を決めるようにしてもよいし、過去の転動方向データに基づいて特定位置を決めるようにしてもよい。このように、上述した遊技媒体補完処理の態様は一例であって、遊技媒体補完処理は上述した態様に限定されるものではない。
[遊技媒体再補完処理]
ところで、上述の遊技媒体補完処理を行った場合、特定位置に補完された後の遊技球の位置情報が適切でない場合がある。例えば、補完後の遊技球が、遊技釘556や始動口等の各種部材と重なる場合のように、遊技球が存在しえない位置に遊技球の位置情報が補完された場合には、補完後の遊技球の位置情報が適切でない。この場合、補完された位置である特定位置からさらに別の位置に、遊技球の位置情報を移動させる遊技媒体再補完処理を行うようにしている。これにより、遊技球が存在しえない位置情報に基づいて軌跡処理が実行されること、ひいては遊技球が存在しえない位置を遊技球が転動することにより不自然な演出画像が表示されることを防止でき、演出効果を好適に高めることが可能となる。
なお、特定位置から別の位置に遊技球の位置情報を移動させる遊技媒体再補完処理を行ったとき、さらにその別の位置が適切でない場合(例えば、別の位置が遊技釘556や始動口等の各種部材と重なるような場合)には、上記の別の位置からさらに別の位置に遊技球の位置情報を移動させる遊技媒体再補完処理を行う。この遊技媒体再補完処理は、適切な位置に遊技球の位置情報が移動するまで繰り返し行われる。
特定位置が「遊技球が存在しえない位置」であるか否かについては、「遊技球が存在しえない位置」の位置情報をあらかじめプログラムROM202(図8参照)に記憶し、この位置情報を参照して判別しているが、これに限られず、CCDカメラ1000により撮影されたフレーム画像に基づいてサブCPU201が判別するようにしてもよい。
次に、図127〜図129を参照し、遊技媒体再補完処理の態様について説明する。
図127は、パチンコ遊技機1の遊技盤12を示す正面図の一例であって、特定位置に補完された遊技球580bの位置情報が、上下に並ぶ遊技釘556a,556bのうち下方の遊技釘556bの位置情報と重なる場合を示す図である。図128は、パチンコ遊技機1の遊技盤12を示す正面図の一例であって、遊技球580bについて遊技媒体再補完処理を行った場合を示す図である。なお、図127および図128では、遊技球580の軌跡を把握しやすいように、遊技盤12の後面側に配置される液晶表示装置に、背景画像550である火山や軌跡演出の画像である泡画像560を表示せずに装飾図柄演出領域552のみを表示している。
遊技媒体補完処理によって特定位置に補完された遊技球580bの位置情報が遊技釘556bの位置情報と重なる場合(図127参照)、図128に示されるように、特定位置から別の位置に遊技球580bの位置情報を移動させる遊技媒体再補完処理が行われる。
図129は、(A)遊技球580bが補完される前の画像(遊技媒体補完処理前の画像)の一例、遊技球580bが特定位置に補完された画像(遊技媒体補完処理後の画像)の一例、遊技球580cが特定位置から別の位置に移動された画像(遊技媒体再補完処理後の画像)の一例、を示す図、(B)遊技球580bについて遊技媒体再補完処理が行われる場合の移動先の決め方の一例を示す図、である。なお、図129においても、便宜上、図125および図126と同様に、水平方向をX軸方向、鉛直方向をY軸方向として図示している。また、図129(A)では、理解しやすいように、遊技球580aおよび遊技球580cを二点鎖線で示している。
先ず、図129(A)の遊技媒体補完処理前の画像に示されるように、遊技球580bが、上述した所定の位置(遊技球580aの中心と遊技球580cの中心とを結ぶ直線の略中央である特定位置を含む一定の領域内)にない場合、遊技球580bについて遊技媒体補完処理が行われる。
遊技球580bについて遊技媒体補完処理が行われると、図129(A)の遊技媒体補完処理後の画像に示されるように、特定位置(遊技球580aの中心と遊技球580cの中心とを結ぶ直線の略中央)に遊技球580bの位置情報が補完される。ただし、特定位置に遊技球580bの位置情報が補完されたとしても、上述したように、遊技媒体補完処理が行われた後の遊技球580bの位置情報が遊技領域12aに配置された遊技釘556等の各種部材の位置情報と重複することが生じうる。そこで、この場合、遊技球580bについて遊技媒体再補完処理が行われる。
遊技球580bについて遊技媒体再補完処理が行われると、図129(A)の遊技媒体再補完処理後の画像に示されるように、特定位置から別の位置に、遊技球580bの位置情報が再補完される。特定位置からの移動先である上記の別の位置は、上述した一定の領域内の位置であることが好ましい。
次に、遊技球580bについて遊技媒体再補完処理が行われた場合の移動先の決め方の一例について説明する。なお、遊技媒体再補完処理は、遊技球580bの移動距離が最短となるように行われる。
図129(B)では、特定位置にある遊技球580bを実線で示し、特定位置から別の位置に移動された遊技球580bを二点鎖線で示す。また、図129(B)に示されるように、遊技釘556bの中心をO3、特定位置における遊技球580bの中心をO4、特定位置から別の位置に移動された遊技球の中心をO5とする。
遊技球580bについて遊技媒体再補完処理を行う場合、遊技球580bを移動させる方向と、遊技球580bを移動させる距離とを決める必要がある。
遊技球580bの移動距離が最短となるように遊技媒体再補完処理を行う場合、遊技球580b(具体的には遊技球580bの中心O4)を移動させる方向は、フレーム画像(二次元画像)において互いに重複する形状が遊技球580bおよび遊技釘556bのいずれも円形であるため、遊技釘556bの中心O3と遊技球580bの中心O4とを結ぶ直線Lの延長線上であって且つ遊技釘556bとは反対の方向となる。この方向は、図129(B)において、実線で示される遊技球580bの中心O4から二点鎖線で示される遊技球580bの中心O5に向けて示される矢印の方向である。
また、遊技球580bを移動させる距離は、特定位置における遊技球580bの外周と直線Lとの交点P1から遊技釘556bの外周と直線Lとの交点P2までの距離mとなるため、これを測定すればよい。なお、交点P1から交点P2までの距離mは、フレーム画像(すなわち二次元画像)において遊技球580bが占める領域と遊技釘556bが占める領域とが重なる領域の面積(図129(B)において斜線で図示)に比例する。
このように、特定位置にある遊技球580bの移動方向および移動距離を決定することで、移動先の位置の位置座標が決定される。そして、特定位置から移動した後の遊技球580bが他の遊技釘(例えば遊技釘556a)等の各種部材と重なる場合には、遊技球580bが各種部材と重ならなくなるまで、上述した遊技媒体再補完処理が同様の手順で繰り返される。
なお、上記では、特定位置に補完された遊技球580bの位置情報が遊技釘556の位置情報と重なる場合に行われる遊技媒体再補完処理について説明したが、例えば図130に示されるように球通路部材554を転動する遊技球について遊技媒体補完処理を行う場合には、これに付随して遊技媒体再補完処理を行う必要がある。
図130は、パチンコ遊技機1の遊技盤12を示す正面図の一例であって、遊技球が球通路部材554を転動する態様の一例を示す図である。なお、図130では2フレーム目の画像に含まれる遊技球580bが図示されているが、以下では、2フレーム目の画像に遊技球580bが含まれていない場合等、遊技球580bについて遊技媒体補完処理を行う必要がある場合について説明する。
1フレーム目の画像に含まれる遊技球580aおよび3フレーム目の画像に含まれる遊技球580cが図130に示される位置にある場合、遊技球580bについて遊技媒体補完処理が行われると、遊技球580bの位置情報は、特定位置(遊技球580aの中心と遊技球580cの中心とを結ぶ直線の略中央)に補完される。
しかし、球通路部材554を転動する遊技球は、略S字状または略反S字状に方向を変えながら球通路部材554内を転動する。そのため、特定位置(遊技球580aの中心と遊技球580cの中心とを結ぶ直線の略中央)に遊技球580bの位置情報が補完されたとしても、特定位置は遊技球580bが存在しえない位置となり、遊技球580bについての遊技媒体補完処理に付随して遊技媒体再補完処理を行う必要がある。
なお、遊技球580bについて行われる遊技媒体再補完処理は、上述したとおり、球通路部材554の位置情報をあらかじめプログラムROM202(図8参照)に記憶し、この位置情報を参照して判別しているが、これに限られず、CCDカメラ1000により撮影されたフレーム画像に基づいてサブCPU201が判別するようにしてもよい。
以上説明したように、遊技媒体追跡処理において、必要に応じて遊技媒体補完処理を行うことにより、遊技球が存在しえない位置情報に基づいて軌跡処理が実行されること、ひいては遊技球が存在しえない位置を遊技球が転動することにより不自然な演出画像が表示されることを防止でき、演出効果を好適に高めることが可能となる。また、遊技媒体補完処理に加えて遊技媒体再補完処理を必要に応じて行うことにより、演出効果をさらに好適に高めることが可能となる。
なお、上述した遊技媒体再補完処理の態様は一例であって、これに限定されるものではない。
[遊技媒体補完処理・遊技媒体再補完処理が行われる場合の遊技媒体追跡処理]
次に、遊技媒体補完処理および遊技媒体再補完処理が必要に応じて行われる場合に、サブCPU201により実行される遊技媒体追跡処理について、図131を参照して説明する。図131は、サブCPU201により実行される遊技媒体追跡処理の一例を示すフローチャートである。なお、図42の遊技媒体追跡処理と重複する処理もあるが、以下では、重複する処理であるか否かにかかわらず別のステップ番号を付与して説明する。
サブCPU201は、先ず、対象フレームの画像を取得する(ステップS2115)。対象フレームとは、少なくとも上述する1フレーム目〜3フレーム目の画像が含まれるが、それ以上のフレーム画像を取得してもよい。サブCPU201は、取得したフレーム画像に含まれる遊技球580の位置画像を示すデータをワークRAM203から読み出す。
次に、サブCPU201は、フレーム間の画像に含まれる遊技球の位置の比較を行う(ステップS2116)。例えば、遊技球580aの中心の位置座標と、遊技球580bの中心の位置座標と、遊技球580cの中心の位置座標とを比較する。
次に、サブCPU201は、球位置が所定の距離より離れているか否かを判別する(ステップS2117)。例えば、遊技球580aの位置情報と遊技球580cの位置情報との関係において、遊技球580aまたは/および遊技球580cから適正距離Aの範囲内に遊技球580bがあるか否かを判別する。また、各フレームの画像に遊技球580が含まれているか否かを判別し、2フレーム目の画像に遊技球580bが含まれていなければ、球位置が所定の距離より離れていると判別してもよい。
球位置が所定の距離より離れていない場合(ステップS2117におけるNO)、サブCPU201はステップS2123に移る。ステップS2123の処理については後述する。なお、遊技球580bの位置情報が遊技球580aの位置情報と比較して一定の基準を満たしていない場合、上述したとおり、球位置が所定の距離より離れていないと判別し(ステップS2117におけるNO)、遊技媒体補完処理を行わない。なお、一定の基準を満たしているか否かの判別は、特定の基準に基づく判別に限定されるものではなく、例えば、遊技球580bの位置情報が遊技球580aの位置情報よりも上方である場合のように遊技球580aに対する遊技球580bの方向で判別してもよいし、遊技球580aから遊技球580bまでの距離で判別してもよいし、これらを複合的に判別してもよい。また、一定の基準を満たしているか否かを判別するために、例えば、遊技球580a,580bの速度や加速度、映像の映り具合(例えば、遊技球であると判別できる程度に撮影できているか)等を要素として判別するようにしてもよい。
球位置が所定の距離より離れている場合(ステップS2117におけるYES)、サブCPU201は、遊技媒体補完処理を行う(ステップS2118)。この遊技媒体補完処理では、補完後の位置として上述した特定位置を選択し、この特定位置に遊技球580bの位置座標を補完する。
次に、サブCPU201は、補完先として選択した特定位置に、遊技釘556や始動口等の除外対象があるか否かを判別する(ステップS2119)。除外対象とは、遊技釘556や始動口等の各種部材のように、遊技球と重ならないものが相当する。
補完先として選択した特定位置に除外対象がある場合(ステップS2119におけるYES)、遊技媒体補完処理が行われた遊技球580bと遊技釘556等の除外対象との重複を回避するために、サブCPU201は、遊技媒体再補完処理を行う(ステップS2120)。この遊技媒体再補完処理では、再補完先の位置を選択し、この選択された再補完先の位置に遊技球580bの位置座標を移動させる。
次に、サブCPU201は、再補完先として選択した位置に、遊技釘556や始動口等の除外対象がないかを判別する(ステップS2121)。
再補完先として選択した位置に除外対象がある場合(ステップS2121におけるNO)、ステップS2120に戻り、除外対象がない位置が再補完先として選択されるまで、ステップS2120およびステップS2121の処理が繰り返される。
再補完先として選択した位置に除外対象がない場合(ステップS2121におけるYES)、サブCPU201は、補完または再補完された遊技球580bの位置情報に基づいて軌跡処理を実行する(ステップS2122)。これにより、液晶表示装置には、補完後または再補完後の位置を遊技球580bが転動したかのような軌跡演出が表示される。サブCPU201は、ステップS2122の処理を行うと、遊技媒体追跡処理を終了する。
また、サブCPU201は、ステップS2123では、撮影された遊技球の位置情報に基づいて軌跡処理を実行する。これにより、液晶表示装置には、撮影された遊技球の位置を転動する軌跡演出が表示される。サブCPU201は、ステップS2123の処理を行うと、遊技媒体追跡処理を終了する。
なお、図131のフローチャートを用いて説明した遊技媒体追跡処理は、遊技領域12aを転動する1個の遊技球に対して行われる処理であり、遊技領域12aを転動する遊技球が複数個存在する場合には、各遊技球に対して遊技媒体追跡処理が行われる。例えば、遊技領域12aを転動する各遊技球には上述したとおりIDが付与されるが、サブCPU201は、IDを付与した遊技球のそれぞれに対して遊技媒体追跡処理を行う。したがって、1フレーム目〜3フレーム目の各画像にID1が付与された遊技球AとID2が付与された遊技球Bとの両方が含まれており、2フレーム目の画像において、遊技球Aについては遊技媒体補完処理を行い、遊技球Bについては遊技媒体補完処理を行わない場合、サブCPU201は、遊技球Aについては補完後の位置情報に基づいて軌跡処理を実行し、遊技球Bについては2フレーム目の画像に含まれる遊技球の位置情報に基づいて軌跡処理を実行する。
なお、遊技媒体補完処理または/および遊技媒体再補完処理が行われる場合の上述の遊技媒体追跡処理は一例であり、図131のフローチャートに示される処理に限定されるものではない。
<遊技媒体追跡処理の変形例1>
上記では、遊技媒体追跡処理において、必要に応じて遊技媒体補完処理または/および遊技媒体再補完処理を行うことについて説明したが、この変形例1では、補完先である特定位置が排出位置(排出領域1052)である場合に、遊技媒体補完処理および遊技媒体再補完処理のいずれも行わないようにしたものである。この変形例1についての遊技媒体追跡処理についてはとくにフローチャートを用いて説明しないが、図131のフローチャートを用いて説明した遊技媒体追跡処理と異なる点は、球位置が所定の距離より離れている場合(ステップS2117におけるYES)、サブCPU201は、補完先である特定位置が排出位置(排出領域1052)であるか否かを判別し、特定位置が排出位置である場合には、ステップS2118〜ステップS2122の処理を行わず、ステップS2123の処理を行うようにした点である。なお、特定位置が排出位置でなければ、ステップS2118〜ステップS2122の処理を行う。排出位置(排出領域1052)は、図114を参照して上述したとおりである。
図132は、遊技球580bについて遊技媒体補完処理を行った場合の補完先となる特定位置が排出位置と重複する場合には遊技媒体補完処理を行わないことを示す図の一例であり、(A)特定位置に遊技球580bの位置情報が補完された場合に遊技球580と消失領域とが重複する態様を示す図、(B)遊技球580bの位置情報が補完されない態様を示す図である。なお、図132においても、便宜上、図125、図126および図129と同様に、水平方向をX軸方向、鉛直方向をY軸方向として図示している。また、この明細書において、消失領域と排出領域とを同じ意味で用いており、これらは、例えば、始動口、大入賞口、一般入賞口、アウト口等のように、遊技球が受け入れられると遊技領域12aから排出される(消失する)領域が相当する。
例えば、図132(A)に図示されるように、遊技球580bについて遊技媒体補完処理を行った場合の補完先となる特定位置と排出位置とが重複する場合、遊技球補完処理は行われない。特定位置と排出位置とが重複する場合とは、特定位置の全領域と排出位置の全領域とが重複する場合、特定位置の一部域と排出位置の全領域とが重複する場合、特定位置の全領域と排出位置の一部領域とが重複する場合、特定位置の一部領域と排出位置の一部領域とが重複する場合、のいずれの場合も含む。
図132(B)に図示されるように特定位置と排出位置とが重複する場合には、遊技球580bの位置情報の補完を行わない。この場合、サブCPU201は、CCDカメラ1000で撮影された例えば2フレーム目の画像に含まれる遊技球580bの位置情報に基づく軌跡処理を実行する。これにより、排出位置に遊技球が存在するかのような演出画像が表示されることを防止でき、演出効果を好適に高めることが可能となる。なお、特定位置が排出位置と重なるか否かについては、排出位置の位置情報をあらかじめプログラムROM202(図8参照)に記憶し、この位置情報を参照して判別しているが、これに限られず、CCDカメラ1000により撮影されたフレーム画像に基づいてサブCPU201が判別するようにしてもよい。
<遊技媒体追跡処理の変形例2>
上記では、遊技媒体追跡処理において、必要に応じて遊技媒体補完処理または/および遊技媒体再補完処理を行うことについて説明したが、この変形例2では、CCDカメラ1000で撮影されたフレーム画像においてIDが付与された遊技球が消失した場合の遊技媒体追跡処理について説明する。
上述したように、サブCPU201は、射出領域1051(図114参照)に属する遊技球に対して新たにIDを割り当て、排出領域1052(図114参照)に属する遊技球に対して付与されたIDを解放するようにしている。しかし、CCDカメラ1000で撮影されたフレーム画像において、必ずしも遊技球の位置情報を常に特定できるとは限らない。例えば、CCDカメラ1000と遊技球との間が障害物によって遮られたり、遊技球周辺に光が入射したり、CCDカメラ1000で撮影されたフレーム画像が暗かったりした場合等には、CCDカメラ1000で撮影されたフレーム画像において、遊技球の位置情報を特定することが困難となる。
そこで、CCDカメラ1000で撮影されたフレーム画像から一のIDが付与された遊技球(以下、「特定遊技球」と称する)の位置情報が消失した場合、この特定遊技球の位置情報が消失してから、同じIDが付与された遊技球の位置情報が再び得られるまでの時間に応じて、位置情報が消失した特定遊技球と、特定遊技球と同じIDが付与された遊技球とが同一の遊技球であるか別の遊技球であるかを判別するようにしている。
具体的には、射出領域1051(図114参照)に属する遊技球に対してIDを付与する場合、付与できるIDに上限を設けて、例えばID1〜ID10のなかから重複しないようにIDを付与し、排出領域1052(図114参照)に属する遊技球に対して付与されたIDは解放される。そのため、CCDカメラ1000で撮影されたフレーム画像において一のIDが付与された特定遊技球の位置情報が消失した場合、原則的には、遊技領域12aから特定遊技球が排出されたものと考えることができる。しかし、上述したように、CCDカメラ1000で撮影されたフレーム画像において特定遊技球の位置情報を特定することが困難となる場合がある。このような場合が生じうることを考慮すると、CCDカメラ1000で撮影されたフレーム画像において一のIDが付与された特定遊技球の位置情報が消失した場合に、遊技領域12aから特定遊技球が排出されたのか、遊技領域12aから特定遊技球が排出されていないもののCCDカメラで撮影されたフレーム画像において特定遊技球の位置情報を特定できないだけであるのかを判別し難い。
そこで、この変形例2では、例えばフレーム画像において一のIDが付与された特定遊技球の位置情報を特定できた場合、その後のフレーム画像において特定遊技球の位置情報が消失し、さらにその後所定時間内(例えば、サブCPU201の割込み処理としての10フレームに相当する例えば330msec以内)のフレーム画像において特定遊技球の位置座標を特定できた場合には、特定遊技球の位置情報が消失したフレーム画像において、特定遊技球について遊技媒体補完処理または/および遊技媒体再補完処理を行う。
一方、例えばフレーム画像において一のIDが付与された特定遊技球の位置情報を特定できた場合、その後のフレーム画像において特定遊技球の位置情報が消失し、さらにその後所定時間内(例えば、サブCPU201の割込み処理としての10フレームに相当する例えば330msec以内)のフレーム画像において特定遊技球の位置座標を特定できなかった場合には、たとえ所定時間経過後のフレーム画像において一のID(消失した特定遊技球と同じID)が付与された特定遊技球の位置情報を特定することができたとしても、消失した特定遊技球は遊技領域12aから排出されたと判断し、所定時間経過後のフレーム画像において位置情報を特定できた特定遊技球は新たに射出領域1051(図114参照)に属した遊技球であると判断するようにしている。したがって、消失した特定遊技球については、遊技媒体補完処理および遊技媒体再補完処理のいずれも行われない。
次に、遊技媒体追跡処理の変形例2において、サブCPU201により実行される遊技媒体追跡処理について、図133を参照して説明する。図133は、サブCPU201により実行される遊技媒体追跡処理の変形例2を示すフローチャートである。なお、図42および図131の遊技媒体追跡処理と重複する処理もあるが、以下では、重複する処理であるか否かにかかわらず別のステップ番号を付与して説明する。
サブCPU201は、先ず、対象フレームの画像を取得する(ステップS2124)。対象フレームとは、例えば上述する所定時間内に取得できるフレーム画像を指すが、それ以上のフレーム画像を取得してもよい。サブCPU201は、サブCPU201は、取得したフレーム画像に含まれる遊技球580の位置画像を示すデータをワークRAM203から読み出す。
次に、サブCPU201は、撮影された画像から各遊技球のIDを確認する(ステップS2125)。
次に、サブCPU201は、IDが付与された遊技球のうち追跡できなかった遊技球すなわち位置座標を特定できなかった遊技球があるか否かを判別する(ステップS2126)。例えば、1フレーム目の画像において位置座標を特定できた遊技球(IDが付与された遊技球)のうち、2フレーム目の画像において特定できなかった遊技球があるか否かを判別する。
IDが付与された遊技球のうち追跡できなかった遊技球がない場合(ステップS2126におけるNO)、サブCPU201は、ステップS2128に移る。
一方、IDが付与された遊技球のうち追跡できなかった遊技球がある場合(ステップS2126におけるYES)、サブCPU201は、追跡できなかった遊技球に付与されていたID(消失したID)と同じIDが付与された遊技球の消失時間の計測を開始又は更新し(ステップS2127)、その後、ステップS2128に移る。
ステップS2128において、サブCPU201は、消失したIDを再度補足したか否かを判別する。
消失したIDを再度補足していない場合(ステップS2128におけるNO)、サブCPU201は、ステップS2132に移る。
一方、消失したIDを再度補足した場合(ステップS2128におけるYES)、消失時間は所定の時間内であるか否かを判別する(ステップS2129)。
消失時間が所定の時間内でない場合(ステップS2129におけるNO)、サブCPU201は、ステップS2132に移る。
一方、消失時間が所定の時間内である場合(ステップS2129におけるYES)、サブCPU201は、ステップS2130に移り、消失した遊技球について遊技媒体補完処理を行う。
次に、サブCPU201は、補完された遊技球の位置情報に基づいて軌跡処理を実行する(ステップS2131)。これにより、液晶表示装置には、補完後の位置を遊技球が転動したかのような軌跡演出が表示される。サブCPU201は、ステップS2131の処理を行うと、遊技媒体追跡処理を終了する。
また、サブCPU201は、ステップS2132において、撮影された遊技球の位置情報に基づいて軌跡処理を実行する。これにより、液晶表示装置には、撮影されや遊技球の位置を遊技球が転動する軌跡演出が表示される。サブCPU201は、ステップS2132の処理を行うと、遊技媒体追跡処理を終了する。
このように、一のIDが付与された特定遊技球の位置情報が消失してから、同じIDが付与された遊技球の位置情報が再び得られるまでの時間に応じて、位置情報が消失した特定遊技球と、特定遊技球と同じIDが付与された遊技球とが同一の遊技球であるか別の遊技球であるかを判別することにより、例えば実際の遊技球の位置からかけ離れた位置で遊技球の軌跡演出が表示されるといった不自然な演出が表示されることを防ぐことができ、興趣の低下を抑制することが可能となる。
なお、図133を参照して行った説明では遊技媒体再補完処理について説明しなかったが、図133に示される遊技媒体追跡処理の変形例2においても、上述した遊技媒体再補完処理を行うようにしてもよい。
[軌跡処理]
本実施形態のパチンコ遊技機1では、上述したように、射出領域1051(図114参照)に属する遊技球に対して新たにIDを割り当て、排出領域1052(図114参照)に属する遊技球に対して付与されたIDを解放するようにしている。さらに詳述すると、ID1〜ID10のID番号を用意し、射出領域1051に属する各遊技球に対して、例えば昇順でIDを付与している。例えば、射出領域1051に最初に属した遊技球に対してID1を付与し、次に射出領域1051に属した遊技球(ID1を付与した遊技球とは別の遊技球)に対してID2を付与し、さらにその次に射出領域1051に属した遊技球(ID1およびID2を付与した遊技球とは別の遊技球)に対してID3を付与し、ID10まで付与されると、ID1〜ID10を付与した遊技球とは別の遊技球に対して、ID1に戻って付与している。これにより、データ量を抑制しつつ、遊技領域12aに存在する遊技球に同一のIDが付与された遊技球が極力存在しないようにすることができる。しかし、付与するIDの数に上限を設けているため、IDの数を超える数の遊技球が遊技領域12aに存在するような場合には、同一のIDが付与された複数の遊技球が遊技領域12aに存在してしまうこととなる。
そこで、本実施形態のパチンコ遊技機1では、同一のIDが付与された複数の遊技球が遊技領域12aに存在しうることを前提として軌跡処理を行っている。
以下に、サブCPU201により実行される軌跡処理について、図134を参照して説明する。図134は、サブCPU201により実行される軌跡処理の一例を示すフローチャートである。
図134に示されるように、サブCPU201は、先ず、ステップS2140において、球IDが重複する軌跡演出があるか否かを判別する。すなわち、球IDが重複する場合に、同一のIDが付与された先着の遊技球の位置情報に基づく軌跡演出が行われているか否かを判別する。なお、球IDは、遊技球に付与されたIDを指す。
球IDが重複する軌跡演出がなければ(ステップS2140におけるNO)、サブCPU201は、後述のステップS2144に移る。
一方、球IDが重複する軌跡演出があれば(ステップS2140におけるYES)、サブCPU201は、ステップS2141に移る。
ステップS2141において、サブCPU201は、先着の球IDを解放する。上述したとおり、遊技球に付与されたIDが解放されるのは排出領域1052(図114参照)に属したときである。ただし、球IDが重複する軌跡演出がある場合には、先着の遊技球が排出領域1052に属していなかったとしてもこの先着の遊技球に対して付与されていたIDが解放される。
次に、サブCPU201は、重複する球IDの先に実行されている軌跡演出を終了する(ステップS2142)。すなわち、同一のIDが付与された複数の遊技球が遊技領域12aに存在する場合、これら複数の遊技球それぞれについて軌跡演出が行われるが、この場合、先に実行が開始された軌跡演出を終了するものである。
次に、サブCPU201は、後着の球IDの位置情報に基づいて軌跡演出を開始する(ステップS2143)。ステップS2142およびステップS2143の処理を行うことにより、同一のIDが付与された複数の遊技球が遊技領域12aに存在する場合、先着の球IDと後着の球IDとのうち、後着の球IDの位置情報に基づく軌跡演出のみが実行されることとなる。
次に、サブCPU201は、出現・存在する遊技球にあわせて軌跡演出をセットする(ステップS2144)。この処理では、球IDと軌跡演出とが紐付けられる。すなわち、遊技領域12aに複数の遊技球が存在する場合、複数の軌跡演出が行われることとなるため、どの軌跡演出がどの遊技球の軌跡演出であるかを紐付けるものである。
次に、サブCPU201は、演出時間が経過した遊技球についての軌跡演出を終了する(ステップS2132)。本実施形態において、軌跡演出はサブCPU201による割込み処理の20フレームにわたって行われるため、演出時間は概ね660msecである。ただし、軌跡演出が行われる時間はこれに限定されるものではない。
<軌跡処理の変形例>
上記では、同一のIDが付与された複数の遊技球が遊技領域12aに存在する場合、先着の球IDを解放し、先に実行が開始された軌跡演出を終了する軌跡処理について説明したが、この変形例では、同一のIDが付与された複数の遊技球が遊技領域12aに存在する場合、先着の球IDを解放するものの、先に実行が開始された軌跡演出を終了せずに継続して行うようにしたものである。
以下に、サブCPU201により実行される軌跡処理の変形例について、図135を参照して説明する。図135は、サブCPU201により実行される軌跡処理の変形例を示すフローチャートである。なお、図134の軌跡処理と重複する処理もあるが、以下では、重複する処理であるか否かにかかわらず別のステップ番号を付与して説明する。
図135に示されるように、サブCPU201は、先ず、ステップS2150において、球IDが重複する軌跡演出があるか否かを判別する。すなわち、球IDが重複する場合に、同一のIDが付与された先着の遊技球の位置情報に基づく軌跡演出が行われているか否かを判別する。
球IDが重複する軌跡演出がなければ(ステップS2150におけるNO)、サブCPU201は、ステップS2153に移る。
一方、球IDが重複する軌跡演出があれば(ステップS2150におけるYES)、サブCPU201は、ステップS2151に移る。
ステップS2151において、サブCPU201は、先着の球IDを解放する。上述したとおり、遊技球に付与されたIDが解放されるのは排出領域1052(図114参照)に属したときであるが、この軌跡処理の変形例においても、球IDが重複する軌跡演出がある場合には、先着の遊技球が排出領域1052に属していなかったとしてもこの先着の遊技球に対して付与されていたIDが解放される。
次に、サブCPU201は、後着の球IDの位置情報に基づいて軌跡演出を開始する(ステップS2152)。なお、図134を参照して説明した軌跡処理のように先に実行が開始された軌跡演出を終了する(ステップS2142参照)のではなく、この変形例では、先着の球IDは解放されるものの、先に実行が開始された軌跡演出は、演出時間が経過するまで継続して実行される。これにより、同一のIDが付与された複数の遊技球が遊技領域12aに存在する場合、演出時間が経過するまでは、先着の球IDの位置情報に基づく軌跡演出と、後着の球IDの位置情報に基づき軌跡演出との両方が実行されることとなる。
次に、サブCPU201は、出現・存在する遊技球にあわせて軌跡演出をセットする(ステップS2153)。この処理では、上述したように、球IDと軌跡演出とが紐付けられる。
次に、サブCPU201は、演出時間が経過した遊技球についての軌跡演出を終了する(ステップS2154)。上述したように、軌跡演出はサブCPU201による割込み処理の20フレームにわたって行われるため、演出時間は概ね660msecである。ただし、軌跡演出が行われる時間はこれに限定されるものではない。
このように、同一のIDが付与された複数の遊技球が遊技領域12aに存在する場合、先着の球IDは解放されるものの、先に実行が開始された軌跡演出については演出時間が経過するまで継続して実行されるため、軌跡演出が不自然な態様で終了してしまうことを回避することができ、演出効果を好適に高めることが可能となる。
なお、「補完」とは、一般的には、足りないところをおぎなって完全にすることを意味するが、本実施形態では、必ずしもこの意味に限定して解釈されるものではなく、「補完」に代えて、例えば、「補間」、「補正」、「修正」、「移動」等を用いてもよい。すなわち、2フレーム目の画像に含まれる遊技球580bの位置を、他の位置にずらす意味を持つ用語であれば用いることができる。
以上説明した実施形態のパチンコ遊技機によれば、以下のような遊技機を提供することができる。
<付記13>
従来より、発射された遊技球が転動可能な遊技領域に設けられた始動領域を遊技球が通過する等、所定の可変表示開始条件が成立すると識別情報の可変表示が行われ、抽選結果に基づいて導出された識別情報が所定の組合せであると、遊技者に有利な大当り遊技状態(所謂「大当り」)に移行するようにしたパチンコ遊技機が知られている。
また、この種のパチンコ遊技機として、遊技領域を転動する遊技球をカメラ等の撮影装置で撮影し、撮影によって得られる画像を解析することによって、遊技球の動きを追跡する技術が知られている(特開2005−237864号公報参照)。
しかしながら、上述したような従来の技術においては、遊技球の追跡結果を例えば演出に反映させて演出効果を高める場合には工夫が不充分であり、興趣の低下は否めず、改善の余地があった。
本発明は、上記のような問題点に鑑みてなされたものであり、興趣の低下を抑制することが可能な遊技機を提供することを目的とする。
(1)本発明に係る遊技機は、
遊技球が移動可能な遊技領域(例えば、遊技領域12a)を有する遊技盤(例えば、遊技盤12)と、
所定の演出画像が表示される表示領域(例えば、液晶表示装置の表示領域)と、
前記遊技領域および前記表示領域を撮影可能に配設された撮影装置(例えば、CCDカメラ1000)と、
前記撮影装置による撮影によって連続する複数のフレーム画像を順次取得可能なフレーム画像取得手段(例えば、図31のステップS281、図119のステップS2101、図120のステップS2111、図131のステップS2115、図133のステップS2124等の処理を実行するサブCPU201)と、
前記表示領域に所定画像(例えば、矩形画像1300、三角形画像1310)が表示されたとき、前記フレーム画像取得手段により取得されるフレーム画像に含まれる前記所定画像の位置を、位置座標によって特定する画像位置特定手段(例えば、図119のステップS2102の処理を実行するサブCPU201)と、
前記画像位置特定手段により特定される前記所定画像の位置座標と、前記表示領域に表示される前記所定画像の画像座標とに基づいて、位置座標から画像座標に変換するときに用いられる変換係数を求める変換係数算出手段(例えば、図119のステップS2104の処理を実行するサブCPU201)と、
前記フレーム画像取得手段により取得されるフレーム画像に含まれる遊技球の位置を、位置座標によって特定する球位置特定手段(例えば、図31のステップS284〜ステップS286、図117のステップS2105、図133のステップS2125等の処理を実行するサブCPU201)と、
前記球位置特定手段により特定される遊技球の位置座標を、前記変換係数算出手段により求められた変換係数を用いて画像座標に変換する球座標変換手段(例えば、図117のステップS2106の処理を実行するサブCPU201)と、
を備えることを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、取得されるフレーム画像に含まれる所定画像(例えば、矩形画像1300、三角形画像1310)の位置を位置座標によって特定し、特定されたフレーム画像に含まれる所定画像の位置座標と、表示領域に表示される所定画像の画像座標とに基づいて、位置座標から画像座標に変換するときに用いられる変換係数を求める。また、取得されるフレーム画像に含まれる遊技領域を転動する遊技球の位置を位置座標によって特定し、求められた変換係数を用いて、遊技球の位置座標を画像座標に変換することができる。そのため、遊技球の位置座標に基づく演出画像を表示する際に、遊技球の位置座標を画像座標に変換して演出画像を表示することで好適な演出画像を表示することが可能となり、興趣の低下を抑制することが可能となる。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、
前記表示領域に表示される演出画像を制御する表示制御手段(例えば、サブCPU201から供給される演出指定情報に基づいて制御する表示制御回路205)をさらに備え、
前記表示制御手段は、
前記球座標変換手段により変換された前記遊技球の画像座標に基づいて、所定の演出画像が表示されるよう制御可能に構成される
ことを特徴とする。
上記(2)の遊技機によれば、特定された遊技球の位置座標から変換された画像座標に基づいて演出画像が表示されるため、遊技領域を移動する遊技球の位置を的確に演出画像に反映させて演出効果を好適に高めることができ、興趣の低下を抑制することが可能となる。
本発明によれば、興趣の低下を抑制することが可能となる。
<付記14>
従来より、発射された遊技球が転動可能な遊技領域に設けられた始動領域を遊技球が通過する等、所定の可変表示開始条件が成立すると識別情報の可変表示が行われ、抽選結果に基づいて導出された識別情報が所定の組合せであると、遊技者に有利な大当り遊技状態(所謂「大当り」)に移行するようにしたパチンコ遊技機が知られている。
また、この種のパチンコ遊技機として、遊技領域を転動する遊技球をカメラ等の撮影装置で撮影し、撮影によって得られる画像を解析することによって、遊技球の動きを追跡する技術が知られている(特開2005−237864号公報参照)。
しかしながら、上述したような従来の技術においては、遊技球の追跡結果を例えば演出に反映させて演出効果を高める場合には工夫が不充分であり、興趣の低下は否めず、改善の余地があった。
本発明は、上記のような問題点に鑑みてなされたものであり、興趣の低下を抑制することが可能な遊技機を提供することを目的とする。
(1)本発明に係る遊技機は、
遊技球が移動可能な遊技領域(例えば、遊技領域12a)を有する遊技盤(例えば、遊技盤12)と、
前記遊技領域を撮影可能に配設された撮影装置(例えば、CCDカメラ1000)と、
前記遊技領域を撮影することによって得られる動画像として、連続する複数のフレーム画像を順次取得するフレーム画像取得手段(例えば、図31のステップS281、図119のステップS2101、図120のステップS2111、図131のステップS2115、図133のステップS2124等の処理を実行するサブCPU201)と、
前記フレーム画像取得手段により取得される前記連続する複数のフレーム画像のうち、第一フレーム画像(例えば、1フレーム目の画像)および第二フレーム画像(例えば、2フレーム目の画像)それぞれに含まれる遊技球の位置を特定可能な球位置特定手段(例えば、図31のステップS284〜ステップS286、図117のステップS2105、図133のステップS2125等の処理を実行するサブCPU201)と、
前記第一フレーム画像に含まれる遊技球(例えば、遊技球580a)の位置を基準位置とし、前記第二フレーム画像において、前記基準位置から所定距離離れた特定位置に遊技球が存在するか否かを判別可能な球存在判別手段(例えば、図131のステップS2117の処理を実行するサブCPU201)と、
前記第二フレーム画像において、前記特定位置に遊技球が存在しないと前記球存在判別手段により判別された場合、前記特定位置に遊技球が存在するよう補完可能な球位置補完手段(例えば、図131のステップS2118、図133のステップS2130等の処理を実行するサブCPU201)と、
を備えることを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、順次取得される連続する複数のフレーム画像のうち第一フレーム画像に含まれる遊技球の位置および第二フレーム画像に含まれる遊技球の位置が特定される。ところが、例えば、撮影装置と遊技球との間に障害物が割り込んだり、撮影上の不具合が生じたり、遊技球が突発的に大きく移動した場合等により、第二フレーム画像において遊技球の位置を特定することが困難となる場合がある。そこで、第二フレーム画像において、第一フレーム画像に含まれる遊技球の位置を基準位置として、この基準位置から所定距離離れた特定位置に遊技球が存在するか否かを判別し、特定位置に遊技球が存在しないと球存在判別手段により判別された場合、特定位置に遊技球が存在するよう補完するようにしている。これにより、遊技球の位置座標に基づいて演出画像を表示するようにした場合であっても、興趣の低下を抑制することが可能となる。
なお、「前記特定位置に遊技球が存在しないと前記球存在判別手段により判別された場合」とは、第二フレーム画像に遊技球が含まれていない場合、および、第二フレーム画像に遊技球が含まれているものの特定位置に遊技球が存在しないと判別された場合の両方が含まれる。後者の場合、遊技球の中心が特定位置にないとき、および、特定位置が所定の範囲を占める領域であればこの領域内に遊技球の一部でも重なっていないときには、「特定位置に遊技球が存在しない」と判別される。ただし、特定位置が所定の範囲を占める領域である場合にこの領域内に遊技球の一部でも重なっているときには、「特定位置に遊技球が存在する」と判別してもよいし、「特定位置に遊技球が存在しない」と判別してもよい。
また、上記(1)の遊技機では、第一フレーム画像および第二フレーム画像のうち、いずれが先に撮影されたフレーム画像であるかを特定していない。すなわち、イ)先に撮影されたフレーム画像に含まれる遊技球の位置を基準位置として、後に撮影されたフレーム画像に含まれる遊技球の位置を補完する態様、ロ)後に撮影されたフレーム画像に含まれる遊技球の位置を基準位置として、先に撮影されたフレーム画像に含まれる遊技球の位置を補完する態様、のいずれも含む趣旨である。
また、フレーム画像取得手段により取得される複数のフレーム画像は連続するフレーム画像であるが、第一フレーム画像と第二フレーム画像とが連続することに限定されない。例えば、連続する複数のフレーム画像のうち、1フレーム目を第一フレーム画像、3フレーム目を第二フレーム画像としてもよい。
さらに、第二フレーム画像における遊技球の位置の補完は、第一フレーム画像に含まれる遊技球の位置を基準位置として行われるが、一つのフレーム画像に含まれる遊技球の位置のみを基準位置として行われるものに限定されず、複数のフレーム画像に含まれる遊技球の位置を基準位置として行われるようにしてもよい。
なお、第一フレーム画像に含まれる遊技球の位置のみを基準位置として第二フレーム画像における遊技球の位置の補完を行う場合、基準位置から遊技球が移動する方向を推測して第二フレーム画像における遊技球の位置を補完するようにするとよい。基準位置から遊技球が移動する方向の推測は、例えば、第一フレーム画像に含まれる遊技球の残像等から推測してもよいし、遊技球が移動できる領域または遊技球が移動できない領域を予め記憶しておき、この記憶に基づいて推測してもよい。すなわち、基準位置から遊技球が移動する方向を推測する手法は特定の手法に限定されない。
また、「補完」とは、一般的には、足りないところをおぎなって完全にすることを意味するが、ここでは必ずしもこの意味に限定して解釈されるものではなく、「補完」に代えて、例えば、「補間」、「補正」、「修正」、「移動」等を用いてもよい。すなわち、フレーム画像に含まれる遊技球の位置を、他の位置にずらす意味を持つ用語であれば用いることができる。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、
前記第二フレーム画像(例えば、2フレーム目の画像)は前記第一フレーム画像(例えば、1フレーム目の画像)よりも後に撮影されたものであるとともに、
前記球位置特定手段は、
前記第一フレーム画像および前記第二フレーム画像のいずれよりも後に撮影された第三フレーム画像(例えば、3フレーム目の画像)に含まれる遊技球の位置についても特定可能であり、
前記球位置補完手段は、
前記第二フレーム画像において、前記第一フレーム画像に含まれる遊技球の位置と、前記第三フレーム画像に含まれる遊技球の位置との略中間位置を前記特定位置として補完可能に構成される
ことを特徴とする。
上記(2)の遊技機によれば、第一フレーム画像、第二フレーム画像、第三フレーム画像の順に撮影されたものである場合に、第二フレーム画像において、第一フレーム画像に含まれる遊技球の位置と、第三フレーム画像に含まれる遊技球の位置との略中間位置に遊技球が存在するよう補完される。すなわち、第二フレーム画像において、第一フレーム画像に含まれる遊技球の位置と、第三フレーム画像に含まれる遊技球の位置との両方を基準位置として補完される。そのため、遊技球の位置座標に基づいて演出画像を表示するようにした場合であっても、演出画像の流れの不自然さを解消し、演出効果を好適に高めて興趣の低下を抑制することが可能となる。
(3)上記(1)または(2)に記載の遊技機において、
前記第一フレーム画像(例えば、1フレーム目の画像)に含まれる遊技球の位置と、前記第二フレーム画像(例えば、2フレーム目の画像)に含まれる遊技球の位置とを比較する球位置比較手段(例えば、図131のステップS2116等の処理を実行するサブCPU201)をさらに備え、
前記球位置補完手段は、
前記第一フレーム画像よりも後に撮影された前記第二フレーム画像に含まれる遊技球(例えば、遊技球580b)の位置が、前記第一フレーム画像に含まれる遊技球(例えばば、遊技球580a)の位置よりも上方に位置する場合、前記第二フレーム画像に含まれる遊技球の位置を補完しない(例えば、図131のステップS2117においてNOと判別する)よう構成される
ことを特徴とする。
上記(3)の遊技機は、第二フレーム画像において、基準位置から所定距離離れた特定位置に遊技球が存在しないと判別された場合、特定位置に遊技球が存在するよう補完されることを前提とするものである。ただし、第二フレーム画像において特定位置に遊技球が存在しなかったとしても、第二フレーム画像に含まれる遊技球の位置が、第二フレーム画像よりも先に撮影された第一フレーム画像に含まれる遊技球の位置よりも上方に位置する場合、第二フレーム画像において補完が行われない。そのため、遊技球の位置座標に基づく演出画像を表示するようにした場合に、実際の遊技球の位置と、遊技球の位置座標に基づく演出画像との間で大きな乖離が生じるような不自然な演出画像が行われることを防ぐことができ、演出効果を好適に高めて興趣の低下を抑制することが可能となる。なお、第二フレーム画像に含まれる遊技球の位置が特定位置でなく且つ第一フレーム画像に含まれる遊技球の位置よりも下方である場合や、第二フレーム画像に遊技球が含まれていない場合には、第二フレーム画像において補完が行われることが好ましい。
(4)上記(1)〜(3)のいずれか一つに記載の遊技機において、
前記球位置特定手段により特定される遊技球の位置に基づく演出画像が所定の表示領域に表示されるよう制御可能な表示制御手段(例えば、サブCPU201から供給される演出指定情報に基づいて制御する表示制御回路205)をさらに備え、
前記表示制御手段は、
前記第二フレーム画像において、前記球位置補完手段によって前記特定位置に遊技球が存在するよう補完された場合、補完された位置である前記特定位置に基づく演出画像が表示されるよう制御可能(例えば、図131のステップS2122、図133のステップS2131等の処理を実行可能)に構成される
ことを特徴とする。
上記(4)の遊技機によれば、遊技領域を移動する遊技球の位置を特定し、この特定された遊技球の位置に基づく演出画像が所定の表示領域に表示されるため、遊技球と演出画像との相乗による視覚的効果の発揮により、演出効果を高めることが可能となる。しかも、遊技球の位置が補完された場合であっても、補完された位置である特定位置に基づく演出画像が表示されるため、例えば、撮影装置と遊技球との間に障害物が割り込んだり、撮影上の不具合が生じたり、遊技球が突発的に大きく移動した場合等により、第二フレーム画像において遊技球の位置を特定することが困難な場合であったとしても、特定位置に遊技球が存在するよう補完することで、遊技領域を移動する遊技球の位置を的確に演出画像に反映させて演出効果を好適に高めることができ、興趣の低下を抑制することが可能となる。
本発明によれば、興趣の低下を抑制することが可能となる。
<付記15>
従来より、発射された遊技球が転動可能な遊技領域に設けられた始動領域を遊技球が通過する等、所定の可変表示開始条件が成立すると識別情報の可変表示が行われ、抽選結果に基づいて導出された識別情報が所定の組合せであると、遊技者に有利な大当り遊技状態(所謂「大当り」)に移行するようにしたパチンコ遊技機が知られている。
また、この種のパチンコ遊技機として、遊技領域を転動する遊技球をカメラ等の撮影装置で撮影し、撮影によって得られる画像を解析することによって、遊技球の動きを追跡する技術が知られている(特開2005−237864号公報参照)。
しかしながら、上述したような従来の技術においては、遊技球の追跡結果を例えば演出に反映させて演出効果を高める場合には工夫が不充分であり、興趣の低下は否めず、改善の余地があった。
本発明は、上記のような問題点に鑑みてなされたものであり、興趣の低下を抑制することが可能な遊技機を提供することを目的とする。
(1)本発明に係る遊技機は、
遊技球が移動可能な遊技領域(例えば、遊技領域12a)を有する遊技盤(例えば、遊技盤12)と、
前記遊技領域を撮影可能に配設された撮影装置(例えば、CCDカメラ1000)と、
前記遊技領域を撮影することによって得られる動画像として、連続する複数のフレーム画像を順次取得するフレーム画像取得手段(例えば、図31のステップS281、図119のステップS2101、図120のステップS2111、図131のステップS2115、図133のステップS2124等の処理を実行するサブCPU201)と、
前記フレーム画像取得手段により取得される前記連続する複数のフレーム画像のうち、第一フレーム画像および第二フレーム画像それぞれに含まれる遊技球の位置を特定可能な球位置特定手段(例えば、図31のステップS284〜ステップS286、図117のステップS2105、図133のステップS2125等の処理を実行するサブCPU201)と、
前記第一フレーム画像に含まれる遊技球の位置を基準位置とし、前記第二フレーム画像において、前記基準位置から所定距離離れた特定位置に遊技球が存在するか否かを判別可能な球存在判別手段(例えば、図131のステップS2117の処理を実行するサブCPU201)と、
前記第二フレーム画像において、前記特定位置に遊技球が存在しないと前記球存在判別手段により判別された場合、前記特定位置に遊技球が存在するよう補完可能な球位置補完手段(例えば、図131のステップS2118、図133のステップS2130等の処理を実行するサブCPU201)と、
を備え、
前記球位置補完手段は、
前記特定位置が遊技球の存在しえない位置である場合、前記第二フレーム画像において、遊技球が存在しうる別の位置に遊技球が存在するよう補完可能に構成される
ことを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、順次取得される連続する複数のフレーム画像のうち第一フレーム画像に含まれる遊技球の位置および第二フレーム画像に含まれる遊技球の位置が特定される。ところが、例えば、撮影装置と遊技球との間に障害物が割り込んだり、撮影上の不具合が生じたり、遊技球が突発的に大きく移動した場合等により、第二フレーム画像において遊技球の位置を特定することが困難となる場合がある。そこで、第二フレーム画像において、第一フレーム画像に含まれる遊技球の位置を基準位置として、この基準位置から所定距離離れた特定位置に遊技球が存在するか否かを判別し、特定位置に遊技球が存在しないと球存在判別手段により判別された場合、特定位置に遊技球が存在するよう補完するようにしている。これにより、遊技球の位置座標に基づいて演出画像を表示するようにした場合であっても、興趣の低下を抑制することが可能となる。
なお、「前記特定位置に遊技球が存在しないと前記球存在判別手段により判別された場合」とは、第二フレーム画像に遊技球が含まれていない場合、および、第二フレーム画像に遊技球が含まれているものの特定位置に遊技球が存在しないと判別された場合の両方が含まれる。後者の場合、遊技球の中心が特定位置にないとき、および、特定位置が所定の範囲を占める領域であればこの領域内に遊技球の一部でも重なっていないときには、「特定位置に遊技球が存在しない」と判別される。ただし、特定位置が所定の範囲を占める領域である場合にこの領域内に遊技球の一部でも重なっているときには、「特定位置に遊技球が存在する」と判別してもよいし、「特定位置に遊技球が存在しない」と判別してもよい。
ところで、第二フレーム画像において遊技球の位置を補完した場合、補完される位置である特定位置が適切でない場合がある。例えば、遊技領域の構成上、特定位置が、遊技球が存在しえない位置である場合等である。そこで、特定位置が、遊技球が存在しえない位置である場合、第二フレーム画像において、遊技球が存在しうる別の位置に遊技球が存在するよう補完するようにしている。これにより、遊技球の位置座標に基づいて演出画像を表示するようにした場合であっても、不自然な位置に演出画像が表示されることを防止でき、演出効果を好適に高めることが可能となる。なお、特定位置が「遊技球が存在しえない位置」であるか否かについては、撮影装置により撮影されたフレーム画像に基づいて判別してもよいし、「遊技球が存在しえない位置」をあらかじめデータとして記憶し、このデータを参照して判別してもよい。
また、上記(1)の遊技機では、第一フレーム画像および第二フレーム画像のうち、いずれが先に撮影されたフレーム画像であるかを特定していない。すなわち、イ)先に撮影されたフレーム画像に含まれる遊技球の位置を基準位置として、後に撮影されたフレーム画像に含まれる遊技球の位置を補完する態様、ロ)後に撮影されたフレーム画像に含まれる遊技球の位置を基準位置として、先に撮影されたフレーム画像に含まれる遊技球の位置を補完する態様、のいずれも含む趣旨である。
また、フレーム画像取得手段により取得される複数のフレーム画像は連続するフレーム画像であるが、第一フレーム画像と第二フレーム画像とが連続することに限定されない。例えば、連続する複数のフレーム画像のうち、1フレーム目を第一フレーム画像、3フレーム目を第二フレーム画像としてもよい。
さらに、第二フレーム画像における遊技球の位置の補完は、第一フレーム画像に含まれる遊技球の位置を基準位置として行われるが、一つのフレーム画像に含まれる遊技球の位置のみを基準位置として行われるものに限定されず、複数のフレーム画像に含まれる遊技球の位置を基準位置として行われるようにしてもよい。
なお、第一フレーム画像に含まれる遊技球の位置のみを基準位置として第二フレーム画像における遊技球の位置の補完を行う場合、基準位置から遊技球が移動する方向を推測して第二フレーム画像における遊技球の位置を補完するようにするとよい。基準位置から遊技球が移動する方向の推測は、例えば、第一フレーム画像に含まれる遊技球の残像等から推測してもよいし、遊技球が移動できる領域または遊技球が移動できない領域を予め記憶しておき、この記憶に基づいて推測してもよい。すなわち、基準位置から遊技球が移動する方向を推測する手法は特定の手法に限定されない。
また、「補完」とは、一般的には、足りないところをおぎなって完全にすることを意味するが、ここでは必ずしもこの意味に限定して解釈されるものではなく、「補完」に代えて、例えば、「補間」、「補正」、「修正」、「移動」等を用いてもよい。すなわち、フレーム画像に含まれる遊技球の位置を、他の位置にずらす意味を持つ用語であれば用いることができる。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、
前記遊技領域に存在する実体物の位置(例えば、遊技球が存在しえない位置)を記憶する実体物位置記憶手段(例えば、プログラムROM202)と、
前記第二フレーム画像において、前記実体物位置記憶手段に記憶される前記実体物の位置に基づいて、前記特定位置に遊技球が存在するよう補完することが可能であるか否かを判別する補完可否判断手段(例えば、図131のステップS2119の処理を実行するサブCPU201)と、
をさらに備える
ことを特徴とする。
上記(2)の遊技機によれば、第二フレーム画像において、実体物位置記憶手段に記憶される実体物の位置に基づいて補完することが可能であるか否かを判別するため、当該判別の精度を高めることができ、遊技球の位置座標に基づいて演出画像を表示するようにした場合であっても、演出効果をより一層好適に高めて興趣の低下を抑制することが可能となる。なお、「遊技領域に存在する実体物」とは、例えば、遊技領域に植設される障害釘、風車、遊技球が転動可能な球通路、センター役物、入賞口等が相当する。
(3)上記(1)または(2)に記載の遊技機において、
前記第二フレーム画像は前記第一フレーム画像よりも後に撮影されたものであるとともに、
前記第一フレーム画像に含まれる遊技球の位置と、前記第二フレーム画像に含まれる遊技球の位置とを比較する球位置比較手段(例えば、図131のステップS2116等の処理を実行するサブCPU201)をさらに備え、
前記球位置補完手段は、
前記第二フレーム画像に含まれる遊技球の位置が、前記第一フレーム画像に含まれる遊技球の位置よりも上方に位置する場合、前記第二フレーム画像に含まれる遊技球の位置を補完しない(例えば、図131のステップS2117においてNOと判別する)よう構成される
ことを特徴とする。
上記(3)の遊技機によれば、第二フレーム画像において、基準位置から所定距離離れた特定位置に遊技球が存在しないと判別された場合、特定位置に遊技球が存在するよう補完されることを前提とするものである。ただし、第二フレーム画像において特定位置に遊技球が存在しなかったとしても、第二フレーム画像に含まれる遊技球の位置が、第二フレーム画像よりも先に撮影された第一フレーム画像に含まれる遊技球の位置よりも上方に位置する場合、第二フレーム画像において補完が行われない。そのため、遊技球の位置座標に基づく演出画像を表示するようにした場合に、実際の遊技球の位置と、遊技球の位置座標に基づく演出画像との間で大きな乖離が生じるような不自然な演出画像が行われることを防ぐことができ、演出効果を好適に高めて興趣の低下を抑制することが可能となる。なお、第二フレーム画像に含まれる遊技球の位置が特定位置でなく且つ第一フレーム画像に含まれる遊技球の位置よりも下方である場合や、第二フレーム画像に遊技球が含まれていない場合には、第二フレーム画像において補完が行われることが好ましい。
(4)上記(1)〜(3)のいずれか一つに記載の遊技機において、
前記球位置特定手段により特定される遊技球の位置に基づく演出画像が所定の表示領域に表示されるよう制御可能な表示制御手段(例えば、サブCPU201から供給される演出指定情報に基づいて制御する表示制御回路205)をさらに備え、
前記表示制御手段は、
前記第二フレーム画像において、前記球位置補完手段によって前記特定位置または該特定位置とは別の位置に遊技球が存在するよう補完された場合、補完された位置である前記特定位置または前記別の位置に基づく演出画像が表示されるよう制御可能(例えば、図131のステップS2122、図133のステップS2131等の処理を実行可能)に構成される
ことを特徴とする。
上記(4)の遊技機によれば、遊技領域を移動する遊技球の位置を特定し、この特定された遊技球の位置に基づく演出画像が所定の表示領域に表示されるため、遊技球と演出画像との相乗による視覚的効果の発揮により、演出効果を高めることが可能となる。しかも、遊技球の位置が補完された場合であっても、補完された位置である特定位置または別の位置に基づく演出画像が表示されるため、例えば、撮影装置と遊技球との間に障害物が割り込んだり、撮影上の不具合が生じたり、遊技球が突発的に大きく移動した場合等により、第二フレーム画像において遊技球の位置を特定することが困難な場合であったとしても、特定位置または別の位置に遊技球が存在するよう補完することで、遊技領域を移動する遊技球の位置を的確に演出画像に反映させて演出効果を好適に高めることができ、興趣の低下を抑制することが可能となる。
本発明によれば、興趣の低下を抑制することが可能となる。
<付記16>
従来より、発射された遊技球が転動可能な遊技領域に設けられた始動領域を遊技球が通過する等、所定の可変表示開始条件が成立すると識別情報の可変表示が行われ、抽選結果に基づいて導出された識別情報が所定の組合せであると、遊技者に有利な大当り遊技状態(所謂「大当り」)に移行するようにしたパチンコ遊技機が知られている。
また、この種のパチンコ遊技機として、遊技領域を転動する遊技球をカメラ等の撮影装置で撮影し、撮影によって得られる画像を解析することによって、遊技球の動きを追跡する技術が知られている(特開2005−237864号公報参照)。
しかしながら、上述したような従来の技術においては、遊技球の追跡結果を例えば演出に反映させて演出効果を高める場合には工夫が不充分であり、興趣の低下は否めず、改善の余地があった。
本発明は、上記のような問題点に鑑みてなされたものであり、興趣の低下を抑制することが可能な遊技機を提供することを目的とする。
(1)本発明に係る遊技機は、
入賞または排出によって遊技球が消失する消失領域を含み、遊技球が移動可能な遊技領域(例えば、遊技領域12a)を有する遊技盤(例えば、遊技盤12)と、
前記遊技領域を撮影可能に配設された撮影装置(例えば、CCDカメラ1000)と、
前記遊技領域を撮影することによって得られる動画像として、連続する複数のフレーム画像を順次取得するフレーム画像取得手段(例えば、図31のステップS281、図119のステップS2101、図120のステップS2111、図131のステップS2115、図133のステップS2124等の処理を実行するサブCPU201)と、
前記フレーム画像取得手段により取得される前記連続する複数のフレーム画像のうち、第一フレーム画像および第二フレーム画像それぞれに含まれる遊技球の位置を特定可能な球位置特定手段(例えば、図31のステップS284〜ステップS286、図117のステップS2105、図133のステップS2125等の処理を実行するサブCPU201)と、
前記第一フレーム画像に含まれる遊技球の位置を基準位置とし、前記第二フレーム画像において、前記基準位置から所定距離離れた特定位置に遊技球が存在するか否かを判別可能な球存在判別手段(例えば、図131のステップS2117の処理を実行するサブCPU201)と、
前記第二フレーム画像において、前記特定位置に遊技球が存在しないと前記球存在判別手段により判別された場合、前記特定位置に遊技球が存在するよう補完可能な球位置補完手段(例えば、図131のステップS2118、図133のステップS2130等の処理を実行するサブCPU201)と、
を備え、
前記球位置補完手段は、
前記特定位置と前記消失領域とが重なる場合、前記第二フレーム画像において前記補完を行わないよう構成される
ことを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、順次取得される連続する複数のフレーム画像のうち第一フレーム画像に含まれる遊技球の位置および第二フレーム画像に含まれる遊技球の位置が特定される。ところが、例えば、撮影装置と遊技球との間に障害物が割り込んだり、撮影上の不具合が生じたり、遊技球が突発的に大きく移動した場合等により、第二フレーム画像において遊技球の位置を特定することが困難となる場合がある。そこで、第二フレーム画像において、第一フレーム画像に含まれる遊技球の位置を基準位置として、この基準位置から所定距離離れた特定位置に遊技球が存在するか否かを判別し、特定位置に遊技球が存在しないと球存在判別手段により判別された場合、特定位置に遊技球が存在するよう補完するようにしている。これにより、遊技球の位置座標に基づいて演出画像を表示するようにした場合であっても、興趣の低下を抑制することが可能となる。
なお、「前記特定位置に遊技球が存在しないと前記球存在判別手段により判別された場合」とは、第二フレーム画像に遊技球が含まれていない場合、および、第二フレーム画像に遊技球が含まれているものの特定位置に遊技球が存在しないと判別された場合の両方が含まれる。後者の場合、遊技球の中心が特定位置にないとき、および、特定位置が所定の範囲を占める領域であればこの領域内に遊技球の一部でも重なっていないときには、「特定位置に遊技球が存在しない」と判別される。ただし、特定位置が所定の範囲を占める領域である場合にこの領域内に遊技球の一部でも重なっているときには、「特定位置に遊技球が存在する」と判別してもよいし、「特定位置に遊技球が存在しない」と判別してもよい。
ところで、第二フレーム画像において遊技球の位置を補完した場合、補完される位置である特定位置が適切でない場合がある。例えば、特定位置と消失領域とが重なる場合等である。そこで、特定位置と消失領域とが重なる場合、第二フレーム画像において、特定位置に遊技球が存在するようにする補完を行わないようにしている。これにより、遊技球の位置座標に基づいて演出画像を表示するようにした場合であっても、消失領域に遊技球が存在することを前提とする演出画像が表示されることを防止でき、演出効果を好適に高めることが可能となる。なお、特定位置が消失領域と重なるか否かについては、撮影装置により撮影されたフレーム画像に基づいて判別してもよいし、消失領域をあらかじめデータとして記憶し、このデータを参照して判別してもよい。
なお、消失領域とは、例えば、遊技球が排出されたり入賞することによって遊技領域から消失される領域等が相当する。また、特定位置と消失領域とが重なる場合とは、特定位置が所定の範囲を占める領域であれば、特定位置(領域)の全部と消失領域の全部とが重なる場合、特定位置(領域)の一部と消失領域の一部とが重なる場合、特定位置(領域)の一部と消失領域の全部とが重なる場合、特定位置(領域)の全部と消失領域の一部とが重なる場合等が相当する。
また、上記(1)の遊技機では、第一フレーム画像および第二フレーム画像のうち、いずれが先に撮影されたフレーム画像であるかを特定していない。すなわち、イ)先に撮影されたフレーム画像に含まれる遊技球の位置を基準位置として、後に撮影されたフレーム画像に含まれる遊技球の位置を補完する態様、ロ)後に撮影されたフレーム画像に含まれる遊技球の位置を基準位置として、先に撮影されたフレーム画像に含まれる遊技球の位置を補完する態様、のいずれも含む趣旨である。
また、フレーム画像取得手段により取得される複数のフレーム画像は連続するフレーム画像であるが、第一フレーム画像と第二フレーム画像とが連続することに限定されない。例えば、連続する複数のフレーム画像のうち、1フレーム目を第一フレーム画像、3フレーム目を第二フレーム画像としてもよい。
さらに、第二フレーム画像における遊技球の位置の補完は、第一フレーム画像に含まれる遊技球の位置を基準位置として行われるが、一つのフレーム画像に含まれる遊技球の位置のみを基準位置として行われるものに限定されず、複数のフレーム画像に含まれる遊技球の位置を基準位置として行われるようにしてもよい。
なお、第一フレーム画像に含まれる遊技球の位置のみを基準位置として第二フレーム画像における遊技球の位置の補完を行う場合、基準位置から遊技球が移動する方向を推測して第二フレーム画像における遊技球の位置を補完するようにするとよい。基準位置から遊技球が移動する方向の推測は、例えば、第一フレーム画像に含まれる遊技球の残像等から推測してもよいし、遊技球が移動できる領域または遊技球が移動できない領域を予め記憶しておき、この記憶に基づいて推測してもよい。すなわち、基準位置から遊技球が移動する方向を推測する手法は特定の手法に限定されない。
また、「補完」とは、一般的には、足りないところをおぎなって完全にすることを意味するが、ここでは必ずしもこの意味に限定して解釈されるものではなく、「補完」に代えて、例えば、「補間」、「補正」、「修正」、「移動」等を用いてもよい。すなわち、フレーム画像に含まれる遊技球の位置を、他の位置にずらす意味を持つ用語であれば用いることができる。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、
前記第二フレーム画像は前記第一フレーム画像よりも後に撮影されたものであるとともに、
前記第一フレーム画像に含まれる遊技球の位置と、前記第二フレーム画像に含まれる遊技球の位置とを比較する球位置比較手段(例えば、図131のステップS2116等の処理を実行するサブCPU201)をさらに備え、
前記球位置補完手段は、
前記第二フレーム画像に含まれる遊技球の位置が、前記第一フレーム画像に含まれる遊技球の位置よりも上方に位置する場合、前記第二フレーム画像に含まれる遊技球の位置を補完しない(例えば、図131のステップS2117においてNOと判別する)よう構成される
ことを特徴とする。
上記(2)の遊技機によれば、第二フレーム画像において、基準位置から所定距離離れた特定位置に遊技球が存在しないと判別された場合、特定位置に遊技球が存在するよう補完されることを前提とするものである。ただし、第二フレーム画像において特定位置に遊技球が存在しなかったとしても、第二フレーム画像に含まれる遊技球の位置が、第二フレーム画像よりも先に撮影された第一フレーム画像に含まれる遊技球の位置よりも上方に位置する場合、第二フレーム画像において補完が行われない。そのため、遊技球の位置座標に基づく演出画像を表示するようにした場合に、実際の遊技球の位置と、遊技球の位置座標に基づく演出画像との間で大きな乖離が生じるような不自然な演出画像が行われることを防ぐことができ、演出効果を好適に高めて興趣の低下を抑制することが可能となる。なお、第二フレーム画像に含まれる遊技球の位置が特定位置でなく且つ第一フレーム画像に含まれる遊技球の位置よりも下方である場合や、第二フレーム画像に遊技球が含まれていない場合には、第二フレーム画像において補完が行われることが好ましい。
(3)上記(1)または(2)に記載の遊技機において、
前記球位置特定手段により特定される遊技球の位置に基づく演出画像が所定の表示領域に表示されるよう制御可能な表示制御手段(例えば、サブCPU201から供給される演出指定情報に基づいて制御する表示制御回路205)をさらに備え、
前記表示制御手段は、
前記第二フレーム画像において、前記球位置補完手段によって前記特定位置に遊技球が存在するよう補完された場合、補完された位置である前記特定位置に基づく演出画像が表示されるよう制御可能(例えば、図131のステップS2122、図133のステップS2131等の処理を実行可能)であるものの、前記球位置補完手段によって前記特定位置に遊技球が存在するよう補完されなかった場合には前記特定位置に基づく演出画像が表示されないよう制御可能(例えば、図131のステップS2123、図133のステップS2132等の処理を実行可能)に構成される
ことを特徴とする。
上記(3)の遊技機によれば、遊技領域を移動する遊技球の位置を特定し、この特定された遊技球の位置に基づく演出画像が所定の表示領域に表示されるため、遊技球と演出画像との相乗による視覚的効果の発揮により、演出効果を高めることが可能となる。しかも、遊技球の位置が補完された場合には補完された位置である特定位置に基づく演出画像が表示される一方で、特定位置に遊技球が補完されなかった場合には特定位置に基づく演出画像が表示されないようにしている。すなわち、例えば、撮影装置と遊技球との間に障害物が割り込んだり、撮影上の不具合が生じたり、遊技球が突発的に大きく移動した場合等により、第二フレーム画像において遊技球の位置を特定することが困難な場合であったとしても、特定位置に遊技球が存在するよう補完する一方、特定位置と消失領域とが重なる場合には補完を行わないようにしている。これにより、遊技領域を移動する遊技球の位置を的確に演出画像に反映させることができるとともに、消失領域に遊技球が存在することを前提とする演出画像が表示されることを防止でき、演出効果を好適に高めることができ、興趣の低下を抑制することが可能となる。
なお、上述したように、特定位置に遊技球が補完されなかった場合には特定位置に基づく演出画像が表示されないようにしているが、この場合、第二フレーム画像に遊技球が含まれているときには「球位置特定手段により特定される遊技球の位置に基づく演出画像」が表示されるようにしてもよいし、第二フレーム画像において、遊技球の位置に基づく演出画像が表示されないようにしてもよい。
本発明によれば、興趣の低下を抑制することが可能となる。
<付記17>
従来より、発射された遊技球が転動可能な遊技領域に設けられた始動領域を遊技球が通過する等、所定の可変表示開始条件が成立すると識別情報の可変表示が行われ、抽選結果に基づいて導出された識別情報が所定の組合せであると、遊技者に有利な大当り遊技状態(所謂「大当り」)に移行するようにしたパチンコ遊技機が知られている。
また、この種のパチンコ遊技機として、遊技領域を転動する遊技球をカメラ等の撮影装置で撮影し、撮影によって得られる画像を解析することによって、遊技球の動きを追跡する技術が知られている(特開2005−237864号公報参照)。
しかしながら、上述したような従来の技術においては、遊技球の追跡結果を例えば演出に反映させて演出効果を高める場合には工夫が不充分であり、興趣の低下は否めず、改善の余地があった。
本発明は、上記のような問題点に鑑みてなされたものであり、興趣の低下を抑制することが可能な遊技機を提供することを目的とする。
(1)本発明に係る遊技機は、
遊技球が移動可能な遊技領域(例えば、遊技領域12a)を有する遊技盤(例えば、遊技盤12)と、
前記遊技領域を撮影可能に配設された撮影装置(例えば、CCDカメラ1000)と、
前記遊技領域を撮影することによって得られる動画像として、連続する複数のフレーム画像を順次取得するフレーム画像取得手段(例えば、図31のステップS281、図119のステップS2101、図120のステップS2111、図131のステップS2115、図133のステップS2124等の処理を実行するサブCPU201)と、
前記フレーム画像取得手段により取得されるフレーム画像に含まれる複数の遊技球のそれぞれに識別符号を付与するとともに、前記遊技領域から遊技球が消失したと判別されるときには該消失した遊技球に付与された識別符号を、別の遊技球に付与可能な識別符号付与手段(サブCPU201)と、
前記フレーム画像取得手段により取得される複数のフレーム画像のうち、第一フレーム画像および第二フレーム画像それぞれに含まれる遊技球の位置を特定可能な球位置特定手段(例えば、図31のステップS284〜ステップS286、図117のステップS2105、図133のステップS2125等の処理を実行するサブCPU201)と、
前記第一フレーム画像に含まれる遊技球の位置を基準位置とし、前記第二フレーム画像において、前記基準位置から所定距離離れた特定位置に、前記第一フレーム画像において前記基準位置にあった遊技球に付与された識別符号と同じ識別符号が付与された特定遊技球が存在するか否かを判別可能な球存在判別手段(例えば、図131のステップS2117の処理を実行するサブCPU201)と、
前記第二フレーム画像において、前記特定位置に前記特定遊技球が存在しないと前記球存在判別手段により判別された場合、前記特定位置に前記特定遊技球が存在するよう補完可能な球位置補完手段(例えば、図131のステップS2118、図133のステップS2130等の処理を実行するサブCPU201)と、
を備え、
前記球位置補完手段は、
前記フレーム画像取得手段により取得されるフレーム画像に含まれる複数の遊技球のうち一の遊技球に対して前記識別符号付与手段により識別符号が付与された後、所定時間経過するまでに前記一の遊技球の位置が前記球位置特定手段により特定できないとき(例えば、図133のステップS2128においてNOと判別されるとき)は前記補完を行わず、所定時間経過するまでに前記一の遊技球の位置が前記球位置特定手段により特定できるとき(例えば、図133のステップS2128においてYESと判別されるとき)は前記補完を行うよう構成される
ことを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、取得されるフレーム画像に含まれる複数の遊技球のそれぞれに識別符号が付与され、遊技領域から遊技球が消失したと判別されると、この消失したと判別された遊技球に付与された識別符号が別の遊技球に付与される。また、取得される複数のフレーム画像のうち、第一フレーム画像および第二フレーム画像それぞれに含まれる遊技球の位置が特定される。そして、順次取得される連続する複数のフレーム画像のうち第一フレーム画像に含まれる遊技球の位置を基準位置とし、第二フレーム画像において、基準位置から所定距離離れた特定位置に、特定遊技球(第一フレーム画像において基準位置にあった遊技球に付与された識別符号と同じ識別符号が付与された遊技球)が存在するか否かを判別する。ところが、例えば、撮影装置と特定遊技球との間に障害物が割り込んだり、撮影上の不具合が生じたり、特定遊技球が突発的に大きく移動した場合等により、第二フレーム画像において特定遊技球の位置を特定することが困難となる場合がある。そこで、第二フレーム画像において、特定位置に特定遊技球が存在しないと判別された場合、特定遊技球が特定位置に存在するよう補完するようにしている。しかしこの場合、遊技領域から特定遊技球が消失したにもかかわらず特定位置に特定遊技球が存在するよう補完されると、同じ識別符号が付された遊技球が遊技領域に複数存在することになるおそれがある。そこで、一の遊技球に対して識別符号が付与された後、所定時間経過するまでにこの一の遊技球の位置を特定することができないときは、遊技領域から一の遊技球が消失した可能性が高いと考えられるため補完を行わず、所定時間経過するまでに一の遊技球の位置を特定できるときは、遊技領域から一の遊技球が消失した可能性が低いと考えられるため補完を行うようにしている。これにより、例えば実際の遊技球の位置とかけ離れた位置で遊技球の位置座標に基づく演出画像が表示されるといった不自然な演出が表示されることを防ぐことができ、興趣の低下を抑制することが可能となる。
なお、「前記特定位置に前記特定遊技球が存在しないと前記球存在判別手段により判別された場合」とは、第二フレーム画像に特定遊技球が含まれていない場合、および、第二フレーム画像に特定遊技球が含まれているものの特定位置に特定遊技球が存在しない場合の両方が含まれる。後者の場合、特定遊技球の中心が特定位置にないとき、および、特定位置が所定の範囲を占める領域であればこの領域内に特定遊技球の一部でも重なっていないときには、「特定位置に特定遊技球が存在しない」と判別される。ただし、特定位置が所定の範囲を占める領域である場合にこの領域内に特定遊技球の一部でも重なっているときには、「特定位置に特定遊技球が存在する」と判別してもよいし、「特定位置に特定遊技球が存在しない」と判別してもよい。
また、上記(1)の遊技機では、第一フレーム画像および第二フレーム画像のうち、いずれが先に撮影されたフレーム画像であるかを特定していない。すなわち、イ)先に撮影されたフレーム画像に含まれる遊技球の位置を基準位置として、後に撮影されたフレーム画像に含まれる遊技球の位置を補完する態様、ロ)後に撮影されたフレーム画像に含まれる遊技球の位置を基準位置として、先に撮影されたフレーム画像に含まれる遊技球の位置を補完する態様、のいずれも含む趣旨である。
また、フレーム画像取得手段により取得される複数のフレーム画像は連続するフレーム画像であるが、第一フレーム画像と第二フレーム画像とが連続することに限定されない。例えば、連続する複数のフレーム画像のうち、1フレーム目を第一フレーム画像、3フレーム目を第二フレーム画像としてもよい。
さらに、第二フレーム画像における遊技球の位置の補完は、第一フレーム画像に含まれる遊技球の位置を基準位置として行われるが、一つのフレーム画像に含まれる遊技球の位置のみを基準位置として行われるものに限定されず、複数のフレーム画像に含まれる遊技球の位置を基準位置として行われるようにしてもよい。
なお、第一フレーム画像に含まれる遊技球の位置のみを基準位置として第二フレーム画像における特定遊技球の位置の補完を行う場合、基準位置から遊技球が移動する方向を推測して第二フレーム画像における特定遊技球の位置を補完するようにするとよい。基準位置から遊技球が移動する方向の推測は、例えば、第一フレーム画像に含まれる遊技球の残像等から推測してもよいし、遊技球が移動できる領域または遊技球が移動できない領域を予め記憶しておき、この記憶に基づいて推測してもよい。すなわち、基準位置から遊技球が移動する方向を推測する手法は特定の手法に限定されない。
また、「補完」とは、一般的には、足りないところをおぎなって完全にすることを意味するが、ここでは必ずしもこの意味に限定して解釈されるものではなく、「補完」に代えて、例えば、「補間」、「補正」、「修正」、「移動」等を用いてもよい。すなわち、フレーム画像に含まれる遊技球の位置を、他の位置にずらす意味を持つ用語であれば用いることができる。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、
前記第二フレーム画像は前記第一フレーム画像よりも後に撮影されたものであるとともに、
前記基準位置と、前記第二フレーム画像に含まれる前記特定遊技球の位置とを比較する球位置比較手段(例えば、図131のステップS2116等の処理を実行するサブCPU201)をさらに備え、
前記球位置補完手段は、
前記第二フレーム画像に含まれる前記特定遊技球の位置が前記基準位置よりも上方に位置する場合、前記第二フレーム画像において前記特定遊技球の位置を補完しない(例えば、図131のステップS2117においてNOと判別する)よう構成される
ことを特徴とする。
上記(2)の遊技機は、第二フレーム画像において、基準位置から所定距離離れた特定位置に特定遊技球が存在しない場合、特定遊技球が特定位置に存在するよう補完されることを前提とするものである。ただし、第二フレーム画像において特定遊技球が特定位置に存在しなかったとしても、第二フレーム画像に含まれる特定遊技球の位置が、基準位置よりも上方に位置する場合、第二フレーム画像において補完が行われない。そのため、遊技球の位置座標に基づく演出画像を表示するようにした場合に、実際の遊技球の位置と、遊技球の位置座標に基づく演出画像との間で大きな乖離が生じるような不自然な演出画像が行われることを防ぐことができ、演出効果を好適に高めて興趣の低下を抑制することが可能となる。なお、第二フレーム画像において特定遊技球の位置が特定位置でなく且つ基準位置よりも下方である場合や、第二フレーム画像に特定遊技球が含まれていない場合には、第二フレーム画像において補完が行われることが好ましい。
(3)上記(1)または(2)に記載の遊技機において、
前記球位置特定手段により特定される遊技球の位置に基づく演出画像が所定の表示領域に表示されるよう制御可能な表示制御手段(例えば、サブCPU201から供給される演出指定情報に基づいて制御する表示制御回路205)をさらに備え、
前記表示制御手段は、
前記第二フレーム画像において、前記球位置補完手段によって前記特定位置に前記特定遊技球が存在するよう補完された場合、補完された位置である前記特定位置に基づく演出画像が表示されるよう制御可能(例えば、図131のステップS2122、図133のステップS2131等の処理を実行可能)に構成される
ことを特徴とする。
上記(3)の遊技機によれば、遊技領域を移動する遊技球の位置を特定し、この特定された遊技球の位置に基づく演出画像が所定の表示領域に表示されるため、遊技球と演出画像との相乗による視覚的効果の発揮により、演出効果を高めることが可能となる。しかも、特定遊技球の位置が補完された場合であっても、補完された位置である特定位置に基づく演出画像が表示されるため、例えば、撮影装置と特定遊技球との間に障害物が割り込んだり、撮影上の不具合が生じたり、特定遊技球が突発的に大きく移動した場合等により、第二フレーム画像において特定遊技球の位置を特定することが困難な場合であったとしても、特定位置に特定遊技球が存在するよう補完することで、遊技領域を移動する特定遊技球の位置を的確に演出画像に反映させて演出効果を好適に高めることができ、興趣の低下を抑制することが可能となる。
本発明によれば、興趣の低下を抑制することが可能となる。
<付記18>
従来より、発射された遊技球が転動可能な遊技領域に設けられた始動領域を遊技球が通過する等、所定の可変表示開始条件が成立すると識別情報の可変表示が行われ、抽選結果に基づいて導出された識別情報が所定の組合せであると、遊技者に有利な大当り遊技状態(所謂「大当り」)に移行するようにしたパチンコ遊技機が知られている。
また、この種のパチンコ遊技機として、遊技領域を転動する遊技球をカメラ等の撮影装置で撮影し、撮影によって得られる画像を解析することによって、遊技球の動きを追跡する技術が知られている(特開2005−237864号公報参照)。
しかしながら、上述したような従来の技術においては、遊技球の追跡結果を演出に反映させるための工夫が不充分であり、興趣の低下は否めず、演出効果を高める上では改善の余地があった。
本発明は、上記のような問題点に鑑みてなされたものであり、興趣の低下を抑制することが可能な遊技機を提供することを目的とする。
(1)本発明に係る遊技機は、
遊技球が移動可能な遊技領域(例えば、遊技領域12a)を有する遊技盤(例えば、遊技盤12)と、
前記遊技領域を撮影可能に配設された撮影装置(例えば、CCDカメラ1000)と、
前記遊技領域を撮影することによって得られる動画像として、連続する複数のフレーム画像を順次取得するフレーム画像取得手段(例えば、図31のステップS281、図119のステップS2101、図120のステップS2111、図131のステップS2115、図133のステップS2124等の処理を実行するサブCPU201)と、
前記フレーム画像取得手段により取得されるフレーム画像に含まれる複数の遊技球のそれぞれに識別符号(例えば、ID)を付与するとともに、前記遊技領域から遊技球が消失したと判別されるときには該消失した遊技球に付与された識別符号を、別の遊技球に付与可能な識別符号付与手段(サブCPU201)と、
前記フレーム画像取得手段により取得される複数のフレーム画像それぞれに含まれる遊技球の位置を特定可能な球位置特定手段(例えば、図31のステップS284〜ステップS286、図117のステップS2105、図133のステップS2125等の処理を実行するサブCPU201)と、
前記球位置特定手段により特定される遊技球の位置に基づく演出画像が所定の表示領域に表示されるよう制御可能な表示制御手段(例えば、サブCPU201から供給される演出指定情報に基づいて制御する表示制御回路205)と、
を備え、
前記表示制御手段は、
前記識別符号が付与された一の遊技球の位置に基づく一の演出画像を表示した後、前記遊技領域から前記一の遊技球が消失したと判別されて該一の遊技球に付与されていた識別符号が別の遊技球に付与されたとしても、所定時間が経過するまでは前記一の演出画像が継続して表示されるよう制御可能(例えば、図135の処理を実行可能)に構成される
ことを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、取得されるフレーム画像に含まれる複数の遊技球のそれぞれに識別符号が付与され、遊技領域から遊技球が消失したと判別されると、この消失したと判別された遊技球に付与された識別符号が別の遊技球に付与される。また、取得される複数のフレーム画像のそれぞれに含まれる遊技球の位置を特定し、特定される遊技球の位置に基づく演出画像が所定の表示領域に表示される。そのため、遊技球と演出画像との相乗による視覚的効果の発揮により、演出効果を高めることが可能となる。ところが、遊技球の位置に基づく演出画像が所定の表示領域に表示されるようにした場合、この演出画像を表示させる際に不具合が生じるおそれがある。例えば遊技領域から一の遊技球が消失したと判別されてこの一の遊技球に付与されていた識別符号が別の遊技球に付与された場合、演出画像が不自然なものとなってしまうおそれがある。そこで、一の遊技球の位置に基づく一の演出画像を表示した後、この一の遊技球が遊技領域から消失したと判別されてこの一の遊技球に付与されていた識別符号が別の遊技球に付与されたとしても、所定時間が経過するまでは一の演出画像が継続して表示されるようにすることで、演出効果を好適に高めて興趣の低下を抑制することが可能となる。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、
前記フレーム画像取得手段により取得される前記連続する複数のフレーム画像のうち第一フレーム画像に含まれる遊技球(例えば、遊技球580a)の位置を基準位置とし、該第一フレーム画像とは別の第二フレーム画像において、前記基準位置から所定距離離れた特定位置に、前記第一フレーム画像において前記基準位置にあった遊技球に付与された識別符号と同じ識別符号が付与された特定遊技球が存在するか否かを判別可能な球存在判別手段(例えば、図134のステップS2140、図135のステップS2150等の処理を実行するサブCPU201)と、
前記第二フレーム画像において、前記特定遊技球が前記特定位置に存在しないと前記球存在判別手段により判別された場合、前記特定位置に前記特定遊技球が存在するよう補完可能な球位置補完手段(例えば、図131のステップS2118、図133のステップS2130等の処理を実行するサブCPU201)と、
をさらに備え、
前記表示制御手段は、
前記第二フレーム画像において、前記球位置補完手段によって前記特定位置に前記特定遊技球が存在するよう補完された場合、該特定位置に基づく演出画像が表示されるよう制御可能(例えば、図131のステップS2122、図133のステップS2131等の処理を実行可能)に構成される
ことを特徴とする。
上記(2)の遊技機によれば、順次取得される連続する複数のフレーム画像のうち第一フレーム画像に含まれる遊技球の位置を基準位置とし、第二フレーム画像において、基準位置から所定距離離れた特定位置に、特定遊技球が存在するか否かを判別する。例えば撮影装置と特定遊技球との間に障害物が割り込んだりする等の不具合により第二フレーム画像に特定遊技球が含まれていなかったり、第二フレーム画像に特定遊技球らしきものが含まれてはいるものの特定遊技球であると特定することが困難であったりする場合には、特定遊技球の位置に基づく演出画像を表示することが困難となる。また、第二フレーム画像に特定遊技球が含まれてはいるものの、基準位置から例えば離れすぎていたりする場合には、この特定遊技球の位置に基づく演出画像が不自然なものとなってしまうおそれがある。そこで、第二フレーム画像において、特定位置に特定遊技球が存在しないと判別された場合、特定遊技球が特定位置に存在するよう補完することで不自然な演出画像が行われることを抑制でき、演出効果を好適に高めて興趣の低下を抑制することが可能となる。
なお、「前記特定位置に前記特定遊技球が存在しないと前記球存在判別手段により判別された場合」とは、第二フレーム画像に特定遊技球が含まれていない場合、および、第二フレーム画像に特定遊技球が含まれているものの特定位置に特定遊技球が存在しない場合の両方が含まれる。後者の場合、特定遊技球の中心が特定位置にないとき、および、特定位置が所定の範囲を占める領域であればこの領域内に特定遊技球の一部でも重なっていないときには、「特定位置に特定遊技球が存在しない」と判別される。ただし、特定位置が所定の範囲を占める領域である場合にこの領域内に特定遊技球の一部でも重なっているときには、「特定位置に特定遊技球が存在する」と判別してもよいし、「特定位置に特定遊技球が存在しない」と判別してもよい。
(3)上記(2)に記載の遊技機において、
前記第二フレーム画像は前記第一フレーム画像よりも後に撮影されたものであるとともに、
前記基準位置と、前記第二フレーム画像に含まれる前記特定遊技球の位置とを比較する球位置比較手段(例えば、図131のステップS2116等の処理を実行するサブCPU201)をさらに備え、
前記球位置補完手段は、
前記第二フレーム画像に含まれる前記特定遊技球(例えば、遊技球580b)の位置が前記基準位置よりも上方に位置する場合、前記第二フレーム画像において前記特定遊技球の位置を補完しない(例えば、図131のステップS2117においてNOと判別する)よう構成される
ことを特徴とする。
上記(3)の遊技機は、第二フレーム画像において、基準位置から所定距離離れた特定位置に特定遊技球が存在しない場合、特定遊技球が特定位置に存在するよう補完されることを前提とするものである。ただし、第二フレーム画像において特定遊技球が特定位置に存在しなかったとしても、第二フレーム画像に含まれる特定遊技球の位置が、基準位置よりも上方に位置する場合、第二フレーム画像において補完が行われない。そのため、遊技球の位置座標に基づく演出画像を表示するようにした場合に、実際の遊技球の位置と、遊技球の位置座標に基づく演出画像との間で大きな乖離が生じるような不自然な演出画像が行われることを防ぐことができ、演出効果を好適に高めて興趣の低下を抑制することが可能となる。なお、第二フレーム画像において特定遊技球の位置が特定位置でなく且つ基準位置よりも下方である場合や、第二フレーム画像に特定遊技球が含まれていない場合には、第二フレーム画像において補完が行われることが好ましい。
本発明によれば、興趣の低下を抑制することが可能となる。
<付記19>
従来より、発射された遊技球が転動可能な遊技領域に設けられた始動領域を遊技球が通過する等、所定の可変表示開始条件が成立すると識別情報の可変表示が行われ、抽選結果に基づいて導出された識別情報が所定の組合せであると、遊技者に有利な大当り遊技状態(所謂「大当り」)に移行するようにしたパチンコ遊技機が知られている。
また、この種のパチンコ遊技機として、遊技領域を転動する遊技球をカメラ等の撮影装置で撮影し、撮影によって得られる画像を解析することによって、遊技球の動きを追跡する技術が知られている(特開2005−237864号公報参照)。
しかしながら、上述したような従来の技術においては、遊技球の追跡結果を演出に反映させるための工夫が不充分であり、興趣の低下は否めず、演出効果を高める上では改善の余地があった。
本発明は、上記のような問題点に鑑みてなされたものであり、興趣の低下を抑制することが可能な遊技機を提供することを目的とする。
(1)本発明に係る遊技機は、
遊技球が移動可能な遊技領域(例えば、遊技領域12a)を有する遊技盤(例えば、遊技盤12)と、
所定の表示領域に特定画像が表示されるよう制御可能な表示制御手段(例えば、サブCPU201から供給される演出指定情報に基づいて制御する表示制御回路205)と、
少なくとも前記表示領域を撮影可能に配設された撮影装置(例えば、CCDカメラ1000)と、
前記撮影装置による撮影によってフレーム画像を取得可能なフレーム画像取得手段(例えば、図31のステップS281、図119のステップS2101、図120のステップS2111、図131のステップS2115、図133のステップS2124等の処理を実行するサブCPU201)と、
前記フレーム画像取得手段により取得されるフレーム画像に含まれる前記特定画像の色相、明度、彩度および輝度のうち少なくともいずれか一つについての度合いを判別可能に構成される外観判別手段(例えば、図120のステップS2112の処理を実行するサブCPU201)と、
前記外観判別手段により判別された結果が基準レベルに達しているか否かを判別する基準到達判別手段(例えば、図120のステップS2113の処理を実行するサブCPU201)と、
前記基準到達判別手段により基準レベルに達していないと判別されたことに基づいて、前記所定の表示領域に表示される画像の色相、明度、彩度および輝度のうち少なくともいずれか一つの値を変更する外観変更手段(例えば、図120のステップS2114の処理を実行するサブCPU201)と、
を備えることを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、取得されるフレーム画像に含まれる特定画像の色相、明度、彩度および輝度のうち少なくともいずれか一つについての度合いを判別することが可能に構成されており、判別された度合いが基準レベルに達していない場合、基準レベルに達していないと判別された対象(色相、明度、彩度および輝度のうちの一つまたは複数)の値を変更することにより、撮影によって得られる画像を的確に演出画像に反映させることができ、演出効果を好適に高めて興趣の低下を抑制することが可能となる。
なお、特定画像が複数色で構成されている場合、基準レベルに達していないと判別された対象の値の変更には、コントラスト、すなわち複数色の間で明暗の差が変化するように値を変更することも含む。
また、特定画像が表示されるタイミングは特定のタイミングに限定されないが、例えば電源投入時等に特定画像が表示されるようにすることが好ましい。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、
前記フレーム画像取得手段により取得されるフレーム画像に含まれる所定画像(例えば、矩形画像1300、三角形画像1310)の位置を、位置座標によって特定する画像位置特定手段(例えば、図119のステップS2102の処理を実行するサブCPU201)と、
前記画像位置特定手段により特定される前記所定画像の位置座標と、該所定画像の画像座標とに基づいて変換係数を求める変換係数算出手段(例えば、図119のステップS2104の処理を実行するサブCPU201)と、
前記フレーム画像取得手段により取得される各フレーム画像に含まれる遊技球の位置を、位置座標によって特定する球位置特定手段(例えば、図31のステップS284〜ステップS286、図117のステップS2105、図133のステップS2125等の処理を実行するサブCPU201)と、
前記球位置特定手段により特定される遊技球の位置座標を、前記変換係数算出手段により求められた変換係数を用いて画像座標に変換する球座標変換手段(例えば、図117のステップS2106の処理を実行するサブCPU201)と、
を備え、
前記表示制御手段は、
前記球座標変換手段により変換された前記遊技球の画像座標に基づいて、所定の演出画像が前記外観変更手段により変更された値で表示されるよう制御可能に構成される
ことを特徴とする。
上記(2)の遊技機によれば、取得されるフレーム画像に含まれる所定画像の位置を位置座標によって特定し、特定された所定画像の位置座標と、この所定画像の画像座標とに基づいて変換係数を求める。また、取得されるフレーム画像に含まれる遊技領域を転動する遊技球の位置を位置座標によって特定し、求められた変換係数を用いて、遊技球の位置座標を画像座標に変換することができる。そして、このように変換された遊技球の画像座標に基づいて、所定の演出画像が表示される。この場合、基準レベルに達していないと判別された対象(色相、明度、彩度および輝度のうちの一つまたは複数)の値が変更されていれば、値が変更された上での演出画像が表示される。これにより、遊技領域を移動する遊技球の位置を的確に演出画像に反映させることができ、演出効果を好適に高めて興趣の低下を抑制することが可能となる。なお、「特定画像」および「所定画像」は、それぞれ別の画像としてもよいし、共用の画像としてもよい。
本発明によれば、興趣の低下を抑制することが可能となる。
[第11実施形態]
次に本発明の第11実施形態に係るパチンコ遊技機(遊技機)の構成及び各種動作について、図面を参照しながら説明する。なお、第1実施形態〜第10実施形態に記載した発明を、以下に説明する第11実施形態に係るパチンコ遊技機に適用することができる。例えば、透明パネル172と略同じ大きさの表示領域を有する大型の液晶表示装置を透明パネル172の後面側に配置したり、透明パネル172等の遊技盤の前面全体にプロジェクタユニットB等により映像を投影することにより、遊技領域の略全域に表示または投影される画像や映像を視認できるように構成し、遊技球の位置に基づく演出(例えば軌跡演出)を行うようにしてもよい。
[1.遊技機の構成]
[1−1.外観構成]
まず、図136〜図143を用いて、第11実施形態に係るパチンコ遊技機1001の外観について説明する。図136は、本発明の第11実施形態に係るパチンコ遊技機における外観を示す斜視図の一例である。図137は、本発明の第11実施形態に係るパチンコ遊技機における外観を示す分解斜視図の一例である。図138は、操作ボタン群の一例を模式的に示す図である。図139は、本発明の第11実施形態に係るパチンコ遊技機を背面側から示す斜視図の一例である。図140は、本発明の第11実施形態に係るパチンコ遊技機における遊技盤ユニットの外観を示す正面図の一例である。図141は、本発明の第11実施形態に係るパチンコ遊技機における遊技盤ユニットの外観斜視図を示す一例である。図142は、本発明の第11実施形態に係るパチンコ遊技機における遊技盤ユニットを前方右斜め上から見た分解斜視図を示す一例である。図143は、第1および第2特別図柄表示部を含むLEDユニットを示す正面図の一例である。また、図面に示されている方向は、正面視における方向である。したがって、例えば図面右方向に「左」と記載されているのは、当該図面が背面図であるため、図面上の「右」が正面視における「左」となる。同様に、図面左方向に「右」と記載されているものも、同様の理由により図面上の「左」が正面視における「右」となる。
なお、以下の説明では、特に説明がない限り、パチンコ遊技機1001を遊技者から見て、手前側を前側とし、奥側を後側として、前後方向を規定する。また、パチンコ遊技機1001を遊技者から見て、左手側を左側とし、右手側を右側として、左右方向を規定する。さらに、正面とは遊技者側から見た場合に視認できる側の面であり、背面とは遊技者の反対側から見た場合に視認できる側の面である。
図136、図137および図139〜図142に示すように、パチンコ遊技機1001は、木枠1011、ベースドア1012、ガラスドア1013、皿ユニット1014、発射装置1015、表示装置1016、遊技盤ユニット1017、払出ユニット18、および、基板ユニット1019を具備する。
木枠1011は、正面視略矩形状の枠体である。木枠1011には、前後方向に貫通する開口1021が設けられる。木枠1011の開口1021には、ベースドア1012が嵌め込まれる。ベースドア1012は、各種の部材を支持するものである。具体的には、ベースドア1012は、裏面側に払出ユニット18および基板ユニット1019を支持すると共に、表面側にガラスドア1013や、皿ユニット1014、発射装置1015、表示装置1016および遊技盤ユニット1017を支持する。
ガラスドア1013は、ベースドア1012に対して開閉自在に軸着されるものである。ガラスドア1013には、開口1022、操作ボタン群66が設けられる。ガラスドア1013の開口1022には、透過性を有する保護ガラス1023が配設される。保護ガラス1023は、ガラスドア1013がベースドア1012に対して閉鎖された状態で後述する遊技盤ユニット1017と前後方向に対向するように配置される。また、ガラスドア1013の上部には、スピーカ1024およびLED1025(以下において「ランプ群1025」と称することもある)が配設される。スピーカ1024は、例えば音声での告知や、演出、エラー報知等を行うものである。LED1025は、例えば光での告知や、演出等を行う演出用の発光手段であり、発光演出を実行できればLEDに限られず、例えばランプ等であってもよい。
図138に示すように、操作ボタン群66は、メインボタン662とセレクトボタン664とを有する。セレクトボタン664は、上セレクトボタン664a、下セレクトボタン664b、左セレクトボタン664cおよび右セレクトボタン664dを有する。以下において、セレクトボタン664と称するときは、上下左右セレクトボタン664a〜664dの総称を意味する。
本実施形態のパチンコ遊技機1001は、メインボタン662およびセレクトボタン664のうち少なくともいずれか一方または両方を用いて、後述するガイドメニュー画面やホールメニュー画面等で操作を行うことができる。なお、操作ボタン群66を設ける位置は、ガラスドア1013に限られず、皿ユニット1014、例えば上皿1026上等に設けてもよい。
皿ユニット1014は、上皿1026および下皿1028を一体化したユニット体である。皿ユニット1014は、ベースドア1012の前下部であって、ガラスドア1013の下方に配置される。
上皿1026は、遊技球を貯留するものであって、上皿1026に貯留される遊技球は、発射装置1015から後述する遊技領域20に向けて発射される。上皿1026には、払出口1061および演出ボタン1062が設けられる。貸し出される遊技球や賞球として払い出される遊技球は、払出口1061から上皿1026に払い出される。演出ボタン1062は、所謂「CHANCEボタン」や、「プッシュボタン」等と呼ばれるものである。演出ボタン1062は、遊技者によって操作される操作機能の他、所定の演出機能を有してもよい。所定の演出機能としては、例えば後述する特別図柄の大当り判定の結果にもとづいて上方に突出するような機能が相当する。
下皿1028は、主に上皿1026から溢れた遊技球を貯留するためのものである。下皿1028には、払出口1063が設けられる。上皿1026から溢れた遊技球は、払出口1063から下皿1028に払い出される。
発射装置1015は、上皿1026に貯留された遊技球を、遊技領域20に向けて発射するためのものである。発射装置1015は、ベースドア1012の前右下部であって、皿ユニット1014の右下方に配置される。発射装置1015は、パネル体31、駆動装置(不図示)および発射ハンドル32を具備する。
パネル体31は、発射装置1015において皿ユニット1014の右下部と一体化されるものである。発射ハンドル32は、パネル体31の表面側に配置される。前記駆動装置は、パネル体31の裏面側に配置され、例えば発射ソレノイド(図示せず)により構成される。こうして、発射装置1015において、遊技者によって発射ハンドル32が操作されると、操作に応じた前記駆動装置の動作により遊技球が発射される。
表示装置1016は、特別図柄の大当り判定(以下、特別図柄の大当り判定を単に「大当り判定」と称することもある)の結果や、遊技に関する各種の演出画像を表示するものであり、例えば液晶表示装置が用いられる。表示装置1016の表示領域に表示される前記各種の演出画像には、例えば演出用識別図柄(装飾図柄)や、大当り判定の結果に応じた演出画像、大当り中の演出画像、デモ演出画像、特別図柄の変動表示(可変表示)の保留数等が含まれる。表示装置1016(例えば、液晶表示装置の表示領域)は、遊技盤ユニット1017の略中央(後述するセンターレール1742の内周側)に配置される。
なお、本実施形態では、上記各種の演出画像を表示するものとして一つの表示装置1016を備えているが、二つの液晶表示装置を設けて、当該二つの液晶表示装置を用いて演出画像を表示するようにしても良い。
また、図139に示すように、本実施形態のパチンコ遊技機1001は、主制御回路100(後述する図144参照)を有する主制御基板30と、サブ制御回路270(後述する図144参照)を有するサブ制御基板40と、遊技球の払出・発射を制御する払出・発射制御回路310(後述する図144参照)を有する払出・発射制御基板50と、電源を供給する電源供給回路338(後述する図144参照)を有する電源供給ユニット1060と、電源スイッチ35と、バックアップクリアスイッチ330(後述する図144参照)とがそれぞれ設けられている。
なお、本実施形態において、サブ制御基板40は、ワンボード基板(1つの基板に1つの制御LSIまたは複数のLSIが設けられた基板)として構成されているが、これに限られず、複数の基板(例えば、ホスト制御回路2100、音声・LED制御回路2200、表示制御回路2300等)で構成されていても良い。
本実施形態のパチンコ遊技機1001は、パチンコゲームにかかわる各種データが異なる複数の設定値(本実施形態では「1」〜「6」の6段階)が設けられている。設定「6」が遊技者に最も有利であり、設定値の値が小さくなるにつれて遊技者にとっての有利度も段階的に低くなる。
主制御基板30を収容する主基板ケース内には、設定値を変更する際に操作される設定スイッチ332、設定値を変更したり確認したりする際に操作される設定キー328、性能表示モニタ334およびエラー報知モニタ336(いずれも後述の図144参照)が収容されている。性能表示モニタ334には、例えば後述する性能表示データや設定値が表示される。エラー報知モニタ336には、例えば後述するエラーコード等が表示される。なお、設定スイッチ332および設定キー328が主制御基板ケース内に収容されているのは、セキュリティ面を考慮して、パチンコ遊技機1001の管理責任者(以下、「遊技機管理責任者」と称する)以外の第三者(例えば遊技者)が設定スイッチ332や設定キー328に容易にアクセスできないようにするためである。尚主基板ケース内とは、正に主基板ケースを開放しないと設定スイッチ332または/および設定キー328にアクセスできないものに加え、主基板ケースの設定スイッチ332および設定キー328の対応箇所にのみ切欠きがあり、遊技機管理責任者が管理する鍵を使用してパチンコ遊技機1001を設置している島設備から当該パチンコ遊技機1001を回動させて背面を露出させたときに、遊技機管理責任者が設定スイッチ332または/および設定キー328にアクセスできるようにされているものも含む。
なお、バックアップスイッチ330(後述の図144参照)であるRAMクリアスイッチ(後述の図296中のRAMクリアスイッチ6121)が設定スイッチ(後述の図144中の設定スイッチ332、後述の図296中の設定スイッチ6081)として機能するように制御するが、このとき、遊技機が島設備に設置されていない場合には、島設備による影響が無いため、遊技機管理責任者以外の者が簡単に遊技機の背面等で露出している設定スイッチへアクセスし、その後、島設備へと設置できるような状況が想定される。一方、島設備に遊技機が設置されていてもその島設備の種類によっては、設置された状態の遊技機の背面側に遊技機管理責任者以外の者が移動可能である場合も想定される。そのため、各々の状況下においてはパチンコ遊技機に対して遊技機管理責任者が管理する鍵を使用せずに、設定スイッチに対して簡単にアクセスすることが可能であると考えられる。それゆえ、このような場合には、遊技機管理責任者が管理する鍵を使用してパチンコ遊技機を回動させる(遊技機の前扉や本体部を回動させるなど)ことで初めて、回動する前から遊技機の背面等において露出している設定スイッチを使用して設定変更や設定確認を行えるように制御して、設定変更や設定確認に対する遊技機管理責任者による管理を正確なものとするようにしてもよい。なお、設定キー(後述の図144中の設定キー328、後述の図296中の設定キー6080)と、パチンコ遊技機を回動させるための鍵(ドアキーなど)とは、異なる鍵であることが望ましく、一方の鍵を用いただけでは設定変更や設定確認を行えないように制御することができる。
遊技盤ユニット1017は、保護ガラス1023の後方に位置するように、ベースドア1012の前方に配置される。遊技盤ユニット1017の前側面には、発射された遊技球が転動流下可能な遊技領域20が形成される。
図140〜図142に示すように、遊技盤ユニット1017は、発射された遊技球が転動流下可能な遊技領域20が形成される透明パネル172と、遊技領域20の略中央部に配置されるセンターユニット174と、普通電動役物ユニット400と、アタッカユニット500と、通過ゲート49と、裏ユニット176とを備える。センターユニット174、普通電動役物ユニット400、アタッカユニット500、および通過ゲート49は、透明パネル172の前方側に設けられる。裏ユニット176は、遊技盤ユニット1017を装飾するものであって、透明パネル172の後方側に設けられる。この裏ユニット176は、表示装置1016の表示領域の上部に配置される上部役物等(図142参照)の役物群1010を備える。これらの役物群1010のうち少なくとも一以上の役物または役物を構成する作動部材は、特別図柄抽選の結果にもとづいて動作可能な演出役物として機能するため、以下において演出役物と称することもある。
なお、この明細書において、大当り判定および後述する小当り判定の両方を含む総称を特別図柄抽選と称するが、「大当り判定」を「特別図柄抽選」と称したり、「特別図柄抽選」を「特別図柄判定」と称することもある。
透明パネル172には、後述する表示装置1016の表示領域が配置される部位に開口1722が形成されている。図140および図142に示すように、透明パネル172の前面には、ガイドレール1027が設けられるとともに遊技釘等が植設されている。発射装置1015から発射された遊技球は、ガイドレール1027から遊技領域20に向けて飛び出し、遊技釘等と衝突して進行方向を変えながら遊技領域20の下方に向けて流下する。
ガイドレール1027は、2つのレール状の部材(以下では、「外レール1027a」および「内レール1027b」と称する。)により構成される。遊技領域20は、ガイドレール1027によって区画(画定)される。内レール1027bは、外レール1027aと共に、発射された遊技球を遊技領域20の上部に案内するためのものである。内レール1027bは、透明パネル172の左側において外レール1027aの内側に配置される。
センターユニット174は、透明パネル172の開口1722の上方(表示装置1016の表示領域の上方)にセンターレール1742を備えており、正面視で円弧状に形成されている。センターレール1742は、遊技領域20の上部に配置されており、遊技領域20における遊技球の流下領域を、当該センターレール1742の左右に区分けするものである。
発射装置1015によって発射された遊技球は、センターレール1742の左右に区分けされて遊技領域20を流下し、遊技領域20を流下する遊技球は、遊技盤ユニット1017(詳しくは透明パネル172)に植設された遊技釘等との衝突により、進行方向を変えながら下方へ向けて流下する。発射された遊技球は、発射ハンドル32の操作量に応じて流下領域が振り分けられる。具体的には、発射ハンドル32の操作量が小さい場合、発射された遊技球はセンターレール1742の左側領域を流下する。一方、発射ハンドル52の操作量が大きい場合、発射された遊技球はセンターレール1742の右側領域を流下する。なお、センターレール1742の左側領域に遊技球を流下させる打ち方は所謂「左打ち」と呼ばれ、センターレール1742の右側領域に遊技球を流下させる打ち方は所謂「右打ち」と呼ばれ、遊技者によって打ち分け可能とされている。
アタッカユニット500は、第1始動口420、大入賞口540および特別電動役物600を一体化したユニット体である。アタッカユニット500は、遊技領域20内の略右下部であって、通過ゲート49の下方に配置される。
大入賞口540は、遊技者に有利な遊技状態である大当り遊技状態の場合に開放可能な部分である。大入賞口540には、カウントスイッチ541が配設される(図144参照)。大入賞口540に遊技球が入賞すると、当該入賞した遊技球がカウントスイッチ541に検知される。カウントスイッチ541に遊技球が検知されると、予め設定された数の遊技球が払出口1061から上皿1026(又は、払出口1063から下皿1028)に払い出される。
特別電動役物600は、前後方向に進退可能なシャッタ610および当該シャッタ610を駆動する大入賞口ソレノイド620(図144参照)を具備する。特別電動役物600は、大入賞口540の上方に配置される。特別電動役物600は、大入賞口ソレノイド620によりシャッタ610が駆動されることによって、大入賞口540への遊技球の入賞を可能(又は容易)とする開放状態と、大入賞口540への遊技球の入賞を不可能(又は困難)とする閉鎖状態と、に移行(駆動)可能に構成される。特別電動役物600(シャッタ610)による開放駆動は、第1始動口420又は後述する第2始動口440に遊技球が入賞したときに行われる大当り判定の結果に基づいて、大当り遊技状態に移行された場合に行われる。なお、第1始動口420又は後述する第2始動口440に遊技球が入賞したときに行われる大当り判定の結果は、第1特別図柄表示部1073又は第2特別図柄表示部1074において、特別図柄の停止表示態様によって示される。
なお、この明細書において、単に「特別図柄」と称するときは、第1特別図柄および第2特別図柄の両方を意味するものとする。ただし、本実施形態では特別図柄の数が2つ(第1特別図柄、第2特別図柄)であるが、特別図柄の数は1つであっても良い。
第1始動口420は、遊技球の入賞(通過)を条件に大当り判定の契機を与えると共に、大当り判定の結果を、表示装置1016や、後述する第1特別図柄表示部1073に表示させる契機を与えるものである。第1始動口420には、第1始動口スイッチ421が配設される(図144参照)。第1始動口420に遊技球が入賞すると、当該入賞した遊技球が第1始動口スイッチ421に検知される。第1始動口スイッチ421に遊技球が検知されると、パチンコ遊技機1001の内部(図144に示すメインCPU101)において大当り判定が行われると共に、予め設定された数の遊技球が払出口1061から上皿1026に又は払出口1063から下皿1028に払い出される(排出される)。なお、第1始動口420への遊技球の入賞は、左打ちによって行われる。
普通電動役物ユニット400は、第2始動口440、アウト口450および普通電動役物460を一体化したユニット体である。普通電動役物ユニット400は、遊技領域20の略左下部に配置される。第2始動口440とアウト口450とは互いに隣接して配置されており、第2始動口440が正面視で右側に、アウト口450が正面視で左側に配置されている。従来、普通電動役物ユニット400は例えば第1始動口420の下方に配置されるものが多かった。しかし、近年、表示装置1016をより大型化することが要求されており、第1始動口420の下方に配置することが困難となっている。そこで本実施形態のパチンコ遊技機1001では、遊技領域20の略左下部に普通電動役物ユニット400を配置するようにしている。
第2始動口440は、遊技球の入賞(通過)を条件に大当り判定の契機を与えると共に、大当り判定の結果を、表示装置1016や、後述する第2特別図柄表示部1074に表示させる契機を与えるものである。第2始動口440には、第2始動口スイッチ441が配設される(図144参照)。第2始動口440に遊技球が入賞すると、当該入賞した遊技球が第2始動口スイッチ441に検知される。第2始動口スイッチ441に遊技球が検知されると、パチンコ遊技機1001の内部(図144に示すメインCPU101)において大当り判定が行われると共に、予め設定された数の遊技球が、払出口1061から上皿1026に又は払出口1063から下皿1028に払い出される(排出される)。第2始動口440は、普通電動役物460によって入賞困難性が決定される。なお、第2始動口440への遊技球の入賞は、原則として右打ちによって行われる。
普通電動役物460は、右方向に回動可能な羽根部材4620、始動口ソレノイド4630(例えば、図144参照)および当該始動口ソレノイド4630の動力を羽根部材4620に伝達する動力伝達機構(不図示)を具備する。普通電動役物460は、始動口ソレノイド4630により羽根部材4620が駆動されることによって、遊技球の通過が容易な開放状態と遊技球の通過が困難な閉鎖状態との間で移行(駆動)可能に構成される。羽根部材4620が駆動されているときに当該羽根部材4620の上方を遊技球が通過すると、当該遊技球は、第2始動口440に入賞するか、アウト口450からパチンコ遊技機1001の外部に排出される。普通電動役物460(羽根部材4620)による開閉駆動は、普通図柄表示部1071において普通図柄が特定の停止表示態様となった場合に、所定の期間および回数だけ行われる。
通過ゲート49は、遊技球の入賞(通過)を条件に普通図柄判定(この明細書において「普通図柄抽選」と称することもある)の契機を与えるものである。通過ゲート49は、センターユニット174の下方右側であって、アタッカユニット500の上方右側に配置される。通過ゲート49には、通過ゲートスイッチ49aが配設される(図144参照)。通過ゲート49に遊技球が通過すると、当該通過した遊技球が通過ゲートスイッチ49aに検知される。通過ゲートスイッチ49aに遊技球が検知されると普通図柄判定用乱数が抽出され、抽出された普通図柄判定用乱数は所定数(例えば最大4個)まで保留される。メインCPU101(図137参照)は、保留された普通図柄判定用乱数を順に用いて普通図柄判定を行う。なお、通過ゲート49への遊技球の通過は、右打ちによって行われる。
アタッカユニット500は、第1始動口420、大入賞口540および特別電動役物600を一体化したユニット体である。アタッカユニット500は、遊技領域20の略右下部に配置される。アタッカユニット500が遊技領域20の略右下部に配置されるのは、近年、表示装置1016をより大型化することが要求されており、アタッカユニット500等の各種部材を遊技領域20に配置するには、かかる大型化された表示装置1016を回避する必要があるためである。
大入賞口540は、遊技者に有利な遊技状態である大当り遊技状態の場合に開放可能な部分である。大入賞口540には、カウントスイッチ541が配設される(図144参照)。大入賞口540に遊技球が入賞すると、当該入賞した遊技球がカウントスイッチ541に検知される。カウントスイッチ541に遊技球が検知されると、予め設定された数の遊技球が払出口1061から上皿1026(又は、払出口1063から下皿1028)に払い出される(排出される)。
特別電動役物600は、前後方向に進退可能なシャッタ610および当該シャッタ610を駆動する大入賞口ソレノイド620(図144参照)を具備する。特別電動役物600は、大入賞口540の上方に配置される。特別電動役物600は、大入賞口ソレノイド620によりシャッタ610が駆動されることによって、大入賞口540への遊技球の入賞を可能(又は容易)とする開放状態と、大入賞口540への遊技球の入賞を不可能(又は困難)とする閉鎖状態と、に移行(駆動)可能に構成される。特別電動役物600(シャッタ610)による開放駆動は、第1特別図柄表示部1073又は第2特別図柄表示部1074において特別図柄が特定の停止表示態様となって、大当り遊技状態に移行された場合に行われる。
一般入賞口1053・1054・1055は遊技盤ユニット1017の左下部に配置され、一般入賞口1056は遊技盤ユニット1017の右下部に配置される。また、一般入賞口1053・1054・1055・1056には、一般入賞口スイッチ1053a・1054a・1055a・1056aが配設される(図144参照)。一般入賞口1053・1054・1055・1056に遊技球が入賞すると、当該入賞した遊技球が一般入賞口スイッチ1053a・1054a・1055a・1056aに検知される。一般入賞口スイッチ1053a・1054a・1055a・1056aに遊技球が検知されると、予め設定された数の遊技球が払出口1061から上皿1026(又は、払出口1063から下皿1028)に払い出される(排出される)。
なお、本実施形態においては、第1始動口420および第2始動口440の賞球数は3個、一般入賞口1053・1054・1055・1056の賞球数は10個、大入賞口540の賞球数は15個にそれぞれ設定されている。この値(賞球数)は、任意に設計変更可能である。
アウト口57は、遊技領域20の中央最下部(遊技球の流下方向における最下流位置)に配置される。アウト口57は、発射された遊技球が、いずれの始動口や入賞口にも入賞しなかった場合に、最終的に流入される。
LEDユニット1070は、遊技盤ユニット1017の右下部であって、ガイドレール1027の外側に配置される(図140、図141参照)。LEDユニット1070は、各種の表示部を一体化したユニット体である。具体的には、LEDユニット1070は、前記各種の表示部として、普通図柄表示部1071、普通図柄用保留表示部1072、第1特別図柄表示部1073、第2特別図柄表示部1074、第1特別図柄用保留表示部1075および第2特別図柄用保留表示部1076を具備する。
普通図柄表示部1071は、普通図柄ゲームに対する判定(普通図柄判定)の結果を表示するものである。ここで、普通図柄ゲームとは、判定(普通図柄判定)の結果によって普通電動役物460を駆動して開放状態とするか否かを決定するゲームを指す。普通図柄表示部1071は、表示LED1071a・1071bを具備する。表示LED1071a・1071bは、変動表示(可変表示)の開始条件が成立すると、交互に点灯・消灯を繰り返す変動表示を開始する。表示LED1071a・1071bの点灯・消灯による組み合わせ(表示パターン)は、普通図柄として表示される。表示LED1071a・1071bは、変動表示を開始した後、所定の期間経過後に停止表示を行う。
判定(普通図柄判定)の結果が当り(以下「普通図柄当り」と称する)である場合、表示LED1071a・1071bの点灯・消灯の組み合わせ(普通図柄)が特定の停止表示態様となる。こうして、普通図柄が特定の停止表示態様で停止表示されると、普通電動役物460を開放状態とすることが決定し、普通電動役物460が所定のパターンで開閉駆動し、第2始動口440への遊技球の入賞困難性が変更される。
普通図柄用保留表示部1072は、保留されている普通図柄の変動表示の実行回数(以下、「普通図柄の変動表示の保留数」と称する)を表示するものである。普通図柄用保留表示部1072は、表示LED1072a・1072bを具備する。普通図柄用保留表示部1072は、表示LED1072a・1072bの点灯・消灯の組み合わせによって普通図柄の変動表示の保留数を表示する。例えば、普通図柄の変動表示の実行が1回分保留されている場合には、表示LED1072aが点灯すると共に、表示LED1072bが消灯する。また、普通図柄の変動表示の実行が2回分保留されている場合には、表示LED1072aが点灯すると共に、表示LED1072bが点灯する。また、普通図柄の変動表示の実行が3回分保留されている場合には、表示LED1072aが点滅すると共に、表示LED1072bが点灯する。また、普通図柄の変動表示の実行が4回分保留されている場合には、表示LED1072aが点滅すると共に、表示LED1072bが点滅する。
第1特別図柄表示部1073および第2特別図柄表示部1074は、特別図柄ゲームに対する判定(大当り判定)の結果を表示するものである。ここで、特別図柄ゲームとは、判定(大当り判定)の結果によって遊技状態の移行又は維持を決定するゲームを指す。
第1特別図柄表示部1073は、8個のLEDからなる表示LED群1073aを具備する。表示LED群1073aは、第1始動口420への遊技球の入賞(始動入賞)を契機として変動表示を行うと共に、当該遊技球の入賞に基づく大当り判定の結果を表示する。表示LED群1073aは、変動表示の開始条件が成立すると、8個のLEDがそれぞれ点灯・消灯を繰り返す変動表示を開始する。表示LED群1073aにおいて、8個のLEDの点灯・消灯による組み合わせ(表示パターン)は、特別図柄として表示される。表示LED群1073aは、変動表示を開始した後、所定の期間経過後に停止表示を行う。
第1始動口420への遊技球の入賞に基づく大当り判定の結果が大当りである場合、表示LED群1073aの8個のLEDの点灯・消灯の組み合わせ(特別図柄)が特定の停止表示態様となる。こうして、特別図柄が特定の停止表示態様で停止表示されると、遊技状態の移行が決定し、シャッタ610が所定のパターンで開閉駆動し、大入賞口540に遊技球が入賞可能な遊技状態となる。なお、以下の説明では、第1始動口420への遊技球の入賞に基づいて第1特別図柄表示部1073に変動表示される特別図柄を、第1特別図柄と称する。
第2特別図柄表示部1074は、8個のLEDからなる表示LED群1074aを具備する。表示LED群1074aは、第2始動口440への遊技球の入賞(始動入賞)を契機として変動表示を行うと共に、当該遊技球の入賞に基づく大当り判定の結果を表示する。表示LED群1074aは、変動表示の開始条件が成立すると、8個のLEDがそれぞれ点灯・消灯を繰り返す変動表示を開始する。表示LED群1074aにおいて、8個のLEDの点灯・消灯による組み合わせ(表示パターン)は、特別図柄として表示される。表示LED群1074aは、変動表示を開始した後、所定の期間経過後に停止表示を行う。
第2始動口440への遊技球の入賞に基づく大当り判定の結果が大当りである場合、表示LED群1074aの8個のLEDの点灯・消灯の組み合わせ(特別図柄)が特定の停止表示態様となる。こうして、特別図柄が特定の停止表示態様で停止表示されると、遊技状態の移行が決定し、シャッタ610が所定のパターンで開閉駆動し、大入賞口540に遊技球が入賞可能な遊技状態となる。なお、以下の説明では、第2始動口440への遊技球の入賞に基づいて第2特別図柄表示部1074に変動表示される特別図柄を、第2特別図柄と称する。
このように、第1特別図柄表示部1073および第2特別図柄表示部1074の表示LED群1073a・1074aにおいて、第1又は第2特別図柄が特定の停止表示態様で停止表示されると、通常の遊技状態(通常遊技状態)から遊技者に有利な状態である大当り遊技状態への移行が決定する。なお、本実施形態において、大当り判定は、第1始動口420への遊技球の入賞に基づく大当り判定と、第2始動口440への遊技球の入賞に基づく大当り判定と、が含まれる。すなわ+ち、大当り判定の結果が大当りである場合には、大入賞口540が開放されるラウンド遊技が所定ラウンド数にわたって実行される大当り遊技状態に移行される。
第1特別図柄用保留表示部1075および第2特別図柄用保留表示部1076は、保留されている特別図柄の変動表示の実行回数(以下、「特別図柄の変動表示の保留数」と称する)を表示するものである。第1特別図柄用保留表示部1075は、表示LED1075a・1075bを具備する。第2特別図柄用保留表示部1076は、表示LED1076a・1076bを具備する。第1特別図柄用保留表示部1075および第2特別図柄用保留表示部1076は、表示LED1075a・1075bおよび1076a・1076bの点灯・消灯によって特別図柄の変動表示の保留数を表示する。表示LED1075a・1075bおよび1076a・1076bの点灯・消灯の表示態様は、普通図柄用保留表示部1072の表示LED1072a・1072bと同様である。
[1−2.電気的構成]
次に、図144〜図154を用いて、パチンコ遊技機1001の制御回路について説明する。
図144に示すように、パチンコ遊技機1001は、主に、遊技の制御を行う主制御回路100と、遊技の進行に応じた演出の制御を行うサブ制御回路270と、払出・発射制御回路310と、電源供給回路338と、から構成される。以下に、これらの各構成について、便宜上、主制御回路100、払出・発射制御回路310、電源供給回路338、サブ制御回路270の順に説明する。
[1−2−1.主制御回路]
主制御回路100は、メインCPU101、メインROM102(読み出し専用メモリ)およびメインRAM103(読み書き可能メモリ)等を具備しており、主基板ケース内に収容されている。
メインCPU101には、メインROM102や、メインRAM103等が接続される。メインCPU101は、メインROM102に記憶されたプログラムに従って、各種の処理を実行する機能を有する。
メインROM102には、メインCPU101によりパチンコ遊技機1001の動作を制御するためのプログラムや、各種のテーブル等が記憶されている。
メインRAM103は、メインCPU101の一時記憶領域として種々のフラグや変数の値を記憶する機能を有し、無通電状態であっても書き込まれた情報を記憶保持可能である。なお、本実施形態においては、メインCPU101の一時記憶領域として、無通電状態であっても書き込まれた情報を記憶保持可能なメインRAM103を用いているが、これに限らず、読み書き可能な記憶領域を有するものであればよい。
メインRAM103には、特別図柄ゲームの情報が始動情報として記憶される記憶領域が設けられる。具体的には、メインRAM103には、変動中の第1特別図柄に対応する特別図柄ゲームの情報が始動情報として記憶される第1特別図柄始動記憶領域(0)と、上限4回分の第1特別図柄に対応する特別図柄ゲームの情報が始動記憶として記憶される第1特別図柄始動記憶領域(1)から第1特別図柄始動記憶領域(4)と、が設けられる。また同様に、メインRAM103には、変動中の第2特別図柄に対応する特別図柄ゲームの情報が始動情報として記憶される第2特別図柄始動記憶領域(0)と、上限4回分の第2特別図柄に対応する特別図柄ゲームの情報が始動情報として記憶される第2特別図柄始動記憶領域(1)から第2特別図柄始動記憶領域(4)と、が設けられる。
また、主制御回路100は、電源投入時においてリセット信号を生成する初期リセット回路104や、I/Oポート105、コマンド出力ポート106、バックアップコンデンサ107等を具備する。初期リセット回路104は、メインCPU101に接続される。I/Oポート105は、各種のデバイスからの入力信号をメインCPU101に送信したり、メインCPU101からの出力信号を各種の装置に送信したりするものである。コマンド出力ポート106は、メインCPU101からのコマンドをサブ制御回路270に送信するものである。バックアップコンデンサ107は、電断(電源OFF)時において、例えばメインRAM103に対して速やかに電源を供給することにより、メインRAM103に記憶されている各種データを保持するものである。
また、主制御回路100には、各種の装置(部材)が接続されている。
例えば、主制御回路100には、普通図柄表示部1071や、普通図柄用保留表示部1072、第1特別図柄表示部1073、第2特別図柄表示部1074、第1特別図柄用保留表示部1075、第2特別図柄用保留表示部1076、普通電動役物460の羽根部材4620を駆動する始動口ソレノイド4630、シャッタ610を駆動する大入賞口ソレノイド620等が接続されている。主制御回路100は、信号を送信することにより、これらの装置(部材)の動作を制御することができる。また、主制御回路100には、ホール係員を呼び出す機能や大当り回数を表示する機能等を有する呼出装置(不図示)や、ホール全体のパチンコ遊技機を管理するホールコンピュータ700にデータ送信するために用いる外部端子板323が接続されている。
また、主制御回路100には、第1始動口スイッチ421や、第2始動口スイッチ441、通過ゲートスイッチ49a、カウントスイッチ541、一般入賞口スイッチ1053a・1054a・1055a・1056a、性能表示モニタ334等が接続されている。主制御回路100には、これらの部材で遊技球が検知された場合に、当該部材から所定の検知信号が供給される。また、主制御回路100には、電断時におけるバックアップデータを遊技場の管理者の操作に応じてクリアするバックアップクリアスイッチ330等が接続されている。
さらに、主制御回路100には、設定キー328および設定スイッチ332も接続されている。設定キー328は、後述の設定変更処理や設定確認処理を実行するための契機となる鍵または鍵に類するものである。設定スイッチ332は、押下操作可能であり、後述の設定変更処理の際に、セットされている設定値を変更するためのものである。上述したとおり、設定キー328および設定スイッチ332は、遊技機管理責任者以外の第三者(例えば遊技者)が容易にアクセスできないように主基板ケース内に収容されている。
また、主制御回路100には、払出・発射制御回路310が接続されている。払出・発射制御回路310には、遊技球の払い出しを行う払出装置350や、遊技球の発射を行う発射装置1015、カードユニット360等が接続されている。払出装置350は、払出ユニット18に設けられる。カードユニット360には、球貸し操作パネル370が接続され、当該球貸し操作パネル370への遊技者の操作に応じた信号が供給される。
[1−2−2.払出・発射制御回路]
払出・発射制御回路310は、主制御回路100から供給される賞球制御コマンドや、カードユニット360から供給される貸し球制御信号を受け取ると、払出装置350に対して所定の信号を送信し、払出装置350に遊技球を払い出させる制御を行う。また、払出・発射制御回路310は、発射ハンドル32が遊技者によって握持され、かつ、時計回り方向へ回動操作されると、その回動角度(回動量)に応じて発射ソレノイド(図示せず)に電力を供給し、遊技球を発射させる制御を行う。
さらに、コマンド出力ポート106には、サブ制御回路270(中継基板4010)が接続されている。サブ制御回路270は、主制御回路100から供給される各種のコマンドに応じて、表示装置1016における表示制御や、スピーカ1024から発生させる音声に関する制御、LED1025の光に関する制御等を行う。
なお、本実施形態においては、主制御回路100からサブ制御回路270にコマンドを供給する一方、サブ制御回路270から主制御回路100に信号を供給できないように構成したが、これに限らず、サブ制御回路270から主制御回路100に信号を送信できるように構成してもよい。
払出・発射制御回路310は、パチンコ遊技機1001からの賞球や貸球の払い出しを制御するものであり、この払出・発射制御回路310には、遊技球を払い出すための払出装置350、遊技球を発射するための発射装置1015、電断時におけるバックアップデータを遊技場の管理者の操作に応じてクリアするバックアップクリアスイッチ330等が接続されている。
[1−2−3.電源供給回路]
電源供給回路338は、パチンコ遊技機1001で遊技を行うために必要な電源電圧を、主制御回路100、サブ制御回路270、払出・発射制御回路310等に供給するために作成する電源回路である。
電源供給回路338には、電源スイッチ35等が接続されている。電源スイッチ35は、パチンコ遊技機1001に必要な電源を供給するときにON操作するものである。
なお、設定キー328および設定スイッチ332は、上述したように主制御回路100に接続されているが、これに代えて、電源供給回路338に接続されるようにしても良い。この場合であっても、遊技機管理責任者以外の第三者(例えば遊技者)が設定スイッチ332や設定キー328に容易にアクセスできないように、所定のケース内に収容されていることが好ましい。このような場合であっても、所定のケース内とは、正に当該ケースを開放しないと設定スイッチ332や設定キー328にアクセスできないものに加え、上記ケースの設定スイッチ332および設定キー328の対応箇所にのみ切欠きがあり、遊技機管理責任者が管理する鍵を使用してパチンコ遊技機1001を設置している島設備から当該パチンコ遊技機1001を回動させて背面を露出させたときに、遊技機管理責任者が設定スイッチ332または/および設定キー328にアクセスできるようにされているものも含む。
ここで、性能表示モニタ334に表示される表示内容について説明する。性能表示モニタ334には、メインCPU101の制御により性能表示データが表示される。性能表示データは、例えば、所定数(例えば60000発)の遊技球の発射に対して大当り遊技状態以外で払い出された遊技球の割合を示すデータであり、ベース値とも呼ばれる。
払出・発射制御回路310は、過去の遊技履歴に基づいてベース値を集計し、集計結果をメインRAM103の作業領域のうち後述する特定作業領域に記憶する。この特定作業領域については後述するが、後述のバックアップクリア処理が行われてもデータがクリアされない領域である。なお、ベース値の集計は、所定の操作が行われたことに基づいて行われるようにしても良いし、常に集計を行って性能表示モニタ334にベース値が常時表示されるようにしても良い。
払出・発射制御回路310は、初期電源投入(パチンコ遊技機1001が製造されたのち初めての電源投入)から現在までの全遊技履歴に基づいて全ベース値の集計を実行する全履歴集計手段と、設定値毎の過去の遊技履歴に基づいて設定値別ベース値の集計を実行する設定値別履歴集計手段とを備える。
例えば遊技機管理責任者等によって全ベース値の表示操作が行われると、全履歴集計手段は、上記の全ベース値の集計を実行する。全履歴集計手段により集計された全ベース値は、メインCPU101によって性能表示モニタ334に表示される。また、設定値別ベース値の表示操作が行われると、設定値別履歴集計手段は、設定値別ベース値の集計を実行する。設定値別履歴集計手段により集計された設定値別ベース値は、メインCPU101によって性能表示モニタ334に表示される。
設定値別履歴集計手段は、要求(操作)に応じて、任意の設定値についてのベース値のみを集計することもできる。この場合、セットされている設定値についてのベース値だけでなく、セットされている設定値以外の他の設定値についてのベース値を集計することもできる。したがって、メインCPU101は、後述する設定変更処理を実行することなく、他の設定値についてのベース値を性能表示モニタ334に表示することができる。
なお、メインCPU101は、例えば遊技機管理責任者等による操作に応じて、全履歴集計手段により集計された全ベース値と、設定値別履歴集計手段により集計された設定値別ベース値との両方を性能表示モニタ334に表示することもできるし、これらのうちいずれか一方のみを選択的に性能表示モニタ334に表示することもできる。
また、メインCPU101は、特定の設定値のベース値のみを性能表示モニタ334に表示しても良いし、全設定値のベース値を一覧で表示しても良い。また、全ベース値と設定値別ベース値との両方を一覧で表示しても良い。全設定値のベース値を一覧で表示する場合や、全ベース値と設定値別ベース値との両方を一覧で表示する場合には、性能表示モニタ334と他の表示手段との両方を使って表示するようにしても良い。
また、メインCPU101は、全履歴集計手段と設定値別履歴集計手段とを備えるが、これらに加えてまたは設定値別履歴集計手段に代えて、後述する設定変更処理が実行されてから現在までの遊技履歴に基づいて設定変更後ベース値を集計する設定変更後履歴集計手段を備えるようにしても良い。この場合、メインCPU101は、設定変更後ベース値の表示操作に基づいて設定変更後の設定値別ベース値を性能表示モニタ334に表示することができる。
このように、全ベース値と、設定値別ベース値または/および設定変更後の設定値別ベース値とのうち全部または一部が性能表示モニタ334に表示されるようにすることで、パチンコ遊技機1001における過去の遊技履歴に基づく情報を容易に確認することが可能となる。
なお、本実施例ではベース値を性能表示モニタ334に表示するようにしたが、遊技球の総払出数に対し、特別電動役物(大入賞口)、普通電動役物への入球により払い出された遊技球数(役物による払出)の割合を表示するようにしてもよい。また、それは総発射数に対する表示でもよく、さらに特別電動役物(大入賞口)により払い出された遊技球数の割合を表示するものでもよい。またそれらを設定別に表示してもよい。
また、エラー報知モニタ336には、後述するエラーコードが表示される。このエラー報知モニタ336には、エラーコードの他に、後述する設定変更処理中であることを示す設定変更中コード、後述設定確認処理中であることを示す設定確認中コード等を表示することもできる。なお、設定変更中において、特別図柄表示装置において通常では表示することのない図柄(設定変更図柄)を表示するようにしてもよい。
[1−2−4.サブ制御回路]
次に、図145を参照しながら、サブ制御回路270の内部構成について、より詳細に説明する。なお、図145は、サブ制御回路270内部の回路構成、並びに、サブ制御回路270とその各種周辺装置との接続関係を示すブロック図である。
サブ制御回路270は、主制御回路100からの指令に応じて遊技の進行に応じた演出等を実行するものであり、図145に示すように、中継基板4010と、サブ基板2020
(第1基板)と、制御ROM基板2030と、CGROM(Character Generator ROM)基板2040(第2基板)とを備える。そして、サブ基板2020は、中継基板4010、制御ROM基板2030及びCGROM基板2040に接続される。なお、サブ制御回路270内において、サブ基板2020と各種ROM基板(制御ROM基板2030及びCGROM基板2040)とは、ボード・トゥ・ボードコネクタ(不図示)を介して接続される。
なお、サブ制御回路270には、図144に示すように、演出ボタン1062の操作によってON/OFFされる演出ボタンスイッチ621、メインボタン662の操作によってON・OFFされるメインボタンスイッチ6621、各セレクトボタン664a〜664dの操作によってON・OFFされるセレクトボタンスイッチ6641a〜6641d、及び、役物群1010が初期位置にあることを検出する役物検知センサ群1002が接続されているが、図145ではこれらの図示を省略している。また、実際には、各セレクトボタン664a〜664dに対応するセレクトボタンスイッチ6641a〜6641dが夫々設けられているが、図144では、便宜上、これらをまとめてセレクトボタンスイッチ6641と示している。また、役物検知センサ群1002は、可動役物に対応して設けられるモータの数だけ設けられている。
中継基板4010は、主制御回路100から送信されたコマンドを受信し、該受信したコマンドをサブ基板2020に送信するための中継基板である。
なお、主制御回路100から送信されたコマンドを受信する受信手段として、サブ制御基板が上述したワンボード基板である場合には、サブ制御基板そのものが受信手段としての機能を有するようにしても良いし、中継基板等を介して結果的にコマンドを受信できるようにしても良い。
また、サブ制御基板が複数の基板で構成される場合には、いずれの基板が受信手段を備えていてもよく、この場合であっても、サブ制御基板が受信手段を有していると解釈することができる。また、この場合においても、複数の基板で構成されるサブ制御基板が中継基板等を介してコマンドを受信する場合にも、結果的にサブ制御基板を構成するいずれかの基板がコマンドにかかわる情報を認識していれば、サブ制御基板がコマンドを受信したと表現することも可能である。
サブ基板2020には、ホスト制御回路2100、音声・LED制御回路2200、表示制御回路2300、SDRAM(Synchronous Dynamic RAM)2500及び内蔵中継基板2600が設けられる。このうち、少なくとも、ホスト制御回路2100、音声・LED制御回路2200および表示制御回路2300については1ボード基板として構成されている。
ホスト制御回路2100は、主制御回路100から送信される各種のコマンドに基づいて、サブ制御回路270全体の動作を制御する回路であり、CPUプロセッサ、サブワークRAM2100a、SRAM2100b、RTC(リアルタイムクロック)、ウォッチドッグタイマを含んで構成される。ホスト制御回路2100は、サブ基板2020内において、音声・LED制御回路2200、表示制御回路2300及び内蔵中継基板2600に接続される。また、ホスト制御回路2100は、制御ROM基板2030に接続される。
また、ホスト制御回路2100は、サブワークRAM2100a及びSRAM(Static RAM)210bを有する。サブワークRAM2100aは、ホスト制御回路2100が各種処理を実行する際の作業用一時記憶領域と作用する記憶装置であり、ホスト制御回路2100が各種処理を実行する際に必要となる種々のフラグや変数の値などを記憶する。SRAM2100bは、サブワークRAM2100a内の所定のデータをバックアップする記憶装置である。なお、本実施形態では、ホスト制御回路2100の一時記憶領域としてRAMを用いるが、本発明はこれに限定されず、読み書き可能な記憶媒体であれば任意の記録媒体を一時記憶領域として用いてよい。
音声・LED制御回路2200は、内蔵中継基板2600を介してスピーカ1024及びランプ群1025に接続され、ホスト制御回路2100から入力される制御信号(後述のサウンドリクエスト及びLEDリクエスト)に基づいて、スピーカ1024による音声再生動作の制御及びランプ群1025による発光動作の制御を行う回路である。それゆえ、機能的には、音声・LED制御回路2200は、音声コントローラ2200aと、ランプコントローラ2200bとを有する。音声コントローラ2200a及びランプコントローラ2200bは、実質、後述のサウンド・ランプ制御モジュール2260に含まれる。音声・LED制御回路2200の内部構成については、後で図面を参照しながら詳述する。
なお、本実施形態では、音声・LED制御回路2200から出力された制御信号及びデータ(例えば、後述のLEDデータ等)が内蔵中継基板2600を介してランプ群1025に送信される際、音声・LED制御回路2200及びランプ群1025間の通信は、SPI(Serial Periperal Interface)の通信方式(シリアル通信方式の一種)で行われる。また、本実施形態では、ランプ群1025には、1個以上のLED、及び、各LEDを制御するための1個以上のLEDドライバが含まれる。
表示制御回路2300は、表示装置1016に接続され、ホスト制御回路2100から入力される制御信号(描画リクエスト)に基づいて演出に関する画像(装飾図柄画像、背景画像、演出用画像等)を表示装置1016で表示させる際の各種処理動作を制御するための回路である。なお、表示制御回路2300は、ディスプレイコントローラ(後述の第1ディスプレイコントローラ2380及び第2ディスプレイコントローラ2390)と、内蔵VRAM(Video RAM)2370とを有する。
また、表示制御回路2300は、サブ基板2020内においてSDRAM2510に接続される。さらに、表示制御回路2300は、CGROM基板2040に接続される。また、表示制御回路2300内のディスプレイコントローラは、中継基板を介さず直接、表示装置1016に接続される。なお、表示制御回路2300の内部構成については、後で図面を参照しながら詳述する。
SDRAM2510は、DDR2(Double-Date Rate2) SDRAMで構成される。また、SDRAM2510には、表示装置1016により表示される画像(動画及び静止画)の描画制御処理において、各種画像データを一時的に格納する各種バッファが設けられる。具体的には、例えば、SDRAM2510には、テクスチャバッファ、ムービバッファ、ブレンドバッファ、2つのフレームバッファ(第1フレームバッファ及び第2フレームバッファ)、モーションバッファ等が設けられる。
内蔵中継基板2600は、ホスト制御回路2100及び音声・LED制御回路2200から出力された各種信号及び各種データを受信し、該受信した各種信号及び各種データをスピーカ1024、ランプ群1025及び役物群1010に送信する中継基板である。
また、内蔵中継基板2600は、I2C(Inter-Integrated Circuit)コントローラ2610及びデジタルオーディオパワーアンプ2620(増幅手段)を有する。なお、本実施形態では、I2Cコントローラ2610及びデジタルオーディオパワーアンプ2620が同じ中継基板に搭載された例を示すが、本発明はこれに限定されず、I2Cコントローラ2610を搭載した中継基板を、デジタルオーディオパワーアンプ2620を搭載した中継基板とは別個に設けてもよい。
I2Cコントローラ2610は、ホスト制御回路2100、及び、役物群1010のモータコントローラ2700に接続される。すなわち、ホスト制御回路2100は、I2Cコントローラ2610及びモータコントローラ2700を介して役物群1010に接続される。そして、ホスト制御回路2100から出力された制御信号及びデータ(例えば後述の励磁データ等)は、I2Cコントローラ2610及びモータコントローラ2700を介して役物群1010に入力される。
なお、本実施形態では、I2Cコントローラ2610及びモータコントローラ2700間の通信は、I2Cの通信方式(シリアル通信方式の一種)で行われる。また、本実施形態では、役物群1010内には、1個以上のモータが含まれ、モータコントローラ2700内には、各モータを駆動するための1個以上のモータドライバが含まれる。なお、図145には、役物群1010が1つだけ設けられた例を示すが、本発明はこれに限定されず、複数の役物群1010が設けられていてもよい。
また、本実施形態の構成において、モータコントローラ2700を使用せずにホスト制御回路2100が直接、役物群1010を構成する役物のうち作動する役物や役物を構成する作動部材のモータを駆動する構成にしてもよいし、モータ制御用の制御回路を別途設けてもよい。さらに、本実施形態では、1つの制御回路で複数のモータドライバ(モータ)を制御するようにしているが、本発明はこれに限定されない。本実施形態において、1以上(1又は複数)の制御回路により1以上(1又は複数)のモータ(モータドライバ)を制御する構成にしてもよいし、1以上(1又は複数)の制御回路により1つのモータ(モータドライバ)を制御する構成にしてもよいし、1つの制御回路により1つのモータ(モータドライバ)を制御する構成にしてもよい。
また、デジタルオーディオパワーアンプ2620は、音声・LED制御回路2200、及び、スピーカ1024に接続される。すなわち、音声・LED制御回路2200は、デジタルオーディオパワーアンプ2620を介してスピーカ1024に接続される。それゆえ、音声・LED制御回路2200から出力された音声信号等は、デジタルオーディオパワーアンプ2620を介してスピーカ1024に入力される。
制御ROM基板2030には、サブメインROM2050が設けられる。サブメインROM2050には、ホスト制御回路2100によりパチンコ遊技機1001の演出動作を制御するための各種プログラムや、各種データテーブル(後述の例えば図156〜図163参照)が記憶される。そして、ホスト制御回路2100(より詳しくは、ホスト制御回路2100が備えるCPUプロセッサ)は、サブメインROM2050に記憶されたプログラムに従って、各種の処理を実行する。
なお、本実施形態では、ホスト制御回路2100で用いるプログラムや各種テーブル等を記憶する記憶手段として、サブメインROM2050を適用したが、本発明はこれに限定されない。このような記憶手段としては、制御手段を備えたコンピュータにより読み取り可能な記憶媒体であれば別態様の記憶媒体を用いてもよく、例えば、ハードディスク装置、CD−ROM及びDVD−ROM、ROMカートリッジ等の記憶媒体を適用してもよい。また、プログラムの各々が別々の記憶媒体に記録されていてもよい。さらに、プログラムは、予め記録媒体に記録されていてもよいし、電源投入後に外部等からダウンロードされ、サブメインROM2050に記録されてもよい。
CGROM基板2040には、CGROM2060が設けられる。CGROM2060は、NOR型又はNAND型のフラッシュメモリにより構成される。また、CGROM2060には、例えば表示装置1016で表示される画像データや、スピーカ1024により再生される音声データ(この明細書においてサウンドデータと称することもある)などが記憶される。なお、この際、各種データは圧縮(符号化)されてCGROM2060に格納されるが、本発明はこれに限定されず、各種データが圧縮されずにCGROM2060に格納されていてもよい。
なお、本実施形態では、サブ制御回路270内において、各種ROM基板(制御ROM基板2030及びCGROM基板2040)とサブ基板2020とがボード・トゥ・ボードコネクタで接続される構成を説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、各種ROMをサブ基板2020に設けられたソケット等のポートに直接挿入して、ROM機能を備えた又はROMそのものを備えた一枚の基板によりサブ基板2020を構成してもよい。すなわち、サブ基板2020と各種ROMとを一体的に構成してもよい。また、ROM機能を備えた又はROMそのものを備えた一枚の基板によりサブ基板2020が構成されている場合には、サブ制御回路270は、CGROMとして使用されるメモリの種類に応じて使用するサブ基板上の回路を物理的或いは電気的に切り替える切り替え手段、又は、メモリの種類に応じて使用するサブ基板上の回路の情報を切り替える切り替え手段を備えていてもよい。
また、本実施形態では、各種記憶手段(サブメインROM2050、CGROM2060、内蔵VRAM2370、SDRAM2510)のそれぞれと、対応する制御回路との間におけるデータの通信速度の大小関係は、内蔵VRAM2370>SDRAM2510>サブメインROM2050≒CGROM2060となる。すなわち、本実施形態では、内蔵VRAM2370と表示制御回路2300内の各種回路との間の通信速度が最も早く、次いで、SDRAM2510と表示制御回路2300との間の通信速度が早くなる。そして、サブメインROM2050とホスト制御回路2100との間の通信速度、及び、CGROM2060と表示制御回路2300との間の通信速度が最も遅くなる。しかしながら、本発明はこれに限定されず、各種記憶手段のそれぞれと、対応する制御回路との間の通信速度の大小関係は任意に設定することができる。例えば、各種記憶手段のそれぞれと、対応する制御回路との間の通信速度の大小関係が、本実施形態と異なっていてもよいし、各記憶手段と、対応する制御回路との間の通信速度が全て同じであってもよい。
ここで、上述した各種記憶手段の取り得る構成について説明する。本実施形態では、画像データに関する情報(圧縮(符号化)された画像データ)の記憶手段が、画像データに対して透明度を設定する際に使用可能な透明度データに関する情報(後述のアルファテーブル)の記憶手段と同じ(CGROM2060)である構成例を説明した。すなわち、「第1情報格納手段」が、「第2情報格納手段」と物理的に同じである構成例を説明した。しかしながら、本発明は、これに限定されない。例えば「第1情報格納手段」が、「第2情報格納手段」と物理的に異なる記憶手段(記憶媒体)で構成されていてもよい。
また、本明細書でいう「情報格納手段」は、CGROM2060等の記憶手段だけでなく、該記憶手段に記憶されているテーブルや、記憶手段内のデータ記憶領域などを意味するものであってもよい。それゆえ、例えば、「第1情報格納手段」及び「第2情報格納手段」が、同じ記憶手段内における、互いに異なるデータ記憶領域であってもよいし、互いに異なるテーブルであってもよいし、また、互いに異なるレジスタアドレスに記憶されている態様であってもよい。すなわち、本明細書でいう「情報格納手段」が異なるとは、物理的に記憶手段(記憶媒体)が異なる場合だけでなく、物理的には同じ記憶手段(例えば、ROM、RAM等)であるが、該記憶手段内においてデータ領域(アドレス、レジスタ、テーブル、構造体などによって区別される記憶領域)が異なる場合も含む意味である。
なお、上述した本明細書における「情報格納手段」に関する意味は、上述した「第3情報格納手段」(SDRAM2510)及び「第4情報格納手段」(内蔵VRAM2370)にも適用可能である。それゆえ、例えば、「第1情報格納手段」〜「第4情報格納手段」は、物理的に互いに異なる記憶手段(記憶媒体)で構成されていてもよいし、「第1情報格納手段」〜「第4情報格納手段」が、一つの記憶手段内において、互いに異なるデータ領域(アドレス、レジスタ、テーブル、構造体などによって区別される記憶領域)で構成されていてもよい。
また、本実施形態では、「第1情報格納手段」及び「第2情報格納手段」を、一つの記憶手段(CGROM2060)内において、互いに異なるデータ領域で構成し、「第3情報格納手段」を、「第1情報格納手段」及び「第2情報格納手段」を含む記憶手段(CGROM2060)と物理的に異なる記憶手段(SDRAM2510)で構成し、且つ、「第4情報格納手段」を、「第1情報格納手段」及び「第2情報格納手段」を含む記憶手段(CGROM2060)、並びに、「第3情報格納手段」(SDRAM2510)と物理的に異なる記憶手段(内蔵VRAM2370)で構成する例を説明したが、本発明はこれに限定されない。「情報格納手段」をデータ領域及び記憶手段のいずれで構成するか、並びに、データ領域として定義される「情報格納手段」と、記憶手段として定義される「情報格納手段」との組み合わせをどのような態様にするかは、例えば遊技機に設けられる記憶手段の構成(個数や種別など)等に応じて適宜に設定することができる。例えば、本実施形態において、「第1情報格納手段」〜「第3情報格納手段」を、一つの記憶手段内の互いに異なるデータ領域で構成し、且つ、「第4情報格納手段」を「第1情報格納手段」〜「第3情報格納手段」を含む記憶手段と物理的に異なる記憶手段で構成してもよい。
[1−2−5.音声・LED制御回路]
次に、図146を参照しながら、音声・LED制御回路2200の内部構成について説明する。図146は、音声・LED制御回路2200の内部の回路構成、並びに、音声・LED制御回路2200とその各種周辺装置及び周辺回路部との接続関係を示すブロック図である。なお、図146では、説明を簡略化するため、音声・LED制御回路2200と各種周辺装置及び回路部との間に設けられる中継基板等の図示は省略する。
音声・LED制御回路2200は、図146に示すように、LSI(Large-Scale Integration)インターフェイス2210と、メモリインターフェイス2220と、デジタルオーディオインターフェイス2230と、ペリフェラルインターフェイス2240と、コマンドレジスタ2250と、サウンド・ランプ制御モジュール2260と、メインジェネレータ2270と、マルチエフェクタ2280とを備える。音声・LED制御回路2200内における各部の接続関係は、次の通りである。
音声・LED制御回路2200内において、サウンド・ランプ制御モジュール2260は、メモリインターフェイス2220、ペリフェラルインターフェイス2240、コマンドレジスタ2250、メインジェネレータ2270及びマルチエフェクタ2280に接続される。また、コマンドレジスタ2250は、サウンド・ランプ制御モジュール2260以外に、LSIインターフェイス2212に接続される。また、メインジェネレータ2270は、サウンド・ランプ制御モジュール2260以外に、メモリインターフェイス2220及びマルチエフェクタ2280に接続される。さらに、マルチエフェクタ2280は、サウンド・ランプ制御モジュール2260及びメインジェネレータ2270以外に、メモリインターフェイス2220及びデジタルオーディオインターフェイス2230に接続される。
次に、音声・LED制御回路2200内の各部の構成について説明する。
LSIインターフェイス2212は、ホスト制御回路2100とコマンドレジスタ2250との間で制御信号等(例えば、サウンドリクエスト、LEDリクエスト等)の入出力動作を行う際に用いられるインターフェイス回路である。すなわち、コマンドレジスタ2250は、LSIインターフェイス2212を介してホスト制御回路2100に接続される。
メモリインターフェイス2220は、サブメインROM2050と、サウンド・ランプ制御モジュール2260、メインジェネレータ2270及びマルチエフェクタ2280のそれぞれとの間で音声データ等の入出力動作を行う際に用いられるインターフェイス回路である。
デジタルオーディオインターフェイス2230は、マルチエフェクタ2280からスピーカ1024に音声信号等を出力する際に用いられるインターフェイス回路である。また、デジタルオーディオインターフェイス2230は、オーディオ入力信号をマルチエフェクタ2280に出力する。
ペリフェラルインターフェイス2240は、ランプ群1025とサウンド・ランプ制御モジュール2260との間でランプ信号等(後述のLEDデータ等)の入出力動作を行う際に用いられるインターフェイス回路である。また、ペリフェラルインターフェイス2240には、ランプ群1025に含まれるLEDドライバにデータ出力を行う際の物理系統(SPIチャンネル)として、3つの物理系統が設けられている。なお、本実施形態では、後述のように、2つの物理系統(物理系統0(SPIチャンネル0)及び物理系統1(SPIチャンネル1))を用いる。
コマンドレジスタ2250は、ホスト制御回路2100からアクセスされる多数のレジスタ群(例えば、多数の音声制御レジスタ)で構成される。コマンドレジスタ2250は、サウンド・ランプ制御モジュール2260、メインジェネレータ2270及びマルチエフェクタ2280の機能制御の設定を行う。また、コマンドレジスタ2250は、各インターフェイス(LSIインターフェイス2212、メモリインターフェイス2220、デジタルオーディオインターフェイス2230、ペリフェラルインターフェイス2240)の動作条件の設定も行う。
なお、コマンドレジスタ2250を構成する各レジスタには、IC(Integrated Circuit)が搭載され、メモリ・アクセス制御により動作を安定させたメモリチップにより各レジスタが構成される。このような構成のレジスタを用いた場合、各レジスタが接続された信号バスへの負担が小さくなるので、メモリ・チップ(レジスタ)を増やすことにより、容易に、メモリ・モジュール1枚当りの容量(コマンドレジスタ2250の容量)を増加させることができる。
サウンド・ランプ制御モジュール2260は、音声再生動作等を統括的に制御するものであり、コマンドレジスタ2250の設定内容に従い、音声・LED制御回路2200内の各構成部(各ブロック)の動作を制御する。サウンド・ランプ制御モジュール2260は、図146に示すように、シンプルアクセスコントローラ2260a、シーケンサ2260b、ランプ制御部2260c及びペリフェラル制御部2260dを有する。
シンプルアクセスコントローラ2260aは、コマンドを一括処理する回路部である。シーケンサ2260bは、ランプ点灯や音声などの自動再生動作を制御するための各種シーケンサ(自動再生機能部)を有する。そして、各シーケンサは、タイマーやステップ条件(例えば、後述のLEDアニメーションや音声などのシーケンス再生中のステップ処理毎に設定される条件)に従って、各種動作を制御する。
ランプ制御部2260cは、後述のLEDデータが設定可能な全チャンネル(8つのチャンネル)において、セットされる輝度値の計算を行い、その算出結果を外部(LEDドライバ)に送信する。また、ペリフェラル制御部2260dは、ランプ制御部2260cから出力された算出結果のデータをLEDドライバに送信する際の物理的な送信制御を行う。
メインジェネレータ2270は、音声信号を生成する回路部である。具体的には、メインジェネレータ2270は、サウンド・ランプ制御モジュール2260から入力された制御信号に基づいて、CGROM2060に記憶されている所定の音声データを取得し、該取得した音声データを所定の音声信号に変換する。このメインジェネレータ2270は、再生チャンネルCH1〜CH32に区分されて圧縮データを再生するデコーダ2270aと、音量を調整するチャンネルボリューム2270b(V1〜V4)と、デコーダ2270aの再生音を混合するチャンネルミックス部2270cと、最終的な混合動作を実行する再ミックス部2270dと、を有して構成されている。
マルチエフェクタ2280は、メインジェネレータ2270から入力される音声信号とデジタルオーディオインターフェイス2230から入力されるオーディオ入力信号とを合成するミキサーと、音声に対して各種音響効果を与えるための各種エフェクターとを有する。そして、マルチエフェクタ2280は、ミキサーで合成された音声信号、エフェクターからの出力信号等をデジタルオーディオインターフェイス2230を介してスピーカ1024に出力する。
図147は、音声・LED制御回路の出力信号を説明する図面である。CGROM2060には、最高8192種類のシーケンスコード群と、最高8192種類のSACデータ群が格納されている。シーケンスコードやSACデータは、各々、13ビット長のシーケンスコード番号やSAC番号で特定されており、8192=213の関係にある。
本実施例の場合、シーケンサ2260bとして、並列的に動作する16系列(SQ0〜SQ15)が設けられ、また、シンプルアクセルコントローラ2260aとして、並列的に動作する4系列(SAC0〜SAC3)が設けられている。この構成に対応して、コマンドレジスタ2250には、シーケンサ(SQ0〜SQ15)制御用の音声制御レジスタRGj2と、SAC(SAC0〜SAC3)制御用の音声制御レジスタRGj1とが設けられている。
そして、CPUプロセッサにより構成されるホスト制御回路2100が、音声コマンドの送信動作に基づいて、SAC制御用の所定の音声制御レジスタRGj1に、SAC番号と、その付属情報を書込むと、対応するシンプルアクセスコントローラ2260aが機能を開始し、そのシンプルアクセスコントローラ2260aは、SAC番号で特定される一群の設定データを、SACデータが指示する一群の音声制御レジスタに書込むことになる。本実施形態では、煩雑な設定動作を一のSAC番号とその付属情報の送信で終えることができる。
一方、CPUプロセッサにより構成されるホスト制御回路2100が、音声コマンドの送信動作に基づいて、シーケンサ2260b(SQ0〜SQ7)制御用の所定の音声制御レジスタRGj2に、シーケンスコード番号と、その付属情報を書込むと、対応するシーケンサSQiが機能を開始して、シーケンスコードで特定される一群の設定データを、シーケンスコードが指示する一群の音声制御レジスタに書込むことになる。
ここで、シーケンサ(SQ0〜SQ7)制御用の所定の音声制御レジスタRGj2には、任意のシーケンサSQiに対して、複数(最高8個)のシーケンスコード番号と、各シーケンスコード番号の演出に対するループ情報を記入できるようになっている。したがって、例えば、シーケンサSQiに対して、n+1個のシーケンスコード番号(X0,X1,・・・,Xn)が指定された場合には、シーケンスコード番号X0の設定動作→シーケンスコード番号X1の設定動作→・・・・シーケンスコード番号Xnの設定動作が順番に実行されることになり、設定動作に対応する音声演出が実行されることになる。
また、繰り返し回数などのループ情報は、シーケンスコード番号ごとに指定可能であるので、シーケンスコード番号で特定される音声演出を、所定回数繰り返した後に、次のシーケンスコード番号で特定される音声演出に移行することができる。
このように、シーケンサSQiに設定すべきデータは多岐にわたっており、これらシーケンスコード番号及び付随データを、シーケンサ制御用の音声制御レジスタRGj2に適宜に設定する必要がある。そこで、本実施例では、シーケンスコード番号および付随データの全体を1バイト単位で分割すると共に、分割された1バイトデータと、この1バイトデータを設定すべきシーケンサ制御用レジスタRGj2のレジスタアドレスとを一組とする一群のSACデータを、CGROM2060に確保している(以下、これをシーケンサ起動用SACデータという)。
そして、ホスト制御回路2100は、SAC制御用の音声制御レジスタRGj1に、所定のSAC番号を指定することで、シンプルアクセスコントローラ2260aを起動させている。ここで、SAC番号は、シーケンサ起動用SACデータを特定しているのは勿論である。そして、SAC(Simple Access Controller)の動作に基づいて、必要なデータを、シーケンサ制御用レジスタRGj2に展開させている。したがって、シーケンサSQ0〜SQ15の起動用データの設定動作が容易である。
ところで、図147に関して先に説明した通り、一のシーケンスコード番号で特定される一群のシーケンスコードには、ステップ終了コード(FFFEH)で区切った複数の動作単位(シーケンスステップ)が記載されているので、結局、一のシーケンスコード番号で特定される複数のシーケンスステップを全て実行した後に、次のシーケンスコード番号で特定される複数のシーケンスステップが実行されることになる。
そして、各シーケンサには待機時間を設定することもできるので、最初のシーケンスステップ(一群の設定データの書込み動作)は、CPUプロセッサにより構成されるホスト制御回路2100から指摘された待機時間後に開始され、ステップ終了コード(FFFEH)まで実行すると、更に、待機時間の後に、次の一群の設定データが一群の音声制御レジスタに書込まれる。なお、待機時間は、シーケンサ(SQ0〜SQ7)毎に、単一の時間情報が設定可能であるが、例えば、先行するシーケンスステップにおいて、これに連続する後続シーケンスステップに適用される待機時間を設定することで、シーケンスステップ毎の待機時間を任意に設定できる。
さらに、音声・LED制御回路2200の内部構成の説明を続けると、図146に示すように、チャンネルミックス部2270cの6チャンネルの出力信号(混合L0,混合R0,混合L1,混合R1,混合SUB0,混合SUB1)は、マルチエフェクタ2280において、コマンドレジスタ2250の所定の音声制御レジスタに規定された動作パラメータに基づくデジタルフィルタ処理がされた後、トータルボリューム2290(TV0〜TV3)に供給され、トータルボリューム値TVに基づいて増幅される。
トータルボリューム値TVは、対応する音声制御レジスタに書込まれる動作パラメータで規定されるが、この動作パラメータは、先に説明した通り、本実施例では、原則として、係員が操作する設定スイッチ(ハードウェアスイッチ)に基づいて規定される。但し、遊技者が遊技動作中(但し、音声演出待機中)に、音量スイッチを操作(画面操作)した場合には、その設定値に基づいてトータルボリュームTVが規定(変更)される。なお、遊技者が音量スイッチを操作した場合に、その設定値に基づいてトータルボリュームTVが規定されることに代えてまたは加えて、チャンネルボリューム2270b(V1〜V4)が規定(変更)されるようにしても良い。
[1−2−5−1.スピーカのボリューム制御]
次に、ホスト制御回路2100により実行される各スピーカ1024のボリューム制御について、図148を参照して説明する。図148は、ホスト制御回路によるボリューム制御の一例を説明するための制御ブロック図である。
各スピーカ1024(L0/R0/L1/R1、SUB0、SUB1)から出力される遊技音等の音は、全チャンネルに出力されるトータルボリュームTV0〜3の音声信号と、全チャンネルのうちそれぞれ個々のチャンネルに出力される再生チャンネル毎の音声信号とを掛け合わせることで、音声信号のボリューム値を段階的に遷移させるボリューム遷移動作により音量制御される。
なお、「音声信号」は、音量情報(例えばワット数等の情報)を有しており、単に「音量」と呼ぶこともできる。例えば、この明細書において、「再生チャンネル毎の音声信号」を、「再生チャンネル毎の音量」と呼ぶことがある。
トータルボリュームTV0〜3の音声信号は、ハードウェアスイッチによるボリューム制御2810による音声信号およびボリューム設定画面によるユーザーボリューム制御2820により出力される音声信号の総合値と、デバッグ時のデバッグボリューム制御2830により出力される音声信号とを掛け合わせて規定される。ハードウェアスイッチによるボリューム制御2810、ボリューム設定画面によるユーザーボリューム制御2820およびデバッグ時のデバッグボリューム制御2830を実行するホスト制御回路2100は、本願発明の「第1ボリューム制御手段」に相当する。
また、再生チャンネル毎のボリュームは、一次ボリュームの音声信号と二次ボリュームの音声信号とが掛け合わされる。一次ボリュームの音声信号は、ボリューム調整の影響を受ける第1の再生チャンネル一次制御2840により出力される音声信号およびボリューム調整の影響を受けない第2の再生チャンネル一次制御2850により出力される音声信号の総合値により規定される。第1の再生チャンネル一次制御2840では、例えば遊技者等により音量を変更する操作が行われたことにもとづいて、通常の遊技音の音量(すなわち音声信号(以下同じ))を変更する制御が行われる。第2の再生チャンネル一次制御2850では、音量を変更する操作が行われたか否かにかかわらず、特定の遊技音(例えば、エラー音や違法行為時の警報音)を一定の音量で出力する制御が行われる。この一定の音量は、常に最大音量であっても良い。このように、ボリューム調整の影響を受けない第2の再生チャンネル一次制御2850では特定の遊技音が一定の音量で出力されるよう制御されることにより、全体ではなく特定の再生チャンネルにおいてのみ、特定の遊技音の音量を一定にする制御を実行することが可能となる。また、二次ボリュームの音声信号は、SAC番号で指定される音声データに組み込まれている音量であり、ボリューム制御2860,2870,2880により出力される。第1の再生チャンネル一次制御2840、第2の再生チャンネル一次制御2850、および、音声データに組み込まれているボリューム制御2860,2870,2880を実行するホスト制御回路2100は、本願発明の「第2ボリューム制御手段」に相当する。
このように、各スピーカ1024(L0/R0/L1/R1、SUB0、SUB1)から出力される音は、トータルボリュームTV0〜3の音量と、再生チャンネル毎のボリュームである一次ボリュームの音量および二次ボリュームの音量とを掛け合わせて規定されるため、遊技音のボリュームに多様性を持たせることが可能となる。とくに、トータルボリュームTV0〜3の音量は、デバッグ時のデバッグボリューム制御2830により出力される音量によっても規定されるので、デバッグ時に、遊技で使用される遊技音データをそのまま用いることができ、デバッグ時の作業効率を向上させることが可能となる。
また、通常の遊技音の音量については、遊技者等により音量を変更する操作が行われたことにもとづいて音量を変更することができるが、エラー音や違法行為時の警報音等の特定の遊技音については、音量を変更する操作が行われたか否かにかかわらず、第2の再生チャンネル一次制御2850では一定の音量が出力される。そのため、エラーの発生や違法行為があったことを隠すことができず、セキュリティを高めることが可能となる。
本実施形態のパチンコ遊技機1001では、ハードウェアスイッチによるボリューム制御2810は例えば大・中・小の3段階がある。また、ボリューム設定画面によるユーザーボリューム制御2820は7段階あり、ハードウェアスイッチと連動して[小]=[1]、[中]=「4]、[大]=「7]となっている。
以上説明したように、本実施形態のパチンコ遊技機1001では、例えばエラー音等の特定音については、第2の再生チャンネル一次制御2850による制御だけでボリュームを維持することができるため、特定音については音量を維持しつつその他の通常音についてはボリューム調整に応じて音量を変更するといった音量制御を容易に行うことが可能となる。なお、ボリューム調整が行われた場合のホスト制御回路2100による処理については、図221〜図225を参照して後述する。
[1−2−5−2.デジタルオーディオパワーアンプ及びスピーカ間の接続構成]
次に、図149を参照しながら、内蔵中継基板2600内に設けられたデジタルオーディオパワーアンプ2620及びその周辺回路と、スピーカ1024との間の接続構成について説明する。図149は、内蔵中継基板2600及びスピーカ1024間の接続構成図である。なお、図149では、接続部分の構成をより明確にするため、スピーカ1024が内蔵中継基板2600に接続されていない状態を示す。
本実施形態のパチンコ遊技機1001では、図149に示すように、スピーカ1024が設けられたスピーカボックス1024aは、ハーネス3000を介して内蔵中継基板2600に接続される。
内蔵中継基板2600は、デジタルオーディオパワーアンプ2620と、LC回路2630と、4つの接続端子(第1接続端子〜第4接続端子)を含む接続端子群2640と、2つの抵抗2650,2660と、コンデンサ2670と、NOT回路(論理回路)2680とを有する。
デジタルオーディオパワーアンプ2620は、入力された音声信号(オーディオデータ)を増幅し、該増幅された音声信号をスピーカ1024に出力して、スピーカ1024を駆動する。LC回路2630は、コイル及びコンデンサを含む共振回路で構成される。また、NOT回路2680は入力された信号のレベルを反転して出力する論理回路である。
デジタルオーディオパワーアンプ2620のクロック入力端子(MCK)及びデータ入力端子(SDATA)は、音声・LED制御回路2200に接続される。そして、デジタルオーディオパワーアンプ2620のクロック入力端子(MCK)には、音声・LED制御回路2200から出力されたクロック信号(マスタークロック信号)が入力され、データ入力端子(SDATA)には、音声・LED制御回路2200から出力された音声信号(オーディオデータ)が入力される。
また、デジタルオーディオパワーアンプ2620の第1出力端子(OUTM1)及び第2出力端子(OUTM2)は、LC回路2630を介して、それぞれ、内蔵中継基板2600の接続端子群2640内の第1接続端子及び第2接続端子に接続される。なお、本実施形態では、デジタルオーディオパワーアンプ2620の出力端子を2つ設ける例を示すが、本発明はこれに限定されず、例えば、スピーカ1024が有する機能や仕様などに応じて適宜変更することができる。
さらに、デジタルオーディオパワーアンプ2620は、ミュート端子(MUTE:音声出力制御端子)を有する。デジタルオーディオパワーアンプ2620は、ミュート端子に印加される電圧信号のレベル(振幅値)がLOWレベルである場合には、第1出力端子(OUTM1)及び第2出力端子(OUTM2)からの音声信号の出力を停止する、又は、これらの出力端子を高抵抗を介して接地した状態にする機能(以下、ミュート機能という)を有する。すなわち、デジタルオーディオパワーアンプ2620は、ミュート端子に印加される電圧信号のレベルがLOWレベルである場合に、第1出力端子(OUTM1)及び第2出力端子(OUTM2)から内蔵中継基板2600の第1接続端子及び第2接続端子への音声信号の出力が停止されるような状態を生成する機能を有する。
一方、ミュート端子(MUTE)に印加される電圧信号のレベル(振幅値)がHIGHレベルである場合には、デジタルオーディオパワーアンプ2620は、第1出力端子(OUTM1)及び第2出力端子(OUTM2)から音声信号を出力する。
内蔵中継基板2600の接続端子群2640内の第3接続端子は、抵抗2660を介して、NOT回路2680の入力端子に接続される。また、NOT回路2680の出力端子は、デジタルオーディオパワーアンプ2620のミュート端子(MUTE)に接続される。なお、内蔵中継基板2600の第3接続端子及び抵抗2660間の信号配線は、抵抗2650を介して内蔵中継基板2600内に設けられた電源電圧(+5V)端子に接続される。また、NOT回路2680の入力端子及び抵抗2660間の信号配線は、コンデンサ2670を介して内蔵中継基板2600内に設けられた接地(GND)端子に接続される(接地される)。さらに、内蔵中継基板2600の第4接続端子は、接地(GND)端子に接続される。
スピーカ1024は、図149に示すように、木枠で構成されたスピーカボックス1024aに取り付けられている。また、スピーカボックス1024aには、4つの接続端子(第1接続端子〜第4接続端子)を含む接続端子群1024bが設けられる。そして、スピーカボックス1024aの第1接続端子及び第2接続端子は、信号配線を介してスピーカ1024に接続される。また、スピーカボックス1024aの第3接続端子(特定の接続端子)は、信号配線W1により、第4接続端子に電気的に接続される。
ハーネス3000は、図149に示すように、4本の信号配線を束にして構成される。そして、4本の信号配線の一方の4つの接続端子(第1接続端子〜第4接続端子)は、内蔵中継基板2600の第1接続端子〜第4接続端子にそれぞれ接続される。一方、4本の信号配線の他方の4つの接続端子(第5接続端子〜第8接続端子)は、スピーカボックス1024aの第1接続端子〜第4接続端子にそれぞれ接続される。すなわち、内蔵中継基板2600の第1接続端子とスピーカボックス1024aの第1接続端子との間は、ハーネス3000内の第1接続端子及び第5接続端子間の信号配線により接続され、内蔵中継基板2600の第2接続端子とスピーカボックス1024aの第2接続端子との間は、ハーネス3000内の第2接続端子及び第6接続端子間の信号配線により接続される。また、内蔵中継基板2600の第3接続端子とスピーカボックス1024aの第3接続端子との間は、ハーネス3000内の第3接続端子及び第7接続端子間の信号配線により接続され、内蔵中継基板2600の第4接続端子とスピーカボックス1024aの第4接続端子との間は、ハーネス3000内の第4接続端子及び第8接続端子間の信号配線により接続される。これにより、スピーカ1024は、ハーネス3000を介して内蔵中継基板2600に接続される。
なお、ハーネス3000に含まれる信号配線の本数は4本に限定されず、例えば、デジタルオーディオパワーアンプ2620及びスピーカ1024の各仕様、両者間の接続構成等に応じて適宜変更される。ハーネス3000には、少なくとも、デジタルオーディオパワーアンプ2620の出力端子とスピーカ1024とを接続するための信号配線、及び、デジタルオーディオパワーアンプ2620のミュート端子をスピーカボックス1024aを介して接地するための信号配線が含まれていればよい。
上述のようにして、内蔵中継基板2600とスピーカ1024とをハーネス3000を介して接続すると、デジタルオーディオパワーアンプ2620の第1出力端子(OUTM1)及び第2出力端子(OUTM2)は、ハーネス3000を介して、スピーカ1024に接続される。また、デジタルオーディオパワーアンプ2620のミュート端子(MUTE)は、NOT回路2680、ハーネス3000、並びに、スピーカボックス1024aの第3接続端子及び第4接続端子間の信号配線W1を介して接地される。
この結果、スピーカ1024がハーネス3000を介して内蔵中継基板2600(デジタルオーディオパワーアンプ2620)に接続されている状態では、LOWレベルの電圧信号がNOT回路2680に入力されるので、デジタルオーディオパワーアンプ2620のミュート端子(MUTE)に入力される電圧信号のレベル(振幅値)はHIGHレベルとなる。この場合、デジタルオーディオパワーアンプ2620の第1出力端子(OUTM1)及び第2出力端子(OUTM2)からスピーカ1024に音声信号が出力される。
一方、スピーカ1024が内蔵中継基板2600(デジタルオーディオパワーアンプ2620)に接続されていない場合には、内蔵中継基板2600の第3接続端子が開放状態となる。この場合、電源電圧(+5V)がNOT回路2680に入力されるので、デジタルオーディオパワーアンプ2620のミュート端子(MUTE)に入力される電圧信号のレベル(振幅値)はLOWレベルとなり、デジタルオーディオパワーアンプ2620の上述したミュート機能が作動する。
すなわち、スピーカ1024が内蔵中継基板2600(デジタルオーディオパワーアンプ2620)から外れている場合には、デジタルオーディオパワーアンプ2620の第1出力端子(OUTM1)及び第2出力端子(OUTM2)から内蔵中継基板2600の第1接続端子及び第2接続端子への音声信号の出力が停止されるような状態が生成される。この結果、デジタルオーディオパワーアンプ2620(出力端子)と、内蔵中継基板2600の第1及び第2接続端子との間における共振現象の発生を抑制し、デジタルオーディオパワーアンプ2620の故障等の不具合発生を防止することができる。
上述のように、本実施形態では、ホスト制御回路2100及び音声・LED制御回路2200によるソフトウェア上の制御とは関係無く、デジタルオーディオパワーアンプ2620のミュート機能を作動させることができる。それゆえ、例えば、スピーカ1024が内蔵中継基板2600から外れている状況において、ホスト制御回路2100及び音声・LED制御回路2200が音声信号の出力停止制御を行っていると認識していてもプログラム上のバグ(不具合)等により誤って音声信号が出力されているような場合や、スピーカ1024をハーネス3000から外さなければ遊技盤の付け替えることができない構造のパチンコ遊技機1001において、遊技盤の付け替え終了後に誤ってスピーカ1024とハーネス3000とを接続せずに扉を閉じ、音声出力を開始した場合などの状況が発生しても、ハード的に、上述したデジタルオーディオパワーアンプ2620のミュート機能が作動する。この場合、確実に、デジタルオーディオパワーアンプ2620を保護することができ、パチンコ遊技機1001の安全性を向上させることができる。
さらに、本実施形態では、上述のように、内蔵中継基板2600の第3接続端子は、ハーネス3000、並びに、スピーカボックス1024aの第3接続端子及び第4接続端子間の信号配線W1を介して、内蔵中継基板2600内に設けられた接地(GND)端子に接続される。このような構成では、内蔵中継基板2600の第3接続端子の信号レベルがLOWになっている場合に、この要因が内蔵中継基板2600の第4接続端子が接地されていることによるものであるか否かを、内蔵中継基板2600の第4接続端子の信号レベルを計測することにより判定することができるので、デジタルオーディオパワーアンプ2620からのデジタル出力動作をより正確に管理することができる。
[1−2−6.表示制御回路]
次に、図150を参照しながら、表示制御回路2300の内部構成について説明する。図150は、表示制御回路2300内部の回路構成、並びに、表示制御回路2300とその各種周辺装置及び周辺回路部との接続関係を示すブロック図である。
表示制御回路2300は、図150に示すように、メモリコントローラ2310と、コマンドメモリ2320と、コマンドパーサ2330と、動画デコーダ2340と、静止画デコーダ2350と、SDRAMコントローラ2360と、内蔵VRAM2370と、第1ディスプレイコントローラ2380と、第2ディスプレイコントローラ2390と、3D(Dimension)ジオメトリエンジン2400と、レンダリングエンジン2410とを備える。表示制御回路2300内における各部の接続関係、並びに、表示制御回路2300とその各種周辺装置及び周辺回路との接続関係は、次の通りである。
表示制御回路2300内において、メモリコントローラ2310は、コマンドパーサ2330、動画デコーダ2340及び静止画デコーダ2350に接続される。コマンドパーサ2330は、メモリコントローラ2310以外に、コマンドメモリ2320、動画デコーダ2340、静止画デコーダ2350及び3Dジオメトリエンジン2400に接続される。動画デコーダ2340は、メモリコントローラ2310及びコマンドパーサ2330以外に、SDRAMコントローラ2360に接続される。静止画デコーダ2350は、メモリコントローラ2310及びコマンドパーサ2330以外に、内蔵VRAM2370に接続される。
また、表示制御回路2300内において、SDRAMコントローラ2360は、動画デコーダ2340以外に、内蔵VRAM2370、第1ディスプレイコントローラ2380及び第2ディスプレイコントローラ2390に接続される。内蔵VRAM2370は、静止画デコーダ2350及びSDRAMコントローラ2360以外に、第1ディスプレイコントローラ2380、第2ディスプレイコントローラ2390及びレンダリングエンジン2410に接続される。さらに、3Dジオメトリエンジン2400は、コマンドパーサ2330以外に、レンダリングエンジン2410に接続される。
なお、SDRAM2510は、表示制御回路2300内のメモリコントローラ2310及びSDRAMコントローラ2360に接続される。また、CGROM基板2040は、表示制御回路2300内のメモリコントローラ2310に接続される。また、ホスト制御回路2100は、表示制御回路2300内のメモリコントローラ2310及びコマンドメモリ2320に接続される。さらに、表示装置1016は、表示制御回路2300内の第1ディスプレイコントローラ2380及び第2ディスプレイコントローラ2390に接続される。
次に、表示制御回路2300内の各部の構成について説明する。
メモリコントローラ2310は、主に、外部の各種メモリ(CGROM基板2040及びSDRAM2510)と表示制御回路2300との間の通信制御を行う。例えば、メモリコントローラ2310は、制御対象となる外部のメモリのアドレス指定信号の送受信や、メモリのレディ、ビジー管理等の処理を行い、各種メモリに対して指定したアドレスに格納されたデータ(演出データ、コマンドデータなど)を取得する処理を行う。
コマンドメモリ2320は、コマンドリストを格納する内蔵メモリである。なお、コマンドリストは、コマンドメモリ2320以外に、SDRAM2510、CGROM基板2040(CGROM2060)に格納することもできる。
コマンドパーサ2330は、指定されたメモリ(コマンドメモリ2320、SDRAM2510又はCGROM2060)からコマンドリストを取得する。具体的には、本実施形態では、ホスト制御回路2100により表示制御回路2300内のシステム制御レジスタ(不図示)に、コマンドリストが配置されたメモリの種別(コマンドメモリ2320、SDRAM2510又はCGROM2060)と、その開始アドレスとが設定される。そして、コマンドパーサ2330は、システム制御レジスタ(不図示)に指定されたメモリ内の開始アドレスにアクセスしてコマンドリストを取得する。
また、コマンドパーサ2330は、取得したコマンドリストを解析して具体的な制御コードを生成し、該制御コードを動画デコーダ2340、静止画デコーダ2350、3Dジオメトリエンジン2400に出力する。本実施形態では、コマンドパーサ2330により出力された制御コードに基づいて、表示制御回路2300内の各画像処理モジュールが作動する。
動画デコーダ2340は、CGROM基板2040又はSDRAM2510から取得された動画圧縮データを復号(デコード)する。そして、動画デコーダ2340は、復号した動画データをSDRAM2510(外付けRAM)に出力する。なお、動画デコーダ2340から出力された動画データ(デコード結果)は、SDRAM2510内に設けられたムービバッファに格納される。
静止画デコーダ2350は、CGROM基板2040又はSDRAM2510から取得された静止画圧縮データを復号する。そして、静止画デコーダ2350は、復号した静止画データを内蔵VRAM2370に出力する。なお、静止画デコーダ2350から出力された静止画データ(デコード結果)は、内蔵VRAM2370内に設けられた後述のスプライトバッファに一時的に格納される。
SDRAMコントローラ2360は、デコードされた動画データ及び静止画データのRAMへの格納処理や、内蔵VRAM2370とCGROM基板2040又はSDRAM2510との間における画像データの転送処理などの動作を制御するコントローラである。
内蔵VRAM2370は、表示制御回路2300による描画制御処理において、デコード処理やレンダリング処理などの各種処理を実行する際のワークRAMとして動作する。また、後述の描画制御処理内の各処理過程において行われる、内蔵VRAM2370とCGROM基板2040又はSDRAM2510との間の画像データの転送処理において、各種画像データが内蔵VRAM2370に一時的に格納される。
第1ディスプレイコントローラ2380及び第2ディスプレイコントローラ2390のそれぞれは、レンダリングエンジン2410により生成されたレンダリング結果(描画結果)を取得し、該レンダリング結果を表示装置1016に出力する。これにより、表示装置1016の表示画面に、所定の画像が表示される。なお、本実施形態のパチンコ遊技機1001のように、2つのディスプレイコントローラを設けた場合には、一つの表示制御回路2300(1チップ)により、2つの画面を表示装置1016に設けて各画面を独立して制御することができる。
3Dジオメトリエンジン2400は、コマンドパーサ2330から入力された制御コードに基づいて、3次元情報を2次元情報に変換する処理(投影変換処理)や、図形の拡大、縮小、回転及び移動等のアフィン変換(図形変換)処理を行う。そして、3Dジオメトリエンジン2400は、変換処理の結果をレンダリングエンジン2410に出力する。
レンダリングエンジン2410は、伸張された静止画データ及び動画データが格納されたテクスチャソース(本実施形態ではSDRAM2510)を参照し、該画像データに対してレンダリング(描画)処理を施する。そして、レンダリングエンジン2410は、レンダリング結果をレンダリングターゲット(本実施形態では、内蔵VRAM2370又はSDRAM2510)に書き出す。
なお、本明細書でいう「レンダリング(描画)する」とは、動画の拡大縮小や回転などの指定情報(本実施形態では、3Dジオメトリエンジン2400から出力された情報)に従ってデコードされたデータを編集することである。また、ここでいう「レンダリングエンジン」には、例えば、「ラスタライザ」、「ピクセルシェーダ」なども含まれる。それゆえ、レンダリングエンジン2410では、ピクセルシェーダと同様に、画像データに対してピクセル単位で、ARGB値(A:透明度(不透明度)を示すアルファ値、R:赤色成分の輝度値、G:緑色成分の輝度値、B:青色成分の輝度値)の演算処理も行われる。
[1−2−6−1.表示制御回路及びCGROM間の接続構成]
本実施形態のパチンコ遊技機1001では、表示制御回路2300に接続されるCGROMの種別(NOR型又はNAND型)が異なっていても対処可能な構成を有する。ここで、図151及び図152を参照しながら、サブ基板2020内に設けられた表示制御回路2300及びその周辺回路と、CGROM基板に搭載されたCGROMとの間の接続構成について説明する。
図151は、CGROMがNOR型のCGROM2060a(NOR型フラッシュメモリ)である場合におけるサブ基板2020及びCGROM基板2040a間の接続構成図である。また、図152は、CGROMがNAND型のCGROM2060b(NAND型フラッシュメモリ)である場合におけるサブ基板2020及びCGROM基板2040b間の接続構成図である。なお、図151及び図152では、接続部分の構成をより明確にするため、CGROM基板がサブ基板2020から外れた状態を示すが、実際には、両基板はボード・トゥ・ボードコネクタを介して接続される。
(1)サブ基板の構成
まず、サブ基板2020の内部構成を説明する。なお、図151と図152との比較から明らかなように、CGROM基板2040aにNOR型のCGROM2060aを搭載した場合におけるサブ基板2020の構成は、CGROM基板2040bにNAND型のCGROM2060bを搭載した場合のそれと同様である。
サブ基板2020には、図151及び図152に示すように、表示制御回路2300が設けられるとともに、その周辺回路として、双方向バランストランシーバ3010及びAND回路302(ANDゲート)が設けられる。また、サブ基板2020には、各種信号配線(バス)と、各種バスを介して表示制御回路2300に直接的又は間接的に接続された複数の接続端子を含む端子群3030とが設けられる。
双方向バランストランシーバ3010は、一方の4つの入出力端子(図151中の端子A0〜端子A3)と、該一方の4つの入出力端子(端子A0〜端子A3)にそれぞれ接続された他方の4つの入出力端子(図151中の端子B0〜端子B3)とを有する。また、双方向バランストランシーバ3010は、入出力端子A0〜入出力端子A3及び入出力端子B0〜入出力端子B3間における信号の通信方向を切替制御するための2つの制御端子(図151中の端子OE及び端子DIR)を有する。
双方向バランストランシーバ3010は、制御端子OE及び制御端子DIRにそれぞれ印加される電圧信号の信号レベルの組み合わせに応じて、入出力端子A0〜入出力端子A3及び入出力端子B0〜入出力端子B3間における信号の通信方向を切り替える。これにより、何らかの原因により通信方向(通信動作)に不整合が発生した場合であっても、表示制御回路2300及びCGROM間における通信動作の安全性を確保することができる。なお、双方向バランストランシーバ3010における通信方向の切替制御動作については、後で詳述する。また、本実施形態で用いる双方向バランストランシーバ3010は、3.3V及び5Vの2電源を有するシステムにも対応可能である。
表示制御回路2300には、4つの入出力兼用端子(図151中の端子GMA31/GRB3〜端子GMA28/GRB0)が設けられる。この入出力兼用端子GMA31/GRB3〜入力出力兼用端子GMA28/GRB0は、CGROMがNOR型のCGROM2060aである場合にはアドレスバスの出力端子として作用し、CGROMがNAND型のCGROM2060bである場合にはレディ/ビジー信号の入力端子として作用する。また、表示制御回路2300には、CGROM内のデータ格納領域のアドレスに関するデータ(アドレスの指定データ等)の出力端子として作用する26個の出力端子(図151中の端子GMA27〜端子GMA2)が設けられる。
また、表示制御回路2300には、2つのCGメモリチップイネーブル出力端子(図151中の端子GCE_0,端子GCE_1)が設けられる。なお、本実施形態では、表示制御回路2300は、2つのCGメモリチップイネーブル出力端子(GCE_0,GCE_1:特定の出力端子)に対応した2つのメモリ空間を有し、各メモリ空間には、メモリの種類、バス幅、アクセスタイミング等の情報が設定される。ただし、本実施形態では、表示制御回路2300は、同期モードのROMと非同期モードのROMとを混在した場合には対応(使用)できない構成になっている。
さらに、表示制御回路2300には、CGROMから画像データ(動画/静止画の圧縮データ)をデータバスを介して取得するための複数のデータバス入力端子が設けられる。
なお、サブ基板2020に設けられた上記構成部の電気的な接続関係は次の通りである。
表示制御回路2300の入出力兼用端子GMA31/GRB3〜入力出力兼用端子GMA28/GRB0は、図151及び図152に示すように、双方向バランストランシーバ3010の入出力端子B0〜入出力端子B3にそれぞれ接続される。そして、双方向バランストランシーバ3010の入出力端子A0〜入出力端子A3は、端子群3030の第1接続端子〜第4接続端子にそれぞれ接続される。すなわち、表示制御回路2300の入出力兼用端子GMA31/GRB3〜入力出力兼用端子GMA28/GRB0は、双方向バランストランシーバ3010を介して、端子群3030の第1接続端子〜第4接続端子にそれぞれ接続される。
また、表示制御回路2300の出力端子GMA27〜出力端子GMA2は、端子群3030の第9接続端子〜第34接続端子にそれぞれ接続され、CGメモリチップイネーブル出力端子GCE_0及びCGメモリチップイネーブル出力端子GCE_1は、端子群3030の第35接続端子及び第36接続端子にそれぞれ接続される。さらに、表示制御回路2300の複数のデータバス入力端子は、端子群3030の第37接続端子以降の対応する接続端子にそれぞれ接続される。
双方向バランストランシーバ3010の制御端子DIRは、端子群3030の第5接続端子に接続され、制御端子OEは、AND回路302の出力端子に接続される。AND回路302の一方の入力端子は、CGメモリチップイネーブル出力端子GCE_0に接続され、AND回路302の他方の入力端子は、CGメモリチップイネーブル出力端子GCE_1に接続される。また、サブ基板2020の端子群3030の第6接続端子及び第7接続端子は、サブ基板2020に設けられた電源電圧(+3.3V)端子に接続され、第8接続端子は、サブ基板2020に設けられた接地(GND)端子に接続される。
(2)CGROM基板(NOR型)の構成
次に、NOR型のCGROM2060aを搭載したCGROM基板2040aの内部構成を、図151を参照しながら説明する。
CGROM基板2040aにNOR型のCGROM2060aを搭載した場合、CGROM基板2040aには、NOR型のCGROM2060aとともに、各種信号配線(バス)と、各種バスを介してCGROM2060aに接続された複数の接続端子を含む端子群3110とが設けられる。
CGROM基板2040aに設けられた端子群3110中の第1接続端子〜第4接続端子及び第9接続端子以降の接続端子は、CGROM2060aに接続される。
なお、図151に示す例では、CGROM2060aは、NOR型フラッシュメモリ(ランダムアクセス方式のフラッシュメモリ)であるので、端子群3110中の第1接続端子〜第4接続端子及び第9接続端子〜第34接続端子は、CGROM2060aのアドレスバスの入力端子(不図示)に接続される。また、端子群3110中の第35接続端子及び第36接続端子は、CGROM2060aのCGメモリチップイネーブル入力端子(不図示)に接続され、第37接続端子以降の接続端子は、表示制御回路2300がCGROM2060aから画像データ(動画/静止画の圧縮データ)を取得する際に用いられるCGROM2060aのデータ出力端子に接続される。
また、CGROM基板2040aに設けられた端子群3110中の第5接続端子(所定の接続端子)は、信号配線W2を介して第8接続端子に接続され、第8接続端子は、CGROM基板2040aに設けられた接地(GND)端子に接続される。すなわち、CGROM2060aがNOR型フラッシュメモリである場合には、第5接続端子は、信号配線W2を介して接地される。さらに、端子群3110中の第6接続端子及び第7接続端子は、CGROM基板2040aに設けられた電源電圧(+3.3V)端子に接続される。
端子群3110に含まれる接続端子の数は、サブ基板2020に設けられたCGROM基板接続用の端子群3030の接続端子の数と同じである。そして、CGROM基板2040aをサブ基板2020に接続(装着)する際には、CGROM基板2040aの接続端子が同じ端子番号のサブ基板2020の接続端子と接続されるように、両基板が接続される。すなわち、図151に示すように、CGROM基板2040aの第1接続端子、第2接続端子、…、第37接続端子、…が、サブ基板2020の第1接続端子、第2接続端子、…、第37接続端子、…にそれぞれ接続される。
(3)CGROM基板(NAND型)の構成
次に、NAND型のCGROM2060bを搭載したCGROM基板2040bの内部構成を、図152を参照しながら説明する。なお、図152に示すCGROM基板2040bの構成において、図151に示すNOR型のCGROM2060aを搭載したCGROM基板2040aと同じ構成には同じ符号を付して示す。
CGROM基板2040bにNAND型のCGROM2060bを搭載した場合、CGROM基板2040bには、NAND型のCGROM2060bとともに、その周辺回路として、トランジスタ回路312が設けられる。また、CGROM基板2040bには、各種信号配線(バス)と、各種バスを介してCGROM2060bに直接的又は間接的に接続された複数の接続端子を含む端子群3110とが設けられる。
CGROM基板2040bの端子群3110中の第1接続端子〜第4接続端子は、トランジスタ回路312のドレイン端子に接続される。なお、トランジスタ回路312のゲート端子はCGROM2060bに接続され、ソース端子は、CGROM基板2040bに設けられた接地(GND)端子に接続される。すなわち、第1接続端子〜第4接続端子はトランジスタ回路312を介してCGROM2060bに接続される。
なお、図152に示す例では、CGROM2060bは、NAND型フラッシュメモリ(シーケンシャルアクセス方式のフラッシュメモリ)であるので、トランジスタ回路312のゲート端子、すなわち、端子群3110中の第1接続端子〜第4接続端子は、CGROM2060bに設けられたレディ/ビジー出力端子(不図示)に接続される。
また、CGROM基板2040bの端子群3110中の第5接続端子(所定の接続端子)は、信号配線W3を介して第6接続端子及び第7接続端子に接続され、第6接続端子及び第7接続端子は、CGROM基板2040bに設けられた電源電圧(+3.3V)端子に接続される。すなわち、CGROM2060bがNAND型フラッシュメモリである場合には、第5接続端子は、信号配線W3を介して電源電圧(+3.3V)端子に接続される。
また、CGROM基板2040bの端子群3110中の第8接続端子は、CGROM基板2040bに設けられた接地(GND)端子に接続される。
さらに、CGROM基板2040bの端子群3110中の第9接続端子以降の接続端子は、CGROM2060bに接続される。この際、第9接続端子〜第34接続端子は、CGROM2060bに設けられたアドレスに関するデータの入力端子(不図示)に接続され、第35接続端子及び第36接続端子は、CGROM2060bに設けられたCGメモリチップイネーブル入力端子に接続される。また、第37接続端子以降の接続端子は、表示制御回路2300がCGROM2060bから画像データ(動画/静止画の圧縮データ)を取得する際に使用されるCGROM2060bのデータ出力端子(不図示)に接続される。
なお、CGROM基板2040bにNAND型のCGROM2060bが搭載された場合においても、CGROM基板2040bの端子群3110に含まれる接続端子の数は、サブ基板2020に設けられたCGROM基板接続用の端子群3030の接続端子の数と同じである。そして、CGROM基板2040bをサブ基板2020に接続(装着)する際には、CGROM基板2040bの接続端子が同じ端子番号のサブ基板2020の接続端子と接続されるように、両基板が接続される。すなわち、図152に示すように、CGROM基板2040bの第1接続端子、第2接続端子、…、第37接続端子、…が、サブ基板2020の第1接続端子、第2接続端子、…、第37接続端子、…にそれぞれ接続される。
[1−2−6−2.表示制御回路及びCGROM間の通信動作]
次に、図151〜図154を参照しながら、表示制御回路2300がCGROMから画像データ(動画/静止画の圧縮データ)を取得する際の動作を説明する。なお、図153は、サブ基板2020に設けられたAND回路302における入力信号と出力信号との対応関係を示す真理値表であり、図154は、サブ基板2020に設けられた双方向バランストランシーバ3010における、制御端子OE及び制御端子DIRに印加される信号レベルと、通信方向との対応関係を示す真理値表である。
(1)AND回路及び双方向バランストランシーバの動作
AND回路302は、図153に示すように、両方の入力端子にHIGHレベルの信号(電圧信号)が入力された場合にのみ、双方向バランストランシーバ3010の制御端子OEにHIGHレベルの信号を出力し、それ以外の入力条件では、制御端子OEにLOWレベルの信号を出力する。
双方向バランストランシーバ3010は、図154に示すように、制御端子OEにLOWレベルの信号(電圧信号)が入力され、且つ、制御端子DIRにLOWレベルの信号が入力された場合、双方向バランストランシーバ3010の入出力端子A0〜入出力端子A3を出力端子として作用させ、入出力端子B0〜入出力端子B3を入力端子として作用させる。この場合には、表示制御回路2300及びCGROM間の通信方向は、表示制御回路2300からCGROMに向かう方向になる。
また、双方向バランストランシーバ3010は、制御端子OEにLOWレベルの信号が入力され、且つ、制御端子DIRにHIGHレベルの信号が入力された場合、双方向バランストランシーバ3010の入出力端子A0〜入出力端子A3を入力端子として作用させ、入出力端子B0〜入出力端子B3を出力端子として作用させる。この場合には、表示制御回路2300及びCGROM間の通信方向は、CGROMから表示制御回路2300に向かう方向になる。
なお、双方向バランストランシーバ3010の制御端子OEに入力される信号レベルと制御端子DIRに入力される信号レベルとの組み合わせが上記以外の組み合わせである場合(双方向バランストランシーバ3010の制御端子OEにHIGHレベルの信号が入力された場合)には、双方向バランストランシーバ3010の入出力端子A0〜入出力端子A3及び入出力端子B0〜入出力端子B3は、HIGHインピーダンス状態(図154中の「Z」)、すなわち、開放状態と同等の状態となり、表示制御回路2300及びCGROM間で通信は行われない。
(2)表示制御回路及びCGROM(NOR型)間の通信動作
ここで、まず、NOR型のCGROM2060aを搭載したCGROM基板2040aをサブ基板2020に接続(装着)した場合を考える。
この場合、本実施形態では、表示制御回路2300の2つのCGメモリチップイネーブル出力端子GCE_0,GCE_1の少なくとも一方からLOWレベルの信号が出力されるので、双方向バランストランシーバ3010の制御端子OEにはLOWレベルの信号が入力される。なお、CGメモリチップイネーブル出力端子GCE_0,GCE_1の信号レベルは、ハードウェアの初期化処理(後述の図198参照)において設定される。
本実施形態では、CGROMの種類に応じて、サブ制御回路270により予め設定される、CGメモリチップイネーブル出力端子GCE_0,GCE_1(特定の端子)からの出力信号の振幅値が異なるので、表示制御回路2300に設けられたCGメモリチップイネーブル出力端子GCE_0,GCE_1から出力される信号の振幅値が記憶手段の種類に応じて出力される変化する。しかしながら、「CGROMの種類の応じて出力される信号の振幅値が変化する」態様は、この態様に限定されない。後述の変形例7で説明するように、表示制御回路2300が、接続された記憶手段の種類を検出し、該検出結果に基づいて、CGメモリチップイネーブル出力端子GCE_0,GCE_1(特定の端子)から出力される信号の振幅値を設定してもよい。
また、双方向バランストランシーバ3010の制御端子DIRが接続されたサブ基板2020の第5接続端子は、図151に示すように、CGROM基板2040aの第5接続端子及び信号配線W2を介して接地されるので、制御端子DIRにはLOWレベルの信号が入力される。
それゆえ、NOR型のCGROM2060aを搭載したCGROM基板2040aをサブ基板2020に接続した場合には、図154に示すように、双方向バランストランシーバ3010の入出力端子A0〜入出力端子A3は出力端子として作用し、入出力端子B0〜入出力端子B3は入力端子として作用する。すなわち、双方向バランストランシーバ3010における表示制御回路2300及びCGROM2060a間の通信方向は、表示制御回路2300からCGROM2060aに向かう方向になる。
この場合、サブ基板2020の第1接続端子〜第4接続端子及びCGROM基板2040aの第1接続端子〜第4接続端子を介して接続された信号配線をアドレスバスとして使用することができ、表示制御回路2300は、NOR型のCGROM2060aに対して正常に、メモリのアドレス指定動作を実行することができる。その結果、表示制御回路2300は、アドレスバスを介して直接アドレス指定を行い、データの読み出し動作を行うことができる。
(3)表示制御回路及びCGROM(NAND型)間の通信動作
次に、NAND型のCGROM2060bを搭載したCGROM基板2040bをサブ基板2020に接続(装着)した場合を考える。
この場合においても、本実施形態では、表示制御回路2300の2つのCGメモリチップイネーブル出力端子CGE_0,CGE_1の少なくとも一方からLOWレベルの信号が出力されるので、双方向バランストランシーバ3010の制御端子OEにはLOWレベルの信号が入力される。すなわち、本実施形態では、CGROMの種類がNOR型及びNAND型のいずれであっても、双方向バランストランシーバ3010の制御端子OEにはLOWレベルの信号が入力される。また、双方向バランストランシーバ3010の制御端子DIRが接続されたサブ基板2020の第5接続端子は、図152に示すように、CGROM基板2040bの第5接続端子及び信号配線W3を介して電源電圧(+3.3V)端子に接続されるので、制御端子DIRにはHIGHレベルの信号が入力される。
それゆえ、NAND型のCGROM2060bを搭載したCGROM基板2040bをサブ基板2020に接続した場合には、図154に示すように、双方向バランストランシーバ3010の入出力端子A0〜入出力端子A3は入力端子として作用し、入出力端子B0〜入出力端子B3は出力端子として作用する。すなわち、双方向バランストランシーバ3010における表示制御回路2300及びCGROM2060b間の通信方向は、CGROM2060bから表示制御回路2300に向かう方向になる。
この場合、サブ基板2020の第1接続端子〜第4接続端子及びCGROM基板2040bの第1接続端子〜第4接続端子を介して接続された信号配線をレディ/ビジー信号の通信配線として使用することができる。すなわち、この場合、NAND型のCGROM2060bからシーケンシャルアクセス方式でデータを読み出す際に表示制御回路2300が参照するレディ/ビジー信号のCGROM2060から表示制御回路2300への送信処理が実行可能になる。この結果、表示制御回路2300は、NAND型のCGROM2060bに対して正常に、メモリの状態(レディ/ビジー状態)の取得動作を実行することができる。
上述のように、本実施形態では、CGROMの種類が変わっても、サブ基板2020の構成を変えることなく、表示制御回路2300及びCGROM間の通信動作を正常に実行することができる。それゆえ、本実施形態では、例えば、データ容量、通信速度、価格等を考慮して、最適なCGROMを選択することができる。また、例えば、新たなパチンコ遊技機1001を作製する際に、データ容量、通信速度等の条件から過去に作製されたパチンコ遊技機で使用されたサブ基板2020を流用し、CGROMの種類だけを変更するような場合であっても、容易に対処することができる。すなわち、本実施形態のパチンコ遊技機1001では、実施態様に合わせてCGROMを選択することが可能になり、パチンコ遊技機1001の拡張性を担保することができる。
さらに、本実施形態では、双方向バランストランシーバ3010を用いることにより、サブ基板2020の端子群3030中の第1接続端子〜第4接続端子、並びに、CGROM基板2040の端子群3110中の第1接続端子〜第4接続端子を、データの入出力兼用端子として用いることができる。この場合、サブ基板2020及びCGROM基板2040の第1接続端子〜第4接続端子に対応するデータの入力用端子及び出力用端子を別個に設ける必要がなく、サブ基板2020及びCGROM基板2040の省スペース化を図ることができる。
なお、上述のように、本実施形態では、双方向バランストランシーバ3010により、CGROMの種類に応じて、表示制御回路2300及びCGROM間の「通信形態」を切り替えることができる。ただし、本明細書でいう表示制御回路2300及びCGROM間の「通信形態」とは、表示制御回路2300及びCGROM間における各種情報の送受信態様全般を意味する。
例えば、本明細書でいう表示制御回路2300及びCGROM間における「通信形態」には、表示装置1016で演出動作に関する情報を表示する際に必要となるデータ(画像データ(動画/静止画の圧縮データ))の表示制御回路2300及びCGROM間における送受信態様だけでなく、CGROM内に格納されている該データのアドレスを指定する情報を表示制御回路2300及びCGROM間で通信する際の送受信態様や、表示制御回路2300がCGROMからレディ/ビジー信号を受信する際の送受信態様なども含む意味である。なお、本発明はこれに限定されず、本明細書でいう「通信形態」が、CGROMの種類に応じて情報の送受信態様が変化する部分の通信形態のみを意味するものであってもよい。
[2.機能フロー]
次に、図155を用いて、本発明の第11実施形態に係るパチンコ遊技機の機能フローについて説明する。図155は、本発明の第11実施形態に係るパチンコ遊技機の機能フローを示す図である。
図155に示すように、パチンコゲームは、ユーザの操作により遊技球が発射され、その遊技球が各種入賞した場合に遊技球の払出制御処理が行われるゲームである。また、パチンコゲームには、特別図柄を用いる特別図柄ゲーム、普通図柄を用いる普通図柄ゲームが含まれる。
特別図柄ゲームにおいて「大当り」となったときや、普通図柄ゲームにおいて「普通図柄当り」となったときには、相対的に、遊技球が入賞する可能性が増大し、遊技球の払出制御処理が行われ易くなる。
また、各種入賞には、特別図柄ゲームにおいて特別図柄の変動表示が行われるための一つの条件である特別図柄始動入賞や、普通図柄ゲームにおいて普通図柄の変動表示が行われるための一つの条件である普通図柄始動入賞も含まれる。
以下、特別図柄ゲームおよび普通図柄ゲームの処理フローの概要を説明する。特別図柄ゲームおよび普通図柄ゲームは、メインCPU101により制御処理として実行される。
(1)特別図柄ゲームにおいて特別図柄始動入賞があった場合には、各種カウンタ(例えば大当り判定用カウンタや図柄決定用カウンタ)からそれぞれ各種乱数値(例えば大当り判定用乱数値や図柄決定用乱数値)が抽出(取得)され、抽出された各乱数値が記憶される(図155に示す特別図柄ゲーム中の特別図柄始動入賞処理のフロー参照)。
また、図155に示すように、特別図柄ゲーム中の特別図柄制御処理では、最初に、特別図柄の変動表示を開始する条件が成立したか否かが判別される。この判別処理では、特別図柄始動入賞によって乱数値等の各種データが記憶されているか否かを参照し、乱数値等の各種データが記憶されていることを一つの条件として、特別図柄の変動表示を開始する条件が成立したと判別する。
次いで、特別図柄の変動表示を開始する場合、大当り判定用カウンタから抽出された大当り判定用乱数値が参照され、「大当り」とするか否かの大当り判定が行われる。その後、停止図柄決定処理が行われる。この処理では、図柄決定用カウンタから抽出された図柄決定用乱数値と、上述した大当り判定の結果とが参照され、停止表示させる特別図柄を決定する。
次いで、変動パターン決定処理が行われる。この処理では、変動パターン決定用カウンタから乱数値が抽出され、その乱数値と、上述した大当り判定の結果と、上述した停止表示させる特別図柄とが参照され、特別図柄の変動パターン(可変表示パターン)を決定する。
次いで、演出パターン決定処理が行われる。この処理では、演出パターン決定用カウンタから乱数値が抽出され、その乱数値と、上述した大当り判定の結果と、上述した停止表示させる特別図柄と、上述した特別図柄の変動パターンとが参照され、特別図柄の変動表示に伴って実行する演出パターンを決定する。
次いで、決定された大当り判定の結果、停止表示させる特別図柄、特別図柄の変動パターン、および、特別図柄の変動表示に伴う演出パターンが参照され、特別図柄の変動表示の制御を行う変動表示制御処理、および、所定の演出を行う演出制御処理が実行される。
そして、変動表示制御処理および演出表示制御処理が終了すると、「大当り」となるか否かが判定される。この判定処理において、「大当り」となったと判定されると、大当り遊技状態を行う大当り遊技状態制御処理が実行される。なお、大当り遊技状態では、上述した各種入賞の可能性が増大する。一方、「大当り」とならなかったと判定されると、大当り遊技状態制御処理が実行されない。
「大当り」とならなかったと判定された場合、又は、大当り遊技状態制御処理が終了した場合には、遊技状態を移行させるための遊技状態移行制御処理が行われる。この遊技状態移行制御処理では、大当り遊技状態とは異なる通常時の遊技状態の管理が行われる。
通常時の遊技状態としては、例えば、上述した大当り判定において、所定の確率で「大当り」と判定される遊技状態(以下、「通常遊技状態」という)や、「大当り」と判定される確率が通常遊技状態よりも増大する遊技状態(以下、「高確率遊技状態」という)や、後述する普通図柄当り判定の結果として特別図柄始動入賞が得られやすくなる遊技状態(以下、「時短遊技状態」という)などが挙げられる。その後、再度、特別図柄の変動表示を開始させるか否かの判別処理を行い、その後は、上述した特別図柄制御処理の各種処理が繰り返される。
なお、本実施形態のパチンコ遊技機において、特別図柄の変動表示中に遊技球が始動入賞した場合には、該始動入賞時に抽出される各種データ(大当り判定用乱数値、図柄決定用乱数値等)が、特別図柄の変動表示を開始する条件が成立するまで記憶される。このように、特別図柄の変動表示を開始する条件が成立するまで各種データ(例えば大当り判定用乱数値等)を記憶することを「保留」といい、保留される各種データを始動情報という。
すなわち、特別図柄の変動表示中に遊技球が始動入賞した場合には、該始動入賞に対応する特別図柄の変動表示の実行が保留され、現在実行されている特別図柄の変動表示終了後に保留されている特別図柄の変動表示が順に開始される。以下では、保留されている特別図柄についての各種データを「保留球」ともいう。
また、本実施形態のパチンコ遊技機では、後述するように、2種類の特別図柄始動入賞(第1始動口入賞および第2始動口入賞)を設け、各特別図柄始動入賞に対して最大4個まで特別図柄の変動表示の実行を保留することができる。すなわち、本実施形態では、第1特別図柄の4個と第2特別図柄の4個とで合計最大8個まで、特別図柄の変動表示の実行を保留することができる。
なお、図155には示されていないが、本実施形態のパチンコ遊技機1001は、上述した保留球の情報に基づいて保留球の当落(「大当り」当選の有無)を判定し、さらに、その判定結果に基づいて所定の演出を行う機能、すなわち先読み演出機能を備えている。
(2)普通図柄ゲームにおいて普通図柄始動入賞があった場合には、普通図柄当り判定用カウンタから乱数値が抽出され、その乱数値が記憶される(図155に示す普通図柄ゲーム中の普通図柄始動入賞処理のフロー参照)。
また、図155に示すように、普通図柄ゲーム中の普通図柄制御処理では、最初に、普通図柄の変動表示を開始する条件が成立したか否かが判別される。この判別処理では、普通図柄始動入賞によって乱数値が記憶されているか否かが参照され、乱数値が記憶されていることを一つの条件として、普通図柄の変動表示を開始する条件が成立したと判別する。
次いで、普通図柄の変動表示を開始する場合、普通図柄当り判定用カウンタから抽出された乱数値が参照され、「普通図柄当り」とするか否かの普通図柄当り判定が行われる。その後、変動パターン決定処理が行われる。この処理では、普通図柄当り判定の結果が参照され、普通図柄の変動パターンを決定する。
次いで、決定された普通図柄当り判定の結果、および、普通図柄の変動パターンが参照され、普通図柄の変動表示の制御を行う変動表示制御処理、および、所定の演出を行う演出制御処理が実行される。
変動表示制御処理および演出表示制御処理が終了すると、「普通図柄当り」となるか否かが判定される。この判定処理において、「普通図柄当り」となると判定されると、普通図柄当り遊技を行う普通図柄当り遊技制御処理が実行される。
普通図柄当り遊技制御処理では、上述した各種入賞の可能性、特に、特別図柄ゲームにおける遊技球の特別図柄始動入賞の可能性が増大する。一方、「普通図柄当り」とならないと判定されると、普通図柄当り遊技制御処理が実行されない。その後、再度、普通図柄の変動表示を開始させるか否かの判別処理を行い、その後は、上述した普通図柄制御処理の各種処理が繰り返される。
上述のように、パチンコゲームでは、特別図柄ゲームにおいて「大当り」となるか否か、遊技状態の移行状況、普通図柄ゲームにおいて「普通図柄当り」となるか否か等の条件により、遊技球の払出制御処理の行われ易さが変化する。
なお、本実施形態において、各種の乱数値の抽出方式としては、メインCPU101によりプログラムを実行することによって所定の範囲(幅)内で乱数値を生成するソフト乱数方式を用いる。しかしながら、本発明はこれに限定されず、例えば、パチンコ遊技機が、所定周期で乱数が更新される乱数発生器を備える場合には、その乱数発生器におけるカウンタ(いわゆる、リングカウンタ)から乱数値を抽出するハード乱数方式を、上述した各種乱数値の抽出方式として採用してもよい。
なお、ハード乱数方式を用いる場合は、所定周期とは異なるタイミングで、乱数値の初期値を決定することによって、所定周期で同じ乱数値が抽出されることを防止することができる。
[3.パチンコ遊技機の基本仕様]
次に、図156〜図159を用いて、第11実施形態に係るパチンコ遊技機1001の基本仕様について説明する。図156はパチンコ遊技機1001の大当りの確率を示すテーブルの一例を示す図であり、図157は、特別図柄の大当り判定の結果が大当りであるときの当り種別(以下「メイン図柄」と称する)の選択率についての一例を示す図であり、図158はメインROM102に記憶される特別図柄の変動時間(可変表示時間)決定テーブルの一例を示す図である。図159は、サブ制御回路270のサブメインROM2050に記憶される装飾図柄決定テーブルの一例を示す図である。なお、以下の説明において、図156〜図159に示されていないメインCPU101およびメインRAM103の用語を用いているが、これらは図144に示されている。
図156に示される大当りの確率について説明するにあたり、先ず、パチンコ遊技機1001における大当りについて簡単に説明する。
メインCPU101は、第1始動口420(例えば図140参照)への遊技球の入賞を検出すると、大当り判定用カウンタから第1特別図柄の大当り判定用乱数を抽出し、メインRAM103に記憶される第1特別図柄大当り乱数判定テーブル(図示せず)を参照して、抽出された大当り判定用乱数についての大当り判定(以下、「第1特別図柄の大当り判定」と称する)を行う。なお、第1特別図柄の大当り判定用乱数の抽出は、大当り遊技状態に制御されているときであっても行われる。
同様に、メインCPU101は、第2始動口440(例えば図140参照)への遊技球の入賞を検出すると、大当り判定用カウンタから第2特別図柄の大当り判定用乱数を抽出し、メインRAM103に記憶される第2特別図柄大当り乱数判定テーブル(図示せず)を参照して、抽出された大当り判定用乱数についての大当り判定(以下、「第2特別図柄の大当り判定」と称する)を行う。なお、第2特別図柄の大当り判定用乱数の抽出は、大当たり遊技状態に制御されているときであっても行われる。
第1特別図柄の大当り判定が行われると、「大当り」および「ハズレ」のいずれかに決定される。また、第2特別図柄の大当り判定が行われると、第1特別図柄の大当り判定と同様に、「大当り」および「ハズレ」のいずれかに決定される。メインRAM103に記憶される第1特別図柄の大当り乱数判定テーブルおよび第2特別図柄の大当り乱数判定テーブルには、それぞれ、確変フラグの値(「0(=オフ)」又は「1(=オン)」)毎に、「大当り」又は「ハズレ」に決定される大当り判定用乱数の範囲(幅)と、それに対応する判定値データ(「大当り判定値データ」および「ハズレ判定値データ」)との関係が規定されている。
本実施形態では、第1特別図柄および第2特別図柄ともに、総乱数は65536である。すなわち、上記の大当り判定用乱数は0〜65535の範囲(幅)で発生する。この範囲は固定値として設定されている。大当り確率は、大当り判定用乱数の範囲に対する大当り判定値データの数によって定められる。なお、大当り判定用乱数の範囲(幅)は、適宜変更することができる。
なお、確変フラグは、メインRAM103に格納される管理フラグの一つであり、遊技状態が「高確率遊技状態」であるか否かを管理するためのフラグである。遊技状態が「高確率遊技状態」である場合には、確変フラグは「1」となり、「低確率遊技状態」である場合には、確変フラグは「0」となる。
また、時短フラグは、メインRAM103に格納される管理フラグの一つであり、遊技状態が「時短遊技状態」であるか否かを管理するためのフラグである。遊技状態が「時短遊技状態」である場合には、時短フラグは「1」となり、「非時短遊技状態」である場合には、時短フラグは「0」となる。なお、時短遊技状態では、時短回数もメインCPU101によって管理されており、特別図柄が1回変動する毎に、時短回数が1減算される。
なお、時短フラグがON設定される時短遊技状態では、非時短遊技状態と比べて、普通図柄当り判定において普通図柄当りと判別される確率(普通図柄当り確率)が高められる。そのため、時短遊技状態では、非時短遊技状態と比べて、普通電動役物460が閉鎖状態から開放状態になる頻度、すなわち第2始動口440への遊技球の入賞頻度が高められる。ただし、時短遊技状態において、非時短遊技状態と比べて普通図柄当り確率を高めることに代えて、例えば、普通図柄当り抽選の実行頻度を高める(普通図柄の変動時間が短くする)ことで、普通電動役物46が閉鎖状態から開放状態になる頻度を高めるようにしても良いし、普通電動役物460の開放態様を変えることで当該普通電動役物460に入賞しやすくしても良い。また、上記の三態様のうち二態様または三態様を組み合わせても良い。
本実施形態のパチンコ遊技機1001では、確変フラグおよび時短フラグのいずれもがOFFの通常遊技状態と、確変フラグON且つ時短フラグONの確変時短遊技状態と、確変フラグOFF且つ時短フラグONの時短遊技状態とのうち、いずれかの遊技状態にメインCPU101により制御されるように構成されている。
メインCPU101は、第1始動口420(例えば図140参照)への遊技球の入賞を検出して第1特別図柄の大当り判定用乱数を抽出すると、当該抽出した第1特別図柄の大当り判定用乱数値を、第1特別図柄の変動表示が開始されるまで始動情報として保留する。そして、第1特別図柄の変動表示を開始するときに、第1特別図柄の大当り判定を行い、大当りであるかハズレであるかを決定する。
メインCPU101は、第2始動口440(例えば図140参照)への遊技球の入賞を検出して第2特別図柄の大当り判定用乱数を抽出すると、当該抽出した第2特別図柄の大当り判定用乱数値を、第2特別図柄の変動表示が開始されるまで始動情報として保留する。そして、第2特別図柄の変動表示を開始するときに、第2特別図柄の大当り判定を行い、大当りであるかハズレであるかを決定する。
[3−1.大当り確率]
図156に示されるように、第1特別図柄の大当り判定においては、セットされている設定値に応じて大当り確率が異なっている。大当り確率が相対的に低い低確率遊技状態(確変フラグOFF)であるとき、設定値毎の大当り確率は、設定1で約300分の1、設定2で約290分の1、設定3で約280分の1、設定4で約270分の1、設定5で約260分の1、設定6で約250分の1となっている。また、大当り確率が相対的に高い高確率遊技状態(確変フラグON)であるとき、設定値毎の大当り確率は、設定1で約30分の1、設定2で約29分の1、設定3で約28分の1、設定4で約27分の1、設定5で約26分の1、設定6で約25分の1となっている。
すなわち、上述したとおり、本実施形態では大当り判定用乱数の範囲(幅)が0〜65535の範囲に固定値として設定されているため、第1特別図柄の大当り判定値データの数を設定値に応じて変えることで、設定値に応じて大当り確率を異ならせている。例えば、第1特別図柄における低確率遊技状態では、固定値である大当り判定用乱数の範囲(0〜65535)に対して、大当り判定値データの数を、設定1で218個、設定2で226個、設定3で234個、設定4で243個、設定5で252個、設定6で262個とすることで、設定値に応じて大当り確率を異ならせている。また、高確率遊技状態における大当り判定値データの数は、設定1で21個、設定2で22個、設定3で23個、設定4で24個、設定5で25個、設定6で26個となっている。
また、第2特別図柄の大当り判定においても、セットされている設定値に応じて大当り確率が異なっている。大当り確率が相対的に低い低確率遊技状態(確変フラグOFF)であるとき、設定値毎の大当り確率は、設定1で300分の1、設定2で290分の1、設定3で280分の1、設定4で270分の1、設定5で260分の1、設定6で250分の1となっている。また、大当り確率が相対的に高い高確率遊技状態(確変フラグON)であるとき、設定値毎の大当り確率は、設定1で30分の1、設定2で29分の1、設定3で28分の1、設定4で27分の1、設定5で26分の1、設定6で25分の1となっている。
すなわち、第2特別図柄の大当り確率についても、大当り判定値データの数を設定値に応じて変えることで、設定値に応じて大当り確率を異ならせている。例えば、第2特別図柄における低確率遊技状態では、固定値である大当り判定用乱数の範囲(0〜65535)に対して、大当り判定値データの数を、設定1で218個、設定2で226個、設定3で234個、設定4で243個、設定5で252個、設定6で262個とすることで、設定値に応じて大当り確率を異ならせている。また、高確率遊技状態における大当り判定値データの数についても、設定1で21個、設定2で22個、設定3で23個、設定4で24個、設定5で25個、設定6で26個となっている。
なお、第1特別図柄の大当り判定と第2特別図柄の大当り判定とでは、設定に応じて定められる大当り確率が同じである。すなわち、設定値が同じであれば、第1特別図柄の大当り判定における大当り確率と、第2特別図柄の大当り判定における大当り確率とが同じである。例えば設定3であれば、第1特別図柄の大当り判定における大当り確率は低確率遊技状態で280分の1(高確率遊技状態で28分の1)であり、この大当り確率は、第2特別図柄の大当り判定における大当り確率(低確率遊技状態で280分の1、高確率遊技状態で28分の1)と同じである。
本実施形態では、設定値が設定1〜設定6の6段階であるが、必ずしも6段階である必要はなく、複数段階であれば任意に定めることができる。
また、本実施形態では、設定値が異なると大当り確率も異なるように構成しているが、これに限られず、複数の設定値で共通の大当り確率となるようにしても良い。例えば、設定1と設定2とで共通の大当り確率(第1の確率)とし、設定3と設定4とで共通の大当り確率(第1の確率よりも高い第2の確率)とし、設定5と設定6とで共通の大当り確率(第2の確率よりも高い第3の確率)となるようにしても良い。
また、本実施形態では、メインCPU101により発生される大当り判定用乱数の範囲(幅)が0〜65535の範囲に固定値として設定されており、固定値であるこの大当り判定用乱数の範囲に対して、大当り判定値データの数を設定値に応じて変えることで、設定値毎に大当り確率を異ならせているが、設定値毎に大当り確率を異ならせる手法はこれに限られず、大当り判定値データの数を全設定共通とし、総乱数としての大当り判定用乱数の範囲(幅)を設定値に応じて変えることで、設定値に応じて大当り確率を異ならせるようにしても良い。例えば、大当り判定値データの数を全設定共通の218個とし、大当り判定用乱数の範囲(幅)を、設定1で0〜65535の範囲(大当り確率が約300分の1)、設定2で0〜63219の範囲(大当り確率が290分の1)、設定3で0〜61039の範囲(大当り確率が280分の1)、設定4で0〜58859の範囲(大当り確率が270分の1)、設定5で0〜56679の範囲(大当り確率が260分の1)、設定6で0〜54499の範囲(大当り確率が250分の1)とし、メインCPU101が設定値に応じた範囲で大当り判定用乱数を発生させることで、設定値に応じて大当り確率を変えることができる。しかも、この手法によれば、分子(大当り判定値データの数)よりも桁数が多い分母(大当り判定用乱数の範囲)を変えることで大当り確率を変えることになるため、大当り判定用乱数の範囲を固定値として大当り判定値データの数を設定値に応じて変える手法と比べて、設定値毎の大当り確率を細かく設定することが可能となる。
なお、上記では、大当り判定値データの数を全設定共通とし、総乱数としての大当り判定用乱数の範囲(幅)を設定値に応じて変えているが、大当り判定値データの数を全設定共通とすることは必ずしも必須ではない。例えば、設定1では、大当り判定値データの数218個、大当り判定用乱数の範囲(幅)を0〜65535の範囲(大当り確率が約300分の1)とし、設定2では、大当り判定値データの数219個、大当り判定用乱数の範囲(幅)を0〜63509の範囲(大当り確率が約290分の1)とし、設定3では、大当り判定値データの数220個、大当り判定用乱数の範囲(幅)を0〜61599の範囲(大当り確率が約280分の1)とし、設定4では、大当り判定値データの数221個、大当り判定用乱数の範囲(幅)を0〜59669の範囲(大当り確率が約270分の1)とし、設定5では、大当り判定値データの数222個、大当り判定用乱数の範囲(幅)を0〜57719の範囲(大当り確率が約260分の1)とし、設定6では、大当り判定値データの数223個、大当り判定用乱数の範囲(幅)を0〜55749の範囲(大当り確率が約250分の1)としたように、大当り判定値データおよび大当り判定用乱数の範囲(幅)の両方を設定値に応じて変えた場合であっても、大当り判定用乱数の範囲を固定値として大当り判定値データの数を設定値に応じて変える手法と比べて、設定値毎の大当り確率を細かく設定することが可能となる。
なお、メインCPU101は、上記の総乱数としての大当り判定用乱数の範囲(幅)を設定値に応じて変えた場合には、後述するステップS5072やステップS5082の設定チェック処理(図177参照)において、設定値データが「0」〜「5」の範囲内であるか否かの判別に加えてまたはこれに代えて、例えば、総乱数としての大当り判定用乱数の範囲(幅)が設定値に応じた範囲であるか否か、または/および、大当り判定値データの数が設定値に規定された数であるか否か等をチェックするようにしても良い。そして、当該チェックで正常でない(例えば、総乱数としての大当り判定用乱数の範囲(幅)または/および大当り判定値データの数が設定値に応じた範囲外)と判別された場合(後述するステップS5721におけるNOに相当する場合)には、メインCPU101は、遊技許可フラグをOFFにし(後述するステップS5722)、遊技を進行させることが不可能となる。
[3−2.大当り振分け]
次に、図157を参照して、特別図柄の大当り判定の結果が大当りであるときの大当り振分け、すなわち、特別図柄の停止図柄(メイン図柄)の選択率について説明する。図157に示される例では、メイン図柄の振分は全設定共通となっている。なお、図157に示されるテーブルの内容はメインROM102に記憶されている。
図157に示されるように、第1特別図柄の大当り判定の結果が大当りであるとき、メインCPU101は、抽出した図柄決定用乱数に基づいて、メイン図柄を、特図1−1(振分確率25.0%)、特図1−2(振分確率25.0%)、特図1−3(振分確率25.0%)、および特図1−4(振分確率25.0%)のうちいずれかに決定する。特図1−1は、ラウンド数4、確変フラグOFF、時短回数100回の大当りである。特図1−2は、ラウンド数4、確変フラグON、次回の大当り遊技状態が実行されるまで時短が継続する(時短フラグは次回の大当り遊技状態が開始されたときにOFFに設定される)大当りである。特図1−3は、ラウンド数10、確変フラグOFF、時短回数100回の大当りである。特図1−4は、ラウンド数10、確変フラグON、次回の大当り遊技状態が実行されるまで時短が継続する大当りである。第1特別図柄の大当り判定の結果が大当りであるとき、メインCPU101は、第1特別図柄を、後述する図158を参照して決定される変動時間にわたって変動表示したのち、上記決定されたメイン図柄で停止させる制御を実行する。
なお、本実施形態では、特別図柄の大当り判定の結果が大当りであるとき、所定の条件が成立すると(本実施形態では、特図1−2や特図1−4のように確変フラグONとなる大当りであると)、大当り遊技状態が終了したのち、次回の大当り遊技状態が開始されるまで高確率遊技状態が継続する所謂「確変ループ機」と呼ばれるものである。このような確変ループ機では、高確率遊技状態における特別図柄の大当り判定の結果が大当りであって、所定の条件が成立すると、大当り遊技状態が終了したのち、再び、次回の大当り遊技状態が開始されるまで高確率遊技状態が継続する。そして、高確率遊技状態における特別図柄の大当り判定の結果が大当りであって、所定の条件が成立しなければ(本実施形態では、特図1−1や特図1−3のように確変フラグONとならない大当りであると)、大当り遊技状態が終了したのち、高確率遊技状態に制御されずに低確率遊技状態に制御される。
第2特別図柄の大当り判定の結果が大当りであるとき、メインCPU101は、抽出した図柄決定用乱数に基づいて、メイン図柄を、特図2−1(振分確率50.0%)または特図2−2(振分確率50.0%)に決定する。特図2−1は、ラウンド数10、確変フラグOFF、時短回数100回の大当りである。特図2−2は、ラウンド数10、確変フラグON、次回の大当り遊技状態が実行されるまで時短が継続する大当りである。第2特別図柄の大当り判定の結果が大当りであるとき、メインCPU101は、第2特別図柄を、後述する図158を参照して決定される変動時間にわたって変動表示したのち、上記決定されたメイン図柄で停止させる制御を実行する。
なお、特別図柄の大当り判定の結果がハズレであるとき、メインCPU101は、ハズレ図柄を決定し、当該決定されたハズレ図柄で特別図柄を停止させる制御を実行する。
また、ラウンド数とは、大当り遊技状態において実行されるラウンド遊技のラウンド数である。また、確変フラグがONであれば大当り遊技状態が終了したのちの遊技状態が高確率遊技状態(確変フラグがONに設定される遊技状態)に制御され、確変フラグがOFFであれば大当り遊技状態が終了したのちの遊技状態が低確率遊技状態(確変フラグがOFFに設定される遊技状態)に制御される。以下において、ラウンド数4、確変フラグOFF、時短回数100回の大当り(例えば、特図1−1の大当り)を「4R通常大当り」と称し、ラウンド数4、確変フラグON、次回の大当たり遊技が実行されるまで時短が継続する大当り(例えば、特図1−2の大当り)を「4R確変大当り」と称し、ラウンド数10、確変フラグOFF、時短回数100回の大当り(例えば、特図1−3、特図2−1の大当り)を「10R通常大当り」と称し、ラウンド数10、確変フラグON、次回の大当たり遊技が実行されるまで時短が継続する大当り(例えば、特図1−4、特図2−2の大当り)を「10R確変大当り」と称する。
また、本実施形態では、大当り判定の結果が大当りであるときは、常に時短フラグがONに設定されるようになっているが、必ずしもこれに限られず、抽出した図柄決定用乱数に基づいて決定されるメイン図柄に応じて、時短フラグをONに設定するかOFFに設定するかを決定するようにしても良い。
[3−3.特別図柄の変動時間]
次に、図158を参照して、特別図柄の変動時間が決定されるまでの流れについて説明する。特別図柄の変動時間は、特別図柄の変動パターンと対応しているため、メインCPU101は、特別図柄の変動時間と特別図柄の変動パターンとを同時に決定することとなる。また、特別図柄の変動パターンは、サブ制御回路270(ホスト制御回路2100)により表示装置1016(例えば図140参照)に表示される演出内容(例えば装飾図柄の変動パターン)とも対応している。本実施形態のパチンコ遊技機1001では、決定される特別図柄の変動パターンが(すなわち変動時間や演出内容についても)設定値に応じて異なりうるように構成されている。なお、図158に示されるテーブルの内容はメインROM102に記憶されている。また、特別図柄の保留個数に応じてリーチ演出の実行確率を変えたり、特別図柄の保留個数が多くなるにつれて通常変動における変動時間が短くなるものもあるが、図158ではこれらを省略している。
図158に示されるように、メインCPU101は、第1特別図柄の大当り判定の結果にもとづいて第1特別図柄の変動時間を決定し、第2特別図柄の大当り判定の結果にもとづいて第2特別図柄の変動時間を決定する。
図158に示されるように、本実施形態では、第1特別図柄と第2特別図柄とで共通のテーブルを用いて特別図柄の変動時間が決定されるようになっている。ただし、これに代えて、第1特別図柄と第2特別図柄とで別のテーブルを用いて特別図柄の変動時間が決定されるようにしても良い。
また、特別図柄の変動時間決定テーブルは、特別図柄の大当り判定の結果と、遊技状態と、リーチ判定用乱数範囲と、特別図柄の大当り判定の結果が大当りであるときのメイン図柄と、演出選択用乱数範囲と、変動パターン(可変表示パターン)と、変動パターン指定コマンドと、変動時間と、演出内容との関係を規定している。ただし、特別図柄の変動時間を決定するにあたり、確変時短遊技状態と時短遊技状態とは識別されない。また、特別図柄の変動時間を決定する際のリーチ判定用乱数範囲と演出選択用乱数範囲とについては、設定値に応じて異なる乱数範囲が設定されている。
リーチ判定用乱数範囲は、特別図柄の大当り判定の結果がハズレである場合に、設定値毎に、リーチ演出を実行するか否かの決定に供される乱数である。メインCPU101は、第1始動口420や第2始動口440(いずれも例えば図140参照)に遊技球が入賞したときに、リーチ判定用カウンタからリーチ判定用乱数を抽出し、当該抽出したリーチ判定用乱数をメインRAM103に格納する。上述したとおり、メインCPU101は、特別図柄の変動表示を開始するときに大当り判定用乱数値を用いて大当り判定を行うが、この大当り判定の結果がハズレであるときに、メインRAM103に格納されたリーチ判定用乱数を用いてリーチ演出を実行するか否かを決定する。本実施形態では、リーチ判定用カウンタから抽出されるリーチ判定用乱数値が0〜249の範囲に設定されているが、この範囲は適宜変更することができる。
例えば、通常遊技状態(確変フラグOFF且つ時短フラグOFF)における特別図柄の大当り判定の結果がハズレの場合、リーチ演出を実行する旨が決定されるリーチ判定用乱数範囲は、設定1・2では0〜25に規定されており、設定3・4では0〜26に規定されており、設定5・6では0〜27に規定されている。また、確変時短遊技状態(確変フラグON且つ時短フラグON)における特別図柄の大当り判定の結果がハズレの場合には、リーチ演出を実行する旨が決定されるリーチ判定用乱数範囲は、設定1・2では0〜10に規定されており、設定3・4では0〜11に規定されており、設定5・6では0〜12に規定されている。
このように、本実施形態のパチンコ遊技機1001における特別図柄の大当り判定の結果がハズレの場合、リーチ演出は、設定1・2よりも設定3・4の方が実行されやすく、さらに、設定3・4よりも設定5・6の方が実行されやすくなっている。すなわち、設定値に応じてリーチ演出の実行頻度が異なっており、設定値がより高いほどリーチ演出の実行頻度が高くなる。
なお、本実施形態では、リーチ演出を実行するか否かの決定に際し、リーチ判定用乱数範囲は、設定1と設定2とで共通し、設定3と設定4とで共通し、設定5と設定6とで共通しているが、これに限られず、全ての設定で異なるようにしても良い。
また、上述したリーチ演出を実行するか否かの決定は、特別図柄の大当り判定の結果がハズレである場合についての説明であるが、特別図柄の大当り判定の結果が大当りである場合、メインCPU101は、リーチ判定用カウンタから抽出されたリーチ判定用乱数の値がいずれであるかにかかわらずリーチ演出を実行する旨を決定する。
演出選択用乱数範囲は、設定値毎に、特別図柄の変動時間の決定に供される乱数である。メインCPU101は、第1始動口420や第2始動口440(いずれも例えば図140参照)に遊技球が入賞したときに、演出選択用カウンタから演出選択用乱数を抽出し、当該抽出した演出選択用乱数をメインRAM103に格納する。メインCPU101は、遊技状態と、リーチ演出を実行するか否かの決定(特別図柄の大当り判定の結果がハズレである場合のみ)の結果とに応じて、メインRAM103に格納された演出選択用乱数を用いて特別図柄の変動時間を決定する。本実施形態では、演出選択用カウンタから抽出される演出選択用乱数値が0〜99の範囲に設定されているが、この範囲は適宜変更することができる。なお、メインCPU101は、特別図柄の大当り判定の結果が大当りである場合には、遊技状態に応じて、メインRAM103に格納された演出選択用乱数を用いて特別図柄の変動時間を決定する。
具体的には、通常遊技状態(確変フラグOFF且つ時短フラグOFF)における特別図柄の大当り判定の結果がハズレであって且つリーチ演出を実行する旨が決定された場合の特別図柄の変動時間は、次のように決定される。すなわち、特別図柄の変動時間が20000msec(通常中ノーマルリーチ)に決定される演出選択用乱数範囲は、設定1・2では0〜57に規定されており、設定3・4では0〜58に規定されており、設定5・6では0〜59に規定されている。また、特別図柄の変動時間が30000msec(通常中スーパーリーチA)に決定される演出選択用乱数範囲は、設定1・2では58〜89に規定されており、設定3・4では59〜89に規定されており、設定5・6では60〜89に規定されている。さらに、特別図柄の変動時間が40000msec(通常中スーパーリーチB)に決定される演出選択用乱数範囲は、設定1〜6共通で90〜99に規定されている。
また、通常遊技状態(確変フラグOFF且つ時短フラグOFF)における特別図柄の大当り判定の結果がハズレであって且つリーチ演出を実行しない旨が決定された場合の特別図柄の変動時間は、次のように決定される。すなわち、特別図柄の変動時間が10000msec(通常変動A)に決定される演出選択用乱数範囲は、設定1・2では0〜51に規定されており、設定3・4では0〜50に規定されており、設定5・6では0〜49に規定されている。また、特別図柄の変動時間が5000msec(通常変動B)に決定される演出選択用乱数範囲は、設定1・2では52〜99に規定されており、設定3・4では51〜99に規定されており、設定5・6では50〜99に規定されている。
また、確変時短遊技状態(確変フラグON且つ時短フラグON)や通常時短遊技状態(確変フラグOFF且つ時短フラグON)における特別図柄の大当り判定の結果がハズレであって且つリーチ演出を実行する旨が決定された場合の特別図柄の変動時間は、次のように決定される。すなわち、特別図柄の変動時間が25000msec(時短中ノーマルリーチ)に決定される演出選択用乱数範囲は、設定1・2では0〜57に規定されており、設定3・4では0〜58に規定されており、設定5・6では0〜59に規定されている。また、特別図柄の変動時間が35000msec(時短中スーパーリーチA)に決定される演出選択用乱数範囲は、設定1・2では58〜89に規定されており、設定3・4では59〜89に規定されており、設定5・6では60〜89に規定されている。さらに、特別図柄の変動時間が45000msec(時短中スーパーリーチB)に決定される演出選択用乱数範囲は、設定1〜6共通で90〜99に規定されている。
また、確変時短遊技状態(確変フラグON且つ時短フラグON)や通常時短遊技状態(確変フラグOFF且つ時短フラグON)における特別図柄の大当り判定の結果がハズレであって且つリーチ演出を実行しない旨が決定された場合の特別図柄の変動時間は、次のように決定される。すなわち、特別図柄の変動時間が4000msec(短縮変動A)に決定される演出選択用乱数範囲は、設定1・2では0〜51に規定されており、設定3・4では0〜50に規定されており、設定5・6では0〜49に規定されている。また、特別図柄の変動時間が2000msec(短縮変動B)に決定される演出選択用乱数範囲は、設定1・2では52〜99に規定されており、設定3・4では51〜99に規定されており、設定5・6では50〜99に規定されている。
なお、メイン図柄は、特別図柄の大当り判定の結果が大当りであるときに決定されるものであるため、特別図柄の大当り判定の結果がハズレであるときは、特別図柄の変動時間の決定とはかかわらない。
通常遊技状態(確変フラグOFF且つ時短フラグOFF)における特別図柄の大当り判定の結果が大当りである場合の特別図柄の変動時間は、全てのメイン図柄について共通で、次のように決定される。すなわち、特別図柄の変動時間が20000msec(通常中ノーマルリーチ)に決定される演出選択用乱数範囲は、設定1・2では0〜1に規定されており、設定3・4では0〜2に規定されており、設定5・6では0〜3に規定されている。また、特別図柄の変動時間が30000msec(通常中スーパーリーチA)に決定される演出選択用乱数範囲は、設定1・2では2〜49に規定されており、設定3・4では3〜49に規定されており、設定5・6では4〜49に規定されている。さらに、特別図柄の変動時間が40000msec(通常中スーパーリーチB)に決定される演出選択用乱数範囲は、設定1〜6共通で90〜99に規定されている。
また、確変時短遊技状態(確変フラグON且つ時短フラグON)や通常時短遊技状態(確変フラグOFF且つ時短フラグON)における特別図柄の大当り判定の結果が大当りである場合の特別図柄の変動時間は、全てのメイン図柄について共通で、次のように決定される。すなわち、特別図柄の変動時間が25000msec(時短中ノーマルリーチ)に決定される演出選択用乱数範囲は、設定1・2では0〜1に規定されており、設定3・4では0〜2に規定されており、設定5・6では0〜3に規定されている。また、特別図柄の変動時間が35000msec(時短中スーパーリーチA)に決定される演出選択用乱数範囲は、設定1・2では2〜49に規定されており、設定3・4では3〜49に規定されており、設定5・6では4〜49に規定されている。さらに、特別図柄の変動時間が45000msec(時短中スーパーリーチB)に決定される演出選択用乱数範囲は、設定1〜6共通で50〜99に規定されている。
このように、本実施形態のパチンコ遊技機1001において、遊技状態と、特別図柄の大当り判定の結果と、リーチ演出を実行するか否かの決定の結果とが同じである限り、特別図柄の変動時間は、設定1・2よりも設定3・4の方が短い変動時間に決定されやすく、さらに、設定3・4よりも設定5・6の方が短い変動時間に決定されやすくなっている。そのため、設定値がより高いほど特別図柄の変動時間の平均が短くなり、単位時間あたりの特別図柄の変動回数(すなわち抽選回数)が多くなる。ひいては、単位時間で見たときの大当り遊技状態の実行回数が多くなる期待度が高く、また、単位時間内に大当り遊技状態が実行される確率も高くなり、設定値が高いほど、遊技者にとって有利なゲームの実行が可能となる。
なお、本実施形態では、特別図柄の変動時間の決定に際し、演出選択用乱数範囲は、設定1と設定2とで共通し、設定3と設定4とで共通し、設定5と設定6とで共通しているが、これに限られず、全ての設定値で異なるようにしても良い。
また、特別図柄の大当り判定の結果が大当りである場合の特別図柄の変動時間は、全てのメイン図柄について共通で決定されるようにしているが、これに限られず、メイン図柄に応じて特別図柄の変動時間が異なるように構成しても良い。
変動パターンは、変動時間および演出内容を表すデータである。例えば、変動パターン「02H」は、変動時間40000msecの通常中スーパーリーチBを表す。
変動パターン指定コマンドは、変動時間および演出内容を表すデータとして、主制御回路100からサブ制御回路270へ送信される。例えば、メインCPU101により決定された変動パターンが「05H」であれば、「83H05H」の変動パターン指定コマンドが主制御回路100からサブ制御回路270へ送信される。このとき、主制御回路100(メインCPU101)により決定されたメイン図柄を特定する図柄指定コマンドもサブ制御回路270へ送信される。
[3−4.装飾図柄の停止図柄]
次に、図159を参照して、特別図柄の大当り判定の結果が大当りであるときに、図157に示される選択率でメイン図柄が決定された場合の装飾図柄の停止図柄の一例について説明する。なお、図159に示されるテーブルの内容はサブ制御回路270のサブメインROM2050に記憶されている。
サブ制御回路270(ホスト制御回路2100)は、主制御回路100から送信された図柄指定コマンドを受信すると、設定値にかかわらず、当該図柄指定コマンドにより特定されるメイン図柄にもとづいて装飾図柄の停止図柄を決定する。例えば、主制御回路100から送信された図柄指定コマンドにより特定されるメイン図柄が特図1−2であるとき、ホスト制御回路2100は、全ての装飾図柄が同一の特定図柄(例えば「7」図柄)となる態様の振分確率が0%であるから、全ての装飾図柄(本実施形態では3つの装飾図柄)が同一の偶数図柄となる態様(振分確率30.0%)、または、全ての装飾図柄が同一の奇数図柄となる態様(振分確率70.0%)に決定する。本実施形態では、特定図柄を「7」図柄としているが、これに限られず、遊技者からみて利益度合いの高い大当りであると認識できれば他の図柄(例えば、「V」図柄)を特定図柄としても良い。
なお、上述したとおり、図159に示されるメイン図柄は特別図柄の大当り判定の結果が大当りであるときに決定されるものである。したがって、ホスト制御回路2100は、特別図柄の大当り判定の結果が大当りであるときに図159を参照して装飾図柄の停止図柄を決定し、特別図柄の大当り判定の結果がハズレであるときは、図159に示される図柄以外の図柄を、装飾図柄の停止図柄として決定する。図159に示される図柄以外の図柄とは、例えば、全ての装飾図柄のうち少なくとも一つの装飾図柄が他の装飾図柄と異なる図柄等が相当する。
このように、図159によると、特別図柄の大当り判定の結果が大当りである場合、全ての装飾図柄が停止したときの態様は、第1特別図柄と第2特別図柄とのうちいずれの大当り判定の結果であるのか、大当り遊技状態が終了したのちの遊技状態が高確率遊技状態に制御される大当りであるか否か、大当り遊技状態において実行されるラウンド遊技のラウンド数が10Rであるか否か、によって異なりうる。
すなわち、図157を参照して決定されたメイン図柄が特図1−1、特図1−3または特図2−1(確変フラグがON設定されない4R通常大当りまたは10R通常大当り)であるときには、設定値に関係なく、必ず、全ての装飾図柄が同一の偶数図柄となる態様(以下「第1態様」と称する)で停止する。
また、メイン図柄が特図1−2(4R確変大当り)であるときには、設定値に関係なく、第1態様、または、全ての装飾図柄が同一の奇数図柄(特定図柄である「7」図柄以外の奇数図柄)となる態様(以下「第2態様」と称する)で停止する。
また、メイン図柄が特図1−4(10R確変大当り)であるときには、設定値に関係なく、全ての装飾図柄が同一の奇数図柄となる態様、または、全ての装飾図柄が同一の特定図柄となる態様(以下「特定態様」と称する)で停止する。
さらに、メイン図柄が特図2−2(10R確変大当り)であるときには、設定値に関係なく、特定態様で停止する。特図1−4および特図2−2はいずれも10R確変大当りであるが、特図1−4は第1始動口420への遊技球の入賞に基づく大当りであるから、通常遊技状態において大当りに当選した可能性が高い。また、特図2−2は第2始動口440への遊技球の入賞に基づく大当りであるから、高確率遊技状態または時短遊技状態において大当りに当選した可能性が高い。
このように、特定態様で停止すると、遊技者にとっての利益度合いが最も大きい10R確変大当りが確定し、全ての装飾図柄が同一の奇数図柄となる態様で停止すると、確変大当り(4R確変大当りまたは10R確変大当り)が確定する。一方、第1態様で停止した場合には、遊技者にとっての利益度合いが最も大きい10R確変大当りでないことは確定するものの、4R確変大当りの可能性は残されている。
なお、特別図柄の大当り判定の結果が大当りであった場合、当該大当りがいずれの大当りであるかについては、装飾図柄が全て停止したときに遊技者に報知するようにしても良いし、大当り遊技状態の実行中に報知するようにしても良いし、大当り遊技状態が終了する際に報知するようにしても良い。また、本実施形態のパチンコ遊技機1001では採用されていないが、大当り遊技状態が終了したのちの遊技状態が高確率遊技状態に制御される大当りであったにもかかわらず、当該高確率遊技状態に制御されることを遊技者に明示しない所謂「潜伏確変状態」に制御するようにしても良い。
[4.パチンコ遊技機の基本仕様の他の例]
なお、第11実施形態におけるパチンコ遊技機1001の基本仕様は上述したとおりであるが、上述の仕様に限られず、適宜変更することができる。以下に、基本仕様を適宜変更した例について説明する。ただし、以下の説明は一例であり、これに限られないことは言うまでもない。
[4−1.特別図柄の変動時間の変形例]
次に、図160を参照して、特別図柄の変動時間(すなわち特別図柄の変動パターン)の変形例について説明する。図160は、メインROM102に記憶される特別図柄の変動時間決定テーブルの他の例を示す図である。なお、上述したとおり、特別図柄の保留個数に応じてリーチ演出の実行確率を変えたり、特別図柄の保留個数が多くなるにつれて通常変動における変動時間が短くなるものもあるが、図160においてもこれらを省略している。
また、図160を参照して説明する特別図柄の変動特別図柄の変形例にかかるパチンコ遊技機のメインCPUは、特別図柄の変動回数(すなわち特別図柄の抽選回数)の実行回数をカウントする抽選回数カウント手段(図示せず)を備えている。この抽選回数カウント手段は、例えば大当り遊技状態の開始時にリセットし、大当り遊技状態が終了したときを起点として特別図柄の変動回数のカウントを開始する。
図160に示されるように、他の例では、通常遊技状態(確変フラグOFF且つ時短フラグOFF)における特別図柄の大当り判定の結果がハズレの場合、リーチ演出を実行するか否かの決定は、大当り遊技状態が終了した時点を起点としてカウントされる特別図柄の変動回数と、設定値との両方に応じて行われる。
具体的には、特定の時点(例えば大当り遊技状態が終了した時点)を起点とする特別図柄の変動回数が0〜1000回の場合、リーチ演出を実行する旨が決定されるリーチ判定用乱数範囲は、設定1・2では0〜25に規定されており、設定3・4では0〜26に規定されており、設定5・6では0〜27に規定されている。これらは図158と同じである。
一方、大当り遊技状態が終了した時点を起点とする特別図柄の変動回数が1001回以上になると、リーチ演出を実行する旨が決定されるリーチ判定用乱数範囲は、設定1・2では0〜10に規定されており、設定3・4では0〜5に規定されており、設定5・6では0〜1に規定されている。すなわち、特別図柄の大当り判定の結果がハズレであれば、設定1・2では設定3・4と比べてリーチ演出の実行確率が2倍と高く、設定3・4では設定5・6と比べてリーチ演出の実行確率が5倍と高い(設定1・2では設定5・6と比べてリーチ演出の実行確率が10と高い)。
このように、大当り遊技状態が終了した時点を起点とする特別図柄の変動回数が1001回以上になると、大当り遊技状態が終了した時点を起点とする特別図柄の変動回数が0〜1000回の場合と比べて、リーチ演出の実行確率が設定に応じて顕著に異なっている。
また、通常遊技状態(確変フラグOFF且つ時短フラグOFF)における特別図柄の大当り判定の結果がハズレであって且つリーチ演出を実行する旨が決定された場合、特別図柄の変動時間についても、大当り遊技状態が終了した時点を起点とする特別図柄の変動回数が0〜1000回の場合と1001回以上の場合とで、設定差が顕著となっている。
具体的には、大当り遊技状態が終了した時点を起点とする特別図柄の変動回数が0〜1000回の場合、特別図柄の変動時間が20000msec(通常中ノーマルリーチ)に決定される演出選択用乱数範囲は、設定1・2では0〜57に規定されており、設定3・4では0〜58に規定されており、設定5・6では0〜59に規定されている。また、特別図柄の変動時間が30000msec(通常中スーパーリーチA)に決定される演出選択用乱数範囲は、設定1・2では58〜89に規定されており、設定3・4では59〜89に規定されており、設定5・6では60〜89に規定されている。さらに、特別図柄の変動時間が40000msec(通常中スーパーリーチB)に決定される演出選択用乱数範囲は、設定1〜6共通で90〜99に規定されている。これらは図158と同じである。
一方、大当り遊技状態が終了した時点を起点とする特別図柄の変動回数が1001回以上になると、特別図柄の変動時間が20000msec(通常中ノーマルリーチ)に決定される演出選択用乱数範囲は、設定1〜4では規定されておらず、設定5・6では0〜99に規定されている。また、特別図柄の変動時間が30000msec(通常中スーパーリーチA)に決定される演出選択用乱数範囲は、設定1〜4では0〜89に規定されており、設定5・6では規定されていない。さらに、特別図柄の変動時間が40000msec(通常中スーパーリーチB)に決定される演出選択用乱数範囲は、設定1〜4共通で90〜99に規定されており、設定5・6では規定されていない。したがって、大当り遊技状態が終了した時点を起点とする特別図柄の変動回数が1001回以上といった所謂大ハマリした状況下では、実行されるリーチ演出により、セットされている設定値を遊技者に示唆することが可能となる。
また、通常遊技状態(確変フラグOFF且つ時短フラグOFF)における特別図柄の大当り判定の結果がハズレであって且つリーチ演出を実行する旨が決定された場合、大当り遊技状態が終了した時点を起点とする特別図柄の変動回数が1001回以上では、設定値が高いほどリーチ演出の実行確率が低い。また、リーチ演出が実行されたとしても、設定値が高いほど特別図柄の変動時間が短いリーチ演出の実行確率が高い。
このように、大当り遊技状態の終了を起点とする特別図柄の変動回数が1001回以上になると、より設定値が高いほど、1回あたりの特別図柄の変動時間の平均がより一層短くなり、単位時間あたりの特別図柄の変動回数(すなわち抽選回数)がより一層多くなる。ひいては、単位時間で見たときの大当り遊技の実行回数が多くなる期待度がより一層高く、また、単位時間内に大当り遊技が実行される確率もより一層高くなる。
また、大当り遊技状態の終了を起点とする特別図柄の変動回数が1000回未満においては、リーチ演出の実行頻度から、セットされている設定値を推測することは極めて困難であるが、大当り遊技状態の終了を起点とする特別図柄の変動回数が1001回以上になると、設定値に応じてリーチ演出の実行頻度が顕著に異なってくるため、所謂大ハマリしたときには、セットされている設定値を推測できる余地が生じうる。これにより、所謂大ハマリしたときには、ホールに対して直接的な損失を与えることなく(例えば遊技球を遊技者に付与する等を行うことなく)、遊技者に対してセットされている設定値を推測しうる機会を与えることで、遊技者に楽しみを与えることが可能となる。しかも、本来であればリーチ演出になって欲しいと遊技者が考えるところ、本実施形態では、所謂大ハマリしたときにリーチ演出の実行頻度が低いほど、設定値が高いのではないかといった期待を遊技者が抱くことができるため、リーチ演出の実行頻度が低くても遊技の続行意欲の低下を軽減することができる。
なお、本実施形態では、特別図柄の変動回数がカウントされる起点を、大当り遊技状態が終了した時点としたが、これに限られず、例えば、予め決められた期間を経過すると高確率遊技状態が終了する所謂ST機と呼ばれるパチンコ機において高確率遊技状態が終了したときや、時短遊技状態が終了したときなど、任意の時点を起点とすることができる。
また、本実施形態では、特定の時点を起点とする特別図柄の変動回数が1001回以上になると、リーチ演出の実行確率および特別図柄の変動時間が設定値に応じて顕著に異なるが、必ずしも1001回以上である必要はない。例えば、遊技者にとってハマリであると感じられる程度であれば、その回数は特定の回数に限られない。
また、本実施形態では、特定の時点を起点とする特別図柄の変動回数が規定回数以上になると、リーチ演出の実行確率および特別図柄の変動時間が設定値に応じて顕著に異なるが、設定値に応じて顕著に異なるのは、必ずしもリーチ演出の実行確率や特別図柄の変動時間に限られない。例えば、メインCPU101は、特別図柄の大当り抽選の結果が大当りであることが決定されてから実際に大当り遊技状態に制御するまでの間に所定の待機時間(以下「オープニング時間」と称する)を設けている。また、メインCPU101は、大当り遊技状態が終了してから特別図柄の変動表示を開始するまでの間にも所定の待機時間(以下「エンディング時間」と称する)を設けている。ホスト制御回路2100(表示制御回路2300)は、上記のオープニング時間においてオープニング演出を表示装置1016に表示し、上記のエンディング時間においてエンディング演出を表示装置1016に表示する。オープニング演出では、例えば、特別図柄抽選の結果が大当りであった旨を示す演出や、特別図柄抽選の結果が大当りであった旨を祝福する演出、大当り遊技状態での遊技手法(例えば右打ち等)を教示する演出等が行われる。エンディング演出では、大当り遊技状態において払い出された賞球量を示す演出、大当り遊技状態が継続された回数(連荘回数)を示す演出、大当り遊技状態が終了したのちの遊技状態が高確率遊技状態に制御されることを示す演出、大当り遊技状態が終了したのちの遊技状態での遊技手法(例えば左打ちに戻す等)を教示する演出、パチンコ遊技機1001の製造メーカーのロゴを表示する演出等が行われる。
具体的には、上記オープニング時間、上記インターバル時間、および、上記エンディング時間のうち、全部または少なくとも一つの時間を設定値が高くなるほど短くすることによって、設定値が高くなるほど大当り遊技状態に要する時間を短くすることができる。その結果、単位時間あたりの特別図柄の変動回数(すなわち抽選回数)の平均を多くすることが可能となり、設定値が高いほど、遊技者にとって有利なゲームの実行が可能となる。
また、例えば、高設定値ほど出玉期待値が高い(例えば高設定値ほど大当り確率が高い等)パチンコ遊技機1001にあっては、低設定値と比べて短時間で多量の賞球が払い出される可能性があることに鑑みれば、上記オープニング時間、上記インターバル時間、および、上記エンディング時間のうち、全部または少なくとも一つの時間を設定値が高くなるほど長くなるように構成しても良い。この場合、出玉期待値が高い高設定値ほど、上記オープニング時間、上記インターバル時間、および、上記エンディング時間のうち、全部または少なくとも一つの時間が長くなるため、高設定値による遊技の面白みを担保しつつ、単位時間で払い出される賞球を抑制することが可能となる。
なお、メインCPU101は、上記のオープニング時間、エンディング時間および大当り遊技状態に制御されているときであっても、始動口(第1始動口420,第2始動口440)への遊技球の入賞を検出すると各種乱数を抽出し、後述するステップSステップS5074やステップS5082の設定チェック処理(図177参照)を実行する。そして、この設定チェック処理において設定値データが「0」〜「5」の範囲外であると判別された場合(後述するステップS5721におけるNO)には、たとえ大当り遊技状態に制御されていたとしても、メインCPU101は、遊技許可フラグをOFFにし(後述するステップS5722)、遊技を進行させることが不可能となる。
[4−2.大当り振分けおよび装飾図柄の停止図柄の変形例]
次に、図161〜図163を参照して、特別図柄の大当り判定の結果が大当りであるときの大当り振分け(メイン図柄の選択率)についての第1変形例および第2変形例と、これら第1変形例および第2変形例のときの装飾図柄の停止図柄について説明する。第1変形例および第2変形例では、メイン図柄の選択率が設定値に応じて異なっている。なお、図161は特別図柄の大当り判定の結果が大当りであるときのメイン図柄の選択率についての第1変形例を示す図であり、図162は特別図柄の大当り判定の結果が大当りであるときのメイン図柄の選択率についての第2変形例を示す図である。また、図163は、サブ制御回路270のサブメインROM2050に記憶される装飾図柄決定テーブルの変形例であり、第1変形例および第2変形例に共通で用いられる。
[4−2−1.第1変形例]
先ず、図161および図163を参照して、上記第1変形例について説明する。なお、図161に示されるテーブルの内容はメインROM102に記憶されており、図163に示されるテーブルの内容はサブ制御回路270のサブメインROM2050に記憶されている。
図161に示されるように、第1変形例では、特別図柄の大当り判定の結果が大当りであるとき、メインCPU101は、抽出した図柄決定用乱数に基づいて、メイン図柄を、設定値に応じた確率で、特図1−1、特図1−2、特図1−3、特図1−4、特図1−5、特図1−6、特図1−7、および、特図1−8のうちいずれかに決定する。ただし、この第1変形例では、特図1−1と特図1−3とが「4R通常大当り」、特図1−2と特図1−4とが「4R確変大当り」、特図1−5と特図1−7と特図2−1と特図2−3とが「10R通常大当り」、特図1−6と特図1−8と特図2−2と特図2−4とが「10R確変大当り」となっている。
具体的には、メインCPU101は、設定1〜設定4では共通確率で、メイン図柄を、特図1−1(振分確率12.5%)、特図1−2(振分確率12.5%)、特図1−3(振分確率12.5%)、特図1−4(振分確率12.5%)、特図1−5(振分確率12.5%)、特図1−6(振分確率12.5%)、特図1−7(振分確率12.5%)、および、特図1−8(振分確率12.5%)、のうちいずれかに決定する。これに対して、設定5では、メイン図柄を、特図1−1(振分確率10.0%)、特図1−2(振分確率10.0%)、特図1−3(振分確率15.0%)、特図1−4(振分確率15.0%)、特図1−5(振分確率10.0%)、特図1−6(振分確率10.0%)、特図1−7(振分確率15.0%)、および、特図1−8(振分確率15.0%)、のうちいずれかに決定する。また、設定6では、メイン図柄を、特図1−1(振分確率5.0%)、特図1−2(振分確率5.0%)、特図1−3(振分確率20.0%)、特図1−4(振分確率20.0%)、特図1−5(振分確率5.0%)、特図1−6(振分確率5.0%)、特図1−7(振分確率20.0%)、および、特図1−8(振分確率20.0%)、のうちいずれかに決定する。
すなわち、大当り種別が共通する特図1−2および特図1−4(いずれも4R確変大当り)は、両者の合成確率は設定に関係なくいずれも25.0%であるものの、高設定値(例えば設定5・6)では、特図1−2の選択率(設定5で10.0%、設定6で5.0%)よりも特図1−4の選択率(設定5で15.0%、設定6で20.0%)の方が高い(設定1〜4では共通)。
同様に、大当り種別が共通する特図1−6および特図1−8(いずれも10R確変大当り)は、両者の合成確率は設定に関係なくいずれも25.0%であるものの、高設定値(例えば設定5・6)では、特図1−6の選択率(設定5で10.0%、設定6で5.0%)よりも特図1−8の選択率(設定5で15.0%、設定6で20.0%)の方が高い(設定1〜4では共通)。
さらに、大当り種別が共通する特図2−2および特図2−4(いずれも10R確変大当り)についても、両者の合成確率は設定に関係なくいずれも50.0%であるものの、高設定値(例えば設定5・6)では、特図2−2の選択率(設定5で20.0%、設定6で10.0%)よりも特図2−4の選択率(設定5で30.0%、設定6で40.0%)の方が高い。
ところで、特別図柄の大当り判定の結果が大当りである場合、ホスト制御回路2100は、図163に示されるように、特図1−1、特図1−3、特図1−5、特図1−7、特図2−1、特図2−3(確変フラグがON設定されない4R通常大当りまたは10R通常大当り)であるときには、設定値に関係なく、必ず、例えば表示装置1016に表示される装飾図柄が第1態様で停止するよう制御する。
一方、特図1−2(4R確変大当り)であるときには、ホスト制御回路2100は、設定値に関係なく、第1態様(選択率50.0%)、または、第2態様(選択率50.0%)で停止するよう制御する。また、メイン図柄が特図1−4(4R確変大当り)であるときには、ホスト制御回路2100は、設定値に関係なく、第1態様(選択率25.0%)、または、第2態様(選択率75.0%)で停止するよう制御する。ここで、高設定値(例えば設定5・6)では、特図1−2の選択率(設定5で10.0%、設定6で5.0%)よりも特図1−4の選択率(設定5で15.0%、設定6で20.0%)の方が高い。そのため、特図1−2と特図1−4とは大当り種別(いずれも4R確変大当り)が同じであるにもかかわらず、高設定値では、低設定値(例えば設定1〜4)と比べて、装飾図柄が第2態様(遊技者にとって第1態様よりも高い期待度を有する態様)で停止する確率が高くなる。
同様に、特図1−6(10R確変大当り)であるときには、ホスト制御回路2100は、設定値に関係なく、必ず、第2態様で停止するよう制御する。また、メイン図柄が特図1−8(10R確変大当り)であるときには、ホスト制御回路2100は、設定値に関係なく、第2態様(選択率50.0%)、または、特定態様(選択率50.0%)で停止するよう制御する。ここで、上述したとおり、高設定値(例えば設定5・6)では、特図1−6の選択率(設定5で10.0%、設定6で5.0%)よりも特図1−8の選択率(設定5で15.0%、設定6で20.0%)の方が高い。そのため、特図1−6と特図1−8とは大当り種別(いずれも10R確変大当り)が同じであるにもかかわらず、高設定値では、低設定値(例えば設定1〜4)と比べて、装飾図柄が特定態様(遊技者にとって最も高い期待度を有する態様)で停止する確率が高くなる。
さらに同様に、特図2−2(10R確変大当り)であるときには、ホスト制御回路2100は、設定値に関係なく、第2態様(選択率50.0%)または特定態様(選択率50.0%)で停止するよう制御する。また、メイン図柄が特図2−4(10R確変大当り)であるときには、ホスト制御回路2100は、設定値に関係なく、必ず、特定態様で停止するよう制御する。ここで、上述したとおり、高設定値(例えば設定5・6)では、特図2−2の選択率(設定5で20.0%、設定6で10.0%)よりも特図2−4の選択率(設定5で30.0%、設定6で40.0%)の方が高い。そのため、特図2−2と特図2−4とは大当り種別(いずれも10R確変大当り)が同じであるにもかかわらず、高設定値では、低設定値(例えば設定1〜4)と比べて、装飾図柄が特定態様で停止する確率が高くなる。
このように、特別図柄の大当り判定の結果が大当りである場合には、大当り種別が同じであったとしても、設定値に応じて装飾図柄の停止態様が異なりうるようにすることが実現可能となる。とくに高設定値(例えば設定5・6)であるときには、特別図柄の大当り判定の結果が大当りであるときに特定の大当り種別(例えば10R確変大当り)に決定される合成確率が同じであったとしても、低設定値(例えば設定1〜4)であるときと比べて、高い確率で、遊技者にとって相対的に高い期待度を有する態様(例えば特定態様)で装飾図柄を停止させることが可能となる。
[4−2−2.第2変形例]
次に、図162および図163を参照して、上記第2変形例について説明する。なお、図162に示されるテーブルの内容はメインROM102に記憶されている。
第1変形例では、特別図柄の大当り判定の結果が大当りであるときに決定されるメイン図柄に応じて、確変フラグがON設定されるか否かが決定される。これに対して、第2変形例では、特別図柄の大当り判定の結果が大当りであるときに決定されるメイン図柄に応じて、確変フラグがON設定されるか否かがただちに決定されるわけではない。詳述すると、第2変形例では、第1変形例と異なり、確変アタッカー(図示せず)を例えば大入賞口540(例えば図140参照)の内部に備えている。そして、例えば大当り遊技状態に制御されているときに、確変アタッカーへの遊技球の進入が検出されると当該大当り遊技状態が終了したのちの遊技状態が高確率遊技状態に制御され、確変アタッカーへの遊技球の進入が検出されることなく大当り遊技状態が終了したときには当該大当り遊技状態が終了したのちの遊技状態が低確率遊技状態に制御されるようにしたものである。このように、確変アタッカーへの遊技球の進入にもとづいて高確率遊技状態に制御されるパチンコ遊技機も所謂「確変ループ機」である。
図162に示されるように、第2変形例では、特別図柄の大当り判定の結果が大当りであるときに決定されるメイン図柄に応じて、確変アタッカーへの遊技球の進入のしやすさが異なっている。例えば、特図1−1では確変アタッカーへの遊技球の進入が困難な態様で大当り遊技状態に制御され、特図1−2では確変アタッカーへの遊技球の進入が容易な態様で大当り遊技状態に制御される。本実施形態において、「確変アタッカーへの遊技球の進入が困難な態様」での大当りであるときの時短回数は100回であり、「確変アタッカーへの遊技球の進入が容易な態様」での大当りであるときは次回の大当たり遊技が実行されるまで時短が継続する。
本実施形態において、「確変アタッカーへの遊技球の進入が困難な態様」は、大当り遊技状態に制御されている間に確変アタッカーに遊技球が進入する可能性がほぼないに等しい(ほぼ100%に近い確率で低確率遊技状態に制御される)態様である。また、「確変アタッカーへの遊技球の進入が容易な態様」は、確変アタッカーの配置部位(例えば大入賞口540(例えば図140参照))に向けて遊技球を発射する限り、大当り遊技状態に制御されている間に確変アタッカーに遊技球がほぼ進入する(ほぼ100%に近い確率で高確率遊技状態に制御される)態様である。したがって、この第2変形例では、「確変アタッカーへの遊技球の進入が困難な態様」での大当りを「通常大当り」と称し、「確変アタッカーへの遊技球の進入が容易な態様」での大当りを「確変大当り」と称する。
ただし、「確変アタッカーへの遊技球の進入が容易な態様」であれば100%に近い確率で高確率遊技状態に制御され、「確変アタッカーへの遊技球の進入が困難な態様」であれば100%に近い確率で低確率遊技状態に制御されることに代えて、「確変アタッカーへの遊技球の進入が容易な態様」であるときに、「確変アタッカーへの遊技球の進入が困難な態様」よりも相対的に高い確率で高確率遊技状態に制御される態様であっても良い。
確変アタッカーへの遊技球の進入が困難な態様と容易な態様とを作り出す方法として、例えば、確変アタッカーを内部に備える大入賞口540(例えば図140参照)とは別に、確変アタッカーを備えていない他の大入賞口(図示せず)を設けることが考えられる。そして、確変アタッカーへの遊技球の進入が容易な態様(例えば、特図1−2、特図1−4、特図1−6、特図1−8、特図2−2、特図2−4)であるときには大入賞口540を開放する大当り遊技状態に制御し、確変アタッカーへの遊技球の進入が困難な態様(例えば、特図1−1、特図1−3、特図1−5、特図1−7、特図2−1、特図2−3)であるときには大入賞口540を開放せずに他の大入賞口を開放する大当り遊技状態に制御することで、確変アタッカーへの遊技球の進入が困難な態様と容易な態様とを作り出すことができる。なお、確変アタッカーへの遊技球の進入が困難な態様と容易な態様とを作り出すことができれば、上記の態様に限定されない。
また、上記のように、確変アタッカーを内部に備える大入賞口540と、確変アタッカーを備えていない他の大入賞口(図示せず)とを設けた場合、大当り遊技状態において開放される大入賞口に設定差をもたせるようにしても良い。例えば、設定1などの低設定値では、大入賞口540よりも他の大入賞口が開放される大当り遊技状態が選択されやすく、設定6などの高設定値では、他の大入賞口よりも大入賞口540が開放される大当り遊技状態が選択されやすいといったように、高設定値であるほど大入賞口540が開放される大当り遊技状態が選択されやすいようにすることができる。
図162に示されるように、このような第2変形例では、特別図柄の大当り判定の結果が大当りであるとき、メインCPU101は、抽出した図柄決定用乱数に基づいて、メイン図柄を、設定値に応じた確率で、特図1−1、特図1−2、特図1−3、特図1−4、特図1−5、特図1−6、特図1−7、および、特図1−8のうちいずれかに決定する。ただし、この第2変形例では、特図1−1と特図1−3とが「4R通常大当り」、特図1−2と特図1−4とが「4R確変大当り」、特図1−5と特図1−7と特図2−1と特図2−3とが「10R通常大当り」、特図1−6と特図1−7と特図2−2と特図2−4とが「10R確変大当り」となっている。
具体的には、メインCPU101は、設定1〜設定4では共通確率で、メイン図柄を、特図1−1(振分確率12.5%)、特図1−2(振分確率12.5%)、特図1−3(振分確率12.5%)、特図1−4(振分確率12.5%)、特図1−5(振分確率12.5%)、特図1−6(振分確率12.5%)、特図1−7(振分確率12.5%)、および、特図1−8(振分確率12.5%)、のうちいずれかに決定する。これに対して、設定5では、メイン図柄を、特図1−1(振分確率10.0%)、特図1−2(振分確率10.0%)、特図1−3(振分確率15.0%)、特図1−4(振分確率15.0%)、特図1−5(振分確率10.0%)、特図1−6(振分確率10.0%)、特図1−7(振分確率15.0%)、および、特図1−8(振分確率15.0%)、のうちいずれかに決定する。また、設定6では、メイン図柄を、特図1−1(振分確率5.0%)、特図1−2(振分確率5.0%)、特図1−3(振分確率20.0%)、特図1−4(振分確率20.0%)、特図1−5(振分確率5.0%)、特図1−6(振分確率5.0%)、特図1−7(振分確率20.0%)、および、特図1−8(振分確率20.0%)、のうちいずれかに決定する。
すなわち、大当り種別が共通する特図1−2および特図1−4(いずれも4R確変大当り)は、両者の合成確率は設定に関係なくいずれも25.0%であるものの、高設定値(例えば設定5・6)では、特図1−2の選択率(設定5で10.0%、設定6で5.0%)よりも特図1−4の選択率(設定5で15.0%、設定6で20.0%)の方が高い(設定1〜4では共通)。
同様に、大当り種別が共通する特図1−6および特図1−8(いずれも10R確変大当り)は、両者の合成確率は設定に関係なくいずれも25.0%であるものの、高設定値(例えば設定5・6)では、特図1−6の選択率(設定5で10.0%、設定6で5.0%)よりも特図1−8の選択率(設定5で15.0%、設定6で20.0%)の方が高い(設定1〜4では共通)。
さらに、大当り種別が共通する特図2−2および特図2−4(いずれも10R確変大当り)についても、両者の合成確率は設定に関係なくいずれも50.0%であるものの、高設定値(例えば設定5・6)では、特図2−2の選択率(設定5で20.0%、設定6で10.0%)よりも特図2−4の選択率(設定5で30.0%、設定6で40.0%)の方が高い。
ところで、特別図柄の大当り判定の結果が大当りである場合、ホスト制御回路2100は、図163に示されるように、特図1−1、特図1−3、特図1−5、特図1−7、特図2−1、特図2−3(確変フラグがON設定されない4R通常大当りまたは10R通常大当り)であるときには、設定値に関係なく、必ず、例えば表示装置1016に表示される装飾図柄が第1態様で停止するよう制御する。
一方、特図1−2(4R確変大当り)であるときには、ホスト制御回路2100は、設定値に関係なく、第1態様(選択率50.0%)、または、第2態様(選択率50.0%)で停止するよう制御する。また、メイン図柄が特図1−4(4R確変大当り)であるときには、ホスト制御回路2100は、設定値に関係なく、第1態様(選択率25.0%)、または、第2態様(選択率75.0%)で停止するよう制御する。ここで、高設定値(例えば設定5・6)では、特図1−2の選択率(設定5で10.0%、設定6で5.0%)よりも特図1−4の選択率(設定5で15.0%、設定6で20.0%)の方が高い。そのため、特図1−2と特図1−4とは大当り種別(いずれも4R確変大当り)が同じであるにもかかわらず、高設定値では、低設定値(例えば設定1〜4)と比べて、装飾図柄が第2態様(遊技者にとって第1態様よりも高い期待度を有する態様)で停止する確率が高くなる。
同様に、特図1−6(10R確変大当り)であるときには、ホスト制御回路2100は、設定値に関係なく、必ず、第2態様で停止するよう制御する。また、メイン図柄が特図1−8(10R確変大当り)であるときには、ホスト制御回路2100は、設定値に関係なく、第2態様(選択率50.0%)、または、特定態様(選択率50.0%)で停止するよう制御する。ここで、上述したとおり、高設定値(例えば設定5・6)では、特図1−6の選択率(設定5で10.0%、設定6で5.0%)よりも特図1−8の選択率(設定5で15.0%、設定6で20.0%)の方が高い。そのため、特図1−6と特図1−8とは大当り種別(いずれも10R確変大当り)が同じであるにもかかわらず、高設定値では、低設定値(例えば設定1〜4)と比べて、装飾図柄が特定態様(遊技者にとって最も高い期待度を有する態様)で停止する確率が高くなる。
さらに同様に、特図2−2(10R確変大当り)であるときには、ホスト制御回路2100は、設定値に関係なく、第2態様(選択率50.0%)または特定態様(選択率50.0%)で停止するよう制御する。また、メイン図柄が特図2−4(10R確変大当り)であるときには、ホスト制御回路2100は、設定値に関係なく、必ず、特定態様で停止するよう制御する。ここで、上述したとおり、高設定値(例えば設定5・6)では、特図2−2の選択率(設定5で20.0%、設定6で10.0%)よりも特図2−4の選択率(設定5で30.0%、設定6で40.0%)の方が高い。そのため、特図2−2と特図2−4とは大当り種別(いずれも10R確変大当り)が同じであるにもかかわらず、高設定値では、低設定値(例えば設定1〜4)と比べて、装飾図柄が特定態様で停止する確率が高くなる。
このように、第2変形例においても、第1変形例と同様に、特別図柄の大当り判定の結果が大当りである場合には、大当り種別が同じであったとしても、設定値に応じて装飾図柄の停止態様が異なりうるようにすることが実現可能となる。とくに高設定値(例えば設定5・6)であるときには、特別図柄の大当り判定の結果が大当りであるときに特定の大当り種別(例えば10R確変大当り)に決定される合成確率が同じであったとしても、低設定値(例えば設定1〜4)であるときと比べて、高い確率で、遊技者にとって相対的に高い期待度を有する態様(例えば特定態様)で装飾図柄を停止させることが可能となる。
なお、上述の第1変形例および第2変形例のいずれにおいても、設定値に応じてメイン図柄の選択率を異ならせることで、設定値に応じて装飾図柄の停止図柄が異なりうるように構成している。すなわち、ホスト制御回路2100は、設定値に応じて装飾図柄の停止図柄を制御しているのではなく、メイン図柄に応じて装飾図柄の停止図柄を制御し、その結果として、設定値に応じて装飾図柄の停止図柄が異なりうるようになっている。ただし、これに限られず、ホスト制御回路2100による制御によって、設定値に応じて装飾図柄の停止図柄が異なりうるように構成しても良い。
上述の第1変形例および第2変形例によれば、設定値に応じて特別図柄の選択率に差を設けること、すなわち、ラウンド数、確変突入率、時短突入率に設定差を設けることが可能となる。
[5.描画制御手法の概要]
ここで、ホスト制御回路2100から表示制御回路2300に描画リクエストの制御信号が出力された際に、表示制御回路2300が実行する描画制御処理の概要を、図164を参照しながら説明する。なお、図164は、描画制御処理時における画像データ(動画データ及び静止画データ)のフローを示す図である。
本実施形態では、表示装置1016の液晶画面に表示する画像(動画及び/又は静止画)のデータ(圧縮データ)は、CGROM基板2040内のCGROM2060に格納されている。そして、描画リクエストの制御信号が表示制御回路2300に入力されると、表示制御回路2300は、まず、CGROM2060から画像圧縮データを読み出しデコード(伸張)する。この際、動画圧縮データが読み出された場合には、表示制御回路2300内の動画デコーダ2340により動画圧縮データがデコードされ、静止画圧縮データが読み出された場合には、表示制御回路2300内の静止画デコーダ2350により静止画圧縮データがデコードされる。
次いで、表示制御回路2300は、画像データのデコード結果(画像伸張データ)をテクスチャソースに指定された所定のバッファに書き出す。なお、本実施形態では、テクスチャソースとして、SDRAM2510(外部RAM)内に設けられたムービバッファ、テクスチャバッファや、内蔵VRAM2370内のスプライトバッファが指定される。例えば、動画1枚を表示する場合には、伸張された動画データ(デコード結果)は、SDRAM2510内のムービバッファに書き出される。また、例えば、静止画1枚を表示する場合には、伸張された静止画データは、内蔵VRAM2370内のスプライトバッファに書き出される。
次いで、表示制御回路2300は、画像データのレンダリング(描画)結果を書き出すレンダリングターゲットを指定する。なお、レンダリングターゲットとしては、例えば、SDRAM2510(外部RAM)内に設けられたフレームバッファや、内蔵VRAM2370内に設けられたフレームバッファなどを指定することができる。
次いで、表示制御回路2300は、レンダリングエンジン2410を作動させて、テクスチャソースに書き出された画像データのデコード結果に対してレンダリング処理を施し、そのレンダリング結果をレンダリングターゲットに書き出す。なお、この処理では、動画の拡大縮小や回転などの指定情報(3Dジオメトリエンジン2400から入力される各種情報)に従ってレンダリング処理が行われる。
次いで、表示制御回路2300は、レンダリングターゲットに書き出されたレンダリング結果(表示出力データ)を、表示装置1016の表示画面に表示する。
なお、本実施形態では、レンダリングターゲットとして、2つのフレームバッファを用意する。そして、レンダリングエンジン2410からレンダリング結果をフレームバッファに書き出す際、レンダリング結果が書き出されるフレームバッファがフレーム毎に切り替えられる。例えば、所定のフレームにおいて、一方のフレームバッファにレンダリング結果を書き出した場合には、次フレームでは、他方のフレームバッファにレンダリング結果を書き出し、次々フレームでは、一方のフレームバッファにレンダリング結果を書き出す。すなわち、本実施形態では、一方のフレームバッファへのレンダリング結果の書き出し処理と、他方のフレームバッファへのレンダリング結果の書き出し処理とがフレーム毎に交互に切り替えて実行される。
また、上述したレンダリング結果の書き出し処理及び表示処理の流れの中において、所定のフレームで一方のフレームバッファに書き出されたレンダリング結果は、次フレームで表示装置1016の表示画面に表示される(一方のフレームバッファの機能が描画機能から表示機能に切り替えられる)。また、次フレームで他方のフレームバッファに書き出されたレンダリング結果は、次々フレームで表示装置1016の表示画面に表示される(他方のフレームバッファの機能が描画機能から表示機能に切り替えられる)。すなわち、本実施形態では、一方のフレームバッファにおけるレンダリング結果の表示処理と、他方のフレームバッファにおけるレンダリング結果の表示処理とがフレーム毎に交互に切り替えて実行される。
[6.音声再生制御手法の概要]
次に、ホスト制御回路2100から音声・LED制御回路2200にサウンドリクエストが出力された際に、音声・LED制御回路2200が実行する音声再生処理の概要を、図147に戻って説明する。
本実施形態では、スピーカ1024に出力する音声データは、CGROM2060に格納されている。CGROM2060に記憶された音声データは、13ビット長のフレーズ番号NUM(000H〜1FFFH)で特定されるフレーズ(phrase)圧縮データであり、一連の背景音楽の一曲分(BGM)や、ひと纏まりの演出音(予告音)などが、最高8192種類(=213)、各々、フレーズ番号NUMに対応して記憶されている。そして、このフレーズ番号NUMは、ホスト制御回路2100から音声・LED制御回路2200のコマンドレジスタ2250に伝送される音声コマンドの設定値(動作パラメータ)によって特定される。
音声コマンドは、音声・LED制御回路2200に内蔵された多数の音声制御レジスタの何れか一の音声制御レジスタに、1バイト長の設定値を伝送するIndividual Write用途か、又は、連続する一連N個の音声制御レジスタ群に、一群N個の設定値を伝送するBlock Write 用途で使用される。
何れにしても、アクセス対象となる音声制御レジスタは、1バイト長のレジスタアドレスで特定され、各音声制御レジスタの記憶容量は1バイトである。そして、本実施例では、7個のレジスタバンクに区分して、多数の音声制御レジスタが確保されている。すなわち、レジスタバンクが7区分されていることから、音声制御レジスタの総数は、原理的には最大7×256個となる。
本実施例では、全てのレジスタバンクにおいて、特定のレジスタアドレスは、レジスタバンク設定用の音声制御レジスタとなっている。そのため、7×256個の音声制御レジスタの何れか一個を特定するには、先行する音声コマンドによって、バンク設定用の音声制御レジスタにレジスタバンクを書込んだ上で、そのレジスタバンクに属する音声制御レジスタを、1バイト長のレジスタアドレスで特定することになる。
ところで、音声制御レジスタへの設定値の設定動作は、必ずしも、設定対象となる音声制御レジスタのレジスタアドレスを直接指定する必要はなく、CGROM2060に格納されているSACデータ(Simple Access Code Data )や、シーケンスコード(Sequence Code )を指定して、一群の音声制御レジスタに対する、一連の設定動作を完了させることもできる。そして、このような動作を実現するため、音声・LED制御回路2200には、図147に示すシンプルアクセスコントローラ2260a(simple Access Controller)4個と、シーケンサ2260b(Sequencer )16個とが内蔵されている。
シンプルアクセスコントローラ2260aを機能させるためのSAC(Simple Access Code)データから説明すると、SACデータは、音声制御レジスタのレジスタアドレス(1バイト)と、その音声制御レジスタへの設定値(1バイト)とを対応させた最大512組(=1024バイト)のデータ群であって、SAC終了コード(FFFFH)で終端される集合体を意味する(図147参照)。
本実施例の場合、このようなSACデータを、最高8192種類(=213)設けることができ、ホスト制御回路2100は、13ビット長のSAC番号を、SAC制御用の音声制御レジスタ(図147参照)に書込むことで、シンプルアクセスコントローラ2260aを機能させることができる。機能を開始したシンプルアクセスコントローラ2260aは、SAC番号で特定される一群のSACデータを、CGROM2060から順番に読出し、SACデータが示す音声制御レジスタに、SACデータが示す設定値を設定することになる。
そのため、ホスト制御回路2100は、SAC制御用の音声制御レジスタに、SAC番号を書込む(登録する)だけで足り、音声制御レジスタのレジスタアドレスを個々的に指定することなく、一連の設定動作を指示することができる。なお、SAC制御用の音声制御レジスタには、一連の設定動作の開始タイミングを規定する待機時間(付属データとしての待機情報)を設定することもでき、SAC制御用の音声制御レジスタへのSAC番号の書込みタイミングから、シンプルアクセスコントローラ2260aによる音声制御レジスタへの設定開始タイミングを遅延させることもできる。
続いて、シーケンサ2260bを機能させるためのシーケンスコード(Sequence Code )について説明する。シーケンスコードも、SACデータと同様、音声制御レジスタのレジスタアドレス(1バイト)と、その音声制御レジスタへの設定値(1バイト)とを対応させた複数組のデータである(図147参照)。但し、SACデータとは異なり、シーケンスコードは、所定の待機時間を経て、間欠的に実行可能な複数の動作ステップ(複数のシーケンスステップ)を規定することができる。
また、シーケンサ(Sequencer )制御用の音声制御レジスタには、各シーケンサSQ0〜SQ15について、設定動作の開始タイミングを規定する待機時間(待機情報)や、繰り返し動作の有無、及びその繰り返し回数(ループ情報)を、含ませることができる。したがって、シーケンスコードは、所定時間を要して実行される一連の音声演出を特定することになる。
図147に示す通り、複数の動作ステップは、ステップ終了コード(FFFEH)で区切られており、複数の動作ステップの最後は、シーケンス終了コード(FFFFH)で終端されている。本実施例の場合、シーケンスコードも、最高8192種類(=213)設けることができ、ホスト制御回路2100は、13ビット長のシーケンスコード番号と、シーケンサの動作を規定する付属データを、シーケンサ(Sequencer )制御用の音声制御レジスタに書込むことで、一連の設定動作を、シーケンサ2260bに指示することができる。
本実施例では、このようなSACデータやシーケンスコードが、必要組だけ、予めCGROM2060に記憶されており、一群のSACデータや、一群のシーケンスコードは、SAC番号やシーケンスコード番号で特定される。したがって、本実施例の場合、Write 用途の音声コマンドは、音声制御レジスタへの直接的な設定動作を規定する場合だけでなく、シンプルアクセスコントローラ2260aやシーケンサ2260bを経由した間接的な設定動作を規定する場合も含まれる。
上記の動作を実現するため、ホスト制御回路2100および音声・LED制御回路2200は、1バイトデータを送受信可能なパラレル信号線(データバス)と、動作管理データを送信可能な2ビット長の動作管理データ線(アドレスバス)と、読み書き(read/write)動作を制御可能な2ビット長の制御信号線と、音声・LED制御回路2200を選択するチップセレクト信号線とで接続されている。
パラレル信号線は、ホスト制御回路2100のデータバスで実現され、また、動作管理データ線は、ホスト制御回路2100のアドレスバスで実現されている。そして、音声・LED制御回路2200には、上位6ビットが共通し、下位2ビットが00,01,10となる3個のポート番号PORTが付与されており、ホスト制御回路2100が、これらのポート番号PORTに対するI/OREAD命令や、I/OWRITE命令を実行すると、何れの場合も、チップセレクト信号CSがアクティブレベルになるよう回路構成されている。
そして、I/OREAD命令や、I/OWRITE命令の実行時にアドレスバスの下位2ビットA0〜A1に出力されるデータは、音声・LED制御回路2200に対する動作管理データA0〜A1となり、この2ビットA0〜A1に基づいて、その時のデータバスの1バイトデータが、レジスタアドレスであるか、それとも、書込みデータ又は読み出しデータであるかが特定されるようになっている。
すなわち、アドレスデータが[00]であれば、そのタイミングのデータバスのデータがレジスタアドレスと評価され、一方、アドレスデータが[01]であれば、そのタイミングのデータバスのデータが書込みデータ又は読み出しデータとなる。なお、I/OREAD命令を実行した場合が読み出しデータ、I/OWRITE命令を実行した場合が書込みデータである。
したがって、所定の設定値を、所定の音声制御レジスタに書込む音声コマンドの送信動作は、音声・LED制御回路2200のポート番号PORTの下位2ビットA0,A1を推移させつつ、I/OWRITE命令を連続的に実行することで実現される。具体的には、アドレスデータの下位2ビットA0〜A1を、[00]→[01]と推移させる一方で、データバスの1バイトデータを、[音声制御レジスタのレジスタアドレス]→[音声制御レジスタへの書込みデータ]と推移させることで、所定の音声コマンドの送信動作が実現される。
SAC番号(13ビット)やシーケンスコード番号(13ビット)、及び、これに付随する制御データ(待機情報やループ情報など)を送信する場合のように、書込みデータが複数バイト長であって、制御レジタのレジスタアドレスが連続する場合には、[01]の動作管理データA0〜A1を、[00]→[01]→[01]→[01]と繰り返しつつ、複数バイトの書込みデータを送信する。
このようにして送信された音声コマンドは、通信異常がない限り、その後、音声・LED制御回路2200内部で実効化される。但し、複数バイト長のデータが互いに整合しないなど、通信異常が認められる場合には、その音声コマンドが実効化させることはない。そして、音声制御レジスタのエラーフラグがセットされるが、このエラーフラグ(ステイタス情報STS)は、アドレスバスの動作管理データA0〜A1を、[01]から[10]に推移させたI/OREAD命令の実行によって受信することができる。
このように、この実施例では、動作管理データA0〜A1を、[00]→[01]→・・・[01]→[10]と推移させる最終サイクルにおいて、複数ビット長のエラー情報(異常時はFFH)を取得することができる。そして、適正にパラレル送信できなかった音声コマンドを再送することで、音声演出を適切に進行させることができる。したがって、本実施例の構成によれば、音声演出が突然、途絶えるような不自然さを解消することができる。
一方、I/OREAD動作によるデータ読み込み動作は、音声・LED制御回路2200のポート番号PORTの下位2ビットA0,A1を推移させつつ、I/OWRITE命令と、I/OREAD命令を連続的に実行することで実現される。なお、読み出しデータが複数バイト長の場合には、必要バイト数だけI/OREAD命令を連続させる。
具体的に確認すると、先ず、I/OWRITE動作として、アドレスデータの下位2ビットA0〜A1が[00]となるポート番号PORTに対して、[動作ステイタスなどを記憶する音声制御レジスタのレジスタアドレス(1バイト長)]を出力する。次に、アドレスデータの下位2ビットA0〜A1が[01]となるポート番号PORTに対して、I/OREAD命令を実行すれば、所定の音声制御レジスタから動作ステイタスなどの必要データを取得することができる。
以上のような構成を有する音声・LED制御回路2200が再生した音声は、音声・LED制御回路2200のデジタル音声信号として、5ビット信号(SCLK,LRO,SD0,SD1,SD2)の形式でデジタルオーディオパワーアンプ2620に伝送され、デジタルオーディオパワーアンプ2620でD級増幅され、アナログ音声信号として各スピーカに供給される。具体的には、デジタルオーディオパワーアンプ2620の増幅出力(アナログ音声信号)は、低音用の下方スピーカに供給されており、デジタルオーディオパワーアンプ2620の増幅出力(アナログ音声信号)は、遊技者に対して上下左右位置にほぼ整列配置された4個の通常用スピーカ(例えば図148参照(L0,R0,L1,R1)と2個の重低音用(振動用)スピーカ(例えば図148参照(SUB0,SUB1)とに供給されている。
[7.主制御回路による処理]
次に、図165〜図186を参照して、パチンコ遊技機1001のメインCPU101で実行される各種の処理について説明する。ただし、以下の説明(メインCPU101における処理の説明)において、電源スイッチ35、設定スイッチ332、設定キー328、性能表示モニタ334、エラー報知モニタ336、外部端子板323、ホールコンピュータ700の各用語を用いているが、これらは図144に示されている。
[7−1.電源投入処理]
図165は、メインCPU101による電源投入処理の一例を示すフローチャートである。例えばホール関係者が電源スイッチ35をON操作すると、パチンコ遊技機1001の電源が投入される。パチンコ遊技機1001の電源が投入されると、同図に示すように、メインCPU101は、電源投入時処理(ステップS5010)と、設定値にかかわる設定処理(ステップS5020)と、遊技復帰処理(ステップS5030)とを、順に実行する。以下に、これらの各処理について説明する。なお、図示はしていないが、メインCPU101は、所定レベルまで電圧が降下していないかを常にチェックしており、停電発生時や電源スイッチ35のOFF操作等により電圧が所定レベルまで降下すると、後述する電源断発生時処理を行う。
[7−1−1.電源投入時処理]
図166は、電源投入時処理の一例を示すフローチャートである。パチンコ遊技機1001の電源が投入されると、同図に示すように、メインCPU101は、初期値をスタックポインタに設定する(ステップS5011)。
次に、メインCPU101は、RWM(メインRAM103)に対するアクセスを許可(ステップS5012)したのち、サブ制御回路270が信号を受け付け可能になるまで待機するサブ制御受信受付ウェイト処理を行う(ステップS5013)。そしてその後、メインCPU101は、CPU内蔵の各種デバイスについて初期化処理を行う(ステップS5014)。
次に、メインCPU101は、設定値にかかわるスイッチを有効化する(ステップS5015)。設定値にかかわるスイッチとは、ステップS5020の設定処理を行う際に用いるスイッチであり、例えば、設定処理を開始・終了させるための設定キー328や、設定値を変更するための設定スイッチ332等が相当する。そして、メインCPU101は、設定にかかわるスイッチを有効化(ステップS5015)したのち、各スイッチの読込処理(ステップS5016)を行い、その後、遊技許可処理(ステップS5017)を行う。
図167は、遊技許可処理の一例を示すフローチャートである。ステップS5017(図166参照)の遊技許可処理では、遊技の実行を許可するための遊技許可フラグの管理が行われる。遊技許可フラグは、遊技の実行を許可するか否かを示すフラグであり、例えば、RWM(メインRAM103)の作業領域が正常でないとき等、遊技を実行することができないときにOFFに設定される。以下に遊技許可処理(ステップS5017)について説明する。
メインCPU101は、先ず、電断時状況識別フラグがONであるか否かを判別する(ステップS6710)。電断時状況識別フラグとは、前回の電断発生時の状況を識別するフラグである。すなわち、例えば後述する設定変更処理中等に電断が発生すると、設定変更処理が適正に完了する前に電断している可能性が高いため、電源を投入したときに、そのまま遊技の実行を許可することができない。そこで、電源を投入したときに、前回の電断発生時の状況を識別できるようにしている。本実施形態では、例えば、通常遊技中や後述する設定確認処理中に電断が発生したときには、電断されるまでの間に、電断時状況識別フラグがONに設定される。一方、後述する設定変更処理中に電断が発生したときには、電断されるまでの間に、電断時状況識別フラグがOFFに設定される。また、後述するステップS5722〜ステップS5727の異常状態中に電断が発生したときにも、電断時状況識別フラグがOFFに設定される。なお、未だ電源投入されたことがない初期状態、または長期間にわたって電源が投入されなかったためにメインRAM103のデータが消失したとき、電断時状況識別フラグはOFFである。上記の「通常遊技中」とは、設定変更処理および設定確認処理のいずれも行われていない遊技中を意味し、確変フラグおよび時短フラグのいずれもがOFFの通常遊技状態を意味するものではない(以下、同じ)。
ステップS6710において、メインCPU101は、電断時状況識別フラグがON(ステップS6710におけるYES)であるとステップS6720に移り、電断時状況識別フラグがOFF(ステップS6710におけるNO)であると遊技許可フラグをOFF(ステップS6750)にしたのちステップS6720に移る。
ステップS6720において、メインCPU101は、メインRAM103の作業領域のチェックを行う。この作業領域のチェックには、セットされている設定値データが規定の範囲内(本実施形態では「0」〜「5」の範囲内)であるか否かのチェックも含まれる。
なお、メインRAM103の作業領域は、後述するバックアップクリア処理が行われたときにデータがクリアされる一般作業領域と、後述するバックアップクリア処理が行われてもデータが原則クリアされずに保持される特定作業領域とに分かれている。この特定作業領域には、例えば、性能表示データやセットされている設定値データ等が記憶されている。設定値を示すデータである。本実施形態では、6段階の設定値「1」〜「6」のそれぞれに、「0」〜「5」の設定値データが対応している。すなわち、例えばセットされている設定値が「4」であれば、メインRAM103に記憶される設定値データは「3」である。
ステップS6730において、メインCPU101は、メインRAM103の作業領域が正常であるか否かを判別し、正常(ステップS6730におけるYES)であるとステップS6740に移り、正常でないすなわち異常(ステップS6730におけるNO)であると遊技許可フラグをOFF(ステップS6760)にしたのちステップS6740に移る。例えば、設定値データが規定の範囲内(本実施形態では「0」〜「5」の範囲内)でないとき、メインCPU101は、メインRAM103の作業領域が正常でないと判別する。
ステップS6740において、メインCPU101は、遊技許可フラグがONであるか否かを判別する。このステップS6740では、通常遊技中や後述する設定確認処理中に電断が発生し(ステップS6710におけるYES)、メインRAM103の作業領域が正常であれば(ステップS6730におけるYES)、遊技許可フラグがONであると判別される。一方、設定変更処理中や異常状態中に電断が発生したとき(ステップS6710におけるNO)、および、メインRAM103の作業領域が正常でなければ(ステップS6730におけるNO)、遊技許可フラグがOFFであると判別される。そして、遊技許可フラグがON(ステップS6740におけるYES)である場合には、遊技許可処理を終了する。遊技許可フラグがOFF(ステップS6740におけるNO)である場合には、ステップS6770に移る。
なお、この明細書において、通常遊技中に発生する電断、設定確認処理中に発生する電断および設定変更処理中に発生する電断を、正常な電断とし、後述するステップS5722〜ステップS5727において発生する電断を異常な電断とする。
ステップS6770において、メインCPU101は、設定キー328がON操作された状態で電源投入された(電源スイッチ35がONとなる操作が行われた)か否か、すなわち設定キースイッチ信号がONであるか否かを判別し、設定キースイッチ信号がON(ステップS6770におけるYES)であるとステップS6780に移り、設定キースイッチ信号がOFF(ステップS6770におけるNO)であるとステップS6810に移る。
ステップS6780において、メインCPU101は、バックアップクリアスイッチ330の押下操作が行われたか否か、すなわちバックアップクリア信号がONであるか否かを判別し、バックアップクリア信号がON(ステップS6780におけるYES)であるとステップS6790に移り、バックアップクリア信号がOFFであるとステップS6810に移る。
ステップS6790において、メインCPU101は、遊技許可フラグをONに設定し、ステップS6800に移る。
このようにメインCPU101は、前回の電断発生時の状況やメインRAM103の作業領域が正常でないこと等によって遊技許可フラグがOFFであったとしても(ステップS6740におけるNO)、設定キースイッチ信号ON(ステップS6770におけるYES)且つバックアップクリア信号ON(ステップS6780におけるYES)であると、ステップS6790において遊技許可フラグをONに設定する。すなわち、設定キー328がON操作された状態で電源投入操作とバックアップクリアスイッチ330の押下操作との両方が行われた場合には、遊技許可フラグがたとえOFFであったとしても遊技許可フラグがONに設定されるが、設定キースイッチ信号とバックアップクリア信号とのうち少なくともいずれか一つでもOFFであれば、遊技許可フラグがOFFからONに設定されることがない。
ステップS6800において、メインCPU101は、バックアップクリアフラグをONに設定し、遊技許可処理を終了する。バックアップクリアフラグは、後述するバックアップクリア処理を行う必要があるか否かを示すフラグであり、バックアップクリア処理を行う必要があるときはバックアップクリアフラグがONに設定され、バックアップクリア処理が行われるとバックアップクリアフラグがOFFに設定される。
ステップS6810において、メインCPU101は、遊技の実行が許可されない(遊技許可フラグがOFFである)ことを示すエラーコードがエラー報知モニタ336に表示されるように報知設定する。メインCPU101は、ステップS6810の処理を行うと、遊技許可処理を終了する。このように、エラーコードをエラー報知モニタ336に表示することで、ホール関係者は、エラー報知モニタ336に表示されたエラーコードを確認することで、遊技を実行できる状態でない(遊技許可フラグがOFFである)ことを把握することができる。本実施形態では、遊技許可フラグがOFFであるとき、設定キー328がON操作された状態で電源投入操作とバックアップクリアスイッチ330の押下操作との両方が行われた場合に限り、遊技許可フラグをONに設定することが可能となっている。すなわち、遊技許可フラグがOFFであるときは、電断操作を行って電力の供給を一旦停止し、後述する設定変更処理が実行されない限り、遊技許可フラグがONにならない。なお、上記ではステップS6810の処理を行うと遊技許可処理を終了するようにしているが、これに代えて、ステップS6810の処理を行った後、ステップS6740に戻り、遊技許可フラグをONにする条件が成立するまで(図167で言えば、ステップS6780においてYESと判別されるまで)、ステップS6740〜ステップS6810の処理をループするようにしても良い。
[7−1−2.設定処理]
図168(a)は、ステップS5020(図165参照)の設定処理の一例を示すフローチャートであり、図168(b)は、ステップS5020の設定処理の他の例を示すフローチャートである。図168(a)と図168(b)とで異なる点は、ステップS5021において遊技許可フラグがOFFである(ステップS5021におけるNO)と判別されたときの処理が異なるだけで、その他の処理(ステップS5022〜ステップS5028の処理)は両者で共通する。以下に、設定処理について説明する。
図168(a)に示されるように、メインCPU101は、先ず、ステップS5021において、遊技許可フラグがONであるか否かを判別する。メインCPU101は、遊技許可フラグがON(ステップS5021におけるYES)であるとステップS5022に移り、遊技許可フラグがOFF(ステップS5021におけるNO)であると、設定変更処理(ステップS5024)および設定確認処理(ステップS5026)のいずれも実行せずに設定処理を終了する。
メインCPU101は、設定キースイッチ信号ON(ステップS5022におけるYES)且つバックアップクリア信号ON(ステップS5023におけるYES)であると、設定変更処理(ステップS5024)を行い、設定キースイッチ信号ON(ステップS5022におけるYES)且つバックアップクリア信号OFF(ステップS5023におけるNO)であると、設定確認処理(ステップS5026)を行う。したがって、設定キー328がON操作された状態で電源投入されると、バックアップクリア信号がONであれば設定変更処理(ステップS5024)が実行され、バックアップクリア信号がOFFであれば設定確認処理(ステップS5026)が実行される。
なお、メインCPU101は、設定キースイッチ信号OFF(ステップS5022におけるNO)且つバックアップクリア信号ON(ステップS5027におけるYES)であると、バックアップクリアフラグをONに設定し(ステップS5028)、設定変更処理(ステップS5024)および設定確認処理(ステップS5026)のいずれも実行せずに設定処理を終了する。また、メインCPU101は、設定キースイッチ信号OFF(ステップS5022におけるNO)且つバックアップクリア信号OFF(ステップS5027におけるNO)であると、ステップS5028の処理を実行せずに、設定処理を終了する(設定変更処理(ステップS5024)および設定確認処理(ステップS5026)についても実行されない)。
すなわち、前回の電断が通常遊技中や後述する設定確認処理中に発生した正常な電断であって、且つ、メインRAM103の作業領域が正常であれば、ステップS5021においてYESと判別される。このとき、メインCPU101は、電源が投入されたときの設定キー328の操作状況およびバックアップクリアスイッチ330の押下操作の操作状況に応じて、設定変更処理(ステップS5024)、設定確認処理(ステップS5026)またはバックアップクリアフラグ処理(ステップS5028)を実行する。なお、設定キー328およびバックアップクリアスイッチ330のいずれも操作されずに電源が投入された場合には、設定変更処理(ステップS5024)、設定確認処理(ステップS5026)およびバックアップクリアフラグ処理(ステップS5028)のいずれも実行することなく、遊技復帰処理(ステップS5030)に移り、この遊技復帰処理(ステップS5030)が実行されたのち、遊技の実行が可能となる。
一方、前回の電断が異常な電断であったり、前回の電断が正常な電断であったとしても設定変更処理中に発生した電断であれば、ステップS5021においてNOと判別される。このとき、メインCPU101は、電源が投入されたときの設定キー328の操作状況やバックアップクリアスイッチ330の押下操作の操作状況にかかわらず、設定変更処理(ステップS5024)、設定確認処理(ステップS5026)およびバックアップクリアフラグON(ステップS5028)のいずれも実行せずに、設定処理を終了する。したがって、設定変更処理中に電断が発生したり前回の電断が異常な電断である場合には、設定キースイッチ信号ON(ステップS6770におけるYES)且つバックアップクリア信号ON(ステップS6780におけるYES)と判別されて(すなわち、設定キー328がON操作された状態で電源投入操作とバックアップクリアスイッチ330の押下操作との両方が行われて設定変更状態に制御されて)設定値が確定されたときに限り、設定変更処理(ステップS5024)が実行されてステップS5030の遊技復帰処理に移り、この遊技復帰処理(ステップS5030)が実行されたのち、遊技の実行が可能となる。そのため、設定キー328およびバックアップクリアスイッチ330のいずれも操作されなかったり、操作されたとしてもいずれか一方のみが操作されただけであるときには、設定変更処理(ステップS5024)、設定確認処理(ステップS5026)およびバックアップクリアフラグ処理(ステップS5028)のいずれも実行されずに遊技復帰処理(ステップS5030)に移る。ただし、この遊技復帰処理(ステップS5030)では、異常時処理(後述の図172のステップS5038参照)が実行されることとなり、遊技を実行することができず、遊技停止状態となる。
このように、図168(a)のフローチャートで示される設定処理の一例では、設定変更処理中に電断が発生したり前回の電断が異常な電断である場合には、電源が投入されたときの設定キー328の操作状況やバックアップクリアスイッチ330の押下操作の操作状況にかかわらず、設定変更処理(ステップS5024)、設定確認処理(ステップS5026)およびバックアップクリアフラグON(ステップS5028)のいずれも実行せずに、設定処理を終了している。ただし、これに限られず、図168(b)のフローチャートで示される設定処理の他の例のように、設定変更処理中に電断が発生した場合または/および前回の電断が異常な電断である場合に、メインCPU101は、電源が投入されたときの設定キー328の操作状況やバックアップクリアスイッチ330の押下操作の操作状況にかかわらず、強制的に設定変更処理(ステップS5024)を実行するようにしてもよい。設定変更処理中に電断が発生したり前回の電断が異常な電断である場合に、電源が投入されたときの設定キー328の操作状況やバックアップクリアスイッチ330の押下操作の操作状況にかかわらず強制的に設定変更処理(ステップS5024)が実行されるようにすることで、設定キー328やバックアップクリアスイッチ330の操作をし忘れた状態で電源を投入してしまったときに、再び電断を強いるような煩わしさを軽減することが可能となる。
なお、図168(a)に示されるフローチャートでは、ステップS5021においてNOと判別されると、設定キー328の操作状況およびバックアップクリアスイッチ330の押下操作の操作状況のいずれも判別することなく設定処理を終了している。同様に、図168(b)に示されるフローチャートにおいても、ステップS5021においてNOと判別されると、設定キー328の操作状況およびバックアップクリアスイッチ330の押下操作の操作状況のいずれも判別することなく設定変更処理(ステップS5024)を実行している。ただし、これらに代えて、設定キー328の操作状況または/およびバックアップクリアスイッチ330の押下操作の操作状況を判別し、この判別結果にかかわらず、設定処理を終了したり設定変更処理(ステップS5024)を実行したりしてもよい。
[7−1−2−1.設定変更処理]
図169は、設定変更処理の一例を示すフローチャートである。ステップS5024(図168参照)の設定変更処理は、セットされている設定値を変更するための処理であるが、セットされている設定値と同じ設定値にして設定変更処理を終了することもできる。また、上述したように、遊技許可フラグがOFFであるときには、電断操作を行って電力の供給を一旦停止した上で設定変更処理を実行しない限り、遊技許可フラグがONにならない。
メインCPU101は、先ず、ステップS7410において、遊技許可フラグがONであるか否かを判別する。遊技許可フラグがOFF(ステップS7410におけるNO)であると、メインCPU101は、設定変更処理を実行することなく当該処理を終了する。なお、電源が投入された時点で遊技許可フラグがOFFであったとしても、設定キースイッチ信号ON且つバックアップクリア信号ONであるときは、ステップS6790(図167参照)において遊技許可フラグがONに設定されるため、設定変更処理が実行される。
メインCPU101は、遊技許可フラグがONであると(ステップS7410におけるYES)、ステップS7420に移り、バックアップクリア処理を実行する。このバックアップクリア処理については後述する。
メインCPU101は、ステップS7420のバックアップクリア処理を実行したのち、ステップS7430に移り、メインRAM103に記憶されている設定値データをレジスタに格納し、ステップS7440に移る。なお、バックアップクリア処理は、設定変更処理が開始されてから終了するまでの間であれば、どのタイミングで実行しても良い。
ステップS7440において、メインCPU101は、設定変更セキュリティ信号の出力設定を行う。この設定変更セキュリティ信号は、上述の外部端子板323を介してホールコンピュータ700に送信される。なお、設定変更セキュリティ信号は、同信号の出力期間内で一定時間以上(例えば50msec以上)出力される。
ステップS7450において、メインCPU101は、設定値情報が性能表示モニタ334に表示されるように報知設定する。この性能表示モニタ334には、レジスタに格納されている設定値データが設定値に変換されて表示される。例えば、レジスタに格納されている設定値データが「3」であるとき、性能表示モニタ334には、設定値データ「3」に対応する設定値「4」が表示される。ただし、レジスタに格納されている設定値データとセットされている設定値とが対応していれば、必ずしも、性能表示モニタには数字が表示される必要はない。例えば、設定値データ「0」〜「5」をそれぞれ「A」〜「F」と対応させて、レジスタに格納されている設定値データが例えば「3」であるときにはこれに対応する「D」が性能表示モニタ334に表示されるようにしても良い。なお、このステップ2450において、性能表示モニタ334には、レジスタに格納されている設定値データが設定値に変換されて表示されることとしたが、前のデータが破棄されることにより、予め定められた初期値(例えば「1」)が表示されるようにしても良い。また、このパチンコ遊技機1001に初めて電源が投入されたときには、メインCPU101は、予め定められた初期値(例えば「1」)や、通常では表示されない値(例えば「8」)などが性能表示モニタ334に表示されるように制御してもよい。メインCPU101は、通常では表示されない値を性能表示モニタ334に表示するときには、ステップS7510において設定スイッチ332が押下されたと判定されない限り、正当な設定値を設定せず、遊技許可フラグをOFFにするようにしてもよい。
ステップS7460において、メインCPU101は、設定変更中であることを示す設定変更中コードがエラー報知モニタ336に表示されるように報知設定する。これにより、ホール関係者は、エラー報知モニタ336の表示を確認することで、設定変更処理中であることを把握することができる。
ステップS7470において、メインCPU101は、設定キースイッチ信号がOFFであるか否かを判別し、設定キースイッチ信号がOFFでなければ(ステップS7470におけるNO)、ステップS7510に移る。
ステップS7510において、メインCPU101は、設定スイッチ332が押下されたか否かを判別し、設定スイッチ332が押下されていれば(ステップS5251におけるYES)、ステップS7520に移り、レジスタに格納されている設定値データを更新したのち、ステップS7440に戻る。一方、設定スイッチ332が押下されなければ(ステップS7510におけるNO)、ステップS7440に戻る。すなわち、設定変更処理では、設定キースイッチ信号がONであると判別されない限り(ステップS7470においてYESでない限り)、ステップS7510、ステップS7520、ステップS7440〜ステップS7470をループする(ステップS7510、ステップS7520、ステップS7440〜ステップS7470の処理が繰り返される)こととなる。
なお、メインCPU101は、設定スイッチ332が押下された(ステップS7510においてYESと判別した)とき、その後のステップS7450において、更新された設定値情報が性能表示モニタ334に表示されるように報知設定する。
また、メインCPU101は、設定キースイッチ信号がOFFである(ステップS7470におけるYES)と判別しない限り、設定スイッチ332が押下される都度、レジスタに格納されている設定値データを「0」〜「5」まで循環増加させる(設定値データが「5」であるときに設定スイッチ332が押下されると「0」に戻る)。これにより、設定スイッチ332が押下される都度、性能表示モニタ334における表示も循環表示される。ただし、設定スイッチ332が押下される都度、レジスタに格納されている設定値データを「5」〜「0」まで循環減少させるようにしても良いし、設定スイッチ332の押下態様によって循環増加と循環減少との両方を実行できるようにしても良い。
ステップS7470において、メインCPU101は、設定キースイッチ信号がOFF(ステップS7470におけるYES)と判別すると、ステップS7480に移る。ステップS7480に移ると、メインCPU101は、ステップS7510、ステップS7520、およびステップS7440〜ステップS7470のループを終了する。
ステップS7480において、メインCPU101は、レジスタに格納されている設定値データをメインRAM103に記憶する。ステップS7480の処理が実行されると、設定値が確定する。すなわち、設定変更処理では、設定キースイッチ信号がOFFとなる操作が実行されたこと(ステップS7470においてYESと判別されたこと)にもとづいて設定値が確定し、設定キースイッチ信号がOFFとなる操作を実行せずに設定スイッチ332が押下されるだけ(ステップS7510、ステップS7520、ステップS7440〜ステップS7470をループするだけ)であれば、レジスタに格納されている設定値データが更新されるだけで、メインRAM103に記憶されている設定値データの更新は行われない。
なお、ステップS7470において設定キースイッチ信号がOFF(ステップS7470におけるYES)と判別された後、再び設定キー328を戻す操作を行っても、当該操作は検出されず(設定キースイッチ信号がONと検出されず)、電源断操作(電源スイッチ35のOFF操作)を行わない限り、設定値を変更することができない。なお、その際(ステップS7470において設定キースイッチ信号がOFF(ステップS7470におけるYES)と判別された後、再び設定キー328を戻す操作を行った際)、メインCPU101は、レジスタに格納されている設定値データを性能表示モニタ334に表示し、設定確認ができる(設定確認処理を行う)ようにしても良い。その際(設定確認処理を行うようにした際)、メインCPU101は、遊技許可フラグを、設定キースイッチ信号がOFFになるまでOFFとするようにしてもよい。
ところで、設定変更処理中に電断が発生したり前回の電断が異常な電断であるときに、その後に電源が投入されたとき(電断復帰時)の設定キー328の操作状況やバックアップクリアスイッチ330の押下操作の操作状況(設定キースイッチ信号やバックアップクリア信号の状態)にかかわらず強制的に設定変更処理(図169参照)を実行するようにした場合(図168(b)参照)には、設定キー328がON操作されなくとも(設定キースイッチ信号がOFFのまま)設定変更処理が実行される。このように、設定キー328がON操作されずに設定変更処理(ステップS5024)が実行されたときには、設定キースイッチ信号がOFFのままであることがあるため、メインCPU101は、ステップS7470において設定キースイッチ信号がOFF(ステップS7470におけるYES)であるとただちに判別せずに、設定キー328が一旦ON操作された上でOFF操作されたことをもって、設定キースイッチ信号がOFFであると判別し、ステップS7480に移る(設定値を確定する)。なおこの場合、メインCPU101は、設定キースイッチ信号がONとなったことを検出し、さらに設定キースイッチ信号がOFFとなったことを検出したことをもって、ステップS7480においてYESと判別するようにしてもよいし、設定キースイッチ信号がONとなったことを検出しなくとも、設定キースイッチ信号がONからOFFとなったことを検出したことをもって、ステップS7480においてYESと判別するようにしてもよい。
なお、上記において、設定変更処理中に電断が発生したり前回の電断が異常な電断であるとき、電断復帰時の設定キースイッチ信号やバックアップクリア信号の状態にかかわらず強制的に設定変更処理を実行すると記載したが、これに限られない。例えば、メインCPU101により、電断復帰時の設定キースイッチ信号やバックアップクリア信号の状態にかかわらず状態を強制的に設定変更状態に変更することとしてもよい。また、電断復帰時の設定キースイッチ信号やバックアップクリア信号の状態にかかわらず電断が発生したときの設定変更状態で電断復帰する(すなわち、電断発生時にその状態を保持し、その後の電断復帰時に、電断復帰時の設定キースイッチ信号やバックアップクリア信号の状態にかかわらず、保持した状態に戻す処理を実行する)ようにしてもよい。
ステップS7490において、メインCPU101は、性能表示データが性能表示モニタ334に表示されるように報知設定し、ステップS7500において、初期化コードがエラー報知モニタ336に表示されるように報知設定し、設定変更処理を終了する。
なお、ステップS7470において設定キースイッチ信号がOFF(ステップS7470におけるYES)と判別されることで、設定キースイッチ信号がOFFになったことを示すコマンド、すなわち設定変更処理が終了したことを示すコマンドとして初期化コマンドがホスト制御回路2100に送信されることとなる。
ステップS5024(図168参照)の設定変更処理が終了すると、ステップS5020(図165参照)の設定処理が終了し、ステップS5030(図165参照)の遊技復帰処理に移る。
なお、ステップS5024(図168参照)の設定変更処理が実行されたのちに後述の遊技復帰処理を経て遊技の実行が可能となった場合、遊技が開始されたのちの一定期間において、または、遊技が開始されたのちの所定のタイミングにおいて、設定変更処理が実行された可能性があることを示唆する情報、設定変更処理によってより高設定値に変更された可能性があることを示唆する情報、設定変更処理によってより低設定値に変更された可能性があることを示唆する情報、設定変更処理によって設定値が複数段階以上変更された(例えば設定6から設定4といったように2段階以上変更された)可能性があることを示唆する情報等、設定変更処理にかかわる情報を、例えば表示装置1016等に表示するようにしても良い。例えば、表示装置1016等で行われる演出や装飾図柄の変動パターンを、設定変更処理が実行されたときと実行されていないときとで異なりうるようにしたり、設定変更処理によってより高設定値に変更されたときと低設定値に変更されたときとで異なりうるようにしたり、設定変更処理によって設定値が複数段階以上変更されたときと複数段階以上変更されていないときとで異なりうるようにしても良い。
また、上述した設定変更セキュリティ信号の出力期間、およびエラー報知モニタ336に設定変更中コードが表示される期間は、設定変更処理が開始されてから当該設定変更処理の終了処理が実行されるまでとなっている。ただし、これらの期間を完全に一致させる必要はない。
なお、上記の設定変更処理は、内部的に遊技許可フラグがONおよびOFFのいずれであったとしても実行される処理である。また、上記ステップS5024における設定変更処理が開始されたこと、ステップS7510において設定スイッチが押下されるごと、ステップS7480の処理を実行する際など、所定のタイミングにおいてサブ制御回路270に対しコマンドを送信することにより表示装置1016やスピーカ1024、LED1025などにおいて、設定変更中である旨の報知、設定値が変更されている旨の報知、設定変更が完了した旨の報知などを行うようにしてもよい。
[7−1−2−1−1.バックアップクリア処理]
図170は、ステップS7420(図169参照)のバックアップクリア処理の一例を示すフローチャートである。このバックアップクリア処理は、メインRAM103の作業領域に記憶されている情報をクリアする処理である。ただし、このバックアップクリア処理では、上述したとおり、一般作業領域に記憶されている情報はクリアされるが、特定作業領域に記憶されている情報は原則としてクリアされない。
メインCPU101は、先ず、ステップS7421において、バックアップクリアフラグがOFFであるか否かを判別する。メインCPU101は、バックアップクリアフラグがOFF(ステップS7421におけるYES)であるときはバックアップクリア処理を実行することなく当該処理を終了し、バックアップクリアフラグがON(ステップS7421におけるNO)であるときはステップS7422に移る。
ステップS7422において、メインCPU101は、RWM(メインRAM103)の作業領域をクリアする。ただし、前回の電断が設定変更処理中に発生していれば、前回の電断が発生した設定変更処理中にバックアップクリア処理の全部または一部が実行されている可能性がある。そのため、前回の電断が設定変更処理中に発生した場合には、前回の電断が発生した設定変更処理中に実行されたバックアップクリア処理とあわせてメインRAM103の作業領域をクリアするようにし、今回のバックアップクリア処理では部分的にクリアするだけとしても良い。
なお、ステップS7422の処理では、上述したように、特定作業領域に記憶されている性能表示データや設定値データは原則としてクリアされない。ただし、RWM(メインRAM103)に記憶されている設定値データが異常である(例えば、セットされている設定値データが規定の範囲外である)と判別されたときは、設定値データもクリアされる。また、RWM(メインRAM103)に記憶されている性能表示データが異常であると判別されたときは、性能表示データもクリアされる。なお、設定値データが異常であるときには設定値データもクリアされるようにしているが、その際は遊技許可フラグをOFFにして、設定変更処理(例えば、図169参照)を行わない限り遊技許可フラグをONにしないようにしてもよい。
ステップS7423において、メインCPU101は、バックアップクリア処理が実行されたことを示す情報(メインRAM103の作業領域がクリアされたことを示す情報)が表示されるように報知設定する。その後、ステップS7424において、メインCPU101は、バックアップクリアフラグをOFFに設定し、バックアップクリア処理を終了する。なお、上記の報知設定(バックアップクリア処理が実行されたことを示す情報)は例えばサブ制御回路270へコマンド送信され、表示制御回路2300(図145参照)により、バックアップクリア処理が実行されたことを示す画像が例えば表示装置1016に表示される。
なお、設定変更処理(例えば、図169参照)に伴ってバックアップクリア処理が実行される場合、設定変更処理のステップS7450において、メインCPU101は、設定値情報が性能表示モニタ334に表示されるように報知設定する。これと同様に、設定変更処理を伴わずにバックアップクリア処理が実行される場合にも、設定値情報が性能表示モニタ334に表示されるように報知設定するようにするとよい。
[7−1−2−2.設定確認処理]
図171は、設定確認処理の一例を示すフローチャートである。ステップS5026(図168参照)の設定確認処理は、セットされている設定値を確認するための処理である。セットされている設定値はメインRAM103に格納される。
メインCPU101は、先ず、ステップS7610において、遊技許可フラグがONであるか否かを判別する。遊技許可フラグがOFF(ステップS7610におけるNO)であると、メインCPU101は、設定確認処理を実行することなく当該処理を終了する。
メインCPU101は、遊技許可フラグがONであると(ステップS7610におけるYES)、ステップS7620に移り、設定確認セキュリティ信号の出力設定を行う。この設定確認セキュリティ信号は、上述の外部端子板323を介してホールコンピュータ700に送信される。なお、設定確認セキュリティ信号は、同信号の出力期間内で一定時間以上(例えば50msec以上)出力される。
ステップS7630において、メインCPU101は、設定値情報が性能表示モニタ334に表示されるように報知設定する。この性能表示モニタ334に表示される設定値情報は、セットされている設定値データを示す情報である。例えば、メインRAM103に記憶されている設定値データが「3」であるとき、性能表示モニタ334には、設定値データ「3」に対応する「4」が設定値を示す情報として表示される。
ステップS7640において、メインCPU101は、設定確認中であることを示す設定確認中コードがエラー報知モニタ336に表示されるように報知設定する。これにより、ホール関係者は、エラー報知モニタ336の表示を確認することで、設定確認処理中であることを把握することができる。
ステップS7650において、メインCPU101は、設定キースイッチ信号がOFFであるか否かを判別し、設定キースイッチ信号がOFFでなければ(ステップS7650におけるNO)、ステップS7620に戻る。すなわち、設定確認処理では、設定キースイッチ信号がONであると判別されない限り(ステップS7650においてYESでない限り)、ステップS7620〜ステップS7650の処理をループする(ステップS7620〜ステップS7650の処理が繰り返される)こととなる。
ステップS7650において、メインCPU101は、設定キースイッチ信号がOFF(ステップS7650におけるYES)と判別すると、ステップS7660に移る。ステップS7660に移ると、メインCPU101は、ステップS7620〜ステップS7650の各処理を終了する。
なお、ステップS7650において設定キースイッチ信号がOFF(ステップS7650におけるYES)と判別されることで、後述するステップS5037において、設定確認処理が終了したことを示すコマンドとして電断復帰コマンドがホスト制御回路2100に送信されることとなる。
ステップS7660において、メインCPU101は、性能表示データが性能表示モニタ334に表示されるように報知設定し、ステップS7670において、エラー報知モニタ336に何らの情報も表示されないよう非報知設定し、設定確認処理を終了する。
ステップS5026(図168参照)の設定確認処理が終了すると、ステップS5020(図165参照)の設定処理が終了し、ステップS5030(図165参照)の遊技復帰処理に移る。
[7−1−3.遊技復帰処理]
図172は、遊技復帰処理の一例を示すフローチャートである。ステップS5030(図165参照)の設定処理では、遊技許可フラグがONであることを前提として、遊技が実行できる状態に復帰させる処理が行われる。以下に、遊技復帰処理について説明する。
メインCPU101は、先ず、ステップS5031において、遊技許可フラグがONであるか否かを判別する。遊技許可フラグがOFF(ステップS5031におけるNO)であると、メインCPU101は、ステップS5038の異常時処理を実行する。この異常時処理については後述する。
メインCPU101は、遊技許可フラグがON(ステップS5031におけるYES)であると、ステップS5032に移り、全スイッチを有効化する処理を行う。
ステップS5033において、メインCPU101は、バックアップクリア信号がOFFであるか否かを判別する。メインCPU101は、バックアップクリア信号がOFFであると(ステップS5033におけるYES)、ステップS5034に移る。
ステップS5034において、メインCPU101は、電断時状況識別フラグがONであるか否かを判別する。メインCPU101は、電断時状況識別フラグがONであれば(ステップS5034におけるYES)、ステップS5035に移る。上述したとおり、電断時状況識別フラグは、通常遊技中(設定変更処理および設定確認処理のいずれも行われていない遊技中)や設定確認処理中に電断が発生するとONに設定され、設定変更処理中に電断が発生するとOFFに設定される。したがって、前回の電断が通常遊技中や設定確認処理中に発生した場合に、ステップS5035の処理が行われる。
ステップS5035において、メインCPU101は、電断復旧時に初期値を必要とする作業領域の初期設定を行う。
次に、ステップS5036において、メインCPU101は、電断復旧時の遊技状態が高確率遊技状態である場合には、高確率遊技状態であることを示す報知設定を行う。
次に、ステップS5037において、メインCPU101は、電断復帰時のコマンド(電断復帰コマンド)をサブ制御回路270に対して送信する処理を行う。このコマンドには、セットされている設定値についての設定値情報も含まれる。この処理を終了すると、メインCPU101は、ステップS5030(図165参照)の遊技復帰処理を終了し、一連の電源投入処理が終了する。これにより、遊技の実行が可能となる。上記の電断復帰コマンドは、電断復帰時であることを示すコマンド、または、設定確認処理が終了したことを示すコマンドとして機能する。
ステップS5033において、メインCPU101は、バックアップクリア信号がON(ステップS5033におけるNO)であると判別すると、ステップS5039のバックアップクリア処理に移る。このバックアップクリア処理は、図169に示すステップS7420のバックアップクリア処理(図170に示すバックアップクリア処理)と同様であるため、説明を省略する。
ステップS5039のバックアップクリア処理が終了すると、メインCPU101は、ステップS5040に移り、RWM(メインRAM103)の初期化時に初期値を必要とする作業領域の初期設定を行う。
次に、ステップS5041において、メインCPU101は、RWM初期化時のコマンド(初期化コマンド)をサブ制御回路270に対して送信する処理を行う。この処理を終了すると、メインCPU101は、ステップS5030(図165参照)の遊技復帰処理を終了し、一連の電源投入処理が終了する。これにより、遊技の実行が可能となる。なお、上記の初期化コマンドは、設定変更処理が終了した(バックアップクリア処理も実行されている)ことを示すコマンド、または、設定変更処理を伴わないバックアップクリア処理が実行されたことを示すコマンドとして機能する。
また、上記した設定確認セキュリティ信号の出力期間、およびエラー報知モニタ336に設定確認中コードが表示される期間は、設定確認処理が開始されてから当該設定確認処理の終了処理が実行されるまでとなっている。ただし、これらの期間を完全に一致させる必要はない。
[7−1−3−1.異常時処理]
図173は、異常時処理の一例を示すフローチャートである。ステップS5038(図172参照)の異常時処理は、上述したとおり、ステップS5031(図172参照)の処理において、遊技許可フラグがOFF(ステップS5031におけるNO)であると判別されたときに実行される処理である。
先ず、ステップS5381において、メインCPU101は、遊技許可フラグがOFFであること、すなわち遊技を実行することができないことを示す異常コマンドを、サブ制御回路270に対して送信する処理を行う。ホスト制御回路2100は、異常コマンドを受信するとバックアップ不良と判断し、パチンコ遊技機1001が正常でない旨の情報をホスト制御回路2100(表示制御回路2300)の制御により表示装置1016に表示することが可能となる。
なお、メインCPU101は、必ずしも異常コマンドを送信しなくてもよい。例えば、ホスト制御回路2100は、サブ制御回路270(図144参照)への電源供給が開始されてから所定時間(例えば30秒)、メインCPU101からの正常なコマンドを受信できなかった場合にバックアップ不良と判断するようにしてもよい。
ステップS5382において、メインCPU101は、異常セキュリティ信号の出力設定を行う。この異常セキュリティ信号は、上述の外部端子板323を介してホールコンピュータ700に送信される。
ステップS5383において、メインCPU101は、遊技の実行が許可されない(遊技許可フラグがOFFである)ことを示すエラーコードがエラー報知モニタ336に表示されるように報知設定する。これにより、ホール関係者は、エラー報知モニタ336の表示を確認することで、遊技を実行できる状態でない(遊技許可フラグがOFFである)ことを把握することができる。
ステップS5384において、メインCPU101は、電断検知信号がONであるか否かを判別する。電断検知信号は、電圧が所定レベルまで降下するとONとなる信号である。そして、メインCPU101は、電断検知信号がON(ステップS5384におけるYES)であると判別すると、ステップS5385に移り、電源断発生時処理が実行される。一方、電断検知信号がOFFの場合(ステップS5384におけるNO)、メインCPU101は、ステップS5382〜ステップS5384をループする(ステップS5382〜ステップS5384の処理が繰り返される)。
[7−1−3−1−1.電源断発生時処理]
図174は、電源断発生時処理の一例を示すフローチャートである。上述したように、メインCPU101は、所定レベルまで電圧が降下していないかを常にチェックしており、電圧が所定レベルまで降下すると、電源断発生時処理を行う。
メインCPU101は、先ず、割込処理が実行されないように割込禁止設定を行う(ステップS8851)。そして、メインRAM103の作業領域におけるチェックサムを算出し、この算出結果と各種の遊技データをメインRAM103のバックアップ領域に記憶(保存)する(ステップS8852)。このチェックサムは、復電時に、停電前のメインRAM103の内容が適正に保持されているか否かをチェックするために使用される。このようにして、電力の供給が停止されたとしても、メインRAM103に記憶されている各種の遊技データを保持することが可能となっている。
次いで、メインCPU101は、メインRAM103の所定領域に設けられたバックアップフラグに、電断時状況識別フラグを設定する(ステップS8853)。すなわち、上述したとおり、メインCPU101は、電断が通常遊技中(設定変更処理および設定確認処理のいずれも行われていない遊技中)や設定確認処理中に発生したのであれば電断時状況識別フラグをONに設定し、設定変更処理中に発生したのであればOFFに設定する。
メインCPU101は、ステップS8851〜ステップS8853の処理を終えると、ステップS8854に移り、RWM(メインRAM103)へのアクセスを禁止し、無限ループに入って電力供給の停止に備える。
このように遊技許可フラグがOFFであるときは、上述したとおり、電断操作を行って電力の供給を一旦停止し、後述する設定変更処理が実行されない限り、遊技許可フラグがONにならないようになっている。
ところで、この処理では、ごく短時間の停電等(以下「瞬停」と称する)により電源電圧が不安定になって電源断発生時処理が開始されてしまうと、無限ループから復帰することができなくなるおそれがある。かかる弊害を回避するため、本実施例のメインCPU101には、図示しないウォッチドックタイマが設けられており、所定時間、ウォッチドックタイマが更新されないとリセットがかかるように構成されている。ウォッチドックタイマは、正常に処理が行われている間は定期的に更新されるが、電源断発生時処理に入ると、更新が行われなくなる。その結果、瞬停によって電源断発生時処理に入り、図174の無限ループに入った場合でも所定期間経過後にリセットがかかり、電源投入時と同じプロセスでメインCPU101が起動することになる。
なお、RWM(メインRAM103)のバックアップ領域に代えて、書き換え可能な不揮発性メモリ(EEPROMなど)を備えるようにしてもよい。この場合、データをバックアップさせるために常時の電力供給を必要としないといったメリットがある。
若しくは、RWM(メインRAM103)の全領域を、電力の常時供給によってデータがバックアップされるバックアップ領域としてもよい。この場合、電源遮断時において、メインRAM103に記憶されているデータを他の領域に退避させる必要がなくなる。また、電源復帰時にも、退避データを処理領域に読み出す必要がなくなるため、これらの処理に要する負荷が軽減されるようになる。
[7−1−4.操作者側から見た電源投入処理の流れ]
以上がメインCPU101による電源投入処理の制御フローであるが、操作を行う者(例えばホール関係者等)から見た電源投入処理の流れについて簡単に説明する。
[7−1−4−1.設定変更処理の流れ]
先ず、設定変更処理、すなわちセットされている設定値を変更するための流れについて説明する。セットされている設定値を変更するためには、先ずは電源断操作(電源スイッチ35のOFF操作)を行う必要がある。そして、電源が投入されていない状態で、設定キー328をON操作し、バックアップクリアスイッチ330の押下操作および電源スイッチ35のON操作の両方を行う。
電源スイッチ35をON操作すると、全スイッチの操作が無効化を経て、全スイッチのうち設定にかかわる操作(例えば、設定キー328の操作、設定スイッチ332の操作)のみが有効化されて、設定変更処理が開始され、設定変更を行うことが可能な状態となる。
設定変更処理が開始されると、設定変更処理中であることを示す設定変更中コードがエラー報知モニタ336に表示される。さらに、性能表示モニタ334の表示は、電源スイッチ35がON操作された後、消灯状態から、セットされている設定値を示す情報に切り替わる。
設定変更処理において、バックアップクリア処理、すなわちメインRAM103の初期化処理(メインRAM103の作業領域のクリア、メインRAM103の作業領域のクリア報知、メインRAM103の作業領域の初期設定、RWMの初期化時のコマンド送信)が実行されると、バックアップクリア処理が実行された旨の音声がスピーカ1024から出力される。なお、後述するとおり、バックアップクリア処理が実行された旨の表示は行われないが、スピーカ1024からの音声出力に代えてまたは加えて、バックアップクリア処理が実行された旨を表示装置1016の表示領域に表示するようにしてもよい。
設定変更処理では、設定スイッチ332を押下する毎に、性能表示モニタ334に表示されている設定値を示す情報が循環増加表示される。すなわち、設定値を示す情報は、設定値が「1」〜「5」であるときは設定スイッチ332を押下する毎に1ずつ増加するが、設定値が「6」であるときは設定スイッチ332を押下すると「1」に戻って表示される。
設定変更処理中に設定キー328をOFF操作すると設定変更状態が終了し、性能表示モニタ334に表示されている設定値がセットされる。また、エラー報知モニタ336の表示は設定変更中コードから初期化コードに変更され、性能表示モニタ334には性能表示(ベース値)が表示され、全スイッチの操作が有効化される。
このように、設定変更処理中は、全スイッチのうち設定にかかわる操作(例えば、設定キー328の操作、設定スイッチ332の操作)のみが有効化され、その他のスイッチは全て無効化されたままである。そして、設定キー328をOFF操作すると、全スイッチが有効化される。
[7−1−4−2.設定確認処理の流れ]
次に、設定確認処理、すなわちセットされている設定値を確認するための流れについて説明する。設定確認処理は、内部的に遊技許可フラグがONであることを条件として実行される処理であり、内部的に遊技許可フラグがOFFであるときには実行されない。
セットされている設定値を確認するためには、内部的に遊技許可フラグがONであることを条件として、電源が投入されていない状態で、設定キー328をON操作し、バックアップクリアスイッチ330を押下操作せずに、電源スイッチ35のON操作を行う。
電源スイッチ35をON操作すると、全スイッチの操作が無効化を経て、全スイッチのうち設定キー328の操作のみが有効化されて、設定確認処理が開始され、セットされている設定を確認できる状態となる。
設定確認処理が開始されると、設定確認処理中であることを示す設定確認中コードがエラー報知モニタ336に表示される。さらに、性能表示モニタ334の表示は、電源スイッチ35がON操作された後、消灯状態から、セットされている設定値を示す情報に切り替わる。
なお、設定確認処理中は、設定スイッチ332を押下操作したとしても、性能表示モニタ334に表示されている設定値を示す情報は変化しない。
設定確認処理中に設定キー328をOFF操作すると設定確認状態が終了し、エラー報知モニタ336の表示は設定確認中コードから非表示に変更され、性能表示モニタ334には性能表示(ベース値)が表示され、全スイッチの操作が有効化される。
このように、設定確認処理中は、全スイッチのうち設定キー328のみが有効化され、その他のスイッチは全て無効化されたままである。したがって、設定スイッチ332も無効化されたままである。そして、設定キー328をOFF操作すると、全スイッチが有効化される。なお、上記の通り設定確認処理においては電源スイッチ35の操作に関係なく、通常遊技中において実行可能な処理としてもよい。
[7−1−4−3.異常時処理における流れ]
上述したとおり、内部的に遊技許可フラグがOFFであるとき、設定変更処理を実行することはできるものの設定確認処理を実行することができない。そのため、内部的に遊技許可フラグがOFFであるときに、設定変更処理を実行するための操作(電源が投入されていない状態で、設定キー328をON操作し、バックアップクリアスイッチ330を押下操作し且つ電源スイッチ35のON操作)を行わずに、設定確認処理を実行するための操作を行った場合、設定変更処理を伴わないバックアップ処理(詳細は後述する)を行った場合、または、ただ単に電源を投入する操作だけを行った場合には、異常時処理が実行される。以下に、異常時処理における流れを説明する。
電源スイッチ35をON操作した後、全スイッチの操作が無効化を経て、全スイッチのうち設定にかかわる操作(例えば、設定キー328の操作、設定スイッチ332の操作)のみが有効化される(内部的には異常時処理が開始される)。設定にかかわる操作が有効化される理由は、設定変更処理の実行により遊技許可フラグをONにすることができるようにするためである。
異常時処理が開始されると、遊技を実行できない状態であることを示すエラーコードがエラー報知モニタ336に表示される。これにより、操作者は、遊技を実行できない状態であることを確認できる。さらに、性能表示モニタ334には、エラーであることを示す情報が表示される。
さらに、異常時処理が開始されると、設定にかかわる操作についても無効化される。すなわち、全スイッチの操作が無効化される。したがって、異常時処理が開始されると、いずれの操作を実行しても反応しなくなり、電源スイッチ35をOFF操作した上で上述の設定変更処理を行わない限り、遊技を実行できる状態にパチンコ遊技機1001を復旧させることができない。なお、全スイッチの操作が無効化とは、サブ制御回路270により制御される各デバイスも一切停止する遊技が一切できない状況であるもの、一部のサブ制御回路270により制御される各デバイス(例えばLED1025)は制御可能な状態であるものも含む。
[7−2.システムタイマ割込処理]
図175は、メインCPU101によるシステムタイマ割込処理を示すフローチャートである。システムタイマ割込処理は、例えば2msごとに実行される。同図に示すように、メインCPU101は、各レジスタの値をメインRAM103のスタックエリアに退避する(ステップS5051)。
次に、メインCPU101は、各種の乱数値を更新する乱数更新処理を行う(ステップS5052)。
次に、メインCPU101は、各種スイッチからの入力信号を検出するためのスイッチ入力検出処理を実行する(ステップS5353。スイッチ入力検出処理については、図176を参照して後述する。
次に、メインCPU101は、各種タイマの値を更新するタイマ更新処理を行う(ステップS5054)。
次に、メインCPU101は、サブ制御回路270に各種コマンドを出力(送信)するコマンド出力処理を行う(ステップS5055)。
次に、メインCPU101は、サブ制御回路270に各種遊技情報を出力(送信)する遊技情報出力処理を行う(ステップS5056)。遊技情報は、主制御回路100、サブ制御回路270、払出・発射制御回路310などにおいて処理される遊技に関わる情報であり、サブ制御回路270や払出・発射制御回路310、ホールコンピュータ700に送信される。
次に、メインCPU101は、退避した各レジスタの値を復帰させる処理を行う(ステップS5057)。この処理を終了すると、メインCPU101は、システムタイマ割込処理を終了する。
[7−2−1.スイッチ入力検出処理]
図176は、メインCPU101によるスイッチ入力検出処理を示すフローチャートである。スイッチ入力検出処理は、先述したシステムタイマ割込処理の実行中にサブルーチンとして呼び出される。同図に示すように、メインCPU101は、始動口入賞検出処理を実行する(ステップS5061)。始動口入賞検出処理については、図177を参照して後述する。
次に、メインCPU101は、一般入賞口通過検出処理を行う(ステップS5062)。一般入賞口通過検出処理では、例えば一般入賞口1053・1054・1055・1056への入賞時に払出個数等を示す払出情報をセットする。
次に、メインCPU101は、大入賞口通過検出処理を行う(ステップS5063)。大入賞口通過検出処理では、例えば大入賞口540への入賞時に払出個数等を示す払出情報をセットする。
次に、メインCPU101は、球通過検出器通過検出処理を行う(ステップS5064)。球通過検出器通過検出処理では、通過ゲート49(例えば図140参照)への遊技球の通過検出を球通過検出器(図示せず)に検出されたことに基づいて普通図柄ゲームの抽選結果(乱数値)を抽出する。この処理を終了すると、メインCPU101は、スイッチ入力検出処理を終了する。
[7−2−1−1.始動口入賞検出処理]
図177は、メインCPU101による始動口入賞検出処理を示すフローチャートである。始動口入賞検出処理は、先述したスイッチ入力検出処理の実行中にサブルーチンとして呼び出される。同図に示すように、まず、メインCPU101は、第1始動口スイッチ421で遊技球を検出したか否かを判別する(ステップS5071)。第1始動口スイッチ421で遊技球を検出した場合(ステップS5071におけるYES)、メインCPU101は、ステップS5052の処理に移る。第1始動口スイッチ421で遊技球を検出していない場合(ステップS5071におけるNO)、メインCPU101は、ステップS5081の処理に移る。
ステップS5072において、メインCPU101は、設定チェック処理を行う。この設定チェック処理については後述する。
ステップS5073において、メインCPU101は、第1特別図柄についての大当り判定乱数および図柄決定用乱数等の各種乱数を抽出するとともに、第1始動口入賞に応じた払出情報をセットする処理を行う。
次に、メインCPU101は、第1始動口入賞の保留個数(第1特別図柄の保留個数)が4個未満であるか否かを判別する(ステップS5074)。当該保留個数が4個未満の場合(ステップS5074におけるYES)、メインCPU101は、ステップS5075の処理に移る。当該保留個数が4個の場合(ステップS5074におけるNO)、メインCPU101は、第1始動口420への遊技球の入賞に基づいて抽出した各種乱数を破棄し、ステップS5080の処理に移る。
ステップS5075において、メインCPU101は、第1始動口入賞の保留個数を1加算する処理を行う。
次に、メインCPU101は、第1始動口420への遊技球の入賞に基づいて抽出した各種乱数を、第1特別図柄の変動開始条件(始動条件)が成立するまでメインRAM103に格納する処理を行う(ステップS5076)。これにより、抽出した乱数についての第1特別図柄の変動表示が、始動条件が成立するまで保留される。
次に、メインCPU101は、第1特別停止図柄判断処理を行う(ステップS5077)。第1特別停止図柄判断処理では、第1特別図柄について抽出された大当り判定用乱数値および図柄決定用乱数値に基づいて、第1特別図柄用の大当り乱数判定テーブル、図柄判定テーブルおよび大当り種類決定テーブルを参照し、メイン図柄(停止表示される予定の第1特別図柄)に係る図柄指定コマンドや当り時選択図柄コマンド等を決定する。
次に、メインCPU101は、変動パターン決定処理を実行する(ステップS5078)。変動パターン決定処理は、先述した始動口入賞検出処理の実行中にサブルーチンとして呼び出される。また、メインCPU101は、図158(または図160)の特別図柄の変動時間決定テーブルを参照し、大当り判定の結果、リーチ判定用乱数値および演出選択用乱数値に基づいて、変動パターンを選択し、決定する処理を行う。
なお、図158や図160に示されるように、変動パターンには、装飾図柄の変動表示時間が対応付けて記憶されているため、上記の変動パターン決定処理において決定された変動パターンに対応する変動パターン指定コマンドは、実質的に、変動時間を表すことが可能な情報となる。
次に、メインCPU101は、第1始動口入賞の保留個数増加コマンドをセットする処理を行う(ステップS5079)。第1始動口入賞の保留個数増加コマンドは、第1特別図柄の保留個数を1増加する旨を示すコマンドであり、ステップS5078の処理で決定された変動パターンを示すコマンド等とともにサブ制御回路270へと送信される。
ステップS5080において、メインCPU101は、第1始動口入賞の保留個数オーバーフローコマンドをセットする処理を行い、ステップS5081に移る。第1始動口入賞の保留個数オーバーフローコマンドは、第1特別図柄の保留個数が上限(例えば4個)であるときに第1始動口入賞があった旨を示すコマンドであり、サブ制御回路270へと送信される。
なお、図177からも明らかであるが、第1始動口入賞の保留個数オーバーフローコマンドがサブ制御回路270に送信されるのは、後述するステップS5072の設定チェック処理において設定値データが正常で判別されることが前提である。
ステップS5081において、メインCPU101は、第2始動口スイッチ441で遊技球を検出したか否かを判別する(ステップS5081)。第2始動口スイッチ441で遊技球を検出した場合(ステップS5081におけるYES)、メインCPU101は、ステップS5082の処理に移る。第2始動口スイッチ441で遊技球を検出していない場合(ステップS5081におけるNO)、メインCPU101は、始動口入賞検出処理を終了する。
ステップS5082において、メインCPU101は、設定チェック処理を行う。この設定チェック処理については後述するが、ステップS5072と同様の処理である。
ステップS5083において、メインCPU101は、第2特別図柄についての大当り判定乱数および図柄決定用乱数等の各種乱数を抽出するとともに、第2始動口入賞に応じた払出情報をセットする処理を行う。
次に、メインCPU101は、第2始動口入賞の保留個数(第2特別図柄の保留個数)が4個未満であるか否かを判別する(ステップS5084)。当該保留個数が4個未満の場合(ステップS5084におけるYES)、メインCPU101は、ステップS5085の処理に移る。当該保留個数が4個の場合(ステップS5084におけるNO)、メインCPU101は、第2始動口440への遊技球の入賞に基づいて抽出した各種乱数を破棄し、始動口入賞検出処理を終了する。
ステップS5085において、メインCPU101は、第2始動口入賞の保留個数を1加算する処理を行う。
次に、メインCPU101は、第2始動口440への遊技球の入賞に基づいて抽出した各種乱数を、第2特別図柄の変動開始条件(始動条件)が成立するまでメインRAM103に格納する処理を行う(ステップS5086)。これにより、抽出した乱数についての第2特別図柄の変動表示が、始動条件が成立するまで保留される。
次に、メインCPU101は、第2特別停止図柄判断処理を行う(ステップS5087)。第2特別停止図柄判断処理も、第1特別停止図柄判断処理と同様に、第2特別図柄について抽出された抽出された大当り判定用乱数値および図柄決定用乱数値に基づいて、第2特別図柄用の大当り乱数判定テーブル、図柄判定テーブルおよび大当り種類決定テーブルを参照し、メイン図柄(停止表示される予定の第2特別図柄)に係る図柄指定コマンドや大当り時選択図柄コマンド等を決定する。
次に、メインCPU101は、変動パターン決定処理を実行する(ステップS5088)。この変動パターン決定処理は、ステップS5078と同様に、先述した始動口入賞検出処理の実行中にサブルーチンとして呼び出され、メインCPU101は、図158(または図160)の特別図柄の変動時間決定テーブルを参照し、大当り判定の結果、リーチ判定用乱数値および演出選択用乱数値に基づいて、変動パターンを選択する処理を行う。
次に、メインCPU101は、第2始動口入賞の保留個数増加コマンドをセットする処理を行う(ステップS5089)。第2始動口入賞の保留個数増加コマンドは、第2特別図柄の保留個数を1増加する旨を示すコマンドであり、ステップS5088の処理で決定された変動パターンを示すコマンド等とともにサブ制御回路270へと送信される。この処理を終了すると、メインCPU101は、始動口入賞検出処理を終了する。
なお、第1始動口420への遊技球入賞と第2始動口440への遊技球入賞とが同時検出された場合には、ステップS5072の設定チェック処理とステップS5082の設定チェック処理とのうちいずれか一方のみを行うようにしても良い。
また、本実施形態では、第2始動口スイッチ441で遊技球が検出された場合(ステップS5081におけるYES)に、第2始動口入賞の保留個数が4個(ステップS5084におけるNO)であったとしても、メインCPU101は、第2始動口入賞の保留個数オーバーフローコマンドをサブ制御回路270に送信せずに、第2始動口440への遊技球の入賞に基づいて抽出した各種乱数を破棄して始動口入賞検出処理を終了している。これは、後述する設定値示唆演出を効果的に行うことができるのは、非時短遊技状態のときであるからである。
[7−2−1−1−1.設定チェック処理]
図178は、メインCPU101による設定チェック処理の一例を示すフローチャートであり、この設定チェック処理はステップS5072とステップS5082(いずれも図177参照)とで同じ処理である。設定チェック処理は、セットされている設定値が正常であるか否かのチェックを行う処理である。この設定チェック処理では、例えばステップS6720(図167参照)において実行されるRWM(メインRAM103)の作業領域チェックと同様の処理を行っても良いが、本実施形態では、セットされている設定値が正常であるか否かのチェックに重点をおいている。
同図に示すように、メインCPU101は、先ず、ステップS5721において、メインRAM103に記憶されている設定値データが適正(例えば規定の範囲内)であるか否かをチェックする。上述したとおり、本実施形態では、設定値「1」〜「6」に対応する設定値データとして「0」〜「5」がメインRAM103に記憶されているため、ここでは、設定値データが「0」〜「5」の範囲内であるか否かが判別される。設定値データが「0」〜「5」の範囲内である場合(ステップS5721におけるYES)には、設定チェック処理を終了する。設定値データが「0」〜「5」の範囲外である場合(ステップS5721におけるNO)には、ステップS5722に移る。
ステップS5722において、メインCPU101は、遊技許可フラグをOFFに設定し、ステップS5723に移る。
ステップS5723において、メインCPU101は、特別図柄が変動表示中であるか否かを判別する。メインCPU101は、特別図柄が変動表示中であると判別すると(ステップS5723におけるYES)、ステップS5724に移り、特別図柄が変動表示中でないと判別すると(ステップS5723におけるNO)、ステップS5725に移る。
ステップS5724において、メインCPU101は、変動表示中の特別図柄の停止を禁止する。すなわち、図158(または図160)に示される特別図柄の変動時間決定テーブルを参照してステップS5078またはステップS5088(いずれも図177参照)で決定された特別図柄の変動時間が経過したとしても、特別図柄の変動表示が継続され、特別図柄が停止表示されない。そしてその後、ステップS5726に移る。
例えば、メインCPU101により特別図柄の変動表示が行われているときに始動口420,440に遊技球が入賞すると、当該特別図柄の変動表示中(当該特別図柄の変動表示が終了する前)にステップS5072(またはステップS5082)の設定チェック処理が実行される場合がある。メインCPU101は、この設定チェック処理において正常でない(ステップS5721におけるNO)と判別すると、たとえ特別図柄の変動表示中であったとしても(変動表示中の特別図柄の大当り判定の結果が表示されていなくても)、遊技許可フラグをOFFにし、異常時処理を実行する。この場合、電源を一旦落として設定変更処理を実行しない限り遊技を実行することができないため、変動表示中の特別図柄の大当り判定の結果は、保留中のデータも含めてバックアップクリア処理においてクリアされることとなる。
ステップS5726において、メインCPU101は、遊技球の発射を禁止する。すなわち、払出・発射制御回路310(図144参照)から発射ソレノイド(図示せず)に電力の供給が行われないよう制御される。したがって、遊技者が発射ハンドル32を握持して時計回り方向へ回動操作したとしても、遊技球が発射されず、遊技を行うことが不可能な状態となる。
メインCPU101は、ステップS5726において遊技球の発射を禁止すると、ステップS5727の異常時処理に移る。
ステップS5725において、メインCPU101は、特別図柄の変動表示を禁止し、次の新しい変動表示が開始されないようにする。例えば、特別図柄が変動表示中でないときに特別図柄の変動表示が保留されたり、特別図柄の変動表示が停止して次の変動表示の開始待ちであったとしても、特別図柄の変動表示が開始されない。メインCPU101は、ステップS5725の処理を終了すると、ステップS5726に移る。
ステップS5727の異常時処理において、メインCPU101は、ステップS5038(図172参照)の異常時処理と同様の処理を行う。すなわち、電断検知信号ONが検出されるまで図173に示されるステップS5381〜ステップS5384の処理が行われ、電断検知信号ONが検出されると、ステップS5385の電源断発生時処理、すなわち図174に示されるステップS8851〜ステップS8854の処理が行われる。
このように、本実施形態のパチンコ遊技機1001では、第1始動口420への遊技球の入賞時と第2始動口440への遊技球の入賞時とに設定チェック処理を行い、メインRAM103に記憶されている設定値データが正常でなければ遊技の実行が禁止されるようになっている。そのため、遊技の実行中であっても、設定値データが正常でないときは遊技を継続して行うことが不可能となり、電源を一旦落として再び電源を投入して設定変更処理を行わない限り、遊技を実行することができない。これにより、例えば設定が正常でない状態で遊技が継続して行われてしまうことを防止できる。
また、メインCPU101は、ステップS5721において設定値データが適正でないと判別したときには、特別図柄の変動表示が未だ開始されずに保留されていたとしても、上述したとおり、電源を一旦落として再び電源を投入して設定変更処理を行わない限り遊技を実行することができないため、メインRAM103に記憶されている上記保留にかかる各種データ(例えば大当り判定用乱数等)は全てクリアされることとなる。すなわち、保留されている各種データが、第1始動口420への遊技球の入賞に基づくものであるか、第2始動口440への遊技球の入賞に基づくものであるかにかかわらず、全てクリアされる。これにより、上記保留にかかる各種データが正常でない設定値に基づいて処理が行われてしまうことを防止でき、セキュリティ性を高めることが可能となる。
また、上述したとおり、設定チェック処理は、ステップS5072とステップS5082(いずれも図177参照)とで同じ処理が行われる。したがって、第1始動口420に遊技球が入賞したときに行われた設定チェック処理(ステップS5072)において設定値データが正常でないと判別されたとき(ステップS5721におけるNO)、ステップS5724において、メインCPU101は、変動表示中の特別図柄が第1特別図柄であるときのみならず第2特別図柄であるときも、当該変動表示中の第2特別図柄の停止を禁止する。同様に、第2始動口440に遊技球が入賞したときに行われた設定チェック処理(ステップS5082)において設定値データが正常でないと判別されたとき(ステップS5721におけるNO)も、ステップS5724において、メインCPU101は、変動表示中の特別図柄が第2特別図柄であるときのみならず第1特別図柄であるときも、当該変動表示中の第1特別図柄の停止を禁止する。
また、同様に、第1始動口420に遊技球が入賞したときに行われた設定チェック処理(ステップS5072)において設定値データが正常でないと判別されたとき(ステップS5721におけるNO)、ステップS5725において、メインCPU101は、変動表示が保留されている特別図柄が第1特別図柄であるときのみならず第2特別図柄であるときも、当該第2特別図柄の変動表示を禁止する。同様に、第2始動口440に遊技球が入賞したときに行われた設定チェック処理(ステップS5082)において設定値データが正常でないと判別されたとき(ステップS5721におけるNO)も、ステップS5725において、メインCPU101は、変動表示が保留されている特別図柄が第2特別図柄であるときのみならず第1特別図柄であるときも、当該第1特別図柄の変動表示を禁止する。
また、本実施形態では、電源投入時(図167のステップS6730参照)の他、第1始動口420・第2始動口440への遊技球の入賞時に設定チェック処理を行っているが、これに限られず、例えば、設定確認処理時(図168のステップS5024参照)、設定変更処理時(図168のステップS5026参照)、バックアップクリア処理の実行時(図170参照)、特別図柄の変動表示が開始されるとき、特別図柄の変動停止時、通過ゲートスイッチ49a(図144参照)による通過検出時、普通図柄の変動開始時、普通図柄の変動停止時等、所定のタイミングを契機として設定チェック処理を行うようにしても良い。なお、上記の所定のタイミングは例示列挙である。また、設定チェック処理は、特定のタイミングを契機として行うだけでなく、複数のタイミング(例えば、上記の全てまたは一部のタイミング)を契機として行うようにしても良い。このような場合であっても、例えば設定が正常でない状態で遊技が継続して行われてしまうことを防止できる。
また、本実施形態では、設定チェック処理において設定値データが正常でないと判別されると、大当り遊技状態中であるか否かにかかわらずただちに遊技許可フラグをOFFにして遊技を進行させることが不可能となるようにしているが、これに限られず、設定チェック処理において設定値データが正常でないと判別したタイミングと、遊技の実行を不可能にするタイミングとをずらすようにしても良い。これにより、第1始動口420または第2始動口440に遊技球が入賞したにもかかわらず変動表示が行われないことによって生じうる遊技者の損失感を軽減することができる。ただし、設定値データが正常でない状態で各種判定処理(例えば大当り判定処理等)が行われることは好ましくないため、各種判定処理を行わず、所定時間にわたって特別図柄の変動表示を行ったのち、当該特別図柄をハズレで停止させるようにすることが好ましい。
なお、図178では示されていないが、ステップS5722において遊技許可フラグがOFFに設定されると、普通図柄が変動表示中であれば当該普通図柄についても停止が禁止されるようにすることが好ましい。また、普通図柄が変動表示中でない場合には、普通図柄の変動表示を禁止にすることが好ましい。
[7−3.主制御メイン処理]
図179は、メインCPU101による主制御メイン処理を示すフローチャートである。パチンコ遊技機1001に電源が投入されると、同図に示すように、メインCPU101は、初期設定処理を行う(ステップS5091)。この処理において、メインCPU101は、先述の電源投入時処理等の処理を行う。
次に、メインCPU101は、初期値乱数更新処理を行う(ステップS5092)。この処理において、メインCPU101は、初期値乱数カウンタを更新する処理を行う。
次に、メインCPU101は、特別図柄制御処理を行う(ステップS5093)。特別図柄制御処理については、図180を参照して後述する。
次に、メインCPU101は、普通図柄制御処理を行う(ステップS5094)。普通図柄制御処理については、図186を参照して後述する。
次に、メインCPU101は、図柄表示部制御処理を行う(ステップS5095)。この処理において、メインCPU101は、ステップS5093およびステップS5094でメインRAM103に記憶された特別図柄制御処理の結果および普通図柄制御処理の結果に応じて、特別図柄表示部(第1特別図柄表示部1073、第2特別図柄表示部1074)および普通図柄表示部1071を駆動するための制御信号をメインRAM103に記憶する処理を行う。これにより、メインCPU101は、特別図柄表示部(第1特別図柄表示部1073、第2特別図柄表示部1074)および普通図柄表示部1071に制御信号を送信し、特別図柄表示部(第1特別図柄表示部1073、第2特別図柄表示部1074)および普通図柄表示部1071は、受信した制御信号に基づいて特別図柄や普通図柄についての変動表示および停止表示を行う。
次に、メインCPU101は、遊技情報データ生成処理を行う(ステップS5096)。この処理において、メインCPU101は、サブ制御回路270や払出・発射制御回路310、ホールコンピュータ700に送信するための遊技情報データに関する遊技状態コマンドを生成し、メインRAM103に記憶する。
次に、メインCPU101は、記憶・遊技状態データ生成処理を行う(ステップS5097)。この処理において、メインCPU101は、確変フラグの値および時短フラグの値に基づいて、サブ制御回路270に送信する記憶・遊技状態データを生成し、当該記憶・遊技状態データをメインRAM103に記憶する。この処理を終了すると、メインCPU101は、ステップS5092の処理に戻る。
[7−3−1.特別図柄制御処理]
図180は、メインCPU101による特別図柄制御処理を示すフローチャートである。特別図柄制御処理は、先述した主制御メイン処理の実行中にサブルーチンとして呼び出される。なお、同図に示す各処理の左方に括弧書きで記載した数値(「00」〜「08」)は、制御状態フラグの値を示す。この制御状態フラグは、メインRAM103内の所定の記憶領域に格納される。メインCPU101は、制御状態フラグの数値に応じた処理を実行することにより、特別図柄ゲームを進行させる。
図180に示すように、メインCPU101は、制御状態フラグをロードする処理を行う(ステップS5101)。この処理において、メインCPU101は、メインRAM103に記憶された制御状態フラグの値を読み出す。メインCPU101は、読み出した制御状態フラグの値に基づいて、後述のステップS5102〜S5110の各処理を実行するか否かを判定する。この制御状態フラグは、特別図柄ゲームの状態を示すものであり、ステップS5102〜S5110のいずれかの処理を実行可能にするものである。また、メインCPU101は、ステップS5102〜S5110の各処理に対して設定された待ち時間などに応じて決定された所定のタイミングで各処理を実行する。なお、この所定のタイミングに至る前は、各処理を実行せずに、他のサブルーチンに係る処理を実行する。もちろん、所定の周期で先述のシステムタイマ割込処理(図175参照)も実行する。
次に、メインCPU101は、特別図柄記憶チェック処理を行う(ステップS5102)。この処理において、メインCPU101は、制御状態フラグが特別図柄記憶チェック処理を示す値(「00」)である場合に、特別図柄の変動表示の保留個数をチェックし、保留個数が「0」でない場合(保留球がある場合)には、始動口入賞検出処理で得られた大当り判定の結果、メイン図柄の決定結果、特別図柄の変動パターンの決定結果等を取得する。また、メインCPU101は、この処理において、制御状態フラグに、後述の特別図柄可変表示時間管理処理(ステップS5093)を示す値(「01」)にセットし、今回の処理で取得された変動パターンに対応する特別図柄の変動表示時間を待ち時間タイマにセットする。すなわち、始動口入賞検出処理で決定された変動パターンに対応する特別図柄の変動表示時間が経過した後、後述の特別図柄変動時間管理処理が実行されるように設定される。一方、保留個数が「0」である場合(保留球がない場合)、メインCPU101は、デモ画面を表示するためのデモ表示処理を行う。この特別図柄記憶チェック処理については、図181を参照して詳述する。
次に、メインCPU101は、特別図柄変動時間管理処理を行う(ステップS5103)。この処理において、メインCPU101は、制御状態フラグが特別図柄変動時間管理処理を示す値(「01」)であり、特別図柄の変動表示時間が経過した場合に、制御状態フラグに、後述の特別図柄表示時間管理処理(ステップS5104)を示す値(「02」)をセットし、確定後待ち時間を待ち時間タイマにセットする。すなわち、このステップS5103の処理でセットされた確定後待ち時間が経過した後、後述の特別図柄表示時間管理処理が実行されるように設定される。
次に、メインCPU101は、特別図柄表示時間管理処理を行う(ステップS5104)。この処理において、メインCPU101は、制御状態フラグが特別図柄表示時間管理処理を示す値(「02」)であり、ステップS5103の処理でセットされた確定後待ち時間が経過した場合に、大当り判定の結果が「大当り」であるか否かを判別する。そして、大当り判定の結果が「大当り」である場合、メインCPU101は、制御状態フラグに、後述の大当り開始インターバル管理処理(ステップS5105)を示す値(「03」)をセットし、大当り開始インターバルに対応する時間を待ち時間タイマにセットする。すなわち、このステップS5104の処理でセットされた大当り開始インターバルに対応する時間が経過した後、後述の大当り開始インターバル管理処理が実行されるように設定される。一方、大当り判定の結果が「大当り」でない場合、メインCPU101は、制御状態フラグに、後述の特別図柄ゲーム終了処理(ステップS5110)を示す値(「08」)をセットする。すなわち、この場合には、後述の特別図柄ゲーム終了処理が実行されるように設定される。この特別図柄表示時間管理処理については、図182を参照して後述する。
次に、メインCPU101は、大当り開始インターバル管理処理を行う(ステップS5105)。この処理において、メインCPU101は、制御状態フラグが大当り開始インターバル管理処理を示す値(「03」)であり、ステップS5104の処理でセットされた大当り開始インターバルに対応する時間が経過した場合に、大入賞口540を開放させるため、メインROM102から読み出されたデータに基づいて、メインRAM103に位置付けられた変数を更新する。また、この処理において、メインCPU101は、制御状態フラグに、後述の大入賞口開放中処理(ステップS5106)を示す値(「04)」をセットするとともに、大入賞口540の開放上限時間(例えば30秒)を大入賞口開放時間タイマにセットする。すなわち、この処理により、後述の大入賞口開放中処理が実行されるように設定される。
次に、メインCPU101は、大入賞口開放中処理を行う(ステップS5106)。この処理において、まず、メインCPU101は、制御状態フラグが大入賞口開放中処理を示す値(「04」)である場合に、大入賞口入賞カウンタが所定数以上であるという条件、および、開放上限時間を経過した(大入賞口開放時間タイマが「0」である)という条件の一方が満たされた(所定の閉鎖条件が成立した)か否かを判別する。一方の条件が満たされた場合、メインCPU101は、大入賞口540を閉鎖させるため、メインRAM103に位置付けられた変数を更新する。そして、メインCPU101は、制御状態フラグに、後述の大入賞口内残留球監視処理(ステップS5107)を示す値(「05」)をセットするとともに、大入賞口内残留球監視時間を待ち時間タイマにセットする。すなわち、この処理により、ステップS5107でセットされた大入賞口内残留球監視時間が経過した後、後述の大入賞口内残留球監視処理が実行されるように設定される。なお、この大入賞口開放中処理の終了直前には、サブ制御回路270に対してラウンド間表示コマンドが送信される。
次に、メインCPU101は、大入賞口内残留球監視処理を行う(ステップS5107)。この処理において、メインCPU101は、制御状態フラグが大入賞口内残留球監視処理を示す値(「05」)であり、大入賞口内残留球監視時間が経過した場合に、大入賞口開放回数カウンタの値が大入賞口開放回数の最大値以上である(最終ラウンドである)という条件が満たされたか否かを判別する。上記条件を満たさないと判別した場合、メインCPU101は、大入賞口再開放待ち時間管理処理を示す値(「06」)を制御状態フラグにセットする。また、メインCPU101は、ラウンド間インターバルに対応する時間を待ち時間タイマにセットする。すなわち、この処理により、ラウンド間インターバルに対応する時間が経過した後、後述の大入賞口再開放前待ち時間管理処理が実行されるように設定される。一方、ステップS5107において、上記条件を満たしたと判別した場合、メインCPU101は、大当り終了インターバル処理を示す値(「07」)を制御状態フラグにセットし、大当り終了インターバルに対応する時間(大当り終了インターバル時間)を待ち時間タイマにセットする。すなわち、この処理でセットされた大当り終了インターバルに対応する時間が経過した後、後述の大当り終了インターバル処理が実行されるように設定される。
次に、メインCPU101は、大入賞口開放回数カウンタの値が大入賞口開放回数の最大値以上ではないと判別した場合、大入賞口再開放前待ち時間管理処理を行う(ステップS5108)。この処理において、メインCPU101は、制御状態フラグが大入賞口再開放前待ち時間管理処理を示す値(「06」)であり、ラウンド間インターバルに対応する時間が経過した場合に、大入賞口開放回数カウンタの値を「1」増加するように記憶更新する。また、メインCPU101は、大入賞口開放中処理を示す値(「04」)を制御状態フラグにセットする。そして、メインCPU101は、開放上限時間(例えば30秒)を大入賞口開放時間タイマにセットする。すなわち、この処理で上述した大入賞口開放中処理(ステップS5106)が再度実行されるように設定される。なお、大入賞口再開放前待ち時間管理処理の終了直前には、サブ制御回路270に対して大入賞口開放中表示コマンドが送信される。
また、メインCPU101は、大入賞口開放回数カウンタの値が大入賞口開放回数の最大値以上であると判別した場合に、大当り終了インターバル処理を行う(ステップS5109)。この処理において、メインCPU101は、制御状態フラグが大当り終了インターバル処理を示す値(「07」)であり、大当り終了インターバルに対応する時間が経過した場合に、特別図柄ゲーム終了処理を示す値(「08」)を制御状態フラグにセットする。すなわち、この処理により、ステップS5109の処理後に後述の特別図柄ゲーム終了処理が実行されるように設定される。なお、上述したメイン図柄が特図1−2、特図1−8および特図2−2のうちのいずれかである場合、メインCPU101は、遊技状態を高確率遊技状態に移行させる制御を行い、上述したメイン図柄が特図1−1、特図1−3および特図2−1のうちのいずれかである場合には、遊技状態を低確率遊技状態(確変フラグOFF)にする制御を行う。
次に、メインCPU101は、大当り遊技状態が終了した場合、又は、大当り判定の結果が「ハズレ」であった場合、特別図柄ゲーム終了処理を行う(ステップS5110)。この処理において、メインCPU101は、制御状態フラグが特別図柄ゲーム終了処理を示す値(「08」)である場合に、保留個数を示すデータ数(始動情報数)を「1」減少するように記憶更新する。また、メインCPU101は、次回の特別図柄の変動表示を行うために、特別図柄記憶領域の更新を行う。さらに、メインCPU101は、特別図柄記憶チェック処理を示す値(「00」)を制御状態フラグにセットする。すなわち、この処理により、ステップS5110の処理後、上述した特別図柄記憶チェック処理(ステップS5102)が実行されるように設定される。この特別図柄ゲーム終了処理を終了すると、メインCPU101は、特別図柄制御処理を終了する。
上述したように、本実施形態のパチンコ遊技機1001では、制御状態フラグに各種値を順次セットすることにより、特別図柄ゲームを進行させる。具体的に、遊技状態が大当り遊技状態でなく、大当り判定の結果が「ハズレ」である場合に、メインCPU101は、制御状態フラグを「00」、「01」、「02」、「08」の順にセットする。これにより、メインCPU101は、上述した特別図柄記憶チェック処理(ステップS5102)、特別図柄変動時間管理処理(ステップS5103)、特別図柄表示時間管理処理(ステップS5104)および特別図柄ゲーム終了処理(ステップS5110)をこの順で所定のタイミングで実行する。
また、メインCPU101は、遊技状態が大当り遊技状態でなく、大当り判定の結果が「大当り」である場合、制御状態フラグを「00」、「01」、「02」、「03」の順でセットする。これにより、メインCPU101は、上述した特別図柄記憶チェック処理(ステップS5102)、特別図柄変動時間管理処理(ステップS5103)、特別図柄表示時間管理処理(ステップS5104)および大当り開始インターバル管理処理(ステップS5105)をこの順で所定のタイミングで実行し、大当り遊技状態への移行制御を実行する。
さらに、メインCPU101は、大当り遊技状態への移行制御が実行された場合、制御状態フラグを「04」、「05」、「06」の順でセットする。これにより、メインCPU101は、上述した大入賞口開放中処理(ステップS5106)、大入賞口内残留球監視処理(ステップS5107)および大入賞口再開放前待ち時間管理処理(ステップS5108)をこの順で所定のタイミングで実行し、大当り遊技状態を実行する。
なお、大当り遊技状態中に、当該大当り遊技状態の終了条件が成立した場合、メインCPU101は、制御状態フラグを「04」、「05」、「07」、「08」の順でセットする。これにより、メインCPU101は、上述した大入賞口開放中処理(ステップS5106)、大入賞口内残留球監視処理(ステップS5107)、大当り終了インターバル処理(ステップS5109)および特別図柄ゲーム終了処理(ステップS5110)をこの順で所定のタイミングで実行し、大当り遊技状態を終了する。
上述したように、特別図柄制御処理では、ステータスに応じて処理フローを分岐させている。また、図179に示す主制御メイン処理中のステップS5094の普通図柄制御処理(後述の図186参照)もまた、特別図柄制御処理と同様に、ステータスに応じて処理フローを分岐させる。
本実施形態の処理プログラムは、ステータスに応じて処理を分岐させて行う場合にコール命令で、小モジュールから親モジュールへの純粋な戻り処理が可能となるように、プログラミングされている。その結果、上記処理を実行するためにジャンプテーブルを配置する場合と比較して、本実施形態では、プログラムの容量を削減することができる。
[7−3−1−1.特別図柄記憶チェック処理]
図181は、メインCPU101による特別図柄記憶チェック処理を示すフローチャートである。特別図柄記憶チェック処理は、先述した特別図柄制御処理の実行中にサブルーチンとして呼び出される。同図に示すように、まず、メインCPU101は、メインRAM103内の所定の記憶領域から制御状態フラグをロード処理によって読み出す(ステップS5111)。
次に、メインCPU101は、読み出した制御状態フラグが特別図柄記憶チェック処理を示す値(「00」)であるか否かを判別する(ステップS5112)。制御状態フラグが「00」でないと判別した場合(ステップS5112におけるNO)、メインCPU101は、特別図柄記憶チェック処理を終了する。一方、制御状態フラグが「00」であると判別した場合(ステップS5112におけるYES)、メインCPU101は、ステップS5113の処理に移る。
ステップS5113において、メインCPU101は、第2始動口入賞(第2特別図柄の変動表示)の保留個数(第2始動情報数)が「0」であるか否かを判別する。メインCPU101は、第2始動口入賞の保留個数が「0」であると判別した場合(ステップS5113におけるYES)、ステップS5114の処理に移り、第2始動口入賞の保留個数が「0」でないと判別した場合(ステップS5113におけるNO)、ステップS5121の処理に移る。
ステップS5114において、メインCPU101は、第1始動口入賞(第1特別図柄の変動表示)の保留個数(第1始動情報数)が「0」であるか否かを判別する。メインCPU101は、第1始動口入賞の保留個数が「0」でないと判別した場合(ステップS5114におけるNO)、ステップS5115の処理に移り、第1始動口入賞の保留個数が「0」であると判別した場合(ステップS5114におけるYES)、ステップS5120の処理に移る。
ステップS5115において、メインCPU101は、第1始動口入賞の保留個数に対応する第1始動情報数の値を「1」減算する。本実施形態において、メインCPU101は、メインRAM103に設けられた第1特別図柄始動記憶領域(0)〜第1特別図柄始動記憶領域(4)にデータが記憶されているか否かを判別して、変動表示中又は保留中の第1特別図柄の変動表示に対応する特別図柄ゲームの始動情報が記憶されているか否かを判別する。第1特別図柄始動記憶領域(0)には、変動表示中の第1特別図柄の変動表示に対応する特別図柄ゲームのデータ(情報)が始動情報として記憶される。そして、第1特別図柄始動記憶領域(1)〜第1特別図柄始動記憶領域(4)には、保留されている4回分の第1特別図柄の変動表示(保留球)に対応する特別図柄ゲームのデータ(情報)が始動情報として記憶される。なお、各第1特別図柄始動記憶領域の始動情報には、例えば、第1始動口420の入賞時に抽出した大当り判定用乱数値や図柄決定用乱数値、決定された変動パターン等を示すデータが含まれる。
次に、ステップS5116において、メインCPU101は、第1始動口入賞に基づいて特別図柄記憶転送処理を行う。この処理において、メインCPU101は、第1特別図柄始動記憶領域(1)〜(4)のデータを、それぞれ第1特別図柄始動記憶領域(0)〜(3)にシフトする。このときまた、メインCPU101は、サブ制御回路270に対して保留減算コマンドを送信する。その後、メインCPU101は、ステップS5117の処理に移る。
ステップS5117において、メインCPU101は、制御状態フラグに特別図柄変動時間管理処理を示す値(「01」)をセットする処理を行う。このときまた、メインCPU101は、サブ制御回路270に対して特別図柄演出開始コマンドを送信する。
ステップS5118において、メインCPU101は、大当り判定処理を行う。この処理において、メインCPU101は、始動口入賞時に抽出され、かつ、第1特別図柄始動記憶領域(0)又は第2特別図柄始動記憶領域(0)において先にセットされた大当り判定用乱数値に基づき、入賞始動口の種別に対応する大当り判定テーブル(図示せず)を参照して、判定値データを取得する。そして、メインCPU101は、取得した判定値データに基づいて、「大当り」であるか「ハズレ」であるかを判定(大当り判定)する。
次に、ステップS5119において、メインCPU101は、ステップS5078またはステップS5088(いずれも図177参照)の変動パターン決定処理で決定された特別図柄の変動パターンに対応する変動表示時間を待ち時間タイマにセットする。この処理を終了すると、メインCPU101は、特別図柄記憶チェック処理を終了する。
また、ステップS5120において、メインCPU101は、デモ画面を表示するためのデモ表示処理を行う。この処理において、メインCPU101は、サブ制御回路270に対してデモ表示コマンドを送信する。この処理を終了すると、メインCPU101は、特別図柄記憶チェック処理を終了する。
また、ステップS5121において、メインCPU101は、第2始動口入賞の保留個数に対応する第2始動情報の値を「1」減算する。本実施形態において、メインCPU101は、メインRAM103に設けられた第2特別図柄始動記憶領域(0)〜第2特別図柄始動記憶領域(4)にデータが記憶されているか否かを判別して、変動表示中又は保留中の第2特別図柄の変動表示に対応する特別図柄ゲームの始動情報が記憶されているか否かを判別する。第2特別図柄始動記憶領域(0)には、変動表示中の第2特別図柄の変動表示に対応する特別図柄ゲームのデータ(情報)が始動情報として記憶される。そして、第2特別図柄始動記憶領域(1)〜第2特別図柄始動記憶領域(4)には、保留されている4回分の第2特別図柄の変動表示(保留球)に対応する特別図柄ゲームのデータ(情報)が始動情報として記憶される。なお、各第2特別図柄始動記憶領域の始動情報には、例えば、第2始動口440の入賞時に抽出した大当り判定用乱数値や図柄決定用乱数値、決定された変動パターン等を示すデータが含まれる。
次に、メインCPU101は、第2始動口入賞に基づいて特別図柄記憶転送処理を行う(ステップS5122)。この処理において、メインCPU101は、第2特別図柄始動記憶領域(1)〜(4)のデータを、それぞれ第2特別図柄始動記憶領域(0)〜(3)にシフトする。このときまた、メインCPU101は、サブ制御回路270に対して保留減算コマンドを送信する。その後、メインCPU101は、ステップS5117の処理に移り、ステップS5118およびステップS5119の処理を実行したのち、特別図柄記憶チェック処理を終了する。
[7−3−2.特別図柄表示時間管理処理]
図182は、メインCPU101による特別図柄表示時間管理処理を示すフローチャートである。特別図柄表示時間管理処理は、先述した特別図柄制御処理の実行中にサブルーチンとして呼び出される。同図に示すように、メインCPU101は、制御状態フラグが特別図柄表示時間管理処理を示す値(「02」)であるか否かを判別する(ステップS5131)。制御状態フラグが特別図柄表示時間管理処理を示す値(「02」)でないと判別した場合(ステップS5131におけるNO)、メインCPU101は、特別図柄表示時間管理処理を終了する。一方、制御状態フラグが特別図柄表示時間管理処理を示す値(「02」)であると判別した場合(ステップS5131におけるYES)、メインCPU101は、ステップS5132の処理に移る。
ステップS5132において、メインCPU101は、待ち時間タイマの値(待ち時間)が「0」であるか否かを判別する。この処理において、メインCPU101は、待ち時間タイマにセットされた変動表示確定後の待ち時間(変動表示開始待ち時間)が消化されたか否かを判別する。待ち時間タイマの値が「0」でないと判別した場合(ステップS5132におけるNO)、メインCPU101は、特別図柄表示時間管理処理を終了する。一方、待ち時間タイマの値が「0」であると判別した場合(ステップS5132におけるYES)、メインCPU101は、ステップS5133の処理に移る。
ステップS5133において、メインCPU101は、特別図柄ゲームが「大当り」であるか否かを判別する。特別図柄ゲームが「大当り」であると判別した場合(ステップS5133におけるYES)、メインCPU101は、ステップS5134の処理に移る。一方、特別図柄ゲームが「大当り」でないと判別した場合(ステップS5133におけるNO)、メインCPU101は、ステップS5140の処理に移る。
ステップS5134において、メインCPU101は、大当りを示す大当りフラグをセットする処理を行う。この処理を終了すると、メインCPU101は、ステップS5135の処理に移る。
ステップS5135において、メインCPU101は、時短回数カウンタ、並びに時短フラグおよび確変フラグをクリアする処理を行う。この処理を終了すると、メインCPU101は、ステップS5136の処理に移る。
ステップS5136において、メインCPU101は、制御状態フラグに大当り開始インターバル管理処理を示す値(「03」)をセットする処理を行う。
次に、メインCPU101は、特別図柄(第1特別図柄又は第2特別図柄)に対応する大当り開始インターバル時間(例えば、5000ms)を待ち時間タイマにセットする処理を行う(ステップS5137)。
次に、メインCPU101は、特別図柄に対応する大当り開始コマンドをメインRAM103にセットする処理を行う(ステップS5138)。これにより、サブ制御回路270には、大当り開始コマンドが送信される。
次に、メインCPU101は、大当り種類決定テーブル(図157、図161または図162参照)を参照し、特別図柄(図柄指定コマンドの種別)に対応するラウンド数上限値(大入賞口開放回数上限値)をメインRAM103にセットし、ラウンド数表示LEDパターンフラグをセットする(ステップS5139)。なお、ラウンド数表示LEDパターンフラグは、残りラウンド数を所定パターンで表示するか否かを示すフラグである。この処理を終了すると、メインCPU101は、特別図柄表示時間管理処理を終了する。
ステップS5140において、メインCPU101は、時短回数減算処理を行う。この時短回数減算処理については、図183を参照して後述する。
次に、メインCPU101は、制御状態フラグに特別図柄ゲーム終了処理を示す値(「08」)をセットする処理を行う(ステップS5141)。この処理を終了すると、メインCPU101は、特別図柄表示時間管理処理を終了する。
[7−3−2−1.時短回数減算処理]
図183は、メインCPU101による時短回数減算処理を示すフローチャートである。時短回数減算処理は、先述した特別図柄表示時間管理処理の実行中にサブルーチンとして呼び出される。同図に示すように、メインCPU101は、時短回数カウンタの値が0であるか否かを判別する(ステップS5151)。時短回数カウンタは、セットされた時短回数が0になるまで計数する減算カウンタである。時短回数カウンタの値が0である場合(ステップS5151におけるYES)、メインCPU101は、ステップS5154の処理に移る。時短回数カウンタの値が0でない場合(ステップS5151におけるNO)、メインCPU101は、時短回数減算処理を終了する。なお、詳細は後述するが、本実施形態において時短回数カウンタとしてセットされる回数は100回または10000回である。
ステップS5152において、メインCPU101は、時短回数カウンタの値を1減算する処理を行う。
次に、メインCPU101は、再び時短回数カウンタの値が0であるか否かを判別する(ステップS5153)。時短回数カウンタの値が0である場合(ステップS5153におけるYES)、メインCPU101は、ステップS5154の処理に移る。時短回数カウンタの値が0でない場合(ステップS5153におけるNO)、メインCPU101は、時短回数減算処理を終了する。
ステップS5154において、メインCPU101は、時短フラグとして「0」をセットする処理を行う。この処理を終了すると、メインCPU101は、時短回数減算処理を終了する。
[7−3−3.大当り終了インターバル処理]
図184は、メインCPU101による大当り終了インターバル処理を示すフローチャートである。大当り終了インターバル処理は、先述した特別図柄制御処理の実行中にサブルーチンとして呼び出される。同図に示すように、メインCPU101は、制御状態フラグが大当り終了インターバル処理を示す値(「07」)であるか否かを判別する(ステップS5161)。制御状態フラグが大当り終了インターバル処理を示す値(「07」)でないと判別した場合(ステップS5161におけるNO)、メインCPU101は、大当り終了インターバル処理を終了する。一方、制御状態フラグが大当り終了インターバル処理を示す値(「07」)であると判別した場合(ステップS5161におけるYES)、メインCPU101は、ステップS5162の処理に移る。
ステップS5162において、メインCPU101は、待ち時間タイマの値が「0」であるか否かを判別する。この処理において、メインCPU101は、待ち時間タイマにセットされた大当り終了インターバル時間が消化されたか否かを判別する。待ち時間タイマの値が「0」でないと判別した場合(ステップS5161におけるNO)、メインCPU101は、大当り終了インターバル処理を終了する。一方、待ち時間タイマの値が「0」であると判別した場合(ステップS5161におけるYES)、メインCPU101は、ステップS5163の処理に移る。
ステップS5163において、メインCPU101は、大入賞口開放回数表示LEDパターンフラグをクリアする。大入賞口開放回数表示LEDパターンフラグは、大当り時のラウンド数をLEDの発光パターンによって表示するか否かを示す管理フラグとして用いられる。
次に、メインCPU101は、ラウンド数振り分けフラグをクリアする(ステップS5164)。このラウンド数振り分けフラグは、メインRAM103に格納される管理フラグの一つであり、1ラウンド中にあっても予め決められた回数だけ大入賞口540を周期的に開閉させるか否かを示すためのフラグである。1ラウンド中でも大入賞口540を周期的に開閉させる場合は、ラウンド数振り分けフラグが「1」となる。このときまた、メインCPU101は、サブ制御回路270に対して特別図柄大当り終了表示コマンドを送信する。
次に、メインCPU101は、制御状態フラグに特別図柄ゲーム終了処理を示す値(「08」)をセットする処理を行う(ステップS5165)。
次に、メインCPU101は、大当たりフラグをクリアする処理、すなわち、メインRAM34の所定領域にON設定されている大当りフラグをOFFに設定する処理を行う(ステップS5166)。
次に、メインCPU101は、大当り終了インターバル処理中の大当りが確変大当りであったか否かを判別する(ステップS5168)。確変大当りであった場合(ステップS5168におけるYES)、メインCPU101は、ステップS5169の処理に移る。確変大当りでない場合(ステップS5168におけるNO)、メインCPU101は、ステップS5171の処理に移る。
ステップS5169において、メインCPU101は、確変フラグとして「1」をセットする処理を行う。
次に、メインCPU101は、時短フラグとして「1」をセットする処理を行う(ステップS5171)。
次に、メインCPU101は、時短回数カウンタに規定の時短回数をセットする処理を行う(ステップS5172)。本実施形態では、大当り種類決定テーブル(図157、図161または図162)を参照して、時短回数100回の大当り(例えば、特図1−1、特図1−3、特図2−1など)であるときには時短回数カウンタに100回をセットし、次回の大当り遊技状態が実行されるまで時短が継続する大当り(例えば、特図1−2、特図1−8、特図2−2など)であるときには時短回数カウンタに10000回をセットする。ただし、次回の大当り遊技状態が実行されるまで時短が継続する大当りであるときにセットされる時短回数カウンタは10000回に限定されるものではなく、ホールの開店から閉店まで遊技を継続したとしても現実的に起こりえない回数であれば良い。このように、ホールの開店から閉店まで遊技を継続したとしても現実的に起こりえない回数を時短回数カウンタにセットすることで、実質的に、次回の大当り遊技状態が実行されるまで時短が継続することとなる。さらには、時短回数100回の大当りであるときにはカウンタ処理を行い(時短回数カウンタに100回をセットし)、次回の大当り遊技状態が実行されるまで時短が継続する大当りであるときにはフラグ処理を行う(時短フラグがONである限り時短遊技状態を継続する)ようにしても良い。
次に、メインCPU101は、変動パターンテーブル設定処理を実行する(ステップS5173)。変動パターンテーブル設定処理については、図185を参照して後述する。この処理を終了すると、メインCPU101は、大当り終了インターバル処理を終了する。
ステップS5174において、メインCPU101は、大当りフラグをクリアする処理、すなわち、メインRAM34の所定領域にON設定されている大当りフラグをOFFに設定する処理を行う。
ステップS5175において、メインCPU101は、上述の時短回数減算処理を実行する(ステップS5175)。この処理を終了すると、メインCPU101は、大当り終了インターバル処理を終了する。
[7−3−3−1.変動パターンテーブル設定処理]
図185は、メインCPU101による変動パターンテーブル設定処理を示すフローチャートである。変動パターンテーブル設定処理は、先述した電源投入時処理あるいは大当り終了インターバル処理の実行中にサブルーチンとして呼び出される。同図に示すように、メインCPU101は、電源投入時であるか否かを判別する(ステップS5181)。電源投入時である場合(ステップS5181におけるYES)、メインCPU101は、ステップS5182の処理に移る。電源投入時でない場合(ステップS5181におけるNO)、メインCPU101は、ステップS5183の処理に移る。
ステップS5182において、メインCPU101は、図158(または図160)に示される特別図柄の変動時間決定テーブルを参照する際のテーブルパターンとして、テーブルパターン1をセットする処理を行う。テーブルパターン1は、図158(または図160)に示される特別図柄の変動時間決定テーブルのうち、確変フラグおよび時短フラグのいずれもがONの場合(大当りおよびハズレの両方)のテーブルパターンが相当する。
次に、メインCPU101は、時短フラグがONであるか否かを判別する(ステップS5183)。時短フラグがONである場合(ステップS5183におけるYES)、メインCPU101は、ステップS5184の処理に移る。時短フラグがOFFである場合(ステップS5183におけるNO)、メインCPU101は、ステップS5185の処理に移る。
ステップS5184において、メインCPU101は、図158(または図160)に示される特別図柄の変動時間決定テーブルを参照する際のテーブルパターンとして、テーブルパターン2をセットする処理を行う。この処理を終了すると、メインCPU101は、変動パターンテーブル設定処理を終了する。テーブルパターン2は、図158(または図160)に示される特別図柄の変動時間決定テーブルのうち、時短フラグがOFFの場合(大当りおよびハズレの両方)のテーブルパターンが相当する。
ステップS5185において、メインCPU101は、図158(または図160)に示される特別図柄の変動時間決定テーブルを参照する際のテーブルパターンとして、テーブルパターン3をセットする処理を行う。この処理を終了すると、メインCPU101は、変動パターンテーブル設定処理を終了する。テーブルパターン3は、図158(または図160)に示される特別図柄の変動時間決定テーブルのうち、時短フラグがONの場合(大当りおよびハズレの両方)のテーブルパターンが相当する。
[7−4.普通図柄制御処理]
図186は、メインCPU101による普通図柄制御処理を示すフローチャートである。普通図柄制御処理は、先述した主制御メイン処理の実行中にサブルーチンとして呼び出される。なお、図186に示すフローチャート中の各処理の右方に括弧書きで記載した数値(「00」〜「04」)は、普通図柄制御状態フラグを示し、この普通図柄制御状態フラグは、メインRAM103内の所定の記憶領域に格納される。メインCPU101は、普通図柄制御状態フラグの数値に対応する各処理を実行することにより、普通図柄ゲームを進行させる。
図186に示すように、メインCPU101は、普通図柄制御状態フラグをロードする処理を行う(ステップS5191)。この処理において、メインCPU101は、メインRAM103に記憶された普通図柄制御状態フラグを読み出す。メインCPU101は、読み出した普通図柄制御状態フラグの値に基づいて、後述のステップS5192〜S5196の各種の処理を実行するか否かを判定する。この普通図柄制御状態フラグは、普通図柄ゲームの遊技の状態を示すものであり、ステップS5162〜S5166のいずれかの処理を実行可能にするものである。また、メインCPU101は、ステップS5162〜S5166の各処理に対して設定された待ち時間などに応じて決定される所定のタイミングで各処理を実行する。なお、この所定のタイミングに至る前は、各処理を実行せずに他のサブルーチン処理を実行する。もちろん、所定の周期で先述のシステムタイマ割込処理(図175参照)も実行する。
次に、メインCPU101は、普通図柄記憶チェック処理を行う(ステップS5192)。この処理において、メインCPU101は、普通図柄制御状態フラグが普通図柄記憶チェック処理を示す値(「00」)である場合に、普通図柄の変動表示の保留個数をチェックし、保留個数が「0」でないときには、大当り判定等の処理を行う。また、この処理において、メインCPU101は、普通図柄制御状態フラグに後述の普通図柄変動時間監視処理(ステップS5193)を示す値(「01」)をセットし、今回の処理で決定された変動時間を待ち時間タイマにセットする。すなわち、ステップS5192の処理により、決定された普通図柄の変動時間が経過した後、後述の普通図柄変動時間監視処理が実行されるように設定される。
次に、メインCPU101は、普通図柄変動時間監視処理を行う(ステップS5193)。この処理において、メインCPU101は、普通図柄制御状態フラグが普通図柄変動時間監視処理を示す値(「01」)であり、普通図柄の変動時間が経過した場合に、普通図柄制御状態フラグに後述の普通図柄表示時間監視処理(ステップS5194)を示す値(「02」)をセットし、確定後待ち時間(例えば0.5秒)を待ち時間タイマにセットする。すなわち、ステップS5193の処理により、セットされた確定後待ち時間が経過した後、後述の普通図柄表示時間監視処理が実行されるように設定される。
次に、メインCPU101は、普通図柄表示時間監視処理を行う(ステップS5194)。この処理において、メインCPU101は、普通図柄制御状態フラグが普通図柄表示時間監視処理を示す値(「02」)であり、ステップS5193の処理でセットされた確定後待ち時間が経過した場合に、大当り判定の結果が「大当り」であるか否かを判別する。そして、大当り判定の結果が「大当り」である場合、メインCPU101は、普通電動役物開放設定処理を行い、普通図柄制御状態フラグに後述の普通電動役物開放処理(ステップS5195)を示す値(「03」)をセットする。すなわち、この処理により、後述の普通電動役物開放処理が実行されるように設定される。一方、大当り判定の結果が「大当り」でない場合、メインCPU101は、普通図柄制御状態フラグに後述の普通図柄ゲーム終了処理(ステップS5195)を示す値(「04」)をセットする。すなわち、この場合には、後述の普通図柄ゲーム終了処理が実行されるように設定される。
次に、メインCPU101は、ステップS5194において大当り判定の結果が「大当り」であると判定された場合、普通電動役物開放処理を行う(ステップS5195)。この処理において、メインCPU101は、普通図柄制御状態フラグが普通電動役物開放処理を示す値(「03」)である場合に、普通電動役物460の開放中において所定数の入賞があったという条件、および、普通電動役物460の開放上限時間を経過した(普通電役開放時間タイマが「0」である)という条件の一方が満たされたか否かを判別する。上記一方の条件が満たされた場合、メインCPU101は、普通電動役物460の羽根部材4620(例えば、図140を参照)を閉鎖状態にするため、メインRAM103に位置付けられた変数を更新する。そして、メインCPU101は、普通図柄制御状態フラグに後述の普通図柄ゲーム終了処理(ステップS5196)を示す値(「04」)をセットする。すなわち、この処理により、後述の普通図柄ゲーム終了処理が実行されるように設定される。
次に、メインCPU101は、普通図柄ゲーム終了処理を行う(ステップS5196)。この処理において、メインCPU101は、普通図柄制御状態フラグが普通図柄ゲーム終了処理を示す値(「04」)である場合に、普通図柄の変動表示の保留個数を示すデータを「1」減少させるように記憶更新する。また、メインCPU101は、次回の普通図柄の変動表示を行うために、普通図柄記憶領域の更新を行う。さらに、メインCPU101は、普通図柄制御状態フラグに普通図柄記憶チェック処理を示す値(「00」)をセットする。すなわち、ステップS5196の処理後、上述した普通図柄記憶チェック処理(ステップS5192)が実行されるように設定される。この処理を終了すると、メインCPU101は、普通図柄制御処理を終了する。
[8.サブ制御メイン処理]
一方、サブCPUプロセッサを備えるサブ制御回路270(ホスト制御回路2100)は、サブ制御メイン処理を実行することとなる。このサブ制御メイン処理について図187を用いて説明する。図187は、サブ制御メインの一例を示すフローチャートであり、この処理は、電源が投入されたときに開始される。なお、後述する図196、図207、図208、図209及び図233についても、いずれも、電源が投入されたときにホスト制御回路2100により実行されるサブ制御メイン処理の一例を示すフローチャートであるが、図187は代表的な例の一つである。処理である。
図187に示すように、ホスト制御回路2100は、RAMアクセス許可、作業領域の初期化、ハードウェア初期化、デバイス初期化、アプリケーション初期化、バックアップ復帰初期化等といった初期化処理を行う(ステップS5201)。
次に、ホスト制御回路2100は、ウォッチドッグタイマのカウンタ値をクリアする処理を行う(ステップS5202)。ウォッチドッグタイマは、起動時にリセット時間(例えば2000ms)が設定され、サービスパルスの書き込みが行われなかった場合(タイムアウト時)に電断処理が実行されることとなる。
次に、ホスト制御回路2100は、操作手段入力処理を実行する(ステップS5203)。
次に、ホスト制御回路2100は、コマンド解析処理を実行する(ステップS5204)。コマンド解析処理については、図188を参照して後述する。
次に、ホスト制御回路2100は、演出態様決定処理を実行する(ステップS5205)。演出態様決定処理は、主制御回路100から送信された各種コマンドに基づいて、表示装置1016に表示される演出態様を決定する処理である。
上記の演出態様決定処理(ステップS5205)で決定される演出態様には、セットされている設定値を示唆する設定示唆演出も含まれる。この設定示唆演出について、第1の例および第2の例を挙げて説明する。
(第1の例)
設定示唆演出の第1の例は、第1始動口420(例えば図140参照)への遊技球の入賞が保留上限を超えて行われたことを条件に行われる。例えば、ホスト制御回路2100は、第1始動入賞口オーバーフローポイントをカウントしており、第1始動口入賞の保留個数オーバーフローコマンドが主制御回路100から送信されると、第1始動入賞口オーバーフローポイントに1加算する。そして、この第1始動入賞口オーバーフローポイントが所定のポイント(例えば50ポイント)に達すると、メインCPU101は、上記の演出態様決定処理において、設定示唆演出を実行する旨を決定する。通常遊技状態等の時短フラグがOFFの非時短遊技状態では、第1始動口420への遊技球の入賞が容易でないため、第1始動入賞口オーバーフローが発生すると、遊技者の落胆ははかりしれない。そこで、非時短遊技状態において第1始動入賞口オーバーフローが発生したことを条件に設定示唆演出を行うようにすることで、ホールに直接的な損失を与えることなく遊技者の落胆を抑制することが可能となる。また、遊技者のなかには、第1始動口420への遊技球の入賞が保留上限であると、遊技球の発射を中断する遊技者もいる。この点、第1始動口420の遊技球の入賞が保留上限を超えたことを条件に設定示唆演出を行うようにすることで、遊技を促進させることも可能となる。
なお、上記設定示唆演出の第1の例では、第1始動入賞口オーバーフローポイントが所定のポイントに達したときに設定示唆演出を行っているが、必ずしもこれに限られず、第1始動口入賞の保留個数オーバーフローコマンドが主制御回路100から送信されたことをもって設定示唆演出を行うようにしても良い。この場合、設定示唆演出の実行頻度が高くなるため、例えば、設定示唆演出が1回行われただけでは設定を推測することが困難な演出であることが好ましい。例えば、1回の設定示唆演出から得られる情報だけでは設定を推測することが困難であるが、複数回の設定示唆演出から得られる複数の情報を集めることで設定を推測することが可能となるようにすることが考えられる。
また、上述したとおり、第1始動口入賞の保留個数オーバーフローコマンドがサブ制御回路270に送信されるのは、ステップS5072の設定チェック処理において設定値データが正常であると判別されることが前提である。そのため、設定チェック処理において設定値データが正常であると判別されなかったときには、たとえ、第1始動口420(例えば図5参照)への遊技球の入賞が保留上限を超えて行われたとしても、ホスト制御回路2100は、第1始動入賞口オーバーフローポイントへの加算を行わない。したがって、第1始動口420(例えば図140参照)への遊技球の入賞が保留上限を超えて行われると第1始動入賞口オーバーフローポイントが所定のポイントに達するような状況下(例えば所定のポイント50ポイントに対して49ポイントであるとき)において、第1始動口420(例えば図140参照)への遊技球の入賞が保留上限を超えて行われたときにステップS5072の設定チェック処理(図177参照)において正常でないと判別されると、ホスト制御回路2100による設定示唆演出が行われることなく、メインCPU101は、遊技許可フラグをOFFにし(後述するステップS5722)、遊技を進行させることが不可能となる。
また、上記設定示唆演出の第1の例では、第2始動口440(例えば図140参照)への遊技球の入賞が保留上限を超えて行われたとしても設定示唆演出が行われないが(図177参照)、第2始動口440への遊技球の入賞が保留上限を超えたことを条件に、第1始動口420への遊技球の入賞が保留上限を超えたときと同様に、設定示唆演出を行うようにしても良い。
(第2の例)
設定示唆演出の第2の例は、リーチ演出の実行中に、特定の入賞口に遊技球が入賞したときに行われる。例えば、ホスト制御回路2100は、リーチ演出の開始時に、第1始動口420、第2始動口440および各一般入賞口1053・1054・1055(いずれも例えば図140参照)のうち特定の入賞口を、例えば抽選によりランダムに決定する。そして、リーチ演出の実行中に、上記決定された特定の入賞口への遊技球の入賞コマンドが主制御回路100から送信されると、設定示唆演出を実行する旨を決定する。例えば、遊技者のなかには、変動時間が長いリーチ演出が実行されると、遊技球の発射を中断する遊技者がいる。そこで、リーチ演出の実行中に、特定の入賞口への遊技球の入賞検出に基づいて設定示唆演出を実行することで、リーチ演出中であっても遊技球の発射を促すことが可能となる。また、リーチ演出には、リーチ演出が開始された時点で期待度が低いことがただちに分かる場合もある。このような場合、遊技者にとっては、リーチ演出が終了するまで次に変動表示が開始されず、興趣が低下する虞がある。この点、リーチ演出の実行中に、特定の入賞口への遊技球の入賞検出に基づいて設定示唆演出を実行することで、興趣の低下を抑制することが可能となる。しかも、設定値を遊技機管理責任者が設定できるようになると、遊技者は、自らが遊技を行うパチンコ遊技機の設定値が低いのではないかと疑心暗鬼になるおそれがあるが、この第2の例によれば、そのようなおそれを軽減することができ、興趣の低下を抑制することが可能となる。
なお、上記特定の入賞口を、第1始動口420、第2始動口440および各一般入賞口1053・1054・1055(いずれも例えば図140参照)のなかから例えば抽選によりランダムに決定した場合、いずれが特定の入賞口であるかを開示せずに秘匿にすることが好ましい。これにより、遊技者は、いずれの入賞口を狙えばいいかといった点に面白みが生まれる。
また、上記設定示唆演出の第2の例では、上記特定の入賞口を、第1始動口420、第2始動口440および各一般入賞口1053・1054・1055(いずれも例えば図140参照)のなかから例えば抽選によりランダムに決定するようにしているが、必ずしも特定の入賞口をランダムに決定することに限られず、固定の入賞口を特定の入賞口としても良い。
また、上記設定示唆演出の第1の例および第2の例では、いずれも、ホスト制御回路2100が設定示唆演出を実行する旨を決定しているが、メインCPU101が決定するようにしても良い。
なお、リーチ演出の実行中に、特定の入賞口に遊技球が入賞した場合、当該特定の入賞口が始動口であればステップS5072またはステップS5082(いずれも図177参照)の設定チェック処理が行われる。そしてこの場合の設定示唆演出は、上記の設定チェック処理で正常であると判別されたとき(ステップS5721におけるYES)に限り行われる。メインCPU101は、上記の設定チェック処理で正常でないと判別したとき(ステップS5721におけるNO)は、設定示唆演出を行わないのみならず、ステップS5734の処理によって変動表示中の特別図柄についても停止を禁止する。また、ホスト制御回路2100についても、リーチ演出を伴う装飾図柄の変動演出中であったとしても、当該装飾図柄の変動演出を継続する。ただし、ホスト制御回路2100は、音声・LED制御回路2200による音演出の出力を停止しても良いし、出力される音量を小さくしても良い。
次に、ホスト制御回路2100は、コマンド送信処理を実行する(ステップS5206)。コマンド送信処理については、図189を参照して後述する。
次に、表示制御回路2300は、描画制御処理を実行する(ステップS5207)。この処理において、表示制御回路2300は、ホスト制御回路2100から送信されたメッセージ(演出指定情報)に基づいて表示装置1016に画像を表示させるための描画制御を行う。
次に、音声・LED制御回路2200は、音声制御処理を実行する(ステップS5208)。この処理において、音声・LED制御回路2200は、ホスト制御回路2100から送信されたメッセージ(演出指定情報)に基づいてスピーカ1024に音声を出力させるための音声制御を行う。
次に、音声・LED制御回路2200は、LED1025の発光態様についての制御処理を実行する(ステップS5209)。この処理において、音声・LED制御回路2200は、ホスト制御回路2100から送信されたメッセージ(演出指定情報)に基づいてLED1025を点灯あるいは点滅させるための発光制御を行う。
次に、ホスト制御回路2100は、役物制御処理を実行する(ステップS5210)。この役物制御処理は、I2Cコントローラ2610及びモータコントローラ2700を介して、演出指定情報に基づいて役物群1010を構成する役物のうち作動する役物や役物を構成する作動部材を作動させる演出用駆動モータの駆動制御を行う処理であり、詳細については後述する。このようなサブ制御メイン処理においては、ステップS5201の初期化処理が終了し後、ステップS5202〜S5210の各処理が繰り返し実行される。
[8−1.コマンド解析処理]
図188は、ホスト制御回路2100によるコマンド解析処理を示すフローチャートである。コマンド解析処理は、先述したサブ制御メイン処理の実行中にサブルーチンとして呼び出される。同図に示すように、ホスト制御回路2100は、主制御回路100(メインCPU101)から受信後、サブワークRAM2100aの受信バッファに格納されたコマンドを解析する処理を行う(ステップS5241)。
次に、ホスト制御回路2100は、受信したコマンドに対して整合性チェックを行う(ステップS5242)。整合性チェックは、コマンド受信に際して目的とするデータが存在し、そのデータに誤りや欠けが無いことを検証するために行われる。
次に、ホスト制御回路2100は、サブ抽選処理を行う(ステップS5243)。この処理において、ホスト制御回路2100は、受信したコマンドが変動パターン指定コマンドである場合に、当該変動パターン指定コマンドに基づいて抽選により演出パターンを選択する。この処理を終了すると、ホスト制御回路2100は、コマンド解析処理を終了する。なお、サブ抽選処理においては、演出パターンを含む演出に係る全ての事項について抽選で選択するようにしてもよいし、演出パターンとして演出の種類(セリフ予告の有無やSU予告の有無等)のみを抽選で選択し、当該演出において実行される演出内容(エフェクトの種類やカットインの種類等)は、別途サブルーチン化された他の処理で演出情報として選択されるようにしてもよい。本実施形態では、サブ抽選処理において演出の種類を示す演出パターンが選択され、その後、当該演出パターンに基づいて実行される演出内容が演出情報として後述の演出態様決定処理により選択されるようになっている。
ところで、本実施形態のパチンコ遊技機1001では、遊技の実行中、ステップS5072およびステップS5082(図177参照)において設定チェック処理を行い、この設定チェック処理において、設定値データが「0」〜「5」の範囲内でなければ(図178のステップS5721におけるNO)、ステップS5722〜ステップS5726の処理を実行した上で、ステップS5727の異常時処理を実行している。ただし、例えば、主制御基板30が不正に取り替えられたりした場合には、ステップS5072またはステップS5082の設定チェック処理が実行されない可能性が高い。また、不正信号が入力されてセットされている設定値が変更されるような場合には、設定値データが「0」〜「5」の範囲内である可能性がある。そこで、本実施形態のパチンコ遊技機1001では、ステップS5072またはステップS5082において設定チェック処理が実行されない場合や、設定値が不正に変更された可能性があるにもかかわらず設定値データが「0」〜「5」の範囲内である場合(例えば、ステップS5721においてYESと判別される場合)を想定し、ホスト制御回路2100により設定値情報の適否を判定する設定判定処理を実行するようにしている。この設定判定処理について、図示せずに以下に説明する。
先ず、メインCPU101は、特定のタイミング(例えば、第1始動口420・第2始動口440への遊技球の入賞時、特別図柄の変動表示が保留されているとき、特別図柄の変動表示が開始されるときなど)で、メインRAM103に記憶されている設定値情報を示すコマンドを送信する。そして、このコマンドを受信したホスト制御回路2100は、今回受信したコマンドで示される設定値情報(以下「今回設定値」と称する)の適否判定を行う。この適否判定は、例えば、前回受信したコマンドで示される設定値情報(以下「前回設定値」と称する)と今回設定値とが一致しているか否かを判別する処理である。
そして、ホスト制御回路2100は、前回設定値と今回設定値とが一致していれば設定値が正常であると判定し、前回設定値と今回設定値とが一致していなければ設定値が異常であると判定する。
また、受信した設定値情報が異常であるとき、ホスト制御回路2100は、設定値異常時処理を実行する。この異常時実行処理は、例えば、表示装置1016の表示領域に、設定値が異常である旨を報知する画像を表示したり、これに代えてまたは加えて、設定値が異常である旨を報知する音声を出力する処理である。
なお、上述した設定値情報の適否判定は、前回設定値と今回設定値とが一致しているか否かの判定に限られず、例えば、3回以上にわたって受信した設定値情報の全てが一致しているか否かを判定するようにしてもよいし、複数回にわたって受信した設定値情報のうち一部(例えば、前々回受信したコマンドで示される設定値および今回設定値)の設定値情報が一致しているか否かを判定するようにしてもよい。ただし、設定変更処理(図168のステップS5024参照)が実行された旨を示すコマンド(例えば、設定変更開始コマンドや初期化コマンド)をホスト制御回路2100が受信したときには、今回設定値をサブワークRAM2100aに記憶するだけで、前回設定値を含む過去の設定値と今回設定値とが一致しているか否かの判定は行わない。
また、上述の設定判定処理(設定値情報の適否判定)は、遊技の実行中に限らず、電断後に電源投入された場合であっても、設定変更処理が実行されない限り実行することが好ましい。電断後に電源投入された場合に実行される設定判定処理については、図249を参照して後述する。
上述のホスト制御回路2100により実行される設定判定処理は、コマンド解析処理(ステップS5204)において実行してもよいし、コマンド解析処理のサブルーチンを抜けた後に実行してもよい。
[8−2.コマンド送信処理]
図189は、ホスト制御回路2100によるコマンド送信処理を示すフローチャートである。コマンド送信処理は、先述したサブ制御メイン処理の実行中にサブルーチンとして呼び出される。同図に示すように、ホスト制御回路2100は、各制御回路204〜207に対して制御用のコマンド(メッセージ)を送信する際、メッセージ設定処理を実行する(ステップS5251)。この処理において、ホスト制御回路2100は、演出態様決定処理で得られた演出情報に基づいてメッセージ(演出指定情報)を生成し、当該メッセージを一時的にサブワークRAM2100aのディレクトバッファに格納する処理を行う。このメッセージ設定処理については、図190を参照して後述する。
次に、ホスト制御回路2100は、ディレクトテーブル登録処理を実行する(ステップS5252)。この処理において、ホスト制御回路2100は、ディレクトバッファに格納されたメッセージと演出情報とに基づいて、これらに対応するディレクトテーブルをサブワークRAM2100aの所定領域にセットする処理を行う。このディレクトテーブル登録処理については、図191を参照して後述する。
次に、ホスト制御回路2100は、メッセージ送信処理を実行する(ステップS5253)。この処理において、ホスト制御回路2100は、ディレクトバッファに格納されたメッセージをディレクトテーブルに基づく所定のタイミングで読み出し、当該メッセージを所定の制御回路204〜207に送信する処理を行う。この処理を終了すると、ホスト制御回路2100は、コマンド送信処理を終了する。このメッセージ送信処理については、図192を参照して後述する。
[8−2−1.メッセージ設定処理]
図190は、ホスト制御回路2100によるメッセージ設定処理を示すフローチャートである。メッセージ設定処理は、先述したコマンド送信処理の実行中にサブルーチンとして呼び出される。同図に示すように、ホスト制御回路2100は、演出情報に基づいて送信するデバイス(制御回路204〜207)の設定を行う(ステップS5261)。
次に、ホスト制御回路2100は、システム動作の有無を設定する処理を行う(ステップS5262)。
次に、ホスト制御回路2100は、ステージ情報や各演出情報の設定を行う(ステップS5263)。
次に、ホスト制御回路2100は、予告パターンの設定を行う(ステップS5264)。これにより、ディレクトバッファには、送信先となるデバイス(制御回路204〜207)や、システム動作の有無、ステージ情報や各演出情報、予告パターンを示すメッセージが格納される。この処理を終了すると、ホスト制御回路2100は、メッセージ設定処理を終了する。
[8−2−2.ディレクトテーブル登録処理]
図191は、ホスト制御回路2100によるディレクトテーブル登録処理を示すフローチャートである。ディレクトテーブル登録処理は、先述したコマンド送信処理の実行中にサブルーチンとして呼び出される。同図に示すように、ホスト制御回路2100は、シングルテーブルを登録する処理を行う(ステップS5271)。
次に、ホスト制御回路2100は、演出態様決定処理で決定された演出情報に基づいてマスターテーブルを登録する処理を行う(ステップS5272)。
次に、ホスト制御回路2100は、マスターテーブルで使用するスレーブテーブルを登録する処理を行う(ステップS5273)。
次に、ホスト制御回路2100は、ディレクトバッファにセットされたメッセージに対応するディレクトテーブルをスレーブテーブルとして登録する処理を行う(ステップS5274)。この処理を終了すると、ホスト制御回路2100は、ディレクトテーブル登録処理を終了する。
[8−2−3.メッセージ送信処理]
図192は、ホスト制御回路2100によるメッセージ送信処理を示すフローチャートである。メッセージ送信処理は、先述したコマンド送信処理の実行中にサブルーチンとして呼び出される。同図に示すように、ホスト制御回路2100は、ディレクトテーブルに対応するディレクトバッファにメッセージが登録されていれば、当該メッセージに設定された「送信先デバイス」に従い各デバイス(制御回路204〜207)にメッセージを送信する処理を行う(ステップS5281)。
次に、ホスト制御回路2100は、メッセージの送信完了後、不要なディレクトテーブルを破棄する処理を行う(ステップS5282)。この処理を終了すると、ホスト制御回路2100は、メッセージ送信処理を終了する。
[9.本実施形態に係る遊技機の拡張性]
上述したとおり、本実施形態のパチンコ遊技機1001では、セットされている設定値に応じて、大当り確率、リーチ確率、特別図柄の変動時間、メイン図柄の選択率(ラウンド数、確変突入率、時短突入率)を変えるようにしたが、必ずしも、設定値に応じてこれらの全部を変える必要はなく、設定値に応じてこれらのうち1つだけ変えても良いし複数を変えても良い。
また、本実施形態のパチンコ遊技機1001では、普通図柄表示部1071において、停止表示された普通図柄が所定の態様(「普通図柄当り」の態様)である場合には、普通電動役物46が所定の期間だけ閉鎖状態から開放状態になる。そこで、普通電動役物460が閉鎖状態から開放状態となるタイミングや開放状態から閉鎖状態となるタイミング(すなわち遊技球の発射タイミング)を遊技者に報知するようにしても良い。この場合、遊技球の発射タイミングの報知を行う頻度を、設定値に応じて変える(高設定値ほど発射タイミングの報知頻度を高める)ようにしても良い。
また、本実施形態のパチンコ遊技機1001では、バックアップクリア処理(例えばステップS5039)を行うと、メインRAM103の作業領域のうちの一般作業領域に記憶されているデータがクリアされる。このバックアップクリア処理は、設定変更処理(ステップS5024)を実行したときにも必ず行われるため、バックアップクリア処理を行うと、必ず、メインRAM103の作業領域のうちの一般作業領域に記憶されているデータがクリアされる。ただし、これに代えて、設定変更処理を実行したときに行われるバックアップクリア処理と、設定変更処理を実行せずに行われるバックアップクリア処理とで、データがクリアされるメインRAM103のクリアアドレス範囲を異ならせるようにしても良い。例えば、大当り遊技状態が終了したのち、所定数のゲームが実行されるまで(特別図柄が所定回数変動表示されるまで)は高確率遊技状態とし、所定数のゲームの実行が終了したのちは低確率遊技状態に移行するパチンコ遊技機(所謂「ST機」と呼ばれるパチンコ遊技機)において、高確率遊技状態に制御されているとき(所定数のゲームの実行が終了する前)に、設定変更処理を伴わずにバックアップクリア処理が行われたときには確変フラグをOFF設定し、設定変更処理の実行にともなってバックアップクリア処理が行われたときには確変フラグのON設定を継続する(高確率遊技状態の残りゲーム数の記憶を保持する)ようにしても良い。さらには、設定変更処理の実行にともなってバックアップクリア処理が行われたときには、前回と同じ設定値にセットされたときは確変フラグのON設定を継続し、前回と異なる設定値にセットされたときは確変フラグをOFF設定するようにしても良い。
また、本実施形態のパチンコ遊技機1001では、大当り遊技状態における各ラウンドゲームにおいて、大入賞口540は、当該大入賞口540に入賞した遊技球のカウントが10球に達したときと、開放状態の時間が30secに達したときとのうちいずれか一方の条件を満たすと、閉鎖状態となる。そこで、大当り遊技状態における各ラウンドゲームにおいて、大入賞口540が開放状態から閉鎖状態となる条件を、設定値に応じて変えるようにしても良い。例えば、大入賞口540が開放状態から閉鎖状態となる条件を複数用意し(例えば、1ラウンドの間に大入賞口540に遊技球を入賞させることができる遊技球数の期待値が異なる複数の条件を用意し)、設定値に応じてかかる条件を変えることで、高設定値ほど上記期待値が高い条件が選択されやすいようにしても良い。具体例としては、設定値に応じて、ラウンドゲームにおける大入賞口540の開放時間を抽選により決定することで、高設定値ほど大入賞口540の開放時間が長くなりやすいようにすることが考えられる。また、設定値に応じて、ラウンドゲームにおいて大入賞口540が開放状態から閉鎖状態となる遊技球のカウントを変えることで、高設定値ほど大入賞口540への遊技球数が多くなりやすいようにすることも考えられる。
また、本実施形態のパチンコ遊技機1001では、停止表示された普通図柄が普通図柄当りの態様である場合には、普通電動役物460が所定の期間だけ閉鎖状態から開放状態になるが、普通電動役物460が開放状態となる時間(開放時間)を、設定値に応じて異ならせることで、高設定値ほど、普通電動役物460の開放時間が長くなりやすいようにしても良い。
また、本実施形態のパチンコ遊技機1001では、特図1−2や特図1−4のように確変フラグONとなる大当りであるとき、大当り遊技状態が終了したのち、次回の大当り遊技が実行されるまで高確率遊技状態が継続するが、必ずしもこれに限られず、特定のタイミング(例えば、第1始動口420・第2始動口440への遊技球の入賞時、特別図柄の変動表示が保留されているとき、特別図柄の変動表示が開始されるとき)で、高確率遊技状態から低確率遊技状態に移行させるか否かの移行抽選を、実行するようにしても良い。この場合、高確率遊技状態から低確率遊技状態への移行確率を設定値に応じて異ならることで、高設定値ほど高確率遊技状態の継続確率を高める(高確率遊技状態から低確率遊技状態への移行確率を低くする)ようにしても良い。なお、本実施形態のパチンコ遊技機1001では、例えば第1始動口420・第2始動口440への遊技球の入賞時に設定チェック処理(ステップS5072、ステップS5082)を行っているが、この設定チェック処理で正常でないと判別されたとき(ステップS5721におけるNO)は、設定変更処理(ステップS5024)の実行によりバックアップクリア処理(ステップS7420)において上記移行抽選の結果もクリアされる(確変フラグもOFFに設定される)。
上記のとおり、本実施形態では、セットされている設定値に応じて、大当り確率、リーチ確率、特別図柄の変動時間、メイン図柄の選択率(ラウンド数、確変突入率、時短突入率)を変えるようにしたパチンコ遊技機1001について説明したが、設定差を設けることは上述の実施形態に限られず、一部構成を変更しても良い。以下に、一部構成を変更した他の拡張例について説明する。なお、以下の他の拡張例の説明において特に言及しない構成については、本実施形態の構成と同様であるが、以下では、ステップ番号を除いて、例えばメインCPU等の各部材にあえて符号を付していない。
[9−1.拡張例1]
拡張例1のパチンコ遊技機は、特別図柄の大当り判定の結果が大当りであるとき、所定の条件が成立すると、大当り遊技状態が終了したのち、次回の大当り遊技状態が開始されるまで高確率遊技状態が継続する所謂「確変ループ機」を例に挙げて説明する。この拡張例1では、大当り遊技状態と高確率遊技状態とが繰り返し実行される回数(以下「ループ回数」と称する)に上限を設け、ループ回数がこの上限に達すると、大当り遊技状態が終了したのちの遊技状態を低確率遊技状態に制御するとともに、設定値に応じて、上記ループ回数の上限(以下「リミッタ回数」と称する)が異なりうるようにしている(このような遊技機は「リミッタ機」とも呼ばれる)。これについて、図193を参照して説明する。なお、図193は、拡張例1のパチンコ遊技機におけるリミッタ回数の選択率の一例を設定値毎に示すテーブルである。
拡張例1にかかるパチンコ遊技機のメインCPUは、特別図柄の大当り判定の結果が大当りであるとループ回数をチェックするループ回数チェック手段と、ループ回数が0であるとリミッタ回数抽選を行うリミッタ回数抽選手段と、ループ回数が規定の範囲内(本例では1〜4の範囲内)であるとループ回数をインクリメントするループ回数カウント手段と、ループ回数が規定値(本例ではリミッタ上限の5)であると、大当り遊技状態が終了したのちの遊技状態を低確率状態に制御する遊技状態制御手段と、ループ回数が規定値であるとループ回数をリセットするループ回数リセット手段とを備える。なお、リミッタ回数抽選は、大当り判定の結果が大当りであると判別したとき、大当り遊技状態の開始時、大当り遊技状態中、大当り遊技状態の終了時のどのタイミングで行っても良い。
図193に示すように、設定1では、リミッタ回数が、例えば、25%の確率で1回に決定され、30%の確率で2回に決定され、25%の確率で3回に決定され、15%の確率で4回に決定され、5%の確率で5回に決定される。設定2では、リミッタ回数が、例えば、25%の確率で1回に決定され、25%の確率で2回に決定され、25%の確率で3回に決定され、20%の確率で4回に決定され、5%の確率で5回に決定される。設定3では、リミッタ回数が、例えば、15%の確率で1回に決定され、25%の確率で2回に決定され、25%の確率で3回に決定され、20%の確率で4回に決定され、15%の確率で5回に決定される。設定4では、リミッタ回数が、例えば、15%の確率で1回に決定され、20%の確率で2回に決定され、25%の確率で3回に決定され、25%の確率で4回に決定され、15%の確率で5回に決定される。設定5では、リミッタ回数が、例えば、5%の確率で1回に決定され、20%の確率で2回に決定され、25%の確率で3回に決定され、25%の確率で4回に決定され、25%の確率で5回に決定される。設定6では、リミッタ回数が、例えば、5%の確率で1回に決定され、10%の確率で2回に決定され、25%の確率で3回に決定され、30%の確率で4回に決定され、25%の確率で5回に決定される。すなわち、高設定値になるほど、より大きなリミッタ回数に決定される期待度が高くなる。
このように、設定値に応じてリミッタ回数に対する期待度を異ならせて、高設定値ほど、大当り遊技状態と高確率遊技状態とがより多く繰り返されうるようにすることで、ワンチャンス(大当りに1回当選したときに低確率遊技状態に制御されるまでの機会)で遊技者に付与される賞球量を設定値に応じて異ならせることが可能となる。しかも、設定値に応じてリミッタ回数に対する期待値を異ならせてはいるものの、リミッタ回数を抽選により決定しているため、リミッタ回数によって設定値が遊技者に推測されてしまうといったことも防止可能となっている。
なお、上記拡張例1では、リミッタ回数を設置値に応じて抽選により決定しているが、必ずしも抽選は必須ではなく、例えば、設定値が遊技者に推測されてしまうといった懸念はあるものの、設定1・2では3回、設定3・4では4回、設定5・6では5回といったように、設定値に応じてリミッタ回数を一義的に決定するようにしても良い。
なお、上記のリミッタ回数は、第1特別図柄と第2特別図柄とのそれぞれに対して別に定めても良いし、第1特別図柄と第2特別図柄との両方に対してあわせて定めても良い。
例えば、上記のリミッタ回数を第1特別図柄と第2特別図柄とのそれぞれに対して別に定める場合、第1特別図柄の大当り判定の結果が大当りであれば第1特別図柄についての第1リミッタ回数を決定し、ループ中に第1特別図柄の大当り判定の結果に基づく大当り遊技状態に制御されると、第1特別図柄についてのループ回数をインクリメントする。ただし、上記ループ中に第2特別図柄の大当り判定の結果に基づく大当り遊技状態に制御されたときには、第1特別図柄についてのループ回数をインクリメントせずに、第2特別図柄についての第2リミッタ回数を決定する。この場合、第1リミッタ回数と第2リミッタ回数とのうちいずれかがリミッタ回数に達したときにループを終了(低確率遊技状態に制御)しても良いし、第1リミッタ回数と第2リミッタ回数との両方がリミッタ回数に達したときにループを終了するようにしても良い。
また、例えば、上記のリミッタ回数を第1特別図柄と第2特別図柄との両方に対してあわせて定める場合、第1特別図柄であるか第2特別図柄であるかを問わず大当り判定の結果が大当りであったときにリミッタ回数を決定し、ループ中に、第1特別図柄であるか第2特別図柄であるかを問わず大当り判定の結果に基づく大当り遊技状態に制御されると、ループ回数をインクリメントする。そして、このループ回数がリミッタ回数に達するとループを終了する。
さらに、上述した拡張例1のパチンコ遊技機は、所謂確変ループ機であるが、必ずしも確変ループ機である必要はなく、例えば、所謂「ST機」と呼ばれるパチンコ遊技機に上記の技術思想を適用することもできる。「ST機」とは、大当り遊技状態が終了したのちの遊技状態を必ずまたは所定の抽選結果に基づいて高確率遊技状態に制御し、当該高確率遊技状態を所定回数(以下「ST回数」と称する)の特別図柄の変動表示が行われるまで継続し、上記所定回数の特別図柄の変動表示が行われると高確率遊技状態を終了して低確率遊技状態に制御するパチンコ遊技機である。このような「ST機」であっても、設定値に応じてリミッタ回数に対する期待度を異ならせることができる。すなわち、高設定値ほど、大当り遊技状態と高確率遊技状態とがより多く繰り返されうるようにすることで、ワンチャンス(大当りに1回当選したときに低確率遊技状態に制御されるまでの機会)で遊技者に付与される賞球量を設定値に応じて異ならせることが可能である。
なお、所謂「ST機」では、「ST回数」を予め定められた回数(例えば70回)に設定することが可能であるが、設定値に応じてST回数が異なりうるようにすることもできる。例えば、「ST機」のメインCPUは、ST回数を抽選により決定し、設定値に応じて決定されるST回数の期待値が異なるようにすることができる。具体例としては、抽選により決定されるST回数の期待値を、設定1で60回、設定2で63回、設定3で66回、設定4で69回、設定5で72回、設定6で75回とすることで、高設定値ほどST回数の期待値を高くすることができる。ただし、上記のST回数を抽選で決定することは必須ではなく、設定値に応じてST回数が一義的に決定されるようにしても良い。なお、設定値に応じてST回数が異なるようにしたときには、時短回数を全設定値で共通にすると好ましい。例えば、ST回数またはST回数の期待値が、設定1で60回、設定2で63回、設定3で66回、設定4で69回、設定5で72回、設定6で75回であるとき、全設定共通で時短回数を例えば60回にすることが考えられる。そして、サブCPUは、ST回数が一定ゲーム数(例えば60ゲーム)に達するまでは高確率遊技状態であることを把握できる演出を例えば表示装置1016で行い、ST回数が一定ゲーム数に達すると、高確率遊技状態であるか否かにかかわらず、高確率遊技状態であることを把握し難い演出を例えば液晶表示装置で行うことが好ましい。これにより、遊技者に設定値を察知されないようにしつつ、設定値に応じてST回数やST回数の期待値を異ならせることが可能となる。
また、拡張例1のパチンコ遊技機においても、例えば第1始動口・第2始動口への遊技球の入賞時等に設定チェック処理(ステップS5072、ステップS5082)が行われる。そして、この設定チェック処理で正常でないと判別されたとき(ステップS5721におけるNO)は、たとえループ中(すなわち、大当り遊技状態と高確率遊技状態とが繰り返し実行されているとき)であっても、ループ回数がリミッタ回数にいたることなく、設定変更処理(ステップS5024)の実行によりバックアップクリア処理(ステップS7420)において上記ループ回数もクリアされる(確変フラグもOFFに設定される)。
[9−2.拡張例2−1]
拡張例2のパチンコ遊技機は、特定口が設けられる特定領域を有している。この特定領域は、例えば役物によって遊技球の流下領域と区画形成されており、通常は特定領域内への遊技球の進入が困難(または不可能)とされている。また、特別図柄の大当り判定の結果として、大当りの他に小当りも用意されている。
具体的には、メインCPUは、設定値に応じて定められた大当り確率で特別図柄の大当り判定を行い、この大当り判定の結果がハズレであるときに小当りの当落判定を行う。そして、小当りの当落判定の結果が小当りであるときに小当り遊技を実行する。すなわち、上記大当りは条件装置の作動を伴う当りであるが、上記小当りは条件装置の作動を伴う当りではない。
また、この拡張例2において、例えば、時短フラグがOFFに設定される非時短遊技状態等の通常遊技状態では、第1始動口への遊技球の入賞に基づく第1特別図柄ゲームと、第2始動口への遊技球の入賞に基づく第2特別図柄ゲームとのうち、第1特別図柄ゲームが主として行われる。一方、時短フラグがONに設定される時短遊技状態等の例えば確変時短遊技状態では、第1特別図柄ゲームと第2特別図柄ゲームとのうち、第2特別図柄ゲームが主として行われる。また、第2特別図柄ゲームでは、大当り判定の結果がハズレであるときに、所定の確率で小当りに当選する。なお、第1特別図柄ゲームにおける大当り判定の結果がハズレであるとき、小当りの当落判定を行っても行わなくて良い。
また、メインCPUは、始動口への遊技球の進入(受け入れ)に基づいて行われる特別図柄についての大当り判定の結果が小当りであると、所定の可動片を作動させて特定領域を閉鎖態様から開放態様にする小当り遊技を実行する小当り遊技実行手段と、小当り遊技の実行により開放態様となった特定領域に遊技球が入賞したことに基づいて、払出・発射制御回路を介して所定個数(例えば10球)の遊技球を賞球として払い出す払出手段とを備える。
また、この拡張例2では、時短回数が例えば5回に設定されるとともに、特定領域内に特定口が設けられている。そして、例えば5回の時短遊技状態において普通図柄当りとなって始動口に遊技球が入賞した結果、小当りになると、所定の可動片が作動し、特定領域が開放する。このとき、特定領域内に進入した遊技球がさらに特定口に進入したことが検出されると、メインCPUは、大当り遊技を実行する。また、5回の時短遊技状態において普通図柄当りとならなかった場合には、メインCPUは時短遊技状態を終了し、非時短遊技状態に制御する。なお、時短遊技状態では、遊技領域の右側領域に向けて遊技球を発射させる右打ちで遊技が行われ、非時短遊技状態では、遊技領域の左側領域に向けて遊技球を発射させる左打ちで遊技が行われる。
このようなパチンコ遊技機にあって、この拡張例2では、少なくとも第2特別図柄ゲームにおける小当り確率を設定値に応じて異ならせることで、第2特別図柄ゲームが主として行われる例えば時短遊技状態において、特定領域の開放頻度ひいては出玉を設定値に応じて異ならせることが可能となる。
例えば、小当りの確率を、設定1で9分の1、設定2で8分の1、設定3で7分の1、設定4で6分の1、設定5で5分の1、設定6で4分の1とする。この場合、普通図柄の変動時間が高設定であるほど長かったり、普通電動役物の開放態様が高設定ほど始動口に遊技球が入賞し難い態様であったりしない限り、高設定値であるほど始動口に遊技球が入賞しやすくなる。その結果、高設定値であるほど特定領域への遊技球の入賞頻度が高くなり、ひいては、設定値に応じて出玉スピードに差を設けることが可能となる。
なお、この拡張例2では、時短遊技状態において、確変フラグをONに設定しても良いが、必ずしも確変フラグをONに設定する必要はない。
また、メインCPUにより特別図柄の変動表示が行われているときに第1始動口または第2始動口に遊技球が入賞すると、この場合も、ステップS5072またはステップS5082の設定チェック処理が実行される。メインCPUは、この設定チェック処理において正常でない(ステップS5721におけるNO)と判別すると、変動表示中の特別図柄についての大当り判定の結果がたとえ小当りであったとしても、遊技許可フラグをOFFにし、異常時処理を実行する。したがって、変動表示中の特別図柄についての大当り判定の結果が小当りであったとしても、設定チェック処理で正常でないと判別されたときには、メインCPUは、上記小当りに基づく小当り遊技を実行することなく、遊技許可フラグをOFFにし、異常時処理を実行する。したがって、変動表示中の特別図柄についての大当り判定の結果が小当りであった旨も含めて各種データがバックアップクリア処理においてクリアされない限り、遊技許可フラグがONに設定されないこととなる。
[9−3.拡張例2−2]
拡張例2−2のパチンコ遊技機は、第1始動口および第2始動口を備えている。メインCPUは、第1始動口への遊技球の入賞に基づいて第1特別図柄の大当り判定(以下、「第1特別図柄抽選」と称する)を行い、第2始動口への遊技球の入賞に基づいて第2特別図柄の大当り判定(以下、「第2特別図柄抽選」と称する)を行う。
また、メインCPUは、第1特別図柄抽選と第2特別図柄抽選とのうち、第1特別図柄の抽選(以下、「第1特別図柄抽選」と称する)が主として行われる第1遊技状態(例えば、確変フラグおよび時短フラグの両方がOFFに設定される通常遊技状態)と、第2特別図柄の抽選(以下、「第2特別図柄抽選」と称する)が主として行われる第2遊技状態(例えば、確変フラグがONに設定され且つ時短フラグがOFFに設定される有利遊技状態)とを含む複数の遊技状態のうちいずれかに制御可能な遊技状態制御手段を備える。このパチンコ遊技機では、第1遊技状態において特定の図柄で大当りに当選すると、大当り遊技が終了したのち、第2遊技状態に制御される。
また、遊技領域の右側領域には普図ゲートが設けられており、普通ゲートに遊技球が通過すると普通図柄抽選が行われる。この普通図柄抽選の結果が特定の結果(例えば普通図柄当り)であると、メインCPUは、所定の可動部材(例えば電動チューリップ)を開放し、これによって第2始動口への遊技球の入賞が容易化される。したがって、遊技領域の右側領域に向けて遊技球を発射させて遊技を行った場合には、遊技領域の左側領域に向けて遊技球を発射させて遊技を行った場合と比べて第2始動口への遊技球の入賞頻度が高められる。
メインCPUは、第1特別図柄抽選において、設定値に応じて定められた大当り確率で第1特別図柄の大当り判定を行い、この大当り判定の結果が大当りであるときには、所定の大入賞口が複数ラウンド数にわたって開放される大当り遊技を実行する第1大当り遊技実行手段を備える。
また、メインCPUは、第2特別図柄抽選において、設定値に応じて定められた大当り確率で第2特別図柄の大当り判定を行い、この大当り判定の結果が大当りであるときには、所定の大入賞口が複数ラウンド数にわたって開放される大当り遊技を実行する第2大当り遊技実行手段を備える。また、メインCPUは、上記第2特別図柄抽選において、上記第2特別図柄の大当り判定の結果がハズレであるときには小当りの当落判定を行い、この小当りの当落判定の結果が小当りであるときに小当り遊技を実行する小当り遊技実行手段も備える。
なお、第1特別図柄抽選における大当り確率と第2特別図柄抽選における大当り確率とは共通している。確変フラグがOFFに設定される第1遊技状態における大当り確率は、例えば、設定1で300分の1、設定2で290分の1、設定3で280分の1、設定4で270分の1、設定5で260分の1、設定6で250分の1とされている。また、確変フラグがONに設定される第2遊技状態における大当り確率は、例えば、設定1で30分の1、設定2で29分の1、設定3で28分の1、設定4で27分の1、設定5で26分の1、設定6で25分の1とされている。
メインCPUは、第1特別図柄抽選の結果が大当りであるときに、所定の大入賞口が複数ラウンド数にわたって開放される大当り遊技を実行する第1大当り遊技実行手段と、第2特別図柄抽選の結果が大当りであるときに、所定の大入賞口が複数ラウンド数にわたって開放される大当り遊技を実行する第2大当り遊技実行手段とを有している。第1特別図柄抽選の結果が大当りであるときに開放される大入賞口と、第2特別図柄抽選の結果が大当りであるときに開放される大入賞口とは、共通の大入賞口であっても良いし、異なる大入賞口であっても良い。
また、第1特別図柄抽選における小当り確率は、確変フラグがONおよびOFFのいずれであっても0(設定1〜設定6で共通)である。また、第2特別図柄抽選における小当り確率は、確変フラグがONおよびOFFのいずれであっても、例えば、設定1で9分の1、設定2で8分の1、設定3で7分の1、設定4で6分の1、設定5で6分の1とされている。このように、第2特別図柄抽選における小当り確率は、セットされている設定値に応じて異なるものの、いずれの設定値であっても第1特別図柄抽選における小当り確率より高い。
また、メインCPUは、第2特別図柄抽選の結果が小当りであるとき、小当り遊技を実行する小当り遊技実行手段を有している。小当り遊技では、第2特別図柄抽選の結果が大当りであるときに開放される大入賞口と同じ大入賞口が開放される遊技である。この大入賞口に遊技球が入賞すると、払出・発射制御回路は、払出装置を作動させて、所定数の遊技球が賞として払い出されるよう制御する。ただし、小当り遊技では、大入賞口に入賞させることができる遊技球数が大当り遊技よりも少ないため、遊技者にとっての有利度合いは、大当り遊技よりも小当り遊技の方が低い。
また、上述したとおり、第1特別図柄抽選における小当り確率は0である。すなわち、メインCPUは、第1特別図柄の大当り判定の結果がハズレであるときに、小当り確率が0の小当り判定を行っている。ただし、これに代えて、第1特別図柄の大当り判定の結果がハズレであるときに、メインCPUは、小当り判定そのものを行わないようにしても良い。
なお、上記大当りは条件装置の作動を伴う当りであるが、上記小当りは条件装置の作動を伴う当りではない。
また、メインCPUは、第1始動口への遊技球の入賞に基づいて第1特別図柄の変動表示を行う第1特別図柄変動表示制御手段と、第2始動口への遊技球の入賞に基づいて第2特別図柄の変動表示を行う第2特別図柄変動表示制御手段とを備える。第1特別図柄変動表示制御手段は、第1特別図柄を所定時間にわたって変動表示させた後、第1特別図柄抽選の結果が表示されるように第1特別図柄を停止させる。また、第2特別図柄変動表示制御手段は、第2特別図柄を所定時間にわたって変動表示させた後、第2特別図柄抽選の結果が表示されるように第2特別図柄を停止させる。
第1特別図柄変動表示制御手段による第1特別図柄の変動表示と、第2特別図柄変動表示制御手段による第2特別図柄の変動表示とは、同じタイミングで行うことが可能に構成されている。すなわち、第1始動口への遊技球の入賞に基づいて第1特別図柄の変動表示が行われているときに第2始動口に遊技球が入賞すると、第1特別図柄が変動表示中であっても第2特別図柄の変動表示が開始される。第2始動口への遊技球の入賞に基づいて第2特別図柄の変動表示が行われているときに第1始動口に遊技球が入賞すると、第2特別図柄が変動表示中であっても第1特別図柄の変動表示が開始される。
また、第1特別図柄変動表示制御手段により実行される第1特別図柄の変動時間の平均時間は、確変フラグがONである場合とOFFである場合とでほぼ同じであるが、第2特別図柄変動表示制御手段により実行される第2特別図柄の変動時間の平均時間は、確変フラグがONである場合とOFFである場合とで顕著に異なっている。例えば、第1特別図柄の変動時間の平均時間は、第1遊技状態で10sec、第2遊技状態で10secである一方、第2特別図柄の変動時間の平均時間は、第1遊技状態で1000sec、第2遊技状態で1secとされている。特別図柄抽選(第1特別図柄抽選、第2特別図柄抽選)は、特別図柄(第1特別図柄、第2特別図柄)の変動表示が開始されるときに行われるが、特別図柄抽選の結果が表示されるのは特別図柄の変動表示が停止したときである。したがって、第1遊技状態において第2始動口に遊技球が入賞したとき、第2特別図柄抽選はすでに行われているものの、当該第2特別図柄抽選の結果が表示されるまでに相当の時間を要することとなる。
このように、確変フラグがOFFに設定される第1遊技状態では、遊技領域の例えば右側領域に向けて遊技球を発射させて第2始動口に遊技球が入賞したとしても、第2特別図柄の変動表示が停止されるまでに時間を要してしまう。しかも、第2特別図柄は、変動時間が異なる複数のパターンのうちいずれかのパターンで変動表示されるため、仮に第2特別図柄が小当りを示す態様で停止して(小当りであることが確定して)大入賞口が所定時間(例えば1.8秒)開放したとしても、第2特別図柄が小当りであることが確定するタイミングを掴みづらくなっている。そのため、第2特別図柄が小当りであることが確定するタイミングを狙って大入賞口に遊技球を入賞させるといった、所謂狙い打ちを行うことも困難となっている。さらに、第1遊技状態では、遊技領域の例えば右側領域に向けて遊技球を発射させた場合には、例えばサブCPUの制御によってスピーカから警告音が出力される。そのため、第1遊技状態では、遊技領域の例えば左側領域に向けて遊技球を発射させて遊技が行われる。一方、第2遊技状態では、普図ゲートに遊技球を通過させることによって普通図柄抽選をつうじて第2始動口への遊技球の入賞が容易化されるだけでなく第2特別図柄の変動時間も1secと短く、しかも第2特別図柄抽選ではいずれの設定値であっても10分の1よりも高い確率で小当りに当選するため、遊技領域の例えば右側領域に向けて遊技球を発射させる遊技が行われる。
第1遊技状態における第2特別図柄の変動時間の平均時間(例えば、1000sec)は、第1遊技状態における第1特別図柄の変動時間の平均時間(例えば、10sec)の例えば50倍以上であることが好ましいが、少なくとも10倍以上であることが好ましい。
なお、サブCPUは、特別図柄(第1特別図柄、第2特別図柄)の変動表示と同期して、装飾図柄の変動表示が例えば液晶表示装置に表示されるよう制御する装飾図柄変動表示制御手段を備える。ただし、この装飾図柄変動表示制御手段は、第1遊技状態では、第2始動口に遊技球が入賞したとしても、第2特別図柄に同期させる装飾図柄の変動表示を目立つ態様で行わず、第1始動口に遊技球が入賞したときに第1特別図柄に同期させる装飾図柄の変動表示を目立つ態様で行う。
上記の「目立つ態様」の例について詳述すると、液晶表示装置は、例えば、表示領域の略中央において、左図柄(第1図柄)、中図柄(第2図柄)および右図柄(第3図柄)を変動表示させて特別図柄抽選の結果を表示可能となっている。また、表示領域の四隅のうちの例えば一隅の小さな領域において、第1特別図柄および第2特別図柄それぞれに同期して変動表示(例えば点滅)させることが可能な第4図柄(例えば○や△のような形状)を表示可能となっている。第1図柄〜第3図柄が表示領域を占める割合は、第4図柄が表示領域を占める割合と比べると極めて大きいため、遊技者の注視は、第4図柄よりも第1図柄〜第3図柄に向くこととなる。そして、例えば、サブCPUは、第1遊技状態において、第2始動口に遊技球が入賞したときは第1図柄〜第3図柄を変動表示させずに第4図柄のみ変動表示を行う一方、第1始動口に遊技球が入賞したときは第1図柄〜第3図柄を変動表示させるとともに第4図柄の変動表示も行う。このようにして、第1遊技状態では、第2始動口に遊技球が入賞したとしても、第2特別図柄に同期させる装飾図柄の変動表示を目立つ態様で行わず、第1始動口に遊技球が入賞したときに第1特別図柄に同期させる装飾図柄の変動表示を目立つ態様で行うといったことを実現できる。
上述した拡張例2−2のパチンコ遊技機によれば、第1遊技状態では、たとえ第2始動口に遊技球が入賞したとしても第2特別図柄抽選の結果がほとんど表示されないが、第2遊技状態では、第2始動口への遊技球の入賞が容易化されるだけでなく第2特別図柄の変動時間の平均時間が1secと短い。しかも、第2遊技状態では、第2始動口に遊技球が入賞したときに、第2特別図柄抽選の結果が小当りとなる確率(設定に応じて9分の1〜4分の1)が大当りとなる確率(設定に応じて30分の1〜25分の1)よりも高いため、小当り遊技による大入賞口の開放が高い頻度で行われ、時短フラグをセットすることなく(すなわち普通図柄抽選の実行頻度を高めることなく)、賞としての遊技球が払い出される機会を増加させることが可能となる。しかも、第2特別図柄抽選の結果が小当りとなる確率はセットされている設定に応じて異なるため、大当り遊技が実行されていない状態であっても、セットされている設定値に応じて出玉を異ならせることが可能となる。
また、メインCPUにより特別図柄の変動表示が行われているときに第1始動口または第2始動口に遊技球が入賞すると、この場合も、ステップS5072またはステップS5082の設定チェック処理が実行される。したがって、メインCPUは、例えば第2遊技状態において、第2特別図柄の変動表示中に第1始動口に遊技球が入賞した場合にも、ステップS5072またはステップS5082の設定チェック処理を行う。そして、メインCPUは、この設定チェック処理において正常でない(ステップS5721におけるNO)と判別すると、遊技許可フラグをOFFにし、異常時処理を実行する。すなわち、第2遊技状態において、変動表示中の第2特別図柄についての大当り判定の結果がたとえ小当りであったとしても、設定チェック処理で正常でないと判別されたときには、メインCPUは、上記小当りに基づく小当り遊技を実行することなく、遊技許可フラグをOFFにし、異常時処理を実行する。したがって、第2遊技状態において変動表示中の第2特別図柄についての大当り判定の結果がたとえ小当りであったとしても、第2遊技状態である旨の情報および小当りである旨の情報も含めて各種データがバックアップクリア処理においてクリアされない限り、遊技許可フラグがONに設定されないこととなる。
[9−4.拡張例3]
拡張例3のパチンコ遊技機は、大当り遊技状態に制御されるためのルートが2つあるパチンコ遊技機であり、そのために、特定口が設けられる特定領域を有している。この特定領域は、例えば役物によって遊技球の流下領域と区画形成されており、通常は特定領域内への遊技球の進入が困難(または不可能)とされている。また、特別図柄の大当り判定の結果として、大当りの他に小当りも用意されている。
具体的には、メインCPUは、設定値に応じて定められた大当り確率で特別図柄の大当り判定を行い、この大当り判定の結果がハズレであるときに小当りの当落判定を行う。そして、小当りの当落判定の結果が小当りであるときに小当り遊技を実行する。すなわち、上記大当りは条件装置の作動を伴う当りであるが、上記小当りは条件装置の作動を伴う当りではない。
また、この拡張例3において、例えば、時短フラグがOFFに設定される非時短遊技状態等の通常遊技状態では、第1始動口への遊技球の入賞に基づく第1特別図柄ゲームと、第2始動口への遊技球の入賞に基づく第2特別図柄ゲームとのうち、第1特別図柄ゲームが主として行われる。一方、時短フラグがONに設定される時短遊技状態等の例えば確変時短遊技状態では、第1特別図柄ゲームと第2特別図柄ゲームとのうち、第2特別図柄ゲームが主として行われる。また、第2特別図柄ゲームでは、大当り判定の結果がハズレであるときに、所定の確率で小当りに当選する。なお、第1特別図柄ゲームにおける大当り判定の結果がハズレであるとき、小当りの当落判定を行っても行わなくて良い。
また、メインCPUは、始動口への遊技球の進入(受け入れ)に基づいて行われる特別図柄についての大当り判定の結果が小当りであると、所定の可動片を作動し、上記特定領域の内部への遊技球の進入を許容する小当り遊技を実行する小当り遊技実行手段を備える。このように所定の可動片が作動したことによって上記特定領域の内部に遊技球の進入し、当該特定領域の内部に進入した遊技球が上記特定口に進入(受け入れ)が検出されると、メインCPUは、大当り遊技状態に制御する。すなわち、メインCPUは、始動口への遊技球の入賞に基づいて行われた大当り判定処理の結果が大当りであるときに、大入賞口を開放するラウンド遊技が複数ラウンドにわたって行われる第1大当り遊技状態に制御する第1大当り遊技制御手段と、上記小当り遊技が実行されたときに上記特定口に遊技球が進入したことに基づいて、上記所定の可動片を作動させるラウンド遊技が複数ラウンドにわたって行われる第2大当り遊技状態に制御する第2大当り遊技制御手段とを備える。
このようなパチンコ遊技機にあって、この拡張例3では、始動口への遊技球の入賞のしやすさ(例えば、小当り遊技の実行頻度や、普通電動役物の開放パターン)を設定値に応じて異ならせている。なお、この拡張例3においても、メインCPUは、遊技者が右打ちしたときに遊技球が通過しうるゲートへの通過を検出したことに基づいて行われる普通図柄判定の結果が普通図柄当りであるときに、普通電動役物を閉鎖状態から開放状態に制御する。普通電動役物が開放状態になると始動口への遊技球の入賞が容易化される。設定値に応じて小当り遊技の実行頻度を異ならせる手法としては、例えば、普通図柄判定における普通図柄当りの確率を設定値に応じて異ならせたり、普通図柄の変動時間を設定値に応じて異ならせたりすることで実現できる。
始動口への遊技球の入賞のしやすさを設定値に応じて異ならせる手法として、普通図柄判定における普通図柄当りの確率を設定値に応じて異ならせる手法を例に挙げて説明する。
例えば、普通図柄当りの確率を、設定1で60分の1、設定2で50分の1、設定3で40分の1、設定4で30分の1、設定5で20分の1、設定6で10分の1とする。この場合、普通図柄の変動時間が高設定であるほど長かったり、普通電動役物の開放態様が高設定ほど始動口に遊技球が入賞し難い態様であったりしない限り、高設定値であるほど始動口に遊技球が入賞しやすくなる。その結果、高設定値であるほど、小当り遊技の実行頻度が高くなり、ひいては、第2大当り遊技制御手段により大当り遊技状態に制御される機会が促進される。このようにして、設定値に応じて出玉スピードに差を設けることが可能となる。
なお、この拡張例3においても、インCPU101により特別図柄の変動表示が行われているときに第1始動口または第2始動口に遊技球が入賞すると、ステップS5072またはステップS5082の設定チェック処理が実行される。メインCPU101は、この設定チェック処理において正常でない(ステップS5721におけるNO)と判別すると、変動表示中の特別図柄についての大当り判定の結果がたとえ小当りであったとしても、遊技許可フラグをOFFにし、異常時処理を実行する。したがって、変動表示中の特別図柄についての大当り判定の結果が小当りであったとしても、設定チェック処理で正常でないと判別されたときには、メインCPU101は、上記小当りに基づく小当り遊技を実行することなく、遊技許可フラグをOFFにし、異常時処理を実行する。したがって、変動表示中の特別図柄についての大当り判定の結果が小当りであった旨も含めて各種データがバックアップクリア処理においてクリアされない限り、遊技許可フラグがONに設定されないこととなる。
[9−5.拡張例4]
拡張例4のパチンコ遊技機は、特別図柄の大当り判定の結果が大当りであったとしても、それだけをもってただちに大当り遊技状態に制御されるのではなく、特別図柄の大当り判定の結果が大当りであることに基づいて条件装置が作動し、条件装置が作動したことを前提として遊技球が所定の領域を通過(または進入)したことに基づいて役物連続作動装置が作動するようにしたものである。以下、図194および図195を参照して説明する。図194は役物連続作動右ゲートを遊技球が通過する態様の一例を示す図であり、図195は役物連続作動左ゲートを遊技球が通過する態様の一例を示す図である。
図194および図195に示されるように、この拡張例4のパチンコ遊技機は、遊技領域に、役物連続作動左ゲート1100および役物連続作動右ゲート1110を備えている。また、遊技領域を流下する遊技球を、役物連続作動左ゲート1100と役物連続作動右ゲート1110とのうちいずれかに振り分けることが可能な振分装置1120が、役物連続作動ゲート1100,1110の上方に配置されている。
役物連続作動左ゲート1100および役物連続作動右ゲート1110には、それぞれ、遊技球の通過を検出可能な左ゲートセンサおよび右ゲートセンサ(いずれも図示せず)が設けられている。この左ゲートセンサおよび右ゲートセンサは、通常時は遊技球の通過検出が無効化されており、条件装置が作動したことに基づいて有効化される。また、左ゲートセンサおよび右ゲートセンサは、条件装置が作動したことに基づいて有効化されたのち、役物連続作動左ゲート1100と役物連続作動右ゲート1110とのうちいずれかを遊技球が通過したことを検出したことに基づいて無効化される。
左ゲートセンサが役物連続作動左ゲート1100への遊技球の通過を検出すると、メインCPUは、例えば8ラウンドのラウンド遊技が実行される8R大当り遊技状態に制御する。また、右ゲートセンサが役物連続作動右ゲート1110への遊技球の通過を検出すると、メインCPUは、2ラウンドのラウンド遊技が実行される2R大当り遊技状態(選択率50%)と、16ラウンドのラウンド遊技が実行される16R大当り遊技状態(選択率50%)とのうちいずれを実行するかを抽選で決定し、当該抽選で決定された大当り遊技状態に制御する。
なお、左ゲートセンサが役物連続作動左ゲート1100への遊技球の通過を検出したときと、右ゲートセンサが役物連続作動右ゲート1110への遊技球の通過を検出したときとで、大当り遊技状態において払い出される賞球量の期待値は同じとなっている。
また、役物連続作動左ゲート1100または役物連続作動右ゲート1110を通過した遊技球は、そのまま遊技領域を流下するが、これに代えて、アウト口からパチンコ遊技機の機外に排出されるように構成しても良い。
振分装置1120は、規則的な動作により、当該振分装置1120の上方に到達した遊技球を、役物連続作動左ゲート1100と役物連続作動右ゲート1110とのうちいずれかに振り分ける。振分装置1120が左側に傾いた第1姿勢では遊技球が役物連続作動右ゲート1110を通過しやすく(図194参照)、振分装置1120が右側に傾いた第2姿勢では遊技球が役物連続作動左ゲート1100を通過しやすい(図195参照)。
この拡張例4では、設定値に応じて、役物連続作動左ゲート1100と役物連続作動右ゲート1110とで遊技球の通過のしやすさを異ならせている。例えば、振分装置1120の動作を、設定1では第1姿勢0.5秒と第2姿勢1.5秒とを繰り返す動作、設定2では第1姿勢0.7秒と第2姿勢1.3秒とを繰り返す動作、設定3では第1姿勢0.9秒と第2姿勢1.1秒とを繰り返す動作、設定4では第1姿勢1.1秒と第2姿勢0.9秒とを繰り返す動作、設定5では第1姿勢1.3秒と第2姿勢0.7秒とを繰り返す動作、設定6では第1姿勢1.5秒と第2姿勢0.5秒とを繰り返す動作とすることで、設定値に応じて、大当り遊技状態の態様に変化をもたせることが可能となる。
なお、この拡張例4では、左ゲートセンサが役物連続作動左ゲート1100への遊技球の通過を検出したときと、右ゲートセンサが役物連続作動右ゲート1110への遊技球の通過を検出したときとで、大当り遊技状態において払い出される賞球量の期待値が同じである。すなわち、設定値に応じて大当り遊技状態の態様に変化を持たせることはできるものの、設定値に応じて大当り遊技状態において払い出される賞球量に差がないが、これに限られず、左ゲートセンサが役物連続作動左ゲート1100への遊技球の通過を検出したときと、右ゲートセンサが役物連続作動右ゲート1110への遊技球の通過を検出したときとで、大当り遊技状態において払い出される賞球量の期待値を異ならせても良い。例えば、左ゲートセンサが役物連続作動左ゲート1100への遊技球の通過を検出したときは、2R大当り遊技状態(選択率70%)と16R大当り遊技状態(選択率30%)とのうちいずれを実行するかを上記の選択率で行なわれる抽選で決定し、右ゲートセンサが役物連続作動右ゲート1110への遊技球の通過を検出したときは、2R大当り遊技状態(選択率30%)と16R大当り遊技状態(選択率70%)とのうちいずれを実行するかを上記の選択率で行なわれる抽選で決定するようにしても良い。この場合、設定値に応じて大当り遊技状態において払い出される賞球量に差をもたせることができ、高設定値ほど、多量の遊技球が賞球として払い出される期待値の高い大当り遊技状態に制御される可能性を高めることが可能となる。
また、この拡張例4では、条件装置が作動した状況下で二つのゲート(役物連続作動左ゲート1100,役物連続作動右ゲート1110)のうちいずれかを遊技球が通過すると役物連続作動装置が作動して大当り遊技状態に制御されるように構成されている。ただし、始動口への遊技球の入賞に基づいて行われた特別図柄の大当り判定の結果が大当りであることに基づいて条件装置が作動したとしても、遊技球が上記二つのゲートのいずれをも通過する前に始動口に遊技球が入賞することがある。この場合、条件装置が作動したもものの未だ上記二つのゲートのいずれにも遊技球が通過していない状況下で、メインCPU101は、始動口への遊技球の入賞に基づいて設定チェック処理(例えば図177のステップS5072参照)を実行し、当該設定チェック処理において正常でない(例えば図178のステップS5721におけるNO)と判別されることがある。この場合、たとえ条件装置が作動したいたとしても、メインCPU101は、遊技許可フラグをOFFにし(後述するステップS5722)、遊技を進行させることが不可能となる。
また、この拡張例4では、振分装置1120の下方に、条件装置が作動していることを前提として遊技球の通過を検出すると役物連続作動装置が作動する二つのゲート(役物連続作動左ゲート1100,役物連続作動右ゲート1110)が設けられているが、振分装置1120の下方に設けるのは必ずしも役物連続作動ゲートに限られず、例えば、始動口および一般入賞口であっても良い。すなわちこの場合、振分装置1120は、規則的な動作により、当該振分装置1120の上方に到達した遊技球を、特別図柄の大当り判定契機となる始動口と、当該大当り判定契機とならない一般入賞口とのうちいずれかに振り分ける。そして、振分装置1120の動作を、例えば、設定1では第1姿勢0.5秒と第2姿勢1.5秒とを繰り返す動作、設定2では第1姿勢0.7秒と第2姿勢1.3秒とを繰り返す動作、設定3では第1姿勢0.9秒と第2姿勢1.1秒とを繰り返す動作、設定4では第1姿勢1.1秒と第2姿勢0.9秒とを繰り返す動作、設定5では第1姿勢1.3秒と第2姿勢0.7秒とを繰り返す動作、設定6では第1姿勢1.5秒と第2姿勢0.5秒とを繰り返す動作とすることで、設定値に応じて、始動口への入賞率を異ならせることが可能となる。しかも、このようなパチンコ遊技機によれば、設定値に応じて始動口への入賞率を異ならせることが可能ではあるものの、いかなる設定値であったとしても遊技者による遊技球の発射タイミングで始動口への入賞を狙うことができるという面白みをもたせることが可能となる。
[9−6.拡張例5]
拡張例5のパチンコ遊技機は、パチンコ遊技機の基本仕様にかかるデータを設定値に応じて異ならせるものではなく、パチンコ遊技機のゲーム性を設定値に応じて変更できるようにしたものである。なお、この拡張例5では、設定値を設定1〜設定5の5段階のうちいずれかにセットすることができるように構成されているが、必ずしも5段階である必要はなく、複数段階であれば任意に定めることができる。
具体的には、設定値が設定1にセットされた場合、メインCPUは、例えば99分の1の確率特別図柄の大当り判定を行い、当該大当り判定の結果が大当りであると、例えば5ラウンドの大当り遊技状態に制御する。すなわち、設定値が設定1にセットされると、大当り確率が100分の1未満と比較的高い代わりに、1回の大当り遊技状態で払い出される賞球量が比較的少ない、所謂甘デジと呼ばれるゲーム性での遊技を実行することが可能となる。
また、設定値が設定2にセットされた場合、メインCPUは、例えば300分の1の確率特別図柄の大当り判定を行い、当該大当り判定の結果が大当りであると、例えば12ラウンド(例えば出玉約1500個)の大当り遊技状態に制御する。すなわち、設定値が設定2にセットされると、大当り確率が300分の1、1回の大当り遊技状態で払い出される賞球量が約1500個といった、一般的なデジパチと呼ばれるゲーム性での遊技を実行することが可能となる。そしてこの遊技機において、メインCPUは、大当り遊技状態が終了したのちの遊技状態を高確率遊技状態に制御し、予め決められた期間を経過すると高確率遊技状態が終了して低確率遊技状態に制御する。すなわち、設定値が設定2にセットされると、所謂ST機と呼ばれるゲーム性での遊技を実行することが可能となる。
また、設定値が設定3にセットされた場合、メインCPUは、例えば300分の1の確率特別図柄の大当り判定を行い、当該大当り判定の結果が大当りであると、例えば12ラウンド(例えば出玉約1500個)の大当り遊技状態に制御する。すなわち、設定値が設定2にセットされると、大当り確率が300分の1、1回の大当り遊技状態で払い出される賞球量が約1500個といった、一般的なデジパチと呼ばれるゲーム性での遊技を実行することが可能となる。そしてこの遊技機において、メインCPUは、大当り判定の結果が大当りであるとき、例えば図柄乱数を用いて確変フラグをON設定するか否かを決定し、確変フラグがON設定されると、大当り遊技状態が終了したのちの遊技状態を、次回の大当り遊技状態が実行されるまで高確率遊技状態に制御する。すなわち、設定値が設定3にセットされると、所謂確変ループ機と呼ばれるゲーム性での遊技を実行することが可能となる。
また、設定値が設定4にセットされた場合、メインCPUは、例えば300分の1の確率特別図柄の大当り判定を行い、当該大当り判定の結果が大当りであると、例えば12ラウンド(例えば出玉約1500個)の大当り遊技状態に制御する。すなわち、設定値が設定2にセットされると、大当り確率が300分の1、1回の大当り遊技状態で払い出される賞球量が約1500個といった、一般的なデジパチと呼ばれるゲーム性での遊技を実行することが可能となる。そしてこの遊技機において、メインCPUは、大当り判定の結果が大当りであるとき、例えば図柄乱数を用いて確変フラグをON設定するか否かを決定し、確変フラグがON設定されると、大当り遊技状態が終了したのちの遊技状態を、次回の大当り遊技状態が実行されるまで高確率遊技状態に制御する。ただし、大当り遊技状態と高確率遊技状態とが繰り返し実行される回数(上述した「ループ回数」)に上限を設け、ループ回数がこの上限に達すると、メインCPUは、大当り遊技状態が終了したのちの遊技状態を低確率遊技状態に制御する。すなわち、設定値が設定4にセットされると、所謂リミッタ機と呼ばれるゲーム性での遊技を実行することが可能となる。なお、上記のゲーム性では、大当り遊技状態が終了したのちの遊技状態が高確率遊技状態であれば、当該高確率遊技状態は次回の大当り遊技状態が実行されるまで継続するようにしているが、これに限られず、大当り遊技状態が終了したのちの高確率遊技状態を、予め決められた期間が経過すると終了して低確率遊技状態に制御される所謂ST機であっても良い。
また、設定値が設定5にセットされた場合、メインCPUは、例えば300分の1の確率特別図柄の大当り判定を行い、当該大当り判定の結果が大当りであると、例えば12ラウンド(例えば出玉約1500個)の大当り遊技状態に制御する。すなわち、設定値が設定2にセットされると、大当り確率が300分の1、1回の大当り遊技状態で払い出される賞球量が約1500個といった、一般的なデジパチと呼ばれるゲーム性での遊技を実行することが可能となる。そしてこの遊技機において、メインCPUは、大当り遊技状態が終了すると、必ずまたは一定の確率で確変フラグをON設定し、確変フラグがON設定されると、大当り遊技状態が終了したのちの遊技状態を、高確率遊技状態に制御する。また、メインCPUは、高確率遊技状態において、特別図柄の大当り判定を行う際に遊技状態移行抽選を行い、当該遊技状態移行抽選において遊技状態を移行する旨を決定すると、確変フラグをOFF設定し、高確率遊技状態から低確率遊技状態に移行させる制御を実行する。すなわち、設定値が設定5にセットされると、高確率遊技状態において低確率遊技状態への移行抽選が行われるゲーム性での遊技を実行することが可能となる。
このように、拡張例5のパチンコ遊技機では、設定値に応じて、例えば大当り確率のようなスペックではなく、パチンコ遊技機のゲーム性を変えることができ、バリエーションに富んだゲーム性でのパチンコゲームを1台で実行することが可能となる。
なお、上記では、設定1では所謂甘デジと呼ばれるゲーム性での遊技が実行可能であり、設定2では所謂ST機と呼ばれるゲーム性での遊技を実行することが可能であり、設定3では所謂確変ループ機と呼ばれるゲーム性での遊技を実行することが可能であり、設定4では所謂リミッタ機と呼ばれるゲーム性での遊技を実行することが可能であり、設定5では高確率遊技状態において低確率遊技状態への移行抽選が行われるゲーム性での遊技を実行することが可能であるが、これらの全部のゲーム性を設定値に応じて実行できるようにすることは必須ではない。ただし、設定値に応じて、所謂ST機と呼ばれるゲーム性と、所謂確変ループ機と呼ばれるゲーム性とを切り替えて実行できる方が好ましい。所謂ST機と呼ばれるゲーム性および所謂確変ループ機と呼ばれるゲーム性は、いずれも、大当り遊技状態終了後に高確率遊技状態に制御される可能性がある点で共通するものの、当該高確率遊技状態が次回の大当り遊技状態まで継続するか中途で終了するかで大きく異なる。このように、一見は似ているものの実質的には異なる2つのゲーム性を切り替えて実行できるようにすることで、遊技機の管理責任者等によるパチンコ遊技機の活用の仕方に幅を持たせつつ興趣の向上を図ることが可能なパチンコ遊技機を提供することができる。
[9−7.その他の拡張例]
本実施形態のパチンコ遊技機1001は、遊技媒体を用いて遊技を行い、その遊技の結果に基づいて特典が付与される形態全ての遊技機について、本発明を適用することができる。すなわち、物理的な遊技者の動作によって遊技媒体が発射されたり投入されたりすることで遊技を行い、その遊技の結果に基づいて遊技媒体が払い出される形態のみならず、主制御回路100自体が、遊技者が保有する遊技媒体を電磁的に管理し、封入された遊技球を循環させて行う遊技やメダルレスで行う遊技を可能とするものであってもよい。また、遊技者が保有する遊技媒体を電磁的に管理するのは、主制御回路100に装着され(接続され)、遊技媒体を管理する遊技媒体管理装置であってもよい。
主制御回路100に接続された遊技媒体管理装置が管理する場合、遊技媒体管理装置は、ROMおよびRWM(あるいはRAM)を有して、遊技機に設けられる装置であって、図示しない外部の遊技媒体取扱い装置と所定のインターフェイスを介して双方向通信機能に接続されるものであり、遊技媒体の貸出動作(すなわち、遊技者が遊技媒体の投入操作を行う上で、必要な遊技媒体を提供する動作)若しくは遊技媒体の払出に係る役に入賞(当該役が成立)した場合の、遊技媒体の払出動作(すなわち、遊技者に対して遊技媒体の払出を行上で、必要な遊技媒体を獲得させる動作)、または遊技の用に供する遊技媒体を電磁的に記録する動作を行い得るものとすればよい。また、遊技媒体管理装置は、これら実際の遊技媒体数の管理のみならず、例えば、その遊技媒体数の管理結果に基づいて、パチンコ遊技機1001の前面に、保有する遊技媒体数を表示する保有遊技媒体数表示装置(不図示)を設けることとし、この保有遊技媒体数表示装置に表示される遊技媒体数を管理するものであってもよい。すなわち、遊技媒体管理装置は、遊技者が遊技の用に供することができる遊技媒体の総数を電磁的方法により記録し、表示することができるものとすればよい。
また、この場合、遊技媒体管理装置は、遊技者が、記録された遊技媒体数を示す信号を、外部の遊技媒体取扱装置に対して自由に送信させることができる性能を有し、また、遊技者が直接操作する場合の他、記録された遊技媒体数を減ずることができない性能を有し、また、外部の遊技媒体取扱装置との間に外部接続端子板(不図示)が設けられている場合には、その外部接続端子板を介してでなければ、遊技者が、記録された遊技媒体数を示す信号を送信できない性能を有することが望ましい。
遊技機には上記の他、遊技者が操作可能な貸出操作手段、返却(精算)操作手段、外部接続端子板が設けられ、遊技媒体取扱装置には紙幣等の有価価値の投入口、記録媒体(例えばICカード)の挿入口、携帯端末から電子マネー等の入金を行うための非接触通信アンテナ等、その他貸出操作手段、返却操作手段等各種操作手段、遊技媒体取扱装置側外部接続端子板が設けられるようにしてもよい(いずれも不図示)。
その際の遊技の流れとしては、例えば、遊技者が遊技媒体取扱装置に対しいずれかの方法で有価価値を入金し、上記いずれかの貸出操作手段の操作に基づいて所定数の有価価値を減算し、遊技媒体取扱装置から遊技媒体管理装置に対し減算した有価価値に対応する遊技媒体を増加させる。そして遊技者は遊技を行い、さらに遊技媒体が必要な場合には上記操作を繰り返し行う。その後遊技の結果所定数の遊技媒体を獲得し、遊技を終了する際にはいずれかの返却操作手段を操作することにより遊技媒体管理装置から遊技媒体取扱装置に対し遊技媒体数を送信し、遊技媒体取扱装置はその遊技媒体数を記録した記録媒体を排出する。遊技媒体管理装置は遊技媒体数を送信したときに自身が記憶する遊技媒体数をクリアする。遊技者は排出された記録媒体を景品交換するために景品カウンタ等に持っていくか、または他の台で記録された遊技媒体に基づいて遊技を行うために遊技台を移動する。
なお、上記例では全遊技媒体を遊技媒体取扱装置に対して送信したが、遊技機または遊技媒体取扱装置側で遊技者が所望する遊技媒体数のみを送信し、遊技者が所持する遊技媒体を分割して処理することとしてもよい。また、記録媒体を排出するだけに限らず、現金または現金等価物を排出するようにしてもよいし、携帯端末等に記憶させるようにしてもよい。また、遊技媒体取扱装置は遊技場の会員記録媒体を挿入可能とし、会員記録媒体に貯留して後日再遊技可能とするようにしてもよい。
また、遊技機または遊技媒体取扱装置において、図示しない所定の操作手段を操作することにより遊技媒体取扱装置または遊技媒体管理装置に対し遊技媒体または有価価値のデータ通信をロックするロック操作を実行可能としてもよい。その際にはワンタイムパスワード等遊技者にしか知り得ない情報を設定することや遊技媒体取扱装置に設けられた撮像手段により遊技者を記録するようにしてもよい。
また、上記では、遊技媒体管理装置を、パチンコ遊技機に適用する場合について説明しているが、パチスロ機や、遊技球を用いるスロットマシンや、封入式遊技機においても同様に遊技媒体管理装置を設け、遊技者の遊技媒体が管理されるようにすることもできる。
このように、上述した遊技媒体管理装置を設けることにより、遊技媒体が物理的に遊技に供される場合と比べて、遊技機内部の部品点数を減らすことができ、遊技機の原価および製造コストを削減できるのみならず、遊技者が直接遊技媒体に接触しないようにすることもでき、遊技環境が改善し、騒音も減らすことができるとともに、部品を減らしたことにより遊技機の消費電力を減らすことにもなる。また、遊技媒体や遊技媒体の投入口や払出口を介した不正行為を防止することができる。すなわち、遊技機をとりまく種々の環境を改善することができる遊技機を提供することが可能となる。
また、遊技媒体が外部に排出されずに遊技可能に構成された封入式の遊技機と、該遊技機に対して、遊技媒体の消費、貸出および払出に伴う遊技媒体の増減に関するデータを通信ケーブルを介して光信号によって送受信が可能に接続された遊技媒体管理装置と、を有する遊技システムに本発明を適用した場合には、遊技システムを以下のように構成してもよい。
以下に、封入式の遊技機の概略を説明する。封入式の遊技機において、発射装置は、遊技領域の上方に位置し、遊技領域に対して上方から遊技媒体としての遊技球を発射する。遊技者がハンドルを操作すると、払出制御回路により球送りソレノイドが駆動させられ、球送り杵が発射台の方向へと、待機状態の遊技球を押し出す。これにより、遊技球が発射台へ移動する。また、待機位置から発射台への経路には減算センサが設けられており、発射台へ移動する遊技球を検出する。減算センサによって遊技球が検出された場合には、持ち球数が1減算される。このように、遊技領域に対して上方から遊技媒体としての遊技球を発射するように構成されているため、封入式の遊技機ではいわゆる戻り球(ファール球)を回避することができる。そして、遊技領域を転動した後に遊技領域から排出された遊技球は、球磨き装置によって磨かれる。球磨き装置によって磨かれた遊技球は、揚送装置によって上方へと搬送され、発射装置に導かれる。遊技球は封入式の遊技機の外部に排出されずに、当該遊技機において一定数(例えば、50個)の遊技球が一連の経路を循環するように構成されている。
封入式の遊技機では、遊技球が遊技機の外部に排出されないため、遊技球を一時的に保持するための上皿や下皿は設けられていない。封入式の遊技機では遊技球が外部に排出されないことから、遊技者の手元に遊技球が実際にあるわけではなく、遊技を行うことにより遊技球が現実に増減するわけではない。封入式の遊技機において、遊技者は遊技媒体管理装置からの貸出により持ち球を得てから遊技を開始する。ここで、持ち球を得るとは、遊技者が、データ管理上、遊技媒体を得ることをいう。そして、発射装置から遊技球が発射されることにより持ち球が消費され、持ち球数が減少する。また、遊技球が遊技領域に設けられた各入賞口等を通過することにより、入賞口に応じて設定された条件に従った数だけ払出が行われ、持ち球数が増加する。さらに、遊技媒体管理装置からの貸出によっても、持ち球数が増加する。なお、「遊技媒体の消費、貸出および払出」とは、持ち球の消費、貸出および払出が行われることを示す。また、「遊技媒体の増減」とは、消費、貸出および払出によって持ち球数が増減することを示す。また、「遊技媒体の消費、貸出および払出に伴う遊技媒体の増減に関するデータ」とは遊技球が発射されることによる持ち球の減少と、貸出および払出による持ち球の増加とに関するデータである。
封入式の遊技機は、払出制御回路およびタッチパネル式である液晶表示装置を有している。払出制御回路は、遊技球が各入賞口等の通過を検出する各種センサに接続されている。払出制御回路は、持ち球数を管理している。例えば、遊技球が各入賞口を通過した場合には、そのことによる遊技球の払出個数を持ち球数に加算する。また、遊技球が発射されると持ち球数を減算する。払出制御回路は、遊技者の操作により、持ち球数に関するデータを遊技媒体管理装置へ送信する。また、上記の液晶表示装置は遊技機の上部に位置し、遊技媒体管理装置で管理する遊技価値から持ち球への変換(球貸し)や、持ち球の計数(返却)の要求を受け付ける。そして、これらの要求を遊技媒体管理装置を介して払出制御回路に伝え、払出制御回路が現在の持ち球数に関するデータを遊技媒体管理装置に送信するように指示する。ここで、「遊技価値」とは、貨幣・紙幣、プリペイド媒体、トークン、電子マネーおよびチケット等であり、遊技媒体管理装置によって持ち球に変換することが可能であるものを示す。なお、本実施形態において、遊技媒体管理装置は、いわゆるCRユニットであり、紙幣およびプリペイド媒体等を受付可能に構成されている。また、計数された持ち球は、遊技システムが設置される遊技場などにおいて、景品交換等に用いることができる。
また、封入式の遊技機は、バックアップ電源を有している。これにより、夜間等に電源をOFFにした場合であっても、OFFにする直前のデータを保持することができる。また、このバックアップ電源により、例えば、扉開放センサによる扉枠開放の検出を継続して実行させてもよい。これにより、夜間に不正行為を行われることも防止することができる。なお、この場合は、扉枠が開放された回数等の情報を記憶するものであってもよい。さらに、電源が投入された際に、扉枠が開放された回数等の情報を、遊技機の液晶表示装置等に出力するものであってもよい。
遊技媒体管理装置は、遊技機接続基板を有している。遊技媒体管理装置は、遊技機接続基板を介して、遊技機とのデータ(送信信号)の送受信を行うように構成されている。送受信されるデータは、主制御回路に設けられたCPUの固有ID、払出制御回路に設けられたCPUの固有ID、遊技機に記憶された遊技機製造業者コード、セキュリティチップの製造業者コード、遊技機の型式コードなどの情報である。そして、遊技機および前記遊技媒体管理装置のいずれか一方を送信元とし他方を送信先として、送信元が送信信号を送信した際に、上記送信信号を受信した送信先が上記送信信号と同じ信号である確認用信号を上記送信元に送信し、上記送信元は、上記送信信号と上記確認用信号とを比較して、これらが同一か否かを判別するようにしている。
このように、送信元において、送信先から送信された確認用信号を送信信号と比較して、これらが同一か否かを判別することにより、送信元から送信した信号が改ざんされることなく、送信元に送信されていることを確認することができる。これにより、遊技機と遊技媒体管理装置との間での送受信信号を改ざんする等の不正行為を抑制することができる。
また、上記遊技システムにおいて、上記送信元は信号を変調する変調部を有し、該変調部により変調された信号を上記送信信号として送信し、上記送信先は上記変調部により変調された信号を復調する復調部を有することとしてもよい。
これにより、仮に、遊技機と遊技媒体管理装置との間での送受信信号を読み取られたとしても、この信号の解読は困難であり、遊技機と遊技媒体管理装置との間での送受信信号を改ざんする等の不正行為を抑制することができる。
また、上記遊技システムにおいて、上記送信先は、上記送信元からの上記送信信号を受信した際に、上記送信信号を受信したことを示す信号である承認信号を、上記確認用信号とは別に上記送信元に送信することとしてもよい。
これにより、送信信号と確認用信号とを比較することにより、正規の信号の送受信が行われたことを確認するだけでなく、承認信号に基づいて正規の信号の送受信が行われたことを確認することができるので、不正行為の抑制をより強化することができる。
[10.ホスト制御回路により実行される処理]
次に、サブ制御回路270のサブ基板2020(いずれも、例えば図145参照)内の各種制御回路により実行される各種処理の内容について説明する。なお、サブ制御回路270は、主制御回路100(例えば、図145参照)から送信された各種コマンドを受信し、この各種コマンドに基づいて各種処理を行う。
以下において、先ず、各種デバイス等にかかわる処理について説明し、その後、ホールメニュータスクにかかわる処理について説明する。なお、ホールメニュータスクにかかわる処理及び各種デバイス等にかかわる処理のいずれもホスト制御回路2100(より詳しくは、ホスト制御回路2100が備えるCPUプロセッサ)等により実行される処理であるが、説明の便宜上、それぞれ別のフローチャートを用いて説明する。
[10−1.各種デバイス等にかかわる処理]
図196〜図234を参照して、各種デバイス等にかかわる処理について説明する。なお、上述した図187も含めて、図196、図207、図208、図209及び図233は、いずれも、電源が投入されたときに実行されるサブ制御メイン処理(全体フロー)の一例を示すフローチャートである。これらはいずれも、ホスト制御回路2100(より詳しくは、ホスト制御回路2100が備えるCPUプロセッサ)により実行される処理であるが、説明の便宜上、各種場面に応じて処理を適宜省略している。例えば、図187及び図196では役物制御処理(ステップS5210、ステップS6213)が図示されているが、図207、図208、図209及び図233では役物制御処理の図示を省略している。また、図196、図207、図208、図209及び図233において、同じ処理であっても、説明の便宜上、異なる符号を付している。例えば、初期化処理を例に説明すると、図196の各種初期化処理(ステップS6201)、図207の初期化処理(ステップS6381)、図208の初期化処理(ステップS6391)、及び図209の初期化処理(ステップS5401)はいずれも実質的には同じ初期化処理であり、役物制御処理を例に説明すると、図187の役物制御処理(ステップS5210)及び図196の役物制御処理(ステップS6213)はいずれも実質的には同じ処理である。
図196に示すように、ホスト制御回路2100は、各種初期化処理を行う(ステップS6201)。この処理では、ホスト制御回路2100は、例えば、ハードウェアの初期化処理、デバイスの初期化処理、各種アプリケーションの初期化処理、バックアップデータの復帰初期化処理、RTC取得処理等の各種初期設定処理を行う。なお、RAMクリア(バックアップクリア)によりゲームデータが消去されているときには乱数初期化処理も行う。また、ホスト制御回路2100は、各初期化処理が終了する都度、ウォッチドッグタイマのカウンタをクリアする。なお、起動時には、ウォッチドッグタイマのリセット時間が設定され、その後、サービスパルスの書き込みが行われなかった場合(タイムアウト時)には、電断処理が行われる。また、ウォッチドッグタイマをクリアするタイミングは、サブ制御メイン処理内のメインループにおける各処理の開始時、各初期化処理の開始時および電断処理への移行時である。
次いで、ホスト制御回路2100は、メインループに入り、RTC時刻にもとづいてRTC取得処理、すなわち現在の時刻を取得する処理を行う(ステップS6202)。
ホスト制御回路2100は、ステップS6203において、乱数初期化処理を行う。この乱数初期化処理については後述する。
ホスト制御回路2100は、ステップS6204において役物の制御コードを取得し、役物とソレノイドとの同期処理を行う(ステップS6205)。これらの処理については、後述の「役物ソレノイド制御処理」において説明する。
ホスト制御回路2100は、ステップS6206において、サブデバイス入力処理を行う。この処理では、ホスト制御回路2100は、操作手段等の入力状態(遊技者により例えばボタン等の操作手段に対して操作が行われたか否かの判定処理)にもとづいて、操作内容の情報取得処理等を行う。このサブデバイス入力処理(ステップS6206)には、遊技者等の操作によるLED等の輝度調整等が含まれる。
ホスト制御回路2100は、ステップS6207において、各種リクエスト制御処理を行う。この処理では、ホスト制御回路2100は、例えば、サウンドリクエスト制御処理、LEDリクエスト制御処理、役物リクエスト制御処理、役物制御処理等の各種リクエスト制御処理を行う。なお、サウンドリクエスト、LEDリクエストおよび役物リクエスト等は、バッファに保存され、後述するステップS6214のバンクフリップ後に各デバイスに出力される。これにより、描画との同期を図ることができる。なお、バンクフリップとは、一方のフレームバッファの機能を描画機能から表示機能に切り替えるとともに、他方のフレームバッファの機能を表示機能から描画機能に切り替える処理である。
ところで、役物制御処理は、各種リクエスト制御処理(S6207)において行われる他、図196では描画制御処理(ステップS6212)の後のステップS6213でも行われるように示されているが、描画制御処理(ステップS6212)の後のステップS6213で行われることは必須ではない。役物処理において、1フレーム前のアニメーション構築処理(ステップS6210)やアニメーション更新処理(ステップS6211)でバッファに格納された役物リクエストが出力されることに鑑みると、アニメーション構築処理(ステップS6210)よりも前に行われることが好ましい。ただし、バッファに格納された役物リクエストを、バッファに格納されたフレームと同じフレームで出力する場合には、描画制御処理(ステップS6212)の後のステップS6213で役物制御処理を行うようにしても良い。
次いで、ホスト制御回路2100は、メインループ内のパケット受信分ループに入り、メイン・サブ間コマンド制御処理を行う(ステップS6208)。この処理では、ホスト制御回路2100は、メインCPU101からコマンドデータを受信した際のコマンドデータの読み込み処理(コマンド受信処理)及びサブワークRAM2100aへのコマンドデータの格納処理(受信データ記憶処理)を行う。
ホスト制御回路2100は、ステップS6209において、ゲームデータバックアップ処理を行う。本実施形態のパチンコ遊技機1001では、RAMクリア判定に使用するゲームデータとして第1データ(マジックコード、プログラムバージョンおよびSUM値)および第2データ(いずれもホールメニューで設定された情報であるマジックコードおよびSUM値)を用意する。そして、ゲームデータバックアップ処理では、第1データをゲームデータ内に保存した後、SRAM2100b(図145参照)にバックアップする。また、SRAM2100bの別の領域にもゲームデータをバックアップ(ミラーリング)する。電源投入後は、SRAM2100bにバックアップされたデータからゲームデータが復帰される。このとき、第1データを使用して、バックアップされたデータに破損がないか否かをチェックする。バックアップされたデータに破損があれば、第2データに破損がないか否かをチェックする。このとき、ホールメニュー情報などの全てのSRAM2100bに保存されているデータも初期化する。
次いで、ホスト制御回路2100は、アニメーション構築処理を行う(ステップS6210)。この処理では、ホスト制御回路2100は、コマンド解析・状態設定・抽選の処理を行い、これらを受けて、表示装置1016を用いて演出制御を行う際に必要なアニメーションリクエストを生成し、このアニメーションリクエストに基づいて実行される表示装置1016における演出制御(表示)に対応して、各種演出装置を動作させるための各種リクエスト(描画リクエスト、サウンドリクエスト、LEDリクエスト及び役物リクエスト)を生成する。
ホスト制御回路2100は、上記ステップS6208〜ステップS6210の処理を、受信コマンド数分実行するまで実行し、受信コマンド数分実行するとパケット受信分ループを抜ける。その後、ホスト制御回路2100は、アニメーション更新処理(ステップS6211)、描画制御処理(ステップS6212)、役物制御処理(ステップS6213)およびバンクフリップ/バンクフリップ終了待ち(ステップS6214)を経て、メインループにおける各処理が繰り返される。
ホスト制御回路2100は、上述したステップS6202〜ステップS6214の一例の処理(メインループ処理)を、所定のFPS周期で繰り返し実行する。なお、FPS周期は、例えば、約16.7msec(60FPS)、約33.3msec(30FPS)等に設定される。所定のFPS周期は、ステップS6214において時間調整される。
以下に、タイマ割り込み処理、サブデバイス入力処理、バックライト制御処理、バックライトおよび各種LEDの輝度調整、RTC取得処理、コンポジション再生制御、サウンドアンプ制御処理、サウンドリクエスト制御処理(同一チャンネルに対して複数のサウンドリクエストがある場合)、サウンドリクエスト制御処理(ボリューム調整が行われた場合)、LED輝度調整処理、役物ソレノイド制御処理、データロード処理及びサブ乱数処理について、この順で説明する。なお、上記各処理の説明順は、説明の便宜上、処理順とは異なる。
[10−2.タイマ割り込み処理]
本実施形態のパチンコ遊技機1001では、ホスト制御回路2100は、1msec周期で割り込み処理を行う。割り込み処理については、後述する各処理でも説明するが、ここでは、代表的な割り込み処理の一例について、図197を参照して簡単に説明する。図197は、ホスト制御回路(サブ制御回路)により実行されるタイマ割り込み処理の一例を示すフローチャートである。なお、図197を参照して簡単に説明するタイマ割り込み処理および後述のタイマ割り込み処理(図204および図206参照)において、同じ処理であっても、説明の便宜上、異なる符号を付している。例えば、役物モータ制御を例に説明すると、図197の役物モータ制御(ステップS6251)と、図204の役物モータ制御(ステップS6352)と、図206の役物モータ制御(ステップS6371)とは、実質的には同じ処理であるが異なる符号を付している。
図197を参照して、タイマ割り込み処理において、ホスト制御回路2100は、先ず、役物モータ制御を行う(ステップS6251)。次に、ホスト制御回路2100は、サブデバイスの入力情報にもとづいて、入力状態判定処理を行う(ステップS6252)。次に、ホスト制御回路2100は、輝度値にもとづいて、例えば表示装置1016として用いられる液晶表示装置のバックライト等の制御処理を行う(ステップS6253)。次に、ホスト制御回路2100は、サウンドアンプチェック処理(ステップS6254)を行う。
[10−3.サブデバイス入力処理]
本実施形態において、ホスト制御回路2100は、1msec毎のタイマ割り込みで検出されたサブデバイスの入力状態にもとづいて、33.3msec毎のメイン処理でサブデバイス入力判別情報を作成し、この作成されたサブデバイス入力判別情報にもとづいてサブデバイスを制御する。
ホスト制御回路2100は、サブデバイスの入力状態を1msec毎のタイマ割り込みで検出すると、この検出結果にもとづいてメイン処理で作成される上記のサブデバイス入力判別情報として、サブデバイス入力情報と、サブデバイス入力ONエッジ情報と、サブデバイス入力ONエッジ情報(リピート機能付き)と、サブデバイス入力OFFエッジ情報とを作成する。
以下に、図196に示されるサブデバイス入力処理について、図198〜図201を参照して説明する。サブデバイスは、例えば、押しボタンなどのように、入力(例えば操作)情報にもとづいてホスト制御回路2100によって制御される。なお、図198は、作成されるサブデバイス入力判別情報を説明するための一例を示す図であり、(a)タイマ割り込みで検出したサブデバイスの入力状態を示す図、(b)メイン処理で作成されるサブデバイス入力情報を示す図、(c)メイン処理で作成されるサブデバイス入力ONエッジ情報を示す図、(c)メイン処理で作成されるサブデバイス入力ONエッジ情報(リピート機能付き)を示す図、(d)メイン処理で作成されるサブデバイスOFFエッジ情報を示す図である。図199は、サブデバイス入力処理の一例を示すフローチャートである。図200は、サブデバイス入力ONエッジ情報(リピート機能付き)処理の一例を示すフローチャートである。図201は、サブデバイス入力ONエッジ情報(リピート機能付き)処理の一例を示しており、図200から続くフローチャートである。
メイン処理で作成されるサブデバイス入力情報は、図198(b)に示されるように、タイマ割り込みで検出されたサブデバイス入力状態(図198(a)参照)にあわせて作成される。すなわち、タイマ割り込みで検出されたサブデバイス入力状態がONの場合、1が設定される。また、タイマ割り込みで検出されたサブデバイス入力状態がOFFの場合、0が設定される。
サブデバイス入力ONエッジ情報は、図198(c)に示されるように、タイマ割り込みで検出されたサブデバイス入力状態がOFFからONになったことが検出されると、メイン処理で1フレームのみ1が設定される。
サブデバイス入力ONエッジ情報(リピート機能付き)は、例えばデバック時や操作ボタンが長押しされたときの制御に使用される情報であり、図198(d)に示されるように、タイマ割り込みで検出されたサブデバイス入力状態がOFFからONになったことが検出されると、メイン処理で1フレームについて1が設定される。そして、それ以降もサブデバイスの入力状態のON状態が続く場合には、キーリピート開始までの一定時間として例えばメイン処理で10フレーム経過後に1フレームに1が設定され、それ以降は例えばメイン処理で4フレーム毎に1が設定される。このように、最初のフレームのみ10フレームと長くしているのは、サブデバイスが長押しされたか否かを判別できるようにするためであり、最初のフレームが短ければ長押しでないと判別することができる。
サブデバイス入力OFFエッジ情報は、図198(e)に示されるように、タイマ割り込みで検出されたサブデバイス入力状態がONからOFFになったことが検出されると、メイン処理で1フレームのみ1が設定される。
本実施形態では、サブデバイスが複数あることを想定し、ホスト制御回路2100は、bit単位でサブデバイス入力判別情報を管理している。例えば、bit0はメインボタン、bit1は左ボタン、bit2は右ボタンといったように、最大で例えば32個のデバイスについてのサブデバイス入力判別情報を管理できるようになっている。
次に、図199を参照して、サブデバイス入力処理(例えば、図196のステップS6206参照)について説明する。このサブデバイス入力処理は、サブデバイスの入力判別情報として、サブデバイス入力情報、サブデバイス入力ONエッジ情報、サブデバイス入力ONエッジ情報(リピート機能付き)、および、サブデバイス入力OFFエッジ情報といった例えば4種類の情報を作成する処理である。
ホスト制御回路2100は、先ず、現在のサブデバイスの入力状態にもとづいて、現在のサブデバイスの入力情報を作成する(ステップS6301)。具体的には、サブデバイスがON状態であれば1を設定し、サブデバイスがOFF状態であれば0を設定する。
次に、ホスト制御回路2100は、サブデバイスの入力情報を、現在のサブデバイス入力情報すなわちステップS6301で作成されたサブデバイスの入力情報に合わせて更新する(ステップS6302)。
次に、ホスト制御回路2100は、前回のサブデバイス入力情報が0かつ今回のサブデバイス入力情報が1であるか否かを判別する(ステップS6303)。前回のサブデバイス入力情報が0かつ今回のサブデバイス入力情報が1であれば(ステップS6303におけるYES)、ホスト制御回路2100は、サブデバイス入力ONエッジ情報を1に設定し(ステップS6304)、ステップS6306に移る。一方、前回のサブデバイス入力情報が0かつ今回のサブデバイス入力情報が1でなければ(すなわち、前回のサブデバイス入力情報が1または/および今回のサブデバイス入力情報が0であれば)、ホスト制御回路2100は、サブデバイス入力ONエッジ情報を0に設定し(ステップS6305)、ステップS6306に移る。
ホスト制御回路2100は、ステップS6306において、前回のサブデバイス入力情報が1かつ今回のサブデバイス入力情報が0であるか否かを判別する。前回のサブデバイス入力情報が1かつ今回のサブデバイス入力情報が0であれば(ステップS6306におけるYES)、ホスト制御回路2100は、サブデバイス入力OFFエッジ情報を1に設定し(ステップS6307)、ステップS6309に移る。一方、前回のサブデバイス入力情報が1かつ今回のサブデバイス入力情報が0でなければ(すなわち、前回のサブデバイス入力情報が0または/および今回のサブデバイス入力情報が1であれば)、ホスト制御回路2100は、サブデバイス入力OFFエッジ情報を0に設定し(ステップS6308)、ステップS6309に移る。
ホスト制御回路2100は、ステップS6309において、サブデバイス入力ONエッジ情報(リピート機能付き)処理を行う。このサブデバイス入力ONエッジ情報(リピート機能付き)処理についての詳細は後述する。
ステップS6309のサブデバイス入力ONエッジ情報(リピート機能付き)処理を終了すると、ホスト制御回路2100は、現在のサブデバイスの入力情報を前回のサブデバイス入力情報に設定し(ステップS6310)、サブデバイス入力処理を終了する。
次に、図200および図201を参照して、サブデバイス入力ONエッジ情報(リピート機能付き)処理について説明する。
図200に示されるように、サブデバイス入力ONエッジ情報(リピート機能付き)処理において、ホスト制御回路2100は、先ず、前回のサブデバイス入力情報が0であるか否かを判別する(ステップS6321)。前回のサブデバイス入力情報が0であれば(ステップS6321におけるYES)、ステップS6322に移る。
ホスト制御回路2100は、ステップS6322において、今回のサブデバイス入力情報が1であるか否かを判別する。今回のサブデバイス入力情報が1であれば(ステップS6322におけるYES)、すなわち、前回のサブデバイス入力情報が0であってかつ今回のサブデバイス入力情報が1であれば、ステップS6323に移る。一方、今回のサブデバイス入力情報が1でなければ(ステップS6322におけるNO)、すなわち、前回のサブデバイス入力情報が0であってかつ今回のサブデバイス入力情報が0であれば、サブデバイス入力ONエッジ情報(リピート機能付き)処理を終了する。
次に、ホスト制御回路2100は、サブデバイス入力ONエッジ情報(リピート機能付き)を1に設定する(ステップS6323)とともに、経過フレームとして10フレームをセットし(ステップS6324)、サブデバイス入力ONエッジ情報(リピート機能付き)処理を終了する。
ステップS6321において、前回のサブデバイス入力情報が1であれば(ステップS6321におけるNO)、ホスト制御回路2100は、図201のステップS6325に移る。
図201を参照し、ホスト制御回路2100は、ステップS6325において、今回のサブデバイス入力情報が1であるか否かを判別する。今回のサブデバイス入力情報が1であれば(ステップS6325におけるYES)、すなわち、前回のサブデバイス入力情報が1であってかつ今回のサブデバイス入力情報が1であれば、経過フレームから1減算し(ステップS6326)、ステップS6327に移る。
ホスト制御回路2100は、ステップS6327において、経過フレームが0であるか否かを判別する。経過フレームが0であれば(ステップS6327におけるYES)、サブデバイス入力ONエッジ情報(リピート機能付き)を1にセットする(ステップS6328)とともに、経過フレームを4にセットし(ステップS6329)、サブデバイス入力ONエッジ情報(リピート機能付き)処理を終了する。
ステップS6325において、今回のサブデバイス入力情報が1でなければ(ステップS6325におけるNO)、すなわち、前回のサブデバイス入力情報が1であってかつ今回のサブデバイス入力情報が0であれば、ホスト制御回路2100は、経過フレームを0にセットし(ステップS6330)、ステップS6331に移る。
ホスト制御回路2100は、ステップS6331において、サブデバイス入力ONエッジ情報(リピート機能付き)を0にセットすると、サブデバイス入力ONエッジ情報(リピート機能付き)処理を終了する。
このように、ホスト制御回路2100は、1msec毎のタイマ割り込みで検出されたサブデバイスの入力状態にもとづいて、33.3msec毎のメイン処理で上述の4種類のサブデバイス入力判別情報を作成し、これら4種類のサブデバイス入力判別情報にもとづいてサブデバイスを制御することで、サブデバイスの連打演出の制御、長押し演出の制御、時刻設定時の制御、その他の操作の制御などを容易に行うことが可能となる。
[10−4.バックライト制御処理]
次に、バックライト制御処理(例えば液晶表示器等のバックライトを制御するバックライト制御処理)について、図202および図203を参照して説明する。図202は、バックライト制御処理を概念的に説明するための一例を示す図である。図203は、バックライト制御処理の一例を示すフローチャートである。
本実施形態のバックライト制御処理は、SPI非同期データライト(SPI+DMA)の機能を用いて例えばシリアル・ペリフェラル・インタフェース(Serial Peripheral Interface、以下「SPI」と称する)のシリアル出力端子から連続して絶え間なくパルス幅変調(pulse width modulation、以下「PWM」と称する)相当の信号を出力し、デューティ(輝度)を変更できるようにしたものである。これにより、バックライト制御用のドライバを介さずにバックライト制御を行うことが可能となる。
本実施形態では、例えば、SPIクロックの周波数100kHz、SPI1クロックが0.01msec、SPIで16ビット(輝度データの1データが16bit)のデータ送信に要する時間が0.16msec、ホスト制御回路2100の定時割り込みが1msec、ホスト制御回路2100の定時割り込み間でSPIから送信される輝度データの数が100bitである。そのため、ホスト制御回路2100の定時割り込み間で送信される輝度データの個数は6.25(100/16)個である(図202参照)。したがって、例えば16bitの輝度データを64個をセット(格納)できるFIFO(First In First Out)のデータ領域に輝度データが32個補充されるまでに実行される定時割り込み回数は5〜6回であると考えられる。なお、この回数は、ホスト制御回路2100の定時割り込みの時間によって異なる。
例えば16bitの輝度データを64個をセット(格納)できるFIFO(First In First Out)のデータ領域にセット(記憶)されている輝度データが32個を下回るとコールバック関数が呼ばれるため、FIFOのデータ領域が常に埋められているわけではない。そのため、33.3msec周期で実行されるメイン処理における他の処理で時間を要してFIFOのデータ領域に輝度データをセットする(記憶させる)処理が回ってこないと、FIFOのデータ領域が空になる(バックライトが真っ暗になる)可能性がある。
そこで、本実施形態では、電源投入後に、先ず、1データ16bitの輝度データを最初に64個セットしてFIFOのデータ領域を埋め、その後、FIFOのデータ領域にセットされている輝度データが32個を下回るとコールバック関数が呼ばれ、コールバック関数の中で32個のデータをセットし、FIFOのデータ領域が空にならないようにしている。
図203に示されるように、バックライト制御処理において、ホスト制御回路2100は、先ず、初期設定時の処理であるか否かを判別する(ステップS6341)。ホスト制御回路2100は、初期設定時の処理(すなわち、図196のステップ201のうちの一処理)であると判別すると(ステップS6341におけるYES)、輝度0の輝度データをFIFOのデータ領域に64個セットし(ステップS6342)、ステップS6343に移る。一方、初期設定時の処理でない(すなわち、図197のステップS6253の処理)であると判別すると(ステップS6341におけるNO)、ステップS6342の処理をスキップし、ステップS6343に移る。
ホスト制御回路2100は、ステップS6343において、輝度値が変更されたか否かを判別する。ホスト制御回路2100は、輝度値が変更されたと判別すると(ステップS6343におけるYES)、FIFOのデータ領域にセットする輝度データを変更し(ステップS6344)、ステップS6345に移る。一方、輝度値が変更されていないと判別すると(ステップS6343におけるNO)、ステップS6344の処理をスキップし、ステップS6345に移る。
ホスト制御回路2100は、ステップS6345において、FIFOのデータ領域にセットされている輝度データの数が32個より少ないか否かを判別し、FIFOのデータ領域にセットされている輝度データの数が32個より少なければ(ステップS6345におけるYES)、FIFOのデータ領域に32個の輝度データをセット、すなわち補充し(ステップS6346)、バックライト制御処理を終了する。一方、FIFOのデータ領域にセットされている輝度データの数が32個より多ければ(ステップS6345におけるNO)、ホスト制御回路2100は、バックライト処理を終了する。
このように、FIFOのデータ領域にセットされている輝度データが空にならないように処理することで、SPIのシリアルデータ出力端子から連続して絶え間なくPWM相当の信号を出力することができ、バックライト制御用のドライバを介さずにバックライト制御を行うことが可能となる。
なお、本実施形態のバックライト制御処理のステップS6343〜ステップS6346の処理を、次のように代えることもできる。すなわち、輝度0のデータを64個セット(ステップS6342を参照)した後、FIFOのデータ領域にセットされている輝度データの数が32個より少ないか否かを判別する処理を行う。その後、輝度値が変更されたか否かを判別し、輝度値が変更されたと判別すると設定に応じた輝度データをFIFOのデータ領域に32個セットし、輝度値が変更されていないと判別すると前回と同じ輝度データをFIFOのデータ領域に32個セットする。このようにして輝度データをFIFOのデータ領域にセットし、バックライト制御処理を終了するようにしても良い。
また、本実施形態では、FIFOのデータ領域にセットされている輝度データが32個(FIFOにセットできるデータ数の半分)を下回ると32個の輝度データを補充するようにしているが、輝度データを補充するタイミングおよび補充する輝度データの数はこれに限られず、FIFOのデータ領域にセットされている輝度データが所定数を下回ると当該所定数の輝度データを補充するようにすればよい。また、FIFOのデータ領域に補充される輝度データは上記の所定数である必要はなく、例えば、FIFOのデータ領域にセットされている輝度データが第1の数を下回ると、第2の数の輝度データを補充するようにしても良い。ただし、FIFOのデータ領域に輝度データをセットする頻度が多くなりすぎず且つFIFOのデータ領域にセットされている輝度データが空にならないようにする観点から言えば、上記の所定数または第1の数は、FIFOのデータ領域にセットできるデータ数の半分程度の輝度データ数であることが好ましいが、上記の通りこれに限られるものではない。なお、上記の「半分程度」とは、FIFOのデータ領域に輝度データをセットする頻度が多くなりすぎず且つFIFOのデータ領域にセットされている輝度データが空にならない範囲であればよく、FIFOのデータ領域にセットされている輝度データの消費スピード等に応じて半分以下や半分未満等、様々な判断方法がある。例えば、本実施形態におけるFIFOのデータ領域は16bitの輝度データを64個までセットできるため、FIFOのデータ領域にセットされている輝度データが1〜64個であるときに新たにに1個以上の輝度データをセットするようにしても良いが、バックライトが暗くなってしまう(FIFOのデータ領域にセットされている輝度データが0になってしまう)ことを防止する観点から言えば、FIFOのデータ領域にセットされている輝度データが2個以上であるときに新たに1個以上の輝度データをセットすることが好ましい。また、FIFOのデータ領域にセットできる輝度データの数は64個に限られず、少なくとも2個以上の輝度データをセットできれば良い。このようにFIFOのデータ領域にセットできる輝度データが例えば2個以上であるとき、FIFOのデータ領域にセットされている輝度データが第1の数(例えば2個)を下回ると、第2の数(例えば1個)の輝度データを補充するようにしても良い。
[10−4−1.バックライト制御処理の変形例]
次に、バックライト制御処理の変形例について、図204および図205を参照して説明する。図204は、バックライト制御処理の変形例にともなうタイマ割り込み処理の一例を示すフローチャートである。図205は、バックライト制御処理の変形例を示すフローチャートである。
バックライト制御処理の変形例では、1msecのタイマ割り込み処理において処理に時間を要する可能性があるときに、バックライト制御処理においてFIFOのデータ領域にデータをセットしてから所定時間以上経過したか否かを判定し、所定時間以上経過した場合にFIFOのデータ領域にデータをセットするようにしたものである。
図204のタイマ割り込み処理では、ホスト制御回路2100は、先ず、バックライト制御処理を行う(ステップS6351)。以下、説明の便宜上、ステップS6352以降の処理について説明する前に、ステップS6351のバックライト制御処理について、図205を参照して説明する。
図205に示されるように、バックライト制御処理において、ホスト制御回路2100は、先ず、初期設定時の処理であるか否かを判別する(ステップS6361)。ホスト制御回路2100は、初期設定時の処理(すなわち、図196のステップ201のうちの一処理)であると判別すると(ステップS6361におけるYES)、輝度0の輝度データをFIFOのデータ領域に64個セットし(ステップS6362)、その後、ステップS6366に移る。一方、初期設定時の処理でない(すなわちステップS6351の処理)であると判別すると(ステップS6361におけるNO)、ステップS6363に移る。
ホスト制御回路2100は、ステップS6363において、FIFOのデータ領域にセットされている輝度データの数が32個より少ないか否かを判別し、FIFOのデータ領域にセットされている輝度データの数が32個より少なければ(ステップS6363におけるYES)、FIFOのデータ領域に32個の輝度データをセットすなわち補充し(ステップS6364)、ステップS6365に移る。一方、FIFOのデータ領域にセットされている輝度データの数が32個より多ければ(ステップS6363におけるNO)、ステップS6366に移る。上記の32個は、上述したとおり、FIFOにセットできるデータ数の半分である。
ホスト制御回路2100は、ステップS6365において、経過時間をリセットし(ステップS6365)、経過時間の計時を開始する(ステップS6366)。ステップS6366において経過時間の計時を開始すると、ホスト制御回路2100は、バックライト制御処理を終了する。
図204に戻り、ホスト制御回路2100は、ステップS6351のバックライト制御処理を終了したのち、役物モータ制御を行う(ステップS6352)。
この変形例において、ホスト制御回路2100は、役物モータ制御のように処理に時間を要する可能性がある処理を行ったのち、ステップS6366で計時を開始した経過時間が所定時間以上経過したか否かを判別する(ステップS6353)。所定時間以上経過していれば(ステップS6353におけるYES)、FIFOのデータ領域に32個の輝度データをセットする(ステップS6354)。一方、所定時間以上経過していなければ(ステップS6353におけるNO)、FIFOのデータ領域に輝度データを補充する必要がないため、ステップS6357に移る。
なお、上述したとおり、SPIで16ビット(輝度データの1データが16bit)のデータ送信に要する時間が0.16msecであるから、32個の輝度データを送信するためには5.12msec要すると考えられる。そこで、この変形例では、ステップS6353において、所定時間として5.12msec以上経過したか否かを判別している。
ホスト制御回路2100は、ステップS6354の処理を行ったのち、経過時間をリセットし(ステップS6355)、経過時間の計時を再び開始する(ステップS6356)。そして、ステップS6356において経過時間の計時を開始すると、ホスト制御回路2100は、入力状態判定処理(ステップS6357)を行い、タイマ割り込み処理を終了する。
このように、FIFOのデータ領域に輝度データをセットしたときに計時を開始し、時間を要する可能性のある処理のあとに、上記の計時時間が所定時間以上経過していれば輝度データを補充することで、FIFOのデータ領域にある輝度データが空になることを防止することが可能となる。
なお、この変形例では、ステップS6353〜ステップS6357の処理を、役物モータ制御(ステップS6352)のあとに行う例について説明したが、これはあくまでも一例である。すなわち、FIFOのデータ領域にセットされている輝度データが空になることを防止する観点からいえば、ステップS6353〜ステップS6357の処理を、処理に時間を要する可能性のある処理のあとに行えばよく、かかる処理は特定の処理に限定されるものではない。
[10−5.バックライトおよび各種LEDの輝度調整]
次に、バックライトおよび各種LEDの輝度調整のバリエーションについて説明する。各種LEDとは、盤側LED(例えば、遊技盤ユニット1017に配されるLED)や枠側LED等が相当し、本明細書ではLEDを含むランプ群1025等(例えば、図144参照)がこれにあたる。さらに本明細書では、バックライトおよび各種LEDの輝度調整のバリエーションとして、第1実施例〜第3実施例の3つのバリエーションについて、それぞれ、図206〜図209を参照して説明する。図206は、バックライト制御処理を示すタイマ割り込み処理の一例を示すフローチャートである。図207は、バックライトおよび各種LEDの輝度調整の処理の第1実施例を説明するためのホスト制御回路2100により実行されるサブ制御メイン処理(全体フロー)である。図208は、バックライトおよび各種LEDの輝度調整の処理の第2実施例を説明するためのホスト制御回路2100により実行されるサブ制御メイン処理(全体フロー)である。図209は、バックライトおよび各種LEDの輝度調整の処理の第3実施例を説明するためのホスト制御回路2100により実行されるサブ制御メイン処理(全体フロー)である。ただし、図207〜図209では、説明に必要な処理のみを示しており、その他の処理については省略している。なお、以下に説明する第1実施例〜第3実施例においても、上述したように、ホスト制御回路2100は、FIFOのデータ領域にセットされている輝度データが半分程度になるとFIFOのデータ領域に輝度データを補充する。
なお、FIFOのデータ領域に輝度データを補充するタイミングは、FIFOのデータ領域にセットされている輝度データが半分程度になったときに限られない。本実施形態におけるFIFOのデータ領域は、例えば16bitの輝度データを64個までセットできるため、FIFOのデータ領域にセットされている輝度データが1〜64個であるときに新たにに1個以上の輝度データをセットすれば良い。ただし、バックライトが暗くなってしまう(FIFOのデータ領域にセットされている輝度データが0になってしまう)ことを防止する観点から言えば、FIFOのデータ領域にセットされている輝度データが2個以上であるときに新たに1個以上の輝度データをセットすることが好ましい。また、FIFOのデータ領域にセットできる輝度データの数は64個に限られず、少なくとも2個以上の輝度データをセットできれば良い。このようにFIFOのデータ領域にセットできる輝度データが例えば2個以上であるとき、FIFOのデータ領域にセットされている輝度データが第1の数(例えば2個)を下回ると、第2の数(例えば1個)の輝度データを補充するようにしても良い。
(第1実施例)
例えば遊技者等の操作によってバックライト(例えば液晶表示器等のバックライト)の輝度調整が行われた場合、バックライトの輝度が変更されるが、このとき、盤側LEDや枠側LEDの制御に影響を与える場合がある。本実施形態は、このような場合において、バックライトの輝度設定と、盤側LEDおよび枠側LEDの輝度設定とを共通設定とし、当該設定に応じてバックライト、盤側LEDおよび枠側LEDの制御を行うようにしたものである。これにより、バックライト制御の更新タイミングと、盤側LEDおよび枠側LEDの制御の更新タイミングとが異なっていたとしても、処理を容易にすることが可能となる。
図206のタイマ割り込み処理において、ホスト制御回路2100は、役物モータ制御(ステップS6371)、入力状態判定処理(ステップS6372)、およびバックライト制御処理(ステップS6373)を、この順で行う。
図207に示されるように、ホスト制御回路2100は、初期化処理(ステップS6381)を行ったのち、メインループに移り、LEDリクエスト制御処理を行う(ステップS6382)。ステップS6382で行われるLEDリクエストは、1フレーム前のアニメーション構築処理(後述するステップS6386)において作成されたものである。
ホスト制御回路2100は、ステップS6382の処理を行うと、サブデバイスの入力状態にもとづいて、上述したサブデバイス(ボタン)入力判別情報の生成処理(ステップS6383)を行い、ステップS6384に移る。
ホスト制御回路2100は、ステップS6384において、サブデバイスの入力状態(例えば、表示装置1016として用いられる液晶表示装置に表示される輝度設定画面を遊技者等が操作したこと)にもとづいてバックライトの輝度を設定する。バックライトの輝度は、例えば、強・中・弱の3段階設定となっている。
ステップS6384の処理を行うと、ホスト制御回路2100は、パケット受信ループに移り、先ずは、実行される演出態様と輝度値の設定とに応じて、盤側LEDおよび枠側LEDの輝度値を設定する(ステップS6385)。盤側LEDおよび枠側LEDの輝度も、バックライトと同様に、例えば、強・中・弱の3段階設定となっている。
ここで、盤側LEDおよび枠側LEDの輝度の設定と、バックライトの輝度の設定とを共通設定とすることで、制御負荷の増大を抑制しつつ、盤側LEDおよび枠側LEDの輝度の設定とバックライトの輝度の設定との両方を遊技者等の操作によって変更できるようになっている。例えば、表示装置1016として用いられる液晶表示装置に表示される輝度設定画面を遊技者等が操作したことにもとづいて、ホスト制御回路2100は、バックライトの輝度値を変更する(ステップS6384)とともに、盤側LEDおよび枠側LEDの輝度値も変更する(ステップS6385)。このとき、バックライトの輝度値の段階と、盤側LEDおよび枠側LEDの輝度値の段階とも共通となっている。例えば、バックライトの輝度値の段階が中であれば、盤側LEDおよび枠側LEDの輝度値の段階とも中である。なお、図207に示されるように、バックライトの輝度更新タイミングと、盤側LEDおよび枠側LEDの輝度更新タイミングが異なるため、バックライトの輝度が更新されたのち、盤側LEDおよび枠側LEDの輝度が更新されるようになっている。ただし、バックライトの輝度更新タイミングと、盤側LEDおよび枠側LEDの輝度更新タイミングとが同じとなるように制御しても良い。
なお、バックライトの輝度、盤側LEDおよび枠側LEDの輝度は、表示装置1016として用いられる液晶表示装置に表示される輝度設定画面を遊技者等が操作したことにもとづいて変更されるようになっているが、これに限られず、例えば、演出用の押しボタンを操作したことにもとづいて、バックライトの輝度、盤側LEDおよび枠側LEDの輝度が変更されるようにしても良い。この場合、演出用の押しボタンとして機能する期間(押しボタン有効期間)であるか否かを判断しなければならないため、メインフローの中で盤側LEDおよび枠側LEDの輝度を調整してこれらのLEDの輝度に合わせてバックライトを制御する必要がある。
ホスト制御回路2100は、ステップS6386において、アニメーション構築処理を行う。ステップS6386のアニメーション構築処理では、LEDリクエストが作成される。この作成されたLEDリクエストは、バッファで待機されたのち、次のフレームのLEDリクエスト制御処理(ステップS6382参照)で出力される。
ホスト制御回路2100は、ステップS6385およびステップS6386の処理を、受信したパケットに応じて繰り返し行う。
ホスト制御回路2100は、パケット受信ループを抜けると、アニメーション更新処理を行い(ステップS6387)、その後、バンクフリップ/バンクフリップ終了待ちを行う(ステップS6388)。
ホスト制御回路2100は、メインループにおけるステップS6382〜ステップS6388の各処理を、33.3msec周期で繰り返し行う。
(第2実施例)
例えば遊技者等による輝度調整操作が行われた場合、上述したように、盤側LEDおよび枠側LEDの制御に影響を与える場合がある。本実施形態は、このような場合において、例えば遊技者等による輝度調整操作が行われた場合、バックライトの輝度値はただちに変更するものの、盤側LEDや枠側LEDの制御は、特別図柄の変動終了後やバンクフリップ間で実行するようにしたものである。
ホスト制御回路2100は、上述したとおり、図206のタイマ割り込み処理において、役物モータ制御(ステップS6371)、入力状態判定処理(ステップS6372)、およびバックライト制御処理(ステップS6373)を、この順で行う。
図208に示されるように、ホスト制御回路2100は、初期化処理(ステップS6391)を行ったのち、メインループに移り、LEDリクエスト制御処理を行う(ステップS6392)。ステップS6392で行われるLEDリクエストは、1フレーム前のアニメーション構築処理(後述するステップS6395)において作成されたものである。
ホスト制御回路2100は、ステップS6392の処理を行うと、サブデバイスの入力状態(例えば、遊技者等による輝度調整操作)にもとづいて、上述したサブデバイス(ボタン)入力判別情報の生成処理(ステップS6393)を行い、ステップS6394に移る。
ホスト制御回路2100は、ステップS6394において、サブデバイスの入力状態(例えば、遊技者等による輝度調整操作)にもとづいてバックライトの輝度を設定する。バックライトの輝度は、例えば、強・中・弱の3段階設定となっている。
ステップS6394の処理を行うと、ホスト制御回路2100は、パケット受信ループに移り、アニメーション構築処理を行う(ステップS6395)。ステップS6395のアニメーション構築処理では、LEDリクエストが作成される。この作成されたLEDリクエストは、バッファで待機されたのち、次のフレームのLEDリクエスト制御処理(ステップS6392参照)で出力される。
ホスト制御回路2100は、ステップS6395の処理を、受信したパケットに応じて繰り返し行う。
ホスト制御回路2100は、パケット受信ループを抜けると、アニメーション更新処理を行い(ステップS6396)、その後、バンクフリップ/バンクフリップ終了待ちを行い(ステップS6397)、ステップS6398に移る。
ホスト制御回路2100は、ステップS6398において、表示装置1016としての液晶表示装置に表示される演出用識別の変動が終了したか否か、すなわち演出用識別図柄の変動時間が経過したか否か判別する(ステップS6398)。演出用識別図柄の変動が終了していれば(ステップS6398におけるYES)、ホスト制御回路2100は、その時の設定値に応じて盤側LEDおよび枠側LEDの輝度を変更する(ステップS6399)。一方、特別図柄の変動が終了していなければ(ステップS6398におけるNO)、33.3msec周期のメインループにおけるステップS6392〜ステップS6399の処理を繰り返し行う。なお、ステップS6399の処理は、特別図柄の変動が終了したときに代えてまたは加えて、ステップS6397のバンクフリップの間に行うようにしても良い。
このように、第2実施例では、ホスト制御回路2100は、サブデバイスの入力状態(例えば、遊技者等による輝度調整操作)にもとづいて、遊技者の目に直接影響を及ぼすバックライトの輝度についてはただちに変更されるように制御するが、盤側LEDおよび枠側LEDの輝度については、バックライトの輝度が変更された後であって且つ演出用識別図柄の変動が終了してから変更されるように制御する。また、演出用識別図柄の変動中に遊技者等による輝度調整操作が行われた場合、盤側LEDおよび枠側LEDの輝度については、LEDリクエスト制御処理によって変更する必要があるが、バックライトについてはただちに変更することができる。そのため、サブデバイスの入力状態にもとづいて、バックライトの輝度についてはただちに変更されるように制御するが、盤側LEDおよび枠側LEDの輝度についてはLEDリクエスト制御処理によって変更することによって、制御負荷を最小限に抑えることが可能となる。すなわち、例えば遊技者等による輝度調整操作が1回行われるだけで、制御負荷を最小限に抑えつつ、バックライトの輝度および盤側LEDおよび枠側LEDの輝度を変更することが可能となる。
なお、サブデバイスの入力状態(例えば、遊技者等による輝度調整操作)にもとづいてバックライトの輝度が変更されたとき、ホスト制御回路2100は、上記変更後の輝度にかかる輝度データを、FIFOのデータ領域にセットする。
(第3実施例)
例えば遊技者等による輝度調整操作が行われた場合、上述したように、盤側LEDおよび枠側LEDの制御に影響を与える場合がある。本実施形態は、このような場合において、例えば遊技者等による輝度調整操作が行われた場合、バックライトの輝度値を変更するとともに、盤側LEDおよび枠側LEDの演出については限定的に行うようにしたものである。限定的に行うとは、例えば、盤側LEDおよび枠側LEDの演出において発光するLEDの数を限定したり、盤側LEDおよび枠側LEDによって行われる演出の数を限定すること等が相当する。演出の数を限定するとは、例えば、本来、演出1〜演出5を行うところ、演出1〜3のみ行い、演出4および演出5については省略して行わないようにすること等が相当する。これにより、直接的に輝度値を変更しなくとも、盤側LEDおよび枠側LEDの演出が制限されるため、盤側LEDおよび枠側LEDから遊技者が受ける光の強度が抑制されることとなる。また、バックライト制御の更新タイミングと、盤側LEDおよび枠側LEDの制御の更新タイミングとが異なっていたとしても、処理を容易にすることが可能となる。
ホスト制御回路2100は、上述したとおり、図206のタイマ割り込み処理において、役物モータ制御(ステップS6371)、入力状態判定処理(ステップS6372)、およびバックライト制御処理(ステップS6373)を、この順で行う。
図209に示されるように、ホスト制御回路2100は、初期化処理(ステップS6401)を行ったのち、メインループに移り、LEDリクエスト制御処理を行う(ステップS6402)。ステップS6402で行われるLEDリクエストは、1フレーム前のアニメーション構築処理(後述するステップS6407)において作成されたものである。
ホスト制御回路2100は、ステップS6402の処理を行うと、サブデバイスの入力状態にもとづいて、上述したサブデバイス(ボタン)入力判別情報の生成処理(ステップS6403)を行い、ステップS6404に移る。
ホスト制御回路2100は、ステップS6404において、サブデバイスの入力状態(例えば、遊技者等による輝度調整操作)にもとづいてバックライトの輝度を設定する。バックライトの輝度は、例えば、強・中・弱の3段階設定となっている。
ステップS6404の処理を行うと、ホスト制御回路2100は、輝度の設定変更があったか否かを判別する(ステップS6405)。輝度の設定変更があれば(ステップS6405におけるYES)、ホスト制御回路2100は、その時に設定時に応じて盤側LEDおよび枠側LEDの輝度を限定し(ステップS6406)、パケット受信ループに移る。一方、輝度値の設定変更がなければ(ステップS6405におけるNO)、ホスト制御回路2100は、ステップS6406の処理を行わずにパケット受信ループに移る。
パケット受信ループに移ると、ホスト制御回路2100は、アニメーション構築処理を行う(ステップS6407)。ステップS6407のアニメーション構築処理では、LEDリクエストが作成される。この作成されたLEDリクエストは、バッファで待機されたのち、次のフレームのLEDリクエスト制御処理(ステップS6402参照)で出力される。
ホスト制御回路2100は、ステップS6407の処理を、受信したパケットに応じて繰り返し行う。
ホスト制御回路2100は、パケット受信ループを抜けると、アニメーション更新処理を行い(ステップS6408)、その後、バンクフリップ/バンクフリップ終了待ちを行う(ステップS6409)。
ホスト制御回路2100は、33.3msec周期のメインループにおけるステップS6402〜ステップS6409の処理を繰り返し行う。
なお、上述したバックライトおよび各種LEDの輝度調整(第1実施例〜第3実施例)について、本実施形態のバックライト制御処理は、上述したとおり、SPI非同期データライト(SPI+DMA)の機能を用いて例えばSPIのシリアル出力端子から連続して絶え間なくPWM相当の信号が出力される。これに対し、盤側LEDや枠側LEDについては、例えば図207のステップS6382に示されるように、メインループの1フレーム前に作成されたLEDリクエストにもとづいてLEDが制御される。そのため、バックライトおよび各種LEDの輝度調整が行われたとしても、バックライトの輝度が変更されるタイミングと、盤側LEDや枠側LEDの輝度が変更されるタイミングとは異なる。
[10−6.RTC取得処理]
次に、RTC取得処理について、図210を参照して説明する。上述したとおり、RTC取得処理は、各種初期化処理(図196のステップS6201参照)内およびメインループ内(図196のステップS6201参照)の両方で行われる。なお、図210は、RTC取得処理の一例を示すフローチャートである。
例えば、RTCとの通信を行うことができなかったり、RTC自体に異常が発生しているとき等、RTC異常により正確な時刻を取得できない場合、時刻が更新されずに前回時刻のままとなる。そのため、RTC時刻にもとづいてRTC演出(例えば、クリスマスの時期にクリスマスに関連する演出等)を実行する場合、RTC異常が発生すると、RTC演出を実行することができなくなってしまうおそれがある。さらには、RTC以上が発生するとRTC時刻が更新されないため、RTC演出が実行されたままであったり、予期しないときにRTC演出が実行されるといったことが発生するおそれがある。
そこで、本実施形態のRTC取得処理では、RTC異常である場合、すなわち前回のRTC時刻と現在のRTC時刻とが異なる場合に、現在の時刻にもとづいてRTC演出を実行するようにしている。なお、RTCには二次電池が設けられており、ホスト制御回路2100の電源が切断された状態でも時刻を管理することが可能となっている。また、ホスト制御回路2100は、RTCから時刻を取得し、エラー発生時刻などの管理を行っている。
図210に示されるように、RTC取得処理において、ホスト制御回路2100は、先ず、RTC時刻を取得し(ステップS6412)、その後、ステップS6413に移る。
ホスト制御回路2100は、ステップS6413において、前回時刻の更新を行う。この前回時刻の更新では、後述するステップS6416で更新された現在時刻を前回時刻として更新する。その後、ホスト制御回路2100は、RTCが異常であるか否かを判別する(ステップS6414)。RTCが異常であれば(ステップS6414におけるYES)、現在時刻を維持し(ステップS6415)、ステップS6417に移る。一方、RTCが異常でなければ(ステップS6414におけるNO)、現在時刻の更新を行い(ステップS6416)、ステップS6417に移る。
なお、本実施形態のRTC取得処理では、前回時刻を更新(ステップS6413)した後にRTCが異常であるか否かを判別している(ステップS6414)が、これに代えて、前回時刻を更新する前にRTCが異常であるか否かを判別し、RTCが異常でなければ前回時刻を更新して現在時刻が維持されないように制御しても良い。
ホスト制御回路2100は、ステップS6417において、現在時刻が指定時刻(例えば、RTC演出を実行する時刻)であるか否かを判別する。現在時刻が指定時刻であれば(ステップS6417におけるYES)、ステップS6418に移り、現在時刻が指定時刻でなければ(ステップS6417におけるNO)、ステップS6420に移る。
ホスト制御回路2100は、ステップS6418において、前回時刻と現在時刻とが不一致であるか否かを判別する。RTC異常である場合、前回時刻と現在時刻とが不一致(ステップS6418におけるYES)となる。前回時刻と現在時刻とが不一致であれば(ステップS6418におけるYES)、RTC演出実行フラグを1にセットする(ステップS6419)。すなわち、RTC異常である場合には、現在時刻が指定時刻となったときにRTC演出を実行することとなる。そして、ステップS6419の処理を行うと、ホスト制御回路2100は、RTC取得処理を終了する。一方、前回時刻と現在時刻とが不一致でなければ(ステップS6418におけるNO)、ステップS6420に移る。
ホスト制御回路2100は、ステップS6420において、RTC演出実行フラグを0にセットする。そして、ステップS6420の処理を行うと、ホスト制御回路2100は、RTC取得処理を終了する。
このように、本実施形態では、RTC異常であったとしても、現在時刻が指定時刻となったときにRTC演出を実行することで、RTC演出が実行されないといった事態を回避することが可能となる。
[10−7.コンポジション再生制御]
次に、コンポジション再生制御について、図211および図212を参照して説明する。
コンポジションは、例えば表示装置1016として用いられる液晶表示装置に表示される画像(ムービー)を構成するための素材データを組み合わせたシーンデータであり、一般的には複数のレイヤーから成る。レイヤーには、アニメーションやベクトルグラフィックス、静止画、ライトなどが含まれる。
図211は、表示制御回路2300により実行されるアニメーション制御メイン処理の一例を示すフローチャートである。このアニメーション制御メイン処理は、ホスト制御回路2100により実行されるアニメーション構築処理(図196のステップS6211参照)において出力された描画リクエストの制御信号を入力したことに基づいて実行される。図211に示されるように、表示制御回路2300は、先ず、コンポジション再生情報をクリアする(ステップS6431)。そして、表示制御回路2300は、コンポジション再生制御処理を実行する(ステップS6432)。このコンポジション再生制御処理については後述する。その後、表示制御回路2300は、最上位直接描画関数を実行し(ステップS6433)、アニメーション制御メイン処理を終了する。
図212は、表示制御回路2300により実行されるコンポジション再生制御処理の一例を示すフローチャートである。図212に示されるように、表示制御回路2300は、先ず、判定したプライオリティ数がプライオリティ数の上限未満(または上限以下)であるか否かを判別する(ステップS6441)。判定したプライオリティ数がプライオリティ数の上限未満(または上限以下)であれば(ステップS6441におけるYES)、ステップS6442に移る。プライオリティ数は同時に再生するコンポジションのレイヤーの数であり、プライオリティ数の上限は再生されるコンポジションにもとづいて予め決められている。したがって、ホスト制御回路2100による処理が正常である限り、判定したプライオリティ数がプライオリティ数の上限を超えることはない。よって、表示制御回路2300は、判定したプライオリティ数がプライオリティ数の上限を超える場合(ステップS6441におけるNO)には、コンポジション再生制御処理を終了する。
表示制御回路2300は、ステップS6442において、判定したディスプレイ数が使用可能なディスプレイ数未満(または以下)であるか否か、すなわち、判定したディスプレイ数がシステム上使用可能な(例えば搭載された)ディスプレイ数未満(または以下)であるか否かを判別する(ステップS6442)。判定したディスプレイ数が使用可能なディスプレイ数未満(または以下)であれば(ステップS6442におけるYES)、ステップS6443に移る。
表示制御回路2300は、ステップS6443において、使用したディスプレイ番号が0でないか否か、すなわち、使用可能なディスプレイ番号の存在有無を判別する。使用したディスプレイ番号が0でなければ(ステップS6443におけるYES)、すなわち、使用可能なディスプレイ番号が存在していれば、表示制御回路2300は、ステップS6444に移る。一方、使用したディスプレイ番号が0であれば(ステップS6443におけるNO)、すなわち、使用可能なディスプレイ番号が存在していなければ、表示制御回路2300は、ステップS6459に移る。
ところで、本実施形態のパチンコ遊技機1001では、コンポジションが登録されるフレームバッファとして、2つのフレームバッファを備えている。これら2つのフレームバッファは、バンクフリップにより、一方のフレームバッファの機能を描画機能から表示機能に切り替えるとともに、他方のフレームバッファの機能を表示機能から描画機能に切り替えて使用される。以下、この明細書において、表示機能を有するフレームバッファを単に「フレームバッファ」と称し、描画機能を有するフレームバッファを「描画結果出力先バッファ」と称する。
表示制御回路2300は、ステップS6444において、描画結果出力先バッファにコンポジションが登録されているか否かを判別する。なお、このステップS6444の判別処理では、コンポジションが全部登録されているか否か(すなわち、未登録のものがないか)を判別している。描画結果出力先バッファにコンポジションが全部登録されていれば(ステップS6444におけるYES)、表示制御回路2300は、描画ターゲットを設定する(ステップS6445)。描画ターゲットを設定とは、描画を行う先のディスプレイを設定する処理である。描画結果出力先バッファにコンポジションが登録されていなければ(ステップS6444におけるNO)、すなわち未登録のコンポジションがあれば、表示制御回路2300は、ステップS6450に移る。
表示制御回路2300は、ステップS6446において、描画結果出力先バッファをフレームバッファに設定する。すなわち、このステップS6446の処理は、バンクフリップにより、描画結果出力先バッファがフレームバッファに切り替えられる処理である。このとき、フレームバッファから切り替えられた描画結果出力先バッファに登録されているコンポジションはクリアされる。その後、表示制御回路2300は、ステップS6446のバンクフリップで描画出力先バッファから切り替えられたフレームバッファに登録されているコンポジションにポーズフラグがあるか否かを判別する(ステップS6447)。ポーズフラグは画像を一時停止させるデバッグ機能のフラグであり、このポーズフラグがある場合(ステップS6447におけるYES)、表示制御回路2300は、ステップS6446のバンクフリップでフレームバッファから切り替えられた描画出力先バッファに、コンポジション再生情報を登録する(ステップS6448)とともにコンポジションの再生を行う(ステップS6449)。一方、ポーズフラグがなければ(ステップS6447におけるNO)、ステップS6459に移る。なお、コンポジションの再生情報とは、例えば、フレームバッファのサイズ、コンポジションのサイズ、再生される画像の4頂点の座標、コンポジション登録情報、再生するループコンポジション、コンポジション長さ、開始フレーム設定、ループ再生フラグ等である。また、コンポジションの再生情報の登録とは、コンポジションの再生情報を集めることであり、コンポジション再生とは、集めたコンポジションの再生情報を登録することである。コンポジションの再生情報が登録されるとき、前の再生情報はクリアされる。
表示制御回路2300は、ステップS6450において、描画結果出力先バッファに再生したフレーム数が上限以上であるか否か(すなわち、再生したフレーム数が、コンポジションが持つフレーム数を超えたか否か)を判別する。表示制御回路2300は、描画結果出力先バッファに再生したフレーム数が上限以上でなければ(ステップS6450におけるNO)、ステップS6457に移り、描画結果出力先バッファに、コンポジション再生情報を登録する(ステップS6457)とともにコンポジションの再生を行う(ステップS6458)。
表示制御回路2300は、ステップS6450において、描画結果出力先バッファに再生したフレーム数が上限以上であると判別すると(ステップS6450におけるYES)、ステップS6451に移る。
表示制御回路2300は、ステップS6451において、フレームバッファに登録されているコンポジションの再生モードがループ再生であるか否かを判別する。フレームバッファに登録されているコンポジションの再生モードがループ再生であれば(ステップS6451におけるYES)、表示制御回路2300は、ループ再生時に最初から再生を行い(ステップS6452)、その後、ステップS6457に移る。フレームバッファに登録されているコンポジションの再生モードがループ再生でなければ(ステップS6451におけるNO)、表示制御回路2300は、ステップS6453に移る。
表示制御回路2300は、ステップS6453において、フレームバッファに登録されているコンポジションの再生モードがフレーム継続表示であるか否かを判別する。フレームバッファに登録されているコンポジションの再生モードがフレーム継続表示であれば(ステップS6453におけるYES)、表示制御回路2300は、フレーム継続表示時に最終フレームを再生し(ステップS6454)、その後、ステップS6457に移る。フレームバッファに登録されているコンポジションの再生モードがフレーム継続表示でなければ(ステップS6453におけるNO)、表示制御回路2300は、ステップS6455に移る。
表示制御回路2300は、ステップS6455において、フレームバッファに登録されているコンポジションの再生モードがショット再生であるか否かを判別する。再生モードがショット再生であれば(ステップS6455におけるYES)、表示制御回路2300は、ショット再生時にコンポジションをクリアし(ステップS6456)、その後、ステップS6459に移る。フレームバッファに登録されているコンポジションの再生モードがショット再生でなければ(ステップS6455におけるNO)、表示制御回路2300は、ステップS6457に移る。
なお、ステップS6457のコンポジション再生情報登録は、原則として、描画結果出力先バッファにコンポジションが登録されていないとき(ステップS6444においてNOと判別された場合)に行われる処理である。ただし、表示制御回路2300は、上述したとおり、ステップS6446のバンクフリップで描画出力先バッファから切り替えられたフレームバッファにポーズフラグがある場合にも(ステップS6447におけるYES)、ステップS6446のバンクフリップでフレームバッファから切り替えられた描画出力先バッファに、コンポジション再生情報を登録する(ステップS6448)とともにコンポジションの再生を行う(ステップS6449)。このように、ステップS6446のバンクフリップで描画出力先バッファから切り替えられたフレームバッファにポーズフラグがある場合には(ステップS6447におけるYES)、ただちに描画出力先バッファにコンポジション再生情報が登録される(ステップS6448)とともにコンポジションの再生が行われる(ステップS6449)ので、迅速な処理を行うことが可能となる。
表示制御回路2300は、ステップS6459において、判定したディスプレイ数に1を加算し、ステップS6442に戻る。
なお、表示制御回路2300は、ステップS6442において、判定したディスプレイ数が使用可能なディスプレイ数の上限を超えると判別した場合(ステップS6442におけるNO)、直接描画するデータがあれば直接描画関数を実行する(ステップS6460)。その後、表示制御回路2300は、判定したプライオリティ数に1を加算し(ステップS6461)、ステップS6441に戻る。
このように、本実施形態のコンポジション再生制御では、描画出力先バッファにコンポジションが登録されている状態では、原則として新たなコンポジションの再生情報を登録しない。ただし、特定条件が成立しているとき(ステップS6447においてYESと判別されたとき、すなわち描画出力先バッファに登録されているコンポジションにポーズフラグがあるとき)に限り、コンポジションが登録されていないときの処理(コンポジション再生情報登録)を行うことが可能となる。つまり、描画出力先バッファにコンポジションが登録されている状態において、再度、任意のタイミングでコンポジションの登録を行うことが可能であるため、再度(新たに)登録されたコンポジションの内容によるが、演出の上書きや、演出のスキップ、演出の停止を行うことが可能となる。
また、ステップS6441の処理(判定したプライオリティ数がプライオリティ数の上限未満(または上限以下)であるか否かを判別する処理(判定したディスプレイ数が使用可能なディスプレイ数未満(または以下)であるか否かを判別する処理)がステップS6442の処理よりも上位の処理である。そのため、ステップS6459の処理からステップS6442に戻って処理を行うことで、ステップS6441で判定したプライオリティ数を複数のディスプレイに対して共通化することができ、処理負荷の軽減を図ることが可能となる。
[10−8.サウンドアンプチェック処理]
次に、図197に示されるサウンドアンプチェック処理について、図213〜図215を参照して説明する。このサウンドアンプチェック処理では、デジタルオーディオパワーアンプ2620(以下、「サウンドアンプ」と称する)が異常状態でないかどうか(例えば、過電流異常、高温異常、音声信号が変化しないDC検出異常等)の判定や、サウンドアンプの設定情報の確認等が行われる。図213は、サウンドアンプチェック処理の一例を示すフローチャートである。図214は、通常用アンプチェック処理の一例を示すフローチャートである。図215は、重低音用アンプチェック処理の一例を示すフローチャートである。
本実施形態のパチンコ遊技機1001では、サウンドアンプとして、通常の音声データを増幅する通常用アンプと、重低音の音声データを増幅する重低音用アンプとを備えている。
図213に示されるように、ホスト制御回路2100は、通常用アンプチェック処理(ステップS6471)と、重低音用アンプチェック処理(ステップS6472)とを行う。
図214に示されるように、通常用アンプチェック処理では、ホスト制御回路2100は、先ず、バイナリファイルから設定が行われたか否かを判別する(ステップS6481)。初期化時にバイナリファイルがあれば、バイナリファイルから設定が行われる。なお、初期化時の処理は、電源投入時のみならず、アンプチェックで問題が発見されて再設定する際にも実行される。また、本実施形態では、バイナリファイルから設定が行われるようにしたが、これに限られず、バイナリファイルのように読み出した設定と異なる記憶領域であれば良い。
ホスト制御回路2100は、バイナリファイルから設定が行われたと判別すると(ステップS6481におけるYES)、チェックするレジスタ値の基準となるレジスタが正常であるか否かの判定処理を行い(ステップS6482)、その後、ステップS6483に移る。ステップS6482の判定処理では、番地順にレジスタの値をチェックしていくので、チェックを開始するレジスタの値が存在するか否か、またその値が正常であるか否かを判定する。
ホスト制御回路2100は、ステップS6483において、バイナリファイルからの受信データの並び替え処理を行う。その後、ホスト制御回路2100は、レジスタのRAMの値と受信データとを比較し(ステップS6484)、通常用アンプの値が正常であるか否かの判定処理を行う(ステップS6485)。ホスト制御回路2100は、ステップS6485の判定処理を行うと、通常用アンプチェック処理を終了する。
一方、ステップS6481においてバイナリファイルから設定が行われていなければ(ステップS6481におけるNO)、ホスト制御回路2100は、デフォルト値と設定値とを比較する処理(ステップS6486)を行い、通常用アンプチェック処理を終了する。通常用アンプチェック処理を終了すると、ホスト制御回路2100は、重低音用アンプチェック処理を行う。
図215に示されるように、重低音用アンプチェック処理では、ホスト制御回路2100は、先ず、バイナリファイルから設定が行われたか否かを判別する(ステップS6491)。
ホスト制御回路2100は、バイナリファイルから設定が行われたと判別すると(ステップS6491におけるYES)、チェックするレジスタが正常であるか否かを判定する処理を行い(ステップS6492)、その後、ステップS6493に移る。
ホスト制御回路2100は、ステップS6493において、ハード不具合により値が読めない場合を考慮し、レジスタ0x17−0x25を適当な値(バイナリファイル情報)でクリアする。
ホスト制御回路2100は、ステップS6494において、バイナリファイルからの受信データの並び替え処理を行う。その後、ホスト制御回路2100は、レジスタのRAMの値と受信データとを比較し(ステップS6495)、RAMアドレスの更新処理を行う(ステップS6496)。ホスト制御回路2100は、ステップS6496の更新処理を行うと、重低音用アンプチェック処理を終了する。
一方、ステップS6491においてバイナリファイルから設定が行われていなければ(ステップS6491におけるNO)、ホスト制御回路2100は、デフォルト値と設定値とを比較する処理(ステップS6497)を行い、重低音用アンプチェック処理を終了する。
このように本実施形態では、ホスト制御回路2100は、1msecの割り込み処理において、サウンドアンプチェック処理を行うようにしている。ところで、このようなサウンドアンプチェック処理は、メインループで行うことも可能である。しかし、サウンドアンプチェック処理をメインループで行う場合、サウンドアンプチェック処理に時間を要すると他の処理を圧迫するおそれがある。そこで、本実施形態のように割り込み処理においてサウンドアンプチェック処理を行うことで、メインループにおける他の処理を圧迫することなくサウンドアンプチェック処理を行うことが可能となる。
また、タイマ割り込み処理(図197参照)に示されるサウンドアンプチェック処理は、例えば図216に示されるように、1msecの割り込み処理において、通常用アンプ/重低音用アンプ(一括)チェック処理(ステップS6498)を行うようにしても良い。この通常用アンプ/重低音用アンプ(一括)チェック処理(ステップS6498)は、通常用アンプチェック処理(図214参照)および重低音用アンプチェック処理(図215参照)を一括で行う処理である。
ところが、1msecの割り込み処理においてサウンドアンプチェック処理を行うと、このサウンドアンプチェック処理の全部を実行できない場合が生じうる。そこで、サウンドアンプチェック処理のより好ましい実施の形態について、図217〜図219を参照して説明する。図217は、サウンドアンプチェック処理のより好ましい形態の一例を示すフローチャートである。図218は、通常用アンプ・重低音用アンプチェック処理のより好ましい形態の一例を示すフローチャートである。図219は、通常用アンプ・重低音用アンプチェック処理のより好ましい形態の一例を示しており、図218から続くすフローチャートである。
サウンドアンプチェック処理のより好ましい実施の形態では、図217に示されるように、ホスト制御回路2100は、通常用アンプ・重低音用アンプ(分割)チェック処理を行う(ステップS6499)。この通常用アンプ・重低音用アンプ(分割)チェック処理は、詳細は後述するが、通常用アンプの各チェック処理および重低音用アンプの各チェック処理を分割し、1msecの割り込み処理内でできる範囲内でチェック処理を行い、次回以降のフレームで続きの処理を行うようにしたものである。つまり、通常用アンプの全チェック処理および重低音用アンプの全チェック処理のうち、1回割り込み処理では一部のチェック処理しか行わないが、複数回の割り込み処理にまたがって全部のチェックを行うようにしたものである。このようにすることで、割り込み処理において、通常用アンプのチェック処理および重低音用アンプのチェック処理が途中で終了することなく全部を実行することが可能となる。
図218に示されるように、通常用アンプ・重低音用アンプ(分割)チェック処理では、ホスト制御回路2100は、先ず、バイナリファイルから設定が行われたか否かを判別する(ステップS6501)。
ホスト制御回路2100は、バイナリファイルから設定が行われたと判別すると(ステップS6501におけるYES)、チェックステータスが0であるか否かを判別する(ステップS6502)。チェックステータスが0であると(ステップS6502におけるYES)、ホスト制御回路2100は、通常用アンプのチェックするレジスタ値が正常であるか否かの判定処理を行う(ステップS6503)。ステップS6503の処理を行ったのち、ホスト制御回路2100は、チェックステータスを1にセットし(ステップS6504)、通常用アンプ・重低音用アンプ(分割)チェック処理を終了する。なお、ホスト制御回路2100は、ステップS6502においてチェックステータスが0でないと判別すると(ステップS6502におけるNO)、ステップS6505に移る。なお、ステップS6503の処理は、複数のレジスタのうちの各レジスタ値が正常であるか否かの判定を、レジスタ毎にさらに分割して行うようにしても良い。
ホスト制御回路2100は、ステップS6505において、チェックステータスが1であるか否かを判別する。チェックステータスが1であると(ステップS6505におけるYES)、ホスト制御回路2100は、バイナリファイルからの受信データの並び替え処理を行う(ステップS6506)。その後、ホスト制御回路2100は、通常用アンプのレジスタのRAMの値と受信データとを比較し(ステップS6507)、通常用アンプの分割数分の処理を実行したか否かを判別する(ステップS6508)。通常用アンプの分割数分の処理が実行されていれば(ステップS6508におけるYES)、ホスト制御回路2100は、チェックステータスを2にセットし(ステップS6509)、通常用アンプ・重低音用アンプ(分割)チェック処理を終了する。一方、通常用アンプの分割数分の処理が実行されていなければ(ステップS6508におけるNO)、ホスト制御回路2100は、チェックステータスを更新せずに通常用アンプ・重低音用アンプ(分割)チェック処理を終了する。すなわち、チェックステータスが更新されずに1で維持されているため、ホスト制御回路2100は、次回以降のフレームにおいて、チェックステータスが1の場合の処理を再び行う。なお、ホスト制御回路2100は、ステップS6505においてチェックステータスが1でないと判別すると(ステップS6505におけるNO)、ステップS6510に移る。なお、ステップS6508の処理は、複数のレジスタのうちの各レジスタのRAMの値と受信データとを比較する処理を、レジスタ毎にさらに分割して行うようにしても良い。
ホスト制御回路2100は、ステップS6510において、チェックステータスが2であるか否かを判別する。チェックステータスが2であると(ステップS6510におけるYES)、ホスト制御回路2100は、通常用アンプの値が正常であるか否かの判定処理を行う(ステップS6511)。その後、ホスト制御回路2100は、通常用アンプの分割数分の処理を実行したか否かを判別する(ステップS6512)。通常用アンプの分割数分の処理が実行されていれば(ステップS6512におけるYES)、ホスト制御回路2100は、チェックステータスを3にセットし(ステップS6513)、通常用アンプ・重低音用アンプ(分割)チェック処理を終了する。一方、通常用アンプの分割数分の処理が実行されていなければ(ステップS6512におけるNO)、ホスト制御回路2100は、チェックステータスを更新せずに通常用アンプ・重低音用アンプ(分割)チェック処理を終了する。すなわち、チェックステータスが更新されずに2で維持されているため、ホスト制御回路2100は、次回以降のフレームにおいて、チェックステータスが2の場合の処理を再び行う。なお、ホスト制御回路2100は、ステップS6510においてチェックステータスが2でないと判別すると(ステップS6510におけるNO)、ステップS6514(図219参照)に移る。
図219を参照して、ホスト制御回路2100は、ステップS6514において、チェックステータスが3であるか否かを判別する。チェックステータスが3であると(ステップS6514におけるYES)、ホスト制御回路2100は、重低音用アンプのチェックするレジスタ値が正常であるか否かの判定処理を行う(ステップS6515)。その後、ホスト制御回路2100は、重低音用アンプの分割数分の処理を実行したか否かを判別する(ステップS6516)。重低音用アンプの分割数分の処理が実行されていれば(ステップS6516におけるYES)、ホスト制御回路2100は、チェックステータスを4にセットし(ステップS6517)、通常用アンプ・重低音用アンプ(分割)チェック処理を終了する。一方、重低音用アンプの分割数分の処理が実行されていなければ(ステップS6516におけるNO)、ホスト制御回路2100は、チェックステータスを更新せずに通常用アンプ・重低音用アンプ(分割)チェック処理を終了する。すなわち、チェックステータスが更新されずに3で維持されているため、ホスト制御回路2100は、次回以降のフレームにおいて、チェックステータスが3の場合の処理を再び行う。なお、ホスト制御回路2100は、ステップS6514においてチェックステータスが3でないと判別すると(ステップS6514におけるNO)、ステップS6518に移る。
ホスト制御回路2100は、ステップS6518において、チェックステータスが4であるか否かを判別する。チェックステータスが4であると(ステップS6518におけるYES)、ホスト制御回路2100は、重低音用アンプのレジスタの値を適当な値でクリアする(ステップS6519)。その後、ホスト制御回路2100は、チェックステータスを5にセットし(ステップS6520)、通常用アンプ・重低音用アンプ(分割)チェック処理を終了する。なお、ホスト制御回路2100は、ステップS6518においてチェックステータスが4でないと判別すると(ステップS6518におけるNO)、ステップS6521に移る。
ホスト制御回路2100は、ステップS6521において、チェックステータスが5であるか否かを判別する。チェックステータスが5であると(ステップS6521におけるYES)、ホスト制御回路2100は、バイナリファイルからの受信データの並び替え処理を行う(ステップS6522)。その後、ホスト制御回路2100は、重低音用アンプのレジスタのRAMの値と受信データとを比較し(ステップS6523)、RAMアドレスの更新を行う(ステップS6524)。その後、ホスト制御回路2100は、重低音用アンプの分割数分の処理を実行したか否かを判別する(ステップS6525)。重低音用アンプの分割数分の処理が実行されていれば(ステップS6525におけるYES)、ホスト制御回路2100は、RAMアドレスの更新が終了したか否かを判別し(ステップS6526)、チェックステータスを0にセットし(ステップS6527)、通常用アンプ・重低音用アンプ(分割)チェック処理を終了する。ステップS6525において重低音用アンプの分割数分の処理が実行されていない場合(ステップS6525におけるNO)、および、ステップS6526においてRAMアドレスの更新が終了していないと判別した場合(ステップS6526におけるNO)、ホスト制御回路2100は、チェックステータスを更新せずに通常用アンプ・重低音用アンプ(分割)チェック処理を終了する。すなわち、チェックステータスが更新されずに5で維持されているため、ホスト制御回路2100は、次回以降のフレームにおいて、チェックステータスが5の場合の処理を再び行う。なお、ホスト制御回路2100は、ステップS6521においてチェックステータスが5でないと判別すると(ステップS6521におけるNO)、通常用アンプ・重低音用アンプ(分割)チェック処理を終了する。
このように、サウンドアンプチェック処理のより好ましい実施の形態では、通常用アンプの各チェック処理および重低音用アンプの各チェック処理を分割し、1msecの割り込み処理内(すなわち、1フレーム内)でできる範囲内でチェック処理を行い、次回以降のフレームで続きの処理を行うようにしている。このように、1フレーム内で通常用アンプのチェック処理および重低音用アンプのチェック処理の一部ずつが複数フレームにわたって行われるため、各アンプのチェック処理の全部を、複数フレームにわたって実行することが可能となる。
なお、チェックステータスが4であるとき、ホスト制御回路2100は、分割数分の処理を実行したか否かの判定(例えば、チェックステータスが3であればステップS6516の処理が相当する)を行っていない。これは、チェックステータスが4であるときに行われるステップS6519の処理が、1msecの割り込み処理に影響を与えない程度に短いで行うことが可能だからである。言い換えると、チェックステータスが4であるときに行われる処理(ステップS6519)は、チェックステータスが0であるときに行われる処理(ステップS6503)、チェックステータスが1であるときに行われる処理(ステップS6506およびステップS6507)、チェックステータスが2であるときに行われる処理(ステップS6511)、チェックステータスが3であるときに行われる処理(ステップS6515)、チェックステータスが5であるときに行われる処理(ステップS6522〜ステップS6524)と比べて処理に要する時間が短く、1msecの割り込み処理に影響を与えないからである。このように、本実施形態のパチンコ遊技機1001では、処理に要する時間(1msecの割り込み処理に影響を及ぼすか否か)を鑑みて、分割数分の処理を実行したか否かの判定を行うか否かを決めている。ただし、1msecの割り込み処理に影響を与えないような処理(例えばチェックステータスが4であるときに行われるステップS6519のような処理)であっても、分割数分の処理を実行したか否かの判定を行うようにしても良い。
なお、ステップS6503、ステップS6511およびステップS6515の各処理は、複数のレジスタのうちの各レジスタ値が正常であるか否かの判定を、レジスタ毎にさらに分割して行うようにしても良い。この場合、さらに分割した判定の進捗を、第2のチェックステータスにより管理するようにしても良い。すなわち、図218および図219に示される大分類の処理にかかるチェックステータス(第1のチェックステータス)と、大分類の処理をさらに分割した小分類の処理にかかるチェックステータス(第2のチェックステータス)とにより、処理の進捗を管理することができる。同様に、ステップS6506〜S6507およびステップS6522〜S6523の各処理についても、複数のレジスタのうちの各レジスタのRAMの値と受信データとを比較する処理を、レジスタ毎にさらに分割して行うようにしても良い。この場合、さらに分割した処理の進捗を、第2のチェックステータスにより管理するようにしても良い。すなわち、図218および図219に示される大分類の処理にかかるチェックステータス(第1のチェックステータス)と、大分類の処理をさらに分割した小分類の処理にかかるチェックステータス(第2のチェックステータス)とにより、処理の進捗を管理することができる。例えば、小分類の処理や判定の途中で電断が発生した場合にも、電源復帰後に、小分類の処理や判定の進捗状況を第1のチェックステータスと第2のチェックステータスとによってチェックし、各処理や各判定を再開するように制御しても良い。
また、チェックステータスは、電源投入時は0、処理途中で電断したときは、電源復帰後に前回の電断時のチェックステータスから開始する等、様々な設定を行うことが可能である。無論、電断が発生した場合、電源が投入された場合、バックアップクリア(ラムクリア)処理が行われた場合には、電源復帰後にチェックステータスを0に設定し、全ての処理や判定を再度行う(または、初期化処理のうちの一処理として、全ての処理や判定または一部の処理や判定を再度行う)ように制御しても良い。
[10−9.サウンドリクエスト制御処理(同一チャンネルに対して複数のサウンドリクエストがある場合)]
次に、図196に示されるサウンドリクエスト制御処理に関し、同一チャンネルに対して複数のサウンドリクエスト(SACリクエストとも称する)がある場合のサウンドリクエスト制御処理について、図220を参照して説明する。図220は、同一チャンネルに対して複数のサウンドリクエストがある場合のサウンドリクエスト制御処理の一例を示すフローチャートである。
本実施形態のパチンコ遊技機1001では、33.3msec周期で行われるメインループの同一フレームにおいて同一の再生チャンネルに複数のSACリクエストを行う場合、SACリクエストとSACリクエストとの間に例えば2msecの消音コマンドを付して登録を行っている。これにより、SACリクエストにもとづいて出力される遊技音が他の遊技音に被ってしまうことを防止でき、精度の高い遊技音を出力することが可能となっている。ただしこの場合、遊技音が上書きされないというメリットはあるものの、処理に時間を要してしまうおそれがある。そこで、本実施形態のパチンコ遊技機1001では、メインループの同一フレームにおいて同一仮想トラックに複数のSAC番号を指定(登録)する場合、先着のSACリクエストとの間に間隔をあけて後着のSACリクエストを行う場合と、先着のSAC番号との間に間隔をあけずに後着のSACリクエストを行う場合とを設けるようにしている。具体的には以下において説明する。
図220に示されるように、サウンドリクエスト制御処理(同一チャンネルに対して複数のサウンドリクエストがある場合)において、ホスト制御回路2100は、先ず、SAC番号と再生チャンネルの確認を行い(ステップS6541)、その後、ステップS6542に移る。
ホスト制御回路2100は、ステップS6542において、同一の再生チャンネルに対してSACリクエストが複数あるか否かを判別する。例えば、SHOT再生とLOOP再生とではSAC番号が異なるため、間隔をあけずに同一の再生チャンネルに複数のSAC番号が指定される場合がある。同一の再生チャンネルに対してSACリクエストが複数ある場合(ステップS6542におけるYES)、ホスト制御回路2100は、ステップS6543に移る。一方、同一の再生チャンネルに対してSACリクエストが複数なければ(ステップS6542におけるNO)、サウンドリクエスト制御処理を終了する。なお、本実施形態では、一つの再生チャンネルに対して一つの仮想トラックが対応しているので、ステップS6542の判別処理は、同一の仮想トラックに対してSACリクエストがあるか否かの判別と同義である。すなわち、「トラック」は「フレーズ」をデコード再生するためのインターフェースであり、「再生チャンネル」は「フレーズ」を再生する概念である。つまり、「再生チャンネル」を指定して「フレーズ」を再生リクエストすると、対応する「トラック」に割り当てられてフレーズが再生される。また、「仮想トラック」は「フレーズ再生制御用のインターフェイス」のことである。なお、仮想トラックは128チャンネルあり、自動的に32チャンネルのフレーズ再生チャンネルに振り分けることが出来るが、本実施形態ではこの機能を使用していないため、「仮想トラック」=「再生チャンネル」となる。
ホスト制御回路2100は、ステップS6543において、SHOT再生およびLOOP再生のチェイン再生であるか否かを判別する。SHOT再生およびLOOP再生のチェイン再生である場合(ステップS6543におけるYES)、ホスト制御回路2100は、LOOP再生のSACリクエストを1フレーム後(33.3msec後)に実行し(ステップS6544)、サウンドリクエスト制御処理を終了する。SHOT再生およびLOOP再生のチェイン再生である場合に、LOOP再生のSACリクエストを1フレーム遅らせて実行することで、SHOT再生の音が上書きされないようにし、SHOT再生の音が聞き取りにくくなることを防止することが可能となる。一方、SHOT再生およびLOOP再生のチェイン再生でなければ(ステップS6543におけるNO)、ホスト制御回路2100は、ステップS6545に移る。
ホスト制御回路2100は、ステップS6545において、SAC間の消音コマンドが全ての再生チャンネルの消音設定であるか否かを判別する。例えば、特別図柄や装飾図柄の変動表示が終了するとき等には、全ての再生チャンネルに対して一律にSAC間に消音コマンドが設定されている。そして、SAC間の消音コマンドが全ての再生チャンネルの消音設定である場合(ステップS6545におけるYES)には、消音が実行されるように、ホスト制御回路2100は、先着のSACリクエストに対応するSACデータに対して消音コマンドを上書きせずに、後着のSACリクエストに対応するSACデータをセットし(ステップS6546)、サウンドリクエスト制御処理を終了する。一方、SAC間の消音コマンドが全ての再生チャンネルの消音設定でない場合(ステップS6545におけるNO)には、迅速な処理が行われるように、各再生チャンネルの消音コマンドを後着のSACリクエストに対応するSACデータで上書きしてセットし(ステップS6547)、サウンドリクエスト制御処理を終了する。
このように、本実施形態のパチンコ遊技機1001では、メインループの同一フレームにおいて同一の再生チャンネルに複数のSACリクエストを行う場合、この複数のSACリクエストがSHOT再生およびLOOP再生のチェイン再生であるときには、SHOT再生に対してLOOP再生の音が被らないようにLOOP再生のSAC番号を1フレーム(例えば33.3msec)遅らせて実行する。SHOT再生とは例えばフレーズの1回再生であり、LOOP再生とは例えばフレーズをLOOP再生(複数回再生)すること等である。
また、SAC間の消音コマンドが全ての再生チャンネルの消音設定である場合には、消音が実行されるように、消音コマンドを後着のSACデータを上書きせずにSAC番号に対応するSACデータを登録する。これにより、例えば特別図柄の変動表示が終了したときに、次の特別図柄の変動表示が開始されるまでの間(ま)を確保することができる。さらに、SAC間の消音コマンドが全ての再生チャンネルの消音設定でない場合には、各再生チャンネルの消音コマンドを後着のSACリクエストに対応するSACデータで上書きして消音が実行されないようにしている。このように、状況に応じて消音を実行したり実行しないようにすることで、消音による遊技音効果を生かしつつ、処理の迅速性(消音が上書きされることによる迅速性)を担保できるようにしている。
[10−10.サウンドリクエスト制御処理(ボリューム調整が行われた場合)]
次に、図196に示されるサウンドリクエスト制御処理に関し、ボリューム調整が行われた場合のサウンドリクエスト制御処理のバリエーションについて説明する。本明細書では、ボリューム調整が行われた場合のサウンドリクエスト制御処理のバリエーションとして、第1実施例〜第5実施例の5つのバリエーションについて、それぞれ、図221〜図225を参照して説明する。図221は、ボリューム調整が行われた場合のサウンドリクエスト制御処理の第1実施例を示すフローチャートである。図222は、ボリューム調整が行われた場合のサウンドリクエスト制御処理の第2実施例を示すフローチャートである。図223は、ボリューム調整が行われた場合のサウンドリクエスト制御処理の第3実施例を示すフローチャートである。図224は、ボリューム調整が行われた場合のサウンドリクエスト制御処理の第4実施例を示すフローチャートである。図225は、ボリューム調整が行われた場合のサウンドリクエスト制御処理の第5実施例を示すフローチャートである。
(第1実施例)
図221に示されるように、サウンドリクエスト制御処理(ボリューム調整が行われた場合)の第1実施例において、ホスト制御回路2100は、先ず、SAC番号で指定された音声データの入力処理を行う(ステップS6551)。その後、ステップS6552に移る。なお、SAC番号は、ホスト制御回路2100により各チャンネルに登録される。
ホスト制御回路2100は、ステップS6552において、SAC番号で指定された音声データにもとづいて、出力先のスピーカを指定し、ステップS6553に移る。この第1実施例において、SAC番号で指定された音声データには、どのスピーカから出力するかの情報が組み込まれている。スピーカは、例えば、汎用的に使用される(特定の音以外の音である通常音の出力に使用される)共用スピーカと、特定音(エラー音や警告音等)の出力に使用される専用スピーカ(例えば、重低音用のスピーカ)とを有する。なお、ホスト制御回路2100は、複数のスピーカのうちいずれを専用スピーカとするかの設定を、各種初期化処理(例えば、図196の各種初期化処理(ステップS6201)参照)において行う。
ホスト制御回路2100は、ステップS6553において、ハードウェアスイッチによるボリューム制御であるか否かを判別する。ハードウェアスイッチによるボリューム制御であれば(ステップS6553におけるYES)、ハードウェアスイッチによるボリューム制御(図148の符号2810参照)を行い(ステップS6554)、ステップS6556に移る。一方、ハードウェアスイッチによるボリューム制御でなければ(ステップS6553におけるNO)、ユーザーボリューム制御(図148の符号2820参照)を行い(ステップS6555)、ステップS6556に移る。
ホスト制御回路2100は、ステップS6556において、デバッグ時のデバッグボリューム制御(図148の符号2830参照)を行い、その後、ステップS6557に移る。
ホスト制御回路2100は、ステップS6557において、特定音のボリューム制御であるか否かを判別する。特定音は、例えばエラー音等のようにボリューム調整の影響を受けたくない音が相当する。また、SAC番号で指令される音声データには、通常音の出力先が共用スピーカである旨の情報が組み込まれているとともに、特定音の出力先が専用スピーカである旨の情報が組み込まれている。
ステップS6558において特定音のボリューム制御でないと判別すると(ステップS6557におけるNO)、ホスト制御回路2100は、チャンネルに設定されている通常音についてのボリューム制御(図148の符号2840参照)を行い(ステップS6558)、ステップS6560に移る。ステップS6558のボリューム制御では、ボリューム調整に応じた音量に変更する制御が行われる。
一方、ステップS6557において特定音のボリューム制御であると判別すると(ステップS6557におけるYES)、ホスト制御回路2100は、チャンネルに設定されている特定音についてのボリューム制御(図148の符号2850)を行い(ステップS6559)、ステップS6560に移る。ステップS6559のボリューム制御では、ボリューム調整が行われたか否かにかかわらず、ボリューム調整の影響を受けずに一定の音量が出力される制御(すなわち、ボリューム変更操作が行われたとしても、当該操作が行われる前後において一定の音量が出力される制御)が行われる。
ホスト制御回路2100は、ステップS6560において、チャンネル数分(本実施形態では1CH〜32CHの32チャンネル)のボリューム制御が行われたか否かを判別する。
ステップS6560においてチャンネル数分のボリューム設定が行われていれば(ステップS6560におけるYES)、SAC番号で指定された音声データに組み込まれているボリューム制御を行い(ステップS6561)、サウンドリクエスト制御処理を終了する。
ステップS6560においてチャンネル数分のボリューム制御が行われていなければ(ステップS6560におけるNO)、ホスト制御回路2100は、ステップS6557に戻り、チャンネル数分のボリューム制御が行われるまで(ステップS6560においてYESと判別されるまで)、ステップS6557〜ステップS6560の処理が行われる。なお、図221には示されていないが、各チャンネルに対応してSAC番号の指定が行われていることに鑑みれば、ステップS6561の処理についてもチャンネル数分のボリューム制御が行われるようにすると良い。
(第2実施例)
図222に示されるように、サウンドリクエスト制御処理(ボリューム調整が行われた場合)の第2実施例において、ホスト制御回路2100は、先ず、SAC番号で指定された音声データの入力処理を行う(ステップS6571)。その後、ステップS6572に移る。なお、SAC番号は、ホスト制御回路2100により各チャンネルに登録される。
なお、この第2実施例では、例えば、汎用的に使用される(特定の音以外の音である通常音の出力に使用される)共用チャンネルと、特定音(エラー音や警告音等)の出力に使用される専用チャンネルとが用意されている。なお、ホスト制御回路2100は、複数のチャンネル(1〜32CH)のうち特定の音の出力に使用される専用チャンネル(CH31、CH32)と、特定の音以外の音に使用される共用チャンネル(CH1〜CH30)とを、各種初期化処理(例えば、図196の各種初期化処理(ステップS6201)参照)において設定する。
ホスト制御回路2100は、ステップS6572において、ハードウェアスイッチによるボリューム制御であるか否かを判別する。ハードウェアスイッチによるボリューム制御であれば(ステップS6572におけるYES)、ハードウェアスイッチによるボリューム制御(図148の符号2810参照)を行い(ステップS6573)、ステップS6575に移る。一方、ハードウェアスイッチによるボリューム制御でなければ(ステップS6572におけるNO)、ユーザーボリューム制御(図148の符号2820参照)を行い(ステップS6574)、ステップS6575に移る。
ホスト制御回路2100は、ステップS6576において、デバッグ時のデバッグボリューム制御(図148の符号2830参照)を行い、その後、ステップS6576に移る。
ホスト制御回路2100は、ステップS6576において、特定音のボリューム制御であるか否かを判別する。第2実施例においても、特定音は、例えばエラー音等のようにボリューム調整の影響を受けたくない音が相当する。
ステップS6576において特定音のボリューム制御でないと判別すると(ステップS6576におけるNO)、ホスト制御回路2100は、チャンネルに設定されている通常音についてのボリューム制御(図148の符号2840参照)を行い(ステップS6577)、ステップS6578に移る。ステップS6577のボリューム制御では、ボリューム調整に応じた音量に変更する制御が行われる。
一方、ステップS6576において特定音のボリューム制御であると判別すると(ステップS6576におけるYES)、ホスト制御回路2100は、チャンネルに設定されている特定音についてのボリューム制御(図148の符号2850)を行い(ステップS6579)、ステップS6582に移る。ステップS6579のボリューム制御では、ボリューム調整が行われたか否かにかかわらず、ボリューム調整の影響を受けずに一定の音量が出力される制御(すなわち、ボリューム変更操作が行われたとしても、当該操作が行われる前後において一定の音量が出力される制御)が行われる。
ホスト制御回路2100は、ステップS6578において、ボリューム調整の影響を受けない再生チャンネルでの再生であるか否かを判別する。ボリューム調整の影響を受けない再生チャンネル(例えばCH31、CH32)での再生であれば(ステップS6578におけるYES)、一定の音量を指定する(ステップS6580)。ボリューム調整を受ける再生チャンネル(例えば、CH1〜CH30)での再生であれば(ステップS6578におけるNO)、ユーザーボリュームに応じた音量を設定する(ステップS6581)。ステップS6580の処理が終了するとまたはステップS6581の処理が終了すると、ホスト制御回路2100は、ステップS6582に移る。
ホスト制御回路2100は、ステップS6582において、チャンネル数分(本実施形態では1CH〜32CHの32チャンネル)のボリューム制御が行われたか否かを判別する。
ステップS6632においてチャンネル数分のボリューム設定が行われていれば(ステップS6582におけるYES)、SAC番号で指定された音声データに組み込まれているボリューム制御を行い(ステップS6583)、サウンドリクエスト制御処理を終了する。
ステップS6582においてチャンネル数分のボリューム制御が行われていなければ(ステップS6582におけるNO)、ホスト制御回路2100は、ステップS6576に戻り、チャンネル数分のボリューム制御が行われるまで(ステップS6582においてYESと判別されるまで)、ステップS6576〜ステップS6582の処理が行われる。なお、図222には示されていないが、ステップS6583の処理についてもチャンネル数分のボリューム制御が行われるようにすると良い。
(第3実施例)
図223に示されるように、サウンドリクエスト制御処理(ボリューム調整が行われた場合)の第3実施例において、ホスト制御回路2100は、先ず、SAC番号で指定された音声データの入力処理を行う(ステップS6591)。その後、ステップS6592に移る。
ホスト制御回路2100は、ステップS6592において、ハードウェアスイッチによるボリューム制御であるか否かを判別する。ハードウェアスイッチによるボリューム制御であれば(ステップS6592におけるYES)、ハードウェアスイッチによるボリューム制御(図148の符号2810参照)を行い(ステップS6593)、ステップS6595に移る。一方、ハードウェアスイッチによるボリューム制御でなければ(ステップS6592におけるNO)、ユーザーボリューム制御(図148の符号2820参照)を行い(ステップS6594)、ステップS6595に移る。
ホスト制御回路2100は、ステップS6595において、デバッグ時のデバッグボリューム制御(図148の符号2830参照)を行い、その後、ステップS6596に移る。
ホスト制御回路2100は、ステップS6596において、特定音のボリューム制御であるか否かを判別する。第3実施例においても、特定音は、例えばエラー音等のようにボリューム調整の影響を受けたくない音が相当する。
ステップS6596において特定音のボリューム制御でないと判別すると(ステップS6596におけるNO)、ホスト制御回路2100は、チャンネルに設定されている通常音についてのボリューム制御(図148の符号2840参照)を行い(ステップS6597)、ステップS6599に移る。ステップS6597のボリューム制御では、ボリューム調整に応じた音量に変更する制御が行われる。
一方、ステップS6596において特定音のボリューム制御であると判別すると(ステップS6596におけるYES)、ホスト制御回路2100は、チャンネルに設定されている特定音についてのボリューム制御(図148の符号2850)を行い(ステップS6598)、ステップS6599に移る。ステップS6598のボリューム制御では、ボリューム調整が行われたか否かにかかわらず、ボリューム調整の影響を受けずに一定の音量が出力される制御(すなわち、ボリューム変更操作が行われたとしても、当該操作が行われる前後において一定の音量が出力される制御)が行われる。
ホスト制御回路2100は、ステップS6599において、現在、再生チャンネルにあるデータ(再生中のデータ)がボリューム調整の影響を受けないデータであるか否かを判別する。再生チャンネルにあるデータがボリューム調整の影響を受けないデータであれば(ステップS6599におけるYES)、次回、再生チャンネルに一定の音量を指定する(ステップS6600)。再生チャンネルにあるデータがボリューム調整を受けるデータであれば(ステップS6599におけるNO)、次回、再生チャンネルにボリューム調整に応じた音量を設定する(ステップS6601)。ステップS6600の処理が終了するとまたはステップS6601の処理が終了すると、ホスト制御回路2100は、ステップS6602に移る。
ホスト制御回路2100は、ステップS6602において、チャンネル数分(本実施形態では1CH〜32CHの32チャンネル)のボリューム制御が行われたか否かを判別する。
ステップS6602においてチャンネル数分のボリューム設定が行われていれば(ステップS6602におけるYES)、SAC番号で指定された音声データに組み込まれているボリューム制御を行い(ステップS6603)、サウンドリクエスト制御処理を終了する。
ステップS6602においてチャンネル数分のボリューム制御が行われていなければ(ステップS6602におけるNO)、ホスト制御回路2100は、ステップS6599に戻り、チャンネル数分のボリューム制御が行われるまで(ステップS6602においてYESと判別されるまで)、ステップS6599〜ステップS6602の処理が行われる。なお、図223には示されていないが、ステップS6603の処理についてもチャンネル数分のボリューム制御が行われるようにすると良い。
なお、この第3実施例では、ステップS6599において、現在、再生チャンネルにあるデータ(再生中のデータ)がボリューム調整の影響を受けないデータであるか否かを判別し、ステップS6599の判別結果がYESであれば、次回再生チャンネルに一定の音量を設定し(ステップS6600)、ステップS6599の判別結果がNOであれば、次回再生チャンネルにボリューム調整に応じた音量を設定しているが、これに代えて、以下に説明する変形例のようにしても良い。すなわち、この変形例では、ステップS6597およびステップS6598の次のステップの処理として、今回設定される音声データと、当該音声データが設定される再生チャンネルで既に再生中の音声データとが、ボリューム調整の影響を受けないデータであるか否かを確認する処理を行った後、今回の音声データのボリューム調整の設定と前回の音声データのボリューム調整の設定とが同じであるか否かを判別する処理を行う。今回の音声データのボリューム調整の設定と前回の音声データのボリューム調整の設定とが同じである場合には、ボリューム調整の影響を受けないデータであるか否かを判別する処理を行う。今回の音声データのボリューム調整の設定と前回の音声データのボリューム調整の設定とが同じない場合には、今回設定される音声データのボリューム調整の設定を行った後、ボリューム調整の影響を受けないデータであるか否かを判別する処理に移る。ボリューム調整の影響を受けないデータであるか否かを判別する処理に移る。そして、ボリューム調整の影響を受けないデータである場合には、再生チャンネルに一定の音量を設定する処理を行い、ボリューム調整の影響を受けるデータである場合には、再生チャンネルにボリューム調整に応じた音量を設定する処理を行う。その後、ステップS6602のように、チャンネル数分設定したか否かを判別する処理に移ると良い。なお、この変形例において第3実施例と異なる処理は上述した処理だけであり、その他の処理は第3実施例の処理(図223に示されるステップS6592〜ステップS6598の処理、ステップS6602の処理、およびステップS6603の処理)と同じである。
(第4実施例)
図224に示されるように、サウンドリクエスト制御処理(ボリューム調整が行われた場合)の第4実施例において、ホスト制御回路2100は、先ず、SAC番号がボリューム調整の影響を受けるSAC番号であるかどうかを確認する(ステップS6611)。その後、ステップS6612に移る。
ホスト制御回路2100は、ステップS6612において、SAC番号がボリューム調整の影響を受けるか否かを示すフラグを更新し、SAC番号で指定された音声データの入力を行う(ステップS6613)。具体的には、SAC番号がボリューム調整の影響を受ける場合にはフラグをONに設定する(SAC番号がボリューム調整の影響を受けない場合にはフラグはOFF)。
ホスト制御回路2100は、ステップS6614において、ハードウェアスイッチによるボリューム制御であるか否かを判別する。ハードウェアスイッチによるボリューム制御であれば(ステップS6614におけるYES)、ハードウェアスイッチによるボリューム制御(図148の符号2810参照)を行い(ステップS6615)、ステップS6617に移る。一方、ハードウェアスイッチによるボリューム制御でなければ(ステップS6614におけるNO)、ユーザーボリューム制御(図148の符号2820参照)を行い(ステップS6616)、ステップS6617に移る。
ホスト制御回路2100は、ステップS6617において、デバッグ時のデバッグボリューム制御(図148の符号2830参照)を行い、その後、ステップS6618に移る。
ホスト制御回路2100は、ステップS6618において、特定音のボリューム制御であるか否かを判別する。第4実施例においても、特定音は、例えばエラー音等のようにボリューム調整の影響を受けたくない音が相当する。
ステップS6618において特定音のボリューム制御でないと判別すると(ステップS6618におけるNO)、ホスト制御回路2100は、チャンネルに設定されている通常音についてのボリューム制御(図148の符号2840参照)を行い(ステップS6619)、ステップS6620に移る。ステップS6619のボリューム制御では、ボリューム調整に応じた音量に変更する制御が行われる。
一方、ステップS6618において特定音のボリューム制御であると判別すると(ステップS6618におけるYES)、ホスト制御回路2100は、チャンネルに設定されている特定音についてのボリューム制御(図148の符号2850)を行い(ステップS6622)、ステップS6624に移る。ステップS6622のボリューム制御では、ボリューム調整が行われたか否かにかかわらず、ボリューム調整の影響を受けずに一定の音量が出力される制御(すなわち、ボリューム変更操作が行われたとしても、当該操作が行われる前後において一定の音量が出力される制御)が行われる。
ホスト制御回路2100は、ステップS6620において、ボリューム調整の影響を受けない再生チャンネルでの再生か否かを判別する。すなわち、ステップS6612でフラグがONに設定されているか否かを判別する。ボリューム調整の影響を受けない再生チャンネルでの再生である場合(ステップS6620におけるYES)、再生チャンネルに一定の音量を指定し(ステップS6621)、ステップS6624に移る。ボリューム調整の影響を受けない再生チャンネルでの再生でない場合(ステップS6620におけるNO)、再生チャンネルにボリューム調整に応じた音量を設定し(ステップS6623)、ステップS6624に移る。
ホスト制御回路2100は、ステップS6624において、チャンネル数分(本実施形態では1CH〜32CHの32チャンネル)のボリューム制御が行われたか否かを判別する。
ステップS6624においてチャンネル数分のボリューム設定が行われていれば(ステップS6624におけるYES)、SAC番号で指定された音声データに組み込まれているボリューム制御を行い(ステップS6625)、サウンドリクエスト制御処理を終了する。
ステップS6624においてチャンネル数分のボリューム制御が行われていなければ(ステップS6624におけるNO)、ホスト制御回路2100は、ステップS6618に戻り、チャンネル数分のボリューム制御が行われるまで(ステップS6624においてYESと判別されるまで)、ステップS6618〜ステップS6624の処理が行われる。なお、図224には示されていないが、ステップS6625の処理についてもチャンネル数分のボリューム制御が行われるようにすると良い。
(第5実施例)
図225に示されるように、サウンドリクエスト制御処理(ボリューム調整が行われた場合)の第5実施例において、ホスト制御回路2100は、先ず、SAC番号で指定された音声データの入力処理を行う(ステップS6631)。その後、ステップS6632に移る。
ホスト制御回路2100は、音声データが各チャンネルがボリューム調整を受ける音声データであるかどうかを確認する(ステップS6633)。具体的には、SAC番号により指定される音声データがボリューム調整の影響を受ける音声データである場合にはフラグをONに設定する(SAC番号により指定される音声データがボリューム調整の影響を受けない音声データである場合にはフラグはOFF)。
ホスト制御回路2100は、ステップS6633において、ハードウェアスイッチによるボリューム制御であるか否かを判別する。ハードウェアスイッチによるボリューム制御であれば(ステップS6633におけるYES)、ハードウェアスイッチによるボリューム制御(図148の符号2810参照)を行い(ステップS6634)、ステップS6636に移る。一方、ハードウェアスイッチによるボリューム制御でなければ(ステップS6633におけるNO)、ユーザーボリューム制御(図148の符号2820参照)を行い(ステップS6635)、ステップS6636に移る。
ホスト制御回路2100は、ステップS6636において、デバッグ時のデバッグボリューム制御(図148の符号2830参照)を行い、その後、ステップS6637に移る。
ホスト制御回路2100は、ステップS6637において、特定音のボリューム制御であるか否かを判別する。第5実施例においても、特定音は、例えばエラー音等のようにボリューム調整の影響を受けたくない音が相当する。
ステップS6637において特定音のボリューム制御でないと判別すると(ステップS6637におけるNO)、ホスト制御回路2100は、チャンネルに設定されている通常音についてのボリューム制御(図148の符号2840参照)を行い(ステップS6638)、ステップS6639に移る。ステップS6638のボリューム制御では、ボリューム調整に応じた音量に変更する制御が行われる。
一方、ステップS6637において特定音のボリューム制御であると判別すると(ステップS6637におけるYES)、ホスト制御回路2100は、チャンネルに設定されている特定音についてのボリューム制御(図148の符号2850)を行い(ステップS6640)、ステップS6643に移る。ステップS6640のボリューム制御では、ボリューム調整が行われたか否かにかかわらず、ボリューム調整の影響を受けずに一定の音量が出力される制御(すなわち、ボリューム変更操作が行われたとしても、当該操作が行われる前後において一定の音量が出力される)が行われる。
ホスト制御回路2100は、ステップS6639において、ボリューム調整の影響を受けないチャンネルであるか否かを判別する。すなわち、ステップS6632でフラグがONに設定されているか否かを判別する。ボリューム調整の影響を受けないチャンネルであれば(ステップS6639におけるYES)、再生チャンネルに一定の音量を設定する(ステップS6641)。ボリューム調整の影響を受けるチャンネルであれば(ステップS6639におけるNO)、再生チャンネルにボリューム調整に応じた音量を設定する(ステップS6642)。ステップS6641の処理が終了するとまたはステップS6642の処理が終了すると、ホスト制御回路2100は、ステップS6643に移る。
ホスト制御回路2100は、ステップS6643において、チャンネル数分(本実施形態では1CH〜32CHの32チャンネル)のボリューム制御が行われたか否かを判別する。
ステップS6643においてチャンネル数分のボリューム設定が行われていれば(ステップS6643におけるYES)、SAC番号で指定された音声データに組み込まれているボリューム制御を行い(ステップS6644)、サウンドリクエスト制御処理を終了する。
ステップS6643においてチャンネル数分のボリューム制御が行われていなければ(ステップS6643におけるNO)、ホスト制御回路2100は、ステップS6637に戻り、チャンネル数分のボリューム制御が行われるまで(ステップS6643においてYESと判別されるまで)、ステップS6637〜ステップS6643の処理が行われる。なお、図225には示されていないが、ステップS6644の処理についてもチャンネル数分のボリューム制御が行われるようにすると良い。
上述したボリューム調整が行われた場合のサウンドリクエスト制御処理(第1実施例〜第5実施例)によれば、ボリューム調整が行われたときに、通常音についてはボリューム調整に応じた音量を出力しつつ、例えばエラー音等の重大な特定音についてはボリューム調整が行われたとしても一定の音量をスピーカから出力するといった音声制御を容易に行うことが可能となる。
[10−11.LED輝度調整処理]
次に、LEDの輝度調整について、図196および図226を参照して説明する。図226は、強・中・弱のLEDの発光強度に応じた各色(赤、緑、青)の輝度減衰値の一例を示す減衰テーブルである。この減衰テーブルは、サブメインROM2050(例えば、図145参照)に記憶されている。
本実施形態のパチンコ遊技機1001では、例えば遊技者等の操作によって、LEDの輝度を3段階で調整できるように構成されている。具体的には、表示装置1016として用いられる液晶表示装置に表示される輝度設定画面において輝度調整の操作が行われると、ホスト制御回路2100は、図226に示される減衰テーブルの切り替え処理を行う。例えば、3段階の輝度のうち強から中に変更する操作が行われると、ホスト制御回路2100は、参照テーブルを、図226の減衰テーブルの強から中に切り替える処理を行う。
なお、遊技者等の操作によって輝度を調整できるLEDは、例えばガラスドア1013(例えば図137参照)に設けられたLEDであっても良いし、例えば表示装置1016として用いられる液晶表示装置のバックライトであっても良い。なお、LEDの輝度調整は、3段階に限られず、例えばより多くの段階で調整できるように構成されていても良い。
LEDの出力値は、以下の式(1)で示される。
LEDの出力値=LEDデータによる輝度値×(100−輝度減衰値)/100・・・式(1)
上記式(1)のLEDの出力値は、LEDの再生チャンネル毎に設定することもできる。なお、遊技者の操作によって変更されるパラメータは、輝度減衰値である。例えば、輝度減衰値が0であれば輝度が最も強く、輝度減衰値が100であれば輝度が最も弱く消灯する。また、LEDの出力値の計算は、シーケンサ2260b(図146参照)の内部で行われる。
なお、LEDデータおよび再生パターン等を定義するLEDデータテーブルは、ActiveLED(UE)およびLEDMaker(UE)といったツールを用いてBLDファイル(LEDアニメーション)を作成し、この作成されたBLDファイルに情報を付加しつつLEDリスト(Excelマクロ)(UE)で変換して作成される。
ところで、3原色フルカラーLEDの場合、赤、緑および青の輝度減衰値を一律で同じとした場合、ホワイトバランスがくずれてしまい、例えば白色だったものが黄色になったりする場合がある。例えば、LEDの輝度を落とした場合、赤、緑および青のうち、青の輝度減衰値を最も大きくする必要があり、赤の輝度減衰値を最も小さくすることが好ましい。
そこで、本実施形態のパチンコ遊技機1001では、例えば遊技者等の操作によってLEDの輝度が変更された場合であっても、例えば1024個の各ポート毎に輝度減衰値を設定することで、ホワイトバランスを極力維持できるように構成されている。
具体的には、遊技者等の操作によってLEDの輝度が強・中・弱のうちのいずれかに調整されると、音声・LED制御回路2200は、図226の減衰テーブルを参照し、赤、緑および青のそれぞれについて設定された輝度減衰値にもとづいてLEDの輝度を制御する。なお、減衰テーブルは、例えば1024個のポート毎(LED毎)に用意されているため、各ポート毎に減衰値を設定することができる。
例えば、遊技者等の操作によってLEDの輝度が強に設定されると、音声・LED制御回路2200のシーケンサ2260bは、赤の輝度減衰値0、緑の輝度減衰値5および青の輝度減衰値25を上記の式(1)に代入し、LEDの出力値を算出する。同様に、音声・LED制御回路2200のシーケンサ2260bは、遊技者等の操作によってLEDの輝度が中に設定されると、赤の輝度減衰値50、緑の輝度減衰値53および青の輝度減衰値63を上記の式(1)に代入し、遊技者等の操作によってLEDの輝度が弱に設定されると、赤の輝度減衰値80、緑の輝度減衰値81および青85の輝度減衰値を上記の式(1)に代入し、LEDの出力値を算出する。そして、音声・LED制御回路2200は、このようにして算出されたLEDの出力値にもとづいてLEDの発光を制御する。
このように、音声・LED制御回路2200は、赤、緑および青それぞれに対応して設定された輝度減衰値にもとづいてLEDの出力値を算出し、この算出されたLEDの出力値にもとづいてLEDの発光を制御することで、例えば遊技者等の操作によってLEDの輝度が変更されたとしても、ホワイトバランスを極力維持することが可能となる。
[10−12.役物ソレノイド制御処理]
次に、役物ソレノイド制御処理について、図196、図197および図227を参照して説明する。図227は、LEDポートと、LEDおよびソレノイドとの接続状態の一例を示すブロック図である。
本実施形態のパチンコ遊技機1001は、例えば遊技領域に設けられた可動体(役物)の動きが多様化しており、それにともなって可動体の制御が複雑化している。そこで、可動体の多種多様な動きのなかでも簡単な動きについては、ソレノイドで役物を構成する部材を動作させたり、ロックする機構を役物に設けたりして、可動体の制御負荷の抑制を図っている。役物を作動させるモータドライバは、モータ動作のリクエスト(役物リクエスト)を受けると、モータ動作データの内容を順番に出力する。モータドライバの出力およびモータ動作終了の判定は、図197に示されるように1msecのタイマ割込処理で行われる。タイマ割込処理では、役物モータの出力判定と終了判定(すなわち、開始と終了の判定)とが行われ、複数のモータの同期制御も行われる。
また、本実施形態のパチンコ遊技機1001の音声・LED制御回路2200は、図227に示されるように、ホスト制御回路2100からの指令にもとづいて、各LEDポートに接続された枠側のLEDおよび盤面側のLED(例えば、遊技盤ユニット1017に配されるLEDや表示装置1016として用いられる液晶表示装置のバックライト)等を、LEDドライバを介して発光を制御している。そして、LEDドライバにより制御されるLEDポート(Port0〜Port23)のうち、Port6に上記のソレノイドを接続し、それ以外のPortにLEDを接続している。
音声・LED制御回路2200は、ホスト制御回路2100からの指令を受けて、枠側LEDおよび盤面側LEDの各ポートに接続されるLEDの発光を、LEDドライバを介して実行しているが、例えばポート6にソレノイドを接続することで、LEDドライバを介してソレノイドの作動も実行することができる。これにより、役物の動きの多様化によりソレノイドの数が増えたとしても、かかる役物の動きの多様性を維持しつつ、役物を作動させるための制御負荷を抑制することが可能となる。
ところで、図227に示されるようにLEDドライバを介して上記のソレノイドの作動を実行する場合、役物を作動させるモータと上記ソレノイドの作動とを同期制御する必要がある。なお、役物の作動は、複数のモータの同期制御も含めて1msecの割り込み処理で行われている。
そこで、本実施形態のパチンコ遊技機1001では、役物シーケンステーブルに制御コードを追加し、上記ソレノイドと役物を作動させる複数のモータとを同期制御したい場合には制御コードに0より大きな値をセットするようにしている。そして、ホスト制御回路2100は、メインループの処理において、役物デバイスで再生中の役物の制御コードを取得し(図196のステップS6204参照)、この取得した制御コードが0より大きな値をもつ場合に、制御コードに対応するLEDポート(例えば、上記のソレノイドが接続されるPort6)の制御を実行する(図196のステップS6205参照)。これにより、上記ソレノイドと役物を作動させる複数のモータとの同期制御を実行することが可能となる。
なお、制御コードに対応するLEDポートの制御をメインループで実行するのは、1msecの割り込み処理で実行される通常のLED制御に影響を及ぼさないようにするためである。
また、本実施形態のパチンコ遊技機1001では、LEDポート(Port0〜Port23)のうち一部のポートにソレノイドを接続しているため、例えば遊技者等の操作によって上述したLEDの輝度調整が行われると、ソレノイドへの電圧も再設定されることになるが、ソレノイドの動作がON/OFFだけであるためソレノイドに与える影響は小さいものと考えられる。また、LEDの発光とソレノイドの動作とを同期させる同期演出を実行する場合には、かかる同期演出を容易に実行することも可能となる。
[10−13.データロード処理]
本実施形態のパチンコ遊技機1001では、電源が投入されたときに実行される各種初期化処理(図196のステップS6201参照)の一つとして、データロード処理が行われる。また、遊技中にデータロード処理が行われることもある。これらのデータロード処理は、ROMからRAMやバッファへのデータ転送(例えば、サブメインROM2050からSRAM2100bへのデータ転送、CGROM2060から内蔵VRAM2370へのデータ転送など(例えば、いずれも図145参照))、すなわち、ROMに記憶されているデータをRAMやバッファにロードする処理(データロード処理)である。
上記のデータロード処理は、転送されるデータ量が多いとロードに時間を要し、ウォッチドッグにリセットがかかってデータロード処理が終了してしまうおそれがある。ウォッチドッグにリセットがかかった場合、当該リセットがかかった原因が、単にデータ量が多くて時間を要したためであるのか、データロード時にエラーが発生したためであるのかを判別することが困難である。また、データロード処理が終了してしまった場合、ホスト制御回路2100は、ロード完了であるのかロード失敗であるのかを判別できずにロード完了を待ち続けることとなってしまい、自動復帰できない状態となるおそれがある。
そこで本実施形態では、データロード処理に要する時間が所定の上限値を超えた場合にはエラーとしてデータロード処理を終了し、再ロードするようにしている。以下、図228を参照して、データロード処理について説明する。図228は、ホスト制御回路2100により各種初期化処理の一つとして実行されるデータロード処理の一例を示すフローチャートである。
図228に示されるように、ホスト制御回路2100は、先ず、転送時間の上限をセットする(ステップS6651)。転送時間とは、ROMからRAMへのデータロードに要する時間である。転送時間の上限は、転送されるデータ量によって変わるが、本実施形態では、以下の式(2)により決定している。
転送時間の上限値=(単位時間あたりの転送データ量)×(転送時間目安+α)・・・式(2)
上記式(2)の単位時間あたりの転送データ量および転送時間目安は、転送されるデータ量にもとづいて予め設定しておいても良いし、転送されるデータ量にもとづいて例えばホスト制御回路2100により算出するようにしても良い。なお、αは、データロードに余裕を持たせるための時間である。
ステップS6651の処理が終了すると、ホスト制御回路2100は、ステップS6652に移り、ROMからRAMへのデータロードを開始する。
ホスト制御回路2100は、データロードを開始(ステップS6652)したのち、データロードを完了したか否かを判別する(ステップS6653)。データロードを完了していなければ(ステップS6653におけるNO)、ホスト制御回路2100は、ステップS6654に移る。一方データロードを完了していれば(ステップS6653におけるYES)、ホスト制御回路2100は、データロード処理を終了する。
ホスト制御回路2100は、ステップS6654において、データ転送時間が上限値を超えていないか否かを判別する。データ転送時間が上限値を超えていれば(ステップS6654におけるYES)、一定時間毎にウォッチドッグタイマのクリア処理を行う(ステップS6655)。一方、データ転送時間が上限値を超えていれば(ステップS6654におけるNO)、ホスト制御回路2100は、エラーが発生したと判定し、エラー処理を実行する。ここで実行されるエラー処理は、ウォッチドッグタイマのクリア処理を行わずにウォッチドッグリセットによりロードデータをリセットし(ステップS6656)、再ロードする処理である。その後、ホスト制御回路2100は、ステップS6654に戻る。すなわち、データ転送時間が上限値を超えた場合(ステップS6654におけるNO)には、エラー処理として再ロードされることとなる。
このように、データロード処理を行う場合、正常なロード中にウォッチドッグリセットがかからないように、ホスト制御回路2100は、ロード完了待ちの間、一定時間毎にウォッチドッグタイマのクリア処理を行い続けるようにしている。ただし、データロード処理が所定の上限値を超えたときには、ホスト制御回路2100は、ロードデータをリセットして再ロードするようにしている。これにより、データロード処理に時間を要した場合であっても、再ロードにより自動復帰されることとなる。
[10−14.サブ乱数処理]
次に、ホスト制御回路2100によるメインループにおいて実行されるサブ乱数処理について説明する。
サブ乱数処理には、電源が投入されたときに各種初期化処理(図196のステップS6201参照)の一つとして実行される乱数初期化処理と、定期的に実行される乱数定期更新処理と、乱数が使用されたときに実行される乱数取得処理とが含まれる。サブ乱数処理は、出玉にかかわるメインCPU101(例えば、図144参照)による特別図柄の抽選とは異なり、出玉に影響を及ぼさない例えば演出態様の決定等に用いられる乱数についての処理である。ただし、以下に説明するサブ乱数処理を、メインCPU101により実行される乱数処理に適用しても良い。上述のこれらのサブ乱数処理について、図229〜図232を参照して説明する。図229は、ホスト制御回路2100により各種初期化処理のうちの一つとして実行される乱数初期化処理の一例を示すフローチャートである。図230は、乱数定期更新処理の一例を示すフローチャートである。図231は、(a)乱数1取得処理の一例を示すフローチャート、(b)乱数2取得処理の一例を示すフローチャート、(c)乱数3取得処理の一例を示すフローチャート、(d)乱数4取得処理の一例を示すフローチャートである。図232は、乱数が使用されたときに実行される乱数取得処理の一例を示すフローチャートである。
本実施形態のパチンコ遊技機1001では、4つの乱数を用いられており(乱数1〜乱数4)、この4つの乱数についての初期化処理は、図196に示されるように、ゲームデータRAMクリアと同じタイミングで実行される。
図229に示されるように、乱数初期化処理において、ホスト制御回路2100は、先ず、RTC時刻(分・秒)を取得し(ステップS6671)、その後、乱数個数分ループに入る。
乱数個数分ループにおいて、ホスト制御回路2100は、先ず、乱数SEEDを作成する(ステップS6672)。乱数初期化処理における乱数SEED作成は、以下の式(3)にもとづいて実行される。
SEED(乱数1〜4)=(RTC時間(秒)+(RTC時間(分)×60)+乱数番号(乱数1〜4))×初期時の素数・・・式(3)
ホスト制御回路2100は、ステップS6672において乱数SEEDを作成したのち、乱数バックアップ、すなわち、SRAM2100b(例えば、図145参照)に、ステップS6672において作成した乱数SEEDを保存する(ステップS6673)。ここでバックアップされる乱数SEEDは、今回作成された乱数SEEDであるが、前回までにバックアップされた情報については消去しても良いし引き続き記憶させても良い。
ホスト制御回路2100は、ステップS6672およびステップS6673の処理を乱数個数分(本実施形態では乱数1〜乱数4の4個分)実行すると、乱数個数分ループを抜け、乱数初期化処理を終了する。
このように、乱数初期化処理では、RTC時刻の分および秒が使用されている。したがって、初期化時の乱数SEEDには、電源を投入した時間が分・秒単位まで関与することとなる。
次に、図230を参照して、乱数定期更新処理について説明する。乱数定期更新処理はは、図196に示されるバンクフリップ終了待ちにおいて、乱数1〜乱数4のいずれも使用されなかったとしても定期的に乱数1〜乱数4を更新する処理である。
図230に示されるように、乱数定期更新処理において、ホスト制御回路2100は、乱数1取得処理(ステップS6681)、乱数2取得処理(ステップS6682)、乱数3取得処理(ステップS6683)、乱数4取得処理(ステップS6684)をこの順に行う。なお、乱数定期更新処理は、バンクフリップ終了待ちをしている間、常に実行される。また、メインループのいずれかの処理落ちによってバンクフリップ終了待ちが発生しない場合でも、ホスト制御回路2100は、1フレームにおいて1回は乱数定期更新処理を行う。
図231(a)に示されるように、乱数1取得処理は、乱数1更新(ステップS6685)、すなわち、乱数1を取得したのち乱数1の更新を行う。その後、乱数1バックアップ、すなわち、SRAM2100b(例えば、図145参照)に、取得された乱数1を保存する(ステップS6686)。同様に、図231(b)に示されるように、乱数2取得処理は、乱数2更新(ステップS6687)、および、乱数2バックアップする(ステップS6688)。また、同様に、図231(c)に示されるように、乱数3取得処理は、乱数3更新(ステップS6689)、および、乱数3バックアップする(ステップS6690)。また、同様に、図231(d)に示されるように、乱数4取得処理は、乱数4更新(ステップS6691)、および、乱数4バックアップする(ステップS6692)。なお、ステップS6686、ステップS6688、ステップS6690およびステップS6692においてバックアップされる乱数は、今回取得された乱数であるが、前回までにバックアップされた情報については消去しても良いし引き続き記憶させても良い。
なお、乱数1〜乱数4は、いずれも、0〜32767の範囲内で発生する乱数のなかからいずれかが取得されるが、発生する乱数の範囲はこれに限られない。
図232に示されるように、乱数が使用されたときに実行される乱数取得処理において、ホスト制御回路2100は、先ず、乱数3取得処理を行う(ステップS6693)。この乱数3取得処理は、乱数1、乱数2および乱数4のうち使用する乱数の決定に供するための乱数を取得する処理である。ステップS6693の乱数3取得処理を実行すると、ホスト制御回路2100は、ステップS6694に移る。
ホスト制御回路2100は、ステップS6694において、ステップS6693の乱数3取得処理で取得された乱数を4で割ったときの余り数(以下、単に「余り数」と称する)が0または1であるか否かを判別する。余り数が0または1であれば(ステップS6694におけるYES)、乱数1取得処理を行う(ステップS6695)。一方、余り数が0および1のいずれでもなければ(ステップS6694におけるNO)、ステップS6696に移る。
ホスト制御回路2100は、ステップS6696において、余り数が2であるか否かを判別する。余り数が2であれば(ステップS6696におけるYES)、乱数2取得処理を行う(ステップS6697)。一方、余り数が2でなければ(ステップS6696におけるNO)、ステップS6698に移る。
ホスト制御回路2100は、ステップS6698において、余り数が3であるか否かを判別する。余り数が3であれば(ステップS6698におけるYES)、乱数4取得処理を行う(ステップS6699)。一方、余り数が3でなければ(ステップS6698におけるNO)、これは余り数が0〜3のいずれもないことを意味するから、ステップS6693から処理をやり直す。
なお、乱数1取得処理(ステップS6695)、乱数2取得処理(ステップS6697)、乱数3取得処理(ステップS6693)および乱数4取得処理(ステップS6699)は、いずれも、図231に示したとおりである。
このように、乱数が使用されたときに実行される乱数取得処理では、乱数1、乱数2および乱数4のうち選ばれた乱数についての更新は行われるものの、選ばれなかった乱数については更新が行われない。
また、本実施形態のパチンコ遊技機1001では、電源が投入されたときに乱数初期化処理が行われ、乱数使用時には選ばれた乱数について乱数取得処理が行われ、バンクフリップ終了待ちまたはバンクフリップ終了待ちが発生しない場合でも乱数定期更新処理が行われる。
なお、乱数更新時の計算式は以下の式(4)に示すとおりである。
今回更新値=(前回更新値×各乱数の素数)+1・・・式(4)
ここで、乱数取得処理の戻り値は、32bitから16bitに右シフト返還した0〜32767の値となる。すなわち、上記の式(4)にもとづいて算出された今回更新値は、32bitであらわされ、この32bitの今回更新値は32bitから16bitに右シフト返還される。そして、16bit目についてはマスキングされ、1〜15bitに示される値(0〜32767のうちのいずれか)が今回更新値として決定される。
上述したサブ乱数処理を行うことにより、取得される乱数をランダムにすることができ、取得される乱数に偏りが生じることを抑制できる。とくに、初期化時の乱数SEEDには、電源を投入した時間が分・秒単位まで関与することとなるため、初期値を都度異ならせることが可能となる。
[10−14−1.サブ乱数処理の変形例]
本実施形態におけるサブ乱数処理について上述したが、上述のサブ乱数処理に代えてまたは併用により、以下に説明するサブ乱数処理(変形例)を行うようにしても良い。また、以下に説明するサブ乱数処理(変形例)を、メインCPU101により実行される乱数処理に適用しても良い。このサブ乱数処理の変形例について、図233および図234を参照しつつ説明する。なお、図233は、サブ乱数処理の変形例を説明するためのホスト制御回路2100により実行されるサブ制御メイン処理(全体フロー)である。ただし、図233では、説明に必要な処理のみを示しており、その他の処理については省略している。図234は、ホスト制御回路2100により実行される受信割込処理の一例を示すフローチャートである。
ホスト制御回路2100は、先ず、各種初期化処理(図196のステップS6201参照)の一つとして実行される乱数初期化処理を行う(ステップS6701)。この乱数初期化処理では、例えば2のべき乗数(累乗数)の乱数シードと現在の乱数シード番号とを用意するとともに、スタックポインタに所定の初期値が設定される。
ステップS6701の乱数初期化処理を行うと、ホスト制御回路2100は、メインループに入り、サブデバイスの入力処理を行い(ステップS6702)、その後、各種リクエスト制御処理を行う(ステップS6703)。この各種リクエスト制御処理(ステップS6703)では、1フレーム前の後述するステップS6705で作成されたリクエストにもとづいて各種デバイスに出力される。
サブデバイスの入力処理(ステップS6702)および各種リクエスト制御処理(ステップS6703)を行うと、ホスト制御回路2100は、乱数テーブル作成処理を行う(ステップS6704)。このステップS6704の乱数テーブル作成処理では、描画タイミングで2のべき乗のサイズを持つ乱数テーブルに登録されている乱数が更新されることにより、新たな乱数テーブルが作成される。乱数テーブルに登録される乱数の取得には、例えば2のべき乗数の乱数シードのうち、現在の乱数シード番号にもとづいて決まる乱数シードが用いられる。例えば、23(8)の乱数シードa〜hが用意されている場合、現在の乱数シード番号が4であれば、dの乱数シードが用いられる。
ホスト制御回路2100は、ステップS6704において、例えば25(32)のサイズを持つ乱数テーブルを作成することができ、この乱数テーブルには32個の乱数が登録される。乱数テーブルに乱数が登録されると、ホスト制御回路2100は、乱数シードの値を更新する。乱数シードの更新は、上述した式(4)と同様に、前回更新値×素数を乗じたあとに1を加算して行われる。なお、乱数テーブルのサイズは、本変形例では2のべき乗(個)であればよく、25(32)を採用しているが、2のべき乗(個)であればいずれを採用しても良い。
なお、図234に示されるように、ステップS6704における乱数テーブルの作成に用いられる乱数シードは、例えばシリアルのコマンド受信時(ステップS6801)に、ホスト制御回路2100が持つCPUプロセッサによるCPUカウンタの値を用いて更新される(ステップS6802)。このステップS6802の乱数シード更新処理では、乱数シード番号をインクリメントし、インクリメントされた乱数シード番号を現在の乱数シード番号とすることで、乱数テーブルの作成に用いられる乱数シードの更新が行われる。
図233に戻って、ステップS6704の乱数テーブル作成処理を行うと、ホスト制御回路2100は、パケット受信ループに入る。
パケット受信ループでは、ホスト制御回路2100は、動画演出用のアニメーションにかかるリクエストを作成するアニメーション構築処理(ステップS6705)を行い、乱数使用時に乱数取得処理を行う(ステップS6706)。なお、ステップS6705で作成されたリクエストは、バッファで待機後、次のフレームで出力される。
ホスト制御回路2100は、ステップS6706の乱数取得処理において、ステップS6704で作成された乱数テーブルから乱数を取得する。ここで取得した乱数は、ホスト制御回路2100により実行される演出にかかわる抽選(例えば動画演出用のアニメーションを決定するための抽選)に用いられる。ホスト制御回路2100は、ステップS6706において、乱数テーブルから乱数を取得すると、乱数テーブルの参照位置を更新(インクリメント)する。なお、乱数テーブルの参照位置は、乱数テーブルから乱数を取得したときに行うだけであり、ステップS6704の乱数テーブル作成処理では行わない。
ホスト制御回路2100は、ステップS6705およびステップS6706の処理を、パケット受信分繰り返し行う。ホスト制御回路2100は、ステップS6705およびステップS6706の処理をパケット受信分行うと、パケット受信ループを抜ける。
パケット受信ループを抜けると、ホスト制御回路2100は、アニメーション更新処理を行い(ステップS6707)、その後、バンクフリップ/バンクフリップ終了待ちを行う(ステップS6708)。
ホスト制御回路2100は、33.3msec周期のメインループにおけるステップS6702〜ステップS6708の処理を繰り返し行う。
上述したサブ乱数処理の変形例によれば、パケット受信ループ内で乱数取得機会が複数回あったとしても、すでに作成された同じ乱数テーブルを用いて参照位置を変えて乱数を取得するだけであるから、取得される乱数に不規則性を持たせつつ、ホスト制御回路2100の制御負荷を軽くすることが可能となる。
[10−15.その他の拡張例]
本実施形態のパチンコ遊技機1001は、遊技媒体を用いて遊技を行い、その遊技の結果に基づいて特典が付与される形態全ての遊技機について、本発明を適用することができる。すなわち、物理的な遊技者の動作によって遊技媒体が発射されたり投入されたりすることで遊技を行い、その遊技の結果に基づいて遊技媒体が払い出される形態のみならず、主制御回路100自体が、遊技者が保有する遊技媒体を電磁的に管理し、封入された遊技球を循環させて行う遊技やメダルレスで行う遊技を可能とするものであってもよい。また、遊技者が保有する遊技媒体を電磁的に管理するのは、主制御回路100に装着され(接続され)、遊技媒体を管理する遊技媒体管理装置であってもよい。
主制御回路100に接続された遊技媒体管理装置が管理する場合、遊技媒体管理装置は、ROMおよびRWM(あるいはRAM)を有して、遊技機に設けられる装置であって、図示しない外部の遊技媒体取扱い装置と所定のインターフェイスを介して双方向通信機能に接続されるものであり、遊技媒体の貸出動作(すなわち、遊技者が遊技媒体の投入操作を行う上で、必要な遊技媒体を提供する動作)若しくは遊技媒体の払出に係る役に入賞(当該役が成立)した場合の、遊技媒体の払出動作(すなわち、遊技者に対して遊技媒体の払出を行上で、必要な遊技媒体を獲得させる動作)、または遊技の用に供する遊技媒体を電磁的に記録する動作を行い得るものとすればよい。また、遊技媒体管理装置は、これら実際の遊技媒体数の管理のみならず、例えば、その遊技媒体数の管理結果に基づいて、パチンコ遊技機1001の前面に、保有する遊技媒体数を表示する保有遊技媒体数表示装置(不図示)を設けることとし、この保有遊技媒体数表示装置に表示される遊技媒体数を管理するものであってもよい。すなわち、遊技媒体管理装置は、遊技者が遊技の用に供することができる遊技媒体の総数を電磁的方法により記録し、表示することができるものとすればよい。
また、この場合、遊技媒体管理装置は、遊技者が、記録された遊技媒体数を示す信号を、外部の遊技媒体取扱装置に対して自由に送信させることができる性能を有し、また、遊技者が直接操作する場合の他、記録された遊技媒体数を減ずることができない性能を有し、また、外部の遊技媒体取扱装置との間に外部接続端子板(不図示)が設けられている場合には、その外部接続端子板を介してでなければ、遊技者が、記録された遊技媒体数を示す信号を送信できない性能を有することが望ましい。
遊技機には上記の他、遊技者が操作可能な貸出操作手段、返却(精算)操作手段、外部接続端子板が設けられ、遊技媒体取扱装置には紙幣等の有価価値の投入口、記録媒体(例えばICカード)の挿入口、携帯端末から電子マネー等の入金を行うための非接触通信アンテナ等、その他貸出操作手段、返却操作手段等各種操作手段、遊技媒体取扱装置側外部接続端子板が設けられるようにしてもよい(いずれも不図示)。
その際の遊技の流れとしては、例えば、遊技者が遊技媒体取扱装置に対しいずれかの方法で有価価値を入金し、上記いずれかの貸出操作手段の操作に基づいて所定数の有価価値を減算し、遊技媒体取扱装置から遊技媒体管理装置に対し減算した有価価値に対応する遊技媒体を増加させる。そして遊技者は遊技を行い、さらに遊技媒体が必要な場合には上記操作を繰り返し行う。その後遊技の結果所定数の遊技媒体を獲得し、遊技を終了する際にはいずれかの返却操作手段を操作することにより遊技媒体管理装置から遊技媒体取扱装置に対し遊技媒体数を送信し、遊技媒体取扱装置はその遊技媒体数を記録した記録媒体を排出する。遊技媒体管理装置は遊技媒体数を送信したときに自身が記憶する遊技媒体数をクリアする。遊技者は排出された記録媒体を景品交換するために景品カウンタ等に持っていくか、または他の台で記録された遊技媒体に基づいて遊技を行うために遊技台を移動する。
なお、上記例では全遊技媒体を遊技媒体取扱装置に対して送信したが、遊技機または遊技媒体取扱装置側で遊技者が所望する遊技媒体数のみを送信し、遊技者が所持する遊技媒体を分割して処理することとしてもよい。また、記録媒体を排出するだけに限らず、現金または現金等価物を排出するようにしてもよいし、携帯端末等に記憶させるようにしてもよい。また、遊技媒体取扱装置は遊技場の会員記録媒体を挿入可能とし、会員記録媒体に貯留して後日再遊技可能とするようにしてもよい。
また、遊技機または遊技媒体取扱装置において、図示しない所定の操作手段を操作することにより遊技媒体取扱装置または遊技媒体管理装置に対し遊技媒体または有価価値のデータ通信をロックするロック操作を実行可能としてもよい。その際にはワンタイムパスワード等遊技者にしか知り得ない情報を設定することや遊技媒体取扱装置に設けられた撮像手段により遊技者を記録するようにしてもよい。
また、上記では、遊技媒体管理装置を、パチンコ遊技機に適用する場合について説明しているが、パチスロ機や、遊技球を用いるスロットマシンや、封入式遊技機においても同様に遊技媒体管理装置を設け、遊技者の遊技媒体が管理されるようにすることもできる。
このように、上述した遊技媒体管理装置を設けることにより、遊技媒体が物理的に遊技に供される場合と比べて、遊技機内部の部品点数を減らすことができ、遊技機の原価および製造コストを削減できるのみならず、遊技者が直接遊技媒体に接触しないようにすることもでき、遊技環境が改善し、騒音も減らすことができるとともに、部品を減らしたことにより遊技機の消費電力を減らすことにもなる。また、遊技媒体や遊技媒体の投入口や払出口を介した不正行為を防止することができる。すなわち、遊技機をとりまく種々の環境を改善することができる遊技機を提供することが可能となる。
また、遊技媒体が外部に排出されずに遊技可能に構成された封入式の遊技機と、該遊技機に対して、遊技媒体の消費、貸出および払出に伴う遊技媒体の増減に関するデータを通信ケーブルを介して光信号によって送受信が可能に接続された遊技媒体管理装置と、を有する遊技システムに本発明を適用した場合には、遊技システムを以下のように構成してもよい。
以下に、封入式の遊技機の概略を説明する。封入式の遊技機において、発射装置は、遊技領域の上方に位置し、遊技領域に対して上方から遊技媒体としての遊技球を発射する。遊技者がハンドルを操作すると、払出制御回路により球送りソレノイドが駆動させられ、球送り杵が発射台の方向へと、待機状態の遊技球を押し出す。これにより、遊技球が発射台へ移動する。また、待機位置から発射台への経路には減算センサが設けられており、発射台へ移動する遊技球を検出する。減算センサによって遊技球が検出された場合には、持ち球数が1減算される。このように、遊技領域に対して上方から遊技媒体としての遊技球を発射するように構成されているため、封入式の遊技機ではいわゆる戻り球(ファール球)を回避することができる。そして、遊技領域を転動した後に遊技領域から排出された遊技球は、球磨き装置によって磨かれる。球磨き装置によって磨かれた遊技球は、揚送装置によって上方へと搬送され、発射装置に導かれる。遊技球は封入式の遊技機の外部に排出されずに、当該遊技機において一定数(例えば、50個)の遊技球が一連の経路を循環するように構成されている。
封入式の遊技機では、遊技球が遊技機の外部に排出されないため、遊技球を一時的に保持するための上皿や下皿は設けられていない。封入式の遊技機では遊技球が外部に排出されないことから、遊技者の手元に遊技球が実際にあるわけではなく、遊技を行うことにより遊技球が現実に増減するわけではない。封入式の遊技機において、遊技者は遊技媒体管理装置からの貸出により持ち球を得てから遊技を開始する。ここで、持ち球を得るとは、遊技者が、データ管理上、遊技媒体を得ることをいう。そして、発射装置から遊技球が発射されることにより持ち球が消費され、持ち球数が減少する。また、遊技球が遊技領域に設けられた各入賞口等を通過することにより、入賞口に応じて設定された条件に従った数だけ払出が行われ、持ち球数が増加する。さらに、遊技媒体管理装置からの貸出によっても、持ち球数が増加する。なお、「遊技媒体の消費、貸出および払出」とは、持ち球の消費、貸出および払出が行われることを示す。また、「遊技媒体の増減」とは、消費、貸出および払出によって持ち球数が増減することを示す。また、「遊技媒体の消費、貸出および払出に伴う遊技媒体の増減に関するデータ」とは遊技球が発射されることによる持ち球の減少と、貸出および払出による持ち球の増加とに関するデータである。
封入式の遊技機は、払出制御回路およびタッチパネル式である液晶表示装置を有している。払出制御回路は、遊技球が各入賞口等の通過を検出する各種センサに接続されている。払出制御回路は、持ち球数を管理している。例えば、遊技球が各入賞口を通過した場合には、そのことによる遊技球の払出個数を持ち球数に加算する。また、遊技球が発射されると持ち球数を減算する。払出制御回路は、遊技者の操作により、持ち球数に関するデータを遊技媒体管理装置へ送信する。また、上記の液晶表示装置は遊技機の上部に位置し、遊技媒体管理装置で管理する遊技価値から持ち球への変換(球貸し)や、持ち球の計数(返却)の要求を受け付ける。そして、これらの要求を遊技媒体管理装置を介して払出制御回路に伝え、払出制御回路が現在の持ち球数に関するデータを遊技媒体管理装置に送信するように指示する。ここで、「遊技価値」とは、貨幣・紙幣、プリペイド媒体、トークン、電子マネーおよびチケット等であり、遊技媒体管理装置によって持ち球に変換することが可能であるものを示す。なお、本実施形態において、遊技媒体管理装置は、いわゆるCRユニットであり、紙幣およびプリペイド媒体等を受付可能に構成されている。また、計数された持ち球は、遊技システムが設置される遊技場などにおいて、景品交換等に用いることができる。
また、封入式の遊技機は、バックアップ電源を有している。これにより、夜間等に電源をOFFにした場合であっても、OFFにする直前のデータを保持することができる。また、このバックアップ電源により、例えば、扉開放センサによる扉枠開放の検出を継続して実行させてもよい。これにより、夜間に不正行為を行われることも防止することができる。なお、この場合は、扉枠が開放された回数等の情報を記憶するものであってもよい。さらに、電源が投入された際に、扉枠が開放された回数等の情報を、遊技機の液晶表示装置等に出力するものであってもよい。
遊技媒体管理装置は、遊技機接続基板を有している。遊技媒体管理装置は、遊技機接続基板を介して、遊技機とのデータ(送信信号)の送受信を行うように構成されている。送受信されるデータは、主制御回路に設けられたCPUの固有ID、払出制御回路に設けられたCPUの固有ID、遊技機に記憶された遊技機製造業者コード、セキュリティチップの製造業者コード、遊技機の型式コードなどの情報である。そして、遊技機および前記遊技媒体管理装置のいずれか一方を送信元とし他方を送信先として、送信元が送信信号を送信した際に、上記送信信号を受信した送信先が上記送信信号と同じ信号である確認用信号を上記送信元に送信し、上記送信元は、上記送信信号と上記確認用信号とを比較して、これらが同一か否かを判別するようにしている。
このように、送信元において、送信先から送信された確認用信号を送信信号と比較して、これらが同一か否かを判別することにより、送信元から送信した信号が改ざんされることなく、送信元に送信されていることを確認することができる。これにより、遊技機と遊技媒体管理装置との間での送受信信号を改ざんする等の不正行為を抑制することができる。
また、上記遊技システムにおいて、上記送信元は信号を変調する変調部を有し、該変調部により変調された信号を上記送信信号として送信し、上記送信先は上記変調部により変調された信号を復調する復調部を有することとしてもよい。
これにより、仮に、遊技機と遊技媒体管理装置との間での送受信信号を読み取られたとしても、この信号の解読は困難であり、遊技機と遊技媒体管理装置との間での送受信信号を改ざんする等の不正行為を抑制することができる。
また、上記遊技システムにおいて、上記送信先は、上記送信元からの上記送信信号を受信した際に、上記送信信号を受信したことを示す信号である承認信号を、上記確認用信号とは別に上記送信元に送信することとしてもよい。
これにより、送信信号と確認用信号とを比較することにより、正規の信号の送受信が行われたことを確認するだけでなく、承認信号に基づいて正規の信号の送受信が行われたことを確認することができるので、不正行為の抑制をより強化することができる。
[10−16.役物群内の役物の動作にかかわる処理]
役物群1010内の役物(役物群1010を構成する役物(役物を構成する作動部材を含む))の動作にかかわる処理について、図235〜図242を参照して説明する。なお、ここでいう役物とは、モータやソレノイド等の各種動力源の駆動によって動作させることが可能な可動役物であり、可動しない飾り役物は含まない。なお、役物はホスト制御回路2100から出力された制御信号及びデータ(例えば後述の励磁データ等)に基づいて駆動されるが、励磁データには、ステップ数(例えば動力源がステッピングモータの場合)や励磁時間等のように動力の大きさをあらわす単位を有するデータであれば特定のデータに限定されない。
役物群1010内の役物の動作にかかわる処理は、大きくは、電源投入時にホスト制御回路2100により行われる役物初期動作処理と、ホスト制御回路2100によるサブ制御メイン処理内(またはサブ制御メイン処理における各種リクエスト制御処理内)で行われる役物制御処理とがある。以下に、役物初期動作処理及び役物制御処理について、順に説明する。
[10−16−1.役物初期動作処理]
まず、図235を参照して、ホスト制御回路2100により各種初期化処理(例えば、図196のステップS6201参照)の一つとして行われる役物初期動作処理について説明する。図235は、本実施形態において、ホスト制御回路2100により実行される役物初期動作処理の一例を示すフローチャートである。
まず、ホスト制御回路2100は、役物を動作させるために使用するモータの動作回数、すなわち初期位置復旧カウンタを「0」にセットする(ステップS6901)。
ホスト制御回路2100は、ステップS6901の処理後、役物群1010の役物が初期位置にあるか否かを判別する(ステップS6902)。このステップS6902の処理において、ホスト制御回路2100は、役物が初期位置に存在することを検知する役物検知センサ群1002(詳しくは、役物検知センサ群1002のうち、初期位置にあるか否かの判別対象である役物に対応して設けられる役物検知センサ)の検知状態に基づいて判別する。
ホスト制御回路2100は、役物が初期位置にないと判別すると(ステップS6902におけるNO)、動作回数が規定回数(例えば10回)以上であるか否か、すなわち初期位置復旧カウンタの値が「10」以上であるか否かを判別する(ステップS6904)。
ホスト制御回路2100は、動作回数が規定回数(例えば10回)未満であると判別すると(ステップS6904におけるNO)、初期位置移動動作を行う(ステップS6906)。この初期位置移動動作は、役物を初期位置に移動させるようモータを駆動させる動作である。
ホスト制御回路2100は、ステップS6906の処理後、モータの動作回数、すなわち初期位置復旧カウンタの値に「1」を加算し(ステップS6907)、ステップS6902に移る。したがって、モータの動作回数が規定回数(例えば10回)にいたるまで、役物が初期位置にない(ステップS6902においてNO)と判別される限り、ホスト制御回路2100は、ステップS6902、ステップS6904、ステップS6906、ステップS6907の初期位置移動処理を繰り返し行うこととなる。
ホスト制御回路2100は、ステップS6904において、動作回数が規定回数(例えば10回)以上であると判別すると(ステップS6904におけるYES)、初期位置移動処理を終了し、エラーモータ動作停止状態への移行設定処理を行う(ステップS6905)。エラーモータ動作停止状態に移行されると、全役物の動作が停止され、ホスト制御回路2100は、役物初期動作処理を終了し、処理をサブ制御メイン処理(例えば図196参照)に戻す。
一方、ステップS6902において役物が初期位置にあると判別すると(ステップS6902におけるYES)、ホスト制御回路2100は、ステップS6901に移り、次の役物について、役物が初期位置にあるか否かを判別する(ステップS6902)。そして、ホスト制御回路2100は、使用される役物を動作させる全モータ分について初期位置にあると判別すると(ステップS6902におけるYES)、電源投入時処理(ステップS6903)を行い、役物初期動作処理を終了し、処理をサブ制御メイン処理(例えば図196参照)に戻す。
なお、ステップS6903の電源投入時処理は、役物の動作確認のために、役物を最大可動域まで移動した後、初期位置へ移動させる動作を行う処理である。このステップS6903の電源投入時処理において、役物を最大可動域まで移動した後、初期位置へ移動させる動作を、全役物を同時に行ってもよいし、一または複数の役物を順に行うようにしてもよい。
上記のステップS6903の電源投入時処理、すなわち、役物を最大可動域まで移動した後、初期位置へ移動させる動作を行う処理では、役物の動作を確認することができれば良いので、段階的に駆動する役物(例えば、初期位置から第1段階へ移動しその後第1段階から第2段階へ移動するような役物)が存在する場合、役物の動作確認として、初期位置から第1段階まで移動する第1の動作確認と、初期位置から第1段階まで移動しその後第2段階まで移動する第2の動作確認とを実行するように制御しても良い。
また、例えば、段階的に駆動する第1の役物(例えば、初期位置から第1段階へ移動しその後第1段階から第2段階へ移動するような第1の役物)と、初期位置から所定の位置まで駆動する第2の役物とが存在する場合、役物の動作確認として、第1の役物が初期位置から第1段階まで移動する第1の動作確認を行い、その後、第2の役物が初期位置から所定の位置まで移動する第3の動作確認を行い、さらにその後、第1の役物が第1段階から第2段階へ移動する第2の動作確認を行うようにしても良い。この場合、第1の動作確認と第2の動作確認との間に第3の動作確認を行うことで、複数の役物の動作確認を効率的に行うことが可能となる。
このように、役物初期動作処理において、ホスト制御回路2100は、電源投入時に、役物が初期位置にあるか否かを役物検知センサ群1002(詳しくは、役物検知センサ群1002のうち、初期位置にあるか否かの判別対象である役物に対応して設けられる役物検知センサ)で検知し(ステップS6902)、全ての役物が初期位置にある場合には、電源投入時処理(ステップS6903)を行う。そして、初期位置にない役物がある場合には(ステップS6902におけるNO)、初期位置移動処理(ステップS6902、ステップS6904、ステップS6906、ステップS6907)を規定回数(例えば10回)繰り返し行う。初期位置移動処理(ステップS6902、ステップS6904、ステップS6906、ステップS6907)を規定回数(例えば10回)行っても初期位置に役物がなければ(ステップS6904におけるYES)、ホスト制御回路2100は、エラーモータ動作停止状態への移行設定処理を行う(ステップS6905)ようにしている。これにより、電源投入時に、役物を動作させるためのモータが正常に動作するか否かの確認と、役物が初期位置にないときに当該役物を初期位置に移動させる処理とを行なうことができる。しかも、軽微なトラブル(エラー)で役物がたまたま初期位置になかった場合には、モータエラー動作停止状態への移行を回避しつつ、役物が初期位置に復帰できない状態が継続した場合には、モータエラー動作停止状態に移行させることで深刻なエラーの発生を抑制することが可能となる。
なお、ホスト制御回路2100は、役物初期動作処理を終了した後、バックアップクリア処理(設定変更処理を伴うバックアップクリア処理を含む)が実行されると、各種ハードウェアやデバイス等の初期化処理を行い、バックアップクリア処理が実行されていなければ、バックアップデータに基づいて各種ハードウェアやデバイス等の復帰初期化処理を行い、遊技を実行可能な状態(液晶表示装置1016を遊技画面に復帰する等)にする。ホールメニュータスクが実行される場合には、ホスト制御回路2100は、役物初期動作処理を実行した後にホールメニュータスクを実行し、その後、各種ハードウェアやデバイス等の初期化処理または復帰初期化処理を行う。
[10−16−2.役物制御処理]
次に、図236を参照して、サブ制御回路メイン処理(図187参照)中のステップS5210で行われる役物制御処理について説明する。図235は、本実施形態において、ホスト制御回路2100により実行される役物制御処理の一例を示すフローチャートである。
まず、ホスト制御回路2100は、現在の動作状況が主制御回路100からのコマンドを受信できるコマンド受信待機動作中であるか否か(すなわち、コマンド受信待機フラグがONであるか否か)を判別する(ステップS6911)。
ホスト制御回路2100は、現在の動作状況が主制御回路100からのコマンドの受信待機動作中でない(すなわち、コマンド受信待機フラグがOFFである)と判別した場合(ステップS6911におけるNO)、役物制御処理を終了し、処理をサブ制御回路メイン処理(図187参照)に移す。
ホスト制御回路2100は、現在の動作状況が主制御回路100からのコマンドの受信待機動作中であると判別した場合(ステップS6911におけるYES)、主制御回路100から演出に関するコマンドを受信したか否かを判別する(ステップS6912)。なお、この処理で判断対象となる演出に関するコマンドは、例えば、特別図柄の変動開始コマンド、特別図柄の変動停止コマンド、デモコマンド、変動確定コマンド、大当りに関する当り系コマンドであり、これらのコマンドがホスト制御回路2100で受信された際に、役物群1010内の各役物が駆動される。
ホスト制御回路2100は、主制御回路100から演出に関するコマンドを受信していないと判別した場合(ステップS6912におけるNO)、役物制御処理を終了し、処理をサブ制御回路メイン処理(図187参照)に移す。
一方、ホスト制御回路2100は、主制御回路100から演出に関するコマンドを受信したと判別した場合(ステップS6912におけるYES)、演出コマンド受信時処理(ステップS6913)を行う。この演出コマンド受信時処理では、後述の図237に示されるように、主制御回路100から受信した演出に関するコマンドに応じて、変動開始コマンド受信時役物処理(ステップS6933)、初期位置復旧役物動作処理(ステップS6934)、デモコマンド受信時役物処理(ステップS6936)、変動確定コマンド受信時役物処理(ステップS6938)、及び当り系コマンド受信時役物処理(ステップS6939)の各処理が行われる。これらの各処理の詳細については後述する。
なお、本実施形態では、ステップS6933、ステップS6936、ステップS6938、ステップS6939の各処理を役物制御処理の中で行う例を説明しているが、本発明はこれに限定されず、演出に関するコマンドを受信した際に、割込処理としてこれらの各処理を行ってもよいし、上述したコマンド解析処理(図187のステップS5204参照)の直後にこれらの各処理を行ってもよい。
演出コマンド受信時処理(ステップS6913)を実行した後、ホスト制御回路2100は、役物リクエストの受付許可がセットされているか否かを判別する(ステップS6914)。
ホスト制御回路2100は、役物リクエストの受付許可がセットされていないと判別した場合(ステップS6914におけるNO)、役物制御処理を終了し、処理をサブ制御回路メイン処理(図187参照)に移す。
一方、役物リクエストの受付許可がセットされていると判別した場合(ステップS6914におけるYES)、ホスト制御回路2100は、図196のアニメーション構築処理において役物リクエストバッファに格納された役物リクエストの取得処理を行う(ステップS6915)。
また、本実施形態では、ステップS6915の処理において、ホスト制御回路2100は、役物群1010内の各役物による演出動作を表示装置1016による演出動作と同期させるために、演出制御のリクエスト生成から2フレーム経過した後、上述した役物リクエストの取得処理を実行する。
次いで、ホスト制御回路2100は、取得した役物リクエストに基づいて、I2Cコントローラ2610を介して励磁データをモータドライバに送信し(ステップS6916)、その後、コマンド受信待機フラグをONにセットする(ステップS6917)。次いで、ホスト制御回路2100は、I2Cコントローラ2610から通信エラー信号が受信されたか否かを判別する(ステップS6918)。この処理では、ホスト制御回路2100は、I2Cコントローラ2610及びモータコントローラ2700間の通信エラー又はI2Cコントローラ2610のエラーを検知したか(取得したか又は入力されたか)否かを判別してよい。
ホスト制御回路2100は、I2Cコントローラ2610から通信エラー信号を受信したと判別した場合(ステップS6918におけるYES)、通信コントローラエラーを設定する(ステップS6921)。そして、ステップS6921の処理後、ホスト制御回路2100は、役物制御処理を終了し、処理をサブ制御回路メイン処理(図187参照)に移す。
一方、I2Cコントローラ261から通信エラー信号を受信していないと判別した場合(ステップS6918におけるNO)、ホスト制御回路2100は、各モータドライバのアドレスにアクセスできるか否かを判別する(ステップS6919)。
ホスト制御回路2100は、各モータドライバのアドレスにアクセスできないと判別した場合(ステップS6919におけるNO)、接続エラーを設定する(ステップS6922)。そして、ステップS6922の処理後、ホスト制御回路2100は、役物制御処理を終了し、処理をサブ制御回路メイン処理(図187参照)に移す。
ホスト制御回路2100は、各モータドライバのアドレスにアクセスできると判別した場合(ステップS6919におけるYES)、各役物(各モータ)の動作が正常に終了した否かを判別する(ステップS6920)。
ホスト制御回路2100は、各役物(各モータ)の動作が正常に終了したと判別した場合(ステップS6920におけるYES)、役物制御処理を終了し、処理をサブ制御回路メイン処理(図187参照)に移す。一方、各役物(各モータ)の動作が正常に終了していないと判別した場合(ステップS6920におけるNO)、ホスト制御回路2100は、データエラーを設定する(ステップS6923)。そして、ステップS6923の処理後、ホスト制御回路2100は、役物制御処理を終了し、処理をサブ制御回路メイン処理(図187参照)に移す。
[10−16−3.演出系コマンド受信時処理]
次に、図237を参照して、役物制御処理(図236参照)中のステップS6913で行う演出系コマンド受信時処理について説明する。図237は、演出系コマンド受信時処理の一例を示すフローチャートである。この処理は、主制御回路100から送信された演出系のコマンドを受信したことに基づいてホスト制御回路2100により実行される。
ホスト制御回路2100は、先ず、ステップS6931において、コマンド受信待機フラグをOFFにセットする。そして、ホスト制御回路2100は、ステップS6912において受信した演出系のコマンドに応じて、各処理を実行する。具体的には、ステップS6912において受信したコマンドが変動開始コマンドである場合には(ステップS6932におけるYES)、変動開始コマンド受信時役物処理(ステップS6933)を実行する。その後、ホスト制御回路2100は、初期位置復旧役物動作処理(ステップS6934)を実行し、演出系コマンド受信時処理を終了する。
また、ステップS6912において受信したコマンドがデモコマンドである場合には(ステップS6932におけるNO、かつ、ステップS6935におけるYES)、デモコマンド受信時役物処理(ステップS6936)を実行し、演出系コマンド受信時処理を終了する。
また、ステップS6912において受信したコマンドが変動確定コマンドである場合には(ステップS6932およびステップS6935のいずれもNO、かつ、ステップS6937におけるYES)、変動開始コマンド受信時役物処理(ステップS6938)を実行し、演出系コマンド受信時処理を終了する。
さらに、ステップS6912において受信したコマンドが変動確定コマンド、デモコマンドおよび変動確定コマンドのいずれでもない場合(ステップS6932、ステップS6935およびステップS6937のいずれもNO)には、当り系コマンドを受信したと判別し、当り系コマンド受信時役物処理(ステップS6939)を実行し、演出系コマンド受信時処理を終了する。なお、ステップS6912において受信したコマンドが変動確定コマンド、デモコマンドおよび変動確定コマンドのいずれでもない場合には当り系コマンドを受信したと判別することに代えて、ステップS6912において受信したコマンドが当り系コマンドであると判別したことに基づいて当り系コマンド受信時役物処理(ステップS6939)を実行するようにしてもよい。
上記の変動開始コマンド受信時役物処理(ステップS6933)、初期位置復旧役物動作処理(ステップS6934)、デモコマンド受信時役物処理(ステップS6936)、変動開始コマンド受信時役物処理(ステップS6938)および当り系コマンド受信時役物処理(ステップS6939)の各処理については、以下に説明する。
[10−16−4.変動開始コマンド受信時役物処理]
次に、図238を参照して、演出系コマンド受信時処理(図237参照)中のステップS6933で行う特別図柄の変動開始コマンド受信時役物処理について説明する。図238は、特別図柄の変動開始コマンド受信時役物処理の一例を示すフローチャートである。この処理は、主制御回路100から送信された特別図柄の変動開始コマンドを受信したことに基づいてホスト制御回路2100により実行される。
まず、ホスト制御回路2100は、役物群1010の全役物(役物を構成する作動部材も含む)が初期位置にあるか否かを判別する(ステップS6941)。このステップS6941の処理において、ホスト制御回路2100は、各役物が初期位置に存在することを検知する役物検知センサ群1002の検知状態に基づいて判別する。
ホスト制御回路2100は、全役物が初期位置にあると判別した場合(ステップS6941におけるYES)、役物リクエストの受付許可をセットする(ステップS6942)。役物リクエストの受付許可がセットされると、役物群1010の各役物の制御状態が、コマンド受信待機状態から役物リクエスト受付許可状態に移行する。
次いで、ホスト制御回路2100は、初期位置復旧カウンタを「0」にセットする(ステップS6943)。そして、ステップS6943の処理後、ホスト制御回路2100は、変動開始コマンド受信時役物処理を終了する。
一方、ステップS6941において、ホスト制御回路2100は、初期位置にない役物がある、すなわち1個以上の役物が初期位置にないと判別した場合(ステップS6941におけるNO)、初期位置復旧カウンタに「1」を加算する処理を実行する(ステップS6944)。
ステップS6944の処理を実行したのち、ホスト制御回路2100は、初期位置復旧カウンタが規定回数(例えば10回)以上であるか否かを判別する(ステップS6945)。
ホスト制御回路2100は、初期位置復旧カウンタが規定回数以上であると判別すると(ステップS6945におけるYES)、エラーモータ動作停止状態への移行設定処理を行う(ステップS6946)。エラーモータ動作停止状態に移行されると、全役物の動作が停止される。ステップS6946の処理後、ホスト制御回路2100は、変動開始コマンド受信時役物処理を終了する。
ホスト制御回路2100は、初期位置復旧カウンタが規定回数以上でないと判別すると(ステップS6945におけるNO)、初期位置復旧動作状態への移行設定を行う(ステップS6947)。初期位置復旧動作状態では、後述する初期位置復旧動作処理が実行される。
このように、変動開始コマンド受信時役物処理において、ホスト制御回路2100は、特別図柄の変動開始コマンド受信時に、全役物が初期位置にあるか否かを役物検知センサ群1002で検知し(ステップS6941)、初期位置にない役物がある場合には、役物リクエスト受付を許可せず(禁止し)、初期位置復旧動作状態に移行させる設定(ステップS6947)を行っている。そして、ステップS6941において1個以上の役物が初期位置にないと判別される変動開始コマンド受信時役物処理の回数が連続して規定回数(例えば10回)になると、ホスト制御回路2100は、モータエラー動作停止状態に移行設定している。すなわち、特別図柄の変動開始時に初期位置にない役物があったとしても、初期位置にない役物があるという状況下での特別図柄の変動開始が連続して規定回数(例えば10回)にいたるまでは初期位置復旧動作状態に移行させる設定が行われ、規定回数にいたるとエラーモータ動作停止状態に移行させる設定が行われる。そのため、軽微なトラブル(エラー)でたまたま初期位置に復帰しなかった役物があるような場合には、モータエラー動作停止状態への移行を回避しつつ、初期位置に復帰できなくなった役物が継続してある場合には、モータエラー動作停止状態に移行させることで、深刻なエラーの発生を抑制することが可能となる。
[10−16−5.初期位置復旧役物動作処理]
次に、図239を参照して、演出系コマンド受信時処理(図237参照)中のステップS6934で行う初期位置復旧役物動作処理について説明する。図239は、初期位置復旧役物動作処理の一例を示すフローチャートである。この処理は、変動開始コマンド受信時役物処理(図238参照)のステップS6947において、初期位置復旧動作状態への移行設定が行なわれたことに基づいてホスト制御回路2100により実行される。
まず、ホスト制御回路2100は、初期位置復旧動作状態であるか否か、すなわち変動開始コマンド受信時役物処理(図238参照)のステップS6947において初期位置復旧動作状態への移行設定が行なわれたか否かを判別する(ステップS6951)。
初期位置復旧動作状態でなければ(ステップS6951におけるNO)、ホスト制御回路2100は、初期位置復旧役物動作処理を終了する。
ホスト制御回路2100は、初期位置復旧動作状態であると判別すると(ステップS6951におけるYES)、役物が初期位置にあるか否かを役物検知センサ群1002(詳しくは、役物検知センサ群1002のうち、初期位置にあるか否かの判別対象である役物に対応して設けられる役物検知センサ)で検知し、役物が初期位置にあるか否かを判別する(ステップS6952)。
ホスト制御回路2100は、役物が初期位置にないと判別すると(ステップS6952におけるYES)、初期位置移動動作処理を実行する(ステップS6953)。この初期位置移動動作処理は、モータを駆動させて役物を初期位置に戻す処理である。
ステップS6952及びステップS6953の処理は、役物を駆動させるモータの数量分行われる。
一方、ホスト制御回路2100は、役物が初期位置にあると判別すると(ステップS6952におけるNO)、ステップS6953の処理を行わずに、次の役物が初期位置にあるか否かを判別する処理(ステップS6952)に移る。
ホスト制御回路2100は、役物を駆動させるモータの数量分についてステップS6952又は/及びステップS6953の処理を行うと、初期位置復旧役物動作処理を終了する。
[10−16−6.デモコマンド受信時役物処理]
次に、図240を参照して、演出系コマンド受信時処理(図237参照)中のステップS6936で行うデモコマンド受信時役物処理について説明する。図240は、デモコマンド受信時役物処理の一例を示すフローチャートである。この処理は、主制御回路100から送信されたデモコマンドを受信したことに基づいてホスト制御回路2100により実行される。
まず、ホスト制御回路2100は、モータエラーの有無、すなわち役物を駆動させるためのモータの不具合等によるエラーが検出されているか否かを判別する(ステップS6961)。この処理において、ホスト制御回路2100は、例えば、役物制御処理(図236参照)中のステップS6918以降の処理で設定された各種エラー(通信コントローラエラー、接続エラー、データエラー)などが発生しているか否かを判別する。
ホスト制御回路2100は、モータエラーなし、すなわち役物を駆動させるためのモータの不具合等によるエラーが検出されていない(モータが正常である)と判別した場合(ステップS6961におけるYES)、役物励磁開放処理を行う(ステップS6962)。この処理では、ホスト制御回路2100は、全てのモータドライバへの励磁データの出力を停止する。
次に、ホスト制御回路2100は、全役物が初期位置にあるか否かを判別する(ステップS6963)。
全役物が初期位置にあると判別したとき(ステップS6963におけるYES)、ホスト制御回路2100は、役物リクエストの受付許可をセットする(ステップS6964)。一方、1個以上の役物が初期位置にないと判別した場合(ステップS6963におけるNO)、ホスト制御回路2100は、デモコマンド受信時役物処理を終了する。
一方、ステップS6961において、ホスト制御回路2100は、モータエラーあり、すなわち役物を駆動させるためのモータの不具合等によるエラーが検出されたと判別した場合(ステップS6961におけるNO)、役物リクエストの受付不許可をセットする(ステップS6965)。
次いで、ホスト制御回路2100は、全モータを停止し(ステップS6966)、ステップS6966の処理後、モータドライバリセット処理(ステップS6967)を行い、デモコマンド受信時役物処理を終了する。
このように、デモコマンド受信時役物処理において、ホスト制御回路2100は、役物を駆動させるためのモータドライバのエラーチェック(ステップS6961)を行い、エラーが検出された場合には、役物リクエストの受付を禁止し(ステップS6965)、モータドライバのリセット処理(ステップS6967)を行うようにしている。また、エラーが検出されなかった場合には、役物の励磁を全て解放する解放処理(ステップS6962)を行った後、全役物が初期位置にあるか否かを役物検知センサ群1002で検知し(ステップS6963)、全役物が初期位置にある場合には、役物リクエストの受付を許可するようにしている。
[10−16−7.変動確定コマンド受信時役物処理]
次に、図241を参照して、演出系コマンド受信時処理(図237参照)中のステップS6938で行う特別図柄の変動確定コマンド受信時役物処理について説明する。図241は、特別図柄の変動確定コマンド受信時役物処理の一例を示すフローチャートである。この処理は、主制御回路100から送信された特別図柄の変動確定コマンドを受信したことに基づいてホスト制御回路2100により実行される。
まず、ホスト制御回路2100は、モータエラーの有無、すなわち役物を駆動させるためのモータの不具合等によるエラーが検出されているか否かを判別する(ステップS6971)。この処理において、ホスト制御回路2100は、ステップS6961(図240参照)と同様に、例えば、役物制御処理(図236参照)中のステップS6918以降の処理で設定された各種エラー(通信コントローラエラー、接続エラー、データエラー)などが発生しているか否かを判別する。
ホスト制御回路2100は、モータエラーなし、すなわち役物を駆動させるためのモータの不具合等によるエラーが検出されていない(モータが正常である)と判別すると(ステップS6971におけるYES)、連続エラー回数を示す連続エラーカウンタを「0」にセットする(ステップS6972)。
次に、ホスト制御回路2100は、全役物が初期位置にあるか否かを判別する(ステップS6973)。
全役物が初期位置にあると判別したとき(ステップS6973におけるYES)、ホスト制御回路2100は、役物リクエストの受付許可をセットする(ステップS6974)。一方、1個以上の役物が初期位置にないと判別した場合(ステップS6973におけるNO)、ホスト制御回路2100は、変動確定コマンド受信時役物処理を終了する。
一方、ステップS6971において、ホスト制御回路2100は、モータエラーあり、すなわち役物を駆動させるためのモータの不具合等によるエラーが検出されたと判別した場合(ステップS6971におけるNO)、全モータを停止させる制御を実行する(ステップS6975)。
ホスト制御回路2100は、ステップS6975の処理後、モータドライバリセット処理(ステップS6976)を行い、連続エラー回数に1を加算、すなわち連続エラーカウンタの値に「1」を加算する(ステップS6977)。
ホスト制御回路2100は、ステップS6977の処理後、連続エラーカウンタの値が規定回数(例えば10回)以上であるか否かを判別する(ステップS6978)。
連続エラーカウンタの値が規定回数(例えば10回)以上である場合(ステップS6978におけるYES)、ホスト制御回路2100は、エラーモータ動作停止状態への移行設定処理を行う(ステップS6979)。エラーモータ動作停止状態に移行されると、全役物の動作が停止される。ステップS6979の処理後、ホスト制御回路2100は、変動確定コマンド受信時役物処理を終了する。
一方、連続エラーカウンタの値が規定回数(例えば10回)未満である場合(ステップS6978におけるNO)、ホスト制御回路2100は、役物リクエスト受付不許可状態への移行設定処理を行う(ステップS6980)。
なお、連続エラー回数すなわち連続エラーカウンタの値は、モータエラーあり(ステップS6971においてNO)と判別される変動確定コマンド受信時役物処理が連続して行われた回数を示す。
このように、変動確定コマンド受信時役物処理において、ホスト制御回路2100は、役物を駆動させるためのモータドライバのエラーチェックを行い(ステップS6971)、エラーが検出された場合には、モータドライバのリセット処理を行い(ステップS6976)、役物リクエストの受付を禁止している(ステップS6980)。そして、モータエラーあり(ステップS6961におけるNO)と判別される変動確定コマンド受信時役物処理の回数が連続して規定回数(例えば10回)になると、ホスト制御回路2100は、エラーモータ動作停止状態への移行設定処理を行い(ステップS6979)、全役物の動作が停止される。また、モータエラーなし(ステップS6971におけるYES)と判別されたときには、ホスト制御回路2100は、全役物が初期位置にあるか否かを役物検知センサ群1002で検知し(ステップS6973)、全役物が初期位置にある場合には、役物リクエストの受付を許可する(ステップS6974)ようにしている。そのため、軽微なトラブル(エラー)でたまたまモータエラーであると判別されたような場合には、役物リクエスト受付不許可で留めてモータエラー動作停止状態への移行を回避しつつ、モータエラーが継続する場合には、モータエラー動作停止状態に移行させることで深刻なエラーの発生を抑制することが可能となる。
なお、上述したステップS6947(図238参照)の初期位置復旧動作移行設定は、本願発明の第1復旧処理に相当し、ステップS6976(図241参照)のモータドライバリセット処理は、本願発明の第2復旧処理に相当する。ただし、第1復旧処理は、初期位置復旧動作移行設定以外に、モータのエラー解除、役物を待機位置から駆動位置へと移動させるような復旧動作等、様々な動作であってもよい。同様に、第2復旧処理についても、モータドライバリセット処理以外に、サブ制御回路270内における処理を再度実行することや、モータの動作に関して再度パラメータを設定することや、第1復旧処理と同様の制御を行うこと等、様々な処理を行っても良い。
また、上述したステップS6944の処理は、本願発明の第1計数手段に相当し、上述したステップS6977の処理は、本願発明の第2計数手段に相当する。第1計数手段および第2計数手段は、いずれも、厳密にいえば遊技回数を計数しているわけではない。しかし、上記の第1復旧処理は、変動開始コマンドを受信する都度行うことが可能であり、上記の第2復旧処理は、変動確定コマンドを受信する都度行うことが可能である。したがって、第1計数手段および第2計数手段は、上述したとおり厳密にいえば遊技回数を計数しているわけではないが、実質的に、遊技回数(変動回数)を計数しているということができる。
また、上記の第1計数手段は、初期位置復旧カウンタが電源を断したときに限りリセットされる仕様でれば、連続した遊技回数(変動回数)である必要はなく、「電源投入時から電源断されるまでの間に初期位置に役物が存在しなかった遊技回数の数」と表現することが可能である。また、初期位置復旧カウンタが、例えば役物が初期位置に存在することをもってリセットされる態様であれば、役物が初期位置に存在しない変動回数が連続で発生した回数と、第1計数手段により計数された数とが同じ値になる場合もあり得る。また、上記の第2計数手段は、モータエラーが連続して発生した回数であるため、実質的には連続でモータエラーが発生した遊技回数(変動回数)と同じ値になる場合もあり得るが、特別図柄の変動開始から変動終了までの間に電源断を行い、その後、電源復帰した場合には、特別図柄の変動中に第1計数手段による計数値および第2計数手段による計数値がリセットされる。そのため、このような場合、サブ制御回路270が特別図柄の変動終了を示す変動確定コマンドを受信したときに、第1計数手段による計数値が0、第2計数手段による計数値が1に変更されるため、第1計数手段による計数値と第2計数手段による計数値とに差が生じる可能性があり得る。このように考えると、第1計数手段および第2計数手段により計数された計数値を遊技回数と表現することもできるし、第1計数手段とはあくまでも特別図柄を変動させる遊技を開始した数と同じであり、第2計数手段とは特別図柄の変動が終了した数と同じであると表現することもできる。ただし、第1計数手段による計数値および第2計数手段による計数値は、ただ単に電源をON・OFFしただけではがリセットされず、例えば、主制御基板30に設けられたリセットボタン(図示せず)や設定にかかわる操作手段(設定キー328や設定スイッチ332)等の他の操作手段を操作しつつ電源操作(電源投入操作や電源断操作)を行った場合や、設定確認処理または/および設定変更処理を行ったりした場合等に限りリセットされるようにしても良い。
なお、遊技回数(変動回数)について、特別図柄(第1特別図柄、第2特別図柄)の変動表示の開始時に1回の遊技(1回の図柄変動)が行われたと定義しても良いし、特別図柄の変動表示の終了時(特別図柄抽選の結果が導出された時)に1回の遊技が行われたと定義しても良いし、特別図柄の変動表示が開始されてから当該特別図柄の変動表示が終了するまでの全部を1回の遊技と定義しても良い。
[10−16−8.当り系コマンド受信時役物処理]
次に、図242を参照して、演出系コマンド受信時処理(図237参照)中のステップS6939で行う当り系コマンド受信時役物処理について説明する。図242は、当り系コマンド受信時役物処理の一例を示すフローチャートである。この処理は、主制御回路100から送信された当り系コマンドを受信したことに基づいてホスト制御回路2100により実行される。当り系コマンドは、例えば、大当り遊技状態への移行コマンド(大当り遊技の開始コマンド)、ラウンド遊技の開始コマンド、ラウンド遊技間コマンド(例えばインターバル時間等)、大当り遊技状態終了コマンド等が相当する。
まず、ホスト制御回路2100は、全役物が初期位置にあるか否かを判別する(ステップS6981)。
全役物が初期位置にあると判別したとき(ステップS6981におけるYES)、ホスト制御回路2100は、役物リクエストの受付許可をセットする(ステップS6982)。一方、1個以上の役物が初期位置にないと判別した場合(ステップS6981におけるNO)、ホスト制御回路2100は、当り系コマンド受信時役物処理を終了する。
このように、当り系コマンド受信時役物処理において、ホスト制御回路2100は、全役物が初期位置にあるか否かを役物検知センサ群1002で検知し(ステップS6981)、全役物が初期位置にある場合には役物リクエストの受付を許可し(ステップS6982)、1個以上の役物が初期位置にないと判別した場合には、役物リクエストの受付を許可することなく当り系コマンド受信時役物処理を終了するようにしている。
なお、役物群内の役物の動作にかかわる処理全般をとおして、ステップS6904(図235参照)の動作回数が規定回数(例えば10回)以上であるか否かの判定、ステップS6945(図238参照)の初期位置復旧カウンタが規定回数(例えば10回)以上であるか否かの判定、ステップS6978(図241参照)の連続エラーカウンタの値が規定回数(例えば10回)以上であるか否かの判定において、いずれも規定回数を同じ回数(10回)としているが、各処理において規定回数が異なっていてもよいことは言うまでもない。
また、役物初期動作処理(図236参照)、変動開始コマンド受信時役物処理(図238参照)及び変動確定コマンド受信時役物処理(図241参照)において、エラーが継続する場合にはモータエラー動作停止状態に移行させることで深刻なエラーの発生を抑制することが可能になると説明したが、深刻なエラーの発生としては以下のようなエラーを例示することができる。
例えば、所定の役物(役物を構成する作動部材を含む)を、特定の位置(例えば初期位置)から規定の位置(例えば最大可動域)に向けて動作できるように設ける。所定の役物は、例えばモータによって作動する。そして、所定の役物が特定の位置に存在するとき、この所定の役物は、ロック部材(例えばソレノイド)によりロックされる。ロック部材は、通常状態(例えば通電されていないとき)では、所定の役物をロックするロック位置に位置し、通常されるとロック解除位置に作動して所定の役物のロックを解除する。ロック部材への通電は、例えばホスト制御回路2100によりI2Cコントローラ2610及びモータコントローラ2700(いずれも図145参照)を介して行われる。そして、ホスト制御回路2100は、所定の役物が特定の位置から規定の位置に向けて作動するときにロック部材を通電し、所定の役物が特定の位置から規定の位置に向けて作動を開始したのちにロック部材への通電を終了するように構成されている。すなわち、所定の役物が規定の位置に向けて動いた後、特定位置に戻るときにはロック部材がロック位置にあり、所定役物が特定の位置に押し込まれるとロックされるように構成されている。このような構成において、モータエラー(例えば、モータドライバへのモータ駆動のコマンドが通信エラーで送信できないようなエラー)が発生すると、モータを駆動することができない。一方、ロック部材には通電されるが、所定の役物が規定の位置に向けて作動を開始しない。そのため、ロック部材への通電状態が継続し(ロック部材がロック解除位置に滞在し続け)、ロック部材が過電流で断線してしまうおそれがある。そこで、このようなエラーが発生した場合に、エラーが規定回数にいたるまではエラーモータ動作停止に移行設定されないものの、このようなエラーが継続して規定回数発生した場合には、エラーモータ動作停止に移行設定することで、軽微なエラーが発生しただけではモータエラー動作停止状態に移行されず、エラーが規定回数にわたって連続して発生した場合には、モータエラー動作停止状態に移行させることで、ロック部材が過電流で断線するといったような深刻なエラーの発生を抑制することが可能となる。
また、本実施形態では、主制御回路100から演出系コマンドを受信したとき(ステップS6912におけるYES)、受信した演出系コマンドに応じて演出系コマンド受信時処理(ステップS6913)を実行し、その後、役物リクエストの受け渡し許可がセットされているか否かを判別する処理(ステップS6914)を実行しているが、これに限られず、ステップS6913とステップS6914との間で、コマンド受信待機動作中であるか否かを判別する処理(以下、この処理を「図外のコマンド受信待機動作判別処理」と称する)を実行するようにしてもよい。この場合の処理方法は、以下の第1処理方法〜第3処理方法のいずれであっても良い。
第1処理方法は、コマンド受信待機動作中のステータスから、役物リクエスト受付許可、エラーモータ動作停止、初期位置復旧動作および役物リクエスト受付不許可のうちのいずれかのステータスに移行する制御である場合のホスト制御回路2100による処理方法であり、以下の手順で処理が実行される。
(A)コマンド受信待機動作中であるか否かを判別する(ステップS6911の処理に相当する)。
(B)コマンド受信待機動作中である場合(ステップS6911におけるYESに相当する場合)、変動開始コマンド、デモコマンド、変動確定コマンドおよび当り系コマンドのうちいずれかのコマンドを受信したか否かを判別する。
(C)主制御回路100から演出系コマンドを受信したとき(ステップS6912のYESに相当)、受信したコマンドに応じて、変動開始コマンド受信時役物処理、デモコマンド受信時役物処理、変動確定コマンド受信時役物処理または当り系コマンド受信時役物処理を実行し、コマンド受信待機中のステータスから、役物リクエスト受付許可、エラーモータ動作停止、初期位置復旧動作および役物リクエスト受付不許可のうちのいずれかのステータスに移行した上で、図外のコマンド受信待機動作判別処理を実行する。なお、初期位置復旧役物動作処理を行った結果、全役物が初期位置に復旧した場合には、コマンド受信待機動作中に制御される。
(D)図外のコマンド受信待機動作判別処理においてコマンド受信待機動作中であると判別された場合、全役物が初期位置にある状態でステップS6912の処理を実行することで、他のコマンドを受信しているか、次回の変動開始コマンドを受信しているか等を判定しても良いし、現在受信している変動開始コマンドに基づく場合は一変動中に(1回の変動開始コマンドで)例えば10回、ステップS6912の処理を実行するようにしても良い。
(E)図外のコマンド受信待機動作判別処理の後に実行されるステップS6914の処理
(役物リクエストの受け渡し許可がセットされているか否かを判別する処理)においてNOと判別されると、エラーモータ動作停止の状態であれば電源が断されるまでモータが停止される。なお、役物受付不許可の状態であれば役物を作動させることはないが、変動開始コマンド等を受信した場合に全役物が初期位置にあるか否かを判別し、役物リクエスト受付許可状態に制御するようにしても良い。
第2の処理方法は、主制御回路100から送信されるコマンドとして、演出系のコマンド(変動開始コマンド、デモコマンド、変動確定コマンド、当り系コマンド)を受信していない状態をコマンド受信待機動作中とする場合の処理方法であり、以下の手順で処理が実行される。
(A)コマンド受信待機動作中であるか否かを判別する(ステップS6911の処理に相当する)。
(B)コマンド受信待機動作中である場合(ステップS6911におけるYESに相当する場合)、変動開始コマンド、デモコマンド、変動確定コマンドおよび当り系コマンドのうちいずれかのコマンドを受信したか否かを判別する。
(C)主制御回路100から演出系コマンドを受信すると(ステップS6912のYESに相当)、コマンド受信待機中のステータスから、コマンド受信非待機動作中のステータスに移行する。
(D)受信した演出系コマンドに応じて、変動開始コマンド受信時役物処理、デモコマンド受信時役物処理、変動確定コマンド受信時役物処理または当り系コマンド受信時役物処理を実行する。
(E)変動開始コマンド受信時役物処理、デモコマンド受信時役物処理、変動確定コマンド受信時役物処理および当り系コマンド受信時役物処理のいずれも実行しなかった場合には、コマンド受信待機中のステータスに戻す。変動開始コマンド受信時役物処理、デモコマンド受信時役物処理、変動確定コマンド受信時役物処理および当り系コマンド受信時役物処理のうちいずれか一つでも処理を行った場合には、コマンド受信待機中以外のステータスに移行されるので、図外のコマンド受信待機動作判別処理ではNOと判別される。
第3処理方法は、演出系コマンドとして複数種のコマンドを受信することを前提として、例えば、受信したコマンドの種別に応じて、変動開始コマンド受信時役物処理、デモコマンド受信時役物処理、変動確定コマンド受信時役物処理および当り系コマンド受信時役物処理をループさせる処理方法である。変動開始コマンド受信時役物処理、デモコマンド受信時役物処理、変動確定コマンド受信時役物処理および当り系コマンド受信時役物処理をループさせた場合にコマンド受信待機動作中が解消されるのであれば、図外のコマンド受信待機動作判別処理においてYESと判別されたときに上記のループさせる処理を行うようにしても良い。
[10−17.ホールメニュータスク処理]
次に、図243〜図246を参照してホールメニュータスクにかかわる処理について説明する。ホールメニュータスクはホールメニューを制御するタスクである。ホールメニュータスクは、ホスト制御回路2100によって、所定の周期、本実施形態では33msec毎に行われる。
図243は、ホスト制御回路2100により実行されるホールメニュータスクの一例を示すフローチャートである。
図243に示されるように、ホスト制御回路2100は、先ず、設定変更処理中または設定確認処理中であるかを判別する(ステップS5301)。具体的には、ホスト制御回路2100は、電源投入時にメインCPU101から送信される設定操作コマンド(設定変更開始コマンド、設定確認開始コマンド)を受信したか否かを判別する。
ホスト制御回路2100は、設定変更処理中または設定確認処理中であると判別、すなわち設定操作コマンドを受信したと判別すると(ステップS5301におけるYES)、ステップS5302のホールメニュー表示処理を実行する。このホールメニュー表示処理(ステップS5302)は、後述のホールメニュー画面を表示制御回路2300により表示装置1016の表示領域に表示する処理である。なお、ホールメニュー画面は、後述のステップS5312の処理が実行されたときも表示装置1016の表示領域に表示されるが、ステップS5302において表示されるホールメニュー画面と、ステップS5312において表示されるホールメニュー画面とでは異なる点があり、これについては後述する。
ステップS5302のホールメニュー表示処理が実行されたときに表示装置1016の表示領域に表示される画像(画面)について、図244〜図246を参照して説明する。図244は、ステップS5302のホールメニュー表示処理が実行されたときに、ホールメニュー画面が表示装置1016の表示領域に表示されたときの一例を示す図である。図245および図246は、ステップS5302のホールメニュー表示処理が実行されたときに、表示装置1016の表示領域に表示されるホールメニュー画面の一例を示す図である。
図244〜図246に示されるように、ホールメニュー表示処理(ステップS5302)が実行されると、表示装置1016の表示領域にはホールメニュー画面が表示される。ホールメニュー画面は、図245および図246に示されるように、画面左側領域のホールメニュー項目表示領域1610と、画面下方の左右方向略中央の操作説明領域1620と、画面略中央に配置されるプレビュー表示領域1630と、を有する。
ホールメニュー項目表示領域1610には、ホールメニューの各項目が表示される。図244〜図246には、便宜上、ホールメニュー項目として、時刻設定、賞球情報、設定履歴・設定確認履歴、エラー情報履歴、監視履歴、警告表示設定のみが図示されているが、これらの項目の他に、報知設定、省電力設定(省電力モード)、メンテナンス、役物動作確認、液晶輝度設定、液晶確認、音量調節設定等の項目が表示されるようにしてもよい。ただし、ステップS5302は、設定変更処理中または設定確認処理中の処理であるため、ホールメニュー画面の表示を終了して遊技画面に復帰させることができない。そのため、ホールメニューの項目の中に、ホールメニュー終了の項目はない。
操作説明領域1620には、操作ボタン群66(図138参照)に対応する画像、すなわちメインボタン662および上下左右の各セレクトボタン664a〜664dに対応する画像が表示される。なお、ホールメニュー画面では、操作ボタン群66のうち有効化されている操作ボタンと無効化されている操作ボタンとを区別することができるように表示される。例えば図244〜図246では、有効化されている操作ボタンが白塗りで表示されており(メインボタン662および上下セレクトボタン664a,664bが有効化されており)、無効化されている操作ボタンが黒塗りで表示されている(左右セレクトボタン664c,664dが無効化されている)。
有効化されているセレクトボタン(上下セレクトボタン664a,664b)を操作者が操作することで、複数のホールメニューの項目のうちいずれかを選択することができる。図244および図245では、実線で囲まれたホールメニュー項目が選択されているホールメニュー項目である。例えば、図244では、実線で囲まれた「時刻設定」が選択されていることを示している。また、図246では、実線で囲まれた「設定変更・確認履歴」が選択されていることを示している。
本実施形態のパチンコ遊技機1001において、ホスト制御回路2100は、選択されている項目をハイライト表示する。ただし、選択されている項目を操作者が把握しやすい態様であれば必ずしもハイライト表示に限られない。なお、時刻設定の項目が選択されている画面(図244および図245参照)が、ホールメニュー画面の初期画面である。
プレビュー表示領域1630には、複数のホールメニューの項目のうち選択されている項目についてのプレビュー画面が表示される。例えば、「時刻設定」の項目が選択されているときは、時刻設定画面がプレビュー表示され(図244および図245参照)、「設定変更・確認履歴」の項目が選択されているときは、設定変更・確認履歴画面がプレビュー表示される(図246参照)。ただし、設定変更・確認履歴画面のプレビュー画面では、設定値が表示されないようにすることが好ましい。なお、上記のプレビュー画面内では操作を行うことができない。例えば、時刻設定画面がプレビュー表示されているとき、プレビュー表示されている時刻設定画面において時刻を設定する操作を行うことができず、ホールメニュー項目として表示されている時刻設定が選択決定されたことによって表示される時刻設定画面において時刻を設定する操作を行うことができる。
さらに、ホスト制御回路2100は、表示装置1016の表示領域に、ホールメニュー画面とあわせて、ホールメニュー画面における操作を阻害しないように例えば右下の極小領域に、「設定変更中です」または「設定確認中です」といった文字を表示する。また同時に、ホスト制御回路2100は、音声・LED制御回路2200(図145参照)を介して「設定変更中です」または「設定確認中です」といった音声がスピーカ1024から出力されるよう制御する。さらに、ホスト制御回路2100は、音声・LED制御回路2200(図145参照)を介してLED1025(例えば、図136参照)を白色で全点灯させる制御を実行する。このようにして、設定変更中であるか設定確認中であるかを、ホールメニュー画面における操作を阻害することなく操作者に把握させるようにしている。
次に、図243に戻り、ホスト制御回路2100は、ステップS5303において、ホールメニュー処理を実行する。このホールメニュー処理(ステップS5303)についての詳細は後述する。
ホスト制御回路2100は、ホールメニュー処理(ステップS5303)を実行したのち、設定変更処理または設定確認処理が終了したか否か、すなわち、設定変更処理が終了したことを示すコマンド(初期化コマンド)または設定確認処理が終了したことを示すコマンド(電断復帰コマンド)を、メインCPU101から受信したか否かを判別する(ステップS5304)。ホスト制御回路2100は、初期化コマンドおよび電断復帰コマンドのいずれをも受信していなければ(ステップS5304におけるNO)、ステップS5303のホールメニュー処理を継続して実行する。
また、メインCPU101は、初期化コマンドを送信する場合には、当該コマンドと同じタイミングで、変更後の設定値情報についてもホスト制御回路2100に送信する。
なお、変更後の設定値情報は、初期化コマンドと必ずしも同じタイミングで送信される必要はなく、設定変更処理と対応付けることができれば異なるタイミングで送信されるようにしてもよい。
また、メインCPU101は、電断復帰コマンドを送信する場合には、設定値が変更されていないため設定値情報をホスト制御回路2100に送信する必要はないが、設定値情報についてもホスト制御回路2100に送信するようにしてもよい。
ホスト制御回路2100は、ステップS5304において、設定変更処理または設定確認処理が終了、すなわち初期化コマンドまたは電断復帰コマンドをメインCPU101から受信すると(ステップS5304におけるYES)、サブワークRAM2100aに記憶されている履歴数が所定数N以上であるか否かを判別する(ステップS5305)。これは、サブワークRAM2100aに記憶されている履歴数に応じて、データの上書きを行うか、空き領域にデータを書き込むかを適宜決定することで、極力多くの履歴データを残しつつ、履歴を記録したいときに記録できないといった事態が発生してしまうことを未然に防止するようにしたものである。なお、所定数Nは、サブワークRAM2100aに記憶できる容量に応じて適宜設定することができるが、本実施形態では例えば500に設定されている。
サブワークRAM2100aに記憶されている履歴情報の履歴数が所定数N以上であれば(ステップS5305におけるYES)、ステップS5306に移り、履歴情報の上書き処理(ステップS5306)を実行する。ステップS5306の履歴情報の上書き処理は、サブワークRAM2100aに記憶されている履歴のうち、最も先に記憶された履歴(最も古い履歴情報)から順に上書きされる。なお、上記の履歴情報には、エラーモータ動作停止状態の履歴情報、初期位置復旧動作移行設定の履歴情報及び役物リクエスト受付不許可の履歴情報も含まれる。エラーモータ動作停止状態の履歴情報とは、エラーモータ動作停止状態に移行設定(図238のステップS6946、図241のステップS6979)された日時情報及びエラーモータ動作停止状態が解除(図243・図249のステップS5311)された日時情報等である。初期位置復旧動作移行設定の履歴情報とは、初期位置移動動作(図235のステップS6906)や初期位置復旧動作移行設定(図238のステップS6947)された日時情報である。役物リクエスト受付不許可の履歴情報とは、役物リクエストが不許可(図240のステップS6965、図241のステップS6980)にされた日時情報等である。ただし、エラーモータ動作停止状態の解除は、厳密には後述するステップS5311で行われる。しかし、設定変更状態または設定確認状態に制御されると必ずステップS5311の処理が行われるため、エラーモータ動作停止状態が解除された日時情報として、設定変更状態または設定確認状態に制御された日時情報が上書きされるようにするとよい。
また、上記では、エラーモータ動作停止状態の履歴情報、初期位置復旧動作移行設定の履歴情報及び役物リクエスト受付不許可の履歴情報がステップS5306またはステップS5307においてサブワークRAM2100aに記憶されるようにしているが、ステップS5302のホールメニュー処理において「エラー情報履歴」が選択されたときに(図250のステップS8008におけるYES)、表示装置1016に表示されるエラー情報履歴画面(図251参照)に反映させる観点からいえば、ステップS5301とステップS5302との間で、エラーモータ動作停止状態の履歴情報、初期位置復旧動作移行設定の履歴情報及び役物リクエスト受付不許可の履歴情報を、サブワークRAM2100aに記憶させる処理を行った方が好ましい。
また、上記のように、初期位置復旧動作移行設定の履歴情報や役物リクエスト受付不許可の履歴情報を閲覧できるようにすることで、エラーモータ動作停止といった深刻なエラーにまではいたっていないものの、エラーモータ動作停止といった深刻なエラーにいたる可能性を遊技機管理者が事前に把握することができ、パチンコ遊技機1001を適切に管理することが可能となる。
なお、ステップS5306の履歴情報の上書き処理では、サブワークRAM2100aにすでに記憶されている履歴情報に対して新たな履歴情報を上書きすることで、サブワークRAM2100aに記憶されている履歴情報が結果的に消去されるようにしているが、これに限られない。例えば、初期化コマンドまたは電断復帰コマンドを受信したときに、新たな履歴情報をサブワークRAM2100aに記憶させると所定の上限を超えるおそれがあれば、サブワークRAM2100aに記憶されている履歴情報の少なくとも一部を消去した上で、歴情報を記憶するようにしてもよい。また、初期化コマンドまたは電断復帰コマンドを受信していなくとも、これ以上の履歴情報をサブワークRAM2100aに記憶させると上限を超えるおそれがあるときに、サブワークRAM2100a記憶されている設定履歴情報の少なくとも一部を消去するようにしてもよい。
ホスト制御回路2100は、サブワークRAM2100aに記憶されている履歴数が所定数N未満であれば(ステップS5305におけるNO)、ステップS5307に移り、サブワークRAM2100aの空き領域に履歴情報を記録する履歴情報記録処理(ステップS5307)を実行する。なお、ステップS5307で記録される履歴情報にも、エラーモータ動作停止状態についての履歴情報が含まれる。
なお、本明細書において、ステップS5306の履歴情報の上書き処理およびステップS5307の履歴情報記録処理を総称して、履歴記録処理と称する場合がある。
なお、履歴情報とは、初期化コマンドまたは電断復帰コマンドをメインCPU101から受信したときの、RTC209により計時されている時間情報、操作種別情報(設定変更処理が実行された旨の情報または設定確認処理が実行された旨の情報)、および、設定値情報等の情報である。具体的には、初期化コマンドを受信した場合には、初期化コマンドを受信した時間情報と、設定変更処理が実行された旨の情報と、メインCPU101から送信された設定変更後の設定値情報とを対応付けた情報が履歴情報である。また、電断復帰コマンドを受信した場合には、電断復帰コマンドを受信した時間情報と、設定確認処理が実行された旨の情報と、メインCPU101から送信された現在の設定値情報とを対応付けた情報が履歴情報である。電断復帰コマンドを受信した場合に、メインCPU101から送信された現在の設定値情報を履歴情報に含むことは必須ではないが、上述した設定判定処理を実行するために、メインCPU101から送信された現在の設定値情報を履歴情報に含むことが好ましい。また、閲覧履歴も上記の履歴情報に含まれ、ホールメニュー処理(ステップS5303)において設定変更・確認履歴の閲覧が行われていれば、ステップS5306において閲覧履歴が履歴情報として上書き処理されるか、またはステップS5307においてサブワークRAM2100aの空き領域に閲覧履歴が履歴情報として記録される。
なお、正常な状態では、電源が投入されると、ホスト制御回路2100が起動した後にメインCPU101からはすぐに何らかのコマンド(例えば、電断復帰コマンド、設定操作コマンドなど)が送信されることとなるが、ホスト制御回路2100は、起動してから所定時間(例えば30秒)経過してもメインCPU101からのコマンドが受信されないときには異常と判断し、サブ制御回路270側において遊技停止状態とする。サブ制御回路270側において遊技停止状態となったときの表示出力、音声出力およびLED1025の各態様については後述する。
また、サブワークRAM2100aに記憶させる履歴情報の1つである時間情報は、日時の情報のみならず、時分までの情報あるいは時分秒までの情報まで記憶させることが好ましい。
ホスト制御回路2100は、ステップS5306またはステップS5307の処理を実行したのち、ステップS5308に移る。
ホスト制御回路2100は、ステップS5308において、設定変更が行われたか否か、すなわち、ステップS5304において初期化コマンドを受信したか否かを判別する(ステップS5308)。なお、ステップS5301において受信した設定操作コマンドが設定変更開始コマンドであるときは、ステップS5304において電断復帰コマンドを受信することはなく、ステップS5301において受信した設定操作コマンドが設定確認開始コマンドであるときは、ステップS5304において初期化コマンドを受信することはない。また、ステップS5308の処理では、設定変更が行われたことをホスト制御回路2100が判別できればよいため、ステップS5304において受信したコマンドが初期化コマンドであるか否かの判別に代えて、例えば変更後の設定値情報を受信したことをもって設定変更処理が行われたと判別するようにしてもよい。
ホスト制御回路2100は、設定変更が行われたと判別すると(ステップS5308におけるYES)、設定変更初期化処理を行い(ステップS5309)、ステップS5310に移る。
ホスト制御回路2100は、ステップS5310において、エラーモータ動作停止状態であるか否かを判別する(ステップS5310)。すなわち、ステップS6905(図235参照)、ステップS6946(図238参照)、ステップS6979(図241参照)の処理が行われていれば、エラーモータ動作停止状態と判別される。
ホスト制御回路2100は、エラーモータ動作停止状態であると判別すると(ステップS5310におけるYES)、エラーモータ動作停止状態を解除する(ステップS5311)。エラーモータ動作停止状態が解除されると、全役物についての動作が可能となる。
一方、エラーモータ動作停止状態でなければ(ステップS5310におけるNO)、役物リクエストが不許可であるか否かを判別し(ステップS5322)、役物リクエストが不許可であれば(ステップS5322におけるYES)、役物リクエスト不許可の解除・初期位置復旧カウンタのリセット・連続エラー回数のリセットを行い(ステップS5323)、ステップS5312に移る。役物リクエストが不許可でなければ(ステップS5322におけるNO)、ステップS5322の処理を行わずにステップS5312に移る。
なお、エラーモータ動作停止状態の解除(ステップS5311)は、設定変更処理及び設定確認処理のいずれが行われた場合であっても実行されるようにしているが、これに限られず、例えば、設定変更処理が行われたときには解除し、設定確認処理が行われたときには解除されないようにしてもよい。
また、上述したとおり、設定変更処理が行われるとバックアップクリア処理も行われるが、エラーモータ動作停止状態の解除(ステップS5311)は、設定変更処理が行われた場合には実行される一方、設定変更処理を伴わないバックアップクリア処理(例えば、図168のステップS5022においてNO判定のときに実行されるバックアップクリア処理)が行われたときには実行されないようにすることが好ましい。役物群を用いた演出は、遊技興趣を高める上で重要な要素であることから、役物が正常に動作できない遊技機で遊技が行われると興趣の低下が否めない。そのため、役物が動作できなくなった遊技機を稼動させるか否かといった重要な判断については権限を有するホール関係者によって行われるようにし、権限を有しない者によってエラーモータ動作停止状態を解除できないようにしている。ただし、役物リクエスト不許可の解除・初期位置復旧カウンタのリセット・連続エラー回数のリセット(ステップS5323)のように、エラーモータ動作停止状態のような深刻なエラーにまでいたっていないときには、利便性の観点から、設定変更処理が行われた場合のみならず、設定変更処理を伴わないバックアップクリア処理が行われた場合にも実行されるようにすることが好ましい。
ホスト制御回路2100は、ステップS5312において、ホールメニュー再表示処理を実行する。このとき、再表示されるホールメニュー画面は、設定変更中または設定確認中に表示されるホールメニュー画面(ステップS5302において表示されるホールメニュー画面)とは異なり、設定変更処理が終了して遊技の実行が可能な状態(またはステップS5030の遊技復帰処理中)に表示される画面であり、例えば図247に示されるように、ホールメニューの項目の中の一つに、ホールメニュー終了の項目が表示される。なお、図247は、ステップS5312のホールメニュー再表示処理が実行されたときに、表示装置1016の表示領域に表示されるホールメニュー画面の一例を示す図である。
すなわち、設定変更中または設定確認中に表示されるホールメニュー画面(ステップS5302において表示されるホールメニュー画面)では、操作者の意思でホールメニュー画面の表示を終了することはできないが、設定変更処理が終了したのちに再表示されるホールメニュー画面(ステップS5312において表示されるホールメニュー画面)では、操作者の意思でホールメニュー画面の表示を終了することができるように構成されている。なお、ステップS5302において表示されるホールメニュー画面(例えば、図245参照)とステップS5312において表示されるホールメニュー画面(図247参照)とは、各項目のうちのいずれかを選択決定して操作できるといった機能面(例えば、設定変更・確認履歴画面を閲覧できるといった機能面)等は共通する。
また、ホスト制御回路2100は、ステップS5308において設定変更が行われたと判別したとき(ステップS5308におけるYES)、ステップS5312のホールメニュー再表示処理において、表示装置1016の表示領域に、ホールメニュー画面とあわせて、ホールメニュー画面における操作を阻害しないように例えば右下の極小領域に、「設定が変更されました」といった文字を表示する。選択されたホールメニュー項目の画面(例えば、設定変更・確認履歴画面)が表示されたときにも、同様に、当該画面における操作を阻害しないように例えば右下の極小領域に、「設定が変更されました」といった文字を表示する。また同時に、ホスト制御回路2100は、音声・LED制御回路2200(図145参照)を介して「設定が変更されました。RAMが初期化されました」といった音声がスピーカ1024から出力されるよう制御する。これにより、設定が変更されたこと(あわせてバックアップクリア処理が実行されたこと)を、ホールメニュー画面または選択されたホールメニュー項目の画面における操作を阻害することなく操作者に把握させることが可能となる。さらに、ホスト制御回路2100は、音声・LED制御回路2200(図145参照)を介してLED1025(例えば、図136参照)を赤色で全点灯させる制御を実行する。
一方、ステップS5308において設定確認が行われたと判別したとき(ステップS5308におけるNO)、すなわちステップS5304において受信したコマンドが設定確認処理の終了を示す電断復帰コマンドであるとき、ホスト制御回路2100は、ステップS5309〜ステップS5316の処理を実行せずに、ステップS5317の遊技画面復帰処理を実行する。したがって、設定確認処理が終了したときは、ホールメニュー再表示処理(ステップS5312)は実行されない。また、表示装置1016の表示領域に設定確認が終了した旨を示す文字も表示しない。さらに、設定確認が終了した旨を示す音声も出力しない。ただし、音声・LED制御回路2200(図145参照)を介してLED1025(例えば、図136参照)を赤色で全点灯させる制御がホスト制御回路2100により実行される。
ところで、ステップS5302の処理が実行されるときおよびステップS5312の処理が実行されるときは、いずれも、表示装置1016の表示領域にホールメニュー画面が表示されるが、ステップS5302の処理が実行されるときは設定確認中または設定変更中であるため遊技を実行することができないのに対し、ステップS5312の処理が実行されるときは遊技を実行することができる。しかし、上述したように、ステップS5302の処理が実行されるときとステップS5312の処理が実行されるときとで、表示装置1016の表示領域への文字表示の態様(設定確認終了時は表示されない)、スピーカ1024から出力させる音声の態様、および、LED1025の発光態様が大きく異なっている。そのため、表示装置1016の表示領域にホールメニュー画面や選択されたホールメニュー項目の画面が表示されていたとしても、ホールメニュー画面や選択されたホールメニュー項目の画面における操作(例えば、ホールメニュー項目を選択する操作やページ更新するための操作等)を阻害することなく、パチンコ遊技機1001が遊技を実行することが可能な状態であるか不可能な状態であるかを、外観で容易に把握することが可能となっている。
ホスト制御回路2100は、ステップS5312の処理を実行すると、ステップS5313に移り、ホールメニュー処理を実行する。このステップS5313のホールメニュー処理は、基本的にステップS5303と同様の処理であるが、後述する図253のステップS8072におけるYESのときの処理が異なっており、これについては後述する。
ホスト制御回路2100は、ステップS5314において、再表示されたホールメニュー画面において、「ホールメニュー終了」が選択されたか否かを判別する。「ホールメニュー終了」が選択されたと判別すると(ステップS5314におけるYES)、ホスト制御回路2100は、遊技画面復帰表示処理(ステップS5317)を行う。この遊技画面復帰表示処理において、ホスト制御回路2100は、表示装置1016の表示領域に、遊技を行う際に表示する演出用の映像や、パチンコ遊技機1001(例えば発射ハンドル32)が所定期間操作されなかった場合に表示される初期映像を表示する。そして、ホスト制御回路2100は、ステップS5317の遊技画面復帰処理を実行した後、ステップS5318に移る。
一方、ステップS5314において「ホールメニュー終了」が選択されていないと判別すると(ステップS5314におけるNO)、ホスト制御回路2100は、所定時間(例えば30秒)が経過していないか否かを判別する(ステップS5315)。図243では図示を省略しているが、設定変更処理または設定確認処理が終了したとき(ステップS5304におけるYES)、ホールメニュー再表示処理(ステップS5312)を実行したとき、ホールメニュー処理(ステップS5313)においていずれかのホールメニュー項目が選択されたとき等、操作者が何らかの操作を行ったことにもとづいて計時を開始しており、ステップS5315の処理は、この計時時間が所定時間経過していないか否かを判別する処理であり、操作者が所定時間以上にわたって何らの操作も実行しなければ、ホスト制御回路2100は、ステップS5315においてYESと判別する。
ホスト制御回路2100は、無操作のまま所定時間(例えば30秒)が経過したと判別すると(ステップS5315におけるYES)、再表示されたホールメニュー画面の表示を終了し、ステップS5317の遊技画面復帰表示処理を実行する。
また、無操作のまま所定時間(例えば30秒)が経過していなければ(ステップS5315におけるNO)、ホスト制御回路2100は、演出制御オブジェクトを生成するコマンドを受信したか否かを判別する(ステップS5316)。演出制御オブジェクトを生成するコマンドは、遊技が実行されると受信可能となるコマンドであり、例えば、図柄の変動開始コマンド、図柄の変動確定(変動停止)コマンド、大当り遊技の実行開始コマンド、大当り遊技におけるラウンド数を示すコマンド、大当り遊技におけるラウンドインターバルコマンド、大当り遊技の終了コマンド、初期化コマンド、電断復帰コマンド等である。ホスト制御回路2100は、ステップS5316において、これらの演出制御オブジェクトを生成するコマンドのうちいずれかのコマンドを受信したと判別すると、再表示されたホールメニュー画面の表示を終了し、ステップS5317の遊技画面復帰表示処理を実行する。これにより、メインCPU101による遊技の進行にあわせた遊技画面が表示装置1016の表示領域に表示されることとなり、例えばメインCPU101による遊技が進行しているにもかかわらず遊技とは無関係の画像が表示される等といった、遊技の進行が阻害されることを防止することが可能となる。一方、演出制御オブジェクトを生成するコマンドを受信していないと判別すると(ステップS5316におけるNO)、ステップS5313に戻る。
ホスト制御回路2100は、遊技画面復帰表示処理(ステップS5317)を実行すると、ステップS5318に移り、ホールメニュー表示禁止処理を実行する。このホールメニュー表示禁止処理は、表示装置1016の表示領域に、ホールメニュー画面が再び表示されることを禁止する処理である。すなわち、ホールメニュー表示禁止処理(ステップS5318)が実行されると、設定キー328を再びON操作したとしてもホールメニュー画面が表示されず、電源OFF操作を行って設定変更処理または設定確認処理が実行されない限りホールメニュー表示処理(ステップS5302)を実行することができない。
このように、ホールメニュー画面は、原則的には設定変更処理または設定確認処理の実行中に表示装置1016の表示領域に表示される画面である。ただし、設定変更処理が実行されたときには、この設定変更処理が終了したとしても、例えば、ホールメニュー画面において操作者自身が「ホールメニュー終了」の項目を選択しないこと(ステップS5314におけるNO)、無操作時間が所定時間経過しないこと(ステップS5315におけるNO)、演出制御オブジェクトを生成するコマンドを受信していないこと(ステップS5316におけるNO)といった一定条件下では、ステップS5313〜ステップS5316の処理が繰り返し実行され、ホールメニュー画面が継続して表示されることとなる。したがって、ホールメニュー画面または選択されたホールメニュー項目の画面(例えば設定変更・確認履歴画面)において操作者が何らかの操作を行っていれば、ホールメニュー画面または選択されたホールメニュー項目の画面の表示が終了することなく継続して表示されることとなる。これにより、設定変更処理または設定確認処理が終了したとしても、操作者がホームメニュー画面または選択されたホールメニュー項目の画面を操作する時間に猶予を持たせることが可能となる。しかも、操作者が「ホールメニュー終了」を選択し忘れたとしても、所定時間(例えば30秒)にわたって無操作であるとホールメニュー画面または選択されたホールメニュー項目の画面の表示が終了して遊技画面復帰処理(ステップS5317)が実行されるため、権限を有しない者(例えば遊技機管理者でないホール係員や遊技者)が設定変更履歴、設定確認履歴、閲覧履歴などの秘匿情報を容易に閲覧することができず、セキュリティ性を担保することが可能となる。
なお、ホールメニュー画面は、上述した通り、権限を有しない者(例えば遊技機管理者でないホール係員や遊技者)が設定変更履歴、設定確認履歴、閲覧履歴などの秘匿情報を容易に閲覧できないように、設定変更処理または設定確認処理の実行中に表示装置1016の表示領域に表示される画面であるが、権限を有しない者が容易に操作することができないことを担保できれば、ホールメニュー画面は、必ずしも、設定変更処理または設定確認処理の実行中に表示される画面に限定されず、また、表示される契機も特定の操作に限定されない。例えば、権限を有しない者が操作できない態様で電源ON操作をパチンコ遊技機1001に設けて、演出ボタン1062を押下しながら電源ON操作を行った場合にホールメニュー画面が表示されるようにしてもよい。また、権限を有しない者が操作できない態様で設定変更や設定確認を行う(上述とは別の態様で設定変更や設定確認を行う)ことができる操作部をパチンコ遊技機1001に設けて、この操作部が操作された場合にホールメニュー画面が表示されるようにしてもよい。さらに、権限を有しない者が操作できない態様でディップスイッチやボタン等をパチンコ遊技機1001に設けて、ディップスイッチやボタン等がデモ演出中や遊技中に操作された場合にホールメニュー画面が表示されるようにしてもよい。すなわち、ホスト制御回路2100は、所定の操作(例えば、設定キー328のON操作+電源投入操作、演出ボタン1062の押下操作+電源投入操作、電源ON中に特定操作)が行われたことに基づいてホールメニュー画面を表示するようにしてもよい。また、ホールメニュー画面の表示を終了する際にも、ホールメニュー画面において「ホールメニュー終了」が選択されたことに基づいて終了させることに限定されず、ホスト制御回路2100は、特定の操作が行われたことに基づいてホールメニュー画面を終了するようにしてもよい。この段落に記載した内容は、第11実施形態に限らず、後述する第12実施形態、第13実施形態においても同様である。
また、ホールメニュー画面には、設定変更履歴、設定確認履歴、閲覧履歴などの秘匿情報等が表示されるが、これらに加えてまたはこれらに代えて、例えば、ホールメニュー画面において、節電モードのON・OFFの設定や、音量や光量の設定等、各種設定を変更したり確認したりすることができるようにしてもよい。すなわち、例えば大当り確率のように遊技者にとっての有利度合いが異なる設定値のみならず、演出にかかわる各種設定を変更できるようにしてもよい趣旨である。この場合、1種類の(すなわち種類毎に)設定を変更したり確認したりすることができてもよいし、複数種類(例えば音量および光量)の設定を変更したり確認したりすることができてもよい。ただし、例えば大当り確率のように遊技者にとっての有利度合いが異なる設定値の変更は、メインCPU101によって設定変更状態または設定確認状態に制御されているときに行うことができるが、節電モードのON・OFFの設定や、音量や光量の設定等の各種設定は、ホスト制御回路2100によって変更または確認できる状態(例えばホールメニュー画面が表示されている状態)に制御されているときに行うことができる。この段落に記載した内容は、第11実施形態に限らず、後述する第12実施形態、第13実施形態においても同様である。
また、ホールメニュー画面に秘匿情報が含まれない場合には、権限を有しない者が所定の操作を行うことによってホールメニュー画面が表示されるようにしてもよい(第11実施形態に限らず、後述する第12実施形態、第13実施形態においても同様)。
さらに、「設定値」と称呼した場合も各種設定に直接的に又は間接的に対応した値であれば特に限定されず、例えば遊技機管理者等によって設定可能なものであれば特に限定されない。「各種設定に直接的に対応した値」とは、例えば、音量レベル2に設定した場合に、音量レベル2で音声出力が行われるような場合が相当する。また、「各種設定に間接的に対応した値」とは、例えば、一の操作で音量レベルおよび光量レベルといった複数種類のレベル設定を行う場合に、複数種類のレベル設定がレベル3に設定されたときに、音量レベルが例えばレベル2に変換されて設定されるような場合が相当する。この段落に記載した内容は、第11実施形態に限らず、後述する第12実施形態、第13実施形態においても同様である。
なお、本実施形態では、ステップS5316において、演出制御オブジェクトを生成するコマンドを受信したと判別したときに遊技画面復帰処理(ステップS5317)およびホールメニュー表示禁止処理(ステップS5318)を行っているが、必ずしもこれに限られず、例えば、発射ハンドル32が操作されたことを示すコマンドを受信したこと等、遊技の実行が開始されると受信可能となる特定のコマンドを受信したことにもとづいて、遊技画面復帰処理(ステップS5317)およびホールメニュー表示禁止処理(ステップS5318)を行うようにしてもよい。
ここで、設定変更処理を伴わないバックアップクリア処理を含めて、エラーが発生したときの報知態様について、図248を参照して説明する。図248は、表示装置1016の表示領域にエラー内容が表示された画面の一例であり、(a)設定変更処理を伴わないバックアップクリア処理が実行されたことを示す画面、(b)始動口異常入賞エラーが発生したことおよび設定変更処理を伴わないバックアップクリア処理が実行されたことを示す画面、(c)設定変更処理を伴わないバックアップクリア処理が実行されたことおよび始動口異常入賞エラーの両方が発生している状態で、バックアップクリア処理が実行されたことを示す報知期間(例えば30秒)が経過したのちの画面、を示す図である。
図248に示されるように、複数のエラーが発生した場合、ホスト制御回路2100は、表示装置1016の表示領域に発生したエラー内容を全て表示するとともに、優先順位の高いエラー順に、音声・LED制御回路2200(図145参照)を介してスピーカ1024から音声を出力するとともに、音声・LED制御回路2200(図145参照)を介してLED1025の発光制御を実行する。
設定変更処理を伴わないバックアップクリア処理が実行されたとき、他にエラーが発生していない場合には、ホスト制御回路2100は、図248(a)に示されるように、表示装置1016の表示領域内に「RAMがクリアされました」といった文字が表示されるよう制御するとともに、「RAMがクリアされました」といった音声がスピーカ1024から出力されるよう制御し、さらに、音声・LED制御回路2200(図145参照)を介してLED1025(例えば、図136参照)を赤色で全点灯させる制御を実行する。なお、「RAMがクリアされました」といった文字は、「設定が変更されました」といった文字が表示される上述の極小領域(図247参照)よりも大きな領域を用いて表示される。
すなわち、本実施形態では、設定変更処理を行うときはバックアップクリア処理も必ず実行され(図169参照)、設定変更処理終了後に実行されるステップS5312のホールメニュー再表示処理では、上述したとおり、「設定が変更されました」といった文字が表示装置1016の表示領域に表示されるものの、バックアップクリア処理が実行されたことについては表示されず、「設定が変更されました。RAMが初期化されました」といった音声がスピーカ1024から出力されるだけにとどまる。これに対し、設定変更処理を伴わずにバックアップクリア処理が実行されたとき、ホスト制御回路2100は、表示装置1016の表示領域内において、上述の極小領域(図247参照)よりも大きな領域を用いて「RAMがクリアされました」といった文字が表示されるよう制御するとともに、「RAMがクリアされました」といった音声がスピーカ1024から出力されるよう制御する(図248(a)参照)。ここで、設定変更処理を伴うバックアップクリア処理における主たる目的は設定値を変更することである(バックアップクリア処理ではない)のに対し、設定変更処理を伴わないバックアップクリア処理ではバックアップクリア処理が主たる目的であると考えられる。そのため、設定変更処理を伴うバックアップクリア処理が実行されたときは、再表示されるホールメニュー画面の操作を阻害しない態様で、バックアップクリア処理が実行されたことを控えめに報知するようにしている。これに対し、設定変更処理を伴わないバックアップクリア処理が実行されたときは、バックアップクリア処理が実行されたことを、設定変更処理を伴うバックアップクリア処理が実行されたときよりも目立つ態様で報知することで、バックアップクリア処理が不正に実行されることを抑制できるようにしている。
なお、バックアップクリア処理が実行されたあと、他のエラーとして例えば始動口異常入賞エラーも発生していれば、例えば図248(b)に示されるように、始動口異常入賞エラーが発生したことと、バックアップクリア処理が実行されたこととの両方が、表示装置1016の表示領域に文字として表示される。このとき、始動口異常入賞エラーよりもバックアップクリア処理が実行されたことの方が優先順位が高いため、発生した順にかかわらず、バックアップクリア処理が実行された旨を示す文字が上位に表示される。また、優先順位が高いバックアップクリア処理が実行されたことを報知する音声がスピーカ1024から出力されるとともに、バックアップクリア処理が実行されたことを示す態様でLED1025が発光される。
また、バックアップクリア処理が実行されたことおよび始動口異常入賞エラーの両方が発生している状態で、バックアップクリア処理が実行されたことについての報知期間(例えば30秒)が経過すると、バックアップクリア処理が実行されたことを示す文字が表示装置1016の表示領域から削除され、他のエラーが発生していなければ、始動口異常入賞エラーを示す文字のみが表示装置1016の表示領域に表示される。また、スピーカ1024から出力される音声は、バックアップクリア処理が実行されたことを報知する音声から始動口異常入賞エラーが発生したことを報知する音声に変化するとともに、LED1025の発光態様も、バックアップクリア処理が実行されたことを示す態様から始動口異常入賞エラーが発生したことを示す態様に変化する。このようにして、発生しているエラー内容を容易に把握することができるようになっている。
なお、上記では、設定変更処理中または設定確認処理中であると判別、すなわち設定操作コマンドを受信したと判別したとき(ステップS5301におけるYES)に、ホールメニュー表示処理(ステップS5302)を実行する旨を説明したが、設定変更処理を伴わないバックアップクリア処理が実行されたときにも実行するようにするとよい。設定変更処理を伴わないバックアップクリア処理は、電源が投入されていない状態で、設定キー328をON操作せずに、バックアップクリアスイッチ330の押下操作および電源スイッチ35のON操作の両方が行われると実行される(図168参照)。バックアップクリア処理が実行されると、メインCPU101は初期化コマンドをホスト制御回路2100に送信するので、設定操作コマンドを受信せずに初期化コマンドを受信したホスト制御回路2100は、設定変更処理を伴わないバックアップクリア処理が実行されたと判別することができ、ホールメニュー表示処理(ステップS5302)およびホールメニュー処理(ステップS5303)を実行することができる。
[10−17−1.ホールメニュータスクの他の例]
ところで、本実施形態のパチンコ遊技機のメインCPU101は、電源投入時処理(図166参照)の遊技許可処理(ステップS5017)において、メインRAM103の作業領域が正常であるか否かを判別しており(図167のステップS6730参照)、例えば、設定値データが規定の範囲内(本実施形態では「0」〜「5」の範囲内)でないとき、メインRAM103の作業領域が正常でないと判別し(ステップS6730におけるNO)、遊技許可フラグをOFFにし(ステップS6760参照)、遊技を実行できないようにしている。ただし、例えば、主制御基板30が不正に取り替えられたりした場合には、RAM103の作業領域チェック処理(ステップS6720)が実行されない可能性が高い。また、不正信号が入力されてセットされている設定値が変更されるような場合には、設定値データが「0」〜「5」の範囲内である可能性がある。そこで、遊技の実行中に実行される上述の設定判定処理と同様に、ステップS6720において作業領域チェック処理が実行されない場合や、設定値が不正に変更された可能性があるにもかかわらず設定値データが「0」〜「5」の範囲内である場合(例えば、ステップS6730においてYESと判別される場合)を想定し、ホスト制御回路2100により設定値情報の適否を判定する設定判定処理(ステップS5319およびステップS5320の処理)を実行するようにしてもよい。この場合のホールメニュータスクを図249に示す。図249は、ホスト制御回路2100により実行されるホールメニュータスクの他の例であって、ホスト制御回路2100により設定値情報の適否を判定する設定判定処理を実行する場合のフローチャートである。以下において、ホールメニュータスクの他の例について説明する。ただし、図243と共通する処理についての説明は省略し、設定判定処理についてのみ説明する。
先ず、メインCPU101は、設定確認処理が終了したことを示す電断復帰コマンドを送信する場合であっても、遊技の進行に用いられる現在の設定値としてメインRAM103に記憶されている設定値情報をホスト制御回路2100に送信する。
一方、電断復帰コマンドを受信したホスト制御回路2100は、設定変更が行われていないと判別し(ステップS5308におけるNO)、ステップS5319に移る。このステップS5319において、ホスト制御回路2100は、設定値チェック処理を実行する。この設定値チェック処理(ステップS5319)は、現在の設定値情報(電断前にメインCPU101から送信された、サブワークRAM2100aに記憶されている設定値情報)およびメインCPU101から送信された設定値情報(電断後にメインCPU101から送信された設定値情報)を確認する処理である。なお、ステップS5308において設定変更が行われていないと判別したとき(ステップS5308におけるNO)、ステップS5309〜ステップS5316の処理は実行しない。
設定値チェック処理(ステップS5319)において現在の設定値情報およびメインCPU101から送信された設定値情報を確認した後、ホスト制御回路2100は、設定値適否判断処理すなわち設定値が適正であるか否かを判断する(ステップS5320)。このとき、現在の設定値情報とメインCPU101から送信された設定値情報とが一致していれば適正と判断し(ステップS5320におけるYES)、ステップS5317に移る。ステップS5317以降の処理は上述したとおりである。
一方、現在の設定値情報とメインCPU101から送信された設定値情報とが一致していなければ不適であると判断し(ステップS5320におけるNO)、ステップS5321に移り、ホスト制御回路2100は、設定値異常時処理を実行する。
上記の設定値異常時処理は、表示装置1016の表示領域に、設定値が異常である旨を報知する画像を表示する処理である。なお、この設定値異常時処理(ステップS5321)では、設定値が異常である旨を報知する画像を表示する処理に代えてまたは加えて、設定値が異常である旨を報知する音声を出力する処理を実行するようにしてもよい。
このように、メインCPU101から送信されたコマンドが設定確認処理の終了を示す電断復帰コマンドである場合に、ホスト制御回路2100は、設定判定処理(ステップS5319およびステップS5320の処理)を実行し、設定値が適正でないと判断したときには(ステップS5320におけるNO)設定値異常時処理(ステップS5321)を実行することで、設定値が適正でないことを遊技機管理者に報知することが可能となる。
なお、上述の設定判定処理(ステップS5319およびステップS5320の処理)は、設定確認処理が終了したときに実行しているが、設定変更処理および設定確認処理のいずれも実行せずに、設定変更処理を伴わないバックアップ処理(電源が投入されていない状態で、設定キー328をON操作せずに、バックアップクリアスイッチ330の押下操作し且つ電源スイッチ35のON操作)を実行した場合や、ただ単に電源を投入しただけの場合にも実行することが好ましい。設定変更処理が実行されない限り、電断前に受信した設定値情報と電断後に受信した設定値情報とが一致しているか否かの判定を実行することで、ホスト制御回路2100により設定値情報の適否を判定することが可能だからである。
[10−18.ホールメニュー処理]
次に、図250を参照して、ホールメニュータスク(図243、図249参照)におけるホールメニュー処理(ステップS5303)について説明する。図250は、ホスト制御回路2100により実行されるホールメニュー処理の一例を示すフローチャートである。
まず、ホスト制御回路2100は、セレクトボタン664または/およびメインボタン662が操作者に操作されたことに基づいて各種情報・設定の確認や各種設定の変更を行う対象であるホールメニュー項目を選択するホールメニュー選択処理を行う(ステップS8001)。なお、図250のホールメニュー選択処理では、ホールメニュー項目が、時刻設定、賞球情報、設定履歴・設定確認履歴、エラー情報履歴、監視履歴、警告表示設定、報知設定、省電力モード、メンテナンス、役物動作確認、液晶輝度設定、音量調節設定の場合について説明するが、ホールメニュー項目は、上述したとおりこれらに限られない。
次に、ホスト制御回路2100は、ステップS8001で選択したホールメニューは「時刻設定」であるか否かを判別する(ステップS8002)。ステップS8002において、選択したホールメニューが「時刻設定」であると判別した場合(ステップS8002におけるYES)、ホスト制御回路2100は、時刻設定処理を行う(ステップS8003)。この時刻設定処理では、ホスト制御回路2100は、表示装置1016の表示領域に時刻設定画面(不図示)を表示し、操作者が、設定されている時刻の確認および変更を行うことを可能とする。
ホスト制御回路2100は、ステップS8001で選択したホールメニューが「時刻設定」でないと判別した場合(ステップS8002におけるNO)、ステップS8001で選択されたホールメニューが「賞球情報」であるか否かを判別する(ステップS8004)。ホスト制御回路2100は、選択したホールメニューが「賞球情報」であると判別した場合(ステップS8004におけるYES)、賞球情報処理を行う(ステップS8005)。この賞球情報処理では、ホスト制御回路2100は、表示装置1016の表示領域に賞球情報画面(不図示)を表示し、操作者によって、賞球情報の確認が行われることを可能とする。賞球情報は、例えば、本日払い出された賞球数情報、本日払い出された賞球数と発射された遊技球数との差分情報、過去数日間に払い出された日毎の賞球数情報、過去数日間に払い出された賞球数と発射された賞球数との差分情報(日毎)等である。
ホスト制御回路2100は、ステップS8001で選択したホールメニューが「賞球情報」でないと判別した場合(ステップS8004におけるNO)、ステップS8001で選択したホールメニューが「設定変更・確認履歴」であるか否かを判別する(ステップS8006)。ホスト制御回路2100は、選択したホールメニューが「設定変更・確認履歴」であると判別した場合(ステップS8006におけるYES)、設定変更・確認履歴処理を行う(ステップS8007)。この設定変更・確認履歴処理では、ホスト制御回路2100は、表示装置1016の表示領域に、後述する設定変更・確認履歴画面(例えば、後述の図254参照)を表示し、操作者が、設定の確認履歴、変更履歴および閲覧履歴を確認することを可能とする。
また、ホスト制御回路2100は、セレクトボタン664が操作されて「設定変更・確認履歴」が選択されている状態で、メインボタン662が操作されたことを検知すると、表示装置1016の表示領域に、設定変更・確認履歴画面(例えば、後述の図254参照)を表示し、操作者が、設定(設定値)の変更履歴、設定(設定値)の確認履歴、閲覧履歴、確認した設定(設定値)および変更後の設定(設定値)を確認することを可能とする。なお、設定変更・確認履歴処理の詳細については、図252および図253を参照して後述する。
ホスト制御回路2100は、ステップS8001で選択したホールメニューが「設定変更・確認履歴」でないと判別した場合(ステップS8006におけるNO)、ステップS8001で選択したホールメニューが「エラー情報履歴」であるか否かを判別する(ステップS8008)。ホスト制御回路2100は、選択したホールメニューが「エラー情報履歴」であると判別した場合(ステップS8008におけるYES)、エラー情報履歴処理を行う(ステップS8009)。このエラー情報履歴処理において、ホスト制御回路2100は、表示装置1016の表示領域にエラー情報履歴画面(例えば、図251参照)を表示し、操作者がエラー情報履歴の確認や変更を行うことを可能とする。
なお、エラー情報履歴処理において表示されるエラー履歴は、例えば、ホスト制御回路2100がバックアップ不良と判断したときにエラー履歴としてサブワークRAM2100aに記憶された情報等である。ホスト制御回路2100がバックアップ不良と判断するのは、上述したとおり、メインCPU101から異常コマンドを受信したときであってもよいし、メインCPU101から異常コマンドを送信せずに、サブ制御回路270(図144参照)への電源供給が開始されてから所定時間(例えば30秒)、メインCPU101からの正常なコマンドを受信できなかったときであってもよい。
図251に示すように、エラー情報履歴画面の略中央には、エラー情報履歴表が配置されている。エラー情報履歴表は、エラーコードが表示されるエラー内容列、エラーコードが記録された日時が表示される発生日時列、エラーが解除された日時が表示される解除日時列を有している。例えば、図251のエラー情報履歴画面のNo2のエラー内容には「MOTOR ERR」が示されているが、これは、例えば、ステップS6905(図235参照)、ステップS6946(図238参照)、ステップS6979(図241参照)の処理が行われた日時情報を示すものである。図251では示されていないが、エラーモータ動作停止状態の解除処理(ステップS5311)が行われた日時情報(厳密には、設定変更状態または設定確認状態に制御された日時情報)が、解除日時の欄に示される。また、エラー情報履歴画面の左下部には、エラー情報履歴画面における操作方法が表示されている。例えば、セレクトボタン664a〜664d(図138参照)を操作することでカーソル(不図示)を上下左右に移動することができる旨が示されており、メインボタン662を操作することで決定することができる旨が示されている。
ホスト制御回路2100は、ステップS8001で選択したホールメニューが「エラー情報履歴」でないと判別した場合(ステップS8008におけるNO)、ステップS8001で選択したホールメニューが「監視履歴」であるか否かを判別する(ステップS8010)。選択したホールメニューが「監視履歴」であると判別した場合(ステップS8010におけるYES)、ホスト制御回路2100は、監視履歴処理を行う(ステップS8011)。この監視履歴処理では、ホスト制御回路2100は、表示装置1016の表示領域に監視履歴処理画面(不図示)を表示し、操作者が監視履歴の確認を行うことを可能とする。
ホスト制御回路2100は、ステップS8001で選択したホールメニューが「監視履歴」でないと判別した場合(ステップS8010におけるNO)、ステップS8001で選択したホールメニューが「警告表示設定」であるか否かを判別する(ステップS8012)。選択したホールメニューが「警告表示設定」であると判別した場合(ステップS8012におけるYES)、ホスト制御回路2100は、警告表示設定処理を行う(ステップS8013)。この警告表示設定処理では、ホスト制御回路2100は、表示装置1016の表示領域に警告表示設定画面(不図示)を表示し、操作者が警告表示設定の確認および変更を行うことを可能とする。
ホスト制御回路2100は、ステップS8001で選択したホールメニューが「警告表示設定」でないと判別した場合(ステップS8012におけるNO)、ステップS8001で選択したホールメニューが「報知設定」であるか否かを判別する(ステップS8014)。選択したホールメニューが「報知設定」であると判別した場合(ステップS8014におけるYES)、ホスト制御回路2100は、報知設定処理を行う(ステップS8015)。この報知設定処理では、ホスト制御回路2100は、表示装置1016の表示領域に報知設定画面(不図示)を表示し、操作者が報知設定の確認および変更を行うことを可能とする。
ホスト制御回路2100は、ステップS8001で選択したホールメニューが「報知設定」でないと判別した場合(ステップS8014におけるNO)、ステップS8001で選択したホールメニューが「省電力モード」であるか否かを判別する(ステップS8016)。選択したホールメニューが「省電力モード」であると判別した場合(ステップS8016におけるYES)、ホスト制御回路2100は、省電力モード処理を行う(ステップS8017)。この省電力モード処理では、ホスト制御回路2100は、表示装置1016の表示領域に省電力モード画面(不図示)を表示し、操作者が省電力モードの設定の確認および変更を行うことを可能とする。
ホスト制御回路2100は、ステップS8001で選択したホールメニューが「省電力モード」でないと判別した場合(ステップS8016におけるNO)、ステップS8001で選択したホールメニューが「メンテナンス」であるか否かを判別する(ステップS8018)。選択したホールメニューが「メンテナンス」であると判別した場合(ステップS8018におけるYES)、ホスト制御回路2100は、メンテナンス処理を行う(ステップS8019)。メンテナンス処理の詳細については図265を参照して後述する。
ホスト制御回路2100は、ステップS8001で選択したホールメニューが「メンテナンス」でないと判別した場合(ステップS8018におけるNO)、ステップS8001で選択したホールメニューが「役物動作確認」であるか否かを判別する(ステップS8020)。選択したホールメニューが「役物動作確認」であると判別した場合(ステップS8020におけるYES)、ホスト制御回路2100は、役物動作確認処理を行う(ステップS8021)。この役物動作確認処理では、ホスト制御回路2100は、表示装置1016の表示領域に役物動作確認画面(不図示)を表示し、操作者が役物の動作の確認を行うことを可能とする。
ホスト制御回路2100は、ステップS8001で選択したホールメニューが「役物動作確認」でないと判別した場合(ステップS8020におけるNO)、ステップS8001で選択したホールメニューが「液晶輝度設定」であるか否かを判別する(ステップS8022)。選択したホールメニューが「液晶輝度設定」であると判別した場合(ステップS8022におけるYES)、ホスト制御回路2100は、液晶輝度設定処理を行う(ステップS8023)。この液晶輝度設定処理では、ホスト制御回路2100は、表示装置1016の表示領域に液晶輝度設定画面(不図示)を表示し、操作者が表示装置1016の輝度の設定確認および変更を行うことを可能とする。
ホスト制御回路2100は、ステップS8001で選択したホールメニューが「液晶輝度設定」でないと判別した場合(ステップS8022におけるNO)、ステップS8001で選択したホールメニューが「音量調整設定」であるか否かを判別する(ステップS8024)。選択したホールメニューが「音量調整設定」であると判別した場合(ステップS8024におけるYES)、ホスト制御回路2100は、音量調整設定処理を行う(ステップS8025)。この音量調整設定処理では、ホスト制御回路2100は、表示装置1016に音量調整設定画面(不図示)を表示し、操作者がスピーカ1024から出力される音の音量の設定確認および変更を行うことを可能とする。
ステップS8003、ステップS8005、ステップS8007、ステップS8009、ステップS8011、ステップS8013、ステップS8015、ステップS8017、ステップS8019、ステップS8021、ステップS8023、ステップS8025の処理後およびステップS8001で選択したホールメニューが「音量調整設定」でないと判別した場合(ステップS8024におけるNO)、ホスト制御回路2100は、ホールメニュー処理を終了し、処理をホールメニュータスク(図243参照)のステップS5304に戻す。
[10−19.設定変更時・設定確認時における各種デバイスの態様等]
設定変更時・設定確認時における各種デバイス(表示装置1016、スピーカ1024、LED1025、メインRAM103、性能表示モニタ334)の態様等については上述したとおりであるが、理解しやすいように以下にまとめて説明する。
先ず、設定変更時について、各種操作が実行される順に沿って説明する。電源投入前の電源OFF状態では、電源スイッチ35はOFFとなっている。このとき、表示装置1016、スピーカ1024、LED1025および性能表示モニタ334は消灯している。設定変更処理を開始するためには、電源を投入する前に設定キー328をON操作する必要があるが、設定キー328をON操作したとしても、電源が投入されない限り、表示装置1016、スピーカ1024、LED1025および性能表示モニタ334は消灯したままである。
次に、設定キー328をON操作した状態でバックアップクリアスイッチ330および電源スイッチ35の両方をON操作すると、メインCPU101は、設定変更状態に制御し、設定操作コマンド(設定変更開始コマンド)を送信する。ホスト制御回路2100は、メインCPU101から送信された設定操作コマンド(設定変更開始コマンド)を受信したことに基づいて、設定変更状態に制御された(設定変更状態が開始された)と判断する。設定変更状態に制御されると、遊技を実行できない状態となり、ホスト制御回路2100は、表示制御回路2300により、表示装置1016の表示領域に、ホールメニュー画面を表示するとともに「設定変更中です」といった文字を表示する。また同時に、ホスト制御回路2100は、音声・LED制御回路2200により「設定変更中です」といった音声をスピーカ1024から出力するとともに、音声・LED制御回路2200によりLED1025を白色で全点灯する。また、メインCPU101は、設定変更セキュリティ信号を、外部端子板323を介してホールコンピュータ700に送信する。さらに、メインCPU101は、メインRAM103の作業領域がクリアされるバックアップクリア処理を実行する。なお、性能表示モニタ334には、セットされている設定値がメインCPU101により表示される。
次に、設定変更状態において設定スイッチ332を操作すると、設定値が更新される。ただし、この段階ではまだ設定値が確定していない。性能表示モニタ334には更新された設定値が表示される。また、表示装置1016の表示領域には、ホールメニュー画面が表示されるとともに、「設定変更中です」といった文字が継続して表示されている。また同時に、「設定変更中です」といった音声がスピーカ1024から継続して出力されるとともに、LED1025が継続して白色で全点灯している。本実施形態では、設定値が更新されたとしても、確定するまではレジスタに格納されているだけでメインRAM103には記憶されていないが、設定値が確定しなくとも、更新された設定値をメインRAM103の作業領域に記憶するようにしてもよい。また、本実施形態では、設定スイッチ332を操作することによって設定値が更新されるようにしているが、他の操作手段(例えば、バックアップクリアスイッチ330)を操作することによって設定値が更新されるようにしてもよい。
次に、設定キー328をOFF操作すると、メインCPU101は、設定変更状態を終了し、初期化コマンドを送信する。ホスト制御回路2100は、メインCPU101から送信された初期化コマンドを受信したことに基づいて、設定変更状態が終了したと判断する。設定変更状態が終了すると、遊技を実行できる状態となる。ただし、設定変更状態が終了したとしても、遊技の実行が開始されない限り(例えば演出制御オブジェクトを生成するコマンドを受信しない限り)、ホスト制御回路2100は、少なくとも所定期間(例えば30秒)は、表示制御回路2300により表示装置1016の表示領域に、ホールメニュー画面または選択されたホールメニュー項目の画面(例えば、設定変更・確認履歴画面)を表示するとともに、「設定が変更されました」といった文字を表示装置1016の表示領域に表示する。ただし、バックアップクリア処理が実行されたことについは表示されない。また同時に、ホスト制御回路2100は、少なくとも所定期間(例えば30秒)は、音声・LED制御回路2200により「設定が変更されました。RAMが初期化されました。」といった音声をスピーカ1024から出力するとともに、音声・LED制御回路2200によりLED1025を赤色で全点灯する。このような、表示装置1016の表示領域における表示、スピーカ1024からの出力およびLED1025の赤色での全点灯は、ホールメニュー画面または選択されたホールメニュー項目の画面において何らかの操作が行われる限り継続され、無操作期間が所定期間継続するか、遊技の実行が開始されると終了する。なお、性能表示モニタ334には、ベース値がメインCPU101により表示される。ところで、上記ではバックアップクリア処理が実行されたことについては表示されないこととしたが、ホスト制御回路2100は、「設定が変更されました」という表示に加え、「RAMがクリアされました」という表示を併記するようにしてもよい。
このように、設定変更状態が終了したとしても、「設定が変更されました」といった文字表示、「設定が変更されました。RAMが初期化されました。」といった音声出力、LED1025の赤色全点灯を少なくとも所定期間(例えば30秒)にわたって行うことで、例えば設定変更・確認履歴画面等が閲覧される等の不正が、権限を有しない第三者によって行われることを抑制することが可能となる。また、設定変更状態中と設定変更状態が終了したときとで少なくともLED1025の発光態様が明確に異なるため、遊技を実行できる状態であるか否かを外観で容易に把握することができる。
以上が、設定変更時における各種デバイス(表示装置1016、スピーカ1024、LED1025、メインRAM103、性能表示モニタ334)の態様等である。
次に、設定確認時について、各種操作が実行される順に沿って説明する。電源投入前の電源OFF状態では、電源スイッチ35はOFFとなっている。このとき、表示装置1016、スピーカ1024、LED1025および性能表示モニタ334は消灯している。設定確認処理を開始するためには、電源を投入する前に設定キー328をON操作する必要があるが、設定キー328をON操作したとしても、電源が投入されない限り、表示装置1016、スピーカ1024、LED1025および性能表示モニタ334は消灯したままである。
次に、設定キー328をON操作した状態で電源スイッチ35をON操作すると(バックアップクリアスイッチ330はON操作しない)、メインCPU101は、設定確認状態に制御し、設定操作コマンド(設定確認開始コマンド)を送信する。ホスト制御回路2100は、メインCPU101から送信された設定操作コマンド(設定確認開始コマンド)を受信したことに基づいて、設定確認状態に制御された(設定確認状態が開始された)と判断する。設定確認状態に制御されると、遊技を実行できない状態となり、ホスト制御回路2100は、表示制御回路2300により、表示装置1016の表示領域に、ホールメニュー画面を表示するとともに、「設定確認中です」といった文字を表示する。また同時に、ホスト制御回路2100は、音声・LED制御回路2200により「設定確認中です」といった音声をスピーカ1024から出力するとともに、音声・LED制御回路2200によりLED1025を白色で全点灯する。また、メインCPU101は、設定確認セキュリティ信号を、外部端子板323を介してホールコンピュータ700に送信する。なお、性能表示モニタ334には、セットされている設定値がメインCPU101により表示される。
次に、設定キー328をOFF操作すると、メインCPU101は、設定確認状態を終了し、電断復帰コマンドを送信する。ホスト制御回路2100は、メインCPU101から送信された電断復帰コマンドを受信したことに基づいて、設定確認状態が終了したと判断する。設定確認状態が終了すると、遊技を実行できる状態となる。また、ホスト制御回路2100は、メインCPU101から送信された電断復帰コマンドを受信したことに基づいて、遊技画面復帰表示処理(ステップS5318)を実行する。このとき、ホスト制御回路2100は、設定確認が終了した旨を示す文字については表示せず、設定確認が終了した旨を示す音声も出力しない。ただし、ホスト制御回路2100は、所定期間(例えば30秒)にわたってLED1025を赤色で全点灯し、遊技の実行が開始されるとLED1025の赤色全点灯を終了する。なお、性能表示モニタ334には、メインCPU101によりベース値が表示される。
このように、設定確認状態が終了したとしても、LED1025の赤色全点灯を少なくとも所定期間(例えば30秒)にわたって行うことで、例えば設定変更・確認履歴画面等が閲覧される等の不正が、権限を有しない第三者によって行われることを抑制することが可能となる。また、設定変更状態中と設定変更状態が終了したときとで、少なくともLED1025の発光態様が明確に異なるため、遊技を実行できる状態であるか否かを外観で容易に把握することができる。
なお、上述したとおり、ホスト制御回路2100は、起動してから所定時間(例えば30秒)経過してもメインCPU101から何らコマンドが受信されずに異常と判断したときには、遊技停止状態であると判断する。ホスト制御回路2100は、遊技停止状態であると判断すると、表示制御回路2300および音声・LED制御回路2200により「設定値を決定してください」と表示出力および音声出力し、音声・LED制御回路2200によりLED1025(例えば、図1参照)を白全点滅とする。この状態は、再度メインCPU101により設定変更状態に制御され、この設定変更状態の終了に基づく初期化コマンドをホスト制御回路2100が受信するまで継続する。
以上が、設定確認時における各種デバイス(表示装置1016、スピーカ1024、LED1025、メインRAM103、性能表示モニタ334)の態様等である。
[10−20.設定変更・確認履歴処理]
次に、ホールメニュー処理(図243のステップS5303参照)における設定変更・確認履歴処理(ステップS8007)について説明する。設定変更・確認履歴処理においては、設定値の設定変更の履歴、設定値の確認の履歴、設定変更および確認を行った閲覧履歴を表示装置1016の表示領域に設定変更・確認履歴情報(後述の「設定変更履歴情報」および「設定確認履歴情報」の総称)として表示する。以下において、設定変更・確認履歴処理を説明する前に、まず、設定変更、設定確認および閲覧について説明する。
本実施形態において、設定変更操作は、上述したとおり、設定変更処理において行うことができる。この設定変更処理は、電源が投入されていない状態で、設定キー328をON操作し、バックアップクリアスイッチ330の押下操作および電源スイッチ35のON操作の両方を行うことで開始される。設定変更処理が開始されると、性能表示モニタ334に設定値が表示されることは上述したとおりである。そして、例えば設定スイッチ332を押下することにより、性能表示モニタ334に表示される設定値を「1」〜「6」の範囲で増減させ、所望の設定値となったときに設定キースイッチ信号がOFFとなるように操作すると、複数の設定値のうち遊技の進行に供される一の設定値が決定され、設定変更処理が終了する。
設定変更の履歴を表示可能とするため、上述したとおり、メインCPU101は、設定変更処理を実行した後、設定変更処理が終了したことを示す初期化コマンドと、変更後の設定値情報とを、ホスト制御回路2100に送信する。
一方、ホスト制御回路2100は、設定変更処理が終了したことを示す初期化コマンドを受信すると、操作種別情報(設定変更処理が実行された旨の情報)、設定変更後の設定値を示す設定値情報、および、RTC209により現在計時されている日時データすなわち初期化コマンドを受信した日時データを、設定変更履歴情報としてサブワークRAM2100aに記憶させる。このときに記憶される設定変更履歴情報は、例えば、後述する図254に表示される設定変更・確認履歴画面中の「No.3」および「No.4」の欄に表示される情報に相当する。
また、本実施形態において、設定値の確認を行うときは、上述したとおり、メインCPU101によって設定確認処理が実行される必要がある。この設定確認処理は、電源が投入されていない状態で、設定キー328をON操作することで実行される。設定確認処理が開始されると、性能表示モニタ334に設定値が表示されることは上述したとおりである。そして、設定キースイッチ信号がOFFとなるように操作されると、設定確認処理が終了する。なお、設定キースイッチ信号がOFFとなるように操作された後、再び設定キースイッチ信号がONとなるように操作された場合に、再び設定確認処理が実行されるようにしてもよいことは上述したとおりである。
また、設定確認の履歴を表示可能とするため、上述したとおり、メインCPU101は、設定確認処理を実行した後、設定確認処理が終了したことを示すコマンドとして電断復帰コマンドを、ホスト制御回路2100に送信する。このとき、設定値は変更されていないが、上述の設定判定処理(ステップS5319およびステップS5320の処理、図249参照)を実行するために、設定値情報についても、メインCPU101からホスト制御回路2100に送信されることが好ましい。
一方、ホスト制御回路2100は、設定確認処理が終了したことを示す電断復帰コマンドを受信すると、操作種別情報(設定確認処理が実行された旨の情報)、および、RTC209により現在計時されている日時データすなわち電断復帰コマンドを受信した日時データを、設定確認履歴情報としてサブワークRAM2100aに記憶させる。このときに記憶される設定確認履歴情報は、例えば、後述する図254に表示される設定変更・確認履歴画面中の「No.1」の欄に示される情報に相当する。なお、図254に表示される設定変更・確認履歴画面中の「No.1」の欄に示されるように、設定確認処理が実行された旨の情報および時間情報と対応付けて、設定値情報についてもあわせて表示するようにしてもよい。
なお、本実施形態に係るサブワークRAM2100aは、無通電状態であっても書き込まれた情報を記憶保持可能な記憶保持格納領域を構成している。したがって、操作者によってパチンコ遊技機1001の電源が断された場合や停電等によって電断された場合であっても、サブワークRAM2100aに記憶される例えば設定変更・確認履歴情報の記憶が保持される。
本実施形態において、閲覧とは、ホールメニュー画面(図245、図246を参照)において、「設定変更・確認履歴」がハイライト表示されている状態でメインボタン662が押下されて、サブワークRAM2100aに記憶されている設定変更・確認履歴情報が示される設定変更・確認履歴画面(例えば、後述する図254参照)が表示されることをいう。
閲覧の履歴(閲覧履歴)を表示可能とするため、ホスト制御回路2100は、以下の処理を実行する。すなわち、設定変更処理中または設定確認処理中であるとき(ステップS5301におけるYES)、ホスト制御回路2100は、表示装置1016の表示領域にホールメニュー画面を表示する(ステップS5301)。そして、ホールメニュー処理(ステップS5303)において「設定変更・確認履歴」が選択決定されると(ステップS8006におけるYES)、ホスト制御回路2100は、「設定変更・確認履歴」をハイライト表示する(図246参照)。この状態で、メインボタン662が押下されると、ホスト制御回路2100は、サブワークRAM2100aに記憶されている設定変更・確認履歴情報を読み出し、設定変更・確認履歴画面(例えば、後述する図254参照)を表示装置1016の表示領域に表示するとともに、閲覧が行われたことを示す操作種別情報(閲覧されたことを示す情報)と、RTC209により現在計時されている日時データ、すなわち、閲覧されたとき(メインボタン662が押下されたとき)の日時データとを対応付けてサブワークRAM2100aに記憶させる。これが、上述の履歴記録処理(ステップS5306、ステップS5307)において閲覧履歴が記録されるときの処理である。すなわち、閲覧履歴は、設定変更処理中および設定確認処理中のいずれであっても、設定変更・確認履歴画面が表示装置1016の表示領域に表示されると、サブワークRAM2100aに記録される。ホスト制御回路2100は、閲覧履歴をサブワークRAM2100aに記憶させるとき、例えば、上記閲覧履歴を既に記憶されている設定変更・確認履歴情報に統合してサブワークRAM2100aに記憶させる。このときに記憶される閲覧履歴は、例えば、後述する図254に表示される設定変更・確認履歴画面中の「No.2」および「No.5」の欄に表示される情報に相当する。
ここで、ステップS5306、ステップS5307の履歴記録処理についてまとめると、以下のとおりである。先ず、ホールメニュー処理(ステップS5303)において「設定変更・確認履歴」が選択決定され(ステップS8006におけるYES)、且つ、ステップS5304において受信したコマンドが設定変更処理の終了を示す初期化コマンドであるときは、ホスト制御回路2100は、設定の変更履歴および閲覧履歴の両方を行う。また、ホールメニュー処理(ステップS5303)において「設定変更・確認履歴」が選択決定され(ステップS8006におけるYES)、且つ、ステップS5304において受信したコマンドが設定確認処理の終了を示す電断復帰コマンドであるときは、ホスト制御回路2100は、設定の確認履歴および閲覧履歴の両方を行う。また、ホールメニュー処理(ステップS5303)において「設定変更・確認履歴」が選択決定されず(ステップS8006におけるNO)、且つ、ステップS5304において受信したコマンドが初期化コマンドであるときは、ホスト制御回路2100は、設定の変更履歴と閲覧履歴とのうち閲覧履歴については行わず設定の変更履歴のみを行う。さらに、ホールメニュー処理(ステップS5303)において「設定変更・確認履歴」が選択決定されず(ステップS8006におけるNO)、且つ、ステップS5304において受信したコマンドが電断復帰コマンドであるときは、ホスト制御回路2100は、設定の確認履歴と閲覧履歴とのうち閲覧履歴については行わず設定の確認履歴のみを行う。したがって、ステップS5306、ステップS5307の履歴記録処理では、ステップS5304で受信したコマンドが初期化コマンドであるか電断復帰コマンドであるかにかかわらず、ホールメニュー処理(ステップS5303)において「設定変更・確認履歴」が選択決定されると(ステップS8006におけるYES)、閲覧記録が行われる。
なお、設定変更処理中または設定確認処理中であるとき以外にも、上述したように設定変更処理を伴わないバックアップクリア処理が実行されたときにホールメニュー表示処理(ステップS5302)やホールメニュー処理(ステップS5303)を実行する場合には、上記の閲覧記録が行われるようにすることで、遊技店店員の不正監視にもなる。すなわち、設定変更処理または設定確認処理を行うためには専用の鍵(設定キー328の対応箇所にのみ切欠きがあり、遊技機管理責任者が管理する鍵)が必要となり、この専用の鍵を持たない例えば一般の店員では閲覧を行うことができないが、設定変更処理を伴わないバックアップクリア処理については、専用の鍵を持たない一般の遊技店店員や不正遊技者がバックアップ処理を行うことにより閲覧することが可能となる。そこで、設定変更処理を伴わないバックアップクリア処理が実行されたときにもホスト制御回路2100による閲覧記録が行われるようにすることで、その時刻に対応する防犯カメラ(通常店内に設置されている防犯カメラ)等の映像と照合し、閲覧を行った人物を特定することが可能となる。
なお、ステップS5306、ステップS5307の履歴記録処理において、ステップS5304で受信したコマンドが設定変更処理の終了を示す初期化コマンドであるか設定確認処理の終了を示す電断復帰コマンドであるかにかかわらず、ホールメニュー処理(ステップS5303)において「設定変更・確認履歴」が選択決定されると(ステップS8006におけるYES)、閲覧記録が行われることは上述したとおりであるが、必ずしもこれに限られない。例えば、ホスト制御回路2100は、ホールメニュー処理(ステップS5303)において「設定変更・確認履歴」が選択決定され(ステップS8006におけるYES)、且つ、ステップS5304において受信したコマンドが電断復帰コマンドであるときは、設定の確認履歴および閲覧履歴の両方を行うが、ホールメニュー処理(ステップS5303)において「設定変更・確認履歴」が選択決定され(ステップS8006におけるYES)、且つ、ステップS5304において受信したコマンドが初期化コマンドであるときは、設定の変更履歴と閲覧履歴とのうち設定の変更履歴のみを記録し、閲覧履歴については記録しないようにしてもよい。これにより、閲覧履歴の記録回数を極力抑えることが可能となり、閲覧履歴が不必要に増えて不正を発見しづらくなってしまうことを抑制できる。これについて説明すると、設定変更を伴う不正が行われたときは、遊技機管理責任者の記憶にない設定の変更履歴をもって不正の可能性があることを察知可能であるが、設定の確認履歴を伴う不正については設定の確認履歴だけで不正の可能性があることを察知し難い。そこで、設定変更が行われたときは閲覧されたか否かにかかわらず閲覧履歴を記録せずに、設定確認が行われたときは閲覧(少なくとも設定値情報が閲覧)されていれば閲覧履歴を記録するようにしたものである。不正を行う者は、設定変更後に閲覧するよりも、設定確認後に閲覧することの方が主であると考えられるからである。すなわち、同じ時間帯において、閲覧履歴がなく設定確認履歴だけであれば不正の可能性が低いが、設定確認履歴および閲覧履歴の両方の履歴回数が多いと、不正の可能性があると考えられる。なお、ステップS5304において受信したコマンドが初期化コマンドであるか電断復帰コマンドであるかにかかわらず、ホールメニュー処理(ステップS5303)において「設定変更・確認履歴」が選択決定されていれば(ステップS8006におけるYES)、設定の変更履歴または設定の確認履歴と閲覧履歴との両方を記録するようにし、表示装置1016の表示領域に設定変更・確認履歴画面を表示する際に、設定確認処理が実行された旨の操作種別情報であるときは閲覧履歴についてもあわせて表示するようにし、設定変更処理が実行された旨の操作種別情報であるときは閲覧履歴を表示しないようにしてもよい。
また、ステップS5306、ステップS5307の履歴記録処理は、ステップS5302のホールメニュー表示処理が開始されてからステップS5317の遊技画面復帰表示処理が実行されるまでの間に、複数回にわたって閲覧が行われたとしても、閲覧記録は、設定変更処理または設定確認処理が終了したときに実行されるステップS5306またはステップS5307の1回に限り実行される。例えば、ホールメニュー画面(例えば、図246参照)において「設定変更・確認履歴」を選択して決定すると(ステップS8046におけるYES)、設定変更・確認履歴画面(例えば、図254参照)が表示されるが、この設定変更・確認履歴画面において「戻る」を選択して決定すると再びホールメニュー画面に戻る。そして、このホールメニュー画面において「設定変更・確認履歴」を選択して決定すると再び設定変更・確認履歴画面が表示される。このように、ステップS5302〜ステップS5317の間に複数回にわたって設定変更・確認履歴画面が閲覧されたとしても、閲覧記録は1回となる。
ステップS5302〜ステップS5317の間に行われる閲覧記録を1回に限ることが好ましい理由は次のとおりである。すなわち、例えば不正を目的として設定変更、設定確認または閲覧を行った者は、意図的に閲覧記録を増やして履歴数を多くし、不正の発見を困難ならしめる行為を行う可能性がある。そこで、このような行為が行われたとしても、ステップS5301〜ステップS5314の間に、設定変更、設定確認または閲覧が複数回にわたって行われたとしてもこれらの履歴を1回に限り記録し、電源を一旦OFFにして再投入しない限り履歴が記録されないようにすることで、これらの履歴が徒に増えることを防止することが可能となる。
また、本実施形態のパチンコ遊技機1001では、設定変更処理の終了後はホールメニュー再表示処理(ステップS5312)が実行され、設定確認処理の終了後はホールメニュー再表示処理が実行されずに遊技画面復帰処理(ステップS5317)が実行されるが、例えば、設定キー328をOFF操作して設定変更処理または設定確認処理が終了した後であっても、設定キー328を再びON操作すればホールメニュー画面が表示されるような仕様である場合には、遊技画面に復帰した後、再びホールメニュー画面を表示することができる。この場合、再び表示されたホールメニュー画面において「設定変更・確認履歴」を選択決定したり、設定キー328のON・OFF操作を繰り返し実行する都度、閲覧したことになるが、このような場合であっても閲覧記録を1回にすることが好ましい。
なお、パチンコ遊技機1001は、メインボタン662、セレクトボタン664の他に、電源スイッチ35、発射ハンドル32、ボリュームスイッチ108、設定スイッチ332、設定キー328、バックアップクリアスイッチ330等の操作手段を有している。このうち、メインボタン662、セレクトボタン664および発射ハンドル32は遊技者が操作することができる操作部であるが、電源スイッチ35、ボリュームスイッチ108、設定スイッチ332、設定キー328およびバックアップクリアスイッチ330については、遊技者が操作することができず、遊技機管理者といった特定の者のみが操作できる操作部である。
また、本実施形態では、設定値を確認可能な設定変更・確認履歴画面(例えば、図254参照)が表示されたことを閲覧履歴として記憶するようにしているが、設定値が表示されない設定変更・確認履歴画面(例えば、後述の図259参照)が表示されたことを閲覧履歴として記憶する構成としてもよい。
次に、図252、図253および図254〜図258を参照して、ホスト制御回路2100により実行される設定変更・確認履歴処理と、設定変更・確認履歴処理が実行されたときに表示装置1016の表示領域に表示される設定変更・確認履歴画面とを対比しつつ説明する。
なお、図252は、ホスト制御回路2100により実行される設定変更・確認履歴処理の一例を示すフローチャートである。図253は、ホスト制御回路2100により実行される設定変更・確認履歴処理の一例であって、図252から続くフローチャートである。図254は、表示装置1016の表示領域に表示される設定変更・確認履歴画面の初期画面(設定変更・確認履歴画面に移行したときの画面)の一例を示す図である。図255は、設定変更・確認履歴画面において「Page」が選択されたときの一例を示す図である。図256は、設定変更・確認履歴画面において、ページ更新を行うことができるページ更新画面の一例を示す図である。図257は、設定変更・確認履歴画面において「クリア」が選択されたときの一例を示す図である。図258は、設定変更・確認履歴画面において、各履歴データがクリアされたデータクリア画面の一例を示す図である。
ホールメニュー処理(図250参照)において「設定変更・確認履歴」が選択されると(図250のステップS8006におけるYES)、ホスト制御回路2100は、設定変更・確認履歴画面表示処理を行う(ステップS8051)。このとき、表示装置1016の表示領域には、設定変更・確認履歴画面の初期画面(図254参照)が表示される。この設定変更・確認履歴画面の初期画面では、「戻る」がハイライト表示されている。
なお、表示装置1016の表示領域に表示される設定変更・確認履歴画面(例えば図254参照)は、設定変更・確認履歴表示領域1640と、操作説明領域1650と、第1選択領域1660aと、第2選択領域1660bとを有する。図254では、第1選択領域1660aには「Page」が表示され、第2選択領域1660bには「クリア」および「戻る」が表示されている例が示されている。
例えば図254に示されるように、設定変更・確認履歴表示領域1640には、時間情報と、操作種別情報と、設定値情報とが対応付けられて、一覧で表示される。日時の欄には、設定変更・設定確認・閲覧が行われた日時が表示される。操作種別の欄には、操作種別(設定変更、設定確認、閲覧)が表示される。設定値の欄には、設定変更が行われたときは変更後の設定値が表示され、設定確認が行われたときはそのときの設定値が表示される。なお、操作種別の欄には、設定変更の場合は単に「変更」と表示され、設定確認の場合は単に「確認」と表示される。
このように、本実施形態のパチンコ遊技機1001では、設定変更・確認履歴画面の初期画面において、時間情報と、操作種別情報(設定変更、設定確認、閲覧)とが対応付けられて表示される。さらに、操作種別が設定変更であるときには設定後の設定値が、設定確認であるときとにはそのときの設定値が、それぞれ、日時および操作種別と対応付けて表示される。
ホスト制御回路2100は、設定変更・確認履歴画面表示処置(ステップS8051)を実行したのち、計時処理を実行する(ステップS8052)。この計時処理は、ホスト制御回路2100に内蔵されるタイマの計時を開始する処理である。ここで、タイマの計時を開始するのは、設定変更・確認履歴画面表示処理(ステップS8051)が実行されてから(表示装置1016の表示領域に設定変更・確認履歴画面の初期画面(図254参照)が表示されてから)、所定時間(例えば30秒)以内に何らの処理も行われなかったときに、ホールメニュー画面(例えば、図245参照)が表示されるようにするためである。
ホスト制御回路2100は、ステップS8053において、セレクトボタン664が操作されたか否かを判別する。セレクトボタン664が操作されなければ(ステップS8053におけるNO)、後述するステップS8071に移り、設定変更・確認履歴画面の初期画面(図254参照)において「戻る」に決定されたか否かを判別する。設定変更・確認履歴画面の初期画面では、上述したとおり「戻る」がハイライト表示(選択)されているため、セレクトボタン664が操作されずにメインボタン662を押下操作すると、「戻る」に決定される。
ホスト制御回路2100は、セレクトボタン664が操作されたと判別すると(ステップS8053におけるYES)、選択された項目をハイライト表示する(ステップS8054)。例えば、「戻る」がハイライト表示されている設定変更・確認履歴画面の初期画面(図254参照)において上セレクトボタン664aを操作すると、ハイライト表示が「戻る」から「Page」に移動する(図255参照)。
ホスト制御回路2100は、選択された項目をハイライト表示(ステップS8054)した後、計時処理を実行する(ステップS8055)。この計時処理は、ステップS8052で開始されたタイマの計時をクリアし、再び、ホスト制御回路2100に内蔵されるタイマの計時を開始する処理である。タイマの計時をクリアして再び計時を開始するのは、設定変更・確認履歴画面において選択された項目がハイライト表示(ステップS8054)されてから所定時間(例えば30秒)以内に何らの処理も行われなかったときに、ホールメニュー画面(例えば、図245参照)が表示されるようにするためである。
ホスト制御回路2100は、ステップS8056において、「Page」に決定されたか否かを判別する。表示装置1016の表示領域に表示される設定変更・確認履歴画面において「Page」が選択された状態(ハイライト表示された状態)で操作者がメインボタン662を押下すると、ホスト制御回路2100は、「Page」に決定されたと判別する。
ホスト制御回路2100は、「Page」に決定されたと判別すると(ステップS8056におけるYES)、ページ更新画面表示処理を実行する(ステップS8057)。ページ更新画面表示処理が実行されると、表示装置1016の表示領域には、設定変更・確認履歴画面におけるページ更新画面(図256参照)が表示される。この設定変更・確認履歴画面におけるページ更新画面では、「Page」の表記の左右に、左右セレクトボタン664c,664dを模した画像と、「次ページ」および「前ページ」とが表示される。これにより、左セレクトボタン664cを操作すると設定変更・確認履歴画面が前ページに更新され、右セレクトボタン664dを操作すると設定変更・確認履歴画面が次ページに更新されることを、操作者が把握することができる。なお、設定変更・確認履歴画面の1ページ目が表示されているときに左セレクトボタン664cを操作すると最終ページが表示され、最終ページが表示されているときに右セレクトボタン664dを操作すると1ページ目が表示されるように循環表示すると、利便性を高めることができる。
一方、「Page」に決定されていなければ(ステップS8056におけるNO)、ホスト制御回路2100は、後述するステップS8065に移り、設定変更・確認履歴画面において「クリア」に決定されたか否かを判別する。
ホスト制御回路2100は、ページ更新画面表示処理(ステップS8057)を実行すると、計時処理を実行する(ステップS8058)。この計時処理は、ステップS8055で開始されたタイマの計時をクリアし、再び、ホスト制御回路2100に内蔵されるタイマの計時を開始する処理である。タイマの計時をクリアして再び計時を開始するのは、ページ更新画面表示処理(ステップS8057)が実行されてから(設定変更・確認履歴画面におけるページ更新画面(図256参照)が表示されてから)、所定時間(例えば30秒)以内に何らの処理も行われなかったときに、ホールメニュー画面(例えば、図245参照)が表示されるようにするためである。
ホスト制御回路2100は、ステップS8059において、ページ更新操作が行われたか否かを判別する。ページ更新操作が行われていなければ(ステップS8059におけるNO)、後述するステップS8062に移る。
ホスト制御回路2100は、ページ更新操作が行われたと判別すると(ステップS8059におけるYES)、ページ更新処理を実行する(ステップS8060)。表示装置1016の表示領域に表示される設定変更・確認履歴画面におけるページ更新画面(図256参照)において左右セレクトボタン664c,664dが操作されると、ホスト制御回路2100は、ページ更新処理が行われたと判別し、表示装置1016の表示領域に表示される設定変更・確認履歴画面を、次ページまたは前ページの設定変更・確認履歴画面に更新して表示する。なお、次ページまたは前ページの設定変更・確認履歴画面に更新されたときの設定変更・確認履歴画面の図示は省略している。
なお、本実施形態において、ホスト制御回路2100は、表示装置1016の表示領域に表示される設定変更・確認履歴画面におけるページ更新画面(図256参照)において左右セレクトボタン664c,664dが操作されるとページ更新処理を行うようにしているが、ページ更新処理を行うための操作はこれに限られない。例えば、上下セレクトボタン664a,664bを操作することによって設定変更・確認履歴画面中の「No.1」〜「No.5」のうちいずれかを選択できるようにし、下セレクトボタン664bが操作され、且つ、最後の行であると判別されたときにページ更新処理を行うようにしてもよい。後述する設定変更・確認履歴処理の変形例におけるページ更新処理も同様である。
ホスト制御回路2100は、ページ更新処理(ステップS8060)を実行すると、計時処理を実行する(ステップS8061)。この計時処理は、ステップS8058で開始されたタイマの計時をクリアし、再び、ホスト制御回路2100に内蔵されるタイマの計時を開始する処理である。タイマの計時をクリアして再び計時を開始するのは、ページ更新処理(ステップS8060)が実行されてから(次ページまたは前ページの設定変更・確認履歴画面が表示されてから)、所定時間(例えば30秒)以内に何らの処理も行われなかったときに、ホールメニュー画面(例えば、図245参照)が表示されるようにするためである。
ホスト制御回路2100は、ステップS8061の計時処理を実行した後、ステップS8059に戻り、ページ更新操作が行われたか否かを判別する。
ホスト制御回路2100は、ステップS8062において、セレクトボタン664が操作されたか否かを判別する。セレクトボタン664が操作されなければ(ステップS8062におけるNO)、後述するステップS8072に移る。この場合、ステップS8071ではなくステップS8072に移るのは、設定変更・確認履歴画面のページ更新画面では、設定変更・確認履歴画面の初期画面のように「戻る」がハイライト表示(選択)されているわけではないからである。
ホスト制御回路2100は、セレクトボタン664が操作されたと判別すると(ステップS8062におけるYES)、選択された項目をハイライト表示する(ステップS8063)。例えば、設定変更・確認履歴画面(図256参照)において下セレクトボタン664bを操作すると、ハイライト表示が「Page」から「クリア」に移動する(図257参照)。
ホスト制御回路2100は、選択された項目をハイライト表示(ステップS8063)した後、計時処理を実行する(ステップS8064)。この計時処理は、ステップS8061で開始されたタイマの計時をクリアし、再び、ホスト制御回路2100に内蔵されるタイマの計時を開始する処理である。タイマの計時をクリアして再び計時を開始するのは、設定変更・確認履歴画面において選択された項目がハイライト表示されてから所定時間(例えば30秒)以内に何らの処理も行われなかったときに、ホールメニュー画面(例えば、図245参照)が表示されるようにするためである。
ホスト制御回路2100は、ステップS8064の計時処理を実行した後、ステップS8065に移り、「クリア」に決定されたか否かを判別する。表示装置1016の表示領域に表示される設定変更・確認履歴画面において「クリア」が選択された状態(ハイライト表示された状態)で操作者がメインボタン662を押下すると、ホスト制御回路2100は、「クリア」に決定されたと判別する。
ホスト制御回路2100は、「クリア」に決定されたと判別すると(ステップS8065におけるYES)、設定変更・確認履歴データクリア処理を実行する(ステップS8066)。この設定変更・確認履歴データクリア処理は、サブワークRAM2100aに記憶されている設定変更履歴、設定確認履歴および閲覧履歴の全てのデータを消去する処理である。設定変更・確認履歴データクリア処理が実行されると、表示装置1016の表示領域における設定変更・確認履歴表示領域1640に表示されていた各履歴データが全て消去される(図258参照)。ステップS8065の設定変更・確認履歴データクリア処理が実行されると、「戻る」の項目がハイライト表示される。
なお、上記の設定変更・確認履歴データクリア処理(ステップS8066)では、サブワークRAM2100aに記憶されている設定変更履歴、設定確認履歴および閲覧履歴の全てのデータを消去しているが、必ずしも全てのデータを消去することに限られず、一部のデータのみを消去できるようにしてもよい。一部のデータを消去する態様としては、例えば、図257のNo.1〜No.5のうちの特定のNoに対応する時間(日時)情報と操作種別情報と設定値情報とを消去する態様、設定変更・確認履歴画面をページ毎に消去する態様、複数の操作種別(設定変更、設定確認、閲覧)のうち特定の操作種別に対応する日時(時間)情報と操作種別情報と設定値情報とを消去する態様、時間(日時)情報と操作種別情報と設定値情報とのうち特定の情報(例えば設定値情報)のみを消去する態様などが考えられる。
また、設定変更・確認履歴データクリア処理(ステップS8066)は、特定の条件を満たした者だけで実行されるようにすることが好ましい。例えば、設定変更・確認履歴画面において「クリア」が選択された状態(ハイライト表示された状態)では、例えばパスワードの入力を、メインボタン662の押下が有効化される条件としてもよい。この場合、パスワードを入力せずに操作者がメインボタン662を押下すると、パスワードを要求する画面が表示され、正しいパスワードが入力された場合に限り、設定変更・確認履歴データクリア処理が実行されるようにすることができる。これにより、設定変更履歴、設定確認履歴および閲覧履歴のデータを誤ってクリアしてしまうことを防止できる。また、例えば、不正を目的として設定変更処理や閲覧を行った者は、自らの不正を隠すために設定変更履歴、設定確認履歴および閲覧履歴のデータを消去するおそれがあると考えられる。そこで、例えばパスワードを知っている者等、特定の者だけが設定変更・確認履歴データクリア処理を実行できるようにすることで、不正を目的として設定変更処理や閲覧を行うことを抑制することが可能となる。
ホスト制御回路2100は、設定変更・確認履歴データクリア処理(ステップS8066)を実行すると、計時処理を実行する(ステップS8067)。この計時処理は、ステップS8064で開始されたタイマの計時をクリアし、再び、ホスト制御回路2100に内蔵されるタイマの計時を開始する処理である。タイマの計時をクリアして再び計時を開始するのは、設定変更・確認履歴データクリア処理(ステップS8066)が実行されてから(設定変更・確認履歴表示領域1640に表示されていた各履歴データが全て消去されてから)、所定時間(例えば30秒)以内に何らの処理も行われなかったときに、ホールメニュー画面(例えば、図245参照)が表示されるようにするためである。
ホスト制御回路2100は、ステップS8068において、セレクトボタン664が操作されたか否かを判別する。セレクトボタン664が操作されなければ(ステップS8068におけるNO)、後述するステップS8072に移る。この場合、ステップS8072ではなくステップS8071に移るのは、各履歴データがクリアされたデータクリア画面では、セレクトボタン664が操作されない限り、「戻る」がハイライト表示(選択)されているからである。したがって、各履歴データがクリアされたデータクリア画面において「戻る」がハイライト表示されない仕様であれば、ステップS8072に移る。
ホスト制御回路2100は、セレクトボタン664が操作されたと判別すると(ステップS8068におけるYES)、選択された項目をハイライト表示する(ステップS8069)。
ホスト制御回路2100は、選択された項目をハイライト表示(ステップS8069)した後、計時処理を実行する(ステップS8070)。この計時処理は、ステップS8067で開始されたタイマの計時をクリアし、再び、ホスト制御回路2100に内蔵されるタイマの計時を開始する処理である。タイマの計時をクリアして再び計時を開始するのは、設定変更・確認履歴画面において選択された項目がハイライト表示(ステップS8069)されてから所定時間(例えば30秒)以内に何らの処理も行われなかったときに、ホールメニュー画面(例えば、図245参照)が表示されるようにするためである。
ホスト制御回路2100は、ステップS8071において、「戻る」に決定されたか否かを判別する。表示装置1016の表示領域に表示される設定変更・確認履歴画面において「戻る」が選択された状態(ハイライト表示された状態)で操作者がメインボタン662を押下すると、ホスト制御回路2100は、「戻る」に決定されたと判別する。
ホスト制御回路2100は、「戻る」に決定されたと判別すると(ステップS8071におけるYES)、ホールメニュー画面表示処理を実行し(ステップS8073)、設定変更・確認履歴処理を終了する。このホールメニュー画面表示処理は、表示装置1016の表示領域に、設定変更・確認履歴画面に代えて、ホールメニュー画面の初期画面(図245参照)を表示する処理である。
なお、ステップS8071において「戻る」に決定されなければ(ステップS8071におけるNO)、ホスト制御回路2100は、所定時間経過したか否かを判別する(ステップS8072)。
ホスト制御回路2100は、ステップS8072において所定時間経過したと判別すると(ステップS8072におけるYES)、ステップS8073に移り、表示装置1016の表示領域に表示されている設定変更・確認履歴画面を終了し、ホールメニュー画面の初期画面(図245参照)を表示する。すなわち、操作者の意思で「戻る」の項目を選択決定しなくても、無操作期間が所定期間継続すると、設定変更・確認履歴画面の表示が終了し、ホールメニュー画面の初期画面が表示されることとなる。
一方、ステップS8072において所定時間経過していなければ(ステップS8072におけるNO)、ホスト制御回路2100は、ステップS8053に戻り、ステップS8053以降の処理を継続する。
このように、設定変更中または設定確認中に表示装置1016に表示される設定変更・確認履歴画面では、何らの操作も行われることなく所定時間が経過すると、設定変更・確認履歴画面が終了し、ホールメニュー画面が表示されるように構成されている。ただし、ホールメニュー画面では、たとえ無操作であったとしても設定変更中または設定確認中である限りホールメニュー画面が終了することなく、ホスト制御回路2100は、ホールメニュー画面の表示が継続するよう制御する。この場合、ホールメニュー画面には、ホールメニュー終了の項目は表示されない。
なお、ステップS8072において所定時間経過した(ステップS8072におけるYES)と判別されたときにステップS8073に移る処理は、上述のステップS5303(図243、図249参照)のホールメニュー処理(すなわち設定変更中または設定確認中)における処理であり、ステップS5313(図243、図249参照)のホールメニュー処理(すなわち設定変更または設定確認が終了したのち)では異なる処理を実行する(不図示)。具体的には、ステップS5313のホールメニュー処理における設定変更・確認履歴処理(ステップS8007)において無操作のまま所定時間経過したとき(ステップS5313のホールメニュー処理におけるステップS8072において所定時間経過した(ステップS8072におけるYES)と判別されたとき)、ホスト制御回路2100は、ステップS5317(図243、図249参照)に移り、設定変更・確認履歴画面の表示を終了して遊技画面復帰表示処理(ステップS5317)およびホールメニュー表示禁止処理(ステップS5318)を実行する。すなわち、設定変更中または設定確認中における設定変更・確認履歴画面では、無操作時間が所定時間にわたって継続するとホールメニュー画面に戻るだけである(再び設定変更・確認履歴画面を閲覧することができる)が、設定変更処理が終了して再表示されたホールメニュー画面を経由して表示される設定変更・確認履歴画面では、無操作時間が所定時間にわたって継続すると、再び設定変更・確認履歴画面を閲覧することができなくなる。
また、ステップS8072において所定時間経過していない(ステップS8072におけるNO)と判別されたときにステップS8053に戻る処理についても、上述のステップS5303(図243、図249参照)のホールメニュー処理(すなわち設定変更中または設定確認中)における処理であり、ステップS5313(図243、図249参照)のホールメニュー処理(すなわち設定変更または設定確認が終了したのち)では異なる処理を実行する(不図示)。具体的には、ステップS5313のホールメニュー処理における設定変更・確認履歴処理(ステップS8007)において無操作期間が所定期間に至っていなくても(ステップS8072におけるNO)、例えば、演出制御オブジェクトを生成するコマンドを受信したと判別されたとき等の所定の終了条件が成立したことにもとづいて、遊技画面復帰処理(ステップS5317)およびホールメニュー表示禁止処理(ステップS5318)を実行する。すなわち、設定変更中または設定確認中における設定変更・確認履歴画面では、無操作時間が所定時間にわたって継続するとホールメニュー画面に戻るだけである(再び設定変更・確認履歴画面を閲覧することができる)が、設定変更処理が終了して再表示されたホールメニュー画面を経由して表示される設定変更・確認履歴画面では、無操作時間が所定時間にいたっていなくても、再び設定変更・確認履歴画面を閲覧することができなくなる。言い換えると、設定変更処理が終了したのちに再表示されたホールメニュー画面を経由して表示される設定変更・確認履歴画面では、所定期間にわたって無操作期間が継続されず、上記の所定の終了条件が成立しない限り、ステップS8053〜ステップS8072の処理が繰り返し実行されることとなる。
このように、設定変更処理が実行されたときには、この設定変更処理が終了したとしても、設定変更や設定確認の履歴といった秘匿情報を操作者が閲覧する時間に猶予を持たせつつ、所定時間(例えば30秒)にわたって無操作であると設定変更・確認履歴画面の表示が終了して遊技画面復帰処理(ステップS5317)およびホールメニュー禁止処理(ステップS5318)が実行されるため、権限を有しない者(例えば遊技機管理者でないホール係員や遊技者)が設定変更履歴、設定確認履歴、閲覧履歴などの秘匿情報を容易に閲覧することができず、セキュリティ性を担保することが可能となる。
また、本実施形態のパチンコ遊技機1001では、例えば図254に示される設定変更・確認履歴画面では、操作種別(設定変更、設定確認、閲覧)にかかわらず、時間情報と操作種別情報と設定値情報との全部が示される一覧画面が表示される。すなわち、設定変更されたときの時間情報と設定値情報とが表示される第1の情報(例えば、図254のNo.3)と、設定確認されたときの時間情報と設定値情報とが表示される第2の情報(例えば、図254のNo.3、No.4)と、閲覧されたときの時間情報と設定値情報とが表示される第3の情報(例えば、図254のNo.2、No.5)とが一覧で表示される。しかし、操作者(例えば遊技機管理者)は、特定の操作種別情報にターゲットを絞り込んで表示させたい場合がある。そこで、時間情報と操作種別情報と設定値情報とが一覧で表示される画面(例えば、図254参照)と、上記の第1の情報と上記の第2の情報と上記の第3の情報とのうち特定の情報のみに絞り込まれた絞込画面とを、操作者の意思によって選択的に表示装置1016の表示領域に表示可能に構成するとよい。これにより、操作者の利便性を高めることが可能となる。とくに上記の第1の情報は、不正発見のみならず、その設定値で何日間営業を行ったか等の情報を知ることができるため、営業上における利便性も高い。上記の絞込画面は、特定の操作種別情報にターゲットを絞り込んで表示できればよいため、操作種別とは関係のない情報(例えば、現在時刻情報など)が表示されていてもよい。
[10−21.設定変更・確認履歴処理において表示される表示画面の他の例]
次に、設定変更・確認履歴処理において表示装置1016の表示領域に表示される表示画面の他の例について、図259〜図263を参照して説明する。ただし、ホスト制御回路2100により実行される設定変更・確認履歴処理は、図252および図253と同様であるため、この他の例では、表示装置1016の表示領域に表示される画面について説明し、ホスト制御回路2100により実行される設定変更・確認履歴処理についての説明は省略する。
図259は、表示装置1016の表示領域に表示される設定変更・確認履歴画面の他の例であって、初期画面の例を示す図である。図260は、表示装置1016の表示領域に表示される設定変更・確認履歴画面の他の例であって、「設定表示」が選択されたときの一例を示す図である。図261は、表示装置1016の表示領域に表示される設定変更・確認履歴画面の他の例であって、設定値が新たに加えて表示されたときの一例を示す図である。図262は、表示装置1016の表示領域に表示される設定変更・確認履歴画面の他の例であって、「Page」が選択されたときの一例を示す図である。図263は、表示装置1016の表示領域に表示される設定変更・確認履歴画面の他の例であって、ページ更新を行うことができるページ更新画面の例を示す図である。
例えば図259に示されるように、設定変更・確認履歴画面は、設定変更・確認履歴表示領域1670と、操作説明領域1680と、第1選択領域1690aと、第2選択領域1690bとを有する。
図259に示される設定変更・確認履歴画面の初期画面では、設定変更・確認履歴表示領域1670に、時間情報および操作種別情報は表示されるものの、設定値情報については表示されない。すなわち、図259に示される設定変更・確認履歴画面は、時間情報と操作種別情報と設定値情報とのうち時間情報および操作種別情報のみが表示される画面である。なお、時間情報が表示される日時の欄には、設定変更・設定確認・閲覧が行われた日時が表示され、操作種別情報が表示される操作種別の欄には、操作種別(設定変更、設定確認、閲覧)が表示される。
また、設定変更・確認履歴画面の初期画面では、第2選択領域1690bに、「クリア」および「戻る」の他に、「設定表示」も表示される。なお、設定変更・確認履歴の初期画面では、「戻る」が選択表示(ハイライト表示)されている。この他の例においても、セレクトボタン664を操作することによって、ハイライト表示される項目を選択することができるようになっている。
セレクトボタン664を操作して「設定表示」を選択すると、「設定表示」がハイライト表示される(図260参照)。そして、「設定表示」が選択(ハイライト表示)されている状態で、メインボタン662が押下されたことをホスト制御回路2100が検知すると、時間情報および操作種別情報は表示されるものの設定値情報については表示されない設定変更・確認履歴画面の初期画面に代えて、時間情報と操作種別情報と設定値情報とが一覧で表示された設定変更・確認履歴画面(一覧画面)が表示される(図261参照)。このように、この他の例では、設定変更・確認履歴画面の初期画面では設定値が表示されていないものの、「設定表示」を選択して決定することで、日時および操作種別と対応付けて新たに設定値が一覧で表示されることとなる。なお、設定変更・確認履歴画面の初期画面に代えて、時間情報と操作種別情報と設定値情報とが表示された設定変更・確認履歴画面が表示されると、図261に示されるように「戻る」がハイライト表示される。
時間情報と操作種別情報と設定値情報とが表示された設定変更・確認履歴画面(図261参照)において、セレクトボタン664を操作して「Page」を選択すると、「Page」がハイライト表示される(図262参照)。そして、「Page」が選択(ハイライト表示)されている状態でメインボタン662が押下されたことをホスト制御回路2100が検知すると、ホスト制御回路2100によってページ更新処理が実行される。このページ更新処理が実行されると、表示装置1016の表示領域には、設定変更・確認履歴画面におけるページ更新画面(図263参照)が表示される。このページ更新画面では、左右セレクトボタン664c,664dを操作することで、次ページまたは前ページに更新することができる。
また、時間情報および操作種別情報は表示されるものの設定値情報が表示されない設定変更・確認履歴画面の初期画面(図259参照)において、「Page」を選択してメインボタン662を押下した場合にも、ホスト制御回路2100によってページ更新処理が実行される。ただし、このページ更新処理が実行されたときは、表示装置1016の表示領域に、時間情報および操作種別情報は表示されるものの、設定値情報が表示されない設定変更・確認履歴画面におけるページ更新画面が表示される。このページ更新画面では、左右セレクトボタン664c,664dを操作すると、設定値が表示されない設定変更・確認履歴画面の次ページまたは前ページに更新することができる。ただし、時間情報および操作種別情報は表示されるものの設定値情報が表示されない設定変更・確認履歴画面では、ページ更新処理を実行できないように構成してもよい。
なお、この他の例では、例えば図259のように時間情報と操作種別情報と設定値情報とのうち時間情報および操作種別情報のみが画面と、例えば図261のように時間情報と操作種別情報と設定値情報とが一覧で表示される画面とを選択的に表示可能となっているが、図259の画面は、時間情報と操作種別情報と設定値情報とのうちいずれか一または二の情報のみが表示される画面であればよい。
また、時間情報と操作種別情報と設定値情報とが一覧で表示された設定変更・確認履歴画面は、特定の条件を満たした者(例えば、適正なパスワードを入力した者など)だけが閲覧できるようにしてもよいが、これについては後述する。
図264は、本発明の第11実施形態に係るパチンコ遊技機1001の表示装置1016の表示領域に表示されるホールメニュー画面において、設定値を確認することが可能な設定変更・確認履歴画面が表示されるまでの操作手順の一例を示すフロー図である。図264に示すように、本実施形態に係るパチンコ遊技機1001は、設定変更・確認履歴情報を閲覧するための第1の手順として、設定変更処理または設定確認処理が実行されたときにホールメニュー画面を表示する。上述したとおり、設定変更処理は、電源が投入されていない状態で、設定キー328をON操作し、バックアップクリアスイッチ330の押下操作および電源スイッチ35のON操作の両方を行うことで実行できる。また、設定確認処理は、電源が投入されていない状態で、設定キー328をON操作することで実行できる。なお、設定キー328は、一方向に回す操作を行うことにより設定キースイッチ信号をオンにすることができ、逆方向に回す(元の位置に戻す)ことで設定キースイッチ信号をオフにすることができる構成となっている。
なお、本実施形態のパチンコ遊技機1001において、設定キー328のON操作は、設定変更処理および設定確認処理のいずれを実行する場合であっても行われる操作であるが、これに限られず、設定変更処理および設定確認処理のうち少なくともいずれか一方の処理を実行するときに行われる操作であってもよい。後述するいずれの変形例においても同様である。
第2の手順として、パチンコ遊技機1001は、ホールメニュー画面(例えば、図246参照)で、ホールメニューの中の「設定変更・確認履歴」が選択決定されることにより、「設定変更・確認履歴」がハイライト表示され、かつ、日時データおよび操作種別(設定変更、確認、閲覧のうちの対応する操作種別)のみが表示された設定変更・確認履歴情報を含む設定変更・確認履歴画面のプレビュー画面(図246参照)を表示する(設定値は表示されていない)。
第3の手順として、パチンコ遊技機1001は、第2の手順で表示されたホールメニュー画面
(図246参照)において、「設定変更・確認履歴」がハイライト表示されている状態でメインボタン662が押下されることにより設定変更・確認履歴画面(図254参照)を、表示装置1016の表示領域に表示する。この設定変更・確認履歴画面には、日時データと操作種別(設定変更、確認、閲覧のうちの対応する操作種別)と設定値とが対応付けられている。
よって、設定キー328の使用および操作することができる者(権限を有する者)は、上記第1〜第3の手順を経て表示される設定変更・確認履歴画面(図254参照)の設定変更・確認履歴を見ることで、出玉率を規定する設定値の設定変更、設定変更の確認、設定変更および確認の閲覧の各履歴と対応する設定値とを一目で確認することができるようになる。なお、権限を有する者とは、設定変更、設定変更の確認等に関する権限が与えられた者であって、ホールの店長等を意味する。以下、「権限を有する者」は、「管理権限者」と称することもある。
上述したように、本発明に係る遊技機を構成するパチンコ遊技機1001は、各種画像を表示する表示装置1016と、メインボタン662およびセレクトボタン664等の操作ボタン群66と、遊技に関わる制御を行う制御部であるメインCPU101と、表示装置1016の表示の制御を行う表示制御部であるホスト制御回路2100と、を備え、制御部は、設定値
(例えば、設定1〜6)の変更又は確認を可能にする設定手段である設定スイッチ332と、ホスト制御回路2100に各種データを送信するデータ送信手段と、を備え、表示制御部は、データ送信手段からの各種データを受信する受信手段と、無通電状態であっても書き込まれた情報を記憶保持可能なバックアップメモリとして機能するサブワークRAM2100aと、日時を計時するRTC209と、を備え、メインCPU101は、データ送信手段によって、設定変更又は設定確認と設定値とをホスト制御回路2100に送信し、ホスト制御回路2100は、データ受信手段によって受信されたデータが設定変更又は設定確認の場合には、サブワークRAM2100aに設定変更又は設定確認、設定値およびRTC209からの日時データを設定変更・確認履歴情報として記憶し、サブワークRAM203に記憶された設定変更又は設定確認と日時データとを表示装置1016に表示する設定表示機能を備え、設定変更又は設定確認と日時データとが表示された状態で、メインボタン662が操作された場合にサブワークRAM2100aに記憶された設定値を表示する構成を有している。
この構成により、サブワークRAM2100aに設定変更又は設定確認、設定値およびRTC209からの日時データを設定変更・確認履歴情報として記憶するので、設定変更又は設定確認および日時データが表示された状態で、メインボタン662が操作された場合にサブワークRAM2100aに記憶された設定値を表示することができる。したがって、ホールメニューの「設定変更・確認履歴」が選択された場合に、設定値に関する各履歴を確認することができ、不正な設定変更又は設定確認が行われたか否かを判断することができるようになる。
また、本実施形態に係るパチンコ遊技機1001は、設定値を受信した日時データをRTC209から取得し、設定値と、日時データと、設定変更を表す情報と、を対応づけて記憶する構成としてもよい。
この構成により、変更後の設定値と、変更された日時データと、設定変更を表す情報と、を対応づけて記憶するので、権限を有する者が設定値の変更が行われた日時を特定することができ、設定値を変更する等の不正が行われていた場合にその不正を特定することが可能になる。
また、本実施形態に係るパチンコ遊技機1001は、設定値を確認したこと表す情報を受信した日時をRTC209から取得し、日時データと、設定確認を表す情報と、を対応づけて記憶する構成としてもよい。
この構成により、設定値を確認した日時データと、設定確認を表す情報と、を対応づけて記憶するので、権限を有する者が設定値の確認が行われた日時を特定することができ、設定値を確認する等の不正が行われていた場合にその不正を特定することが可能になる。
また、本実施形態に係るパチンコ遊技機1001は、サブワークRAM2100aの設定変更・確認履歴情報のうち設定変更又は設定確認と、設定値と、日時データとが表示された場合には、表示された日時データを閲覧履歴としてサブワークRAM2100aに記憶し、表示装置1016に閲覧履歴を表示する構成としてもよい。
この構成により、設定変更・確認履歴情報のうち設定変更又は設定確認と、設定値と、日時データとが表示された場合には、表示された日時データを閲覧履歴としてサブワークRAM2100aに記憶し、閲覧履歴を表示することができる。したがって、設定値が表示されないホールメニューの「設定変更・確認履歴」が選択された状態において、設定変更・確認履歴情報のうち設定変更又は設定確認、設定値および日時データの表示に加えて、閲覧履歴を表示することができるので、ゴト行為などの不正の目的で設定変更又は設定確認の閲覧履歴の閲覧が行われたか否かを判断することができる。
上記構成によって、本実施形態では、設定変更又は設定確認と、設定値と、日時データとをそれぞれ対応づけた設定変更・確認履歴情報を保存および表示することができるので、設定値に関する各履歴を確認することができ、不正な設定変更又は設定確認が行われたか否かを判断することができるパチンコ遊技機1001を提供することができる。
また、本発明に係る遊技機を構成するパチンコ遊技機1001は、各種画像を表示する表示装置1016と、メインボタン662およびセレクトボタン664等の操作部と、遊技に関わる制御を行う制御部であるメインCPU101と、表示装置1016の表示の制御を行う表示制御部であるホスト制御回路2100と、を備え、制御部は、設定値(例えば、設定1〜6)の変更又は確認を可能にする設定手段である設定スイッチ332と、ホスト制御回路2100に各種データを送信するデータ送信手段と、を備え、表示制御部は、データ送信手段からの各種データを受信する受信手段と、無通電状態であっても書き込まれた情報を記憶保持可能なサブワークRAM2100aと、日時を計時するRTC209と、を備え、メインCPU101は、データ送信手段によって、設定変更又は設定確認と設定値とをホスト制御回路2100に送信し、ホスト制御回路2100は、データ受信手段によって受信されたデータが設定変更又は設定確認の場合には、サブワークRAM2100aに設定変更又は設定確認、設定値およびRTC209からの日時データを設定変更・確認履歴情報として記憶し、サブワークRAM2100aに記憶された設定変更・確認履歴情報を表示装置1016に表示する設定表示機能を備え、サブワークRAM2100aに記憶された設定変更・確認履歴情報が表示装置1016に表示された場合には日時データを閲覧履歴としてサブワークRAM2100aに記憶し、表示装置1016に閲覧履歴を表示する構成を有している。
この構成により、サブワークRAM2100aの設定変更・確認履歴情報が表示された場合には、表示された日時データを閲覧履歴としてサブワークRAM2100aに記憶し、表示装置1016の表示領域に閲覧履歴を表示することができる。したがって、不自然な操作がされたか否かを判断することができるばかりか、不正行為を調査する契機か否かを判断できる。
また、本実施形態に係るパチスロは、設定変更・確認履歴情報が表示装置1016に表示された日時データをRTC209から取得し、日時データと、閲覧履歴を表す情報と、を対応づけて記憶する構成としてもよい。
この構成により、日時データと、閲覧履歴を表す情報と、を対応づけて記憶するので、設定値に関する情報の閲覧が行われた日時を特定することができ、設定値を変更する等の不正が行われていた場合にその不正を特定することが可能になる。
また、本実施形態に係るパチンコ遊技機1001は、サブワークRAM2100aの設定変更・確認履歴情報のうち設定変更又は設定確認と、設定値と、日時データとが表示された場合には、表示された日時データを閲覧履歴としてサブワークRAM2100aに記憶し、表示装置1016に閲覧履歴を表示する構成としてもよい。
この構成により、設定変更・確認履歴情報のうち設定変更又は設定確認と、設定値と、日時データとが表示された場合には、表示された日時データを閲覧履歴としてサブワークRAM2100aに記憶し、表示装置1016に閲覧履歴を表示することができる。したがって、設定値が表示されないホールメニューの「設定変更・確認履歴」が選択された状態において、設定変更・確認履歴情報のうち設定変更又は設定確認、設定値および日時データの表示に加えて、閲覧履歴を表示することができるので、ゴト行為などの不正の目的で設定変更又は設定確認の閲覧履歴の閲覧が行われたか否かを判断することができる。
上述した構成によって、本実施形態では、設定変更確認・履歴情報を閲覧した閲覧履歴と日時データとを対応づけた閲覧履歴情報を保存および表示することができるので、設定値に関する不自然な操作がされたか否かを判断することができるばかりか、不正行為を調査する契機か否かを判断できるパチンコ遊技機1001を提供することができる。
[10−22.メンテナンス処理]
次に、図265〜図267を参照して、ホスト制御回路2100により実行されるメンテナンス処理(ステップS8019)と、メンテナンス処理が実行されたときに表示装置1016の表示領域に表示されるメンテナンス画面とを対比しつつ説明する。なお、図265は、ホスト制御回路2100により実行されるメンテナンス処理の一例を示すフローチャートである。図266は、メンテナンス画面が表示装置1016の表示領域に表示されたときの一例を示す図である。図267は、表示装置1016の表示領域に表示されるメンテナンス画面の一例である。
メンテナンス処理において、ホスト制御回路2100は、メンテナンス画面(図266および図267参照)を表示装置1016の表示領域に表示する。このメンテナンス処理では、例えば、演出ボタンスイッチ621、役物群1010等の演出役物といった、ホスト制御回路2100に接続されたデバイス(例えば、各種センサ、作動する各種役物等)をメンテナンス処理の対象とし、これらのデバイスが正常に作動するか否かを操作者に確認させることができる。
図266および図267に示すように、ホスト制御回路2100は、メンテナンス画面(図266および図267参照)の略中央に、各種装置(各種センサや各種役物等)の動作状態表示表を表示する。この動作状態表示表は、例えば28個の各種装置の名称が表示されている名称列と、名称列に表示されている各種装置に付された通し番号(1〜28)が表示されている番号列と、各種装置の動作状態を示す動作状態列と、を有している。動作状態列の「OFF」表示は、各種装置からの入力がない旨を表している。各種装置から入力があると、動作状態列の表示は、「OFF」表示から「ON」表示に変更される。例えば、メンテナンス画面の表示中に、演出ボタン1が操作されると、ホスト制御回路2100は、演出ボタン1の動作状態列の表示を、「OFF」表示から「ON」表示に変更する。なお、「ON」表示は赤字で表示される。上記の「各装置から入力」とは、ホスト制御回路2100による入力ポート等の検出に基づくものである。また、演出役物のそれぞれには少なくとも通常位置(例えば、初期位置)に存在することを検出する役物検知センサ群1002(図144参照)があり、通常位置を検出するセンサがONの場合に表示をOFFとして、通常位置を検出する役物検知センサ群1002がOFFの場合すなわち演出役物が移動した場合に表示をONとするものとする。
また、ホスト制御回路2100は、メンテナンス画面の下方に、メンテナンス画面における操作方法を表示する。具体的には、メインボタン662と上セレクトボタン664aと下セレクトボタン664bとを同時に押下すると、ホールメニュー画面の初期画面(図245参照)に戻る(再表示される)旨が表示されており、さらにその下方には、メインボタン662およびセレクトボタン664夫々に対応する画像が表示されている。図267では、全部のセレクトボタン664a〜624dに対応する画像が有効であることを示す白抜きで表示されている。
メンテナンス処理(図265参照)において、ホスト制御回路2100は、先ず、サブデバイス入力情報を取得する(ステップS8081)。サブデバイス入力情報は、図267に示す動作状態表示表の通し番号21〜28が付された各種装置の作動状態の検出結果である。サブデバイス入力情報には、上記各種装置において入力がある状態であるオン状態か入力がない状態であるオフ状態かを示すサブ入力状態情報が含まれている。
次に、ホスト制御回路2100は、取得したサブデバイス入力情報におけるサブ入力状態情報を読み出すサブ入力状態情報編集処理を行う(ステップS8082)。
次に、ホスト制御回路2100は、ステップS8082で読み出したサブ入力状態情報に基づいて、メンテナンス画面(図266、図267参照)を表示装置1016の表示領域に表示するメンテナンス画面表示処理を行う(ステップS8083)。この処理で、メンテナンス画面の表示および表示の更新(例えば、「OFF」表示から「ON」表示への変更)が行われる。
次に、ホスト制御回路2100は、メインボタン662と上セレクトボタン664aと下セレクトボタン664bとが同時に操作されたか否かを判別する(ステップS8084)。メインボタン662と上セレクトボタン664aと下セレクトボタン664bとが同時に操作されたと判別した場合(ステップS8084におけるYES)、ホスト制御回路2100は、メンテナンス処理およびホールメニュー処理(図250参照)を終了し、処理をホールメニュータスク(図243参照)のステップS5304に戻す。
一方、メインボタン662と上セレクトボタン664aと下セレクトボタン664bとが同時に操作されていないと判別した場合(ステップS8084におけるNO)、ホスト制御回路2100は、処理をステップS8081に戻す。
ところで、近年のパチンコ遊技機やパチスロでは、1デバイスで複数の機能を有するものもある。例えば、本実施形態のパチンコ遊技機1001でいえば、演出ボタン1062に、操作ボタンとしての機能と、演出ボタンとしての機能とを持たせたような場合である。演出ボタンの機能としては、例えば、特別図柄の抽選結果にもとづいて上方に向けて突出移動するような機能が相当する。そして、図267に示される通し番号21の「演出ボタン1」が選択決定されると、ホスト制御回路2100は、演出ボタン1062の操作機能についてのメンテナンスを実行する。また、図267に示される通し番号22の「演出ボタン2」が選択決定されると、ホスト制御回路2100は、演出ボタン1062を上方に突出移動させて、演出機能についてのメンテナンスを実行する。メンテナンス操作の結果が正常判定であれば、ホスト制御回路2100は、メンテナンス画面表示処理(ステップS8083)を実行し、メンテナンス画面の表示処理を実行する(「OFF」表示から「ON」表示に変更する)。なお、「演出ボタン2」が選択決定されたことによって上方に突出した演出ボタン1062は、例えば、正常判定された場合、セレクトボタン664を操作して図267に示される他の通し番号の項目が選択された場合、メインボタン662と上セレクトボタン664aと下セレクトボタン664bとが同時に押下されてメンテナンスモードが終了した場合に、通常状態(上方に突出する前の状態)に戻るようホスト制御回路2100により制御される。
また、近年のパチンコ遊技機やパチスロでは、駆動手段が異なる複数の演出役物が備えられているものもあり、このような遊技機では、駆動手段が異なる複数の演出役物を同時に作動させてメンテナンスを実行してもよいし、駆動手段が異なる複数の演出役物の夫々を異なるタイミングで作動させてメンテナンスを実行してもよいし、単独で作動させてメンテナンスを実行してもよい。例えば、駆動手段が夫々異なる演出役物1〜演出役物3を備える遊技機において、例えば図267に示される通し番号14の「演出役物1+2」が選択決定されると、ホスト制御回路2100は、演出役物1および演出役物2を同時に作動させてメンテナンスを実行する。また、例えば図267に示される通し番号17の「演出役物1→2」が選択決定されると、ホスト制御回路2100は、先ずは演出役物1を作動させ、その後に演出役物2を作動させてメンテナンスを実行する。さらに例えば図267に示される通し番号11の「演出役物1」が選択決定されると、ホスト制御回路2100は、演出役物1を単独で作動させてメンテナンスを実行する。なお、例えば演出1と演出3とが同時に作動すると干渉し合って作動不能となる場合には、例えば図267の通し番号15の「演出役物1+3」を選択できないか、または選択しても決定できない(メインボタン662の操作が有効化されない)ように構成されている。図267では、通し番号15の「演出役物1+3」を、選択できない項目として網掛け表示している。ただし、例えば演出1と演出3とが同時に作動した場合には干渉し合って作動不能となるものの、タイミングを異ならせて作動させた場合(例えば、先ずは演出役物1を作動させ、その後に演出役物3を作動させる場合)に干渉しなければ、例えば図267に示される通し番号18の「演出役物1→3」が選択決定できるようにするとよい。このように、複数の演出役物を、複数で作動させたり、タイミングを異ならせて作動させたり、単独で作動させたりすることを可能にするとともに、同時に作動すると干渉するような場合には同時に作動できないようにすることで、トラブルの発生を回避しつつメンテナンス性の向上を図ることが可能となる。
なお、図267には示されていないが、遊技球やメダルの払出センサ、払出担保球センサ、貸出ボタン(球貸ボタンとも称される)、CRカードの返却ボタン、パチスロの精算ボタン、封入された遊技球を循環させることで遊技を可能にしたパチンコ遊技機にあっては、遊技球の発射検出センサなどについても、メンテナンスの対象にすることが好ましい。また、本実施形態のパチンコ遊技機1001では、ホスト制御回路2100に接続されるデバイス(各種センサ、各種役物等)をメンテナンス処理の対象として説明したが、これに限られず、メインCPU101に接続されるデバイス(例えば、電源スイッチ35、第1始動口スイッチ421、第2始動口スイッチ441等)をメンテナンス処理の対象としてもよい。さらには、CR機において、貸出ボタンやCRカードの返却ボタンが操作されたことにもとづいて球貸機とパチンコ遊技機との間(CRパチスロの場合は球貸機とパチスロとの間)で擬似的な信号通信を行い、この信号通信の通常状態を検出し、正常であればメンテナンス画面の表示処理を実行する(「OFF」表示から「ON」表示に変更する)ようにしてもよい。
[10−23.携帯端末連携機能]
次に、図268〜図270を参照してパチンコ遊技機1001の携帯端末連携機能を例に説明する。
パチンコ遊技機1001の携帯端末連携機能は、パチンコ遊技機1001と携帯端末とを連携させる機能である。パチンコ遊技機1001の携帯端末連携機能を使用すると、遊技者が行った遊技に関する詳細な情報を記録したり、所定の条件を満たすことによりパチンコ遊技機1001の遊技結果に影響を与えない機能をカスタマイズしたりすることができる。
所定の条件としては、例えば、特別図柄の大当り判定の結果が条件装置の作動を伴わない小当りに決定されることや、特定の演出が実行されたことなどを挙げることができる。また、パチンコ遊技機1001の遊技結果に影響を与えない機能をカスタマイズすることとしては、例えば、大当り遊技中や高確率遊技状態中に出力される音楽を特別な曲に変更したり、表示装置1016に表示されるキャラクターの衣装を変更したりすること等が挙げられる。
携帯端末連携機能を使用する場合は、まず、表示装置1016の表示領域にガイドメニュー画面(ガイド初期画像)を表示させる。表示装置1016の表示領域に表示される装飾図柄の変動表示が行われていない状態で例えばメインボタン662に対する押圧操作を行うと、表示装置1016の表示領域にガイド初期画像が表示される。
図268は、表示装置1016の表示領域にガイド初期画像が表示されたときの一例を示す図である。ガイド初期画像は、「ユニメモ(登録商標)」という文字と、「好きなメニューを選んで下さい」という文字と、ガイドメニューとを含む。
図268に示すように、ガイドメニューの項目は、「ユニメモを始める」と、「大当り図柄・ラウンド数」と、「機種サイト」と、「遊技に戻る」とを含む。ガイド初期画像では、「ユニメモを始める」がハイライト表示されている。そして、これら複数のガイドメニューの項目のうちハイライト表示される項目を、上下セレクトボタン664a,664bを操作することによって選択できる。また、メインボタン662を操作すると、ハイライト表示されている項目に決定される。図268では、複数の各項目が実線の枠で囲まれており、ハイライト表示されている「ユニメモを始める」がより太い実線の枠で囲まれている。
ガイドメニューの「ユニメモを始める」を選択すると、表示装置1016の表示領域にユニメモ初期画像が表示される。また、「大当り図柄・ラウンド数」を選択すると、表示装置1016の表示領域に大当り図柄・ラウンド数が表示される(不図示)。そして、「機種サイト」を選択すると、表示装置1016の表示領域に機種サイト用登録コードが表示される(不図示)。
「ゲームに戻る」を選択すると、表示装置1016の表示領域に表示されるガイド初期画像の表示が終了する(ガイドメニューの表示も終了する)。そして、表示装置1016の表示領域には、遊技を行う際に表示される演出用の映像や、発射ハンドル32が所定期間操作されなかったり、第1始動口420および第2始動口440のいずれにも所定期間入賞しなかったりした場合に表示されるデモ映像が表示される。また、ガイドメニューの項目の何れも選択せずに所定の時間が経過した場合も、表示装置1016の表示領域には、遊技を行う際に表示する演出用の映像や、上記のデモ映像が表示される。
図269は、表示装置1016の表示領域にユニメモ初期画像が表示されたときの一例を示す図である。ユニメモ初期画像は、「ユニメモ」という文字と、「好きなキャラクターをカスタマイズしよう」という文字と、ユニメモメニューとが表示される。ユニメモメニューの項目は、「パスワード入力」と、「記録する」と、「記録して終了する」と、「会員登録」と、「遊技に戻る」と、「戻る」とを含む。ユニメモ初期画像では、「パスワード入力」がハイライト表示されている。そして、これら複数のユニメモメニューの項目のうちハイライト表示される項目を、セレクトボタン664a〜664dを操作することによって選択できる。また、メインボタン662を操作すると、ハイライト表示されている項目に決定される。図269では、複数の各項目が実線の枠で囲まれており、ハイライト表示されている「パスワード入力」がより太い実線の枠で囲まれている。
そして、「パスワード入力」が選択されて決定されると、表示装置1016の表示領域にパスワード要求画面が表示される(図270参照)。
図270は、表示装置1016の表示領域にパスワード要求画面が表示されたときの一例を示す図である。パスワード表示画像は、「パスワードを入力して下さい」という文字と、パスワード入力メニューとを含む。
パスワード入力メニューには、複数のパスワード入力メニューの項目が表示される。パスワード入力メニューの項目は、「決定」と、「削除」と、「0」〜「9」の数字と、「A」〜「F」のアルファベットと、「遊技に戻る」と、「戻る」とを含む。パスワード表示画像では、「0」〜「9」および「A」〜「F」のうち、ハイライト表示される項目を、セレクトボタン664a〜664dを操作することによって選択でき、メインボタン662を操作すると、ハイライト表示されている数字またはアルファベットに決定される。決定された数字またはアルファベットは、パスワード表示画像に表示される。パスワード入力メニューの「決定」が選択されて決定されると、パスワード表示画像に表示された複数の文字を、入力するパスワードとして決定する。そして、パスワード入力メニューの「削除」が選択されると、最後に入力した文字から1文字ずつ、パスワード表示画像から削除される。
パスワード入力メニューの「遊技に戻る」が選択されると、表示装置1016の表示領域には、遊技を行う際に表示する演出用の映像や、発射ハンドル32が所定期間操作されなかったり、第1始動口420および第2始動口440のいずれにも所定期間入賞しなかったりした場合に表示されるデモ映像が表示される。また、パスワード入力メニューの「戻る」が選択されると、表示装置1016の表示領域にユニメモ初期画像が表示される。
[10−24.設定変更・確認履歴処理の変形例]
以下に、設定変更・確認履歴処理の変形例1〜3について説明する。
[10−24−1.設定変更・確認履歴処理の変形例1]
先ず、設定変更・確認履歴処理の変形例1について、図271〜図276を参照して、設定変更・確認履歴の変形例1について説明する。
この変形例1における設定変更・確認履歴処理は、設定値を閲覧するための認証機能を有する点以外は、図252および図253を参照して上述した設定変更・確認履歴処理と略同一である。以下においては、図252および図253を参照して上述した設定変更・確認履歴処理と異なる点について詳述する。なお、図252および図253を参照して上述した設定変更・確認履歴処理では、所定時間(例えば30秒)以内に何らの処理も行われなかったときにホールメニュー画面(例えば、図245参照)が表示されるようにするために計時処理(図252のステップS8052等を参照)を行う旨を説明した。この変形例1においても、図252および図253を参照して上述した設定変更・確認履歴処理と同様に計時処理を行い、所定時間(例えば30秒)以内に何らの処理も行われなかったときにホールメニュー画面を表示するようにしてもよいが、以下の説明では、計時処理の説明を省略する。
図271は、ホスト制御回路2100により実行される設定変更・確認履歴処理の変形例1を示すフローチャートである。この設定変更・確認履歴処理は、図250のステップS8006において表示中のホールメニュー画面(図245、図246参照)の中から「設定変更・確認履歴」が選択(ハイライト表示)されている状態でメインボタン662が押下されることを条件に開始される。
設定変更・確認履歴処理が開始されると、ホスト制御回路2100は、管理者権限を認証する認証処理を行う(ステップS8100)。この認証処理について、図272を参照して説明する。図272は、ホスト制御回路2100により実行される設定変更・確認履歴処理の変形例1において、認証処理の例を示すフローチャートである。
図272に示されるように、認証処理において、ホスト制御回路2100は、先ず、ホールメニュー画面が表示されている表示装置1016の表示領域に、例えば図273および図274に示されるように、パスワードを要求するパスワード要求画面をさらに表示する(ステップS8101)。図273は、ホスト制御回路2100により実行される設定変更・確認履歴処理の変形例1において、設定変更・確認履歴処理が実行されたときに、パスワード要求画面が表示装置1016の表示領域に表示される例を示す図である。図274は、ホスト制御回路2100により実行される設定変更・確認履歴処理の変形例1において、表示装置1016の表示領域に表示されるパスワード要求画面の例である。
なお、本変形例1では、設定変更・確認履歴処理が開始されると(ホールメニュー画面において「設定変更・確認履歴」が選択(ハイライト表示)されている状態でメインボタン662が押下されると)、例えば図273および図274に示されるように、ホールメニュー画面が表示されている状態でパスワード要求画面が表示されるが、必ずしもこれに限られない。例えば、設定変更・確認履歴が開始されると、時間情報と操作種別情報と設定値情報とのうち時間情報および操作種別情報のみが表示される(設定値が表示されない)設定変更・確認履歴画面を表示し、この設定変更・確認履歴画面が表示されている状態でパスワード要求画面が表示されるようにしてもよいし、ホールメニューおよび設定変更・確認履歴画面のいずれも表示することなくパスワード要求画面のみが表示されるようにしてもよい。
パスワードが入力されると、ホスト制御回路2100は、パスワード入力処理を実行し(ステップS8102)、ステップS8103に移る。
ホスト制御回路2100は、ステップS8103において、入力されたパスワードが適正であるか否かを判別し、入力されたパスワードが適正であれば(ステップS8103におけるYES)、認証処理を終了する。一方、入力されたパスワードが適正でないと判別すると(ステップS8103におけるNO)、ホスト制御回路2100は、認証NG表示処理を実行する(ステップS8104)。認証NG表示処理が実行されると、表示装置1016の表示領域には、例えば図275に示される画面が表示される。ここで、図275は、ホスト制御回路2100により実行される設定変更・確認履歴処理の変形例1において、入力したパスワードが不適であったときに表示装置1016の表示領域に表示される画面の例を示す図である。
ホスト制御回路2100は、ステップS8100の認証処理を実行すると、認証結果が正しい、つまり、パスワードが適正であると判別した場合(ステップS8103におけるYES)には認証OKと判別し(ステップS8110におけるYES)、ステップS8120に移る。一方、パスワードが適正でないと判別した場合(ステップS8103におけるNO)に、ホスト制御回路2100は、認証OKでないと判別し(ステップS8110におけるNO)、設定変更・確認履歴処理を終了する。
なお、ホスト制御回路2100は、パスワード要求画面においてパスワードが入力された後、例えばメインボタン662が押下されると、入力されたパスワードの適否を判別する。入力されたパスワードが不適であったり、パスワードを入力せずにメインボタン662を押下した場合には、上述したステップS8103の認証NG処理が実行される。そして、正しいパスワードが入力されて例えばメインボタン662が押下されたた場合に限り、時間情報と操作種別情報と設定値情報とが表示された設定変更・確認履歴画面が表示されるようにすることができる。これにより、不正を目的として設定値の履歴情報が閲覧されてしまうことを防止することが可能となる。
ホスト制御回路2100は、ステップS8120において、設定変更・確認履歴画面表示処理を行う。このとき、表示装置1016の表示領域には、日時データと操作種別と設定値とが対応付けて示される設定変更・確認履歴画面(例えば、図254参照)が表示される。
ステップS8120の設定変更・確認履歴画面表示処理の後、ホスト制御回路2100は、ページ更新操作されたか否かを判別する(ステップS8130)。ページ更新操作が行われたと判別すると(ステップS8130におけるYES)、ページ更新処理を実行し(ステップS8140)、その後、ステップS8130に移る。一方、ページ更新操作が行われていなければ(ステップS8130におけるNO)、ステップS8150に移る。
ホスト制御回路2100は、ステップS8150において、「クリア」に決定されたか否かを判別する。表示装置1016の表示領域に表示される設定変更・確認履歴画面(例えば、図257参照)において「クリア」が選択された状態(ハイライト表示された状態)で操作者がメインボタン662を押下すると、ホスト制御回路2100は、「クリア」に決定されたと判別する。
ホスト制御回路2100は、「クリア」に決定されたと判別すると(ステップS8150におけるYES)、設定変更・確認履歴データクリア処理を実行し(ステップS8180)、ステップS8180に移る。上記の設定変更・確認履歴データクリア処理は、サブワークRAM2100aに記憶されている設定変更履歴、設定確認履歴および閲覧履歴のデータを消去する処理である。設定変更・確認履歴データクリア処理が実行されると、表示装置1016の表示領域に表示されていた各履歴データが全て消去される(例えば、図258参照)。一方、「クリア」に決定されていなければ(ステップS8150におけるNO)、ステップS8170に移る。
ホスト制御回路2100は、ステップS8170において、「戻る」に決定されたか否かを判別する。表示装置1016の表示領域に表示される設定変更・確認履歴画面(例えば、図254参照)において「戻る」が選択された状態(ハイライト表示された状態)で操作者がメインボタン662を押下すると、ホスト制御回路2100は、「戻る」に決定されたと判別する。
ホスト制御回路2100は、「戻る」に決定されたと判別すると(ステップS8170におけるYES)、ホールメニュー画面表示処理を実行し(ステップS8180)、設定変更・確認履歴処理を終了する。一方、「戻る」に決定されなければ(ステップS8170におけるNO)、ステップS8130に移り、ステップS8130移行の処理を継続する。
図276は、ホスト制御回路2100により実行される設定変更・確認履歴処理の変形例1における表示装置1016の表示領域に表示されるホールメニュー画面において、設定値を確認することが可能な設定変更・確認履歴画面が表示されるまでの操作手順の一例を示すフロー図である。図276に示すように、本実施形態に係るパチンコ遊技機1001は、設定変更・確認履歴情報を閲覧するための第1の手順として、設定変更処理または設定確認処理が実行されたときにホールメニュー画面を表示する。上述したとおり、設定変更処理は、電源が投入されていない状態で、設定キー328をON操作し、バックアップクリアスイッチ330の押下操作および電源スイッチ35のON操作の両方を行うことで実行できる。また、設定確認処理は、電源が投入されていない状態で、設定キー328をON操作することで実行できる。なお、設定キー328は、一方向に回す操作を行うことにより設定キースイッチ信号をオンにすることができ、逆方向に回す(元の位置に戻す)ことで設定キースイッチ信号をオフにすることができる構成となっている。
第2の手順として、パチンコ遊技機1001は、ホールメニュー画面(例えば、図246参照)で、ホールメニューの中の「設定変更・確認履歴」が選択決定されることにより、「設定変更・確認履歴」がハイライト表示され、かつ、日時データおよび操作種別(設定変更、確認、閲覧のうちの対応する操作種別)のみが表示された設定変更・確認履歴情報を含む設定変更・確認履歴画面のプレビュー画面(図246参照)を表示する(設定値は表示されていない)。
第3の手順として、パチンコ遊技機1001は、パスワードの入力を要求し(図273、図274参照)、入力されたパスワードの適否判定を行う。
第4の手順として、パチンコ遊技機1001は、第3の手順で入力されたパスワードが適正であれば、設定値情報、より詳しくは、日時データと操作種別(設定変更、確認、閲覧のうちの対応する操作種別)と設定値とが対応付けられている設定変更・確認履歴画面(例えば、図261参照)を、表示装置1016の表示領域に表示する。
よって、設定キー328の使用および操作することができる者(権限を有する者)は、上記第1〜第4の手順を経て表示される設定変更・確認履歴画面(図254参照)の設定変更・確認履歴を見ることで、出玉率を規定する設定値の設定変更、設定変更の確認、設定変更および確認の閲覧の各履歴と対応する設定値とを一目で確認することができるようになる。なお、権限を有する者とは、設定変更、設定変更の確認等に関する権限が与えられた者であって、ホールの店長等を意味する。以下、「権限を有する者」は、「管理権限者」と称することもある。
上述したように、本発明に係る遊技機を構成するパチンコ遊技機1001は、各種画像を表示する表示装置1016と、メインボタン662およびセレクトボタン664等の操作ボタン群66と、遊技に関わる制御を行う制御部であるメインCPU101と、表示装置1016の表示の制御を行う表示制御部であるホスト制御回路2100と、を備え、制御部は、設定値(例えば、設定1〜6)の変更又は確認を可能にする設定手段である設定スイッチ332と、ホスト制御回路2100に各種データを送信するデータ送信手段と、を備え、表示制御部は、データ送信手段からの各種データを受信する受信手段と、無通電状態であっても書き込まれた情報を記憶保持可能なバックアップメモリとして機能するサブワークRAM2100aと、日時を計時するRTC209と、を備え、メインCPU101は、データ送信手段によって、設定変更又は設定確認と設定値とをホスト制御回路2100に送信し、ホスト制御回路2100は、データ受信手段によって受信されたデータが設定変更又は設定確認の場合には、サブワークRAM2100aに設定変更又は設定確認、設定値およびRTC209からの日時データを設定変更・確認履歴情報として記憶し、サブワークRAM203に記憶された設定変更又は設定確認と日時データとを表示装置1016に表示する設定表示機能を備え、設定変更又は設定確認と日時データとが表示された状態で、メインボタン662が操作された場合にサブワークRAM2100aに記憶された設定値を表示する構成を有している。
この構成により、サブワークRAM2100aに設定変更又は設定確認、設定値およびRTC209からの日時データを設定変更・確認履歴情報として記憶するので、設定変更又は設定確認および日時データが表示された状態で、メインボタン662が操作された場合にサブワークRAM2100aに記憶された設定値を表示することができる。したがって、ホールメニューの「設定変更・確認履歴」が選択された場合に、設定値に関する各履歴を確認することができ、不正な設定変更又は設定確認が行われたか否かを判断することができるようになる。
また、本実施形態に係るパチンコ遊技機1001は、設定値を受信した日時データをRTC209から取得し、設定値と、日時データと、設定変更を表す情報と、を対応づけて記憶する構成としてもよい。
この構成により、変更後の設定値と、変更された日時データと、設定変更を表す情報と、を対応づけて記憶するので、権限を有する者が設定値の変更が行われた日時を特定することができ、設定値を変更する等の不正が行われていた場合にその不正を特定することが可能になる。
また、本実施形態に係るパチンコ遊技機1001は、設定値を確認したこと表す情報を受信した日時をRTC209から取得し、日時データと、設定確認を表す情報と、を対応づけて記憶する構成としてもよい。
この構成により、設定値を確認した日時データと、設定確認を表す情報と、を対応づけて記憶するので、権限を有する者が設定値の確認が行われた日時を特定することができ、設定値を確認する等の不正が行われていた場合にその不正を特定することが可能になる。
また、本実施形態に係るパチンコ遊技機1001は、サブワークRAM2100aの設定変更・確認履歴情報のうち設定変更又は設定確認と、設定値と、日時データとが表示された場合には、表示された日時データを閲覧履歴としてサブワークRAM2100aに記憶し、表示装置1016に閲覧履歴を表示する構成としてもよい。
この構成により、設定変更・確認履歴情報のうち設定変更又は設定確認と、設定値と、日時データとが表示された場合には、表示された日時データを閲覧履歴としてサブワークRAM2100aに記憶し、閲覧履歴を表示することができる。したがって、設定値が表示されないホールメニューの「設定変更・確認履歴」が選択された状態において、設定変更・確認履歴情報のうち設定変更又は設定確認、設定値および日時データの表示に加えて、閲覧履歴を表示することができるので、ゴト行為などの不正の目的で設定変更又は設定確認の閲覧履歴の閲覧が行われたか否かを判断することができる。
上記構成によって、本実施形態では、設定変更又は設定確認と、設定値と、日時データとをそれぞれ対応づけた設定変更・確認履歴情報を保存および表示することができるので、設定値に関する各履歴を確認することができ、不正な設定変更又は設定確認が行われたか否かを判断することができるパチンコ遊技機1001を提供することができる。
また、本発明に係る遊技機を構成するパチンコ遊技機1001は、各種画像を表示する表示装置1016と、メインボタン662およびセレクトボタン664等の操作部と、遊技に関わる制御を行う制御部であるメインCPU101と、表示装置1016の表示の制御を行う表示制御部であるホスト制御回路2100と、を備え、制御部は、設定値(例えば、設定1〜6)の変更又は確認を可能にする設定手段である設定スイッチ332と、ホスト制御回路2100に各種データを送信するデータ送信手段と、を備え、表示制御部は、データ送信手段からの各種データを受信する受信手段と、無通電状態であっても書き込まれた情報を記憶保持可能なサブワークRAM2100aと、日時を計時するRTC209と、を備え、メインCPU101は、データ送信手段によって、設定変更又は設定確認と設定値とをホスト制御回路2100に送信し、ホスト制御回路2100は、データ受信手段によって受信されたデータが設定変更又は設定確認の場合には、サブワークRAM2100aに設定変更又は設定確認、設定値およびRTC209からの日時データを設定変更・確認履歴情報として記憶し、サブワークRAM2100aに記憶された設定変更・確認履歴情報を表示装置1016に表示する設定表示機能を備え、サブワークRAM2100aに記憶された設定変更・確認履歴情報が表示装置1016に表示された場合には日時データを閲覧履歴としてサブワークRAM2100aに記憶し、表示装置1016に閲覧履歴を表示する構成を有している。
この構成により、サブワークRAM2100aの設定変更・確認履歴情報が表示された場合には、表示された日時データを閲覧履歴としてサブワークRAM2100aに記憶し、表示装置1016の表示領域に閲覧履歴を表示することができる。したがって、不自然な操作がされたか否かを判断することができるばかりか、不正行為を調査する契機か否かを判断できる。
また、本実施形態に係るパチスロは、設定変更・確認履歴情報が表示装置1016に表示された日時データをRTC209から取得し、日時データと、閲覧履歴を表す情報と、を対応づけて記憶する構成としてもよい。
この構成により、日時データと、閲覧履歴を表す情報と、を対応づけて記憶するので、設定値に関する情報の閲覧が行われた日時を特定することができ、設定値を変更する等の不正が行われていた場合にその不正を特定することが可能になる。
また、本実施形態に係るパチンコ遊技機1001は、サブワークRAM2100aの設定変更・確認履歴情報のうち設定変更又は設定確認と、設定値と、日時データとが表示された場合には、表示された日時データを閲覧履歴としてサブワークRAM2100aに記憶し、表示装置1016に閲覧履歴を表示する構成としてもよい。
この構成により、設定変更・確認履歴情報のうち設定変更又は設定確認と、設定値と、日時データとが表示された場合には、表示された日時データを閲覧履歴としてサブワークRAM2100aに記憶し、表示装置1016に閲覧履歴を表示することができる。したがって、設定値が表示されないホールメニューの「設定変更・確認履歴」が選択された状態において、設定変更・確認履歴情報のうち設定変更又は設定確認、設定値および日時データの表示に加えて、閲覧履歴を表示することができるので、ゴト行為などの不正の目的で設定変更又は設定確認の閲覧履歴の閲覧が行われたか否かを判断することができる。
上述した構成によって、本実施形態では、設定変更確認・履歴情報を閲覧した閲覧履歴と日時データとを対応づけた閲覧履歴情報を保存および表示することができるので、設定値に関する不自然な操作がされたか否かを判断することができるばかりか、不正行為を調査する契機か否かを判断できるパチンコ遊技機1001を提供することができる。
[10−24−2.設定変更・確認履歴処理の変形例2]
次に、設定変更・確認履歴処理の変形例2について、図277〜図281を参照して、設定変更・確認履歴の変形例2について説明する。
この設定変更・確認履歴処理の変形例2における設定変更・確認履歴処理は、認証機能の構成が異なる以外は変形例1のものと基本的な構成は略同一である。以下においては、特に変形例1との相違点について詳述する。
設定変更・確認履歴処理の変形例2に係るパチンコ遊技機1001は、スピーカ1024の音量を調整する音量調整手段として例えばスライドスイッチを備えるようにし、複数の音量位置(ボリューム位置)、例えば音量「大」、「中」、「小」に対応する3つのボリューム位置のいずれかに切換操作するとともに、所定の操作順序で複数のボリューム位置に切り換え操作するように構成し、その切り換え操作順が予め設定した順序と一致するときに管理者権限を有するユーザとして認証するようにしている。なお、スピーカ1024の音量を調整する音量調整手段は、スライドスイッチに限られず、例えば、ジョグダイヤルを回して音量を調整し、ジョグダイヤルを押圧すると音量が確定するようにしてもよい。
このように、設定変更・確認履歴処理の変形例2に係るパチンコ遊技機1001は、ボリューム位置の変更順序に対応するボリュームパスワードに基づいて認証を行う認証処理機能を有する。この変形例2では、例えば音声・LED制御回路2200に上記認証処理機能が付加された制御プログラムが記憶され、ホスト制御回路2100が、その制御プログラムにしたがってボリュームパスワードに基づく認証処理を実行する。
図277は、ホスト制御回路2100により実行される設定変更・確認履歴処理の変形例2において、認証処理(図278参照)に適用されるボリュームパスワードを発生するボリュームスイッチ108の構成例を示す図である。ボリュームスイッチ108は、例えば、サブ制御回路270の回路基板内に配置されており、初期設定値を設定するスライド操作が可能になっている。例えば、ボリュームスイッチ108は、音量「小」、「中」、「大」に対応する3つのボリューム位置603a、603b、603c(以下、ボリューム位置1、2、3ということもある)のいずれかに切換操作されるとともに、所定の操作順序で複数のボリューム位置1、2、3に順次切り換え操作されるようになっている。具体的には、初期設定値を設定する場合、ボリュームスイッチ108を「大」→「中」→「小」→「中」のようにスライドさせることで、設定できる。すなわち、ホスト制御回路2100は、ボリュームスイッチ108のボリューム位置1、2、3を検出する位置検出部を構成する。
一方、管理者権限を有するユーザ(管理権限者)を設定する場合、所定の管理者設定手順に従って、ボリュームスイッチ108を初期設定時とは異なる順序で、複数のボリューム位置を経由する所定の認証操作パターンで操作し、その複数のボリューム位置および操作順序をメモリに記憶させておく。そして、設定値の変更履歴の閲覧等のために管理者権限が必要な場合に、ボリュームスイッチ108を所定の認証操作パターンで操作し、設定値の変更履歴の閲覧等を可能にする。
上記認証操作パターンとしては、例えば、図277におけるボリューム位置2(音量「中」)からボリューム位置1(音量「小」)への位置変更を表す操作パターン、またはボリューム位置2からからボリューム位置3(音量「大」)への位置変更を表す操作パターン等を予め保持しておくことができる。
これにより、ホスト制御回路2100は、ボリュームスイッチ108の上記各ボリューム位置を示すボリューム位置情報から操作パターンを認識し、該操作パターンが予め設定されている認証操作パターンと一致するか否かによって管理権限者から否かを判定することができる。
このように、設定変更・確認履歴処理の変形例2において、ボリュームスイッチ108は、ボリューム位置の操作パターンに対応したボリュームパスワードを入力する操作部として機能する。この設定変更・確認履歴処理の変形例2におけるボリュームスイッチ108は、設定スイッチ332、設定キー328、電源スイッチ35、バックアップクリアスイッチ330と同様に、遊技者が操作することができない操作部である。これに対し、例えば、メインボタン662、セレクトボタン664、発射ハンドル32等は、遊技者が操作することができる操作部である。
図278は、ホスト制御回路2100により実行される設定変更・確認履歴処理の変形例2において、認証処理の一例を示すフローチャートである。この認証処理は、図250のステップS8006において表示中のホールメニュー(図245参照)の中から「設定変更・確認履歴」が選択され(ステップS8006におけるYES)、ホールメニュー画面で「設定変更・確認履歴」がハイライト表示されている状態(図246参照)でメインボタン662が押下されることにより開始される。
この認証処理が開始されると、ホスト制御回路2100は、ホールメニュー画面が表示されている表示装置1016の表示領域に、ボリュームパスワードの入力を促す画面を表示するボリュームパスワード要求表示処理(ステップS8201)を実行する。
図279は、ホスト制御回路2100により実行される設定変更・確認履歴処理の変形例2において、設定変更・確認履歴処理が実行されたときに、パスワード要求画面が表示装置1016の表示領域に表示される例を示す図である。図280は、ホスト制御回路2100により実行される設定変更・確認履歴処理の変形例2において、表示装置1016の表示領域に表示されるボリュームパスワード要求表示画面の例である。図279、図280に示すように、図278のステップS8201のボリュームパスワード要求表示処理において、ホスト制御回路2100は、表示装置1016の表示領域に、例えば、「※ボリュームスイッチを操作してパスワードを入力してください。パスワード入力後に設定値が表示されます。」等のメッセージを、設定変更・確認履歴情報とともに表示する。
なお、本変形例2では、設定変更・確認履歴処理が開始されると(ホールメニュー画面において「設定変更・確認履歴」が選択(ハイライト表示)されている状態でメインボタン662が押下されると)、例えば図279および図280に示されるように、ホールメニュー画面が表示されている状態でボリュームパスワード要求画面が表示されるが、必ずしもこれに限られない。例えば、設定変更・確認履歴が開始されると、時間情報と操作種別情報と設定値情報とのうち時間情報および操作種別情報のみが表示される(設定値が表示されない)設定変更・確認履歴画面を表示し、この設定変更・確認履歴画面が表示されている状態でボリュームパスワード要求画面が表示されるようにしてもよいし、ホールメニューおよび設定変更・確認履歴画面のいずれも表示することなくボリュームパスワード要求画面のみが表示されるようにしてもよい。
上記ボリュームパスワード要求表示画面の表示後、ホスト制御回路2100は、ボリュームスイッチ108のボリューム位置情報の変更順序、すなわち操作パターンを監視する操作パターン取得処理を継続的に実行する(ステップS8202)。
上記ボリューム位置情報の入力監視中にボリューム位置情報が入力されると、ホスト制御回路2100は、そのボリューム位置情報から当該ボリューム位置情報に対応する操作パターンを抽出して予め設定している認証操作パターンと照合し、両者が一致するか否かにより正しい操作がされたか否かを判定する(ステップS8203)。ここで、正しい操作が行われたことが判定された場合(ステップS8203におけるYES)、ホスト制御回路2100は、図271におけるステップS8120以降の処理を実行する。
これに対し、正しい操作が行われなかったことが判定された場合(ステップS8203におけるNO)、ホスト制御回路2100は、表示装置1016の表示領域に認証がNGである旨を表示する認証NG表示処理を行う(ステップS8204)。これにより、ホスト制御回路2100は、認証処理を終了して図271におけるステップS8110の処理に移行する。なお、上記認証NG表示処理では、表示装置1016の表示領域に、例えば、「ボリュームパスワードが間違っています。最初からやり直して下さい。」等のメッセージが表示される。
なお、図277においては、本発明に係る操作スイッチとして3つのボリューム位置を有するボリュームスイッチ108を用いる例を挙げているが、これに限らず、例えば、操作スイッチは、少なくとも3つ以上の任意の位置を取り得ることが可能なスイッチであってもよい。この場合、ホスト制御回路2100に、操作スイッチの各ボリューム位置を検出可能な位置検出機能を設け、この位置検出機能によって検出された位置情報(ボリューム位置情報を取得し、取得された順序とサブワークRAM2100aに予め記憶された所定の操作順序と一致したことを条件に、サブワークRAM2100aに記憶された設定変更・確認履歴情報を表示するように構成してもよい。
図281は、ホスト制御回路2100により実行される設定変更・確認履歴処理の変形例2において、設定変更・確認履歴情報の設定値確認手順の一例を示すフロー図である。図281に示すように、設定変更・確認履歴処理の変形例2では、設定変更・確認履歴情報の設定値確認の第1の手順として、設定変更処理または設定確認処理が実行されたときにホールメニュー画面を表示する。上述したとおり、設定変更処理は、電源が投入されていない状態で、設定キー328をON操作し、バックアップクリアスイッチ330の押下操作および電源スイッチ35のON操作の両方を行うことで実行できる。また、設定確認処理は、電源が投入されていない状態で、設定キー328をON操作することで実行できる。なお、設定キー328は、一方向に回す操作を行うことにより設定キースイッチ信号をオンにすることができ、逆方向に回す(元の位置に戻す)ことで設定キースイッチ信号をオフにすることができる構成となっている。
第2の手順として、パチンコ遊技機1001は、ホールメニュー画面(例えば、図246参照)で、ホールメニューの中の「設定変更・確認履歴」が選択決定されることにより、「設定変更・確認履歴」がハイライト表示され、かつ、日時データおよび操作種別(設定変更、確認、閲覧のうちの対応する操作種別)のみが表示された設定変更・確認履歴情報を含む設定変更・確認履歴画面のプレビュー画面(図246参照)を表示する(設定値は表示されていない)。
第3の手順として、パチンコ遊技機1001は、ボリュームパスワードの入力を要求し(図279、図280参照)、入力されたボリュームパスワードを取り込み、取り込んだボリュームパスワードの適否判断を行う。ボリュームパスワードの適否判断は、取り込んだボリュームパスワードと認証操作パターン(認証用パスワード)とを照合することで行われ、両者が一致して認証OKが得られた場合に、ボリュームパスワードが適正であると判断する。
第4の手順として、パチンコ遊技機1001は、第3の手順で入力されたボリュームパスワードが適正であれば、設定値情報、より詳しくは、日時データと操作種別(設定変更、確認、閲覧のうちの対応する操作種別)と設定値とが対応付けられている設定変更・確認履歴画面(例えば、図261参照)を、表示装置1016の表示領域に表示する。
上述したように、本発明に係る遊技機を構成するパチンコ遊技機1001は、各種画像を表示する表示装置1016と、少なくとも遊技者の操作を受け付ける操作部であるメインボタン662およびセレクトボタン664と、遊技者が操作することのない非遊技操作部と、遊技に関わる制御を行う制御部であるメインCPU101と、表示装置1016の表示の制御を行う表示制御部であるホスト制御回路2100と、を備え、制御部は、設定値(例えば、設定1〜6)の変更又は確認を可能にする設定スイッチ332と、表示制御部に各種データを送信するデータ送信手段と、を備え、表示制御部は、データ送信手段からの各種データを受信する受信手段と、無通電状態であっても書き込まれた情報を記憶保持可能なサブワークRAM2100aと、日時を計時するRTC209と、を備え、メインCPU101は、データ送信手段によって、設定変更又は設定確認と設定値をホスト制御回路2100に送信し、ホスト制御回路2100は、データ受信手段によって受信されたデータが設定変更又は設定確認の場合には、サブワークRAM2100aに設定変更又は設定確認、設定値およびRTC209からの日時データを設定変更・確認履歴情報として記憶し、サブワークRAM2100aに記憶された設定変更・確認履歴情報を表示装置1016に表示する設定表示機能を備え、非遊技操作部を所定の順序で操作されたことを条件にサブワークRAM2100aに記憶された設定変更・確認履歴情報を表示する構成を有している。
この構成により、非遊技操作部を所定の順序で操作されたことを条件にサブワークRAM2100aに記憶された設定変更・確認履歴情報を表示することができる。したがって、所定の操作順序を知った権限を有する者のみ、設定変更・確認履歴情報を保存および表示することができるので、設定値に関する不自然な操作がされたか否かを判断することができるばかりか、不正行為を調査する契機か否かを判断できるようになる。
また、本実施形態に係るパチンコ遊技機1001は、サブワークRAM2100aの設定変更・確認履歴情報が表示された場合には、表示された日時データを閲覧履歴としてサブワークRAM2100aに記憶し、表示装置1016に閲覧履歴を表示する構成としてもよい。
この構成により、サブワークRAM2100aの設定変更・確認履歴情報が表示された場合には、表示された日時データを閲覧履歴としてサブワークRAM2100aに記憶し、表示装置1016に閲覧履歴を表示することができる。したがって、不自然な操作がされたか否かを判断することができるばかりか、不正行為を調査する契機か否かを判断できる。
また、本実施形態に係るパチンコ遊技機1001において、非遊技操作部は、音量を調整する操作スイッチ、例えば、ボリュームスイッチ108である構成としてもよい。
この構成により、権限を有する者のみが知っている操作順序で認証することができるので、権限を有するものを識別する操作スイッチを追加することがなく、コストを低減することができる。なお、この操作順序は、パチンコ遊技機1001をホールに納品する際に示され、権限を有するもののみが設定変更や設定確認の際に用いる。
また、本実施形態に係るパチンコ遊技機1001において、操作スイッチは、少なくとも3つ以上の任意の位置を取り得ることが可能なスイッチであって、ホスト制御回路2100が、操作スイッチの各ボリューム位置を検出可能な位置検出機能をさらに備え、設定表示機能は、位置検出機能によって検出されたボリューム位置情報を取得し、取得されたボリューム位置情報の順序と予め記憶された所定の操作順序と一致したことを条件に、サブワークRAM2100aに記憶された設定変更・確認履歴情報を表示する構成としてもよい。
この構成により、3つ以上の任意のボリューム位置の操作順序を予め所定の操作順序として記憶しておき、当該操作順序を予め権限を有する者に知らしめておくことで、権限を有するものを識別する操作スイッチを追加することがなく、権限を有する者のみが知っている操作順序で認証することができる。
上述した構成によって、本実施形態では、権限を有する者のみ設定変更・確認履歴情報を保存および表示することができるので、設定値に関する不自然な操作がされたか否かを判断することができるばかりか、不正行為を調査する契機か否かを判断できるパチンコ遊技機1001を提供することができる。
本実施形態に係るパチンコ遊技機1001は、上述したように、設定変更・確認履歴情報を表示する際に、ホールにおける設定値に関する権限を有する者のみ、表示できるようボリュームスイッチ108による操作により認証する構成について説明したが、以下に説明する設定変更・確認履歴処理の変形例3に係るパチンコ遊技機1001のように、設定変更・確認履歴情報を表示する際に、パチンコ遊技機1001における入力部から入力されるパスワードを用いた認証するよう構成してもよい。
[10−24−3.設定変更・確認履歴処理の変形例3]
次に、設定変更・確認履歴処理の変形例3について、図282〜図289を参照して、設定変更・確認履歴の変形例3について説明する。
図282は、ホスト制御回路2100により実行される設定変更・確認履歴処理の変形例3に係る遊技システム210の構成例を示す図である。この遊技システム210は、パチンコ遊技機1001Aと、携帯無線通信端末220と、ネットワーク1230に配置されるサーバ装置1240と、を備えて構成される。遊技システム210は、後述するように、パチンコ遊技機1001A、携帯無線通信端末220、サーバ装置1240が協働して設定変更・確認履歴情報の確認に係る認証処理を行う。
遊技システム210において、パチンコ遊技機1001Aは、上述したパチンコ遊技機1001の各機能に加えて、設定変更・確認履歴情報およびURL(Uniform Resource Locator)を含む二次元コードを生成する機能、該二次元コードを表示装置1016A(図285参照)の表示領域に表示する機能を備えている。二次元コードに含まれる設定変更・確認履歴情報は、具体的には、例えば図254に示す設定変更・確認履歴画面に表示されるような情報内容であり、設定値を含んでいる。パチンコ遊技機1001AにおけるサブCPUは、本発明に係る二次元コードを生成する生成手段を構成する。
携帯無線通信端末220は、スマートホン等の移動通信端末であり、制御部221、表示操作部222、カメラ部(図示せず)等を備えて構成される。表示操作部222は、表示部および操作部の機能を備えたものであり、タッチパネル等により構成される。カメラ部は、パチンコ遊技機1001Aの表示装置1016Aの表示領域に表示された二次元コード161a等(図285参照)を読み取る(撮像する)機能部である。表示操作部222、カメラ部は、それぞれ、本発明における操作表示部、撮像手段を構成する。
制御部221は、CPU、ストレージデバイス(フラッシュメモリ、microSDメモリカード等)、RAM、通信回路等を有し、CPUが例えばストレージデバイス又はRAMに記憶されている制御プログラムに従った各種動作の制御を行う。本実施形態において、制御部221は、撮像された二次元コードを解析し、設定変更・確認履歴情報およびURLを抽出する抽出部、操作表示部222にパスワードを入力するパスワード入力画面(後述の図288参照)を表示する入力画面表示制御部、パスワード入力画面で入力された入力パスワードを上記URLに基づいてサーバ装置1240に送信し、サーバ装置1240から通知される認証結果を取得する認証結果取得部、取得した認証結果が正しい場合、設定変更・確認履歴情報を設定値を含む態様で表示操作部222に表示する履歴情報表示制御部を有する。抽出部、表示制御部、認証結果取得部、履歴情報表示制御部は、上記ストレージデバイス等に予めインストールした専用アプリケーションに従って作動するCPUにより実現可能な機能である。本実施形態に係る制御部221の構成要素である抽出部、入力画面表示制御部、認証結果取得部、履歴情報表示制御部は、それぞれ、本発明における抽出手段、入力画面表示制御手段、認証結果取得手段、履歴情報表示制御手段を構成する。
サーバ装置1240は、コンピュータにより実現され、上記URLで識別される認証サービスの専用サイトを管理する機能、上記URLへアクセスした携帯無線通信端末220からの入力パスワードを受信し、予め設定されているパスワードと照合してパスワードが正しいか否かを判定し、その認証結果を携帯無線通信端末220に通知する認証サービス機能等を備えている。サーバ装置1240は、本発明に認証手段を構成する。
図283は、変形例3に係る遊技システム210を構成するパチンコ遊技機1001Aにおける設定変更・確認履歴処理の一例を示すフローチャートである。この設定変更・確認履歴処理は、パチンコ遊技機1001Aの表示装置1016Aの表示領域に表示されたホールメニュー画面(例えば図244参照)に表示される複数のホールメニューの項目の中から「設定変更・確認履歴」が選択決定され、ホールメニュー画面において「設定変更・確認履歴」がハイライト表示されている状態(例えば図246参照)でメインボタン662が押下されることを条件に開始される。
なお、図252および図253を参照して上述した設定変更・確認履歴処理では、所定時間(例えば30秒)以内に何らの処理も行われなかったときにホールメニュー画面(例えば、図245参照)が表示されるようにするために計時処理(図252のステップS8052等を参照)を行う旨を説明した。この変形例3においても、図252および図253を参照して上述した設定変更・確認履歴処理と同様に計時処理を行い、所定時間(例えば30秒)以内に何らの処理も行われなかったときにホールメニュー画面を表示するようにしてもよいが、この変形例3における説明では、計時処理の説明を省略している。
この設定変更・確認履歴処理が開始されると、サブCPUは、ワークRAMから設定変更・確認履歴情報を読み出し、この設定変更・確認履歴情報と認証サービスの専用サイトのURLとを含む二次元コード161a(図285参照)を生成する二次元コード生成処理を行う(ステップS8301)。次いで、ホスト制御回路2100は、ステップS8301で読み出した設定変更・確認履歴情報と生成した二次元コード161aとを、例えば図285に示す態様で表示装置1016Aの表示領域に表示する二次元コード表示処理を実行する(ステップS8302)。
上記ステップS8302における二次元コード表示処理の実行後、ホスト制御回路2100は、メインボタン662、セレクトボタン664の操作に基づくデータクリア要求、カーソル移動(改ページ)要求、処理戻し要求を受け付け可能な受付可能状態に移行する。メインボタン662は処理戻し要求を行うためのボタンである。セレクトボタン664は、カーソル移動(改ページ)要求を行うためのボタンである。また、メインボタン662とセレクトボタン664を一緒に操作することにより、データクリア要求を指示することができる。
上記受付可能状態に移行後、ホスト制御回路2100は、ステップS8303〜ステップS8305の処理を行う。なお、図283においては、図252に示されるステップS8056〜ステップS8064の処理が省略されているが、これらの処理を行うためには、図283のステップS8302とステップS8303との間に、図252に示されるステップS8056〜ステップS8064の処理を追加することになる。
図283において、ステップS8302の二次元コード表示処理の後、ホスト制御回路2100は、ステップS8303において、「クリア」に決定されたか否かを判別する。表示装置1016の表示領域に表示される設定変更・確認履歴画面(例えば図285参照)において「クリア」が選択された状態(ハイライト表示された状態)で操作者がメインボタン662を押下すると、ホスト制御回路2100は、「クリア」に決定されたと判別する。
ホスト制御回路2100は、「クリア」に決定されたと判別すると(ステップS8303におけるYES)、設定変更・確認履歴データクリア処理を実行し(ステップS8304)、ステップS8306に移る。上記の設定変更・確認履歴データクリア処理は、サブワークRAM2100aに記憶されている設定変更履歴、設定確認履歴および閲覧履歴のデータを消去する処理である。設定変更・確認履歴データクリア処理が実行されると、表示装置1016の表示領域の設定変更・確認履歴表示領域に表示されていた各履歴データが全て消去される(図258参照)。一方、「クリア」に決定されていなければ(ステップS8303におけるNO)、ステップS8305に移る。
ホスト制御回路2100は、ステップS8305において、「戻る」に決定されたか否かを判別する。表示装置1016の表示領域に表示される設定変更・確認履歴画面(例えば、図285参照)において「戻る」が選択された状態(ハイライト表示された状態)で操作者がメインボタン662を押下すると、ホスト制御回路2100は、「戻る」に決定されたと判別する。
ホスト制御回路2100は、「戻る」に決定されたと判別すると(ステップS8305におけるYES)、ホールメニュー画面表示処理を実行し(ステップS8306)、設定変更・確認履歴処理を終了する。一方、「戻る」に決定されなければ(ステップS8305におけるNO)、ステップS8303に移り、ステップS8303以降の処理を継続する。
このように、本実施形態において、ホスト制御回路2100は、「クリア」に決定されたと判別すると(ステップS8303におけるYES)、二次元コード161a(図285参照)とともに表示している設定変更・確認履歴情報をクリアするようにしてもよい。この場合、パチンコ遊技機1001Aは、二次元コード161aを表示しているが、認証結果を取得していないため、認証結果がOKもしくはNGにかかわらず、設定変更・確認履歴情報をクリアすることができるようになっている。
図284は、変形例3に係る遊技システム210の携帯無線通信端末220およびサーバ装置1240における設定変更・確認履歴処理の一例を示すフローチャートである。この処理は、パチンコ遊技機1001Aの表示装置1016A(例えば、液晶表示装置)の表示領域に表示された二次元コード161aを携帯無線通信端末220で撮影することを条件に開始される。
携帯無線通信端末220で二次元コード161aの撮影が行われると、制御部221は、撮影により得られた画像データを読み込み、該画像データに基づき表示操作部222に例えば図287に示す態様で二次元コード222aを表示する二次元コード読込み表示処理を行う(ステップS8401)。
引き続き、携帯無線通信端末220では、制御部221が、読み込んだ二次元コードを解析し、その中に含まれる設定変更・確認履歴情報とURLを抽出して例えばRAM内の所定の記憶領域に一時的に保持する二次元コード取得処理を実行する(ステップS8402)。次いで、制御部221は、上記URLに基づき認証サービスの専用サイトにアクセスしてパスワード入力画面(図288参照)を表示し、パスワードを受け付けるパスワード入力表示処理を実行する(ステップS8403)。
ステップS8403でパスワード入力表示処理を実行した後、携帯無線通信端末220の制御部221は、サーバ装置1240と連携し、以下のステップS8404およびステップS8405を経てパスワードの認証処理を行う。
パスワードの認証処理において、携帯無線通信端末220の制御部221は、まず、パスワード表示欄222c(図288参照)に対してパスワードが入力されたか否かを監視しながら(ステップS8404)、テンキー222bからのパスワードの入力を受け付ける処理を行う。ここで、パスワードが入力された場合(ステップS8404におけるYES)、制御部221は、入力されたパスワードをサーバ装置1240へ伝送する。
サーバ装置1240では、携帯無線通信端末220から送られてきたパスワードを予め登録されている登録パスワードと照合し、両者が一致するか否かによって認証OKか認証NGかを判定する。サーバ装置1240では、上記判定結果を携帯無線通信端末220に通知する。このように、本実施形態では、認証だけサーバ装置1240で行っている。つまり、サーバ装置1240は、認証結果のみを携帯無線通信端末220に返すようになっている。
これに対し、携帯無線通信端末220の制御部221は、ステップS8404で受け付けた入力パスワードを伝送した後、サーバ装置1240からの認証結果の通知を待ち、通知された認証結果が認証OKか認証NGかによってパスワードは正しいか否かを判定する(ステップS8405)。
ここで、パスワードは正しくないと判定された場合(ステップS8405におけるNO)、制御部221は、表示操作部222にパスワードが認証NGであることを示すメッセージ等を表示する認証NG表示処理を行い(ステップS8410)、その後、処理を終了する。認証NG表示処理では、メッセージ欄222dに例えば、「パスワードが間違っています。最初からやり直して下さい。」等のメッセージが表示される。
これに対し、パスワードは正しいと判定された場合(ステップS8405におけるYES)、制御部221は、ステップS8402で一時的に保持しておいた設定変更・確認履歴情報を表示操作部222に表示する設定変更・確認履歴表示処理を行う(ステップS8406)。この設定変更・確認履歴表示処理において、制御部221は、上記ステップS8402で保持しておいた設定変更・確認履歴情報を予め設定されている表示フォーマットに従って埋め込んだ(配置した)表示用の情報を作成し、この表示用の情報に基づき設定変更・確認履歴情報を表示操作部222に表示する(図289参照)処理を行う。
図285は、変形例3に係る遊技システム210のパチンコ遊技機1001Aにおける二次元コードを含む設定変更・確認履歴画面の一例を示す図である。
図285に示すように、パチンコ遊技機1001Aにおいて、ホスト制御回路2100は、図283の二次元コード表示処理(ステップS8302)において、パチンコ遊技機1001Aの表示装置1016Aの表示領域に設定変更・確認履歴情報と二次元コード161aとを含む設定変更・確認履歴画面を表示する。設定変更・確認履歴画面に表示される二次元コード161aは、上述したように、表示装置1016Aの表示領域に表示中の設定変更・確認履歴情報と、認証サービスの専用サイトのURLとを含んでいる。
なお、ステップS8302の二次元コード表示処理(図283参照)で二次元コード161aを表示する際、ホスト制御回路2100が、表示装置1016Aの表示領域に、例えば、「※二次元コードを携帯端末で読み取って認証サービスにアクセスしてください。」等、認証サービスへの移行を促すメッセージを表示する構成としてもよい。
図286は、変形例3に係る遊技システム210における設定変更・確認履歴情報の設定値確認手順の一例を示すフロー図である。この設定値確認手順については、便宜上、本実施形態の最後に説明する。
図287は、変形例3に係る遊技システム210の携帯無線通信端末220における二次元コード表示画面の一例を示す図である。携帯無線通信端末220は、上記S6101の二次元コード読込み表示処理において、図287に示すような二次元コード222aを表示操作部222に表示する。
図288は、変形例3に係る遊技システム210の携帯無線通信端末220におけるパスワード入力画面の一例を示す図である。上記ステップS8403のパスワード入力表示処理(図284参照)では、携帯無線通信端末220が、上記URLへアクセスし、図288に示すパスワード入力画面を表示操作部222に表示する。
図288に示すように、パスワード入力画面には、「0」〜「9」および「※」、「♯」のキーを有するテンキー222bと、テンキー222bにより入力されるパスワードを表示するパスワード表示欄222cと、メッセージ欄222dが表示される。メッセージ欄222dには、例えば、「※パスワードを入力してください。パスワード入力後に設定値が表示されます。」等、パスワードの入力を促すメッセージが表示されている。携帯無線通信端末220では、図288に示すパスワードワード入力画面において、テンキー222bを操作してパスワードを入力したパスワード表示欄222cに隠し文字「*」に変換したパスワードを表示させることができる。
図289は、変形例3に係る遊技システム210の携帯無線通信端末220における設定変更・確認履歴画面222gの一例を示す図である。図289に示すように、設定変更・確認履歴画面222gは、上記S6102で一時的に保持したおいた設定変更・確認履歴情報が、例えば、図254に示す設定変更・確認履歴画面と同等の表示フォーマットで表示されたものである。すなわち、図289において、設定変更・確認履歴情報は、設定変更・確認日時に対応して設定値が表示されている。
携帯無線通信端末220において、予めインストールした専用アプリケーションは、上述した表示フォーマット、図289に示す設定変更・確認履歴画面222gの上記表示フォーマット、設定変更・確認履歴情報のスクロール、一括削除の処理機能をサポートしている。これにより、制御部221は、図284における設定変更・確認履歴処理中、S8406の設定変更・確認履歴表示処理を行った後、設定変更・確認履歴情報とともに表示操作部222に表示されている決定ボタン222e、セレクトボタン222fの操作に基づくページ更新要求を受け付け可能な受付可能状態に移行する。
上記受付可能状態に移行後、携帯無線通信端末220の制御部221では、ページ更新操作が行われたか否かを判別する(ステップS8407)。ページ更新操作が行われたか否かの判別は、セレクトボタン222fが操作され、且つ、最後の行に至ったと判別されると、ページ更新操作が行われたと判別し(ステップS8407におけるYES)、ページ更新処理を実行する(ステップS8408)。ここで、セレクトボタン222fが操作されてページ更新操作が行われたと判別される限り(すなわち、セレクトボタン222fが操作され、且つ、最後の行に至ったと判別される限り)、ページのスクロールを続行するページ更新処理を行う(ステップS8408)。
制御部222は、ページ更新操作が停止されたと判別すると(ステップS8407におけるNO)、すなわち、セレクトボタン222fの操作が停止され、決定ボタン222eが押下されていないと判別すると、ステップS8409に移る。このステップS8409において、「戻る」に決定されたと判別すると(ステップS8071におけるYES)、制御部222は、ホールメニュー画面表示処理(ステップS8410)を実行し、設定変更・確認履歴処理を終了する。一方、「戻る」に決定されていないと判別すると(ステップS8409におけるNO)、制御部222は、ステップS5340に戻る。
なお、本実施形態に係る遊技システム210では、パチンコ遊技機1001A側で設定変更・確認履歴情報を所謂生データのままで二次元コードに変換して表示装置1016Aの表示領域に表示し(図283のステップS8301、ステップS8302参照)、携帯無線通信端末220側でパチンコ遊技機1001Aの表示装置1016Aの表示領域に表示された二次元コードを撮影して設定変更・確認履歴情報を生データに戻す処理を行っている(図284のステップS8401、ステップS8402参照)。
一方で、近年の移動通信端末は、二次元コードを読み取って解析する機能が標準装備されているものも多い。
この点について、本実施形態に係る遊技システム210では、携帯無線通信端末220に専用のアプリケーションをインストールし、この専用アプリケーションによってパチンコ遊技機1001A側と同等の表示フォーマットで表示することを可能としている。
言い換えると、専用アプリケーションをインストールしていない移動通信端末では、設定変更・確認履歴情報を生データとして見ることができても、パチンコ遊技機1001A側と同等の表示フォーマットで表示された状態で見ることができず、設定変更・確認履歴情報を認識することは困難である。
よって、本実施形態において、携帯無線通信端末220に専用アプリケーションをインストールして用いることで、権限のある者だけが設定値付きの設定変更・確認履歴情報をみることができるという、十分な機密性を確保することができる。
上述したように、本実施形態では、二次元コードを読み取った段階で、それによって得られるデータはすべて携帯無線通信端末220に取り込まれるが、専用アプリケーションが有する表示フォーマットに従って上記データが図289のように表示される。したがって、当該表示フォーマットを有する専用アプリケーションを有しなければ、汎用のバーコードリーダで読み取ったとしても、二次元コードを読み取った文字列がどのような表示であるかを理解させることができないので、一定の機密性を確保できる。当該アプリケーションは、パチンコ遊技機1001Aの納品時に配布され、権限を有する者だけが取得できるようになっている。
本実施形態において、パスワードの認証をサーバ装置1240からの認証結果の通知を受け、通知された認証結果が認証OKか認証NGかによってパスワードは正しいか否かを判定したが、これに限定されず、サーバ装置1240からパスワードを携帯無線通信端末220が受け取り、入力したパスワードとサーバ装置1240から受け取ったパスワードとの一致を判断して入力されたパスワードが正しいか否かを判断してもよく、又、機密性をさらに確保したい場合には、パチンコ遊技機1001A側で設定変更・確認履歴情報を暗号化してから二次元コードを生成して表示し、携帯無線通信端末220にインストールする専用アプリケーションには上記暗号化に対応する設定変更・確認履歴情報の復号化機能を追加する構成としてもよい。
次に、本実施形態に係る遊技システム210における設定変更・確認履歴情報の設定値確認手順について図286のフロー図を参照して説明する。
図286に示すように、本実施形態に係る遊技システム210における設定変更・確認履歴情報の設定値確認のための第1の手順として、パチンコ遊技機1001Aは、設定変更処理または設定確認処理が実行されたときにホールメニュー画面を表示する。上述したとおり、設定変更処理は、電源が投入されていない状態で、設定キー328をON操作し、バックアップクリアスイッチ330の押下操作および電源スイッチ35のON操作の両方を行うことで実行できる。また、設定確認処理は、電源が投入されていない状態で、設定キー328をON操作することで実行できる。なお、設定キー328は、一方向に回す操作を行うことにより設定キースイッチ信号をオンにすることができ、逆方向に回す(元の位置に戻す)ことで設定キースイッチ信号をオフにすることができる構成となっている。
第2の手順として、パチンコ遊技機1001Aは、ホールメニュー画面(例えば、図246参照)で、ホールメニューの中の「設定変更・確認履歴」が選択決定されることにより、「設定変更・確認履歴」がハイライト表示され、かつ、日時データおよび操作種別(設定変更、確認、閲覧のうちの対応する操作種別)のみが表示された設定変更・確認履歴情報を含む設定変更・確認履歴画面のプレビュー画面(図246参照)を表示する(設定値は表示されていない)。
第3の手順として、パチンコ遊技機1001Aは、設定変更・確認履歴画面のプレビュー画面(図246参照)において「設定変更・確認履歴」が選択されている(ハイライト表示されている)状態でメインボタン662が押下されると、サブワークRAM2100aに保持している設定変更・確認履歴情報およびURLを含む二次元コードを生成し、該二次元コードを設定変更・確認履歴情報とともに表示させる(図285参照)。
第4の手順として、携帯無線通信端末220は、パチンコ遊技機1001Aに表示された二次元コードを撮影する(図287参照)。二次元コードの撮影後、携帯無線通信端末220は、二次元コードに含まれる設定変更・確認履歴情報およびURLを抽出する。
第5の手順として、携帯無線通信端末220は、第3の手順で抽出したURLに基づき認証サービスの専用サイトにアクセスし、この専用サイトによって提供されるパスワード入力画面(図288参照)からパスワードの入力を行う。
このパスワードは、例えば、遊技システム210のメーカーから取扱い説明書等で開示され、遊技システム210、あるいは個々のパチンコ遊技機1001A等に関連付けて登録されているパスワードである。専用サイトでは、サーバ装置1240が携帯無線通信端末220からの入力パスワードを受け付け、登録パスワードと照合してパスワード認証を行う。ここで、サーバ装置1240は、認証OKの場合にその旨を携帯無線通信端末220に通知する。
第6の手順として、携帯無線通信端末220は、第5の手順で認証OKが得られた場合に、第4の手順で抽出した設定変更・確認履歴情報を所定の表示フォーマットの画面(図289参照)として設定値を含む内容で表示操作部222に表示する。これにより、パスワードを入力した管理権限者は、携帯無線通信端末220の表示操作部222に表示された画面上でこの設定変更・確認履歴情報を設定値とともに確認することができる。
上述したように、本実施形態に係るパチンコ遊技機1001Aは、各種画像を表示する表示装置1016Aと、各種操作を受け付ける操作部であるメインボタン662およびセレクトボタン664と、遊技に関わる制御を行う制御部であるメインCPU101と、表示装置1016Aの表示の制御を行う表示制御部であるホスト制御回路2100と、を備え、制御部は、設定値(例えば、設定1〜6)の変更又は確認を可能にする設定スイッチ332、表示制御部に各種データを送信するデータ送信手段と、を備え、表示制御部は、データ送信手段からの各種データを受信する受信手段と、無通電状態であっても書き込まれた情報を記憶保持可能なサブワークRAM2100aと、日時を計時するRTC209と、を備え、メインCPU101は、データ送信手段によって、設定変更又は設定確認と設定値とをホスト制御回路2100に送信し、ホスト制御回路2100は、データ受信手段によって受信されたデータが設定変更又は設定確認の場合には、サブワークRAM2100aに設定変更又は設定確認、設定値およびRTC209からの日時データを設定変更・確認履歴情報として記憶し、サブワークRAM2100aに記憶された設定変更・確認履歴情報を表示装置1016Aの表示領域に表示する設定表示機能を備え、設定表示機能によって設定変更又は設定確認および日時データが表示された状態で、操作部であるメインボタン662が操作された場合に設定変更・確認履歴情報を二次元コードにより表示する構成を有している。
この構成により、サブワークRAM2100aに設定変更又は設定確認、設定値および日時計時手段からの日時データを設定変更・確認履歴情報として記憶するので、設定変更又は設定確認および日時データが表示された状態で、メインボタン662が操作された場合にサブワークRAM2100aに記憶された設定変更・確認履歴情報を二次元コードにより表示することができる。したがって、携帯無線通信端末220において二次元コードを読み取って、パスワード認証した後に表示を許可するようにすれば、所定のパスワードを知った権限を有する者のみ、設定変更・確認履歴情報を保存および表示することができるので、設定値に関する不自然な操作がされたか否かを判断することができるばかりか、不正行為を調査する契機か否かを判断できる。
また、本実施形態に係るパチンコ遊技機1001Aにおいて、ホスト制御回路2100は、設定表示機能によってサブワークRAM2100aの設定変更・確認履歴情報が表示された場合には、表示された日時データを閲覧履歴としてサブワークRAM2100aに記憶し、表示装置1016Aの表示領域に閲覧履歴を表示する構成としてもよい。
この構成により、サブワークRAM2100aの設定変更・確認履歴情報が表示された場合には、表示された日時データを閲覧履歴としてサブワークRAM2100aに記憶し、表示装置1016Aの表示領域に閲覧履歴を表示することができる。したがって、不自然な操作がされたか否かを判断することができるばかりか、不正行為を調査する契機か否かを判断できる。
また、本実施形態に係るパチンコ遊技機1001Aは、表示制御機能によって表示される二次元コードが携帯無線通信端末220で読み込まれることを契機として所定のサーバ装置1240からの情報に基づいて携帯無線通信端末220に設定変更・確認履歴情報を表示する構成としてもよい。
この構成により、表示制御機能によって表示される二次元コードが携帯無線通信端末220で読み込まれることを契機として所定のサーバ装置1240からの情報、例えば予め定められたパスワードと、携帯無線通信端末220で入力されたパスワードとが一致したことを条件に、携帯無線通信端末220に設定変更・確認履歴情報を表示することができる。したがって、権限を有する者のみが知っているパスワードで認証することができるので、権限を有するものを識別する入力手段をパチンコ遊技機1001A側に追加することがなく、コストを低減することができる。なお、このパスワードは、パチンコ遊技機1001Aをホールに納品する際に示され、権限を有するもののみが設定変更や設定確認の際に用いる。
また、本実施形態に係る遊技システム210は、上述したパチンコ遊技機1001Aと、ネットワーク1230に接続され、認証のためのサイトを管理するサーバ装置1240と、を有し、パチンコ遊技機1001Aは、サブワークRAM2100aに記憶された設定変更・確認履歴情報およびサイトのURLの二次元コードを生成する生成機能をさらに有し、サーバ装置1240は、携帯無線通信端末220からのパスワードを予め設定されたパスワードと比較して認証し、認証結果を携帯無線通信端末220に通知する認証サービス機を有し、携帯無線通信端末220は、表示および操作機能を備える表示操作部222と、表示装置1016Aの表示領域に表示された二次元コードを撮像するカメラ部と、撮像された二次元コードを解析し、設定変更・確認履歴情報およびURLを抽出する抽出部と、パスワードを入力するパスワード入力画面を表示する入力画面表示制御部と、パスワード入力画面での入力パスワードをURLに基づいてサーバ装置1240に送信し、サーバ装置1240から通知される認証結果を取得する認証結果取得部と、取得した認証結果が正しい場合、設定変更・確認履歴情報を表示操作部222に表示する履歴情報表示制御部と、を有する構成である。
この構成により、本実施形態に係る遊技システムは、パチンコ遊技機1001Aの表示制御機能によって表示される二次元コードを携帯無線通信端末220で読み取り、サーバ装置1240による認証を経て携帯無線通信端末220に設定変更・確認履歴情報を表示できる。したがって、所定のパスワードを知った権限を有する者のみ、設定変更確認情報を保存および表示することができるので、設定値に関する不自然な操作がされたか否かを判断することができるばかりか、不正行為を調査する契機か否かを判断できるようになる。
上述した構成により、本実施形態では、権限を有する者のみ設定変更・確認履歴情報を保存および表示することができるので、設定値に関する不自然な操作がされたか否かを判断することができるばかりか、不正行為を調査する契機か否かを判断できるパチンコ遊技機1001Aおよび遊技システム210を提供することができる。
以上、本発明の各実施形態に係る遊技機について、その作用効果も含めて説明した。しかし、本発明は、ここで説明した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した本発明の要旨を逸脱しない限り、種々の実施形態を含むことは言うまでもない。
[10−25.パチスロへの適用例]
例えば、本実施形態に係る発明をパチスロに適用することもできる。本実施形態に係る発明をパチスロに適用する場合、設定変更処理および設定確認処理を実行する手順がパチンコ遊技機1001と異なる。
パチスロでは、電源OFFの状態で設定キーをOFFからONに操作したことを条件に設定変更処理に移行し、設定値の変更が可能となる。そして、スタートレバーの操作が検知されたか、もしくは設定キーがONからOFFになったことが検知された場合に、設定変更が確定する。
設定変更の履歴を表示可能とするため、パチスロのメインCPUは、上述した設定変更が行われ、設定キーの操作によって設定スイッチから発生する信号を入力し、次いで、スタートレバーが操作されたことを示す信号を受信すると、設定変更が行われたことを表すデータと、現在の設定値を示すコマンドとを、サブCPUに送信する。なお、パチスロのメインCPUは、遊技の進行に関わる制御を行う制御部を構成している。メインCPUはまた表示制御部に各種データを送信するデータ送信手段を構成している。
一方、サブCPUは、メインCPUから受信されたデータが設定変更が行われたことを表す初期化コマンドである場合、設定変更であることを示す操作種別情報(設定変更を表す情報)と、RTCにより現在計時されている日時データ、すなわち、初期化コマンドを受信した日時データとを設定変更確認履歴情報としてサブワークRAM2100aに記憶する。パチスロのサブCPUは、表示部の表示の制御を行う表示制御部を構成している。また、サブCPUは、データ送信手段からの各種データを受信する受信手段を構成している。
パチスロにおいて、設定値の確認とは、設定キーを操作(右方向に回動)し、設定用鍵型スイッチから発生する信号に基づいて7セグ表示機に現在の設定値を表示することをいう。このように、パチスロは、電源ON状態で設定キーをOFFからONに操作したことを条件に設定確認処理に移行し、7セグ表示機に設定値が表示されるようになっている。パチスロの設定スイッチは、メインCPUとともに設定値の変更又は確認を可能にする設定手段を構成している。
設定値の確認の履歴を表示可能とするため、メインCPUは、上述した操作により設定値の確認が行われ、設定キーの操作によって設定スイッチから発生する信号を入力すると、設定値を確認したことを表すデータと、現在の設定値である設定確認コマンドをサブCPUに送信する。
一方、サブCPUは、メインCPUから受信されたデータが設定値を確認したことを表す設定確認コマンドである場合、設定値の確認であることを示す操作種別情報(設定確認を表す情報)と、RTCにより現在計時されている日時データ、すなわち、設定値を確認したこと表す設定確認コマンドを受信した日時データとを設定変更確認履歴情報として、バックアップメモリとして機能するサブワークRAM2100aに記憶する。このサブワークRAM2100aは、無通電状態であっても書き込まれた情報を記憶保持可能となっている。
設定変更開始コマンドまたは設定確認コマンドを受信したサブCPUは、設定キーがOFFからONになったと判別する。そして、サブCPUは、設定キーがOFFからONになったと判別すると、パチスロが備える液晶表示装置のメイン画面に、ホールメニュー画面を表示するホールメニュー表示処理を行う。パチスロで表示されるホールメニュー画面は、本実施形態のパチンコ遊技機1001の表示装置1016に表示されるホールメニュー画面(例えば図245参照)に表示されている「賞球情報」に代えて「トータルメダル情報」が表示されるなど細かい点で異なる箇所はあるものの、基本的には、本実施形態のパチンコ遊技機1001の表示装置1016に表示されるホールメニュー画面と同様の画面である。
パチスロにおいて、閲覧とは、設定キーを操作(右方向に回動)し、液晶表示装置のメイン画面に表示されるホールメニュー画面中の「設定変更・確認履歴」が選択(ハイライト表示)されている状態でメインボタンが押下されることを条件に、サブワークRAM2100aに記憶されている設定変更確認履歴情報を、例えば、設定変更・確認履歴画面として表示する。
なお、パチスロのサブCPUは、ホールメニュー処理、設定変更・確認履歴処理、メンテナンス処理、認証処理など、本実施形態のパチンコ遊技機1001のホスト制御回路2100によって実行される処理と同様の処理を実行することができる。また、パチンコ遊技機1001の実施形態をパチスロに適用した場合、パチンコ遊技機1001の実施形態において説明したホールメニュー画面、設定変更・確認履歴画面、エラー情報履歴画面、ガイドメニューの画面、パスワード要求画面、入力したパスワードが不適であったときに表示される画面、携帯無線通信端末に表示される画面などと同様の画面が、パチスロの液晶表示装置のメイン画面や携帯無線通信端末に表示される。
なお、パチスロでは、ボーナス抽選により「ボーナス当選」が決定されると、ボーナス振り分け抽選によって「SBB」、「BB」、「RB」の何れかを決定する。しかし、本発明の遊技機としては、ボーナス振り分け抽選によって「SBB又はBB」、「RB」の何れかを決定し、前兆ゲームの終了時に「SBB」、「BB」の何れかを決定するようにしてもよい。
また、パチスロでは、「SBB」又は「BB」の前兆ゲームが行われている場合に、「BB前兆フラグ」がオンになっている。つまり、「SBB」と「BB」の前兆ゲームは、「BB前兆フラグ」で管理している。しかし、本発明の遊技機としては、「SBB」用の前兆フラグと「BB」用の前兆フラグを設ける構成としてもよい。この場合は、「SBB」に対応する前兆ゲームの演出と、「BB」に対応する前兆ゲームの演出を異ならせてもよい。
また、パチスロでは、第1のART(「SBB」、「BB」、「RB」)および第2のARTが、それぞれ滞在ゲーム数の遊技を消化したことを条件に終了するが、第1のARTおよび第2のARTとしては、所定回数のナビ(表示補助情報の報知)が行われたことを条件に終了する構成にしてもよい。
また、パチスロでは、第1のARTにおける「SBB」の滞在ゲーム数を例えば「100」に固定してもよいし、「BB」と同様に、「SBB」中に滞在ゲーム数に上乗せゲーム数が加算(上乗せ)される構成であってもよい。
また、パチスロでは、BRで発生する可能性がある追加上乗せA,B,Cの演出を行うゲーム数を例えば「2」に固定してもよい。すなわち、追加上乗せA,B,Cの演出が決定されると、追加上乗せゲーム数カウンタに「2」をセットする構成としてもよい。しかし、追加上乗せA,B,Cの演出を行うゲーム数としては、可変にしてもよい。例えば、追加上乗せ演出の種別(追加上乗せA,B,C)に応じて、追加上乗せゲーム数カウンタにセットする値を異ならせてもよい。
また、パチスロでは、第2のARTの滞在ゲーム数として、例えば「50」といった固定のゲーム数に決定されるようにしてもよいし、これに代えて、所定のゲーム数を1セットとし(例えば、1セット「50」ゲーム)、第2のARTのゲーム数を、抽選によって決定した複数のセット数で設定してもよい。例えば、第2のARTの滞在ゲーム数を、1セット「50」ゲームを2セット、すなわち合計「100」ゲームに設定してもよい。また、この場合、セット間に停止順序を報知せず、且つ、遊技毎にARTゲーム数カウンタの値を減算しない所定の期間を設けてもよい。また、この所定の期間における遊技毎に上乗せゲーム数抽選を行ってもよい。そして、この所定の期間が終了する前(この所定の期間を遊技回数が所定の遊技回数に達したときに終了させる場合は、この所定の遊技回数に達する前)に、順押し以外の停止順序で停止操作(変則押し)が行われた場合は、所定の期間を強制的に終了し、変則押しが行われた遊技の次の遊技からARTゲーム数カウンタの値を遊技毎に「1」減算してもよい。
また、パチスロでは、パチンコ遊技機1001に設ける役物として、ステッピングモータの駆動によって回転する回転役物123を有する回転役物ユニット122を例に説明した。しかし、これに限らず、パチンコ遊技機1001に、例えば、ステッピングモータやソレノイドなどの駆動によって左右方向や上下方向又は前後方向に移動する役物を設けてもよい。
[11.付記]
以上説明した実施形態のパチンコ遊技機によれば、以下のような遊技機を提供することができる。
[11−1.付記1−1〜付記1−8の各遊技機]
従来、パチンコ機等の遊技機において、所定の条件が成立すると抽選が行われ、この抽選の結果にもとづいて、例えば液晶表示器などに演出画像が表示される。抽選の結果が大当りであると、大当り遊技が開始されて、大入賞口が所定の開閉パターンで開閉する。上記の大当りが確変大当りであると、大当り遊技が終了したのち、高確率遊技状態に制御される。
この種の遊技機として、入球口への入球率や出玉傾向を左右する遊技要素(構造的要素や制御的要素)の状態を、あらかじめ所定の設定入力手段によって入力された遊技設定値に対応する状態に設定するぱちんこ遊技機が開示されている(例えば、特開2015−065977号公報参照)。
このような特開2015−065977号公報に記載の遊技機によれば、遊技台ごとの出玉傾向を任意に設定できるため、遊技釘や役物などの遊技盤構成に対する調整や整備ができなくなったとしても、遊技店ごとまたは遊技台ごとの出玉傾向の均一化を防止できる。
(第1の課題)
しかし、特開2015−065977号公報に記載の遊技機によれば、遊技台ごとの出玉傾向を任意に設定できるものの、入球口への入球率や出玉傾向を左右する構造的要素または制御的要素の状態を設定値に応じて変えることができるだけで、遊技興趣の向上への貢献度合いが必ずしも大きいとは言えない。
本発明は、そのような点に鑑みてなされたものであり、その目的は、興趣の向上を図りつつ設定に応じて遊技要素の状態を好適に変えることが可能な遊技機を提供することにある。
上記第1の課題を解決するために、以下のような構成の付記1−1の遊技機を提供する。
(1)付記1−1の遊技機は、
所定の操作(例えば、電源が投入されていないときに設定キー328をON操作した状態で、バックアップクリアスイッチ330の押下操作および電源スイッチ35のON操作)にもとづいて、遊技の進行にかかわるデータが異なる複数の設定値(例えば、設定1〜設定6の6段階の設定値)のうちいずれかにセット可能な設定変更制御手段(例えば、ステップS5024の処理を実行可能なメインCPU101)と、
所定条件の成立にもとづいて抽選を実行可能な抽選手段(例えば、ステップS5073、ステップS5083、ステップS5118の処理を実行可能なメインCPU101)と、
所定の変動時間にわたって所定の変動パターンで図柄(例えば、特別図柄)の変動表示が行われる表示手段(例えば、第1特別図柄表示部1073,第2特別図柄表示部1074)と、
前記表示手段において行われる変動パターンを、前記抽選の結果に基づいて決定する変動パターン決定手段(例えば、ステップS5078の処理を実行可能なメインCPU101)と、
前記変動パターンの決定に供される変動パターンテーブルを記憶する変動パターンテーブル記憶手段(例えば、メインROM102)と、
前記変動パターン決定手段により決定された変動パターンに対応する変動時間にわたって前記図柄の変動表示(例えば、特別図柄の変動表示)を行い、前記抽選の結果を示す態様で停止表示する図柄表示制御手段(例えば、ステップS5093の処理を実行可能なメインCPU101)と、
を備え、
前記変動パターンテーブル記憶手段は、
前記設定変更制御手段によりセットされた設定値が高くなるにつれて変動時間が相対的に短変動パターン(例えば通常変動B)に決定される確率が高くなるように規定された変動パターンテーブル(例えば、図158に示される特別図柄の変動時間決定テーブルテーブル)を記憶している
ことを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、設定変更制御手段によりセットされた設定値が高くなるほど変動時間が短くなるため、高設定値ほど単位時間あたりの抽選回数が多くなり、ひいては抽選の結果に対する期待度が高められ、遊技興趣を向上させることが可能となる。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、
特定時からの前記抽選の実行回数をカウントする抽選回数カウント手段(例えば、メインCPU101)をさらに備えるとともに、
前記変動パターンテーブル記憶手段は、
前記設定変更制御手段によりセットされた設定値が高くなるにつれて前記短変動パターンに決定される確率が、前記変動パターンテーブルよりも高くなるように規定された他の変動パターンテーブル(例えば、図160に示される変動回数が1001以上であるときの特別図柄の変動時間決定テーブルテーブル)をさらに記憶しており、
前記変動パターン決定手段は、
前記抽選回数カウント手段によりカウントされた前記抽選の実行回数が所定の条件を満たしたとき(例えば、大当り遊技状態が終了してから1001回以上の特別図柄の大当り抽選が行われたとき)は、前記他の変動パターンテーブルを用いて前記変動パターンを決定可能に構成されている
ことを特徴とする。
上記(2)の遊技機によれば、抽選回数カウント手段によりカウントされた抽選の実行回数が所定の条件を満たしたときは、他の変動パターンテーブルを用いて変動パターンが決定可能とされているため、高設定値ほど単位時間あたりの抽選回数が顕著に多くなり、抽選の実行回数が特定の実行回数においては遊技者の期待度が高められ、遊技興趣を向上させることが可能となる。なお、「所定の条件」は、例えば、大当り遊技状態が終了してから所定以上(例えば1001回以上)の特別図柄の大当り抽選が行われたとき等が相当するが、これに限られない。
(3)上記(2)に記載の遊技機において、
前記設定変更制御手段によりセットされた設定値を含む遊技の進行にかかわる遊技情報
(例えば、保留記憶手段に記憶される保留記憶の数、保留記憶や変動表示についての抽選結果、設定値)を記憶可能な遊技情報記憶手段(例えば、RWM(メインRAM103))と、
所定のタイミングで前記遊技情報記憶手段に記憶されている前記遊技情報についての適・不適を判別する適正判定手段(ステップS5072,ステップS5082の処理を行うメインCPU101)と、
前記図柄の変動表示が行われているときに、前記遊技情報記憶手段に記憶されている前記遊技情報が前記適正判定手段により不適であると判別されると、前記図柄の変動表示についての抽選の結果を示す態様で前記図柄が停止表示されていなかったとしても、遊技を進行できないよう制御する遊技制御手段(例えば、ステップS5722の処理を実行するメインCPU101)と、
を備えることを特徴とする。
上記(3)の遊技機によれば、図柄の変動表示(例えば、特別図柄の変動表示)が行われているときに、遊技情報記憶手段に記憶されている遊技情報についての適・不適が判別されることがある。この場合、たとえ、図柄の変動表示についての抽選の結果を示す態様で図柄が停止表示されていなかったとしても、遊技情報についての適・不適の判別において不適であると判別された場合には、遊技を進行できないよう構成されている。これにより、セキュリティを担保することが可能となる。
上記第1の課題を解決するために、以下のような構成の付記1−2の遊技機を提供する。
(1)付記1−2の遊技機は、
所定の操作(例えば、電源が投入されていないときに設定キー328をON操作した状態で、バックアップクリアスイッチ330の押下操作および電源スイッチ35のON操作)にもとづいて、遊技の進行にかかわるデータが異なる複数の設定値(例えば、設定1〜設定6の6段階の設定値)のうちいずれかにセット可能な設定変更制御手段(例えば、ステップS5024の処理を実行可能なメインCPU101)と、
所定条件の成立にもとづいて抽選を実行可能な抽選手段(例えば、ステップS5073、ステップS5083、ステップS5118の処理を実行可能なメインCPU101)と、
所定の図柄による図柄演出(例えば、装飾図柄の変動演出)が行われ、前記図柄の停止態様によって前記抽選の結果が示されうる表示手段(例えば、表示装置1016)と、
前記表示手段において示されうる前記図柄の停止態様を、前記抽選の結果に基づいて決定する停止態様決定手段(例えば、ステップS5205の処理を実行可能なホスト制御回路2100)と、
前記停止態様決定手段による前記図柄の停止態様の決定に供される停止態様テーブル(例えば、図159の装飾図柄決定テーブル)を記憶する停止態様テーブル記憶手段(例えば、サブメインROM2050)と、
前記停止態様決定手段により決定された停止態様で前記図柄が停止されるよう制御する図柄演出制御手段(例えば、ステップS5207の処理を実行可能なホスト制御回路2100)と、
前記抽選の結果が特定の結果(例えば、大当り)であることを示す態様(例えば、第1態様、第2態様、特定態様)で前記図柄が表示されると、遊技者に有利な複数の利益(例えば、4R通常大当り、4R確変大当り、10R通常大当り、10R確変大当り)のうちいずれかの利益を付与する利益付与手段(例えば、図155の大当り遊技制御を実行するメインCPU101)と、
を備え、
前記利益付与手段は、
前記抽選の結果が前記特定の結果(例えば、大当り)であることを示す停止態様で前記図柄が表示され、当該停止態様が特定停止態様(例えば、特定態様)であるとき、前記複数の利益のなかで相対的に有利度が高い特定利益(例えば、10R確変大当り)を付与可能に構成されており、
前記停止態様決定手段は、
前記抽選の結果が前記特定の結果(例えば、大当り)であるとき、前記設定変更制御手段によりセットされた設定値が高くなるにつれて、前記図柄の停止態様が前記特定停止態様で停止される確率が高められるように前記図柄の停止態様を決定可能に構成されている
ことを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、設定変更制御手段によりセットされた設定値が高くなるほど、図柄の停止態様を、複数の利益のなかで相対的に有利度が高い特定停止態様で停止される確率を高めることが可能となり、遊技興趣を向上させることが可能となる。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、
前記停止態様決定手段は、
前記抽選の結果が前記特定の結果(例えば、大当り)であるとき、前記設定値によらず前記特定利益が付与される確率が同じでありながらも、前記設定変更制御手段によりセットされた設定値が高くなるにつれて、前記図柄の停止態様が前記特定停止態様で停止される確率が高められるように前記図柄の停止態様を決定可能に構成されている
ことを特徴とする。
上記(2)の遊技機によれば、抽選の結果が前記特定の結果(例えば、大当り)であるとき、設定がいずれであっても特定利益が付与される確率を同じとしつつも、設定変更制御手段によりセットされた設定値が高くなるにつれて特定停止態様で停止される確率が高められるため、遊技興趣を向上させることが可能となる。
(3)上記(1)または(2)に記載の遊技機において、
前記設定変更制御手段によりセットされた設定値を含む遊技の進行にかかわる遊技情報(例えば、保留記憶手段に記憶される保留記憶の数、保留記憶や変動表示についての抽選結果、設定値)を記憶可能な遊技情報記憶手段(例えば、RWM(メインRAM103))と、
所定のタイミングで前記遊技情報記憶手段に記憶されている前記遊技情報についての適・不適を判別する適正判定手段(ステップS5072,ステップS5082の処理を行うメインCPU101)と、
前記図柄演出が行われているときに、前記遊技情報記憶手段に記憶されている前記遊技情報が前記適正判定手段により不適であると判別されると、前記抽選の結果が前記特定の結果であって且つ前記図柄の停止態様が前記特定停止態様で停止される旨が前記停止態様決定手段により決定されていたとしても、遊技を進行できないよう制御する遊技制御手段(例えば、ステップS5722の処理を実行するメインCPU101)と、
を備えることを特徴とする。
上記(3)の遊技機によれば、図柄演出(例えば、装飾図柄の変動演出)が行われているときに、遊技情報記憶手段に記憶されている遊技情報についての適・不適が判別されることがある。この場合、たとえ、抽選の結果が特定の結果であって且つ図柄の停止態様が特定停止態様で停止される旨が決定されていたとしても、遊技情報についての適・不適の判別において不適であると判別された場合には、遊技を進行できないよう構成されている。これにより、セキュリティを担保することが可能となる。
上記第1の課題を解決するために、以下のような構成の付記1−3の遊技機を提供する。
(1)付記1−3の遊技機は、
所定の操作(例えば、電源が投入されていないときに設定キー328をON操作した状態で、バックアップクリアスイッチ330の押下操作および電源スイッチ35のON操作)にもとづいて、遊技の進行にかかわるデータが異なる複数の設定値(例えば、設定1〜設定6の6段階の設定値)のうちいずれかにセット可能な設定変更制御手段(例えば、ステップS5024の処理を実行可能なメインCPU101)と、
所定条件の成立にもとづいて抽選を実行可能な抽選手段(例えば、ステップS5073、ステップS5083、ステップS5118の処理を実行可能なメインCPU101、大当り抽選とメイン図柄決定抽選との両方を含む)と、
前記抽選に用いられる抽選テーブル(例えば、図161または図162の特別図柄の大当り判定の結果が大当りであるときのメイン図柄の選択率を示すテーブル)を記憶する抽選テーブル記憶手段と、
少なくとも図柄の変動表示が行われる表示手段(例えば、第1特別図柄表示部1073,第2特別図柄表示部1074)と、
前記図柄の変動表示を行い、前記抽選の結果を示す態様で停止表示する図柄表示制御手段(例えば、ステップS5093の処理を実行可能なメインCPU101)と、
前記抽選の結果が特定の結果(例えば、大当り)であることを示す態様(例えば、特図1−1〜特図1−8,特図2−1〜特図2−4)で前記図柄が表示されると、遊技者に有利な複数の利益(例えば、4R通常大当り、4R確変大当り、10R通常大当り、10R確変大当り)のうちいずれかの利益を付与する利益付与手段(例えば、図155の大当り遊技制御を実行するメインCPU101)と、
を備え、
前記抽選テーブル記憶手段は、
前記複数の利益のうち相対的に有利度が高い特定利益(例えば、10R確変大当り)についての抽選確率が設定値に応じて異なる複数の抽選テーブルを記憶しており、
前記抽選手段は、
前記設定変更制御手段によりセットされた設定値に応じた抽選テーブルを用いて前記抽選を行いうるよう構成されている
ことを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、相対的に有利度が高い特定利益についての抽選確率が設定値に応じて異なる複数の抽選テーブルを用いて抽選が行われるため、設定変更制御手段によりセットされた設定値に応じて遊技者に付与される利益度合いを異ならせることが可能となり、遊技興趣を向上させることが可能となる。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、
前記利益付与手段は、
前記特定利益として、遊技者に有利な特別遊技状態と、当該特別遊技状態が終了したのちの遊技状態を相対的に高い確率で前記利益が付与される高確率遊技状態と、を少なくとも付与するものであり、
前記抽選テーブル記憶手段は、
前記高確率遊技状態に制御される確率が設定値に応じて異なる複数のテーブルを記憶している
ことを特徴とする。
上記(2)の遊技機によれば、高確率遊技状態に制御される確率が設定値に応じて異なるため、遊技興趣を向上させることが可能となる。
(3)上記(1)または(2)に記載の遊技機において、
前記利益付与手段は、
前記特定利益として、前記抽選が促進される特定遊技状態(例えば、時短遊技状態)をさらに付与するものであり、
前記抽選テーブル記憶手段は、
前記特定遊技状態に制御される確率が設定値に応じて異なる複数のテーブルを記憶している
ことを特徴とする。
上記(2)の遊技機によれば、特定遊技状態に制御される確率が設定値に応じて異なるため、遊技興趣を向上させることが可能となる。
(4)上記(1)〜(3)のいずれか一つに記載の遊技機において、
前記設定変更制御手段によりセットされた設定値を含む遊技の進行にかかわる遊技情報(例えば、保留記憶手段に記憶される保留記憶の数、保留記憶や変動表示についての抽選結果、設定値)を記憶可能な遊技情報記憶手段(例えば、RWM(メインRAM103))と、
所定のタイミングで前記遊技情報記憶手段に記憶されている前記遊技情報についての適・不適を判別する適正判定手段(ステップS5072,ステップS5082の処理を行うメインCPU101)と、
前記図柄の変動表示が行われているときに、前記適正判定手段により前記遊技情報記憶手段に記憶されている前記遊技情報が不適であると判別されると、前記図柄の変動表示にかかる抽選の結果が前記特定利益の付与する旨の結果であったとしても、遊技を進行できないよう制御する遊技制御手段(例えば、ステップS5722の処理を実行するメインCPU101)と、
ことを特徴とする。
上記(4)の遊技機によれば、図柄の変動表示が行われているときに、遊技情報記憶手段に記憶されている遊技情報についての適・不適が判別されることがある。この場合、たとえ図柄の変動表示にかかる抽選の結果が特定利益の付与する旨の結果であったとしても、遊技を進行できないよう構成されている。これにより、セキュリティを担保することが可能となる。
上記第1の課題を解決するために、以下のような構成の付記1−4の遊技機を提供する。
(1)付記1−4の遊技機は、
所定の操作(例えば、電源が投入されていないときに設定キー328をON操作した状態で、バックアップクリアスイッチ330の押下操作および電源スイッチ35のON操作)にもとづいて、遊技の進行にかかわるデータが異なる複数の設定値(例えば、設定1〜設定6の6段階の設定値)のうちいずれかにセット可能な設定変更制御手段(例えば、ステップS5024の処理を実行可能なメインCPU101)と、
遊技領域に設けられる第1の始動口および第2の始動口を含む複数の始動口と、
前記複数の始動口のそれぞれへの遊技球の進入(例えば、受け入れ)にもとづいて異なる抽選態様で特別図柄抽選を行う特別図柄抽選手段(例えば、ステップS5073、ステップS5083、ステップS5118の処理を実行可能なメインCPU101)と、
前記特別図柄抽選の結果が特別の結果(例えば、大当り)であることにもとづいて作動する特別遊技を実行可能な特別遊技実行手段(例えば、図155の大当り遊技制御を実行するメインCPU101)と、
前記特別図柄抽選の結果が特定の結果(例えば、小当り)であることにもとづいて、前記特別遊技よりも有利度合の低い特定遊技を実行可能な特定遊技実行手段(例えば、メインCPU101)と、
を備え、
前記特別図柄抽選手段は、
前記始動口への遊技球の進入(例えば、受け入れ)にもとづいて前記特別図柄抽選を行うに際し、当該特別図柄抽選を、前記特定の結果となる確率が前記設定変更制御手段によりセットされた設定値に応じて異なりうるように行うことが可能であるとともに、
前記特定遊技実行手段は、
前記設定変更制御手段によりセットされた設定値にかかわらず、前記第1の始動口に遊技球が進入したときよりも、前記第2の始動口に遊技球が進入したときの方が高い頻度で前記特定遊技を実行可能に構成されている
ことを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、特定の結果となる確率が設定変更制御手段によりセットされた設定値に応じて異なりうるとともに、設定変更制御手段によりセットされた設定値にかかわらず、第1始動口に遊技球が進入したときよりも、第2始動口に遊技球が進入したときの方が高い頻度で特定遊技が実行される。すなわち、第2始動口に遊技球を入賞させると、高い頻度で特定遊技が実行されることを前提とした上で、設定値に応じて特定遊技の実行頻度を異ならせることが可能となり、遊技興趣を向上させることが可能となる。
なお、「前記第1の始動口に遊技球が進入したときよりも、前記第2の始動口に遊技球が進入したときの方が高い頻度で前記特定遊技を実行可能」とは、第1の始動口に遊技球が進入したときに、特定の結果についての当落判定(確率0を含む)を行うものの当該当落判定において特定の結果となる確率が第2の始動口に遊技球が進入したときよりも低い態様のみならず、第1の始動口に遊技球が進入したときに、特定の結果についての当落判定事態を行わない態様も含む。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、
遊技領域に設けられる普通始動口(例えば、通過ゲート49)と、
前記普通始動口への遊技球の進入(例えば、通過)にもとづいて普通図柄抽選を行う普通図柄抽選手段(例えば、図155の普通ゲームにおいて普通図柄当り判定を行うメインCPU101)と、
前記普通図柄抽選の結果が所定の結果(例えば、普通図柄当り)であることにもとづいて、前記始動口への遊技球の進入(例えば、受け入れ)を容易化させることが可能な始動可変制御手段(例えば、メインCPU101)と、
前記第1の始動口(第1始動口420)への遊技球の進入にもとづいて第1特別図柄の変動表示を行い、前記第2の始動口(第2始動口440)への遊技球の進入にもとづいて第2特別図柄の変動表示を行う特別図柄変動表示制御手段(例えば、メインCPU101)と、
前記第2特別図柄の変動表示の時間(例えば、平均時間1000sec)が遊技の進行に影響をおよぼす程度に長い第1遊技状態(例えば、確変フラグおよび時短フラグの両方がOFFに設定される通常遊技状態)、または、前記第1特別図柄の変動表示の時間(例えば、平均時間10sec)よりも前記第2特別図柄の変動表示(例えば、平均時間1sec)の方が短い第2遊技状態(例えば、確変フラグがONに設定され且つ時短フラグがOFFに設定される有利遊技状態)に制御可能な遊技状態制御手段(例えば、メインCPU101)と、
をさらに備えることを特徴とする。
上記(2)の遊技機によれば、第2遊技状態では、第1特別図柄の変動表示の時間よりも第2特別図柄の変動表示の方が短いため、高い頻度で特定遊技を実行しつつ、設定値に応じて特定遊技の実行頻度を異ならせることを、普通図柄抽選の実行頻度を高めることなく実現することが可能となる。
(3)上記(1)または(2)に記載の遊技機において、
前記設定変更制御手段によりセットされた設定値を含む遊技の進行にかかわる遊技情報(例えば、保留記憶手段に記憶される保留記憶の数、保留記憶や変動表示についての抽選結果、設定値)を記憶可能な遊技情報記憶手段(例えば、RWM(メインRAM103))と、
前記特別図柄抽選の結果を表示する表示手段(例えば、第1特別図柄表示部1073、第2特別図柄表示部1074)と、
所定のタイミングで前記遊技情報記憶手段に記憶されている前記遊技情報についての適・不適を判別する適正判定手段(ステップS5072,ステップS5082の処理を行うメインCPU101)と、
前記始動口(例えば、第2始動口)に遊技球が進入したものの前記特別図柄抽選の結果が表示される前に、前記適正判定手段により前記遊技情報記憶手段に記憶されている前記遊技情報が不適であると判別されると、前記特別図柄抽選(例えば、第2特別図柄抽選)の結果が前記特定の結果であったとしても、前記特定遊技実行手段により前記特定遊技を実行することなく遊技を進行できないよう制御する遊技制御手段(例えば、ステップS5722の処理を実行するメインCPU101)と、
を備えることを特徴とする。
上記(3)の遊技機によれば、始動口(例えば、第2始動口)に遊技球が進入したとしても、当該始動口への遊技球の進入にもとづいて行われた特別図柄抽選(例えば、第2特別図柄抽選)の結果が示される前(例えば、特別図柄の変動表示中)に、遊技情報記憶手段に記憶されている遊技情報についての適・不適が判別されることがある。この場合、たとえ始動口(例えば、第2始動口)への遊技球の進入にもとづいて行われた特別図柄抽選(例えば、第2特別図柄抽選)の結果が特定の結果(例えば、小当り)であったとしても、遊技情報についての適・不適の判別において不適であると判別された場合には、特定遊技(例えば、小当り遊技)が実行される前に遊技を進行できないよう構成されている。これにより、セキュリティを担保することが可能となる。
上記第1の課題を解決するために、以下のような構成の付記1−5の遊技機を提供する。
(1)付記1−5の遊技機は、
所定の操作(例えば、電源が投入されていないときに設定キー328をON操作した状態で、バックアップクリアスイッチ330の押下操作および電源スイッチ35のON操作)にもとづいて、遊技の進行にかかわるデータが異なる複数の設定値(例えば、設定1〜設定6の6段階の設定値)のうちいずれかにセット可能な設定変更制御手段(例えば、ステップS5024の処理を実行可能なメインCPU101)と、
遊技領域に設けられる始動口と、
前記始動口への遊技球の進入(例えば、受け入れ)にもとづいて特別図柄抽選を行う特別図柄抽選手段と、
前記特別抽選の結果が特別の結果(例えば、大当り)であることにもとづいて作動する第1特別遊技を実行可能な第1特別遊技実行手段と、
遊技領域に設けられる普通始動口(例えば、通過ゲート49)と、
前記普通始動口への遊技球の進入(例えば、通過)にもとづいて普通図柄抽選を行う普通図柄抽選手段(例えば、図155の普通ゲームにおいて普通図柄当り判定を行うメインCPU101)と、
前記普通図柄抽選の結果が所定の結果(例えば、普通図柄当り)であることにもとづいて、前記始動口への遊技球の進入(例えば、受け入れ)を容易化させることが可能な始動可変制御手段(例えば、メインCPU101)と、
前記始動口への遊技球の進入(例えば、受け入れ)にもとづいて行われた前記特別図柄抽選の結果が特定の結果(例えば、小当り)であることにもとづいて、特定口が設けられる特定領域内への遊技球の進入(例えば、受け入れ)が容易となるよう所定の可動片を作動させることが可能な特定領域可変制御手段(例えば、メインCPU101)と、
前記特定領域内に設けられた前記特定口に遊技球が受け入れられたことにもとづいて作動する第2特別遊技を実行可能な第2特別遊技実行手段と、
を備え、
前記特定領域可変制御手段は、
前記特定領域内への遊技球の進入の容易さが前記設定変更制御手段によりセットされた設定値に応じて異なりうるように前記所定の可動片を作動させることが可能に構成されている
ことを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、特定の結果となる確率が設定変更制御手段によりセットされた設定値に応じて異なりうるように行われるため、当該セットされた設定値に応じて所定の可動片の作動頻度が異なり、ひいては特典が付与される機会を当該セットされた設定値に応じて異ならせることが可能となり、遊技興趣を向上させることが可能となる。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、
前記特定領域可変制御手段による前記所定の可動片の作動は、
前記始動口への遊技球の進入(例えば、受け入れ)の容易化さを前記設定変更制御手段によりセットされた設定値に応じて異ならせて(例えば、普通図柄当りの確率を異ならせる、普通図柄の変動時間を短くする等)前記特別図柄抽選の実行頻度が当該セットされた設定値に応じて異なるようにすることで、前記特定領域内への遊技球の進入の容易さが当該セットされた設定値に応じて異なりうるように行われる
ことを特徴とする。
上記(2)の遊技機によれば、始動口(例えば、第2始動口440)への遊技球の進入の容易さが設定変更制御手段によりセットされた設定値に応じて異なりうるように普通図柄抽選がおこなわれるので、特定領域への遊技球の進入にもとづいて付与される特典の量が当該セットされた設定値に応じて異なることとなり、遊技興趣を向上させることが可能となる
(3)上記(1)または(2)に記載の遊技機において、
前記特定領域可変制御手段による前記所定の可動片の作動は、
前記特別図柄抽選において前記特定の結果(例えば、小当り)となる確率を前記設定変更制御手段によりセットされた設定値に応じて異ならせることで、前記特定領域内への遊技球の進入の容易さが当該セットされた設定値に応じて異なりうるように行われる
ことを特徴とする。
上記(3)の遊技機によれば、始動口(例えば、第2始動口440)への遊技球の進入の容易さが設定変更制御手段によりセットされた設定値に応じて異なりうるように普通図柄抽選がおこなわれるので、特定領域への遊技球の進入にもとづいて付与される特典の量が当該セットされた設定値に応じて異なることとなり、遊技興趣を向上させることが可能となる。
(4)上記(1)〜(3)のいずれか一に記載の遊技機において、
前記設定変更制御手段によりセットされた設定値を含む遊技の進行にかかわる遊技情報(例えば、保留記憶手段に記憶される保留記憶の数、保留記憶や変動表示についての抽選結果、設定値)を記憶可能な遊技情報記憶手段(例えば、RWM(メインRAM103))と、
前記特別図柄抽選の結果を表示する表示手段(例えば、第1特別図柄表示部1073、第2特別図柄表示部1074)と、
所定のタイミングで前記遊技情報記憶手段に記憶されている前記遊技情報についての適・不適を判別する適正判定手段(ステップS5072,ステップS5082の処理を行うメインCPU101)と、
前記始動口に遊技球が進入したものの前記特別図柄抽選の結果が表示される前に、前記適正判定手段により前記遊技情報記憶手段に記憶されている前記遊技情報が不適であると判別されると、前記特別図柄抽選の結果が特定の結果であったとしても、前記特定領域可変制御手段により前記所定の可動片を作動させることなく遊技を進行できないよう制御する遊技制御手段(例えば、ステップS5722の処理を実行するメインCPU101)と、
を備えることを特徴とする。
上記(4)の遊技機によれば、始動口に遊技球が進入したとしても、当該始動口への遊技球の進入にもとづいて行われた特別図柄抽選の結果が示される前(例えば、特別図柄の変動表示中)に、遊技情報記憶手段に記憶されている遊技情報についての適・不適が判別されることがある。この場合、たとえ始動口への遊技球の進入にもとづいて行われた特別図柄抽選の結果が特定の結果であったとしても、遊技情報についての適・不適の判別において不適であると判別された場合には、所定の可動片が作動する前に遊技を進行できないよう構成されている。これにより、セキュリティを担保することが可能となる。
上記第1の課題を解決するために、以下のような構成の付記1−6の遊技機を提供する。
(1)付記1−6の遊技機は、
所定の操作(例えば、電源が投入されていないときに設定キー328をON操作した状態で、バックアップクリアスイッチ330の押下操作および電源スイッチ35のON操作)にもとづいて、遊技の進行にかかわるデータが異なる複数の設定値(例えば、設定1〜設定6の6段階の設定値)のうちいずれかにセット可能な設定変更制御手段(例えば、ステップS5024の処理を実行可能なメインCPU101)と、
所定条件の成立にもとづいて抽選を実行可能な抽選手段(例えば、ステップS5073、ステップS5083、ステップS5118の処理を実行可能なメインCPU101)と、
前記抽選の結果が特別の結果(例えば、大当り)であることにもとづいて特別遊技状態(例えば、大当り遊技状態)に制御可能な特別遊技状態制御手段(例えば、図155の大当り遊技制御を実行するメインCPU101)と、
前記特別遊技状態が終了されたのちの遊技状態を、通常遊技状態よりも遊技者に有利な有利遊技状態(例えば、高確率遊技状態)に制御可能な遊技状態制御手段(例えば、ステップS5169において確変フラグをセットした上で遊技を進行するメインCPU101)と、
前記特別遊技状態に制御されたのち、前記通常遊技状態に制御されることなく前記特別遊技状態と前記有利遊技状態とが繰り返された回数(例えば、ループ回数)をカウントするカウント手段(例えば、メインCPU101)と、
を備え、
前記遊技状態制御手段は、
前記有利遊技状態における前記抽選の結果が前記特別の結果であるときにも、前記特別遊技状態に制御可能に構成されているとともに、
前記カウント手段によりカウントされた回数が規定回数となったときに、前記特別遊技状態が終了したのちの遊技状態を前記通常遊技状態に制御し、
前記規定回数は、
前記設定変更制御手段によりセットされた設定値に応じて異なりうるように構成されている
ことを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、特別遊技状態と有利遊技状態とを規定回数まで繰り返しことが可能であり、この規定回数が設定変更制御手段によりセットされた設定値に応じて異なるため、遊技興趣を向上させることが可能となる。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、
前記規定回数を抽選により決定する規定回数決定手段(例えば、リミッタ回数抽選を行うメインCPU101)をさらに備え、
前記規定回数決定手段は、
前記規定回数を決定する抽選を、前記設定変更制御手段によりセットされた設定値に応じて前記規定回数に対する期待値が異なるように行うよう構成されている
ことを特徴とする。
上記(2)の遊技機によれば、特別遊技状態と有利遊技状態とを繰り返すことができる規定回数が抽選により決定され、しかもこの規定回数に対する期待値が設定変更制御手段によりセットされた設定値に応じて異なるため、遊技興趣を向上させることが可能となる。
(3)上記(1)または(2)に記載の遊技機において、
前記設定変更制御手段によりセットされた設定値を含む遊技の進行にかかわる遊技情報(例えば、保留記憶手段に記憶される保留記憶の数、保留記憶や変動表示についての抽選結果、設定値)を記憶可能な遊技情報記憶手段(例えば、RWM(メインRAM103))と、
所定のタイミングで前記遊技情報記憶手段に記憶されている前記遊技情報についての適・不適を判別する適正判定手段(ステップS5072,ステップS5082の処理を行うメインCPU101)と、
前記適正判定手段により前記遊技情報記憶手段に記憶されている前記遊技情報が不適であると判別されると、前記カウント手段によりカウントされた回数が前記規定回数未満であったとしても、前記カウント手段によりカウントされる回数が前記規定回数にいたることなく遊技を進行できないよう制御する遊技制御手段と(例えば、ステップS5722の処理を実行するメインCPU101)、
を備えることを特徴とする。
上記(3)の遊技機によれば、通常遊技状態に制御されることなく特別遊技状態と有利遊技状態とが繰り返された回数(すなわちループ回数)が規定回数にいたっていないとき(すなわちループ中)に、遊技情報記憶手段に記憶されている遊技情報についての適・不適が判別されることがある。この場合、たとえループ中であったとしても、遊技情報についての適・不適の判別において不適であると判別された場合には、ループ回数が規定回数にいたることなく遊技を進行できないよう構成されている。これにより、セキュリティを担保することが可能となる。
上記第1の課題を解決するために、以下のような構成の付記1−7の遊技機を提供する。
(1)付記1−7の遊技機は、
所定の操作(例えば、電源が投入されていないときに設定キー328をON操作した状態で、バックアップクリアスイッチ330の押下操作および電源スイッチ35のON操作)にもとづいて、遊技の進行にかかわるデータが異なる複数の設定値(例えば、設定1〜設定6の6段階の設定値)のうちいずれかにセット可能な設定変更制御手段(例えば、ステップS5024の処理を実行可能なメインCPU101)と、
所定条件の成立(例えば、第1始動口420への遊技球の受け入れ)にもとづいて抽選を実行可能な抽選手段(例えば、ステップS5073、ステップS5083、ステップS5118の処理を実行可能なメインCPU101)と、
前記抽選の結果が特別の結果(例えば、大当り)であることにもとづいて特別遊技状態に制御することも含めて、遊技の進行を制御可能な遊技制御手段(例えば、図155の大当り遊技制御を実行するメインCPU101)と、
前記特別遊技状態の開始に際して行われるオープニング演出と、当該特別遊技状態の終了に際して行われるエンディング演出とを少なくとも実行可能な演出制御手段(例えば、ホスト制御回路2100(表示制御回路2300))と、
を備え、
前記抽選手段は、
前記設定変更制御手段によりセットされた設定値が高いほど有利度が高い態様で前記抽選を行うとともに、
前記演出制御手段は、
前記オープニング演出に要する時間と前記エンディング演出に要する時間とのうち少なくともいずれか一方を前記設定変更制御手段によりセットされた設定値が高いほど長くなりうるように、前記オープニング演出および前記エンディング演出を実行するよう構成されている
ことを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、セットされた設定値が高いほど有利度が高い態様で抽選が行われる一方で、オープニング演出に要する時間とエンディング演出に要する時間とのうち少なくともいずれか一方はセットされた設定値が高いほど長くなりうる。そのため、高設定にでは、遊技興趣の向上を図りつつ、単位時間で払い出される賞球を抑制することが可能となる。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、
前記抽選の結果にもとづいて図柄の変動表示を行う図柄変動表示制御手段(例えば、ステップS5093の処理を実行可能なメインCPU101)と、
前記設定変更制御手段によりセットされた設定値を含む遊技の進行にかかわる遊技情報(例えば、保留記憶手段に記憶される保留記憶の数、保留記憶や変動表示についての抽選結果、設定値)を記憶可能な遊技情報記憶手段(例えば、RWM(メインRAM103))と、
所定のタイミングで前記遊技情報記憶手段に記憶されている前記遊技情報についての適・不適を判別する適正判定手段(ステップS5072,ステップS5082の処理を行うメインCPU101)と、
をさらに備え、
前記抽選手段は、
前記特別遊技状態に制御されているときであるか否かにかかわらず、前記始動口への遊技球の入賞にもとづいて乱数を抽出可能であるとともに、
前記適正判定手段は、
前記特別遊技状態に制御されているときであったとしても、前記遊技情報についての適・不適を判別可能に構成されており、
前記遊技制御手段は、
前記適正判定手段により前記遊技情報記憶手段に記憶されている前記遊技情報が不適であると判別されると、前記特別遊技状態に制御されていたとしても遊技を進行できないよう制御する遊技進行不許可手段(例えば、ステップS5722の処理を実行するメインCPU101)を有する
ことを特徴とする。
上記(2)の遊技機によれば、特別遊技状態に制御されているときであったとしても遊技情報についての適・不適の判別が実行されることがある。このような場合において、遊技情報記憶手段に記憶されている遊技情報が不適であると判別されると、特別遊技状態に制御されていたとしても遊技を進行できないようになるため、セキュリティを担保しつつ、遊技興趣の向上を図ることが可能となる。
上記第1の課題を解決するために、以下のような構成の付記1−8の遊技機を提供する。
(1)付記1−8の遊技機は、
所定の操作(例えば、電源が投入されていないときに設定キー328をON操作した状態で、バックアップクリアスイッチ330の押下操作および電源スイッチ35のON操作)にもとづいて、遊技の進行にかかわるデータが異なる複数の設定値(例えば、設定1〜設定6の6段階の設定値)のうちいずれかにセット可能な設定変更制御手段(例えば、ステップS5024の処理を実行可能なメインCPU101)と、
少なくとも第1進入口(例えば、役物連続作動左ゲート1100)および第2進入口(例えば、役物連続作動右ゲート1110)を有する複数の進入口と、
前記複数の進入口のうちいずれかに遊技球が進入可能となるように構成される進入許容手段(例えば、振分装置1120)と、
前記第1進入口に遊技球が進入したときと前記第2進入口に遊技球が進入したときとで異なる利益(例えば、ラウンド数が異なる、進入口の下方に始動口がある場合は抽選が実行されるか否か異なる等)を遊技者に付与可能な利益付与手段(例えば、図155の大当り遊技制御を実行するメインCPU101)と、
を備え、
前記進入許容手段は、
前記第1進入口と前記第2進入口とのうち前記遊技球の進入のしやすさが前記設定変更制御手段によりセットされた設定値に応じて異なりうるように構成されている
ことを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、第1進入口に遊技球が進入したときと第2進入口に遊技球が進入したときとで遊技者に付与される利益が異なる可能性があるなかで、第1進入口と第2進入口とのうち遊技球の進入のしやすさが設定変更制御手段によりセットされた設定値に応じて異なりうるように構成されている。しかも、第1進入口と第2進入口とのうちいずれに遊技球が進入するかについては、遊技者が狙うことができうるため、遊技興趣の向上を図りつつ設定に応じて遊技要素の状態を好適に変えることが可能となる。
なお、「前記第1進入口に遊技球が進入したときと前記第2進入口に遊技球が進入したときとで異なる利益を遊技者に付与可能」とは、例えば、第1進入口に遊技球が進入したときと第2進入口に遊技球が進入したときとで大当り遊技状態におけるラウンド数が異なる場合の他、一方の進入口は抽選契機となる始動口である他方の進入口は抽選契機とならない一般入賞口である場合等が相当する。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、
遊技領域に設けられる始動口(例えば、第1始動口420、第2始動口440)と、
前記始動口に遊技球が受け入れられたことにもとづいて抽選を行う抽選手段(例えば、ステップS5073、ステップS5083、ステップS5118の処理を実行可能なメインCPU101)と、
前記抽選の結果にもとづいて図柄の変動表示が行われる表示手段(例えば、第1特別図柄表示部1073,第2特別図柄表示部1074)と、
前記設定変更制御手段によりセットされた設定値の情報を含む遊技の進行にかかわる遊技情報(例えば、保留記憶手段に記憶される保留記憶の数、保留記憶や変動表示についての抽選結果、設定値)を記憶可能な遊技情報記憶手段(例えば、RWM(メインRAM103))と、
所定のタイミングで前記遊技情報記憶手段に記憶されている前記遊技情報についての適・不適を判別する適正判定手段(例えば、ステップS5072,ステップS5082の処理を行うメインCPU101)と、
前記適正判定手段により前記遊技情報記憶手段に記憶されている前記遊技情報が不適であると判別されると、前記第1進入口または前記第2進入口に遊技球が進入したとしても遊技者に利益を付与することなく遊技を進行できないよう制御する遊技制御手段(例えば、ステップS5722の処理を実行するメインCPU101)と、
を備えることを特徴とする。
上記(2)の遊技機によれば、図柄の変動表示中、第1進入口または第2進入口に遊技球が進入したものの未だ利益が付与されていないとき等に、遊技情報記憶手段に記憶されている遊技情報についての適・不適が判別されることがある。この場合、遊技者に利益が付与される可能性があるにもかかわらず遊技情報についての適・不適の判別において不適であると判別されたときには、遊技者に利益を付与することなく遊技を進行できないよう構成されている。これにより、セキュリティを担保することが可能となる。
(3)上記(2)に記載の遊技機において、
前記抽選の結果が特別の結果であることにもとづいて、少なくとも前記第1進入口と前記第2進入口とについて遊技球の進入を有効化する進入有効化手段(例えば、条件装置を作動させるメインCPU101)をさらに備え、
前記利益付与手段は、
前記第1進入口に遊技球が進入したときは所定の利益(例えば、8R大当り遊技状態)を遊技者に付与可能であるとともに、
前記第2進入口に遊技球が進入したときは前記所定の利益よりも利益度が大きい特定利益(例えば、16R大当り遊技状態)を遊技者に付与可能に構成されている
ことを特徴とする。
上記(3)の遊技機によれば、遊技者は、より利益が大きい特定利益が付与される可能性がある第2進入口を狙って遊技を行うこととなり、遊技興趣を向上させることが可能となる。
上記構成の付記1−1〜付記1−8の各遊技機によれば、興趣の向上を図りつつ設定に応じて遊技要素の状態を好適に変えることが可能となる。
[11−2.付記2の遊技機]
従来、パチンコ機等の遊技機において、所定の条件が成立すると抽選が行われ、この抽選の結果にもとづいて、例えば液晶表示器などに演出画像が表示される。抽選の結果が大当りであると、大当り遊技が開始されて、大入賞口が所定の開閉パターンで開閉する。上記の大当りが確変大当りであると、大当り遊技が終了したのち、高確率遊技状態に制御される。
この種の遊技機として、入球口への入球率や出玉傾向を左右する遊技要素(構造的要素や制御的要素)の状態を、あらかじめ所定の設定入力手段によって入力された遊技設定値に対応する状態に設定するぱちんこ遊技機が開示されている(例えば、特開2015−065977号公報参照)。
このような特開2015−065977号公報に記載の遊技機によれば、遊技台ごとの出玉傾向を任意に設定できるため、遊技釘や役物などの遊技盤構成に対する調整や整備ができなくなったとしても、遊技店ごとまたは遊技台ごとの出玉傾向の均一化を防止できる。
(第2の課題)
しかし、特開2015−065977号公報に記載の遊技機によれば、遊技台ごとの出玉傾向を任意に設定できるものの、例えば遊技設定値等に異常が発生する場合があり、セキュリティが万全とは言い難い。
本発明は、そのような点に鑑みてなされたものであり、その目的は、セキュリティの向上を図りつつ設定に応じて遊技要素の状態を変えることが可能な遊技機を提供することにある。
上記第2の課題を解決するために、以下のような構成の付記2の遊技機を提供する。
(1)付記2の遊技機は、
所定の操作(例えば、電源が投入されていないときに設定キー328をON操作した状態で、バックアップクリアスイッチ330の押下操作および電源スイッチ35のON操作)にもとづいて、遊技の進行にかかわるデータが異なる複数の設定値(例えば、設定1〜設定6の6段階の設定値)のうちいずれかにセット可能な設定変更制御手段(例えば、ステップS5024の処理を実行可能なメインCPU101)と、
前記設定変更制御手段によりセットされた設定値を含む遊技の進行にかかわる遊技情報(例えば、保留記憶手段に記憶される保留記憶の数、保留記憶や変動表示についての抽選結果、設定値)を記憶する遊技情報記憶手段(例えば、RWM(メインRAM103))と、
所定条件の成立(例えば、第1始動口420への遊技球の受け入れ)にもとづいて抽選を行う抽選手段(例えば、ステップS5073、ステップS5083、ステップS5118の処理を実行可能なメインCPU101)と、
前記抽選の結果にもとづいて図柄の変動表示を行う図柄変動表示制御手段(例えば、ステップS5093の処理を実行可能なメインCPU101)と、
所定のタイミング(例えば、第1始動口420への遊技球の受け入れタイミング)で前記遊技情報についての適・不適を判別する適正判定手段(例えば、ステップS5072,ステップS5082の処理を行うメインCPU101)と、
前記図柄の変動表示が行われているときに、前記適正判定手段により前記遊技情報に記憶されている前記遊技情報が不適であると判別されると、前記図柄の変動表示が行われていたとしても遊技を進行できないよう制御する遊技制御手段(例えば、ステップS5722の処理を実行するメインCPU101)と、
を備えることを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、図柄の変動表示が行われているときに遊技情報についての適・不適の判別が行われることがある。このような場合において、遊技情報記憶手段に記憶されている遊技情報が不適であると判別されると、図柄の変動表示が行われていたとしても遊技の進行を不許可とするので、セキュリティを向上することが可能となる。
上記構成の付記2の遊技機によれば、セキュリティの向上を図りつつ設定に応じて遊技要素の状態を変えることが可能となる。
[11−3.付記3の遊技機]
従来、パチンコ機等の遊技機において、所定の条件が成立すると抽選が行われ、この抽選の結果にもとづいて、例えば液晶表示器などに演出画像が表示される。抽選の結果が大当りであると、大当り遊技が開始されて、大入賞口が所定の開閉パターンで開閉する。上記の大当りが確変大当りであると、大当り遊技が終了したのち、高確率遊技状態に制御される。
この種の遊技機として、入球口への入球率や出玉傾向を左右する遊技要素(構造的要素や制御的要素)の状態を、あらかじめ所定の設定入力手段によって入力された遊技設定値に対応する状態に設定するぱちんこ遊技機が開示されている(例えば、特開2015−065977号公報参照)。
このような特開2015−065977号公報に記載の遊技機によれば、遊技台ごとの出玉傾向を任意に設定できるため、遊技釘や役物などの遊技盤構成に対する調整や整備ができなくなったとしても、遊技店ごとまたは遊技台ごとの出玉傾向の均一化を防止できる。
(第3の課題)
しかし、特開2015−065977号公報に記載の遊技機によれば、遊技台ごとの出玉傾向を任意に設定できるものの、設定値に応じて出玉傾向を変えることは、必ずしも設計負荷が軽いとは言い難い。
本発明は、そのような点に鑑みてなされたものであり、その目的は、設計負荷の軽減を図りつつ設定に応じて遊技要素の状態を好適に変えることが可能な遊技機を提供することにある。
上記第3の課題を解決するために、以下のような構成の付記3の遊技機を提供する。
(1)付記3の遊技機は、
所定の操作(例えば、電源が投入されていないときに設定キー328をON操作した状態で、バックアップクリアスイッチ330の押下操作および電源スイッチ35のON操作)にもとづいて、遊技の進行にかかわるデータが異なる複数の設定値(例えば、設定1〜設定6の6段階の設定値)のうちいずれかにセット可能な設定変更制御手段(例えば、ステップS5024の処理を実行可能なメインCPU101)と、
所定幅で乱数を発生させる乱数発生手段(例えば、プログラムを実行することによって乱数値を生成するメインCPU101)と、
所定条件の成立にもとづいて乱数を抽出する乱数抽出手段(例えば、ステップS5073の処理を実行するメインCPU101)と、
総乱数(例えば、大当り判定用乱数の範囲)と特定乱数(例えば、大当り判定値データ)とを規定する抽選テーブル(例えば、大当り乱数判定テーブル)を記憶するテーブル記憶手段(例えば、メインRAM103)と、
前記乱数抽出手段により抽出された乱数を用いて抽選(例えば、ステップS5118の処理)を行い、前記抽出された乱数が特定乱数(例えば、大当り判定値データ)であるときに、特別遊技状態に制御可能な特別遊技状態制御手段と、
を備え、
前記テーブル記憶手段は、
前記設定変更制御手段によりセットされた設定値に応じて少なくとも前記総乱数の数が異なる抽選テーブルを記憶しており、
前記乱数発生手段は、
前記設定変更制御手段によりセットされた設定値に応じて前記抽選テーブルに規定されている数の総乱数を発生させるよう構成されている
ことを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、分子(大当り判定値データの数)よりも桁数が多い分母(大当り判定用乱数の範囲)を変えることで、特別遊技状態に制御される確率(すなわち大当り確率)を変えることになるため、大当り判定用乱数の範囲を固定値として大当り判定値データの数を設定値に応じて変える手法と比べて、設定値毎の大当り確率を細かく設定することが可能となる。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、
前記抽選の結果にもとづいて図柄の変動表示を行う図柄変動表示制御手段(例えば、ステップS5093の処理を実行可能なメインCPU101)と、
前記設定変更制御手段によりセットされた設定値を含む遊技の進行にかかわる遊技情報(例えば、保留記憶手段に記憶される保留記憶の数、保留記憶や変動表示についての抽選結果、設定値)を記憶可能な遊技情報記憶手段(例えば、RWM(メインRAM103))と、
前記所定条件の成立にもとづいて乱数が抽出されると、前記図柄の変動表示が開始されるまでに、前記乱数発生手段により発生された総乱数についての適・不適を判別する適正判定手段(ステップS5072,ステップS5082の処理を行うメインCPU101)と、
前記乱数発生手段により発生された総乱数が前記適正判定手段により不適であると判別されると、遊技を進行できないよう制御する遊技制御手段(例えば、ステップS5722の処理を実行するメインCPU101)と、
を備えることを特徴とする。
上記(2)の遊技機によれば、乱数発生手段により発生された総乱数が不適であると判別されたときには、遊技を進行できないように構成されているため、セキュリティを担保しつつ、設定値毎の大当り確率を細かく設定することが可能となる。
上記構成の付記3の遊技機によれば、設計負荷の軽減を図りつつ設定に応じて遊技要素の状態を好適に変えることが可能となる。
[11−4.付記4−1及び付記4−2の各遊技機]
従来、パチンコ機等の遊技機において、所定の条件が成立すると抽選が行われ、この抽選の結果にもとづいて、例えば液晶表示器などに演出画像が表示される。抽選の結果が大当りであると、大当り遊技が開始されて、大入賞口が所定の開閉パターンで開閉する。上記の大当りが確変大当りであると、大当り遊技が終了したのち、高確率遊技状態に制御される。
この種の遊技機として、入球口への入球率や出玉傾向を左右する遊技要素(構造的要素や制御的要素)の状態を、あらかじめ所定の設定入力手段によって入力された遊技設定値に対応する状態に設定するぱちんこ遊技機が開示されている(例えば、特開2015−065977号公報参照)。
このような特開2015−065977号公報に記載の遊技機によれば、遊技台ごとの出玉傾向を任意に設定できるため、遊技釘や役物などの遊技盤構成に対する調整や整備ができなくなったとしても、遊技店ごとまたは遊技台ごとの出玉傾向の均一化を防止できる。
(第4の課題)
しかし、特開2015−065977号公報に記載の遊技機によれば、遊技台ごとの出玉傾向を任意に設定できる一方、遊技者にとっては、出玉傾向を任意に設定できることによって疑心暗鬼になり、興趣が低下するおそれがある。
本発明は、そのような点に鑑みてなされたものであり、その目的は、設定に応じて遊技要素の状態を変えつつ、好適に興趣の低下を抑制することが可能な遊技機を提供することにある。
上記第4の課題を解決するために、以下のような構成の付記4−1の遊技機を提供する。
(1)付記4−1の遊技機は、
所定の操作(例えば、電源が投入されていないときに設定キー328をON操作した状態で、バックアップクリアスイッチ330の押下操作および電源スイッチ35のON操作)にもとづいて、遊技の進行にかかわるデータが異なる複数の設定値(例えば、設定1〜設定6の6段階の設定値)のうちいずれかにセット可能な設定変更制御手段(例えば、ステップS5024の処理を実行可能なメインCPU101)と、
遊技領域に設けられ、始動口を含む複数の入賞口(例えば、第1始動口420、第2始動口440、一般入賞口1053〜1056)と、
前記複数の入賞口のうちいずれかに遊技球が受け入れられたことにもとづいて特典(例えば、賞球)を付与する特典付与手段(例えば、払出装置350)と、
前記始動口に遊技球が受け入れられたことにもとづいて抽選を実行可能な抽選手段(例えば、ステップS5073、ステップS5083、ステップS5118の処理を実行可能なメインCPU101)と、
前記抽選の結果にもとづいて行われる図柄の変動演出が少なくとも行われる表示手段(例えば、表示装置1016)と、
前記抽選の結果が特定の結果である可能性があることを示す特定態様(例えば、リーチ演出)で前記図柄の変動演出が行われているときに、前記複数の入賞口のうち特定の入賞口に遊技球が受け入れられたことにもとづいて、前記設定変更制御手段によりセットされた設定値についての設定値情報を示唆可能な設定示唆手段(例えば、ホスト制御回路2100)と、
ことを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、特定態様(例えば、リーチ演出)で図柄の変動演出が行われているときに特定の入賞口に遊技球が受け入れられたことにもとづいて、設定変更制御手段によりセットされた設定値についての設定値情報が示唆される可能性があるため、遊技者が疑心暗鬼になることを軽減することができる。また、特定態様で図柄の変動演出が行われると、遊技者が遊技球の発射をやめてしまうおそれもあるが、そのようなことも抑制することが可能となる。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、
前記規定回数を抽選により決定する規定回数決定手段(例えば、リミッタ回数抽選を行うメインCPU101)をさらに備え、
前記図柄の変動演出を前記特定態様(例えば、リーチ演出)で行うか否かを決定する特定態様決定手段(例えば、ステップS5078の処理を実行するメインCPU101)と、
前記特定態様決定手段により前記図柄の変動演出を前記特定態様で行う旨が決定されたとき、前記複数の入賞口のうちのいずれかを前記特定の入賞口にランダムに決定する特定入賞口決定手段(例えば、メインCPU101)と、
をさらに備えることを特徴とする。
上記(2)の遊技機によれば、特定入賞口は、固定の入賞口ではなく複数の入賞口のうちのいずれかにランダムに決定されるため、遊技興趣を高めることが可能となる。なお、ランダムに決定された特定入賞口は、開示せずに秘匿にすることが好ましい。これにより、遊技者は、いずれの入賞口を狙えばいいかといった点に面白みが生まれる。
(3)上記(1)または(2)に記載の遊技機において、
前記設定変更制御手段によりセットされた設定値を含む遊技の進行にかかわる遊技情報(例えば、保留記憶手段に記憶される保留記憶の数、保留記憶や変動表示についての抽選結果、設定値)を記憶可能な遊技情報記憶手段(例えば、RWM(メインRAM103))と、
所定のタイミングで前記遊技情報記憶手段に記憶されている前記遊技情報についての適・不適を判別する適正判定手段(ステップS5072,ステップS5082の処理を行うメインCPU101)と、
前記適正判定手段により前記遊技情報記憶手段に記憶されている前記遊技情報が不適であると判別されると、前記特定の入賞口に遊技球が受け入れられたとしても、前記設定変更制御手段によりセットされた設定値についての設定値情報を示唆することなく遊技を進行できないよう制御する遊技制御手段(例えば、ステップS5722の処理を実行するメインCPU101)と、
を備えることを特徴とする。
上記(3)の遊技機によれば、図柄の変動演出が行われているときや、特定の入賞口に遊技球が受け入れられたものの未だ設定値情報が示唆されていないときに、遊技情報記憶手段に記憶されている遊技情報についての適・不適が判別されることがある。この場合、設定値情報が示唆される可能性があったとしても、遊技情報についての適・不適の判別において不適であると判別された場合には、設定変更制御手段によりセットされた設定値についての設定値情報を示唆することなく遊技を進行できないよう構成されている。これにより、セキュリティを担保することが可能となる。
上記第4の課題を解決するために、以下のような構成の付記4−2の遊技機を提供する。
(1)付記4−2の遊技機は、
所定の操作(例えば、電源が投入されていないときに設定キー328をON操作した状態で、バックアップクリアスイッチ330の押下操作および電源スイッチ35のON操作)にもとづいて、遊技の進行にかかわるデータが異なる複数の設定値(例えば、設定1〜設定6の6段階の設定値)のうちいずれかにセット可能な設定変更制御手段(例えば、ステップS5024の処理を実行可能なメインCPU101)と、
遊技領域に設けられる始動口(例えば、第1始動口420、第2始動口440)と、
前記始動口に遊技球が受け入れられたことにもとづいて抽選を行う抽選手段(例えば、ステップS5073、ステップS5083、ステップS5118の処理を実行可能なメインCPU101)と、
前記抽選の結果にもとづいて図柄の変動表示が行われる表示手段(例えば、第1特別図柄表示部1073,第2特別図柄表示部1074)と、
前記抽選の結果が特別の結果(例えば、大当り)であることにもとづいて特別遊技状態に制御することも含めて、遊技の進行を制御可能な遊技制御手段(例えば、図155の大当り遊技制御を実行するメインCPU101)と、
前記始動口への遊技球の受け入れにかかわる所定の条件を満たしたこと(例えば、オーバーフローポイントが所定ポイントに達したこと等)にもとづいて、前記設定変更制御手段によりセットされた設定値についての設定値情報を示唆可能な設定示唆手段(例えば、ホスト制御回路2100)と、
を備えることを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、始動口への遊技球の受け入れにかかわる所定の条件を満たしたことにもとづいて、現在の設定値(設定変更制御手段によりセットされた設定値)についての設定値情報が示唆されうるため、遊技者が疑心暗鬼になることを軽減することができる。また、始動口に遊技球が受け入れられるように遊技の実行が促される。なお、「始動口への遊技球の受け入れにかかわる所定の条件を満たしたこと」とは、例えば、始動口に遊技球が受け入れられたにもかからず保留上限であったがために保留されなかった場合や、始動口に遊技球が受け入れられたにもかからず保留上限であったがために保留されなかったときにポイントを貯めて当該ポイントが所定ポイントに達した場合等が想定されるが、これらに限られない。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、
前記設定変更制御手段によりセットされた設定値を含む遊技の進行にかかわる遊技情報(例えば、保留記憶手段に記憶される保留記憶の数、保留記憶や変動表示についての抽選結果、設定値)を記憶可能な遊技情報記憶手段(例えば、RWM(メインRAM103))と、
所定のタイミングで前記遊技情報記憶手段に記憶されている前記遊技情報についての適・不適を判別する適正判定手段(ステップS5072,ステップS5082の処理を行うメインCPU101)と、
をさらに備え、
前記遊技制御手段は、
前記適正判定手段により前記遊技情報記憶手段に記憶されている前記遊技情報が不適であると判別されると、前記始動口に遊技球が受け入れられると前記所定の条件を満たす可能性があった(例えば、オーバーフローポイントが所定ポイントに達した等)としても、前記設定変更制御手段によりセットされた設定値についての設定値情報を示唆することなく遊技を進行できないよう制御する遊技進行不許可手段(例えば、ステップS5722の処理を実行するメインCPU101)を有する
ことを特徴とする。
上記(2)の遊技機によれば、図柄の変動表示が行われているときに、遊技情報記憶手段に記憶されている遊技情報についての適・不適が判別されることがある。この場合、始動口に遊技球が受け入れられると所定の条件を満たす可能性があったとしても、当該遊技球が始動口に受け入れられたことによって行われた遊技情報についての適・不適の判別において不適であると判別された場合には、設定変更制御手段によりセットされた設定値についての設定値情報を示唆することなく遊技を進行できないよう構成されている。これにより、セキュリティを担保することが可能となる。
上記構成の付記4−1の遊技機、付記4−2の遊技機によれば、設定に応じて遊技要素の状態を変えつつ好適に興趣の低下を抑制することが可能となる。
[11−5.付記5の遊技機]
従来、パチンコ機等の遊技機において、所定の条件が成立すると抽選が行われ、この抽選の結果にもとづいて、例えば液晶表示器などに演出画像が表示される。抽選の結果が大当りであると、大当り遊技が開始されて、大入賞口が所定の開閉パターンで開閉する。上記の大当りが確変大当りであると、大当り遊技が終了したのち、高確率遊技状態に制御される。
この種の遊技機として、入球口への入球率や出玉傾向を左右する遊技要素(構造的要素や制御的要素)の状態を、あらかじめ所定の設定入力手段によって入力された遊技設定値に対応する状態に設定するぱちんこ遊技機が開示されている(例えば、特開2015−065977号公報参照)。
このような特開2015−065977号公報に記載の遊技機によれば、遊技台ごとの出玉傾向を任意に設定できるため、遊技釘や役物などの遊技盤構成に対する調整や整備ができなくなったとしても、遊技店ごとまたは遊技台ごとの出玉傾向の均一化を防止できる。
(第5の課題)
しかし、特開2015−065977号公報に記載の遊技機によれば、遊技台ごとの出玉傾向を任意に設定できるものの、出玉管理が容易でなくなるおそれがある。
本発明は、そのような点に鑑みてなされたものであり、その目的は、出玉管理を容易に行うことが可能な遊技機を提供することにある。
上記第5の課題を解決するために、以下のような構成の付記5の遊技機を提供する。
(1)付記5の遊技機は、
所定の操作(例えば、電源が投入されていないときに設定キー328をON操作した状態で、バックアップクリアスイッチ330の押下操作および電源スイッチ35のON操作)にもとづいて、遊技の進行にかかわるデータが異なる複数の設定値(例えば、設定1〜設定6の6段階の設定値)のうちいずれかにセット可能な設定変更制御手段(例えば、ステップS5024の処理を実行可能なメインCPU101)と、
前記設定変更制御手段によりセットされた設定値にもとづいて遊技の進行を制御する遊技制御手段(例えば、メインCPU101)と、
遊技の結果として入賞にもとづいて遊技媒体を払い出す払出手段(例えば、払出装置350)と、
所定条件の成立にもとづいて行われた抽選の結果が特定の結果(例えば、大当り)であったことにもとづいて、前記入賞の頻度が高められる特別遊技を実行可能な特別遊技実行手段(例えば、図155の大当り遊技制御を実行するメインCPU101)と、
前記払出手段により払い出された遊技媒体にかかわるデータを集計可能なデータ集計手段(例えば、払出・発射制御回路310)と、
前記データ集計手段により集計されたデータを所定の表示領域(性能表示モニタ334)に表示するデータ表示制御手段(メインCPU101)と、
を備え、
前記データ集計手段は、
全遊技履歴にもとづいて前記データを集計する全履歴集計手段と、
前記設定値毎の遊技履歴にもとづいて前記データを集計する設定値別履歴集計手段とを有し、
前記データ表示制御手段は、
前記全履歴集計手段により集計されたデータまたは/および前記設定値別履歴集計手段により集計されたデータを表示可能に構成されている
ことを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、全履歴集計手段により集計されたデータと、設定値別履歴集計手段により集計されたデータとのうちいずれか一方または両方を表示することができるため、出玉管理を容易に行うことが可能となる。
上記構成の付記5の遊技機によれば、出玉管理を容易に行うことが可能な遊技機を提供することにある。
[11−6.付記6の遊技機]
従来、パチンコ機等の遊技機において、所定の条件が成立すると抽選が行われ、この抽選の結果にもとづいて、例えば液晶表示器などに演出画像が表示される。抽選の結果が大当りであると、大当り遊技が開始されて、大入賞口が所定の開閉パターンで開閉する。上記の大当りが確変大当りであると、大当り遊技が終了したのち、高確率遊技状態に制御される。
この種の遊技機として、スペックを変更することができる遊技機が開示されている(例えば、特開2011−010833号公報参照)。
このような特開2011−010833号公報に記載の遊技機によれば、容易に遊技機のスペックを変更することができるため、演出を実行するために必要な演出データを記憶した記憶手段の交換が不要となり、無駄を排除することが可能である。
(第6の課題)
しかし、特開2011−010833号公報に記載の遊技機によれば、無駄を排除することは可能ではあるものの、スペックを変更するだけでは面白みに欠けるおそれがある。
本発明は、そのような点に鑑みてなされたものであり、その目的は、興趣の低下を抑制することが可能な遊技機を提供することにある。
上記第6の課題を解決するために、以下のような構成の付記6の遊技機を提供する。
(1)付記6の遊技機は、
所定の操作(例えば、電源が投入されていないときに設定キー328をON操作した状態で、バックアップクリアスイッチ330の押下操作および電源スイッチ35のON操作)にもとづいて、設定値に応じてゲーム性が異なる複数の設定値(例えば、設定1〜設定6の6段階の設定値)のうちいずれかにセット可能な設定変更制御手段(例えば、ステップS5024の処理を実行可能なメインCPU101)と、
前記設定変更制御手段によりセットされた設定値にもとづくゲーム性での遊技の進行を制御する遊技制御手段(例えば、メインCPU101)と、
を備え、
前記遊技制御手段は、
前記設定変更制御手段によりセットされた設定値に応じたゲーム性にもとづいて抽選(例えば、ステップS5073、ステップS5083、ステップS5118の処理)を実行可能な抽選手段と、
前記抽選の結果にもとづいて、前記設定変更制御手段によりセットされた設定値に応じた特典が付与される特別遊技(例えば、図155の大当り遊技制御)を実行可能な特別遊技実行手段と、
を少なくとも有する
ことを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、設定変更制御手段によりセットされた設定値にもとづく異なるゲーム性での遊技を1台の遊技機で実行することが可能となり、遊技機管理責任者等による遊技機の活用の仕方に幅を持たせることが可能となる。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、
前記遊技制御手段は、
前記複数の設定値のうち第1の設定値に設定されたときは、相対的に高い確率で前記抽選が行われる高確率状態において、所定期間内に前記抽選に当選しなければ当該高確率状態を終了するゲーム性(例えば、ST仕様)のもとで遊技を実行する第1遊技制御手段(例えば、メインCPU101)と、
前記複数の設定値のうち第2の設定値に設定されたときは、相対的に高い確率で前記抽選が行われる高確率状態において、前記抽選に当選するまで当該高確率状態が終了せずに継続するゲーム性(例えば、確変ループ仕様)のもとで遊技を実行する第2遊技制御手(例えば、メインCPU101)段と、
を少なくとも有する
ことを特徴とする。
上記(2)の遊技機によれば、第1遊技制御手段によるゲーム性および第2遊技制御手段によるゲーム性のいずれも高確率遊技状態に制御される点で共通するものの、第1遊技制御手段によるゲーム性では高確率遊技状態が次回の大当り遊技状態まで継続することなく中途で終了することがあり、第2遊技制御手段によるゲーム性では高確率遊技状態が次の特別遊技状態に制御されるまで継続して実行される点で大きく異なる。このように、一見は似ているものの実質的には異なる2つのゲーム性を切り替えて実行できるようにすることで、遊技機の管理責任者等によるパチンコ遊技機の活用の仕方に幅をもたせつつ興趣の向上を図ることが可能な遊技機を提供することができる。
上記構成の付記6の遊技機によれば、興趣の低下を抑制することが可能な遊技機を提供することが可能となる。
[11−7.付記7−1〜付記7−12の各遊技機]
従来より、所定の条件が成立すると抽選を行い、この抽選の結果にもとづいて図柄の可変表示を行う遊技機が知られている。そして、抽選の結果が特定の結果であることを示す特定の表示結果で表示されると、遊技者に有利な遊技状態に制御される。
この種の遊技機では、上記抽選の結果が特定の結果となる確率等、遊技において遊技者の有利不利に関わる確率を示す複数の設定値のうちいずれか1つの設定値を設定し、以後、設定された設定値にもとづいて遊技の進行が制御される遊技機が知られている(例えば、特開2011−206588号公報の段落[0063]参照)。上記の設定値は、例えばホールの遊技機管理者等、権限を有する者が設定することができる。
(第7の課題)
しかし、設定された設定値にもとづいて遊技の進行が制御される遊技機では、例えば、権限を有しない者によって不正に設定値の変更や設定値の確認が行われたり、ノイズ等により設定値が変更されてしまう等といった様々な問題が発生することが懸念される。
また、上記の設定値は、ホールおよび遊技者のいずれにとっても重要な要素であるから、権限を有する者によって厳重に管理されるべきものであり、その管理には利便性も要求される。
本発明は、そのような点に鑑みてなされたものであり、その目的は、設定値にかかわる問題に対応可能な利便性の高い遊技機を提供することにある。
上記第7の課題を解決するために、以下のような構成の付記7−1の遊技機を提供する。
(1)付記7−1の遊技機は、
複数の設定値のうちいずれか一の設定値にもとづいて遊技の進行にかかわる制御を実行可能な第1制御手段(例えば、主制御回路100)と、
所定の表示手段(例えば、表示装置1016)と、
前記表示手段に表示される画像の表示制御を少なくとも実行可能な第2制御手段(例えば、サブ制御回路270)と、
前記一の設定値にかかわる操作に用いられる設定操作手段(例えば、設定キー328)と、
電源が投入されると、前記第1制御手段および前記第2制御手段に電力を供給可能な電力供給手段(例えば、電源供給回路338)と、
を備え、
前記第1制御手段は、
少なくとも前記設定操作手段が操作された状態(例えば、設定キーがON状態)で電源が投入されると、前記一の設定値を変更または確認することが可能な設定状態に制御する設定状態制御手段(例えば、ステップS5024またはステップS5026の処理を実行可能なメインCPU101)と、
少なくとも前記一の設定値についての設定値情報を記憶可能な第1記憶手段(例えば、メインRAM103)と、
各種情報を前記第2制御手段に送信可能であり、少なくとも、前記一の設定値の変更または確認が行われたことを示す設定操作情報(例えば、設定操作コマンド)を送信可能な送信手段(例えば、コマンド出力ポート106やステップS5055の処理を実行可能なメインCPU101)と、を有し、
前記第2制御手段は、
前記送信手段から送信された情報を受信可能な受信手段(例えば、中継基板4010)と、
前記設定操作情報を前記受信手段により受信すると、少なくとも、前記受信手段により受信した設定操作情報と、当該設定操作情報にかかわる時間情報(例えば、初期化コマンドまたは電断復帰コマンドを受信した時間情報)とを、履歴情報として記憶可能な第2記憶手段(例えば、サブワークRAM2100a)と、
所定の操作にもとづいて、前記履歴情報が示される情報画面(例えば、設定変更・確認履歴画面)を表示可能な表示制御手段(例えば、表示制御回路2300)と、を有する
ことを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、所定の操作を行うことで、設定操作情報と当該設定操作情報にかかわる時間情報とが履歴情報として示される情報画面を閲覧可能することができるため、設定値にかかわる様々な問題に対応することが可能となる。とくに、例えば権限を有しない第三者による不正を目的とした設定値の変更や設定値の確認が行われた可能性があるときには、情報画面を閲覧することで、上記不正が行われたか否かの追跡を行うことが可能となる。また、過去の履歴情報を閲覧することで、例えばホールの営業に活用できる等、利便性も高められる。
なお、設定操作情報は、設定値の変更が行われたときは設定値の変更が行われた旨を示す設定値変更情報であり、設定値の確認が行われたときは設定値の確認が行われた旨を示す設定値確認情報である。また、設定操作情報が設定値変更情報であるとき、設定値情報は、変更後の一の設定値についての設定値情報である。設定操作情報が設定値確認情報であるときは、設定されている一の設定値についての設定値情報を第2制御手段に送信してもよいが、一の設定値の変更が行われていないため、設定値情報を第2制御手段に送信することは必須ではない。
また、「当該設定操作情報にかかわる時間情報」は、設定操作情報を第1制御手段から第2制御手段に送信した時間情報であってもよいし、設定操作情報を第2制御手段が受信した時間であってもよい。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、
前記表示制御手段は、
前記設定操作手段が操作された状態で電源が投入されると前記情報画面を表示可能であり、遊技の実行中は前記所定の操作が行われたとしても前記情報画面の表示を制限する情報画面制限手段(例えば、ステップS5301においてNOと判別したときにホールメニュータスクを終了するホスト制御回路2100、ステップS5316においてYESと判別したときにステップS5317の処理を実行するホスト制御回路2100)を有する
ことを特徴とする。
上記(2)の遊技機によれば、情報画面は、設定操作手段が操作された状態で電源が投入されると表示される画面であり、遊技の実行中は所定の操作が行われたとしても表示が制限される画面である。すなわち、設定操作手段が操作された状態(例えば、設定キーがON状態)で電源が投入されないと、情報画面が表示されない。そのため、権限のない第三者が不正を目的として情報画面を容易に閲覧することが困難であり、セキュリティを担保することが可能となる。
上記第7の課題を解決するために、以下のような構成の付記7−2の遊技機を提供する。
(1)付記7−2の遊技機は、
複数の設定値のうちいずれか一の設定値にもとづいて遊技の進行にかかわる制御を実行可能な第1制御手段(例えば、主制御回路100)と、
所定の表示手段(例えば、表示装置1016)と、
前記表示手段に表示される画像の表示制御を少なくとも実行可能な第2制御手段(例えば、サブ制御回路270)と、
前記一の設定値にかかわる操作に用いられる設定操作手段(例えば、設定キー328)と、
電源が投入されると、前記第1制御手段および前記第2制御手段に電力を供給可能な電力供給手段(例えば、電源供給回路338)と、
を備え、
前記第1制御手段は、
少なくとも前記設定操作手段が操作された状態(例えば、設定キーがON状態)で電源が投入されると、前記一の設定値を変更または確認することが可能な設定状態に制御する設定状態制御手段(例えば、ステップS5024またはステップS5026の処理を実行可能なメインCPU101)と、
少なくとも前記一の設定値についての設定値情報を記憶可能な第1記憶手段(例えば、メインRAM103)と、
各種情報を前記第2制御手段に送信可能であり、少なくとも、前記一の設定値の変更または確認が行われたことを示す設定操作情報(例えば、設定操作コマンド)と、前記一の設定値についての設定値情報とを送信可能な送信手段(例えば、コマンド出力ポート106やステップS5055の処理を実行可能なメインCPU101)と、を有し、
前記第2制御手段は、
前記送信手段から送信された情報を受信可能な受信手段(例えば、中継基板4010)と、
前記設定操作情報を前記受信手段により受信すると、少なくとも、前記受信手段により受信した設定操作情報と、当該設定操作情報にかかわる時間情報(例えば、初期化コマンドまたは電断復帰コマンドを受信した時間情報)と、前記設定値情報とを、履歴情報として記憶可能な第2記憶手段(例えば、サブワークRAM2100a)と、
所定の操作にもとづいて、前記履歴情報が示される情報画面を表示可能な表示制御手段(例えば、表示制御回路2300)と、を有し、
前記表示制御手段は、
前記所定の操作にもとづいて、前記履歴情報のうち前記設定値情報を含まない履歴情報が示される第1画面(例えば、図259の設定変更・確認履歴画面)を表示する第1画面表示制御手段(例えば、図259の設定変更・確認履歴画面を表示するホスト制御回路2100)と、
前記第1画面が表示されたことを条件に、少なくとも前記設定値情報を含む履歴情報が示される第2画面(例えば、図261の設定変更・確認履歴画面)を表示する第2画面表示制御手段(例えば、図261の設定変更・確認履歴画面を表示するホスト制御回路2100)と、を有する
ことを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、所定の操作を行うことで、設定操作情報と当該設定操作情報にかかわる時間情報と設定値情報とが履歴情報として示される情報画面を閲覧可能することができるため、設定値にかかわる様々な問題に対応することが可能となる。とくに、例えば権限を有しない第三者による不正を目的とした設定値の変更や設定値の確認が行われた可能性があるときには、情報画面を閲覧することで、上記不正が行われたか否かの追跡を行うことが可能となる。また、過去の履歴情報を閲覧することで、例えばホールの営業に活用できる等、利便性も高められる。
しかも、所定の操作が行われると、先ずは、履歴情報のうち設定値情報を含まない履歴情報が示される第1画面(例えば、図259の設定変更・確認履歴画面)を表示し、第1画面が表示されたことを条件に、設定値情報を含む履歴情報が示される第2画面(例えば、図261の設定変更・確認履歴画面)が表示されるように構成されている。
なお、各種情報を第2制御手段に送信可能な送信手段は、設定操作情報と設定値情報とを、ともに送信してもよいし別々に送信してもよい。設定操作情報は、設定値の変更が行われたときは設定値の変更が行われた旨を示す設定値変更情報であり、設定値の確認が行われたときは設定値の確認が行われた旨を示す設定値確認情報である。また、設定操作情報が設定値変更情報であるとき、設定値情報は、変更後の一の設定値についての設定値情報である。設定操作情報が設定値確認情報であるときは、設定されている一の設定値についての設定値情報を第2制御手段に送信してもよいが、一の設定値の変更が行われていないため、設定値情報を第2制御手段に送信することは必須ではない。
また、「当該設定操作情報にかかわる時間情報」は、設定操作情報を第1制御手段から第2制御手段に送信した時間情報であってもよいし、設定操作情報を第2制御手段が受信した時間であってもよい。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、
前記第2画面表示制御手段は、
前記第2画面を、特定の条件を満たした場合に限り表示するよう構成されてなる
ことを特徴とする。
上記(2)の遊技機によれば、特定の条件を満たした場合に限り、設定値情報を含む履歴情報が示される第2画面が表示されるので、設定値情報を容易に閲覧することができず、不正を目的として設定値情報が閲覧されることを抑制できる。なお、特定の条件とは、例えば、適正なパスワードが入力された場合等である。
(3)上記(1)または(2)の遊技機において、
前記表示制御手段は、
前記設定操作手段が操作された状態で電源が投入されたときに前記情報画面を表示可能であり、遊技の実行中は前記所定の操作が行われたとしても前記情報画面の表示を制限する情報画面制限手段を有する
ことを特徴とする。
上記(3)の遊技機によれば、情報画面は、設定操作手段が操作された状態で電源が投入されると表示される画面であり、遊技の実行中は所定の操作が行われたとしても表示が制限される画面である。すなわち、設定操作手段が操作された状態(例えば、設定キーがON状態)で電源が投入されないと、情報画面が表示されない。そのため、権限のない第三者が不正を目的として情報画面を容易に閲覧することが困難であり、セキュリティを担保することが可能となる。
上記第7の課題を解決するために、以下のような構成の付記7−3の遊技機を提供する。
(1)付記7−3の遊技機は、
複数の設定値のうちいずれか一の設定値にもとづいて遊技の進行にかかわる制御を実行可能な第1制御手段(例えば、主制御回路100)と、
所定の表示手段(例えば、表示装置1016)と、
前記表示手段に表示される画像の表示制御を少なくとも実行可能な第2制御手段(例えば、サブ制御回路270)と、
前記一の設定値にかかわる操作に用いられる設定操作手段(例えば、設定キー328)と、
電源が投入されると、前記第1制御手段および前記第2制御手段に電力を供給可能な電力供給手段(例えば、電源供給回路338)と、
を備え、
前記第1制御手段は、
少なくとも前記設定操作手段が操作された状態(例えば、設定キーがON状態)で電源が投入されると、前記一の設定値を変更または確認することが可能な設定状態に制御する設定状態制御手段(例えば、ステップS5024またはステップS5026の処理を実行可能なメインCPU101)と、
少なくとも前記一の設定値についての設定値情報を記憶可能な第1記憶手段(例えば、メインRAM103)と、
各種情報を前記第2制御手段に送信可能であり、少なくとも、前記一の設定値の変更または確認が行われたことを示す設定操作情報(例えば、設定操作コマンド)を送信可能な送信手段(例えば、コマンド出力ポート106やステップS5055の処理を実行可能なメインCPU101)と、を有し、
前記第2制御手段は、
前記送信手段から送信された情報を受信可能な受信手段(例えば、中継基板4010)と、
前記設定操作情報を前記受信手段により受信すると、少なくとも、前記受信手段により受信した設定操作情報と当該設定操作情報にかかわる時間情報(例えば、初期化コマンドまたは電断復帰コマンドを受信した時間情報)とを、履歴情報として記憶可能な第2記憶手段(例えば、サブワークRAM2100a)と、
所定の操作にもとづいて、前記履歴情報が示される情報画面(例えば、設定変更・確認履歴画面)を表示可能な表示制御手段と、
前記情報画面が表示されたのち、所定条件が成立するまで(例えば、演出制御オブジェクトを生成するコマンドを受信するまで)は前記情報画面を表示可能であるものの、前記所定条件が成立すると、前記情報画面の表示を制限する情報画面表示制限手段(例えば、ステップS5318のホールメニュー表示禁止処理を実行するホスト制御回路2100)と、を有する
ことを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、所定の操作を行うことで、設定操作情報と当該設定操作情報にかかわる時間情報とが履歴情報として示される情報画面を閲覧可能することができるため、設定値にかかわる様々な問題に対応することが可能となる。とくに、例えば権限を有しない第三者による不正を目的とした設定値の変更や設定値の確認が行われた可能性があるときには、情報画面を閲覧することで、上記不正が行われたか否かの追跡を行うことが可能となる。また、過去の履歴情報を閲覧することで、例えばホールの営業に活用できる等、利便性も高められる。
しかも、表示された情報画面は、所定条件が成立するまでは表示可能であるものの、所定条件が成立すると表示が制限されるよう構成されている。そのため、所定条件が一旦成立すると、情報画面を閲覧することができなくなるため、権限を有しない者が不正に閲覧を行おうとしても容易に閲覧することができず、セキュリティを担保することが可能となる。
なお、設定操作情報は、設定値の変更が行われたときは設定値の変更が行われた旨を示す設定値変更情報であり、設定値の確認が行われたときは設定値の確認が行われた旨を示す設定値確認情報である。また、設定操作情報が設定値変更情報であるとき、設定値情報は、変更後の一の設定値についての設定値情報である。設定操作情報が設定値確認情報であるときは、設定されている一の設定値についての設定値情報を第2制御手段に送信してもよいが、一の設定値の変更が行われていないため、設定値情報を第2制御手段に送信することは必須ではない。
また、「当該設定操作情報にかかわる時間情報」は、設定操作情報を第1制御手段から第2制御手段に送信した時間情報であってもよいし、設定操作情報を第2制御手段が受信した時間であってもよい。
上記第7の課題を解決するために、以下のような構成の付記7−4の遊技機を提供する。
(1)付記7−4の遊技機は、
複数の設定値のうちいずれか一の設定値にもとづいて遊技の進行にかかわる制御を実行可能な第1制御手段(例えば、主制御回路100)と、
所定の表示手段(例えば、表示装置1016)と、
前記表示手段に表示される画像の表示制御を少なくとも実行可能な第2制御手段(例えば、サブ制御回路270)と、
前記一の設定値にかかわる操作に用いられる設定操作手段(例えば、設定キー328)と、
電源が投入されると、前記第1制御手段および前記第2制御手段に電力を供給可能な電力供給手段(例えば、電源供給回路338)と、
を備え、
前記第1制御手段は、
少なくとも前記設定操作手段が操作された状態(例えば、設定キーがON状態)で電源が投入されると、前記一の設定値を変更または確認することが可能な設定状態に制御する設定状態制御手段(例えば、ステップS5024またはステップS5026の処理を実行可能なメインCPU101)と、
少なくとも前記一の設定値についての設定値情報を記憶可能な第1記憶手段(例えば、メインRAM103)と、
各種情報を前記第2制御手段に送信可能であり、少なくとも、前記一の設定値の変更または確認が行われたことを示す設定操作情報(例えば、設定操作コマンド)を送信可能な送信手段(例えば、コマンド出力ポート106やステップS5055の処理を実行可能なメインCPU101)と、を有し、
前記第2制御手段は、
前記送信手段から送信された情報を受信可能な受信手段(例えば、中継基板4010)と、
前記設定操作情報を前記受信手段により受信すると、少なくとも、前記受信手段により受信した設定操作情報と、当該設定操作情報にかかわる時間情報(例えば、初期化コマンドまたは電断復帰コマンドを受信した時間情報)とを、履歴情報として記憶可能な第2記憶手段(例えば、サブワークRAM2100a)と、
不特定の者(例えば、遊技者)が閲覧することが可能な通常画面(例えば、ガイド初期画像)と、特定の者(例えば、遊技機管理者)に限り閲覧することが可能であって前記履歴情報が示される情報画面(例えば、設定変更・確認履歴画面)とを含む複数の画面のうち、いずれかの画面を前記表示手段に表示可能な表示制御手段(例えば、表示制御回路2300)と、を有し、
前記表示制御手段は、
前記通常画面については電源が投入されている限り表示可能である一方、前記情報画面については、少なくとも前記設定操作手段が操作された状態(例えば、設定キーがON状態)で電源が投入されたときに表示するよう構成されてなる
ことを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、所定の表示手段には、不特定の者(例えば、遊技者)が閲覧することが可能な通常画面と、特定の者(例えば、遊技機管理者)に限り閲覧することが可能な情報画面とが表示される。そして、通常画面については電源が投入されている限り表示可能である一方、情報画面については、電源が投入されているだけでは表示されず、少なくとも設定操作手段が操作された状態で電源が投入されなければ表示されないように構成されている。そのため、情報画面については、権限を有しない不特定の者が容易に閲覧することができず、不正に閲覧されることを抑制できるようになっている。
ところで、上記の通常画面は、例えば会員登録を行った遊技者だけしか閲覧できないような場合には不特定の者が閲覧することが可能であると解釈できないかもしれないが、会員登録さえ行えば(すなわち、閲覧したいという意思さえあれば)誰でも閲覧することができるため、不特定の者が閲覧することが可能な通常画面であるといえる。これに対し、情報画面は、閲覧したいという意思があったとしても閲覧できるものではなく、例えば遊技機管理者のような権限を持つ者だけが閲覧できる画面である。
さらに、特定の者に限り閲覧できる情報画面では、設定操作情報と当該設定操作情報にかかわる時間情報とが履歴情報として示されるため、設定値にかかわる様々な問題に対応することが可能となる。とくに、例えば権限を有しない第三者による不正を目的とした設定値の変更や設定値の確認が行われた可能性があるときには、情報画面を閲覧することで、上記不正が行われたか否かの追跡を行うことが可能となる。また、過去の履歴情報を閲覧することで、例えばホールの営業に活用できる等、利便性も高められる。
なお、設定操作情報は、設定値の変更が行われたときは設定値の変更が行われた旨を示す設定値変更情報であり、設定値の確認が行われたときは設定値の確認が行われた旨を示す設定値確認情報である。また、設定操作情報が設定値変更情報であるとき、設定値情報は、変更後の一の設定値についての設定値情報である。設定操作情報が設定値確認情報であるときは、設定されている一の設定値についての設定値情報を第2制御手段に送信してもよいが、一の設定値の変更が行われていないため、設定値情報を第2制御手段に送信することは必須ではない。
また、「当該設定操作情報にかかわる時間情報」は、設定操作情報を第1制御手段から第2制御手段に送信した時間情報であってもよいし、設定操作情報を第2制御手段が受信した時間であってもよい。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、
前記表示制御手段は、
前記設定操作手段が操作された状態で電源が投入されると前記情報画面を表示可能であり、遊技の実行中は前記情報画面の表示を制限する情報画面制限手段(例えば、ステップS5301においてNOと判別したときにホールメニュータスクを終了するホスト制御回路2100、ステップS5316においてYESと判別したときにステップS5317の処理を実行するホスト制御回路2100)を有する
ことを特徴とする。
上記(2)の遊技機によれば、情報画面は、設定操作手段が操作された状態で電源が投入されると表示される画面であり、遊技の実行中は所定の操作が行われたとしても表示が制限される画面である。すなわち、設定操作手段が操作された状態(例えば、設定キーがON状態)で電源が投入されないと、情報画面が表示されない。そのため、権限のない第三者が不正を目的として情報画面を容易に閲覧することが困難であり、セキュリティを担保することが可能となる。
上記第7の課題を解決するために、以下のような構成の付記7−5の遊技機を提供する。
(1)付記7−5の遊技機は、
複数の設定値のうちいずれか一の設定値にもとづいて遊技の進行にかかわる制御を実行可能な第1制御手段(例えば、主制御回路100)と、
所定の表示手段(例えば、表示装置1016)と、
前記表示手段に表示される画像の表示制御を少なくとも実行可能な第2制御手段(例えば、サブ制御回路270)と、
前記一の設定値にかかわる操作に用いられる設定操作手段(例えば、設定キー328)と、
電源が投入されると、前記第1制御手段および前記第2制御手段に電力を供給可能な電力供給手段(例えば、電源供給回路338)と、
を備え、
前記第1制御手段は、
少なくとも前記設定操作手段が操作された状態(例えば、設定キーがON状態)で電源が投入されると、前記一の設定値を変更または確認することが可能な設定状態に制御する設定状態制御手段(例えば、ステップS5024またはステップS5026の処理を実行可能なメインCPU101)と、
少なくとも前記一の設定値についての設定値情報を記憶可能な第1記憶手段(例えば、メインRAM103)と、
各種情報を前記第2制御手段に送信可能であり、少なくとも、前記一の設定値の変更または確認が行われたことを示す設定操作情報(例えば、設定操作コマンド)を送信可能な送信手段(例えば、コマンド出力ポート106やステップS5055の処理を実行可能なメインCPU101)と、を有し、
前記第2制御手段は、
前記送信手段から送信された情報を受信可能な受信手段(例えば、中継基板4010)と、
前記設定操作情報を前記受信手段により受信すると、少なくとも、前記受信手段により受信した設定操作情報と、当該設定操作情報にかかわる時間情報(例えば、初期化コマンドまたは電断復帰コマンドを受信した時間情報)とを、履歴情報として記憶可能な第2記憶手段(例えば、サブワークRAM2100a)と、
所定の操作にもとづいて、前記履歴情報が示される情報画面(例えば、設定変更・確認履歴画面)を表示可能な表示制御手段(例えば、表示制御回路2300)と、
特定の操作を受け付けると、前記履歴情報を前記第2記憶手段から消去する情報消去手段(例えば、ステップS8066やステップS8160などの処理を実行するホスト制御回路2100)と、を有し、
前記情報消去手段は、
特定の条件を満たしたときに限り前記特定の操作を受け付けるよう構成されてなる
ことを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、所定の操作を行うことで、設定操作情報と当該設定操作情報にかかわる時間情報とが履歴情報として示される情報画面を閲覧可能することができるため、設定値にかかわる様々な問題に対応することが可能となる。とくに、例えば権限を有しない第三者による不正を目的とした設定値の変更や設定値の確認が行われた可能性があるときには、情報画面を閲覧することで、上記不正が行われたか否かの追跡を行うことが可能となる。また、過去の履歴情報を閲覧することで、例えばホールの営業に活用できる等、利便性も高められる。
しかも、特定の操作(例えば、「クリア」の項目を選択した上でメインボタン662の押下操作)を受け付けると、履歴情報が消去されるよう構成されており、さらに上記特定の操作は、特定の条件を満たしたとき(例えば、入力されたパスワードが適正であったとき)に限り受け付け可能となっている。そのため、例えば権限を有しない者が不正を目的として設定値の変更や設定値の確認や閲覧が行われた履歴を消去しようとしても、特定の条件を満たさないとかかる消去を実行することができないため、不正の履歴が意図的に消去されてしまうことを防止できる。また、権限を有する者にとっては、履歴情報を消去することができるため利便性を高めることができる。
なお、設定操作情報は、設定値の変更が行われたときは設定値の変更が行われた旨を示す設定値変更情報であり、設定値の確認が行われたときは設定値の確認が行われた旨を示す設定値確認情報である。また、設定操作情報が設定値変更情報であるとき、設定値情報は、変更後の一の設定値についての設定値情報である。設定操作情報が設定値確認情報であるときは、設定されている一の設定値についての設定値情報を第2制御手段に送信してもよいが、一の設定値の変更が行われていないため、設定値情報を第2制御手段に送信することは必須ではない。
また、「当該設定操作情報にかかわる時間情報」は、設定操作情報を第1制御手段から第2制御手段に送信した時間情報であってもよいし、設定操作情報を第2制御手段が受信した時間であってもよい。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、
前記送信手段は、
前記一の設定値についての設定値情報をさらに送信可能であり、
前記第2記憶手段は、
前記設定値情報についても前記履歴情報として記憶可能であるとともに、
前記表示制御手段は、
前記履歴情報に前記設定値情報が含まれる情報画面(例えば、図261の設定変更・確認履歴画面)を表示可能であり、
前記情報消去手段は、
前記設定値情報が含まれる履歴情報を、前記第2記憶手段から消去するよう構成されてなる
ことを特徴とする。
上記(2)の遊技機によれば、情報画面が表示されると、設定値情報といったより有益な情報を閲覧することが可能となる。しかも、このような有益な情報についても、権限を有する者が消去することができるため利便性を高めることができる。
なお、送信手段は、設定操作情報と設定値情報とを、ともに送信してもよいし別々に送信してもよい。
(3)上記(1)または(2)に記載の遊技機において、
前記情報消去手段は、
前記履歴情報を前記第2記憶手段から消去するにあたり、履歴情報として前記第2記憶手段に記憶されている履歴情報のうちの一部のみを消去可能に構成されてなる
ことを特徴とする。
上記(3)の遊技機によれば、第2記憶手段に記憶されている履歴情報のうち消去する履歴情報を、権限を有する者が取捨選択できるため、利便性が高められる。例えば、履歴情報は、一の設定操作情報と一の日時情報と一の設定値情報とが対応付けられて表示される(例えば、図261参照)。情報消去手段は、対応付けられた履歴情報(例えば、図261に示されるNo毎)に消去してもよいし、履歴情報に含まれる複数項目の情報のうち項目毎に消去してもよい(例えば、図261に示される日時の項目、操作種別の項目、設定値の項目のうちいずれかの項目の全部を消去してもよい)。
上記第7の課題を解決するために、以下のような構成の付記7−6の遊技機を提供する。
(1)付記7−6の遊技機は、
複数の設定値のうちいずれか一の設定値にもとづいて遊技の進行にかかわる制御を実行可能な第1制御手段(例えば、主制御回路100)と、
所定の表示手段(例えば、表示装置1016)と、
前記表示手段に表示される画像の表示制御を少なくとも実行可能な第2制御手段(例えば、サブ制御回路270)と、
前記一の設定値にかかわる操作に用いられる設定操作手段(例えば、設定キー328)と、
電源が投入されると、前記第1制御手段および前記第2制御手段に電力を供給可能な電力供給手段(例えば、電源供給回路338)と、
を備え、
前記第1制御手段は、
少なくとも前記設定操作手段が操作された状態(例えば、設定キーがON状態)で電源が投入されると、前記一の設定値を変更または確認することが可能な設定状態に制御する設定状態制御手段(例えば、ステップS5024またはステップS5026の処理を実行可能なメインCPU101)と、
少なくとも前記一の設定値についての設定値情報を記憶可能な第1記憶手段(例えば、メインRAM103)と、
各種情報を前記第2制御手段に送信可能であり、少なくとも、前記一の設定値の変更または確認が行われたことを示す設定操作情報(例えば、設定操作コマンド)を送信可能な送信手段(例えば、コマンド出力ポート106やステップS5055の処理を実行可能なメインCPU101)と、を有し、
前記第2制御手段は、
前記送信手段から送信された情報を受信可能な受信手段(例えば、中継基板4010)と、
前記設定操作情報を前記受信手段により受信すると、少なくとも、前記受信手段により受信した設定操作情報と、当該設定操作情報にかかわる時間情報(例えば、初期化コマンドまたは電断復帰コマンドを受信した時間情報)とを、履歴情報として記憶可能な第2記憶手段(例えば、サブワークRAM2100a)と、
所定の操作にもとづいて、前記履歴情報が示される情報画面を表示可能な表示制御手段(例えば、表示制御回路2300)と、を有し、
前記設定操作情報は、
前記一の設定値の変更が行われたことを示す情報であるか、前記一の設定値の確認が行われたことを示す情報であるかの操作種別を区別することが可能な情報であり、
前記表示制御手段は、
前記設定操作情報の種別にかかわらず、前記設定操作情報、前記時間情報および前記設定値情報の全部が履歴情報として示される一覧の情報画面(例えば、一覧画面)と、
前記設定操作情報のうち特定の種別に対応する、前記設定操作情報、前記時間情報および前記設定値情報が履歴情報として示される特定の情報画面(例えば、絞込画面)とを選択的に表示可能に構成されてなる
ことを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、所定の操作を行うことで、設定操作情報と当該設定操作情報にかかわる時間情報とが履歴情報として示される情報画面を閲覧可能することができるため、設定値にかかわる様々な問題に対応することが可能となる。とくに、例えば権限を有しない第三者による不正を目的とした設定値の変更や設定値の確認が行われた可能性があるときには、情報画面を閲覧することで、上記不正が行われたか否かの追跡を行うことが可能となる。また、過去の履歴情報を閲覧することで、例えばホールの営業に活用できる等、利便性も高められる。
しかも、設定操作情報の種別にかかわらず、前記設定操作情報、前記時間情報および前記設定値情報の全部が履歴情報として示される一覧の情報画面と、設定操作情報のうち特定の種別に対応する、前記設定操作情報、前記時間情報および前記設定値情報が履歴情報として示される特定の情報画面とを選択的に表示可能であるため、操作者(例えば、遊技機管理者)の利便性を高めることができる。
なお、設定操作情報は、設定値の変更が行われたときは設定値の変更が行われた旨を示す設定値変更情報であり、設定値の確認が行われたときは設定値の確認が行われた旨を示す設定値確認情報である。また、設定操作情報が設定値変更情報であるとき、設定値情報は、変更後の一の設定値についての設定値情報である。設定操作情報が設定値確認情報であるときは、設定されている一の設定値についての設定値情報を第2制御手段に送信してもよいが、一の設定値の変更が行われていないため、設定値情報を第2制御手段に送信することは必須ではない。
また、「当該設定操作情報にかかわる時間情報」は、設定操作情報を第1制御手段から第2制御手段に送信した時間情報であってもよいし、設定操作情報を第2制御手段が受信した時間であってもよい。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、
前記表示制御手段は、
特定の条件を満たした場合に限り、前記一覧の情報画面と前記特定の情報画面とを選択的に表示可能に構成されてなる
ことを特徴とする。
上記(2)の遊技機によれば、特定の条件を満たした場合に限り、一覧の情報画面と特定の情報画面とを選択的に表示可能となるので、不正を目的として履歴情報が閲覧されることを抑制できる。なお、特定の条件とは、例えば、適正なパスワードが入力された場合等である。
(3)上記(1)または(2)の遊技機において、
前記送信手段は、
前記一の設定値についての設定値情報をさらに送信可能であり、
前記第2記憶手段は、
前記設定値情報についても前記履歴情報として記憶可能であるとともに、
前記表示制御手段は、
前記履歴情報に前記設定値情報が含まれる情報画面を表示可能に構成されてなる
ことを特徴とする。
上記(3)の遊技機によれば、情報画面が表示されると、設定値情報といったより有益な情報を閲覧することが可能となる。しかも、このような有益な情報についても、権限を有する者が消去することができるため利便性を高めることができる。
なお、送信手段は、設定操作情報と設定値情報とを、ともに送信してもよいし別々に送信してもよい。
上記第7の課題を解決するために、以下のような構成の付記7−7の遊技機を提供する。
(1)付記7−7の遊技機は、
複数の設定値のうちいずれか一の設定値にもとづいて遊技の進行にかかわる制御を実行可能な第1制御手段(例えば、主制御回路100)と、
所定の表示手段(例えば、表示装置1016)と、
前記表示手段に表示される画像の表示制御を少なくとも実行可能な第2制御手段(例えば、サブ制御回路270)と、
前記一の設定値にかかわる操作に用いられる設定操作手段(例えば、設定キー328)と、
電源が投入されると、前記第1制御手段および前記第2制御手段に電力を供給可能な電力供給手段(例えば、電源供給回路338)と、
を備え、
前記第1制御手段は、
少なくとも前記設定操作手段が操作された状態(例えば、設定キーがON状態)で電源が投入されると、前記一の設定値を変更または確認することが可能な設定状態に制御する設定状態制御手段(例えば、ステップS5024またはステップS5026の処理を実行可能なメインCPU101)と、
少なくとも前記一の設定値についての設定値情報を記憶可能な第1記憶手段(例えば、メインRAM103)と、
各種情報を前記第2制御手段に送信可能であり、少なくとも、前記一の設定値の変更または確認が行われたことを示す設定操作情報(例えば、設定操作コマンド)を送信可能な送信手段(例えば、コマンド出力ポート106やステップS5055の処理を実行可能なメインCPU101)と、を有し、
前記第2制御手段は、
前記送信手段から送信された情報を受信可能な受信手段(例えば、中継基板4010)と、
前記設定操作情報を前記受信手段により受信すると、少なくとも、前記受信手段により受信した設定操作情報と、当該設定操作情報にかかわる時間情報(例えば、初期化コマンドまたは電断復帰コマンドを受信した時間情報)とを、履歴情報として記憶可能な第2記憶手段(例えば、サブワークRAM2100a)と、
所定の操作にもとづいて、前記履歴情報が示されない通常画面(例えば、ホールメニュー画面)を表示可能であるとともに、当該通常画面において所定の操作が行われると、前記履歴情報が示される情報画面(例えば、設定変更・確認履歴画面)を表示可能な表示制御手段(例えば、表示制御回路2300)と、
所定条件が成立するまで(例えば、ステップS5314、ステップS5315またはステップS5316においてYESと判別されるまで)は前記情報画面を表示可能であるものの、前記所定条件が成立すると、前記情報画面の表示を制限する情報画面表示制限手段(例えば、ステップS5314、ステップS5315またはステップS5316においてYESと判別されたときにステップS5317の処理を実行するホスト制御回路2100)と、を有し、
前記第2記憶手段は、
前記通常画面において前記所定の操作が行われることによって前記情報画面が表示されると、前記情報画面が閲覧されたことを示す閲覧履歴を、前記履歴情報の一つとして記憶可能であるとともに、
前記情報画面の表示が制限されるまでの間に、前記通常画面において前記所定の操作が行われることによって前記情報画面が表示される回数が複数回にわたったとしても、1回の閲覧履歴として記憶するよう構成される
ことを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、所定の操作を行うことで、設定操作情報と当該設定操作情報にかかわる時間情報とが履歴情報として示される情報画面を閲覧可能することができるため、設定値にかかわる様々な問題に対応することが可能となる。とくに、例えば権限を有しない第三者による不正を目的とした設定値の変更や設定値の確認が行われた可能性があるときには、情報画面を閲覧することで、上記不正が行われたか否かの追跡を行うことが可能となる。また、過去の履歴情報を閲覧することで、例えばホールの営業に活用できる等、利便性も高められる。
また、情報画面は、所定条件が成立するまでは表示可能であるものの、所定条件が成立すると表示が制限される。そのため、権限のない第三者が不正を目的として情報画面を容易に閲覧することが困難であり、セキュリティを担保することが可能となる。
また、情報画面は、通常画面において所定の操作が行われることによって表示される。そしてこのとき、閲覧履歴が第2記憶手段に記憶される。ただし、情報画面の表示が制限されるまでの間に、通常画面において所定の操作が行われることによって情報画面が表示される回数が複数回にわたったとしても、1回の設定履歴情報として記録される。これにより、不正を目的として設定変更、設定確認、情報画面の閲覧等を行った者が、数多くの閲覧履歴を意図的に作ることを困難ならしめることが可能となる。とくに、閲覧履歴の場合は、設定値の変更や確認と異なり、設定操作手段が操作された状態(例えば、設定キーがON状態)で電源が投入されるといった過程を経ることなく複数回にわたって閲覧することが可能であり、それ故数多くの履歴を意図的に作りやすいため、その効果は大きい。
なお、設定操作情報は、設定値の変更が行われたときは設定値の変更が行われた旨を示す設定値変更情報であり、設定値の確認が行われたときは設定値の確認が行われた旨を示す設定値確認情報である。また、設定操作情報が設定値変更情報であるとき、設定値情報は、変更後の一の設定値についての設定値情報である。設定操作情報が設定値確認情報であるときは、設定されている一の設定値についての設定値情報を第2制御手段に送信してもよいが、一の設定値の変更が行われていないため、設定値情報を第2制御手段に送信することは必須ではない。
また、「当該設定操作情報にかかわる時間情報」は、設定操作情報を第1制御手段から第2制御手段に送信した時間情報であってもよいし、設定操作情報を第2制御手段が受信した時間であってもよい。
上記第7の課題を解決するために、以下のような構成の付記7−8の遊技機を提供する。
(1)付記7−8の遊技機は、
複数の設定値のうちいずれか一の設定値にもとづいて遊技の進行にかかわる制御を実行可能な第1制御手段(例えば、主制御回路100)と、
所定の表示手段(例えば、表示装置1016)と、
前記表示手段に表示される画像の表示制御を少なくとも実行可能な第2制御手段(例えば、サブ制御回路270)と、
前記一の設定値にかかわる操作に用いられる設定操作手段(例えば、設定キー328)と、
電源が投入されると、前記第1制御手段および前記第2制御手段に電力を供給可能な電力供給手段(例えば、電源供給回路338)と、
を備え、
前記第1制御手段は、
少なくとも前記設定操作手段が操作された状態(例えば、設定キーがON状態)で電源が投入されると、前記一の設定値を変更または確認することが可能な設定状態に制御する設定状態制御手段(例えば、ステップS5024またはステップS5026の処理を実行可能なメインCPU101)と、
少なくとも前記一の設定値についての設定値情報を記憶可能な第1記憶手段(例えば、メインRAM103)と、
各種情報を前記第2制御手段に送信可能であり、少なくとも、前記一の設定値の変更が行われたのか前記一の設定値の確認が行われたのかを区別可能な設定操作情報(例えば、設定操作コマンド)を送信可能な送信手段(例えば、コマンド出力ポート106やステップS5055の処理を実行可能なメインCPU101)と、を有し、
前記第2制御手段は、
前記送信手段から送信された情報を受信可能な受信手段(例えば、中継基板4010)と、
前記設定操作情報を前記受信手段により受信すると、少なくとも、前記受信手段により受信した設定操作情報と、当該設定操作情報にかかわる時間情報(例えば、初期化コマンドまたは電断復帰コマンドを受信した時間情報)とを、設定変更履歴情報または設定確認履歴情報を含む履歴情報として記憶可能な第2記憶手段(例えば、サブワークRAM2100a)と、
所定の操作にもとづいて、前記履歴情報が示されない通常画面(例えば、ホールメニュー画面)を表示可能であるとともに、当該通常画面において所定の操作が行われると、前記履歴情報が示される情報画面(例えば、設定変更・確認履歴画面)を表示可能な表示制御手段(例えば、表示制御回路2300)と、を有し、
前記第2記憶手段は、
前記通常画面において前記所定の操作が行われることによって前記情報画面が表示されると、当該情報画面が閲覧されたことを示す閲覧履歴情報を、前記履歴情報の一つとして記憶可能であり、
さらに、前記設定操作手段が操作された状態で電源が投入された場合において、
前記一の設定値の確認と前記情報画面の閲覧とが行われたときは、前記設定確認履歴情報と前記閲覧履歴情報とのいずれもが表示される一方、
前記一の設定値の変更と前記情報画面の閲覧とが行われたときは、前記設定変更履歴情報と前記閲覧履歴情報とのうち前記閲覧履歴情報のみが表示されるよう構成されてなる
ことを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、所定の操作を行うことで、設定操作情報と当該設定操作情報にかかわる時間情報とが履歴情報として示される情報画面を閲覧可能することができるため、設定値にかかわる様々な問題に対応することが可能となる。とくに、例えば権限を有しない第三者による不正を目的とした設定値の変更や設定値の確認が行われた可能性があるときには、情報画面を閲覧することで、上記不正が行われたか否かの追跡を行うことが可能となる。また、過去の履歴情報を閲覧することで、例えばホールの営業に活用できる等、利便性も高められる。
ところで、設定変更を伴う不正が行われたときは、遊技機管理責任者の記憶にない設定の変更履歴をもって不正の可能性があることを察知可能であるが、設定の確認履歴を伴う不正については、設定の確認履歴だけで不正の可能性があることを察知し難い。また、不正を行う者は、設定変更後に閲覧するよりも、設定確認後に閲覧することの方が主であると考えられる。そこで、設定操作手段が操作された状態で電源が投入された場合において、一の設定値の確認と情報画面の閲覧とが行われたときは、設定確認履歴情報と閲覧履歴情報とのいずれもが表示されるようにし、一の設定値の変更と情報画面の閲覧とが行われたときは、設定変更履歴情報と閲覧履歴情報とのうち閲覧履歴情報のみが表示されるようにしている。これにより、表示手段に表示される履歴情報量を極力抑えることが可能となり、履歴総数が不必要に増えて不正を発見しづらくなってしまうことを抑制できる。
なお、「前記一の設定値の変更と前記情報画面の閲覧とが行われたときは、前記設定変更履歴情報と前記閲覧履歴情報とのうち前記閲覧履歴情報のみが表示される」は、「設定変更履歴情報と閲覧履歴情報とのうち閲覧履歴情報のみを第2記憶手段に記憶することで、閲覧履歴情報のみが表示される態様」および「設定変更履歴情報および閲覧履歴情報のいずれもが第2記憶手段に記憶されるものの、これらの情報のうち閲覧履歴情報のみが表示制御手段による制御によって表示される態様」のいずれであってもよいが、第2記憶手段の負荷を軽減させる観点からいえば前者の方が好ましい。
また、「当該設定操作情報にかかわる時間情報」は、設定操作情報を第1制御手段から第2制御手段に送信した時間情報であってもよいし、設定操作情報を第2制御手段が受信した時間であってもよい。
上記第7の課題を解決するために、以下のような構成の付記7−9の遊技機を提供する。
(1)付記7−9の遊技機は、
複数の設定値のうちいずれか一の設定値にもとづいて遊技の進行にかかわる制御を実行可能な第1制御手段(例えば、主制御回路100)と、
所定の表示手段(例えば、表示装置1016)と、
前記表示手段に表示される画像の表示制御を少なくとも実行可能な第2制御手段(例えば、サブ制御回路270)と、
前記一の設定値にかかわる操作に用いられる設定操作手段(例えば、設定キー328)と、
電源が投入されると、前記第1制御手段および前記第2制御手段に電力を供給可能な電力供給手段(例えば、電源供給回路338)と、
を備え、
前記第1制御手段は、
少なくとも前記設定操作手段が操作された状態(例えば、設定キーがON状態)で電源が投入されると、前記一の設定値を変更または確認することが可能な設定状態に制御する設定状態制御手段(例えば、ステップS5024またはステップS5026の処理を実行可能なメインCPU101)と、
少なくとも前記一の設定値についての設定値情報を記憶可能な第1記憶手段(例えば、メインRAM103)と、
各種情報を前記第2制御手段に送信可能であり、少なくとも、前記一の設定値の変更または確認が行われたことを示す設定操作情報(例えば、設定操作コマンド)を送信可能な送信手段(例えば、コマンド出力ポート106やステップS5055の処理を実行可能なメインCPU101)と、を有し、
前記第2制御手段は、
前記送信手段から送信された情報を受信可能な受信手段(例えば、中継基板4010)と、
前記設定操作情報を前記受信手段により受信すると、少なくとも、前記受信手段により受信した設定操作情報と、当該設定操作情報にかかわる時間情報(例えば、初期化コマンドまたは電断復帰コマンドを受信した時間情報)とを、履歴情報として記憶可能な第2記憶手段(例えば、サブワークRAM2100a)と、
所定の操作にもとづいて、前記履歴情報が示される情報画面(例えば、設定変更・確認履歴画面)を表示可能な表示制御手段(例えば、表示制御回路2300)と、
前記第2記憶手段に記憶されている履歴情報量が所定量を超えるとき、当該第2記憶手段に記憶されている履歴情報のうちの少なくとも一部を消去する制御を実行する履歴消去手段(例えば、ステップS5306の処理を実行するホスト制御回路2100)と、を有する
ことを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、所定の操作を行うことで、設定操作情報と当該設定操作情報にかかわる時間情報とが履歴情報として示される情報画面を閲覧可能することができるため、設定値にかかわる様々な問題に対応することが可能となる。とくに、例えば権限を有しない第三者による不正を目的とした設定値の変更や設定値の確認が行われた可能性があるときには、情報画面を閲覧することで、上記不正が行われたか否かの追跡を行うことが可能となる。また、過去の履歴情報を閲覧することで、例えばホールの営業に活用できる等、利便性も高められる。
ところで、上記の履歴情報は第2記憶手段(例えば、サブワークRAM2100a)に記憶されるが、第2記憶手段に記憶可能な履歴情報量には上限があるため、第2記憶手段に記憶されている履歴情報量が多くなると、履歴情報を第2記憶手段に記録したいときに記録できないといった事態が発生してしまうおそれがある。そこで、第2記憶手段に記憶されている履歴情報が所定量を超えるとき、第2記憶手段に記憶されている履歴情報のうちの少なくとも一部を消去することで、新たな履歴情報を記録することができないといった事態が生じることを防止している。
なお、「前記第2記憶手段に記憶されている履歴情報量が所定量を超えるとき、当該第2記憶手段に記憶されている履歴情報のうちの少なくとも一部を消去する」とは、第2記憶手段にすでに記憶されている履歴情報に対して新たな履歴情報を上書きすることで結果的に履歴情報が消去されるようにしてもよいし、新たな履歴情報を第2記憶手段に記憶させるに際して所定量を超えるおそれがあるときは、第2記憶手段に記憶されている履歴情報の少なくとも一部を消去した上で履歴情報を記憶するようにしてもよい。また、新たな履歴情報を第2記憶手段に記憶させるときでなくとも、これ以上の履歴情報を第2記憶手段に記憶させると上限を超えるおそれがあるときに、第2記憶手段に記憶されている履歴情報の少なくとも一部を消去するようにしてもよい。
また、設定操作情報は、設定値の変更が行われたときは設定値の変更が行われた旨を示す設定値変更情報であり、設定値の確認が行われたときは設定値の確認が行われた旨を示す設定値確認情報である。また、設定操作情報が設定値変更情報であるとき、設定値情報は、変更後の一の設定値についての設定値情報である。設定操作情報が設定値確認情報であるときは、設定されている一の設定値についての設定値情報を第2制御手段に送信してもよいが、一の設定値の変更が行われていないため、設定値情報を第2制御手段に送信することは必須ではない。
また、「当該設定操作情報にかかわる時間情報」は、設定操作情報を第1制御手段から第2制御手段に送信した時間情報であってもよいし、設定操作情報を第2制御手段が受信した時間であってもよい。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、
前記表示制御手段は、
前記設定操作手段が操作された状態で電源が投入されたときに前記情報画面を表示可能であり、遊技の実行中は前記所定の操作が行われたとしても前記情報画面の表示を制限する情報画面制限手段(例えば、ステップS5301においてNOと判別したときにホールメニュータスクを終了するホスト制御回路2100、ステップS5316においてYESと判別したときにステップS5317の処理を実行するホスト制御回路2100)を有する
ことを特徴とする。
上記(2)の遊技機によれば、情報画面は、設定操作手段が操作された状態で電源が投入されると表示される画面であり、遊技の実行中は所定の操作が行われたとしても表示が制限される画面である。すなわち、設定操作手段が操作された状態(例えば、設定キーがON状態)で電源が投入されないと、情報画面が表示されない。そのため、権限のない第三者が不正を目的として情報画面を容易に閲覧することが困難であり、セキュリティを担保することが可能となる。
上記第7の課題を解決するために、以下のような構成の付記7−10の遊技機を提供する。
(1)付記7−10の遊技機は、
複数の設定値のうちいずれか一の設定値にもとづいて遊技の進行にかかわる制御を実行可能な第1制御手段(例えば、主制御回路100)と、
所定の表示手段(例えば、表示装置1016)と、
前記表示手段に表示される画像の表示制御を少なくとも実行可能な第2制御手段(例えば、サブ制御回路270)と、
前記一の設定値にかかわる操作に用いられる設定操作手段(例えば、設定キー328)と、
電源が投入されると、前記第1制御手段および前記第2制御手段に電力を供給可能な電力供給手段(例えば、電源供給回路338)と、
を備え、
前記第1制御手段は、
少なくとも前記設定操作手段が操作された状態(例えば、設定キーがON状態)で電源が投入されると、前記一の設定値を変更することが可能な設定変更状態または前記一の設定値を確認することが可能な設定確認状態に制御する設定状態制御手段(例えば、ステップS5024またはステップS5026の処理を実行可能なメインCPU101)と、
少なくとも前記一の設定値についての設定値情報を記憶可能な第1記憶手段(例えば、メインRAM103)と、
各種情報を前記第2制御手段に送信可能であり、少なくとも、前記一の設定値の変更または確認が行われることを示す設定操作情報(例えば、設定操作コマンド)を送信可能な送信手段(例えば、コマンド出力ポート106やステップS5055の処理を実行可能なメインCPU101)と、を有し、
前記第2制御手段は、
前記送信手段から送信された情報を受信可能な受信手段(例えば、中継基板4010)と、
前記設定操作情報を前記受信手段により受信すると、少なくとも、前記受信手段により受信した設定操作情報と、当該設定操作情報にかかわる時間情報(例えば、初期化コマンドまたは電断復帰コマンドを受信した時間情報)とを、履歴情報として記憶可能な第2記憶手段(例えば、サブワークRAM2100a)と、
前記設定変更状態または/および前記設定確認状態において前記履歴情報が示される情報画面(例えば、設定変更・確認履歴画面)を前記表示手段に表示可能であるとともに、前記設定変更状態または/および前記設定確認状態が終了すると前記情報画面が表示されないよう当該情報画面の表示を制限可能な表示制御手段(例えば、表示制御回路2300)と、を有し、
前記表示制御手段は、
少なくとも前記設定変更状態が終了したときには、当該設定変更状態が終了したとしても所定時間が経過するまでは前記情報画面の表示を制限せずに前記情報画面を表示可能(例えば、ステップS5312、ステップS5313の処理を実行可能)であるとともに、
前記設定変更状態が終了したとしても、当該設定変更状態が終了したのちに表示される情報画面において当該情報画面にかかる所定の操作が行われる限り、前記情報画面の表示が制限されないよう制御可能(ステップS5313〜ステップS5316の処理を繰り返し可能)に構成される
ことを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、少なくとも、設定操作情報と当該設定操作情報にかかわる時間情報とが履歴情報として示される情報画面を閲覧可能することができるため、設定値にかかわる様々な問題に対応することが可能となる。とくに、例えば権限を有しない第三者による不正を目的とした設定値の変更や設定値の確認が行われた可能性があるときには、情報画面を閲覧することで、上記不正が行われたか否かの追跡を行うことが可能となる。また、過去の履歴情報を閲覧することで、例えばホールの営業に活用できる等、利便性も高められる。
また、上記の情報画面は設定変更状態または/および設定確認状態において表示されるため、例えば権限を有しない第三者が容易に情報画面を閲覧することができないといったセキュリティ性が担保されている。しかも、少なくとも設定変更状態に制御されたときには、設定変更状態が終了してから所定時間が経過するまでは、情報画面にかかる所定の操作が行われる限り情報画面の表示が制限されないようにしたので、操作者の利便性を高めることも可能となる。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、
前記送信手段は、
少なくとも前記一の設定値の変更が行われたときには、前記一の設定値についての設定値情報についても送信可能であり、
前記表示制御手段は、
前記設定変更状態または/および前記設定確認状態において、前記一の設定値についての設定値情報が前記履歴情報に含まれる情報画面を前記表示手段に表示可能に構成されてなる
ことを特徴とする。
上記(2)の遊技機によれば、履歴画面を表示するにあたり、一の設定値についての設定値情報も表示されるため、権限を有する者がより詳しい履歴情報を閲覧することが可能となる。とくに、一の設定値についての設定値情報は営業上にも有益な情報であるため、ホール経営に役立てることが可能となる。
(3)上記(1)または(2)に記載の遊技機において、
前記表示制御手段は、
前記設定変更状態が終了したのちに表示される情報画面において当該情報画面にかかる所定の操作が行われていたとしても、前記受信手段により遊技の進行にかかわる特定の情報を受信すると、前記情報画面の表示を終了する強制終了手段(例えば、ステップS5316においてYESとは判別したときにステップS5317の処理を実行するホスト制御回路2100)を有する
ことを特徴とする。
上記(3)の遊技機によれば、情報画面において当該情報画面に係る所定の操作が行われていたとしても、受信手段により遊技の進行にかかわる特定の情報を受信すると情報画面の表示が強制的に終了するため、遊技の実行が阻害されない。そのため、遊技が実行できる状態を担保しつつ、権限を有する者による操作の利便性を確保できたり、権限を有しない第三者による不正を抑制できたりすることが可能となる。
(4)上記(1)〜(3)のいずれかに記載の遊技機において、
前記設定変更状態が終了したのちに表示される情報画面において、当該情報画面にかかる前記所定の操作を阻害することなく、遊技を実行可能な状態であることを把握可能に構成されてなる(例えば、設定変更中または設定確認中はLED1025が白色で全点灯されるのに対し、設定変更または設定確認が終了したときにLED1025が赤色で全点灯される)
ことを特徴とする。
上記(4)の遊技機によれば、設定変更状態が終了したのちに表示される情報画面において、当該情報画面にかかる所定の操作が行われることを阻害することなく、遊技を実行可能な状態であることを把握することが可能であるため、遊技を実行できるにもかかわらずそれを把握できずに遊技が実行されないといった不具合の発生を防止することが可能となる。
上記第7の課題を解決するために、以下のような構成の付記7−11の遊技機を提供する。
(1)付記7−11の遊技機は、
複数の設定値のうちいずれか一の設定値にもとづいて遊技の進行にかかわる制御を実行可能な第1制御手段(例えば、主制御回路100)と、
所定の表示手段(例えば、表示装置1016)と、
前記表示手段に表示される画像の表示制御を少なくとも実行可能な第2制御手段(例えば、サブ制御回路270)と、
前記一の設定値にかかわる操作に用いられる設定操作手段(例えば、設定キー328)と、
電源が投入されると、前記第1制御手段および前記第2制御手段に電力を供給可能な電力供給手段(例えば、電源供給回路338)と、
を備え、
前記第1制御手段は、
少なくとも前記設定操作手段が操作された状態(例えば、設定キーがON状態)で電源が投入されると、前記一の設定値を変更または確認することが可能な設定状態に制御する設定状態制御手段(例えば、ステップS5024またはステップS5026の処理を実行可能なメインCPU101)と、
少なくとも前記一の設定値についての設定値情報を記憶可能な第1記憶手段(例えば、メインRAM103)と、
各種情報を前記第2制御手段に送信可能であり、少なくとも、前記一の設定値の変更または確認が行われることを示す設定操作情報(例えば、設定操作コマンド)を送信可能な送信手段(例えば、コマンド出力ポート106やステップS5055の処理を実行可能なメインCPU101)と、を有し、
前記第2制御手段は、
前記送信手段から送信された情報を受信可能な受信手段(例えば、中継基板4010)と、
前記設定操作情報を前記受信手段により受信すると、少なくとも、前記受信手段により受信した設定操作情報と、当該設定操作情報にかかわる時間情報(例えば、初期化コマンドまたは電断復帰コマンドを受信した時間情報)とを、履歴情報として記憶可能な第2記憶手段(例えば、サブワークRAM2100a)と、
前記設定状態において、種々の情報が示されうる情報画面(例えば、ホールメニュー画面、ホールメニュー項目の画面)を前記表示手段に表示可能な表示制御手段(例えば、表示制御回路2300)と、を有し、
前記情報画面は、
前記履歴情報が示される履歴画面(例えば、設定変更・確認履歴画面)と、前記履歴情報は示されないものの所定の操作を行うことで前記履歴情報が示されることとなる非履歴画面(例えば、ホールメニュー画面)とを少なくとも含む複数の情報画面を有し、
前記表示制御手段は、
前記表示手段に前記複数の情報画面のうちのいずれか一の情報画面が表示されているときに所定の操作が行われると他の情報画面が表示されるよう制御する画面更新手段(例えば、ステップS8051、ステップS8057、ステップS8073等の処理を実行するホスト制御回路2100)と、
前記設定状態において、前記非履歴画面が表示されているときは前記所定の操作が行なわれなくとも当該非履歴画面を継続して表示する(例えば、ステップS5302のホールメニュー表示処理が実行されたのちのステップS5303の処理においていずれの項目も選択されなかったときはホールメニュー画面を継続して表示する)一方、前記履歴画面が表示されているときは前記所定の操作が所定時間以上にわたって行われなければ当該履歴画面の表示が終了されるよう制御する特定表示制御手段(例えば、ステップS8072においてYESと判別したときにステップS5317の処理を実行するホスト制御回路2100)と、を有する
ことを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、少なくとも、設定操作情報と当該設定操作情報にかかわる時間情報とが履歴情報として示される履歴画面を閲覧可能することができるため、設定値にかかわる様々な問題に対応することが可能となる。とくに、例えば権限を有しない第三者による不正を目的とした設定値の変更や設定値の確認が行われた可能性があるときには、履歴画面を閲覧することで、上記不正が行われたか否かの追跡を行うことが可能となる。また、過去の履歴情報を閲覧することで、例えばホールの営業に活用できる等、利便性も高められる。
また、履歴情報が示されない非履歴画面については所定の操作が行われなくとも継続して表示されるが、履歴情報が示される履歴画面については所定の操作が所定時間以上にわたって行われなければ終了する。そのため、履歴情報が継続して表示され続けてしまうことによって権限のない第三者によって閲覧されてしまうということを防止できる。なお、上記の「継続して表示」には、一旦表示を終了して再表示することも含まれる。すなわち、所定の操作が所定時間以上にわたって行われなかった場合であっても表示されるのか、表示がなされなくなるのかが重要である。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、
前記送信手段は、
少なくとも前記一の設定値の変更が行われたときには、前記一の設定値についての設定値情報についても送信可能であり、
前記表示制御手段は、
前記設定状態において前記履歴画面を前記表示手段に表示するにあたり、前記一の設定値についての設定値情報についても表示するよう構成されてなる
ことを特徴とする。
上記(2)の遊技機によれば、履歴画面を表示するにあたり、一の設定値についての設定値情報も表示されるため、権限を有する者がより詳しい履歴情報を閲覧することが可能となる。とくに、一の設定値についての設定値情報は営業上にも有益な情報であるため、ホール経営に役立てることが可能となる。
上記第7の課題を解決するために、以下のような構成の付記7−12の遊技機を提供する。
(1)付記7−12の遊技機は、
複数の設定値のうちいずれか一の設定値にもとづいて遊技の進行にかかわる制御を実行可能であり、前記一の設定値についての設定値情報を含む遊技の進行にかかわる情報を記憶可能な第1記憶手段を有する第1制御手段(例えば、主制御回路100)と、
所定の表示手段(例えば、表示装置1016)と、
前記表示手段に表示される画像の表示制御を少なくとも実行可能な第2制御手段(例えば、サブ制御回路270)と、
前記一の設定値にかかわる操作に用いられる設定操作手段(例えば、設定キー328)と、
前記第1記憶手段に記憶される情報を消去する操作に用いられる特定操作手段(例えば、バックアップクリアスイッチ330)と、
電源が投入されると、前記第1制御手段および前記第2制御手段に電力を供給可能な電力供給手段(例えば、電源供給回路338)と、
を備え、
前記第1制御手段は、
前記設定操作手段が操作された状態(例えば、設定キーがON状態)で前記特定操作手段が操作され且つ電源が投入されると、前記一の設定値を変更することが可能な設定変更状態に制御する設定変更状態制御手段(例えば、ステップS5024の処理を実行可能なメインCPU101)と、
各種情報を前記第2制御手段に送信可能であり、少なくとも、前記一の設定値の変更が行われることを示す設定変更情報(例えば、設定変更開始コマンド)、前記一の設定値についての設定値情報(例えば、設定値の変更が行われたときの変更後の設定値情報)、および、前記第1記憶手段に記憶される情報を消去する消去処理が実行されたときには当該消去処理が実行されたことを示す情報(例えば、初期化コマンド)を送信可能な送信手段(例えば、コマンド出力ポート106やステップS5055の処理を実行可能なメインCPU101)と、を有し、
前記第2制御手段は、
前記送信手段から送信された情報を受信可能な受信手段(例えば、中継基板4010)と、
前記設定変更情報を前記受信手段により受信すると、少なくとも、前記受信手段により受信した設定変更情報と、当該設定変更情報にかかわる時間情報(例えば、初期化コマンドまたは電断復帰コマンドを受信した時間情報)とを、履歴情報として記憶可能な第2記憶手段(例えば、サブワークRAM2100a)と、
少なくとも前記設定変更状態において前記履歴情報が示される情報画面を前記表示手段に表示可能な情報表示制御手段(例えば、表示制御回路2300)と、
前記消去処理が実行されたことを報知可能な消去実行情報報知手段(例えば、表示制御回路2300、スピーカ1024の音声出力を制御する音声・LED制御回路2200およびLED1025の点灯態様を制御する音声・LED制御回路2200)と、を有し、
前記消去実行情報報知手段は、
前記設定変更状態に制御されることなく前記消去処理(例えば、バックアップクリア処理)が実行されたとき、当該消去処理が実行されたことを把握できる第1態様(例えば、表示装置1016の表示領域内に「RAMがクリアされました」といった文字表示、「RAMがクリアされました」といった音声出力、LED1025の赤色全点灯)で報知する第1報知手段(ホスト制御回路2100)と、
前記設定変更状態に制御されたことにともなって前記消去処理が実行されたとき、前記情報画面の視認が阻害されないよう当該消去処理が実行されたことを前記第1態様よりも把握し難い第2態様(例えば、表示装置1016での表示を行わず、「設定が変更されました。RAMが初期化されました」といった音声出力およびLED1025の赤色全点灯のみ)で報知する第2報知手段(ホスト制御回路2100)と、を有する
ことを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、少なくとも、設定変更情報と当該設定変更情報にかかわる時間情報とが履歴情報として示される情報画面を閲覧可能することができるため、設定値にかかわる様々な問題に対応することが可能となる。とくに、例えば権限を有しない第三者による不正を目的とした設定値の変更等が行われた可能性があるときには、情報画面を閲覧することで、上記不正が行われたか否かの追跡を行うことが可能となる。また、過去の履歴情報を閲覧することで、例えばホールの営業に活用できる等、利便性も高められる。
また、第1記憶手段に記憶される情報を消去する消去処理(例えば、バックアップクリア処理)は、設定変更状態に制御されることなく実行される場合と、設定変更状態に制御されたことにともなって実行される場合とがある。設定変更状態に制御されることなく消去処理が実行されたときは、消去処理が実行されたことを把握できる第1態様で報知されるため、例えば権限を有しない第三者によって消去処理が実行されることを抑制することが可能となる。これに対し、設定変更状態に制御されたことにともなって消去処理が実行されたときは、一の設定値を変更することが主たる目的であり、消去処理はそれにともなって実行されただけであると考えられるため、第1態様よりも把握し難い第2態様で報知されるようにしている。さらに、設定変更状態に制御されたことにともなって消去処理が実行されたときは、履歴情報が示される情報画面が表示されるが、第2態様では、かかる情報画面の視認が阻害されないように消去処理の実行が報知されるため、利便性も担保することが可能となる。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、
所定の音声を出力可能な音声出力手段(例えば、スピーカ1024)をさらに備えるとともに、
前記第2制御手段は、
前記音声出力手段から出力される音声を制御可能な音声制御手段(例えば、音声・LED制御回路2200)をさらに有しており、
前記第1報知手段は、
前記消去処理が実行されたことを、前記表示手段と前記音声出力手段との両方を用いて報知し、
前記第2報知手段は、
前記消去処理が実行されたことを、前記表示手段と前記音声出力手段とのうち前記音声出力手段のみを用いて報知するよう構成されてなる
ことを特徴とする。
上記(2)の遊技機によれば、設定変更状態に制御されることなく消去処理(例えば、バックアップクリア処理)が実行されたときは、表示手段と音声出力手段との両方を用いて報知するため、消去処理が実行されたことを明確に把握することが可能となる。これに対し、設定変更状態に制御されたことにともなって消去処理が実行されたときは、表示手段と音声出力手段とのうち音声出力手段のみを用いて報知するため、情報画面の視認が阻害されないようにしつつも、消去処理の実行を把握することが可能となり、利便性を高めつつ、例えば権限を有しない第三者によって消去処理が実行されることを抑制することが可能となる。
上記構成の付記7−1〜付記7−12の各遊技機によれば、設定値にかかわる問題に対応可能な利便性の高い遊技機を提供することが可能となる。
[11−8.付記8の遊技機]
従来より、所定の条件が成立すると抽選を行い、この抽選の結果にもとづいて図柄の可変表示を行う遊技機が知られている。そして、抽選の結果が特定の結果であることを示す特定の表示結果で表示されると、遊技者に有利な遊技状態に制御される。
この種の遊技機では、上記抽選の結果が特定の結果となる確率等、遊技において遊技者の有利不利に関わる確率を示す複数の設定値のうちいずれか1つの設定値を設定し、以後、設定された設定値にもとづいて遊技の進行が制御される遊技機が知られている(例えば、特開2011−206588号公報の段落[0063]参照)。上記の設定値は、例えばホールの遊技機管理者等、権限を有する者が設定することができる。
(第8の課題)
しかし、設定された設定値にもとづいて遊技の進行が制御される遊技機では、例えば、権限を有しない者によって不正に設定値の変更や設定値の確認が行われたり、ノイズ等により設定値が変更されてしまったり、制御基板が不正に取り替えられる等といった様々な問題が発生することが懸念される。
また、上記の設定値は、ホールおよび遊技者のいずれにとっても重要な要素であるから、権限を有する者によって厳重に管理されるべきものである。
本発明は、そのような点に鑑みてなされたものであり、その目的は、設定値にかかわる問題に対応可能な遊技機を提供することにある。
上記第8の課題を解決するために、以下のような構成の付記8の遊技機を提供する。
(1)付記8の遊技機は、
複数の設定値のうちいずれか一の設定値にもとづいて遊技の進行にかかわる制御を実行可能な第1制御手段(例えば、主制御回路100)と、
所定の表示手段(例えば、表示装置1016)と、
前記表示手段に表示される画像の表示制御を少なくとも実行可能な第2制御手段(例えば、サブ制御回路270)と、
前記一の設定値にかかわる操作に用いられる設定操作手段(例えば、設定キー328)と、
を備え、
前記第1制御手段は、
少なくとも前記設定操作手段が操作されると、前記一の設定値を変更または確認することが可能な設定状態に制御する設定状態制御手段(例えば、ステップS5024またはステップS5026の処理を実行可能なメインCPU101)と、
少なくとも前記一の設定値についての設定値情報を記憶可能な記憶手段(例えば、メインRAM103)と、
各種情報を前記第2制御手段に送信可能であり、少なくとも前記一の設定値についての設定値情報を送信可能な送信手段(例えば、コマンド出力ポート106やステップS5055の処理を実行可能なメインCPU101)と、を有し、
前記第2制御手段は、
前記送信手段から送信された前記設定値情報を受信可能な受信手段(例えば、中継基板4010)と、
前記受信手段により前記設定値情報を受信したことにもとづいて、当該受信した設定値情報と、当該設定値情報に先だって受信した設定値情報とを用いて、前記一の設定値についての適否を判定する設定判定手段(例えば、前回設定値と今回設定値とが一致しているか否かを判別するホスト制御回路2100)と、
前記設定判定手段により前記一の設定値が不適であると判定されると異常時処理を実行する異常時処理実行手段(例えば、設定値異常時処理を実行するホスト制御回路2100)と、を有する
ことを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、第1制御手段から複数回にわたって送信された一の設定値についての設定値情報を用いて、第2制御手段が一の設定値についての適否を判定することが可能となる。すなわち、第1制御手段において一の設定値についての適否を判定することが可能であったとしても、例えば第1制御手段が不正に交換された場合等には、一の設定値が正常であるか異常であるかにかかわらず、第1制御手段では一の設定値が正常であると判定されてしまう。そこで、第2制御手段が一の設定値についての適否を判定することができるようにすることで、例えば第1制御手段が不正に交換された場合等であっても、一の設定値についての適否をただちに発見することが可能となる。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、
前記送信手段は、
前記一の設定値の変更または確認が行われたことを示す設定操作情報(例えば、設定操作コマンド)についても送信可能であり、
前記第2制御手段は、
前記設定操作情報を前記受信手段により受信すると、少なくとも、前記受信手段により受信した設定操作情報と、当該設定操作情報にかかわる時間情報とを、履歴情報として記憶可能な前記記憶手段とは別の記憶手段(例えば、サブワークRAM2100a)と、
所定の操作にもとづいて、前記履歴情報が示される情報画面(例えば、設定変更・確認履歴画面)を所定の表示手段に表示可能な表示制御手段(例えば、表示制御回路2300)と、を有する
ことを特徴とする。
上記(2)の遊技機によれば、所定の操作を行うことで、設定操作情報と当該設定操作情報にかかわる時間情報とが履歴情報として示される情報画面を閲覧可能することができるため、設定値にかかわる様々な問題に対応することが可能となる。とくに、例えば権限を有しない第三者による不正を目的とした設定値の変更や設定値の確認が行われた可能性があるときには、情報画面を閲覧することで、上記不正が行われたか否かの追跡を行うことが可能となる。また、過去の履歴情報を閲覧することで、例えばホールの営業に活用できる等、利便性も高められる。
なお、各種情報を第2制御手段に送信可能な送信手段は、設定操作情報および設定値情報の両方を送信する場合、これらの情報をともに送信してもよいし別々に送信してもよい。設定操作情報は、設定値の変更が行われたときは設定値の変更が行われた旨を示す設定値変更情報であり、設定値の確認が行われたときは設定値の確認が行われた旨を示す設定値確認情報である。また、設定操作情報が設定値変更情報であるとき、設定値情報は、変更後の一の設定値についての設定値情報である。設定操作情報が設定値確認情報であるときは、設定されている一の設定値についての設定値情報を第2制御手段に送信してもよいが、一の設定値の変更が行われていないため、設定値情報を第2制御手段に送信することは必須ではない。
また、「当該設定操作情報にかかわる時間情報」は、設定操作情報を第1制御手段から第2制御手段に送信した時間情報であってもよいし、設定操作情報を第2制御手段が受信した時間であってもよい。
上記構成の付記8の遊技機によれば、設定値にかかわる問題に対応可能な遊技機を提供することが可能となる。
[11−9.付記9の遊技機]
従来より、所定条件の成立にもとづいて抽選を行い、この抽選の結果にもとづいて遊技者に有利な遊技が実行される遊技機が知られている。
この種の遊技機として、1つのデバイスで複数の機能を有する遊技機が提案されている。例えば、特開2012−170505号公報には、遊技者によって押下されるとともに、遊技者にインパクトを与えるために、遊技者の操作とは無関係に遊技機の本体から大きく突出した位置へ飛び出すようにした押しボタンが開示されている。
(第9の課題)
ところで、役物や各種センサ等の動作確認を行う場合、例えば特開2012−170505号公報に記載された押ボタンのように1つのデバイスで複数の機能を有するものについては、メンテナンス性が低下する虞が懸念される。
本発明は、そのような点に鑑みてなされたものであり、その目的は、1つのデバイスで複数の機能を有するものについてのメンテナンス性の向上を図ることが可能な遊技機を提供することにある。
上記第9の課題を解決するために、以下のような構成の付記9の遊技機を提供する。
(1)付記9の遊技機は、
所定条件の成立にもとづいて抽選(例えば、特別図柄抽選)を行い、当該抽選の結果にもとづいて遊技者に有利な遊技を実行可能な遊技機であって、
前記抽選の結果にもとづいて動作可能な役物(例えば、役物群1010)と、
一つで複数の機能を有する複合手段(例えば、演出ボタン1062)と、
遊技の進行に供される各種センサ(例えば、第1始動口スイッチ421等)と、
所定の表示手段(例えば、表示装置1016)と、
少なくとも、前記役物の動作確認、前記複合手段の機能確認および前記各種センサの検出確認を含む複数のメンテナンス項目のうち実行されるメンテナンス項目を決定するメンテナンス項目決定手段(例えば、ステップS8084の処理を実行可能なホスト制御回路2100)と、
前記メンテナンス項目を決定するにあたり、前記役物の動作確認、前記複合手段の機能確認および前記各種センサの検出確認を含む複数のメンテナンス項目のうちいずれかを選択可能な選択画面(例えば、図267のメンテナンス画面)を少なくとも表示するメンテナンス画面表示制御手段(例えば、ステップS8083の処理を実行可能なホスト制御回路2100)と、
を備え、
前記メンテナンス項目決定手段は、
前記メンテナンス画面表示制御手段により表示された前記選択画面において選択されたメンテナンス項目に決定可能であり、
前記メンテナンス画面表示制御手段は、
一つでありながらも複数の機能を有する前記複合手段については、前記選択画面において、機能毎に項目を選択できるよう表示可能に構成される(例えば、図267の「演出ボタン1」の項目と「演出ボタン2」の項目とのうちいずれかを選択できるように表示される)
ことを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、一つでありながらも複数の機能を有する複合手段については、複数のメンテナンス項目のうちいずれかを選択可能な選択画面において機能毎に項目を選択できるよう表示されるため、メンテナンス性の向上を図ることが可能となる。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、
前記複合手段は、
少なくとも、操作機能と、前記抽選の結果にもとづいて実行されうる演出機能とを有しており、
前記メンテナンス項目決定手段は、
前記選択画面において、前記操作機能の項目(例えば、演出ボタン1)が選択されたときは当該操作機能にかかるメンテナンス項目に決定し、前記演出機能の項目(例えば、演出ボタン2)が選択されたときは当該演出機能にかかるメンテナンス項目に決定可能に構成される
ことを特徴とする。
上記(2)の遊技機によれば、操作機能の項目が選択されたときは当該操作機能にかかるメンテナンス項目に決定し、演出機能の項目が選択されたときは当該演出機能にかかるメンテナンス項目に決定可能に構成されるため、操作機能および演出機能のいずれについても適切にメンテナンスを行うことが可能となる。
上記構成の付記9の遊技機によれば、1つのデバイスで複数の機能を有するものについてのメンテナンス性の向上を図ることが可能な遊技機を提供することができる。
[11−10.付記10の遊技機]
従来より、所定条件の成立にもとづいて行われる抽選の結果にもとづいて遊技者に有利な遊技を実行する遊技機において、抽選の結果にもとづいて動作する可動役物を備える遊技機が知られている。
この種の遊技機として、抽選の結果にもとづいて動作する可動役物として、駆動源がそれぞれ異なる第1可動役物および第2可動役物を備える遊技機が開示されている(例えば、特開2018−15273号公報参照)。
(第10の課題)
ところで、駆動源が異なる複数の可動役物を備える例えば特開2018−15273号公報に記載された遊技機では、メンテナンス作業が煩雑で煩わしい虞がある。とくに駆動源が異なる複数の可動役物が互いに干渉する可能性があるときにはそれが顕著である。
本発明は、そのような点に鑑みてなされたものであり、その目的は、駆動源が異なる複数の可動役物を備える場合であっても、メンテナンス作業の煩わしさを軽減することが可能な遊技機を提供することにある。
上記第10の課題を解決するために、以下のような構成の付記10の遊技機を提供する。
(1)付記10の遊技機は、
所定条件の成立にもとづいて抽選(例えば、特別図柄抽選)を行い、当該抽選の結果にもとづいて遊技者に有利な遊技を実行可能な遊技機であって、
前記抽選の結果にもとづいて動作可能であり、駆動源がそれぞれ異なる第1役物および第2役物と、
遊技の進行に供される各種センサ(例えば、第1始動口スイッチ421等)と、
所定の表示手段(例えば、表示装置1016)と、
少なくとも、前記第1役物の動作確認、前記第2役物の動作確認および前記各種センサの検出確認を含む複数のメンテナンス項目のうち実行されるメンテナンス項目を決定するメンテナンス項目決定手段(例えば、ステップS8084の処理を実行可能なホスト制御回路2100)と、
前記メンテナンス項目を決定するにあたり、前記第1役物の動作確認、前記第2役物の動作確認および前記各種センサの検出確認を含む複数のメンテナンス項目のうちいずれかを選択可能な選択画面(例えば、図267のメンテナンス画面)を少なくとも表示するメンテナンス画面表示制御手段(例えば、ステップS8083の処理を実行可能なホスト制御回路2100)と、
を備え、
前記メンテナンス項目決定手段は、
前記メンテナンス画面表示制御手段により表示された前記選択画面において選択されたメンテナンス項目に決定可能であり、
前記メンテナンス画面表示制御手段は、
前記第1役物および前記第2役物それぞれ単独での動作確認のみならず、前記第1役物および前記第2役物の両方を動作させたときの動作確認についても、前記選択画面において選択できるよう表示可能に構成されてなる(例えば、図267の「演出役物1+2」の項目等が表示されてなる)
ことを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、第1役物および第2役物それぞれ単独での動作確認のみならず、第1役物および第2役物の両方を動作させたときの動作確認についても選択画面において選択できるため、メンテナンス作業の煩わしさを軽減することが可能となる。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、
前記メンテナンス画面表示制御手段は、
前記第1役物を動作したのちに前記第2役物を動作させたときの動作確認を、前記選択画面において選択できるよう構成されてなる(例えば、図267の「演出役物1→2」の項目等が表示されてなる)
ことを特徴とする。
上記(2)の遊技機によれば、第1役物の動作開始タイミングと第2役物の動作開始タイミングが異なりうる場合であっても、第1役物を動作したのちに第2役物を動作させたときの動作確認を選択画面において選択できるため、メンテナンス作業の煩わしさを軽減し、さらにはメンテナンス性を向上させることが可能となる。
(3)上記(1)または(2)に記載の遊技機において、
前記抽選の結果にもとづいて動作可能であり、前記第1役物および前記第2役物のいずれとも駆動源が異なる第3役物をさらに備え、
前記メンテナンス画面表示制御手段は、
前記第1役物または/および前記第2役物と前記第3役物とがいずれも動作したときに互いに干渉する可能性があるときは、前記第1役物または/および前記第2役物と前記第3役物とのいずれをも動作させることができない態様で前記選択画面を表示可能に構成されてなる(例えば、図267の「演出役物1+3」の項目を選択できないように表示されてなる)
ことを特徴とする。
上記(3)の遊技機によれば、第1役物または/および第2役物と第3役物とがいずれも動作したときに互いに干渉する可能性があるときは、選択画面において、第1役物または/および第2役物と第3役物とのいずれをも動作させる態様を選択することができないため、メンテナンス性の向上を図ることが可能となる。
上記構成の付記10の遊技機によれば、1つのデバイスで複数の機能を有するものについてのメンテナンス性の向上を図ることが可能な遊技機を提供することができる。
[11−11.付記11−1及び付記11−2の各遊技機]
従来より、所定の条件が成立すると抽選を行い、この抽選の結果にもとづいて図柄の可変表示を行う遊技機が知られている。そして、抽選の結果が特定の結果であることを示す特定の表示結果で表示されると、遊技者に有利な遊技状態に制御される。
この種の遊技機では、上記抽選の結果が特定の結果となる確率等、遊技において遊技者の有利不利に関わる確率を示す複数の設定値のうちいずれか1つの設定値を設定し、以後、設定された設定値にもとづいて遊技の進行が制御される遊技機が知られている(例えば、特開2011−206588号公報の段落[0063]参照)。上記の設定値は、例えばホールの遊技機管理者等、権限を有する者が設定することができる。
(第11の課題)
ところで、設定された設定値にもとづいて遊技の進行が制御される遊技機において、設定値は、出玉にかかわるため、ホールおよび遊技者のいずれにとっても重要な要素である。しかし、例えば電断等の発生により設定値に異常が生じる虞がある。
本発明は、そのような点に鑑みてなされたものであり、その目的は、設定値が適正に維持されることが可能な遊技機を提供することにある。
上記第11の課題を解決するために、以下のような構成の付記11−1の遊技機を提供する。
(1)付記11−1の遊技機は、
複数の設定値のうちいずれか一の設定値にもとづいて遊技の進行にかかわる制御を実行可能であり、前記一の設定値についての設定値情報を含む遊技の進行にかかわる情報を記憶可能な記憶手段(例えば、メインRAM103)を有する制御手段(例えば、主制御回路100)と、
前記一の設定値にかかわる操作に用いられる設定操作手段(例えば、設定キー328)と、
前記記憶手段に記憶される情報を消去する操作に用いられる特定操作手段(例えば、バックアップクリアスイッチ330)と、
電源が投入されると前記制御手段に電力を供給可能な電力供給手段(例えば、電源供給回路338)と、
を備え、
前記制御手段は、
前記設定操作手段がON操作された状態で前記特定操作手段がON操作され且つ電源が投入されると、前記一の設定値を変更することが可能な設定変更状態に制御する状態制御手段(例えば、ステップS5024の処理を実行可能なメインCPU101)を有し、
前記状態制御手段は、
前記設定変更状態において電源の供給が停止されたとき、前記設定操作手段のON操作または/および前記特定操作手段のON操作が行われることなく電源が投入されたとしても、前記設定変更状態に制御可能又は電源の供給が停止されたときの前記設定変更状態で復電可能である(例えば、ステップS5021においてNOと判別したときにステップS5024の処理を実行する)
ことを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、設定変更状態に制御されているときに例えば電断等が発生したとしても、その後に電源投入されると、設定変更状態に制御されるか又は電源の供給が停止されたときの設定変更状態で復電されるため、必ず設定値が設定され、設定値が適正に維持されることとなる。すなわち、例えば設定変更状態において意図しない電断等の発生により設定値が設定されていないといった事態の発生を防止することが可能となる。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、
前記制御手段は、
前記設定変更状態において前記一の設定値が変更されたのち、前記設定操作手段がOFF操作されると、前記一の設定値を、変更されたのちの設定値に確定する設定値確定手段(例えば、ステップS7480の処理を実行するメインCPU101)をさらに有し、
前記設定値確定手段は、
前記設定操作手段がON操作されることなく前記設定変更状態に制御されるか又は電源の供給が停止されたときの前記設定変更状態で復電されたときは、前記設定操作手段がON操作された後さらにOFF操作されたときに、前記一の設定値を、変更されたのちの設定値に確定するよう構成されてなる
ことを特徴とする。
上記(2)の遊技機によれば、設定操作手段がON操作されることなく設定変更状態に制御されるか又は電源の供給が停止されたときの設定変更状態で復電された場合、設定操作手段を一旦ON操作する必要があるものの、設定操作手段をOFF操作するといった通常と変わらない操作を行うことで、一の設定値を確定させることが可能となる。これにより、設定操作手段がON操作されることなく設定変更状態に制御されるか又は電源の供給が停止されたときの設定変更状態で復電された場合であっても、煩雑な操作を行うことなく、好適に、設定値が設定されていないといった事態の発生を防止することが可能となる。
上記第11の課題を解決するために、以下のような構成の付記11−2の遊技機を提供する。
(1)付記11−2の遊技機は、
複数の設定値のうちいずれか一の設定値にもとづいて遊技の進行にかかわる制御を実行可能であり、前記一の設定値についての設定値情報を含む遊技の進行にかかわる情報を記憶可能な記憶手段を有する制御手段(例えば、主制御回路100)と、
前記一の設定値にかかわる操作に用いられる設定操作手段(例えば、設定キー328)と、
前記記憶手段に記憶される情報を消去する操作に用いられる特定操作手段(例えば、バックアップクリアスイッチ330)と、
電源が投入されると前記制御手段に電力を供給可能な電力供給手段(例えば、電源供給回路338)と、
を備え、
前記制御手段は、
前記設定操作手段の操作状態と前記特定操作手段の操作状態とに応じて、電源が投入されたのちの状態を、前記一の設定値を変更することが可能な設定変更状態および前記一の設定値を確認することが可能な設定確認状態を含む複数の状態のうちいずれかに制御可能な状態制御手段(例えば、ステップS5024、ステップS5026、ステップS5028等の処理を実行可能なメインCPU101)を有し、
前記状態制御手段は、
前記設定確認状態において電源の供給が停止され、その後電源が投入されたとき、前記設定操作手段の操作状態と前記特定操作手段の操作状態とに応じて、前記複数の状態のうちいずれかに制御し(例えば、ステップS5022〜ステップS5028の処理を実行し)、
前記設定変更状態において電源の供給が停止され、その後電源が投入されたとき、前記設定操作手段および前記特定操作手段の操作状態にかかわらず前記設定変更状態に制御可能又は電源の供給が停止されたときの設定変更状態で復電可能である(例えば、ステップS5021においてNOと判別したときにステップS5024の処理を実行する)
ことを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、操作者の利便性を確保しつつ、電断等の発生により設定値が設定されていないといった事態の発生を防止することが可能となる。すなわち、設定確認状態は、一の設定値を確認することができるだけで一の設定値の変更を行うことができない状態であるため、例えば意図しない電断等が発生したとしても、一の設定値に影響を及ぼすことは考えにくい。その一方、設定変更状態は、一の設定値を変更することができる状態であるため、例えば意図しない電断等が発生すると、一の設定値に影響を及ぼす虞がある。そこで、設定確認状態において電源の供給が停止されたときは、その後電源が投入されたときに、設定操作手段の操作状態と特定操作手段の操作状態とに応じて複数の状態のうちいずれかに制御されるようにし、設定変更状態において電源の供給が停止されたときは、その後に電源投入されると、設定変更状態に制御されるか又は電源の供給が停止されたときの設定変更状態で復電されるようにすることで、操作者の利便性を確保しつつ、意図しない電断等の発生により設定値が設定されていないといった事態の発生の防止を図るようにしたものである。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、
前記状態制御手段は、
前記設定操作手段がON操作された状態で前記特定操作手段がON操作され且つ電源が投入されると、前記設定変更状態に制御するものであり、
前記制御手段は、
前記設定変更状態において前記一の設定値が変更されたのち、前記設定操作手段がOFF操作されると、前記一の設定値を、変更されたのちの設定値に確定する設定値確定手段をさらに有し、
前記設定値確定手段は、
前記設定操作手段がON操作されることなく前記設定変更状態に制御されるか又は電源の供給が停止されたときの前記設定変更状態で復電されたときは、前記設定操作手段がON操作された後さらにOFF操作されたときに、前記一の設定値を、変更されたのちの設定値に確定するよう構成されてなる
ことを特徴とする。
上記(2)の遊技機によれば、設定操作手段がON操作されることなく設定変更状態に制御されるか又は電源の供給が停止されたときの設定変更状態で復電された場合、設定操作手段を一旦ON操作する必要があるものの、設定操作手段をOFF操作するといった通常と変わらない操作を行うことで、一の設定値を確定させることが可能となる。これにより、設定操作手段がON操作されることなく設定変更状態に制御されるか又は電源の供給が停止されたときの設定変更状態で復電された場合であっても、煩雑な操作を行うことなく、好適に、設定値が設定されていないといった事態の発生を防止することが可能となる。
上記構成の付記11−1および付記11−2の各遊技機によれば、設定値が適正に維持されることが可能な遊技機を提供することができる。
[11−12.付記12の遊技機]
従来より、所定の条件が成立すると抽選を行い、この抽選の結果にもとづいて図柄の可変表示を行う遊技機が知られている。そして、抽選の結果が特定の結果であることを示す特定の表示結果で表示されると、遊技者に有利な遊技状態に制御される。
この種の遊技機では、上記抽選の結果が特定の結果となる確率等、遊技において遊技者の有利不利に関わる確率を示す複数の設定値のうちいずれか1つの設定値を設定し、以後、設定された設定値にもとづいて遊技の進行が制御される遊技機が知られている(例えば、特開2011−206588号公報の段落[0063]参照)。上記の設定値は、例えばホールの遊技機管理者等、権限を有する者が設定することができる。
(第12の課題)
ところで、設定された設定値にもとづいて遊技の進行が制御される遊技機において、設定値は、出玉にかかわるため、ホールおよび遊技者のいずれにとっても重要な要素である。しかし、例えばノイズの発生や不正行為等により設定値に異常が生じる虞がある。
本発明は、そのような点に鑑みてなされたものであり、その目的は、設定値が適正に維持されることが可能な遊技機を提供することにある。
上記第12の課題を解決するために、以下のような構成の付記12の遊技機を提供する。
(1)付記12の遊技機は、
複数の設定値のうちいずれか一の設定値にもとづいて遊技の進行にかかわる制御を実行可能であり、前記一の設定値についての設定値情報を含む遊技の進行にかかわる情報を記憶可能な記憶手段(例えば、メインRAM103)を有する制御手段(例えば、主制御回路100)と、
前記一の設定値にかかわる操作に用いられる設定操作手段(例えば、設定キー328)と、
前記記憶手段に記憶される情報を消去する操作に用いられる特定操作手段(例えば、バックアップクリアスイッチ330)と、
電源が投入されると前記制御手段に電力を供給可能な電力供給手段(例えば、電源供給回路338)と、
を備え、
前記制御手段は、
前記設定操作手段がON操作された状態で前記特定操作手段がON操作され且つ電源が投入されると、前記一の設定値を変更することが可能な設定変更状態に制御する設定変更状態制御手段(例えば、ステップS5024の処理を実行可能なメインCPU101)と、
前記記憶手段に記憶されている情報の適・不適を判別する適正判定手段(例えば、ステップS5721の処理を実行可能なメインCPU101)と、
前記記憶手段に記憶されている情報が不適であると判別されると異常状態(例えば、ステップS5722〜ステップS5727の処理が実行される状態)に制御する異常制御手段(ステップS5722〜ステップS5727の処理を実行するメインCPU101)と、
前記異常状態において電源の供給が停止された場合において、電源投入後に前記設定変更状態に制御されなかったときは、前記記憶手段に記憶される情報を消去する操作が行われたとしても遊技を実行できないよう制御する(例えば、ステップS6770においてNOと判別したときにステップS6790の処理を実行しない)一方、電源投入後に前記設定変更状態に制御されたときに遊技を実行できるよう制御する(例えば、ステップS6770においてYES且つステップS6780においてYESと判別したときにステップS6790の処理を実行する)する遊技実行手段(例えば、ステップS5017の処理を実行するメインCPU101)と、を有する
ことを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、例えばノイズの発生や不正行為等により異常状態が発生し、かかる異常状態において電源の供給が停止された場合において、電源投入後に設定変更状態に制御されなかったときは、たとえ、記憶手段に記憶される情報を消去する操作が行われたとしても遊技を実行することができず、電源投入後に設定変更状態に制御されたときに遊技を実行可能となる。異常状態が発生したとき、記憶手段に記憶される一の設定値情報が異常である可能性が高いため、一の設定値が必ず変更されるように設定変更状態に制御されたときに限り、遊技を実行することができるようにし、設定値が適正に維持されるようにしたものである。
上記構成の付記12の遊技機によれば、設定値が適正に維持されることが可能な遊技機を提供することができる。
[11−13.付記13の遊技機]
従来より、所定の条件が成立すると抽選を行い、この抽選の結果にもとづいて図柄の可変表示を行う遊技機が知られている。そして、抽選の結果が特定の結果であることを示す特定の表示結果で表示されると、遊技者に有利な遊技状態に制御される。
この種の遊技機では、上記抽選の結果が特定の結果となる確率等、遊技において遊技者の有利不利に関わる確率を示す複数の設定値のうちいずれか1つの設定値を設定し、以後、設定された設定値にもとづいて遊技の進行が制御される遊技機が知られている(例えば、特開2011−206588号公報の段落[0063]参照)。上記の設定値は、例えばホールの遊技機管理者等、権限を有する者が設定することができる。
(第13の課題)
しかし、設定された設定値にもとづいて遊技の進行が制御される遊技機では、例えば、権限を有しない者によって不正に設定値の変更や設定値の確認が行われたり、ノイズ等により設定値が変更されてしまう等といった様々な問題が発生することが懸念される。
また、上記の設定値は、ホールおよび遊技者のいずれにとっても重要な要素であるから、権限を有する者によって厳重に管理されるべきものである。
本発明は、そのような点に鑑みてなされたものであり、その目的は、設定値にかかわる問題に対応可能な遊技機を提供することにある。
上記第13の課題を解決するために、以下のような構成の付記13の遊技機を提供する。
(1)付記13の遊技機は、
複数の設定値のうちいずれか一の設定値にもとづいて遊技の進行にかかわる制御を実行可能な第1制御手段(例えば、主制御回路100)と、
所定の表示手段(例えば、表示装置1016)と、
前記表示手段に表示される画像の表示制御を少なくとも実行可能な第2制御手段(例えば、サブ制御回路270)と、
前記一の設定値にかかわる操作に用いられる設定操作手段(例えば、設定キー328)と、
電源が投入されると、前記第1制御手段および前記第2制御手段に電力を供給可能な電力供給手段(例えば、電源供給回路338)と、
を備え、
前記第1制御手段は、
少なくとも前記設定操作手段がON操作された状態(例えば、設定キーがON状態)で電源が投入されると、前記一の設定値を変更または確認することが可能な設定状態に制御する状態制御手段(例えば、ステップS5024、ステップS5026、ステップS5028などの処理を実行可能なメインCPU101)と、
前記設定状態では遊技を実行できないものの前記設定状態が終了すると遊技を実行できるよう制御可能な遊技実行手段(例えば、ステップS5030の遊技復帰処理が未だ実行されていないステップS5020の設定処理では遊技を実行できないもののステップS5020の設定処理が終了するとステップS5030の遊技復帰処理が実行されて遊技の実行を可能とする電源投入時処理を実行するメインCPU101)と、
各種情報を前記第2制御手段に送信可能であり、少なくとも、前記一の設定値の変更または確認が行われることを示す設定操作情報(例えば、操作種別情報)を送信可能な送信手段(例えば、コマンド出力ポート106やステップS5055の処理を実行可能なメインCPU101)と、を有し、
前記第2制御手段は、
前記送信手段から送信された情報を受信可能な受信手段(例えば、中継基板4010)と、
前記受信手段により前記設定操作情報を受信したとき、前記一の設定値の変更または確認が行われたことを示す演出を、遊技を実行できない前記設定状態において実行可能な設定操作演出実行手段(例えば、音声・LED制御回路2200を介してLED1025を赤色で全点灯させる制御を実行するホスト制御回路2100)と、を有し、
前記設定操作演出実行手段は、
前記設定状態が終了して遊技を実行できる状態になったとしても、所定期間が経過するまでは、前記一の設定値の変更または確認が行われたことを示す演出を実行可能に構成される
ことを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、受信手段により設定操作情報を受信したとき、一の設定値の変更または確認が行われることを示す演出を、遊技を実行できない設定状態において実行する。さらには、設定状態が終了して遊技を実行できる状態になったとしても、所定期間が経過するまでは、一の設定値の変更または確認が行われたことを示す演出が実行される。そのため、不正に設定値の変更や設定値の確認が行われるような場合にかかる不正を容易に発見することが可能であるとともに、不正が行われることそのものを抑制することが可能となる。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、
前記設定操作演出実行手段は、
前記設定状態が終了して遊技を実行できる状態になったのち、前記一の設定値の変更または確認が行われたことを示す演出を、遊技を実行できる状態であることを外観で把握できる態様で実行可能に構成される
ことを特徴とする。
上記(2)の遊技機によれば、遊技を実行できる状態であることを外観で把握できる態様で一の設定値の変更または確認が行われたことを示す演出が実行されるため、一の設定値の変更または確認が行われたことを示す演出が実行されつつも、遊技の進行が阻害されることを防止することが可能となる。
(3)上記(1)または(2)に記載の遊技機において、
前記状態制御手段は、
前記一の設定値を変更することが可能な設定変更状態に制御する設定変更状態制御手段
(例えば、ステップS5024の処理を実行可能なメインCPU101)を有するとともに、
前記第2制御手段は、
前記設定操作情報を前記受信手段により受信すると、少なくとも、前記受信手段により受信した設定操作情報と、当該設定操作情報にかかわる時間情報(例えば、初期化コマンドまたは電断復帰コマンドを受信した時間情報)とを、履歴情報として記憶可能な記憶手段(例えば、サブワークRAM2100a)と、
前記設定状態において前記履歴情報が示される情報画面(例えば、設定変更・確認履歴画面)を前記表示手段に表示可能であるとともに、前記設定状態が終了すると前記情報画面が表示されないよう前記情報画面の表示を制限可能な表示制御手段(例えば、表示制御回路2300)と、をさらに有し、
前記表示制御手段は、
前記受信手段により前記設定変更状態が終了したことを示す設定操作情報を受信したとき、前記設定変更状態が終了したとしても、所定時間が経過するまでは前記情報画面の表示を制限せずに前記情報画面を表示可能(例えば、ステップS5312〜ステップS5316の処理を実行可能)に構成される
ことを特徴とする。
上記(3)の遊技機によれば、設定状態では履歴情報が示される情報画面を表示手段に表示可能であるとともに、設定状態が終了すると情報画面の表示が制限される。そのため、設定状態では、履歴情報が示される情報画面を閲覧することにより、設定値にかかわる様々な問題に対応することが可能となる。とくに、例えば権限を有しない第三者による不正を目的とした設定値の変更や設定値の確認が行われた可能性があるときには、情報画面を閲覧することで、上記不正が行われたか否かの追跡を行うことが可能となる。また、過去の履歴情報を閲覧することで、例えばホールの営業に活用できる等、利便性も高められる。さらに、設定状態が終了すると情報画面の表示が制限されるなかで、設定変更状態が終了したことを示す設定操作情報を受信したときには、設定変更状態が終了したとしても、所定時間が経過するまでは情報画面を表示可能となっている。そのため、仮に不正が行われたとしてもかかる不正を容易に発見することが可能であるとともに、不正が行われることそのものを抑制することが可能となる。
上記構成の付記13の遊技機によれば、設定値にかかわる問題に対応可能な遊技機を提供することが可能となる。
[11−14.付記14の遊技機]
従来、パチンコ機等の遊技機において、始動口に遊技球が入賞すると抽選が行われ、この抽選の結果が大当りであると大当り遊技が行われる。
この種の遊技機として、操作手段に対して、遊技者により所定の長押し操作が行われることを条件に特定遊技演出の実行態様を変化させる長押し演出を行い、長押し操作よりも短い短押し操作を複数回行う連打操作が行われることを条件に連打演出を実行することを可能にした遊技機が知られている(例えば、特開2015−065977号公報参照)。この特開2015−065977号公報の遊技機では、長押し操作が行われたか否かを判断する長押し操作受付有効期間内に長押し操作が行われた場合、長押し演出を実行する。
(第14の課題)
特開2015−065977号公報に記載の遊技機のように、操作手段に対して長押し操作が行われたか連打演出が行われたかを判断して制御すると制御負荷が大きくなってしまい、好ましくない。
しかし、近年、さらなる視覚的なインパクトを与えることができる演出を行うことで、興趣を高めることが可能な遊技機が望まれている。
上記第14の課題を解決するために、以下のような構成の付記14の遊技機を提供する。
(1)付記14の遊技機は、
所定時間(例えば、33.3msec)毎に各種処理(例えば、各種リクエスト制御処理)が行われるメイン処理(例えば、メインループの処理)を実行可能な遊技機であって、
所定の操作手段(例えば、メインボタン)と、
前記所定時間よりも短い時間(例えば、1msec)毎に割り込み処理を行い、当該割り込み処理により検出された前記操作手段の入力状態にもとづいて、前記メイン処理で入力情報を生成することが可能な制御手段(例えば、ホスト制御回路2100)と、
を備え、
前記制御手段は、
前記入力情報として、前記操作手段の入力状態がOFF状態からON状態になった後、
前記入力情報として、前記操作手段の入力状態がOFF状態からON状態になった後、当該ON状態が一定時間(例えば、10フレーム)継続したと判定されてから、前記操作手段の入力状態が前記一定時間よりも短い時間(例えば、4フレーム)でON状態が続く限り、定期的にON状態が発生したと判定することが可能な情報(例えば、リピート機能付きONエッジ情報)を生成する入力情報生成手段(例えば、ステップS6309の処理を実行するホスト制御回路2100)と、
前記入力情報生成手段により生成された情報(例えば、前記リピート機能付きONエッジ情報)にもとづいて、所定のデバイスの制御を実行可能なデバイス制御手段(例えば、ホスト制御回路2100)とを有する
ことを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、操作手段の入力状態(例えば、サブデバイスの入力情報)にもとづいて、操作手段の入力状態がOFF状態からON状態になった後、当該ON状態が一定時間継続したと判定されてから、操作手段の入力状態が一定時間よりも短い時間でON状態が続く限り、定期的にON状態が発生したと判定することが可能な情報を生成することで、サブデバイスの連打演出の制御や、長押し演出の制御等といった制御を容易に行うことが可能となる。
また、付記14の遊技機によれば、制御負荷を軽減しつつ、操作手段の態様に応じた制御を実行することが可能となる。
[11−15.付記15−2の各遊技機]
従来、パチンコ機等の遊技機において、始動口に遊技球が入賞すると抽選が行われ、この抽選の結果にもとづいて、例えば液晶表示器などに演出画像が表示される。
この種の遊技機として、バックライトによって発光する表示装置を備える遊技機が開示されている(例えば特開2016−159026号公報参照)。
(第15の課題)
しかし、例えばバックライトの発光手段の輝度が不安定であると、表示装置における演出画像の表示が不安定となるおそれがあり、好ましくない。
上記第15の課題を解決するために、以下のような構成の付記15−1の遊技機および付記15−2の遊技機を提供する。
(1)付記15−1の遊技機は、
所定の態様で発光可能な発光手段(例えば、バックライト)と、
前記発光手段により発光される発光態様に対応する駆動データ(例えば、輝度データ)を所定の領域に記憶するデータ記憶手段(例えば、FIFOのデータ領域)と、
前記データ記憶手段に記憶される前記駆動データに基づく制御信号を、前記発光手段に出力する発光駆動手段(例えば、LSI)と、
前記駆動データを前記データ記憶手段の所定の領域に設定するデータ設定手段(例えば、ステップS6346の処理を実行するホスト制御回路2100)と、
を備え、
前記データ設定手段は、
前記データ記憶手段の前記所定の領域に設定されている駆動データが当該所定の領域に設定可能な駆動データ数が基準データ数になると、新たな前記駆動データを設定するよう構成される
ことを特徴とする。
上記(1)の付記15−1の遊技機によれば、所定のデータ領域に設定されている駆動データが当該所定の領域に記憶可能な駆動データ数が基準データ数になると、新たな駆動データが設定されるので、発光駆動手段により出力される制御信号(例えば、SPIのシリアルデータ出力端子から連続して出力されるPWM相当の信号)を出力することができ、発光手段を、ドライバを介さずに安定して発光させることが可能となる。
なお、上記の「基準データ数」は、データ記憶手段の所定の領域(例えば、FIFOのデータ領域)に設定可能なデータ数が例えば64個までであれば1〜64個が相当するが、データ記憶手段の所定の領域に設定されているデータ数が0にならないようにする必要があることに鑑みれば、2個以上であることが好ましい。また、FIFOのデータ領域にセットできる輝度データの数は64個に限られず、少なくとも2個以上の輝度データをセットできれば良い。このようにFIFOのデータ領域にセットできる輝度データが例えば2個以上であるとき、FIFOのデータ領域にセットされている輝度データが第1の数(例えば2個)を下回ると、第2の数(例えば1個)の輝度データを補充するようにしても良い。
(1)付記15−2の遊技機は、
所定の態様で発光可能な発光手段(例えば、バックライト)と、
前記発光手段により発光される発光態様に対応する駆動データ(例えば、輝度データ)を所定の領域(例えば、FIFOのデータ領域)に記憶するデータ記憶手段(例えば、FIFOのデータ領域)と、
前記データ記憶手段の所定の領域に記憶される前記駆動データに基づく制御信号を、前記発光手段に出力する発光駆動手段(例えば、LSI)と、
前記駆動データを前記データ記憶手段の所定の領域に設定するデータ設定手段(例えば、ステップS6346の処理を実行するホスト制御回路2100)と、
前記データ記憶手段の所定の領域に前記駆動データが設定されてからの経過時間を計時可能な計時手段(例えば、ステップS6356の処理を実行するホスト制御回路2100)と、
を備え、
前記データ設定手段は、
前記計時手段により計時された時間が所定時間以上経過したことにもとづいて、前記駆動データを前記データ記憶手段の所定の領域に設定可能(ステップS6354の処理を実行可能)に構成される
ことを特徴とする。
上記(1)の付記15−2の遊技機によれば、データ記憶手段の所定の領域に前記駆動データが設定されてからの経過時間が所定時間以上経過したことにもとづいて、駆動データがデータ記憶手段の所定の領域に設定される。例えば、何らかの処理に時間を要した場合には、駆動データをデータ記憶手段の所定の領域に設定するタイミングにいたるまでの間に、データ記憶手段の所定の領域に設定されている駆動データがなくなってしまうおそれがある。この点、この遊技機によれば、駆動データをデータ記憶手段の所定の領域に設定するタイミングでなかったとしても、上記時間が所定時間以上経過したことにもとづいて駆動データがデータ記憶手段の所定の領域に設定されるので、所定のデータ領域に設定されている駆動データが空になってしまうことを防止できる。そのため、発光駆動手段により出力される制御信号(例えば、SPIのシリアルデータ出力端子から連続して出力されるPWM相当の信号)を出力することができ、発光手段をドライバを介さずに安定して発光させることが可能となる。
また、付記15−1の遊技機、付記15−2の遊技機によれば、発光手段の発光が不安定となることを抑制することが可能となる。
[11−16.付記16−2の各遊技機]
従来、パチンコ機等の遊技機において、始動口に遊技球が入賞すると抽選が行われ、この抽選の結果にもとづいて、液晶表示器などに演出画像が表示される。
この種の遊技機として、前面側に設けられた複数のLED等の発光体からなる発光装置を所定の態様で発光させることで、演出や装飾の用に供される遊技機が知られている。また、これらの発光装置の輝度を、予め設定されている範囲内で遊技者等が調整することが可能な遊技機が開示されている(例えば、特開2008−295551号公報参照)。
(第16の課題)
ところで、近年、前面側に設けられた複数のLED等の発光体からなる発光装置も含めて、演出が派手なものとなってきている。そのため、発光装置の輝度が高いと、遊技者によってはそれがストレスに感じることもある。発光装置の輝度を遊技者等が操作できれば、遊技者が所望の輝度に調整することはできるが、それだけでは不十分な場合もある。
上記第16の課題を解決するために、以下のような構成の付記16−1の遊技機および付記16−2の遊技機を提供する。
(1)付記16−1の遊技機は、
所定の態様で発光可能な第1の発光手段(例えば、バックライト)と、
前記第1の発光手段の輝度を、複数段階のうちのいずれかに変更可能な操作手段(例えば、表示装置1016として用いられる液晶表示装置に表示される輝度設定画面)と、
前記操作手段が操作されたことにもとづいて、前記第1の発光手段の輝度を複数段階のうちのいずれかに変更可能な第1発光制御手段(例えば、ステップS6384の処理を実行するホスト制御回路2100)と、
前記第1の発光手段とは別に設けられる第2の発光手段(例えば、盤側LEDや枠側LED)と、
前記第2の発光手段の輝度を変更可能な第2発光制御手段(例えば、ステップS6385の処理を実行するホスト制御回路2100)と、
を備え、
前記第2発光制御手段は、
前記操作手段が操作されたことにもとづいて、前記第1の発光手段の輝度が変更されるタイミングとは異なるタイミングで、前記第2の発光手段の輝度を前記複数段階のうちのいずれかに変更可能に構成されている
ことを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、第1の発光手段の輝度を変更可能な操作手段が操作されると、第1の発光手段の輝度が変更されるタイミングとは異なるタイミングで第2の発光手段の輝度も変更されるなかで、第2の発光手段の輝度も複数段階のうちのいずれかに変更されるので、遊技者による輝度の変更にかかる自由度をより高めることが可能となる。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、
前記第1の発光手段により発光される発光態様に対応する駆動データを所定の領域に記憶するデータ記憶手段(例えば、FIFOのデータ領域)と、
前記データ記憶手段に記憶される前記駆動データに基づく制御信号を、前記第1の発光手段に出力する発光駆動手段(例えば、LSI)と、
前記駆動データを前記データ記憶手段の所定の領域に設定するデータ設定手段(例えば、ステップS6346の処理を実行するホスト制御回路2100)と、
を備え、
前記データ設定手段は、
前記データ記憶手段の前記所定の領域に設定されている駆動データが当該所定の領域に記憶可能な駆動データ数が基準データ数になると、新たな前記駆動データを設定するものであるとともに、
前記操作手段が操作されたときには、前記新たな駆動データとして、輝度が変更されたのちの駆動データを設定するよう構成される
ことを特徴とする。
上記(2)の遊技機によれば、所定のデータ領域に設定されている駆動データが当該所定の領域に記憶可能な駆動データ数が基準データ数になると、新たな駆動データが設定されるので、発光駆動手段により出力される制御信号(例えば、SPIのシリアルデータ出力端子から連続して出力されるPWM相当の信号)を出力することができ、発光手段をドライバを介さずに安定して発光させることが可能となる。しかも、輝度が変更されたときには、変更後の駆動データが新たな駆動データとして設定されるので、設定された輝度に応じて安定して第1の発光手段を発光させることが可能となる。
なお、上記の「基準データ数」は、データ記憶手段の所定の領域(例えば、FIFOのデータ領域)に設定可能なデータ数が例えば64個までであれば1〜64個が相当するが、データ記憶手段の所定の領域に設定されているデータ数が0にならないようにする必要があることに鑑みれば、2個以上であることが好ましい。また、FIFOのデータ領域にセットできる輝度データの数は64個に限られず、少なくとも2個以上の輝度データをセットできれば良い。このようにFIFOのデータ領域にセットできる輝度データが例えば2個以上であるとき、FIFOのデータ領域にセットされている輝度データが第1の数(例えば2個)を下回ると、第2の数(例えば1個)の輝度データを補充するようにしても良い。
(1)付記16−2の遊技機は、
所定条件の成立のもとづいて抽選を行う抽選手段(例えば、ステップS5045の処理を実行するメインCPU101)と、
所定の演出画像が表示される表示手段(例えば、表示装置1016として用いられる液晶表示装置)と、
前記抽選の結果にもとづいて、前記表示手段において図柄(例えば、演出用識別図柄)の変動表示を行う変動表示制御手段(例えば、表示制御回路2300)と、
所定の態様で発光可能な第1の発光手段(例えば、バックライト)と、
前記第1の発光手段の輝度を、複数段階のうちのいずれかに変更可能な操作手段(例えば、表示装置1016として用いられる液晶表示装置に表示される輝度設定画面)と、
前記操作手段が操作されたことにもとづいて、前記第1の発光手段の輝度を、複数段階のうちのいずれかに変更可能な第1発光制御手段(例えば、ステップS6394の処理を実行するホスト制御回路2100)と、
前記第1の発光手段とは別に設けられる第2の発光手段(例えば、盤側LEDや枠側LED)と、
前記第2の発光手段の発光態様を、所定のリクエストにもとづいて制御する第2発光制御手段(ステップS6392の処理を実行するホスト制御回路2100)と、
を備え、
前記第2発光制御手段は、
前記操作手段が操作されたことにもとづいて、前記第2の発光手段の輝度を、前記第1の発光手段の輝度が変更されたのちであって且つ前記図柄の変動表示が終了したのちに変更(例えば、ステップS6399の処理を実行)可能に構成されている
ことを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、操作手段が操作されると第1の発光手段の輝度を変更することができる。また、第2の発光手段の輝度は、第1の発光手段の輝度が変更されたのちであって且つ図柄の変動表示が終了したのちに変更される。ここで、第2の発光手段の発光態様は、所定のリクエストにもとづいて制御されるため、図柄の変動表示が終了したのちに第2の発光手段の輝度を変更することで、制御負荷を最小限に抑えつつ、第1の発光手段および第2の発光手段の輝度を変更することが可能となる。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、
前記第1の発光手段により発光される発光態様に対応する駆動データを所定の領域に記憶するデータ記憶手段(例えば、FIFOのデータ領域)と、
前記データ記憶手段に記憶される前記駆動データに基づく制御信号を、前記第1の発光手段に出力する発光駆動手段(例えば、LSI)と、
前記駆動データを前記データ記憶手段の所定の領域に設定するデータ設定手段(例えば、ステップS6346の処理を実行するホスト制御回路2100)と、
を備え、
前記データ設定手段は、
前記データ記憶手段の前記所定の領域に設定されている駆動データが当該所定の領域に記憶可能な駆動データ数が基準データ数になると、新たな前記駆動データを設定するものであるとともに、
前記操作手段が操作されたときには、前記新たな駆動データとして、輝度が変更されたのちの駆動データを設定するよう構成される
ことを特徴とする。
上記(2)の遊技機によれば、所定のデータ領域に設定されている駆動データが当該所定の領域に記憶可能な駆動データ数が基準データ数になると、新たな駆動データが設定されるので、発光駆動手段により出力される制御信号(例えば、SPIのシリアルデータ出力端子から連続して出力されるPWM相当の信号)を出力することができ、発光手段をドライバを介さずに安定して発光させることが可能となる。しかも、輝度が変更されたときには、変更後の駆動データが新たな駆動データとして設定されるので、設定された輝度に応じて安定して第1の発光手段を発光させることが可能となる。
なお、上記の「基準データ数」は、データ記憶手段の所定の領域(例えば、FIFOのデータ領域)に設定可能なデータ数が例えば64個までであれば1〜64個が相当するが、データ記憶手段の所定の領域に設定されているデータ数が0にならないようにする必要があることに鑑みれば、2個以上であることが好ましい。また、FIFOのデータ領域にセットできる輝度データの数は64個に限られず、少なくとも2個以上の輝度データをセットできれば良い。このようにFIFOのデータ領域にセットできる輝度データが例えば2個以上であるとき、FIFOのデータ領域にセットされている輝度データが第1の数(例えば2個)を下回ると、第2の数(例えば1個)の輝度データを補充するようにしても良い。
また、付記16−1の遊技機、付記16−2の遊技機によれば、発光装置の輝度をより好適に遊技者等が調整することが可能な遊技機を提供することができる。
[11−17.付記17の遊技機]
従来、パチンコ機等の遊技機において、始動口に遊技球が入賞すると抽選が行われ、この抽選の結果にもとづいて、液晶表示器などに演出画像が表示される。
この種の遊技機として、前面側に設けられた複数のLED等の発光体からなる発光装置を所定の態様で発光させることで、演出や装飾の用に供される遊技機が知られている。また、これらの発光装置の輝度を、予め設定されている範囲内で遊技者等が調整することが可能な遊技機が開示されている(例えば、特開2008−295551号公報参照)。
(第17の課題)
ところで、近年、前面側に設けられた複数のLED等の発光体からなる発光装置も含めて、演出が派手なものとなってきている。そのため、発光装置から受ける光の強度が高いと、遊技者によってはそれがストレスに感じることもある。
上記第17の課題を解決するために、以下のような構成の付記17の遊技機を提供する。
(1)付記17の遊技機は、
本発明に係る遊技機は、
所定の態様で発光可能な第1の発光手段(例えば、バックライト)と、
前記第1の発光手段の輝度を、複数段階のうちのいずれかに変更可能な操作手段(例えば、表示装置1016として用いられる液晶表示装置に表示される輝度設定画面)と、
前記操作手段が操作されたことにもとづいて、前記第1の発光手段の輝度を複数段階のうちのいずれかに変更可能な第1発光制御手段(例えば、ステップS6394の処理を実行するホスト制御回路2100)と、
前記第1の発光手段とは別に設けられる第2の発光手段(例えば、盤側LEDや枠側LED)と、
前記第2の発光手段の発光態様を変更可能な第2発光制御手段(例えば、ステップS6406の処理を実行するホスト制御回路2100)と、
を備え、
前記第2発光制御手段は、
前記操作手段が操作されたことにもとづいて、前記第1の発光手段の輝度が変更されるタイミングとは異なるタイミングで、前記第2の発光手段により実行される発光演出の態様を制限して実行可能に構成されている
ことを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、第1の発光手段の輝度を変更可能な操作手段が操作されると、第2の発光手段により実行される発光演出の態様が制限される。そのため、簡単な処理で、第2の発光手段から受ける光の強度を抑えることが可能となる。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、
前記第1の発光手段により発光される発光態様に対応する駆動データを所定の領域に記憶するデータ記憶手段(例えば、FIFOのデータ領域)と、
前記データ記憶手段に記憶される前記駆動データに基づく制御信号を、前記第1の発光手段に出力する発光駆動手段(例えば、LSI)と、
前記駆動データを前記データ記憶手段の所定の領域に設定するデータ設定手段(例えば、ステップS6346の処理を実行するホスト制御回路2100)と、
を備え、
前記データ設定手段は、
前記データ記憶手段の前記所定の領域に設定されている駆動データが当該所定の領域に記憶可能な駆動データ数が基準データ数になると、新たな前記駆動データを設定するものであるとともに、
前記操作手段が操作されたときには、前記新たな駆動データとして、輝度が変更されたのちの駆動データを設定するよう構成される
ことを特徴とする。
上記(2)の遊技機によれば、所定のデータ領域に設定されている駆動データが当該所定の領域に記憶可能な駆動データ数が基準データ数になると、新たな駆動データが設定されるので、発光駆動手段により出力される制御信号(例えば、SPIのシリアルデータ出力端子から連続して出力されるPWM相当の信号)を出力することができ、発光手段をドライバを介さずに安定して発光させることが可能となる。しかも、輝度が変更されたときには、変更後の駆動データが新たな駆動データとして設定されるので、設定された輝度に応じて安定して第1の発光手段を発光させることが可能となる。
なお、上記の「基準データ数」は、データ記憶手段の所定の領域(例えば、FIFOのデータ領域)に設定可能なデータ数が例えば64個までであれば1〜64個が相当するが、データ記憶手段の所定の領域に設定されているデータ数が0にならないようにする必要があることに鑑みれば、2個以上であることが好ましい。また、FIFOのデータ領域にセットできる輝度データの数は64個に限られず、少なくとも2個以上の輝度データをセットできれば良い。このようにFIFOのデータ領域にセットできる輝度データが例えば2個以上であるとき、FIFOのデータ領域にセットされている輝度データが第1の数(例えば2個)を下回ると、第2の数(例えば1個)の輝度データを補充するようにしても良い。
このように、付記17の遊技機によれば、発光装置から受ける光の強度を好適に遊技者等が調整することが可能な遊技機を提供することができる。
[11−18.付記18の遊技機]
従来、パチンコ機等の遊技機において、例えば、RTC(リアルタイムクロック)に依存する演出が行われる遊技機が知られている。
この種の遊技機では、電源投入時等にRTCの異常判定を行い、異常があれば日時の報知を行い、RTCの異常が認められた場合に、これに素早く対処できるようにした遊技機が公知である(例えば特開2017−51853号公報(例えば段落[0094])参照)。
(第18の課題)
特開2017−51853号公報に記載の遊技機によれば、RTCに異常があれば日時の報知が行われるため素早く対処できる可能性はあるものの、RTC異常により日時を取得できない場合、RTCに依存する演出を行うことができなくなるおそれがある。
上記第18の課題を解決するために、以下のような構成の付記18の遊技機を提供する。
(1)付記18の遊技機は、
時刻情報を出力可能なリアルタイムクロック(例えば、RTC)と、
前記リアルタイムクロックから時刻情報を取得し、該取得した時刻を現在時刻情報に更新可能な時刻情報管理手段(例えば、ステップS6413の処理を実行するホスト制御回路2100)と、
前記現在時刻情報が特定の時刻情報(例えば、指定時刻)であることにもとづいて特定演出(例えば、RTC演出)を実行可能な演出実行手段(例えば、ホスト制御回路2100)と、
前記リアルタイムクロックの異常を判定する異常判定手段(例えば、ステップS6414の処理を実行するホスト制御回路2100)と、
を備え、
前記時刻情報管理手段は、
前記リアルタイムクロックが異常であると判定されると、前記時刻情報管理手段により前回取得された前回時刻情報を現在時刻情報として維持(例えば、ステップS6415)し、前記リアルタイムクロックが正常であると判定されると前記前回時刻情報を現在時刻情報に更新(例えば、ステップS6416の処理)可能に構成されており、
前記演出実行手段は、
現在時刻情報が前記特定の時刻情報であって(ステップS6417におけるYES)、前記前回時刻情報と現在時刻情報とが一致しない(ステップS6418におけるYES)ことを条件に前記特定演出を実行する(ステップS6419)よう構成されている
ことを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、RTC異常であったとしても、RTCに依存する演出を好適に行うことが可能となる。
[11−19.付記19−1、付記19−2の各遊技機]
従来、パチンコ機等の遊技機において、始動口に遊技球が入賞すると抽選が行われ、この抽選の結果にもとづいて、表示装置などに演出画像が表示される。抽選の結果が大当りであると、大当り遊技が開始される。
この種の遊技機として、圧縮された画像データをデコードし、デコード後の画像データを適宜変換処理した上でフレームバッファに格納し、表示装置に出力されるようにした遊技機が知られている(例えば特開2014−87402号公報(例えば段落[0100]参照))。
(第19の課題)
近年、表示装置に表示される演出画像のバリエーションが増え、演出画像にかかる制御が複雑化する傾向にある。このような場合、演出画像にかかる制御を効率よく行うことが望まれる。
上記第19の課題を解決するために、以下のような構成の付記19−1の遊技機および付記19−2の遊技機を提供する。
(1)付記19−1の遊技機は、
描画機能を有する描画出力先バッファと表示機能を有するフレームバッファとの間で、互いの機能を切り替える処理(例えば、バンクフリップ)を実行可能な遊技機であって、
所定の表示手段に表示される演出画像にかかわる画像情報(例えば、コンポジション)を、前記描画出力先バッファに登録可能な登録手段(例えば、ステップS6449やステップS6458を実行可能な表示制御回路2300)と、
前記描画出力先バッファから前記フレームバッファに切り替えられた後(例えば、ステップS6446の処理が行われた後)、前記登録手段により登録された画像情報にもとづいて、前記所定の表示手段に演出画像が表示されるよう制御する演出画像表示制御手段(例えば、表示制御回路2300)と、
を備え、
前記登録手段は、
前記描画出力先バッファから切り替えられた前記フレームバッファに登録されている前記画像情報に、画像を一時停止させる画像情報が含まれているとき(例えば、ステップS6447においてYESと判別されるとき)、前記画像情報を前記描画出力先バッファに登録する第1登録手段(例えば、ステップS6449の処理を実行する表示制御回路2300)と、
前記描画出力先バッファに登録されている画像情報がなかったとしても(例えば、ステップS6444においてNOと判別されたとしても)、前記所定の表示手段に表示された演出画像が、前記フレームバッファに登録されている画像情報の上限に達したときに(例えば、ステップS6450においてYESと判別されたとき)、前記画像情報を前記描画出力先バッファに登録する第2登録手段(例えば、ステップS6458を実行可能な表示制御回路2300)とを有する
ことを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、画像情報が登録されていないことを条件に画像情報が登録されるなかで、画像情報が登録されていたとしても、登録されている画像情報に特定の画像情報が含まれているときに画像情報が登録されるので、演出画像にかかる制御を効率よく行うことが可能となる。
(1)付記19−2の遊技機は、
所定の演出画像を再生可能な複数の表示手段(例えば、ディスプレイ)と、
前記複数の表示手段に再生される演出画像にかかわる画像情報を制御可能な表示制御手段(例えば、表示制御回路2300)と、
を備え、
前記表示制御手段は、
前記表示手段において同時に再生される画像情報にかかるレイヤー数の適正性を判定するレイヤー数判定手段(例えば、ステップS6441の処理を実行する表示制御回路2300)と、
前記レイヤー数が適正であるとき(例えば、ステップS6441においてYESと判定されるとき)に、前記演出画像の再生に用いられる表示手段の数の適正性を判定する表示手段数判定手段(例えば、ステップS6442の処理を実行する表示制御回路2300)と、
前記演出画像の再生に用いられる表示手段の数が適正であるとき(例えば、ステップS6442においてYESと判定されるとき)に、前記画像情報の登録対象となる表示手段の存在を判定する表示手段存在判定手段(例えば、ステップS6443の処理を実行する表示制御回路2300)と、
前記画像情報の登録対象となる表示手段が存在するとき(例えば、ステップS6443においてYESと判定されるとき)に、当該表示手段において再生される画像情報を登録する画像情報登録手段(例えば、ステップS6449やステップS6458の処理を実行する表示制御回路2300)とを有するとともに、
前記複数の表示手段のうち一の表示手段において再生される画像情報を前記画像情報登録手段により登録した後、当該画像情報が当該一の表示手段とは別の他の表示手段に登録されるように、前記表示手段数判定手段による判定および前記表示手段存在判定手段による判定を行う(ステップS6459の処理を実行したのちステップS6442に戻る処理を行う)よう構成されている
ことを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、表示手段が複数あって、画像情報にかかるレイヤー数が適正であるときに、一の表示手段に表示される演出画像にかかわる画像情報が登録されたのち、一の表示手段とは異なる他の表示手段に表示される演出画像にかかわる画像情報が登録されるので、レイヤー数が適正であると判別された画像情報を、効率よく登録することが可能となる。
このように、付記19−1の遊技機、付記19−2の遊技機によれば、演出画像にかかる制御を効率よく行うことが可能な遊技機を提供することができる。
[11−20.付記20−1、付記20−2の各遊技機]
従来、パチンコ機等の遊技機において、始動口に遊技球が入賞すると抽選が行われ、この抽選の結果にもとづいて、例えば液晶表示器などに演出画像が表示される。また、このような演出画像の他、音声演出も出力される。
この種の遊技機として、デジタルアンプの異常を判定するタイミングに達しているか否かを判定し、例えば、数秒程度の時間間隔で判定される動作判定タイミングに達している場合に、入力ポートPi2から異常通知信号ERRを取得して、デジタルアンプが異常レベルか否かを判定する遊技機が知られている(特開2016−209723号公報(例えば段落[0178]、[0179])参照)。
(第20の課題)
近年、液晶表示器などに表示される演出画像のバリエーション増加等により、演出内容が高度化し、興趣の向上が図られている。しかし、演出内容の高度化にともなって遊技音の演出内容も高度化の傾向にあり、正常な遊技音を出力するためには、遊技音を増幅する増幅装置の判定処理が適切に行われる必要がある。
上記第20の課題を解決するために、以下のような構成の付記20−1の遊技機および付記20−2の遊技機を提供する。
(1)付記20−1の遊技機は、
所定時間が経過する毎に所定処理(例えば、メイン処理や割り込み処理など)を実行可能な遊技機であって、
遊技音を出力可能な出力手段(例えば、スピーカ1024)と、
前記出力手段から出力される遊技音を増幅可能な増幅手段(例えば、デジタルオーディオパワーアンプ2620)と、
前記増幅手が正常であるか否かの異常判定処理を行う異常判定手段(例えば、ステップS6503、ステップS6511、ステップS6515等の処理を実行するホスト制御回路2100)と、
を備え、
前記異常判定手段は、
前記異常判定処理を複数回の異常判定処理(例えば、ステップS6503、ステップS6511、ステップS6515等の処理)に分けて実行可能であるとともに、
前記所定時間内に実行される1回の前記所定処理(例えば、1フレーム)において前記複数回に分けられた異常判定処理(例えば、ステップS6503、ステップS6511、ステップS6515)の一部を実行し、次回以降の前記所定処理において残りの異常判定処理の一部または全部を実行可能に構成される
ことを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、所定処理(例えば、1フレーム)内で増幅手段(例えば、通常用アンプや重低音用アンプ)の異常判定処理の一部ずつが複数フレームにわたって行われるため、各増幅手段の異常判定処理の全部を、複数フレームにわたって実行することが可能となる。
(2)付記20−1の遊技機の別例は、
所定時間が経過する毎に所定処理(例えば、メイン処理や割り込み処理など)を実行可能な遊技機であって、
遊技音を出力可能な出力手段(例えば、スピーカ1024)と、
前記出力手段から出力される遊技音を増幅可能な増幅手段(例えば、デジタルオーディオパワーアンプ2620)と、
前記増幅手段についての設定情報の確認処理を行う設定情報確認手段(例えば、ステップS6506〜S6507、ステップS6522〜S6523等の処理を実行するホスト制御回路2100)と、
を備え、
前記設定情報確認手段は、
前記確認処理を複数回の確認処理に分けて実行可能であるとともに、
前記所定時間内に実行される1回の前記所定処理において前記複数回に分けられた確認処理(例えば、ステップS6506〜S6507、ステップS6522〜S6523等の処理を実行するホスト制御回路2100)の一部を実行し、次回以降の前記所定処理において残りの確認処理の一部または全部を実行可能に構成される
ことを特徴とする。
上記(2)の遊技機によれば、所定処理(例えば、1フレーム)内で増幅手段(例えば、通常用アンプや重低音用アンプ)の設定情報の確認処理の一部ずつが複数フレームにわたって行われるため、各増幅手段の設定情報の確認処理の全部を、複数フレームにわたって実行することが可能となる。
(1)付記20−2の遊技機は、
所定時間が経過する毎に所定処理(例えば、メイン処理や割り込み処理など)を実行可能な遊技機であって、
遊技音を出力可能な出力手段(例えば、スピーカ1024)と、
前記出力手段から出力される遊技音を増幅可能な増幅手段(例えば、デジタルオーディオパワーアンプ2620)と、
前記増幅手段にが正常であるか否かの異常判定処理を、複数回の異常判定処理(例えば、チェックステータス=0,2,3の処理)に分けて実行可能であり、当該複数回の異常判定処理を複数回の前記所定処理にわたって行う異常判定手段(例えば、ステップS6503、ステップS6511、ステップS6515等の処理を実行するホスト制御回路2100)と、
前記異常判定処理の進捗度を管理する進捗度管理手段(例えば、チェックステータスを管理するホスト制御回路2100)と、
を備え、
前記進捗度管理手段は、
前記複数回の異常判定処理(例えば、チェックステータス=0,2,3の処理)のうち一の判定処理が一の所定処理において完了したか否かを判定可能であり、
前記異常判定手段は、
前記一の所定処理において前記一の異常判定処理(例えば、チェックステータス0の処理)が完了したときは次回以降(例えば、次フレーム以降)の所定処理において当該一の異常判定処理とは異なる他の異常判定処理(例えば、チェックステータス2の処理)を実行し、前記一の所定処理において前記一の異常判定処理(例えば、チェックステータス0の処理)が完了しなかったときは次回以降の所定処理において当該一の異常判定処理(例えば、チェックステータス0の処理)を再び実行可能に構成される
ことを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、所定処理(例えば、1フレーム)内で増幅手段(例えば、通常用アンプや重低音用アンプ)の異常判定処理の一部ずつが複数フレームにわたって行われるため、各増幅手段の異常判定処理の全部を、複数フレームにわたって実行することが可能となる。しかも、一の所定処理(例えば、1フレームのメイン処理や割り込み処理など)において一の異常判定処理が完了しなかったときは次回以降(例えば、次フレーム以降)の所定処理において当該一の異常判定処理が再び実行されるため、いずれの異常判定処理についても完了するまで実行されることとなる。
(2)付記20−2の遊技機の別例は、
所定時間が経過する毎に所定処理(例えば、メイン処理や割り込み処理など)を実行可能な遊技機であって、
遊技音を出力可能な出力手段(例えば、スピーカ1024)と、
前記出力手段から出力される遊技音を増幅可能な増幅手段(例えば、デジタルオーディオパワーアンプ2620)と、
前記増幅手段についての設定情報の確認処理を、複数回の確認処理(例えば、チェックステータス=1,5の処理)に分けて実行可能であり、当該複数回の確認処理を複数回の前記所定処理にわたって行う設定情報確認手段(例えば、ステップS6506〜S6507、ステップS6522〜S6523等の処理を実行するホスト制御回路2100)と、
前記設定情報の確認処理の進捗度を管理する進捗度管理手段(例えば、チェックステータスを管理するホスト制御回路2100)と、
を備え、
前記進捗度管理手段は、
前記複数回の確認処理(例えば、チェックステータス=1,5の処理)のうち一の確認処理が一の所定処理において完了したか否かを判定可能であり、
前記設定情報確認手段は、
前記一の所定処理において前記一の確認処理(例えば、チェックステータス=1の処理)が完了したときは次回以降の所定処理において当該一の確認処理とは異なる他の確認処理(例えば、チェックステータス=5の処理)を実行し、前記一の所定処理において前記一の確認処理が完了しなかったときは次回以降の所定処理において当該一の確認処理を再び実行可能に構成される
ことを特徴とする。
上記(2)の遊技機によれば、所定処理(例えば、1フレーム)内で増幅手段(例えば、通常用アンプや重低音用アンプ)の設定情報の確認処理の一部ずつが複数フレームにわたって行われるため、各増幅手段の設定情報の確認処理の全部を、複数フレームにわたって実行することが可能となる。しかも、一の所定処理(例えば、1フレームのメイン処理や割り込み処理など)において一の確認処理が完了しなかったときは次回以降(例えば、次フレーム以降)の所定処理において当該一の確認処理が再び実行されるため、いずれの確認処理についても完了するまで実行されることとなる。
このように、付記20−1の遊技機、付記20−2の遊技機によれば、増幅装置の判定処理を適切に行うことが可能な遊技機を提供することができる。
[11−21.付記21−1、付記21−2の各遊技機]
従来、パチンコ機等の遊技機において、始動口に遊技球が入賞すると抽選が行われ、この抽選の結果にもとづいて、例えば液晶表示器などに演出画像が表示される。また、このような演出画像の他、遊技音もスピーカから出力される。
この種の遊技機として、SAC番号を音声制御レジスタに書込むことでシンプルアクセスコントローラを機能させて、音声メモリから遊技音等の音声データを出力する遊技機が開示されている(例えば、特開2017−79971号公報参照)。
(第21の課題)
近年、演出画像のバリエーション増加にともなって遊技音のバリエーションも増加しているが、例えば複数の遊技音が重なってしまうと、せっかくの遊技音による効果も半減してしまうおそれがある。
上記第21の課題を解決するために、以下のような構成の付記21−1の遊技機および付記21−2の遊技機を提供する。
(1)付記21−1の遊技機は、
遊技音データにかかわる音情報(例えば、SAC番号)をチャンネルに割り当てて設定可能な設定手段(例えば、ホスト制御回路2100)と、
前記チャンネルに割り当てられた前記音情報にもとづいて遊技音を出力可能な音出力手段(例えば、音声・LED制御回路)と、
を備え、
前記設定手段は、
一のチャンネルに音情報を割り当てるにあたり、当該一のチャンネルに複数の音情報が設定される場合(例えば、ステップS6542の処理においてYESと判別される場合)において、
前記複数の音情報が特定の音情報(例えば、SHOT再生およびLOOP再生のチェイン再生)であるとき、当該複数の音情報のうちいずれか一方の音情報(例えば、ループ再生)を、少なくとも所定時間(例えば、1フレーム)以上遅延させて設定する第1設定手段(例えば、ステップS6544の処理を実行するホスト制御回路2100)と、
前記複数の音情報が前記特定の音情報とは異なる非特定の音情報であること(例えば、ステップS6543の処理においてNOと判別されること)を条件に、前記所定時間以上遅延させることなく(例えば、当該フレームにおいて)当該複数の音情報を設定する第2設定手段(例えば、ステップS6546やステップS6547の処理を実行するホスト制御回路2100)とを有する
ことを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、一のチャンネルに複数の音情報が設定される場合に、この複数の音情報が特定の音情報であるときはいずれか一方の音情報が遅延して設定されるので、遅延させることによる音効果(例えば、消音による音効果)を享受することができる。一方、複数の音情報が非特定の音情報であれば、遅延させることなく複数の音情報が設定されるので、迅速に処理を行うことができる。すなわち、状況に応じて遅延したり遅延しないようにすることで、遅延による遊技音効果をいかしつつ、処理の迅速性を担保することが可能となる。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、
前記特定の音情報は、
1回だけ再生される第1音情報(例えば、SHOT再生)と、複数回にわたって再生される第2音情報(LOOP再生)とを少なくとも含んでおり、
前記第1設定手段は、
前記第1音情報を設定してから所定時間以上遅延させて前記第2音情報を設定可能に構成されている
ことを特徴とする。
上記(2)の遊技機によれば、1回だけ再生される第1音情報が設定されてから所定時間以上遅延させて、複数回にわたって再生される第2音情報が設定されるので、1回だけ再生される第1音情報が聞き取りにくくなることを防止することが可能となる。
(1)付記21−2の遊技機は、
遊技音データにかかわる音情報(例えば、SAC番号)をチャンネルに割り当てて設定可能な設定手段(例えば、音声・LED制御回路)と、
前記チャンネルに割り当てられた前記音情報にもとづいて遊技音を出力可能な音出力手段と、
を備え、
前記設定手段は、
一のチャンネルに音情報を割り当てるにあたり、当該一のチャンネルに複数の音情報が設定される場合(例えば、ステップS6542の処理においてYESと判別される場合)において、
前記複数の音情報が特定の音情報(例えば、SHOT+ループのチェイン再生)であるとき、当該複数の音情報のうちいずれか一方の音情報(例えば、ループ再生)を、少なくとも所定時間(例えば、1フレーム)以上遅延させて設定する第1設定手段(例えば、ステップS6544の処理を実行するホスト制御回路2100)と、
前記複数の音情報が前記特定の音情報とは異なる非特定の音情報であること(例えば、ステップS6543の処理においてNOと判別されること)を条件に、前記所定時間以上遅延させることなく(例えば、当該フレームにおいて)当該複数の音情報を設定する第2設定手段(例えば、ステップS6546やステップS6547の処理を実行するホスト制御回路2100)と、
を有し、
前記第2設定手段は、
全チャンネルに対して消音設定されているとき(例えば、ステップS6545の処理においてYESと判別されるとき)には当該消音設定を上書きせずに音情報を設定する(例えば、ステップS6546の処理を行う)一方、全チャンネルに対する消音設定ではなく一のチャンネルに対する消音設定であるとき(例えば、ステップS6545においてNOと判別されるとき)には当該消音設定を上書きして音情報を設定(例えば、ステップS6547の処理を行う)可能に構成される
ことを特徴とする。
(1)上記1の遊技機によれば、一のチャンネルに複数の音情報が設定される場合に、この複数の音情報が特定の音情報であるときはいずれか一方の音情報が遅延して設定されるので、遅延させることによる音効果(例えば、消音による音効果)を享受することができる。一方、複数の音情報が非特定の音情報であれば、遅延させることなく複数の音情報が設定されるので、迅速に処理を行うことができる。すなわち、状況に応じて遅延したり遅延しないようにすることで、遅延による遊技音効果をいかしつつ、処理の迅速性を担保することが可能となる。さらに、複数の音情報が非特定の音情報であるときには、全チャンネルに対して消音設定されているときには当該消音設定を上書きせずに音情報を設定し、全チャンネルに対する消音設定ではなく一のチャンネルに対する消音設定であるときには消音設定を上書きして音情報を設定するので、必要な間(例えば、特別図柄の変動表示が終了したときに次の特別図柄の変動表示が開始されるまでの間)を確保することが可能となる。
このように、付記21−1、付記21−2の遊技機によれば、遊技音の出力を好適に行うことが可能な遊技機を提供することができる。
[11−22.付記22の遊技機]
従来、パチンコ機等の遊技機において、始動口に遊技球が入賞すると抽選が行われ、この抽選の結果にもとづいて、例えば液晶表示器などに演出画像が表示される。また、このような演出画像の他、遊技音もスピーカから出力される。
この種の遊技機として、液晶表示器などに表示される演出画像に連動して、遊技を盛り上げる音声を出力する遊技機が開示されている(例えば、特開2014−144066号公報参照)。
(第22の課題)
しかし、特開2014−144066号公報に記載の遊技機では、二次ボリュームを固定値に維持し、一次ボリュームによって演出音の音量を制御しているため、演出音の音量のバリエーションを増やすには限界がある。
上記第22の課題を解決するために、以下のような構成の付記22の遊技機を提供する。
(1)付記22の遊技機は、
所定の遊技音を出力可能な出力手段(例えば、スピーカ1024)と、
前記出力手段から出力される遊技音にかかわる音データ(例えば、音声データ)を設定可能な音データ設定手段(例えば、ホスト制御回路2100)と、
複数の再生チャンネル(例えばCH1〜CH31)を有し、前記出力手段から出力される音量を制御可能な音量制御手段(例えば、サウンドリクエストを実行するホスト制御回路2100)と、
を備え、
前記音量制御手段は、
所定の操作(例えば、ハードウェアスイッチ操作やユーザによる画面操作)が行われたことにもとづいて、前記複数の再生チャンネルの全部に対して音量にかかわる情報を変更可能な第1ボリューム制御手段(例えば、ハードウェアスイッチによるボリューム制御2810、ボリューム設定画面によるユーザーボリューム制御2820およびデバッグ時のデバッグボリューム制御2830を実行するホスト制御回路2100)と、
前記複数の再生チャンネルのうちそれぞれの再生チャンネル毎に、音量にかかわる情報を変更可能な第2ボリューム制御手段(例えば、第1の再生チャンネル一次制御2840、第2の再生チャンネル一次制御2850、および、音声データに組み込まれているボリューム制御2860,2870,2880を実行するホスト制御回路2100))と、
を有し、前記第1ボリューム制御手段による音量にかかわる情報と前記第2ボリューム制御手段による音量にかかわる情報とを掛け合わせて前記出力手段から出力される音量を変更可能に構成され構成されており、
前記第2ボリューム制御手段は、
再生チャンネル毎に、前記所定の操作が行われると前記音量にかかわる情報が変更されるよう制御するボリューム制御(第1の再生チャンネル一次制御2840)と、
再生チャンネル毎に、前記所定の操作が行われたとしても、当該操作が行われる前後において一定の音量にかかわる情報(例えば、エラー音や違法行為時の警報音)が出力されるよう制御するボリューム制御(第2の再生チャンネル一次制御2850)とを実行可能に構成される
ことを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、出力手段から出力される遊技音が、第1ボリューム制御手段による音量にかかわる情報と、第2ボリューム制御手段による音量にかかわる情報とを掛け合わせて規定されるため、遊技音の音量に多様性を持たせることが可能となる。しかも、第2ボリューム制御手段は、再生チャンネル毎に、所定の操作が行われたとしても、当該操作が行われる前後において一定の音量にかかわる情報が出力されるよう制御する。これにより、所定の操作が行われたとしても、当該操作が行われる前後において一定の音量にかかわる情報が出力される制御を、全体チャンネルではなく特定の再生チャンネルにおいてのみ実行することが可能となる。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、
前記第1ボリューム制御手段は、
デバッグ時のデバッグボリューム制御により音量にかかわる情報を制御可能である
ことを特徴とする。
上記(2)の遊技機によれば、デバッグ時に、遊技で使用される遊技音データをそのまま用いることができ、デバッグ時の作業効率を向上させることが可能となる。
また、付記22の遊技機によれば、演出音の音量のバリエーションに多様性を持たせることが可能な遊技機を提供することができる。
[11−23.付記23−1〜付記23−58の各遊技機]
従来、パチンコ機等の遊技機において、始動口に遊技球が入賞すると抽選が行われ、この抽選の結果にもとづいて、例えば液晶表示器などに演出画像が表示される。また、このような演出画像の他、遊技音もスピーカから出力される。
この種の遊技機として、遊技者の操作によってスピーカから出力される遊技音の音量を調整可能な遊技機が開示されている(例えば、特開2011−229766号公報参照)。
(第23の課題)
しかし、遊技音の操作によってスピーカから出力される遊技音の音量を調整できるようにした場合、例えばエラー音や警告音などのように音量を変更したくない音にまで影響を及ぼす可能性があり、好ましくない。
上記第23の課題を解決するために、以下のような構成の付記23−1〜付記23−5の遊技機を提供する。
(1)付記23−1の遊技機は、
所定の遊技音を出力可能な複数の出力手段(例えば、スピーカ1024)と、
前記出力手段から出力される音量を操作可能な操作手段(例えば、ボリューム設定画面)と、
前記操作手段が操作されたことにもとづいて前記音量を制御可能な音制御手段(例えば、サウンドリクエスト制御処理を実行するホスト制御回路2100)と、
を備え、
前記出力手段から出力される音量は、少なくとも、前記操作手段が操作されたとしても当該操作が行われる前後において一定音量の情報を有する第1情報(例えば、第2の再生チャンネル一次制御2850により出力される音声信号)と、前記操作手段が操作されたことにもとづいて変更される音量の情報を有する第2情報(例えば、第1の再生チャンネル一次制御2840により出力される音声信号)とによって規定され、
前記複数の出力手段には、特定の音の出力に使用される専用出力手段(例えば、専用スピーカ)と、当該特定の音以外の音の出力に使用される共用出力手段(例えば、共用スピーカ)とが少なくとも含まれており、
前記音制御手段は、
前記専用出力手段については、前記操作手段が操作されたとしても当該操作が行われる前後において一定音量が出力されるよう前記第1情報を出力する制御を実行可能な特定音制御手段(例えば、ステップS6559を実行するホスト制御回路2100)と、
前記共用出力手段については、前記操作手段が操作されたことにもとづいて音量が変更されるよう前記第2情報を出力する制御を実行可能な非特定音制御手段(例えば、ステップS6558を実行するホスト制御回路2100)とを有する
ことを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、特定の音の出力に使用される専用出力手段については、音量を操作可能な操作手が操作されたとしても当該操作が行われる前後において一定音量が出力されるよう制御される。すなわち、音量を操作可能が操作手段の操作前後で音量が変化することなく一定音量が出力される。また、特定の音以外の音の出力に使用される共用出力手段については、音量を操作可能な操作手が操作されたことにもとづいて音量情報が変更される第2情報が出力されるため、音量の調整を好適に行うことが可能となる。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、
前記専用出力手段は振動用のスピーカである
ことを特徴とする。
上記(2)の遊技機によれば、特定の音(例えば、エラー音や警告音等)を、振動用のスピーカから一定の音量で出力することが可能となる。
(3)上記(1)または(2)の遊技機において、
電源投入時(例えば、ステップS6201の各種初期化処理時)に、前記複数の出力手段のうちのいずれを前記専用出力手段とするかを設定する専用出力設定手段(例えば、ステップS6201の処理を実行するホスト制御回路2100)をさらに備え、
前記特定の音にかかるデータ(例えば、SAC番号で指定された特定の音にかかる音声データ)には、当該特定の音の出力先が前記専用出力手段である旨が規定されている
ことを特徴とする。
上記(3)の遊技機によれば、電源投入時に、特定の音にかかるデータの出力先が専用出力手段に規定されるので、いずれの出力手段を専用出力手段とするかを設定可能であるとともに、一定音量が出力される特定の音にかかる音声データには、専用出力手段から出力されると規定されているので、汎用性を高めることが可能となる。
(1)付記23−2の遊技機は、
所定の遊技音を出力可能な出力手段(例えば、スピーカ1024)と、
前記出力手段から出力される音量を操作可能な操作手段(例えば、ボリューム設定画面)と、
複数の再生チャンネルを有し、前記操作手段が操作されたことにもとづいて前記音量を制御可能な音制御手段(例えば、サウンドリクエスト制御処理を実行するホスト制御回路2100)と、
を備え、
前記出力手段から出力される音量は、少なくとも、前記操作手段が操作されたとしても当該操作が行われる前後において一定音量の情報を有する第1情報(例えば、第2の再生チャンネル一次制御2850により出力される音声信号)と、前記操作手段が操作されたことにもとづいて変更される音量の情報を有する第2情報(例えば、第1の再生チャンネル一次制御2840により出力される音声信号)とによって規定され、
前記複数の再生チャンネルには、特定の音の出力に使用される専用チャンネルと、当該特定の音以外の音の出力に使用される共用チャンネルとが少なくとも含まれており、
前記音制御手段は、
前記専用チャンネルについては、前記操作手段が操作されたとしても当該操作が行われる前後において一定音量が出力されるよう前記第1情報を出力する制御を実行可能な特定音制御手段(例えば、ステップS6580を実行するホスト制御回路2100)と、
前記共用チャンネルについては、前記操作手段が操作されたことにもとづいて音量が変更されるよう前記第2情報を出力する制御を実行可能な非特定音制御手段(例えば、ステップS6581を実行するホスト制御回路2100)とを有する
ことを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、特定の音の出力に使用される専用チャンネルについては操作手段が操作されたとしても、当該操作が行われる前後において一定音量が出力されるよう制御される。すなわち、音量を操作可能が操作手段の操作前後で音量が変化されずに一定の音量情報が出力される。また、特定の音以外の音の出力に使用される共用チャンネルについては、音量を操作可能な操作手が操作されたことにもとづいて音量が変更されるよう制御されるため、音量の調整を好適に行うことが可能となる。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、
電源投入時に、前記特定の音の出力に使用される専用チャンネル(例えば、CH31、CH32)と、前記特定の音以外の音の出力に使用される共用チャンネル(例えば、CH1〜CH30)とを設定するチャンネル設定手段(例えば、ステップS6201の処理を実行するホスト制御回路2100)と、
前記特定の音および前記特定の音以外の音それぞれのデータにかかる音情報(例えば、SAC番号)を、前記専用チャンネルまたは前記共用チャンネルに登録する音情報登録手段(例えば、SAC番号を登録するホスト制御回路2100)と、
をさらに備えることを特徴とする。
上記(2)の遊技機によれば、電源投入時に、特定の音の出力に使用される専用チャンネルと、特定の音以外の音の出力に使用される共用チャンネルとが設定されるとともに、特定の音および特定の音以外の音それぞれのデータにかかる音情報が各チャンネルに登録されるので、汎用性を高めることが可能となる。
(1)付記23−3の遊技機は、
所定の遊技音を出力可能な出力手段(例えば、スピーカ1024)と、
前記出力手段から出力される音量を操作可能な操作手段(例えば、ボリューム設定画面)と、
再生チャンネルを有し、前記操作手段が操作されたことにもとづいて前記音量を制御可能な音制御手段(例えば、サウンドリクエスト制御処理を実行するホスト制御回路2100)と、
を備え、
前記出力手段から出力される音量は、少なくとも、前記操作手段が操作されたとしても当該操作が行われる前後において一定音量の情報を有する第1情報(例えば、第2の再生チャンネル一次制御2850により出力される音声信号)と、前記操作手段が操作されたことにもとづいて変更される音量の情報を有する第2情報(例えば、第1の再生チャンネル一次制御2840により出力される音声信号)とによって規定され、
前記音制御手段は、
前記再生チャンネルで再生中の遊技音のデータが特定の音の特定データであるか否かを判別するデータ判別手段(例えば、ステップS6599を実行するホスト制御回路2100)と、
前記再生チャンネルで再生中の遊技音のデータが前記特定データであると前記データ判別手段により判別されると、前記操作手段が操作されたとしても当該操作が行われる前後において一定音量が出力されるよう前記第1情報を出力する制御を実行可能な特定音制御手段(例えば、ステップS6600を実行するホスト制御回路2100)と、
前記再生チャンネルで再生中の遊技音のデータが非特定データであると前記データ判別手段により判別されると、前記操作手段が操作されたことにもとづいて音量が変更されるよう前記第2情報を出力する制御を実行可能な非特定音制御手段(例えば、ステップS6601を実行するホスト制御回路2100)とを有する
ことを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、再生中の遊技音のデータが特定データであると判別されると、操作手段が操作されたとしても当該操作が行われる前後において一定音量が出力されるよう制御されるとともに、再生中の遊技音のデータが非特定データであると判別されると、操作手段が操作されたことにもとづいて音量が変更されるよう制御されるため、音量の調整を好適に行うことが可能となる。
(1)付記23−4の遊技機は、
所定の遊技音を出力可能な出力手段(例えば、スピーカ1024)と、
前記出力手段から出力される音量を操作可能な操作手段(例えば、ボリューム設定画面)と、
再生チャンネルを有し、前記操作手段が操作されたことにもとづいて前記音量を制御可能な音制御手段(例えば、サウンドリクエスト制御処理を実行するホスト制御回路2100)と、
を備え、
前記出力手段から出力される音量は、少なくとも、前記操作手段が操作されたとしても当該操作が行われる前後において一定音量の情報を有する第1情報(例えば、第2の再生チャンネル一次制御2850により出力される音声信号)と、前記操作手段が操作されたことにもとづいて変更される音量の情報を有する第2情報(例えば、第1の再生チャンネル一次制御2840により出力される音声信号)とによって規定され、
前記音制御手段は、
前記再生チャンネルで再生される音出力に対応する音情報(例えば、SAC番号)が特定の音情報であるとき、前記操作手段が操作されたとしてもも当該操作が行われる前後において一定音量が出力されるよう、前記再生チャンネルに前記第1情報を設定可能な特定音制御手段(例えば、ステップS6621を実行するホスト制御回路2100)と、
前記再生チャンネルで再生される遊技音に対応する音情報(例えば、SAC番号)が非特定の音情報であるとき、前記操作手段が操作されたことにもとづいて音量が変更されるよう、前記再生チャンネルに前記第2情報を設定可能な非特定音制御手段と(例えば、ステップS6623を実行するホスト制御回路2100)とを有する
ことを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、再生チャンネルで再生される音出力に対応する音情報(例えば、SAC番号)が特定の音情報であると、操作手段が操作されたとしても一定音量が出力されるよう制御されるとともに、再生チャンネルで再生される遊技音に対応する音情報(例えば、SAC番号)が非特定の音情報であると、操作手段が操作されたことにもとづいて音量が変更されるため、音量の調整を好適に行うことが可能となる。
(1)付記23−5の遊技機は、
所定の遊技音を出力可能な出力手段(例えば、スピーカ1024)と、
前記出力手段から出力される音量を操作可能な操作手段(例えば、ボリューム設定画面)と、
再生チャンネルを有し、前記操作手段が操作されたことにもとづいて前記音量を制御可能な音制御手段(例えば、サウンドリクエスト制御処理を実行するホスト制御回路2100)と、
を備え、
前記出力手段から出力される音量は、少なくとも、前記操作手段が操作されたとしても当該操作が行われる前後において一定音量の情報を有する第1情報(例えば、第2の再生チャンネル一次制御285により出力される音声信号)と、前記操作手段が操作されたことにもとづいて変更される音量の情報を有する第2情報(例えば、第1の再生チャンネル一次制御2840により出力される音声信号)と、前記再生チャンネルに登録された音情報から特定される音データに組み込まれている音量の情報を有する第3情報(例えば。音声データに組み込まれているボリューム制御2860,2870,2880により出力される音声信号)とによって規定され、
前記音制御手段は、
前記再生チャンネルに登録された音情報(例えば、SAC番号)から特定される音データが特定の音データ(例えば、ボリューム調整の影響を受けない音データ)であるときに、当該特定の音データであることを識別可能な識別情報(例えば、各チャンネルがボリューム調整の影響を受けるかどうかを示すフラグ)をあらかじめ設定する識別情報設定手段(例えば、ステップS6632の処理を実行するホスト制御回路2100)と、
前記再生チャンネルに音量を設定するにあたり、前記音情報(例えば、SAC番号)から特定される音データが前記特定の音データであると前記識別情報により識別できるとき(例えば、ステップS6637においてYESと判別されるとき)、前記操作手段が操作されたとしても、当該操作が行われる前後において一定音量が出力されるよう前記第1情報を前記再生チャンネルに設定可能な第1音量設定手段(例えば、ステップS6641の処理を実行可能なホスト制御回路2100)と、
前記再生チャンネルに音量を設定するにあたり、前記音情報から特定される音データが前記特定の音データでないと前記識別情報により識別できるとき(例えば、ステップS6637においてNOと判別されるとき)、前記操作手段が操作されたことにもとづいて音量が変更されるよう前記第2情報を前記再生チャンネルに設定可能な第2音量設定手段(例えば、ステップS6638の処理を実行可能なホスト制御回路2100)と、
前記再生チャンネルに音量を設定するにあたり、第3情報を前記再生チャンネルに設定する第3音量設定手段(例えば、ステップS6644の処理を実行可能なホスト制御回路2100)とを有する
ことを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、再生チャンネルに登録された音情報から特定される音データが特定の音データであることを識別可能な識別情報をあらかじめ設定し、音情報から特定される音情報が特定の音データであると識別情報により識別できるとき、操作手段が操作されたとしても一定音量が出力されるよう設定する。また、再生チャンネルに登録された音情報から特定される音データにもとづいて音量が変更されるよう設定する。さらに、再生チャンネルに登録された音情報から特定される音データに組み込まれている音量の情報を有する第3情報が再生チャンネルに設定される。このようにして、音量の調整を好適に行うことが可能となる。
なお、上記の遊技機では、再生チャンネルに登録された音情報(例えば、SAC番号)から特定される音データが特定の音データであると識別情報により識別できるとき(例えば、ステップS6637においてYESと判別されるとき)、操作手段が操作されたとしても、当該操作が行われる前後において一定音量が出力されるようにしているが、この場合の一定音量は、常に最大音量にかかわる情報であっても良い。ただし、再生チャンネルに登録された音情報から特定される音データが特定の音データ(一定の音量にかかわる第1情報)であったとしても、再生チャンネルに登録された音情報(例えば、SAC番号)から特定される音データに組み込まれている音量と掛け合わされるため、出力される音量が一定の音量でない場合がある。
このように、付記23−1〜付記23−5の各遊技機によれば、音量の調整を好適に行うことが可能な遊技機を提供することができる。
[11−24.付記24の遊技機]
従来、パチンコ機等の遊技機において、例えばLED等の発光体からなる発光手段を遊技機の前面側に備え、この発光手段を所定の態様で点灯させたり点滅させる発光演出を行う遊技が知られている。
この種の遊技機として、発光手段の輝度を、例えば遊技者等による操作で調整することが可能な遊技機が知られている(例えば、特開2008−295551号公報参照)。
(第24の課題)
特開2008−295551号公報に記載の遊技機によれば、発光手段の輝度を遊技者等による操作で挑戦することができるものの、発光手段がフルカラーで発光可能である場合、輝度を変えると発光色まで著しく変わってしまうおそれがある。
上記第24の課題を解決するために、以下のような構成の付記24の遊技機を提供する。
(1)付記24の遊技機は、
所定の発光手段(例えば、ランプ(LED)群25)と、
前記発光手段の輝度を選択できるよう操作可能な操作手段(例えば、表示装置1016として用いられる液晶表示装置に表示される輝度設定画面)と、
前記発光手段の輝度にかかわる輝度情報(例えば、輝度減衰率)として、複数色(例えば、RGB)それぞれについて輝度情報が設定された輝度情報テーブル(例えば、減衰テーブル)を記憶する記憶手段(例えば、サブメインROM2050)と、
前記操作手段により輝度が選択されると、前記輝度情報テーブルにもとづいて前記発光手段の輝度を制御可能な輝度制御手段(例えば、ホスト制御回路2100)と、
を備え、
前記記憶手段は、
前記操作手段により選択可能な輝度に対応して、前記複数色それぞれに対して前記輝度情報が設定されている輝度情報テーブルを記憶しており、
前記輝度制御手段は、
前記操作手段により選択された輝度に対応する前記輝度情報テーブルにもとづいて、前記複数色のうち青の減衰率が最も大きく且つ赤の減衰率が最も小さくなるように前記発光手段の輝度を制御可能に構成されている
ことを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、複数色それぞれに対して設定された輝度情報にもとづいて、複数色のうち青の減衰率が最も大きく且つ赤の減衰率が最も小さくなるように発光手段の発光が制御されるため、例えば遊技者等の操作によって発光手段の輝度が変更されたとしても、発光色の変化を抑制すなわちホワイトバランスを維持することが可能となる。
このように、上記(1)の遊技機によれば、発光色の変化を抑制しつつ輝度を変えることが可能な遊技機を提供することができる。
[11−25.付記25の遊技機]
従来、パチンコ機等の遊技機において、始動口に遊技球が入賞すると抽選が行われ、この抽選の結果にもとづいて、例えば液晶表示器などに演出画像が表示される。
この種の遊技機として、可動体を遊技盤に配設し、かかる可動体を作動させることによって遊技者にインパクトを与え、遊技に対する意欲を高めさせるようにした遊技機が提案されている。(例えば特開2006−288694号公報参照)。
(第25の課題)
例えば特開2006−288694号公報のように可動体を作動させるようにした遊技機では、近年、可動体の動きが多様化しており、それにともなって可動体を作動させる制御が複雑化している。そのため、近年では、可動体の動きに多様性を持たせつつも制御負荷を抑制できる遊技機が望まれている。
上記第21の課題を解決するために、以下のような構成の付記25の遊技機を提供する。
(1)付記25の遊技機は、
所定の役物と、
前記所定の役物の作動を制御可能な制御手段(例えば、ホスト制御回路2100)と、
前記役物を構成する部材を作動させることが可能な作動部材(例えば、ソレノイド)と、
複数の発光手段(例えば、LED)と、
前記複数の発光手段のうちのいずれかと接続されることで当該接続された発光手段に対して信号を送信可能な複数の接続部(例えば、Port0〜Port23)と、
前記接続部をとおして前記発光手段に信号を送信することで当該発光手段を制御可能な発光制御手段(例えば、音声・LED制御回路2200)と、
を備え、
前記作動部材は、
前記複数の接続部のうちのいずれかと接続され、前記発光制御手段からの信号により前記役物を構成する部材を作動させることが可能に構成されており、
前記制御手段は、
前記複数の接続部のうちのいずれかと接続された作動部材を、前記所定の役物と同期させて作動させることが可能に構成されている
ことを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、役物の動きの多様化により作動部材の数が増えたとしても、かかる役物の動きの多様性を維持しつつ、役物を作動させるための制御負荷を抑制するとともに、役物と作動部材とを同期させることが可能となる。
このように、上記(1)の遊技機によれば、制御負荷を抑制可能な遊技機を提供することができる。
[11−26.付記26の遊技機]
従来、パチンコ機等の遊技機において、始動口に遊技球が入賞すると抽選が行われ、この抽選の結果にもとづいて、例えば液晶表示器などに演出画像が表示される。
この種の遊技機として、液晶表示器に表示される静止画や動画の圧縮データを記憶するCGROMから圧縮データを読み出して、当該読み出した圧縮データを伸張して液晶表示器に出力すべき画像データを生成する遊技機が知られている(例えば特開2016−159026号公報参照)。
(第26の課題)
しかし、特開2016−159026号公報に記載されているように、例えばCGROMから圧縮データを読み出して出力すべき画像データを生成する際に、データ量が多いとロード処理に時間を要してしまう。この場合、ロード処理が正常に進行しているにもかかわらずウォッチドッグリセットがかかってしまうことがあり、好ましくない。
上記第26の課題を解決するために、以下のような構成の付記26の遊技機を提供する。
(1)付記26の遊技機は、
遊技にかかわる遊技データが記憶された読込専用記憶領域(例えば、サブメインROM2050やCGROM2060)と、
遊技にかかわる遊技データを読み書き可能な揮発性記憶領域(例えば、SRAM2100bや内蔵VRAM2370)と、
前記読込専用記憶領域に記憶された前記遊技データを読み込んで前記揮発性記憶領域に書き込むロード処理を実行する転送実行手段(例えば、図228のデータロード処理を実行するホスト制御回路2100)と、
ウォッチドッグタイマと、
所定時間経過すると前記ウォッチドッグタイマの計時をクリアするクリア手段(例えば、CPUプロセッサを有するホスト制御回路2100)と、
を備え、
前記転送実行手段は、
前記ロード処理が所定時間を超えると前記ウォッチドッグタイマをリセットし、前記ロード処理を再び実行するロード再処理手段(ステップS6656の処理を実行するホスト制御回路2100)を有する
ことを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、転送実行手段によるロード処理に要する時間が所定の上限値を超えた場合にロード処理を終了し、再びロード処理を実行するようにしているため、ロード処理に時間を要した場合であっても、自動復帰することが可能となる。
このように、付記26の遊技機によれば、ロード処理に時間を要する場合であっても、好適に、ロード処理を進行させることが可能となる。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、
前記クリア手段は、
前記ロード処理が前記所定時間を超えていないときは前記ウォッチドッグタイマをクリアし(例えば、ステップS6655の処理)、前記ロード処理が前記所定時間を超えたときに限り、前記ウォッチドッグタイマの計時をクリアせずにエラー処理(例えば、ステップS6656の処理)が実行されるように構成されており、
前記転送実行手段は、
前記エラー処理として前記ロード処理を再び実行するものである
ことを特徴とする。
上記(2)の遊技機によれば、ロード処理が所定時間を超えていないときはウォッチドッグタイマがクリアされる一方で、ロード処理が所定時間を超えたときに限りウォッチドッグタイマをクリアせずにエラー処理が実行されるので、ロード処理がエラーの発生により完了できなかったことを把握することが可能となる。
[11−27.付記27−1、付記27−2の各遊技機]
従来、パチンコ機等の遊技機において、始動口に遊技球が入賞すると抽選が行われ、抽選の結果が大当りであると大当り遊技が行われる。また、演出画像が表示される例えば液晶表示器を備えており、この液晶表示器には、抽選により決定された演出画像が表示される。
この種の遊技機では、さまざまな場面で抽選が行われるが、かかる抽選は、乱数を生成し、取得することによって行われる。例えば特開2017−023629号公報には、新たに取得する乱数値の桁数を決定し、基準となる乱数値から1桁の数値を決定した桁数だけ算出し、算出した値を各桁に配置して新たな数値を取得する方法が記載されている。
(第27の課題)
乱数を取得する乱数取得処理では、取得される乱数に規則性が発生し難いことが要求される。しかし、処理を複雑にすると制御負荷が大きくなり好ましくない。そこで、制御負荷の増大を抑制しつつも規則性が発生し難い乱数取得処理を行うことが好ましい。
上記第27の課題を解決するために、以下のような構成の付記27−1の遊技機および付記27−2の遊技機を提供する。
(1)付記27−1の遊技機は、
所定の乱数を用いて抽選を行う遊技機であって、
時刻情報を出力可能なリアルタイムクロック(例えば、RTC)と、
所定の抽選に用いられる乱数を生成する乱数生成手段(例えば、図230や図231の処理を実行するホスト制御回路2100)と、
を備え、
前記乱数生成手段は、
前記リアルタイムクロックから時刻情報を取得し、当該取得した時刻情報を用いて乱数の初期値を生成する初期化手段(例えば、乱数初期化処理を実行するホスト制御回路2100)と、
生成した乱数が前記抽選に用いられると乱数を更新する非定常更新手段(図231の処理を実行するホスト制御回路2100)と、
生成した乱数が前記抽選に用いられなくとも定期的に乱数を更新する定常更新手段(図230の処理を実行するホスト制御回路2100)と、
ことを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、リアルタイムクロックから取得された時刻情報を用いて乱数の初期値が生成されるので、取得される乱数をランダムにすることができ、取得される乱数に偏りが生じることを抑制できる。とくに、乱数の初期値は、電源を投入した時間が分・秒単位まで関与することとなるため、初期値を都度異ならせることが可能となる。
(1)付記27−2の遊技機は、
所定の乱数を用いて抽選を行う遊技機であって、
複数の乱数が登録される乱数テーブルを、複数の乱数シード(例えば、乱数シードa〜h)のうちいずれかの乱数シードを用いて作成する乱数テーブル作成手段(例えば、ステップS6704の処理を実行するホスト制御回路2100)と、
所定の抽選に供される乱数を、前記乱数テーブル作成手段により作成された乱数テーブルを参照して取得する乱数取得手段(例えば、ステップS6706の乱数取得処理において、ステップS6704で作成された乱数テーブルから乱数を取得するホスト制御回路2100)と、
前記乱数テーブルが作成されるタイミングとは異なるタイミングで、前記乱数テーブルの参照位置を更新する参照位置更新手段(ステップS6706において、乱数テーブルから乱数を取得すると乱数テーブルの参照位置を更新するホスト制御回路2100)と、
を備え、
前記乱数取得手段は、
前記乱数テーブルを参照して乱数を取得したのち、前記乱数テーブルを作成することなく前記参照位置が更新された同じ乱数テーブルを参照して前記所定の抽選に供される乱数を取得可能(例えば、図233のパケット受信ループしてステップS6706の乱数取得処理を実行可能)に構成されている
ことを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、乱数取得機会が複数回あったとしても、すでに作成された同じ乱数テーブルを用いて参照位置を更新して乱数を取得するだけであるから、取得される乱数に不規則性を持たせつつ制御負荷を軽くすることが可能となる。
このように、付記27−1の遊技機、付記27−2の遊技機によれば、制御負荷の増大を抑制しつつ規則性が発生し難い処理を実行可能な遊技機を提供することができる。
[11−28.付記28の遊技機]
従来、例えばパチンコ機やパチスロ機等の遊技機では、所定条件が成立すると抽選が行われ、この抽選の結果にもとづいて図柄の変動表示が表示領域に表示される。そして、この図柄が特定の組合せで停止すると、遊技者に有利な特別遊技状態に移行する。また、図柄の変動表示が行われているときには、各種演出が行われる、
この種の遊技機として、モータにより駆動される可動役物を用いた演出を行う遊技機が知られている。そして、このような可動役物を用いた演出を行う遊技機において、可動役物が初期位置に戻らないといった不具合が発生したときに、可動役物を初期位置に戻すための処理(再試行処理)を実行する技術が提案されている(例えば、特開2007−268038号公報参照)。
特開2007−268038号公報に記載の遊技機では、可動役物が動作基準位置(初期位置)に存在するか否かを検知する基準位置センサを設け、この基準位置センサの検知結果に基づいて再試行処理を実行している。そして、可動役物が初期位置に戻らないといった不具合が発生したときに、再試行処理を連続して行っても可動役物が初期位置に戻らなかった場合にはエラーと判定し、所定のエラー処理を実行している。
(第28の課題)
しかし、可動役物の動作にかかわる不具合としては、図柄の変動表示が複数回実行されると解消されるような軽微なエラーもある。このような軽微なエラーであった場合にまでエラーであると判定されてしまうと、不必要なエラー処理が増えてしまうという課題がある。
上記第28の課題を解決するために、以下のような構成の付記28の遊技機を提供する。
(1)付記28の遊技機は、
所定の開始条件が成立すると図柄(例えば、特別図柄)の変動表示を開始し、所定の終了条件が成立すると前記図柄の変動表示を停止することで1回の遊技を実行可能な遊技制御手段(例えば、主制御回路100のメインCPU101)と、
可動部材(例えば、役物群1010等)の動作にかかわる制御を実行可能な演出制御手段(例えば、CPUプロセッサを有するホスト制御回路2100)と、
を備え、
前記遊技制御手段は、
少なくとも、前記図柄の変動表示の開始情報および前記図柄の変動表示の停止情報を前記演出制御手段に送信可能であり(例えば、メインCPU101はステップS5055の処理を実行可能であり)、
前記演出制御手段は、
前記図柄の変動表示が開始されるタイミングで前記可動部材の動作にかかわる状態が正常であるか否かを判定する第1判定手段(例えば、ステップS6941の処理を実行するホスト制御回路2100)と、
前記第1判定手段による判定において前記可動部材の動作にかかわる状態が正常でないと判定されると、正常化されるよう第1復旧処理(例えば、ステップS6947の初期位置復旧動作移行設定)を実行可能な第1復旧制御手段(例えば、ステップS6947の処理を実行するホスト制御回路2100)と、
前記図柄の変動表示が停止されるタイミングで前記可動部材の動作にかかわる状態が正常であるか否かを判定する第2判定手段(例えば、ステップS6971の処理を実行するホスト制御回路2100)と、
前記第2判定手段による判定において前記可動部材の動作にかかわる状態が正常でないと判定されると、正常化されるよう第2復旧処理(例えば、ステップS6976のモータドライバリセット処理)を実行可能な第2復旧制御手段(例えば、ステップS6976の処理を実行するホスト制御回路2100)と、を有し、
前記第1判定手段は、
複数回の遊技において、前記図柄の変動表示が開始されるタイミングで前記所定の役物または前記可動部材の動作にかかわる状態が正常であるか否かを判定可能であるとともに、
前記第1復旧制御手段は、
前記第1判定手段により前記複数回の遊技において正常でないと判定される都度、前記第1復旧処理を実行可能に構成されており、
前記第2判定手段は、
複数回の遊技において、前記図柄の変動表示が停止されるタイミングで前記所定の役物または前記可動部材の動作にかかわる状態が正常であるか否かを判定可能であるとともに、
前記第2復旧制御手段は、
前記第2判定手段により前記複数回の遊技において正常でないと判定される都度、前記第2復旧処理を実行可能に構成されており、
前記演出制御手段は、さらに、
前記第1復旧制御手段により前記第1復旧処理が実行された回数を計数する第1計数手段(例えば、ステップS6944の処理を実行するホスト制御回路2100)と、
前記第2復旧制御手段により前記第2復旧処理が実行された回数を計数する第2計数手段(例えば、ステップS6977の処理を実行するホスト制御回路2100)と、
前記第1計数手段による計数の結果が第1の規定回数(例えば、10回)になったこと及び前記第2計数手段による計数の結果が第2の規定回数(例えば、10回)になったことのうち少なくともいずれかを満たすと、前記可動部材の動作が不可能な動作不可状態(例えば、エラーモータ動作停止状態)とする役物動作不可手段(例えば、ホスト制御回路2100)と、を有する
ことを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、第1判定手段により可動部材の動作にかかわる状態が正常でないと判定されただけでは動作不可状態とされず、第1復旧処理が行われる。同様に、第2判定手段により可動部材の動作にかかわる状態が正常でないと判定されただけでは動作不可状態とされず、第2復旧処理が行われる。そして、第1復旧処理が実行された遊技回数が第1の規定回数になったとき、または、第1復旧処理が実行された遊技回数が第1の規定回数になったときに、可動部材を動作不可状態としている。そのため、軽微なエラーが発生しただけでは動作不可状態とはならず、第1復旧処理または第2復旧処理が複数回の遊技にわたって実行されたにもかかわらず復旧できないときに動作不可状態とすることで、深刻なエラーの発生を抑制することが可能となる。
しかも、可動部材の動作にかかわる状態が正常であるか否かの判定を、図柄の変動表示が開始されるタイミング及び図柄の変動表示が停止されるタイミングのそれぞれで行っている。そして、図柄の変動表示が開始されるタイミングと図柄の変動表示が停止されるタイミングとで、別々に、復旧処理及び復旧処理が実行された遊技回数の計数を行い、復旧処理が実行された回数がいずれか一方でも規定回数になったときに、動作不可状態としているため、深刻なエラーの発生をより一層抑制することが可能となる。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、
前記可動部材が特定の位置(例えば、初期位置)に存在することを検出可能な位置検出手段(例えば、役物検知センサ群1002)と、
前記可動部材を、前記特定の位置から規定の位置(例えば、最大可動域)に向けて動作させることが可能な駆動手段と、
をさらに備え、
前記第1判定手段は、
前記可動部材が少なくとも前記特定の位置に存在しないときに正常でないと判定し、
前記第2判定手段は、
前記駆動手段により前記可動部材を前記特定の位置から少なくとも前記規定の位置に向けて動作させることができないとき(例えば、モータエラーが検出されたとき)に正常でないと判定する
ことを特徴とする。
上記(2)の遊技機によれば、図柄の変動表示が開始されるタイミングで行われる可動部材の動作にかかわる状態が正常であるか否かの判定と、図柄の変動表示が停止されるタイミングで行われる可動部材の動作にかかわる状態が正常であるか否かの判定とを、互いに別観点から行っているため、エラー発生判断の精度を高めることができる。その結果、より高い精度で、軽微なエラーが発生しただけで動作不可状態となることを回避しつつ、深刻なエラーの発生を抑制することが可能となる。
このように、付記28によれば、エラー処理を好適に行うことが可能な遊技機を提供することができる。
[11−29.付記29−1〜付記29−3の各遊技機]
従来、例えばパチンコ機やパチスロ機等の遊技機では、所定条件が成立すると抽選が行われ、この抽選の結果にもとづいて図柄の変動表示が表示領域に表示される。そして、この図柄が特定の組合せで停止すると、遊技者に有利な特別遊技状態に移行する。また、図柄の変動表示が行われているときには、各種演出が行われる、
この種の遊技機として、モータにより駆動される可動役物を用いた演出を行う遊技機が知られている。そして、このような可動役物を用いた演出を行う遊技機において、可動役物が初期位置に戻らないといった不具合が発生したときに、可動役物を初期位置に戻すための処理(再試行処理)を実行する技術が提案されている(例えば、特開2007−268038号公報参照)。
特開2007−268038号公報に記載の遊技機では、可動役物が動作基準位置(初期位置)に存在するか否かを検知する基準位置センサを設け、この基準位置センサの検知結果に基づいて再試行処理を実行している。そして、可動役物が初期位置に戻らないといった不具合が発生したときに、再試行処理を連続して行っても可動役物が初期位置に戻らなかった場合にはエラーと判定し、所定のエラー処理を実行している。
(第29の課題)
しかし、可動役物の動作にかかわる不具合としては、図柄の変動表示が複数回実行されると解消されるような軽微なエラーもある。このような軽微なエラーであった場合にまでエラーであると判定されてしまうと不必要なエラー処理が増えてしまい、適切でない。その一方、可動役物を用いた演出は、遊技興趣を高める上で重要な要素であるため、可動役物の動作にかかわるエラーが発生した遊技機で遊技が行われると、興趣の低下が否めない。そのため、可動役物が正常に動作できない遊技機については、稼動を継続するか停止するかの判断も含めて、権限を有するホール関係者によって管理されることが好ましい。
上記第29の課題を解決するために、以下のような構成の付記29−1の遊技機〜付記29−3の遊技機を提供する。
(1)付記29−1の遊技機は、
複数の設定値のうちいずれか一の設定値にもとづいて遊技の進行にかかわる制御を実行可能であり、所定の開始条件が成立すると図柄(例えば、特別図柄)の変動表示を開始し、所定の終了条件が成立すると前記図柄の変動表示を停止することで1回の遊技を実行可能な遊技制御手段(例えば、主制御回路100のメインCPU101)と、
少なくとも前記一の設定値を変更する際に操作される設定操作手段(例えば、設定キー328)と、
可動部材の動作にかかわる制御を実行可能な演出制御手段(例えば、CPUプロセッサを有するホスト制御回路2100)と、
電源の投入操作が行われると、前記遊技制御手段および前記演出制御手段に電力を供給可能な電力供給手段(例えば、電源供給回路338)と、
を備え、
前記遊技制御手段は、
少なくとも前記設定操作手段が操作された状態で前記電源の投入操作が行われると、前記一の設定値を変更することが可能な設定変更状態に制御する設定変更状態制御手段(例えば、ステップS5024の処理を実行可能なメインCPU101)を有するとともに、各種情報(例えば、遊技の進行にかかわる情報、一の設定値の変更が行われたことを示す設定変更情報)を前記演出制御手段に送信可能であり(例えば、メインCPU101はステップS5055の処理を実行可能であり)、
前記演出制御手段は、
前記1回の遊技における所定のタイミングで前記可動部材の動作にかかわる状態が正常であるか否かを判定する判定手段(例えば、ステップS6941やステップS6947の処理を実行するホスト制御回路2100)と、
前記判定手段による判定において前記可動部材の動作にかかわる状態が正常でないと判定されると、正常化されるよう復旧処理(例えば、ステップS6947の初期位置復旧動作移行設定やステップS6976のモータドライバリセット処理)を実行可能な復旧制御手段(例えば、ホスト制御回路2100)と、
を有するとともに、前記遊技制御手段から送信された各種情報を受信可能であり、
前記判定手段は、
複数回の遊技において、各遊技における所定のタイミングで前記可動部材の動作にかかわる状態が正常であるか否かを判定可能であるとともに、
前記復旧制御手段は、
前記複数回の遊技において前記判定手段により正常でないと判定される都度、前記復旧処理を実行可能に構成されており、
前記演出制御手段は、さらに、
前記復旧制御手段により前記復旧処理が実行された回数を計数する計数手段(例えば、ステップS6944やステップS6977の処理を実行するホスト制御回路2100)と、
前記計数手段による計数の結果が規定回数(例えば、10回)になると、前記可動部材の動作が不可能な動作不可状態(例えば、エラーモータ動作停止状態)とする役物動作不可手段(例えば、ステップS6946やステップS6979の処理を実行するホスト制御回路2100)と、
前記一の設定値の変更が行われたことを示す設定変更情報を受信したことに基づいて、前記役物動作不可手段による前記動作不可状態を解除する解除手段(例えば、ステップS5311の処理を実行するホスト制御回路2100)と、を有する
ことを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、判定手段により可動部材の動作にかかわる状態が正常でないと判定されただけでは動作不可状態とされず、復旧処理が行われる。そして、復旧処理が実行された回数が規定回数になったときに、可動部材を動作不可状態としている。そのため、軽微なエラーが発生しただけでは動作不可状態とはならず、復旧処理が複数回の遊技にわたって実行されたにもかかわらず復旧できないときに動作不可状態とすることで、深刻なエラーの発生を抑制することが可能となる。
ところで、可動部材を用いた演出は、遊技興趣を高める上で重要な要素であることから、可動部材が正常に動作できない遊技機で遊技が行われると興趣の低下が否めない。そこで、上記(1)の遊技機では、一の設定値の変更が行われたことを示す設定変更情報を受信したことに基づいて動作不可状態を解除できるようにすることで、可動部材が動作できなくなった遊技機を稼動させるか否かといった重要な判断については権限を有するホール関係者によって行われるようにし、権限を有しない者によってエラーモータ動作停止状態を解除できないようにすることができる。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、
前記可動部材が特定の位置(例えば、初期位置)に存在することを検出可能な位置検出手段(例えば、役物検知センサ群1002)をさらに備え、
前記判定手段は、
前記可動部材が少なくとも前記特定の位置に存在しないときに正常でないと判定する位置判定手段を有し、
前記復旧制御手段は、
前記可動部材が前記特定の位置に存在しないと前記位置判定手段により判定される都度、前記可動部材を前記特定の位置に戻す位置復旧処理(例えば、ステップS6947の初期位置復旧動作移行設定)を実行する位置復旧制御手段手段(例えば、ステップS6947の処理を実行するホスト制御回路2100)を有し、
前記解除手段は、
前記一の設定値の変更が行われたことを示す設定変更情報を受信したことに基づいて、前記計数手段により計数された前記位置復旧処理が実行された回数をリセットする(例えば、ステップS5323の処理)
ことを特徴とする。
上記(2)の遊技機によれば、たとえ動作不可状態でなかったとしても、可動部材を特定の位置に戻す位置復旧処理が実行された回数が1回以上であるときに、この位置復旧処理が実行された回数を、一の設定値の変更が行われたことを示す設定変更情報を受信したことに基づいてリセットすることができる。そのため、位置復旧処理が実行された回数のリセットについても、権限を有するホール関係者によって行われ、権限を有しない者によって行われず、遊技機を適切に管理することが可能となる。
(3)上記(1)または(2)に記載の遊技機において、
前記可動部材を、特定の位置(例えば、初期位置)から規定の位置(例えば、最大稼動域)に向けて動作させることが可能な駆動手段(例えば、役物群1010を動作させるモータ)をさらに備え、
前記判定手段は、
前記駆動手段により前記可動部材を前記特定の位置から少なくとも前記規定の位置に向けて動作させることができないとき(例えば、モータエラーが検出されたとき)に正常でないと判定する動作判定手段(例えば、ステップS6971の処理を実行するホスト制御回路2100)を有し、
前記復旧制御手段は、
前記可動部材の動作にかかわる状態が正常でないと前記動作判定手段により判定される都度、前記駆動手段のドライバをリセットする動作復旧処理(例えば、ステップS6976のモータドライバリセット処理)を実行する動作復旧制御手段(例えば、ホスト制御回路2100)を有し、
前記解除手段は、
前記一の設定値の変更が行われたことを示す設定変更情報を受信したことに基づいて、前記計数手段により計数された前記動作復旧処理が実行された回数をリセットする(例えば、ステップS5323の処理)
ことを特徴とする。
上記(3)の遊技機によれば、たとえ動作不可状態でなかったとしても、駆動手段のドライバをリセットする動作復旧処理が実行された回数が1回以上であるときに、この動作復旧処理が実行された回数を、一の設定値の変更が行われたことを示す設定変更情報を受信したことに基づいてリセットすることができる。そのため、動作復旧処理が実行された回数のリセットについても、権限を有するホール関係者によって行われ、権限を有しない者によって行われず、遊技機を適切に管理することが可能となる。
(1)付記29−2の遊技機は、
複数の設定値のうちいずれか一の設定値にもとづいて遊技の進行にかかわる制御を実行可能であり、遊技の進行にかかわる遊技情報を記憶可能な記憶手段(例えば、メインROM102)を有するとともに、所定の開始条件が成立すると図柄(例えば、特別図柄)の変動表示を開始し、所定の終了条件が成立すると前記図柄の変動表示を停止することで1回の遊技を実行可能な遊技制御手段(例えば、主制御回路100のメインCPU101)と、
少なくとも前記一の設定値を変更する際に操作される設定操作手段(例えば、設定キー328)と、
少なくとも前記記憶手段に記憶される遊技情報を消去する際に操作される特定操作手段(例えば、バックアップクリアスイッチ330)と、
可動部材の動作にかかわる制御を実行可能な演出制御手段(例えば、CPUプロセッサを有するホスト制御回路2100)と、
電源の投入操作が行われると、前記遊技制御手段および前記演出制御手段に電力を供給可能な電力供給手段(例えば、電源供給回路338)と、
を備え、
前記遊技制御手段は、
前記設定操作手段が操作された状態で前記特定操作手段の操作と前記電源の投入操作とが行われると、前記一の設定値を変更することが可能な設定変更状態に制御する設定変更状態制御手段(例えば、ステップS5024の処理を実行可能なメインCPU101)と、
少なくとも前記特定操作手段の操作と前記電源の投入操作とが行われると、前記記憶手段に記憶される遊技情報を消去することが可能な遊技情報消去手段(例えば、ステップS7420の処理を実行可能なメインCPU101)と、
を有するとともに、各種情報(例えば、遊技の進行にかかわる情報、一の設定値の変更が行われたことを示す設定変更情報、遊技情報が消去されたことを示す情報)を前記演出制御手段に送信可能であり(例えば、メインCPU101はステップS5055の処理を実行可能であり)、
前記演出制御手段は、
前記1回の遊技における所定のタイミングで前記可動部材の動作にかかわる状態が正常であるか否かを判定する判定手段(例えば、ステップS6941やステップS6947の処理を実行するホスト制御回路2100)と、
前記判定手段による判定において前記可動部材の動作にかかわる状態が正常でないと判定されると、正常化されるよう復旧処理(例えば、ステップS6947の初期位置復旧動作移行設定やステップS6976のモータドライバリセット処理)を実行可能な復旧制御手段(例えば、ホスト制御回路2100)と、を有し、
前記判定手段は、
複数回の遊技において、各遊技における所定のタイミングで前記可動部材の動作にかかわる状態が正常であるか否かを判定可能であるとともに、
前記復旧制御手段は、
前記複数回の遊技において前記判定手段により正常でないと判定される都度、前記復旧処理を実行可能に構成されており、
前記演出制御手段は、さらに、
前記復旧制御手段により前記復旧処理が実行された回数を計数する計数手段(例えば、ステップS6944やステップS6977の処理を実行するホスト制御回路2100)と、
前記計数手段による計数の結果が規定回数(例えば、10回)になると、前記可動部材の動作が不可能な動作不可状態(例えば、エラーモータ動作停止状態)とする役物動作不可手段(例えば、ステップS6946やステップS6979の処理を実行するホスト制御回路2100)と、
所定条件の成立に基づいて前記役物動作不可手段による前記動作不可状態を解除する解除手段(例えば、ステップS5311の処理を実行するホスト制御回路2100)と、を有し、
前記解除手段は、
電源投入後に前記設定変更状態に制御されなかったときは、前記記憶手段に記憶される遊技情報を消去する操作が行われたとしても前記役物動作不可手段による前記動作不可状態を解除せず、電源投入後に前記設定変更状態に制御されたときに前記役物動作不可手段による前記動作不可状態を解除する(例えば、ステップS5311の処理を実行する)よう構成される
ことを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、判定手段により可動部材の動作にかかわる状態が正常でないと判定されただけでは動作不可状態とされず、復旧処理が行われる。そして、復旧処理が実行された回数が規定回数になったときに、可動部材を動作不可状態としている。そのため、軽微なエラーが発生しただけでは動作不可状態とはならず、復旧処理が複数回の遊技にわたって実行されたにもかかわらず復旧できないときに動作不可状態とすることで、深刻なエラーの発生を抑制することが可能となる。
ところで、可動部材を用いた演出は、遊技興趣を高める上で重要な要素であることから、可動部材が正常に動作できない遊技機で遊技が行われると興趣の低下が否めない。そこで、上記(1)の遊技機では、設定変更状態に制御されなかったときは、たとえ記憶手段に記憶される遊技情報を消去する操作が行われたとしても動作不可状態が解除されず、設定変更状態に制御されたときに動作不可状態が解除されるようにしている。これにより、可動部材が動作できなくなった遊技機を稼動させるか否かといった重要な判断については権限を有するホール関係者によって行われるようにし、権限を有しない者によってエラーモータ動作停止状態を解除できないようにすることができる。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、
前記可動部材を、前記特定の位置から規定の位置に向けて動作させることが可能な駆動手段(例えば、役物群1010を動作させるモータ)をさらに備え、
前記判定手段は、
前記駆動手段により前記可動部材を前記特定の位置から少なくとも前記規定の位置に向けて動作させることができないとき(例えば、モータエラーが検出されたとき)に正常でないと判定する動作判定手段(例えば、ステップS6971の処理を実行するホスト制御回路2100)を有し、
前記復旧制御手段は、
前記可動部材の動作にかかわる状態が正常でないと前記判定手段により判定されたとしても、前記計数手段による計数の結果が規定回数(例えば、10回)になるまでは前記動作不可状態とせずに、前記可動部材を用いた演出を実行できないよう役物演出不許可状態とする役物演出不許可手段(例えば、ステップS6980の処理を実行するホスト制御回路2100)を有し、
前記解除手段は、
電源投入後に前記設定変更状態に制御されなかったとき、前記記憶手段に記憶される遊技情報を消去する操作が行われたとしても、前記役物動作不可手段による前記動作不可状態については解除しないものの、前記役物演出不許可手段による前記役物演出不許可状態については解除可能に構成される
ことを特徴とする。
上記(2)の遊技機によれば、可動部材の動作にかかわる状態が正常でないと判定されたとしても、復旧処理が実行された回数が規定回数(例えば、10回)になるまでは動作不可状態とせずに、可動部材を用いた演出を実行できないよう役物演出不許可状態としている。そして、電源投入後に設定変更状態に制御されなかった場合において、記憶手段に記憶される遊技情報を消去する操作が行われたとしても、動作不可状態については解除しないが、役物演出不許可状態については解除するようにしている。これにより、重要な判断については権限を有するホール関係者によって行われるようにしつつ、役物演出不許可状態のように動作不可状態にいたるほど深刻なエラーでないときには遊技情報を消去する操作をもって役物演出不許可状態を解除することで、利便性を確保することができる。
(1)付記29−3の遊技機は、
複数の設定値のうちいずれか一の設定値にもとづいて遊技の進行にかかわる制御を実行可能であり、所定の開始条件が成立すると図柄の変動表示を開始し、所定の終了条件が成立すると前記図柄の変動表示を停止することで1回の遊技を実行可能な遊技制御手段(例えば、主制御回路100のメインCPU101)と、
少なくとも前記一の設定値を変更する際に操作される設定操作手段(例えば、設定キー328)と、
所定の画像が表示される表示手段(例えば、表示装置1016)と、
可動部材の動作にかかわる制御を実行可能な演出制御手段(例えば、CPUプロセッサを有するホスト制御回路2100)と、
電源の投入操作が行われると、前記遊技制御手段および前記演出制御手段に電力を供給可能な電力供給手段(例えば、電源供給回路338)と、
を備え、
前記遊技制御手段は、
少なくとも前記設定操作手段が操作された状態で前記電源の投入操作が行われると、前記一の設定値を変更することが可能な設定変更状態に制御する設定変更状態制御手段(例えば、ステップS5024の処理を実行可能なメインCPU101)を有するとともに、各種情報(例えば、遊技の進行にかかわる情報、一の設定値の変更が行われたことを示す設定変更情報)を前記演出制御手段に送信可能であり(例えば、メインCPU101はステップS5055の処理を実行可能であり)、
前記演出制御手段は、
前記1回の遊技における所定のタイミングで前記可動部材の動作にかかわる状態が正常であるか否かを判定する判定手段(例えば、ステップS6941やステップS6947の処理を実行するホスト制御回路2100)と、
前記判定手段による判定において前記可動部材の動作にかかわる状態が正常でないと判定されると、正常化されるよう復旧処理(例えば、ステップS6947の初期位置復旧動作移行設定やステップS6976のモータドライバリセット処理)を実行可能な復旧制御手段(例えば、ホスト制御回路2100)と、
を有するとともに、前記遊技制御手段から送信された各種情報を受信可能であり、
前記判定手段は、
複数回の遊技において、各遊技における所定のタイミングで前記可動部材の動作にかかわる状態が正常であるか否かを判定可能であるとともに、
前記復旧制御手段は、
前記複数回の遊技において前記判定手段により正常でないと判定される都度、前記復旧処理を実行可能に構成されており、
前記演出制御手段は、さらに、
前記復旧制御手段により前記復旧処理が実行された回数を計数する計数手段(例えば、ステップS6944やステップS6977の処理を実行するホスト制御回路2100)と、
前記計数手段による計数の結果が規定回数(例えば、10回)になると、前記可動部材の動作が不可能な動作不可状態(例えば、エラーモータ動作停止状態)とする役物動作不可手段(例えば、ステップS6946やステップS6979の処理を実行するホスト制御回路2100)と、
前記一の設定値の変更が行われたことを示す設定変更情報を受信したことに基づいて、前記役物動作不可手段による前記動作不可状態を解除する解除手段(例えば、ステップS5311の処理を実行するホスト制御回路2100)と、
前記役物動作不可手段により前記動作不可状態とされたことに基づいて、当該動作不可状態とされた時間情報を履歴情報として記憶可能な記憶手段(例えば、ステップS5306およびステップS5307の履歴記録処理が行われたときに履歴情報を記憶するサブワークRAM2100a)と、
所定の操作に基づいて、前記履歴情報が示される情報画面を表示可能な表示制御手段(例えば、表示制御回路2300を介して図251のエラー情報履歴画面を表示するホスト制御回路2100)と、を有する
ことを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、判定手段により可動部材の動作にかかわる状態が正常でないと判定されただけでは動作不可状態とされず、復旧処理が行われる。そして、復旧処理が実行された回数が規定回数になったときに、可動部材を動作不可状態としている。そのため、軽微なエラーが発生しただけでは動作不可状態とはならず、復旧処理が複数回の遊技にわたって実行されたにもかかわらず復旧できないときに動作不可状態とすることで、深刻なエラーの発生を抑制することが可能となる。
また、動作不可状態とされた時間情報が履歴情報として示される情報画面が表示されるため、深刻なエラーの履歴を管理することが可能となる。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、
前記可動部材が特定の位置(例えば、初期位置)に存在することを検出可能な位置検出手段(例えば、役物検知センサ群1002)をさらに備え、
前記判定手段は、
前記可動部材が少なくとも前記特定の位置に存在しないとき(例えば、ステップS6941におけるNO)に正常でないとする位置判定手段(例えば、ホスト制御回路2100)を有し、
前記復旧制御手段は、
前記可動部材が前記特定の位置に存在しないと前記位置判定手段により判定される(例えば、ステップS6941においてNOと判定される)都度、前記可動部材を前記特定の位置に戻す位置復旧処理(例えば、ステップS6947の初期位置復旧動作移行設定)を実行する位置復旧制御手段(例えば、ホスト制御回路2100)を有し、
前記解除手段は、
前記一の設定値の変更が行われたことを示す設定変更情報を受信したことに基づいて、前記計数手段により計数された前記位置復旧処理が実行された回数をリセットし(例えば、ステップS5323の処理を実行し)、
前記記憶手段は、
前記位置復旧処理が実行された時間情報を含む位置復旧処理履歴情報と、前記位置復旧処理が実行された回数がリセットされた位置復旧処理回数リセット履歴情報とのうち少なくともいずれかを記憶可能であり、
前記表示制御手段は、
前記一の設定値の変更が行われたことを示す設定変更情報を受信したことに基づいて、前記位置復旧処理履歴情報と前記位置復旧処理回数リセット履歴情報とのうち少なくともいずれかが示される情報画面を表示可能に構成される
ことを特徴とする。
上記(2)の遊技機によれば、可動部材が特定の位置に存在しないと判定される都度、可動部材を特定の位置に戻す位置復旧処理を実行するとともに、一の設定値の変更が行われたことに基づいて、位置復旧処理が実行された回数がリセットされる。そして、一の設定値の変更が行われたことに基づいて、位置復旧処理が実行された時間情報を含む位置復旧処理履歴情報と、位置復旧処理が実行された回数がリセットされた時間情報を含む位置復旧処理回数リセット履歴情報とのうち少なくともいずれかが示される情報画面が表示される。そのため、動作不可状態といった深刻なエラーにまではいたっていないものの、位置復旧処理履歴情報や位置復旧処理回数リセット履歴情報を閲覧することで、動作不可状態といった深刻なエラーにいたる可能性を事前に把握することができ、遊技機を適切に管理することが可能となる。
(3)上記(1)または(2)に記載の遊技機において、
前記可動部材を、特定の位置(例えば、初期位置)から規定の位置(例えば、最大稼動域)に向けて動作させることが可能な駆動手段(例えば、役物群1010を動作させるモータ)をさらに備え、
前記判定手段は、
前記駆動手段により前記可動部材を前記特定の位置から少なくとも前記規定の位置に向けて動作させることができないとき(例えば、モータエラーが検出されたとき)に正常でないと判定する動作判定手段(例えば、ステップS6971の処理を実行するホスト制御回路2100)を有し、
前記復旧制御手段は、
前記可動部材の動作にかかわる状態が正常でないと前記動作判定手段により判定される都度、前記駆動手段のドライバをリセットする動作復旧処理(例えば、ステップS6976のモータドライバリセット処理)を実行する動作復旧制御手段(例えば、ホスト制御回路2100)を有し、
前記解除手段は、
前記一の設定値の変更が行われたことを示す設定変更情報を受信したことに基づいて、前記計数手段により計数された前記動作復旧処理が実行された回数をリセットし(例えば、ステップS5323の処理を実行し)、
前記記憶手段は、
前記動作復旧処理が実行された時間情報を含む動作復旧処理履歴情報と、前記動作復旧処理が実行された回数がリセットされた動作復旧処理回数リセット履歴情報とのうち少なくともいずれかを記憶可能であり、
前記表示制御手段は、
前記一の設定値の変更が行われたことを示す設定変更情報を受信したことに基づいて、前記動作復旧処理履歴情報と前記動作復旧処理回数リセット履歴情報とのうち少なくともいずれかが示される情報画面を表示可能(例えば、ステップS5302のホールメニュー表示処理を実行可能)に構成される
ことを特徴とする。
上記(3)の遊技機によれば、可動部材にかかわる状態が正常でないと判定される都度、駆動手段のドライバをリセットする動作復旧処理を実行するとともに、一の設定値の変更が行われたことに基づいて、動作復旧処理が実行された回数がリセットされる。そして、一の設定値の変更が行われたことに基づいて、動作復旧処理が実行された時間情報を含む動作復旧処理履歴情報と、位置復旧処理が実行された回数がリセットされた時間情報を含む動作復旧処理回数リセット履歴情報とのうち少なくともいずれかが示される情報画面が表示される。そのため、動作不可状態といった深刻なエラーにまではいたっていないものの、動作復旧処理履歴情報や動作復旧処理回数リセット履歴情報を閲覧することで、動作不可状態といった深刻なエラーにいたる可能性を事前に把握することができ、遊技機を適切に管理することが可能となる。
このように、付記29−1〜付記29−3の各遊技機によれば、エラー処理および遊技機の管理を好適に行うことが可能な遊技機を提供することができる。
[12.その他の拡張例等]
なお、本実施形態ではパチンコ遊技機に適用した場合の実施形態について説明したが、本明細書に記載された全ての発明は、その発明の趣旨を逸脱しない範囲で、パチンコ機、ゲームマシン、スロットマシンその他の全ての遊技機において適用することができる。
また、上記の付記を含め、上述の各実施形態、各実施例及び各変形例は例示である。各実施形態、各実施例及び各変形例で示した各構成を、他の実施形態、他の実施例及び他の変形例において部分的に置換したり組み合わせたりすることが可能であることは言うまでもない。すなわち、各実施形態、各実施例及び各変形例に記載の各構成要素は、互いに任意に組み合わせることが可能である。
[第12実施形態]
次に、本発明の第12実施形態に係るパチンコ遊技機(遊技機)の構成及び各種動作について、図面を参照しながら説明する。なお、本実施形態のパチンコ遊技機は、複数の特別図柄(第1特別図柄及び第2特別図柄)を同時変動させることが可能な方式(同時変動タイプ)の遊技機である。また、第1実施形態〜第10実施形態に記載した発明を、以下に説明する第12実施形態に係るパチンコ遊技機に適用することができる。例えば、透明な遊技盤6012と略同じ大きさの表示領域を有する大型の液晶表示装置を遊技盤6012の後面側に配置したり、遊技盤6012の前面全体にプロジェクタユニットB等により映像を投影することにより、遊技領域の略全域に表示または投影される画像や映像を視認できるように構成し、遊技球の位置に基づく演出(例えば軌跡演出)を行うようにしてもよい。
<機能フロー>
まず、図290を参照して、本実施形態に係るパチンコ遊技機の機能について説明する。図290は、本実施形態に係るパチンコ遊技機の機能フローを示す図である。
パチンコゲームは、図290に示すように、ユーザの操作により遊技球が発射され、その遊技球が各種入賞した場合に遊技球の払出制御処理が行われるゲームである。また、パチンコゲームには、特別図柄を用いる特別図柄ゲーム、普通図柄を用いる普通図柄ゲームが含まれる。特別図柄ゲームにおいて「大当り」となったときや、普通図柄ゲームにおいて「当り」となったときには、相対的に、遊技球が入賞する可能性が増大し、遊技球の払出制御処理が行われ易くなる。
また、各種入賞には、特別図柄ゲームにおいて特別図柄の可変表示が行われるための一つの条件である特別図柄始動入賞や、普通図柄ゲームにおいて普通図柄の可変表示が行われるための一つの条件である普通図柄始動入賞も含まれる。
なお、本明細書でいう「可変表示」とは、変動可能に表示される概念であり、例えば、実際に変動して表示される「変動表示」、実際に停止して表示される「停止表示」等を可能にするものである。また、「可変表示」では、例えば特別図柄ゲームの結果として特別図柄(識別情報)が表示される「導出表示」を行うことができる。すなわち、本明細書では、「変動表示」の開始から「導出表示」までの動作を1回の「可変表示」と称する。さらに、本明細書において、「識別情報」とは、特別図柄、普通図柄、装飾図柄、識別図柄等のパチンコ遊技で使用される「図柄」や、パチスロ又はスロット遊技で使用される識別図柄や装飾図柄などの、遊技者が遊技を行う上で、遊技の結果を表示又は示唆する際に使用される図柄を含み得る意味である。
以下、特別図柄ゲーム及び普通図柄ゲームの処理フローの概要を説明する。
[特別図柄ゲーム]
特別図柄ゲームにおいて特別図柄始動入賞があった場合には、大当り判定用カウンタ及び図柄決定用カウンタからそれぞれ乱数値(大当り判定用乱数値及び図柄決定用乱数値)が抽出され、抽出された各乱数値が記憶される(図290に示す特別図柄ゲーム中の特別図柄始動入賞処理のフロー参照)。
特別図柄ゲーム中の特別図柄制御処理では、図290に示すように、最初に、特別図柄の可変表示を開始する条件が成立したか否かが判定される。この判定処理では、特別図柄始動入賞によって乱数値が記憶されているか否かを参照し、乱数値が記憶されていることを一つの条件として、特別図柄の可変表示を開始する条件が成立したと判定される。
次いで、特別図柄の可変表示を開始する場合、大当り判定用カウンタから抽出された大当り判定用乱数値を参照して、「大当り」とするか否かの大当り判定が行われる。その後、停止図柄決定処理が行われる。この処理では、図柄決定用カウンタから抽出された図柄決定用乱数値と、上述した大当り判定の結果とを参照して、停止表示させる特別図柄が決定される。
次いで、変動パターン決定処理が行われる。この処理では、変動パターン決定用カウンタから乱数値が抽出され、その乱数値と、上述した大当り判定の結果と、上述した停止表示させる特別図柄とを参照して、特別図柄の変動パターンが決定される。
次いで、演出パターン決定処理が行われる。この処理では、演出パターン決定用カウンタから乱数値が抽出され、その乱数値と、上述した大当り判定の結果と、上述した停止表示させる特別図柄と、上述した特別図柄の変動パターンとを参照し、特別図柄の可変表示に伴って実行する演出パターンが決定される。
次いで、決定された、大当り判定の結果、停止表示させる特別図柄、特別図柄の変動パターン及び特別図柄の可変表示に伴う演出パターンを参照し、特別図柄の可変表示の制御を行う可変表示制御処理、及び、所定の演出を行う演出制御処理が実行される。
そして、可変表示制御処理及び演出表示制御処理が終了すると、「大当り」となるか否かが判定される。この判定処理において、「大当り」となったと判定されると、大当り遊技を行う大当り遊技制御処理が実行される。なお、大当り遊技では、上述した各種入賞の可能性が増大する。一方、「大当り」とならなかったと判定されると、大当り遊技制御処理が実行されない。
「大当り」とならなかったと判定された場合、又は、大当り遊技制御処理が終了した場合には、遊技状態を移行させるための遊技状態移行制御処理が行われる。この遊技状態移行制御処理では、大当り遊技状態とは異なる通常時の遊技状態の管理が行われる。通常時の遊技状態としては、例えば、上述した大当り判定において、「大当り」と判定される確率が増大する遊技状態(以下、「確変遊技状態」という)や、特別図柄始動入賞が得られやすくなる遊技状態(以下、「時短遊技状態」という)などが挙げられる。その後、再度、特別図柄の可変表示を開始させるか否かの判定処理を行い、その後は、上述した特別図柄制御処理の各種処理が繰り返される。
なお、本実施形態のパチンコ遊技機において、特別図柄の変動表示中に遊技球が始動入賞した場合には、該始動入賞時に取得される各種データ(大当り判定用乱数値、図柄決定用乱数値等)が保留される。すなわち、特別図柄の変動表示中に遊技球が始動入賞した場合には、該始動入賞に対応する特別図柄の可変表示(変動表示)が保留され、現在実行されている特別図柄の変動表示終了後に保留されている特別図柄の可変表示が開始される。以下では、保留されている特別図柄の可変表示を「保留球」ともいう。
また、本実施形態のパチンコ遊技機では、後述するように、2種類の特別図柄始動入賞(第1始動口入賞及び第2始動口入賞)を設け、各特別図柄始動入賞に対して最大4個の保留球を取得することができる。すなわち、本実施形態では、最大8個の保留球を取得することができる。
さらに、本実施形態のパチンコ遊技機は、図290には示さないが、上述した保留球の情報に基づいて保留球の当落(「大当り」当選の有無)を判定し、さらに、その判定結果に基づいて所定の演出を行う機能、すなわち、先読み演出機能も備える。
なお、本実施形態のパチンコ遊技機では、以下に説明するように、特別図柄の変動パターンを前半及び後半の変動パターンに分け、各変動パターンを別個に決定する。ここで、図291を参照しながら、特別図柄の前半変動パターン及び後半変動パターンの決定手法について説明する。図291は、後述の主制御回路6100のメインROM6102に記憶されている前半変動パターン、後半変動パターン、及び、これらを組み合わせた変動パターンを規定した変動パターンテーブルを示す図である。
これらのテーブルは、入賞時の当選種別や図柄指定コマンド等に基づいて、変動パターン種別、並びに、前半及び後半変動パターンを決定するために参照される。また、メインCPU6101は、前半及び後半変動パターンに対応するコマンドを組み合わせたものを変動パターン指定コマンドとして副制御回路270に送信する。なお、以下の説明では、前半及び後半変動パターンを組み合わせたものを単に「変動パターン」という。なお、副制御回路270はサブ制御回路270と同じである。
まず、メインCPU6101は、入賞時の当選種別及び図柄指定コマンド等に基づいて変動パターンの種別(例えば、はずれ変動パターン9種類及び当り変動パターン9種類のうちのいずれか)を決定し、さらに、対応する前半変動パターンと後半変動パターンとを決定する。例えば、変動パターンとして、はずれ変動パターンの「通常変動」が決定されると、前半変動パターンとしてコマンド「00H」の「なし」が決定されるとともに、後半変動パターンとしてコマンド「00H」の「低確 変動1(4.0秒)」又はコマンド「01H」の「低確 変動2(8.0秒)」のいずれかが決定される。このような「通常変動」に対応する変動パターン指定コマンドは、前半及び後半変動パターンのコマンドを組み合わせた「0000H」又は「0001H」として副制御回路6200に送信される。なお、変動パターン指定コマンドは、例えば「00H00H」や「00H01H」と記す場合もある。
変動パターンの変動時間は、前半及び後半変動パターンの変動時間を合わせた時間となる。例えば、変動パターン指定コマンド「0000H」では、前半変動パターンの変動時間(0ms)と後半変動パターンの変動時間(4000ms)とを合わせた時間(4000ms)となり、変動パターン指定コマンド「0102H」では、前半変動パターンの変動時間(11000ms)と後半変動パターンの変動時間(10000ms)とを合わせた時間(21000ms)となる。このように、変動パターンについては、大まかな種別が決定された後、前半及び後半変動パターンが段階的に決定されるため、変動パターンの組み合わせとしては多様化が図られ、ひいては演出パターンのバリエーションを容易に増やすことができる。
なお、図291には、便宜上、はずれと当りとを合わせて18種類の変動パターンしか示されていないが、もちろん同図に示す以上であってもよい。「擬似1〜4」、「特殊擬似1〜3」は、いわゆる擬似連に対応する変動パターンである。「擬似1〜4」は、例えば、通常の擬似連、高速擬似連などといった擬似連を実行する変動パターンとして設けられている。例えば、「擬似1〜擬似4 当り」とは、例えば擬似連実行後にノーマルリーチやSPリーチを経由して大当りとなる変動パターンである。「低確」、「チャンスタイム」、「小当りラッシュ」とは、それぞれ「非確変遊技状態」、「確変かつ時短遊技状態」、「確変かつ非時短遊技状態」を意味する。本実施形態においては、「プレミア」に係る変動パターンが当り変動パターンのみ設定されているが、これに限られるものではなく、「当り」かつ「小当りラッシュ」である場合や、「当り」であることが濃厚である(当りの期待度が高い)ことを示す変動パターンとしてもよい。
小当りラッシュは、小当りが通常の遊技状態よりも頻出する遊技状態であり、電サポ(電動チューリップによるサポート:後述の普通電動役物6046が通常時より開き易い状態)が行われないとき(普通図柄低確率)で、且つ、一方の特図(本実施形態では後述の第2特別図柄)の変動時間の短いときの遊技状態である。また、チャンスタイム(例えば、時短20回)において、時短が終了すると小当りラッシュに突入する場合があってもよい。なお、図示しないが、第2特別図柄の変動表示では、通常遊技状態(特別図柄の低確率、普通図柄の低確率)のときに10分変動(相対的に長い変動時間)が行われる場合もある。
[普通図柄ゲーム]
普通図柄ゲームにおいて普通図柄始動入賞があった場合には、当り判定用カウンタから乱数値が抽出され、その乱数値が記憶される(図290に示す普通図柄ゲーム中の普通図柄始動入賞処理のフロー参照)。
普通図柄ゲーム中の普通図柄制御処理では、図290に示すように、最初に、普通図柄の可変表示を開始する条件が成立したか否かが判定される。この判定処理では、普通図柄始動入賞によって乱数値が記憶されているか否かを参照し、乱数値が記憶されていることを一つの条件として、普通図柄の可変表示を開始する条件が成立したと判定される。
次いで、普通図柄の可変表示を開始する場合、当り判定用カウンタから抽出された乱数値を参照して、「当り」とするか否かの当り判定が行われる。その後、変動パターン決定処理が行われる。この処理では、当り判定の結果を参照して、普通図柄の変動パターンが決定される。
次いで、決定された当り判定の結果、及び、普通図柄の変動パターンを参照し、普通図柄の可変表示の制御を行う可変表示制御処理、及び、所定の演出を行う演出制御処理が実行される。
可変表示制御処理及び演出表示制御処理が終了すると、「当り」となるか否かが判定される。この判定処理において、「当り」となると判定されると、当り遊技を行う当り遊技制御処理が実行される。当り遊技制御処理では、上述した各種入賞の可能性、特に、特別図柄ゲームにおける遊技球の特別図柄始動入賞の可能性が増大する。一方、「当り」とならないと判定されると、当り遊技制御処理が実行されない。その後、再度、普通図柄の可変表示を開始させるか否かの判定処理が行われ、その後は、上述した普通図柄制御処理の各種処理が繰り返される。
上述のように、パチンコゲームでは、特別図柄ゲームにおいて「大当り」となるか否か、遊技状態の移行状況、普通図柄ゲームにおいて「当り」となるか否か等の条件により、遊技球の払出制御処理の行われ易さが変化する。
なお、本実施形態において、各種の乱数値の抽出方式としては、プログラムを実行することによって乱数値を生成するソフト乱数方式を用いる。しかしながら、本発明はこれに限定されず、例えば、パチンコ遊技機が、所定周期で乱数が更新される乱数発生器を備える場合には、その乱数発生器におけるカウンタ(いわゆる、リングカウンタ)から乱数値を抽出するハード乱数方式を、上述した各種乱数値の抽出方式として採用してもよい。なお、ハード乱数方式を用いる場合は、所定周期とは異なるタイミングで、乱数値の初期値を決定することによって、所定周期で同じ乱数値が抽出されることを防止することができる。
<パチンコ遊技機の構造>
次に、図292〜図294を参照して、本実施形態におけるパチンコ遊技機の構造について説明する。なお、図292は、正面側から見たパチンコ遊技機の外観を示す斜視図である。図293は、パチンコ遊技機の分解斜視図である。また、図294は、背面側から見たパチンコ遊技機の外観を示す斜視図である。
パチンコ遊技機6001は、図292〜図294に示すように、本体6002と、本体6002に対して開閉自在に取り付けられたベースドア6003と、ベースドア6003に対して開閉自在に取り付けられたガラスドア6004とを備える。
[本体]
本体6002は、長方形状の開口6002aを有する枠状部材で構成される(図293参照)。この本体6002は、例えば、木材等の材料により形成される。
[ベースドア]
ベースドア6003は、本体6002の外形形状と略等しい長方形の外形形状を有する板状部材で構成される。ベースドア6003は、本体6002の前方(パチンコ遊技機6001の正面側)に配置されており、ベースドア6003を本体6002の一方の側辺端部を軸にして回動させることにより、本体6002の開口6002aが開閉される。ベースドア6003には、図293に示すように、四角形状の開口6003aが設けられる。この開口6003aは、ベースドア6003の略中央部から上側の領域に渡って形成され、該領域の大部分を占有する大きさで形成される。
また、ベースドア6003には、スピーカ6011と、遊技盤6012と、表示装置6013と、皿ユニット6014と、発射装置6015と、払出装置6016と、基板ユニット6017とが取り付けられる。
スピーカ6011は、ベースドア6003の上部(上端部付近)に配置される。遊技盤6012は、ベースドア6003の前方(パチンコ遊技機6001の正面側)に配置され、ベースドア6003の開口6003aを覆うように配置される。
遊技盤6012は、光透過性を有する板形状の樹脂部材で構成される。なお、光透過性を有する樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、メタクリル樹脂などを用いることができる。
また、遊技盤6012の前面(パチンコ遊技機6001の正面側の表面)には、発射装置6015から発射された遊技球が転動する遊技領域6012aが形成される。この遊技領域6012aは、ガイドレール6041(具体的には後述の図295に示す外レール6041a)に囲まれた領域であり、その外周形状は略円状である。さらに、遊技領域6012aには、複数の遊技釘(後述の図295参照)が打ちこまれている。なお、遊技盤6012(遊技領域6012a)の構成については、後述の図295を参照しながら後で詳述する。また、図示しないが、遊技盤6012には、異常検知用の磁気センサや振動センサなどの各種センサが設けられている。
表示装置6013は、遊技盤6012の背面側(パチンコ遊技機6001の正面側とは反対側)に取り付けられる。この表示装置6013は、画像を表示する表示領域6013aを有する。表示領域6013aの大きさは、遊技盤6012の表面の全部又は一部の領域を占めるような大きさに設定される。この表示装置6013の表示領域6013aには、演出用の識別図柄、演出画像、装飾用画像(装飾図柄)などの各種画像が表示される。遊技者は、遊技盤6012を介して、表示装置6013の表示領域6013aに表示された各種画像を視認することができる。
なお、本実施形態では、表示装置6013としては、液晶表示装置を用いる。しかしながら、本発明はこれに限定されず、表示装置6013として、例えば、プラズマディスプレイ、リアプロジェクションディスプレイ、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイなどの表示機器を適用してもよい。
また、遊技盤6012の背面側(パチンコ遊技機6001の正面側とは反対側)には、スペーサ6019が設けられる。このスペーサ6019は、遊技盤6012の背面(パチンコ遊技機6001の背面側の表面)と表示装置6013の前面(パチンコ遊技機6001の正面側の表面)との間に設けられ、遊技盤6012の遊技領域6012aを転動する遊技球の流路となる空間を形成する。スペーサ6019は、光透過性を有する材料で形成される。なお、本発明はこれに限定されず、スペーサ6019は、例えば、一部が光透過性を有する材料で形成されていてもよいし、光透過性を有さない材料で形成されていてもよい。
皿ユニット6014は、遊技盤6012の下方に配置される。この皿ユニット6014は、上皿6021と、その下方に配置された下皿6022とを有する。上皿6021及び下皿6022には、図292に示すように、遊技球の貸し出し、遊技球の払出し(賞球)を行うための払出口6021a及び払出口6022aがそれぞれ形成される。所定の払出条件が成立した場合には、払出口6021a及び払出口6022aから遊技球が排出されて、それぞれ、上皿6021及び下皿6022に貯留される。また、上皿6021に貯留された遊技球は、発射装置6015によって遊技領域6012aに発射される。
また、皿ユニット6014には、演出ボタン6023が設けられる。この演出ボタン6023は、上皿6021上に取り付けられる。また、演出ボタン6023の周縁には、ダイヤル操作部(ジョグダイヤル)6024が演出ボタン6023に対して回転可能に取り付けられる。本実施形態のパチンコ遊技機6001は、演出ボタン6023及び/又はダイヤル操作部6024を用いて行う所定の演出機能を有し、所定の演出を行う場合には、表示装置6013の表示領域6013aに、演出ボタン6023及び/又はダイヤル操作部6024の操作を促す画像が表示される。
発射装置6015は、ベースドア6003の前面において、右下の領域(右下角部付近)に配置される。この発射装置6015は、遊技者によって操作可能な発射ハンドル6025と、皿ユニット6014の右下部に係合するパネル体6026とを備える。発射ハンドル6025は、パネル体6026の前面側に配置され、パネル体6026に回動可能に支持される。
なお、図292〜図294には示さないが、パネル体6026の背面側には、遊技球(遊技媒体)の発射動作を制御するソレノイドアクチュエータ(駆動装置)が設けられる。また、図292〜図294には示さないが、発射ハンドル6025の周縁部には、タッチセンサが設けられ、発射ハンドル6025の内部には、発射ボリュームが設けられる。発射ボリュームは、発射ハンドル6025の回動量に応じて抵抗値を変化させ、ソレノイドアクチュエータに供給する電力を変化させる。
本実施形態のパチンコ遊技機6001では、遊技者の手が発射ハンドル6025のタッチセンサに接触すると、タッチセンサは検知信号を出力する。これにより、遊技者が発射ハンドル6025を握持したことが検知され、ソレノイドアクチュエータによる遊技球の発射が可能になる。そして、遊技者が発射ハンドル6025を把持して時計回り(遊技者側から見て右回り)の方向へ回動操作すると、発射ハンドル6025の回動角度に応じて発射ボリュームの抵抗値が変化し、その抵抗値に対応する電力がソレノイドアクチュエータに供給される。その結果、上皿6021に貯留された遊技球が順次発射され、発射された遊技球は、ガイドレール6041(後述の図295参照)に案内されて遊技盤6012の遊技領域6012aへ放出される。
また、図292〜図294には示さないが、発射ハンドル6025の側部には、発射停止ボタンが設けられる。発射停止ボタンは、ソレノイドアクチュエータによる遊技球の発射を停止させるために設けられたボタンである。遊技者が発射停止ボタンを押下すると、発射ハンドル6025を把持して回動させた状態であっても、遊技球の発射が停止される。
払出装置6016は、ベースドア6003の背面側に配置される。払出装置6016には、貯留ユニット(不図示)から遊技球が供給される。払出装置6016は、貯留ユニットから供給された遊技球の中から、払出条件の成立に基づいて、所定個数の遊技球を上皿6021又は下皿6022に払い出す。また、払出装置6016の背面側には、図294に示すように、電源スイッチ6035が設けられる。
基板ユニット6017は、ベースドア6003の背面側に配置される。基板ユニット6017には、各種制御基板、各種ユニット、各種スイッチ等が配設される。具体的には、図294に示すように、主制御回路6100(後述の図296参照)が実装された主制御基板6030、副制御回路6200(後述の図296及び図297参照)が実装された副制御基板6040、遊技球の払出・発射を制御する払出・発射制御回路6300(後述の図296参照)が実装された払出・発射制御基板6050、及び、電源を供給する電源供給回路6033(後述の図296参照)を有する電源供給ユニット6060等が基板ユニット6017に設けられている。
なお、本実施形態では、副制御基板6040を、ワンボード基板(1つの基板に1つの制御LSIまたは複数のLSIが設けられた基板)として構成するが、本発明はこれに限られず、副制御基板6040を、複数の基板で構成(例えば、後述のホスト制御回路6210、音声・LED制御回路6220、表示制御回路6230等をそれぞれ別個の基板で構成)してもよい。
また、本実施形態のパチンコ遊技機6001では、パチンコゲームの有利度合に関わる各種データ(例えば大当り確率等)が異なる複数の設定値(本実施形態では「1」〜「6」の6段階)が設けられている。設定「6」が遊技者に最も有利であり(例えば、大当り確率が最も高く)、設定値が小さくなるにつれて遊技者にとっての有利度も段階的に低くなる。
そして、図294には示さないが、主制御基板6030を収容する主基板ケース内には、遊技者が設定値を変更したり確認したりする際に操作される設定キー6080、設定値を変更する際に操作される設定スイッチ6081、性能表示モニタ6070及びエラー報知モニタ6071(いずれも後述の図296参照)が収容されている。性能表示モニタ6070には、例えば後述の性能表示データや設定値が表示される。エラー報知モニタ6071には、例えばエラーコード等が表示される。
なお、設定キー6080及び設定スイッチ6081が主基板ケース内に収容されている理由は、セキュリティ面を考慮して、パチンコ遊技機6001の管理責任者(以下、「遊技機管理責任者」と称する)以外の第三者(例えば遊技者)が設定キー6080及び/又は設定スイッチ6081に容易にアクセスできないようにするためである。ただし、本明細書でいう、「主基板ケース内」には、主基板ケースを開放しなければ設定キー6080及び/又は設定スイッチ6081にアクセスできない構成のものだけでなく、主基板ケースの設定キー6080及び設定スイッチ6081の対応設置箇所にのみ切欠きが設けられ、遊技機管理責任者が管理する鍵を使用してパチンコ遊技機6001を設置している島設備から当該パチンコ遊技機6001を回動させて背面を露出させたときに、遊技機管理責任者が設定キー6080及び/又は設定スイッチ6081にアクセスできるように構成されているものも含まれる。
[ガラスドア]
ガラスドア6004は、表面が略四角形状の板状部材で構成される。また、ガラスドア6004は、遊技盤6012の前面側に配置され、遊技盤6012を覆う大きさを有する。このガラスドア6004の前面において、スピーカ6011と対向する上部領域には、スピーカカバー6029が設けられる。
また、ガラスドア6004の中央部において、遊技盤6012の遊技領域6012aと対向する領域には、少なくとも遊技領域6012aを露出させるような大きさの開口6004aが形成される。そして、ガラスドア6004の開口6004aには、光透過性を有する保護ガラス6028が取り付けられ、これにより、開口6004aが塞がれる。したがって、ガラスドア6004をベースドア6003に対して閉じると、保護ガラス6028は、遊技盤6012の少なくとも遊技領域6012aに対面するように配置される。
[遊技盤]
次に、遊技盤6012の構成について、図295を参照して説明する。図295は、遊技盤6012の構成を示す正面図である。
遊技盤6012の前面には、図295に示すように、ガイドレール6041と、球通過検出器6043と、第1始動口6044(始動領域)と、第2始動口6045(始動領域)と、普通電動役物6046とが設けられる。また、遊技盤6012の前面には、一般入賞口6051,6052と、第1大入賞口6053(可変入賞装置)と、第2大入賞口6054(可変入賞装置)と、アウト口6055と、複数の遊技釘6056とが設けられる。さらに、遊技盤6012の前面において、その略中央に配置された表示装置6013の表示領域6013aの上部には、第1特別図柄表示装置6061と、第2特別図柄表示装置6062と、普通図柄表示装置6063と、第1特別図柄保留表示装置6064と、第2特別図柄保留表示装置6065と、普通図柄保留表示装置6066とが設けられる。
なお、図295には示さないが、遊技盤6012の前面には、演出用7セグカウンタも設けられている。演出用7セグカウンタは、二桁の数字や2つの英字を表示可能な表示カウンタで構成される。また、本実施形態では、特別図柄の停止表示の結果が「大当り」である場合に点灯する報知LED(Light Emitting Diode)や、大当り遊技中のラウンド数を表示するラウンド数表示LEDなどを設けてもよい。
[遊技領域の各種構成部材]
ガイドレール6041は、遊技領域6012aを区画する円弧状に延在した外レール6041aと、この外レール6041aの内側(内周側)に配置された、円弧状に延在した内レール6041bとで構成される。遊技領域6012aは、外レール6041aの内側に形成される。外レール6041a及び内レール6041bは、遊技者側から見て、遊技領域6012aの左側端部付近において互いに対向するように配置され、これにより、外レール6041aと内レール6041bとの間に、発射装置6015によって発射された遊技球を遊技領域6012aの上部へ案内するガイド経路6041cが形成される。
また、遊技領域6012aの左側上部に位置する内レール6041bの先端部には、該内レール6041bの先端部と、それと対向する外レール6041aの一部とにより、玉放出口6041dが形成される。そして、内レール6041bの先端部には、玉放出口6041dを塞ぐようにして、玉戻り防止片6042が設けられる。この玉戻り防止片6042は、玉放出口6041dから遊技領域6012aに放出された遊技球が、再び玉放出口6041dを通過してガイド経路6041cに進入することを防止する。
玉放出口6041dから放出された遊技球は、遊技領域6012aの上部から下部に向かって流下する。この際、遊技球は、複数の遊技釘6056、第1始動口6044、第2始動口6045等の遊技領域6012aに設けられた各種部材に衝突して、その進行方向を変えながら遊技領域6012aの上部から下部に向かって流下する。
遊技領域6012aの略中央には、表示装置6013の表示領域6013aが設けられる。この表示領域6013aの上端には、障害物6013bが設けられる。障害物6013bを設けることにより、遊技球は、遊技領域6012a内の表示領域6013aと重なる領域上を通過しない。
球通過検出器6043は、遊技者側から見て、表示領域6013aの右側端部付近に配置される。球通過検出器6043には、球通過検出器6043を通過する遊技球を検出するための通過球スイッチ6043a(後述の図296参照)が設けられる。また、球通過検出器6043を遊技球が通過することにより、「当り」か否かの抽選が行われ、該抽選の結果に基づいて普通図柄の変動表示が開始される。
第1始動口6044は、表示領域6013aの下方に配置され、第2始動口6045は、第1始動口6044の下方に配置される。第1始動口6044及び第2始動口6045は、遊技球を受け入れ可能な部材で構成される。以下、遊技球が第1始動口6044又は第2始動口6045に入ること又は通過することを「入賞」という。そして、遊技球が第1始動口6044又は第2始動口6045に入賞すると、第1所定数(本実施形態では3個)の遊技球が払い出される。また、第1始動口6044に遊技球が入球することにより、「大当り」であるか否かの抽選が行われ、該抽選の結果に基づいて特別図柄の変動表示が開始される。さらに、第2始動口6045に遊技球が入球することにより、「大当り」及び「小当り」のいずれかであるか否かの抽選が行われ、該抽選の結果に基づいて特別図柄の変動表示が開始される。
第1始動口6044には、第1始動口6044に入賞した遊技球を検出するための第1始動口入賞球スイッチ6044a(後述の図296参照)が設けられる。また、第2始動口6045には、第2始動口6045に入賞した遊技球を検出するための第2始動口入賞球スイッチ6045a(後述の図296参照)が設けられる。なお、第1始動口6044及び第2始動口6045に入賞した遊技球は、遊技盤6012に設けられた回収口(不図示)を通過して遊技球の回収部(不図示)に搬送される。
普通電動役物6046は、第2始動口6045に設けられる。普通電動役物6046は、第2始動口6045の両側に回動可能に取り付けられた一対の羽根部材と、一対の羽根部材を駆動させる普通電動役物ソレノイド6046a(始動口ソレノイド、後述の図296参照)とを有する。この普通電動役物6046は、普通電動役物ソレノイド6046aにより駆動され、一対の羽根部材を拡げて第2始動口6045に遊技球を入賞し易くする開放状態、及び、一対の羽根部材を閉じて第2始動口6045に遊技球を入賞不可能にする閉鎖状態の一方の状態を発生させる。そして、時短遊技状態では、普通電動役物6046が開放状態になり易い状態となる。なお、普通電動役物6046が閉鎖状態である場合、一対の羽根部材の開口形態を、本実施形態のように、入賞不可能にする形態でなく、遊技球の入賞が困難になるような形態にしてもよい。
一般入賞口6051は、遊技者側から見て、遊技領域6012aの左下部付近に配置される。また、一般入賞口6052は、球通過検出器6043の下方に配置され、且つ、遊技者側から見て、遊技領域6012aの右下部付近に配置される。一般入賞口6051及び一般入賞口6052は、遊技球を受け入れ可能な部材で構成される。以下では、遊技球が一般入賞口6051又は一般入賞口6052に入ること又は通過することもまた、「入賞」という。一般入賞口6051又は一般入賞口6052に遊技球が入賞すると、第2所定数(本実施形態では10個)の遊技球が払い出される。
一般入賞口6051には、一般入賞口6051に入賞した遊技球を検出するための一般入賞球スイッチ6051a(後述の図296参照)が設けられる。また、一般入賞口6052には、一般入賞口6052に入賞した遊技球を検出するための一般入賞球スイッチ6052a(後述の図296参照)が設けられる。
第1大入賞口6053及び第2大入賞口6054(特別電動役物)は、球通過検出器6043の下方で、且つ、第1始動口6044と一般入賞口6052との間に配置される。そして、第1大入賞口6053及び第2大入賞口6054は、遊技球の流路に沿って上下方向に配置され、第1大入賞口6053は、第2大入賞口6054の上方に配置される。第1大入賞口6053及び第2大入賞口6054は、ともに、いわゆるアタッカー式の開閉装置であり、開閉可能なシャッタ6053a及び6054aと、シャッタを駆動させるソレノイドアクチュエータ(後述の図296中の第1大入賞口ソレノイド6053b及び第2大入賞口ソレノイド6054b)とを有する。
第1大入賞口6053及び第2大入賞口6054のそれぞれは、対応するシャッタが開いている状態(開放状態)のときに遊技球を受け入れ、シャッタが閉じている状態(閉鎖状態)のときには遊技球を受け入れない。以下では、遊技球が第1大入賞口6053又は第2大入賞口6054に入ること又は通過することもまた、「入賞」という。第1大入賞口6053に遊技球が入賞すると、第3所定数球(本実施形態では10個)の遊技球が払い出される。一方、第2大入賞口6054に遊技球が入賞すると、第4所定数球(本実施形態では15個)の遊技球が払い出される。
また、第1大入賞口6053には、第1大入賞口6053に入賞した遊技球を計数するためのカウントスイッチ6053c(後述の図296参照)が設けられる。さらに、第2大入賞口6054には、第2大入賞口6054に入賞した遊技球を計数するためのカウントスイッチ6054c(後述の図296参照)が設けられる。
アウト口6055は、遊技領域6012aの最下部に設けられる。このアウト口6055は、第1始動口6044、第2始動口6045、一般入賞口6051、一般入賞口6052、第1大入賞口6053及び第2大入賞口6054のいずれにも入賞しなかった遊技球を受け入れる。
本実施形態の遊技領域6012aにおける各種構成部材の配置を図295に示すような配置にすると、遊技者により遊技領域6012aの右側の領域に遊技球が打ち込まれた場合(右打ちされた場合)、遊技釘6056等により遊技球が第2始動口6045に誘導される。この場合、第1始動口6044に入賞する可能性はほとんどない。なお、本実施形態のパチンコ遊技機6001では、第2始動口6045に入賞した方が、第1始動口6044に入賞した場合より、遊技者にとって有利な「大当り」の抽選を受け易い遊技性となっている。それゆえ、第2始動口6045への入賞が比較的容易になる時短遊技状態では、右打ちを行うことにより、第1始動口6044への入賞の可能性(遊技者にとって不利な遊技状態となる可能性)を低くすることができる。
[特別図柄表示装置]
第1特別図柄表示装置6061及び第2特別図柄表示装置6062は、図295に示すように、表示装置6013の表示領域6013aの上部の略中央に配置される。
第1特別図柄表示装置6061及び第2特別図柄表示装置6062はそれぞれ、特別図柄ゲームにおいて、対応する特別図柄(後述の第1特別図柄又は第2特別図柄)を可変表示(変動表示及び停止表示)する表示装置である。本実施形態では、図295に示すように、特別図柄を数字や記号等からなる図柄で表示する装置により各特別図柄表示装置を構成する。なお、本発明はこれに限定されず、特別図柄表示装置を、例えば、複数のLEDにより構成してもよい。この場合には、複数のLEDの点灯・消灯によって構成される表示パターンを特別図柄として表す。
第1特別図柄表示装置6061は、遊技球が第1始動口6044に入賞したこと(特別図柄始動入賞)を契機に、特別図柄(識別情報)の変動表示を行う。そして、第1特別図柄表示装置6061は、所定時間、特別図柄の変動表示を行った後、特別図柄の停止表示を行う。なお、以下では、遊技球が第1始動口6044に入賞したときに、第1特別図柄表示装置6061において変動表示される特別図柄を、「第1特別図柄」という。
そして、第1特別図柄表示装置6061において、停止表示された第1特別図柄が特定の態様(「大当り」の態様)である場合には、遊技状態が、通常遊技状態から遊技者に有利な状態である大当り遊技状態に移行する。すなわち、第1特別図柄表示装置6061において、第1特別図柄が大当り遊技状態に移行する態様(大当り図柄)で停止表示されることが、「大当り」である。
第2特別図柄表示装置6062は、遊技球が第2始動口6045に入賞したこと(特別図柄始動入賞)を契機に、特別図柄(識別情報)の変動表示を行う。そして、第2特別図柄表示装置6062は、所定時間、特別図柄の変動表示を行った後、特別図柄の停止表示を行う。なお、以下では、遊技球が第2始動口6045に入賞したときに、第2特別図柄表示装置6062において変動表示される特別図柄を、「第2特別図柄」という。
そして、第2特別図柄表示装置6062において、停止表示された第2特別図柄が特定の態様(「大当り」の態様)である場合には、遊技状態が、通常遊技状態から遊技者に有利な状態である大当り遊技状態に移行する。すなわち、第2特別図柄表示装置6062において、第2特別図柄が大当り遊技状態に移行する態様(大当り図柄)で停止表示されることが、「大当り」である。また、第2特別図柄表示装置6062において、停止表示された第2特別図柄が規定の態様(「小当り」の態様)である場合には、遊技状態が、通常遊技状態から遊技者にとって大きな賞球が期待できない小当り遊技状態に移行する。すなわち、第2特別図柄表示装置6062において、第2特別図柄が小当り遊技状態に移行する態様(小当り図柄)で停止表示されることが、「小当り」である。
なお、本実施形態のパチンコ遊技機6001は、第1特別図柄及び第2特別図柄を同時変動させることが可能な方式(同時変動タイプ)の遊技機である。それゆえ、本実施形態のパチンコ遊技機6001では、第1特別図柄表示装置6061及び第2特別図柄表示装置6062の一方で特別図柄の変動表示が行われている最中に、他方の特別図柄表示装置で特別図柄始動入賞に基づく特別図柄の変動表示を開始させることができる。
大当り遊技状態では、第1大入賞口6053又は第2大入賞口6054が開放状態になる。具体的には、本実施形態では、遊技球が第1始動口6044に入賞し、第1特別図柄表示装置6061において第1特別図柄が特定の態様で停止表示された場合(大当り時)には、第1大入賞口6053が開放状態となる。一方、遊技球が第2始動口6045に入賞し、第2特別図柄表示装置6062において第2特別図柄が特定の態様又は規定の態様で停止表示された場合(大当り時又は小当り時)には、第2大入賞口6054が開放状態となる。
各大入賞口の開放状態は、遊技球が所定個数入賞するまで、又は、一定期間(例えば30sec)が経過するまで維持される。そして、各大入賞口の開放状態の経過期間が、このいずれかの条件を満たすと、開放状態であった大入賞口が閉鎖状態になる。
以下では、第1大入賞口6053又は第2大入賞口6054が遊技球を受け入れやすい状態(開放状態)となっている遊技を「ラウンドゲーム」という。ラウンドゲーム間は、大入賞口が閉鎖状態となる。また、ラウンドゲームは、1ラウンド、2ラウンド等のラウンド数として計数される。例えば、1回目のラウンドゲームを第1ラウンド、2回目のラウンドゲームを第2ラウンドと称する。
なお、第1特別図柄表示装置6061において、停止表示された第1特別図柄が特定の態様以外の態様(「ハズレ」の態様)である場合、又は、第2特別図柄表示装置6062において、停止表示された第2特別図柄が特定及び規定の態様以外の態様(「ハズレ」の態様)である場合には、転落抽選(なお、本実施形態のパチンコ遊技機6001では行われない)に当選した場合を除き遊技状態は移行しない。すなわち、特別図柄ゲームは、特別図柄表示装置により、特別図柄が変動表示され、その後、特別図柄が停止表示され、その結果によって遊技状態が移行又は維持されるゲームである。
また、本実施形態のパチンコ遊技機6001では、第1特別図柄の変動表示中に遊技球が第1始動口6044に入賞した場合、該入賞に対応する第1特別図柄の可変表示(保留球)が保留される。そして、現在、変動表示中の第1特別図柄が停止表示されると、保留されていた第1特別図柄の変動表示が開始される。本実施形態では、保留される第1特別図柄の可変表示の数(いわゆる、「保留個数(保留球の個数)」)を、最大4回(個)に規定する。
さらに、本実施形態では、第2特別図柄の変動表示中に遊技球が第2始動口6045に入賞した場合、該入賞に対応する第2特別図柄の可変表示(保留球)が保留される。そして、現在、変動表示中の第2特別図柄が停止表示されると、保留されていた第2特別図柄の変動表示が開始される。本実施形態では、保留される第2特別図柄の可変表示の数(保留個数)を、最大4回(個)に規定する。したがって、本実施形態では、特別図柄の可変表示の保留個数は、合わせて最大8個となる。
なお、本実施形態のパチンコ遊技機6001は同時変動タイプの遊技機であるので、第1特別図柄の保留球及び第2特別図柄の保留球が混在した場合、一方の特別図柄の保留球に基づく一方の特別図柄の変動表示中に、他方の特別図柄の保留球に基づく他方の特別図柄の変動表示が開始されることもある。
[普通図柄表示装置]
普通図柄表示装置6063は、図295に示すように、表示装置6013の表示領域6013aの上部の略中央に配置される。そして、本実施形態では、普通図柄表示装置6063は、遊技者側から見て、特別図柄表示装置(第1特別図柄表示装置6061及び第2特別図柄表示装置6062)の右側に配置される。
普通図柄表示装置6063は、普通図柄ゲームにおいて、普通図柄を可変表示(変動表示及び停止表示)する表示装置である。本実施形態では、図295に示すように、普通図柄表示装置6063を、上下方向に配列された2つのLED(普通図柄表示LED)により構成する。そして、普通図柄表示装置6063では、各普通図柄表示LEDの点灯・消灯によって構成される表示パターンを普通図柄として表す。
普通図柄表示装置6063は、遊技球が球通過検出器6043を通過したことを契機に、2つの普通図柄表示LEDを交互に点灯・消灯して、普通図柄の変動表示を行う。そして、普通図柄表示装置6063は、所定時間、普通図柄の変動表示を行った後、普通図柄の停止表示を行う。
普通図柄表示装置6063において、停止表示された普通図柄が所定の態様(「当り」の態様)である場合には、普通電動役物6046が所定の期間だけ閉鎖状態から開放状態になる。一方、停止表示された普通図柄が所定の態様以外の態様(「ハズレ」の態様)である場合には、普通電動役物6046は閉鎖状態を維持する。すなわち、普通図柄ゲームは、普通図柄表示装置6063により、普通図柄が変動表示されて、その後、普通図柄が停止表示され、その結果に応じて普通電動役物6046が動作するゲームである。
なお、普通図柄の変動表示中に遊技球が球通過検出器6043を通過した場合には、普通図柄の可変表示が保留される。そして、現在、変動表示中の普通図柄が停止表示されると、保留されていた普通図柄の変動表示が開始される。本実施形態では、保留される普通図柄の可変表示の数(すなわち、「保留個数」)を、最大4回(個)に規定する。
[第1特別図柄保留表示装置]
第1特別図柄保留表示装置6064は、図295に示すように、表示装置6013の表示領域6013aの上部において、遊技者側から見て、第1特別図柄表示装置6061の左側に配置される。
第1特別図柄保留表示装置6064は、保留されている第1特別図柄の可変表示(第1特別図柄の保留球)に関する情報を表示する装置である。本実施形態では、図295に示すように、第1特別図柄保留表示装置6064は、第1特別図柄保留個数表示部6064aと、第1特別図柄保留情報表示部6064bとで構成される。そして、第1特別図柄保留情報表示部6064bは、第1特別図柄表示装置6061の左側に配置され、第1特別図柄保留個数表示部6064aは、第1特別図柄保留情報表示部6064bの左側に配置される。
第1特別図柄保留個数表示部6064aは、左右方向に配列された4つのLED(第1特別図柄保留表示LED)を有する。そして、第1特別図柄保留表示装置6064では、各第1特別図柄保留表示LEDの点灯・消灯により、第1特別図柄の可変表示の保留個数を表示する。
具体的には、第1特別図柄の可変表示の保留個数が1個である場合、遊技者側から見て、最も左側に位置する第1特別図柄保留表示LED(左から1つ目の第1特別図柄保留表示LED)が点灯し、その他の第1特別図柄保留表示LEDが消灯する。第1特別図柄の可変表示の保留個数が2個の場合には、左から1つ目及び2つ目の第1特別図柄保留表示LEDが点灯し、その他の第1特別図柄保留表示LEDが消灯する。第1特別図柄の可変表示の保留個数が3個の場合は、左から1つ目〜3つ目の第1特別図柄保留表示LEDが点灯し、その他の第1特別図柄保留表示LEDが消灯する。そして、第1特別図柄の可変表示の保留個数が4個の場合には、全ての第1特別図柄保留表示LEDが点灯する。
第1特別図柄保留情報表示部6064bは、第1特別図柄の保留球に関する情報を表示する。例えば、第1特別図柄保留情報表示部6064bは、次に変動表示させる第1特別図柄の保留球に関する情報(識別情報)を数字や記号等からなる図柄で表示する。なお、第1特別図柄保留表示装置6064の構成は、図295に示す例に限定されず、少なくとも第1特別図柄の可変表示の保留個数を表示できる構成であれば、任意に構成することができる。
[第2特別図柄保留表示装置]
第2特別図柄保留表示装置6065は、図295に示すように、表示装置6013の表示領域6013aの上部において、遊技者側から見て、普通図柄表示装置6063の右側に配置される。
第2特別図柄保留表示装置6065は、保留されている第2特別図柄の可変表示(第2特別図柄の保留球)に関する情報を表示する装置である。本実施形態では、図295に示すように、第2特別図柄保留表示装置6065は、第2特別図柄保留個数表示部6065aと、第2特別図柄保留情報表示部6065bとで構成される。そして、第2特別図柄保留情報表示部6065bは、普通図柄表示装置6063の右側に配置され、第2特別図柄保留個数表示部6065aは、第2特別図柄保留情報表示部6065bの右側に配置される。
第2特別図柄保留個数表示部6065aは、左右方向に配列された4つのLED(第2特別図柄保留表示LED)を有する。なお、第2特別図柄保留個数表示部6065aの表示態様は、第1特別図柄保留個数表示部6064aの表示態様と同様である。すなわち、第2特別図柄の可変表示が保留されている場合には、遊技者側から見て、最も左側に位置する第2特別図柄保留表示LEDから保留個数目までの第2特別図柄保留表示LEDが点灯する。
第2特別図柄保留情報表示部6065bは、第2特別図柄の保留球に関する情報を表示する。例えば、第2特別図柄保留情報表示部6065bは、次に変動表示させる第2特別図柄の保留球に関する情報(識別情報)を数字や記号等からなる図柄で表示する。なお、第2特別図柄保留表示装置6065の構成は、図295に示す例に限定されず、少なくとも第2特別図柄の可変表示の保留個数を表示できる構成であれば、任意に構成することができる。
[普通図柄保留表示装置]
普通図柄保留表示装置6066は、図295に示すように、表示装置6013の表示領域6013aの上部の略中央に配置される。そして、本実施形態では、普通図柄保留表示装置6066は、第1特別図柄表示装置6061、第2特別図柄表示装置6062及び普通図柄表示装置6063の下方に配置される。
普通図柄保留表示装置6066は、普通図柄の可変表示の保留個数を表示する装置である。本実施形態では、図295に示すように、普通図柄保留表示装置6066を、左右方向に配列された4つのLED(普通図柄保留表示LED)により構成する。そして、普通図柄保留表示装置6066では、各普通図柄保留表示LEDの点灯・消灯により、普通図柄の可変表示の保留個数を表示する。
なお、普通図柄保留表示装置6066の表示態様は、第1特別図柄保留個数表示部6064aの表示態様と同様である。すなわち、普通図柄の可変表示が保留されている場合には、遊技者側から見て、最も左側に位置する普通図柄保留表示LEDから保留個数目までの普通図柄保留表示LEDが点灯する。
[表示装置]
表示装置6013は、上述のように液晶表示装置で構成され、その表示領域6013aにおいて各種画像表示演出を行う。具体的には、第1特別図柄表示装置6061に表示される第1特別図柄及び第2特別図柄表示装置6062に表示される第2特別図柄と関連する演出画像が表示領域6013aに表示される。
例えば、第1特別図柄表示装置6061において第1特別図柄が変動表示中であるときには、特定の場合を除いて、例えば、1〜8までの数字や各種文字などからなる複数の演出用識別図柄(装飾図柄)が表示領域6013aに変動表示される。次いで、第1特別図柄表示装置6061において第1特別図柄が停止表示されると、表示領域6013aにも、第1特別図柄に対応する複数の装飾図柄(大当り図柄等)が停止表示される。
そして、第1特別図柄表示装置6061において停止表示された第1特別図柄が特定の態様である(停止表示の結果が「大当り」である)場合には、「大当り」であることを遊技者に把握させるための演出画像が表示領域6013aに表示される。「大当り」であることを遊技者に把握させるための演出としては、例えば、まず、停止表示された複数の装飾図柄が特定の態様(例えば、同一の装飾図柄が所定の方向に沿って並ぶ態様)となり、その後、「大当り」を報知する画像を表示するような演出が挙げられる。
また、例えば、第2特別図柄表示装置6062において第2特別図柄が変動表示中であるときには、特定の場合を除いて、複数の演出用識別図柄(装飾図柄)が表示領域6013aに変動表示される。次いで、第2特別図柄表示装置6062において第2特別図柄が停止表示されると、表示領域6013aにも、第2特別図柄に対応する複数の装飾図柄(大当り図柄等)が停止表示される。そして、第2特別図柄表示装置6062において停止表示された第2特別図柄が特定の態様である(停止表示の結果が「大当り」である)場合には、「大当り」であることを遊技者に把握させるための演出画像が表示領域6013aに表示される。
また、例えば、第1特別図柄及び第2特別図柄の両方が変動表示中であるときには、第1特別図柄の変動表示に対応する複数の装飾図柄の変動表示及び第2特別図柄の変動表示に対応する複数の装飾図柄の変動表示の両方が表示領域6013aで実施される。
また、本実施形態では、表示装置6013の表示領域6013aに、第1特別図柄保留表示装置6064及び第2特別図柄保留表示装置6065の表示内容と関連する演出画像が表示される。例えば、表示領域6013aには、特別図柄の可変表示の保留個数を報知する保留情報(例えば、保留個数と同じ数の保留用図柄)が表示される。また、例えば、本実施形態のパチンコ遊技機6001では、特別図柄の保留球の情報に基づいて先読み演出を行うが、この際の予告報知も表示領域6013aに表示される。
さらに、本実施形態では、遊技状態が待機状態中である場合には、待機状態であることを遊技者に把握させるための演出画像(デモ画像)が表示領域6013aに表示される。なお、本実施形態では、普通図柄表示装置6063において停止表示された普通図柄が所定の態様であった場合に、その情報を遊技者に把握させる演出画像を表示装置6013の表示領域6013aに表示させる機能をさらに設けてもよい。
<パチンコ遊技機が備える回路の構成>
次に、図296を参照しながら、本実施形態のパチンコ遊技機6001が備える各種回路の構成について説明する。なお、図296は、パチンコ遊技機6001の回路構成を示すブロック図である。
パチンコ遊技機6001は、図296に示すように、主に、遊技動作の制御を行う主制御回路6100と、遊技の進行に応じた演出動作の制御を行う副制御回路6200と、払出・発射制御回路6300と、電源供給回路6033と、を有する。
[主制御回路]
主制御回路6100は、メインCPU(Central Processing Unit)6101と、メインROM(Read Only Memory)6102と、メインRAM(Random Access Memory)6103と、初期リセット回路6104と、I/Oポート6105と、コマンド出力ポート6106と、バックアップコンデンサ6107と、を備える。メインROM6102、メインRAM6103及び初期リセット回路6104は、メインCPU6101に接続される。
なお、本実施形態では、第1始動口6044又は第2始動口6045の入賞時に特別図柄の抽選(大当り抽選)を行うが、この抽選処理は、主制御回路6100により制御される。すなわち、主制御回路6100は、遊技状態を遊技者にとって有利な状態に移行させるか否かの抽選処理を行う手段(判定手段)も兼ねる。
また、本実施形態では、メインCPU6101、メインROM6102、メインRAM6103、I/Oポート6105及びコマンド出力ポート6106は、それぞれ別個に設けられていてもよい。また、本実施形態では、主制御回路6100の基板にメインROM6102が内蔵されている構成例を説明するが、本発明はこれに限定されない。例えば、主制御回路6100の基板に、メインROM6102を搭載したROM基板を接続してもよい。さらに、本実施形態では、主制御回路6100内の各種回路(各種手段)は、一体的に形成されていてもよいし、別体として形成されていてもよい。また、メインROM6102は、遊技機に設置される構成で無くてもよく、遊技機と通信可能となるような構成であってもよい。
メインCPU6101は、メインROM6102に記憶されたプログラムに従って、各種処理を実行する。メインROM6102には、メインCPU6101によりパチンコ遊技機6001の動作を制御するための各種プログラムや、各種データテーブル等が記憶されている。
メインRAM6103は、メインCPU6101が各種処理を実行する際の一時記憶領域として作用し、メインCPU6101が各種処理に必要となる各種乱数値、抽選結果、種々のフラグや変数の値が記憶される。メインROM6102及びメインRAM6103のメモリマップ、及び、メインRAM6103に格納される各種情報の具体例については、後述の図299、図301〜図304を参照して、後で説明する。なお、本実施形態では、メインCPU6101の一時記憶領域としてメインRAM6103を用いるが、本発明はこれに限定されず、読み書き可能な記憶媒体であれば任意の記録媒体を一時記憶領域として用いることができる。
初期リセット回路6104は、電源投入時にリセット信号を生成する回路である。I/Oポート6105は、主制御回路6100と、それに接続された各種のデバイスとの間で入出力される信号のインターフェース(入出力ポート)である。コマンド出力ポート6106は、メインCPU6101から副制御回路6200にコマンドデータを送信する際に用いられる出力ポートである。バックアップコンデンサ6107は、電断(電源オフ)時に、例えばメインRAM6103に対して速やかに電源を供給するためのコンデンサであり、このコンデンサによる電源供給により、電断時にもメインRAM6103に記憶されている各種データを保持することができる。
また、主制御回路6100には、図296に示すように、主制御回路6100から出力された信号に応じて動作する各種の装置が接続される。
具体的には、主制御回路6100には、第1特別図柄表示装置6061、第2特別図柄表示装置6062、普通図柄表示装置6063、第1特別図柄保留表示装置6064、第2特別図柄保留表示装置6065及び普通図柄保留表示装置6066が接続される。これらの各装置は、主制御回路6100から出力された信号に基づいて所定の動作を行う。例えば、主制御回路6100から第1特別図柄表示装置6061に所定の出力信号が送信されると、第1特別図柄表示装置6061は、その出力信号に基づいて、特別図柄ゲームにおける第1特別図柄の可変表示の動作制御を行う。
さらに、主制御回路6100は、図296に示すように、各種スイッチ(センサ)に接続され、各種スイッチの出力信号を受信する。具体的には、主制御回路6100には、カウントスイッチ6053c,6054c、一般入賞球スイッチ6051a,6052a、通過球スイッチ6043a、第1始動口入賞球スイッチ6044a、第2始動口入賞球スイッチ6045a等が接続される。
カウントスイッチ6053cは、第1大入賞口6053に入賞した遊技球を計数し、その結果を示す所定の出力信号を主制御回路6100に出力する。カウントスイッチ6054cは、第2大入賞口6054に入賞した遊技球を計数し、その結果を示す所定の出力信号を主制御回路6100に出力する。一般入賞球スイッチ6051aは、一般入賞口6051に遊技球が入賞した場合に、所定の検知信号を主制御回路6100に出力し、一般入賞球スイッチ6052aは、一般入賞口6052に遊技球が入賞した場合に、所定の検知信号を主制御回路6100に出力する。
通過球スイッチ6043aは、遊技球が球通過検出器6043を通過した場合に、所定の検知信号を主制御回路6100に出力する。第1始動口入賞球スイッチ6044aは、遊技球が第1始動口6044に入賞した場合に、所定の検知信号を主制御回路6100に出力する。また、第2始動口入賞球スイッチ6045aは、遊技球が第2始動口6045に入賞した場合に、所定の検知信号を主制御回路6100に出力する。
また、主制御回路6100には、図296に示すように、普通電動役物ソレノイド6046a、第1大入賞口ソレノイド6053b及び第2大入賞口ソレノイド6054bが接続される。そして、主制御回路6100は、普通電動役物ソレノイド6046aを駆動制御して、普通電動役物6046の一対の羽根部材を開放状態又は閉鎖状態にする。また、主制御回路6100は、第1大入賞口ソレノイド6053b及び第2大入賞口ソレノイド6054bをそれぞれ駆動制御して、第1大入賞口6053及び第2大入賞口6054を開放状態又は閉鎖状態にする(特別電動役物(シャッタ6053a,6054a)の開閉制御を行う)。
また、主制御回路6100には、図296に示すように、性能表示モニタ6070及びエラー報知モニタ6071が接続される。
性能表示モニタ6070には、メインCPU6101の制御により性能表示データが表示される。性能表示データは、例えば、所定数(例えば60000個)の遊技球の発射に対して大当り遊技状態以外の遊技状態で払い出された遊技球の割合を示すデータであり、ベース値とも呼ばれる。なお、性能表示モニタ6070で表示される表示内容については、後で詳述する。
エラー報知モニタ6071には、エラーコードが表示される。また、エラー報知モニタ6071には、エラーコードの他に、後述の設定変更処理中であることを示す設定変更中コード、後述の設定確認処理中であることを示す設定確認中コード等を表示することもできる。なお、設定変更中コードとしては、特別図柄表示装置において通常では表示することのない図柄(設定変更図柄)を表示するようにしてもよい。
また、主制御回路6100には、図296に示すように、設定キー6080、設定スイッチ6081及びRAMクリアスイッチ6121が接続される。なお、RAMクリアスイッチ6121はバックアップクリアスイッチと同じである。
設定キー6080は、後述の設定変更処理や設定確認処理を実行するための契機となる鍵又は鍵に類するものである。設定スイッチ6081は、押下操作可能であり、後述の設定変更処理の際に、セットされている設定値を変更する際に押下操作される。なお、本実施形態では、上述のように、遊技機管理責任者以外の第三者(例えば遊技者)が設定キー6080や設定スイッチ6081に容易にアクセスできないようにするため、設定キー6080及び設定スイッチ6081は、主基板ケース内に収容されている。
なお、本実施形態では、設定キー6080及び設定スイッチ6081が主制御回路6100に接続されているが、本発明はこれに限定されず、例えば、設定キー6080及び設定スイッチ6081が後述の電源供給回路6033に接続されるような構成にしてもよい。この場合にもまた、遊技機管理責任者以外の第三者(例えば遊技者)が設定キー6080や設定スイッチ6081に容易にアクセスできないようにするため、設定キー6080及び設定スイッチ6081が所定のケース内に収容されていることが好ましい。なお、ここでいう、「所定のケース内」には、当該ケースを開放しないと設定キー6080や設定スイッチ6081にアクセスできない構成のものだけでなく、当該ケースの設定キー6080及び設定スイッチ6081の対応箇所にのみ切欠きが設けられ、遊技機管理責任者が管理する鍵を使用してパチンコ遊技機6001を設置している島設備から当該パチンコ遊技機6001を回動させて背面を露出させたときに、遊技機管理責任者が設定キー6080及び/又は設定スイッチ6081にアクセスできるように構成されているものも含まれる。
RAMクリアスイッチ6121は、主制御回路6100だけでなく払出・発射制御回路6300にも接続され、メインRAM6103を初期化(クリア)する際に操作可能なスイッチである。電断時等にバックアップデータが遊技店の管理者等のRAMクリアスイッチ6121に対する操作に応じてクリアされた場合には、所定の検知信号が主制御回路6100及び払出・発射制御回路6300に出力される。
また、主制御回路6100には、図296に示すように、払出・発射制御回路6300が接続される。なお、払出・発射制御回路6300には、遊技球を発射する発射装置6015、遊技球の払い出しを行う払出装置6016及びカードユニット6150が接続され、カードユニット6150には、貸し出し用操作部6151が接続される。
払出・発射制御回路6300は、主制御回路6100から供給される賞球制御コマンドや、カードユニット6150から供給される貸し球制御信号を受け取ると、払出装置6016に対して所定の信号を送信し、払出装置6016による遊技球の払出動作の制御を行う。
また、払出・発射制御回路6300は、発射ハンドル6025が遊技者によって握持され、且つ、時計回り方向へ回動操作されると、その回動角度(回動量)に応じて発射装置6015のソレノイドアクチュエータ(不図示)に電力を供給し、発射装置6015による遊技球の発射動作の制御を行う。なお、発射装置6015の駆動手段としては、ソレノイドアクチュエータの代わりにモータを用いてもよい。
貸し出し用操作部6151は、遊技者に操作されると、カードユニット6150に遊技球の貸し出しを要求する信号を出力する。カードユニット6150は、貸し出し用操作部6151から出力される遊技球の貸し出しを要求する信号に基づいて、払出される遊技球の数(貸し球数)を決定する。そして、カードユニット6150は、貸し出し用操作部6151から遊技球の貸し出しを要求する信号を受信すると、決定された貸し球数の情報を含む貸し球制御信号を払出・発射制御回路6300に送信する。
また、主制御回路6100には、図296に示すように、電源供給回路6033が接続される。なお、電源供給回路6033は、主制御回路6100だけでなく、副制御回路6200、払出・発射制御回路6300等にも接続される。電源供給回路6033は、パチンコ遊技機6001で遊技を行うために必要な電源電圧を生成し、主制御回路6100、副制御回路6200、払出・発射制御回路6300等に生成した電源電圧を供給する。
また、電源供給回路6033には、電源スイッチ6035(図294も参照)等が接続されている。電源スイッチ6035は、パチンコ遊技機6001に必要な電源を供給するときにオン操作される。
また、主制御回路6100には、図296に示すように、ホール全体のパチンコ遊技機を管理するホールコンピュータ6700にデータ送信するために用いられる外部端子板6140や、ホール係員を呼び出す機能や大当り回数を表示する機能等を有する呼出装置(不図示)が接続されている。
[性能表示モニタ]
ここで、性能表示モニタ6070に表示されるデータの内容について説明する。払出・発射制御回路6300は、過去の遊技履歴に基づいてベース値を集計し、集計結果をメインRAM6103の作業領域内の特定作業領域に記憶する。この特定作業領域は、RAMクリア処理(バックアップクリア処理)が行われてもデータがクリアされない領域である。なお、ベース値の集計は、所定の操作が行われたことに基づいて行われるようにしてもよいし、常に集計を行って性能表示モニタ6070にベース値が常時表示されるようにしてもよい。
払出・発射制御回路6300は、図示しないが、初期電源投入(パチンコ遊技機6001が製造された後の初めての電源投入)から現在までの全遊技履歴に基づいて全ベース値の集計を実行する全履歴集計手段と、設定値毎の過去の遊技履歴に基づいて設定値別ベース値の集計を実行する設定値別履歴集計手段とを備える。
例えば遊技機管理責任者等によって全ベース値の表示操作が行われると、全履歴集計手段は、上述した全ベース値の集計を実行する。そして、全履歴集計手段により集計された全ベース値は、メインCPU6101の制御により性能表示モニタ6070に表示される。また、設定値別ベース値の表示操作が行われると、設定値別履歴集計手段は、設定値別ベース値の集計を実行する。そして、設定値別履歴集計手段により集計された設定値別ベース値は、メインCPU6101の制御により性能表示モニタ6070に表示される。
設定値別履歴集計手段は、要求(操作)に応じて、任意の設定値についてのベース値のみを集計することもできる。この場合、現在セットされている設定値についてのベース値だけでなく、現在セットされていない他の設定値についてのベース値も集計することができる。したがって、メインCPU6101は、設定変更処理を実行することなく、他の設定値についてのベース値を性能表示モニタ6070に表示することができる。
また、メインCPU6101は、例えば遊技機管理責任者等による操作に応じて、全履歴集計手段により集計された全ベース値、及び、設定値別履歴集計手段により集計された設定値別ベース値の両方を性能表示モニタ6070に表示することができるだけでなく、両者の一方のみを選択的に性能表示モニタ6070に表示することもできる。
なお、メインCPU6101は、特定の設定値のベース値のみを性能表示モニタ6070に表示してもよいし、全ての設定値のベース値を性能表示モニタ6070に表示してもよい。また、メインCPU6101は、全ベース値及び設定値別ベース値の両方を性能表示モニタ6070に表示してもよい。さらに、メインCPU6101は、全ての設定値のベース値を表示する場合や、全ベース値及び設定値別ベース値の両方を表示する場合には、性能表示モニタ6070と他の表示手段との両方を使ってこれらのベース値を表示するようにしてもよい。
また、払出・発射制御回路6300は、上述のように、全履歴集計手段と設定値別履歴集計手段とを備えるが、これらに加えて、又は設定値別履歴集計手段に代えて、設定変更処理が実行されてから現在までの遊技履歴に基づいて設定変更後ベース値を集計する設定変更後履歴集計手段を備えるようにしてもよい。この場合、メインCPU6101は、設定変更後ベース値の表示操作に基づいて設定変更後の設定値別ベース値を性能表示モニタ6070に表示することができる。
このように、全ベース値、並びに、設定値別ベース値及び/又は設定変更後の設定値別ベース値(設定変更後ベース値)のうち、全部又は一部が性能表示モニタ6070に表示されるようにすることにより、例えば、パチンコ遊技機6001における過去の遊技履歴に基づく情報を容易に確認することができる。
なお、本実施形態では、ベース値を性能表示モニタ6070に表示する構成を説明したが、本発明はこれに限定されず、例えば、遊技球の総払出数に対する、特別電動役物(大入賞口)、普通電動役物への入球により払い出された遊技球数(役物による払出)の割合を表示するようにしてもよい。また、例えば、遊技球の総発射数に対する、役物により払い出された遊技球数の割合を表示してもよく、さらに、例えば、特別電動役物(大入賞口)により払い出された遊技球数の割合を表示するものでもよい。また、これらの割合を設定値毎に表示してもよい。
[副制御回路]
副制御回路6200は、図296に示すように、主制御回路6100のコマンド出力ポート6106に接続される。副制御回路6200(後述のホスト制御回路6210)は、主制御回路6100から送信される各種のコマンド(遊技の進行に関する情報)に従って、副制御回路6200全体の制御を行う。
具体的には、副制御回路6200は、主制御回路6100から送信される各種のコマンドに基づいて、スピーカ6011による音声再生動作の制御、表示装置6013による画像表示動作の制御、LEDを含むランプ群6018によるランプ点灯/消灯動作の制御、役物6020(装飾部材)による演出動作の制御等を行う。すなわち、副制御回路6200は、主制御回路6100からの指令に基づいて、各種演出装置を制御し、遊技の進行に応じた各種演出を実行する。なお、本実施形態では、副制御回路6200から主制御回路6100に対して信号を供給できない構成とするが、本発明はこれに限定されず、副制御回路6200から主制御回路6100に信号送信可能な構成を備えていてもよい。
また、副制御回路6200には、図296に示すように、役物検知センサ6090が接続されている。役物検知センサ6090は、役物6020(可動役物)が初期位置にあることを検出するセンサである。なお、役物6020が複数の可動部で構成される場合(複数のモータが含まれる場合)には、役物検知センサ6090は、モータ毎に設けられる。
なお、図示及び説明を省略するが、本実施形態のパチンコ遊技機6001においても、上記第11実施形態と同様に、副制御回路6200には、ボリュームスイッチ108、演出ボタンスイッチ621、メインボタンスイッチ6621、セレクトボタンスイッチ6641a〜6641d等の各種演出スイッチが接続されており、これらのスイッチをオン/オフ状態に基づいて作動する各種演出機能も設けられている。
次に、図297を参照しながら、副制御回路6200の内部構成について、より詳細に説明する。なお、図297は、副制御回路6200内部の回路構成、並びに、副制御回路6200とその各種周辺装置との接続関係を示すブロック図である。なお、図297では、説明の便宜上、役物検知センサ6090の図示を省略している。
副制御回路6200は、図297に示すように、中継基板6201と、サブ基板6202と、制御ROM基板6203と、CGROM(Character Generator ROM)基板6204とを備える。そして、サブ基板6202は、中継基板6201、制御ROM基板6203及びCGROM基板6204に接続される。なお、副制御回路6200内において、サブ基板6202と各種ROM基板(制御ROM基板6203及びCGROM基板6204)とは、ボード・トゥ・ボードコネクタ(不図示)を介して接続される。
中継基板6201は、主制御回路6100から送信されたコマンドを受信し、該受信したコマンドをサブ基板6202に送信するための中継基板である。
サブ基板6202には、ホスト制御回路6210、音声・LED制御回路6220、表示制御回路6230、SDRAM(Synchronous Dynamic RAM)6250及び内蔵中継基板6260が設けられる。
ホスト制御回路6210は、主制御回路6100から送信される各種のコマンドに基づいて、副制御回路6200全体の動作を制御する回路であり、CPUプロセッサにより構成される。ホスト制御回路6210は、サブ基板6202内において、音声・LED制御回路6220、表示制御回路6230及び内蔵中継基板6260に接続される。また、ホスト制御回路6210は、制御ROM基板6203に接続される。
また、ホスト制御回路6210は、サブワークRAM6210a及びSRAM(Static RAM)6210bを有する。サブワークRAM6210aは、ホスト制御回路6210が各種処理を実行する際の作業用一時記憶領域と作用する記憶装置であり、ホスト制御回路6210が各種処理を実行する際に必要となる種々のフラグや変数の値などを記憶する。SRAM6210bは、サブワークRAM6210a内の所定のデータをバックアップする記憶装置である。なお、本実施形態では、ホスト制御回路6210の一時記憶領域としてRAMを用いるが、本発明はこれに限定されず、読み書き可能な記憶媒体であれば任意の記録媒体を一時記憶領域として用いてよい。
音声・LED制御回路6220は、内蔵中継基板6260を介してスピーカ6011及びランプ群6018に接続され、ホスト制御回路6210から入力される制御信号(サウンドリクエスト及びランプリクエスト)に基づいて、スピーカ6011による音声再生動作の制御及びランプ群6018による発光動作の制御を行う回路である。それゆえ、機能的には、音声・LED制御回路6220は、音声コントローラ6220aと、ランプコントローラ6220bとを有する。音声コントローラ6220a及びランプコントローラ6220bは、実質、後述のサウンド・ランプ制御モジュール6226に含まれる。
なお、本実施形態では、音声・LED制御回路6220から出力された制御信号及びデータ(例えば、後述のLEDデータ等)が内蔵中継基板6260を介してランプ群6018に送信される際、音声・LED制御回路6220及びランプ群6018間の通信は、SPI(Serial Periperal Interface)の通信方式(シリアル通信方式の一種)で行われる。また、本実施形態では、ランプ群6018には、1個以上のLED、及び、各LEDを制御するための1個以上のLEDドライバが含まれる。
表示制御回路6230は、表示装置6013に接続され、ホスト制御回路6210から入力される制御信号(描画リクエスト)に基づいて演出に関する画像(装飾図柄画像、背景画像、演出用画像等)を表示装置6013で表示させる際の各種処理動作を制御するための回路である。なお、表示制御回路6230は、ディスプレイコントローラ(第1ディスプレイコントローラ6238及び第2ディスプレイコントローラ6239)と、内蔵VRAM(Video RAM)6237とを有する。
また、表示制御回路6230は、サブ基板6202内においてSDRAM6250に接続される。さらに、表示制御回路6230は、CGROM基板6204に接続される。また、表示制御回路6230内のディスプレイコントローラは、中継基板を介さず直接、表示装置6013に接続される。
SDRAM6250は、DDR2(Double-Date Rate2) SDRAMで構成される。また、SDRAM6250には、表示装置6013により表示される画像(動画及び静止画)の描画処理において、各種画像データを一時的に格納する各種バッファが設けられる。例えば、SDRAM6250には、テクスチャバッファ、ムービバッファ、ブレンドバッファ、2つのフレームバッファ(第1フレームバッファ及び第2フレームバッファ)、モーションバッファ等が設けられる。
内蔵中継基板6260は、ホスト制御回路6210及び音声・LED制御回路6220から出力された各種信号及び各種データを受信し、該受信した各種信号及び各種データをスピーカ6011、ランプ群6018及び役物6020に送信する中継基板である。
また、内蔵中継基板6260は、I2C(Inter-Integrated Circuit)コントローラ6261、デジタルオーディオパワーアンプ6262(音声増幅手段)及び電圧変換回路部6269を有する。
なお、本実施形態では、I2Cコントローラ6261、デジタルオーディオパワーアンプ6262及び電圧変換回路部6269を同じ中継基板に搭載した例を示すが、本発明はこれに限定されず、I2Cコントローラ6261を搭載した中継基板、デジタルオーディオパワーアンプ6262を搭載した中継基板、及び、電圧変換回路部6269を搭載した中継基板をそれぞれ別個に設けてもよい。また、本実施形態では、I2Cコントローラ6261、デジタルオーディオパワーアンプ6262及び電圧変換回路部6269が搭載された中継基板をサブ基板6202内に設ける例を説明したが、本発明はこれに限定されない。I2Cコントローラ6261、デジタルオーディオパワーアンプ6262及び電圧変換回路部6269が搭載された中継基板をサブ基板6202とは別個に設け、両基板間を配線等で電気的に接続する構成にしてもよい。
I2Cコントローラ6261は、ホスト制御回路6210、及び、役物6020のモータコントローラ6270に接続される。すなわち、ホスト制御回路6210は、I2Cコントローラ6261及びモータコントローラ6270を介して役物6020に接続される。そして、ホスト制御回路6210から出力された制御信号及びデータ(例えば励磁データ等)は、I2Cコントローラ6261及びモータコントローラ6270を介して役物6020に入力される。
なお、本実施形態では、I2Cコントローラ6261及びモータコントローラ6270間の通信は、I2Cの通信方式(シリアル通信方式の一種)で行われる。また、図示しないが、役物6020内には、1個以上のモータが含まれ、モータコントローラ6270内には、各モータを駆動するための1個以上のモータドライバが含まれる。また、図297には、役物6020が1つだけ設けられた例を示すが、本発明はこれに限定されず、複数の役物6020が設けられていてもよい。
また、本実施形態の構成において、モータコントローラ6270を使用せずにホスト制御回路6210が直接、役物6020のモータを駆動する構成にしてもよいし、モータ制御用の制御回路を別途設けてもよい。さらに、本実施形態では、1つの制御回路で複数のモータドライバ(モータ)を制御する構成とするが、本発明はこれに限定されない。本実施形態において、1以上(1又は複数)の制御回路により1以上(1又は複数)のモータ(モータドライバ)を制御する構成にしてもよいし、1以上(1又は複数)の制御回路により1つのモータ(モータドライバ)を制御する構成にしてもよいし、1つの制御回路により1つのモータ(モータドライバ)を制御する構成にしてもよい。
また、デジタルオーディオパワーアンプ6262は、音声・LED制御回路6220、及び、スピーカ6011に接続される。すなわち、音声・LED制御回路6220は、デジタルオーディオパワーアンプ6262を介してスピーカ6011に接続される。それゆえ、音声・LED制御回路6220から出力された音声信号等は、デジタルオーディオパワーアンプ6262を介してスピーカ6011に入力される。
電圧変換回路部6269は、図示しないが、電源供給回路6033、並びに、スピーカ6011、ランプ群6018及びモータコントローラ6270(役物6020)に接続される。電圧変換回路部6269は、入力された直流電圧をそれより低い直流電圧に変換して出力する回路部(DC/DC変換回路部)である。本実施形態では、電圧変換回路部6269により、電源供給回路6033から入力された+12Vの電源電圧(直流電圧)を+5Vの駆動電圧(直流電圧)に変換する。そして、電圧変換回路部6269は、変換された+5Vの駆動電圧をスピーカ6011、ランプ群6018及びモータコントローラ6270(役物6020)に供給する。
制御ROM基板6203には、サブメインROM6205が設けられる。サブメインROM6205には、ホスト制御回路6210によりパチンコ遊技機6001の演出動作を制御するための各種プログラムや、各種データテーブルが記憶される。そして、ホスト制御回路6210は、サブメインROM6205に記憶されたプログラムに従って、各種の処理を実行する。
なお、本実施形態では、ホスト制御回路6210で用いるプログラムや各種テーブル等を記憶する記憶手段として、サブメインROM6205を適用したが、本発明はこれに限定されない。このような記憶手段としては、制御手段を備えたコンピュータにより読み取り可能な記憶媒体であれば別態様の記憶媒体を用いてもよく、例えば、ハードディスク装置、CD−ROM及びDVD−ROM、ROMカートリッジ等の記憶媒体を適用してもよい。また、プログラムの各々が別々の記憶媒体に記録されていてもよい。さらに、プログラムは、予め記録媒体に記録されていてもよいし、電源投入後に外部等からダウンロードされ、サブメインROM6205に記録されてもよい。
CGROM基板6204には、CGROM6206が設けられる。CGROM6206は、NOR型又はNAND型のフラッシュメモリにより構成される。また、CGROM6206には、例えば表示装置6013で表示される画像データや、スピーカ6011により再生される音声データ(アクセスデータ)などが記憶される。なお、この際、各種データは圧縮(符号化)されてCGROM6206に格納されるが、本発明はこれに限定されず、各種データが圧縮されずにCGROM6206に格納されていてもよい。
なお、本実施形態では、副制御回路6200内において、各種ROM基板(制御ROM基板6203及びCGROM基板6204)とサブ基板6202とがボード・トゥ・ボードコネクタで接続される構成を説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、各種ROMをサブ基板6202に設けられたソケット等のポートに直接挿入して、ROM機能を備えた又はROMそのものを備えた一枚の基板によりサブ基板6202を構成してもよい。すなわち、サブ基板6202と各種ROMとを一体的に構成してもよい。また、ROM機能を備えた又はROMそのものを備えた一枚の基板によりサブ基板6202が構成されている場合には、副制御回路6200は、CGROMとして使用されるメモリの種類に応じて使用するサブ基板上の回路を物理的或いは電気的に切り替える切り替え手段、又は、メモリの種類に応じて使用するサブ基板上の回路の情報を切り替える切り替え手段を備えていてもよい。
また、本実施形態では、各種記憶手段(サブメインROM6205、CGROM6206、内蔵VRAM6237、SDRAM6250)のそれぞれと、対応する制御回路との間におけるデータの通信速度の大小関係は、内蔵VRAM6237>SDRAM6250>サブメインROM6205≒CGROM6206となる。すなわち、本実施形態では、内蔵VRAM6237と表示制御回路6230内の各種回路との間の通信速度が最も早く、次いで、SDRAM6250と表示制御回路6230との間の通信速度が早くなる。そして、サブメインROM6205とホスト制御回路6210との間の通信速度、及び、CGROM6206と表示制御回路6230との間の通信速度が最も遅くなる。しかしながら、本発明はこれに限定されず、各種記憶手段のそれぞれと、対応する制御回路との間の通信速度の大小関係は任意に設定することができる。例えば、各種記憶手段のそれぞれと、対応する制御回路との間の通信速度の大小関係が、本実施形態と異なっていてもよいし、各記憶手段と、対応する制御回路との間の通信速度が全て同じであってもよい。
ここで、上述した各種記憶手段(情報格納手段)の取り得る構成について説明する。本実施形態では、画像データに関する情報(圧縮(符号化)された画像データ)の記憶手段(第1の記憶手段)が、画像データに対して透明度を設定する際に使用可能な透明度データに関する情報(アルファテーブル)の記憶手段(第2の記憶手段)と物理的に同じ(CGROM6206)構成であるが、本発明はこれに限定されない。例えば、上記第1の記憶手段(第1の情報格納手段)が、上記第2の記憶手段(第2の情報格納手段)と物理的に異なる記憶手段(記憶媒体)で構成されていてもよい。
また、本明細書でいう「情報格納手段」は、CGROM6206等の記憶手段だけでなく、該記憶手段に記憶されているテーブルや、記憶手段内のデータ記憶領域などを意味するものであってもよい。それゆえ、例えば、上述した第1の情報格納手段及び第2の情報格納手段が、同じ記憶手段内における、互いに異なるデータ記憶領域であってもよいし、互いに異なるテーブルであってもよいし、また、互いに異なるレジスタアドレスに記憶されている態様であってもよい。すなわち、本明細書でいう「情報格納手段」が異なるとは、物理的に記憶手段(記憶媒体)が異なる場合だけでなく、物理的には同じ記憶手段(例えば、ROM、RAM等)であるが、該記憶手段内においてデータ領域(アドレス、レジスタ、テーブル、構造体などによって区別される記憶領域)が異なる場合も含む意味である。
なお、上述した本明細書における「情報格納手段」に関する意味は、上述したSDRAM6250(第3の情報格納手段)及び内蔵VRAM6237(第4の情報格納手段)にも適用可能である。それゆえ、例えば、上述した第1の情報格納手段〜第4の情報格納手段は、物理的に互いに異なる記憶手段(記憶媒体)で構成されていてもよいし、第1の情報格納手段〜第4の情報格納手段が、一つの記憶手段内において、互いに異なるデータ領域(アドレス、レジスタ、テーブル、構造体などによって区別される記憶領域)で構成されていてもよい。
また、本実施形態では、上記第1の情報格納手段及び第2の情報格納手段を、一つの記憶手段(CGROM6206)内において、互いに異なるデータ領域で構成し、上記第3の情報格納手段を、第1の情報格納手段及び第2の情報格納手段を含む記憶手段(CGROM6206)と物理的に異なる記憶手段(SDRAM6250)で構成し、且つ、上記第4の情報格納手段を、上記第1の情報格納手段及び第2の情報格納手段を含む記憶手段(CGROM6206)、並びに、上記第3の情報格納手段(SDRAM6250)と物理的に異なる記憶手段(内蔵VRAM6237)で構成する例を説明したが、本発明はこれに限定されない。「情報格納手段」をデータ領域及び記憶手段のいずれで構成するか、並びに、データ領域として定義される「情報格納手段」と、記憶手段として定義される「情報格納手段」との組み合わせをどのような態様にするかは、例えば遊技機に設けられる記憶手段の構成(個数や種別など)等に応じて適宜に設定することができる。例えば、本実施形態において、上記第1の情報格納手段〜上記第3の情報格納手段を、一つの記憶手段内の互いに異なるデータ領域で構成し、且つ、上記第4の情報格納手段を上記第1の情報格納手段〜上記第3の情報格納手段を含む記憶手段と物理的に異なる記憶手段で構成してもよい。
<メインCPUが有する各種レジスタ>
次に、図298を参照しながら、メインCPU6101が有する各種レジスタについて説明する。なお、図298は、メインCPU6101に含まれる各種レジスタの概略構成図である。
メインCPU6101は、メイン・レジスタとして、アキュームレータA(以下、「Aレジスタ」という)、フラグ・レジスタF、汎用レジスタB(以下、「Bレジスタ」という)、汎用レジスタC(以下、「Cレジスタ」という)、汎用レジスタD(以下、「Dレジスタ」という)、汎用レジスタE(以下、「Eレジスタ」という)、汎用レジスタH(以下、「Hレジスタ」という)及び汎用レジスタL(以下、「Lレジスタ」という)を有する。また、メインCPU6101は、サブ・レジスタとして、アキュームレータA′、フラグ・レジスタF′、汎用レジスタB′、汎用レジスタC′、汎用レジスタD′、汎用レジスタE′、汎用レジスタH′及び汎用レジスタL′を汎用レジスタとして有する。なお、各レジスタは、1バイトのレジスタで構成される。
また、本実施形態では、BレジスタとCレジスタとをペアレジスタ(以下、「BCレジスタ」という)として用い、DレジスタとEレジスタとをペアレジスタ(以下、「DEレジスタ」という)として用いる。さらに、本実施形態では、HレジスタとLレジスタとをペアレジスタ(以下、「HLレジスタ」という)として用いる。
フラグ・レジスタF,F′の各ビットには、図298に示すように、演算処理の結果等を示す所定のフラグ情報がセットされる。例えばビット6(D6)には、演算結果の判定処理において演算結果が「0」であるか否かを示すデータ(ゼロフラグ)がセットされる。具体的には、演算結果が「0」である場合、ビット6にデータ「1」がセットされ、演算結果が「0」でない場合には、ビット6にデータ「0」がセットされる。そして、演算結果の判定処理では、メインCPU6101は、ビット6のデータ「0」/「1」を参照して判定を行う。
また、メインCPU6101は、拡張レジスタQ(以下、「Qレジスタ」という)を有する。Qレジスタは、1バイトのレジスタで構成される。なお、本実施形態では、後述の各種処理のソースプログラム上において、このQレジスタを用いてアドレス指定を行うことができる様々なメインCPU6101専用命令コードが設けられており、この命令コードの使用により、処理の効率化やメインROM6102の容量削減などを実現している。なお、Qレジスタを用いてアドレス指定を行う各種メインCPU6101専用命令コードでは、アドレスの上位側のアドレスデータ(アドレス値)がQレジスタに格納される。また、Qレジスタには、メインCPU6101のリセット直後に、初期値として「F0H」がセットされる。
さらに、メインCPU6101は、1バイトのレジスタで構成された、インタラプト・ページアドレス・レジスタI(以下、「Iレジスタ」という)及びメモリ・リフレッシュ・レジスタR、並びに、2バイトのレジスタで構成された、インデックス・レジスタIX(以下、「IXレジスタ」という)、インデックス・レジスタIY(以下、「IYレジスタ」という)、スタックポインタSP及びプログラムカウンタPCを、専用レジスタとして有する。
<メインROM及びメインRAMの内部構成(メモリマップ)>
次に、図299A〜図299Cを参照しながら、主制御回路6100(マイクロプロセッサ)に含まれるメインROM6102及びメインRAM6103の内部構成(以下「メモリマップ」という)について説明する。なお、図299Aは、メモリ全体のメモリマップを示す図であり、図299Bは、メインROM6102のメモリマップを示す図であり、図299Cは、メインRAM6103のメモリマップを示す図である。
主制御回路6100が備えるメモリ全体のメモリマップでは、図299Aに示すように、アドレスの先頭(0000H)側から、メインROM6102のメモリ領域、メインRAM6103のメモリ領域、内蔵レジスタエリア及びXCSデコードエリアが、不使用領域を間に挟んでこの順で、それぞれ所定のアドレスに配置される。
メインROM6102のメモリマップでは、図299Bに示すように、メインROM6102のアドレスの先頭(0000H)側から、プログラムエリア、データエリア、領域外エリア、商標記録エリア、プログラム管理エリア及びセキュリティ設定エリアが、この順で、それぞれ所定のアドレスに配置される。
なお、プログラムエリアには、遊技の進行及び遊技性に関連する各種制御処理において、メインCPU6101により実行される各種処理の制御プログラムが記憶される。データエリアには、遊技の進行及び遊技性に関連する各種制御処理において、メインCPU6101により使用される各種データ(例えば、大当り抽選データテーブル等のデータテーブル、副制御回路6200に対して各種制御指令(コマンド)を送信するためのデータ等)が記憶される。すなわち、プログラムエリアとデータエリアとからなる遊技用ROM領域(遊技用記憶領域)には、遊技店で遊技者が実際に行う遊技に関連する制御処理(遊技性に関する処理)に必要な各種プログラム及び各種データが格納される。
また、領域外エリアには、遊技者により実施される遊技(遊技の進行及び遊技性)に直接関与しない各種処理(遊技性に影響を与えない処理)の制御プログラム及びデータが記憶される。例えば、パチンコ遊技機6001の検定試験(試射試験)で使用されるプログラム及びデータ、電断時のチェックサム生成処理や電断復帰時(電源復帰時)のサムチェック処理などで使用される制御プログラム及びデータ、並びに、不正対策プログラム及びそれに必要なデータ等が、領域外エリアに格納される。
メインRAM6103のメモリマップでは、図299Cに示すように、メインRAM6103のアドレスの先頭(F000H)側から、遊技用RAM領域(遊技用一時記憶領域)及び領域外RAM領域(領域外一時記憶領域)が、この順で、それぞれ所定のアドレスに配置される。
遊技用RAM領域には、遊技者により実施される遊技(遊技の進行及び遊技性)に関連する制御プログラムの実行により決定された例えば各種データ(各種乱数値、大当り判定結果等)を一時的に格納する作業領域及びスタックエリアが設けられる。そして、各種データのそれぞれは、遊技用RAM領域内の所定アドレスの作業領域に格納される。
また、領域外RAM領域には、遊技者により実施される遊技(遊技の進行及び遊技性)に直接関与しない各種処理の作業領域となる領域外作業領域と、領域外スタックとが設けられる。本実施形態では、この領域外RAM領域を使用して、例えばサムチェック処理等の遊技者により実施される遊技に直接関与しない各種処理が実行される。
上述のように、本実施形態のパチンコ遊技機6001では、メインROM6102内において、遊技者により実施される遊技に直接関与しない各種処理に使用される各種プログラム及び各種データ(テーブル)を、遊技用ROM領域とは異なるアドレスに配置された領域外ROM領域(領域外記憶領域)に格納する。また、そのような遊技者により実施される遊技に直接関与しない各種処理は、メインRAM6103内において、遊技用RAM領域とは異なるアドレスに配置された領域外RAM領域を使用して行われる。
このようなメインROM6102の構成では、領域外ROM領域に遊技者が実際に行う遊技そのものには不要なプログラム及びデータを配置することができる。それゆえ、本実施形態では、遊技用ROM領域の容量の圧迫を回避することができる。
[メインRAM内の作業領域の構成の変形例]
本実施形態では、図299に示すように、メモリマップ内のアドレス「F000H」から所定範囲の領域に配置されたメインRAM6103において、遊技用RAM領域の作業領域を一つの領域として用いる例を示したが、本発明はこれに限定されない。
例えば、本実施形態のパチンコ遊技機6001のように、同時変動機能を備えている場合には、第1特別図柄の変動表示に関する各種制御処理と、第2特別図柄の変動表示に関する各種制御処理との間の切り替えを効率よく実行できるようにすることが望ましい。この課題を解決するため、例えば、メインRAM6103内の遊技用RAM領域の作業領域を、アドレス「F000H」から始まる第1作業領域と、アドレス「F100H」から始まる第2作業領域とに分割し、第1特別図柄の変動表示に関する各種制御処理を、第1作業領域を使用して実行し、第2特別図柄の変動表示に関する各種制御処理を、第2作業領域を使用して実行してもよい。
この場合、例えば、特別図柄の変動表示に関する各種制御処理で使用される各種データに、第1作業領域及び第2作業領域のいずれを使用するかを示す識別子を付加する。そして、処理対象のデータに付加されている識別子に基づいて、当該識別子が、第1作業領域の使用(第1特別図柄の変動表示の各種制御処理)に対応するものであれば、第1作業領域の先頭アドレスの上位(「F0H」)をロードして、第1作業領域内において処理対象のデータに対して各種制御処理を行う。一方、処理対象のデータに付加されている識別子が、第2作業領域の使用(第2特別図柄の変動表示の各種制御処理)に対応するものであれば、第2作業領域の先頭アドレスの上位(「F1H」)をロードして、第2作業領域内において処理対象のデータに対して各種制御処理所定を行う。
このような作業領域の構成を本実施形態のパチンコ遊技機6001に採用した場合には、第1特別図柄の変動表示に関する各種制御処理と、第2特別図柄の変動表示に関する各種制御処理との間の切り替えを効率よく行うことができる。すなわち、この例の遊技用RAM領域の作業領域の構成を用いた場合には、同時変動機能を備えたパチンコ遊技機6001において、主制御回路6100で行われる処理をより効率よく実行することができ、主制御回路6100の処理負荷を軽減することができる。また、本実施形態では、同時変動機能を備えたパチンコ遊技機6001を示したが、このような遊技性に限定されることはなく第1特別図柄及び第2特別図柄の変動表示に関する処理を効率良く行うことができる。
なお、この例では、第1特別図柄の変動表示に関する各種制御処理を、第1作業領域を使用して実行し、第2特別図柄の変動表示に関する各種制御処理を、第2作業領域を使用して実行する例を説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、特別図柄の種別に関係なく、遊技の進行制御において行われる各処理単位で第1作業領域及び第2作業領域のいずれを使用するかを、処理対象のデータに付加されている識別子で規定し、当該識別子に基づいて、当該処理で使用する作業領域を選択するような構成にしてもよい。このような構成では、処理単位で処理対象のデータに付加されている識別子に応じて使用する作業領域を効率よく選択して、所定の処理を行うことが可能になる。この結果、主制御回路6100で行われる処理をより効率よく実行することができ、主制御回路6100の処理負荷を軽減することができる。
<遊技状態の種別>
次に、本実施形態のパチンコ遊技機6001において、メインCPU6101で制御及び管理される遊技状態の種別について説明する。
まず、メインCPU6101で制御及び管理される遊技状態の種別としては、賞球の期待度が互いに異なる「大当り遊技状態」及び「小当り遊技状態」がある。
大当り遊技状態は、第1大入賞口6053のシャッタ6053a又は第2大入賞口6054のシャッタ6054aの開放期間(すなわち、1ラウンドの期間)が長い(例えば30秒等)ラウンドゲームが発生する遊技状態であり、遊技者にとって大きな賞球が期待できる遊技状態である。すなわち、大当り遊技状態では、大入賞口のシャッタの開放状態及び閉鎖状態の繰り返し態様が遊技者によって有利な状態となる。
一方、小当り遊技状態は、アタッカー(シャッタ)が例えば1.8秒開放される遊技状態である。また、1回の小当り遊技状態におけるアタッカーの開放時間(複数回開放される場合はトータル開放時間)は、大当り遊技状態の1ラウンドにおけるアタッカーの開放時間よりも短い。すなわち、小当り遊技状態では、大入賞口のシャッタの開放状態及び閉鎖状態の繰り返し態様が大当り遊技状態に比べて遊技者によって不利な状態となる。なお、本実施形態では、小当り遊技状態は、遊技球が第2始動口6045に入賞したことを契機として行われる第2特別図柄の抽選(大当り抽選)で「小当り」に当選した場合にのみ、移行する遊技状態である。
なお、大当り遊技状態はラウンド遊技を行うことが可能であり、一方、小当り遊技状態は、基本的にはラウンド遊技を備えず、役物連続作動装置が作動しない大入賞口の開閉を行う。また、大当り遊技状態終了後には、遊技者にとって有利な遊技状態へ移行することが可能であるが、小当り遊技終了後には、小当り遊技状態へ移行される前よりも有利な遊技状態へ移行させないものとしてもよい。ただし、例えば1種2種混合機のように、小当り遊技状態中に特定領域を備えた大入賞口が開放し、特定領域を遊技球が通過することで条件装置が作動し、役物連続作動装置が作動する場合には、小当り遊技状態終了後に遊技者にとって有利な遊技状態である大当り遊技状態へ移行し、小当り遊技状態においてもラウンド数をカウントできる場合があってもよい。
また、本実施形態では、第1特別図柄に対して小当りを設けず、第2特別図柄に対して小当りを設ける例を説明したが、本発明はこれに限定されない。本発明は、第1特別図柄及び第2特別図柄の両方に対して小当りを設けた場合、第1特別図柄に対して小当りを設け、第2特別図柄に対して小当りを設けない場合、並びに、第1特別図柄及び第2特別図柄の両方に対して小当りを設けない場合のいずれにも同様に適用可能である。
また、メインCPU6101で制御及び管理される遊技状態の種別としては、「大当り」の当選確率が互いに異なる「確変遊技状態」(高確率遊技状態)及び「通常遊技状態」(低確率遊技状態)がある。確変遊技状態は、「大当り」の当選確率が高い遊技状態であり、通常遊技状態は、確変遊技状態に比べて「大当り」の当選確率が低い遊技状態である。
なお、本実施形態のパチンコ遊技機6001では、通常遊技状態中の「大当り」の当選確率は、例えば、設定値に応じて、1/199(設定「6」時)〜1/259(設定「1」時)の範囲で変化する。一方、確変遊技状態中の「大当り」の当選確率は、例えば、1/39.9(設定「6」時)〜1/51.8(設定「1」時)の範囲で変化する。
さらに、メインCPU6101で制御及び管理される遊技状態の種別としては、普通図柄の当選確率(普通図柄が「当り」の態様になる確率)が互いに異なる「時短遊技状態」(高入賞遊技状態)及び「非時短遊技状態」(低入賞遊技状態)がある。
本明細書でいう「時短遊技状態」とは、普通図柄の当選確率が高い遊技状態のことである。すなわち、時短遊技状態は、第2始動口6045に設けられた普通電動役物6046(羽根部材)が開放状態になり易い遊技状態(第2始動口入賞が発生し易い遊技状態)であり、遊技者にとって有利な遊技状態である。なお、時短遊技状態は、「大当り」が決定された場合、又は、所定の時短回数分(例えば100回等)の特別図柄の変動表示が実行された場合に終了する。
一方、「非時短遊技状態」とは、普通図柄の当選確率が「時短遊技状態」に比べて低い遊技状態のことである。それゆえ、非時短遊技状態は、普通電動役物6046(羽根部材)が開放状態になり難い遊技状態(第2始動口入賞が発生し難い遊技状態)であり、遊技者にとって不利な遊技状態である。
そして、本実施形態のパチンコ遊技機6001では、大当り遊技状態及び小当り遊技状態以外の上述した遊技状態の組合せが変化する。なお、この遊技状態の組合せは、例えば、副制御回路6200で管理及び移行制御される演出モード等に応じて変化する。
具体的には、本実施形態では、確変遊技状態と時短遊技状態とが同時に発生する遊技状態(「高確時短あり」の状態)、及び、確変遊技状態と非時短遊技状態とが同時に発生する遊技状態(「高確時短なし」の状態)が設けられる。なお、「高確時短なし」の状態では、遊技状態が確変遊技状態であるか否かを遊技者が判別することが難しいので、「潜確遊技状態」とも呼ばれる。また、本実施形態では、通常遊技状態と時短遊技状態とが同時に発生する遊技状態(「低確時短あり」の状態)、及び、通常遊技状態と非時短遊技状態とが同時に発生する遊技状態(「低確時短なし」の状態)も設けられる。
<特別図柄の同時変動機能>
本実施形態のパチンコ遊技機6001は、上述のように、第1特別図柄及び第2特別図柄が同時に変動可能な方式の遊技機である。そして、特別図柄の同時変動機能が作動した際には、次のような各種処理が行われる。
第1特別図柄及び第2特別図柄の一方の特別図柄の変動開始時に、既に、他方の特別図柄が大当りとなる変動中である場合には、一方の特別図柄の変動表示は、ハズレ又は小当りとなる変動表示になるように制御される。すなわち、一方の特別図柄の変動開始時に、既に、他方の特別図柄が大当りとなる変動中である場合には、一方の特別図柄の抽選結果は大当りとなることはなく、内部的に、一方の特別図柄の変動表示に対して、強制的にハズレ又は小当りの図柄確定処理が行われるような変動表示(ハズレ図柄又は小当り図柄)の抽選が行われる。
また、第1特別図柄及び第2特別図柄の一方の特別図柄の図柄確定(停止表示)時に一方の特別図柄が大当り図柄(特定の態様)であり、且つ、他方の特別図柄が変動中である場合には、他方の特別図柄の変動表示に対して、強制的にハズレの変動表示(ハズレ図柄)となるような図柄確定処理が行われる。
また、一方の特別図柄の図柄確定時に大当り動作に移行する場合には、他方の特別図柄が変動開始しないようにするための処理が行われる。具体的には、一方の特別図柄の図柄確定時に大当り動作に移行する場合、他方の特別図柄に対して設けられた特別図柄休止フラグをオン状態にセットして、他方の特別図柄が変動開始しないようにし、一方の特別図柄の大当り確定により行われる大当り遊技の終了後に他方の特別図柄の特別図柄休止フラグをオフ状態にセットする(クリアする)。
また、一方の特別図柄(本実施形態では第2特別図柄)の図柄確定時に小当り動作に移行する場合には、他方の特別図柄が変動表示を中断させるための処理が行われる。具体的には、一方の特別図柄の図柄確定時に小当り動作に移行する場合、他方の特別図柄の特別図柄休止フラグをオン状態にセットして、他方の特別図柄の変動表示を中断し、一方の特別図柄の小当り確定により行われる小当り遊技の終了後に他方の特別図柄の特別図柄休止フラグをオフ状態にセットする(クリアする)。なお、特別図柄の変動表示の中断では、特別図柄の変動時間の計測を中断し、特別図柄を変動させたままにする。
さらに、本実施形態では、例えば、一方の特別図柄の変動表示時間(後述の特別図柄待ち時間)が経過し、一方の特別図柄の確定図柄が大当り図柄であるとき(大当り図柄確定時)に、他方の特別図柄がデモ待ち状態から変動開始に移行する(他方の特別図柄が入賞する)ような場合、すなわち、一方の特別図柄の変動表示が大当り図柄(特定の態様)で終了するときと、他方の特別図柄の変動開始時(入賞時)とが重なるような場合には、次のような処理が行われる。
ここで、図300Aを参照しながら、一方の特別図柄の変動表示が大当り図柄で終了するときと、他方の特別図柄の変動開始時とが重なるような場合における処理の一例を説明する。図300Aは、一方の特別図柄の変動表示が大当り図柄(特定の態様)で終了するときと、他方の特別図柄の変動開始時(入賞時)とが重なるような場合における各特別図柄に対する処理内容を説明するためのタイムチャートである。
この場合、まず、一方の特別図柄の図柄確定時(大当り確定時:図300A中のt1)に、他方の特別図柄の特別図柄休止フラグをオン状態にセットして、他方の特別図柄が変動開始しないようにする。次いで、一方の特別図柄の大当り確定により行われる大当り遊技の終了後(図300A中のt2)に他方の特別図柄の特別図柄休止フラグをオフ状態にセットする(クリアする)。これにより、他方の特別図柄の変動表示が開始される。なお、大当り遊技終了後に確変遊技状態で電サポが付く遊技性を備える場合には、当該電サポの遊技期間終了後に他方の特別図柄の特別図柄休止フラグがオフ状態にセットされ、他方の特別図柄の変動表示が開始される。また、大当り遊技終了後に電サポが付かない場合には、大当り遊技終了時に他方の特別図柄の特別図柄休止フラグがオフ状態にセットされ、他方の特別図柄の変動表示が開始される。
ただし、この場合には、他方の特別図柄に対して、強制的に停止図柄がハズレ又は小当りとなる変動表示を行わず、他方の特別図柄の抽選結果(大当り抽選の結果等)が維持され、他方の特別図柄の変動表示は開始されない。それゆえ、このような処理を行うことにより、他方の特別図柄の保留球1個分を無駄に消化させないようにすることができる。また、この場合、他方の特別図柄の抽選結果が大当りであるときには、一方の特別図柄の大当り遊技終了後に即座に他方の特別図柄がハズレ図柄で強制的に変動停止されることがなくなるので、同時変動機能に対する遊技の興趣の低下を抑制することができる。
なお、本実施形態では、一方の特別図柄の変動表示が大当り図柄で終了するときと、他方の特別図柄の変動開始時(入賞時)とが重なる場合に、他方の特別図柄が変動開始しないように制御する例を説明したが、本発明はこれに限定されない。一方の特別図柄の変動表示が大当り図柄で終了するときと、他方の特別図柄の変動開始時(入賞時)とが重なるような場合だけでなく、図300Bに示すように、他方の特別図柄の変動開始のタイミングが、一方の特別図柄の変動表示が大当り図柄で終了するとき(図300B中のt1)から所定時間前までの期間中(図300B中のΔt=t1−t0)のタイミングであれば、内部的に、他方の特別図柄の特別図柄休止フラグをオン状態にセットして、他方の特別図柄が変動開始しないようにしてもよい。この場合にも、本実施形態と同様の効果が得られる。なお、一方の特別図柄の変動表示が大当り図柄で終了するとき(t1)から所定時間前までの期間(Δt=t1−t0)は適宜設定可能である。
<特別図柄作業領域テーブル及び特別図柄関連定義データテーブルの構成>
次に、図301〜図304を参照して、メインRAM6103に設けられる各特別図柄作業領域テーブル及び各特別図柄関連定義データテーブルの構成について説明する。なお、図301は、第1特別図柄作業領域テーブルの構成図であり、図302は、第1特別図柄関連定義データテーブルの構成図である。また、図303は、第2特別図柄作業領域テーブルの構成図であり、図304は、第2特別図柄関連定義データテーブルの構成図である。
[第1特別図柄作業領域テーブル]
第1特別図柄作業領域テーブルには、第1特別図柄の変動表示の各種制御処理(各種モジュール)で用いられる各種情報が格納される。
具体的には、第1特別図柄作業領域テーブルには、図301に示すように、格納領域として、第1特別図柄制御状態番号領域、第1特別図柄当りフラグ領域、第1特別図柄保留数領域、第1特別図柄遊技状態番号領域、第1特別図柄番号領域、第1特別図柄デモ表示状態フラグ領域、第1特別図柄遊技状態移行オフセット領域、第1特別図柄待ち時間管理タイマ領域、第1特別図柄休止フラグ領域、第1特別図柄遊技状態指定パラメータ領域、第1特別図柄演出変動テーブルパラメータ領域及び第1特別図柄停止図柄管理番号パラメータ領域が設けられ、これらの格納領域が、第1特別図柄作業領域テーブルの先頭アドレス(「W_T1_YY00」)側からこの順序で配置される。なお、第1特別図柄作業領域テーブル内では、図301に示すように、各格納領域のアドレスは、第1特別図柄作業領域テーブルの先頭アドレスからのオフセット値(相対値)で規定されている。
第1特別図柄作業領域テーブルにおいて、第1特別図柄待ち時間管理タイマ領域は、4バイトの領域で構成され、それ以外の各格納領域は1バイトの領域で構成される。
なお、第1特別図柄作業領域テーブル内の第1特別図柄当りフラグ領域には、第1始動口入賞時に行われる大当り抽選(第1特別図柄の抽選)の結果(大当り又はハズレ)を示す情報が格納される。また、第1特別図柄休止フラグ領域には、同時変動時の処理制御で用いられる第1特別図柄の特別図柄休止フラグの値(オン値/オフ値)が格納される。
また、第1特別図柄待ち時間管理タイマ領域では、アドレス上、上位側(先頭アドレス側)の2バイト領域で一つのタイマを構成し、下位側の2バイト領域で一つのタイマを構成する。本願明細書では、前者を上位2バイトタイマと称し、後者を下位2バイトタイマと称する。各2バイトタイマは、別個に管理され、各2バイトの領域には、タイマのカウント値が格納される。
本実施形態のパチンコ遊技機6001では、特別図柄(第1及び第2特別図柄)の変動表示時間(特別図柄待ち時間)を、前半の変動表示時間と後半の変動表示時間とに分け、各変動表示時間をそれぞれ2バイトのタイマで別個に管理する。具体的には、本実施形態では、特別図柄の前半の変動表示時間(特別図柄待ち時間)を上位2バイトタイマで管理し、特別図柄の後半の変動表示時間(特別図柄待ち時間)を下位2バイトタイマで管理する。ただし、本発明はこれに限定されず、特別図柄の前半の変動表示時間を下位2バイトタイマで管理し、特別図柄の後半の変動表示時間を上位2バイトタイマで管理してもよい。
また、本実施形態では、第1特別図柄の制御処理において、第1特別図柄の上位2バイトタイマには、第1特別図柄の変動表示時間(特別図柄待ち時間)以外の各種監視時間がセットされる。例えば、後述するように、大当り遊技開始までのインターバル時間(後述の特別図柄当り開始表示時間)、大当り遊技終了までのインターバル時間(後述の特別図柄当り終了表示時間)、特定図柄の確定待ち時間、ラウンド間表示時間等が上位2バイトタイマにセットされる。なお、本発明はこれに限定されず、変動表示時間(特別図柄待ち時間)以外のこれらの監視時間を下位2バイトタイマにセットする構成にしてもよい。
さらに、本実施形態では、2つのタイマ(上位2バイトタイマ及び下位2バイトタイマ)をともに2バイトで構成する例を説明したが、本発明はこれに限定されず、例えば、演出の仕様、遊技性等に応じて、2つのタイマの構成を任意に設定することができる。例えば、各タイマを2バイト以外のバイト数で構成してもよいし、2つのタイマのバイト数が互いに異なる構成にしてもよい。
また、本実施形態では、特別図柄の変動表示時間を前半及び後半の変動表示時間に分け、それぞれの時間を上位2バイトタイマ及び下位2バイトタイマで管理する例を説明したが、本発明はこれに限定されない。上位2バイトタイマ及び下位2バイトタイマのそれぞれで管理する期間が互いに異なっていてもよい。例えば、特別図柄の変動表示時間の開始時から2バイトのタイマで計数可能な時間までの期間を上位2バイトタイマで管理し、上位2バイトタイマの計数終了後、残りの期間を下位2バイトタイマで管理してもよい。
さらに、本実施形態では、特別図柄の変動表示時間以外の所定の監視時間に対しても、その時間が長期間(2バイトのタイマで計数し切れない期間)となる場合には、当該監視時間を2分割し、該2分割された監視時間をそれぞれ上位2バイトタイマ及び下位2バイトタイマで管理してもよい。
上述した構成のタイマを設けることにより、例えば、次のような効果が得られる。
本実施形態では、システム周期時間(遊技制御関連の処理周期)は6msecであるので、2バイトのタイマでは監視可能な期間は、65536×6msecとなり、これ以上の長時間を監視する場合には4バイトのタイマが必要となる。例えば、特別図柄の全体の変動表示時間(特別図柄待ち時間)が10分程度の長時間となる場合には、4バイトのタイマが必要となる。しかしながら、例えば、短時間の特別図柄の全体の変動表示時間や、大当り遊技開始までのインターバル時間などのように2バイトのタイマで監視可能である時間を4バイトのタイマで監視すると、4バイト分のタイマ領域のうち、上位2バイト分のタイマ領域が未使用となり、効率的ではない。
それに対して、本実施形態のように、4バイトのタイマを2つの別個の2バイトのタイマで構成し、特別図柄の前半の変動表示時間及び後半の変動表示時間をそれぞれ別個に(独立して)2バイトのタイマで管理する構成にした場合には、特別図柄の全体の変動表示時間が短時間であっても2つの2バイトのタイマの両方を使用するので、未使用となるタイマがなくなる。また、本実施形態の構成では、例えば大当り遊技開始までのインターバル時間などの短時間は、一方の2バイトのタイマを使用して監視する。それゆえ、本実施形態のタイマ構成では、効率よくタイマ領域を使用して各種監視時間を管理することができる。すなわち、本実施形態のタイマ構成では、主制御回路6100で行われる各種処理を効率よく実行することができ、主制御回路6100の処理負荷を軽減することができる。
また、例えば、2バイトのタイマを2個設け、短時間の特別図柄の変動表示時間や大当り遊技開始までのインターバル時間などを監視する場合には一方の2バイトのタイマを使用し、長時間の特別図柄の変動表示時間を監視する場合には上位2バイトタイマのカウント値と下位2バイトタイマのカウント値を合算して監視する手法も考えられる。しかしながら、本実施形態のように4バイトのタイマを2つの別個の2バイトのタイマで構成し、特別図柄の前半の変動表示時間及び後半の変動表示時間をそれぞれ別個に(独立して)2バイトのタイマで管理する構成にした場合には、上位2バイトタイマのカウント値と下位2バイトタイマのカウント値を合算する必要がない。この場合、タイマのカウント値の合算処理を省略することができるので、主制御回路6100で管理する処理プログラムの容量を削減することができる。なお、本実施形態では、2つのタイマで各種時間を管理する例を説明したが、本発明はこれに限定されず、1つのタイマで各種時間を管理する構成にしてもよい。
[第1特別図柄関連定義データテーブル]
第1特別図柄関連定義データテーブル(インデックステーブル)には、第1特別図柄の変動表示の各種制御処理(各種モジュール)で用いられる情報をメインRAM6103から読み出す際に必要となる各種情報(格納領域、データ領域、定数定義値のアドレス)が格納される。それゆえ、第1特別図柄の変動表示の各種制御処理では、第1特別図柄関連定義データテーブル内に規定されている各種アドレスを参照することにより、所望の情報をメインRAM6103から直接読み出すことができる。なお、ここでいうインデックステーブルとは、参照情報が格納された情報の格納体であればよく、構造体や変数の集合体であってもよい。
第1特別図柄関連定義データテーブルには、図302に示すように、第1特別図柄選択値(本実施形態では「0」)の格納領域、第2特別図柄作業領域テーブル内の第2特別図柄当りフラグ領域のアドレス(下位側アドレス)の格納領域、第2特別図柄作業領域テーブル内の第2特別図柄休止フラグ領域のアドレスの格納領域、第1特別図柄保留記憶領域の先頭アドレス(下位側アドレス)の格納領域、第1特別図柄保留記憶リードポインタ領域のアドレス(下位側アドレス)の格納領域、第1特別図柄保留記憶ライトポインタ領域のアドレス(下位側アドレス)の格納領域、第1特別図柄作業領域テーブル内の第1特別図柄待ち時間管理タイマ領域の先頭アドレスの格納領域、第1特別図柄作業領域テーブル内の第1特別図柄遊技状態指定パラメータ領域のアドレスの格納領域、第2特別図柄作業領域テーブルの先頭アドレスの格納領域、第1特別図柄変動開始設定データテーブルの先頭アドレスの格納領域、第1特別図柄確定設定データテーブル1の先頭アドレスの格納領域、第1特別図柄確定設定データテーブル2の先頭アドレスの格納領域、第1特別図柄遊技終了設定データテーブルの先頭アドレスの格納領域、及び、第2特別図柄関連定義データテーブルの先頭アドレスの格納領域が設けられ、これらの格納領域が、第1特別図柄関連定義データテーブルの先頭アドレス(「D_T1_XX00」)側から、この順序で配置される。また、第1特別図柄関連定義データテーブル内では、図302に示すように、各格納領域のアドレスは、第1特別図柄関連定義データテーブルの先頭アドレスからのオフセット値(相対値)で規定されている。
なお、第1特別図柄関連定義データテーブルでは、第1特別図柄選択値(0)の格納領域、第2特別図柄作業領域テーブル内の第2特別図柄当りフラグ領域のアドレス(下位側アドレス)の格納領域、第1特別図柄保留記憶領域の先頭アドレス(下位側アドレス)の格納領域、第1特別図柄保留記憶リードポインタ領域のアドレス(下位側アドレス)の格納領域、及び、第1特別図柄保留記憶ライトポインタ領域のアドレス(下位側アドレス)の格納領域は、それぞれ、1バイトの領域で構成され、それ以外の各格納領域は、2バイトの領域で構成される。
上述のように、第1特別図柄関連定義データテーブルには、第1特別図柄の変動表示の制御処理で必要な各種情報のアドレス情報がまとめて格納されている。例えば、第1特別図柄関連定義データテーブルには、図302に示すように、第1特別図柄作業領域テーブル内の第1特別図柄待ち時間管理タイマ領域及び第1特別図柄遊技状態指定パラメータ領域のアドレスが格納される。それゆえ、本実施形態では、第1特別図柄の変動表示の各種制御処理において、第1特別図柄関連定義データテーブルのアドレスを予めIXレジスタ等に設定することにより、第1特別図柄関連定義データテーブル内の各格納領域に格納された情報をメインRAM6103の作業領域から直接呼び出すことが可能になる。
すなわち、上記構成の第1特別図柄関連定義データテーブルを設けることにより、メインRAM6103の作業領域から必要な情報を読み出す際に、作業領域内に格納された当該情報のアドレスデータの参照処理を省略することができる。この場合、第1特別図柄の変動表示の各種制御処理において、必要な情報を読み出す際に当該情報のアドレスデータを参照するための命令コードが不要となる。それゆえ、上記構成の第1特別図柄関連定義データテーブルを設けた場合には、主制御回路6100で管理する処理プログラムの容量を削減することができる。
また、第1特別図柄関連定義データテーブルには、図302に示すように、第2特別図柄作業領域テーブルの先頭アドレス、第2特別図柄作業領域テーブル内の第2特別図柄当りフラグ領域及び第2特別図柄休止フラグ領域のアドレスが格納される。このような構成を設けた場合、第1特別図柄の変動表示の各種制御処理において、第2特別図柄作業領域テーブル内の第2特別図柄当りフラグや第2特別図柄休止フラグの情報が必要となる場合には、特別図柄関連定義データテーブルの切り替え処理(IXレジスタ等に予めセットされている第1特別図柄関連定義データテーブルのアドレスを第2特別図柄関連定義データテーブルのアドレスに切り替える処理)を行うことなく、第1特別図柄関連定義データテーブルを用いて、直接、第2特別図柄作業領域テーブルから第2特別図柄当りフラグや第2特別図柄休止フラグの情報を読み出すことができる。
この場合、第1特別図柄の変動表示の各種制御処理において、特別図柄関連定義データテーブルの切り替え処理を実行するための命令コードが不要となる。それゆえ、上記構成の第1特別図柄関連定義データテーブルを設けた場合には、主制御回路6100で管理する処理プログラムの容量をより一層削減することができる。
さらに、第1特別図柄関連定義データテーブルの最後の2バイト分(最終アドレス及びその一つ前のアドレス)の格納領域(最後尾の格納領域)には、第2特別図柄関連定義データテーブルの先頭アドレスが格納される。また、後述するように、第2特別図柄関連定義データテーブルの最後の2バイト分の格納領域には、第1特別図柄関連定義データテーブルの先頭アドレスが格納される(後述の図304参照)。このような構成を設けた場合、第1特別図柄関連定義データテーブル及び第2特別図柄関連定義データテーブル間において、相互乗り入れが可能になり、同時変動時の処理をより効率よく実行することができ、主制御回路6100の処理負荷をより一層軽減することができる。
[第2特別図柄作業領域テーブル]
第2特別図柄作業領域テーブルには、第2特別図柄の変動表示の各種制御処理(各種モジュール)で用いられる各種情報が格納される。
具体的には、第2特別図柄作業領域テーブルには、図303に示すように、格納領域として、第2特別図柄制御状態番号領域、第2特別図柄当りフラグ領域、第2特別図柄保留数領域、第2特別図柄遊技状態番号領域、第2特別図柄番号領域、第2特別図柄デモ表示状態フラグ領域、第2特別図柄遊技状態移行オフセット領域、第2特別図柄待ち時間管理タイマ領域、第2特別図柄休止フラグ領域、第2特別図柄遊技状態指定パラメータ領域、第2特別図柄演出変動テーブルパラメータ領域及び第2特別図柄停止図柄管理番号パラメータ領域が設けられ、これらの格納領域が、第2特別図柄作業領域テーブルの先頭アドレス(「W_T2_YY00」)側から、この順序で配置される。なお、図303では、説明の便宜上、第2特別図柄作業領域テーブル内における各格納領域の先頭アドレスからのオフセット値の図示は省略しているが、第2特別図柄作業領域テーブル内では、各格納領域のアドレスは、第2特別図柄作業領域テーブルの先頭アドレスからのオフセット値(相対値)で規定されている。
また、第2特別図柄作業領域テーブルにおいて、第2特別図柄待ち時間管理タイマ領域は、4バイトの領域で構成され、それ以外の各格納領域は1バイトの領域で構成される。すなわち、第2特別図柄作業領域テーブルの構成(格納される情報の種別、格納順序、各格納領域のサイズ)は、第1特別図柄作業領域テーブルのそれと同様になる。
なお、第2特別図柄作業領域テーブル内の第2特別図柄当りフラグ領域には、第2始動口入賞時に行われる大当り抽選(第2特別図柄の抽選)の結果(大当り、小当り又はハズレ)を示す情報が格納される。また、第2特別図柄休止フラグ領域には、同時変動時の処理制御で用いられる第2特別図柄の特別図柄休止フラグの値(オン値/オフ値)が格納される。
また、第2特別図柄待ち時間管理タイマ領域(4バイト領域)は、第1特別図柄管理タイマ領域と同様に、上位2バイトタイマと、下位2バイトタイマとで構成される。
そして、本実施形態では、第2特別図柄の前半の変動表示時間を上位2バイトタイマで管理し、第2特別図柄の後半の変動表示時間を下位2バイトタイマで管理する。また、本実施形態では、第2特別図柄の制御処理において、第2特別図柄の変動表示時間(特別図柄待ち時間)以外の監視時間(例えば、大当り遊技開始までのインターバル時間、大当り遊技終了までのインターバル時間、特定図柄の確定待ち時間、ラウンド間表示時間等)を第2特別図柄の上位2バイトタイマで管理するが、これらの監視時間を下位2バイトタイマに管理する構成にしてもよい。
上述のように、本実施形態では、上記第2特別図柄のタイマ構成及び監視時間の管理手法は、上記第1特別図柄のそれらと同様になる。それゆえ、上記第2特別図柄のタイマ構成及び監視時間の管理手法を採用することにより、上記第1特別図柄のタイマ構成及び監視時間の管理手法により得られる上述の各種効果と同様の効果が得られる。
[第2特別図柄関連定義データテーブル]
第2特別図柄関連定義データテーブルには、第2特別図柄の変動表示の各種制御処理(各種モジュール)で用いられる情報をメインRAM6103から読み出す際に必要となる各種情報(格納領域、データ領域、定数定義値のアドレス)が格納される。それゆえ、第2特別図柄の変動表示の各種制御処理では、第2特別図柄関連定義データテーブル内に規定されている各種アドレスを参照することにより、所望の情報をメインRAM6103から直接読み出すことができる。
第2特別図柄関連定義データテーブルには、図304に示すように、第2特別図柄選択値(本実施形態では「1」)の格納領域、第1特別図柄作業領域テーブル内の第1特別図柄当りフラグ領域のアドレス(下位側アドレス)の格納領域、第1特別図柄作業領域テーブル内の第1特別図柄休止フラグ領域のアドレスの格納領域、第2特別図柄保留記憶領域の先頭アドレス(下位側アドレス)の格納領域、第2特別図柄保留記憶リードポインタ領域のアドレス(下位側アドレス)の格納領域、第2特別図柄保留記憶ライトポインタ領域のアドレス(下位側アドレス)の格納領域、第2特別図柄作業領域テーブル内の第2特別図柄待ち時間管理タイマ領域の先頭アドレスの格納領域、第2特別図柄作業領域テーブル内の第2特別図柄遊技状態指定パラメータ領域のアドレスの格納領域、第1特別図柄作業領域テーブルの先頭アドレスの格納領域、第2特別図柄変動開始設定データテーブルの先頭アドレスの格納領域、第2特別図柄確定設定データテーブル1の先頭アドレスの格納領域、第2特別図柄確定設定データテーブル2の先頭アドレスの格納領域、第2特別図柄遊技終了設定データテーブルの先頭アドレスの格納領域、及び、第1特別図柄関連定義データテーブルの先頭アドレスの格納領域が設けられ、これらの格納領域が、第2特別図柄関連定義データテーブルの先頭アドレス(「D_T2_XX00」)側から、この順序で配置される。なお、図304では、説明の便宜上、第2特別図柄関連定義データテーブル内における各格納領域の先頭アドレスからのオフセット値の図示は省略しているが、第2特別図柄関連定義データテーブル内では、各格納領域のアドレスは、第2特別図柄関連定義データテーブルの先頭アドレスからのオフセット値(相対値)で規定されている。
また、第2特別図柄関連定義データテーブルでは、第2特別図柄選択値の格納領域、第1特別図柄作業領域テーブル内の第1特別図柄当りフラグ領域のアドレス(下位側アドレス)の格納領域、第2特別図柄保留記憶領域の先頭アドレス(下位側アドレス)の格納領域、第2特別図柄保留記憶リードポインタ領域のアドレス(下位側アドレス)の格納領域、及び、第2特別図柄保留記憶ライトポインタ領域のアドレス(下位側アドレス)の格納領域は、それぞれ、1バイトの領域で構成され、それ以外の各格納領域は、2バイトの領域で構成される。すなわち、第2特別図柄関連定義データテーブルの構成(格納される情報の種別、格納順序、各格納領域のサイズ)は、第1特別図柄関連定義データテーブルのそれと同様になる。
上述のように、第2特別図柄関連定義データテーブルには、第2特別図柄の変動表示の制御処理で必要な各種情報のアドレス情報がまとめて格納されている。例えば、第2特別図柄関連定義データテーブルには、図304に示すように、第2特別図柄作業領域テーブル内の第2特別図柄待ち時間管理タイマ領域及び第2特別図柄遊技状態指定パラメータ領域のアドレスが格納される。それゆえ、本実施形態では、第2特別図柄の変動表示の各種制御処理において、第2特別図柄関連定義データテーブルのアドレスを予めIXレジスタ等に設定することにより、第2特別図柄関連定義データテーブル内の各格納領域に格納された情報をメインRAM6103の作業領域から直接呼び出すことが可能になる。
すなわち、上記構成の第2特別図柄関連定義データテーブルを設けることにより、メインRAM6103の作業領域から必要な情報を読み出す際に、作業領域内に格納された当該情報のアドレスデータの参照処理を省略することができる。この場合、第2特別図柄の変動表示の各種制御処理において、必要な情報を読み出す際に当該情報のアドレスデータを参照するための命令コードが不要となる。それゆえ、上記構成の第2特別図柄関連定義データテーブルを設けた場合には、主制御回路6100で管理する処理プログラムの容量を削減することができる。
また、第2特別図柄関連定義データテーブルには、図304に示すように、第1特別図柄作業領域テーブルの先頭アドレス、第1特別図柄作業領域テーブル内の第1特別図柄当りフラグ領域及び第1特別図柄休止フラグ領域のアドレスが格納される。このような構成を設けた場合、第2特別図柄の変動表示の各種制御処理において、第1特別図柄作業領域テーブル内の第1特別図柄当りフラグや第1特別図柄休止フラグの情報が必要となる場合には、特別図柄関連定義データテーブルの切り替え処理(IXレジスタ等に予めセットされている第2特別図柄関連定義データテーブルのアドレスを第1特別図柄関連定義データテーブルのアドレスに切り替える処理)を行うことなく、第2特別図柄関連定義データテーブルを用いて、直接、第1特別図柄作業領域テーブルから第1特別図柄当りフラグや第1特別図柄休止フラグの情報を読み出すことができる。
この場合、第2特別図柄の変動表示の各種制御処理において、特別図柄関連定義データテーブルの切り替え処理を実行するための命令コードが不要となる。それゆえ、上記構成の第2特別図柄関連定義データテーブルを設けた場合には、主制御回路6100で管理する処理プログラムの容量をより一層削減することができる。
さらに、第2特別図柄関連定義データテーブルの最後の2バイト分(最終アドレス及びその一つ前のアドレス)の格納領域(最後尾の格納領域)には、第1特別図柄関連定義データテーブルの先頭アドレスが格納される。また、上述のように、第1特別図柄関連定義データテーブルの最後の2バイト分の格納領域には、第2特別図柄関連定義データテーブルの先頭アドレスが格納される(図302参照)。このような構成を設けた場合、第1特別図柄関連定義データテーブル及び第2特別図柄関連定義データテーブル間において、相互乗り入れが可能になり、同時変動時の処理をより効率よく実行することができ、主制御回路6100の処理負荷をより一層軽減することができる。
[特別図柄作業領域テーブルの各種変形例]
(1)変形例1
上述のように、本実施形態では、第1特別図柄作業領域テーブルの構成(格納される情報の種別、格納順序、各格納領域のサイズ)と、第2特別図柄作業領域テーブルの構成とが互いに同じである例を説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、第1特別図柄作業領域テーブルの構成と、第2特別図柄作業領域テーブルの構成とが互いに異なっていてもよい。
なお、本実施形態のように、第1特別図柄作業領域テーブルの構成と、第2特別図柄作業領域テーブルの構成とが互いに同じである場合には、第1特別図柄作業領域テーブルの先頭アドレスから所定項目の情報の格納領域までのアドレスのオフセット値が、第2特別図柄作業領域テーブルの先頭アドレスから所定項目の情報の格納領域までのアドレスのオフセット値とが同じになる。この場合、各特別図柄作業テーブルから所定項目の情報を読み出す際のオフセット値の設定処理を共通化することができ、主制御回路6100で管理する処理プログラムの容量をさらに削減することができる。
しかしながら、例えば、各特別図柄作業領域テーブルに格納される情報の項目数(種別数)が互いに異なる場合には、第1特別図柄作業領域テーブルの先頭アドレスから所定項目の情報の格納領域までのアドレスのオフセット値が、第2特別図柄作業領域テーブルの先頭アドレスから所定項目の情報の格納領域までのアドレスのオフセット値と異なるような状況が発生する可能性がある。この場合には、第1特別図柄作業領域テーブルから所定項目の情報を読み出す際のオフセット値の設定処理と、第2特別図柄作業領域テーブルから所定項目の情報を読み出す際のオフセット値の設定処理とを別個に設ける必要があり、処理プログラムの容量が増大する可能性もある。
このような課題を解消するための特別図柄作業領域テーブルの変形例を、図305に示す。図305は、変形例1における第1特別図柄作業領域テーブルの構成を示す図である。
なお、この例における第1特別図柄作業領域テーブルに設けられる格納領域の項目(種別)、配置順序、各格納領域のサイズは、図301に示す本実施形態の構成と同じである。また、図示しないが、この例では、第1特別図柄作業領域テーブル内の第1特別図柄遊技状態指定パラメータ領域以降(最終アドレス側)の構成と、第2特別図柄作業領域テーブル内の第2特別図柄遊技状態指定パラメータ領域以降の構成とは同じとし、第1特別図柄作業領域テーブル内の第1特別図柄遊技状態指定パラメータ領域より先頭アドレス側の構成は、第2特別図柄作業領域テーブル内の第2特別図柄遊技状態指定パラメータ領域より先頭アドレス側の構成と異なるものとする。
この例では、第1特別図柄作業領域テーブル内において、第1特別図柄作業領域テーブルの先頭アドレス(「W_T1_YY0A」)を第1の先頭アドレス(先頭アドレスA)として規定するともに、第1特別図柄遊技状態指定パラメータ領域の一つ前(上位側)のアドレス(「W_T1_YY0B」)を第2の先頭アドレス(先頭アドレスB)として規定する。そして、図305に示すように、第1特別図柄遊技状態指定パラメータ領域、第1特別図柄演出変動テーブルパラメータ領域及び第1特別図柄停止図柄管理番号パラメータ領域に対して、それぞれのアドレスを、先頭アドレスAからのオフセット値及び先頭アドレスBからのオフセット値の2種類で規定する。
また、図示しないが、この例では、第2特別図柄作業領域テーブル内においても、第2特別図柄作業領域テーブルの先頭アドレス(「W_T2_YY0C」)を第1の先頭アドレス(先頭アドレスC)として規定するともに、第2特別図柄遊技状態指定パラメータ領域の一つ前(上位側)のアドレス(「W_T2_YY0D」)を第2の先頭アドレス(先頭アドレスD)として規定する。そして、第2特別図柄遊技状態指定パラメータ領域、第2特別図柄演出変動テーブルパラメータ領域及び第2特別図柄停止図柄管理番号パラメータ領域に対して、それぞれのアドレスを、先頭アドレスCからのオフセット値及び先頭アドレスDからのオフセット値の2種類で規定する。
第1特別図柄作業領域テーブル及び第2特別図柄作業領域テーブルの構成としてこの例の構成を採用した場合、第1特別図柄作業領域テーブル内における第1特別図柄遊技状態指定パラメータ領域以降の各項目の格納領域の先頭アドレスBからのオフセット値が、第2特別図柄作業領域テーブル内における第2特別図柄遊技状態指定パラメータ領域以降の各項目の格納領域の先頭アドレスDからのオフセット値と同じになる。この場合、先頭アドレスB及び先頭アドレスDをオフセット値の基準とすることにより、第1特別図柄作業領域テーブルから第1特別図柄遊技状態指定パラメータ領域以降の情報を読み出す際のオフセット値の設定処理と、第2特別図柄作業領域テーブルから第2特別図柄遊技状態指定パラメータ領域以降の情報を読み出す際のオフセット値の設定処理とを共通化することができる。さらに、この場合、第1特別図柄遊技状態指定パラメータ領域以降の情報の読み出し処理と、第2特別図柄遊技状態指定パラメータ領域以降の情報を読み出し処理とを共通化することができる。それゆえ、この例における第1特別図柄作業領域テーブル及び第2特別図柄作業領域テーブルの上記構成を採用した場合には、両者のテーブル構成が互いに異なっていても主制御回路6100で管理する処理プログラムの容量を削減することができる。
(2)変形例2
本実施形態では、第1特別図柄作業領域テーブルには、第1特別図柄に関する情報のみを規定し、第2特別図柄作業領域テーブルには、第2特別図柄に関する情報のみを規定する構成を説明したが、本発明はこれに限定されない。一方の特別図柄作業領域テーブルに、他方の特別図柄に関する情報の少なくとも一部を規定し、一方の特別図柄作業領域テーブルに格納される他方の特別図柄に関する情報の格納位置を、同種項目の一方の特別図柄に関する情報の格納位置(格納アドレス)の1つ下位側の位置(次の格納アドレス)にしてもよい。
例えば、図301に示す第1特別図柄作業領域テーブル内の第1特別図柄当りフラグ領域の次(1つ下位側)のアドレスに第2特別図柄当りフラグ領域を設け、図303に示す第2特別図柄作業領域テーブル内の第2特別図柄当りフラグ領域の次(1つ下位側)のアドレスに第1特別図柄当りフラグ領域を設けた構成にしてもよい。
この場合、第1特別図柄の変動表示の制御処理において、第1特別図柄当りフラグ(自身の情報)を参照する際には、アドレスの補正を行わずに、第1特別図柄作業領域テーブルから第1特別図柄当りフラグを読み出し、第2特別図柄当りフラグ(相手の情報)を参照する際には、アドレスを1加算(+1)する補正をして、第1特別図柄作業領域テーブルから第2特別図柄当りフラグを読み出す。一方、第2特別図柄の変動表示の制御処理において、第2特別図柄当りフラグ(自身の情報)を参照する際には、アドレスの補正を行わずに、第2特別図柄作業領域テーブルから第2特別図柄当りフラグを読み出し、第1特別図柄当りフラグ(相手の情報)を参照する際には、アドレスを1加算(+1)する補正をして、第2特別図柄作業領域テーブルから第1特別図柄当りフラグを読み出す。
すなわち、この例では、第1特別図柄の変動表示の制御処理において、第1特別図柄作業領域テーブルから第1特別図柄に関する情報(自身の情報)又は第2特別図柄に関する情報(相手の情報)を読み出す際の処理(アドレスのセット処理)と、第2特別図柄の変動表示の制御処理において、第2特別図柄作業領域テーブルから第2特別図柄に関する情報(自身の情報)又は第1特別図柄に関する情報(相手の情報)を読み出す際の処理(アドレスのセット処理)とが同じになるので、両処理を共通化することができる。それゆえ、この例の特別図柄作業領域テーブルの構成を採用した場合には、主制御回路6100で管理する処理プログラムの容量を削減することができる。
(3)変形例3
本実施形態では、第1特別図柄作業領域テーブルには、第1特別図柄に関する情報のみを規定し、第2特別図柄作業領域テーブルには、第2特別図柄に関する情報のみを規定する構成を説明したが、本発明はこれに限定されない。
例えば、本実施形態の第1特別図柄関連定義データテーブル(図302参照)及び第2特別図柄関連定義データテーブル(図304参照)と同様に、第1特別図柄作業領域テーブルの最後の2バイト分(最終アドレス及びその一つ前のアドレス)の格納領域(最後尾の格納領域)に第2特別図柄作業領域テーブルの先頭アドレスを格納し、第2特別図柄作業領域テーブルの最後の2バイト分の格納領域に第1特別図柄作業領域テーブルの先頭アドレスを格納するような構成にしてもよい。このような構成を設けた場合には、第1特別図柄作業領域テーブル及び第2特別図柄作業領域テーブル間において、相互乗り入れが可能になり、同時変動時の処理をより効率よく実行することができ、主制御回路6100の処理負荷をより一層軽減することができる。
なお、本発明では、例えば、第1特別図柄作業領域テーブル及び第2特別図柄作業領域テーブルの構成を、上記変形例2と上記変形例3とを組み合わせた構成にしてもよい。この場合にも上記変形例2及び変形例3で得られる効果と同様の効果が得られる。
[特別図柄関連定義データテーブルの変形例]
上述のように、本実施形態では、第1特別図柄関連定義データテーブル及び第2特別図柄関連定義データテーブルを別個に設ける例を説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、第1特別図柄関連定義データテーブル及び第2特別図柄関連定義データテーブルを一つの特別図柄関連定義データテーブル(インデックステーブル)で構成してもよい。なお、このような構成においても、特別図柄関連定義データテーブル内では、各格納領域のアドレスを、特別図柄関連定義データテーブルの先頭アドレスからのオフセット値(相対値)で規定することができる。
この場合、各特別図柄関連定義データテーブルの最後の2バイト分(最終アドレス及びその一つ前のアドレス)の格納領域(最後尾の格納領域)に格納されている相互乗り入れ用のデータ(相手側の特別図柄関連定義データテーブルの先頭アドレス)が不要となり、主制御回路6100で管理するデータの容量をより一層削減することができる。
また、後述のように、特別図柄の変動表示の制御処理において、第1特別図柄に対する処理を行う場合には、第1特別図柄関連定義データテーブルの先頭アドレスをIXレジスタにセットし、第2特別図柄に対する処理を行う場合には、第2特別図柄関連定義データテーブルの先頭アドレスをIXレジスタにセットする。すなわち、特別図柄の変動表示の制御処理では、処理対象となる特別図柄の種別に応じて、特別図柄関連定義データテーブルの先頭アドレスのIXレジスタへのセット処理の切り替えが行われる。しかしながら、第1特別図柄関連定義データテーブル及び第2特別図柄関連定義データテーブルを一つの特別図柄関連定義データテーブルとして構成した場合には、特別図柄の変動表示の制御処理において、特別図柄関連定義データテーブルの先頭アドレスのIXレジスタへのセット処理の切り替えが不要となり、主制御回路6100で管理する処理プログラムの容量をさらに削減することができる。
<主制御回路の動作説明>
次に、図306〜図339を参照して、主制御回路6100のメインCPU6101により実行される各種処理(各種モジュール)の内容について説明する。
[外部マスカブル割込み処理]
最初に、図306を参照して、メインCPU6101の制御により実行される外部マスカブル割込み処理について説明する。この処理は、例えば電断時等に発生する外部割込み要求に応じて行われる割込み処理である。なお、図306は、外部マスカブル割込み処理の手順を示すフローチャートである。
まず、メインCPU6101は、保護レジスタの退避処理を行う(S11001)。この処理で退避処理の対象となる保護レジスタは、アキュームレータA,A′、フラグ・レジスタF,F′、ペアレジスタBC,B′C′、ペアレジスタDE,D′E′、ペアレジスタHL,H′L′、IXレジスタ及びIYレジスタである。
次いで、メインCPU6101は、入力ポート2の状態を読み出す(S11002)。
主制御回路6100では、入力ポート0、入力ポート1及び入力ポート2の3種類の入力ポートが設けられている。入力ポート0では、各始動口入賞球スイッチ、設定キー6080、アウト球カウントスイッチ(不図示)等のオン/オフ状態がセットされる。入力ポート1では、カウントスイッチ6053c、6054c、一般入賞球スイッチ6051a,6052a、大入賞口スイッチ、排出口スイッチ、通過球スイッチ6043a等のオン/オフ状態がセットされる。また、入力ポート2では、電断信号、RAMクリアスイッチ6121、センサ異常検知信号、枠電波センサ、開放信号、磁気センサ、振動センサ、ソレノイド監視センサ等のオン/オフ状態がセットされる。
次いで、メインCPU6101は、電断信号を検知中であるか否かを判定する(S11003)。
S11003において、メインCPU6101が、電断信号を検知中でないと判定した場合(S11003がNO判定の場合)、メインCPU6101は、後述のS11005の処理を行う。一方、S11003において、メインCPU6101が、電断信号を検知中であると判定した場合(S11003がYES判定の場合)、メインCPU6101は、XINT検知フラグをオン状態(オン値)にセットする(S11004)。なお、XINT検知フラグは電断中であるか否かを示すフラグであり、その値は、メインRAM6103の作業領域内のXINT検知フラグ領域に格納される。
S11004の処理後、又は、S11003がNO判定の場合、メインCPU6101は、S11001で退避させた保護レジスタの復帰処理を行う(S11005)。次いで、メインCPU6101は、割込み許可処理を行い(S11006)、外部マスカブル割込み処理を終了する。
[システムタイマ割込み処理]
次に、図307を参照して、メインCPU6101の制御により、2msecの周期(割込み周期)で実行されるシステムタイマ割込み処理について説明する。なお、図307は、システムタイマ割込み処理の手順を示すフローチャートである。
まず、メインCPU6101は、保護レジスタの退避処理を行う(S11011)。この処理で退避処理の対象となる保護レジスタは、アキュームレータA,A′、フラグ・レジスタF,F′、ペアレジスタBC,B′C′、ペアレジスタDE,D′E′、ペアレジスタHL,H′L′、IXレジスタ及びIYレジスタである。
次いで、メインCPU6101は、XINT検知フラグがオン状態であるか否かを判定する(S11012)。
S11012において、メインCPU6101が、XINT検知フラグがオン状態(電断検知時)であると判定した場合(S11012がYES判定の場合)、メインCPU6101は、後述のS11026の処理を行う。一方、S11012において、メインCPU6101が、XINT検知フラグがオン状態でないと判定した場合(S11012がNO判定の場合)、メインCPU6101は、割込み許可処理を行う(S11013)。
次いで、メインCPU6101は、入力ポートの状態の読み込み処理を行う(S11014)。
次いで、メインCPU6101は、遊技許可状態であるか否かを判定する(S11015)。この処理では、メインCPU6101は、起動制御フラグの値(起動状態)に基づいて、遊技許可状態であるか否かを判定する。
なお、起動制御フラグは、電断復帰、設定変更、設定確認、RAMクリア等の起動状態の種別を判別するためのフラグであり、メインRAM6103内の起動制御フラグ領域に格納される。起動制御フラグの値は、電源投入時におけるRAMクリアスイッチ6121の状態情報(オン値(Low)又はオフ値(High):操作情報)、及び、設定キー6080の状態情報(オン値(High)又はオフ値(Low):操作情報)で構成される。そして、本実施形態では、両状態情報の組合せ(起動制御フラグの値)により、現在の起動状態の種別(電断復帰/設定変更/設定確認/RAMクリア)を判別する。
具体的には、RAMクリアスイッチ6121がオフ値(High)であり、且つ、設定キー6080がオフ値(Low)である場合(例えば、起動制御フラグの値=「10B」)には、電断復帰時と判定される。RAMクリアスイッチ6121がオン値(Low)であり、且つ、設定キー6080がオン値(High)である場合(例えば、起動制御フラグの値=「01B」)には、設定変更中と判定され、RAMクリアスイッチ6121がオフ値(High)であり、且つ、設定キー6080がオン値(High)である場合(例えば、起動制御フラグの値=「11B」)には、設定確認中と判定される。また、RAMクリアスイッチ6121がオン値(Low)であり、且つ、設定キー6080がオフ値(Low)である場合(例えば、起動制御フラグの値=「00B」)には、RAMクリア時と判定される。そして、S11015の判定処理では、起動制御フラグの値が、設定変更及び設定確認以外を示す値であれば、YES判定(遊技許可状態)となる。なお、本実施形態では、RAMクリアスイッチ6121のオン値をLowレベルとし、オフ値をHighレベルとする例を説明したが、RAMクリアスイッチ6121のオン値をHighレベルとし、オフ値をLowレベルとしてもよい。また、本実施形態では、設定キー6080のオン値をHighレベルとし、オフ値をLowレベルとする例を説明したが、設定キー6080のオン値をLowレベルとし、オフ値をHighレベルとしてもよい。
S11015において、メインCPU6101が、遊技許可状態でないと判定した場合(S11015がNO判定の場合)、メインCPU6101は、設定制御処理を行う(S11016)。この処理では、メインCPU6101は、設定変更処理又は設定確認処理を行う。すなわち、本実施形態では、設定変更処理及び設定確認処理は、2msec周期で行われるシステムタイマ割込み処理内で行われ、遊技不許可状態の場合に行われる。なお、設定制御処理の詳細については、後述の図308を参照しながら後で説明する。そして、S11016の処理後、メインCPU6101は、後述のS11026の処理を行う。
一方、S11015において、メインCPU6101が、遊技許可状態であると判定した場合(S11015がYES判定の場合)、メインCPU6101は、割込みカウンタの値を1加算する(S11017)。なお、割込みカウンタは、後述する主制御メイン処理(後述の図317〜図320参照)中の割込み禁止区間を計数(管理)するためのカウンタであり、割込みカウンタの計数値は、メインRAM6103の作業領域内の割込カウンタ領域に格納される。
次いで、メインCPU6101は、割込み周期タイマの更新処理を行う(S11018)。なお、割込み周期タイマは、割込み周期(2msec)管理用のタイマであり、割込み周期タイマの計数値は、メインRAM6103の作業領域内の割込み周期管理タイマ領域に格納される。
次いで、メインCPU6101は、各種乱数値の更新処理を行う(S11019)。次いで、メインCPU6101は、スイッチ入力検知処理を行う(S11020)。なお、スイッチ入力検知処理の詳細については、後述の図313を参照しながら後で説明する。
次いで、メインCPU6101は、入賞情報コマンド設定処理を行う(S11021)。この処理では、メインCPU6101は、演出制御コマンド(入賞情報コマンド)の送信予約処理を行う。
次いで、メインCPU6101は、演出制御コマンド送信処理を行う(S11022)。この処理では、メインCPU6101は、送信予約されているコマンドを主制御回路6100から副制御回路6200に送信する。
次いで、メインCPU6101は、レジスタの退避処理を行う(S11023)。なお、この処理で退避処理の対象となるレジスタは、アキュームレータA,A′及びフラグ・レジスタF,F′である。
次いで、メインCPU6101は、性能表示モニタ6070の制御処理を行う(S11024)。この処理では、メインCPU6101は、遊技判定処理、賞球加算判定処理、性能表示モニタ6070の表示内容更新処理等を行う。また、この処理は、メインRAM6103内の領域外作業領域を使用して行われる。次いで、メインCPU6101は、S11023で退避させたレジスタの復帰処理を行う(S11025)。
S11025或いはS11016の処理後、又は、S11012がYES判定の場合、メインCPU6101は、S11011で退避させた保護レジスタの復帰処理を行い(S11026)、システムタイマ割込み処理を終了する。
上述のように、本実施形態のシステムタイマ割込み処理では、現在の起動状態が遊技不許可状態である場合(S11015がNO判定の場合)に、設定制御処理(設定変更処理又は設定確認処理)を行い、遊技許可状態時に実行される各種処理(例えば、割込み周期タイマの更新処理(S11018)、乱数値の更新処理(S11019)、性能表示モニタ6070の制御処理(S11024)等)を行わない。この場合、遊技不許可状態時に不要な処理を行わないようにすることができ、処理を簡略化することができる。それゆえ、システムタイマ割込み処理において上述した処理を行うことにより、主制御回路6100で行われる処理をより効率よく実行することができ、主制御回路6100の処理負荷を軽減することができる。
また、上述のように、本実施形態では、電源投入時におけるRAMクリアスイッチ6121の状態情報と設定キー6080の状態情報との組合せで構成された起動制御フラグを用いて、現在の起動状態の種別(電断復帰/設定変更/設定確認/RAMクリア)を判別することができる。すなわち、起動状態の種別(電断復帰/設定変更/設定確認/RAMクリア)を共通のフラグを用いて判別することができる(起動状態の種別毎に判別フラグを設ける必要が無くなる)ので、本実施形態では、主制御回路6100で管理するデータの容量をより削減することができる。
[設定制御処理]
次に、図308を参照して、システムタイマ割込み処理(図307参照)中のS11016で行う設定制御処理について説明する。なお、図308は、設定制御処理の手順を示すフローチャートである。
まず、メインCPU6101は、起動制御フラグの値が設定変更を示す値であるか否かを判定する(S11031)。
S11031において、メインCPU6101が、起動制御フラグの値が設定変更を示す値であると判定した場合(S11031がYES判定の場合)、メインCPU6101は、設定変更処理を行う(S11032)。なお、設定変更処理の詳細については、後述の図309を参照しながら後で説明する。
一方、S11031において、メインCPU6101が、起動制御フラグの値が設定変更を示す値でないと判定した場合(S11031がNO判定の場合)、メインCPU6101は、設定確認処理を行う(S11033)。なお、設定確認処理の詳細については、後述の図310を参照しながら後で説明する。
S11032又はS11033の処理後、メインCPU6101は、設定操作表示処理を行う(S11034)。この処理では、現在、セットされている設定値の表示処理が行われる。
次いで、メインCPU6101は、演出制御コマンド送信処理を行う(S11035)。この処理では、メインCPU6101は、設定変更処理(S11032)又は設定確認処理(S11033)内で送信予約されているコマンド(初期化コマンド又は電断復帰コマンド)を副制御回路6200に送信する。
次いで、メインCPU6101は、WDT(watchdog timer)の出力処理を行う(S11036)。この処理では、メインCPU6101は、WDTクリアレジスタアドレスの読み込み処理、内蔵WDTのクリア処理及び内蔵WDTのリスタート処理をこの順で行う。そして、S11036の処理後、メインCPU6101は、設定制御処理を終了し、処理を、システムタイマ割込み処理(図307)のS11026の処理に戻す。
[設定変更処理]
次に、図309を参照して、設定制御処理(図308参照)中のS11032で行う設定変更処理について説明する。なお、図309は、設定変更処理の手順を示すフローチャートである。
まず、メインCPU6101は、RAMクリアスイッチ6121が押下されたか否かを判定する(S11041)。この判定処理は、読み込まれた各種入力ポートの情報に含まれるRAMクリアスイッチ6121のオン/オフ状態の情報に基づいて行われる。
S11041において、メインCPU6101が、RAMクリアスイッチ6121が押下されていないと判定した場合(S11041がNO判定の場合)、メインCPU6101は、後述のS11043の処理を行う。一方、S11041において、メインCPU6101が、RAMクリアスイッチ6121が押下されていると判定した場合(S11041がYES判定の場合)、メインCPU6101は、設定値の範囲内更新処理を行う(S11042)。
S11042の処理後、又は、S11041がNO判定の場合、メインCPU6101は、設定キー6080がオフされたか否かを判定する(S11043)。この処理では、メインCPU6101は、今回のシステムタイマ割込み処理で読み込まれた入力ポートの情報に含まれる設定キー6080のオン/オフ情報と、前回のシステムタイマ割込み処理で読み込まれた入力ポートの情報に含まれる設定キー6080のオン/オフ情報とを比較し(排他論理和演算でマスキングし)、その比較結果に基づいて、設定キー6080の状態がオン状態からオフ状態に変化したか否か、すなわち、設定キー6080のオフエッジが検出されたか否かを判定する。
なお、設定制御処理は、設定キー6080のオンエッジ(設定キー6080の状態がオフ状態からオン状態に変化したとき)を検出することにより実行されるが、この際にも、今回のシステムタイマ割込み処理で読み込まれた設定キー6080のオン/オフ情報と、前回のシステムタイマ割込み処理で読み込まれた設定キー6080のオン/オフ情報とを比較し(排他論理和演算でマスキングし)、その比較結果に基づいて設定キー6080のオンエッジを検出する。すなわち、本実施形態では、設定キー6080のオフエッジ及びオンエッジの検知において、今回のシステムタイマ割込み処理で読み込まれた設定キー6080のオン/オフ情報と、前回のシステムタイマ割込み処理で読み込まれた設定キー6080のオン/オフ情報との比較結果(排他論理和演算の結果)を共通のフラグとして用いることにより、設定制御処理の開始及び終了を判定する。
S11043において、メインCPU6101が、設定キー6080がオフされていないと判定した場合(S11043がNO判定の場合)、メインCPU6101は、設定変更処理を終了し、処理を、設定制御処理(図308)のS11034の処理に戻す。
一方、S11043において、メインCPU6101が、設定キー6080がオフされたと判定した場合(S11043がYES判定の場合)、メインCPU6101は、第1通常遊技前処理を行う(S11044)。この処理では、RAMクリア時の各種設定処理が行われる。なお、第1通常遊技前処理の詳細については、後述の図311を参照しながら後で説明する。そして、S11044の処理後、メインCPU6101は、設定変更処理を終了し、処理を、設定制御処理(図308)のS11034の処理に戻す。
[設定確認処理]
次に、図310を参照して、設定制御処理(図308参照)中のS11033で行う設定確認処理について説明する。なお、図310は、設定確認処理の手順を示すフローチャートである。
まず、メインCPU6101は、設定キー6080がオフされたか否かを判定する(S11051)。この判定処理は、上述した設定変更処理(図309参照)中のS11043の処理と同様にして行われる。
S11051において、メインCPU6101が、設定キー6080がオフされていないと判定した場合(S11051がNO判定の場合)、メインCPU6101は、設定確認処理を終了し、処理を、設定制御処理(図308)のS11034の処理に戻す。
一方、S11051において、メインCPU6101が、設定キー6080がオフされたと判定した場合(S11051がYES判定の場合)、メインCPU6101は、第2通常遊技前処理を行う(S11052)。この処理では、電断復帰時の各種設定処理が行われる。なお、第2通常遊技前処理の詳細については、後述の図312を参照しながら後で説明する。そして、S11052の処理後、メインCPU6101は、設定確認処理を終了し、処理を、設定制御処理(図308)のS11034の処理に戻す。
[第1通常遊技前処理]
次に、図311を参照して、設定変更処理(図309参照)中のS11044で行う第1通常遊技前処理について説明する。図311は、第1通常遊技前処理の手順を示すフローチャートである。なお、後述するように、設定変更処理(図309参照)中のS11044で行われる第1通常遊技前処理は、主制御メイン処理(後述の図317〜図320参照)中の遊技制御関連の処理の前に行われる起動時初期設定処理(後述の図322参照)において、RAMクリア時の初期設定処理としても実行される。
まず、メインCPU6101は、バックアップクリア時のRAM設定処理を行う(S11061)。この処理では、メインCPU6101は、バックアップクリア時(RAMクリアスイッチ6121の押下時)のRAM設定データテーブルをロードし、このデータテーブルのデータをメインRAM6103内の所定領域に格納する。このRAM設定処理により遊技許可状態となる。
次いで、メインCPU6101は、第1特別図柄アドレス設定処理を行う(S11062)。この処理では、メインCPU6101は、メインRAM6103内の第1特別図柄関連定義データテーブル(図302参照)のアドレスをIXレジスタにセットし、第1特別図柄作業領域テーブル(図301参照)のアドレスをIYレジスタにセットする。
次いで、メインCPU6101は、遊技状態指定パラメータの設定処理を行う(S11063)。この処理では、メインCPU6101は、遊技状態を指定する各種データ(パラメータ)を生成し、該生成したデータを、第1特別図柄作業領域テーブル(図301参照)内の所定領域に格納する。具体的には、メインCPU6101は、第1特別図柄作業領域テーブル内の第1特別図柄遊技状態番号領域、第1特別図柄遊技状態指定パラメータ及び第1特別図柄演出変動テーブルパラメータ領域のそれぞれに格納されるデータ(パラメータ)を生成し、生成したデータを対応する領域に格納する。
次いで、メインCPU6101は、初期化コマンドの送信予約処理を行う(S11064)。なお、当該第1通常遊技前処理が設定変更処理で呼び出されたものである場合には、S11064の処理で予約された初期化コマンドの副制御回路6200への送信は、設定制御処理(図308参照)中の演出制御コマンド送信処理(S11035)で行われる。また、当該第1通常遊技前処理が主制御メイン処理中の起動時初期設定処理(後述の図322参照)で呼び出されたものである場合には、S11064の処理で予約された初期化コマンドの副制御回路6200への送信は、次回のシステムタイマ割込み処理(図307)中の演出制御コマンド送信処理(S11022)で行われる。すなわち、本実施形態では、RAMクリア時に行われる副制御回路6200への初期化コマンドの送信処理が、設定変更処理が実行された際にも行われる。
そして、S11064の処理後、メインCPU6101は、第1通常遊技前処理を終了するとともに設定変更処理(図309)も終了する。
[第2通常遊技前処理]
次に、図312を参照して、設定確認処理(図310参照)中のS11052で行う第2通常遊技前処理について説明する。図312は、第2通常遊技前処理の手順を示すフローチャートである。なお、後述するように、設定確認処理(図310参照)中のS11052で行われる第2通常遊技前処理は、主制御メイン処理(後述の図317〜図320参照)中の遊技制御関連の処理の前に行われる起動時初期設定処理(後述の図322参照)において、電断復帰時の初期設定処理としても実行される。
まず、メインCPU6101は、電断復帰時のRAM設定データテーブルを読み出す(S11071)。また、この処理では、読み出したデータをメインRAM6103内の所定領域に格納する。このRAM設定処理により遊技許可状態となる。
次いで、メインCPU6101は、遊技状態が確変遊技状態(高確率遊技状態)であるか否かを判定する(S11072)。なお、この判定処理は、メインRAM6103内に設けられた特別図柄確変状態フラグ領域に格納されたデータ(特別図柄確変状態フラグ値)に基づいて行われる。なお、特別図柄確変状態フラグは、現在の遊技状態が確変遊技状態であるか否かを示すフラグであり、現在の遊技状態が確変遊技状態である場合にオン状態にセットされる。
S11072において、メインCPU6101が、遊技状態が確変遊技状態でない(低確率遊技状態である)と判定した場合(S11072がNO判定の場合)、メインCPU6101は、後述のS11074の処理を行う。一方、S11072において、メインCPU6101が、遊技状態が確変遊技状態であると判定した場合(S11072がYES判定の場合)、メインCPU6101は、特別図柄確変状態報知フラグ値をオン状態(オン値)にセットする(S11073)。
なお、特別図柄確変状態報知フラグは、現在の遊技状態が確変遊技状態であることを報知するか否かを示すフラグであり、現在の遊技状態が確変遊技状態である場合にオン状態にセットされる。また、特別図柄確変状態報知フラグ値は、メインRAM6103内に設けられた特別図柄確変状態報知フラグ領域に格納される。なお、本実施形態では、遊技状態が確変遊技状態であることを報知する確変ランプと呼ばれるものが設けられているが、この確変ランプは、電断時に確変遊技状態であり、その電断からの復帰時に特別図柄確変状態報知フラグがオン状態になれば点灯するが、それ以外の場合には、特別図柄確変状態報知フラグがオン状態であっても確変ランプが点灯しない構成になっている。なお、本実施形態では、遊技状態が時短遊技状態であることを報知する時短ランプと呼ばれるものも設けられており、時短遊技状態中には、時短ランプが点灯する。
S11073の処理後、又は、S11072がNO判定の場合、メインCPU6101は、電断復帰コマンドの送信予約処理を行う(S11074)。なお、当該第2通常遊技前処理が設定変更処理で呼び出されたものである場合には、S11074の処理で予約された電断復帰コマンドの副制御回路6200への送信は、設定制御処理(図308参照)中の演出制御コマンド送信処理(S11035)で行われる。また、当該第2通常遊技前処理が主制御メイン処理中の起動時初期設定処理(後述の図322参照)で呼び出されたものである場合には、S11074の処理で予約された電断復帰コマンドの副制御回路6200への送信は、次回のシステムタイマ割込み処理(図307)中の演出制御コマンド送信処理(S11022)で行われる。すなわち、本実施形態では、電断復帰時に行われる副制御回路6200への電断復帰コマンドの送信処理が、設定変更処理が実行された際にも行われる。
そして、S11074の処理後、メインCPU6101は、第2通常遊技前処理を終了するとともに設定確認処理(図310)も終了する。
上述のように、本実施形態のパチンコ遊技機6001では、設定制御処理(設定変更処理及び設定確認処理)は、2msec周期で行われるシステムタイマ割込み処理内で行われる。また、設定制御処理が行われた際には、上述のように、その制御種別(設定変更又は設定確認)に応じた通常遊技前処理(第1又は第2通常遊技前処理)が行われる。そして、この設定制御処理内で行われる通常遊技前処理(第1及び第2通常遊技前処理)は、主制御メイン処理(後述の図317〜図320参照)内において遊技制御関連の処理の前に行われる通常遊技前処理(初期設定処理)と同様の処理となる。それゆえ、本実施形態では、設定制御処理内で行われる通常遊技前処理(第1及び第2通常遊技前処理)と、主制御メイン処理中の遊技制御関連の処理の前に行われる通常遊技前処理(初期設定処理)とを共通化することでき、主制御回路6100で管理する処理プログラムの容量を削減することができる。
[スイッチ入力検知処理]
次に、図313を参照して、システムタイマ割込み処理(図307参照)中のS11020で行うスイッチ入力検知処理について説明する。なお、図313は、スイッチ入力検知処理の手順を示すフローチャートである。
まず、メインCPU6101は、異常状態監視処理を行う(S11081)。なお、異常状態監視処理の詳細については、後述の図314を参照しながら後で説明する。
次いで、メインCPU6101は、普通図柄関連チェック処理を行う(S11082)。この処理では、メインCPU6101は、第1始動口入賞球スイッチ6044a、通過球スイッチ6043a、第2始動口入賞球スイッチ6045a(普通電動役物6046)のチェック処理を行う。このチェック処理において、第1始動口入賞球スイッチ6044aのオンエッジ又は通過球スイッチ6043aのオンエッジが検知された場合には、乱数取得処理、乱数転送処理等が行われる。また、このチェック処理において、第2始動口入賞球スイッチ6045aのオンエッジが検知された場合には、状況に応じて、普通電動役物入賞カウンタの更新処理、入賞無効化処理等が行われる。
次いで、メインCPU6101は、特別図柄関連チェック処理を行う(S11083)。この処理では、メインCPU6101は、カウントスイッチ6053c,6054c、第1始動口入賞球スイッチ6044a、第2始動口入賞球スイッチ6045aのチェック処理を行う。このチェック処理において、カウントスイッチ6053c,6054cのオンエッジが検知された場合には、状況に応じて、特別電動役物入賞カウンタの更新処理、入賞無効化処理等が行われる。また、このチェック処理において、各始動口入賞球スイッチのオンエッジが検出され(特別図柄の保留個数が更新され)、且つ、先読み演出が実施される場合には、特定保留加算コマンドの送信予約処理が行われる。一方、このチェック処理において、各始動口入賞球スイッチのオンエッジが検出され(特別図柄の保留個数が更新され)、且つ、先読み演出が実施されない場合には、保留加算コマンドの送信予約処理が行われる。
次いで、メインCPU6101は、賞球関連スイッチチェック処理を行う(S11084)。この処理では、メインCPU6101は、賞球時に、払出管理テーブルに格納されたデータ(賞球管理ポインタ値)の更新処理を行う。そして、S11084の処理後、メインCPU6101は、スイッチ入力検知処理を終了し、処理を、システムタイマ割込み処理(図307)のS11021の処理に戻す。
[異常状態監視処理]
次に、図314を参照して、スイッチ入力検知処理(図313参照)中のS11081で行う異常状態監視処理について説明する。なお、図314は、異常状態監視処理の手順を示すフローチャートである。
まず、メインCPU6101は、異常状態監視前処理を行う(S11091)。この処理では、メインCPU6101は、異常検知情報(入力ポート2の各種センサビットの情報)の更新処理を行う。なお、異常状態監視前処理の詳細については、後述の図315を参照しながら後で説明する。
次いで、メインCPU6101は、汎用異常検知判定処理を行う(S11092)。この処理では、メインCPU6101は、監視対象毎(異常項目毎)に異常があるか否かの判定処理を行う。なお、汎用異常検知判定処理の詳細については、後述の図316を参照しながら後で説明する。
次いで、メインCPU6101は、誘導磁界監視処理を行う(S11093)。この処理では、メインCPU6101は、誘導磁界検知中であるか否かの判定し、誘導磁界検知中でなければ、誘導磁界検知情報ビットをオン状態(オン値)にセットする。そして、S11093の処理後、メインCPU6101は、異常状態監視処理を終了し、処理を、スイッチ入力検知処理(図313)のS11082の処理に戻す。
[異常状態監視前処理]
次に、図315を参照して、異常状態監視処理(図314参照)中のS11091で行う異常状態監視前処理について説明する。なお、図315は、異常状態監視前処理の手順を示すフローチャートである。
まず、メインCPU6101は、異常検知情報(入力ポート2の各種センサビットの情報)の読み込み処理を行う(S11101)。次いで、メインCPU6101は、扉・枠開放中であるか否か(ベースドア6003及び/又はガラスドア6004が開放されているか否か)を判定する(S11102)。
S11102において、メインCPU6101が、扉・枠開放中でないと判定した場合(S11102がNO判定の場合)、メインCPU6101は、後述のS11104の処理を行う。一方、S11102において、メインCPU6101が、扉・枠開放中であると判定した場合(S11102がYES判定の場合)、メインCPU6101は、入力ポート2の磁気センサビットをクリアする(S11103)。これにより、磁気センサの検知レベルがオフ状態となり、磁気センサによる異常検知が行われなくなる。
S11103の処理後、又は、S11102がNO判定の場合、メインCPU6101は、異常検知情報の更新処理を行う(S11104)。そして、S11104の処理後、メインCPU6101は、異常状態監視前処理を終了し、処理を、異常状態監視処理(図314)のS11092の処理に戻す。
なお、本実施形態の異常状態監視前処理では、上述のように、扉・枠開放中(S11102がYES判定の場合)には、入力ポート2の磁気センサビットをクリア(S11103)して、磁気センサの検知レベルをオフ状態(非検知レベル)にする例を説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、扉・枠開放中には、磁気センサの検知レベルを下げる構成にしてもよい。この際、システムタイマ割込み処理毎(2msec周期)に、徐々に磁気センサの検知レベルを下げて、最終的に磁気センサの検知レベルをオフ状態にするような制御を行ってもよいし、検知レベルを扉・枠開放時の磁気の乱れの影響を受けない程度の低レベルに低下させて、その後、当該検知レベルを維持するような制御を行ってもよい。また、本実施形態では、扉・枠開放中(S11102がYES判定の場合)には、入力ポート2の磁気センサビットをクリア(S11103)する例を説明したが、本発明はこれに限定されない。振動センサが設けられている場合には、扉・枠開放中、入力ポート2の磁気センサビットだけでなく、振動センサビットもクリアしてもよい。
上述のように、本実施形態では、扉・枠開放中には、異常状態監視前処理において、異常検知用の各種センサ(例えば、磁気センサ、振動センサ等)の検知レベルを下げる又はオフ状態にする。それゆえ、このような構成を設けた場合には、パチンコ遊技機6001の扉・枠(ベースドア6003及び/又はガラスドア6004)の開放時に磁気の乱れや振動が発生しても、遊技機に設けられた各種センサ(例えば、磁気センサ、振動センサ等)への悪影響を抑制することができる。
[汎用異常検知判定処理]
次に、図316を参照して、異常状態監視処理(図314参照)中のS11092で行う汎用異常検知判定処理について説明する。なお、図316は、汎用異常検知判定処理の手順を示すフローチャートである。
まず、メインCPU6101は、異常の監視対象数(監視対象となる異常項目数)を取得する(S11111)。この処理では、メインCPU6101は、異常監視テーブルの先頭アドレスの一つ前のアドレスを参照して、当該アドレスに格納されている監視対象数(監視チェック数)を読み出す。なお、本実施形態では、監視対象(異常項目)は、例えば、センサ異常監視、磁気監視、扉・枠開閉監視、受け皿満タン監視、払出異常監視、タッチ状態監視等である。
次いで、メインCPU6101は、現在、処理対象となっている監視対象(異常項目)に異常があるか否かを判定する(S11112)。
ここで、S11112の判定処理の内容を詳述する。この処理では、メインCPU6101は、現在、処理対象となっている監視対象の監視対象領域に格納されている情報と、異常状態検知用マスク値(監視特定情報)との論理積演算を行う。なお、監視対象の監視対象領域に格納されている情報は当該監視対象の異常の有無を示す情報であり、異常状態検知用マスク値は当該監視対象が異常検知のチェック対象であるか否かを示す情報である。
異常状態検知用マスク値は、例えば、1バイトのデータで構成され、各ビットのデータ(「0」又は「1」)には、対応する監視対象の異常検知チェック処理を行うか否かが規定される。そして、異常検知チェック処理を行う監視対象に対応するビットには「1」が格納され、異常検知チェック処理を行わない監視対象に対応するビットには「0」が格納される。
それゆえ、現在、処理対象となっている監視対象がチェック対象であり且つ当該監視対象に異常が発生している場合には、当該監視対象の監視対象領域に格納されている情報と異常状態検知用マスク値との論理積演算の結果は「1」となり、S11112では異常有りと判定され、それ以外の場合には、論理積演算の結果は「0」となり、S11112では異常無しと判定される。すなわち、現在、処理対象となっている監視対象が異常検知チェック処理の対象で無い場合には、当該監視対象に異常が発生していても、異常無しと判定される。この場合、後述の異常状態フラグに関する各種処理(異常検知時処理)は行われない。
例えば、監視対象数が「8」であり、異常状態検知用マスク値が「00111100B」である場合には、図316に示す汎用異常検知判定処理において、S11112〜S11119の処理(異常検知チェック処理)が8回繰り返され、そのうち、汎用異常検知判定処理の開始から3回目〜6回目までの処理で対象となる監視対象に対してのみ、実質、異常検知チェック処理が行われ、1回目、2回目、7回目及び8回目の処理で対象となる監視対象に対しては、全て異常無しと判定され、異常検知チェック処理は行われない。
ここで、再度、図316の説明に戻って、S11112において、メインCPU6101が、監視対象に異常がないと判定した場合(S11112がNO判定の場合)、メインCPU6101は、後述のS11114の処理を行う。一方、S11112において、メインCPU6101が、監視対象に異常があると判定した場合(S11112がYES判定の場合)、メインCPU6101は、監視対象の異常状態フラグを設定する(S11113)。
S11113の処理後、又は、S11112がNO判定の場合、メインCPU6101は、監視対象の異常状態フラグに変化があるか否かを判定する(S11114)。
S11114において、メインCPU6101が、異常状態フラグに変化がないと判定した場合(S11114がNO判定の場合)、メインCPU6101は、後述のS11116の処理を行う。一方、S11114において、メインCPU6101が、異常状態フラグに変化があると判定した場合(S11114がYES判定の場合)、メインCPU6101は、監視タイマをセットする(S11115)。
S11115の処理後、又は、S11114がNO判定の場合、メインCPU6101は、監視タイマが経過したか否かを判定する(S11116)。
S11116において、メインCPU6101が、監視タイマが経過していないと判定した場合(S11116がNO判定の場合)、メインCPU6101は、後述のS11119の処理を行う。一方、S11116において、メインCPU6101が、監視タイマが経過したと判定した場合(S11116がYES判定の場合)、メインCPU6101は、異常状態フラグに変化があるか否かを判定する(S11117)。
S11117において、メインCPU6101が、異常状態フラグに変化がないと判定した場合(S11117がNO判定の場合)、メインCPU6101は、後述のS11119の処理を行う。一方、S11117において、メインCPU6101が、異常状態フラグに変化があると判定した場合(S11117がYES判定の場合)、メインCPU6101は、異常状態フラグを更新する(S11118)。
S11118の処理後、又は、S11116或いはS11117がNO判定の場合、メインCPU6101は、監視対象数を1減算して更新し、更新後の監視対象数が「0」であるか否かを判定する(S11119)。
S11119において、メインCPU6101が、更新後の監視対象数が「0」でないと判定した場合(S11119がNO判定の場合)、メインCPU6101は、監視対象を更新後の監視対象数に対応する監視対象に変えて、S11112以降の処理を行う。一方、S11119において、メインCPU6101が、更新後の監視対象数が「0」であると判定した場合(S11119がYES判定の場合)、メインCPU6101は、汎用異常検知判定処理を終了し、処理を、異常状態監視処理(図314)のS11093の処理に戻す。
上述のように、本実施形態の汎用異常検知判定処理では、異常状態検知用マスク値によりチェック対象(「1」)であると規定されている監視対象に対してのみ異常検知チェック処理を行い、異常状態検知用マスク値により非チェック対象(「0」)であると規定されている監視対象に対しては、異常無しと判定して、実質、異常検知チェック処理を行わない。このような処理を行った場合、汎用異常検知判定処理をより簡便化することができる。それゆえ、この場合、主制御回路6100で行われる処理をより効率よく実行することができ、主制御回路6100の処理負荷を軽減することができる。
[主制御メイン処理]
次に、図317〜図320を参照して、メインCPU6101の制御によるメイン処理(主制御メイン処理)について説明する。なお、図317〜図320は、主制御メイン処理の手順を示すフローチャートである。
まず、メインCPU6101は、スタックポインタの設定処理を行う(S11201)。次いで、メインCPU6101は、割込みベクタテーブルのアドレスの設定処理を行う(S11202)。この処理では、割込みベクタテーブルのアドレスがIレジスタに格納される。
次いで、メインCPU6101は、電断信号がHighレベルであるか否かを判定する(S11203)。S11203において、メインCPU6101が、電断信号がHighレベルでないと判定した場合(S11203がNO判定の場合)、メインCPU6101は、S11203の判定処理を繰り返す。
一方、S11203において、メインCPU6101が、電断信号がHighレベルであると判定した場合(S11203がYES判定の場合)、メインCPU6101は、RAMクリアスイッチ6121、及び、設定キー6080のフラグ管理処理を行う(S11204)。この処理では、メインCPU6101は、RAMクリアスイッチ6121の状態情報、及び、設定キー6080の状態情報の退避処理を行う。
次いで、メインCPU6101は、ウェイト処理を行う(S11205)。この処理では、メインCPU6101は、副制御回路6200側の起動待ち処理を行う。起動待ち時間(ウェイト期間)は12000.07msecである。また、この起動待ち時間において、メインCPU6101は、割込み要求信号のチェック処理、割込み要求信号発生時のWDTの出力処理、所定のタイミングでの磁気センサ初期化信号の出力処理を行う。なお、ウェイト処理の詳細については、後述の図321を参照しながら後で説明する。
次いで、メインCPU6101は、当該起動前の電断が正常電断であったか否かを判定する(S11206)。この処理では、メインRAM6103は、メインRAM6103内の電断検知フラグ領域に格納された値と予め定められた電断検知フラグの値(「0A5H」)とを比較し、両者が同じであれば、正常電断であったと判定する(YES判定)が、両者が異なれば、異常電断であったと判定する(NO判定)。
S11206において、メインCPU6101が、正常電断でなかったと判定した場合(S11206がNO判定の場合)、メインCPU6101は、後述のS11210の処理を行う。
一方、S11206において、メインCPU6101が、正常電断であったと判定した場合(S11206がYES判定の場合)、メインCPU6101は、メインRAM6103内に格納された作業領域のチェックサム値を算出する(S11207)。次いで、メインCPU6101は、作業領域のチェックサム値の照合処理を行う(S11208)。
次いで、メインCPU6101は、照合結果が正常であるか否かを判定する(S11209)。
S11209において、メインCPU6101が、照合結果が正常であると判定した場合(S11209がYES判定の場合)、メインCPU6101は、後述のS11217の処理を行う。一方、S11209において、メインCPU6101が、照合結果が正常でないと判定した場合(S11209がNO判定の場合)、メインCPU6101は、後述のS11210の処理を行う。
S11206又はS11209がNO判定の場合、メインCPU6101は、設定キー6080及びRAMクリアスイッチ6121がオン状態であるか否かを判定する(S11210)。この判定処理は、入力ポート0の設定キースイッチビットの値(オン/オフ値)及び入力ポート2のRAMクリアビットの値を参照して行われる。
S11210において、メインCPU6101が、設定キー6080及びRAMクリアスイッチ6121がオン状態であると判定した場合(S11210がYES判定の場合)、メインCPU6101は、後述のS11216の処理を行う。一方、S11210において、メインCPU6101が、設定キー6080及びRAMクリアスイッチ6121がオン状態でないと判定した場合(S11210がNO判定の場合)、メインCPU6101は、外部端子のセキュリティ信号(出力ポートのセキュリティビット)をオン状態にセットする(S11211)。
次いで、メインCPU6101は、性能表示モニタ6070によりエラー表示を行う(S11212)。この処理では、メインCPU6101は、性能表示モニタ6070への出力ポートにエラー表示用のビットデータをセットする。これにより、性能表示モニタ6070内の所定のLEDが点灯し、エラー発生が表示される。
次いで、メインCPU6101は、WDTクリアレジスタアドレスの設定処理を行う(S11213)。次いで、メインCPU6101は、内蔵WDTのクリア処理を行う(S11214)。この処理では、メインCPU6101は、内蔵WDTクリア値をセットする。次いで、メインCPU6101は、内蔵WDTのリスタート処理を行う(S11215)。この処理では、メインCPU6101は、内蔵WDTリスタート値をセットする。そして、S11215の処理後、メインCPU6101は、S11213〜S11215の処理(WDTの出力処理)を電源断となるまで繰り返す(永久ループ処理を行う)。
ここで、再度、S11210の処理に戻って、S11210がYES判定の場合、メインCPU6101は、設定変更状態値をメインRAM6103内の起動制御フラグ領域に格納する(S11216)。この処理により、設定変更状態値が起動制御フラグの値として格納される。
S11216の処理後、又は、S11209がYES判定の場合、メインCPU6101は、メインRAM6103内のXINT検知フラグ領域及び電断検知フラグ領域のクリア処理を行う(S11217)。
次いで、メインCPU6101は、起動状態判定処理を行う(S11218)。この処理では、メインCPU6101は、起動制御フラグ領域に格納された値(起動制御フラグの値)に基づいて、現在の起動状態(電断復帰/設定変更/設定確認/RAMクリア)を判定する。
次いで、メインCPU6101は、起動時のRAMクリア処理を行う(S11219)。この処理では、メインCPU6101は、メインRAM6103内の起動時の指定エリアのクリア処理を行う。
次いで、メインCPU6101は、起動時初期設定処理を行う(S11220)。この処理では、メインCPU6101は、現在の起動状態(電断復帰/設定変更/設定確認/RAMクリア)に応じた初期設定処理を行う。なお、起動時初期設定処理の詳細については、後述の図322を参照しながら後で説明する。
次いで、メインCPU6101は、割込み禁止処理を行う(S11221)。次いで、メインCPU6101は、電断処理を行う(S11222)。なお、電断処理の詳細については、後述の図324を参照しながら後で説明する。
次いで、メインCPU6101は、初期値乱数の更新処理を行う(S11223)。この処理では、メインCPU6101は、特別図柄抽選用初期値乱数の更新処理を行う。
次いで、メインCPU6101は、遊技可能状態であるか否かを判定する(S11224)。なお、この判定処理は、起動制御フラグの値に基づいて行われ、起動制御フラグの値(現在の起動状態)が電断復帰に対応する値である場合には、S11224はYES判定となり、起動制御フラグの値が電断復帰に対応する値以外の値である場合には、S11224はNO判定となる。
S11224において、メインCPU6101が、遊技可能状態でないと判定した場合(S11224がNO判定の場合)、メインCPU6101は、割込み許可処理を行う(S11225)。そして、S11225の処理後、メインCPU6101は、処理をS11221の処理に戻し、S11221以降の処理を行う。
一方、S11224において、メインCPU6101が、遊技可能状態であると判定した場合(S11224がYES判定の場合)、メインCPU6101は、レジスタの退避処理を行う(S11226)。なお、この処理では、メインCPU6101は、アキュームレータA及びフラグ・レジスタFの退避処理を行う。
次いで、メインCPU6101は、性能表示モニタ集計減算処理を行う(S11227)。この処理では、メインCPU6101は、各種ベース値を算出し、更新する。また、この処理は、メインRAM6103内の領域外作業領域を使用して行われる。
次いで、メインCPU6101は、S11226で退避させたレジスタの復帰処理を行う(S11228)。次いで、メインCPU6101は、割込み許可処理を行う(S11229)。
次いで、メインCPU6101は、システム周期時間(6msec:割込み周期(2mses)の3倍)が経過したか否かを判定する(S11230)。具体的には、メインCPU6101は、メインRAM6103内の割込みカウンタ領域に格納された値(現在の割込みカウンタの計数値)から3減算した値が「0」であるか否かを判定する。なお、割込みカウンタの値は、システムタイマ割込み処理毎に1加算され(図307中のS11017参照)、システム周期時間経過時には「3」となる。それゆえ、割込みカウンタの値から3減算した値が「0」である場合には、S11230はYES判定となり、割込みカウンタの値から3減算した値が「0」でない場合には、S11230はNO判定となる。
S11230において、メインCPU6101が、システム周期時間が経過していないと判定した場合(S11230がNO判定の場合)、メインCPU6101は、処理をS11221の処理に戻し、S11221以降の処理を行う。
一方、S11230において、メインCPU6101が、システム周期時間が経過したと判定した場合(S11230がYES判定の場合)、メインCPU6101は、割込みカウンタ領域に格納された値(割込みカウンタの値)から1減算する処理を3回行う(S11231)。この処理により、主制御メイン処理内の割込み禁止区間を管理する割込みカウンタの値がリセットされる(「0」になる)。
上述のように、本実施形態では、主制御メイン処理内において、後述する遊技制御に関する各種処理の実行前に、6msecの割込み禁止区間(S11221〜S11230の処理区間)が設けられる。それゆえ、本実施形態では、後述する遊技制御に関する各種処理は、6msec毎(システム周期毎)に実行されることになる。なお、本実施形態では、割込み禁止区間を割込み周期の3倍とする例を説明したが、本発明はこれに限定されず、例えば、割込み禁止区間を割込み周期の2倍以上で且つ3倍以外の値にしてもよい。
次いで、メインCPU6101は、システムタイマの更新処理を行う(S11232)。なお、システムタイマは、システム周期(6msec)管理用のタイマであり、システムタイマの値は、メインRAM6103の作業領域内のシステム周期管理タイマ領域に格納される。
次いで、メインCPU6101は、主制御コマンド送受信処理を行う(S11233)。この処理では、メインCPU6101は、主に、払出制御のコマンド送受信処理を行う。
次いで、メインCPU6101は、特別図柄制御処理を行う(S11234)。この処理では、メインCPU6101は、特別図柄ゲームの制御処理を行う。なお、特別図柄制御処理の詳細については、後述の図325及び図326を参照しながら後で説明する。
次いで、メインCPU6101は、普通図柄制御処理を行う(S11235)。この処理では、メインCPU6101は、普通図柄ゲームの制御処理を行う。なお、普通図柄制御処理の詳細については、後述の図339を参照しながら後で説明する。
次いで、メインCPU6101は、遊技動作表示ユニット制御処理を行う(S11236)。この処理では、メインCPU6101は、第1特別図柄表示LED、第2特別図柄表示LED、普通図柄表示LED、保留表示LED等に出力する表示データの設定処理を行う。
次いで、メインCPU6101は、遊技情報データ生成処理を行う(S11237)。この処理では、メインCPU6101は、外部端子板パルス信号の制御処理、出力データの設定処理、試射試験信号の生成処理等を行う。なお、試射試験信号の生成処理は、メインRAM6103内の領域外作業領域を使用して行われる。
次いで、メインCPU6101は、ポート出力処理を行う(S11238)。この処理では、メインCPU6101は、出力ポートへの出力データのセット(転送)処理、WDTの出力処理を行う。
次いで、メインCPU6101は、状態監視処理を行う(S11239)。この処理では、メインCPU6101は、発射位置判定処理(発射位置に変化があれば、発射位置コマンドの送信予約処理を行う)、遊技異常検知判定処理(異常があれば、遊技異常検知コマンドの送信予約処理を行う)、払出異常検知判定処理(異常があれば、払出異常検知コマンドの送信予約処理を行う)を行う。
そして、S11239の処理後、メインCPU6101は、処理をS11221の処理に戻し、S11221以降の処理を行う。
上述のように、本実施形態の主制御メイン処理では、起動後、ウェイト処理(S11205)の実行前(チェックサムの照合が終わる前)に、RAMクリアスイッチ6121の状態情報、及び、設定キー6080の状態情報の退避処理(S11204のフラグ管理処理)を行う。このような処理を設けた場合、例えばウェイト期間中に設定キー6080に対して操作が行われても(オン/オフされても)、電源投入時における起動制御フラグの値(起動時の状態情報)を確保することができる。それゆえ、本実施形態では、起動時の設定キー6080の操作状況及びRAMクリアスイッチ6121の操作状況をより確実に把握して、パチンコ遊技機6001の起動状態を正確に識別することができる。
また、上述のように、本実施形態では、主制御メイン処理内において、遊技制御に関する各種処理(S11231以降の処理)の実行前に、6msecの割込み禁止区間(S11221〜S11230の処理区間)を設け、割込み禁止区間内で電断処理(S11222)、初期値乱数更新処理(S11223)、性能表示モニタ集計減算処理(S11227)等が行われる。すなわち、本実施形態では、遊技の出玉性能等に影響を与える値や遊技全体を通じて集計される値の管理処理を割込み禁止区間で行う。それゆえ、このような割込み禁止区間を設けることにより、遊技の管理が簡便になり、主制御回路6100で行われる処理をより効率よく実行することができ、主制御回路6100の処理負荷を軽減することができる。
さらに、本実施形態では、主制御メイン処理内の割込み禁止区間において、遊技可能な状態である場合にのみ性能表示モニタ集計減算処理(S11227)が行われる。すなわち、本実施形態では、遊技可能な場合にのみ、性能表示モニタ6070の更新が行われるので、処理がより簡便になる。それゆえ、このような処理の構成では、主制御回路6100で行われる処理をより一層効率よく実行することができ、主制御回路6100の処理負荷をさらに軽減することができる。
[ウェイト処理]
次に、図321を参照して、主制御メイン処理(図317〜図320参照)中のS11205で行うウェイト処理について説明する。なお、図321は、ウェイト処理の手順を示すフローチャートである。
まず、メインCPU6101は、第1ループ回数に例えば「60」をセットする(S11301)。次いで、メインCPU6101は、第2ループ回数に例えば「47761」をセットする(S11302)。なお、第1ループ回数及び第2ループ回数は、ウェイト期間の経過を管理するためのパラメータであり、第1ループ回数はBレジスタにセットされ、第2ループ回数はDEレジスタにセットされる。
次いで、メインCPU6101は、現タイミングが磁気センサ初期化信号の出力タイミング以外のタイミングであるか否かを判定する(S11303)。なお、本実施形態では、第1ループ回数が例えば10回である場合に磁気センサ初期化信号のビットデータを対応する出力ポート(出力ポート1)に出力する。それゆえ、S11303の判定処理では、メインCPU6101は、第1ループ回数が例えば10回以外の回数であるか否かを判定し、第1ループ回数が例えば10回以外の回数である場合には、S11303の判定結果はYES判定となり、第1ループ回数が例えば10回である場合には、S11303の判定結果はNO判定となる。
S11303において、メインCPU6101が、現タイミングが磁気センサ初期化信号の出力タイミング以外のタイミングであると判定した場合(S11303がYES判定の場合)、メインCPU6101は、後述のS11305の処理を行う。一方、S11303において、メインCPU6101が、現タイミングが磁気センサ初期化信号の出力タイミング以外のタイミングでないと判定した場合(S11303がNO判定の場合)、メインCPU6101は、磁気センサ初期化信号のビットデータを対応する出力ポート(出力ポート1)のアドレスに出力する(S11304)。
S11304の処理後、又は、S11303がYES判定の場合、メインCPU6101は、割込み待ちモニタレジスタのアドレス情報を取得する(S11305)。次いで、メインCPU6101は、割込み待ちモニタレジスタに格納されているデータをチェックする(S11306)。
次いで、メインCPU6101は、割込み要求信号が発生しているか否かを判定する(S11307)。この判定処理では、メインCPU6101は、割込み待ちモニタレジスタ内の特定ビットのオン/オフ情報に応じて割込み要求信号が発生しているか否かを判定し、特定ビットがオン状態であれば、S11307の判定結果はYES判定となり、特定ビットがオフ状態であれば、S11307の判定結果はNO判定となる。
S11307において、メインCPU6101が、割込み要求信号が発生していないと判定した場合(S11307がNO判定の場合)、メインCPU6101は、処理をS11306の処理に戻し、S11306以降の処理を行う。
一方、S11307において、メインCPU6101が、割込み要求信号が発生していると判定した場合(S11307がYES判定の場合)、メインCPU6101は、WDTクリアレジスタアドレスの設定処理を行う(S11308)。次いで、メインCPU6101は、内蔵WDTのクリア処理を行う(S11309)。次いで、メインCPU6101は、内蔵WDTのリスタート処理を行う(S11310)。
次いで、メインCPU6101は、第2ループ回数を1減算し、減算結果を新たな第2ループ回数としてセット(更新)する(S11311)。次いで、メインCPU6101は、第2ループ回数が「0」でないか否かを判定する(S11312)。
S11312において、メインCPU6101が、第2ループ回数が「0」でないと判定した場合(S11312がYES判定の場合)、メインCPU6101は、処理をS11305の処理に戻し、S11305以降の処理を行う。
一方、S11312において、メインCPU6101が、第2ループ回数が「0」であると判定した場合(S11312がNO判定の場合)、メインCPU6101は、第1ループ回数を1減算し、減算結果を新たな第1ループ回数としてセット(更新)し、減算結果(更新後の第1ループ回数)が「0」でないか否かを判定する(S11313)。
S11313において、メインCPU6101が、更新後の第1ループ回数が「0」でないと判定した場合(S11313がYES判定の場合)、メインCPU6101は、処理をS11302の処理に戻し、S11302以降の処理を行う。
一方、S11313において、メインCPU6101が、更新後の第1ループ回数が「0」であると判定した場合(S11313がNO判定の場合)、メインCPU6101は、ウェイト処理を終了し、処理を、主制御メイン処理(図317〜図320)のS11206の処理に戻す。
上述のように、本実施形態のパチンコ遊技機6001では、ウェイト処理中の所定のタイミング(第1ループ回数が例えば10回)で、磁気センサ初期化信号の出力処理(S11304)が行われ、磁気センサが初期化される。それゆえ、本実施形態では、パチンコ遊技機6001の扉・枠(ベースドア6003及び/又はガラスドア6004)の開放時に磁気の乱れが発生しても、この処理により、磁気センサがリセットされるので、磁気の乱れによる磁気センサへの悪影響を抑制することができる。
なお、ここでいう「磁気センサを初期化(クリア)する」とは「磁気センサが初期化される」ことを含み得るものであり、「磁気センサそのものの設定(ドライバ等)を初期化すること」、「磁気センサの検出状態を初期化する(例えば、強制的に検出をOFFにする、又は、検出信号=0のとき、磁気を検出したものとするならば検出信号を0以外の値とする)こと」が可能である。また、磁気センサ初期化信号としては、磁気センサの検出状態を変更するべく検出信号=0のとき、磁気を検出したものとするならば、磁気センサ初期化信号として0以外の値を送信することも可能であり、又は、磁気センサそのものの設定(ドライバ等)を初期化することを可能とするべく、磁気センサの所定の入力端子(ポート等)に所定の信号(1や0等)を送信することも可能である。
[起動時初期設定処理]
次に、図322を参照して、主制御メイン処理(図317〜図320参照)中のS11220で行う起動時初期設定処理について説明する。なお、図322は、起動時初期設定処理の手順を示すフローチャートである。
まず、メインCPU6101は、起動制御フラグの読み出し処理を行う(S11321)。
次いで、メインCPU6101は、起動状態が電断復帰であるか否かを判定する(S11322)。なお、この判定処理は、起動制御フラグの値に基づいて行われる。
S11322において、メインCPU6101が、起動状態が電断復帰であると判定した場合(S11322がYES判定の場合)、メインCPU6101は、図312を参照して説明した第2通常遊技前処理(電断復帰時の各種初期設定処理)を行う(S11323)。そして、S11323の処理後、メインCPU6101は、起動時初期設定処理を終了し、処理を、主制御メイン処理(図317〜図320)のS11221の処理に戻す。
一方、S11322において、メインCPU6101が、起動状態が電断復帰でないと判定した場合(S11322がNO判定の場合)、メインCPU6101は、起動状態が設定変更又は設定確認であるか否かを判定する(S11324)。なお、この判定処理は、起動制御フラグの値に基づいて行われる。
S11324において、メインCPU6101が、起動状態が設定変更又は設定確認であると判定した場合(S11324がYES判定の場合)、メインCPU6101は、設定操作前処理を行う(S11325)。なお、設定操作前処理の詳細については、後述の図323を参照しながら後で説明する。そして、S11325の処理後、メインCPU6101は、起動時初期設定処理を終了し、処理を、主制御メイン処理(図317〜図320)のS11221の処理に戻す。
一方、S11324において、メインCPU6101が、起動状態が設定変更及び設定確認のいずれでもないと判定した場合(S11324がNO判定の場合)、メインCPU6101は、図311を参照して説明した第1通常遊技前処理(RAMクリア時の各種設定処理)を行う(S11326)。そして、S11326の処理後、メインCPU6101は、起動時初期設定処理を終了し、処理を、主制御メイン処理(図317〜図320)のS11221の処理に戻す。
[設定操作前処理]
次に、図323を参照して、起動時初期設定処理(図322参照)中のS11325で行う設定操作前処理について説明する。なお、図323は、設定操作前処理の手順を示すフローチャートである。
設定操作前処理では、メインCPU6101は、設定操作コマンドの送信予約処理を行う(S11331)。なお、この処理で予約された設定操作コマンドの副制御回路6200への送信は、次回のシステムタイマ割込み処理(図307)中の演出制御コマンド送信処理(S11022)で行われる。
そして、S11331の処理後、メインCPU6101は、設定操作前処理を終了するとともに、起動時初期設定処理(図322)も終了する。
上述のように、本実施形態では、設定変更処理(図309参照)又は設定確認処理(図310参照)は、システムタイマ割込み処理(図307参照)内で行われるが、設定変更又は設定確認が行われた際に主制御回路6100から副制御回路6200に送信される設定操作コマンドの送信予約処理は、主制御メイン処理内で行われる。
設定操作コマンドの送信予約処理をシステムタイマ割込み処理内で行うと、実行された設定操作に対して割込み処理毎に設定操作コマンドの送信予約処理が行われるので、設定操作コマンドの送信予約処理が複数回実行される可能性がある。一方、本実施形態のように、主制御メイン処理内で設定操作コマンドの送信予約処理を行った場合には、実行された設定操作に対して設定操作コマンドの送信予約処理を1回実行するだけ済む。それゆえ、本実施形態では、余分な設定操作コマンドの送信予約処理を実行することが無くなる。その結果、本実施形態では、主制御回路6100で行われる処理をより効率よく実行することができ、主制御回路6100の処理負荷を軽減することができる。
[電断処理]
次に、図324を参照して、主制御メイン処理(図317〜図320参照)中のS11222で行う電断処理について説明する。なお、図324は、電断処理の手順を示すフローチャートである。
まず、メインCPU6101は、XINT検知フラグがオン状態であるか否かを判定する(S11341)。
S11341において、メインCPU6101が、XINT検知フラグがオン状態でないと判定した場合(S11341がNO判定の場合)、メインCPU6101は、電断処理を終了し、処理を、主制御メイン処理(図317〜図320)のS11223の処理に戻す。一方、S11341において、メインCPU6101が、XINT検知フラグがオン状態であると判定した場合(S11341がYES判定の場合)、メインCPU6101は、チェックサム値の算出処理を行う(S11342)。
次いで、メインCPU6101は、チェックサム値の算出処理が完了したか否かを判定する(S11343)。
S11343において、メインCPU6101が、チェックサム値の算出処理が完了していないと判定した場合(S11343がNO判定の場合)、メインCPU6101は、処理をS11342に戻し、S11342以降の処理を行う。一方、S11343において、メインCPU6101が、チェックサム値の算出処理が完了したと判定した場合(S11343がYES判定の場合)、メインCPU6101は、チェックサム値及び電断検知フラグ値(「0A5H」)をメインRAM6103内の対応する所定の格納領域にそれぞれ格納する(S11344)。
次いで、メインCPU6101は、XINT検知フラグのクリア処理を行う(S11345)。次いで、メインCPU6101は、RAMアクセス禁止値の設定処理を行う(S11346)。そして、S11346の処理後、メインCPU6101は、CPUリセット待ち処理(S11347)を繰り返す。
[特別図柄制御処理]
次に、図325及び図326を参照して、主制御メイン処理(図317〜図320参照)中のS11234で行う特別図柄制御処理について説明する。なお、図325及び図326は、特別図柄制御処理の手順を示すフローチャートである。
まず、メインCPU6101は、第1特別図柄アドレス設定処理を行う(S11401)。この処理では、メインCPU6101は、メインRAM6103内の第1特別図柄関連定義データテーブル(図302参照)のアドレスをIXレジスタにセットし、第1特別図柄作業領域テーブル(図301参照)のアドレスをIYレジスタにセットする。
次いで、メインCPU6101は、特別図柄関連タイマ更新処理を行う(S11402)。この処理では、メインCPU6101は、主に、第1特別図柄の変動表示時間(第1特別図柄待ち時間)の更新(減算)処理、第1特別図柄の変動表示時間が経過したか否かの判定処理等を行う。特別図柄関連タイマ更新処理の詳細については、後述の図327を参照しながら後で説明する。なお、本実施形態の特別図柄(第1及び第2特別図柄)の変動表示時間の管理処理では、上述のように、前半の変動表示時間及び後半の変動表示時間は、それぞれ上位2バイトタイマ及び下位2バイトタイマで別個に管理される。
次いで、メインCPU6101は、第2特別図柄アドレス設定処理を行う(S11403)。この処理では、メインCPU6101は、メインRAM6103内の第2特別図柄関連定義データテーブル(図304参照)のアドレスをIXレジスタにセットし、第2特別図柄作業領域テーブル(図303参照)のアドレスをIYレジスタにセットする。
次いで、メインCPU6101は、特別図柄関連タイマ更新処理を行う(S11404)。この処理では、メインCPU6101は、主に、第2特別図柄の変動表示時間(第2特別図柄待ち時間)の更新(減算)処理、第2特別図柄の変動表示時間が経過したか否かの判定処理等を行う。なお、特別図柄関連タイマ更新処理の詳細については、後述の図327を参照しながら後で説明する。また、本実施形態では、S11404で呼び出される特別図柄関連タイマ更新処理は、S11402で呼び出されるそれと同じであり、両処理では、共通の処理が呼び出されて実行される。
次いで、メインCPU6101は、メインRAM6103内の第2特別図柄作業領域テーブル(図303参照)を参照して、第2特別図柄制御状態番号領域に格納されている第2特別図柄の制御状態番号を読み出す(S11405)。なお、特別図柄の制御状態番号は、特別図柄の変動表示(特別図柄ゲーム)に関する制御処理の状態(制御状態)の移行先(遷移先)を示す番号(本実施形態では、後述のように「0」〜「6」のいずれか)である。
次いで、メインCPU6101は、第2特別図柄の制御状態が第2特別図柄の変動開始であるか否かを判定する(S11406)。この判定処理では、S11405で読み出された第2特別図柄の制御状態番号が特別図柄変動開始値(「0」)であるか否かが判定される。
S11406において、メインCPU6101が、第2特別図柄の制御状態が第2特別図柄の変動開始であると判定した場合(S11406がYES判定の場合)、メインCPU6101は、後述のS11409の処理を行う。
一方、S11406において、メインCPU6101が、第2特別図柄の制御状態が第2特別図柄の変動開始でないと判定した場合(S11406がNO判定の場合)、メインCPU6101は、第2特別図柄アドレス設定処理を行う(S11407)。なお、この処理では、S11403で行われた処理と同様の処理が行われる。
次いで、メインCPU6101は、特別図柄管理処理を行う(S11408)。この処理では、メインCPU6101は、主に、S11405で読み出された第2特別図柄の制御状態番号に対応する制御処理を行う。なお、特別図柄管理処理の詳細については、後述の図328を参照しながら後で説明する。
S11408の処理後、又は、S11406がYES判定の場合、メインCPU6101は、メインRAM6103内の第1特別図柄作業領域テーブル(図301参照)を参照して、第1特別図柄制御状態番号領域に格納されている第1特別図柄の制御状態番号を読み出す(S11409)。
次いで、メインCPU6101は、第1特別図柄の制御状態が第1特別図柄の変動開始であるか否かを判定する(S11410)。この判定処理では、S11409で読み出された第1特別図柄の制御状態番号が特別図柄変動開始値(「0」)であるか否かが判定される。
S11410において、メインCPU6101が、第1特別図柄の制御状態が第1特別図柄の変動開始であると判定した場合(S11410がYES判定の場合)、メインCPU6101は、後述のS11413の処理を行う。
一方、S11410において、メインCPU6101が、第1特別図柄の制御状態が第1特別図柄の変動開始でないと判定した場合(S11410がNO判定の場合)、メインCPU6101は、第1特別図柄アドレス設定処理を行う(S11411)。なお、この処理では、S11401で行われた処理と同様の処理が行われる。
次いで、メインCPU6101は、特別図柄管理処理を行う(S11412)。この処理では、メインCPU6101は、主に、S11409で読み出された第1特別図柄の制御状態番号に対応する制御処理を行う。なお、特別図柄管理処理の詳細については、後述の図328を参照しながら後で説明する。また、本実施形態では、S11412で呼び出される特別図柄管理処理は、S11408で呼び出されるそれと同じであり、両処理では、共通の処理が呼び出されて実行される。
S11412の処理後、又は、S11410がYES判定の場合、メインCPU6101は、メインRAM6103内の第2特別図柄作業領域テーブル(図303参照)を参照して、第2特別図柄制御状態番号領域に格納されている第2特別図柄の制御状態番号を読み出す(S11413)。
次いで、メインCPU6101は、第2特別図柄の制御状態が第2特別図柄の変動開始であるか否かを判定する(S11414)。なお、この処理では、S11406で行われた判定処理と同様の処理が行われる。
S11414において、メインCPU6101が、第2特別図柄の制御状態が第2特別図柄の変動開始でないと判定した場合(S11414がNO判定の場合)、メインCPU6101は、後述のS11417の処理を行う。
一方、S11414において、メインCPU6101が、第2特別図柄の制御状態が第2特別図柄の変動開始であると判定した場合(S11414がYES判定の場合)、メインCPU6101は、第2特別図柄アドレス設定処理を行う(S11415)。なお、この処理では、S11403で行われた処理と同様の処理が行われる。
次いで、メインCPU6101は、特別図柄管理処理を行う(S11416)。この処理では、メインCPU6101は、主に、S11413で読み出された第2特別図柄の制御状態番号に対応する制御処理を行う。なお、特別図柄管理処理の詳細については、後述の図328を参照しながら後で説明する。また、本実施形態では、S11416で呼び出される特別図柄管理処理は、S11408及びS11412のそれぞれで呼び出されるそれと同じであり、これらの処理では、共通の処理が呼び出されて実行される。
S11416の処理後、又は、S11414がNO判定の場合、メインCPU6101は、メインRAM6103内の第1特別図柄作業領域テーブル(図301参照)を参照して、第1特別図柄制御状態番号領域に格納されている第1特別図柄の制御状態番号を読み出す(S11417)。
次いで、メインCPU6101は、第1特別図柄の制御状態が第1特別図柄の変動開始であるか否かを判定する(S11418)。なお、この処理では、S11410で行われた判定処理と同様の処理が行われる。
S11418において、メインCPU6101が、第1特別図柄の制御状態が第1特別図柄の変動開始でないと判定した場合(S11418がNO判定の場合)、メインCPU6101は、特別図柄制御処理を終了し、処理を、主制御メイン処理(図317〜図320)のS11235の処理に戻す。
一方、S11418において、メインCPU6101が、第1特別図柄の制御状態が第1特別図柄の変動開始であると判定した場合(S11418がYES判定の場合)、メインCPU6101は、第1特別図柄アドレス設定処理を行う(S11419)。なお、この処理では、S11401で行われた処理と同様の処理が行われる。
次いで、メインCPU6101は、特別図柄管理処理を行う(S11420)。この処理では、メインCPU6101は、主に、S11417で読み出された第1特別図柄の制御状態番号に対応する制御処理を行う。なお、特別図柄管理処理の詳細については、後述の図328を参照しながら後で説明する。また、本実施形態では、S11420で呼び出される特別図柄管理処理は、S11408、S11412及びS11416のそれぞれで呼び出されるそれと同じであり、これらの処理では、共通の処理が呼び出されて実行される。そして、S11420の処理後、メインCPU6101は、特別図柄制御処理を終了し、処理を、主制御メイン処理(図317〜図320)のS11235の処理に戻す。
上述のように、本実施形態では、特別図柄関連タイマ処理及び特別図柄管理処理のそれぞれが実行される前に、特別図柄アドレス設定処理を行い、処理対象となる特別図柄(第1特別図柄又は第2特別図柄)の特別図柄作業領域テーブルのアドレスをIYレジスタにセットする。この場合、特別図柄関連タイマ処理及び特別図柄管理処理で使用される各種データを作業領域テーブルから読み出す(取得する)際に、IYレジスタにセットされたアドレスに基づいて、特別図柄作業領域テーブルから直接、必要なデータを読み出す(取得する)ことができる。すなわち、本実施形態では、特別図柄関連タイマ処理及び特別図柄管理処理で使用される各種データを作業領域テーブルから読み出す(取得する)際に、特別図柄作業領域テーブルのアドレスの参照処理を行う必要がなくなる。それゆえ、このような特別図柄アドレス設定処理を設けた場合には、特別図柄作業領域テーブルのアドレスの参照処理を省略することができるので、主制御回路6100で管理する処理プログラムの容量を削減することができる。
[特別図柄関連タイマ更新処理]
次に、図327を参照して、特別図柄制御処理(図325及び図326参照)中のS11402及びS11404で行う特別図柄関連タイマ更新処理について説明する。図327は、特別図柄関連タイマ更新処理の手順を示すフローチャートである。
なお、以下に説明する特別図柄関連タイマ更新処理において、処理対象となる「特別図柄」は、当該特別図柄関連タイマ更新処理の開始時にIYレジスタにセットされている特別図柄作業領域テーブルのアドレスに対応する特別図柄である。例えば、特別図柄関連タイマ更新処理が特別図柄制御処理中のS11402において呼び出されて実行される場合には、以下の説明で処理対象となる「特別図柄」は第1特別図柄となる。一方、例えば、特別図柄関連タイマ更新処理が特別図柄制御処理中のS11404において呼び出されて実行される場合には、以下の説明で処理対象となる「特別図柄」は第2特別図柄となる。
まず、メインCPU6101は、特別図柄の制御状態番号(本実施形態では、後述のように「0」〜「6」のいずれか)を読み出す(S11431)。この処理では、メインCPU6101は、IYレジスタにセットされている特別図柄作業領域テーブルのアドレスを用いて、特別図柄作業領域テーブル内の特別図柄制御状態番号領域(図301中の第1特別図柄制御状態番号領域又は図303中の第2特別図柄制御状態番号領域)から特別図柄の制御状態番号を読み出す。この場合、メインCPU6101は、当該特別図柄作業領域テーブルのアドレス参照処理を行うことなく、メインRAM6103内の作業領域から特別図柄の制御状態番号を直接読み出すことができる。
次いで、メインCPU6101は、特別図柄が変動中であるか否かを判定する(S11432)。この判定処理では、S11431で読み出された特別図柄の制御状態番号が特別図柄変動終了値(「1」)であるか否かが判定され、特別図柄の制御状態番号が特別図柄変動終了値(「1」)でなければ、特別図柄が変動中であると判定(YES判定)される。
S11432において、メインCPU6101が、特別図柄が変動中でないと判定した場合(S11432がNO判定の場合)、メインCPU6101は、後述のS11435の処理を行う。
一方、S11432において、メインCPU6101が、特別図柄が変動中であると判定した場合(S11432がYES判定の場合)、メインCPU6101は、当該特別図柄の特別図柄休止フラグの値を読み出す(S11433)。この処理では、上記S11431の処理と同様に、メインCPU6101は、IYレジスタにセットされている特別図柄作業領域テーブルのアドレスを用いて、特別図柄作業領域テーブル内の特別図柄休止フラグ領域(図301中の第1特別図柄休止フラグ領域又は図303中の第2特別図柄休止フラグ領域)から特別図柄休止フラグの値を読み出す。この場合、メインCPU6101は、当該特別図柄作業領域テーブルのアドレス参照処理を行うことなく、メインRAM6103内の作業領域から特別図柄休止フラグの値を直接読み出すことができる。なお、特別図柄休止フラグは、第1特別図柄及び第2特別図柄の同時変動時に、後発の特別図柄の変動開始の停止又は変動中断を設定するためのフラグ、すなわち、後発の特別図柄の変動表示の制御態様を決定するためのフラグであり、第1特別図柄及び第2特別図柄に対してそれぞれ別個に設けられている。
次いで、メインCPU6101は、処理対象の特別図柄に対して特別図柄休止フラグがセットされているか否かを判定する(S11434)。この処理では、メインCPU6101は、特別図柄休止フラグがオン状態であるか否か(当該特別図柄の変動開始の停止又は変動中断が設定されているか否か)を判定し、特別図柄休止フラグがオン状態であれば、S11434はYES判定となり、特別図柄休止フラグがオフ状態であれば、S11434はNO判定となる。
S11434において、メインCPU6101が、処理対象の特別図柄に対して特別図柄休止フラグがセットされていると判定した場合(S11434がYES判定の場合)、メインCPU6101は、特別図柄関連タイマ更新処理を終了し、処理を、特別図柄制御処理(図325及び図326参照)に戻す。この際、特別図柄関連タイマ更新処理が特別図柄制御処理中のS11402で呼び出されている場合には処理をS11403の処理に戻し、特別図柄関連タイマ更新処理が特別図柄制御処理中のS11404で呼び出されている場合には処理をS11405の処理に戻す。
一方、S11434において、メインCPU6101が、処理対象の特別図柄に対して特別図柄休止フラグがセットされていないと判定した場合(S11434がNO判定の場合)、又は、S11432がNO判定の場合、メインCPU6101は、当該特別図柄の特別図柄待ち時間管理タイマ領域のアドレスに格納された値(上位2バイトタイマの値)を読み出す(S11435)。この処理では、メインCPU6101は、IYレジスタにセットされている特別図柄作業領域テーブルのアドレスを用いて、特別図柄作業領域テーブル内の特別図柄待ち時間管理タイマ領域(図301中の第1特別図柄待ち時間管理タイマ領域又は図303中の第2特別図柄待ち時間管理タイマ領域)に格納された上位2バイトタイマの値を読み出す。この場合、メインCPU6101は、当該特別図柄作業領域テーブルのアドレス参照処理を行うことなく、メインRAM6103内の作業領域から特別図柄の上位2バイトタイマの値を直接読み出すことができる。
次いで、メインCPU6101は、ワードカウンタ減算処理を行う(S11436)。この処理では、メインCPU6101は、S11435で読み出された上位2バイトタイマ(特別図柄の前半の特別図柄待ち時間)の減算処理(更新処理)を行う。
次いで、メインCPU6101は、減算後の上位2バイトタイマの値に基づいて、特別図柄の前半の特別図柄待ち時間が経過したか否かを判定する(S11437)。
S11437において、メインCPU6101が、特別図柄の前半の特別図柄待ち時間が経過していないと判定した場合(S11437がNO判定の場合)、メインCPU6101は、特別図柄関連タイマ更新処理を終了し、処理を、特別図柄制御処理(図325及び図326参照)に戻す。この際、特別図柄関連タイマ更新処理が特別図柄制御処理中のS11402で呼び出されている場合には処理をS11403の処理に戻し、特別図柄関連タイマ更新処理が特別図柄制御処理中のS11404で呼び出されている場合には処理をS11405の処理に戻す。
一方、S11437において、メインCPU6101が、特別図柄の前半の特別図柄待ち時間が経過したと判定した場合(S11437がYES判定の場合)、メインCPU6101は、現タイミングが特別図柄の前半の特別図柄待ち時間(上位2バイトタイマの値)が「0」になったタイミングであるか否かを判定する(S11438)。具体的には、メインCPU6101は、今回のS11436の減算処理により、特別図柄の前半の特別図柄待ち時間(上位2バイトタイマの値)が丁度「0」になったか否かを判定する。
なお、このような上位2バイトタイマの値が丁度「0」になったか否かの判定処理を行わない場合、すなわち、上位2バイトタイマの経過判定処理をS11437の処理のみとした場合には、上位2バイトタイマの値が丁度「0」になったタイミング(前半の特別図柄待ち時間の計数終了時)においても後述のS11440の処理(下位2バイトタイマ(特別図柄の後半の特別図柄待ち時間)の減算処理)が行われることになる。この場合には、下位2バイトタイマの減算(更新)処理を行うべきときではないタイミング(後半の特別図柄待ち時間の最初の減算処理よりも前のタイミング)で下位2バイトタイマの減算処理が1回行われることになるので、特別図柄の後半の特別図柄待ち時間を正確に計数することができなくなる。しかしながら、本実施形態のように、上記S11438の処理を設けた場合、上位2バイトタイマの値が丁度「0」になったタイミングでは下位2バイトタイマの減算処理が行われないので、このような下位2バイトタイマのカウント処理の不具合を防止し、特別図柄の後半の特別図柄待ち時間を正確に計数することできる。
S11438において、メインCPU6101が、特別図柄の前半の特別図柄待ち時間が「0」になったタイミングであると判定した場合(S11438がYES判定の場合)、メインCPU6101は、特別図柄関連タイマ更新処理を終了し、処理を、特別図柄制御処理(図325及び図326参照)に戻す。この際、特別図柄関連タイマ更新処理が特別図柄制御処理中のS11402で呼び出されている場合には処理をS11403の処理に戻し、特別図柄関連タイマ更新処理が特別図柄制御処理中のS11404で呼び出されている場合には処理をS11405の処理に戻す。
一方、S11438において、メインCPU6101が、特別図柄の前半の特別図柄待ち時間が「0」になったタイミングでない(今回のS11436の減算処理以前に前半の特別図柄待ち時間がすでに「0」になっている場合)と判定した場合、メインCPU6101は、特別図柄の特別図柄待ち時間管理タイマ領域の先頭アドレスに2加算したアドレス(2バイト分先のアドレス)に格納された下位2バイトタイマの値(特別図柄の後半の特別図柄待ち時間)を読み出す(S11439)。
次いで、メインCPU6101は、ワードカウンタ減算処理を行う(S11440)。この処理では、メインCPU6101は、S11439で読み出された下位2バイトタイマ(特別図柄の後半の特別図柄待ち時間)の減算処理(更新処理)を行う。
そして、S11440の処理後、メインCPU6101は、特別図柄関連タイマ更新処理を終了し、処理を、特別図柄制御処理(図325及び図326参照)に戻す。この際、特別図柄関連タイマ更新処理が特別図柄制御処理中のS11402で呼び出されている場合には処理をS11403の処理に戻し、特別図柄関連タイマ更新処理が特別図柄制御処理中のS11404で呼び出されている場合には処理をS11405の処理に戻す。
[特別図柄管理処理]
次に、図328を参照して、特別図柄制御処理(図325及び図326参照)中のS11408、S11412、S11416及びS11420で行う特別図柄管理処理について説明する。図328は、特別図柄管理処理の手順を示すフローチャートである。
なお、以下に説明する特別図柄管理処理において、処理対象となる「特別図柄」は、当該特別図柄管理処理の開始時にIYレジスタにセットされている特別図柄作業領域テーブルのアドレスに対応する特別図柄である。例えば、特別図柄管理処理が特別図柄制御処理中のS11408又はS11416で呼び出されて実行される場合には、以下の説明で処理対象となる「特別図柄」は第2特別図柄となり、特別図柄管理処理が特別図柄制御処理中のS11412又はS11420で呼び出されて実行される場合には、以下の説明で処理対象となる「特別図柄」は第1特別図柄となる。
また、図328に示す各処理ステップの符号に並記した括弧書きの数値(「0」〜「6」)は、処理対象となる特別図柄の制御状態番号であり、特別図柄作業領域テーブル内の特別図柄制御状態番号領域(図301中の第1特別図柄制御状態番号領域又は図303中の第2特別図柄制御状態番号領域)に格納される。そして、メインCPU6101は、制御状態番号に対応する各処理ステップを実行することにより、特別図柄ゲームを進行させる。
まず、メインCPU6101は、上位2バイトタイマの値を読み出し、特別図柄の前半の特別図柄待ち時間がある(前半の特別図柄待ち時間管理タイマ値≠0である)か否かを判定する(S11451)。この処理では、メインCPU6101は、IYレジスタにセットされている特別図柄作業領域テーブルのアドレスを用いて、当該特別図柄作業領域テーブル内の特別図柄待ち時間管理タイマ領域(図301中の第1特別図柄待ち時間管理タイマ領域又は図303中の第2特別図柄待ち時間管理タイマ領域)に格納された上位2バイトタイマの値を読み出す。この場合、メインCPU6101は、当該特別図柄作業領域テーブルのアドレス参照処理を行うことなく、メインRAM6103内の作業領域から特別図柄の上位2バイトタイマの値を直接読み出すことができる。
S11451において、メインCPU6101が、特別図柄の前半の特別図柄待ち時間があると判定した場合(S11451がYES判定の場合)、メインCPU6101は、特別図柄管理処理を終了し、処理を、特別図柄制御処理(図325及び図326参照)に戻す。この際、特別図柄管理処理が特別図柄制御処理中のS11408で呼び出されている場合には処理をS11409の処理に戻し、特別図柄管理処理が特別図柄制御処理中のS11412で呼び出されている場合には処理をS11413の処理に戻す。また、特別図柄管理処理が特別図柄制御処理中のS11416で呼び出されている場合には処理をS11417の処理に戻し、特別図柄管理処理が特別図柄制御処理中のS11420で呼び出されている場合には、特別図柄制御処理も終了する。
一方、S11451において、メインCPU6101が、特別図柄の前半の特別図柄待ち時間がないと判定した場合(S11451がNO判定の場合)、メインCPU6101は、下位2バイトタイマの値を読み出し、特別図柄の後半の特別図柄待ち時間がある(後半の特別図柄待ち時間管理タイマ値≠0である)か否かを判定する(S11452)。この処理では、メインCPU6101は、IYレジスタにセットされている特別図柄作業領域テーブルのアドレスを用いて、当該特別図柄作業領域テーブル内の特別図柄待ち時間管理タイマ領域(図301中の第1特別図柄待ち時間管理タイマ領域又は図303中の第2特別図柄待ち時間管理タイマ領域)に格納された下位2バイトタイマの値を読み出す。この場合、メインCPU6101は、当該特別図柄作業領域テーブルのアドレス参照処理を行うことなく、メインRAM6103内の作業領域から特別図柄の下位2バイトタイマの値を直接読み出すことができる。
S11452において、メインCPU6101が、特別図柄の後半の特別図柄待ち時間があると判定した場合(S11452がYES判定の場合)、メインCPU6101は、特別図柄管理処理を終了し、処理を、特別図柄制御処理(図325及び図326参照)に戻す。この際、特別図柄管理処理が特別図柄制御処理中のS11408で呼び出されている場合には処理をS11409の処理に戻し、特別図柄管理処理が特別図柄制御処理中のS11412で呼び出されている場合には処理をS11413の処理に戻す。また、特別図柄管理処理が特別図柄制御処理中のS11416で呼び出されている場合には処理をS11417の処理に戻し、特別図柄管理処理が特別図柄制御処理中のS11420で呼び出されている場合には、特別図柄制御処理も終了する。
一方、S11452において、メインCPU6101が、特別図柄の後半の特別図柄待ち時間がないと判定した場合(S11452がNO判定の場合)、メインCPU6101は、特別図柄の制御状態番号を読み出す(S11453)。この処理では、メインCPU6101は、IYレジスタにセットされている特別図柄作業領域テーブルのアドレスを用いて、当該特別図柄作業領域テーブル内の特別図柄制御状態番号領域(図301中の第1特別図柄制御状態番号領域又は図303中の第2特別図柄制御状態番号領域)に格納された特別図柄の制御状態番号を読み出す。この場合、メインCPU6101は、当該特別図柄作業領域テーブルのアドレス参照処理を行うことなく、メインRAM6103内の作業領域から特別図柄の制御状態番号を直接読み出すことができる。
次いで、メインCPU6101は、特別図柄制御分岐テーブルの参照処理を行う(S11454)。なお、特別図柄制御分岐テーブルでは、特別図柄の各制御状態番号(「0」〜「6」)と、対応する処理プログラムの格納アドレスとの対応関係が規定されている。
そして、メインCPU6101は、S11453で読み出した特別図柄の制御状態番号に応じてS11455以降の処理を行う。なお、S11455以降の処理内容は、例えば、S11453で読み出された特別図柄の制御状態番号(「0」〜「6」のいずれか)、各処理ステップ内での特別図柄の制御状態番号の更新の有無等、すなわち、特別図柄ゲームの遊技状況等に応じて変化する。
まず、メインCPU6101は、特別図柄変動開始処理を行う(S11455)。ただし、S11455の処理は、該処理の開始時点において、特別図柄の制御状態番号が「0」(特別図柄変動開始値)である場合に行われる。この処理では、メインCPU6101は、特別図柄の変動表示(特別図柄ゲーム)を開始するための各種処理を行う。なお、特別図柄変動開始処理の詳細については、後述の図329を参照しながら後で説明する。一方、S11455の処理の開始時点において、特別図柄の制御状態番号が「0」以外である場合には、内部的には、S11455の処理は行われず、次の処理ステップに移行する。
次いで、メインCPU6101は、特別図柄変動終了処理を行う(S11456)。ただし、S11456の処理は、該処理の開始時点において、特別図柄の制御状態番号が「1」(特別図柄変動終了値)である場合に行われる。この処理では、メインCPU6101は、特別図柄の変動表示を終了する際の各種処理を行う。なお、特別図柄変動終了処理の詳細については、後述の図331及び図332を参照しながら後で説明する。一方、S11456の処理の開始時点において、特別図柄の制御状態番号が「1」以外である場合には、内部的には、S11456の処理は行われず、次の処理ステップに移行する。
次いで、メインCPU6101は、特別図柄遊技判定処理を行う(S11457)。ただし、S11457の処理は、該処理の開始時点において、特別図柄の制御状態番号が「2」(特別図柄遊技判定値)である場合に行われる。この処理では、メインCPU6101は、特別図柄の導出結果(大当り/小当り/ハズレ)の判定処理を行う。なお、特別図柄遊技判定処理の詳細については、後述の図333及び図334を参照しながら後で説明する。一方、S11457の処理の開始時点において、特別図柄の制御状態番号が「2」以外である場合には、内部的には、S11457の処理は行われず、次の処理ステップに移行する。
次いで、メインCPU6101は、大入賞口開放準備処理を行う(S11458)。ただし、S11458の処理は、該処理の開始時点において、特別図柄の制御状態番号が「3」(大入賞口開放開始値)である場合に行われる。この処理では、メインCPU6101は、例えば、大入賞口(特別電動役物)の種別、大入賞口の開放パターン等の選択処理、特別電動役物の開閉制御データの生成処理等を行う。なお、大入賞口開放準備処理の詳細については、後述の図336を参照しながら後で説明する。一方、S11458の処理の開始時点において、特別図柄の制御状態番号が「3」以外である場合には、内部的には、S11458の処理は行われず、次の処理ステップに移行する。
次いで、メインCPU6101は、大入賞口開放制御処理を行う(S11459)。ただし、S11459の処理は、該処理の開始時点において、特別図柄の制御状態番号が「4」(大入賞口開放制御値)である場合に行われる。この処理では、メインCPU6101は、例えば、特別電動役物(大入賞口)の開閉制御処理等を行う。なお、大入賞口開放制御処理の詳細については、後述の図337を参照しながら後で説明する。一方、S11459の処理の開始時点において、特別図柄の制御状態番号が「4」以外である場合には、内部的には、S11459の処理は行われず、次の処理ステップに移行する。
次いで、メインCPU6101は、大入賞口開放準備処理を行う(S11460)。ただし、S11460の処理は、該処理の開始時点において、特別図柄の制御状態番号が「5」(大入賞口開放準備値)である場合に行われる。この処理では、メインCPU6101は、例えば、大入賞口の種別、大入賞口の開放パターン等の選択処理、特別電動役物の開閉制御データの生成処理等を行う。なお、大入賞口開放準備処理の詳細については、後述の図336を参照しながら後で説明する。一方、S11460の処理の開始時点において、特別図柄の制御状態番号が「5」以外である場合には、内部的には、S11460の処理は行われず、次の処理ステップに移行する。
次いで、メインCPU6101は、特別図柄当り終了処理を行う(S11461)。ただし、S11461の処理は、該処理の開始時点において、特別図柄の制御状態番号が「6」(特別図柄当り終了値)である場合に行われる。この処理では、メインCPU6101は、特別図柄当り時の遊技(特別図柄ゲーム)を終了する際の各種処理を行う。なお、特別図柄当り終了処理の詳細については、後述の図338を参照しながら後で説明する。一方、S11461の処理の開始時点において、特別図柄の制御状態番号が「6」以外である場合には、内部的には、S11461の処理は行われず、次の処理ステップに移行する。
そして、S11461の処理後、メインCPU6101は、特別図柄管理処理を終了し、処理を、特別図柄制御処理(図325及び図326参照)に戻す。この際、特別図柄管理処理が特別図柄制御処理中のS11408で呼び出されている場合には処理をS11409の処理に戻し、特別図柄管理処理が特別図柄制御処理中のS11412で呼び出されている場合には処理をS11413の処理に戻す。また、特別図柄管理処理が特別図柄制御処理中のS11416で呼び出されている場合には処理をS11417の処理に戻し、特別図柄管理処理が特別図柄制御処理中のS11420で呼び出されている場合には、特別図柄制御処理も終了する。
[特別図柄変動開始処理]
次に、図329を参照して、特別図柄管理処理(図328参照)中のS11455で行う特別図柄変動開始処理について説明する。図329は、特別図柄変動開始処理の手順を示すフローチャートである。なお、以下に説明する特別図柄変動開始処理において、処理対象となる「特別図柄」は、特別図柄変動開始処理の開始時にIYレジスタにセットされている特別図柄作業領域テーブルのアドレスに対応する特別図柄である。
まず、メインCPU6101は、特別図柄の制御状態番号が「0」であるか否かを判定する(S11471)。
S11471において、メインCPU6101が、特別図柄の制御状態番号が「0」でないと判定した場合(S11471がNO判定の場合)、メインCPU6101は、特別図柄変動開始処理を終了し、処理を、特別図柄管理処理(図328)のS11456の処理に戻す。
一方、S11471において、メインCPU6101が、特別図柄の制御状態番号が「0」であると判定した場合(S11471がYES判定の場合)、メインCPU6101は、特別図柄遊技待機処理を行う(S11472)。この処理では、メインCPU6101は、主に、遊技状態(「遊技開始」又は「遊技待機」)のチェック処理を行う。なお、特別図柄遊技待機処理の詳細については、後述の図330を参照しながら後で説明する。
次いで、メインCPU6101は、遊技状態が「遊技待機」であるか否かを判定する(S11473)。
S11473において、メインCPU6101が、遊技状態が「遊技待機」であると判定した場合(S11473がYES判定の場合)、メインCPU6101は、特別図柄変動開始処理を終了し、処理を、特別図柄管理処理(図328)のS11456の処理に戻す。
一方、S11473において、メインCPU6101が、遊技状態が「遊技待機」でない(「遊技開始」である)と判定した場合(S11473がNO判定の場合)、メインCPU6101は、特別図柄記憶転送処理を行う(S11474)。この処理では、メインCPU6101は、特別図柄保留数の減算処理、乱数値(抽選結果)の転送処理、保留減算コマンドの送信予約処理等を行う。なお、乱数値(抽選結果)の転送処理では、変動開始する特別図柄の入賞時に乱数格納領域に格納された乱数値が特別図柄の乱数作業領域に転送される。また、この際、次変動の特別図柄の入賞時に取得された乱数値を乱数記憶領域に移動させる処理(保留球をずらす処理)も行われる。
次いで、メインCPU6101は、特別図柄当り判定処理を行う(S11475)。この処理では、メインCPU6101は、抽選結果(大当り/小当り/ハズレ)の判定処理を行う。なお、特別図柄当り判定処理では、まず、大当りであるか否かの判定処理を行い、この処理で大当りでないと判定された場合には、小当りであるか否かの判定処理を行い、この処理で小当りでないと判定された場合には、判定結果はハズレであると判定される。特別図柄当り判定処理(S11475)の内容については後で詳述する。
次いで、メインCPU6101は、特別図柄決定処理を行う(S11476)。この処理では、メインCPU6101は、抽選判定結果(大当り/小当り/ハズレ)に対応する特別図柄の停止図柄の決定処理を行う。
次いで、メインCPU6101は、特別図柄変動パターン設定処理を行う(S11477)。この処理では、メインCPU6101は、抽選判定結果(大当り/小当り/ハズレ)に対応する、特別図柄の前半の変動表示パターン及び後半の変動表示パターンの抽選処理を行い、各変動表示パターンを設定する。次いで、メインCPU6101は、特別図柄変動表示時間の設定処理を行う(S11478)。この処理では、メインCPU6101は、特別図柄の前半の変動表示時間(前半の特別図柄待ち時間)及び後半の変動表示時間(後半の特別図柄待ち時間)をそれぞれ上位2バイトタイマ及び下位2バイトタイマにセットする。
次いで、メインCPU6101は、指定記憶領域のクリア処理を行う(S11479)。この処理では、メインRAM6103内の特別図柄の乱数作業領域のクリア処理が行われ、当該変動開始される特別図柄の入賞時に取得された乱数値がクリアされる。
次いで、メインCPU6101は、特別図柄の制御状態番号に「1」をセットする(S11480)。この特別図柄の制御状態番号の更新処理により、当該特別図柄変動開始処理の終了後に、特別図柄変動終了処理(S11456)が行われる。
次いで、メインCPU6101は、遊技状態指定パラメータ設定処理を行う(S11481)。この処理では、メインCPU6101は、特別図柄作業領域テーブル(図301又は図303参照)内の遊技状態番号領域、遊技状態指定パラメータ領域及び演出変動テーブルパラメータ領域の設定(更新)処理、遊技状態指定パラメータの転送処理を行う。
次いで、メインCPU6101は、割込み禁止処理を行う(S11482)。
次いで、メインCPU6101は、遊技状態管理処理を行う(S11483)。この処理では、メインCPU6101は、主に、遊技状態の管理に関する各種フラグの更新処理を行う。なお、それ以外の処理としては、メインCPU6101は、例えば、遊技状態オフセット値生成処理、特別図柄演出モード管理処理等を行う。
次いで、メインCPU6101は、特別図柄演出開始コマンドの送信予約処理を行う(S11484)。なお、この処理で予約された特別図柄演出開始コマンドの副制御回路6200への送信は、次回のシステムタイマ割込み処理(図307)中の演出制御コマンド送信処理(S11022)で行われる。
次いで、メインCPU6101は、割込み許可処理を行う(S11485)。そして、S11485の処理後、メインCPU6101は、特別図柄変動開始処理を終了し、処理を、特別図柄管理処理(図328)のS11456の処理に戻す。
(特別図柄当り判定処理の内容)
ここで、S11475で行われる特別図柄当り判定処理の内容をより詳細に説明する。まず、同時変動機能が作動中である場合における特別図柄当り判定処理の内容を説明する。
特別図柄当り判定処理では、処理対象となっていない特別図柄(他方の特別図柄)が既に変動中である場合には、処理対象となっている特別図柄(一方の特別図柄)に対して、大当りか否かの判定処理を行わず、小当り又はハズレの判定処理を行う。この際、一方の特別図柄の乱数値(抽選結果)が小当り又はハズレに対応する乱数値である場合には、判定結果は、それぞれ小当り又はハズレとなるが、一方の特別図柄の乱数値が大当りに対応する乱数値である場合には、当該乱数値は小当り以外の乱数値(ハズレに対応する乱数値)である判定され、強制的に判定結果がハズレとなる。すなわち、特別図柄当り判定処理で処理対象となっている一方の特別図柄の変動開始時に、処理対象となっていない他方の特別図柄が既に変動中である場合には、一方の特別図柄の乱数値が大当りに対応する乱数値であっても(抽選結果が大当りであっても)、一方の特別図柄の変動表示がハズレ対応の変動表示になるように制御される。
次に、特別図柄当り判定処理(S11475)内で行われる大当り/小当り/ハズレの抽選判定処理の具体的な内容を、より詳細に説明する。
まず、メインCPU6101は、処理対象となっている特別図柄の大当り判定値データテーブル(不図示)のアドレスを読み出す。なお、特別図柄の大当り判定値データテーブルでは、設定値(「1」〜「6」)毎に設定された大当りとなる乱数値の範囲(抽選値)が規定されている。また、特別図柄の大当り判定値データテーブルでは、各設定値に対して通常遊技状態(低確率遊技状態)時及び確変遊技状態(高確率遊技状態)時の大当りとなる乱数値の範囲が規定されている。そして、特別図柄の大当り判定値データテーブルでは、先頭アドレス側から、設定値の小さい順で大当りとなる乱数値の範囲が規定されている。具体的には、特別図柄の大当り判定値データテーブルでは、先頭アドレス側から、設定「1」で且つ通常遊技状態である場合に大当りとなる乱数値の範囲、設定「1」で且つ確変遊技状態である場合に大当りとなる乱数値の範囲、設定「2」で且つ通常遊技状態である場合に大当りとなる乱数値の範囲、設定「2」で且つ確変遊技状態である場合に大当りとなる乱数値の範囲、…、設定「6」で且つ通常遊技状態である場合に大当りとなる乱数値の範囲、設定「6」で且つ確変遊技状態である場合に大当りとなる乱数値の範囲が、この順で格納されている。
次いで、メインCPU6101は、設定値を読み出す(メインRAM6103内の設定値領域の内容をロードする)。次いで、メインCPU6101は、読み出した設定値を2倍し、さらに当該2倍した値に特別図柄確変状態フラグ値(通常遊技状態であれば「0」、確変遊技状態であれば「1」)を加算する。これにより、特別図柄の大当り判定値データテーブル内で参照する乱数値の範囲(抽選値)が格納された格納領域のアドレスオフセット値(先頭アドレスからのオフセット値)が算出される。そして、特別図柄の大当り判定値データテーブルの先頭アドレスにアドレスオフセット値を加算することにより、大当り判定値データテーブル内の参照する乱数値の範囲(抽選値)の格納領域を指定して、当該乱数値の範囲(抽選値)を得ることができる。
次いで、メインCPU6101は、抽選判定処理を呼び出し、乱数値と抽選値とを参照して抽選判定処理を実行し、大当りの抽選判定結果を取得する。この際、特別図柄が大当りである場合には抽選判定結果は「0(00H)」以外の値(例えば「FFH」)となり、特別図柄が大当りでない場合には抽選判定結果は「0」となる。次いで、メインCPU6101は、抽選判定結果と、予め設定された大当りフラグ値(例えば「001H」等の「0」以外の値)との論理積演算を行う。そして、メインCPU6101は、論理積演算の結果が「1」であれば、処理対象となっている特別図柄が大当りであると判定し、論理積演算の結果が「0」であれば、特別図柄が大当りでないと判定する。
次いで、上述した論理積演算の結果が「0」であり、特別図柄が大当りでないと判定された場合には、メインCPU6101は、特別図柄選択値を読み出す。なお、この処理では、メインCPU6101は、IXレジスタにセットされている特別図柄関連定義データテーブルのアドレスを用いて、処理対象となっている特別図柄関連定義データテーブル内の特別図柄選択値の格納領域に格納されている特別図柄選択値(図302中の第1特別図柄選択値の格納領域又は図304中の第2特別図柄選択値の格納領域)を読み出す。特別図柄選択値は、特別図柄の種別(第1特別図柄又は第2特別図柄)を示す値であり、処理対象の特別図柄が第1特別図柄である場合には「0」であり、処理対象の特別図柄が第2特別図柄である場合には「1」である。
次いで、メインCPU6101は、特別図柄小当り判定値データ選択テーブル(不図示)のアドレスを読み出す。なお、特別図柄小当り判定値データ選択テーブルには、特別図柄の種別毎に特別図柄の小当り判定値データテーブル(不図示)のアドレスが規定される。ただし、特別図柄の抽選結果として小当りが設けられていない特別図柄の種別に対しては、特別図柄小当り判定値データ選択テーブルにおいて、特別図柄の小当り判定値データテーブルのアドレスは規定されていない。すなわち、本実施形態では、第1特別図柄に対する小当り判定値データテーブルのアドレスは、特別図柄小当り判定値データ選択テーブルに規定されていない。
次いで、メインCPU6101は、特別図柄選択値(特別図柄の種別)と、特別図柄小当り判定値データ選択テーブルとを参照して、処理対象となっている特別図柄の抽選結果に小当りが設けられているか否か(特別図柄小当り判定値データ選択テーブルに特別図柄の小当り判定値データテーブルのアドレスが規定さているか否か)を判定する。
この判定処理で、処理対象となっている特別図柄の抽選結果に小当りが設けられていると判定された場合には、メインCPU6101は、特別図柄の小当り判定値データテーブル内で参照する乱数値の範囲(抽選値)のアドレスを算出する。なお、この判定処理で、処理対象となっている特別図柄の抽選結果に小当りが設けられていないと判定された場合には、メインCPU6101は、特別図柄がハズレであると判定する。
次いで、特別図柄の抽選結果に小当りが設けられている場合には、メインCPU6101は、抽選判定処理を呼び出し、乱数値と抽選値とを参照して抽選判定処理を実行し、小当りの抽選判定結果を取得する。この際、特別図柄が小当りである場合には抽選判定結果は「0」以外の値となり、特別図柄が小当りでない場合には抽選判定結果は「0」となる。なお、この小当りの判定処理で読み出される抽選判定処理は、上述した大当りの判定処理で読み出される抽選判定処理と同じである。すなわち、本実施形態では、大当り/小当り/ハズレの抽選判定処理には共通の処理(モジュール)が用いられる。
次いで、メインCPU6101は、小当りの抽選判定結果と、予め設定された小当りフラグ値(例えば「002H」等の「0」以外の値)との論理積演算を行う。そして、メインCPU6101は、論理積演算の結果が「1」であれば、処理対象となっている特別図柄が小当りであると判定し、論理積演算の結果が「0」であれば、特別図柄がハズレであると判定する。
上述のように、本実施形態では、特別図柄当り判定処理(S11475)内で行われる大当り/小当り/ハズレの抽選判定処理には共通の処理(モジュール)が用いられる。それゆえ、本実施形態では、主制御回路6100で管理する処理プログラムの容量を削減することができる。
なお、本実施形態では、上述のように、特別図柄の小当り判定値データ選択テーブルを参照し、処理対象となっている特別図柄の抽選結果に小当りが設けられている場合にのみ、小当りの抽選判定処理を行う例を説明したが、本発明はこれに限定されない。
例えば、読み出された特別図柄選択値を抽選判定処理の引数(特別図柄の種別を示す識別子)として用い、この引数に対応する乱数値及び抽選値を参照して抽選判定処理を実行し、小当りの抽選判定結果を取得するようにしてもよい。この場合には、上述した特別図柄小当り判定値データ選択テーブルを設ける必要が無くなり、主制御回路6100で管理するデータの容量をより一層削減することができる。また、この場合には、特別図柄小当り判定値データ選択テーブルを参照して実行される各種処理を省略することができるので、主制御回路6100で管理する処理プログラムの容量も削減することができる。
[特別図柄遊技待機処理]
次に、図330を参照して、特別図柄変動開始処理(図329参照)中のS11472で行う特別図柄遊技待機処理について説明する。図330は、特別図柄遊技待機処理の手順を示すフローチャートである。なお、以下に説明する特別図柄遊技待機処理において、処理対象となる「特別図柄」は、特別図柄遊技待機処理の開始時にIYレジスタにセットされている特別図柄作業領域テーブルのアドレスに対応する特別図柄である。
まず、メインCPU6101は、特別図柄休止フラグの値を読み出す(S11491)。この処理では、メインCPU6101は、IYレジスタにセットされている特別図柄作業領域テーブルのアドレスを用いて、特別図柄作業領域テーブル内の特別図柄休止フラグ領域(図301中の第1特別図柄休止フラグ領域又は図303中の第2特別図柄休止フラグ領域)に格納された特別図柄休止フラグの値を読み出す。この場合、メインCPU6101は、当該特別図柄作業領域テーブルのアドレス参照処理を行うことなく、メインRAM6103内の作業領域から特別図柄休止フラグの値を直接読み出すことができる。
次いで、メインCPU6101は、特別図柄休止フラグがセットされているか(オン状態であるか)否かを判定する(S11492)。
S11492において、メインCPU6101が、特別図柄休止フラグがセットされていると判定した場合(S11492がYES判定の場合)、メインCPU6101は、後述のS11503の処理を行う。
一方、S11492において、メインCPU6101が、特別図柄休止フラグがセットされていないと判定した場合(S11492がNO判定の場合)、メインCPU6101は、特別図柄の保留数を読み出す(S11493)。この処理では、メインCPU6101は、IYレジスタにセットされている特別図柄作業領域テーブルのアドレスを用いて、特別図柄作業領域テーブル内の特別図柄保留数領域(図301中の第1特別図柄保留数領域又は図303中の第2特別図柄保留数領域)に格納された特別図柄の保留数を読み出す。この場合、メインCPU6101は、当該特別図柄作業領域テーブルのアドレス参照処理を行うことなく、メインRAM6103内の作業領域から特別図柄の保留数を直接読み出すことができる。
次いで、メインCPU6101は、特別図柄の保留数が「0」であるか否かを判定する(S11494)。
S11494において、メインCPU6101が、特別図柄の保留数が「0」でないと判定した場合(S11494がNO判定の場合)、メインCPU6101は、遊技状態に「遊技開始」をセットする(S11495)。そして、S11495の処理後、メインCPU6101は、特別図柄遊技待機処理を終了し、処理を、特別図柄変動開始処理(図329)のS11473の処理に戻す。
一方、S11494において、メインCPU6101が、特別図柄の保留数が「0」であると判定した場合(S11494がYES判定の場合)、メインCPU6101は、特別図柄デモフラグ値を読み出す(S11496)。特別図柄デモフラグは、現在の遊技状態がデモ中(待機中)であるか否かを示すフラグであり、現在の遊技状態が待機状態であれば、特別図柄デモフラグがオン状態となる。この処理では、メインCPU6101は、IYレジスタにセットされている特別図柄作業領域テーブルのアドレスを用いて、特別図柄作業領域テーブル内の特別図柄デモ表示状態フラグ領域(図301中の第1特別図柄デモ表示状態フラグ領域又は図303中の第2特別図柄デモ表示状態フラグ領域)に格納された特別図柄デモフラグ値を読み出す。この場合、メインCPU6101は、当該特別図柄作業領域テーブルのアドレス参照処理を行うことなく、メインRAM6103内の作業領域から特別図柄デモフラグ値を直接読み出すことができる。
次いで、メインCPU6101は、S11496で読み出した特別図柄デモフラグの値に基づいて、現在の遊技状態がデモ中であるか否かを判定する(S11497)。
S11497おいて、メインCPU6101が、現在の遊技状態がデモ中であると判定した場合(S11497がYES判定の場合)、メインCPU6101は、後述のS11503の処理を行う。
一方、S11497おいて、メインCPU6101が、現在の遊技状態がデモ中でないと判定した場合(S11497がNO判定の場合)、メインCPU6101は、デモ表示コマンド送信済フラグをセットする(S11498)。この処理では、メインCPU6101は、IYレジスタにセットされているデータ(特別図柄作業領域テーブルのアドレス)を用いて、特別図柄作業領域テーブル内の特別図柄デモ表示状態フラグ領域の値を1減算する。
次いで、メインCPU6101は、割込み禁止処理を行う(S11499)。次いで、メインCPU6101は、遊技状態指定パラメータ設定処理を行う(S11500)。この処理では、メインCPU6101は、特別図柄作業領域テーブル(図301又は図303参照)内の遊技状態番号領域、遊技状態指定パラメータ領域及び演出変動テーブルパラメータ領域の設定(更新)処理、遊技状態指定パラメータの転送処理を行う。
次いで、メインCPU6101は、デモ表示コマンドの送信予約処理を行う(S11501)。なお、この処理で予約されたデモ表示コマンドの副制御回路6200への送信は、次回のシステムタイマ割込み処理(図307)中の演出制御コマンド送信処理(S11022)で行われる。次いで、メインCPU6101は、割込み許可処理を行う(S11502)。
S11502の処理後、又は、S11492或いはS11497がYES判定の場合、メインCPU6101は、遊技状態に「遊技待機」をセットする(S11503)。そして、S11503の処理後、メインCPU6101は、特別図柄遊技待機処理を終了し、処理を、特別図柄変動開始処理(図329)のS11473の処理に戻す。
上述のように、本実施形態の特別図柄遊技待機処理では、処理対象となっている特別図柄に対して特別図柄休止フラグがセットされている(オン状態である)場合には、特別図柄の保留数に係る各種処理、デモ表示に係る各種処理等を含むS11493〜S11502の一連の処理が実行されない。それゆえ、本実施形態のパチンコ遊技機6001では、特別図柄遊技待機処理を簡略化することができる。この場合、主制御回路6100で管理する処理プログラムの容量を削減することができるとともに、主制御回路6100で行われる処理をより効率よく実行し、主制御回路6100の処理負荷を軽減することができる。
[特別図柄変動終了処理]
次に、図331及び図332を参照して、特別図柄管理処理(図328参照)中のS11456で行う特別図柄変動終了処理について説明する。図331及び図332は、特別図柄変動終了処理の手順を示すフローチャートである。なお、以下に説明する特別図柄変動終了処理において、処理対象となる「一方の特別図柄」は、特別図柄変動終了処理の開始時にIYレジスタにセットされている特別図柄作業領域テーブルのアドレスに対応する特別図柄であり、「他方の特別図柄」は、特別図柄変動終了処理の開始時にIYレジスタにセットされていない特別図柄作業領域テーブルのアドレスに対応する特別図柄である。
まず、メインCPU6101は、一方の特別図柄の制御状態番号が「1」であるか否かを判定する(S11511)。
S11511において、メインCPU6101が、一方の特別図柄の制御状態番号が「1」でないと判定した場合(S11511がNO判定の場合)、メインCPU6101は、特別図柄変動終了処理を終了し、処理を、特別図柄管理処理(図328)のS11457の処理に戻す。
一方、S11511において、メインCPU6101が、一方の特別図柄の制御状態番号が「1」であると判定した場合(S11511がYES判定の場合)、メインCPU6101は、一方の特別図柄の特別図柄休止フラグ値を読み出す(S11512)。この処理では、メインCPU6101は、IYレジスタにセットされている一方の特別図柄作業領域テーブルのアドレスを用いて、一方の特別図柄作業領域テーブル内の特別図柄休止フラグ領域(図301中の第1特別図柄休止フラグ領域又は図303中の第2特別図柄休止フラグ領域)に格納された特別図柄休止フラグ値を読み出す。この場合、メインCPU6101は、当該一方の特別図柄作業領域テーブルのアドレス参照処理を行うことなく、メインRAM6103内の作業領域から一方の特別図柄の特別図柄休止フラグ値を直接読み出すことができる。
次いで、メインCPU6101は、一方の特別図柄の特別図柄休止フラグがセットされているか(オン状態であるか)否かを判定する(S11513)。
S11513において、メインCPU6101が、一方の特別図柄の特別図柄休止フラグがセットされていると判定した場合(S11513がYES判定の場合)、メインCPU6101は、特別図柄変動終了処理を終了し、処理を、特別図柄管理処理(図328)のS11457の処理に戻す。
一方、S11513において、メインCPU6101が、一方の特別図柄の特別図柄休止フラグがセットされていないと判定した場合(S11513がNO判定の場合)、メインCPU6101は、一方の特別図柄の制御状態番号に「2」をセットする(S11514)。この一方の特別図柄の制御状態番号の更新処理により、一方の特別図柄に対して、当該特別図柄変動終了処理の終了後に、特別図柄遊技判定処理(S11457)が行われる。
次いで、メインCPU6101は、一方の特別図柄の特別図柄演出停止コマンドの送信予約処理を行う(S11515)。なお、この処理で予約された一方の特別図柄の特別図柄演出停止コマンドの副制御回路6200への送信は、次回のシステムタイマ割込み処理(図307)中の演出制御コマンド送信処理(S11022)で行われる。
次いで、メインCPU6101は、図柄確定数カウンタの値を1加算する(S11516)。図柄確定数カウンタは、特別図柄の確定回数(特別図柄の変動表示の回数)を計数するためのカウンタであり、その計数値は、メインRAM6103内の図柄確定数カウンタ領域に格納される。
次いで、メインCPU6101は、他方の特別図柄の特別図柄休止フラグ値の格納領域のアドレスを読み出す(S11517)。この処理では、メインCPU6101は、IXレジスタにセットされている一方の特別図柄関連定義データテーブルのアドレスを用いて、一方の特別図柄関連定義データテーブル内に格納されている他方の特別図柄の特別図柄休止フラグ格納領域のアドレス(図302中の第2特別図柄休止フラグ領域のアドレスの格納領域又は図304中の第1特別図柄休止フラグ領域のアドレスの格納領域)を読み出す。この場合、メインCPU6101は、他方の特別図柄関連定義データテーブルのアドレス参照処理(読み出し処理)、及び、IXレジスタにセットされる特別図柄関連定義データテーブルのアドレスの切り替え処理を行うことなく、メインRAM6103内の作業領域(一方の特別図柄関連定義データテーブル)から他方の特別図柄の特別図柄休止フラグ値の格納領域のアドレスを直接読み出すことができる。
次いで、メインCPU6101は、小当り確認処理を行う(S11518)。この処理では、メインCPU6101は、一方の特別図柄作業領域テーブル内の特別図柄当りフラグ領域(図301中の第1特別図柄当りフラグ領域又は図303中の第2特別図柄当りフラグ領域)に格納されている値に基づいて、一方の特別図柄の変動表示が小当りに対応するものである否かの確認処理を行う。
次いで、メインCPU6101は、一方の特別図柄の変動表示が小当りであるか否かを判定する(S11519)。
S11519において、メインCPU6101が、一方の特別図柄の変動表示が小当りでないと判定した場合(S11519がNO判定の場合)、メインCPU6101は、後述のS11521の処理を行う。一方、S11519において、メインCPU6101が、一方の特別図柄の変動表示が小当りであると判定した場合(S11519がYES判定の場合)、メインCPU6101は、他方の特別図柄休止フラグ領域に特別図柄休止フラグ値(オン値)をセットする(S11520)。
S11520の処理後、又は、S11519がNO判定の場合、メインCPU6101は、大当り確認処理を行う(S11521)。この処理では、メインCPU6101は、一方の特別図柄作業領域テーブル内の特別図柄当りフラグ領域(図301中の第1特別図柄当りフラグ領域又は図303中の第2特別図柄当りフラグ領域)に格納されている値に基づいて、一方の特別図柄の変動表示が大当りに対応するものである否かの確認処理を行う。
次いで、メインCPU6101は、一方の特別図柄の変動表示が大当りであるか否かを判定する(S11522)。
S11522において、メインCPU6101が、一方の特別図柄の変動表示が大当りでないと判定した場合(S11522がNO判定の場合)、メインCPU6101は、特別図柄変動終了処理を終了し、処理を、特別図柄管理処理(図328)のS11457の処理に戻す。
一方、S11522において、メインCPU6101が、一方の特別図柄の変動表示が大当りであると判定した場合(S11522がYES判定の場合)、メインCPU6101は、他方の特別図柄休止フラグ領域に特別図柄休止フラグ値(オン値)をセットする(S11523)。
次いで、メインCPU6101は、メインRAM6103内の他方の特別図柄関連定義データテーブルのアドレスをIXレジスタにセットし、他方の特別図柄作業領域テーブルのアドレスをIYレジスタにセットする(S11524)。
次いで、メインCPU6101は、他方の特別図柄が変動表示中であるか否かを判定する(S11525)。この処理では、メインCPU6101は、他方の特別図柄作業領域テーブル内の特別図柄制御状態番号領域(図301中の第1特別図柄制御状態番号領域又は図303中の第2特別図柄制御状態番号領域)に格納されている他方の特別図柄の制御状態番号が「1」であるか否かを判定し、他方の特別図柄の制御状態番号が「1」である場合にはS11525の判定処理はYES判定となり、他方の特別図柄の制御状態番号が「1」でない場合にはS11525の判定処理はNO判定となる。
S11525において、メインCPU6101が、他方の特別図柄が変動表示中でないと判定した場合(S11525がNO判定の場合)、メインCPU6101は、特別図柄変動終了処理を終了し、処理を、特別図柄管理処理(図328)のS11457の処理に戻す。
一方、S11525において、メインCPU6101が、他方の特別図柄が変動表示中であると判定した場合(S11525がYES判定の場合)、メインCPU6101は、図柄確定数カウンタの値を1加算する(S11526)。
次いで、メインCPU6101は、変動停止フラグの設定処理を行う(S11527)。この処理により試射試験信号が外部に出力されるようになる。
次いで、メインCPU6101は、他方の特別図柄の当りフラグにハズレをセットする(S11528)。具体的には、メインCPU6101は、他方の特別図柄作業領域テーブル内の特別図柄当りフラグ領域(図301中の第1特別図柄当りフラグ領域又は図303中の第2特別図柄当りフラグ領域)にハズレに対応する値をセットする。
次いで、メインCPU6101は、他方の特別図柄の変動表示に関連する作業領域のクリア処理を行う(S11529)。次いで、メインCPU6101は、他方の特別図柄の特別図柄待ち時間管理用の上位2バイトタイマに所定の確定待ち時間をセットする(S11530)。
次いで、メインCPU6101は、他方の特別図柄の制御状態番号に「2」をセットする(S11531)。この他方の特別図柄の制御状態番号の更新処理により、他方の特別図柄に対して、特別図柄変動終了処理が行われなくなる。
次いで、メインCPU6101は、他方の特別図柄の遊技状態指定パラメータ設定処理を行う(S11532)。この処理では、メインCPU6101は、他方の特別図柄作業領域テーブル(図301又は図303参照)内の遊技状態番号領域、遊技状態指定パラメータ領域及び演出変動テーブルパラメータ領域の設定(更新)処理、遊技状態指定パラメータの転送処理を行う。
次いで、メインCPU6101は、他方の特別図柄の特別図柄演出停止コマンドの送信予約処理を行う(S11533)。なお、この処理で予約された他方の特別図柄の特別図柄演出停止コマンドの副制御回路6200への送信は、次回のシステムタイマ割込み処理(図307)中の演出制御コマンド送信処理(S11022)で行われる。そして、S11533の処理後、メインCPU6101は、特別図柄変動終了処理を終了し、処理を、特別図柄管理処理(図328)のS11457の処理に戻す。
上述のように、本実施形態の特別図柄変動終了処理では、一方の特別図柄に対して特別図柄休止フラグがセットされている(オン状態である)場合には、一方の特別図柄の小当り確認処理や大当り確認処理などを含むS11514以降の処理を行わない。それゆえ、本実施形態のパチンコ遊技機6001では、特別図柄変動終了処理を簡略化することができる。この場合、主制御回路6100で管理する処理プログラムの容量を削減することができるとともに、主制御回路6100で行われる処理をより効率よく実行し、主制御回路6100の処理負荷を軽減することができる。
また、上述のように、本実施形態の特別図柄変動終了処理では、S11518〜S11524の一連の処理において、一方の特別図柄の抽選結果が大当り又は小当りである場合には、いずれの場合においても、他方の特別図柄に対して特別図柄休止フラグをセットする(オン状態にする)。すなわち、一方の特別図柄の抽選結果が大当り又は小当りである場合には、他方の特別図柄の変動開始の中止又は中断を共通のフラグ(特別図柄休止フラグ)で制御することができる。それゆえ、本実施形態のパチンコ遊技機6001では、特別図柄変動終了処理を簡略化することができ、主制御回路6100で管理する処理プログラムの容量を削減することができる。
さらに、上述のように、本実施形態の特別図柄変動終了処理では、一方の特別図柄に対して特別図柄休止フラグがセットされておらず、一方の特別図柄の抽選結果が大当りであり、且つ、他方の特別図柄が変動表示中である場合には、他方の特別図柄の変動表示をハズレ確定にする制御処理(ハズレ確定処理)を強制的に行う。具体的には、ハズレ確定処理では、他方の特別図柄の特別図柄当りフラグをハズレにセットする(S11528)、他方の特別図柄の制御状態番号を「2」にセットする(S11531:他方の特別図柄の特別図柄変動終了処理が行われないようにする)等の処理が行われる。このようなハズレ確定処理を設けた場合、一方の特別図柄に対して特別図柄休止フラグがセットされておらず、一方の特別図柄の抽選結果が大当りであり、且つ、他方の特別図柄が変動表示中であるときには、他方の特別図柄の変動表示を強制的にハズレにして、他方の特別図柄の制御状態番号を進行させるので、他方の特別図柄に対する大当りや小当りの確認処理等の不要な処理(特別図柄変動終了処理)を省略することができる。すなわち、本実施形態のように同時変動機能を備えたパチンコ遊技機において、S11531の上記処理を設けた場合、通常は特別図柄の変動表示時間が経過した時に特別図柄の変動終了時処理を行うが、本実施形態では、一方の識別情報の変動表示の停止態様が特別遊技状態に移行させるものである場合には、他方の特別図柄の変動終了時処理を簡略化することができる。それゆえ、本実施形態では、上述したハズレ確定処理を設けることにより、特別図柄変動終了処理を簡略化することができる。この結果、主制御回路6100で行われる処理をより効率よく実行することができ、主制御回路6100の処理負荷を軽減することができる。
[特別図柄遊技判定処理]
次に、図333及び図334を参照して、特別図柄管理処理(図328参照)中のS11457で行う特別図柄遊技判定処理について説明する。図333及び図334は、特別図柄遊技判定処理の手順を示すフローチャートである。なお、以下に説明する特別図柄遊技判定処理において、処理対象となる「特別図柄」は、特別図柄遊技判定処理の開始時にIYレジスタにセットされている特別図柄作業領域テーブルのアドレスに対応する特別図柄である。
まず、メインCPU6101は、特別図柄の制御状態番号が「2」であるか否かを判定する(S11541)。
S11541において、メインCPU6101が、特別図柄の制御状態番号が「2」でないと判定した場合(S11541がNO判定の場合)、メインCPU6101は、特別図柄遊技判定処理を終了し、処理を、特別図柄管理処理(図328)のS11458の処理に戻す。一方、S11541において、メインCPU6101が、特別図柄の制御状態番号が「2」であると判定した場合(S11541がYES判定の場合)、メインCPU6101は、割込み禁止処理を行う(S11542)。
次いで、メインCPU6101は、大当り確認処理を行う(S11543)。この処理では、メインCPU6101は、IYレジスタにセットされているデータ(特別図柄作業領域テーブルのアドレス)を用いて、特別図柄作業領域テーブル内の特別図柄当りフラグ領域(図301中の第1特別図柄当りフラグ領域又は図303中の第2特別図柄当りフラグ領域)から特別図柄の当りフラグ値を直接読み出し、この当りフラグ値に基づいて、特別図柄の抽選結果が大当りである否かの確認処理を行う。
次いで、メインCPU6101は、大当り時であるか否かを判定する(S11544)。
S11544において、メインCPU6101が、大当り時であると判定した場合(S11544がYES判定の場合)、メインCPU6101は、後述のS11549の処理を行う。
一方、S11544において、メインCPU6101が、大当り時でないと判定した場合(S11544がNO判定の場合)、メインCPU6101は、小当り確認処理を行う(S11545)。この処理では、メインCPU6101は、IYレジスタにセットされているデータ(特別図柄作業領域テーブルのアドレス)を用いて、特別図柄作業領域テーブル内の特別図柄当りフラグ領域(図301中の第1特別図柄当りフラグ領域又は図303中の第2特別図柄当りフラグ領域)から特別図柄の当りフラグ値を直接読み出し、この当りフラグ値に基づいて、特別図柄の抽選結果が小当りである否かの確認処理を行う。
次いで、メインCPU6101は、小当り時であるか否かを判定する(S11546)。
S11546において、メインCPU6101が、小当り時であると判定した場合(S11546がYES判定の場合)、メインCPU6101は、後述のS11549の処理を行う。
一方、S11546において、メインCPU6101が、小当り時でないと判定した場合(S11546がNO判定の場合)、メインCPU6101は、特別図柄遊技終了処理を行う(S11547)。なお、特別図柄遊技終了処理の詳細については、後述の図335を参照しながら後で説明する。
次いで、メインCPU6101は、割込み許可処理を行う(S11548)。そして、S11548の処理後、メインCPU6101は、特別図柄遊技判定処理を終了し、処理を、特別図柄管理処理(図328)のS11458の処理に戻す。
ここで、再度、S11544及びS11546の処理に戻って、S11544又はS11546がYES判定の場合、メインCPU6101は、大当り時又は小当り時の特別図柄の変動表示の開始設定処理を行う(S11549)。この処理では、メインCPU6101は、指定された特別図柄(特別図柄選択値)に応じた、外部端子板6140を介して出力される特別図柄当り信号(大当り信号又は小当り信号)の生成及び更新処理を行う。
次いで、メインCPU6101は、指定された特別図柄に応じたラウンド表示LEDデータのセット処理を行う(S11550)。次いで、メインCPU6101は、指定された特別図柄に応じた大入賞口開放回数の上限値のセット処理を行う(S11551)。
次いで、メインCPU6101は、指定された特別図柄に応じた大入賞口動作選択オフセット値のセット処理を行う(S11552)。なお、大入賞口動作選択オフセット値は、大入賞口開閉動作パターンを選択テーブルから決定する際の当該選択テーブルの先頭アドレスからの相対アドレス値である。次いで、メインCPU6101は、指定された特別図柄に応じた大当り信号のセット処理を行う(S11553)。
次いで、メインCPU6101は、特別図柄当り開始表示時間をセットする(S11554)。この処理では、メインCPU6101は、特別図柄当り開始表示時間を、特別図柄作業領域テーブル内の特別図柄待ち時間管理タイマ領域(図301中の第1特別図柄待ち時間管理タイマ領域又は図303中の第2特別図柄待ち時間管理タイマ領域)の上位2バイトタイマにセットする。
次いで、メインCPU6101は、特別図柄の制御状態番号に「3」をセットする(S11555)。この特別図柄の制御状態番号の更新処理により、当該特別図柄遊技判定処理の終了後に、大入賞口開放準備処理(S11458)が行われる。
次いで、メインCPU6101は、特別図柄の遊技状態指定パラメータ設定処理を行う(S11556)。この処理では、メインCPU6101は、特別図柄作業領域テーブル(図301又は図303参照)内の遊技状態番号領域、遊技状態指定パラメータ領域及び演出変動テーブルパラメータ領域の設定(更新)処理、遊技状態指定パラメータの転送処理を行う。
次いで、メインCPU6101は、特別図柄当り開始表示コマンドの送信予約処理を行う(S11557)。なお、この処理で予約された特別図柄当り開始表示コマンドの副制御回路6200への送信は、次回のシステムタイマ割込み処理(図307)中の演出制御コマンド送信処理(S11022)で行われる。
次いで、メインCPU6101は、割込み許可処理を行う(S11558)。そして、S11558の処理後、メインCPU6101は、特別図柄遊技判定処理を終了し、処理を、特別図柄管理処理(図328)のS11458の処理に戻す。
[特別図柄遊技終了処理]
次に、図335を参照して、特別図柄遊技判定処理(図333及び図334参照)中のS11547で行う特別図柄遊技終了処理について説明する。図335は、特別図柄遊技終了処理の手順を示すフローチャートである。なお、以下に説明する特別図柄遊技終了処理において、処理対象となる「特別図柄」は、特別図柄遊技終了処理の開始時にIYレジスタにセットされている特別図柄作業領域テーブルのアドレスに対応する特別図柄である。
まず、メインCPU6101は、特別図柄の制御状態番号に「0」をセットする(S11561)。次いで、メインCPU6101は、特別図柄の遊技状態指定パラメータ設定処理を行う(S11562)。この処理では、メインCPU6101は、特別図柄作業領域テーブル(図301又は図303参照)内の遊技状態番号領域、遊技状態指定パラメータ領域及び演出変動テーブルパラメータ領域の設定(更新)処理、遊技状態指定パラメータの転送処理を行う。
次いで、メインCPU6101は、特別図柄遊技終了コマンドの送信予約処理を行う(S11563)。なお、この処理で予約された特別図柄遊技終了コマンドの副制御回路6200への送信は、次回のシステムタイマ割込み処理(図307)中の演出制御コマンド送信処理(S11022)で行われる。そして、S11563の処理後、メインCPU6101は、特別図柄遊技終了処理を終了し、処理を、特別図柄遊技判定処理(図333及び図334)のS11548の処理に戻す。
[大入賞口開放準備処理]
次に、図336を参照して、特別図柄管理処理(図328参照)中のS11458及びS11460で行う大入賞口開放準備処理について説明する。図336は、大入賞口開放準備処理の手順を示すフローチャートである。なお、以下に説明する大入賞口開放準備処理において、処理対象となる「特別図柄」は、大入賞口開放準備処理の開始時にIYレジスタにセットされている特別図柄作業領域テーブルのアドレスに対応する特別図柄である。
まず、メインCPU6101は、特別図柄の制御状態番号が「3」又は「5」であるか否かを判定する(S11571)。
S11571において、メインCPU6101が、特別図柄の制御状態番号が「3」及び「5」のいずれでもないと判定した場合(S11571がNO判定の場合)、メインCPU6101は、大入賞口開放準備処理を終了し、処理を、特別図柄管理処理(図328)に戻す。この際、大入賞口開放準備処理が特別図柄管理処理中のS11458で呼び出された場合には処理をS11459の処理に戻し、大入賞口開放準備処理が特別図柄管理処理中のS11460で呼び出された場合には処理をS11461の処理に戻す。
一方、S11571において、メインCPU6101が、特別図柄の制御状態番号が「3」又は「5」であると判定した場合(S11571がYES判定の場合)、メインCPU6101は、大入賞口開放回数カウンタ値を読み出す(S11572)。大入賞口開放回数カウンタは、大入賞口の開放回数を計数するカウンタであり、その計数値(大入賞口開放回数カウンタ値)は、メインRAM6103内の大入賞口開放回数カウンタ領域に格納される。
次いで、メインCPU6101は、大入賞口開放回数カウンタ値が大入賞口開放回数の上限値であるか否かを判定する(S11573)。
S11573において、メインCPU6101が、大入賞口開放回数カウンタ値が大入賞口開放回数の上限値でないと判定した場合(S11573がNO判定の場合)、メインCPU6101は、後述のS11578の処理を行う。
一方、S11573において、メインCPU6101が、大入賞口開放回数カウンタ値が大入賞口開放回数の上限値であると判定した場合(S11573がYES判定の場合)、メインCPU6101は、特別図柄当り終了表示時間をセットする(S11574)。この処理では、メインCPU6101は、特別図柄当り終了表示時間を、特別図柄作業領域テーブル内の特別図柄待ち時間管理タイマ領域(図301中の第1特別図柄待ち時間管理タイマ領域又は図303中の第2特別図柄待ち時間管理タイマ領域)の上位2バイトタイマにセットする。
次いで、メインCPU6101は、特別図柄の制御状態番号に「6」をセットする(S11575)。この特別図柄の制御状態番号の更新処理により、当該大入賞口開放準備処理の終了後に、特別図柄当り終了処理(S11461)が行われる。
次いで、メインCPU6101は、特別図柄の遊技状態指定パラメータ設定処理を行う(S11576)。この処理では、メインCPU6101は、特別図柄作業領域テーブル(図301又は図303参照)内の遊技状態番号領域、遊技状態指定パラメータ領域及び演出変動テーブルパラメータ領域の設定(更新)処理、遊技状態指定パラメータの転送処理を行う。
次いで、メインCPU6101は、特別図柄当り終了表示コマンドの送信予約処理を行う(S11577)。なお、この処理で予約された特別図柄当り終了表示コマンドの副制御回路6200への送信は、次回のシステムタイマ割込み処理(図307)中の演出制御コマンド送信処理(S11022)で行われる。そして、S11577の処理後、メインCPU6101は、大入賞口開放準備処理を終了し、処理を、特別図柄管理処理(図328)に戻す。なお、この際、大入賞口開放準備処理が特別図柄管理処理中のS11458で呼び出された場合には処理をS11459の処理に戻し、大入賞口開放準備処理が特別図柄管理処理中のS11460で呼び出された場合には処理をS11461の処理に戻す。
ここで、再度、S11573の処理に戻って、S11573がNO判定の場合、メインCPU6101は、大入賞口開放回数カウンタ値を1加算する(S11578)。次いで、メインCPU6101は、大入賞口の開放パターンの選択処理を行う(S11579)。次いで、メインCPU6101は、大入賞口の選択処理を行う(S11580)。
次いで、メインCPU6101は、選択された大入賞口のラウンド内の開放パターンの選択処理を行う(S11581)。次いで、メインCPU6101は、選択された大入賞口の開放制御用の設定データ(テーブル)の選択処理を行う(S11582)。
次いで、メインCPU6101は、特別電動役物の開閉制御処理を行う(S11583)。この処理では、メインCPU6101は、特別電動役物(シャッタ6053a,6054a)の開閉制御データの生成処理を行う。
次いで、メインCPU6101は、特別図柄の制御状態番号に「4」をセットする(S11584)。この特別図柄の制御状態番号の更新処理により、当該大入賞口開放準備処理の終了後に、大入賞口開放制御処理(S11459)が行われる。
次いで、メインCPU6101は、特別図柄の遊技状態指定パラメータ設定処理を行う(S11585)。この処理では、メインCPU6101は、特別図柄作業領域テーブル(図301又は図303参照)内の遊技状態番号領域、遊技状態指定パラメータ領域及び演出変動テーブルパラメータ領域の設定(更新)処理、遊技状態指定パラメータの転送処理を行う。
次いで、メインCPU6101は、大入賞口開放中表示コマンドの送信予約処理を行う(S11586)。なお、この処理で予約された大入賞口開放中表示コマンドの副制御回路6200への送信は、次回のシステムタイマ割込み処理(図307)中の演出制御コマンド送信処理(S11022)で行われる。そして、S11586の処理後、メインCPU6101は、大入賞口開放準備処理を終了し、処理を、特別図柄管理処理(図328)に戻す。なお、この際、大入賞口開放準備処理が特別図柄管理処理中のS11458で呼び出された場合には処理をS11459の処理に戻し、大入賞口開放準備処理が特別図柄管理処理中のS11460で呼び出された場合には処理をS11461の処理に戻す。
[大入賞口開放制御処理]
次に、図337を参照して、特別図柄管理処理(図328参照)中のS11459で行う大入賞口開放制御処理について説明する。図337は、大入賞口開放制御処理の手順を示すフローチャートである。なお、以下に説明する大入賞口開放制御処理において、処理対象となる「特別図柄」は、大入賞口開放制御処理の開始時にIYレジスタにセットされている特別図柄作業領域テーブルのアドレスに対応する特別図柄である。
まず、メインCPU6101は、特別図柄の制御状態番号が「4」であるか否かを判定する(S11591)。
S11591において、メインCPU6101が、特別図柄の制御状態番号が「4」でないと判定した場合(S11591がNO判定の場合)、メインCPU6101は、大入賞口開放制御処理を終了し、処理を、特別図柄管理処理(図328)のS11460の処理に戻す。
一方、S11591において、メインCPU6101が、特別図柄の制御状態番号が「4」であると判定した場合(S11591がYES判定の場合)、メインCPU6101は、大入賞口入賞カウンタ値を読み出す(S11592)。大入賞口入賞カウンタは、大入賞口の入賞回数(ラウンド数)を計数するカウンタであり、その計数値(大入賞口入賞カウンタ値)は、メインRAM6103内の大入賞口入賞カウンタ領域に格納される。
次いで、メインCPU6101は、大入賞口に規定数入賞済みであるか否かを判定する(S11593)。S11593において、メインCPU6101が、大入賞口に規定数入賞済みであると判定した場合(S11593がYES判定の場合)、メインCPU6101は、後述のS11597の処理を行う。
一方、S11593において、メインCPU6101が、大入賞口に規定数入賞済みでないと判定した場合(S11593がNO判定の場合)、メインCPU6101は、特別電動役物動作管理タイマの時間が経過したか否かを判定する(S11594)。
S11594において、メインCPU6101が、特別電動役物動作管理タイマの時間が経過していないと判定した場合(S11594がNO判定の場合)、メインCPU6101は、大入賞口開放制御処理を終了し、処理を、特別図柄管理処理(図328)のS11460の処理に戻す。
一方、S11594において、メインCPU6101が、特別電動役物動作管理タイマの時間が経過したと判定した場合(S11594がYES判定の場合)、メインCPU6101は、特別電動役物(シャッタ6053a,6054a)の開閉制御処理を行う(S11595)。この処理では、メインCPU6101は、特別電動役物の作動状態の継続又は終了を設定するとともに、継続時には特別電動役物の開閉制御データの生成処理を行う。なお、S11595で呼び出される特別電動役物の開閉制御処理は、大入賞口開放準備処理(図336参照)中のS11583で呼び出される特別電動役物の開閉制御処理と同じ処理であり、両処理間では、共通の処理が用いられる。
次いで、メインCPU6101は、特別電動役物(シャッタ6053a,6054a)の作動状態を継続するか否かを判定する(S11596)。
S11596において、メインCPU6101が、特別電動役物の作動状態を継続すると判定した場合(S11596がYES判定の場合)、メインCPU6101は、大入賞口開放制御処理を終了し、処理を、特別図柄管理処理(図328)のS11460の処理に戻す。一方、S11596において、メインCPU6101が、特別電動役物の作動状態を継続しないと判定した場合(S11596がNO判定の場合)、又は、S11593がYES判定の場合、メインCPU6101は、大入賞口の閉鎖設定処理を行う(S11597)。
次いで、メインCPU6101は、ラウンド間表示時間を設定する(S11598)。この処理では、メインCPU6101は、ラウンド間表示時間を、特別図柄作業領域テーブル内の特別図柄待ち時間管理タイマ領域(図301中の第1特別図柄待ち時間管理タイマ領域又は図303中の第2特別図柄待ち時間管理タイマ領域)の上位2バイトタイマにセットする。
次いで、メインCPU6101は、特別図柄の制御状態番号に「5」をセットする(S11599)。この特別図柄の制御状態番号の更新処理により、当該大入賞口開放制御処理の終了後に、大入賞口開放準備処理(S11460)が行われる。
次いで、メインCPU6101は、特別図柄の遊技状態指定パラメータ設定処理を行う(S11600)。この処理では、メインCPU6101は、特別図柄作業領域テーブル(図301又は図303参照)内の遊技状態番号領域、遊技状態指定パラメータ領域及び演出変動テーブルパラメータ領域の設定(更新)処理、遊技状態指定パラメータの転送処理を行う。
次いで、メインCPU6101は、ラウンド間表示コマンドの送信予約処理を行う(S11601)。なお、この処理で予約されたラウンド間表示コマンドの副制御回路6200への送信は、次回のシステムタイマ割込み処理(図307)中の演出制御コマンド送信処理(S11022)で行われる。そして、S11601の処理後、メインCPU6101は、大入賞口開放制御処理を終了し、処理を、特別図柄管理処理(図328)のS11460の処理に戻す。
[特別図柄当り終了処理]
次に、図338を参照して、特別図柄管理処理(図328参照)中のS11461で行う特別図柄当り終了処理について説明する。図338は、特別図柄当り終了処理の手順を示すフローチャートである。なお、以下に説明する特別図柄当り終了処理において、処理対象となる「特別図柄」は、特別図柄当り終了処理の開始時にIYレジスタにセットされている特別図柄作業領域テーブルのアドレスに対応する特別図柄である。
まず、メインCPU6101は、特別図柄の制御状態番号が「6」であるか否かを判定する(S11611)。
S11611において、メインCPU6101が、特別図柄の制御状態番号が「6」でないと判定した場合(S11611がNO判定の場合)、メインCPU6101は、特別図柄当り終了処理を終了するとともに、特別図柄管理処理(図328)も終了する。一方、S11611において、メインCPU6101が、特別図柄の制御状態番号が「6」であると判定した場合(S11611がYES判定の場合)、メインCPU6101は、割込み禁止処理を行う(S11612)。
次いで、メインCPU6101は、特別図柄当り終了共通データのセット処理を行う(S11613)。次いで、メインCPU6101は、特別図柄の特別図柄休止フラグをリセット(オフ)する(S11614)。この処理では、メインCPU6101は、特別図柄作業領域テーブル内の特別図柄休止フラグ領域(図301中の第1特別図柄休止フラグ領域又は図303中の第2特別図柄休止フラグ領域)に格納されている特別図柄休止フラグ値をオフ値にセットする。
次いで、メインCPU6101は、特別図柄当り終了設定データの選択処理を行う(S11615)。次いで、メインCPU6101は、特別図柄遊技の終了設定処理を行う(S11616)。
次いで、メインCPU6101は、図335で説明した特別図柄遊技終了処理を行う(S11617)。なお、この処理により、特別図柄の制御状態番号が「0」に更新される。
次いで、メインCPU6101は、割込み許可処理を行う(S11618)。そして、S11618の処理後、メインCPU6101は、特別図柄当り終了処理を終了するとともに、特別図柄管理処理(図328)も終了する。
[普通図柄制御処理]
次に、図339を参照して、主制御メイン処理(図317〜図320参照)中のS11235で行う普通図柄制御処理について説明する。図339は、普通図柄制御処理の手順を示すフローチャートである。
なお、図339に示す各処理ステップの処理名に並記した括弧書きの数値(「0」〜「4」)は普通図柄の制御状態番号であり、この制御状態番号は、メインRAM6103内の普通図柄制御状態番号領域に格納される。メインCPU6101は、普通図柄の制御状態番号に対応する各処理ステップを実行することにより、普通図柄ゲームを進行させる。
まず、メインCPU6101は、普通図柄待ち時間(普通図柄の残りの変動表示時間)があるか否か(普通図柄待ち時間管理タイマ値≠0であるか否か)を判定する(S11701)。
S11701において、メインCPU6101が、普通図柄待ち時間があると判定した場合(S11701がYES判定の場合)、メインCPU6101は、普通図柄制御処理を終了し、処理を、主制御メイン処理(図317〜図320)のS11236の処理に戻す。なお、S11701において、メインCPU6101が、普通図柄待ち時間がないと判定した場合(S11701がNO判定の場合)、メインCPU6101は、普通図柄の制御状態番号を読み出す(S11702)。
そして、メインCPU6101は、読み出した普通図柄の制御状態番号に応じてS11703以降の処理を行う。なお、S11703以降の処理内容は、例えば、S11702で読み出された普通図柄の制御状態番号(「0」〜「4」のいずれか)、各処理ステップ内での普通図柄の制御状態番号の更新の有無、すなわち、普通図柄ゲームの遊技状況等に応じて変化する。
まず、メインCPU6101は、普通図柄変動開始処理を行う(S11703)。ただし、S11703の処理は、この処理の開始時点において、普通図柄の制御状態番号が「0」である場合に行われる。この処理では、メインCPU6101は、例えば、普通図柄情報の転送処理、普通図柄の当り判定処理、普通図柄決定処理、普通図柄の変動時間の設定処理、普通図柄の制御状態番号を「1」に更新する処理等の各種処理を適宜行う。なお、S11703の処理の開始時点において、普通図柄の制御状態番号が「0」以外である場合には、内部的には、S11703の処理は行われず、次の処理ステップに移行する。
次いで、メインCPU6101は、普通図柄変動終了処理を行う(S11704)。ただし、S11704の処理は、この処理の開始時点において、普通図柄の制御状態番号が「1」である場合に行われる。この処理では、メインCPU6101は、例えば、普通図柄確定後待ち時間の選択処理、普通図柄の制御状態番号を「2」に更新する処理等の普通図柄の変動表示を終了する際の各種処理を適宜行う。なお、S11704の処理の開始時点において、普通図柄の制御状態番号が「1」以外である場合には、内部的には、S11704の処理は行われず、次の処理ステップに移行する。
次いで、メインCPU6101は、普通図柄遊技判定処理を行う(S11705)。ただし、S11705の処理は、この処理の開始時点において、普通図柄の制御状態番号が「2」である場合に行われる。この処理では、メインCPU6101は、例えば、普通図柄の抽選結果が当りであれば、普通図柄の制御状態番号を「3」に更新する処理を行い、普通図柄の抽選結果がハズレであれば、普通図柄の制御状態番号を「0」に更新する処理を行う。なお、S11705の処理の開始時点において、普通図柄の制御状態番号が「2」以外である場合には、内部的には、S11705の処理は行われず、次の処理ステップに移行する。
次いで、メインCPU6101は、普通電動役物開放処理を行う(S11706)。ただし、S11706の処理は、この処理の開始時点において、普通図柄の制御状態番号が「3」である場合に行われる。この処理では、メインCPU6101は、例えば、普通電動役物6046の入賞回数が入賞規定数に達していれば、普通図柄の制御状態番号を「4」に更新する処理等を行う。また、この処理では、メインCPU6101は、例えば、普通電動役物6046の動作時間が所定時間経過していなければ、普通図柄の制御状態番号を更新することなく、S11706の処理を終了する。さらに、この処理では、メインCPU6101は、例えば、普通電動役物6046の動作時間が所定時間経過し、普通図柄の作動状態を継続しない場合には、普通図柄の制御状態番号を「4」に更新する処理を行う。なお、S11706の処理の開始時点において、普通図柄の制御状態番号が「3」以外である場合には、内部的には、S11706の処理は行われず、次の処理ステップに移行する。
次いで、メインCPU6101は、普通図柄当り終了処理を行う(S11707)。ただし、S11707の処理は、この処理の開始時点において、普通図柄の制御状態番号が「4」である場合に行われる。この処理では、メインCPU6101は、普通図柄ゲームを終了させるための各種処理(例えば、普通図柄の制御状態番号を「0」に更新する処理等を含む)を行う。なお、S11707の処理の開始時点において、普通図柄の制御状態番号が「4」以外である場合には、内部的には、S11707の処理は行われない。
そして、S11707の処理後、メインCPU6101は、普通図柄制御処理を終了し、処理を、主制御メイン処理(図317〜図320)のS11236の処理に戻す。
[第13実施形態]
次に、本発明の第13実施形態に係るパチンコ遊技機(遊技機)の構成及び各種動作について、図面を参照しながら説明する。なお、本実施形態のパチンコ遊技機において、以下に説明する構成及び各種処理動作以外の構成及び各種処理動作は、上記第12実施形態のパチンコ遊技機6001のそれらと同様である。それゆえ、以下の説明において、上記第12実施形態のパチンコ遊技機6001の構成(処理)と同じ構成(処理)には、同じ符号(ステップ番号)を付して説明する。また、以下では説明を省略するが、本実施形態では、上記第12実施形態のパチンコ遊技機6001と同様の構成及び各種処理動作を設けることにより、上記第12実施形態で説明した各種効果と同様の効果が得られる。また、第1実施形態〜第10実施形態に記載した発明を、以下に説明する第13実施形態に係るパチンコ遊技機に適用することができる。例えば、透明な遊技盤6012と略同じ大きさの表示領域を有する大型の液晶表示装置を遊技盤6012の後面側に配置したり、遊技盤6012の前面全体にプロジェクタユニットB等により映像を投影することにより、遊技領域の略全域に表示または投影される画像や映像を視認できるように構成し、遊技球の位置に基づく演出(例えば軌跡演出)を行うようにしてもよい。
<パチンコ遊技機の構成、遊技性、制御等の概要>
本実施形態のパチンコ遊技機では、メインCPU6101で制御及び管理される遊技状態の種別としては、大当り遊技状態を設けるが、小当り遊技状態を設けない。それゆえ、本実施形態では、第1特別図柄及び第2特別図柄のいずれの抽選(大当り抽選)においても、当選種別として「小当り」が設けられていない。
また、本実施形態では、メインCPU6101で制御及び管理される遊技状態の種別として、上記第12実施形態と同様に、確変遊技状態(高確率遊技状態)、通常遊技状態(低確率遊技状態)、時短遊技状態(高入賞遊技状態)及び非時短遊技状態(低入賞遊技状態)が設けられる。なお、確変遊技状態及び通常遊技状態のそれぞれでは、上記第12実施形態と同様に、設定値に応じて「大当り」の当選確率が変化する。
さらに、本実施形態では、メインCPU6101で制御及び管理される遊技状態の種別として、上記第12実施形態と同様に、「高確時短あり」の状態(確変遊技状態と時短遊技状態とが同時に発生)、「低確時短あり」の状態(通常遊技状態と時短遊技状態とが同時に発生)及び「低確時短なし」の状態(通常遊技状態と非時短遊技状態とが同時に発生)が設けられているが、「高確時短なし」の状態(確変遊技状態と非時短遊技状態とが同時に発生)、すなわち、潜確遊技状態は設けられていない。ただし、「高確時短なし」の状態を設けるようにしてもよい。
また、本実施形態のパチンコ遊技機では、特別図柄の同時変動機能を設けない。それゆえ、本実施形態では、第1特別図柄及び第2特別図柄の一方の変動表示中に他方の特別図柄の入賞が発生しても、当該他方の特別図柄の変動表示は開始されず、保留球として取り扱われる。また、本実施形態では、第1特別図柄の保留球及び第2特別図柄の保留球が混在した場合には、一方の特別図柄の変動表示を、他方の特別図柄の変動表示よりも優先的に実行するが、本発明はこれに限定されず、第1特別図柄の保留球及び第2特別図柄の保留球が混在した場合には、保留された順番に特別図柄の変動表示を実行するようにしてもよい。
また、本実施形態のパチンコ遊技機では、確変遊技状態から通常遊技状態への転落抽選機能が設けられる。その転落抽選及びその判定処理は、確変遊技状態において特別図柄の変動開始前に行われ、転落抽選に当選すると(転落が確定すると)、その時点で遊技状態が確変遊技状態から通常遊技状態に移行(転落)する。
また、本実施形態のパチンコ遊技機では、時短遊技状態中又は大当り遊技状態中に、外部端子板6140を介して所定の外部信号(以下、「第1大当り信号」という:大当り遊技の連荘中に出力される信号)を出力し続ける出力ポートが設けられている。この信号は、外部に設けられたデータ表示機等に出力される。
しかしながら、本実施形態のように確変遊技状態からの転落抽選機能が設けられている場合、確変遊技状態において特別図柄の変動開始前に転落抽選及びその判定が行われ、転落が確定し、その際に時短遊技状態も終了すると、その時点で、第1大当り信号が途絶し、それが変動開始前にデータ表示機等を介して報知され、遊技者が確変遊技状態から転落したことを認識してしまう可能性がある。
このような問題を解消するため、本実施形態のパチンコ遊技機では、特別図柄の変動開始前に行われた転落抽選により転落が確定したときには、第1大当り信号が途絶しないようにするため、第1大当り信号の出力を転落確定時の遊技終了(当該特別図柄の変動表示終了)まで延長する処理が行われる。
本実施形態では、この第1大当り信号の出力延長処理を実現するための制御フラグ(以下、「第1大当り信号延長フラグ」という)を設け、この第1大当り信号延長フラグをオン/オフ制御して、転落確定時に第1大当り信号が途絶しないように、第1大当り信号の出力の延長制御を行う。具体的には、特別図柄の変動開始前に行われた転落抽選により確変遊技状態からの転落が確定し、その際、時短遊技状態も終了するときには、第1大当り信号延長フラグをオン状態にセットして第1大当り信号の出力を延長し、その後、当該転落確定時の遊技終了時に第1大当り信号延長フラグをオフ状態にセットして第1大当り信号の出力延長処理を終了する。
それゆえ、本実施形態のパチンコ遊技機では、時短遊技状態中及び大当り遊技状態中だけでなく、第1大当り信号延長フラグがオン状態であるときにも、第1大当り信号が、外部端子板6140を介して出力し続けられる。その結果、データ表示機等を介して転落確定を遊技者が認識し難くなる(上述した転落抽選当選時の問題を解消することができる)。したがって、上述した第1大当り信号の出力延長処理を設けた場合には、転落抽選当選時における遊技の興趣の低下を抑制することができる。
また、本実施形態のパチンコ遊技機では、時短遊技状態中に点灯する時短ランプ(報知ランプ)が設けられており、特別図柄の変動開始前に確変遊技状態からの転落が確定し、その際に時短遊技状態も終了すると、変動開始時に時短ランプが消灯するので、遊技者が転落したことを認識してしまう可能性がある。
そこで、このような問題を解消するため、本実施形態のパチンコ遊技機では、確変遊技状態中に「大当り」が決定され(確変中大当り時)、その際に時短遊技状態が終了する場合にも上述した第1大当り信号の出力延長処理を実行し、当該確変中大当り時の遊技終了まで第1大当り信号の出力を延長する構成を設ける。このような構成を設けた場合、確変中大当り時であり且つ時短遊技状態が終了するときにも時短ランプが消灯するが、第1大当り信号が出力し続けるので、時短ランプの消灯が転落確定によるものであるのか、大当りによるものであるのかをデータ表示機等を介して認識することが難しくなる。
それゆえ、本実施形態では、上述した第1大当り信号の出力延長処理を設けることにより、転落抽選当選時における遊技の興趣の低下を抑制できるとともに、時短ランプの消灯時における遊技の興趣も向上させることができる。
また、本実施形態のパチンコ遊技機では、上記図301〜図304(上記第12実施形態)で示した各特別図柄の特別図柄作業領域テーブル及び特別図柄関連定義データテーブルと同様のテーブルがメインRAM6103内に設けられる。なお、本実施形態では、同時変動機能が設けられていないので、同時変動に関する情報の格納領域(例えば、各特別図柄の特別図柄休止フラグに関する格納領域等)は、本実施形態の各特別図柄の特別図柄作業領域テーブル及び特別図柄関連定義データテーブルでは設けられていない。
<主制御回路の動作説明>
次に、図340〜図352を参照して、主制御回路6100のメインCPU6101により実行される各種処理の内容について説明する。なお、本実施形態においてメインCPU6101により実行される各種処理では、特別図柄管理処理の処理内容が、上記第12実施形態においてメインCPU6101により実行されるそれと異なり、それ以外の処理内容は、上記第12実施形態で説明した処理内容と同様である。それゆえ、以下では、本実施形態における特別図柄管理処理の処理内容についてのみ説明し、その他の各種処理の説明は省略する。
[特別図柄管理処理]
まず、図340を参照して、本実施形態で行う特別図柄管理処理について説明する。図340は、特別図柄管理処理の手順を示すフローチャートである。なお、本実施形態の特別図柄管理処理は、上記第12実施形態で説明した特別図柄制御処理(図325及び図326参照)中のS11408、S11412、S11416及びS11420で行われる。
また、以下に説明する特別図柄管理処理において、処理対象となる「特別図柄」は、特別図柄管理処理の開始時にIYレジスタにセットされている特別図柄作業領域テーブルのアドレスに対応する特別図柄である。それゆえ、特別図柄管理処理の開始時に、IYレジスタにセットされているデータが第1特別図柄作業領域テーブルのアドレスである場合には、処理対象の「特別図柄」は第1特別図柄となり、IYレジスタにセットされているデータが第2特別図柄作業領域テーブルのアドレスである場合には、処理対象の「特別図柄」は第2特別図柄となる。
また、図340に示す各処理ステップの符号に並記した括弧書きの数値(「0」〜「6」)は、処理対象となる特別図柄の制御状態番号であり、特別図柄作業領域テーブル内の特別図柄制御状態番号領域(図301中の第1特別図柄制御状態番号領域又は図303中の第2特別図柄制御状態番号領域)に格納される。そして、メインCPU6101は、制御状態番号に対応する各処理ステップを実行することにより、特別図柄ゲームを進行させる。
なお、図328に示す上記第12実施形態の特別図柄管理処理のフローチャートと、図340に示す本実施形態の特別図柄管理処理のフローチャートとを比較すると明らかなように、本実施形態の特別図柄管理処理の処理フローは、上記第12実施形態のそれと同じになる。しかしながら、本実施形態では、後述するように、特別図柄変動開始処理(S11805)、特別図柄変動終了処理(S11806)、特別図柄遊技判定処理(S11807)及び特別図柄当り終了処理(S11811)のそれぞれの処理内容が、上記第12実施形態の対応する処理内容と異なる。
まず、メインCPU6101は、上位2バイトタイマの値を読み出して、特別図柄の前半の特別図柄待ち時間(変動表示時間)がある(前半の特別図柄待ち時間管理タイマ値≠0である)か否かを判定する(S11801)。この処理では、メインCPU6101は、IYレジスタにセットされている特別図柄作業領域テーブルのアドレスを用いて、当該特別図柄作業領域テーブル内の特別図柄待ち時間管理タイマ領域(図301中の第1特別図柄待ち時間管理タイマ領域又は図303中の第2特別図柄待ち時間管理タイマ領域)に格納された上位2バイトタイマの値を読み出す。この場合、メインCPU6101は、当該特別図柄作業領域テーブルのアドレス参照処理を行うことなく、メインRAM6103内の作業領域から上位2バイトタイマの値を直接読み出すことができる。
S11801において、メインCPU6101が、特別図柄の前半の特別図柄待ち時間があると判定した場合(S11801がYES判定の場合)、メインCPU6101は、特別図柄管理処理を終了し、処理を、特別図柄制御処理(図325及び図326参照)に戻す。この際、特別図柄管理処理が特別図柄制御処理中のS11408で呼び出された場合には処理をS11409の処理に戻し、特別図柄管理処理が特別図柄制御処理中のS11412で呼び出された場合には処理をS11413の処理に戻す。また、特別図柄管理処理が特別図柄制御処理中のS11416で呼び出された場合には処理をS11417の処理に戻し、特別図柄管理処理が特別図柄制御処理中のS11420で呼び出された場合には、特別図柄制御処理も終了する。
一方、S11801において、メインCPU6101が、特別図柄の前半の特別図柄待ち時間がないと判定した場合(S11801がNO判定の場合)、メインCPU6101は、下位2バイトタイマの値を読み出して、特別図柄の後半の特別図柄待ち時間がある(後半の特別図柄待ち時間管理タイマ値≠0である)か否かを判定する(S11802)。この処理では、メインCPU6101は、IYレジスタにセットされている特別図柄作業領域テーブルのアドレスを用いて、当該特別図柄作業領域テーブル内の特別図柄待ち時間管理タイマ領域(図301中の第1特別図柄待ち時間管理タイマ領域又は図303中の第2特別図柄待ち時間管理タイマ領域)に格納された下位2バイトタイマの値を読み出す。この場合、メインCPU6101は、当該特別図柄作業領域テーブルのアドレス参照処理を行うことなく、メインRAM6103内の作業領域から下位2バイトタイマの値を直接読み出すことができる。
S11802において、メインCPU6101が、特別図柄の後半の特別図柄待ち時間があると判定した場合(S11802がYES判定の場合)、メインCPU6101は、特別図柄管理処理を終了し、処理を、特別図柄制御処理(図325及び図326参照)に戻す。この際、特別図柄管理処理が特別図柄制御処理中のS11408で呼び出された場合には処理をS11409の処理に戻し、特別図柄管理処理が特別図柄制御処理中のS11412で呼び出された場合には処理をS11413の処理に戻す。また、特別図柄管理処理が特別図柄制御処理中のS11416で呼び出された場合には処理をS11417の処理に戻し、特別図柄管理処理が特別図柄制御処理中のS11420で呼び出された場合には、特別図柄制御処理も終了する。
一方、S11802において、メインCPU6101が、特別図柄の後半の特別図柄待ち時間がないと判定した場合(S11802がNO判定の場合)、メインCPU6101は、特別図柄の制御状態番号を読み出す(S11803)。この処理では、メインCPU6101は、IYレジスタにセットされている特別図柄作業領域テーブルのアドレスを用いて、当該特別図柄作業領域テーブル内の特別図柄制御状態番号領域(図301中の第1特別図柄制御状態番号領域又は図303中の第2特別図柄制御状態番号領域)に格納された特別図柄の制御状態番号を読み出す。この場合、メインCPU6101は、当該特別図柄作業領域テーブルのアドレス参照処理を行うことなく、メインRAM6103内の作業領域から特別図柄の制御状態番号を直接読み出すことができる。
次いで、メインCPU6101は、特別図柄制御分岐テーブルの参照処理を行う(S11804)。なお、本実施形態においても、特別図柄制御分岐テーブルでは、特別図柄の各制御状態番号(「0」〜「6」)と、対応する処理プログラムの格納アドレスとの対応関係が規定されている。
そして、メインCPU6101は、読み出した特別図柄の制御状態番号に応じてS11805以降の処理を行う。なお、S11805以降の処理内容は、例えば、S11803で読み出された特別図柄の制御状態番号(「0」〜「6」のいずれか)、各処理ステップ内での特別図柄の制御状態番号の更新の有無等、すなわち、特別図柄ゲームの遊技状況等に応じて変化する。
まず、メインCPU6101は、特別図柄変動開始処理を行う(S11805)。ただし、S11805の処理は、この処理の開始時点において、特別図柄の制御状態番号が「0」である場合に行われる。この処理では、メインCPU6101は、特別図柄ゲームを開始するための各種処理を行う。なお、特別図柄変動開始処理の詳細については、後述の図341を参照しながら後で説明する。一方、S11805の処理の開始時点において、特別図柄の制御状態番号が「0」以外である場合には、内部的には、S11805の処理は行われず、次の処理ステップに移行する。
次いで、メインCPU6101は、特別図柄変動終了処理を行う(S11806)。ただし、S11806の処理は、この処理の開始時点において、特別図柄の制御状態番号が「1」である場合に行われる。この処理では、メインCPU6101は、特別図柄の変動表示を終了する際の各種処理を行う。なお、特別図柄変動終了処理の詳細については、後述の図347を参照しながら後で説明する。一方、S11806の処理の開始時点において、特別図柄の制御状態番号が「1」以外である場合には、内部的には、S11806の処理は行われず、次の処理ステップに移行する。
次いで、メインCPU6101は、特別図柄遊技判定処理を行う(S11807)。ただし、S11807の処理は、この処理の開始時点において、特別図柄の制御状態番号が「2」である場合に行われる。この処理では、メインCPU6101は、主に、特別図柄の抽選結果(大当り/ハズレ)の判定処理、及び、判定結果に応じた各種処理を行う。なお、特別図柄遊技判定処理の詳細については、後述の図348及び図349を参照しながら後で説明する。一方、S11807の処理の開始時点において、特別図柄の制御状態番号が「2」以外である場合には、内部的には、S11807の処理は行われず、次の処理ステップに移行する。
次いで、メインCPU6101は、上記図336を参照して説明した大入賞口開放準備処理を行う(S11808)。ただし、S11808の処理は、この処理の開始時点において、特別図柄の制御状態番号が「3」である場合に行われる。一方、S11808の処理の開始時点において、特別図柄の制御状態番号が「3」以外である場合には、内部的には、S11808の処理は行われず、次の処理ステップに移行する。
次いで、メインCPU6101は、上記図337を参照して説明した大入賞口開放制御処理を行う(S11809)。ただし、S11809の処理は、この処理の開始時点において、特別図柄の制御状態番号が「4」である場合に行われる。一方、S11809の処理の開始時点において、特別図柄の制御状態番号が「4」以外である場合には、内部的には、S11809の処理は行われず、次の処理ステップに移行する。
次いで、メインCPU6101は、上記図336を参照して説明した大入賞口開放準備処理を行う(S11810)。ただし、S11810の処理は、この処理の開始時点において、特別図柄の制御状態番号が「5」である場合に行われる。一方、S11810の処理の開始時点において、特別図柄の制御状態番号が「5」以外である場合には、内部的には、S11810の処理は行われず、次の処理ステップに移行する。
次いで、メインCPU6101は、特別図柄当り終了処理を行う(S11811)。ただし、S11811の処理は、この処理の開始時点において、特別図柄の制御状態番号が「6」である場合に行われる。この処理では、メインCPU6101は、特別図柄当り時の遊技を終了する際の各種処理を行う。なお、特別図柄当り終了処理の詳細については、後述の図352を参照しながら後で説明する。一方、S11811の処理の開始時点において、特別図柄の制御状態番号が「6」以外である場合には、内部的には、S11811の処理は行われず、次の処理ステップに移行する。
そして、S11811の処理後、メインCPU6101は、特別図柄管理処理を終了し、処理を、特別図柄制御処理(図325及び図326参照)に戻す。この際、特別図柄管理処理が特別図柄制御処理中のS11408で呼び出された場合には処理をS11409の処理に戻し、特別図柄管理処理が特別図柄制御処理中のS11412で呼び出された場合には処理をS11413の処理に戻す。また、特別図柄管理処理が特別図柄制御処理中のS11416で呼び出された場合には処理をS11417の処理に戻し、特別図柄管理処理が特別図柄制御処理中のS11420で呼び出された場合には、特別図柄制御処理も終了する。
[特別図柄変動開始処理]
次に、図341を参照して、特別図柄管理処理(図340参照)中のS11805で行う特別図柄変動開始処理について説明する。図341は、特別図柄変動開始処理の手順を示すフローチャートである。
まず、メインCPU6101は、特別図柄の制御状態番号が「0」であるか否かを判定する(S11821)。
S11821において、メインCPU6101が、特別図柄の制御状態番号が「0」でないと判定した場合(S11821がNO判定の場合)、メインCPU6101は、特別図柄変動開始処理を終了し、処理を、特別図柄管理処理(図340)のS11806の処理に戻す。
一方、S11821において、メインCPU6101が、特別図柄の制御状態番号が「0」であると判定した場合(S11821がYES判定の場合)、メインCPU6101は、特別図柄遊技待機処理を行う(S11822)。この処理では、メインCPU6101は、主に、遊技状態(「遊技開始」又は「遊技待機」)のチェック処理を行う。なお、特別図柄遊技待機処理の詳細については、後述の図342を参照しながら後で説明する。
次いで、メインCPU6101は、遊技状態が「遊技待機」であるか否かを判定する(S11823)。
S11823において、メインCPU6101が、遊技状態が「遊技待機」であると判定した場合(S11823がYES判定の場合)、メインCPU6101は、特別図柄変動開始処理を終了し、処理を、特別図柄管理処理(図340)のS11806の処理に戻す。
一方、S11823において、メインCPU6101が、遊技状態が「遊技待機」でない(「遊技開始」である)と判定した場合(S11823がNO判定の場合)、メインCPU6101は、特別図柄記憶転送処理を行う(S11824)。この処理では、メインCPU6101は、特別図柄保留数の減算処理、抽選結果の転送処理、保留減算コマンドの送信予約処理等を行う。
次いで、メインCPU6101は、特別図柄転落判定処理を行う(S11825)。この処理では、メインCPU6101は、確変遊技状態であれば転落抽選処理を行い、転落抽選に当選すれば、遊技状態を転落させるための各種フラグの設定処理等を行う。なお、特別図柄転落判定処理の詳細については、後述の図343を参照しながら後で説明する。
次いで、メインCPU6101は、特別図柄当り判定処理を行う(S11826)。この処理では、メインCPU6101は、特別図柄の抽選結果(大当り/ハズレ)の判定処理を行う。この処理では、上記第12実施形態で説明した特別図柄当り判定処理(S11475)と同様の処理が行われる。次いで、メインCPU6101は、特別図柄決定処理を行う(S11827)。この処理では、メインCPU6101は、特別図柄の抽選結果(大当り/ハズレ)に対応する停止図柄の決定処理を行う。
次いで、メインCPU6101は、特別図柄変動パターン設定処理を行う(S11828)。この処理では、メインCPU6101は、特別図柄の抽選結果(大当り/ハズレ)に対応する、前半の変動表示パターン及び後半の変動表示パターンの抽選処理を行い、各変動表示パターンを設定する。次いで、メインCPU6101は、特別図柄変動表示時間の設定処理を行う(S11829)。この処理では、メインCPU6101は、特別図柄の前半の変動表示時間(前半の特別図柄待ち時間)及び後半の変動表示時間(後半の特別図柄待ち時間)をそれぞれ上位2バイトタイマ及び下位2バイトタイマにセットする。
次いで、メインCPU6101は、特別図柄遊技状態設定処理を行う(S11830)。この処理では、メインCPU6101は、大当り時における遊技状態(各種遊技状態フラグ)の設定処理等を行う。なお、特別図柄遊技状態設定処理の詳細については、後述の図346を参照しながら後で説明する。
次いで、メインCPU6101は、指定記憶領域のクリア処理を行う(S11831)。具体的には、メインCPU6101は、メインRAM6103内の特別図柄の乱数作業領域のクリア処理を行う。
次いで、メインCPU6101は、特別図柄の制御状態番号に「1」をセットする(S11832)。この特別図柄の制御状態番号の更新処理により、当該特別図柄変動開始処理の終了後に、特別図柄変動終了処理(S11806)が行われる。
次いで、メインCPU6101は、遊技状態指定パラメータ設定処理を行う(S11833)。この処理では、メインCPU6101は、特別図柄作業領域テーブル内の制御番号領域、遊技状態指定パラメータ領域及び演出変動テーブルパラメータ領域の設定(更新)処理、遊技状態指定パラメータの転送処理を行う。また、この処理では、メインCPU6101は、外部出力用のコマンドパラメータの設定処理等も行う。
次いで、メインCPU6101は、割込み禁止処理を行う(S11834)。
次いで、メインCPU6101は、特別図柄演出開始コマンドの送信予約処理を行う(S11835)。なお、この処理で予約された特別図柄演出開始コマンドの副制御回路6200への送信は、次回のシステムタイマ割込み処理(図307)中の演出制御コマンド送信処理(S11022)で行われる。
次いで、メインCPU6101は、割込み許可処理を行う(S11836)。そして、S11836の処理後、メインCPU6101は、特別図柄変動開始処理を終了し、処理を、特別図柄管理処理(図340)のS11806の処理に戻す。
[特別図柄遊技待機処理]
次に、図342を参照して、特別図柄変動開始処理(図341参照)中のS11822で行う特別図柄遊技待機処理について説明する。図342は、特別図柄遊技待機処理の手順を示すフローチャートである。
まず、メインCPU6101は、特別図柄の保留数が「0」であるか否かを判定する(S11841)。この処理では、メインCPU6101は、IYレジスタにセットされている特別図柄作業領域テーブルのアドレスを用いて、特別図柄作業領域テーブル内の特別図柄保留数領域(図301中の第1特別図柄保留数領域又は図303中の第2特別図柄保留数領域)に格納された特別図柄の保留数を読み出す。この場合、メインCPU6101は、当該特別図柄作業領域テーブルのアドレス参照処理を行うことなく、メインRAM6103内の作業領域から特別図柄の保留数を直接読み出すことができる。
S11841において、メインCPU6101が、特別図柄の保留数が「0」でないと判定した場合(S11841がNO判定の場合)、メインCPU6101は、遊技状態に「遊技開始」をセットする(S11842)。そして、S11842の処理後、メインCPU6101は、特別図柄遊技待機処理を終了し、処理を、特別図柄変動開始処理(図341)のS11823の処理に戻す。
一方、S11841において、メインCPU6101が、特別図柄の保留数が「0」であると判定した場合(S11841がYES判定の場合)、メインCPU6101は、現在の遊技状態がデモ中(待機状態中)であるか否かを判定する(S11843)。この判定処理では、メインCPU6101は、デモ表示コマンドが送信済みであるか否か(デモ表示コマンド送信済フラグがオン状態であるか否か)を判定する。そして、デモ表示コマンドが送信済みである場合には、S11843の判定結果はYES判定となり、デモ表示コマンドが送信済みでない場合には、S11843の判定結果はNO判定となる。
S11843おいて、メインCPU6101が、現在の遊技状態がデモ中であると判定した場合(S11843がYES判定の場合)、メインCPU6101は、後述のS11849の処理を行う。
一方、S11843おいて、メインCPU6101が、現在の遊技状態がデモ中でないと判定した場合(S11843がNO判定の場合)、メインCPU6101は、デモ表示コマンド送信済フラグをオン状態にセットする(S11844)。なお、デモ表示コマンド送信済フラグの値は、上記第12実施形態と同様に、メインRAM6103に設けられた特別図柄作業領域テーブル内の特別図柄デモ表示状態フラグ領域(図301中の第1特別図柄デモ表示状態フラグ領域又は図303中の第2特別図柄デモ表示状態フラグ領域)に格納される。
次いで、メインCPU6101は、割込み禁止処理を行う(S11845)。次いで、メインCPU6101は、遊技状態指定パラメータ設定処理を行う(S11846)。この処理では、メインCPU6101は、特別図柄作業領域テーブル内の制御番号領域、遊技状態指定パラメータ領域及び演出変動テーブルパラメータ領域の設定(更新)処理、遊技状態指定パラメータの転送処理を行う。
次いで、メインCPU6101は、デモ表示コマンドの送信予約処理を行う(S11847)。なお、この処理で予約されたデモ表示コマンドの副制御回路6200への送信は、次回のシステムタイマ割込み処理(図307)中の演出制御コマンド送信処理(S11022)で行われる。次いで、メインCPU6101は、割込み許可処理を行う(S11848)。
S11848の処理後、又は、S11843がYES判定の場合、メインCPU6101は、遊技状態に「遊技待機」をセットする(S11849)。そして、S11849の処理後、メインCPU6101は、特別図柄遊技待機処理を終了し、処理を、特別図柄変動開始処理(図341)のS11823の処理に戻す。
[特別図柄転落判定処理]
次に、図343を参照して、特別図柄変動開始処理(図341参照)中のS11825で行う特別図柄転落判定処理について説明する。図343は、特別図柄転落判定処理の手順を示すフローチャートである。
まず、メインCPU6101は、確変遊技状態であるか否かを判定する(S11851)。
S11851において、メインCPU6101が、確変遊技状態でない(通常遊技状態である)と判定した場合(S11851がNO判定の場合)、メインCPU6101は、特別図柄転落判定処理を終了し、処理を、特別図柄変動開始処理(図341)のS11826の処理に戻す。
一方、S11851において、メインCPU6101が、確変遊技状態であると判定した場合(S11851がYES判定の場合)、メインCPU6101は、転落抽選処理を行う(S11852)。
次いで、メインCPU6101は、転落抽選に当選したか否かを判定する(S11853)。
S11853において、メインCPU6101が、転落抽選に当選していないと判定した場合(S11853がNO判定の場合)、メインCPU6101は、特別図柄転落判定処理を終了し、処理を、特別図柄変動開始処理(図341)のS11826の処理に戻す。
一方、S11853において、メインCPU6101が、転落抽選に当選したと判定した場合(S11853がYES判定の場合)、メインCPU6101は、特別図柄確変状態フラグをクリア(オフ)する(S11854)。この処理により、遊技状態が確変遊技状態から通常遊技状態に転落(移行)する。
次いで、メインCPU6101は、特別図柄確変状態報知フラグをクリア(オフ)する(S11855)。
次いで、メインCPU6101は、残りの時短回数が「0」である(時短回数=0)か否かを判定する(S11856)。
S11856において、メインCPU6101が、残りの時短回数が「0」でないと判定した場合(S11856がNO判定の場合)、メインCPU6101は、後述のS11860の処理を行う。
一方、S11856において、メインCPU6101が、残りの時短回数が「0」であると判定した場合(S11856がYES判定の場合)、メインCPU6101は、特別図柄時短状態フラグをクリア(オフ)する(S11857)。この処理により、時短遊技状態が終了する。なお、特別図柄時短状態フラグは、現在の遊技状態が時短遊技状態であるか否かを示すフラグであり、現在の遊技状態が時短遊技状態である場合にオン状態にセットされる。特別図柄時短状態フラグの値は、メインRAM6103内に設けられた特別図柄時短状態フラグ領域に格納される。
次いで、メインCPU6101は、特別図柄時短状態報知フラグをクリア(オフ)する(S11858)。なお、特別図柄時短状態報知フラグは、現在の遊技状態が時短遊技状態であることを報知するか否かを示すフラグであり、現在の遊技状態が時短遊技状態であることを報知する場合にオン状態にセットされる。すなわち、特別図柄時短状態報知フラグは、時短ランプを点灯させるか否かを示すフラグであり、特別図柄時短状態フラグがオン状態であれば時短ランプが点灯し、オフ状態であれば時短ランプは消灯する。それゆえ、S11858の処理により、時短ランプが消灯する。なお、特別図柄時短状態報知フラグの値は、メインRAM6103内に設けられた特別図柄時短状態報知フラグ領域に格納される。
次いで、メインCPU6101は、第1大当り信号延長フラグのセット処理を行う(S11859)。この処理により、第1大当り信号延長フラグがオン状態にセットされ、第1大当り信号(外部信号)の出力が延長される。すなわち、特別図柄の変動開始前に行われる転落抽選で転落が確定し、その際に時短遊技状態も終了する場合には、第1大当り信号延長の出力が延長される。なお、第1大当り信号延長フラグは、転落確定時の特別図柄の変動終了時にリセット(オフ)されるので、第1大当り信号の出力は、当該変動表示の終了時まで延長される。
S11859の処理後、又は、S11856がNO判定の場合、メインCPU6101は、データ選択オフセット加算値にオフセット加算値「2」をセットする(S11860)。次いで、メインCPU6101は、特別図柄演出モード管理処理を行う(S11861)。この処理では、メインCPU6101は、セットされたデータ選択オフセット加算値に基づいて、特別図柄の変動パターンテーブル(演出変動パターン)の選択処理を行う。なお、特別図柄演出モード管理処理の詳細については、後述の図344を参照しながら後で説明する。
そして、S11861の処理後、メインCPU6101は、特別図柄転落判定処理を終了し、処理を、特別図柄変動開始処理(図341)のS11826の処理に戻す。
[特別図柄演出モード管理処理]
次に、図344を参照して、特別図柄転落判定処理(図343参照)中のS11861で行う特別図柄演出モード管理処理について説明する。図343は、特別図柄演出モード管理処理の手順を示すフローチャートである。
まず、メインCPU6101は、特別図柄変動パターン選択テーブルの組み合わせ(後述の変動パターンテーブル)の決定処理を行う(S11871)。この処理では、メインCPU6101は、セットされているデータ選択オフセット加算値に基づいて、特別図柄変動パターン選択テーブル選択データテーブル(不図示)から特別図柄変動パターン選択テーブルの組み合わせ(不図示)を決定する。
次いで、メインCPU6101は、決定された図柄変動パターン選択テーブルの組み合わせを演出変動テーブルとしてセットする(S11872)。そして、S11872の処理後、メインCPU6101は、特別図柄演出モード管理処理を終了するとともに、特別図柄転落判定処理(図343)も終了する。
本実施形態のパチンコ遊技機では、大当り遊技終了後の特別図柄の変動パターンを決定する際に使用される変動パターンテーブルのグループが複数種設けられている。また、各グループには、確変遊技状態中において特別図柄の変動パターンを決定する際に使用される変動パターンテーブル(以下、「確変中変動パターンテーブル」という)、転落時において特別図柄の変動パターンを決定する際に使用される変動パターンテーブル(以下、「転落時変動パターンテーブル」という)、及び、転落後(通常遊技状態中)において特別図柄の変動パターンを決定する際に使用される変動パターンテーブル(以下、「通常中変動パターンテーブル」という)が設けられている。
そして、転落時以外(通常時)では、特定図柄の変動表示終了時に、変動パターンテーブルとして確変中変動パターンテーブル又は通常中変動パターンテーブルが遊技状況に応じて選択され、該選択された変動パターンテーブルから次の特別図柄の変動パターンが決定される。また、本実施形態では、確変遊技状態において特別図柄の変動開始前(遊技開始時)に行われる転落抽選で転落が決定された場合には、当該転落決定時に、変動パターンテーブルとして転落時変動パターンテーブルが選択され、該選択された転落時変動パターンテーブルから当該変動表示の変動パターンが決定される。
なお、各変動パターンテーブルは、S11872で演出変動テーブルとしてセットされる、複数の特別図柄変動パターン選択テーブルの組み合わせで構成される。また、変動パターンテーブルを構成する各特別図柄変動パターン選択テーブルには当該特別図柄変動パターン選択テーブルが使用される特別図柄の変動回数(変動回数期間)が対応付けられている。このような構成の変動パターンテーブルがセットされると、特別図柄の変動回数(変動回数期間)に応じて使用される特別図柄変動パターン選択テーブルが変化する。
例えば、いま、一つの変動パターンテールが3つの特別図柄変動パターン選択テーブル(特別図柄変動パターン選択テーブルA、B、C)の組み合わせで構成され、特別図柄変動パターン選択テーブルAが1回目〜100回目までの変動回数(変動回数期間)が対応付けられ、特別図柄変動パターン選択テーブルBが101回目〜300回目までの変動回数(変動回数期間)が対応付けられ、特別図柄変動パターン選択テーブルCが301回目以降の変動回数(変動回数期間)が対応付けられている場合を考える。この場合、当該変動パターンテールが演出変動テーブルとしてセットされると、1回目〜100回目までの変動回数の期間では、特別図柄の変動パターンは特別図柄変動パターン選択テーブルAを使用して決定され、101回目〜300回目までの変動回数の期間では、特別図柄の変動パターンは特別図柄変動パターン選択テーブルBを使用して決定され、301回目以降の変動回数の期間では、特別図柄の変動パターンは特別図柄変動パターン選択テーブルCを使用して決定される。
本実施形態では、変動パターンテーブル(特別図柄変動パターン選択テーブルの組み合わせ(演出グループ))の選択及び変更処理は、上述のように、データ選択オフセット加算値に基づいて行われ、データ選択オフセット加算値が「0」である場合には、通常中変動パターンテーブルが選択され、データ選択オフセット加算値が「1」である場合には、確変中変動パターンテーブルが選択され、データ選択オフセット加算値が「2」である場合には、転落時変動パターンテーブルが選択される。なお、データ選択オフセット加算値が「2」にセットされるのは、確変遊技状態の遊技開始時に転落抽選に当選した場合であるので、この場合には、転落抽選前にセットされているデータ選択オフセット加算値「1」が「2」に変更され、この変更後のデータ選択オフセット加算値「2」に基づいて、変動パターンテーブルが、転落時変動パターンテーブルに変更される。
このようなデータ選択オフセット加算値と変動パターンテーブル(特別図柄変動パターン選択テーブルの組み合わせ)との対応構成を設けた場合、特別図柄の変動パターンテーブル(演出変動テーブル)の決定処理では、使用する変動パターンテーブルのグループ(上述の特別図柄変動パターン選択テーブル選択データテーブル)を設定した後、当該グループ内において遊技状況に応じたオフセット値(データ選択オフセット加算値)分だけアドレスを移動させるだけで、遊技状況に応じた変動パターンテーブルを選択することができる。この場合、変動パターンテーブルの選択処理を簡略化することができる(各変動パターンテーブルのアドレス取得処理が不要になる)。この結果、本実施形態では、主制御回路6100で管理する処理プログラムの容量を削減することができるとともに、主制御回路6100で行われる処理をより効率よく実行し、主制御回路6100の処理負荷を軽減することができる。
(演出変動テーブルの選択手法の変形例)
なお、大当り遊技終了後の遊技状況に応じた変動パターンテーブル(特別図柄変動パターン選択テーブルの組み合わせ)の選択手法(以下、「演出変動テーブルの選択手法」という)は、本実施形態の例に限定されない。ここで、図345を参照しながら、遊技状況に応じた演出変動テーブル(変動パターンテーブル)の選択手法の別例を説明する。図345は、この例の演出変動テーブルの選択処理で用いられる特別図柄変動パターン選択テーブル選択データテーブル、特別図柄変動パターン選択テーブル群、及び、特別図柄変動パターン選択オフセットテーブルの概略構成を示す図である。
なお、特別図柄変動パターン選択テーブル選択データテーブルには、選択可能な複数種の特別図柄変動パターン選択テーブル群(図345の例では、特別図柄変動パターン選択テーブル群0〜3)の格納アドレスに関するデータ(特別図柄変動パターン選択テーブル選択データテーブルの先頭アドレスからの相対アドレス)が規定される。特別図柄変動パターン選択テーブル群には、詳細な説明は省略するが、主に、変動回数と、特別図柄変動パターン選択オフセットテーブルから演出変動テーブルを選択する際に参照する特別図柄変動パターン選択オフセットテーブル内の基準(先頭)アドレスとの関係が規定される。また、特別図柄変動パターン選択オフセットテーブルには、複数種の演出変動テーブルの格納アドレスに関するデータ(オフセット値:図345の例では、演出変動テーブル0値〜12値)が規定される。
この例では、まず、特別図柄変動パターン選択テーブル選択データパターンを参照して、大当り遊技終了後に使用する特別図柄変動パターン選択テーブル群を選択する。なお、この選択処理では、特別図柄変動パターン選択テーブル群は、例えば、大当り図柄、遊技状態、大当りに当選した際の乱数値などに応じて決定されるようにしてもよい。また、特別図柄変動パターン選択テーブル群を選択する際に、新たに抽選を行って選択するようにしてもよい。この場合には、特別図柄変動パターン選択テーブル群をランダムに決定することができる。
次いで、選択された特別図柄変動パターン選択テーブル群と現在の変動回数とに応じて、特別図柄変動パターン選択オフセットテーブルに規定している複数種の演出変動テーブルの格納アドレスに関するデータ(オフセット値)から、使用候補となる演出変動テーブルの基準(先頭)となる演出変動テーブルの格納アドレスに関するデータ(基準アドレス、基準オフセット値)を決定する。この決定処理は、大当り遊技終了後からの変動回数に応じて、特別図柄変動パターン選択オフセットテーブルの先頭アドレスから何番目のアドレスに格納されているデータを基準とするかを決定する処理である。例えば、変動回数が20回目である場合には、特別図柄変動パターン選択オフセットテーブルの先頭アドレスから6番目のアドレスに格納されているデータを基準とし、変動回数が30回目である場合には、特別図柄変動パターン選択オフセットテーブルの先頭アドレスから9番目のアドレスに格納されているデータを基準とすることなどが、この決定処理で決定される。
そして、上記決定処理で決定された基準となる演出変動テーブルの格納アドレスに関するデータ(基準アドレス)に、遊技状態に応じたデータ選択オフセット加算値(「0」〜「2」のいずれか)を加算し、使用する演出変動テーブルの格納アドレスが決定される。
例えば、いま、大当り遊技終了後からの変動回数が20回目である場合において、第2の選択処理により特別図柄変動パターン選択オフセットテーブルの先頭アドレスから6番目のアドレスに格納されているデータを基準とすることが決定された場合を考える。
この場合、例えば、大当り遊技終了後の遊技状態が通常遊技状態中(転落後)であるときには、データ選択オフセット加算値が「0」であるので、基準となる演出変動テーブルの格納アドレスに関するデータ(基準アドレス=6)にデータ選択オフセット加算値「0」を加算したオフセット値は「6」となり、特別図柄変動パターン選択オフセットテーブルの先頭アドレスから6番目のアドレスに格納されているデータ(相対アドレス値:図345に示す例では「演出変動テーブル10値」)に格納された演出変動テーブルが通常中変動パターンテーブルとして使用(選択)される。
また、この場合、例えば、大当り遊技終了後の遊技状態が確変遊技状態であるときには、データ選択オフセット加算値が「1」であるので、基準となる演出変動テーブルの格納アドレスに関するデータ(基準アドレス=6)にデータ選択オフセット加算値「1」を加算したオフセット値は「7」となり、特別図柄変動パターン選択オフセットテーブルの先頭アドレスから7番目のアドレスに格納されているデータ(相対アドレス値:図345に示す例では「演出変動テーブル7値」)に格納された演出変動テーブルが確変中変動パターンテーブルとして使用(選択)される。
また、この場合、例えば、大当り遊技終了後の遊技状態が転落確定時であるときには、データ選択オフセット加算値が「2」であるので、基準となる演出変動テーブルの格納アドレスに関するデータ(基準アドレス=6)にデータ選択オフセット加算値「2」を加算したオフセット値は「8」となり、特別図柄変動パターン選択オフセットテーブルの先頭アドレスから8番目のアドレスに格納されているデータ(相対アドレス値:図345に示す例では「演出変動テーブル2値」)に格納された演出変動テーブルが転落時変動パターンテーブルとして使用(選択)される。
上述のように、演出変動テーブルの選択手法の上記変形例では、選択された特別図柄変動パターン選択テーブル群の種別及び現在の変動回数に応じて、大当り遊技終了後の使用候補となる複数種の演出変動テーブル群の選択基準(先頭アドレス)を決定し、当該選択基準と、大当り遊技終了後の遊技状態(データ選択オフセット加算値)とに応じて、大当り遊技終了後に使用する演出変動テーブルが複数種の演出変動テーブル群の中から決定される。
なお、特別図柄変動パターン選択オフセットテーブルでは、上述のように、変動回数に応じて使用候補となる複数の演出変動テーブルの格納アドレスに関するデータ(オフセット値)がアドレス上、連続して配置された構成となっているので、特別図柄変動パターン選択オフセットテーブルは、変動回数に応じて何れの範囲(特別図柄変動パターン選択オフセットテーブル内のアドレス範囲)の演出変動テーブルを使用するかが規定されたテーブル群であると表現することもできる。
[特別図柄遊技状態設定処理]
次に、図346を参照して、特別図柄変動開始処理(図341参照)中のS11830で行う特別図柄遊技状態設定処理について説明する。図346は、特別図柄遊技状態設定処理の手順を示すフローチャートである。
まず、メインCPU6101は、大当り確認処理を行う(S11881)。この処理では、メインCPU6101は、特別図柄作業領域テーブル内の特別図柄当りフラグ領域(図301中の第1特別図柄当りフラグ領域又は図303中の第2特別図柄当りフラグ領域)に格納されている値(特別図柄当りフラグ値)を読み出し、当該特別図柄当りフラグ値に基づいて、特別図柄の抽選結果が大当りに対応するものである否かの確認処理を行う。
次いで、メインCPU6101は、大当りであるか否かを判定する(S11882)。
S11882において、メインCPU6101が、大当りでないと判定した場合(S11882がNO判定の場合)、メインCPU6101は、特別図柄遊技状態設定処理を終了し、処理を、特別図柄変動開始処理(図341)のS11831の処理に戻す。一方、メインCPU6101が、大当りであると判定した場合(S11882がYES判定の場合)、メインCPU6101は、確変遊技状態であるか否かを判定する(S11883)。
S11883において、メインCPU6101が、確変遊技状態でないと判定した場合(S11883がNO判定の場合)、メインCPU6101は、特別図柄遊技状態設定処理を終了し、処理を、特別図柄変動開始処理(図341)のS11831の処理に戻す。
一方、S11883において、メインCPU6101が、確変遊技状態であると判定した場合(S11883がYES判定の場合)、メインCPU6101は、特別図柄確変状態フラグをクリア(オフ)する(S11884)。次いで、メインCPU6101は、特別図柄確変状態報知フラグをクリア(オフ)する(S11885)。
次いで、メインCPU6101は、残りの時短回数が「0」でない(時短回数≠0)か否かを判定する(S11886)。
S11886において、メインCPU6101が、残りの時短回数が「0」でないと判定した場合(S11886がYES判定の場合)、メインCPU6101は、特別図柄遊技状態設定処理を終了し、処理を、特別図柄変動開始処理(図341)のS11831の処理に戻す。
一方、S11886において、メインCPU6101が、残りの時短回数が「0」であると判定した場合(S11886がNO判定の場合)、メインCPU6101は、特別図柄時短状態フラグをクリア(オフ)する(S11887)。次いで、メインCPU6101は、特別図柄時短状態報知フラグをクリア(オフ)する(S11888)。この処理により、時短ランプが消灯する。
次いで、メインCPU6101は、第1大当り信号延長フラグをセット(オン)する(S11889)。この処理により、第1大当り信号(外部信号)の出力ポートがオン状態にセットされ、第1大当り信号の出力処理が延長される。そして、S11889の処理後、メインCPU6101は、特別図柄遊技状態設定処理を終了し、処理を、特別図柄変動開始処理(図341)のS11831の処理に戻す。
上述のように、本実施形態では、特別図柄遊技状態設定処理において確変中大当り時に行われる処理(S11884〜S11889)は、特別図柄転落判定処理(図343参照)において転落確定時に行われる処理(S11854〜S11859)と同じ処理となる。それゆえ、両処理において、時短遊技状態終了時(時短回数=0)にはともに、時短ランプが消灯されるが、それが転落確定によるものであるのか、大当りによるものであるのかを認識できないようにすることができる。また、この場合、両処理ではともに、第1大当り信号の出力が延長されるので、データ表示機等を介しても、時短ランプの消灯が転落確定によるものであるのか、大当りによるものであるのかを認識することができない。それゆえ、本実施形態では、時短ランプの消灯時における遊技の興趣を向上させることができる。
[特別図柄変動終了処理]
次に、図347を参照して、特別図柄管理処理(図340参照)中のS11806で行う特別図柄変動終了処理について説明する。図347は、特別図柄変動終了処理の手順を示すフローチャートである。
まず、メインCPU6101は、特別図柄の制御状態番号が「1」であるか否かを判定する(S11891)。
S11891において、メインCPU6101が、特別図柄の制御状態番号が「1」でないと判定した場合(S11891がNO判定の場合)、メインCPU6101は、特別図柄変動終了処理を終了し、処理を、特別図柄管理処理(図340)のS11807の処理に戻す。
一方、S11891において、メインCPU6101が、特別図柄の制御状態番号が「1」であると判定した場合(S11891がYES判定の場合)、メインCPU6101は、特別図柄の確定待ち時間をセットする(S11892)。この処理では、メインCPU6101は、特別図柄作業領域テーブル内の特別図柄待ち時間管理タイマ領域(4バイト)中の上位2バイトタイマに特別図柄の確定待ち時間をセットする。
次いで、メインCPU6101は、特別図柄の制御状態番号に「2」をセットする(S11893)。この特別図柄の制御状態番号の更新処理により、当該特別図柄変動終了処理の終了後に、特別図柄遊技判定処理(S11807)が行われる。
次いで、メインCPU6101は、特別図柄の特別図柄演出停止コマンドの送信予約処理を行う(S11894)。なお、この処理で予約された特別図柄の特別図柄演出停止コマンドの副制御回路6200への送信は、次回のシステムタイマ割込み処理(図307)中の演出制御コマンド送信処理(S11022)で行われる。そして、S11894の処理後、メインCPU6101は、特別図柄変動終了処理を終了し、処理を、特別図柄管理処理(図340)のS11807の処理に戻す。
[特別図柄遊技判定処理]
次に、図348及び図349を参照して、特別図柄管理処理(図340参照)中のS11807で行う特別図柄遊技判定処理について説明する。図348及び図349は、特別図柄遊技判定処理の手順を示すフローチャートである。
まず、メインCPU6101は、特別図柄の制御状態番号が「2」であるか否かを判定する(S11901)。
S11901において、メインCPU6101が、特別図柄の制御状態番号が「2」でないと判定した場合(S11901がNO判定の場合)、メインCPU6101は、特別図柄遊技判定処理を終了し、処理を、特別図柄管理処理(図340)のS11808の処理に戻す。
一方、S11901において、メインCPU6101が、特別図柄の制御状態番号が「2」であると判定した場合(S11901がYES判定の場合)、メインCPU6101は、割込み禁止処理を行う(S11902)。
次いで、メインCPU6101は、大当り確認処理を行う(S11903)。この処理では、メインCPU6101は、特別図柄作業領域テーブル内の特別図柄当りフラグ領域(図301中の第1特別図柄当りフラグ領域又は図303中の第2特別図柄当りフラグ領域)に格納されている値(特別図柄当りフラグ値)を読み出し、当該特別図柄当りフラグ値に基づいて、特別図柄の抽選結果が大当りに対応するものである否かの確認処理を行う。
次いで、メインCPU6101は、大当り時であるか否かを判定する(S11904)。
S11904において、メインCPU6101が、大当り時であると判定した場合(S11904がYES判定の場合)、メインCPU6101は、後述のS11908の処理を行う。
一方、S11904において、メインCPU6101が、大当り時でないと判定した場合(S11904がNO判定の場合)、メインCPU6101は、遊技状態管理処理を行う(S11905)。この処理では、メインCPU6101は、主に、遊技状態の管理に係る各種フラグ及び各種カウンタの更新処理を行う。なお、遊技状態管理処理の詳細については、後述の図350を参照しながら後で説明する。
次いで、メインCPU6101は、特別図柄遊技終了処理を行う(S11906)。なお、特別図柄遊技終了処理の詳細については、後述の図351を参照しながら後で説明する。
次いで、メインCPU6101は、割込み許可処理を行う(S11907)。そして、S11907の処理後、メインCPU6101は、特別図柄遊技判定処理を終了し、処理を、特別図柄管理処理(図340)のS11808の処理に戻す。
ここで、再度、S11904の処理に戻って、S11904がYES判定の場合、メインCPU6101は、第1大当り信号延長フラグをクリア(オフ)する(S11908)。この処理により、第1大当り信号の出力が停止する。次いで、メインCPU6101は、大当り時の変動表示の開始設定を行う(S11909)。この処理では、メインCPU6101は、外部端子板を介して出力される特別図柄当り信号(大当り信号)のセット処理を行う。
次いで、メインCPU6101は、指定された特別図柄に応じたラウンド表示LEDデータのセット処理を行う(S11910)。次いで、メインCPU6101は、指定された特別図柄に応じた大入賞口開放回数の上限値のセット処理を行う(S11911)。
次いで、メインCPU6101は、指定された特別図柄に応じた大入賞口動作選択オフセット値のセット処理を行う(S11912)。なお、大入賞口動作選択オフセット値は、大入賞口開閉動作パターンを選択テーブルから決定する際の当該選択テーブルの先頭アドレスからの相対アドレスである。次いで、メインCPU6101は、指定された特別図柄に応じた大当り信号(外部信号)のセット処理を行う(S11913)。
次いで、メインCPU6101は、特別図柄当り開始表示時間をセットする(S11914)。この処理では、メインCPU6101は、特別図柄作業領域テーブル内の特別図柄待ち時間管理タイマ領域(4バイト)中の上位2バイトタイマに特別図柄当り開始表示時間をセットする。
次いで、メインCPU6101は、特別図柄の制御状態番号に「3」をセットする(S11915)。この特別図柄の制御状態番号の更新処理により、当該特別図柄遊技判定処理の終了後に、大入賞口開放準備処理(S11808)が行われる。
次いで、メインCPU6101は、特別図柄の遊技状態指定パラメータ設定処理を行う(S11916)。この処理では、メインCPU6101は、特別図柄作業領域テーブル内の制御番号領域、遊技状態指定パラメータ領域及び演出変動テーブルパラメータ領域の設定(更新)処理、遊技状態指定パラメータの転送処理を行う。
次いで、メインCPU6101は、特別図柄当り開始表示コマンドの送信予約処理を行う(S11917)。なお、この処理で予約された特別図柄当り開始表示コマンドの副制御回路6200への送信は、次回のシステムタイマ割込み処理(図307)中の演出制御コマンド送信処理(S11022)で行われる。
次いで、メインCPU6101は、割込み許可処理を行う(S11918)。そして、S11918の処理後、メインCPU6101は、特別図柄遊技判定処理を終了し、処理を、特別図柄管理処理(図340)のS11808の処理に戻す。
[遊技状態管理処理]
次に、図350を参照して、特別図柄遊技判定処理(図348及び図349参照)中のS11905で行う遊技状態管理処理について説明する。図350は、遊技状態管理処理の手順を示すフローチャートである。
まず、メインCPU6101は、時短状態変動回数カウンタの値を1減算する(S11921)。なお、時短状態変動回数カウンタは、残りの時短回数を計数するためのカウンタであり、その計数値は、メインRAM6103内の時短状態変動回数カウンタ領域に格納される。
次いで、メインCPU6101は、残りの時短回数が「0」でない(時短回数≠0)か否かを判定する(S11922)。S11922において、メインCPU6101が、残りの時短回数が「0」でないと判定した場合(S11922がYES判定の場合)、メインCPU6101は、後述のS11926の処理を行う。
一方、S11922において、メインCPU6101が、残りの時短回数が「0」であると判定した場合(S11922がNO判定の場合)、メインCPU6101は、特別図柄確変状態フラグの値が「0」でないか否かを判定する(S11923)。S11923において、メインCPU6101が、特別図柄確変状態フラグの値が「0」でないと判定した場合(S11923がYES判定の場合)、メインCPU6101は、後述のS11926の処理を行う。
一方、S11923において、メインCPU6101が、特別図柄確変状態フラグの値が「0」であると判定した場合(S11923がNO判定の場合)、メインCPU6101は、特別図柄時短状態フラグをクリア(オフ)する(S11924)。次いで、メインCPU6101は、特別図柄時短状態報知フラグをクリア(オフ)する(S11925)。この処理により、時短ランプが消灯する。
S11925の処理後、又は、S11922或いはS11923がYES判定の場合、メインCPU6101は、演出変動回数カウンタの値を1減算する(S11926)。なお、演出変動回数カウンタは、現在セットされている特別図柄変動パターン選択テーブルが使用される残りの変動回数を計数するためのカウンタであり、その計数値は、メインRAM6103内の演出変動回数カウンタに格納される。なお、本実施形態のように、特別図柄の変動パターンを決定するための変動パターンテーブルが特別図柄変動パターン選択テーブルの組み合わせで構成され、各特別図柄変動パターン選択テーブルに当該特別図柄変動パターン選択テーブルが使用される特別図柄の変動回数(変動回数期間)が対応付けられている場合には、変動回数に応じて、使用する特別図柄変動パターン選択テーブルが切り替わる度に、演出変動回数カウンタにセットされる残変動回数(初期値)もセットし直される。
そして、S11926の処理後、メインCPU6101は、遊技状態管理処理を終了し、処理を、特別図柄遊技判定処理(図348及び図349)のS11906の処理に戻す。
[特別図柄遊技終了処理]
次に、図351を参照して、特別図柄遊技判定処理(図348及び図349参照)中のS11906で行う特別図柄遊技終了処理について説明する。図351は、特別図柄遊技終了処理の手順を示すフローチャートである。
まず、メインCPU6101は、第1大当り信号延長フラグをクリア(オフ)する(S11931)。これにより、第1大当り信号の出力が停止される。次いで、メインCPU6101は、特別図柄の制御状態番号に「0」をセットする(S11932)。
次いで、メインCPU6101は、メインRAM6103内の特別図柄確変状態フラグ領域に格納されている値(通常遊技状態では「0」であり、確変遊技状態では「1」である)を入力レジスタのデータ選択オフセット加算値としてセットする(S11933)。
次いで、メインCPU6101は、図344で説明した特別図柄演出モード管理処理を行う(S11934)。この処理では、S11933でセットされたデータ選択オフセット加算値が「0」である場合には、特別図柄の変動パターンを決定するための変動パターンテーブルとして通常中変動パターンテーブルが選択され、S11933でセットされたデータ選択オフセット加算値が「1」である場合には、特別図柄の変動パターンを決定するための変動パターンテーブルとして確変中変動パターンテーブルが選択される。
次いで、メインCPU6101は、特別図柄の遊技状態指定パラメータ設定処理を行う(S11935)。この処理では、メインCPU6101は、特別図柄作業領域テーブル内の遊技状態番号領域、遊技状態指定パラメータ領域及び演出変動テーブルパラメータ領域の設定(更新)処理、遊技状態指定パラメータの転送処理を行う。
次いで、メインCPU6101は、特別図柄遊技終了コマンドの送信予約処理を行う(S11936)。なお、この処理で予約された特別図柄遊技終了コマンドの副制御側への送信は、次回のシステムタイマ割込み処理(図307)中の演出制御コマンド送信処理(S11022)で行われる。そして、S11936の処理後、メインCPU6101は、特別図柄遊技終了処理を終了し、処理を、特別図柄遊技判定処理(図348及び図349)のS11907の処理に戻す。
[特別図柄当り終了処理]
次に、図352を参照して、特別図柄管理処理(図340参照)中のS11811で行う特別図柄当り終了処理について説明する。図352は、特別図柄当り終了処理の手順を示すフローチャートである。
まず、メインCPU6101は、特別図柄の制御状態番号が「6」であるか否かを判定する(S11941)。
S11941において、メインCPU6101が、特別図柄の制御状態番号が「6」でないと判定した場合(S11941がNO判定の場合)、メインCPU6101は、特別図柄当り終了処理を終了するとともに、特別図柄管理処理(図340)も終了する。
一方、S11941において、メインCPU6101が、特別図柄の制御状態番号が「6」であると判定した場合(S11941がYES判定の場合)、メインCPU6101は、割込み禁止処理を行う(S11942)。
次いで、メインCPU6101は、特別図柄当り終了共通データのセット処理を行う(S11943)。次いで、メインCPU6101は、特別図柄当り終了設定データの選択処理を行う(S11944)。
次いで、メインCPU6101は、特別図柄遊技の終了設定処理を行う(S11945)。次いで、メインCPU6101は、図351で説明した特別図柄遊技終了処理を行う(S11946)。なお、この処理により、特別図柄の制御状態番号が「0」に更新される。
次いで、メインCPU6101は、割込み許可処理を行う(S11947)。そして、S11947の処理後、メインCPU6101は、特別図柄当り終了処理を終了するとともに、特別図柄管理処理(図340)も終了する。
<応用例>
上記第2及び第13実施形態では、主に、主制御回路6100で制御される動作、機能について説明したが、これらの動作及び機能は、上記第11実施形態のパチンコ遊技機にも適用可能である。すなわち、上記第11実施形態で説明したサブ制御回路270側で制御される各種機能(演出機能)は、上記第2及び第13実施形態のパチンコ遊技機にも適用可能であり、この場合には、上記第11実施形態で説明した各種機能に基づく各種効果も同様に得られる。
また、上記各種実施形態の説明では、様々な変形例の構成について説明したが、本発明では、特段の不整合が発生しない限り、これらの各種実施形態及び各種変形例の構成を適宜組み合わせて用いることができる。さらに、上記各種実施形態及び上記各種変形例では、遊技機としてパチンコ遊技機を例に挙げ説明したが、本発明はこれに限定されない。上述した本発明の各種技術は、他の遊技機にも、適宜、適用可能であり、例えば、弾球遊技機、ゲーミングマシン、封入式遊技機、スロットマシン及びパチスロ遊技機等の各種遊技機に適用することもできる。
<その他の上記実施形態に係る遊技機の拡張性>
次に、上記各種実施形態及び上記各種変形例に係る遊技機の各種拡張性について説明する。
(1)拡張性1
上記実施形態の遊技機は、例えば、「1」〜「6」の6段階の設定値を、例えばホール関係者によりセットできるように構成されていてもよい。設定値を変更すると、例えば内部抽選における大当り確率(内部当選確率)が変更される。
上記実施形態の遊技機は、遊技媒体を用いて遊技を行い、その遊技の結果に基づいて特典が付与される形態全ての遊技機について、本発明を適用することができる。すなわち、上記実施形態の遊技機は、物理的な遊技者の動作によって遊技媒体が発射されたり投入されたりすることで遊技を行い、その遊技の結果に基づいて遊技媒体が払い出される形態のみならず、主制御回路自体が、遊技者が保有する遊技媒体を電磁的に管理し、封入された遊技機を循環させて行う遊技やメダルレスで行う遊技を可能とするものであってもよい。また、遊技者が保有する遊技媒体を電磁的に管理するのは、主制御回路に装着され(接続され)、遊技媒体を管理する遊技媒体管理装置であってもよい。
主制御回路に接続された遊技媒体管理装置が管理する場合、遊技媒体管理装置は、ROM及びRWM(あるいはRAM)を有して、遊技機に設けられる装置であって、図示しない外部の遊技媒体取扱装置と所定のインターフェイスを介して双方向通信機能に接続されるものであり、遊技媒体の貸出動作(すなわち、遊技者が遊技媒体の投入操作を行う上で、必要な遊技媒体を提供する動作)若しくは遊技媒体の払出に係る役に入賞(当該役が成立)した場合の、遊技媒体の払出動作(すなわち、遊技者に対して遊技媒体の払出を行う上で、必要な遊技媒体を獲得させる動作)、または遊技の用に供する遊技媒体を電磁的に記録する動作を行い得るものとすればよい。また、遊技媒体管理装置は、これら実際の遊技媒体数の管理のみならず、例えば、その遊技媒体数の管理結果に基づいて、遊技機の前面に、保有する遊技媒体数を表示する保有遊技媒体数表示装置(不図示)を設けることとし、この保有遊技媒体数表示装置に表示される遊技媒体数を管理するものであってもよい。すなわち、遊技媒体管理装置は、遊技者が遊技の用に供することができる遊技媒体の総数を電磁的方法により記録し、表示することができるものとすればよい。
また、この場合、遊技媒体管理装置は、遊技者が、記録された遊技媒体数を示す信号を、外部の遊技媒体取扱装置に対して自由に送信させることができる性能を有し、また、遊技者が直接操作する場合の他、記録された遊技媒体数を減ずることができない性能を有し、また、外部の遊技媒体取扱装置との間に外部接続端子板(不図示)が設けられている場合には、その外部接続端子板を介してでなければ、遊技者が、記録された遊技媒体数を示す信号を送信できない性能を有することが望ましいが、遊技媒体管理装置が専用のユニット等を介して遊技機と信号の送受信を行う場合には、信号の送受信を行う専用のユニット又は基板等を介して遊技情報等を受信することも可能である。
遊技機には上記の他、遊技者が操作可能な貸出操作手段、返却(精算)操作手段、外部接続端子板が設けられ、遊技媒体取扱装置には紙幣等の有価価値の投入口、記録媒体(例えばICカード)の挿入口、携帯端末から電子マネー等の入金を行うための非接触通信アンテナ等、その他貸出操作手段、返却操作手段等の各種操作手段、遊技媒体取扱装置側外部接続端子板が設けられるようにしてもよい(いずれも不図示)。
その際の遊技の流れとしては、例えば、遊技者が遊技媒体取扱装置に対しいずれかの方法で有価価値を入金し、上記いずれかの貸出操作手段の操作に基づいて所定数の有価価値を減算し、遊技媒体取扱装置から遊技媒体管理装置に対し減算した有価価値に対応する遊技媒体を増加させる。そして遊技者は遊技を行い、さらに遊技媒体が必要な場合には上記操作を繰り返し行う。その後遊技の結果所定数の遊技媒体を獲得し、遊技を終了する際にはいずれかの返却操作手段を操作することにより遊技媒体管理装置から遊技媒体取扱装置に対し遊技媒体数を送信し、遊技媒体取扱装置はその遊技媒体数を記録した記録媒体を排出する。遊技媒体管理装置は遊技媒体数を送信したときに自身が記憶する遊技媒体数をクリアする。遊技者は排出された記録媒体を景品交換するために景品カウンタ等に持っていくか、または他の台で記録された遊技媒体に基づいて遊技を行うために遊技台を移動する。
なお、上記例では全遊技媒体を遊技媒体取扱装置に対して送信したが、遊技機または遊技媒体取扱装置側で遊技者が所望する遊技媒体数のみを送信し、遊技者が所持する遊技媒体を分割して処理することとしてもよい。また、記録媒体を排出するだけに限らず、現金または現金等価物を排出するようにしてもよいし、携帯端末等に記憶させるようにしてもよい。また、遊技媒体取扱装置は遊技場の会員記録媒体を挿入可能とし、会員記録媒体に貯留して後日再遊技可能とするようにしてもよい。
また、遊技機または遊技媒体取扱装置において、図示しない所定の操作手段を操作することにより遊技媒体取扱装置または遊技媒体管理装置に対し遊技媒体または有価価値のデータ通信をロックするロック操作を実行可能としてもよい。その際にはワンタイムパスワード等遊技者にしか知り得ない情報を設定することや遊技媒体取扱装置に設けられた撮像手段により遊技者を記録するようにしてもよい。
また、上記では、遊技媒体管理装置を、パチンコ遊技機に適用する場合について説明しているが、パチスロ機や、遊技球を用いるスロットマシンや、封入式遊技機においても同様に遊技媒体管理装置を設け、遊技者の遊技媒体が管理されるようにすることもできる。
このように、上述した遊技媒体管理装置を設けることにより、遊技媒体が物理的に遊技に供される場合と比べて、遊技機内部の内部点数を減らすことができ、遊技機の原価および製造コストを削減できるのみならず、遊技者が直接遊技媒体に接触しないようにすることもでき、遊技環境が改善され、騒音も減らすことができるとともに、部品を減らしたことにより遊技機の消費電力を減らすことにもなる。また、遊技媒体や遊技媒体の投入口や排出口を介した不正行為を防止することができる。すなわち、遊技機をとりまく種々の環境を改善することができる遊技機を提供することが可能となる。
また、遊技媒体が外部に排出されずに遊技可能に構成された封入式の遊技機と、該遊技機に対して、遊技媒体の消費、貸出及び払出に伴う遊技媒体の増減に関するデータを、通信ケーブルを介して光信号によって送受信が可能に接続された遊技媒体管理装置と、を有する遊技システムに本発明を適用した場合には、遊技システムを以下のように構成してもよい。
以下に、封入式の遊技機の概略を説明する。封入式の遊技機において、発射装置は、遊技領域の上方に位置し、遊技領域に対して上方から遊技媒体としての遊技球を発射する。遊技者がハンドルを操作すると、払出制御回路により球送りソレノイドが駆動させられ、球送り杵が発射台の方向へと、待機状態の遊技球を押し出す。これにより、遊技球が発射台へ移動する。また、待機位置から発射台への経路には減算センサが設けられており、発射台へ移動する遊技球を検出する。減算センサによって遊技球が検出された場合には、持ち球数が1減算される。このように、遊技領域に対して上方から遊技媒体としての遊技球を発射するように構成されているため、封入式の遊技機では、いわゆる戻り球(ファール球)を回避することができる。そして、遊技領域を転動した後に遊技領域から排出された遊技球は、球磨き装置によって磨かれる。球磨き装置によって磨かれた遊技球は、揚送装置によって上方へと搬送され、発射装置に導かれる。遊技球は封入式の遊技機の外部に排出されずに、当該遊技機において一定数(例えば、50個)の遊技球が一連の経路を循環するように構成されている。
封入式の遊技機では、遊技球が遊技機の外部に排出されないため、遊技球を一時的に保持するための上皿や下皿は設けられていない。封入式の遊技機では遊技球が外部に排出されないことから、遊技者の手元に遊技球があるわけではなく、遊技を行うことにより遊技球が現実に増減するわけではない。封入式の遊技機において、遊技者は遊技媒体管理装置からの貸出により持ち球を得てから遊技を開始する。ここで、持ち球を得るとは、遊技者が、データ管理上、遊技媒体を得ることをいう。そして、発射装置から遊技球から発射されることにより持ち球が消費され、持ち球が減少する。また、遊技球が遊技領域に設けられた各入賞口等を通過することにより、入賞口に応じて設定された条件に従った数だけ払出が行われ、持ち球が増加する。さらに、遊技媒体管理装置からの貸出によっても、持ち球が増加する。なお、「遊技媒体の消費、貸出および払出」とは、持ち球の消費、貸出および払出が行われることを示す。また、「遊技媒体の増減」とは、消費、貸出および払出によって持ち球が増減することを示す。また、「遊技媒体の消費、貸出および払出に伴う遊技媒体の増減に関するデータ」とは遊技球が発射されることによる持ち球の減少と、貸出および払出による持ち球の増加とに関するデータである。
封入式の遊技機は、払出制御回路および操作手段(例えば、タッチパネル式である液晶表示装置であって、遊技機と別体又は一体的に備えられていてもよい)を有していても良いし、遊技媒体管理装置が操作手段(例えば、タッチパネル式である液晶表示装置であって、遊技機と別体又は一体的に備えられていてもよい)を有していても良い。払出制御回路は、遊技球の各入賞口等の通過を検出する各種センサに接続されている。払出制御回路は、持ち球数を管理している。例えば、遊技球が各入賞口を通過した場合には、そのことによる遊技球の払出個数を持ち球数に加算する。また、遊技球が発射されると持ち球数を減算する。払出制御回路は、遊技者の操作により持ち球数に関するデータを遊技媒体管理装置へ送信する。また、上記液晶表示装置(又はタッチパネルなど)は、その設置位置が特に限定されることはないが主に遊技機の下部に位置し、遊技媒体管理装置で管理する遊技価値から持ち球への変換(球貸し)や、持ち球の計数(返却)の要求を受け付ける。そして、これらの要求を、遊技媒体管理装置を介して払出制御回路に伝え、払出制御回路が現在の持ち球数に関するデータを遊技媒体管理装置に送信するように指示する。ここで、「遊技価値」とは、貨幣・紙幣、プリペイド媒体、トークン、電子マネーおよびチケット等であり、遊技媒体管理装置によって持ち球に変換することが可能であるものを示す。なお、上記実施形態において、遊技媒体管理装置は、いわゆるCRユニットであり、紙幣およびプリペイド媒体等を受付可能に構成されている。また、計数された持ち球は、遊技システムが設置される遊技場などにおいて、景品交換等に用いることができる。
また、封入式の遊技機は、バックアップ電源を有している。これにより、夜間等に電源をOFFにした場合であっても、OFFにする直前のデータを保持することができる。また、このバックアップ電源により、例えば、扉開放センサによる扉枠開放の検出を継続して実行させてもよい。これにより、夜間に不正行為を行われることも防止することができる。なお、この場合は、扉枠が開放された回数等の情報を記憶するものであってもよい。さらに、電源が投入された際に、扉枠が開放された回数等の情報を、遊技機の液晶表示装置等に出力するものであってもよい。
遊技媒体管理装置は、遊技機接続基板を有している。遊技媒体管理装置は、遊技機接続基板を介して、遊技機とのデータ(送信信号)の送受信を行うように構成されている。送受信されるデータは、主制御回路に設けられたCPUの固有ID、払出制御回路に設けられたCPUの固有ID、遊技機に記憶された遊技機製造業者コード、セキュリティチップの製造業者コード、遊技機の型式コードなどの情報である。そして、遊技機および前記遊技媒体管理装置のいずれか一方を送信元とし他方を送信先として、送信元が送信信号を送信した際に、上記送信信号を受信した送信先が上記送信信号と同じ信号である確認用信号を上記送信元に送信し、上記送信元は、上記送信信号と上記確認用信号とを比較して、これらが同一か否かを判別するようにしている。
このように、送信元において、送信先から送信された確認用信号を送信信号と比較して、これらが同一か否かを判別することにより、送信元から送信した信号が改ざんされることなく、送信元に送信されていることを確認することができる。これにより、遊技機と遊技媒体管理装置との間での送受信信号を改ざんする等の不正行為を抑制することができる。
また、上記遊技システムにおいて、上記送信元は信号を変調する変調部を有し、該変調部により変調された信号を上記送信信号として送信し、上記送信先は上記変調部により変調された信号を復調する復調部を有することとしてもよい。
これにより、仮に、遊技機と遊技媒体管理装置との間での送受信信号を読み取られたとしても、この信号の解読は困難であり、遊技機と遊技媒体管理装置との間での送受信信号を改ざんする等の不正行為を抑制することができる。
また、上記遊技システムにおいて、上記送信先は、上記送信元からの上記送信信号を受信した際に、上記送信信号を受信したことを示す信号である承認信号を、上記確認用信号とは別に上記送信元に送信することとしてもよい。
これにより、送信信号と確認用信号とを比較することにより、正規の信号の送受信が行われたことを確認するだけでなく、承認信号に基づいて正規の信号の送受信が行われたことを確認することができるので、不正行為の抑制をより強化することができる。
(2)拡張性2
本発明の遊技機では、ソフトウェア上において、ドア開放が設定変更の条件となる。電源投入時に設定キーON+RWM(RAM)クリアスイッチONでさらにドア開放を監視(検知)して初めて設定変更が可能となる。設定値がセットされていない状態では性能表示モニタの4桁には全て「E」が表示される。なお、この際、所定音も発生するが、所定音だけでなく「RWM異常エラーです。」という音声を発生させても良い。設定変更時には、特定音が発生し(「設定変更中です。」という音声も発生させてもよい)、ランプも全点灯する。遊技機の裏面ではRWMクリアスイッチを押す度に設定値が変わり、設定キーを戻す(抜く)と通常の状態に戻る。鍵を回した状態で扉を開けて電源を入れると設定確認状態で裏面では設定値を確認することができ、画面では「設定変更中です。」という文言が表示される。
また、メンテナンスモードが搭載されていてもよい。メンテナンス履歴では、電源ONした時間、設定確認を行った時間、RWM(RAM)異常が発生した時間、設定に係るエラー等が記録される。この場合、例えば、最大200件程度のメンテナンス履歴を記録可能としてもよい。設定履歴では、設定変更及び設定確認の履歴と、設定値とを確認することができる。なお、この履歴は、設定キーが無ければ見ることができない構成となっている。
また、設定変更の表示は、サブ側の制御のみで行っても良いが、メイン側の制御により特図関連表示を全点灯にして表示してもよい。なお、設定変更の表示を特図関連表示を全点灯により行う場合、特別図柄の表示パターンでは、全点灯のパターンは設けられない。また、設定変更履歴は、例えば、最大100件程度まで記録可能であり、メンテナンスモードは、設定確認中にしか作動させることができない。また、履歴はホール(遊技場)では消去することができない。
また、電源基板にはバックアップ機能が設けられているため、盤の切り替え時には、RWM異常となり、性能表示モニタもクリアされる。なお、設定値をセットする最後の確定時にはディレイは入らない。ディレイ中は設定変更状態になる。
(3)拡張性3
パチンコ遊技機においては、前扉の開放検知を行う第1のセンサと、外枠(機枠など)から本体部(盤の保持枠)が移動(開放動作など)したことを検知する第2のセンサとが設けられている。
第1のセンサにより開放検知されているときには設定変更を行えないようにし、第2のセンサにより開放検知されているときには設定変更を行えるようにしても良い。この場合、設定変更を行うために押下されるスイッチは、遊技機背面側にある基板等に設けられており、遊技場の作業員が本体部を動かして、遊技機前方(遊技機の外枠前方)から作業することが保証された状態で設定変更可能になる。なお、本発明はこれに限定されず、第1のセンサ及び第2のセンサの両方により開放検知されているときに設定変更を可能にする構成にしても良いし、第1のセンサにより開放検知されているときに設定変更を可能にする構成にしても良い。
<付記>
[第30及び第31の遊技機]
従来、複数の図柄表示装置(表示領域)を備え、複数の図柄表示装置において同時に識別情報を変動表示可能な機能が設けられたパチンコ遊技機が知られている(例えば、特開2015−150303号公報参照)。
ところで、近年、複数の図柄表示装置で同時に識別情報を変動表示可能な機能を備えたパチンコ遊技機では、このような機能に対する遊技の興趣を高めることが求められている。
本発明は上記第30の課題を解決するためになされたものであり、本発明の第30の目的は、複数の図柄表示装置で同時に識別情報を変動表示可能な機能を備えた遊技機において、このような機能に対する遊技の興趣を高めることが可能な技術を提供することである。
上記第30の目的を達成するために、本発明は、以下のような第30の遊技機を提供する。
第1の開始条件(例えば、第1始動口6044の入賞)の成立を契機として、遊技者に有利な特別遊技状態(例えば、大当り遊技状態)に移行させるか否かを判定する第1の判定手段(例えば、メインCPU6101)と、
前記第1の判定手段による判定結果に基づいて、第1の識別情報(例えば、第1特別図柄)を変動表示する第1の識別情報表示手段(例えば、第1特別図柄表示装置6061)と、
第2の開始条件(例えば、第2始動口6045の入賞)の成立を契機として、遊技者に前記有利な特別遊技状態に移行させるか否かを判定する第2の判定手段(例えば、メインCPU6101)と、
前記第2の判定手段による判定結果に基づいて、第2の識別情報(例えば、第2特別図柄)を変動表示する第2の識別情報表示手段(例えば、第2特別図柄表示装置6062)と、を備え、
前記第1の識別情報表示手段及び前記第2の識別情報表示手段の一方の識別情報表示手段による一方の識別情報の変動表示中に、他方の識別情報表示手段による他方の識別情報の変動表示を開始可能であり、
前記一方の識別情報表示手段による前記一方の識別情報の変動表示を終了するタイミングと、前記他方の識別情報表示手段による前記他方の識別情報の変動表示を開始するタイミングとが重なり、且つ、前記一方の識別情報表示手段に対応する一方の判定結果が前記特別遊技状態に移行させるものである特定の場合には、前記他方の識別情報表示手段に対応する他方の判定結果に基づく前記他方の識別情報の変動表示を開始させない
ことを特徴とする遊技機。
また、前記本発明の第30の遊技機では、前記特定の場合には、所定の制御フラグ(例えば、特別図柄休止フラグ)をオンして、前記他方の識別情報の変動表示を開始させないようにし、前記一方の判定結果に基づいて実行される前記特別遊技状態が終了したときに、前記所定の制御フラグをオフして、前記他方の判定結果に基づく前記他方の識別情報の変動表示を開始させるようにしてもよい。
さらに、前記本発明の第30の遊技機では、前記一方の識別情報が変動表示中であり且つ前記一方の識別情報の変動表示の態様が前記特別遊技状態に移行させるに移行させる態様である場合には、前記他方の識別情報の開始条件が成立しても、前記他方の識別情報に対して前記特別遊技状態に移行させる判定結果を決定しないように制御されるようにしてもよい。
上記第30の目的を達成するために、本発明は、以下のような第31の遊技機を提供する。
第1の開始条件(例えば、第1始動口6044の入賞)の成立を契機として、遊技者に有利な特別遊技状態(例えば、大当り遊技状態)に移行させるか否かを判定する第1の判定手段(例えば、メインCPU6101)と、
前記第1の判定手段による判定結果に基づいて、第1の識別情報(例えば、第1特別図柄)を変動表示する第1の識別情報表示手段(例えば、第1特別図柄表示装置6061)と、
第2の開始条件(例えば、第2始動口6045の入賞)の成立を契機として、遊技者に前記有利な特別遊技状態に移行させるか否かを判定する第2の判定手段(例えば、メインCPU6101)と、
前記第2の判定手段による判定結果に基づいて、第2の識別情報(例えば、第2特別図柄)を変動表示する第2の識別情報表示手段(例えば、第2特別図柄表示装置6062)と、を備え、
前記第1の識別情報表示手段及び前記第2の識別情報表示手段の一方の識別情報表示手段による一方の識別情報の変動表示中に、他方の識別情報表示手段による他方の識別情報の変動表示を開始可能であり、
前記一方の識別情報表示手段による前記一方の識別情報の変動表示を終了するタイミング及び当該タイミングから所定時間前までの期間に、前記他方の識別情報表示手段による前記他方の識別情報の変動表示を開始するタイミングが含まれ、且つ、前記一方の識別情報表示手段に対応する一方の判定結果が前記特別遊技状態に移行させるものである特定の場合には、前記他方の識別情報表示手段に対応する他方の判定結果に基づく前記他方の識別情報の変動表示を開始させない
ことを特徴とする遊技機。
また、前記本発明の第31の遊技機では、前記特定の場合には、前記一方の判定結果に基づいて実行される前記特別遊技状態が終了したときに、前記他方の判定結果に基づく前記他方の識別情報の変動表示を開始させるようにしてもよい。
さらに、前記本発明の第31の遊技機では、前記一方の識別情報が変動表示中であり且つ前記一方の識別情報の変動表示の態様が前記特別遊技状態に移行させるに移行させる態様である場合には、前記他方の識別情報の開始条件が成立しても、前記他方の識別情報に対して前記特別遊技状態に移行させる判定結果を決定しないように制御されるようにしてもよい。
上記構成の本発明の第30及び第31の遊技機によれば、複数の図柄表示装置で同時に識別情報を変動表示可能な機能を備えた遊技機において、このような機能に対する遊技の興趣を高めることができる。
[第32〜第45の遊技機]
従来、複数の図柄表示装置(表示領域)を備え、複数の図柄表示装置において同時に識別情報を変動表示可能な機能が設けられたパチンコ遊技機が知られている(例えば、特開2015−150303号公報参照)。
ところで、上述した遊技機は、通常、識別情報の判定等の主な遊技動作を制御する回路(主制御回路)が実装された主制御基板と、映像の表示等による演出動作を制御する回路(副制御回路)が実装された副制御基板とを備える。遊技動作は、主制御回路に搭載されたCPU(Central Processing Unit)により制御される。この際、CPUの制御により、主制御回路のROM(Read Only Memory)に記憶されたプログラム及び各種テーブルデータ等が主制御回路のRAM(Random Access Memory)に展開され、各種遊技動作に関する処理が実行される。そして、近年、このような遊技機では、主制御回路で行われる処理をより効率よく実行し、主制御回路の処理負荷を軽減できる技術の開発が求められている。
本発明は上記第31の課題を解決するためになされたものであり、本発明の第31の目的は、主制御回路で行われる処理をより効率よく実行し、主制御回路の処理負荷を軽減することが可能な遊技機を提供することである。
上記第31の目的を達成するために、本発明は、以下のような第32の遊技機を提供する。
遊技の動作を制御するための演算処理を行う演算処理手段(例えば、メインCPU6101)と、
前記演算処理手段による前記演算処理の実行に必要な情報が記憶される記憶手段(例えば、メインRAM6103)と、を備え、
前記記憶手段には、2つの作業領域が設けられ、
各作業領域を使用して処理が実施される情報には、使用する作業領域に対応付けられた特定情報(例えば、識別子)が付加されており、
前記演算処理手段は、前記2つの作業領域うちの一方の作業領域を使用して情報の処理を行う場合には、処理対象となる情報に付加された前記特定情報に基づいて、使用する作業領域を選択する
ことを特徴とする遊技機。
また、前記本発明の第32の遊技機では、前記特定情報は、対応する作業領域のアドレスを構成する上位側のアドレスデータであり、
前記演算処理手段による作業領域の選択処理では、前記演算処理手段は、前記特定情報に基づいて、使用する作業領域のアドレスを指定するようにしてもよい。
上記第31の目的を達成するために、本発明は、以下のような第33の遊技機を提供する。
第1の開始条件(例えば、第1始動口6044の入賞)の成立を契機として、第1の識別情報(例えば、第1特別図柄)を変動表示する第1の識別情報表示手段(例えば、第1特別図柄表示装置6061)と、
第2の開始条件(例えば、第2始動口6045の入賞)の成立を契機として、第2の識別情報(例えば、第2特別図柄)を変動表示する第2の識別情報表示手段(例えば、第2特別図柄表示装置6062)と、
前記識別情報の変動表示の動作を制御するための演算処理を行う演算処理手段(例えば、メインCPU6101)と、
前記演算処理手段による前記演算処理の実行に必要な情報が記憶される記憶手段(例えば、メインRAM6103)と、を備え、
前記記憶手段には、第1の作業領域及び第2の作業領域が設けられ、
前記演算処理手段による前記第1の識別情報の変動表示に係る処理は、前記第1の作業領域を使用して行われ、
前記演算処理手段による前記第2の識別情報の変動表示に係る処理は、前記第2の作業領域を使用して行われ、
前記第1の識別情報の変動表示に係る処理で処理対象となる情報には、前記第1の作業領域に対応付けられた第1の特定情報(例えば、識別子)が付加され、
前記第2の識別情報の変動表示に係る処理で処理対象となる情報には、前記第2の作業領域に対応付けられた第2の特定情報が付加され、
前記演算処理手段は、
前記第1の識別情報の変動表示に係る処理を行う際には、処理対象となる情報に付加された前記第1の特定情報に基づいて、前記第1の作業領域を選択し、
前記第2の識別情報の変動表示に係る処理を行う際には、処理対象となる情報に付加された前記第2の特定情報に基づいて、前記第2の作業領域を選択する
ことを特徴とする遊技機。
また、前記本発明の第33の遊技機では、前記第1の特定情報は、前記第1の作業領域のアドレスを構成する上位側のアドレスデータであり、前記第2の特定情報は、前記第2の作業領域のアドレスを構成する上位側のアドレスデータであり、
前記演算処理手段による作業領域の選択処理では、前記演算処理手段は、特定情報に基づいて、使用する作業領域のアドレスを指定するようにしてもよい。
上記第31の目的を達成するために、本発明は、以下のような第34の遊技機を提供する。
第1の開始条件(例えば、第1始動口6044の入賞)の成立を契機として、第1の識別情報(例えば、第1特別図柄)を変動表示する第1の識別情報表示手段(例えば、第1特別図柄表示装置6061)と、
第2の開始条件(例えば、第2始動口6045の入賞)の成立を契機として、第2の識別情報(例えば、第2特別図柄)を変動表示する第2の識別情報表示手段(例えば、第2特別図柄表示装置6062)と、
前記識別情報の変動表示の動作を制御するための演算処理を行う演算処理手段(例えば、メインCPU6101)と、
前記演算処理手段による前記第1の識別情報の変動表示に係る処理の実行時に使用される情報が格納された第1のデータテーブル(例えば、第1特別図柄作業領域テーブル)と、
前記演算処理手段による前記第2の識別情報の変動表示に係る処理の実行時に使用される情報が格納された第2のデータテーブル(例えば、第2特別図柄作業領域テーブル)と、を備え、
前記第1のデータテーブルには、前記第1の識別情報に関する所定の情報の格納領域のアドレスから所定のオフセット値分離れたアドレスの格納領域に、前記所定の情報と同種の前記第2の識別情報に関する情報が格納されるとともに、最後尾の格納領域に前記第2のデータテーブルのアドレスが格納され、
前記第2のデータテーブルには、前記第2の識別情報に関する特定の情報の格納領域のアドレスから前記所定のオフセット値分離れたアドレスの格納領域に、前記特定の情報と同種の前記第1の識別情報に関する情報が格納されるとともに、最後尾の格納領域に前記第1のデータテーブルのアドレスが格納され、
前記第1の識別情報の変動表示に係る処理において、前記第1のデータテーブル内に格納されている前記所定の情報と同種の前記第2の識別情報に関する情報を読み出す際には、前記演算処理手段は、前記所定の情報の格納領域のアドレスを基準アドレスとし、当該基準アドレスに対して前記所定のオフセット値分、アドレスを補正し、補正後のアドレスに基づいて前記所定の情報と同種の前記第2の識別情報に関する情報を読み出し、
前記第2の識別情報の変動表示に係る処理において、前記第2のデータテーブル内に格納されている前記特定の情報と同種の前記第1の識別情報に関する情報を読み出す際には、前記演算処理手段は、前記特定の情報の格納領域のアドレスを基準アドレスとし、当該基準アドレスに対して前記所定のオフセット値分、アドレスを補正し、補正後のアドレスに基づいて前記特定の情報と同種の前記第1の識別情報に関する情報を読み出す
ことを特徴とする遊技機。
また、前記本発明の第34の遊技機では、前記第1の識別情報表示手段及び前記第2の識別情報表示手段の一方の識別情報表示手段による一方の識別情報の変動表示中に、他方の識別情報表示手段による他方の識別情報の変動表示を開始可能であるようにしてもよい。
上記第31の目的を達成するために、本発明は、以下のような第35の遊技機を提供する。
遊技の動作を制御する遊技制御手段(例えば、主制御メイン処理)と、
前記遊技制御手段による制御処理中に、所定周期で割込み処理を実行可能な割込み処理実行手段(例えば、システムタイマ割込み処理)と、
遊技者に対して付与された遊技価値の履歴に関する所定の情報(例えば、ベース値)を表示する表示手段(例えば、性能表示モニタ6070)と、備え、
前記割込み処理実行手段は、
前記遊技制御手段による遊技制御で使用される乱数値の更新処理を行う乱数更新手段(例えば、システムタイマ割込み処理中のS11019)と、
前記表示手段による前記所定の情報の表示処理を制御する表示制御手段(例えば、システムタイマ割込み処理中のS11024)と、
遊技の有利度合を示す設定値の変更処理又は確認処理を制御する設定制御手段(例えば、システムタイマ割込み処理中のS11016)と、を有し、
前記設定制御手段による前記設定値の変更処理又は確認処理は、遊技不許可の状態である場合に実行され、この場合には、前記乱数更新手段による前記乱数値の更新処理、及び、前記表示制御手段による前記所定の情報の表示処理は実行されない
ことを特徴とする遊技機。
また、前記本発明の第35の遊技機では、前記表示手段は、前記設定値も表示可能であるようにしてもよい。
上記第31の目的を達成するために、本発明は、以下のような第36−1の遊技機を提供する。
遊技の動作を制御する遊技制御手段(例えば、主制御メイン処理)と、
前記遊技制御手段による制御処理中に、所定周期で割込み処理を実行可能な割込み処理実行手段(例えば、システムタイマ割込み処理)と、備え、
前記割込み処理実行手段は、遊技の有利度合を示す設定値の変更処理又は確認処理を制御する設定制御手段(例えば、システムタイマ割込み処理中のS11016)を有し、
前記設定制御手段による前記設定値の変更処理又は確認処理は、遊技不許可の状態である場合に実行され、この場合には、遊技許可の状態時に前記割込み処理実行手段により実行される処理が行われない
ことを特徴とする遊技機。
また、上記第31の目的を達成するために、本発明は、以下のような第36−2の遊技機を提供する。
遊技の動作を制御する遊技制御手段(例えば、主制御メイン処理)と、
前記遊技制御手段による制御処理中に、所定周期で割込み処理を実行可能な割込み処理実行手段(例えば、システムタイマ割込み処理)と、備え、
前記割込み処理実行手段は、
起動状態に関する情報を取得する起動情報取得手段(例えば、システムタイマ割込み処理中のS11014)と、
遊技の有利度合を示す設定値の変更処理又は確認処理を制御する設定制御手段(例えば、システムタイマ割込み処理中のS11016)と、を有し、
前記設定制御手段による前記設定値の変更処理又は確認処理は、遊技不許可の状態である場合に実行され、この場合には、遊技許可の状態時に前記割込み処理実行手段により実行される処理が行われず、
遊技許可又は遊技不許可の判定は、前記起動情報取得手段に取得された前記起動状態に関する情報に基づいて行われる
ことを特徴とする遊技機。
上記第31の目的を達成するために、本発明は、以下のような第37の遊技機を提供する。
遊技の動作を制御する遊技制御手段(例えば、主制御メイン処理)と、
前記遊技制御手段による制御処理中に、所定周期で割込み処理を実行可能な割込み処理実行手段(例えば、システムタイマ割込み処理)と、
遊技者に対して付与された遊技価値の履歴に関する所定の情報(例えば、ベース値)を表示する表示手段(例えば、性能表示モニタ6070)と、備え、
前記割込み処理実行手段は、
前記遊技制御手段による遊技制御で使用される乱数値の更新処理を行う乱数更新手段(例えば、システムタイマ割込み処理中のS11019)と、
前記表示手段による前記所定の情報の表示処理を制御する表示制御手段(例えば、システムタイマ割込み処理中のS11024)と、
遊技の有利度合を示す設定値の変更処理又は確認処理を制御する設定制御手段(例えば、システムタイマ割込み処理中のS11016)と、
前記所定周期を管理するタイマの更新処理を行うタイマ更新手段(例えば、システムタイマ割込み処理中のS11018)と、を有し、
前記設定制御手段による前記設定値の変更処理又は確認処理は、遊技不許可の状態である場合に実行され、この場合には、前記乱数更新手段による前記乱数値の更新処理、前記表示制御手段による前記所定の情報の表示処理、及び、前記タイマ更新手段による前記タイマの更新処理は実行されない
ことを特徴とする遊技機。
また、前記本発明の第37の遊技機では、さらに、前記遊技制御手段による遊技制御に必要な情報が記憶される記憶手段(例えば、メインRAM6103)を備え、
前記記憶手段は、遊技の進行に関係する処理の実行に必要な情報が記憶される第1作業領域(例えば、遊技用RAM領域)、及び、遊技の進行に関係しない処理の実行に必要な情報が記憶される第2作業領域(例えば、領域外RAM領域)を有し、
前記表示制御手段による前記所定の情報の表示処理は、前記第2作業領域を用いて実行されるようにしてもよい。
上記第31の目的を達成するために、本発明は、以下のような第38−1の遊技機を提供する。
遊技の動作を制御する遊技制御手段(例えば、主制御メイン処理)と、
演出の動作を制御する演出制御手段(例えば、副制御回路6200)と、
前記遊技制御手段による制御処理中に、所定周期で割込み処理を実行可能な割込み処理実行手段(例えば、システムタイマ割込み処理)と、を備え、
前記割込み処理実行手段は、
遊技の有利度合を示す設定値の変更処理又は確認処理を制御する設定制御手段(例えば、システムタイマ割込み処理中のS11016)と、
遊技状況に応じてデータを前記遊技制御手段から前記演出制御手段に送信するデータ送信手段(例えば、システムタイマ割込み処理中のS11022)と、を有し、
前記遊技制御手段は、前記設定値の変更処理又は確認処理が行われたことを示す設定操作データを生成する設定操作データ生成手段(例えば、設定操作前処理)を有し、
前記設定操作データ生成手段により生成された前記設定操作データは、当該設定操作データの生成処理後に行われる最初の前記割込み処理において、前記データ送信手段により前記遊技制御手段から前記演出制御手段に送信される
ことを特徴とする遊技機。
また、上記第31の目的を達成するために、本発明は、以下のような第38−2の遊技機を提供する。
遊技の動作を制御する遊技制御手段(例えば、主制御メイン処理)と、
演出の動作を制御する演出制御手段(例えば、副制御回路6200)と、
前記遊技制御手段による制御処理中に、所定周期で割込み処理を実行可能な割込み処理実行手段(例えば、システムタイマ割込み処理)と、を備え、
前記割込み処理実行手段は、
遊技の有利度合を示す設定値の変更処理又は確認処理を制御する設定制御手段(例えば、システムタイマ割込み処理中のS11016)と、
遊技状況に応じてデータを前記遊技制御手段から前記演出制御手段に送信するデータ送信手段(例えば、システムタイマ割込み処理中のS11022)と、を有し、
前記遊技制御手段は、前記設定値の変更処理又は確認処理が行われたことを示す設定操作データを生成する設定操作データ生成手段(例えば、設定操作前処理)を有し、
前記設定操作データ生成手段により生成された前記設定操作データは、当該設定操作データの生成処理後に行われる最初の前記割込み処理において、前記データ送信手段により前記遊技制御手段から前記演出制御手段に送信され、
前記設定操作データの送信の予約処理は、前記遊技制御手段による制御処理中に行われるが、前記割込み処理実行手段による前記割込み処理中では行われない
ことを特徴とする遊技機。
上記第31の目的を達成するために、本発明は、以下のような第39の遊技機を提供する。
遊技の動作を制御する遊技制御手段(例えば、主制御メイン処理)と、
演出の動作を制御する演出制御手段(例えば、副制御回路6200)と、
前記遊技制御手段による制御処理の実行に必要な情報が記憶される記憶手段(例えば、メインRAM6103)と、
前記遊技制御手段による制御処理中に、所定周期で割込み処理を実行可能な割込み処理実行手段(例えば、システムタイマ割込み処理)と、を備え、
前記割込み処理実行手段は、
遊技の有利度合を示す設定値の変更処理又は確認処理を制御する設定制御手段(例えば、システムタイマ割込み処理中のS11016)と、
遊技状況に応じてデータを前記遊技制御手段から前記演出制御手段に送信するデータ送信手段(例えば、システムタイマ割込み処理中のS11022)と、を有し、
前記遊技制御手段は、前記設定値の変更処理又は確認処理が行われたことを示す設定操作データを生成する設定操作データ生成手段(例えば、設定操作前処理)を有し、
前記設定操作データ生成手段により生成された前記設定操作データは、当該設定操作データの生成処理後に行われる最初の前記割込み処理において、前記データ送信手段により前記遊技制御手段から前記演出制御手段に送信され、
前記設定制御手段による前記設定値の変更処理が行われた割込み処理では、前記データ送信手段は、前記記憶手段がクリアされた場合に送信される特定のデータ(例えば、初期化コマンド)と同じデータを前記遊技制御手段から前記演出制御手段に送信し、
前記設定制御手段による前記設定値の確認処理が行われた割込み処理では、前記データ送信手段は、電源が復帰した場合に送信される所定のデータ(例えば、電断復帰コマンド)と同じデータを前記遊技制御手段から前記演出制御手段に送信する
ことを特徴とする遊技機。
上記第31の目的を達成するために、本発明は、以下のような第40の遊技機を提供する。
遊技の動作を制御する遊技制御手段(例えば、主制御メイン処理)と、
前記遊技制御手段による制御処理中に、所定周期で割込み処理を実行可能な割込み処理実行手段(例えば、システムタイマ割込み処理)と、
前記遊技制御手段による制御処理の実行に必要な情報が記憶される記憶手段(例えば、メインRAM6103)と、を備え、
前記遊技制御手段による制御処理では、処理の進行上、前記割込み処理実行手段による前記割込み処理の実行の禁止期間(例えば、主制御メイン処理中のS11221〜S11230)が設けられ、
前記禁止期間中、前記遊技制御手段は、電断発生時の対応処理、遊技制御で使用される初期乱数値の更新処理、及び、遊技者に対して付与された遊技価値の履歴に関する所定の情報(例えば、ベース値)の更新処理を行い、
前記記憶手段は、遊技の進行に関係する処理の実行に必要な情報が記憶される第1作業領域(例えば、遊技用RAM領域)、及び、遊技の進行に関係しない処理の実行に必要な情報が記憶される第2作業領域(例えば、領域外RAM領域)を有し、
遊技者に対して付与された遊技価値の履歴に関する前記所定の情報の更新処理は、前記第2作業領域を使用して実行される
ことを特徴とする遊技機。
また、前記本発明の第40の遊技機では、遊技者に対して付与された遊技価値の履歴に関する前記所定の情報の更新処理は、遊技可能な場合にのみ実行されるようにしてもよい。
上記第31の目的を達成するために、本発明は、以下のような第41の遊技機を提供する。
遊技の動作を制御する遊技制御手段(例えば、主制御メイン処理)と、
前記遊技制御手段による制御処理中に、所定周期(例えば、2msec)で割込み処理を実行可能な割込み処理実行手段(例えば、システムタイマ割込み処理)と、を備え、
前記遊技制御手段による制御処理では、処理の進行上、前記割込み処理実行手段による前記割込み処理の実行の禁止期間(例えば、主制御メイン処理中のS11221〜S11230:6msec)が設けられ、
前記禁止期間中、前記遊技制御手段は、電断発生時の対応処理、遊技の制御処理で使用される初期乱数値の更新処理、及び、遊技者に対して付与された遊技価値の履歴に関する所定の情報(例えば、ベース値)の更新処理を行い、
前記禁止期間は、前記所定周期の2倍以上の所定数倍である
ことを特徴とする遊技機。
また、前記本発明の第41の遊技機では、前記遊技制御手段による前記禁止期間の処理は、前記遊技制御手段による遊技の進行に関係する制御処理の実行前に行われるようにしてもよい。
上記第31の目的を達成するために、本発明は、以下のような第42−1の遊技機を提供する。
第1の開始条件(例えば、第1始動口6044の入賞)の成立を契機として、遊技者に有利な特別遊技状態(例えば、大当り遊技状態)に移行させるか否かを判定する第1の判定手段(例えば、メインCPU6101)と、
前記第1の判定手段による判定結果に基づいて、第1の識別情報(例えば、第1特別図柄)を変動表示する第1の識別情報表示手段(例えば、第1特別図柄表示装置6061)と、
第2の開始条件(例えば、第2始動口6045の入賞)の成立を契機として、前記特別遊技状態に移行させるか否かを判定する第2の判定手段(例えば、メインCPU6101)と、
前記第2の判定手段による判定結果に基づいて、第2の識別情報(例えば、第2特別図柄)を変動表示する第2の識別情報表示手段(例えば、第2特別図柄表示装置6062)と、を備え、
前記第1の識別情報表示手段及び前記第2の識別情報表示手段の一方の識別情報表示手段による一方の識別情報の変動表示中に、他方の識別情報表示手段による他方の識別情報の変動表示を開始可能であり、
前記他方の識別情報の変動表示時間が経過すると、前記他方の識別情報の変動表示に対する終了時処理を行うことが可能であり、
前記一方の識別情報の変動表示が終了する際に、前記一方の識別情報の変動表示の制御態様を決定するための所定の制御フラグ(例えば、特別図柄休止フラグ)がオン状態にセットされていない場合には、前記一方の識別情報の変動表示の制御処理を、前記一方の識別情報の変動表示の停止態様の結果を判定する処理に移行させることが決定され(例えば、特別図柄変動終了処理中のS11514)、
前記一方の識別情報の変動表示が終了する際に、前記所定の制御フラグがオン状態にセットされておらず、且つ、前記一方の識別情報の変動表示の停止態様の結果が前記特別遊技状態に移行させるものである場合には、前記他方の識別情報の変動表示に対する終了時処理を行わず、前記他方の識別情報の変動表示の制御処理を、前記他方の識別情報の変動表示の停止態様の結果を判定する処理に移行させることが決定可能である(例えば、特別図柄変動終了処理中のS11531)
ことを特徴とする遊技機。
また、上記第31の目的を達成するために、本発明は、以下のような第42−2の遊技機を提供する。
第1の開始条件(例えば、第1始動口6044の入賞)の成立を契機として、遊技者に有利な特別遊技状態(例えば、大当り遊技状態)に移行させるか否かを判定する第1の判定手段(例えば、メインCPU6101)と、
前記第1の判定手段による判定結果に基づいて、第1の識別情報(例えば、第1特別図柄)を変動表示する第1の識別情報表示手段(例えば、第1特別図柄表示装置6061)と、
第2の開始条件(例えば、第2始動口6045の入賞)の成立を契機として、前記特別遊技状態に移行させるか否かを判定する第2の判定手段(例えば、メインCPU6101)と、
前記第2の判定手段による判定結果に基づいて、第2の識別情報(例えば、第2特別図柄)を変動表示する第2の識別情報表示手段(例えば、第2特別図柄表示装置6062)と、を備え、
前記第1の識別情報表示手段及び前記第2の識別情報表示手段の一方の識別情報表示手段による一方の識別情報の変動表示中に、他方の識別情報表示手段による他方の識別情報の変動表示を開始可能であり、
前記他方の識別情報の変動表示時間が経過すると、前記他方の識別情報の変動表示に対する終了時処理を行うことが可能であり、
前記識別情報の変動表示の制御態様を決定するための所定の制御フラグ(例えば、特別図柄休止フラグ)が設けられ、
前記識別情報の変動表示の制御処理の遷移を制御するための制御パラメータ(例えば、特別図柄制御状態番号)が設けられ、
前記一方の識別情報の変動表示が終了する際に、前記一方の識別情報の前記所定の制御フラグがオン状態にセットされていない場合には、前記一方の識別情報の変動表示の制御処理の制御パラメータは、変動表示の終了処理の次の変動表示の制御処理に遷移させるための所定値(例えば、「2」)に更新され(例えば、特別図柄変動終了処理中のS11514)、当該場合において、前記一方の識別情報の変動表示の停止態様の結果が前記特別遊技状態に移行させるものであるときには、前記他方の識別情報の変動表示の制御処理の制御パラメータも前記所定値に更新される(例えば、特別図柄変動終了処理中のS11531)
ことを特徴とする遊技機。
上記第31の目的を達成するために、本発明は、以下のような第43−1の遊技機を提供する。
第1の開始条件(例えば、第1始動口6044の入賞)の成立を契機として、遊技者に有利な特別遊技状態(例えば、大当り遊技状態)に移行させるか否かを判定する第1の判定手段(例えば、メインCPU6101)と、
前記第1の判定手段による判定結果に基づいて、第1の識別情報(例えば、第1特別図柄)を変動表示する第1の識別情報表示手段(例えば、第1特別図柄表示装置6061)と、
第2の開始条件(例えば、第2始動口6045の入賞)の成立を契機として、前記特別遊技状態に移行させるか否かを判定する第2の判定手段(例えば、メインCPU6101)と、
前記第2の判定手段による判定結果に基づいて、第2の識別情報(例えば、第2特別図柄)を変動表示する第2の識別情報表示手段(例えば、第2特別図柄表示装置6062)と、を備え、
前記第1の識別情報表示手段及び前記第2の識別情報表示手段の一方の識別情報表示手段による一方の識別情報の変動表示中に、他方の識別情報表示手段による他方の識別情報の変動表示を開始可能であり、
前記他方の識別情報の変動表示時間が経過すると、前記他方の識別情報の変動表示に対する終了時処理を行うことが可能であり、
前記一方の識別情報の変動表示が終了する際に、前記一方の識別情報の変動表示の制御態様を決定するための所定の制御フラグ(例えば、特別図柄休止フラグ)がオン状態にセットされていない場合には、前記一方の識別情報の変動表示の制御処理を、前記一方の識別情報の変動表示の停止態様の結果を判定する処理に移行させることが決定され(例えば、特別図柄変動終了処理中のS11514)、
前記一方の識別情報の変動表示が終了する際に、前記所定の制御フラグがオン状態にセットされておらず、前記一方の識別情報の変動表示の停止態様の結果が前記特別遊技状態に移行させるものであり、且つ、前記他方の識別情報が変動表示中である場合には、前記他方の識別情報の変動表示に対する終了時処理を行わず、前記他方の識別情報の変動表示の制御処理を、前記他方の識別情報の変動表示の停止態様の結果を判定する処理に移行させることが決定される(例えば、特別図柄変動終了処理中のS11531)
ことを特徴とする遊技機。
また、上記第31の目的を達成するために、本発明は、以下のような第43−2の遊技機を提供する。
第1の開始条件(例えば、第1始動口6044の入賞)の成立を契機として、遊技者に有利な特別遊技状態(例えば、大当り遊技状態)に移行させるか否かを判定する第1の判定手段(例えば、メインCPU6101)と、
前記第1の判定手段による判定結果に基づいて、第1の識別情報(例えば、第1特別図柄)を変動表示する第1の識別情報表示手段(例えば、第1特別図柄表示装置6061)と、
第2の開始条件(例えば、第2始動口6045の入賞)の成立を契機として、前記特別遊技状態に移行させるか否かを判定する第2の判定手段(例えば、メインCPU6101)と、
前記第2の判定手段による判定結果に基づいて、第2の識別情報(例えば、第2特別図柄)を変動表示する第2の識別情報表示手段(例えば、第2特別図柄表示装置6062)と、を備え、
前記第1の識別情報表示手段及び前記第2の識別情報表示手段の一方の識別情報表示手段による一方の識別情報の変動表示中に、他方の識別情報表示手段による他方の識別情報の変動表示を開始可能であり、
前記他方の識別情報の変動表示時間が経過すると、前記他方の識別情報の変動表示に対する終了時処理を行うことが可能であり、
前記識別情報の変動表示の制御態様を決定するための所定の制御フラグ(例えば、特別図柄休止フラグ)が設けられ、
前記識別情報の変動表示の制御処理の遷移を制御するための制御パラメータ(例えば、特別図柄制御状態番号)が設けられ、
前記一方の識別情報の変動表示が終了する際に、前記一方の識別情報の前記所定の制御フラグがオン状態にセットされていない場合には、前記一方の識別情報の変動表示の制御処理の制御パラメータは、変動表示の終了処理の次の変動表示の制御処理に遷移させるための所定値に更新され(例えば、特別図柄変動終了処理中のS11514)、当該場合において、前記一方の識別情報の変動表示の停止態様の結果が前記特別遊技状態に移行させるものであり、且つ、前記他方の識別情報が変動表示中であるときには、前記他方の識別情報の変動表示の制御処理の制御パラメータも前記所定値に更新される(例えば、特別図柄変動終了処理中のS11531)
ことを特徴とする遊技機。
上記第31の目的を達成するために、本発明は、以下のような第44−1の遊技機を提供する。
所定の開始条件(例えば、第1始動口6044の入賞)の成立を契機として、識別情報(例えば、第1特別図柄)を変動表示する識別情報表示手段(例えば、第1特別図柄表示装置6061)と、
前記識別情報の変動表示の動作を制御するための演算処理を行う演算処理手段(例えば、メインCPU6101)と、
前記演算処理手段による前記演算処理において特定期間の管理を行う時間計数手段(例えば、特別図柄待ち時間管理タイマ領域)と、を備え、
前記時間計数手段は、第1の時間計数手段(例えば、上位2バイトタイマ)と、第2の時間計数手段(例えば、下位2バイトタイマ)とで構成され、
前記特定期間が前記第1の時間計数手段及び前記第2の時間計数手段の一方の時間計数手段で計数可能な時間である場合には、前記一方の時間計数手段で前記特定期間の管理を行い(例えば、特別図柄遊技判定処理中のS11554等)、
前記特定期間が前記第1の時間計数手段及び前記第2の時間計数手段の一方の時間計数手段で計数不可能である場合には、まず、前記一方の時間計数手段で前記特定期間の一部の期間の管理し、前記一方の時間計数手段による管理終了後に、他方の時間計数手段で前記特定期間の残り期間を管理する(例えば、特別図柄関連タイマ更新処理)
ことを特徴とする遊技機。
また、前記本発明の第44−1の遊技機では、前記第1の時間計数手段及び前記第2の時間計数手段は、それぞれ、2バイトのタイマで構成されるようにしてもよい。
また、上記第31の目的を達成するために、本発明は、以下のような第44−2の遊技機を提供する。
所定の開始条件(例えば、第1始動口6044の入賞)の成立を契機として、識別情報(例えば、第1特別図柄)を変動表示する識別情報表示手段(例えば、第1特別図柄表示装置6061)と、
前記識別情報の変動表示の動作を制御するための演算処理を行う演算処理手段(例えば、メインCPU6101)と、
前記演算処理手段による前記演算処理において特定期間の管理を行う時間計数手段(例えば、特別図柄待ち時間管理タイマ領域)と、を備え、
前記時間計数手段は、第1の時間計数手段(例えば、上位2バイトタイマ)と、第2の時間計数手段(例えば、下位2バイトタイマ)とで構成され、
前記特定期間が前記第1の時間計数手段及び前記第2の時間計数手段の一方の時間計数手段で計数可能な時間である場合には、前記一方の時間計数手段で前記特定期間の管理を行い(例えば、特別図柄遊技判定処理中のS11554等)、
前記特定期間が前記第1の時間計数手段及び前記第2の時間計数手段の一方の時間計数手段で計数不可能である場合には、まず、前記一方の時間計数手段で前記特定期間の一部の期間の管理し、前記一方の時間計数手段による管理終了後に、他方の時間計数手段で前記特定期間の残り期間を管理し(例えば、特別図柄関連タイマ更新処理)、
前記一方の時間計数手段で計数可能な時間と前記他方の時間計数手段で計数可能な時間とは互いに同じであるが、前記一方の時間計数手段で管理する前記特定期間の一部の期間と前記他方の時間計数手段で管理する前記特定期間の残り期間とは互いに異なる期間である
ことを特徴とする遊技機。
上記第31の目的を達成するために、本発明は、以下のような第45−1の遊技機を提供する。
所定の開始条件(例えば、第1始動口6044の入賞)の成立を契機として、識別情報(例えば、第1特別図柄)を変動表示する識別情報表示手段(例えば、第1特別図柄表示装置6061)と、
前記識別情報の変動表示の動作を制御するための演算処理を行う演算処理手段(例えば、メインCPU6101)と、
前記演算処理手段による前記演算処理において特定期間の管理を行う時間計数手段(例えば、特別図柄待ち時間管理タイマ領域)と、を備え、
前記時間計数手段は、第1の時間計数手段(例えば、上位2バイトタイマ)と、第2の時間計数手段(例えば、下位2バイトタイマ)とで構成され、
前記特定期間が前記識別情報の変動表示期間である場合には、まず、前記第1の時間計数手段及び前記第2の時間計数手段の一方の時間計数手段で前記変動表示期間の一部の期間の管理し、前記一方の時間計数手段による管理終了後に、他方の時間計数手段で前記変動表示期間の残り期間を管理する(例えば、特別図柄関連タイマ更新処理)
ことを特徴とする遊技機。
また、前記本発明の第45−1の遊技機では、前記変動表示期間の一部の期間が前記変動表示期間の前半の期間であり、前記変動表示期間の残りの期間が前記変動表示期間の後半の期間であるようにしてもよい。
また、上記d第31の目的を達成するために、本発明は、以下のような第45−2の遊技機を提供する。
所定の開始条件(例えば、第1始動口6044の入賞)の成立を契機として、識別情報(例えば、第1特別図柄)を変動表示する識別情報表示手段(例えば、第1特別図柄表示装置6061)と、
前記識別情報の変動表示の動作を制御するための演算処理を行う演算処理手段(例えば、メインCPU6101)と、
前記演算処理手段による前記演算処理において特定期間の管理を行う時間計数手段(例えば、特別図柄待ち時間管理タイマ領域)と、を備え、
前記時間計数手段は、第1の時間計数手段(例えば、上位2バイトタイマ)と、第2の時間計数手段(例えば、下位2バイトタイマ)とで構成され、
前記特定期間が前記識別情報の変動表示期間である場合には、まず、前記第1の時間計数手段及び前記第2の時間計数手段の一方の時間計数手段で前記変動表示期間の一部の期間の管理し、前記一方の時間計数手段による管理終了後に、他方の時間計数手段で前記変動表示期間の残り期間を管理し(例えば、特別図柄関連タイマ更新処理)、
前記一方の時間計数手段で管理する前記変動表示期間の一部の期間と前記他方の時間計数手段で管理する前記変動表示期間の残り期間とは互いに異なる期間であり、前記変動表示期間の一部の期間が0となる場合もある
ことを特徴とする遊技機。
上記構成の本発明の第32〜第45の遊技機によれば、主制御回路で行われる処理をより効率よく実行し、主制御回路の処理負荷を軽減することができる。
[第46〜第56の遊技機]
従来、複数の図柄表示装置(表示領域)を備え、複数の図柄表示装置において同時に識別情報を変動表示可能な機能が設けられたパチンコ遊技機が知られている(例えば、特開2015−150303号公報参照)。
ところで、上述した遊技機は、通常、識別情報の判定等の主な遊技動作を制御する回路(主制御回路)が実装された主制御基板と、映像の表示等による演出動作を制御する回路(副制御回路)が実装された副制御基板とを備える。遊技動作は、主制御回路に搭載されたCPU(Central Processing Unit)により制御される。この際、CPUの制御により、主制御回路のROM(Read Only Memory)に記憶されたプログラム及び各種テーブルデータ等が主制御回路のRAM(Random Access Memory)に展開され、各種遊技動作に関する処理が実行される。そして、近年、このような遊技機では、主制御回路で管理する処理プログラムの容量削減が求められている。
本発明は上記第32の課題を解決するためになされたものであり、本発明の第32の目的は、主制御回路で管理する処理プログラムの容量を削減することが可能な遊技機を提供することである。
上記第32の目的を達成するために、本発明は、以下のような第46の遊技機を提供する。
第1の開始条件(例えば、第1始動口6044の入賞)の成立を契機として、第1の識別情報(例えば、第1特別図柄)を変動表示する第1の識別情報表示手段(例えば、第1特別図柄表示装置6061)と、
第2の開始条件(例えば、第2始動口6045の入賞)の成立を契機として、第2の識別情報(例えば、第2特別図柄)を変動表示する第2の識別情報表示手段(例えば、第2特別図柄表示装置6062)と、
前記識別情報の変動表示の動作を制御するための演算処理を行う演算処理手段(例えば、メインCPU6101)と、
前記演算処理手段による前記第1の識別情報の変動表示に係る処理の実行時に使用される情報を呼び出すための参照情報が格納された第1のインデックステーブル(例えば、第1特別図柄関連定義データテーブル)と、
前記演算処理手段による前記第2の識別情報の変動表示に係る処理の実行時に使用される情報を呼び出すための参照情報が格納された第2のインデックステーブル(例えば、第2特別図柄関連定義データテーブル)と、
を備える遊技機。
また、前記本発明の第46の遊技機では、前記第1のインデックステーブル内の最後尾の格納領域には前記第2のインデックステーブルのアドレスが格納され、前記第2のインデックステーブル内の最後尾の格納領域には前記第1のインデックステーブルのアドレスが格納されるようにしてもよい。
上記第32の目的を達成するために、本発明は、以下のような第47−1の遊技機を提供する。
第1の開始条件(例えば、第1始動口6044の入賞)の成立を契機として、第1の識別情報(例えば、第1特別図柄)を変動表示する第1の識別情報表示手段(例えば、第1特別図柄表示装置6061)と、
第2の開始条件(例えば、第2始動口6045の入賞)の成立を契機として、第2の識別情報(例えば、第2特別図柄)を変動表示する第2の識別情報表示手段(例えば、第2特別図柄表示装置6062)と、
前記識別情報の変動表示の動作を制御するための演算処理を行う演算処理手段(例えば、メインCPU6101)と、
前記演算処理手段による前記第1の識別情報の変動表示に係る処理の実行時に使用される情報、及び、前記演算処理手段による前記第2の識別情報の変動表示に係る処理の実行時に使用される情報を呼び出すための参照情報が格納されたインデックステーブルと、
を備える遊技機。
また、前記本発明の第47−1の遊技機では、前記第1の識別情報表示手段及び前記第2の識別情報表示手段の一方の識別情報表示手段による一方の識別情報の変動表示中に、他方の識別情報表示手段による他方の識別情報の変動表示を開始可能であるようにしてもよい。
また、上記第32の目的を達成するために、本発明は、以下のような第47−2の遊技機を提供する。
第1の開始条件(例えば、第1始動口6044の入賞)の成立を契機として、第1の識別情報(例えば、第1特別図柄)を変動表示する第1の識別情報表示手段(例えば、第1特別図柄表示装置6061)と、
第2の開始条件(例えば、第2始動口6045の入賞)の成立を契機として、第2の識別情報(例えば、第2特別図柄)を変動表示する第2の識別情報表示手段(例えば、第2特別図柄表示装置6062)と、
前記識別情報の変動表示の動作を制御するための演算処理を行う演算処理手段(例えば、メインCPU6101)と、
前記演算処理手段による前記第1の識別情報の変動表示に係る処理の実行時に使用される情報、及び、前記演算処理手段による前記第2の識別情報の変動表示に係る処理の実行時に使用される情報を呼び出すための参照情報が格納されたインデックステーブルと、を備え、
前記インデックステーブル内において、前記第1の識別情報の変動表示に係る処理の実行時に使用される情報、及び、前記第2の識別情報の変動表示に係る処理の実行時に使用される情報を呼び出すための参照情報のそれぞれの格納領域のアドレスは、前記インデックステーブルの先頭アドレスからの相対値(例えば、オフセット値)で規定されている
ことを特徴とする遊技機。
上記第32の目的を達成するために、本発明は、以下のような第48の遊技機を提供する。
第1の開始条件(例えば、第1始動口6044の入賞)の成立を契機として、第1の識別情報(例えば、第1特別図柄)を変動表示する第1の識別情報表示手段(例えば、第1特別図柄表示装置6061)と、
第2の開始条件(例えば、第2始動口6045の入賞)の成立を契機として、第2の識別情報(例えば、第2特別図柄)を変動表示する第2の識別情報表示手段(例えば、第2特別図柄表示装置6062)と、
前記識別情報の変動表示の動作を制御するための演算処理を行う演算処理手段(例えば、メインCPU6101)と、
前記演算処理手段による前記第1の識別情報の変動表示に係る処理の実行時に使用される情報が格納された第1のデータテーブル(例えば、第1特別図柄作業領域テーブル)と、
前記演算処理手段による前記第2の識別情報の変動表示に係る処理の実行時に使用される情報が格納された第2のデータテーブル(例えば、第2特別図柄作業領域テーブル)と、を備え、
前記第1のデータテーブルには、前記第1の識別情報に関する所定の情報の格納領域のアドレスから所定のオフセット値分離れたアドレスの格納領域に、前記所定の情報と同種の前記第2の識別情報に関する情報が格納され、
前記第2のデータテーブルには、前記第2の識別情報に関する特定の情報の格納領域のアドレスから前記所定のオフセット値分離れたアドレスの格納領域に、前記特定の情報と同種の前記第1の識別情報に関する情報が格納され、
前記第1の識別情報の変動表示に係る処理において、前記第1のデータテーブル内に格納されている前記所定の情報と同種の前記第2の識別情報に関する情報を読み出す際には、前記演算処理手段は、前記所定の情報の格納領域のアドレスを基準アドレスとし、当該基準アドレスに対して前記所定のオフセット値分、アドレスを補正し、補正後のアドレスに基づいて前記所定の情報と同種の前記第2の識別情報に関する情報を読み出し、
前記第2の識別情報の変動表示に係る処理において、前記第2のデータテーブル内に格納されている前記特定の情報と同種の前記第1の識別情報に関する情報を読み出す際には、前記演算処理手段は、前記特定の情報の格納領域のアドレスを基準アドレスとし、当該基準アドレスに対して前記所定のオフセット値分、アドレスを補正し、補正後のアドレスに基づいて前記特定の情報と同種の前記第1の識別情報に関する情報を読み出す
ことを特徴とする遊技機。
また、前記本発明の第48の遊技機では、前記演算処理手段によるアドレスの補正処理では、前記基準アドレスに前記所定のオフセット値が加算されるようにしてもよい。
上記第32の目的を達成するために、本発明は、以下のような第49の遊技機を提供する。
所定の開始条件(例えば、第2始動口6045の入賞)の成立を契機として、遊技者に有利な特別遊技状態(例えば、大当り遊技状態)及び特定遊技状態(例えば、小当り遊技状態)のいずれかに移行させるか否かを決定する遊技状態移行決定手段(例えば、メインCPU6101)と、
前記遊技状態移行決定手段による決定結果に基づいて、識別情報(例えば、第2特別図柄)を変動表示する識別情報表示手段(例えば、第2特別図柄表示装置6062)と、
前記遊技状態移行決定手段による決定結果が前記特別遊技状態に移行させるものであるか否かを判定する第1の判定手段と、
前記遊技状態移行決定手段による決定結果が前記特定遊技状態に移行させるものであるか否かを判定する第2の判定手段と、を備え、
前記第1の判定手段による判定処理と、前記第2の判定手段による判定処理とでは、共通の処理(例えば、特別図柄当り判定処理)が用いられ、
前記遊技状態移行決定手段により前記特別遊技状態に移行させることが決定される確率が互いに異なる複数種の設定値が設けられ、
前記遊技状態移行決定手段は、前記設定値に応じて決定されたパラメータ(アドレスオフセット値)に基づいて指定された所定の記憶領域に格納されたデータを用いて、前記特別遊技状態及び前記特定遊技状態のいずれかに移行させるか否かを決定する
ことを特徴とする遊技機。
上記第32の目的を達成するために、本発明は、以下のような第50の遊技機を提供する。
所定の開始条件(例えば、第1始動口6044の入賞)の成立を契機として、識別情報(例えば、第1特別図柄)を変動表示する識別情報表示手段(例えば、第1特別図柄表示装置6061)と、
前記識別情報の変動表示の動作を制御するための演算処理を行う演算処理手段(例えば、メインCPU6101)と、
前記演算処理手段による前記演算処理の実行に必要な情報が記憶される記憶手段(例えば、メインRAM6103)と、
前記演算処理手段による前記演算処理の実行時に特定の情報を格納可能な格納手段(例えば、IYレジスタ)と、を備え、
前記演算処理手段は、前記識別情報の変動表示の動作を制御するための演算処理を行う際、当該演算処理に使用される情報が格納されている前記記憶手段内の領域(例えば、特別図柄作業領域テーブル)のアドレス情報を前記格納手段に格納し、前記格納手段に格納された前記アドレス情報に用いて、当該演算処理に必要な情報を前記記憶手段から読み出す
ことを特徴とする遊技機。
また、前記本発明の第50の遊技機では、前記識別情報表示手段は、
第1の開始条件(例えば、第1始動口6044の入賞)の成立を契機として、第1の識別情報(例えば、第1特別図柄)を変動表示する第1の識別情報表示手段(例えば、第1特別図柄表示装置6061)と、
第2の開始条件(例えば、第2始動口6045の入賞)の成立を契機として、第2の識別情報(例えば、第2特別図柄)を変動表示する第2の識別情報表示手段(例えば、第2特別図柄表示装置6062)と、を有し、
前記第1の識別情報表示手段及び前記第2の識別情報表示手段の一方の識別情報表示手段による一方の識別情報の変動表示中に、他方の識別情報表示手段による他方の識別情報の変動表示を開始可能であり、
前記演算処理手段は、
前記第1の識別情報の変動表示の動作を制御するための演算処理を行う場合には、当該演算処理に使用される情報が格納されている前記記憶手段内の第1の領域のアドレス情報を前記格納手段に格納し、前記格納手段に格納された前記第1の領域のアドレス情報に用いて、当該演算処理に必要な情報を前記記憶手段から読み出し、
前記第2の識別情報の変動表示の動作を制御するための演算処理を行う場合には、当該演算処理に使用される情報が格納されている前記記憶手段内の第2の領域のアドレス情報を前記格納手段に格納し、前記格納手段に格納された前記第2の領域のアドレス情報に用いて、当該演算処理に必要な情報を前記記憶手段から読み出すようにしてもよい。
上記第32の目的を達成するために、本発明は、以下のような第51−1の遊技機を提供する。
所定の開始条件(例えば、第1始動口6044の入賞)の成立を契機として、識別情報(例えば、第1特別図柄)を変動表示する識別情報表示手段(例えば、第1特別図柄表示装置6061)と、
前記識別情報の変動表示の動作を制御するための演算処理を行う演算処理手段(例えば、メインCPU6101)と、
前記演算処理手段による前記演算処理の実行に必要な情報が記憶される記憶手段(例えば、メインRAM6103)と、
前記演算処理手段による前記演算処理の実行時に特定の情報を格納可能なレジスタ(例えば、IYレジスタ)と、を備え、
前記演算処理手段は、前記識別情報の変動表示の動作を制御するための演算処理を行う際、当該演算処理に使用される情報が格納されている前記記憶手段内の領域(例えば、特別図柄作業領域テーブル)のアドレス情報を前記レジスタに格納し、前記レジスタに格納された前記アドレス情報に用いて、当該演算処理に必要な情報を前記記憶手段から読み出す
ことを特徴とする遊技機。
また、上記第32の目的を達成するために、本発明は、以下のような第51−2の遊技機を提供する。
所定の開始条件(例えば、第1始動口6044の入賞)の成立を契機として、識別情報(例えば、第1特別図柄)を変動表示する識別情報表示手段(例えば、第1特別図柄表示装置6061)と、
前記識別情報の変動表示の動作を制御するための演算処理を行う演算処理手段(例えば、メインCPU6101)と、
前記演算処理手段による前記演算処理の実行に必要な情報が記憶される記憶手段(例えば、メインRAM6103)と、
前記演算処理手段による前記演算処理の実行時に特定の情報を格納可能な第1のレジスタ(例えば、IYレジスタ)と、
前記演算処理手段による前記演算処理の実行時に所定の情報を格納可能な第2のレジスタ(例えば、IXレジスタ)と、を備え、
前記演算処理手段は、
前記識別情報の変動表示の動作を制御するための演算処理を行う際、
当該演算処理に使用される情報が格納されている前記記憶手段内の第1の領域(例えば、特別図柄作業領域テーブル)のアドレス情報を前記第1のレジスタに格納し、前記第1のレジスタに格納された前記アドレス情報に用いて、当該演算処理に必要な情報を前記記憶手段から読み出し、
当該演算処理の実行時に使用される情報を呼び出すための参照情報が格納されている前記記憶手段内の第2の領域(例えば、特別図柄関連定義データテーブル)のアドレス情報を前記第2のレジスタに格納し、前記第2のレジスタに格納された前記アドレス情報に用いて、当該演算処理に必要な前記参照情報を前記記憶手段から読み出す
ことを特徴とする遊技機。
上記第32の目的を達成するために、本発明は、以下のような第52の遊技機を提供する。
遊技の動作を制御する遊技制御手段(例えば、主制御メイン処理)と、
前記遊技制御手段による制御処理の実行に必要な情報が記憶される記憶手段(例えば、メインRAM6103)と、
前記遊技制御手段による制御処理中に、所定周期で割込み処理を実行可能な割込み処理実行手段(例えば、システムタイマ割込み処理)と、
前記記憶手段がクリアされた場合に第1初期設定処理を行う第1初期設定手段(例えば、第1通常遊技前処理)と、
電源が復帰した場合に第2初期設定処理を行う第2初期設定手段(例えば、第2通常遊技前処理)と、を備え、
前記割込み処理実行手段は、遊技の有利度合を示す設定値の変更処理又は確認処理を制御する設定制御手段(例えば、システムタイマ割込み処理中のS11016)を有し、
前記設定制御手段により前記設定値の変更処理が行われたときには前記第1初期設定手段による前記第1初期設定処理が実行可能であり、前記設定制御手段により前記設定値の確認処理が行われたときには前記第2初期設定手段による前記第2初期設定処理が実行可能である
ことを特徴とする遊技機。
また、前記本発明の第52の遊技機では、前記割込み処理実行手段は、さらに、前記設定制御手段による前記設定値の変更処理又は確認処理の実行契機となる設定操作手段(例えば、設定キー6080)の操作状況を判定する設定操作判定手段(例えば、システムタイマ割込み処理中のS11015)を有し、
前記設定制御手段により前記設定値の変更処理が行われ且つ前記設定操作判定手段により前記設定操作手段がオフ状態であると判定されたときには前記第1初期設定手段による前記第1初期設定処理が実行され、前記設定制御手段により前記設定値の確認処理が行われ且つ前記設定操作判定手段により前記設定操作手段がオフ状態であると判定されたときには前記第2初期設定手段による前記第2初期設定処理が実行されるようにしてもよい。
上記第32の目的を達成するために、本発明は、以下のような第53−1の遊技機を提供する。
遊技の動作を制御する遊技制御手段(例えば、主制御メイン処理)と、
前記遊技制御手段による制御処理の実行に必要な情報が記憶される記憶手段(例えば、メインRAM6103)と、
前記遊技制御手段による制御処理中に、所定周期で割込み処理を実行可能な割込み処理実行手段(例えば、システムタイマ割込み処理)と、
電源が復帰した場合又は前記記憶手段がクリアされた場合に初期設定処理を行う初期設定手段(例えば、第1通常遊技前処理又は第2通常遊技前処理)と、を備え、
前記割込み処理実行手段は、遊技の有利度合を示す設定値の変更処理又は確認処理を制御する設定制御手段(例えば、システムタイマ割込み処理中のS11016)を有し、
前記設定制御手段により前記設定値の確認処理又は変更処理が行われたときには前記初期設定手段による前記初期設定処理が実行可能である
ことを特徴とする遊技機。
また、上記第32の目的を達成するために、本発明は、以下のような第53−2の遊技機を提供する。
遊技の動作を制御する遊技制御手段(例えば、主制御メイン処理)と、
前記遊技制御手段による制御処理の実行に必要な情報が記憶される記憶手段(例えば、メインRAM6103)と、
前記遊技制御手段による制御処理中に、所定周期で割込み処理を実行可能な割込み処理実行手段(例えば、システムタイマ割込み処理)と、
電源が復帰した場合又は前記記憶手段がクリアされた場合に初期設定処理を行う初期設定手段(例えば、第1通常遊技前処理又は第2通常遊技前処理)と、を備え、
前記割込み処理実行手段は、遊技の有利度合を示す設定値の変更処理又は確認処理を制御する設定制御手段(例えば、システムタイマ割込み処理中のS11016)を有し、
前記設定制御手段により前記設定値の確認処理又は変更処理が行われたときには前記初期設定手段による前記初期設定処理が実行可能であり、
前記設定制御手段により前記設定値の確認処理が行われた場合に前記初期設定手段により実行される前記初期設定処理の内容は、前記設定制御手段により前記設定値の変更処理が行われた場合に前記初期設定手段により実行される前記初期設定処理の内容と異なる
ことを特徴とする遊技機。
上記第32の目的を達成するために、本発明は、以下のような第54の遊技機を提供する。
第1の開始条件(例えば、第1始動口6044の入賞)の成立を契機として、遊技者に有利な第1の遊技状態に移行させるか否かを判定する第1の判定手段(例えば、メインCPU6101)と、
前記第1の判定手段による判定結果に基づいて、第1の識別情報(例えば、第1特別図柄)を変動表示する第1の識別情報表示手段(例えば、第1特別図柄表示装置6061)と、
第2の開始条件(例えば、第2始動口6045の入賞)の成立を契機として、遊技者に有利な第2の遊技状態に移行させるか否かを判定する第2の判定手段(例えば、メインCPU6101)と、
前記第2の判定手段による判定結果に基づいて、第2の識別情報(例えば、第2特別図柄)を変動表示する第2の識別情報表示手段(例えば、第2特別図柄表示装置6062)と、を備え、
前記第1の遊技状態及び前記第2の遊技状態には、特別遊技状態(例えば、大当り遊技状態)が含まれ、
前記第1の遊技状態及び前記第2の遊技状態の少なくとも一方には、さらに、前記特別遊技状態とは異なる特定遊技状態(例えば、小当り遊技状態)が含まれ、
前記第1の識別情報表示手段及び前記第2の識別情報表示手段の一方の識別情報表示手段による一方の識別情報の変動表示中に、他方の識別情報表示手段による他方の識別情報の変動表示を開始可能であり、
前記一方の識別情報の変動表示が終了する際に、一方の識別情報の変動表示の停止態様が前記特別遊技状態又は前記特定遊技状態へ移行させる態様である特定の場合には、他方の識別情報の変動表示の制御態様を決定するための所定の制御フラグ(例えば、特別図柄休止フラグ)をオン状態にセットし、
前記一方の識別情報の変動表示の停止態様が前記特別遊技状態へ移行させる態様である場合において、
前記他方の識別情報が変動表示中でないときには、前記他方の識別情報の変動表示が開始されないように制御され、
前記他方の識別情報が変動表示中であるときには、前記他方の識別情報の変動表示の停止態様が前記特別遊技状態又は前記特定遊技状態へ移行させる態様とならないように制御される
ことを特徴とする遊技機。
また、前記本発明の第54の遊技機では、前記識別情報の変動表示の動作を制御するための演算処理を行う演算処理手段(例えば、メインCPU6101)と、
前記演算処理手段による前記第1の識別情報の変動表示に係る処理の実行時に使用される情報を呼び出すための参照情報が格納された第1のインデックステーブル(例えば、第1特別図柄関連定義データテーブル)と、
前記演算処理手段による前記第2の識別情報の変動表示に係る処理の実行時に使用される情報を呼び出すための参照情報が格納された第2のインデックステーブル(例えば、第2特別図柄関連定義データテーブル)と、をさらに備えるようにしてもよい。
上記第32の目的を達成するために、本発明は、以下のような第55の遊技機を提供する。
第1の開始条件(例えば、第1始動口6044の入賞)の成立を契機として、遊技者に有利な特別遊技状態(例えば、大当り遊技状態)に移行させるか否かを判定する第1の判定手段(例えば、メインCPU6101)と、
前記第1の判定手段による判定結果に基づいて、第1の識別情報(例えば、第1特別図柄)を変動表示する第1の識別情報表示手段(例えば、第1特別図柄表示装置6061)と、
第2の開始条件(例えば、第2始動口6045の入賞)の成立を契機として、遊技者に有利な前記特別遊技状態に移行させるか否かを判定する第2の判定手段(例えば、メインCPU6101)と、
前記第2の判定手段による判定結果に基づいて、第2の識別情報(例えば、第2特別図柄)を変動表示する第2の識別情報表示手段(例えば、第2特別図柄表示装置6062)と、を備え、
前記第1の識別情報表示手段及び前記第2の識別情報表示手段の一方の識別情報表示手段による一方の識別情報の変動表示中に、他方の識別情報表示手段による他方の識別情報の変動表示を開始可能であり、
前記第1又は第2の識別情報の変動表示の制御態様を決定するための所定の制御フラグ(例えば、特別図柄休止フラグ)が設けられ、
前記第1又は第2の識別情報の変動表示が開始可能な状態において、第1の識別情報に対する前記所定の制御フラグがオン状態にセットされている場合には、第1の識別情報の変動表示を開始せず、第1の識別情報の変動表示の状態を待機状態に設定する
ことを特徴とする遊技機。
また、前記本発明の第55の遊技機では、さらに、前記第1の識別情報及び第2の識別情報の一方の識別情報の変動表示中に、一方の識別情報に対して開始条件が成立した場合に、当該成立時における前記一方の識別情報に対応する一方の判定手段による判定結果を、所定の上限数以内で記憶する判定結果記憶手段(例えば、特別図柄保留数領域)を備え、
前記一方の識別情報の変動表示が開始可能な状態において、当該一方の識別情報に対する前記所定の制御フラグがオン状態にセットされている場合には、前記判定結果記憶手段に記憶されている前記判定結果の数を判定する処理(例えば、特別図柄待機処理中のS11494)が行われないようにしてもよい。
上記第32の目的を達成するために、本発明は、以下のような第56−1の遊技機を提供する。
第1の開始条件(例えば、第1始動口6044の入賞)の成立を契機として、遊技者に有利な第1の遊技状態に移行させるか否かを判定する第1の判定手段(例えば、メインCPU6101)と、
前記第1の判定手段による判定結果に基づいて、第1の識別情報(例えば、第1特別図柄)を変動表示する第1の識別情報表示手段(例えば、第1特別図柄表示装置6061)と、
第2の開始条件(例えば、第2始動口6045の入賞)の成立を契機として、遊技者に有利な第2の遊技状態に移行させるか否かを判定する第2の判定手段(例えば、メインCPU6101)と、
前記第2の判定手段による判定結果に基づいて、第2の識別情報(例えば、第2特別図柄)を変動表示する第2の識別情報表示手段(例えば、第2特別図柄表示装置6062)と、を備え、
前記第1の遊技状態及び前記第2の遊技状態には、特別遊技状態(例えば、大当り遊技状態)が含まれ、
前記第1の遊技状態及び前記第2の遊技状態の少なくとも一方には、特別遊技状態とは異なる特定遊技状態(例えば、小当り遊技状態)が含まれ、
前記第1の識別情報表示手段及び前記第2の識別情報表示手段の一方の識別情報表示手段による一方の識別情報の変動表示中に、他方の識別情報表示手段による他方の識別情報の変動表示を開始可能であり、
前記一方の識別情報の変動表示が終了する際に、前記一方の識別情報の変動表示の制御態様を決定するための所定の制御フラグ(例えば、特別図柄休止フラグ)がオン状態にセットされている場合には、少なくとも前記所定の制御フラグがオフ状態にセットされるまで一方の識別情報の変動表示の停止態様が前記特別遊技状態又は前記特定遊技状態へ移行させる態様であるか否かの判定処理が行われない(例えば、特別図柄変動終了処理中のS11513)
ことを特徴とする遊技機。
また、上記第32の目的を達成するために、本発明は、以下のような第56−2の遊技機を提供する。
第1の開始条件(例えば、第1始動口6044の入賞)の成立を契機として、遊技者に有利な第1の遊技状態に移行させるか否かを判定する第1の判定手段(例えば、メインCPU6101)と、
前記第1の判定手段による判定結果に基づいて、第1の識別情報(例えば、第1特別図柄)を変動表示する第1の識別情報表示手段(例えば、第1特別図柄表示装置6061)と、
第2の開始条件(例えば、第2始動口6045の入賞)の成立を契機として、遊技者に有利な第2の遊技状態に移行させるか否かを判定する第2の判定手段(例えば、メインCPU6101)と、
前記第2の判定手段による判定結果に基づいて、第2の識別情報(例えば、第2特別図柄)を変動表示する第2の識別情報表示手段(例えば、第2特別図柄表示装置6062)と、を備え、
前記第1の遊技状態及び前記第2の遊技状態には、特別遊技状態(例えば、大当り遊技状態)が含まれ、
前記第1の遊技状態及び前記第2の遊技状態の少なくとも一方には、特別遊技状態とは異なる特定遊技状態(例えば、小当り遊技状態)が含まれ、
前記第1の識別情報表示手段及び前記第2の識別情報表示手段の一方の識別情報表示手段による一方の識別情報の変動表示中に、他方の識別情報表示手段による他方の識別情報の変動表示を開始可能であり、
前記一方の識別情報の変動表示が終了する際に、前記一方の識別情報の変動表示の制御態様を決定するための所定の制御フラグ(例えば、特別図柄休止フラグ)がオン状態にセットされている場合には、少なくとも前記所定の制御フラグがオフ状態にセットされるまで一方の識別情報の変動表示の停止態様が前記特別遊技状態又は前記特定遊技状態へ移行させる態様であるか否かの判定処理が行われず(例えば、特別図柄変動終了処理中のS11513)、
前記一方の識別情報の変動表示が終了する際に、前記所定の制御フラグがオン状態にセットされており、一方の識別情報の変動表示の停止態様が前記特別遊技状態へ移行させる態様であり、且つ、他方の識別情報が変動表示中である場合には、当該他方の識別情報の変動表示の態様を前記特別遊技状態又は前記特定遊技状態に移行させない態様にする
ことを特徴とする遊技機。
上記構成の本発明の第46〜第56の遊技機によれば、主制御回路で管理する処理プログラムの容量を削減することができる。
[第57〜第59の遊技機]
従来、複数の図柄表示装置(表示領域)を備え、複数の図柄表示装置において同時に識別情報を変動表示可能な機能が設けられたパチンコ遊技機が知られている(例えば、特開2015−150303号公報参照)。
ところで、上述した遊技機は、通常、識別情報の判定等の主な遊技動作を制御する回路(主制御回路)が実装された主制御基板と、映像の表示等による演出動作を制御する回路(副制御回路)が実装された副制御基板とを備える。遊技動作は、主制御回路に搭載されたCPU(Central Processing Unit)により制御される。この際、CPUの制御により、主制御回路のROM(Read Only Memory)に記憶されたプログラム及び各種テーブルデータ等が主制御回路のRAM(Random Access Memory)に展開され、各種遊技動作に関する処理が実行される。そして、近年、このような遊技機では、主制御回路で管理するテーブル等のデータの容量削減が求められている。
本発明は上記第33の課題を解決するためになされたものであり、本発明の第33の目的は、主制御回路で管理するデータの容量を削減することが可能な遊技機を提供することである。
上記第33の目的を達成するために、本発明は、以下のような第57の遊技機を提供する。
第1の開始条件(例えば、第1始動口6044の入賞)の成立を契機として、遊技者に有利な特別遊技状態(例えば、大当り遊技状態)に移行させるか否かを決定する第1の遊技状態移行決定手段(例えば、メインCPU6101)と、
前記第1の遊技状態移行決定手段による決定結果に基づいて、第1の識別情報(例えば、第1特別図柄)を変動表示する第1の識別情報表示手段(例えば、第1特別図柄表示装置6061)と、
第2の開始条件(例えば、第2始動口6045の入賞)の成立を契機として、遊技者に有利な前記特別遊技状態及び特定遊技状態(例えば、小当り遊技状態)のいずれかに移行させるか否かを決定する第2の遊技状態移行決定手段(例えば、メインCPU6101)と、
前記第2の遊技状態移行決定手段による決定結果に基づいて、第2の識別情報(例えば、第2特別図柄)を変動表示する第2の識別情報表示手段(例えば、第2特別図柄表示装置6062)と、
前記第1の遊技状態移行決定手段による決定結果が前記特別遊技状態に移行させるものであるか否か、又は、前記第2の遊技状態移行決定手段による決定結果が前記特別遊技状態及び前記特定遊技状態のいずれかに移行させるものであるか否かを判定する判定手段(例えば、特別図柄当り判定処理)と、を備え、
前記判定手段による判定処理の実行時には、判定対象となる識別情報の種別に関する情報が引数として用いられ、
前記引数が前記第1の識別情報に関する情報である場合には、当該判定処理において、前記決定結果が前記特別遊技状態に移行させるものであるか否かの判定のみが行われ、
前記引数が前記第2の識別情報に関する情報である場合には、当該判定処理において、前記決定結果が前記特別遊技状態及び前記特定遊技状態のいずれかに移行させるものであるか否かの判定が行われ、
前記第1及び第2の遊技状態移行決定手段のそれぞれにより前記特別遊技状態に移行させることが決定される確率が互いに異なる複数種の設定値が設けられ、
前記第1の遊技状態移行決定手段は、前記設定値に応じて決定されたパラメータ(アドレスオフセット値)に基づいて指定された所定の記憶領域に格納されたデータを用いて、前記特別遊技状態に移行させるか否かを決定し、
前記第2の遊技状態移行決定手段は、前記設定値に応じて決定されたパラメータに基づいて指定された特定の記憶領域に格納されたデータを用いて、前記特別遊技状態及び前記特定遊技状態のいずれかに移行させるか否かを決定する
ことを特徴とする遊技機。
また、前記本発明の第57の遊技機では、前記第1の識別情報表示手段及び前記第2の識別情報表示手段の一方の識別情報表示手段による一方の識別情報の変動表示中に、他方の識別情報表示手段による他方の識別情報の変動表示を開始可能であるようにしてもよい。
上記第33の目的を達成するために、本発明は、以下のような第58の遊技機を提供する。
遊技の動作を制御する遊技制御手段(例えば、主制御メイン処理)と、
前記遊技制御手段による制御処理中に、所定周期で割込み処理を実行可能な割込み処理実行手段(例えば、システムタイマ割込み処理)と、
遊技の有利度合を示す設定値の変更処理又は確認処理を実行する際に操作される設定操作手段(例えば、設定キー6080)と、を備え、
前記割込み処理実行手段は、前記設定値の変更処理又は確認処理を制御する設定制御手段(例えば、システムタイマ割込み処理中のS11016)を有し、
前記設定制御手段による制御処理の実行開始の判定は、前記設定操作手段に対する当該実行開始を示す所定操作の検知(例えば、ONエッジ)に基づいて行われ、前記設定制御手段による制御処理の実行終了の判定は、前記設定操作手段に対する当該実行終了を示す特定操作の検知(例えば、OFFエッジ)に基づいて行われ、
前記所定操作の検知の有無、及び、前記特定操作の検知の有無の判定は、前回の割込み処理における前記設定操作手段の操作状況を示す操作情報(例えば、起動制御フラグ)と、今回の割込み処理における前記設定操作手段の操作状況を示す操作情報と比較することにより行われる
ことを特徴とする遊技機。
上記第33の目的を達成するために、本発明は、以下のような第59−1の遊技機を提供する。
遊技の動作を制御する遊技制御手段(例えば、主制御メイン処理)と、
前記遊技制御手段による制御処理の実行に必要な情報が記憶される記憶手段(例えば、メインRAM6103)と、
前記遊技制御手段による制御処理中に、所定周期で割込み処理を実行可能な割込み処理実行手段(例えば、システムタイマ割込み処理)と、
遊技の有利度合を示す設定値の変更処理又は確認処理を実行する際に操作される第1操作手段(例えば、設定キー6080)と、
前記記憶手段をクリアする際に操作される第2操作手段(例えば、RAMクリアスイッチ6121)と、を備え、
前記割込み処理実行手段は、前記設定値の変更処理又は確認処理を制御する設定制御手段(例えば、システムタイマ割込み処理中のS11016)を有し、
前記設定制御手段による制御処理の実行の有無は、前記第1操作手段の操作状況を示す第1操作情報と、前記第2操作手段の操作状況を示す第2操作情報との組み合わせ(例えば、起動制御フラグ)に基づいて決定される
ことを特徴とする遊技機。
また、上記第33の目的を達成するために、本発明は、以下のような第59−2の遊技機を提供する。
遊技の動作を制御する遊技制御手段(例えば、主制御メイン処理)と、
前記遊技制御手段による制御処理の実行に必要な情報が記憶される記憶手段(例えば、メインRAM6103)と、
前記遊技制御手段による制御処理中に、所定周期で割込み処理を実行可能な割込み処理実行手段(例えば、システムタイマ割込み処理)と、
遊技の有利度合を示す設定値の変更処理又は確認処理を実行する際に操作される第1操作手段(例えば、設定キー6080)と、
前記記憶手段をクリアする際に操作される第2操作手段(例えば、RAMクリアスイッチ6121)と、を備え、
前記割込み処理実行手段は、前記設定値の変更処理又は確認処理を制御する設定制御手段(例えば、システムタイマ割込み処理中のS11016)を有し、
前記設定制御手段による制御処理の実行の有無は、前記第1操作手段の操作状況を示す第1操作情報と、前記第2操作手段の操作状況を示す第2操作情報との組み合わせ(例えば、起動制御フラグ)に基づいて決定され、
前記設定制御手段により前記設定値の変更処理が行われる場合の前記第1操作情報と前記第2操作情報との組み合わせは、前記設定制御手段により前記設定値の確認処理が行われる場合の前記第1操作情報と前記第2操作情報との組み合わせと異なる
ことを特徴とする遊技機。
上記構成の本発明の第57〜第59の遊技機によれば、主制御回路で管理するデータの容量を削減することができる。
[第60及び第61の遊技機]
従来、複数の図柄表示装置(表示領域)を備え、複数の図柄表示装置において同時に識別情報を変動表示可能な機能が設けられたパチンコ遊技機が知られている(例えば、特開2015−150303号公報参照)。
ところで、上述した遊技機では、遊技機の扉・枠の開放時に磁気が不安定になり(乱れ)、遊技機に設けられ磁気センサに対して悪影響(誤動作等)を及ぼす場合がある。
本発明は上記第34の課題を解決するためになされたものであり、本発明の第34の目的は、遊技機の扉・枠の開放時に磁気の乱れが発生しても、遊技機に設けられた磁気センサへの悪影響を抑制することが可能な遊技機を提供することである。
上記第34の目的を達成するために、本発明は、以下のような第60の遊技機を提供する。
遊技機本体(例えば、本体6002)と、
前記遊技機本体に対して開閉可能に取り付けられた扉部材(例えば、ベースドア6003及び/又はガラスドア6004)と、
遊技媒体が転動する遊技盤と、
磁気センサと、
遊技の動作を制御するための演算処理を行う演算処理手段(例えば、メインCPU6101)と、を備え、
前記扉部材が開放されている場合には、前記演算処理手段は、前記磁気センサによる検出をクリアする
ことを特徴とする遊技機。
また、前記本発明の第60の遊技機では、電断復帰後、前記演算処理手段により行われる所定の待機処理(例えば、ウェイト処理)内において前記磁気センサの初期化信号が所定の出力ポートに出力されるようにしてもよい。
さらに、前記本発明の第60の遊技機では、遊技の有利度合を示す設定値の変更処理又は確認処理を制御する、前記遊技機本体の背面に露出した設定制御手段を備え、
前記扉部材が開放されている場合に、前記設定制御手段により設定変更が可能であるようにしてもよい。
上記第34の目的を達成するために、本発明は、以下のような第61−1の遊技機を提供する。
遊技機本体(例えば、本体6002)と、
前記遊技機本体に対して開閉可能に取り付けられた扉部材(例えば、ベースドア6003及び/又はガラスドア6004)と、
遊技媒体が転動する遊技盤と、
磁気センサと、
遊技の動作を制御するための演算処理を行う演算処理手段(例えば、メインCPU6101)と、を備え、
電断復帰後、前記演算処理手段により行われる所定の待機処理(例えば、ウェイト処理)内において前記磁気センサの初期化信号が所定の出力ポートに出力される
ことを特徴とする遊技機。
また、上記第34の目的を達成するために、本発明は、以下のような第61−2の遊技機を提供する。
遊技機本体(例えば、本体6002)と、
前記遊技機本体に対して開閉可能に取り付けられた扉部材(例えば、ベースドア6003及び/又はガラスドア6004)と、
遊技媒体が転動する遊技盤と、
磁気センサと、
遊技の動作を制御するための演算処理を行う演算処理手段(例えば、メインCPU6101)と、
遊技の進行に応じた演出の動作を制御する演出制御手段(例えば、副制御回路6200)と、を備え、
前記演算処理手段は、電源復帰後の前記演出制御手段側の起動待ち時間内において、所定のタイミング(例えば、第1ループ回数が例えば10回のとき)で前記磁気センサによる検出をクリアする
ことを特徴とする遊技機。
また、上記第34の目的を達成するために、本発明は、以下のような第61−3の遊技機を提供する。
遊技機本体(例えば、本体6002)と、
前記遊技機本体に対して開閉可能に取り付けられた扉部材(例えば、ベースドア6003及び/又はガラスドア6004)と、
遊技媒体が転動する遊技盤と、
磁気センサと、
遊技の動作を制御するための演算処理を行う演算処理手段(例えば、メインCPU6101)と、
遊技の進行に応じた演出の動作を制御する演出制御手段(例えば、副制御回路6200)と、を備え、
前記演算処理手段は、電源復帰後の前記演出制御手段側の起動待ち時間内において更新される、当該起動待ち時間を計数するための所定のパラメータが所定値に到達したとき(例えば、第1ループ回数が例えば10回のとき)に前記磁気センサによる検出をクリアする
ことを特徴とする遊技機。
上記構成の本発明の第60及び第61の遊技機によれば、遊技機の扉・枠の開放時に磁気の乱れが発生しても、遊技機に設けられた磁気センサへの悪影響を抑制することができる。
[第62及び第63の遊技機]
従来、複数の図柄表示装置(表示領域)を備え、複数の図柄表示装置において同時に識別情報を変動表示可能な機能が設けられたパチンコ遊技機が知られている(例えば、特開2015−150303号公報参照)。
ところで、上述した遊技機では、遊技機の扉・枠の開放時に磁気が不安定になったり(乱れたり)、振動が発生したりして、遊技機に設けられ各種センサ(例えば、磁気センサ、振動センサ等)に対して悪影響(誤動作等)を及ぼす場合がある。
本発明は上記第35の課題を解決するためになされたものであり、本発明の第35の目的は、遊技機の扉・枠の開放時に磁気の乱れや振動が発生しても、遊技機に設けられた各種センサ(例えば、磁気センサ、振動センサ等)への悪影響を抑制することが可能な遊技機を提供することである。
上記第35の目的を達成するために、本発明は、以下のような第62−1の遊技機を提供する。
遊技機本体(例えば、本体6002)と、
前記遊技機本体に対して開閉可能に取り付けられた扉部材(例えば、ベースドア6003及び/又はガラスドア6004)と、
遊技媒体が転動する遊技盤と、
異常を検知する異常検知センサと、
遊技の動作を制御するための演算処理を行う演算処理手段(例えば、メインCPU6101)と、を備え、
前記扉部材が開放されている場合には、前記演算処理手段は、前記異常検知センサの異常検知レベルを下げる
ことを特徴とする遊技機。
また、前記本発明の第62−1の遊技機では、前記扉部材が開放されている場合には、前記演算処理手段は、前記異常検知センサの異常検知レベルを非検知レベルにするようにしてもよい。
また、上記第35の目的を達成するために、本発明は、以下のような第62−2の遊技機を提供する。
遊技機本体(例えば、本体6002)と、
前記遊技機本体に対して開閉可能に取り付けられた扉部材(例えば、ベースドア6003及び/又はガラスドア6004)と、
遊技媒体が転動する遊技盤と、
異常を検知する異常検知センサと、
遊技の動作を制御するための演算処理を行う演算処理手段(例えば、メインCPU6101)と、
前記演算制御手段による演算処理中に、所定周期で割込み処理を実行可能な割込み処理実行手段(例えば、システムタイマ割込み処理)と、を備え、
前記扉部材が開放されている場合には、前記割込み処理実行手段による前記割込み処理の実行毎に、前記異常検知センサの異常検知レベルを下げる又は維持する処理が行われる
ことを特徴とする遊技機。
上記第35の目的を達成するために、本発明は、以下のような第63−1の遊技機を提供する。
遊技機本体(例えば、本体6002)と、
前記遊技機本体に対して開閉可能に取り付けられた扉部材(例えば、ベースドア6003及び/又はガラスドア6004)と、
遊技媒体が転動する遊技盤と、
異常を検知する異常検知センサと、
遊技の動作を制御するための演算処理を行う演算処理手段(例えば、メインCPU6101)と、を備え、
前記扉部材が開放されている場合には、前記演算処理手段は、前記異常検知センサによる異常検知を異常検知対象から外す
ことを特徴とする遊技機。
また、前記本発明の第63−1の遊技機では、異常検知対象を規定する情報(例えば、入力ポート2の情報)が設けられ、
前記扉部材が開放されている場合には、前記演算処理手段は、前記情報内に含まれる前記異常検知センサを異常検知対象とするデータ(例えば、磁気センサビット)をクリアするようにしてもよい。
また、上記第35の目的を達成するために、本発明は、以下のような第63−2の遊技機を提供する。
遊技機本体(例えば、本体6002)と、
前記遊技機本体に対して開閉可能に取り付けられた扉部材(例えば、ベースドア6003及び/又はガラスドア6004)と、
遊技媒体が転動する遊技盤と、
異常を検知する異常検知センサと、
遊技の動作を制御するための演算処理を行う演算処理手段(例えば、メインCPU6101)と、
前記演算制御手段による演算処理中に、所定周期で割込み処理を実行可能な割込み処理実行手段(例えば、システムタイマ割込み処理)と、を備え、
前記扉部材が開放されている場合には、前記割込み処理実行手段による前記割込み処理内において、異常検知の有無の判定処理を行う前に、前記異常検知センサによる異常検知を異常検知対象から外す処理が行われる
ことを特徴とする遊技機。
上記構成の本発明の第62及び第63の遊技機によれば、遊技機の扉・枠の開放時に磁気の乱れや振動が発生しても、遊技機に設けられた各種センサ(例えば、磁気センサ、振動センサ等)への悪影響を抑制することができる。
[第64及び第65の遊技機]
従来、複数の図柄表示装置(表示領域)を備え、複数の図柄表示装置において同時に識別情報を変動表示可能な機能が設けられたパチンコ遊技機が知られている(例えば、特開2015−150303号公報参照)。
ところで、近年のパチンコ遊技機では、遊技の有利度合(例えば、大当りの当選確率等)が異なる複数の設定値(「1」〜「6」)が設けられ、この設定値の変更操作又は確認操作を可能にするための設定キーが設けられている。そして、このような遊技機では、起動時の設定キーの操作状況(オン/オフ)をより確実に把握して、遊技機の起動状態を正確に識別することが可能な技術が求められている。
本発明は上記第36の課題を解決するためになされたものであり、本発明の第36の目的は、起動時の設定キーの操作状況をより確実に把握して、遊技機の起動状態を正確に識別することが可能な遊技機を提供することである。
上記第36の目的を達成するために、本発明は、以下のような第64−1の遊技機を提供する。
遊技の動作を制御する遊技制御手段(例えば、主制御メイン処理)と、
遊技の進行に応じた演出の動作を制御する演出制御手段(例えば、副制御回路6200)と、
遊技の有利度合を示す設定値の変更処理又は確認処理を実行する際に操作される設定操作手段(例えば、設定キー6080)と、を備え、
前記遊技制御手段は、電源復帰時には、前記演出制御手段側の起動待ち処理(例えば、主制御メイン処理中のS11205)を行う前に、前記設定操作手段の操作状況を示す操作情報を退避させる処理(例えば、主制御メイン処理中のS11204)を行う
ことを特徴とする遊技機。
また、前記本発明の第64−1の遊技機では、さらに、前記遊技制御手段による制御処理の実行に必要な情報が記憶される記憶手段(例えば、メインRAM6103)を備え、
前記遊技制御手段は、前記演出制御手段側の起動待ち処理の後に、前記記憶手段のサム値のチェック処理を行うようにしてもよい。
また、上記第36の目的を達成するために、本発明は、以下のような第64−2の遊技機を提供する。
遊技の動作を制御する遊技制御手段(例えば、主制御メイン処理)と、
遊技の進行に応じた演出の動作を制御する演出制御手段(例えば、副制御回路6200)と、
遊技の有利度合を示す設定値の変更処理又は確認処理を実行する際に操作される設定操作手段(例えば、設定キー6080)と、を備え、
前記遊技制御手段は、
電源復帰時には、前記演出制御手段側の起動待ち処理(例えば、主制御メイン処理中のS11205)を行う前に、前記設定操作手段の操作状況を示す操作情報を退避させる処理(例えば、主制御メイン処理中のS11204)を行い、
前記演出制御手段側の起動待ち処理の後に、前記設定操作手段の操作状況を示す操作情報に基づいて、起動状態の判定処理を行う(例えば、主制御メイン処理中のS11218)
ことを特徴とする遊技機。
上記第36の目的を達成するために、本発明は、以下のような第65−1の遊技機を提供する。
遊技の動作を制御する遊技制御手段(例えば、主制御メイン処理)と、
遊技の進行に応じた演出の動作を制御する演出制御手段(例えば、副制御回路6200)と、
前記遊技制御手段による制御処理の実行に必要な情報が記憶される記憶手段(例えば、メインRAM6103)と、
遊技の有利度合を示す設定値の変更処理又は確認処理を実行する際に操作される第1操作手段(例えば、設定キー6080)と、
前記記憶手段をクリアする際に操作される第2操作手段(例えば、RAMクリアスイッチ6121)と、を備え、
前記遊技制御手段は、電源復帰時には、前記演出制御手段側の起動待ち処理(例えば、主制御メイン処理中のS11205)を行う前に、前記第1操作手段の操作状況を示す第1操作情報、及び、前記第2操作手段の操作状況を示す第2操作情報を退避させる処理(例えば、主制御メイン処理中のS11204)を行う
ことを特徴とする遊技機。
また、上記第36の目的を達成するために、本発明は、以下のような第65−2の遊技機を提供する。
遊技の動作を制御する遊技制御手段(例えば、主制御メイン処理)と、
遊技の進行に応じた演出の動作を制御する演出制御手段(例えば、副制御回路6200)と、
前記遊技制御手段による制御処理の実行に必要な情報が記憶される記憶手段(例えば、メインRAM6103)と、
遊技の有利度合を示す設定値の変更処理又は確認処理を実行する際に操作される第1操作手段(例えば、設定キー6080)と、
前記記憶手段をクリアする際に操作される第2操作手段(例えば、RAMクリアスイッチ6121)と、を備え、
前記遊技制御手段は、
電源復帰時には、前記演出制御手段側の起動待ち処理(例えば、主制御メイン処理中のS11205)を行う前に、前記第1操作手段の操作状況を示す第1操作情報、及び、前記第2操作手段の操作状況を示す第2操作情報を退避させる処理(例えば、主制御メイン処理中のS11204)を行い、
前記演出制御手段側の起動待ち処理の後に、前記第1操作情報及び前記第2操作情報に基づいて、起動状態の判定処理を行う(例えば、主制御メイン処理中のS11218)
ことを特徴とする遊技機。
上記構成の本発明の第64及び第65の遊技機によれば、起動時の設定キーの操作状況をより確実に把握して、遊技機の起動状態を正確に識別することができる。
[第66及び第67の遊技機]
従来、大当り遊技状態が終了した後に確率変動遊技状態(以下、「確変遊技状態」という)に移行するパチンコ遊技機が知られている(例えば、特開2014−103996号公報参照)。確変遊技状態では、所定の組合せの識別情報が通常時よりも高い確率で導出表示される。また、特開2014−103996号公報で開示されているパチンコ遊技機では、確変遊技状態中に遊技状態の転落の当選又は非当選を決定する抽選(転落抽選)を行う機能が設けられ、転落に当選すると、確変遊技状態が終了して、所定の組合せの識別情報が通常時の確率で導出表示される遊技状態に移行する。
ところで、上述した遊技機は、通常、識別情報の判定等の主な遊技動作を制御する回路(主制御回路)が実装された主制御基板と、映像の表示等による演出動作を制御する回路(副制御回路)が実装された副制御基板とを備える。遊技動作は、主制御回路に搭載されたCPU(Central Processing Unit)により制御される。この際、CPUの制御により、主制御回路のROM(Read Only Memory)に記憶されたプログラム及び各種テーブルデータ等が主制御回路のRAM(Random Access Memory)に展開され、各種遊技動作に関する処理が実行される。そして、近年、このような遊技機では、主制御回路で管理する処理プログラムの容量削減が求められている。
本発明は上記第37の課題を解決するためになられたものであり、本発明の第37の目的は、主制御回路で管理する処理プログラムの容量を削減することが可能な遊技機を提供することである。
上記第37の目的を達成するために、本発明は、以下のような第66−1の遊技機を提供する。
所定の開始条件(例えば、第1始動口6044の入賞)の成立を契機として、遊技者に有利な特別遊技状態(例えば、大当り遊技状態)に移行させるか否かを判定する判定手段(例えば、メインCPU6101)と、
前記判定手段による判定結果に基づいて、識別情報(例えば、第1特別図柄)を変動表示する識別情報表示手段(例えば、第1特別図柄表示装置6061)と、
前記識別情報の変動表示の動作を制御するための演算処理を行う演算処理手段(例えば、メインCPU6101)と、
前記判定手段により前記特別遊技状態に移行すると判定される確率が遊技者に不利な通常遊技状態より高くなる高確遊技状態(例えば、確変遊技状態)において、前記識別情報の変動表示の開始前に、遊技状態を前記通常遊技状態に移行させるか否かを決定する転落決定手段(例えば、特別図柄転落判定処理)と、
遊技状態が前記通常遊技状態である第1の場合において前記識別情報の変動表示パターンを決定する際に使用される第1のデータテーブル(例えば、通常中変動パターンテーブル)と、
遊技状態が前記高確遊技状態である第2の場合において前記識別情報の変動表示パターンを決定する際に使用される第2のデータテーブル(例えば、確変中変動パターンテーブル)と、
前記転落決定手段により遊技状態を前記通常遊技状態に移行させることが決定された第3の場合において前記識別情報の変動表示パターンを決定する際に使用される第3のデータテーブル(例えば、転落時変動パターンテーブル)と、を備え、
前記演算処理手段は、
前記第1、第2及び第3の場合のいずれかを示すパラメータの値(例えば、データ選択オフセット加算値)を、現在の遊技状況に応じてセットし、
前記第3の場合には、前記第3の場合に対応する前記パラメータの値に基づいて、前記識別情報の変動表示パターンを決定するためのデータテーブルとして前記第3のデータテーブルに選択する
ことを特徴とする遊技機。
また、上記第37の目的を達成するために、本発明は、以下のような第66−2の遊技機を提供する。
所定の開始条件(例えば、第1始動口6044の入賞)の成立を契機として、遊技者に有利な特別遊技状態(例えば、大当り遊技状態)に移行させるか否かを判定する判定手段(例えば、メインCPU6101)と、
前記判定手段による判定結果に基づいて、識別情報(例えば、第1特別図柄)を変動表示する識別情報表示手段(例えば、第1特別図柄表示装置6061)と、
前記識別情報の変動表示の動作を制御するための演算処理を行う演算処理手段(例えば、メインCPU6101)と、
前記判定手段により前記特別遊技状態に移行すると判定される確率が遊技者に不利な通常遊技状態より高くなる高確遊技状態(例えば、確変遊技状態)において、前記識別情報の変動表示の開始前に、遊技状態を前記通常遊技状態に移行させるか否かを決定する転落決定手段(例えば、特別図柄転落判定処理)と、
選択可能な複数種の前記識別情報の変動表示パターンに関するデータ(例えば、演出変動テーブル値)が規定された第1の選択テーブル(例えば、特別図柄変動パターン選択オフセットテーブル)と、
前記第1の選択テーブルから所定の識別情報の変動表示パターンに関するデータを選択する際に基準となる前記第1の選択テーブル内の基準アドレスが規定された複数種の第2の選択テーブル(例えば、特別図柄変動パターン選択テーブル群)と、
前記複数種の第2の選択テーブルに関するデータが規定された第3の選択テーブル(例えば、特別図柄変動パターン選択テーブル選択データテーブル)と、を備え、
前記演算処理手段は、
遊技状況を示すパラメータの値(例えば、データ選択オフセット加算値)を、現在の遊技状況に対応する値にセットし、
所定の情報(例えば、大当り図柄、遊技状態等)に基づいて、前記第3の選択テーブルから所定の第2の選択テーブルに関するデータを選択し、当該選択された前記所定の第2の選択テーブルに関するデータに基づいて、前記所定の第2の選択テーブルに規定された前記第1の選択テーブル内の基準アドレスを取得し、
前記パラメータの値が、前記転落決定手段により遊技状態を前記通常遊技状態に移行させることが決定されたときに対応する特定値(例えば、「2」)である場合には、前記第1の選択テーブル内において前記基準アドレスに前記特定値に対応するオフセット値を加算したアドレスに規定されたデータに対応する前記識別情報の変動表示パターンを選択する
ことを特徴とする遊技機。
上記第37の目的を達成するために、本発明は、以下のような第67−1の遊技機を提供する。
所定の開始条件(例えば、第1始動口6044の入賞)の成立を契機として、遊技者に有利な特別遊技状態(例えば大当り遊技状態)に移行させるか否かを判定する判定手段(例えば、メインCPU6101)と、
前記判定手段による判定結果に基づいて、識別情報(例えば、第1特別図柄)を変動表示する識別情報表示手段(例えば、第1特別図柄表示装置6061)と、
前記識別情報の変動表示の動作を制御するための演算処理を行う演算処理手段(例えば、メインCPU6101)と、
前記判定手段により前記特別遊技状態に移行すると判定される確率が遊技者に不利な通常遊技状態より高くなる高確遊技状態(例えば、確変遊技状態)において、前記識別情報の変動表示の開始前に、遊技状態を前記通常遊技状態に移行させるか否かを決定する転落決定手段(例えば、特別図柄転落判定処理)と、
前記識別情報の変動表示の終了後の遊技状態が前記通常遊技状態である第1の場合において前記識別情報の変動表示パターンを決定する際に使用される第1のデータテーブル(例えば、通常中変動パターンテーブル)と、
前記識別情報の変動表示の終了後の遊技状態が前記高確遊技状態である第2の場合において前記識別情報の変動表示パターンを決定する際に使用される第2のデータテーブル(例えば、確変中変動パターンテーブル)と、
前記転落決定手段により遊技状態を前記通常遊技状態に移行させることが決定された第3の場合において前記識別情報の変動表示パターンを決定する際に使用される第3のデータテーブル(例えば、転落時変動パターンテーブル)と、を備え、
前記演算処理手段は、
前記第1、第2及び第3の場合のいずれかを示すパラメータの値(例えば、データ選択オフセット加算値)を、現在の遊技状況に応じてセットし、
前記第1の場合には、前記第1の場合に対応する前記パラメータの値に基づいて、前記識別情報の変動表示パターンを決定するためのデータテーブルとして前記第1のデータテーブルに選択し、
前記第2の場合には、前記第2の場合に対応する前記パラメータの値に基づいて、前記識別情報の変動表示パターンを決定するためのデータテーブルとして前記第2のデータテーブルに選択し、
前記第3の場合には、前記第3の場合に対応する前記パラメータの値に基づいて、前記識別情報の変動表示パターンを決定するためのデータテーブルとして前記第3のデータテーブルに選択する
ことを特徴とする遊技機。
また、前記本発明の第67−1の遊技機では、前記第2の場合に対応する前記パラメータの値、及び、第3の場合に対応する前記パラメータの値は、前記第1の場合に対応する前記パラメータの値を基準値とするオフセット値であるようにしてもよい。
また、上記第37の目的を達成するために、本発明は、以下のような第67−2の遊技機を提供する。
所定の開始条件(例えば、第1始動口6044の入賞)の成立を契機として、遊技者に有利な特別遊技状態(例えば、大当り遊技状態)に移行させるか否かを判定する判定手段(例えば、メインCPU6101)と、
前記判定手段による判定結果に基づいて、識別情報(例えば、第1特別図柄)を変動表示する識別情報表示手段(例えば、第1特別図柄表示装置6061)と、
前記識別情報の変動表示の動作を制御するための演算処理を行う演算処理手段(例えば、メインCPU6101)と、
前記判定手段により前記特別遊技状態に移行すると判定される確率が遊技者に不利な通常遊技状態より高くなる高確遊技状態(例えば、確変遊技状態)において、前記識別情報の変動表示の開始前に、遊技状態を前記通常遊技状態に移行させるか否かを決定する転落決定手段(例えば、特別図柄転落判定処理)と、
選択可能な複数種の前記識別情報の変動表示パターンに関するデータ(例えば、演出変動テーブル値)が規定された第1の選択テーブル(例えば、特別図柄変動パターン選択オフセットテーブル)と、
前記第1の選択テーブルから所定の識別情報の変動表示パターンに関するデータを選択する際に基準となる前記第1の選択テーブル内の基準アドレスが規定された複数種の第2の選択テーブル(例えば、特別図柄変動パターン選択テーブル群)と、
前記複数種の第2の選択テーブルに関するデータが規定された第3の選択テーブル(例えば、特別図柄変動パターン選択テーブル選択データテーブル)と、を備え、
前記演算処理手段は、
遊技状況を示すパラメータの値(例えば、データ選択オフセット加算値)を、現在の遊技状況に対応する値にセットし、
所定の情報(例えば、大当り図柄、遊技状態等)に基づいて、前記第3の選択テーブルから所定の第2の選択テーブルに関するデータを選択し、当該選択された前記所定の第2の選択テーブルに関するデータに基づいて、前記所定の第2の選択テーブルに規定された前記第1の選択テーブル内の基準アドレスを取得し、
前記パラメータの値が、前記識別情報の変動表示の終了後の遊技状態が前記通常遊技状態であるときに対応する第1の特定値(例えば、「0」)である場合には、前記第1の選択テーブル内の基準アドレスに規定されたデータに対応する前記識別情報の変動表示パターンを選択し、
前記パラメータの値が、前記識別情報の変動表示の終了後の遊技状態が前記高確遊技状態であるときに対応する第2の特定値(例えば、「1」)である場合には、前記第1の選択テーブル内において前記基準アドレスに前記第2の特定値に対応するオフセット値を加算したアドレスに規定されたデータに対応する前記識別情報の変動表示パターンを選択し、
前記パラメータの値が、前記転落決定手段により遊技状態を前記通常遊技状態に移行させることが決定されたときに対応する第3の特定値(例えば、「2」)である場合には、前記第1の選択テーブル内において前記基準アドレスに前記第3の特定値に対応するオフセット値を加算したアドレスに規定されたデータに対応する前記識別情報の変動表示パターンを選択する
ことを特徴とする遊技機。
上記構成の本発明の第66及び第67の遊技機によれば、主制御回路で管理する処理プログラムの容量を削減することができる。
[第68及び第69の遊技機]
従来、大当り遊技状態が終了した後に確率変動遊技状態(以下、「確変遊技状態」という)に移行するパチンコ遊技機が知られている(例えば、特開2014−103996号公報参照)。確変遊技状態では、所定の組合せの識別情報が通常時よりも高い確率で導出表示される。また、特開2014−103996号公報で開示されているパチンコ遊技機では、確変遊技状態中に遊技状態の転落の当選又は非当選を決定する抽選(転落抽選)を行う機能が設けられ、転落に当選すると、確変遊技状態が終了して、所定の組合せの識別情報が通常時の確率で導出表示される遊技状態に移行する。
ところで、上述した遊技機は、通常、識別情報の判定等の主な遊技動作を制御する回路(主制御回路)が実装された主制御基板と、映像の表示等による演出動作を制御する回路(副制御回路)が実装された副制御基板とを備える。遊技動作は、主制御回路に搭載されたCPU(Central Processing Unit)により制御される。この際、CPUの制御により、主制御回路のROM(Read Only Memory)に記憶されたプログラム及び各種テーブルデータ等が主制御回路のRAM(Random Access Memory)に展開され、各種遊技動作に関する処理が実行される。そして、近年、このような遊技機では、主制御回路で行われる処理をより効率よく実行し、主制御回路の処理負荷を軽減できる技術の開発が求められている。
本発明は上記第38の課題を解決するためになされたものであり、本発明の第38の目的は、主制御回路で行われる処理をより効率よく実行し、主制御回路の処理負荷を軽減することが可能な遊技機を提供することである。
上記第38の目的を達成するために、本発明は、以下のような第68−1の遊技機を提供する。
遊技の動作を制御する遊技制御手段(例えば、主制御メイン処理)と、
前記遊技制御手段による制御処理中に、所定周期で割込み処理を実行可能な割込み処理実行手段(例えば、システムタイマ割込み処理)と、を備え、
前記割込み処理実行手段は、複数種の異常項目を監視可能な異常監視手段(例えば、汎用異常検知判定処理)を有し、
前記異常監視手段は、監視対象とならない異常項目に対しては、当該異常項目の異常の有無に関係なく、異常の有無の判定結果を異常無しとする
ことを特徴とする遊技機。
また、前記本発明の第68−1の遊技機では、前記複数種の異常項目のそれぞれに対して監視対象とするか否かを規定した監視特定情報が設けられ、
前記異常監視手段は、異常項目の異常の有無を示す情報及び前記監視特定情報に基づいて、異常項目に対して異常の有無の判定を行うようにしてもよい。
また、上記第38の目的を達成するために、本発明は、以下のような第68−2の遊技機を提供する。
遊技の動作を制御する遊技制御手段(例えば、主制御メイン処理)と、
前記遊技制御手段による制御処理中に、所定周期で割込み処理を実行可能な割込み処理実行手段(例えば、システムタイマ割込み処理)と、を備え、
前記割込み処理実行手段は、複数種の異常項目を監視可能な異常監視手段(例えば、汎用異常検知判定処理)を有し、
前記異常監視手段は、監視対象とならない異常項目に対しては、当該異常項目の異常の有無に関係なく、異常の有無の判定結果を異常無しとし、
前記異常監視手段による監視処理は、遊技不許可の状態である場合には実行されない
ことを特徴とする遊技機。
上記第38の目的を達成するために、本発明は、以下のような第69−1の遊技機を提供する。
遊技の動作を制御する遊技制御手段(例えば、主制御メイン処理)と、
前記遊技制御手段による制御処理中に、所定周期で割込み処理を実行可能な割込み処理実行手段(例えば、システムタイマ割込み処理)と、を備え、
前記割込み処理実行手段は、複数種の異常項目を監視可能な異常監視手段(例えば、汎用異常検知判定処理)を有し、
前記複数種の異常項目のそれぞれに対して監視対象とするか否かを規定した監視特定情報が設けられ、
前記異常監視手段は、
異常項目の異常の有無を示す情報及び前記監視特定情報に基づいて、異常項目に対して異常の有無の判定を行い、当該判定を全ての異常項目に対して繰り返し行い、
監視対象とならない異常項目に対する判定では、当該異常項目の異常の有無に関係なく、異常の有無の判定結果を異常無しとする
ことを特徴とする遊技機。
また、前記本発明の第69−1の遊技機では、前記異常監視手段は、異常項目の異常の有無を示す情報と、前記監視特定情報で規定されている当該異常項目を監視対象とするか否かの情報との論理積演算を行い、該論理積演算の結果に基づいて当該異常項目の異常の有無を判定するようにしてもよい。
また、上記第38の目的を達成するために、本発明は、以下のような第69−2の遊技機を提供する。
遊技の動作を制御する遊技制御手段(例えば、主制御メイン処理)と、
前記遊技制御手段による制御処理中に、所定周期で割込み処理を実行可能な割込み処理実行手段(例えば、システムタイマ割込み処理)と、を備え、
前記割込み処理実行手段は、複数種の異常項目を監視可能な異常監視手段(例えば、汎用異常検知判定処理)を有し、
前記複数種の異常項目のそれぞれに対して監視対象とするか否かを規定した監視特定情報が設けられ、
前記異常監視手段は、
異常項目の異常の有無を示す情報及び前記監視特定情報に基づいて、異常項目に対して異常の有無の判定を行い、当該判定を全ての異常項目に対して繰り返し行い、
監視対象とならない異常項目に対する判定では、当該異常項目の異常の有無に関係なく、異常の有無の判定結果を異常無しとし、
前記異常監視手段による監視処理は、遊技不許可の状態である場合には実行されない
ことを特徴とする遊技機。
上記構成の本発明の第68及び第69の遊技機によれば、主制御回路で行われる処理をより効率よく実行し、主制御回路の処理負荷を軽減することができる。
[第70及び第71の遊技機]
従来、大当り遊技状態が終了した後に確率変動遊技状態(以下、「確変遊技状態」という)に移行するパチンコ遊技機が知られている(例えば、特開2014−103996号公報参照)。確変遊技状態では、所定の組合せの識別情報が通常時よりも高い確率で導出表示される。また、特開2014−103996号公報で開示されているパチンコ遊技機では、確変遊技状態中に遊技状態の転落の当選又は非当選を決定する抽選(転落抽選)を行う機能が設けられ、転落に当選すると、確変遊技状態が終了して、所定の組合せの識別情報が通常時の確率で導出表示される遊技状態に移行する。
ところで、従来、上述した転落抽選の機能を備えた遊技機では、転落抽選当選時にも遊技の興趣の低下を抑制することが求められている。
本発明は上記第39の課題を解決するためになられたものであり、本発明の第39の目的は、転落抽選の機能を備えた遊技機において、転落抽選当選時の遊技の興趣の低下を抑制することが可能な技術を提供することである。
上記第39の目的を達成するために、本発明は、以下のような第70の遊技機を提供する。
所定の開始条件(例えば、第1始動口6044の入賞)の成立を契機として、遊技者に有利な特別遊技状態(例えば、大当り遊技状態)に移行させるか否かを判定する判定手段(例えば、メインCPU6101)と、
前記判定手段による判定結果に基づいて、識別情報(例えば、第1特別図柄)を変動表示する識別情報表示手段(例えば、第1特別図柄表示装置6061)と、
前記判定手段により前記特別遊技状態に移行すると判定される確率が遊技者に不利な通常遊技状態より高くなる高確遊技状態(例えば、確変遊技状態)において、前記識別情報の変動表示の開始前に、遊技状態を前記通常遊技状態に移行させるか否かを決定する転落決定手段(例えば、特別図柄転落判定処理)と、
前記所定の開始条件が成立する確率が高くなる高入賞遊技状態(例えば、時短遊技状態)中に所定の外部信号(例えば、第1大当り信号)を出力し続ける外部信号出力手段と、を備え、
前記転落決定手段により遊技状態を前記通常遊技状態に移行させることが決定され、且つ、前記高入賞遊技状態が終了する場合には、当該識別情報の変動表示が終了するまで、前記外部信号出力手段による前記所定の外部信号の出力が延長される
ことを特徴とする遊技機。
また、前記本発明の第70の遊技機では、前記所定の外部信号の出力を延長するか否かを示す延長フラグ(例えば、第1大当り信号延長フラグ)が設けられ、
前記転落決定手段により遊技状態を前記通常遊技状態に移行させることが決定され、且つ、前記高入賞遊技状態が終了する場合には、当該識別情報の変動表示の開始前に前記延長フラグがオンされ、当該識別情報の変動表示の終了時に前記延長フラグがオフされるようにしてもよい。
上記第39の目的を達成するために、本発明は、以下のような第71の遊技機を提供する。
所定の開始条件(例えば、第1始動口6044の入賞)の成立を契機として、遊技者に有利な特別遊技状態(例えば、大当り遊技状態)に移行させるか否かを判定する判定手段(例えば、メインCPU6101)と、
前記判定手段による判定結果に基づいて、識別情報(例えば、第1特別図柄)を変動表示する識別情報表示手段(例えば、第1特別図柄表示装置6061)と、
前記判定手段により前記特別遊技状態に移行すると判定される確率が遊技者に不利な通常遊技状態より高くなる高確遊技状態(例えば、確変遊技状態)において、前記識別情報の変動表示の開始前に、遊技状態を前記通常遊技状態に移行させるか否かを決定する転落決定手段(例えば、特別図柄転落判定処理)と、
前記所定の開始条件が成立する確率が高くなる高入賞遊技状態(例えば、時短遊技状態)中、及び、前記特別遊技状態中に所定の外部信号(例えば、第1大当り信号)を出力し続ける外部信号出力手段と、を備え、
前記転落決定手段により遊技状態を前記通常遊技状態に移行させることが決定され、且つ、前記高入賞遊技状態が終了する場合、及び、前記高確遊技状態中であり、前記判定手段により前記特別遊技状態への移行が決定され、且つ、前記高入賞遊技状態が終了する場合には、当該識別情報の変動表示が終了するまで、前記外部信号出力手段による前記所定の外部信号の出力が延長される
ことを特徴とする遊技機。
また、前記本発明の第71の遊技機では、さらに、前記高入賞遊技状態中には点灯し、前記高入賞遊技状態が終了した場合に消灯する報知ランプ(例えば、時短ランプ)を備えるようにしてもよい。
上記構成の本発明の第70及び第71の遊技機によれば、転落抽選当選時の遊技の興趣の低下を抑制することができる。
[第14実施形態]
以下、第14実施形態に係るパチンコ遊技機について説明する。この第14実施形態に係るパチンコ遊技機を説明するにあたり、第11実施形態〜第13実施形態の構成と共通する構成及び制御についての記載は省略する。なお、省略された記載は、この第14実施形態のパチンコ遊技機においても適用される。ただし、第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示とが同時に変動することが可能な制御に限っては、第12実施形態に係るパチンコ遊技機と同様である。なお、第1実施形態〜第10実施形態に記載した発明を、以下に説明する第14実施形態に係るパチンコ遊技機に適用することができる。例えば、透明パネル7172と略同じ大きさの表示領域を有する大型の液晶表示装置を透明パネル172の後面側に配置したり、透明パネル7172等の遊技盤の前面全体にプロジェクタユニットB等により映像を投影することにより、遊技領域の略全域に表示または投影される画像や映像を視認できるように構成し、遊技球の位置に基づく演出(例えば軌跡演出)を行うようにしてもよい。
また、この第14実施形態に係るパチンコ遊技機では、第11実施形態〜第13実施形態に係るパチンコ遊技機と形状および機能のいずれもが全く同じ部材についても、原則として異なる符号を付すものとする。
[1.遊技機の構成]
[1−1.外観構成]
図353は、第14実施形態に係るパチンコ遊技機における遊技盤ユニット7017の外観を示す正面図の一例である。同図に示すように、遊技盤ユニット7017は、発射された遊技球が転動流下可能な遊技領域7020が形成される透明パネル7172と、遊技領域7020の略中央部に配置されるセンターユニット7174と、第1始動口7420と、一般入賞口7053と、通過ゲート7049と、大入賞口7540と、特別電動役物7600と、第2始動口7440と、普通電動役物7460と、小当り入賞口7560と、小当りアタッカー7562と、裏ユニット(図示せず)と、液晶表示装置7016(後述する図354〜図356参照)と、7セグ表示器7770と、第4図柄表示器7785と、ルーレットランプ7790とを備える。
センターユニット7174、第1始動口7420、一般入賞口7053、通過ゲート7049、大入賞口7540、特別電動役物7600、第2始動口7440、普通電動役物7460、小当り入賞口7560、小当りアタッカー7562、第4図柄表示器7785およびルーレットランプ7790は、透明パネル7172の前方側に設けられる。裏ユニットは、遊技盤ユニット7017を装飾するものであって、透明パネル7172の後方側に設けられる。
液晶表示装置7016(後述する図354〜図356参照)は、透明パネル7172の略中央に形成された略円形の開口部7722に臨むように配置されている。7セグ表示器7770およびルーレットランプ7790は、液晶表示装置7016の前方側に設けられている。第4図柄表示器7785は、7セグ表示器7770の右下方であって且つ開口部7722の周縁部に設けられている。
また、この第14実施形態では図示を省略するが、遊技盤ユニット7017の右下部には、第11実施形態のパチンコ遊技機1001と同様に、LEDユニット1070が配置されている(図140、図141参照)。このLEDユニット1070は、第11実施形態のパチンコ遊技機1001と同様に、普通図柄表示部7071、普通図柄用保留表示部7072、第1特別図柄表示部7073、第2特別図柄表示部7074、第1特別図柄用保留表示部7075および第2特別図柄用保留表示部7076を具備する。ただし、これらの符号は第11実施形態のパチンコ遊技機1001に付した符号と異なる。
以下、上述した各部材について詳述する。
第1始動口7420および一般入賞口7053は、左打ちされた遊技球、すなわち遊技領域7020のうちセンターユニット7174よりも左側の領域(以下「左側領域」と称する)を流下する遊技球が入賞可能となるように配置されている。ただし、右打ちされた遊技球、すなわち遊技領域7020のうちセンターユニット7174よりも右側の領域(以下「右側領域」と称する)を流下する遊技球が、例えば透明パネル7172に植設された誘導釘等によって誘導されて第1始動口7420や一般入賞口7053に入賞する場合があってもよい。
第1始動口7420は、遊技領域7020の左右方向の略中央であって且つ開口部7722の下方に配置されている。この第1始動口7420は、遊技球の入賞を条件に第1特別図柄抽選の契機を与えるものであり、左側領域に向けて発射された遊技球が入賞可能に構成されている。第1始動口7420に遊技球が受け入れられると、当該遊技球が第1始動口スイッチ7421(後述の図357参照)に検知される。第1始動口スイッチ7421に遊技球が検知されると第1始動口への入賞となり、メインCPU7101(後述の図357参照)は、払出・発射制御回路7300を介して所定数(例えば4個)の賞球を払い出すとともに、第1特別図柄抽選を行う。また、第1始動口スイッチ7421により遊技球が検知されると、各種乱数(第1始動情報)が抽出され、抽出された各種乱数は所定数(例えば最大4個)まで保留される。メインCPU7101は、保留された各種乱数を順に用いて特別図柄抽選の結果を第1特別図柄表示部7073(図357参照)に導出する。
一般入賞口7053は、第1始動口7420の左下方に配置されている。一般入賞口7053に遊技球が受け入れられると、当該遊技球が一般入賞口スイッチ7531(後述の図357参照)に検知される。一般入賞口スイッチ7531に遊技球が検知されると一般入賞口7053への入賞となり、メインCPU7101は、払出・発射制御回路7300を介して所定数(例えば4個)の賞球を払い出す。
左打ちされた遊技球のうち、第1始動口7420および一般入賞口7053のいずれにも入賞しなかった遊技球は、アウト口7057からパチンコ遊技機外に排出される。
通過ゲート7049、大入賞口7540、特別電動役物7600、第2始動口7440、普通電動役物7460、小当り入賞口7560および小当りアタッカー7562は、右側領域に配置されている。これらのうち、通過ゲート7049が最も上流側に配置されている。
通過ゲート7049は、遊技球の入賞(通過)を条件に普通図柄判定の契機を与えるものである。通過ゲート7049を遊技球が通過すると、当該通過した遊技球が通過ゲートスイッチ7050(後述の図357参照)に検知される。通過ゲートスイッチ7050に遊技球が検知されると普通図柄判定用乱数が抽出され、抽出された普通図柄判定用乱数は所定数(例えば最大4個)まで保留される。メインCPU7101(後述の図357参照)は、保留された普通図柄判定用乱数を順に用いて普通図柄判定を行うとともに、普通図柄の変動表示を行い、その後、変動表示中の普通図柄を停止させて普通図柄判定の結果を普通図柄表示部7071(図357参照)に導出する。なお、普通図柄判定は概ね1分の1の確率で当選する(普通図柄当りとなる)ように行われる。また、普通図柄の変動時間は、時短遊技状態と非時短遊技状態とで異なっており、さらに普通図柄判定の結果によっても異なる。例えば、時短遊技状態における普通図柄の変動時間は、普通図柄当りおよび普通図柄ハズレのいずれにおいても例えば200msecである。また、非時短遊技状態における普通図柄の変動時間は、普通図柄当りのときは例えば3000msec、普通図柄ハズレのときは例えば500msecである。
通過ゲート7049の下流側には大入賞口7540が配置されており、大入賞口7540の上方には特別電動役物7600が配置されている。特別電動役物7600は、前後方向に進退可能なシャッタ7610および当該シャッタ7610を駆動する大入賞口ソレノイド7620(後述する図357参照)を具備する。
特別電動役物7600は、大入賞口ソレノイド7620によりシャッタ7610が駆動されることによって、大入賞口7540への遊技球の入賞を可能(又は容易)とする開放状態と、大入賞口7540への遊技球の入賞を不可能(又は困難)とする閉鎖状態と、に移行(駆動)可能に構成される。特別電動役物7600(シャッタ7610)による開放駆動は、第1特別図柄表示部7073又は第2特別図柄表示部7074において特別図柄が特定の停止表示態様となって、大当り遊技状態に移行された場合に行われる。
シャッタ7610が駆動されて大入賞口7540が開放状態(最大開放時間は例えば最大30秒)となった後、大入賞口7540に遊技球が受け入れられると、当該遊技球が大入賞カウントスイッチ7541に検知される。大入賞カウントスイッチ7541に遊技球が検知されると大入賞口7540への入賞となり、メインCPU7101は、払出・発射制御回路7300を介して所定数(例えば13個)の賞球を払い出す。そして、大入賞カウントスイッチ7541により7個の入賞がカウントされるか、最大開放時間が経過すると、シャッタ7610が駆動されて大入賞口7540が閉鎖態様とされる。
大入賞口7540の下流側には、第2始動口7440が配置されている。第2始動口7440の上方には普通電動役物7460が配置されている。普通電動役物7460は、前後方向に進退可能なシャッタ7410および当該シャッタ7410を駆動する始動口ソレノイド7630(後述する図357参照)を具備する。
第2始動口7440は、遊技球の入賞を条件に第2特別図柄抽選の契機を与えるものであり、右側領域に向けて発射された遊技球が入賞可能に構成されている。第2始動口7440に遊技球が受け入れられると、当該遊技球が第2始動口スイッチ7441(後述の図357参照)に検知される。第2始動口スイッチ7441に遊技球が検知されると第2始動口への入賞となり、メインCPU7101は、払出・発射制御回路7300を介して所定数(例えば1個)の賞球を払い出すとともに、第2特別図柄抽選を行う。また、第2始動口スイッチ7441により遊技球が検知されると、各種乱数(第2始動情報)が抽出され、抽出された各種乱数は所定数(例えば最大4個)まで保留される。メインCPU7101は、保留された各種乱数を順に用いて特別図柄抽選の結果を第2特別図柄表示部7074(図357参照)に導出する。
普通電動役物7460は、始動口ソレノイド7630によりシャッタ7410が駆動されることによって、第2始動口7440への遊技球の入賞を可能(又は容易)とする開放状態と、第2始動口7440への遊技球の入賞を不可能(又は困難)とする閉鎖状態と、に移行(駆動)可能に構成される。普通電動役物7460(シャッタ7410)による開放駆動は、普通図柄表示部7071において普通図柄が特定の停止表示態様(普通図柄当り)となった場合に、所定の期間および回数だけ行われる。なお、普通電動役物7460(シャッタ7410)による開放駆動時間(第2始動口7440が開放状態となる時間)は、時短遊技状態と非時短遊技状態とで異なっており、時短遊技状態では例えば300msec、非時短遊技状態では例えば5800msecとなっている。
第2始動口7440の下流側には、小当り入賞口7560が配置されている。小当り入賞口7560の上方には小当りアタッカー7562が配置されている。小当りアタッカ−7562は、前後方向に進退可能なシャッタとして機能し、小当り入賞口ソレノイド(図示せず)により駆動される。
小当り遊技状態では、小当りアタッカー7562が駆動されて小当り入賞口7560が開放状態(最大開放時間は例えば1800msec)となった後、小当り入賞口7560に遊技球が受け入れられると、当該遊技球が小当り入賞カウントスイッチ7561(後述の図357参照)に検知される。小当り入賞カウントスイッチ7561に遊技球が検知されると小当り入賞口7560への入賞となり、メインCPU7101は、払出・発射制御回路7300を介して所定数(例えば13個)の賞球を払い出す。そして、小当り入賞カウントスイッチ7561により最大で7個までの入賞がカウントされるか、最大開放時間が経過すると、小当りアタッカー7562が駆動されて小当り入賞口7560が閉鎖態様とされる。なお、小当り遊技状態では、小当り入賞口7560に入賞した遊技球をカウントせずに、最大開放時間が経過したときに小当り入賞口7560を閉鎖するようにしてもよい。
ただし、上述した通り、小当り入賞口7560は第2始動口7440の下流側に配置されているため、例えば普通図柄当りとなって第2始動口7440が開放状態となったときには、たとえ小当り入賞口7560が開放状態であったとしても右打ちされた遊技球が第2始動口7440に入賞し、小当り入賞口7560への入賞は困難となる。
7セグ表示器7770は、正面視で、透明パネル7172に形成された開口部7722の内側、すなわち液晶表示装置7016の前方に位置できるよう設けられる。詳細は後述するが、サブCPUの機能を有するホスト制御回路7212(後述の図357参照)は、この7セグ表示器7770に、第1特別図柄または第2特別図柄に対応する装飾図柄(第1図柄、第2図柄、第3図柄)が表示されるよう制御する。例えば、確変フラグおよび時短フラグのいずれもOFFの通常遊技状態では第1特別図柄に対応する装飾図柄が7セグ表示器7770に表示され、確変フラグおよび時短フラグのうちいずれかがONの遊技状態では第2特別図柄に対応する装飾図柄が7セグ表示器7770に表示される。なお、詳細は後述するが、7セグ表示器7770は、開口部7722の下方に向けて退避できるように構成されている。
7セグ表示器7770の周囲には、開口部7722と7セグ表示器7770との間における液晶表示装置7016の表示領域を覆う表示シャッタ7780が設けられている。したがって、7セグ表示器7770および表示シャッタ7780の両方が液晶表示装置7016の前方に位置しているときは、液晶表示装置7016の表示領域に表示される演出画像を正面視で視認できない又は視認困難となる。
なお、7セグ表示器7770および表示シャッタ7780は、液晶表示装置7016の前方に進出した進出位置(図353に示される位置)と、液晶表示装置7016の前方から退避した退避位置(後述する図356)との間で移動できるよう構成されている。
ここで、図354は、進出位置から退避位置に向けて表示シャッタ7780が移動中であるときの遊技盤ユニット7017の外観を示す正面図の一例である。
図354に示すように、表示シャッタ7780は分割構成されており、正面視でルーレットランプ7790よりも上方部分は、開口部7722の径方向外側に向けて退避できるように移動可能に構成されている。一方、分割構成された表示シャッタ7780のうち、正面視でルーレットランプ7790よりも下方部分は、移動できないよう固定されている。よって、この明細書において、「表示シャッタ7780が退避位置にある」とは、分割構成された表示シャッタ7780のうち、正面視でルーレットランプ7790よりも上方部分が液晶表示装置7016の前方から退避していることを意味する。
また、図355は、7セグ表示器7770が進出位置且つ表示シャッタ7780の上半分が退避位置であるときの遊技盤ユニット7017の外観を示す正面図の一例である。
図355に示すように、7セグ表示器7770および表示シャッタ7780のうち表示シャッタ7780のみが退避位置に移動すると、液晶表示装置7016の表示領域の一部が露出する。これにより、露出した液晶表示装置7016の表示領域に表示される演出画像を視認することが可能となる。
さらに、図356は、7セグ表示器7770および表示シャッタ7780のいずれもが退避位置であるときの遊技盤ユニット7017の外観を示す正面図の一例である。
図356に示すように、7セグ表示器7770および表示シャッタ7780のいずれもが退避位置に移動すると、正面視で7セグ表示器7770を視認できないか又は困難となるものの、液晶表示装置7016の表示領域のうち、図355よりもより多くの表示領域を露出する。これにより、表示制御回路7240は、図355よりも大きな表示領域を用いて演出画像を表示することが可能となる。
なお、詳細は後述するが、図353〜図356のうち、7セグ表示器7770および表示シャッタ7780の位置がいずれに制御されるかについては遊技状態に応じて異なる。
第4図柄表示器7785は、開口部7722の周縁に沿う右下方に配置されている。この第4図柄表示器7785は、2組の表示器が左右方向に並んで配置されている。
ルーレットランプ7790は、左右方向に一列に並ぶ8個のLEDで構成されており、液晶表示装置7016(後述する図354〜図356参照)の前方且つ第4図柄表示器7785の左方に配置されている。ホスト制御回路7212は、このルーレットランプ7790を、第1特別図柄抽選または第2特別図柄抽選に基づいて点灯または点滅させる演出を実行する。なお、ルーレットランプ7790は、白色、紫色、赤色、黄色、緑色、青色といった複数色を点灯可能なLEDで構成されている。
なお、ルーレットランプ7790を構成するLEDの数は、8個に限らず任意の数にすることができるが、複数個であることが好ましい。
また、ルーレットランプ7790は、複数個のLEDを左右方向に一列に並べることに限られず、例えば、複数個のLEDを左右方向に複数列に並べてもよいし、複数個のLEDを上下方向や斜め方向に一列または複数列に並べてもよいし、複数個のLEDを環状に並べてもよく、特定の配列に限定されるものではない。
正面視で7セグ表示器7770の左方には第1保留ランプ7791および第2保留ランプ7792が配置されており、7セグ表示器7770の右方には第3保留ランプ7793および第4保留ランプ7794が配置されている。ホスト制御回路7212は、メインRAM7103に設けられた第1特別図柄始動記憶領域(1)〜第1特別図柄始動記憶領域(4)へのデータ(第1始動情報)の記憶状況にかかわるコマンドをメインCPU7101から受信したことに基づいて、これらの保留ランプ7791〜7794の点灯制御を行う。例えば、ホスト制御回路7212は、第1特別図柄始動記憶領域(1)に第1始動情報(例えば、第1始動口7420への遊技球の入賞に基づいて抽出された大当り判定用乱数や図柄乱数等)が記憶されていれば第1保留ランプ7791を点灯させ、第1特別図柄始動記憶領域(2)に第1始動情報が記憶されていれば第2保留ランプ7792を点灯させ、第1特別図柄始動記憶領域(3)に第1始動情報が記憶されていれば第3保留ランプ7793を点灯させ、第1特別図柄始動記憶領域(4)に第1始動情報が記憶されていれば第4保留ランプ7794を点灯させる。
また、保留ランプ7791〜7794は、例えば、白色、紫色、赤色といった複数色を点灯可能なLEDで構成されており、ホスト制御回路7212は、第1特別図柄抽選に先だって行われる先読み判定の結果に基づく発光態様で、対応する保留ランプ7791〜7794の点灯制御を行う。例えば、第1特別図柄抽選の結果が大当りである期待値は、白色、紫色および赤色のうち、赤色で発光したときが最も高く、次いで紫色で発光したときが高く、白色で発光したときは最も低い。すなわち、例えば、第4保留ランプ7794が赤色で発光し、第1保留ランプ7791〜第3保留ランプ7793が白色で発光したとき、第1特別図柄始動記憶領域(4)に記憶されている第1始動情報を用いた第1特別図柄抽選に基づいて第1特別図柄の変動表示が行われたときには、第1特別図柄始動記憶領域(1)〜(3)に記憶されている第1始動情報を用いた第1特別図柄抽選に基づいて第1特別図柄の変動表示が行われたときと比べて、大当りを示す図柄態様が導出される期待値が高いことを示す。
[1−2.電気的構成]
図357は、第14実施形態に係るパチンコ遊技機の制御回路を示すブロック図の一例である。
図357に示すように、第14実施形態に係るパチンコ遊技機は、第11実施形態に係るパチンコ遊技機1001と同様、主に、遊技の制御を行う主制御回路7100と、遊技の進行に応じた演出の制御を行うサブ制御回路7200と、払出・発射制御回路7300と、電源供給回路7338と、から構成される。以下、第11実施形態に係るパチンコ遊技機1001と構成を異にするサブ制御回路7200について説明する。なお、図357に示されるその他の部材(払出・発射制御回路7300、電源供給回路7338、電源スイッチ7035等)については、符号は異なるものの機能は第11実施形態に係るパチンコ遊技機1001と同様であるため、説明を省略する。また、主制御回路7100については、メインCPU7101により実行される処理が第11実施形態に係るパチンコ遊技機1001と異なるものの、構成が第11実施形態に係るパチンコ遊技機1001と同様であるため、説明を省略する。
[1−2−1.主制御回路]
主制御回路7100は、メインCPU7101、メインROM7102(読み出し専用メモリ)およびメインRAM7103(読み書き可能メモリ)等を具備しており、主基板ケース内に収容されている。
メインCPU7101には、メインROM7102や、メインRAM7103等が接続される。メインCPU7101は、メインROM7102に記憶されたプログラムに従って、各種の処理を実行する機能を有する。
メインROM7102には、メインCPU7101によりパチンコ遊技機の動作を制御するためのプログラムや、各種のテーブル等が記憶されている。
メインRAM7103は、メインCPU7101の一時記憶領域として種々のフラグや変数の値を記憶する機能を有し、無通電状態すなわち電断(電源OFF)時であっても書き込まれた情報を記憶保持可能である。なお、本実施形態においては、メインCPU7101の一時記憶領域としてメインRAM7103を用いているが、これに限らず、読み書き可能な記憶媒体であればよい。
メインRAM7103には、特別図柄ゲームの情報が始動情報として記憶される記憶領域が設けられる。具体的には、メインRAM7103には、変動中の第1特別図柄に対応する特別図柄ゲームの情報が始動記憶として記憶される第1特別図柄始動記憶領域(0)と、上限4回分の第1特別図柄に対応する特別図柄ゲームの情報が始動記憶として記憶される第1特別図柄始動記憶領域(1)〜第1特別図柄始動記憶領域(4)と、が設けられる。また同様に、メインRAM7103には、変動中の第2特別図柄に対応する特別図柄ゲームの情報が始動記憶として記憶される第2特別図柄始動記憶領域(0)と、上限4回分の第2特別図柄に対応する特別図柄ゲームの情報が始動記憶として記憶される第2特別図柄始動記憶領域(1)から第2特別図柄始動記憶領域(4)と、が設けられる。
また、主制御回路7100は、電源投入時においてリセット信号を生成する初期リセット回路7104や、I/Oポート7105、コマンド出力ポート7106、バックアップコンデンサ7107等を具備する。初期リセット回路7104は、メインCPU7101に接続される。I/Oポート7105は、各種のデバイスからの入力信号をメインCPU7101に送信したり、メインCPU7101からの出力信号を各種の装置に送信したりするものである。コマンド出力ポート7106は、メインCPU7101からのコマンドをサブ制御回路7200に送信するものである。バックアップコンデンサ7107は、電断(電源OFF)時において、例えばメインRAM7103に対して速やかに電源を供給することにより、メインRAM7103に記憶されている各種データを保持するものである。
また、主制御回路7100には、各種の装置(部材)が接続されている。
例えば、主制御回路7100には、普通図柄表示部7071や、普通図柄用保留表示部7072、第1特別図柄表示部7073、第2特別図柄表示部7074、第1特別図柄用保留表示部7075、第2特別図柄用保留表示部7076、普通電動役物7460のシャッタ7410を駆動する始動口ソレノイド7630、シャッタ7610を駆動する大入賞口ソレノイド7620等が接続されている。主制御回路7100は、信号を送信することにより、これらの装置(部材)の動作を制御することができる。また、主制御回路7100には、ホール係員を呼び出す機能や大当り回数を表示する機能等を有する呼出装置(不図示)や、ホール全体のパチンコ遊技機を管理するホールコンピュータ7700にデータ送信するために用いる外部端子板7323が接続されている。
また、主制御回路7100には、第1始動口スイッチ7421や、第2始動口スイッチ7441、通過ゲートスイッチ7050、大入賞カウントスイッチ7541、小当り入賞カウントスイッチ7561、一般入賞口スイッチ7531、性能表示モニタ7334等が接続されている。主制御回路7100には、これらの部材で遊技球が検知された場合に、当該部材から所定の検知信号が供給される。また、主制御回路7100には、電断時におけるバックアップデータを遊技場の管理者の操作に応じてクリアするバックアップクリアスイッチ7330等が接続されている。
さらに、主制御回路7100には、設定キー7328および設定スイッチ7332も接続されている。設定キー7328は、後述の設定変更処理や設定確認処理を実行するための契機となる鍵または鍵に類するものである。設定スイッチ7332は、押下操作可能であり、後述の設定変更処理の際に、セットされている設定値を変更するためのものである。上述したとおり、設定キー7328および設定スイッチ7332は、遊技機管理責任者以外の第三者(例えば遊技者)が容易に操作できないように主基板ケース内に収容されている。
また、主制御回路7100には、払出・発射制御回路7300が接続されている。払出・発射制御回路7300には、遊技球の払い出しを行う払出装置7350や、遊技球の発射を行う発射装置7340、カードユニット7360等が接続されている。カードユニット7360には、球貸し操作パネル7370が接続され、当該球貸し操作パネル7370への遊技者の操作に応じた信号が供給される。
[1−2−2.払出・発射制御回路]
払出・発射制御回路7300は、主制御回路7100から供給される賞球制御コマンドや、カードユニット7360から供給される貸し球制御信号を受け取ると、払出装置7350に対して所定の信号を送信し、払出装置7350に遊技球を払い出させる制御を行う。また、払出・発射制御回路7300は、発射ハンドル(図示せず)が遊技者によって握持され、かつ、時計回り方向へ回動操作されると、その回動角度(回動量)に応じて発射ソレノイド(図示せず)に電力を供給し、遊技球を発射させる制御を行う。
さらに、コマンド出力ポート7106には、サブ制御回路7200(中継基板7202)が接続されている。サブ制御回路7200は、主制御回路7100から供給される各種のコマンドに応じて、液晶表示装置7016における表示制御や、スピーカ7024から発生させる音声に関する制御、ランプ(LED)群7025の光に関する制御等を行う。
なお、本実施形態においては、主制御回路7100からサブ制御回路7200にコマンドを供給する一方、サブ制御回路7200から主制御回路7100に信号を供給できないように構成したが、これに限らず、サブ制御回路7200から主制御回路7100に信号を送信できるように構成してもよい。
払出・発射制御回路7300は、第14実施形態に係るパチンコ遊技機からの賞球や貸球の払い出しを制御するものであり、この払出・発射制御回路7300には、遊技球を払い出すための払出装置7350、遊技球を発射するための発射装置7340、電断時におけるバックアップデータを遊技場の管理者の操作に応じてクリアするバックアップクリアスイッチ7330等が接続されている。
[1−2−3.電源供給回路]
電源供給回路7338は、第14実施形態に係るパチンコ遊技機で遊技を行うために必要な電源電圧を、主制御回路7100、サブ制御回路7200、払出・発射制御回路7300等に供給するために作成する電源回路である。
電源供給回路7338には、電源スイッチ35等が接続されている。電源スイッチ35は、第14実施形態に係るパチンコ遊技機に必要な電源を供給するときにON操作するものである。
なお、設定キー7328および設定スイッチ7332は、上述したように主制御回路7100に接続されているが、これに代えて、電源供給回路7338に接続されるようにしても良い。この場合であっても、遊技機管理責任者以外の第三者(例えば遊技者)が設定スイッチ7332や設定キー7328を容易に操作できないように、所定のケース内に収容されていることが好ましい。このような場合であっても、所定のケース内とは、正に当該ケースを開放しないと設定スイッチ7332や設定キー7328を操作できないものに加え、上記ケースの設定スイッチ7332および設定キー7328の対応箇所にのみ切欠きがあり、遊技機管理責任者が管理する鍵を使用してパチンコ遊技機を設置している島設備から当該パチンコ遊技機を回動させて背面を露出させたときに、遊技機管理責任者が設定スイッチ7332または/および設定キー7328を操作できるようにされているものも含む。
ここで、性能表示モニタ7334に表示される表示内容について説明する。性能表示モニタ7334には、メインCPU7101の制御により性能表示データが表示される。性能表示データは、例えば、所定数(例えば60000発)の遊技球の発射に対して大当り遊技状態以外で払い出された遊技球の割合を示すデータであり、ベース値とも呼ばれる。
メインCPU7101は、過去の遊技履歴に基づいてベース値を集計し、集計結果をメインRAM7103の作業領域のうち後述する特定作業領域に記憶する。この特定作業領域については後述するが、後述のバックアップクリア処理が行われてもデータがクリアされない領域である。なお、ベース値の集計は、所定の操作が行われたことに基づいて行われるようにしても良いし、常に集計を行って性能表示モニタ7334にベース値が常時表示されるようにしても良い。
メインCPU7101は、初期電源投入(パチンコ遊技機が製造されたのち初めての電源投入)から現在までの全遊技履歴に基づいて全ベース値の集計を実行する全履歴集計手段と、設定値毎の過去の遊技履歴に基づいて設定値別ベース値の集計を実行する設定値別履歴集計手段とを備える。
例えば遊技機管理責任者等によって全ベース値の表示操作が行われると、全履歴集計手段は、上記の全ベース値の集計を実行する。全履歴集計手段により集計された全ベース値は、メインCPU7101によって性能表示モニタ7334に表示される。また、設定値別ベース値の表示操作が行われると、設定値別履歴集計手段は、設定値別ベース値の集計を実行する。設定値別履歴集計手段により集計された設定値別ベース値は、メインCPU7101によって性能表示モニタ7334に表示される。
設定値別履歴集計手段は、要求(操作)に応じて、任意の設定値についてのベース値のみを集計することもできる。この場合、セットされている設定値についてのベース値だけでなく、セットされている設定値以外の他の設定値についてのベース値を集計することもできる。したがって、メインCPU7101は、後述する設定変更処理を実行することなく、他の設定値についてのベース値を性能表示モニタ7334に表示することができる。
なお、メインCPU7101は、例えば遊技機管理責任者等による操作に応じて、全履歴集計手段により集計された全ベース値と、設定値別履歴集計手段により集計された設定値別ベース値との両方を性能表示モニタ7334に表示することもできるし、これらのうちいずれか一方のみを選択的に性能表示モニタ7334に表示することもできる。
また、メインCPU7101は、特定の設定値のベース値のみを性能表示モニタ7334に表示しても良いし、全設定値のベース値を一覧で表示しても良い。また、全ベース値と設定値別ベース値との両方を一覧で表示しても良い。全設定値のベース値を一覧で表示する場合や、全ベース値と設定値別ベース値との両方を一覧で表示する場合には、性能表示モニタ7334と他の表示手段との両方を使って表示するようにしても良い。
また、メインCPU7101は、全履歴集計手段と設定値別履歴集計手段とを備えるが、これらに加えてまたは設定値別履歴集計手段に代えて、後述する設定変更処理が実行されてから現在までの遊技履歴に基づいて設定変更後ベース値を集計する設定変更後履歴集計手段を備えるようにしても良い。この場合、メインCPU7101は、設定変更後ベース値の表示操作に基づいて設定変更後の設定値別ベース値を性能表示モニタ7334に表示することができる。
このように、全ベース値と、設定値別ベース値または/および設定変更後の設定値別ベース値とのうち全部または一部が性能表示モニタ7334に表示されるようにすることで、パチンコ遊技機における過去の遊技履歴に基づく情報を容易に確認することが可能となる。
なお、本実施例ではベース値を性能表示モニタ7334に表示するようにしたが、遊技球の総払出数に対し、特別電動役物(大入賞口)、普通電動役物への入球により払い出された遊技球数(役物による払出)の割合を表示するようにしてもよい。また、それは総発射数に対する表示でもよく、さらに特別電動役物(大入賞口)により払い出された遊技球数の割合を表示するものでもよい。またそれらを設定別に表示してもよい。
また、エラー報知モニタ7336には、後述するエラーコードが表示される。このエラー報知モニタ7336には、エラーコードの他に、後述する設定変更処理中であることを示す設定変更中コード、後述設定確認処理中であることを示す設定確認中コード等を表示することもできる。なお、設定変更中において、特別図柄表示装置において通常では表示することのない図柄(設定変更図柄)を表示するようにしてもよい。
[1−2−4.サブ制御回路]
次に、図358を参照しながら、サブ制御回路7200の内部構成について説明する。なお、図358は、第14実施形態に係るパチンコ遊技機のサブ制御回路7200内部の回路構成、並びに、サブ制御回路7200とその各種周辺装置との接続関係を示すブロック図である。また、サブ制御回路7200の内部構成のうち、第11実施形態のパチンコ遊技機1001と共通する構成についての説明は省略する。なお、図358では、説明を省略した構成(サブ基板7210、ホスト制御回路7212、サブワークRAM7214、SRAM7216、RTC7218、音声コントローラ7222、ランプコントローラ7224、ディスプレイコントローラ7242,7244、内蔵VRAM7246、パワーアンプ7604、I2Cコントローラ7602、SDRAM7500、制御基板ROM7030、サブメインROM7032、CGROM基板7040、CGROM7060)についても、第11実施形態のパチンコ遊技機1001と符号を変えて図示している。
サブ制御回路7200には、スピーカ7024、例えばLEDからなるランプ群725、可動役物として機能する表示シャッタ7780および7セグ表示器7770、液晶表示装置7016、第4図柄表示器7785、可動役物(7セグ表示器7770、表示シャッタ7780)が初期位置にあることを検出する役物検知センサ群7002、並びに、メインCPU7101により設定された設定値との組合せにより演出の出現頻度を設定することが可能なディップスイッチ7004等が接続されている。このディップスイッチ7004は、左・中・右の三段階のうちいずれか一つに切り替え可能に構成されているが、必ずしも三段階であることに限られず、例えば左・右の二段階のうちいずれか一つに切り替え可能であってもよいし、さらに他段階のうちいずれか一つに切り替え可能であってもよく、少なくとも複数段階のうちいずれか一つに切り替えることができる操作手段であれば、ディップスイッチにも限られない。
また、図357に示される役物検知センサ群7002は、可動役物に対応して設けられるモータの数だけ設けられており、ディップスイッチ7004は、遊技機管理責任者以外の第三者(例えば遊技者)が容易に操作できないように、例えば主基板ケース内に収用されている。ただし、ディップスイッチ7004は、必ずしも主基板ケース内に収用されている必要はなく、遊技機管理責任者以外の第三者(例えば遊技者)が容易に操作できない場所に設けられていればよいが、設定スイッチ7332や設定キー7328とともに操作される頻度が高いため、操作性を考慮すると、これらと同様に主基板ケース内に収容されていることが好ましい。なお、ディップスイッチ7004の数は1つである。
なお、音声・LED制御回路7220から出力された制御信号及びデータ(例えば、後述のLEDデータ等)が内蔵中継基板7601を介してランプ群7025に送信される際、音声・LED制御回路7220及びランプ群7025間の通信は、第11実施形態に係るパチンコ遊技機1001と同様、SPI(Serial Periperal Interface)の通信方式(シリアル通信方式の一種)で行われる。また、この第14実施形態では、ランプ群7025には、1個以上のLED、及び、各LEDを制御するための1個以上のLEDドライバの他に、ルーレットランプ7790も含まれる。したがって、ルーレットランプ7790は、内蔵中継基板7601を介して音声・LED制御回路7220に接続され、ホスト制御回路7212から入力される制御信号に基づいて発光動作が制御されることとなる。
表示制御回路7240は、液晶表示装置7016、7セグ表示器7770および第4図柄表示器7785に接続され、ホスト制御回路7212から入力される制御信号(描画リクエスト等)に基づいて、演出に関する画像(装飾図柄画像、背景画像、演出用画像等)を液晶表示装置7016に表示させたり、特別図柄に対応させた第4図柄を第4図柄表示器7785に表示させたり、特別図柄に対応する装飾図柄を7セグ表示器7770に表示させたりする際の各種処理動作を制御するための回路である。
内蔵中継基板7601は、ホスト制御回路7212及び音声・LED制御回路7220から出力された各種信号及び各種データを受信し、該受信した各種信号及び各種データをスピーカ7024、ランプ群7025、および、可動役物として機能する表示シャッタ7780や7セグ表示器7770に送信する中継基板である。
[2.基本仕様]
次に、図359〜図364を参照して、第14実施形態に係るパチンコ遊技機の基本仕様について説明する。なお、図359〜図364の各テーブルは、メインCPU7101により実行される各種の処理に用いられるものであり、いずれもメインROM7102に記憶される。
[2−1.特別図柄抽選確率]
第14実施形態に係るパチンコ遊技機では、第1特別図柄抽選が行われると「大当り」または「ハズレ」に決定される。また、第2特別図柄抽選が行われた場合には、「大当り」、「小当り」および「ハズレ」のうちいずれかに決定される。メインROM7102に記憶される当り乱数判定テーブル(図示せず)には、第1始動口7420への入賞に基づいて実行される第1特別図柄抽選に用いられるデータとして、設定値および確変フラグの値(「0(=オフ)」又は「1(=オン)」)毎に、「大当り」又は「ハズレ」に決定される大当り判定用乱数の範囲(幅)と、それに対応する判定値データ(「大当り判定値データ」、「ハズレ判定値データ」)との関係が規定されている。また、第2始動口7440への入賞に基づいて実行される第2特別図柄抽選に用いられるデータとして、設定値および確変フラグの値(「0(=オフ)」又は「1(=オン)」)毎に、「大当り」、「小当り」又は「ハズレ」に決定される大当り判定用乱数の範囲(幅)と、それに対応する判定値データ(「大当り判定値データ」、「小当り判定値データ」、「ハズレ判定値データ」)との関係が規定されている。
なお、第14実施形態に係るパチンコ遊技機では、第1特別図柄および第2特別図柄ともに、大当り判定用乱数の総乱数は65536である。すなわち、上記の大当り判定用乱数は0〜65535の範囲(幅)で発生する。この範囲は固定値として設定されている。大当り確率は、大当り判定用乱数の総乱数に対する大当り判定値データの数によって定められ、小当り確率は、大当り判定用乱数の総乱数に対する小当り判定値データの数によって定められる。なお、大当り判定用乱数の範囲(幅)は、適宜変更しても良い。
図359は、第14実施形態に係るパチンコ遊技機の特別図柄抽選における大当りおよび小当りの確率を設定毎に示すテーブルの一例である。
図359に示されるように、第1特別図柄抽選においては、セットされている設定値に応じて大当り確率が異なっている。確変フラグがOFFであるときの遊技状態(通常遊技状態、低確時短遊技状態)において、設定値毎の大当り確率は、設定1で230分の1、設定2で220分の1、設定3で210分の1、設定4で200分の1、設定5で190分の1、設定6で180分の1となっている。また、確変フラグがONであるときの遊技状態(高確時短遊技状態、高確非時短遊技状態)において、設定値毎の大当り確率は、設定1で80分の1、設定2で76分の1、設定3で72分の1、設定4で68分の1、設定5で64分の1、設定6で60分の1となっている。
また、第2特別図柄抽選においても、セットされている設定値に応じて大当り確率が異なっている。確変フラグがOFFであるときの遊技状態(通常遊技状態、低確時短遊技状態)において、設定値毎の大当り確率は、第1特別図柄抽選と同様に、設定1で230分の1、設定2で220分の1、設定3で210分の1、設定4で200分の1、設定5で190分の1、設定6で180分の1となっている。また、確変フラグがONであるときの遊技状態(高確時短遊技状態、高確非時短遊技状態)において、設定値毎の大当り確率は、設定1で80分の1、設定2で76分の1、設定3で72分の1、設定4で68分の1、設定5で64分の1、設定6で60分の1となっている。
このように、第1特別図柄抽選と第2特別図柄抽選とでは、セットされている設定値に応じて定められる大当り確率が同じである。すなわち、設定値が同じであれば、第1特別図柄抽選における大当り確率と、第2特別図柄抽選における大当り確率とが同じである。
一方、小当り確率は、第1特別図柄抽選と第2特別図柄抽選とで異なっている。具体的には、第1特別図柄抽選では小当り判定が行われないため、小当り確率は設定されていない。これに対し、第2特別図柄抽選における小当り確率は、確変フラグがONであるかOFFであるかにかかわらず、全設定値で共通の確率(例えば1.2分の1)となっている。
ただし、小当り確率は、全設定値で共通する確率とすることは必須ではなく、低設定値における小当り確率よりも高設定値における小当り確率の方が高くなるように、設定値毎に異なる確率にしても良い。
また、第1特別図柄抽選において小当り判定を行わないことは必須ではなく、例えば、小当り確率を0に設定した上で小当り判定を行うようにしてもよい。また、第1特別図柄抽選において小当りに当選しないようにすることも必須ではなく、第2特別図柄抽選において小当りに当選する確率よりも極めて低い確率(例えば250分の1)で、第1特別図柄抽選において小当りに当選するようにしてもよい。
さらに、必ずしも複数の設定値を設ける必要はなく一つであってもよく、複数の設定値を設ける場合は必ずしも設定1〜設定6の6段階である必要はなく、例えば設定1〜4等のように任意に定めることができる。例えば設定1〜4等とした場合、設定1と設定2とで大当り確率が共通し、設定3と設定4とで大当り確率が共通するようにしてもよいし、全ての設定値に応じて大当りが異なるようにしてもよい。
[2−2.特別図柄抽選テーブル]
図360は、第14実施形態に係るパチンコ遊技機の特別図柄抽選テーブルの一例である。
図360に示すように、特別図柄抽選テーブル(第1特別図柄、第2特別図柄)は、第1始動口7420あるいは第2始動口7440に遊技球が入賞した際に取得される図柄乱数値と先述の判定値データとに基づいて、「当り時選択図柄コマンド」及び「図柄指定コマンド」を決定するために参照されるテーブルである。例えば、第1始動口7420に遊技球が入賞し、判定値データが「大当り判定値データ」であって図柄乱数値が「33」である場合には、当り時選択図柄コマンドが「z1」、「図柄指定コマンド」が「zA2」に決定される。「当り時選択図柄コマンド」は当り図柄を指定するためのコマンドであり、大当り種類はこの「当り時選択図柄コマンド」に応じて定められる。また、「図柄指定コマンド」は、特別図柄の変動停止時に表示される図柄を指定するためのコマンドである。図柄乱数値は、例えば0〜99の中から抽出される。
[2−3.大当り種類決定テーブル]
図361は、第14実施形態に係るパチンコ遊技機の大当り種類決定テーブルの一例である。なお、図361に示されるラウンド数、確変フラグ、時短回数はこれに限られず、任意に設定することができる。
図361に示されるように、大当り種類決定テーブルは、先述の当り時選択図柄コマンドに基づいて、大当りの種類(ラウンド数、確変フラグ、時短回数)を決定するために参照されるテーブルである。なお、時短回数は、大当りに当選したときの遊技状態に応じて決定される。
図361に示される「低確非時短」、「低確時短」、「高確時短」および「高確非時短」は、それぞれ、確変フラグOFF且つ時短フラグOFFの通常遊技状態、確変フラグOFF且つ時短フラグONの時短遊技状態、確変フラグON且つ時短フラグONの高確時短遊技状態、確変フラグON且つ時短フラグOFFの高確非時短遊技状態を意味する。
例えば、通常遊技状態において、第1特別図柄抽選の結果が大当りであって且つ当り時選択図柄コマンドが「z1」であるとき、ラウンド数が「5」、確変フラグがON、時短回数が「100 or 20」に決定される。また、高確時短遊技状態において、第2特別図柄抽選の結果が大当りであって且つ当り時選択図柄コマンドが「z5」であるとき、ラウンド数が「5」、確変フラグがON、時短回数が「0」に決定される。
なお、図361の時短回数の欄に示される「100 or 20」は、時短回数が、第1特別図柄および第2特別図柄の変動回数の合計が100回、または、第2特別図柄の変動回数が20回であることを意味する。すなわち、第1特別図柄および第2特別図柄の変動が合計で100回実行されたとき、または、第2特別図柄の変動が20回実行されたときに、時短フラグがOFFにセットされることを意味する。
時短フラグONの遊技状態(時短遊技状態、高確時短遊技状態)では、普電機能が促進作動する。普電機能は、普通電動役物7460(より詳しくはシャッタ7410)を促進作動させて第2始動口7440への遊技球の入賞を可能(又は容易)にする機能である。普電機能が促進作動すると、メインCPU7101は、例えば、普通電動役物7460によるシャッタ7410の作動時間(第2始動口7440の開放時間)、普通電動役物7460によるシャッタ7410の作動回数(第2始動口7440が開放される回数)、普通図柄の変動時間及び普通図柄判定確率(「普通図柄当り」の確率)のうち少なくとも一つ以上を、第2始動口7440への入賞が可能(又は容易)となるように変更する。
また、以下、この明細書(第14実施形態に係るパチンコ遊技機の説明)において、図361の当り時選択図柄コマンドが「z0」であるときの大当り種類を「特1:10R確変大当り」と称し、当り時選択図柄コマンドが「z1」および「z2」であるときの大当り種類を「特1:5R確変大当り」と称し、当り時選択図柄コマンドが「z3」であるときの大当り種類を「特1:5R通常大当り」と称する。また、当り時選択図柄コマンドが「z4」であるときの大当り種類を「特2:10R確変大当り」と称し、当り時選択図柄コマンドが「z5」および「z6」であるときの大当り種類を「特2:5R確変大当り」と称し、当り時選択図柄コマンドが「z7」であるときの大当り種類を「特2:5R通常大当り」と称する。
なお、第1特別図柄抽選の結果が大当りである場合、当り時選択図柄コマンドが「z1」であるときと「z2」であるときとで、セットされるラウンド数、確変フラグのセット状況、および、セットされる時短回数がいずれも同じである。ただし、当り時選択図柄コマンドが「z1」であるときと「z2」であるときとで、大当り遊技状態が終了したのちの遊技状態において、ホスト制御回路7212により実行される演出態様が異なる。具体的には、当り時選択図柄コマンドが「z1」および「z2」のいずれであっても、大当り遊技状態終了後の遊技状態において、ホスト制御回路7212は、後述する準備演出モードに制御する。ただし、当り時選択図柄コマンドが「z1」であるときと「z2」であるときとでは、ホスト制御回路7212に送信される図柄指定コマンドが異なっており、とくに当り時選択図柄コマンドが「z2」であるときの図柄指定コマンドは当り時選択図柄コマンド「z3」のときと同様(この第14実施形態では「zA3」(図360参照))である。これにより、ホスト制御回路7212により液晶表示装置7016に表示される演出画像を、当り時選択図柄コマンドが「z2」であるときと「z3」であるときとで同様の演出画像とすることができ、通常大当りと確変大当りとのうちいずれであるのかを外観で把握し難くすることができる。
同様に、第2特別図柄抽選の結果が大当りである場合、当り時選択図柄コマンドが「z5」であるときと「z6」であるときとで、セットされるラウンド数、確変フラグのセット状況、および、セットされる時短回数がいずれも同じである。この場合も、ホスト制御回路7212は、当り時選択図柄コマンドが「z5」であるときは大当り遊技状態終了後の遊技状態において準備演出モードに制御し、当り時選択図柄コマンドが「z2」であるときは大当り遊技状態終了後の遊技状態においてチャンス演出モードに制御する。ただしこの場合も、当り時選択図柄コマンドが「z5」であるときと「z6」であるときとでは、ホスト制御回路7212に送信される図柄指定コマンドが異なっており、とくに当り時選択図柄コマンドが「z6」であるときの図柄指定コマンドは当り時選択図柄コマンド「z7」のときと同様である。これにより、ホスト制御回路7212により液晶表示装置7016に表示される演出画像を、当り時選択図柄コマンドが「z6」であるときと「z7」であるときとで同様の演出画像とすることができ、通常大当りと確変大当りとのうちいずれであるのかを外観で把握し難くすることができる。
なお、上記の当り時選択図柄コマンド「z3」を設けずに、第1特別図柄抽選の結果が大当りであるときは、大当り遊技状態終了後、高確時短遊技状態または高確非時短遊技状態に制御されるようにし、低確時短遊技状態に制御されないようにしてもよい。すなわち、左打ち遊技により所謂初当りしたとき(通常遊技状態において第1特別図柄抽選の結果が大当りとなったとき)は、大当り遊技状態終了後、低確時短遊技状態に制御されず、右打ち遊技により大当りとなったとき(第2特別図柄抽選の結果が大当りとなったとき)に、大当り遊技状態終了後、低確時短遊技状態に制御されるようにしてもよい。
[2−4.特別図柄の変動パターンテーブル]
次に、第14実施形態に係るパチンコ遊技機の特別図柄の変動パターンを決定する際に用いられるテーブルについて、図362〜図364を参照して説明する。図362は、特別図柄の前半変動パターンと後半変動パターンとの組み合わせを規定したテーブルの一例である。図363は、特別図柄の前半変動パターンテーブルの一例である。図364は、特別図柄の後半変動パターンテーブルの一例である。
第14実施形態のパチンコ遊技機では、以下に説明するように、特別図柄の変動パターンを前半及び後半の変動パターンに分け、各変動パターンを別個に決定する。なお、以下において、前半変動パターンと後半変動パターンとを組み合わせたものを、単に「変動パターン」と称する。
これらのテーブルは、特別図柄の種別、特別図柄抽選の結果(当落)、遊技状態(確変フラグのON・OFF状況、時短フラグのON・OFF状況)等に基づいて、前半変動パターン、後半変動パターンおよび変動パターンを決定するために参照される。また、メインCPU7101は、前半及び後半変動パターンに対応するコマンドを組み合わせたものを変動パターン指定コマンドとしてサブ制御回路7200に送信する。
まず、メインCPU7101は、特別図柄の種別、特別図柄抽選の結果(当落)、遊技状態(確変フラグのON・OFF状況、時短フラグのON・OFF状況)に基づいて、前半変動パターンと後半変動パターンとの組合せを決定する。そして、この決定に基づいて、対応する前半変動パターンおよび後半変動パターンを決定する。例えば、通常遊技状態(確変フラグOFF且つ時短フラグOFF)において、特別図柄抽選の結果がハズレであって且つリーチでないとき、前半変動パターンはコマンド「00H(例えば0msec)」に決定され、後半変動パターンはコマンド「04H(例えば7000msec)」または「05H(例えば4000msec)」に決定される。このように決定された変動パターン(例えば特1通常中ノーマルハズレ)に対応する変動パターン指定コマンドは、前半変動パターンおよび後半変動パターンのそれぞれのコマンドを組み合わせた「0004H」または「0005H」としてサブ制御回路7200に送信される。なお、変動パターン指定コマンドは、「0004H」や「0005H」に代えて、例えば「00H04H」や「00H05H」と記す場合もある。そして、変動パターンの変動時間は、前半変動パターンおよび後半変動パターンのそれぞれの変動時間を合わせた時間となる。
なお、通常遊技状態(確変フラグOFF且つ時短フラグOFF)において、第2特別図柄抽選の結果が小当りであるときおよびハズレであるときは、前半変動パターンはコマンド「05H(例えば390000msec)」に決定され、後半変動パターンは、通常遊技状態において第1特別図柄の変動時間が最も長い変動パターン(特1通常中擬似3リーチハズレ)のコマンド「07H(例えば110000msec)」を流用し、これに決定される。すなわち、通常遊技状態では、本来左打ちされるため第2特別図柄の変動表示は実行されないはずであるが、仮に第2特別図柄抽選の変動表示が実行されたときは、第1特別図柄抽選の結果がハズレであるときの第1特別図柄の変動時間(特1通常ノーマルハズレであれば例えば7000msec)と比べて極めて長時間(例えば500000msec)にわたって第2特別図柄の変動表示が実行されることとなる。
また、通常遊技状態(確変フラグOFF且つ時短フラグOFF)では、第2特別図柄抽選の結果がたとえ大当りであったとしても、第2特別図柄の変動時間(前半変動パターンのコマンド「05H」の変動時間と後半変動パターンのコマンド「0AH」の変動時間の和が極めて長時間(例えば490000msec)に決定される。
一方、例えば高確非時短遊技状態(確変フラグON且つ時短フラグOFF)において、第2特別図柄抽選の結果が小当りであるときは、前半変動パターンはコマンド「00H(例えば0msec)」に決定され、後半変動パターンはコマンド「15H(例えば2000msec)」に決定される。すなわち、この場合の第2特別図柄の変動時間(例えば2000msec)は、通常遊技状態(確変フラグOFF且つ時短フラグOFF)における第1特別図柄の変動時間(例えば特1通常ノーマルハズレ)と比べて極めて短く、遊技の進行が早められ、遊技者にとって有利な状態となる。なお、高確非時短遊技状態では、小当り遊技状態の頻度が高められ、第2始動口7440の開放頻度も時短遊技状態(高確時短遊技状態、低確時短遊技状態)よりも低いため、右打ちされた遊技球が小当り入賞口7560に入賞する頻度が高められる。その結果、単位時間あたりの発射球数に対する賞球数の期待値が1を超えうる所謂小当りラッシュ状態となる。
このように、変動パターンについては、大まかな種別が決定された後、前半及び後半変動パターンが段階的に決定されるため、変動パターンの組み合わせとしては多様化が図られ、ひいては演出パターンのバリエーションを容易に増やすことができる。
なお、図362〜図364に示すテーブルは一例であって、変動パターンの種類はこれ以上にあってもよいことは勿論である。また、図363の備考欄に示される「通常擬似1〜4」および「非通常擬似1〜3」は、いわゆる擬似連に対応する変動パターンである。「擬似1〜4」は、例えば大当りの期待値に応じた回数の擬似連を実行する変動パターンとして設けられている。
なお、高確非時短遊技状態(確変フラグON且つ時短フラグOFF)では、上述した通り、小当りが通常の遊技状態よりも頻出し、しかも小当り入賞口7560への入賞頻度も高められる所謂小当りラッシュ状態となる。
小当りラッシュは、小当りが通常の遊技状態よりも頻出する遊技状態であり、電サポ(普通電動役物7460によるサポート:後述の普通電動役物7460が通常時より開き易い状態)が行われないとき(普通図柄低確率)で、且つ、一方の特図(この実施形態では第2特別図柄)の変動時間の短いときの遊技状態である。また、この実施形態では、高確時短遊技状態において規定回数の時短遊技が消化されると小当りラッシュに移行するが、低確時短遊技状態において規定回数の時短遊技が消化されると通常遊技状態に移行し、小当りラッシュには移行しない。ただし、これに代えて、低確遊技状態において時短遊技が消化されたときにも、単位時間あたりの発射球数に対する賞球数の期待値が1を超えない範囲で、小当りラッシュに移行するようしてもよい。
[2−5.主制御回路による処理]
次に、第14実施形態に係るパチンコ遊技機のメインCPU7101により実行される各種の処理について説明する。
第14実施形態に係るパチンコ遊技機のメインCPU7101により実行される各種の処理は、第12実施形態に係るパチンコ遊技機のメインCPU6101により実行される各種処理と同様である。
すなわち、外部マスカブル割込み処理(図304参照)、システムタイマ割込み処理(図305参照)、設定制御処理(図306参照)、設定変更処理(図307参照)、設定確認処理(図308参照)、第1通常遊技前処理(図309参照)、第2通常遊技前処理(図310参照)、スイッチ入力検知処理(図311参照)、異常状態監視処理(図312参照)、異常状態監視前処理(図313参照)、汎用異常検知判定処理(図314参照)、主制御メイン処理(図315〜図318参照)、ウェイト処理(図319参照)、起動時初期設定処理(図320参照)、設定操作前処理(図321参照)、電断処理(図322参照)、特別図柄制御処理(図323および図324参照)、特別図柄関連タイマ更新処理(図325参照)、特別図柄管理処理(図326参照)、特別図柄変動開始処理[0](図327参照)、特別図柄遊技待機処理(図328参照)、特別図柄変動終了処理[1](図329および図330参照)、特別図柄遊技判定処理[2](図331および図332参照)、特別図柄遊技終了処理(図333参照)、大入賞口開放準備処理[3]or[5](図334参照)、大入賞口開放制御処理[4](図335参照)、特別図柄当り終了処理[6](図336参照)、普通図柄制御処理(図337参照)、特別図柄管理処理(図338参照)、特別図柄変動開始処理[0](図339参照)、特別図柄遊技待機処理(図340参照)、特別図柄転落判定処理(図341参照)、特別図柄演出モード管理処理(図342参照)、特別図柄遊技状態設定処理(図343参照)、特別図柄変動終了処理[1](図344参照)、特別図柄遊技判定処理[2](図345および図346参照)、遊技状態管理処理(図347参照)、特別図柄遊技終了処理(図348参照)および特別図柄当り終了処理[6](図349参照)については、第14実施形態に係るパチンコ遊技機のメインCPU7101によっても実行される。
なお、各種の処理の具体的な内容については、第12実施形態で説明したとおりであるから、ここでは説明を省略する。
[3.遊技の流れ]
次に、上述した各テーブルを用いて上記の各制御処理が実行されたときの遊技の流れとして、確変フラグOFF且つ時短フラグOFFの通常遊技状態において遊技を開始した場合のその後の遊技の流れについて説明する。なお、通常遊技状態では、上述した通り、第2始動口7440に遊技球が入賞したとしても、第2特別図柄の変動パターンは、変動時間が極めて長い変動パターン(例えば変動時間が500000msecの変動パターン)に決定される。そのため、通常遊技状態では、一般的な遊技者は左打ちで遊技を行う。左打ちで遊技が行われると、遊技領域7020に向けて発射された遊技球は、第1始動口7420に遊技球が入賞しうる。
通常遊技状態において第1始動口7420に遊技球が入賞すると、メインCPU7101は、第1特別図柄抽選を行う。通常遊技状態において第1特別図柄抽選の結果が「大当り」となる確率は、当り乱数判定テーブル(図359参照)に示されるように、例えば設定1であれば概ね230分の1である。
なお、通常遊技状態において遊技者が右打ちを行った場合で、右打ちされた遊技球が通過ゲート7049を通過して普通図柄判定の結果が当りであると、普通電動役物7460(より詳しくはシャッタ7410)が作動し、第2始動口7440に遊技球が入賞する可能性がある。ただし、第2始動口7440への遊技球の入賞によって払い出される賞球は1個である。また、第2始動口7440に遊技球が入賞すると、変動時間が極めて長い変動パターンで第2特別図柄の変動表示が行われるため、小当り入賞口7560が開放される頻度は極めて小さい。一方、第1始動口7420に遊技球が入賞したときは、第2始動口7440に遊技球が入賞したときよりも多くの賞球(例えば4個)が払い出される。また、通常遊技状態において、第1始動口7420に遊技球が入賞したとき(リーチにならずに第1特別図柄抽選の結果としてハズレが導出されるとき)の第1特別図柄の変動時間(例えば、4000msec、7000msec)は、第2始動口7440に遊技球が入賞したとき(第2特別図柄抽選の結果として小当りまたはハズレが導出されるとき)の第2特別図柄の変動時間(例えば、500000msec)と比べて短い。そのため、通常遊技状態において遊技者が右打ちを行う実益はない。
通常遊技状態において行われた第1特別図柄抽選の結果が「大当り」であったとき、メインCPU7101は、特別図柄抽選テーブル(図360参照)を参照して当り時選択図柄コマンドを決定する。その後、メインCPU7101は、大当り種類決定テーブル(図361参照)を参照し、決定された当り時選択図柄コマンドに基づいて大当りの種類(ラウンド数、確変フラグ、時短回数)を決定し、大当り遊技状態に制御する。
例えば図353に示されるように、大入賞口7540は右側領域に配置されているため、大当り遊技状態では右打ちで遊技が行われる。
次に、大当り遊技状態が終了したのちの遊技状態について説明する。
大当り種類決定テーブル(図361参照)に示されるように、通常遊技状態において、第1特別図柄抽選または第2特別図柄抽選の結果が「特1:10R確変大当り」または「特2:10R確変大当り」であるとき、メインCPU7101は、10Rの大当り遊技状態が終了したのちの遊技状態を、確変フラグON且つ時短フラグOFFの高確非時短遊技状態に制御する。この高確非時短遊技状態では、右打ちされた遊技球が第2始動口7440に入賞すると極めて高い確率(例えば1.2分の1の確率)で小当り当選し、小当り入賞口7560への入賞頻度が高められる。小当り入賞口7560に遊技球が入賞すると、上述したとおり、メインCPU7101は、払出・発射制御回路7300を介して例えば13個の賞球を払い出す。また、第2始動口7440に遊技球が入賞すると、メインCPU7101は、第2特別図柄の変動パターンを、変動時間が例えば2000msecと極めて短時間の変動時間に決定する。そのため、高確非時短遊技状態では、右打ちで遊技が行われ、単位時間あたりの発射球数に対する賞球数の期待値が1を超えうる。
また、通常遊技状態において、第1特別図柄抽選または第2特別図柄抽選の結果が「特1:5R確変大当り」または「特2:5R確変大当り」であるとき、メインCPU7101は、5Rの大当り遊技状態が終了したのちの遊技状態を、確変フラグON且つ時短フラグONの高確時短遊技状態に制御する。この高確時短遊技状態では、右打ちされた遊技球が第2始動口7440に入賞すると極めて高い確率(例えば1.2分の1の確率)で小当り当選する。また、第2始動口7440に遊技球が入賞すると、メインCPU7101は、第2特別図柄の変動パターンを、変動時間が例えば2000msecと極めて短時間の変動時間に決定する。そのため、高確時短遊技状態では、右打ちで遊技が行われる。しかし、高確時短遊技状態では、時短フラグがOFFの遊技状態(通常遊技状態、高確非時短遊技状態)と比べて高い頻度で普通電動役物7460(シャッタ7410)が作動する。そのため、右打ちされた遊技球は、小当り入賞口7560に到達する前に第2始動口7440に入賞してしまう頻度が高くなり、高確非時短遊技状態と比べて小当り入賞口7560に入賞し難い。その結果、単位時間あたりの発射球数に対する賞球数の期待値は1以下となる。なお、高確時短遊技状態において時短遊技が消化されると、メインCPU7101は、時短フラグをOFFにセットし、高確非時短遊技状態に制御する。
さらに、通常遊技状態において、第1特別図柄抽選または第2特別図柄抽選の結果が「特1:5R通常大当り」または「特2:5R通常大当り」であるとき、メインCPU7101は、5Rの大当り遊技状態が終了したのちの遊技状態を、確変フラグOFF且つ時短フラグOFFの低確時短遊技状態に制御する。この低確時短遊技状態においても、右打ちされた遊技球が第2始動口7440に入賞すると極めて高い確率(例えば1.2分の1の確率)で小当り当選する。また、第2始動口7440に遊技球が入賞すると、メインCPU7101は、第2特別図柄の変動パターンを、変動時間が例え2000msecと極めて短時間の変動時間に決定する。そのため、低確時短遊技状態では、右打ちで遊技が行われる。しかし、低確時短遊技状態では、時短フラグがOFFの遊技状態(通常遊技状態、高確非時短遊技状態)と比べて高い頻度で普通電動役物7460(シャッタ7410)が作動するため、高確時短遊技状態と同様に、高確非時短遊技状態と比べて小当り入賞口7560に入賞し難く、単位時間あたりの発射球数に対する賞球数の期待値は1以下となる。なお、低確時短遊技状態において時短遊技が消化されると、メインCPU7101は、時短フラグをOFFにセットし、通常遊技状態に制御する。通常遊技状態に移行されたのちは、上述した通り、第2始動口7440に遊技球が入賞したとしても、第2特別図柄の変動パターンは、変動時間が極めて長い変動パターン(例えば、変動時間500000msecの変動時間)に決定されるため、左打ちで遊技が行われる。
[4.ホスト制御回路により実行される演出]
次に、第14実施形態に係るパチンコ遊技機のホスト制御回路7212により実行される演出について説明する。
ホスト制御回路7212は、遊技状態に応じて、通常演出モード、チャンス演出モード、準備演出モード、ラッシュ演出モードまたは大当り演出モードに制御する。また、ホスト制御回路7212は、遊技状態とは別に、特定の条件を満たすと、上記の各演出モードに代えてまたは加えて、保留連演出またはデモ演出を実行する。
ホスト制御回路7212は、通常遊技状態(低確時短遊技状態終了後の通常遊技状態において第1特別図柄の変動表示が20回実行されるまでの間は除く)において、通常演出モードに制御する。ホスト制御回路7212により通常演出モードに制御されているとき、遊技者は、メインCPU7101により通常遊技状態に制御されていることを演出態様から把握することができる。
また、ホスト制御回路7212は、以下の遊技状態において、チャンス演出モードに制御する。ホスト制御回路7212によりチャンス演出モードに制御されているとき、遊技者は、メインCPU7101により高確時短遊技状態に制御されているのか低確時短遊技状態に制御されているのかを演出態様から把握することが困難となっている。
・通常遊技状態または低確時短遊技状態において、当り時選択図柄コマンドが「z2」の「特1:5R確変大当り」に当選し、この大当り遊技状態が終了した後の高確時短遊技状態。
・通常遊技状態、低確時短遊技状態、高確時短遊技状態または高確非時短遊技状態において、当り時選択図柄コマンドが「z3」の「特1:5R通常大当り」に当選し、この大当り遊技状態が終了した後の低確時短遊技状態。
・通常遊技状態において、当り時選択図柄コマンドが「z6」の「特2:5R確変大当り」に当選し、この大当り遊技状態が終了した後の高確時短遊技状態。
・通常遊技状態、低確時短遊技状態、高確時短遊技状態または高確非時短遊技状態において、当り時選択図柄コマンドが「z7」の「特2:5R通常大当り」に当選し、この大当り遊技状態が終了した後の低確時短遊技状態。
・低確時短遊技状態終了後の通常遊技状態(第1特別図柄の変動表示が20回実行されるまで)。
なお、上記では、高確時短遊技状態および低確時短遊技状態のいずれにおいてもチャンス演出モードに制御されうるが、これに代えて、低確時短遊技状態においてのみチャンス演出モードに制御されるようにしてもよい。
また、上記では、通常遊技状態において、当り時選択図柄コマンドが「z2」、「z3」、「z6」または「z7」の大当りに当選した場合にも、大当り遊技状態終了後、チャンス演出モードに制御されるようにしている。すなわち、左打ち遊技により所謂初当りしたとき(第1特別図柄抽選の結果が大当りとなったとき)にも、大当り遊技状態終了後に低確時短遊技状態に制御されうる。ただし、当り時選択図柄コマンド「z3」を設けない場合には、左打ち遊技により大当りとなったとき(第1特別図柄抽選の結果が大当りとなったとき)は、大当り遊技状態の終了後にチャンス演出モードに制御されないようにし、右打ち遊技により大当りとなったとき(第2特別図柄抽選の結果が大当りとなったとき)に、大当り遊技状態終了後にチャンス演出モードに制御されるようにしてもよい。
また、ホスト制御回路7212は、以下の遊技状態において、ラッシュ演出モードの前段階の演出モードとして、準備演出モードに制御する。ホスト制御回路7212により準備演出モードに制御されているとき、遊技者は、メインCPU7101により高確時短遊技状態に制御されていることを演出態様から把握することができる。
・通常遊技状態または低確時短遊技状態において当り時選択図柄コマンドが「z1」の「特1:5R確変大当り」に当選し、この大当り遊技状態が終了した後の高確時短遊技状態。
・通常遊技状態において、当り時選択図柄コマンドが「z5」の「特2:5R確変大当り」に当選し、この大当り遊技状態が終了した後の高確時短遊技状態。
また、ホスト制御回路7212は、以下の遊技状態において、ラッシュ演出モードに制御する。すなわち、ホスト制御回路7212によりラッシュ演出モードに制御されているとき、小当りラッシュ状態で遊技が進行される。また、遊技者は、ラッシュ演出モードに制御されることによって、高確非時短遊技状態すなわち小当りラッシュ状態であることを把握することができる。
・通常遊技状態、低確時短遊技状態、高確時短遊技状態または高確非時短遊技状態において、当り時選択図柄コマンドが「z0」の「特1:10R確変大当り」に当選し、この大当り遊技状態が終了した後の高確非時短遊技状態。
・高確時短遊技状態または高確非時短遊技状態において、当り時選択図柄コマンドが「z1」または「z2」の「特1:5R確変大当り」に当選し、この大当り遊技状態が終了した後の高確非時短遊技状態。
・通常遊技状態、低確時短遊技状態、高確時短遊技状態または高確非時短遊技状態において、当り時選択図柄コマンドが「z4」の「特2:10R確変大当り」に当選し、この大当り遊技状態が終了した後の高確非時短遊技状態。
・低確時短遊技状態、高確時短遊技状態または高確非時短遊技状態において、当り時選択図柄コマンドが「z5」または「z6」の「特2:5R確変大当り」に当選し、この大当り遊技状態が終了した後の高確非時短遊技状態。
また、ホスト制御回路7212は、大当り遊技状態においては、大当り演出モードに制御する。
さらに、ホスト制御回路7212は、第1特別図柄始動記憶領域(0)〜第1特別図柄始動記憶領域(4)または第2特別図柄始動記憶領域(0)〜第2特別図柄始動記憶領域(4)に始動情報が記憶されていない状態が一定時間(例えば30秒)継続すると、デモ演出を実行する。
以下に、各演出モードにおいて実行される演出、保留連演出およびデモ演出について説明する。
[4−1.通常演出モード]
ホスト制御回路7212は、通常演出モードにおいて、7セグ表示器7770および表示シャッタ7780の両方が進出位置(図353参照)となるよう制御する。
通常演出モードにおいて、ホスト制御回路7212は、7セグ表示器7770に、第1特別図柄に対応する装飾図柄を表示し、第2特別図柄に対応する装飾図柄は表示しない。また、ホスト制御回路7212は、第4図柄表示器7785に、第1特別図柄に対応する第4図柄を左側の表示器により表示し、第2特別図柄に対応する第4図柄を右側の表示器により表示する。
また、第1特別図柄抽選の結果が「ハズレ」であるとき、ホスト制御回路7212は、第1特別図柄に対応する装飾図柄の組合せとして、例えば「778」または「77P」を7セグ表示器7770に表示する。ただし、第1特別図柄抽選の結果が「大当り」であるときにも、第1始動口7420への入賞に基づいて抽出された図柄乱数にもとづいて、「77P」が表示される場合がある。そこで、第1特別図柄に対応する装飾図柄の組合せが「77P」で停止すると、ホスト制御回路7212は、演出ボタンを操作できるボタンチャンス演出を実行する。ボタンチャンス演出が実行されたときに遊技者が演出ボタンを操作すると、第1特別図柄抽選の結果が「大当り」であれば、「ハズレ」からの復活大当りとなる復活当り演出を実行する。
また、通常演出モード中は、第1特別図柄の変動時間と比べて第2特別図柄の変動時間が例えば500000msecと極めて長い。これは、第2特別図柄抽選の結果が大当りであったとしても同様である。また、7セグ表示器7770には、第1特別図柄に対応する装飾図柄が表示される一方、第2特別図柄に対応する装飾図柄は第4図柄表示器7785に表示されるだけであるため、変動表示中の第2特別図柄が、停止したときに大当りが導出される変動表示であったとしても、遊技者にはそれを把握し難い。そのため、第2特別図柄の変動表示が停止すると、突然、大当り遊技状態が開始されることとなる。そこで、この通常演出モードにおいて、大当りが導出される第2特別図柄の変動表示が行われている間、例えば「激熱変動中」であることを示す演出を行い、変動表示中の第2特別図柄の変動表示が停止すると、大当りが導出されることを示唆するようにしてもよい。
なお、この通常演出モードでは、7セグ表示器7770および表示シャッタ7780が液晶表示装置7016の表示領域の前方に進出しているため、正面視で液晶表示装置7016の表示領域を視認できないまたは困難である。この場合、ホスト制御回路7212は、7セグ表示器7770および表示シャッタ7780の背後において第1特別図柄または/および第2特別図柄に対応するミニ図柄を表示してもよいし、表示しなくてもよい。
また、通常演出モードにおいて、ホスト制御回路7212は、メインCPU7101からコマンド送信された第1始動情報についての先読み判定の結果に基づく先読み演出を実行する。以下に、先読み演出について説明する。
[4−1−1.先読み演出]
通常演出モードにおいて、ホスト制御回路7212は、メインCPU7101からコマンド送信された第1始動情報についての先読み判定の結果に基づいて、第1保留ランプ7791〜第4保留ランプ7794の発光態様を制御する先読み演出を実行する。例えば、第1保留ランプ7791の発光態様により、第1特別図柄始動記憶領域(1)に記憶されている第1始動情報についての特別図柄抽選に対する期待値が示される。同様に、第2保留ランプ7792〜第4保留ランプ7794の発光態様により、それぞれ、第1特別図柄始動記憶領域(2)〜第1特別図柄始動記憶領域(4)に記憶されている第1始動情報についての特別図柄抽選に対する期待値が示される。
ホスト制御回路7212は、メインCPU7101から送信された第1始動口7420への入賞コマンドを受信したことに基づいて、第1保留ランプ7791〜第4保留ランプ7794を発光させる制御を実行する。このとき、ホスト制御回路7212は、メインCPU7101からコマンド送信された第1始動情報についての先読み判定の結果に基づいて、第1保留ランプ7791〜第4保留ランプ7794の発光態様を制御する。
また、ホスト制御回路7212は、保留されている第1始動情報の記憶領域がシフトされたとき(第1特別図柄始動記憶領域(1)〜(4)に記憶されている第1始動情報が特別図柄始動記憶領域(0)〜(3)にシフトされたとき)にも、メインCPU7101からコマンド送信された第1始動情報についての先読み判定の結果に基づいて、第1保留ランプ7791〜第4保留ランプ7794の発光態様を制御する。
第1保留ランプ7791〜第4保留ランプ7794は、発光態様の一態様として例えば発光色により、第1特別図柄抽選の結果に対する期待値が示される。例えば、白色、紫色および赤色のうち、白色が最も期待値が小さく、赤色が最も期待値が大きい。したがって、第1保留ランプ7791〜第4保留ランプ7794が白色で発光したときは第1特別図柄抽選に対する期待値は小さく、第1保留ランプ7791〜第4保留ランプ7794のうちのいずれかが赤色で発光したときは、赤色で発光した保留ランプに対応する第1特別図柄抽選に対する期待値が大きい。
例えば、ホスト制御回路7212は、第1始動口7420への入賞コマンドを受信したことに基づいて、第1保留ランプ7791〜第4保留ランプ7794を、先読み判定の結果に基づいて、白色、紫色または赤色で発光させる。ただし、発光色はあくまでも期待値を示すものであるから、第1特別図柄抽選において大当りとなる期待値が大きい場合であっても白色で発光させる場合があり、第1特別図柄抽選において大当りとなる期待値が小さい場合であっても白色以外(例えば紫色)で発光させる場合がある。
また、ホスト制御回路7212は、保留されている第1始動情報の記憶領域がシフトされたとき、先読み判定の結果に基づいて、白色から紫色または赤色に変化させたり、紫色から赤色に変化させたりする制御を実行する。ただし、この場合も、発光色はあくまでも期待値を示すものであるから、第1特別図柄抽選において大当りとなる期待値が大きい場合であっても発光色を変化させない場合(例えば白色のまま)があり、第1特別図柄抽選において大当りとなる期待値が小さい場合であっても発光色を変化(例えば白色から紫色に変化)させる場合がある。
なお、第1特別図柄抽選に対する期待値は、必ずしも第1保留ランプ7791〜第4保留ランプ7794の発光色により示すことに限られず、例えば点灯や点滅等の発光パターンにより示す等、第1特別図柄抽選に対する期待値を示すことができれば特定の態様に限定されない。
また、第14実施形態に係るパチンコ遊技機では、第1特別図柄始動記憶領域(1)〜第1特別図柄始動記憶領域(4)に記憶されている第1始動情報に対応させて第1保留ランプ7791〜第4保留ランプ7794を発光させているが、これに限られず、第2特別図柄始動記憶領域(1)〜第2特別図柄始動記憶領域(4)に記憶されている第2始動情報(例えば、第2始動口7440への遊技球の入賞に基づいて抽出された大当り判定用乱数や図柄乱数等)に対応させて第1保留ランプ7791〜第4保留ランプ7794を発光させるようにしてもよい。
さらには、第1保留ランプ7791〜第4保留ランプ7794を、遊技状態に応じて、第1特別図柄始動記憶領域(1)〜第1特別図柄始動記憶領域(4)に記憶されている第1始動情報に対応させて発光させてもよいし、第2特別図柄始動記憶領域(1)〜第2特別図柄始動記憶領域(4)に記憶されている第2始動情報に対応させて発光させるようにしてもよい。例えば、第1保留ランプ7791〜第4保留ランプ7794を、左打ちされる遊技状態(例えば、通常遊技状態)では第1特別図柄始動記憶領域(1)〜第1特別図柄始動記憶領域(4)に記憶されている第1始動情報に対応させて発光し、右打ちされる遊技状態(例えば、低確時短遊技状態、高確時短遊技状態、高確非時短遊技状態)では第2特別図柄始動記憶領域(1)〜第2特別図柄始動記憶領域(4)に記憶されている第2始動情報に対応させて発光するようにしてもよい。
ところで、ホスト制御回路7212は、第1特別図柄始動記憶領域(2)〜(4)に記憶されている第1始動情報が第1特別図柄始動記憶領域(1)〜(3)にシフトされたときは、第1保留ランプ7791〜第3保留ランプ7793の発光態様を変化させる先読み演出を実行することができるが、第1特別図柄始動記憶領域(1)に記憶されている第1始動情報が第1特別図柄始動記憶領域(0)にシフトされたときは、発光態様を変化させる先読み演出を実行することができない。
上述した通り、ルーレットランプ7790は、第1保留ランプ7791〜第4保留ランプ7794の色(白色、紫色、赤色)と同じ色で発光可能なLEDで構成されている。そこで、ホスト制御回路7212は、第1特別図柄始動記憶領域(1)に記憶されている第1始動情報が第1特別図柄始動記憶領域(0)にシフトされたときに先読み演出を実行する場合、ルーレットランプ7790を用いて行う。なお、「同じ色」とは、色相、彩度、明度といった色の三属性等が全く同一であることを意味するのではなく、遊技者が見て同じ色と把握できる程度に同じであればよい。
具体的には、ホスト制御回路7212は、特別図柄始動記憶領域(1)に記憶されている第1始動情報が特別図柄始動記憶領域(0)にシフトされたとき、第1特別図柄始動記憶領域(2)〜(4)に記憶されている第1始動情報が特別図柄始動記憶領域(1)〜(3)にシフトされたときの発光態様と同様の発光態様で、例えば2〜3秒にわたってルーレットランプ7790の発光態様を制御する。例えば、第1保留ランプ7791が紫色で発光されている状態で、特別図柄始動記憶領域(1)に記憶されている第1始動情報が特別図柄始動記憶領域(0)にシフトされたときに発光色を紫色から赤色に変化させる先読み演出を実行する場合、ホスト制御回路7212は、ルーレットランプ7790を構成する8個のLEDを例えば2〜3秒にわたって赤色で発光させる制御を実行する。これにより、第1保留ランプ7791〜第4保留ランプ7794で発光できないときであっても、共通の制御処理によってルーレットランプ7790を発光させることができるだけでなく、特別図柄始動記憶領域(1)から特別図柄始動記憶領域(0)にシフトされた第1始動情報や、変動表示中の第1始動情報についても先読み演出を行うことが可能となる。
なお、ルーレットランプ7790を用いた先読み演出が行われた場合、ルーレットランプ7790の発光色は、変動中の第1特別図柄に係る第1特別図柄抽選に対する期待値を示すものであるが、ホスト制御回路7212は、当該第1特別図柄の変動中においてルーレットランプ7790の発光色を変化させる先読み演出は実行しないようにしている。すなわち、ルーレットランプ7790を用いた先読み演出は、特別図柄始動記憶領域(1)に記憶されている第1始動情報が特別図柄始動記憶領域(0)にシフトされたタイミングにおいてのみ行われる。
また、第14実施形態に係るパチンコ遊技機では、ルーレットランプ7790を用いた先読み演出を行う場合、ルーレットランプ7790を構成する全部(8個)のLEDを用いて行っているが、必ずしも全部のLEDを用いて先読み演出を行う必要はなく、例えば、1個または複数の特定のLEDのみを用いて行うようにしてもよい。
また、ルーレットランプ7790を用いた先読み演出が行われた場合、ルーレットランプ7790の発光色は変動中の第1特別図柄に係る第1特別図柄抽選に対する期待値を示すものであることを遊技者が把握しやすいように、第1特別図柄の変動表示が実行されている間、ルーレットランプ7790を点滅させる等、第1保留ランプ7791〜第4保留ランプ7794と比べて強調されるような演出を実行するようにしてもよい。
[4−2.チャンス演出モード]
ホスト制御回路7212は、チャンス演出モードにおいて、7セグ表示器7770が進出位置且つ表示シャッタ7780が退避位置(図355参照)となるよう制御する。
チャンス演出モードにおいて、ホスト制御回路7212は、7セグ表示器7770に、第2特別図柄に対応する装飾図柄を表示し、第1特別図柄に対応する装飾図柄は表示しない。また、ホスト制御回路7212は、第4図柄表示器7785に、第1特別図柄に対応する第4図柄を左側の表示器により表示し、第2特別図柄に対応する第4図柄を右側の表示器により表示する。さらに、ホスト制御回路7212は、液晶表示装置7016の表示領域に、第2特別図柄に対応するミニ図柄を表示する。
また、チャンス演出モードにおいて、ホスト制御回路7212は、メインCPU7101からコマンド送信された第1特別図柄抽選の結果に基づいて、ルーレットランプ7790を用いたルーレット移動演出を実行する。以下に、ルーレット移動演出について説明する。
[4−2−1.ルーレット移動演出]
ルーレットランプ7790を用いたルーレット移動演出は、変動中の第1特別図柄についての第1特別図柄抽選の結果に対する期待値(以下「変動中の第1特別図柄の期待値」と称する)を示す演出であり、具体的には、左右方向に一列に並ぶ8個のLEDを、左右に流れるように1個ずつ点灯させる演出である。この8個のLEDの点灯バリエーションは、左右に流れる速度が最も遅い低速態様と、左右に流れる速度が低速態様よりも速い高速態様と、左右に流れる速度が高速態様よりも速い超高速態様とがあり、ホスト制御回路7212は、変動中の第1特別図柄の期待値に応じた点灯バリエーションで、ルーレットランプ7790を用いたルーレット移動演出を実行する。
なお、ホスト制御回路7212は、第1特別図柄始動記憶領域(0)〜第1特別図柄始動記憶領域(4)に第1始動情報が記憶されていない場合であっても、低速態様でルーレット移動演出を実行する。すなわち、第1特別図柄が変動表示されていない場合にも、低速態様でルーレットランプ7790を用いたルーレット移動演出が実行される。そして、ホスト制御回路7212は、メインCPU7101からコマンド送信された第1特別図柄抽選の結果に基づいて、低速態様でのルーレット移動演出を継続するか、または、高速態様若しくは超高速態様でのルーレット移動演出を開始する。したがって、第1特別図柄の変動表示が複数回実行された場合であっても、当該複数回の第1特別図柄の変動表示を跨って低速態様が実行されうる。また、第1特別図柄の変動表示の開始時に、低速態様が継続すれば当該変動中の第1特別図柄の期待値が小さく、低速態様から高速態様または超高速態様に変化したときは当該変動中の第1特別図柄の期待値が大きい。
また、ホスト制御回路7212は、ルーレットランプ7790を構成する8個のLEDを、低速態様では黄色、高速態様では緑色、超高速態様では赤色で発光させるため、変動中の第1特別図柄の期待値をより把握しやすくなる。
また、上述した通り、通常遊技状態のうち、低確時短遊技状態終了後、第1特別図柄の変動表示が20回実行されるまでの間はチャンス演出モードに制御される。そのため、低確時短遊技状態終了後、第1特別図柄の変動表示が20回実行されるまでの間は、ルーレット移動演出が実行され、上述の先読み演出は実行されない。低確時短遊技状態終了後、第1特別図柄の変動表示が20回実行されるまでの間、第1特別図柄抽選の結果が「大当り」の可能性が高いときに、ルーレットランプ7790を特定の発光態様(例えば高速点滅等)で発光させるようにしてもよい。そして、低確時短遊技状態終了後、第1特別図柄の変動表示が20回実行された後は、ルーレットランプ7790を用いた上述の先読み演出の実行が可能となる。
なお、ホスト制御回路7212は、チャンス演出モードにおいて、左右方向に一列に並ぶ8個のLEDを左右に流れるように1個ずつ点灯させるルーレット移動演出を実行しているが、これに限られず、これに代えてまたは加えて、他の態様による演出を実行するようにしてもよい。
また、上記では、第1特別図柄抽選の結果に基づいてルーレットランプ7790を用いたルーレット移動演出を実行するようにしたが、第2特別図柄抽選の結果に基づいてルーレットランプ7790を用いた演出(ルーレット移動演出に限られない)を実行するようにしてもよい。
[4−3.準備演出モード]
ホスト制御回路7212は、準備演出モードにおいて、7セグ表示器7770が進出位置且つ表示シャッタ7780が退避位置(図355参照)となるよう制御する。
準備演出モードにおいて、ホスト制御回路7212は、7セグ表示器7770に、後述するカウントダウン演出または第2特別図柄に対応する装飾図柄を表示する。なお、第1特別図柄に対応する装飾図柄は表示しない。また、ホスト制御回路7212は、第4図柄表示器7785に、第1特別図柄に対応する第4図柄を左側の表示器により表示し、第2特別図柄に対応する第4図柄を右側の表示器により表示する。さらに、ホスト制御回路7212は、液晶表示装置7016の表示領域に、第2特別図柄に対応するミニ図柄を表示する。
また、準備演出モードにおいて、ホスト制御回路7212は、メインCPU7101からコマンド送信された特別図柄(第1特別図柄、第2特別図柄)の変動開始コマンドおよび特別図柄抽選(第1特別図柄抽選、第2特別図柄抽選)の結果に基づくカウントダウン演出、および、ルーレットランプ点滅演出を実行する。この準備演出モードにおいて、ホスト制御回路7212は、特別図柄に対応する装飾図柄を、7セグ表示器7770に代えて液晶表示装置7016の表示領域に表示する。以下に、カウントダウン演出およびルーレットランプ点滅演出について説明する。
[4−3−1.カウントダウン演出]
カウントダウン演出は、準備演出モードすなわち高確時短遊技状態において、ラッシュ演出モードすなわち高確非時短遊技状態に移行するまでに必要な第2特別図柄の変動回数(残回数)を示す演出であり、具体的には、ホスト制御回路7212により7セグ表示器7770を用いて時短回数(残回数)がカウントダウン表示される演出である。これにより、遊技者は、準備演出モードにおいて、ラッシュ演出モードに移行するまでに消化すべき時短遊技の残回数を把握することができる。このカウントダウン演出が行われている間、7セグ表示器7770に、第2特別図柄に対応する装飾図柄は表示されない。
ホスト制御回路7212により実行されるカウントダウン演出について、例えば、通常遊技状態において当り時選択図柄コマンド「z1」の「特1:5R確変大当り」に当選し、当該当選に基づく大当り遊技状態が終了した後の高確時短遊技状態(準備演出モード)において実行されるカウントダウン演出を例に説明する。
なお、通常遊技状態において当り時選択図柄コマンド「z1」の「特1:5R確変大当り」に当選し、当該当選に基づく大当り遊技状態が終了した後の高確時短遊技状態において、高確非時短遊技状態に移行するための条件(時短遊技の終了条件)は、以下の3つのうちいずれかが成立することである。
・第1特別図柄抽選または第2特別図柄抽選の結果が大当りであること(時短終了第1条件)。
・第1特別図柄および第2特別図柄の変動回数の合計が100回になること(時短終了第2条件)。
・第2特別図柄の変動回数が20回になること(時短終了第3条件)。
ホスト制御回路7212は、通常遊技状態において当り時選択図柄コマンド「z1」の「特1:5R確変大当り」の当選に基づく大当り遊技状態の終了コマンドをメインCPU7101から受信すると、第2特図カウンタを例えば20にセットするとともに、総特図カウンタを例えば75にセットする。第2特図カウンタは、第2特別図柄の変動表示が実行される都度、減算されるカウンタである。総特図カウンタは、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示が実行される都度、減算されるカウンタである。すなわち、第2特別図柄の変動表示が実行されると、第2特図カウンタおよび総特図カウンタのいずれもが減算される。総特図カウンタを75にセットする理由については後述する。
ホスト制御回路7212は、第2特図カウンタが20にセットされた後、第2特別図柄の1回目の変動表示が開始されたことに基づいてカウントダウン演出を開始し、第2特図カウンタにセットされている値を、カウントダウン演出として7セグ表示器7770に表示する。そして、第2特別図柄の変動表示が実行される都度、時短終了第3条件が成立するまでの第2特別図柄の変動回数(残回数)が減算表示される。例えば図355には、第2特別図柄の変動回数の残回数として、7セグ表示器7770に「_ 1 8」が表示されている。第2特別図柄が1回変動表示されると、7セグ表示器7770の表示が例えば「_ 1 8」から「_ 1 7」に更新される。
なお、カウントダウン演出を開始するタイミングは、第2特別図柄の1回目の変動表示が開始されたときに限らず、例えば、第2特別図柄の1回目の変動表示が開始されていなくとも、第2特図カウンタがセットされたときにカウントダウン演出を開始するようにしてもよい。
[4−3−1−1.特別図柄の抽選結果がハズレまたは小当りの場合のカウントダウン演出]
ホスト制御回路7212は、メインCPU7101から第2特別図柄の変動開始コマンド(第2特別図柄抽選の結果が「ハズレ」または「小当り」のコマンド)を受信したことに基づいて、第2特図カウンタの値および総特図カウンタの値をそれぞれ1減算するとともに、7セグ表示器7770に表示されるカウントダウン演出についても1減算表示する。
また、ホスト制御回路7212は、メインCPU7101から第1特別図柄の変動開始コマンドを受信したことに基づいて、総特図カウンタの値を1減算する。このとき、ホスト制御回路7212は、第2特図カウンタの値を減算せず、7セグ表示器7770の表示されるカウントダウン演出については減算表示を行わずにそれまでの値を継続して表示する。
ホスト制御回路7212は、特別図柄抽選において大当りに当選することなく第2特図カウンタの値が0になると、7セグ表示器7770に、カウントダウンが達成したことを示すカウントダウン達成演出を表示する。その後、ホスト制御回路7212は、準備演出モードを終了し、ラッシュ演出モードに制御する。なお、カウントダウン達成演出が表示されることにより、遊技者は、大当り遊技状態の終了後にラッシュ演出モードに制御されることを把握できる。
ところで、時短終了条件が複数ある場合には、高確時短遊技状態から高確非時短遊技状態への移行タイミングが把握し難い。とくに、この第14実施形態に係るパチンコ遊技機のように、時短終了条件に、第1特別図柄の変動回数および第2特別図柄の変動回数のうちいずれか一方のみがかかわる条件(時短終了第3条件)と、第1特別図柄の変動回数および第2特別図柄の変動回数の両方がかかわる条件(時短終了第2条件)とがある場合には尚更である。そこで、カウントダウン演出が実行される高確時短遊技状態では、右打ちで遊技が実行されることに鑑み、第1特別図柄の変動表示が実行されたとしてもカウントダウン表示される回数を減算する更新を行わず、第2特別図柄の変動表示が実行されたときに回数を減算する更新を行うことにより、高確時短遊技状態から高確非時短遊技状態への移行タイミングを容易に把握できるようにしている。また、第2特別図柄の変動表示が実行されたときは7セグ表示器7770に表示される時短回数(残回数)の更新表示(減算表示)を実行する一方、第1特別図柄の変動表示が実行されたときは7セグ表示器7770に表示される時短回数(残回数)の更新表示を実行しないようにすることで、高確時短遊技状態から高確非時短遊技状態への移行タイミングと、7セグ表示器7770に表示される時短回数(残回数)の表示との整合を図ることもできる。
また、時短終了条件は、上述した3つの条件(時短終了第1条件、時短終了第2条件、時短終了第3条件)に限られず、他の条件が加わってもよいし、上記の時短終了第1条件、時短終了第2条件および時短終了第3条件のうち一部または全部が他の条件であってもよい。例えば後者であれば、上記の時短終了第2条件を、第1特別図柄の変動回数が80回になること等とすることができる。
ところで、第1特別図柄および第2特別図柄の変動回数の合計が100回になると、メインCPU7101は、高確時短遊技状態から高確非時短遊技状態に移行する制御を実行する。また、ホスト制御回路7212は、準備演出モードからラッシュ演出モードに移行する制御を実行する。そのため、高確時短遊技状態において、左打ちにより遊技が行われ、第2特別図柄の変動表示が実行されずに第1特別図柄の変動表示のみが実行されて遊技が進行した場合、第1特別図柄の変動表示が80回を超えた時点で、7セグ表示器7770に表示されるカウントダウン演出において0が表示されることがなくなる。
そこで、ホスト制御回路7212は、通常遊技状態において当り時選択図柄コマンド「z1」の「特1:5R確変大当り」の当選に基づく大当り遊技状態の終了コマンドをメインCPU7101から受信したときに総特図カウンタを75にセットし、総特図カウンタが0になったことに基づいて、カウントダウン演出を中止し、7セグ表示器7770には、カウントダウン演出に代えて第2特別図柄に対応する装飾図柄を表示する(第1特別図柄に対応する装飾図柄は表示しない)。これにより、高確時短遊技状態(準備演出モード)において、高確非時短遊技状態(ラッシュ演出モード)に移行するまでの第2特別図柄の変動回数(残回数)をカウントダウン演出として表示しつつ、カウントダウン演出において0が表示される可能性が小さくなった(またはなくなった)としても、カウントダウン演出の表示が0になる前に高確非時短遊技状態(ラッシュ演出モード)に移行してしまうことを回避することができる。なお、第2特別図柄に対応する装飾図柄が7セグ表示器7770に表示される場合、第2特別図柄抽選の結果が「ハズレ」または「小当り」であるときは、例えば「_ _ −」が表示される(_は空欄)。すなわち、カウントダウン演出が中止された後は、7セグ表示器7770には「_ _ −」が継続して表示されることとなる。
また、総特図カウンタが0になるとカウントダウン演出は中止されるものの、第2特別図柄の変動回数が20回または第1特別図柄および第2特別図柄の変動回数の合計が100回になると、高確時短遊技状態から高確非時短遊技状態に移行する。しかし、カウントダウン演出が終了しているため、たとえ高確時短遊技状態から高確非時短遊技状態に移行したとしても、ホスト制御回路7212は、カウントダウン達成演出を表示せず、大当り遊技状態への移行にともなって大当り演出モードに移行させる。
ただし、図361に示されるように、高確非時短遊技状態において「特1:10R確変大当り」、「特1:5R確変大当り」、「特2:10R確変大当り」または「特2:5R確変大当り」に当選したときは、大当り遊技状態終了後はラッシュ演出モードに制御される。そのため、総特図カウンタが0になるとカウントダウン演出は中止された後に確時短遊技状態から高確非時短遊技状態に移行した場合、ホスト制御回路7212は、カウントダウン演出を終了しているにもかかわらず、カウントダウン達成演出を実行するようにしてもよい。
また、準備演出モードにおいてカウントダウン演出が中止された後、ホスト制御回路7212は、特別図柄に対応する装飾図柄を、液晶表示装置7016の表示領域に代えてまたは加えて7セグ表示器7770に表示してもよいし、7セグ表示器7770の表示を非表示としてもよい。
また、第1特別図柄の変動回数が所定回数(例えば20回)を超えると、または、第1特別図柄および第2特別図柄の変動回数の合計が所定回数(例えば20回)を超えると、カウントダウン演出として負の数が表示(マイナス表示)されるようにしてもよい。
[4−3−1−2.特別図柄の抽選結果が大当りの場合のカウントダウン演出]
特別図柄の抽選結果が大当りの場合のカウントダウン演出は、第2特図カウンタの値が2以上である場合と1である場合とで異なりうる。そのため、以下において、第2特図カウンタの値が2以上である場合と、第2特図カウンタの値が1である場合とに分けて、特別図柄の抽選結果が大当りの場合のカウントダウン演出について説明する。
[4−3−1−2−1.第2特図カウンタの値が2以上である場合]
ホスト制御回路7212は、メインCPU7101から第2特別図柄の変動開始コマンド(当り時選択図柄コマンドが「z4」〜「z6」の大当りの変動開始コマンド)を受信したことに基づいて、第2特図カウンタの値および総特図カウンタの値をそれぞれ1減算し、7セグ表示器7770に、高確非時短遊技状態(ラッシュ演出モード)に移行するまでの第2特別図柄の変動回数(残回数)にかかわらず第2特別図柄の1回の変動表示で0になるまで減算するカウントダウン加速演出を実行する。なお、ホスト制御回路7212は、メインCPU7101から当り時選択図柄コマンドが「z7」の第2特別図柄の変動開始コマンドを受信したときは、第2特図カウンタの値および総特図カウンタの値をそれぞれ1減算するだけで、カウントダウン加速演出は実行しない。カウントダウン演出により7セグ表示器7770に「0」が表示されることは、大当り遊技状態終了後、高確非時短遊技状態に移行することを意味するからである。
すなわち、第2特別図柄抽選の結果が「特2:10R確変大当り」または「特2:5R確変大当り」であるとき、カウントダウン加速演出は、7セグ表示器7770に、第2特別図柄の変動回数(残回数)として2〜20のいずれが表示されていたとしても、所謂確変大当りが導出される第2特別図柄の変動表示が行われると、この1回の第2特別図柄の変動表示が終了するまでの間に、第2特別図柄の変動回数(残回数)が0になるまで、カウントダウン表示を複数減算する演出である。
そして、カウントダウン加速演出が実行されたことによって、7セグ表示器7770に第2特別図柄の変動回数(残回数)が0であることが表示されると、ホスト制御回路7212は、カウントダウン達成演出を実行する。これにより、大当り遊技状態終了後にラッシュ演出モードに制御されることを把握することができる。
また、ホスト制御回路7212は、カウントダウン演出を行うにあたり、第2特別図柄の変動表示が開始された直後は、通常のカウントダウン演出(1だけ減算表示されるカウントダウン演出)と同様の表示を行い、その後、減算表示を徐々に加速し、最後は極めて早い速度で0まで進むように減算表示する。
一方、第1特別図柄抽選の結果が「特1:10R確変大当り」または「特1:5R確変大当り」(当り時選択図柄コマンド「z0」〜「z2」)であるとき、ホスト制御回路7212は、総特図カウンタの値を1減算するだけでカウントダウン加速演出を実行しない。ただし、これに代えて、第1特別図柄抽選の結果が「特1:10R確変大当り」または「特1:5R確変大当り」(当り時選択図柄コマンド「z0」〜「z2」)であるときは、カウントダウン加速演出を実行するとともにカウントダウン達成演出を実行するようにしてもよい。すなわち、カウントダウン演出モードでは、大当り種類決定テーブル(図361参照)を参照すると分かるように、「特1:10R確変大当り」(当り時選択図柄コマンド「z0」)または「特1:5R確変大当り」(当り時選択図柄コマンド「z1」、「z2」)に当選すると大当り遊技状態終了後にラッシュ演出モードに制御されるため、これらの大当りに当選したときは、カウントダウン加速演出およびカウントダウン達成演出が実行されるようにしてもよい。これにより、第1特別図柄の変動表示が行われて大当りが導出された場合であっても、大当り遊技状態終了後にラッシュ演出モードに制御されることを把握することができる。
そして、ホスト制御回路7212は、カウントダウン加速演出を実行した後、大当り遊技状態に制御されることを示す大当り開始演出を実行する。そして、ホスト制御回路7212は、大当り遊技状態の終了後、ラッシュ演出モードに制御する。すなわち、第2特別図柄の1回の変動表示で0になるまでのカウントダウン達成演出が実行されたときは、「特1:10R確変大当り」または「特2:10R確変大当り」に当選したことすなわち大当り遊技状態終了後の遊技状態においてラッシュ演出モードに制御されることが確定する。
また、カウントダウン加速演出が実行されたことによって7セグ表示器7770に第2特別図柄の変動回数(残回数)が0であることが表示されたとき、第2特別図柄の変動回数(残回数)が0になったことを外観で把握できればよく、カウントダウン達成演出を実行することは必須ではない。
また、ホスト制御回路7212は、メインCPU7101から第2特別図柄の変動開始コマンド(当り時選択図柄コマンドが「z4」〜「z7」の大当りの変動開始コマンド)を受信したことに基づいて、第2特図カウンタの値および総特図カウンタの値をそれぞれ1減算することに代えてリセットするようにしてもよい。同様に、ホスト制御回路7212は、メインCPU7101から第1特別図柄の変動開始コマンド(当り時選択図柄コマンドが「z0」の大当りの変動開始コマンド)を受信したことに基づいて、総特図カウンタの値を1減算することに代えてリセットするようにしてもよい。
なお、ホスト制御回路7212は、遊技者にとっての利益度合いが最も高い特定の大当り(例えば「特2:10R確変大当り」(当り時選択図柄コマンド「z4」))のときにカウントダウン演出を実行し、例えば「特2:5R確変大当り」(当り時選択図柄コマンド「z5」、「z6」)のときはカウントダウン演出を実行しないようにしてもよい。この場合、ホスト制御回路7212は、第2特別図柄抽選の結果が「特2:5R確変大当り」のとき、カウント表示を減算更新しないかまたは1だけ減算表示した上でカウントダウン演出を終了し、大当り遊技状態に制御されることを示す大当り開始演出を実行するとよい。
また、ホスト制御回路7212は、メインCPU7101から第2特別図柄の変動開始コマンド(当り時選択図柄コマンドが「z7」の大当りの変動開始コマンド)を受信したことに基づいて、第2特図カウンタの値および総特図カウンタの値をそれぞれ1減算するとともに、7セグ表示器7770に表示されるカウントダウン演出についても1減算表示する。そして、第2特別図柄の変動表示が終了して第2特別図柄抽選の結果が導出されると、ホスト制御回路7212は、カウントダウン演出を終了し、大当り遊技状態に制御されることを示す大当り開始演出を実行する。そして、ホスト制御回路7212は、大当り遊技状態の終了後、チャンス演出モードに制御する。
また、ホスト制御回路7212は、メインCPU7101から第1特別図柄の変動開始コマンド(当り時選択図柄コマンドが「z3」の大当りの変動開始コマンド)を受信したことに基づいて、総特図カウンタの値を1減算する。このとき、ホスト制御回路7212は、第2特図カウンタの値を減算せず、7セグ表示器7770の表示されるカウントダウン演出については減算表示せずにそれまでの値を継続して表示する。そして、第1特別図柄の変動表示が終了して第1特別図柄抽選の結果が導出されると、ホスト制御回路7212は、カウントダウン演出を終了し、大当り遊技状態に制御されることを示す大当り開始演出を実行する。そして、ホスト制御回路7212は、大当り遊技状態の終了後、チャンス演出モードに制御する。
なお、ホスト制御回路7212は、メインCPU7101から特別図柄の抽選結果が大当りであることを示すコマンドを受信すると、当該コマンドを受信してから大当り遊技状態が終了するまでの任意のタイミングで、第2特図カウンタおよび総特図カウンタをリセットしてよい。
ところで、この第14実施形態に係るパチンコ遊技機では、第2特別図柄抽選の結果が例えば「特2:10R確変大当り」であるときに、当該第2特別図柄の変動表示においてカウントダウン加速演出を実行するようにしているが、必ずしも、当該変動表示においてカウントダウン加速演出を行うことに限られない。例えば、メインCPU7101が第2特別図柄始動記憶領域(1)〜(4)に記憶されている第2始動情報を事前判定(先読み判定)し、特定の大当り(例えば「特2:10R確変大当り」)が導出されることとなる第2始動情報が第2特別図柄始動記憶領域(1)〜(4)に記憶されている場合に、この特定の大当りが導出される変動表示に先だって、ホスト制御回路7212によりカウントダウン加速演出が実行されるようにしてもよい。例えば、現在のカウントダウン表示が「10」であって、第2特別図柄始動記憶領域(3)に特定の大当りの第2始動情報が記憶されていると判別されるとき、ホスト制御回路7212は、現在の第2特別図柄の変動表示(特定の大当りが導出される3回前の変動表示)においてカウントダウン表示を「10」から「3」まで減算更新し、その後、特定の大当りが導出されるまでの間、第2特別図柄の変動表示が実行される都度、カウントダウン表示を1ずつ減算更新することによって、特定の大当りが導出される変動表示において「0」が表示されるようにしてもよい。
[4−3−1−2−2.第2特図カウンタの値が1である場合]
ホスト制御回路7212は、メインCPU7101から第2特別図柄の変動開始コマンド(当り時選択図柄コマンドが「z4」または「z5」の大当りの変動開始コマンド)を受信したことに基づいて、第2特図カウンタの値および総特図カウンタの値をそれぞれ1減算するとともに、7セグ表示器7770に表示されるカウントダウン演出についても1減算表示する。すなわち、第2特図カウンタの値は0となり、7セグ表示器7770に表示されるカウントダウン演出についても0が表示される。その後、ホスト制御回路7212は、7セグ表示器7770に、カウントダウンが達成したことを示すカウントダウン達成演出を表示する。そして、ホスト制御回路7212は、大当り遊技状態の終了後、ラッシュ演出モードに制御する。なお、カウントダウン達成演出が表示されることにより、遊技者は、大当り遊技状態の終了後にラッシュ演出モードに制御されることを把握できる。
また、ホスト制御回路7212は、メインCPU7101から第1特別図柄の変動開始コマンド(当り時選択図柄コマンドが「z0」〜「z3」のいずれか)を受信したことに基づいて、総特図カウンタの値を1減算する。このとき、7セグ表示器7770に表示されるカウントダウン演出では1減算表示されない。すなわち、7セグ表示器7770に表示されるカウントダウン演出では1が表示されたままである。その後、ホスト制御回路7212は、カウントダウン演出を終了し、大当り遊技状態に制御されることを示す大当り開始演出を実行する。そして、ホスト制御回路7212は、大当り遊技状態の終了後、ラッシュ演出モードに制御する。
ただし、第1特別図柄抽選が行われた結果、大当り遊技状態終了後のラッシュ演出モードに制御される大当り(当り時選択図柄コマンドが「z0」、「z1」または「z2」の大当りの変動開始コマンド)に当選したとき、ホスト制御回路7212は、7セグ表示器7770に表示されるカウントダウン演出において1減算表示し、その後、カウントダウン達成演出を実行するようにしてもよい。
ホスト制御回路7212は、メインCPU7101から第2特別図柄の変動開始コマンド(当り時選択図柄コマンドが「z6」または「z7」の大当りの変動開始コマンド)を受信したことに基づいて、第2特図カウンタの値および総特図カウンタの値をそれぞれ1減算するものの、7セグ表示器7770に表示されるカウントダウン演出では1減算表示する前に(すなわちカウントダウン達成演出が表示されることなく)、カウントダウン演出を終了し、大当り遊技状態に制御されることを示す大当り開始演出を実行する。このように、カウントダウン達成演出が表示されることなくカウントダウン演出が終了することにより、遊技者は、大当り遊技状態の終了後は、チャンス演出モードに制御される可能性があることを把握できる。そして、ホスト制御回路7212は、当り時選択図柄コマンドが「z6」であったときは大当り遊技状態の終了後ラッシュ演出モードに制御し、当り時選択図柄コマンドが「z7」であったときは大当り遊技状態の終了後チャンス演出モードに制御する。
また、ホスト制御回路7212は、メインCPU7101から第1特別図柄の変動開始コマンド(当り時選択図柄コマンドが「z2」または「z3」の大当りの変動開始コマンド)を受信したことに基づいて、総特図カウンタの値を1減算する。このとき、7セグ表示器7770に表示されるカウントダウン演出では1減算表示されない。すなわち、7セグ表示器7770に表示されるカウントダウン演出では1が表示されたままである。その後、ホスト制御回路7212は、カウントダウン演出を終了し、大当り遊技状態に制御されることを示す大当り開始演出を実行する。このように、カウントダウン達成演出が表示されることなくカウントダウン演出が終了することにより、遊技者は、大当り遊技状態の終了後は、チャンス演出モードに制御される可能性があることを把握できる。そして、ホスト制御回路7212は、当り時選択図柄コマンドが「z2」であったときは大当り遊技状態の終了後ラッシュ演出モードに制御し、当り時選択図柄コマンドが「z3」であったときは大当り遊技状態の終了後チャンス演出モードに制御する。
また、第2特図カウンタの値が1である場合も、ホスト制御回路7212は、メインCPU7101から特別図柄の抽選結果が大当りであることを示すコマンドを受信すると、当該コマンドを受信してから大当り遊技状態が終了するまでの任意のタイミングで、第2特図カウンタおよび総特図カウンタをリセットする。
なお、この第14実施形態に係るパチンコ遊技機では、準備演出モードすなわち高確時短遊技状態において、ラッシュ演出モードすなわち高確非時短遊技状態に移行するまでに必要な時短回数(残回数)を示す演出としてカウントダウン演出が行われるが、これに代えて、第2特別図柄の変動表示の実行回数を示すカウントアップ演出であってもよいし、第1遊技状態から第2遊技状態に移行するタイミングを把握できる演出であれば他の演出であってもよい。
また、カウントダウン演出として示される時短回数(残回数)は、第2特別図柄の変動表示の残回数または第2特別図柄の変動表示の実行回数を把握できる態様であれば、数字で表示するものに限られず、例えば、変動回数を画像の個数で表示したり、インジケータで進捗度合いを表示したりする態様であってもよい。
[4−3−2.ルーレット点滅演出]
ルーレット点滅演出は、カウントダウン演出中に、ホスト制御回路7212の制御によりルーレットランプ7790(8個のLED全部)を点滅させる演出であり、ラッシュ演出モードに移行するまでに必要な第2特別図柄の変動回数(残回数)に応じた発光色で点滅する演出である。
ホスト制御回路7212は、第2特図カウンタが20にセットされた後、第2特別図柄の1回目の変動表示が開始されたことに基づいてルーレット点滅演出を開始する。ホスト制御回路7212は、カウントダウン演出が行われている間ルーレット点滅演出を実行し、カウントダウン演出が終了するとルーレット点滅演出を終了する。
なお、ホスト制御回路7212は、ルーレット点滅演出を一旦開始すると、第2特別図柄の変動表示が行われていなくとも、ルーレット点滅演出を実行する。
また、ホスト制御回路7212は、第2特別図柄の変動表示が行われていないときに、第1特別図柄抽選の結果が大当りに基づく変動表示(大当りが導出される第1特別図柄抽選の変動表示)が開始された場合には、この第1特別図柄の変動表示の開始時に、ルーレット点滅演出を終了する。
さらに、ホスト制御回路7212は、総特図カウンタが0になったことに基づいて、カウントダウン演出を中止し、第2特別図柄に対応する装飾図柄を7セグ表示器7770に表示するが、次の特別図柄の変動表示の開始時に、ルーレット点滅演出を終了する。
ホスト制御回路7212は、第2特別図柄の変動表示が開始されると第2特図カウンタを1減算する。その後、ホスト制御回路7212は、第2特図カウンタが19〜15(第2特別図柄の変動表示の実行回数が1〜5)の間、ルーレットランプ7790を青色で点滅させる。また、ホスト制御回路7212は、第2特図カウンタが14〜10(第2特別図柄の変動表示の実行回数が6〜10)の間、ルーレットランプ7790を黄色で点滅させる。また、ホスト制御回路7212は、第2特図カウンタが9〜5(第2特別図柄の変動表示の実行回数が11〜15)の間、ルーレットランプ7790を緑色で点滅させる。さらに、ホスト制御回路7212は、第2特図カウンタが4〜0(第2特別図柄の変動表示の実行回数が16〜20)の間、ルーレットランプ7790を赤色で点滅させる。これにより、遊技者は、7セグ表示器7770に表示されるカウントダウン演出に加え、ルーレットランプ7790が点滅されたときの発光色により、ラッシュ演出モードに移行するまでに消化すべき時短遊技の残回数を大まかに把握することができる。
なお、ホスト制御回路7212は、ルーレット点滅演出においてルーレットランプ7790を構成する8個のLED全部を点滅させることは必須ではなく、例えば、特定のLEDのみを点滅させるようにしてもよい。
また、ホスト制御回路7212は、カウントダウン演出が行われている間ルーレット点滅演出を実行しているが、これに限られず、ルーレットランプ7790を構成するLEDの点滅に代えてまたはこれに加えて、他の態様による演出を実行するようにしてもよい。
また、ホスト制御回路7212は、ルーレット点滅演出を、第2特図カウンタの値(ラッシュ演出モードに移行するまでに消化すべき時短遊技の残回数)に応じて異なる発光色で点滅させて実行しているが、ラッシュ演出モードに移行するまでに消化すべき時短遊技の残回数を大まかに把握することができればこれに限られない。
[4−4.ラッシュ演出モード]
ホスト制御回路7212は、ラッシュ演出モードにおいて、7セグ表示器7770および表示シャッタ7780の両方が退避位置(図356参照)となるよう制御する。ホスト制御回路7212により制御されるラッシュ演出モードは、メインCPU7101により高確非時短遊技状態において制御される演出モードであるから、単位時間あたりの発射球数に対する賞球数の期待値が1を超えうる。
ラッシュ演出モードにおいて、ホスト制御回路7212は、第4図柄表示器7785に、第1特別図柄に対応する第4図柄を左側の表示器により表示し、第2特別図柄に対応する第4図柄を右側の表示器により表示する。また、ホスト制御回路7212は、液晶表示装置7016の表示領域のうち、領域面積が大部分を占める主表示領域にラッシュ専用演出画像を表示し、領域面積が極めて小さい極小領域に第2特別図柄に対応するミニ図柄を表示する。なお、特別図柄(第1特別図柄、第2特別図柄)に対応する装飾図柄は表示されない。
また、ラッシュ演出モードにおいて、ホスト制御回路7212は、液晶表示装置7016の表示領域に、払い出された賞球数の総数(以下「総獲得玉数」と称する)および小当り遊技が実行された回数(以下「ラッシュ数」と称する)を示す演出画像を表示する。
また、ホスト制御回路7212は、メインCPU7101から送信された小当り入賞口7560への入賞コマンドを受信する都度、小当り入賞口7560に入賞した遊技球数を示すキャラクター画像を表示する。小当り遊技の実行時に小当り入賞口7560に遊技球が入賞するごとに、表示されるキャラクター画像が増加するが、キャラクター画像が10個貯まると、ラッシュ数を示す演出画像を更新する「ラッシュ数表示演出」を行う。
ホスト制御回路7212は、ラッシュ演出モードにおいて上述の演出を行うことにより、出球増加速度が高められていることを遊技者に実感させることが可能となる。
[4−5.保留連演出]
上述した通り、メインCPU7101は、第1特別図柄始動記憶領域(1)〜(4)に記憶されている第1始動情報および第2特別図柄始動記憶領域(1)〜(4)に記憶されている第2始動情報についての先読み判定を行い、この先読み判定の結果をホスト制御回路7212に送信する。ラッシュ演出モードにおいて、当り時選択図柄コマンドが「z4」の「特2:10R確変大当り」または「z5」若しくは「z6」の「特2:5R確変大当り」に当選したとき、ホスト制御回路7212は、大当り遊技状態の開始時に、メインCPU7101から送信された先読み判定の結果に基づいて保留連演出抽選を行い、この抽選結果に基づいて、大当り遊技状態終了後に保留連演出を実行可能に構成される。この保留連演出には、保留連チャン演出および保留連ゾーン演出が含まれる。なお、ホスト制御回路7212は、保留連演出において、7セグ表示器7770および表示シャッタ7780の両方が退避位置(図356参照)となるよう制御する。
保留連チャン演出は、第2特別図柄始動記憶領域(1)に記憶されている第2始動情報に係る第2特別図柄の変動表示が実行されたときに、「特2:10R確変大当り」または「特2:5R確変大当り」の導出が確定する演出である。すなわち、保留連チャン演出が実行されると、大当り遊技状態が終了したのちの1回目の第2特別図柄の変動表示において、「特2:10R確変大当り」または「特2:5R確変大当り」が導出される。
保留連ゾーン演出は、第2特別図柄始動記憶領域(2)〜第2特別図柄始動記憶領域(4)に記憶されている第2始動情報に係る第2特別図柄の変動表示が実行されたときに、「特2:10R確変大当り」または「特2:5R確変大当り」の導出が確定する演出である。すなわち、保留連ゾーン演出が実行されると、大当り遊技状態が終了したのちの2回目〜4回目の第2特別図柄の変動表示において、「特2:10R確変大当り」または「特2:5R確変大当り」が導出される。
以下に、ホスト制御回路7212により実行される保留連演出抽選(保留連チャン演出抽選、保留連ゾーン演出抽選)について説明する。
[4−5−1.保留連チャン演出抽選]
ホスト制御回路7212は、大当り遊技状態の開始時に、保留連チャン演出抽選の実行条件を満たすか否かを判断し、保留連チャン演出抽選の実行条件を満たすと、保留連チャン演出抽選を実行する。具体的には、ホスト制御回路7212は、大当り遊技状態の開始時に、第2特別図柄始動記憶領域(1)に記憶されている第2始動情報の変動パターンを判定し、「特2:10R確変大当り」または「特2:5R確変大当り」の変動パターンであるか否かを判別する。「特2:10R確変大当り」または「特2:5R確変大当り」の変動パターンであるとき、ホスト制御回路7212は、保留連チャン演出抽選を実行する。
ただし、第2特別図柄始動記憶領域(1)〜第2特別図柄始動記憶領域(4)に、ラッシュ演出モード以外のモードにおいて記憶された第2始動情報または不定の変動パターンと判定される第2始動情報が記憶されている場合、ホスト制御回路7212は保留連チャン演出抽選を実行しない。
また、大当り遊技状態の開始時に、第2始動情報が第2特別図柄始動記憶領域(1)に記憶されていない場合、および、第1特別図柄始動記憶領域(1)に第1始動情報が記憶されている場合にも、ホスト制御回路7212は保留連チャン演出抽選を実行しない。
また、大当り遊技状態の開始時には第1特別図柄始動記憶領域(1)に第1始動情報が記憶されておらず、保留連チャン演出抽選に当選し、その後、保留連チャン演出が開始されるまでの間に第1特別図柄始動記憶領域(1)に第1始動情報が記憶された場合、ホスト制御回路7212は、保留連チャン演出抽選を実行する。この場合、第1特別図柄始動記憶領域(1)に記憶された第1始動情報の変動パターンが大当りの変動パターンであったとしても、大当り遊技状態の終了後に第1特別図柄と第2特別図柄とが同時に変動開始されたときに、大当りの導出は第1特別図柄よりも第2特別図柄が優先されるため、支障をきたすことなく遊技を進行することができる。
すなわち、保留連チャン演出抽選が実行された場合、以下の7つのパターン(パターン1〜パターン7)に分かれる。
・パターン1:保留連チャン演出抽選を行った結果、保留連チャン演出抽選に当選するパターン(大当り遊技状態開始時、第2特別図柄始動記憶領域(1)に記憶されている第2始動情報の先読み判定結果が「特2:10R確変大当り」または「特2:5R確変大当り」の変動パターン)。
・パターン2:保留連チャン演出抽選を行った結果、保留連チャン演出抽選に非当選のパターン(大当り遊技状態開始時、第2特別図柄始動記憶領域(1)に記憶されている第2始動情報の先読み判定結果が「特2:10R確変大当り」または「特2:5R確変大当り」の変動パターン)。
・パターン3:保留連チャン演出抽選の実行条件を満たさないパターン(大当り遊技状態開始時、第2特別図柄始動記憶領域(1)に記憶されている第2始動情報の先読み判定結果が「特2:5R通常大当り」の変動パターン)。
・パターン4:保留連チャン演出抽選の実行条件を満たさないパターン(大当り遊技状態開始時、第2特別図柄始動記憶領域(1)に記憶されている第2始動情報の先読み判定結果が「ハズレ」または「小当り」の変動パターン)。
・パターン5:保留連チャン演出抽選の実行条件を満たさないパターン(大当り遊技状態開始時、第2特別図柄始動記憶領域(1)に第2始動情報が記憶されていない)。
・パターン6:保留連チャン演出抽選の実行条件を満たさないパターン(大当り遊技状態開始時、第2特別図柄始動記憶領域(1)〜第2特別図柄始動記憶領域(4)に、ラッシュ演出モード以外のモードにおいて記憶された第2始動情報または不定の変動パターンと判定される第2始動情報が記憶されている場合)。
・パターン7:保留連チャン演出抽選の実行条件を満たさないパターン(大当り遊技状態開始時、第1特別図柄始動記憶領域(1)に第1始動情報が記憶されている場合)。
なお、ホスト制御回路7212は、大当り遊技状態が終了したのちの1回目の第2特別図柄の変動表示において「特2:10R確変大当り」または「特2:5R確変大当り」が導出された場合にも、大当り遊技状態の開始時に保留連演出抽選を実行する。
[4−5−2.保留連ゾーン演出抽選]
ホスト制御回路7212は、大当り遊技状態の開始時に、2個以上の第2始動情報が記憶されており且つ第1始動情報が記憶されていないことを前提として、第2特別図柄始動記憶領域(2)〜第2特別図柄始動記憶領域(4)に記憶されている第2始動情報の変動パターンを判定し、「特2:10R確変大当り」または「特2:5R確変大当り」の変動パターンが含まれているか否かを判別する。第2特別図柄始動記憶領域(2)〜第2特別図柄始動記憶領域(4)に「特2:10R確変大当り」または「特2:5R確変大当り」の変動パターンが含まれているとき、ホスト制御回路7212は、保留連ゾーン演出抽選を実行する。
ただし、第2特別図柄始動記憶領域(1)に記憶されている第2始動情報の先読み判定結果が「大当り」の変動パターンである場合、たとえ第2特別図柄始動記憶領域(2)〜第2特別図柄始動記憶領域(4)にラッシュ演出モードに制御される大当り(例えば「特1:10R確変大当り」や「特1:5R確変大当り」)が含まれていたとしても、ホスト制御回路7212は保留連ゾーン演出抽選を実行しない。
また、保留連チャン演出抽選と同様に、第2特別図柄始動記憶領域(1)〜第2特別図柄始動記憶領域(4)に、ラッシュ演出モード以外のモードにおいて記憶された第2始動情報または不定の変動パターンと判定される第2始動情報が記憶されている場合、ホスト制御回路7212は保留連ゾーン演出抽選を実行しない。
また、大当り遊技状態の開始時に、2個以上の第2始動情報が記憶されていない場合すなわち第2特別図柄始動記憶領域(1)および第2特別図柄始動記憶領域(2)の両方に第2始動情報が記憶されていない場合にも、ホスト制御回路7212は保留連ゾーン演出抽選を実行しない。
なお、保留連ゾーン演出抽選は、2個以上の第2始動情報が記憶されている場合に限り実行されることに限定されず、1個以上の第2始動情報が記憶されている場合に実行するようにしてもよい。
また、保留連チャン演出抽選と同様に、大当り遊技状態の開始時に、第1特別図柄始動記憶領域(1)に第1始動情報が記憶されている場合にも、ホスト制御回路7212は保留連ゾーン演出抽選を実行しない。これにより、保留連ゾーン演出中に第1特別図柄の変動表示が実行されて大当り遊技状態に制御されてしまい、せっかく保留連ゾーン演出が実行されたにもかかわらず中途で終了してしまうといった事態を防ぐことが可能となる。
また、大当り遊技状態の開始時には第1特別図柄始動記憶領域(1)に第1始動情報が記憶されておらず、保留連ゾーン演出抽選に当選し、その後、保留連ゾーン演出が開始されるまでの間に第1特別図柄始動記憶領域(1)に第1始動情報が記憶され、大当り遊技状態の終了後に上記の第1始動情報に基づいて第1特別図柄が「ハズレ」の変動パターンで変動表示が開始された場合、ホスト制御回路7212は、保留連ゾーン演出抽選を実行する。保留連ゾーン演出抽選に当選した後に第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示と同時に開始されたとしても、第2特別図柄抽選の結果が優先され、第1特別図柄は第1特別図柄抽選の結果にかかわらずハズレが導出されるため問題が生じないからである。
すなわち、ホスト制御回路7212は、以下の手順で保留連ゾーン演出抽選の実行可否を判断し、保留連ゾーン演出抽選の実行条件を満たすと、保留連ゾーン演出抽選を実行する。
・前提条件:大当り遊技状態の開始時、第2特別図柄始動記憶領域(1)および第2特別図柄始動記憶領域(2)の両方に第2始動情報が記憶されていること。
・判断1:第2特別図柄始動記憶領域(1)に記憶されている第2始動情報の先読み判定結果が「ハズレ」または「小当り」の変動パターンであるか否かを判断する。判断1の条件を満たせば判断2に進み、判断1の条件を満たさなければ保留連ゾーン演出抽選を実行しない。
・判断2:第2特別図柄始動記憶領域(2)に記憶されている第2始動情報の先読み判定結果が「特2:10R確変大当り」または「特2:5R確変大当り」の変動パターンであるか否かを判断する。判断2の条件を満たせば保留連ゾーン演出抽選を実行し、判断2の条件を満たさなければ判断3に進む。なお、判断2の条件を満たした場合、第2特別図柄始動記憶領域(3)や第2特別図柄始動記憶領域(4)に第2始動情報が記憶されていたとしても、第2特別図柄始動記憶領域(3)や第2特別図柄始動記憶領域(4)に記憶されている第2始動情報の先読み判定の結果は保留連ゾーン演出抽選の実行に影響を及ぼさない。
・判断3:第2特別図柄始動記憶領域(2)に記憶されている第2始動情報の先読み判定結果が「ハズレ」または「小当り」の変動パターンであるか否かを判断する。判断3の条件を満たせば判断4に進み、判断3の条件を満たさなければ保留連ゾーン演出抽選を実行しない。すなわち、第2特別図柄始動記憶領域(2)に記憶されている第2始動情報の先読み判定結果が「特2:5R通常大当り」の変動パターンであるときは保留連ゾーン演出抽選を実行しない。
・判断4:第2特別図柄始動記憶領域(3)に記憶されている第2始動情報の先読み判定結果が「特2:10R確変大当り」または「特2:5R確変大当り」の変動パターンであるか否かを判断する。判断4の条件を満たせば保留連ゾーン演出抽選を実行し、判断4の条件を満たさなければ判断5に進む。なお、判断4の条件を満たした場合、第2特別図柄始動記憶領域(4)に第2始動情報が記憶されていたとしても、第2特別図柄始動記憶領域(4)に記憶されている第2始動情報の先読み判定の結果は保留連ゾーン演出抽選の実行に影響を及ぼさない。また、第2特別図柄始動記憶領域(3)に第2始動情報が記憶されていなければ保留連ゾーン演出抽選を実行しない。
・判断5:第2特別図柄始動記憶領域(3)に記憶されている第2始動情報の先読み判定結果が「ハズレ」または「小当り」の変動パターンであるか否かを判断する。判断5の条件を満たせば判断6に進み、判断5の条件を満たさなければ保留連ゾーン演出抽選を実行しない。すなわち、第2特別図柄始動記憶領域(3)に記憶されている第2始動情報の先読み判定結果が「特2:5R通常大当り」の変動パターンであるときは保留連ゾーン演出抽選を実行しない。
・判断6:第2特別図柄始動記憶領域(4)に記憶されている第2始動情報の先読み判定結果が「特2:10R確変大当り」または「特2:5R確変大当り」の変動パターンであるか否かを判断する。判断6の条件を満たせば保留連ゾーン演出抽選を実行し、判断6の条件を満たさなければ保留連ゾーン演出抽選を実行しない。なお、第2特別図柄始動記憶領域(4)に第2始動情報が記憶されていなければ保留連ゾーン演出抽選を実行しない。
なお、第1特別図柄抽選または第2特別図柄抽選において、大当り遊技状態の終了後にラッシュ演出モードに制御される大当りに当選した場合(例えば、高確時短遊技状態において当り時選択図柄コマンド「z5」に当選した場合等)には、ホスト制御回路7212は、保留連ゾーン演出抽選を、第2特別図柄始動記憶領域(2)に記憶されている第2始動情報の先読み判定結果に基づいてのみ実行する。したがって、上記の判断2の条件を満たさない場合は、上記判断3以降の判断には進まないため、ホスト制御回路7212は保留連ゾーン演出抽選を実行しない。
すなわち、保留連ゾーン演出抽選が実行された場合、以下の4つのパターン(パターン4A〜パターン4D)に分かれる。
・パターン4A:保留連ゾーン演出抽選を行った結果、保留連ゾーン演出抽選に当選するパターン。
・パターン4B:保留連ゾーン演出抽選を行った結果、保留連ゾーン演出抽選に非当選のパターン。
・パターン4C:保留連ゾーン演出抽選の実行条件を満たさないパターン(大当り遊技状態開始時、第2特別図柄始動記憶領域(2)に第2始動情報が記憶されていない)。
・パターン4D:保留連ゾーン演出抽選の実行条件を満たさないパターン(大当り遊技状態開始時、第2特別図柄始動記憶領域(2)に第2始動情報が記憶されているが、第1特別図柄始動記憶領域(1)に第1始動情報が記憶されておらず、ラッシュ演出モード以外のモードにおいて記憶された第2始動情報または不定の変動パターンと判定される第2始動情報が記憶されていない)。
[4−5−3.保留連チャン演出]
保留連チャン演出抽選に当選した場合、ホスト制御回路7212は、1回目の大当り遊技状態中に、液晶表示装置7016の表示領域に、大当りストック画像を表示する。この大当りストック画像が液晶表示装置7016の表示領域に表示されると、遊技者は、大当り遊技状態が連チャンし、2回目の大当り遊技状態の終了後、さらに大当り遊技状態が連チャンしなければラッシュ演出モードに制御されることを把握することができる。なお、1個の大当りストック画像は、5ラウンドのラウンド遊技に相当する。
また、ホスト制御回路7212は、保留連チャン演出において、第2特別図柄の変動表示が実行されて大当りが導出されると、保留連チャン演出を終了する。
また、ホスト制御回路7212は、2回目の大当り遊技状態が開始されるときに、液晶表示装置7016の表示領域に表示された大当りストック画像が放出されたことを示す演出画像を表示する。ホスト制御回路7212は、大当りストック画像が放出されたことを示す演出画像を表示した後、2回目の大当り遊技状態のラウンド数を示すロゴマークを、液晶表示装置7016の表示領域に表示する。例えば、2回目の大当り遊技状態が「特2:5R確変大当り」の当選に基づく大当り遊技状態であるとき、1個の大当りストック画像が放出され、5個のロゴマークが液晶表示装置7016の表示領域に表示される。
また、ホスト制御回路7212は、保留連チャン演出抽選に当選すると、2回目の大当り遊技状態の1ラウンド目のラウンド遊技において、液晶表示装置7016の表示領域に、1回目の大当り遊技状態の最終ラウンドのラウンド遊技における背景画像と同様の背景画像を表示する。これにより、2回の大当り遊技状態が繋がっているように見せることができる。なお、2回目の大当り遊技状態の開始時に実行される保留連チャン演出抽選に当選した場合は、3回の大当り遊技状態が繋がっているように見せることができる。それ以降の保留連チャン演出抽選に当選した場合も同様であり、保留連チャン演出抽選への当選が継続する限り、大当り遊技状態が繋がっているように見せることができる。
[4−5−4.保留連ゾーン演出]
保留連ゾーン演出抽選に当選した場合、ホスト制御回路7212は、1回目の大当り遊技状態中に、液晶表示装置7016の表示領域に、保留連ゾーンロゴ画像を表示する。保留連ゾーンロゴ画像が液晶表示装置7016の表示領域に表示されると、遊技者は、所謂保留内連チャンし(第2特別図柄始動記憶領域(2)〜第2特別図柄始動記憶領域(4)に記憶されている第2始動情報に係る第2特別図柄の変動表示において大当りが導出され)、さらに大当り遊技状態が連チャンしなければラッシュ演出モードに制御されることを把握することができる。
また、ホスト制御回路7212は、保留連ゾーン演出において、第2特別図柄の変動表示が実行されて大当りが導出されると、保留連ゾーン演出を終了する。
ただし、大当り遊技状態の開始時には第1特別図柄始動記憶領域(1)に第1始動情報が記憶されておらず、保留連ゾーン演出抽選に当選し、その後、保留連ゾーン演出が開始されるまでの間に第1特別図柄始動記憶領域(1)に第1始動情報が記憶され、大当り遊技状態の終了後に上記の第1始動情報に基づいて第1特別図柄が「大当り」の変動パターンで変動表示が開始された場合、ホスト制御回路7212は、変動表示中の第2特別図柄が停止されたことに基づいて、保留連ゾーン演出を終了する。なお、保留連ゾーン演出では、保留連ゾーンであることを示す名称文字が液晶表示装置7016の表示領域に表示されるが、保留連ゾーン演出の終了時、ホスト制御回路7212は、例えば液晶表示装置7016の上部に配置されている役物を下降させて上記の名称文字を消す保留連ゾーン演出終了演出を実行する。
また、保留連ゾーン演出の実行中に第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示が実行される大当りが導出された場合、大当り遊技状態の開始時に、ホスト制御回路7212は、上述した保留連チャン演出抽選の実行条件を満たす場合には保留連チャン演出抽選を実行し、保留連ゾーン演出抽選の実行条件を満たす場合には保留ゾーン演出抽選を実行する。
なお、保留連ゾーン演出は、1回目の大当り遊技状態の終了後、第2特別図柄の変動表示が4回実行されるまでに終了するはずである。しかし、通常時は生じ得ないことであるが、何らかのトラブル(例えばバグやノイズ)等によって、大当り遊技状態の終了後、第2特別図柄の変動表示が4回実行されても大当りが導出されずに5回目の第2特別図柄の変動表示が開始されてしまう場合が生じうる。そこで、ホスト制御回路7212は、5回目の第2特別図柄の変動表示が開始されるときに、保留連ゾーン演出を実行することが決定されたとしても、少なくとも5回目の第2特別図柄の変動表示が開始されるまでに、この保留連ゾーン演出を強制的に終了する処理を実行する。これにより、大当り遊技状態の終了後、開発者が意図しない不測の事態が発生したことによって5回目の第2特別図柄の変動表示が開始されたときに保留連ゾーン演出が継続してしまうことを防止できる。
また、第2特別図柄始動記憶領域(1)〜第2特別図柄始動記憶領域(4)に記憶されている第2始動情報の先読み判定結果が「特2:5R通常大当り」の変動パターンであるときも保留連ゾーン演出が実行されないはずである。しかし、これも通常時は生じ得ないことであるが、何らかのトラブル(例えばバグやノイズ)等によって、大当り遊技状態の終了後、1回目〜4回目の第2特別図柄の変動表示のいずれかにおいて「特2:5R通常大当り」が導出されてしまった場合のために、ホスト制御回路7212は、「特2:5R通常大当り」の変動パターンで第2特別図柄の変動表示が開始された場合には、この第2特別図柄の変動表示が開始されるときに、保留連ゾーン演出を強制的に終了させる。これにより、大当り遊技状態の終了後、開発者が意図しない不測の事態が発生したことによって「特2:5R通常大当り」の変動パターンで第2特別図柄の変動表示が開始されてしまった場合に、保留連ゾーン演出中に「特2:5R通常大当り」が導出されてしまうことを防止でき、興趣の低下を抑制することが可能となる。また、保留連ゾーン演出は、「特2:10R確変大当り」または「特2:5R確変大当り」が確定する演出であるため、保留連ゾーン演出中に「特2:5R通常大当り」が導出されると遊技者に与える落胆ははかりしれないが、「特2:5R通常大当り」が導出されることとなる第2特別図柄の変動表示が開始されるときに保留連ゾーンを終了することにより、興趣の低下を抑制することが可能となる。
一方、保留連ゾーン演出中に、第1特別図柄抽選の結果として「特1:5R通常大当り」が導出されることが生じうる。例えば、大当り遊技状態中に行われた保留連ゾーン演出抽選に当選した後、第1特別図柄始動記憶領域(1)〜第1特別図柄始動記憶領域(4)に第1始動情報が記憶された場合である。この場合、ホスト制御回路7212は、「特1:5R通常大当り」が導出されることとなる第1特別図柄の変動表示の開始時に、保留連ゾーン演出を強制的に終了する処理を実行する。
なお、ホスト制御回路7212は、上述した保留連チャン演出抽選および保留連ゾーン演出抽選を、メインCPU7101により先読み判定された変動パターンに基づいて実行している。ただし、メインCPU7101による先読み判定は、変動パターンの先読み判定に限られず、大当り判定用乱数の先読み判定であってもよい。
また、保留連チャン演出または保留連ゾーン演出が実行された場合、「特2:10R確変大当り」または「特2:5R確変大当り」の導出が確定する点に面白みがあるものの、必ずしも、「特2:10R確変大当り」または「特2:5R確変大当り」の導出が確定することに限定されない。例えば、保留連チャン演出または保留連ゾーン演出が実行されたとしても、「特2:10R確変大当り」および「特2:5R確変大当り」のいずれの導出も確定しない所謂ガセの保留連チャン演出または保留連ゾーン演出が行われるようにしてもよい。
また、保留連演出抽選(保留連チャン演出抽選、保留連ゾーン演出抽選)は、大当り遊技状態の開始時に実行されることに限られず、大当り遊技状態が開始されてから終了するまでの間であれば、任意のタイミングで実行するようにしてもよい。
なお、「第2特別図柄の変動表示が開始されるときに、保留連ゾーン演出が続いていたとしても、この保留連ゾーン演出を強制的に終了する処理を実行する。」および「第2特別図柄の変動表示が開始されるときに、保留連ゾーン演出を強制的に終了させる。」と上述したが、この場合の「第2特別図柄の変動表示が開始されるとき」とは、第2特別図柄の変動表示の開始と同時であってもよいし、前回の第2特別図柄の変動表示が終了してから次の第2特別図柄の変動表示が開始されるまでの任意のタイミングであってもよい。
[4−6.大当り演出モード]
ホスト制御回路7212は、大当り演出モードにおいて、7セグ表示器7770および表示シャッタ7780の両方が退避位置(図356参照)となるよう制御する。
大当り演出モードにおいて、ホスト制御回路7212は、液晶表示装置7016の表示領域に大当り専用演出画像を表示する。また、ホスト制御回路7212は、演出シナリオ抽選および昇格演出抽選を実行可能に構成される。なお、演出シナリオ抽選の結果に基づく演出画像および昇格演出抽選の結果に基づく演出画像は、上記の大当り専用演出画像に含まれる。
演出シナリオ抽選は、上述した保留連チャン演出抽選または保留連ゾーン演出抽選が実行されたときのパターン1〜3、パターン4A〜4D、パターン5〜7に応じて、ラウンド遊技中の演出シナリオを決定する抽選であり、例えば、1回目の大当り遊技状態において大当りストック画像の表示タイミングや保留連ゾーンロゴ画像の表示タイミング等を決定する抽選である。
パターン1の場合を例に挙げて説明すると、パターン1では保留連チャン演出抽選に当選しているため、ホスト制御回路7212は、シナリオ抽選により大当りストック画像の表示タイミングを決定する。パターン1の場合、1回目の大当り遊技状態の終了後、10ラウンドの大当り遊技状態に制御される場合と、5ラウンドの大当り遊技状態に制御される場合とがある。ホスト制御回路7212は、10ラウンドの大当り遊技状態に制御される場合には1個目の大当りストック画像を表示(獲得)するタイミングと2個目の大当りストック画像を表示するタイミングとを決定し、5ラウンドの大当り遊技状態に制御される場合には1個の大当りストック画像を表示するタイミングを決定する。例えば10ラウンドの大当り遊技状態に制御される場合には、第1のラウンド遊技(例えば5ラウンド目のラウンド遊技)が開始されるまでに1個目の大当りストック画像を表示し(この時点で5ラウンドの大当り遊技状態に制御されることが確定する)、第2のラウンド遊技(例えば10ラウンド目のラウンド遊技)が開始されるまでの2個目の大当りストック画像を表示する(この時点で10ラウンドの大当り遊技状態に制御されることが確定する)ように決定される。そして、このように表示された大当りストック画像は2回目の大当り遊技状態が開始されるときに放出され、大当りストック画像1個につき5個のロゴマーク(2個の大当りストック画像が放出されたときは10個のロゴマーク)が液晶表示装置7016の表示領域に表示される。これにより、遊技者は、2回目の大当り遊技状態において実行されるラウンド遊技のラウンド数を把握することができる。
また、昇格演出抽選は、例えば、5ラウンドの大当り遊技状態から10ラウンドの大当り遊技状態に昇格したように見せるラウンド数昇格演出であったり、「5R通常大当り」から「5R確変大当り」に昇格したように見せる確変昇格演出等が相当する。
ラウンド数昇格演出であれば、例えば、「特2:10R確変大当り」の当選に基づく大当り遊技状態に制御される場合、ホスト制御回路7212は、例えば5ラウンド目のラウンド遊技が開始されるまでに、液晶表示装置7016の表示領域に大当たりストック画像を必ず表示(獲得)する。そして、5ラウンド目のラウンド遊技と6ラウンド目のラウンド遊技との間のインターバル中に、ホスト制御回路7212は、表示された大当りストック画像を放出する演出を実行するとともに5個のロゴマークを表示する。これにより、遊技者は、さらに5ラウンドのラウンド遊技が実行されることを把握することができる。
また、確変昇格演出であれば、ホスト制御回路7212は、例えば、液晶表示装置7016の表示領域に、特別図柄の変動表示が実行されて大当りが導出されたときは「5R通常大当り」であるかのような演出画像を表示し、その後(大当り遊技状態が開始される前または大当り遊技状態の開始後)、確変昇格抽選演出を実行し、「5R確変大当り」に昇格したかのような演出画像を表示する。これにより、遊技者は、大当り遊技状態の終了後に高確時短遊技状態または高確非時短遊技状態に制御されることを把握することができる。
[4−7.デモ演出]
ホスト制御回路7212は、通常遊技状態において第1特別図柄始動記憶領域(0)〜第1特別図柄始動記憶領域(4)に第1始動情報が記憶されていない状態が一定時間(例えば30秒)継続することを示すコマンドをメインCPU7101から受信すると、デモ演出を実行する。また、ホスト制御回路7212は、低確時短遊技状態、高確時短遊技状態または高確非時短遊技状態において第2特別図柄始動記憶領域(0)〜第2特別図柄始動記憶領域(4)に第2始動情報が記憶されていない状態が一定時間(例えば30秒)継続することを示すコマンドをメインCPU7101から受信した場合にも、デモ演出を実行する。
ホスト制御回路7212は、デモ演出において、音声・LED制御回路によりスピーカ7024から出力されるBGMをミュートするとともに、各種デバイス(例えば、7セグ表示器7770、第1保留ランプ7791〜第4保留ランプ7794、ルーレットランプ7790等)においてデモ専用の演出を実行する。
なお、通常遊技状態において、第2特別図柄始動記憶領域(0)〜第2特別図柄始動記憶領域(4)に第2始動情報が記憶されていたとしても、第1特別図柄始動記憶領域(0)〜第1特別図柄始動記憶領域(4)に第1始動情報が記憶されていない状態が一定時間継続すると、ホスト制御回路7212はデモ演出を実行する。したがって、通常遊技状態において第2特別図柄が変動中であってもデモ演出が実行されうる。ただし、第2特別図柄抽選の結果が大当りであって且つ当該大当りに基づいて第2特別図柄が変動中であるとき、ホスト制御回路7212は、デモ演出を行わず、特別の演出(例えば、表示シャッタ7780を液晶表示装置7016の前方から退避した退避位置に移動させて、液晶表示装置7016の表示領域に大当りの可能性が高いことを示す演出画像が表示される演出)を実行する。
同様に、低確時短遊技状態、高確時短遊技状態または高確非時短遊技状態において、第1特別図柄始動記憶領域(0)〜第1特別図柄始動記憶領域(4)に第1始動情報が記憶されていたとしても、第2特別図柄始動記憶領域(0)〜第2特別図柄始動記憶領域(4)に第2始動情報が記憶されていない状態が一定時間継続すると、ホスト制御回路7212はデモ演出を実行する。したがって、低確時短遊技状態、高確時短遊技状態または高確非時短遊技状態において第1特別図柄が変動中であってもデモ演出が実行されうる。ただし、第1特別図柄抽選の結果が大当りであって且つ当該大当りに基づいて第1特別図柄が変動中であるとき、ホスト制御回路7212は、デモ演出を行わず、特別の演出(例えば、表示シャッタ7780を液晶表示装置7016の前方から退避した退避位置に移動させて、液晶表示装置7016の表示領域に大当りの可能性が高いことを示す演出画像が表示される演出)を実行する。
[5.電源復帰時にホスト制御回路により実行される処理]
次に、第14実施形態に係るパチンコ遊技機の電源復帰時にホスト制御回路7212により実行される処理について説明する。
上述した通り、ホスト制御回路7212は、例えば電源復帰時等に、例えば7セグ表示器7770や表示シャッタ7780といった役物について役物初期動作処理を実行する。また、第11実施形態において説明したように、特定の場合(例えば、設定変更や設定確認が行われる場合、演出ボタン1062を押下しながら電源ON操作を行った場合、ディップスイッチやボタン等がデモ演出中や遊技中に操作されたような場合)には、ホスト制御回路7212は、例えば電源復帰後に、液晶表示装置7016の表示領域にホールメニュー画面を表示する。また、液晶表示装置7016の表示領域に表示されるホールメニュー画面の「ホールメニュー終了」を操作後(ホールメニュー画面の終了操作後)、スムーズに遊技を開始できる状態とするには、ホールメニュー画面終了後の表示制御や役物動作制御を好適に行う必要がある。以下に、ホールメニュー画面終了後のホスト制御回路7212により実行される処理である、役物初期動作処理および表示制御処理について説明する。
なお、第11実施形態において上述した通り、ホールメニュー画面の表示の終了は、ホールメニュー画面の「ホールメニュー終了」を操作したときに限られず、他の特定の操作が行われたことに基づいてホールメニュー画面を終了するようにしてもよい。
また、以下に説明するホールメニュー画面終了後の役物初期動作処理および表示制御処理は、電源復帰後の処理を一例として説明するが、電源復帰時以外においてホールメニュー画面が表示される場合(例えば、ディップスイッチやボタン等がデモ演出中や遊技中に操作されてホールメニュー画面が表示される場合)においても、以下と同様である。
さらに、以下では、ホールメニュー画面終了後の役物初期動作処理および表示制御処理について説明するが、例えば各種設定の確認や変更を行うための専用画面を液晶表示装置7016に表示する場合には、このような専用画面終了後の役物初期動作処理および表示制御処理についても、以下と同様である。
この役物初期動作処理において、ホスト制御回路7212は、役物(7セグ表示器7770、表示シャッタ7780)を、全て一旦退避位置(図356参照)に移動させた上で、役物初期動作処理を実行する。
電源復帰時にバックアップクリア処理(設定変更処理を伴うバックアップクリア処理を含む)が実行されると、ホスト制御回路7212は、役物初期動作処理の終了後、7セグ表示器7770、表示シャッタ7780および液晶表示装置7016を含む各種ハードウェアやデバイス等の初期化処理を行う。
上記の初期化処理において、ホスト制御回路7212は、7セグ表示器7770および表示シャッタ7780を初期位置に移動させる。7セグ表示器7770および表示シャッタ7780の初期位置は、液晶表示装置7016の前方に進出した進出位置(図353に示される位置)である。これにより、例えばバックアップクリア処理が実行されたとき等、通常遊技状態において遊技が開始されるときに、スムーズに遊技を開始することができる。また、ホスト制御回路7212は、7セグ表示器7770の第1図柄に「1」、第2図柄に「2」、第3図柄に「3」を表示し、第4図柄表示器7785については左右両方の表示器を消灯する。さらに、ホスト制御回路7212は、液晶表示装置7016の表示領域のうち、領域面積が大部分を占める主表示領域に通常演出モードの背景画像を表示し、領域面積が極めて小さい極小領域にミニ図柄として例えば「123」を表示する。
一方、電源復帰時にバックアップクリア処理が実行されなければ、ホスト制御回路7212は、メインCPU7101から送信されるバックアップデータに基づいて、7セグ表示器7770および表示シャッタ7780の位置を制御するとともに、7セグ表示器7770、液晶表示装置7016および第4図柄表示器7785の表示を制御する。
ただし、電源復帰時にバックアップクリア処理が実行された場合およびバックアップクリア処理が実行されなかった場合のいずれにおいても、ホールメニュータスクが実行されるときには、ホスト制御回路7212は、少なくとも7セグ表示器7770および表示シャッタ7780を退避位置に位置させる。これは、7セグ表示器7770や表示シャッタ77080が進出位置にあると、液晶表示装置7016の表示領域に表示されるホールメニュー画面を視認し難くまたは視認できなくなるからである。また、液晶表示装置7016の表示領域に表示される画像としての、演出モードに対応する背景画像やミニ図柄の表示については、ホールメニュータスクの終了後に表示が開始される。
以下、電源復帰時にバックアップクリア処理が実行されなかったときのホスト制御回路7212により実行される処理(態様)を、電源復帰時の演出モード別に、図365〜図381を参照して説明する。これらの図は、電源復帰時の第1特別図柄および第2特別図柄の状況に応じた各役物(7セグ表示器7770、表示シャッタ7780)および各表示の態様を示す図を含むが、電源復帰後、メインCPU7101から送信される次コマンドを受信したことに基づく処理を、これらの図の備考欄に示す。
なお、図365〜図381中の第4図柄の欄に示される小文字アルファベットは、aが点滅、bが消灯、cおよびdが大当りの種類に対応する点灯パターン、eが小当りに対応する点灯パターンを意味する。また、なお、図365〜図381において、第1特別図柄および第2特別図柄を、それぞれ、「特1」および「特2」と表記している箇所がある。
[5−1.第1特別図柄および第2特別図柄とも通常演出モードの場合]
図365は、第14実施形態に係るパチンコ遊技機において、電源復帰時にバックアップクリア処理が実行されなかったときのホスト制御回路7212により実行される処理(態様)の一例を示す図であって、電源復帰時に、第1特別図柄および第2特別図柄のいずれも通常演出モードであった場合を示す。なお、電源復帰時の第1特別図柄の状況は、デモ演出中、変動中_ハズレ、変動中_大当り、確定中_ハズレ、確定中_大当りのうちのいずれかである。また、電源復帰時の第2特別図柄の状況は、デモ演出中、変動中_ハズレ、変動中_大当り、変動中_小当り、確定中_ハズレ、確定中_大当り、確定中_小当り、小当り中_開始、小当り中_開放および小当り中_終了のうちのいずれかである。
上記の「変動中_ハズレ」は、演出用識別図柄(装飾図柄)や特別図柄(以下、この段落においてこれらの図柄を「図柄等」と称する)が変動表示中であって、変動終了後にハズレが導出される状況である。上記の「変動中_大当り」は、図柄等が変動表示中であって、変動終了後に大当りが導出されるものである。上記の「確定中_ハズレ」は、図柄等の変動表示が終了し、ハズレ導出中(ハズレ確定表示中)の状況である。
上記の「確定中_大当り」は、図柄等の変動表示が終了し、大当り導出中(大当り確定表示中)の状況である。上記の「変動中_小当り」は、図柄等が変動表示中であって、変動終了後に小当りが導出されるものである。上記の「確定中_小当り」は、図柄等の変動表示が終了し、小当り導出中(小当り確定表示中)の状況である。上記の「小当り中_開始」は、小当り遊技状態において、小当りアタッカー開放前(すなわち、開始インターバル中)の状況である。上記の「小当り中_開放」は、小当り遊技状態において小当りアタッカー開始中の状況である。上記の「小当り中_終了」は、小当り遊技状態において、小当りアタッカー閉鎖後(すなわち、終了インターバル中)の状況である。
ホスト制御回路7212は、電源復帰時の第1特別図柄および第2特別図柄の状況に応じて、役物(7セグ表示器7770、表示シャッタ7780)および各表示を制御する。この制御について図365を参照して以下に説明する。
先ず、役物(7セグ表示器7770、表示シャッタ7780)の制御について説明する。ホスト制御回路7212は、第1特別図柄または第2特別図柄の状況が大当りであるときは7セグ表示器7770および表示シャッタ7780の両方とも進出位置に向けて進出させずに退避位置(図356に示される位置)に位置させたままとする。また、第1特別図柄および第2特別図柄のいずれの状況も大当り以外であるときは、7セグ表示器7770を進出位置に移動させるとともに表示シャッタ7780を退避位置のままとする(図355参照)。
次に、7セグ表示器7770の表示について説明する。ホスト制御回路7212は、第2特別図柄に対応する装飾図柄を7セグ表示器7770に表示せずに、第1特別図柄の状況に応じて、7セグ表示器7770の表示を制御する。具体的には、第1特別図柄の状況が、デモ演出中(復帰)であるときは第1特別図柄に対応する装飾図柄として「123」を表示し、変動中_ハズレまたは確定中_ハズレであるときは「−−−」を点灯し、変動中_大当りまたは確定中_大当りであるときは非表示とする。
次に、液晶表示装置7016の表示領域に表示される画像について説明する。ホスト制御回路7212は、第1特別図柄の状況がデモ演出中(復帰)且つ第2特別図柄の状況が大当り(変動中_大当り、確定中_大当り)以外であれば、液晶表示装置7016の表示領域のうち、領域面積が大部分を占める主表示領域は非表示とし、領域面積が極めて小さい極小領域に、第1特別図柄に対応するミニ図柄として例えば「123」を表示する。また、第1特別図柄または第2特別図柄の状況が大当りであれば、電源復帰中画面を表示し、ミニ図柄を非表示とする。また、第1特別図柄の状況がデモ演出中(復帰)でなく且つ第1特別図柄および第2特別図柄のいずれの状況も大当り以外であれば、電源復帰中画面およびミニ図柄の両方とも非表示とする。なお、第2特別図柄に対応するミニ図柄は非表示とする。
次に、第4図柄表示器7785の表示について説明する。ホスト制御回路7212は、第1特別図柄に対応する第4図柄を第4図柄表示器7785の左側の表示器に表示し、第2特別図柄に対応する第4図柄を第4図柄表示器7785の右側の表示器に表示する。具体的には、第1特別図柄の状況が、デモ演出中または確定中_ハズレであるときは左側の表示器を消灯し、変動中_ハズレまたは変動中_大当りであるときは左側の表示器を点滅させ、確定中_大当りであるときは大当りの種類に応じた態様で左側の表示器を点灯させる。また、第2特別図柄の状況が、デモ演出中または確定中_ハズレであるときは右側の表示器を消灯し、変動中_ハズレ、変動中_大当りまたは変動中_小当りであるときは右側の表示器を点滅させ、確定中_大当り、確定中_小当り、小当り中_開始、小当り中_開放または小当り中_終了であるときは小当りを含む当りの種類に応じた態様で右側の表示器を点灯させる。
[5−2.第1特別図柄および第2特別図柄ともチャンス演出モードの場合]
図366は、第14実施形態に係るパチンコ遊技機において、電源復帰時にバックアップクリア処理が実行されなかったときのホスト制御回路7212により実行される処理(態様)の一例を示す図であって、電源復帰時に、第1特別図柄および第2特別図柄のいずれもチャンス演出モードであった場合を示す。なお、電源復帰時の第1特別図柄の状況は、デモ演出中、変動中_ハズレ、変動中_大当り、確定中_ハズレ、確定中_大当りのうちのいずれかである。また、電源復帰時の第2特別図柄の状況は、デモ演出中、変動中_ハズレ、変動中_大当り、変動中_小当り、確定中_ハズレ、確定中_大当り、確定中_小当り、小当り中_開始、小当り中_開放および小当り中_終了のうちのいずれかである。
ホスト制御回路7212は、電源復帰時の第1特別図柄および第2特別図柄の状況に応じて、役物(7セグ表示器7770、表示シャッタ7780)および各表示を制御する。この制御について図366を参照して以下に説明する。
先ず、役物(7セグ表示器7770、表示シャッタ7780)の制御について説明する。ホスト制御回路7212は、第1特別図柄または第2特別図柄の状況が大当りであるときは7セグ表示器7770および表示シャッタ7780の両方とも進出位置に向けて進出させずに退避位置(図356に示される位置)に位置させたままとする。また、第1特別図柄および第2特別図柄のいずれの状況も大当り以外であるときは、7セグ表示器7770を進出位置に移動させるとともに表示シャッタ7780を退避位置のままとする(図355参照)。
次に、7セグ表示器7770の表示について説明する。ホスト制御回路7212は、第1特別図柄に対応する装飾図柄を7セグ表示器7770に表示せずに、第2特別図柄の状況に応じて、7セグ表示器7770の表示を制御する。具体的には、第1特別図柄または第2特別図柄の状況が大当りであるときは7セグ表示器7770を非表示とし、第2特別図柄の状況がデモ演出中(復帰)であれば第2特別図柄に対応する装飾図柄として「765」を表示し、それ以外であれば「−−−」を点灯させる。
次に、液晶表示装置7016の表示領域に表示される画像について説明する。ホスト制御回路7212は、第2特別図柄の状況がデモ演出中(復帰)であるときは、電断復帰時の第1特別図柄の状況がいずれであったとしても、液晶表示装置7016の表示領域のうち、領域面積が大部分を占める主表示領域は非表示とし、領域面積が極めて小さい極小領域に、第2特別図柄に対応するミニ図柄として例えば「765」を表示する。また、第2特別図柄の状況がデモ演出中(復帰)以外であれば、電源復帰中画面を表示し、ミニ図柄を非表示とする。なお、第1特別図柄に対応するミニ図柄は非表示とする。
次に、第4図柄表示器7785の表示について説明する。ホスト制御回路7212は、第1特別図柄に対応する第4図柄を第4図柄表示器7785の左側の表示器に表示し、第2特別図柄に対応する第4図柄を第4図柄表示器7785の右側の表示器に表示する。具体的には、第1特別図柄の状況が、デモ演出中または確定中_ハズレであるときは左側の表示器を消灯し、変動中_ハズレまたは変動中_大当りであるときは左側の表示器を点滅させ、確定中_大当りであるときは大当りの種類に応じた態様で左側の表示器を点灯させる。また、第2特別図柄の状況が、デモ演出であるときは右側の表示器を消灯し、変動中_ハズレ、変動中_大当りまたは変動中_小当りであるときは右側の表示器を点滅させ、確定中_大当り、確定中_小当り、小当り中_開始、小当り中_開放または小当り中_終了であるときは小当りを含む当りの種類に応じた態様で右側の表示器を点灯させる。
[5−3.第1特別図柄および第2特別図柄ともカウントダウン演出モードの場合]
図367は、第14実施形態に係るパチンコ遊技機において、電源復帰時にバックアップクリア処理が実行されなかったときのホスト制御回路7212により実行される処理(態様)の一例を示す図であって、電源復帰時に、第1特別図柄および第2特別図柄のいずれもカウントダウン演出モードであった場合を示す。なお、電源復帰時の第1特別図柄の状況は、デモ演出中、変動中_ハズレ、変動中_大当り、確定中_ハズレ、確定中_大当りのうちのいずれかである。また、電源復帰時の第2特別図柄の状況は、デモ演出中、変動中_ハズレ、変動中_大当り、変動中_小当り、確定中_ハズレ、確定中_大当り、確定中_小当り、小当り中_開始、小当り中_開放および小当り中_終了のうちのいずれかである。
ホスト制御回路7212は、電源復帰時の第1特別図柄および第2特別図柄の状況に応じて、役物(7セグ表示器7770、表示シャッタ7780)および各表示を制御する。この制御について図367を参照して以下に説明する。
先ず、役物(7セグ表示器7770、表示シャッタ7780)の制御について説明する。ホスト制御回路7212は、第1特別図柄または第2特別図柄の状況が大当りであるときは7セグ表示器7770および表示シャッタ7780の両方とも進出位置に向けて進出させずに退避位置(図356に示される位置)に位置させたままとする。また、第1特別図柄および第2特別図柄のいずれの状況も大当り以外であるときは、7セグ表示器7770を進出位置に移動させるとともに表示シャッタ7780を退避位置のままとする(図355参照)。
次に、7セグ表示器7770の表示について説明する。ホスト制御回路7212は、第1特別図柄に対応する装飾図柄を7セグ表示器7770に表示せずに、第2特別図柄の状況に応じて、7セグ表示器7770の表示を制御する。具体的には、第1特別図柄または第2特別図柄の状況が大当りであるときは7セグ表示器7770を非表示とし、第2特別図柄の状況がデモ演出中(復帰)であればカウントダウン演出の残回数(カウントダウン演出終了後は「_ _ −」)を表示し、それ以外であれば「−−−」を点灯させる。
なお、図367において、第1特別図柄の状況が「デモ演出中」且つ第2特別図柄の状況が「変動中_ハズレ」、第1特別図柄の状況が「デモ演出中」且つ第2特別図柄の状況が「変動中_小当り」、第1特別図柄の状況が「デモ演出中」且つ第2特別図柄の状況が「確定中_ハズレ」、第1特別図柄の状況が「デモ演出中」且つ第2特別図柄の状況が「確定中_小当り」、第1特別図柄の状況が「デモ演出中」且つ第2特別図柄の状況が「小当り中_開始」、第1特別図柄の状況が「デモ演出中」且つ第2特別図柄の状況が「小当り中_開放」、第1特別図柄の状況が「デモ演出中」且つ第2特別図柄の状況が「小当り中_終了」、第1特別図柄の状況が「変動中_ハズレ」且つ第2特別図柄の状況が「変動中_ハズレ」、第1特別図柄の状況が「確定中_ハズレ」且つ第2特別図柄の状況が「変動中_ハズレ」の場合、次コマンドの備考欄に記載された文字を把握し難いが、この欄には、いずれも、『7セグ表示器「残回数」又は「_ _ −」、ミニ図柄「321」で停止』と記載されている。
次に、液晶表示装置7016の表示領域に表示される画像について説明する。ホスト制御回路7212は、第2特別図柄の状況がデモ演出中(復帰)であるときは、電断復帰時の第1特別図柄の状況がいずれであったとしても、液晶表示装置7016の表示領域のうち、領域面積が大部分を占める主表示領域は非表示とし、領域面積が極めて小さい極小領域に、第2特別図柄に対応するミニ図柄として例えば「321」を表示する。また、第2特別図柄の状況がデモ演出中(復帰)以外であれば、電源復帰中画面を表示し、ミニ図柄を非表示とする。なお、第1特別図柄に対応するミニ図柄は非表示とする。
次に、第4図柄表示器7785の表示について説明する。ホスト制御回路7212は、第1特別図柄に対応する第4図柄を第4図柄表示器7785の左側の表示器に表示し、第2特別図柄に対応する第4図柄を第4図柄表示器7785の右側の表示器に表示する。具体的には、第1特別図柄の状況が、デモ演出中または確定中_ハズレであるときは左側の表示器を消灯し、変動中_ハズレまたは変動中_大当りであるときは左側の表示器を点滅させ、確定中_大当りであるときは大当りの種類に応じた態様で左側の表示器を点灯させる。また、第2特別図柄の状況が、デモ演出であるときは右側の表示器を消灯し、変動中_ハズレ、変動中_大当りまたは変動中_小当りであるときは右側の表示器を点滅させ、確定中_大当り、確定中_小当り、小当り中_開始、小当り中_開放または小当り中_終了であるときは小当りを含む当りの種類に応じた態様で右側の表示器を点灯させる。
[5−4.第1特別図柄および第2特別図柄ともラッシュ演出モードの場合]
図368は、第14実施形態に係るパチンコ遊技機において、電源復帰時にバックアップクリア処理が実行されなかったときのホスト制御回路7212により実行される処理(態様)の一例を示す図であって、電源復帰時に、第1特別図柄および第2特別図柄のいずれもラッシュ演出モードであった場合を示す。なお、電源復帰時の第1特別図柄の状況は、デモ演出中、変動中_ハズレ、変動中_大当り、確定中_ハズレ、確定中_大当りのうちのいずれかである。また、電源復帰時の第2特別図柄の状況は、デモ演出中、変動中_ハズレ、変動中_大当り、変動中_小当り、確定中_ハズレ、確定中_大当り、確定中_小当り、小当り中_開始、小当り中_開放および小当り中_終了のうちのいずれかである。
ホスト制御回路7212は、電源復帰時の第1特別図柄および第2特別図柄の状況に応じて、役物(7セグ表示器7770、表示シャッタ7780)および各表示を制御する。この制御について図368を参照して以下に説明する。
先ず、役物(7セグ表示器7770、表示シャッタ7780)の制御について説明する。ホスト制御回路7212は、第1特別図柄および第2特別図柄の状況がいずれであったとしても、7セグ表示器7770および表示シャッタ7780の両方とも進出位置に向けて進出させずに退避位置(図356に示される位置)に位置させたままとする。
次に、7セグ表示器7770の表示について説明する。ホスト制御回路7212は、第1特別図柄に対応する装飾図柄および第2特別図柄に対応する装飾図柄のいずれも7セグ表示器7770を非表示とする。
次に、液晶表示装置7016の表示領域に表示される画像について説明する。ホスト制御回路7212は、第2特別図柄の状況がデモ演出中(復帰)であるときは、電断復帰時の第1特別図柄の状況がいずれであったとしても、液晶表示装置7016の表示領域のうち、領域面積が大部分を占める主表示領域にラッシュ援用演出画像を表示し、領域面積が極めて小さい極小領域に、第2特別図柄に対応するミニ図柄として例えば「246」を表示する。また、第2特別図柄の状況がデモ演出中(復帰)以外であれば、電源復帰中画面を表示し、ミニ図柄を非表示とする。なお、第1特別図柄に対応するミニ図柄は非表示とする。
次に、第4図柄表示器7785の表示について説明する。ホスト制御回路7212は、第1特別図柄に対応する第4図柄を第4図柄表示器7785の左側の表示器に表示し、第2特別図柄に対応する第4図柄を第4図柄表示器7785の右側の表示器に表示する。具体的には、第1特別図柄の状況が、デモ演出中または確定中_ハズレであるときは左側の表示器を消灯し、変動中_ハズレまたは変動中_大当りであるときは左側の表示器を点滅させ、確定中_大当りであるときは大当りの種類に応じた態様で左側の表示器を点灯させる。また、第2特別図柄の状況が、デモ演出であるときは右側の表示器を消灯し、変動中_ハズレ、変動中_大当りまたは変動中_小当りであるときは右側の表示器を点滅させ、確定中_大当り、確定中_小当り、小当り中_開始、小当り中_開放または小当り中_終了であるときは小当りを含む当りの種類に応じた態様で右側の表示器を点灯させる。
[5−5.第1特別図柄が通常演出モード、第2特別図柄がチャンス演出モードの場合]
図369は、第14実施形態に係るパチンコ遊技機において、電源復帰時にバックアップクリア処理が実行されなかったときのホスト制御回路7212により実行される処理(態様)の一例を示す図であって、電源復帰時に、第1特別図柄が通常演出モード、第2特別図柄がチャンス演出モードであった場合を示す。電源復帰時の第1特別図柄の状況は、デモ演出中、変動中_ハズレ、変動中_大当り、確定中_ハズレ、確定中_大当りのうちのいずれかである。また、電源復帰時の第2特別図柄の状況は、デモ演出中、変動中_ハズレ、変動中_大当り、変動中_小当り、確定中_ハズレ、確定中_大当り、確定中_小当り、小当り中_開始、小当り中_開放および小当り中_終了のうちのいずれかである。
なお、電源復帰時に第1特別図柄が通常演出モード且つ第2特別図柄がチャンス演出モードとなる場合は、図370に示される通りである。図370は、第14実施形態に係るパチンコ遊技機において、電源復帰時に第1特別図柄が通常演出モード且つ第2特別図柄がチャンス演出モードとなる場合の例を示す図である。
図369に示す通り、ホスト制御回路7212は、電源復帰時の第1特別図柄および第2特別図柄の状況に応じて、役物(7セグ表示器7770、表示シャッタ7780)および各表示を制御する。この制御について図369を参照して以下に説明する。
先ず、役物(7セグ表示器7770、表示シャッタ7780)の制御について説明する。ホスト制御回路7212は、第1特別図柄または第2特別図柄の状況が大当りであるときは7セグ表示器7770および表示シャッタ7780の両方とも進出位置に向けて進出させずに退避位置(図356に示される位置)に位置させたままとする。また、第1特別図柄および第2特別図柄のいずれの状況も大当り以外であるときは、7セグ表示器7770および表示シャッタ7780の両方を進出位置に移動させる(図353参照)。
次に、7セグ表示器7770の表示について説明する。ホスト制御回路7212は、第2特別図柄に対応する装飾図柄を7セグ表示器7770に表示せずに、第1特別図柄の状況に応じて、7セグ表示器7770の表示を制御する。具体的には、第1特別図柄または第2特別図柄の状況が大当りであるときは7セグ表示器7770を非表示とし、第1特別図柄の状況がデモ演出中(復帰)であれば第1特別図柄に対応する装飾図柄として「123」を表示し、それ以外であれば「−−−」を点灯させる。
次に、液晶表示装置7016の表示領域に表示される画像について説明する。ホスト制御回路7212は、第1特別図柄の状況がデモ演出中(復帰)であるとき、電断復帰時の第2特別図柄の状況が大当りであるときを除いて、液晶表示装置7016の表示領域のうち、領域面積が大部分を占める主表示領域は非表示とし、領域面積が極めて小さい極小領域に、第2特別図柄に対応するミニ図柄として例えば「123」を表示する。また、第1特別図柄の状況がデモ演出中(復帰)以外であるとき、および、第1特別図柄の状況がデモ演出中(復帰)であって且つ第2特別図柄の状況が大当りであるとき、液晶表示装置7016の表示領域に電源復帰中画面を表示し、ミニ図柄を非表示とする。なお、第2特別図柄に対応するミニ図柄は非表示とする。
次に、第4図柄表示器7785の表示について説明する。ホスト制御回路7212は、第1特別図柄に対応する第4図柄を第4図柄表示器7785の左側の表示器に表示し、第2特別図柄に対応する第4図柄を第4図柄表示器7785の右側の表示器に表示する。具体的には、第1特別図柄の状況が、デモ演出中または確定中_ハズレであるときは左側の表示器を消灯し、変動中_ハズレまたは変動中_大当りであるときは左側の表示器を点滅させ、確定中_大当りであるときは大当りの種類に応じた態様で左側の表示器を点灯させる。また、第2特別図柄の状況が、デモ演出であるときは右側の表示器を消灯し、変動中_ハズレ、変動中_大当りまたは変動中_小当りであるときは右側の表示器を点滅させ、確定中_大当り、確定中_小当り、小当り中_開始、小当り中_開放または小当り中_終了であるときは小当りを含む当りの種類に応じた態様で右側の表示器を点灯させる。
[5−6.第1特別図柄がチャンス演出モード、第2特別図柄が通常演出モードの場合]
図371は、第14実施形態に係るパチンコ遊技機において、電源復帰時にバックアップクリア処理が実行されなかったときのホスト制御回路7212により実行される処理(態様)の一例を示す図であって、電源復帰時に、第1特別図柄がチャンス演出モード、第2特別図柄が通常演出モードであった場合を示す。電源復帰時の第1特別図柄の状況は、デモ演出中、変動中_ハズレ、変動中_大当り、確定中_ハズレ、確定中_大当りのうちのいずれかである。また、電源復帰時の第2特別図柄の状況は、デモ演出中、変動中_ハズレ、変動中_大当り、変動中_小当り、確定中_ハズレ、確定中_大当り、確定中_小当り、小当り中_開始、小当り中_開放および小当り中_終了のうちのいずれかである。
なお、電源復帰時に第1特別図柄がチャンス演出モード且つ第2特別図柄が通常演出モードとなる場合は、図372に示される通りである。図372は、第14実施形態に係るパチンコ遊技機において、電源復帰時に第1特別図柄がチャンス演出モード且つ第2特別図柄が通常演出モードとなる場合の例を示す図である。
図371に示す通り、ホスト制御回路7212は、電源復帰時の第1特別図柄および第2特別図柄の状況に応じて、役物(7セグ表示器7770、表示シャッタ7780)および各表示を制御する。この場合の役物および各表示の制御は、図365と同様であるため、説明を省略する。
[5−7.第1特別図柄がカウントダウン演出モード、第2特別図柄がラッシュ演出モードの場合]
図373は、第14実施形態に係るパチンコ遊技機において、電源復帰時にバックアップクリア処理が実行されなかったときのホスト制御回路7212により実行される処理(態様)の一例を示す図であって、電源復帰時に、第1特別図柄がカウントダウン演出モード、第2特別図柄がラッシュ演出モードであった場合を示す。電源復帰時の第1特別図柄の状況は、デモ演出中、変動中_ハズレ、変動中_大当り、確定中_ハズレ、確定中_大当りのうちのいずれかである。また、電源復帰時の第2特別図柄の状況は、デモ演出中、変動中_ハズレ、変動中_大当り、変動中_小当り、確定中_ハズレ、確定中_大当り、確定中_小当り、小当り中_開始、小当り中_開放および小当り中_終了のうちのいずれかである。
なお、電源復帰時に第1特別図柄がカウントダウン演出モード且つ第2特別図柄がラッシュ演出モードとなる場合は、図374に示される通りである。図374は、第14実施形態に係るパチンコ遊技機において、電源復帰時に第1特別図柄がカウントダウン演出モード且つ第2特別図柄がラッシュ演出モードとなる場合の例を示す図である。
図373に示す通り、ホスト制御回路7212は、電源復帰時の第1特別図柄および第2特別図柄の状況に応じて、役物(7セグ表示器7770、表示シャッタ7780)および各表示を制御する。この場合の役物および各表示の制御は、図368と同様であるため、説明を省略する。
[5−8.第1特別図柄がラッシュ演出モード、第2特別図柄がカウントダウン演出モードの場合]
図375は、第14実施形態に係るパチンコ遊技機において、電源復帰時にバックアップクリア処理が実行されなかったときのホスト制御回路7212により実行される処理(態様)の一例を示す図であって、電源復帰時に、第1特別図柄がラッシュ演出モード、第2特別図柄がカウントダウン演出モードであった場合を示す。電源復帰時の第1特別図柄の状況は、デモ演出中、変動中_ハズレ、変動中_大当り、確定中_ハズレ、確定中_大当りのうちのいずれかである。また、電源復帰時の第2特別図柄の状況は、デモ演出中、変動中_ハズレ、変動中_大当り、変動中_小当り、確定中_ハズレ、確定中_大当り、確定中_小当り、小当り中_開始、小当り中_開放および小当り中_終了のうちのいずれかである。
なお、電源復帰時に第1特別図柄がラッシュ演出モード且つ第2特別図柄がカウントダウン演出モードとなる場合は、図376に示される通りである。図376は、第14実施形態に係るパチンコ遊技機において、電源復帰時に第1特別図柄がラッシュ演出モード且つ第2特別図柄がカウントダウン演出モードとなる場合の例を示す図である。
図375に示す通り、ホスト制御回路7212は、電源復帰時の第1特別図柄および第2特別図柄の状況に応じて、役物(7セグ表示器7770、表示シャッタ7780)および各表示を制御する。この場合の役物および各表示の制御は、図368と同様であるため、説明を省略する。
[5−9.第1特別図柄がラッシュ演出モード、第2特別図柄が通常演出モードの場合]
図377は、第14実施形態に係るパチンコ遊技機において、電源復帰時にバックアップクリア処理が実行されなかったときのホスト制御回路7212により実行される処理(態様)の一例を示す図であって、電源復帰時に、第1特別図柄がラッシュ演出モード、第2特別図柄が通常演出モードであった場合を示す。電源復帰時の第1特別図柄の状況は、デモ演出中、変動中_ハズレ、変動中_大当り、確定中_ハズレ、確定中_大当りのうちのいずれかである。また、電源復帰時の第2特別図柄の状況は、デモ演出中、変動中_ハズレ、変動中_大当り、変動中_小当り、確定中_ハズレ、確定中_大当り、確定中_小当り、小当り中_開始、小当り中_開放および小当り中_終了のうちのいずれかである。
なお、電源復帰時に第1特別図柄がラッシュ演出モード且つ第2特別図柄がカウントダウン演出モードとなる場合は、図378に示される通りである。図378は、第14実施形態に係るパチンコ遊技機において、電源復帰時に第1特別図柄がラッシュ演出モード且つ第2特別図柄が通常演出モードとなる場合の例を示す図である。
図377に示す通り、ホスト制御回路7212は、電源復帰時の第1特別図柄および第2特別図柄の状況に応じて、役物(7セグ表示器7770、表示シャッタ7780)および各表示を制御する。この場合の役物および各表示の制御は、図365と同様であるため、説明を省略する。
[5−10.第1特別図柄が通常演出モード、第2特別図柄がラッシュ演出モードの場合]
図379は、第14実施形態に係るパチンコ遊技機において、電源復帰時にバックアップクリア処理が実行されなかったときのホスト制御回路7212により実行される処理(態様)の一例を示す図であって、電源復帰時に、第1特別図柄が通常演出モード、第2特別図柄がラッシュ演出モードであった場合を示す。電源復帰時の第1特別図柄の状況は、デモ演出中、変動中_ハズレ、変動中_大当り、確定中_ハズレ、確定中_大当りのうちのいずれかである。また、電源復帰時の第2特別図柄の状況は、デモ演出中、変動中_ハズレ、変動中_大当り、変動中_小当り、確定中_ハズレ、確定中_大当り、確定中_小当り、小当り中_開始、小当り中_開放および小当り中_終了のうちのいずれかである。
なお、電源復帰時に第1特別図柄が通常演出モード且つ第2特別図柄がラッシュ演出モードとなる場合は、図380に示される通りである。図380は、第14実施形態に係るパチンコ遊技機において、電源復帰時に第1特別図柄が通常演出モード且つ第2特別図柄がラッシュ演出モードとなる場合の例を示す図である。
図379に示す通り、ホスト制御回路7212は、電源復帰時の第1特別図柄および第2特別図柄の状況に応じて、役物(7セグ表示器7770、表示シャッタ7780)および各表示を制御する。この場合の役物および各表示の制御は、図369と同様であるため、説明を省略する。
[5−11.電源復帰時の状況が大当り遊技状態の場合]
図381は、第14実施形態に係るパチンコ遊技機において、電源復帰時にバックアップクリア処理が実行されず、電源復帰時の状況が大当り遊技状態であったときに、(A)大当り遊技状態開始時に電源復帰した場合、(B)通過ゲート通過時に電源復帰した場合、(C)大入賞口開放時に電源復帰した場合、(D)大入賞口閉鎖時に電源復帰した場合、(E)大当り遊技状態終了時に電源復帰した場合、にホスト制御回路7212により実行される処理の一例を示す。
図381(A)〜(D)に示されるように、ホスト制御回路7212は、大当り遊技状態終了時を除き、電源復帰時の状況(大当り遊技状態開始時、通過ゲート7049通過時、大入賞口開放時、大入賞口閉鎖時)に応じて、役物(7セグ表示器7770、表示シャッタ7780)および各表示を以下のとおり制御する。
すなわち、ホスト制御回路7212は、7セグ表示器7770および表示シャッタ7780の両方とも進出位置に向けて進出させずに退避位置(図356に示される位置)に位置させたままとする。
また、ホスト制御回路7212は、7セグ表示器7770およびミニ図柄を非表示とする。
また、ホスト制御回路7212は、第1特別図柄が大当りであったときは、第4図柄表示器7785の左側の表示器を大当りの種類に対応する点灯パターンで点灯するとともに、第4図柄表示器7785の右側の表示器を消灯する。また、第2特別図柄が大当りであったときは、第4図柄表示器7785の左側の表示器を消灯するとともに、第4図柄表示器7785の右側の表示器を大当りの種類に対応する点灯パターンで点灯する。
その後、ホスト制御回路7212は、通過ゲート7049を遊技球が通過したことを示すコマンドをメインCPU7101から受信すると、コマンド順の2の処理に移る。それ以降も同様に、メインCPU7101から送信された各コマンドを受信すると、以降の処理に移る。
そして、大当り遊技状態終了コマンドを受信すると、ホスト制御回路7212は、チャンス演出モード、カウントダウン演出モードまたはラッシュ演出モードに移行し、移行先に応じて役物(7セグ表示器7770、表示シャッタ7780)の位置を制御するとともに、移行先に応じた背景画像を液晶表示装置7016に表示する。なお、7セグ表示器7770は非表示とする。液晶表示装置7016の極小領域に表示されるミニ図柄についても、第1特別図柄に対応するミニ図柄は表示せず、第2特別図柄に対応するミニ図柄を、移行先に応じて表示する。
なお、図161(E)に示されるように、電源復帰時の状況が大当り遊技状態終了時であるとき、ホスト制御回路7212は、チャンス演出モード、カウントダウン演出モードまたはラッシュ演出モードに移行し、移行先に応じて役物(7セグ表示器7770、表示シャッタ7780)の位置を制御するとともに、移行先に応じた背景画像を液晶表示装置7016に表示する。また、ホスト制御回路7212は、7セグ表示器7770の表示を、移行先がチャンス演出モードであるときは「765」を表示し、移行先がカウントダウン演出モードであるときは「_20」を表示し(_は空欄)、移行先がラッシュ演出モードであるときは非表示とする。さらに、ホスト制御回路7212は、液晶表示装置7016の極小領域に、移行先がチャンス演出モードであるときは「765」を表示し、移行先がラッシュ演出モードであるときは「321」を表示し、移行先がラッシュ演出モードであるときは「246」を表示する。なお、移行先にかかわらず第1特別図柄に対応するミニ図柄は非表示とする。
以上により、電源復帰時の役物初期動作処理および表示制御処理を好適に行うことができるとともに、スムーズに遊技を開始できる状態とすることが可能となる。
[6.ホスト制御回路により実行される演出態様変更処理]
さらに、この第14実施形態に係るパチンコ遊技機において、ホスト制御回路7212は、設定変更処理においてセットされた現在の設定値とディップスイッチ7004による設定との組合せに応じて、演出態様を変更する演出態様変更処理を実行可能に構成されている。この演出態様変更処理について、以下に三つの例(第1の例〜第3の例)を挙げて説明する。第1の例〜第3の例の遊技機によれば、遊技機管理責任者にとって利便性を高めることが可能となる。
なお、演出態様とは、例えば通常演出モード中であれば7セグ表示器7770に表示される表示演出の態様、例えばラッシュ演出モードや大当り演出モードであれば遊技状態液晶表示装置7016の表示領域に表示される表示演出の態様(装飾図柄の変動態様、背景画像の態様等)、スピーカ7024から出力される演出音の態様等を含み、ホスト制御回路7212により実行可能な制御であれば特定の演出に限定されない。
また、以下の第1の例〜第3の例は、いずれもパチンコ遊技機を例に挙げて説明するが、パチスロにも適用できることは言うまでもない。
[6−1.演出態様変更処理の第1の例]
図382は、設定変更処理においてセットされた現在の設定値とディップスイッチ7004による設定との組合せに応じて、ホスト制御回路7212により実行される演出態様を変更する演出態変更処理の第1の例を説明するための図であって、(A)大当りおよび小当りの確率を示すテーブルの一例、(B)設定値とディップスイッチの設定との組合せによる一致・不一致を示す図、(C)設定値とディップスイッチの設定との組合せによる一致・不一致に対応して実行される演出態様を示す図である。
この第1の例では、特別図柄抽選における大当りおよび小当りの確率を設定毎に示すテーブルを、図359のテーブルに代えて、図382(A)のテーブルを用いて説明する。
図382(A)に示すように、この第1の例では、設定1と設定2と設定3とで大当り確率が共通し、設定4と設定5と設定6とで大当り確率が共通している。また、図示しないが、特別図柄の変動パターン選択率等のメインCPU7101により実行される各種処理における数値も、設定1と設定2と設定3とで共通するとともに、設定4と設定5と設定6とで共通している。
なお、パチスロの場合、例えば設定1と設定2と設定3とで特定役(例えば所謂リアルボーナス役と呼ばれる役)の当選確率が共通していても、例えば擬似ボーナスのように遊技者にとって有利な特別遊技が実行される期待値が異なる場合がある。例えば、レア小役当選時に擬似ボーナスの抽選を行うパチスロにおいて、設定1と設定2と設定3とでレア小役の当選確率が異なる場合、たとえ特定役の当選確率が共通していたとしても、擬似ボーナスに対する期待値が設定1と設定2と設定3とで異なることとなる。このようなパチスロにこの第1の例を適用する場合には、出玉にかかわる特別遊技が実行される期待値が、設定1と設定2と設定3とで共通するようにするとよい。なお、設定4と設定5と設定6とについても同様である。
また、ディップスイッチ7004は、例えば左・中・右の3段階のうちいずれか一つに設定できるように構成されており、ディップスイッチ7004による設定はホスト制御回路7212により読み込まれる。
ホスト制御回路7212は、図382(B)のテーブルを参照し、設定変更処理においてセットされた設定値(現在の設定値)と、ディップスイッチ7004による設定との組合せに基づいて、一致であるか不一致であるかを判別する。例えば、ホスト制御回路7212は、現在の設定値が「3」であって且つディップスイッチ7004による設定が「右」であるときは一致と判別し、現在の設定値が「1」であって且つディップスイッチ7004による設定が「中」であるときは不一致と判別する。
以下、設定変更処理においてセットされた設定値(現在の設定値)と、ディップスイッチ7004による設定との組合せを、単に「設定組合せ」と称する(後述する第2の例および第3の例でも同様)。
なお、設定変更処理はメインCPU7101により実行される処理であるが、セットされた設定値情報は、上述したように、メインCPU7101からホスト制御回路7212にコマンド送信されるため、ホスト制御回路7212側でも現在の設定値を把握できている(後述する第2の例および第3の例でも同様)。
ホスト制御回路7212は、設定組合せに基づいて一致であるかまたは不一致であるかを判別すると、通常演出、特殊演出Aおよび特殊演出Bのうちいずれの演出を実行するかを決定し、該決定に基づく演出を実行する。通常演出、特殊演出Aおよび特殊演出Bのうちいずれの演出を実行するかについては、図382(C)に示される通りである。
図382(C)に示すように、例えば現在の設定値が「1」のとき、ホスト制御回路7212は、設定組合せが一致および不一致のいずれであったとしても通常演出を実行すると決定する。すなわち、ディップスイッチ7004を左・中・右のうちいずれに設定したとしても、ホスト制御回路7212は通常演出を実行すると決定する。
また、例えば現在の設定値が「2」であるとき、ホスト制御回路7212は、設定組合せが一致していれば特殊演出Aを実行すると決定し、不一致であれば通常演出を実行すると決定する。さらに、例えば現在の設定値が「3」であるとき、ホスト制御回路7212は、設定組合せが一致していれば特殊演出Bを実行すると決定し、不一致であれば通常演出を実行すると決定する。
したがって、遊技機管理責任者は、なんら特殊演出が実行されない仕様を所望するときは、設定組合せが不一致となるように設定値やディップスイッチ7004を設定することで、通常演出が実行される仕様とすることができる。しかも、大当り確率を含むメインCPU7101により実行される各種処理における数値が設定1と設定2と設定3とで共通(設定4と設定5と設定6とについても共通)するため、遊技機管理責任者は、出玉にかかわる仕様を変えることなく演出にかかわる仕様を所望の仕様に変更することができる。
また、演出にかかわる仕様のみならず、出玉にかかわる仕様も変更したい場合には、設定1〜設定3のグループと、設定4〜設定6のグループとのうち、いずれかのグループを選択するようにすればよい。例えば、出玉を抑えたい場合には、設定1〜3の範囲内で、所望の設定組合せとなるように、設定値やディップスイッチ7004設定すればよい。
なお、設定変更処理において設定変更できる範囲を必ずしも6段階にする必要はなく、例えば設定1〜設定3の範囲内でしか設定できないようにしてもよく、例えば設定1〜設定9の範囲内で設定できるようにしてもよい。
また、ディップスイッチ7004の設定についても、出玉にかかわる仕様を変えることなく演出にかかわる仕様を所望の仕様に変更できるのであれば、必ずしも3段階に設定できるものに限られない。
また、特殊演出Aおよび特殊演出Bは、特定の演出に限定されるものではないが、例えば、特定の遊技者には強く支持されるものの万人受けしないような演出や、現在の設定値を示唆するような演出等が考えられる。
[6−2.演出態様変更処理の第2の例]
図383は、設定変更処理においてセットされた現在の設定値とディップスイッチ7004による設定との組合せに応じて、ホスト制御回路7212により実行される演出態様を変更する演出態変更処理の第2の例を説明するための図であって、(A)大当りおよび小当りの確率を示すテーブルの一例、(B)設定値とディップスイッチの設定との組合せによる一致・不一致を示す図、(C)設定値とディップスイッチの設定との組合せによる一致・不一致に対応して実行される演出態様を示す図である。
この第2の例では、特別図柄抽選における大当りおよび小当りの確率を設定毎に示すテーブルを、図383(A)のテーブルを用いて説明する。
図383(A)に示すように、この第2の例では、設定1と設定2とで大当り確率が共通し、設定3と設定4とで大当り確率が共通し、設定5と設定6とで大当り確率が共通している。また、図示しないが、特別図柄の変動パターン選択率等のメインCPU7101により実行される各種処理における数値も、設定1と設定2とで共通し、設定3と設定4とで共通し、設定5と設定6とで共通している。
なお、パチスロの場合、例えば設定1と設定2とで特定役(例えば所謂リアルボーナス役と呼ばれる役)の当選確率が共通していても、第1の例で説明した通り、例えば擬似ボーナスのように遊技者にとって有利な特別遊技が実行される期待値が異なる場合がある。このようなパチスロにこの第2の例を適用する場合には、出玉にかかわる特別遊技が実行される期待値が、設定1と設定2とで共通するようにするとよい。なお、設定3と設定4、設定5と設定6とについても同様である。
また、ディップスイッチ7004は、例えば左・右の2段階のうちいずれか一つに設定できるように構成されており、ディップスイッチ7004による設定はホスト制御回路7212により読み込まれる。
ホスト制御回路7212は、図383(B)のテーブルを参照し、設定変更処理においてセットされた設定値(現在の設定値)と、ディップスイッチ7004による設定との組合せに基づいて、一致であるか不一致であるかを判別する。例えば、ホスト制御回路7212は、現在の設定値が「1」であって且つディップスイッチ7004による設定が「左」であるときは一致と判別し、現在の設定値が「2」であって且つディップスイッチ7004による設定が「左」であるときは不一致と判別する。
ホスト制御回路7212は、設定組合せに基づいて一致であるかまたは不一致であるかを判別すると、その判別結果に基づいて、特殊演出の実行頻度を決定する。特殊演出の実行頻度は、図383(C)に示される通りである。
図383(C)に示すように、例えば現在の設定値が「1」のとき、ホスト制御回路7212は、設定組合せが一致していれば特殊演出の実行頻度を「中」に決定し、不一致であれば特殊演出の実行頻度を「0」すなわち特殊演出を実行しないと決定する。
また、例えば現在の設定値が「2」であるとき、ホスト制御回路7212は、設定組合せが一致していれば特殊演出の実行頻度を「高」に決定し、不一致であれば特殊演出の実行頻度を「低」に決定する。
なお、特殊演出の実行頻度の「高」、「中」および「低」は特定の確率に限定されるものではなく、相対的に「高」、「中」、「低」となるように設定されていればよいが、特に遊技者が「高」、「中」または「低」を判断できる程度の確率差があることが好ましい。
また、特殊演出は、特定の演出に限定されるものではないが、例えば、現在の設定値を示唆するような設定示唆演出等が考えられる。
例えば、特殊演出が実行されない仕様を遊技機管理責任者が所望するときは、特殊演出の実行頻度が「0」となる設定組合せ(例えば、設定「1」且つディップスイッチ「右」の組合せ)を設定することで、特殊演出が実行されない仕様とすることができる。しかも、大当り確率を含むメインCPU7101により実行される各種処理における数値が設定1と設定2とで共通(設定3と設定4、および、設定5と設定6とについても共通)するため、遊技機管理責任者は、出玉にかかわる仕様を変えることなく特殊演出の実行頻度を変更することができる。
また、演出にかかわる仕様のみならず、出玉にかかわる仕様も変更したい場合には、設定1・設定2のグループと、設定3・設定4のグループと、設定5・設定6のグループとのうち、いずれかのグループを選択するようにすればよい。例えば、出玉を抑えたい場合には設定1・設定2のグループを選択した上で特殊演出の実行頻度が所望の実行頻度となる設定組合せに設定すればよく、出玉を高めたい場合には設定5・設定6のグループを選択した上で特殊演出の実行頻度が所望の実行頻度となる設定組合せに設定すればよい。
なお、設定変更処理において設定変更できる範囲を必ずしも6段階にする必要はなく、例えば設定1・設定2の2段階にしてもよく、例えば設定1〜設定4の4段階としてもよい。
また、ディップスイッチ7004の設定についても、出玉にかかわる仕様を変えることなく特殊演出の実行頻度を変更できるのであれば、必ずしも2段階に設定できるものに限られない。
[6−3.演出態様変更処理の第3の例]
図384は、設定変更処理においてセットされた現在の設定値とディップスイッチ7004による設定との組合せに応じて、ホスト制御回路7212により実行される演出態様を変更する演出態変更処理の第3の例を説明するための図であって、(A)大当りおよび小当りの確率を示すテーブルの一例、(B)設定値とディップスイッチの設定との組合せによる一致・不一致を示す図、(C)設定値とディップスイッチの設定との組合せによる一致・不一致に対応して実行される演出態様を示す図である。
この第3の例では、特別図柄抽選における大当りおよび小当りの確率を設定毎に示すテーブルを、図384(A)のテーブルを用いて説明する。
図384(A)に示すように、この第3の例では、設定1〜設定6のいずれも大当り確率が異なっており、設定値が高くなるにつれて大当り確率も高くなる。また、図示しないが、特別図柄の変動パターン選択率等のメインCPU7101により実行される各種処理における数値も、設定値に応じて異なっている。
なお、パチスロの合、例えば設定1〜設定6で特定役(例えば所謂リアルボーナス役と呼ばれる役)の当選確率が共通していても、第1の例や第2の例で説明した通り、例えば擬似ボーナスのように遊技者にとって有利な特別遊技が実行される期待値が異なる場合がある。したがって、たとえ特定役の当選確率が例えば設定1〜設定6で共通していたとしても、出玉にかかわる特別遊技が実行される期待値が設定1〜設定6で異なるパチスロであれば、この第3の例を適用することができる。
また、ディップスイッチ7004は、例えば「1」〜「6」の6段階のうちいずれか一つに設定できるように構成されており、ディップスイッチ7004による設定はホスト制御回路7212により読み込まれる。
ホスト制御回路7212は、図384(B)のテーブルを参照し、設定変更処理においてセットされた設定値(現在の設定値)と、ディップスイッチ7004による設定との組合せに基づいて、一致であるか不一致であるかを判別する。例えば、ホスト制御回路7212は、現在の設定値が「1」であって且つディップスイッチ7004による設定が「1」であるときは一致と判別し、現在の設定値が「6」であって且つディップスイッチ7004による設定が「3」であるときは不一致と判別する。
なお、この第3の例では、現在の設定値とディップスイッチ7004による設定とが同じ値であれば「一致」と判別し、異なる値であれば「不一致」と判別するようにしている。そのため、遊技機管理責任者が設定組合せを設定する際に、設定組合せのミスを誘発し難くなっている。
ホスト制御回路7212は、設定組合せに基づいて一致であるかまたは不一致であるかを判別すると、その判別結果に基づいて、特殊演出の実行可否を決定する。特殊演出の実行可否は、図384(C)に示される通りである。
図384(C)に示すように、現在の設定値が「1」〜「6」のいずれであっても、ホスト制御回路7212は、設定組合せが一致していれば特殊演出の実行を「可」に決定し、不一致であれば特殊演出の実行を「否」決定する。特殊演出の実行が「可」と決定されると特殊演出が実行され、特殊演出の実行が「否」と決定されると特殊演出が実行されない。
また、特殊演出は、特定の演出に限定されるものではないが、例えば、現在の設定値を示唆するような設定示唆演出等が考えられる。
例えば、特殊演出が実行されない仕様を遊技機管理責任者が所望するときは、現在の設定値とディップスイッチ7004による設定とを異なるようにするだけでよく、特殊演出が実行される仕様を遊技機管理責任者が所望するときは、現在の設定値とディップスイッチ7004による設定とを同じにするだけといった簡単な方法で、特殊演出の実行可否を変更することができる。
なお、設定変更処理において設定変更できる範囲を必ずしも6段階にする必要はなく、大当り確率を含むメインCPU7101により実行される各種処理における数値が異なる複数の設定のうちいずれかに設定できればよい。
また、この第3の例において、ホスト制御回路7212は、設定組合せが一致していれば特殊演出の実行を「可」に決定し、不一致であれば特殊演出の実行を「否」に決定するようにしているが、これに代えて、設定組合せが一致していれば特殊演出の実行を「否」に決定し、不一致であれば特殊演出の実行を「可」に決定するようにしてもよい。
以上説明した第14実施形態のパチンコ遊技機によれば、以下の遊技機を提供することができる。なお、以下の遊技機には、パチスロを含むことができる場合もある。
[7.付記]
[第72〜第75の遊技機]
従来より、第1始動口に遊技球が入賞すると第1特別図柄の可変表示を行い、第2始動口に遊技球が入賞すると第2特別図柄の可変表示を行う遊技機が知られている。そして、第1特別図柄または第2特別図柄が特定の図柄組合せで表示されると、遊技者に有利な特別遊技状態に制御される。
この種の遊技機として、例えば、第2始動口への入賞が容易化されるとともに抽選確率が高められる高確率時間短縮状態において、規定回数の可変表示が行われると時間短縮状態が終了し、特殊遊技が実行されやすい高確率非時間短縮状態に移行させて、出球を増加させることができるようにした遊技機が開示されている(例えば特開2016−174800号公報参照)。
(第40の課題)
特開2016−174800号公報に記載の遊技機は、高確率時間短縮状態から高確率非時間短縮状態に移行すると出球が増加するといった新たな遊技性を備えたものであるが、近年、さらに新たな遊技性を備えることで興趣を高めることができる遊技機が望まれている。
本発明は上記第40の課題を解決するためになられたものであり、本発明の第40の目的は、新たな遊技性を備える遊技機を提供することにある。
上記第40の目的を達成するために、本発明は、以下のような第72の遊技機を提供する。
(1)本発明に係る遊技機は、
遊技領域に向けて発射された遊技球が第1特別始動領域(例えば、第1始動口スイッチ7421)を通過したことに基づいて、第1特別図柄の可変表示を実行可能な第1特別図柄可変制御手段(例えば、メインCPU7101)と、
遊技領域に向けて特定の態様(例えば、右打ち)で発射された遊技球が第2特別始動領域(例えば、第2始動口スイッチ7441)を通過したことに基づいて、第2特別図柄の可変表示を実行可能な第2特別図柄可変制御手段(例えば、メインCPU7101)と、
前記第1特別図柄または前記第2特別図柄の可変表示が実行されて特別結果が導出されると特別遊技状態に制御する特別遊技状態制御手段(例えば、メインCPU7101)と、
前記特別結果が導出されなかったとしても特定条件が成立した(例えば、小当りを示す図柄態様が導出された)ときには、所定の可動部材(例えば、小当りアタッカー7562)を作動させて、遊技球が通過すると遊技価値が付与される特定通過領域(例えば、小当り入賞口7560)への受け入れが容易となる特定遊技状態(例えば、小当り遊技状態)に制御する特定遊技状態制御手段(例えば、メインCPU7101)と、
単位時間あたりの発射球数に対して付与される遊技価値の期待値が相対的に小さい第1遊技状態(例えば、高確時短状態)、および単位時間あたりの発射球数に対して付与される遊技価値の期待値が前記第1遊技状態よりも大きい第2遊技状態(例えば、高確非時短状態)を少なくとも含む複数の遊技状態のうちいずれかに制御可能な遊技状態制御手段(例えば、メインCPU7101)と、
前記第1遊技状態において、少なくとも前記第2特別図柄の可変表示が規定回数(例えば、時短終了第3条件)実行されると、当該第1遊技状態から前記第2遊技状態に移行させる制御を実行可能な状態移行制御手段(例えば、メインCPU7101)と、
前記第1遊技状態において、前記第2特別図柄の可変表示が前記規定回数実行されるまでの回数情報(例えば、時短回数(残回数))を示す経過演出(例えば、例えばカウントダウン演出)を実行可能な経過演出実行手段(例えば、ホスト制御回路7212)と、
を備え、
前記経過演出実行手段は、
前記第1遊技状態において、前記第2特別図柄の可変表示が前記規定回数実行されるまでの残回数が単位回数よりも多い複数回数である場合、特定の結果(例えば、「特1:10R確変大当り」)が導出されない前記第2特別図柄の可変表示が実行されると単位回数分の更新を行うものの、特定の結果が導出される前記第2特別図柄の可変表示が実行されると、該第2特別図柄の可変表示回数が1回であるにもかかわらず複数回数分の更新を行う(例えば、加速演出を行う)よう構成される
ことを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、第1遊技状態(例えば、高確時短状態)において、第2特別図柄の可変表示が規定回数実行されるまでの回数情報(例えば、時短回数(残回数))、すなわち第1遊技状態から第2遊技状態(例えば、高確非時短遊技状態)に移行されるまでの回数情報を示す経過演出(例えば、例えばカウントダウン演出)が実行されるため、第2遊技状態に移行されるタイミングを把握でき、興趣を高めることが可能となる。
しかも、経過演出では、第2特別図柄の可変表示が実行されると単位回数分(例えば、1回分)の更新が行われるところ、第2特別図柄の可変表示により特定の結果(例えば、「特1:10R確変大当り」)が導出されるときには、1回の第2特別図柄の可変表示において複数回数分の更新が行われる。すなわち、第2特別図柄の可変表示が1回しか実行されていないにもかかわらず複数回数分の更新が行われる特殊な態様で経過演出が実行されるといった、新たな遊技性を備える遊技機を提供することができる。このような特殊な態様で経過演出が実行されることにより、遊技者に視覚的なインパクトを与えることができ、興趣を高めることが可能となる。
なお、経過演出は、第1遊技状態から第2遊技状態に移行するまでの第2特別図柄の可変表示の残回数を示すカウントダウン演出であってもよいし、第2特別図柄の可変表示の実行回数を示すカウントアップ演出であってもよく、第1遊技状態から第2遊技状態に移行するタイミングを把握できる演出であれば他の演出であってもよい。
また、経過演出として示される回数情報(例えば、時短回数(残回数))は、第2特別図柄の可変表示の残回数や第2特別図柄の可変表示の実行回数を把握できる態様であれば、数字で表示するものに限られず、例えば、可変表示回数を画像の個数で表示したり、インジケータで進捗度合いを表示したりする態様であってもよい。すなわち、上記(1)の遊技機の構成に記載された「回数情報を示す」とは、間接的に回数情報を示す態様と正に数字で回数情報を示す態様とのいずれをも含み得る表現であり、経過演出はこれらの情報を示し得る演出であればその態様は特に限定されない。
また、「単位回数分の更新」は、第1遊技状態から第2遊技状態への移行に必要な回数(第2特別図柄の可変表示の実行回数)が1回減ったことを示す表示に更新されること等が相当し、経過演出が例えばカウントダウン演出であれば、「1」減算表示されることが相当する。また、1回の第2特別図柄の可変表示に対して複数個の画像が表示されるような場合であれば、この複数個の画像を例えば消すことが、単位回数分の更新となる。
また、「複数回数分の更新」は、第1遊技状態から第2遊技状態への移行に必要な回数(第2特別図柄の可変表示の実行回数)が複数回減ったことを示す表示に更新されること等が相当し、経過演出が例えばカウントダウン演出であれば、「2」以上減算表示されることが相当する。
なお、「遊技価値」とは、貨幣・紙幣、プリペイド媒体、トークン、電子マネーおよびチケット等であり、遊技媒体管理装置によって持ち球に変換することが可能であるものを示すが、これに限られるものではなく、遊技機における賞球や遊技者の持ち球数を示すデータ等、遊技媒体としての価値を示すものであればこれに限定されないものである。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、
前記経過演出実行手段は、
前記第2特別図柄の可変表示が行われて前記特定の結果(例えば、「特2:10R確変大当り」、「特2:5R確変大当り」)が導出されるとき、前記第2特別図柄の可変表示が前記規定回数実行されるまでの残回数が複数回数であったとしても、該第2特別図柄の可変表示において、前記残回数が0であることを示す表示にいたるまで複数回数分の更新を行うよう構成される
ことを特徴とする。
上記(2)の遊技機によれば、第2特別図柄の可変表示が行われて特定の結果(例えば、「特2:10R確変大当り」、「特2:5R確変大当り」)が導出されるとき、第2特別図柄の可変表示が規定回数実行されるまでの残回数、すなわち第2遊技状態(例えば、高確非時短遊技状態)に移行されるまでの残回数が複数回であったとしても、この1回の第2特別図柄の可変表示において、残回数が0であることが示されるまで更新される。これにより、第1遊技状態が終了することを視覚的に認識することができ、興趣を高めることが可能となる。
(3)上記(1)または(2)に記載の遊技機において、
前記回数情報(例えば、時短回数(残回数))が前記規定回数にいたったときには、前記第1遊技状態(例えば、高確時短状態)から前記第2遊技状態(例えば、高確非時短遊技状態)に移行することを示す達成演出を実行する達成演出実行手段(例えば、ホスト制御回路7212)をさらに備える
ことを特徴とする。
上記(3)の遊技機によれば、第2遊技状態(例えば、高確非時短遊技状態)に移行されることを視覚的に認識することができ、より興趣を高めることが可能となる。
(4)本発明に係る遊技機は、パチンコ遊技機およびパチスロに適用可能であって、
始動条件の成立(例えば、第1始動口7420への入賞)に基づいて抽選を実行し、該抽選の結果が特別結果(例えば、大当り)であるときには遊技者に有利な特別遊技状態(例えば、大当り遊技状態)に制御可能な遊技機であって、
遊技者にとっての有利度合いが相対的に小さい第1遊技状態(例えば、高確時短状態)、および前記第1遊技状態よりも遊技者にとっての有利度合いが大きい第2遊技状態(例えば、高確非時短状態)を少なくとも含む複数の遊技状態のうちいずれかに制御可能な遊技状態制御手段と、
前記第1遊技状態において、少なくとも規定回数の遊技が実行されると(例えば、時短終了第3条件が成立すると)、当該第1遊技状態から前記第2遊技状態に移行させる制御を実行可能な状態移行制御手段と、
前記第1遊技状態において、前記規定回数の遊技が実行されるまでの回数情報を示す経過演出(例えば、カウントダウン演出)を実行可能な経過演出実行手段と、
を備え、
前記経過演出実行手段は、
前記第1遊技状態において、前記規定回数の遊技が実行されるまでの残回数が単位回数よりも多い複数回数である場合、前記特別結果が導出されない遊技においては単位回数分の更新を行うものの、前記特別結果が導出される遊技においては、1回の遊技であるにもかかわらず複数回数分の更新を行うことが可能に構成される
ことを特徴とする。
上記(4)の遊技機によれば、第1遊技状態(例えば、高確時短状態)において、規定回数の遊技が実行されるまでの回数情報(例えば、時短回数(残回数))、すなわち第1遊技状態から第2遊技状態(例えば、高確非時短遊技状態)に移行されるまでの回数情報を示す経過演出(例えば、例えばカウントダウン演出)が実行されるため、第2遊技状態に移行されるタイミングを把握でき、興趣を高めることが可能となる。
しかも、経過演出では、遊技が実行されると単位回数分(例えば、1回分)の更新が行われるところ、特別結果(例えば、大当り)が導出される遊技においては、1回の遊技において複数回数分の更新が行われる。すなわち、遊技が1回しか実行されていないにもかかわらず複数回数分の更新が行われる特殊な態様で経過演出が実行されるといった、新たな遊技性を備える遊技機を提供することができる。このような特殊な態様で経過演出が実行されることにより、遊技者に視覚的なインパクトを与えることができ、興趣を高めることが可能となる。
なお、経過演出は、第1遊技状態から第2遊技状態に移行するまでの残遊技回数を示すカウントダウン演出であってもよいし、実行された遊技回数を示すカウントアップ演出であってもよく、第1遊技状態から第2遊技状態に移行するタイミングを把握できる演出であれば他の演出であってもよい。
また、経過演出として示される回数情報(例えば、時短回数(残回数))は、残遊技回数や実行された遊技回数を把握できる態様であれば、数字で表示するものに限られず、例えば、可変表示回数を画像の個数で表示したり、インジケータで進捗度合いを表示したりする態様であってもよい。すなわち、上記(4)の遊技機の構成に記載された「回数情報を示す」とは、間接的に回数情報を示す態様と正に数字で回数情報を示す態様とのいずれをも含み得る表現であり、経過演出はこれらの情報を示し得る演出であればその態様は特に限定されない。
また、「単位回数分の更新」は、第1遊技状態から第2遊技状態への移行に必要な遊技回数が1回減ったことを示す表示に更新されること等が相当し、経過演出が例えばカウントダウン演出であれば、「1」減算表示されることが相当する。また、1回の遊技に対して複数個の画像が表示されるような場合であれば、この複数個の画像を例えば消すことが、単位回数分の更新となる。
また、「複数回数分の更新」は、第1遊技状態から第2遊技状態への移行に必要な遊技回数が複数回減ったことを示す表示に更新されること等が相当し、経過演出が例えばカウントダウン演出であれば、「2」以上減算表示されることが相当する。
上記第40の目的を達成するために、本発明は、以下のような第73の遊技機を提供する。
(1)本発明に係る遊技機は、
特別図柄の可変表示を行い、該可変表示される特別図柄が停止すると遊技結果が導出される遊技機であって、
遊技領域に向けて発射された遊技球が第1特別始動領域(例えば、第1始動口スイッチ7421)を通過したことに基づいて、第1特別図柄の可変表示を実行可能な第1特別図柄可変制御手段(例えば、メインCPU7101)と、
遊技領域に向けて特定の態様(例えば、右打ち)で発射された遊技球が第2特別始動領域(例えば、第2始動口スイッチ7441)を通過したことに基づいて、第2特別図柄の可変表示を実行可能な第2特別図柄可変制御手段(例えば、メインCPU7101)と、
前記第1特別図柄または前記第2特別図柄の可変表示が実行されて特別結果が導出されると特別遊技状態に制御する特別遊技状態制御手段(例えば、メインCPU7101)と、
前記特別結果が導出されなかったとしても特定条件が成立した(例えば、小当りを示す図柄態様が導出された)ときには、所定の可動部材(例えば、小当りアタッカー7562)を作動させて、前記特定の態様で発射された遊技球が通過すると遊技価値が付与される特定通過領域(例えば、小当り入賞口7560)への受け入れが容易となる特定遊技状態(例えば、小当り遊技状態)に制御する特定遊技状態制御手段(例えば、メインCPU7101)と、
前記特定の態様で発射された単位時間あたりの発射球数に対して付与される遊技価値の期待値が相対的に小さい第1遊技状態(例えば、高確時短状態)、および前記特定の態様で発射された単位時間あたりの発射球数に対して付与される遊技価値の期待値が前記第1遊技状態よりも大きい第2遊技状態(例えば、高確非時短状態)を少なくとも含む複数の遊技状態のうちいずれかに制御可能な遊技状態制御手段(例えば、メインCPU7101)と、
前記第1遊技状態において、前記特別図柄の可変表示が規定回数実行されると(例えば、時短終了第3条件または時短終了第2条件が成立すると)、当該第1遊技状態から前記第2遊技状態に移行させる制御を実行可能な状態移行制御手段(例えば、メインCPU7101)と、
前記第1遊技状態において、前記特別図柄の可変表示が前記規定回数実行されるまでの回数情報(例えば、時短回数(残回数))を示す経過演出(例えば、カウントダウン演出)を実行可能な経過演出実行手段(例えば、ホスト制御回路7212)と、
を備え、
前記経過演出実行手段は、
前記第1遊技状態において、前記第1特別図柄の可変表示が実行されたときは前記回数情報の更新を行わず、前記第2特別図柄の可変表示が実行されたときに前記回数情報を更新可能に構成される
ことを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、第1遊技状態(例えば、高確時短状態)において、特別図柄(第1特別図柄、第2特別図柄)の可変表示が規定回数実行されるまでの回数情報、すなわち第1遊技状態から第2遊技状態(例えば、高確非時短遊技状態)に移行されるまでの回数情報を示す経過演出(例えば、例えばカウントダウン演出)が実行されるため、第2遊技状態に移行されるタイミングを把握でき、興趣を高めることが可能となる。
ところで、特別図柄の可変表示が規定回数実行されると(例えば、時短終了第3条件または時短終了第2条件が成立すると)第1遊技状態から第2遊技状態に移行する場合、特別図柄が複数(第1特別図柄と第2特別図柄)あると、第1遊技状態から第2遊技状態への移行タイミングが把握し難く、遊技興趣が低下するおそれがある。経過演出が行われる第1遊技状態では特定の態様(例えば、右打ち)で遊技者が発射され、かかる遊技球が第2特別始動領域(例えば、第2始動口スイッチ7441)を通過可能であることから、第1遊技状態から第2遊技状態への移行は、第1特別図柄が可変表示されて移行するよりも第2特別図柄が可変表示されて移行することの方が高い頻度で行われる。そこで、経過演出において、第1特別図柄の可変表示が実行されたとしても回数情報(例えば、時短回数(残回数))の更新を行わず、第2特別図柄の可変表示が実行されたときに回数情報の更新を行うことにより、第1遊技状態から第2遊技状態への移行タイミングを把握しやすくするといった、新たな遊技性を備える遊技機を提供することができる。これにより、遊技興趣の低下を抑制することが可能となる。
なお、経過演出は、第1遊技状態から第2遊技状態に移行するまでの第2特別図柄の可変表示の残回数を示すカウントダウン演出であってもよいし、第2特別図柄の可変表示の実行回数を示すカウントアップ演出であってもよく、第1遊技状態から第2遊技状態に移行するタイミングを把握できる演出であれば他の演出であってもよい。
また、経過演出として示される回数情報(例えば、時短回数(残回数))は、第2特別図柄の可変表示の残回数や第2特別図柄の可変表示の実行回数を把握できる態様であれば、数字で表示するものに限られず、例えば、可変表示回数を画像の個数で表示したり、インジケータで進捗度合いを表示したりする態様であってもよい。すなわち、上記(1)の遊技機の構成に記載された「回数情報を示す」とは、間接的に回数情報を示す態様と正に数字で回数情報を示す態様とのいずれをも含み得る表現であり、経過演出はこれらの情報を示し得る演出であればその態様は特に限定されない。
なお、「遊技価値」とは、貨幣・紙幣、プリペイド媒体、トークン、電子マネーおよびチケット等であり、遊技媒体管理装置によって持ち球に変換することが可能であるものを示すが、これに限られるものではなく、遊技機における賞球や遊技者の持ち球数を示すデータ等、遊技媒体としての価値を示すものであればこれに限定されないものである。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、
前記規定回数には、
第1の規定回数(例えば、時短終了第3条件柄)と、該第1の規定回数よりも大きい第2の規定回数(例えば、時短終了第2条件)とがあり、
前記状態移行制御手段は、
前記第1遊技状態において、前記第2特別図柄の可変表示が前記第1の規定回数実行されると前記第2遊技状態に移行させるとともに、前記第2特別図柄の可変表示が実行されなくとも前記第1特別図柄の可変表示が前記第2の規定回数実行されたときにも前記第2遊技状態に移行させるよう構成される
ことを特徴とする。
上記(2)の遊技機によれば、第1の規定回数(例えば、時短終了第3条件)よりも第2の規定回数(例えば、時短終了第2条件)の方が大きいため、第1遊技状態において特定の態様で遊技球が発射される限り、第2特別図柄が可変表示されて第1遊技状態から第2遊技状態に移行する可能性が高く、経過演出を好適に実行することができる。
(3)上記(2)に記載の遊技機において、
前記状態移行制御手段は、
前記第1遊技状態において、前記第1特別図柄の可変表示と前記第2特別図柄の可変表示とをあわせて前記第2の規定回数実行されたときにも前記第2遊技状態に移行させるよう構成される
ことを特徴とする。
上記(3)の遊技機は、第1特別図柄の可変表示が第2の規定回数実行されたときのみならず、第1特別図柄の可変表示と第2特別図柄の可変表示とをあわせて第2の規定回数実行されたときにも、第2遊技状態に移行することを明確にしたものである。
上記第40の目的を達成するために、本発明は、以下のような第74の遊技機を提供する。
(1)本発明に係る遊技機は、
特別図柄の可変表示を行い、該可変表示される特別図柄が停止すると遊技結果が導出される遊技機であって、
遊技領域に向けて発射された遊技球が第1特別始動領域(例えば、第1始動口スイッチ7421)を通過したことに基づいて、第1特別図柄の可変表示を実行可能な第1特別図柄可変制御手段(例えば、メインCPU7101)と、
遊技領域に向けて特定の態様で発射された遊技球が第2特別始動領域を通過したことに基づいて、第2特別図柄の可変表示を実行可能な第2特別図柄可変制御手段(例えば、メインCPU7101)と、
前記第1特別図柄または前記第2特別図柄の可変表示が実行されて特別結果が導出されると特別遊技状態に制御する特別遊技状態制御手段(例えば、メインCPU7101)と、
前記特別結果が導出されなかったとしても特定条件が成立した(例えば、小当りを示す図柄態様が導出された)ときには、所定の可動部材(例えば、小当りアタッカー)を作動させて、遊技球が通過すると遊技価値が付与される特定通過領域(例えば、小当り入賞口)への受け入れが容易となる特定遊技状態(例えば、小当り遊技状態)に制御する特定遊技状態制御手段(例えば、メインCPU7101)と、
単位時間あたりの発射球数に対して付与される遊技価値の期待値が相対的に小さい第1遊技状態(例えば、高確時短状態)、および単位時間あたりの発射球数に対して付与される遊技価値の期待値が前記第1遊技状態よりも大きい第2遊技状態(例えば、高確非時短状態)を少なくとも含む複数の遊技状態のうちいずれかに制御可能な遊技状態制御手段(例えば、メインCPU7101)と、
前記第1遊技状態において、少なくとも前記第2特別図柄の可変表示が第1の規定回数実行されると(例えば、時短終了第3条件が成立すると)、当該第1遊技状態から前記第2遊技状態に移行させる制御を実行可能な状態移行制御手段(例えば、メインCPU7101)と、
前記第1遊技状態において、前記第2特別図柄の可変表示が前記第1の規定回数実行されるまでの回数情報(例えば、時短回数(残回数))を示す経過演出(例えば、カウントダウン演出)を実行可能な経過演出実行手段(例えば、ホスト制御回路7212)と、
を備え、
前記状態移行制御手段は、
前記第1遊技状態において、少なくとも前記第1特別図柄の可変表示を含む前記特別図柄の可変表示が前記第1の規定回数よりも大きい第2の規定回数実行されたときにも(例えば、時短終了第2条件が成立したときにも)、前記第2遊技状態に移行させるよう構成されており、
前記経過演出実行手段は、
少なくとも前記第1特別図柄の可変表示と前記第2特別図柄の可変表示とをあわせて所定回数(例えば、75回)の可変表示が実行されたとき、前記第2特別図柄の可変表示が前記第1の規定回数実行されていなくとも、前記経過演出を終了するよう構成される
ことを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、第1遊技状態(例えば、高確時短状態)において、第2特別図柄の可変表示が第1の規定回数実行されるまでの回数情報(例えば、時短回数(残回数))、すなわち第1遊技状態から第2遊技状態(例えば、高確非時短遊技状態)に移行されるまでの回数情報を示す経過演出(例えば、例えばカウントダウン演出)が実行されるため、第2遊技状態に移行されるタイミングを把握でき、興趣を高めることが可能となる。
ところで、第1遊技状態において、第1特別図柄の可変表示を含む特別図柄の可変表示が第1の規定回数よりも大きい第2の規定回数実行されたときにも第2遊技状態に移行するため、第2特別図柄の可変表示が第1の規定回数実行される前に第1遊技状態から第2遊技状態に移行してしまう場合が生じうる。この場合、第1遊技状態から第2遊技状態への移行と、経過演出として示される回数情報(例えば、時短回数(残回数))との整合性が図れなくなって遊技興趣が低下してしまうおそれがある。そこで、第1特別図柄の可変表示と第2特別図柄の可変表示とをあわせて所定回数(例えば、75回)の可変表示が実行されたときには、第2特別図柄の可変表示が第1の規定回数実行されていなかったとしても、さらには第1遊技状態から第2遊技状態に移行されていなくとも、経過演出を終了するといった新たな遊技性を備える遊技機を提供するようにしたものである。これにより、第1遊技状態から第2遊技状態への移行と経過演出として示される回数情報との整合性が図れなくなるといった事態を抑制することが可能となる。
なお、経過演出は、第1遊技状態から第2遊技状態に移行するまでの第2特別図柄の可変表示の残回数を示すカウントダウン演出であってもよいし、第2特別図柄の可変表示の実行回数を示すカウントアップ演出であってもよく、第1遊技状態から第2遊技状態に移行するタイミングを把握できる演出であれば他の演出であってもよい。
また、経過演出として示される回数情報(例えば、時短回数(残回数))は、第2特別図柄の可変表示の残回数や第2特別図柄の可変表示の実行回数を把握できる態様であれば、数字で表示するものに限られず、例えば、可変表示回数を画像の個数で表示したり、インジケータで進捗度合いを表示したりする態様であってもよい。すなわち、上記(1)の遊技機の構成に記載された「回数情報を示す」とは、間接的に回数情報を示す態様と正に数字で回数情報を示す態様とのいずれをも含み得る表現であり、経過演出はこれらの情報を示し得る演出であればその態様は特に限定されない。
なお、「遊技価値」とは、貨幣・紙幣、プリペイド媒体、トークン、電子マネーおよびチケット等であり、遊技媒体管理装置によって持ち球に変換することが可能であるものを示すが、これに限られるものではなく、遊技機における賞球や遊技者の持ち球数を示すデータ等、遊技媒体としての価値を示すものであればこれに限定されないものである。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、
前記経過演出実行手段は、
前記第1特別図柄の可変表示の実行回数と前記第2特別図柄の可変表示の実行回数との合計が、少なくとも前記第2の規定回数(例えば、時短終了第2条件)と前記第1の規定回数(例えば、時短終了第3条件)との差(例えば、80回)を超える前に、前記経過演出を終了するよう構成される
ことを特徴とする。
上記(2)の遊技機によれば、第1特別図柄の可変表示の実行回数と第2特別図柄の可変表示の実行回数との合計が、少なくとも第2の規定回数(例えば、時短終了第2条件)と第1の規定回数(例えば、時短終了第3条件)との差(例えば、80回)を超える前に経過演出を終了するため、第1遊技状態から第2遊技状態への移行と経過演出として示される回数情報(例えば、時短回数(残回数))との整合性を確実に図ることができ、遊技興趣の低下を抑制することが可能となる。
上記第40の目的を達成するために、本発明は、以下のような第75の遊技機を提供する。
(1)本発明に係る遊技機は、
特別図柄の可変表示を行い、該可変表示される特別図柄が停止すると遊技結果が導出される遊技機であって、
遊技領域に向けて発射された遊技球が第1特別始動領域(例えば、第1始動口スイッチ7421)を通過したことに基づいて、第1特別図柄の可変表示を実行可能な第1特別図柄可変制御手段(例えば、メインCPU7101)と、
遊技領域に向けて特定の態様(例えば、右打ち)で発射された遊技球が第2特別始動領域(例えば、第2始動口スイッチ7441)を通過したことに基づいて、第2特別図柄の可変表示を実行可能な第2特別図柄可変制御手段(例えば、メインCPU7101)と、
前記第1特別図柄または前記第2特別図柄の可変表示が実行されて特別結果が導出されると特別遊技状態に制御する特別遊技状態制御手段(例えば、メインCPU7101)と、
前記特別結果が導出されなかったとしても特定条件が成立した(例えば、小当りを示す図柄態様が導出された)ときには、所定の可動部材(例えば、小当りアタッカー7562)を作動させて、前記特定の態様で発射された遊技球が通過すると遊技価値が付与される特定通過領域(例えば、小当り入賞口7560)への受け入れが容易となる特定遊技状態(例えば、小当り遊技状態)に制御する特定遊技状態制御手段(例えば、メインCPU7101)と、
前記特定の態様で発射された単位時間あたりの発射球数に対して付与される遊技価値の期待値が相対的に小さい第1遊技状態(例えば、高確時短状態)、および前記特定の態様で発射された単位時間あたりの発射球数に対して付与される遊技価値の期待値が前記第1遊技状態よりも大きい第2遊技状態(例えば、高確非時短状態)を少なくとも含む複数の遊技状態のうちいずれかに制御可能な遊技状態制御手段(例えば、メインCPU7101)と、
前記第1遊技状態において、前記特別図柄の可変表示が規定回数実行されると(例えば、時短終了第3条件または時短終了第2条件が成立すると)、当該第1遊技状態から前記第2遊技状態に移行させる制御を実行可能な状態移行制御手段(例えば、メインCPU7101)と、
前記第1遊技状態において、前記特別図柄の可変表示が前記規定回数実行されるまでの回数情報(例えば、時短回数(残回数))を示す経過演出(例えば、カウントダウン演出)を実行可能な経過演出実行手段(例えば、ホスト制御回路7212)と、
を備え、
前記経過演出実行手段は、
前記第1遊技状態において、前記第1特別図柄の可変表示が実行されたときは前記回数情報の更新を行わず、前記第2特別図柄の可変表示が実行されたときに前記回数情報を更新する通常演出実行手段、および
前記第1遊技状態において、前記第1特別図柄の可変表示が行われて特定の結果(例えば、「特1:10R確変大当り」)が導出されるときには、前記回数情報の更新を行う特殊経過演出実行手段を有する
ことを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、第1遊技状態(例えば、高確時短状態)において、特別図柄(第1特別図柄、第2特別図柄)の可変表示が規定回数実行されるまでの回数情報(例えば、時短回数(残回数))、すなわち第1遊技状態から第2遊技状態(例えば、高確非時短遊技状態)に移行されるまでの回数情報を示す経過演出(例えば、例えばカウントダウン演出)が実行されるため、第2遊技状態に移行されるタイミングを把握でき、興趣を高めることが可能となる。
ところで、特別図柄の可変表示が規定回数実行されると(例えば、時短終了第3条件または時短終了第2条件が成立すると)第1遊技状態から第2遊技状態に移行する場合、特別図柄が複数(第1特別図柄と第2特別図柄)あると、第1遊技状態から第2遊技状態への移行タイミングが把握し難く、遊技興趣が低下するおそれがある。経過演出が行われる第1遊技状態では特定の態様(例えば、右打ち)で遊技者が発射され、かかる遊技球が第2特別始動領域(例えば、第2始動口スイッチ7441)を通過可能であることから、第1遊技状態から第2遊技状態への移行は、第1特別図柄が可変表示されて移行するよりも第2特別図柄が可変表示されて移行することの方が高い頻度で行われる。そこで、経過演出において、第1特別図柄の可変表示が実行されたとしても回数情報(例えば、時短回数(残回数))の更新を行わず、第2特別図柄の可変表示が実行されたときに回数情報の更新を行うことにより、第1遊技状態から第2遊技状態への移行タイミングを把握しやすくするといった、新たな遊技性を備える遊技機を提供することができる。これにより、遊技興趣の低下を抑制することが可能となる。
ただし、第1遊技状態において、第1特別図柄の可変表示が行われて特定の結果(例えば、「特1:10R確変大当り」)が導出されるときには、回数情報(例えば、時短回数(残回数))の更新が行われる。より具体的には、上記の特定の結果が、特別遊技状態終了後に第2遊技状態に制御される結果である場合には、回数情報を、残回数が0であることを示す表示にいたるまで複数回数分の更新を行うことが好ましい。これにより、第1遊技状態が終了することを視覚的に認識することができ、興趣を高めることが可能となる。
なお、経過演出は、第1遊技状態から第2遊技状態に移行するまでの第2特別図柄の可変表示の残回数を示すカウントダウン演出であってもよいし、第2特別図柄の可変表示の実行回数を示すカウントアップ演出であってもよく、第1遊技状態から第2遊技状態に移行するタイミングを把握できる演出であれば他の演出であってもよい。
また、経過演出として示される回数情報(例えば、時短回数(残回数))は、第2特別図柄の可変表示の残回数や第2特別図柄の可変表示の実行回数を把握できる態様であれば、数字で表示するものに限られず、例えば、可変表示回数を画像の個数で表示したり、インジケータで進捗度合いを表示したりする態様であってもよい。すなわち、上記(1)の遊技機の構成に記載された「回数情報を示す」とは、間接的に回数情報を示す態様と正に数字で回数情報を示す態様とのいずれをも含み得る表現であり、経過演出はこれらの情報を示し得る演出であればその態様は特に限定されない。
なお、「遊技価値」とは、貨幣・紙幣、プリペイド媒体、トークン、電子マネーおよびチケット等であり、遊技媒体管理装置によって持ち球に変換することが可能であるものを示すが、これに限られるものではなく、遊技機における賞球や遊技者の持ち球数を示すデータ等、遊技媒体としての価値を示すものであればこれに限定されないものである。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、
前記規定回数には、
第1の規定回数(例えば、時短終了第3条件柄)と、該第1の規定回数よりも大きい第2の規定回数(例えば、時短終了第2条件)とがあり、
前記状態移行制御手段は、
前記第1遊技状態において、前記第2特別図柄の可変表示が前記第1の規定回数実行されると前記第2遊技状態に移行させるとともに、前記第2特別図柄の可変表示が実行されなくとも前記第1特別図柄の可変表示が前記第2の規定回数実行されたときにも前記第2遊技状態に移行させるよう構成される
ことを特徴とする。
上記(2)の遊技機によれば、第1の規定回数(例えば、時短終了第3条件)よりも第2の規定回数(例えば、時短終了第2条件)の方が大きいため、第1遊技状態において特定の態様で遊技球が発射される限り、第2特別図柄が可変表示されて第1遊技状態から第2遊技状態に移行する可能性が高く、経過演出を好適に実行することができる。
(3)上記(2)に記載の遊技機において、
前記状態移行制御手段は、
前記第1遊技状態において、前記第1特別図柄の可変表示と前記第2特別図柄の可変表示とをあわせて前記第2の規定回数実行されたときにも前記第2遊技状態に移行させるよう構成される
ことを特徴とする。
上記(3)の遊技機は、第1特別図柄の可変表示が第2の規定回数実行されたときのみならず、第1特別図柄の可変表示と第2特別図柄の可変表示とをあわせて第2の規定回数実行されたときにも、第2遊技状態に移行することを明確にしたものである。
第72〜第75の遊技機によれば、新たな遊技性を備える遊技機を提供することができる。
[第76の遊技機]
従来より、始動口に遊技球が入賞すると乱数等の始動情報を抽出し、該抽出された始動情報を所定個数まで保留し、保留された始動情報を順に用いて特別図柄の可変表示を行い、特定の図柄組合せが表示されると遊技者に有利な特別遊技状態に制御される遊技機が知られている。
この種の遊技機として、例えば、保留されている始動情報を事前に判定(所謂先読み)し、この判定の結果に基づいて保留ランプによる演出を実行するものが開示されている(例えば、特開2015−205057号公報参照)。
(第41の課題)
ところで、特開2015−205057号公報に示されるような演出を例えば保留ランプ等のデバイスを用いて行う場合、例えば可変表示が終了して保留がシフトされたとき等には、可変表示を開始しようとする始動情報や可変表示中の始動情報については演出を行うことができず、興趣が低下するおそれがあった。
本発明は、そのような点に鑑みてなされたものであり、その目的は、興趣の低下を抑制することが可能な遊技機を提供することにある。
本発明は上記第41の課題を解決するためになられたものであり、本発明の第41の目的は、新たな遊技性を備える遊技機を提供することにある。
上記第41の目的を達成するために、本発明は、以下のような第76の遊技機を提供する。
(1)本発明に係る遊技機は、
所定の演出に用いられ、所定の発光態様で発光可能な演出発光手段(例えば、ルーレットランプ7790)と、
前記演出発光手段の発光態様を制御する演出発光制御手段(例えば、ホスト制御回路7212)と、
遊技領域に向けて発射された遊技球が特別始動領域(例えば、第1始動口スイッチ7421,第2始動口スイッチ7441)を通過したことに基づいて始動情報を所定数(例えば、4個)まで記憶可能な始動情報記憶手段(例えば、メインCPU7101)と、
前記始動情報記憶手段に記憶される始動情報を用いて特別図柄抽選を実行可能な特別図柄抽選手段(例えば、メインCPU7101)と、
特別図柄の可変表示を実行し、前記特別図柄抽選の結果を導出可能な特別図柄可変表示制御手段(例えば、メインCPU7101)と、
前記特別図柄の可変表示が実行されて特別結果が導出されると特別遊技状態(例えば、大当り遊技状態)に制御する特別遊技状態制御手段(例えば、メインCPU7101)と、
前記始動情報記憶手段により記憶可能な前記所定数の始動情報それぞれに対応させて、前記始動情報記憶手段による記憶状態(例えば、保留されているか否か)を示しうる保留発光手段(例えば、第1保留ランプ7791〜第4保留ランプ7794)と、
前記特別図柄の可変表示が未だ実行されずに前記始動情報記憶手段に記憶されている始動情報についての事前判定を行い、前記保留発光手段を、前記特別結果が導出される期待値に応じた発光態様で発光させる制御を実行可能な保留発光制御手段(例えば、メインCPU7101)と、
を備え、
前記演出発光制御手段は、
前記特別図柄の可変表示の実行が開始されたものの未だ前記特別図柄抽選の結果が導出されていない状態において、前記演出発光手段を、前記特別結果が導出される期待値に応じた発光態様で発光させる制御を実行可能であるとともに、
前記演出発光手段を、前記保留発光制御手段により実行される前記期待値に応じた発光態様と同様の発光態様で発光させるよう構成される
ことを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、特別図柄の可変表示が未だ実行されずに始動情報記憶手段に記憶されている始動情報(すなわち保留状態にある始動情報)について事前判定が行われ、特別結果が導出される期待値に応じた発光態様で保留発光手段(例えば、第1保留ランプ7791〜第4保留ランプ7794)が発光する。その一方で、特別図柄の可変表示の実行が開始されたものの未だ特別図柄抽選の結果が導出されていない状態においては、演出発光手段(例えば、ルーレットランプ7790)といった保留発光手段とは別のデバイスを、特別結果が導出される期待値に応じた発光態様で発光させる。しかも、演出発光手段を、保留発光制御手段により実行される期待値に応じた発光態様と同様の発光態様で発光させるため、保留発光手段で発光できないときであっても、共通の制御処理によって演出発光手段を発光させることができることに加えて、可変表示を開始しようとする始動情報や可変表示中の始動情報についても演出を行うことができ、興趣の低下を抑制することが可能となる。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、
前記保留発光制御手段は、
前記特別図柄の可変表示が未だ実行されずに前記始動情報記憶手段に記憶されている始動情報について、前記保留発光手段(例えば、第1保留ランプ7791〜第4保留ランプ7794)を、前記特別結果が導出される期待値に応じた発光色で発光させる制御を実行可能であり、
前記演出発光制御手段は、
前記特別図柄の可変表示の実行が開始されたものの未だ前記特別図柄抽選の結果が導出されていない状態において、前記演出発光手段(例えば、ルーレットランプ7790)を、前記特別結果が導出される期待値に応じた発光色で発光させる制御を実行可能であるとともに、
前記演出発光手段を、前記保留発光制御手段により実行される前記期待値に応じた発光色と外観上区別困難な発光色で発光させるよう構成される
ことを特徴とする。
上記(2)の遊技機は、特別結果が導出される期待値に応じた演出発光手段(例えば、ルーレットランプ7790)の発光色を、特別結果が導出される期待値に応じた保留発光手段(例えば、第1保留ランプ7791〜第4保留ランプ7794)の発光色と外観上区別困難であることに限定したものである。これにより、保留発光手段とは別のデバイスである演出発光手段で演出を行う場合であっても特別結果が導出される期待値を把握しやすく、興趣の低下を抑制することが可能となる。
第76の遊技機によれば、興趣の低下を抑制することが可能な遊技機を提供することができる。
[第77〜第80の遊技機]
従来より、所定の条件が成立すると抽選を行い、この抽選の結果に基づいて図柄の可変表示を行う遊技機が知られている。そして、抽選の結果が特定の結果であることを示す特定の表示結果で表示されると、遊技者に有利な遊技状態に制御される。
この種の遊技機では、複数の設定値のうちいずれか1つの設定値を設定し、以後、設定された設定値に基づいて遊技の進行が制御される遊技機が知られている(例えば、特開2011−206588号公報の段落[0063]参照)。上記の設定値は、例えばホールの遊技機管理者等、権限を有する者が設定することができる。
また、近年、ホールメニュー画面が液晶表示装置の表示領域に表示される遊技機も知られている。このホールメニュー画面は、例えば設定変更を伴う電源投入時等に表示される。さらに、この種の遊技機として、可動役物を備える遊技機も知られている(例えば、特開2007−268038号公報参照)。
(第42の課題)
ところで、可動役物を備える遊技機では、可動役物は、例えば電源投入時等の所定時に、初期位置に復帰するかまたは例えば復電時等の所定時の状況に応じた位置に移動する。その一方で、表示領域の前方に可動役物が進出すると、ホールメニュー画面等のように復電時等の所定時に表示される特定画像の視認が妨げられるおそれがある。そのため、復電時等の所定時の可動役物の動作と復電時等の所定時に表示される特定画像とを好適に行うことが要求される。
本発明は上記第42の課題を解決するためになられたものであり、本発明の第42の目的は、制御を好適に行うことが可能な遊技機を提供することにある。
上記第42の目的を達成するために、本発明は、以下のような第77の遊技機を提供する。
(1)本発明に係る遊技機は、パチンコ遊技機およびパチスロに適用可能であって、
電源が投入されると電力が供給され、複数の設定値のうちいずれか一の設定値に基づいて遊技の進行にかかわる制御が実行可能となる遊技機であって、
前記電源が投入されると、前記一の設定値を変更または確認することが可能な設定状態(例えば、設定変更状態、設定確認状態)に制御可能な設定状態制御手段(例えば、メインCPU7101)と、
所定の画像が表示される表示領域を有する表示手段(例えば、液晶表示装置7016)と、
前記表示領域の前方である進出位置と、前記表示領域の前方から退避された退避位置との間を移動可能な可動部材(例えば、7セグ表示器7770、表示シャッタ7780)と、
前記進出位置または前記退避位置に前記可動部材が位置するよう制御可能な可動制御手段(例えば、ホスト制御回路7212)と、
前記電源が投入されると、前記一の設定値にかかわる情報が含まれる特定画像(例えば、ホールメニュー画面)が前記表示手段の表示領域に表示されるよう制御可能な特定画像表示制御手段(例えば、ホスト制御回路7212)と、
前記特定画像の表示の終了操作が行われると、該特定画像の表示を終了させる特定画像終了制御手段(例えば、ホスト制御回路7212)と、
を備え、
前記可動制御手段は、
前記電力の供給が停止され、その後前記電源が投入されて前記特定画像が前記表示領域に表示されるとき、前記可動部材が前記退避位置に位置するよう制御可能であり、
前記特定画像の表示の終了操作が行われると前記可動部材が前記進出位置に位置するよう制御可能に構成される
ことを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、電源が投入されて特定画像(例えば、ホールメニュー画面)が表示領域に表示されるにあたって可動部材(例えば、7セグ表示器7770、表示シャッタ7780)が退避位置に位置するため、特定画像の視認を確保することができる。また、特定画像の表示の終了操作が行われると可動部材が進出位置に位置するため、表示領域の前方に可動部材が位置する状態で遊技を開始することが可能となる。このように、復電時における表示制御と可動部材の制御とを好適に行うことが可能となる。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、
遊技領域に向けて発射された遊技球が第1特別始動領域を通過したことに基づいて、第1特別図柄抽選を実行可能な第1特別図柄抽選手段(例えば、メインCPU7101)と、
第1特別図柄の可変表示を実行し、前記第1特別図柄抽選の結果を導出可能な第1特別図柄可変表示制御手段(例えば、メインCPU7101)と、
遊技領域に向けて発射された遊技球が第2特別始動領域を通過したことに基づいて、第2特別図柄抽選を実行可能な第2特別図柄抽選手段(例えば、メインCPU7101)と、
第2特別図柄の可変表示を実行し、前記第2特別図柄抽選の結果を導出可能な第2特別図柄可変表示制御手段(例えば、メインCPU7101)と、
前記第1特別図柄または前記第2特別図柄の可変表示が実行されて特別結果が導出されると特別遊技状態(例えば、大当り遊技状態)に制御する特別遊技状態制御手(例えば、メインCPU7101)段と、
をさらに備えるとともに、前記第1特別図柄の可変表示および前記第2特別図柄の可変表示のうちいずれか一方が実行中であったとしても他方を実行可能に構成されており、
前記可動制御手段(例えば、ホスト制御回路7212)は、
前記一の設定値が変更されたときは、前記特定画像(例えば、ホールメニュー画面)の表示の終了操作が行われると前記可動部材(例えば、7セグ表示器7770、表示シャッタ7780)が前記進出位置に位置するよう制御可能であるものの、
前記一の設定値が確認されたときは、前記電力が供給されたときの前記第1特別図柄の可変表示状態と前記第2特別図柄の可変表示状態とに基づいて、前記可動部材の位置を制御するよう構成される
ことを特徴とする。
上記(2)の遊技機によれば、一の設定値が変更されたときは、特定画像(例えば、ホールメニュー画面)の表示の終了操作が行われると可動部材(例えば、7セグ表示器7770、表示シャッタ7780)が進出位置に位置するよう制御可能であるものの、一の設定値が確認されたときは、電力が供給されたときの第1特別図柄の可変表示状態と第2特別図柄の可変表示状態とに基づいて可動部材の位置が制御される。これにより、一の設定値の変更有無状況や復電時の第1特別図柄の可変表示状態および第2特別図柄の可変表示状態に応じて可動部材が制御されるため、復電時における表示制御と可動部材の制御とを、より好適に行うことが可能となる。
(3)上記(1)または(2)に記載の遊技機において、
単位時間あたりの発射球数に対する賞の期待値が相対的に小さい通常遊技状態(例えば、通常遊技状態)、および単位時間あたりの発射球数に対する賞の期待値が前記通常遊技状態よりも大きい特定遊技状態(例えば、高確非時短状態)を少なくとも含む複数の遊技状態のうちいずれかに制御可能な遊技状態制御手段をさらに備えるとともに、
前記可動部材は、
所定の画像を表示可能な前記表示手段とは別の可動表示手段(例えば、7セグ表示器7770)を有しており、
前記可動制御手段(例えば、ホスト制御回路7212)は、
前記通常遊技状態では前記可動表示手段の表示領域に表示される画像を視認できるように該可動表示手段を前記進出位置に位置させるとともに、
前記特定遊技状態では前記表示手段の表示領域に表示される画像を視認できるように前記可動表示手段を前記退避位置に位置させるよう構成される
ことを特徴とする。
上記(3)の遊技機によれば、通常遊技状態では表示手段とは別の可動表示手段(例えば、7セグ表示器7770)を用いた演出を実行し、特定遊技状態では表示手段を用いた演出を実行するような場合であっても、復電時における表示制御と可動部材の制御とが好適に行われるため、復電後の遊技をスムーズに開始させることが可能となる。
(4)本発明に係る遊技機は、
所定の操作が行われると複数の設定のうちいずれか一の設定に基づいて所定の制御(例えば、大当り確率等の遊技の進行にかかわる制御、節電制御、音量や光量の制御)が可能である遊技機であって、
前記一の設定を変更または確認することが可能な設定状態(例えば、設定変更状態、設定確認状態、ホールメニュー画面が表示された状態)に制御可能な設定状態制御手段(例えば、メインCPU7101、ホスト制御回路7212)と、
所定の画像が表示される表示領域を有する表示手段(例えば、液晶表示装置7016)と、
前記表示領域の前方である進出位置と、前記表示領域の前方から退避された退避位置との間を移動可能な可動部材(例えば、7セグ表示器7770、表示シャッタ7780)と、
前記進出位置または前記退避位置に前記可動部材が位置するよう制御可能な可動制御手段(例えば、ホスト制御回路7212)と、
前記所定の操作が行われると、前記一の設定にかかわる情報が含まれる特定画像(例えば、ホールメニュー画面)が前記表示手段の表示領域に表示されるよう制御可能な特定画像表示制御手段(例えば、ホスト制御回路7212)と、
前記特定画像の表示の終了操作が行われると、該特定画像の表示を終了させる特定画像終了制御手段(例えば、ホスト制御回路7212)と、
を備え、
前記可動制御手段は、
前記所定の操作が行われ、その後前記電源が投入されて前記特定画像が前記表示領域に表示されるとき、前記可動部材が前記退避位置に位置するよう制御可能であり、
前記特定画像の表示の終了操作が行われると前記可動部材が前記進出位置に位置するよう制御可能に構成される
ことを特徴とする。
上記(4)の遊技機によれば、所定の操作が行われて特定画像(例えば、ホールメニュー画面)が表示領域に表示されるにあたって可動部材(例えば、7セグ表示器7770、表示シャッタ7780)が退避位置に位置するため、特定画像の視認を確保することができる。また、特定画像の表示の終了操作が行われると可動部材が進出位置に位置するため、表示領域の前方に可動部材が位置する状態で遊技を開始することが可能となる。このように、特定画像からの復帰時における表示制御と可動部材の制御とを好適に行うことが可能となる。
なお、「特定画像」とは、電源投入または電源投入の操作によって表示されるものに限らず、例えば演出ボタンを押下しながら電源を投入した場合に表示される画像(例えばホールメニュー画面)や、設定の変更や確認を行うための操作によって表示される画像(例えばホールメニュー画面)や、遊技機に設けられたディップスイッチやボタン等をデモ演出中や遊技中に操作することで表示される画像(例えばホールメニュー画面)であってもよい。また、「特定画像」は、例えばホールメニュー画面が相当するが、これに限られず、例えば設定の確認や変更を行うことができる専用の画面であってもよい。さらに、「特定画像」が表示される契機についても、例えば遊技機管理者等(特定画像に秘密情報が含まれない場合には遊技者も含む)が操作することができれば特定の操作に限定されず、所定の操作によって表示されるようにしてもよい。
また、「設定」とは、例えば大当り確率のように遊技者にとっての有利度合いを変更可能な設定に限定されず、例えば、特定画像(例えばホールメニュー画面)において変更可能な節電モードのON、OFFの設定、音量や光量の設定などでもよい。
また、「複数の設定」とは、1種類の設定をON、OFFすることや複数種類の設定を変更することを含む。例えば、複数の設定のうちいずれか一の設定に変更したときに、例えば音量のみといった1種類の設定のみが変更されるようにしてもよいし、例えば音量および光量といった複数種類の設定が変更されるようにしてもよい。さらに、「設定値」と称呼した場合も各種設定に直接的に又は間接的に対応した値であれば特に限定されず、遊技機管理者や遊技者等によって設定可能なものであれば特に限定されない。
上記第42の目的を達成するために、本発明は、以下のような第78の遊技機を提供する。
(1)本発明に係る遊技機は、
電源が投入されると電力が供給され、複数の設定値のうちいずれか一の設定値に基づいて遊技の進行にかかわる制御が実行可能となる遊技機であって、
前記電源が投入されると、前記一の設定値を変更または確認することが可能な設定状態(例えば、設定変更状態、設定確認状態)に制御可能な設定状態制御手段(例えば、メインCPU7101)と、
所定の画像が表示される表示領域を有する表示手段(例えば、液晶表示装置7016)と、
前記表示領域の前方である進出位置と、前記表示領域の前方から退避された退避位置との間を移動可能な可動部材(例えば、7セグ表示器7770、表示シャッタ7780)と、
前記進出位置または前記退避位置に前記可動部材が位置するよう制御可能な可動制御手段(例えば、ホスト制御回路7212)と、
前記電源が投入されると、前記一の設定値にかかわる情報が含まれる特定画像(例えば、ホールメニュー画面)が前記表示手段の表示領域に表示されるよう制御可能な特定画像表示制御手段(例えば、ホスト制御回路7212)と、
前記特定画像の表示の終了操作が行われると、該特定画像の表示を終了させる特定画像終了制御手段(例えば、ホスト制御回路7212)と、
遊技領域に向けて発射された遊技球が第1特別始動領域を通過したことに基づいて、第1特別図柄抽選を実行可能な第1特別図柄抽選手段(例えば、メインCPU7101)と、
第1特別図柄の可変表示を実行し、前記第1特別図柄抽選の結果を導出可能な第1特別図柄可変表示制御手段(例えば、メインCPU7101)と、
遊技領域に向けて発射された遊技球が第2特別始動領域を通過したことに基づいて、第2特別図柄抽選を実行可能な第2特別図柄抽選手段(例えば、メインCPU7101)と、
第2特別図柄の可変表示を実行し、前記第2特別図柄抽選の結果を導出可能な第2特別図柄可変表示制御手段(例えば、メインCPU7101)と、
前記第1特別図柄または前記第2特別図柄の可変表示が実行されて、前記第1特別図柄抽選の結果または前記第2特別図柄抽選の結果が特別結果(例えば、大当り)であることを示す図柄態様が導出されると、特別遊技状態(例えば、大当り遊技状態)に制御する特別遊技状態制御手段(例えば、メインCPU7101)と、
を備え、
前記第1特別図柄の可変表示および前記第2特別図柄の可変表示のうちいずれか一方が実行中であったとしても他方を実行可能に構成されており、
前記可動制御手段は、
前記電力の供給が停止され、その後前記電源が投入されて前記特定画像が前記表示領域に表示されるとき、前記可動部材が前記退避位置に位置するよう制御可能であり、
前記特定画像の表示の終了操作が行われると前記可動部材が前記進出位置に位置するよう制御可能であるものの、前記一の設定値の確認により前記特定画像が表示され、前記電力が供給されたときに前記第1特別図柄抽選の結果または前記第2特別図柄抽選の結果が前記特別結果であるときには、前記特定画像の表示の終了操作が行われたとしても、前記可動部材を前記退避位置に位置させることが可能に構成される
ことを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、電源が投入されて特定画像(例えば、ホールメニュー画面)が表示領域に表示されるにあたって可動部材(例えば、7セグ表示器7770、表示シャッタ7780)が退避位置に位置するため、特定画像の視認を確保することができる。また、特定画像の表示の終了操作が行われると可動部材が進出位置に位置するため、表示領域の前方に可動部材が位置する状態で遊技を開始することが可能となる。このように、復電時における表示制御と可動部材の制御とを好適に行うことが可能となる。ただし、一の設定値の確認により特定画像が表示され、電力が供給されたときに第1特別図柄抽選の結果または第2特別図柄抽選の結果が特別結果(例えば、大当り)であるときには、特定画像の表示の終了操作が行われたとしても可動部材は退避位置に位置するため、特別遊技状態では表示領域を用いた演出をスムーズに開始することが可能となる。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、
前記可動制御手段(例えば、ホスト制御回路7212)は、
前記一の設定値の変更により前記特定画像(例えば、ホールメニュー画面)が表示され、該特定画像の表示の終了操作が行われると、前記可動部材(例えば、7セグ表示器7770、表示シャッタ7780)が前記進出位置に位置するよう制御可能に構成される
ことを特徴とする。
上記(2)の遊技機によれば、一の設定値の変更により特定画像が表示されたときには、特定画像の表示の終了操作が行われると、可動部材(例えば、7セグ表示器7770、表示シャッタ7780)が進出位置に位置するため、設定変更後の遊技をスムーズに開始させることが可能となる。
(3)上記(2)に記載の遊技機において、
単位時間あたりの発射球数に対する賞の期待値が相対的に小さい通常遊技状態(例えば、通常遊技状態)、および単位時間あたりの発射球数に対する賞の期待値が前記通常遊技状態よりも大きい特定遊技状態(例えば、高確非時短状態)を少なくとも含む複数の遊技状態のうちいずれかに制御可能な遊技状態制御手段をさらに備えるとともに、
前記可動部材は、
所定の画像を表示可能な前記表示手段(例えば、液晶表示装置7016)とは別の可動表示手段(例えば、7セグ表示器7770)を有しており、
前記可動制御手段(例えば、ホスト制御回路7212)は、
前記通常遊技状態では前記可動表示手段の表示領域に表示される画像を視認できるように該可動表示手段を前記進出位置に位置させるとともに、
前記特定遊技状態では前記表示手段の表示領域に表示される画像を視認できるように前記可動表示手段を前記退避位置に位置させるよう構成される
ことを特徴とする。
上記(3)の遊技機によれば、通常遊技状態では表示手段とは別の可動表示手段(例えば、7セグ表示器7770)を用いた演出を実行し、特定遊技状態では表示手段を用いた演出を実行するような場合であっても、復電時における表示制御と可動部材の制御とが好適に行われるため、復電後の遊技をスムーズに開始させることが可能となる。
(4)本発明に係る遊技機は、
所定の操作が行われると複数の設定のうちいずれか一の設定に基づいて所定の制御(例えば、大当り確率等の遊技の進行にかかわる制御、節電制御、音量や光量の制御)が可能である遊技機であって、
前記一の設定を変更または確認することが可能な設定状態(例えば、設定変更状態、設定確認状態、ホールメニュー画面が表示された状態)に制御可能な設定状態制御手段(例えば、メインCPU7101、ホスト制御回路7212)と、
所定の画像が表示される表示領域を有する表示手段(例えば、液晶表示装置7016)と、
前記表示領域の前方である進出位置と、前記表示領域の前方から退避された退避位置との間を移動可能な可動部材(例えば、7セグ表示器7770、表示シャッタ7780)と、
前記進出位置または前記退避位置に前記可動部材が位置するよう制御可能な可動制御手段(例えば、ホスト制御回路7212)と、
前記所定の操作が行われると、前記一の設定にかかわる情報が含まれる特定画像(例えば、ホールメニュー画面)が前記表示手段の表示領域に表示されるよう制御可能な特定画像表示制御手段(例えば、ホスト制御回路7212)と、
前記特定画像の表示の終了操作が行われると、該特定画像の表示を終了させる特定画像終了制御手段(例えば、ホスト制御回路7212)と、
遊技領域に向けて発射された遊技球が第1特別始動領域を通過したことに基づいて、第1特別図柄抽選を実行可能な第1特別図柄抽選手段(例えば、メインCPU7101)と、
第1特別図柄の可変表示を実行し、前記第1特別図柄抽選の結果を導出可能な第1特別図柄可変表示制御手段(例えば、メインCPU7101)と、
遊技領域に向けて発射された遊技球が第2特別始動領域を通過したことに基づいて、第2特別図柄抽選を実行可能な第2特別図柄抽選手段(例えば、メインCPU7101)と、
第2特別図柄の可変表示を実行し、前記第2特別図柄抽選の結果を導出可能な第2特別図柄可変表示制御手段(例えば、メインCPU7101)と、
前記第1特別図柄または前記第2特別図柄の可変表示が実行されて、前記第1特別図柄抽選の結果または前記第2特別図柄抽選の結果が特別結果(例えば、大当り)であることを示す図柄態様が導出されると、特別遊技状態(例えば、大当り遊技状態)に制御する特別遊技状態制御手段(例えば、メインCPU7101)と、
を備え、
前記第1特別図柄の可変表示および前記第2特別図柄の可変表示のうちいずれか一方が実行中であったとしても他方を実行可能に構成されており、
前記可動制御手段は、
前記所定の操作が行われて前記特定画像が前記表示領域に表示されるとき、前記可動部材が前記退避位置に位置するよう制御可能であり、
前記特定画像の表示の終了操作が行われると前記可動部材が前記進出位置に位置するよう制御可能であるものの、該特定画像の表示の終了時に前記第1特別図柄抽選の結果または前記第2特別図柄抽選の結果が前記特別結果であるときには、前記特定画像の表示の終了操作が行われたとしても、前記可動部材を前記退避位置に位置させることが可能に構成される
ことを特徴とする。
上記(4)の遊技機によれば、所定の操作が行われて特定画像(例えば、ホールメニュー画面)が表示領域に表示されるにあたって可動部材(例えば、7セグ表示器7770、表示シャッタ7780)が退避位置に位置するため、特定画像の視認を確保することができる。また、特定画像の表示の終了操作が行われると可動部材が進出位置に位置するため、表示領域の前方に可動部材が位置する状態で遊技を開始することが可能となる。このように、復電時における表示制御と可動部材の制御とを好適に行うことが可能となる。ただし、所定の操作が行われて特定画像が表示され、特定画像の表示の終了時に第1特別図柄抽選の結果または第2特別図柄抽選の結果が特別結果(例えば、大当り)であるときには、特定画像の表示の終了操作が行われたとしても可動部材は退避位置に位置するため、特別遊技状態では表示領域を用いた演出をスムーズに開始することが可能となる。
なお、「特定画像」とは、電源投入または電源投入の操作によって表示されるものに限らず、例えば演出ボタンを押下しながら電源を投入した場合に表示される画像(例えばホールメニュー画面)や、設定の変更や確認を行うための操作によって表示される画像(例えばホールメニュー画面)や、遊技機に設けられたディップスイッチやボタン等をデモ演出中や遊技中に操作することで表示される画像(例えばホールメニュー画面)であってもよい。また、「特定画像」は、例えばホールメニュー画面が相当するが、これに限られず、例えば設定の確認や変更を行うことができる専用の画面であってもよい。さらに、「特定画像」が表示される契機についても、例えば遊技機管理者等(特定画像に秘密情報が含まれない場合には遊技者も含む)が操作することができれば特定の操作に限定されず、所定の操作によって表示されるようにしてもよい。
また、「設定」とは、例えば大当り確率のように遊技者にとっての有利度合いを変更可能な設定に限定されず、例えば、特定画像(例えばホールメニュー画面)において変更可能な節電モードのON、OFFの設定、音量や光量の設定などでもよい。
また、「複数の設定」とは、1種類の設定をON、OFFすることや複数種類の設定を変更することを含む。例えば、複数の設定のうちいずれか一の設定に変更したときに、例えば音量のみといった1種類の設定のみが変更されるようにしてもよいし、例えば音量および光量といった複数種類の設定が変更されるようにしてもよい。さらに、「設定値」と称呼した場合も各種設定に直接的に又は間接的に対応した値であれば特に限定されず、遊技機管理者や遊技者等によって設定可能なものであれば特に限定されない。
上記第42の目的を達成するために、本発明は、以下のような第79の遊技機を提供する。
(1)本発明に係る遊技機は、
電源が投入されると電力が供給され、複数の設定値のうちいずれか一の設定値に基づいて遊技の進行にかかわる制御が実行可能となる遊技機であって、
前記電源が投入されると、前記一の設定値を変更または確認することが可能な設定状態(例えば、設定変更状態、設定確認状態)に制御可能な設定状態制御手段と、
所定の画像が表示される表示領域を有する表示手段(例えば、液晶表示装置7016)と、
前記表示領域の前方である進出位置と、前記表示領域の前方から退避された退避位置との間を移動可能な可動部材(例えば、7セグ表示器7770、表示シャッタ7780)と、
前記進出位置または前記退避位置に前記可動部材が位置するよう制御可能な可動制御手段(例えば、ホスト制御回路7212)と、
前記電源が投入されると、前記一の設定値にかかわる情報が含まれる特定画像(例えば、ホールメニュー画面)が前記表示手段の表示領域に表示されるよう制御可能な特定画像表示制御手段(例えば、ホスト制御回路7212)と、
前記特定画像の表示の終了操作が行われると、該特定画像の表示を終了させる特定画像終了制御手段(例えば、ホスト制御回路7212)と、
遊技領域に向けて発射された遊技球が第1特別始動領域を通過したことに基づいて、第1特別図柄抽選を実行可能な第1特別図柄抽選手段(例えば、メインCPU7101)と、
第1特別図柄の可変表示を実行し、前記第1特別図柄抽選の結果を導出可能な第1特別図柄可変表示制御手段(例えば、メインCPU7101)と、
遊技領域に向けて発射された遊技球が第2特別始動領域を通過したことに基づいて、第2特別図柄抽選を実行可能な第2特別図柄抽選手段(例えば、メインCPU7101)と、
第2特別図柄の可変表示を実行し、前記第2特別図柄抽選の結果を導出可能な第2特別図柄可変表示制御手段(例えば、メインCPU7101)と、
前記第1特別図柄または前記第2特別図柄の可変表示が実行されて、前記第1特別図柄抽選の結果または前記第2特別図柄抽選の結果が特別結果(例えば、大当り)であることを示す図柄態様が導出されると、特別遊技状態(例えば、大当り遊技状態)に制御する特別遊技状態制御手段(例えば、メインCPU7101)と、
単位時間あたりの発射球数に対する賞の期待値が相対的に小さい通常遊技状態(例えば、通常遊技状態)、および単位時間あたりの発射球数に対する賞の期待値が前記通常遊技状態よりも大きい特定遊技状態(例えば、高確非時短状態)を少なくとも含む複数の遊技状態のうちいずれかに制御可能な遊技状態制御手段と、
を備え、
前記第1特別図柄の可変表示および前記第2特別図柄の可変表示のうちいずれか一方が実行中であったとしても他方を実行可能に構成されており、
前記可動制御手段は、
前記電力の供給が停止され、その後前記電源が投入されて前記特定画像が前記表示領域に表示されるとき、前記可動部材が前記退避位置に位置するよう制御可能であり、
前記特定画像の表示の終了操作が行われると前記可動部材が前記進出位置に位置するよう制御可能であるものの、前記一の設定値の確認により前記特定画像が表示され、前記電力が供給されたときに前記特定遊技状態であるときには、前記特定画像の表示の終了操作が行われたとしても、前記可動部材を前記退避位置に位置させることが可能に構成される
ことを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、電源が投入されて特定画像(例えば、ホールメニュー画面)が表示領域に表示されるにあたって可動部材(例えば、7セグ表示器7770、表示シャッタ7780)が退避位置に位置するため、特定画像の視認を確保することができる。また、特定画像の表示の終了操作が行われると可動部材が進出位置に位置するため、表示領域の前方に可動部材が位置する状態で遊技を開始することが可能となる。このように、復電時における表示制御と可動部材の制御とを好適に行うことが可能となる。ただし、一の設定値の確認により特定画像が表示され、電力が供給されたときに特定遊技状態(例えば、高確非時短状態)であるときには、特定画像の表示の終了操作が行われたとしても可動部材は退避位置に位置するため、特定遊技状態では表示領域を用いた演出をスムーズに開始することが可能となる。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、
前記可動部材は、
所定の画像を表示可能な前記表示手段(例えば、液晶表示装置7016)とは別の可動表示手段(例えば、7セグ表示器7770)を有しており、
前記可動制御手段(例えば、7セグ表示器7770)は、
前記通常遊技状態では前記可動表示手段の表示領域に表示される画像を視認できるように該可動表示手段を前記進出位置に位置させるとともに、
前記特定遊技状態では前記表示手段の表示領域に表示される画像を視認できるように前記可動表示手段を前記退避位置に位置させるよう構成される
ことを特徴とする。
上記(2)の遊技機によれば、通常遊技状態では表示手段とは別の可動表示手段(例えば、7セグ表示器7770)を用いた演出を実行し、特定遊技状態では表示手段を用いた演出を実行するような場合であっても、復電時における表示制御と可動部材の制御とが好適に行われるため、復電後の遊技をスムーズに開始させることが可能となる。
(3)本発明に係る遊技機は、
所定の操作が行われると複数の設定のうちいずれか一の設定に基づいて所定の制御(例えば、大当り確率等の遊技の進行にかかわる制御、節電制御、音量や光量の制御)が可能である遊技機であって、
前記一の設定を変更または確認することが可能な設定状態(例えば、設定変更状態、設定確認状態、ホールメニュー画面が表示された状態)に制御可能な設定状態制御手段(例えば、メインCPU7101、ホスト制御回路7212)と、
所定の画像が表示される表示領域を有する表示手段(例えば、液晶表示装置7016)と、
前記表示領域の前方である進出位置と、前記表示領域の前方から退避された退避位置との間を移動可能な可動部材(例えば、7セグ表示器7770、表示シャッタ7780)と、
前記進出位置または前記退避位置に前記可動部材が位置するよう制御可能な可動制御手段(例えば、ホスト制御回路7212)と、
前記所定の操作が行われると、前記一の設定にかかわる情報が含まれる特定画像(例えば、ホールメニュー画面)が前記表示手段の表示領域に表示されるよう制御可能な特定画像表示制御手段(例えば、ホスト制御回路7212)と、
前記特定画像の表示の終了操作が行われると、該特定画像の表示を終了させる特定画像終了制御手段(例えば、ホスト制御回路7212)と、
遊技領域に向けて発射された遊技球が第1特別始動領域を通過したことに基づいて、第1特別図柄抽選を実行可能な第1特別図柄抽選手段(例えば、メインCPU7101)と、
第1特別図柄の可変表示を実行し、前記第1特別図柄抽選の結果を導出可能な第1特別図柄可変表示制御手段(例えば、メインCPU7101)と、
遊技領域に向けて発射された遊技球が第2特別始動領域を通過したことに基づいて、第2特別図柄抽選を実行可能な第2特別図柄抽選手段(例えば、メインCPU7101)と、
第2特別図柄の可変表示を実行し、前記第2特別図柄抽選の結果を導出可能な第2特別図柄可変表示制御手段(例えば、メインCPU7101)と、
前記第1特別図柄または前記第2特別図柄の可変表示が実行されて、前記第1特別図柄抽選の結果または前記第2特別図柄抽選の結果が特別結果(例えば、大当り)であることを示す図柄態様が導出されると、特別遊技状態(例えば、大当り遊技状態)に制御する特別遊技状態制御手段(例えば、メインCPU7101)と、
単位時間あたりの発射球数に対する賞の期待値が相対的に小さい通常遊技状態(例えば、通常遊技状態)、および単位時間あたりの発射球数に対する賞の期待値が前記通常遊技状態よりも大きい特定遊技状態(例えば、高確非時短状態)を少なくとも含む複数の遊技状態のうちいずれかに制御可能な遊技状態制御手段と、
を備え、
前記第1特別図柄の可変表示および前記第2特別図柄の可変表示のうちいずれか一方が実行中であったとしても他方を実行可能に構成されており、
前記可動制御手段は、
前記所定の操作が行われて前記特定画像が前記表示領域に表示されるとき、前記可動部材が前記退避位置に位置するよう制御可能であり、
前記特定画像の表示の終了操作が行われると前記可動部材が前記進出位置に位置するよう制御可能であるものの、該特定画像の表示の終了時に前記特定遊技状態であるときには、前記特定画像の表示の終了操作が行われたとしても、前記可動部材を前記退避位置に位置させることが可能に構成される
ことを特徴とする。
上記(3)の遊技機によれば、所定の操作が行われて特定画像(例えば、ホールメニュー画面)が表示領域に表示されるにあたって可動部材(例えば、7セグ表示器7770、表示シャッタ7780)が退避位置に位置するため、特定画像の視認を確保することができる。また、特定画像の表示の終了操作が行われると可動部材が進出位置に位置するため、表示領域の前方に可動部材が位置する状態で遊技を開始することが可能となる。このように、復電時における表示制御と可動部材の制御とを好適に行うことが可能となる。ただし、所定の操作が行われると特定画像が表示され、この特定画像の表示の終了時に特定遊技状態(例えば、高確非時短状態)であるときには、特定画像の表示の終了操作が行われたとしても可動部材は退避位置に位置するため、特別遊技状態では表示領域を用いた演出をスムーズに開始することが可能となる。
なお、「特定画像」とは、電源投入または電源投入の操作によって表示されるものに限らず、例えば演出ボタンを押下しながら電源を投入した場合に表示される画像(例えばホールメニュー画面)や、設定の変更や確認を行うための操作によって表示される画像(例えばホールメニュー画面)や、遊技機に設けられたディップスイッチやボタン等をデモ演出中や遊技中に操作することで表示される画像(例えばホールメニュー画面)であってもよい。また、「特定画像」は、例えばホールメニュー画面が相当するが、これに限られず、例えば設定の確認や変更を行うことができる専用の画面であってもよい。さらに、「特定画像」が表示される契機についても、例えば遊技機管理者等(特定画像に秘密情報が含まれない場合には遊技者も含む)が操作することができれば特定の操作に限定されず、所定の操作によって表示されるようにしてもよい。
また、「設定」とは、例えば大当り確率のように遊技者にとっての有利度合いを変更可能な設定に限定されず、例えば、特定画像(例えばホールメニュー画面)において変更可能な節電モードのON、OFFの設定、音量や光量の設定などでもよい。
また、「複数の設定」とは、1種類の設定をON、OFFすることや複数種類の設定を変更することを含む。例えば、複数の設定のうちいずれか一の設定に変更したときに、例えば音量のみといった1種類の設定のみが変更されるようにしてもよいし、例えば音量および光量といった複数種類の設定が変更されるようにしてもよい。さらに、「設定値」と称呼した場合も各種設定に直接的に又は間接的に対応した値であれば特に限定されず、遊技機管理者や遊技者等によって設定可能なものであれば特に限定されない。
上記第42の目的を達成するために、本発明は、以下のような第80の遊技機を提供する。
(1)本発明に係る遊技機は、
電源が投入されると電力が供給され、複数の設定値のうちいずれか一の設定値に基づいて遊技の進行にかかわる制御が実行可能となる遊技機であって、
前記電源が投入されると、前記一の設定値を変更または確認することが可能な設定状態(例えば、設定変更状態、設定確認状態)に制御可能な設定状態制御手段と、
所定の画像が表示される表示領域を有する表示手段(例えば、液晶表示装置7016)と、
前記表示領域の前方である進出位置と、前記表示領域の前方から退避された退避位置との間を移動可能な可動部材(例えば、7セグ表示器7770、表示シャッタ7780)と、
前記進出位置または前記退避位置に前記可動部材が位置するよう制御可能な可動制御手段(例えば、ホスト制御回路7212)と、
前記電源が投入されると、前記一の設定値にかかわる情報が含まれる特定画像(例えば、ホールメニュー画面)が前記表示手段の表示領域に表示されるよう制御可能な特定画像表示制御手段(例えば、ホスト制御回路7212)と、
前記特定画像の表示の終了操作が行われると、該特定画像の表示を終了させる特定画像終了制御手段(例えば、ホスト制御回路7212)と、
遊技領域に向けて発射された遊技球が第1特別始動領域を通過したことに基づいて、第1特別図柄抽選を実行可能な第1特別図柄抽選手段(例えば、メインCPU7101)と、
第1特別図柄の可変表示を実行し、前記第1特別図柄抽選の結果を導出可能な第1特別図柄可変表示制御手段(例えば、メインCPU7101)と、
遊技領域に向けて発射された遊技球が第2特別始動領域を通過したことに基づいて、第2特別図柄抽選を実行可能な第2特別図柄抽選手段(例えば、メインCPU7101)と、
第2特別図柄の可変表示を実行し、前記第2特別図柄抽選の結果を導出可能な第2特別図柄可変表示制御手段(例えば、メインCPU7101)と、
前記第1特別図柄または前記第2特別図柄の可変表示が実行されて、前記第1特別図柄抽選の結果または前記第2特別図柄抽選の結果が特別結果であることを示す図柄態様が導出されると、特別遊技状態(例えば、大当り遊技状態)に制御する特別遊技状態制御手段(例えば、メインCPU7101)と、
単位時間あたりの発射球数に対する賞の期待値が相対的に小さい通常遊技状態、および単位時間あたりの発射球数に対する賞の期待値が前記通常遊技状態よりも大きい特定遊技状態(例えば、高確非時短状態)を少なくとも含む複数の遊技状態のうちいずれかに制御可能な遊技状態制御手段と、
を備え、
前記第1特別図柄の可変表示および前記第2特別図柄の可変表示のうちいずれか一方が実行中であったとしても他方を実行可能に構成されており、
前記可動制御手段は、
前記電力の供給が停止され、その後前記電源が投入されて前記特定画像が前記表示領域に表示されるとき、前記可動部材が前記退避位置に位置するよう制御可能であり、
前記一の設定値の確認により前記特定画像が表示され、前記電力が供給されたときに前記特定遊技状態であるときには、前記特定画像の表示の終了操作が行われたとしても、前記可動部材を前記退避位置に位置させうるとともに、
前記電力が供給されたときに、前記第1特別図柄と前記第2特別図柄とのうち、一方が前記特定遊技状態であったとしても他方が前記通常遊技状態であれば前記可動部材を前記進出位置に位置するよう制御可能に構成される
ことを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、電源が投入されて特定画像(例えば、ホールメニュー画面)が表示領域に表示されるにあたって可動部材(例えば、7セグ表示器7770、表示シャッタ7780)が退避位置に位置するため、特定画像の視認を確保することができる。また、特定画像の表示の終了操作が行われると可動部材が進出位置に位置するため、表示領域の前方に可動部材が位置する状態で遊技を開始することが可能となる。このように、復電時における表示制御と可動部材の制御とを好適に行うことが可能となる。ただし、一の設定値の確認により特定画像が表示され、電力が供給されたときに特定遊技状態(例えば、高確非時短状態)であるときには、特定画像の表示の終了操作が行われたとしても可動部材は退避位置に位置するため、特定遊技状態では表示領域を用いた演出をスムーズに開始することが可能となる。ところで、復電時に、第1特別図柄の状況と第2特別図柄の状況とが異なる場合がある。例えば、いずれか一方が特定遊技状態であって他方が通常遊技状態となる場合がある。しかしこの場合は、特定遊技状態である方の特別図柄の可変表示が終了するといずれも通常遊技状態となる。そのため、第1特別図柄と第2特別図柄とのうち一方が特定遊技状態であったとしても他方が通常遊技状態であれば、可動部材を進出位置に位置させることによって、可動部材が進出位置に位置する通常遊技状態での遊技をスムーズに開始することが可能となる。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、
前記可動部材は、
所定の画像を表示可能な前記表示手段(例えば、液晶表示装置7016)とは別の可動表示手段(例えば、7セグ表示器7770)を有しており、
前記可動制御手段(例えば、7セグ表示器7770)は、
前記通常遊技状態では前記可動表示手段の表示領域に表示される画像を視認できるように該可動表示手段を前記進出位置に位置させるとともに、
前記特定遊技状態では前記表示手段の表示領域に表示される画像を視認できるように前記可動表示手段を前記退避位置に位置させるよう構成される
ことを特徴とする。
上記(2)の遊技機によれば、通常遊技状態では表示手段とは別の可動表示手段(例えば、7セグ表示器7770)を用いた演出を実行し、特定遊技状態では表示手段を用いた演出を実行するような場合であっても、復電時における表示制御と可動部材の制御とが好適に行われるため、復電後の遊技をスムーズに開始させることが可能となる。
(3)本発明に係る遊技機は、
所定の操作が行われると複数の設定のうちいずれか一の設定に基づいて所定の制御(例えば、大当り確率等の遊技の進行にかかわる制御、節電制御、音量や光量の制御)が可能である遊技機であって、
前記一の設定を変更または確認することが可能な設定状態(例えば、設定変更状態、設定確認状態、ホールメニュー画面が表示された状態)に制御可能な設定状態制御手段(例えば、メインCPU7101、ホスト制御回路7212)と、
所定の画像が表示される表示領域を有する表示手段(例えば、液晶表示装置7016)と、
前記表示領域の前方である進出位置と、前記表示領域の前方から退避された退避位置との間を移動可能な可動部材(例えば、7セグ表示器7770、表示シャッタ7780)と、
前記進出位置または前記退避位置に前記可動部材が位置するよう制御可能な可動制御手段(例えば、ホスト制御回路7212)と、
前記所定の操作が行われると、前記一の設定にかかわる情報が含まれる特定画像(例えば、ホールメニュー画面)が前記表示手段の表示領域に表示されるよう制御可能な特定画像表示制御手段(例えば、ホスト制御回路7212)と、
前記特定画像の表示の終了操作が行われると、該特定画像の表示を終了させる特定画像終了制御手段(例えば、ホスト制御回路7212)と、
遊技領域に向けて発射された遊技球が第1特別始動領域を通過したことに基づいて、第1特別図柄抽選を実行可能な第1特別図柄抽選手段(例えば、メインCPU7101)と、
第1特別図柄の可変表示を実行し、前記第1特別図柄抽選の結果を導出可能な第1特別図柄可変表示制御手段(例えば、メインCPU7101)と、
遊技領域に向けて発射された遊技球が第2特別始動領域を通過したことに基づいて、第2特別図柄抽選を実行可能な第2特別図柄抽選手段(例えば、メインCPU7101)と、
第2特別図柄の可変表示を実行し、前記第2特別図柄抽選の結果を導出可能な第2特別図柄可変表示制御手段(例えば、メインCPU7101)と、
前記第1特別図柄または前記第2特別図柄の可変表示が実行されて、前記第1特別図柄抽選の結果または前記第2特別図柄抽選の結果が特別結果(例えば、大当り)であることを示す図柄態様が導出されると、特別遊技状態(例えば、大当り遊技状態)に制御する特別遊技状態制御手段(例えば、メインCPU7101)と、
単位時間あたりの発射球数に対する賞の期待値が相対的に小さい通常遊技状態(例えば、通常遊技状態)、および単位時間あたりの発射球数に対する賞の期待値が前記通常遊技状態よりも大きい特定遊技状態(例えば、高確非時短状態)を少なくとも含む複数の遊技状態のうちいずれかに制御可能な遊技状態制御手段と、
を備え、
前記第1特別図柄の可変表示および前記第2特別図柄の可変表示のうちいずれか一方が実行中であったとしても他方を実行可能に構成されており、
前記可動制御手段は、
前記所定の操作が行われて前記特定画像が前記表示領域に表示されるとき、前記可動部材が前記退避位置に位置するよう制御可能であり、
前記特定画像の表示の終了時に前記特定遊技状態であるときには、前記特定画像の表示の終了操作が行われたとしても、前記可動部材を前記退避位置に位置させうるとともに、
前記特定画像の表示の終了時に、前記第1特別図柄と前記第2特別図柄とのうち、一方が前記特定遊技状態であったとしても他方が前記通常遊技状態であれば前記可動部材を前記進出位置に位置するよう制御可能に構成される
ことを特徴とする。
上記(3)の遊技機によれば、所定の操作が行われて特定画像(例えば、ホールメニュー画面)が表示領域に表示されるにあたって可動部材(例えば、7セグ表示器7770、表示シャッタ7780)が退避位置に位置するため、特定画像の視認を確保することができる。また、特定画像の表示の終了操作が行われると可動部材が進出位置に位置するため、表示領域の前方に可動部材が位置する状態で遊技を開始することが可能となる。このように、復電時における表示制御と可動部材の制御とを好適に行うことが可能となる。ただし、所定の操作が行われると特定画像が表示され、この特定画像の表示の終了時に特定遊技状態(例えば、高確非時短状態)であるときには、特定画像の表示の終了操作が行われたとしても可動部材は退避位置に位置するため、特別遊技状態では表示領域を用いた演出をスムーズに開始することが可能となる。ところで、特定画像の表示の終了時に、第1特別図柄の状況と第2特別図柄の状況とが異なる場合がある。例えば、いずれか一方が特定遊技状態であって他方が通常遊技状態となる場合がある。しかしこの場合は、特定遊技状態である方の特別図柄の可変表示が終了するといずれも通常遊技状態となる。そのため、第1特別図柄と第2特別図柄とのうち一方が特定遊技状態であったとしても他方が通常遊技状態であれば、可動部材を進出位置に位置させることによって、可動部材が進出位置に位置する通常遊技状態での遊技をスムーズに開始することが可能となる。
なお、「特定画像」とは、電源投入または電源投入の操作によって表示されるものに限らず、例えば演出ボタンを押下しながら電源を投入した場合に表示される画像(例えばホールメニュー画面)や、設定の変更や確認を行うための操作によって表示される画像(例えばホールメニュー画面)や、遊技機に設けられたディップスイッチやボタン等をデモ演出中や遊技中に操作することで表示される画像(例えばホールメニュー画面)であってもよい。また、「特定画像」は、例えばホールメニュー画面が相当するが、これに限られず、例えば設定の確認や変更を行うことができる専用の画面であってもよい。さらに、「特定画像」が表示される契機についても、例えば遊技機管理者等(特定画像に秘密情報が含まれない場合には遊技者も含む)が操作することができれば特定の操作に限定されず、所定の操作によって表示されるようにしてもよい。
また、「設定」とは、例えば大当り確率のように遊技者にとっての有利度合いを変更可能な設定に限定されず、例えば、特定画像(例えばホールメニュー画面)において変更可能な節電モードのON、OFFの設定、音量や光量の設定などでもよい。
また、「複数の設定」とは、1種類の設定をON、OFFすることや複数種類の設定を変更することを含む。例えば、複数の設定のうちいずれか一の設定に変更したときに、例えば音量のみといった1種類の設定のみが変更されるようにしてもよいし、例えば音量および光量といった複数種類の設定が変更されるようにしてもよい。さらに、「設定値」と称呼した場合も各種設定に直接的に又は間接的に対応した値であれば特に限定されず、遊技機管理者や遊技者等によって設定可能なものであれば特に限定されない。
第77〜第80の遊技機によれば、制御を好適に行うことが可能な遊技機を提供することができる。
[第81〜第85の遊技機]
従来より、第1始動口に遊技球が入賞すると第1始動情報を抽出し、該抽出された第1始動情報を所定個数まで保留し、保留された第1始動情報を用いて第1特別図柄の可変表示を行い、第2始動口に遊技球が入賞すると第2始動情報を抽出し、該抽出された第2始動情報を所定個数まで保留し、保留された第2始動情報を用いて第2特別図柄の可変表示を行う遊技機が知られている。そして、第1特別図柄または第2特別図柄が特定の図柄組合せで表示されると、遊技者に有利な特別遊技状態に制御される。
この種の遊技機として、第1特別図柄の可変表示と第2特別図の可変表示とを同時に行う機能を利用し、規定回数の可変表示が行われると時間短縮状態が終了し、特殊遊技が実行されやすい高確率非時間短縮状態に移行させて、出球を増加させることができるようにした遊技機が開示されている(例えば、特開2016−174800号公報参照)。
また、従来より、特別遊技状態において保留されている始動情報の事前判定を行い、特別遊技状態に制御されると判定された始動情報が保留されている場合に、特別遊技状態に制御されることを事前に報知する報知演出(たとえば、保留連演出等)を実行可能な遊技機が開示されている(例えば、特開2018−175632号公報参照)。
(第43の課題)
ところで、例えば特開2016−174800号公報のように第1特別図柄の可変表示と第2特別図の可変表示とが同時に行われる遊技機において、例えば特開2018−175632号公報に開示されたような保留連演出を行うと、開発者が意図しない事態が生じるおそれがある。そのような意図しない事態が生じると、興趣が低下し、好ましくない。
本発明は上記第43の課題を解決するためになられたものであり、本発明の第43の目的は、新たな遊技性を備える遊技機を提供することにある。
上記第43の目的を達成するために、本発明は、以下のような第81の遊技機を提供する。
(1)本発明に係る遊技機は、
遊技領域に向けて発射された遊技球が第1特別始動領域(例えば、第1始動口スイッチ7421)を通過したことに基づいて、第1始動情報(例えば、乱数)を所定数(例えば、4個)まで記憶可能な第1始動情報記憶手段(例えば、メインRAM7103)と、
前記第1始動情報記憶手段に記憶される第1始動情報を用いて第1特別図柄抽選を実行可能な第1特別図柄抽選手段(例えば、メインCPU7101)と、
第1特別図柄の可変表示を実行し、前記第1特別図柄抽選の結果を導出可能な第1特別図柄可変表示制御手段(例えば、メインCPU7101)と、
遊技領域に向けて発射された遊技球が第2特別始動領域(例えば、第2始動口スイッチ7441)を通過したことに基づいて、第2始動情報(例えば、乱数)を所定数(例えば、4個)まで記憶可能な第2始動情報記憶手段(例えば、メインRAM7103)と、
前記第2始動情報記憶手段に記憶される第2始動情報を用いて第2特別図柄抽選を実行可能な第2特別図柄抽選手段(例えば、メインCPU7101)と、
第2特別図柄の可変表示を実行し、前記第2特別図柄抽選の結果を導出可能な第2特別図柄可変表示制御手段(例えば、メインCPU7101)と、
前記第1特別図柄または前記第2特別図柄の可変表示が実行されて特別結果が導出されると、特別遊技状態(例えば、大当り遊技状態)に制御する特別遊技状態制御手段(例えば、メインCPU7101)と、
少なくとも前記特別遊技状態において、前記第2始動情報記憶手段に記憶されている前記第2始動情報に、前記特別結果が導出される第2始動情報が含まれているか否かの事前判別を実行し、該事前判別の結果に基づいて特定演出(例えば、保留連ゾーン演出)の実行抽選を行う特定演出抽選手段(例えば、ホスト制御回路7212)と、
前記特定演出抽選手段により前記特定演出を実行すると決定されたことに基づいて、前記特別遊技状態の終了後、前記特定演出を前記第2特別図柄の可変表示において実行する特定演出実行手段(例えば、ホスト制御回路7212)と、
を備え、
前記特定演出抽選手段は、
前記特別遊技状態の終了後、前記特別結果が導出されることなく前記所定数の前記第2特別図柄の可変表示が実行され、該所定数の前記第2特別図柄の可変表示の次(例えば、5回目)の第2特別図柄の可変表示においても前記特定演出を実行することが決定された場合、少なくとも前記次の第2特別図柄の可変表示が開始されるまでに、前記特定演出を終了させる
ことを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、本来であれば第2特別図柄の可変表示が所定数を超えるまで特定演出(例えば、保留連ゾーン演出)が継続することはないものの、開発者が意図しない不測の事態が発生することがあり得る。そこで、このような不測の事態が発生したときであっても、第2特別図柄の可変表示が所定数を超えるまで特定演出が継続することがないように、特別遊技状態の終了後、所定数の第2特別図柄の可変表示が実行されたのち、少なくとも次(例えば、「所定数+1」回目としての5回目)の第2特別図柄の可変表示が開始されるまでに、特定演出を終了させるようにしている。これにより、遊技興趣の低下を抑制することが可能となる。
なお、「少なくとも次の第2特別図柄の可変表示が開始されるまでに」とは、所定数回目の第2特別図柄の可変表示の結果が導出されてから次(「所定数+1」回目としての5回目)の第2特別図柄の可変表示が開始されるまでの間であればいつでもよく、次の第2特別図柄の可変表示の開始と同時に特定演出(例えば、保留連ゾーン演出)を終了させるようにしてもよい。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、
前記特定演出抽選手段(例えば、ホスト制御回路7212)は、
前記特別遊技状態(例えば、大当り遊技状態)において、前記第2始動情報記憶手段(例えば、メインRAM7103)に前記第2始動情報(例えば、乱数)が記憶されていたとしても、該記憶されている前記第2始動情報が1つであるときは前記特定演出の実行抽選を行わず、複数の第2始動情報が記憶されているときに前記特定演出の実行抽選を行いうるよう構成される
ことを特徴とする。
上記(2)の遊技機によれば、複数の第2始動情報が記憶されていなければ特定演出(例えば、保留連ゾーン演出)の実行抽選を実行しないため、第2始動情報が1つしか記憶されていないにもかかわらず特定演出が実行されるといったことを防止でき、これにより興趣の低下を抑制することが可能となる。
(3)上記(1)または(2)に記載の遊技機において、
前記第1特別図柄および前記第2特別図柄のうちいずれか一方の可変表示の実行中であったとしても他方の可変表示を実行可能に構成されてなり、
前記特定演出抽選手段は、
前記第1始動情報記憶手段により前記第1始動情報が記憶されているときは前記特定演出の実行抽選を行わず、前記第1始動情報記憶手段により前記第1始動情報が記憶されていないときに前記特定演出の実行抽選を行いうるよう構成される
ことを特徴とする。
上記(3)の遊技機によれば、第1始動情報が記憶されているときは特定演出(例えば、保留連ゾーン演出)の実行抽選を行わず、第1始動情報が記憶されていないときに特定演出の実行抽選を行うため、特定演出中に第1特別図柄の可変表示が実行されて特別遊技状態に制御されるといった事態を防ぐことが可能となり、これにより興趣の低下を抑制することが可能となる。
上記第43の目的を達成するために、本発明は、以下のような第82の遊技機を提供する。
(1)本発明に係る遊技機は、
遊技領域に向けて発射された遊技球が第1特別始動領域(例えば、第1始動口スイッチ7421)を通過したことに基づいて、第1始動情報(例えば、乱数)を所定数(例えば、4個)まで記憶可能な第1始動情報記憶手段(例えば、メインRAM7103)と、
前記第1始動情報記憶手段に記憶される第1始動情報を用いて第1特別図柄抽選を実行可能な第1特別図柄抽選手段(例えば、メインCPU7101)と、
第1特別図柄の可変表示を実行し、前記第1特別図柄抽選の結果を導出可能な第1特別図柄可変表示制御手段(例えば、メインCPU7101)と、
遊技領域に向けて発射された遊技球が第2特別始動領域(例えば、第2始動口スイッチ7441)を通過したことに基づいて、第2始動情報(例えば、乱数)を所定数(例えば、4個)まで記憶可能な第2始動情報記憶手段(例えば、メインRAM7103)と、
前記第2始動情報記憶手段に記憶される第2始動情報を用いて第2特別図柄抽選を実行可能な第2特別図柄抽選手段(例えば、メインCPU7101)と、
第2特別図柄の可変表示を実行し、前記第2特別図柄抽選の結果を導出可能な第2特別図柄可変表示制御手段(例えば、メインCPU7101)と、
前記第1特別図柄または前記第2特別図柄の可変表示が実行されて特別結果(例えば、大当り)が導出されると、特別遊技状態(例えば、大当り遊技状態)に制御する特別遊技状態制御手段(例えば、メインCPU7101)と、
少なくとも前記特別遊技状態において、前記第2始動情報記憶手段に記憶されている前記第2始動情報に、前記特別結果が導出される第2始動情報が含まれているか否かの事前判別を実行し、該事前判別の結果に基づいて特定演出(例えば、保留連ゾーン演出)の実行抽選を行う特定演出抽選手段(例えば、ホスト制御回路7212)と、
前記特定演出抽選手段により前記特定演出を実行すると決定されたことに基づいて、前記特別遊技状態の終了後、前記特定演出を前記第2特別図柄の可変表示において実行する特定演出実行手段(例えば、ホスト制御回路7212)と、
を備え、
前記第1特別図柄および前記第2特別図柄のうちいずれか一方の可変表示の実行中であったとしても他方の可変表示を実行可能に構成されており、
前記特定演出抽選手段は、
前記第1始動情報記憶手段により前記第1始動情報が記憶されているときは前記特定演出の実行抽選を行わず、前記第1始動情報記憶手段により前記第1始動情報が記憶されていないときに前記特定演出の実行抽選を行うことが可能に構成される
ことを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、第1始動情報(例えば、乱数)が記憶されているときは特定演出(例えば、保留連ゾーン演出)の実行抽選を行わず、第1始動情報が記憶されていないときに特定演出の実行抽選を行うため、特定演出中に第1特別図柄の可変表示が実行されて特別遊技状態(例えば、大当り遊技状態)に制御されるといった事態を防ぐことが可能となり、これにより興趣の低下を抑制することが可能となる。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、
前記特定演出抽選手段(例えば、ホスト制御回路7212)は、
前記特別遊技状態(例えば、大当り遊技状態)において、前記第2始動情報記憶手段(例えば、メインRAM7103)に前記第2始動情報(例えば、乱数)が記憶されていたとしても、該記憶されている前記第2始動情報が1つであるときは前記特定演出の実行抽選を行わず、複数の第2始動情報が記憶されているときに前記特定演出の実行抽選を行いうるよう構成される
ことを特徴とする。
上記(2)の遊技機によれば、複数の第2始動情報が記憶されていなければ特定演出(例えば、保留連ゾーン演出)の実行抽選を実行しないため、第2始動情報が1つしか記憶されていないにもかかわらず特定演出が実行されるといったことを防止でき、これにより興趣の低下を抑制することが可能となる。
上記第43の目的を達成するために、本発明は、以下のような第83の遊技機を提供する。
(1)本発明に係る遊技機は、
遊技領域に向けて発射された遊技球が第1特別始動領域(例えば、第1始動口スイッチ7421)を通過したことに基づいて、第1始動情報(例えば、乱数)を所定数(例えば、4個)まで記憶可能な第1始動情報記憶手段(例えば、メインRAM7103)と、
前記第1始動情報記憶手段に記憶される第1始動情報を用いて第1特別図柄抽選を実行可能な第1特別図柄抽選手段(例えば、メインCPU7101)と、
第1特別図柄の可変表示を実行し、前記第1特別図柄抽選の結果を導出可能な第1特別図柄可変表示制御手段(例えば、メインCPU7101)と、
遊技領域に向けて発射された遊技球が第2特別始動領域(例えば、第2始動口スイッチ7441)を通過したことに基づいて、第2始動情報(例えば、乱数)を所定数(例えば、4個)まで記憶可能な第2始動情報記憶手段(例えば、メインRAM7103)と、
前記第2始動情報記憶手段に記憶される第2始動情報を用いて第2特別図柄抽選を実行可能な第2特別図柄抽選手段(例えば、メインCPU7101)と、
第2特別図柄の可変表示を実行し、前記第2特別図柄抽選の結果を導出可能な第2特別図柄可変表示制御手段(例えば、メインCPU7101)と、
前記第1特別図柄または前記第2特別図柄の可変表示が実行されて特別結果(例えば、大当り)が導出されると、特別遊技状態(例えば、大当り遊技状態)に制御する特別遊技状態制御手段(例えば、メインCPU7101)と、
少なくとも前記特別遊技状態において、前記第2始動情報記憶手段に記憶されている前記第2始動情報に、前記特別結果が導出される第2始動情報が含まれているか否かの事前判別を実行し、該事前判別の結果に基づいて特定演出(例えば、保留連ゾーン演出)の実行抽選を行う特定演出抽選手段(例えば、ホスト制御回路7212)と、
前記特定演出抽選手段により前記特定演出を実行すると決定されたことに基づいて、前記特別遊技状態の終了後、前記特定演出を前記第2特別図柄の可変表示において実行する特定演出実行手段(例えば、ホスト制御回路7212)と、
を備え、
前記第1特別図柄および前記第2特別図柄のうちいずれか一方の可変表示の実行中であったとしても他方の可変表示を実行可能であるとともに、前記第1特別図柄抽選および前記第2特別図柄抽選の結果のいずれもが前記特別結果であって且つ前記第1特別図柄の可変表示と前記第2特別図柄の可変表示とが同時に開始されたときは、前記第2特別図柄抽選の結果が導出されるよう構成されており、
前記特定演出抽選手段は、
前記第1始動情報記憶手段により前記第1始動情報が記憶されているときは前記特定演出の実行抽選を行わず、前記第1始動情報記憶手段により前記第1始動情報が記憶されていないときに前記特定演出の実行抽選を行うことが可能に構成されており、
前記特定演出実行手段は、
前記特定演出を実行すると決定された後に前記第1始動情報記憶手段により前記第1始動情報が記憶されたとしても、前記特定演出を、複数回の前記第2特別図柄の可変表示にわたって実行可能に構成される
ことを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、第1始動情報(例えば、乱数)が記憶されているときは特定演出(例えば、保留連ゾーン演出)の実行抽選を行わず、第1始動情報が記憶されていないときに特定演出の実行抽選を行うため、特定演出中に第1特別図柄の可変表示が実行されて特別遊技状態(例えば、大当り遊技状態)に制御されるといった事態を防ぐことが可能となる。その一方で、第1特別図柄抽選および第2特別図柄抽選の結果のいずれもが特別結果(例えば、大当り)であって且つ第1特別図柄の可変表示と第2特別図柄の可変表示とが同時に開始されたときは、第2特別図柄抽選の結果が導出されるため、特定演出を実行すると決定された後に第1始動情報が記憶されたとしても、特定演出は、複数回の第2特別図柄の可変表示にわたって実可されるようにしている。これにより興趣の低下を抑制することが可能となる。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、
前記特定演出抽選手段(例えば、ホスト制御回路7212)は、
前記特別遊技状態(例えば、大当り遊技状態)において、前記第2始動情報記憶手段(例えば、メインRAM7103)に前記第2始動情報(例えば、乱数)が記憶されていたとしても、該記憶されている前記第2始動情報が1つであるときは前記特定演出の実行抽選を行わず、複数の第2始動情報が記憶されているときに前記特定演出の実行抽選を行いうるよう構成される
ことを特徴とする。
上記(2)の遊技機によれば、複数の第2始動情報が記憶されていなければ特定演出(例えば、保留連ゾーン演出)の実行抽選を実行しないため、第2始動情報が1つしか記憶されていないにもかかわらず特定演出が実行されるといったことを防止でき、これにより興趣の低下を抑制することが可能となる。
上記第43の目的を達成するために、本発明は、以下のような第84の遊技機を提供する。
(1)本発明に係る遊技機は、
遊技領域に向けて発射された遊技球が第1特別始動領域(例えば、第1始動口スイッチ7421)を通過したことに基づいて、第1始動情報(例えば、乱数)を所定数(例えば、4個)まで記憶可能な第1始動情報記憶手段(例えば、メインRAM7103)と、
前記第1始動情報記憶手段に記憶される第1始動情報を用いて第1特別図柄抽選を実行可能な第1特別図柄抽選手段(例えば、メインCPU7101)と、
第1特別図柄の可変表示を実行し、前記第1特別図柄抽選の結果を導出可能な第1特別図柄可変表示制御手段(例えば、メインCPU7101)と、
遊技領域に向けて発射された遊技球が第2特別始動領域(例えば、第2始動口スイッチ7441)を通過したことに基づいて、第2始動情報(例えば、乱数)を所定数(例えば、4個)まで記憶可能な第2始動情報記憶手段(例えば、メインRAM7103)と、
前記第2始動情報記憶手段に記憶される第2始動情報を用いて第2特別図柄抽選を実行可能な第2特別図柄抽選手段(例えば、メインCPU7101)と、
第2特別図柄の可変表示を実行し、前記第2特別図柄抽選の結果を導出可能な第2特別図柄可変表示制御手段(例えば、メインCPU7101)と、
前記第1特別図柄または前記第2特別図柄の可変表示が実行されて特別結果(例えば、大当り)が導出されると、特別遊技状態(例えば、大当り遊技状態)に制御する特別遊技状態制御手段(例えば、メインCPU7101)と、
少なくとも前記特別遊技状態において、前記第2始動情報記憶手段に記憶されている前記第2始動情報に、前記特別結果が導出される第2始動情報が含まれているか否かの事前判別を実行し、該事前判別の結果に基づいて特定演出(例えば、保留連ゾーン演出)の実行抽選を行う特定演出抽選手段(例えば、ホスト制御回路7212)と、
前記特定演出抽選手段により前記特定演出を実行すると決定されたことに基づいて、前記特別遊技状態の終了後、前記特定演出を前記第2特別図柄の可変表示において実行する特定演出実行手段(例えば、ホスト制御回路7212)と、
単位時間あたりの発射球数に対する賞の期待値が相対的に小さい第1遊技状態(例えば、高確時短遊技状態)、および単位時間あたりの発射球数に対する賞の期待値が前記第1遊技状態よりも大きい第2遊技状態(例えば、高確非時短状態)を少なくとも含む複数の遊技状態のうちいずれかに制御可能な遊技状態制御手段と、
を備え、
前記特別結果には、
少なくとも、前記特別遊技状態の終了後に前記第1遊技状態に制御される第1の特別結果(例えば、「特2:10R確変大当り」、「特2:5R確変大当り」)と、前記特別遊技状態の終了後に前記第2遊技状態に制御される第2の特別結果(例えば、「特2:5R通常大当り」)とが含まれており、
前記特定演出抽選手段は、
前記第2始動情報記憶手段に、前記第1の特別結果が導出されることとなる第2始動情報が記憶されているときに前記特定演出の実行抽選を行うことが可能であるとともに、
前記特定演出実行手段は、
前記特定演出中に、前記第2の特別結果が導出されることとなる前記第2特別図柄の可変表示が行われたときには、該第2特別図柄の可変表示が開始されるまでに前記特定演出を終了するよう構成される
ことを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、第1の特別結果(例えば、「特2:10R確変大当り」、「特2:5R確変大当り」)が導出されることとなる第2始動情報が第2始動情報記憶手段に記憶されているときに特定演出抽選が実行されるため、本来であれば、特定演出(例えば、保留連ゾーン演出)中の第2特別図柄の可変表示において第1の特別結果が導出される。そのため、特定演出中であるにもかかわらず第2の特別結果(例えば、「特2:5R通常大当り」)が導出されると、遊技者の落胆ははかりしれず、興趣が低下することは否めない。そこで、特定演出中に、第2の特別結果が導出されることとなる第2特別図柄の可変表示が行われたときには、この第2特別図柄の可変表示が開始されるまでにソーン演出を終了させるようにしている。これにより、興趣の低下を抑制することが可能となる。
「第2特別図柄の可変表示が開始されるまでに特定演出を終了させる」とは、第2特別図柄の可変表示が開始されると同時に特定演出(例えば、保留連ゾーン演出)を終了させるものも含む。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、
前記特定演出抽選手段(例えば、ホスト制御回路7212)は、
前記特別遊技状態(例えば、大当り遊技状態)において、前記第2始動情報記憶手段(例えば、メインRAM7103)に前記第2始動情報(例えば、乱数)が記憶されていたとしても、該記憶されている前記第2始動情報が1つであるときは前記特定演出の実行抽選を行わず、複数の第2始動情報が記憶されているときに前記特定演出の実行抽選を行いうるよう構成される
ことを特徴とする。
上記(2)の遊技機によれば、複数の第2始動情報が記憶されていなければ特定演出(例えば、保留連ゾーン演出)の実行抽選を実行しないため、第2始動情報が1つしか記憶されていないにもかかわらず特定演出が実行されるといったことを防止でき、これにより興趣の低下を抑制することが可能となる。
(3)上記(1)または(2)に記載の遊技機において、
前記第1特別図柄および前記第2特別図柄のうちいずれか一方の可変表示の実行中であったとしても他方の可変表示を実行可能に構成されており、
前記特定演出抽選手段(例えば、ホスト制御回路7212)は、
前記第1始動情報記憶手段(例えば、メインRAM7103)により前記第1始動情報(例えば、乱数)が記憶されているときは前記特定演出(例えば、保留連ゾーン演出)の実行抽選を行わず、前記第1始動情報記憶手段により前記第1始動情報が記憶されていないときに前記特定演出の実行抽選を行うことが可能に構成される
ことを特徴とする。
上記(3)の遊技機によれば、第1始動情報(例えば、乱数)が記憶されているときは特定演出(例えば、保留連ゾーン演出)の実行抽選を行わず、第1始動情報が記憶されていないときに特定演出の実行抽選を行うため、特定演出中に第1特別図柄の可変表示が実行されて特別遊技状態(例えば、大当り遊技状態)に制御されるといった事態を防ぐことが可能となり、これにより興趣の低下を抑制することが可能となる。
上記第43の目的を達成するために、本発明は、以下のような第85の遊技機を提供する。
(1)本発明に係る遊技機は、
遊技領域に向けて発射された遊技球が第1特別始動領域(例えば、第1始動口スイッチ7421)を通過したことに基づいて、第1始動情報(例えば、乱数)を所定数(例えば、4個)まで記憶可能な第1始動情報記憶手段(例えば、メインRAM7103)と、
前記第1始動情報記憶手段に記憶される第1始動情報を用いて第1特別図柄抽選を実行可能な第1特別図柄抽選手段(例えば、メインCPU7101)と、
第1特別図柄の可変表示を実行し、前記第1特別図柄抽選の結果を導出可能な第1特別図柄可変表示制御手段(例えば、メインCPU7101)と、
遊技領域に向けて発射された遊技球が第2特別始動領域(例えば、第2始動口スイッチ7441)を通過したことに基づいて、第2始動情報(例えば、乱数)を所定数(例えば、4個)まで記憶可能な第2始動情報記憶手段(例えば、メインRAM7103)と、
前記第2始動情報記憶手段に記憶される第2始動情報を用いて第2特別図柄抽選を実行可能な第2特別図柄抽選手段(例えば、メインCPU7101)と、
第2特別図柄の可変表示を実行し、前記第2特別図柄抽選の結果を導出可能な第2特別図柄可変表示制御手段(例えば、メインCPU7101)と、
前記第1特別図柄または前記第2特別図柄の可変表示が実行されて特別結果(例えば、大当り)が導出されると、特別遊技状態(例えば、大当り遊技状態)に制御する特別遊技状態制御手段(例えば、メインCPU7101)と、
少なくとも前記特別遊技状態において、前記第2始動情報記憶手段に記憶されている前記第2始動情報に、前記特別結果が導出される第2始動情報が含まれているか否かの事前判別を実行し、該事前判別の結果に基づいて特定演出(例えば、保留連ゾーン演出)の実行抽選を行う特定演出抽選手段(例えば、ホスト制御回路7212)と、
前記特定演出抽選手段により前記特定演出を実行すると決定されたことに基づいて、前記特別遊技状態の終了後、前記特定演出を前記第2特別図柄の可変表示において実行する特定演出実行手段(例えば、ホスト制御回路7212)と、
を備え、
前記特定演出抽選手段は、
前記特別遊技状態において、前記第2始動情報記憶手段に前記第2始動情報が記憶されていたとしても、該記憶されている前記第2始動情報が1つであるときは前記特定演出の実行抽選を実行せず、複数の第2始動情報が記憶されているときに前記特定演出の実行抽選を実行可能であるとともに、
前記第2始動情報記憶手段に記憶される前記第2始動情報のうち前記特別遊技状態の終了後に前記第2特別図柄の可変表示が最初に実行されることとなる第2始動情報が、前記事前判別の結果により前記特別結果が導出されるものであると判別されるとき、前記第2始動情報記憶手段に複数の第2始動情報が記憶されていたとしても、前記特定演出の実行抽選を不実行とするよう構成される
ことを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、複数の第2始動情報が記憶されていなければ特定演出(例えば、保留連ゾーン演出)の実行抽選を実行しないため、第2始動情報が1つしか記憶されていないにもかかわらず特定演出が実行されるといったことを防止でき、これにより興趣の低下を抑制することが可能となる。ただし、特別遊技状態の終了後に第2特別図柄の可変表示が最初に実行されることとなる第2始動情報が、事前判別の結果により特別結果が導出されるものであると判別されるときには、特定演出の実行抽選を実行しないようにしている。これにより、特定演出を、複数回の第2特別図柄の可変表示にわたって確実に実行することが可能となる。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、
前記第1特別図柄および前記第2特別図柄のうちいずれか一方の可変表示の実行中であったとしても他方の可変表示を実行可能に構成されており、
前記特定演出抽選手段(例えば、ホスト制御回路7212)は、
前記第1始動情報記憶手段(例えば、メインRAM7103)により前記第1始動情報(例えば、乱数)が記憶されているときは前記特定演出(例えば、保留連ゾーン演出)の実行抽選を行わず、前記第1始動情報記憶手段により前記第1始動情報が記憶されていないときに前記特定演出の実行抽選を行うことが可能に構成される
ことを特徴とする。
上記(2)の遊技機によれば、第1始動情報(例えば、乱数)が記憶されているときは特定演出(例えば、保留連ゾーン演出)の実行抽選を行わず、第1始動情報が記憶されていないときに特定演出の実行抽選を行うため、特定演出中に第1特別図柄の可変表示が実行されて特別遊技状態(例えば、大当り遊技状態)に制御されるといった事態を防ぐことが可能となり、これにより興趣の低下を抑制することが可能となる。
第81〜第85の遊技機によれば、興趣の低下を抑制可能な遊技機を提供することができる。
[第86の遊技機]
従来より、例えば出玉率(投入または発射等された遊技媒体に対する払い出された遊技媒体の割合)の期待値等を定める複数段階の設定値(例えば、設定1〜設定6)のうち、例えばホール関係者によっていずれか一の設定値にセットすることができる遊技機が知られている。
この種の遊技機では、所定の遊技開始条件が成立すると内部抽選を行い、可変表示される図柄が停止して特定の図柄組合せが表示されると、遊技者に有利な遊技状態に制御される。
(第44の課題)
さらに近年、例えば液晶表示装置を備え、遊技興趣を高めるために多種多用な演出が行われている。例えば、通常時は表示されない特殊演出を行うと、遊技者の興味を惹き付けることが可能となる。このような特殊演出の一例として、例えば設定値を推測可能にした演出等が挙げられる(例えば、特開2017−184794号公報参照)。
ところで、特殊演出を行うことによって遊技者の興味を惹き付けることは可能であるものの、特殊演出が行われる遊技機を全てのホール関係者が一様に望むわけではないため、いかなる遊技機においても特殊演出が実行されると、ホール関係者にとって利便性が悪い。
本発明は、そのような点に鑑みてなされたものであり、その目的は、利便性を高めることが可能な遊技機を提供することにある。
本発明は上記第44の課題を解決するためになられたものであり、本発明の第44の目的は、新たな遊技性を備える遊技機を提供することにある。
上記第44の目的を達成するために、本発明は、以下のような第86の遊技機を提供する。
(1)本発明に係る遊技機は、
所定条件の成立に基づいて内部抽選を実行可能であり、該内部抽選の結果が特別の結果であると遊技者に有利な特別遊技を実行可能な遊技機であって、
複数の設定値のうちいずれか一の設定値に変更することが可能な設定変更手段(例えば、設定キー7328)と、
前記一の設定値に応じた期待値で前記特別の結果となるよう遊技の進行を制御する主制御手段(例えば、メインCPU7101)と、
少なくとも前記一の設定値にかかわる情報を前記主制御手段から受信可能であり、所定の演出を実行可能な演出制御手段(例えば、ホスト制御回路7100)と、
前記所定の演出にかかわる設定を変更可能な演出設定変更手段(例えば、ディップスイッチ7004)と、
を備え、
前記演出制御手段は、
前記一の設定値と前記演出設定変更手段(例えば、ディップスイッチ7004)による設定との組合せに基づいて、実行する演出パターン(通常or特殊演出、設定示唆演出の実行頻度、設定示唆演出の実行可否)を変更可能に構成される
ことを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、一の設定値と演出設定変更手段(例えば、ディップスイッチ7004)による設定との組合せに基づいて演出パターンが変更されるため、例えば遊技機管理責任者が所望する演出が表示されるよう設定することができ、利便性が高められる。例えば、一の設定値と演出設定変更手段による設定との組合せが特定の組合せであるときに表示される特殊演出があるとき、この特殊演出が行われることを遊技機管理責任者が所望するのか否かに応じて、一の設定値と演出設定変更手段による設定との組合せを決めればよい。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、
前記複数の設定値には、
前記特別の結果となる期待値が第1の期待値である第1の設定値(例えば、設定1)と、前記特別の結果となる期待値が前記第1の期待値と同じまたは略同じであるものの前記第1の設定値とは別の第2の設定値(例えば、設定2)および第3の設定値(例えば、設定3)とが含まれており、
前記演出制御手段は、
通常演出、第1の特殊演出および第2の特殊演出を含む複数の演出のうちいずれかの演出を実行可能に構成されているとともに
前記演出設定変更手段(例えば、ディップスイッチ7004)による設定と、前記一の設定値としての、前記第1の設定値、前記第2の設定値または前記第3の設定値との組合せに応じて、前記通常演出、前記第1の特殊演出または前記第2の特殊演出を実行可能に構成される
ことを特徴とする。
上記(2)の遊技機によれば、第1の設定値、第2の設定値および第3の設定値のうちいずれを一の設定値とするかによって、演出設定変更手段(例えば、ディップスイッチ7004)による設定との組合せにより、通常演出、第1の特殊演出および第2の特殊演出のうち実行可能となる演出を変更することができ、利便性が高められる。しかも、第1の設定値、第2の設定値および第3の設定値は、特別の結果となる期待値が同じまたは略同じであるため、例えば遊技機管理責任者は、出玉にかかわる仕様を変えることなく演出にかかわる仕様を所望の仕様に変更することができる。
(3)上記(1)に記載の遊技機において、
前記複数の設定値には、
前記特別の結果となる期待値が第1の期待値である第1の設定値(例えば、設定1)と、前記特別の結果となる期待値が前記第1の期待値と同じであるものの前記第1の設定値とは別の第2の設定値(例えば、設定2)とが含まれており、
前記演出制御手段は、
通常演出および特殊演出(例えば、設定示唆演出)を含む複数の演出のうちいずれかの演出を実行可能に構成されているとともに、
前記演出設定変更手段(例えば、ディップスイッチ7004)による設定と、前記一の設定値としての前記第1の設定値または前記第2の設定値との組合せに応じて、前記特殊演出の実行頻度が異なるように構成される
ことを特徴とする。
上記(3)の遊技機によれば、第1の設定値および第2の設定値のうちいずれを一の設定値とするかによって、演出設定変更手段による設定との組合せにより、特殊演出(例えば、設定示唆演出)の実行頻度を変更することができ、利便性が高められる。しかも、第1の設定値と第2の設定値とは、特別の結果となる期待値が同じまたは略同じであるため、例えば遊技機管理責任者は、出玉にかかわる仕様を変えることなく特殊演出の実行頻度を変更することができる。
実行頻度を変更することができる。
(4)上記(1)に記載の遊技機において、
前記設定変更手段により設定可能な前記複数の設定値には、
前記特別の結果となる期待値が異なる複数の設定値(例えば、設定1〜設定6)が含まれるとともに、
前記演出設定変更手段(例えば、ディップスイッチ7004)は、
前記設定変更手段により変更可能な前記複数の設定値と同数の設定のうちいずれかに設定可能に構成されており、
前記演出制御手段は、
通常演出および特殊演出(例えば、設定示唆演出)を含む複数の演出のうちいずれかの演出を実行可能に構成されているとともに、
前記演出設定変更手段による設定と前記一の設定値とが一致したときに、前記特殊演出の実行が可能または不可能となるように構成される
ことを特徴とする。
上記(4)の遊技機によれば、演出設定変更手段(例えば、ディップスイッチ7004)は、設定変更手段により変更可能な複数の設定値と同数の設定のうちいずれかに設定可能に構成されており、演出設定変更手段による設定と一の設定値(設定変更手段によりセットされた設定値)とが一致したときに、特殊演出(例えば、設定示唆演出)の実行が可能または不可能となる。そのため、現在の設定値と演出設定変更手段による設定とを同じにするだけといった簡単な方法で、特殊演出の実行可否を変更することができ、利便性が高められる。
第86の遊技機によれば、利便性を高めることが可能な遊技機を提供することができる。
以上では、本発明の実施形態として、第1実施形態〜第14実施形態について説明したが、具体例を例示したに過ぎず、特に本発明を限定するものではなく、各手段等の具体的構成は、適宜設計変更可能である。また、本発明の実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施形態に記載されたものに限定されるものではない。
上述した詳細な説明では、本発明をより容易に理解できるように、特徴的部分を中心に説明した。本発明は、上述した詳細な説明に記載する実施形態に限定されず、その他の実施形態にも適用することができ、その適用範囲は多様である。また、本明細書において用いた用語及び語法は、本発明を的確に説明するために用いたものであり、本発明の解釈を制限するために用いたものではない。また、当業者であれば、本明細書に記載された発明の概念から、本発明の概念に含まれる他の構成、システム、方法等を推考することは容易であると思われる。従って、請求の範囲の記載は、本発明の技術的思想の範囲を逸脱しない範囲で均等な構成を含むものであるとみなされなければならない。また、要約書の目的は、特許庁及び一般的公共機関や、特許、法律用語又は専門用語に精通していない本技術分野に属する技術者等が本出願の技術的な内容及びその本質を簡易な調査で速やかに判定し得るようにするものである。従って、要約書は、請求の範囲の記載により評価されるべき発明の範囲を限定することを意図したものではない。また、本発明の目的及び本発明の特有の効果を十分に理解するために、すでに開示されている文献等を充分に参酌して解釈されることが望まれる。
上述した詳細な説明は、コンピュータで実行される処理を含むものである。以上での説明及び表現は、当業者が最も効率的に理解することを目的として記載している。本明細書では、1の結果を導き出すために用いられる各処理は、自己矛盾がない処理として理解されるべきである。また、各処理では、電気的又は磁気的な信号の送受信、記録等が行われる。各処理における処理では、このような信号を、ビット、値、シンボル、文字、用語、数字等で表現しているが、これらは単に説明上便利であるために用いたものであることに留意する必要がある。また、各処理における処理は、人間の行動と共通する表現で記載される場合があるが、本明細書で説明する処理は、原則的に各種の装置により実行されるものである。また、各処理を行うために要求されるその他の構成は、以上の説明から自明になるものである。
[第15実施形態]
以下、第15実施形態に係る遊技機について、添付図面を参照しつつ説明する。なお、本発明に係る遊技機としては、封入式のパチンコ遊技機を含めパチンコ遊技機全般及びパチスロ遊技機全般を対象とするが、本実施形態ではそれぞれ図に示す形態のパチンコ遊技機を想定する。まず、本発明の第15実施形態に係る遊技機について以下に説明する。
「第15実施形態」<遊技機の特徴的構成>
図385〜図389に示すように、本実施形態に係るパチンコ遊技機は、表枠20003に特徴的な構成要素を備えている。表枠20003の構成要素としては、表枠ベース板を構成する右側ベース板20003aa、左側ベース板20003ab及び全体ベース板20003acのほか、透明板ユニット20007、皿ユニット20008、トップ飾り20014、右側装飾部材20015、左側装飾部材20016がある。皿ユニット20008は、全体ベース板20003acの下部に取り付けられる。トップ飾り20014は、右側ベース板20003aa及び左側ベース板20003abの上部に取り付けられる。右側装飾部材20015は、右側ベース板20003aaの下部に取り付けられ、左側装飾部材20016は、左側ベース板20003abの下部に取り付けられる。以下に主たる特徴的な構成要素について図面を参照して説明する。
<皿ユニット20008について>
図390〜図398に示すように、皿ユニット20008は、上皿上部カバー20008a、下皿カバー20008b、アンダーカバー20008c、支持部材20008d、第1操作ユニット20009A、第2操作ユニット20009B、スピーカユニット20010、送風機構20110、発光ユニット20012、上皿20017、下皿20018等を有する。上皿20017は、支持部材20008dの上部左寄りの位置に設けられ、第1操作ユニット20009Aは、上皿20017の右隣りとなる支持部材20008dの上部中央の位置に設けられ、第2操作ユニット20009Bは、第1操作ユニット20009Aの右隣りとなる支持部材20008dの上部右寄りの位置に設けられる。下皿20018は、上皿20017の下方となる支持部材20008dの下部左寄りの位置に設けられ、スピーカユニット20010は、下皿20018の右隣りとなる支持部材20008dの下部中央の位置に設けられ、送風機構20110は、スピーカユニット20010の右隣りとなる支持部材20008dの下部右寄りの位置に設けられ、発光ユニット20012は、送風機構20110の右隣りで発射装置20026の左隣りとなる支持部材20008dの下部右寄りの位置に設けられる。第1操作ユニット20009A、第2操作ユニット20009B、スピーカユニット20010、送風機構20110、発光ユニット20012、上皿20017、及び下皿20018は、第1操作ユニット20009A及び第2操作ユニット20009Bの後述する操作部材(操作ボタン)や上皿20017及び下皿20018の上面を露出させるように上皿上部カバー20008a、下皿カバー20008b、アンダーカバー20008cにより覆われる。上皿上部カバー20008a、下皿カバー20008bの一部、アンダーカバー20008cは、着脱自在となっている。
[上皿20017及び下皿20018]
上皿20017は、遊技球を貯留可能な上皿本体20017p等のほか、上皿本体20017pに遊技球を払い出すための払出口20170を有する。下皿20018は、遊技球を貯留可能な下皿本体20018p等のほか、下皿本体20018pに遊技球を排出するための排出口20180や、下皿本体20018pの下方外部に遊技球を落下させるための球抜き部20181を有する。
[第1操作ユニット20009A]
第1操作ユニット20009Aは、遊技者が操作可能な操作部材(操作ボタン)22000のほか、押下検出センサ22035(図示略)や電飾基板22183(図示略)等を有する。第1操作ユニット20009Aの操作部材22000は、上皿上部カバー20008aの中央に設けられた開口から露出し、操作部材22000の押圧操作面が円形状に形成されている。この操作部材22000は、後述する演出抽選テーブル(図406参照)から明らかなように、比較的使用頻度が高い操作演出用のボタンとして設けられている。押下検出センサ22035及び電飾基板22183は、専用の図示しないハーネス等の配線を介して後述するサブ制御基板20033(図405参照)に接続されている。これにより、操作部材22000の押下操作に際しては、押下検出センサ22035による操作信号がサブ制御基板20033に供給される。
[第2操作ユニット20009B]
第2操作ユニット20009Bは、球貸ボタン20023や返却ボタン20024とともに、遊技者が操作演出に際して操作するための押圧ボタン23000や遊技者が選択操作するための十字ボタン23100を共通基板23200に実装して構成されたものである。球貸ボタン20023、返却ボタン20024、押圧ボタン23000、及び十字ボタン23100は、それぞれに対応して共通基板23200に設けられた押下検出センサにより変位動作が検出される。共通基板23200は、図示しないハーネス等の配線を介して後述するサブ制御基板20033やカードユニット装置CU(図405参照)に接続されている。これにより、球貸ボタン20023や返却ボタン20024の押下操作に際しては、共通基板23200から押下検出センサによる球貸操作信号や返却操作信号がカードユニット装置CUに供給される一方、押圧ボタン23000や十字ボタン23100の押下操作に際しては、共通基板23200から押下検出センサによる演出操作信号や選択操作信号がサブ制御基板20033に供給される。このような第2操作ユニット20009Bの押圧ボタン23000は、上皿上部カバー20008aの右寄りの位置に設けられた開口から露出し、押圧ボタン23000の押圧操作面が四角形状に形成されている。この押圧ボタン23000は、後述する演出抽選テーブル(図406参照)から明らかなように、比較的使用頻度が低い操作演出用のボタンとして設けられている。ここで、十字ボタン23100と押圧ボタン23000とは、共に直線状の辺を備えた略四角形状で構成され、直線状の辺が互いに対向して配置されている。
[スピーカユニット20010]
スピーカユニット20010は、低音域の音を増幅するバスレフ型のものであり、スピーカ20010c及びエンクロージャ20010eを有する。スピーカ20010cは、エンクロージャ20010eの前面に設けられており、下皿カバー20008bの前面中央部に設けられたスピーカカバー20010kによってスピーカ20010cの前部が覆われる。スピーカ20010cの前部で発生した音は、スピーカカバー20010kを通って遊技者に直接伝わる一方、スピーカ20010cの後部で発生した音は、エンクロージャ20010eの内部に一旦籠る。
エンクロージャ20010eは、スピーカ20010cの後部から発生した音をその前部から発生した音と干渉させないように封じ込めるものであり、比較的大きな容積をもつように形成されている。図398に示すように、エンクロージャ20010eの左上部20010eaは、下皿20018の右側上方まで迫り出すように形成されている。また、エンクロージャ20010eの左上部20010eaは、上皿本体20017pの底部と接触するように配置される。さらに、エンクロージャ20010eの左下部20010ebは、下皿本体20018pの右端部と接触するように配置される。
図400に示すように、エンクロージャ20010eの右下端部には、内部に設けられた導管(図示略)へと通じる開口20010ecが設けられている。このような導管及び開口20010ecは、いわゆるヘルムホルツ共鳴の原理により、スピーカ20010cの後部からエンクロージャ20010eの内部に発せられた音を共振・増強しつつ外部へと伝播する。開口20010ecから外部へと伝播する音は、スピーカ20010cの前部から発せられた音と重なることにより、豊かで力強い低音として感じられる。また、スピーカ20010cから音が発生する際には、その音の発生に連動して開口20010ecから外部へと空気が流出する。スピーカ20010cから音が発生していない状態では、開口20010ecから外部へと空気が流出しない。
このようなスピーカユニット20010によれば、エンクロージャ20010eの左上部20010eaが部分的に膨出した形状であるので、例えば直方体状のエンクロージャよりも容積を十分確保することができ、スピーカ20010cから十分な音圧で迫力のある低音を発生させることができる。
また、スピーカ20010cから音を発生させる際には、それと同時にエンクロージャ20010eの開口20010ecから外部へと十分な風圧で風を送出することができる。
さらに、スピーカ20010cで音を発生させる際には、エンクロージャ20010e全体が音圧に応じて振動するが、エンクロージャ20010eの左上部20010ea及び左下部20010ebが上皿本体20017p及び下皿本体20018pの一部と接触しているので、その振動が上皿本体20017pや下皿本体20018p全体にも伝わる。これにより、上皿本体20017pや下皿本体20018pに多くの遊技球が貯留されている場合にあっても、払出口20170や排出口20180から出てくる遊技球の球詰まりを振動によって効果的に防ぐことができる。
[送風機構20110]
送風機構20110は、エンクロージャ20010eの開口20010ecから送出される風の方向を切り替えるものであり、エンクロージャ20010eの右側面に隣接して配置される。図401及び図403に示すように、送風機構20110は、左右に2分割可能なカバー部材20110A,20110B、ソレノイド20111、スライド部材20112、リンク部材20113、バネ20114、開閉部材20115、及び開閉検知センサ20116を有する。ソレノイド20111、スライド部材20112、リンク部材20113、バネ20114、開閉部材20115、及び開閉検知センサ20116は、カバー部材20110A,20110Bの内部に収容される。
図403及び図404に示すように、カバー部材20110Aには、エンクロージャ20010eの開口20010ecからまっすぐ向かう方面を開閉部材20115が閉鎖・開放可能な空間部20110aが設けられている。空間部20110aの下方は、開閉部材20115の閉鎖・開放に関係なく常に開放されており、アンダーカバー20008cに設けられた通気口20008caが位置する(図400参照)。図401及び図403に示すように、カバー部材20110Bには、空間部20110aと対向する位置に開口部20110bが設けられている。開口部20110bの右側には、下皿カバー20008bの一部として着脱自在の右下側面カバー20008baに設けられた送風口20080が位置する(図396、図399、図400参照)。これにより、開閉部材20115が空間部20110aを閉鎖した状態の場合、開口20010ecから送出された風は、開閉部材20115に当って遮られ、開口部20110bを抜けることなく空間部20110aの下方へと導かれる。空間部20110aの下方へと導かれた風は、アンダーカバー20008cの通気口20008caを通って外部へと送出される。一方、開閉部材20115が空間部20110aを開放した状態の場合、開口20010ecから送出された風は、開閉部材20115に遮られることなく概ねまっすぐ流れ、空間部20110a及び開口部20110bを抜けた後、右下側面カバー20008baの送風口20080を通って外部へと送出される。送風口20080と概ねまっすぐ対向する位置には、発射装置20026の発射ハンドル20026bが配置されており、送風口20080から出た風は、発射ハンドル20026bを把持する遊技者の手に当たる。すなわち、開口20010ecから空間部20110a及び開口部20110b並びに送風口20080を経て発射ハンドル20026bへと風が流れる流路は、概ねまっすぐ形成されるので、発射ハンドル20026bを握る遊技者の手まで風圧をできる限り弱めることなく風を到達させることができ、遊技者に対して確実に風を感じさせることができる。また、開閉部材20115の閉鎖・開放状態のいずれにしても、開口20010ecから風と共に送出される音は、送風口20080あるいは通気口20008caのいずれかを通って外部に放出されるので、ヘルムホルツ共鳴による音響効果を低減させることなく重低音を十分体感させることができる。
図401〜図404に示すように、ソレノイド20111は、オン・オフ動作に連動して突出・退避可能なプランジャ20111aを有する。プランジャ20111aの先端部は、スライド部材20112と連結されている。スライド部材20112は、水平方向に沿って移動可能にカバー部材20110Aに支持されている。スライド部材20112には、垂直方向に沿って長く伸びるように長孔20112aが形成されている。この長孔20112aには、リンク部材20113の連結部113aが移動自在に係止される。リンク部材20113の基端部20113bは、回転可能にカバー部材20110Aに支持され、リンク部材20113の先端部寄りの部位には、バネ20114の一端が係止される。バネ20114の他端は、カバー部材20110Aの適部に係止されている。リンク部材20113の先端部には、長孔20113cが形成されている。この長孔20113cには、開閉部材20115に設けられた連結ピン20115aが移動自在に係止される。開閉部材20115は、空間部20110aに留まる閉鎖位置と空間部20110aからずれた開放位置との間を移動可能にカバー部材20110Aに案内されている。開閉検知センサ20116は、例えばタッチセンサあるいは近接センサにより構成され、開閉部材20115が開放位置にあるとき、リンク部材20113の一部が当接あるいは近接することにより、空間部20110aが開放状態にあることを検知する。開閉部材20115が閉鎖位置にあるとき、リンク部材20113が開閉検知センサ20116から離間することにより、空間部20110aが閉鎖状態にあることを検知する。開閉検知センサ20116は、サブ制御基板20033と電気的に接続されている。
図401及び図402に示すように、ソレノイド20111がオフ状態でプランジャ20111aが突出位置にあるとき、スライド部材20112が図中左寄りに位置し、リンク部材20113の先端部側がバネ20114によって引っ張られる結果、その先端部の長孔20113cに連結ピン20115aを介して連結された開閉部材20115は、空間部20110aの閉鎖位置に留まり、空間部20110aを閉鎖状態とする。このとき、リンク部材20113は、開閉検知センサ20116から離間した位置にあるため、開閉検知センサ20116からは、閉鎖状態を示す検知信号がサブ制御基板20033に供給される。
一方、図403及び図404に示すように、ソレノイド20111がオン状態となると、プランジャ20111aが突出位置から退避位置へと移動する。プランジャ20111aが退避位置へと移動すると、スライド部材20112が図中右側へと移動し、それに伴いリンク部材20113の先端部側がバネ20114の引っ張り力に抗して基端部20113bを軸に反時計回りの方向に回動する。その結果、リンク部材20113の長孔20113cに連結ピン20115aを介して連結された開閉部材20115は、空間部20110aから図中右側の退避した位置へと移動し、これにより空間部20110aが開放状態となる。このとき、リンク部材20113は、開閉検知センサ20116と当接あるいは近接するため、開閉検知センサ20116からは、開放状態を示す検知信号がサブ制御基板20033に供給される。
このような送風機構20110によれば、開口20010ecから送風口20080を経て発射ハンドル20026bへと至る風の流路が概ね直線状となり、この開口20010ecと送風口20080との間に位置する空間部20110aが閉鎖・開放状態に制御され、空間部20110aを閉鎖状態とした場合、開口20010ecからの風の流れを空間部20110aの下方に位置する通気口20008caへと導くことができる一方、空間部20110aを開放状態とした場合、開口20010ecからの風の流れを空間部20110aから開口部20110bを通ってまっすぐ送風口20080へと直線的に導くことができる。送風口20080を出た風は、さらにまっすぐ直線的に発射ハンドル20026bの方へと流れ、発射ハンドル20026bを把持する遊技者の手に当たることとなる。これにより、重低音を聞く聴覚とともに皮膚感覚によって風を感じさせることができる。開口20010ecからの風が通気口20008caへと導かれる場合、通気口20008ca付近に遊技者の手が添えられることはないため、例えば風を感じさせずに聴覚によって重低音のみを感じさせることができる。
[発光ユニット20012]
発光ユニット20012は、発射ハンドル20026bを把持する遊技者の手に照射光を当てるものであり、発射ハンドル20026bの左斜め上方に配置される。発光ユニット20012は、その詳細について図示説明を省略するが、発光手段としての複数のLED、複数のLEDを搭載した発光基板、複数のLEDからの光を所定方向に導くための導光板等を有して構成される。図397及び図398に示すように、発光ユニット20012からの光が導かれる所定方向には、下皿カバー20008bの一部として着脱自在の右上側面カバー20008bbに設けられた照射窓20081が設けられている。発光ユニット20012からの光は、照射窓20081を通って発射ハンドル20026bの方に照射され、発射ハンドル20026bを把持する遊技者の手にスポットライトとして映る。これにより、皮膚感覚に訴える風や聴覚に訴える重低音とは別に、照射光によっても視覚を刺激して感じさせることができる。
[遊技機の電気的構成]
次に、図405を用いて、本実施形態に係る遊技機の制御回路について説明する。なお、図405においては、「スイッチ」を「SW」と略記し、「ソレノイド」を「SOL」と略記する。
図405に示すように、遊技機は、遊技の制御を行う主制御手段としての主制御基板20028と、遊技の進行に応じた演出の制御を行う副制御手段としてのサブ制御基板20033とを有する。
主制御基板20028は、メインCPU20280、読み出し専用メモリであるメインROM20281、読み書き可能メモリであるメインRAM20282、初期リセット回路20283、I/Oポート20284、コマンド送信手段としてのコマンド出カポート20285、リセット用クロックパルス発生回路20286、及び遊技情報出力回路20287を備えている。主制御基板20028は、各種のデバイス(機器やスイッチ等)と接続されている。
メインCPU20280は、メインROM20281及びメインRAM20282と接続されており、メインROM20281に記憶されたプログラムにしたがって、各種の処理を実行する機能を有する。
主制御基板20028には、遊技盤20001Aにおける第1始動口(図示略)の後方に配置された第1始動口スイッチ20311が接続されている。第1始動口スイッチ20311によって遊技球が検出されると、当り抽選が行われる。
主制御基板20028には、遊技盤20001Aにおける第2始動口(図示略)の後方に配置された第2始動口スイッチ20312が接続されている。第2始動口スイッチ20312によって遊技球が検出されると、当り抽選が行われる。
これらの第1始動口スイッチ20311及び第2始動口スイッチ20312は、第1始動口及び第2始動口に遊技球が入球したことを検出した場合に入賞したとして、所定の検出信号を主制御基板20028に供給する。
主制御基板20028には、遊技盤20001Aにおける通過ゲート(図示略)の後方に配置された通過ゲートスイッチ20314が接続されている。通過ゲートスイッチ20314によって遊技球が検出された場合、通過ゲートに遊技球が入賞したとして、普通図柄抽選が行われる。この普通図柄抽選の結果は、遊技盤20001Aに設けられた普通図柄表示部20005Aにおいて表示される。なお、普通図柄表示部20005Aにおいて特定の図柄が停止表示された場合には、普通図柄抽選の結果が当選であることを遊技者に把握させる演出画像が液晶表示装置20004の画面上に表示されるようにしてもよい。
通過ゲートスイッチ20314は、通過ゲートを遊技球が通過したことを検出した場合に入賞したとして、所定の検出信号を主制御基板20028に供給する。これにより、通過ゲートスイッチ20314は、第2始動口を開放する契機を与える。
主制御基板20028には、遊技盤20001Aに設けられた一般入賞口(図示略)の後方に配置された一般入賞口スイッチ20310が接続されている。一般入賞口スイッチ20310によって遊技球が検出されると、払出装置20035により予め設定されている数の賞球が行われる。
主制御基板20028には、遊技盤20001Aにおける第1大入賞口(図示略)の奥方に配置された第1大入賞口カウントスイッチ20315が接続されている。第1大入賞口カウントスイッチ20315は、第1大入賞口への遊技球の入賞数をカウントするためのものである。第1大入賞口カウントスイッチ20315により遊技球の入賞が検出されると、払出装置20035は、予め設定されている数の遊技球を賞球として払出口20170又は排出口20180を通じて上皿20017又は下皿20018に払い出しを行う。
主制御基板20028には、遊技盤20001Aにおける第2大入賞口(図示略)の奥方に配置された第2大入賞口カウントスイッチ20316が接続されている。第2大入賞口カウントスイッチ20316は、第2大入賞口への遊技球の入賞数をカウントするためのものである。第2大入賞口カウントスイッチ20316により遊技球の入賞が検出されると、払出装置20035は、予め設定されている数の遊技球を賞球として払出口20170又は排出口20180を介して上皿20017又は下皿20018に払い出しを行う。
これらの第1大入賞口カウントスイッチ20315及び第2大入賞口カウントスイッチ20316は、第1大入賞口及び第2大入賞口を遊技球が通過した場合に、所定の検出信号を主制御基板20028に供給する。
主制御基板20028には、第2大入賞口の内部にある特定領域及び非特定領域(図示略)に配置された特定領域スイッチ20317A及び非特定領域スイッチ20317Bが接続されている。特定領域スイッチ20317Aは、大当り遊技状態において特定領域を遊技球が通過したことを検出した場合にV入賞として、所定の検出信号を主制御基板20028に供給する。非特定領域スイッチ20317Bは、大当り遊技状態において非特定領域を遊技球が通過したことを検出した場合に非V入賞として、所定の検出信号を主制御基板20028に供給する。
主制御基板20028は、第1大入賞口を開閉する第1大入賞口シャッタ(図示略)を駆動する第1大入賞口ソレノイド20315Aと、第2大入賞口を開閉する第2大入賞口シャッタ(図示略)を駆動する第2大入賞口ソレノイド20316Aとを排他的に制御する。これにより、第1大入賞口シャッタは、第1大入賞口への遊技球の入賞が容易な開放状態(第1態様)と、遊技球の入賞が不可能又は困難な閉鎖状態(第2態様)とに変動するように駆動され、第1大入賞口が少なくとも閉鎖状態とされる状況において、第2大入賞口シャッタは、第2大入賞口への遊技球の入賞が可能な開放状態と、遊技球の入賞が不可能又は困難な閉鎖状態とに変動するように駆動される。このような第1大入賞口シャッタ及び第2大入賞口シャッタによる第1大入賞口及び第2大入賞口の開放駆動は、遊技盤20001Aに設けられた第1特別図柄表示部20005C又は第2特別図柄表示部20005Dにおいて特別図柄が特定の停止表示態様となって、大当り遊技状態に移行された場合に行われる。
主制御基板20028は、第2始動口に設けられた羽根部材(図示略)を開閉する羽根部材ソレノイド20313を制御する。これにより、普通図柄表示部20005Aにおいて所定の発光態様で普通図柄が停止表示されたときに、羽根部材が所定の時間、所定の回数だけ開放状態となり、第2始動口に遊技球を入りや易くなる。
例えば、本実施形態の普通図柄ゲームにおいて、時短遊技状態ではない遊技状態(非確変・非時短遊技状態)における普通図柄の当り確率は、1/256であり、羽根部材が開放されることはない。一方、高確率状態(時短遊技状態)における普通図柄の当り確率は、例えば255/256であり、これに当選した場合に、羽根部材が例えば1.3秒間、3回開放される。また、普通図柄ゲームにおいて当り図柄となる普通図柄の数は1個であり、第2始動口の開放時に上限となる入賞カウント数は10カウント(10個)である。
主制御基板20028は、第2大入賞口内の特定領域の変位部材(図示略)を開閉するように動作させる変位部材ソレノイド20318を制御する。これにより、大当り遊技状態のラウンドゲームを実行中にある場合に、変位部材が所定の時間、所定の回数だけ開放状態となり、特定領域に対して遊技球が通過し易くなる。一方、大当り遊技状態であっても変位部材が閉鎖状態となる場合は、特定領域を遊技球が通過不可能又は困難となり、非特定領域を遊技球が通過し易くなる。
第1特別図柄保留表示部20005Eは、第1特別図柄表示部20005C又は第2特別図柄表示部20005Dが変動表示しているときに、第1始動口スイッチ20311によって遊技球が検出された場合、第1特別図柄表示部20005C又は第2特別図柄表示部20005Dにおいて変動表示中の第1特別図柄又は第2特別図柄が停止表示されるまで、第1始動口への遊技球の入賞に基づく第1特別図柄の変動表示の実行(開始)が保留される数、すなわち第1特別図柄に係る保留数を表示する。変動表示していた第1特別図柄又は第2特別図柄が停止表示された場合には、第1特別図柄に係る保留数として保留されていた第1特別図柄の変動表示が開始される。
第2特別図柄保留表示部20005Fは、第1特別図柄表示部20005C又は第2特別図柄表示部20005Dが変動表示しているときに、第2始動口スイッチ20312によって遊技球が検出された場合、第1特別図柄表示部20005C又は第2特別図柄表示部20005Dにおいて変動表示中の第1特別図柄又は第2特別図柄が停止表示されるまで、第2始動口への遊技球の入賞に基づく第2特別図柄の変動表示の実行(開始)が保留される数、すなわち第2特別図柄に係る保留数を表示する。変動表示していた第1特別図柄又は第2特別図柄が停止表示された場合には、第2特別図柄に係る保留数として保留されていた第2特別図柄の変動表示が開始される。
ここで、本実施形態のパチンコ遊技機において、第1特別図柄及び第2特別図柄の変動表示の優先順位は、第2特別図柄の方が第1特別図柄よりも優先するように設定されているが、第1始動口及び第2始動口への入賞順にしたがって、対応する第1特別図柄及び第2特別図柄を入賞順通りに変動表示させるようにしてもよい。
また、特別図柄の変動表示の実行が保留される保留数には、上限数が設定されており、本実施形態において、メインCPU20280は、第1始動口及び第2始動口に遊技球が入賞して第1始動口スイッチ20311及び第2始動口スイッチ20312によって遊技球が検出されたときの第1特別図柄及び第2特別図柄の変動表示の保留数を、それぞれ最大で4個(すなわち、4検出回数)まで記憶させており、5個目以降は保留数として記憶させないようになっている。この際、特別図柄の変動表示の終了により保留数が減った時には、再び保留数が4個を上限として加算される。
第1特別図柄表示部20005Cにおける第1特別図柄ゲームの保留数が例えば4個まで保留される場合、変動中の第1特別図柄表示部20005Cに対応する特別図柄ゲームの情報は、メインRAM20282の第1特別図柄始動記憶領域(0)に始動記憶として記憶され、以降、保留数が4個分の特別図柄ゲームの情報は、メインRAM20282の第1特別図柄始動記憶領域
(1)〜(4)に始動記憶として順次記憶される。
第2特別図柄表示部20005Dにおける第2特別図柄ゲームについても同様に、第2特別図柄ゲームの保留数が例えば4個まで保留される場合、変動中の第2特別図柄表示部20005Dに対応する第2特別図柄ゲームの情報は、メインRAM20282の第2特別図柄始動記憶領域(0)に始動記憶として記憶され、以降、保留数が4個分の第2特別図柄ゲームの情報は、メインRAM20282の第2特別図柄始動記憶領域(1)〜(4)に始動記憶として順次記憶される。
したがって、第1始動口及び第2始動口への入賞に伴う特別図柄ゲームに係る遊技球の保留数は、合計で最大8個となり、第1特別図柄保留表示部20005E及び第2特別図柄保留表示部20005Fによる保留表示数もそれぞれ4個となる。
第1大入賞口シャッタによる第1大入賞口の開放状態は、第1大入賞口カウントスイッチ20315によるカウント値(遊技球の入賞数)が所定数(例えば、入賞数10個)となるか、あるいは予め規定された後述の開放時間を経過するといったいずれか一方の条件を満たすまで維持される。遊技球の入賞数が所定数となった場合、又は第1大入賞口シャッタの開放時間が経過した場合は、第1大入賞口シャッタが第1大入賞口を閉鎖するように駆動される。
第2大入賞口シャッタによる第2大入賞口の開放状態も同様に、第2大入賞口カウントスイッチ20316によるカウント値(遊技球の入賞数)が所定数(例えば、入賞数10個)となるか、あるいは予め規定された後述の開放時間を経過するといったいずれか一方の条件を満たすまで維持される。遊技球の入賞数が所定数となった場合、又は第2大入賞口シャッタの開放時間が経過した場合は、第2大入賞口シャッタが第2大入賞口を閉鎖するように駆動される。
大当り遊技状態では、予め設定された大入賞口開閉パターン(当り開閉パターン)に基づき、第1大入賞口及び第2大入賞口の開放状態と閉鎖状態とが繰り返される。大当り遊技状態において、第1大入賞口及び第2大入賞口のそれぞれが大入賞口開閉パターン(当り開閉パターン)に基づいて所定回数にわたり開放状態及び閉鎖状態となる遊技は、「ラウンドゲーム(ラウンド遊技)」という。ラウンドゲーム(ラウンド遊技)は、単にラウンドという場合もある。1回のラウンドゲームにより第1大入賞口又は第2大入賞口が閉鎖状態とされてから、次回のラウンドゲームとして第1大入賞口又は第2大入賞口が開放状態となるまでの状態については、「ラウンド間ゲーム」又は「ラウンド間インターバル」あるいは単に「インターバル」ともいう。1回のラウンドゲームにおいては、第1大入賞口及び第2大入賞口のそれぞれが複数回にわたり開放状態及び閉鎖状態となる場合がある。また、1回のラウンドゲームでは、第1大入賞口及び第2大入賞口の開閉状態が排他的に制御される。すなわち、1回のラウンドゲームにおいては、一方の大入賞口が所定回数繰り返し開放状態となる間、他方の大入賞口が継続して閉鎖状態とされる。
なお、本実施形態の遊技機には、大当り遊技状態とは異なる性質の遊技状態として、いわゆる小当り遊技状態が設けられている。小当り遊技状態は、大当り遊技状態とは異なりラウンドゲームという概念によって規定されず、本実施形態の小当り遊技状態では、第2大入賞口が所定回数繰り返し開放状態とされるように規定されている。もちろん、小当り遊技状態においては、任意あるいは特定の大入賞口を1回あるいは複数回数にわたり繰り返し開放状態となるように制御してもよい。この小当り遊技状態とは、特別図柄抽選による小当りの当選を契機に移行する遊技状態である。小当り遊技状態に移行する前とその終了後においては、基本的に遊技状態が変化しない。例えば、非確変遊技状態において小当り当選となって小当り遊技状態に移行した場合、この小当り遊技状態の終了後の遊技状態は、小当り遊技状態に移行する前の非確変遊技状態のままであり、確変遊技状態に移行することはない。同様に、確変遊技状態において小当り当選となって小当り遊技状態に移行した場合、この小当り遊技状態の終了後の遊技状態は、確変遊技状態のゲーム数が残存する限り、小当り遊技状態に移行する前の確変遊技状態のままであり、非確変遊技状態に移行することもない。
ラウンドゲームは、1ラウンド、2ラウンドのようにラウンド数(回数)として計数される。1回のラウンドゲームにおいて、第1大入賞口又は第2大入賞口が所定回数開放状態となる前に、1ラウンドあたりの上限入賞数に到達した場合は、第1大入賞口及び第2大入賞口が閉鎖状態となり、残りの開放回数分について第1大入賞口及び第2大入賞口が開放状態とされることなく、当該ラウンドゲームが終了させられる。
また、大当り遊技状態において第2大入賞口が開放状態となる特定のラウンドゲームでは、予め設定された作動パターン(変位部材作動パターン)に基づき、変位部材が制御される。これにより、特定領域は、大当り遊技状態の特定のラウンドゲームにおいて、開放状態及び閉鎖状態となる。すなわち、特定のラウンドゲームにおいては、特定領域を遊技球が通過してV入賞となる可能がある一方、特定のラウンドゲーム以外のラウンドゲームでは、仮に第2大入賞口に遊技球が入賞したとしても、特定領域を遊技球が通過不可能又は困難な状態となる。すなわち、大当り遊技状態の種類には、特定のラウンドゲームを含む大当り遊技状態と、特定のラウンドゲームを含まない大当り遊技状態とがある。
液晶表示装置20004の画面上には、第1特別図柄表示部20005C及び第2特別図柄表示部20005Dにおいて表示される特別図柄と関連する演出画像が表示される。例えば、第1特別図柄表示部20005C及び第2特別図柄表示部20005Dで表示される特別図柄の変動表示中において、特定の場合を除いて、液晶表示装置20004の画面上には、数字からなる図柄(装飾図柄)、例えば、「0」、「1」、「2」・・・「7」のような数字が3列変動表示される。
一方、第1特別図柄表示部20005C及び第2特別図柄表示部20005Dにおいて変動表示されていた特別図柄が停止表示されると、液晶表示装置20004の画面上においても装飾図柄が停止表示される。
また、第1特別図柄表示部20005C及び第2特別図柄表示部20005Dにおいて、変動、停止された特別図柄が特定の停止表示態様である場合には、「大当り」であることを遊技者に把握させる演出画像が液晶表示装置20004の画面上に表示される。
具体的には、第1特別図柄表示部20005C及び第2特別図柄表示部20005Dのいずれか一方において特別図柄が、例えば「大当り」に対応する特定の表示態様で停止表示された場合には、液晶表示装置20004の画面上に表示される演出用の装飾図柄の組み合わせが特定の表示態様
(例えば、複数の図柄列のそれぞれに同一の図柄がすべて揃った状態で停止表示される態様)となり、さらに、大当り用の演出画像が液晶表示装置20004の画面上に表示される。
このような主制御基板20028のメインCPU20280は、遊技領域20001pにおける所定の領域
(第1始動口、第2始動口)を遊技球が通過した場合に、遊技者に有利な特別遊技(大当り遊技状態)を実行するか否かを抽選可能な抽選手段を実現している。
メインROM20281は、大当り抽選や図柄抽選等といった各種の処理をメインCPU20280に実行させるためのプログラムや、各種テーブルを記憶している。
例えば、図406に示すように、メインROM20281に記憶されたテーブルとしては、大当り抽選テーブルや図柄抽選テーブルがある。大当り抽選テーブルは、大当り抽選を乱数抽選により行う際に用いられ、例えば乱数範囲0〜255のうち、0〜254の乱数値が抽出されるとハズレで、255の乱数値が抽出されると大当りの当選となる旨を規定している。図柄抽選テーブルは、大当り当選の際、第1特別図柄(特図1)及び第2特別図柄
(特図2)を乱数抽選により決定付けるために用いられる。このような図柄抽選テーブルは、例えば、第1特別図柄(特図1)に関し、乱数範囲0〜99のうち、0〜35の乱数値が抽出されると4R通常大当りに対応する4R通常図柄を決定し、36〜65の乱数値が抽出されると16R通常大当りに対応する16R通常図柄を決定し、66〜85の乱数値が抽出されると4R確変大当りに対応する4R確変図柄を決定し、86〜99の乱数値が抽出されると16R確変大当りに対応する16R確変図柄を決定する旨を規定している。また、図柄抽選テーブルは、例えば、第2特別図柄(特図1)に関し、乱数範囲0〜99のうち、0〜33の乱数値が抽出されると4R確変大当りに対応する4R確変図柄を決定し、34〜99の乱数値が抽出されると16R確変大当りに対応する16R確変図柄を決定する旨を規定している。
メインRAM20282は、メインCPU20280の一時記憶領域として、種々のデータ(フラグ、カウンタ、タイマ、及び変数の値等)を記憶する機能を有する。メインCPU20280の一時記憶領域としては、メインRAM20282に代えて、他の読み書き可能な記憶媒体を用いることもできる。
初期リセット回路20283は、電源投入時においてリセット信号を生成するものであり、メインCPU20280に接続されている。
I/Oポート20284は、各種のデバイスからの入力信号をメインCPU20280に、メインCPU20280からの出力信号を各種のデバイスに送信するものである。
コマンド出カポート20285は、メインCPU20280からの各種コマンドをサブ制御基板20033に送信するものである。
リセット用クロックパルス発生回路20286は、タイマ割込処理を実行するためのクロックパルスを所定の周期(たとえば2msec)毎に発生するものである。
遊技情報出力回路20287は、外部接続されたホールコンピュータHPや外部情報表示装置EDに各種の情報を出力するためのものである。
主制御基板20028に接続される各種のデバイスには、第1大入賞口ソレノイド20315A、第2大入賞口ソレノイド20316A、羽根部材ソレノイド20313、変位部材ソレノイド20318、及び外部端子板20320が含まれる。
外部端子板20320は、略して外端板と称され、ホール係員を呼び出す機能や大当り回数を表示するといった機能を有する外部情報表示装置ED、あるいはホールに設置された複数の遊技機を管理するホールコンピュータHP等の外部機器との間でデータ通信するためのものである。
主制御基板20028に接続される各種のスイッチには、一般入賞口スイッチ20310、第1始動口スイッチ20311、第2始動口スイッチ20312、通過ゲートスイッチ20314、第1大入賞口カウントスイッチ20315、第2大入賞口カウントスイッチ20316、特定領域スイッチ20317A、非特定領域スイッチ20317B、及びバックアップクリアスイッチ20319が含まれる。
バックアップクリアスイッチ20319は、電断時等における主制御基板20028及び後述する払出・発射制御基板20034のバックアップデータを、ホール管理者の操作に応じてクリアするものである。
また、主制御基板20028には、払出・発射制御基板20034を介して、発射装置20026、払出装置20035、及びカードユニット装置CUが接続されている。
主制御基板20028は、払出・発射制御基板20034に賞球制御コマンドを送信する。払出・発射制御基板20034は、主として発射装置20026及び払出装置20035を制御するものであり、発射装置20026、払出装置20035、及びカードユニット装置CUが接続されている。
カードユニット装置CUは、遊技者の操作に応じて遊技球の貸し出しを要求する信号を出力する第2操作ユニット20009Bと接続されており、この第2操作ユニット20009Bとの間で信号を送受信可能である。
払出・発射制御基板20034は、主制御基板20028から供給される賞球制御コマンドと、カードユニット装置CUから供給される貸し球制御信号とを受け取り、払出装置20035に対して所定の信号を送信することにより、払出装置20035に遊技球を払い出させる。払出装置20035は、例えば、第1始動口又は第2始動口への入賞1個あたり賞球数として3個の遊技球を払い出し、一般入賞口や第1大入賞口又は第2大入賞口への入賞1個あたり賞球数として10個の遊技球を払い出す。
払出・発射制御基板20034は、発射装置20026の発射ハンドル20026bが遊技者によって把持され、かつ、時計回りの方向へ回動操作された場合に、その回動量に応じて発射ソレノイド(図示略)に電力を供給し、遊技球を遊技領域20001pに向けて発射させる制御を行う。
サブ制御基板20033は、主制御基板20028に接続されており、主制御基板20028から各種のコマンドが供給されるように構成されている。
サブ制御基板20033は、主制御基板20028から供給される各種のコマンドに応じて、各種の制御、主として演出動作に係る制御を行うものであり、サブCPU20330、プログラムROM20331、ワークRAM20332、コマンド入力ポート20333、リアルタイムクロック(以下、「RTC:Real−Time Clock」という)334、表示制御回路20335、音響制御回路20336、発光制御回路20337、及び演出装置制御回路20338を有する。表示制御回路20335には、液晶表示装置20004が接続されている。音響制御回路20336には、スピーカ20010a,20010b,20010cが接続されている。発光制御回路20337には、ランプや各種のLED(図405においては、まとめてランプ・LED20260と表記)が接続されている。演出装置制御回路20338は、各種の可動演出役物や可動部材の可動機構(図405においては、まとめて可動演出装置20270と表記)が接続されている。
また、サブ制御基板20033は、第1操作ユニット20009Aと接続され、当該第1操作ユニット20009Aに設けられたセンサ類(図示略)からの信号が入力可能とされる。例えば、操作部材(操作ボタン)22000が押下された状態を押下検出センサが検出すると、この押下検出センサからサブ制御基板20033に操作部材22000の操作に応じた操作信号が入力される。サブ制御基板20033はまた、第2操作ユニット20009Bと接続され、当該第2操作ユニット20009Bに設けられたセンサ類(図示略)からの信号が入力可能とされる。例えば、押圧ボタン23000が押下された状態を押下検出センサが検出すると、この押下検出センサからサブ制御基板20033に押圧ボタン23000の操作に応じた操作信号が入力される。
サブCPU20330は、プログラムROM20331に記憶されたプログラムにしたがって、各種の処理、主として演出動作に係る処理を実行するものである。液晶表示装置20004は、表示手段として機能する。特に、サブCPU20330は、主制御基板20028から供給される各種のコマンドにしたがって、サブ制御基板20033全体の制御を行う。
プログラムROM20331は、サブCPU20330が主として各種演出を制御するためのプログラムや各種のテーブルを記憶している。
例えば、図406に示すように、プログラムROM20331に記憶されたテーブルとしては、演出抽選テーブルがある。演出抽選テーブルは、例えば、スピーカユニット20010及び送風機構20110を用いた送風に係る演出(送風演出)、発光ユニット20012を用いた光照射に係る演出(光照射演出)、操作部材22000あるいは押圧ボタン23000を用いた操作演出(第1操作演出、第2操作演出)といった各種演出の実行有無を決定するための演出抽選を乱数抽選により行う際に用いられる。なお、送風演出が実行される際は、それと同時にスピーカ20010cを用いて低音を発生させる音響演出も実行される。第1操作演出は、第1操作ユニット20009Aの操作部材22000を用いた演出であり、第2操作演出は、第2操作ユニット20009Bの押圧ボタン23000を用いた演出である。
具体的に、演出抽選テーブルは、大当り抽選によるハズレ、4R通常大当りの当選、16R通常大当りの当選、4R確変大当りの当選、16R確変大当りの当選といった場合に、送風演出、光照射演出、操作演出の各演出を実行させるか否かを乱数抽選(乱数範囲0〜99による抽選)により決定するための抽籤値を規定している。
このような演出抽選テーブルによれば、送風演出については、大当り抽選結果がハズレの場合、必ず0〜99の乱数値が抽出されることで「演出なし」が決定され、4R通常大当りの場合、0〜30の乱数値が抽出されると「演出なし」が決定される一方、31〜99の乱数値が抽出されると「演出あり」が決定され、16R通常大当りの場合、0〜95の乱数値が抽出されると「演出なし」が決定される一方、96〜99の乱数値が抽出されると「演出あり」が決定され、4R確変大当りの場合、0〜50の乱数値が抽出されると「演出なし」が決定される一方、51〜99の乱数値が抽出されると「演出あり」が決定され、16R確変大当りの場合、0〜50の乱数値が抽出されると「演出なし」が決定される一方、51〜99の乱数値が抽出されると「演出あり」が決定される。
光照射演出については、大当り抽選結果がハズレの場合、0〜90の乱数値が抽出されると「演出なし」が決定される一方、91〜99の乱数値が抽出されると「演出あり」が決定され、4R通常大当りの場合、0〜90の乱数値が抽出されると「演出なし」が決定される一方、91〜99の乱数値が抽出されると「演出あり」が決定され、16R通常大当りの場合、必ず0〜99の乱数値が抽出されることで「演出あり」が決定され、4R確変大当りの場合、0〜90の乱数値が抽出されると「演出なし」が決定される一方、91〜99の乱数値が抽出されると「演出あり」が決定され、16R確変大当りの場合、必ず0〜99の乱数値が抽出されることで「演出あり」が決定される。
第1操作演出については、大当り抽選結果がハズレの場合、0〜95の乱数値が抽出されると「演出なし」が決定される一方、96〜99の乱数値が抽出されると「演出あり」が決定され、4R通常大当りの場合、0〜50の乱数値が抽出されると「演出なし」が決定される一方、51〜99の乱数値が抽出されると「演出あり」が決定され、16R通常大当りの場合、0〜50の乱数値が抽出されると「演出なし」が決定される一方、51〜99の乱数値が抽出されると「演出あり」が決定され、4R確変大当りの場合、0〜85の乱数値が抽出されると「演出なし」が決定される一方、86〜99の乱数値が抽出されると「演出あり」が決定され、16R確変大当りの場合、0〜95の乱数値が抽出されると「演出なし」が決定される一方、96〜99の乱数値が抽出されると「演出あり」が決定される。
第2操作演出については、大当り抽選結果がハズレの場合、必ず0〜99の乱数値が抽出されることで「演出なし」が決定され、4R通常大当りの場合、0〜97の乱数値が抽出されると「演出なし」が決定される一方、98〜99の乱数値が抽出されると「演出あり」が決定され、16R通常大当りの場合、必ず0〜99の乱数値が抽出されることで「演出なし」が決定され、4R確変大当りの場合、0〜90の乱数値が抽出されると「演出なし」が決定される一方、91〜99の乱数値が抽出されると「演出あり」が決定され、16R確変大当りの場合、0〜60の乱数値が抽出されると「演出なし」が決定される一方、61〜99の乱数値が抽出されると「演出あり」が決定される。
このような演出抽選テーブルによれば、送風演出、光照射演出、第1操作演出、第2操作演出といった演出が同時に発生する組み合わせパターンが、ハズレあるいは大当りの種類に応じて確率的に異なる。すなわち、発生する演出の組み合わせパターンに応じてハズレや大当りの種類について見当をつけやすくすることができる。
また、操作演出についての規定内容からも明らかなように、第2操作ユニット20009Bの押圧ボタン23000を用いた第2操作演出よりも、第1操作ユニット20009Aの操作部材22000を用いた第1操作演出の方が出現頻度が高くなっている。すなわち、第1操作演出において用いられる操作部材22000よりも第2操作演出において用いられる押圧ボタン23000の方が使用頻度が低いので、押圧ボタン23000の近隣に配置される操作演出とは関係ない十字ボタン23100といったボタンの誤操作を未然に防ぐとともに、使用頻度の高い操作部材22000を独立した操作ユニットに備えることで配線や基板を簡易に専用設計することができる。
ワークRAM20332は、サブCPU20330の一時記憶領域として種々のデータ(フラグ、カウンタ、タイマ、及び変数の値等)を記憶するものである。
コマンド入力ポート20333は、主制御基板20028のメインCPU20280から送信された各種コマンドを受信し、サブCPU20330へと伝えるものである。
RTC20334は、現在の日付を示す日付信号や現在の時刻を示す時刻信号をサブCPU20330に入力する。RTC20334は、通常、遊技機本体に電源が供給されているときには遊技機本体からの電源によって動作し、遊技機本体の電源が切られているときには、電源基板(図示略)に搭載されたバックアップ電源から供給される電源によって動作する。これにより、RTC20334は、遊技機本体の電源が切られている場合であっても現在の日時を計時することができる。なお、RTCは、サブ制御基板上に設けた電池によって動作するようにしてもよい。また、RTCに代わるものとしては、バックアップRAMとしての機能を有するワークRAMに設けたカウンタを、所定時間ごと(例えば2ms毎)にカウントアップすることによって時間を計時する手段として用いてもよい。
表示制御回路20335は、サブCPU20330から供給されるデータに応じて、液晶表示装置20004における表示制御を行うためのものであり、例えば画像データプロセッサ(VDP)と、各種の画像データを生成するためのデータが記憶されている画像データROMと、画像データを一時記憶するフレームバッファと、画像データを画像信号として変換するD/Aコンバータとから構成されている。なお、表示制御回路20335の構成は、あくまでも一例であり、これに限定されるものではない。
表示制御回路20335は、サブCPU20330から供給される画像表示命令に応じて、液晶表示装置20004の画面上に表示させるための画像データを一時的にフレームバッファに格納する。画像データとしては、例えば装飾図柄画像データ、背景画像データ、各種演出用画像データ、各種不正報知画像データ等が含まれる。
また、表示制御回路20335は、所定のタイミングで、フレームバッファに格納された画像データをD/Aコンバータ(図示略)に供給する。D/Aコンバータは、画像データを画像信号として変換し、所定のタイミングで、この画像信号を液晶表示装置20004に供給する。液晶表示装置20004の画面上には、D/Aコンバータからの画像信号に基づいて画像が表示される。
音響制御回路20336は、スピーカ20010a,20010b,20010cから発生させる音楽や音声などのサウンドに関する制御を行うためのものであり、サウンド出力に関する制御を行う音源IC、各種のサウンドデータを記憶するサウンドデータROM、サウンド信号を増幅するための増幅器(AMP)を含んでいる。なお、音響制御回路20336の構成も、あくまでも一例であり、これに限定されるものではない。
音源ICは、スピーカ20010a,20010b,20010cから発生させるサウンドの制御を行うものであり、サブCPU20330から供給されるサウンド発生命令に応じて、サウンドデータROMに記憶されている複数のサウンドデータから一つのサウンドデータを選択することができる。
また、音源ICは、選択されたサウンドデータをサウンドデータROMから読み出し、サウンドデータを所定のサウンド信号に変換し、そのサウンド信号を増幅器に供給する。なお、この増幅器は、サウンド信号を増幅させ、スピーカ20010a,20010b,20010cから音を発生させる。
発光制御回路20337は、装飾ランプ等を含むランプ・LED20260の制御を行うためのものであり、発光制御信号を供給するためのドライブ回路、複数種類のランプ装飾パターンが記憶されている装飾データROM等から構成されている。なお、発光制御回路20337の構成も、あくまでも一例であり、これに限定されるものではない。
演出装置制御回路20338は、例えば、大当り遊技状態において可動演出役物等を作動させる等の演出動作を制御する。
<右側装飾部材20015及び左側装飾部材20016について>
右側装飾部材20015及び左側装飾部材20016は、互いに概ね左右対称の形状に形成されており、共に同様の部材を備えて構成される。以下の説明においては、便宜上、右側装飾部材20015について説明する。
右側装飾部材20015及び左側装飾部材20016は、所定の遊技条件が成立した場合に光の演出を行うものである。図407〜図412に示すように、右側装飾部材20015は、支持部材20150、発光基板(図示略)、外側導光部材20151、内側導光部材20152、及び装飾カバー20153を有する。支持部材20150、発光基板、外側導光部材20151、及び内側導光部材20152は、装飾カバー20153により覆われる。装飾カバー20153の主な前面部は、半透明あるいは透明で光透過性を有する。
支持部材20150及び発光基板は、右側ベース板20003aaに取り付けられる。支持部材20150の裏面側には、発光基板が配置される。支持部材20150には、複数のスリット20150aが形成されており、これら複数のスリット20150aに臨むように発光基板に設けられた複数のLED(図示略)が位置する。支持部材20150の前部には、複数のスリット20150aに沿うように外側導光部材20151及び内側導光部材20152が取り付けられる。LEDは、光量の確保とコスト面とを考慮し、所定の間隔(例えば、20mmから30mmの間隔)で配置されている。
外側導光部材20151及び内側導光部材20152は、各々板状部材で構成され、外側導光部材20151よりも内側導光部材20152が大きくなるように形成されている。外側導光部材20151及び内側導光部材20152は、互いに左右に所定間隔離れるように位置する。これら外側導光部材20151及び内側導光部材20152は、大きさや配置が異なる以外は同様の構成からなるため、以下の説明においては、便宜上、内側導光部材20152について説明する。
図408〜図412に示すように、内側導光部材20152は、光入射面となる入射後端面20152aと、光出射面となる出射前端面20152bとを有する。入射後端面20152aは、支持部材20150の複数のスリット20150aに臨むように配置される。これにより、複数のLEDは、入射後端面20152aの長手方向に沿って並ぶように位置する。出射前端面20152bは、装飾カバー20153の内面に沿うように配置され、全体的に湾曲状に形成されている。
図409及び図410に示すように、入射後端面20152aは、長手方向に沿って凹凸をなすように鋸歯状のレンズカットが形成されている。これにより、スリット20150aを通って入射後端面20152aに入射したLEDからの光は、内側導光部材20152の内部を概ね長手方向に拡散しながら進む。出射前端面20152bは、いわゆるダイヤカット状のレンズカットが形成されている。これにより、入射後端面20152aから内側導光部材20152の内部へと進行してきた光は、ある程度広がりをもって前方へと照射される。なお、内側導光部材20152の出射前端面20152bは、外側導光部材20151の出射前端面よりも遊技者が位置する手前側に配置されている。
このような右側装飾部材20015によれば、その内部を進行する光を側方に漏らすことなく出射前端面20152bから効率よく拡散することができ、視覚を効果的に刺激するように光の演出を実行することができる。左側装飾部材20016も、右側装飾部材20015と同様の構成されていることから、右側装飾部材20015による光の演出と同時に、あるいは右側装飾部材20015による光の演出とは異なるタイミングで視覚を効果的に刺激するように光の演出を実行することができる。
<トップ飾り20014について>
図388に示すように、トップ飾り20014は、中央装飾ユニット20014a、右側装飾ユニット20014b、左側装飾ユニット20014cを有する。右側装飾ユニット20014b及び左側装飾ユニット20014cは、互いに概ね左右対称の形状に形成されており、共に同様の部材を備えて構成される。以下の説明においては、便宜上、中央装飾ユニット20014a及び右側装飾ユニット20014bについて説明する。
[中央装飾ユニット20014a]
中央装飾ユニット20014aは、例えば大当り開始時に発光することによって光の演出を行う正面視逆三角形状のものである。図413〜図417に示すように、中央装飾ユニット20014aは、本体カバー20140、前面カバー20141、上部カバー20142、支持部材20143、発光基板20144、遮光部材20145、複数の導光部材20146a〜20146cを有する。支持部材20143、発光基板20144、遮光部材20145、及び複数の導光部材20146a〜20146cは、本体カバー20140、前面カバー20141、及び上部カバー20142により覆われる。前面カバー20141の前面部20141aは、半透明あるいは透明で光透過性を有する。この前面部20141aは、下部より上部に至るほど前方に位置するようなせり出す面であって、鉛直方向に対して傾斜した透光面をなすように配置される。
本体カバー20140の内側には、支持部材20143が取り付けられる。支持部材20143の前部には、発光基板20144が取り付けられるとともに、発光基板20144の前方に位置するように遮光部材20145が取り付けられる。遮光部材20145の下部には、複数の導光部材20146a〜20146cが互いに所定間隔離れて取り付けられる。
発光基板20144の前面下部には、複数の導光部材20146a〜20146cに対応する複数のLED20144aが設けられており、発光基板20144の前面上部には、後述する遮光部材20145の上部に設けられた複数の開口20145cに対応する複数のLED20144bが設けられている。
遮光部材20145には、その上部と下部とを仕切るように隔壁20145aが形成されている。遮光部材20145の下部には、複数の導光部材20146a〜20146cに対応するように複数のスリット20145ba,20145bb,20145bcが形成されている。遮光部材20145の上部には、後述する発光基板20144のLED20144bが露出するように複数の開口20145cが形成されている。遮光部材20145の隔壁20145aの上面は、LED20144bからの光を前方に向けて反射しやすい表面加工が施され、開口20145cの周縁部も、LED20144bからの光を前方に向けて反射しやすいように凹面状に形成されている。
複数の導光部材20146a〜20146cは、各々板状部材で構成され、正面視略U字状あるいは略V字状に形成されている。複数の導光部材20146a〜20146cは、下方より上方に位置するものほど小さくなるように形成されており、導光部材20146aよりも導光部材20146bの方が小さく、導光部材20146bよりも導光部材20146cの方が小さくなっている。複数の導光部材20146a〜20146cは、互いに所定間隔離れるように位置する。
図417に示すように、複数の導光部材20146a〜20146cは、光入射面となる入射後端面20146aa,20146ba,20146caと、光出射面となる出射前端面20146ab,20146bb,20146cbとを有する。入射後端面20146aa,20146ba,20146caは、遮光部材20145のスリット20145ba,20145bb,20145bcに臨むように配置される。出射前端面20146ab,20146bb,20146cbは、鉛直方向に対して傾斜した前面カバー20141の前面部20141aに沿うように配置される。
入射後端面20146aa,20146ba,20146caは、先述した右側装飾部材20015の内側導光部材20152の入射後端面20152aと同様に、長手方向に沿って凹凸をなすように鋸歯状に形成されている。これにより、入射後端面20146aa,20146ba,20146caに入射したLED20144aからの光は、導光部材20146a〜20146cの内部を概ね長手方向に拡散しながら進む。出射前端面20146ab,20146bb,20146cbは、先述した右側装飾部材20015の内側導光部材20152の出射前端面15bと同様に、いわゆるダイヤカット状に形成されている。これにより、入射後端面20146aa,20146ba,20146caから導光部材20146a〜20146cの内部へと進行してきた光は、ある程度広がりをもって前方へと照射される。
このような中央装飾ユニット20014aによれば、複数の導光部材20146a〜20146cの出射前端面20146ab,20146bb,20146cbから照射された光は、前面カバー20141の前面部20141aを通って外方に導かれるが、出射前端面20146ab,20146bb,20146cbが前面部20141aに対して比較的近くに位置し、この出射前端面20146ab,20146bb,20146cbに沿って光強度が比較的強い細長い領域が形成されるので、前面カバー20141の下部の領域においては、出射前端面20146ab,20146bb,20146cbからの光が複数のライン状に見える。一方、前面カバー20141の上部の領域においては、複数のLED20144bからの光が遮光部材20145の開口20145cの周縁部等によって乱反射しつつ前面カバー20141の前面部20141aを通って外方に放射されるが、導光部材20146a〜20146cの出射前端面20146ab,20146bb,20146cbよりも前面部20141aに対して遠い奥方から反射光として前面部20141aへと導かれるので、前面カバー20141の上部の領域においては、平均的に光が広がった広配光として見える。すなわち、遊技者の目線となる前面カバー20141の斜め下方からは、上方からの万遍なくぼんやりとした光の中に下方においてライン状の光が立体的に浮かび上がるように見える。
[右側装飾ユニット20014b]
右側装飾ユニット20014bは、例えば大当り開始時に音の発生や発光により演出を行うものである。図418〜図423に示すように、右側装飾ユニット20014bは、スピーカユニット20010A、本体支持部材20147A、本体カバー20147B、前面カバー20147C、発光基板20148、導光部材20149を有する。スピーカユニット20010A及び発光基板20148は、本体支持部材20147Aの後部に取り付けられ、発光基板20148は、スピーカユニット20010Aの前部に取り付けられる。導光部材20149は、本体支持部材20147Aの前側内部に取り付けられ、前面カバー20147Cによって覆われる。前面カバー20147Cの前面20147Caは、網目状に形成されており、隙間からスピーカ20010bの振動面や導光部材20149が視認可能とされる。
スピーカユニット20010Aは、スピーカ20010bの振動面(出音部)を前方に向けて露出させる開口(図示略)を有し、この開口の周縁部に沿うように発光基板20148が取り付けられる。発光基板20148には、スピーカ20010bの周縁に沿って環状に並ぶように複数のLED20148aが設けられている。
本体支持部材20147Aには、スピーカ20010bの振動面及び発光基板20148の複数のLED20148aを露出させて周縁に導光部材20149を取り付け可能な開口部20147Aaが形成されている。
導光部材20149は、スピーカ20010bの振動面で発生した音を前方に導くための筒部20149a、筒部20149aの周縁後側にあって光入射面となる入射後端面20149b、筒部20149aの周縁前側にあって光出射面となる出射前端面20149c、出射前端面20149cの周縁から前方へと広がりつつ延出する突出部20149dを有する。
筒部20149aの後部には、スピーカ20010bの振動面が配置され、振動面で発生した音は、筒部20149aを通って前方へと導かれる。入射後端面21449bは、発光基板20148のLED20148aと対向するように配置される。入射後端面20149bは、先述した右側装飾部材20015の内側導光部材20152の入射後端面20152aと同様に、周方向に沿って凹凸をなすように鋸歯状に形成されている。これにより、入射後端面20149bに入射したLED20148aからの光は、筒部20149aを概ね周方向に拡散しながら進む。
出射前端面20149cは、前面カバー20147Cの前面20147Caから所定距離後方に離れて位置する。この出射前端面20149cも、入射後端面20149bと同様に、周方向に沿って凹凸をなすように鋸歯状に形成されている。これにより、入射後端面20149bから筒部20149aへと進行してきた光は、正面から見て主として周方向に広がりつつリング状に見えるように前方へと照射される。
突出部20149dは、左右両側の一部が部分的に前方へと延出するように形成されており、その先端が前面カバー20147Cの前面20147Caの裏側に当接するように配置される。なお、突出部20149dは、前面20147Caの裏側に接触させることなく近接するように配置してもよい。また、突出部20149dに代えて出射前端面20149cを前面20147Caの裏側に当接するように配置したり、あるいは近接するように配置してもよい。
このような右側装飾ユニット20014bによれば、スピーカ20010bから発生する音に合わせてスピーカ20010bの周りがリング状に光って見える演出を行うことができる。また、前面カバー20147Cの前面20147Caは、網目状に形成されているため、それだけでは外部からの衝撃や押圧によって破損しやすいが、導光部材20149の突出部20149dが当接することで補強支持された状態にあるため、外部からの衝撃や押圧による破損を効果的に防ぐことができる。すなわち、網目状(格子状)の前面カバー20147Cは、導光部材20149に沿ってスピーカ20010bからの音が前面カバー20147Cの裏面まで導かれるので、美観を損ねることなくスピーカ20010bからの音を支障なく外方に伝えることができる。また、導光部材20149が前面カバー20147Cの支持部材としての機能を果たすため、前面カバー20147Cの剛性を高めることができる。
以上説明した第15実施形態に係る遊技機によれば、以下のような作用効果を得ることができる。
スピーカユニット20010やその周辺の構成によれば、スピーカ20010cから音が出力されるのに伴いエンクロージャ20010eの開口20010ecから空気流が流出する。このとき、送風機構20110の開閉部材20115が空間部20110aを開放した状態にあると、開口20010ecからの空気流が送風口20080へとまっすぐ向かう方向に導かれ、送風口20080から発射ハンドル20026bの方へと十分な風圧をもって風が流れる。その結果、遊技者は、発射ハンドル20026bを把持する手に風を感じるとともに、スピーカ20010cからの音も送風口20080から風と共に出力される音とのヘルムホルツ共鳴によって重低音に感じることができる。
その一方、送風機構20110の開閉部材20115が空間部20110aを閉鎖した状態にあり、開口20010ecからの空気流が空間部20110aの下方へと略直角に曲がって流れるような方向に導かれると、アンダーカバー20008cの通気口20008caから風が排出されることとなり、発射ハンドル20026bへと風が導かれなくなる。これにより、遊技者は、発射ハンドル20026bを把持する手に風を感じることなく、スピーカ20010cからの音のみを通気口20008caから風と共に出力される音とのヘルムホルツ共鳴によって重低音に感じることができる。
すなわち、スピーカユニット20010の開口20010ecから流出する風の方向を送風機構20110により切り替えるだけで低音と風を感じさせたり、あるいは低音のみを感じさせることができるので、スピーカユニット20010の小型化及び簡素化を図りつつ音と風による演出を臨機応変に行うことができる。
また、スピーカユニット20010の開口20010ecから出る風の方向を送風機構20110により切り替えるだけで音と風を感じさせたり、あるいは音のみを感じさせることができ、着脱自在の右下側面カバー20008baやアンダーカバー20008cに送風口20080や通気口20008caを形成し、これらとスピーカユニット20010との間に送風機構20110配置するように各々個別に設計すればよいので、スピーカユニット20010及びその周辺の構成について、製造コストや設計自由度、メンテナンス性に優れたものとすることができる。
また、バスレフ型でエンクロージャ20010eの容積が比較的大きいスピーカユニット20010でも、上皿20017や下皿20018に貯留された遊技球を取り扱う遊技者の手の支障とならならないスペースに配置することができるので、スピーカユニット20010の配置スペースを確保しつつスピーカ装置を効率よくレイアウトすることができる。
また、エンクロージャ20010eの左上部10eaが上皿本体20017pの底部に当接するとともに左下部20010eb下皿本体20018pに当接するので、上皿本体20017pを支持するとともに、スピーカ20010cの作動に応じてエンクロージャ20010eからの振動が上皿20017や下皿20018に伝えられ、この振動により上皿20017や下皿20018における遊技球の詰まりを効果的に解消することができる。
また、押圧ボタン23000を用いた第2操作演出よりも操作部材22000を用いた第1操作演出の方が発生頻度が高くなるように設定されており、すなわち、使用頻度が高い操作部材22000が操作ユニット9Aに単独で設けられる一方、使用頻度が低い押圧ボタン23000が球貸ボタン20023や返却ボタン20024と兼用の共通基板23200に設けられるので、使用頻度に応じて使いやすい位置に操作部材22000及び押圧ボタン23000を各々配置して各基板への配線を簡素化することができ、ひいては製造コスト及び配置スペースの節減化を図ることができる。
また、使用頻度が高い操作部材22000が円形状として覚えられる一方、使用頻度が低い押圧ボタン23000が円形状とは異なる四角形状として覚えやすくなるので、使用頻度に応じて操作部材22000及び押圧ボタン23000を区別しやすい外形形状として設けることができ、ひいては複数の操作手段を使いやすくすることができる。また、四角形状の押圧ボタン23000と十字状の十字ボタン23100については、互いに直線部分となる一部の端部が対向するように隣接して配置されるので、狭いスペースにあってもこれらの複数のボタンを配置することができる。
また、16R通常大当りあるいは16R確変大当りといった遊技者にとって有利な遊技状態に移行する条件を満たす場合には、必ず光照射演出が実行され、それと同時に送風演出が実行される場合があるので、遊技者は、発射ハンドル20026bを把持する手に視覚及び触覚のいずれかによって光照射演出あるいは送風演出が実行されていることを感知することができ、そのような演出を見逃すことなく有利な遊技状態に移行することを察知することができる。また、送風演出が実行される際は、スピーカ20010cからの重低音による音響演出も同時に実行されることとなり、重低音による振動も感じさせることができる。
また、例えば右側装飾部材20015において、外側導光部材20151及び内側導光部材20152の入射後端面20152aでは、鋸歯状のレンズカットによりLEDが並ぶ長手方向へと光を拡散しながら入射することにより、導光体内を光が効率よく進行する一方、外側導光部材20151及び内側導光部材20152の出射前端面20152bでは、入射後端面20152aから導光体内へと導かれた光をダイヤカット状のレンズカットにより外方へと効率よく散乱させることができるので、色ムラを解消して光を効率よく照射することができる。
また、例えば右側装飾ユニット20014bにおいて、前面カバー20147Cの網目状の前面20147Caの裏面に当接するように導光部材20149の突出部20149dが配置され、出射前端面20149cが前面20147Caから所定間隔離れつつ、スピーカ20010bの振動面を遮らないようにその周縁に沿って環状に配置されるので、入射後端面20149b側に位置するLED20148aを前面カバー20147Cの正面から見えなくすることができ、美観を損ねることなくスピーカ20010bからの音を支障なく外方に放出することができる。
また、例えば中央装飾ユニット20014aにおいて、複数の導光部材20146a〜20146cの出射前端面20146ab,20146bb,20146cbは、LED20144bが露出する遮光部材20145の開口20145cの周縁部よりも発光基板20144から遠い距離にあり、前面カバー20141の前面部20141a付近に配置されるので、開口20145cの周縁部で乱反射して前方へと導かれるLED20144bの光と、導光部材20146a〜20146cの体内を通って出射前端面20146ab,20146bb,20146cbから照射されるLED20144aの光とは、平均的に拡散したような光とライン状の光となり、これらの光の視認性に明瞭な差を生じせしめることができ、ひいては斬新な光の演出を実現することができる。
なお、送風機構20110の変形例としては、図424に示すようなものを適用してもよい。図424に示す送風機構20110では、空間部20110aの下方及び開口部20110bを排他的に開閉可能な回動自在のシャッタ部材20117が設けられる。図424(a)に示すように、シャッタ部材20117は、図外の開口20010ecからの風の流れを開口部20110bへと導く場合は、水平姿勢をなすように位置する。このとき、空間部20110aの下方へと完全に風が導かれなくなる。一方、図424(b)に示すように、シャッタ部材20117は、図外の開口20010ecからの風の流れを空間部20110aの下方へと導く場合は、図424(a)に示す水平姿勢から回動して起立姿勢をなすように位置する。このとき、空間部20110aの側方へとまっすぐ進もうとする風の流れが阻害され、空間部20110aの下方へと略直角に曲がるように風が導かれる。このような送風機構20110によれば、図外の送風口20080へと風を導く際には、空間部20110aの下方へと風を漏らさずに充分な風圧をもって送風口20080へと風を導くことができる。
「第16実施形態」
図425〜図468は、第16実施形態に係るパチンコ遊技機Yを説明する図である。
第16実施形態に係るパチンコ遊技機Yは、表枠20003(図385参照)とは異なる構成の本体枠を有し、上下方向に配列された2台のプロジェクタユニットを備える。なお、第16実施形態に係るパチンコ遊技機Yは、矛盾の無い限り、第15実施形態のパチンコ遊技機の構成を備え、同様の作用効果を得ることができる。
図425は、パチンコ遊技機Yの外観斜視図、図426は、パチンコ遊技機Yの分解斜視図である。パチンコ遊技機Yは、本体枠(外枠)20002と、本体枠20002に回動自在に軸支された本体ユニット20400と、本体ユニット20400の前面側に取り付けられた遊技盤20001Aと、遊技盤20001Aの前面側において本体ユニット20400に取り付けられたガラスドア20005と、を備える。
[本体及びガラスドア]
外枠としての本体枠20002は、第16実施形態と同様の構成であり、本体ユニット20400を、一方の側縁近傍において、上下方向に延びる回転軸としての本体枠ヒンジ20002bを中心に回動可能に軸支する。ガラスドア20005は、第16実施形態のガラスドア20005と同様の構成であり、下部に、後述する皿ユニット20900が設けられている。
[本体枠]
図427は、本体ユニット20400の分解斜視図である。本体ユニット20400は、前面側に配置される取付枠20410と、取付枠20410の背面側に取り付けられ、遊技機構成部品を収容可能であるカバー部材20430と、取付枠20410とカバー部材20430との間に設けられる取付ベース20420と、を備える。
[取付枠]
図428は、取付枠20410の分解斜視図である。取付枠20410は、1対の縦枠20411と、1対の横枠20412と、を有し、略長方形形状の外観を形成する。取付枠20410は、貯留タンク20415を有し、後述するプロジェクタユニットbによる照射光が投影されるスクリーン部b4及び遊技盤20001A、発射装置20026等が取り付けられている。また、取付枠20410は、背面側において、遊技盤20001Aのアウト口20055(図426参照)に対応する位置に、後述する球検知ユニット20800(図427参照)が設けられている。また、1対の縦枠20411は、背面側にそれぞれ取付ベース20420及びカバー部材20430を別々に固定可能な固定部20411a(図427参照)を有する。
1対の縦枠20411の内側面には、遊技盤20001Aを着脱自在に固定する遊技盤可動止め具20413が、それぞれ取り付けられている。遊技盤可動止め具20413は、縦枠20411に沿って、上下方向の任意の位置で固定されている。遊技盤可動止め具20413は、遊技盤20001Aの側縁を、着脱自在に挟持する。このような遊技盤可動止め具20413により、例えば、遊技盤20001Aの下辺を、取付枠20410の下部に配置されている溝等の係止部に係止させ、上辺の両端近傍を、遊技盤可動止め具20413により挟持することで、遊技盤20001Aを、取付枠20410に固定することが可能となる。
また、1対の縦枠20411の内側面には、スクリーン部b4を着脱自在に固定するスクリーン止め具20414が、それぞれ取り付けられている。スクリーン止め具20414は、縦枠20411に沿って、上下方向の任意の位置で固定されている。取付枠20410の背面には、遊技盤可動止め具20413及びスクリーン止め具20414を覆うようにカバー部材20430が取り付けられている。なお、遊技盤可動止め具20413やスクリーン止め具20414は、縦枠20411上を移動可能なように構成し、任意の位置で固定できるように構成してもよい。縦枠20411に、遊技盤20001A等の遊技部材や、スクリーン部b4等の演出装置を、固定する治具を、上下方向に移動可能に取り付けることで、遊技部材や演出装置の大きさや種類に応じて、治具種類や位置を変更することが可能となるので、遊技機の多様なレイアウトが可能となる。
[遊技盤]
図429は、遊技盤20001Aの上面図である。遊技盤20001Aは、一般的な遊技盤20001Aと同様の構成を備え、更に、以下の構成を有する。遊技盤20001Aは、遊技領域20001pを備え、遊技盤20001Aの裏面側(背面側)に設けられた第1大入賞口ソレノイド20053b等と、第1大入賞口ソレノイド20053b等の配線部が接続される遊技盤中継基板20101と、を有する。また、遊技盤20001Aは、透過性を有する素材で形成され、背面側にスクリーンシートが貼付され、後述するプロジェクタユニットbから照射された投影光が投影されるスクリーンとしても機能する。
遊技盤中継基板20101は、裏面側(背面側)において、遊技盤20001Aの遊技領域20001pが形成された面に対して、略直角に背面側に延びる垂直ベース20101Aに取り付けられることで、遊技盤20001Aに対し、略直角に立設する。遊技盤中継基板20101は、他の基板に電気的に接続するためのコネクタが接続されるコネクタ接続部20101aが設けられている。
また、遊技盤中継基板20101は、後述する後述するカバー部材20430の開口部20432eを介して、カバー部材20430の外部からコネクタ接続部20101aに対する接続操作が可能な位置まで延設され、かつ、少なくとも遊技盤中継基板20101の外側部分がカバー部材20430で覆われている状態で、コネクタ接続部20101aは、配線差込口20101bが、後述するカバー部材20430の開口部20432eの方向に向くように配置されている。コネクタ接続部20101aは、遊技盤コネクタ接続部の一例として機能し、後述する中継基板20100(図435参照)の特定部品コネクタ接続部の一例である中継基板コネクタ接続部20100a(図435参照)と配線部材(ケーブル)により接続される。
図430は、遊技盤20001Aの変形例の上面図である。図430では、遊技盤20001Aの垂直ベース20101Aが設けられた部分を拡大して示している。変形例の遊技盤中継基板20101は、遊技盤20001Aに対し、略直角に立設した状態から、遊技盤20001Aと平行な状態となるように折り畳み可能である。詳細には、変形例の垂直ベース20101Aは、遊技盤20001Aに対し、略直角に立設したベース部材20101Aaと、遊技盤20001Aの遊技領域20001pと並行して延びる回転軸となるヒンジ20101Bにより回動自在に、ベース部材20101Aaに連結され、遊技盤中継基板20101が取り付けられた回動部材20101Abと、を備える。また、変形例の垂直ベース20101Aは、ベース部材20101Aaと回動部材20101Abとの接合面において、ベース部材20101Aaと回動部材20101Abとのいずれか一方に、突起20101aが形成され、他方に、突起20101aが挿入可能なボス穴20101bが形成されている。回動部材20101Abが遊技盤20001Aに対し、略直角に立設され、突起20101aがボス穴20101bに挿入されることで、遊技盤中継基板20101が、遊技盤20001Aに対し、略直角に立設した状態で固定される。また、この状態から回動部材20101Abが、ヒンジ20101Bを中心に回動されることで、突起20101aがボス穴20101bから引き抜かれ、遊技盤中継基板20101が、遊技盤20001Aと平行な状態となるように折り畳まれる。
[取付ベース]
図431は取付ベース20420の斜視図、図432は取付ベース20420の正面図、図433は本体ユニット20400の断面図である。取付ベース20420は、遊技に関連する制御を実行可能な遊技装置としてのプロジェクタユニットb及びミラー部材b20003が取り付けられる。取付ベース20420は、プロジェクタユニットbが取り付けられる遊技装置取付部20421と、遊技装置取付部20421の下に形成され、プロジェクタユニットbから照射された投影光が通過可能な投影光用孔20422と、投影光用孔20422の下に配置され、ミラー部材b20003が取り付けられるミラー部材ベース20423と、遊技盤20001Aの遊技盤中継基板20101(図430参照)が挿通する基板用孔20424と、を有する。取付ベース20420は、遊技装置取付部20421、投影光用孔20422及びミラー部材ベース20423から成る構成を2つ有し、これらの構成が上下方向に配列されている。このような上の構成は、プロジェクタユニットbから照射された投影光を、スクリーン部b4の背面に投影する。また、下の構成は、プロジェクタユニットbから照射された投影光を、遊技盤20001Aの背面に投影する。基板用孔20424は、遊技盤20001Aが取り付けられた取付枠20410に、取付ベース20420を取り付けた状態において、遊技盤中継基板20101の背面側に配置され、遊技盤中継基板20101(図430参照)が挿通する孔である。
遊技装置取付部20421は、背面側から前面側に向かって下り傾斜した板状体であり、背面側に、プロジェクタユニットbが、前面側斜め下方に向けて投影光を照射するように取り付けられる。投影光用孔20422は、プロジェクタユニットbから照射された投影光を遮らない範囲で形成された孔である。ミラー部材ベース20423は、背面側から前面側に向かって下り傾斜した板状体である。また、ミラー部材ベース20423は、プロジェクタユニットbから照射された投影光を反射するのに必要な範囲で形成されている。具体的には、ミラー部材ベース20423は、背面側から前面側に向かって下り傾斜しているため、上方に取り付けられたプロジェクタユニットbからの距離が、背面側から前面側に行くほど遠くなる。このため、プロジェクタユニットbから照射された投影光を反射するのに必要な範囲の幅は、前面側より背面側の方が狭くなる。すなわち、ミラー部材ベース20423におけるプロジェクタユニットbから照射された投影光を反射するのに必要な範囲は、上面視で、背面側の辺の幅が、前面側の辺の幅より狭い台形形状となる。このため、ミラー部材ベース20423は、図432に示すように、上面視で、背面側の辺の幅が、前面側の辺の幅より狭い台形形状に形成されている。
また、このミラー部材ベース20423の上面に取り付けられたミラー部材b20003も、上面視で、背面側の辺の幅が、前面側の辺の幅より狭い台形形状に形成されている。また、ミラー部材ベース20423は背面側から前面側に向かって下り傾斜しているので、図432に示すように、ミラー部材ベース20423及びミラー部材b20003は、正面視で、上方の辺の幅が、下方の辺の幅より狭い台形形状に形成されている。また、ミラー部材b20003は、ミラー部材ベース20423に、台形形状の4隅近傍にそれぞれ設けられた調整部材20423aにより取り付けられている。調整部材20423aは、例えば、ミラー部材ベース20423とミラー部材b20003とを締結する締結部材と、ミラー部材ベース20423とミラー部材b20003との間に配置された弾性部材とにより構成され、締結部材を緩めることでミラー部材ベース20423とミラー部材b20003とが離間し、締結部材を締めることでミラー部材ベース20423とミラー部材b20003とが近接する。このような調整部材20423aにより、ミラー部材b20003のミラー部材ベース20423に対する取り付け角度を調整することで、プロジェクタユニットbから照射された投影光の、スクリーン部b4又は遊技盤20001Aに投影される位置や角度を調整することができる。
このような遊技装置取付部20421にプロジェクタユニットbを取り付けることで、後述するプロジェクタ装置本体b2からの投影光を出射する投射レンズb20002aが設けられたプロジェクタカバーb1の一方の端部側をパチンコ遊技機Y(図426参照)の前面側に、一方の端部側の反対の端部を背面側に配置し、かつ一方の端部側を反対の端部側より低くなるように設けることが可能となる。そして、プロジェクタユニットbは、カバー部材20430に覆われる。これにより、投射レンズb20002aから出射される投影光を遮らない位置であって、カバー部材20430とプロジェクタカバーb1の下部とカバー部材20430との間に所定の空間20405が形成され、この所定の空間20405に、後述するカバー部材20430の凹部20431aを配置し、この凹部20431aに主制御基板20070Aを収容することが可能となる。
なお、取付ベース20420には、プロジェクタユニットbに限らず、液晶表示装置等のその他の遊技装置を取付可能な形状に形成してもよい。すなわち、取付ベース20420は、取付枠20410とカバー部材20430との間に形成された空間内に収容可能な範囲で、遊技装置の種類に応じて、形状を変更可能である。
[プロジェクタユニット]
図433に示すように、プロジェクタユニットbは、投影光を生成可能な投影画像生成装置としてのプロジェクタ装置本体b2と、プロジェクタ装置本体b2を収容可能な収容ケースとしてのプロジェクタカバーb1と、プロジェクタ装置本体b2からの投影光を出射する照射部としての投射レンズb20002aと、を含む。プロジェクタ装置本体b2は、副制御回路20200(図468参照)に接続され、副制御回路20200により、プロジェクタ制御回路20090(図468参照)が制御され、光学機構(図示略)による投射光を、投射レンズb20002aにより拡大して出射し、この照射光をミラー部材b20003に反射させ、遊技盤20001Aやスクリーン部b4の背面に向けて照射光を投影することにより、視覚的な演出として映像を表示する。このようなスクリーン部b4は、プロジェクタユニットbから照射される投影光を反射可能な反射部の一例として機能する。また、スクリーン部b4は、ミラー部材b20003により反射される投影光により所定の画像を映し出すスクリーン部の一例として機能する。また、上述した空間20405に対応する位置において、カバー部材20430の一部が凹形状に形成されており、凹部内に主基板20070Aを収容可能となっている。
図434は、プロジェクタユニットbから出射された投影光の光軸を説明する図である。これらの照射光は、図434に示すように、上部に設けられたプロジェクタユニットbの投射レンズb20002aからの投影光L1が、点線で示すような投影範囲を形成しつつ、下方に向かって出射され、上部のミラー部材b20003により、前面側斜め上方に向かって反射してスクリーン部b4の背面側に投影される。本実施形態の投射レンズb20002aは、レンズ部材で構成され、またレンズ部材の上半分側(前面側)は遮光された状態となっており、レンズ部材の下半分側(背面側)から出射される投影光でもって投影画像を生成している。よって、投射レンズb20002aから出射される投影光はレンズ部材の下半分側から広がるように形成される。同様に、下部に設けられたプロジェクタユニットbの投射レンズb20002aからの投影光L2が、点線で示すような投影範囲を形成しつつ、下方に向かって出射され、下部のミラー部材b20003により、前面側斜め上方に向かって反射して、遊技盤20001Aの背面側に投影される。
このように、プロジェクタユニットbまたはミラ一部材b3を一定の設置角度にて配置し、それらの背後に生じるスペースにプロジェクタユニットbや基盤ケースなどを収容することで複数の遊技装置を配しつつも他の遊技機構成部品を効率よく配置でき、省スペース化を実現できる。
[カバー部材]
図435はカバー部材20430の背面側から視た斜視図、図436はカバー部材20430の前面側から視た斜視図である。図435に示すように、カバー部材20430は、背面部20431及び互いに対向する2つの側面20432から形成され、取付ベース20420(図433参照)との間に形成される空間の内部に、遊技機構成部品の少なくとも一部を収容可能である。また、カバー部材20430は、最も背面側に設けられることにより、遊技盤の背面側に設けられ、電気部品を覆うカバー部材の一例として機能する。
図435に示すように、背面部20431の幅は、取付ベース20420の幅よりも狭く形成されている。背面部20431は、主制御基板20070Aを収容可能な凹部20431aと、凹部20431aを覆う蓋部20431bと、プロジェクタユニットb(図433参照)の廃熱口に対応する位置に形成された開口部20431cと、払出制御基板20123Aを収容可能な払出制御基板収容部20431dと、を有する。また、図436に示すように、背面部20431には、後述する第2誘導樋20434の受入部20434a(図440参照)が配置される第2誘導樋用開口20432fが形成されている。図433に示すように、凹部20431a及び払出制御基板収容部20431dは、カバー部材20430の表面からパチンコ遊技機Y内部側に突出するように形成され、主制御基板20070Aや払出制御基板20123Aをカバー部材20430の表面よりパチンコ遊技機Y背面側に突出しないように収容可能である。凹部20431aは、カバー部材20430が取付ベース20420(図433参照)の背面側に取り付けられた状態で、プロジェクタカバーb1の下部に形成される所定の空間20405に配置され、主制御基板20070Aが収容され、蓋部20431bで覆われる。主制御基板20070Aは、例えば、中継基板20100(図435参照)と配線部材(ケーブル)により接続される一般部品コネクタ接続部の一例である主制御基板コネクタ接続部20070Aaを備える。主制御基板コネクタ接続部20070Aaは、主制御基板20070Aの側縁近傍に設けられ、凹部20431aに蓋部20431bを取り付けた状態でも、蓋部20431bに覆われず、露出しており、配線部材(ケーブル)の着脱が可能に構成されている。これにより、背面部20431の表面が略面一の状態となる。このように、カバー部材20430は、背面部20431及び少なくとも2つの側面部20432から形成される空間の内部に、第1の遊技機構成部品の一例である主制御基板20070Aを収容可能である。また、開口部20431cは、2つのプロジェクタユニットbの廃熱口に対応する位置にそれぞれ形成されている。払出制御基板収容部20431dは、取付ベース20420の背面側に取り付けられた状態で、下のミラー部材ベース20423の下部に形成された空間に配置される。また、凹部20431aは、カバー部材20430において、後述する球通路ユニット20730(図442参照)の配置位置より中央寄りに配置されている。
図435に示すように、互いに対向する側面20432は、互いの幅が、前面側から背面側にいくにつれて狭くなっている。側面20432は、背面部20431と隣接しない端部側に取付ベース20420に装着可能な取付部20433を備えるとともに、少なくとも1つの側面20432が、取付部20433が設けられた端部から背面部20431と隣接する端部へ傾斜するように形成されている。傾斜した側面20432には、特定収容部である側面第1凹部20432aと、側面第1凹部20432aを覆う側面第1蓋部20432bと、一般収容部である側面第2凹部20432cと、側面第2凹部20432cを覆う側面第2蓋部20432dと、側面第1凹部20432aに形成された開口部20432eと、を有する。また、凹部20431a及び側面第2凹部20432cは、少なくとも2つ以上の収容部より構成される一般収容部の一例であり、特定収容部の一例である側面第1凹部20432aに隣接している。
側面第1凹部20432aは、カバー部材20430の外側面に設けられ、背面部20431の凹部20431aや払出制御基板収容部20431dと隣接する位置に形成され、特定の遊技機構成部品又は第2の遊技機構成部品としての中継基板20100を収容可能である。側面第2凹部20432cは、カバー部材20430の外側面に設けられ、側面第1凹部20432aに隣接する位置に形成され、その他の複数種類の遊技機構成部品としての副制御基板20080A(サブ制御基板20033に相当)を収容可能である。側面第1凹部20432a及び側面第2凹部20432cは、カバー部材20430の表面からパチンコ遊技機Y内部側に突出するように形成され、中継基板20100や副制御基板20080Aをカバー部材20430の表面よりパチンコ遊技機Y背面側に突出しないように収容可能である。中継基板20100は、例えば、主制御基板20070A(主制御基板20028に相当)、副制御基板20080A、遊技盤中継基板20101(図429参照)等と配線部材(ケーブル)により接続される特定部品コネクタ接続部の一例である中継基板コネクタ接続部20100aを備える。副制御基板20080Aは、例えば、中継基板20100等と配線部材(ケーブル)により接続される一般部品コネクタ接続部の一例である副制御基板コネクタ接続部20080Aaを備える。すなわち、中継基板コネクタ接続部20100aと、主制御基板コネクタ接続部20070Aaや副制御基板コネクタ接続部20080Aaと、は配線部材(ケーブル)により接続される。開口部20432eは、背面部20431及び2つの側面部20432から形成される空間の内部に収容された遊技盤20001Aの遊技盤中継基板20101(図429参照)からの配線をカバー部材20430の外側に設けられた中継基板20100と接続可能なように設けられ、カバー部材20430が取付枠20410に取り付けられた状態で、遊技盤20001Aの背面側から立設する遊技盤中継基板20101に対応する位置に形成されている。このような開口部20432eが形成された側面第1凹部20432aは、側面部の外側面に設けられ、開口部を介して配線と接続される特定の遊技機構成部品を収容可能な特定収容部の一例として機能する。また、側面第2凹部20432cは、カバー部材の外側の傾斜した側面部に、カバー部材の表面から遊技機内部側に突出するように形成され、第1の遊技機構成部品とは異なる第2の遊技機構成部品を収容可能な収容部の一例である。これにより、開口部20432eから、遊技盤中継基板20101のコネクタ接続部20101aに接続したコネクタを介して、遊技盤中継基板20101と、例えば、側面第1凹部20432aに隣接する凹部20431aに収容された主制御基板20070Aと、を電気的に接続することが可能となる。このように、中継基板20100が収容可能な側面第1凹部20432aは、その他の基板が収容可能な凹部の中心に配置されている。
図437は、遊技盤中継基板20101と、取付ベース20420の基板用孔20424及びカバー部材20430の開口部20432eとの位置関係を説明する図である。図437は、遊技盤中継基板20101が取り付けられている部分の拡大斜視図であり、(a)は取付枠20410の背面側に取付ベース20420が取り付けられた状態を示し、(b)は更に取付ベース20420の背面側にカバー部材20430が取り付けられた状態を示している。図437(a)に示すように、遊技盤20001A(図427参照)が取り付けられた取付枠20410に、取付ベース20420を取り付けた状態では、遊技盤中継基板20101のコネクタ接続部20101aが、取付ベース20420基板用孔20424から背面側に突出している。そして、図437(b)に示すように、図437(a)に示す状態から、更に取付ベース20420の背面側にカバー部材20430を取り付けることで、遊技盤中継基板20101の側面がカバー部材20430に覆われる。この状態において、コネクタ接続部20101aの配線差込口20101bは、カバー部材20430の開口部20432eの方向に向いている。なお、図437では、遊技盤中継基板20101の全体をカバー部材20430及び側面第2蓋部20432dによって覆っているが、遊技盤中継基板20101の一部分のみを覆うようにしてもよい。また、遊技盤中継基板20101の外側面や内側面等1つの面のみを覆うようにしてもよい。いずれにせよ、遊技盤中継基板20101に加わる外力の少なくとも一部を防ぐことができれば本発明の効果を奏することができる。なお、その場合、コネクタ接続部20101aをカバー部材20430に覆われていない部分に設けることが望ましい(例えば、遊技盤中継基板20101の外側面をカバー部材20430で覆うのであれば、遊技盤中継基板20101の内側面にコネクタ接続部20101aを設ける等)。
また、図437(a)に示すように、取付ベース20420は、ビス等で構成される固定部材20425により、取付枠20410の背面の固定部20411aにビス止めさる。その後、図437(b)に示すように、カバー部材20430は、取付ベース20420の背面側に配置され、取付部20433で固定部材20425を覆い、取付ベース20420を貫通するビス等で構成される固定部材20435により、取付枠20410の背面の固定部20411aにビス止めさる。よって、カバー部材20430のビス止めを外した後でないと取付ベース20420のビス止めを外すことができない。
図438は、パチンコ遊技機Yの上面図である。図438は、本体枠20002から本体ユニット20400を開いた状態(本体枠20002の内側に本体ユニット20400が配置された状態から、本体枠ヒンジ20002bを中心に90度回動させた状態)を示している。カバー部材20430は、本体枠ヒンジ20002bに軸支された方と反対側の側面20432が、回転軸としての本体枠ヒンジ20002bを中心とし、本体枠20002の内側側縁を通る仮想円VCの内側に形成され、少なくとも一部が仮想円に沿った形状に形成されている。
[樋の接続部分]
図439は、本体ユニット20400の分解斜視図、図440及び図441は、第1誘導樋20416及び第2誘導樋20434の分解斜視図である。図440及び図441は、図439に示す第1誘導樋20416及び第2誘導樋20434のみを示した図である。図440は、取付枠20410から視た図であり、図441は、カバー部材20430から視た図である。図439に示すように、取付枠20410には、図示しない貯留ユニットから供給された遊技球を貯留可能な貯留タンク20415と、貯留タンク20415から遊技球を下流に導く第1誘導樋20416と、を有する。カバー部材20430は、遊技球を払出可能な払出装置20700と、払出装置20700に遊技球を導く第2誘導樋20434と、を有する。
第1誘導樋20416と第2誘導樋20434は、取付枠20410にカバー部材20430を装着した際に、一方の開口部に他方の開口部が挿入するように接続されることで遊技球が流下可能な状態となる。第1誘導樋20416及び第2誘導樋20434のいずれか一方(図440及び図441に示す例では第2誘導樋20434)には、他方(図440及び図441に示す例では第1誘導樋20416)の開口部の開口面積より広い開口面積にて形成された受入部20434aが設けられている。受入部20434aは、受入部20434aに挿入される開口部を接続位置まで案内する接続位置案内手段としてのリブ20434bを有する。リブ20434bは、開口を中心とする放射方向に延び、受入部20434aの外縁から内縁に向かって、側縁が下り傾斜している板状体であり、開口を囲むように、複数配置されている。第1誘導樋20416及び第2誘導樋20434のいずれか他方(図440及び図441に示す例では第1誘導樋20416)には、開口の外縁に設けられ、リブ20434bにより囲まれた部分の形状と略同一形状の外形で形成され、接続位置において、リブ20434bと係合する係合手段としての係合部20416aを有する。
また、図427に示すように、取付枠20410は、皿ユニット20900の払出口20901(図425参照)に遊技球を導く第3誘導樋20418を有する。また、カバー部材20430は、後述する払出装置20700から遊技球を下流に導く第4誘導樋としての第4誘導樋(図443参照)を有する。
第3誘導樋20418と第1誘導路20730C及び第2誘導路20730D(図444参照)は、取付枠20410にカバー部材20430を装着した際に、一方の開口部に他方の開口部が挿入するように接続されることで遊技球が流下可能な状態となる。第3誘導樋20418と、第1誘導路20730C及び第2誘導路20730Dとのいずれか一方(図427に示す例では第3誘導樋20418)には、受入部20418aが設けられている。受入部20418aは、受入部20434aと同様に、複数のリブを有する。第1誘導路20730C及び第2誘導路20730Dの排出口20730B(図443参照)は、第1誘導樋20416と同様に、受入部20418aの複数のリブと係合する係合部を有する。
[払出装置]
図442は、払出装置20700を示す全体斜視図、図443は、払出装置20700に含まれる球通路ユニット20730を示す斜視図である。払出装置20700は、球供給路20710、球送出機構20720、及び球通路ユニット20730を有して構成される。球供給路20710は、上部に設けられた貯留タンク20415(図439参照)から球送出機構20720へと遊技球を導く配管部品である。球送出機構20720は、入賞に応じた賞球数を計数しながら当該賞球数分の遊技球を繰り出すものである。球通路ユニット20730は、カバー部材20430(図439参照)の背面側の端部に配置され、球送出機構20720から繰り出された遊技球を後述する皿ユニット20900の払出口20901へ導くためのものである。
球供給路20710は、貯留タンク20415(図439参照)から、互いに接続された第1誘導樋20416及び第2誘導樋20434(図441参照)を介して、球送出機構20720へと遊技球を1つずつ自然に流下させることが可能に鉛直状に設けられている。球供給路20710の下端出口(図示略)は、球送出機構20720の上部入口(図示略)に連接される。
球送出機構20720は、球供給路20710から流下してきた遊技球を上部入口(図示略)から内部に導きつつ下部出口(図示略)から1つずつ繰り出し可能に構成されている。球送出機構20720は、遊技球を1ずつ繰り出し可能な内部機構やこれを動作させるためのソレノイド、繰り出した遊技球を計数するためのカウントセンサ(図示略)を有する。球送出機構20720は、入賞がないとき、遊技球を繰り出さないように内部機構及びソレノイドを非作動状態とする一方、入賞があると、当該入賞に応じた賞球数の遊技球を繰り出すまで内部機構及びソレノイドを作動状態としつつ遊技球をカウントセンサにより計数し、賞球数分の遊技球を繰り出すと、再び内部機構及びソレノイドを非作動状態とする。これにより、球送出機構20720は、入賞時に賞球数分の遊技球を1つずつ繰り出すことができる。球送出機構20720の下部出口は、球通路ユニット20730の上部に設けられた導入口20730Aに連接され、球送出機構20720から繰り出された遊技球が1つずつ球通路ユニット20730の導入口20730Aへと流下する。なお、球送出機構20720から繰り出された遊技球は、基本的に導入口20730Aへと導かれるが、導入口20730Aに隣接する後述の球抜き口20730aへと導かれる場合がある。
球通路ユニット20730は、球送出機構20720から繰り出された多数の遊技球を数珠状に並べて通過させることが可能な誘導路を有し、この誘導路を通じて後述する皿ユニット20900の払出口20901へと遊技球を導くように構成されている。図444は、球通路ユニット20730を示す分解斜視図、図445は、図444とは異なる向きで球通路ユニット20730を示す分解斜視図である。球通路ユニット20730は、通路隔壁部材20731、満タン検知レバー20732、満タン検知センサ20733、第1カバー部材20734、第2カバー部材20735、及び球抜き部材20736を有して構成される。球通路ユニット20730の誘導路としては、パチンコ遊技機Yの正面側からみて通路隔壁部材20731の左側部と第1カバー部材20734との間に第1誘導路20730Cが形成され、パチンコ遊技機Yの正面側からみて通路隔壁部材20731の右側部と第2カバー部材20735との間に第2誘導路20730Dが形成される。第1誘導路20730C及び第2誘導路20730Dは、それぞれ多数の遊技球を並べることが可能な十分な経路長を有する。
通路隔壁部材20731の左側部には、第1誘導路20730Cの路側壁が前後に蛇行しつつ上部の導入口20730Aから下部の排出口20730Bへと延びるように形成されている。この通路隔壁部材20731の左側部に形成された路側壁は、第1誘導路20730Cの右半分を溝状に形成している(図445参照)。通路隔壁部材20731の右側部には、第2誘導路20730Dの路側壁が上部の導入口20730Aから下部の排出口20730Bへと延びるように形成されている。この通路隔壁部材20731の右側部に形成された路側壁は、第2誘導路20730Dの左半分を溝状に形成している(図444参照)。このような第2誘導路20730Dは、第1誘導路20730Cと隔壁を挟んで隣接している。すなわち、第1誘導路20730Cと第2誘導路20730Dとは、互いに並んで同方向に遊技球を導くように並設されている。
一方、通路隔壁部材20731の左側部に対向する第1カバー部材20734の対向面にも、第1誘導路20730Cの路側壁が前後に蛇行しつつ導入口20730Aから排出口20730Bへと延びるように形成されている。これら通路隔壁部材20731の左側部と第1カバー部材20734の対向面にある路側壁どうしが合わさることにより第1誘導路20730Cが形成されるとともに、導入口20730A及び排出口20730Bが形成される。また、通路隔壁部材20731の右側部に対向する第2カバー部材20735の対向面にも、第2誘導路20730Dの路側壁が排出口20730Bへと延びるように形成されている。これら通路隔壁部材20731の右側部と第2カバー部材20735の対向面にある路側壁どうしが合わさることにより第2誘導路20730Dが形成される。第1誘導路20730Cは、横方向に比較的大きな第1の幅でもって形成される一方、第2誘導路20730Dは、第1誘導路20730Cの横幅(第1の幅)よりも横方向に小さい第2の幅でもって形成され、排出口20730Bより上流側において第1誘導路20730Cと合流するようになっている。また、排出口20730Bは、横方向に第1誘導路20730Cの横幅(第1の幅)と同じ第1の幅でもって形成される。なお、導入口20730Aは、第1誘導路20730Cのみに導通しており、基本的に球送出機構20720から繰り出された遊技球は、導入口20730Aへと入るようになっている。ただし、導入口20730Aに隣接する部位には、通路隔壁部材20731の右側部と第2カバー部材20735とが合わされることによって球抜き部材20736へと通じる球抜き口20730aが形成される。これにより、第1誘導路20730Cが詰まって導入口20730Aに入りきれない遊技球は、球抜き口20730aへと導かれる。第2誘導路20730Dの下端部は、排出口20730Bの近傍で第1誘導路20730Cと合流するように形成されている。これにより、排出口20730B付近における遊技球の詰まりが解消されると、第1誘導路20730Cと第2誘導路20730Dとに貯まった遊技球がまとまって一気に排出口20730Bから排出される。
図446は、球通路ユニット20730の第1誘導路20730Cを示す平面図、図447は、球通路ユニット20730の第2誘導路20730Dを示す平面図である。通路隔壁部材20731の上部には、その右側部から左側部へと遊技球を案内するための貫通口20731Aが形成されている。通路隔壁部材20731の右側部において第1誘導路20730Cの上部途中には、貫通口20731Aへと遊技球を案内可能な分岐路20730Eが形成されている。貫通口20731Aの反対側は、第2誘導路20730Dの上端部に連通している。これにより、第1誘導路20730Cの遊技球が上部まで詰まって下方へと流れない状態になると、導入口20730Aから第1誘導路20730Cの上部へと流下してきた遊技球がこの第1誘導路20730Cを迂回して分岐路20730Eへと導かれ、さらに分岐路20730Eへと導かれてきた遊技球は、貫通口20731Aを通って第2誘導路20730Dの上端部へと導かれ、第1誘導路20730Cのみならず第2誘導路20730Dまでもが遊技球で満タン状態となるまで球通路ユニット20730の内部に賞球として払い出される遊技球が一時的に貯留される。
また、通路隔壁部材20731の右側部においては、第2誘導路20730Dの途中部分に先端部が突き出た姿勢で揺動可能な満タン検知レバー20732と、満タン検知レバー20732の先端部が突き出た姿勢から奥方に変位した状態を検知する満タン検知センサ20733とが、設けられている。満タン検知レバー20732は、第2誘導路20730Dの略鉛直部分に設けられており、この部分まで詰まって流下できない遊技球に圧接されると、奥方に変位した状態となる。満タン検知センサ20733は、奥方に変位した満タン検知レバー20732が所定時間にわたり接した状態になると、第2誘導路20730Dに遊技球が詰まって満タンになった状態と検知し、それに応じた信号を払出・発射制御回路20123(図468参照)に出力する。これにより、第1誘導路20730Cにおける遊技球の流下が停滞しても第2誘導路20730Dが満タン状態となるまで球送出機構20720の遊技球繰り出し動作を継続させることができる。
さらに、パチンコ遊技機Yの正面側からみて第2カバー部材20735の右側部には、球抜き部材20736が付設される。球抜き部材20736は、球抜き口20730aから導かれてきた遊技球を下端口20736Aから排出する。球抜き部材20736の下端口20736Aから排出された遊技球は、図外の球抜き管路へと導かれ、最終的にはパチンコ遊技機Yの外部に置かれたドル箱に放出される。
[球検知ユニット]
図448は、遊技盤20001Aのアウト口20055を示す斜視図、図449は、遊技盤20001Aを取り外した状態でアウト口20055の背後に位置する球検知ユニット20800を示す斜視図である。図448に示すように、遊技盤20001Aの遊技領域20001pにおける中央下部には、入賞せずに流下してきた遊技球を背後に導くためのアウト口20055が設けられている。図449に示すように、アウト口20055の背後には、アウト口20055から導かれてきた複数の遊技球を受けるとともに、アウト口20055と対向する箇所に遊技球を集めてさらに背後へと遊技球を導くための開口20801Aを有するアウト球受け部材20801が設けられている。球検知ユニット20800は、取付枠20410において、アウト球受け部材20801の開口20801Aの直後に設けられている。
図450は、球検知ユニット20800の全体を示す斜視図、図451は、球検知ユニット20800を示す分解斜視図、図452は、図451とは異なる向きで球検知ユニット20800を示す分解斜視図である。球検知ユニット20800は、左側構成部材20810、右側構成部材20820、突片部材20830、第1検知センサ20840、第2検知センサ20850を有して構成される。球検知ユニット20800は、流入口としてのアウト口20055を通過して排出される遊技球をアウト球として検知するためのものである。左側構成部材20810には、第1検知センサ20840が設けられ、右側構成部材20820には、第2検知センサ20850が設けられており、これらの第1検知センサ20840及び第2検知センサ20850と一体に突片部材20830を中央に挟み込んだ状態で左側構成部材20810と右側構成部材20820とが接合される。第1検知センサ20840及び第2検知センサ20850は、複数の遊技球が流入可能な流入口と、流入口より下流において、流入した遊技球を検知可能な複数の検知手段の一例として機能する。
図453は、球検知ユニット20800を構成する左側構成部材20810の内部側面図、図454は、球検知ユニット20800を構成する右側構成部材20820の内部側面図、図455は、球検知ユニット20800を構成する突片部材20830の上面図である。左側構成部材20810及び右側構成部材20820は、概ね左右対称形に形成されており、それぞれ前面開口部20810A,820A、導入空間部20810B,20820B、センサ配置部20810C,20820C、遊動空間部20810D,20820Dを有する。
前面開口部20810A,20820Aは、互いに一体となってアウト球受け部材20801の開口20801Aの直ぐ背後に位置し、開口20801Aを通過した遊技球を受け入れる受入口(流入口)を形成する。前面開口部20810A,20820Aは、それぞれ1個の遊技球が余裕をもって通過可能な開口面積を有する。これにより、一体となった受入口には、少なくとも2個の遊技球が同時に進入することができる。
導入空間部20810B,20820Bは、基本的にそれぞれ前面開口部20810A,20820Aからセンサ配置部20810C,20820Cへと遊技球を導く通路であり、それぞれ1個の遊技球が余裕をもって通過可能である。導入空間部20810B,20820Bの底面20810Ba,20820Baは、水平面より若干傾斜しており、奥側に進むほど下降するように形成されている。
センサ配置部20810C,20820Cは、それぞれ第1検知センサ20840、第2検知センサ20850が配置される箇所である。センサ配置部20810C,20820Cには、導入空間部20810B,20820Bの底面20810Ba,20820Baよりも第1検知センサ20840、第2検知センサ20850それぞれの前端が若干低位となるように配置される。第1検知センサ20840、第2検知センサ20850は、それぞれ前端から後端にいくほど上位となるように傾斜姿勢で配置される。第1検知センサ20840、第2検知センサ20850には、1個の遊技球が通過可能な通過孔が設けられており、この通過孔を遊技球が通過するとアウト球として検知され、下方に排出された後に収集される。これにより、導入空間部20810B,20820Bからセンサ配置部20810C,20820Cへと導かれてきた遊技球は、第1検知センサ20840、第2検知センサ20850の通過孔へと導かれやすくなっている。
遊動空間部20810D,20820Dは、アウト口20055より下流において、センサ配置部20810C,20820Cより奥側上方に設けられ、センサ配置部20810C,20820Cよりも狭小な空間を形成している。遊動空間部20810D,20820Dは、互いに一体となった状態で概ね1個の遊技球が十分遊動し得るだけの広さを有する。遊動空間部20810D,20820Dの底面20810Da,20820Daは、水平面より若干傾斜しており、奥側に進むにつれて上昇(隆起)するように形成されている。底面20810Da,20820Daの前端は、第1検知センサ20840、第2検知センサ20850の後端よりも上位に位置するように形成されている。これにより、第1検知センサ20840、第2検知センサ20850を越えて奥方の遊動空間部20810D,20820Dへと1個の遊技球が導かれることがあり、この遊動空間部20810D,20820Dへと導かれた遊技球にあっても、第1検知センサ20840、第2検知センサ20850へと転落しやすくなっている。なお、遊動空間部20810D,20820Dは、互いに一体となった状態で2個以上の遊技球が遊動し得るだけの広さを有する部分としてもよい。
突片部材20830は、センサ配置部20810C,20820C(第1検知センサ20840,第2検知センサ20850)のほか、導入空間部20810B,20820Bや遊動空間部20810D,20820Dを分け隔てるように設けられる。図453及び図454に示すように、突片部材20830は、流入した遊技球の少なくとも一部が乗り上げ可能なように流入口となる前面開口部20810A,20820Aの底部から奥方へと延設するように配置され、前面開口部20810A,20820Aの底部から遊動空間部20810D,20820Dへと進むにつれて上昇(隆起)した傾斜状の上端20830Aを有する。この上端20830Aは、導入空間部20810B,20820Bや遊動空間部20810D,20820Dを完全に仕切ることなく、これらの底面20810Ba,20820Ba,20810Da,20820Daよりも若干上方に突出している。また、図455に示すように、突片部材20830の上端20830Aは、遊技球進入方向に沿って左右に波打つように形成されているとともに、流入した遊技球が乗り上げても滑りやすいように峰状に形成されている。これにより、センサ配置部20810C,20820Cの遊技球は、突片部材20830の上端20830Aを左右方向に越えて第1検知センサ20840及び第2検知センサ20850のいずれかに落下しやすい。また、センサ配置部20810C,20820Cより奥方の遊動空間部20810D,20820Dへと進んだ遊技球は、突片部材20830の上端20830Aに不安定に接した状態となり、第1検知センサ20840及び第2検知センサ20850のいずれかの方へと振り落とされる。
[皿ユニット]
図456は、皿ユニット20900が設けられたガラスドア20005を示す全体斜視図、図457は、ガラスドア20005の正面を示す全体正面図である。ガラスドア20005の正面に向かって左下部には、皿ユニット20900が設けられる。なお、本実施形態の遊技機においては、一つの皿ユニット20900しか存在しないが、例えば上皿ユニットと下皿ユニットとを設け、いずれか一方を本実施形態の皿ユニット20900として適用してもよい。皿ユニット20900は、入賞に応じて払い出される遊技球を貯留し、貯留した遊技球を発射装置20026へと順次誘導するとともに、遊技者の球抜き操作に応じて下方に配置したいわゆるドル箱(図示略)へと遊技球を排出可能とするものである。皿ユニット20900の後方には、遊技球を払い出す払出口20901が設けられ、この払出口20901から複数の遊技球が皿ユニット20900へと払い出される。払出口20901の背後には、発射装置20026からの遊技球を受けつつ払出口20901へと送り出すための球送出受け部材20902が設けられる(図458参照)。
図458は、皿ユニット20900の全体を示す拡大斜視図、図459は、皿ユニット20900の分解斜視図、図460は、皿ユニット20900の上面図、図461は、皿ユニット20900の受け皿カバー部材20930を取り外した状態の上面図である。皿ユニット20900は、装飾カバー20910、本体部20920、受け皿カバー部材20930、球抜き通路部材20940、蓋開閉部20950などを有して構成される。装飾カバー20910は、本体部20920の下部に配置される球抜き通路部材20940などを覆うように皿ユニット20900の前面及び側面に取り付けられる。図459に示すように、本体部20920には、パチンコ遊技機Y内部の発射装置20026へと複数の遊技球を順序よく列状に整列させる整列部20920Aと、遊技者による蓋開閉部20950の操作により、球抜き通路部材20940へと遊技球を導くための第1開閉蓋20920B及び第2開閉蓋20953Bが設けられる。受け皿カバー部材20930は、本体部20920の上部に配置されるものであり、払出口20901から払い出された遊技球を最初に受けて貯留するとともに、貯留した遊技球を下方の整列部20920Aへと導くものである。受け皿カバー部材20930には、本体部20920の整列部20920Aを上方から覆うカバー部20930Aと、カバー部20930Aの外側壁20930Aaとの間に遊技球が通過し得る間隔をあけて周壁を形成する外周部20930Bと、この外側壁20930Aaと外周部20930Bとの間に形成され、下方の整列部20920Aへと遊技球を導く整流部20930Cと、払出口20901から払い出された複数の遊技球を滑り落とすことが可能なスロープ部20930Dと、スロープ部20930Dから滑り落ちてきた複数の遊技球を貯留しつつ整流部20930Cへと流動させることが可能な貯留部20930Eと、貯留部20930Eの底面にあって第1開閉蓋20920Bの上方に設けられる第1開口部20930Fとが設けられる。なお、図458においては、払出口20901の図示を省略している。図459においては、装飾カバー20910の図示を省略している。
本体部20920の整列部20920Aは、皿ユニット20900の後端側において払出口20901(球送出受け部材20902)が配置される側とは反対側の右寄りの箇所において左右にまっすぐ延びるように設けられる。整列部20920Aは、複数の遊技球が一列に並んで流動するように、右側から左側へと下降傾斜しつつガイド片20920Aaにより直線的な溝状に形成されている。すなわち、整列部20920Aにおいて遊技球が整列する方向の上流側(整列方向上流側)は、払出口20901から離間した整列部20920Aの右端部に相当し、この整列部20920Aの右端部にカバー部20930Aの整流部20930Cから遊技球が流下してくる。整列部20920Aの整列下流側となる左端部には、内部の発射装置20026へと遊技球を導くための導入口20920Abが設けられ、整列部20920Aの底面にあって第2開閉蓋20953Bの上方に設けられる第2開口部20930Gが設けられる。整列部20920Aに並んだ遊技球は、1つずつ導入口20920Abへと直線的に導かれる。このような整列部20920Aは、右端部が一部露出しつつその余の部分が受け皿カバー部材20930のカバー部20930Aによって覆われる。また、本体部20920において受け皿カバー部材20930が配置される部分は、概ね受け皿カバー部材20930の外周部20930Bや整流部20930C、スロープ部20930Dや貯留部20930E、第1開口部20930Fと整合する形状に形成されている。また、整列部20920Aの整流部20930C側には、カバー部20930Aが装着されなかった場合でも整列部20920Aに整列している遊技球に流下してくる遊技球が乗り上げないような壁部20920Acが設けられている。遊技者による第1蓋開閉部20950Aの操作により、本体部20920の第1開閉蓋20920Bが開放されると、受け皿カバー部材20930の貯留部20930Eにある遊技球が第1開口部20930Fを通じて下方へと排出される。排出された遊技球は、球抜き通路部材20940を通じてドル箱の直上に位置する落下口20940Aへと導かれ、落下口20940Aからドル箱へと遊技球が排出される。一方、第1開閉蓋20920Bが閉鎖状態にある場合、貯留部20930Eの遊技球が第1開口部20930Fから落下せずにそのままとどまり、整流部20930Cへと導かれる。また、遊技者による第2蓋開閉部20950Bの操作により、本体部20920の第2開閉蓋20953Bが開放されると、整列部20920Aに並んだ遊技球が第2開口部20930Gを通じて下方へと排出される。排出された遊技球は、球抜き通路部材20940を通じてドル箱の直上に位置する落下口20940Aへと導かれ、落下口20940Aからドル箱へと遊技球が排出される。一方、第2開閉蓋20953Bが閉鎖状態にある場合、整列部20920Aに並んだ遊技球が第2開口部20930Gから落下せずに導入口20920Abから内部の発射装置20026へと導かれる。
受け皿カバー部材20930のカバー部20930Aは、皿ユニット20900の後端側において払出口20901(球送出受け部材20902)が配置される側とは反対側の右寄りの箇所に位置する。カバー部20930Aの外側壁20930Aaは、湾曲状に形成されており、整列部20920Aの右端部と対応する部位に開口20930Abが形成されている。また、外周部20930Bは、外側壁20930Aaとの間に整流部20930Cを形成するように、外側壁20930Aaに概ね沿うような湾曲状に形成されている。これにより、整流部20930Cは、貯留部20930Eの遊技球を開口20930Abへと湾曲状に曲げつつ導くような通路として形成される。また、貯留部20930Eの外壁部20930Eaと整流部20930Cの外周部20930Bは、払出口20901から放出された遊技球が接触しつつ転動して整流部20930Cまで辿り着けるように連続した一つの面を形成している。これにより、貯留部20930Eに遊技球が貯留されていない状態では、放出された遊技球が外壁部20930Eaまで転動し、連続面(外壁部20930Ea、外周部20930B)にて方向を変えられつつ整流部20930Cへと導かれる。ここで、遊技球を貯留部20930Eの外部に排出可能な第1開口部20930F及び遊技球を貯留可能な閉鎖状態と遊技球を外部へと排出可能な開放状態とに切替可能な第1開閉蓋20920Bは、遊技球が連続面(外壁部20930Ea、外周部20930B)に接触しつつ転動可能なように、貯留部20930Eの内部側(遊技盤20001A側)に連続面から所定の間隔をあけて設けられている。この所定の間隔としては、少なくとも遊技球の直径以上の距離となることが望ましい。これは、払出口20901から放出された遊技球が全て第1開口部20930Fから外部へと排出されてしまうことを防止するためであり、例えば、貯留している遊技球が少ない場合、払出口20901から放出された遊技球は、連続面(外壁部20930Ea、外周部20930B)に接触しながら転動し、第1開口部20930Fに至ることなく第1開口部20930Fから落下せずに整流部20930Cへと導かれるので、仮に第1開閉蓋20920Bが開放状態であっても、遊技球が第1開口部20930Fからほとんど落下してしまって発射装置20026へと供給される遊技球が途切れてしまうようなことがない。
整流部20930Cは、貯留部20930Eから開口20930Abの方へと若干下降傾斜するように形成されている。また、整流部20930Cは、外側壁20930Aaと外周部20930Bとにより開口20930Abの方へと進むに従って徐々に幅狭くなるように形成されている。これにより、貯留部20930Eにおいて乱雑に山積した遊技球は、整流部20930Cによって徐々に曲がった列をなして開口20930Abへと流れるようになる。また、払出口20901から勢いよく払い出されることにより、スロープ部20930D及び貯留部20930Eを越えて整流部20930Cにまで達する遊技球があっても、遊技球は、湾曲した外周部20930Bの内面に当たることで推進力が弱められつつ整流部20930Cを経て開口20930Abへと導かれる。
図462は、本体部20920、球抜き通路部材20940及び蓋開閉部20950を背面側から視た斜視図、図463は、図462に示す図の分解図である。本体部20920の下には、蓋開閉部20950が設けられ、蓋開閉部20950の下には、球抜き通路部材20940が設けられている。
図464は、球抜き通路部材20940の斜視図、図465は、図464中のAA’断面図、図466は、図464中のBB’断面図である。図464に示すように、球抜き通路部材20940は、上面視で略L字形状に形成され、前面側から視て左右方向に延び、中空形状に形成され、内部を遊技球が流下する第1通路20941と、第1通路20941の下流側端部に接続され、第1通路20941と直交する方向(前面背面方向)に延び、中空形状に形成され、内部を遊技球が流下し、下流側端部において下方が開放した落下口20940Aが形成された第2通路20942と、を備える。第1通路20941及び第2通路20942は、上流側から下流側に向かって、底面が下り傾斜して配置されることで、内部を遊技球が上流から下流に向かって流下する。
第1通路20941は、球抜き通路部材20940内に遊技球を導くための第1受け口20941a及び第2受け口20941bを備える。第1受け口20941aは、上流側端部において、本体部20920の第1開口部20930F(図463参照)及び第1蓋開閉部20950Aの第1開閉蓋20953A(図463参照)の下に形成され、上方が開放されている。第1受け口20941aは、第1通路20941の側面から突出し、湾曲して上方が開放されている。これにより、第1開口部20930Fから落下した遊技球をスムーズに第1通路20941の内部に導くことができる。第2受け口20941bは、上流側端部と下流側端部との間において、本体部20920の第2開口部20930G(図463参照)及び第2蓋開閉部20950Bの第2開閉蓋20953B(図463参照)の下に形成され、上方が開放されている。第2受け口20941bは、第1通路20941の側面から突出し、湾曲して上方が開放されている。これにより、第2開口部20930Gから落下した遊技球をスムーズに第1通路20941の内部に導くことができる。
また、図465に示すように、第1通路20941は、上流下流方向に延びる2つの側面の少なくとも一方の側面が、底面に向かって下り傾斜する傾斜壁20941cを形成している。また、傾斜壁20941cは、図466に示すように、中間から下流側端部に向かって、他方の側面側にせり出している。すなわち、傾斜壁20941cは、底面に向かって下り傾斜しつつ、他方の側面側にせり出している。これにより、第1通路20941内部の幅は、中間から下流側端部に向かって、また、底面に向かって、徐々に狭くなっている(例えば、遊技球2個分の幅から遊技球1個分の幅になっている)。これにより、例えば、第1通路20941内に多量の遊技球が流入しても、遊技球を1列に整流して、第2通路20942に流下させることが可能となる。また、第1通路20941は、上流下流方向に延びる側面において、第1受け口20941a(図464参照)と対面する部分に、第1受け口20941aが設けられた側の側面側から他方の側面側に斜めに延びるガイド壁20941dが形成されている。これにより、第1受け口20941aから流入した遊技球をスムーズに第1通路20941の内部に導くことができる。
第2通路20942は、第1通路20941の接続部分において、外側のコーナーを形成するコーナー壁20942aを備える。コーナー壁20942aは、第1通路20941の下流側端部から第2通路20942の上流側端部に連なる部分であり、遊技球が流下する方向に膨出した湾曲形状に形成されている。
図467は、球抜き通路部材20940の分解斜視図である。球抜き通路部材20940は、第1部材20940aと、第2部材20940bと、が互いに組み合わされることで、内部を遊技球が流下可能な中空形状に形成される。第1部材20940aは、第1通路20941の天面、底面及び一方の側面と、第2通路20942の天面及び2つの側面を構成する。第2部材20940bは、第1通路20941の他方の側面と、第2通路20942のコーナー壁20942a及び底面を構成する。第1部材20940aには、第2通路20942の2つの側面を構成する部分の下端に、それぞれ下端から斜め上方に向かって欠き込まれた欠き込み20940a’が形成されている。第2部材20940bには、第2通路20942の底面を構成する部分の2つの側縁に、それぞれ斜め上方に向かって突出する突起20940b’が形成されている。欠き込み20940a’と突起20940b’は、第1部材20940a及び第2部材20940bが互いに組み合わされるときに、互いに係合され、図466に示す状態となる。よって、第1部材20940a及び第2部材20940bをネジ止めしなくとも、2つの部材を組み合わせた状態に維持できる。
図463に示すように、蓋開閉部20950は、本体部20920の第1開口部20930Fを開閉するための第1蓋開閉部20950Aと、本体部20920の第2開口部20930Gを開閉するための第2蓋開閉部20950Bと、を備える。第1蓋開閉部20950Aは、本体部20920の下に配置された基端から前面側に延び、先端が本体部20920より前面方向に突出し、遊技者が操作可能な第1把持部20951Aと、第1把持部20951Aの基端側をスライド自在に保持する第1蓋開閉部本体20952Aと、第1把持部20951Aに固定され、第1蓋開閉部本体20952Aにスライド自在に取り付けられ、第1開口部20930Fを塞ぐ閉状態と、第1開口部20930Fを開放する開状態とに変位可能な第1開閉蓋20953Aと、を備える。これにより、遊技者は、第1把持部20951Aをスライド移動させることで、第1開閉蓋20953Aを開状態と開状態との間で変位させ、第1開口部20930Fを開閉させることができる。第2蓋開閉部20950Bは、本体部20920の下に配置された基端から前面側に延び、先端が本体部20920より前面方向に突出し、遊技者が操作可能な第2把持部20951Bと、第2把持部20951Bの基端側をスライド自在に保持する第2蓋開閉部本体20952Bと、第2蓋開閉部本体20952Bにスライド自在に取り付けられ、第2開口部20930Gを塞ぐ閉状態と、第2開口部20930Gを開放する開状態とに変位可能な第2開閉蓋20953Bと、第2把持部20951Bと第2開閉蓋20953Bとに連結され、第2把持部20951Bのスライド移動により、第2開閉蓋20953Bを開状態と開状態との間で変位させるリンク部20954と、を備える。これにより、遊技者は、第2把持部20951Bをスライド移動させることで、第2開閉蓋20953Bを開状態と開状態との間で変位させ、第2開口部20930Gを開閉させることができる。
[第16実施形態に係る遊技機の電気的構成]
図468は、本発明の第16実施形態に係る遊技機の回路構成を示すブロック図である。第16実施形態に係るパチンコ遊技機Yの電気的構成は、主制御回路20070に第1検知センサ20840及び第2検知センサ20850が接続されている点と、払出・発射制御回路20123に満タン検知センサ20733が接続されている点と、副制御回路20200に2つのプロジェクタ装置本体b2が接続されている点と、第16実施形態のパチンコ遊技機1と異なる。
第1検知センサ20840及び第2検知センサ20850は、アウト口20055(図448参照)を通過した遊技球をそれぞれアウト球として検知し、所定の出力信号を主制御回路20070に出力する。満タン検知センサ20733は、奥方に変位した満タン検知レバー20732(図447参照)が所定時間にわたり接した状態になると、第2誘導路20730D(図447参照)に遊技球が詰まって満タンになった状態と検知し、所定の出力信号を払出・発射制御回路20123に出力する。払出・発射制御回路20123は、この所定の出力信号を受信した場合、賞球ケースユニット20170による遊技球の払い出しを一旦停止する。また、満タン検知センサ20733は、満タン検知レバー20732が前面側に変位し、満タン検知センサ20733から離間した状態になると、第2誘導路20730Dに遊技球が詰まっていない状態と検知し、所定の出力信号を払出・発射制御回路20123に出力する。払出・発射制御回路20123は、この所定の出力信号を受信した場合、一旦停止していた賞球ケースユニット20170による遊技球の払い出しを再開する。
副制御回路20200は、第15実施形態のパチンコ遊技機と同様に、他の遊技装置等の演出動作に応じて、プロジェクタ制御回路20090を制御し、2つのプロジェクタ装置本体b2をそれぞれ又は連動させて、照射光を投影させ、遊技盤20001Aやスクリーン部b4の背面に向けて照射光を投影することにより、視覚的な演出として映像を表示する。
また、主制御回路20070に接続されている各種センサ、各種装置、他の回路等の遊技機構成部品は、カバー部材20430(図435参照)に収容されている中継基板20100(図435参照)や、遊技盤20001A(図429参照)の遊技盤中継基板20101(図429参照)を介して、主制御回路20070に接続されている。
上記実施形態でのパチンコ遊技機では、貯留皿に貯留されている遊技球を遊技盤に発射し、入賞が発生した場合に払出装置から遊技球を貯留皿に払い出す構成であったが、これに限定されるものではない。
例えば、遊技者によって遊技に必要な遊技球やメダルなどの遊技媒体が投入され、それに基づいて遊技が行われ、例えばパチスロ機やカジノマシンなど、その遊技の結果に基づいて特典が付与される形態全てについて、本発明を適用することができる。すなわち、物理的な遊技者の動作によって遊技媒体を使用し、遊技結果に応じて遊技媒体が払い出される形態のみならず、主制御回路(主制御基板)自体が、遊技者が保有する遊技媒体を電磁的に管理し、遊技媒体を遊技者が触れることなく遊技が可能とするものであってもよい。また、遊技者が保有する遊技媒体を電磁的に管理するのは、主制御回路(主制御基板)に装着され(接続され)、遊技媒体を管理する遊技媒体管理装置であってもよい。またその場合、遊技盤に発射される遊技球は遊技者が触れることのない封入式遊技機であることが望ましい。
遊技媒体管理装置は、ROM及びRWM(あるいは、RAM)を有して、遊技機に設けられる装置であって、図示しない外部の遊技媒体取扱装置と所定のインターフェイスを介して双方向通信可能に接続されるものであり、遊技媒体の貸出動作や遊技媒体の払出動作によって生じる遊技の用に供する遊技媒体を電磁的に記録する動作を行い得るものとすればよい。また、遊技媒体管理装置は、これら実際の遊技媒体数の管理のみならず、例えば、その遊技媒体数の管理結果に基づいて、パチンコ機1又は1Aの前面に、保有する遊技媒体数を表示する保有遊技媒体数表示装置(不図示)を設けることとし、この保有遊技媒体数表示装置に表示される遊技媒体数を管理するものであってもよい。すなわち、遊技媒体管理装置は、遊技者が遊技の用に供することができる遊技媒体の総数を電磁的方法により記録し、表示することができるものとすればよい。
また、この場合、遊技媒体管理装置は、遊技者が、記録された遊技媒体数を示す信号を、外部の遊技媒体取扱装置に対して自由に送信させることできる性能を有し、また、遊技者が直接操作する場合のほか、記録された遊技媒体数を減ずることができない性能を有し、また、外部の遊技媒体取扱装置との間に外部接続端子板(不図示)が設けられる場合には、その外部接続端子板を介してでなければ、遊技者が、記録された遊技媒体数を示す信号を送信できない性能を有することが望ましい。
遊技機には上記の他、遊技者が操作可能な貸出操作手段、返却(精算)操作手段、外部接続端子板が設けられ、遊技媒体取扱装置には紙幣等の有価価値の投入口、記録媒体(例えば、ICカード)の挿入口、携帯端末から電子マネー等の入金を行うための非接触通信アンテナ等、その他貸出操作手段、返却操作手段等の各種操作手段、遊技媒体取扱装置側外部接続端子板が設けられるようにしてもよい(いずれも不図示)。
その際の遊技の流れとしては、例えば、遊技者が遊技媒体取扱装置に対しいずれかの方法で有価価値を入金し、上記いずれかの貸出操作手段の操作に基づいて所定数の有価価値を減算し、遊技媒体取扱装置から遊技媒体管理装置に対し減算した有価価値に対応する遊技媒体を増加させる。そして遊技者は遊技を行い、さらに遊技媒体が必要な場合には上記操作を繰り返し行う。その後、遊技の結果、所定数の遊技媒体を獲得し、遊技を終了する際には、いずれかの返却操作手段を操作することにより、遊技媒体管理装置から遊技媒体取扱装置に対し遊技媒体数を送信し、遊技媒体取扱装置はその遊技媒体数を記録した記録媒体を排出する。遊技媒体管理装置は遊技媒体数を送信したときに自身が記憶する遊技媒体数をクリアする。遊技者は排出された記録媒体を景品交換するために景品カウンター等に持っていくか、又は他の台で記録された遊技媒体に基づいて遊技を行うために遊技台を移動する。
このように、上述した遊技媒体管理装置を設けることにより、遊技媒体が物理的に遊技に供される場合と比べて、遊技機内部の払出装置等を減らすことができ、遊技機の原価及び製造コストを削減できるのみならず、遊技者が直接遊技媒体に接触しないようにすることもでき、遊技環境が改善し、騒音も減らすことができるとともに、装置を減らしたことにより遊技機の消費電力を減らすことにもなる。また、遊技媒体や遊技媒体の投入口や払出口を介した不正行為を防止することができる。すなわち、遊技機をとりまく種々の環境を改善することができる遊技機を提供することが可能となる。
第16実施形態に係るパチンコ遊技機Yによれば、以下の作用効果を奏する。パチンコ遊技機Yによれば、プロジェクタユニットbを、前面側から背面側方向の投射レンズb20002aから出射される投影光を遮らない位置において、傾斜させた状態で配置できるので、プロジェクタユニットbの前面側から背面側方向の設置スペースを抑えることができる。さらに、このように配置したプロジェクタユニットbの下部とカバー部材との間に形成された所定の空間20405に、主制御基板20070Aを収容できるので、所定の空間20405を利用せずに、別の場所の主制御基板20070Aを設けた場合に比べ、省スペース化が可能となる。したがって、裏機構を省スペース化することが可能な遊技機を提供できる。
また、プロジェクタユニットbを、投射レンズb20002aを設けた一方の端部側をパチンコ遊技機Yの前面側に配置し、反対の端部を背面側に配置し、一方の端部側を反対の端部側より低くなるように設けたことで、プロジェクタユニットbからの廃熱を、パチンコ遊技機Yの裏機構内にこもらせることなく、斜め上方に逃がすことが可能となり、この廃熱が他の精密部品に悪影響を及ぼすことを防止可能となる。
これにより、カバー部材20430の凹部20431aに、主制御基板20070Aを収容できるので、主制御基板20070Aをプロジェクタユニットbの下部の所定の空間20405に納めつつ、プロジェクタユニットbの廃熱から主制御基板20070Aを保護し、この廃熱による主制御基板20070Aへの悪影響を防止することが可能となる。また、主制御基板20070Aを、外側に配置されているカバー部材20430に収容することで、構成部品のメンテナンスが容易になる。
また、取付枠20410とカバー部材20430との間に設けられた取付ベース20420に、プロジェクタユニットb及びミラー部材b20003を取り付けることができるので、取付枠20410の前方から飛び出すようにミラー部材b20003を設ける必要がないので、パチンコ遊技機Yの美観を損ねることなく、照射光を適切に、スクリーンに投影することが可能な遊技機を提供できる。
また、取付ベース20420の幅を、前面側から背面側にいくにつれて狭くし、カバー部材20430の背面部20431に主基板20070Aを収容可能とし、カバー部材20430の側面20432に、主基板20070Aとは異なる中継基板20100を収容可能としたので、遊技機内部の限られたスペースを有効に利用することが可能となる。また、カバー部材20430が、カバー部材20430の表面からパチンコ遊技機Y内部側に突出するように形成され、主制御基板20070Aをカバー部材20430の表面よりパチンコ遊技機Y背面側に突出しないように収容可能な凹部20431aを備えた。これにより、主制御基板20070Aを、凹部20431aに収容することで、取付ベース20420とカバー部材20430の表面との間において、パチンコ遊技機Y背面側に突出しないように設けることができるので、遊技機内部の限られたスペースを有効に利用することが可能となる。
また、前面側に配置される取付枠20410に取り付けられた可動止め具により、遊技盤20001Aを着脱自在に固定し、取付枠20410の背面側に取付ベース20420及びカバー部材20430を取り付けたので、カバー部材20430を外さないと、取付枠20410に設けられた遊技盤可動止め具20413へのアクセスを困難とすることで、不正行為を防止することができる。また、遊技盤20001Aの背面側に設ける各種部品を、遊技盤20001Aの背面側に設けられた取付ベース20420やカバー部材20430に、取り付けることができるので、例えば、各種部品を変えずに、遊技盤20001Aだけ変更することも可能となり遊技機の設計が容易になる。また、遊技機の組み立てる際には、遊技盤20001Aに関連する遊技盤可動止め具20413を取付枠20410の側面に、主制御基板20070Aが収容されているカバー部材20430を取付枠20410の背面に取り付けるようにして、遊技盤20001Aに関わる部材、主制御基板20070A等の裏機構に関わる部材、というように、部材の大きなカテゴリ毎に取り付ける面を異なるように構成した。したがって、遊技機の設計変更や組み立て作業を容易にし、また組み立て作業における作業水を低減することが可能な遊技機を提供できる。
また、取付枠20410のどの面に、どの部材を取り付けるかを分けることで、取付枠20410に取り付ける部材の配置関係(内周か背面か)にしたがって組み立てることで、組み立て作業における誤作業を防止できる。
また、取付枠20410と、主制御基板20070Aを収容可能なカバー部材20430との間に取付ベース20420を設け、この取付ベース20420にプロジェクタユニットbが取り付け、カバー部材に遊技装置を制御可能な制御基板を取り付け、取付枠20410に、取付ベース20420及びカバー部材20430を別々に固定可能な固定部20411aを備えることで、遊技装置の種類に応じて、取付ベース20420の形状を変更可能とすることができる。よって、裏機構を覆う部材を、カバー部材20430と取付ベース20420との2つの部材で構成することで、共通した部材であるカバー部材20430を使用しつつ、取付ベース20420をパチンコ遊技機Yの演出特性に合わせた遊技装置の種類に応じた形状に変更することで、柔軟な機種開発を行うことが可能となる。したがって、裏機構を覆う部材の汎用性を向上可能な遊技機を提供できる。
また、カバー部材20430を外さないと、遊技装置が取り付けられた取付ベース20420を操作できないので、いたずら等で外部から遊技装置を取り外されることを防止できる。
また、カバー部材20430を取付枠20410に取り付けることで、遊技機全体の剛性を向上することが可能となる。また、裏機構を覆う部材を、カバー部材20430と取付ベース20420との二重構造とすることで、さらに、遊技機全体の剛性を向上することが可能となる。
パチンコ遊技機Yによれば、カバー部材20430の側面部20432の少なくとも1つを傾斜させたので、奥行き寸法が同じ場合に、側面部20432を傾斜させない場合に比べ、副制御基板20080A等の遊技機構成部品の設置可能面積が大きくなるので、より多様な遊技機構成部品を取り付けることが可能となる。また、背面部20431及び少なくとも2つの側面部20432から形成される空間の内部に収容される主制御基板20070Aとは別に、この傾斜した側面部20432に、副制御基板20080Aを収容可能としたので、副制御基板20080Aを背面部20431に集約した場合に比べ、副制御基板20080Aがパチンコ遊技機Yの背面部20431に突出するのを抑えることが可能となる。したがって、奥行き寸法を抑えることが可能な遊技機を提供できる。
また、カバー部材20430の背面部20431に凹部20431aを設けることで、カバー部材20430の背面部20431の折曲がり強度を高めることが可能となる。したがって、遊技機の背面側を覆うカバー部材の強度を向上可能な遊技機を提供できる。
また、例えば、主制御基板20070Aが背面部20431から突出していた場合、パチンコ遊技機Yの移動時等において、この突出した部分に外力が加わり、破損する可能性が高くなる。本発明によれば、凹部20431aに主制御基板20070Aを収容し、背面部20431の表面を略面一の状態とすることで、遊技機の移動時等において、遊技機構成部品に外力が加わり破損する可能性を低減できる。
また、カバー部材20430の側面部20432の少なくとも1つを傾斜させたので、奥行き寸法が同じ場合に、側面部20432を傾斜させない場合に比べ、副制御基板20080A等の遊技機構成部品の設置可能面積が大きくなるので、より多様な遊技機構成部品を取り付けることが可能となる。また、本体枠20002に軸支された側と反対側の側面部20432の少なくとも一部を、本体ユニット20400の本体枠ヒンジ20002bを中心とし、本体ユニット20400の内側側縁を通る仮想円VCの内側に形成したので、本体枠20002の内側を回動可能な範囲で、カバー部材20430内部の空間をより広くし、より多くの遊技機構成部品を配置することが可能となる。したがって、奥行き寸法を抑えることが可能な遊技機を提供できる。
また、カバー部材20430の側面部20432の少なくとも一部を仮想円VCに沿った形状に形成したので、本体枠20002の内側を回動可能な範囲で、カバー部材20430内部の空間を更に広くし、更に多くの遊技機構成部品を配置することが可能となる。
また、カバー部材20430の側面部20432の少なくとも1つを傾斜させたので、奥行き寸法が同じ場合に、側面部20432を傾斜させない場合に比べ、副制御基板20080A等の遊技機構成部品の設置可能面積が大きくなるので、より多様な遊技機構成部品を取り付けることが可能となる。また、カバー部材20430において、開口部20432eを、背面部20431及び少なくとも2つの側面部20432から形成される空間の内部に収容された遊技盤20001Aの遊技盤中継基板20101からの配線をカバー部材20430の外側に設けられた中継基板20100と接続可能なように設け、側面第1凹部20432aに開口部20432eを介して配線と接続される中継基板20100を収容可能とし、この側面第1凹部20432aに、主制御基板20070Aや副制御基板20080Aをそれぞれ収容可能な凹部20431aや側面第2凹部20432cを隣接させた。これにより、より多彩な主制御基板20070Aを取り付けることが可能であっても、多様な遊技機構成部品を集約して配置可能となり、これらを接続するケーブルを短くすることが可能となる。よって、多様な遊技機構成部品の確認作業やケーブル等の取り回しが容易になる。したがって、遊技機の組み立て作業やメンテナンスを簡素にすることが可能な遊技機を提供できる。
パチンコ遊技機Yによれば、仮に貯留皿の払出口が塞がれることなどにより、払出装置20700の内部において球送出機構20720から排出口20730Bへと通じる第1誘導路20730Cで賞球となる遊技球の流れが停滞して詰まりが生じても、この第1誘導路20730Cの上部途中から分岐した分岐路20730E及び貫通口20731Aを通じて球送出機構20720からの遊技球が第2誘導路20730Dへと迂回して導かれ、第2誘導路20730Dが遊技球で満タン状態となっても、払出口(排出口20730B)付近の閉塞状態が解消されると、第1誘導路20730C及び第2誘導路20730Dにおいて満タン状態となった多数の遊技球を直ちにまとめて排出口20730Bから排出することができる。すなわち、払出装置20700の内部における遊技球の球詰まりを第2誘導路20730Dが満タン状態となるまで可及的に遅らせて防ぐことができる。
また、払出装置20700の内部に第1誘導路20730C及び第2誘導路20730Dが設けられるので、遊技者の手に誘導路内の遊技球が直接触れられるおそれもなく、外的な要因によって遊技球の球詰まりが発生してしまうことを防ぐことができる。
また、カバー部材20430において、球通路ユニット20730と基板の収容部を一体的なユニットとして形成でき、また、カバー部材20430の中央よりに制御基板を配置することで、配線回しに柔軟性を持たせることが可能となり、また、制御基板に不正が行われているかも確認しやすくなる。
また、第2誘導路20730Dが満タン状態となって満タン検知レバー20732及び満タン検知センサ20733により遊技球の停滞が検知されるまでは、球送出機構20720により入賞に応じた賞球としての遊技球を継続して繰り出すことができる。したがって、満タン状態となっても払い出し動作をすぐに中断させずに継続することができ、払出装置20700の内部により多くの遊技球を貯留することができる。また、第1誘導路20730Cと第2誘導路20730Dとの横方向の幅を変えることで、第1誘導部と第2誘導部とにおける遊技球の貯留量や流量を変えることが可能となり、より適切な払い出し動作を行えるように調整することが可能となる。
また、第2誘導路20730Dは、第1誘導路20730Cに平面的に重なるように併設されることにより、別途設けられる第2誘導路20730Dの占有スペースを大きく拡張せずとも有効にスペースを確保して利用することができる。これにより、球通路ユニット20730と共に払出装置20700全体の小型化に貢献することができる。
また、第2誘導路20730Dに満タン状態となって貯留された遊技球も排出口20730Bへと合流するように導くことができる。これにより、第1誘導路20730Cの遊技球もまとめて多数の遊技球を1箇所の排出口20730Bから排出することができ、払出装置20700の内部における遊技球の球詰まりを可及的かつ速やかに解消することができる。
パチンコ遊技機Yによれば、突片部材20830が第1検知センサ20840,第2検知センサ20850を分け隔てつつも奥方の遊動空間部20810D,20820Dまで遊技球の進入を可能としており、遊動空間部20810D,20820Dの遊技球を突片部材20830の上端20830Aに接しながら底面20810Da,20820Daに沿って第1検知センサ20840及び第2検知センサ20850のいずれか一方に振り落とすことができるので、球検知ユニット20800の内部において遊技球どうしで球噛みを生じることがなく、ひいてはアウト口20055付近における遊技球の球詰まりを効果的に防ぐことができる。
また、突片部材20830は、遊技球が進入する方向に沿って手前から奥方へと遊技球を左右に振り分けるように導くことができるので、遊技球どうしで球噛みを生じるおそれもなく、第1検知センサ20840及び第2検知センサ20850のいずれかへとスムーズに遊技球を導くことができる。
また、突片部材20830の上端20830Aは、奥側にいくほど上昇(隆起)するように形成されているので、遊動空間部20810D,20820Dへの遊技球の進入を許容しつつも可及的に第1検知センサ20840及び第2検知センサ20850のいずれかへと徐々に遊技球を落下させやすくすることができるとともに、上端20830Aの前側部分では、遊技球の進行方向を規制せずに第1検知センサ20840及び第2検知センサ20850のいずれにも誘導することができる。
また、突片部材20830は、第1検知センサ20840及び第2検知センサ20850を分け隔てつつも完全にこれらを仕切ることなく、上端20830Aが峰状になっているので、進入した遊技球を引っ掛かりなく第1検知センサ20840及び第2検知センサ20850のいずれかへとスムーズに誘導することができる。
パチンコ遊技機Yによれば、遊技盤中継基板20101を、遊技盤20001Aに対し略直角に立設させたので、遊技盤20001Aに面で取り付けた場合に比べ、遊技盤20001Aの裏面側における遊技盤中継基板20101の設置スペースを抑えことが可能となる。また、カバー部材20430により第1大入賞口ソレノイド20053bを覆うことで、第1大入賞口ソレノイド20053bと遊技盤中継基板20101との接続部分を保護することが可能となる。したがって、遊技盤の裏面側における基板の設置スペースを抑えつつ、基板を外部の衝撃から保護することが可能な遊技機を提供できる。
また、カバー部材20430に、遊技盤中継基板20101に対応する位置に開口を設け、遊技盤中継基板20101を、この開口を介してカバー部材20430の外部からコネクタ接続部20101aに対する接続操作が可能な位置まで延設し、かつ、少なくとも遊技盤中継基板20101の外側部分をカバー部材で覆った。このため、遊技盤中継基板20101を外部の衝撃から保護しつつ、遊技盤中継基板20101に接続されたコネクタをカバー部材20430の外に引き出したり、カバー部材20430を取り付けた状態で、遊技盤中継基板20101にコネクタを着脱することが可能となるので、遊技機の組み立てや、メンテナンスの作業性を向上することが可能となる。
また、遊技盤中継基板20101を、遊技盤20001Aに対し略直角に立設させたので、遊技盤20001Aに面で取り付けた場合に比べ、遊技盤20001Aの裏面側における遊技盤中継基板20101の設置スペースを抑えことが可能となる。また、遊技盤中継基板20101を遊技盤20001Aと平行な状態となるように折り畳み可能とすることで、必要に応じて(例えば、遊技盤中継基板20101を取り付けた遊技盤20001Aを搬送したり、重ねて保管したりする場合等)、遊技盤中継基板20101を折り畳めるので、遊技盤20001Aから垂直に突出させたままの状態にしておく場合に比べ、遊技盤中継基板20101に外力がかかる可能性が低くなり、遊技盤中継基板20101が破損してしまうリスクを低減できる。したがって、遊技盤の裏面側における基板の設置スペースを抑えつつ、基板が損傷するリスクを低減することが可能な遊技機を提供できる。
また、カバー部材20430に、遊技盤中継基板20101に対応する位置に開口部20432eを設け、遊技盤中継基板20101が、この開口部20432eを介してカバー部材20430の外部からコネクタ接続部20101aに対する接続操作が可能な位置まで延設し、かつ、少なくとも遊技盤中継基板20101の外側部分をカバー部材20430で覆った状態でコネクタ接続部20101aの配線差込口20101bが開口部20432eの方向に向くように配置した。このため、遊技盤中継基板20101を外部の衝撃から保護しつつ、遊技盤中継基板20101に接続されたコネクタをカバー部材20430の外に引き出したり、カバー部材20430を取り付けた状態で、遊技盤中継基板20101にコネクタを着脱することが可能となるので、遊技機の組み立てや、メンテナンスの作業性を向上することが可能となる。
また、カバー部材20430の側面部20432の少なくとも1つを傾斜させたので、奥行き寸法が同じ場合に、側面部20432を傾斜させない場合に比べ、副制御基板20080A等の遊技機構成部品の設置可能面積が大きくなるので、より多様な遊技機構成部品を取り付けることが可能となる。また、この傾斜した側面部20432に、遊技機構成部品を収容可能としたので、遊技機構成部品を背面部20431に集約した場合に比べ、遊技機構成部品が遊技機の背面部20431に突出するのを抑えることが可能となる。また、傾斜した側面部20432において、遊技盤中継基板20101に対応する位置に開口部20432eを設けることで、遊技盤20001Aの裏面側における遊技盤中継基板20101の設置スペースを抑えつつ、カバー部材20430の側面部20432における遊技機構成部品の設置可能面積をより大きくすることが可能となる。
また、遊技盤中継基板20101を、遊技盤20001Aに対し略直角に立設させたので、遊技盤20001Aに面で取り付けた場合に比べ、遊技盤20001Aの裏面側における遊技盤中継基板20101の設置スペースを抑えことが可能となる。また、カバー部材20430により第1大入賞口ソレノイド20053bを覆うことで、第1大入賞口ソレノイド20053bと遊技盤中継基板20101との接続部分を保護することが可能となる。したがって、遊技盤の裏面側における基板の設置スペースを抑えつつ、基板を外部の衝撃から保護することが可能な遊技機を提供できる。
また、中継基板20100を収容可能な側面第1凹部20432aに、主制御基板20070A、副制御基板20080Aをそれぞれ収容可能な側面第2凹部20432c、凹部20431aを隣接して配置し、かつ側面第1凹部20432aには遊技盤20001Aからの配線と接続可能な開口部20432eを設けたので、遊技盤20001Aに設けられた部品と側面第2凹部20432cや凹部20431aに収容された主制御基板20070Aや副制御基板20080Aのそれぞれとの配線長さを短くすることができる。よって、多様な遊技機構成部品の確認作業やケーブル等の取り回しが容易になる。
パチンコ遊技機Yによれば、パチンコ遊技機Yの組み立て作業において、取付枠20410にカバー部材20430を取り付ける場合、大まかな位置を合わせて重ねることで、取付枠20410の第1誘導樋20416及びカバー部材20430の第2誘導樋20434のいずれか他方の開口部が、一方の開口部の受入部20434aのリブ20434bに導かれ、一方の開口部に他方の開口部が挿入するように接続されることで遊技球が流下可能な状態となる。このように、取付枠20410の第1誘導樋20416及びカバー部材20430の第2誘導樋20434のいずれか一方の開口部と他方の開口部を、厳密に位置合わせしなくとも、大まかな位置を合わせ、重ねるだけで、一方の開口部に他方の開口部が挿入するように接続され、遊技球が流下可能な状態となるので、組み立ての作業効率を向上可能となる。したがって、組み立ての作業効率を向上可能な遊技機を提供できる。
また、パチンコ遊技機Yの組み立て作業において、取付枠20410にカバー部材20430を取り付ける場合、大まかな位置を合わせて重ねることで、取付枠20410の第1誘導樋20416及びカバー部材20430の第2誘導樋20434のいずれか他方の開口部が、一方の開口部の受入部20434aのリブ20434bに導かれ、他方の開口部が一方の開口部に挿入するように接続されることで遊技球が流下可能な状態となる。また、取付枠20410の第3誘導樋20418及びカバー部材20430の第4誘導樋のいずれか一方の開口部が、一方の開口部の受入部20434aのリブ20434bに導かれ、他方の開口部が一方の開口部に挿入するように接続されることで遊技球が流下可能な状態となる。このように、取付枠20410の第1誘導樋20416及びカバー部材20430の第2誘導樋20434のいずれか一方の開口部と他方の開口部や、取付枠20410の第3誘導樋20418及びカバー部材20430の第4誘導樋のいずれか一方の開口部と他方の開口部を、厳密に位置合わせしなくとも、大まかな位置を合わせ、重ねるだけで、一方の開口部に他方の開口部が挿入するように接続され、遊技球が流下可能な状態となるので、組み立ての作業効率を向上可能となる。さらに、第1誘導樋20416及び第2誘導樋20434と、第3誘導樋20418及び第4誘導樋と、の2ヶ所の連結部分で、取付枠20410にカバー部材20430を取り付ける際の位置決めが可能となるので、大まかな位置を合わせで、より正確な位置決めが可能となる。したがって、組み立ての作業効率を向上可能な遊技機を提供できる。
また、パチンコ遊技機Yの組み立て作業において、取付枠20410にカバー部材20430を取り付ける場合、大まかな位置を合わせて重ねることで、取付枠20410の第1誘導樋20416及びカバー部材20430の第2誘導樋20434のいずれか他方の開口部が、一方の開口部の受入部のリブ20434bに導かれ、他方の開口部が一方の開口部に挿入するように接続されることで遊技球が流下可能な状態となる。また、取付枠20410の第3誘導樋20418及びカバー部材20430の第4誘導樋のいずれか一方の開口部が、一方の開口部の受入部のリブ20434bに導かれ、他方の開口部が一方の開口部に挿入するように接続されることで遊技球が流下可能な状態となる。このように、取付枠20410の第1誘導樋20416及びカバー部材20430の第2誘導樋20434のいずれか一方の開口部と他方の開口部や、取付枠20410の第3誘導樋20418及びカバー部材20430の第4誘導樋のいずれか一方の開口部と他方の開口部を、厳密に位置合わせしなくとも、大まかな位置を合わせ、重ねるだけで、一方の開口部に他方の開口部が挿入するように接続され、遊技球が流下可能な状態となるので、組み立ての作業効率を向上可能となる。さらに、第1誘導樋20416及び第2誘導樋20434と、第3誘導樋20418及び第4誘導樋と、の2ヶ所の連結部分で、取付枠20410にカバー部材20430を取り付ける際の位置決めが可能となるので、大まかな位置を合わせで、より正確な位置決めが可能となる。したがって、組み立ての作業効率を向上可能な遊技機を提供できる。
また、パチンコ遊技機Yの組み立て作業において、取付枠20410にカバー部材20430を取り付ける場合、大まかな位置を合わせて重ねる。このとき、互いの開口部の位置が多少ずれていても、カバー部材20430を押し込むことで、他方の開口部は、一方の開口部のリブ20434bの傾斜に導かれ、リブ20434bの外縁から内縁側に移動し、内縁に囲まれた部分に嵌まり、一方の開口部に他方の開口部が挿入するように接続され、遊技球が流下可能な状態となる。このように、取付枠20410の第1誘導樋20416及びカバー部材20430の第2誘導樋20434のいずれか一方の開口部と他方の開口部を、厳密に位置合わせしなくとも、大まかな位置を合わせ、重ねるだけで、一方の開口部に他方の開口部が挿入するように接続され、遊技球が流下可能な状態となるので、組み立ての作業効率を向上可能となる。したがって、組み立ての作業効率を向上可能な遊技機を提供できる。
また、パチンコ遊技機Yの組み立て作業において、取付枠20410にカバー部材20430を取り付ける場合、大まかな位置を合わせて重ねることで、取付枠20410の第1誘導樋20416及びカバー部材20430の第2誘導樋20434のいずれか他方の開口部の係合部20416aが、一方の開口部の受入部20434aのリブ20434bに導かれ、接続位置において、リブ20434bにより囲まれた部分に嵌まり、一方の開口部に他方の開口部が挿入するように接続されることで遊技球が流下可能な状態となる。このように、取付枠20410の第1誘導樋20416及びカバー部材20430の第2誘導樋20434のいずれか一方の開口部と他方の開口部を、厳密に位置合わせしなくとも、大まかな位置を合わせ、重ねるだけで、一方の開口部に他方の開口部が挿入するように接続され、遊技球が流下可能な状態となるので、組み立ての作業効率を向上可能となる。したがって、組み立ての作業効率を向上可能な遊技機を提供できる。
また、他方の開口部を、一方の開口部のリブ20434bで案内する場合、他方の開口部の開口の外縁が、リブ20434bに当接するが、このとき、開口の外縁に力が加わり、開口を変形させてしまい、接続後に、遊技球の流下に支障をきたすおそれがある。本発明によれば、他方の開口部の開口の外縁に係合部20416aを設けることで、係合部20416aをリブ20434bに当接させ、開口の外縁に加わる力を低減し、接続後に、遊技球の流下に支障をきたすことを防止可能となる。
パチンコ遊技機Yによれば、払出口20901から放出された遊技球は、外壁部20930Eaに接触しつつこれに沿って転動し、さらに連続する湾曲状の外周部20930Bに沿って転動しながら整列部20920Aの整列方向上流側へと導かれ、整列部20920Aにおいては、複数の遊技球が直線的な列をなすように整列して導入口20920Abまで誘導される。その際、第1開口部20930Fに設けられた第1開閉蓋20953Aが開放状態にあっても、払出口20901から放出された遊技球が第1開口部20930Fに落下することなく外壁部20930Eaから外周部20930Bに沿って転動しつつ整流部20930Cから整列部20920Aへと導かれる。したがって、整流部20930Cによって払出口20901から整列部20920Aに至るまでの経路長を比較的長く確保しつつも、第1開口部20930Fから落下しないように、貯留部20930Eの外壁部20930Eaや整列部20920Aの外周部20930Bが第1開口部20930Fから所定の間隔をあけて形成されるとともに、その外周部20930Bが湾曲状に形成されているので、整流部20930Cから整列部20920Aへと円滑に落下・排出させることなく遊技球を導くことができる。
また、払出口20901から放出された遊技球は、直接整列部20920Aに達することなく整流部20930Cへと迂回するように導かれ、その後、この整流部20930Cから整列部20920Aへと導かれ、整列部においてまっすぐ整列した状態で導入口20920Abへと導かれる。これによっても、整流部20930Cから整列部20920Aへと円滑に球詰まりさせることなく遊技球を導くことができる。
また、整流部20930Cと整列部20920Aとは、カバー部20930Aの外側と内側とに形成されるので、これによっても、払出口20901から整列部20920Aに至るまでの経路長を比較的長く確保し、皿ユニット20900全体の幅寸法や設置スペースを抑えることができる。
また、整列部20920Aに整列している遊技球に、更に放出された遊技球が乗り上げ、整列が乱れ球詰まりが発生したり、遊技球が皿ユニット20900から飛び出したりすることを防止できる。
また、湾曲状の整流部20930Cを形成することによっても、払出口20901から整列部20920Aに至るまでの経路長を比較的長く確保することができるので、皿ユニット20900全体の幅寸法や設置スペースを抑えることができ、整流部20930Cから整列部20920Aへと円滑に遊技球を導くことができる。
なお、本実施形態においては、受け皿カバー部材20930自体のカバー部20930Aの外側壁20930Aaと外周部20930Bとの間に整列部930Cが形成されるが、単に整列部を覆うだけのカバー部材を設け、このカバー部材の外側と皿ユニット本体部の湾曲した内周部との間に整列部のほか、スロープ部や貯留部を設けるようにしてもよい。
「第17実施形態」
次に、第17実施形態に係るパチンコ遊技機について図面を参照して説明する。なお、先述した第1〜第16実施形態に係るものと同一又は類似の構成要素については、同一符号を付してその説明を省略する。図469〜図519は、第17実施形態に係るパチンコ遊技機を説明するための図である。
第17実施形態に係るパチンコ遊技機は、主として、主制御基板20028を収容する基板ケース22800の組付け構造、当該基板ケース22800の基板ユニット20034における取付構造、前面ドア(表枠)3の形状・構造、発射ハンドル20026bの内部構造、送風機構20110の可動構造に特徴を有する。これらの特徴的な構造について図面を参照して以下に順に説明する。
[基板ケースの組付け構造]
図469及び図470は基板ユニット20034の斜視図、図471は基板ユニット20034の正面図、図472及び図473は基板ケース22800の斜視図、図474及び図475は基板ケース22800の分解斜視図、図476は基板ケース22800の正面図、図477は基板ケース22800の背面図、図478及び図479は基板ケース22800における上側部材22810の側面図、図480は上側部材22810の一部拡大側面図、図481は基板ケース22800における下側部材22820の内部正面図、図482は上側部材22810及び下側部材22820の組付け前の状態を示す斜視図、図483は上側部材22810及び下側部材22820の組付け後の状態を示す斜視図である。
図469〜図471に示すように、主制御基板20028を収容する基板ケース22800は、サブ制御基板20033を収容するサブ制御基板収容部材20033aや中継基板20032と共に基板ユニット20034のベース部材20340に取り付けられる。中継基板20032は、ベース部材20340の下側部分に取り付けられ、サブ制御基板収容部材20033aは、中継基板20032の左寄り上方に位置し、ベース部材20340の左上側部分に取り付けられ、基板ケース22800は、中継基板20032の右寄り上方に位置し、サブ制御基板収容部材20033aに近接しつつベース部材20340の右上側部分に取り付けられる。
図472〜図475に示すように、基板ケース22800は、主たる部材要素として、上側部材22810、下側部材22820、及びカバー部材22830を有する。上側部材22810、下側部材22820、及びカバー部材22830は、内部を視認可能な透明素材で形成される。図475に示すように、上側部材22810の裏面には、ネジ22840を介して主制御基板20028が固定される。主制御基板20028は、図示されないメインCPU20280等の電子部品が実装された主面を上側部材22810の表面22810aに向けた姿勢で固定される。主制御基板20028が裏面に固定された上側部材22810は、上下方向にスライドさせることで下側部材22820に組み付けられ、さらに上側部材22810と下側部材22820とは、互いに封止されることで一体化される。図474及び図475に示すように、カバー部材22830は、互いに封止された上側部材22810及び下側部材22820の上端部22811,22821を覆うように取り付けられる。
図476〜図480に示すように、上側部材22810は、概ね上下方向を長手方向として蓋状に形成されており、上端部22811、端子露出部22812、封止部22813、周縁部22814を有する。
上端部22811と下側部材22820の上端部22821には、封印シール22830Aが貼着され、その上からシールストッパ22830Bが嵌め合わされ、さらにその上からカバー部材22830が被せられる(図474〜図476参照)。
端子露出部22812は、主制御基板20028に設けられた各種の接続端子20028a〜20028cを露出させるための開口22812a〜22812cを有する(図476参照)。主制御基板20028の接続端子20028a〜20028cは、端子露出部22812の開口22812a〜22812cから外方に露出され、図示しない外部の端子と接続される。
封止部22813は、上側部材22810の左端部に一体形成されている。封止部22813は、下側部材22820の封止固定部22823とネジ22850等を介して結合・封止される
(図474及び図475参照)。図476及び図477に示すように、封止部22813は、ネジ22850に対応する2つのネジ孔22813aを有し、複数のブリッジ22813bを介して上側部材22810の左端部に連接されている。このような封止部22813は、一つのネジ孔22813aにネジ22850を介して下側部材22820の封止固定部22823に結合される。ネジ22850が締結された封止部22813には、封止蓋22853が嵌め合わされる。その後、封止部22813の結合を解除する際には、複数のブリッジ22813bのうち、ネジ22850が残存する方のブリッジ22813bを切断して封止部22813の半分を分離・破壊し(図476参照)、封止固定部22823にネジ22850を残存させた状態で結合が解除される。残存するネジ22850は、封止固定部22823に取り残される。さらにその後、封止部22813は、半分破壊後に残った部分のネジ孔22813aにネジ22850を介して再び封止固定部22823に固定することができる。すなわち、上側部材22810は、封止部22813を介して2回まで下側部材22820と結合・封止することができる。
周縁部22814は、上側部材22810の周縁から後方に延出するように形成されている。図477〜図479に示すように、左右両側の周縁部22814には、複数の係合爪22814A,22814Bが形成されている。複数の係合爪22814A,22814Bのうち、封止部22813に最も近接する係合爪22814Bは、他の係合爪22814Aと一部異なる。以下においては、係合爪22814Bについて説明するが、他の係合爪22814Aについて係合爪22814Bと同様の部分については、特に断らない限りその説明を省略する。
図480に示すように、係合爪22814Bは、L字状に形成されており、基端部22814Ba、屈曲部22814Bb、先端部22814Bcを有する。さらに、係合爪22814Bは、他の係合爪22814Aと異なる点として切り欠き部22814Bdを有する。
基端部22814Baは、周縁部22814から後方向に突出するように形成されている。屈曲部22814Bbは、基端部22814Baから先端部22814Bcへと直角に曲がってつながるように形成されている。先端部22814Bcは、屈曲部22814Bbから下方向に延びるように形成されている。特に係合爪22814Bにおいては、封止部22813の方へと延びるように形成されている。基端部22814Baから屈曲部22814Bbまでの部分は、相対的に太い幅である一方、屈曲部22814Bbから先端部22814Bcまでの部分は、相対的に細い幅になっている。これにより、基端部22814Baは、比較的堅牢であり、先端部22814Bcは、比較的脆弱である。切り欠き部22814Bdは、屈曲部22814Bbと先端部22814Bcとの間の細い幅の部分、より具体的には先端部22814Bcよりも屈曲部22814Bbの内側に近い部分に形成されている。このような切り欠き部22814Bdは、屈曲部22814Bbから先端部22814Bcまでの細い幅の部分に前後方向の力が加わると、その細い部分が欠損しやすくなるように設けられている。
図481に示すように、下側部材22820は、概ね上下方向を長手方向として上側部材22810と対応する形状に形成されており、上端部22821、封止固定部22823、周縁部22824を有するほか、後述する基板ユニット20034のベース部材20340に対して連結するための一対の軸部22825を有する。
上端部22821は、上側部材22810の上端部22811と図示しないカシメピン等を用いて結合・封止される。結合・封止された上端部22811,22821は、封印シール22830Aが貼着され、その上からシールストッパ22830Bが嵌め合わされ、さらにその上からカバー部材22830が被せられる(図474〜図476参照)。
封止固定部22823は、上側部材22810の封止部22813と対応するように下側部材22820の左端部に一体形成されている。封止固定部22823には、上側部材22810の封止部22813を結合・封止する際にネジ22850を固定するための封止カバー22851及び封止プレート22852が収容される(図474及び図475参照)。封止固定部22823は、封止部22813のネジ孔22813aを通じて封止カバー22851及び封止プレート22852にネジ22850が締結されることにより、封止部22813が固定される。
周縁部22824は、係合爪22814A,22814Bと対応する複数の箇所に係合孔22824Aを有する。係合孔22824Aは、係合爪22814A,22814Bの屈曲部22814Bbから先端部22814Bcまでの部分を挿入可能に上下方向に沿った長孔状に形成されている。このような係合孔22824Aに対して係合爪22814A,22814Bが当初挿入された状態では、図482に示すように、上側部材22810が下側部材22820に対して若干上方向にずれた姿勢で組み合う。その後、上側部材22810全体を下方向に沿ってスライドさせることにより、係合孔22824Aに対して係合爪22814A,22814Bが係合される。これにより、図483に示すように、上側部材22810は、係合爪22814A,22814Bを介して下側部材22820に完全に組み付けられる。こうして組み付けられ、封止部22813及び封止固定部22823等で封止された上側部材22810及び下側部材22820は、封止部22813付近を前後方向に無理にこじ開けようとすると、封止部22813に最も近い係合爪22814Bに対して前後方向に過度な力が作用することとなる。その結果、係合爪22814Bの切り欠き部22814Bdが形成された付近が欠損しやすくなる。
軸部22825は、基板ケース22800全体をベース部材20340に対して回転可能に取り付けるための部分であり、下側部材22820の左端部に一体形成されている。軸部22825には、下方向に突出するように回転軸22825Aが形成されている。このような軸部22825を介して基板ケース22800がベース部材20340に取り付けられるが、これについては後述する。
このような基板ケース22800の組付け構造によれば、互いに組み付けられた上側部材22810及び下側部材22820に対し、係合爪22814A,22814B及び係合孔22824Aをスライド係合させる際の上下方向に対して垂直な前後方向に外力を加えてこじ開けようとした場合には、係合爪22814Bの切り欠き部22814Bd付近が欠損しやすいので、不正な方法で基板ケース22800をこじ開けようとした場合にその痕跡として欠損した係合爪22814Bを確実に残すことができる。
また、係合爪22814Bは、屈曲部22814Bbから先端部22814Bcへと延びる細い部分に大きなせん断力が作用し、その部分の切り欠き部22814Bd付近が欠損しやすくなるので、不正な方法で基板ケースをこじ開けようとした場合にその痕跡として欠損した係合爪22814Bを確実に残すことができる。
また、封止部22813及び封止固定部22823付近を無理にこじ開けようとした場合は、その封止部22813に最も近い係合爪22814Bの細い部分に大きなせん断力が作用し、切り欠き部22814Bd付近が欠損しやすくなるので、不正な方法で基板ケースをこじ開けようとした場合にその痕跡として欠損した係合爪22814Bを確実に残すことができる。
[基板ケースの基板ユニットにおける取付構造]
図484及び図485は、基板ユニット20034における基板ケース22800の回転状態を示す斜視図、図486〜図488は、基板ユニット20034のベース部材20340に対する基板ケース22800の取付状態を示す斜視図、図489〜図491は、基板ユニット20034のベース部材20340に対する基板ケース22800の取付前の状態を示す分解斜視図、図492は、基板ユニット20034における基板ケース22800の回転状態を示す斜視図、図493は、基板ユニット20034のベース部材20340に取り付けられる封止部材23410を示す分解斜視図、図494は、基板ユニット20034における基板ケース22800の回転状態を示す上面図である。
図484及び図485並びに図492に示すように、基板ケース22800は、基板ユニット20034のベース部材20340に対して回転可能に取り付けられる。具体的には、図490及び図491に示すように、ベース部材20340においてサブ制御基板収容部材20033aの配置箇所に近接する右側の箇所には、封止部材23410を固定・封止可能な封止固定部20340Aと、基板ケース22800の軸部22825を軸支可能な一対の軸受部20340B,20340Cとが形成されている。上側の軸受部20340Bは、封止固定部20340Aの直下に設けられている。基板ケース22800は、軸部22825の回転軸22825Aを軸受部20340B,20340Cに対して上方から挿入されることでベース部材20340に組み付けられる。また、図484及び図486に示すように、ベース部材20340の右端部には、係合フック20340aが設けられているとともに、基板ケース22800の右端部には、凹部22800aが設けられており、この凹部22800aに係合フック20340aが係止されることで基板ケース22800がベース部材20340に対して回転不能に配置される。さらに、軸部22825を介して基板ケース22800がベース部材20340に組み付けられた後、封止部材23410が封止固定部20340Aに固定される。この封止部材23410の下端部は、上側の軸受部20340Bに挿入された軸部22825に近接あるいは当接する。これにより、封止部材23410は、軸受部20340Bにおける軸部22825の上下方向の摺動を規制し、軸部22825を回転可能としつつも軸受部20340Bから抜けないようにストッパとしての役割を果たす。
図493に示すように、封止部材23410は、ネジ23420に対応する2つのネジ孔23411を有する。2つのネジ孔23411の間には、封止部材23410を半壊しやすくするための縦溝23412が形成されている。一方、図491に示すように、封止固定部20340Aには、封止部材23410を固定・封止する際にネジ23420を固定するための封止カバー23440及び封止プレート23450が収容される。封止固定部20340Aには、封止部材23410のネジ孔23411を通じて封止カバー23440及び封止プレート23450にネジ23420が締結されることにより、封止部材23410が固定される。このような封止部材23410は、一つのネジ孔23411(具体的には上側のネジ孔23411)にネジ23420を介して封止固定部20340Aに固定される。ネジ23420が締結された封止部材23410のネジ孔23411には、封止蓋23430が嵌め合わされる(図491参照)。その後、封止部材23410の固定を解除する際には、縦溝23412に沿って封止部材23410を切断して封止部材23410の上半分を分離・破壊し、封止固定部20340Aにネジ23420を残存させた状態で固定が解除される。残存するネジ23420は、封止固定部20340Aに取り残される。さらにその後、封止部材23410は、半分破壊後に残った下半分のネジ孔23411にネジ23420を介して再び封止固定部20340Aに固定することができる。すなわち、封止部材23410は、2回まで封止固定部20340Aに対して固定・封止することができる。また、封止部材23410は、上半分が破壊されても、その下半分の下端部に対して上側の軸受部20340Bに挿入された軸部22825が近接あるいは当接するので、軸部22825の上下方向の摺動を規制することができ、軸部22825が軸受部20340Bから抜けないようにストッパとしての役割を果たすことができる。
図488に示すように、基板ケース22800がベース部材20340に取り付けられ、封止部材23410が封止固定部20340Aに固定された状態においては、上側の軸部22825が封止部材23410と軸受部20340Bとの間において上下方向の移動が規制される。これにより、基板ケース22800は、基板ユニット20034のベース部材20340から取り外し不可とされる。一方、封止部材23410が封止固定部20340Aに固定された状態を解除すれば、軸受部20340Bから上方に軸部22825を抜き出し可能となり、基板ケース22800をベース部材20340から取り外すことができる。
また、図492及び図494に示すように、基板ケース22800の凹部22800aに対して係合フック20340aの係合状態を解除すると、基板ケース22800は、軸部22825を回転中心としつつベース部材20340に対して回転した姿勢をとることができる。これにより、基板ケース22800の表側だけでなく裏側からも内部に収容された主制御基板20028の状態を目視で確認することができる。
このとき、図494に示すように、基板ケース22800をある程度の角度(例えば30度あるいは45度)まで回転させると、基板ケース22800の左端部が封止部材23410に当接する。これにより、基板ケース22800は、その左側に近接するサブ制御基板収容部材20033aと干渉させずに裏側から内部を視認可能な回転姿勢まで回転させることができる。
このような基板ケース22800の基板ユニット20034における取付構造によれば、基板ユニット20034のベース部材20340に対して封止部材23410で基板ケース22800の上下方向への移動を規制することができる一方、基板ケース22800を回転可能としつつもその回転角度を規制することができるので、基板ケース22800をベース部材20340から取り外すことなくある程度の回転角度まで回転させた姿勢とし、基板ケース22800の背面側からケース内の主制御基板20028を容易に確認することができる。
また、基板ケース22800をサブ制御基板収容部材20033aの方へと回転させても、基板ケース22800の左端部が封止部材23410に当接するまでの回転角度、すなわちサブ制御基板収容部材20033aに当接しない回転角度まで基板ケース22800を回転させることができるので、基板ケース22800をサブ制御基板収容部材20033aとは別にベース部材20340から取り外すことなくある程度の回転角度まで回転させた姿勢とし、基板ケース22800の背面側からケース内の主制御基板20028を容易に確認することができる。
[前面ドアの形状・構造]
図495は、前面ドア20003を示す斜視図、図496は、前面ドア20003を示す側面図、図497は、前面ドア20003を示す分解斜視図、図498及び図499は、前面ドア20003における透明板ユニット20007’を示す分解斜視図、図500は、前面ドア20003における透明板ユニット20007’を示す正面図、図501は、前面ドア20003における透明板ユニット20007’を示す背面図、図502は、前面ドア20003における透明板ユニット20007’を示す側面図、図503及び図504は、前面ドア20003の組み付け状態を示す分解斜視図である。なお、本実施形態においては、先述した第15実施形態の表枠20003に相当するものを前面ドア20003と称する。
図495〜図497に示すように、本実施形態の前面ドア20003は、図385等に示す第15実施形態の表枠20003と異なる構成要素として、透明板ユニット20007’を有する。右側ベース板20003aa及び左側ベース板20003abは、全体ベース板20003acの前面に取り付けられる。全体ベース板20003acには、開口部20003hが形成されており、透明板ユニット20007’は、主たる前面部分が開口部20003hから前方に張り出すように全体ベース板20003acの背面に取り付けられる。
図498及び図499に示すように、透明板ユニット20007’は、背面側に位置ずる第1透明部材20007A、前面側に位置する第2透明部材20007B、及び装飾シート20007Cを有する。第1透明部材20007A及び第2透明部材20007Bは、例えばアクリル樹脂といった透明性を有して成形容易な素材で形成される。装飾シート20007Cは、透明あるいは半透明のシート素材で形成される。
図499及び図501に示すように、第1透明部材20007Aは、概ね平板状に形成されており、開口部20007Aa、一対の凹部20007Ab、一対の回転係止片20007Acを有する。開口部20007Aaは、遊技盤20001Aの転動領域(遊技領域20001p)以外となる中央領域(液晶表示装置20004の表示領域20004dを含む領域)を前方に露出させるように形成されている。すなわち、第1透明部材20007Aは、転動領域(遊技領域20001p)における遊技球の前方への移動を規制しつつ、転動する遊技球を前方から視認可能とする一方、例えば可動演出役物21321を開口部20007Aaより前方に移動可能としている(図503及び図504参照)。一対の凹部20007Abは、第1透明部材20007Aの下端部に設けられており、一対の回転係止片20007Acは、第1透明部材20007Aの上端部に設けられている。第1透明部材20007Aは、凹部20007Abに第2透明部材20007Bの後述する係合爪20007Bdが掛けられた後、回転係止片20007Acを回転させて第2透明部材20007Bの上端部に係止させることにより第2透明部材20007Bに組み付けられる。
図498〜図500及び図502に示すように、第2透明部材20007Bは、主たる部分が前方に膨出するように形成されており、前面部20007Ba、側面部20007Bb、周縁部20007Bc、一対の係合爪20007Bd、一対の凸部20007Beを有する。前面部20007Ba及び側面部20007Bbは、第2透明部材20007Bの主たる部分として形成されている。
図502に示すように、前面部20007Baは、下部から上部へといくにつれて次第に前方に突き出るように傾斜面状に形成されている。このような前面部20007Baの奥方には、第1透明部材20007Aの開口部20007Aaが配置される(図498、図499、及び図501参照)。これにより、前面部20007Baは、遊技盤20001Aと対向するように配置される(図503参照)。図502〜図504に示すように、前面部20007Baの上部は、その下部よりも遊技盤20001Aとの間に可動演出役物21321が動作可能な十分なスペースを形成している。図500及び図502に示すように、側面部20007Bbは、前面部20007Baの外周部から後方へと向かうにつれて若干外側に広がるように傾斜面状に形成されており、前面部20007Baから周縁部20007Bcへと連続するように形成されている。側面部20007Bbは、前後方向に垂直な面内において弧を描くように前面部20007Baの周囲に曲面状に形成されている。側面部20007Bbには、装飾シート20007Cが貼着される。図498及び図499に示すように、周縁部20007Bcは、その裏面に対して第1透明部材20007Aが当接させられる。図500及び図501に示すように、周縁部20007Bcの下端部には、後方に突出するように係合爪20007Bdが形成されているとともに、下方に突出するように凸部20007Beが形成されている。第2透明部材20007Bは、第1透明部材20007Aの凹部20007Abに係合爪20007Bdが掛けられ、その後、周縁部20007Bcの上端部に第1透明部材20007Aの回転係止片20007Acが係止されることにより、第1透明部材20007Aと一体化される。図497に示すように、第1透明部材20007A及び第2透明部材20007Bが一体的に組み付けられた透明板ユニット20007’は、全体ベース板20003acの開口部hから前面部20007Ba及び側面部20007Bbが前方に突き出る姿勢で全体ベース板20003acの裏面に凸部20007Be等を介して組み付けられる。
遊技者は、透明板ユニット20007’の前面部20007Ba及び開口部20007Aaを通して液晶表示装置20004の表示領域20004dや可動演出役物21321を視認することができる。また、図502〜図504に示すように、可動演出役物21321は、前後方向に大きく動作可能であり、可動演出役物21321によるダイナミックな動きを遊技者に対して見せることができる。また、遊技者は、前面部20007Baや側面部20007Bbから第1透明部材20007Aの開口部20007Aaの外縁部分を通して転動領域(遊技領域20001p)にて転動する遊技球を視認することができる。なお、第1透明部材20007A及び第2透明部材20007Bは、一体成形してもよい。
このような透明板ユニット20007’を備えた前面ドア20003によれば、第2透明部材20007Bの前面部20007Baにおいて前方にせり出した上部や前面部20007Baと曲面状に連なって一体的に形成された側面部20007Bbが前面ドア20003の飾り部分として構成され、これら前面部20007Baや側面部20007Bbを通して境目なく電飾等が設けられた遊技盤20001Aを視認することができるので、複数の部材を用いることなく前面ドア20003を容易に組み付けることができるとともに、軽量化を図りつつ部品コストを抑えることができ、視覚的効果を高めることができる。
[発射ハンドルの内部構造]
図505は、発射ハンドル20026bを示す斜視図、図506及び図507は、発射ハンドル20026bを示す分解斜視図、図508は、発射ハンドル20026bを示す分解側面図、図509は、発射ハンドル20026bにおけるハンドルグリップ20026dを示す正面図、図510は、発射ハンドル20026bにおけるハンドルグリップ20026dを示す背面図、図511は、発射ハンドル20026bにおけるベース部材20026kを示す正面図、図512は、発射ハンドル20026bにおけるベース部材20026kを示す背面図である。
図506〜図508に示すように、本実施形態の発射ハンドル20026bは、図385等に示す第15実施形態の発射ハンドル20026bと異なる構成要素として、ベース部材20026kを有する。ベース部材20026kは、非導電性の素材で形成されており、ハンドルキャップ20026h及びハンドルグリップ20026dの背面側に位置し、収容ケース20026cの内部に収容される。
図506、図507、図509、及び図510に示すように、ハンドルグリップ20026dは、2つの貫通部20026daと、発射ボリューム20026mから前方に突き出たハンドル軸20026iを挿入・固定可能なボス部20026dbとを有する。貫通部20026daは、回転軸方向(前後方向)に貫通するとともに、円周方向(回転方向)に沿って半円弧状に形成されている。ハンドルグリップ20026dの周縁部は、導電性を有する素材で形成され、遊技者の手がハンドルグリップ20026dの周縁部に接触すると、タッチセンサ20026pによって接触が検知される。タッチセンサ20026pは、ハンドルグリップ20026dの背面側に設けられている(図507及び図510参照)。
図507に示すように、収容ケース20026cには、複数のネジ孔20026caが設けられている。ハンドルキャップ20026hには、収容ケース20026cのネジ孔20026caと対応する箇所にボス部20026haが設けられている。ベース部材20026kには、収容ケース20026cのネジ孔20026ca及びハンドルキャップ20026hのボス部20026haと対応する箇所にネジ孔kbが設けられている。ハンドルキャップ20026h及びベース部材20026kは、ネジ孔20026caに挿通されたネジ20026cbがボス部20026ha及びネジ孔kbに螺着されることで収容ケース20026cに固定される。一方、ハンドルグリップ20026dは、ボス部20026ha及びネジ孔kbに螺着されたネジ20026cbが貫通部20026daを貫通しつつも回転方向に相対移動可能である。これにより、ハンドルグリップ20026dは、ハンドル軸20026iを回転中心として回転可能である。
図506、図507、図511、及び図512に示すように、ベース部材20026kは、周縁部から外方に露出するように発射停止ボタン20026eが設けられ、前面側に凹部20026kaを有するとともに、背面側に発射停止スイッチ20026g及び発射ボリューム20026mが設けられる。ハンドルグリップ20026dの背面側に設けられたタッチセンサ20026pは、凹部20026kaの内部空間に位置し、この内部空間においてハンドルグリップ20026dと一体に回転可能である。発射停止ボタン20026eは、押圧されると発射停止スイッチ20026gによって押圧が検知される。発射ボリューム20026mは、ハンドルグリップ20026dの回動角度に応じて抵抗値を変化させ、その抵抗値に応じた電力を図示しない発射装置のソレノイドアクチュエータに供給する。このようなベース部材20026kによれば、電子部品としての発射停止スイッチ20026gや発射ボリューム20026mがベース部材20026kの背面側に設けられるので、ベース部材20026kの前面側に配置される導電性のハンドルグリップ20026dからの沿面距離が比較的大きく(図508に示す点線部参照)、ハンドルグリップ20026d等との電気的絶縁が十分確保されることとなり、発射停止スイッチ20026gや発射ボリューム20026mの誤作動を効果的に防ぐことができる。また、ベース部材20026kは、外装として傷や汚れがつきやすい収容ケース20026cやハンドルキャップ20026h、ハンドルグリップ20026dとは異なり、収容ケース20026cの内部に収容されるので、リサイクル品として有効に再利用することができる。
このような発射ハンドル20026bによれば、発射ハンドル20026bをリサイクル品として再利用する際には、収容ケース20026cやハンドルキャップ20026h、ハンドルグリップ20026dを取り替えるだけで発射停止スイッチ20026gや発射ボリューム20026mが設けられたベース部材20026kをそのまま再利用することができるので、リサイクル品として再利用する際に電子部品の取り外しといった煩雑な作業を要することなく、リサイクル性を高めることができる。
また、ベース部材20026kの背面側に発射停止スイッチ20026gや発射ボリューム20026mが設けられているので、ベース部材20026kの前面側に配置されたハンドルキャップ20026hの導電性を有する周縁部までの沿面距離を大きく確保することができ、発射停止スイッチ20026gや発射ボリューム20026mの誤作動を有効に防ぐことができる。
[送風機構の可動構造]
図513は、送風機構20110を示す斜視図、図514は、送風機構20110を示す分解斜視図、図515は、送風機構20110の内部を示す内部平面図、図516は、送風機構20110の動作を説明するための内部平面図、図517は、送風機構20110の動作を説明するための左側面図、図518は、送風機構20110の動作を説明するための内部平面図、図519は、送風機構20110の動作を説明するための左側面図である。
図514に示すように、本実施形態の送風機構20110は、図401等に示す第15実施形態の送風機構20110と異なる構成要素として、第1リンク部材20120、第2リンク部材20121、可変フラップ20130を有する。また、カバー部材20110A,20110Bには、風を導くための楕円状の開口部20110c,20110bが形成されている。
図514及び図518に示すように、カバー部材20110Aには、先述したエンクロージャ20010eの開口20010ec(図400参照)からまっすぐ向かう方面に開口部20110cが形成されており、開口部20110cの内側に空間部20110aが設けられている。空間部20110aにおいては、可変フラップ20130が傾斜姿勢・水平姿勢に変動可能である。空間部20110aの下方は、可変フラップ20130の傾斜姿勢・水平姿勢に関係なく常に開放されており、先述した通気口20008caが位置する(図400参照)。図514に示すように、カバー部材20110Bには、カバー部材20110Aの開口部20110cから左右方向にまっすぐ向かう方面に開口部20110bが形成されている。
図516及び図518に示すように、ソレノイド20111は、オン・オフ動作に連動して退避・突出可能なプランジャ20111aを有し、プランジャ20111aの先端部は、第1リンク部材20120の基端部120aと連結されている。第1リンク部材20120は、中間部20120bが回転可能にカバー部材20110Aに軸支されている。第1リンク部材20120の先端部120cは、第2リンク部材20121の基端部121aに連結されている。第2リンク部材20121は、長穴状の開口20121bを有し、この開口20121bにカバー部材20110Aの裏面に突設されたピン20110dが相対的に遊動可能となるように配置される。これにより、第2リンク部材20121は、ピン20110dを介して上下動可能に支持される。第2リンク部材20121の先端部121cは、可変フラップ20130の一端部を左右移動可能としつつこの一端部に連結されている。図516に示すように、ソレノイド20111のプランジャ20111aが下方に突き出た状態では、第1リンク部材20120を介して第2リンク部材20121が相対的に上位に位置し、これに伴い可変フラップ20130が上端部を持ち上げられた姿勢(傾斜姿勢)となる。一方、図518に示すように、ソレノイド20111のプランジャ20111aが退避した状態になると、第1リンク部材20120を介して第2リンク部材20121が相対的に下位に位置し、これに伴い可変フラップ20130が上端部を引き下げられた姿勢(水平姿勢)となる。
図514に示すように、可変フラップ20130は、空間部20110aにおいて下端部が回転軸20131を介して回転可能に支持されており、通常時は上端部が下端部よりも開口部20110cに近づくような傾斜姿勢に保たれる(図514において実線で示す姿勢)。一方、上述したようにソレノイド20111のプランジャ20111aが退避した状態になると、可変フラップ20130は、空間部20110aの下方を塞ぐような水平姿勢になる(図514において仮想線で示す姿勢)。図515に示すように、カバー部材20110Bの内側部分において開口部20110bの上縁付近には、弾力性を有する緩衝部材20132が貼着されている。可変フラップ20130が傾斜姿勢の状態では、風の流れが可変フラップ20130を緩衝部材20132の方方向へと押し出す力として作用し、可変フラップ20130の上端部分が緩衝部材20132に密接する。これにより、開口部20110bと可変フラップ20130との隙間から風が漏れることを効果的に防ぐことができる。開口部20110bの右側には、先述した図397、図399、図400に示すような送風口20080が位置する。
可変フラップ20130が傾斜姿勢の場合、開口20010ec(図400参照)から送出された風は、可変フラップ20130に当って遮られ、開口部20110bを抜けることなく空間部20110aの下方へと導かれる(図517参照)。空間部20110aの下方へと導かれた風は、アンダーカバー20008cの通気口20008ca(図400参照)を通って外部へと送出される。一方、可変フラップ20130が水平姿勢の場合、開口20010ec(図400参照)から送出された風は、可変フラップ20130に遮られることなく概ねまっすぐ流れ、空間部20110aを通って開口部20110bへとまっすぐ抜ける(図519参照)。開口部20110bを抜けた風は、右下側面カバー20008baの送風口20080(図399、図400参照)を通って外部へと送出される。送風口20080と概ねまっすぐ対向する位置には、発射装置20026の発射ハンドル20026bが配置されており、送風口20080から出た風は、発射ハンドル20026bを把持する遊技者の手に当たる。このように、通常時は発射ハンドル20026bの方へと風が漏れることなく下方へと導かれる一方、演出音等に応じて発射ハンドル20026bの方へと風を導く際には、開口20010ecから空間部20110a及び開口部20110c,20110b並びに送風口20080へと至る風の流路が概ねまっすぐ形成されるので、発射ハンドル20026bを握る遊技者の手まで風圧をできる限り弱めることなく風を到達させることができる。
このような送風機構20110によれば、スピーカ20010cから音が出力されるのに伴いエンクロージャ20010eの開口20010ecから流出する空気流が、可変フラップ20130の水平姿勢によって直線的に案内されると発射ハンドル20026bの方へと導かれる一方、可変フラップ20130の傾斜姿勢によって曲折して下方へと案内されると発射ハンドル20026bの方へと導かれなくなるので、送風機構20110の小型化を図りつつも発射ハンドル20026bの方には抵抗なく十分な風量をもって空気流を導くことができ、スピーカユニット20010の小型化及び簡素化を図ることができる。
また、可変フラップ20130が傾斜姿勢にあるときでも、可変フラップ20130の上端部と相対する接触面との間から緩衝部材20132によって空気流が漏れないようにすることができるので、発射ハンドル20026bの方には抵抗なく十分な風量をもって空気流を導く一方、下方へと空気流を導く際には発射ハンドル20026bの方に風が漏れないようにすることができる。
「第18実施形態」
次に、第18実施形態に係るパチンコ遊技機について図面を参照して説明する。なお、先述した第15〜第17実施形態に係るものと同一又は類似の構成要素については、同一符号を付してその説明を省略する。図520〜図564は、第18実施形態に係るパチンコ遊技機を説明するための図である。なお、図520〜図564においては、便宜上、適宜部品の図示を省略している。
第18実施形態に係るパチンコ遊技機は、主として、本体サブユニット20440における第1演出ユニット24000の動作及び構造、本体サブユニット20440における第2演出ユニット25000の動作及び構造、遊技盤20001Aの球通路構造に特徴を有する。これらの特徴的な構造について図面を参照して以下に順に説明する。
[本体サブユニットの構造]
図520及び図521は、本体サブユニット20440を示す斜視図、図522は、本体サブユニット20440を示す正面図、図523及び図524は、本体サブユニット20440を示す分解斜視図である。
本実施形態の本体サブユニット20440は、図示しない本体ユニット20400の取付枠20410(図427及び図428参照)に対して遊技盤20001Aや液晶表示装置20004等を一体的に装着するためのものである。図523及び図524に示すように、本体サブユニット20440は、本体ケース20441、遊技盤20001A、液晶表示装置20004、第1演出ユニット24000、第2演出ユニット25000、及び装飾ユニット26000を有して構成される。
本体ケース20441は、液晶表示装置20004の表示領域20004dを前方に露出させる開口部20442を有し、矩形箱状に形成されている。本体ケース20441の背面には、液晶表示装置20004が表示領域20004dを開口部20442に対向させるように取り付けられる。本体ケース20441の前面奥側の左右側部から下部には、第1演出ユニット24000が配置される。本体ケース20441の前方内部における左右側部から下部には、第1演出ユニット24000が配置される。本体ケース20441の前方内部における上部には、第2演出ユニット25000が取り付けられる。本体ケース20441の前方内部における下部には、第1演出ユニット24000よりも前方に位置するように装飾ユニット26000が取り付けられる。本体ケース20441の前面には、遊技盤20001Aが取り付けられる。遊技盤20001Aには、液晶表示装置20004の表示領域20004dを前方に露出させるための開口領域20001dが形成されており、この開口領域20001dの外周に遊技球が転動可能な遊技領域20001pが形成される。開口領域20001dは、液晶表示装置20004の表示領域20004dを前方に臨ませるだけでなく、表示領域20004dと重なって出現した状態の第1演出ユニット24000や第2演出ユニット25000を遊技者に対して視認可能とする。このような開口領域20001dは、第1演出ユニット24000等の出現を見ることが可能な視野面となる。装飾ユニット26000は、遊技盤20001Aの透明な下部分を通して遊技者に視認可能となるように配置される。第1演出ユニット24000及び第2演出ユニット25000については後述する。また、遊技盤20001Aに設けられた球通路カバー27000等についても後述する。
[第1演出ユニット]
図525は、第1演出ユニット24000を示す斜視図、図526は、第1演出ユニット24000を示す正面図、図527は、第1演出ユニット24000を示す背面図、図528は、第1演出ユニット24000を示す側面図、図529は、第1演出ユニット24000の一部を示す上面図、図530は、第1演出ユニット24000における下ユニット24100の動作を説明するための正面図、図531は、第1演出ユニット24000における下ユニット24100の動作を説明するための背面図、図532は、第1演出ユニット24000における左ユニット24200の動作を説明するための正面図、図533は、第1演出ユニット24000における左ユニット24200の動作を説明するための背面図、図534は、第1演出ユニット24000における左ユニット24200の動作を説明するための斜視図、図535は、第1演出ユニット24000における右ユニット24300の動作を説明するための正面図、図536は、第1演出ユニット24000における右ユニット24300の動作を説明するための背面図、図537は、第1演出ユニット24000における右ユニット24300の動作を説明するための側面図、図538は、第1演出ユニット24000における右ユニット24300の動作を説明するための斜視図、図539は、第1演出ユニット24000における直立ユニット24400の動作を説明するための正面図、図540は、第1演出ユニット24000における直立ユニット24400の動作を説明するための背面図、図541は、第1演出ユニット24000における直立ユニット24400の動作を説明するための側面図、図542は、第1演出ユニット24000における直立ユニット24400の動作を説明するための上面図、図543は、第1演出ユニット24000における直立ユニット24400の動作を説明するための斜視図である。
図525〜図529に示すように、第1演出ユニット24000は、下ユニット24100、左ユニット24200、右ユニット24300、及び直立ユニット24400を有して構成される。下ユニット24100は、第1演出ユニット24000の下方において上下方向に移動可能に設けられる。左ユニット24200は、第1演出ユニット24000の左側において開口領域20001d(視野面)に垂直な水平軸周りに回転可能に設けられる。右ユニット24300は、第1演出ユニット24000の右側において開口領域20001dに垂直な水平軸周りに回転可能に設けられる。直立ユニット24400は、右ユニット24300よりも前方に配置され、開口領域20001dに沿う鉛直軸周りに反転可能に設けられる。
図526及び図527に示すように、下ユニット24100は、主として、下可動体24110、ベース部材24120、一対のリンク部材24130,24140、ラック部材24150、複数の歯車24160〜24162、及びモータ24170を有して構成される。左ユニット24200は、主として、左可動体24210、ベース部材24220、アーム部材24230、複数の歯車24240〜24242、及びモータ24250を有して構成される。右ユニット24300は、主として、右可動体24310、ベース部材24320、アーム部材24330、複数の歯車24340〜24343、及びモータ24350を有して構成される。図525〜図529に示すように、直立ユニット24400は、主として、直立可動体24410、ベース部材24420、複数の歯車24430〜24433、及びモータ24440を有して構成される。
[下ユニット]
下ユニット24100において、下可動体24110は、遊技者から見えない開口領域20001dより下方の退避位置から開口領域20001dの下縁付近の出現位置へと上下方向にスライド移動可能な部材である。下可動体24110は、内部に発光手段を有しており、出現の際に発光する。下可動体24110の構造については後述する。図527及び図531に示すように、下可動体24110の裏面には、左右一対の支持部24111,24112が設けられており、ベース部材24120に形成された上下縦長状の案内溝24121,24122に支持部24111,24112が摺動可能に支持されている。また、下可動体24110の下部は、リンク部材24130,24140の先端部24132、24142に当接しており、リンク部材24130,24140が所定方向に回転して先端部24132、24142が上方に移動すると、先端部24132、24142に持ち上げられるようにして下可動体24110が上方に移動して出現位置へと現れる。その逆に、リンク部材24130,24140が所定方向とは逆方向に回転して先端部24132、24142が下方に移動すると、先端部24132、24142に持ち下げられるようにして下可動体24110が下方に移動して退避位置へと戻る。
図527、図530、及び図531に示すように、下ユニット24100において、ベース部材24120には、上記した案内溝24121,24122のほか、リンク部材24130,24140の先端部24132、24142を摺動可能に案内するための円弧状の湾曲溝24123,24124が形成されている。リンク部材24130,24140の基端部には、ピニオン24131,24141が設けられており、これらのピニオン24131,24141が回転すると、リンク部材24130,24140の先端部24132、24142が湾曲溝24123,24124に沿って回転移動する。ベース部材24120の背後には、左右方向に移動可能にラック部材24150が配置されている。ラック部材24150には、上向きのラック24151と下向きのラック24152とが形成されている。上向きのラック24151は、左側のリンク部材24130のピニオン24131と噛合されており、下向きのラック24152は、右側のリンク部材24140のピニオン24141と噛合されている。
図531を参照して説明すると、図中右側のピニオン24131が図中で反時計回りに回転すると、リンク部材24130の先端部24132が下方から上方へと湾曲溝24123に沿って回転移動する。その際、ピニオン24131と噛合された上向きのラック24151が図中右方向へと転移することとなり、ラック部材24150全体も図中右方向へと移動する。すると、図中左側に配置された下向きのラック24152も図中右方向へと転移する。その結果、下向きのラック24152と噛合されたピニオン24141が図中で時計回りに回転し、リンク部材24140の先端部24142が下方から上方へと湾曲溝24124に沿って回転移動する。図中右側のピニオン24131を図中で時計回りに回転させた場合は、上記とは逆の挙動となる。これにより、一方のピニオン24131を回転させるだけで左右一対のリンク部材24130,24140を連動させ、それらの先端部24132,24142を同時に上下変位させることができ、ひいては下可動体24110を上下方向に容易にスライド移動させることができる。
リンク部材24130,24140、ラック部材24150、複数の歯車24160〜24162、及びモータ24170は、下可動体24110を上下移動させるための駆動手段としてベース部材24120に設けられている。リンク部材24130のピニオン24131は、複数の歯車24160〜24162を介してモータ24170の駆動力が伝えられ、モータ24170の回転方向に応じて正逆両方向に回転可能である。
[左ユニット]
左ユニット24200において、左可動体24210は、遊技者から見えない開口領域20001dより左側の退避位置から開口領域20001dに出現した下可動体24110の上端部左側に接する開口領域20001dの左側の出現位置へと前後方向に沿う水平軸周りに回転可能な部材である。左可動体24210は、内部に発光手段を有しており、出現の際に発光する。左可動体24210の構造については、下可動体24110の構造と同様であるため省略する。図531及び図533に示すように、左可動体24210は、端部に支持部24211が設けられており、この支持部24211が同図において省略されたベース部材24220に回転可能に支持されている。支持部24211から離間した左可動体24210の端部には、アーム部材24230の一端が回動自在に連結されている。アーム部材24230の他端は、歯車24242の側部に回動自在に連結されている。
図533を参照して説明すると、歯車24242が図中で反時計回りに回転すると、アーム部材24230が左可動体24210の端部に回転モーメントを付与する。これにより、左可動体24210は、支持部24211を中心に下方に向けて回転し、下可動体24110の上端部左側と合体するように出現位置へと現れる。その逆に、歯車24242が図中で時計回りに回転すると、アーム部材24230が左可動体24210の端部に逆方向の回転モーメントを付与する。これにより、左可動体24210は、支持部24211を中心に上方に向けて回転し、下可動体24110の左側上端部から離れるように退避位置へと戻る。
アーム部材24230、複数の歯車24240〜24242、及びモータ24250は、左可動体24210を回転移動させるための駆動手段としてベース部材24220に設けられている。アーム部材24230は、複数の歯車24240〜24242を介してモータ24250の駆動力が伝えられ、モータ24250の回転方向に応じて正逆両方向に回転可能である。
[右ユニット]
右ユニット24300において、右可動体24310は、遊技者から見えない開口領域20001dより右側の退避位置から開口領域20001dに出現した下可動体24110の上端部右側に接する出現位置へと前後方向に沿う水平軸周りに回転可能な部材である。右可動体24310は、退避位置にある状態において、直立可動体24410の背後に位置する。右可動体24310は、内部に発光手段を備えておらず、出現の際には下可動体24110からの光を受けて自ら発光しているように見える。これについては、右可動体24310の構造とともに後述する。図533及び図536に示すように、右可動体24310は、図示省略するが、左可動体24210と同様に、端部に支持部が設けられており、この支持部が同図において省略されたベース部材24320に回転可能に支持されている。支持部から離間した右可動体24310の端部には、アーム部材24330の一端が回動自在に連結されている。アーム部材24330の他端は、歯車24343の側部に回動自在に連結されている。
図536を参照して説明すると、歯車24343が図中で時計回りに回転すると、アーム部材24330が右可動体24310の端部に回転モーメントを付与する。これにより、右可動体24310は、支持部を中心に下方に向けて回転し、下可動体24110の上端部右側と合体するように出現位置へと現れる。その逆に、歯車24343が図中で反時計回りに回転すると、アーム部材24330が右可動体24310の端部に逆方向の回転モーメントを付与する。これにより、右可動体24310は、支持部を中心に上方に向けて回転し、下可動体24110の右側上端部から離れるように退避位置へと戻る。
アーム部材24330、複数の歯車24340〜24343、及びモータ24350は、右可動体24310を回転移動させるための駆動手段としてベース部材24320に設けられている。アーム部材24330は、複数の歯車24340〜24343を介してモータ24350の駆動力が伝えられ、モータ24350の回転方向に応じて正逆両方向に回転可能である。
[直立ユニット]
直立ユニット24400において、直立可動体24410は、開口領域20001dの右側に一部視認し得る状態に配置されている(図522参照)。直立可動体24410は、前面部24410Aと背面部24410Bとを有し、これらのうち背面部24410Bが下可動体24110、左可動体24210、及び右可動体24310と統一したモチーフのデザインで装飾が施されている。直立可動体24410は、背面部24410Bが裏向き状態となる退避位置から開口領域20001dの右側に背面部24410Bの一部が見える出現位置へと上下方向に沿う鉛直軸(回転軸S)周りに回転可能な部材である。図537に示すように、直立可動体24410は、背面部24410Bが退避位置にある状態(裏向き状態)において、前面部24410Aが回転軸Sよりも前方に位置するように側面視略コ字状に形成されている。これにより、背面部24410Bが退避位置にある状態では、直立可動体24410の背後に大きな空間が形成され、この空間を退避スペースとして右可動体24310が退避される。図541に示すように、右可動体24310が出現位置へと回転移動すると、右可動体24310の退避スペースを占有しつつ背面部24410Bが反転可能となる。すなわち、直立可動体24410の背面部24410Bが退避位置から反転して出現位置にある状態(表向き状態)になる。直立可動体24410は、内部に発光手段を有しており、背面部24410Bが反転して表向き状態となった際に発光する。なお、直立ユニット24400の前方には、開口領域20001dに露出することなく直立可動体24410と重ならない位置において上下方向に延びるように球回収通路部材29000が設けられる。
図543に示すように、直立可動体24410は、縦長フレーム状のベース部材24420に回転可能に支持されている。図529に示すように、直立可動体24410の上部には、歯車24433が設けられており、この歯車24433に連動して直立可動体24410が回転軸S周りに回転する。
図529、図535〜図537、図539〜図541を参照して説明すると、図535〜図537に示すように、直立可動体24410の前面部24410Aが表向きの状態(背面部24410Bが裏向きの状態)において、歯車24433が図529で時計回りに回転すると、図539〜図541に示すように、直立可動体24410が180度反転して前面部24410Aが裏向きの状態となる。すなわち、背面部24410Bが表向きの状態となって出現位置に現れる。その逆に、図539〜図541に示すように、直立可動体24410の前面部24410Aが裏向きの状態(背面部24410Bが表向きの状態)において、歯車24433が図529で反時計回りに回転すると、直立可動体24410が逆向きに反転し、図535〜図537に示すように、直立可動体24410の前面部24410Aが表向きの状態となり、背面部24410Bが裏向きの状態となって退避位置に戻る。
複数の歯車24440〜24443、及びモータ24440は、直立可動体24410を回転軸S周りに反転させるための駆動手段としてベース部材24420に設けられている。直立可動体24410は、複数の歯車24440〜24443を介してモータ24450の駆動力が伝えられ、モータ24450の回転方向に応じて正逆両方向に180度反転可能である。
[第1演出ユニットの動作]
次に、図530〜図543を参照して第1演出ユニット24000の動作について説明する。
まず、下可動体24110、左可動体24210、右可動体24310、及び直立可動体24410は、当初において退避位置にある状態とする。この状態から、図530〜図531に示すように、下可動体24110が下方の退避位置から上方の出現位置へと移動する。すると、特に図示しないが、遊技盤20001Aの開口領域20001dの下縁に沿って下可動体24110が出現する。
次に、下可動体24110が出現位置にある状態において、図532〜図534に示すように、左可動体24210が左側の退避位置から下方の出現位置へと回転移動する。これにより、左可動体24210は、下可動体24110の上端部左側に合体した状態となる。
次に、下可動体24110及び左可動体24210が出現位置にある状態において、図535〜図538に示すように、右可動体24310が右側の退避位置から下方の出現位置へと回転移動する。これにより、右可動体24310は、下可動体24110の上端部左側から上端部中央にわたって合体した状態となる。
次に、最終的には、下可動体24110、左可動体24210、及び右可動体24310が出現位置にある状態において、図539〜図543に示すように、直立可動体24310の背面部24410Bが裏向きとなった退避位置から表向きの出現位置へと反転する。これにより、直立可動体24310の背面部24410Bは、下可動体24110、左可動体24210、及び右可動体24310と一体になって統一したモチーフの立体的な装飾が施された演出物の全体像が完全に出現した状態となる。
このような第1演出ユニット24000によれば、上下移動する下可動体24110、水平軸周りに回転移動する左可動体24210及び右可動体24310、並びに鉛直軸周りに反転する直立可動体24410を各々異なる動作態様によって遊技盤20001Aの開口領域20001dに順次出現させ、最終的に演出物の全体像を遊技者に視認させることができるので、動作態様が多様となり、多彩な演出効果として合体時のダイナミックさを高め、ひいては面白味や興趣を高めることができる。なお、下可動体24110、左可動体24210及び右可動体24310、並びに直立可動体24410の動作態様は、互いに異なっていればよく、上記した上下移動や水平軸周りの回転、鉛直軸周りの回転に限定されず、斜め方向や奥行き方向(前後方向)の動きでもよいことはいうまでもない。
また、下可動体24110、左可動体24210、及び右可動体24310を遊技盤20001Aの開口領域20001dに出現させた後、部分的に前面部24410Aが見える直立可動体24410を反転させることで背面部24410Bを出現させることにより、連続的な異なる動作によって演出物の全体像を視認させることができるので、動作態様が多彩で連動性のある演出効果として面白味や興趣を高めることができる。なお、上記実施形態では、上下移動する下可動体24110、水平軸周りに回転移動する左可動体24210及び右可動体24310、並びに鉛直軸周りに反転する直立可動体24410でもって1つの構成物を形成したが、上記実施形態よりも可動体の数を少なくしてもよいし、多くしてもよいことは言うまでもない。例えば、可動体の数を少なくして、上下移動する可動体と、水平軸周りに回転移動する可動体と、鉛直軸周りに反転する可動体の3つの可動体で1つの構成物を構成してもよい。
[第1演出ユニットの導光構造]
図544は、下可動体24110、左可動体24210、及び右可動体24310を示す斜視図、図545は、下可動体24110、左可動体24210、及び右可動体24310を示す分解斜視図、図546は、右可動体24310を示す分解斜視図、図547は、下可動体24110及び右可動体24310の一部を示す斜視図、図548は、下可動体24110、左可動体24210、及び右可動体24310を示す一部切り欠き側面図である。なお、第1演出ユニット24000においては、下可動体24110と右可動体24310との導光構造に特徴を有するため、これらの導光構造を主として説明する。
図545に示すように、下可動体24110は、ベース板24113、発光基板24114、中間フレーム部材24115、複数の導光部材24116、前面装飾部材24117、及び上縁レンズ部材24118を有して構成される。左可動体24210は、上部装飾部材24212、前面装飾部材24213、及び上縁レンズ部材24214を有して構成される。右可動体24310は、上部装飾部材24311、支持部材24312、上縁レンズ部材24313、及び上縁装飾部材24314を有して構成される。
下可動体24110において、ベース板24113の前面には、発光基板24114が取り付けられる。図548に示すように、発光基板24114の前面には、複数のLED24114Aが設けられており、LED24114Aの光が概ね前方に向けて照射される。発光基板24114の前面には、LED24114Aを前方に露出させるように中間フレーム部材24115が設けられる。中間フレーム部材24115の前面には、LED24114Aからの光を前方に導くように複数の導光部材24116が設けられる。導光部材24116は、LED24114Aからの光を前方だけでなく側方にも導く。また、中間フレーム部材24115の前面には、複数の導光部材24116を覆うように前面装飾部材24117が取り付けられる。前面装飾部材24117は、モチーフに応じたデザインで透光性を有する装飾レンズとして形成されている。図548に示すように、LED24114Aからの光は、導光部材24116を通って前面装飾部材24117へと導かれ、さらに前面装飾部材24117を透過して前方へと照射される。図547に示すように、前面装飾部材24117の上部中央には、右可動体24310が合体時に近接する後述の上縁レンズ部材24313を位置決めするための凹部24117Aが形成されている。また、中間フレーム部材24115の右上部分には、前面装飾部材24117の右上端部に近接するように上縁レンズ部材24118が取り付けられる。上縁レンズ部材24118は、モチーフに応じた横長波状のデザインで透光性を有する装飾レンズとして形成されている。特に図示しないが、LED24114Aからの光は、導光部材24116を通って上縁レンズ部材24118へと導かれ、さらに上縁レンズ部材24118を透過して前方へと照射される。なお、上縁レンズ部材24118は、後述する右可動体24310の上縁レンズ部材24313と同様の形状に形成されている。
左可動体24210は、特に細部について図示しないが、下可動体24110と同様に発光基板や導光部材を内蔵しており、発光基板のLEDからの光が導光部材を通って前面装飾部材24213や上縁レンズ部材24214へと導かれ、これら前面装飾部材24213及び上縁レンズ部材24214を透過して前方へと照射される。
右可動体24310は、下可動体24110や左可動体24210とは異なり、発光基板を備えておらず、下可動体24110のLED24114Aからの光を利用してあたかも自ら発光して見えるように構成されている。図545に示すように、右可動体24310において、上部装飾部材24311は、モチーフ(砲台及び甲板)に応じたデザインの装飾形状に形成されている。上部装飾部材24311の左前上端部には、支持部材24312が取り付けられる。支持部材24312の前面には、合体時に下可動体24110の上縁レンズ部材24118や左可動体24210の上縁レンズ部材24214と横方向に連続するように上縁レンズ部材24313が設けられている。上縁レンズ部材24313は、下可動体24110との合体時に凹部24117Aに対応する凸部(図示略)を有し、この凸部が凹部24117Aに嵌合することで下可動体24110の上端部中央に位置決めされる。上縁レンズ部材24313は、上縁レンズ部材24118等と統一したモチーフ(甲板の端部に設けられた手摺)に基づく横長波状のデザインで透光性を有する装飾レンズとして形成されている。図548に示すように、上縁レンズ部材24313は、下方から上方へと前方にせり出すように屈曲状に形成されている。このような上縁レンズ部材24313は、合体時に下可動体24110のLED24114Aからの光を凹部24117Aに対応する凸部を含む下端部から受け、その光を内部において屈折・反射させつつ上縁レンズ部材24313において前方に突出した部分(手摺部分)のみ前方へと光が照射するようになっている。ただし、下可動体24110が出現位置にあっても右可動体24310が退避位置にある状態では、下可動体24110のLED24114Aからの光が上縁レンズ部材24313に入射することはない。上縁レンズ部材24313の下部には、上縁装飾部材24314が取り付けられる。上縁装飾部材24314は、下可動体24110の前面装飾部材24117と統一したデザインの装飾形状に形成されている。
このような右可動体24310によれば、発光基板を備えずに下可動体24110と合体するように出現させても、下可動体24110のLED24114Aからの光を受け、この光が上縁レンズ部材24313を通って前方に照射されるので、発光演出による演出効果を高めつつも部品のコストダウンを図ることができる。
また、下可動体24110のLED24114Aからの光は、下可動体24110の上縁レンズ部材24118を通じて屈折・反射しつつ前方に照射されるだけでなく、右可動体24310の上縁レンズ部材24313によっても屈折・反射しつつ前方に照射されるので、同様の統一感のある発光演出を行い、そのような発光演出による発光効率を高めることができる。さらに、上縁レンズ部材24313は、合体時に下可動体24110の上縁レンズ部材24118や左可動体24210の上縁レンズ部材24214と横方向に連続するように設けられているので、それぞれの上縁レンズ部材の端部から入光してくる光によって光量が補填され、さらに鮮やかな発光を実現できる。
なお、本実施形態においては、左可動体24210が下可動体24110と同様に発光基板を有して自ら発光するように構成されるが、左可動体24210を右可動体24310と同様に発光基板を備えないものとし、左可動体24210においても下可動体24110のLED24114Aからの光を受けて前方に導くように構成してもよい。
[第2演出ユニット]
図549は、第2演出ユニット25000を示す斜視図、図550は、第2演出ユニット25000を示す正面図、図551は、第2演出ユニット25000を示す上面図、図552は、第2演出ユニット25000を示す背面図、図553は、第2演出ユニット25000における上下動ユニット25200の動作を説明するための斜視図、図554は、第2演出ユニット25000における上下動ユニット25200の動作を説明するための正面図、図555は、第2演出ユニット25000における上下動ユニット25200の動作を説明するための背面図である。
図549〜図552に示すように、第2演出ユニット25000は、揺動ユニット25100及び上下動ユニット25200を有して構成される。揺動ユニット25100は、第2演出ユニット25000の上方の所定位置において左右方向の水平軸周りに揺動可能に設けられており、第1ロゴ役物25110と第2ロゴ役物25120とのうちいずれかのロゴ役物が前面に位置するよう構成されている。第1ロゴ役物25110と第2ロゴ役物25120とのうちいずれか一方のロゴ役物が前面に位置するとき、他方のロゴ役物は前方から視認できないよう一方のロゴ役物の後方に待機する。揺動ユニット25100は、開口領域20001dの上端側に視認し得る状態に配置されている(図522参照)。上下動ユニット25200は、第2演出ユニット25000の上方において揺動ユニット25100の背後となる遊技者から見えない退避位置から揺動ユニット25100の下方の出現位置へと移動可能に設けられる。本実施形態においては、上下動ユニット25200に主な特徴を有するため、以下においては、上下動ユニット25200について説明する。
[上下動ユニットの構造・動作]
図550〜図552、図554、及び図555に示すように、上下動ユニット25200は、前面装飾部材25210、背面部材25211、連結支持部材25220、ガイド部材25230、ばね部材25240、滑車部材25241、左右一対のアーム部材25250,25251、歯車25260、モータ25270、揺動機構25280を有して構成される。なお、図550に示すように、ガイド部材25230、滑車部材25341、ばね部材25240の他端25240B等は、本体ケース20441の内部面(図523参照)に固定されている。
上下動ユニット25200において、前面装飾部材25210は、モチーフに応じたデザインで透光性を有する装飾レンズとして形成されており、背面部材25211に設けられた揺動機構25280を介して背面部材25211に支持されている(図552及び図555参照)。前面装飾部材25210の背面側には、図示しない発光基板や導光部材が設けられる。前面装飾部材25210及び背面部材25211は、互いに一体となって連結支持部材25220に支持されており、遊技者から見えない揺動ユニット25100の背後の退避位置から揺動ユニット25100より下方の出現位置へと上下方向に移動可能である。
図552及び図555に示すように、連結支持部材25220は、背面部材25211を片持ち支持するように背面部材25211の片側部分(左側部分)に連結されている。連結支持部材25220の先端部5221は、摺動部分としてガイド部材25230に沿って上下方向に移動可能に支持されている。ガイド部材25230は、本体ケース20441に固定されている。ばね部材25240は、その一端25240Aが連結支持部材25220の適部に係止されるとともに、他端25240Bが本体ケース20441の適部に係止される。ばね部材25240は、連結支持部材25220が下方から上方へと移動する際に弾性収縮力によって移動を補助する役割を果たす。ばね部材25240は、その中間部分の側部が本体ケース20441に固定された滑車部材25241に当接することで略直角に曲げられており、一端25240Aから滑車部材25241に接するまでの部分がガイド部材25230によって移動案内される方向、すなわち概ね上下方向に沿うように配置される一方、滑車部材25241から他端25240Aまでの部分が概ね左右方向に沿うように配置される。これにより、ばね部材25240は、弾性限界が比較的大きくて長いものが用いられる。その結果、連結支持部材25220とともに前面装飾部材25210及び背面部材25211は、上下方向に移動するストロークが相当大きくなっている。
図555に示すように、左右一対のアーム部材25250,25251は、それらの先端部が背面部材25211に設けられた案内溝25211A,25211Bに摺動可能に連結されている。アーム部材25250,25251の基端部は、前後方向に沿う水平軸周りに回転可能に支持されている。一方のアーム部材25250の基端部は、図示しないリンク部材を介して歯車25260と連結されており、この歯車25260に連動してアーム部材25250が回転することにより背面部材25211と一体となって前面装飾部材25210が上下方向に移動する。アーム部材25250は、歯車25260を介してモータ25270の駆動力が伝えられ、モータ25270の回転方向に応じて正逆両方向に回転可能である。歯車25260やモータ25270は、ベース部材に取り付けられている。
具体的には、図552に示すように、前面装飾部材25210及び背面部材25211が揺動ユニット25100背後の退避位置にある状態において、歯車25260が図552で反時計回りに回転すると、図555に示すように、アーム部材25250,25251が下方向に回転し、前面装飾部材25210及び背面部材25211が連結支持部材25220を介してガイド部材25230に案内されつつ下方の出現位置へと移動する。その際、ばね部材25240は、連結支持部材25220に対して下方に変位するほど上向きの弾性収縮力を強める。ただし、前面装飾部材25210及び背面部材25211が所定の出現位置にあって連結支持部材25220が最下位に位置しても、ばね部材25240のみの弾性収縮力によってはこれらを引き上げるほどの力が発生せず、あくまでも上方に移動する際の補助的な弾性収縮力が作用するにすぎない。そのため、図555に示す状態から図552に示す状態へとアーム部材25250,25251を介して前面装飾部材25210及び背面部材25211が上方へと移動させられる際には、これらを上方へと引き戻そうとする適度な弾性収縮力がばね部材25240によって補助的に付与される。このようなばね部材25240は、左右方向に沿う部分がガイド部材25230から離れて邪魔にならない上下動ユニット25200の上方の空きスペースに配置される。
このような上下動ユニット25200によれば、ばね部材25240の一端25240Aから滑車部材25241までの部分については、前面装飾部材25210及び背面部材25211を上下移動させる上下方向に伸長するように配置される一方、ばね部材25240の他端25240Bから滑車部材25241までの部分については、上下移動の方向とは異なる左右方向に伸長するように配置することができる。これにより、上下移動を補助するためのばね部材25240の長さに応じて上下動ユニット25200の移動ストロークをより大きくすることができる。
また、上下動ユニット25200において、構成部品等に邪魔されない空きスペースにばね部材25240を曲げた姿勢で配置することができるので、比較的長いばね部材25240でも支障なく上下動ユニット25200に配置することができる。
なお、本実施形態において、ばね部材25240は、滑車部材25241によって概ね上下方向に沿う部分と左右方向に沿う部分とに屈曲変形する姿勢で配置されるが、配置スペースによっては、滑車部材25241を介してばね部材25240を例えば上下方向から前後方向に屈曲変形する姿勢で配置するようにしてもよい。また、上記したばね部材25240以外にも、ゴム等の弾性部材を用いてもよく、伸縮して付勢力が生じる部材であれば本発明に適用できることはいうまでもない。
[遊技盤]
図556は、遊技盤20001Aを示す正面図、図557及び図558は、遊技盤20001Aの要部を示す分解斜視図、図558は、遊技盤20001Aの要部を示す分解斜視図、図559は、遊技盤20001Aにおける球通路カバー27000を示す斜視図、図560は、遊技盤20001Aにおける球通路カバー27000を示す背面図、図561は、遊技盤20001Aにおける開閉ユニット28000を示す斜視図、図562は、遊技盤20001Aにおける開閉ユニット28000の動作を説明するための斜視図、図563は、遊技盤20001Aにおける開閉ユニット28000の動作を説明するための一部切り欠き斜視図、図564は、遊技盤20001Aにおける開閉ユニット28000の動作を説明するための一部切り欠き上面図である。
図522及び図556に示すように、遊技盤20001Aは、球発射通路20040、ステージ20041、第1始動口20042、第2始動口20043、第2始動口20043を開閉する開閉ユニット28000、通過ゲート20044、第1大入賞口20045、第1大入賞口20045を開閉する第1大入賞口シャッタ20045A、第2大入賞口20046、第2大入賞口20046を開閉する大入賞口シャッタ20046A、複数の一般入賞口20047、アウト口20048、球通路カバー27000(図556において図示略)等を備える。なお、本実施形態のパチンコ遊技機では、第1始動口20042、第2始動口20043、通過ゲート20044、第1大入賞口20045、第2大入賞口20046、及び一般入賞口20047により遊技球が通過により入賞可能な入賞領域が形成される。図556は、球通路カバー27000を取り外した状態を示している。
球発射通路20040は、遊技盤20001Aに向かって左側から概ね中央上部へと延びるように配設され、一対の外レールと内レールとによって形成される。外レールは、遊技領域20001p全体を囲むように配置されている。内レールは、外レールとともに遊技球を遊技盤20001Aの上部に案内するためのものであり、遊技盤20001Aの左側において外レールの内側に配設されている。
ステージ20041は、遊技領域20001pにおける遊技球の流化領域を振り分けるものであり、開口領域20001dの下縁部に沿って配置されている。
図外の発射装置20026によって発射された遊技球は、遊技盤20001Aに打ち込まれた遊技釘(符号略)やステージ20041等との衝突により、その進行方向を変えながら遊技盤20001Aの下方に向かって流下する。この過程において、遊技球は、第1始動口20042、第2始動口20043、大入賞口20046、一般入賞口20047のいずれかに入賞することで回収され、また、入賞しなかった場合や、通過ゲート20044を通過してその後入賞しなかった場合にアウト口20048から排出されることで回収される。
第1始動口20042及び第2始動口20043は、遊技球が入賞(通過)することを条件に抽選の契機を与えるとともに、抽選の結果を図外の液晶表示装置20004等に表示させる契機を与えるものである。
第1始動口20042は、遊技盤20001Aの中央で概ね下方位置に設けられている。第1始動口20042に遊技球が入賞すると、予め設定されている数の遊技球が図外の上皿20017又は下皿20018に払い出される。第1始動口20042への遊技球の入賞は、第1始動口スイッチ20311(図405参照)により検出される。
第2始動口20043は、遊技盤20001Aの右側で第1始動口20042より上方位置に設けられている。第2始動口20043に遊技球が入賞すると、予め設定されている数の遊技球が図外の上皿20017又は下皿20018に払い出される。第2始動口20043は、普通電動役物としての後述する開閉ユニット28000の動作により開閉される。第2始動口20043への遊技球の入賞は、第2始動口スイッチ20312(図405、図556、図557参照)により検出される。
通過ゲート20044は、第2始動口20043を開放する契機を与えるものである。通過ゲート20044への遊技球の入賞は、通過ゲートスイッチ20314(図405、図556、図557参照)により検出される。なお、この通過ゲート20044に遊技球が入賞しても、賞球は発生しない。
第1大入賞口20045は、遊技者に有利な遊技状態である当り遊技状態(大当り遊技状態など)のときに開放されるものである。第1大入賞口20045は、遊技領域20001pの右側上部に設けられている。
第1大入賞口20045には、これを開閉するための第1大入賞口シャッタ20045Aが設けられている。第1大入賞口シャッタ20045Aは、棒部材が前後方向に移動することで第1大入賞口20045に遊技球を導く状態と、導かない状態とに切替可能となるように構成されている。このような第1大入賞口20045は、遊技者に有利な遊技状態である大当り遊技状態のときに開放される。第1大入賞口シャッタ20045Aは、第1大入賞口ソレノイド20315A(図405参照)により開閉可能に駆動される。第1大入賞口20045への遊技球の入賞は、第1大入賞口カウントスイッチ20315(図405参照)により検出される。
第2大入賞口20046も、遊技者に有利な遊技状態である当り遊技状態(大当り遊技状態など)のときに開放されるものである。第2大入賞口20046は、遊技領域20001pの右側下部にあって、第1始動口20042の右側上方で第2始動口20043の概ね左側下方に設けられている。
第2大入賞口20046は、複数の遊技球が同時に入賞し得るように比較的左右方向の寸法が大きい開口からなる。第2大入賞口20046は、第2大入賞口シャッタ20046A及び後述する球通路カバー27000により形成される。第2大入賞口20046は、遊技領域20001pの右側下部に設けられている。第2大入賞口20046は、第2大入賞口シャッタ20046Aが開放状態にある時、遊技盤20001Aの前面と球通路カバー27000との間に開放口として形成され、第2大入賞口シャッタ20046Aが閉鎖状態にある時に閉鎖口となる。
第2大入賞口シャッタ20046Aは、第2大入賞口20046を覆うように左右方向に沿う長手方向寸法が比較的大きい板状部材である。第2大入賞口シャッタ20046Aの短手方向寸法は、遊技球の直径程度である。第2大入賞口シャッタ20046Aは、遊技盤20001Aの前後方向に突出・退避可能に設けられている。第2大入賞口シャッタ20046Aは、遊技盤20001Aの前方に突出した状態が第2大入賞口20046を閉鎖する閉鎖状態となり、遊技盤20001Aの後方へと退避した状態が第2大入賞口20046を開放する開放状態となる。第2大入賞口シャッタ20046Aの上面は、閉鎖状態において比較的緩やかな左下がり傾向の傾斜面になっている。第2大入賞口シャッタ20046Aは、第2大入賞口ソレノイド20316A(図405参照)により開閉可能に駆動される。第2大入賞口20046への遊技球の入賞は、第2大入賞口カウントスイッチ20316(図405、図556、図557参照)により検出される。
一般入賞口20047は、遊技盤20001Aの適宜位置に一つ以上設けられている。この一般入賞口20047に遊技球が入賞すると、抽選が行われないものの、所定数の賞球が払い出される。一般入賞口20047への遊技球の入賞は、一般入賞口スイッチ20310(図405参照)により検出される。
[球通路カバー]
図557〜図560に示すように、球通路カバー27000は、通過ゲート20044の付近から第2始動口20043を経て第2大入賞口20046へと遊技球を導く球通路T1〜T5を形成するものであり、遊技領域20001pの前面に所定の間隔をあけて対向するように取り付けられる。球通路カバー27000の前面は、透明な素材で形成されており、球通路T1〜T5を通る遊技球を前方から視認可能となっている。球通路カバー27000の裏面には、複数のリブ27100,27110,27120,27130,27140、複数の凸部27200、第1減速部27300、及び第2減速部27310が形成されている。
図559及び図560に示すように、球通路カバー27000において、球通路T1は、通過ゲート20044を通過した遊技球あるいは通過ゲート20044から逸れた遊技球を下方へと落下するように導く縦長状の通路(縦通路)であり、遊技盤20001Aの前面や開口領域20001dの周縁壁とリブ27100により形成される。球通路T1の下方には、リブ27110が形成されている。球通路T1を通って落下してきた遊技球は、リブ27110において略水平状に形成された当接部27110Aに突き当たる。当接部27110Aの左側は、その先の第2始動口20043へと遊技球を放出するように開放状の放出部27110Bが形成されている。また、当接部27110Aには、球通路T1を通って落下してきた遊技球を遊技領域20001pの後面に向けて一旦跳ね返らせるように、遊技領域20001pの後面に向けて傾斜した姿勢の第1減速部27300が形成され、跳ね返った遊技球は、遊技盤20001Aの壁部によって転動を阻止され、転動速度が大幅に減速される。球通路T1を通って落下してきた遊技球は、第1減速部27300に当たることにより、直ぐに放出部27110Bの方へと跳ね返ることなく放出部27110Bへと向かう転動速度が低下させられる。これにより、球通路T1を経て放出部27110Bから放出された遊技球は、比較的緩慢な転動速度でゆっくりと第2始動口20043へと向かう。なお、第1減速部27300は、当たった遊技球が遊技領域20001pの前面に跳ね返るように形成してもよい。要するに、放出部27110B以外の方向に壁部が存在し、第1減速部27300に当たった遊技球がその壁部に転動を阻止されることで遊技球の転動速度が減速されればよい。
次に、球通路カバー27000において、球通路T2は、後述する開閉ユニット28000が第2始動口20043を閉状態としている場合に、放出部27110Bから放出された遊技球を第2始動口20043の上から開閉ユニット28000の内部を通過させつつさらに左側へと導く若干左下がりの通路であり、主として開閉ユニット28000により形成される。この球通路T2については、開閉ユニット28000の説明とあわせて後述する。
次に、球通路カバー27000において、球通路T3は、球通路T2を通過してきた遊技球をさらにその左側で落下させる通路であり、遊技盤20001Aの前面とリブ27120,27130により形成される。リブ27120は、第2始動口20043の左側に近接している。リブ27130は、リブ27120より下方に形成されており、リブ27120と高低差のある段差部27130Aを有する。段差部27130Aのさらに左側には、第2大入賞口20046が位置する。球通路T3を経て落下した遊技球は、リブ27130の段差部27130Aに突き当たる。この段差部27130Aにおいても、球通路T3を経て落下してきた遊技球を遊技領域20001pの前面に向けて一旦跳ね返らせるように、遊技領域20001pの前面に向けて傾斜した姿勢の第2減速部27310が形成されている。球通路T3を経て落下してきた遊技球は、第2減速部27310に当たることにより、直ぐに第2大入賞口20046の方へと跳ね返ることなく第2大入賞口20046へと向かう転動速度が低下させられる。これにより、球通路T3を経て第2大入賞口20046へと向かう遊技球についても、比較的遅い転動速度で転動させることができる。また、球通路T3に沿う球通路カバー27000の裏面部分には、凸部27200が形成されている。球通路T3を通過する際の遊技球は、凸部27200に当たることによっても転動速度が低下させられる。したがって、第2大入賞口20046へと向かう遊技球は、比較的遅い転動速度で第2大入賞口20046へと誘導される。
次に、球通路カバー27000において、球通路T4は、第2大入賞口20046を図外の第2大入賞口シャッタ20046Aにより閉状態としている場合に、その第2大入賞口シャッタ20046Aの上面に沿って遊技球をさらに左側へと導く若干左下がりの通路であり、第2大入賞口シャッタ20046Aと球通路カバー27000の裏面により形成される。球通路T4に沿う球通路カバー27000の裏面部分にも、凸部27200が形成されている。これにより、球通路T4を通過する際の遊技球は、凸部27200に当たることによって転動速度が低下させられる。その結果、複数の遊技球が停滞しながら第2大入賞口シャッタ20046A上を転動することとなり、その際に第2大入賞口シャッタ20046Aが開状態となると、一度に複数の遊技球が第2大入賞口20046から同時に落下することで多くの入賞球数が期待される。
次に、球通路T5は、球通路T4を通過してきた遊技球をさらにその左側で落下させる通路であり、遊技盤20001Aの前面とリブ27140により形成される。リブ27140は、第2大入賞口20046の左側に近接している。球通路T5を経て落下した遊技球は、主として図外のアウト口20048へと導かれる。
[開閉ユニット]
図561〜図564に示すように、開閉ユニット28000は、基本的な構成部品として、本体部材28100、後カバー部材28200、羽根部材28300、及び羽根部材ソレノイド20313(図示略)を有して構成される。
本体部材28100及び後カバー部材28200の内部には、球通路T2がU字状に形成される(図563、図564参照)。本体部材28100の前面右側には、放出部27110B(図559、図560参照)から転動してきた遊技球を内部に誘導するための入口部28110が形成されているとともに、本体部材28100の前面左側には、内部において転動する遊技球を外部に誘導するための出口部28120が形成されている。本体部材28100の内部には、入口部28110及び出口部28120を仕切ってU字状の球通路T2を形成するための仕切り部28130が形成されている。
後カバー部材28200は、本体部材28100の後部に取り付けられ、本体部材28100の仕切り部28130との間に遊技球が通過可能な内部空間を形成している。後カバー部材28200の内壁には、U字状の球通路T2に沿って転動する遊技球をスムーズに曲げるための凹湾曲部28210,28211が設けられている。
羽根部材28300は、第2始動口20043から本体部材28100及び後カバー部材28200の内部にわたって球通路T2の底面を形成する可動部品である。羽根部材28300は、図示しない羽根部材ソレノイド20313(図405参照)によって遊技盤20001Aの前後方向に突出・退避するように駆動させられる。羽根部材28300は、前方に突出した状態において、第2始動口20043を閉状態とする一方、後方に退避した状態において、第2始動口20043を開状態とする。羽根部材28300は、第2始動口20043を閉状態とする前側部分が右側から左側へと低位となるように段差状に形成されている。これにより、羽根部材28300が第2始動口20043を閉状態とした場合には、後カバー部材28200の内部に遊技球をスムーズに流入させるための誘導湾曲部27115によって入口部28110から本体部材28100及び後カバー部材28200の内部に入ることで球通路T2に沿って導かれる。羽根部材28300が第2始動口20043を閉状態あるいは開状態のいずれの場合にあっても、羽根部材28300の後側部分28320は、本体部材28100及び後カバー部材28200の内部において球通路T2の底面を形成している。この後側部分28320において、入口部28110の後方に続く部分から出口部28120の後方へと続く部分にかけては、球通路T2の進行方向に沿って低位となる傾斜状の連続面となっている。これにより、羽根部材28300が第2始動口20043を閉状態としている場合には、入口部28110から出口部28120へと球通路T2に沿って複数の遊技球が比較的緩やかな速度でスムーズに導かれる。また、羽根部材28300が第2始動口20043を開状態とした場合には、羽根部材28300の後側部分28320上に滞留している複数の遊技球が出口部28120からスムーズに排出され、第2始動口20043の下方へと落下して入賞することとなる。第2始動口20043への遊技球の入賞は、第2始動口スイッチ20312(図405、図556、図557参照)により検出される。
図559及び図560に示すように、球通路T2に進入する直前の遊技球は、球通路T1を経て落下した後、第1減速部27300に当たることで直ぐに第2始動口20043の方へと跳ね返ることなく、第2始動口20043へと向かう転動速度が低下させられる。これにより、球通路T2に進入する直前で第2始動口20043へと向かう遊技球は、比較的遅い転動速度で転動させることができる。その結果、複数の遊技球が球通路T2に沿って停滞しながら羽根部材28300上を転動することとなり、その際に羽根部材28300が開状態となると、一度に複数の遊技球が第2始動口20043から同時に落下することで多くの入賞球数が期待される。
このような遊技盤20001Aによれば、縦通路となる球通路T1に沿って落下してきた遊技球が当接部27110Aに突き当たって放出部27110Bから左方向に放出される際に、第1減速部27300によって遊技球の進行速度が減速されつつ当該遊技球が左方向に位置する第2始動口20043及び羽根部材28300へと案内され。さらに、第2始動口20043及び羽根部材28300を経て段差部27130Aへと落下してきた遊技球は、第2減速部27310によって進行速度が減速されつつ第2大入賞口20046及び第2大入賞口シャッタ20046Aへと案内される。これにより、遊技球の跳ね返りを抑えてスムーズに遊技球を放出部27110Bから第2始動口20043及び羽根部材28300を経て第2大入賞口20046及び第2大入賞口シャッタ20046Aへと導くことができ、連続する複数の入賞領域に対しても複数の遊技球を十分減速させて連続的に導くことができ、また、羽根部材28300や第2大入賞口シャッタ20046Aの傾斜を緩くしても球通路T1から球通路T5までの通路全体の落下距離を十分に維持することができ、ひいては放出部27110B付近や第2始動口20043及び第2大入賞口20046の羽根部材28300上や及び第2大入賞口シャッタ20046A上における遊技球の球噛みや球詰まりを防ぎつつ多くの入賞球数を期待させることができる。
上述した第1〜第18実施形態の各構成にあっては、それぞれ他の実施形態において本発明の範囲内で適宜援用したり変更したりして、任意の構成での組合せが可能である。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態では、遊技機としてパチンコ遊技機を例に挙げ説明したが、本発明はこれに限定されない。上述した本発明の各種技術は、他の遊技機にも適用可能であり、例えば、弾球遊技機や封入式遊技機にも適用することができる。また、汎用的な技術については、上記に挙げた遊技機のほか、例えばゲーミングマシン、スロットマシン、あるいはパチスロ遊技機等といった各種遊技機にも適用することができる。
また、上記実施形態で示した数値や情報、構成要素などは、あくまでも一例にすぎず、本発明の範囲内において適宜変更することができるのはいうまでもない。
以上の実施形態に基づき、本発明の概要を以下に列挙する。
(付記1)
[背景技術]
この種の遊技機には、演出役物として例えば第1の演出役物と第2の演出役物とを有し、これらの演出役物が合体することで一の演出を行うように構成されたものが提案されている(例えば、特開2015−23889号公報参照)。
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
しかしながら、上記従来の遊技機では、合体時の演出役物各々の動作態様が単調であるので、多彩な演出効果として面白味や興趣に欠け、これを高めるための工夫を施す余地があった。
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、多彩な演出効果として面白味や興趣を高めることができる遊技機を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段]
上記の目的を達成するために、本発明は、以下のような遊技機を提供する。
本発明に係る遊技機は、
複数の可動体(例えば、下可動体24110、左可動体24210、右可動体24310、直立可動体24410)と、前記複数の可動体を駆動する駆動手段(例えば、モータ24170,24250,24350,24440)と、を備えた遊技機であって、
前記複数の可動体は、
遊技者が視認困難な第1退避位置(例えば、開口領域20001dより下方の退避位置)から視野面内(例えば、開口領域20001d)の視認容易な第1出現位置(例えば、開口領域20001dの下縁付近の出現位置)へと出現するように移動可能な第1の可動体(例えば、下可動体24110)と、
遊技者が視認困難な第2退避位置(例えば、開口領域20001dより左側の退避位置)から前記視野面内の視認容易な第2出現位置(例えば、開口領域20001dの左側の出現位置)へと出現するように前記第1の可動体とは異なる動作で移動可能な第2の可動体(例えば、左可動体24210)と、
遊技者が視認困難な第3退避位置(例えば、背面部24410Bが裏向き状態となる退避位置)から前記視野面内の視認容易な第3出現位置(例えば、背面部24410Bが表向き状態となる出現位置)へと出現するように前記第1の可動体及び前記第2の可動体とは異なる動作で移動可能な第3の可動体(例えば、直立可動体24410)と、
を含み、
前記第1の可動体、前記第2の可動体、及び前記第3の可動体を含む前記複数の可動体を前記視野面内に出現させた場合に、1つの構成物を形成可能であることを特徴とする。
このような構成によれば、第1の可動体、第2の可動体、第3の可動体を各々異なる動作態様によって視野面内に出現させ、1つの構成物の全体像を視認させることができるので、動作態様が多様となり、多彩な演出効果として面白味や興趣を高めることができる。
本発明の実施形態としては、
前記第1の可動体は、前記第1退避位置から前記第1出現位置へと直線的に移動可能であり、
前記第2の可動体は、前記第2退避位置から前記第2出現位置へと前記視野面に対して垂直状の軸周りに回転可能であり、
前記第3の可動体は、前記第3退避位置から前記第3出現位置へと前記視野面に対して平行状の軸周りに回転可能であることを特徴とする。
このような構成によれば、第1の可動体を第1退避位置から第1出現位置へと直線的に移動させ、第2の可動体を第2退避位置から第2出現位置へと視野面に対して垂直状の軸周りに回転させ、第3の可動体を第3退避位置から第3出現位置へと視野面に対して平行状の軸周りに回転させることで、各々異なる動作によって視野面内の各々異なる位置に出現させることができるので、動作態様を互いに全く異なるものとして多様で多彩な演出を実現することができる。
[発明の効果]
本発明によれば、多彩な演出効果として面白味や興趣を高めることができる遊技機を提供することができる。
(付記1−1)
[背景技術]
この種の遊技機には、演出役物として例えば第1の演出役物と第2の演出役物とを有し、これらの演出役物が合体することで一の演出を行うように構成されたものが提案されている(例えば、特開2015−23889号公報参照)。
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
しかしながら、上記従来の遊技機では、合体時の演出役物各々の動作態様が単調であるので、多彩で統一感のある演出効果として面白味や興趣に欠け、これを高めるための工夫を施す余地があった。
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、多彩で統一感のある演出効果として面白味や興趣を高めることができる遊技機を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段]
上記の目的を達成するために、本発明は、以下のような遊技機を提供する。
本発明に係る遊技機は、
複数の可動体(例えば、下可動体24110、左可動体24210、右可動体24310、直立可動体24410)と、前記複数の可動体を駆動する駆動手段(例えば、モータ24170,24250,24350,24440)と、を備えた遊技機であって、
前記複数の可動体は、
遊技者が視認困難な第1退避位置(例えば、開口領域20001dより下方の退避位置)から視野面内(例えば、開口領域20001d)の視認容易な第1出現位置(例えば、開口領域20001dの下縁付近の出現位置)へと出現するように移動可能な第1の可動体(例えば、下可動体24110)と、
遊技者が視認困難な第2退避位置(例えば、開口領域20001dより左側の退避位置)から前記視野面内の視認容易な第2出現位置(例えば、開口領域20001dの左側の出現位置)へと出現するように前記第1の可動体とは異なる動作で移動可能な第2の可動体(例えば、左可動体24210)と、
遊技者が視認困難な第3退避位置(例えば、背面部24410Bが裏向き状態となる退避位置)から前記視野面内の視認容易な第3出現位置(例えば、背面部24410Bが表向き状態となる出現位置)へと出現するように前記第1の可動体及び前記第2の可動体とは異なる動作で移動可能な第3の可動体(例えば、直立可動体24410)と、
遊技者が視認困難な第4退避位置(例えば、開口領域20001dより右側の退避位置)から前記視野面内の視認容易な第4出現位置(例えば、開口領域20001dの右側の出現位置)へと出現するように前記第1の可動体及び前記第2の可動体並びに前記第3の可動体とは異なる動作で移動可能な第4の可動体(例えば、右可動体24310)と、
を含み、
第1の可動体、第2の可動体、第3の可動体、及び第4の可動体を含む前記複数の可動体を前記視野面内に出現させた場合に、1つの構成物を形成可能であることを特徴とする。
このような構成によれば、第1の可動体、第2の可動体、第3の可動体、第4の可動体を各々異なる動作態様によって視野面内に出現させ、1つの構成物の全体像を視認させることができるので、動作態様が多彩で統一感のある演出効果として面白味や興趣を高めることができる。
本発明の実施形態としては、
前記第1の可動体は、前記第1退避位置から前記第1出現位置へと直線的に移動可能であり、
前記第2の可動体は、前記第2退避位置から前記第2出現位置へと前記視野面に対して垂直状の軸周り所定方向に回転可能であり、
前記第3の可動体は、前記第3退避位置から前記第3出現位置へと前記視野面に対して平行状の軸周りに回転可能であり、
前記第4の可動体は、前記第4退避位置から前記第4出現位置へと前記視野面に対して垂直状の軸周り前記所定方向とは逆方向に回転可能であることを特徴とする。
このような構成によれば、第1の可動体を第1退避位置から第1出現位置へと直線的に移動させ、第2の可動体を第2退避位置から第2出現位置へと視野面に対して垂直状の軸周り所定方向に回転させ、第3の可動体を第3退避位置から第3出現位置へと視野面に対して平行状の軸周りに回転させ、第4の可動体を第4退避位置から第4出現位置へと視野面に対して垂直状の軸周り所定方向とは逆方向に回転させることで、各々異なる動作によって視野面内の各々異なる位置に出現させることができるので、動作態様を互いに全く異なるものとして多様で多彩な演出を実現することができる。
[発明の効果]
本発明によれば、多彩で統一感のある演出効果として面白味や興趣を高めることができる遊技機を提供することができる。
(付記1−2)
[背景技術]
この種の遊技機には、演出役物として例えば第1の演出役物と第2の演出役物とを有し、これらの演出役物が合体することで一の演出を行うように構成されたものが提案されている(例えば、特開2015−23889号公報参照)。
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
しかしながら、上記従来の遊技機では、合体時の演出役物各々の動作態様が単調であるので、多彩で連動性のある演出効果として面白味や興趣に欠け、これを高めるための工夫を施す余地があった。
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、多彩で連動性のある演出効果として面白味や興趣を高めることができる遊技機を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段]
上記の目的を達成するために、本発明は、以下のような遊技機を提供する。
本発明に係る遊技機は、
複数の可動体(例えば、下可動体24110、左可動体24210、右可動体24310、直立可動体24410)と、前記複数の可動体を駆動する駆動手段(例えば、モータ24170,24250,24350,24440)と、を備えた遊技機であって、
前記複数の可動体は、
遊技者が視認困難な第1退避位置(例えば、開口領域20001dより下方の退避位置)から視野面内(例えば、開口領域20001d)の視認容易な第1出現位置(例えば、開口領域20001dの下縁付近の出現位置)へと出現するように移動可能な第1の可動体(例えば、下可動体24110)と、
遊技者が視認困難な第2退避位置(例えば、開口領域20001dより右側の退避位置)から前記視野面内の視認容易な第2出現位置(例えば、開口領域20001dの右側の出現位置)へと出現するように前記第1の可動体とは異なる動作で移動可能な第2の可動体(例えば、右可動体24310)と、
遊技者が視認困難な第3退避位置(例えば、背面部24410Bが裏向き状態となる退避位置)から前記視野面内の視認容易な第3出現位置(例えば、背面部24410Bが表向き状態となる出現位置)へと出現するように前記第1の可動体及び前記第2の可動体とは異なる動作で移動可能な第3の可動体(例えば、直立可動体24410)と、
を含み、
前記第1の可動体及び前記第2の可動体を前記第1出現位置及び前記第2出現位置に出現させた後に、前記第3の可動体を前記第3出現位置に出現させ、前記複数の可動体を前記視野面内に出現させることで1つの構成物を形成可能であることを特徴とする。
このような構成によれば、第1の可動体、第2の可動体、第3の可動体を各々異なる動作態様によって視野面内に出現させ、その際に第1の可動体及び第2の可動体を出現させた後に、第3の可動体を出現させることにより、連続的な異なる動作によって1つの構成物の全体像を視認させることができるので、動作態様が多彩で連動性のある演出効果として面白味や興趣を高めることができる。
本発明の実施形態としては、
前記第1の可動体は、前記第1退避位置から前記第1出現位置へと直線的に移動可能であり、
前記第2の可動体は、前記第2退避位置から前記第2出現位置へと前記視野面に対して垂直状の軸周りに回転可能であり、
前記第3の可動体は、前記第3退避位置から前記第3出現位置へと前記視野面に対して平行状の軸周りに回転可能であることを特徴とする。
このような構成によれば、第1の可動体を第1退避位置から第1出現位置へと直線的に移動させ、第2の可動体を第2退避位置から第2出現位置へと視野面に対して垂直状の軸周りに回転させ、第3の可動体を第3退避位置から第3出現位置へと視野面に対して平行状の軸周りに回転させることで、各々異なる動作によって視野面内の各々異なる位置に出現させることができるので、動作態様を互いに全く異なるものとして多様で多彩な演出を実現することができる。
[発明の効果]
本発明によれば、多彩で連動性のある演出効果として面白味や興趣を高めることができる遊技機を提供することができる。
(付記1−3)
[背景技術]
この種の遊技機には、演出役物として例えば第1の演出役物と第2の演出役物とを有し、これらの演出役物が合体することで一の演出を行うように構成されたものが提案されている(例えば、特開2015−23889号公報参照)。
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
しかしながら、上記従来の遊技機では、合体時の演出役物各々の動作態様が単調であるので、多彩な演出効果として面白味や興趣、さらには合体時のダイナミックさに欠け、これを高めるための工夫を施す余地があった。
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、多彩な演出効果として面白味や興趣とともに合体時のダイナミックさを高めることができる遊技機を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段]
上記の目的を達成するために、本発明は、以下のような遊技機を提供する。
本発明に係る遊技機は、
複数の可動体(例えば、下可動体24110、左可動体24210、右可動体24310、直立可動体24410)と、前記複数の可動体を駆動する駆動手段(例えば、モータ24170,24250,24350,24440)と、を備えた遊技機であって、
前記複数の可動体は、
遊技者が視認困難な第1退避位置(例えば、開口領域20001dより下方の退避位置)から視野面内(例えば、開口領域20001d)の視認容易な第1出現位置(例えば、開口領域20001dの下縁付近の出現位置)へと出現するように移動可能な第1の可動体(例えば、下可動体24110)と、
遊技者が視認困難な第2退避位置(例えば、開口領域20001dより左側の退避位置)から前記視野面内の視認容易な第2出現位置(例えば、開口領域20001dの左側の出現位置)へと出現するように前記第1の可動体とは異なる動作で移動可能な第2の可動体(例えば、左可動体24210)と、
遊技者が視認困難な第3退避位置(例えば、背面部24410Bが裏向き状態となる退避位置)から前記視野面内の視認容易な第3出現位置(例えば、背面部24410Bが表向き状態となる出現位置)へと出現するように前記第1の可動体及び前記第2の可動体とは異なる動作で移動可能な第3の可動体(例えば、直立可動体24410)と、
を含み、
前記第1の可動体を上昇移動させて前記第1出現位置に出現させるとともに、前記第2の可動体を起立姿勢から横向き姿勢に移動させて前記第2出現位置に出現させることで前記第1の可動体及び前記第2の可動体を合体させ、前記複数の可動体を前記視野面内に出現させることで1つの構成物を形成可能であることを特徴とする。
このような構成によれば、第1の可動体、第2の可動体、第3の可動体を各々異なる動作態様によって視野面内に出現させ、その際に第1の可動体を上昇移動により第1出現位置に出現させるとともに、第2の可動体を起立姿勢から横向き姿勢に移動させる動作で第2出現位置に出現させてこれらを合体させることにより、異なる動作で1つの構成物の全体像を大きく合体するように視認させることができるので、動作態様が多彩な演出効果として面白味や興趣とともに合体時のダイナミックさを高めることができる。
本発明の実施形態としては、
前記第1の可動体は、前記第1退避位置から前記第1出現位置へと直線的に移動可能であり、
前記第2の可動体は、前記第2退避位置から前記第2出現位置へと前記視野面に対して垂直状の軸周りに回転可能であり、
前記第3の可動体は、前記第3退避位置から前記第3出現位置へと前記視野面に対して平行状の軸周りに回転可能であることを特徴とする。
このような構成によれば、第1の可動体を第1退避位置から第1出現位置へと直線的に移動させ、第2の可動体を第2退避位置から第2出現位置へと視野面に対して垂直状の軸周りに回転させ、第3の可動体を第3退避位置から第3出現位置へと視野面に対して平行状の軸周りに回転させることで、各々異なる動作によって視野面内の各々異なる位置に出現させることができるので、動作態様を互いに全く異なるものとして多様で多彩な演出を実現することができる。
[発明の効果]
本発明によれば、多彩な演出効果として面白味や興趣とともに合体時のダイナミックさを高めることができる遊技機を提供することができる。
(付記2)
[背景技術]
この種の遊技機には、演出役物として例えば各々内部に光源が設けられた第1の演出役物と第2の演出役物とを有し、これらの演出役物が合体することで一の演出を行うように構成されたものが提案されている(例えば、特開2015−23889号公報参照)。
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
しかしながら、上記従来の遊技機では、演出役物のそれぞれに光源が設けられるので、発光演出に係る部品のコストアップを招くという難点があった。
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、発光演出に係る部品のコストダウンを図ることができる遊技機を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段]
上記の目的を達成するために、本発明は、以下のような遊技機を提供する。
本発明に係る遊技機は、
複数の可動体(例えば、下可動体24110、左可動体24210、右可動体24310、直立可動体24410)と、前記複数の可動体を駆動する駆動手段(例えば、モータ24170,24250,24350,24440)と、を備えた遊技機であって、
前記複数の可動体は、
内部に発光手段(例えば、発光基板24114)を有する第1の可動体(例えば、下可動体24110)と、
内部に発光手段をもたない第2の可動体(例えば、右可動体24310)と、
を含み、
前記第1の可動体は、前記発光手段からの光を所定方向に導く第1のレンズ部材(例えば、上縁レンズ部材24118)を有し、前記駆動手段によって遊技者が視認困難な第1退避位置(例えば、開口領域20001dより下方の退避位置)から視認容易な第1出現位置(例えば、開口領域20001dの下縁付近の出現位置)に移動可能であり、
前記第2の可動体は、前記発光手段からの光が入射され、入射した光を前記所定方向に導く第2のレンズ部材(例えば、上縁レンズ部材24313)を有し、前記駆動手段によって遊技者が視認困難な第2退避位置(例えば、開口領域20001dより右側の退避位置)から視認容易な第2出現位置(例えば、開口領域20001dの右側の出現位置)に移動可能であり、
前記第2の可動体が前記第2退避位置にある場合は、前記発光手段からの光が前記第2のレンズ部材に入射せず、
前記第1の可動体が前記第1出現位置に位置し、かつ、前記第2の可動体が前記第2出現位置に移動した場合は、前記発光手段からの光が前記第2のレンズ部材に入射することを特徴とする。
このような構成によれば、発光手段を有する第1の可動体及び発光手段をもたない第2の可動体を第1出現位置及び第2出現位置に移動させると、第1の可動体の発光手段からの光が、第1のレンズ部材を通じて所定方向に照射されるだけでなく、第2の可動体の第2のレンズ部材によっても所定方向に照射されるので、発光演出による演出効果を高めつつも部品のコストダウンを図ることができる。
[発明の効果]
本発明によれば、発光演出に係る部品のコストダウンを図ることができる遊技機を提供することができる。
(付記2−1)
[背景技術]
この種の遊技機には、演出役物として例えば各々内部に光源が設けられた第1の演出役物と第2の演出役物とを有し、これらの演出役物が合体することで一の演出を行うように構成されたものが提案されている(例えば、特開2015−23889号公報参照)。
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
しかしながら、上記従来の遊技機では、演出役物のそれぞれに光源が設けられるので、発光演出に係る部品のコストアップを招くという難点があった。
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、発光演出に係る部品のコストダウンを図ることができる遊技機を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段]
上記の目的を達成するために、本発明は、以下のような遊技機を提供する。
本発明に係る遊技機は、
複数の可動体(例えば、下可動体24110、左可動体24210、右可動体24310、直立可動体24410)と、前記複数の可動体を駆動する駆動手段(例えば、モータ24170,24250,24350,24440)と、を備えた遊技機であって、
前記複数の可動体は、
内部に発光手段(例えば、発光基板24114)を有する第1の可動体(例えば、下可動体24110)と、
内部に発光手段をもたない第2の可動体(例えば、右可動体24310)と、
を含み、
前記第1の可動体は、前記発光手段からの光を所定方向に導く第1のレンズ部材(例えば、上縁レンズ部材24118)を有し、前記駆動手段によって遊技者が視認困難な第1退避位置(例えば、開口領域20001dより下方の退避位置)から視認容易な第1出現位置(例えば、開口領域20001dの下縁付近の出現位置)に移動可能であり、
前記第2の可動体は、前記発光手段からの光が入射され、入射した光を前記所定方向に導く第2のレンズ部材(例えば、上縁レンズ部材24313)を有し、前記駆動手段によって遊技者が視認困難な第2退避位置(例えば、開口領域20001dより右側の退避位置)から視認容易な第2出現位置(例えば、開口領域20001dの右側の出現位置)に移動可能であり、
前記第2の可動体が前記第2退避位置にある場合は、前記発光手段からの光が前記第2のレンズ部材に入射せず、
前記第1の可動体が前記第1出現位置に位置し、かつ、前記第2の可動体が前記第2出現位置に移動した場合は、前記発光手段からの光が前記第2のレンズ部材に入射し、
前記第1のレンズ部材及び前記第2のレンズ部材は、前記発光手段からの光を前記所定方向として前方方向に向けて導くように屈曲形成されていることを特徴とする。
このような構成によれば、発光手段を有する第1の可動体及び発光手段をもたない第2の可動体を第1出現位置及び第2出現位置に移動させると、第1の可動体の発光手段からの光が、第1のレンズ部材を通じて屈折しつつ前方方向に照射されるだけでなく、第2の可動体の第2のレンズ部材によっても屈折しつつ前方方向に照射されるので、発光演出による発光効率を高めつつも部品のコストダウンを図ることができる。
[発明の効果]
本発明によれば、発光演出に係る部品のコストダウンを図ることができる遊技機を提供することができる。
(付記3)
[背景技術]
この種の遊技機には、演出役物として例えば伸縮ばねの弾性力を補助的に用いて変位部材を上下往復動作可能に設けたものが提案されている(例えば、特開2017−589号公報参照)。
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
しかしながら、上記従来の遊技機では、伸縮ばねが全長にわたり変位部材の往復動作方向(上下方向)に沿うように設けられている。そのため、伸縮ばねの長さが比較的短いと、ばねの弾性限界を超えないようにする設計条件から変位部材の往復移動距離(ストローク)が相対的に短くなってしまう一方、伸縮ばねの長さを比較的長くすると、伸縮ばねを配置するための縦長状の長大なスペースを確保しなければならないという難点があった。
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、往復動作を補助するためのばねの長さに応じてストロークを拡大しつつもばねを支障なく配置することができる遊技機を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段]
上記の目的を達成するために、本発明は、以下のような遊技機を提供する。
本発明に係る遊技機は、
第1の位置(例えば、上方の位置)と前記第1の位置から所定方向(例えば、上下方向)に位置する第2の位置(例えば、下方の位置)との間で往復動作可能な可動体(例えば、前面装飾部材25210、背面部材25211、連結支持部材25220)と、前記可動体を駆動する駆動手段(例えば、モータ25270)と、を備えた遊技機であって、
前記可動体を支持するためのベース部材(例えば、本体ケース20441)と、
前記可動体に一端(例えば、一端25240A)が係止されるとともに、前記ベース部材の適部に他端(例えば、他端25240B)が係止され、前記可動体の往復動作に応じて伸縮可能な伸縮部材(例えば、ばね部材25240)と、
前記伸縮部材の側部に当接する当接部材(例えば、滑車部材25241)と、を備え、
前記伸縮部材は、
前記可動体が前記第1の位置から前記第2の位置に移動した場合、当該可動体に対して前記第1の位置の方へと引き戻そうとする付勢力を作用し、
前記可動体に係止された前記一端から前記当接部材に当接した前記側部に至るまでの第1部分(例えば、一端25240Aから滑車部材25241に接するまでの部分)が前記所定方向に伸長するように配置され、
前記当接部材に当接した前記側部から前記ベース部材に係止された前記他端に至るまでの第2部分(例えば、他端25240Bから滑車部材25241に接するまでの部分)が前記所定方向とは異なる方向(例えば、左右方向)に伸長するように配置されることを特徴とする。
このような構成によれば、伸縮部材の第1部分については、可動体を往復動作させる所定方向に伸長するように配置し、伸縮部材の第2部分については、その所定方向とは異なる方向に伸長するように配置することができるので、往復動作を補助するための伸縮部材の長さに応じて可動体の往復移動距離を拡大しつつも伸縮部材を支障なく配置することができる。
[発明の効果]
本発明によれば、往復動作を補助するためのばねの長さに応じてストロークを拡大しつつもばねを支障なく配置することができる遊技機を提供することができる。
(付記3−1)
[背景技術]
この種の遊技機には、演出役物として例えば伸縮ばねの弾性力を補助的に用いて変位部材を上下往復動作可能に設けたものが提案されている(例えば、特開2017−589号公報参照)。
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
しかしながら、上記従来の遊技機では、伸縮ばねが全長にわたり変位部材の往復動作方向(上下方向)に沿うように設けられている。そのため、伸縮ばねの長さが比較的短いと、ばねの弾性限界を超えないようにする設計条件から変位部材の往復移動距離(ストローク)が相対的に短くなってしまう一方、伸縮ばねの長さを比較的長くすると、伸縮ばねを配置するための縦長状の長大なスペースを確保しなければならないという難点があった。
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、往復動作を補助するためのばねの長さに応じてストロークを拡大しつつもばねを支障なく配置することができる遊技機を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段]
上記の目的を達成するために、本発明は、以下のような遊技機を提供する。
本発明に係る遊技機は、
第1の位置(例えば、上方の位置)と前記第1の位置から所定方向(例えば、上下方向)に位置する第2の位置(例えば、下方の位置)との間で往復動作可能な可動体(例えば、前面装飾部材25210、背面部材25211、連結支持部材25220)と、前記可動体を駆動する駆動手段(例えば、モータ25270)と、を備えた遊技機であって、
前記可動体を支持するためのベース部材(例えば、本体ケース20441)と、
前記可動体を前記第1の位置と前記第2の位置との間で直線的に移動案内するための案内部材(例えば、ガイド部材25230)と、
前記可動体に一端(例えば、一端25240A)が係止されるとともに、前記ベース部材の適部に他端(例えば、他端25240B)が係止され、前記可動体の往復動作に応じて伸縮可能な伸縮部材(例えば、ばね部材25240)と、
前記伸縮部材の側部に当接し、当該伸縮部材を屈曲させる当接部材(例えば、滑車部材25241)と、を備え、
前記伸縮部材は、
前記可動体が前記第1の位置から前記第2の位置に移動した場合、当該可動体に対して前記第1の位置の方へと引き戻そうとする付勢力を作用し、
前記可動体に係止された前記一端から前記当接部材に当接した前記側部に至るまでの第1部分(例えば、一端25240Aから滑車部材25241に接するまでの部分)が前記案内部材に沿って伸長するように配置され、
前記当接部材に当接した前記側部から前記ベース部材に係止された前記他端に至るまでの第2部分(例えば、他端25240Bから滑車部材25241に接するまでの部分)が前記案内部材から離れて伸長するように配置されることを特徴とする。
このような構成によれば、伸縮部材の第1部分については、可動体を移動案内するための案内部材に沿って伸長するように配置し、伸縮部材の第2部分については、案内部材から離れて伸長するように配置することができるので、往復動作を補助するための伸縮部材の長さに応じて可動体の往復移動距離を拡大しつつも伸縮部材を支障なく配置することができる。
[発明の効果]
本発明によれば、往復動作を補助するためのばねの長さに応じてストロークを拡大しつつもばねを支障なく配置することができる遊技機を提供することができる。
(付記3−2)
[背景技術]
この種の遊技機には、演出役物として例えば伸縮ばねの弾性力を補助的に用いて変位部材を上下往復動作可能に設けたものが提案されている(例えば、特開2017−589号公報参照)。
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
しかしながら、上記従来の遊技機では、伸縮ばねが全長にわたり変位部材の往復動作方向(上下方向)に沿うように設けられている。そのため、伸縮ばねの長さが比較的短いと、ばねの弾性限界を超えないようにする設計条件から変位部材の往復移動距離(ストローク)が相対的に短くなってしまう一方、伸縮ばねの長さを比較的長くすると、伸縮ばねを配置するための縦長状の長大なスペースを確保しなければならないという難点があった。
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、往復動作を補助するためのばねの長さに応じてストロークを拡大しつつもばねを支障なく配置することができる遊技機を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段]
上記の目的を達成するために、本発明は、以下のような遊技機を提供する。
本発明に係る遊技機は、
第1の位置(例えば、上方の位置)と前記第1の位置から所定方向(例えば、上下方向)に位置する第2の位置(例えば、下方の位置)との間で往復動作可能な可動体(例えば、前面装飾部材25210、背面部材25211、連結支持部材25220)と、前記可動体を駆動する駆動手段(例えば、モータ25270)と、を備えた遊技機であって、
前記可動体を支持するためのベース部材(例えば、本体ケース20441)と、
前記可動体に一端(例えば、一端25240A)が係止されるとともに、前記ベース部材の適部に他端(例えば、他端25240B)が係止され、前記可動体の往復動作に応じて伸縮可能な伸縮部材(例えば、ばね部材25240)と、
前記伸縮部材の側部に当接する当接部材(例えば、滑車部材25241)と、を備え、
前記伸縮部材は、
前記可動体が前記第1の位置から前記第2の位置に移動した場合、当該可動体に対して前記第1の位置の方へと引き戻そうとする付勢力を作用し、
前記可動体に係止された前記一端から前記当接部材に当接した前記側部に至るまでの第1部分(例えば、一端25240Aから滑車部材25241に接するまでの部分)が前記所定方向に伸長するように配置され、
前記当接部材に当接した前記側部が屈曲変形し、当該側部から前記ベース部材に係止された前記他端に至るまでの第2部分(例えば、他端25240Bから滑車部材25241に接するまでの部分)が前記所定方向とは異なる方向(例えば、左右方向)に伸長するように配置されることを特徴とする。
このような構成によれば、伸縮部材の側部を当接部材によって屈曲変形させることで伸縮部材に第1部分と第2部分とを形成し、第1部分については、可動体を往復動作させる所定方向に伸長するように配置し、第2部分については、その所定方向とは異なる方向に伸長するように配置することができるので、往復動作を補助するための伸縮部材の長さに応じて可動体の往復移動距離を拡大しつつも伸縮部材を支障なく配置することができる。
[発明の効果]
本発明によれば、往復動作を補助するためのばねの長さに応じてストロークを拡大しつつもばねを支障なく配置することができる遊技機を提供することができる。
(付記4)
[背景技術]
この種の遊技機には、遊技盤に設けられた縦通路を通って上方から下方へと転落してきた遊技球を横方向に沿う横通路へとスムーズに誘導するために、横通路の合流部における底面を横方向に対する傾斜角度が異なるように形成したものが提案されている(例えば、特開2012−85803号公報参照)。
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
しかしながら、上記従来の遊技機では、縦通路から転落してきた遊技球がそれほど進行速度を減速させずに横通路の合流部における底面に当たるので、遊技球の跳ね返りによって遊技球どうしの衝突が生じやすく、球噛みや球詰まりが発生し易いという難点があった。
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、遊技球の跳ね返りを抑えてスムーズに遊技球を横方向へと導くことができ、ひいては遊技球の球噛みや球詰まりを効果的に防ぐことができる遊技機を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段]
上記の目的を達成するために、本発明は、以下のような遊技機を提供する。
本発明に係る遊技機は、
遊技球が転動可能な球通路(例えば、球通路T1〜T5)を有する遊技盤を備えた遊技機であって、
前記球通路は、遊技球が落下可能な縦通路(例えば、球通路T1)を含み、
前記縦通路は、
落下した遊技球が当接する当接部(例えば、第1減速部27300又は当接部27110A)と、
前記当接部に達した遊技球を所定の横方向に放出するための放出部(例えば、放出部27110B)と、を含み、
前記当接部には、落下してきた遊技球の進行速度を減速しつつ当該遊技球を前記所定の横方向に案内可能な減速部(例えば、第1減速部27300)が設けられており、
前記減速部は、前記所定の横方向とは異なる方向に遊技球を当初誘導するように形成されていることを特徴とする。
このような構成によれば、縦通路から落下してきた遊技球が当接部に突き当たって放出部から所定の横方向に放出される際に、当接部に設けられた減速部によって遊技球の進行速度が減速されつつ当該遊技球が所定の横方向に案内されるので、遊技球の跳ね返りを抑えてスムーズに遊技球を放出部から所定の横方向へと導くことができ、ひいては放出部付近における遊技球の球噛みや球詰まりを防ぐことができる。
本発明の好ましい実施の形態は、
前記縦通路の終端部には、前記減速部により遊技球を当初誘導する方向へ転動しないような壁部が設けられていることを特徴とする。
このような構成によれば、減速用の通路などを設けることなく省スペースで遊技球を減速することができる。
本発明の他の好ましい実施の形態は、
前記減速部は、落下した遊技球を前後方向に案内するリブ(例えば、リブ27110)で形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の遊技機。
このような構成によれば、横方向にスペースを必要とせずに遊技球を減速することができる。
[発明の効果]
本発明によれば、遊技球の跳ね返りを抑えてスムーズに遊技球を横方向へと導くことができ、ひいては遊技球の球噛みや球詰まりを効果的に防ぐことができる遊技機を提供することができる。
(付記4−1)
[背景技術]
この種の遊技機には、遊技盤に設けられた縦通路を通って上方から下方へと転落してきた遊技球を横方向に沿う横通路へとスムーズに誘導するために、横通路の合流部における底面を横方向に対する傾斜角度が異なるように形成したものが提案されている(例えば、特開2012−85803号公報参照)。
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
しかしながら、上記従来の遊技機では、縦通路から転落してきた遊技球がそれほど進行速度を減速させずに横通路の合流部における底面に当たるので、遊技球の跳ね返りによって遊技球どうしの衝突が生じやすく、球噛みや球詰まりが発生し易いという難点があった。
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、遊技球の跳ね返りを抑えてスムーズに遊技球を横方向へと導くことができ、ひいては遊技球の球噛みや球詰まりを効果的に防ぐことができる遊技機を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段]
上記の目的を達成するために、本発明は、以下のような遊技機を提供する。
本発明に係る遊技機は、
遊技球が転動可能な球通路(例えば、球通路T1〜T5)を有する遊技盤と、
前記遊技盤において遊技球が入賞可能な入賞領域(例えば、第2始動口20043)と、
前記入賞領域へ遊技球が流入容易な第1状態(例えば、開状態)と、前記入賞領域へ遊技球が流入困難な第2状態(例えば、閉状態)に変位可能であり、前記第2状態において複数の遊技球を案内可能な変位部材(例えば、羽根部材28300)と、を備えた遊技機であって、
前記球通路は、遊技球が落下可能な縦通路(例えば、球通路T1)を含み、
前記縦通路は、
落下した遊技球が当接する当接部(例えば、第1減速部27300又は当接部27110A)と、
前記当接部に達した遊技球を所定の横方向に放出するための放出部(例えば、放出部27110B)と、を含み、
前記当接部には、落下してきた遊技球の進行速度を減速しつつ当該遊技球を前記所定の横方向に案内可能な減速部(例えば、第1減速部27300)が設けられており、
前記減速部は、前記所定の横方向とは異なる方向に遊技球を当初誘導するように形成されており、
前記入賞領域及び前記変位部材は、前記放出部よりも下流側に配設されていることを特徴とする。
このような構成によれば、縦通路から落下してきた遊技球が当接部に突き当たって放出部から所定の横方向に放出される際に、当接部に設けられた減速部によって遊技球の進行速度が減速されつつ当該遊技球が所定の横方向に案内されるので、遊技球の跳ね返りを抑えてスムーズに遊技球を放出部から所定の横方向へと導くことができ、さらにはその放出部よりも下流側に位置する入賞領域に対しても複数の遊技球を十分減速させて連続的に導くことができ、ひいては放出部付近や入賞領域の変位部材上における遊技球の球噛みや球詰まりを防ぐことができる。
本発明の好ましい実施の形態は、
前記縦通路の終端部には、前記減速部により遊技球を当初誘導する方向へ転動しないような壁部が設けられていることを特徴とする。
このような構成によれば、減速用の通路などを設けることなく省スペースで遊技球を減速することができる。
本発明の他の好ましい実施の形態は、
前記減速部は、落下した遊技球を前後方向に案内するリブ(例えば、リブ27110)で形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の遊技機。
このような構成によれば、横方向にスペースを必要とせずに遊技球を減速することができる。
[発明の効果]
本発明によれば、遊技球の跳ね返りを抑えてスムーズに遊技球を横方向へと導くことができ、ひいては遊技球の球噛みや球詰まりを効果的に防ぐことができる遊技機を提供することができる。
(付記4−2)
[背景技術]
この種の遊技機には、遊技盤に設けられた縦通路を通って上方から下方へと転落してきた遊技球を横方向に沿う横通路へとスムーズに誘導するために、横通路の合流部における底面を横方向に対する傾斜角度が異なるように形成したものが提案されている(例えば、特開2012−85803号公報参照)。
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
しかしながら、上記従来の遊技機では、縦通路から転落してきた遊技球がそれほど進行速度を減速させずに横通路の合流部における底面に当たるので、遊技球の跳ね返りによって遊技球どうしの衝突が生じやすく、球噛みや球詰まりが発生し易いという難点があった。
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、遊技球の跳ね返りを抑えてスムーズに遊技球を横方向へと導くことができ、ひいては遊技球の球噛みや球詰まりを効果的に防ぐことができる遊技機を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段]
上記の目的を達成するために、本発明は、以下のような遊技機を提供する。
本発明に係る遊技機は、
遊技球が転動可能な球通路(例えば、球通路T1〜T5)を有する遊技盤(例えば、遊技盤20001)と、
前記遊技盤において遊技球が入賞可能な入賞領域(例えば、第2始動口20043、第2大入賞口20046)と、
前記入賞領域へ遊技球が流入容易な第1状態(例えば、開状態)と、前記入賞領域へ遊技球が流入困難な第2状態(例えば、閉状態)に変位可能な変位部材(例えば、羽根部材28300、第2大入賞口シャッタ20046A)と、を備えた遊技機であって、
前記入賞領域は、第1入賞領域(例えば、第2始動口20043)と、前記第1入賞領域とは異なる第2入賞領域(例えば、第2大入賞口20046)と、を含み、
前記変位部材は、
前記第1入賞領域に対して前記第2状態となることで複数の遊技球を案内可能な第1変位部材(例えば、羽根部材28300)と、
前記第2入賞領域に対して前記第2状態となることで複数の遊技球を案内可能な第2変位部材(例えば、第2大入賞口シャッタ20046A)と、を含み、
前記球通路は、遊技球が落下可能な縦通路(例えば、球通路T1)を含み、
前記縦通路は、
落下した遊技球が当接する当接部(例えば、第1減速部27300又は当接部27110A)と、
前記当接部に達した遊技球を所定の横方向に放出するための放出部(例えば、放出部27110B)と、を含み、
前記当接部には、落下してきた遊技球の進行速度を減速しつつ当該遊技球を前記所定の横方向に案内可能な第1減速部(例えば、第1減速部27300)が設けられており、
前記第1減速部は、前記所定の横方向とは異なる方向に遊技球を当初誘導するように形成されており、
前記第1入賞領域及び前記第1変位部材は、前記放出部よりも下流側に配設されており、
前記第2入賞領域及び前記第2変位部材は、前記第1入賞領域及び前記第1開閉部材から段差部(例えば、段差部27130A)を経て下流側に設けられており、
前記段差部には、落下してきた遊技球の進行速度を減速しつつ当該遊技球を前記所定の横方向に案内可能な第2減速部(例えば、第2減速部27310又は段差部27130A)が設けられており、
前記第2入賞領域及び前記第2変位部材は、前記第2減速部よりも下流側に配設されていることを特徴とする。
このような構成によれば、縦通路から落下してきた遊技球が当接部に突き当たって放出部から所定の横方向に放出される際に、当接部に設けられた第1減速部によって遊技球の進行速度が減速されつつ当該遊技球が所定の横方向にある第1入賞領域及び第1変位部材へと案内され、さらに、第1入賞領域及び第1変位部材を経て段差部へと落下してきた遊技球が第2減速部によって進行速度が減速されつつ第2入賞領域及び第2変位部材へと案内されるので、遊技球の跳ね返りを抑えてスムーズに遊技球を放出部から第1入賞領域及び第1変位部材を経て第2入賞領域及び第2変位部材へと導くことができ、連続する複数の入賞領域に対しても複数の遊技球を十分減速させて連続的に導くことができ、ひいては放出部付近や各入賞領域の変位部材上における遊技球の球噛みや球詰まりを防ぐことができる。
本発明の好ましい実施の形態は、
前記縦通路の終端部には、前記第1減速部により遊技球を当初誘導する方向へ転動しないような壁部が設けられていることを特徴とする。
このような構成によれば、減速用の通路などを設けることなく省スペースで遊技球を減速することができる。
本発明の他の好ましい実施の形態は、
前記1減速部は、落下した遊技球を前後方向に案内するリブ(例えば、リブ27110)で形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の遊技機。
このような構成によれば、横方向にスペースを必要とせずに遊技球を減速することができる。
[発明の効果]
本発明によれば、遊技球の跳ね返りを抑えてスムーズに遊技球を横方向へと導くことができ、ひいては遊技球の球噛みや球詰まりを効果的に防ぐことができる遊技機を提供することができる。
[第19実施形態]
以下、第19実施形態(以下「本実施形態」と称する)に係る遊技機について説明する。本実施形態に係る遊技機としては、封入式のパチンコ遊技機を含めパチンコ遊技機全般及びパチスロ遊技機全般を対象とするが、本実施形態ではパチンコ遊技機を例に挙げて説明する。なお、本実施形態に係るパチンコ遊技機の機械的構成および電気的構成は、上述の各実施形態(とくに第15〜第18実施形態)のパチンコ遊技機と共通する部分が多いため説明を省略する。ただし、本実施形態のパチンコ遊技機を説明するにあたり、上述した各実施形態において記載した各種部材の機能や構成が共通する部材であったとしても異なる符号を付す場合がある。また、本実施形態に係るパチンコ遊技機において実行される制御(各種処理)についても、上述の各実施形態(とくに第12実施形態)のパチンコ遊技機と共通する部分が多いため説明を省略する。とくに、本実施形態に係るパチンコ遊技機は、第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示とが並行して変動することが可能であり、メインCPU20280により実行される各種処理は、例えば図306〜図352等に示される各種処理と同様である。以下では、本実施形態に係るパチンコ遊技機において、上述した各実施形態に係るパチンコ遊技機と異なる制御や演出について主として説明する。
[1.遊技情報提供サービス]
本実施形態のパチンコ遊技機は、遊技情報提供サービス(以下、「ユニメモ」とも称する)を享受できるように構成されている。
図565に、遊技情報提供システム21000の一例を示す。遊技情報提供システム21000は遊技情報提供サービスの提供を行うもので、遊技情報提供サービスは、例えば携帯電話等とインターネット上の専用サイトとを連動させ、専用サイトにより、遊技者が遊技を開始してからある時点までの遊技内容(遊技履歴)の情報提供等、遊技者に応じたサービスを遊技者に提供するものである。
図565に示すように、遊技情報提供システム21000は、例えばパチンコ遊技機と、遊技情報を管理するための遊技情報管理サーバ21110と、遊技者が所持する例えばカメラ付き携帯通信端末21120(以下、「携帯端末」と称する)とを備える。なお、図565では、説明の便宜上、一台の携帯端末21120を示しているが、複数の携帯端末21120が同時期に遊技情報管理サーバ21110にアクセスすることができる。
携帯端末21120と遊技情報管理サーバ21110とは、ネットワークNWを介して、例えば、通信プロトコルにTCP/IP等を用いて相互にデータの送受信をすることができる。なお、ネットワークNWは、例えば、インターネット、専用通信回線(例えば、CATV(Community Antenna Television)回線)、移動体通信網(基地局等を含む)、ゲートウェイ等により構築されている。また、パチンコ遊技機はネットワークNWに接続されていない。
遊技情報管理サーバ21110および携帯端末21120は、特に図示しないが、それぞれ、制御部、記憶部、表示部、通信部等を備えている。
パチンコ遊技機のサブCPU20330は、遊技者が遊技を開始してからの遊技内容をワークRAM20332のゲームデータ領域等に記録し、遊技者が遊技の途中または遊技の終了時にその遊技内容を示す遊技情報を取得しようとした場合に、2次元コード21130によって遊技者に遊技情報を提供する。
パチンコ遊技機のサブCPU20330は、遊技情報提供サービスを行う際、遊技者の携帯端末21120が遊技情報管理サーバ21110にアクセスできるように、ワークRAM20332のゲームデータ領域等に記録されている遊技者の遊技情報を2次元コード21130に変換してその2次元コード21130を液晶表示装置20004の表示領域20004dに表示させる。
具体的には、i)遊技者がユニメモを利用して初めて遊技を開始する時、ii)遊技者が遊技の途中で遊技情報を取得しようとした時、ii)遊技者が遊技の終了時に遊技情報を取得しようとした時に、それぞれ、2次元コード21130を表示させる。
なお、上記の2次元コード21130は、遊技者の遊技情報を変換したコード等であればよく、2次元コード21130に限定されない。
上記のi)遊技者が遊技を開始する時の送信情報には遊技情報管理サーバ21110のドメインに関する情報、電源オンからのログイン回数を示すログイン回数情報、自遊技機と他の遊技機とを識別するための遊技機識別情報等が含まれているが、送信情報に含まれる情報はこれらに限られず、さらに他の情報が含まれていてもよいし、上記の複数の情報のうち少なくとも1つが含まれていてもよい。
また、上記のii)遊技者が遊技の途中で遊技情報を取得しようとした時またはiii)遊技者が遊技の終了時に遊技情報を取得しようとした時の送信情報には、それらの情報に加え、上記のi)遊技者がユニメモを利用して初めて遊技を開始した時以降に記録した遊技内容を示す遊技情報等が含まれる。
携帯端末21120の制御部は、液晶表示装置20004の表示領域20004dに表示された2次元コード21130をカメラで読み取り、2次元コード21130に含まれるドメイン等の情報に従って遊技情報管理サーバ21110にアクセスし、上記i)の時であれば、2次元コード21130に含まれるログイン回数情報、遊技機識別情報等を開始時送信データとして送信し、上記ii)又はiii)の時であれば、2次元コード21130に含まれるログイン回数情報、遊技機識別情報、遊技情報および後述するキャラクター解放情報等を出力時送信データとして送信する。
遊技情報管理サーバ21110の制御部は、上記i)の時にアクセスがあった場合には、受信した開始時送信データに含まれるログイン回数情報、遊技機識別情報等を記憶部に記憶する。
遊技情報管理サーバ21110の制御部は、上記ii)、iii)の時にアクセスがあった場合には、受信した出力時送信データに含まれるログイン回数情報及び遊技機識別情報と、上記i)の時に記憶したログイン回数情報及び遊技機識別情報とが一致するかを判定し、一致する場合に、当該出力時送信データに含まれるログイン回数情報、遊技機識別情報、及び遊技情報等を図示しない遊技情報DB(database)に蓄積する。
また、遊技情報管理サーバ21110の制御部は、受信した遊技情報等が示す内容を携帯端末21120が表示できるような表示データ(例えば、Webページ)を生成し、アクセスしてきた携帯端末21120に対して返信する。携帯端末21120の制御部は受信した表示データに基づいて、遊技内容等を示す画像を表示部に表示させる。遊技者は、その表示された画像から遊技内容等を確認することができる。
次に、遊技者が遊技情報提供サービスを利用する際の遊技者から見た流れについて、図566および図567を参照して説明する。図566は、ユニメモメニュー画面が表示されるまでの流れの一例を示しており、図567は、ユニメモメニュー画面が表示された以降の流れの一例を示している。なお、ユニメモにかかわるパチンコ遊技機における制御はサブCPU20330により行われる。
図566において、液晶表示装置20004の表示領域20004dに例えばデモ画面が表示されているとき(ステップS12001)、遊技者が十字ボタン23100を押下操作すると(ステップS12002)、液晶表示装置20004の表示領域20004dにメインメニュー画面が表示される(ステップS12003)。
メインメニュー画面には、「ユニメモ」、「キャラクター選択」、「演出カスタム」、「サイト」および「遊技に戻る」の項目が表示される。そして、メインメニュー画面に表示された「ユニメモ」の項目を遊技者が選択すると、ユニメモメニュー画面が液晶表示装置20004の表示領域20004dに表示される(ステップS12004)。
図567において、ユニメモメニュー画面には、「ユニメモを始める」、「パスワード入力」、「記録して終了」、「データクリア」、「会員登録」および「メインメニューへ戻る」の項目が表示される。
遊技者がユニメモメニュー画面において「ユニメモを始める」を選択すると(ステップS12010)、液晶表示装置20004の表示領域20004dにサイト誘導画面が表示される。サイト誘導画面では、ユニメモの遊技パスワードを発行するサイトへ誘導する二次元コードが表示される。そして、表示された二次元コードを遊技者が携帯端末21120で読み取ると、ユニメモ会員であれば、遊技者の携帯端末21120にパスワード発行画面が表示され、パスワードが発行される。ユニメモ非会員であれば会員登録画面が表示される。その後、液晶表示装置20004の表示領域20004dにはパスワード入力画面が表示され(ステップS12011)、認証成功すると、遊技者は遊技情報提供サービスを享受することができる。一方、十字ボタン23100を一定時間以上押下しなければ、ユニメモメニュー画面に戻る。
ところで、遊技者が事前にパスワードを発行している場合もある。ユニメモメニュー画面において遊技者がパスワード入力画面を選択すると、液晶表示装置20004の表示領域20004dには、パスワード入力画面が表示される(ステップS12020)。
なお、パスワード入力画面が表示される際には、必ず上書き注意表示画面が表示される(ステップS12021)。具体的には、例えば「パスワードを入力するとプレイデータがクリアされますが、よろしいですか?」の画面が表示される。遊技者が「はい」を選択するとパスワード入力画面が表示され(ステップS12022)、遊技者が「いいえ」を選択するとユニメモメニュー画面に戻る。
パスワード入力画面において遊技者がパスワードを入力し、認証成功すれば認証成功表示画面が表示され(ステップS12023)、その後、デモ画面が表示される(ステップS12024)。一方、認証失敗すれば認証失敗表示画面が表示され(ステップS12025)、パスワードを再入力できるようにパスワード入力画面が表示され、十字ボタン23100を一定時間以上操作しなければユニメモメニュー画面に戻る(ステップS12026)。また、パスワード入力画面において未入力エラーとなった場合(ステップS12027)にも、パスワードを再入力できるようにパスワード入力画面が表示され、十字ボタン23100を一定時間以上操作しなければ、ユニメモメニュー画面に戻る(ステップS12028)。なお、サブCPU20330は、パスワード未入力で認証が開始された場合や、一定時間の入力が行われない場合等に、パスワードの未入力エラーであると判断するようにするとよい。
遊技者がユニメモメニュー画面において「記録して終了」を選択すると(ステップS12030)、液晶表示装置20004の表示領域20004dに、二次元コード生成確認画面が表示される(ステップS12031)。この二次元コード生成確認画面は、例えば「二次元コードを発行するとプレイデータが消えます。よろしいですか?」といった画面である。遊技者が「はい」を選択すると二次元コード発行画面が表示され(ステップS12032)、遊技者が「いいえ」を選択するか十字ボタン23100を一定時間以上操作しなければ、ユニメモメニュー画面に戻る。二次元コード発行画面が表示された後、二次元コード終了確認画面が表示される(ステップS12033)。この二次元コード終了確認画面において遊技者が終了確認するまで二次元コード発行画面が継続して表示され、デモ画面に戻る(ステップS12034)。
遊技者がユニメモメニュー画面において「データをクリアする」を選択すると(ステップS12040)、現在の遊技データを登録する二次元コードを表示する。液晶表示装置20004の表示領域20004dに、クリア時注意画面が表示される(ステップS12041)。このクリア時注意画面は、例えば「登録コードを発行しないでプレイデータをクリアします。よろしいですか?」といった画面である。遊技者が「はい」を選択すると、遊技者が操作したタイミングでまたはその後にデータ消去が開始され、データクリア表示画面が表示される(ステップS12042)。データクリア表示画面は、例えば「プレイデータをクリアしました」といった画面である。
遊技者がユニメモメニュー画面において「会員登録」を選択すると(ステップS12050)、液晶表示装置20004の表示領域20004dに、ユニメモ登録サイトへ誘導する二次元コードが表示される。そして、表示された二次元コードを遊技者が携帯端末21120で読み取るとユニメモ登録サイトへ誘導され、会員登録を行うことができる。会員登録すると、遊技者の携帯端末21120にパスワード発行画面が表示され、このパスワードを、液晶表示装置20004の表示領域20004dに表示されたパスワード入力画面に入力することにより、遊技情報提供サービスを享受することが可能となる。
遊技者がユニメモメニュー画面において「メインメニューへ戻る」を選択すると(ステップS12060)、液晶表示装置20004の表示領域20004dにはメインメニュー画面が表示される。
図566に戻り、メインメニュー画面において、「キャラクター選択」の項目を遊技者が選択すると(ステップS12100)、キャラクター選択画面が液晶表示装置20004の表示領域20004dに表示される(ステップS12101)。
図568(A)は、キャラクター選択画面の一例を示す画面である。図568(B)は、キャラクター解放条件の一例を示す図である。
図568(A)に示されるように、キャラクター選択画面では、例えば34人のキャラクターに対応する「1」〜「34」のうち、キャラクター解放条件を満たすキャラクターのいずれかを選択できるようになっている。この「1」〜「34」のキャラクターは、図568(B)のキャラクター解放条件のNoに対応するキャラクターである。図568(A)に示される「1」〜「34」のうち解放条件を満たすキャラクターのいずれかを選択すると、サブCPU20330は、選択されたキャラクターを名前とともに表示する処理を行う。選択されたキャラクターは、遊技を行うときに液晶表示装置20004の表示領域20004dに表示演出として表示される。なお、「任」を選択すると、キャラクター解放条件を満たすキャラクターのなかからいずれかのキャラクターがランダムで選択される。そして、遊技者が「戻る」を選択すると、液晶表示装置20004の表示領域20004dにはメインメニュー画面が表示される(ステップS12102)。
ところで、図568(B)に示される「1」〜「34」のキャラクターのうち、「1」〜「6」、「24」および「32」のキャラクターについてはデフォルトで解放されているため、遊技者を問わず、選択することができる。選択されたキャラクターは、遊技を行うときに、推しキャラクターとして液晶表示装置20004の表示領域20004dに表示される表示演出に用いられる。
しかし、図568(B)に示される「1」〜「34」のキャラクターのうち、「7」〜「23」、「25」〜「31」、「33」および「34」のキャラクターについては、図568(B)に示されるキャラクター解放条件を満たした遊技者のみに対して選択機会が与えられ、キャラクター解放条件を満たしていない遊技者に対しては選択機会が与えられない。すなわち、解放されていないキャラクターは選択することができないため、遊技を行うときに液晶表示装置20004の表示領域20004dに表示演出として表示されない。
図568(B)に示されるように、キャラクター解放条件には複数の条件があり、キャラクターに対応して設定されている。例えば、No.7のキャラクターGのキャラクター解放条件はサイトにアクセスしてキャラクターポイントを入手することによって満たすことが可能な条件である。また、No.34のキャラクターAHのキャラクター解放条件はミッションをクリアすることによって満たすことが可能な条件である。例えば、後述のラッシュ状態において小当り入賞したときに行われるステップアップ演出によってユニメモのミッションがクリアされる場合もある。また、No.33のキャラクターAGのキャラクター解放条件は、後述の例えばラッシュ状態において称号を獲得することによって満たすことが可能な条件である。そして、キャラクター解放条件をクリアすると、図568(A)のキャラクター選択画面において選択することが可能となる。
このように、キャラクター解放条件を満たしていないキャラクターについては推しキャラクターとして選択することができず、ユニメモ会員が所定のキャラクター解放条件を満たすことによって解放されたキャラクターを選択できるようにすることで、ユニメモ会員登録を促すことができるだけでなく、キャラクター解放条件を満たすたびに選択できるキャラクターが増えていくため、興趣を高めることが可能となる。
なお、上記では、特定のキャラクターについてはキャラクター解放条件をクリアすることによって表示演出可能としたが、これに代えて、例えば、リーチ解放条件をクリアすることによって実現できるリーチ演出を設けるようにしてもよい。例えば、大当り期待度が高い高期待リーチ演出や人気度の高いキャラクターリーチ演出については、所定のリーチ解放条件をクリアしなければ出現せず、所定のリーチ解放条件をクリアした場合に限り出現しうるようにしてもよい。また、ステップ1⇒ステップ2⇒ステップ3⇒ステップ4と大当り期待度がステップアップしていくステップアップ演出が行われる場合、所定のリーチ解放条件をクリアしなければ途中のステップ(例えばステップ3)までしかステップアップせず、所定のリーチ解放条件をクリアした場合に限り最上位のステップ4までステップアップしうるようにしてもよい。
また、メインメニュー画面において、「演出カスタム」の項目を遊技者が選択すると(ステップS12110)、演出カスタム画面が液晶表示装置20004の表示領域20004dに表示される(ステップS12111)。この演出カスタム画面は、演出カスタムを遊技者が決定することができる画面であって、例えば、先読み等の演出の発生頻度が高めに設定された「にぎやかカスタム」、先読み演出が一切発生しない「先読み無しカスタム」、確変大当り時のみならず通常大当りや小当りも含めて全体的にプレミア演出の出現率が高めに設定された「プレミアUPカスタム」、ガセ演出の出現率が低めに設定された「シンプルカスタム」やバランスの取れた「デフォルトカスタム」等のなかから遊技者が設定することができる。そして、遊技者が「メインメニューへ戻る」を選択すると、液晶表示装置20004の表示領域20004dにはメインメニュー画面が表示される(ステップS12112)。
また、メインメニュー画面において、「サイト」の項目を遊技者が選択すると(ステップS12120)、液晶表示装置20004の表示領域20004dにサイト表示画面が表示される(ステップS12121)。そして、遊技者が「メインメニューへ戻る」を選択すると、液晶表示装置20004の表示領域20004dにはメインメニュー画面が表示される(ステップS12122)。
また、メインメニュー画面において、「遊技に戻る」の項目を遊技者が選択すると(ステップS12130)、液晶表示装置20004の表示領域20004dにデモ画面が表示される(ステップS12131)。
[2.当り乱数判定テーブル]
図569は、主制御基板20028のメインROM20281に記憶されている当り乱数判定テーブルであって、(a)は第1特別図柄の当り乱数判定テーブル、(b)は第2特別図柄の当り乱数判定テーブルである。第1特別図柄の当り乱数判定テーブルは、第1始動口20042に遊技球が入賞した際に取得される当り判定用乱数値に基づいて、「大当り」及び「ハズレ」のいずれかを抽選により決定するために参照される。第2特別図柄の当り乱数判定テーブルは、第2始動口20043に遊技球が入賞した際に取得される当り判定用乱数値に基づいて「大当り」、「小当り」及び「ハズレ」のうちのいずれかを抽選により決定する際に参照される。
当り判定用乱数値は、始動口入賞を契機に行われる抽選結果を判定するための乱数値である。より具体的にいうと、当り判定用乱数値は、特別図柄(第1特別図柄及び第2特別図柄)の抽選結果を示す値である。本実施形態において、当り判定用乱数値は、0〜65535(65536個)の中から選ばれる。
本実施形態では、第1始動口20042への遊技球の入賞に基づいて、「大当り」及び「ハズレ」のいずれかが抽選により決定される。それゆえ、第1特別図柄の当り乱数判定テーブルには、確変フラグの値(「0(=オフ)」又は「1(=オン)」)毎に、「大当り」及び「ハズレ」のいずれかに決定される当り判定用乱数値の範囲(幅)と、それに対応する判定値データ(「大当り判定値データ」及び「ハズレ判定値データ」)との関係が規定される。確変フラグは、メインRAM20282に格納される管理フラグの一つであり、遊技状態が「確変遊技状態」であるか否かを管理するためのフラグである。遊技状態が「確変遊技状態」である場合には、確変フラグは「1」となり、「非確変遊技状態」である場合には、確変フラグは「0」となる。
本実施形態では、第1始動口20042入賞時に、確変フラグが「0」であり、当り判定用乱数値が「0」〜「204」のいずれかである場合には、「大当り」が当選し、「大当り判定値データ」が決定される。すなわち、この場合における「大当り」の当選確率(大当り確率)は、205/65536(≒1/319)となる。
また、第1始動口20042入賞時に、確変フラグが「0」であり、当り判定用乱数値が「0」〜「204」のいずれでもない場合には、「ハズレ判定値データ」が決定される。
一方、第1始動口20042入賞時に、確変フラグが「1」であり、当り判定用乱数値が「0」〜「1310」のいずれかである場合には、「大当り」が当選し、「大当り判定値データ」が決定される。すなわち、この場合における「大当り」の当選確率(大当り確率)は、1311/65536(≒1/50)となり、確変フラグが「0」である場合の大当り確率より高くなる。
さらに、第1始動口20042入賞時に、確変フラグが「1」であり、当り判定用乱数値が「0」〜「1310」のいずれでもない場合には、「大当り」が落選し、「ハズレ判定値データ」が決定される。
上述のように、本実施形態では、第1始動口20042に遊技球が入賞した場合には、入賞時の遊技状態が「確変遊技状態」であるか否かによって、大当り確率が変動する。具体的には、遊技状態が「確変遊技状態」である時に第1始動口20042に遊技球が入賞した場合の大当り確率は、遊技状態が「確変遊技状態」でない時の6倍以上度高くなる。
同様に、第2始動口20043入賞時に、確変フラグが「0」であり、当り判定用乱数値が「0」〜「204」のいずれかである場合には、「大当り」が当選し、「大当り判定値データ」が決定される。すなわち、この場合における「大当り」の当選確率(大当り確率)は、205/65536(≒1/319)となる。
また、第2始動口20043入賞時に、確変フラグが「0」であり、当り判定用乱数値が「20000」〜「65535」のいずれかである場合には、「小当り」が当選し、「小当り判定値データ」が決定される。すなわち、この場合における「小当り」の当選確率は、45536/65536(≒1/1.44)となる。
また、第2始動口20043入賞時に、確変フラグが「0」であり、当り判定用乱数値が「0」〜「204」および「20000〜65535」のいずれでもない場合には、「大当り」および「小当り」のいずれにも落選し、「ハズレ判定値データ」が決定される。
一方、第2始動口20043入賞時に、確変フラグが「1」であり、当り判定用乱数値が「0」〜「1310」のいずれかである場合には、「大当り判定値データ」が決定される。すなわち、この場合における「大当り」の当選確率(大当り確率)は、1311/65536(≒1/50)となり、確変フラグが「0」である場合の大当り確率より高くなる。
また、第2始動口20043入賞時に、確変フラグが「1」であり、当り判定用乱数値が「20000」〜「65535」のいずれかである場合には、「小当り判定値データ」が決定される。すなわち、この場合における「小当り」の当選確率は、45536/65536(≒1/1.44)となり、確変フラグが「0」である場合と同一となる。
また、第2始動口20043入賞時に、確変フラグが「1」であり、当り判定用乱数値が「0」〜「1310」および「20000〜65535」のいずれでもない場合には、「大当り」および「小当り」のいずれにも落選し、「ハズレ判定値データ」が決定される。
上述のように、本実施形態では、第1始動口20042に遊技球が入賞した場合には、「小当り」に当選することなく、第2始動口20043に遊技球が入賞した場合に「小当り」に当選しうる。ただし、これに限られず、第1始動口20042に遊技球が入賞した場合にも、例えば第2始動口20043に遊技球が入賞した場合よりも低い確率で「小当り」に当選しうるようにしてもよい。
また、特別図柄(第1特別図柄、第2特別図柄)の可変表示の開始時の遊技状態が「確変遊技状態」であるか否かによって、大当り確率が変動し、遊技状態が「確変遊技状態」である時の大当り確率は、「確変遊技状態」でない時の6倍以上高くなる。
[3.図柄判定テーブル]
図570は、主制御基板20028のメインROM20281に記憶されている図柄判定テーブルであって、(a)第1特別図柄の図柄判定テーブル、(b)第2特別図柄の図柄判定テーブルである。図柄判定テーブル(第1特別図柄、第2特別図柄)は、第1始動口20042あるいは第2始動口20043に遊技球が入賞した際に取得される図柄乱数値と先述の判定値データとに基づいて、停止図柄を決定付ける「当り時選択図柄コマンド」及び「図柄指定コマンド」を選択するために参照される。「当り時選択図柄コマンド」は、当たり当選時の当たり種類に応じて定められる当り図柄を指定するためのコマンドであり、「図柄指定コマンド」は、特別図柄の変動停止時に表示される図柄を指定するためのコマンドである。図柄乱数値は、例えば0〜99(100種類)の中から抽出される。
本実施形態の図柄判定テーブル(第1始動口)によれば、大当り判定値データが得られた場合、当り時選択図柄コマンドおよび図柄指定コマンドは以下のとおり選択される。すなわち、図柄乱数値が「0」〜「3」のいずれかである場合、4/100の確率で当り時選択図柄コマンドとして「z0」が選択され、図柄指定コマンドとして「zA1」が選択される。また、図柄乱数値が「4」〜「25」のいずれかである場合、22/100の確率で当り時選択図柄コマンドとして「z1」が選択され、図柄指定コマンドとして「zA1」が選択される。また、図柄乱数値が「26」〜「69」のいずれかである場合、44/100の確率で当り時選択図柄コマンドとして「z2」が選択され、図柄指定コマンドとして「zA1」が選択される。さらに、図柄乱数値が「70」〜「99」のいずれかである場合、30/100の確率で当り時選択図柄コマンドとして「z3」が選択され、図柄指定コマンドとして「zA2」が選択される。一方、ハズレ判定値データが得られた場合であって図柄乱数値が「0」〜「99」のいずれかである場合、当り時選択図柄コマンドが選択されず、図柄指定コマンドとして「zA3」が選択される。
また、本実施形態の図柄判定テーブル(第2始動口)によれば、大当り判定値データが得られた場合、当り時選択図柄コマンドおよび図柄指定コマンドは以下のとおり選択される。すなわち、図柄乱数値が「0」〜「25」のいずれかである場合、26/100の確率で当り時選択図柄コマンドとして「z4」が選択され、図柄指定コマンドとして「zA4」が選択される。また、図柄乱数値が「26」〜「51」のいずれかである場合、26/100の確率で当り時選択図柄コマンドとして「z5」が選択され、図柄指定コマンドとして「zA4」が選択される。また、図柄乱数値が「52」〜「56」のいずれかである場合、5/100の確率で当り時選択図柄コマンドとして「z6」が選択され、図柄指定コマンドとして「zA4」が選択される。また、図柄乱数値が「57」〜「61」のいずれかである場合、5/100の確率で当り時選択図柄コマンドとして「z7」が選択され、図柄指定コマンドとして「zA4」が選択される。また、図柄乱数値が「62」〜「69」のいずれかである場合、8/100の確率で当り時選択図柄コマンドとして「z8」が選択され、図柄指定コマンドとして「zA4」が選択される。さらに、図柄乱数値が「70」〜「99」のいずれかである場合、30/100の確率で当り時選択図柄コマンドとして「z9」が選択され、図柄指定コマンドとして「zA5」が選択される。また、小当り判定値データが得られた場合であって図柄乱数値が「0」〜「99」のいずれかである場合、当り時選択図柄コマンドとして「z10」が選択され、図柄指定コマンドとして「zA6」が選択される。一方、ハズレ判定値データが得られた場合であって図柄乱数値が「0」〜「99」のいずれかである場合、当り時選択図柄コマンドが選択されず、図柄指定コマンドとして「zA7」が選択される。
[4.大当り種類決定テーブル]
図571は、主制御基板20028のメインROM20281に記憶されている大当り種類決定テーブルを示す図である。大当り種類決定テーブルは、大当りに係る当り時選択図柄コマンドに応じて、ラウンド数、確変回数、時短回数といった大当りの種類を決定するために参照される。
図571に示されるように、当り時選択図柄コマンドが「z0」の場合、ラウンド数が「10」、確変回数が「10000」にセットされる。ただし、時短回数は、大当り判定値データが得られたとき(すなわち特別図柄の可変表示の開始時)の遊技状態に応じてセットされる回数が異なる(当り時選択図柄コマンド「z1」〜「z9」についても同様)。例えば、確変フラグおよび時短フラグのいずれもがOFFにセットされた通常遊技状態において大当り判定値データが得られると時短回数が「10000」にセットされ、確変フラグがOFFにセットされ且つ時短フラグがONにセットされた時短遊技状態、確変フラグおよび時短フラグのいずれもがONにセットされた高確時短遊技状態、または、確変フラグがONにセットされ且つ時短フラグがOFFにセットされた高確非時短遊技状態(以下「ラッシュ状態」と称する)において、大当り判定値データが得られると時短回数が「0」にセットされる。以下において、当り時選択図柄コマンドが「z0」の場合の大当りの種類を、「特図1_10R確変当り」と称する。
また、当り時選択図柄コマンドが「z1」の場合、ラウンド数が「6」、確変回数が「10000」にセットされる。時短回数は、通常遊技状態において大当り判定値データが得られると時短回数が「10000」にセットされ、それ以外の遊技状態(時短遊技状態、高確時短遊技状態、ラッシュ状態)において大当り判定値データが得られると時短回数が「0」にセットされる。以下において、当り時選択図柄コマンドが「z1」の場合の大当りの種類を、「特図1_6R確変第1当り」と称する。
また、当り時選択図柄コマンドが「z2」の場合、ラウンド数が「6」、確変回数が「10000」にセットされる。時短回数は、通常遊技状態または高確時短遊技状態において大当り判定値データが得られると時短回数が「10000」にセットされ、時短遊技状態またはラッシュ状態において大当り判定値データが得られると時短回数が「0」にセットされる。以下において、当り時選択図柄コマンドが「z2」の場合の大当りの種類を、「特図1_6R確変第2当り」と称する。
また、当り時選択図柄コマンドが「z3」の場合、ラウンド数が「6」、確変回数が「0」にセットされる。時短回数は、通常遊技状態において大当り判定値データが得られると時短回数が「50」にセットされ、それ以外の遊技状態(時短遊技状態、高確時短遊技状態、ラッシュ状態)において大当り判定値データが得られると時短回数が「100」にセットされる。以下において、当り時選択図柄コマンドが「z3」の場合の大当りの種類を、「特図1_6R通常当り」と称する。
また、当り時選択図柄コマンドが「z4」の場合、ラウンド数が「10」、確変回数が「10000」にセットされる。時短回数は、通常遊技状態において大当り判定値データが得られると時短回数が「10000」にセットされ、それ以外の遊技状態(時短遊技状態、高確時短遊技状態、ラッシュ状態)において大当り判定値データが得られると時短回数が「0」にセットされる。以下において、当り時選択図柄コマンドが「z4」の場合の大当りの種類を、「特図2_10R確変第1当り」と称する。
また、当り時選択図柄コマンドが「z5」の場合、ラウンド数が「10」、確変回数が「10000」にセットされる。時短回数は、通常遊技状態または高確時短遊技状態において大当り判定値データが得られると時短回数が「10000」にセットされ、時短遊技状態またはラッシュ状態において大当り判定値データが得られると時短回数が「0」にセットされる。以下において、当り時選択図柄コマンドが「z5」の場合の大当りの種類を、「特図2_10R確変第2当り」と称する。
また、当り時選択図柄コマンドが「z6」の場合、ラウンド数が「8」、確変回数が「10000」にセットされる。時短回数は、通常遊技状態または高確時短遊技状態において大当り判定値データが得られると時短回数が「10000」にセットされ、時短遊技状態またはラッシュ状態において大当り判定値データが得られると時短回数が「0」にセットされる。以下において、当り時選択図柄コマンドが「z6」の場合の大当りの種類を、「特図2_8R確変当り」と称する。
また、当り時選択図柄コマンドが「z7」の場合、ラウンド数が「6」、確変回数が「10000」にセットされる。時短回数は、通常遊技状態または高確時短遊技状態において大当り判定値データが得られると時短回数が「10000」にセットされ、時短遊技状態またはラッシュ状態において大当り判定値データが得られると時短回数が「0」にセットされる。以下において、当り時選択図柄コマンドが「z7」の場合の大当りの種類を、「特図2_6R確変当り」と称する。
また、当り時選択図柄コマンドが「z8」の場合、ラウンド数が「3」、確変回数が「10000」にセットされる。時短回数は、通常遊技状態または高確時短遊技状態において大当り判定値データが得られると時短回数が「10000」にセットされ、時短遊技状態またはラッシュ状態において大当り判定値データが得られると時短回数が「0」にセットされる。以下において、当り時選択図柄コマンドが「z8」の場合の大当りの種類を、「特図2_3R確変当り」と称する。
また、当り時選択図柄コマンドが「z9」の場合、ラウンド数が「3」、確変回数が「0」にセットされる。時短回数は、通常遊技状態において大当り判定値データが得られると時短回数が「50」にセットされ、それ以外の遊技状態(時短遊技状態、高確時短遊技状態、ラッシュ状態)において大当り判定値データが得られると時短回数が「100」にセットされる。以下において、当り時選択図柄コマンドが「z9」の場合の大当りの種類を、「特図2_3R通常当り」と称する。
なお、確変回数が「0」にセットされると、大当り遊技状態終了後の遊技状態において確変フラグがOFFにセットされ、確変回数が「0」以外(本実施形態では10000)にセットされると、大当り遊技状態終了後の遊技状態において確変フラグがONにセットされる。
同様に、時短回数が「0」にセットされると、大当り遊技状態終了後の遊技状態において時短フラグがOFFにセットされ、時短回数が「0」以外(本実施形態では、50、100または10000)にセットされると、大当り遊技状態終了後の遊技状態において時短フラグがONにセットされる。
また、確変回数または時短回数が「10000」にセットされると、現実的に、次回の大当り遊技状態まで確変フラグONまたは時短フラグONが継続する。
[5.遊技状態遷移]
次に、本実施形態に係るパチンコ遊技機の遊技状態の遷移について、図572を参照して説明する。図572は、遊技状態遷移の一例を示す図である。なお、図572において、「大当」は大当り遊技状態を意味し、「終了」は大当り遊技状態の終了を意味する。また、図572の矢印内に示される「z0」〜「z9」は、大当りの種類を当り時選択図柄コマンドで示したものである。例えば、高確時短遊技状態において「特図1_6R通常当り」(当り時選択図柄コマンド「z3」)または「特図2_3R通常当り」(当り時選択図柄コマンド「z9」)に当選した場合、大当り遊技状態が終了すると第1時短遊技状態に制御される。
図572に示されるように、本実施形態に係るパチンコ遊技機では、大当り遊技状態でないとき、通常遊技状態、高確時短遊技状態、ラッシュ状態、第1時短遊技状態または第2時短遊技状態に制御される。第1時短遊技状態と第2時短遊技状態とではセットされる時短回数が異なっており、第1時短遊技状態では時短回数が100回にセットされ、第2時短遊技状態では時短回数が50回にセットされる。
本実施形態のパチンコ遊技機では、時短遊技状態から通常遊技状態に移行した直後(以下「時短抜け時」と称する)であったり遊技者が変則打ちしたりしない限り、通常遊技状態では左打ちで遊技が行われ、それ以外の遊技状態(通常遊技状態、高確時短遊技状態、ラッシュ状態、第1時短遊技状態、第2時短遊技状態)では右打ちで遊技が行われる。そのため、通常遊技状態において当選する通常当りは「特図1_6R通常当り」(当り時選択図柄コマンド「z3」)となり、それ以外の遊技状態において当選する通常当りは「特図2_3R通常当り」(当り時選択図柄コマンド「z9」)となる。
なお、右打ちすべきであるか左打ちすべきであるかについては、サブCPU20330によって報知することが可能であり、この報知内容の一方にしたがって遊技者が遊技を行う場合が通常遊技状態であり、報知内容の他方にしたがって遊技者が遊技を行う場合がそれ以外の遊技状態(高確時短遊技状態、ラッシュ状態、第1時短遊技状態、第2時短遊技状態)であってもよい。
また、図572に示される確変当りは、「特図1_10R確変当り」、「特図1_6R確変第1当り」、「特図1_6R確変第2当り」、「特図2_10R確変第1当り」、「特図2_10R確変第2当り」、「特図2_8R確変当り」、「特図2_6R確変当り」および「特図2_3R確変当り」が相当する。上述した通り、通常遊技状態では左打ちで遊技が行われ、それ以外の遊技状態(高確時短遊技状態、ラッシュ状態、第1時短遊技状態、第2時短遊技状態)では右打ちで遊技が行われるため、通常遊技状態において当選する確変当りは「特図1_10R確変当り」、「特図1_6R確変第1当り」または「特図1_6R確変第2当り」となり、それ以外の遊技状態において当選する確変当りは「特図2_10R確変第1当り」、「特図2_10R確変第2当り」、「特図2_8R確変当り」、「特図2_6R確変当り」または「特図2_3R確変当り」となる。
なお、変則打ちとは、通常遊技状態において右打ちしたり、それ以外の遊技状態(高確時短遊技状態、ラッシュ状態、第1時短遊技状態、第2時短遊技状態)において左打ちしたりする打ち方が相当する。
図572に示されるように、通常遊技状態において、当り時選択図柄コマンド「z3」の当り(特図1_6R通常当り)または当り時選択図柄コマンド「z9」の当り(特図2_3R通常当り)に当選すると大当り遊技状態に制御され、この大当り遊技状態が終了すると第2時短遊技状態に制御される。また、通常遊技状態において、当り時選択図柄コマンド「z0」〜「z2」の当り(特図1_10R確変当り、特図1_6R確変第2当り、特図1_6R確変第2当り)および当り時選択図柄コマンド「z4」〜「z8」の当り(特図2_10R確変第1当り、特図2_10R確変第2当り、特図2_8R確変当り、特図2_6R確変当り、特図2_3R確変当り)のうちのいずれかに当選すると大当り遊技状態に制御され、この大当り遊技状態が終了すると高確時短遊技状態に制御される。
また、高確率時短遊技状態において、当り時選択図柄コマンド「z3」の当り(特図1_6R通常当り)または当り時選択図柄コマンド「z9」の当り(特図2_3R通常当り)に当選すると大当り遊技状態に制御され、この大当り遊技状態が終了すると第1時短遊技状態に制御される。また、高確率遊技状態において、当り時選択図柄コマンド「z2」の当り(特図1_6R確変第2当り)および当り時選択図柄コマンド「z5」〜「z8」の当り(特図2_10R確変第2当り、特図2_8R確変当り、特図2_6R確変当り、特図2_3R確変当り)のうちのいずれかに当選すると大当り遊技状態に制御され、この大当り遊技状態が終了すると高確時短遊技状態に制御される。また、高確率遊技状態において、当り時選択図柄コマンド「z0」の当り(特図1_10R確変当り)、当り時選択図柄コマンド「z1」の当り(特図1_6R確変第1当り)または当り時選択図柄コマンド「z4」の当り(特図2_10R確変第1当り)に当選すると大当り遊技状態に制御され、この大当り遊技状態が終了するとラッシュ状態に制御される。
また、ラッシュ状態において、当り時選択図柄コマンド「z3」の当り(特図1_6R通常当り)または当り時選択図柄コマンド「z9」の当り(特図2_3R通常当り)に当選すると大当り遊技状態に制御され、この大当り遊技状態が終了すると第1時短遊技状態に制御される。また、ラッシュ状態において、当り時選択図柄コマンド「z0」〜「z2」の当り(特図1_10R確変当り、特図1_6R確変第2当り、特図1_6R確変第2当り)および当り時選択図柄コマンド「z4」〜「z8」の当り(特図2_10R確変第1当り、特図2_10R確変第2当り、特図2_8R確変当り、特図2_6R確変当り、特図2_3R確変当り)のうちのいずれかに当選すると大当り遊技状態に制御され、この大当り遊技状態が終了するとラッシュ状態に制御される。
また、第1時短遊技状態において、時短遊技が100回消化されると通常遊技状態に移行し、時短遊技100回が消化される前に大当りに当選すると、大当り遊技状態に制御される。この大当り遊技状態が終了すると、当選した大当りの種類に応じて、高確時短遊技状態、ラッシュ状態または第1時短遊技状態に制御される。具体的には、第1時短遊技状態において、当り時選択図柄コマンド「z3」の当り(特図1_6R通常当り)または当り時選択図柄コマンド「z9」の当り(特図2_3R通常当り)に当選すると大当り遊技状態に制御され、この大当り遊技状態が終了すると第1時短遊技状態に制御される。また、第1時短遊技状態において、当り時選択図柄コマンド「z0」〜「z2」の当り(特図1_10R確変当り、特図1_6R確変第2当り、特図1_6R確変第2当り)および当り時選択図柄コマンド「z4」〜「z8」の当り(特図2_10R確変第1当り、特図2_10R確変第2当り、特図2_8R確変当り、特図2_6R確変当り、特図2_3R確変当り)のうちのいずれかに当選すると大当り遊技状態に制御され、この大当り遊技状態が終了するとラッシュ状態に制御される。
なお、メインCPU20280は、大当り遊技状態終了後の第1時短遊技状態において、第1時短遊技状態に制御されてから100回目の特別図柄の可変表示の開始時に時短フラグをOFFにセットする。そのため、第1時短遊技状態に制御されてから100回目の特別図柄の可変表示として第1特別図柄および第2特別図柄のいずれか一方の特別図柄の可変表示が開始された後、100回目の特別図柄の可変表示中に他方の特別図柄の可変表示が101回目の特別図柄の可変表示として開始されたとしても、この101回目の特別図柄の可変表示は時短遊技状態として処理されず、通常遊技状態における可変表示として処理される。これにより、第1時短遊技状態に制御されてから101回目の特別図柄の可変表示が時短遊技状態としての可変表示となってしまうことを防止できる。
同様に、第2通常遊技状態において、時短遊技が50回消化されると通常遊技状態に移行し、時短遊技50回が消化される前に大当りに当選すると、大当り遊技状態に制御される。この大当り遊技状態が終了すると、当選した大当りの種類に応じて、高確時短遊技状態、ラッシュ状態または第1時短遊技状態に制御される。具体的には、第2時短遊技状態において、当り時選択図柄コマンド「z3」の当り(特図1_6R通常当り)または当り時選択図柄コマンド「z9」の当り(特図2_3R通常当り)に当選すると大当り遊技状態に制御され、この大当り遊技状態が終了すると第1時短遊技状態に制御される。また、第2時短遊技状態において、当り時選択図柄コマンド「z0」〜「z2」の当り(特図1_10R確変当り、特図1_6R確変第2当り、特図1_6R確変第2当り)および当り時選択図柄コマンド「z4」〜「z8」の当り(特図2_10R確変第1当り、特図2_10R確変第2当り、特図2_8R確変当り、特図2_6R確変当り、特図2_3R確変当り)のうちのいずれかに当選すると大当り遊技状態に制御され、この大当り遊技状態が終了するとラッシュ状態に制御される。
なお、メインCPU20280は、大当り遊技状態終了後の第2通常遊技状態においても、大当り遊技状態終了後50回目の特別図柄の可変表示の開始時に時短フラグをOFFにセットする。そのため、第2時短遊技状態に制御されてから50回目の特別図柄の可変表示として第1特別図柄および第2特別図柄のいずれか一方の特別図柄の可変表示が開始された後、50回目の特別図柄の可変表示中に他方の特別図柄の可変表示が51回目の特別図柄の可変表示として開始されたとしても、この51回目の特別図柄の可変表示は時短遊技状態として処理されず、通常遊技状態における可変表示として処理される。これにより、第1時短遊技状態に制御されてから51回目の特別図柄の可変表示が時短遊技状態としての可変表示となってしまうことを防止できる。
このように、第2時短遊技状態に制御されるのは通常遊技状態において当り時選択図柄コマンド「z3」の当り(特図1_6R通常当り)または当り時選択図柄コマンド「z9」の当り(特図2_3R通常当り)に当選したときであり、高確時短遊技状態、ラッシュ状態または第1時短遊技状態において当り時選択図柄コマンド「z3」の当り(特図1_6R通常当り)または当り時選択図柄コマンド「z9」の当り(特図2_3R通常当り)に当選したときは、第2時短遊技状態に制御されずに第1時短遊技状態に制御される。
また、通常遊技状態、高確時短遊技状態、ラッシュ状態、第1時短遊技状態および第2時短遊技状態のいずれであったとしても、小当りに当選した場合、小当り遊技状態が終了後、他の遊技状態に移行せず、小当りに当選したときの遊技状態が継続される。なお、当たり前のことではあるが、時短遊技状態における最後の遊技(例えば第1時短遊技状態であれば100回目の時短遊技)における特別抽選の結果が小当りである場合は、小当り遊技を経て通常遊技状態に移行する。
なお、本実施形態では、通常遊技状態から大当り遊技状態を経由して高確時短遊技状態または第2時短遊技状態へと移行する(ラッシュ状態に移行しない)遊技性について説明したが、これに限られず、通常遊技状態から大当り遊技状態を経由してラッシュ状態へと移行する遊技性であってもよい。
また、時短遊技状態(第1時短遊技状態、第2時短遊技状態)から通常遊技状態への移行は、時短遊技状態における最後(第1時短遊技状態であれば100回目、第2時短遊技状態であれば50回目)の特別図柄の可変表示の開始時にメインCPU20280が時短フラグをOFFにセットして通常遊技状態に移行するようにしてもよいが、これに限られない。例えば、遊技状態をモード管理し、メインCPU20280は、時短遊技状態における最後の特別図柄の可変表示(以下「時短最終変動」とも称する)の開始時に時短フラグをOFFにセットするものの、時短最終変動が終了したときに通常遊技状態のモードに変更するようにしてもよい。この場合、時短最終変動中に次の可変表示として別の特別図柄の可変表示が開始されると、この別の特別図柄の可変表示は、時短遊技状態のモードにおける可変表示となるが、時短フラグがOFFにセットされている状態での可変表示となる。そのため、時短最終変動中に可変表示が開始された別の特別図柄の可変表示を、時短遊技状態のモードにおける可変表示として処理せず、通常遊技状態のモードにおける可変表示とみなして通常遊技状態と同様の処理を行うようにしてもよい。
ところで、第1特別図柄の可変表示と第2特別図柄の可変表示とを並行して行うことを可能にした場合、第1特別図柄の可変表示の開始時期と第2特別図柄の可変表示の開始時期とが同時になる場合が生じうる。すなわち、メインCPU20280は、第1特別図柄の可変表示の開始条件が成立していれば第1特別図柄の可変表示を開始し、第2特別図柄の可変表示の開始条件が成立していれば第2特別図柄の可変表示を開始するが、同一割込み処理内において第1特別図柄の可変表示の開始条件および第2特別図柄の可変表示の開始条件の両方が成立する可能性がある。
そこで、本実施形態では、少なくとも時短最終変動として第1特別図柄の可変表示の開始条件および第2特別図柄の可変表示の開始条件の両方が成立している場合、図325に示されるように、メインCPU20280は、第2特別図柄の可変表示の処理を、第1特別図柄の可変表示の処理よりも優先して先に行う。この場合、第2特別図柄の可変表示の処理を行ってから第1特別図柄の可変表示の処理を行うまでに時短フラグをOFFにセットする処理を行うことで、第1特別図柄の可変表示が時短遊技状態での処理とならないようにしている。これにより、副特別図柄(副特別図柄については後述する)である第1特別図柄の可変表示が時短最終変動として実行されてしまうことを極力抑制することが可能となる。
なお、図325では、第1特別図柄の可変表示の開始条件および第2特別図柄の可変表示の開始条件の両方が成立している場合、第1特別図柄の可変表示よりも第2特別図柄の可変表示を優先して行う処理を、時短遊技状態における特別図柄の可変表示(時短最終変動を除く)や他の遊技状態における特別図柄の可変表示においても実行されるようにしているが、少なくとも時短最終変動において実行されるようにしてもよい。
[6.特別図柄の変動パターン]
次に、上述した特別図柄変動パターン設定処理(図329のステップS11477参照)で設定される特別図柄の可変表示パターン(以下、「特別図柄の変動パターン」と称する)について説明する。特別図柄変動パターン設定処理で設定される特別図柄の変動パターンは、特別図柄の変動パターンテーブル群を参照して決定される。以下に、特別図柄の変動パターンを決定するまでの流れについて説明する。
メインCPU20280は、現在の遊技状態等に対応する変動パターンテーブル群を参照し、前半変動パターンおよび後半変動パターンを決定する。そして、変動パターンテーブルを参照し、前半変動パターンと後半変動パターンとを組合せて変動パターンを決定する。
なお、本実施形態に係るパチンコ遊技機では、メインCPU20280により制御される遊技状態等に応じて、参照される変動パターンテーブル群が異なる。
具体的には、通常遊技状態(後述のNOR2が参照される場合を除く)において参照される変動パターンテーブル群(以下このテーブル群を「NOR1」と称する)、時短抜け時の通常遊技状態において参照される変動パターンテーブル群(以下このテーブルを「NOR2」と称する)、高確時短遊技状態において参照される変動パターンテーブル群(以下このテーブルを「HJTN」と称する)、ラッシュ状態において参照される変動パターンテーブル群(以下このテーブルを「RUSH」と称する)、第1時短遊技状態(最終の可変表示を除く)において参照される変動パターンテーブル群(以下このテーブルを「JTN1」と称する)、第2時短遊技状態(最終の可変表示を除く)において参照される変動パターンテーブル群(以下このテーブルを「JTN2」と称する)、第1時短遊技状態の最終の可変表示において参照される変動パターンテーブル群(以下このテーブルを「J1END」と称する)、第2時短遊技状態の最終の可変表示において参照される変動パターンテーブル群(以下このテーブルを「J2END」と称する)がメインROM20281に記憶されている。メインCPU20280は、遊技状態等に基づいて上記のいずれかのテーブルを参照して前半変動パターンおよび後半変動パターンを決定した後、変動パターンテーブルを参照し、特別図柄の変動パターンを決定する。なお、「時短抜け時」は、本実施形態では、時短最終変動の次の特別図柄の可変表示および時短最終変動の次の次の特別図柄の可変表示が相当する。例えば、第1時短遊技状態終了後であれば101回目および102回目が相当し、第2時短遊技状態終了後であれば51回目および52回目が相当するが、これに限られない。
特別図柄変動パターン設定処理で設定される特別図柄の変動パターンを決定するに際し、メインCPU20280は、先ず、特別図柄の変動パターンテーブル群を決定する(以下、この処理を「変動パターンテーブル決定処理」と称する)。
図573は、変動パターンテーブル決定処理において参照されるテーブルの一例である。図574は、メインCPU20280により実行される変動パターンテーブル決定処理の一例を示すフローチャートである。なお、図573に示されるテーブルは、メインROM20281に記憶されている。
図573に示されるように、確変フラグがONであるか否か、時短フラグがONであるか否か、時短種別、変動回数およびR変動回数に応じて、決定されるテーブル群が異なる。
なお、時短種別の「1」は第1時短遊技状態を示し、時短種別の「2」は第2時短遊技状態を示す。
変動回数は、時短回数がセットされたときを起点として、特別図柄の可変表示が開始される都度減算される、いわゆる時短残回数である。よって、変動回数の「1」は、時短残回数が「1」であることすなわち時短最終変動であることを示す。
R変動回数は、時短終了時に「2」がセットされ、特別図柄の可変表示が開始される都度減算される。よって、R変動回数の「2」は、時短終了後の1回転目(第1時短遊技状態であれば第1時短遊技状態移行後101回転目、第2時短遊技状態であれば第2時短遊技状態移行後51回転目)を示す。また、R変動回数の「1」は、時短終了後の2回転目(第1時短遊技状態であれば第1時短遊技状態移行後102回転目、第2時短遊技状態であれば第2時短遊技状態移行後52回転目)を示す。
図574に示されるように、メインCPU20280は、先ず、特別図柄抽選(第1特別図柄抽選、第2特別図柄抽選)の結果が当りであるか否かを判別する(ステップS12201)。なお、第2特別図柄抽選の結果が小当りの場合もYES判定される。
特別図柄抽選の結果が当りである場合(ステップS12201におけるYES)、メインCPU20280は当り時テーブル決定処理(ステップS12210)に移る。一方、特別図柄抽選の結果がハズレである場合(ステップS12201におけるNO)、メインCPU20280はハズレ時テーブル決定処理(ステップS12230)に移る。
図575は、当り時テーブル決定処理の一例を示すフローチャートである。当り時テーブル決定処理は、上述の変動パターンテーブル決定処理の実行中にサブルーチンとして呼び出される。
当り時テーブル決定処理において、メインCPU20280は、先ず、確変フラグがOFFであるか否かを判別する(ステップS12211)。確変フラグがOFFである場合(ステップS12211におけるYES)、メインCPU20280はステップS12212に移る。一方、確変フラグがONである場合(ステップS12211におけるNO)、メインCPU20280はステップS12223に移る。
ステップS12212において、メインCPU20280は時短フラグがOFFであるか否かを判別する(ステップS12212)。時短フラグがOFFである場合(ステップS12212におけるYES)、メインCPU20280はステップS12213に移る。一方、時短フラグがONである場合(ステップS12212におけるNO)、メインCPU20280はステップS12216に移る。
ステップS12213において、メインCPU20280はR変動回数が1以上であるか否かを判別する。R変動回数が1以上である場合(ステップS12213におけるYES)、すなわちR変動回数が1または2である場合、メインCPU20280はステップS12214に移り、特別図柄の変動パターンを決定する際に参照するテーブルをNOR2(当り時)に決定する。一方、R変動回数が1以上でない場合(ステップS12213におけるNO)、メインCPU20280はステップS12215に移り、特別図柄の変動パターンを決定する際に参照するテーブルをNOR1(当り時)に決定する。
ステップS12216において、メインCPU20280は、時短種別が1であるか否かを判別する。具体的には、現在の遊技状態が第1時短遊技状態であれば時短種別が1であると判別され、現在の遊技状態が第2時短遊技状態であれば時短種別が1でないと判別される。時短種別が1である場合(ステップS12216におけるYES)、メインCPU20280はステップS12217に移る。一方、時短種別が1でない場合(ステップS12216におけるNO)、メインCPU20280はステップS12220に移る。
ステップS12217において、メインCPU20280は変動回数が1であるか否か、すなわち時短遊技状態における最後の特別図柄の可変表示であるか否かを判別する。変動回数が1である場合(ステップS12217におけるYES)、メインCPU20280は、ステップS12218に移り、特別図柄の変動パターンを決定する際に参照するテーブルをJ1END(当り時)に決定する。一方、変動回数が1でない場合(ステップS12217におけるNO)、メインCPU20280はステップS12219に移り、特別図柄の変動パターンを決定する際に参照するテーブルをJTN1(当り時)に決定する。
ステップS12220において、メインCPU20280は変動回数が1であるか否か、すなわち時短遊技状態における最後の特別図柄の可変表示であるか否かを判別する。変動回数が1である場合(ステップS12220におけるYES)、メインCPU20280は、ステップS12221に移り、特別図柄の変動パターンを決定する際に参照するテーブルをJ2END(当り時)に決定する。一方、変動回数が1でない場合(ステップS12220におけるNO)、メインCPU20280はステップS12222に移り、特別図柄の変動パターンを決定する際に参照するテーブルをJTN2(当り時)に決定する。
ステップS12223において、メインCPU20280は時短フラグがOFFであるか否かを判別する。時短フラグがOFFである場合(ステップS12223におけるYES)、メインCPU20280は、ステップS12224に移り、特別図柄の変動パターンを決定する際に参照するテーブルをRUSH(当り時)に決定する。一方、時短フラグがOFFでない、すなわちONである場合(ステップS12223におけるNO)、メインCPU20280は、ステップS12225に移り、特別図柄の変動パターンを決定する際に参照するテーブルをHJTN(当り時)に決定する。
メインCPU20280は、当り時テーブル決定処理において特別図柄の変動パターンを決定すると、すなわち、ステップS12214、ステップS12215、ステップS12218、ステップS12219、ステップS12221、ステップS12222、ステップS12224およびステップS12225のいずれかの処理を行うと、メインCPU20280は当り時テーブル決定処理を終了する。
図576は、ハズレ時テーブル決定処理の一例を示すフローチャートである。ハズレ時テーブル決定処理は、上述の変動パターンテーブル決定処理の実行中にサブルーチンとして呼び出される。
ハズレ時テーブル決定処理において、メインCPU20280は、先ず、確変フラグがOFFであるか否かを判別する(ステップS12231)。確変フラグがOFFである場合(ステップS12231におけるYES)、メインCPU20280はステップS12232に移る。一方、確変フラグがONである場合(ステップS12231におけるNO)、メインCPU20280はステップS12243に移る。
ステップS12232において、メインCPU20280は時短フラグがOFFであるか否かを判別する(ステップS12232)。時短フラグがOFFである場合(ステップS12232におけるYES)、メインCPU20280はステップS12233に移る。一方、時短フラグがONである場合(ステップS12232におけるNO)、メインCPU20280はステップS12236に移る。
ステップS12233において、メインCPU20280はR変動回数が1以上であるか否かを判別する。R変動回数が1以上である場合(ステップS12233におけるYES)、すなわちR変動回数が1または2である場合、メインCPU20280はステップS12234に移り、特別図柄の変動パターンを決定する際に参照するテーブルをNOR2(ハズレ時)に決定する。一方、R変動回数が1以上でない場合(ステップS12233におけるNO)、メインCPU20280はステップS12235に移り、特別図柄の変動パターンを決定する際に参照するテーブルをNOR1(ハズレ時)に決定する。
ステップS12236において、メインCPU20280は、時短種別が1であるか否かを判別する。具体的には、現在の遊技状態が第1時短遊技状態であれば時短種別が1であると判別され、現在の遊技状態が第2時短遊技状態であれば時短種別が1でないと判別される。時短種別が1である場合(ステップS12236におけるYES)、メインCPU20280はステップS12237に移る。一方、時短種別が1でない場合(ステップS12236におけるNO)、メインCPU20280はステップS12240に移る。
ステップS12237において、メインCPU20280は変動回数が1であるか否か、すなわち時短遊技状態における最後の特別図柄の可変表示であるか否かを判別する。変動回数が1である場合(ステップS12237におけるYES)、メインCPU20280は、ステップS12238に移り、特別図柄の変動パターンを決定する際に参照するテーブルをJ1END(ハズレ時)に決定する。一方、変動回数が1でない場合(ステップS12237におけるNO)、メインCPU20280はステップS12239に移り、特別図柄の変動パターンを決定する際に参照するテーブルをJTN1(ハズレ時)に決定する。
ステップS12240において、メインCPU20280は変動回数が1であるか否か、すなわち時短遊技状態における最後の特別図柄の可変表示であるか否かを判別する。変動回数が1である場合(ステップS12240におけるYES)、メインCPU20280は、ステップS12241に移り、特別図柄の変動パターンを決定する際に参照するテーブルをJ2END(ハズレ時)に決定する。一方、変動回数が1でない場合(ステップS12240におけるNO)、メインCPU20280はステップS12242に移り、特別図柄の変動パターンを決定する際に参照するテーブルをJTN2(ハズレ時)に決定する。
ステップS12243において、メインCPU20280は時短フラグがOFFであるか否かを判別する。時短フラグがOFFである場合(ステップS12243におけるYES)、メインCPU20280は、ステップS12244に移り、特別図柄の変動パターンを決定する際に参照するテーブルをRUSH(ハズレ時)に決定する。一方、時短フラグがOFFでない場合(ステップS12243におけるNO)、すなわち時短フラグがONである場合、メインCPU20280は、ステップS12245に移り、特別図柄の変動パターンを決定する際に参照するテーブルをHJTN(ハズレ時)に決定する。
メインCPU20280は、ハズレ時テーブル決定処理において特別図柄の変動パターンを決定すると、すなわち、ステップS12234、ステップS12235、ステップS12238、ステップS12239、ステップS12241、ステップS12242、ステップS12244およびステップS12245のいずれかの処理を行うと、メインCPU20280はハズレ時テーブル決定処理を終了する。
上述の変動パターンテーブル決定処理により決定される特別図柄の変動パターン群をまとめると、図577のとおりとなる。図577は、メインCPU20280により制御される遊技状態に応じて参照される変動パターンテーブル群の一例をまとめた図である。
図577に示されるように、通常遊技状態において「特図1_10R確変当り」、「特図1_6R確変第1当り」、「特図1_6R確変第2当り」、「特図2_10R確変第1当り」、「特図2_10R確変第2当り」、「特図2_8R確変当り」、「特図2_6R確変当り」および「特図2_3R確変当り」のいずれかに当選した場合、大当り遊技状態が終了した後の高確時短遊技状態において、メインCPU20280は、次回の大当りに当選するまで、HJTN(当り時)またはHJTN(ハズレ時)のテーブル群と、変動パターンテーブルとを参照して特別図柄の変動パターンを決定する。
また、通常遊技状態において「特図1_6R通常当り」または「特図2_3R通常当り」に当選した場合、大当り遊技状態が終了した後の第2時短遊技状態において、メインCPU20280は、1〜49回目の特別図柄の可変表示ではJTN2(当り時)またはJTN2(ハズレ時)のテーブル群と、変動パターンテーブルとを参照して特別図柄の変動パターンを決定し、第2時短遊技状態における最終の可変表示である50回目の特別図柄の可変表示ではJ2END(当り時)またはJ2END(ハズレ時)のテーブル群と、変動パターンテーブルとを参照して特別図柄の変動パターンを決定する。そして、第2時短遊技状態が終了した後の通常遊技状態において、メインCPU20280は、51回目および52回目の特別図柄の可変表示ではNOR2(当り時)またはNOR2(ハズレ時)のテーブル群と、変動パターンテーブルとを参照して特別図柄の変動パターンを決定し、53回目以降の特別図柄の可変表示では次回の大当りに当選するまでNOR1(当り時)またはNOR1(ハズレ時)のテーブル群と、変動パターンテーブルとを参照して特別図柄の変動パターンを決定する。
また、時短遊技状態(第1時短遊技状態、第2時短遊技状態)またはラッシュ状態において「特図1_10R確変当り」、「特図1_6R確変第1当り」、「特図1_6R確変第2当り」、「特図2_10R確変第1当り」、「特図2_10R確変第2当り」、「特図2_8R確変当り」、「特図2_6R確変当り」および「特図2_3R確変当り」のいずれかに当選した場合、大当り遊技状態が終了した後のラッシュ状態において、メインCPU20280は、次回の大当りに当選するまでRUSH(当り時)またはRUSH(ハズレ時)のテーブル群と、変動パターンテーブルを参照して特別図柄の変動パターンとを決定する。
また、時短遊技状態(第1時短遊技状態、第2時短遊技状態)またはラッシュ状態において「特図1_6R通常当り」または「特図2_3R通常当り」に当選した場合、大当り遊技状態が終了した後の第1通常遊技状態において、メインCPU20280は、1〜99回目の特別図柄の可変表示ではJTN1(当り時)またはJTN1(ハズレ時)のテーブル群と、変動パターンテーブルとを参照して特別図柄の変動パターンを決定し、第1時短遊技状態における最終の可変表示である100回目の特別図柄の可変表示ではJ1END(当り時)またはJ1END(ハズレ時)のテーブル群と、変動パターンテーブルとを参照して特別図柄の変動パターンを決定する。そして、第1時短遊技状態が終了した後の通常遊技状態において、メインCPU20280は、101回目および102回目の特別図柄の可変表示ではNOR2(当り時)またはNOR2(ハズレ時)のテーブル群と、変動パターンテーブルとを参照して特別図柄の変動パターンを決定し、103回目以降の特別図柄の可変表示では次回の大当りに当選するまでNOR1(当り時)またはNOR1(ハズレ時)のテーブル群と、変動パターンテーブルとを参照して特別図柄の変動パターンを決定する。
また、高確時短遊技状態において「特図1_10R確変当り」、「特図1_6R確変第1当り」および「特図2_10R確変第1当り」のいずれかに当選した場合、メインCPU20280は、大当り遊技状態が終了した後のラッシュ状態において、次回の大当りに当選するまでRUSH(当り時)またはRUSH(ハズレ時)のテーブル群と、変動パターンテーブルとを参照して特別図柄の変動パターンを決定する。
また、高確時短遊技状態において「特図1_6R確変第2当り」、「特図2_10R確変第2当り」、「特図2_8R確変当り」、「特図2_6R確変当り」および「特図2_3R確変当り」のいずれかに当選した場合、メインCPU20280は、大当り遊技状態が終了した後の高確時短遊技状態において、次回の大当りに当選するまでHJTN(当り時)またはHJTN(ハズレ時)のテーブル群と、変動パターンテーブルとを参照して特別図柄の変動パターンを決定する。
また、高確時短遊技状態において「特図1_6R通常当り」または「特図2_3R通常当り」に当選した場合、大当り遊技状態が終了した後の第1時短遊技状態において、メインCPU20280は、1〜99回目の特別図柄の可変表示ではJTN1(当り時)またはJTN1(ハズレ時)のテーブル群と、変動パターンテーブルとを参照して特別図柄の変動パターンを決定し、第1時短遊技状態における最終の可変表示である100回目の特別図柄の可変表示ではJ1END(当り時)またはJ1END(ハズレ時)のテーブル群と、変動パターンテーブルとを参照して特別図柄の変動パターンを決定する。そして、第1時短遊技状態が終了した後の通常遊技状態において、メインCPU20280は、101回目および102回目の特別図柄の可変表示ではNOR2(当り時)またはNOR2(ハズレ時)のテーブル群と、変動パターンテーブルとを参照して特別図柄の変動パターンを決定し、103回目以降の特別図柄の可変表示では次回の大当りに当選するまでNOR1(当り時)またはNOR1(ハズレ時)のテーブル群と、変動パターンテーブルとを参照して特別図柄の変動パターンを決定する。
なお、工場出荷時やバックアップクリア処理が行われた後の遊技状態は原則として通常遊技状態に制御されるため、メインCPU20280は、NOR1(当り時)またはNOR1(ハズレ時)のテーブル群と、変動パターンテーブルとを参照して特別図柄の変動パターンを決定する。
次に、各変動パターンテーブル群(NOR1(当り時)、NOR1(ハズレ時)、NOR2(当り時)、NOR2(ハズレ時)、HJTN(当り時)、HJTN(ハズレ時)、RUSH(当り時)、RUSH(ハズレ時)、JTN1(当り時)、JTN1(ハズレ時)、JTN2(当り時)、JTN2(ハズレ時)、J1END(当り時)、J1END(ハズレ時)、J2END(当り時)、J2END(ハズレ時))について、図578〜図606を参照して説明する。これらのテーブルは、上述した通り、特別図柄の種別、特別図柄抽選の結果(当落)、遊技状態(確変フラグのON・OFF状況、時短フラグのON・OFF状況)、時短遊技状態における遊技の進捗度(特別図柄の可変表示回数)等に基づいて、前半変動パターン、後半変動パターンおよび変動パターンを決定するために参照される。そして、前半変動パターンおよび後半変動パターンが決定されると、メインCPU20280は、前半変動パターン及び後半変動パターンのそれぞれに対応するコードを組み合わせたものを変動パターン指定コマンドとしてサブ制御回路20033に送信する。
なお、NOR1(当り時)、NOR1(ハズレ時)、NOR2(当り時)、NOR2(ハズレ時)、HJTN(当り時)、HJTN(ハズレ時)、RUSH(当り時)、RUSH(ハズレ時)、JTN1(当り時)、JTN1(ハズレ時)、JTN2(当り時)、JTN2(ハズレ時)、J1END(当り時)、J1END(ハズレ時)、J2END(当り時)、J2END(ハズレ時)の各変動パターンテーブル群は、それぞれ、変動モードテーブルID決定テーブル、変動パターンテーブルNo決定テーブル、および、変動パターン番号決定テーブルで構成される。
ここで、図578は、NOR1(ハズレ時)の変動パターンテーブル群のうち、変動モードテーブルID決定テーブルおよび変動パターンテーブルNo決定テーブルの一例である。図579は、NOR1(ハズレ時)の変動パターンテーブル群のうち、変動パターン番号決定テーブルの一例である。
また、図580は、NOR1(当り時)の変動パターンテーブル群のうち、変動モードテーブルID決定テーブルおよび変動パターンテーブルNo決定テーブルの一例である。図581は、NOR1(当り時)の変動パターンテーブル群のうち、変動パターン番号決定テーブルの一例である。
また、図582は、NOR2(ハズレ時)の変動パターンテーブル群のうち、変動モードテーブルID決定テーブルおよび変動パターンテーブルNo決定テーブルの一例である。図583は、NOR2(ハズレ時)の変動パターンテーブル群のうち、変動パターン番号決定テーブルの一例である。
また、図584は、NOR2(当り時)の変動パターンテーブル群のうち、変動モードテーブルID決定テーブルおよび変動パターンテーブルNo決定テーブルの一例である。図585は、NOR2(当り時)の変動パターンテーブル群のうち、変動パターン番号決定テーブルの一例である。
また、図586は、HJTN(ハズレ時)の変動パターンテーブル群のうち、変動モードテーブルID決定テーブルおよび変動パターンテーブルNo決定テーブルの一例である。図587は、HJTN(ハズレ時)の変動パターンテーブル群のうち、変動パターン番号決定テーブルの一例である。
また、図588は、HJTN(当り時)の変動パターンテーブル群のうち、変動モードテーブルID決定テーブルおよび変動パターンテーブルNo決定テーブルの一例である。図589は、HJTN(当り時)の変動パターンテーブル群のうち、変動パターン番号決定テーブルの一例である。
また、図590は、RUSH(ハズレ時)の変動パターンテーブル群のうち、変動モードテーブルID決定テーブルおよび変動パターンテーブルNo決定テーブルの一例である。図591は、RUSH(ハズレ時)の変動パターンテーブル群のうち、変動パターン番号決定テーブルの一例である。
また、図592は、RUSH(当り時)の変動パターンテーブル群のうち、変動モードテーブルID決定テーブルおよび変動パターンテーブルNo決定テーブルの一例である。図593は、RUSH(当り時)の変動パターンテーブル群のうち、変動パターン番号決定テーブルの一例である。
また、図594は、JTN1(ハズレ時)の変動パターンテーブル群のうち、変動モードテーブルID決定テーブルおよび変動パターンテーブルNo決定テーブルの一例である。図595は、JTN1(ハズレ時)の変動パターンテーブル群のうち、変動パターン番号決定テーブルの一例である。
また、図596は、JTN1(当り時)の変動パターンテーブル群のうち、変動モードテーブルID決定テーブルおよび変動パターンテーブルNo決定テーブルの一例である。図597は、JTN1(当り時)の変動パターンテーブル群のうち、変動パターン番号決定テーブルの一例である。
また、図598は、JTN2(ハズレ時)の変動パターンテーブル群のうち、変動モードテーブルID決定テーブルおよび変動パターンテーブルNo決定テーブルの一例である。図599は、JTN2(ハズレ時)の変動パターンテーブル群のうち、変動パターン番号決定テーブルの一例である。
また、図600は、JTN2(当り時)の変動パターンテーブル群のうち、変動モードテーブルID決定テーブルおよび変動パターンテーブルNo決定テーブルの一例である。図601は、JTN2(当り時)の変動パターンテーブル群のうち、変動パターン番号決定テーブルの一例である。
また、図602は、J1END(ハズレ時)の変動パターンテーブル群のうち、変動モードテーブルID決定テーブルおよび変動パターンテーブルNo決定テーブルの一例である。図603は、J1END(ハズレ時)の変動パターンテーブル群のうち、変動パターン番号決定テーブルの一例である。
また、図604は、J1END(当り時)の変動パターンテーブル群のうち、変動モードテーブルID決定テーブルおよび変動パターンテーブルNo決定テーブルの一例である。図605は、J1END(当り時)の変動パターンテーブル群のうち、変動パターン番号決定テーブルの一例である。
なお、図602および図603の各テーブルは、J2END(ハズレ時)と共通で用いられる。また、図604および図605の各テーブルについても、J2END(当り時)と共通で用いられる。
また、図606は、特別図柄の変動パターンテーブルの一例である。
例えば、バックアップクリア処理が行われた後の通常遊技状態において、特別抽選結果がハズレであるとき、メインCPU20280は、NOR1の変動モードテーブルID決定テーブル(図578参照)を参照し、特別図柄の種類(第1特別図柄であるか第2特別図柄であるか)および保留数に応じて変動モードテーブルIDを決定する。例えば、第1特別図柄抽選の結果がハズレであって、第1特別図柄の保留数が3である場合、変動モードテーブルIDは、10000分の8800の確率でCに決定され、10000分の1000の確率でFに決定され、10000分の100の確率でGに決定され、10000分の70の確率でHに決定され、10000分の30の確率でIに決定される。なお、変動モードテーブルIDは、ノーマル変動系、特殊変動系、ミッション変動失敗系およびミッション変動成功系のうちいずれかの変動系統に対応している。
変動モードテーブルIDが決定されると、メインCPU20280は、NOR1の変動パターンテーブルNo決定テーブル(図578参照)を参照し、変動パターンテーブルNoを決定する。例えば、変動モードテーブルIDがCである場合、変動パターンテーブルNoは、2000分の1の確率でNo1(3Sはずれ)に決定され、2000分の1の確率でNo2(5Sはずれ)に決定され、2000分の1997の確率でNo3(8Sはずれ)に決定され、2000分の1の確率でNo5(13Sはずれ)に決定される。このようにして決定された変動パターンテーブルNoに対応する変動モードは、前半変動パターンに相当する。
変動パターンテーブルNoが決定されると、メインCPU20280は、NOR1の変動パターン番号決定テーブル(図579参照)を参照し、変動パターン番号を決定する。例えば、変動パターンテーブルNoがNo3である場合、変動パターン番号は、250分の250の確率で変動パターン番号4(8S変動)に決定される。このようにして決定された変動パターン番号に対応する変動パターンは、後半変動パターンに相当する。
その後、メインCPU20280は、変動パターンテーブル(図606参照)を参照し、前半変動パターンと後半変動パターンとの組合せにより、特別図柄の変動パターン(コード)を決定する。例えば、変動パターンテーブルNoがNo3であって、変動パターン番号が番号4である場合、「00H04H」のコードに決定される。なお、変動パターンテーブル(図606参照)には図示されていないが、フレーム数が各コードに対応して設定されており、これにより、結果的に特別図柄の変動の長さが決まる。
このようにして決定されたコードは、メインCPU20280からサブCPU20330にコマンド送信される。
なお、他の変動パターンテーブル群を参照して特別図柄の変動パターンを決定する際も、上述した通り、対応する変動パターンテーブル群(変動モードテーブルID決定テーブル、変動パターンテーブルNo決定テーブルおよび変動パターン番号決定テーブル)と変動パターンテーブル(図606参照)を参照して決定する。
例えば、ラッシュ状態では、第2特別図柄抽選の結果がハズレである場合、第2特別図柄の変動パターンは「00H01H」に決定される確率が最も高い(図590、図591および図606を参照)。変動パターンテーブル(図606参照)には示されていないが、前半変動パターンの「00H」のフレーム数は0であるため、特別図柄のトータルの変動時間は概ね2Sとなる。また、ラッシュ状態において、第1特別図柄抽選の結果がハズレである場合、第1特別図柄の変動パターンは常に「13H24H」の長変動(概ね600S)に決定される。
また、第1時短遊技状態終了直後の101回目が第1特別図柄の可変表示であって、第1特別図柄抽選の結果がハズレである場合、第1特別図柄の変動パターンは常に「00H06H」に決定される(図582、図583および図606を参照)。上述した通り、前半変動パターンの「00H」のフレーム数は0であるため、第1特別図柄のトータルの変動時間は常に13Sとなる。また、第1時短遊技状態終了直後の101回目が第2特別図柄の可変表示であって、第2特別図柄抽選の結果がハズレである場合、第2特別図柄の変動パターンは常に「13H12H」に決定される(図582、図583および図606を参照)。
また、第1時短遊技状態における最終の可変表示では、第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示のいずれであったとしても、特別図柄抽選の結果がハズレである場合、特別図柄の変動パターンは常に「00H06H」に決定される(図602、図603および図606を参照)。上述した通り、前半変動パターンの「00H」のフレーム数は0であるため、第2特別図柄のトータルの変動時間は常に13Sとなる。
また、第1時短遊技状態における最終の可変表示が第1特別図柄の可変表示であって、第1特別図柄抽選の結果が確変当りである場合、特別図柄の変動パターンは常に「00H3EH」に決定される(図604〜図606を参照)。
このように、特別図柄の変動パターンについては、大まかな変動系統が決定された後、前半及び後半変動パターンが段階的に決定されるため、メインROM20281の負荷を抑制しつつ、変動パターンの組み合わせとしての多様化が図られ、ひいては演出パターンのバリエーションを容易に増やすことができる。
なお、本実施形態では、特別抽選結果が大当りである場合と小当りである場合とで同じ変動パターンテーブル群を参照して特別図柄の変動パターンを決定するようにしたが、これに限られず、特別抽選結果が大当りである場合と小当りである場合とで異なる変動パターンテーブル群を参照して特別図柄の変動パターンを決定するようにしてもよい。
なお、ラッシュ状態では、小当り遊技状態の頻度が高められ、第2始動口20043の開放頻度が時短遊技状態(高確時短遊技状態、低確時短遊技状態)よりも低い。すなわち、ラッシュ状態は、右打ちされた遊技球が小当り用のアタッカーとして機能する第2大入賞口20046(例えば図556参照)に入賞(第2大入賞口カウントスイッチ20316を遊技球が通過)する頻度が他の遊技状態(通常遊技状態、高確時短遊技状態、第1時短遊技状態、第2時短遊技状態)よりも高められる遊技状態であり、時短フラグがOFFであり且つ一方の特図(この実施形態では第2特別図柄)の変動時間が短いときの遊技状態である。一方、時短遊技状態(第1時短遊技状態、第2時短遊技状態、高確時短遊技状態)では、第2始動口20043への遊技球の入賞が容易化される電サポ状態となるため、第2特別図柄抽選の結果が小当りであったとしても、第2始動口20043よりも下流側に設けられる第2大入賞口20046への入賞が困難となる。また、第2始動口20043に遊技球が入賞したときの賞球数(例えば1個)よりも、第2大入賞口20046に遊技球が入賞したときの賞球数(例えば10個)の方が多い。その結果、時短遊技状態では単位時間あたりの発射球数に対する賞球数の期待値が1以下または1未満であるが、ラッシュ状態では単位時間あたりの発射球数に対する賞球数の期待値が1を超えうる。ただし、通常遊技状態では、第2始動口20043に遊技球が入賞したとしても第2特別図柄の可変表示が長変動(例えば600S)となり、単位時間あたりの特別図柄の可変表示の実行回数の期待値は、第2始動口20043に入賞した場合よりも第1始動口20042に入賞した場合の方が大きいため、右打ちする実益に乏しい。
この実施形態では、高確時短遊技状態において「特図2_10R確変当り」に当選すると、大当り遊技状態が終了した後の遊技状態がラッシュ状態となる。ただし、ラッシュ状態となるのはこれに限られず、例えば、高確時短遊技状態において規定回数の時短遊技が消化されると小当りラッシュに移行するようにしてもよい。
また、この実施形態では、確変フラグON且つ時短フラグOFFとなるいわゆる高確非時短状態をラッシュ状態としているが、ラッシュ状態は、必ずしも「高確非時短状態」でしか実現できないわけではない。すなわち、「時短状態」では、一般的に、特別図柄の変動時間が短縮される他、第2始動口20043の遊技球の入賞が容易化される電サポ状態となる。しかし、「時短状態」であったとしても、「通常遊技状態」と比べて第2始動口20043への遊技球の入賞が容易化されていなければ電サポ状態ではない。そのため、「通常遊技状態」において、例えば、右打ちした遊技球が通過ゲートスイッチ20314により検出されたことに基づいて行われる普通図柄抽選の結果が100%又は100%に近い確率で当りとなるようにし、第2始動口20043への入賞に基づいて払い出される賞球数を1球とするとともに、第2特別図柄の変動時間を、「通常遊技状態」では長変動とし、大当り遊技状態が終了したのちの遊技状態では超速変動(例えば1800msec)とすれば、大当り遊技状態が終了したのちの遊技状態が「高確時短状態」であっても(ただし非電サポ状態)、単位時間あたりの発射球数に対する賞球数の期待値が1を超えうるラッシュ状態を実現することが可能となる。
[7.液晶表示装置の表示領域で行なわれる表示演出]
本実施形態に係るパチンコ遊技機において、サブCPU20330は、遊技状態に応じて、第1特別図柄および第2特別図柄のうちいずれか一方を主特別図柄にセットするとともに他方を副特別図柄にセットする。そして、メインCPU20280による処理では第1特別図柄の可変表示と第2特別図柄の可変表示とを並行して実行可能であるものの、サブCPU20330による処理では、主特別図柄に対応する装飾図柄の変動演出と副特別図柄に対応する装飾図柄の変動演出とのうち、主特別図柄に対応する装飾図柄の変動演出のみが液晶表示装置20004の表示領域20004dに表示される。より具体的には、サブCPU20330は、原則として、通常遊技状態では主特別図柄として第1特別図柄をセットし、通常遊技状態以外の特定遊技状態(例えば、高確時短遊技状態、ラッシュ状態、第1時短遊技状態、第2時短遊技状態)では主特別図柄として第2特別図柄をセットする。そして、サブCPU20330は、セットされた主特別図柄に対応する装飾図柄の変動演出を液晶表示装置20004の表示領域20004dに表示し、副特別図柄に対応する装飾図柄の変動演出については表示しない。
なお、「主特別図柄に対応する装飾図柄の変動演出と副特別図柄に対応する装飾図柄の変動演出とのうち、主特別図柄に対応する装飾図柄の変動演出のみが液晶表示装置20004の表示領域20004dに表示される」とは、特別図柄表示部(第1特別図柄表示部20005C、第2特別図柄表示部20005D)に両特別図柄の可変表示が表示されることを排除しないことは勿論、両特別図柄の可変表示に対応する装飾図柄の変動演出を、例えば、液晶表示装置20004の表示領域20004dの片隅やミニ図柄表示器等、目立たない位置に表示することを排除する趣旨ではない。
また、サブCPU20330は、液晶表示装置20004の表示領域20004dにおける表示演出状態を、左打ちされる通常遊技状態では通常演出状態に制御し、右打ちされる通常遊技状態以外の特定遊技状態(例えば、高確時短遊技状態、ラッシュ状態、第1時短遊技状態、第2時短遊技状態)では特定演出状態(例えば、高確時短演出状態、ラッシュ演出状態、第1時短演出状態、第2時短演出状態)に制御する。
通常演出状態において、サブCPU20330は、液晶表示装置20004の表示領域20004dに、通常遊技状態であることを把握できる背景画像(通常背景画像)を表示するとともに、主特別図柄である第1特別図柄の可変表示が行われると、第1演出として、第1特別図柄の可変表示に対応する装飾図柄の変動演出(第1特別図柄抽選の結果期待度を示すキャラクター演出を含む)を表示する。
一方、特定演出状態において、サブCPU20330は、液晶表示装置20004の表示領域20004dに、特定演出状態に制御されていることを把握できる背景画像(特定背景画像)を表示するとともに、主特別図柄である第2特別図柄の可変表示が行われると、第2演出として、第2特別図柄の可変表示に対応する装飾図柄の変動演出(第2特別図柄抽選の結果期待度を示すキャラクター演出を含む)を表示する。
なお、通常演出状態では第2演出は表示されない。同様に、特定演出状態では第1演出は表示されない。また、上記の特定背景画像は、高確時短遊技状態では高確時短遊技状態であることを把握できる背景画像(高確時短背景画像)とし、ラッシュ状態ではラッシュ状態であることを把握できる背景画像(ラッシュ背景画像)とし、第1時短遊技状態では第1時短遊技状態であることを把握できる背景画像(第1時短背景画像)とし、第2時短遊技状態では第2時短遊技状態であることを把握できる背景画像(第2時短背景画像)としてもよい。
また、第1特別図柄の可変表示に対応する装飾図柄の変動演出は、例えば第1特別図柄の可変表示と同期して行われる演出であり、第1特別図柄抽選の結果が第1特別図柄表示部20005Cに導出されると、これに対応して装飾図柄の停止態様によって第1特別図柄抽選の結果が表示される。同様に、第2特別図柄の可変表示に対応する装飾図柄の変動演出は、例えば第2特別図柄の可変表示と同期して行われる演出であり、第2特別図柄抽選の結果が第2特別図柄表示部20005Dに導出されると、これに対応して装飾図柄の停止態様によって第2特別図柄抽選の結果が表示される。
ところで、第1特別図柄の可変表示と第2特別図柄の可変表示とを並行して行うことができるようにした場合、メインCPU20280は、上述した通り、時短最終変動の開始時に、時短フラグをOFFにセットする。そして、メインCPU20280は、第1特別図柄および第2特別図柄のうちいずれか一方の特別図柄の可変表示を時短最終変動として開始すると、この時短最終変動中に他方の特別図柄の可変表示を開始したとしても、この他方の特別図柄の可変表示を時短遊技状態における可変表示として処理せず、通常遊技状態における可変表示として処理する。これにより、第1特別図柄の可変表示と第2特別図柄の可変表示とを並行して行うことができるようにした場合であっても、セットされた時短回数より多くの時短遊技が実行されてしまうことを防止することができる。
例えば、時短最終変動の終了時に時短フラグをOFFにセットすると、時短最終変動として例えば第2特別図柄の可変表示が実行され、この時短最終変動中に第1特別図柄の可変表示が開始されると、この第1特別図柄の可変表示についても時短遊技となってしまう。そこで、第1特別図柄の可変表示と第2特別図柄の可変表示とを並行して行うことができるようにした本実施形態では、時短最終変動が開始されるときに時短フラグをオフにセットするようにしている。時短最終変動の開始時に時短フラグをOFFにセットすることは、例えば、図341のS11830の特別図柄遊技状態設定処理において実現することができる。ただし、時短フラグをオフにセットする処理は、S11830で行うことに限られず、時短最終変動が開始されるときであればよい。なお、時短最終変動が開始されるときに時短フラグをオフにセットする処理を行った場合であっても、図296〜図386に示されるメインCPU20280による処理を実行可能である。
なお、上述した通り、時短遊技状態から通常遊技状態への移行は、時短最終変動(第1時短遊技状態であれば100回目の可変表示、第2時短遊技状態であれば50回目の可変表示)の開始時にメインCPU20280が時短フラグをOFFにセットして通常遊技状態に移行するようにしてもよいが、これに限定されず、例えば、時短最終変動の開始時に時短フラグをOFFにセットするものの、時短最終変動が終了したときに通常遊技状態に移行するようにし、時短最終変動中に別の特別図柄の可変表示が開始された場合、この別の特別図柄の可変表示を、時短フラグがOFFにセットされていることにより時短遊技状態における可変表示として処理せず、通常遊技状態とみなして通常遊技状態における可変表示と同様の処理を行うようにしてもよい。
ところで、通常遊技状態では通常演出状態に制御され、通常遊技状態以外の特定遊技状態(例えば、高確時短遊技状態、ラッシュ状態、第1時短遊技状態、第2時短遊技状態)では特定演出状態に制御されるようにした本実施形態のパチンコ遊技機において、時短最終変動の開始時に時短遊技状態から通常遊技状態に移行するようにすると、種々の問題が生じうる。
例えば、メインCPU20280は時短最終変動の開始時に時短遊技状態から通常遊技状態に移行させる(時短フラグをOFFにセットする)制御を実行するものの、時短最終変動は、JTN1(当り時)、JTN1(ハズレ時)、JTN2(当り時)またはJTN2(ハズレ時)の変動パターンテーブル群を参照して特別図柄の変動パターンが決定された時短遊技である。そのため、サブCPU20330は、液晶表示装置20004の表示領域20004dに、主特別図柄である第2特別図柄の可変表示に対応する装飾図柄の変動演出が表示されるよう制御する。すなわち、時短最終変動中は、時短フラグがOFFにセットされているものの、液晶表示装置20004の表示領域20004dの表示演出状態は時短演出状態となる。仮に、時短最終変動において、時短フラグがOFFにセットされたのち、サブCPU20330がただちに時短演出状態から通常演出状態に切り替える制御を行うと、例えば第1特別図柄の可変表示中に主特別図柄が第2特別図柄から第1特別図柄に切り替わったりする等、液晶表示装置20004の表示領域20004dの表示演出の切り替えがスムーズに行われず、興趣が低下するおそれがある。そこで、本実施形態のパチンコ遊技機では、時短遊技状態から通常遊技状態への移行時に、特殊演出設定処理を行うようにしている。
[7−1.特殊演出設定処理]
以下に、特殊演出設定処理について説明する。
図607は、特殊演出設定処理に用いられる特殊演出テーブルの一例である。特殊演出設定処理は、演出態様決定処理(図187のステップS5205参照)で実行される一処理であり、同じく演出態様決定処理の一処理として行われる装飾図柄の変動演出パターン設定処理が行われた後、例えば時短最終フラグがONであるとき等、必要に応じて行われる処理である。なお、図607に示されるテーブルは、サブ制御基板20033のプログラムROM20331(図405参照)に記憶されている。
図607の特殊演出テーブルに示される特殊演出モードは、時短遊技状態から通常遊技状態への移行時(本実施形態では、時短最終変動時、時短最終変動の次の変動時、時短最終変動の次の次の変動時)に、液晶表示装置20004の表示領域20004dに表示される演出画面の設定に用いられる。特殊演出モードはデフォルトが「0」であり、特殊演出モードが「0」である場合には、時短最終変動でない限り特殊演出設定処理が実行されない。
また、図607の特殊演出テーブルに示される時短最終フラグは、時短最終変動であることを示すフラグであり、特殊演出設定処理において、当該変動演出が時短最終変動に対応する装飾図柄の変動演出であることを把握できるようにサブCPU20330によりセットされるフラグである。
なお、特殊演出モードが「0」かつ時短最終フラグがONである場合、サブCPU20330は、第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示状況に対応する特殊演出が実行されるように特殊演出モードをセットする。
また、特殊演出モードが「1」、「2」、「3」および「11」のうちのいずれかである場合、サブCPU20330は、第1特別図柄および第2特別図柄の変動演出状況に応じて特殊演出モードをセットする。
すなわち、特殊演出設定処理は、時短最終変動の開始時に特殊演出の開始を決定し、特殊演出の実行中における第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示状況に応じて特殊演出の終了を決定する処理である。
図608は、サブCPU20330により実行される特殊演出設定処理の一例を示すフローチャートである。なお、本フローチャートは、後述する図611に示されるタイムチャートに対応して抜粋したものであり、第1特別図柄に対応する装飾図柄の変動演出開始(変動開始)、第1特別図柄に対応する装飾図柄の変動演出終了(変動停止)、第2特別図柄に対応する装飾図柄の変動演出開始および第2特別図柄に対応する装飾図柄の変動演出終了の各条件のうち、特殊演出設定処理を必要としない条件下ではこの処理(特殊演出設定処理)を行わない。
図608に示されるように、サブCPU20330は、先ず、特殊演出モードが「0」であるか否かを判別する(ステップS12301)。特殊演出モードが「0」であれば(ステップS12301におけるYES)、サブCPU20330は変動開始時特殊演出設定処理(ステップS12310)に移る。一方、特殊演出モードが「0」でなければ(ステップS12301におけるNO)、すなわち特殊演出モードが「1」、「2」、「3」および「11」のうちのいずれかであれば、サブCPU20330は変動終了時特殊演出設定処理(ステップS12320)に移る。
図609は、変動開始時特殊演出設定処理の一例を示すフローチャートである。変動開始時特殊演出設定処理は、上述の特殊演出設定処理の実行中にサブルーチンとして呼び出される。
変動開始時特殊演出設定処理において、サブCPU20330は、先ず、時短最終フラグがONであるか否かを判別する(ステップS12311)。時短最終フラグがONであれば(ステップS12311におけるYES)、サブCPU20330はステップS12312に移る。一方、時短最終フラグがONでなければ(ステップS12311におけるNO)、サブCPU20330は変動開始時特殊演出設定処理を終了する(すなわち特殊演出設定処理を実行しない)。
ステップS12312において、サブCPU20330は、第2特別図柄の可変表示が開始されたか否か、すなわち時短最終変動が第2特別図柄の可変表示であるか否かを判別する。
第2特別図柄の可変表示が開始された場合(ステップS12312におけるYES)、すなわち時短最終変動が第2特別図柄の可変表示であった場合、サブCPU20330は、特殊演出モードを「1」にセットし(ステップS12313)、変動開始時特殊演出設定処理を終了する。特殊演出モードが「1」にセットされると、サブCPU20330は、第2特別図柄に対応する装飾図柄の変動演出に代えてまたは加えて、「リザルト演出」を特殊演出として実行する。
一方、第2特別図柄の可変表示が開始されていない場合(ステップS12312におけるNO)、すなわち時短最終変動が第1特別図柄の可変表示であった場合、サブCPU20330はステップS12314に移る。
ステップS12314において、サブCPU20330は、メインCPU20280から送信されたコマンドに基づいて、第2特別図柄が待機中であるか否かを判別する。
第2特別図柄が待機中である場合(ステップS12314におけるYES)、主特別図柄である第2特別図柄に対応する装飾図柄が停止している状態で、時短最終変動として副特別図柄である第1特別図柄の可変表示が開始されることになる。この場合、サブCPU20330は、特殊演出モードを「2」にセットし(ステップS12315)、変動開始時特殊演出設定処理を終了する。特殊演出モードが「2」にセットされると、サブCPU20330は、「イレギュラー演出」を特殊演出として実行する。
一方、第2特別図柄が待機中でない場合(ステップS12314におけるNO)、すなわち第2特別図柄が可変表示中である場合、サブCPU20330は、第2特別図柄に対応する装飾図柄の変動演出中である。この場合、サブCPU20330は、特殊演出モードを「3」にセットし(ステップS12316)、変動開始時特殊演出設定処理を終了する。特殊演出モードが「3」にセットされると、「イレギュラー演出」の待機状態となる。すなわち、後述する処理ではあるが、時短最終変動である第1特別図柄の可変表示が終了する前に第2特別図柄に対応する装飾図柄の変動演出が終了した場合は「イレギュラー演出」が実行され、時短最終変動である第1特別図柄の可変表示が終了したときに第2特別図柄に対応する装飾図柄が変動演出中である場合は特殊演出を行うことなく終了する。
図610は、変動終了時特殊演出設定処理の一例を示すフローチャートである。変動終了時特殊演出設定処理は、上述の特殊演出設定処理の実行中にサブルーチンとして呼び出される。
変動終了時特殊演出設定処理において、サブCPU20330は、先ず、特殊演出モードが「1」であるか否か、すなわち「リザルト演出」を実行中であるか否かを判別する(ステップS12321)。特殊演出モードが「1」にセットされるのは、時短最終変動が第2特別図柄の可変表示であった場合である。特殊演出モードが「1」であれば(ステップS12321におけるYES)、サブCPU20330はステップS12322に移る。一方、特殊演出モードが「1」でなければ(ステップS12320におけるNO)、サブCPU20330はステップS12325に移る。
ステップS12322において、サブCPU20330は、第2特別図柄の可変表示が終了(変動停止)したときに、第1特別図柄が待機中であるか否かを判別する。
第1特別図柄が待機中である場合(ステップS12322におけるYES)、すなわち第2特別図柄の可変表示が終了したときに第1特別図柄が待機中であると、サブCPU20330は、特殊演出モードを「0」にセットし(ステップS12323)、変動終了時特殊演出設定処理を終了する。特殊演出モードが「0」にセットされると、サブCPU20330は、特殊演出として実行中の「リザルト演出」を終了する。
一方、第1特別図柄が待機中でない場合(ステップS12322におけるNO)、すなわち第2特別図柄の可変表示が終了したときに第1特別図柄が可変表示中である場合、サブCPU20330は、特殊演出モードを「11」にセットし(ステップS12324)、変動終了時特殊演出設定処理を終了する。
特殊演出モードが「11」にセットされると、サブCPU20330は、特殊演出として実行中の「リザルト演出」の継続を決定する。すなわち、第2特別図柄の可変表示が終了したとしても「リザルト演出」が終了せずに継続される。なお、第1特別図柄の可変表示の停止時も状況的にはあり得るが、実質的に何ら特殊演出と関連する処理を行わないため処理を省略している。
次に、ステップS12325において、サブCPU20330は、特殊演出モードが「2」であるか否か、すなわち「イレギュラー演出」を実行中であるか否かを判別する。特殊演出モードが「2」にセットされるのは、時短最終変動が第1特別図柄の可変表示であって、このとき第2特別図柄の可変表示が待機中であった場合である。特殊演出モードが「2」であれば(ステップS12325におけるYES)、サブCPU20330はステップS12326に移る。一方、特殊演出モードが「2」でなければ(ステップS12325におけるNO)、サブCPU20330はステップS12327に移る。
ステップS12326において、サブCPU20330は、第1特別図柄の可変表示が終了すると特殊演出モードを「0」にセットし、変動終了時特殊演出設定処理を終了する。特殊演出モードが「0」にセットされると、サブCPU20330は、特殊演出として実行中の「イレギュラー演出」を終了する。
次に、ステップS12327において、サブCPU20330は、特殊演出モードが「3」であるか否か、すなわち「イレギュラー演出」の待機状態であるか否かを判別する。サブCPU20330は、特殊演出モードが「3」であれば(ステップS12327におけるYES)、ステップS12328に移り、特殊演出モードが「3」でなければ(ステップS12327におけるNO)、すなわち特殊演出モードが「11」であればステップS12330に移る。
なお、特殊演出モードが「3」にセットされるのは、時短最終変動が第1特別図柄の可変表示であって、このとき第2特別図柄の可変表示が可変表示中であった場合である。すなわち、時短最終変動が第1特別図柄の可変表示であったとしても、第2特別図柄の可変表示が行われているときは、この第2特別図柄の可変表示に対応する装飾図柄の変動演出が液晶表示装置20004の表示領域20004dに表示される。そのため、この第2特別図柄の可変表示に対応する装飾図柄の変動演出が終了するまで、「イレギュラー演出」の待機状態となる。
ステップS12328において、サブCPU20330は、第1特別図柄が可変表示中であるか否かを判別する。第1特別図柄が可変表示中である場合(ステップS12328におけるYES)、この変動終了時特殊演出設定処理は第2特別図柄の可変表示が終了したときの処理であるから、サブCPU20330は特殊演出モードを「2」にセットし(ステップS12329)、変動終了時特殊演出設定処理を終了する。特殊演出モードが「2」にセットされると、サブCPU20330は、「イレギュラー演出」を特殊演出として実行する。
一方、第1特別図柄が可変表示中でない場合、第1特別図柄の可変表示が終了した場合と、第2特別図柄の可変表示が終了した場合とがある。しかし、第1特別図柄が可変表示中でなく且つ第2特別図柄の可変表示が終了した場合は処理が行われないため、ステップS12328においてNOと判別されるのは、第1特別図柄の可変表示が終了した場合である。この場合、サブCPU20330は、特殊演出モードを「0」にセットし(ステップS12330)、変動終了時特殊演出設定処理を終了する。特殊演出モードが「0」にセットされると、サブCPU20330は、特殊演出を行うことなく「イレギュラー演出」の待機状態を解除する。
また、ステップS12327において、特殊演出モードが「3」でなければ(ステップS12327におけるNO)、すなわち特殊演出モードが「11」である場合、サブCPU20330は、ステップS12330に移る。
ステップS12330において、サブCPU20330は、特殊演出モードを「0」にセットし(ステップS12330)、変動終了時特殊演出設定処理を終了する。特殊演出モードが「0」にセットされると、サブCPU20330は、「リザルト演出」を終了する。なお、ステップS12330の処理は、理論上、第1特別図柄の可変表示が終了した場合および第2特別図柄の可変表示が終了した場合のいずれも生じうるが、実際は、第1特別図柄の可変表示が終了した場合にのみ行われる処理である。なぜなら、本実施形態では、時短最終変動および時短最終変動の次の特別図柄の可変表示のいずれも可変表示時間が概ね13Sと同じだからである。そこで、サブCPU20330は、ステップS12330においてNO判別すると、特殊演出モードを「0」にセットするようにしたものである。
上述の特殊演出設定処理を行うことにより、第1特別図柄の可変表示と第2特別図柄の可変表示とが並行して行われる遊技機において、通常遊技状態では通常演出状態に制御し、通常遊技状態以外の特定遊技状態(例えば、高確時短遊技状態、ラッシュ状態、第1時短遊技状態、第2時短遊技状態)では特定演出状態(例えば、高確時短演出状態、ラッシュ演出状態、第1時短演出状態、第2時短演出状態)に制御するとともに、時短最終変動の開始時に時短フラグをOFFにセットすることで、液晶表示装置20004の表示領域20004dにおける表示演出状態を、時短演出状態から通常演出状態への切り替えを違和感なくスムーズに行うことが可能となる。とくに、例えば、時短最終変動が第1特別図柄の可変表示であったり、時短最終変動は第2特別図柄の可変表示であるもののこの第2特別図柄の可変表示が終了する前に第1特別図柄の可変表示が開始されたりするようなイレギュラーが発生したとしても、液晶表示装置20004の表示領域20004dにおける表示演出の切り替えをスムーズに行うことができ、興趣の低下を抑制することができる。
[7−2.時短遊技状態終了時における表示演出と特別図柄の可変表示との関係]
上述の特殊演出設定処理をまとめると、時短遊技状態終了時における液晶表示装置20004の表示領域20004dにおける表示演出状態と特別図柄の可変表示との関係は、図611に示されるとおりとなる。図611は、第1時短遊技状態終了時における液晶表示装置20004の表示領域20004dにおける表示演出状態と特別図柄の可変表示との関係の一例を示すタイムチャートである。図611では、第1時短遊技状態終了時を示す図であるが、第2時短遊技状態終了時も同様である。なお、図611に示される「待」は、装飾図柄の変動表示(特別図柄の可変表示)が待機中であること、および、デモ演出中であることの両方を含む。
なお、サブCPU20330は、特別図柄抽選の結果に基づいて、役物演出を実行するか否かの決定、および役物演出を実行すると決定したときには役物演出の態様を決定し、当該特別図柄の可変表示が実行されている間に、役物演出を実行する。図611に示される第1役物演出状態は、主特別図柄である第1特別図柄抽選の結果に基づいてサブCPU20330により役物演出が実行される役物演出状態である。第1役物演出状態では、第2特別図柄抽選に基づく役物演出は実行されない。同様に、第2役物演出状態は、主特別図柄である第2特別図柄抽選の結果に基づいてサブCPU20330により役物演出が実行される役物演出状態である。同じく第2役物演出状態では、第1特別図柄抽選に基づく役物演出は実行されない。
[7−2−1.基本動作時]
図611(A)は、主特別図柄の変更を伴う遊技状態の切り替わり時における各種動作およびその関係の一例を示す図であって、イレギュラーが発生していない基本動作時(すなわち時短遊技状態終了付近(99回目および100回目)の可変表示が第2特別図柄の可変表示であって、100回目の可変表示が終了するまで第1特別図柄の可変表示が開始されない場合)の態様を示す。
図611(A)に示されるように、第1時短遊技状態が開始されてから99回目および100回目の可変表示が第2特別図柄の可変表示である場合、100回目の可変表示が開始されるとき、サブCPU20330は、時短演出状態の制御を終了し、液晶表示装置20004の表示領域20004dに、特殊演出として「リザルト演出」が表示されるよう制御する。
「リザルト演出」は、例えば、エンドカードを背景画像として、大当り遊技状態で獲得した賞球数、大当り遊技状態が所謂連チャンした場合(大当り遊技状態終了後に高確遊技状態に制御されて再び大当り遊技状態に制御された場合)には一連の大当り遊技状態で獲得した賞球数の合計、ミッションクリア(例えば称号獲得)によりキャラクター解放条件が成立した情報等が表示される演出である。
背景画像として表示するエンドカードは複数パターン(例えば15パターン)が用意されており、サブCPU20330は、例えば、一連の大当り遊技状態で獲得した賞球数の合計に基づいて、リザルト演出において表示するエンドカードのパターンを決定する。
ところで、本実施形態のパチンコ遊技機が、例えば、特別図柄の大当り確率が異なる複数の設定値(例えば設定1〜設定6)のうちいずれかにセット可能であり、セットされた一の設定値に基づいて遊技が進行する遊技機である場合、かかる一の設定値を示唆できるようにしてもよい。例えば、複数パターンのエンドカードのうち特定のエンドカードに決定された場合、サブCPU20330は、「リザルト演出」を表示する際に、セットされている一の設定値情報またはセットされている一の設定値情報を推測しうる情報を、液晶表示装置20004の表示領域20004dに表示するようにしてもよい。また、時短状態では第2特別図柄抽選の結果が小当りであったとしても小当り入賞し難いが、サブCPU20330は、小当り入賞したことに基づいてアイテムを獲得可能とし、このアイテムを用いて例えば設定示唆抽選を行い、この設定示唆抽に当選すると、セットされている一の設定値情報またはセットされている一の設定値情報を推測しうる情報を、液晶表示装置20004の表示領域20004dに表示するようにしてもよい。
第1時短遊技状態が開始されてから100回目の可変表示が開始されるとメインCPU20280は時短遊技状態を終了するものの、サブCPU20330は、この時点では通常演出状態の制御を開始せず、「リザルト演出」をLOOP待機させる制御を行い、第1時短遊技状態が開始されてから100回目の可変表示である第2特別図柄の可変表示が終了すると同時またはほぼ同時に「リザルト演出」を終了する。
そして、この第2特別図柄の可変表示(100回目)が終了すると、サブCPU20330は、復帰処理を行い、通常演出状態の制御を開始する。
このように、メインCPU20280による制御では時短遊技状態を終了して通常遊技状態に制御されていたとしても、サブCPU20330による制御では通常演出状態の制御を開始せずに、第2特別図柄の可変表示(100回目)が終了するまで「リザルト演出」をLOOP待機させる制御を行うことにより、液晶表示装置20004の表示領域20004dにおける表示演出状態としての時短演出状態から通常演出状態への切り替えを違和感なくスムーズに行うことが可能となる。
また、100回目の可変表示である時短最終変動は、J1END&J2END共通(ハズレ時)の変動パターンテーブル群(図602、図603)を参照すると分かるように、特別図柄抽選の結果がハズレである限り、リーチ演出に発展しない通常のハズレ変動として固定時間(例えば13S)に設定される。通常のハズレ変動は、リーチ演出に発展しないため相対的に短い変動時間である。このように、時短最終変動の時間を通常のハズレ変動として固定時間とすることにより、「リザルト演出」がいたずらに長時間にわたって行われることを回避できる。
また、サブCPU20330は、特別抽選の結果に基づいて役物を作動させる可動演出を実行可能であるが、時短演出状態に制御されているときは第2特別図柄抽選に基づく可動演出(第2役物演出)を行い、通常演出状態に制御されているときは第1特別図柄に基づく可動演出(第1役物演出)を行う。ただし、サブCPU20330は、第1時短遊技状態が開始されてから100回目の特別図柄抽選に基づく可動演出を行わず、この100回目の特別図柄の可変表示中、役物を原点復帰させて収納する処理を行う。役物の終了処理を終えると、収納状態で待機する。
[7−2−2.イレギュラー発生時]
次に、イレギュラー発生時の、第1時短遊技状態終了時における液晶表示装置20004の表示領域20004dに表示される表示演出状態と特別図柄の可変表示との関係を、図611(B)〜図611(F)を参照して説明する。
なお、イレギュラー発生時の具体例としては、例えば以下の場合が考えられる。
(イ)第1のイレギュラー:第1時短遊技状態が開始されてから100回目の可変表示として第2特別図柄の可変表示が開始され、この第2特別図柄の可変表示中(100回目)に101回目の可変表示として第1特別図柄の可変表示が開始された場合。
(ロ)第2のイレギュラー:第1時短遊技状態が開始されてから99回目の可変表示として第2特別図柄の可変表示が開始され、この第2特別図柄の可変表示中(99回目)に100回目の可変表示として第1特別図柄の可変表示が開始されるとともに、第2特別図柄の可変表示(99回目)が終了する前に第1特別図柄の可変表示(100回目)が終了した場合。
(ハ)第3のイレギュラー:第1時短遊技状態が開始されてから99回目の可変表示として第2特別図柄の可変表示が開始され、この第2特別図柄の可変表示中(99回目)に100回目の可変表示として第1特別図柄の可変表示が開始されるとともに、第2特別図柄の可変表示(99回目)の終了後に第1特別図柄の可変表示(100回目)が終了した場合。
(ニ)第4のイレギュラー:第1特別図柄および第2特別図柄の両方が未変動(保留無し)の状態で、第1時短遊技状態が開始されてから100回目の可変表示として第1特別図柄の可変表示が開始され、この第1特別図柄の可変表示(100回目)が終了するまで第2特別図柄の可変表示が開始されなかった場合。
(ホ)第5のイレギュラー:第1時短遊技状態が開始されてから99回目の可変表示として第2特別図柄の可変表示が開始され、この第2特別図柄の可変表示中(99回目)に100回目および101回目の可変表示として第1特別図柄の可変表示が開始され、第1特別図柄の可変表示(101回目)が大当りの可変表示である場合。
[7−2−2−1.第1のイレギュラー発生時]
図611(B)は、主特別図柄の変更を伴う遊技状態の切り替わり時における各種動作およびその関係の一例を示す図であって、第1のイレギュラー発生時の態様を示す。
図611(B)に示されるように、第1時短遊技状態が開始されてから100回目の可変表示として第2特別図柄の可変表示が開始されるとき、サブCPU20330は、時短演出状態を終了し、液晶表示装置20004の表示領域20004dに、特殊演出として「リザルト演出」が表示されるよう制御する。なお、「リザルト演出」が表示されている期間を、時短演出状態としてもよい。
そして、第1時短遊技状態が開始されてから101回目の可変表示として第1特別図柄の可変表示が開始され、この第1特別図柄の可変表示中(101回目)に、第2特別図柄の可変表示(100回目)が終了したとしても、サブCPU20330は、「リザルト演出」をLOOP待機させる制御を行い(「リザルト演出」を継続表示し)、第1特別図柄の可変表示(101回目)が終了するすると同時またはほぼ同時に「リザルト演出」を終了する。
第1時短遊技状態が開始されてから101回目の可変表示である第1特別図柄の可変表示が終了すると、サブCPU20330は、復帰処理を行い、通常演出状態の制御を開始する。
第1時短遊技状態が開始されてから100回目の可変表示が開始されるとメインCPU20280は時短遊技状態を終了するものの、この時点では通常演出状態の制御を開始せず、上述したように、100回目の可変表示である第2特別図柄の可変表示が開始されてから101回目の可変表示である第1特別図柄の可変表示が終了するまで「リザルト演出」をLOOP待機させる制御を行うことにより、液晶表示装置20004の表示領域20004dにおける表示演出状態としての時短演出状態から通常演出状態への切り替えを違和感なくスムーズに行うことが可能となる。
また、100回目の可変表示である時短最終変動は、J1END&J2END共通(ハズレ時)の変動パターンテーブル群(図602、図603)を参照すると分かるように、特別図柄抽選の結果がハズレである限り、リーチ演出に発展しない通常のハズレ変動として固定時間(例えば13S)に設定される。また、101回目の可変表示も、NOR2(ハズレ時)の変動パターンテーブル群(図582、図583)を参照すると分かるように、特別図柄抽選の結果がハズレである限り、リーチ演出に発展しない通常のハズレ変動として固定時間(例えば13S)に設定される。通常のハズレ変動は、リーチ演出に発展しないため相対的に短い変動時間である。
このように、第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示状況に応じて、より具体的には、第1時短遊技状態が開始されてから101回目の特別図柄の可変表示の開始タイミングが100回目の特別図柄の可変表示中であるか可変終了後であるかに応じて、LOOP待機の時間により「リザルト演出」の実行時間を変更することができるため、区切りのよいタイミングで第1演出から第2演出にスムーズに移行させることが可能となり、興趣の低下を抑制することが可能となる。
このように、時短最終変動の時間を通常のハズレ変動として固定時間とすることにより、100回目および101回目の特別図柄の可変表示にまたがって「リザルト演出」が表示されるようにしても、必要以上に長時間にわたって「リザルト演出」が表示されることを回避できる。
このような第1のイレギュラーが発生した場合であっても、とくに上述の変動終了時特殊演出設定処理(図610参照)を行うことにより、第1特別図柄の可変表示と第2特別図柄の可変表示とが並行して行われる遊技機において、液晶表示装置20004の表示領域20004dにおける表示演出状態としての時短演出状態から通常演出状態への切り替えを違和感なくスムーズに行うことが可能となる。
また、この場合、サブCPU20330は、第1時短遊技状態が開始されてから100回目および101回目の特別図柄抽選に基づく可動演出を行わず、100回目の特別図柄の可変表示中および101回目の特別図柄の可変表示中、役物を原点復帰させて収納する処理を行う。役物の終了処理を終えると、収納状態で待機する。
[7−2−2−2.第2のイレギュラー発生時]
図611(C)は、主特別図柄の変更を伴う遊技状態の切り替わり時における各種動作およびその関係の一例を示す図であって、第2のイレギュラー発生時の態様を示す。
図611(C)に示されるように、第1時短遊技状態が開始されてから99回目の可変表示として第2特別図柄の可変表示が開始されると、サブCPU20330は、時短演出状態における演出として、第2特別図柄の可変表示(99回目)に対応する装飾図柄の変動演出を行う。
この第2特別図柄の可変表示中(99回目)に100回目の可変表示として第1特別図柄の可変表示が開始されると、メインCPU20280により時短遊技状態から通常遊技状態に移行されるものの、サブCPU20330は、第1特別図柄に対応する装飾図柄の変動演出を行わず、第2特別図柄の可変表示(99回目)に対応する装飾図柄の変動演出を継続して表示する。
そして、第2特別図柄の可変表示(99回目)が終了する前に第1特別図柄の可変表示(100回目)が終了したとしても、サブCPU20330は、復帰処理を行わず、第2特別図柄の可変表示(99回目)が終了するまで時短演出状態に制御する。
第2特別図柄の可変表示(99回目)が終了すると、サブCPU20330は、復帰処理を行い、通常演出状態の制御を開始する。
この場合、液晶表示装置20004の表示領域20004dにおける表示演出状態としての時短演出状態は第2特別図柄の可変表示(99回目)をもって終了してしまうものの、例えば装飾図柄の変動中に、第2特別図柄を主特別図柄とする時短演出状態から、第1特別図柄を主特別図柄とする通常演出状態に切り替わってしまうことを回避でき、液晶表示装置20004の表示領域20004dにおける表示演出状態としての時短演出状態から通常演出状態への切り替えを違和感なくスムーズに行うことが可能となる。
[7−2−2−3.第3のイレギュラー発生時]
図611(D)は、主特別図柄の変更を伴う遊技状態の切り替わり時における各種動作およびその関係の一例を示す図であって、第3のイレギュラー発生時の態様を示す。
図611(D)に示されるように、第1時短遊技状態が開始されてから99回目の可変表示として第2特別図柄の可変表示が開始されると、サブCPU20330は、時短演出状態における演出として、第2特別図柄の可変表示(99回目)に対応する装飾図柄の変動演出を行う。
この第2特別図柄の可変表示中(99回目)に100回目の可変表示として第1特別図柄の可変表示が開始されると、メインCPU20280により時短遊技状態から通常遊技状態に移行されるものの、サブCPU20330は、第1特別図柄に対応する装飾図柄の変動演出を行わず、第2特別図柄の可変表示(99回目)に対応する装飾図柄の変動演出を継続して表示する。
そして、第2特別図柄の可変表示(99回目)が終了した時点で第1特別図柄の可変表示(100回目)が終了しておらず、第1特別図柄の可変表示中(100回目)に101回目の可変表示として第2特別図柄の可変表示が開始されると、サブCPU20330は、特殊演出として「イレギュラー演出」が表示されるよう制御する。これにより、第1時短遊技状態が開始されてから100回目の可変表示に対応する装飾図柄の変動演出が行われなくとも、時短遊技状態が終了することを遊技者に把握させることが可能となる。
そして、サブCPU20330は、第2特別図柄の可変表示(101回目)の開始時に特殊演出としての表示が開始された「イレギュラー演出」を、第1特別図柄の可変表示(100回目)が終了するすると同時またはほぼ同時に終了するよう制御する。この時点では、メインCPU20280により通常遊技状態に制御されているものの復帰処理がまだ行われていないため主特別図柄は第2特別図柄であるが、サブCPU20330は、「イレギュラー演出」の終了時に、第1特別図柄抽選(100回目)の結果を表示してもよい。
このように、第2特別図柄が可変表示中(101回目)であったとしても、第2特別図柄が可変表示の開始時に開始された「イレギュラー演出」を第1特別図柄の可変表示(100回目)の終了時に終了することにより、「イレギュラー演出」がいたずらに長時間にわたって行われることを回避できるだけでなく、液晶表示装置20004の表示領域20004dにおける表示演出状態としての時短演出状態から通常演出状態への切り替えを違和感なくスムーズに行うことが可能となる。
[7−2−2−4.第4のイレギュラー発生時]
図611(E)は、主特別図柄の変更を伴う遊技状態の切り替わり時における各種動作およびその関係の一例を示す図であって、第4のイレギュラー発生時の態様を示す。
図611(E)に示されるように、第1特別図柄および第2特別図柄の両方が未変動(保留無し)の状態で、第1時短遊技状態が開始されてから100回目の可変表示として第1特別図柄の可変表示が開始されると、サブCPU20330は、特殊演出として「イレギュラー演出」が表示されるよう制御する。これにより、第1時短遊技状態が開始されてから100回目の可変表示に対応する装飾図柄の変動演出が行われなくとも、時短遊技状態が終了することを遊技者に把握させることが可能となる。
そして、サブCPU20330は、第1特別図柄の可変表示(100回目)の開始時に特殊演出としての表示が開始された「イレギュラー演出」を、第1特別図柄の可変表示(100回目)が終了するすると同時またはほぼ同時に終了するよう制御する。この時点では、メインCPU20280により通常遊技状態に制御されているものの復帰処理がまだ行われていないため主特別図柄は第2特別図柄であるが、サブCPU20330は、「イレギュラー演出」の終了時に、第1特別図柄抽選(100回目)の結果を表示するようにするとよい。
また、第1時短遊技状態が開始されてから100回目の可変表示である時短最終変動は、J1END&J2END共通(ハズレ時)の変動パターンテーブル群(図602、図603)を参照すると分かるように、特別図柄抽選の結果がハズレである限り、リーチ演出に発展しない通常のハズレ変動として固定時間(例えば13S)に設定される。通常のハズレ変動は、リーチ演出に発展しないため相対的に短い変動時間である。これにより、「イレギュラー演出」が長時間にわたって表示されることを回避できるだけでなく、液晶表示装置20004の表示領域20004dにおける表示演出状態としての時短演出状態から通常演出状態への切り替えを違和感なくスムーズに行うことが可能となる。
[7−2−2−5.第5のイレギュラー発生時]
図611(F)は、主特別図柄の変更を伴う遊技状態の切り替わり時における各種動作およびその関係の一例を示す図であって、第5のイレギュラー発生時の態様を示す。
図611(F)に示されるように、第1時短遊技状態が開始されてから99回目の可変表示として第2特別図柄の可変表示が開始されると、サブCPU20330は、第2特別図柄の可変表示に対応する装飾図柄の変動演出が表示されるよう制御する。この第2特別図柄の可変表示(99回目)に対応する装飾図柄の変動演出は、原則として、第2特別図柄の可変表示(99回目)が終了するまで継続して行われる。
本実施形態のパチンコ遊技機では、第1特別図柄と第2特別図柄とが同系統の変動パターンテーブル群を参照して特別図柄の変動パターンが決定される限り、副特別図柄の抽選結果が大当りであるときの可変表示時間は、主特別図柄の抽選結果がハズレであるときの可変表示時間よりも長くなる。例えば、通常遊技状態において参照されるテーブル群であるNOR1とNOR2とは同系統の変動パターンテーブル群である。同様に、第1時短遊技状態において参照されるテーブル群であるJTN1とJ1ENDとは同系統の変動パターンテーブル群であり、第2時短遊技状態において参照されるテーブル群であるJTN2とJ2ENDとは同系統の変動パターンテーブル群である。
なお、JTN1、J1END、JTN2およびJ2ENDは全て同系統の変動パターンテーブル群であるため、例えば、時短最終変動を除く時短遊技状態ではJTN1を参照して特別図柄の変動パターンを決定し、時短最終変動ではJ2ENDを参照して特別図柄の変動パターンを決定するようにしてもよい。同様に、時短最終変動を除く時短遊技状態ではJTN2を参照して特別図柄の変動パターンを決定し、時短最終変動ではJ1ENDを参照して特別図柄の変動パターンを決定するようにしてもよい。
同系統の変動パターンテーブル群とは、同じ種類の変動パターンテーブル群を意味し、具体的には、特別図柄の変動パターンを決定する際(テーブル群が参照される際)の遊技状態が同じ(例えば、NOR1およびNOR2はいずれも通常遊技状態において参照されるため遊技状態が同じであり、JTN1およびJ1ENDはいずれも第1時短遊技状態において参照されるため技状態が同じ)であって、副特別図柄の抽選結果が大当りであるときの可変表示時間を、主特別図柄の抽選結果がハズレであるときの可変表示時間よりも長くなるように設定した変動パターンテーブル群である。
しかし、図611(F)の場合、第1特別図柄の可変表示(101回目)ではNOR2の変動パターンテーブル群を参照して特別図柄の変動パターンが決定され、第2特別図柄の可変表示(99回目)ではJTN1の変動パターンテーブル群を参照して特別図柄の変動パターンが決定される。このように、第1特別図柄と第2特別図柄とで異なる系統の変動パターンテーブル群を参照して特別図柄の変動パターンが決定される場合に、副特別図柄である第1特別図柄抽選(101回目)が大当りであるとき、サブCPU20330は、主特別図柄である第2特別図柄の可変表示(99回目)に対応する装飾図柄の変動演出に代えて、第1特別図柄抽選(101回目)の結果が大当りであることを示す特殊演出として「祝福演出」が表示されるよう制御する。このように制御することによって、イレギュラー大当りであった場合、液晶表示装置20004の表示領域20004dに表示される表示演出に対して感じうる違和感を最小限に抑えることが可能となる。
なお、上述した「リザルト演出」および「イレギュラー演出」は、異なる演出であることを前提として説明したが、これに限られず、「リザルト演出」と「イレギュラー演出」とを同じ演出としてもよい。また、「イレギュラー演出」では、何らかの演出画像を表示することは必須ではなく、例えば、液晶表示装置20004の表示領域20004dを、イレギュラー変動中であることを示す画面(例えばブラック画面)としてもよい。この場合、「イレギュラー変動中」であることを示す情報を表示してもよいが、例えばブラック画面のように通常時は表示されることのない画面であれば、「イレギュラー変動中」であることを示す情報を表示しなくてもよい。
また、液晶表示装置20004の表示領域20004dに「祝福演出」が表示されると、サブCPU20330は、イレギュラー大当りに応じた役物演出が行われるよう可動役物を作動させる制御を実行する。
[8.役物制御]
本実施形態のパチンコ遊技機において、サブCPU20330は、主特別図柄の特別図柄抽選結果に基づいて、例えば第1ロゴ役物25110、第2ロゴ役物25120(いずれも例えば図553参照)および下可動体24110(例えば図530参照)等の可動役物の全部または一部を作動させる役物制御を実行する。以下に、サブCPU20330により実行される役物制御について説明する。
本実施形態では、可動役物を作動させるための役物動作シーケンスとして、演出シーケンス、初期動作シーケンス、エラー復帰動作シーケンスが用意されている。
サブCPU20330は、演出シーケンスに基づく役物制御を行う際、役物演出として可動役物を作動させた後、特別図柄の可変表示が終了するまでに可動役物が初期位置に戻るよう制御する。
初期動作シーケンスは、電源投入時に可動役物の作動確認を行うための役物動作シーケンスである。サブCPU20330は、初期動作シーケンスに基づく役物制御を行う際、初期動作として、全てのモータが動作するように基本的な動きを行ってから可動役物が初期位置に戻るよう制御する。サブCPU20330は、初期作動が全て正常に終了するまで、役物リクエストを受け付けない。
エラー復帰動作シーケンスは、主特別図柄の可変表示の開始時に、全ての可動役物を初期位置に戻すための役物動作シーケンスである。サブCPU20330は、エラー復帰動作シーケンスに基づく役物制御を行う際、主特別図柄に対応する装飾図柄の変動開始時に、可動役物が初期位置にあるか否かを可動役物毎に判別し、初期位置にいない可動役物を初期位置へ戻すエラー復帰動作を行う。
以下において、サブCPU20330により実行されるエラー復帰動作シーケンスに基づく役物制御について説明する。
本実施形態のパチンコ遊技機では、可能役物の態様として、例えば、役物態様A、役物態様B、役物態様Cおよび役物態様Dの4種類の役物態様が存在する。
図612は、遊技盤20001の正面図であって、可動役物の態様が役物態様Aであるときの一例を示す図である。役物態様Aは、前方から視認できる前面に第1ロゴ役物25110が位置する(第2ロゴ役物25120は視認できない後方に待機している)とともに、下可動体24110(例えば後述の図614参照)が前方から視認できない位置または視認困難な位置に待機している状態である。
図613は、遊技盤20001の正面図であって、可動役物の態様が役物態様Bであるときの一例を示す図である。役物態様Bは、視認できる前面に第2ロゴ役物25120が位置する(この場合、第1ロゴ役物25110は視認できない位置に待機している)とともに、下可動体24110(後述の図614参照)が前方から視認できない位置に待機している状態である。
図614は、遊技盤20001の正面図であって、可動役物の態様が役物態様Cであるときの一例を示す図である。役物態様Cは、視認できる前面に第2ロゴ役物25120が位置する(第1ロゴ役物25110は視認できない後方に待機している)とともに、前方から視認できる液晶表示装置20004の表示領域20004dの下方領域に下可動体24110が進出している状態である。
図615は、遊技盤20001の正面図であって、可動役物の態様が役物態様Dであるときの一例を示す図である。役物態様Dは、前方から視認できる前面に第1ロゴ役物25110が位置する(第2ロゴ役物25120は視認できない後方に待機している)とともに、前方から視認できる液晶表示装置20004の表示領域20004dの下方領域に下可動体24110が進出している状態である。
本実施形態のパチンコ遊技機において、サブCPU20330は、遊技状態等に応じて、可動役物の原点位置を、役物態様A、役物態様B、役物態様Cまたは役物態様Dに決定する。そして、サブCPU20330は、遊技状態等に応じたモードに基づいてエラー復帰動作を行う。
図616は、サブCPU20330により実行されるエラー復帰動作を説明するための表または図であり、(A)エラー復帰状態に応じて行われるエラー復帰動作の一例を示す表、(B)遊技状態等の移行に応じてエラー復帰状態が遷移する態様の一例を示す図である。
図616(A)に示されるように、サブCPU20330は、モード1〜モード5のいずれかでエラー復帰動作を実行する。なお、エラー復帰状態は遊技状態等に応じている。
具体的には、通常遊技状態(モード1)では、サブCPU20330は、可動役物の原点位置を役物態様Aにセットし、可動役物の態様が役物態様Aとなるようにエラー復帰動作を実行する。また、時短遊技状態(第1時短遊技状態、第2時短遊技状態)およびラッシュ状態(モード2)では、サブCPU20330は、可動役物の原点位置を役物態様Bにセットし、可動役物の態様が役物態様Bとなるようにエラー復帰動作を実行する。さらに、高確時短遊技状態(モード3)では、サブCPU20330は、可動役物の原点位置を役物態様Cにセットし、可動役物の態様が役物態様Cとなるようにエラー復帰動作を実行する。
また、通常遊技状態において一定時間以上にわたって第1特別図柄の可変表示(第1特別図柄の可変表示に対応する装飾図柄の変動演出)が行われなければ、サブCPU20330は、液晶表示装置20004の表示領域20004dにデモ演出が表示されるよう制御する。デモ演出が開始されてから一定時間(例えば180S)経過すると、サブCPU20330は、可動役物の原点位置を役物態様Dにセットする(モード4)。よって、可動役物の態様が役物態様Dでなければ、サブCPU20330は、役物態様Dとなるように可動役物を作動させる。
さらに、イレギュラー大当り(例えば、副特別図柄の特別図柄抽選の結果が大当り)が発生した場合、サブCPU20330は、イレギュラー大当り役物演出態様として、可動役物の原点位置を役物態様Aにセットする(モード5)。よって、可動役物の態様が役物態様Aでなければ、サブCPU20330は、役物態様Aとなるように可動役物を作動させる。
また、図616(B)に示されるように、サブCPU20330は、遊技状態等が移行すると、エラー復帰状態を変更または維持する。なお、図616(B)では、遊技状態の移行を実線で示し、遊技状態は移行しない通常遊技状態とデモ演出との間を破線で示している。
例えば、通常遊技状態から高確時短遊技状態に移行すると、サブCPU20330は、エラー復帰状態をモード1からモード3に変更した上で、エラー復帰動作を実行する。また、例えば、ラッシュ状態から第1時短遊技状態に移行すると、サブCPU20330は、エラー復帰状態をモード2に維持した上で、可動役物の態様が役物態様Bでなければエラー復帰動作を実行する。
このように、サブCPU20330は、遊技状態の移行に応じてエラー復帰状態を変更または維持するが、遊技状態の移行上、可動役物が発生しえない作動を行った場合、エラー処理を実行する。例えば、高確時短遊技状態から通常遊技状態への移行は行われないため(モード3からモード1に変更されることがないため)、役物態様Cから役物態様Aへの可動役物の作動は発生しえない。よって、例えば可動役物が役物態様Cから役物態様Aに作動したとき、サブCPU20330はエラー処理を実行する。
可動役物が発生しえない作動を行った場合のエラー処理は、例えば軽微なエラーとして初期位置移動処理(例えば、ステップS6902、ステップS6904、ステップS6906、ステップS6907等を参照)を規定回数(例えば10回)繰り返し行ってもよいし、例えば深刻なエラーとしてモータエラー動作停止状態としてもよい。
ところで、デモ演出中、エラー復帰状態はモード4であり、可動役物の原点位置は役物態様Dにセットされる。遊技球の発射検出または特別図柄の可変表示が開始されるとデモ演出は終了するが、デモ演出が終了すると、エラー復帰状態がモード4からモード1に変更される。そのため、デモ演出が終了すると、サブCPU20330は、可動役物を、役物態様Dから役物態様Aとなるように作動させる。このような可動役物の作動は、遊技状態の移行上、発生しえない作動であるからエラー処理の実行対象となるべきところ、モード4においては、サブCPU20330はエラー処理を実行しない。すなわち、デモ演出が終了したとき、サブCPU20330は、下可動体24110を、前方から視認できる位置(液晶表示装置20004の表示領域20004dの下方領域に進出している状態)から視認できない位置に作動させるが、このような下可動体24110の作動は、遊技状態の移行上、発生しえない。ただし、デモ演出が終了する場合には、このような遊技状態の移行上発生しえない下可動体24110の作動を非エラーとし、モード4でのエラー復帰動作後に、正常な処理として、モード1に変更するようにしている。これにより、適切な可動役物のエラー復帰動作を行うことが可能となる。
また、イレギュラー大当りは、モード1〜モード3のいずれにおいても発生する可能性がある。上述した通り、イレギュラー大当りが発生すると、サブCPU20330は、可動役物の原点位置を役物態様Aにセットする(モード5)。例えば、高確時短遊技状態においてイレギュラー大当りが発生すると、サブCPU20330は、エラー復帰状態をモード3からモード5に変更し、可動役物の原点位置を役物態様Aにセットする。しかし、遊技状態の移行上、役物態様Cから役物態様Aへの可動役物の作動は発生しえない。高確時短遊技状態から通常遊技状態への移行が行われることがないため(モード3からモード1に変更されることがないため)である。このような可動役物の作動は、遊技状態の移行上、発生しえない作動であるからエラー処理の実行対象となるべきところ、モード5においては、サブCPU20330はエラー処理を実行せずに、正常な処理として役物態様Cから役物態様Aへ可動役物を作動させる。これにより、適切な可動役物のエラー復帰動作を行うことが可能となる。
[9.通常遊技状態における演出の流れ]
次に、サブCPU20330により実行される通常遊技状態における演出の流れについて説明する。図617は、通常遊技状態における演出の流れの一例を示す図である。
通常遊技状態において、SPリーチや全回転リーチに発展すると、現在行われている特別図柄の可変表示についての大当り期待度が高められる。上述した通り、通常遊技状態では、主特別図柄が第1特別図柄であるため、液晶表示装置20004の表示領域20004dに、第1特別図柄の可変表示に対応する装飾図柄の変動演出が表示される。そのため、第1特別図柄の可変表示に対応する装飾図柄の変動演出がSPリーチや全回転リーチに発展した場合、第1特別図柄抽選の結果期待度が高められることとなる。
SPリーチには例えばSP1リーチとSP2リーチとがあり、SPリーチに発展する場合、SP1リーチまたはSP2リーチに発展する。さらに、SP2リーチはSP2リーチ(前半)とSP2リーチ(後半)とに分けられている。SP2リーチ(前半)からSP2リーチ(後半)に発展するとき、役物による可動演出が行われる。
また、本実施形態のパチンコ遊技機では、SPリーチに発展する期待度を高める演出として、ミニゲーム演出が用意されている。このミニゲーム演出は、本実施形態ではキャラクターを集める演出であり、リーチ演出中といった限られた時間内に例えば31人といった多人数のキャラクターを全員集めることができれば、SPリーチに発展することを示すSP発展演出が表示される。SP発展演出が表示されると、SP1リーチまたはSP2リーチに発展する。SP2リーチに発展する場合、いきなりSP2リーチ(後半)に発展する場合もあれば、SP2リーチ(前半)を経由してSP2リーチ(後半)に発展する場合もある。このように、ミニゲーム演出は、大当り期待度の高いSP演出に発展することを期待させる演出として機能する。なお、ミニゲーム演出には、ミニゲーム演出Aとミニゲーム演出Bとが含まれている。
また、本実施形態のパチンコ遊技機では、ミニゲーム演出やノーマルリーチの前段階として、各種予告演出が行われる。各種予告演出は複数種類の予告演出が用意されており、その一つとして、ミニゲーム演出にかかわる予告が行われるミニゲーム予告演出も含まれる。
なお、ミニゲーム演出は、ミニゲーム予告演出からノーマルリーチを経由して行われる場合もあれば、ノーマルリーチを経由せずに行われる場合もある。
また、本実施形態のパチンコ遊技機では、SP発展演出が表示される期待度(すなわちSPリーチが行われる期待度)がミニゲーム演出よりも低いものの、SP発展演出が表示される可能性のあるスキット演出も用意されている。
さらに、大当り期待度の高い演出として、SPリーチや前回転リーチを経由せずに、例えばリーチ外れや停止予告等から突入する特殊リーチも容易されている。この特殊リーチは複数種類用意されている。
複数種類用意された特殊リーチには、本来、高確遊技状態(高確時短遊技状態、ラッシュ状態)または時短遊技状態で行われるところ、特別の条件が成立したときに限り行われる演出である分岐チャレンジ演出が含まれている。この分岐チャレンジ演出については後述する。
以下、上述した演出のうち、ミニゲームに関連する演出であるミニゲーム予告演出およびミニゲーム演出(ミニゲーム演出A、ミニゲーム演出B)について説明する。ミニゲーム予告演出およびミニゲーム演出は、いずれもサブCPU20330の制御により実行される。
[9−1.ミニゲーム予告演出]
上述した通り、ミニゲーム予告演出はミニゲーム演出の前段階として行われる演出であり、このミニゲーム予告演出においていかに多くのキャラクターをストックできるかによって、のちに行われる可能性のあるミニゲーム演出における有利度合い(SPリーチに発展するための有利度合い)が変わる。本実施形態のパチンコ遊技機では、例えば最大10人のキャラクターをストックできるようになっている。
なお、ミニゲーム予告演出は、メインCPU20280により保留の先読み(特別図柄抽選の結果の先読み)が行われた結果に基づいて、大当りが導出される可能性のある第1特別図柄(主特別図柄)の可変表示の実行前から複数回の特別図柄の可変表示にわたって先読み演出として行ってもよいし、大当りが導出される可能性のある当該第1特別図柄の可変表示中(リーチ表示前)の演出として行ってもよい。
図618は、液晶表示装置20004の表示領域20004dに表示されるミニゲーム予告演出における演出画面の一例であり、ストックされたキャラクターのストック位置を示す演出画面の一例である。
図618に示されるように、ストックされたキャラクターは、液晶表示装置20004の表示領域20004dの周方向に沿って設けられるストック位置(1〜16および特別キャラと表示される位置)に表示される。なお、ストックされたキャラクターを表示するストック位置1〜16は、キャラクターと対応付けられている。
上述した通り、ストックできるキャラクター数は最大で10人としているが、ストック位置は特別キャラのストック位置を除いて16個であるため、この範囲でストックできるキャラクター数を任意に変更してもよい。
図619は、ミニゲーム予告演出においてキャラクターがストックされる態様を示す演出画面の一例であって、(A)キャラクターが出現したときの演出画面、(B)出現したキャラクターがストックされたことを示す演出画面である。なお、図619では、液晶表示装置20004の表示領域20004dうち、正面視における左上領域のみを示した画面である。
図619(A)では、ストック位置3に対応するキャラクターA、ストック位置16に対応するキャラクターBおよびストック位置15に対応するキャラクターCの3人のキャラクターが出現したことを示している(ストック位置については図618を参照)。
図619(B)では、キャラクターAがストック位置3にストックされ、キャラクターBがストック位置16にストックされ、キャラクターCがストック位置15にストックされた態様を示している(ストック位置については図618を参照)。
ところで、例えば10人といった多人数のキャラクターを表示する必要がある場合、キャラクターが密集して表示されるため、ストックされたキャラクターの各々の表示領域が被ってしまうおそれがある。
そこで、本実施形態のパチンコ遊技機では、特別キャラを除く16人のキャラクターが表示される位置(1〜16)を左区分(1〜3、12〜16)と右区分(4〜11)とに分け、左区分については「3>2>1>16>15>14>13>12」の優先順位を設定し、右区分については「4>5>6>7>8>9>10>11」の優先順位を設定している。この優先順位はプログラムROM20331に記憶されている。そして、例えば隣接し合う複数のキャラクターを液晶表示装置20004の表示領域20004dに表示する場合、サブCPU20330は、優先順位が相対的に上位にあるキャラクター(以下「上位キャラクター」と称する)を、優先順位が相対的に下位にあるキャラクター(以下「下位キャラクター」と称する)よりも手前側となるように、上位キャラクターと下位キャラクターとが重ねて表示されるよう制御を行う。これにより、多人数のキャラクターがストックされた場合であっても、多人数のキャラクターがストックされたことを遊技者が把握しやすい態様でこれらの多人数のキャラクターを密集して表示することが可能となる。
ミニゲーム予告演出が終了すると、上述した通り、ノーマルリーチを経由してミニゲーム演出に突入する場合と、ノーマルリーチを経由せずにミニゲーム演出に突入する場合とがある。以下では、ノーマルリーチを経由してミニゲーム演出に突入する場合の演出例について説明する。
図620は、ノーマルリーチを経由してミニゲーム演出に突入する場合に表示される演出画面の一例である。なお、図620は、ノーマルリーチになってからミニゲーム演出に突入するまでの表示演出の流れの一例を示す図である。
図620に示されるように、ノーマルリーチを経由してミニゲーム演出に突入する場合、「リーチ」であることを示す演出画面(図620(A)参照)が表示された後、ストックされたキャラクターが表示領域20004dの中央に集合する演出画面(図620(B)参照)が表示される。図620では示されていないが、このとき、ストックされた人数が表示されるようにするとよい。そして、後述する「ミニゲーム突入(ミニゲームA突入またはミニゲームB突入)」が表示されるか否かを煽る演出画面(図620(C)参照)が表示される。その後、「ミニゲームA突入」が表示されるとミニゲームA演出が行われ、「ミニゲームB突入」が表示されるとミニゲームB演出が行われる(いずれの場合も第1特別図柄の可変表示に対応する変動演出は継続する)。また、「ミニゲームA突入」および「ミニゲームB突入」のいずれも表示されなかった場合、ミニゲーム演出が行われることなくミニゲーム予告演出が終了して通常画面に戻り、第1特別図柄の可変表示に対応する装飾図柄の変動演出が終了し、第1特別図柄抽選の結果がハズレであることが確定する。
また、ノーマルリーチを経由せずにミニゲーム演出に突入する場合は、「リーチ」であることを示す演出画面が表示されないだけでノーマルリーチを経由してミニゲーム演出に突入する場合と同様の演出を行ってもよいし、ノーマルリーチを経由してミニゲーム演出に突入する場合と全く異なる演出を行ってもよい。
[9−2.ミニゲーム演出A]
上述した通り、ミニゲーム演出にはミニゲーム演出Aとミニゲーム演出Bとが用意されている。先ず、ミニゲーム演出Aについて、図621〜図623を参照して説明する。ミニゲーム演出Aには、ミニゲームパートにいたるまでの導入部分である導入パートと、実際にミニゲーム演出が行われるミニゲームパートとがある。
ミニゲーム演出Aでは、ミニゲーム予告演出でストックされたキャラクターがそのまま引き継がれる。例えば、ミニゲーム予告演出で例えば5人のキャラクターがストックされていれば、5人のキャラクターが既に集まった状態からミニゲーム演出Aが開始される。したがって、ミニゲーム予告演出でストックされたキャラクター数が多いほど、大当り期待度が高くなる。
図621は、ミニゲーム演出Aの導入パートの演出画面の一例である。この図621に示されるように、導入パートでは、先ず、上述した「ミニゲームA突入」の文字が表示される(図621(A)参照)。この文字が表示されると、ミニゲーム演出Aが開始される。その後、31人のキャラクターを集めるとSP発展演出が表示されることを示す画面(図621(B)参照)が表示され、さらにその後、ミニゲーム予告演出でストックされたキャラクター数を示す画面(図621(C)参照)が表示される。図621では、5人のキャラクターがストックされたことが示されている。これにより、遊技者は、さらに26人のキャラクターを集めるとSP発展演出が表示されることを把握できる。
図622は、ミニゲーム演出Aのミニゲームパートのおおまかな流れを示す演出画面の一例である。ミニゲームパートでは、キャラクターを獲得するミニゲームが行われる(図622(A)参照。キャラクターを獲得すると、獲得済のキャラクターは乗船するとともに(図622(B)参照)、表示領域20004dの上方領域に獲得済のキャラクターが獲得順に表示されていく。本実施形態では、ミニゲーム予告演出でストックされたキャラクター数と、このミニゲームパートで獲得できたキャラクター数との合計が31人になると(図622(C)参照、SP発展演出が表示される。図622では示されていないが、例えば獲得できたキャラクター数が増えると、船の向きや背景画像が変化する。そして、31人のキャラクターを集めると、船が正面を向いて出航し、SP発展演出が表示される。
次に、図623を参照し、ミニゲームパートにおける演出内容を詳しく説明する。図623は、ミニゲーム演出Aのミニゲームパートにおける演出の流れを具体的に示す演出画面の一例である。なお、(A)、(B)、(C)、(D)の順で演出画面が進行する。
図623(A)〜(D)に示されるように、液晶表示装置20004の表示領域20004dの左下側の領域には、複数のアイコン8000が表示される。これら複数のアイコン8000は、図623において左下側から表示領域20004dの中央に向けて移動する。そして、最も手前側に移動したアイコン8000a(以下、「当該アイコン8000a」と称する)は表示領域20004dの略中央に移動した後(図623(A)参照)、開放される。当該アイコン8000aが開放されると、獲得できたキャラクター数が表示される。図623(B)は、獲得できたキャラクター数が1人であることを示す画面である。なお、当該アイコン8000aの位置へ移動するアイコンは装飾ユニット26000(例えば図520または図521を参照)へ向かうように表示される。
アイコン8000が一つ開放されると、表示領域20004dの左下側の領域に新たなアイコンが一つ追加される。そして、複数のアイコンが1つずつ順に開放されていき、それに伴って獲得キャラクター数が増加していく。獲得できたキャラクター数が一定数以上になると、上述した通り、船の向きが変わったり背景画面が変わったりする。
アイコン8000aが開放されて獲得できたキャラクター数が表示された後、獲得されたキャラクターは、図623(C)に示されるように船に乗り移るとともに、獲得済みキャラクターとして表示領域20004dの上方に表示される。
このようなミニゲームパートにおける演出が行われ、最終的に31人のキャラクターを獲得できると、SP発展演出が表示されてSPリーチに発展し、第1特別図柄の可変表示に対応する変動演出が継続する。一方、31人のキャラクターを集めることができなければ、SP発展演出が表示されずに(SPリーチに発展せずに)通常画面に戻り、第1特別図柄の可変表示に対応する装飾図柄の変動演出が終了し、第1特別図柄抽選の結果がハズレであることが確定する。
このように、ミニゲーム演出Aでは、キャラクターを集めるといった面白みを遊技者に与えることができ、興趣を高めることが可能となる。
なお、サブCPU20330は、液晶表示装置20004の表示領域20004dに、例えば操作部材22000(例えば、図385参照)等の操作ボタンの操作を促すアイコンや、例えばミニゲーム演出A等の演出の終了を示唆するようなアイコンを表示するようにしてもよいし、例えば最大10人を限度として複数人のキャラクターを獲得するような演出を行うようにしてもよい。また、都度、集合人数を異ならせるようにしてもよい。
[9−3.ミニゲーム演出B]
次に、ミニゲーム演出Bについて、図624〜図628を参照して説明する。
ミニゲーム演出Bでは、ミニゲーム予告演出でストックされたキャラクターは引き継がれず、1人のキャラクターも集まっていない状態からミニゲーム演出Bが開始される。ミニゲーム演出Bは、ミニゲームパートにいたるまでの導入部分である導入パートと、実際にミニゲーム演出が行われるミニゲームパートとがある。
図624は、ミニゲーム演出Bの導入パートの演出画面の一例である。導入パートでは、ミニゲーム演出Aと同様に、先ず、「ミニゲーム演出B突入」の文字が表示される(図624(A)参照)。この文字が表示されると、ミニゲーム演出Bが開始される。その後、31人のキャラクターを集めるとSP発展演出が表示されることを示す画面(図624(B)参照)が表示される。
図625は、ミニゲーム演出Bのミニゲームパートにおける演出画面の一例を示す図である。
図625に示されるように、ミニゲームパートでは、キャラクターが描かれたカードが左右の奥側から手前側に向けて次々と高速スクロールし(以下、「高速スクロール画面」と称する)、最も手前までスクロールされるとカードが停止し、停止したカードに描かれたキャラクターを獲得することができる。獲得できたキャラクターは、表示領域20004dの左下領域に表示される。また、キャラクターを獲得すると、表示領域20004dの下方領域に示される残りキャラクター人数が減算される。
ミニゲーム演出Bのミニゲームパートでは、ミニゲーム演出Aのミニゲームパートと比べて高速で次々とキャラクターを獲得することができ、ミニゲーム予告演出でストックされたキャラクターは引き継がれないものの、ミニゲーム演出Aのミニゲームパートと比べてより多くのキャラクターを獲得できるような感覚を与えることができる。また、SP発展演出が表示される期待度(SPリーチが行われる期待度)は、ミニゲーム演出Aよりもミニゲーム演出Bの方が大きい。
なお、ミニゲーム演出Bでは、ミニゲーム予告演出でストックされたキャラクターが引き継がれないが、ミニゲームパートにおいて、ミニゲーム予告演出でストックされたキャラクターが描かれたカードは、ミニゲーム予告演出でストックされていないキャラクターが描かれたカードよりも優先して停止する。
本実施形態のパチンコ遊技機では、先ず、ミニゲーム予告演出でストックされたキャラクターの全部をミニゲームパートにおいて獲得し、その後、ミニゲーム予告演出でストックされていないキャラクターを獲得できるといった演出が行われる。
このように、ミニゲーム予告演出ではキャラクターをストックする演出を行い、ミニゲーム演出Bでは、ミニゲーム予告演出でストックされたキャラクターを獲得する演出と、ミニゲーム予告演出でストックされていないキャラクターを獲得する演出とが行われる。しかも、ミニゲーム予告演出でストックされていないキャラクターを獲得する演出よりも、ミニゲーム予告演出でストックされたキャラクターを獲得する演出が優先して行われるため、遊技興趣を高めることができる。例えばミニゲーム予告演出でストックされたキャラクターが多人数である場合には、ストックされたキャラクターの全部を遊技者が覚えておくことは困難であると考えられるため、ミニゲームパートにおいて、遊技者は、ストックされたキャラクターの記憶を辿りつつ演出を楽しむことが可能となる。とくに、ストックされた記憶が薄いキャラクターを獲得した際、遊技者は、これ以上のキャラクターを獲得できないリスクがあることに気付く。しかし、その後にストックされたことを明確に記憶しているキャラクターを獲得すると、さらにキャラクターを獲得できる可能性があることに気付くこととなる。このように、ミニゲーム予告演出でストックされていないキャラクターよりも優先してミニゲーム予告演出でストックされたキャラクターを獲得できるようにすることで興趣が高められる。
なお、本実施形態では、ミニゲーム演出Bにおいて、ミニゲーム予告演出でストックされたキャラクターを獲得する演出を、ミニゲーム予告演出でストックされなかったキャラクターを獲得する演出よりも優先して行われるようにしているが、これに代えて、例えば、ミニゲーム予告演出でストックされたキャラクターと同じ属性のキャラクターを獲得する演出を、ミニゲーム予告演出でストックされたキャラクターと属性が異なるキャラクターを獲得する演出よりも優先して行われるようにしてもよい。すなわち、ミニゲーム演出Bでは、その前提となる前提遊技(例えばミニゲーム予告演出)において行われた演出を想起させたり関連付けた演出を、前提遊技において行われた演出を想起させるものでも関連付けたものでもない演出よりも優先して行われるようにすることで、上述した作用効果を奏することができる。なお、「同じ属性」とは、例えば、キャラクターの色や性別が同じであったり、演出におけるグループ(例えば、敵グループと味方グループ等)が同じであるように、遊技者が同じカテゴリーに属すると認識できるような場合等が相当する。
図626は、ミニゲーム演出Bのミニゲームパートにおける演出画面の一例であって、ミニゲーム演出Bの終了可能性を煽る演出画面を示す図である。
図626に示されるように、ミニゲーム演出Bのミニゲームパートにおける高速スクロール画面(図626(A)参照)においてカットイン画面(図626(B)参照)が表示されると、SPリーチに発展しないことを示す「欠航」の演出画面(図626(C))が確定するか否かを煽る演出画面が表示される。その後、「欠航」の演出画面(図626(E))が確定表示されると、SPリーチが行われないことが確定し、通常画面に戻る。すなわち、第1特別図柄の可変表示に対応する装飾図柄の変動演出が終了し、第1特別図柄抽選の結果がハズレであることが確定する。一方、「欠航」の演出画面が消えて高速スクロール画面(図626(D)に参照)に戻ると、ミニゲーム演出Bが継続する(第1特別図柄の可変表示に対応する装飾図柄の変動演出が継続する)。
図627は、ミニゲーム演出Bのミニゲームパートにおける演出画面の一例であって、SPリーチに発展する可能性を煽る演出画面を示す図である。
図627に示されるように、ミニゲーム演出Bのミニゲームパートにおける高速スクロール画面(図627(A)参照)においてカットイン画面(図627(B)参照)が表示されると、SPリーチに発展するか否かを煽る演出画面(図627(C)参照)が表示される。その後、遊技者に押しボタンの操作を促す演出画面(図627(D)参照)が表示され、遊技者が押しボタンを操作した結果、成功すればSP発リーチに発展することが確定する演出画面(図627(E)参照)。一方、失敗すれば高速スクロール画面(図627(F)参照)に戻る(第1特別図柄の可変表示に対応する装飾図柄の変動演出が継続する)。
なお、図626に示されるカットイン画面(図626(B)参照)は例えば青色や黒色のように遊技者を消沈させるような雰囲気が醸し出された画面であり、図627に示されるカットイン画面(図627(B)参照)は例えば赤色や虹色のような明るい色で多くの星が流れて遊技者を高揚させるような雰囲気が醸し出された画面である。
図628は、ミニゲーム演出Bにおいて例えば31人のキャラクター全員を集めることに成功し、SP発展表示演出が行われる演出画面の一例を示す図である。図628(A)は、ミニゲーム演出Bのミニゲームパートにおける演出画面の一例であり、図627(A)と同様の高速スクロール画面である。図628(B)は、例えば31人のキャラクター全員を集めることに成功し、表示領域20004dに表示される演出画像の全体が例えば金色になる等、期待度が高い状態となったことを遊技者が認識できる演出画面の一例である。図628(C)は、SPリーチに発展することを示す演出画面の一例である。
なお、ミニゲームパートでは、キャラクターを獲得すると、例えば図627(B)に示されるように、液晶表示装置20004の表示領域20004dの下方の領域に表示される残り人数が減算表示される。この残り人数が0になると、SP発展演出が表示されてSPリーチに発展し、第1特別図柄の可変表示に対応する変動演出が継続する。一方、残り人数が0になる前にミニゲーム演出Bが終了すると、SP発展演出が表示されずに通常画面に戻り、第1特別図柄の可変表示に対応する装飾図柄の変動演出が終了し、第1特別図柄抽選の結果がハズレであることが確定する。
なお、ミニゲームパートおいて残り人数が0になると、演出画面は図628(B)に移る。図628ではあらわれていないが、図628では、高速スクロール画面が例えば金色に変化し、その後、「発展」の文字が表示される。
このように、ミニゲーム演出Bでは、例えば1回の特別図柄の可変表示時間がミニゲーム演出Aと同じであれば、ミニゲーム演出Aのようにミニゲーム予告演出でストックされたキャラクターが引き継がれない分、ミニゲーム演出Aよりも多くのキャラクターを限られた時間内(1回の特別図柄の可変表示時間内)で集める演出を行うことから、速い展開で演出が進み、興趣を高めることが可能となる。
なお、ミニゲーム演出Aの導入パートでは「ミニゲームA突入」が表示され、ミニゲーム演出Bの導入パートでは「ミニゲーム演出B突入」が表示されるため、導入パートの初期段階から、ミニゲーム演出Aおよびミニゲーム演出Bのいずれに突入するかを把握できるようになっている。ただし、これに代えて、ミニゲーム演出Aの導入パートおよびミニゲーム演出Bの導入パートのいずれにおいても、例えば「ミニゲーム突入」といった演出画面のように、いずれのミニゲーム演出に突入するのかを把握できない演出画面を表示するようにしてもよい。これにより、導入パートの初期段階では、ミニゲーム演出Aと、ミニゲーム演出AよりもSPリーチに発展する期待度が高いミニゲーム演出Bとのうちいずれが開始されるかを、遊技者に把握し難くし、ミニゲーム演出の進行によって把握できるようにすることで、より興趣を高めることが可能となる。
また、ミニゲーム演出Aまたはミニゲーム演出Bにおいて、残り人数が0人にならなかったとしても、特別なキャラクターが描かれたレアカードが出現したりまたは所定確率でSPリーチに発展するようにしてもよい。
また、ミニゲーム演出Aおよびミニゲーム演出Bのいずれにおいても、所定数(例えば31人)のキャラクターを集めることができたときにSPリーチに発展することに代えて、例えば30人のキャラクターを集めた場合は20人のキャラクターしか集めることができなかった場合と比べてSPリーチに発展する期待度が高いといったように、集めたキャラクター数の多少に応じてSPリーチに発展する期待度を変えるようにしてもよい。
また、ミニゲーム演出Aおよびミニゲーム演出Bのいずれにおいても、特別キャラクターを獲得した場合には、例えば31人のキャラクター全員を集めなくとも、SPリーチに発展するようにしてもよい。
[10.分岐チャレンジ演出]
次に、分岐チャレンジ演出について説明する。上述した通り、分岐チャレンジ演出は、原則として、高確遊技状態(高確時短遊技状態、ラッシュ状態)または時短遊技状態において行われるが、通常遊技状態において行われるようにしてもよい。上述した通り、高確遊技状態および時短遊技状態では、第2特別図柄の可変表示に対応する装飾図柄の変動演出が液晶表示装置20004の表示領域20004dに表示される。なお、分岐チャレンジ演出はサブCPU20330の制御により実行される。
分岐チャレンジ演出は、当該変動前の複数変動(先読み時)においてまたは当該変動において分岐チャレンジ予告演出が行われる。この分岐チャレンジ予告演出において分岐チャレンジ演出に突入することが確定すると、分岐チャレンジ演出が開始される。
図629は、分岐チャレンジ演出の流れを示す演出画面の一例である。左図柄、中図柄および右図柄はいずれも1〜8の装飾図柄が用意されており、各装飾図柄は、それぞれ、大当り期待度の異なる3種類の図柄が用意されている。例えば、「1」の装飾図柄は、期待度低の「1」、期待度中の「1」、期待度高の「1」が用意されている。「2」〜「8」の各装飾図柄についても同様である。
図629に示されるように、分岐チャレンジ演出では、三つ揃い(期待度を問わず)の装飾図柄が表示されると(図629(A)参照)、左図柄、中図柄および右図柄の図柄組合せ候補が液晶表示装置20004の表示領域20004dに表示される(図629(B)参照)。図629(B)では、複数(例えば8個)の図柄組合せ候補が表示されている。液晶表示装置20004の表示領域20004dに表示される複数の図柄組合せ候補は、大当り期待度が異なることが好ましい。なお、図629(B)に示される図柄組合せ候補は、便宜上、いずれの図柄組合せについても期待度が同じ装飾図柄のゾロ目が示されているが、期待度が異なる装飾図柄のゾロ目の図柄組合せ候補も含まれるようにすることが好ましい。
液晶表示装置20004の表示領域20004dに複数の図柄組合せ候補が表示されると、その後、これらの図柄組合せを維持した状態でスクロール表示される(図629(C)参照)。そして、分岐チャレンジ演出において分岐チャレンジ図柄を獲得すると、分岐チャレンジ本編演出が開始される。分岐チャレンジ図柄は、中図柄にキャラクターが描かれた図柄組合せであり、描かれたキャラクターが異なる複数種類の分岐チャレンジ図柄が用意されている。なお、液晶表示装置20004の表示領域20004dに表示された複数の図柄組合せ候補がスクロール表示された後、分岐チャレンジ図柄で停止(特別図柄抽選の結果が確定する停止ではなく仮停止)すると、停止した分岐チャレンジ図柄を獲得することができる。
分岐チャレンジ図柄を獲得すると、獲得した分岐チャレンジ図柄に対応するキャラクターに応じた分岐チャレンジ本編演出が開始される。すなわち、分岐チャレンジ本編演出は、分岐チャレンジ図柄の中図柄に描かれたキャラクターに対応する複数の演出が用意されており、獲得した分岐チャレンジ図柄の中図柄に描かれたキャラクターに対応する分岐チャレンジ本編演出が行われることとなる。
[11.分岐チャレンジ本編演出]
以下に、複数の分岐チャレンジ本編演出のうち、一のキャラクターに対応する一の分岐チャレンジ本編演出を例に挙げて、図630および図631を参照して説明する。図630は、「EXTRA TIME」が発生しない場合の一の分岐チャレンジ本編演出の一例を示す演出画面である。図631は、「EXTRA TIME」が発生する場合の一の分岐チャレンジ本編演出の一例を示す演出画面である。
なお、「EXTRA TIME」は、例えば第2特別図柄抽選の結果が大当りであるときに、所定の確率で発生するようにしている。ただし、「EXTRA TIME」を発生させるか否かの決定は、これに限定されるものではない。
図630に示される一の分岐チャレンジ本編演出では、第2始動口20043への入賞を促すために、液晶表示装置20004の表示領域20004dにおいて右打ちを指示する演出画面(図630(A)参照)が表示される。
具体的には、サブCPU20330は、液晶表示装置20004の表示領域20004dに例えば「右を狙え!」の文字が表示された演出画面(図630(A)参照)を表示し、その後、カウントダウン演出が表示された演出画面(図630(B)参照)の表示を行う。図630に示されるカウントダウン演出では「EXTRA TIME」が発生しないため、残り時間が10秒であることを示す「10:00」からカウントダウン演出が開始される。
上記のカウントダウン演出は、第2始動口20043に入賞させると特定の演出(例えば、LED20260の発光演出や表示領域20004dに表示される演出等)が行われる時間(以下、「演出有効時間」と称する)の残り時間を示す演出として行われるが、これに代えてまたは加えて、第2始動口20043に入賞させることが可能なタイミング(開閉ユニット28000の開放タイミング)を示す演出として行われるようにしてもよい。
なお、演出有効時間の残り時間を示す演出を、カウントダウン演出に代えてカウントアップ演出としてもよい。
また、演出有効時間内に第2始動口20043に入賞させたときに行われる特定の演出は、特別図柄抽選の結果を報知または示唆する演出とするとよい。例えば、特定の演出がLED20260の発光演出である場合、サブCPU20330は、LEDの発光態様(発光色、発光時間等)を特別図柄抽選の結果に応じた態様とすることにより、カウントダウン演出中に、第2始動口20043への入賞を促すといった面白みのある演出とすることができる。LEDの発光態様についての「特別図柄抽選の結果に応じた態様」の具体例としては、例えば、発光色が白、緑、赤、青白、レインボーの順で大当り期待度が高くなっていくようにすることができる。また、白ロング点灯であれば通常大当り、赤ロング点灯であれば確変大当り、青白ロング点灯であれば通常大当り且つ保留連、レインボーロング点灯であれば確変大当り且つ保留連といったように、大当りの種類を報知するものであってもよい。
なお、サブCPU20330は、上記のカウントダウン演出を、主制御基板20028から送信されたコマンドに基づいて開閉ユニット28000の開放タイミングに合わせて行うようにしてもよいし、開閉ユニット28000の開放タイミングとは無関係に行うようにしてもよい。後者の場合であっても、遊技者が右打ちすると通過ゲート20044を遊技球が通過して開閉ユニット28000が開放されるため、カウントダウン演出が行われている間に第2始動口20043への入賞タイミングがおとずれる可能性が高く、大きな問題とはならないと考えられる。
また、図631に示される一の分岐チャレンジ本編演出においても、第2始動口20043への入賞を促すために、液晶表示装置20004の表示領域20004dにおいて右打ちを指示する演出画面(図631(A)参照)が表示される。
具体的には、サブCPU20330は、液晶表示装置20004の表示領域20004dに例えば「右を狙え!」の文字が表示された演出画面(図631(A)参照)を表示し、その後、カウントダウン演出が表示された演出画面(図631(B)参照)の表示を行う。ただし、図631に示されるカウントダウン演出では「EXTRA TIME」が発生する。「EXTRA TIME」が発生する場合、残り時間が7秒であることを示す「7:00」秒からカウントダウン演出が開始される。
また、サブCPU20330は、「EXTRA TIME」の発生を示す演出画面(図631(C)参照)を表示する。その後、サブCPU20330は、カウントダウン演出の途中にカウントアップ演出が行われた結果として、残り秒数に例えば「3.00」秒の加算が行われた演出画面(図631(D)参照)を表示する。図631(D)では、カウントアップ演出が行われた結果、残り秒数として「5.00」秒が表示されている(すなわち残り病数「2.00」秒のときに加算されたこととなる)。
サブCPU20330は、カウントダウン演出が行われている間、第2始動口20043に遊技球が入賞する都度、発光手段としてのLED20260の発光制御を行う。また、サブCPU20330は、カウントダウン演出が行われている間、第2始動口20043に遊技球が入賞したことに基づいてミニキャラクター出現抽選を行う。このミニキャラクター出現抽選に当選すると、サブCPU20330は、液晶表示装置20004の表示領域20004dの下部領域にミニキャラクターを出現させて、当該キャラクターによる所定の演出を行う。
カウントダウン演出において残り秒数が0になると、サブCPU20330は、特別図柄抽選(例えば第2特別図柄)の結果として、ハズレであることを示す演出画面または大当りであることを示す演出画面を表示する。
サブCPU20330は、大当りであることを示す演出画面を表示した後、図632に示されるように、液晶表示装置20004の表示領域20004dにおいて再びカウントアップ演出を行う。図632は、大当りであることを示す演出画面が表示された後に行われるカウントアップ演出の演出画面の一例である。
図632に示されるカウントアップ演出は、大当り遊技状態において獲得しうる賞球数または賞球数データのカウントアップ演出である。なお、このようなカウントアップ演出とあわせて、演出有効時間の残り時間を示す演出も行われる。
図632に示されるカウントアップ演出において、サブCPU20330は、第2始動口20043に遊技球が入賞する都度、カウントの更新が行われるカウントアップ演出を行う。図632では、カウント数0から始まり(図632(A)参照)、第2始動口20043に遊技球が入賞すると、カウント数0から20にカウントアップする演出画面(図632(B)参照)を表示する。その後、第2始動口20043に遊技球が入賞する都度、カウント数が100(図632(C)参照)⇒250(図632(D)参照)⇒400(図632(E)参照)にカウントアップする演出画面を表示する。ただし、第2始動口20043に遊技球が入賞すると必ずカウントアップ演出されるわけではなく、第2始動口20043に遊技球が入賞したとしても、例えば400⇒400といったようにカウントが維持される(以下、「カウント維持演出」と称する)場合もある。
なお、サブCPU20030は、カウント維持演出を、例えば抽選によりランダムに行うようにしてもよいが、所定の上限値に達した場合に行うようにしてもよい。「所定の上限値」は、大当り遊技状態において獲得しうる賞球数または賞球数データの上限値であってもよいが、これに限られず、大当り遊技状態において獲得しうる賞球数または賞球数データよりも少ない範囲で設定された演出上の上限値であってもよい。
また、図632に示されるカウントアップ演出において、サブCPU20330は、演出有効時間の残り秒数も併せて表示する。例えば、図632(B)では「4.10」秒が表示されている。
このように、第2始動口20043に遊技球が入賞する都度カウントアップを行うとともに、演出有効時間の残り秒数を表示することにより、遊技興趣を高めることが可能となる。
なお、このようなカウントアップ演出においても、サブCPU20330は、演出有効時間の残り秒数の表示を、主制御基板20028から送信されたコマンドに基づいて開閉ユニット28000の開放タイミングに合わせて行うようにしてもよいし、開閉ユニット28000の開放タイミングとは無関係に行うようにしてもよい。
[12.ラッシュ状態における演出]
次に、ラッシュ状態においてサブCPU20330により行われる表示演出の一例について、図633〜図635を参照して説明する。上述した通り、第2特別図柄の可変表示が行われて小当りが導出されると、メインCPU20280は、小当り遊技状態用のアタッカーとして機能する第2大入賞口20046(例えば図556参照)が所定回数繰り返し開放状態とされる小当り遊技状態に制御する。高確時短遊技様態、ラッシュ状態および時短遊技状態では右打ちで遊技が行われ、図569(B)に示されるように相対的に高い確率(本実施形態では1.44分の1)で小当りに当選する。しかし、高確時短遊技状態や時短遊技状態では、たとえ右打ちしたとしても普通電動役物としての開閉ユニット28000が相対的に高い頻度で開放されるため、右打ちされた遊技球が第2大入賞口20046に到達する前に第2始動口20043に入賞してしまう。一方、ラッシュ状態では、開閉ユニット28000の開放頻度が相対的に低いため、小当り遊技状態に制御されると第2大入賞口20046に入賞しうる。上述した通り、第2大入賞口20046への入賞1個あたり賞球数として10個の遊技球が払い出されるため、ラッシュ状態では、単位時間あたりの発射球数に対する賞球数の期待値が1を超えうる。
図633は、小当り入賞(小当りが導出されて第2大入賞口20046(例えば図556参照)が開放状態とされた場合に第2大入賞口20046に入賞)したときにサブCPU20330により行われる小当り入賞演出の一例を示す演出画面である。
図633に示されるように、サブCPU20330は、小当り入賞演出として、賞球数表示演出および出玉カウントアップ演出を行う。図633において、「10」の表示が賞球数表示演出であり、「TOTAL0000↑」の表示が出玉カウントアップ演出である(↑は1ずつカウントアップしていることを示す)。
賞球数表示演出は、小当り入賞1個あたりの賞球数を1回で表示する演出であり、小当り入賞する毎に「10」を表示する演出である(以下、この演出を「+10演出」と称する)。すなわち、サブCPU20330は、小当り入賞したことに基づいて、10球の賞球が払い出される過程である0から10までの賞球数を表示することなく、小当り入賞1個あたりに払い出される賞球数が10個であることを示す表示演出を行う。
これに対し、出玉カウントアップ演出は、ラッシュ状態において払い出された賞球数の総数(以下、「出玉総数」と称する)に対して、払い出された賞球数を加算表示する演出である。この出玉カウントアップ演出では、小当り入賞したときに、出玉総数に対して1ずつ加算表示する演出を行っている。すなわち、サブCPU20330は、小当り入賞する都度、出玉総数に対して0から10までの賞球数を1つずつ加算していく演出を行う。
このように、賞球数表示演出および出玉カウントアップ演出は、いずれも、小当り入賞1個あたりに払い出される賞球数にかかわる演出であるにもかかわらず、両者を異なる態様で表示することにより、遊技者が両者を明確に区別できるだけでなく、バリエーションに富んだ演出を行うことができ、興趣を高めることが可能となる。
なお、上述した出玉カウントアップ演出では、小当り入賞したときに、出玉総数に対して1ずつ加算表示する演出を行っているが、必ずしも1ずつ加算表示することに限定されず、例えば2ずつ加算表示する等、出玉総数に対して複数回に分けて加算表示する演出であれば、小当り入賞1個あたりの賞球数を1回で表示する賞球数表示演出との違いを出すことが可能となる。
図634は、所定条件が成立する態様で小当り入賞したときに行われるシナリオ演出の一例を示す演出画面である。
図634に示されるように、このシナリオ演出では、所定条件が成立する態様で小当り入賞する都度、液晶表示装置20004の表示領域20004dに表示される演出を段階的にステップアップさせるステップアップ演出が行われる。本実施形態では、所定条件を満たせばSU1〜SU4の4段階のシナリオ演出が行われる。
具体的には、液晶表示装置20004の表示領域20004dに背景画面(図634(A)参照)が表示されている場合において、1個の小当り入賞があると、サブCPU20330は、表示領域20004dに表示される演出画面を、背景画面からSU1(図634(B)参照)にステップアップさせる。
そして、液晶表示装置20004の表示領域20004dにSU1が表示されているときに、所定条件を満たす態様で1個の小当り入賞があると、サブCPU20330は、表示領域20004dに表示される演出画面を、SU1(図634(B)参照)からSU2(図634(C)参照)にステップアップさせる。一方、所定条件を満たす態様での小当り入賞がなければ、サブCPU20330は、表示領域20004dに表示される演出画面を、SU1(図634(B)参照)から背景画面に戻す。
また、液晶表示装置20004の表示領域20004dにSU2が表示されているときに、所定条件を満たす態様で1個の小当り入賞があると、サブCPU20330は、表示領域20004dに表示される演出画面を、SU2(図634(C)参照)からSU3(図634(D)参照)にステップアップさせる。一方、所定条件を満たす態様での小当り入賞がなければ、サブCPU20330は、表示領域20004dに表示される演出画面を、SU2(図634(C)参照)から背景画面に戻す。
また、液晶表示装置20004の表示領域20004dにSU3が表示されているときに、所定条件を満たす態様で1個の小当り入賞があると、サブCPU20330は、表示領域20004dに表示される演出画面を、SU3(図634(D)参照)からSU4(図634(E)参照)にステップアップさせる。一方、所定条件を満たす態様での小当り入賞がなければ、サブCPU20330は、表示領域20004dに表示される演出画面を、SU3(図634(D)参照)から背景画面に戻す。
このように、ラッシュ状態において、例えば小当り連続入賞する等の所定の条件を満たす態様で小当りが入賞したときに演出画面をステップアップさせることにより、遊技興趣を高めることが可能となる。
なお、上記では、所定条件を満たす態様で1個の小当り入賞があると、表示領域20004dに表示される演出画面をステップアップさせているが、ステップアップの対象は表示領域20004dに表示される演出画面に限られない。例えば、可動役物の作動による役物演出に例えばSU1〜SU4といった段階を持たせて、所定条件を満たす態様で1個の小当り入賞があると、役物演出をステップアップさせるようにしてもよい。
また、小当り連続入賞させることによって所定レベル(例えばSU4)までステップアップした場合、例えば称号を獲得し、図568(B)を参照して上述した特定(例えばNo.33)のキャラクターについてのキャラクター解放条件が成立するようにしたり、セットされている一の設定値情報またはこの情報を推測しうる情報を、液晶表示装置20004の表示領域20004dに表示するようにしたりしてもよい。また、称号の獲得(例えばNo.33noキャラクター解放条件)は、例えば小当り入賞に基づいてサブCPU20330が称号獲得抽選を行い、この称号獲得抽選に当選したことに基づいて獲得できるようにしてもよい。なお、獲得した称号は、パチンコ遊技機から提供される遊技者の遊技情報を変換した2次元コードに含まれる。
さらに、例えば、特別図柄の大当り確率が異なる複数の設定値のうちいずれかにセット可能であり、セットされた一の設定値に基づいて遊技が進行する遊技機にあっては、遊技者が所定の条件を満たす態様で小当り入賞させることによってSU4まで発展した場合、サブCPU20330は、セットされている設定値を示唆する設定示唆演出を行うようにしてもよい。これにより、遊技興趣をより一層高めることが可能となる。
また、上記の「所定条件を満たす態様」を例えば小当り連続入賞にすると、遊技興趣をとくに高めることができる。小当り連続入賞とは、1個の小当り入賞があったときに、この1個の小当り入賞にかかわる演出が終了するまでの間にさらに別の小当り入賞があった場合等が相当する。
以下、図635を参照して小当り入賞したときに行われる各演出について説明する。図635は、小当り入賞時に行われる各演出の実行タイミングおよび有効期間を示すタイムチャートの一例であり、(A)小当り入賞が1回である場合のタイムチャート、(B)小当り連続入賞した場合のタイムチャートである。
図635(A)に示されるように、1回の小当り入賞があると、サブCPU20330は「+10演出」を行う。その後、サブCPU20330は、液晶表示装置20004の表示領域20004dに表示される演出画面を揺らす演出(以下、「画ブレ演出」と称する)を行い、出玉総数に対して1ずつ加算表示する出玉カウントアップ演出を行う。サブCPU20330は、出玉カウントアップ演出をを行った後、加算終了演出を行う。ステップアップ演出は、小当り入賞してから出玉カウントアップ演出が行われている間実行され、出玉カウントアップ演出が終了すると終了する。サブCPU20330は、メインCPU20280からのコマンドに基づいて図635(A)に示される有効期間内に小当り入賞があると小当り連続入賞があったと判断する。ただし、これに代えて、有効期間内に小当り入賞があるとメインCPU20280が小当り連続入賞があったと判断し、小当り連続入賞した旨の情報をサブCPU20330にコマンド送信するようにしてもよい。
図635(B)に示されるように、出玉カウントアップ演出の途中に小当り連続入賞があると、サブCPU20330は、出玉カウントアップ演出を継続しつつ「+10演出」を行う。この場合、2回目の小当り入賞についての「+10演出」および1回目の小当り入賞についての出玉カウントアップ演出の両方が液晶表示装置20004の表示領域20004dに表示されるが、上述したとおり両者の演出態様が異なるため遊技者は両者を明確に区別することができる。そして、1回目の小当り入賞についての出玉カウントアップ演出が終了すると、サブCPU20330は、加算終了演出をスキップして画ブレ演出を行い、その後、2回目の小当り入賞についての出玉カウントアップ演出を行う。有効期間中に3回以上にわたって小当り連続入賞があった場合、サブCPU20330は、画ブレ演出を行わずに3回目以降の小当り入賞についての出玉カウントアップ演出を、2回目の小当り入賞についての出玉カウントアップ演出に続けて行う。
[13.時短遊技状態における演出]
次に、時短遊技状態においてサブCPU20330により行われる演出の一例について、図636および図637を参照して説明する。図636は、伝声管を用いてキャラクターが会話を行っている演出画面(以下、この演出を「伝声管演出」と称する)の一例を示す図である。図637は、役物ステップアップ演出の一例を説明するための図であって、(A)ボタン操作を促す演出画面の一例を示す図、(B)演出フローの一例を示す図である。
先ず、伝声管演出について説明する。本実施形態のパチンコ遊技機では、多数のキャラクターが演出画面にあらわれるが、これら多数のキャラクターは、生声で会話を行うキャラクターと、伝声管を用いて会話を行うキャラクターと、無線を用いて会話を行うキャラクターとに分けられている。伝声管を用いた会話(音声)が出力される場合、サブCPU20330は、専用のサウンドチャンネルで再生を行う。
例えば第1時短遊技状態では、特別図柄の回転数に応じて3つのパートに分けられている。本実施形態では、第1時短遊技状態における時短回数は100回にセットされ、この100回を、前半(例えば0〜49回転)と、後半(例えば50〜84回転)と、繋ぎ(例えば85〜99回転)とに分けられている。そして、各パートにおいて、抽選で選択された会話が流れるようになっている。
サブCPU20330は、伝声管演出を、複数の変動に跨って(複数の装飾図柄の変動演出に跨って(複数の特別図柄の可変表示回数に跨って))行う。すなわち、伝声管演出は、特別図柄の可変表示や装飾図柄の変動演出とは関係なく行われる。ただし、伝声管演出中にリーチ演出が実行される場合、サブCPU20330は、伝声管演出を終了する。また、伝声管演出は、複数のキャラクターによって同時に行われることはなく、複数のキャラクターが同時にセリフを発声する可能性がある場合には、主要キャラクターの1人のみが行う。
背景画面への復帰を伴う演出が発生した場合、サブCPU20330は当該シナリオの再生を終了する。背景復帰時はデフォルト状態(伝声管演出が行われていない状態)で復帰する。なお、装飾図柄の変動演出が行われていないときにシナリオの再生が終了した場合はデモ演出等が行われていないデフォルト状態(装飾図柄の変動演出が何ら行われていない状態)で復帰(移行)するようにしてもよい。
また、背景復帰を伴わない場合、サブCPU20330は、消音のみを行い、シナリオは進行させる。「背景復帰を伴わない場合」とは、例えば、装飾図柄の変動演出中に電断が発生し、電断復帰時が装飾図柄の変動演出中であって、電断時に実行していた装飾図柄の変動演出を再生できない場合に背景画像を「電断復帰中」というイレギュラー表示を行う場合は通常の背景画像に復帰しないため、通常の背景画像とあわせて消音のみを行い、一方でシナリオは進行させるように制御してもよい。このとき、通常の背景画像とあわせて消音のみを行っているが、シナリオを進行することはできるため、音声やLEDの演出は背景画像と連動させずにシナリオ進行にあわせて出力したり実行することも可能である。
なお、例えば第1時短遊技状態における時短回数である100回のうち、上述した前半(例えば0〜49回転)、後半(例えば50〜84回転)および繋ぎ(例えば85〜99回転)の各パートで本編が再生され、本編が終了すると例えば予告テーブルまたはプレミアテーブルから抽選で選択された会話が流れるようにしてもよい。
また、サブCPU20330は、上記の伝声管演出を、リーチ演出にかかわらず1の演出から他の演出に移行(例えば、発展、進行等)する演出を行う際に、終了するように制御してもよい。また、リーチ演出は1の演出から他の演出に移行(例えば、発展、進行等)する演出であってもよい。
次に、役物ステップアップ演出について説明する。
図637(A)に示されるように、サブCPU20330は、リーチ発生後の中装飾図柄のスクロール開始タイミング付近で、表示領域20004dの演出画面中に、ボタン操作(例えば、操作部材22000(例えば、図385参照)の操作)を促す演出画面を表示する。サブCPU20330は、ボタン操作(例えば、操作部材22000の操作)があったことを検出すると、図637(B)に示される役物ステップアップ演出を行う。
役物ステップアップ演出では、先ず、SU1として、サブCPU20330は、表示領域20004dの右方縁部に配置されている直立可動体24410をガタガタと作動させる。その後、役物ステップアップ演出が終了(SU1終了)するか、SU2にステップアップする。
次に、SU2において、サブCPU20330は、表示領域20004dの上方縁部に配置されている第1ロゴ役物25110(より詳しくは第1ロゴ役物25110(例えば図553参照)を支持する上方支持部材)をガタガタと作動させる。その後、役物ステップアップ演出が終了(SU2終了)するか、SU3にステップアップする。
次に、SU3において、サブCPU20330は、表示領域20004dの上方縁部に配置されている上方支持部材を回転させて第2ロゴ役物25120(例えば図553参照)が前方に来るように作動させるとともに、表示領域20004dに向けて第2ロゴ役物25120を進出させる。その後、役物ステップアップ演出が終了(SU3終了)するか、SU4にステップアップする。
次に、SU4において、サブCPU20330は、表示領域20004dの上方縁部に配置されている上方支持部材を上方に向けて移動させるとともに、第1ロゴ役物25110および第2ロゴ役物25120のそれぞれに設けられたLEDを発光させる。SU4までステップアップすると、SP発展演出が行われることが確定する。このように、表示領域20004dにおける表示演出のみならず、複数の役物を作動させて段階的にレベルをあげていく役物ステップアップ演出を行うことにより、興趣を高めることが可能となる。
なお、伝声管演出および役物ステップアップ演出は、いずれも時短遊技状態において行われる演出に限定されるものではなく、通常遊技状態、高確時短遊技状態または/およびラッシュ状態で行われるようにしてもよい。
[14.演出レイヤー]
次に、演出画面における演出レイヤーの優先順位について、図638を参照して説明する。図638は、本実施形態のパチンコ遊技機において行われる装飾図柄の変動演出の一例であって、演出レイヤーの優先順位を説明するための図である。なお、図638(A)は、装飾図柄が停止しているときの演出画面の一例であり、図638(B)〜図638(D)は、装飾図柄が変動演出しているときの演出画面の一例である。
液晶表示装置20004の表示領域20004dに表示される演出画像は、複数の演出レイヤーで構成されている。液晶表示装置20004の表示領域20004dに表示される演出画像は、大きくは、背景画像が描かれたレイヤー、装飾図柄画像が描かれたレイヤー、キャラクター画像が描かれたレイヤーおよびエフェクト画像が描かれたレイヤーを重ねて構成されており、これらの各画像について表示の優先順位が設定されている。そして、サブCPU20330は、優先順位が高い画像を、優先順位が低い画像よりも手前側に表示するよう制御を行う。
なお、図638において、上下方向の筋状の線が背景画像、「1」「3」および「2」の図柄が装飾図柄画像、女の子のキャラクターがキャラクター画像、オーブのような形状の画像がエフェクト画像である(図638(A)において図示)。
図638(A)に示されるように、装飾図柄が停止しているとき、例えば、背景画像<キャラクター画像<エフェクト画像<装飾図柄画像、の優先順位に設定されている。すなわち、背景画像、装飾図柄画像、キャラクター画像およびエフェクト画像のうち、背景画像の優先順位が最も低く、装飾図柄の優先順位が最も高い。サブCPU20330は、このように設定された優先順位に基づいて表示演出を行う。
そして、図638(B)に示されるように、特別図柄の可変表示に同期して装飾図柄の表示演出が開始されると、サブCPU20330は、各画像の優先順位を切り替えて表示演出を行う。具体的には、サブCPU20330は、各画像について表示の優先順位を、背景画像<キャラクター画像<装飾図柄画像<エフェクト画像、に切り替えて表示演出を行う。これにより、エフェクト画像が最も手前に表示され、エフェクト画像よりも優先順位が低い装飾図柄画像の一部がエフェクト画像の背後に隠れるように表示される。
また、装飾図柄の表示演出の進行に伴い、サブCPU20330は、図638(C)に示されるように、各画像の優先順位を、背景画像<キャラクター画像<装飾図柄画像<エフェクト画像、に維持した状態で、図638(B)と比べてエフェクト画像がより装飾図柄画像と被る(重複する)演出画面が表示されるように表示演出を行う。エフェクト画像と装飾図柄画像との重なり度合いは、これらの画像の大きさを維持しつつ重なり度合いを変更してもよいし、エフェクト画像と装飾図柄画像とのうち少なくともいずれか一方の画像の大きさを変更することによって両画像の重なり度合いを変更してもよい。このように、両画像の重なり度合いを変更することにより、図638(B)と比べてより一層、装飾図柄(とくに左図柄および右図柄)がエフェクト画像の背後に隠れるように表示することができ、興趣を高めることができる。
また、装飾図柄の表示演出がさらに進行すると、サブCPU20330は、図638(D)に示されるように、各画像の優先順位を、背景画像<キャラクター画像<装飾図柄画像<エフェクト画像、に維持した状態で、図638(C)と比べてエフェクト画像がより装飾図柄画像と被る演出画面が表示されるように表示演出を行う。これにより、図638(C)と比べてより一層、装飾図柄がエフェクト画像の背後に隠れるように表示される。
そして、特別図柄の可変表示に同期して装飾図柄の表示演出が終了して装飾図柄が停止すると、サブCPU20330は、各画像について表示の優先順位を、背景画像<キャラクター画像<エフェクト画像<装飾図柄画像、に切り替えて表示演出を行う。この場合、装飾図柄画像が最も手前に表示され、装飾図柄画像よりも優先順位が低いエフェクト画像が装飾図柄画像の背後に隠れるように表示される。
このように、装飾図柄が表示演出中であるか停止しているかに応じて各画像の優先順位を変更することにより、装飾図柄が停止したときは装飾図柄画像が最も手前に表示されるため、視認性が阻害されずに特別図柄の抽選結果の把握のしやすさを担保しつつ、装飾図柄の変動演出中は装飾図柄の優先順位を相対的に低くすることで表示演出を楽しむことが可能となる。とくに、装飾図柄が表示演出中であるか停止しているかに応じて各画像の優先順位を変更することだけでなく、装飾図柄画像とエフェクト画像との重複程度を装飾図柄の表示演出の進行に応じて変更することにより、各画像の見え方が経時的に変化し、興趣を高めることが可能となる。
なお、上記において、サブCPU20330は、装飾図柄の表示演出中、装飾図柄がエフェクト画像の背後に隠れるように表示し、装飾図柄の表示演出が終了して装飾図柄が停止するとエフェクト画像よりも装飾図柄画像が手前に表示されるようにしたが、この場合、装飾図柄が停止したときの図柄態様を、装飾図柄の表示演出中に例えばエフェクト画像で示唆する演出を行うようにすると、より興趣を高めることが可能となる。例えば、装飾図柄には赤図柄と青図柄とが含まれており、装飾図柄が赤図柄のゾロ目で停止したときは利益度合いが相対的に高い大当り(例えば確変大当り)が実行され、装飾図柄が青図柄のゾロ目で停止したときは利益度合いが相対的に低い大当り(例えば非確変大当り)が実行される場合、赤図柄でリーチ演出が行われると遊技者の期待度は大きくなる。そこで、例えばリーチ演出中に装飾図柄を例えばエフェクト画像で隠れるようにするとともに、装飾図柄に対する期待度をエフェクト画像の態様で示唆する演出を行うようにすると、隠れて視認できない装飾図柄に対する遊技者の興味を高めることが可能となる。
さらに、エフェクト画像と装飾図柄との関係性だけでなく、例えばエフェクト画像とキャラクター画像と装飾図柄とを関連付けると、より多彩なバリエーションの演出を行うことが可能となる。例えば、サブCPU20330は、装飾図柄の表示演出中、エフェクト画像または/およびキャラクター画像によって装飾図柄を視認できないかまたは視認困難となる演出を実行するとともに、エフェクト画像または/およびキャラクター画像による表示態様によって装飾図柄が停止したときの図柄態様に対する期待度を煽る演出を実行してもよい。例えば、装飾図柄の表示演出中、エフェクト画像により装飾図柄を視認できないかまたは視認困難となる演出を実行するとともに、キャラクター画像がエフェクト画像に対して働きかける等(例えばエフェクト画像を移動させたり消滅させる等)、装飾図柄の視認性を向上させることを可能ならしめる演出を実行してもよい。この場合、例えば装飾図柄をチラ見させる(例えば、一時的に見せる、装飾図柄の一部のみを見せる)等すると、より興趣が高められる。
また、例えば先読み演出のように、複数回の特別図柄の可変表示にわたって例えばシナリオ演出のような一連のゾーン演出が行われる場合、サブCPU20330は、装飾図柄の変動演出が複数回にわたって行われる間、例えばエフェクト画像やキャラクター画像を表示し続けることがある。このような場合であっても、各画像の優先順位を、(N−1)回目の装飾図柄の変動演出中は例えば「背景画像<キャラクター画像<装飾図柄画像<エフェクト画像」とし、この(N−1)回目の装飾図柄の変動演出が終了して装飾図柄が停止したときは「背景画像<キャラクター画像<エフェクト画像<装飾図柄画像」とし、N回目の装飾図柄の変動演出が開始されると例えば「背景画像<キャラクター画像<装飾図柄画像<エフェクト画像」といったように、遊技の進行に応じて変更するようにするとよい。これにより、先読み演出によって複数の変動演出に跨ってエフェクト画像やキャラクター画像が継続して表示される場合であっても、視認性が阻害されずに特別図柄の抽選結果の把握のしやすさを担保しつつ、装飾図柄の変動演出中は装飾図柄の優先順位を相対的に低くすることで表示演出を楽しむことが可能となる。
なお、本実施形態では、装飾図柄が停止しているときと変動演出しているときとで、装飾図柄画像とエフェクト画像との優先順位を変更し、背景画像およびキャラクター画像の優先順位については変更していないが、これに限られず、例えば、装飾図柄画像とキャラクター図柄画像との優先順位を変更するようにしてもよい。また、装飾図柄が停止しているときは装飾図柄画像の優先順位を最も高く設定し、装飾図柄が変動演出しているときは装飾図柄画像の優先順位を最も低く設定するようにしてもよい。すなわち、装飾図柄が停止したときは装飾図柄画像の停止態様(特別図柄の抽選結果)を把握することができれば、これらの優先順位を任意に変更してもよい。
また、優先順位の設定対象となる画像は、背景画像、キャラクター画像、エフェクト画像および装飾図柄画像に限られず、その他の画像も優先順位の設定対象としてもよいし、背景画像、キャラクター画像およびエフェクト画像おのうちいずれかを優先順位の設定対象に必ずしも含めなくてもよい。また、優先順位の設定対象となる画像は、必ずしも特別図柄の可変表示に同期する装飾図柄の変動演出にかかわる画像である必要はなく、例えば特定の時間になったときに特別図柄抽選の結果にかかわりなく複数のパチンコ遊技機で一斉演出を行う場合に表示されるような画像(特別図柄の可変表示とはかかわりのない画像)を優先順位の設定対象に含めるようにしてもよい。
また、「装飾図柄が停止」とは、特別図柄抽選の結果を確定表示したときを意味し、例えば仮停止等のように、その後に再変動等することによって特別図柄抽選の結果が変わりうる状態は含まない。したがって、例えば装飾図柄が仮停止しているときの優先順位は、装飾図柄画像よりも例えばエフェクト画像の方が高いことがありうる。
以上では、本発明の実施形態として、第1実施形態〜第19実施形態について説明したが、具体例を例示したに過ぎず、特に本発明を限定するものではなく、各手段等の具体的構成は、適宜設計変更可能である。また、本発明の実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施形態に記載されたものに限定されるものではない。
上述した詳細な説明では、本発明をより容易に理解できるように、特徴的部分を中心に説明した。本発明は、上述した詳細な説明に記載する実施形態に限定されず、その他の実施形態にも適用することができ、その適用範囲は多様である。また、本明細書において用いた用語及び語法は、本発明を的確に説明するために用いたものであり、本発明の解釈を制限するために用いたものではない。また、当業者であれば、本明細書に記載された発明の概念から、本発明の概念に含まれる他の構成、システム、方法等を推考することは容易であると思われる。従って、請求の範囲の記載は、本発明の技術的思想の範囲を逸脱しない範囲で均等な構成を含むものであるとみなされなければならない。また、要約書の目的は、特許庁及び一般的公共機関や、特許、法律用語又は専門用語に精通していない本技術分野に属する技術者等が本出願の技術的な内容及びその本質を簡易な調査で速やかに判定し得るようにするものである。従って、要約書は、請求の範囲の記載により評価されるべき発明の範囲を限定することを意図したものではない。また、本発明の目的及び本発明の特有の効果を十分に理解するために、すでに開示されている文献等を充分に参酌して解釈されることが望まれる。
上述した詳細な説明は、コンピュータで実行される処理を含むものである。以上での説明及び表現は、当業者が最も効率的に理解することを目的として記載している。本明細書では、1の結果を導き出すために用いられる各処理は、自己矛盾がない処理として理解されるべきである。また、各処理では、電気的又は磁気的な信号の送受信、記録等が行われる。各処理における処理では、このような信号を、ビット、値、シンボル、文字、用語、数字等で表現しているが、これらは単に説明上便利であるために用いたものであることに留意する必要がある。また、各処理における処理は、人間の行動と共通する表現で記載される場合があるが、本明細書で説明する処理は、原則的に各種の装置により実行されるものである。また、各処理を行うために要求されるその他の構成は、以上の説明から自明になるものである。
[15.オートボタン設定]
次に、オート機能を有効化するためのオートボタン設定について説明する。ボタン設定におけるオート機能は、ボタン操作(例えば、操作部材22000(例えば図385参照)の操作)が行われなくとも、ボタン操作が行われた場合と同様の処理が行われたものとする機能である。
本実施形態のパチンコ遊技機において、サブCPU20330は、特別図柄の可変表示中にボタン操作(例えば、操作部材22000の操作)が継続して規定時間以上(例えば3S以上)行われると、オート機能を有効化する処理を行う。なお、オート機能が有効化された状態でボタン操作が行われると、サブCPU20330は、オート機能の有効化を解除する(すなわちオート機能を無効化する)処理を行う。
上述したように、サブCPU20330は、例えばリーチ発生後に中装飾図柄が一旦仮停止し、その後のスクロール開始タイミング付近で、表示領域20004dの演出画面中に、予告ボタン演出として、ボタン操作(例えば、操作部材22000の操作)を促す演出画面を表示する場合がある。この場合、サブCPU20330は、予告ボタン演出に基づくボタン操作を内部的に有効化する予告ボタン有効期間を設定するともに、予告ボタン有効期間と同期して予告ボタン演出を行う期間としての予告ボタン演出有効期間を設定し、これらの期間内にボタン操作が行われると、期待度の高い特定演出を行いうる。なお、予告ボタン有効期間と予告ボタン演出有効期間とは、必ずしも同期させる必要はなく、予告ボタン有効期間のうちの一部の期間を予告ボタン演出有効期間としてもよい。また、予告ボタン有効期間および予告ボタン演出有効期間の設定は、特別図柄に対応する装飾図柄の変動演出が開始されてから停止するまでの間のいずれのタイミングで行ってもよい。
このように、ボタン操作には、予告ボタン演出が行われたときに特定演出の契機となる演出契機用のボタン操作と、オート機能を有効化するためのオート設定用のボタン操作とがあるため、サブCPU20330には適正な制御が求められる。
そこで、サブCPU20330は、予告ボタン演出に基づく操作を内部的に有効化する予告ボタン有効期間(本実施形態では、予告ボタン有効期間と予告ボタン演出有効期間とが同期するため、予告ボタン演出有効期間と同じ)と、オート機能を有効化するための操作を有効化するオートボタン設定有効期間とを設定することにより、ボタン操作が行われたときに、かかるボタン操作を、演出契機用のボタン操作とオート設定用のボタン操作とのいずれの操作として処理するかを決定している。
なお、オート機能が有効化された状態で例えば予告ボタン演出が行われた場合、サブCPU20330は、ボタン操作が行われなくとも、予告ボタン演出有効期間中に(例えば、予告ボタン演出有効期間の中間点で)、特定演出の契機となる演出契機用のボタン操作を自動操作し、特定演出を表示する処理を行う。また、オート機能が有効化されている状態で予告ボタン演出有効期間中にボタン操作が行われた場合、サブCPU20330は、特定演出を表示する処理およびオート機能の有効化を解除する処理の両方を行うようにしてもよい。
また、オート機能が有効化された場合、サブCPU20330は、予告ボタン演出有効期間中にボタン操作を行わなくとも特定演出の契機となる演出契機用のボタン操作を自動操作することに代えて、予告ボタン有効期間を設定せずに、ボタン操作が行われなくともまたはボタン操作が行われたものとして、特定演出を表示する処理を行うようにしてもよい。
以下に、ボタン操作が行われたときのサブCPU20330による処理について説明する。なお、以下では、第1の処理例〜第7の処理例について説明する。
[15−1.ボタン操作が行われたときの第1の処理例]
先ず、ボタン操作が行われたときの第1の処理例について、図639(A)を参照して説明する。図639(A)は、特別図柄の可変表示状況(変動・停止)と、予告ボタン演出有効フラグ状況(ON・OFF)と、オートボタン設定有効フラグ状況(ON・OFF)と、ボタン操作が行われるタイミングと、オート機能状況(有効・無効)との関係性の一例を示すタイムチャートである。図639(A)には、予告ボタン演出有効フラグがOFFにセットされている期間(予告ボタン演出無効期間)中にボタン操作が行われた場合の処理例(第1の処理例)が示されている。
なお、予告ボタン演出有効フラグがONであるときが予告ボタン演出有効期間であり、オートボタン設定有効フラグがONであるときがオートボタン設定有効期間である。
図639(A)に示されるように、サブCPU20330は、メインCPU20280からのコマンドに基づいて特別図柄(第1特別図柄、第2特別図柄)の可変表示状況を判別し、特別図柄の可変表示が開始されるとオートボタン設定有効フラグをONにセットし、特別図柄の可変表示が停止されるとオートボタン設定有効フラグをOFFにセットする。
また、サブCPU20330は、予告ボタン演出を行う場合、予告ボタン演出有効フラグをONにセットし、予告ボタン演出有効フラグをONにセットしてから所定時間が経過すると、予告ボタン演出有効フラグをOFFにセットする。サブCPU20330は、予告ボタン演出有効期間内にボタン操作が行われると特定演出を行うが、予告ボタン演出有効期間外にボタン操作が行われたとしても特定演出を行わない。
そして、予告ボタン演出有効フラグがOFFであって且つオートボタン設定有効フラグがONである期間中(オートボタン設定有効期間中)に、ボタン操作が継続して規定時間以上行われると、サブCPU20330は、オート機能を有効化する。
これにより、ボタン操作が行われたときに、このボタン操作に基づいて特定演出とオート機能の有効化とのうちいずれを実行すべきかの判別を好適に行うことができ、興趣の低下を抑制することができる。
[15−2.ボタン操作が行われたときの第2の処理例]
ボタン操作が行われたときの第2の処理例について、図639(B)を参照して説明する。図639(B)は、特別図柄の可変表示状況(変動・停止)と、予告ボタン演出有効フラグ状況(ON・OFF)と、オートボタン設定有効フラグ状況(ON・OFF)と、ボタン操作が行われるタイミングと、オート機能状況(有効・無効)との関係性の一例を示すタイムチャートである。図639(B)には、予告ボタン演出有効期間中(オートボタン設定無効期間中)にボタン操作が行われた場合の処理例(第2の処理例)が示されている。なお、図639(B)が図639(A)と異なる点は、ボタン操作が行われるタイミングおよびこれに伴ってオート機能が有効化されるタイミングのみである。
図639(B)に示されるように、予告ボタン演出有効期間中にボタン操作が行われた場合、サブCPU20330は、オート機能を有効化するための操作よりも、予告ボタン演出に基づく操作(特定演出契機用のボタン操作)を優先するため、予告ボタン演出有効期間中にボタン操作が規定時間を超えて行われたとしても、サブCPU20330は、オート設定用のボタン操作ではなく、予告ボタン演出に基づく操作が行われたものとして処理を行う。よって、オート機能を有効化する処理は行われない。
これにより、特別図柄の可変表示中にボタン操作が行われたときに、このボタン操作に基づいて特定演出とオート機能の有効化とのうちいずれを実行すべきかの判別を好適に行うことができ、興趣の低下を抑制することができる。
なお、予告ボタン演出有効期間中にボタン操作が行われたとしても、このボタン操作が予告ボタン演出有効期間終了後(予告ボタン演出有効フラグがOFFにセットされた後)も継続して行われ、予告ボタン演出無効期間(オートボタン設定有効期間)におけるボタン操作が規定時間を超えた場合がある。また、遊技者は予告ボタン演出有効期間中にボタン操作を行ったつもりでも、このボタン操作が予告ボタン演出有効期間終了後に行われたものであるとともに規定時間を超える場合もある。このような場合、サブCPU20330はオート機能を有効化する処理を行う。
ところで、予告ボタン演出が行われた場合、サブCPU20330は、ボタン操作が所定時間を超えて行われると、遊技者を高揚させるためにバイブレーション機能を作動させる演出を行うことがある。そのため、予告ボタン演出が行われた場合、遊技者は、例えば図639(B)に示されるように、予告ボタン演出有効期間中にボタン操作が開始されたとしても、予告ボタン演出有効期間の終了後も継続してボタン操作が行われる場合がある。そして、予告ボタン演出有効期間の終了後、規定時間を超えてボタン操作が継続すると、遊技者が意図していないにもかかわらずオート機能が有効化されてしまうことが生じうる。このように遊技者が意図していないにもかかわらずオート機能が有効化されてしまうことを防止する処理例を、以下の第3の処理例に説明する。
[15−3.ボタン操作が行われたときの第3の処理例]
ボタン操作が行われたときの第3の処理例について、図640(A)を参照して説明する。図640(A)は、特別図柄の可変表示状況と、予告ボタン演出有効期間と、オートボタン設定有効期間と、ボタン操作が行われるタイミングと、オート機能状況(有効・無効)との関係性の一例を示すタイムチャートである。図640(A)には、遊技者が意図していないにもかかわらずオート機能が有効化されてしまうことを防止するための処理例(第3の処理例)が示されている。
図640(A)に示されるように、第3の処理例において、サブCPU20330は、予告ボタン演出有効期間が終了したとしてもただちにオートボタン設定有効期間を開始せずに、予告ボタン演出有効期間が終了(予告ボタン演出有効フラグをOFFにセット)してから一定時間経過後(例えば3S後)にオートボタン設定有効期間を開始(オートボタン設定有効フラグをONにセット)する処理を行っている。
このように、予告ボタン演出有効期間が終了してから一定時間経過後にオートボタン設定有効期間を開始することにより、例えば、予告ボタン演出有効期間中に行われたボタン操作が予告ボタン演出有効期間終了後も継続して行われた場合や、遊技者が予告ボタン演出有効期間中にボタン操作を行ったつもりであるもののこのボタン操作が予告ボタン演出有効期間終了後に行われたものである場合であったとしても、オートボタン設定有効期間中にボタン操作が規定時間以上とならなければオート機能が有効化されない。これにより、遊技者が意図していないときにオート機能が有効化されてしまうことを抑制することが可能となる。
[15−4.ボタン操作が行われたときの第4の処理例]
ボタン操作が行われたときの第4の処理例について、図640(B)を参照して説明する。図640(B)は、特別図柄の可変表示状況(変動・停止)と、予告ボタン演出有効フラグ状況(ON・OFF)と、オートボタン設定有効フラグ状況(ON・OFF)と、ボタン操作が行われるタイミングと、オート機能状況(有効・無効)との関係性の一例を示すタイムチャートである。図640(B)には、オート機能を有効化するための操作の実行中であって規定時間経過前に、予告ボタン演出有効フラグがONとなった場合の処理例(第4の処理例)が示されている。
図640(B)に示されるように、サブCPU20330は、予告ボタン演出有効フラグをONにセットすると同時またはほぼ同時にオートボタン設定有効フラグをOFFにセットする。すなわち、予告ボタン演出有効期間中、サブCPU20330は、ボタン操作が行われたとしても、このボタン操作を、予告ボタン演出に基づく操作であると判断して処理を行う。なお、予告ボタン演出有効フラグがOFFにセットされた場合、図640(A)と同様に、予告ボタン演出有効フラグをOFFにセットしてから一定時間経過後にオートボタン設定有効フラグをONにセットするようにしている。
このように、ボタン操作をオートボタン設定有効期間中に行ったとしても、規定時間経過前に予告ボタン演出有効フラグがONにセットされた場合、サブCPU20330は、予告ボタン演出に基づく操作とオート機能を有効化するための操作とのうち、予告ボタン演出に基づく操作を優先するため、オート機能を有効化せず無効化を維持する。
これにより、ボタン操作が行われたときに、このボタン操作に基づいて特定演出とオート機能の有効化とのうちいずれを実行すべきかの判別を好適に行うことができ、興趣の低下を抑制することができる。
なお、予告ボタン演出として、ボタン操作(例えば、操作部材22000の操作)を促す演出画面が表示されると、遊技者は予告ボタン演出有効フラグがONにセットされることを把握できる。
しかし、サブCPU20330は、所謂隠しボタンによるボタン演出を行う場合、すなわち、ボタン操作を促す演出画面を表示することなく予告ボタン演出有効フラグをONにセットする場合がある。このような隠しボタンによるボタン演出が行われる場合であっても、サブCPU20330は、図640(B)に示されるタイムチャートと同様の処理を行う。この場合、予告ボタン演出有効期間中であることを察知していない遊技者が、オート機能を有効化するための操作を行おうとしたときに予告ボタン演出有効期間中であることを察知することができる可能性が高くなり、興趣を高めることが可能となる。
[15−5.ボタン操作が行われたときの第5の処理例]
ボタン操作が行われたときの第5の処理例について、図640(C)を参照して説明する。図640(C)は、特別図柄の可変表示状況(変動・停止)と、予告ボタン演出有効フラグ状況(ON・OFF)と、オートボタン設定有効フラグ状況(ON・OFF)と、ボタン操作が行われるタイミングと、オート機能状況(有効・無効)との関係性の一例を示すタイムチャートである。図640(C)には、特別図柄の可変表示を跨いでオート機能を有効化するための操作が行われた場合の処理例(第5の処理例)が示されている。
上述したとおり、サブCPU20330は、特別図柄の可変表示が開始されるとオートボタン設定有効フラグをONにセットし、特別図柄の可変表示が停止されるとオートボタン設定有効フラグをOFFにセットする。そのため、図640(C)に示されるように、オートボタン設定有効期間中にボタン操作が開始されたものの、このボタン操作中に特別図柄の可変表示が終了し、規定時間経過前に、オートボタン設定有効フラグがOFFに設定されてしまうことがある。
このような場合、サブCPU20330は、オートボタン設定有効期間中にボタン操作が開始されてこのボタン操作を継続したとしても、特別図柄の可変表示の終了によりオートボタン設定有効フラグをOFFにセットすると同時またはほぼ同時にボタン操作時間を計時するタイマ(以下、「ボタン操作計時タイマ」と称する)による計時を終了してリセットする。その後、サブCPU20330は、特別図柄の可変表示が開始されてオートボタン設定有効フラグをONにセットしたときにボタン操作が継続して行われていれば、オートボタン設定有効フラグをONにセットすると同時またはほぼ同時にボタン操作計時タイマによる計時を開始し、この計時が規定時間以上になるとオート機能を有効化する。この場合、ボタン操作をやめずに複数回の特別図柄の可変表示を跨って継続してボタン操作していたとしても、ボタン操作計時タイマによる計時が開始される。これにより、特別図柄の可変表示を跨いでオート機能を有効化するための操作が行われたとしても、ボタン操作を一旦やめるといった煩わしい作業が不要となるため、オート機能を有効化するための操作の利便性を高めることができる。
なお、上記では、特別図柄の可変表示が終了するとボタン操作計時タイマによる計時を終了してリセットし、特別図柄の可変表示が開始されたときにボタン操作が継続して行われていればボタン操作計時タイマによる計時を開始するようにしているが、これに代えて、特別図柄の可変表示が終了したときにボタン操作計時タイマをリセットせずに中断し、一定時間内に特別図柄の可変表示が開始されたときにボタン操作が継続して行われていればボタン操作計時タイマによる計時を中断された時間から再開するようにしてしてもよい。
また、上記では、ボタン操作をやめずに複数回の特別図柄の可変表示を跨って継続してボタン操作した場合、特別図柄の可変表示が開始されたときにボタン操作が継続して行われていればボタン操作計時タイマによる計時を開始するようにしているが、特別図柄の可変表示が開始されたときにボタン操作が継続していればボタン操作計時タイマによる計時を開始せず、特別図柄の可変表示の開始後にボタン操作された場合にボタン操作計時タイマによる計時を開始するようにしてもよい。すなわちこの場合、特別図柄の可変表示が終了すると、ボタン操作を一旦やめて特別図柄の可変表示の開始以降にボタン操作を行わなければ、ボタン操作計時タイマによる計時が開始されない。
[15−6.ボタン操作が行われたときの第6の処理例]
ボタン操作が行われたときの第6の処理例について、図641(A)を参照して説明する。図641(A)は、特別図柄の可変表示状況(変動・停止)と、予告ボタン演出有効フラグ状況(ON・OFF)と、オートボタン設定有効フラグ状況(ON・OFF)と、ボタン操作が行われるタイミングと、オート機能状況(有効・無効)との関係性の一例を示すタイムチャートである。図641(A)には、オートボタン設定有効期間中にボタン操作が開始されたものの規定時間経過前に特別図柄の可変表示が終了して待機画面になった場合の処理例(第6の処理例)が示されている。
この場合、サブCPU20330は、特別図柄の可変表示中すなわちオートボタン設定有効期間中にボタン操作が開始されてこのボタン操作を継続したとしても、特別図柄の可変表示の終了によりオートボタン設定有効フラグをOFFにセットすると同時またはほぼ同時にボタン操作計時タイマによる計時を終了してリセットする。そのため、特別図柄の可変表示の終了後にボタン操作を継続して行ったとしても、特別図柄の可変表示の終了後に待機画面(デモ画面)が表示された場合(すなわち、特別図柄の可変表示が終了してから一定時間内に特別図柄の可変表示が開始されなかった場合)、サブCPU20330は、オート機能を有効化せずに無効化状態を維持する。このように、ボタン操作が規定時間にいたる前に特別図柄の可変表示が終了した場合にオート機能を有効化しないようにすることで、期待度の高い特定演出の実行契機となりうる予告ボタン演出に基づくボタン操作を好適に行うことが可能となり、興趣の低下を抑制することができる。
[15−7.ボタン操作が行われたときの第7の処理例]
ボタン操作が行われたときの第7の処理例について、図641(B)を参照して説明する。上記の第1の処理例〜第6の処理例では、予告ボタン演出有効フラグがONにセットされると同時またはほぼ同時にオートボタン設定有効フラグがOFFにセットされるようにしたが、必ずしもこれに限られない。そこで、この第7の処理例では、例えば、予告ボタン演出有効フラグがONにセットされたとしても、ただちにオートボタン設定有効フラグをOFFにセットせずに、予告ボタン演出有効フラグがONにセットされてから一定時間経過後にオートボタン設定有効フラグをOFFにセットするようにしたものである。そして、サブCPU20330は、予告ボタン演出有効フラグおよびオートボタン設定有効フラグのいずれもがONにセットされているときにボタン操作が行われた場合、予告ボタン演出に基づく操作とオート機能を有効化するための操作とのうち、オート機能を有効化するための操作を優先する。
図641(B)は、特別図柄の可変表示状況(変動・停止)と、予告ボタン演出有効フラグ状況(ON・OFF)と、オートボタン設定有効フラグ状況(ON・OFF)と、ボタン操作が行われるタイミングと、オート機能状況(有効・無効)との関係性の一例を示すタイムチャートである。図641(B)には、予告ボタン演出有効フラグがONにセットされてから一定時間経過後にオートボタン設定有効フラグがOFFにセットされる場合の処理例(第7の処理例)が示されている。
この第7の処理例では、図641(B)に示されるように、予告ボタン演出有効フラグがOFF(オートボタン設定有効フラグがON)にセットされているときにボタン操作が開始され、その後もボタン操作が継続し、規定時間が経過する前に予告ボタン演出有効フラグがONにセットされたとしても、サブCPU20330は、オートボタン設定有効フラグをただちにOFFにセットせず、ボタン操作計時タイマによる計時を継続する。そして、サブCPU20330は、予告ボタン演出有効フラグがONにセットされる前のボタン操作計時タイマによる計時時間と、予告ボタン演出有効フラグがONにセットされた後のボタン操作計時タイマによる計時時間(オートボタン設定有効期間中に限る)との合計が規定時間を超えると、オート機能を有効化する。ただし、サブCPU20330は、予告ボタン演出有効フラグがONにセットされる前のボタン操作計時タイマによる計時時間と、予告ボタン演出有効フラグがONにセットされた後のボタン操作計時タイマによる計時時間との合計が規定時間を超える前にボタン操作が終了すると、オート機能を有効化しない。
すなわち、予告ボタン演出有効フラグがOFF(オートボタン設定有効フラグがON)にセットされているときにボタン操作が開始された場合、この操作を行う遊技者には、オート機能を有効化しようとする意思が存在するものと考えられる。したがって、オート機能無効状態からオート機能有効状態に変更させようとして遊技者によるボタン操作が行われたにもかかわらず、規定時間が経過する前に予告ボタン演出有効フラグがONにセットされた場合、遊技者に煩わしさを与えることとなり、興趣が低下するおそれがある。とくに、予告ボタン演出有効フラグは遊技者の意思とは無関係にONにセットされてしまうため尚更である。そこで、本実施形態のパチンコ遊技機では、予告ボタン演出有効フラグがONにセットされる前に遊技者によるボタン操作が開始され、予告ボタン演出有効フラグがONにセットされた以降もボタン操作が継続した場合、予告ボタン演出有効フラグがONにセットされる前のボタン操作と、予告ボタン演出有効フラグがONにセットされた後のボタン操作とをあわせた時間が規定時間を超えると、オート機能無効状態からオート機能有効状態に変更させるようにしたものである。これにより、興趣の低下を抑制することができる。
なお、予告ボタン演出有効フラグがOFF(オートボタン設定有効フラグがON)にセットされているときにボタン操作が開始され、その後もボタン操作が継続し、規定時間が経過する前に予告ボタン演出有効フラグがONにセットされた場合、予告ボタン演出有効期間中にボタン操作が行われていることになる。この場合、サブCPU20330は、予告ボタン演出有効フラグがONにセットされる前から継続してボタン操作が行われている場合、このボタン操作を、オート機能を有効化するための操作であると判別する一方、予告ボタン演出有効フラグがONにセットされた時点ではボタン操作が行われておらず、予告ボタン演出有効フラグがONにセットされた以降にボタン操作が行われた場合、このボタン操作を、予告ボタン演出に基づく操作であると判別することが好ましい。ただし、これに限定されるものではない。
[16.付記]
[16−1.付記1]
従来より、所定の条件が成立すると抽選を行い、この抽選結果に基づいて図柄の可変表示を行う遊技機が知られている。そして、抽選結果が特別結果であることを示す態様が導出されると、遊技者に有利な特別遊技状態に制御される。
この種の遊技機として、キャラクター画像や図柄などを用いた表示演出を行い、興趣を高めるようにした遊技機が知られている(例えば、特開2016−29956号公報参照)。
しかしながら、表示演出をさらに向上させることにより、より一層、興趣を高めることが可能な遊技機の提供が望まれている。
本発明は、そのような点に鑑みてなされたものであり、その目的は、興趣を高めることが可能な遊技機を提供することにある。
(1)本発明に係る遊技機は、
所定条件の成立に基づいて抽選を行う抽選手段(例えば、特別図柄抽選を行うメインCPU20280)と、
可変表示を行う可変制御手段(例えば、特別図柄の可変表示を行うメインCPU20280)と、
前記抽選の結果に基づいて遊技者に利益(例えば、大当り遊技状態)を付与可能な利益付与手段(例えば、大当り遊技状態に制御するメインCPU20280)と、
所定の表示領域において特定演出(例えば、ミニゲーム予告演出およびミニゲーム演出B)を行う特定演出制御手段(例えば、サブCPU20330)と、
前記特定演出から移行する演出であって、所定条件が成立すると前記利益が付与される可能性が高められる特別演出(例えば、SPリーチ)を行う特別演出制御手段(例えば、サブCPU20330)と、
を備え、
前記特定演出は、
第1演出(例えば、ミニゲーム予告演出においてキャラクターをストックする演出)と、該第1演出の演出内容に関連する第2演出(例えば、ミニゲーム予告演出でストックされたキャラクターを獲得する演出)と、該第1演出の演出内容に関連しない第3演出(例えば、ミニゲーム予告演出でストックされなかったキャラクターを獲得する演出)とを含み、前記第3演出よりも前記第2演出が優先して実行される演出であり、
前記特別演出制御手段は、
前記特定演出において、前記第1演出、前記第2演出または/および前記第3演出が行われて所定条件が成立すると(例えば、31人のキャラクター全員を集めることに成功すると)前記特別演出を実行可能に構成される
ことを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、特定演出には、第1演出の演出内容に関連する第2演出と、第1演出の演出内容に関連しない第3演出とが含まれるだけでなく、第3演出よりも第2演出が優先して実行される。しかも、第1演出、第2演出または/および第3演出が行われて所定条件が成立すると特別演出が実行されるため、興趣を高めることが可能となる。
なお、遊技者に付与可能な利益は、例えばパチンコ遊技機であれば、大当り遊技状態や小当りラッシュ等の遊技状態の他、賞球や賞球データ等が相当する。また、例えばパチスロ機であれば、ATゲーム、賞としてのメダルや電子データ、ボーナスゲーム等が相当する。すなわち、上記の利益は特定のものに限られず、遊技者にとって有利となるものであれば利益の態様は特定のものに限られない。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、
前記特定演出制御手段(例えば、サブCPU20330)は、
前記第1演出、前記第2演出または/および前記第3演出を行うにあたり、演出の進行に応じて、所定の表示領域に表示される特定画像(例えば、キャラクター)を増加させていく演出を実行可能であるとともに、
前記所定の表示領域に表示される複数の特定画像を重ねて表示させるとともに、該複数の特定画像を重ねて表示するにあたり、前記複数の特定画像の間で予め決められた優先順位のより高い特定画像が前方側に表示されるよう制御可能に構成される
ことを特徴とする。
上記(2)の遊技機によれば、特定画像の増加により所定の表示領域に表示される特定画像の数が多数であったとしても、複数の特定画像は、予め決められた優先順位のより高い特定画像が前方側に表示されるよう重ねて表示されるため、多数の特定画像を表示することで興趣を高める演出を実行することが可能となる。
本発明によれば、興趣を高めることが可能な遊技機を提供することができる。
[16−2.付記2]
従来より、所定の条件が成立すると抽選を行い、この抽選結果に基づいて図柄の可変表示を行う遊技機が知られている。そして、抽選結果が特別結果であることを示す態様が導出されると、遊技者に有利な特別遊技状態に制御される。
この種の遊技機として、キャラクター画像や図柄などを用いた表示演出を行い、興趣を高めるようにした遊技機が知られている(例えば、特開2016−29956号公報参照)。
しかしながら、表示演出をさらに向上させることにより、より一層、興趣を高めることが可能な遊技機の提供が望まれている。
本発明は、そのような点に鑑みてなされたものであり、その目的は、興趣を高めることが可能な遊技機を提供することにある。
(1)本発明に係る遊技機は、
所定条件の成立に基づいて抽選を行い、該抽選の結果に基づいて遊技者に利益を付与する(例えば、大当り遊技状態に制御する)ことが可能な遊技機であって、
所定の表示領域(例えば、液晶表示装置20004の表示領域20004d)において装飾図柄の変動演出を行い、該装飾図柄を停止させて前記抽選の結果を表示可能な表示制御手段(例えば、サブCPU20330)を備え、
前記表示制御手段は、
前記装飾図柄が描かれた第1レイヤーと、前記装飾図柄とは別の他の画像(例えば、エフェクト画像)が描かれた第2レイヤーとを重ねて表示可能であるとともに、
前記装飾図柄の変動演出が行われているときと該装飾図柄が停止しているときとで、前記第1レイヤーと前記第2レイヤーとの優先順位を変えて表示可能に構成される
ことを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、装飾図柄の変動演出が行われているときと装飾図柄が停止しているときとで、第1レイヤーと第2レイヤーとの優先順位を変えて演出画像が表示されるため、興趣を高めることが可能となる。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、
前記表示制御手段(例えば、サブCPU20330)は、
前記装飾図柄の変動演出が行われているとき、前記第1レイヤーよりも前記第2レイヤーの優先順位を高めることにより前記装飾図柄よりも前記他の画像(例えば、エフェクト画像)を手前側に表示可能であるとともに、
前記装飾図柄が停止しているとき、前記第2レイヤーよりも前記第1レイヤーの優先順位を高めることにより前記他の画像よりも前記装飾図柄を手前側に表示可能に構成される
ことを特徴とする。
上記(2)の遊技機によれば、装飾図柄の変動演出が行われているときは装飾図柄よりも他の画像が手前側に表示され、装飾図柄が停止しているときは他の画像よりも装飾図柄が手前側に表示されるため、抽選結果の把握しやすさを担保しつつ興趣を高めることが可能となる。
(3)上記(1)または(2)に記載の遊技機において、
前記表示制御手段は、
前記装飾図柄の変動演出が行われているとき、遊技の進行に応じて前記装飾図柄と前記他の画像(例えば、エフェクト画像)との重なり度合いを変更可能に構成される
ことを特徴とする。
上記(3)の遊技機によれば、遊技の進行に応じて装飾図柄と他の画像との重なり度合いを変えることによって、各画像の見え方が経時的に変化し、興趣を高めることが可能となる。
(4)上記(1)〜(3)のいずれか一つに記載の遊技機において、
前記表示制御手段は、
前記他の画像(例えば、エフェクト画像)を、前記装飾図柄の一の変動演出と、該一の変動演出の次の変動演出とに跨って表示可能であるとともに、
前記他の画像が前記装飾図柄の一の変動演出と前記次の変動演出とに跨って表示される場合であっても、前記一の変動演出および前記次の変動演出では前記第1レイヤーよりも前記第2レイヤーの優先順位を高めることにより前記装飾図柄よりも前記他の画像が手前側に表示されるようにし、前記装飾図柄が停止しているときは前記第2レイヤーよりも前記第1レイヤーの優先順位を高めることにより前記他の画像よりも前記装飾図柄が手前側に表示されうるよう構成される
ことを特徴とする。
上記(4)の遊技機によれば、例えば先読み演出のように他の画像が装飾図柄の一の変動演出と次の変動演出とに跨って表示される場合であっても、一の変動演出および次の変動演出では装飾図柄よりも他の画像が手前側に表示されるようにし、装飾図柄が停止しているときは他の画像よりも装飾図柄が手前側に表示されうるため、抽選結果の把握しやすさを担保しつつ興趣を高めることが可能となる。
本発明によれば、興趣を高めることが可能な遊技機を提供することができる。
[16−3.付記3]
従来より、所定の条件が成立すると抽選を行い、この抽選結果に基づいて図柄の可変表示を行う遊技機が知られている。そして、抽選結果が特別結果であることを示す態様が導出されると、遊技者に有利な特別遊技状態に制御される。
この種の遊技機として、キャラクター画像や図柄などを用いた表示演出を行い、興趣を高めるようにした遊技機が知られている(例えば、特開2016−29956号公報参照)。
しかしながら、表示演出をさらに向上させることにより、より一層、興趣を高めることが可能な遊技機の提供が望まれている。
本発明は、そのような点に鑑みてなされたものであり、その目的は、興趣を高めることが可能な遊技機を提供することにある。
(1)本発明に係る遊技機は、
通常態様(例えば、左打ち)で遊技媒体が発射されて遊技が進行する通常遊技状態と、特定態様(例えば、右打ち)で遊技媒体が発射されて遊技が進行する特定遊技状態(例えば、ラッシュ状態)とを含む複数の遊技状態のうちいずれかに制御する状態制御手段(例えば、メインCPU20280)と、
所定の演出領域において演出が行われるよう制御する演出制御手段(例えば、サブCPU20330)と、
を備え、
前記特定遊技状態は、
前記特定態様で発射された遊技媒体が所定期間にわたって所定の入賞領域に入賞可能となる特定遊技状態(例えば、小当り遊技状態)に制御される頻度が相対的に(例えば、通常遊技状態よりも)高められる状態であり、
前記演出制御手段は、
前記特定態様での遊技媒体の発射を促す演出として、時間の経過に伴って残時間が少なくなる態様で更新表示(例えば、演出有効時間の残り時間を示すカウントダウン演出)を行うことが可能に構成される
ことを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、特定遊技状態において、特定態様での遊技媒体の発射が促されたことによって特定態様で遊技媒体が発射されると、所定の入賞領域への遊技媒体の入賞頻度が高められるため、興趣を高めることが可能となる。
なお、通常態様と特定態様とのうちいずれで遊技媒体を発射すべきであるかについては、遊技機(例えば、サブCPU20330)が報知することが可能であり、この報知内容の一方にしたがって遊技者が遊技を行う場合が通常遊技状態であり、報知内容の他方にしたがって遊技者が遊技を行う場合が特定遊技状態であってもよい。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、
所定条件の成立に基づいて抽選を行う抽選手段(例えば、メインCPU20280)と、
前記抽選の結果が特別の結果であることに基づいて、該特別の結果に応じて異なる利益が遊技者に付与される特別遊技状態に制御する特別遊技状態制御手段(例えば、メインCPU20280)と、
をさらに備え、
前記演出制御手段(例えば、サブCPU20330)は、
前記所定の入賞領域に遊技媒体が入賞したことに基づいて、前記特別遊技状態において付与される利益の大きさにかかわる情報を表示可能な利益演出制御手段(例えば、サブCPU20330)を有する
ことを特徴とする。
上記(2)の遊技機によれば、所定の入賞領域に遊技媒体が入賞すると特別遊技状態において付与される利益の大きさにかかわる情報が表示されるため、所定の入賞領域へ遊技球を入賞させようとする遊技者の意欲を高めることができ、興趣を高めることが可能となる。
(3)上記(1)または(2)に記載の遊技機において、
前記利益演出制御手段(例えば、サブCPU20330)は、
前記所定の入賞領域に遊技媒体が入賞する都度、前記特別遊技状態において付与される利益を加算表示(例えば、賞球数または賞球数データのカウントアップ演出)しうるよう構成される
ことを特徴とする。
上記(3)の遊技機によれば、所定の入賞領域に遊技媒体を入賞させると、特別遊技状態において付与される利益が増えるかのような感覚を遊技者に与えることができ、興趣を高めることが可能となる。
(4)本発明に係る遊技機は、
遊技者にとって不利な遊技状態である通常遊技状態と、遊技者にとって前記通常遊技状態よりも有利な特定遊技状態(例えば、ラッシュ状態)とを含む複数の遊技状態のうちいずれかに制御する状態制御手段と、
所定の演出領域において演出が行われるよう制御する演出制御手段(例えば、サブCPU20330)と、
を備え、
前記特定遊技状態は、
遊技媒体が所定期間にわたって所定の入賞領域に入賞可能となる特定遊技状態(例えば、小当り遊技状態)に制御される頻度が相対的に(例えば、通常遊技状態よりも)高められる状態であり、
前記演出制御手段は、
遊技媒体の発射を促す演出として、時間の経過に伴って残時間が少なくなる態様で更新表示(例えば、演出有効時間の残り時間を示すカウントダウン演出)を行うことが可能に構成される
ことを特徴とする。
上記(4)の遊技機によれば、特定遊技状態において、特定態様での遊技媒体の発射が促されたことによって特定態様で遊技媒体が発射されると、所定の入賞領域への遊技媒体の入賞頻度が高められるため、興趣を高めることが可能となる。
なお、上記(1)および(4)に記載した「遊技媒体の発射を促す演出」は、いわゆる右打ちや左打ちを指示する演出に限られず、特定の入賞口に遊技媒体を入賞させるように報知することや、特定の領域に向かって遊技媒体を発射すること等、遊技者による遊技媒体の発射に関する指標(指示、方向、内容等)や入賞領域が開放していることを報知することで、入賞装置が開放するタイミングにあわせて遊技媒体の発射時期を結果的に遊技者に示すことができれば特定の態様に限定されるものではない。
本発明によれば、興趣を高めることが可能な遊技機を提供することができる。
[16−4.付記4]
従来より、所定の条件が成立すると抽選を行い、この抽選結果に基づいて図柄の可変表示が行われる可変表示手段を備え、可変表示手段において特定結果を示す態様が導出されると遊技者に利益が付与されるパチンコ遊技機やパチスロ機等の遊技機が知られている。
この種の遊技機では、例えば、高確率状態等の特定遊技状態において、小当り遊技の実行頻度が高められる小当りラッシュ状態に制御されるようにした遊技機が開示されている(例えば、特開2016−174800号公報参照)。
ところで、上述した特定遊技状態では、小当り遊技の実行頻度を高めることができるものの、近年では、さらに興趣を高めることができる新たな遊技機の提供が望まれている。
本発明は、そのような点に鑑みてなされたものであり、その目的は、新たな遊技機を提供することにある。
(1)本発明に係る遊技機は、
所定条件の成立に基づいて抽選を行う抽選手段(例えば、メインCPU20280)と、
可変表示を行い、前記抽選の結果を導出する可変制御手段(例えば、メインCPU20280)と、
前記可変制御手段により特定の結果が導出されると、所定の利益が付与されうる特定遊技(例えば、小当り遊技、AT遊技)の実行頻度が高められる特定遊技状態に制御可能な特定遊技状態制御手段(例えば、メインCPU20280)と、
前記特定遊技状態において利益付与条件が成立すると利益(例えば、賞球、賞メダル、賞球または賞メダルに対応する電子データ等)を付与する利益付与手段(例えば、メインCPU20280)と、
所定の演出を実行可能な演出制御手段(例えば、サブCPU20330)と、
を備え、
前記演出制御手段は、
前記特定遊技状態において、所定の条件を満たす態様で(例えば、連続入賞して)前記所定の利益が付与される都度、演出内容をステップアップさせる演出を実行可能に構成される
ことを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、特定遊技状態において、所定の条件を満たす態様で所定の利益が付与される都度、演出内容がステップアップするため、興趣を高めることが可能となる。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、
前記利益付与手段(例えば、メインCPU20280)は、
2以上の規定量(例えば、10個)の遊技媒体に相当する利益を付与可能であるとともに、
前記演出制御手段(例えば、サブCPU20330)は、
前記特定遊技状態において、1回の利益に相当する前記規定量を示す情報を表示する第1利益演出と、付与された利益の総量を示す情報を表示する第2利益演出とを実行可能であるとともに、
前記第1利益演出と前記第2利益演出とのうち、いずれか一方の演出として1から前記規定量までのうち前記規定量のみを示す情報を表示し、該一方の演出とは異なる他方の演出として1から前記規定量までを所定量(例えば、1個)ずつ加算表示するよう構成される
ことを特徴とする。
上記(2)の遊技機によれば、第1利益演出および第2利益演出は、いずれも付与される利益量を示す情報であるものの、一方の演出では1から規定量までのうち規定量のみが表示され、他方の演出では1から規定量までが所定量ずつ加算表示される。このように、いずれも付与される利益量を示す情報でありながら両者を異なる態様で表示することにより、視覚的なインパクトを遊技者に与えることができ、興趣を高めることができる。
なお、「1から前記規定量までのうち前記規定量のみを示す情報を表示し」とは、例えば、1回の利益付与において、10球の遊技球(2枚の遊技メダル)に相当する量の利益が付与される場合、付与される利益が「10球(2枚)」であることを把握可能な情報を表示または付与された利益の総量に加算表示することが相当する。また、「1から前記規定量までを所定量ずつ加算表示する」とは、1回の利益付与において、10球の遊技球(2枚の遊技メダル)に相当する量の利益が付与される場合、「1」から「10(2)」まで所定量ずつ(例えば1個ずつ)加算表示することが相当する。
(3)上記(1)または(2)に記載の遊技機において、
遊技者にとっての有利度合いが異なる複数の設定値のうち、セットされたいずれか一の設定値にもとづいて遊技の進行にかかわる制御を実行可能であって、
前記演出制御手段(例えば、サブCPU20330)は、
演出内容をステップアップさせる演出において所定の条件を満たすと(例えば、最高ステップの演出まで発展すると)、セットされた前記一の設定値を示唆する設定示唆演出を実行可能に構成される
ことを特徴とする。
上記(3)の遊技機によれば、演出内容をステップアップさせる演出において所定の条件を満たすと設定示唆演出が実行されるため、より一層、特定遊技状態において興趣を高めることが可能となる。
(4)本発明に係る遊技機は、
所定条件の成立に基づいて抽選を行う抽選手段(例えば、メインCPU20280)と、
特別図柄の可変表示を行い、前記抽選の結果を導出する可変制御手段(例えば、メインCPU20280)と、
前記可変制御手段により特定の結果が導出されると所定の入賞領域への遊技球の通過を可能または容易にする特定遊技(例えば、小当り遊技)の実行頻度が高められる特定遊技状態に制御可能な特定遊技状態制御手段(例えば、メインCPU20280)と、
前記所定の入賞領域を遊技球が通過すると利益(例えば、賞球または賞データ)を付与する利益付与手段(例えば、メインCPU20280)と、
所定の演出を実行可能な演出制御手段(例えば、サブCPU20330)と、
を備え、
前記演出制御手段は、
前記特定遊技状態において、所定の条件を満たす態様で(例えば、連続入賞して)前記所定の入賞領域を遊技球が通過する都度、演出内容をステップアップさせる演出を実行可能に構成される
ことを特徴とする。
上記(4)の遊技機によれば、特定遊技状態において、所定の条件を満たす態様で所定の入賞領域を遊技球が通過する都度、演出内容がステップアップするため、興趣を高めることが可能となる。
[16−5.付記5]
従来より、第1始動口に入賞すると第1特別図柄抽選を行って第1特別図柄の可変表示を行い、第2始動口に入賞すると第2特別図柄抽選を行って第2特別図柄の可変表示を行うパチンコ機が知られている。
この種の遊技機として、例えば、第1特別図柄と第2特別図柄とを並行して可変表示させるようにした遊技機が開示されている(例えば、特開2016−174800号公報参照)。このように第1特別図柄と第2特別図柄とを並行して可変表示させるようにしたとしても、例えば液晶表示装置では、第1特別図柄および第2特別図柄のうち、遊技状態に応じていずれか一方の可変表示に対応する演出のみが行われるようにしたものが多い。
ところで、第1特別図柄と第2特別図柄とを並行して可変表示させるようにした遊技機において、第1特別図柄および第2特別図柄のうち、遊技状態に応じていずれか一方の可変表示に対応する演出のみが行われるようにした場合、種々の不具合が生じ、興趣が低下するおそれがある。
本発明は、そのような点に鑑みてなされたものであり、その目的は、興趣の低下を抑制することにある。
[16−5−1.付記5−1]
(1)本発明に係る遊技機は、
第1特別図柄および第2特別図柄を含む特別図柄のうちいずれかの特別図柄が可変表示中であっても他の特別図柄を可変表示可能な遊技機であって、
遊技領域(例えば、遊技領域20001p)に向けて発射された遊技球が第1特別始動領域(例えば、第1始動口20042)を通過したことに基づいて、可変表示時間が異なる複数の可変表示パターンのうちいずれかの可変表示パターンで前記第1特別図柄の可変表示を行い、第1特別図柄抽選の結果を導出可能な第1特別図柄可変制御手段(例えば、メインCPU20280)と、
遊技領域に向けて発射された遊技球が第2特別始動領域を通過したことに基づいて、可変表示時間が異なる複数の可変表示パターンのうちいずれかの可変表示パターンで前記第2特別図柄の可変表示を行い、第2特別図柄抽選の結果を導出可能な第2特別図柄可変制御手段(例えば、メインCPU20280)と、
通常遊技状態と特定遊技状態(例えば、第1時短遊技状態、第2時短遊技状態)とを含む複数の遊技状態のうちいずれかの遊技状態に制御可能であり、前記特定遊技状態において前記特別図柄の可変表示がN回(例えば、100回)行われると、該特定遊技状態から前記通常遊技状態に移行させる制御を実行可能な遊技状態制御手段(例えば、メインCPU20280)と、
所定の演出領域(例えば、液晶表示装置20004の表示領域20004d)において、前記第1特別図柄の可変表示に対応する第1演出(例えば、第1特別図柄の可変表示に対応する装飾図柄の変動演出)と前記第2特別図柄の可変表示に対応する第2演出(例えば、第2特別図柄の可変表示に対応する装飾図柄の変動演出)とのうちいずれか一方の演出を実行可能であり、前記通常遊技状態では前記第1演出を実行し、前記特定遊技状態では前記第2演出を実行するよう構成される演出制御手段(例えば、サブCPU20330)と、
を備え、
前記演出制御手段は、
前記特定遊技状態において前記N回目の特別図柄の可変表示が開始されると、該可変表示が前記第1特別図柄および前記第2特別図柄のいずれの可変表示であったとしても、前記第1演出および前記第2演出とは異なる特殊演出(例えば、リザルト演出)を実行可能な特殊演出制御手段(例えば、ステップS12313の処理を実行するサブCPU20330)を有する
ことを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、特定遊技状態から通常遊技状態への移行時に、演出が煩雑となることを防止でき、興趣の低下を抑制することが可能となる。すなわち、特定遊技状態では所定の演出領域において第2演出が実行されるが、例えばN回目の可変表示が第1特別図柄の可変表示であると、N回目の特別図柄の可変表示において第2演出が実行されていないにもかかわらず特定遊技状態が終了してしまうといったことが生じる。この場合、特別図柄の可変表示がN回実行されていないにもかかわらず特定遊技状態が終了してしまったという誤解を遊技者に与えかねない。そこで、N回目の特別図柄の可変表示が開始されたとき、この可変表示が第1特別図柄および第2特別図柄のいずれの可変表示であったとしても第1演出および第2演出とは異なる特殊演出を実行可能とすることで、遊技者に誤解を与えることを防止でき、興趣の低下を抑制することが可能となる。
なお、「可変表示中」は、特別図柄の可変表示を計時するタイマの計時が開始された後、この可変表示について設定された可変表示時間が経過するまでの間が相当する。
また、「第1特別図柄の可変表示に対応する第1演出」は、例えば、第1特別図柄の可変表示時間に対応する(第1特別図柄と同期する)ように装飾図柄の可変表示演出を行ったり、第1特別図柄抽選の結果に基づく演出(例えば、第1特別図柄抽選の結果期待度を示すキャラクター演出)を第1特別図柄の可変表示中に行ったりする演出等が相当する。同様に、「第2特別図柄の可変表示に対応する第2演出」は、例えば、第2特別図柄の可変表示時間に対応する(第2特別図柄と同期する)ように装飾図柄の可変表示演出を行ったり、第2特別図柄抽選の結果に基づく演出(例えば、第2特別図柄抽選の結果期待度を示すキャラクター演出)を第2特別図柄の可変表示中に行ったりする演出等が相当する。
また、「前記第1演出および前記第2演出とは異なる特殊演出」とは、例えば、第1特別図柄の可変表示時間および第2特別図柄の可変表示時間のいずれとも異なる時間にわたって行われる演出等が相当する。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、
前記特殊演出制御手段(例えば、ステップS12313の処理を実行するサブCPU20330)は、
前記特殊演出(例えば、リザルト演出)を、前記N回目の特別図柄の可変表示の終了時に他の特別図柄が可変表示中であるときは該他の特別図柄の可変表示が終了するまで継続するよう構成される
ことを特徴とする。
上記(2)の遊技機によれば、特定遊技状態が終了して通常遊技状態に移行する際に、所定の演出領域に表示される演出を第1演出にスムーズに移行させることができ、興趣の低下を抑制することが可能となる。すなわち、例えばN回目の可変表示が第2特別図柄の可変表示であって、この第2特別図柄の可変表示中に、特定遊技状態に制御されてから(N+1)回目の可変表示として第1特別図柄の可変表示が開始し、第1特別図柄の可変表示よりも第2特別図柄の可変表示が早く終了する場合、第2特別図柄の可変表示が終了したタイミングで所定の演出領域に表示される演出を第2演出から第1演出に変更すると、第1特別図柄の可変表示の中途から第1演出に変更されることとなってしまう。そこで、特殊演出を、N回目の特別図柄の可変表示の終了時に他の特別図柄が可変表示中であるときは該他の特別図柄の可変表示が終了するまで継続するようにすることで、所定の演出領域に表示される演出を第1演出から第2演出にスムーズに移行させることが可能となる。
(3)上記(2)に記載の遊技機において、
前記特殊演出制御手段(例えば、ステップS12313の処理を実行するサブCPU20330)は、
前記特殊演出(例えば、リザルト演出)を、前記N回目の特別図柄の可変表示の終了時に他の特別図柄が可変表示中でないときは該N回目の特別図柄の可変表示と略同時に終了するよう構成される
ことを特徴とする。
上記(3)の遊技機によれば、N回目の特別図柄の可変表示の終了時に他の特別図柄が可変表示中であるときはこの他の特別図柄の可変表示が終了するまで特殊演出が継続する一方、N回目の特別図柄の可変表示の終了時に他の特別図柄が可変表示中でないときはN回目の特別図柄の可変表示と略同時に特殊演出が終了する。例えば、N回目の特別図柄の可変表示が第2特別図柄の可変表示であって、このN回目の可変表示の終了時に、第1特別図柄が可変表示であるときはこの第1特別図柄の可変表示が終了するまで特殊演出を継続させる一方、第1特別図柄が可変表示でないときはこの第1特別図柄の可変表示の終了と略同時に特殊演出を終了させるようにしたものである。これにより、特殊演出の実行期間を徒に長くすることなく、所定の演出領域に表示される演出を第1演出にスムーズに移行させることができ、興趣の低下を抑制することが可能となる。
[16−5−2.付記5−2]
(1)本発明に係る遊技機は、
第1特別図柄および第2特別図柄を含む特別図柄のうちいずれかの特別図柄が可変表示中であっても他の特別図柄を可変表示可能な遊技機であって、
遊技領域(例えば、遊技領域20001p)に向けて発射された遊技球が第1特別始動領域(例えば、第1始動口20042)を通過したことに基づいて、可変表示時間が異なる複数の可変表示パターンのうちいずれかの可変表示パターンで前記第1特別図柄の可変表示を行い、第1特別図柄抽選の結果を導出可能な第1特別図柄可変制御手段(例えば、メインCPU20280)と、
遊技領域に向けて発射された遊技球が第2特別始動領域を通過したことに基づいて、可変表示時間が異なる複数の可変表示パターンのうちいずれかの可変表示パターンで前記第2特別図柄の可変表示を行い、第2特別図柄抽選の結果を導出可能な第2特別図柄可変制御手段(例えば、メインCPU20280)と、
通常遊技状態と特定遊技状態(例えば、第1時短遊技状態、第2時短遊技状態)とを含む複数の遊技状態のうちいずれかの遊技状態に制御可能であり、前記特定遊技状態において前記特別図柄の可変表示がN回(例えば、100回)行われると、該特定遊技状態を終了して前記通常遊技状態に移行可能な遊技状態制御手段(例えば、メインCPU20280)と、
所定の演出領域(例えば、液晶表示装置20004の表示領域20004d)に表示される演出状態を、前記特定遊技状態に制御されているときは特定演出状態に制御可能であり、前記通常遊技状態に制御されているときは通常演出状態に制御可能な演出制御手段(例えば、サブCPU20330)と、
を備え、
前記遊技状態制御手段は、
前記特定遊技状態の終了にかかわる処理(例えば、時短フラグをOFFにセットする処理)を、該特定遊技状態における前記N回目の特別図柄の可変表示の開始時または開始されるまでに実行する一方、
前記演出制御手段は、
前記N回目の前記特別図柄の可変表示中は前記通常演出状態に制御せず、少なくとも前記N回目の前記特別図柄の可変表示が終了した後に前記通常演出状態に制御するよう構成される
ことを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、特定遊技状態の終了にかかわる処理がN回目の特別図柄の可変表示の開始時または開始されるまでに実行されるものの、所定の演出領域に表示される演出状態は、少なくともN回目の特別図柄の可変表示が終了した後に通常演出状態に制御される。すなわち、N回目の特別図柄の可変表示中、特定遊技状態の終了にかかわる処理がすでに実行されているにもかかわらず所定の演出領域の演出状態を通常演出状態に制御しないようにすることで、特定遊技状態に制御されてから(N+1)回目の特別図柄の可変表示が特定遊技状態としての可変表示とならないようにしつつ、特定演出状態から通常演出状態への移行時の表示演出をスムーズに行うことが可能となり、興趣の低下を抑制することが可能となる。
なお、「可変表示中」は、特別図柄の可変表示を計時するタイマの計時が開始された後、この可変表示について設定された可変表示時間が経過するまでの間が相当する。
また、「前記第1演出および前記第2演出とは異なる特殊演出」とは、例えば、第1特別図柄の可変表示時間および第2特別図柄の可変表示時間のいずれとも異なる時間にわたって行われる演出等が相当する。
また、「前記特定遊技状態の終了にかかわる処理を、該特定遊技状態における前記N回目の特別図柄の可変表示の開始時または開始されるまでに実行する」のうち、「開始されるまでに」とは、例えば、特別図柄の可変表示パターンが決定されてから特別図柄の可変表示が開始されるまでの間が相当する。実際、特別図柄の可変表示パターンは特別図柄の可変表示の開始時に決定されるが、特別図柄の可変表示パターンがセットされてから特別図柄の可変表示が開始されるまでの間に特定遊技状態の終了にかかわる処理を実行してもよい趣旨である。
また、特定遊技状態の終了にかかわる処理は、特定遊技状態におけるN回目の特別図柄の可変表示の開始時または開始されるまでに例えば特定遊技状態終了フラグをONにセット(例えば、時短フラグをOFFにセット)して通常遊技状態に移行するようにしてもよいが、これに限定されない。例えば、特定遊技状態におけるN回目の特別図柄の可変表示の開始時または開始されるまでに例えば特定遊技状態終了フラグをONにセット(例えば、時短フラグをOFFにセット)するものの、N回目の特別図柄の可変表示が終了したときに通常遊技状態に移行するようにし、N回目の特別図柄の可変表示中に別の特別図柄の可変表示が開始された場合、この別の特別図柄の可変表示を、例えば特定遊技状態終了フラグがONにセット(例えば、時短フラグがOFFにセット)されていることにより特定遊技状態における可変表示として処理せず、通常遊技状態とみなして通常遊技状態における可変表示と同様の処理を行うようにしてもよい。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、
前記演出制御手段は、
前記特定遊技状態において前記N回目の特別図柄の可変表示が開始されると、該可変表示が前記第1特別図柄および前記第2特別図柄のいずれの可変表示であったとしても、前記第1特別図柄の可変表示に対応する第1演出(例えば、第1特別図柄の可変表示に対応する装飾図柄の変動演出)および前記第2特別図柄の可変表示に対応する第2演出(例えば、第2特別図柄の可変表示に対応する装飾図柄の変動演出)とは異なる特殊演出(例えば、リザルト演出)を実行可能な特殊演出制御手段(例えば、ステップS12313の処理を実行するサブCPU20330)を有し、
前記特殊演出制御手段(例えば、ステップS12313の処理を実行するサブCPU20330)は、
前記特殊演出(例えば、リザルト演出)を、前記N回目の特別図柄の可変表示の終了時に他の特別図柄が可変表示中であるときは該他の特別図柄の可変表示が終了するまで継続するよう構成される
ことを特徴とする。
上記(2)の遊技機によれば、特定遊技状態が終了して通常遊技状態に移行する際に、所定の演出領域に表示される演出を第1演出にスムーズに移行させることができ、興趣の低下を抑制することが可能となる。すなわち、例えばN回目の可変表示が第2特別図柄の可変表示であって、この第2特別図柄の可変表示中に、特定遊技状態に制御されてから(N+1)回目の第1特別図柄の可変表示が開始し、第1特別図柄の可変表示よりも第2特別図柄の可変表示が早く終了する場合、第2特別図柄の可変表示が終了したタイミングで所定の演出領域に表示される演出を第2演出から第1演出に変更すると、第1特別図柄の可変表示の中途から第1演出に変更されることとなってしまう。そこで、特殊演出を、N回目の特別図柄の可変表示の終了時に他の特別図柄が可変表示中であるときは該他の特別図柄の可変表示が終了するまで継続するようにすることで、所定の演出領域に表示される演出を第1演出から第2演出にスムーズに移行させることが可能となる。
なお、「第1特別図柄の可変表示に対応する第1演出」は、例えば、第1特別図柄の可変表示時間に対応する(第1特別図柄と同期する)ように装飾図柄の可変表示演出を行ったり、第1特別図柄抽選の結果に基づく演出(例えば、第1特別図柄抽選の結果期待度を示すキャラクター演出)を第1特別図柄の可変表示中に行ったりする演出等が相当する。同様に、「第2特別図柄の可変表示に対応する第2演出」は、例えば、第2特別図柄の可変表示時間に対応する(第2特別図柄と同期する)ように装飾図柄の可変表示演出を行ったり、第2特別図柄抽選の結果に基づく演出(例えば、第2特別図柄抽選の結果期待度を示すキャラクター演出)を第2特別図柄の可変表示中に行ったりする演出等が相当する。
(3)上記(2)に記載の遊技機において、
前記特殊演出制御手段(例えば、ステップS12313の処理を実行するサブCPU20330)は、
前記特殊演出(例えば、リザルト演出)を、前記N回目の特別図柄の可変表示の終了時に他の特別図柄が可変表示中でないときは該N回目の特別図柄の可変表示と略同時に終了するよう構成される
ことを特徴とする。
上記(3)の遊技機によれば、N回目の特別図柄の可変表示の終了時に他の特別図柄が可変表示中であるときはこの他の特別図柄の可変表示が終了するまで特殊演出が継続する一方、N回目の特別図柄の可変表示の終了時に他の特別図柄が可変表示中でないときはN回目の特別図柄の可変表示と略同時に特殊演出が終了する。例えば、N回目の特別図柄の可変表示が第2特別図柄の可変表示であって、このN回目の可変表示の終了時に、第1特別図柄が可変表示であるときはこの第1特別図柄の可変表示が終了するまで特殊演出を継続させる一方、第1特別図柄が可変表示でないときはこの第1特別図柄の可変表示の終了と略同時に特殊演出を終了させるようにしたものである。これにより、特殊演出の実行期間を徒に長くすることなく、所定の演出領域に表示される演出を第1演出にスムーズに移行させることができ、興趣の低下を抑制することが可能となる。
[16−5−3.付記5−3]
(1)本発明に係る遊技機は、
第1特別図柄および第2特別図柄を含む特別図柄のうちいずれかの特別図柄が可変表示中であっても他の特別図柄を可変表示可能な遊技機であって、
遊技領域(例えば、遊技領域20001p)に向けて発射された遊技球が第1特別始動領域(例えば、第1始動口20042)を通過したことに基づいて、可変表示時間が異なる複数の可変表示パターンのうちいずれかの可変表示パターンで前記第1特別図柄の可変表示を行い、第1特別図柄抽選の結果を導出可能な第1特別図柄可変制御手段(例えば、メインCPU20280)と、
遊技領域に向けて発射された遊技球が第2特別始動領域を通過したことに基づいて、可変表示時間が異なる複数の可変表示パターンのうちいずれかの可変表示パターンで前記第2特別図柄の可変表示を行い、第2特別図柄抽選の結果を導出可能な第2特別図柄可変制御手段(例えば、メインCPU20280)と、
通常遊技状態と特定遊技状態(例えば、第1時短遊技状態、第2時短遊技状態)とを含む複数の遊技状態のうちいずれかの遊技状態に制御可能であり、前記特定遊技状態において前記特別図柄の可変表示がN回(例えば、100回)行われると、該特定遊技状態から前記通常遊技状態に移行させる制御を実行可能な遊技状態制御手段(例えば、メインCPU20280)と、
所定の演出領域(例えば、液晶表示装置20004の表示領域20004d)において、前記第1特別図柄の可変表示に対応する第1演出(例えば、第1特別図柄の可変表示に対応する装飾図柄の変動演出)と前記第2特別図柄の可変表示に対応する第2演出(例えば、第2特別図柄の可変表示に対応する装飾図柄の変動演出)とのうちいずれか一方の演出を実行可能であり、前記通常遊技状態では前記第1演出を実行し、前記特定遊技状態では前記第2演出を実行するよう構成される演出制御手段(例えば、サブCPU20330)と、
を備え、
前記演出制御手段は、
前記特定遊技状態に制御されてから前記N回目の可変表示が前記第2特別図柄の可変表示であって、該N回目の可変表示である前記第2特別図柄の可変表示が終了する前に(N+1)回目の可変表示として前記第1特別図柄の可変表示が開始された場合、前記特別図柄の可変表示が前記N回行われると前記遊技状態制御手段により前記通常遊技状態に制御されるものの、少なくとも前記(N+1)回目の可変表示である前記第1特別図柄の可変表示が終了した後に前記第1演出を開始するよう構成される
ことを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、特定遊技状態に制御されてからN回目の可変表示である第2特別図柄の可変表示が終了する前に(N+1)回目の可変表示として第1特別図柄の可変表示が開始された場合、この(N+1)回目の可変表示は通常遊技状態における可変表示であるものの、所定の演出領域には、(N+1)回目の特別図柄の可変表示が終了した後に第1演出が表示される。これにより、(N+1)回目の特別図柄の可変表示が特定遊技状態としての可変表示とならないようにしつつ、所定の演出領域における表示演出を第2演出から第1演出にスムーズに移行させることが可能となり、興趣の低下を抑制することが可能となる。
なお、上記の(N+1)回目の可変表示は、特定遊技状態に制御されてから(N+1)回目の可変表示であることを意味するが、特定遊技状態における可変表示ではなく、通常遊技状態における可変表示である。
また、「可変表示中」は、特別図柄の可変表示を計時するタイマの計時が開始された後、この可変表示について設定された可変表示時間が経過するまでの間が相当する。
また、「第1特別図柄の可変表示に対応する第1演出」は、例えば、第1特別図柄の可変表示時間に対応する(第1特別図柄と同期する)ように装飾図柄の可変表示演出を行ったり、第1特別図柄抽選の結果に基づく演出(例えば、第1特別図柄抽選の結果期待度を示すキャラクタ演出)を第1特別図柄の可変表示中に行ったりする演出等が相当する。同様に、「第2特別図柄の可変表示に対応する第2演出」は、例えば、第2特別図柄の可変表示時間に対応する(第2特別図柄と同期する)ように装飾図柄の可変表示演出を行ったり、第2特別図柄抽選の結果に基づく演出(例えば、第2特別図柄抽選の結果期待度を示すキャラクタ演出)を第2特別図柄の可変表示中に行ったりする演出等が相当する。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、
前記演出制御手段(例えば、サブCPU20330)は、
前記特定遊技状態(例えば、第1時短遊技状態、第2時短遊技状態)において、前記N回目の可変表示としての前記第2特別図柄の可変表示が開始されてから、前記(N+1)回目の可変表示としての前記第1特別図柄の可変表示が終了するまで、前記第1演出および前記第2演出とは異なる特殊演出(例えば、リザルト演出)を実行可能な特殊演出制御手段(例えば、ステップS12313の処理を実行するサブCPU20330)を有する
ことを特徴とする。
上記(2)の遊技機によれば、N回目の可変表示としての第2特別図柄の可変表示が開始されてから(N+1)回目の可変表示としての第1特別図柄の可変表示が終了するまで特殊演出が表示されるため、所定の演出領域に表示される演出を、区切りのよいタイミングで第1演出から第2演出にスムーズに移行させることが可能となり、興趣の低下を抑制することが可能となる。
なお、「前記第1演出および前記第2演出とは異なる特殊演出」とは、例えば、第1特別図柄の可変表示時間および第2特別図柄の可変表示時間のいずれとも異なる時間にわたって行われる演出等が相当する。
[16−5−4.付記5−4]
(1)本発明に係る遊技機は、
第1特別図柄および第2特別図柄を含む特別図柄のうちいずれかの特別図柄が可変表示中であっても他の特別図柄を可変表示可能な遊技機であって、
遊技領域(例えば、遊技領域20001p)に向けて発射された遊技球が第1特別始動領域(例えば、第1始動口20042)を通過したことに基づいて、可変表示時間が異なる複数の可変表示パターンのうちいずれかの可変表示パターンで前記第1特別図柄の可変表示を行い、第1特別図柄抽選の結果を導出可能な第1特別図柄可変制御手段(例えば、メインCPU20280)と、
遊技領域に向けて発射された遊技球が第2特別始動領域を通過したことに基づいて、可変表示時間が異なる複数の可変表示パターンのうちいずれかの可変表示パターンで前記第2特別図柄の可変表示を行い、第2特別図柄抽選の結果を導出可能な第2特別図柄可変制御手段(例えば、メインCPU20280)と、
通常遊技状態と特定遊技状態(例えば、第1時短遊技状態、第2時短遊技状態)とを含む複数の遊技状態のうちいずれかの遊技状態に制御可能であり、前記特定遊技状態において前記特別図柄の可変表示がN回(例えば、100回)行われると、該特定遊技状態から前記通常遊技状態に移行させる制御を実行可能な遊技状態制御手段(例えば、メインCPU20280)と、
所定の演出領域(例えば、液晶表示装置20004の表示領域20004d)において、前記第1特別図柄の可変表示に対応する第1演出(例えば、第1特別図柄の可変表示に対応する装飾図柄の変動演出)と前記第2特別図柄の可変表示に対応する第2演出(例えば、第2特別図柄の可変表示に対応する装飾図柄の変動演出)とのうちいずれか一方の演出を実行可能であり、前記通常遊技状態では前記第1演出を実行し、前記特定遊技状態では前記第2演出を実行するよう構成される演出制御手段(例えば、サブCPU20330)と、
を備え、
前記遊技状態制御手段は、
前記特定遊技状態の終了にかかわる処理を、該特定遊技状態における前記N回目の特別図柄の可変表示の開始時または開始されるまでに実行するよう構成されており、
前記演出制御手段は、
前記特定遊技状態における(N−1)回目の可変表示が前記第2特別図柄の可変表示であって、該第2特別図柄の可変表示が終了する前に前記N回目の可変表示として前記第1特別図柄の可変表示が開始された場合、該第1特別図柄の可変表示が開始された後は前記特定遊技状態の終了にかかわる処理が実行されるものの、該第1特別図柄の可変表示中、前記第1演出を実行せずに前記(N−1)回目の可変表示に対応する第2演出を実行可能に構成される
ことを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、特定遊技状態の終了にかかわる処理がこの特定遊技状態におけるN回目の特別図柄の可変表示の開始時または開始されるまでに実行されるものの、(N−1)回目の可変表示が第2特別図柄の可変表示であって、この第2特別図柄の可変表示が終了する前にN回目の可変表示として第1特別図柄の可変表示が開始された場合、N回目の可変表示である第1特別図柄の可変表示が開始された後も第1演出を実行せず、(N−1)回目の可変表示に対応する第2演出を実行するようにしたものである。これにより、所定の演出領域における表示演出を第2演出から第1演出にスムーズに移行させることが可能となり、興趣の低下を抑制することが可能となる。
なお、「可変表示中」は、特別図柄の可変表示を計時するタイマの計時が開始された後、この可変表示について設定された可変表示時間が経過するまでの間が相当する。
また、「第1特別図柄の可変表示に対応する第1演出」は、例えば、第1特別図柄の可変表示時間に対応する(第1特別図柄と同期する)ように装飾図柄の可変表示演出を行ったり、第1特別図柄抽選の結果に基づく演出(例えば、第1特別図柄抽選の結果期待度を示すキャラクタ演出)を第1特別図柄の可変表示中に行ったりする演出等が相当する。同様に、「第2特別図柄の可変表示に対応する第2演出」は、例えば、第2特別図柄の可変表示時間に対応する(第2特別図柄と同期する)ように装飾図柄の可変表示演出を行ったり、第2特別図柄抽選の結果に基づく演出(例えば、第2特別図柄抽選の結果期待度を示すキャラクタ演出)を第2特別図柄の可変表示中に行ったりする演出等が相当する。
また、「前記特定遊技状態の終了にかかわる処理を、該特定遊技状態における前記N回目の特別図柄の可変表示の開始時または開始されるまでに実行する」のうち、「開始されるまでに」とは、例えば、特別図柄の可変表示パターンが決定されてから特別図柄の可変表示が開始されるまでの間が相当する。実際、特別図柄の可変表示パターンは特別図柄の可変表示の開始時に決定されるが、特別図柄の可変表示パターンがセットされてから特別図柄の可変表示が開始されるまでの間に特定遊技状態の終了にかかわる処理を実行してもよい趣旨である。
また、特定遊技状態の終了にかかわる処理は、特定遊技状態におけるN回目の特別図柄の可変表示の開始時または開始されるまでに例えば特定遊技状態終了フラグをONにセット(例えば、時短フラグをOFFにセット)して通常遊技状態に移行するようにしてもよいが、これに限定されない。例えば、特定遊技状態におけるN回目の特別図柄の可変表示の開始時または開始されるまでに例えば特定遊技状態終了フラグをONにセット(例えば、時短フラグをOFFにセット)するものの、N回目の特別図柄の可変表示が終了したときに通常遊技状態に移行するようにし、N回目の特別図柄の可変表示中に別の特別図柄の可変表示が開始された場合、この別の特別図柄の可変表示を、例えば特定遊技状態終了フラグがONにセット(例えば、時短フラグがOFFにセット)されていることにより特定遊技状態における可変表示として処理せず、通常遊技状態とみなして通常遊技状態における可変表示と同様の処理を行うようにしてもよい。
[16−5−5.付記5−5]
(1)本発明に係る遊技機は、
第1特別図柄および第2特別図柄を含む特別図柄のうちいずれかの特別図柄が可変表示中であっても他の特別図柄を可変表示可能な遊技機であって、
遊技領域(例えば、遊技領域20001p)に向けて発射された遊技球が第1特別始動領域(例えば、第1始動口20042)を通過したことに基づいて、可変表示時間が異なる複数の可変表示パターンのうちいずれかの可変表示パターンで前記第1特別図柄の可変表示を行い、第1特別図柄抽選の結果を導出可能な第1特別図柄可変制御手段(例えば、メインCPU20280)と、
遊技領域に向けて発射された遊技球が第2特別始動領域を通過したことに基づいて、可変表示時間が異なる複数の可変表示パターンのうちいずれかの可変表示パターンで前記第2特別図柄の可変表示を行い、第2特別図柄抽選の結果を導出可能な第2特別図柄可変制御手段(例えば、メインCPU20280)と、
通常遊技状態と特定遊技状態(例えば、第1時短遊技状態、第2時短遊技状態)とを含む複数の遊技状態のうちいずれかの遊技状態に制御可能であり、前記特定遊技状態において前記特別図柄の可変表示がN回(例えば、100回)行われると、該特定遊技状態から前記通常遊技状態に移行させる制御を実行可能な遊技状態制御手段(例えば、メインCPU20280)と、
所定の演出領域(例えば、液晶表示装置20004の表示領域20004d)において、前記第1特別図柄の可変表示に対応する第1演出(例えば、第1特別図柄の可変表示に対応する装飾図柄の変動演出)と前記第2特別図柄の可変表示に対応する第2演出(例えば、第2特別図柄の可変表示に対応する装飾図柄の変動演出)とのうちいずれか一方の演出を実行可能であり、前記通常遊技状態では前記第1演出を実行し、前記特定遊技状態では前記第2演出を実行するよう構成される演出制御手段(例えば、サブCPU20330)と、
を備え、
前記遊技状態制御手段は、
前記特定遊技状態の終了にかかわる処理を、該特定遊技状態における前記N回目の特別図柄の可変表示の開始時または開始されるまでに実行するよう構成されており、
前記演出制御手段は、
前記特定遊技状態における(N−1)回目の可変表示が前記第2特別図柄の可変表示であって、該第2特別図柄の可変表示が終了する前に前記N回目の可変表示として前記第1特別図柄の可変表示が開始され、前記(N−1)回目の可変表示である第2特別図柄の可変表示が終了したときに前記N回目の可変表示である第1特別図柄が可変表示中である場合、該N回目の可変表示である第1特別図柄の可変表示が開始された後は前記特定遊技状態の終了にかかわる処理が実行されているものの、少なくとも該第1特別図柄の可変表示中は前記第1演出を実行せず、該第1特別図柄の可変表示の終了後に前記第1演出を実行するよう構成される
ことを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、特定遊技状態の終了にかかわる処理がこの特定遊技状態におけるN回目の特別図柄の可変表示の開始時または開始されるまでに実行されるものの、(N−1)回目の可変表示である第2特別図柄の可変表示が終了したときにN回目の可変表示である第1特別図柄が可変表示中である場合、N回目の可変表示である第1特別図柄の可変表示が開始された後も第1演出を実行せず、第1特別図柄の可変表示の終了後に第1演出を実行するようにしたものである。これにより、第1演出が中途段階から開始されてしまうことを回避でき、所定の演出領域における表示演出を第2演出から第1演出にスムーズに移行させることが可能となり、興趣の低下を抑制することが可能となる。
なお、「可変表示中」は、特別図柄の可変表示を計時するタイマの計時が開始された後、この可変表示について設定された可変表示時間が経過するまでの間が相当する。
また、「第1特別図柄の可変表示に対応する第1演出」は、例えば、第1特別図柄の可変表示時間に対応する(第1特別図柄と同期する)ように装飾図柄の可変表示演出を行ったり、第1特別図柄抽選の結果に基づく演出(例えば、第1特別図柄抽選の結果期待度を示すキャラクタ演出)を第1特別図柄の可変表示中に行ったりする演出等が相当する。同様に、「第2特別図柄の可変表示に対応する第2演出」は、例えば、第2特別図柄の可変表示時間に対応する(第2特別図柄と同期する)ように装飾図柄の可変表示演出を行ったり、第2特別図柄抽選の結果に基づく演出(例えば、第2特別図柄抽選の結果期待度を示すキャラクタ演出)を第2特別図柄の可変表示中に行ったりする演出等が相当する。
また、「前記特定遊技状態の終了にかかわる処理を、該特定遊技状態における前記N回目の特別図柄の可変表示の開始時または開始されるまでに実行する」のうち、「開始されるまでに」とは、例えば、特別図柄の可変表示パターンが決定されてから特別図柄の可変表示が開始されるまでの間が相当する。実際、特別図柄の可変表示パターンは特別図柄の可変表示の開始時に決定されるが、特別図柄の可変表示パターンがセットされてから特別図柄の可変表示が開始されるまでの間に特定遊技状態の終了にかかわる処理を実行してもよい趣旨である。
また、特定遊技状態の終了にかかわる処理は、特定遊技状態におけるN回目の特別図柄の可変表示の開始時または開始されるまでに例えば特定遊技状態終了フラグをONにセット(例えば、時短フラグをOFFにセット)して通常遊技状態に移行するようにしてもよいが、これに限定されない。例えば、特定遊技状態におけるN回目の特別図柄の可変表示の開始時または開始されるまでに例えば特定遊技状態終了フラグをONにセット(例えば、時短フラグをOFFにセット)するものの、N回目の特別図柄の可変表示が終了したときに通常遊技状態に移行するようにし、N回目の特別図柄の可変表示中に別の特別図柄の可変表示が開始された場合、この別の特別図柄の可変表示を、例えば特定遊技状態終了フラグがONにセット(例えば、時短フラグがOFFにセット)されていることにより特定遊技状態における可変表示として処理せず、通常遊技状態とみなして通常遊技状態における可変表示と同様の処理を行うようにしてもよい。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、
前記演出制御手段(例えば、サブCPU20330)は、
前記(N−1)回目の可変表示である第2特別図柄の可変表示が終了してから前記N回目の可変表示である第1特別図柄の可変表示が終了するまで、前記第1演出および前記第2演出のいずれとも異なる特定演出(例えば、イレギュラー演出)を実行可能に構成される
ことを特徴とする。
上記(2)の遊技機によれば、特定遊技状態における最後の可変表示としての第2演出が実行されないまま、特定遊技状態が終了してしまうことによって生じうる違和感を解消することができる。すなわち、(N−1)回目の可変表示である第2特別図柄の可変表示が終了する前にN回目の可変表示として第1特別図柄の可変表示が開始され、N回目の可変表示である第1特別図柄の可変表示よりも(N−1)回目の可変表示である第2特別図柄の可変表示が先に終了した場合、(N−1)回目の可変表示である第2特別図柄の可変表示が終了してからN回目の可変表示である第1特別図柄の可変表示が終了するまで特定演出を表示するようにしたものである。これにより、第1演出が中途段階から開始されてしまうことを回避でき、所定の演出領域における表示演出を第2演出から第1演出にスムーズに移行させることが可能となり、興趣の低下を抑制することが可能となる。
なお、特定演出はN回目の可変表示である第1特別図柄の可変表示が終了と同期して終了するため、演出制御手段は、第1特別図柄抽選の結果を表示するようにしてもよい。
[16−5−6.付記5−6]
(1)本発明に係る遊技機は、
第1特別図柄および第2特別図柄を含む特別図柄のうちいずれかの特別図柄が可変表示中であっても他の特別図柄を可変表示可能な遊技機であって、
遊技領域(例えば、遊技領域20001p)に向けて発射された遊技球が第1特別始動領域(例えば、第1始動口20042)を通過したことに基づいて、可変表示時間が異なる複数の可変表示パターンのうちいずれかの可変表示パターンで前記第1特別図柄の可変表示を行い、第1特別図柄抽選の結果を導出可能な第1特別図柄可変制御手段(例えば、メインCPU20280)と、
遊技領域に向けて発射された遊技球が第2特別始動領域を通過したことに基づいて、可変表示時間が異なる複数の可変表示パターンのうちいずれかの可変表示パターンで前記第2特別図柄の可変表示を行い、第2特別図柄抽選の結果を導出可能な第2特別図柄可変制御手段(例えば、メインCPU20280)と、
通常遊技状態と特定遊技状態(例えば、第1時短遊技状態、第2時短遊技状態)とを含む複数の遊技状態のうちいずれかの遊技状態に制御可能であり、前記特定遊技状態において前記特別図柄の可変表示がN回(例えば、100回)行われると、該特定遊技状態から前記通常遊技状態に移行させる制御を実行可能な遊技状態制御手段(例えば、メインCPU20280)と、
所定の可動役物(例えば、第1ロゴ役物25110、第2ロゴ役物25120、下可動体24110)を作動させる役物演出として、前記第1特別図柄抽選の結果に基づく第1役物演出と前記第2特別図柄抽選の結果に基づく第2役物演出とのうちいずれか一方の役物演出を実行可能であり、前記通常遊技状態では前記第1役物演出を実行可能である一方、前記特定遊技状態では前記第2役物演出を実行可能な役物制御手段(例えば、サブCPU20330)と、
を備え、
前記遊技状態制御手段は、
前記特定遊技状態の終了にかかわる処理を、該特定遊技状態における前記N回目の特別図柄の可変表示の開始時または開始されるまでに実行する一方、
前記役物制御手段は、
前記特定遊技状態に制御されてから前記N回目の前記特別図柄の可変表示中は前記特定遊技状態の終了にかかわる処理が実行されているものの前記第1役物演出を実行せず、少なくとも前記N回目の前記特別図柄の可変表示が終了した後に前記第1役物演出を実行可能に構成される
ことを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、特定遊技状態の終了にかかわる処理がN回目の特別図柄の可変表示の開始時または開始されるまでに実行されるものの、N回目の特別図柄の可変表示中、第1役物演出を実行せず、少なくともN回目の特別図柄の可変表示が終了した後に第1役物演出が実行されるようにしている。すなわち、N回目の特別図柄の可変表示中、特定遊技状態の終了にかかわる処理がすでに実行されているにもかかわらず第1役物演出が実行されないようにすることで、(N+1)回目の特別図柄抽選に基づく役物演出が第2役物演出とならないようにしつつ、第2役物演出から第1役物演出への移行をスムーズに行うことが可能となり、興趣の低下を抑制することが可能となる。
なお、「可変表示中」は、特別図柄の可変表示を計時するタイマの計時が開始された後、この可変表示について設定された可変表示時間が経過するまでの間が相当する。
また、「前記特定遊技状態の終了にかかわる処理を、該特定遊技状態における前記N回目の特別図柄の可変表示の開始時または開始されるまでに実行する」のうち、「開始されるまでに」とは、例えば、特別図柄の可変表示パターンが決定されてから特別図柄の可変表示が開始されるまでの間が相当する。実際、特別図柄の可変表示パターンは特別図柄の可変表示の開始時に決定されるが、特別図柄の可変表示パターンがセットされてから特別図柄の可変表示が開始されるまでの間に特定遊技状態の終了にかかわる処理を実行してもよい趣旨である。
また、特定遊技状態の終了にかかわる処理は、特定遊技状態におけるN回目の特別図柄の可変表示の開始時または開始されるまでに例えば特定遊技状態終了フラグをONにセット(例えば、時短フラグをOFFにセット)して通常遊技状態に移行するようにしてもよいが、これに限定されない。例えば、特定遊技状態におけるN回目の特別図柄の可変表示の開始時または開始されるまでに例えば特定遊技状態終了フラグをONにセット(例えば、時短フラグをOFFにセット)するものの、N回目の特別図柄の可変表示が終了したときに通常遊技状態に移行するようにし、N回目の特別図柄の可変表示中に別の特別図柄の可変表示が開始された場合、この別の特別図柄の可変表示を、例えば特定遊技状態終了フラグがONにセット(例えば、時短フラグがOFFにセット)されていることにより特定遊技状態における可変表示として処理せず、通常遊技状態とみなして通常遊技状態における可変表示と同様の処理を行うようにしてもよい。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、
前記第1特別図柄または前記第2特別図柄の可変表示が行われて特別の結果が導出されると遊技者に有利な特別遊技が実行され、
前記役物制御手段(例えば、サブCPU20330)は、
前記特定遊技状態に制御されてから(N−1)回目の可変表示が前記第2特別図柄の可変表示であって、該第2特別図柄の可変表示中にN回目および(N+1)回目の可変表示として前記第1特別図柄の可変表示が開始され、該(N+1)回目の可変表示において前記特別の結果が導出される場合、前記(N−1)回目の前記第2特別図柄抽選の結果に基づく前記第2役物演出が実行されていたとしても、前記可動役物(例えば、第1ロゴ役物25110、第2ロゴ役物25120、下可動体24110)を特別態様(例えば、イレギュラー大当り役物演出態様)となるよう作動可能に構成されてなる
ことを特徴とする。
上記(2)の遊技機によれば、特定遊技状態における(N−1)回目の可変表示が第2特別図柄の可変表示である場合には、この(N−1)回目の第2特別図柄抽選の結果に基づく第2役物演出が実行されている可能性がある。ところが、この(N−1)回目の第2特別図柄の可変表示中にN回目および(N+1)回目の可変表示として第1特別図柄の可変表示が開始され、この(N+1)回目の可変表示において特別の結果が導出される場合、第2役物演出が実行されていたとしても、可動役物を特別態様となるように作動させるようにしたものである。これにより、遊技者にとってサプライズとなる役物演出が実行されることとなり、興趣の低下を抑制することが可能となる。
なお、上記の(N+1)回目の可変表示は、特定遊技状態に制御されてから(N+1)回目の可変表示であることを意味するが、特定遊技状態における可変表示ではなく、通常遊技状態における可変表示である。
(3)上記(2)に記載の遊技機において、
前記可動役物(例えば、第1ロゴ役物25110、第2ロゴ役物25120、下可動体24110)に異常が発生した場合に異常時処理を実行可能な役物異常制御手段(例えば、サブCPU20330)をさらに備え、
前記役物制御手段は、
前記可動役物を遊技状態に応じた態様となるよう作動可能であり、前記複数の遊技状態のうち一の遊技状態(例えば、第1時短遊技状態)から他の遊技状態(例えば、通常遊技状態)に移行した場合、前記一の遊技状態に応じた役物態様(例えば、役物態様B)から前記他の遊技状態に応じた役物態様(例えば、役物態様A)となるよう前記可動役物を作動可能であり、
前記役物異常制御手段は、
一の役物態様から他の役物態様への前記可動役物の作動が発生しえない遊技状態の移行に対応する作動(例えば、役物態様Cから役物態様Aへの作動)である場合に異常時処理を実行可能であるものの、前記第2役物演出を実行中の可動役物が前記特別態様となるように該可動役物を作動させる場合、この可動役物の作動が発生しえない遊技状態の移行に対応する作動であったとしても、前記異常時処理を実行せず、正常な処理として前記可動役物を作動させるよう構成される
ことを特徴とする。
上記(3)の遊技機によれば、一の遊技状態から他の遊技状態に移行した場合、一の遊技状態に応じた役物態様から他の遊技状態に応じた役物態様となるように可動役物を作動させるとともに、この可動役物作動が発生しえない遊技状態の移行に対応する作動である場合には異常時処理が実行されるようにしている。ところが、(N−1)回目の第2特別図柄の可変表示中にN回目および(N+1)回目の可変表示として第1特別図柄の可変表示が開始され、この(N+1)回目の可変表示において特別の結果が導出される場合、第2役物演出が実行されていたとしても可動役物が特別態様となるように作動する可能性があるため、この作動が、発生しえない遊技状態の移行に対応する作動となる場合が生じうる。ただし、この場合、可動役物の作動が発生しえない遊技状態の移行に対応する作動であったとしても、異常時処理を実行せず、正常な処理として可動役物を作動させることで可動役物の異常時処理を好適に行うことができ、興趣の低下を抑制できる。
[16−5−7.付記5−7]
(1)本発明に係る遊技機は、
第1特別図柄および第2特別図柄を含む特別図柄のうちいずれかの特別図柄が可変表示中であっても他の特別図柄を可変表示可能な遊技機であって、
遊技領域(例えば、遊技領域20001p)に向けて発射された遊技球が第1特別始動領域(例えば、第1始動口20042)を通過したことに基づいて、可変表示時間が異なる複数の可変表示パターンのうちいずれかの可変表示パターンで前記第1特別図柄の可変表示を行い、第1特別図柄抽選の結果を導出可能な第1特別図柄可変制御手段(例えば、メインCPU20280)と、
遊技領域に向けて発射された遊技球が第2特別始動領域を通過したことに基づいて、可変表示時間が異なる複数の可変表示パターンのうちいずれかの可変表示パターンで前記第2特別図柄の可変表示を行い、第2特別図柄抽選の結果を導出可能な第2特別図柄可変制御手段(例えば、メインCPU20280)と、
通常遊技状態と特定遊技状態(例えば、第1時短遊技状態、第2時短遊技状態)とを含む複数の遊技状態のうちいずれかの遊技状態に制御可能であり、前記特定遊技状態において前記特別図柄の可変表示がN回(例えば、100回)行われると、該特定遊技状態から前記通常遊技状態に移行させる制御を実行可能な遊技状態制御手段(例えば、メインCPU20280)と、
所定の演出領域(例えば、液晶表示装置20004の表示領域20004d)において表示演出が行われるよう制御する表示演出制御手段(例えば、サブCPU20330)と、
所定の可動役物(例えば、第1ロゴ役物25110、第2ロゴ役物25120、下可動体24110)を遊技状態に応じた態様となるよう作動可能であり、前記複数の遊技状態のうち一の遊技状態から他の遊技状態に移行した場合、前記一の遊技状態に応じた役物態様から前記他の遊技状態に応じた役物態様となるよう前記可動役物を作動可能な役物制御手段(例えば、サブCPU20330)と、
前記可動役物に異常が発生した場合に異常時処理を実行可能な役物異常制御手段(例えば、サブCPU20330)と、
を備え、
前記表示演出制御手段は、
一定時間以上にわたって前記特別図柄の可変表示が行われなかった場合、前記所定の演出領域において待機演出が行われるよう制御可能であるとともに、
前記役物制御手段は、
前記待機演出においても、該待機演出に応じた態様(例えば、役物態様D)となるよう前記可動役物を作動可能に構成されており、
前記役物異常制御手段は、
一の役物態様から他の役物態様への前記可動役物の作動が発生しえない遊技状態の移行に対応する作動(例えば、役物態様Cから役物態様Aへの作動)である場合に異常時処理を実行可能であるものの、前記待機演出に応じた態様からいずれかの遊技状態に応じた態様となるように前記可動役物を作動させる場合、この可動役物の作動が発生しえない遊技状態の移行に対応する作動であったとしても、前記異常時処理を実行せず、正常な処理として前記可動役物を作動させるよう構成される
ことを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、一定時間以上にわたって特別図柄の可変表示が行われなかった場合、所定の演出領域において待機演出が行われるよう制御されるが、この待機演出では、待機演出に応じた態様となるよう可動役物が作動するよう構成されている。また、一の遊技状態から他の遊技状態に移行した場合、一の遊技状態に応じた役物態様から他の遊技状態に応じた役物態様となるように可動役物を作動させるとともに、この可動役物作動が発生しえない遊技状態の移行に対応する作動である場合には異常時処理が実行されるようにしている。ただし、待機演出に応じた態様からいずれかの遊技状態に応じた態様となるように可動役物を作動させる場合、この可動役物の作動が発生しえない遊技状態の移行に対応する作動であったとしても、異常時処理を実行せず、正常な処理として可動役物を作動させることで、可動役物の異常時処理を好適に行うことができ、興趣の低下を抑制できる。
[16−5−8.付記5−8]
(1)本発明に係る遊技機は、
第1特別図柄および第2特別図柄を含む特別図柄のうちいずれかの特別図柄が可変表示中であっても他の特別図柄を可変表示可能な遊技機であって、
遊技領域(例えば、遊技領域20001p)に向けて発射された遊技球が第1特別始動領域(例えば、第1始動口20042)を通過したことに基づいて、可変表示時間が異なる複数の可変表示パターンのうちいずれかの可変表示パターンで前記第1特別図柄の可変表示を行い、第1特別図柄抽選の結果を導出可能な第1特別図柄可変制御手段(例えば、メインCPU20280)と、
遊技領域に向けて発射された遊技球が第2特別始動領域を通過したことに基づいて、可変表示時間が異なる複数の可変表示パターンのうちいずれかの可変表示パターンで前記第2特別図柄の可変表示を行い、第2特別図柄抽選の結果を導出可能な第2特別図柄可変制御手段(例えば、メインCPU20280)と、
通常遊技状態と特定遊技状態(例えば、第1時短遊技状態、第2時短遊技状態)とを含む複数の遊技状態のうちいずれかの遊技状態に制御可能であり、前記特定遊技状態において前記特別図柄の可変表示がN回(例えば、100回)行われると、該特定遊技状態から前記通常遊技状態に移行させる制御を実行可能な遊技状態制御手段(例えば、メインCPU20280)と、
所定の演出領域(例えば、液晶表示装置20004の表示領域20004d)において、前記第1特別図柄の可変表示に対応する第1演出(例えば、第1特別図柄の可変表示に対応する装飾図柄の変動演出)と前記第2特別図柄の可変表示に対応する第2演出(例えば、第2特別図柄の可変表示に対応する装飾図柄の変動演出)とのうちいずれか一方の演出を実行可能であり、前記通常遊技状態では前記第1演出を実行し、前記特定遊技状態では前記第2演出を実行するよう構成される演出制御手段(例えば、サブCPU20330)と、
を備え、
前記演出制御手段は、
前記特定遊技状態において前記N回目の特別図柄の可変表示が開始されると、該可変表示が前記第1特別図柄および前記第2特別図柄のいずれの可変表示であったとしても、前記第1演出および前記第2演出とは異なる特殊演出(例えば、リザルト演出)を実行可能な特殊演出制御手段(例えば、ステップS12313の処理を実行するサブCPU20330)を有し、
前記特殊演出制御手段は、
前記特定遊技状態に制御されてから前記N回目の可変表示が前記第2特別図柄の可変表示であって、(N+1)回目の可変表示が第1特別図柄の可変表示である場合、前記特殊演出を、該(N+1)回目の可変表示である第1特別図柄の可変表示が終了するまで継続可能であり、
前記第1特別図柄可変制御手段は、
前記(N+1)回目の可変表示である前記第1特別図柄の可変表示を、予め決められた一定時間にわたってするよう構成される
ことを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、特定遊技状態から通常遊技状態への移行時に、演出が煩雑となることを防止でき、興趣の低下を抑制することが可能となる。すなわち、特定遊技状態では所定の演出領域において第2演出が実行されるが、例えばN回目の可変表示が第1特別図柄の可変表示であると、N回目の特別図柄の可変表示において第2演出が実行されていないにもかかわらず特定遊技状態が終了してしまうといったことが生じる。この場合、特別図柄の可変表示がN回実行されていないにもかかわらず特定遊技状態が終了してしまったという誤解を遊技者に与えかねない。そこで、N回目の特別図柄の可変表示が開始されたとき、この可変表示が第1特別図柄および第2特別図柄のいずれの可変表示であったとしても第1演出および第2演出とは異なる特殊演出を実行可能とすることで、遊技者に誤解を与えることを防止でき、興趣の低下を抑制することが可能となる。
また、N回目の可変表示が第2特別図柄の可変表示であって、この第2特別図柄の可変表示中に(N+1)回目の特別図柄の可変表示として第1特別図柄の可変表示が開始された場合、N回目の可変表示である第2特別図柄の可変表示が終了したタイミングで所定の演出領域に表示される演出を第2演出から第1演出に変更すると、第1特別図柄の可変表示の中途から第1演出に変更されることとなってしまう。そこで、このような場合には、特殊演出を、(N+1)回目の可変表示である第1特別図柄の可変表示が終了するまで継続するようにしている。
ところで、上記の(N+1)回目の可変表示である第1特別図柄の可変表示が終了するまで特殊演出を継続するようにした場合、可変表示時間が異なる複数の可変表示パターンのうちいずれかの可変表示パターンで第1特別図柄の可変表示を行うようにすると、相対的に長い時間にわたって第1特別図柄の可変表示が行われる場合が生じうる。そこで、(N+1)回目の特別図柄の可変表示である第1特別図柄の可変表示を、予め決められた一定時間にわたって行うようようにすることで、いたずらに長時間にわたって(N+1)回目の可変表示である第1特別図柄の可変表示が続いてしまうことを防ぐことが可能となる。
なお、上記の(N+1)回目の可変表示は、特定遊技状態に制御されてから(N+1)回目の可変表示であることを意味するが、特定遊技状態における可変表示ではなく、通常遊技状態における可変表示である。
また、「可変表示中」とは、特別図柄の可変表示が開始されてから終了するまでであり、特別図柄が実際に可変表示しているときのみならず、特別図柄の可変表示を開始する前のインターバルおよび特別図柄の可変表示を終了した後のインターバルも含む。
また、「第1特別図柄の可変表示に対応する第1演出」は、例えば、第1特別図柄の可変表示時間に対応する(第1特別図柄と同期する)ように装飾図柄の可変表示演出を行ったり、第1特別図柄抽選の結果に基づく演出(例えば、第1特別図柄抽選の結果期待度を示すキャラクタ演出)を第1特別図柄の可変表示中に行ったりする演出等が相当する。同様に、「第2特別図柄の可変表示に対応する第2演出」は、例えば、第2特別図柄の可変表示時間に対応する(第2特別図柄と同期する)ように装飾図柄の可変表示演出を行ったり、第2特別図柄抽選の結果に基づく演出(例えば、第2特別図柄抽選の結果期待度を示すキャラクタ演出)を第2特別図柄の可変表示中に行ったりする演出等が相当する。
また、「前記第1演出および前記第2演出とは異なる特殊演出」とは、例えば、第1特別図柄の可変表示時間および第2特別図柄の可変表示時間のいずれとも異なる時間にわたって行われる演出等が相当する。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、
前記特殊演出制御手段(例えば、ステップS12313の処理を実行するサブCPU20330)は、
前記特殊演出(例えば、リザルト演出)を、前記N回目の特別図柄の可変表示である第2特別図柄の可変表示の終了時に前記(N+1)回目の特別図柄の可変表示である第1特別図柄が可変表示中でないときは前記N回目の特別図柄の可変表示である第2特別図柄の可変表示と略同時に終了するよう構成される
ことを特徴とする。
上記(2)の遊技機によれば、N回目の特別図柄の可変表示の終了時に他の特別図柄が可変表示中であるときはこの他の特別図柄の可変表示が終了するまで特殊演出が継続する一方、N回目の特別図柄の可変表示の終了時に他の特別図柄が可変表示中でないときはN回目の特別図柄の可変表示と略同時に特殊演出が終了する。例えば、N回目の特別図柄の可変表示が第2特別図柄の可変表示であって、このN回目の可変表示の終了時に、第1特別図柄が可変表示であるときはこの第1特別図柄の可変表示が終了するまで特殊演出を継続させる一方、第1特別図柄が可変表示でないときはこの第1特別図柄の可変表示の終了と略同時に特殊演出を終了させるようにしたものである。これにより、特殊演出の実行期間を徒に長くすることなく、所定の演出領域に表示される演出を第1演出にスムーズに移行させることができ、興趣の低下を抑制することが可能となる。
付記5(付記5−1〜付記5−8)の遊技機によれば、興趣の低下を抑制することができる。
[16−6.付記6]
従来より、所定の条件が成立すると抽選を行い、この抽選結果に基づいて図柄の可変表示が行われる可変表示手段を備え、可変表示手段において特別結果を示す態様が導出されると遊技者に有利な特別遊技状態に制御されるパチンコ機やパチスロ機等の遊技機が知られている。
この種の遊技機には、図柄の可変表示が行われているときに遊技者による操作を促し、遊技者が操作を行うと、特別結果を示す態様が導出される可能性があることを示す演出を行うことで興趣を高めるようにしたものがある。
このような遊技機において、遊技者による操作が行われない場合でも、所定の条件を契機として遊技者による操作が行われた場合と同じ処理を行うオートボタン機能を備える遊技機が開示されている(例えば、特開2015−223522号公報参照)。
しかし、特開2015−223522号公報に記載された遊技機は、可変表示が実行されていないときにオートボタン機能を設定するものである。そのため、オートボタン機能を設定するには遊技を一旦中断しなければならないため興趣が低下するおそれがあり、オートボタン機能を好適に設定できるようにすることが望まれている。
本発明は、そのような点に鑑みてなされたものであり、好適に、興趣の低下を抑制することができる遊技機を提供することを目的とする。
[16−6−1.付記6−1]
(1)本発明に係る遊技機は、
所定条件の成立に基づいて可変表示を行う可変制御手段(例えば、特別図柄の可変表示を行うメインCPU20380、装飾図柄の変動演出を行うサブCPU20330)と、
遊技者による操作が可能に設けられる操作手段(例えば、操作部材22000)と、
演出に関する設定状態を第1状態(例えば、オート機能無効状態)または第2状態(例えば、オート機能有効状態)に設定可能な設定手段(例えば、サブCPU20330)と、
所定の有効期間(例えば、予告ボタン演出有効期間)中に遊技者による操作が行われると(例えば、ボタン操作されると)特定演出を実行可能な特定演出実行手段(例えば、サブCPU20330)と、
を備え、
前記特定演出実行手段は、
前記第1状態において、前記有効期間中に遊技者による操作が行われなければ前記特定演出を実行せず、前記有効期間中に遊技者による操作が行われると前記特定演出を実行可能である一方、
前記第2状態において、遊技者による操作が行われたか否かにかかわらず前記特定演出を実行可能であり、
前記設定手段は、
前記第1状態において可変表示の実行中に遊技者による操作が所定の態様で行われると(例えば、規定時間以上にわたってボタン操作が行われると)該第1状態から前記第2状態に変更可能であるものの、該遊技者による操作が前記有効期間中に行われた場合、前記第1状態から前記第2状態に変更しないよう構成される
ことを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、第1状態において可変表示の実行中に遊技者の操作によって第2状態に変更可能としつつ、特定演出の実行契機となる操作を好適に行うことができ、興趣の低下を抑制することができる。
なお、特定演出の実行契機となる操作手段と、第1状態から第2状態への変更契機となる操作手段とは、共通する操作手段であることが好ましいが、両者が異なる操作手段であるものを排除する趣旨ではない。
また、「遊技者による操作が行われたか否かにかかわらず前記特定演出を実行可能」とは、遊技者による操作が検出された場合と遊技者による操作が検出されなかった場合とのいずれにおいても特定演出を実行する態様、および、遊技者による操作の検出自体を行わずに(遊技者による操作があったか否か自体を判別することなく)特定演出を実行する態様の両方を含む概念である。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、
前記有効期間中に遊技者による操作が所定時間を超えて行われると、さらなる演出(例えば、バイブレーション機能を作動させる演出)を実行可能な付加演出制御手段(例えば、サブCPU20330)をさらに備え、
前記設定手段は、
前記有効期間終了後の所定期間、遊技者による操作が行われたとしても前記第1状態から前記第2状態に変更しないよう構成される
ことを特徴とする。
上記(2)の遊技機によれば、有効期間中に遊技者による操作が所定時間を超えて行われるとさらなる演出が実行される可能性があるため興趣を高めることができる一方、遊技者は、さらなる演出が実行されることを期待して長時間にわたって操作を行い続ける可能性がある。この場合、遊技者の意図しないときに第1状態から第2状態に変更されてしまうことが生じうる。そこで、有効期間終了後の所定期間、遊技者による操作が行われたとしても第1状態から第2状態に変更しないようにしている。これにより、第1状態において可変表示の実行中に遊技者の操作によって第2状態に変更可能としつつ、特定演出の実行契機となる操作を好適に行うことができるとともに、遊技者の意図しないときに第1状態から第2状態に変更されてしまうことを防止することが可能となる。
なお、「さらなる演出」は、例えば操作手段を振動させる等、遊技者による操作が所定時間を超えて行われたときに遊技者が容易に把握できる演出であることが好ましい。
[16−6−2.付記6−2]
(1)本発明に係る遊技機は、
所定条件の成立に基づいて可変表示を行う可変制御手段(例えば、特別図柄の可変表示を行うメインCPU20380、装飾図柄の変動演出を行うサブCPU20330)と、
遊技者による操作が可能に設けられる操作手段(例えば、操作部材22000)と、
演出に関する設定状態を第1状態(例えば、オート機能無効状態)または第2状態(例えば、オート機能有効状態)に設定可能な設定手段(例えば、サブCPU20330)と、
所定の有効期間(例えば、予告ボタン演出有効期間)中に遊技者による操作が行われると(例えば、ボタン操作されると)特定演出を実行可能な特定演出実行手段(例えば、サブCPU20330)と、
を備え、
前記特定演出実行手段は、
前記第1状態において、前記有効期間中に遊技者による操作が行われなければ前記特定演出を実行せず、前記有効期間中に遊技者による操作が行われると前記特定演出を実行可能である一方、
前記第2状態において、遊技者による操作が行われたか否かにかかわらず前記特定演出を実行可能であり、
前記設定手段は、
前記第1状態において可変表示の実行中に遊技者による操作が規定時間を超えて行われると該第1状態から前記第2状態に変更可能であるものの、該遊技者による操作が前記有効期間中に行われた場合、前記第1状態から前記第2状態に変更しないとともに、
前記有効期間中でないときに遊技者による操作が開始されたものの、該操作が前記規定時間を超える前に前記有効期間となった場合にも、前記第1状態から前記第2状態に変更しないよう構成される
ことを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、第1状態において可変表示の実行中に遊技者の操作によって第2状態に変更可能としつつ、特定演出の実行契機となる操作を好適に行うことができ、興趣の低下を抑制することができる。
また、遊技者による操作が行われているときに有効期間中となった場合にも、遊技者による操作が規定時間を超えていなければ第1状態から第2状態に変更しないようにすることで、特定演出の実行契機となる操作を好適に行うことができ、興趣の低下を抑制することができる。
なお、特定演出の実行契機となる操作手段と、第1状態から第2状態への変更契機となる操作手段とは、共通する操作手段であることが好ましいが、両者が異なる操作手段であるものを排除する趣旨ではない。
また、「遊技者による操作が行われたか否かにかかわらず前記特定演出を実行可能」とは、遊技者による操作が検出された場合と遊技者による操作が検出されなかった場合とのいずれにおいても特定演出を実行する態様、および、遊技者による操作の検出自体を行わずに(遊技者による操作があったか否か自体を判別することなく)特定演出を実行する態様の両方を含む概念である。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、
前記有効期間中に遊技者による操作が所定時間を超えて行われると、さらなる演出(例えば、バイブレーション機能を作動させる演出)を実行可能な付加演出制御手段(例えば、サブCPU20330)をさらに備え、
前記設定手段は、
前記有効期間終了後の所定期間、遊技者による操作が行われたとしても前記第1状態から前記第2状態に変更しないよう構成される
ことを特徴とする。
上記(2)の遊技機によれば、有効期間中に遊技者による操作が所定時間を超えて行われるとさらなる演出が実行される可能性があるため興趣を高めることができる一方、遊技者は、さらなる演出が実行されることを期待して長時間にわたって操作を行い続ける可能性がある。この場合、遊技者の意図しないときに第1状態から第2状態に変更されてしまうことが生じうる。そこで、有効期間終了後の所定期間、遊技者による操作が行われたとしても第1状態から第2状態に変更しないようにしている。これにより、第1状態において可変表示の実行中に遊技者の操作によって第2状態に変更可能としつつ、特定演出の実行契機となる操作を好適に行うことができるとともに、遊技者の意図しないときに第1状態から第2状態に変更されてしまうことを防止することが可能となる。
なお、「さらなる演出」は、例えば操作手段を振動させる等、遊技者による操作が所定時間を超えて行われたときに遊技者が容易に把握できる演出であることが好ましい。
[16−6−3.付記6−3]
(1)本発明に係る遊技機は、
所定条件の成立に基づいて可変表示を行う可変制御手段(例えば、特別図柄の可変表示を行うメインCPU20380、装飾図柄の変動演出を行うサブCPU20330)と、
遊技者による操作が可能に設けられる操作手段(例えば、操作部材22000)と、
演出に関する設定状態を第1状態(例えば、オート機能無効状態)または第2状態(例えば、オート機能有効状態)に設定可能な設定手段(例えば、サブCPU20330)と、
所定の有効期間(例えば、予告ボタン演出有効期間)中に遊技者による操作が行われると(例えば、ボタン操作されると)特定演出を実行可能な特定演出実行手段(例えば、サブCPU20330)と、
を備え、
前記特定演出実行手段は、
前記第1状態において、前記有効期間中に遊技者による操作が行われなければ前記特定演出を実行せず、前記有効期間中に遊技者による操作が行われると前記特定演出を実行可能である一方、
前記第2状態において、遊技者による操作が行われたか否かにかかわらず前記特定演出を実行可能であり、
前記設定手段は、
前記第1状態において可変表示の実行中に遊技者による操作が規定時間を超えて行われると該第1状態から前記第2状態に変更可能であるものの、該遊技者による操作が前記有効期間中に行われた場合、前記第1状態から前記第2状態に変更しないとともに、
可変表示の実行中に遊技者による操作が開始されたものの、該操作が前記規定時間を超える前に該可変表示が終了した場合にも、前記第1状態から前記第2状態に変更しないよう構成される
ことを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、第1状態において可変表示の実行中に遊技者の操作によって第2状態に変更可能としつつ、特定演出の実行契機となる操作を好適に行うことができ、興趣の低下を抑制することができる。
また、可変表示の実行中に遊技者による操作が開始されたものの、この操作が規定時間を超える前に可変表示が終了した場合、すなわち、遊技者による操作が行われているものの規定時間にいたる前に可変表示が停止した場合にも、第1状態から第2状態に変更しないようにすることで、特定演出の実行契機となる操作を好適に行うことができ、興趣の低下を抑制することができる。
なお、特定演出の実行契機となる操作手段と、第1状態から第2状態への変更契機となる操作手段とは、共通する操作手段であることが好ましいが、両者が異なる操作手段であるものを排除する趣旨ではない。
また、「遊技者による操作が行われたか否かにかかわらず前記特定演出を実行可能」とは、遊技者による操作が検出された場合と遊技者による操作が検出されなかった場合とのいずれにおいても特定演出を実行する態様、および、遊技者による操作の検出自体を行わずに(遊技者による操作があったか否か自体を判別することなく)特定演出を実行する態様の両方を含む概念である。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、
前記有効期間中に遊技者による操作が所定時間を超えて行われると、さらなる演出(例えば、バイブレーション機能を作動させる演出)を実行可能な付加演出制御手段(例えば、サブCPU20330)をさらに備え、
前記設定手段は、
前記有効期間終了後の所定期間、遊技者による操作が行われたとしても前記第1状態から前記第2状態に変更しないよう構成される
ことを特徴とする。
上記(2)の遊技機によれば、有効期間中に遊技者による操作が所定時間を超えて行われるとさらなる演出が実行される可能性があるため興趣を高めることができる一方、遊技者は、さらなる演出が実行されることを期待して長時間にわたって操作を行い続ける可能性がある。この場合、遊技者の意図しないときに第1状態から第2状態に変更されてしまうことが生じうる。そこで、有効期間終了後の所定期間、遊技者による操作が行われたとしても第1状態から第2状態に変更しないようにしている。これにより、第1状態において可変表示の実行中に遊技者の操作によって第2状態に変更可能としつつ、特定演出の実行契機となる操作を好適に行うことができるとともに、遊技者の意図しないときに第1状態から第2状態に変更されてしまうことを防止することが可能となる。
なお、「さらなる演出」は、例えば操作手段を振動させる等、遊技者による操作が所定時間を超えて行われたときに遊技者が容易に把握できる演出であることが好ましい。
(3)上記(1)または(2)に記載の遊技機において、
前記設定手段は、
前記可変表示が実行される前に遊技者による操作が開始され、該遊技者による操作が開始された後に前記可変表示が実行されたとしても、該可変表示の実行が開始されてから前記規定時間を超えて遊技者による操作が継続する場合、前記有効期間とならない限り前記第1状態から前記第2状態に変更するよう構成される
ことを特徴とする。
上記(3)の遊技機によれば、遊技者による操作が開始されたときは可変表示が実行される前であったとしても、その後に可変表示が開始された場合には、可変表示が開始されてから規定時間を超えて遊技者による操作が継続すれば、有効期間とならない限り第1状態から第2状態に変更される。これにより、第1状態において可変表示の実行中に遊技者の操作によって第2状態に変更可能としつつ、特定演出の実行契機となる操作を好適に行うことができ、興趣の低下を抑制することができる。
[16−6−4.付記6−4]
(1)本発明に係る遊技機は、
所定条件の成立に基づいて可変表示を行う可変制御手段と、
遊技者による操作が可能に設けられる操作手段と、
演出に関する設定状態を第1状態または第2状態に設定可能な設定手段と、
所定の有効期間中に遊技者による操作が行われると特定演出を実行可能な特定演出実行手段と、
を備え、
前記特定演出実行手段は、
前記第1状態において、前記有効期間中に遊技者による操作が行われなければ前記特定演出を実行せず、前記有効期間中に遊技者による操作が行われると前記特定演出を実行可能である一方、
前記第2状態において、遊技者による操作が行われたか否かにかかわらず前記特定演出を実行可能であり、
前記設定手段は、
前記第1状態において可変表示の実行中に遊技者による操作が規定時間を超えて行われると該第1状態から前記第2状態に変更可能であるものの、該遊技者による操作が前記有効期間中に行われた場合、前記第1状態から前記第2状態に変更しない一方、
前記有効期間でないときに遊技者による操作が開始され、該操作が前記規定時間を超える前に前記有効期間となったもののその後も遊技者による操作が継続されたことによって遊技者による操作が前記規定時間を超えた場合、前記第1状態から前記第2状態に変更可能に構成される
ことを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、第1状態において可変表示の実行中に遊技者の操作によって第2状態に変更可能としつつ、特定演出の実行契機となる操作を好適に行うことができ、興趣の低下を抑制することができる。
ところで、有効期間前に遊技者による操作が開始された場合、この操作を行う遊技者には、第1状態から第2状態に変更させようとする意思が存在するものと考えられる。したがって、第1状態から第2状態に変更させようとして遊技者による操作が行われたにもかかわらず、規定時間が経過する前に有効期間となった場合、遊技者に煩わしさを与えることとなり、興趣が低下するおそれがある。とくに、遊技者の意思とは無関係に有効期間となってしまうため尚更である。そこで、有効期間前に遊技者による操作が開始され、この操作が有効期間となった以降も継続した場合、有効期間となる前の遊技者による操作と有効期間となった後の遊技者による操作とをあわせて規定時間を超えると第1状態から第2状態に変更させることで、興趣の低下を抑制することができる。
なお、特定演出の実行契機となる操作手段と、第1状態から第2状態への変更契機となる操作手段とは、共通する操作手段であることが好ましいが、両者が異なる操作手段であるものを排除する趣旨ではない。
また、「遊技者による操作が行われたか否かにかかわらず前記特定演出を実行可能」とは、遊技者による操作が検出された場合と遊技者による操作が検出されなかった場合とのいずれにおいても特定演出を実行する態様、および、遊技者による操作の検出自体を行わずに(遊技者による操作があったか否か自体を判別することなく)特定演出を実行する態様の両方を含む概念である。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、
前記有効期間中に遊技者による操作が所定時間を超えて行われると、さらなる演出(例えば、バイブレーション機能を作動させる演出)を実行可能な付加演出制御手段(例えば、サブCPU20330)をさらに備え、
前記設定手段は、
前記有効期間終了後の所定期間、遊技者による操作が行われたとしても前記第1状態から前記第2状態に変更しないよう構成される
ことを特徴とする。
上記(2)の遊技機によれば、有効期間中に遊技者による操作が所定時間を超えて行われるとさらなる演出が実行される可能性があるため興趣を高めることができる一方、遊技者は、さらなる演出が実行されることを期待して長時間にわたって操作を行い続ける可能性がある。この場合、遊技者の意図しないときに第1状態から第2状態に変更されてしまうことが生じうる。そこで、有効期間終了後の所定期間、遊技者による操作が行われたとしても第1状態から第2状態に変更しないようにしている。これにより、第1状態において可変表示の実行中に遊技者の操作によって第2状態に変更可能としつつ、特定演出の実行契機となる操作を好適に行うことができるとともに、遊技者の意図しないときに第1状態から第2状態に変更されてしまうことを防止することが可能となる。
なお、「さらなる演出」とは、例えば操作手段を振動させる等、遊技者による操作が所定時間を超えて行われたときに遊技者が容易に把握できる演出であることが好ましい。
(3)上記(1)または(2)に記載の遊技機において、
前記設定手段は、
前記可変表示が実行される前(例えば、前回の可変表示の実行中、可変表示が実行されていないとき)に遊技者による操作が開始され、該遊技者による操作が開始された後に前記可変表示が実行されたとしても、該可変表示の実行が開始されてから前記規定時間を超えて遊技者による操作が継続する場合、前記第1状態から前記第2状態に変更するよう構成される
ことを特徴とする。
上記(3)の遊技機によれば、遊技者による操作が開始されたときは可変表示が実行される前であったとしても、その後に可変表示が開始された場合には、可変表示が開始されてから規定時間を超えて遊技者による操作が継続すれば、有効期間とならない限り第1状態から第2状態に変更される。これにより、第1状態において可変表示の実行中に遊技者の操作によって第2状態に変更可能としつつ、特定演出の実行契機となる操作を好適に行うことができ、興趣の低下を抑制することができる。
付記6(付記6−1〜付記6−4)の遊技機によれば、好適に、興趣の低下を抑制することができる遊技機を提供することができる。
[17.拡張例]
以下に、上述した全ての実施形態に共通する拡張例について説明する。なお、実施形態に応じて各構成に付された符号が異なるため、以下の説明では符号を省略する。
先ず、各実施形態に係るパチンコ遊技機は、遊技媒体を用いて遊技を行い、その遊技の結果に基づいて特典が付与される形態全ての遊技機について、本発明を適用することができる。すなわち、物理的な遊技者の動作によって遊技媒体が発射されたり投入されたりすることで遊技を行い、その遊技の結果に基づいて遊技媒体が払い出される形態のみならず、主制御回路自体が、遊技者が保有する遊技媒体を電磁的に管理し、封入された遊技球を循環させて行う遊技やメダルレスで行う遊技を可能とするものであってもよい。また、遊技者が保有する遊技媒体を電磁的に管理するのは、主制御回路に装着され(接続され)、遊技媒体を管理する遊技媒体管理装置であってもよい。
封入された遊技球を循環させて遊技を行うパチンコ遊技機の場合、遊技媒体としての遊技球が外部に排出されずに遊技可能に構成されているため、入賞したとき、賞球が払い出されることに代えて遊技媒体としての賞球データが付与される。この明細書において、「付与される遊技価値」には、賞球および賞球データのいずれの意味も含まれる。例えば、賞球数が15個の入賞口に入賞した場合、封入式の遊技機であれば、15個の賞球に対応する価値の賞球データが付与される。また、遊技価値は、必ずしも賞球や賞球データに限定されず、賞球や賞球データに相当するものであればよい。
また、主制御回路に接続された遊技媒体管理装置が管理する場合、遊技媒体管理装置は、ROMおよびRWM(あるいはRAM)を有して、遊技機に設けられる装置であって、図示しない外部の遊技媒体取扱い装置と所定のインターフェイスを介して双方向通信機能に接続されるものであり、遊技媒体の貸出動作(すなわち、遊技者が遊技媒体の投入操作を行う上で、必要な遊技媒体を提供する動作)若しくは遊技媒体の払出に係る役に入賞(当該役が成立)した場合の、遊技媒体の払出動作(すなわち、遊技者に対して遊技媒体の払出を行上で、必要な遊技媒体を獲得させる動作)、または遊技の用に供する遊技媒体を電磁的に記録する動作を行い得るものとすればよい。また、遊技媒体管理装置は、これら実際の遊技媒体数の管理のみならず、例えば、その遊技媒体数の管理結果に基づいて、パチンコ遊技機の前面に、保有する遊技媒体数を表示する保有遊技媒体数表示装置(不図示)を設けることとし、この保有遊技媒体数表示装置に表示される遊技媒体数を管理するものであってもよい。すなわち、遊技媒体管理装置は、遊技者が遊技の用に供することができる遊技媒体の総数を電磁的方法により記録し、表示することができるものとすればよい。
また、この場合、遊技媒体管理装置は、遊技者が、記録された遊技媒体数を示す信号を、外部の遊技媒体取扱装置に対して自由に送信させることができる性能を有し、また、遊技者が直接操作する場合の他、記録された遊技媒体数を減ずることができない性能を有し、また、外部の遊技媒体取扱装置との間に外部接続端子板(不図示)が設けられている場合には、その外部接続端子板を介してでなければ、遊技者が、記録された遊技媒体数を示す信号を送信できない性能を有することが望ましい。
遊技機には上記の他、遊技者が操作可能な貸出操作手段、返却(精算)操作手段、外部接続端子板が設けられ、遊技媒体取扱装置には紙幣等の有価価値の投入口、記録媒体(例えばICカード)の挿入口、携帯端末から電子マネー等の入金を行うための非接触通信アンテナ等、その他貸出操作手段、返却操作手段等各種操作手段、遊技媒体取扱装置側外部接続端子板が設けられるようにしてもよい(いずれも不図示)。
その際の遊技の流れとしては、例えば、遊技者が遊技媒体取扱装置に対しいずれかの方法で有価価値を入金し、上記いずれかの貸出操作手段の操作に基づいて所定数の有価価値を減算し、遊技媒体取扱装置から遊技媒体管理装置に対し減算した有価価値に対応する遊技媒体を増加させる。そして遊技者は遊技を行い、さらに遊技媒体が必要な場合には上記操作を繰り返し行う。その後遊技の結果所定数の遊技媒体を獲得し、遊技を終了する際にはいずれかの返却操作手段を操作することにより遊技媒体管理装置から遊技媒体取扱装置に対し遊技媒体数を送信し、遊技媒体取扱装置はその遊技媒体数を記録した記録媒体を排出する。遊技媒体管理装置は遊技媒体数を送信したときに自身が記憶する遊技媒体数をクリアする。遊技者は排出された記録媒体を景品交換するために景品カウンタ等に持っていくか、または他の台で記録された遊技媒体に基づいて遊技を行うために遊技台を移動する。
なお、上記例では全遊技媒体を遊技媒体取扱装置に対して送信したが、遊技機または遊技媒体取扱装置側で遊技者が所望する遊技媒体数のみを送信し、遊技者が所持する遊技媒体を分割して処理することとしてもよい。また、記録媒体を排出するだけに限らず、現金または現金等価物を排出するようにしてもよいし、携帯端末等に記憶させるようにしてもよい。また、遊技媒体取扱装置は遊技場の会員記録媒体を挿入可能とし、会員記録媒体に貯留して後日再遊技可能とするようにしてもよい。
また、遊技機または遊技媒体取扱装置において、図示しない所定の操作手段を操作することにより遊技媒体取扱装置または遊技媒体管理装置に対し遊技媒体または有価価値のデータ通信をロックするロック操作を実行可能としてもよい。その際にはワンタイムパスワード等遊技者にしか知り得ない情報を設定することや遊技媒体取扱装置に設けられた撮像手段により遊技者を記録するようにしてもよい。
また、上記では、遊技媒体管理装置を、パチンコ遊技機に適用する場合について説明しているが、パチスロ機や、遊技球を用いるスロットマシンや、封入式遊技機においても同様に遊技媒体管理装置を設け、遊技者の遊技媒体が管理されるようにすることもできる。
このように、上述した遊技媒体管理装置を設けることにより、遊技媒体が物理的に遊技に供される場合と比べて、遊技機内部の部品点数を減らすことができ、遊技機の原価および製造コストを削減できるのみならず、遊技者が直接遊技媒体に接触しないようにすることもでき、遊技環境が改善し、騒音も減らすことができるとともに、部品を減らしたことにより遊技機の消費電力を減らすことにもなる。また、遊技媒体や遊技媒体の投入口や払出口を介した不正行為を防止することができる。すなわち、遊技機をとりまく種々の環境を改善することができる遊技機を提供することが可能となる。
また、遊技媒体が外部に排出されずに遊技可能に構成された封入式の遊技機と、該遊技機に対して、遊技媒体の消費、貸出および払出に伴う遊技媒体の増減に関するデータを通信ケーブルを介して光信号によって送受信が可能に接続された遊技媒体管理装置と、を有する遊技システムに本発明を適用した場合には、遊技システムを以下のように構成してもよい。
以下に、封入式の遊技機の概略を説明する。封入式の遊技機において、発射装置は、遊技領域の上方に位置し、遊技領域に対して上方から遊技媒体としての遊技球を発射する。遊技者がハンドルを操作すると、払出制御回路により球送りソレノイドが駆動させられ、球送り杵が発射台の方向へと、待機状態の遊技球を押し出す。これにより、遊技球が発射台へ移動する。また、待機位置から発射台への経路には減算センサが設けられており、発射台へ移動する遊技球を検出する。減算センサによって遊技球が検出された場合には、持ち球数が1減算される。このように、遊技領域に対して上方から遊技媒体としての遊技球を発射するように構成されているため、封入式の遊技機ではいわゆる戻り球(ファール球)を回避することができる。そして、遊技領域を転動した後に遊技領域から排出された遊技球は、球磨き装置によって磨かれる。球磨き装置によって磨かれた遊技球は、揚送装置によって上方へと搬送され、発射装置に導かれる。遊技球は封入式の遊技機の外部に排出されずに、当該遊技機において一定数(例えば、50個)の遊技球が一連の経路を循環するように構成されている。
封入式の遊技機では、遊技球が遊技機の外部に排出されないため、遊技球を一時的に保持するための上皿や下皿は設けられていない。封入式の遊技機では遊技球が外部に排出されないことから、遊技者の手元に遊技球が実際にあるわけではなく、遊技を行うことにより遊技球が現実に増減するわけではない。封入式の遊技機において、遊技者は遊技媒体管理装置からの貸出により持ち球を得てから遊技を開始する。ここで、持ち球を得るとは、遊技者が、データ管理上、遊技媒体を得ることをいう。そして、発射装置から遊技球が発射されることにより持ち球が消費され、持ち球数が減少する。また、遊技球が遊技領域に設けられた各入賞口等を通過することにより、入賞口に応じて設定された条件に従った数だけ払出が行われ、持ち球数が増加する。さらに、遊技媒体管理装置からの貸出によっても、持ち球数が増加する。なお、「遊技媒体の消費、貸出および払出」とは、持ち球の消費、貸出および払出が行われることを示す。また、「遊技媒体の増減」とは、消費、貸出および払出によって持ち球数が増減することを示す。また、「遊技媒体の消費、貸出および払出に伴う遊技媒体の増減に関するデータ」とは遊技球が発射されることによる持ち球の減少と、貸出および払出による持ち球の増加とに関するデータである。
封入式の遊技機は、払出制御回路およびタッチパネル式である液晶表示装置を有している。払出制御回路は、遊技球が各入賞口等の通過を検出する各種センサに接続されている。払出制御回路は、持ち球数を管理している。例えば、遊技球が各入賞口を通過した場合には、そのことによる遊技球の払出個数を持ち球数に加算する。また、遊技球が発射されると持ち球数を減算する。払出制御回路は、遊技者の操作により、持ち球数に関するデータを遊技媒体管理装置へ送信する。また、上記の液晶表示装置は遊技機の上部に位置し、遊技媒体管理装置で管理する遊技価値から持ち球への変換(球貸し)や、持ち球の計数(返却)の要求を受け付ける。そして、これらの要求を遊技媒体管理装置を介して払出制御回路に伝え、払出制御回路が現在の持ち球数に関するデータを遊技媒体管理装置に送信するように指示する。ここで、「遊技価値」とは、貨幣・紙幣、プリペイド媒体、トークン、電子マネーおよびチケット等であり、遊技媒体管理装置によって持ち球に変換することが可能であるものを示す。なお、この第2実施形態において、遊技媒体管理装置は、いわゆるCRユニットであり、紙幣およびプリペイド媒体等を受付可能に構成されている。また、計数された持ち球は、遊技システムが設置される遊技場などにおいて、景品交換等に用いることができる。
また、封入式の遊技機は、バックアップ電源を有している。これにより、夜間等に電源をOFFにした場合であっても、OFFにする直前のデータを保持することができる。また、このバックアップ電源により、例えば、扉開放センサによる扉枠開放の検出を継続して実行させてもよい。これにより、夜間に不正行為を行われることも防止することができる。なお、この場合は、扉枠が開放された回数等の情報を記憶するものであってもよい。さらに、電源が投入された際に、扉枠が開放された回数等の情報を、遊技機の液晶表示装置等に出力するものであってもよい。
遊技媒体管理装置は、遊技機接続基板を有している。遊技媒体管理装置は、遊技機接続基板を介して、遊技機とのデータ(送信信号)の送受信を行うように構成されている。送受信されるデータは、主制御回路に設けられたCPUの固有ID、払出制御回路に設けられたCPUの固有ID、遊技機に記憶された遊技機製造業者コード、セキュリティチップの製造業者コード、遊技機の型式コードなどの情報である。そして、遊技機および前記遊技媒体管理装置のいずれか一方を送信元とし他方を送信先として、送信元が送信信号を送信した際に、上記送信信号を受信した送信先が上記送信信号と同じ信号である確認用信号を上記送信元に送信し、上記送信元は、上記送信信号と上記確認用信号とを比較して、これらが同一か否かを判別するようにしている。
このように、送信元において、送信先から送信された確認用信号を送信信号と比較して、これらが同一か否かを判別することにより、送信元から送信した信号が改ざんされることなく、送信元に送信されていることを確認することができる。これにより、遊技機と遊技媒体管理装置との間での送受信信号を改ざんする等の不正行為を抑制することができる。
また、上記遊技システムにおいて、上記送信元は信号を変調する変調部を有し、該変調部により変調された信号を上記送信信号として送信し、上記送信先は上記変調部により変調された信号を復調する復調部を有することとしてもよい。
これにより、仮に、遊技機と遊技媒体管理装置との間での送受信信号を読み取られたとしても、この信号の解読は困難であり、遊技機と遊技媒体管理装置との間での送受信信号を改ざんする等の不正行為を抑制することができる。
また、上記遊技システムにおいて、上記送信先は、上記送信元からの上記送信信号を受信した際に、上記送信信号を受信したことを示す信号である承認信号を、上記確認用信号とは別に上記送信元に送信することとしてもよい。
これにより、送信信号と確認用信号とを比較することにより、正規の信号の送受信が行われたことを確認するだけでなく、承認信号に基づいて正規の信号の送受信が行われたことを確認することができるので、不正行為の抑制をより強化することができる。
また、第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示とが並行して行われる場合、メインCPUは、第1特別図柄及び第2特別図柄の両方が大当り図柄を示す図柄組合せで停止することがないように処理を行う。
詳述すると、メインCPUは、第1特別図柄の変動表示及び第2特別図柄の変動表示の両方を行っているときに、一方の特別図柄が大当り図柄を示す図柄組合せで停止した場合は、他方の特別図柄を、特別抽選の結果にかかわらずハズレを示す図柄組合せで強制的に停止させる制御を行う。一方の特別図柄が大当り図柄を示す図柄組合せで停止すると、上述したとおり一般遊技状態から大当り遊技状態に移行するが、この大当り遊技状態では、第1特別図柄の始動条件及び第2特別図柄の始動条件のいずれも成立せず、メインCPUは、第1特別図柄の変動表示及び第2特別図柄の変動表示のいずれも新たに行わない。
また、メインCPUは、第1特別図柄の変動表示及び第2特別図柄の変動表示の両方を行っているときに、一方の特別図柄が小当り図柄を示す図柄組合せで停止した場合は、一般遊技状態から小当り遊技状態への移行(小当り図柄を示す図柄組合せで停止したこと)に基づいて他方の特別図柄の変動時間の計時を中断し、小当り遊技状態から一般遊技状態への移行(小当り遊技の終了)に基づいて他方の特別図柄の変動時間の計時を再開する処理を行う。一方の特別図柄が小当り図柄を示す図柄組合せで停止すると、上述したとおり一般遊技状態から小当り遊技状態に移行するが、この小当り遊技状態では、第1特別図柄の始動条件及び第2特別図柄の始動条件のいずれも成立せず、メインCPUは、第1特別図柄の変動表示及び第2特別図柄の変動表示のいずれも新たに行わない。ただし、第1特別図柄の変動表示及び第2特別図柄の変動表示の両方を行っているときに、一方の特別図柄が小当り図柄を示す図柄組合せで停止した場合、メインCPUは、変動表示中の他方の特別図柄について、見掛け上は変動表示中と同様の態様でLED群で構成される特別図柄の変動表示を行うが、上述したとおり変動時間の計時は中断する。
[18.第20実施形態]
次に、第20実施形態のパチンコ遊技機について説明する。なお、本実施形態に係るパチンコ遊技機の機械的構成および電気的構成は、上述の各実施形態(とくに第15〜第19実施形態)のパチンコ遊技機と共通する部分についての説明を省略し、異なる部分について主に説明する。また、本実施形態に係るパチンコ遊技機において実行される制御(各種処理)についても、上述の各実施形態(とくに第12実施形態)のパチンコ遊技機と共通する部分についての説明を省略し、異なる部分について主に説明する。ただし、本実施形態のパチンコ遊技機を説明するにあたり、上述した各実施形態において記載した各種部材の機能や構成または各種処理が共通するものであったとしても、基本的に異なる符号やステップ番号を付すものとする。
本実施形態では、遊技者にとっての有利度合い(例えば大当り確率)が異なる複数の設定値のうちいずれか一の設定値に基づいて遊技が進行するパチンコ遊技機を例に挙げて説明するが、パチスロにも適用することが可能である。
なお、第12実施形態では、「高確時短なし」の状態(確変遊技状態と非時短遊技状態とが同時に発生)が設けられていない旨を説明したが、本実施形態のパチンコ遊技機では、大当り遊技状態の終了後、「高確時短なし」の状態に制御されうる。この「高確時短なし」の状態は、通常遊技状態と比べて遊技者に有利な遊技状態(例えば、後述するラッシュ状態)であり、大当り遊技状態に制御されるまで継続しうるが、高設定値ほど大当り確率が高いため終了しやすい。そこで、本実施形態では、低設定値よりも高設定値の方が大当りに当選しやすくしつつ、低設定値よりも高設定値の方が有利遊技状態の継続確率を高めることを可能ならしめたものである。
なお、本実施形態に係るパチンコ遊技機は、第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示とが並行して変動することが可能であり、メインCPU30101により実行される各種処理は、例えば図306〜図352等に示される各種処理と同様である。ただし、図341の特別図柄転落判定処理(S11825)はこの第20実施形態のパチンコ遊技機では実行されない。以下では、本実施形態に係るパチンコ遊技機において、上述した各実施形態に係るパチンコ遊技機と異なる制御について主として説明する。
[18−1.遊技機の外観構成および電気的構成]
まず、図642および図643を用いて、第20実施形態のパチンコ遊技機の主たる外観構成および主たる電気的構成を中心に説明する。
図642は、第20実施形態に係るパチンコ遊技機における遊技盤ユニットの正面図の一例である。図643は、第20実施形態に係るパチンコ遊技機の制御回路を示すブロック図の一例である。
図642に示すように、遊技盤ユニット30017は、発射された遊技球が転動流下可能な遊技領域30020を有する。
遊技領域30020の略中央には液晶表示装置30016が設けられており、この液晶表示装置30016の下方には回転役物30030が設けられている。この回転役物30030は、後述する演出に用いられる回転役物であって、1個の特定口30032と4個の非特定口30034とを有し、常時一定の回転速度で回転している。
発射ハンドルの操作量が小さい場合、遊技球は遊技領域30020の左側領域30021を流下する。左側領域30021を流下した遊技球は、第1始動口30420または一般入賞口30053に入賞可能であり、第1始動口30420および一般入賞口30053のいずれにも入賞しなかった遊技球はアウト口30057から機外に排出される。
なお、第1始動口30420を遊技球が通過すると、かかる遊技球が第1始動口スイッチ30421(図643参照)により入賞検出される。また、一般入賞口30053を遊技球が通過すると、かかる遊技球が一般入賞口スイッチ30531(図643参照)により入賞検出される。
発射ハンドルの操作量が大きい場合、遊技球は遊技領域30020の右側領域30022を流下する。遊技領域30020の右側領域30022には、遊技球が通過可能な役連作動ゲート30049が配置されており、役連作動ゲート30049の下流側には特別電動役物30600が設けられている。
なお、役連作動ゲート30049を遊技球が通過すると、かかる遊技球が役連作動ゲートスイッチ30491により通過検出される。
特別電動役物30600は、大入賞口30540の上方に設けられており、前後方向に進退可能なシャッタ30610、当該シャッタ30610を駆動する大入賞口ソレノイド30620(図643参照)および当該大入賞口ソレノイド30620の動力をシャッタ30610に伝達する動力伝達機構(不図示)を備える。
特別電動役物30600は、大入賞口ソレノイド30620(図643参照)によりシャッタ30610が駆動されることによって、大入賞口30540への遊技球の入賞を可能(又は容易)とする開放状態と、大入賞口30540への遊技球の入賞を不可能(又は困難)とする閉鎖状態と、に移行(駆動)可能に構成される。特別電動役物30600すなわちシャッタ30610による開放駆動は、第1特別図柄表示部30073又は第2特別図柄表示部30074(いずれも図643参照)において特別図柄が特定の停止表示態様となって、大当り遊技状態に移行された場合に行われる。
大当り遊技状態に移行すると、所定のインターバルを経て、大入賞口30540が上述の開放状態とされるラウンド遊技が複数ラウンドにわたって実行される。
また、大入賞口30540の内部には、大入賞口30540に入賞した遊技球すなわち大入賞口スイッチ30541(図643参照)に検出された遊技球を、機外に排出する排出ルート(図示せず)と、1球の遊技球のみ保持可能な保持部材30542に向かう演出ルート30550とが形成されている。また、大入賞口30540の内部には、大入賞口30540に入賞した遊技球の進行方向を、排出ルートと演出ルート30550とに切り換え可能なルート切換部材(図示せず)を備えている。ルート切換部材は、例えばメインCPU30101(図643参照)から送信されたコマンドに基づいて、サブCPU30202(図643参照)の制御により排出ルートから演出ルート30550に切り換えられ、1球の遊技球が演出ルートに向かうと、演出ルート30550から排出ルートに再び切り換えられる。なお、すでに保持部材30542に先着の遊技球が保持されているものの演出ルート30550に向かってしまった遊技球は、進行方向が排出ルートに切り換えられるように構成されている。
また、保持部材30542の下流側には、回転役物30030に連通する連通口30543が形成されており、保持部材30542による保持が解除された遊技球は、連通口30543を通過するように構成されている。連通口30543を通過した遊技球は、誘導筒30544を転動し、回転役物30030に導かれる。誘導筒30544は、遊技球が転動したときにかかる遊技球を視認できるように、例えば透明樹脂で構成されている。そして、誘導筒30544を転動した遊技球は、特定口30032または非特定口30034を通過し、その後、機外に排出される。
なお、保持部材30542により保持されている遊技球は、例えば、遊技者が操作可能な貯留解除ボタン30040(図643参照)を操作することによって解除することができる。
大入賞口30540に入賞しなかった遊技球の流下方向としての下流側には、第2始動口30440が設けられている。第2始動口30440を遊技球が通過すると、かかる遊技球が第2始動口スイッチ30441(図643参照)により入賞検出される。この第2始動口30440は、右側領域30022を流下し且つ大入賞口30540に入賞しなかった遊技球のうち、概ね2分の1〜7分の1の程度の確率で遊技球が入賞するように構成されているが、第2始動口30440への入賞のしやすさは適宜変更してよい。
右側領域30022を流下した遊技球のうち大入賞口30540および第2始動口30440のいずれにも入賞しなかった遊技球の流下方向としての下流側には、小当り入賞口30560が設けられている。この小当り入賞口30560は、前後方向に進退可能なシャッタ30570により常には遊技球の入賞が不可能(または困難)であるものの、第2特別図柄への入賞に基づいて行なわれた第2特別図柄抽選の結果が小当りであることに基づいてシャッタ30570が作動し、遊技球の入賞が可能(または容易)となる。この小当り入賞口30560は、メインCPU30101(図643参照)の制御により作動する小当り入賞口ソレノイド30520(図643参照)の動力が伝達されることによって開閉動作される。また、小当り入賞口30560を遊技球が通過すると、かかる遊技球が小当り入賞口スイッチ30521(図643参照)により入賞検出される。
本実施形態においては、第1始動口30420または第2始動口30440への入賞に基づいて払い出される賞球数は例えば3個、一般入賞口30053への入賞に基づいて払い出される賞球数は例えば10個、大入賞口30540への入賞に基づいて払い出される賞球数は例えば15個、小当り入賞口30560への入賞に基づいて払い出される賞球数は例えば10個にそれぞれ設定されている。ただし、この値(賞球数)は、任意に設計変更可能である。
また、上記では、普通図柄抽選の契機となる通過ゲートや普通電動役物について説明していないが、これらを設けるようにしてもよい。この場合、例えば、役連作動ゲートと通過ゲートとを兼用し、役連作動ゲート(通過ゲート)を遊技球が通過したことに基づいて普通図柄抽選を行い、この普通図柄抽選の結果が特定の結果(例えば、普通図柄当り)であることに基づいて、上述の第2始動口30440とは別に設けられた入賞口(例えば、賞球の払い出しが1個の第2始動口等)への入賞が容易(または可能)となるように普通電動役物を作動させるようにしてもよい。ただし、普通電動役物の作動が相対的に促進される所謂電サポ状態では、第2始動口30440への入賞に基づいて行われた第2特別図柄抽選の結果が例えば小当りであったとしても、小当り入賞口30560への遊技球の入賞が困難(または不可能)となるように、小当り入賞口30560の上流側に普通電動役物が設けられる。すなわち、所謂電サポ状態では、第2特別図柄抽選の結果が例えば小当りであったとしても、普通電動役物が作動することによって上記の入賞口に遊技球が入賞し、小当り入賞口30560まで遊技球が到達しないようになっている。そして、普通電動役物の作動が相対的に促進されない非電サポ状態(例えば、後述の確変フラグおよび後述するラッシュフラグの両方がONにセットされている状態)において、第2始動口30440への入賞に基づいて行われた第2特別図柄抽選の結果が例えば小当りである場合、小当り入賞口30560への入賞が可能となる。
なお、本実施形態の説明では、ガイドレール30028(外レール30028a、内レール30028b)およびLEDユニット30070(いずれも図642参照)については言及していない。また、第1特別図柄用保留表示部30075、第2特別図柄用保留表示部30076、性能表示モニタ30334、エラー報知モニタ30336、主制御回路30100、メインROM30102、メインRAM30103、スピーカ30024、LED30025、初期リセット回路30104、I/Oポート30105、コマンド出力ポート30106、メインRAM30102の記憶保持用としてバックアップ電源を供給可能なバックアップコンデンサ30107、サブ制御回路30200、設定キー30328、設定スイッチ30332、コマンド入力ポート30201、プログラムROM30203、ワークRAM30204、表示制御回路30205、音声制御回路30206、LED制御回路30207、役物制御回路30208、電源供給回路30338、電源スイッチ30035、払出・発射制御回路30300、払出装置30340、発射装置30015、バックアップクリアスイッチ30330、カードユニット30360、球貸し操作パネル30370、外部端子板30323およびホールコンピュータ30700(いずれも図643参照)についても言及していない。本実施形態の説明において言及していない上記各構成の機能等については、符号は異なるものの既に上述したとおりであるため、説明を省略したものである。
[18−2.第20実施形態に係るパチンコ遊技機の基本仕様]
次に、図644〜図649を用いて、第20実施形態に係るパチンコ遊技機の基本仕様について説明する。なお、図644〜図649に示される各テーブルは、メインROM30102に記憶される。
[18−2−1.当り乱数判定テーブル]
図644は、本実施形態に係るパチンコ遊技機における特別図柄の当り乱数判定テーブルの一例である。
図644に示されるとおり、第1特別抽選が行われると、「大当り」または「ハズレ」に決定される。また、第2特別抽選が行われた場合には、「大当り」、「小当り」および「ハズレ」のうちいずれかに決定される。メインROM30102に記憶される当り乱数判定テーブルには、第1始動口30420への入賞に基づいて実行される第1特別抽選に用いられるデータとして、確変フラグの値(「0(=オフ)」又は「1(=オン)」)毎に、「大当り」又は「ハズレ」に決定される大当り判定用乱数値の範囲(幅)と、それに対応する判定値データ(「大当り判定値データ」、「ハズレ判定値データ」)との関係が規定されている。また、第2始動口30440への入賞に基づいて実行される第2特別抽選に用いられるデータとして、確変フラグの値(「0(=オフ)」又は「1(=オン)」)毎に、「大当り」、「小当り」又は「ハズレ」に決定される大当り判定用乱数の範囲(幅)と、それに対応する判定値データ(「大当り判定値データ」、「小当り判定値データ」、「ハズレ判定値データ」)との関係が規定されている。
本実施形態では、第1特別図柄および第2特別図柄ともに、大当り判定用乱数の総乱数は65536である。すなわち、上記の大当り判定用乱数は0〜65535の範囲(幅)で発生する。大当り確率は、大当り判定用乱数の総乱数に対する大当り判定値データの数によって定められ、小当り確率は、大当り判定用乱数の総乱数に対する小当り判定値データの数によって定められる。また、ハズレ確率は、大当り判定用乱数の総乱数に対するハズレ判定値データの数によって定められる。なお、大当り判定用乱数の範囲(幅)は、適宜変更しても良い。大当り確率、小当り確率およびハズレ確率は、図644において選択率として示される。
図644に示されるように、大当り確率は、低設定よりも高設定の方が高くなるように、設定値毎に異なっている。小当り確率は、設定値によらず全設定値共通の確率であるが、低設定よりも高設定の方が高くなるように、設定値毎に異ならせてもよい。また、ハズレ確率は、高設定よりも低設定の方が高くなるように、設定値毎に異なっている。
また、本実施形態では、大当り確率は、確変フラグがONにセットされているときとOFFにセットされているときとで大きく異ならず、設定値が異なると大きく異なる。例えば、設定1において、確変フラグがOFFにセットされているときの特別図柄(第1特別図柄、第2特別図柄)の大当り確率は319分の1、確変フラグがONにセットされているときの特別図柄の大当り確率は318分の1であり、確変フラグがONおよびOFFのいずれにセットされているかにかかわらず、遊技者が体感できるほどの確率差ではない。これは他の設定値についても同様である。ところが、設定値が異なると、大当り確率ひいてはハズレ確率が大きく異なる。例えば設定6では、確変フラグがOFFにセットされているときの特別図柄(第1特別図柄、第2特別図柄)の大当り確率は198分の1(ハズレ確率は318分の1)、確変フラグがONにセットされているときの特別図柄の大当り確率は198分の1(ハズレ確率は318分の1)であり、設定1の場合と顕著に異なる。この理由については後述する。
[18−2−2.特別図柄判定テーブル]
図645は、第20実施形態に係るパチンコ遊技機の特別図柄判定テーブルの一例である。
図645に示されるように、特別図柄判定テーブルは、第1始動口30420あるいは第2始動口30440に遊技球が入賞した際に取得される図柄乱数値と先述の判定値データとに基づいて、停止図柄を決定付ける「当り時選択図柄コマンド」及び「図柄指定コマンド」を決定するために参照されるテーブルである。例えば、第2始動口30440に遊技球が入賞し、判定値データが「大当り判定値データ」であって図柄乱数値が「33」である場合には、当り時選択図柄コマンドが「z4」、「図柄指定コマンド」が「zA6」に決定される。「当り時選択図柄コマンド」は当り図柄を指定するためのコマンドであり、当り種類は、この「当り時選択図柄コマンド」に応じて定められる。また、「図柄指定コマンド」は、特別図柄や装飾図柄等の図柄の変動停止時に表示される図柄を指定するためのコマンドである。図柄乱数値は、例えば0〜99の中から抽出される。
[18−2−3.大当り種類決定テーブル]
図646は第20実施形態に係るパチンコ遊技機の大当り種類決定テーブルの一例である。
図646に示されるように、大当り種類決定テーブルは、先述の当り時選択図柄コマンドに基づいて、大当りの種類(ラウンド数、確変フラグのON・OFF、ラッシュフラグのON・OFF)を決定するために参照されるテーブルである。例えば、当り時選択図柄コマンドが「z2」であるとき、ラウンド数が「2」、確変フラグがON、ラッシュフラグがONに決定される。
なお、ラッシュフラグは、詳細は後述するが、後述の第2特別図柄の変動パターンを設定する際に用いられるフラグである。
この第20実施形態のパチンコ遊技機において、メインCPU30101は、遊技状態を、確変フラグおよびラッシュフラグのいずれもがOFFにセットされた通常遊技状態、確変フラグがONにセットされ且つラッシュフラグがOFFにセットされた擬似通常遊技状態、または、確変フラグおよびラッシュフラグのいずれもがONにセットされたラッシュ状態に制御する。ただし、これに限られず、例えば、確変フラグがOFFにセットされ且つラッシュフラグがONにセットされた状態や、確変フラグおよび電サポ状態となる時短フラグがONにセットされ且つラッシュフラグがOFFにセットされた状態等に制御可能としてもよい。
なお、通常遊技状態および擬似通常遊技状態では左打ち(遊技球を遊技領域30020の左側領域30021を流下させるように発射される打ち方)で遊技が行われ、ラッシュ状態および大当り遊技状態では右打ち(遊技球を遊技領域30020の右側領域30022を流下させるように発射される打ち方)で遊技が行われる。この理由については後述する。
そこで、通常遊技状態および擬似通常遊技状態では、サブCPU30202は、液晶表示装置30016(例えば図642参照)に、表示制御回路30205を介して背景画像等として通常演出画像を表示するとともに、第1特別図柄の変動表示に対応する装飾図柄の変動演出を表示するよう制御する。一方、ラッシュ状態では、サブCPU30202は、表示制御回路30205を介して通常演出画像よりも遊技者にとっての有利度合いが高い印象を与えうる特別演出画像を背景画像として表示するとともに、第2特別図柄の変動表示に対応する装飾図柄の変動演出を表示するよう制御する。
また、通常遊技状態および擬似通常遊技状態では、単位時間あたりの発射球数に対する賞球数の期待値は1未満であり、ラッシュ状態では、単位時間あたりの発射球数に対する賞球数の期待値は1を超えうる。
なお、本実施形態のパチンコ遊技機は、普通電動役物の作動が相対的に促進される所謂電サポ状態には制御されない仕様となっているが、これに限られず、例えば大当り遊技状態終了後に所定回数にわたって電サポ状態となる大当り種類を設けてもよい。ただし、電サポ状態では、第2特別図柄抽選の結果が小当りであったとしても、上述したとおり小当り入賞口30560への遊技球の入賞が困難(または不可能)となるように構成される。
[18−2−4.第1特別図柄の変動パターンテーブル]
図647は、第20実施形態に係るパチンコ遊技機の第1特別図柄の変動パターンテーブルの一例である。メインCPU30101は、第1始動口30420への遊技球の入賞に基づいて第1特別図柄の変動パターンを設定する。
図647に示されるように、第1特別抽選の結果が大当りである場合、メインCPU30101は、第1特別図柄の変動パターンを、第1始動口30420に遊技球が入賞したときに抽出された演出選択用乱数に基づいて決定する。また、第1特別抽選の結果がハズレである場合、メインCPU30101は、第1特別図柄の変動パターンを、第1始動口30420に遊技球が入賞したときに抽出されたリーチ判定用乱数および演出選択用乱数に基づいて決定する。
[18−2−5.第2特別図柄の変動パターンにかかわるテーブル]
図648は、第20実施形態に係るパチンコ遊技機において、第2特別図柄の変動パターンテーブル番号を設定するための第2特別図柄変動パターンテーブル番号設定テーブルの一例であり、図649は、第20実施形態に係るパチンコ遊技機における第2特別図柄の変動パターンテーブルの一例である。
先ず、メインCPU30101は、第2始動口30440に遊技球が入賞すると、図648の第2特別図柄変動パターンテーブル番号設定テーブルを参照し、現在の遊技状態(確変フラグのON・OFF状況、ラッシュフラグのON・OFF状況)に基づいて変動パターンテーブル番号を設定する。具体的には、第2特別図柄の変動パターンを設定する際、確変フラグがOFFにセットされている場合、および、確変フラグがONにセットされ且つラッシュフラグがOFFにセットされている場合、メインCPU30101は、変動パターンテーブル番号を0にセットする。また、第2特別図柄の変動パターンを設定する際、確変フラグがONにセットされ且つラッシュフラグがONにセットされている場合、メインCPU30101は、変動パターンテーブル番号を、第2特別図柄抽選の結果が小当りであれば1にセットし、第2特別図柄抽選結果が大当りまたはハズレであれば0にセットする。なお、第2特別図柄抽選結果が大当りである場合、変動パターンテーブル番号を1にセットするようにしてもよい。
次に、メインCPU30101は、図649の第2特別図柄の変動パターンテーブルを参照し、第2特別図柄の変動パターンを設定する。具体的には、メインCPU30101は、第2特別図柄の変動パターンを、変動パターンテーブル番号、第2特別図柄抽選の結果(当落)および第2始動口30440に遊技球が入賞したときに抽出された演出選択用乱数に基づいて決定する。
ところで、第2特別図柄の変動時間は、変動パターンテーブル番号が0であるか1であるかによって大きく影響される。例えば図649に示されるように、変動パターンテーブル番号が0である場合(すなわち確変フラグまたはラッシュフラグがOFFにセットされている場合、確変フラグおよびラッシュフラグがONにセットされているものの第2特別図柄抽選の結果がハズレである場合)、第2特別図柄の変動パターンは、単位時間あたりの第2特別図柄の変動回数の期待値が相対的に小さい(すなわち第2特別図柄の変動時間が相対的に長い)変動時間に決定される。一方、変動パターンテーブル番号が1である場合(すなわちラッシュフラグがONにセットされており且つ第2特別図柄抽選の結果が大当りまたは小当りである場合)、第2特別図柄の変動パターンは、単位時間あたりの第2特別図柄の変動回数の期待値が相対的に大きい(すなわち第2特別図柄の変動時間が相対的に短い)変動時間に決定される。とくに、変動パターンテーブル番号が1であって第2特別図柄抽選の結果が小当りである場合、第2特別図柄の変動時間は1000msecと極めて短い超速変動に決定される。
なお、図647および図649の「備考」の欄に示した内容は、分かりやすいように便宜上示したものである。
また、図647および図649には示されていないが、設定値毎に、演出選択用乱数範囲を変えて、決定される特別図柄の変動パターン(変動時間)が異なりうるようにしてもよい。
また、サブCPU30202により液晶表示装置30016(例えば図642参照)に表示される演出内容(例えば装飾図柄の変動演出パターン)は、通常遊技状態および擬似通常遊技状態では第1特別図柄の変動パターンに対応し、ラッシュ状態では第2特別図柄の変動パターンに対応している。
[18−3.主制御回路による処理]
次に、第20実施形態のパチンコ遊技機のメインCPU30101により実行される各種の処理のうち、特別図柄変動パターン設定処理(図329のS11477参照)について説明し、その他の説明については省略する。なお、図329に示されるS11477は、サブルーチンの処理として示されていないが、この実施形態ではサブルーチンとして以下の処理が実行される。
[18−3−1.特別図柄変動パターン設定処理]
図650は、特別図柄変動パターン設定処理(図329のS11477参照)の一例を示すフローチャートである。この特別図柄変動パターン設定処理は、上述の特別図柄変動開始処理(図329参照)の実行中にサブルーチンとして呼び出される。
図650に示すように、メインCPU30101は、第1特別図柄の変動であるか否かを判別する(S13001)。第1特別図柄の変動である場合(S13001におけるYES)、メインCPU30101は、S13002に移る。一方、第1特別図柄の変動でない場合(S13001におけるNO)、すなわち第2特別図柄の変動である場合、メインCPU30101は、S13003に移る。
S13002において、メインCPU30101は、第1特別図柄変動パターンテーブル(図647参照)を参照して第1特別図柄の変動パターンを設定し、特別図柄変動パターン設定処理を終了する。なお、設定された第1特別図柄の変動パターンは、主制御回路30100からサブ制御回路30200に送信される。
S13003において、メインCPU30101は、第2特別図柄変動パターン設定処理を行う。
[18−3−2.第2特別図柄変動パターン設定処理]
図651は、第2特別図柄変動パターン設定処理の一例を示すフローチャートである。この第2特別図柄変動パターン設定処理は、上述の特別図柄変動パターン設定処理(図650参照)の実行中にサブルーチンとして呼び出される。
図651に示すように、メインCPU30101は、先ず、確変フラグがONにセットされているか否かを判別する(S13011)。確変フラグがONにセットされていれば(S13011におけるYES)、メインCPU30101は、S13012に移る。一方、確変フラグがONにセットされていなければ(S13011におけるNO)、すなわち確変フラグがOFFにセットされていれば、メインCPU30101は、S13015に移る。
S13012において、メインCPU30101は、ラッシュフラグがONであるか否かを判別する。ラッシュフラグは、大当りの種類(図646参照)に応じて、特別図柄当り終了処理(図328のS11461参照)において、ONまたはOFFにセットされる。より具体的には、割込み禁止(図338のS11612参照)の処理が行われてから、割込み許可(図338のS11618参照)の処理が行われるまでの間で行われる。
そして、ラッシュフラグがONにセットされていれば(S13012におけるYES)、メインCPU30101は、S13013に移る。一方、ラッシュフラグがONにセットされていなければ(S13012におけるNO)、すなわちラッシュフラグがOFFにセットされていれば、メインCPU30101は、S13015に移る。
S13013において、メインCPU30101は、第2特別図柄抽選の結果が大当り又は小当りであるか否かを判別する。第2特別図柄抽選の結果が大当り又は小当りである場合(S13013におけるYES)、メインCPU30101は、S13014に移る。一方、第2特別図柄抽選の結果が大当りおよび小当りのいずれでもない場合(S13013におけるNO)、すなわち第2特別図柄抽選の結果がハズレである場合、メインCPU30101は、S13015に移る。
S13014において、メインCPU30101は、変動パターンテーブル番号を「1」にセットする。メインCPU30101は、その後、S13015に移る。
なお、第2特別図柄抽選の結果が小当りでない場合(S13013におけるNO)、すなわち第2特別図柄抽選の結果が大当りであるかまたはハズレである場合、変動パターンテーブル番号が「1」にセットされないため、変動パターンテーブル番号は「0」である。
なお、メインCPU30101は、第2特別図柄抽選の結果が大当りであるかまたはハズレである場合、第2特別図柄の可変表示終了時にラッシュフラグをOFFにセットするが、第2特別図柄抽選の結果が小当りである場合、ラッシュフラグをOFFにセットしない。そのため、第2特別図柄抽選の結果が小当りである限り、ラッシュフラグがONにセットされた状態が継続する。
S13015において、メインCPU30101は、第2特別図柄変動パターンを参照し、第2特別図柄の変動パターンを設定する。例えば、S13015の処理が、S13014の処理を経て行われる場合(変動パターンテーブル番号が1にセットされている場合)、第2特別図柄抽選結果が大当りであれば演出選択用乱数に応じて5000msec〜10000msecの範囲で第2特別図柄の変動パターンが設定され、第2特別図柄抽選結果が小当りであれば1000msecといった超速変動に第2特別図柄の変動パターンが設定される。一方、S13015の処理が、S13014の処理を経ずに行われる場合(変動パターンテーブル番号が0にセットされている場合)、第2特別図柄抽選結果にかかわらず概ね600000msecといった長変動の変動パターンに、第2特別図柄の変動パターンが設定される。そして、S13015の処理を行うと、メインCPU30101は、第2特別図柄変動パターン設定処理を終了する。
なお、S13014で「1」にセットされた変動パターンテーブル番号は、第2特別図柄の可変表示終了時に「0」にセットされる。すなわち、本実施形態では、変動パターンテーブル番号がデフォルトで常に「0」にセットされており、確変フラグON且つラッシュフラグONである場合に、第2特別図柄抽選の結果が小当りである都度、変動パターンテーブル番号が「1」にセットされるようにしている。ただし、これに限られず、確変フラグON且つラッシュフラグONである場合、変動パターンテーブル番号を「1」にセットし、第2特別図柄抽選の結果がハズレとなった場合に辺土パターンテーブル番号を「0」にセットするようにしてもよい。
[18−4.遊技の流れ]
次に、上述した各テーブルを用いて上記の各制御処理が実行されたときの遊技の流れについて説明する。
先ず、通常遊技状態では、仮に遊技者が右打ちを行って第2始動口30440に遊技球が入賞したとしても、通常遊技状態ではラッシュフラグがOFFにセットされているため(変動パターンテーブル番号が「0」にセットされるため)、第2特別図柄の変動パターンは概ね600000msecといった長変動の変動パターンに設定される。よって、通常遊技状態では、遊技者が右打ちする実益に乏しい。そのため、通常遊技状態では、左打ちで遊技が行われることとなる。
左打ちで遊技が行われる通常遊技状態では、遊技領域30020に向けて発射された遊技球は、第2始動口30440には入賞せず、第1始動口30420に入賞しうる。
そして、通常遊技状態において行われた第1特別抽選の結果が「大当り」であったとき、メインCPU30101は、特別図柄判定テーブル(図645参照)を参照して当り時選択図柄コマンドを決定する。その後、メインCPU30101は、大当り種類決定テーブル(図646参照)を参照し、決定された当り時選択図柄コマンドに基づいて大当りの種類(ラウンド数、確変フラグのON・OFF、ラッシュフラグのON・OFF)を決定し、大当り遊技状態に制御する。
なお、図642に示されるように、大入賞口30540が右側領域30022に配置されているため、大当り遊技状態では、右打ちで遊技が行われる。
大当り遊技状態では、大入賞口30540が所定の態様で開閉動作するラウンド遊技が複数ラウンドにわたって行われる。本実施形態では、大当り遊技状態に制御されると、大当り種類決定テーブル(図646参照)に示されるように、大当り種類に応じて2ラウンドまたは10ラウンドのラウンド遊技が実行される。
本実施形態では、大当り遊技状態における例えば最後のラウンド遊技(以下、「最終ラウンド遊技」と称する)において、大入賞口30540に入賞した遊技球の進行方向が、サブCPU30202の制御によってルート切換部材が作動し、排出ルートから演出ルート30550に切り換えられる。そして、1球の遊技球が演出ルートに向かうと、サブCPU30202の制御によって切換部材が作動し、演出ルート30550から排出ルートに切り換えられる。この場合、最終ラウンドにおいて大入賞口30540に遊技球が入賞すると必ず保持部材30542によって保持されるように、大入賞口30540に最初に入賞した遊技球が演出ルートに向かうようにするとよい。このようにして保持部材30542によって保持された遊技球は、最終ラウンド遊技が終了するまで保持される。
最終ラウンド遊技が終了すると、サブCPU30202は、表示制御回路30205を介して、液晶表示装置30016に例えば「V穴を狙って操作ボタンを押して!」といった貯留解除ボタン30040の操作促す演出画像を表示するとともに、保持部材30542による遊技球の保持を解除可能な状態とする。そして、遊技者が貯留解除ボタン30040を操作すると、保持部材30542が退避するように作動し、保持部材30542による遊技球の保持が解除される。保持部材30542による遊技球の保持が解除されると、かかる遊技球は、連通口30543に受け入れられて回転役物30030に導かれる。
そして、回転役物30030に導かれた遊技球が回転役物の特定口30032を通過すると、特定口30032を通過した遊技球が特定センサ30033によって検出される。特定センサ30033により遊技球が検出されると、サブCPU30202は、現在の設定値にかかわる情報を遊技者に報知する演出を表示制御回路30205を介して行う。回転役物30030に導かれた遊技球が回転役物の特定口30032を通過するか否かは、保持部材30542による保持が解除されたタイミングに依存するため、遊技者の技術が向上すれば、回転役物の特定口30032を遊技球が通過することを狙って貯留解除ボタン30040を操作することが可能となる。
このように、遊技者の技術介入に応じて現在の設定値にかかわる情報が報知されるようにすることで、ゲーム性が拡大し、遊技興趣を高めることが可能となる。
なお、上記では、大入賞口30540に入賞した遊技球を保持部材30542によって保持するようにしたが、これに代えてまたは加えて、例えば、小当り入賞口30560、始動口(第1始動口30420、第2始動口30440)、一般入賞口30053等に入賞した遊技球等、特定領域を通過した遊技球を保持部材30542によって保持するようにしてもよい。
また、上記では、例えば最終ラウンドにおいて大入賞口30540に遊技球が入賞すると必ず保持部材30542によって保持されるようにしているが、これに限られず、保持部材30542によって遊技球が保持される確率を、設定値に応じて異なるようにしてもよい。例えば、保持部材30542によって遊技球が保持される確率を、例えば設定1では25%、設定2では30%、設定3では35%、設定4では40%、設定5では55%、設定6では50%といったように、低設定値よりも高設定値の方が高くなるようにすることが好ましい。
また、上記では、特別図柄判定テーブル(図645参照)に示されるように、特別図柄抽選結果が大当りであるときの当り時選択図柄コマンドに応じて、大当り遊技状態終了後の遊技状態において確変フラグをONにセットするかOFFにセットするかを決定したが、これに代えて、例えばV確変機であってもよい。V確変機は公知であるため詳述しないが、簡単に説明すると、大入賞口30540内にV入賞口を設けて、大当り遊技状態においてV入賞口に遊技球が入賞すると大当り遊技状態終了後の遊技状態において確変フラグをONにセットし、大当り遊技状態においてV入賞口に遊技球が入賞しなければ大当り遊技状態終了後の遊技状態において確変フラグをOFFにセットするようにしたものである。そして、このようなV確変機において、大当り遊技状態においてV入賞口に入賞した場合と入賞しなかった場合とで、保持部材30542によって遊技球が保持される確率を異ならせるようにしてもよい。例えば、大当り遊技状態においてV入賞口に入賞した場合には例えば50%の確率で保持部材30542によって遊技球が保持され、大当り遊技状態においてV入賞口に入賞しなかった場合には、V入賞口に入賞した場合よりも高い確率(例えば100%)で保持部材30542によって遊技球が保持されるようにしてもよい。この場合、大当り遊技状態においてV入賞口に入賞しなかったことによる落胆をある程度払拭することが可能となる。さらに、大当り遊技状態においてV入賞口に入賞しなかった場合には例えば50%の確率で保持部材30542によって遊技球が保持され、大当り遊技状態においてV入賞口に入賞した場合には、V入賞口に入賞しなかった場合よりも高い確率(例えば100%)で保持部材30542によって遊技球が保持されるようにしてもよい。
また、現在の設定値にかかわる情報を報知する演出は、セットされている現在の設定値をそのまま表示する演出であってもよいし、セットされている現在の設定値を推測させる演出であってもよいし、特定の設定値(例えば最も遊技者に有利な設定6)にセットされている可能性の有無や度合いを遊技者に報知する演出であってもよく、現在の設定値にかかわる情報であれば、報知される情報は特定の情報に限定されない。
また、現在の設定値にかかわる情報を報知する演出の態様としては、サブCPU30202の制御により液晶表示装置30016に表示してもよいし、サブCPU30202の制御により液晶表示装置30016とは別の表示装置に表示してもよいし、サブCPU30202の制御によりスピーカ30024から出力されるようにしてもよく、かかる演出の態様は特定の態様に限定されない。
なお、貯留解除ボタン30040の操作促す演出画像が表示されて保持部材30542による遊技球の保持を解除可能な状態となったにもかかわらず、一定時間にわたって貯留解除ボタン30040が操作されなかった場合、サブCPU30202は、保持部材30542により保持されていた遊技球が回転役物30030に導かれるように、保持部材30542を退避させる方向に作動させる。ただし、これに限られず、保持部材30542により保持されていた遊技球を、排出ルートに向かうように構成してもよい。
次に、大当り遊技状態が終了したのちの遊技状態について説明する。
大当り種類決定テーブル(図646参照)に示されるように、当り時選択図柄コマンドが「z1」、「z3」および「z5」のうちのいずれかであるとき、メインCPU30101は、大当り遊技状態が終了したのちの遊技状態を、確変フラグおよびラッシュフラグのいずれもOFFの通常遊技状態に制御する。
一方、当り時選択図柄コマンドが「z0」、「z2」および「z4」のうちのいずれかであるとき、メインCPU30101は、大当り遊技状態が終了したのちの遊技状態を、確変フラグおよびラッシュフラグのいずれもONにセットされるラッシュ状態に制御する。
ラッシュ状態では、第2特別図柄抽選の結果が大当りまたは小当りである都度、変動パターンテーブル番号が「1」にセットされる。すなわち、変動パターンテーブル番号は原則として「0」にセットされているものの、ラッシュ状態では、第2特別図柄抽選の結果が小当りである都度、変動パターンテーブル番号が「1」にセットされ、今回の第2特別図柄の変動に限り、第2特別図柄の変動パターンが例えば1000msecといった超変動の変動パターンに設定される。また、当り乱数判定テーブル(図644参照)に示されるように、第2特別図柄抽選が行われたときの小当り確率は概ね1.01分の1である。そのため、ラッシュ状態では、よりメリットの大きい右打ちで遊技が行われることとなる。また、第2特別図柄抽選が行われたときの小当り確率が概ね1.01分の1であることから、ラッシュ状態では継続して小当りに当選しやすい。ただし、ラッシュ状態において、一旦、第2特別図柄抽選の結果がハズレであると、上述したとおりラッシュフラグがOFFにセットされ、ラッシュ状態が終了する。
ここで、ラッシュ状態において、第2特別図柄抽選におけるハズレ確率は、設定1で概ね198分の1であるのに対し、設定6では概ね318分の1である。このように、設定値に応じて第2特別図柄抽選におけるハズレ確率に顕著な差を設けることによって、低設定値よりも高設定値の方が大当りに当選しやすくしつつ、低設定値よりも高設定値の方がラッシュ状態の継続確率を高めることが可能になるといった、新たな遊技機を提供することが可能となる。
ところで、ラッシュ状態において、第2特別図柄抽選の結果がハズレであると、ラッシュフラグはOFFにセットされるものの、確変フラグがONにセットされたままである。すなわち、メインCPU30101は、確変フラグがONにセットされ且つラッシュフラグがOFFにセットされた擬似通常遊技状態に制御する。確変フラグON且つラッシュフラグOFFの状態を擬似通常遊技状態としたのは、確変フラグがONにセットされていたとしても確変フラグがOFFにセットされている通常遊技状態と比べて遊技者が体感できるほどの確率差がなく、単位時間あたりの第2特別図柄の変動回数の期待値も通常遊技状態と同じであるからである。
また、上述したとおり、通常遊技状態および擬似通常遊技状態において、サブCPU30202は、表示制御回路30205を介して、液晶表示装置30016(例えば図642参照)に背景画像等として通常演出画像を表示するとともに、第1特別図柄の変動表示に対応する装飾図柄の変動演出を表示するよう制御する。そのため、遊技者にとっては、通常遊技状態と擬似通常遊技状態とでほぼ同じ遊技が行われることとなる。
また、擬似通常遊技状態では、仮に遊技者が右打ちを行って第2始動口30440に遊技球が入賞したとしても、通常遊技状態ではラッシュフラグがOFFにセットされているため(変動パターンテーブル番号が「0」にセットされるため)、第2特別図柄の変動パターンは概ね600000msecといった長変動の変動パターンに設定される。よって、擬似通常遊技状態では、通常遊技状態と同様に、遊技者が右打ちする実益に乏しい。そのため、擬似通常遊技状態においても、通常遊技状態と同様に、左打ちで遊技が行われることとなる。
そして、擬似通常遊技状態では、上述した通常遊技状態と同様の流れで遊技が進行する。
なお、第20実施形態のパチンコ遊技機は、第1特別図柄および第2特別図柄を設ける所謂1種1種の遊技機であるが、これに代えて、例えば所謂1種2種混合機に上述した発明を適用してもよい。例えば、所謂1種抽選の結果が大当りとなる確率が低設定値よりも高設定値の方が高く、所謂1種抽選の結果が小当りとなる確率がほぼ1分の1の所謂1種2種混合機に上述した発明を適用すると、以下のとおりとなる。すなわち、バックアップクリア処理が行われた後等の通常の遊技状態における1種抽選の結果が小当りである場合、メインCPU30101は、変動パターンを、通常の変動パターンテーブルを参照して特別図柄の変動時間を設定する。そして、メインCPU30101は、1種抽選の結果が小当りであることに基づいて、1回の遊技(1回の特別図柄の変動表示)限定で、通常遊技状態から特殊遊技状態に移行する。この特殊遊技状態では、特殊変動パターンテーブルを参照して特別図柄の変動時間が設定される。特殊変動パターンテーブルを参照して特別図柄の変動時間が設定された場合、通常の変動パターンテーブルを参照して特別図柄の変動時間が設定された場合と比べて、所謂2種役物としての羽根部材の開放タイミングを狙って遊技球を発射しやすくなるように構成される。所謂1種抽選の結果がハズレであると、通常の変動パターンテーブルを参照して特別図柄の変動時間が設定される通常の遊技状態となる。このような遊技機では、一旦、特殊変動パターンテーブルを参照して特別図柄の変動時間が設定されるようになると、所謂1種抽選の結果が小当りとなる限り、特殊変動パターンテーブルを参照して特別図柄の変動時間が設定されることとなり、所謂2種役物としての羽根部材の開放タイミングを狙って遊技球を発射しやすい有利状態が継続する。ただし、このような状態において所謂1種抽選の結果が一旦ハズレになると、特殊変動パターンテーブルを参照して特別図柄の変動時間が設定されることなく、通常の変動パターンテーブルを参照して特別図柄の変動時間が設定されるようになる。このような所謂1種2種混合機に上述した発明を適用した場合であっても、低設定値よりも高設定値の方が大当りに当選しやすくしつつ、低設定値よりも高設定値の方が有利状態の継続確率を高めることが可能になるといった、新たな遊技機を提供することが可能となる。
上記の通常の変動パターンテーブルは、例えば変動時間が1秒ずつ異なる10パターンの変動パターン(例えば、変動時間1秒の変動パターン、変動時間2秒の変動パターン、・・・、変動時間10秒の変動パターン)が記憶されたテーブルであって、通常の変動パターンテーブルを参照して特別図柄の変動時間が設定される場合、上記の例えば10パターンの変動パターンのうちいずれかに設定する。また、上記の特殊変動パターンテーブルは、例えば変動時間が2秒ずつ異なる5パターンの変動パターン(例えば、変動時間2秒の変動パターン、変動時間4秒の変動パターン、・・・、変動時間10秒の変動パターン)が記憶されたテーブルであって、特殊変動パターンを参照して特別図柄の変動時間が設定される場合、上記の例えば5パターンの変動パターンのうちいずれかに設定することによって、通常の変動パターンを参照して特別図柄の変動時間が設定される場合よりも、所謂2種役物としての羽根部材の開放タイミングを狙って遊技球を発射しやすくなる。
[19.第21実施形態]
次に、第21実施形態のパチンコ遊技機について説明する。この第21実施形態のパチンコ遊技機は、特別抽選の結果が大当りであると大当り遊技状態に制御されるが、小当りによって開放するアタッカーに進入した遊技球がアタッカー内のV入賞口に入賞したときにも大当り遊技状態に制御される、所謂1種・2種混合機と呼ばれるパチンコ遊技機である。なお、本実施形態に係るパチンコ遊技機の機械的構成および電気的構成は、上述の各実施形態(とくに第15〜第19実施形態)のパチンコ遊技機と共通する部分についての説明を省略し、異なる部分について主に説明する。また、本実施形態に係るパチンコ遊技機において実行される制御(各種処理)についても、上述の各実施形態のパチンコ遊技機と共通する部分についての説明を省略し、異なる部分について主に説明する。ただし、本実施形態のパチンコ遊技機を説明するにあたり、上述した各実施形態において記載した各種部材の機能や構成または各種処理が共通するものであったとしても、基本的に異なる符号やステップ番号を付すものとする。
本実施形態のパチンコ遊技機では、普通図柄抽選の結果が特定の結果(例えば普通図柄当り)である場合、普通電動役物を作動させるが、この普通電動役物をこれまでにない新たな態様で作動させることによって、大当り遊技状態を継続して発生させることを可能ならしめたものである。
[19−1.遊技機の外観構成および電気的構成]
まず、図652および図653を用いて、第21実施形態のパチンコ遊技機の主たる外観構成および主たる電気的構成を中心に説明する。
図652は、第21実施形態に係るパチンコ遊技機における遊技盤ユニットの正面図の一例である。図653は、第21実施形態に係るパチンコ遊技機の制御回路を示すブロック図の一例である。
図652に示すように、遊技盤ユニット31017は、発射された遊技球が転動流下可能な遊技領域31020を有する。
液晶表示装置31016の下方には、遊技領域31020の左側領域31021を流下する遊技球が転動可能なステージ31046が形成されており、このステージ31046には、ステージ31046を転動する遊技球を受け入れ可能な誘導口31047が設けられている。ただし、ステージ31046を転動する遊技球の大部分は、ステージ31046から落下してアウト口31057から機外に排出され、ステージ31046を転動する遊技球の一部のみが誘導口31047に受け入れ可能となっている。
発射ハンドルの操作量が小さい場合、遊技球は遊技領域31020の左側領域31021を流下する。左側領域31021を流下した遊技球は、誘導口31047に受け入れ可能であるとともに一般入賞口31053に入賞可能であり、誘導口31047に受け入れられずまた一般入賞口31053のも入賞しなかった遊技球はアウト口31057から機外に排出される。
なお、一般入賞口31053を遊技球が通過すると、かかる遊技球が一般入賞口スイッチ31531により入賞検出される。
ステージ31046のさらに下方には、遊技球を転動させた後、進路を振り分ける振分装置31050が配置されている。この振分装置31050は誘導口31047とは連通しており、誘導口31047から受け入れられた遊技球は振分装置31050に導かれるように構成されている。
振分装置31050は、遊技球が転動可能な皿状部材を有しており、この皿状部材には、例えば、1個の特定口31052と2個の排出口31054とが形成されている。そして、皿状部材を転動した遊技球は、特定口31052または排出口31054を通過するように構成されている。
特定口31052を通過した遊技球は振分装置31050の下方に配置された普図ゲート31049を通過しうるが、排出口31054を通過した遊技球は機外に排出される。ただし、排出口31054を通過した遊技球は、ただちに機外に排出されるのではなく、遊技領域31020に戻した上で、アウト口31057から機外に排出されるようにしてもよい。
普図ゲート31049を遊技球が通過すると、メインCPU31101(図653参照)は、普通図柄抽選を行う。メインCPU31101は、普通図柄表示部31071において普通図柄の変動表示を所定時間にわたって行い、その後、普通図柄抽選の結果を表示する。
なお、普図ゲート31049を遊技球が通過すると、かかる遊技球が普図ゲートスイッチ31491(図653参照)により通過検出される。
遊技領域31020の右側領域31022には、特図始動口31420が設けられている。この特図始動口31420の上方には、普通電動役物31460が配置されている。普通電動役物31460は、前後方向に進退させることで特図始動口31420を開閉させることが可能なシャッタ31461、当該シャッタ31461を駆動する普電用ソレノイド31462(図653参照)および当該普電用ソレノイド31462の動力をシャッタ31461に伝達する動力伝達機構(不図示)を備える。
普通電動役物31460は、普電用ソレノイド31462(図653参照)によりシャッタ31461が駆動されることによって、特図始動口31420への遊技球の入賞が容易な開放状態と、特図始動口31420への遊技球の入賞が困難または不可能な閉鎖状態との間で移行(駆動)可能に構成される。メインCPU31101(図653参照)は、普通図柄が特定の停止表示態様(普通図柄当りを示す停止態様)が普通図柄表示部31071に表示されると、普通電動役物31460すなわちシャッタ31461を所定の期間及び所定の回数だけ駆動(作動)させる制御を行う。これにより、特図始動口31420が開放状態または閉鎖状態となる。
特図始動口31420の下流側には、V入賞装置31422が配置されている。V入賞装置31422は、V入賞装置31422の内部に遊技球が進入できるように開口された開閉入賞口31423と、開閉入賞口31423を開閉させることが可能なVアタッカー31424と、開閉入賞口31423からV入賞装置31422の内部に進入した遊技球が入賞可能なV入賞口31425と、開閉入賞口31423からV入賞装置31422の内部に進入した遊技球のうちV入賞口31425に進入しなかった遊技球を受け入れ可能なハズレ口31426と、V入賞口31425を開閉させるシャッタ31427とを備える。
Vアタッカー31424は、弧状に沿った部材からなり、常には開閉入賞口31423を閉鎖している。そして、特別図柄の変動表示が停止して「小当り」であることを示す図柄組合せが確定表示(導出)されると、特別図柄の変動表示が停止してから一定時間(例えば500msec)経過後に、Vアタッカー用ソレノイド31520(図653参照)の駆動によりVアタッカー31424が例えば1回作動する。Vアタッカー31424が1回作動すると開閉入賞口31423は例えば最大で1800msec開放する。そして、開閉入賞口31423が開放している間、V入賞装置31422の内部に遊技球が進入可能となる。
図653に示されるVアタッカースイッチ31521は、V入賞装置31422の内部への遊技球の進入を検出するスイッチである。Vアタッカースイッチ31521によりV入賞装置31422の内部への遊技球の進入が検出されると、メインCPU31101は、払出・発射制御回路31300(図653参照)を介して例えば10個の賞球を払い出す。また、アタッカー入賞カウンタの値が加算される。アタッカー入賞カウンタが規定値に達すると、開閉入賞口31423を開放することができる最大時間(例えば1800msec)が経過していなくても、Vアタッカー用ソレノイド31520(図653参照)によりVアタッカー31424が駆動して開閉入賞口31423が閉鎖される。
V入賞口31425を開閉させるシャッタ31427は、常時一定動作を行っている。本実施形態では、V入賞装置31422の内部に遊技球が進入した場合、少なくとも1球はほぼV入賞口31425に進入できる態様でシャッタ31427が動作している。なお、「常時一定動作」とは、例えばシャッタ31427等の可動物が電源投入後に動作し続ける態様、上記の可動物が一定の周期で動作が停止する態様、および、役物連続作動装置の作動中(例えば後述する特別電動役物31600の作動中)に入賞した遊技球のうち一の数を契機として上記の可動物が一定の動作を行う態様等を含むものである、
図653に示されるV入賞口スイッチ31428(図653参照)は、V入賞口31425への遊技球の入賞を検出するものである。メインCPU31101は、Vアタッカー31424が開放してから所定時間(例えば4000msec)内にV入賞口31425への遊技球の入賞を検出すると、大当り遊技状態に制御する。
V入賞装置31422の内部に進入しなかった遊技球の進行方向の下流側には特別電動役物31600が配置されている。特別電動役物31600は、前後方向に進退可能なシャッタ31610、当該シャッタ31610を駆動する大入賞口ソレノイド31620(図653参照)および当該大入賞口ソレノイド31620の動力をシャッタ31610に伝達する動力伝達機構(不図示)を備える。特別電動役物31600は、大入賞口31540の上方に配置される。特別電動役物31600は、大入賞口ソレノイド31620によりシャッタ31610が駆動されることによって、大入賞口31540への遊技球の入賞を可能(又は容易)とする開放状態と、大入賞口31540への遊技球の入賞を不可能(又は困難)とする閉鎖状態と、に移行(駆動)可能に構成される。特別電動役物31600すなわちシャッタ31610による開放駆動は、大当り遊技状態に移行された場合に行われる。
大入賞口31540を遊技球が通過すると、かかる遊技球が大入賞口スイッチ31541(図653参照)により入賞検出される。
なお、大当り遊技状態に移行するのは、特別図柄表示部31073(図653参照)において特別の表示態様(例えば、大当り図柄)が表示された場合、および、特別図柄表示部31073(図653参照)において特定の表示態様(例えば、小当り図柄)が表示されたことによってV入賞装置31422の内部に進入した遊技球がV入賞口31425に進入した場合である。
また、右打ちされた遊技球のうち、特図始動口31420、V入賞装置31422および大入賞口31540のいずれにも入賞しなかった遊技球は、アウト口31057から機外に排出される。
普図ゲート31049を遊技球が通過すると、メインCPU31101は、普通図柄の始動情報(普通図柄当り判定用乱数値や普通図柄乱数値)を最大4個まで保留し、保留された順に普通図柄抽選を行う。普通図柄の始動情報の保留数は、メインCPU31101の制御によって普通図柄用保留表示部31074に表示される。
普通図柄抽選の結果が「普通図柄当り」となる確率は例えば概ね20分の1であるが、この確率は適宜変更可能である。なお、メインCPU31101は、普通図柄の始動情報が保留されていたとしても、普通電動役物31460の作動中は普通図柄の変動表示を開始せず、所定の動作パターン(例えば、後述する動作パターン1〜4)での普通電動役物31460の作動が終了したことに基づいて、普通図柄の変動表示を開始する。
また、本実施形態のパチンコ遊技機は、特別図柄の始動情報(特別図柄判定用乱数値や特別図柄乱数値)を保留する機能は有していない。
なお、本実施形態の説明では、ガイドレール31028(外レール31028a、内レール31028b)およびLEDユニット31070(いずれも図652参照)については言及していない。また、性能表示モニタ31334、エラー報知モニタ31336、主制御回路31100、メインROM31102、メインRAM31103、初期リセット回路31104、I/Oポート31105、コマンド出力ポート31106、メインRAM31102の記憶保持用としてバックアップ電源を供給可能なバックアップコンデンサ31107、設定キー31328、設定スイッチ31332、サブ制御回路31200、コマンド入力ポート31201、サブCPU31202、プログラムROM31203、ワークRAM31204、表示制御回路31205、音声制御回路31206、LED制御回路31207、役物制御回路31208、スピーカ31024、LED31025、役物群31000、電源供給回路31338、電源スイッチ31035、払出装置31340、発射装置31015、バックアップクリアスイッチ31330、カードユニット31360、球貸し操作パネル31370、外部端子板31323およびホールコンピュータ31700(いずれも図653参照)についても言及していない。本実施形態の説明において言及していない上記各構成の機能等については、符号は異なるものの既に上述したとおりであるため、説明を省略したものである。
[19−2.パチンコ遊技機の基本仕様]
次に、図654〜図657を用いて、パチンコ遊技機の基本仕様について説明する。図654は特別図柄の当り乱数判定テーブルの一例、図655は普通図柄の当り乱数判定テーブルの一例、図656は普通図柄判定テーブルの一例、図657は普通図柄当り種類決定テーブルの一例である。これらのテーブルはメインROM31102に記憶される。
[19−2−1.特別図柄の当り乱数判定テーブル]
図654に示されるとおり、特別図柄抽選が行われると、大当り、小当りおよびハズレのうちいずれかに決定される。なお、小当り確率(選択率(概算))は、1.01分の1と極めて高く、特図始動口31420に遊技球が入賞すると、ほとんどが小当りを示す表示態様が特別図柄表示部31073に導出される。
メインROM31102に記憶される特別図柄の当り乱数判定テーブルには、特図始動口31420に入賞した場合のデータとして、「大当り」、「小当り」又は「ハズレ」に決定される大当り判定用乱数値の範囲(幅)と、それに対応する判定値データ(「大当り判定値データ」、「小当り判定値データ」、「ハズレ判定値データ」)との関係が規定されている。
本実施形態では、大当り判定用乱数の総乱数は65536である。すなわち、上記の大当り判定用乱数は0〜65535の範囲(幅)で発生する。大当り確率は、大当り判定用乱数の範囲に対する大当り判定値データの数によって定められ、小当り確率は、大当り判定用乱数の範囲に対する小当り判定値データの数によって定められる。なお、大当り判定用乱数の範囲(幅)は、適宜変更しても良い。大当り確率、小当り確率およびハズレ確率は、図654において選択率として示される。
なお、図654には示されていないが、大当り確率および小当り確率は、低設定よりも高設定の方が高くなるように、設定値毎に異なるようにしても良い。
[19−2−2.普通図柄の当り乱数判定テーブル]
図655は、本実施形態に係るパチンコ遊技機の普通図柄当り乱数判定テーブルの一例である。
図655に示されるとおり、普通図柄抽選が行われると、普通図柄当りまたはハズレに決定される。メインROM31102に記憶される普通図柄当り乱数判定テーブルには、普図ゲート31049への遊技球の通過に基づいて実行される普通図柄抽選に用いられるデータとして、「普通図柄当り」又は「ハズレ」に決定される普通図柄当り判定用乱数の範囲(幅)と、それに対応する判定値データ(「普通図柄当り判定値データ」、「ハズレ判定値データ」)との関係が規定されている。
本実施形態では、普通図柄当り判定用乱数の総乱数は256である。すなわち、上記の普通図柄当り判定用乱数は0〜255の範囲(幅)で発生する。この範囲は固定値として設定されている。普通図柄当り確率は、普通図柄当り判定用乱数の範囲に対する普通図柄当り判定値データの数によって定められる。なお、普通図柄当り判定用乱数の範囲(幅)は、適宜変更してもよい。普通図柄当り確率は、図655において選択率として示される。
[19−2−3.普通図柄判定テーブル]
図656は、本実施形態に係るパチンコ遊技機の普通図柄判定テーブルの一例である。
図656に示されるように、普通図柄判定テーブルは、先述の判定値データと、普図ゲート31049を遊技球が通過した際に取得される普通図柄乱数値とに基づいて、停止図柄を決定付ける「普通図柄当り時選択図柄コマンド」を決定するために参照されるテーブルである。例えば、判定値データが「普通図柄当り判定値データ」であって図柄乱数値が「777」である場合には、当り時選択図柄コマンドが「fz4」に決定される。「普通図柄当り時選択図柄コマンド」は、普通図柄当り図柄を指定するためのコマンドであり、後述する普通図柄当り種類は、この「普通図柄当り時選択図柄コマンド」に応じて定められる。普通図柄乱数値は、例えば0〜1023の中から抽出される。
[19−2−4.普通図柄当り種類決定テーブル]
図657は、本実施形態に係るパチンコ遊技機の普通図柄当り種類決定テーブルの一例である。
図657に示されるように、普通図柄当り種類決定テーブルは、先述の普通図柄当り時選択図柄コマンドに基づいて、普通図柄当りの種類(普通電動役物開放パターン、普通電動役物開放パターンコマンド)を決定するために参照されるテーブルである。図657の「備考」の欄は、分かりやすいように便宜上示したものであり、メインCPU31101により実行される普通電動役物31460ひいてはシャッタ31461の開閉制御の動作パターンの態様を示している。例えば、普通図柄当り時選択図柄コマンドが「fz3」であるとき、メインCPU31101は、「開放状態(例えば500ms)→閉鎖状態(例えば360000ms)」の動作が3回繰り返されるように、普通電動役物31460ひいてはシャッタ31461を作動させる。なお、開放状態(例えば500ms)は、普通電動役物31460の作動によって特図始動口31420が例えば500ms開放状態となることが相当し、閉鎖状態(例えば360000ms)は、普通電動役物31460の作動によって特図始動口31420が例えば360000ms閉鎖状態となることが相当する。
ただし、普通図柄抽選の結果が普通図柄当りであるとき、1回の普通図柄当りに対して、普通電動役物31460が所定の動作パターンで作動する回数は1回である。ここでいう「1回」とは、「開放状態→閉鎖状態」の動作回数ではなく、普通図柄当り時選択図柄コマンドに応じて決定された動作パターンで作動する回数が1回であることを意味する。例えば、普通図柄当り時選択図柄コマンドが「fz3」であるとき、「開放状態→閉鎖状態」が3回繰り返される動作が1回である。そして、この1回の普通電動役物31460の作動において特図始動口31420に入賞可能な遊技球数は、例えば最大10個である。したがって、普通図柄当り時選択図柄コマンドが「fz3」であったとしても、例えば、「開放状態→閉鎖状態」の1回目の動作において特図始動口31420に入賞した遊技球数および2回目の動作において特図始動口31420に入賞した遊技球数の合計が10球になると、その時点で普通電動役物31460の作動が終了し、「開放状態→閉鎖状態」の3回目の動作は実行されない。
したがって、「開放状態→閉鎖状態」の動作が最大4回(普通図柄当り時選択図柄コマンドが「fz4」の場合)繰り返されることに鑑みれば、上記の開放状態(例えば500ms)は、特図始動口31420に1球または2球の遊技球が入賞しうる程度の開放状態であることが好ましい。
[19−3.主制御回路による処理]
次に、本実施形態のパチンコ遊技機のメインCPU31101により実行される各種の処理について、第11実施形態と異なる処理を中心に説明する。
[19−3−1.始動口入賞検出処理]
図658は、メインCPU31101による始動口入賞検出処理を示すフローチャートである。以下に説明する始動口入賞検出処理は、特図始動口31420に遊技球が入賞したとしても特図始動口31420への入賞に基づいて取得された各種乱数等の始動情報を保留する機能を有しないことを前提として行われる処理として説明する。
本実施形態における始動口入賞検出処理は、スイッチ入力検出処理(例えば、図176参照)の実行中にサブルーチンとして呼び出される。図658に示すように、まず、メインCPU31101は、特図始動口スイッチ31421で遊技球を検出したか否かを判別する(S13071)。特図始動口スイッチ31421で遊技球を検出した場合(S13071におけるYES)、メインCPU31101は、S13072の処理に移る。特図始動口スイッチ31421で遊技球を検出していない場合(S13071におけるNO)、メインCPU31101は、始動口入賞検出処理を終了する。
S13072において、メインCPU31101は、設定チェック処理を行う。この設定チェック処理については、図178を参照して上述したとおりである。
S13073において、メインCPU31101は、特別図柄についての大当り判定乱数および図柄決定用乱数等の各種乱数を抽出するとともに、特図始動口入賞に応じた払出情報をセットする処理を行う。
次に、メインCPU31101は、抽出した大当り判定乱数に基づいて、変動パターン設定処理を実行する(S13074)。この処理を終了すると、メインCPU31101は、始動口入賞検出処理を終了する。なお、設定された特別図柄の変動パターンは、主制御回路31100からサブ制御回路31200に送信される。
[19−3−2.特別図柄制御処理]
図659は、メインCPU31101による特別図柄制御処理を示すフローチャートである。
特別図柄制御処理は、主制御メイン処理(例えば、図179参照)の実行中にサブルーチンとして呼び出される。なお、図658に示す各処理の右方に括弧書きで記載した数値(「00」〜「11」)は、制御状態フラグの値を示す。この制御状態フラグは、メインRAM31103内の所定の記憶領域に格納される。メインCPU31101は、制御状態フラグの数値に応じた処理を実行することにより、特別図柄ゲームを進行させる。
図658に示すように、メインCPU31101は、制御状態フラグをロードする処理を行う(S13111)。この処理において、メインCPU31101は、メインRAM31103に記憶された制御状態フラグの値を読み出す。メインCPU31101は、読み出した制御状態フラグの値に基づいて、後述のS13112〜S13123の各処理を実行するか否かを判定する。この制御状態フラグは、特別図柄ゲームの状態を示すものであり、S13112〜S13123のいずれかの処理を実行可能にするものである。また、メインCPU31101は、S13112〜S13123の各処理に対して設定された待ち時間などに応じて決定された所定のタイミングで各処理を実行する。なお、この所定のタイミングに至る前は、各処理を実行せずに、他のサブルーチンに係る処理を実行する。もちろん、所定の周期で、システムタイマ割込処理(例えば、図175参照)も実行する。
次に、メインCPU31101は、特別図柄入賞チェック処理を行う(S13112)。この処理において、メインCPU31101は、制御状態フラグが特別図柄入賞チェック処理を示す値(「00」)である場合に、特図始動口31420への遊技球の入賞の有無をチェックし、特図始動口31420への遊技球の入賞がある場合には、特図始動口31420への遊技球の入賞で得られた情報(設定された特別図柄の変動パターンの情報等)を取得する。また、メインCPU31101は、この処理において、制御状態フラグに、後述の特別図柄変動時間管理処理(S13113)を示す値(「01」)をセットし、今回の処理で取得された特別図柄の変動パターンに対応する特別図柄の変動表示時間を待ち時間タイマにセットする。すなわち、始動口入賞検出処理で決定された特別図柄の変動パターン(例えば、図658のS13074参照)に対応する変動時間が経過した後、後述の特別図柄表示時間管理処理が実行されるように設定される。
次に、メインCPU31101は、特別図柄変動時間管理処理を行う(S13113)。この処理において、制御状態フラグが特別図柄変動時間管理処理を示す値(「01」)であり、特別図柄の変動時間が経過した場合に、メインCPU31101は、制御状態フラグに、後述の特別図柄表示時間管理処理(S13114)を示す値(「02」)をセットし、確定後待ち時間を待ち時間タイマにセットする。すなわち、このS13113の処理でセットされた確定後待ち時間が経過した後、後述の特別図柄表示時間管理処理が実行されるように設定される。
次に、メインCPU31101は、特別図柄表示時間管理処理を行う(S13114)。この処理において、メインCPU31101は、制御状態フラグが特別図柄表示時間管理処理を示す値(「02」)であり、S13113の処理でセットされた確定後待ち時間が経過した場合に、特別抽選の結果を判別する。そして、特別抽選の結果が「小当り」である場合、メインCPU31101は、制御状態フラグに、後述のVアタッカー開放インターバル管理処理(S13115)を示す値(「03」)をセットし、Vアタッカー開放インターバル(小当り開始インターバル)に対応する時間を待ち時間タイマにセットする。
また、特別抽選の結果が「大当り」である場合、メインCPU31101は、制御状態フラグに、後述の大当り開始インターバル管理処理(S13118)を示す値(「06」)をセットし、大当り開始インターバルに対応する時間を待ち時間タイマにセットする。このように、S13114の処理でセットされたVアタッカー開放インターバルまたは大当り開始インターバルに対応する時間が経過した後、後述のVアタッカー開放インターバル管理処理または大当り開始インターバル管理処理が実行されるように設定される。一方、特別抽選の結果が「大当り」および「小当り」のいずれでもない場合、メインCPU31101は、制御状態フラグに、後述の特別図柄ゲーム終了処理(S13123)を示す値(「11」)をセットする。すなわち、この場合には、Vアタッカー開放インターバル管理処理(S13115)および大当り開始インターバル管理処理(S13118)のいずれも実行されず、後述の特別図柄ゲーム終了処理が実行されるように設定される。この特別図柄表示時間管理処理については、図660を参照して後述する。
制御状態フラグに、Vアタッカー開放インターバル管理処理(S13115)を示す値(「03」)がセットされている場合、メインCPU31101は、Vアタッカー開放インターバル管理処理を行う(S13115)。この処理において、メインCPU31101は、制御状態フラグがVアタッカー開放インターバル管理処理を示す値(「03」)であり、S13114の処理でセットされたVアタッカー開放インターバルに対応する時間が経過した場合に、Vアタッカー31424を作動させて開閉入賞口31423を開放し、V入賞装置31422への遊技球の入賞を可能にするため、メインROM31102から読み出されたデータに基づいて、メインRAM31103に位置付けられた変数を更新する。また、この処理において、メインCPU31101は、制御状態フラグに、後述のVアタッカー開放中処理(S13116)を示す値(「04)」をセットするとともに、Vアタッカー31424の開放上限時間(例えば1800msec)をアタッカ開放時間タイマ(図示せず)にセットする。すなわち、この処理により、後述のVアタッカー開放中処理(S13116)が実行されるように設定される。
次に、メインCPU31101は、Vアタッカー開放中処理(小当り遊技処理)を行う(S13116)。詳細は後述するが、この処理において、まず、メインCPU31101は、制御状態フラグがVアタッカー開放中処理を示す値(「04」)である場合に、Vアタッカー入賞カウンタが所定数(例えば5個)以上であるという条件、及び、開放上限時間(例えば1800msec)を経過した(Vアタッカー開放時間タイマが「0」である)という条件の一方が満たされた(所定の閉鎖条件が成立した)か否かを判別する。一方の条件が満たされた場合、メインCPU31101は、Vアタッカー用ソレノイド31520によりVアタッカー31424を駆動させて開閉入賞口31423を閉鎖させるため、メインRAM31103に位置付けられた変数を更新する。そして、メインCPU31101は、V入賞口スイッチ31428によりV入賞口31425への遊技球の入賞の検出があったか否かを判別し、V入賞口31425への遊技球の入賞の検出がなければ、制御状態フラグに、Vアタッカー開放終了インターバル処理を示す値(「05」)をセットし、Vアタッカー開放処理終了インターバルに対応する時間(Vアタッカー開放処理終了インターバル時間)を待ち時間タイマにセットする。すなわち、この処理でセットされたVアタッカー開放処理終了インターバル時間が経過した後、後述のVアタッカー開放処理終了インターバル処理が実行されるように設定される。一方、V入賞口31425への遊技球の入賞の検出があったと判別すると、メインCPU31101は、制御状態フラグに、後述の大入賞口内残留球監視処理(S13120)を示す値(「08」)をセットし、Vアタッカー開放処理終了インターバル時間を待ち時間タイマにセットする。すなわち、この処理でセットされたVアタッカー開放処理終了インターバル時間が経過した後、後述の大入賞口内残留球監視時間が実行されるように設定される。なお、後述の大入賞口再開放前待ち時間管理処理(S13121)において大入賞口開放回数カウンタの値が「1」増加するため、上述のVアタッカー開放中処理が、大当り遊技状態における1ラウンド目のラウンド遊技となる。
制御状態フラグに、制御状態フラグがVアタッカー開放処理終了インターバル処理を示す値(「05」)がセットされている場合、メインCPU31101は、Vアタッカー開放処理終了インターバル処理を行う(S13117)。この処理において、メインCPU31101は、Vアタッカー開放処理終了インターバル時間が経過した場合に、特別図柄ゲーム終了処理を示す値(「11」)を制御状態フラグにセットする。すなわち、この処理により、S13117の処理後に後述の特別図柄ゲーム終了処理が実行されるように設定される。
次に、制御状態フラグに、大当り開始インターバル管理処理(S13118)を示す値(「06」)がセットされている場合、メインCPU31101は、大当り開始インターバル管理処理を行う(S13118)。この処理において、メインCPU31101は、制御状態フラグが大当り開始インターバル管理処理を示す値(「06」)であり、S13114の処理でセットされた大当り開始インターバルに対応する時間が経過した場合に大入賞口31540を開放させるため、メインROM31102から読み出されたデータに基づいて、メインRAM31103に位置付けられた変数を更新する。また、この処理において、メインCPU31101は、制御状態フラグに、後述の大入賞口開放中処理(S13119)を示す値(「07)」をセットするとともに、大入賞口31540の開放上限時間(例えば30秒)を大入賞口開放時間タイマにセットする。すなわち、この処理により、後述の大入賞口開放中処理が実行されるように設定される。
次に、メインCPU31101は、大入賞口開放中処理を行う(S13119)。この処理において、まず、メインCPU31101は、制御状態フラグが大入賞口開放中処理を示す値(「07」)である場合に、大入賞口入賞カウンタが所定数以上であるという条件、及び、開放上限時間を経過した(大入賞口開放時間タイマが「0」である)という条件の一方が満たされた(所定の閉鎖条件が成立した)か否かを判別する。一方の条件が満たされた場合、メインCPU31101は、大入賞口31540を閉鎖させるため、メインRAM31103に位置付けられた変数を更新する。そして、メインCPU31101は、制御状態フラグに、後述の大入賞口内残留球監視処理(S13120)を示す値(「08」)をセットするとともに、大入賞口内残留球監視時間を待ち時間タイマにセットする。すなわち、この処理により、S13119でセットされた大入賞口内残留球監視時間が経過した後、後述の大入賞口内残留球監視処理が実行されるように設定される。なお、この大入賞口開放中処理の終了直前には、サブ制御回路31200に対してラウンド間表示コマンドが送信される。
次に、メインCPU31101は、大入賞口内残留球監視処理を行う(S13120)。この処理において、メインCPU31101は、制御状態フラグが大入賞口内残留球監視処理を示す値(「08」)であり、大入賞口内残留球監視時間が経過した場合に、大入賞口開放回数カウンタの値が大入賞口開放回数の最大値以上である(最終ラウンドである)という条件が満たされたか否かを判別する。上記条件を満たさないと判別した場合、メインCPU31101は、大入賞口再開放待ち時間管理処理を示す値(「09」)を制御状態フラグにセットする。また、メインCPU31101は、ラウンド間インターバルに対応する時間を待ち時間タイマにセットする。すなわち、この処理により、ラウンド間インターバルに対応する時間が経過した後、後述の大入賞口再開放前待ち時間管理処理が実行されるように設定される。一方、S13120において、上記条件を満たしたと判別した場合、メインCPU31101は、大当り終了インターバル処理を示す値(「10」)を制御状態フラグにセットし、大当り終了インターバルに対応する時間(大当り終了インターバル時間)を待ち時間タイマにセットする。すなわち、この処理でセットされた大当り終了インターバルに対応する時間が経過した後、後述の大当り終了インターバル処理が実行されるように設定される。
次に、メインCPU31101は、大入賞口開放回数カウンタの値が大入賞口開放回数の最大値以上ではないと判別した場合、大入賞口再開放前待ち時間管理処理を行う(S13121)。この処理において、メインCPU31101は、制御状態フラグが大入賞口再開放前待ち時間管理処理を示す値(「09」)であり、ラウンド間インターバルに対応する時間が経過した場合に、大入賞口開放回数カウンタの値を「1」増加するように記憶更新する。また、メインCPU31101は、大入賞口開放中処理を示す値(「07」)を制御状態フラグにセットする。そして、メインCPU31101は、開放上限時間(例えば30秒)を大入賞口開放時間タイマにセットする。すなわち、この処理で上述した大入賞口開放中処理(S13119)が再度実行されるように設定される。なお、大入賞口再開放前待ち時間管理処理の終了直前には、サブ制御回路31200に対して大入賞口開放中表示コマンドが送信される。
また、メインCPU31101は、大入賞口開放回数カウンタの値が大入賞口開放回数の最大値以上であると判別した場合に、大当り終了インターバル処理を行う(S13122)。この処理において、メインCPU31101は、制御状態フラグが大当り終了インターバル処理を示す値(「10」)であり、大当り終了インターバルに対応する時間が経過した場合に、特別図柄ゲーム終了処理を示す値(「11」)を制御状態フラグにセットする。すなわち、この処理により、S13122の処理後に後述の特別図柄ゲーム終了処理が実行されるように設定される。
なお、Vアタッカー開放中処理(S13116)においてV入賞口31425への遊技球の入賞の検出があったと判別された場合には大当り遊技状態に制御されるが、この大当り遊技状態における2ラウンド目以降を、Vアタッカー31424を駆動させてV入賞装置31422への遊技球の入賞を可能とするラウンド遊技としてもよいし、シャッタ31610を駆動させて大入賞口31540への遊技球の入賞を可能とするラウンド遊技としてもよい。
次に、メインCPU31101は、大当り遊技状態が終了した場合、小当り遊技状態が終了した場合、又は、大当り判定の結果が「ハズレ」であった場合、特別図柄ゲーム終了処理を行う(S13123)。この特別図柄ゲーム終了処理を終了すると、メインCPU31101は、特別図柄制御処理を終了する。
上述したように、本実施形態のパチンコ遊技機では、制御状態フラグに各種値を順次セットすることにより、特別図柄ゲームを進行させる。具体的に、遊技状態が大当り遊技状態及び小当り遊技状態のいずれでもなく、大当り判定の結果が「ハズレ」である場合に、メインCPU31101は、制御状態フラグを「00」、「01」、「02」、「11」の順にセットする。これにより、メインCPU31101は、上述した特別図柄入賞チェック処理(S13112)、特別図柄変動時間管理処理(S13113)、特別図柄表示時間管理処理(S13114)及び特別図柄ゲーム終了処理(S13123)をこの順で所定のタイミングで実行する。
また、メインCPU31101は、遊技状態が大当り遊技状態及び小当り遊技状態のいずれでもなく、特別抽選の結果が「小当り」である場合、制御状態フラグを「00」、「01」、「02」、「03」の順でセットする。これにより、メインCPU31101は、上述した特別図柄入賞チェック処理(S13112)、特別図柄変動時間管理処理(S13113)、特別図柄表示時間管理処理(S13114)及びVアタッカー開放インターバル管理処理(S13115)をこの順で所定のタイミングで実行し、小当り遊技状態への移行制御を実行する。
さらに、メインCPU31101は、小当り遊技状態への移行制御が実行された場合、制御状態フラグを「04」にセットする。これにより、メインCPU31101は、上述したVアタッカー開放中処理(S13116)、すなわち小当り遊技状態を実行することとなる。
そして、Vアタッカー開放中処理(S13116)において、V入賞口31425への遊技球の入賞の検出があった場合、メインCPU31101は、制御フラグを「08」、「09」の順でセットする。これにより、メインCPU31101は、大入賞口内残留球監視処理(S13120)および大入賞口再開放前待ち時間管理処理(S13121)をこの順で実行し、大当り遊技状態を実行する。
一方、Vアタッカー開放中処理(S13116)において、V入賞口31425への遊技球の入賞の検出がなかった場合、メインCPU31101は、制御状態フラグを「05」にセットする。これにより、メインCPU31101は、上述したVアタッカー開放終了インターバル処理(S13117)を実行し、小当り遊技状態を終了する。
また、メインCPU31101は、遊技状態が大当り遊技状態及び小当り遊技状態のいずれでもなく、特別抽選の結果が「大当り」である場合、制御状態フラグを「00」、「01」、「02」、「06」の順でセットする。これにより、メインCPU31101は、上述した特別図柄入賞チェック処理(S13112)、特別図柄変動時間管理処理(S13113)、特別図柄表示時間管理処理(S13114)及び大当り開始インターバル管理処理(S13118)をこの順で所定のタイミングで実行し、大当り遊技状態への移行制御を実行する。
さらに、メインCPU31101は、大当り遊技状態への移行制御が実行された場合、制御状態フラグを「07」、「08」、「09」の順でセットする。これにより、メインCPU31101は、上述した大入賞口開放中処理(S13119)、大入賞口内残留球監視処理(S13120)及び大入賞口再開放前待ち時間管理処理(S13121)をこの順で所定のタイミングで実行し、大当り遊技状態を実行する。
なお、大当り遊技状態中に、当該大当り遊技状態の終了条件が成立した場合、メインCPU31101は、制御状態フラグを「07」、「08」、「10」、「11」の順でセットする。これにより、メインCPU31101は、上述した大入賞口開放中処理(S13119)、大入賞口内残留球監視処理(S13120)、大当り終了インターバル処理(S13122)及び特別図柄ゲーム終了処理(S13123)をこの順で所定のタイミングで実行し、大当り遊技状態を終了する。
[19−3−3.特別図柄表示時間管理処理]
図660は、本実施形態に係るパチンコ遊技機のメインCPU31101による特別図柄表示時間管理処理の一例を示すフローチャートである。特別図柄表示時間管理処理は、特別図柄制御処理の実行中にサブルーチンとして呼び出される。図660に示すように、メインCPU31101は、制御状態フラグが特別図柄表示時間管理処理を示す値(「02」)であるか否かを判別する(S13141)。制御状態フラグが特別図柄表示時間管理処理を示す値(「02」)でないと判別した場合(S13141におけるNO)、メインCPU31101は、特別図柄表示時間管理処理を終了する。一方、制御状態フラグが特別図柄表示時間管理処理を示す値(「02」)であると判別した場合(S13141におけるYES)、メインCPU31101は、S13142の処理に移る。
S13142において、メインCPU31101は、待ち時間タイマの値(待ち時間)が「0」であるか否かを判別する。この処理において、メインCPU31101は、待ち時間タイマにセットされた変動表示確定後の待ち時間(変動表示開始待ち時間)が消化されたか否かを判別する。待ち時間タイマの値が「0」でないと判別した場合(S13142におけるNO)、メインCPU31101は、特別図柄表示時間管理処理を終了する。一方、待ち時間タイマの値が「0」であると判別した場合(S13142におけるYES)、メインCPU31101は、S13143の処理に移る。
S13143において、メインCPU31101は、特別抽選の結果が「大当り」であるか否かを判別する。特別抽選の結果が「大当り」であると判別した場合(S13143におけるYES)、メインCPU31101は、S13145の処理に移る。一方、特別抽選の結果が「大当り」でないと判別した場合(S13143におけるNO)、メインCPU31101は、S13152の処理に移る。
S13144において、メインCPU31101は、各種データの初期化処理を行う。例えば、各種カウンタ処理や各種フラグ処理が行われている場合、各カウンタ値および各フラグの初期化処理を行う。この処理を終了すると、メインCPU31101は、S13145の処理に移る。
S13145において、メインCPU31101は、大当りを示す大当りフラグをセットする処理を行う。この処理を終了すると、メインCPU31101は、S13146の処理に移る。
S13146において、メインCPU31101は、制御状態フラグに大当り開始インターバル管理処理を示す値(「06」)をセットする処理を行う。
次に、メインCPU31101は、特別図柄(第1特別図柄又は第2特別図柄)に対応する大当り開始インターバル時間を待ち時間タイマにセットする処理を行う(S13147)。
次に、メインCPU31101は、特別図柄に対応する大当り開始コマンドをメインRAM31103にセットする処理を行う(S13148)。これにより、サブ制御回路31200には、大当り開始コマンドが送信される。
次に、メインCPU31101は、ラウンド数上限値(大入賞口開放回数上限値)をメインRAM31103にセットし、ラウンド数表示LEDパターンフラグをセットする(S13149)。なお、ラウンド数表示LEDパターンフラグは、残りラウンド数を所定パターンで表示するか否かを示すフラグである。この処理を終了すると、メインCPU31101は、特別図柄表示時間管理処理を終了する。
S13152において、メインCPU31101は、特別抽選の結果が「小当り」であるか否かを判別する(S13152)。特別抽選の結果が「小当り」であると判別した場合(S13152におけるYES)、メインCPU31101は、S13153の処理に移る。一方、特別抽選の結果が「小当り」でないと判別した場合(S13152におけるNO)、メインCPU31101は、S13157の処理に移る。
S13153において、メインCPU31101は、小当りであることを示す小当りフラグをセットする処理を行う。この処理を終了すると、メインCPU31101は、S13154の処理に移る。
S13154において、メインCPU31101は、制御状態フラグにVアタッカー開放インターバル管理処理を示す値(「03」)をセットする処理を行う。
次に、メインCPU31101は、小当り開始インターバル時間(Vアタッカー開放処理開始インターバル時間)を待ち時間タイマにセットする処理を行う(S13155)。
次に、メインCPU31101は、小当り開始コマンドをメインRAM31103にセットする処理を行う(S13156)。これにより、サブ制御回路31200には、小当り開始コマンドが送信される。この処理を終了すると、メインCPU31101は、特別図柄表示時間管理処理を終了する。
また、S13157において、メインCPU31101は、制御状態フラグに特別図柄ゲーム終了処理を示す値(「11」)をセットする処理を行う。この処理を終了すると、メインCPU31101は、特別図柄表示時間管理処理を終了する。
[19−3−4.Vアタッカー開放中処理]
図661は、本実施形態に係るパチンコ遊技機のメインCPU31101によるVアタッカー開放中処理の一例を示すフローチャートである。Vアタッカー開放中処理は、特別図柄制御処理の実行中にサブルーチンとして呼び出される。図661に示すように、メインCPU31101は、制御状態フラグがVアタッカー開放中処理を示す値(「04」)であるか否かを判別する(S13161)。制御状態フラグがVアタッカー開放中処理を示す値(「04」)でないと判別した場合(S13161におけるNO)、メインCPU31101は、Vアタッカー開放中処理を終了する。一方、制御状態フラグがVアタッカー開放中処理を示す値(「04」)であると判別した場合(S13161におけるYES)、メインCPU31101は、S13162の処理に移る。
S13162において、メインCPU31101は、V入賞装置31422への遊技球の入賞数を示すVアタッカー入賞カウンタの値が上限の5個に達したか否かを判別する。Vアタッカー入賞カウンタの値が5個以上であると判別すると(S13162におけるYES)、メインCPU31101は、S13163に移る。一方、アタッカー入賞カウンタの値が5個に達していなければ(S13162におけるNO)、メインCPU31101は、S13164に移る。
S13163において、メインCPU31101は、待ち時間タイマをクリアする。S13163の処理を終了すると、メインCPU31101は、S13165に移る。
一方、S13164では、メインCPU31101は、待ち時間タイマの値が「0」であるか否かを判別する。待ち時間タイマの値が「0」でなければ(S13164におけるNO)、メインCPU31101は、Vアタッカー開放中処理を終了する。一方、待ち時間タイマの値が「0」であれば(S13164におけるYES)、メインCPU31101は、S13165に移る。
S13165において、メインCPU31101は、V入賞口スイッチ31428によるV入賞口31425への遊技球の入賞検出があったか否かを判別する。V入賞口スイッチ31428によるV入賞口31425への遊技球の入賞検出があれば(S13165におけるYES)、メインCPU31101は、S13166に移る。一方、V入賞口スイッチ31428によるV入賞口31425への遊技球の入賞検出がなければ(S13165におけるNO)、メインCPU31101は、S13170に移る。
S13166において、メインCPU31101は、制御状態フラグに、大入賞口内残留球監視処理(S13120参照)を示す値(「08」)をセットするとともに、大入賞口内残留球監視時間を待ち時間タイマにセットする。すなわち、この処理により、後述の大入賞口内残留球監視処理が実行されるように設定される。この処理を終了すると、メインCPU31101は、S13167に移る。
S13167において、メインCPU31101は、V大当り開始インターバル時間を待ち時間タイマにセットする。この処理を終了すると、メインCPU31101は、S13168に移る。
S13168において、メインCPU31101は、V大当り開始コマンドをセットする。これにより、サブ制御回路31200には、V大当り開始コマンドが送信される。この処理を終了すると、メインCPU31101は、Vアタッカー開放中処理を終了する。
S13170では、メインCPU31101は、制御状態フラグに、Vアタッカー開放終了インターバル処理を示す値(「05」)をセットし、Vアタッカー開放中処理を終了する。
[19−3−5.Vアタッカー開放終了インターバル処理]
図662は、本実施形態に係るパチンコ遊技機のメインCPU31101によるVアタッカー開放終了インターバル処理の一例を示すフローチャートである。Vアタッカー開放終了インターバル処理は、特別図柄制御処理の実行中にサブルーチンとして呼び出される。この処理は、Vアタッカー開放中処理(S13116参照)において、V入賞口スイッチ31428によるV入賞口31425への遊技球の入賞検出がなかった場合に実行される処理である。
図662に示すように、メインCPU31101は、先ず、制御状態フラグがVアタッカー開放終了インターバル処理を示す値(「05」)であるか否かを判別する(S13171)。制御状態フラグがVアタッカー開放終了インターバル処理を示す値(「05」)でないと判別した場合(S13171におけるNO)、メインCPU31101は、Vアタッカー開放終了インターバル処理を終了する。一方、制御状態フラグがVアタッカー開放終了インターバル処理を示す値(「05」)であると判別した場合(S13171におけるYES)、メインCPU31101は、S13172の処理に移る。
S13172において、メインCPU31101は、待ち時間タイマの値が「0」であるか否かを判別する。この処理において、メインCPU31101は、待ち時間タイマにセットされたVアタッカー開放処理終了インターバル時間が消化されたか否かを判別する。待ち時間タイマの値が「0」でないと判別した場合(S13172におけるNO)、メインCPU31101は、Vアタッカー開放終了インターバル処理を終了する。一方、待ち時間タイマの値が「0」であると判別した場合(S13172におけるYES)、メインCPU31101は、S13173の処理に移る。
S13173において、メインCPU31101は、Vアタッカー開放終了コマンドをセットする。これにより、サブ制御回路31200には、Vアタッカー開放終了コマンドが送信される。この処理を終了すると、メインCPU31101は、S13174に移る。
S13174において、メインCPU31101は、制御状態フラグに特別図柄ゲーム終了処理を示す値(「11」)をセットする処理を行い、S13175に移る。
S13175において、メインCPU31101は、小当りフラグをクリアする処理、すなわち、メインRAM31103の所定領域にON設定されている小当りフラグをOFFに設定する処理を行い、Vアタッカー開放終了インターバル処理を終了する。
[19−3−6.大当り終了インターバル処理]
図663は、本実施形態に係るパチンコ遊技機のメインCPU31101による大当り終了インターバル処理の一例を示すフローチャートである。大当り終了インターバル処理は、特別図柄制御処理の実行中にサブルーチンとして呼び出される。図663に示すように、メインCPU31101は、制御状態フラグが大当り終了インターバル処理を示す値(「10」)であるか否かを判別する(S13221)。制御状態フラグが大当り終了インターバル処理を示す値(「10」)でないと判別した場合(S13221におけるNO)、メインCPU31101は、大当り終了インターバル処理を終了する。一方、制御状態フラグが大当り終了インターバル処理を示す値(「10」)であると判別した場合(S13221におけるYES)、メインCPU31101は、S13222の処理に移る。
S13222において、メインCPU31101は、待ち時間タイマの値が「0」であるか否かを判別する。この処理において、メインCPU31101は、待ち時間タイマにセットされた大当り終了インターバル時間が消化されたか否かを判別する。待ち時間タイマの値が「0」でないと判別した場合(S13222におけるNO)、メインCPU31101は、大当り終了インターバル処理を終了する。一方、待ち時間タイマの値が「0」であると判別した場合(S13222におけるYES)、メインCPU31101は、S13223の処理に移る。
S13223において、メインCPU31101は、大入賞口開放回数表示LEDパターンフラグをクリアする。大入賞口開放回数表示LEDパターンフラグは、大当り時のラウンド数をLEDの発光パターンによって表示するか否かを示す管理フラグとして用いられる。
次に、メインCPU31101は、ラウンド数振り分けフラグをクリアする(S13224)。このラウンド数振り分けフラグは、メインRAM31103に格納される管理フラグの一つであり、1ラウンド中にあっても予め決められた回数だけ大入賞口31540を周期的に開閉させるか否かを示すためのフラグである。1ラウンド中でも大入賞口31540を周期的に開閉させる場合は、ラウンド数振り分けフラグが「1」となる。このときまた、メインCPU31101は、サブ制御回路31200に対して特別図柄大当り終了表示コマンドを送信する。
次に、メインCPU31101は、制御状態フラグに特別図柄ゲーム終了処理を示す値(「11」)をセットする処理を行う(S13225)。
次に、メインCPU31101は、S13226において、大当りフラグをクリアする処理、すなわち、メインRAM31103の所定領域にON設定されている大当りフラグをOFFに設定する処理を行う。この処理を終了すると、メインCPU31101は、大当り終了インターバル処理を終了する。
[19−3−7.普通図柄制御処理]
図664は、本実施形態に係るパチンコ遊技機のメインCPU31101による普通図柄制御処理の一例を示すフローチャートである。
普通図柄制御処理は、主制御メイン処理の実行中にサブルーチンとして呼び出される。なお、図664に示す各処理の右方に括弧書きで記載した数値(「00」〜「05」)は、普通図柄制御状態フラグの値を示す。この普通図柄制御状態フラグは、メインRAM31103内の所定の記憶領域に格納される。メインCPU31101は、普通図柄制御状態フラグの数値に応じた処理を実行することにより、普通図柄ゲームを進行させる。
図664に示すように、メインCPU31101は、普通図柄制御状態フラグをロードする処理を行う(S13231)。この処理において、メインCPU31101は、メインRAM31103に記憶された普通図柄制御状態フラグの値を読み出す。メインCPU31101は、読み出した普通図柄制御状態フラグの値に基づいて、後述のS13232〜S13237の各処理を実行するか否かを判定する。この普通図柄制御状態フラグは、普通図柄ゲームの状態を示すものであり、S13232〜S13237のいずれかの処理を実行可能にするものである。また、メインCPU31101は、S13232〜S13237の各処理に対して設定された待ち時間などに応じて決定された所定のタイミングで各処理を実行する。なお、この所定のタイミングに至る前は、各処理を実行せずに、他のサブルーチンに係る処理を実行する。もちろん、所定の周期で、システムタイマ割込処理(例えば、図175参照)も実行する。
次に、メインCPU31101は、普通図柄記憶チェック処理を行う(S13232)。この処理において、メインCPU31101は、普通図柄制御状態フラグが普通図柄記憶チェック処理を示す値(「00」)である場合に、普通図柄の変動表示の保留個数をチェックし、保留個数が「0」でない場合(保留球がある場合)には、球通過検出器通過検出処理(例えば、図176のS5064参照)で得られた情報(普通当り判定用乱数値等)を取得する。また、メインCPU31101は、この処理において、普通図柄制御状態フラグに、後述の普通図柄変動時間管理処理(S13233)を示す値(「01」)をセットし、今回の処理で取得された普通図柄の変動パターンに対応する普通図柄の変動表示時間を待ち時間タイマにセットする。すなわち、球通過検出器通過検出で決定された普通図柄の変動パターンに対応する変動時間が経過した後、後述の普通図柄表示時間管理処理が実行されるように設定される。
次に、メインCPU31101は、普通図柄変動時間管理処理を行う(S13233)。この処理において、普通図柄制御状態フラグが普通図柄変動時間管理処理を示す値(「01」)であり、普通図柄の変動時間が経過した場合に、メインCPU31101は、普通図柄制御状態フラグに、後述の普通図柄表示時間管理処理(S13234)を示す値(「02」)をセットし、確定後待ち時間を待ち時間タイマにセットする。すなわち、このS13233の処理でセットされた確定後待ち時間が経過した後、後述の普通図柄表示時間管理処理が実行されるように設定される。
次に、メインCPU31101は、普通図柄表示時間管理処理を行う(S13234)。この処理において、メインCPU31101は、普通図柄制御状態フラグが普通図柄表示時間管理処理を示す値(「02」)であり、S13233の処理でセットされた確定後待ち時間が経過した場合に、普通抽選の結果を判別する。そして、普通抽選の結果が「普通当り」である場合、メインCPU31101は、普通図柄制御状態フラグに、後述の普通電動役物開放処理(S13235)を示す値(「03」)をセットし、普通電動役物開放処理に対応する時間を待ち時間タイマにセットする。そして、S13234の処理でセットされた普通電動役物開放処理に対応する時間が経過した後、普通電動役物開放処理が実行されるように設定される。一方、普通抽選の結果が「ハズレ」である場合、メインCPU31101は、普通図柄制御状態フラグに、後述の普通図柄ゲーム終了処理(S13237)を示す値(「05」)をセットする。すなわち、この場合には、普通電動役物開放処理(S13235)が実行されず、後述の普通図柄ゲーム終了処理が実行されるように設定される。この普通図柄表示時間管理処理については、図666を参照して後述する。
次に、普通図柄制御状態フラグに、普通電動役物開放処理(S13235)を示す値(「03」)がセットされている場合、メインCPU31101は、普通電動役物開放処理(S13235)を行う。この普通電動役物開放処理は、後述するS13250でセットされた普通電動役物開放パターンに基づいて、普通電動役物31460ひいてはシャッタ31461を開放させる処理である。メインCPU31101は、上記の普通電動役物開放パターンで、普通電動役物31460の開放処理を実行する。そして、普通電動役物開放終了インターバル処理を示す値(「04」)を普通図柄制御状態フラグにセットし、普通電動役物開放終了インターバルに対応する時間を待ち時間タイマにセットする。すなわち、普通電動役物開放処理を終了すると、後述の普通電動役物開放終了インターバル処理が実行されるように設定される。
次に、普通図柄制御状態フラグに、普通電動役物開放終了インターバル処理を示す値(「04」)がセットされている場合、メインCPU31101は、普通電動役物開放終了インターバル処理を行う(S13236)。この処理において、メインCPU31101は、後述するS13264でセットされた普通図柄当りフラグをクリアし、普通図柄ゲーム終了処理を示す値(「05」)を制御状態フラグにセットする。すなわち、この処理により、S13236の処理後に後述の普通図柄ゲーム終了処理が実行されるように設定される。
次に、メインCPU31101は、普通図柄制御状態フラグが普通図柄ゲーム終了処理を示す値(「05」)である場合(普通抽選の結果が「ハズレ」である場合、普通抽選の結果が「普通当り」であって普通電動役物開放処理が終了した場合)、普通図柄ゲーム終了処理を行う(S13237)。この処理において、メインCPU31101は、保留個数を示すデータ(始動記憶情報)を「1」減少するように記憶更新する。また、メインCPU31101は、次回の普通図柄の変動表示を行うために、普通図柄記憶領域の更新を行う。さらに、メインCPU31101は、普通図柄記憶チェック処理を示す値(「00」)を普通図柄制御状態フラグにセットする。すなわち、この処理により、S13237の処理後、上述した普通図柄記憶チェック処理(S13232)が実行されるように設定される。この普通図柄ゲーム終了処理を終了すると、メインCPU31101は、普通図柄制御処理を終了する。
[19−3−8.普通図柄記憶チェック処理]
図665は、本実施形態に係るパチンコ遊技機のメインCPU31101による普通図柄記憶チェック処理の一例を示すフローチャートである。普通図柄記憶チェック処理は、普通図柄制御処理の実行中にサブルーチンとして呼び出される。
先ず、メインCPU31101は、普通図柄制御処理(S13231参照)で読み出した制御状態フラグが普通図柄記憶チェック処理を示す値(「00」)であるか否かを判別する(S13241)。普通図柄制御状態フラグが「00」でないと判別した場合(S13242におけるNO)、メインCPU31101は、普通図柄記憶チェック処理を終了する。一方、普通図柄制御状態フラグが「00」であると判別した場合(S13242におけるYES)、メインCPU31101は、S13243の処理に移る。
S13243において、メインCPU31101は、変動表示の実行が保留されている普通図柄の保留個数が「0」であるか否かを判別する。メインCPU31101は、普通図柄の保留個数が「0」であると判別した場合(S13243におけるNO)、普通図柄記憶チェック処理を終了する。一方、普通図柄の保留個数が「0」でないと判別した場合(S13243におけるYES)、S13244の処理に移る。
S13244において、メインCPU31101は、普通図柄の保留個数に対応する普通始動情報数の値を「1」減算する。本実施形態において、メインCPU31101は、メインRAM31103に設けられた普通図柄始動記憶領域(0)〜普通図柄始動記憶領域(4)にデータが記憶されているか否かを判別して、変動表示中又は保留中の普通図柄の変動表示に対応する普通図柄ゲームの始動情報があるか否かを判別する。普通図柄始動記憶領域(0)には、変動表示中の普通図柄の変動表示に対応する普通図柄ゲームのデータ(情報)が始動情報として記憶される。そして、普通図柄始動記憶領域(1)〜普通図柄始動記憶領域(4)には、保留されている4回分の普通図柄の変動表示(保留球)に対応する普通図柄ゲームのデータ(情報)が始動情報として記憶される。なお、普通図柄始動記憶領域の始動情報には、例えば、普図ゲート31049への遊技球の通過時に抽出した普通当り判定用乱数値や普通演出選択用乱数値等が含まれる。
次に、S13245において、メインCPU31101は、普通図柄始動情報の転送処理を行う。この処理において、メインCPU31101は、普通図柄始動記憶領域(1)〜(4)のデータを、それぞれ普通図柄始動記憶領域(0)〜(3)にシフトする。このときまた、メインCPU31101は、サブ制御回路31200に対して保留減算コマンドを送信する。その後、メインCPU31101は、S13247の処理に移る。
S13247において、メインCPU31101は、普通当り判定処理を行う。この処理において、メインCPU31101は、普図ゲート31049への遊技球の通過時に抽出され、かつ、普通図柄始動記憶領域(0)において先にセットされた普通図柄当り判定用乱数値に基づき、普通図柄当り乱数判定テーブル(図655参照)を参照して、普通図柄当り判定値データを取得する。そして、メインCPU31101は、取得した普通当り判定値データに基づいて、「普通図柄当り」であるか「ハズレ」であるかを判定(普通図柄抽選)する。
次に、S13248において、メインCPU31101は、普通図柄決定処理を行う。この処理において、メインCPU31101は、普通図柄判定テーブル(図656参照)を参照し、S13247において取得した普通図柄当り判定値データに基づいて普通図柄当り時選択図柄コマンドを決定する。
次に、S13249において、メインCPU31101は、普通図柄変動パターン設定処理(普通図柄変動時間設定処理)を行う。この処理において、メインCPU31101は、普通図柄の変動パターンを、変動時間が異なる複数の変動パターンのうちいずれかの変動パターンに決定し、設定する。なお、設定された普通図柄の変動パターンは、主制御回路31100からサブ制御回路31200に送信される。
次に、S13250において、メインCPU31101は、普通電動役物開放パターン決定処理を行う。この処理において、メインCPU31101は、普通図柄当り種類決定テーブル(図657参照)を参照し、S13248において決定された普通図柄当り時選択図柄コマンドに基づいて、普通電動役物31460すなわちシャッタ31461の動作パターン(開放パターン)を決定する。
次に、S13251において、メインCPU31101は、S13249の普通図柄変動パターン設定処理で設定された普通図柄の変動パターンに対応する変動表示時間を待ち時間タイマにセットする。この処理を終了すると、メインCPU31101は、処理を、S13252に移す。
S13252において、メインCPU31101は、普通図柄制御状態フラグに普通図柄変動時間管理処理を示す値(「01」)をセットする処理を行う。また、メインCPU31101は、サブ制御回路31200に対して普通図柄演出開始コマンドを送信予約する。この処理を終了すると、メインCPU3101は、普通図柄記憶チェック処理を終了する。
[19−3−9.普通図柄表示時間管理処理]
図666は、本実施形態に係るパチンコ遊技機のメインCPU31101による普通図柄表示時間管理処理の一例を示すフローチャートである。普通図柄表示時間管理処理は、普通図柄制御処理の実行中にサブルーチンとして呼び出される。図666に示すように、メインCPU31101は、普通図柄制御状態フラグが普通図柄表示時間管理処理を示す値(「02」)であるか否かを判別する(S13261)。普通図柄制御状態フラグが普通図柄表示時間管理処理を示す値(「02」)でないと判別した場合(S13261におけるNO)、メインCPU31101は、普通図柄表示時間管理処理を終了する。一方、普通図柄制御状態フラグが普通図柄表示時間管理処理を示す値(「02」)であると判別した場合(S13261におけるYES)、メインCPU31101は、S13262の処理に移る。
S13262において、メインCPU31101は、待ち時間タイマの値(待ち時間)が「0」であるか否かを判別する。この処理において、メインCPU31101は、待ち時間タイマにセットされた普通図柄の変動表示確定後の待ち時間(変動表示開始待ち時間)が消化されたか否かを判別する。待ち時間タイマの値が「0」でないと判別した場合(S13262におけるNO)、メインCPU31101は、普通図柄表示時間管理処理を終了する。一方、待ち時間タイマの値が「0」であると判別した場合(S13262におけるYES)、メインCPU31101は、S13263の処理に移る。
S13263において、メインCPU31101は、普通図柄ゲームが「普通当り」であるか否かを判別する。普通図柄ゲームが「普通当り」であると判別した場合(S13263におけるYES)、メインCPU31101は、S13264の処理に移る。一方、普通図柄ゲームが「普通当り」でないと判別した場合(S13263におけるNO)、メインCPU31101は、S13269の処理に移る。
S13264において、メインCPU31101は、普通図柄当りを示す普通図柄当りフラグをセットする処理を行う。この処理を終了すると、メインCPU31101は、S13265の処理に移る。
S13265において、メインCPU31101は、普通図柄制御状態フラグに普通電動役物開放処理を示す値(「03」)をセットする処理を行う。
次に、メインCPU31101は、普通当り開始インターバル時間を待ち時間タイマにセットする処理を行う(S13266)。
次に、メインCPU31101は、普通当り種類決定テーブル(図657参照)を参照し、普通電動役物31460すなわちシャッタ31461の動作パターン(開放パターン)をメインRAM31103にセットする処理を行う(S13267)。
次に、メインCPU31101は、普通電動役物31460の開放パターンコマンドをメインRAM31103にセットする処理を行う(S13268)。これにより、サブ制御回路31200には、普通当り開始コマンドが送信される。この処理を終了すると、メインCPU31101は、普通図柄表示時間管理処理を終了する。
また、S13269において、メインCPU31101は、普通図柄制御状態フラグに普通図柄ゲーム終了処理を示す値(「04」)をセットする処理を行う。この処理を終了すると、メインCPU31101は、普通図柄表示時間管理処理を終了する。
[19−4.遊技の流れ]
次に、上述した各テーブルを用いて上記の各制御処理が実行されたときの遊技の流れについて説明する。
先ず、通常の遊技状態では、遊技球がステージ31046を転動するように例えば左打ちで遊技が行われる。遊技領域31020の左側領域31021を流下した遊技球がステージ31046を転動して誘導口31047に受け入れられると、かかる遊技球は振分装置31050に導かれる。
振分装置31050に導かれた遊技球は、皿状の振分装置31050内を転動し、1個の特定口31052および2個の排出口31054のうちいずれかを通過する。この排出口31054を遊技球が通過した場合、かかる遊技球は機外に排出される。一方、特定口31052を遊技球が通過した場合、かかる遊技球は普図ゲート31049を通過し、メインCPU31101により普通図柄抽選が行われる。
なお、液晶表示装置31016には、図柄の変動演出がサブCPU31202により表示制御回路31205を介して行われる。サブCPU31202により表示制御回路31205を介して行われる図柄の変動演出は、普通図柄抽選の結果に基づいてメインCPU31101により実行される普通図柄の変動表示(普通図柄表示部31071に表示される普通図柄の変動表示)に対応する変動演出である。
そして、液晶表示装置31016に、大当り遊技状態への移行契機となりうる当り図柄が表示される(この場合、普通図柄表示部31071に、普通図柄抽選の結果が普通図柄当りであることを示す態様が表示される)と、S13250で決定された動作パターンで普通電動役物31460が作動し、特図始動口31420に遊技球が入賞可能な状態となる。
ところで、「開放状態→閉鎖状態」の動作を1回の動作としたとき、上述したように、普通電動役物31460の作動は、動作回数が異なる複数の動作パターンのうちいずれかの動作パターンで行われる。本実施形態では、図657に示されるように、上記の動作回数が1回の動作パターン1、上記の動作回数が2回の動作パターン2、上記の動作回数が3回の動作パターン3および上記の動作回数が4回の動作パターン4のうち、いずれかの動作パターンで普通電動役物31460が作動する。
以下に、普通電動役物31460の動作パターンと、大当り遊技状態に制御される回数との関係性について、図667および図668を参照して説明する。
図667および図668は、普通図柄が普通図柄当りを示す停止態様で停止した場合に、普通電動役物31460の動作状況と、特別図柄の変動状況と、Vアタッカー31424の開放状況と、大入賞口31540の開放状況との関係性を示すタイムチャートであって、図667(A)は普通電動役物31460が動作パターン1で作動する場合、図667(B)は普通電動役物31460が動作パターン2で作動する場合、を示す図、図668(A)は普通電動役物31460が動作パターン3で作動する場合、図668(B)は普通電動役物31460が動作パターン4で作動する場合、を示す図である。
図667(A)に示されるように、普通電動役物31460が動作パターン1で作動する場合、普通図柄が普通図柄当りを示す態様で表示されると(a)、特図始動口31420が開放状態(例えば500ms)となるように普通電動役物31460が作動する。
そして、上記の開放状態(例えば500ms)において特図始動口31420に遊技球が入賞すると(b)、特別図柄の変動表示が開始される。このとき、上述したように極めて高い確率(例えば1.01分の1)で、小当りに当選したことを示す特定の表示態様が特別図柄表示部31073に導出される。
特別図柄の変動表示が停止して特定の表示態様が特別図柄表示部31073に導出されると(c)、Vアタッカー31424が開放する。そして、V入賞装置31422の内部に遊技球を進入させると、上述したように少なくとも1球はほぼV入賞口31425に進入するため、極めて高い確率で大当り遊技状態に制御されることとなる。
大当り遊技状態が開始されると(d)、大入賞口31540が開閉動作するラウンド遊技が例えば10ラウンドにわたって実行され、全てのラウンド遊技が実行されると、大当り遊技状態は終了する(e)。
また、図667に示されるように、特図始動口31420が閉鎖状態(例えば360000ms)であるときに、大当り遊技状態に制御されるように構成されている。大当り遊技状態に制御される時間は遊技の進行状況(例えば大入賞口31540への遊技球の入賞状況)に応じて異なるが、特図始動口31420が閉鎖状態となる時間(本実施形態では360000ms)は、大当り遊技状態に制御される可能性がある最大時間よりも長時間であることが好ましい。例えば、10ラウンドのラウンド遊技が実行される大当り遊技状態において、1ラウンドあたりの最大遊技時間を例えば30000ms(インターバル時間を含む)としたとき、特図始動口31420が閉鎖状態となる時間は、300000msよりも長時間であることが好ましい。
また、図667(B)に示されるように、普通電動役物31460が動作パターン2で作動する場合、普通電動役物31460は、「開放状態→閉鎖状態」の動作を2回にわたって行う。すなわち、「開放状態→閉鎖状態」の動作が2回行われるまでが、普通電動役物31460の作動期間となる。上述したように、普通電動役物31460の作動中は普通図柄の変動表示が開始されないため、普通電動役物31460が動作パターン2で作動する場合、大当り遊技状態に制御される機会(大当り遊技状態の連チャン数)は2回となる。
同様に、図668(A)に示されるように普通電動役物31460が動作パターン3で作動する場合、大当り遊技状態に制御される機会(大当り遊技状態の連チャン数)は3回となり、図668(B)に示されるように普通電動役物31460が動作パターン4で作動する場合、大当り遊技状態に制御される機会(大当り遊技状態の連チャン数)は4回となる。
このように、普通電動役物31460の作動が終了するまでの一連の動作(「開放状態→閉鎖状態」の動作)を、普通図柄当りを示す表示態様で1回導出されたことに対して複数回にわたって実行可能とし、N回目の開放状態(例えば500ms)から(N+1)回目の開放状態(例えば500ms)までの間に、Vアタッカー31424の開放制御と、大当り遊技状態への制御との両方を実行可能に構成されている。これにより、N回目の開放状態(例えば500ms)が終了してから(N+1)回目の開放状態(例えば500ms)となるまでの間の閉鎖状態(例えば360000ms)において、Vアタッカー31424の開放制御と、大当り遊技状態への制御との両方を実行可能ならしめるといった、新たな遊技性を備える遊技機を提供することが可能となる。
なお、本実施形態では、普通図柄当りの確率が256分の13であり(図655参照)、普通図柄当りである場合に、普通電動役物31460が動作パターン1で作動する確率(普通図柄当り時選択図柄コマンド「fz1」の選択率)、動作パターン2で作動する確率(普通図柄当り時選択図柄コマンド「fz2」の選択率)、動作パターン3で作動する確率(普通図柄当り時選択図柄コマンド「fz3」の選択率)および動作パターン4で作動する確率(普通図柄当り時選択図柄コマンド「fz4」の選択率)は、それぞれ、10%、10%、40%、40%である(図656参照)が、これに限られない。例えば、普通図柄当りの確率を概ね15分の1とし、普通図柄当りである場合に、普通電動役物31460が動作パターン1で作動する確率、動作パターン2で作動する確率、動作パターン3で作動する確率および動作パターン4で作動する確率を、それぞれ、30%、25%、25%、20%としてもよい。また、普通図柄当りの確率を概ね10分の1とし、普通図柄当りである場合に、普通電動役物31460が動作パターン1で作動する確率、動作パターン2で作動する確率、動作パターン3で作動する確率および動作パターン4で作動する確率を、それぞれ、65%、20%、10%、5%としてもよい。このように各種確率を適宜変更することによって、異なるゲーム性を実現することができる。
また、本実施形態では、特別図柄の始動情報(特別図柄判定用乱数値や特別図柄乱数値)を保留する機能は有していないが、当該変動を含まずに所定数(例えば4個)を上限として特別図柄の始動情報を保留する機能を有してもよい。この場合、1回の開放状態(例えば500ms)において、特図始動口31420への遊技球の入賞数(保留数)に応じて大当り遊技状態に制御される回数を変えるようにしてもよい。例えば、1回の開放状態(例えば500ms)において、特図始動口31420への入賞数が1個(当該変動を含まない保留数が0)であれば例えば3ラウンドの大当り遊技状態を実行し、特図始動口31420への入賞数が2個(当該変動を含まない保留数が1)であれば例えば3ラウンドの大当り遊技状態を2回実行し、特図始動口31420への入賞数が3個(当該変動を含まない保留数が2)であれば例えば3ラウンドの大当り遊技状態を3回実行し、特図始動口31420への入賞数が4個(当該変動を含まない保留数が3)であれば例えば3ラウンドの大当り遊技状態を4回実行し、特図始動口31420への入賞数が5個(当該変動を含まない保留数が4)であれば例えば3ラウンドの大当り遊技状態を5回実行するようにしてもよい。この場合、特図始動口31420が閉鎖状態となる時間(本実施形態では360000ms)は、大当り遊技状態に制御される可能性がある最大時間(3ラウンドの大当り遊技状態が5回実行されるときの最大時間)よりも長時間であることが好ましい。このようにすることで、「開放状態→閉鎖状態」の動作が複数回行われる場合に、大当り遊技状態に制御される回数が都度異なりうる。例えば、1回目の閉鎖状態において制御される大当り遊技状態の回数と、2回目の閉鎖状態において制御される大当り遊技状態の回数とが異なりうる。これにより、バリエーションに富んだゲーム性を実現することができ、興趣を高めることが可能となる。
なお、特図始動口31420が閉鎖状態となる時間は一定時間であるため(本実施形態では360000ms)、大当り遊技状態が終了したとしても上記の閉鎖状態が継続している場合がある。この場合、閉鎖状態の時間が経過するまで待ち状態となるため、サブCPU31202は、上記の待ち時間において、液晶表示装置31016に各種表示演出が行われるよう制御するとよい。例えば、サブCPU31202は、普通図柄当りが導出された時点では普通電動役物31460の動作パターン(すなわち、大当り遊技状態に制御される回数)を遊技者に報知する演出を行わず、上記の待ち時間において、普通電動役物31460の動作パターンを示唆したり明示したりする演出を行うようにすると、より一層興趣を高めることが可能となる。
また、通常の遊技状態において、サブCPU31202は、普通図柄の変動表示に対応する変動演出を液晶表示装置31016に表示するようにしているが、例えば、通常の奇数図柄(例えば7を除く奇数図柄)の揃い目(ゾロ目)が表示されたときは大当り遊技状態の連チャン数を不明とし、特定図柄(例えばV図柄)のゾロ目が表示されたときは例えば3連チャン以上が確定し、特定の奇数図柄(例えば7)ゾロ目が表示されたときは最大連チャン数(本実施形態では4連チャン)が確定するような演出を実行することにより、興趣を高めることが可能となる。
[20.第22実施形態]
次に、第22実施形態のパチンコ遊技機について説明する。この第22実施形態のパチンコ遊技機では、確変フラグおよび時短フラグのいずれもがOFFにセットされた通常遊技状態と、確変フラグおよび時短フラグのいずれもがONにセットされた高確時短遊技状態と、確変フラグがONにセットされ且つ時短フラグがOFFにセットされたラッシュ状態とが用意されている。なお、本実施形態に係るパチンコ遊技機の機械的構成および電気的構成は、上述の各実施形態(とくに第15〜第19実施形態)のパチンコ遊技機と共通する部分についての説明を省略し、異なる部分について主に説明する。また、本実施形態に係るパチンコ遊技機において実行される制御(各種処理)についても、上述の各実施形態のパチンコ遊技機と共通する部分についての説明を省略し、異なる部分について主に説明する。ただし、本実施形態のパチンコ遊技機を説明するにあたり、上述した各実施形態において記載した各種部材の機能や構成または各種処理が共通するものであったとしても、基本的に異なる符号やステップ番号を付すものとする。
第22実施形態では、本実施形態のパチンコ遊技機の外観構成および電気的構成を説明する前に、先ず、パチンコ遊技機における遊技状態の遷移について、図669を参照して説明する。図669は、本実施形態における遊技状態遷移の一例を示す図である。
図669に示されるように、通常遊技状態において「特図1_10R大当り」に当選すると、相対的に多量の出玉の払い出しを期待できる10ラウンドの大当り遊技状態に制御される。そして、大当り遊技状態が終了すると、確変フラグON且つ時短フラグONの高確時短遊技状態に制御される。この高確時短遊技状態は、大当りに当選することなく規定回数の遊技が実行されると終了する回数限定の遊技状態である。本実施形態では、100回の遊技が実行されると(特別図柄の可変表示(変動表示)が100回実行されると)、高確時短遊技状態が終了する。そして、例えば100回限定の高確時短遊技状態を完走すると(大当り当選することなく例えば100回の遊技が実行されると)、確変フラグON且つ時短フラグOFFの高確非時短遊技状態(本実施形態において以下「ラッシュ状態」と称する)に移行する。このラッシュ状態は、例えば、単位時間当たりの発射球数に対する賞球数の期待値が1を超えうる遊技者に有利な遊技状態である。
上記のラッシュ状態において「特図2_2R大当り」に当選すると、賞球としての出玉をさほど期待できず、相対的に少量の出玉しか期待できない2ラウンドの大当り遊技状態に制御される。ただし、このラッシュ状態も、大当りに当選することなく規定回数の遊技が実行されると終了する回数限定の遊技状態である。本実施形態では、20回の遊技が実行されるとラッシュ状態が終了する。そして、例えば20回限定のラッシュ状態を完走すると(大当り当選することなく例えば20回の遊技が実行されると)、確変フラグOFF且つ時短フラグOFFの通常遊技状態に移行する。
なお、ラッシュ状態を完走すると通常遊技状態に移行するものの、例えば第15実施形態において説明した液晶表示装置20004(例えば、図405参照)に表示される演出画像については通常遊技状態よりも期待度が高い印象を遊技者に与えうる特殊ステージに移行し、この特殊ステージにおいて所定回数の遊技が行われた後、通常遊技状態であることを把握可能な通常ステージに移行するようにしてもよい。
このように遊技状態が遷移する本実施形態のパチンコ遊技機では、ラッシュ状態を完走すると通常遊技状態に制御される。このように期間限定のラッシュ状態に制御されうるようにした場合、ラッシュ状態を完走するとラッシュ状態が終了して通常遊技状態に移行してしまう。また、ラッシュ状態中に大当り当選したとしても、ラッシュ状態が中途で終了してしまい、いずれにしても遊技者を落胆させてしまうおそれがある。そこで、本実施形態のパチンコ遊技機は、所定条件が成立した場合、ラッシュ状態を完走させつつも通常遊技状態への移行を回避可能とすることで、興趣を高めるようにしたものである。
なお、本実施形態に係るパチンコ遊技機は、第1特別図柄の可変表示と第2特別図柄の可変表示とが並行して変動することが可能であり、メインCPU32101により実行される各種処理は、例えば図306〜図352等に示される各種処理と基本的に同様である。ただし、図341の特別図柄転落判定処理(S11825)はこの第22実施形態のパチンコ遊技機では実行されない。以下では、本実施形態に係るパチンコ遊技機において、上述した各実施形態に係るパチンコ遊技機と異なる制御について主として説明する。
[20−1.遊技機の外観構成および電気的構成]
次に、図670および図671を用いて、第22実施形態のパチンコ遊技機の主たる外観構成および主たる電気的構成を中心に説明する。
図670は、第22実施形態に係るパチンコ遊技機における遊技盤ユニット32017の正面図の一例である。図671は、第22実施形態に係るパチンコ遊技機の制御回路を示すブロック図の一例である。
図670に示すように、遊技盤ユニット32017は、発射された遊技球が転動流下可能な遊技領域32020を有する。
遊技領域32020の略中央には液晶表示装置32016が設けられており、この液晶表示装置32016の下方には、第1特別図柄抽選の契機となる第1始動口32420Aが設けられている。
発射ハンドルの操作量が小さい場合、遊技球は遊技領域32020の左側領域32021を流下する。左側領域32021を流下した遊技球は、第1始動口32420Aまたは一般入賞口32053に入賞可能であり、第1始動口32420Aおよび一般入賞口32053のいずれにも入賞しなかった遊技球はアウト口32057から機外に排出される。
なお、第1始動口32420Aを遊技球が通過すると、かかる遊技球が第1始動口スイッチ32421A(図671参照)により入賞検出される。また、一般入賞口32053を遊技球が通過すると、かかる遊技球が一般入賞口スイッチ32531(図671参照)により入賞検出される。
メインCPU32101は、第1始動口スイッチ32421A(図671参照)により入賞検出があると、第1特別図柄抽選を行う。
発射ハンドルの操作量が大きい場合、遊技球は遊技領域32020の右側領域32022を流下する。遊技領域32020の右側領域32022には、遊技球が通過可能な通過ゲート32049が配置されている。この通過ゲート32049は、普通図柄抽選の契機となる機能および役物連続作動装置を作動させる契機を兼ね備えている。
なお、通過ゲート32049を遊技球が通過すると、かかる遊技球が通過ゲートスイッチ32491により通過検出される。
通過ゲートの下流側には普通電動役物32460が配置されている。普通電動役物32460は、前後方向に進退させることで第1始動口32420Bを開閉させることが可能なシャッタ32442、当該シャッタ32442を駆動する普電用ソレノイド32462(図671参照)および当該普電用ソレノイド32462の動力をシャッタ32442に伝達する動力伝達機構(不図示)を備える。
普通電動役物32460は、普電用ソレノイド32462によりシャッタ32442が駆動されることによって、第1始動口32420Bへの遊技球の入賞が容易(可能)な開放状態と、第1始動口32420Bへの遊技球の入賞が困難(不可能)な閉鎖状態との間で移行(駆動)可能に構成される。普通電動役物32460すなわちシャッタ32442は、普通図柄表示部32071(図671参照)において普通図柄が特定の停止表示態様(普通図柄当りを示す停止態様)となった場合に、所定の期間及び回数だけ作動する。
普通電動役物32460が作動すると、第1始動口32420Bへの遊技球の入賞が容易(可能)な開放状態となる頻度が高められる。第1始動口32420Bへの遊技球の入賞が容易(可能)な開放状態になると、右打ちされた遊技球のほとんどが第1始動口32420Bに入賞するため、後述する第2始動口32440や小当り入賞口32560への入賞頻度が低くなる。
第1始動口32420Bを遊技球が通過すると、かかる遊技球が第1始動口スイッチ32421B(図671参照)により入賞検出される。
メインCPU32101は、第1始動口スイッチ32421B(図671参照)により入賞検出があると、第1特別図柄抽選を行う。
右側領域32022を流下する遊技球のうち第1始動口32420Bに入賞しなかった遊技球の進行方向である普通電動役物32460よりもさらに下流側には、第2特別図柄抽選の契機となる第2始動口32440が設けられている。この第2始動口32440は、右側領域32022を流下し且つ第1始動口32420Bに入賞しなかった遊技球のうち、概ね2分の1〜7分の1の程度の確率で遊技球が入賞するように構成されているが、第2始動口32440への入賞のしやすさは適宜変更してよい。
なお、第2始動口32440を遊技球が通過すると、かかる遊技球が第2始動口スイッチ32441(図671参照)により入賞検出される。
メインCPU32101は、第2始動口スイッチ32441(図671参照)により入賞検出があると、第2特別図柄抽選を行う。
右側領域32022を流下する遊技球のうち第1始動口32420Bおよび第2始動口32440のいずれにも入賞しなかった遊技球の進行方向である第2始動口32440よりもさらに下流側には、特別電動役物32600が配置されている。
特別電動役物32600は、前後方向に進退可能なシャッタ32610、当該シャッタ32610を駆動する大入賞口ソレノイド32620(図671参照)および当該大入賞口ソレノイド32620の動力をシャッタ32610に伝達する動力伝達機構(不図示)を備える。特別電動役物32600は、大入賞口32540の上方に配置される。特別電動役物32600は、大入賞口ソレノイド32620によりシャッタ32610が駆動されることによって、大入賞口32540への遊技球の入賞を可能(又は容易)とする開放状態と、大入賞口32540への遊技球の入賞を不可能(又は困難)とする閉鎖状態と、に移行(駆動)可能に構成される。特別電動役物32600すなわちシャッタ32610による開放駆動は、第1特別図柄表示部32073又は第2特別図柄表示部32074(いずれも図671参照)において特別図柄が特定の停止表示態様となって、大当り遊技状態に移行された場合に行われる。
なお、大入賞口32540を遊技球が通過すると、かかる遊技球が大入賞口スイッチ32541(図671参照)により入賞検出される。
右側領域32022を流下する遊技球のうち第1始動口32420B、第2始動口32440および大入賞口32540のいずれにも入賞しなかった遊技球の進行方向であるさらに下流側には、小当り入賞口32560が配置されている。
小当り入賞口32560は、前後方向に進退させることで小当り入賞口32560を開閉させることが可能なシャッタ32562を備えており、入賞により払い出される賞球数は例えば10個である。シャッタ32562は、小当り入賞口ソレノイド32520(例えば、図671参照)により駆動される。
小当り入賞口32560に至った遊技球は、シャッタ32562の作動により小当り入賞口32560が開放されていれば小当り入賞口32560に入賞し、小当り入賞口32560が開放されていなければ小当り入賞口32560に入賞せずにさらに下流側に流下する。小当り入賞口32560に入賞せずにさらに下流側に流下した遊技球は、アウト口32057から機外に排出される。
小当り入賞口32560を遊技球が通過すると、かかる遊技球が小当り入賞口スイッチ32521(図671参照)により入賞検出される。
なお、普通電動役物32460が作動した状態(第1始動口32420Bへの遊技球の入賞が容易(可能)な開放状態)においては、右側領域32022を流下する遊技球のほとんどが第1始動口32420Bに入賞するため、普通電動役物32460よりもさらに下流側の第2始動口32440や小当り入賞口32560まで流下し難くなっている。したがって、小当り入賞口32560がたとえ開放されていたとしても、第1始動口32420Bへの遊技球の入賞が容易(可能)な開放状態であれば小当り入賞口32560に遊技球が入賞し難い。一方、普通電動役物32460が作動していなければ(すなわち第1始動口32420Bへの遊技球の入賞が困難(不可能)な閉鎖状態であれば)、右側領域32022を流下する遊技球は、第1始動口32420Bに入賞せずに、第2始動口32440や小当り入賞口32560まで流下する。この場合、小当り入賞口32560が開放されていれば、右側領域32022を流下する遊技球は小当り入賞口32560に入賞可能となる。
また、通過ゲート32049を遊技球が通過すると、メインCPU32101は、普通図柄の始動情報(普通当り判定用乱数値や普通図柄乱数値)を最大4個まで保留する。普通図柄の始動情報の保留数は、メインCPU32101により普通図柄用保留表示部32072(図671参照)に表示される。
また、メインCPU32101は、第1始動口32420Aまたは第1始動口32420Bに遊技球が入賞した場合に第1特別図柄の始動情報(大当り判定用乱数値や図柄乱数値)を最大4個まで保留することは勿論、第2始動口32440に遊技球が入賞した場合にも、第2特別図柄の始動情報(大当り判定用乱数値や図柄乱数値)を最大4個まで保留する。第1特別図柄の始動情報の保留数および第2特別図柄の始動情報の保留数は、それぞれ、メインCPU32101により第1特別図柄用保留表示部32075および第2特別図柄用保留表示部32076(いずれも図671参照)に表示される。
上述したように、メインCPU32101は、第1始動口32420Aおよび第1始動口32420Bのいずれに遊技球が入賞したとしても第1特別抽選を行う。なお、第1始動口32420Aおよび第2始動口32440への入賞時に払い出される賞球数は例えば4個であるが、第1始動口32420Bへの入賞時に払い出される賞球数は例えば1個である。
なお、高確時短遊技状態では、通常遊技状態と比べて大当り確率が高められるとともに普通電動役物32460の作動が促進制御される電サポ状態とされる。このように電サポ状態とされることによって、非電サポ状態と比べて第1始動口32420Bへの遊技球の入賞頻度が高められる。また、電サポ状態では、第1始動口32420Bへの遊技球の入賞頻度が高められることによって、右打ちされた遊技球が第2始動口32440まで到達し難くなる。そのため、電サポ状態では、第2始動口32440よりも第1始動口32420Bの方が入賞しやすい。ただし、上述したとおり、第1始動口32420Bへの入賞時に払い出される賞球数は例えば1個であるため、高確時短遊技状態では、単位時間あたりの発射球数に対して付与されうる遊技価値の期待値は1未満となる。
また、ラッシュ状態では、他の遊技状態(例えば、通常遊技状態、高確時短遊技状態)と比べて小当り入賞口32560への遊技球の入賞頻度を高めることにより、単位時間あたりの発射球数に対して付与されうる遊技価値の期待値が1を超えうるようにしている。具体的には、ラッシュ状態では、非電サポ状態となり、高確時短遊技状態と比べて第1始動口32420Bへの遊技球の入賞が困難(または不可能)となり、第1始動口32420Bよりも第2始動口32440の方が入賞しやすくなる。上述の当り乱数判定テーブル(図673参照)に示されるように、第2特別図柄抽選が行われたときの小当り確率は概ね1.01であるから、小当り入賞口32560への遊技球の入賞頻度が高められることとなる。
なお、本実施形態では、確変フラグがONにセットされ且つ時短フラグがOFFにセットされる高確非時短遊技状態をラッシュ状態としているが、これに限られない。例えば、確変フラグおよび時短フラグのいずれもがONにセットされる「高確時短遊技状態」として、大当り確率が相対的に高められるとともに普通電動役物32460の作動が促進制御される電サポ状態とし、単位時間あたりの発射球数に対して付与されうる遊技価値の期待値が1未満の「第1の高確時短遊技状態」と、当り確率が相対的に高められるとともに非電サポ状態とし、第2特別図柄の可変表示時間(変動時間)を通常遊技状態よりも短くすることで単位時間あたりの発射球数に対して付与されうる遊技価値が1を超えるようにした「第2の高確時短遊技状態」とを設けて、この「第2の高確時短遊技状態」をラッシュ状態としてもよい。この場合、「高確非時短遊技状態」を設けなくてもよい。
なお、封入された遊技球を循環させて遊技を行うパチンコ遊技機の場合、遊技媒体としての遊技球が外部に排出されずに遊技可能に構成されているため、入賞したとき、賞球が払い出されることに代えて遊技媒体としての賞球データが付与される。この明細書において、「付与される遊技価値」には、賞球および賞球データのいずれの意味も含まれる。例えば、賞球数が15個の入賞口に入賞した場合、封入式の遊技機であれば、15個の賞球に対応する価値の賞球データが付与される。また、遊技価値は、必ずしも賞球や賞球データに限定されず、賞球や賞球データに相当するものであればよい。
「普通電動役物32460の作動が促進制御される」とは、時短フラグがONであるときに第1始動口32420Bへの遊技球の入賞を容易化する制御であり、例えば、普通電動役物32460の開放態様(シャッタ32442が駆動されることによって第1始動口32420Bへの遊技球の入賞が容易な開放状態となる開放回数や開放時間等)、普通図柄の変動時間及び普通当り確率のうち少なくとも一つ以上を、第1始動口32420Bへの入賞が容易化されるように変更する制御である。
すなわち、本実施形態において、時短フラグがONにセットされる時短遊技状態(例えば高確時短遊技状態)では、非時短遊技状態(例えば通常遊技状態やラッシュ状態)と比べて、普通図柄抽選において普通図柄当りであると判定される確率(普通図柄当り確率)が高められるようにしている。そのため、時短遊技状態では、非時短遊技状態と比べて、普通電動役物32460が閉鎖状態から開放状態になる頻度、すなわち第1始動口への遊技球の入賞頻度が高められる。ただし、時短遊技状態において、非時短遊技状態と比べて普通図柄当り確率を高めることに代えて、例えば、普通図柄抽選の実行頻度を高める(普通図柄の変動時間を短くする)ことで、普通電動役物32460が閉鎖状態から開放状態になる頻度を高めるようにしても良いし、普通電動役物32460の開放態様を変えることで当該普通電動役物32460に入賞しやすくしても良い。また、上記の三態様のうち二態様または三態様を組み合わせても良い。
なお、本実施形態の説明では、ガイドレール32028(外レール32028a、内レール32028b)およびLEDユニット32070(いずれも図670参照)については言及していない。また、性能表示モニタ32334、エラー報知モニタ32336、初期リセット回路32104、I/Oポート32105、コマンド出力ポート32106、メインRAM32102の記憶保持用としてバックアップ電源を供給可能なバックアップコンデンサ32107、設定キー32328、設定スイッチ32332、コマンド入力ポート32201、プログラムROM32203、ワークRAM32204、表示制御回路32205、音声制御回路32206、LED制御回路32207、役物制御回路32208、LED32025、役物群33000、電源供給回路32338、電源スイッチ32035、払出装置32340、発射装置32015、バックアップクリアスイッチ32330、カードユニット32360、球貸し操作パネル32370、外部端子板32323およびホールコンピュータ32700(いずれも図671参照)についても言及していない。本実施形態の説明において言及していない上記各構成の機能等については、符号は異なるものの既に上述したとおりであるため、説明を省略したものである。
[20−2.パチンコ遊技機の基本仕様]
次に、図672〜図675を用いて、パチンコ遊技機の基本仕様について説明する。図672はパチンコ遊技機の当り乱数判定テーブルの一例、図673はパチンコ遊技機における特別図柄判定テーブルの一例、図674はパチンコ遊技機の特別図柄の判定結果が大当りであるときの大当り種類決定テーブルの一例、図675はパチンコ遊技機の特別図柄の変動パターンテーブルの一例である。これらのテーブルはメインROM32102に記憶される。
[20−2−1.当り乱数判定テーブル]
図672に示されるとおり、第1特別抽選が行われると、「大当り」または「ハズレ」に決定される。また、第2特別抽選が行われた場合には、「大当り」、「小当り」および「ハズレ」のうちいずれかに決定される。メインROM32102に記憶される当り乱数判定テーブルには、第1始動口32420Aまたは第1始動口32420Bに入賞した場合のデータとして、確変フラグの値(「0(=オフ)」又は「1(=オン)」)毎に、「大当り」又は「ハズレ」に決定される大当り判定用乱数の範囲(幅)と、それに対応する判定値データ(「大当り判定値データ」、「ハズレ判定値データ」)との関係が規定されている。また、第2始動口32440に入賞した場合のデータとして、確変フラグの値(「0(=オフ)」又は「1(=オン)」)毎に、「大当り」、「小当り」又は「ハズレ」に決定される大当り判定用乱数の範囲(幅)と、それに対応する判定値データ(「大当り判定値データ」、「小当り判定値データ」、「ハズレ判定値データ」)との関係が規定されている。
本実施形態では、第1特別図柄および第2特別図柄ともに、大当り判定用乱数の総乱数は65536である。すなわち、上記の大当り判定用乱数は0〜65535の範囲(幅)で発生する。この範囲は固定値として設定されている。大当り確率は、大当り判定用乱数の範囲に対する大当り判定値データの数によって定められ、小当り確率は、大当り判定用乱数の範囲に対する小当り判定値データの数によって定められる。なお、大当り判定用乱数の範囲(幅)は、適宜変更しても良い。大当り確率、小当り確率およびハズレ確率は、図672において選択率として示される。
なお、図672には示されていないが、大当り確率および小当り確率は、低設定よりも高設定の方が高くなるように、設定値毎に異なるようにしても良い。
[20−2−2.特別図柄判定テーブル]
図673に示されるように、特別図柄判定テーブル(第1特別図柄、第2特別図柄)は、第1始動口32420A,32420Bまたは第2始動口32440に遊技球が入賞した際に取得される図柄乱数値と先述の判定値データとに基づいて、停止図柄を決定付ける「当り時選択図柄コマンド」及び「図柄指定コマンド」を決定するために参照されるテーブルである。なお、本実施形態では、取得された図柄乱数値によらず判定値データに基づいて「当り時選択図柄コマンド」および「図柄指定コマンド」が決定されるが、これに限られず、判定値データが同じであったとしても取得された図柄乱数値に基づいて「当り時選択図柄コマンド」および「図柄指定コマンド」が異なるようにしてもよい。例えば、第1始動口32420Aまたは第1始動口32420Bに遊技球が入賞し、判定値データが「大当り判定値データ」である場合、図柄乱数値が例えば「0」〜「49」のいずれかである場合と「50」〜「99」のいずれかである場合とで、決定される当り時選択図柄コマンドおよび図柄指定コマンドが異なるようにしてもよい。
[20−2−3.大当り種類決定テーブル]
図674に示されるように、大当り種類決定テーブルは、先述の当り時選択図柄コマンドに基づいて、大当りの種類(ラウンド数、確変回数、時短回数)を決定するために参照されるテーブルである。例えば、当り時選択図柄コマンドが「z0」であるとき、ラウンド数が「10」、確変回数が「120」、時短回数が「100」に決定される。なお、セットされる確変回数が「1」以上であれば、大当り遊技状態終了時に確変フラグもONにセットされ、同様に、セットされる時短回数が「1」以上であれば、大当り遊技状態終了時に時短フラグもONにセットされる。
なお、確変回数は、相対的に高い確率で特別図柄抽選が実行される遊技回数(特別図柄の変動回数)であり、時短回数は、普通電動役物32460の作動が促進制御される遊技回数である。
[20−2−4.特別図柄の変動パターンテーブル]
メインCPU32101は、第1始動口32420Aまたは第1始動口32420Bに遊技球が入賞したときは第1特別図柄の変動パターンを決定し、第2始動口32440に遊技球が入賞したときは第2特別図柄の変動パターンを決定する(例えば、図329のS11477およびS11478参照)。
図675に示されるように、第1特別抽選の結果が大当りである場合、第1特別図柄の変動パターン(第1特別図柄の変動時間)は、確変フラグの状況(ONであるかOFFであるか)と、時短フラグの状況(ONであるかOFFであるか)と、状態移行カウンタ(残回数)の状況または第1始動口32420A,32420Bに遊技球が入賞したときに抽出された図柄決定用乱数とに基づいて決定される。具体的には、状態移行カウンタ(残回数)が1〜4のうちのいずれかであれば、変動時間が125000msの特定変動Aに決定されるが、状態移行カウンタ(残回数)が1〜4のうちのいずれかでもない場合(すなわち状態移行カウンタが0の場合)、変動時間が1000msの超速変動に決定される。このように、第1特別抽選の結果が大当りであって、確変フラグON且つ時短フラグOFFである場合、状態移行カウンタ(残回数)に応じて、決定される変動時間が顕著に異なる。
なお、状態移行カウンタは、高確時短遊技状態において最後(例えば100回目)の特別図柄の可変表示(以下「高確時短最終変動」と称する)の終了時点において、第1特別図柄の始動情報の保留数に応じてセットされるカウンタである。例えば、高確時短最終変動の終了時点において、第1特別図柄の始動情報の保留数が4であれば、状態移行カウンタは「4」にセットされる。
また、第1特別抽選の結果がハズレである場合、第1特別図柄の変動パターン(第1特別図柄の変動時間)は、確変フラグの状況(ONであるかOFFであるか)と、時短フラグの状況(ONであるかOFFであるか)と、リーチ判定用乱数と、図柄決定用乱数とに基づいて決定される。リーチ判定用乱数および図柄決定用乱数は、第1始動口32420Aまたは第1始動口32420Bに遊技球が入賞したときに抽出される乱数である。
また、第2特別図柄の変動パターン(第2特別図柄の変動時間)は、第2特別抽選の結果が大当りである場合、確変フラグの状況(ONであるかOFFであるか)と、時短フラグの状況(ONであるかOFFであるか)と、第2始動口32440に遊技球が入賞したときに抽出された図柄決定用乱数とに基づいて決定される。
また、第2特別図柄の変動パターン(第2特別図柄の変動時間)は、第2特別抽選の結果が小当りまたはハズレである場合、確変フラグの状況(ONであるかOFFであるか)と、時短フラグの状況(ONであるかOFFであるか)と、状態移行カウンタ(残回数)の状況または第2始動口32440に遊技球が入賞したときに抽出されたリーチ判定用乱数とに基づいて決定される。
とくにラッシュ状態(確変フラグON且つ時短フラグOFF)において、第2特別抽選の結果が小当りまたはハズレである場合、状態移行カウンタ(残回数)が1〜4のうちのいずれかであれば、第1特別抽選の結果がハズレである場合の第1特別図柄の変動時間(例えば1000ms)よりも変動時間が長い特定変動B(例えば10000ms)Bに決定される。これにより、状態移行カウンタ(残回数)が1〜4のうちのいずれかである場合、単位時間あたりの第2特別図柄の変動回数の期待値を、高確時短遊技状態終了時に保留されている第1特別図柄の始動情報についての単位時間あたりの変動回数の期待値よりも小さくすることができ、第2特別図柄の可変表示の実行を極力抑制することが可能となる。すなわち、高確時短遊技状態終了時に保留されていた第1始動情報にかかる第1特別図柄の可変表示が実行される間、第2特別図柄の可変表示の実行を極力抑制することで第2特別図柄の可変表示が実行されて大当りが導出されてしまうことを抑制することが可能となる。さらに、高確時短遊技状態終了時に第1始動情報が上限の例えば4個まで保留されていたとしても、最後に可変表示が開始される保留4個目の第1始動情報にかかる可変表示が開始されるまでの間に、第2特別図柄の可変表示が極力実行されないようにすることが好ましい。例えば、ラッシュ状態において、状態移行カウンタが1〜4の場合、第2特別図柄抽選の結果が小当りまたはハズレである場合の変動パターン(変動時間)を、第1特別図柄抽選の結果がハズレである場合の保留3回(保留上限−1)分の変動時間(インターバルを含む)の合計時間(例えば、1000ms×3)よりも長くすることによって、高確時短遊技状態終了時(ラッシュ状態開始時)に第1特別図柄の始動情報が上限の4個まで保留されていたとしても、保留されている第1特別図柄の始動情報の全部が消化されるまでの間、第2特別図柄の可変表示の開始を抑制することが可能となる。とくに、高確時短遊技状態終了時に第1始動情報が上限の例えば4個まで保留されており、最後に可変表示される4個目に保留されている第1特別図柄の始動情報が大当りであったとしても、この4個目の第1始動情報にかかる第1特別図柄の可変表示が開始されるまでに第2特別図柄の可変表示において大当りが導出されてしまうことを回避することが可能となる。
なお、上記では、ラッシュ状態(確変フラグON且つ時短フラグOFF)において状態移行カウンタ(残回数)が1〜4のうちのいずれかである場合、第2特別図柄の変動パターンを、第1特別図柄の変動時間(例えば1000ms)よりも変動時間が長い特定変動B(例えば10000ms)に決定するようにしたが、これに限られない。例えば、ラッシュ状態における最初の第2特別図柄の変動パターンのみを、第1特別図柄抽選の結果がハズレである場合の保留3回(保留上限−1)分の変動時間(インターバルを含む)の合計時間(例えば、1000ms×3)よりも長くい変動パターン(例えば特定変動B)に決定するようにしてもよい。このようにすることで、ラッシュ状態における最初の第2特別図柄の変動時間の長短によって、高確時短遊技状態の終了時に保留されていた第1始動情報のなかに大当りが導出されることとなる第1始動情報が含まれているか否かをただちに遊技者に見極められることを防止できる。ただし、状態移行カウンタ(残回数)が0である場合(高確時短遊技状態の終了時に第1始動情報が保留されていない場合)は、例えば特定変動Bに決定される必要がないため、例えば超速変動に決定されるようにしてもよい。
また、第2特別図柄の変動パターンは、通常遊技状態(確変フラグおよび時短フラグのいずれもOFF)では概ね600000msと長時間の変動パターンに決定されるが、高確時短遊技状態(確変フラグおよび時短フラグのいずれもON)またはラッシュ状態(確変フラグON且つ時短フラグOFF)では、ハズレリーチ演出Dが実行される場合および状態移行カウンタが1〜4のいずれかである場合を除き、例えば1000msの超速変動に決定される。したがって、高確時短遊技状態およびラッシュ状態では右打ちで遊技が行われるが、通常遊技状態では、概ね600000msと長時間の変動パターンに決定されるため右打ちする実益がなく、左打ちで遊技が行われる。
なお、ハズレリーチ演出Dの変動時間を、リーチ演出であるにもかかわらず5000msと比較的短い変動時間としたのは、ラッシュ状態中にハズレリーチ演出Dが実行される場合があったとしてもラッシュ状態を完走できるようにしたものである。
また、図675中の「備考」の欄は、分かりやすいように便宜上示したものであり、サブCPU32202により表示制御回路32205を介して液晶表示装置32016に表示される演出画像(例えば装飾図柄の変動演出パターン)の内容を示している。
なお、図675には示されていないが、設定値毎に、図柄決定用乱数範囲を変えて、決定される特別図柄の変動パターン(変動時間)が異なりうるようにしてもよい。
なお、特別図柄の変動時間は特別図柄の変動パターンと対応しているため、特別図柄の変動時間が決まれば特別図柄の変動パターンも決定するようになっている。また、特別図柄の変動パターンは、サブCPU32202により液晶表示装置32016(例えば図670参照)に表示される演出内容(例えば装飾図柄の変動演出パターン)とも対応している。
[20−3.主制御回路による処理]
次に、第22実施形態のパチンコ遊技機の主制御回路32100が有するメインCPU32101により実行される各種の処理のうち、図306〜図352等に示される各種処理と異なる処理として、特別図柄変動パターン設定処理(図329のS11477参照)について、図676〜図678を参照して説明する。なお、図329に示されるS11477は、サブルーチンの処理として示されていないが、この実施形態ではサブルーチンとして以下の処理が実行される。また、メインCPU32101の処理として、特別図柄変動パターン設定処理を除き、図306〜図352等に示される各種処理と異なる主な点または詳述すべき主な点ついては、とくに図を参照することなく以下に説明する。
[20−3−1.特別図柄変動パターン設定処理]
図676は、特別図柄変動パターン設定処理の一例を示すフローチャートである。図676に示すように、メインCPU32101は、先ず、第1特別図柄の可変表示であるか否かを判別する(S13271)。第1特別図柄の可変表示であれば(S13271におけるYES)、メインCPU32101は、処理をS13202に移す。一方、第1特別図柄の可変表示でなければ(S13271におけるNO)、すなわち第2特別図柄の可変表示であれば、メインCPU32101は、処理をS13273に移す。
S13272において、メインCPU32101は、第1特別図柄変動パターン設定処理を行う。この処理を実行した後、メインCPU32101は特別図柄変動パターン設定処理を終了する。なお、第1特別図柄変動パターン設定処理の詳細については後述する。
S13273において、メインCPU32101は、第2特別図柄変動パターン設定処理を行う。この処理を実行した後、メインCPU32101は特別図柄変動パターン設定処理を終了する。なお、第2特別図柄変動パターン設定処理の詳細については後述する。
図677は、第1特別図柄変動パターン設定処理の一例を示すフローチャートである。図677に示すように、メインCPU32101は、先ず、ラッシュ状態中であるか否かを判別する(S13281)。ラッシュ状態中であれば(S13281におけるYES)、メインCPU32101は処理をS13282に移し、ラッシュ状態中でなければ(S13281におけるNO)、メインCPU32101は処理をS13285に移す。
次に、S13282において、メインCPU32101は、状態移行カウンタが0でなく(すなわち1〜4のいずれかであって)且つ第1特別図柄抽選の結果が大当りであるか否かを判別する。状態移行カウンタが0でなく且つ第1特別図柄抽選の結果が大当りであれば(S13282におけるYES)、メインCPU32101は処理をS13283に移し、状態移行カウンタが0であるかまたは/および第1特別図柄抽選の結果が大当りでなければ(S13282におけるNO)、メインCPU32101は処理をS13284に移す。
次に、S13283において、メインCPU32101は、第1特別図柄の可変表示パターンとして特定変動Aをセットする。この処理を実行した後、メインCPU32101は第1特別図柄変動パターン設定処理を終了する。
一方、S13284において、メインCPU32101は、第1特別図柄の可変表示パターンとして超速変動をセットする。この処理を実行した後、メインCPU32101は第1特別図柄変動パターン設定処理を終了する。
また、S13285において、メインCPU32101は、通常処理を行う。この処理を実行した後、メインCPU32101は第1特別図柄変動パターン設定処理を終了する。なお、ここでいう通常処理は、特別図柄の変動パターンテーブル(図675参照)を参照し、第1特別図柄の可変表示パターンをセットする処理が相当する。
なお、本実施形態では、図675に示されるように、ラッシュ状態(例えば、確変フラグON且つ時短フラグOFF)において、第1特別図柄抽選の結果がハズレの場合、状態移行カウンタ(残回数)の値にかかわらず、変動時間が例えば1000msの超速変動に設定されるようにしているが、これに限られない。例えば、状態移行カウンタ(残回数)が1〜4の場合は例えば1000msの超速変動に設定し、状態移行カウンタ(残回数)が0の場合は、通常遊技状態と同様の変動パターン(例えばハズレリーチ演出A〜Cまたは通常変動A〜通常変動C)に設定するようにしてもよい。ただし、ラッシュ状態では第1始動口32420Bに遊技球が入賞することはほとんどないため、第1特別図柄抽選の結果がハズレの場合、常に1000msの超速変動に設定されるようにしても差し支えない。
図678は、第2特別図柄変動パターン設定処理の一例を示すフローチャートである。図678に示すように、メインCPU32101は、先ず、ラッシュ状態中であるか否かを判別する(S13301)。ラッシュ状態中であれば(S13301におけるYES)、メインCPU32101は処理をS13302に移し、ラッシュ状態中でなければ(S13301におけるNO)、メインCPU32101は処理をS13305に移す。
次に、S13302において、メインCPU32101は、状態移行カウンタが0でなく(すなわち1〜4のいずれかであって)且つ2特別図柄抽選の結果が小当りまたはハズレであるか否かを判別する。状態移行カウンタが0でなく且つ第2特別図柄抽選の結果が小当りであるかまたはハズレであれば(S13302におけるYES)、メインCPU32101は処理をS13303に移し、状態移行カウンタが0であるかまたは/および第2特別図柄抽選の結果が小当りでもハズレでもなければ(S13302におけるNO)、メインCPU32101は処理をS13304に移す。
次に、S13303において、メインCPU32101は、第2特別図柄の可変表示パターンとして特定変動Bをセットする。この処理を実行した後、メインCPU32101は第2特別図柄変動パターン設定処理を終了する。
一方、S13304において、メインCPU32101は、第2特別図柄の可変表示パターンとして超速変動をセットする。この処理を実行した後、メインCPU32101は第2特別図柄変動パターン設定処理を終了する。
また、S13305において、メインCPU32101は、通常処理を行う。この処理を実行した後、メインCPU32101は第2特別図柄変動パターン設定処理を終了する。なお、ここでいう通常処理は、特別図柄の変動パターンテーブル(図675参照)を参照し、第2特別図柄の可変表示パターンをセットする処理が相当する。
[20−3−2.メインCPU32101によるその他の処理]
メインCPU32101により実行される処理として、特別図柄変動パターン設定処理を除き、図306〜図352等に示される各種処理と異なる主な点または詳述すべき主な点は以下のとおりである。
本実施形態では、特別図柄変動開始処理(図329参照)において実行される遊技状態管理処理(図350)に代えて、図679に示される遊技状態管理処理が実行される。図679は、メインCPU32101により実行される遊技状態管理処理の一例を示すフローチャートである。この遊技状態管理処理は、上述の特別図柄変動開始処理の実行中にサブルーチンとして呼び出される。
図679に示されるように、メインCPU32101は、先ず、時短フラグがONであるか否かを判別する(S13301)。時短フラグがONであれば(S13301におけるYES)、メインCPU32101はS13302に移る。一方、時短フラグがONでなければ(S13289におけるNO)、メインCPU32101はS13306に移る。
S13302において、メインCPU32101は、時短カウンタから1を減算する。この処理を実行した後、メインCPU32101はS13303に移る。
S13303において、メインCPU32101は、確変カウンタから1を減算する。この処理を実行した後、メインCPU32101はS13304に移る。なお、本実施形態では、時短フラグがONであれば必ず確変フラグがONである。
S13304において、メインCPU32101は、時短カウンタが0であるか否かを判別する。時短カウンタが0であれば(S13304におけるYES)、メインCPU32101はS13305に移る。一方、時短カウンタが0でなければ(S13304におけるNO)、メインCPU32101は遊技状態管理処理を終了する。
S13305において、メインCPU32101は、時短フラグをOFFにセットする。この処理を実行した後、メインCPU32101は遊技状態管理処理を終了する。
また、S13306において、メインCPU32101は、確変フラグがONであるか否かを判別する。確変フラグがONであれば(S13306におけるYES)、メインCPU32101はS13307に移る。一方、確変フラグがONでなければ(S13306におけるNO)、メインCPU32101は遊技状態管理処理を終了する。
S13307において、メインCPU32101は、確変カウンタから1を減算する。この処理を実行した後、メインCPU32101はS13308に移る。
S13308において、メインCPU32101は、確変カウンタが0であるか否かを判別する。確変カウンタが0であれば(S13308におけるYES)、メインCPU32101はS13309に移る。一方、確変カウンタが0でなければ(S13308におけるNO)、メインCPU32101は遊技状態管理処理を終了する。
S13309において、メインCPU32101は、確変フラグをOFFにセットする。この処理を実行した後、メインCPU32101はS13310に移る。
S13310において、メインCPU32101は、第1特別図柄の始動情報の保留数をチェックする。この処理を実行した後、メインCPU32101はS13311に移る。
S13311において、メインCPU32101は、第1特別図柄の始動情報の保留数に相当する値を、状態移行カウンタにセットする。例えば、第1特別図柄の始動情報の保留数が「2」であれば、状態移行カウンタに「2」をセットする。ただし、本実施形態において、高確時短遊技状態では普通電動役物32460の作動が促進制御される電サポ状態となるため、確変カウンタが0になった(S13296においてYES)と判別されたときの第1特別図柄の始動情報の保留数は「4」または「3」である場合が多いと考えられる。この処理を実行した後、メインCPU32101は遊技状態管理処理を終了する。
また、特別図柄当り終了処理の特別図柄遊技終了処理(図338のS11617参照)、より詳しくは遊技状態指定パラメータ設定処理(図335のS11562)において、メインCPU32101は、大当り種類に応じて、確変フラグ、時短フラグ、状態移行カウンタ、時短カウンタをセットする。本実施形態では、図674に示されるように、当り時選択図柄コマンドが「z0」および「z1」のいずれであったとしても、確変回数「120」、時短回数「100」にセットされる。また、確変フラグおよび時短フラグのONにセットされる。
また、特別図柄関連チェック処理(図313のS11083参照)では、メインCPU32101は、第1始動口32420A、第1始動口32420Bまたは第2始動口32440への入賞チェックを行うが、第1始動口32420A、第1始動口32420Bまたは第2始動口32440に入賞したと判別すると、特別図柄当り判定処理(図329のS11475参照)に先だって先読み処理を行うようにしている。この先読み処理は、第1始動口32420A、第1始動口32420Bまたは第2始動口32440への入賞に基づいて取得された特別図柄の始動情報についての可変表示が開始されるまでの間に(例えば、保留状態にあるときまたは保留される前に)、当落や変動パターン等を、特別図柄当り判定処理に先だって判定する処理である。
また、第1特別図柄の可変表示と第2特別図柄の可変表示とが並行して行われる場合、メインCPU32101は、第1特別図柄及び第2特別図柄の両方が大当り図柄を示す図柄組合せで停止することがないように処理を行う。例えば、第1特別図柄の可変表示及び第2特別図柄の可変表示の両方を行っているときに、先に可変表示が開始された一方の特別図柄が大当り図柄を示す図柄組合せで停止する場合、メインCPU32101は、後に可変表示が開始された他方の特別図柄を、特別抽選の結果にかかわらずハズレを示す図柄組合せで強制的に停止させる制御を行う。すなわち、例えば、先に可変表示が開始された一方の特別図柄抽選(例えば第1特別図柄抽選)の結果が大当りである場合、この一方の特別図柄抽選の結果が導出されるまでの間、他方の特別図柄(例えば第2特別図柄)の可変表示が行われたとしても、この他方の特別図柄が停止したときに大当りが導出されない。
したがって、例えばラッシュ状態において第1特別図柄抽選の結果が大当りである場合、大当りが導出される第1特別図柄の可変表示が開始されると、この第1特別図柄の可変表示が実行されて大当りが導出されるまでの間、第2特別図柄抽選の結果として小当りが導出される都度、小当り入賞口32560への遊技球の入賞に基づいて賞球の払い出しを受けることが可能となる。
本実施形態では、第1特別図柄抽選の結果が大当りであるとともに確変フラグON且つ時短フラグOFFであって、状態移行カウンタが1〜4のいずれかである場合、例えば125000msにわたって第1特別図柄の可変表示が実行される。また、第2特別図柄抽選における小当り確率は概ね1.01分の1である。したがって、高確時短遊技状態終了時に第1特別図柄の始動情報が保留されており、この保留のなかに大当りが導出される第1特別図柄の始動情報が含まれている場合、この大当りが導出される第1特別図柄の可変表示中(例えば、125000msの間)、第2特別図柄抽選の結果として大当りが導出されることがないため、小当り入賞口32560への遊技球の入賞に基づいて賞球の払い出しを受け続けることが可能となる。また、ラッシュ状態(確変フラグON且つ時短フラグOFF)における第2特別図柄の変動時間は、特別図柄の変動パターンテーブル(図675参照)に示されるように、大当りでない限り1000msの超速変動であるから、インターバルや小当り遊技状態に制御される(小当り入賞口32560が開放される)ことを考慮しても、例えば20回のラッシュ状態を完走することが可能となる。さらに、第1特別図柄抽選の結果が大当りであることを担保した状態でラッシュ状態を完走するため、ラッシュ状態を完走した後は再び10ラウンドのラウンド遊技が実行される大当り遊技状態に制御され、さらにその後は再びラッシュ状態に制御されることとなる。すなわち、高確時短遊技状態終了時に保留されている第1特別図柄の始動情報に大当りが含まれている場合、最初の10ラウンドの大当り遊技状態と、完走確定のラッシュ状態と、ラッシュ状態を完走した後の2回目の大当り遊技状態と、この2回目の大当り遊技状態終了後に高確時短遊技状態を経て実行されるラッシュ状態とが必ず実行されることとなり、大量の出玉を期待できる。しかも、2回目の大当り遊技状態終了後の高確時短遊技状態終了時に保留されている第1特別図柄の始動情報に大当りが含まれている場合、さらに完走確定のラッシュ状態と、このラッシュ状態を完走した後の3回目の大当り遊技状態と、この3回目の大当り遊技状態終了後に高確時短遊技状態を経て実行されるラッシュ状態とが必ず実行されるといったループ状態となる。これにより、これまでにない新たなゲーム性を備えたパチンコ遊技機を提供することで、興趣を高めることが可能となる。
なお、本実施形態では、ラッシュ状態(確変フラグON且つ時短フラグOFF)において、状態移行カウンタが1〜4の場合、第2特別図柄の変動パターン(変動時間)を、第1特別図柄の保留3回分の変動時間(例えば1000ms×3)よりも長い時間(例えば10000ms)の変動パターンに決定するようにしてもよい旨を説明した。すなわち、ラッシュ状態において、状態移行カウンタが1〜4の場合、第2特別図柄の変動パターンを、第1特別図柄の始動情報が上限(例えば4個)まで保留されているものと仮定して決定するようにしたが、これに代えて、状態移行カウンタ(残回数)の値(第1特別図柄の始動情報の保留数)に応じて、第2特別図柄の変動パターンの変動時間が異なるようにしてもよい。例えば、第2特別図柄の変動パターンを、状態移行カウンタの値が「1」であれば例えば2500ms、状態移行カウンタの値が「2」であれば例えば5000ms、状態移行カウンタの値が「3」であれば例えば7500ms、状態移行カウンタの値が「4」であれば例えば10000msに決定するようにしてもよい。
[20−4.サブ制御回路による処理]
次に、第22実施形態のパチンコ遊技機のサブ制御回路32200が有するサブCPU32202により実行される各種の処理のうち、装飾図柄の変動開始時に実行される演出態様決定処理(例えば図26のS205参照)の一処理として実行されるラッシュ状態中の演出処理であるラッシュ状態演出処理について、図680〜図682を参照して説明する。
図680は、サブCPU32202により実行されるラッシュ状態演出処理の一例を示すフローチャートである。
図680に示されるように、サブCPU32202は、先ず、ラッシュ状態の1遊技目であるか否かを判別する(S13401)。ラッシュ状態の1遊技目であれば(S13401におけるYES)、メインCPU32101はS13402に移る。一方、ラッシュ状態の1遊技目でなければ(S13401におけるNO)、メインCPU32101はS13403に移る。
S13402において、メインCPU32101は、ラッシュ状態1遊技目演出処理を実行する。このラッシュ状態1遊技目演出処理は、ラッシュ状態の1遊技目に実行される処理であり、詳細については後述する。
S13403において、メインCPU32101は、ラッシュ状態中演出管理処理を実行する。このラッシュ状態中演出管理処理は、ラッシュ状態の2遊技目以降に実行される処理であり、詳細については後述する。
図681は、サブCPU32202により実行されるラッシュ状態1遊技目演出処理の一例を示すフローチャートである。このラッシュ状態1遊技目演出処理は、上述のラッシュ状態演出処理の実行中にサブルーチンとして呼び出される。
図681に示されるように、ラッシュ状態1遊技目演出処理において、サブCPU32202は、第1特別図柄の始動情報が保留されているか否かを判別する(S13411)。第1特別図柄の始動情報が保留されている場合(S13411におけるYES)、サブCPU32202はS13412に移る。一方、第1特別図柄の始動情報が保留されていない場合(S13411におけるNO)、サブCPU32202はS13414に移る。なお、第1特別図柄の始動情報が保留されているか否かの判別は、メインCPU32101から送信されるコマンドの解析結果に基づいて行われる。
次に、S13412において、サブCPU32202は、保留されている第1特別図柄の始動情報のなかに大当りが含まれているか否かを判別する。この判別は、メインCPU32101にから送信されるコマンド(メインCPU32101により実行された先読み処理の結果を示すコマンド)の解析結果に基づいて行われる。第1特別図柄の始動情報のなかに大当りが含まれている場合(S13412におけるYES)、サブCPU32202はS13413に移る。一方、第1特別図柄の始動情報のなかに大当りが含まれていない場合(S13412におけるNO)、サブCPU32202はS13415に移る。なお、サブCPU32202による第1特別図柄の始動情報のなかに大当りが含まれているか否かの判別は、メインCPU32101から送信されるコマンドの解析結果に基づいて行われる。この第1特別図柄の始動情報のなかに大当りが含まれているか否かの判別では、メインCPU32101は、第1始動口32420Aまたは第1始動口32420Bへの入賞チェック時に先読み処理を行い、この先読み処理の結果をサブ制御回路32200にむけてコマンド送信予約する。そして、サブCPU32202は、高確時短遊技状態における最終変動の終了時に、第1特別図柄の始動情報のなかに大当りが含まれているか否かを判定するようにしてもよいし、ラッシュ状態における最初の変動開始時に、最初に変動開始される第1特別図柄の始動情報も含めて保留状態にある第1特別図柄の始動情報のなかに大当りが含まれているか否かを判定するようにしてもよい。
次に、S13413において、サブCPU32202は、フリーズ演出を開始させるための処理(フリーズ演出開始処理)を実行する。なお、フリーズ演出は、液晶表示装置32016に表示される表示演出、または/および、スピーカ32024から出力される音声演出を、通常時とは異なる特別な事態が発生したことを遊技者が把握できる態様で行う演出である。本実施形態において、このフリーズ演出は、複数回の遊技にわたって実行されるが、これに限られず、1遊技で終了するようにしてもよい。フリーズ演出開始処理を実行した後、サブCPU32202は、ラッシュ状態1遊技目演出処理を終了する。
また、S13414では、サブCPU32202は、ラッシュ通常演出を開始させるための処理(ラッシュ通常演出開始処理)を実行する。この処理を実行した後、サブCPU32202は、ラッシュ状態1遊技目演出処理を終了する。
図682は、サブCPU32202により実行されるラッシュ状態中演出管理処理の一例を示すフローチャートである。このラッシュ状態中演出管理処理は、例えば背景画像等の演出処理であり、上述のラッシュ状態演出処理の実行中にサブルーチンとして呼び出される。なお、サブCPU32202による装飾図柄の変動演出処理は別途実行されている。
図682に示されるように、ラッシュ状態中演出管理処理において、サブCPU32202は、先ず、ラッシュ通常演出中であるか否かを判別する(S13415)。ラッシュ通常演出中であれば(S13415におけるYES)、サブCPU32202はS13416に移り、ラッシュ通常演出中でなければ(S13415におけるNO)、サブCPU32202はS13419に移る。
次に、S13416において、サブCPU32202は、特別図柄抽選の結果が大当りであるか否かを判別する。特別図柄抽選の結果が大当りであれば(S13416におけるYES)、サブCPU32202はS13418に移り、特別図柄抽選の結果が大当りでなければ(S13416におけるNO)、サブCPU32202はS13417に移る。なお、ラッシュ状態中は右打ちされるため、S13416の処理では、第2特別図柄抽選の結果が大当りであるか否かを判別することがほとんどであるが、ラッシュ状態中であるにもかかわらず左打ちされることによって第1特別図柄抽選が行われた場合には、第1特別図柄抽選の結果が大当りであるか否かを判別することとなる。
S13417において、サブCPU32202は、完走したか否か、すなわち、ラッシュ状態における最終変動であるか否か(例えばラッシュ状態における20回目の遊技であるか否か)を判別する。完走した場合(S13417におけるYES)、サブCPU32202はS13418に移り、完走していなければ(S13417におけるNO)、サブCPU32202は、ラッシュ状態中演出管理処理を終了する。
次に、S13418において、サブCPU32202は、ラッシュ通常演出を終了させるための処理(ラッシュ通常演出終了処理)を実行する。この処理を実行した後、サブCPU32202は、ラッシュ状態中演出管理処理を終了する。
また、S13419において、サブCPU32202は、ラッシュ特別演出中であるか否かを判別する(S13419)。ラッシュ特別演出中であれば(S13419におけるYES)、サブCPU32202はS13420に移り、ラッシュ特別演出中でなければ(S13419におけるNO)、サブCPU32202はS13422に移る。なお、S13422の処理に移るのはフリーズ演出中である。
次に、S13420において、サブCPU32202は、完走したか否か、すなわち、ラッシュ状態における最終変動であるか否か(例えばラッシュ状態における20回目の遊技であるか否か)を判別する。完走した場合(S13420におけるYES)、サブCPU32202はS13421に移り、完走していなければ(S13420におけるNO)、サブCPU32202は、ラッシュ状態中演出管理処理を終了する。
次に、S13421において、サブCPU32202は、ラッシュ特別演出を終了させるための処理(ラッシュ特別演出終了処理)を実行する。この処理を実行した後、サブCPU32202は、ラッシュ状態中演出管理処理を終了する。
また、S13422において、サブCPU32202は、フリーズ演出終了条件として所定時間が経過したか否かを判別する。所定時間が経過(すなわちフリーズ終了条件が成立)していれば(S13422におけるYES)、サブCPU32202は処理をS13423に移し、所定時間が経過(すなわちフリーズ演出終了条件)が成立していなければ(S13422におけるNO)、サブCPU32202は、ラッシュ状態中演出管理処理を終了する。なお、フリーズ演出終了条件は、所定時間経過したことに限られず、例えば所定回数の遊技が実行されたこと等とすることができるが、特定の条件に限定されるものではない。
次に、S13423において、サブCPU32202は、ラッシュ特別演出を開始させるための処理(ラッシュ特別演出開始処理)を実行する。この処理を実行した後、サブCPU32202は、ラッシュ状態中演出管理処理を終了する。
このように、ラッシュ通常演出中は、大当りに当選するか完走することによってラッシュ通常演出(すなわちラッシュ状態)が終了するが、ラッシュ特別演出中は、大当り当選によってラッシュ特別演出(すなわちラッシュ状態)が終了することがなく、完走することのみによってラッシュ通常演出が終了する。そのため、高確時短遊技状態における最終変動終了時にフリーズ演出が発生すると、ラッシュ状態終了後に大当り遊技状態に制御されることが担保された状態でラッシュ状態を完走できるため、演出による興趣を高めることが可能となる。
なお、上記では、メインCPU32101により先読み処理を行い、ラッシュ状態の1遊技目において、保留されている第1特別図柄の始動情報のなかに大当りが含まれている場合にフリーズ演出が開始されるようにしている。すなわち、大当りが導出される第1特別図柄の可変表示が開始されていない段階(保留されている段階)で、フリーズ演出が開始されるようにしている。ただし、これに限られず、大当りが導出される第1特別図柄の可変表示が開始されたときに、フリーズ演出が開始されるようにしてもよい。この場合、先読み処理を行わなくとも、フリーズ演出を開始することができる。
なお、ラッシュ状態において「特図2_2R大当り」に当選すると、上述した通り、出玉を期待できない2ラウンドの大当り遊技状態に制御される。そして、2ラウンドの大当り遊技状態の終了後、高確時短遊技状態に移行し、大当りに当選しない限り100回にわたって高確時短遊技状態に制御される。そこで、サブCPU32202は、大当りに当選したことを報知せずに、振り出しに戻って高確時短遊技状態の最初からやり直されるかのような印象を遊技者に与えうる演出として、巻戻演出を実行するようにしている。これにより、出玉を期待できる10ラウンドの大当たり遊技状態ではなく出玉を期待できない2ラウンドの大当たり遊技状態に制御されることの落胆を軽減でき、演出による興趣を高めることが可能となる。
ただし、高確時短遊技状態では第2特別図柄抽選がほぼ実行されないが、仮に高確時短遊技状態において第2特別図柄抽選が実行されて「特図2_2R大当り」に当選した場合にも、サブCPU32202は、上記の巻戻演出を実行するようにしてもよい。
[21.第23実施形態]
次に、第23実施形態のパチンコ遊技機について説明する。本実施形態に係るパチンコ遊技機は、パチンコ遊技機を遊技不可状態とした上で、主制御回路(メインCPU)により制御される主役物(詳細は後述する)の動作確認を行うことを特徴とするものであり、とくに主制御回路(メインCPU)により実行される制御(処理)およびこれに伴う副制御回路(サブCPU)による制御に特徴がある。なお、以下では、本発明の特徴的たる処理を主として説明し、以下で説明しない構成や処理等については、上述の第1実施形態〜第22実施形態において説明した構成や処理等と同様である。
[21−1.主制御回路の動作説明]
先ず、主制御回路のメインCPUにより実行される各種処理(各種モジュール)のうち、特徴的たる処理について説明する。
メインCPUにより実行される処理としては、とくに図683〜図698のフローチャートに示される処理に特徴がある。この図683〜図698に示されるフローチャートは、第12実施形態のパチンコ遊技機のメインCPUにより実行される図683〜図698に示すフローチャートの変形例であるが、本実施形態に係るパチンコ遊技機のメインCPUにより実行される処理を説明するにあたり、図683〜図698に示すフローチャートと重複する処理も含めて説明する。
なお、図683〜図698に示すフローチャートと重複する処理であっても、本実施形態では、図683〜図698のフローチャートに付されたステップ番号とは異なるステップ番号を付している。一方、メインCPU等の各種部材の符号については、便宜上、第12実施形態のパチンコ遊技機を説明するに際して付した符号を用いるものとする。ただし、図683〜図698に示されるフローチャートを参照して説明するメインCPUによる処理は、第12実施形態のパチンコ遊技機に限らず、本実施形態において説明する全てのパチンコ遊技機に適用することができる。
[21−1−2.システムタイマ割込み処理]
先ず、図683を参照して、メインCPU6101の制御により、2msecの周期(割込み周期)で実行されるシステムタイマ割込み処理について説明する。なお、図683は、システムタイマ割込み処理の手順を示すフローチャートである。
まず、メインCPU6101は、保護レジスタの退避処理を行う(S13502)。この処理で退避処理の対象となる保護レジスタは、アキュームレータA,A′、フラグ・レジスタF,F′、ペアレジスタBC,B′C′、ペアレジスタDE,D′E′、ペアレジスタHL,H′L′、IXレジスタ及びIYレジスタである。
次いで、メインCPU6101は、XINT検知フラグがオン状態であるか否かを判定する(S13504)。
S13504において、メインCPU6101は、XINT検知フラグがオン状態(電断検知時)であると判定した場合(S13504がYES判定の場合)、後述のS13534の処理を行う。一方、S13504において、メインCPU6101は、XINT検知フラグがオン状態でないと判定した場合(S13504がNO判定の場合)、メインCPU6101は、割込み許可処理を行う(S13506)。
次いで、メインCPU6101は、入力ポートの状態の読み込み処理を行う(S13508)。
次いで、メインCPU6101は、遊技許可状態であるか否かを判定する(S13510)。この処理では、メインCPU6101は、例えば起動制御フラグの値(起動状態)や後述するRAMクリア準備フラグの値等に基づいて、遊技許可状態であるか否かを判定する。
なお、メインCPU6101は、本来であればS13510においてYES判定される場合(例えば、設定キーおよびRAMクリアスイッチのいずれもオン操作することなく電源を投入したとき等)であっても、例えばバックアップコンデンサ6107(図296参照)に蓄えられている電荷が十分でない場合(例えば所定値に満たない場合)、S15510において遊技許可でないと判定(NO判定)する。このようにすることで、主制御回路6100が不安定となることを防止できる。バックアップコンデンサ6107に蓄えられている電荷が十分でない場合、主制御回路6100から副制御回路6200にむけたコマンド送信予約が行われる。
なお、遊技許可状態でない(すなわち遊技不可状態である)場合、メインCPU6101は、発射装置6015からの遊技球の発射禁止、特定のスイッチ(例えば、設定キー6080、設定スイッチ6081、RAMクリアスイッチ6121)を除く各種スイッチの無効化、払出装置6016からの賞球の払い出し禁止を設定する。ここで、払出装置6016からの賞球の払い出し禁止とは、入賞口毎に予め決められている賞球数(例えば、第2大入賞口6054に入賞した場合の賞球数は15個)の払い出しを禁止することが相当する。
なお、起動制御フラグは、電断復帰、設定変更、設定確認、RAMクリア等の起動状態の種別を判別するためのフラグであり、メインRAM6103内の起動制御フラグ領域に格納される。起動制御フラグの値は、電源投入時におけるRAMクリアスイッチ6121の状態情報(オン値(Low)又はオフ値(High):操作情報)、及び、設定キー6080の状態情報(オン値(High)又はオフ値(Low):操作情報)で構成される。そして、本実施形態では、両状態情報の組合せ(起動制御フラグの値)により、現在の起動状態の種別(電断復帰/設定変更/設定確認/RAMクリア)を判別する。
具体的には、RAMクリアスイッチ6121がオフ値(High)であり、且つ、設定キー6080がオフ値(Low)である場合(例えば、起動制御フラグの値=「10B」)には、電断復帰時と判定される。RAMクリアスイッチ6121がオン値(Low)であり、且つ、設定キー6080がオン値(High)である場合(例えば、起動制御フラグの値=「01B」)には、設定変更中と判定され、RAMクリアスイッチ6121がオフ値(High)であり、且つ、設定キー6080がオン値(High)である場合(例えば、起動制御フラグの値=「11B」)には、設定確認中と判定される。また、RAMクリアスイッチ6121がオン値(Low)であり、且つ、設定キー6080がオフ値(Low)である場合(例えば、起動制御フラグの値=「00B」)には、RAMクリア時と判定される。そして、S13510の判定処理では、起動制御フラグの値が、設定変更、設定確認およびRAMクリア以外を示す値であれば、YES判定(遊技許可状態)となる。なお、本実施形態では、RAMクリアスイッチ6121のオン値をLowレベルとし、オフ値をHighレベルとする例を説明したが、RAMクリアスイッチ6121のオン値をHighレベルとし、オフ値をLowレベルとしてもよい。また、本実施形態では、設定キー6080のオン値をHighレベルとし、オフ値をLowレベルとする例を説明したが、設定キー6080のオン値をLowレベルとし、オフ値をHighレベルとしてもよい。
S13510において、メインCPU6101は、遊技許可状態でないと判定した場合(S13510がNO判定の場合)、設定制御処理を行う(S13530)。この処理では、メインCPU6101は、設定変更処理又は設定確認処理を行う。すなわち、本実施形態では、設定変更処理及び設定確認処理は、2msec周期で行われるシステムタイマ割込み処理内で行われ、遊技不可状態の場合に行われる。なお、設定制御処理(S13530)の詳細については、後述の図684を参照しながら後で説明する。
そして、S13530の処理後、メインCPU6101は、RAMクリア準備中処理を行う。このRAMクリア準備中処理(S13530)の詳細については、後述の図687を参照しながら説明する。
一方、S13510において、メインCPU6101は、遊技許可状態であると判定した場合(S13510がYES判定の場合)、割込みカウンタの値を1加算する(S13512)。なお、割込みカウンタは、後述する主制御メイン処理(後述の図694〜図697参照)中の割込み禁止区間を計数(管理)するためのカウンタであり、割込みカウンタの計数値は、メインRAM6103の作業領域内の割込カウンタ領域に格納される。
次いで、メインCPU6101は、割込み周期タイマの更新処理を行う(S13514)。なお、割込み周期タイマは、割込み周期(2msec)管理用のタイマであり、割込み周期タイマの計数値は、メインRAM6103の作業領域内の割込み周期管理タイマ領域に格納される。
次いで、メインCPU6101は、各種乱数値の更新処理を行う(S13516)。この乱数更新処理は、例えばRAMクリアフラグ準備中等、主役物の動作確認を実行可能な遊技不可状態では実行されず、S13510がYES判定の場合に限り、すなわち遊技許可状態においてのみ実行される。このようにすることで、出玉にかかわる重要な要素である乱数の信頼性を担保することができる。
また、遊技球が入賞すると乱数を取得するとともに賞球または賞球データが付与される主役物(例えば、第1始動口6044や第2始動口6045等)の動作確認を実行する場合、賞球または賞球データの付与にかかわる動作確認を行うと、乱数を取得してしまうおそれがある。そこで、このような場合の乱数更新処理を、例えばRAMクリアフラグ準備中等、主役物の動作確認を実行可能な遊技不可状態では実行されず、S13510がYES判定の場合に限り、すなわち遊技許可状態においてのみ実行されるようにしている。このようにすることで、賞球または賞球データの付与にかかわる動作確認を行う際に乱数が取得されてしまうことを防止できる。
次いで、メインCPU6101は、スイッチ入力検知処理を行う(S13518)。なお、スイッチ入力検知処理の詳細については、後述の図690を参照しながら後で説明する。
次いで、メインCPU6101は、入賞情報コマンド設定処理を行う(S13520)。この処理では、メインCPU6101は、演出制御コマンド(入賞情報コマンド)の送信予約処理を行う。
次いで、メインCPU6101は、演出制御コマンド送信処理を行う(S13522)。この処理では、メインCPU6101は、送信予約されているコマンドを主制御回路6100から副制御回路6200に送信する。
次いで、メインCPU6101は、レジスタの退避処理を行う(S13524)。なお、この処理で退避処理の対象となるレジスタは、アキュームレータA,A′及びフラグ・レジスタF,F′である。
次いで、メインCPU6101は、性能表示モニタ6070の制御処理を行う(S13526)。この処理では、メインCPU6101は、遊技判定処理、賞球加算判定処理、性能表示モニタ6070の表示内容更新処理等を行う。また、この処理は、メインRAM6103内の領域外作業領域を使用して行われる。次いで、メインCPU6101は、S13524で退避させたレジスタの復帰処理を行う(S13528)。
S13528或いはS13532の処理後、又は、S13504においてYES判定の場合、メインCPU6101は、S13502で退避させた保護レジスタの復帰処理を行い(S13534)、システムタイマ割込み処理を終了する。
上述のように、本実施形態のシステムタイマ割込み処理では、現在の起動状態が遊技不可状態である場合(S13510がNO判定の場合)に、設定制御処理(設定変更処理又は設定確認処理)を行い、遊技許可状態時に実行される各種処理(例えば、割込み周期タイマの更新処理(S13514)、乱数値の更新処理(S13516)、性能表示モニタ6070の制御処理(S13526)等)を行わない。
また、上述のように、本実施形態では、電源投入時におけるRAMクリアスイッチ6121の状態情報と設定キー6080の状態情報との組合せで構成された起動制御フラグを用いて、現在の起動状態の種別(電断復帰/設定変更/設定確認/RAMクリア)を判別することができる。すなわち、起動状態の種別(電断復帰/設定変更/設定確認/RAMクリア)を共通のフラグを用いて判別することができる(起動状態の種別毎に判別フラグを設ける必要が無くなる)ので、本実施形態では、主制御回路6100で管理するデータの容量をより削減することができる。
[21−1−3.設定制御処理]
次に、図684を参照して、システムタイマ割込み処理(図683参照)中のS13530で行う設定制御処理について説明する。なお、図684は、設定制御処理の手順を示すフローチャートである。
まず、メインCPU6101は、起動制御フラグの値が設定変更を示す値であるか否かを判定する(S13542)。
S13542において、メインCPU6101は、起動制御フラグの値が設定変更を示す値であると判定した場合(S13542がYES判定の場合)、設定変更処理を行う(S13544)。なお、設定変更処理の詳細については、後述の図685を参照しながら後で説明する。
一方、S13542において、メインCPU6101は、起動制御フラグの値が設定変更を示す値でないと判定した場合(S13542がNO判定の場合)、起動制御フラグの値が設定確認を示す値であるか否かを判定する(S13546)。
S13546において、メインCPU6101は、起動制御フラグの値が設定確認を示す値であると判定した場合(S13546がYES判定の場合)、設定確認処理を行う(S13548)。なお、設定確認処理の詳細については、後述の図686を参照しながら後で説明する。
一方、S13546において、メインCPU6101は、起動制御フラグの値が設定確認を示す値でないと判定した場合(S13546がNO判定の場合)、すなわちRAMクリア準備中である場合や、例えばバックアップコンデンサ6107に蓄えられている電荷が十分でないことによってS13510でNO判定された場合、処理をS13552に移す。
S13544又はS13548の処理後、メインCPU6101は、設定操作表示処理を行う(S13550)。この処理では、現在、セットされている設定値の表示処理が行われる。
次いで、メインCPU6101は、演出制御コマンド送信処理を行う(S13552)。この処理では、メインCPU6101は、設定変更処理(S13544)又は設定確認処理(S13548)内で送信予約されているコマンド(初期化コマンド又は電断復帰コマンド)を副制御回路6200に送信する。
次いで、メインCPU6101は、WDT(watchdog timer)の出力処理を行う(S13554)。この処理では、メインCPU6101は、WDTクリアレジスタアドレスの読み込み処理、内蔵WDTのクリア処理及び内蔵WDTのリスタート処理をこの順で行う。そして、S13554の処理後、メインCPU6101は、設定制御処理を終了し、処理を、システムタイマ割込み処理(図683)のS13534の処理に戻す。
[21−1−4.設定変更処理]
次に、図685を参照して、設定制御処理(図684参照)中のS13544で行う設定変更処理について説明する。なお、図685は、設定変更処理の手順を示すフローチャートである。
まず、メインCPU6101は、RAMクリアスイッチ6121が押下されたか否かを判定する(S13562)。この判定処理は、読み込まれた各種入力ポートの情報に含まれるRAMクリアスイッチ6121のオン/オフ状態の情報に基づいて行われる。
S13562において、メインCPU6101は、RAMクリアスイッチ6121がオンしたか否かを判定し、オンしていないと判定した場合(S13562がNO判定の場合)、S13566に移る。一方、S13562において、メインCPU6101は、RAMクリアスイッチ6121がオンしたと判定した場合(S13562がYES判定の場合)、設定値の範囲内更新処理を行う(S13564)。
S13564の処理後、又は、S13562がNO判定の場合、メインCPU6101は、設定キー6080がオフにされたか否かを判定する(S13566)。この処理では、メインCPU6101は、今回のシステムタイマ割込み処理で読み込まれた入力ポートの情報に含まれる設定キー6080のオン/オフ情報と、前回のシステムタイマ割込み処理で読み込まれた入力ポートの情報に含まれる設定キー6080のオン/オフ情報とを比較し(排他論理和演算でマスキングし)、その比較結果に基づいて、設定キー6080の状態がオン状態からオフ状態に変化したか否か、すなわち、設定キー6080のオフエッジが検出されたか否かを判定する。
なお、設定制御処理は、設定キー6080のオンエッジ(設定キー6080の状態がオフ状態からオン状態に変化したとき)を検出することにより実行されるが、この際にも、今回のシステムタイマ割込み処理で読み込まれた設定キー6080のオン/オフ情報と、前回のシステムタイマ割込み処理で読み込まれた設定キー6080のオン/オフ情報とを比較し(排他論理和演算でマスキングし)、その比較結果に基づいて設定キー6080のオンエッジを検出する。すなわち、本実施形態では、設定キー6080のオフエッジ及びオンエッジの検知において、今回のシステムタイマ割込み処理で読み込まれた設定キー6080のオン/オフ情報と、前回のシステムタイマ割込み処理で読み込まれた設定キー6080のオン/オフ情報との比較結果(排他論理和演算の結果)を共通のフラグとして用いることにより、設定制御処理の開始及び終了を判定する。
S13566において、メインCPU6101は、設定キー6080がオフにされていないと判定した場合(S13566がNO判定の場合)、設定変更処理を終了し、処理を、設定制御処理(図684)のS13550の処理に戻す。
一方、S13566において、メインCPU6101は、設定キー6080がオフされたと判定した場合(S13566がYES判定の場合)、RAMクリア準備フラグをオンにする(S13568)。そして、S13568の処理後、メインCPU6101は、設定変更処理を終了し、処理を、設定制御処理(図684参照)のS13550の処理に戻す。この場合、設定変更処理とRAMクリア準備中処理とのうちRAMクリア準備中処理が先に実行可能となり、ひいては設定変更処理よりもRAMクリア処理が先に実行可能となる。
なお、上記では、設定キーオフ(S13566がYES判定)でRAMクリア準備フラグオンにしたが、これに限られず、S13542(図684参照)がYES判定であるときにRAMクリア準備フラグオンにするとともに、設定制御処理(図683のS13530)よりも先にRAMクリア準備中処理(図683のS13532参照)を先に実行するようにしてもよい。この場合、RAMクリア準備中のみならず、設定変更処理中にも主役物の動作確認を実行可能となる。すなわち、設定確認処理中は主役物の動作確認を実行することができないものの、設定変更中およびRAMクリア準備中は主役物動作確認を行うことができ、主役物の動作確認に一定の制限を与えつつも動作確認できる機会を増やすことで利便性が高められる。
[21−1−5.設定確認処理]
次に、図686を参照して、設定制御処理(図684参照)中のS13548で行う設定確認処理について説明する。なお、図686は、設定確認処理の手順を示すフローチャートである。
まず、メインCPU6101は、設定キー6080がオフにされたか否かを判定する(S13572)。この判定処理は、上述した設定変更処理(図685参照)中のS13566の処理と同様にして行われる。
S13572において、メインCPU6101は、設定キー6080がオフされていないと判定した場合(S13572がNO判定の場合)、設定確認処理を終了し、処理を、設定制御処理(図684)のS13550の処理に戻す。
一方、S13572において、メインCPU6101は、設定キー6080がオフされたと判定した場合(S13572がYES判定の場合)、第2通常遊技前処理を行う(S13574)。この処理では、電断復帰時の各種設定処理が行われる。なお、第2通常遊技前処理の詳細については、後述の図689を参照しながら後で説明する。そして、S13574の処理後、メインCPU6101は、設定確認処理を終了し、処理を、設定制御処理(図684)のS13550の処理に戻す。
[21−1−6.RAMクリア準備中処理]
次に、図687を参照して、システムタイマ割込み処理(図683参照)中のS13532で行うRAMクリア準備中処理について説明する。なお、図687は、RAMクリア準備処理中処理の手順を示すフローチャートである。
まず、メインCPU6101は、RAMクリア準備フラグがオン状態であるか否かを判定する(S13582)。
S13582において、メインCPU6101は、RAMクリア準備フラグがオン状態であると判定した場合(S13582がYES判定の場合)、主役物動作確認要求があるか否かを判定する(S13584)。
なお、主役物は、第1大入賞口6053や第2大入賞口6054を開放状態と閉鎖状態とに変位させる特別電動役物(シャッタ6053a,6054a等)、第2始動口6045を開放状態と閉鎖状態とに変位させる普通電動役物6046(一対の羽根部材等)、小当り入賞口を開放状態と閉鎖状態とに変位させるシャッタ等、メインCPU6101の制御によって作動する役物が相当する。また、第1始動口6044、第2始動口6045、第1大入賞口6053および第2大入賞口6054等に入賞した場合の賞球や賞球データの払い出し確認も、主役物の動作確認に含まれる。なお遊技許可状態において、これらの主役物に遊技球が入賞すると賞球または賞球データが払い出されるため、メインCPU6101は、主役物の動作確認を、遊技不可状態であるRAMクリア準備中である場合に限り実行できる。遊技不可状態である場合、上述した通り、発射装置6015からの遊技球の発射禁止、特定のスイッチ(例えば、設定キー6080、設定スイッチ6081、RAMクリアスイッチ6121)を除く各種スイッチの無効化、払出装置6016からの賞球の払い出し禁止(入賞口毎に予め決められている賞球数個)の払い出しを禁止)となる。
一方、メインCPU6101は、S13582において、RAMクリア準備フラグがオン状態でないと判定した場合(S13582がNO判定の場合)、RAMクリア準備中処理を終了し、処理を、システムタイマ割込み処理(図683)のS13534の処理に戻す。
S13584において、メインCPU6101は、主役物動作確認要求ありと判定した場合(S13584がYES判定の場合)、主役物動作確認処理を実行する(S13586)。その後、メインCPU6101は、処理をS13588に移す。
なお、主役物動作確認要求は、例えば、主制御回路6100に接続された例えばセンサ等の検出手段(例えば、設定スイッチ6081、球貸し操作ボタン、貸出返却ボタン、第1始動口入賞球スイッチ6044a、第2始動口入賞球スイッチ6045a、カウントスイッチ6053c,6054c、小当り入賞口カウントスイッチ等)が検出されたことを契機としてもよいし、RAMクリア準備フラグがオン状態であること(S13582がYES判定)を契機としてもよい。後者の場合、S13582でYES判定されると、S13584の処理を行うことなく主役物動作確認処理(S13586)を開始することができる。なお、この場合は、各種センサが有効化される。
また、上記の主役物動作確認処理(S13586)には、例えば、主役物の動作態様の確認および主役物に接続されたセンサの検知操作確認等が含まれる。
また、メインCPU6101は、主制御回路6100に接続された例えばセンサ等の検出手段(例えば、設定スイッチ6081、球貸し操作ボタン、貸出返却ボタン、第1始動口入賞球スイッチ6044a、第2始動口入賞球スイッチ6045a、カウントスイッチ6053c,6054c、小当り入賞口カウントスイッチ等)が検出されたことを契機としてRAMクリア準備中処理を終了させてもよい。ただし、主役物の動作確認中にRAMクリア準備状態を終了させる操作が行われたとしても、その場合、メインCPU6101は、主役物の動作確認を優先して実行し、RAMクリア準備中処理を終了させないようにすることが好ましい。ただし、主役物の動作確認中にRAMクリア準備状態を終了させる操作が行われるとRAMクリア準備中処理を終了させるようにした場合、ホスト制御回路6210は、主役物の動作確認が終了するまで、主役物の動作確認中である旨の報知を継続して実行する。また、主役物の動作確認中にRAMクリア準備状態を終了させる操作が行われた場合、ホスト制御回路6210は、その旨を表示演出または/および音演出によって報知する処理を実行することが好ましい。
なお、上記では、主役物の動作確認中にRAMクリア準備状態を終了させる操作が行われた場合、RAMクリア準備中処理を終了させないようにすることについて記載したが、これに代えてまたは加えて、主役物の動作確認中にRAMクリア準備状態を終了させる操作が行われた場合、主役物の動作確確認を強制的に終了させる処理を実行してもよい。この場合、ホスト制御回路6210は、主役物の動作確認中であることを示す演出を終了させる。
また、メインCPU6101は、主役物の動作確認中は、メインRAM6103へのアクセスを禁止する処理を実行する。このようにすることで、主役物の動作確認中にメインRAM6103の内容の更新を防ぐことができる。
主役物の動作態様の確認は、遊技中に発生する動作態様のみの確認であってもよいが、遊技中に発生する動作態様と、遊技中に発生しない動作態様との両方について行われることが好ましい。例えば、遊技中に発生しうる第1大入賞口の動作パターンとして、1000msec開放状態の第1動作パターンと、30000msec開放状態の第2動作パターンとがある場合、第1大入賞口の動作確認では、第1動作パターンでの動作確認、第2動作パターンでの動作確認、および、遊技中に発生しない第3動作パターン(例えば、1500msecの開放状態と1000msecの閉鎖状態とを複数回にわたって繰り返すパターン等)が順に行われるようにすることが好ましい。
また、主役物に接続されたセンサの検知動作確認は、例えば第1大入賞口等の主役物に遊技球が入賞した場合に、賞球としての遊技球が払い出されるか否かを確認するものである。なお、遊技不可状態では、上述したとおり、払出装置6016からの賞球の払い出し禁止となる。ただし、上述したとおり、払出装置6016からの賞球の払い出し禁止は、入賞口毎に予め決められている賞球の払い出しを禁止することを意味するものであり、遊技不可状態であったとしても、RAMクリア準備中は、主役物への遊技球の入賞に基づいて、点検用として、払出装置6016から例えば遊技球が最小単位の1個乃至2個だけ払い出されるようにするとよい。これにより、不正にRAMクリア準備状態を作り出すとともに、このRAMクリア準備状態において主役物動作確認として主役物に不正に入賞させる等の不正行為が行われたとしても、払い出される賞球を例えば1個乃至2個だけとすることで被害を最小限に留めつつ、主役物に接続されたセンサの検知動作確認(例えば払出装置6016からの遊技球の払出確認)を行うことが可能となる。
なお、払出装置6016からの遊技球の払い出しがあると、メインCPU6101は、外部端子板6140からホールコンピュータ6700に向けて賞球払出信号を送信するが、RAMクリア準備中はかかる信号を送信しない。これにより、主役物動作確認としての主役物への入賞を検知するセンサの検知動作確認において払い出された遊技球を出玉管理の対象から外すことが可能となる。また、主役物動作確認としての主役物への入賞センサの検知動作確認において払い出された遊技球を出玉管理の対象から外したとしても、ホスト制御回路6210は、RAMクリア処理が行われるとスピーカ6011から警告音を出力したり、LED群6018を発光させたりするため、不正を抑制することができる。また、メインCPU6101は、主役物に接続された入賞センサにより主役物への遊技球の通過が検知されると、1個(最小単位)または2個の遊技球を払出装置6016から払い出すだけである。そのため、不正を行う者からすればリスクを犯してまで不正を行うメリットが存在せず、よって不正を抑制しつつ主役物への入賞を検知するセンサの検知動作確認を行うことが可能となる。
また、封入式のパチンコ遊技機の場合、かかる遊技機のメインCPUは、主役物に接続された入賞センサにより主役物への遊技球の通過が検知されると、1個(最小単位)または2個の遊技球を払出装置から払い出すことに代えて、1個または2個の遊技球に相当する賞球データを付与する。この場合、封入式のパチンコ遊技機のメインCPUは、主役物動作確認の終了またはRAMクリア準備中処理の終了に基づいて、賞球データを消去する処理を行うとよい。
また、封入式のパチンコ遊技機であるか否かを問わず、主役物に接続された入賞センサにより主役物への遊技球の通過が検知されると、1個(最小単位)または2個の遊技球または賞球データを払い出すことまたは付与することに代えて、遊技球や賞球データを払い出したり付与したりせずに、入賞センサにより検知されたことを把握できるようにしてもよい。
さらに、主役物動作確認処理処理(S13586)は、複数の主役物が1つずつ順に実行されるようにしてもよいし、複数の主役物が並行して実行されるようにしてもよい。なお、本実施形態では、後述するS13588がYES判定されるまで、主役物動作確認が継続して実行される。例えば、全ての主役物についての一連の動作確認が終了したとしても、一連の主役物動作確認が再び最初から繰り返して実行されることで、後述するS13588がYES判定されるまで主役物動作確認が継続して実行されるようにしている。
なお、主役物動作確認処理処理(S13586)は、副制御回路が有するサブCPUによって制御される演出用のサブ役物(例えば、図296に示される役物6020)の動作確認を妨げるものではない。したがって、主役物動作確認とサブ役物動作確認とが並行して実行される場合も生じうる。
ただし、サブ役物動作確認中はサブ役物が作動するときの動作音が発生するため、サブ役物が作動するときの動作音が障害となって、主役物が作動するときの動作音を聞きづらい場合が生じうる。例えば、主役物が作動するときに発生しうる異音を聞きづらいと、主役物の異常を早期に発見できなくなるおそれもある。そこで、主役物動作確認中はサブ役物の動作確認を実行禁止とすることにより、サブCPUがサブ役物の動作確認を実行できないようにしてもよい。
一方、メインCPU6101は、S13584において、主役物動作確認要求なしと判定した場合(S13584がNO判定の場合)、処理を、S13588に移す。
S13588において、メインCPU6101は、RAMクリアスイッチがオンされたか否かを判定する(S13588)。
S13588において、メインCPU6101は、RAMクリアスイッチがオン操作されると、すなわちRAMクリアスイッチがオンされたと判定すると(S13588がYES判定の場合)、処理を、S13589に移す。
次に、メインCPU6101は、RAMクリア準備フラグをオフにセットし(S13589)、処理を、S13590に移す。
次に、メインCPU6101は、例えばRAMクリア準備中処理の終了時等、遊技許可状態に移行しうる場合に、主役物閉鎖処理(S13590)を実行する。この処理では、主役物動作確認を実行中であれば、主役物を強制的に閉鎖させる処理を実行する。このように、RAMクリア準備中処理処理においてRAMクリアスイッチがオン操作されると共生的に主役物を閉鎖させる処理を実行することで、主役物が開放状態に維持されたまま電源復帰されてしまうことを防止することが可能となる。なお、S13590の処理において、メインCPU6101は、主役物動作確認が終了済み等のように主役物動作確認を実行中でなくとも、安全をみて、主役物を閉鎖させる処理を実行することが好ましい。S13590を実行した後、メインCPU6101は、処理を、S13592に移す。
次に、S13592において、メインCPU6101は、主役物動作確認結果を、メインRAM6103内の所定領域に格納する。なお、メインRAM6103には、バックアップクリア時にデータが消去される領域と消去されない領域とがあり、主役物動作確認結果は、バックアップクリア時にデータが消去されない領域に格納することが好ましい。なお、主役物動作確認結果を、バックアップクリア時にデータが消去されない領域に格納する場合、全ての主役物動作確認の結果を格納することは好ましくなく、主役物動作確認の結果が良好でないときに限り格納することが好ましい。ただし、全ての主役物動作確認の結果を格納することを排除する趣旨ではない。
また、動作状態が良好でない主役物があった場合、メインCPU6101は、動作状態が良好でない主役物があったことやその内容を示すコマンドの予約送信を行い、ホスト制御回路6210は、主役物の異常報知音として警報音を出力する制御を行うことが好ましい。このコマンドは、設定制御処理(図684参照)中の演出制御コマンド送信処理(S13552)で送信される。なお、動作状態が良好でない主役物があった場合、ホスト制御回路6210は、動作状態が良好でない主役物があることを示す警告画像を表示したり警報音を出力したりする等のエラー情報を出力することが好ましい。このようにすれば、メインRAM6103に格納されたデータが消去されたとしても、動作状態が良好でない主役物があることを把握することができる。ただし、動作状態が良好でない主役物があることを示すエラー情報の出力は、メインCPU6101が実行するようにしてもよい。また、主役物の動作状態が良好でない場合、ホスト制御回路6210は、その履歴や内容を、後述のホールメニュー画面に表示する処理を実行することが好ましい。
次いで、メインCPU6101は、第1通常遊技前処理を行う(S13594)。この第1通常遊技前処理の詳細については、後述の図688を参照しながら後で説明する。その後、メインCPU6101は、RAMクリア準備中処理を終了し、処理を、システムタイマ割込み処理(図683)のS13534の処理に戻す。
なお、メインCPU6101は、S13588において、RAMクリアスイッチがオン状態でないと判定した場合(S13588がNO判定の場合)、S13589〜S13594の処理を実行せずにRAMクリア準備中処理を終了し、処理を、システムタイマ割込み処理(図683)のS13534の処理に戻す。
なお、本実施形態では、バックアップクリアスイッチ121を操作しつつ電源投入された場合、RAMクリア処理(バックアップクリア処理)が終了するまでを遊技不可状態のRAMクリア準備中とし、このRAMクリア準備中に、再びバックアップクリアスイッチ121を操作するとRAMクリア(バックアップクリア)が実行される。そして、このRAMクリア準備中に、主役物の動作確認を実行できる旨を説明したが、必ずしもこれに限られない。例えば、バックアップクリアスイッチ121を操作しつつ電源投入された場合、再びバックアップクリアスイッチ121を操作することなくRAMクリア処理が実行されるパチンコ遊技機(この段落および次の段落において「後者のパチンコ遊技機」と称する)にあっては、RAMクリア処理中に主役物の動作確認を実行できるようにしてもよい。RAMクリア中はRAMクリア処理中であることを示すデータ消去中報知音が出力されるため(これについては後述する)、RAMクリア処理を実行できる期間であることを把握しやすい。
また、後者のパチンコ遊技機において、RAMクリア処理中に主役物の動作確認を実行できるようにすることに代えてまたは加えて、RAMクリア処理の終了後の一定期間、S13510(図683参照)でYES判定されないように遊技不可状態を継続し、この間に、主役物の動作確認を実行できるようにしてもよい。なお、後者のパチンコ遊技機であっても、遊技不可状態として主役物の動作確認を実行できる期間を設ける場合、この期間中、上述したRAMクリア準備中に実行できることと同じ処理を実行することができるようにするとよい。例えば、主制御回路6100に接続された例えばセンサ等の検出手段が検出されたことを主役物の動作確認の契機としてもよいし、賞球としての遊技球が払い出されるか否かの確認を主役物の確認動作に含めてもよいし、主役物動作確認とサブ役物動作確認とを並行して実行できるようにしてもよいし、主役物動作確認中はサブ役物の動作確認を実行禁止してもよいし、主役物閉鎖処理(S13590)を実行するようにしてもよい。ただし、後者のパチンコ遊技機において主役物閉鎖処理(S13590)を実行する場合、RAMクリア処理の完了に基づいて主役物を強制的に閉鎖する処理を行うか、または、RAMクリア処理時間に合わせて主役物の開放時間をあらかじめ設定しておき、この設定された開放時間が経過すると強制的に閉鎖するようにするとよい。
[21−1−7.第1通常遊技前処理]
次に、図688を参照して、RAMクリア準備処理中処理(図687参照)中のS13594で行う第1通常遊技前処理について説明する。図688は、第1通常遊技前処理の手順を示すフローチャートである。
まず、メインCPU6101は、バックアップクリア時のRAM設定処理を行う(S13602)。この処理では、メインCPU6101は、バックアップクリア時(RAMクリアスイッチ6121の押下時)のRAM設定データテーブルをロードし、このデータテーブルのデータをメインRAM6103内の所定領域に格納するとともに、バックアップクリア処理を行う。このRAM設定処理により遊技許可状態となる。
次いで、メインCPU6101は、第1特別図柄アドレス設定処理を行う(S13604)。この処理では、メインCPU6101は、メインRAM6103内の第1特別図柄関連定義データテーブル(図302参照)のアドレスをIXレジスタにセットし、第1特別図柄作業領域テーブル(図301参照)のアドレスをIYレジスタにセットする。
次いで、メインCPU6101は、遊技状態指定パラメータの設定処理を行う(S13606)。この処理では、メインCPU6101は、遊技状態を指定する各種データ(パラメータ)を生成し、該生成したデータを、第1特別図柄作業領域テーブル(図301参照)内の所定領域に格納する。具体的には、メインCPU6101は、第1特別図柄作業領域テーブル内の第1特別図柄遊技状態番号領域、第1特別図柄遊技状態指定パラメータ及び第1特別図柄演出変動テーブルパラメータ領域のそれぞれに格納されるデータ(パラメータ)を生成し、生成したデータを対応する領域に格納する。
次いで、メインCPU6101は、初期化コマンドの送信予約処理を行う(S13608)。なお、RAMクリア準備フラグが設定変更処理のS13568でオンされたものである場合には、S13608の処理で予約された初期化コマンドの副制御回路6200への送信は、設定制御処理(図684参照)中の演出制御コマンド送信処理(S13552)で行われる。
なお、この第1通常遊技目処理が行われると、図示しないが、メインCPU6101は、遊技許可フラグをオンにセットし、遊技許可状態とする。
そして、S13608の処理後、メインCPU6101は、第1通常遊技前処理を終了するとともにRAMクリア準備中処理(図687参照)も終了する。
[21−1−8.第2通常遊技前処理]
次に、図689を参照して、設定確認処理(図686参照)中のS13574で行う第2通常遊技前処理について説明する。図689は、第2通常遊技前処理の手順を示すフローチャートである。なお、後述するように、設定確認処理(図686参照)中のS13574で行われる第2通常遊技前処理は、主制御メイン処理(後述の図694〜図697参照)中の遊技制御関連の処理の前に行われる起動時初期設定処理(後述の図698参照)において、電断復帰時の初期設定処理としても実行される。
まず、メインCPU6101は、電断復帰時のRAM設定データテーブルを読み出す(S13612)。また、この処理では、読み出したデータをメインRAM6103内の所定領域に格納する。このRAM設定処理により遊技許可状態となる。
次いで、メインCPU6101は、遊技状態が確変遊技状態(高確率遊技状態)であるか否かを判定する(S13614)。なお、この判定処理は、メインRAM6103内に設けられた特別図柄確変状態フラグ領域に格納されたデータ(特別図柄確変状態フラグ値)に基づいて行われる。なお、特別図柄確変状態フラグは、現在の遊技状態が確変遊技状態であるか否かを示すフラグであり、現在の遊技状態が確変遊技状態である場合にオン状態にセットされる。
S13614において、メインCPU6101は、遊技状態が確変遊技状態でない(低確率遊技状態である)と判定した場合(S13614がNO判定の場合)、後述のS13618の処理を行う。一方、S13614において、メインCPU6101は、遊技状態が確変遊技状態であると判定した場合(S13614がYES判定の場合)、特別図柄確変状態報知フラグ値をオン状態(オン値)にセットする(S13616)。
なお、特別図柄確変状態報知フラグは、現在の遊技状態が確変遊技状態であることを報知するか否かを示すフラグであり、現在の遊技状態が確変遊技状態である場合にオン状態にセットされる。また、特別図柄確変状態報知フラグ値は、メインRAM6103内に設けられた特別図柄確変状態報知フラグ領域に格納される。なお、本実施形態では、遊技状態が確変遊技状態であることを報知する確変ランプと呼ばれるものが設けられているが、この確変ランプは、電断時に確変遊技状態であり、その電断からの復帰時に特別図柄確変状態報知フラグがオン状態になれば点灯するが、それ以外の場合には、特別図柄確変状態報知フラグがオン状態であっても確変ランプが点灯しない構成になっている。なお、本実施形態では、遊技状態が時短遊技状態であることを報知する時短ランプと呼ばれるものも設けられており、時短遊技状態中には、時短ランプが点灯する。
S13616の処理後、又は、S13614がNO判定の場合、メインCPU6101は、電断復帰コマンドの送信予約処理を行う(S13618)。なお、当該第2通常遊技前処理が設定確認処理で呼び出されたものである場合には、S13618の処理で予約された電断復帰コマンドの副制御回路6200への送信は、設定制御処理(図684参照)中の演出制御コマンド送信処理(S13552)で行われる。
そして、S13618の処理後、メインCPU6101は、第2通常遊技前処理を終了するとともに設定確認処理(図686)も終了する。
上述のように、本実施形態のパチンコ遊技機6001では、設定制御処理(設定変更処理及び設定確認処理)は、2msec周期で行われるシステムタイマ割込み処理内で行われる。また、設定制御処理が行われた際には、上述のように、その制御種別(設定変更又は設定確認)に応じた通常遊技前処理(第1又は第2通常遊技前処理)が行われる。そして、この設定制御処理内で行われる通常遊技前処理(第1及び第2通常遊技前処理)は、主制御メイン処理(後述の図694〜図697参照)内において遊技制御関連の処理の前に行われる通常遊技前処理(初期設定処理)と同様の処理となる。それゆえ、本実施形態では、設定制御処理内で行われる通常遊技前処理(第1及び第2通常遊技前処理)と、主制御メイン処理中の遊技制御関連の処理の前に行われる通常遊技前処理(初期設定処理)とを共通化することでき、主制御回路6100で管理する処理プログラムの容量を削減することができる。
[21−1−9.スイッチ入力検知処理]
次に、図690を参照して、システムタイマ割込み処理(図683参照)中のS13518で行うスイッチ入力検知処理について説明する。なお、図690は、スイッチ入力検知処理の手順を示すフローチャートである。
まず、メインCPU6101は、異常状態監視処理を行う(S13622)。なお、異常状態監視処理の詳細については、後述の図691を参照しながら後で説明する。
次いで、メインCPU6101は、普通図柄関連チェック処理を行う(S13624)。
次いで、メインCPU6101は、特別図柄関連チェック処理を行う(S13626)。このチェック処理において、各始動口入賞球スイッチのオンエッジが検出され(特別図柄の保留個数が更新され)、且つ、先読み演出が実施される場合には、特定保留加算コマンドの送信予約処理が行われる。一方、このチェック処理において、各始動口入賞球スイッチのオンエッジが検出され(特別図柄の保留個数が更新され)、且つ、先読み演出が実施されない場合には、保留加算コマンドの送信予約処理が行われる。
次いで、メインCPU6101は、賞球関連スイッチチェック処理を行う(S13628)。そして、S13628の処理後、メインCPU6101は、スイッチ入力検知処理を終了し、処理を、システムタイマ割込み処理(図683)のS13520の処理に戻す。
[21−1−10.異常状態監視処理]
次に、図691を参照して、スイッチ入力検知処理(図690参照)中のS13622で行う異常状態監視処理について説明する。なお、図691は、異常状態監視処理の手順を示すフローチャートである。
まず、メインCPU6101は、異常状態監視前処理を行う(S13632)。この処理では、メインCPU6101は、異常検知情報(入力ポート2の各種センサビットの情報)の更新処理を行う。なお、異常状態監視前処理の詳細については、後述の図692を参照しながら後で説明する。
次いで、メインCPU6101は、汎用異常検知判定処理を行う(S13634)。この処理では、メインCPU6101は、監視対象毎(異常項目毎)に異常があるか否かの判定処理を行う。なお、汎用異常検知判定処理の詳細については、後述の図693を参照しながら後で説明する。
次いで、メインCPU6101は、誘導磁界監視処理を行う(S13636)。この処理では、メインCPU6101は、誘導磁界検知中であるか否かの判定し、誘導磁界検知中でなければ、誘導磁界検知情報ビットをオン状態(オン値)にセットする。そして、S13636の処理後、メインCPU6101は、異常状態監視処理を終了し、処理を、スイッチ入力検知処理(図690)のS13624の処理に戻す。
[21−1−11.異常状態監視前処理]
次に、図692を参照して、異常状態監視処理(図691参照)中のS13632で行う異常状態監視前処理について説明する。なお、図692は、異常状態監視前処理の手順を示すフローチャートである。
まず、メインCPU6101は、異常検知情報(入力ポート2の各種センサビットの情報)の読み込み処理を行う(S13642)。次いで、メインCPU6101は、扉・枠開放中であるか否か(ベースドア6003及び/又はガラスドア6004が開放されているか否か)を判定する(S13644)。
S13644において、メインCPU6101は、扉・枠開放中でないと判定した場合(S13644がNO判定の場合)、後述のS13648の処理を行う。一方、S13644において、メインCPU6101は、扉・枠開放中であると判定した場合(S13644がYES判定の場合)、入力ポート2の磁気センサビットをクリアする(S13646)。これにより、磁気センサの検知レベルがオフ状態となり、磁気センサによる異常検知が行われなくなる。
S13646の処理後、又は、S13644がNO判定の場合、メインCPU6101は、異常検知情報の更新処理を行う(S13648)。そして、S13648の処理後、メインCPU6101は、異常状態監視前処理を終了し、処理を、異常状態監視処理(図691)のS13634の処理に戻す。
なお、本実施形態の異常状態監視前処理では、上述のように、扉・枠開放中(S13644がYES判定の場合)には、入力ポート2の磁気センサビットをクリア(S13646)して、磁気センサの検知レベルをオフ状態(非検知レベル)にする例を説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、扉・枠開放中には、磁気センサの検知レベルを下げる構成にしてもよい。この際、システムタイマ割込み処理毎(2msec周期)に、徐々に磁気センサの検知レベルを下げて、最終的に磁気センサの検知レベルをオフ状態にするような制御を行ってもよいし、検知レベルを扉・枠開放時の磁気の乱れの影響を受けない程度の低レベルに低下させて、その後、当該検知レベルを維持するような制御を行ってもよい。また、本実施形態では、扉・枠開放中(S13644がYES判定の場合)には、入力ポート2の磁気センサビットをクリア(S13646)する例を説明したが、本発明はこれに限定されない。振動センサが設けられている場合には、扉・枠開放中、入力ポート2の磁気センサビットだけでなく、振動センサビットもクリアしてもよい。
上述のように、本実施形態では、扉・枠開放中には、異常状態監視前処理において、異常検知用の各種センサ(例えば、磁気センサ、振動センサ等)の検知レベルを下げる又はオフ状態にする。それゆえ、このような構成を設けた場合には、パチンコ遊技機6001の扉・枠(ベースドア6003及び/又はガラスドア6004)の開放時に磁気の乱れや振動が発生しても、遊技機に設けられた各種センサ(例えば、磁気センサ、振動センサ等)への悪影響を抑制することができる。
[21−1−12.汎用異常検知判定処理]
次に、図693を参照して、異常状態監視処理(図691参照)中のS13634で行う汎用異常検知判定処理について説明する。なお、図693は、汎用異常検知判定処理の手順を示すフローチャートである。
まず、メインCPU6101は、異常の監視対象数(監視対象となる異常項目数)を取得する(S13652)。この処理では、メインCPU6101は、異常監視テーブルの先頭アドレスの一つ前のアドレスを参照して、当該アドレスに格納されている監視対象数(監視チェック数)を読み出す。なお、本実施形態では、監視対象(異常項目)は、例えば、センサ異常監視、磁気監視、扉・枠開閉監視、受け皿満タン監視、払出異常監視、タッチ状態監視等である。
次いで、メインCPU6101は、現在、処理対象となっている監視対象(異常項目)に異常があるか否かを判定する(S13654)。
ここで、S13654の判定処理の内容を詳述する。この処理では、メインCPU6101は、現在、処理対象となっている監視対象の監視対象領域に格納されている情報と、異常状態検知用マスク値(監視特定情報)との論理積演算を行う。なお、監視対象の監視対象領域に格納されている情報は当該監視対象の異常の有無を示す情報であり、異常状態検知用マスク値は当該監視対象が異常検知のチェック対象であるか否かを示す情報である。
異常状態検知用マスク値は、例えば、1バイトのデータで構成され、各ビットのデータ(「0」又は「1」)には、対応する監視対象の異常検知チェック処理を行うか否かが規定される。そして、異常検知チェック処理を行う監視対象に対応するビットには「1」が格納され、異常検知チェック処理を行わない監視対象に対応するビットには「0」が格納される。
それゆえ、現在、処理対象となっている監視対象がチェック対象であり且つ当該監視対象に異常が発生している場合には、当該監視対象の監視対象領域に格納されている情報と異常状態検知用マスク値との論理積演算の結果は「1」となり、S13654では異常有りと判定され、それ以外の場合には、論理積演算の結果は「0」となり、S13654では異常無しと判定される。すなわち、現在、処理対象となっている監視対象が異常検知チェック処理の対象で無い場合には、当該監視対象に異常が発生していても、異常無しと判定される。この場合、後述の異常状態フラグに関する各種処理(異常検知時処理)は行われない。
例えば、監視対象数が「8」であり、異常状態検知用マスク値が「00111100B」である場合には、図693に示す汎用異常検知判定処理において、S13654〜S13670の処理(異常検知チェック処理)が8回繰り返され、そのうち、汎用異常検知判定処理の開始から3回目〜6回目までの処理で対象となる監視対象に対してのみ、実質、異常検知チェック処理が行われ、1回目、2回目、7回目及び8回目の処理で対象となる監視対象に対しては、全て異常無しと判定され、異常検知チェック処理は行われない。
ここで、再度、図693の説明に戻って、S13654において、メインCPU6101は、監視対象に異常がないと判定した場合(S13654がNO判定の場合)、後述のS13658の処理を行う。一方、S13654において、メインCPU6101は、監視対象に異常があると判定した場合(S13654がYES判定の場合)、監視対象の異常状態フラグを設定する(S13656)。
S13656の処理後、又は、S13654がNO判定の場合、メインCPU6101は、監視対象の異常状態フラグに変化があるか否かを判定する(S13658)。
S13658において、メインCPU6101は、異常状態フラグに変化がないと判定した場合(S13658がNO判定の場合)、後述のS13662の処理を行う。一方、S13658において、メインCPU6101は、異常状態フラグに変化があると判定した場合(S13658がYES判定の場合)、監視タイマをセットする(S13660)。
S13660の処理後、又は、S13658がNO判定の場合、メインCPU6101は、監視タイマが経過したか否かを判定する(S13662)。
S13662において、メインCPU6101は、監視タイマが経過していないと判定した場合(S13662がNO判定の場合)、後述のS13668の処理を行う。一方、S13662において、メインCPU6101は、監視タイマが経過したと判定した場合(S13662がYES判定の場合)、異常状態フラグに変化があるか否かを判定する(S13664)。
S13664において、メインCPU6101は、異常状態フラグに変化がないと判定した場合(S13664がNO判定の場合)、後述のS13668の処理を行う。一方、S13664において、メインCPU6101は、異常状態フラグに変化があると判定した場合(S13664がYES判定の場合)、異常状態フラグを更新する(S13666)。
S13666の処理後、又は、S13662或いはS13664がNO判定の場合、メインCPU6101は、監視対象数を1減算して更新(S13668)し、その後、更新後の監視対象数が「0」であるか否かを判定する(S13670)。
S13670において、メインCPU6101は、S13668で減算更新された後の監視対象数が「0」でないと判定した場合(S13670がNO判定の場合)、監視対象を更新後の監視対象数に対応する監視対象に変えて、S13654以降の処理を行う。一方、S13670において、メインCPU6101は、減算更新後の監視対象数が「0」であると判定した場合(S13670がYES判定の場合)、汎用異常検知判定処理を終了し、処理を、異常状態監視処理(図691)のS13636の処理に戻す。
上述のように、本実施形態の汎用異常検知判定処理では、異常状態検知用マスク値によりチェック対象(「1」)であると規定されている監視対象に対してのみ異常検知チェック処理を行い、異常状態検知用マスク値により非チェック対象(「0」)であると規定されている監視対象に対しては、異常無しと判定して、実質、異常検知チェック処理を行わない。このような処理を行った場合、汎用異常検知判定処理をより簡便化することができる。それゆえ、この場合、主制御回路6100で行われる処理をより効率よく実行することができ、主制御回路6100の処理負荷を軽減することができる。
[21−1−13.主制御メイン処理]
次に、図694〜図697を参照して、メインCPU6101の制御によるメイン処理(主制御メイン処理)について説明する。なお、図694〜図697は、主制御メイン処理の手順を示すフローチャートである。
まず、メインCPU6101は、スタックポインタの設定処理を行う(S13672)。次いで、メインCPU6101は、割込みベクタテーブルのアドレスの設定処理を行う(S13674)。この処理では、割込みベクタテーブルのアドレスがIレジスタに格納される。
次いで、メインCPU6101は、電断信号がHighレベルであるか否かを判定する(S13676)。S13676において、メインCPU6101は、電断信号がHighレベルでないと判定した場合(S13676がNO判定の場合)、S13676の判定処理を繰り返す。
一方、S13676において、メインCPU6101は、電断信号がHighレベルであると判定した場合(S13676がYES判定の場合)、RAMクリアスイッチ6121、及び、設定キー6080のフラグ管理処理を行う(S13678)。この処理では、メインCPU6101は、RAMクリアスイッチ6121の状態情報、及び、設定キー6080の状態情報の退避処理を行う。
次いで、メインCPU6101は、ウェイト処理を行う(S13680)。この処理では、メインCPU6101は、副制御回路6200側の起動待ち処理を行う。起動待ち時間(ウェイト期間)は12000.07msecである。また、この起動待ち時間において、メインCPU6101は、割込み要求信号のチェック処理、割込み要求信号発生時のWDTの出力処理、所定のタイミングでの磁気センサ初期化信号の出力処理を行う。
なお、ウェイト処理の詳細については、図321を参照して説明したとおりであり、ここでは説明を省略する。
次いで、メインCPU6101は、当該起動前の電断が正常電断であったか否かを判定する(S13682)。この処理では、メインCPU6101は、メインRAM6103内の電断検知フラグ領域に格納された値と予め定められた電断検知フラグの値(「0A5H」)とを比較し、両者が同じであれば、正常電断であったと判定する(YES判定)が、両者が異なれば、異常電断であったと判定する(NO判定)。
S13682において、メインCPU6101は、正常電断でなかったと判定した場合(S13682がNO判定の場合)、後述のS13690の処理を行う。
一方、S13682において、メインCPU6101は、正常電断であったと判定した場合(S13682がYES判定の場合)、メインRAM6103内に格納された作業領域のチェックサム値を算出する(S13684)。次いで、メインCPU6101は、作業領域のチェックサム値の照合処理を行う(S13686)。
次いで、メインCPU6101は、照合結果が正常であるか否かを判定する(S13688)。
S13688において、メインCPU6101は、照合結果が正常であると判定した場合(S13688がYES判定の場合)、後述のS13704の処理を行う。一方、S13688において、メインCPU6101は、照合結果が正常でないと判定した場合(S13688がNO判定の場合)、後述のS13690の処理を行う。
S13682又はS13688がNO判定の場合、メインCPU6101は、設定キー6080及びRAMクリアスイッチ6121の両方がオン状態であるか否かを判定する(S13690)。この判定処理は、入力ポート0の設定キースイッチビットの値(オン/オフ値)及び入力ポート2のRAMクリアビットの値を参照して行われる。
S13690において、メインCPU6101は、設定キー6080及びRAMクリアスイッチ6121の両方がオン状態であると判定した場合(S13690がYES判定の場合)、後述のS13702の処理を行う。一方、S13690において、メインCPU6101は、設定キー6080及びRAMクリアスイッチ6121の両方がオン状態でないと判定した場合(S13690がNO判定の場合)、外部端子のセキュリティ信号(出力ポートのセキュリティビット)をオン状態にセットする(S13692)。なお、S13690では、設定キー6080及びRAMクリアスイッチ6121のうちいずれか一方がオン状態であったとしても、NO判定される。
次いで、メインCPU6101は、性能表示モニタ6070によりエラー表示を行う(S13694)。この処理では、メインCPU6101は、性能表示モニタ6070への出力ポートにエラー表示用のビットデータをセットする。これにより、性能表示モニタ6070内の所定のLEDが点灯し、エラー発生が表示される。
次いで、メインCPU6101は、WDTクリアレジスタアドレスの設定処理を行う(S13696)。次いで、メインCPU6101は、内蔵WDTのクリア処理を行う(S13698)。この処理では、メインCPU6101は、内蔵WDTクリア値をセットする。次いで、メインCPU6101は、内蔵WDTのリスタート処理を行う(S13700)。この処理では、メインCPU6101は、内蔵WDTリスタート値をセットする。そして、S13700の処理後、メインCPU6101は、S13696〜S13700の処理(WDTの出力処理)を電源断となるまで繰り返す(永久ループ処理を行う)。
ここで、再度、S13690の処理に戻って、S13690がYES判定の場合、メインCPU6101は、設定変更状態値をメインRAM6103内の起動制御フラグ領域に格納する(S13702)。この処理により、設定変更状態値が起動制御フラグの値として格納される。
S13702の処理後、又は、S13688がYES判定の場合、メインCPU6101は、メインRAM6103内のXINT検知フラグ領域及び電断検知フラグ領域のクリア処理を行う(S13704)。
次いで、メインCPU6101は、起動状態判定処理を行う(S13706)。この処理では、メインCPU6101は、起動制御フラグ領域に格納された値(起動制御フラグの値)に基づいて、現在の起動状態(電断復帰/設定変更/設定確認/RAMクリア)を判定する。
次いで、メインCPU6101は、起動時のRAMクリア処理を行う(S13708)。この処理では、メインCPU6101は、メインRAM6103内の起動時の指定エリアのクリア処理を行う。
次いで、メインCPU6101は、起動時初期設定処理を行う(S13710)。この処理では、メインCPU6101は、現在の起動状態(電断復帰/設定変更/設定確認/RAMクリア)に応じた初期設定処理を行う。なお、起動時初期設定処理の詳細については、後述の図698を参照しながら後で説明する。
次いで、メインCPU6101は、割込み禁止処理を行う(S13712)。次いで、メインCPU6101は、電断処理を行う(S13714)。なお、電断処理の詳細については、図324を参照して上述したとおりである。
次いで、メインCPU6101は、初期値乱数の更新処理を行う(S13716)。この処理では、メインCPU6101は、特別図柄抽選用初期値乱数の更新処理を行う。
次いで、メインCPU6101は、遊技可能状態であるか否かを判定する(S13718)。なお、この判定処理は、起動制御フラグの値に基づいて行われ、起動制御フラグの値(現在の起動状態)が電断復帰に対応する値である場合には、S13718はYES判定となり、起動制御フラグの値が電断復帰に対応する値以外の値である場合には、S13718はNO判定となる。
S13718において、メインCPU6101は、遊技可能状態でないと判定した場合(S13718がNO判定の場合)、割込み許可処理を行う(S13720)。そして、S13720の処理後、メインCPU6101は、処理をS13712の処理に戻し、S13712以降の処理を行う。
一方、S13718において、メインCPU6101は、遊技可能状態であると判定した場合(S13718がYES判定の場合)、メインCPU6101は、レジスタの退避処理を行う(S13722)。なお、この処理では、メインCPU6101は、アキュームレータA及びフラグ・レジスタFの退避処理を行う。
次いで、メインCPU6101は、性能表示モニタ集計減算処理を行う(S13724)。この処理では、メインCPU6101は、各種ベース値を算出し、更新する。また、この処理は、メインRAM6103内の領域外作業領域を使用して行われる。
次いで、メインCPU6101は、S13722で退避させたレジスタの復帰処理を行う(S13726)。次いで、メインCPU6101は、割込み許可処理を行う(S13728)。
次いで、メインCPU6101は、システム周期時間(6msec:割込み周期(2mses)の3倍)が経過したか否かを判定する(S13730)。具体的には、メインCPU6101は、メインRAM6103内の割込みカウンタ領域に格納された値(現在の割込みカウンタの計数値)から3減算した値が「0」であるか否かを判定する。なお、割込みカウンタの値は、システムタイマ割込み処理毎に1加算され(図683中のS13512参照)、システム周期時間経過時には「3」となる。それゆえ、割込みカウンタの値から3減算した値が「0」である場合には、S13730はYES判定となり、割込みカウンタの値から3減算した値が「0」でない場合には、S13730はNO判定となる。
S13730において、メインCPU6101は、システム周期時間が経過していないと判定した場合(S13730がNO判定の場合)、処理をS13712の処理に戻し、S13712以降の処理を行う。
一方、S13730において、メインCPU6101は、システム周期時間が経過したと判定した場合(S13730がYES判定の場合)、割込みカウンタ領域に格納された値(割込みカウンタの値)から1減算する処理を3回行う(S13732)。この処理により、主制御メイン処理内の割込み禁止区間を管理する割込みカウンタの値がリセットされる(「0」になる)。
上述のように、本実施形態では、主制御メイン処理内において、後述する遊技制御に関する各種処理の実行前に、6msecの割込み禁止区間(S13712〜S13730の処理区間)が設けられる。それゆえ、本実施形態では、後述する遊技制御に関する各種処理は、6msec毎(システム周期毎)に実行されることになる。なお、本実施形態では、割込み禁止区間を割込み周期の3倍とする例を説明したが、本発明はこれに限定されず、例えば、割込み禁止区間を割込み周期の2倍以上で且つ3倍以外の値にしてもよい。
次いで、メインCPU6101は、システムタイマの更新処理を行う(S13734)。なお、システムタイマは、システム周期(6msec)管理用のタイマであり、システムタイマの値は、メインRAM6103の作業領域内のシステム周期管理タイマ領域に格納される。
次いで、メインCPU6101は、主制御コマンド送受信処理を行う(S13736)。この処理では、メインCPU6101は、主に、払出制御のコマンド送受信処理を行う。
次いで、メインCPU6101は、特別図柄制御処理を行う(S13738)。この処理では、メインCPU6101は、特別図柄ゲームの制御処理を行う。なお、特別図柄制御処理の詳細については、後述の図325及び図326を参照しながら後で説明する。
次いで、メインCPU6101は、普通図柄制御処理を行う(S13740)。この処理では、メインCPU6101は、普通図柄ゲームの制御処理を行う。なお、普通図柄制御処理の詳細については、後述の図339を参照しながら後で説明する。
次いで、メインCPU6101は、遊技動作表示ユニット制御処理を行う(S13742)。この処理では、メインCPU6101は、第1特別図柄表示LED、第2特別図柄表示LED、普通図柄表示LED、保留表示LED等に出力する表示データの設定処理を行う。
次いで、メインCPU6101は、遊技情報データ生成処理を行う(S13744)。この処理では、メインCPU6101は、外部端子板パルス信号の制御処理、出力データの設定処理、試射試験信号の生成処理等を行う。なお、試射試験信号の生成処理は、メインRAM6103内の領域外作業領域を使用して行われる。
次いで、メインCPU6101は、ポート出力処理を行う(S13746)。この処理では、メインCPU6101は、出力ポートへの出力データのセット(転送)処理、WDTの出力処理を行う。
次いで、メインCPU6101は、状態監視処理を行う(S13748)。この処理では、メインCPU6101は、発射位置判定処理(発射位置に変化があれば、発射位置コマンドの送信予約処理を行う)、遊技異常検知判定処理(異常があれば、遊技異常検知コマンドの送信予約処理を行う)、払出異常検知判定処理(異常があれば、払出異常検知コマンドの送信予約処理を行う)を行う。
そして、S13748の処理後、メインCPU6101は、処理をS13712の処理に戻し、S13712以降の処理を行う。
上述のように、本実施形態の主制御メイン処理では、起動後、ウェイト処理(S13680)の実行前(チェックサムの照合が終わる前)に、RAMクリアスイッチ6121の状態情報、及び、設定キー6080の状態情報の退避処理(S13678のフラグ管理処理)を行う。このような処理を設けた場合、例えばウェイト期間中に設定キー6080に対して操作が行われても(オン/オフされても)、電源投入時における起動制御フラグの値(起動時の状態情報)を確保することができる。それゆえ、本実施形態では、起動時の設定キー6080の操作状況及びRAMクリアスイッチ6121の操作状況をより確実に把握して、パチンコ遊技機6001の起動状態を正確に識別することができる。
また、上述のように、本実施形態では、主制御メイン処理内において、遊技制御に関する各種処理(S13732以降の処理)の実行前に、6msecの割込み禁止区間(S13712〜S13730の処理区間)を設け、割込み禁止区間内で電断処理(S13714)、初期値乱数更新処理(S13716)、性能表示モニタ集計減算処理(S13724)等が行われる。すなわち、本実施形態では、遊技の出玉性能等に影響を与える値や遊技全体を通じて集計される値の管理処理を割込み禁止区間で行う。それゆえ、このような割込み禁止区間を設けることにより、遊技の管理が簡便になり、主制御回路6100で行われる処理をより効率よく実行することができ、主制御回路6100の処理負荷を軽減することができる。
さらに、本実施形態では、主制御メイン処理内の割込み禁止区間において、遊技可能な状態である場合にのみ性能表示モニタ集計減算処理(S13724)が行われる。すなわち、本実施形態では、遊技可能な場合にのみ、性能表示モニタ6070の更新が行われるので、処理がより簡便になる。それゆえ、このような処理の構成では、主制御回路6100で行われる処理をより一層効率よく実行することができ、主制御回路6100の処理負荷をさらに軽減することができる。
[21−1−14.起動時初期設定処理]
次に、図698を参照して、主制御メイン処理(図694〜図697参照)中のS13710で行う起動時初期設定処理について説明する。なお、図698は、起動時初期設定処理の手順を示すフローチャートである。
まず、メインCPU6101は、起動制御フラグの読み出し処理を行う(S13752)。
次いで、メインCPU6101は、起動状態が電断復帰であるか否かを判定する(S13754)。なお、この判定処理は、起動制御フラグの値に基づいて行われる。
S13754において、メインCPU6101は、起動状態が電断復帰であると判定した場合(S13754がYES判定の場合)、図689を参照して説明した第2通常遊技前処理(電断復帰時の各種初期設定処理)を行う(S13756)。図示しないが、この第2通常遊技目処理が行われると、メインCPU6101は、遊技許可フラグをオンにセットし、遊技許可状態とする。そして、S13756の処理後、メインCPU6101は、起動時初期設定処理を終了し、処理を、主制御メイン処理のS13712(図696参照)の処理に戻す。
一方、S13754において、メインCPU6101は、起動状態が電断復帰でないと判定した場合(S13754がNO判定の場合)、起動状態が設定変更又は設定確認であるか否かを判定する(S13758)。起動状態が電源復帰でない場合、遊技許可状態とならないため、遊技不可状態に制御されたままである。なお、この判定処理は、起動制御フラグの値に基づいて行われる。
S13758において、メインCPU6101は、起動状態が設定変更又は設定確認であると判定した場合(S13758がYES判定の場合)、設定操作コマンドの送信予約処理を行う(S13760)。なお、この処理で予約された設定操作コマンドの副制御回路6200への送信は、次回のシステムタイマ割込み処理(図683)中の演出制御コマンド送信処理(S13522)で行われる。そして、S13760の処理後、メインCPU6101は、起動時初期設定処理を終了し、処理を、主制御メイン処理のS13712(図696参照)の処理に戻す。
一方、S13758において、メインCPU6101は、起動状態が設定変更及び設定確認のいずれでもないと判定した場合(S13758がNO判定の場合)、すなわちRAMクリアスイッチ6121が操作された場合や、例えばバックアップコンデンサ6107に蓄えられている電荷が十分でないことによって遊技許可でないと判定された場合にも、RAMクリア準備フラグをオンにする(S13762)。そして、S13762の処理後、メインCPU6101は、RAMクリア準備コマンドの送信予約処理を行う(S13764)。なお、この処理で予約されたRAMクリア準備コマンドの副制御回路6200への送信は、次回のシステムタイマ割込み処理(図683)中の演出制御コマンド送信処理(S13522)で行われる。そして、S13764の処理後、メインCPU6101は、起動時初期設定処理を終了し、処理を、主制御メイン処理のS13712(図696参照)の処理に戻す。
上述のように、本実施形態では、設定変更処理(図685参照)又は設定確認処理(図686参照)は、システムタイマ割込み処理(図683参照)内で行われるが、設定変更又は設定確認が行われた際に主制御回路6100から副制御回路6200に送信される設定操作コマンドの送信予約処理は、主制御メイン処理内で行われる。
[21−2.副主制御回路の動作説明]
次に、副制御回路のホスト制御回路により実行される各種処理(各種モジュール)のうち、特徴的たる処理について説明する。
[21−2−1.ホールメニュータスク]
ホスト制御回路により実行される処理としては、とくにホールメニュータスクおよびこれに関連する処理(例えば、ホールメニュー処理、役物初期化処理)に特徴がある。以下に説明するホールメニュータスクおよびこれに関連する処理は、第11実施形態のパチンコ遊技機のホスト制御回路6210により実行されるホールメニュータスク(図243参照)およびこれに関連する処理の変形例である。本実施形態に係るパチンコ遊技機のホスト制御回路により実行される処理を説明するにあたり、第11実施形態のパチンコ遊技機のホスト制御回路6210により実行されるホールメニュータスク(図243参照)およびこれに関連する処理と異なる処理を主として説明する。
なお、以下に示す各処理に付されたステップ番号は、第11実施形態で説明したホールメニュータスク(図243参照)およびこれに関連する処理と同じ処理については同じ符号を付し、第11実施形態で説明したホールメニュータスク(図243参照)およびこれに関連する処理と異なる処理については異なる符号を付している。一方、メインCPU等の各種部材の符号については、便宜上、第11実施形態のパチンコ遊技機を説明するに際して付した符号を用いるものとする。ただし、以下に説明するホスト制御回路による処理は、第11実施形態のパチンコ遊技機に限らず、本実施形態において説明する全てのパチンコ遊技機に適用することができる。
(主役物動作確認中にサブ役物の動作確認ができる場合の処理)
本実施形態における上述のRAMクリア準備中処理(図687参照)では、メインCPU6101による処理として、遊技不可状態であるRAMクリア準備中処理において、主役物動作確認を実行可能であることを説明した。そこで、以下において、ホスト制御回路6210による処理として、主役物動作確認の実行中であったとしても演出用のサブ役物の動作確認を実行できる場合の処理について説明する。なお、第11実施形態では、演出用のサブ役物を単なる役物と称していたが、本実施形態では、主役物と区別するために「サブ役物」と称する。同様に、第11実施形態では役物初期動作処理および役物動作確認と称していたものを、本実施形態では「サブ役物初期動作処理」および「サブ役物動作確認」と称する。
図699は、ホスト制御回路6210により実行されるホールメニュータスクの一例を示すフローチャートであって、図243に示されるホールメニュータスクの変形例である。
図699に示されるホールメニュータスクでは、図243に示されるS5301およびS5304(第11実施形態)に代えて、それぞれ、S5301AおよびS5304Aの処理が実行される。このS5301AおよびS5304Aの処理では、ホスト制御回路6210は、設定操作コマンド(設定変更開始コマンド、設定確認開始コマンド)またはRAMクリア準備コマンドを受信したか否かを判定する点において、S5301およびS5304の処理と異なる。第11実施形態では、設定変更処理中または設定確認処理中に(すなわち設定操作コマンドを受信したことに基づいて)ホールメニュータスクを実行可能であるが、本実施形態では、これに加えて、RAMクリア準備コマンドを受信した場合にもホールメニュータスクを実行可能である。
また、図699に示されるホールメニュータスクでは、図243に示されるS5303(第11実施形態)に代えて、S5303Aの処理が実行される。このS5303Aの処理は、ホールメニュータスクの実行中に呼び出されるホールメニュー処理である。以下に、図700を参照して、S5303Aのホールメニュー処理について説明する。
なお、図699に示されるS5301A、S5303AおよびS5304A以外の処理については、図243(第11実施形態)と同様である。
図700は、ホスト制御回路6210により実行されるホールメニュー処理の一例を示すフローチャートであって、図250に示されるホールメニュー処理の変形例である。
図700に示されるホールメニュー処理では、S8021の処理に加えて、S8021Aの処理が実行される。このS8021Aの処理は、S8021の処理の次に実行される。
具体的には、ホスト制御回路6210は、S8001で選択したホールメニューが「サブ役物動作確認」であると判定した場合(S8020におけるYES)、サブ役物動作確認処理(S8021)を行う。すなわち、設定確認処理中のみならず、RAMクリア準備中や設定変更処理中であったとしても、サブ役物動作確認が実行される。なお、本実施形態では、S8021で行われるサブ役物動作確認処理において、第11実施形態で説明した役物初期動作処理(図235参照)と同様の処理を行うようにしている。ただし、S8021で行われるサブ役物初期動作処理は、第11実施形態で説明した役物初期動作処理と同様の処理とすることは必須ではなく、第11実施形態で説明した役物初期動作処理と異なる処理が実行されるようにしてもよい。なお、図示していなが、S8021の処理は、サブ役物動作確認実行フラグをオフにセットした上で行われる。
また、ホスト制御回路6210は、サブ役物動作確認処理(S8021)の実行中、液晶表示装置等の表示装置1016に、サブ役物動作確認処理中であることを把握できる画像を表示する。また、ホスト制御回路6210は、主役物動作確認の実行中、液晶表示装置等の表示装置1016に、主役物動作確認処理中であることを把握できる画像についても表示する。ただし、ホスト制御回路6210は、主役物動作確認処理中であることを把握できる画像については表示しないようにしてもよい。
そして、本実施形態では、このサブ役物動作確認処理を行った後、サブ役物動作確認フラグをオンにする処理を行う(S8021A)。S8021Aの処理を行った後、ホスト制御回路6210は、ホールメニュー処理を終了し、処理をホールメニュータスク(図699参照)のS5304に戻す。
このように、サブ役物動作確認処理を行った後にサブ役物動作確認フラグをオンにする処理を行う理由については、後述の図701のサブ役物初期化処理において説明する。
なお、図700に示されるホールメニュー処理において、S8021に加えて、S8021Aの処理が実行されるようにした以外は、図250(第11実施形態)と同様である。
ところで、第11実施形態では、ホールメニュータスクが実行される場合、ホスト制御回路6210は、役物初期動作処理(サブ役物初期動作処理)を実行した後にホールメニュータスクを実行する旨を説明したが、本実施形態では、ホールメニュータスクを実行した後にサブ役物初期動作処理を実行するようにしている。
また、第11実施形態で説明したとおり、ホスト制御回路6210は、各種初期化処理(例えば、図196のS6201参照)の一つとして、サブ役物初期化処理を実行する。図701は、ホスト制御回路6210により実行されるサブ役物初期化処理の一例を示すフローチャートであって、図235に示される役物初期動作処理の変形例である。
図701に示されるサブ役物初期動作処理では、ホスト制御回路6210は、先ず、サブ役物動作確認実行フラグがオフであるか否かを判定する(S6900)が、この点において、図235に示される役物初期動作処理と異なる。
具体的には、S6900において、ホスト制御回路6210は、サブ役物動作確認実行フラグがオフであると判定した場合(S6900がYES判定の場合)、S6901の処理を行う。一方、S6900において、ホスト制御回路6210は、サブ役物動作確認実行フラグがオフでないと判定した場合(S14004がNO判定の場合)、すなわちサブ役物動作確認実行フラグがオンである場合、サブ役物初期化処理を終了する。
すなわち、第11実施形態では、サブ役物動作確認実行フラグがオフであるか否かを判定することなく役物初期動作処理を行っていたが、本実施形態では、サブ役物動作確認実行フラグがオフである場合に限り、サブ役物初期動作処理を実行するようにしたものである。これにより、ホールメニュータスク中のホールメニュー処理(例えば、図700参照)においてサブ役物動作確認が実行された場合には、ホールメニュータスクの終了に基づいて行われるサブ役物初期化処理において、サブ役物の動作を確認する処理が繰り返し実行されることを避けることが可能となる。とくに本実施形態では、ホールメニュー処理において実行されるサブ役物動作確認処理(図700のS8021参照)と、サブ役物初期動作処理とでは同じ処理が行われるため、サブ役物の動作を確認する処理が繰り返し実行されることを避けることにより、パチンコ遊技機の起動に要する時間の短縮化を図ることが可能となる。
なお、図701に示されるサブ役物初期動作処理は、S6900の処理が実行される点を除いて、図235(第11実施形態)と同様である。
(主役物動作確認中にサブ役物の動作確認ができない場合の第1の処理例)
次に、ホスト制御回路6210による処理として、主役物動作確認の実行中、演出用のサブ役物の動作確認を実行できない場合の第1の処理例について、図702を参照して説明する。
なお、本実施形態の設定変更処理(図685参照)では、設定キーオフ(S13566がYES判定)でRAMクリア準備フラグオンにしたが、ここでは、S13542(図684参照)がYES判定であるときにRAMクリア準備フラグオンにするとともに、設定制御処理(図683のS13530)よりも先にRAMクリア準備中処理(図683のS13532参照)を実行することで、設定変更処理とRAMクリア準備中処理とのうちRAMクリア準備中処理が先に実行されるようにしている。すなわち、設定変更処理中において、RAMクリア準備中である場合と、RAMクリア準備中でない場合とが生じうる。
図702は、ホスト制御回路6210により実行されるホールメニュータスクの第1の処理例を示すフローチャートであって、図243に示されるホールメニュータスクの変形例である。
この第1の処理例では、主役物動作確認が実行される可能性のある間、ホールメニュータスクが実行されないようにしている。ホールメニュータスク中のホールメニュー処理ではサブ役物動作確認を実行することができるため、主役物動作確認が実行される可能性のある間(RAMクリア準備中)はホールメニュータスクを実行できないようにすることで、主役物動作確認の実行中、演出用のサブ役物の動作確認を実行できないようにしたものである。
詳述すると、図702のホールメニュータスクでは、図243に示されるS5301(第11実施形態)に代えて、S5301B〜S5301Dの処理が実行される。
具体的には、ホスト制御回路6210は、先ず、設定確認処理中であるか否か(すなわち設定確認開始コマンドを受信したか否か)を判定する(S5301B)。
S5301Bにおいて、ホスト制御回路6210は、設定確認処理中であると判定した場合(S5301BがYES判定の場合)、S5302の処理を行う。一方、S5301Bにおいて、ホスト制御回路6210は、設定確認処理中でないと判定した場合(S5301BがNO判定の場合)、S5301Cの処理を行う。
S5301Cにおいて、ホスト制御回路6210は、設定変更処理中であるか否か(すなわち設定変更開始コマンドを受信したか否か)を判定する。
S5301Cにおいて、ホスト制御回路6210は、設定変更処理中であると判定した場合(S5301CがYES判定の場合)、S5301Dの処理を行う。一方、S5301Cにおいて、ホスト制御回路6210は、設定変更処理中でないと判定した場合(S5301CがNO判定の場合)、ホールメニュータスクを終了する。
S5301Dにおいて、ホスト制御回路6210は、RAMクリア準備フラグがオフであると判定した場合(S5301DがYES判定の場合)、S5302の処理を行う。一方、S5301Dにおいて、ホスト制御回路6210は、RAMクリア準備フラグがオフでないと判定した場合(S5301DがNO判定の場合)、すなわちRAMクリア準備フラグがオンである場合、ホールメニュータスクを終了する。
すなわち、この第1の処理例においてホールメニュータスクが実行されるのは、設定確認処理中である場合、および、設定変更処理中であって且つRAMクリア準備中でない場合に限られ、RAMクリア準備中や遊技許可状態では実行されない。なお、RAMクリア準備中は遊技許可状態ではないが、RAMクリア準備中は主役物動作確認が実行される可能性があるため、ホールメニュータスクが実行されないようにしている。
なお、上記では、主役物動作確認が実行される可能性のあるRAMクリア準備中はホールメニュータスクが実行されない(ホールメニュー画面が表示されない)ようにしたが、これに限られず、主役物動作確認中にホールメニュータスクが実行されないように(すなわち、RAMクリア準備中であっても主役物動作確認が実行されていなければホールメニュータスクを実行できるように)してもよい。この場合、主役物動作確認が終了したこと(例えば、RAMクリアスイッチオンまたは所定時間経過等)に基づいて、ホールメニュータスクが実行される(ホールメニュー画面が表示される)ようにしてもよい。
このように、主役物動作確認中はホールメニュータスクが実行されない(ホールメニュー画面が表示されない)ようにすることで、主役物動作確認中に、サブ役物動作確認を実行できないようにすることができる。これにより、サブ役物が作動するときの動作音が障害となって、主役物が作動するときの動作音を聞きづらくなるといった事態が発生することを抑制でき、主役物の異常を早期に発見できる可能性が高められる。
なお、主役物動作確認中、RAMクリアスイッチが操作されたとしても、この操作に基づいてRAMクリア準備中処理が終了しない(例えば、S13590の処理に進まない)ようにしてもよい。
また、RAMクリアスイッチが操作されたことに基づいてRAMクリア準備中処理が終了する(例えば、S13590の処理に進む)ようにした場合であっても、ホスト制御回路6210は、液晶表示装置等の表示装置1016に、主役物動作確認が終了するまでは主役物動作中であることを把握可能な演出画像を表示し続けるようにすることが好ましい。
なお、図702に示されるホールメニュータスクは、S5301B〜S5301Dの処理が実行される点を除いて、図243(第11実施形態)と同様である。
(主役物動作確認中にサブ役物の動作確認ができない場合の第2の処理例)
次に、ホスト制御回路6210による処理として、主役物動作確認が実行される可能性のある間(RAMクリア準備中)、演出用のサブ役物の動作確認を実行できない場合の第2の処理例について、図699および図703を参照して説明する。
この第2の処理例が第1の処理例と異なるのは、主役物動作確認が実行される可能性のある間(RAMクリア準備中)であってもホールメニュータスクを実行できるようにし、ホールメニュー画面において、主役物動作確認が実行される可能性のある間、サブ役物の動作確認を実行できない(「サブ役物動作確認」を選択できない)ようにした点である。
なお、サブ役物の動作確認を実行できない期間は、RAMクリア準備中とすることに限られず、少なくとも主役物動作確認の実行中を含む期間であればよい。
この第2の処理例におけるホールメニュータスクは、図699に示されるホールメニュータスクと同じである。また、図703は、ホスト制御回路6210により実行されるホールメニュー処理の第2の処理例を示すフローチャートであって、図250に示されるホールメニュー処理の変形例である。
この第2の処理例においても、主役物動作確認が実行される可能性のある間、ホールメニュータスクが実行されないようにしている。具体的には、ホールメニュータスク中のホールメニュー処理において、主役物動作確認が実行される可能性のある間(RAMクリア準備中)は、ホールメニュー画面において「サブ役物動作確認」を選択できないようにすることで、主役物動作確認の実行中、演出用のサブ役物の動作確認を実行できないようにしたものである。
詳述すると、ホールメニュー処理(図699参照)では、ホスト制御回路6210は、設定操作コマンド(設定変更開始コマンド、設定確認開始コマンド)またはRAMクリア準備コマンドを受信したことに基づいてホールメニュータスクを実行する。すなわち、主役物動作確認が実行される可能性のあるRAMクリア準備中であっても、ホールメニュータスクが実行される。
ただし、図703に示されるように、図250に示されるS8020(第11実施形態)の処理が実行される前に、S8020Aの処理が実行される。このS8020Aの処理において、ホスト制御回路6210は、RAMクリア準備中であるか否かを判定する。そして、ホスト制御回路6210は、RAMクリア準備中であると判定すると(S8020AがYES判定)、表示装置1016の例えば画面左側領域のホールメニュー項目表示領域(例えば、図245または図246参照)において、「サブ役物動作確認」の項目を表示しないかまたは選択できない態様で表示し、処理を、S3022に移す。
一方、ホスト制御回路6210は、RAMクリア準備中でないと判定すると(S8020AがNO判定)、処理を、S3020に移す。
このように、RAMクリア準備中、ホールメニュー処理において、「サブ役物動作確認」を実行できない(ホールメニュー画面が表示されない)ようにすることで、主役物動作確認中に、サブ役物動作確認を実行できないようにすることができる。これにより、サブ役物が作動するときの動作音が障害となって、主役物が作動するときの動作音を聞きづらくなるといった事態が発生することを抑制でき、主役物の異常を早期に発見できる可能性が高められる。
なお、第2の処理例では、RAMクリア準備中に、「サブ役物動作確認」を実行できない(ホールメニュー画面が表示されない)ようにしたが、これに限られず、設定変更中に「サブ役物動作確認」を実行できないようにしてもよいし、RAMクリア準備中であっても主役物動作確認が実行されていなければ「サブ役物動作確認」を実行できるようにし、主役物動作確認が開始されたことに基づいてサブ役物動作確認を終了するようにしてもよい。
[21−2−2.その他の処理]
ホスト制御回路6210により実行されるその他の処理として、例えば、メインCPU6101から送信されるコマンドの解析結果に基づいて、液晶表示装置等の表示装置に表示される表示演出を制御したり、スピーカから出力される警報音や効果音等の音演出を制御したりする。
例えば、RAMクリア準備中であることを示すRAMクリア準備コマンドがメインCPU6101から送信された場合、ホスト制御回路6210は、RAMクリア準備中であることを示す状態報知音を出力する。なお、RAMクリア準備中であることを示す状態報知音に代えてまたは加えて、RAMクリア処理中であることを示すデータ消去中報知音を出力するようにしてもよい。このデータ消去中報知音は、断続的に複数回にわたって出力されるようにするとよい。なお、RAMクリア準備中とならないパチンコ遊技機にあっては、RAMクリア準備中であることを示す状態報知音が出力されないため、RAMクリア処理中であることを示すデータ消去中報知音を出力することが好ましい。ただし、RAMクリア準備中とならないパチンコ遊技機であったとしても、RAMクリア処理の終了後の一定期間、S13510(図683参照)でYES判定されないように遊技不可状態を継続して主役物の動作確認を実行できるようにする場合、この間、状態報知音を出力するようにしてもよい。
また、主役物動作確認処理(図687のS13586参照)の結果として動作状態が良好でない主役物があったことを示すコマンドがメインCPU6101から送信された場合、ホスト制御回路6210は、主役物の動作確認において異常があったことを示す主役物異常報知音を出力する。また、サブ役物動作確認(図700のS8021参照)やサブ役物初期動作処理(図701参照)においてサブ役物の動作状態が良好でない場合、ホスト制御回路6210は、サブ役物動作確認において異常があったことを示すサブ役物異常報知音を出力する。
ところで、例えば、複数の報知音等が同じタイミングで出力された場合、何に対して報知音であるのかを認識することが困難となる可能性がある。そこで、RAMクリア準備中であることを示す状態報知音またはRAMクリア処理中であることを示すデータ消去中報知音の出力タイミングと、主役物異常報知音の出力タイミングとが重複した場合、ホスト制御回路6210は、期間の定めがある状態報知音またはデータ消去中報知音を、期間の定めがない主役物異常報知音よりも優先して出力するよう制御するようにしている。すなわち、データ消去中報知音を断続的に複数回にわたって出力する場合であれば、複数回にわたってデータ消去中報知音が出力された後、主役物異常報知音を出力するとよい。このように、データ消去中報知音を主役物異常報知音よりも優先して出力することで、RAMクリア準備中であることやRAMクリア処理中であることをただちに把握することが可能となる。
また、RAMクリア準備中であることを示す状態報知音またはRAMクリア処理中であることを示すデータ消去中報知音の出力タイミングと、主役物異常報知音の出力タイミングとが重複した場合、期間の定めがある状態報知音またはデータ消去中報知音が主役物異常報知音よりも優先して出力されるものの、RAMクリア準備中処理が終了したり、RAMクリア処理が終了したりすると、ホスト制御回路6210は、状態報知音またはデータ消去中報知音の出力終了後、役物異常報知音を出力する。このようにすることで、複数の報知音等を、いずれの報知音であるのかを区別できる態様でいずれの報知音についても出力されるため、全ての警報や報知音等を認識することが可能となる。
なお、上記では、RAMクリア準備中であることを示す状態報知音またはRAMクリア処理中であることを示すデータ消去中報知音を、主役物異常報知音よりも優先して出力する旨を説明したが、これに限られない。例えば、主役物の動作に異常がある場合にはこれをいち早く遊技機管理者に知らせることに重きを置くならば、主役物異常報知音を、状態報知音またはデータ消去中報知音よりも優先して出力するようにしてもよい。また、メインCPU6101またはホスト制御回路6210は、主役物の動作が良好で場合におけるその重要度をを判断した上で、主役物異常報知音の出力と状態報知音またはデータ消去中報知音の出力とのうち、いずれを優先して出力すべきかを判断して出力するようにしてもよい。
また、パチンコ遊技機が揺らされる等の不正が行われたことを検出できる振動センサ、磁石を用いた不正が行われたことを検出できる磁気センサ、遊技板の傾斜値を測定できる測定値をパチンコ遊技機に搭載するようにしてもよい。そして、パチンコ遊技機が揺らされる不正や、磁石を用いた不正等が行われた場合、ホスト制御回路6210は、スピーカ6011から大音量で警報を出力したりするとよい。
上記の振動センサや磁気センサをパチンコ遊技機に搭載した場合、これらのセンサの動作確認についても、RAMクリア準備中に行うことができるようにするとよい。例えば、ホスト制御回路6210は、遊技許可状態では、振動センサや磁気センサによる検出結果が所定の閾値を超えた場合に大音量でのみ警報を出力する。一方、遊技不可状態において、ホスト制御回路6210は、上記の所定の閾値よりも大幅に低い振動センサや磁気センサによる検出結果に基づいて、例えば液晶表示器に、振動や磁気が検出されたことを示す画像を表示する。このようにすることで、遊技許可状態における不正を抑制しつつ、大音量での検査が行われることを抑制することが可能となる。
[22.第24実施形態]
次に、第24実施形態のパチンコ遊技機について説明する。この第24実施形態のパチンコ機が有する発明を説明するにあたり、以下において、第1実施形態のパチンコ遊技機に適用した場合の例について説明する。ただし、第1実施形態ですでに説明した構成および制御(処理)等についての説明は省略し、第1実施形態のパチンコ遊技機と異なる構成および制御についてのみ説明するものとする。なお、第24実施形態のパチンコ機が有する特徴的たる発明は、第1実施形態のパチンコ遊技機のみならず、本明細書に記載した全てのパチンコ遊技機に単独でまたは組み合わせて適用することができる。
本実施形態のパチンコ遊技機は、大当りの連荘回数に基づいて特別図柄の変動パターンを決定する点において、第1実施形態のパチンコ遊技機と大きく異なる。なお、メインCPU等の各種部材の符号については、便宜上、第1実施形態のパチンコ遊技機を説明するに際して付した符号を用いるものとする。
また、本実施形態のパチンコ遊技機は、大当り遊技状態の他に、確変フラグオフ且つ時短フラグオフの通常遊技状態と、確変フラグオン且つ時短フラグオンの高確時短遊技状態とを少なくとも含む複数の遊技状態が用意されており、これら複数の遊技状態のうちいずれかに制御されるようにしているが、これに限られない。少なくとも、相対的に遊技者に不利な第1遊技状態と、この第1遊技状態よりも遊技者に有利な第2遊技状態と、例えば大当り遊技状態のような特別遊技状態とが用意されていれば、特別遊技状態の連荘の概念を作り出すことができ、本実施形態に係る発明を実現することができる。
また、本実施形態のパチンコ遊技機は、通常遊技状態では、遊技領域のうち左側領域に向けて遊技球を発射させる所謂左打ちで遊技が行われ、高確時短遊技状態では、遊技領域のうち右側領域に向けて遊技球を発射させる所謂右打ちで遊技が行われるように構成されている。左打ちされた場合、第1始動口44(図5参照)に遊技球が入賞可能(第2始動口45(図5参照)への入賞は困難)であり、右打ちされた場合、第2始動口45に遊技球が入賞可能(第1始動口44への入賞は困難)であるが、これに限られない。
[22−1.特別図柄表示時間管理処理]
図704は、メインCPU71により実行される特別図柄表示時間管理処理の一例を示すフローチャートである。図703に示される特別図柄表示時間管理処理は、特別図柄制御処理(図19参照)の実行中にサブルーチンとして呼び出される。この特別図柄表示時間管理処理において、メインCPU71は、S142の処理を実行した後、大当りカウンタに1を加算する処理(S142A)を実行する。
なお、図704に示される特別図柄表示時間管理処理は、S142Aの処理を実行する点において、第1実施形態において説明した特別図柄表示時間管理処理(図22参照)と異なり、その他の処理は同じである。
なお、大当りカウンタの値は、大当り遊技状態の連荘回数を示す値であって、通常遊技状態に移行した際にリセットされ、確変フラグと時短フラグとのうち少なくともいずれかがオンである限りリセットされない。ただし、これに限られず、例えば、確変フラグがオフになった際に、時短フラグがオンであったとしても、大当りカウンタをリセットするようにしてもよい。また、通常遊技状態に移行したとしても、前回の大当り遊技状態終了時からの特別図柄の可変表示回数が所定回数に達するまでは大当りカウンタをリセットしないようにしてもよい。
[22−2.第1特別図柄の変動パターン]
図705は、第1特別図柄変動パターンテーブルの一例であり、メインCPU71により実行される変動パターン決定処理(例えば、図17のS57参照)において、第1特別図柄の変動パターンを決定する際に参照されるテーブルである。
なお、図705中の「備考」の欄は、分かりやすいように便宜上示したものであり、サブCPU201により表示制御回路205を介して液晶表示装置13に表示される演出画像(例えば装飾図柄の変動演出パターン)の内容を示している。すなわち、サブCPU201は、第1特別図柄抽選の結果が大当りであればリーチ演出(例えば、ノーマルリーチ演出、スーパーリーチ演出A、スーパーリーチ演出B)を行った後に大当り画像を表示する大当り演出を行う。また、サブCPU201は、第1特別図柄抽選の結果がハズレであれば、リーチ判定用乱数を用いて行われたリーチ抽選の結果に基づいて、リーチ演出(例えば、ノーマルリーチ演出、スーパーリーチ演出A、スーパーリーチ演出B)の後にハズレ画像を表示するリーチハズレ演出、または、リーチ演出を行わずにハズレ画像を表示する非リーと変動演出(通常変動演出A、通常変動演出B)を行う。
また、本実施形態では、第1特別図柄抽選の結果には小当りが含まれないが、第2特別図柄の抽選結果には小当りが含まれるものとする。ただし、これに限られず、例えば第1特別図柄抽選の結果に小当りが含まれていてもよいし、第1特別図柄抽選の結果および第2特別図柄抽選の結果のいずれにも小当りが含まれていなくてもよい。
図705に示されるように、メインCPU71は、第1特別図柄の変動パターン(第1特別図柄の変動時間)を、第1特別図柄抽選の結果(当落)、リーチ判定用乱数および演出選択用乱数に基づいて決定する。例えば、第1特別図柄抽選の結果が「ハズレ」であって、リーチ判定用乱数が「77」、演出選択用乱数が「77」である場合、第1特別図柄の変動パターンは「通常変動B」に決定される。
[22−3.第2特別図柄の変動パターン]
図706は、第2特別図柄変動パターンテーブル番号設定テーブルの一例である。また、図707は、第2特別図柄変動パターンテーブルの一例である。図706および図707に示されるテーブルは、メインCPU71により実行される変動パターン決定処理(例えば、図17のS65参照)において、第2特別図柄の変動パターンを決定する際に参照されるテーブルである。
なお、図707中の「備考」の欄は、分かりやすいように便宜上示したものであり、サブCPU201により表示制御回路205を介して液晶表示装置13に表示される演出画像(例えば装飾図柄の変動演出パターン)の内容を示している。
なお、図705中の「備考」の欄は、分かりやすいように便宜上示したものであり、サブCPU201により表示制御回路205を介して液晶表示装置13に表示される演出画像(例えば装飾図柄の変動演出パターン)の内容を示している。すなわち、サブCPU201は、第2特別図柄抽選の結果が大当りであれば長変動(例えば、長変動A〜C)またはリーチ演出(例えば、当りリーチ演出D〜F)を行った後に大当り画像を表示する大当り演出を行う。また、サブCPU201は、第2特別図柄抽選の結果が小当りまたはハズレであれば、リーチ判定用乱数を用いて行われたリーチ抽選の結果に基づいて、リーチ演出(例えば、ハズレリーチ演出D〜ハズレリーチ演出F)を行った後にハズレ画像を表示するハズレリーチ演出、または、リーチ演出を行わずにハズレ画像を表示する非リーチハズレ変動演出(長変動A〜C、超速変動A,B、通常変動C)を行う。
図706に示されるように、メインCPU71は、大当りカウンタすなわち大当りの連荘回数に基づいて、第2特別図柄の変動パターンを決定する際に参照される第2特別図柄変動パターンテーブル番号を選択する。具体的には、大当りカウンタが例えば0の場合、メインCPU71は、第2特別図柄変動パターンテーブル番号「3」を選択する。また、大当りカウンタが例えば1〜3の場合、メインCPU71は、第2特別図柄変動パターンテーブル番号「1」を選択する。また、大当りカウンタが例えば4〜6の場合、メインCPU71は、第2特別図柄変動パターンテーブル番号「2」を選択する。また、大当りカウンタが例えば7〜9の場合、メインCPU71は、第2特別図柄変動パターンテーブル番号「3」を選択する。また、大当りカウンタが例えば10以上の場合、メインCPU71は、第2特別図柄変動パターンテーブル番号「1」を選択する。
また、図707に示されるように、メインCPU71は、選択した第2特別図柄変動パターンテーブル番号、第2特別図柄の抽選結果(当落)、確変フラグのON・OFF状況、時短フラグのON・OFF状況、リーチ判定用乱数および演出選択用乱数に基づいて決定する。
なお、図707は、第2特別図柄の変動時間の平均時間は、第2特別図柄変動パターンテーブル番号が大きくなるにしたがって長くなる。すなわち、単位時間あたりの第2特別図柄の変動回数の期待値は、第2特別図柄変動パターンテーブル番号が大きくなるにしたがって小さくなる。
例えば、第2特別図柄の抽選結果が「ハズレ」、確変フラグが「ON」、時短フラグが「ON」または「OFF」、リーチ判定用乱数が例えば「123」である(リーチ演出が実行されない)場合において、メインCPU71は、第2特別図柄の変動パターンを、選択した第2特別図柄変動パターンテーブル番号が「1」であれば「超速変動A」に決定し、選択した第2特別図柄変動パターンテーブル番号が「2」であれば「超速変動B」に決定し、選択した第2特別図柄変動パターンテーブル番号が「3」であれば「通常変動C」に決定する。すなわち、第2特別図柄の変動パターンは、リーチ演出が実行されないハズレ変動の場合において、大当りカウンタの値が相対的に小さい1〜3では超速変動A(例えば1000msecといった極めて短い変動時間)に決定され、大当りカウンタの値が4〜6では超速変動B(例えば2000msecといった超速変動Aの概ね2倍の変動時間)に決定され、大当りカウンタの値が相対的に大きい1〜3では通常変動C(例えば4000msecといった超速変動Aの概ね4倍の変動時間)に決定される。
また、第2特別図柄の抽選結果が「ハズレ」、確変フラグが「ON」、時短フラグが「ON」または「OFF」、リーチ判定用乱数が例えば「0」である(リーチ演出が実行される)場合において、メインCPU71は、第2特別図柄の変動パターンを、選択した第2特別図柄変動パターンテーブル番号が「1」であれば「ハズレリーチ演出D」に決定し、選択した第2特別図柄変動パターンテーブル番号が「2」であれば「ハズレリーチ演出E」に決定し、選択した第2特別図柄変動パターンテーブル番号が「3」であれば「ハズレリーチ演出F」に決定する。すなわち、第2特別図柄の変動パターンは、リーチ演出が実行されるハズレ変動の場合において、大当りカウンタの値が相対的に小さい1〜3ではハズレリーチ演出D(例えば25000msecといった相対的に短い変動時間)に決定され、大当りカウンタの値が4〜6ではハズレリーチ演出E(例えば50000msecといったハズレリーチ演出Dの概ね2倍の変動時間)に決定され、大当りカウンタの値が相対的に大きい1〜3ではハズレリーチ演出F(例えば100000msecといったハズレリーチ演出Dの概ね4倍の変動時間)に決定される。
さらに、第2特別図柄の抽選結果が「ハズレ」、確変フラグが「ON」、時短フラグが「ON」または「OFF」の場合、メインCPU71は、ハズレリーチ演出が実行される確率を、選択した第2特別図柄変動パターンテーブル番号が「1」であれば例えば250分の2とし、選択した第2特別図柄変動パターンテーブル番号が「2」であれば例えば250分の50とし、選択した第2特別図柄変動パターンテーブル番号が「3」であれば例えば250分の100としている。すなわち、リーチ演出の実行確率は、選択した第2特別図柄変動パターンテーブル番号が「1」である場合が最も低く、選択した第2特別図柄変動パターンテーブル番号が「3」である場合が最も高い。
このように、大当りの連荘回数が多くなる(大当りカウンタの値が大きくなる)にしたがって、単位時間あたりの第2特別図柄の変動回数の期待値が小さくなるようにしている。このようにすることで、大当りの連荘回数が多くなったとしても、出玉速度がいたずらに早くなって射幸性が高められることを抑制することが可能となる。また、大当りの連荘期間(例えば、最初の大当り遊技状態の開始から通常遊技状態に移行するまでの期間)を長くすることができるため、遊技者の期待感を従来よりも長期にわたって持続させることが可能となり、興趣の低下を抑制することができる。すなわち、遊技者の期待感を従来よりも長期にわたって持続させつつも射幸性を抑制するといった互いにトレードオフの関係にある両者を成立させることができ、従来にない新たなパチンコ遊技機を提供することが可能となる。
すなわち、本実施形態では、以下のイ)〜ハ)を行うことによって、大当りの連荘回数が多くなるにしたがって単位時間あたりの第2特別図柄の変動回数の期待値が小さくなるようにしている。
イ)大当りの連荘回数が多くなるにしたがって、リーチ演出が実行されないハズレ変動の単位時間あたりの第2特別図柄の変動回数の期待値を小さくする(非リーチハズレ変動時間を長くする)こと。
ロ)大当りの連荘回数が多くなるにしたがって、リーチ演出が実行される場合の単位時間あたりの第2特別図柄の変動回数の期待値を小さくする(リーチハズレ変動時間を長くする)こと。
ハ)大当りの連荘回数が多くなるにしたがって、メインCPU101により選択されるリーチ変動の確率を高くすることで、サブCPU201により実行される装飾図柄の変動演出におけるリーチ演出の実行確率を高めること。
ただし、必ずしも上記のイ)〜ハ)の全部を行う必要はなく、上記のイ)〜ハ)のうち少なくとも1つを行うことにより、大当りの連荘回数が多くなるにしたがって単位時間あたりの第2特別図柄の変動回数の期待値を小さくすることを実現できる。
なお、本実施形態では、特別図柄(第1特別図柄、第2特別図柄)を2つ備えるが、これに限られず、例えば特別図柄の数は1つでもよい。
また、本実施形態では、単位時間あたりの第1特別図柄の変動回数の期待値は、大当りの連荘回数にかかわらず同じであるのに対し、単位時間あたりの第2特別図柄の変動回数の期待値は、大当りの連荘回数が多くなるにしたがって小さくなるようにしている。これは、大当りの連荘回数にかかわる高確時短遊技状態では、第2始動口45に遊技球が入賞可能(第1始動口44への遊技球の入賞が困難または不可能)となる仕様のパチンコ遊技機だからである。
本実施形態では、大当りの連荘回数が多くなるにしたがって、単位時間あたりの第2特別図柄の変動回数の期待値が小さくなるようにしたが、これに限られない。例えば、大当りの連荘回数が多くなるにしたがって、単位時間あたりの第1特別図柄の変動回数の期待値が小さくなるようにしてもよいし、大当りの連荘回数が多くなるにしたがって、単位時間あたりの第1特別図柄および第2特別図柄の変動回数の期待値が小さくなるようにしてもよい。
また、本実施形態では、図706に示されるように、大当りカウンタの値が0である(すなわち通常遊技状態である)場合、第2特別図柄変動パターンテーブル番号は「3」に選択されるようになっているが、通常遊技状態では右打ちされない(第2始動口45に入賞しないまたは入賞困難である)ことに鑑みると、第2特別図柄変動パターンテーブル番号がいずれに選択されるようになっていたとしても、本発明に大きな影響を与えるものではない。
また、図706に示されるように、本実施形態では、大当りカウンタの値が一定の値以上(本実施形態では10以上)になると、メインCPU71は、第2特別図柄変動パターンテーブル番号として「1」を選択するようになっている。これにより、大当りが連荘した場合に単位時間あたりの第2特別図柄の変動回数の期待値が抑制されたとしても、大当りの連荘回数が一定以上(例えば10連荘以上)になると単位時間あたりの第2特別図柄の変動回数の期待値が高められるため、一定以上の連荘を目標にして遊技を行うことができ、興趣の低下を抑制することができる。しかも、大当りの連荘回数が一定以上になると単位時間あたりの第2特別図柄の変動回数の期待値を高めたとしても、それまで(大当りの連荘回数が一定以上となるまで)は単位時間あたりの第2特別図柄の変動回数の期待値が抑制されていたのであるから、遊技者の期待感を従来よりも長期にわたって持続させつつも射幸性を抑制するといった作用効果を奏することに変わりないと考えられる。
また、本実施形態では、図706に示されるように、大当りカウンタの値に応じて第2特別図柄変動パターンテーブル番号が一義的に決定されるようになっているが、必ずしもこれに限られず、例えば第1変形例として、大当りカウンタの値に応じて、選択される第2特別図柄変動パターンテーブル番号に偏りが生じるようにしてもよい。この第1変形例について図708を参照して説明する。
図708は、第2特別図柄変動パターンテーブル番号設定テーブルの第1変形例である。
図708に示されるように、メインCPU71は、大当りカウンタすなわち大当りの連荘回数と、第2始動口入賞時に抽出された乱数(例えば図柄決定用乱数)とに基づいて、第2特別図柄変動パターンテーブル番号を選択する。具体的には、大当りカウンタが例えば1〜3の場合、メインCPU71は、第2特別図柄変動パターンテーブル番号を、例えば80%の確率で「1」を選択し、例えば10%の確率で「2」を選択し、例えば10%の確率「3」を選択する。すなわち、大当りカウンタが例えば1〜3の場合、第2特別図柄変動パターンテーブル番号「1」の選択率を最も高くしつつ、第2特別図柄変動パターンテーブル番号「2」または「3」に選択される可能性を持たせたものである。大当りカウンタが例えば4〜6の場合は、第2特別図柄変動パターンテーブル番号「2」の選択率を最も高くしつつ、第2特別図柄変動パターンテーブル番号「1」または「3」に選択される可能性を持たせたものである。さらに、大当りカウンタが例えば7〜9の場合は、第2特別図柄変動パターンテーブル番号「3」の選択率を最も高くしつつ、第2特別図柄変動パターンテーブル番号「1」または「2」に選択される可能性を持たせたものである。これにより、遊技者の期待感を従来よりも長期にわたって持続させつつも射幸性を抑制することができることに加え、大当りの連荘回数が増えた場合であっても、第2特別図柄の変動時間が長くなることによって生じうる興趣の低下を抑制することが可能となる。
さらに、本実施形態では、図706に示されるように、大当りカウンタの値に応じて第2特別図柄変動パターンテーブル番号が決定されるようになっているが、必ずしもこれに限られず、例えば第2変形例として、大当りカウンタの値と可変表示カウンタの値とに応じて第2特別図柄変動パターンテーブル番号が決定されるようにしてもよい。この第2変形例について図709を参照して説明する。
図709は、第2特別図柄変動パターンテーブル番号設定テーブルの第2変形例である。
図709に示されるように、メインCPU71は、大当りカウンタすなわち大当りの連荘回数と、可変表示カウンタとに基づいて、第2特別図柄変動パターンテーブル番号を選択する。可変表示カウンタは、大当り遊技状態の終了後に特別図柄の可変表示が実行される都度カウントアップされるものであり、すなわち大当り遊技状態終了後の特別図柄の可変表示回数である。具体的には、大当りカウンタが例えば1〜3の場合、メインCPU71は、第2特別図柄変動パターンテーブル番号を、可変表示カウンタが例えば1〜50であれば「2」を選択し、可変表示カウンタが例えば51以上であれば「1」を選択する。また、大当りカウンタが例えば4〜6の場合、メインCPU71は、第2特別図柄変動パターンテーブル番号を、可変表示カウンタが例えば1〜50であれば「3」を選択し、可変表示カウンタが例えば51〜99であれば「2」を選択し、可変表示カウンタが例えば100以上であれば「1」を選択するようにしたものである。
すなわち、第2変形例では、大当り遊技状態終了後も継続して遊技が行われた場合に、大当り遊技状態が終了してから相対的に短い期間(可変表示カウンタ(特別図柄の可変表示回数)が例えば1〜50回の間)は、単位時間あたりの第2特別図柄の変動回数の期待値を抑制することによって、出玉速度がいたずらに早くなって射幸性が高められることを抑制しつつ、大当りの連荘回数が相対的に少ない場合(大当りカウンタが例えば1〜3の場合)は、単位時間あたりの第2特別図柄の変動回数の期待値の抑制度合いが緩和されるようになっている。
その一方、大当りの連荘回数が相対的に多い場合(大当りカウンタが例えば4〜6の場合)、大当り遊技状態が終了してから相対的に短い期間(特別図柄の可変表示回数が例えば1〜50回の間)は、単位時間あたりの第2特別図柄の変動回数の期待値が抑制されるものの、可変表示カウンタが多くなるにつれて、単位時間あたりの第2特別図柄の変動回数の期待値の抑制度合いが緩和されるようにしている。
このように第2変形例は、大当りの連荘回数が相対的に多く(大当りカウンタが例えば4〜6)且つ大当り遊技状態が終了してから相対的に短い期間(可変表示カウンタが例えば1〜50)では、単位時間あたりの第2特別図柄の変動回数の期待値が抑制されるようにし、大当りの連荘回数が相対的に少ないかまたは大当り遊技状態が終了してから相対的に長い期間になると、単位時間あたりの第2特別図柄の変動回数の期待値の抑制が緩和されるようにしたものである。これにより、遊技者の期待感を従来よりも長期にわたって好適に持続させつつ射幸性を抑制することが可能となる。
なお、このような第2変形例においても、大当りカウンタの値と可変表示カウンタの値とに応じて第2特別図柄変動パターンテーブル番号が一義的に決定されるものに限定されず、例えば、大当りカウンタの値と可変表示カウンタの値とに応じて選択される第2特別図柄変動パターンテーブル番号に、第1変形例のように偏りが生じるようにしてもよい。
また、上記では、大当り遊技状態に制御される都度大当りカウンタに1を加算する処理を行ったが、これに限られず、例えば一定量以上の賞球の払い出しを期待できる大当たり遊技状態に制御される場合に限り、大当りカウンタに1を加算する処理を行うようにしてもよい。例えば、少量の賞球の払い出ししか期待できない2R大当り遊技状態と、一定量以上の賞球の払い出しを期待できる10R大当たり遊技状態とが用意されている場合、2R大当り遊技状態に制御されたとしても大当りカウンタに1を加算せず、10R大当り遊技状態に制御された場合に大当りカウンタに1を加算するようにしてもよい。
また、上記では、大当りの連荘回数(大当りカウンタの値)に応じて、または、大当りカウンタの値と可変表示カウンタの値とに応じて、第2特別図柄変動パターンテーブル番号を決定するようにしたが、「大当りカウンタの値に応じて」に代えて、出玉にかかわるデータ(例えば、1回目の大当り遊技状態に制御されてから払い出された賞球数の合計や、1回目の大当り遊技状態に制御されてから払い出された賞球数と発射された遊技球数との差等)に応じて第2特別図柄変動パターンテーブル番号を決定するようにしてもよい。なお、上記の賞球数には、例えば封入式パチンコ機において払い出される賞球データ数等、賞球に相当するものの全てが含まれる。
[23.第25実施形態]
次に、第25実施形態のパチンコ遊技機について説明する。この第25実施形態のパチンコ機が有する発明を説明するにあたり、以下において、単位時間あたりの発射球数に対する賞球数の期待値が1を超えうるラッシュ状態に制御可能な第19実施形態のパチンコ遊技機に適用した場合の例について説明する。ただし、第19実施形態ですでに説明した構成および制御(処理)等についての説明は省略し、第19実施形態のパチンコ遊技機と異なる構成および制御についてのみ説明するものとする。なお、第25実施形態のパチンコ機が有する特徴的たる発明は、第19実施形態のパチンコ遊技機のみならず、単位時間あたりの発射球数に対する賞球数の期待値が1を超えうるラッシュ状態に制御可能な遊技機であれば、本明細書に記載した全てのパチンコ遊技機に単独でまたは組み合わせて適用することができる。
本実施形態のパチンコ遊技機は、ラッシュ状態において小当りの実行回数に基づいて特別図柄の変動パターンを決定する点において、第19実施形態のパチンコ遊技機と大きく異なる。なお、メインCPU等の各種部材の符号については、便宜上、第19実施形態のパチンコ遊技機を説明するに際して付した符号を用いるものとする。
なお、第24実施形態では、メインCPU71は、大当り遊技状態の終了時に大当りカウンタに1を加算する処理(S173)を実行し、時短フラグおよび確変フラグの両方とも0である場合(S159がYES判定の場合)に、大当りカウンタをリセット(S160)したが、この第25実施形態では、メインCPU20280は、小当り遊技状態の終了時に小当りカウンタに1を加算する処理を実行し、ラッシュ状態の終了時(大当り遊技状態の開始時)に小当りカウンタをリセットする。
[23−1.特別図柄の変動パターンテーブル決定処理]
図710は、メインCPU20280により実行される変動パターンテーブル決定処理の一例を示すフローチャートである。本実施形態において、メインCPU20280は、特別図柄の変動パターンを決定するにあたり、第19実施形態における変動パターンテーブル決定処理(図574〜図576参照)に代えて、図710の変動パターンテーブル決定処理を実行する。
変動パターンテーブル決定処理において、メインCPU20280は、先ず、第1特別図柄の可変表示であるか否かを判定する(S13762)。ここで、第1特別図柄の可変表示である場合(S13762がYES判定の場合)、メインCPU20280は、S13764に移る。一方、第1特別図柄の可変表示でない場合(S13762がNO判定の場合)、すなわち第2特別図柄の可変表示である場合、メインCPU20280はS13766に移る。
S13764において、メインCPU20280は、第1特別図柄変動パターンテーブルを参照し、第1特別図柄の変動パターンを決定する。この処理を実行すると、メインCPU20280は、変動パターンテーブル決定処理を終了する。
また、S13766において、メインCPU20280は、第2特別図柄変動パターンテーブル番号設定テーブルを参照し、第2特別図柄変動パターンテーブルを選択する。この処理を実行すると、メインCPU20280は、処理を、S13768に移す。
S13768において、メインCPU20280は、S13766で選択された第2特別図柄変動パターンテーブルを参照し、第2特別図柄の変動パターンを決定する。この処理を実行すると、メインCPU20280は、変動パターンテーブル決定処理を終了する。
[23−2.特別図柄の変動パターンにかかわるテーブル]
本実施形態において、第1特別図柄変動パターンテーブルは、例えば図705と同じである。また、第2特別図柄変動パターンテーブルは、例えば図707と同じである。また、図711は、第2特別図柄変動パターンテーブル番号設定テーブルの一例である。
図711に示されるように、メインCPU20280は、小当りカウンタすなわち当該ラッシュ状態において小当り遊技状態に制御された回数に基づいて、第2特別図柄の変動パターンを決定する際に参照される第2特別図柄変動パターンテーブル番号を選択する。具体的には、小当りカウンタが例えば0の場合、メインCPU20280は、第2特別図柄変動パターンテーブル番号「3」を選択する。また、小当りカウンタが例えば1〜20の場合、メインCPU20280は、第2特別図柄変動パターンテーブル番号「1」を選択する。また、小当りカウンタが例えば21〜50の場合、メインCPU20280は、第2特別図柄変動パターンテーブル番号「2」を選択する。また、小当りカウンタが例えば51〜100の場合、メインCPU20280は、第2特別図柄変動パターンテーブル番号「3」を選択する。また、小当りカウンタが例えば100以上の場合、メインCPU20280は、第2特別図柄変動パターンテーブル番号「1」を選択する。
すなわち、本実施形態では、ラッシュ状態において小当り遊技状態に制御された回数が多くなるにしたがって、単位時間あたりの第2特別図柄の変動回数の期待値が小さくなるようにしている。このようにすることで、出玉速度がいたずらに早くなって射幸性が高められることを抑制することが可能となる。また、ラッシュ状態の滞在期間を長くすることができるため、遊技者の期待感を従来よりも長期にわたって持続させることが可能となる。すなわち、遊技者の期待感を従来よりも長期にわたって持続させつつも射幸性を抑制することができ、従来にない新たなパチンコ遊技機を提供することが可能となる。
すなわち、本実施形態では、以下のニ)〜ヘ)を行うことによって、小当り遊技状態に制御される回数が多くなるにしたがって単位時間あたりの第2特別図柄の変動回数の期待値が小さくなるようにしている。
ニ)ラッシュ状態において小当り遊技状態に制御された回数が多くなるにしたがって、リーチ演出が実行されないハズレ変動の単位時間あたりの第2特別図柄の変動回数の期待値を小さくする(非リーチハズレ変動時間を長くする)こと。
ホ)ラッシュ状態において小当り遊技状態に制御された回数が多くなるにしたがって、リーチ演出が実行される場合の単位時間あたりの第2特別図柄の変動回数の期待値を小さくする(リーチハズレ変動時間を長くする)こと。
ヘ)ラッシュ状態において小当り遊技状態に制御された回数が多くなるにしたがって、リーチ演出の実行確率を高めること。
ただし、必ずしも上記のニ)〜ヘ)の全部を行う必要はなく、上記のニ)〜ヘ)のうち少なくとも1つを行うことにより、小当り遊技状態に制御される回数が多くなるにしたがって単位時間あたりの第2特別図柄の変動回数の期待値を小さくすることを実現できる。
また、本実施形態では、単位時間あたりの第1特別図柄の変動回数の期待値は、大当りの連荘回数にかかわらず同じであるのに対し、単位時間あたりの第2特別図柄の変動回数の期待値は、小当り遊技状態に制御される回数が多くなるにしたがって小さくなるようにしている。これは、ラッシュ状態では、第2始動口20043に遊技球が入賞可能(第1始動口20042への遊技球の入賞が困難または不可能)となる仕様のパチンコ遊技機だからである。
したがって、本実施形態では、ラッシュ状態において小当り遊技状態に制御された回数が多くなるにしたがって、単位時間あたりの第2特別図柄の変動回数の期待値が小さくなるようにしたが、これに限られない。例えば、第1始動口を右側領域に配置し、ラッシュ状態において、右側領域に配置された第1始動口に遊技球が入賞可能(第2始動口への遊技球の入賞が困難または不可能)となる仕様のパチンコ遊技機であれば、ラッシュ状態において小当り遊技状態に制御された回数が多くなるにしたがって、単位時間あたりの第1特別図柄の変動回数の期待値が小さくなるようにしてもよい。
また、本実施形態では、図706に示されるように、大当りカウンタの値が0である(すなわち通常遊技状態である)場合、第2特別図柄変動パターンテーブル番号は「3」に選択されるようになっているが、通常遊技状態では右打ちされない(第2始動口20043に入賞しないまたは入賞困難である)ことに鑑みると、第2特別図柄変動パターンテーブル番号がいずれに選択されるようになっていたとしても、本発明に大きな影響を与えるものではない。
また、図711に示されるように、本実施形態では、小当りカウンタの値が一定の値以上(本実施形態では101以上)になると、メインCPU20280は、第2特別図柄変動パターンテーブル番号として「1」を選択するようになっている。これにより、小当り遊技状態に制御される回数が多くなる(すなわちラッシュ状態に長期にわたって滞在する)ことにより単位時間あたりの第2特別図柄の変動回数の期待値が抑制されたとしても、ラッシュ状態において小当り遊技状態に制御された回数が一定以上(例えば101回以上)になると単位時間あたりの第2特別図柄の変動回数の期待値が高められるため、ラッシュ状態に長期に滞在されることを目標にして遊技を行うことができ、興趣の低下を抑制することができる。しかも、ラッシュ状態において小当り遊技状態に制御された回数が一定以上になると単位時間あたりの第2特別図柄の変動回数の期待値を高めたとしても、それまで(ラッシュ状態において小当り遊技状態に制御された回数が一定以上となるまで)は単位時間あたりの第2特別図柄の変動回数の期待値が抑制されていたのであるから、遊技者の期待感を従来よりも長期にわたって持続させつつも射幸性を抑制するといった作用効果を奏することに変わりないと考えられる。
また、本実施形態では、図711に示されるように、小当りカウンタの値に応じて第2特別図柄変動パターンテーブル番号が一義的に決定されるようになっているが、必ずしもこれに限られず、例えば変形例として、小当りカウンタの値に応じて、選択される第2特別図柄変動パターンテーブル番号に偏りが生じるようにしてもよい。この変形例について図712を参照して説明する。
図712は、第2特別図柄変動パターンテーブル番号設定テーブルの変形例である。
図712に示されるように、メインCPU20280は、ラッシュ状態において小当り遊技状態に制御された回数と、第2始動口入賞時に抽出された乱数(例えば図柄決定用乱数)とに基づいて、第2特別図柄変動パターンテーブル番号を選択する。具体的には、小当りカウンタが例えば1〜20の場合、メインCPU20280は、第2特別図柄変動パターンテーブル番号を、例えば80%の確率で「1」を選択し、例えば10%の確率で「2」を選択し、例えば10%の確率「3」を選択する。すなわち、小当りカウンタが例えば1〜20の場合、第2特別図柄変動パターンテーブル番号「1」の選択率を最も高くしつつ、第2特別図柄変動パターンテーブル番号「2」または「3」に選択される可能性を持たせたものである。小当りカウンタが例えば21〜50の場合は、第2特別図柄変動パターンテーブル番号「2」の選択率を最も高くしつつ、第2特別図柄変動パターンテーブル番号「1」または「3」に選択される可能性を持たせたものである。また、小当りカウンタが例えば51〜100の場合は、第2特別図柄変動パターンテーブル番号「3」の選択率を最も高くしつつ、第2特別図柄変動パターンテーブル番号「1」または「2」に選択される可能性を持たせたものである。これにより、ラッシュ状態において遊技者の期待感を従来よりも長期にわたって持続させつつも射幸性を抑制することができることに加え、ラッシュ状態において小当り遊技状態に制御された回数が増えた場合であっても、第2特別図柄の変動時間が長くなることによって生じうる興趣の低下を抑制することが可能となる。
なお、本実施形態では、図711または図712に示されるように、ラッシュ状態において小当り遊技状態に制御された回数に基づいて第2特別図柄変動パターンテーブル番号を選択するようにしたが、これに限られず、例えば、ラッシュ状態における特別図柄の可変表示回数に基づいて第2特別図柄変動パターンテーブル番号を選択するようにしてもよい。すなわち、ラッシュ状態において小当り遊技状態に制御される回数と特別図柄の可変表示回数とはほぼ比例するはずであるため、ラッシュ状態における特別図柄の可変表示回数に基づいて第2特別図柄変動パターンテーブル番号を選択するようにしてもよい趣旨である。
また、上記では、大当りの連荘回数に応じて第2特別図柄変動パターンテーブル番号を決定するようにしたが、これに代えて、出玉にかかわるデータ(例えば、1回目の大当り遊技状態に制御されてから払い出された賞球数の合計や、1回目の大当り遊技状態に制御されてから払い出された賞球数と発射された遊技球数との差の合計等)に応じて第2特別図柄変動パターンテーブル番号を決定するようにしてもよい。なお、上記の賞球数には、例えば封入式パチンコ機において払い出される賞球データ数等、賞球に相当するものの全てが含まれる。
[24.第26実施形態]
次に、第26実施形態のパチンコ遊技機について説明する。この第26実施形態のパチンコ機が有する発明を説明するにあたり、以下において、第1実施形態のパチンコ遊技機に適用した場合の例について説明する。ただし、第1実施形態ですでに説明した構成および制御(処理)等についての説明は省略し、第1実施形態のパチンコ遊技機と異なる構成および制御についてのみ説明するものとする。なお、第26実施形態のパチンコ機が有する特徴的たる発明は、第1実施形態のパチンコ遊技機のみならず、本明細書に記載した全てのパチンコ遊技機に単独でまたは組み合わせて適用することができる。
本実施形態のパチンコ遊技機は、大当りの連荘回数に基づいて大当り遊技状態におけるインターバル時間を決定する点において、第1実施形態のパチンコ遊技機と大きく異なる。なお、メインCPU等の各種部材の符号については、便宜上、第1実施形態のパチンコ遊技機を説明するに際して付した符号を用いるものとする。
[24−1.特別図柄表示時間管理処理]
図713は、メインCPU71により実行される特別図柄表示時間管理処理の一例を示すフローチャートである。図713に示される特別図柄表示時間管理処理は、特別図柄制御処理(図19参照)の実行中にサブルーチンとして呼び出される。この特別図柄表示時間管理処理において、メインCPU71は、S138の処理を実行した後、大当り開始インターバル時間を決定する処理(S138A)を実行する。
そして、メインCPU71は、S138Aで決定した大当り開始インターバル時間を、次のS139において、大当り開始インターバル時間として待ち時間をセットする。
図713に示される特別図柄表示時間管理処理は、S138Aの処理を実行し、S138Aで決定された大当り開始インターバル時間をS139において待ち時間としてセットする点において、第1実施形態において説明した特別図柄表示時間管理処理(図22参照)と異なり、その他の処理は同じである。
なお、図示は省略するが、メインCPU71は、大当り開始インターバル時間を決定する処理(S138A)を実行する他、ラウンド間インターバル時間を決定する処理、および、大当り終了インターバル時間決定処理についても実行する。
[24−2.メインCPUによるその他の処理]
また、本実施形態においてメインCPU71により実行される特別図柄表示時間管理処理は、第1実施形態においてメインCPU71により実行される特別図柄表示時間管理処理(図22参照)と異なる。具体的には、本実施形態では、特別図柄表示時間管理処理は、図704と同じ処理が実行され、大当り遊技状態の連荘回数がカウントされる。
[24−3.大当り開始インターバル時間決定テーブル]
図714は、大当り開始インターバル時間決定テーブルの一例であり、メインCPU71により大当り遊技状態に制御された場合に、大当り開始インターバル時間を決定する際に参照されるテーブルである。
図714に示されるように、メインCPU71は、大当り開始インターバル時間を、大当りカウンタすなわち大当りの連荘回数に基づいて決定する。具体的には、大当りカウンタが例えば0〜3の場合、メインCPU71は、大当り開始インターバル時間を、例えば5000msecに決定する。また、大当りカウンタが例えば4〜6の場合、メインCPU71は、大当り開始インターバル時間を、例えば30000msecに決定する。さらに、大当りカウンタが例えば7〜9の場合、メインCPU71は、大当り開始インターバル時間を、例えば60000msecに決定する。なお、大当りカウンタが例えば一定以上(例えば10以上)の場合、メインCPU71は、大当り開始インターバル時間を、例えば5000msecに決定する。
[24−4.ラウンド間インターバル時間決定テーブル]
図715は、ラウンド間インターバル時間決定テーブルの一例であり、メインCPU71により大当り遊技状態に制御された場合に、ラウンド遊技とラウンド遊技との間のラウンド間インターバル時間を決定する際に参照されるテーブルである。
図715に示されるように、メインCPU71は、ラウンド間インターバル時間を、大当りカウンタすなわち大当りの連荘回数に基づいて決定する。具体的には、大当りカウンタが例えば0〜3の場合、メインCPU71は、ラウンド間インターバル時間を、例えば5000msecに決定する。また、大当りカウンタが例えば4〜6の場合、メインCPU71は、ラウンド間インターバル時間を、例えば15000msecに決定する。さらに、大当りカウンタが例えば7〜9の場合、メインCPU71は、ラウンド間インターバル時間を、例えば30000msecに決定する。なお、大当りカウンタが例えば一定以上(例えば10以上)の場合、メインCPU71は、大当り開始インターバル時間を、例えば5000msecに決定する。
[24−5.大当り終了インターバル時間決定テーブル]
図716は、大当り終了インターバル時間決定テーブルの一例であり、メインCPU71により大当り遊技状態に制御された場合に、大当り終了インターバル時間を決定する際に参照されるテーブルである。
図716に示されるように、メインCPU71は、大当り終了インターバル時間を、大当りカウンタすなわち大当りの連荘回数に基づいて決定する。具体的には、大当りカウンタが例えば0〜3の場合、メインCPU71は、大当り終了インターバル時間を、例えば15000msecに決定する。また、大当りカウンタが例えば4〜6の場合、メインCPU71は、大当り終了インターバル時間を、例えば30000msecに決定する。さらに、大当りカウンタが例えば7〜9の場合、メインCPU71は、大当り終了インターバル時間を、例えば50000msecに決定する。なお、大当りカウンタが例えば一定以上(例えば10以上)の場合、メインCPU71は、大当り終了インターバル時間を、例えば15000msecに決定する。
[24−5.作用効果、拡張例等]
このように、第26実施形態のパチンコ遊技機では、大当りの連荘回数が多くなるにしたがって、大当り開始インターバル時間、ラウンド間インターバル時間および大当り終了インターバル時間が長くなるようにしている。このようにすることで、出玉速度がいたずらに早くなって射幸性が高められることを抑制することが可能となる。また、大当り遊技状態に制御される期間を長くすることができるため、遊技者の期待感を従来よりも長期にわたって持続させることが可能となる。すなわち、遊技者の期待感を従来よりも長期にわたって持続させつつも射幸性を抑制するといった互いにトレードオフの関係にある両者を成立させることができ、従来にない新たなパチンコ遊技機を提供することが可能となる。
また、図714〜図716に示されるように、本実施形態では、大当りカウンタの値が一定の値以上(本実施形態では10以上)になると、メインCPU71は、大当り開始インターバル時間、ラウンド間インターバル時間および大当り終了インターバル時間を、それぞれ、相対的に短い時間に決定している。具体的には、大当り開始インターバル時間が例えば5000msecに決定され、ラウンド間インターバル時間が例えば5000msedに決定され、大当り終了インターバル時間が例えば15000msecに決定されるようにしている。これにより、大当りが連荘した場合に各インターバルが相対的に長時間にわたって実行されたとしても、大当りの連荘回数が一定以上(例えば10連荘以上)になると各インターバルが相対的に短時間だけ実行されるようになるため、一定以上の連荘を目標にして遊技を行うことができ、興趣の低下を抑制することができる。しかも、大当りの連荘回数が一定以上になると各インターバル時間を短くしても、それまで(大当りの連荘回数が一定以上となるまで)は各インターバル時間が相対的に長時間にわたって実行されていたのであるから、射幸性を抑制するといった作用効果を奏することに変わりないと考えられる。
なお、本実施形態では、大当りの連荘回数が多くなるにしたがって、大当り開始インターバル時間、ラウンド間インターバル時間および大当り終了インターバル時間が長くなるようにしているが、必ずしもこれに限られず、これらのインターバル時間のうち、いずれか1つまたは2つのみを、大当りの連荘回数が多くなるにしたがって長くなるようにしてもよい。例えば、ラウンド間インターバル時間および大当り終了インターバル時間については、大当りの連荘回数にかかわらず決定される一方、大当り開始インターバル時間については、大当りの連荘回数が多くなるにしたがって長時間となるように決定されるようにしてもよい。このように、大当り開始インターバル時間、ラウンド間インターバル時間および大当り終了インターバル時間のうち、いずれか1つまたは2つのみを、大当りの連荘回数が多くなるにしたがって長くなるようにしたとしても、遊技者の期待感を従来よりも長期にわたって持続させつつも射幸性を抑制するといった本発明の作用効果を奏することができる。
また、本実施形態では、図714〜図716に示されるように、大当りカウンタの値に応じて各インターバル時間が一義的に決定されるようになっているが、必ずしもこれに限られず、例えば、大当りカウンタの値に応じて、選択される各インターバル時間に、第24実施形態の第1変形例(例えば、図708参照)のように偏りが生じるようにしてもよい。
なお、上記では、大当りの連荘回数に応じて、インターバル時間(大当り開始インターバル時間、ラウンド間インターバル時間、大当り終了インターバル時間)を決定するようにしたが、これに代えて、出玉にかかわるデータ(例えば、1回目の大当り遊技状態に制御されてから払い出された賞球数の合計や、1回目の大当り遊技状態に制御されてから払い出された賞球数と発射された遊技球数との差の合計等)に応じてインターバル時間を決定するようにしてもよい。
また、第26実施形態では、メインCPU71は、大当りの連荘回数に基づいて大当り遊技状態におけるインターバル時間を決定したが、これに代えてまたは加えて、ラッシュ状態において小当り遊技状態に制御された回数に基づいて、小当り遊技状態におけるインターバル時間を決定するようにしてもよい。
なお、ラッシュ状態において所定確率のもと小当り遊技状態に制御されることから、ラッシュ状態における小当り遊技状態に制御される回数は、ラッシュ状態における特別図柄の可変表示回数とほぼ比例する。そのため、ラッシュ状態において特別図柄の可変表示回数に基づいて、小当り遊技状態におけるインターバル時間を決定するようにしてもよいが、以下では、ラッシュ状態において小当り遊技状態に制御された回数に基づいて、小当り遊技状態におけるインターバル時間を決定する例について説明する。
メインCPU71は、ラッシュ状態において、ラッシュ状態の開始時から小当り遊技状態に制御される都度、小当り遊技状態の終了時に小当りカウンタに1を加算する処理を実行し、ラッシュ状態の終了時(大当り遊技状態の開始時)に小当りカウンタをリセットする。そして、メインCPU71は、図717(A)〜(C)を参照し、小当りカウンタの値に基づいて、小当り開始インターバル時間、アタッカー開放間インターバル時間および小当り終了インターバル時間のそれぞれを、決定する。
なお、図717(A)は、小当り開始インターバル時間決定テーブルの一例であり、ラッシュ状態において小当り遊技状態に制御された場合に、小当り開始インターバル時間を決定する際に参照されるテーブルである。
また、図717(B)は、小当り開始インターバル時間決定テーブルの一例であり、ラッシュ状態において小当り遊技状態に制御された場合に、1回目の小当り入賞口の開放と2回目の小当り入賞口の開放との間のアタッカー開放間インターバル時間を決定する際に参照されるテーブルである。
また、図717(C)は、小当り終了インターバル時間決定テーブルの一例であり、ラッシュ状態において小当り遊技状態に制御された場合に、小当り終了インターバル時間を決定する際に参照されるテーブルである。
図717(A)〜(C)を参照すると分かるように、メインCPU71は、小当りカウンタが相対的に少ない例えば0〜20では、小当り開始インターバル時間を例えば500msecにセットし、アタッカー開放間インターバル時間を例えば500msecにセットし、小当り終了インターバル時間を例えば500msecにセットする。
また、メインCPU71は、小当りカウンタが例えば21〜50では、小当り開始インターバル時間を例えば1000msecにセットし、アタッカー開放間インターバル時間を例えば1500msecにセットし、小当り終了インターバル時間を例えば1000msecにセットする。
また、メインCPU71は、小当りカウンタが例えば51〜100では、小当り開始インターバル時間を例えば2000msecにセットし、アタッカー開放間インターバル時間を例えば3000msecにセットし、小当り終了インターバル時間を例えば2000msecにセットする。
このように、ラッシュ状態において小当り遊技状態に制御される回数が多くなるにしたがって、小当り開始インターバル時間、アタッカー開放間インターバル時間および小当り終了インターバル時間が長くなるようにしている。このようにすることで、出玉速度がいたずらに早くなって射幸性が高められることを抑制することが可能となる。
また、図717に示されるように、本実施形態では、小当りカウンタの値が一定の値以上(本実施形態では101以上)になると、メインCPU71は、小当り開始インターバル時間、アタッカー開放間インターバル時間および小当り終了インターバル時間を、それぞれ、相対的に短い時間に決定している。具体的には、小当り開始インターバル時間、アタッカー開放間インターバル時間および小当り終了インターバル時間のいずれも500msecに決定されるようにしている。これにより、ラッシュ状態において小当り遊技状態に制御された回数が多くなることによって各インターバルが相対的に長時間にわたって実行されたとしても、小当り遊技状態に制御される回数が一定以上(例えば101回以上)になると各インターバルが相対的に短時間だけ実行されるようになるため、ラッシュ状態の継続を目標にして遊技を行うことができ、興趣の低下を抑制することができる。しかも、ラッシュ状態において制御された小当り遊技状態の回数が一定以上になったときに各インターバル時間を短くしても、それまでは各インターバル時間が相対的に長時間にわたって実行されていたのであるから、射幸性を抑制するといった作用効果を奏することに変わりないと考えられる。
なお、本実施形態では、ラッシュ状態において制御された小当り遊技状態の回数が多くなるにしたがって、小当り開始インターバル時間、アタッカー開放間インターバル時間および小当り終了インターバル時間が長くなるようにしているが、必ずしもこれに限られず、これらのインターバル時間のうち、いずれか1つまたは2つのみを、ラッシュ状態において制御された小当り遊技状態の回数が多くなるにしたがって長くなるようにしてもよい。
また、本実施形態では、図717(A)〜(C)に示されるように、小当りカウンタの値に応じて各インターバル時間が一義的に決定されるようになっているが、必ずしもこれに限られず、例えば、小当りカウンタの値に応じて、選択される各インターバル時間に、第24実施形態の第1変形例(例えば、図708参照)のように偏りが生じるようにしてもよい。
なお、上記では、ラッシュ状態において制御された小当り遊技状態の回数やラッシュ状態における特別図柄の可変表示回数に応じて、インターバル時間(小当り開始インターバル時間、アタッカー開放間インターバル時間、小当り終了インターバル時間)を決定するようにしたが、これに代えて、ラッシュ状態において出玉にかかわるデータ(例えば、ラッシュ状態に制御されてから払い出された賞球数の合計や、ラッシュ状態に制御されてから払い出された賞球数と発射された遊技球数との差等)に応じてインターバル時間を決定するようにしてもよい。
[25.第27実施形態]
次に、第27実施形態のパチンコ遊技機について説明する。この第27実施形態のパチンコ機が有する発明を説明するにあたり、以下において、第14実施形態のパチンコ遊技機に適用した場合の例について説明する。ただし、第14実施形態ですでに説明した構成および制御(処理)等についての説明は省略し、第14実施形態のパチンコ遊技機と異なる構成および制御についてのみ説明するものとする。なお、第27実施形態のパチンコ機が有する特徴的たる発明は、第14実施形態のパチンコ遊技機のみならず、本明細書に記載した全てのパチンコ遊技機に単独でまたは組み合わせて適用することができる。
本実施形態のパチンコ遊技機では、複数種類のハズレが用意されており、特別図柄抽選の結果がハズレであったとしても特定のハズレである場合、時短フラグがオンにセットされる点において、第14実施形態のパチンコ遊技機と大きく異なる。なお、メインCPU等の各種部材の符号については、便宜上、第14実施形態のパチンコ遊技機を説明するに際して付した符号を用いるものとする。
なお、この明細書において、特別図柄の可変表示が実行されて特別図柄抽選の結果が導出されてから次の特別図柄の可変表示が開始されるまでの間に遊技者に付与される利益がない抽選結果をハズレと定義する。例えば、特別図柄抽選の結果として大当りが導出された場合、次の特別図柄の可変表示が開始されるまでの間に大当り遊技状態に制御されるという利益が遊技者に付与される。また、例えば特別図柄抽選の結果として小当りが導出された場合、次の特別図柄の可変表示が開始されるまでの間に小当り遊技状態に制御されるという利益が遊技者に付与される。これに対し、特別図柄抽選の結果がハズレである場合、次の特別図柄の可変表示が開始されるまでの間に、遊技者にとって利益となるものは付与されない。
本実施形態のパチンコ遊技機では、メインCPU7101により制御される遊技状態として、確変フラグオフ且つ時短フラグオフの通常遊技状態、確変フラグオン且つ時短フラグオンの高確時短状態、確変フラグオフ且つ時短フラグオンの低確時短状態、確変フラグオン且つ時短フラグオフの高確非時短状態が用意されている。メインCPU7101は、これらの遊技状態のうちいずれかの遊技状態に制御可能であるが、例えば低確時短状態に制御することは必須ではなく、また、これらとは異なる別の遊技状態に制御できる仕様であってもよい。
なお、高確非時短状態では、第14実施形態のパチンコ機と同様、単位時間あたりの発射球数に対する賞球数の期待値が1を超えうる所謂小当りラッシュ状態となる。ただし、単位時間あたりの発射球数に対する賞球数の期待値が1を超えうる小当りラッシュ状態は、上述したとおり、必ずしも「高確非時短状態」でしか実現できないわけではなく、電サポ状態ではない「高確時短状態」において実現するようにしてもよい。
[25−1.特別図柄抽選確率]
図718は、メインCPU7101により実行される特別図柄当り判定処理(図329のS11475参照)において用いられる特別図柄当り乱数判定テーブルの一例である。図718に示される特別図柄当り乱数判定テーブルは、特別図柄抽選における大当りおよび小当りの確率を設定毎に示すテーブル(図359参照)に代えて用いられる。なお、図718の特別図柄当り乱数判定テーブルでは、図359に示されるテーブルのように設定値毎の選択率(概算)が示されていないが、設定値毎に選択率(概算)が異なるようにしてもよいことは言うまでもない。
図718に示されるように、第1特別図柄抽選では大当り判定が行われ、大当りでない場合はハズレであると判定される。第1特別図柄抽選の大当り確率(大当り判定値データの選択率)は、確変フラグオフの遊技状態(例えば、通常遊技状態、低確時短状態)では概ね319分の1であり、確変フラグオンの遊技状態(例えば、高確時短状態、高確非時短状態)では概ね112分の1である。
また、第2特別図柄抽選では大当り判定および小当り判定が行われ、大当りおよび小当りのいずれでもなければハズレであると判定される。第2特別図柄抽選の大当り確率(大当り判定値データの選択率)は、第1特別図柄抽選と同様、確変フラグオフの遊技状態(例えば、通常遊技状態、低確時短状態)では概ね319分の1であり、確変フラグオンの遊技状態(例えば、高確時短状態、高確非時短状態)では概ね112分の1である。また、第2特別図柄抽選の小当り確率(小当り判定値データの選択率)は、確変フラグがオンであるかオフであるかにかかわらず概ね3分の1である。
なお、第1特別図柄抽選において小当り判定を行わないことは必須ではなく、例えば、小当り確率を0に設定した上で小当り判定を行うようにしてもよい。また、第1特別図柄抽選において小当りに当選しないようにすることも必須ではなく、第2特別図柄抽選において小当りに当選する確率よりも極めて低い確率(例えば250分の1)で、第1特別図柄抽選において小当りに当選するようにしてもよい。
[25−2.特別図柄抽選テーブル]
図719は、メインCPU7101により実行される特別図柄当り判定処理(図329のS11475参照)において用いられる特別図柄判定テーブルの一例である。図719に示される特別図柄判定テーブルは、特別図柄抽選テーブル(図360参照)に代えて用いられる。なお、図719の特別図柄定テーブルでは、図360に示されるテーブルとは異なり、複数種類のハズレ種類が用意されており、判定値データがハズレ判定値データである場合、例えば図柄乱数値に基づいてハズレ時選択図柄コマンドが決定されるようになっている。
図719に示すように、特別図柄判定テーブル(第1特別図柄、第2特別図柄)は、第1始動口7420あるいは第2始動口7440に遊技球が入賞した際に取得される図柄乱数値と先述の判定値データとに基づいて、「当り時選択図柄コマンド」または「ハズレ時選択図柄コマンド」と、「図柄指定コマンド」とを決定するために参照されるテーブルである。例えば、第2始動口7440に遊技球が入賞し、判定値データが「ハズレ判定値データ」であって図柄乱数値が「1」である場合には、ハズレ時選択図柄コマンドが「hz4」、「図柄指定コマンド」が「zA10」に決定される。「ハズレ時選択図柄コマンド」はハズレ図柄を指定するためのコマンドであり、ハズレ種類はこの「ハズレ時選択図柄コマンド」に応じて定められる。また、「図柄指定コマンド」は、特別図柄の変動停止時に表示される図柄を指定するためのコマンドである。図柄乱数値は、例えば0〜99の中から抽出される。
[25−3.大当り種類決定テーブル、ハズレ種類決定テーブル]
図720(A)は、本実施形態に係るパチンコ遊技機の大当り種類決定テーブルの一例であるが、このテーブルは、第14実施形態に係るパチンコ遊技機の大当り種類決定テーブルと同じであるため、説明を省略する。
図720(B)は、本実施形態に係るパチンコ遊技機のハズレ種類決定テーブルの一例である。第14実施形態では、第1特別図柄および第2特別図柄それぞれのハズレ種類が1種類であったのに対し、本実施形態では第1特別図柄および第2特別図柄ともハズレ種類が複数種類(例えば、第1特別図柄のハズレ種類が3種類、第2特別図柄のハズレ種類が4種類)となっている。そして、図720(B)に示されるように、遊技状態およびハズレ種類(ハズレ時選択図柄コマンド)に応じて時短フラグがオンにセットされうるようになっている。
なお、図720(A)では、時短フラグがONにセットされず且つ時短回数もセットされない場合(例えば、当り時選択図柄コマンドが「z0」の場合)、時短回数の欄に「0」を示している。一方、図720(B)では、時短フラグがONにセットされず且つ時短回数もセットされない場合(例えば、後述するハズレ時選択図柄コマンドが「hz2」の場合)、時短回数の欄に「−」を示している。これは、図720(A)では、時短回数を「0」にセットしてもよいし、時短回数をセットしなくてもよいのに対し、図720(B)では、時短回数を「0」にセットすることはなく、時短回数をセットしないためである。これは、時短フラグONの遊技状態(例えば、低確時短遊技状態、高確時短遊技状態)において、特別図柄抽選の結果が時短フラグをONにセットしないハズレ(例えば、後述するハズレ時選択図柄コマンドが「hz2」)であった場合に時短回数として「0」をセットしてしまうと、作動中の時短遊技状態における現時点での時短残回数が「0」にリセットされてしまうからである。
例えば、低確非時短状態(通常遊技状態)において、第1特別図柄抽選の結果がハズレであって且つハズレ時選択図柄コマンドが「hz0」であるとき、メインCPU7101は、当該第1特別図柄の可変表示が終了すると時短フラグをオンにセットし、時短回数として「1」をセットする。すなわち、メインCPU7101は、次の特別図柄の可変表示の1ゲームに限り時短状態に制御し、この時短状態が終了すると時短フラグをオフにセットし、低確非時短状態に制御する。ただし、次の特別図柄の可変表示において大当りが導出されると、メインCPU7101は、低確非時短状態ではなく大当り遊技状態に制御し、大当り遊技状態終了後は、図720(A)に示されるように、大当りの種類に応じた遊技状態に制御する。
また、例えば、低確非時短状態(通常遊技状態)において、第1特別図柄抽選の結果がハズレであって且つハズレ時選択図柄コマンドが「hz1」であるとき、メインCPU7101は、当該第1特別図柄の可変表示が終了すると時短フラグをオンにセットし、時短回数として「30」をセットする。すなわち、メインCPU7101は、次の特別図柄の可変表示から30ゲームにわたって時短状態に制御し、この時短状態が終了すると時短フラグをオフにセットし、低確非時短状態に制御する。ただし、30ゲームの時短状態において大当りが導出されると、メインCPU7101は、大当り遊技状態に制御し、大当り遊技状態終了後は、図720(A)に示されるように、大当りの種類に応じた遊技状態に制御する。
なお、例えば、低確非時短状態(通常遊技状態)において、第1特別図柄抽選の結果がハズレであって且つハズレ時選択図柄コマンドが「hz2」であるとき、メインCPU7101は、時短フラグをオンにセットしない。
また、例えば、低確非時短状態(通常遊技状態)以外のその他の遊技状態(高確時短状態、低確時短状態、高確非時短状態)において、第2特別図柄抽選の結果がハズレであって且つハズレ時選択図柄コマンドが「hz3」であるとき、メインCPU7101は、当該第2特別図柄の可変表示が終了すると時短フラグオンにセットし(高確時短状態または低確時短状態であれば時短フラグを引き続きオンにし)、時短回数として「1」をセットする。すなわち、メインCPU7101は、次の特別図柄の可変表示の1ゲームに限り時短状態に制御し、この時短状態が終了すると時短フラグをオフにセットし、高確非時短状態に制御する。したがって、例えば高確時短状態において、第2特別図柄抽選の結果がハズレであって且つハズレ時選択図柄コマンドが「hz3」であるとき、時短状態が終了すると小当りラッシュ状態に制御されることとなる。ただし、次の特別図柄の可変表示において大当りが導出されると、メインCPU7101は、高確非時短状態ではなく大当り遊技状態に制御し、大当り遊技状態終了後は、図720(A)に示されるように、大当りの種類に応じた遊技状態に制御する。また、1ゲームの時短状態において、第2特別図柄抽選の結果がハズレであって且つハズレ時選択図柄コマンドが「hz3」〜「hz5」のうちのいずれかである場合、再び時短回数が新たにセットされることとなる。
また、例えば、低確非時短状態(通常遊技状態)以外のその他の遊技状態(高確時短状態、低確時短状態、高確非時短状態)において、第2特別図柄抽選の結果がハズレであって且つハズレ時選択図柄コマンドが「hz4」であるとき、メインCPU7101は、当該第2特別図柄の可変表示が終了すると時短フラグをオンにセットし(高確時短状態または低確時短状態であれば時短フラグを引き続きオンにし)、時短回数として「30」をセットする。すなわち、メインCPU7101は、次の特別図柄の可変表示から30ゲームにわたって時短状態(高確時短状態または低確時短状態)に制御し、この時短状態が終了すると時短フラグをオフにセットし、高確非時短状態または低確非時短状態(通常遊技状態)に制御する。ただし、30ゲームの時短状態において大当りが導出されると、メインCPU7101は、大当り遊技状態に制御し、大当り遊技状態終了後は、図720(A)に示されるように、大当りの種類に応じた遊技状態に制御する。また、30ゲームの時短状態において、第2特別図柄抽選の結果がハズレであって且つハズレ時選択図柄コマンドが「hz3」〜「hz5」のうちのいずれかである場合、再び時短回数が新たにセットされることとなる。
また、例えば、低確非時短状態(通常遊技状態)以外のその他の遊技状態(高確時短状態、低確時短状態、高確非時短状態)において、第2特別図柄抽選の結果がハズレであって且つハズレ時選択図柄コマンドが「hz5」であるとき、メインCPU7101は、当該第2特別図柄の可変表示が終了すると時短フラグをオンにセットし(高確時短状態または低確時短状態であれば時短フラグを引き続きオンにし)、時短回数として「150」をセットする。すなわち、メインCPU7101は、次の特別図柄の可変表示から150ゲームにわたって時短状態(高確時短状態または低確時短状態)に制御し、この時短状態が終了すると時短フラグをオフにセットし、高確非時短状態または低確非時短状態(通常遊技状態)に制御する。したがって、例えば高確非時短状態において、第2特別図柄抽選の結果がハズレであって且つハズレ時選択図柄コマンドが「hz5」であるとき、150回の時短状態が終了するまで小当りラッシュ状態が復活しない可能性が生じることとなる。ただし、150ゲームの時短状態において大当りが導出されると、メインCPU7101は、大当り遊技状態に制御し、大当り遊技状態終了後は、図720(A)に示されるように、大当りの種類に応じた遊技状態に制御する。また、150ゲームの時短状態において、第2特別図柄抽選の結果がハズレであって且つハズレ時選択図柄コマンドが「hz3」〜「hz5」のうちのいずれかである場合、再び時短回数が新たにセットされることとなる。
なお、例えば、低確非時短状態(通常遊技状態)以外のその他の遊技状態(高確時短状態、低確時短状態、高確非時短状態)において、第2特別図柄抽選の結果がハズレであって且つハズレ時選択図柄コマンドが「hz6」であるとき、メインCPU7101は、時短フラグをオンにセットしない。
さらに、低確非時短状態(通常遊技状態)において、第1特別図柄抽選の結果がハズレである場合、サブCPUの機能を有するホスト制御回路7212は、ハズレ時選択図柄コマンドが「hz0」、「hz1」および「hz2」のうちのいずれであったとしても、ハズレ種類を把握できないまたは把握し難い演出(液晶表示装置7016における表示演出、スピーカ7024からの音演出)を実行するようにしてもよい。
同様に、高確時短状態、低確時短状態または高確非時短状態において、第2特別図柄抽選の結果がハズレである場合、サブCPUの機能を有するホスト制御回路7212は、ハズレ時選択図柄コマンドが「hz3」、「hz4」、「hz5」および「hz6」のうちのいずれであったとしても、ハズレ種類を把握できないまたは把握し難い演出(液晶表示装置7016における表示演出、スピーカ7024からの音演出)を実行するようにしてもよい。
ハズレ種類を把握できないまたは把握し難い演出としては、例えば、時短が付与されるか否かのみならず時短が付与される場合には付与される時短回数についても把握できないまたは把握し難い演出、時短が付与されることは把握できるものの付与される時短回数を把握できないまたは把握し難い演出、時短が付与されるにもかかわらず時短が付与されない可能性があることを示す演出、時短が付与されないにもかかわらず時短が付与される可能性があることを示す演出、付与される時短回数が1回であるにもかかわらず30回の時短回数が付与される可能性があることを示す演出、付与される時短回数が30回であるにもかかわらず1回の時短回数が付与される可能性があることを示す演出等が相当する。
[25−4.遊技の流れ]
本実施形態のパチンコ遊技機では、低確非時短(通常遊技状態)では所謂左打ちで遊技が行われ、その他の遊技状態(高確時短状態、低確非時短状態、高確非時短状態)では所謂右打ちで遊技が行われる。すなわち、通常遊技状態では、第1始動口7420への遊技球の入賞に基づく第1特別図柄抽選が主として行われ、その他の遊技状態では、第2始動口7440への遊技球の入賞に基づく第2特別図柄抽選が主として行われる。
(通常遊技状態における遊技の流れ)
先ず、低確非時短(通常遊技状態)において、第1特別図柄抽選の結果がハズレである場合、例えば100分の98と高い確率で時短は付与されないが、例えば100分の1の確率で次ゲームの1ゲームに限り時短状態に制御され、例えば100分の1の確率で次ゲームから30ゲームにわたって時短状態に制御される。そのため、何らの利益も付与されない遊技が淡々と長期間にわたって続くことを抑制することができ、興趣の低下を抑制することが可能となる。
また、低確非時短(通常遊技状態)において、第1特別図柄抽選の結果がハズレであって、ハズレ時選択図柄コマンドが「hz0」または「hz1」である場合、ホスト制御回路7212は、例えば、付与される時短回数を把握できないかまたは把握困難な態様で、時短が付与される可能性があることを示す演出を実行する。通常遊技状態では、ただ単にゲームをこなすだけのつまらない遊技となる傾向にあるため、時短が付与される可能性があることを示す演出を実行することにより、通常遊技状態における興趣の低下を抑制することが可能となる。しかも、本実施形態では、第1特別図柄抽選の結果がハズレである場合、「hz0」および「hz1」の合成確率は例えば50分の1であるから、長期間にわたる興趣の低下を抑制することが可能となる。
なお、低確非時短(通常遊技状態)において、ホスト制御回路7212は、ハズレ時選択図柄コマンドが「hz2」の場合であっても、時短が付与される可能性があることを示す演出を所定の確率で行ってもよい。
(高確時短状態における遊技の流れ)
次に、高確時短状態における遊技の流れを説明する。高確時短状態において、第2特別図柄抽選の結果がハズレであって、ハズレ時選択図柄コマンドが「hz3」の場合、次ゲームの1ゲームが終了すると、高確非時短状態すなわち小当りラッシュ状態に制御される。
また、高確時短状態において、第2特別図柄抽選の結果がハズレであって、ハズレ時選択図柄コマンドが「hz4」の場合、次ゲームから30ゲームにわたって高確時短状態が継続し、30ゲームが終了すると、高確非時短状態すなわち小当りラッシュ状態に制御される。なお、高確時短状態における第2特別図柄抽選の大当り確率が概ね112分の1(図718参照)であることに鑑みると、30回の高確時短状態中に大当りが導出される可能性があるため、大当り遊技状態が先か小当りラッシュ状態が先かといった期待感とドキドキ感とが交錯するなかで遊技が進行することとなり、興趣を高めることが可能となる。ただし、30ゲームにわたって継続する高確時短状態中において、第2特別図柄抽選結果がハズレであって、ハズレ時選択図柄コマンドが「hz3」〜「hz5」のいずれかである場合、それに応じた時短が付与される。
また、高確時短状態において、第2特別図柄抽選の結果がハズレであって、ハズレ時選択図柄コマンドが「hz5」の場合、次ゲームから150ゲームにわたって高確時短状態が継続し、150ゲームが終了すると、高確非時短状態すなわち小当りラッシュ状態に制御される。ただし、高確時短状態における第2特別図柄抽選の大当り確率が概ね112分の1(図718参照)であることに鑑みると、この高確時短状態が終了して小当りラッシュ状態に制御されることの期待度は相対的に低くなる。ただし、150ゲームにわたって継続する高確時短状態中において、第2特別図柄抽選結果がハズレであって、ハズレ時選択図柄コマンドが「hz3」〜「hz5」のいずれかである場合、それに応じた時短が付与される。
なお、高確時短状態において、第2特別図柄抽選の結果がハズレであって、ハズレ時選択図柄コマンドが「hz3」〜「hz5」のいずれかである場合、ホスト制御回路7212は、例えば、付与される時短回数を把握できないかまたは把握困難な態様で、時短が付与される可能性があることを示す演出を実行する。ハズレ時選択図柄コマンドが「hz3」である場合、1ゲームだけ高確時短状態に制御され、その後は小当りラッシュ状態に制御されるため、付与される時短回数が1回であるか否かは、遊技者にとって大きな関心事であり、このような演出を実行することにより、興趣を高めることが可能となる。
また、上記では、高確時短状態において、第2特別図柄抽選の結果がハズレであって、ハズレ時選択図柄コマンドが「hz3」〜「hz5」のいずれかである場合、ホスト制御回路7212は、例えば、付与される時短回数を把握できないかまたは把握困難な態様で、時短が付与される可能性があることを示す演出を実行するようにしたが、これに代えて、ハズレ時選択図柄コマンドが「hz4」または「hz5」である場合に、例えば、付与される時短回数を把握できないかまたは把握困難な態様で、時短が付与される可能性があることを示す演出を実行するようにしてもよい。そして、ハズレ時選択図柄コマンドが「hz3」である場合には、高確時短状態よりも遊技者にとって有利度合いの高い小当りラッシュに制御されることを把握可能な演出(例えば祝福演出)を実行するようにしてもよい。ハズレ時選択図柄コマンドが「hz3」である場合、最小単位である1回の時短回数が付与されるだけでそれ以外には新たに遊技者に付与される利益が何らないものの、結果的に小当りラッシュ状態に制御されることとなり、興趣を高めることが可能となる。
また、高確時短状態において、第2特別図柄抽選の結果がハズレであって、ハズレ時選択図柄コマンドが「hz4」または「hz5」である場合、ホスト制御回路7212は、付与される時短回数が30回であるのか150回であるのかを、例えば、30ゲームの時短遊技状態が終了するまで把握できないまたは把握し難い演出を実行するようにしてもよい。
なお、高確時短状態において、ホスト制御回路7212は、ハズレ時選択図柄コマンドが「hz6」の場合であっても、時短が付与される可能性があることを示す演出を所定の確率で行ってもよい。
(低確時短状態における遊技の流れ)
次に、低確時短状態における遊技の流れを説明する。低確時短状態において、第2特別図柄抽選の結果がハズレであって、ハズレ時選択図柄コマンドが「hz3」の場合、次ゲームの1ゲームが終了すると、低確非時短状態すなわち通常遊技状態に制御される。
また、低確時短状態において、第2特別図柄抽選の結果がハズレであって、ハズレ時選択図柄コマンドが「hz4」の場合、次ゲームから30ゲームにわたって低確時短状態が継続し、30ゲームが終了すると、低確非時短状態すなわち通常遊技状態に制御される。したがって、第2特別図柄の可変表示が実行されてハズレ時選択図柄コマンド「hz4」のハズレが導出された時点で、残りの時短回数が30回未満である場合であれば遊技者にメリットとなり、残りの時短回数が30回より多い場合であれば遊技者にデメリットとなる。なお、30ゲームにわたって継続する低確時短状態中において、第2特別図柄抽選結果がハズレであって、ハズレ時選択図柄コマンドが「hz3」〜「hz5」のいずれかである場合、それに応じた時短が付与される。
また、低確時短状態において、第2特別図柄抽選の結果がハズレであって、ハズレ時選択図柄コマンドが「hz5」の場合、次ゲームから150ゲームにわたって低確時短状態が継続し、150ゲームが終了すると、低確非時短状態すなわち通常遊技状態に制御される。ここで、大当り遊技状態終了後に低確時短状態に移行する場合、図720(A)に示されるように時短回数は多くても100回であるから、大当り遊技状態終了後の低確時短状態において、第2特別図柄の可変表示が実行されてハズレ時選択図柄コマンド「hz5」のハズレが導出された場合、時短回数が増加するため遊技者にとってメリットとなる。
なお、低確時短状態において、第2特別図柄抽選の結果がハズレであって、ハズレ時選択図柄コマンドが「hz3」〜「hz5」のいずれかである場合、ホスト制御回路7212は、例えば、付与される時短回数を把握できないかまたは把握困難な態様で、時短が付与され直される可能性があることを示す演出を実行する。ハズレ時選択図柄コマンドが「hz3」である場合には1ゲームだけ低確時短状態に制御された後に通常遊技状態に制御されてしまう一方、ハズレ時選択図柄コマンドが「hz5」である場合には新たに150ゲームの低確時短状態に制御されるため、上記の演出を実行することで興趣を高めることが可能となる。
また、上記では、低確時短状態において、第2特別図柄抽選の結果がハズレであって、ハズレ時選択図柄コマンドが「hz3」〜「hz5」のいずれかである場合、ホスト制御回路7212は、例えば、付与される時短回数を把握できないかまたは把握困難な態様で、時短が付与される可能性があることを示す演出を実行するようにしたが、これに代えて、ハズレ時選択図柄コマンドが「hz5」である場合には、例えば150ゲームの時短回数が付与されることを把握可能な演出(例えば祝福演出)を実行することで、興趣を高めるようにしてもよい。
また、低確時短状態において、第2特別図柄抽選の結果がハズレであって、ハズレ時選択図柄コマンドが「hz4」または「hz5」である場合、ホスト制御回路7212は、付与される時短回数が30回であるのか150回であるのかを、例えば、30ゲームの時短遊技状態が終了するまで把握できないまたは把握し難い演出を実行するようにしてもよい。
なお、低確時短状態において、ホスト制御回路7212は、ハズレ時選択図柄コマンドが「hz6」の場合であっても、時短が付与される可能性があることを示す演出を所定の確率で行ってもよい。
(高確非時短状態における遊技の流れ)
次に、高確非時短状態すなわち小当りラッシュ状態における遊技の流れを説明する。小当りラッシュ状態において、第2特別図柄抽選の結果がハズレであって、ハズレ時選択図柄コマンドが「hz3」の場合、次ゲームの1ゲームだけ高確時短遊技状態に制御されるものの、その後、小当りラッシュ状態が復活する。
また、小当りラッシュ状態において、第2特別図柄抽選の結果がハズレであって、ハズレ時選択図柄コマンドが「hz4」の場合、次ゲームから30ゲームにわたって高確時短状態が継続し、30ゲームが終了すると、小当りラッシュ状態が復活する。なお、高確時短状態における第2特別図柄抽選の大当り確率が概ね112分の1(図718参照)であることに鑑みると、30回の高確時短状態中に大当りが導出される可能性があるため、大当り遊技状態が先か小当りラッシュ状態の復活が先かといった期待感とドキドキ感とが交錯するなかで遊技が進行することとなり、興趣を高めることが可能となる。ただし、30ゲームにわたって継続する高確時短状態中において、第2特別図柄抽選結果がハズレであって、ハズレ時選択図柄コマンドが「hz3」〜「hz5」のいずれかである場合、それに応じた時短が付与される。
また、小当りラッシュ状態において、第2特別図柄抽選の結果がハズレであって、ハズレ時選択図柄コマンドが「hz5」の場合、次ゲームから150ゲームにわたって高確時短状態が継続し、150ゲームが終了すると、小当りラッシュ状態が復活する。ただし、高確時短状態における第2特別図柄抽選の大当り確率が概ね112分の1(図718参照)であることに鑑みると、150ゲームにわたって制御される高確時短遊技状態が終了して小当りラッシュ状態が復活する期待度は相対的に低い。ただし、150ゲームにわたって継続する高確時短状態中において、第2特別図柄抽選結果がハズレであって、ハズレ時選択図柄コマンドが「hz3」〜「hz5」のいずれかである場合、それに応じた時短が付与される。
なお、小当りラッシュ状態において、第2特別図柄抽選の結果がハズレであって、ハズレ時選択図柄コマンドが「hz3」〜「hz5」のいずれかである場合、ホスト制御回路7212は、例えば、付与される時短回数を把握できないかまたは把握困難な態様で、時短が付与される可能性があることを示す演出を実行する。ハズレ時選択図柄コマンドが「hz3」である場合には1ゲーム後に小当りラッシュ状態が復活する一方、ハズレ時選択図柄コマンドが「hz5」である場合には150回の時短回数が付与されるため小当りラッシュ状態が復活する可能性が低いため、付与される時短回数は、遊技者にとって大きな関心事であり、このような演出を実行することにより、興趣を高めることが可能となる。
また、小当りラッシュ状態において、第2特別図柄抽選の結果がハズレであって、ハズレ時選択図柄コマンドが「hz4」または「hz5」である場合、ホスト制御回路7212は、小当りラッシュ状態が復活するまでのゲーム数(すなわち、付与される時短回数が30回であるのか150回であるのか)を、例えば、30ゲームの高確時短状態が終了するまで把握できないまたは把握し難い演出を実行するようにしてもよい。
なお、小当りラッシュ状態において、ホスト制御回路7212は、ハズレ時選択図柄コマンドが「hz6」の場合であっても、時短が付与される可能性(すなわち小当りラッシュ状態が終了してしまう可能性)があることを示す演出を所定の確率で行ってもよい。
このように、第27実施形態のパチンコ遊技機によれば、特別図柄抽選の結果がハズレであって、時短回数が付与されるハズレ時選択図柄コマンド(例えば、「hz0」、「hz1」、「hz3」〜「hz6」)であったとしても、その時点での遊技状態に応じて遊技者にとっての有利度合いが異なることとなり、これまでにない新たなゲーム性を備えたパチンコ遊技機を提供することができる。
なお、メインCPU7101は、時短フラグをオンにセットした場合、時短フラグがオフにセットされている場合と比べて特別図柄の変動時間を短縮させる第1制御および電サポ状態とする第2制御の両方を行ってもよいし、第1制御および第2制御のうちいずれか一方のみの制御を行うようにしてもよい。
また、第27実施形態において、メインCPU7101は、特別図柄抽選の結果が特定のハズレである場合に時短フラグをオンにセットするようにしたが、これに代えてまたは加えて、例えば、特別図柄抽選の結果が特定の小当りである場合に時短フラグをオンにセットするようにしてもよい。
また、第27実施形態において、メインCPU7101は、特別図柄抽選の結果に基づいて時短フラグをオンにセットするようにしたが、これに代えてまたは加えて、例えば、普通図柄抽選の結果に基づいて時短フラグをオンにセットするようにしてもよい。
また、第27実施形態において、メインCPU7101は、特別図柄抽選の結果に基づいて時短フラグをオンにセットするようにしたが、これに代えてまたは加えて、例えば、所定条件の成立に基づいて時短専用乱数を取得し、この専用乱数を用いて、時短フラグをオンにセットするか否かを決める時短抽選を実行するようにしてもよい。上記の所定条件は、例えば、第1始動口7420に遊技球が入賞したとき、第2始動口7440に遊技球が入賞したとき、通過ゲート7049を遊技球が通過したとき等に成立するようにしてもよいし、これらに代えてまたは加えて、時短専用領域を設けてこの時短専用領域に遊技球が入賞または通過したとき等に成立するようにしてもよい。
また、第27実施形態において、メインCPU7101は、時短フラグをオンにセットする場合、時短回数を、複数の回数(例えば、1回、30回、150回)のうちいずれかの回数を時短回数としてセットするようにしたが、これに代えて、例えば、1種類のみの特定回数に時短回数をセットするようにしてもよい。
また、第27実施形態において、メインCPU7101は、特別図柄抽選の実行時すなわち特別図柄の変動開始時に、時短フラグをオンにセットするか否かを決定するようにしたが、これに代えて、例えば、始動口7420,始動口7440に遊技球が入賞したときや通過ゲート7049を遊技球が通過したときに、時短フラグをオンにセットするか否かを決定するようにしてもよい。
また、時短フラグがオンにセットされている時短状態において、時短発生条件(例えば、特別図柄抽選の結果が特定のハズレである場合、特別図柄抽選の結果が特定の小当りである場合、時短抽選に当選した場合等)が成立した場合、新たな時短回数をセットせずに従前の時短状態としてセットされた時短回数が消化されるまで時短状態を継続するようにしてもよいし、新たな時短回数を上書きするようにしてもよい。
また、第27実施形態では、時短フラグがオンにセットされる条件(時短発生条件)は一つ(特別図柄抽選の結果が特定のハズレである場合)だけであったが、これに代えて、例えば、複数の時短発生条件(例えば、時短専用領域への遊技球の入賞(第1の時短発生条件)、始動口への遊技球の入賞(第2の時短発生条件))を設けて、時短発生条件に応じて時短の種別を異ならせてもよい。例えば、メインCPU7101は、第1の時短発生条件の成立に基づいて特別図柄の変動時間を短縮させる第1制御を実行し、第2の時短発生条件の成立に基づいて電サポ状態とする第2制御を実行するようにしてもよい。この場合、時短中に同じ種別の時短発生条件が成立したとき(例えば、第1制御の時短中に第1の時短発生条件が成立したり、第2制御の時短中に第2の時短発生条件が成立したとき)は、新たな時短回数をセットせずに従前の時短状態としてセットされた時短回数が消化されるまで時短状態を継続するようにしてもよいし、新たな時短回数を上書きするようにしてもよい。また、時短中に異なる種別の時短発生条件が成立したとき(例えば、第1制御の時短中に第2の時短発生条件が成立したり、第2制御の時短中に第1の時短発生条件が成立したとき)は、従前の時短状態の終了後に新たな時短状態を発生させるようにしてもよいし、従前の時短状態を強制的に終了させて新たな時短状態を発生させるようにしてもよい。
また、第27実施形態では、第27実施形態のパチンコ機が有する発明を、第14実施形態のパチンコ遊技機に適用した場合すなわち第1種パチンコ遊技機と第1種パチンコ遊技機とを組み合わせた遊技機に適用した場合について説明したが、これに代えて、第1種パチンコ遊技機と第2種パチンコ遊技機との混合機(1種2種混合機)に適用することもできる。
1種2種混合機の例として、例えば、左打ちされた遊技球が入賞可能な第1始動領域と、右打ちされた遊技球が入賞可能な第2始動領域と、第2始動領域への遊技球の通過を可能または容易にする普通電動役物と、右打ちされた遊技球が通過可能な普通図柄ゲートと、内部にV入賞領域を有する入賞装置と、大入賞領域への通過を可能または容易にする特別電動役物とを備える。メインCPUは、第1始動領域を遊技球が通過すると第1特別図柄抽選を行う第1特別図柄抽選手段と、第1特別図柄の可変表示を行い、第1特別図柄抽選の結果を導出する第1特別図柄可変表示手段と、第2始動領域を遊技球が通過すると第2特別図柄抽選を行う第2別図柄抽選手段と、第2特別図柄の可変表示を行い、第2特別図柄抽選の結果を導出する第2特別図柄可変表示手段と、第1特別図柄抽選または第2特別図柄抽選の結果として特別結果(例えば、確率300分の1の大当り)が導出されると、特別電動役物を作動させて大入賞領域への遊技球の通過を可能または容易とされる大当り遊技状態にする大当り遊技状態制御手段と、普通図柄ゲートを遊技球が通過すると普通図柄抽選を行う普通図柄抽選手段と、普通図柄の可変表示を行い、普通図柄抽選の結果を導出する普通図柄可変表示手段と、普通図柄抽選の結果として普通図柄当りが導出されると、普通電動役物を作動させて第2始動領域への遊技球の通過を可能または容易にする第2始動領域通過促進手段とを備える。また、第2特別図柄抽選手段は、比較的高い確率(例えば3分の1)で特定結果(例えば小当り)が導出されるように第2特別図柄抽選を行い、第2特別図柄抽選の結果として特定結果(例えば小当り)が導出されると、メインCPUは、入賞装置の内部への遊技球の進入を可能または容易にする制御を実行し、V入賞領域への遊技球の通過が可能とされる。大当り遊技状態制御手段は、V入賞領域を遊技球が通過した場合にも、大当り遊技状態に制御する。また、メインCPUは、例えば大当り遊技状態が終了した後、時短フラグをオンにセットして普通電動役物の作動頻度が高められる時短状態に制御する。すなわち、時短状態になると第2始動領域への遊技球の通過頻度が高められ、特定結果の導出頻度ひいてはV入賞領域への遊技球の通過頻度が高められ、大当り遊技状態に制御されやすくなる。このような1種2種混合機において、例えば、第1特別図柄抽選の結果であるハズレとして通常ハズレと特定ハズレとを用意し、特定ハズレである場合、所定回数の時短回数を付与することにより、第2始動領域への遊技球の通過頻度ひいてはV入賞領域への遊技球の通過頻度を高めて、大当り遊技状態に制御されやすくしてもよい。また、例えば、特定ハズレである場合に所定回数の時短回数を付与することに代えてまたは加えて、通常小当りと特定小当りとを用意し、特定小当りである場合、V入賞領域への遊技球の通過に基づく大当り遊技状態の終了後に、所定回数の時短回数を付与するようにしてもよい。また、例えば、入賞装置の内部に、V入賞領域を遊技球が通過しなかった遊技球が通過可能な時短専用領域を設けて、この時短専用領域を遊技球が通過したことに基づいて所定回数の時短回数を付与するようにしてもよい。さらには、上記の時短専用領域として複数の時短専用領域を設けて、第1の時短専用領域を遊技球が通過したときは第1回数の時短回数を付与し、第2の時短専用領域を遊技球が通過したときは第2回数(第1回数よりも多い回数)の時短回数を付与するようにしてもよい。また、付与する時短回数は、1種類のみの特定回数としてもよいし、当選値(例えば、図柄乱数値)に応じて決定するようにしてもよいし、遊技状態と当選値(例えば、図柄乱数値)とに基づいて決定するようにしてもよい。
また、1種2種混合機の他の例として、例えば、発射された遊技球が通過可能な始動領域と、始動領域への遊技球の通過を可能または容易にする普通電動役物と、遊技球が通過可能な普通図柄ゲートと、内部にV入賞領域を有する入賞装置と、大入賞領域への遊技球の通過を可能または容易にする特別電動役物とを備える。メインCPUは、始動領域を遊技球が通過すると特別図柄抽選を行う特別図柄抽選手段と、特別図柄の可変表示を行い、特別図柄抽選の結果を導出する特別図柄可変表示手段と、特別図柄抽選の結果として特定結果(例えば、確率60分の1の小当り)が導出されると、入賞装置の内部への遊技球の進入を可能または容易にする制御を実行し、V入賞領域(例えば、V入賞領域を通過する確率5分の1)への遊技球の通過が可能とされる。メインVPUは、V入賞領域を遊技球が通過すると、特別電動役物を作動させて大入賞領域への遊技球の通過を可能または容易とされる大当り遊技状態にする大当り遊技状態制御手段を有する。また、普通図柄ゲートを遊技球が通過すると普通図柄抽選を行う普通図柄抽選手段と、普通図柄の可変表示を行い、普通図柄抽選の結果を導出する普通図柄可変表示手段と、普通図柄抽選の結果として普通図柄当りが導出されると、普通電動役物を作動させて始動口への遊技球の通過を可能または容易にする始動領域通過促進手段とを備える。このような1種2種混合機において、例えば、特別図柄抽選の結果であるハズレとして通常ハズレと特定ハズレとを用意し、特定ハズレである場合、所定回数の時短回数を付与することにより、始動領域への遊技球の通過頻度ひいてはV入賞領域への遊技球の通過頻度を高めて、大当り遊技状態に制御されやすくしてもよい。
また、上記では、判定値データがハズレ判定値データである場合、例えば図柄乱数値に基づいてハズレ時選択図柄コマンドを決定し、ハズレ種類に応じて(例えば、特定のハズレ時選択図柄コマンド(例えば、「hz0」、「hz1」、「hz3」〜「hz5」)である場合)、時短回数を付与するようにしたが、時短回数が付与されるハズレ種類を、必ずしもハズレに位置付けする必要はない。例えば、時短回数が付与されるハズレ種類は、特別当りのように条件装置が作動する当りではないものの、条件装置が作動しない小当りと同様に、条件装置が作動しない時短当りとして位置付けるようにしてもよい。
[26.付記30]
[26−1.付記30−1]
従来より、始動口に遊技球が入賞すると特別図柄の可変表示を行い、大当りを示す図柄組合せが表示されると遊技者に有利な大当り遊技状態に制御され、小当りを示す図柄組合せが表示されると小当り遊技状態に制御される遊技機が知られている。
この種の遊技機として、大当り遊技状態の終了後、変動回数が規定回数(30回、40回 、50回又は60回)に達するまでの間、大当り確率と始動口への入賞頻度とが高められる高確時短状態に移行させる。変動回数が規定回数に達すると高確時短状態を終了し、大当り遊技状態終了後の変動回数が特定回数(100回)に達するまでの間、小当り遊技の実行頻度が高められる高確非時短状態に移行させる。そして、変動回数が特定回数に達すると高確非時短状態を終了するようにした遊技機が開示されている(例えば、特開2016−174800号公報(とくに段落[0215])を参照))。
特開2016−174800号公報(とくに段落[0215]を参照)に記載の遊技機によれば、高確時短状態が終了した後、小当り遊技の実行頻度が高められる高確非時短状態に移行するものの、この高確非時短状態は、変動回数が特定回数に達すると高確非時短状態が終了してしまうため、興趣が低下するおそれがある。
また、高確非時短状態において大当りを示す図柄組合せが表示された場合には、大当り遊技状態に制御されてしまうため、変動回数が特定回数に達する前に高確非時短状態が終了してしまい、いずれにしても興趣が低下するおそれがある。
本発明は、そのような点に鑑みてなされたものであり、その目的は、興趣の低下を抑制することが可能な遊技機を提供することにある。
(1)本発明に係る遊技機は、
遊技領域に向けて発射された遊技球が第1始動領域(例えば、第1始動口32420A,32420B)を通過したことに基づいて第1始動情報を取得し、該取得した第1始動情報を所定数まで保留可能な第1保留手段(例えば、メインCPU32101)と、
所定の始動条件が成立したことに基づいて前記第1保留手段により保留されている第1始動情報にかかる第1特別図柄の可変表示を実行可能な第1特別図柄可変制御手段(例えば、S11455の処理を実行するメインCPU32101)と、
遊技領域に向けて発射された遊技球が第2始動領域(例えば、第2始動口32440)を通過したことに基づいて第2始動情報を取得し、該取得した第2始動情報を所定数まで保留可能な第2保留手段(例えば、メインCPU32101)と、
所定の始動条件が成立したことに基づいて前記第2保留手段により保留されている第2始動情報にかかる第2特別図柄の可変表示を実行可能であり、前記第1特別図柄の可変表示が実行されて特別結果が導出される場合、前記第2特別図柄の可変表示を前記特別結果が導出されないよう実行可能な第2特別図柄可変制御手段(例えば、S11455の処理を実行するメインCPU32101)と、
前記第1特別図柄または前記第2特別図柄の可変表示が実行されて前記特別結果が導出されると特別遊技状態(例えば、2ラウンドの大当り遊技状態または10ラウンドの大当り遊技状態)に制御する特別遊技状態制御手段(例えば、S11458〜S11461の処理を実行するメインCPU32101)と、
前記特別遊技状態が終了した後の第1期間(例えば、100回の遊技期間)にわたって、前記第2始動領域と比べて前記第1始動領域への遊技球の通過が容易であるとともに、前記特別結果の導出確率が通常の遊技状態(例えば、通常遊技状態)よりも高く、単位時間あたりの発射球数に対して付与される遊技価値(賞球または賞球データ)の期待値が1未満の第1有利遊技状態(例えば、高確時短遊技状態)に制御可能な第1有利状態制御手段と、
前記第1有利遊技状態が終了した後の第2期間(例えば、20回の遊技期間)にわたって、前記第1始動領域と比べて前記第2始動領域への遊技球の通過が容易であるとともに、前記特別結果の導出確率が通常の遊技状態よりも高く、単位時間あたりの発射球数に対して付与される遊技価値(賞球または賞球データ)の期待値が1を超えうる第2有利遊技状態(例えば、ラッシュ状態)に制御可能な第2有利状態制御手段と、
を備え、
前記第1特別図柄可変制御手段は、
前記第1有利遊技状態の終了時に前記特別結果が導出される第1始動情報が保留されている場合、該第1始動情報にかかる前記第1特別図柄の可変表示を実行する際、該第1特別図柄の可変表示を前記第2有利遊技状態が終了するまで実行可能な特定第1特別図柄可変制御手段(例えば、ステップS13285の処理を実行するメインCPU32101)を有する
ことを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、第1特別図柄の可変表示が実行されて特別結果が導出される場合、特別結果が導出されないように第2特別図柄の可変表示が実行される。また、第1有利遊技状態の終了時に特別結果が導出される第1始動情報が保留されている場合、この第1特別図柄の可変表示を第2有利遊技状態が終了するまで実行可能である。そのため、第1有利遊技状態の終了時に特別結果が導出される第1始動情報が保留されている場合、第2有利遊技状態が終了するまで、特別結果が導出されないように第2特別図柄の可変表示が実行されることとなる。その結果、特別遊技状態に制御されることが担保された状態で、中途で終了することなく最後まで第2有利遊技状態に制御されることとなり、興趣の低下を抑制することが可能となる。
なお、第1有利遊技状態の終了時に特別結果が導出されない第1始動情報(例えば、ハズレが導出される第1始動情報)が保留されている場合、この第1始動情報にかかる第1特別図柄の可変表示を、特別結果が導出される第1始動情報にかかる第1特別図柄の可変表示と同じまたはほぼ同じ時間にわたって実行してもよいし、特別結果が導出される第1始動情報にかかる第1特別図柄の可変表示よりも短い時間だけ実行するようにしてもよい。ただし、第1有利遊技状態の終了時に、特別結果が導出されない第1始動情報と、特別結果が導出される第1始動情報との両方が保留されており、特別結果が導出されない第1始動情報にかかる第1特別図柄の可変表示が先に実行される場合、特別結果が導出される第1始動情報にかかる第1特別図柄の可変表示が開始されるまでの間に、第2特別図柄の可変表示が実行されて特別結果が導出される可能性がある。よって、特別結果が導出されない第1始動情報にかかる第1特別図柄の可変表示については、特別結果が導出される第1始動情報にかかる第1特別図柄の可変表示よりも短い時間だけ実行するようにすることが好ましい。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、
所定の演出を実行する演出制御手段(例えば、サブCPU32202)をさらに備え、
前記演出制御手段は、
前記第1有利遊技状態の終了時に前記特別結果が導出される第1始動情報が保留されている場合、特別演出(例えば、フリーズ演出)を実行可能な特別演出制御手段(例えば、ステップS13413の処理を実行するサブCPU32202)を有する
ことを特徴とする。
上記(2)の遊技機によれば、特別演出が実行されると、特別遊技状態に制御されることが担保された状態で、中途で終了することなく最後まで第2有利遊技状態に制御されることが確定するため、興趣を高めることが可能となる。
本発明によれば、興趣の低下を抑制することが可能な遊技機を提供することができる。
[26−2.付記30−2]
従来より、始動口に遊技球が入賞すると特別図柄の可変表示を行い、大当りを示す図柄組合せが表示されると遊技者に有利な大当り遊技状態に制御され、小当りを示す図柄組合せが表示されると小当り遊技状態に制御される遊技機が知られている。
この種の遊技機として、大当り遊技状態の終了後、変動回数が規定回数(30回、40回 、50回又は60回)に達するまでの間、大当り確率と始動口への入賞頻度とが高められる高確時短状態に移行させる。変動回数が規定回数に達すると高確時短状態を終了し、大当り遊技状態終了後の変動回数が特定回数(100回)に達するまでの間、小当り遊技の実行頻度が高められる高確非時短状態に移行させる。そして、変動回数が特定回数に達すると高確非時短状態を終了するようにした遊技機が開示されている(例えば、特開2016−174800号公報(とくに段落[0215])を参照))。
特開2016−174800号公報(とくに段落[0215]を参照)に記載の遊技機によれば、高確時短状態が終了した後、小当り遊技の実行頻度が高められる高確非時短状態に移行するものの、この高確非時短状態は、変動回数が特定回数に達すると高確非時短状態が終了してしまうため、興趣が低下するおそれがある。
また、高確非時短状態において大当りを示す図柄組合せが表示された場合には、大当り遊技状態に制御されてしまうため、変動回数が特定回数に達する前に高確非時短状態が終了してしまい、いずれにしても興趣が低下するおそれがある。
本発明は、そのような点に鑑みてなされたものであり、その目的は、興趣の低下を好適に抑制することが可能な遊技機を提供することにある。
(1)本発明に係る遊技機は、
遊技領域に向けて発射された遊技球が第1始動領域(例えば、第1始動口32420A,32420B)を通過したことに基づいて第1始動情報を取得し、該取得した第1始動情報を所定数まで保留可能な第1保留手段(例えば、メインCPU32101)と、
所定の始動条件が成立したことに基づいて前記第1保留手段により保留されている第1始動情報にかかる第1特別図柄の可変表示を実行可能な第1特別図柄可変制御手段(例えば、S11455の処理を実行するメインCPU32101)と、
遊技領域に向けて発射された遊技球が第2始動領域(例えば、第2始動口32440)を通過したことに基づいて第2始動情報を取得し、該取得した第2始動情報を所定数まで保留可能な第2保留手段(例えば、メインCPU32101)と、
所定の始動条件が成立したことに基づいて前記第2保留手段により保留されている第2始動情報にかかる第2特別図柄の可変表示を実行可能であり、前記第1特別図柄の可変表示が実行されて特別結果が導出される場合、前記第2特別図柄の可変表示を前記特別結果が導出されないよう実行可能な第2特別図柄可変制御手段(例えば、S11455の処理を実行するメインCPU32101)と、
前記第1特別図柄または前記第2特別図柄の可変表示が実行されて前記特別結果が導出されると特別遊技状態(例えば、2ラウンドの大当り遊技状態または10ラウンドの大当り遊技状態)に制御する特別遊技状態制御手段(例えば、S11458〜S11461の処理を実行するメインCPU32101)と、
前記特別遊技状態が終了した後の第1期間(例えば、100回の遊技期間)にわたって、前記第2始動領域と比べて前記第1始動領域への遊技球の通過が容易であるとともに、前記特別結果の導出確率が通常の遊技状態(例えば、通常遊技状態)よりも高く、単位時間あたりの発射球数に対して付与される遊技価値(賞球または賞球データ)の期待値が1未満の第1有利遊技状態(例えば、高確時短遊技状態)に制御可能な第1有利状態制御手段と、
前記第1有利遊技状態が終了した後の第2期間(例えば、20回の遊技期間)にわたって、前記第1始動領域と比べて前記第2始動領域への遊技球の通過が容易であるとともに、前記特別結果の導出確率が通常の遊技状態よりも高く、単位時間あたりの発射球数に対して付与される遊技価値(賞球または賞球データ)の期待値が1を超えうる第2有利遊技状態(例えば、ラッシュ状態)に制御可能な第2有利状態制御手段と、
を備え、
前記第1特別図柄可変制御手段は、
前記第1有利遊技状態の終了時に前記特別結果が導出される第1始動情報が保留されている場合、該第1始動情報にかかる前記第1特別図柄の可変表示を実行する際、該第1特別図柄の可変表示を前記第2有利遊技状態が終了するまで実行可能であり(例えば、ステップS13285の処理を実行可能であり)、
前記第2特別図柄可変制御手段は、
前記第1有利遊技状態の終了後の所定期間、前記第2特別図柄の可変表示を、前記第1特別図柄の可変表示よりも長い時間にわたる特定パターンで実行可能に構成される(例えば、ステップS13295の処理を実行するよう構成される)
ことを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、第1特別図柄の可変表示が実行されて特別結果が導出される場合、特別結果が導出されないように第2特別図柄の可変表示が実行される。また、第1有利遊技状態の終了時に特別結果が導出される第1始動情報が保留されている場合、この第1特別図柄の可変表示を第2有利遊技状態が終了するまで実行可能である。そのため、第1有利遊技状態の終了時に特別結果が導出される第1始動情報が保留されている場合、第2有利遊技状態が終了するまで、特別結果が導出されないように第2特別図柄の可変表示が実行されることとなる。その結果、特別遊技状態に制御されることが担保された状態で、中途で終了することなく最後まで第2有利遊技状態に制御されることとなり、興趣の低下を抑制することが可能となる。
しかも、第1有利遊技状態の終了後の所定期間、第2特別図柄の可変表示は、第1特別図柄の可変表示よりも長い時間にわたる特定パターンで実行されるため、第1有利遊技状態の終了時に保留されていた第1始動情報にかかる第1特別図柄の可変表示が実行される間、第2特別図柄の可変表示の実行を極力抑制することが可能となる。その結果、第1有利遊技状態の終了時に保留されていた第1始動情報にかかる第1特別図柄の可変表示が実行される間、第2特別図柄の可変表示が実行されて大当りが導出されてしまうことを抑制することが可能となる。
なお、第1有利遊技状態の終了時に特別結果が導出されない第1始動情報(例えば、ハズレが導出される第1始動情報)が保留されている場合、この第1始動情報にかかる第1特別図柄の可変表示を、特別結果が導出される第1始動情報にかかる第1特別図柄の可変表示と同じまたはほぼ同じ時間にわたって実行してもよいし、特別結果が導出される第1始動情報にかかる第1特別図柄の可変表示よりも短い時間だけ実行するようにしてもよい。ただし、第1有利遊技状態の終了時に、特別結果が導出されない第1始動情報と、特別結果が導出される第1始動情報との両方が保留されており、特別結果が導出されない第1始動情報にかかる第1特別図柄の可変表示が先に実行される場合、特別結果が導出される第1始動情報にかかる第1特別図柄の可変表示が開始されるまでの間に、第2特別図柄の可変表示が実行されて特別結果が導出される可能性がある。よって、特別結果が導出されない第1始動情報にかかる第1特別図柄の可変表示については、特別結果が導出される第1始動情報にかかる第1特別図柄の可変表示よりも短い時間だけ実行するようにすることが好ましい。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、
前記第2特別図柄可変制御手段は、
前記第1有利遊技状態の終了時に第1始動情報が保留されていない場合、前記第2特別図柄の可変表示を、前記特定パターンよりも短い時間で実行可能に構成される
ことを特徴とする。
上記(2)の遊技機によれば、第1有利遊技状態の終了時に第1始動情報が保留されていない場合、第2特別図柄の可変表示が特定パターンよりも短い時間で実行されるようにしているため、第2有利遊技状態が徒に間延びしてしまうことを抑制できる。
(3)上記(1)または(2)に記載の遊技機において、
前記特定パターンは、
前記第1有利遊技状態の終了時に前記第1始動情報が前記第1保留手段の保留上限である前記所定数まで保留されている場合、該所定数の第1始動情報のうち最後に保留された第1始動情報にかかる第1特別図柄の可変表示が少なくとも開始されるまで、前記第2特別図柄の可変表示が実行されるパターンである
ことを特徴とする。
上記(3)の遊技機によれば、第1有利遊技状態の終了時に第1始動情報が保留上限である所定数まで保留されている場合、特別結果が導出される第1始動情報が最後の保留であったとしても(最後に第1特別図柄の可変表示が実行されたとしても)、この特別結果が導出される第1始動情報にかかる第1特別図柄の可変表示が開始される前に、第2特別図柄の可変表示が実行されて特別結果が導出されてしまうことを極力抑制することが可能となる。
(4)上記(1)〜(3)のいずれか1つに記載の遊技機において、
所定の演出を実行する演出制御手段(例えば、サブCPU32202)をさらに備え、
前記演出制御手段は、
前記第1有利遊技状態の終了時に前記特別結果が導出される第1始動情報が保留されている場合、特別演出(例えば、フリーズ演出)を実行可能な特別演出制御手段(例えば、ステップS13413の処理を実行するサブCPU32202)を有する
ことを特徴とする。
上記(4)の遊技機によれば、特別演出が実行されると、特別遊技状態に制御されることが担保された状態で、中途で終了することなく最後まで第2有利遊技状態に制御されることが確定するため、興趣を高めることが可能となる。
本発明によれば、興趣の低下を好適に抑制することが可能な遊技機を提供することができる。
[26−3.付記30−3]
従来より、始動口に遊技球が入賞すると特別図柄の可変表示を行い、大当りを示す図柄組合せが表示されると遊技者に有利な大当り遊技状態に制御され、小当りを示す図柄組合せが表示されると小当り遊技状態に制御される遊技機が知られている。
この種の遊技機として、大当り遊技状態の終了後、変動回数が規定回数(30回、40回 、50回又は60回)に達するまでの間、大当り確率と始動口への入賞頻度とが高められる高確時短状態に移行させる。変動回数が規定回数に達すると高確時短状態を終了し、大当り遊技状態終了後の変動回数が特定回数(100回)に達するまでの間、小当り遊技の実行頻度が高められる高確非時短状態に移行させる。そして、変動回数が特定回数に達すると高確非時短状態を終了するようにした遊技機が開示されている(例えば、特開2016−174800号公報(とくに段落[0215])を参照))。
特開2016−174800号公報(とくに段落[0215]を参照)に記載の遊技機によれば、高確時短状態が終了した後、小当り遊技の実行頻度が高められる高確非時短状態に移行するものの、この高確非時短状態は、変動回数が特定回数に達すると高確非時短状態が終了してしまうため、興趣が低下するおそれがある。
また、高確非時短状態において大当りを示す図柄組合せが表示された場合には、大当り遊技状態に制御されてしまうため、変動回数が特定回数に達する前に高確非時短状態が終了してしまい、いずれにしても興趣が低下するおそれがある。
本発明は、そのような点に鑑みてなされたものであり、その目的は、興趣の低下を好適に抑制することが可能な遊技機を提供することにある。
(1)本発明に係る遊技機は、
遊技領域に向けて発射された遊技球が第1始動領域(例えば、第1始動口32420A,32420B)を通過したことに基づいて第1始動情報を取得し、該取得した第1始動情報を所定数まで保留可能な第1保留手段(例えば、メインCPU32101)と、
所定の始動条件が成立したことに基づいて前記第1保留手段により保留されている第1始動情報にかかる第1特別図柄の可変表示を実行可能な第1特別図柄可変制御手段(例えば、S11455の処理を実行するメインCPU32101)と、
遊技領域に向けて発射された遊技球が第2始動領域(例えば、第2始動口32440)を通過したことに基づいて第2始動情報を取得し、該取得した第2始動情報を所定数まで保留可能な第2保留手段(例えば、メインCPU32101)と、
所定の始動条件が成立したことに基づいて前記第2保留手段により保留されている第2始動情報にかかる第2特別図柄の可変表示を実行可能であり、前記第1特別図柄の可変表示が実行されて特別結果が導出される場合、前記第2特別図柄の可変表示を前記特別結果が導出されないよう実行可能な第2特別図柄可変制御手段(例えば、S11455の処理を実行するメインCPU32101)と、
前記第1特別図柄または前記第2特別図柄の可変表示が実行されて前記特別結果が導出されると特別遊技状態(例えば、2ラウンドの大当り遊技状態または10ラウンドの大当り遊技状態)に制御する特別遊技状態制御手段(例えば、S11458〜S11461の処理を実行するメインCPU32101)と、
前記特別遊技状態が終了した後の第1期間(例えば、100回の遊技期間)にわたって、前記第2始動領域と比べて前記第1始動領域への遊技球の通過が容易であるとともに、前記特別結果の導出確率が通常の遊技状態(例えば、通常遊技状態)よりも高く、単位時間あたりの発射球数に対して付与される遊技価値(賞球または賞球データ)の期待値が1未満の第1有利遊技状態(例えば、高確時短遊技状態)に制御可能な第1有利状態制御手段と、
前記第1有利遊技状態が終了した後の第2期間(例えば、20回の遊技期間)にわたって、前記第1始動領域と比べて前記第2始動領域への遊技球の通過が容易であるとともに、前記特別結果の導出確率が通常の遊技状態よりも高く、単位時間あたりの発射球数に対して付与される遊技価値(賞球または賞球データ)の期待値が1を超えうる第2有利遊技状態(例えば、ラッシュ状態)に制御可能な第2有利状態制御手段と、
所定の演出を実行する演出制御手段(例えば、サブCPU32202)と、
を備え、
前記特別遊技状態には、所定価値を超える遊技価値を付与可能な第1特別遊技状態(例えば、10ラウンドのラウンド遊技が実行される大当り遊技状態)と、所定価値の付与が困難または不可能な第2特別遊技状態(例えば、2ラウンドのラウンド遊技が実行される大当り遊技状態)とが含まれており、
前記第1特別図柄可変制御手段は、
前記第1有利遊技状態の終了時に前記特別結果が導出される第1始動情報が保留されている場合、該第1始動情報にかかる前記第1特別図柄の可変表示を実行する際、該第1特別図柄の可変表示を前記第2有利遊技状態が終了するまで実行可能であり(例えば、ステップS13285の処理を実行可能であり)、
前記演出制御手段は、
前記第1有利遊技状態が開始されてから前記第2有利遊技状態が終了するまでの間に前記特別結果が導出された結果、前記第2特別遊技状態に制御された場合、前記第1特別遊技状態が終了した時点に巻き戻されたかのような巻戻演出を実行可能な巻戻演出制御手段を有する
ことを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、第1特別図柄の可変表示が実行されて特別結果が導出される場合、特別結果が導出されないように第2特別図柄の可変表示が実行される。また、第1有利遊技状態の終了時に特別結果が導出される第1始動情報が保留されている場合、この第1特別図柄の可変表示を第2有利遊技状態が終了するまで実行可能である。そのため、第1有利遊技状態の終了時に特別結果が導出される第1始動情報が保留されている場合、第2有利遊技状態が終了するまで、特別結果が導出されないように第2特別図柄の可変表示が実行されることとなる。その結果、特別遊技状態に制御されることが担保された状態で、中途で終了することなく最後まで第2有利遊技状態に制御されることとなり、興趣の低下を抑制することが可能となる。
しかも、第1有利遊技状態が開始されてから第2有利遊技状態が終了するまでの間に、所定価値の付与が困難または不可能な第2特別遊技状態に制御されたとしても、第1特別遊技状態が終了した時点に巻き戻されたかのような巻戻演出を実行されるため、興趣の低下を抑制することが可能となる。
なお、第1有利遊技状態の終了時に特別結果が導出されない第1始動情報(例えば、ハズレが導出される第1始動情報)が保留されている場合、この第1始動情報にかかる第1特別図柄の可変表示を、特別結果が導出される第1始動情報にかかる第1特別図柄の可変表示と同じまたはほぼ同じ時間にわたって実行してもよいし、特別結果が導出される第1始動情報にかかる第1特別図柄の可変表示よりも短い時間だけ実行するようにしてもよい。ただし、第1有利遊技状態の終了時に、特別結果が導出されない第1始動情報と、特別結果が導出される第1始動情報との両方が保留されており、特別結果が導出されない第1始動情報にかかる第1特別図柄の可変表示が先に実行される場合、特別結果が導出される第1始動情報にかかる第1特別図柄の可変表示が開始されるまでの間に、第2特別図柄の可変表示が実行されて特別結果が導出される可能性がある。よって、特別結果が導出されない第1始動情報にかかる第1特別図柄の可変表示については、特別結果が導出される第1始動情報にかかる第1特別図柄の可変表示よりも短い時間だけ実行するようにすることが好ましい。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、
前記第2特別図柄可変制御手段は、
前記第1有利遊技状態が終了した後の所定期間、前記第2特別図柄の可変表示を、前記第1特別図柄の可変表示よりも長い時間にわたる特定パターンで実行可能に構成される(例えば、ステップS13295の処理を実行するよう構成される)
ことを特徴とする。
上記(2)の遊技機によれば、第1有利遊技状態の終了後の所定期間、第2特別図柄の可変表示は、第1特別図柄の可変表示よりも長い時間にわたる特定パターンで実行されるため、第1有利遊技状態の終了時に保留されていた第1始動情報にかかる第1特別図柄の可変表示が実行される間、第2特別図柄の可変表示の実行を極力抑制することが可能となる。その結果、第1有利遊技状態の終了時に保留されていた第1始動情報にかかる第1特別図柄の可変表示が実行される間、第2特別図柄の可変表示が実行されて大当りが導出されてしまうことを抑制することが可能となる。
(3)上記(2)または(3)に記載の遊技機において、
前記第2特別図柄可変制御手段は、
前記第1有利遊技状態の終了時に第1始動情報が保留されていない場合、前記第2特別図柄の可変表示を、前記特定パターンよりも短い時間で実行可能に構成される
ことを特徴とする。
上記(3)の遊技機によれば、第1有利遊技状態の終了時に第1始動情報が保留されていない場合、第2特別図柄の可変表示が特定パターンよりも短い時間で実行されるようにしているため、第2有利遊技状態が徒に間延びしてしまうことを抑制できる。
(4)上記(2)または(3)に記載の遊技機において、
前記特定パターンは、
前記第1有利遊技状態の終了時に前記第1始動情報が前記第1保留手段の保留上限である前記所定数まで保留されている場合、該所定数の第1始動情報のうち最後に保留された第1始動情報にかかる第1特別図柄の可変表示が少なくとも開始されるまで、前記第2特別図柄の可変表示が実行されるパターンである
ことを特徴とする。
上記(4)の遊技機によれば、第1有利遊技状態の終了時に第1始動情報が保留上限である所定数まで保留されている場合、特別結果が導出される第1始動情報が最後の保留であったとしても(最後に第1特別図柄の可変表示が実行されたとしても)、この特別結果が導出される第1始動情報にかかる第1特別図柄の可変表示が開始される前に、第2特別図柄の可変表示が実行されて特別結果が導出されてしまうことを極力抑制することが可能となる。
(5)上記(1)〜(4)のいずれか1つに記載の遊技機において、
前記演出制御手段は、
前記第1有利遊技状態の終了時に前記特別結果が導出される第1始動情報が保留されている場合、特別演出(例えば、フリーズ演出)を実行可能な特別演出制御手段(例えば、ステップS13413の処理を実行するサブCPU32202)を有する
ことを特徴とする。
上記(5)の遊技機によれば、特別演出が実行されると、特別遊技状態に制御されることが担保された状態で、中途で終了することなく最後まで第2有利遊技状態に制御されることが確定するため、興趣を高めることが可能となる。
本発明によれば、興趣の低下を好適に抑制することが可能な遊技機を提供することができる。
[26−4.付記30−4]
従来より、所定の条件が成立すると抽選を行い、この抽選結果に基づいて図柄の可変表示を行う遊技機が知られている。そして、抽選結果が特別結果であることを示す態様が導出されると、遊技者に有利な特別遊技状態に制御される。
この種の遊技機では、上記抽選結果が特別結果となる確率が異なる複数の設定値のうちいずれか1つの設定値をセットし、以後、セットされた設定値にもとづいて遊技の進行が制御される遊技機が知られている(例えば、特開2011−206588号公報の段落[0063]参照)。上記抽選結果が特別結果となる確率は、セットされた設定値が低設定値であれば相対的に低く、セットされた設定値が高設定値であれば相対的に高い。
また、この種の遊技機として、高確率状態において、特別結果が導出されるまでの間、始動口への入賞頻度を高めずに小当り遊技の実行頻度を高めることによって出球を増加させることができる小当りラッシュ状態に制御されるようにした遊技機も知られている(例えば特開2016−174800号公報参照)。
ところで、セットされた設定値に基づいて遊技の進行が制御されるようにした特開2011−206588号公報に記載の遊技機において、特開2016−174800号公報に記載の遊技機のように、高確率状態において始動口への入賞頻度を高めずに小当り遊技の実行頻度を高めることによって出球を増加させることができるようにした場合、以下の問題が生じうる。
すなわち上記の場合、セットされた設定値が低設定値であるほど特別結果が導出され難く、ひいては小当りラッシュ状態が継続しやすいといった状況が生じる。小当りラッシュ状態が継続すればするほど出球の増加を期待できるため、セットされた設定値に基づいて遊技の進行が制御されるようにした遊技機において、例えば小当りラッシュのように特別結果が導出されるまでの間に出球を増加させるようにする遊技性を採用することは、本来、開発者にとっては不本意なことである。そのため、新たな遊技機の提供が望まれている。
本発明は、そのような点に鑑みてなされたものであり、その目的は、新たな遊技機を提供することにある。
(1)本発明に係る遊技機は、
特別結果の導出確率が相対的に低い低設定値および前記特別結果の導出確率が相対的に高い高設定値を含む複数の設定値のうち、セットされたいずれか一の設定値にもとづいて遊技の進行にかかわる制御を実行可能な遊技機であって、
所定条件の成立に基づいて、前記特別結果、特定結果およびハズレを抽選結果に含み、抽選結果が主として前記特定結果となるように抽選を行う抽選手段と、
図柄の可変表示を行い、前記抽選結果を導出する図柄可変制御手段と、
前記図柄の可変表示に供される可変表示パターンを、単位時間あたりの図柄の可変表示の実行回数の期待値が相対的に小さい通常テーブルと、前記期待値が相対的に大きい特殊テーブルとを含む複数のテーブルのうちいずれかを用いて決定する可変表示パターン決定手段と、
前記図柄の可変表示が行われて前記特別結果が導出されると、遊技者に有利な特別遊技を実行する特別遊技実行手段と、
前記図柄の可変表示が行われて前記特定結果が導出されると、賞球または賞球データが付与される入賞領域への遊技球の通過が容易となる特定遊技を実行する特定遊技実行手段と、
単位時間あたりの発射球数に対する賞球または賞球データの期待値が異なる複数の遊技状態のうちいずれかに制御可能な遊技状態制御手段と、
を備え、
前記複数の遊技状態には、
前記図柄の可変表示に供される可変表示パターンが前記通常テーブルを用いて決定されることによって前記特定遊技の実行を抑制することで前記期待値が1よりも小さくなる通常遊技状態、および
前記図柄の可変表示に供される可変表示パターンが前記特殊テーブルを用いて決定されることによって前記特定遊技の実行が促進されることで前記期待値が1よりも大きくなりうる特殊遊技状態が少なくとも含まれており、
前記抽選手段は、
前記低設定値では、前記ハズレの導出確率が前記高設定値の場合よりも高くなるように前記抽選を行うよう構成されており、
前記遊技状態制御手段は、
前記特殊遊技状態において、前記抽選結果が前記特定結果である限り、前記図柄の可変表示に供される可変表示パターンが前記特殊テーブルを用いて決定されるよう当該特殊遊技状態を継続させる制御を実行し、前記抽選結果が前記ハズレであることに基づいて当該特殊遊技状態を終了させる制御を実行可能に構成されてなる
ことを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、単位時間あたりの発射球数に対する賞球または賞球データの期待値が1よりも大きくなりうる特殊遊技状態において、抽選結果が特定結果である限り特殊テーブルを用いて図柄の可変表示に供される可変表示パターンが決定される一方で、抽選結果がハズレであると特殊遊技状態が終了する。また、抽選は、抽選結果が主として特定結果となるように行われるが、抽選結果がハズレとなる確率は、高設定値よりも低設定値の方が高い。そのため、セットされた設定値が高設定値であるほど特殊遊技状態が継続しやすくなり、セットされた設定値が低設定値であるほど特殊遊技状態が終了しやすいといった、新たな遊技機を提供することが可能となる。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、
前記通常遊技状態では通常演出を実行するとともに、前記特殊遊技状態では前記通常演出とは異なる特殊演出を実行可能な演出制御手段と、
前記特別結果の導出確率が相対的に低い低確率状態または前記特別結果の導出確率が相対的に高い高確率状態に制御可能な確率制御手段と、
をさらに備え、
前記確率制御手段は、
前記通常遊技状態では前記低確率状態に制御可能であるとともに、前記特殊遊技状態では前記高確率状態に制御するよう構成されており、
前記遊技状態制御手段は、
前記特殊遊技状態における前記抽選結果が前記ハズレであるとき、当該特殊遊技状態を終了させて前記通常遊技状態に制御するとともに、当該通常遊技状態では前記高確率状態が維持されるよう構成されており、
前記確率制御手段は、
前記特殊遊技状態における前記抽選結果が前記ハズレであることによって前記通常遊技状態に制御された場合、当該通常遊技状態では前記高確率状態が維持されるものの、前記通常演出を実行するよう構成される
ことを特徴とする。
上記(2)の遊技機によれば、特殊遊技状態では特別結果の導出確率が相対的に高い高確率状態に制御されるが、特殊遊技状態において抽選結果がハズレであると、特殊遊技状態が終了し、単位時間あたりの発射球数に対する賞球または賞球データの期待値が1よりも小さい通常遊技状態に制御される。この場合の通常遊技状態では高確率状態が維持されたままとなる。ただし、この場合の通常遊技状態では高確率状態であったとしても、単位時間あたりの発射球数に対する賞球または賞球データの期待値が1よりも小さくなるため、遊技者の過度な期待を与えないよう通常演出を実行することによって、興趣の低下を抑制することが可能となる。
(3)本発明に係る遊技機は、
特別結果の導出確率が相対的に低い低設定値と、前記特別結果の導出確率が相対的に高い高設定値とを含む複数の設定値のうち、セットされたいずれか一の設定値にもとづいて遊技の進行にかかわる制御を実行可能な遊技機であって、
遊技領域に向けて通常の態様で発射された遊技球が通過可能な第1始動領域と、
前記第1始動領域への遊技球の通過に基づいて、前記特別結果およびハズレを抽選結果に含み、抽選結果が主として前記ハズレとなるように第1抽選を行う第1抽選手段と、
第1特別図柄の可変表示を行い、前記第1抽選結果を導出する第1特別図柄可変制御手段と、
遊技領域に向けて特定の態様で発射された遊技球が通過可能な第2始動領域と、
前記第2始動領域への遊技球の通過に基づいて、前記特別結果、特定結果および前記ハズレを抽選結果に含み、抽選結果が主として前記特定結果となるように第2抽選を行う第2抽選手段と、
第2特別図柄の可変表示を行い、前記第2抽選結果を導出する第2特別図柄可変制御手段と、
前記第1特別図柄の可変表示に供される可変表示パターンを、第1特別図柄用テーブルを用いて決定し、前記第2特別図柄の可変表示に供される可変表示パターンを、第2特別図柄用テーブルを用いて決定する可変表示パターン決定手段と、
前記第1特別図柄または前記第2特別図柄の可変表示が行われて前記特別結果が導出されると、遊技者に有利な特別遊技を実行する特別遊技実行手段と、
少なくとも前記第2特別図柄の可変表示が行われて前記特定結果が導出されると、賞球または賞球データが付与される入賞領域への遊技球の通過が容易となる特定遊技を実行する特定遊技実行手段と、
複数の遊技状態のうちいずれかに制御可能な遊技状態制御手段と、
を備え、
前記第2特別図柄用テーブルには、
単位時間あたりの前記第2特別図柄の可変表示の実行回数の期待値が前記第1特別図柄用テーブルよりも小さい通常テーブル、および
単位時間あたりの前記第2特別図柄の可変表示の実行回数の期待値が前記第1特別図柄用テーブルよりも大きい特殊テーブル、
が少なくとも含まれており、
前記複数の遊技状態には、
前記第2始動領域を遊技球が通過すると第2特別図柄の可変表示に供される可変表示パターンが前記通常テーブルを用いて決定され、単位時間あたりの発射球数に対する賞球または賞球データの期待値が1よりも小さくなる通常遊技状態、および
前記第2始動領域を遊技球が通過すると第2特別図柄の可変表示に供される可変表示パターンが前記特殊テーブルを用いて決定されることによって前記特定遊技の実行頻度が前記通常遊技状態よりも高められて、単位時間あたりの発射球数に対する賞球または賞球データの期待値が1よりも大きくなりうる特殊遊技状態が含まれるとともに、
前記第2抽選手段は、
前記低設定値では、前記ハズレの導出確率が前記高設定値の場合よりも高くなるように前記第2抽選を行うよう構成されており、
前記遊技状態制御手段は、
前記特殊遊技状態において、前記第2抽選結果が前記特定結果である限り、前記第2特別図柄の可変表示に供される可変表示パターンが前記特殊テーブルを用いて決定されるよう当該特殊遊技状態を継続させる制御を実行し、前記第2抽選結果が前記ハズレであることに基づいて当該特殊遊技状態を終了させる制御を実行可能に構成されてなる
ことを特徴とする。
上記(3)の遊技機によれば、通常の態様(例えば、左打ち)で発射された遊技球は第1始動領域を通過可能であり、第1始動領域を遊技球が通過すると第1特別図柄の可変表示を行って第1抽選結果が導出される。第1抽選結果には特別結果およびハズレが含まれているが、第1抽選結果は主としてハズレとなる。一方、特定の態様(例えば、右打ち)で発射された遊技球は第2始動領域を通過可能であり、第2始動領域を遊技球が通過すると第2特別図柄の可変表示を行って第2抽選結果が導出される。第2抽選結果には、特別結果、特定結果およびハズレが含まれているが、第2抽選結果は主として特定結果となる。また、第2特別図柄の可変表示に供される可変表示パターンが通常テーブルを用いて決定されて単位時間あたりの発射球数に対する賞球または賞球データの期待値が1よりも小さくなる通常遊技状態、および、第2特別図柄の可変表示に供される可変表示パターンが特殊テーブルを用いて決定されることによって単位時間あたりの発射球数に対する賞球または賞球データの期待値が1よりも大きくなりうる特殊遊技状態が含まれる。そして、特殊遊技状態では、第2抽選結果が特定結果である限り特殊テーブルを用いて第2特別図柄の可変表示に供される可変表示パターンが決定される一方で、第2抽選結果がハズレであると特殊遊技状態が終了する。また、抽選は、抽選結果が主として特定結果となるように行われるが、抽選結果がハズレとなる確率は、高設定値よりも低設定値の方が高い。そのため、セットされた設定値が高設定値であるほど特殊遊技状態が継続しやすくなり、セットされた設定値が低設定値であるほど特殊遊技状態が終了しやすいといった、新たな遊技機を提供することが可能となる。
なお、第1抽選結果が主としてハズレとなるのであれば、第1抽選結果に特定結果が含まれるようにしてもよい。
本発明によれば、興趣の低下を抑制することが可能な遊技機を提供することができる。
[26−5.付記30−5]
従来より、所定の条件が成立すると抽選を行い、この抽選の結果に基づいて図柄の可変表示を行う遊技機が知られている。そして、抽選の結果が特別結果であることを示す態様が導出されると、遊技者に有利な特別遊技状態に制御される。
この種の遊技機では、上記抽選の結果が特別結果となる確率が異なる複数の設定値のうちいずれか1つの設定値をセットし、以後、セットされた設定値にもとづいて遊技の進行が制御される遊技機が知られている(例えば、特開2011−206588号公報の段落[0063]参照)。上記抽選の結果が特別結果となる確率は、セットされた設定値が低設定値であれば相対的に低く、セットされた設定値が高設定値であれば相対的に高い。
また、特開2011−206588号公報のようにセットされた設定値に基づいて遊技の進行が制御される遊技機において、所定条件成立時、例えば特定リーチ演出を実行するときに、設定示唆演出を実行するようにした遊技機が開示されている(例えば、特開2019−174800号公報参照)。
しかし、所定条件成立時に設定示唆演出を実行するようにした上記特開2019−174800号公報に記載の遊技機によれば、遊技者に設定を示唆することは可能であるものの、遊技者に設定が示唆されるまでの過程に面白みがなく、興趣が低下するおそれがある。
本発明は、そのような点に鑑みてなされたものであり、その目的は、興趣の低下を抑制することにある。
(1)本発明に係る遊技機は、
遊技者にとっての有利度合いが異なる複数の設定値のうち、セットされたいずれか一の設定値にもとづいて遊技の進行にかかわる制御を実行可能な遊技機であって、
遊技球を含む特定球を貯留可能な貯留手段と、
遊技者による操作によって、前記貯留手段に貯留された特定球の貯留を解除することが可能な操作手段と、
前記貯留手段による貯留が解除された特定球が通過可能に構成されており、前記操作手段の操作態様に応じて、前記貯留が解除された特定球が通過するか否かが決まりうる特定通過領域と、
所定の演出が実行されるよう制御する演出制御手段と、
を備え、
前記演出制御手段は、
前記貯留が解除された特定球が前記特定通過領域を通過したことに基づいて、前記一の設定値を示唆する設定示唆演出が実行されるよう制御可能な設定示唆演出制御手段を有する
ことを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、貯留手段による貯留が解除された特定球が特定通過領域を通過したことに基づいて、セットされた一の設定値を示唆する設定示唆演出が実行されるなかで、遊技者が操作可能な操作手段の操作態様に応じて特定球が特定通過領域を通過するか否かが決まりうるため、遊技者に設定が示唆されるまでの過程に面白みをもたせることでゲーム性の拡張を図ることができ、興趣の低下を抑制することができる。
なお、特定球には、遊技に供される遊技球のみならず、演出用として用意される球も含まれる。また、演出用として用意される球は、遊技に供される遊技球と同じものであってもよいし、大きさが多少異なる球であってもよい。
(2)本発明に係る遊技機は、
遊技者にとっての有利度合いが異なる複数の設定値のうち、セットされたいずれか一の設定値にもとづいて遊技の進行にかかわる制御を実行可能な遊技機であって、
遊技領域に設けられる複数の入賞領域(例えば、始動入賞領域、大入賞領域、一般入賞領域)と、
前記複数の入賞領域のうちいずれかを遊技球が通過すると、賞球または賞球データを付与する賞球付与手段と、
前記複数の入賞領域のうち特定の入賞領域(例えば、大入賞領域)を通過した遊技球を貯留可能な貯留手段と、
遊技者による操作によって、前記貯留手段に貯留された遊技球の貯留を解除することが可能な操作手段と、
前記貯留手段による貯留が解除された特定遊技球が通過可能に構成されており、前記操作手段の操作態様に応じて、前記特定遊技球が通過するか否かが決まりうる特定通過領域と、
所定の演出が実行されるよう制御する演出制御手段と、
を備え、
前記演出制御手段は、
前記特定遊技球が前記特定通過領域を通過したことに基づいて、前記一の設定値を示唆する設定示唆演出が実行されるよう制御可能な設定示唆演出制御手段を有する
ことを特徴とする。
上記(2)の遊技機によれば、遊技領域に設けられる複数の入賞領域のうち特定の入賞領域(例えば、大入賞領域)を遊技球が通過すると、この遊技球は貯留手段に貯留可能となっている。そして、貯留手段による貯留が解除された特定遊技球が特定通過領域を通過したことに基づいて、セットされた一の設定値を示唆する設定示唆演出が実行される。このようななかで、遊技者が操作可能な操作手段の操作態様に応じて特定遊技球が特定通過領域を通過するか否かが決まりうるため、遊技者に設定が示唆されるまでの過程に面白みをもたせることができ、興趣の低下を抑制することができる。
(3)上記(2)に記載の遊技機において、
前記特定の入賞領域(例えば、大入賞領域)を通過した遊技球を前記貯留手段により貯留するか否かにかかる貯留抽選を実行可能な貯留抽選手段をさらに備える
ことを特徴とする。
上記(3)の遊技機によれば、特定の入賞領域(例えば、大入賞領域)を遊技球が通過すると、この遊技球は、ただちに貯留手段に貯留されるのではなく、貯留抽選の結果に基づいて貯留されることとなり、より一層面白みを持たせることができ、興趣の低下を抑制することができる。
(4)上記(3)に記載の遊技機において、
前記貯留抽選手段は、
前記複数の設定値のうちセットされた設定値に応じて、前記貯留手段による遊技球の貯留確率が異なるように前記貯留抽選を実行可能に構成されてなる
ことを特徴とする。
上記(4)の遊技機によれば、特定の入賞領域(例えば、大入賞領域)を通過した遊技球が貯留手段により貯留される確率が、セットされた設定値に応じて異なるといった、新た遊技機を提供することが可能となる。
(5)上記(2)〜(4)のいずれか一つに記載の遊技機において、
前記設定示唆演出制御手段は、
前記遊技球が前記特定通過領域を通過しなかったときにも前記設定示唆演出が実行されるよう制御可能であるとともに、
前記特定遊技球が前記特定通過領域を通過した場合、前記特定遊技球が前記特定通過領域を通過しなかった場合よりも高い確率で前記設定示唆演出が実行されるよう制御可能に構成される
ことを特徴とする。
上記(5)の遊技機によれば、貯留手段による貯留が解除された特定遊技球が特定通過領域を通過した場合には遊技者に大きな期待感を与えることができる一方、貯留手段による貯留が解除された特定遊技球が特定通過領域を通過しなかった場合であっても、設定示唆演出が実行される余地が残るため、興趣の低下を抑制することができる。
本発明によれば、興趣の低下を抑制することが可能な遊技機を提供することができる。
[26−6.付記30−6]
従来より、パチンコ遊技機においては、デジパチと称される所謂1種タイプの遊技機や、羽根モノと称される2種タイプの遊技機が知られている。さらに近年では、デジパチと羽根モノとを混合した1種2種混合機と称されるパチンコ遊技機が知られている。
この種の1種2種混合機と称されるパチンコ遊技機では、普通図柄の可変表示を行い、普通図柄当りが導出されると普通電動役物が作動して始動口への入賞が容易となる。そして、始動口への入賞に基づいて特別図柄の可変表示を行い、小当りが導出されるとVアタッカーが開放し、V入賞すると大当り遊技状態に制御されるパチンコ遊技機が開示されている(例えば、特開2013−233375号公報参照)。
例えば特開2013−233375号公報に記載された遊技機は、デジパチと羽根モノとを混合した遊技性を備えたものであるが、近年、さらに新たな遊技性を備える遊技機が望まれている。
本発明は、そのような点に鑑みてなされたものであり、その目的は、新たな遊技性を備える遊技機を提供することにある。
(1)本発明に係る遊技機は、
遊技領域に向けて発射された遊技球が普通始動領域を通過したことに基づいて普通図柄の可変表示を実行可能な普通図柄可変制御手段と、
前記普通図柄の可変表示が実行されて所定の結果を示す態様(例えば、普通当り)が導出されると、所定の始動領域(例えば、特図始動口)への遊技球の通過を容易または可能ならしめる可動部材(例えば、電チュー(普通電動役物))の作動態様を決定する作動態様決定手段と、
前記作動態様決定手段により決定された作動態様に基づいて、前記可動部材を、前記所定の始動領域への遊技球の通過が困難または不可能な通常態様から、前記所定の始動領域への遊技球の通過が容易または可能な特定態様となるように作動させて、該特定態様が終了するまで前記始動領域(例えば、特図始動口)への遊技球の通過を容易または可能にする始動通過機会を付与する制御を実行可能な始動入賞制御手段(例えば、普通電動役物)と、
遊技領域に向けて発射された遊技球が前記始動領域を通過したことに基づいて特別図柄の可変表示を実行可能な特別図柄可変制御手段と、
前記特別図柄の可変表示が行われて特定の結果を示す態様(例えば、小当り)が導出されると、特別領域(例えば、V入賞領域)への遊技球の通過を容易または可能にする特別入賞制御を実行する特別入賞制御手段(例えば、Vアタッカー)と、
遊技領域に向けて発射された遊技球が前記特別領域を通過したことに基づいて、遊技者に有利な特別遊技制御を実行可能な特別遊技状態制御手段と、
を備え、
前記作動態様決定手段は、
前記通常態様から前記特定態様となるように前記可動部材が作動した後、該特定態様が終了するまでの前記可動部材の一連の動作を1回の前記始動通過機会とする場合、該始動通過機会が複数回付与される特定作動態様を含む複数の作動態様のうちいずれかに決定可能に構成されており、
前記特定作動態様は、
1回目の前記始動通過機会が付与されてから2回目の前記始動通過機会が付与されるまでの間に、前記特別入賞制御手段による前記特別入賞制御と、前記特別遊技状態制御手段による前記特別遊技制御とを実行可能な態様となるよう構成される
ことを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、普通図柄の可変表示が実行されて所定の結果を示す態様が導出されたときに、通常態様から特定態様に可動部材を作動させて、始動領域への遊技球の通過を容易または可能にする始動通過機会が付与される。そして、通常態様から特定態様に可動部材が作動した後、この特定態様が終了するまでの可動部材の一連の動作を、普通図柄の可変表示が実行されて所定の結果を示す態様が1回導出されたことに対して複数回にわたって実行可能とし、N回目の始動通過機会が付与されてから(N+1)回目の始動通過機会が付与されるまでの間に、特別入賞制御手段による特別入賞制御と、特別遊技状態制御手段による特別遊技制御との両方を実行可能に構成される。これにより、特定態様が終了してから次回の特定態様となるまでの間の通常態様において、特別入賞制御手段による特別入賞制御と、特別遊技状態制御手段による特別遊技制御との両方を実行可能ならしめるといった、新たな遊技性を備える遊技機を提供することが可能となる。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、
前記複数の作動態様には、
前記特定作動態様として、前記始動通過機会の付与回数が異なる複数の特定作動態様が含まれる
ことを特徴とする。
上記(2)の遊技機によれば、始動通過機会が複数回付与される特定作動態様を含む複数の作動態様に、始動通過機会の付与回数が異なる複数の特定作動態様が含まれる。すなわち、始動通過機会の付与回数が異ならせることによって、特別入賞制御および特別遊技制御の実行回数を異ならせるといった、新たな遊技性を備える遊技機を提供することが可能となる。
(3)上記(1)または(2)に記載の遊技機において、
前記始動入賞制御手段は、
前記始動領域(例えば、特図始動口)への遊技球の通過が所定の上限にいたるまで前記可動部材を作動させることが可能である一方、
前記始動領域(例えば、特図始動口)への遊技球の通過が所定の上限にいたった場合には、前記作動態様決定手段により前記特定作動態様に決定されて前記始動通過機会が複数回付与されていなくとも、前記可動部材の作動を終了させるとともに、
前記可動部材を、前記特定態様において前記所定の上限よりも少ない遊技球(例えば、1〜3球)のみが前記始動領域(例えば、特図始動口)を通過可能な態様で前記可動部材を作動させるよう構成される
ことを特徴とする。
上記(3)に記載の遊技機によれば、作動態様決定手段により特定作動態様に決定された場合であっても、始動領域への遊技球の通過が所定の上限にいたった場合には、始動通過機会が複数回付与されていなくとも可動部材の作動が終了してしまう。そのため、普通図柄の可変表示が実行されて所定の結果を示す態様が導出されたときに、可動部材を、特定態様において所定の上限よりも少ない遊技球しか始動領域を通過できないようにしたものである。これにより、せっかく特定作動態様に決定されたにもかかわらず、始動領域への遊技球の通過が所定の上限にいたったために、本来実行されるべきであった回数の特別入賞制御および特別遊技制御が実行されないといった事態を防止でき、興趣の低下を抑制することが可能となる。
本発明によれば、新たな遊技性を備える遊技機を提供することが可能となる。
[27.付記31]
[27−1.付記31−1]
従来より、所定の条件が成立すると図柄の可変表示が行われ、特別の結果が導出されると遊技者に有利な特別遊技状態に制御される遊技機が知られており、このような遊技機には、例えばメインCPUやサブCPUの制御によって動作する役物が備えられている。
この種の遊技機として、例えば、サブCPUの制御によって動作する役物の動作確認を実行することができる遊技機が知られている(例えば、特開2015−195988号公報参照)。
ところで、例えば特開2015−195988号公報に開示されているように、サブCPUの制御によって動作する役物の動作確認については行うことができるものの、メインCPUの制御によって動作する役物については、不正される懸念等の問題があり、動作確認が行われていないのが実情である。
そのため、メインCPUの制御によって動作する役物が遊技の実行中に動作しなくなる等の事態が発生すると、興趣の低下等、さまざま問題が発生するおそれがある。
本発明は、そのような点に鑑みてなされたものであり、その目的は、興趣の低下等の問題を、好適に抑制することが可能な遊技機を提供することにある。
(1)本発明に係る遊技機は、
遊技の進行にかかわる制御を実行可能な主制御手段(例えば、メインCPU6101)と、
前記主制御手段により動作可能な主役物(例えば、特別電動役物(シャッタ6053a,6054a)、普通電動役物6046、小当り入賞口を開放状態と閉鎖状態とに変位させるシャッタ等)と、
電源が投入されると、少なくとも前記主制御手段に電力を供給可能な電力供給手段(例えば、電源供給回路6033)と、
を備え、
前記主制御手段は、
遊技の状態にかかわる情報を記憶可能な記憶手段(例えば、メインRAM6103)と、
所定の操作手段(例えば、RAMクリアスイッチ6121)が操作された状態で前記電源が投入された場合の遊技不可状態において、前記主役物の動作確認を実行可能な主役物動作確認手段(例えば、S13586の処理を実行するメインCPU6101)と、
前記遊技不可状態において所定の操作(例えば、RAMクリアスイッチ6121の操作)が行われると、前記記憶手段に記憶されている情報を消去する消去手段(例えば、S13602の処理を実行するメインCPU6101)と、
前記記憶手段に記憶されている情報が消去されると、遊技を実行可能な遊技許可状態に制御する遊技許可制御手段(例えば、メインCPU6101)と、
を有することを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、遊技不可状態において主役物の動作確認を実行可能とするため、不正される懸念を抑制することができるだけでなく、遊技の実行中に動作しなくなる等のリスクを軽減でき、ひいては興趣の低下を抑制することも可能となる。
(2)本発明に係る遊技機は、
遊技の進行にかかわる制御を実行可能な主制御手段(例えば、メインCPU6101)と、
前記主制御手段により動作可能な主役物(例えば、特別電動役物(シャッタ6053a,6054a)、普通電動役物6046、小当り入賞口を開放状態と閉鎖状態とに変位させるシャッタ等)と、
電源が投入されると、少なくとも前記主制御手段に電力を供給可能な電力供給手段(例えば、電源供給回路6033)と、
を備え、
前記主制御手段は、
遊技の状態にかかわる情報を記憶可能な記憶手段(例えば、メインRAM6103)と、
所定の操作手段(例えば、RAMクリアスイッチ6121)が操作された状態で前記電源が投入されると、前記記憶手段に記憶されている情報を消去する消去手段(例えば、S13602の処理を実行するメインCPU6101)と、
所定の操作手段が操作された状態で前記電源が投入された場合の遊技不可状態において、前記主役物の動作確認を実行可能な主役物動作確認手段(例えば、S13586の処理を実行するメインCPU6101)と、
前記記憶手段に記憶されている情報が消去された以降に、遊技を実行可能な遊技許可状態に制御する遊技許可制御手段(例えば、メインCPU6101)と、
を有することを特徴とする。
上記(2)の遊技機においても、遊技不可状態において主役物の動作確認を実行可能としており、不正される懸念を抑制することができるだけでなく、遊技の実行中に動作しなくなる等のリスクを軽減でき、ひいては興趣の低下を抑制することが可能となる。
(3)上記(1)または(2)に記載の遊技機において、
演出にかかわる制御を実行可能な演出制御手段(例えば、ホスト制御回路6210)と、
前記演出制御手段により動作可能な演出役物(例えば、役物6020)と、
をさらに備え、
前記演出制御手段は、
前記演出役物の動作確認を実行可能な演出役物動作確認手段(例えば、S8021の処理を実行するホスト制御回路6210)を有し、
前記演出役物動作確認手段は、
前記遊技許可状態において前記演出役物の動作確認を実行可能である一方、
前記主役物動作確認手段は、
前記遊技許可状態において前記主役物の動作確認を実行不可能であり、前記遊技許可状態と前記遊技不可状態とのうち前記遊技不可状態に制御されている場合に限り、前記主役物の動作確認を実行可能に構成される
ことを特徴とする。
上記(3)の遊技機によれば、不正される懸念を抑制することを担保しつつ、演出役物の動作確認と主役物の動作確認とを好適に実行することが可能となる。
本発明によれば、興趣の低下等の問題を、好適に抑制することが可能な遊技機を提供することができる。
[27−2.付記31−2]
従来より、所定の条件が成立すると図柄の可変表示が行われ、特別の結果が導出されると遊技者に有利な特別遊技状態に制御される遊技機が知られており、このような遊技機には、例えばメインCPUやサブCPUの制御によって動作する役物が備えられている。
この種の遊技機として、例えば、サブCPUの制御によって動作する役物の動作確認を実行することができる遊技機が知られている(例えば、特開2015−195988号公報参照)。
ところで、例えば特開2015−195988号公報に開示されているように、サブCPUの制御によって動作する役物の動作確認については行うことができるものの、メインCPUの制御によって動作する役物については、不正される懸念等の問題があり、動作確認が行われていないのが実情である。
そのため、メインCPUの制御によって動作する役物が遊技の実行中に動作しなくなる等の事態が発生すると、興趣の低下等、さまざま問題が発生するおそれがある。
本発明は、そのような点に鑑みてなされたものであり、その目的は、興趣の低下等の問題を、好適に抑制することが可能な遊技機を提供することにある。
(1)本発明に係る遊技機は、
所定の操作が行われたことに基づいて(始動口スイッチも所定の操作に基づく)検出可能な複数の検出手段と、
前記検出手段により検出されたことに基づいて、検出された検出手段に対応して遊技の進行にかかわる制御を実行可能な主制御手段(例えば、メインCPU6101)と、
前記主制御手段により動作可能な主役物(例えば、特別電動役物(シャッタ6053a,6054a)、普通電動役物6046、小当り入賞口を開放状態と閉鎖状態とに変位させるシャッタ等)と、
電源が投入されると、少なくとも前記主制御手段に電力を供給可能な電力供給手段(例えば、電源供給回路6033)と、
を備え、
前記主制御手段は、
遊技の状態にかかわる情報を記憶可能な記憶手段(例えば、メインRAM6103)と、
所定の操作手段(例えば、RAMクリアスイッチ6121)が操作された場合の遊技不可状態において、前記主役物の動作確認を実行可能な主役物動作確認手段(例えば、S13586の処理を実行するメインCPU6101)と、
前記遊技不可状態において、前記複数の検出手段のうち所定の操作(例えば、RAMクリアスイッチ6121の操作)が行われたことが検出されると、前記記憶手段に記憶されている情報を消去する消去手段(例えば、S13602の処理を実行するメインCPU6101)と、
前記記憶手段に記憶されている情報が消去されると、遊技を実行可能な遊技許可状態に制御する遊技許可制御手段(例えば、メインCPU6101)と、
を有し、
前記主役物動作確認手段は、
前記遊技不可状態において前記複数の検出手段のうち特定の検出手段(主制御回路6100に接続された例えばセンサ等の検出手段)により検出されたことに基づいて、前記主役物の動作確認を実行可能に構成される
ことを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、遊技不可状態において主役物の動作確認を実行可能とするため、不正される懸念を抑制することができるだけでなく、遊技の実行中に動作しなくなる等のリスクを軽減でき、ひいては興趣の低下を抑制することも可能となる。
また、特定の検出手段を操作することにより主役物の動作確認を実行することができるるため、利便性を高めることもできる。
なお、例えば遊技機がパチンコ遊技機である場合、「所定の操作が行われたことに基づいて検出可能な複数の検出手段」には、発射操作されたことに基づいて発射された遊技球を検出可能な検出手段(例えば、第1始動口入賞球スイッチ6044a、第2始動口入賞球スイッチ6045a等)も含まれる。
また、「複数の検出手段のうち特定の検出手段」は、特定の検出手段が一つの場合のみならず、特定の検出手段が複数の場合が勿論、複数の検出手段の全部が特定の検出手段である場合も含む。特定の検出手段が複数の場合、複数の特定の検出手段のいずれを操作しても主役物の動作確認を終了させることができるので、とくに利便性を高めることができる。
(2)本発明に係る遊技機は、
所定の操作が行われたことに基づいて検出可能な複数の検出手段(例えば、第1始動口入賞球スイッチ6044a、第2始動口入賞球スイッチ6045a)と、
前記検出手段により検出されたことに基づいて、検出された検出手段に対応して遊技の進行にかかわる制御を実行可能な主制御手段(例えば、メインCPU6101)と、
前記主制御手段により動作可能な主役物(例えば、特別電動役物(シャッタ6053a,6054a)、普通電動役物6046、小当り入賞口を開放状態と閉鎖状態とに変位させるシャッタ等)と、
電源が投入されると、少なくとも前記主制御手段に電力を供給可能な電力供給手段(例えば、電源供給回路6033)と、
を備え、
前記主制御手段は、
遊技の状態にかかわる情報を記憶可能な記憶手段(例えば、メインRAM6103)と、
所定の操作手段(例えば、RAMクリアスイッチ6121)が操作された状態で前記電源が投入されると、前記記憶手段に記憶されている情報を消去する消去手段(例えば、S13602の処理を実行するメインCPU6101)と、
所定の操作手段が操作された状態で前記電源が投入された場合の遊技不可状態において、前記主役物の動作確認を実行可能な主役物動作確認手段(例えば、S13586の処理を実行するメインCPU6101)と、
前記記憶手段に記憶されている情報が消去された以降に、遊技を実行可能な遊技許可状態に制御する遊技許可制御手段(例えば、メインCPU6101)と、
を有し、
前記主役物動作確認手段は、
前記遊技不可状態において前記複数の検出手段のうち特定の検出手段(複数の検出手段の全部が特定の検出手段である場合も含む)により検出されたことに基づいて、前記主役物の動作確認を実行可能に構成される
ことを特徴とする。
上記(2)の遊技機においても、遊技不可状態において主役物の動作確認を実行可能としており、不正される懸念を抑制することができるだけでなく、遊技の実行中に動作しなくなる等のリスクを軽減でき、ひいては興趣の低下を抑制することが可能となる。
また、特定の検出手段を操作することにより主役物の動作確認を実行することができるるため、利便性を高めることもできる。
なお、例えば遊技機がパチンコ遊技機である場合、「所定の操作が行われたことに基づいて検出可能な複数の検出手段」には、発射操作されたことに基づいて発射された遊技球を検出可能な検出手段(例えば、第1始動口入賞球スイッチ6044a、第2始動口入賞球スイッチ6045a等)も含まれる。
また、「複数の検出手段のうち特定の検出手段」は、特定の検出手段が一つの場合のみならず、特定の検出手段が複数の場合が勿論、複数の検出手段の全部が特定の検出手段である場合も含む。特定の検出手段が複数の場合、複数の特定の検出手段のいずれを操作しても主役物の動作確認を終了させることができるので、とくに利便性を高めることができる。
(3)上記(1)または(2)に記載の遊技機において、
演出にかかわる制御を実行可能な演出制御手段(例えば、ホスト制御回路6210)と、
前記演出制御手段により動作可能な演出役物(例えば、役物6020)と、
をさらに備え、
前記演出制御手段は、
前記演出役物の動作確認を実行可能な演出役物動作確認手段(例えば、S8021の処理を実行するホスト制御回路6210)を有し、
前記演出役物動作確認手段は、
前記遊技許可状態において前記演出役物の動作確認を実行可能である一方、
前記主役物動作確認手段は、
前記遊技許可状態において前記主役物の動作確認を実行不可能であり、前記遊技許可状態と前記遊技不可状態とのうち前記遊技不可状態に制御されている場合に限り、前記主役物の動作確認を実行可能に構成される
ことを特徴とする。
上記(3)の遊技機によれば、不正される懸念を抑制することを担保しつつ、演出役物の動作確認と主役物の動作確認とを好適に実行することが可能となる。
本発明によれば、興趣の低下等の問題を、好適に抑制することが可能な遊技機を提供することができる。
[27−3.付記31−3]
従来より、所定の条件が成立すると図柄の可変表示が行われ、特別の結果が導出されると遊技者に有利な特別遊技状態に制御される遊技機が知られており、このような遊技機には、例えばメインCPUやサブCPUの制御によって動作する役物が備えられている。
この種の遊技機として、例えば、サブCPUの制御によって動作する役物の動作確認を実行することができる遊技機が知られている(例えば、特開2015−195988号公報参照)。
ところで、例えば特開2015−195988号公報に開示されているように、サブCPUの制御によって動作する役物の動作確認については行うことができるものの、メインCPUの制御によって動作する役物については、不正される懸念等の問題があり、動作確認が行われていないのが実情である。
そのため、メインCPUの制御によって動作する役物が遊技の実行中に動作しなくなる等の事態が発生すると、興趣の低下等、さまざま問題が発生するおそれがある。
本発明は、そのような点に鑑みてなされたものであり、その目的は、興趣の低下等の問題を、好適に抑制することが可能な遊技機を提供することにある。
(1)本発明に係る遊技機は、
遊技の進行にかかわる制御を実行可能な主制御手段(例えば、メインCPU6101)と、
前記主制御手段により動作可能な主役物(例えば、特別電動役物(シャッタ6053a,6054a)、普通電動役物6046、小当り入賞口を開放状態と閉鎖状態とに変位させるシャッタ等)と、
演出にかかわる制御を実行可能な演出制御手段(例えば、ホスト制御回路6210)と、
前記演出制御手段により動作可能な演出役物(例えば、役物6020)と、
電源が投入されると、少なくとも前記主制御手段および前記演出制御手段に電力を供給可能な電力供給手段(例えば、電源供給回路6033)と、
を備え、
前記主制御手段は、
遊技の状態にかかわる情報を記憶可能な記憶手段(例えば、メインRAM6103)と、
所定の操作手段(例えば、RAMクリアスイッチ6121)が操作された状態で前記電源が投入された場合の遊技不可状態において、前記主役物の動作確認を実行可能な主役物動作確認手段(例えば、S13586の処理を実行するメインCPU6101)と、
前記遊技不可状態において所定の操作(例えば、RAMクリアスイッチ6121の操作)が行われると、前記記憶手段に記憶されている情報を消去する消去手段(例えば、S13602の処理を実行するメインCPU6101)と、
前記記憶手段に記憶されている情報が消去されると、遊技を実行可能な遊技許可状態に制御する遊技許可制御手段(例えば、メインCPU6101)と、
を有し、
前記演出制御手段は、
前記遊技不可状態において前記演出役物の動作確認を実行可能な演出役物動作確認手段(例えば、S8021の処理を実行するホスト制御回路6210)を有し、
前記演出役物動作確認手段は、
前記主役物の動作確認が実行中であったとしても前記演出役物の動作確認を実行可能に構成される
ことを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、遊技不可状態において主役物の動作確認を実行可能とするため、不正される懸念を抑制することができるだけでなく、遊技の実行中に動作しなくなる等のリスクを軽減でき、ひいては興趣の低下を抑制することも可能となる。
しかも、遊技不可状態において主役物の動作確認が実行中であったとしても演出役物の動作確認を実行可能であるため、利便性を高めることもできる。
(2)本発明に係る遊技機は、
遊技の進行にかかわる制御を実行可能な主制御手段(例えば、メインCPU6101)と、
前記主制御手段により動作可能な主役物(例えば、特別電動役物(シャッタ6053a,6054a)、普通電動役物6046、小当り入賞口を開放状態と閉鎖状態とに変位させるシャッタ等)と、
演出にかかわる制御を実行可能な演出制御手段(例えば、ホスト制御回路6210)と、
前記演出制御手段により動作可能な演出役物(例えば、役物6020)と、
電源が投入されると、少なくとも前記主制御手段および前記演出制御手段に電力を供給可能な電力供給手段(例えば、電源供給回路6033)と、
を備え、
前記主制御手段は、
遊技の状態にかかわる情報を記憶可能な記憶手段(例えば、メインRAM6103)と、
所定の操作手段(例えば、RAMクリアスイッチ6121)が操作された状態で前記電源が投入されると、前記記憶手段に記憶されている情報を消去する消去手段(例えば、S13602の処理を実行するメインCPU6101)と、
所定の操作手段が操作された状態で前記電源が投入された場合の遊技不可状態において、前記主役物の動作確認を実行可能な主役物動作確認手段(例えば、S13586の処理を実行するメインCPU6101)と、
前記記憶手段に記憶されている情報が消去された以降に、遊技を実行可能な遊技許可状態に制御する遊技許可制御手段(例えば、メインCPU6101)と、
を有し、
前記演出制御手段は、
前記遊技不可状態において前記演出役物の動作確認を実行可能な演出役物動作確認手段(例えば、S8021の処理を実行するホスト制御回路6210)を有し、
前記演出役物動作確認手段は、
前記主役物の動作確認が実行中であったとしても前記演出役物の動作確認を実行可能に構成される
ことを特徴とする。
上記(2)の遊技機においても、遊技不可状態において主役物の動作確認を実行可能としており、不正される懸念を抑制することができるだけでなく、遊技の実行中に動作しなくなる等のリスクを軽減でき、ひいては興趣の低下を抑制することが可能となる。
しかも、遊技不可状態において主役物の動作確認が実行中であったとしても演出役物の動作確認を実行可能であるため、利便性を高めることもできる。
(3)上記(1)または(2)に記載の遊技機において、
前記演出役物動作確認手段は、
前記遊技許可状態において前記演出役物の動作確認を実行可能である一方、
前記主役物動作確認手段は、
前記遊技許可状態において前記主役物の動作確認を実行不可能であり、前記遊技許可状態と前記遊技不可状態とのうち前記遊技不可状態に制御されている場合に限り、前記主役物の動作確認を実行可能に構成される
ことを特徴とする。
上記(3)の遊技機によれば、不正される懸念を抑制することを担保しつつ、演出役物の動作確認と主役物の動作確認とを好適に実行することが可能となる。
本発明によれば、興趣の低下等の問題を、好適に抑制することが可能な遊技機を提供することができる。
[27−4.付記31−4]
従来より、所定の条件が成立すると図柄の可変表示が行われ、特別の結果が導出されると遊技者に有利な特別遊技状態に制御される遊技機が知られており、このような遊技機には、例えばメインCPUやサブCPUの制御によって動作する役物が備えられている。
この種の遊技機として、例えば、サブCPUの制御によって動作する役物の動作確認を実行することができる遊技機が知られている(例えば、特開2015−195988号公報参照)。
ところで、例えば特開2015−195988号公報に開示されているように、サブCPUの制御によって動作する役物の動作確認については行うことができるものの、メインCPUの制御によって動作する役物については、不正される懸念等の問題があり、動作確認が行われていないのが実情である。
そのため、メインCPUの制御によって動作する役物が遊技の実行中に動作しなくなる等の事態が発生すると、興趣の低下等、さまざま問題が発生するおそれがある。
本発明は、そのような点に鑑みてなされたものであり、その目的は、興趣の低下等の問題を、好適に抑制することが可能な遊技機を提供することにある。
(1)本発明に係る遊技機は、
遊技の進行にかかわる制御を実行可能な主制御手段(例えば、メインCPU6101)と、
前記主制御手段により原点位置から所定位置に向けて動作可能な主役物(例えば、特別電動役物(シャッタ6053a,6054a)、普通電動役物6046、小当り入賞口を開放状態と閉鎖状態とに変位させるシャッタ等)と、
電源が投入されると、少なくとも前記主制御手段に電力を供給可能な電力供給手段(例えば、電源供給回路6033)と、
を備え、
前記主制御手段は、
遊技の状態にかかわる情報を記憶可能な記憶手段(例えば、メインRAM6103)と、
所定の操作手段(例えば、RAMクリアスイッチ6121)が操作された状態で前記電源が投入された場合の遊技不可状態において、前記主役物の動作確認を実行可能な主役物動作確認手段(例えば、S13586の処理を実行するメインCPU6101)と、
前記遊技不可状態において所定の操作(例えば、RAMクリアスイッチ6121の操作)が行われると、前記記憶手段に記憶されている情報を消去する消去手段(例えば、S13602の処理を実行するメインCPU6101)と、
前記記憶手段に記憶されている情報が消去されると、遊技を実行可能な遊技許可状態に制御する遊技許可制御手段(例えば、メインCPU6101)と、
前記遊技不可状態から前記遊技許可状態に制御された場合、前記主役物が原点位置に位置するよう該主役物を動作可能な主役物復帰制御手段(例えば、S13590の処理を実行するメインCPU6101)と、
を有することを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、遊技不可状態において主役物の動作確認を実行可能とするため、不正される懸念を抑制することができるだけでなく、遊技の実行中に動作しなくなる等のリスクを軽減でき、ひいては興趣の低下を抑制することも可能となる。
しかも、遊技不可状態から遊技許可状態に制御された場合、主役物が原点位置に位置するよう主役物を動作可能な主役物復帰制御手を有するため、好適に、主役物の動作確認を実行できる。
(2)本発明に係る遊技機は、
遊技の進行にかかわる制御を実行可能な主制御手段(例えば、メインCPU6101)と、
前記主制御手段により原点位置から所定位置に向けて動作可能な主役物(例えば、特別電動役物(シャッタ6053a,6054a)、普通電動役物6046、小当り入賞口を開放状態と閉鎖状態とに変位させるシャッタ等)と、
電源が投入されると、少なくとも前記主制御手段に電力を供給可能な電力供給手段(例えば、電源供給回路6033)と、
を備え、
前記主制御手段は、
遊技の状態にかかわる情報を記憶可能な記憶手段(例えば、メインRAM6103)と、
所定の操作手段が操作された状態で前記電源が投入されると、前記記憶手段に記憶されている情報を消去する消去手段(例えば、S13602の処理を実行するメインCPU6101)と、
所定の操作手段が操作された状態で前記電源が投入された場合の遊技不可状態において、前記主役物の動作確認を実行可能な主役物動作確認手段(例えば、S13586の処理を実行するメインCPU6101)と、
前記記憶手段に記憶されている情報が消去された以降に、遊技を実行可能な遊技許可状態に制御する遊技許可制御手段(例えば、メインCPU6101)と、
前記遊技不可状態から前記遊技許可状態に制御された場合、前記主役物が原点位置に位置するよう該主役物を動作可能な主役物復帰制御手段(例えば、S13590の処理を実行するメインCPU6101)と、
を有することを特徴とする。
上記(2)の遊技機においても、遊技不可状態において主役物の動作確認を実行可能としており、不正される懸念を抑制することができるだけでなく、遊技の実行中に動作しなくなる等のリスクを軽減でき、ひいては興趣の低下を抑制することが可能となる。
しかも、遊技不可状態から遊技許可状態に制御された場合、主役物が原点位置に位置するよう主役物を動作可能な主役物復帰制御手を有するため、好適に、主役物の動作確認を実行できる。
(3)上記(1)または(2)に記載の遊技機において、
演出にかかわる制御を実行可能な演出制御手段(例えば、ホスト制御回路6210)と、
前記演出制御手段により動作可能な演出役物(例えば、役物6020)と、
をさらに備え、
前記演出制御手段は、
前記演出役物の動作確認を実行可能な演出役物動作確認手段(例えば、S8021の処理を実行するホスト制御回路6210)を有し、
前記演出役物動作確認手段は、
前記遊技許可状態において前記演出役物の動作確認を実行可能である一方、
前記主役物動作確認手段は、
前記遊技許可状態において前記主役物の動作確認を実行不可能であり、前記遊技許可状態と前記遊技不可状態とのうち前記遊技不可状態に制御されている場合に限り、前記主役物の動作確認を実行可能に構成される
ことを特徴とする。
上記(3)の遊技機によれば、不正される懸念を抑制することを担保しつつ、演出役物の動作確認と主役物の動作確認とを好適に実行することが可能となる。
(4)上記(1)〜(3)のいずれか一つの遊技機において、
前記主制御手段は、
前記遊技許可状態において行われた遊技結果として特別結果が導出されると、前記主役物の一つである特別可動部材を動作させて、特別入賞口を、遊技球の通過が困難または不可能な第1態様から、遊技球の通過が可能または容易な第2態様に変位させる特別遊技状態に制御可能な特別遊技状態制御手段(例えば、S11808〜S11811の処理を実行するメインCPU6101)と、
前記特別入賞口を遊技球が通過すると、遊技価値を付与する遊技価値付与手段(例えば、払出・発射制御回路6300)と、
をさらに有し、
前記主役物復帰制御手段は、
前記遊技不可状態から前記遊技許可状態に制御された場合、前記特別入賞口が前記第1態様となるように前記特別可動部材を動作させる制御を含むものである
ことを特徴とする。
上記(4)の遊技機によれば、遊技不可状態から遊技許可状態に制御された場合、特別入賞口が第1態様となるように特別可動部材を動作させるため、演出役物の動作確認実行時の懸念をより一層抑制することがが可能となる。
本発明によれば、興趣の低下等の問題を、好適に抑制することが可能な遊技機を提供することができる。
[27−5.付記31−5]
従来より、所定の条件が成立すると図柄の可変表示が行われ、特別の結果が導出されると遊技者に有利な特別遊技状態に制御される遊技機が知られており、このような遊技機には、例えばメインCPUやサブCPUの制御によって動作する役物が備えられている。
この種の遊技機として、例えば、サブCPUの制御によって動作する役物の動作確認を実行することができる遊技機が知られている(例えば、特開2015−195988号公報参照)。
ところで、例えば特開2015−195988号公報に開示されているように、サブCPUの制御によって動作する役物の動作確認については行うことができるものの、メインCPUの制御によって動作する役物については、不正される懸念等の問題があり、動作確認が行われていないのが実情である。
そのため、メインCPUの制御によって動作する役物が遊技の実行中に動作しなくなる等の事態が発生すると、興趣の低下等、さまざま問題が発生するおそれがある。
本発明は、そのような点に鑑みてなされたものであり、その目的は、興趣の低下等の問題を、好適に抑制することが可能な遊技機を提供することにある。
(1)本発明に係る遊技機は、
遊技の進行にかかわる制御を実行可能な主制御手段(例えば、メインCPU6101)と、
前記主制御手段により動作可能な主役物(例えば、特別電動役物(シャッタ6053a,6054a)、普通電動役物6046、小当り入賞口を開放状態と閉鎖状態とに変位させるシャッタ等)と、
演出にかかわる制御を実行可能な演出制御手段と、
電源が投入されると、少なくとも前記主制御手段および前記演出制御手段に電力を供給可能な電力供給手段(例えば、電源供給回路6033)と、
を備え、
前記主制御手段は、
遊技の状態にかかわる情報を記憶可能な記憶手段(例えば、メインRAM6103)と、
所定の操作手段(例えば、RAMクリアスイッチ6121)が操作された状態で前記電源が投入された場合の遊技不可状態において、前記主役物の動作確認を実行可能な主役物動作確認手段(例えば、S13586の処理を実行するメインCPU6101)と、
前記遊技不可状態において所定の操作(例えば、RAMクリアスイッチ6121の操作)が行われると、前記記憶手段に記憶されている情報を消去する消去手段(例えば、S13602の処理を実行するメインCPU6101)と、
前記記憶手段に記憶されている情報が消去されると、遊技を実行可能な遊技許可状態に制御する遊技許可制御手段(例えば、メインCPU6101)と、
を有し、
前記演出制御手段は、
前記遊技許可状態において検出手段による検出が所定の値を超えた場合、警報を出力可能な警報出力手段と、
前記主役物の動作確認を実行可能な前記遊技不可状態であったとしても、前記検出手段の動作確認を実行可能な検出確認手段と、
を有し、
前記検出確認手段は、
前記遊技不可状態において、前記警報を出力することなく前記検出手段の動作確認を実行可能に構成される
ことを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、遊技不可状態において主役物の動作確認を実行可能とするため、不正される懸念を抑制することができるだけでなく、遊技の実行中に動作しなくなる等のリスクを軽減でき、ひいては興趣の低下を抑制することも可能となる。
しかも、遊技許可状態において検出手段による検出が所定の値を超えた場合は警報が出力されるものの、遊技不可状態では、警報が出力されずに検出手段の動作確認を実行することが可能となる。
(2)本発明に係る遊技機は、
遊技の進行にかかわる制御を実行可能な主制御手段(例えば、メインCPU6101)と、
前記主制御手段により動作可能な主役物(例えば、特別電動役物(シャッタ6053a,6054a)、普通電動役物6046、小当り入賞口を開放状態と閉鎖状態とに変位させるシャッタ等)と、
演出にかかわる制御を実行可能な演出制御手段と、
電源が投入されると、少なくとも前記主制御手段および前記演出制御手段に電力を供給可能な電力供給手段(例えば、電源供給回路6033)と、
を備え、
前記主制御手段は、
遊技の状態にかかわる情報を記憶可能な記憶手段(例えば、メインRAM6103)と、
所定の操作手段(例えば、RAMクリアスイッチ6121)が操作された状態で前記電源が投入されると、前記記憶手段に記憶されている情報を消去する消去手段(例えば、S13602の処理を実行するメインCPU6101)と、
所定の操作手段が操作された状態で前記電源が投入された場合の遊技不可状態において、前記主役物の動作確認を実行可能な主役物動作確認手段(例えば、S13586の処理を実行するメインCPU6101)と、
前記記憶手段に記憶されている情報が消去された以降に、遊技を実行可能な遊技許可状態に制御する遊技許可制御手段(例えば、メインCPU6101)と、
を有し、
前記演出制御手段は、
前記遊技許可状態において検出手段による検出が所定の値を超えた場合、警報を出力可能な警報出力手段と、
前記主役物の動作確認を実行可能な前記遊技不可状態であったとしても、前記検出手段の動作確認を実行可能な検出確認手段と、
を有し、
前記検出確認手段は、
前記遊技不可状態において、前記警報を出力することなく前記検出手段の動作確認を実行可能に構成される
ことを特徴とする。
上記(2)の遊技機においても、遊技不可状態において主役物の動作確認を実行可能としており、不正される懸念を抑制することができるだけでなく、遊技の実行中に動作しなくなる等のリスクを軽減でき、ひいては興趣の低下を抑制することが可能となる。
しかも、遊技許可状態において検出手段による検出が所定の値を超えた場合は警報が出力されるものの、遊技不可状態では、警報が出力されずに検出手段の動作確認を実行することが可能となる。
本発明によれば、興趣の低下等の問題を、好適に抑制することが可能な遊技機を提供することができる。
[27−6.付記31−6]
従来より、所定の条件が成立すると図柄の可変表示が行われ、特別の結果が導出されると遊技者に有利な特別遊技状態に制御される遊技機が知られており、このような遊技機には、例えばメインCPUやサブCPUの制御によって動作する役物が備えられている。
この種の遊技機として、例えば、サブCPUの制御によって動作する役物の動作確認を実行することができる遊技機が知られている(例えば、特開2015−195988号公報参照)。
ところで、例えば特開2015−195988号公報に開示されているように、サブCPUの制御によって動作する役物の動作確認については行うことができるものの、メインCPUの制御によって動作する役物については、不正される懸念等の問題があり、動作確認が行われていないのが実情である。
そのため、メインCPUの制御によって動作する役物が遊技の実行中に動作しなくなる等の事態が発生すると、興趣の低下等、さまざま問題が発生するおそれがある。
本発明は、そのような点に鑑みてなされたものであり、その目的は、興趣の低下等の問題を、好適に抑制することが可能な遊技機を提供することにある。
(1)本発明に係る遊技機は、
遊技の進行にかかわる制御を実行可能な主制御手段(例えば、メインCPU6101)と、
前記主制御手段により動作可能な主役物(例えば、特別電動役物(シャッタ6053a,6054a)、普通電動役物6046、小当り入賞口を開放状態と閉鎖状態とに変位させるシャッタ等)と、
演出にかかわる制御を実行可能な演出制御手段(例えば、ホスト制御回路6210)と、
前記演出制御手段により動作可能な演出役物(例えば、役物6020)と、
電源が投入されると、少なくとも前記主制御手段および前記演出制御手段に電力を供給可能な電力供給手段(例えば、電源供給回路6033)と、
を備え、
前記主制御手段は、
遊技の状態にかかわる情報を記憶可能な記憶手段(例えば、メインRAM6103)と、
所定の操作手段(例えば、RAMクリアスイッチ6121)が操作された状態で前記電源が投入された場合の遊技不可状態において、前記主役物の動作確認を実行可能な主役物動作確認手段(例えば、S13586の処理を実行するメインCPU6101)と、
前記遊技不可状態において所定の操作(例えば、RAMクリアスイッチ6121の操作)が行われると、前記記憶手段に記憶されている情報を消去する消去手段(例えば、S13602の処理を実行するメインCPU6101)と、
前記記憶手段に記憶されている情報が消去されると、遊技を実行可能な遊技許可状態に制御する遊技許可制御手段(例えば、メインCPU6101)と、
を有し、
前記演出制御手段は、
前記遊技不可状態において前記演出役物の動作確認を実行可能な演出役物動作確認手段(例えば、S8021の処理を実行するホスト制御回路6210)を有し、
前記演出役物動作確認手段は、
前記遊技不可状態では、前記主役物の動作確認が実行中でない場合に限り、前記演出役物の動作確認を実行可能に構成されている
ことを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、遊技不可状態において主役物の動作確認を実行可能とするため、不正される懸念を抑制することができるだけでなく、遊技の実行中に動作しなくなる等のリスクを軽減でき、ひいては興趣の低下を抑制することも可能となる。
しかも、遊技不可状態では、主役物の動作確認が実行中でない場合に限り演出役物の動作確認を実行可能であるため、主役物の動作確認が、演出役物の動作確認によって発生しうる動作音等によって阻害されることを防止できる。
(2)本発明に係る遊技機は、
遊技の進行にかかわる制御を実行可能な主制御手段(例えば、メインCPU6101)と、
前記主制御手段により動作可能な主役物(例えば、特別電動役物(シャッタ6053a,6054a)、普通電動役物6046、小当り入賞口を開放状態と閉鎖状態とに変位させるシャッタ等)と、
演出にかかわる制御を実行可能な演出制御手段(例えば、ホスト制御回路6210)と、
前記演出制御手段により動作可能な演出役物(例えば、役物6020)と、
電源が投入されると、少なくとも前記主制御手段および前記演出制御手段に電力を供給可能な電力供給手段(例えば、電源供給回路6033)と、
を備え、
前記主制御手段は、
遊技の状態にかかわる情報を記憶可能な記憶手段(例えば、メインRAM6103)と、
所定の操作手段(例えば、RAMクリアスイッチ6121)が操作された状態で前記電源が投入されると、前記記憶手段に記憶されている情報を消去する消去手段(例えば、S13602の処理を実行するメインCPU6101)と、
所定の操作手段が操作された状態で前記電源が投入された場合の遊技不可状態において、前記主役物の動作確認を実行可能な主役物動作確認手段(例えば、S13586の処理を実行するメインCPU6101)と、
前記記憶手段に記憶されている情報が消去された以降に、遊技を実行可能な遊技許可状態に制御する遊技許可制御手段(例えば、メインCPU6101)と、
を有し、
前記演出制御手段は、
前記遊技不可状態において前記演出役物の動作確認を実行可能な演出役物動作確認手段(例えば、S8021の処理を実行するホスト制御回路6210)を有し、
前記演出役物動作確認手段は、
前記遊技不可状態では、前記主役物の動作確認が実行中でない場合に限り、前記演出役物の動作確認を実行可能に構成されている
ことを特徴とする。
上記(2)の遊技機においても、遊技不可状態において主役物の動作確認を実行可能としており、不正される懸念を抑制することができるだけでなく、遊技の実行中に動作しなくなる等のリスクを軽減でき、ひいては興趣の低下を抑制することが可能となる。
しかも、遊技不可状態では、主役物の動作確認が実行中でない場合に限り演出役物の動作確認を実行可能であるため、主役物の動作確認が、演出役物の動作確認によって発生しうる動作音等によって阻害されることを防止できる。
(3)上記(1)または(2)に記載の遊技機において、
前記演出役物動作確認手段は、
前記遊技許可状態において前記演出役物の動作確認を実行可能である一方、
前記主役物動作確認手段は、
前記遊技許可状態において前記主役物の動作確認を実行不可能であり、前記遊技許可状態と前記遊技不可状態とのうち前記遊技不可状態に制御されている場合に限り、前記主役物の動作確認を実行可能に構成される
ことを特徴とする。
上記(3)の遊技機によれば、不正される懸念を抑制することを担保しつつ、演出役物の動作確認と主役物の動作確認とを好適に実行することが可能となる。
(4)上記(1)〜(3)のいずれか一つの遊技機において、
前記主制御手段は、
前記主役物の動作確認中であることを示す動作確認中情報を含む各種情報を前記演出制御手段に送信可能な送信手段(例えば、コマンド出力ポート6016)を有し、
前記演出制御手段は、
前記送信手段から送信された情報を受信可能な受信手段(例えば、コマンド入力ポート20333)と、
前記動作確認中情報を受信したことに基づいて、前記主役物の動作確認中であることを示す動作確認中画面を表示可能な表示制御手段とを有する
ことを特徴とする。
上記(4)の遊技機によれば、主役物の動作確認中であることを示す動作確認中画面が表示されるため、演出役物の動作確認を実行できるか否かを把握することが可能となる。
本発明によれば、興趣の低下等の問題を、好適に抑制することが可能な遊技機を提供することができる。
[27−7.付記31−7]
従来より、所定の条件が成立すると図柄の可変表示が行われ、特別の結果が導出されると遊技者に有利な特別遊技状態に制御される遊技機が知られており、このような遊技機には、例えばメインCPUやサブCPUの制御によって動作する役物が備えられている。
この種の遊技機として、例えば、サブCPUの制御によって動作する役物の動作確認を実行することができる遊技機が知られている(例えば、特開2015−195988号公報参照)。
ところで、例えば特開2015−195988号公報に開示されているように、サブCPUの制御によって動作する役物の動作確認については行うことができるものの、メインCPUの制御によって動作する役物については、不正される懸念等の問題があり、動作確認が行われていないのが実情である。
そのため、メインCPUの制御によって動作する役物が遊技の実行中に動作しなくなる等の事態が発生すると、興趣の低下等、さまざま問題が発生するおそれがある。
本発明は、そのような点に鑑みてなされたものであり、その目的は、興趣の低下等の問題を、好適に抑制することが可能な遊技機を提供することにある。
(1)本発明に係る遊技機は、
遊技の進行にかかわる制御を実行可能な主制御手段(例えば、メインCPU6101)と、
前記主制御手段により動作可能な主役物(例えば、特別電動役物(シャッタ6053a,6054a)、普通電動役物6046、小当り入賞口を開放状態と閉鎖状態とに変位させるシャッタ等)と、
所定の表示手段と、
前記表示手段に表示される画像の表示制御を実行可能な演出制御手段(例えば、ホスト制御回路6210)と、
電源が投入されると、少なくとも前記主制御手段および前記演出制御手段に電力を供給可能な電力供給手段(例えば、電源供給回路6033)と、
を備え、
前記主制御手段は、
遊技の状態にかかわる情報を記憶可能な記憶手段(例えば、メインRAM6103)と、
前記記憶手段に記憶される情報を前記演出制御手段に送信可能な送信手段(例えば、コマンド出力ポート6016)と、
所定の操作手段(例えば、RAMクリアスイッチ6121)が操作された状態で前記電源が投入された場合の遊技不可状態において、前記主役物の動作確認を実行可能な主役物動作確認手段(例えば、S13586の処理を実行するメインCPU6101)と、
前記遊技不可状態において所定の操作(例えば、RAMクリアスイッチ6121の操作)が行われると、前記記憶手段に記憶されている情報を消去する消去手段(例えば、S13602の処理を実行するメインCPU6101)と、
前記記憶手段に記憶されている情報が消去されると、遊技を実行可能な遊技許可状態に制御する遊技許可制御手段(例えば、メインCPU6101)と、
を有し、
前記演出制御手段は、
前記送信手段から送信された情報を受信可能な受信手段(例えば、コマンド入力ポート20333)と、
前記受信手段により受信した情報または/および各種設定情報を、情報画面として表示可能な表示制御手段(例えば、ホスト制御回路6210)と、
を有し、
前記表示制御手段は、
少なくとも前記主役物の動作確認の実行中は前記情報画面を表示せず、前記主役物の動作確認の終了後に前記情報画面を表示可能に構成される
ことを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、遊技不可状態において主役物の動作確認を実行可能とするため、不正される懸念を抑制することができるだけでなく、遊技の実行中に動作しなくなる等のリスクを軽減でき、ひいては興趣の低下を抑制することも可能となる。
また、少なくとも主役物の動作確認の実行中は情報画面が表示されず、主役物の動作確認の終了後に情報画面が表示されるため、主役物の動作確認が、情報画面が表示されることによって生じうる問題の発生を抑制することが可能となる。
(2)本発明に係る遊技機は、
遊技の進行にかかわる制御を実行可能な主制御手段(例えば、メインCPU6101)と、
前記主制御手段により動作可能な主役物(例えば、特別電動役物(シャッタ6053a,6054a)、普通電動役物6046、小当り入賞口を開放状態と閉鎖状態とに変位させるシャッタ等)と、
所定の表示手段(例えば、表示装置6013)と、
前記表示手段に表示される画像の表示制御を実行可能な演出制御手段(例えば、ホスト制御回路6210)と、
電源が投入されると、少なくとも前記主制御手段および前記演出制御手段に電力を供給可能な電力供給手段と、
を備え、
前記主制御手段は、
遊技の状態にかかわる情報を記憶可能な記憶手段(例えば、メインRAM6103)と、
前記記憶手段に記憶される情報を前記演出制御手段に送信可能な送信手段(例えば、コマンド出力ポート6016)と、
所定の操作手段(例えば、RAMクリアスイッチ6121)が操作された状態で前記電源が投入されると、前記記憶手段に記憶されている情報を消去する消去手段(例えば、S13602の処理を実行するメインCPU6101)と、
所定の操作手段が操作された状態で前記電源が投入された場合の遊技不可状態において、前記主役物の動作確認を実行可能な主役物動作確認手段(例えば、S13586の処理を実行するメインCPU6101)と、
前記記憶手段に記憶されている情報が消去された以降に、遊技を実行可能な遊技許可状態に制御する遊技許可制御手段(例えば、メインCPU6101)と、
を有し、
前記演出制御手段は、
前記送信手段から送信された情報を受信可能な受信手段(例えば、コマンド入力ポート20333)と、
前記受信手段により受信した情報または/および各種設定情報を、情報画面として表示可能な表示制御手段(例えば、表示制御回路6230)と、
を有し、
前記表示制御手段は、
少なくとも前記主役物の動作確認の実行中は前記情報画面を表示せず、前記主役物の動作確認の終了後に前記情報画面を表示可能に構成される
ことを特徴とする。
上記(2)の遊技機においても、遊技不可状態において主役物の動作確認を実行可能としており、不正される懸念を抑制することができるだけでなく、遊技の実行中に動作しなくなる等のリスクを軽減でき、ひいては興趣の低下を抑制することが可能となる。
また、少なくとも主役物の動作確認の実行中は情報画面が表示されず、主役物の動作確認の終了後に情報画面が表示されるため、主役物の動作確認が、情報画面が表示されることによって生じうる問題の発生を抑制することが可能となる。
(3)上記(1)または(2)に記載の遊技機において、
前記演出制御手段は、
前記演出役物の動作確認を実行可能な演出役物動作確認手段(例えば、S8021の処理を実行するホスト制御回路6210)を有し、
前記演出役物動作確認手段は、
前記遊技許可状態において前記演出役物の動作確認を実行可能である一方、
前記主役物動作確認手段は、
前記遊技許可状態において前記主役物の動作確認を実行不可能であり、前記遊技許可状態と前記遊技不可状態とのうち前記遊技不可状態に制御されている場合に限り、前記主役物の動作確認を実行可能に構成される
ことを特徴とする。
上記(3)の遊技機によれば、不正される懸念を抑制することを担保しつつ、演出役物の動作確認と主役物の動作確認とを好適に実行することが可能となる。
本発明によれば、興趣の低下等の問題を、好適に抑制することが可能な遊技機を提供することができる。
[27−8.付記31−8]
従来より、所定の条件が成立すると図柄の可変表示が行われ、特別の結果が導出されると遊技者に有利な特別遊技状態に制御される遊技機が知られており、このような遊技機には、例えばメインCPUやサブCPUの制御によって動作する役物が備えられている。
この種の遊技機として、例えば、サブCPUの制御によって動作する役物の動作確認を実行することができる遊技機が知られている(例えば、特開2015−195988号公報参照)。
ところで、例えば特開2015−195988号公報に開示されているように、サブCPUの制御によって動作する役物の動作確認については行うことができるものの、メインCPUの制御によって動作する役物については、不正される懸念等の問題があり、動作確認が行われていないのが実情である。
そのため、メインCPUの制御によって動作する役物が遊技の実行中に動作しなくなる等の事態が発生すると、興趣の低下等、さまざま問題が発生するおそれがある。
本発明は、そのような点に鑑みてなされたものであり、その目的は、興趣の低下等の問題を、好適に抑制することが可能な遊技機を提供することにある。
(1)本発明に係る遊技機は、
所定の操作が行われたことに基づいて(始動口スイッチも所定の操作に基づく)検出可能な複数の検出手段(主制御回路6100に接続された例えばセンサ等の検出手段)と、
前記検出手段により検出されたことに基づいて、検出された検出手段に対応して遊技の進行にかかわる制御を実行可能な主制御手段(例えば、メインCPU6101)と、
前記主制御手段により動作可能な主役物(例えば、特別電動役物(シャッタ6053a,6054a)、普通電動役物6046、小当り入賞口を開放状態と閉鎖状態とに変位させるシャッタ等)と、
電源が投入されると、少なくとも前記主制御手段に電力を供給可能な電力供給手段(例えば、電源供給回路6033)と、
を備え、
前記主制御手段は、
遊技の状態にかかわる情報を記憶可能な記憶手段(例えば、メインRAM6103)と、
所定の操作手段(例えば、RAMクリアスイッチ6121)が操作された場合の遊技不可状態において、前記主役物の動作確認を実行可能な主役物動作確認手段(例えば、S13586の処理を実行するメインCPU6101)と、
前記遊技不可状態において、前記複数の検出手段のうち所定の操作が行われたことが検出されると、前記記憶手段に記憶されている情報を消去する消去手段と、
前記記憶手段に記憶されている情報が消去されると、遊技を実行可能な遊技許可状態に制御する遊技許可制御手段と、
を有し、
前記主役物動作確認手段は、
前記主役物の動作確認の実行中に前記複数の検出手段のうち特定の検出手段(複数の検出手段の全部が特定の検出手段である場合も含む)により検出されたことに基づいて、前記主役物の動作確認を終了するよう構成される
ことを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、遊技不可状態において主役物の動作確認を実行可能とするため、不正される懸念を抑制することができるだけでなく、遊技の実行中に動作しなくなる等のリスクを軽減でき、ひいては興趣の低下を抑制することも可能となる。
しかも、所定の操作を行ったことが特定の検出手段により検出されると主役物の動作確認を終了させることができるため、利便性を高めることができる。
(2)本発明に係る遊技機は、
所定の操作が行われたことに基づいて(始動口スイッチも所定の操作に基づく)検出可能な複数の検出手段(例えば、第1始動口入賞球スイッチ6044a、第2始動口入賞球スイッチ6045a)と、
前記検出手段により検出されたことに基づいて、検出された検出手段に対応して遊技の進行にかかわる制御を実行可能な主制御手段(例えば、メインCPU6101)と、
前記主制御手段により動作可能な主役物(例えば、特別電動役物(シャッタ6053a,6054a)、普通電動役物6046、小当り入賞口を開放状態と閉鎖状態とに変位させるシャッタ等)と、
電源が投入されると、少なくとも前記主制御手段に電力を供給可能な電力供給手段(例えば、電源供給回路6033)と、
を備え、
前記主制御手段は、
遊技の状態にかかわる情報を記憶可能な記憶手段(例えば、メインRAM6103)と、
所定の操作手段(例えば、RAMクリアスイッチ6121)が操作された状態で前記電源が投入されると、前記記憶手段に記憶されている情報を消去する消去手段(例えば、S13602の処理を実行するメインCPU6101)と、
所定の操作手段が操作された状態で前記電源が投入された場合の遊技不可状態において、前記主役物の動作確認を実行可能な主役物動作確認手段(例えば、S13586の処理を実行するメインCPU6101)と、
前記記憶手段に記憶されている情報が消去された以降に、遊技を実行可能な遊技許可状態に制御する遊技許可制御手段(例えば、メインCPU6101)と、
を有し、
前記主役物動作確認手段は、
前記主役物の動作確認の実行中に前記複数の検出手段のうち特定の検出手段(複数の検出手段の全部が特定の検出手段である場合も含む)により検出されたことに基づいて、前記主役物の動作確認を終了するよう構成される
ことを特徴とする。
上記(2)の遊技機においても、遊技不可状態において主役物の動作確認を実行可能としており、不正される懸念を抑制することができるだけでなく、遊技の実行中に動作しなくなる等のリスクを軽減でき、ひいては興趣の低下を抑制することが可能となる。
しかも、所定の操作を行ったことが特定の検出手段により検出されると主役物の動作確認を終了させることができるため、利便性を高めることができる。
(3)上記(1)または(2)に記載の遊技機において、
演出にかかわる制御を実行可能な演出制御手段(例えば、ホスト制御回路6210)と、
前記演出制御手段により動作可能な演出役物(例えば、役物6020)と、
をさらに備え、
前記演出制御手段は、
前記演出役物の動作確認を実行可能な演出役物動作確認手段(例えば、S8021の処理を実行するホスト制御回路6210)を有し、
前記演出役物動作確認手段は、
前記遊技許可状態において前記演出役物の動作確認を実行可能である一方、
前記主役物動作確認手段は、
前記遊技許可状態において前記主役物の動作確認を実行不可能であり、前記遊技許可状態と前記遊技不可状態とのうち前記遊技不可状態に制御されている場合に限り、前記主役物の動作確認を実行可能に構成される
ことを特徴とする。
上記(3)の遊技機によれば、不正される懸念を抑制することを担保しつつ、演出役物の動作確認と主役物の動作確認とを好適に実行することが可能となる。
本発明によれば、興趣の低下等の問題を、好適に抑制することが可能な遊技機を提供することができる。
[27−9.付記31−9]
従来より、所定の条件が成立すると図柄の可変表示が行われ、特別の結果が導出されると遊技者に有利な特別遊技状態に制御される遊技機が知られており、このような遊技機には、例えばメインCPUやサブCPUの制御によって動作する役物が備えられている。
この種の遊技機として、例えば、サブCPUの制御によって動作する役物の動作確認を実行することができる遊技機が知られている(例えば、特開2015−195988号公報参照)。
ところで、例えば特開2015−195988号公報に開示されているように、サブCPUの制御によって動作する役物の動作確認については行うことができるものの、メインCPUの制御によって動作する役物については、不正される懸念等の問題があり、動作確認が行われていないのが実情である。
そのため、メインCPUの制御によって動作する役物が遊技の実行中に動作しなくなる等の事態が発生すると、興趣の低下等、さまざま問題が発生するおそれがある。
本発明は、そのような点に鑑みてなされたものであり、その目的は、興趣の低下等の問題を、好適に抑制することが可能な遊技機を提供することにある。
(1)本発明に係る遊技機は、
所定条件の成立に基づいて乱数を抽出し、該抽出した乱数に基づいて遊技の進行にかかわる制御を実行可能な主制御手段(例えば、メインCPU6101)と、
前記主制御手段により動作可能な主役物(例えば、特別電動役物(シャッタ6053a,6054a)、普通電動役物6046、小当り入賞口を開放状態と閉鎖状態とに変位させるシャッタ等)と、
電源が投入されると、少なくとも前記主制御手段に電力を供給可能な電力供給手段(例えば、電源供給回路6033)と、
を備え、
前記主制御手段は、
前記電源が投入された後、前記乱数の更新を実行可能な乱数更新手段(例えば、S13516の処理を実行するメインCPU6101)と、
遊技の状態にかかわる情報を記憶可能な記憶手段(例えば、メインRAM6103)と、
所定の操作手段(例えば、RAMクリアスイッチ6121)が操作された状態で前記電源が投入された場合の遊技不可状態において、前記主役物の動作確認を実行可能な主役物動作確認手段(例えば、S13586の処理を実行するメインCPU6101)と、
前記遊技不可状態において所定の操作(例えば、RAMクリアスイッチ6121の操作)が行われると、前記記憶手段に記憶されている情報を消去する消去手段(例えば、S13602の処理を実行するメインCPU6101)と、
前記記憶手段に記憶されている情報が消去されると、遊技を実行可能な遊技許可状態に制御する遊技許可制御手段(例えば、メインCPU6101)と、
を有し、
前記乱数更新手段は、
前記主役物の動作確認を実行可能な前記遊技不可状態では前記乱数の更新を実行せず、前記遊技許可状態においてのみ前記乱数の更新を実行可能に構成される
ことを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、遊技不可状態において主役物の動作確認を実行可能とするため、不正される懸念を抑制することができるだけでなく、遊技の実行中に動作しなくなる等のリスクを軽減でき、ひいては興趣の低下を抑制することも可能となる。
しかも、乱数の更新を、主役物の動作確認を実行可能な遊技不可状態では実行せず、遊技許可状態においてのみ実行するよう構成されるため、出玉にかかわる重要な要素である乱数の信頼性を担保することができる。
(2)本発明に係る遊技機は、
所定条件の成立に基づいて乱数を抽出し、該抽出した乱数に基づいて遊技の進行にかかわる制御を実行可能な主制御手段(例えば、メインCPU6101)と、
前記主制御手段により動作可能な主役物(例えば、特別電動役物(シャッタ6053a,6054a)、普通電動役物6046、小当り入賞口を開放状態と閉鎖状態とに変位させるシャッタ等)と、
電源が投入されると、少なくとも前記主制御手段に電力を供給可能な電力供給手段(例えば、電源供給回路6033)と、
を備え、
前記主制御手段は、
前記電源が投入された後、前記乱数の更新を実行可能な乱数更新手段(例えば、S13516の処理を実行するメインCPU6101)と、
遊技の状態にかかわる情報を記憶可能な記憶手段(例えば、メインRAM6103)と、
所定の操作手段(例えば、RAMクリアスイッチ6121)が操作された状態で前記電源が投入されると、前記記憶手段に記憶されている情報を消去する消去手段(例えば、S13602の処理を実行するメインCPU6101)と、
所定の操作手段が操作された状態で前記電源が投入された場合の遊技不可状態において、前記主役物の動作確認を実行可能な主役物動作確認手段(例えば、S13586の処理を実行するメインCPU6101)と、
前記記憶手段に記憶されている情報が消去された以降に、遊技を実行可能な遊技許可状態に制御する遊技許可制御手段(例えば、メインCPU6101)と、
を有し、
前記乱数更新手段は、
前記主役物の動作確認を実行可能な前記遊技不可状態では前記乱数の更新を実行せず、前記遊技許可状態においてのみ前記乱数の更新を実行可能に構成される
ことを特徴とする。
しかも、乱数の更新を、主役物の動作確認を実行可能な遊技不可状態では実行せず、遊技許可状態においてのみ実行するよう構成されるため、出玉にかかわる重要な要素である乱数の信頼性を担保することができる。
上記(2)の遊技機においても、遊技不可状態において主役物の動作確認を実行可能としており、不正される懸念を抑制することができるだけでなく、遊技の実行中に動作しなくなる等のリスクを軽減でき、ひいては興趣の低下を抑制することが可能となる。
(3)上記(1)または(2)に記載の遊技機において、
演出にかかわる制御を実行可能な演出制御手段(例えば、ホスト制御回路6210)と、
前記演出制御手段により動作可能な演出役物(例えば、役物6020)と、
をさらに備え、
前記演出制御手段は、
前記演出役物の動作確認を実行可能な演出役物動作確認手段(例えば、S8021の処理を実行するホスト制御回路6210)を有し、
前記演出役物動作確認手段は、
前記遊技許可状態において前記演出役物の動作確認を実行可能である一方、
前記主役物動作確認手段は、
前記遊技許可状態において前記主役物の動作確認を実行不可能であり、前記遊技許可状態と前記遊技不可状態とのうち前記遊技不可状態に制御されている場合に限り、前記主役物の動作確認を実行可能に構成される
ことを特徴とする。
上記(3)の遊技機によれば、不正される懸念を抑制することを担保しつつ、演出役物の動作確認と主役物の動作確認とを好適に実行することが可能となる。
本発明によれば、興趣の低下等の問題を、好適に抑制することが可能な遊技機を提供することができる。
[27−10.付記31−10]
従来より、所定の条件が成立すると図柄の可変表示が行われ、特別の結果が導出されると遊技者に有利な特別遊技状態に制御される遊技機が知られており、このような遊技機には、例えばメインCPUやサブCPUの制御によって動作する役物が備えられている。
この種の遊技機として、例えば、サブCPUの制御によって動作する役物の動作確認を実行することができる遊技機が知られている(例えば、特開2015−195988号公報参照)。
ところで、例えば特開2015−195988号公報に開示されているように、サブCPUの制御によって動作する役物の動作確認については行うことができるものの、メインCPUの制御によって動作する役物については、不正される懸念等の問題があり、動作確認が行われていないのが実情である。
そのため、メインCPUの制御によって動作する役物が遊技の実行中に動作しなくなる等の事態が発生すると、興趣の低下等、さまざま問題が発生するおそれがある。
本発明は、そのような点に鑑みてなされたものであり、その目的は、興趣の低下等の問題を、好適に抑制することが可能な遊技機を提供することにある。
(1)本発明に係る遊技機は、
遊技の進行にかかわる制御を実行可能な主制御手段(例えば、メインCPU6101)と、
前記主制御手段により動作可能な主役物(例えば、特別電動役物(シャッタ6053a,6054a)、普通電動役物6046、小当り入賞口を開放状態と閉鎖状態とに変位させるシャッタ等)と、
電源が投入されると、少なくとも前記主制御手段に電力を供給可能な電力供給手段(例えば、電源供給回路6033)と、
前記電力供給手段からの電力の供給が遮断される場合、少なくとも前記主制御手段にバックアップ電力を供給可能なバックアップ電力供給手段(例えば、バックアップコンデンサ6107)と、
を備え、
前記主制御手段は、
遊技の状態にかかわる情報を記憶可能な記憶手段(例えば、メインRAM6103)と、
所定の操作手段(例えば、RAMクリアスイッチ6121)が操作された場合の遊技不可状態において、前記主役物の動作確認を実行可能な主役物動作確認手段(例えば、S13586の処理を実行するメインCPU6101)と、
前記遊技不可状態において所定の操作が行われると、前記記憶手段に記憶されている情報を消去する消去手段(例えば、S13602の処理を実行するメインCPU6101)と、
前記記憶手段に記憶されている情報が消去されると、遊技を実行可能な遊技許可状態に制御する遊技許可制御手段(例えば、メインCPU6101)と、
を有し、
前記遊技許可制御手段は、
前記バックアップ電力供給手段に蓄えられている電荷が所定値に満たない場合、前記所定の操作手段が操作されることなく前記電源が投入されたとしても、前記遊技許可状態としない(例えば、S13510においてNO判定)よう構成される
ことを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、遊技不可状態において主役物の動作確認を実行可能とするため、不正される懸念を抑制することができるだけでなく、遊技の実行中に動作しなくなる等のリスクを軽減でき、ひいては興趣の低下を抑制することも可能となる。
しかも、バックアップ電力供給手段に蓄えられている電荷が所定値に満たない場合、所定の操作手段が操作されることなく電源が投入されたとしても遊技許可状態としないため、主制御手段(とくに記憶手段)が不安定な状態となることを防止できる。なお、このように遊技許可状態とされなかった場合にも、主役物の動作確認を行えるようにすることが好ましい。
(2)本発明に係る遊技機は、
遊技の進行にかかわる制御を実行可能な主制御手段(例えば、メインCPU6101)と、
前記主制御手段により動作可能な主役物(例えば、特別電動役物(シャッタ6053a,6054a)、普通電動役物6046、小当り入賞口を開放状態と閉鎖状態とに変位させるシャッタ等)と、
電源が投入されると、少なくとも前記主制御手段に電力を供給可能な電力供給手段(例えば、電源供給回路6033)と、
前記電力供給手段からの電力の供給が遮断される場合、少なくとも前記主制御手段にバックアップ電力を供給可能なバックアップ電力供給手段(例えば、バックアップコンデンサ6107)と、
を備え、
前記主制御手段は、
前記主制御手段は、
遊技の状態にかかわる情報を記憶可能な記憶手段(例えば、メインRAM6103)と、
所定の操作手段(例えば、RAMクリアスイッチ6121)が操作された状態で前記電源が投入されると、前記記憶手段に記憶されている情報を消去する消去手段(例えば、S13602の処理を実行するメインCPU6101)と、
所定の操作手段が操作された状態で前記電源が投入された場合の遊技不可状態において、前記主役物の動作確認を実行可能な主役物動作確認手段(例えば、S13586の処理を実行するメインCPU6101)と、
前記記憶手段に記憶されている情報が消去された以降に、遊技を実行可能な遊技許可状態に制御する遊技許可制御手段(例えば、メインCPU6101)と、
を有し、
前記遊技不可制御手段は、
前記バックアップ電力供給手段に蓄えられている電荷が所定値に満たない場合、前記所定の操作手段が操作されることなく前記電源が投入されたとしても、前記遊技許可状態としない(例えば、S13510においてNO判定)よう構成される
ことを特徴とする。
上記(2)の遊技機においても、遊技不許可状態において主役物の動作確認を実行可能としており、不正される懸念を抑制することができるだけでなく、遊技の実行中に動作しなくなる等のリスクを軽減でき、ひいては興趣の低下を抑制することが可能となる。
しかも、バックアップ電力供給手段に蓄えられている電荷が所定値に満たない場合、所定の操作手段が操作されることなく電源が投入されたとしても遊技許可状態としないため、主制御手段(とくに記憶手段)が不安定な状態となることを防止できる。なお、このように遊技許可状態とされなかった場合にも、主役物の動作確認を行えるようにすることが好ましい。
(3)上記(1)または(2)に記載の遊技機において、
演出にかかわる制御を実行可能な演出制御手段(例えば、ホスト制御回路6210)と、
前記演出制御手段により動作可能な演出役物(例えば、役物6020)と、
をさらに備え、
前記演出制御手段は、
前記演出役物の動作確認を実行可能な演出役物動作確認手段(例えば、S8021の処理を実行するホスト制御回路6210)を有し、
前記演出役物動作確認手段は、
前記遊技許可状態において前記演出役物の動作確認を実行可能である一方、
前記主役物動作確認手段は、
前記遊技許可状態において前記主役物の動作確認を実行不可能であり、前記遊技許可状態と前記遊技不可状態とのうち前記遊技不可状態に制御されている場合に限り、前記主役物の動作確認を実行可能に構成される
ことを特徴とする。
上記(3)の遊技機によれば、不正される懸念を抑制することを担保しつつ、演出役物の動作確認と主役物の動作確認とを好適に実行することが可能となる。
本発明によれば、興趣の低下等の問題を、好適に抑制することが可能な遊技機を提供することができる。
[27−11.付記31−11]
従来より、所定の条件が成立すると図柄の可変表示が行われ、特別の結果が導出されると遊技者に有利な特別遊技状態に制御される遊技機が知られており、このような遊技機には、例えばメインCPUやサブCPUの制御によって動作する役物が備えられている。
この種の遊技機として、例えば、サブCPUの制御によって動作する役物の動作確認を実行することができる遊技機が知られている(例えば、特開2015−195988号公報参照)。
ところで、例えば特開2015−195988号公報に開示されているように、サブCPUの制御によって動作する役物の動作確認については行うことができるものの、メインCPUの制御によって動作する役物については、不正される懸念等の問題があり、動作確認が行われていないのが実情である。
そのため、メインCPUの制御によって動作する役物が遊技の実行中に動作しなくなる等の事態が発生すると、興趣の低下等、さまざま問題が発生するおそれがある。
本発明は、そのような点に鑑みてなされたものであり、その目的は、興趣の低下等の問題を、好適に抑制することが可能な遊技機を提供することにある。
(1)本発明に係る遊技機は、
遊技の進行にかかわる制御を実行可能な主制御手段(例えば、メインCPU6101)と、
前記主制御手段により動作可能な主役物(例えば、特別電動役物(シャッタ6053a,6054a)、普通電動役物6046、小当り入賞口を開放状態と閉鎖状態とに変位させるシャッタ等)と、
電源が投入されると、少なくとも前記主制御手段に電力を供給可能な電力供給手段(例えば、電源供給回路6033)と、
を備え、
前記主制御手段は、
遊技の状態にかかわる情報を記憶可能な記憶手段(例えば、メインRAM6103)と、
所定の操作手段(例えば、RAMクリアスイッチ6121)が操作された場合の遊技不可状態において、前記主役物の動作確認を実行可能な主役物動作確認手段(例えば、S13586の処理を実行するメインCPU6101)と、
前記遊技不可状態において、前記複数の検出手段のうち所定の操作(例えば、RAMクリアスイッチ6121の操作)が行われたことが検出されると、前記記憶手段に記憶されている情報を消去する消去手段(例えば、S13602の処理を実行するメインCPU6101)と、
前記記憶手段に記憶されている情報が消去されると、遊技を実行可能な遊技許可状態に制御する遊技許可制御手段(例えば、メインCPU6101)と、
前記遊技許可状態において行われた遊技結果として特別結果が導出されると、第1の動作態様および第2の動作態様を含む複数の動作態様のうちいずれか一または二以上の動作態様で前記主役物を動作させて、遊技者に有利な特別遊技状態に制御可能な特別遊技状態制御手段(例えば、S11808〜S11811の処理を実行するメインCPU6101)と、
を有し、
前記主役物動作確認手段は、
前記主役物の動作確認として、少なくとも第1の動作態様および第2の動作態様にかかる動作確認を実行可能に構成される
ことを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、遊技不可状態において主役物の動作確認を実行可能とするため、不正される懸念を抑制することができるだけでなく、遊技の実行中に動作しなくなる等のリスクを軽減でき、ひいては興趣の低下を抑制することも可能となる。
しかも、主役物の動作確認は、特別遊技状態に制御されたときに動作しうる主役物の複数の動作態様について行われるため、実情に沿った主役物の動作確認を行うことが可能となる。
(2)本発明に係る遊技機は、
遊技の進行にかかわる制御を実行可能な主制御手段(例えば、メインCPU6101)と、
前記主制御手段により原点位置から所定位置に向けて動作可能な主役物(例えば、特別電動役物(シャッタ6053a,6054a)、普通電動役物6046、小当り入賞口を開放状態と閉鎖状態とに変位させるシャッタ等)と、
電源が投入されると、少なくとも前記主制御手段に電力を供給可能な電力供給手段(例えば、電源供給回路6033)と、
を備え、
前記主制御手段は、
遊技の状態にかかわる情報を記憶可能な記憶手段(例えば、メインRAM6103)と、
所定の操作手段(例えば、RAMクリアスイッチ6121)が操作された状態で前記電源が投入されると、前記記憶手段に記憶されている情報を消去する消去手段(例えば、S13602の処理を実行するメインCPU6101)と、
所定の操作手段が操作された状態で前記電源が投入された場合の遊技不可状態において、前記主役物の動作確認を実行可能な主役物動作確認手段(例えば、S13586の処理を実行するメインCPU6101)と、
前記記憶手段に記憶されている情報が消去された以降に、遊技を実行可能な遊技許可状態に制御する遊技許可制御手段(例えば、メインCPU6101)と、
前記遊技許可状態において行われた遊技結果として特別結果が導出されると、第1の動作態様および第2の動作態様を含む複数の動作態様のうちいずれか一または二以上の動作態様で特別可動部材を動作させて、遊技者に有利な特別遊技状態に制御可能な特別遊技状態制御手段(例えば、S11808〜S11811の処理を実行するメインCPU6101)と、
を有し、
前記主役物動作確認手段は、
前記主役物の動作確認として、少なくとも第1の動作態様および第2の動作態様にかかる動作確認を実行可能に構成される
ことを特徴とする。
上記(2)の遊技機においても、遊技不可状態において主役物の動作確認を実行可能としており、不正される懸念を抑制することができるだけでなく、遊技の実行中に動作しなくなる等のリスクを軽減でき、ひいては興趣の低下を抑制することが可能となる。
しかも、主役物の動作確認は、特別遊技状態に制御されたときに動作しうる主役物の複数の動作態様について行われるため、実情に沿った主役物の動作確認を行うことが可能となる。
(3)上記(1)または(2)に記載の遊技機において、
演出にかかわる制御を実行可能な演出制御手段(例えば、ホスト制御回路6210)と、
前記演出制御手段により動作可能な演出役物(例えば、役物6020)と、
をさらに備え、
前記演出制御手段は、
前記演出役物の動作確認を実行可能な演出役物動作確認手段(例えば、S8021の処理を実行するホスト制御回路6210)を有し、
前記演出役物動作確認手段は、
前記遊技許可状態において前記演出役物の動作確認を実行可能である一方、
前記主役物動作確認手段は、
前記遊技許可状態において前記主役物の動作確認を実行不可能であり、前記遊技許可状態と前記遊技不可状態とのうち前記遊技不可状態に制御されている場合に限り、前記主役物の動作確認を実行可能に構成される
ことを特徴とする。
上記(3)の遊技機によれば、不正される懸念を抑制することを担保しつつ、演出役物の動作確認と主役物の動作確認とを好適に実行することが可能となる。
(4)上記(1)〜(3)のいずれか一つに記載の遊技機において、
前記主役物動作確認手段は、
前記特別遊技状態において動作する前記主役物の動作態様とは異なる動作態様で、前記動作確認を実行可能に構成される
ことを特徴とする。
上記(4)の遊技機によれば、特別遊技状態において動作する主役物の動作態様をより確実に実行することが可能となる。
本発明によれば、興趣の低下等の問題を、好適に抑制することが可能な遊技機を提供することができる。
[27−12.付記31−12]
従来より、所定の条件が成立すると図柄の可変表示が行われ、特別の結果が導出されると遊技者に有利な特別遊技状態に制御される遊技機が知られており、このような遊技機には、例えばメインCPUやサブCPUの制御によって動作する役物が備えられている。
この種の遊技機として、例えば、サブCPUの制御によって動作する役物の動作確認を実行することができる遊技機が知られている(例えば、特開2015−195988号公報参照)。
ところで、例えば特開2015−195988号公報に開示されているように、サブCPUの制御によって動作する役物の動作確認については行うことができるものの、メインCPUの制御によって動作する役物については、不正される懸念等の問題があり、動作確認が行われていないのが実情である。
そのため、メインCPUの制御によって動作する役物が遊技の実行中に動作しなくなる等の事態が発生すると、興趣の低下等、さまざま問題が発生するおそれがある。
本発明は、そのような点に鑑みてなされたものであり、その目的は、興趣の低下等の問題を、好適に抑制することが可能な遊技機を提供することにある。
(1)本発明に係る遊技機は、
遊技の進行にかかわる制御を実行可能な主制御手段(例えば、メインCPU6101)と、
前記主制御手段により動作可能な主役物(例えば、特別電動役物(シャッタ6053a,6054a)、普通電動役物6046、小当り入賞口を開放状態と閉鎖状態とに変位させるシャッタ等)と、
所定音を出力可能な音出力手段(例えば、音声・LED制御回路6220)と、
前記音出力手段から出力される所定音にかかわる制御を少なくとも実行可能な演出制御手段(例えば、ホスト制御回路6210)と、
電源が投入されると、少なくとも前記主制御手段および前記演出制御手段に電力を供給可能な電力供給手段(例えば、電源供給回路6033)と、
を備え、
前記主制御手段は、
遊技の状態にかかわる情報を記憶可能な記憶手段(例えば、メインRAM6103)と、
所定の操作手段(例えば、RAMクリアスイッチ6121)が操作された場合の遊技不可状態において、前記主役物の動作確認を実行可能な主役物動作確認手段(例えば、S13586の処理を実行するメインCPU6101)と、
前記遊技不可状態において所定の操作が行われると、前記記憶手段に記憶されている情報を消去する消去手段(例えば、S13602の処理を実行するメインCPU6101)と、
前記記憶手段に記憶されている情報が消去されると、遊技を実行可能な遊技許可状態に制御する遊技許可制御手段(例えば、メインCPU6101)と、
前記主役物の動作確認において該主役物の動作が正常でないことを示す主役物異常情報、および、前記記憶手段に記憶されている情報を消去中であることを示す消去中情報を含む各種情報を前記演出制御手段に送信可能な送信手段(例えば、コマンド出力ポート6016)と、
を有し、
前記演出制御手段は、
前記送信手段から送信された情報を受信可能な受信手段(例えば、コマンド入力ポート20333)と、
前記受信手段により前記主役物異常情報を受信すると主役物異常報知音を前記音出力手段から出力し、前記受信手段により前記消去中情報を受信すると消去中報知音を前記音出力手段から出力可能な音制御手段(例えば、音声・LED制御回路6220)と、
を有し、
前記音制御手段は、
前記主役物異常報知音の出力と前記消去中報知音の出力とのうち、前記消去中報知音を、前記主役物異常報知音よりも優先して出力するよう構成される
ことを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、遊技不許可状態において主役物の動作確認を実行可能とするため、不正される懸念を抑制することができるだけでなく、遊技の実行中に動作しなくなる等のリスクを軽減でき、ひいては興趣の低下を抑制することも可能となる。
しかも、主役物異常報知音の出力と消去中報知音の出力との両方が発生した場合、消去中報知音が主役物異常報知音よりも優先して出力されるため、出力された報知音を聞き取りやすくなる。例えば複数の報知音が同時に出力されると、報知音に種類を判別することが困難となるが、主役物異常報知音の出力と消去中報知音の出力とのうち消去中報知音を優先して出力することで、報知音の種類を判別することができる。
(2)本発明に係る遊技機は、
遊技の進行にかかわる制御を実行可能な主制御手段(例えば、メインCPU6101)と、
前記主制御手段により動作可能な主役物(例えば、特別電動役物(シャッタ6053a,6054a)、普通電動役物6046、小当り入賞口を開放状態と閉鎖状態とに変位させるシャッタ等)と、
所定音を出力可能な音出力手段(例えば、音声・LED制御回路6220)と、
前記音出力手段から出力される所定音にかかわる制御を少なくとも実行可能な演出制御手段(例えば、ホスト制御回路6210)と、
電源が投入されると、少なくとも前記主制御手段および前記演出制御手段に電力を供給可能な電力供給手段(例えば、電源供給回路6033)と、
を備え、
前記主制御手段は、
遊技の状態にかかわる情報を記憶可能な記憶手段(例えば、メインRAM6103)と、
所定の操作手段(例えば、RAMクリアスイッチ6121)が操作された場合の遊技不可状態において、前記主役物の動作確認を実行可能な主役物動作確認手段(例えば、S13586の処理を実行するメインCPU6101)と、
前記遊技不可状態において所定の操作が行われると、前記記憶手段に記憶されている情報を消去する消去手段(例えば、S13602の処理を実行するメインCPU6101)と、
前記記憶手段に記憶されている情報が消去されると、遊技を実行可能な遊技許可状態に制御する遊技許可制御手段(例えば、メインCPU6101)と、
前記主役物の動作確認において該主役物の動作が正常でないことを示す主役物異常情報、および、前記記憶手段に記憶されている情報を消去中であることを示す消去中情報を含む各種情報を前記演出制御手段に送信可能な送信手段(例えば、コマンド出力ポート6016)と、
を有し、
前記演出制御手段は、
前記送信手段から送信された情報を受信可能な受信手段(例えば、コマンド入力ポート20333)と、
前記受信手段により前記主役物異常情報を受信すると主役物異常報知音を前記音出力手段から出力し、前記受信手段により前記消去中情報を受信すると消去中報知音を前記音出力手段から出力可能な音制御手段(例えば、音声・LED制御回路6220)と、
を有し、
前記音制御手段は、
前記主役物異常報知音の出力と前記消去中報知音の出力とのうち、前記消去中報知音を、前記主役物異常報知音よりも優先して出力するよう構成される
ことを特徴とする。
上記(2)の遊技機においても、遊技不許可状態において主役物の動作確認を実行可能としており、不正される懸念を抑制することができるだけでなく、遊技の実行中に動作しなくなる等のリスクを軽減でき、ひいては興趣の低下を抑制することが可能となる。
しかも、主役物の動作確認は、特別遊技状態に制御されたときに動作しうる主役物の複数の動作態様について行われるため、実情に沿った主役物の動作確認を行うことが可能となる。
上記(2)の遊技機によれば、遊技不許可状態において主役物の動作確認を実行可能とするため、不正される懸念を抑制することができるだけでなく、遊技の実行中に動作しなくなる等のリスクを軽減でき、ひいては興趣の低下を抑制することも可能となる。
しかも、主役物異常報知音の出力と消去中報知音の出力との両方が発生した場合、消去中報知音が主役物異常報知音よりも優先して出力されるため、出力された報知音を聞き取りやすくなる。例えば複数の報知音が同時に出力されると、報知音に種類を判別することが困難となるが、主役物異常報知音の出力と消去中報知音の出力とのうち消去中報知音を優先して出力することで、報知音の種類を判別することができる。
(3)上記(1)または(2)に記載の遊技機において、
演出にかかわる制御を実行可能な演出制御手段(例えば、ホスト制御回路6210)と、
前記演出制御手段により動作可能な演出役物(例えば、役物6020)と、
をさらに備え、
前記演出制御手段は、
前記演出役物の動作確認を実行可能な演出役物動作確認手段(例えば、S8021の処理を実行するホスト制御回路6210)を有し、
前記演出役物動作確認手段は、
前記遊技許可状態において前記演出役物の動作確認を実行可能である一方、
前記主役物動作確認手段は、
前記遊技許可状態において前記主役物の動作確認を実行不可能であり、前記遊技許可状態と前記遊技不可状態とのうち前記遊技不可状態に制御されている場合に限り、前記主役物の動作確認を実行可能に構成される
ことを特徴とする。
上記(3)の遊技機によれば、不正される懸念を抑制することを担保しつつ、演出役物の動作確認と主役物の動作確認とを好適に実行することが可能となる。
(4)上記(1)〜(3)のいずれか一つに記載の遊技機において、
前記音制御手段は、
前記主役物異常報知音の出力と前記消去中報知音の出力とが重複する場合、前記消去中報知音を出力した後、前記主役物異常報知音を出力するよう構成される
ことを特徴とする。
上記(4)の遊技機によれば、主役物異常報知音の出力と消去中報知音の出力との両方が発生した場合、消去中報知音を出力した後、主役物異常報知音が出力されるため、いずれの主役物についても動作態様をより確実に実行することが可能となる。
本発明によれば、興趣の低下等の問題を、好適に抑制することが可能な遊技機を提供することができる。
[27−13.付記31−13]
従来より、所定の条件が成立すると図柄の可変表示が行われ、特別の結果が導出されると遊技者に有利な特別遊技状態に制御される遊技機が知られており、このような遊技機には、例えばメインCPUやサブCPUの制御によって動作する役物が備えられている。
この種の遊技機として、例えば、サブCPUの制御によって動作する役物の動作確認を実行することができる遊技機が知られている(例えば、特開2015−195988号公報参照)。
ところで、例えば特開2015−195988号公報に開示されているように、サブCPUの制御によって動作する役物の動作確認については行うことができるものの、メインCPUの制御によって動作する役物については、不正される懸念等の問題があり、動作確認が行われていないのが実情である。
そのため、メインCPUの制御によって動作する役物が遊技の実行中に動作しなくなる等の事態が発生すると、興趣の低下等、さまざま問題が発生するおそれがある。
本発明は、そのような点に鑑みてなされたものであり、その目的は、興趣の低下等の問題を、好適に抑制することが可能な遊技機を提供することにある。
(1)本発明に係る遊技機は、
遊技の進行にかかわる制御を実行可能な主制御手段(例えば、メインCPU6101)と、
前記主制御手段により動作可能な主役物(例えば、特別電動役物(シャッタ6053a,6054a)、普通電動役物6046、小当り入賞口を開放状態と閉鎖状態とに変位させるシャッタ等)と、
電源が投入されると、少なくとも前記主制御手段に電力を供給可能な電力供給手段(例えば、電源供給回路6033)と、
を備え、
前記主制御手段は、
前記主役物を遊技媒体が通過すると所定の遊技価値を付与する遊技価値付与手段(例えば、払出・発射制御回路6300)と、
遊技の状態にかかわる情報を記憶可能な記憶手段(例えば、メインRAM6103)と、
所定の操作手段(例えば、RAMクリアスイッチ6121)が操作された状態で前記電源が投入された場合の遊技不可状態において、前記主役物の動作確認の一つとして、前記所定の遊技価値の付与にかかわる動作確認を実行可能な主役物動作確認手段(例えば、S13586の処理を実行するメインCPU6101)と、
前記遊技不可状態において所定の操作(例えば、RAMクリアスイッチ6121の操作)が行われると、前記記憶手段に記憶されている情報を消去する消去手段(例えば、S13602の処理を実行するメインCPU6101)と、
前記記憶手段に記憶されている情報が消去されると、遊技を実行可能な遊技許可状態に制御する遊技許可制御手段(例えば、メインCPU6101)と、
を有する
ことを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、遊技不可状態において主役物の動作確認の一つとして、所定の遊技価値の付与にかかわる動作確認を実行可能であるため、不正される懸念を抑制することができるだけでなく、遊技の実行中に遊技価値の付与が行われるなってしまう等のリスクを軽減でき、ひいては興趣の低下を抑制することも可能となる。
(2)本発明に係る遊技機は、
遊技の進行にかかわる制御を実行可能な主制御手段(例えば、メインCPU6101)と、
前記主制御手段により動作可能な主役物(例えば、特別電動役物(シャッタ6053a,6054a)、普通電動役物6046、小当り入賞口を開放状態と閉鎖状態とに変位させるシャッタ等)と、
電源が投入されると、少なくとも前記主制御手段に電力を供給可能な電力供給手段(例えば、電源供給回路6033)と、
を備え、
前記主制御手段は、
前記主役物を遊技媒体が通過すると所定の遊技価値を付与する遊技価値付与手段(例えば、払出・発射制御回路6300)と、
遊技の状態にかかわる情報を記憶可能な記憶手段(例えば、メインRAM6103)と、
所定の操作手段(例えば、RAMクリアスイッチ6121)が操作された状態で前記電源が投入されると、前記記憶手段に記憶されている情報を消去する消去手段(例えば、S13602の処理を実行するメインCPU6101)と、
所定の操作手段が操作された状態で前記電源が投入された場合の遊技不可状態において、前記主役物の動作確認の一つとして、所定の遊技価値の付与にかかわる動作確認を実行可能な主役物動作確認手段(例えば、S13586の処理を実行するメインCPU6101)と、
前記記憶手段に記憶されている情報が消去された以降に、遊技を実行可能な遊技許可状態に制御する遊技許可制御手段(例えば、メインCPU6101)と、
を有することを特徴とする。
上記(2)の遊技機によれば、遊技不可状態において主役物の動作確認の一つとして、所定の遊技価値の付与にかかわる動作確認を実行可能であるため、不正される懸念を抑制することができるだけでなく、遊技の実行中に遊技価値の付与が行われるなってしまう等のリスクを軽減でき、ひいては興趣の低下を抑制することも可能となる。
(3)上記(1)または(2)に記載の遊技機において、
前記主制御手段は、
前記電源が投入された後、前記乱数の更新を実行可能な乱数更新手段(例えば、S13516等の処理を実行するメインCPU6101)を有し、
前記乱数更新手段は、
前記主役物の動作確認の一つとして、所定の遊技価値の付与にかかわる動作確認を実行中、前記乱数の更新を実行しないよう構成される
ことを特徴とする。
上記(3)の遊技機によれば、主役物の動作確認の一つとして、遊技価値の付与にかかわる動作確認を実行したとしても乱数が抽出されないため、好適に、主役物の動作確認を好適に行うことが可能となる。
本発明によれば、興趣の低下等の問題を、好適に抑制することが可能な遊技機を提供することができる。
[27−14.付記31−14]
従来より、所定の条件が成立すると図柄の可変表示が行われ、特別の結果が導出されると遊技者に有利な特別遊技状態に制御される遊技機が知られており、このような遊技機には、例えばメインCPUやサブCPUの制御によって動作する役物が備えられている。
この種の遊技機として、例えば、サブCPUの制御によって動作する役物の動作確認を実行することができる遊技機が知られている(例えば、特開2015−195988号公報参照)。
ところで、例えば特開2015−195988号公報に開示されているように、サブCPUの制御によって動作する役物の動作確認については行うことができるものの、メインCPUの制御によって動作する役物については、不正される懸念等の問題があり、動作確認が行われていないのが実情である。
そのため、メインCPUの制御によって動作する役物が遊技の実行中に動作しなくなる等の事態が発生すると、興趣の低下等、さまざま問題が発生するおそれがある。
本発明は、そのような点に鑑みてなされたものであり、その目的は、興趣の低下等の問題を、好適に抑制することが可能な遊技機を提供することにある。
(1)本発明に係る遊技機は、
遊技の進行にかかわる制御を実行可能な主制御手段(例えば、メインCPU6101)と、
前記主制御手段により動作可能な主役物(例えば、特別電動役物(シャッタ6053a,6054a)、普通電動役物6046、小当り入賞口を開放状態と閉鎖状態とに変位させるシャッタ等)と、
電源が投入されると、少なくとも前記主制御手段に電力を供給可能な電力供給手段(例えば、電源供給回路6033)と、
を備え、
前記主制御手段は、
遊技の状態にかかわる情報を記憶可能な記憶手段(例えば、メインRAM6103)と、
所定の操作手段(例えば、RAMクリアスイッチ6121)が操作された状態で前記電源が投入された場合の遊技不可状態において、前記主役物の動作確認を実行可能な主役物動作確認手段(例えば、S13586の処理を実行するメインCPU6101)と、
前記遊技不可状態において所定の操作(例えば、RAMクリアスイッチ6121の操作)が行われると、前記記憶手段に記憶されている情報を消去する消去手段(例えば、S13602の処理を実行するメインCPU6101)と、
前記記憶手段に記憶されている情報が消去されると、遊技を実行可能な遊技許可状態に制御する遊技許可制御手段(例えば、メインCPU6101)と、
を有し、
前記記憶手段には、
前記消去手段により情報が消去される領域と、前記消去手段により情報が消去されない領域とが含まれており、
少なくとも前記主役物の動作確認において良好でない旨の結果が得られた場合、かかる結果情報が前記消去手段により情報が消去されない領域に記憶されるよう構成される
ことを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、遊技不可状態において主役物の動作確認を実行可能とするため、不正される懸念を抑制することができるだけでなく、遊技の実行中に動作しなくなる等のリスクを軽減でき、ひいては興趣の低下を抑制することも可能となる。
また、主役物の動作確認において良好でない旨の結果が得られた場合、かかる結果情報が消去手段により情報が消去されない領域に記憶されるため、主役物の動作確認において重大なエラーが発見された場合、かかる情報を保存することができる。
(2)本発明に係る遊技機は、
遊技の進行にかかわる制御を実行可能な主制御手段(例えば、メインCPU6101)と、
前記主制御手段により動作可能な主役物(例えば、特別電動役物(シャッタ6053a,6054a)、普通電動役物6046、小当り入賞口を開放状態と閉鎖状態とに変位させるシャッタ等)と、
電源が投入されると、少なくとも前記主制御手段に電力を供給可能な電力供給手段(例えば、電源供給回路6033)と、
を備え、
前記主制御手段は、
遊技の状態にかかわる情報を記憶可能な記憶手段(例えば、メインRAM6103)と、
所定の操作手段(例えば、RAMクリアスイッチ6121)が操作された状態で前記電源が投入されると、前記記憶手段に記憶されている情報を消去する消去手段(例えば、S13602の処理を実行するメインCPU6101)と、
所定の操作手段が操作された状態で前記電源が投入された場合の遊技不可状態において、前記主役物の動作確認を実行可能な主役物動作確認手段(例えば、S13586の処理を実行するメインCPU6101)と、
前記記憶手段に記憶されている情報が消去された以降に、遊技を実行可能な遊技許可状態に制御する遊技許可制御手段(例えば、メインCPU6101)と、
を有し、
前記記憶手段には、
前記消去手段により情報が消去される領域と、前記消去手段により情報が消去されない領域とが含まれており、
少なくとも前記主役物の動作確認において良好でない旨の結果が得られた場合、かかる結果情報が前記消去手段により情報が消去されない領域に記憶されるよう構成される
ことを特徴とする。
上記(2)の遊技機においても、遊技不可状態において主役物の動作確認を実行可能としており、不正される懸念を抑制することができるだけでなく、遊技の実行中に動作しなくなる等のリスクを軽減でき、ひいては興趣の低下を抑制することが可能となる。
また、主役物の動作確認において良好でない旨の結果が得られた場合、かかる結果情報が消去手段により情報が消去されない領域に記憶されるため、主役物の動作確認において重大なエラーが発見された場合、かかる情報を保存することができる。
(3)上記(1)または(2)に記載の遊技機において、
演出にかかわる制御を実行可能な演出制御手段(例えば、ホスト制御回路6210)と、
前記演出制御手段により動作可能な演出役物(例えば、役物6020)と、
をさらに備え、
前記演出制御手段は、
前記演出役物の動作確認を実行可能な演出役物動作確認手段(例えば、S8021の処理を実行するホスト制御回路6210)を有し、
前記演出役物動作確認手段は、
前記遊技許可状態において前記演出役物の動作確認を実行可能である一方、
前記主役物動作確認手段は、
前記遊技許可状態において前記主役物の動作確認を実行不可能であり、前記遊技許可状態と前記遊技不可状態とのうち前記遊技不可状態に制御されている場合に限り、前記主役物の動作確認を実行可能に構成される
ことを特徴とする。
上記(3)の遊技機によれば、不正される懸念を抑制することを担保しつつ、演出役物の動作確認と主役物の動作確認とを好適に実行することが可能となる。
本発明によれば、興趣の低下等の問題を、好適に抑制することが可能な遊技機を提供することができる。
[27−15.付記31−15]
従来より、所定の条件が成立すると図柄の可変表示が行われ、特別の結果が導出されると遊技者に有利な特別遊技状態に制御される遊技機が知られており、このような遊技機には、例えばメインCPUやサブCPUの制御によって動作する役物が備えられている。
この種の遊技機として、例えば、サブCPUの制御によって動作する役物の動作確認を実行することができる遊技機が知られている(例えば、特開2015−195988号公報参照)。
ところで、例えば特開2015−195988号公報に開示されているように、サブCPUの制御によって動作する役物の動作確認については行うことができるものの、メインCPUの制御によって動作する役物については、不正される懸念等の問題があり、動作確認が行われていないのが実情である。
そのため、メインCPUの制御によって動作する役物が遊技の実行中に動作しなくなる等の事態が発生すると、興趣の低下等、さまざま問題が発生するおそれがある。
本発明は、そのような点に鑑みてなされたものであり、その目的は、興趣の低下等の問題を、好適に抑制することが可能な遊技機を提供することにある。
(1)本発明に係る遊技機は、
複数の設定値のうちいずれか一の設定値に基づいて遊技の進行にかかわる制御を実行可能な主制御手段(例えば、メインCPU6101)と、
前記主制御手段により動作可能な主役物(例えば、特別電動役物(シャッタ6053a,6054a)、普通電動役物6046、小当り入賞口を開放状態と閉鎖状態とに変位させるシャッタ等)と、
電源が投入されると、少なくとも前記主制御手段に電力を供給可能な電力供給手段(例えば、電源供給回路6033)と、
を備え、
前記主制御手段は、
遊技の状態にかかわる情報を記憶可能な記憶手段(例えば、メインRAM6103)と、
所定の操作手段(例えば、RAMクリアスイッチ6121)が操作された状態で前記電源が投入された場合の遊技不可状態遊技不可状態として、前記一の設定値を変更可能な設定変更状態、または、前記一の設定値を確認可能な設定確認状態に制御可能な設定制御手段と、
前記遊技不可状態において、前記主役物の動作確認を実行可能な主役物動作確認手段(例えば、S13586の処理を実行するメインCPU6101)と、
前記遊技不可状態において所定の操作(例えば、RAMクリアスイッチ6121の操作)が行われると、前記記憶手段に記憶されている情報を消去する消去手段(例えば、S13602の処理を実行するメインCPU6101)と、
前記記憶手段に記憶されている情報が消去されると、遊技を実行可能な遊技許可状態に制御する遊技許可制御手段(例えば、メインCPU6101)と、
を有し、
前記主役物動作確認手段は、
前記主役物の動作確認を、前記設定変更状態では実行可能であるものの前記設定確認状態では実行できないよう構成される
ことを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、遊技不可状態において主役物の動作確認を実行可能とするため、不正される懸念を抑制することができるだけでなく、遊技の実行中に動作しなくなる等のリスクを軽減でき、ひいては興趣の低下を抑制することも可能となる。
また、主役物の動作確認を、設定変更状態では実行可能であるものの設定確認状態では実行できないため、主役物の動作確認に一定の制限をかけつつも動作確認できる場面を増やすことで利便性を高めることが可能となる。
(2)本発明に係る遊技機は、
複数の設定値のうちいずれか一の設定値に基づいて遊技の進行にかかわる制御を実行可能な主制御手段(例えば、メインCPU6101)と、
前記主制御手段により動作可能な主役物(例えば、特別電動役物(シャッタ6053a,6054a)、普通電動役物6046、小当り入賞口を開放状態と閉鎖状態とに変位させるシャッタ等)と、
電源が投入されると、少なくとも前記主制御手段に電力を供給可能な電力供給手段(例えば、電源供給回路6033)と、
を備え、
前記主制御手段は、
遊技の状態にかかわる情報を記憶可能な記憶手段(例えば、メインRAM6103)と、
所定の操作手段(例えば、RAMクリアスイッチ6121)が操作された状態で前記電源が投入されると、前記記憶手段に記憶されている情報を消去する消去手段(例えば、S13602の処理を実行するメインCPU6101)と、
所定の操作手段が操作された状態で前記電源が投入された場合の遊技不可状態として、前記一の設定値を変更可能な設定変更状態、または、前記一の設定値を確認可能な設定確認状態に制御可能な設定制御手段と、
前記遊技不可状態において、前記主役物の動作確認を実行可能な主役物動作確認手段(例えば、S13586の処理を実行するメインCPU6101)と、
前記記憶手段に記憶されている情報が消去された以降に、遊技を実行可能な遊技許可状態に制御する遊技許可制御手段(例えば、メインCPU6101)と、
を有し、
前記主役物動作確認手段は、
前記主役物の動作確認を、前記設定変更状態では実行可能であるものの前記設定確認状態では実行できないよう構成される
ことを特徴とする。
上記(2)の遊技機においても、遊技不可状態において主役物の動作確認を実行可能としており、不正される懸念を抑制することができるだけでなく、遊技の実行中に動作しなくなる等のリスクを軽減でき、ひいては興趣の低下を抑制することが可能となる。
また、主役物の動作確認を、設定変更状態では実行可能であるものの設定確認状態では実行できないため、主役物の動作確認に一定の制限をかけつつも動作確認できる場面を増やすことで利便性を高めることが可能となる。
(3)上記(1)または(2)に記載の遊技機において、
演出にかかわる制御を実行可能な演出制御手段(例えば、ホスト制御回路6210)と、
前記演出制御手段により動作可能な演出役物(例えば、役物6020)と、
をさらに備え、
前記演出制御手段は、
前記演出役物の動作確認を実行可能な演出役物動作確認手段(例えば、S8021の処理を実行するホスト制御回路6210)を有し、
前記演出役物動作確認手段は、
前記遊技許可状態において前記演出役物の動作確認を実行可能である一方、
前記主役物動作確認手段は、
前記遊技許可状態において前記主役物の動作確認を実行不可能であり、前記遊技許可状態と前記遊技不可状態とのうち前記遊技不可状態に制御されている場合に限り、前記主役物の動作確認を実行可能に構成される
ことを特徴とする。
上記(3)の遊技機によれば、不正される懸念を抑制することを担保しつつ、演出役物の動作確認と主役物の動作確認とを好適に実行することが可能となる。
本発明によれば、興趣の低下等の問題を、好適に抑制することが可能な遊技機を提供することができる。
[27−16.付記31−16]
従来より、所定の条件が成立すると図柄の可変表示が行われ、特別の結果が導出されると遊技者に有利な特別遊技状態に制御される遊技機が知られており、このような遊技機には、例えばメインCPUやサブCPUの制御によって動作する役物が備えられている。
この種の遊技機として、例えば、サブCPUの制御によって動作する役物の動作確認を実行することができる遊技機が知られている(例えば、特開2015−195988号公報参照)。
ところで、例えば特開2015−195988号公報に開示されているように、サブCPUの制御によって動作する役物の動作確認については行うことができるものの、メインCPUの制御によって動作する役物については、不正される懸念等の問題があり、動作確認が行われていないのが実情である。
そのため、メインCPUの制御によって動作する役物が遊技の実行中に動作しなくなる等の事態が発生すると、興趣の低下等、さまざま問題が発生するおそれがある。
本発明は、そのような点に鑑みてなされたものであり、その目的は、興趣の低下等の問題を、好適に抑制することが可能な遊技機を提供することにある。
(1)本発明に係る遊技機は、
遊技の進行にかかわる制御を実行可能な主制御手段(例えば、メインCPU6101)と、
前記主制御手段により動作可能な主役物(例えば、特別電動役物(シャッタ6053a,6054a)、普通電動役物6046、小当り入賞口を開放状態と閉鎖状態とに変位させるシャッタ等)と、
演出にかかわる制御を実行可能な演出制御手段(例えば、ホスト制御回路6210)と、
前記演出制御手段により動作可能な演出役物(例えば、役物6020)と、
電源が投入されると、少なくとも前記主制御手段および前記演出制御手段に電力を供給可能な電力供給手段(例えば、電源供給回路6033)と、
を備え、
前記主制御手段は、
遊技の状態にかかわる情報を記憶可能な記憶手段(例えば、メインRAM6103)と、
所定の操作手段(例えば、RAMクリアスイッチ6121)が操作された状態で前記電源が投入された場合の遊技不可状態において、前記主役物の動作確認を実行可能な主役物動作確認手段(例えば、S13586の処理を実行するメインCPU6101)と、
前記遊技不可状態において所定の操作(例えば、RAMクリアスイッチ6121の操作)が行われると、前記記憶手段に記憶されている情報を消去する消去手段(例えば、S13602の処理を実行するメインCPU6101)と、
前記記憶手段に記憶されている情報が消去されると、遊技を実行可能な遊技許可状態に制御する遊技許可制御手段(例えば、メインCPU6101)と、
を有し、
前記演出制御手段は、
前記電源が投入された場合の初期動作として、前記演出役物の初期動作確認を実行可能な演出役物初期動作確認手段(例えば、サブ役物初期動作処理を実行可能なホスト制御回路6210)と、
前記初期動作に先だって、前記遊技不可状態において前記演出役物の動作確認を実行可能な演出役物動作確認手段(例えば、S8021の処理を実行するホスト制御回路6210)と、
を有し、
前記演出役物初期動作確認手段は、
前記遊技不可状態において前記演出役物の動作確認が実行された場合(例えば、S6900がNO判定の場合)、前記演出役物の初期動作確認を実行しないよう構成される
ことを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、遊技不可状態において主役物の動作確認を実行可能とするため、不正される懸念を抑制することができるだけでなく、遊技の実行中に動作しなくなる等のリスクを軽減でき、ひいては興趣の低下を抑制することも可能となる。
しかも、遊技不可状態において主役物の動作確認が実行中であったとしても演出役物の動作確認を実行可能であるため、利便性を高めることもできる。
(2)本発明に係る遊技機は、
遊技の進行にかかわる制御を実行可能な主制御手段(例えば、メインCPU6101)と、
前記主制御手段により動作可能な主役物(例えば、特別電動役物(シャッタ6053a,6054a)、普通電動役物6046、小当り入賞口を開放状態と閉鎖状態とに変位させるシャッタ等)と、
演出にかかわる制御を実行可能な演出制御手段(例えば、ホスト制御回路6210)と、
前記演出制御手段により動作可能な演出役物(例えば、役物6020)と、
電源が投入されると、少なくとも前記主制御手段および前記演出制御手段に電力を供給可能な電力供給手段(例えば、電源供給回路6033)と、
を備え、
前記主制御手段は、
遊技の状態にかかわる情報を記憶可能な記憶手段(例えば、メインRAM6103)と、
所定の操作手段(例えば、RAMクリアスイッチ6121)が操作された状態で前記電源が投入されると、前記記憶手段に記憶されている情報を消去する消去手段(例えば、S13602の処理を実行するメインCPU6101)と、
所定の操作手段が操作された状態で前記電源が投入された場合の遊技不可状態において、前記主役物の動作確認を実行可能な主役物動作確認手段(例えば、S13586の処理を実行するメインCPU6101)と、
前記記憶手段に記憶されている情報が消去された以降に、遊技を実行可能な遊技許可状態に制御する遊技許可制御手段(例えば、メインCPU6101)と、
を有し、
前記演出制御手段は、
前記電源が投入された場合の初期動作として、前記演出役物の初期動作確認を実行可能な演出役物初期動作確認手段(例えば、サブ役物初期動作処理を実行可能なホスト制御回路6210)と、
前記初期動作に先だって、前記遊技不可状態において前記演出役物の動作確認を実行可能な演出役物動作確認手段(例えば、S8021の処理を実行するホスト制御回路6210)と、
を有し、
前記演出役物初期動作確認手段は、
前記遊技不可状態において前記演出役物の動作確認が実行された場合(例えば、S6900がNO判定の場合)、前記演出役物の初期動作確認を実行しないよう構成される
ことを特徴とする。
上記(2)の遊技機においても、遊技不可状態において主役物の動作確認を実行可能としており、不正される懸念を抑制することができるだけでなく、遊技の実行中に動作しなくなる等のリスクを軽減でき、ひいては興趣の低下を抑制することが可能となる。
しかも、遊技不可状態において主役物の動作確認が実行中であったとしても演出役物の動作確認を実行可能であるため、利便性を高めることもできる。
本発明によれば、興趣の低下等の問題を、好適に抑制することが可能な遊技機を提供することができる。
[28.付記32]
[28−1.付記32−1]
従来より、所定の条件が成立すると図柄の可変表示が行われ、特別の結果が導出されると遊技者に有利な特別遊技状態に制御される遊技機が知られている。
この種の遊技機における遊技状態には、特別の結果が導出される確率が低い通常遊技状態と、特別の結果が導出される確率が高い確変遊技状態とが含まれており、確変遊技状態が継続して特別遊技状態が連荘すると、遊技者に大きな利益が与えられる(例えば、特開2002−360826号公報参照)。
ところで、特別遊技状態が連荘しすぎると遊技者に大きな利益が与えられるが故、遊技者の射幸心を煽ることとなり、好ましくない。その一方で連荘を抑制すると、興趣が低下するおそれがある。
本発明は、そのような点に鑑みてなされたものであり、その目的は、興趣の低下を抑制することが可能な遊技機を提供することにある。
(1)本発明に係る遊技機は、
遊技領域に向けて発射された遊技球が通過可能な始動領域(例えば、第1始動口44、第2始動口45)と、
前記始動領域を遊技球が通過したことに基づいて図柄(例えば、特別図柄)の可変表示を実行可能な図柄可変表示制御手段(例えば、メインCPU71)と、
前記図柄の可変表示が実行されて特別結果(例えば、大当り)が導出されると、遊技者に遊技価値(例えば、賞球や賞球データ)を付与可能な特別遊技状態に制御する特別遊技状態制御手段(例えば、S95〜S99の処理を実行するメインCPU71)と、
前記特別遊技状態における待機時間を設定する待機時間設定手段(例えば、S139の処理を実行するメインCPU)と、
前記特別遊技状態の終了後、所定条件が成立する態様で(例えば、確変フラグオフ且つ時短フラグオフの通常遊技状態に制御される前に)再び前記特別遊技状態に制御された場合、最初に前記特別遊技状態に制御されてから付与された遊技価値にかかわる遊技価値情報(例えば、大当りカウンタの値)を管理する遊技価値情報管理手段(例えば、S173の処理を実行するメインCPU71)と、
を備え、
前記待機時間設定手段は、
前記遊技価値情報に基づいて前記待機時間を設定するものであって、
前記遊技価値情報が第1遊技価値情報(例えば、大当りカウンタ1〜3)である場合、第1待機時間に設定される期待値が最も高くなるように前記待機時間を設定可能な第1待機時間設定手段(例えば、大当りカウンタ1〜3の場合にインターバル時間を決定するメインCPU71)と、
付与された遊技価値にかかわる遊技価値情報が前記第1遊技価値情報よりも多い第2遊技価値情報(例えば、大当りカウンタ4〜6)である場合、前記第1待機時間よりも長い第2待機時間に設定される期待値が最も高くなるように前記待機時間を設定可能な第2待機時間設定手段(例えば、大当りカウンタ4〜6の場合にインターバル時間を決定するメインCPU71)と、
を有することを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、最初に特別遊技状態に制御されてから付与された遊技価値にかかわる遊技価値情報が第1遊技価値情報である場合、特別遊技状態における待機時間は、第1待機時間に設定される期待値が最も高い。また、付与された遊技価値にかかわる遊技価値情報が第1遊技価値情報よりも多い第2遊技価値情報である場合、第1待機時間よりも長い第2待機時間に設定される期待値が最も高い。このようにすることで、最初に特別遊技状態に制御されてから付与された遊技価値にかかわる遊技価値情報が多くなったとしても、特別遊技状態における待機時間が長くなるため、射幸性を抑制しつつ興趣の低下を抑制することが可能となる。
なお、「最初に前記特別遊技状態に制御されてから付与された遊技価値にかかわる遊技価値情報」は、例えば、特別遊技状態の終了後に所定条件が成立する態様で再び特別遊技状態に制御された回数(例えば、特別遊技状態の連荘回数)、特別遊技状態の終了後に払い出された遊技価値(賞球または賞球データ)の量、特別遊技状態の終了後に払い出された遊技価値(賞球または賞球データ)の量と遊技に供した遊技価値との差分等を含む趣旨である。
また、「第1待機時間に設定される期待値が最も高くなるように前記待機時間を設定可能」は、100%または100%に近い確率で第1待機時間に設定されるものを含む趣旨である。同様に、「第2待機時間に設定される期待値が最も高くなるように前記待機時間を設定可能」は、100%または100%に近い確率で第2待機時間に設定されるものを含む趣旨である。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、
前記待機時間設定手段は、
前記特別遊技状態開始時の待機時間(例えば、大当り開始インターバル時間)、前記特別遊技状態中の待機時間(例えば、ラウンド間インターバル時間)、および、前記特別遊技状態終了時の待機時間(例えば、大当り終了インターバル時間)のうち、少なくともいずれか一つを、前記遊技価値情報に基づいて設定するよう構成される
ことを特徴とする。
上記(2)の遊技機によれば、特別遊技状態開始時の待機時間(例えば、大当り開始インターバル時間)、特別遊技状態中の待機時間(例えば、ラウンド間インターバル時間)、および、特別遊技状態終了時の待機時間(例えば、大当り終了インターバル時間)のうち少なくともいずれか一つが遊技価値情報に基づいて設定されるため、遊技者の期待感を長く維持することが可能となる。すなわち、例えば通常遊技状態の時間が長くなれば興趣が低下するおそれがあるものの、特別遊技状態開始時の待機時間、特別遊技状態中の待機時間および特別遊技状態終了時の待機時間のうち少なくともいずれか一つが遊技価値情報に基づいて設定されるため、興趣の低下を抑制することができる。
(3)上記(1)または(2)に記載の遊技機において、
前記遊技価値情報管理手段は、
前記所定条件が成立する態様で複数回にわたって前記特別遊技状態に制御された場合、最初に前記特別遊技状態に制御されてからの前記特別遊技状態に制御された回数をカウントするものである
ことを特徴とする。
上記(3)の遊技機によれば、最初に前記特別遊技状態に制御されてからの特別遊技状態に制御された回数に基づいて特別遊技状態における待機時間が設定されるため、射幸性を好適に抑制することが可能となる。
(4)上記(1)または(2)に記載の遊技機において、
前記特別遊技状態には、
付与される遊技価値の量が一定量未満の特別遊技状態(例えば、2ラウンドの大当り遊技状態)と、付与される遊技価値の量が一定量を超える特別遊技状態(例えば、10ラウンドの大当り遊技状態)とが含まれており、
前記遊技価値情報管理手段は、
前記所定条件が成立する態様で複数回にわたって前記特別遊技状態に制御された場合、前記複数回の特別遊技状態のうち、付与される遊技価値の量が一定量を超える特別遊技状態のみの回数をカウントするものである
ことを特徴とする。
上記(4)の遊技機によれば、複数回の特別遊技状態のうち、付与される遊技価値の量が一定量を超える特別遊技状態のみの回数に基づいて特別遊技状態における待機時間が設定されるため、付与される遊技価値の量が一定量未満の特別遊技状態により多く制御された場合に生じうる興趣の低下を抑制することが可能となる。
本発明によれば、興趣の低下を抑制することが可能な遊技機を提供することができる。
[28−2.付記32−2]
従来より、所定の条件が成立すると図柄の可変表示が行われ、特別の結果が導出されると遊技者に有利な特別遊技状態に制御される遊技機が知られている。
近年、この種の遊技機として、特別遊技状態とは別の遊技者に有利な遊技状態として、例えば、小当り入賞口への頻度が高められる遊技状態(所謂小当りラッシュ)に制御されるようにした遊技機が開示されている(例えば、特開2016−174800号公報参照)。
ところで、小当りラッシュのような遊技者に有利な遊技状態が継続しすぎると遊技者に大きな利益が与えられるが故、遊技者の射幸心を煽ることとなり、好ましくない。その一方で小当りラッシュのような遊技者に有利な遊技状態に制御されることを制限すると、興趣が低下するおそれがある。
本発明は、そのような点に鑑みてなされたものであり、その目的は、興趣の低下を抑制することが可能な遊技機を提供することにある。
(1)本発明に係る遊技機は、
遊技領域に向けて発射された遊技球が通過可能な始動領域(例えば、第2始動口45)と、
前記始動領域を遊技球が通過したことに基づいて図柄(例えば、特別図柄)の可変表示を実行可能な図柄可変表示制御手段(例えば、メインCPU71)と、
前記図柄の可変表示が実行されて特定結果(例えば、小当り)が導出されると、遊技者に遊技価値(例えば、賞球や賞球データ)を付与可能な特定遊技状態(例えば、小当り遊技状態)に制御する特定遊技状態制御手段(例えば、小当り遊技を実行するメインCPU71)と、
通常の遊技状態と比べて前記特定遊技状態に制御される頻度が高められる遊技者に有利な有利状態(例えば、ラッシュ状態)に制御する有利状態制御手段(例えば、ラッシュ状態に制御するメインCPU71)と、
前記特定遊技状態における待機時間を設定する待機時間設定手段(例えば、メインCPU71)と、
前記有利状態において、付与された遊技価値にかかわる遊技価値情報(例えば、小当りカウンタの値または特別図柄の可変表示が実行された回数)を管理する遊技価値情報管理手段(例えば、メインCPU71)と、
を備え、
前記待機時間設定手段は、
前記遊技価値情報に基づいて前記待機時間を設定するものであって、
前記遊技価値情報が第1遊技価値情報(例えば、小当りカウンタ0〜20)である場合、第1待機時間に設定される期待値が最も高くなるように前記待機時間を設定可能な第1待機時間設定手段(例えば、小当りカウンタ0〜20の場合にインターバル時間を決定するメインCPU71)と、
付与された遊技価値にかかわる遊技価値情報が前記第1遊技価値情報よりも多い第2遊技価値情報(例えば、大当りカウンタ21〜50)である場合、前記第1待機時間よりも長い第2待機時間に設定される期待値が最も高くなるように前記待機時間を設定可能な第2待機時間設定手段(例えば、小当りカウンタ21〜50の場合にインターバル時間を決定するメインCPU71)と、
を有することを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、有利状態において付与された遊技価値にかかわる遊技価値情報が第1遊技価値情報である場合、特定遊技状態における待機時間は、第1待機時間に設定される期待値が最も高い。また、付与された遊技価値にかかわる遊技価値情報が第1遊技価値情報よりも多い第2遊技価値情報である場合、第1待機時間よりも長い第2待機時間に設定される期待値が最も高い。このようにすることで、有利状態において付与された遊技価値にかかわる遊技価値情報が多くなったとしても、特定遊技状態における待機時間が長くなるため、射幸性を抑制しつつ興趣の低下を抑制することが可能となる。
なお、「前記有利状態において、付与された遊技価値にかかわる遊技価値情報」は、例えば、有利状態において特定遊技状態に制御された回数(例えば、ラッシュ状態において小当り遊技状態に制御された回数)、有利状態において払い出された遊技価値(賞球または賞球データ)の量、有利状態において払い出された遊技価値(賞球または賞球データ)の量と遊技に供した遊技価値との差分、有利状態において実行された図柄の可変表示の回数等を含む趣旨である。
また、「第1待機時間に設定される期待値が最も高くなるように前記待機時間を設定可能」は、100%または100%に近い確率で第1待機時間に設定されるものを含む趣旨である。同様に、「第2待機時間に設定される期待値が最も高くなるように前記待機時間を設定可能」は、100%または100%に近い確率で第2待機時間に設定されるものを含む趣旨である。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、
前記待機時間設定手段は、
前記特定遊技状態開始時の待機時間(例えば、小当り開始インターバル時間)、前記特定遊技状態中の待機時間(例えば、アタッカー開放間インターバル時間)、および、前記特定遊技状態終了時の待機時間(例えば、小当り終了インターバル時間)のうち、少なくともいずれか一つを、前記遊技価値情報に基づいて設定するよう構成される
ことを特徴とする。
上記(2)の遊技機によれば、特定遊技状態開始時の待機時間(例えば、小当り開始インターバル時間)、特定遊技状態中の待機時間(例えば、アタッカー開放間インターバル時間)、および、特定遊技状態終了時の待機時間(例えば、小当り終了インターバル時間)のうち少なくともいずれか一つが遊技価値情報に基づいて設定されるため、遊技者の期待感を長く維持することが可能となる。すなわち、例えば通常遊技状態の時間が長くなれば興趣が低下するおそれがあるものの、特定遊技状態開始時の待機時間、特定遊技状態中の待機時間および特定遊技状態終了時の待機時間のうち少なくともいずれか一つが遊技価値情報に基づいて設定されるため、興趣の低下を抑制することができる。
(3)上記(1)または(2)に記載の遊技機において、
前記遊技価値情報管理手段は、
前記有利状態において、前記特定遊技状態に制御された回数をカウントするものである
ことを特徴とする。
上記(3)の遊技機によれば、有利状態において特定遊技状態に制御された回数に基づいて特定遊技状態における待機時間が設定されるため、射幸性を好適に抑制することが可能となる。
(4)上記(1)または(2)に記載の遊技機において、
前記有利状態において、前記特定結果が所定確率で導出されるよう構成されており、
前記遊技価値情報管理手段は、
前記有利状態において、前記図柄の可変表示が実行された回数をカウントするものである
ことを特徴とする。
上記(4)の遊技機によれば、有利状態において図柄の可変表示が実行された回数に基づいて特定遊技状態における待機時間が設定されるため、射幸性を好適に抑制することが可能となる。
本発明によれば、興趣の低下を抑制することが可能な遊技機を提供することができる。
[28−3.付記32−3]
従来より、所定の条件が成立すると図柄の可変表示が行われ、特別の結果が導出されると遊技者に有利な特別遊技状態に制御される遊技機が知られている。
この種の遊技機における遊技状態には、特別の結果が導出される確率が低い通常遊技状態と、特別の結果が導出される確率が高い確変遊技状態とが含まれており、確変遊技状態が継続して特別遊技状態が連荘すると、遊技者に大きな利益が与えられる(例えば、特開2002−360826号公報参照)。
ところで、特別遊技状態が連荘しすぎると遊技者に大きな利益が与えられるが故、遊技者の射幸心を煽ることとなり、好ましくない。その一方で連荘を抑制すると、興趣が低下するおそれがある。
本発明は、そのような点に鑑みてなされたものであり、その目的は、興趣の低下を抑制することが可能な遊技機を提供することにある。
(1)本発明に係る遊技機は、
遊技領域に向けて発射された遊技球が通過可能な始動領域(例えば、第1始動口44、第2始動口45)と、
前記始動領域を遊技球が通過したことに基づいて、可変表示時間が異なる複数の可変表示パターンのうちいずれかの可変表示パターンで図柄(例えば、特別図柄)の可変表示を実行可能な図柄可変表示制御手段(例えば、メインCPU71)と、
前記図柄の可変表示が実行されて特別結果(例えば、大当り)が導出されると、遊技者に遊技価値(例えば、賞球や賞球データ)を付与可能な特別遊技状態に制御する特別遊技状態制御手段(例えば、S95〜S99の処理を実行するメインCPU71)と、
前記特別遊技状態の終了後、所定条件が成立する態様で(例えば、確変フラグオフ且つ時短フラグオフの通常遊技状態に制御される前に)再び前記特別遊技状態に制御された場合、最初に前記特別遊技状態に制御されてから付与された遊技価値にかかわる遊技価値情報(例えば、大当りカウンタの値)を管理する遊技価値情報管理手段(例えば、S173の処理を実行するメインCPU71)と、
を備え、
前記図柄可変表示制御手段は、
少なくとも前記遊技価値情報に基づいて前記図柄の可変表示を実行するものであって、
前記遊技価値情報が第1遊技価値情報(例えば、大当りカウンタ1〜3)である場合、単位時間あたりの前記図柄の可変表示の実行回数の期待値が第1期待値となるように前記図柄の可変表示を実行可能な第1可変表示制御手段(例えば、大当りカウンタ1〜3の場合に第2特別図柄の可変表示時間を決定するメインCPU71)と、
付与された遊技価値にかかわる遊技価値情報が前記第1遊技価値情報よりも多い第2遊技価値情報(例えば、大当りカウンタ4〜6)である場合、単位時間あたりの前記図柄の可変表示の実行回数の期待値が前記第1期待値よりも小さい第2期待値となるように前記図柄の可変表示を実行可能な第2可変表示制御手段(例えば、大当りカウンタ4〜6の場合に第2特別図柄の可変表示時間を決定するメインCPU71)と、
を有することを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、最初に特別遊技状態に制御されてから付与された遊技価値にかかわる遊技価値情報が第1遊技価値情報である場合、単位時間あたりの図柄の可変表示の実行回数の期待値が第1期待値となるように図柄の可変表示が実行される。また、付与された遊技価値にかかわる遊技価値情報が第1遊技価値情報よりも多い第2遊技価値情報である場合、単位時間あたりの図柄の可変表示の実行回数の期待値が第1期待値よりも小さい第2期待値となるように図柄の可変表示が実行される。このようにすることで、最初に特別遊技状態に制御されてから付与された遊技価値にかかわる遊技価値情報が多くなったとしても、図柄の可変表示時間が長くなるため、射幸性を抑制しつつ興趣の低下を抑制することが可能となる。
なお、「最初に前記特別遊技状態に制御されてから付与された遊技価値にかかわる遊技価値情報」は、例えば、特別遊技状態の終了後に所定条件が成立する態様で再び特別遊技状態に制御された回数(例えば、特別遊技状態の連荘回数)、特別遊技状態の終了後に払い出された遊技価値(賞球または賞球データ)の量、特別遊技状態の終了後に払い出された遊技価値(賞球または賞球データ)の量と遊技に供した遊技価値との差分等を含む趣旨である。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、
前記特別遊技状態の終了後、前記図柄の可変表示の実行にかかわる遊技進行情報(例えば、可変表示カウンタの値)を管理する遊技回数管理手段(例えば、特別図柄の可変表示が実行される都度、可変表示カウンタをカウントアップするメインCPU71)をさらに備え、
前記図柄可変表示制御手段は、
前記遊技価値情報と前記遊技進行情報とに基づいて前記図柄の可変表示を実行可能であり、付与された遊技価値にかかわる遊技価値情報が前記第2遊技価値情報(例えば、大当りカウンタ4〜6)であったとしても、前記遊技進行情報が第1進行情報(例えば、可変表示カウンタの値1〜50)である場合、前記遊技進行情報が前記第1進行情報よりも進行している第2進行情報(例えば、可変表示カウンタの値51〜99)である場合よりも、単位時間あたりの前記図柄の可変表示の実行回数の期待値が小さくなるように前記図柄の可変表示を実行可能に構成される
ことを特徴とする。
上記(2)の遊技機によれば、最初に特別遊技状態に制御されてから付与された遊技価値にかかわる遊技価値情報が多くなったことだけをもって図柄の可変表示の実行回数の期待値を小さくするのではなく、遊技の進行度合いがより小さいほど図柄の可変表示の実行回数の期待値が小さくなるようにしている。すなわち、特別遊技状態の終了後、遊技の進行度合いが小さいほど図柄の可変表示の実行回数の期待値を小さくする(すなわち可変表示時間を長くする)ことによって、特別遊技状態が終了してから再び特別遊技状態に制御されるまでの時間を持たせることができ、射幸性を好適に抑制することが可能となる。
本発明によれば、興趣の低下を抑制することが可能な遊技機を提供することができる。
[28−4.付記32−4]
従来より、所定の条件が成立すると図柄の可変表示が行われ、特別の結果が導出されると遊技者に有利な特別遊技状態に制御される遊技機が知られている。
この種の遊技機における遊技状態には、特別の結果が導出される確率が低い通常遊技状態と、特別の結果が導出される確率が高い確変遊技状態とが含まれており、確変遊技状態が継続して特別遊技状態が連荘すると、遊技者に大きな利益が与えられる(例えば、特開2002−360826号公報参照)。
ところで、特別遊技状態が連荘しすぎると遊技者に大きな利益が与えられるが故、遊技者の射幸心を煽ることとなり、好ましくない。その一方で連荘を抑制すると、興趣が低下するおそれがある。
本発明は、そのような点に鑑みてなされたものであり、その目的は、興趣の低下を抑制することが可能な遊技機を提供することにある。
(1)本発明に係る遊技機は、
遊技領域に向けて発射された遊技球が通過可能な始動領域(例えば、第1始動口44、第2始動口45)と、
前記始動領域を遊技球が通過したことに基づいて図柄(例えば、特別図柄)の可変表示を実行可能な図柄可変表示制御手段(例えば、メインCPU71)と、
前記図柄の可変表示が実行されて特別結果(例えば、大当り)が導出されると、遊技者に遊技価値(例えば、賞球や賞球データ)を付与可能な特別遊技状態に制御する特別遊技状態制御手段(例えば、S95〜S99の処理を実行するメインCPU71)と、
前記特別遊技状態における待機時間を設定する待機時間設定手段(例えば、S139の処理を実行するメインCPU)と、
前記特別遊技状態の終了後、所定条件が成立する態様で(例えば、確変フラグオフ且つ時短フラグオフの通常遊技状態に制御される前に)再び前記特別遊技状態に制御された場合、最初に前記特別遊技状態に制御されてから付与された遊技価値にかかわる遊技価値情報(例えば、大当りカウンタの値)を管理する遊技価値情報管理手段(例えば、S173の処理を実行するメインCPU71)と、
を備え、
前記待機時間設定手段は、
前記遊技価値情報に基づいて前記待機時間を設定するものであって、
前記遊技価値情報が第1遊技価値情報(例えば、大当りカウンタ1〜3)である場合、第1待機時間に設定される期待値が最も高くなるように前記待機時間を設定可能な第1待機時間設定手段(例えば、大当りカウンタ1〜3の場合にインターバル時間を決定するメインCPU71)と、
付与された遊技価値にかかわる遊技価値情報が前記第1遊技価値情報よりも多い第2遊技価値情報(例えば、大当りカウンタ4〜6)である場合、前記第1待機時間よりも長い第2待機時間に設定される期待値が最も高くなるように前記待機時間を設定可能な第2待機時間設定手段(例えば、大当りカウンタ4〜6の場合にインターバル時間を決定するメインCPU71)と、
付与された遊技価値にかかわる遊技価値情報が所定値に至った場合(例えば、大当りカウンタが10に至った場合)、少なくとも前記第2待機時間よりも短い特定待機時間に設定される期待値が最も高くなるように前記待機時間を設定可能な特定待機時間設定手段(例えば、大当りカウンタ10以上の場合にインターバル時間を決定するメインCPU71)と、
を有することを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、最初に特別遊技状態に制御されてから付与された遊技価値にかかわる遊技価値情報が第1遊技価値情報である場合、特別遊技状態における待機時間は、第1待機時間に設定される期待値が最も高い。また、付与された遊技価値にかかわる遊技価値情報が第1遊技価値情報よりも多い第2遊技価値情報である場合、第1待機時間よりも長い第2待機時間に設定される期待値が最も高い。このようにすることで、最初に特別遊技状態に制御されてから付与された遊技価値にかかわる遊技価値情報が多くなったとしても、特別遊技状態における待機時間が長くなるため、射幸性を抑制しつつ興趣の低下をも抑制することが可能となる。
さらに、付与された遊技価値にかかわる遊技価値情報が所定値に至ると特定待機時間に設定されるため、遊技者の目標ができ、興趣の低下を抑制することができる。しかも、付与された遊技価値にかかわる遊技価値情報が所定値に至ると特別遊技状態における待機時間を短くしても、それまでは相対的に長い待機時間に設定されたいたのであるから、射幸性を抑制しつつより一層興趣の低下を抑制することが可能となる。
また、上記の「特定待機時間」は、少なくとも第2待機時間よりも短い時間であれば本願発明の作用効果を奏することができるが、第1待機時間と同じまたはほぼ同じ時間であってもよいし、第1待機時間よりも短い時間であってもよい。
なお、「最初に前記特別遊技状態に制御されてから付与された遊技価値にかかわる遊技価値情報」は、例えば、特別遊技状態の終了後に所定条件が成立する態様で再び特別遊技状態に制御された回数(例えば、特別遊技状態の連荘回数)、特別遊技状態の終了後に払い出された遊技価値(賞球または賞球データ)の量、特別遊技状態の終了後に払い出された遊技価値(賞球または賞球データ)の量と遊技に供した遊技価値との差分等を含む趣旨である。
また、「第1待機時間に設定される期待値が最も高くなるように前記待機時間を設定可能」は、100%または100%に近い確率で第1待機時間に設定されるものを含む趣旨である。同様に、「第2待機時間に設定される期待値が最も高くなるように前記待機時間を設定可能」は、100%または100%に近い確率で第2待機時間に設定されるものを含む趣旨である。さらに、「第2待機時間よりも短い特定待機時間に設定される期待値が最も高くなるように前記待機時間を設定可能」についても、100%または100%に近い確率で特定待機時間に設定されるものを含む趣旨である。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、
前記待機時間設定手段は、
前記特別遊技状態開始時の待機時間(例えば、大当り開始インターバル時間)、前記特別遊技状態中の待機時間(例えば、ラウンド間インターバル時間)、および、前記特別遊技状態終了時の待機時間(例えば、大当り終了インターバル時間)のうち、少なくともいずれか一つを、前記遊技価値情報に基づいて設定するよう構成される
ことを特徴とする。
上記(2)の遊技機によれば、特別遊技状態開始時の待機時間(例えば、大当り開始インターバル時間)、特別遊技状態中の待機時間(例えば、ラウンド間インターバル時間)、および、特別遊技状態終了時の待機時間(例えば、大当り終了インターバル時間)のうち少なくともいずれか一つが遊技価値情報に基づいて設定されるため、遊技者の期待感を長く維持することが可能となる。すなわち、例えば通常遊技状態の時間が長くなれば興趣が低下するおそれがあるものの、特別遊技状態開始時の待機時間、特別遊技状態中の待機時間および特別遊技状態終了時の待機時間のうち少なくともいずれか一つが遊技価値情報に基づいて設定されるため、興趣の低下を抑制することができる。
(3)上記(1)または(2)に記載の遊技機において、
前記遊技価値情報管理手段は、
前記所定条件が成立する態様で複数回にわたって前記特別遊技状態に制御された場合、最初に前記特別遊技状態に制御されてからの前記特別遊技状態に制御された回数をカウントするものである
ことを特徴とする。
上記(3)の遊技機によれば、最初に前記特別遊技状態に制御されてからの特別遊技状態に制御された回数に基づいて特別遊技状態における待機時間が設定されるため、射幸性を好適に抑制することが可能となる。
(4)上記(1)または(2)に記載の遊技機において、
前記特別遊技状態には、
付与される遊技価値の量が一定量未満の特別遊技状態(例えば、2ラウンドの大当り遊技状態)と、付与される遊技価値の量が一定量を超える特別遊技状態(例えば、10ラウンドの大当り遊技状態)とが含まれており、
前記遊技価値情報管理手段は、
前記所定条件が成立する態様で複数回にわたって前記特別遊技状態に制御された場合、前記複数回の特別遊技状態のうち、付与される遊技価値の量が一定量を超える特別遊技状態のみの回数をカウントするものである
ことを特徴とする。
上記(4)の遊技機によれば、複数回の特別遊技状態のうち、付与される遊技価値の量が一定量を超える特別遊技状態のみの回数に基づいて特別遊技状態における待機時間が設定されるため、付与される遊技価値の量が一定量未満の特別遊技状態により多く制御された場合に生じうる興趣の低下を抑制することが可能となる。
本発明によれば、興趣の低下を抑制することが可能な遊技機を提供することができる。
[28−5.付記32−5]
従来より、所定の条件が成立すると図柄の可変表示が行われ、特別の結果が導出されると遊技者に有利な特別遊技状態に制御される遊技機が知られている。
近年、この種の遊技機として、特別遊技状態とは別の遊技者に有利な遊技状態として、例えば、小当り入賞口への頻度が高められる遊技状態(所謂小当りラッシュ)に制御されるようにした遊技機が開示されている(例えば、特開2016−174800号公報参照)。
ところで、小当りラッシュのような遊技者に有利な遊技状態が継続しすぎると遊技者に大きな利益が与えられるが故、遊技者の射幸心を煽ることとなり、好ましくない。その一方で小当りラッシュのような遊技者に有利な遊技状態に制御されることを制限すると、興趣が低下するおそれがある。
本発明は、そのような点に鑑みてなされたものであり、その目的は、興趣の低下を抑制することが可能な遊技機を提供することにある。
(1)本発明に係る遊技機は、
遊技領域に向けて発射された遊技球が通過可能な始動領域(例えば、第2始動口45)と、
前記始動領域を遊技球が通過したことに基づいて図柄(例えば、特別図柄)の可変表示を実行可能な図柄可変表示制御手段(例えば、メインCPU71)と、
前記図柄の可変表示が実行されて特定結果(例えば、小当り)が導出されると、遊技者に遊技価値(例えば、賞球や賞球データ)を付与可能な特定遊技状態(例えば、小当り遊技状態)に制御する特定遊技状態制御手段(例えば、小当り遊技を実行するメインCPU71)と、
通常の遊技状態と比べて前記特定遊技状態に制御される頻度が高められる遊技者に有利な有利状態(例えば、ラッシュ状態)に制御する有利状態制御手段(例えば、ラッシュ状態に制御するメインCPU71)と、
前記特定遊技状態における待機時間を設定する待機時間設定手段(例えば、メインCPU71)と、
前記有利状態において、付与された遊技価値にかかわる遊技価値情報(例えば、小当りカウンタの値または特別図柄の可変表示が実行された回数)を管理する遊技価値情報管理手段(例えば、メインCPU71)と、
を備え、
前記待機時間設定手段は、
前記遊技価値情報に基づいて前記待機時間を設定するものであって、
前記遊技価値情報が第1遊技価値情報(例えば、小当りカウンタ0〜20)である場合、第1待機時間に設定される期待値が最も高くなるように前記待機時間を設定可能な第1待機時間設定手段(例えば、小当りカウンタ0〜20の場合にインターバル時間を決定するメインCPU71)と、
付与された遊技価値にかかわる遊技価値情報が前記第1遊技価値情報よりも多い第2遊技価値情報(例えば、大当りカウンタ21〜50)である場合、前記第1待機時間よりも長い第2待機時間に設定される期待値が最も高くなるように前記待機時間を設定可能な第2待機時間設定手段(例えば、小当りカウンタ21〜50の場合にインターバル時間を決定するメインCPU71)と、
付与された遊技価値にかかわる遊技価値情報が所定値に至った場合(例えば、小当りカウンタが101に至った場合)、少なくとも前記第2待機時間よりも短い特定待機時間に設定される期待値が最も高くなるように前記待機時間を設定可能な特定待機時間設定手段(例えば、小当りカウンタ101以上の場合にインターバル時間を決定するメインCPU71)と、
を有することを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、有利状態において付与された遊技価値にかかわる遊技価値情報が第1遊技価値情報である場合、特定遊技状態における待機時間は、第1待機時間に設定される期待値が最も高い。また、付与された遊技価値にかかわる遊技価値情報が第1遊技価値情報よりも多い第2遊技価値情報である場合、第1待機時間よりも長い第2待機時間に設定される期待値が最も高い。このようにすることで、有利状態において付与された遊技価値にかかわる遊技価値情報が多くなったとしても、特定遊技状態における待機時間が長くなるため、射幸性を抑制しつつ興趣の低下を抑制することが可能となる。
さらに、付与された遊技価値にかかわる遊技価値情報が所定値に至ると特定待機時間に設定されるため、遊技者の目標ができ、興趣の低下を抑制することができる。しかも、付与された遊技価値にかかわる遊技価値情報が所定値に至ると特定遊技状態における待機時間を短くしても、それまでは相対的に長い待機時間に設定されたいたのであるから、射幸性を抑制しつつより一層興趣の低下を抑制することが可能となる。
また、上記の「特定待機時間」は、少なくとも第2待機時間よりも短い時間であれば本願発明の作用効果を奏することができるが、第1待機時間と同じまたはほぼ同じ時間であってもよいし、第1待機時間よりも短い時間であってもよい。
なお、「前記有利状態において、付与された遊技価値にかかわる遊技価値情報」は、例えば、有利状態において特定遊技状態に制御された回数(例えば、ラッシュ状態において小当り遊技状態に制御された回数)、有利状態において払い出された遊技価値(賞球または賞球データ)の量、有利状態において払い出された遊技価値(賞球または賞球データ)の量と遊技に供した遊技価値との差分、有利状態において実行された図柄の可変表示の回数等を含む趣旨である。
また、「第1待機時間に設定される期待値が最も高くなるように前記待機時間を設定可能」は、100%または100%に近い確率で第1待機時間に設定されるものを含む趣旨である。同様に、「第2待機時間に設定される期待値が最も高くなるように前記待機時間を設定可能」は、100%または100%に近い確率で第2待機時間に設定されるものを含む趣旨である。さらに、「第2待機時間よりも短い特定待機時間に設定される期待値が最も高くなるように前記待機時間を設定可能」についても、100%または100%に近い確率で特定待機時間に設定されるものを含む趣旨である。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、
前記待機時間設定手段は、
前記特定遊技状態開始時の待機時間(例えば、小当り開始インターバル時間)、前記特定遊技状態中の待機時間(例えば、アタッカー開放間インターバル時間)、および、前記特定遊技状態終了時の待機時間(例えば、小当り終了インターバル時間)のうち、少なくともいずれか一つを、前記遊技価値情報に基づいて設定するよう構成される
ことを特徴とする。
上記(2)の遊技機によれば、特定遊技状態開始時の待機時間(例えば、小当り開始インターバル時間)、特定遊技状態中の待機時間(例えば、アタッカー開放間インターバル時間)、および、特定遊技状態終了時の待機時間(例えば、小当り終了インターバル時間)のうち少なくともいずれか一つが遊技価値情報に基づいて設定されるため、遊技者の期待感を長く維持することが可能となる。すなわち、例えば通常遊技状態の時間が長くなれば興趣が低下するおそれがあるものの、特定遊技状態開始時の待機時間、特定遊技状態中の待機時間および特定遊技状態終了時の待機時間のうち少なくともいずれか一つが遊技価値情報に基づいて設定されるため、興趣の低下を抑制することができる。
(3)上記(1)または(2)に記載の遊技機において、
前記遊技価値情報管理手段は、
前記有利状態において、前記特定遊技状態に制御された回数をカウントするものである
ことを特徴とする。
上記(3)の遊技機によれば、有利状態において特定遊技状態に制御された回数に基づいて特定遊技状態における待機時間が設定されるため、射幸性を好適に抑制することが可能となる。
(4)上記(1)または(2)に記載の遊技機において、
前記有利状態において、前記特定結果が所定確率で導出されるよう構成されており、
前記遊技価値情報管理手段は、
前記有利状態において、前記図柄の可変表示が実行された回数をカウントするものである
ことを特徴とする。
上記(4)の遊技機によれば、有利状態において図柄の可変表示が実行された回数に基づいて特定遊技状態における待機時間が設定されるため、射幸性を好適に抑制することが可能となる。
本発明によれば、興趣の低下を抑制することが可能な遊技機を提供することができる。
[28−6.付記32−6]
従来より、所定の条件が成立すると図柄の可変表示が行われ、特別の結果が導出されると遊技者に有利な特別遊技状態に制御される遊技機が知られている。
この種の遊技機における遊技状態には、特別の結果が導出される確率が低い通常遊技状態と、特別の結果が導出される確率が高い確変遊技状態とが含まれており、確変遊技状態が継続して特別遊技状態が連荘すると、遊技者に大きな利益が与えられる(例えば、特開2002−360826号公報参照)。
ところで、特別遊技状態が連荘しすぎると遊技者に大きな利益が与えられるが故、遊技者の射幸心を煽ることとなり、好ましくない。その一方で連荘を抑制すると、興趣が低下するおそれがある。
本発明は、そのような点に鑑みてなされたものであり、その目的は、興趣の低下を抑制することが可能な遊技機を提供することにある。
(1)本発明に係る遊技機は、
遊技領域に向けて発射された遊技球が通過可能な始動領域(例えば、第2始動口45)と、
前記始動領域を遊技球が通過したことに基づいて抽選を行う抽選手段(例えば、メインCPU71)と、
通常演出(例えば、非リーチ変動演出(超速変動A、超速変動B、通常変動C)または該通常演出よりも演出時間が長い特定演出(例えば、ハズレリーチ演出D〜F)が所定の表示領域に表示されるよう制御可能な演出表示制御手段(例えば、サブCPU201)と、
前記所定の表示領域に特別結果(例えば、大当り画像)が導出されると、遊技者に遊技価値(例えば、賞球や賞球データ)を付与可能な特別遊技状態に制御する特別遊技状態制御手段(例えば、S95〜S99の処理を実行するメインCPU71)と、
前記特別遊技状態の終了後、所定条件が成立する態様で(例えば、確変フラグオフ且つ時短フラグオフの通常遊技状態に制御される前に)再び前記特別遊技状態に制御された場合、最初に前記特別遊技状態に制御されてから付与された遊技価値にかかわる遊技価値情報(例えば、大当りカウンタの値)を管理する遊技価値情報管理手段(例えば、S173の処理を実行するメインCPU71)と、
を備え、
前記演出表示制御手段は、
前記遊技価値情報が第1遊技価値情報(例えば、大当りカウンタ1〜3)である場合、第1期待値で前記特定演出が表示されるよう制御する第1演出表示制御手段(例えば、大当りカウンタ1〜3の場合に250分の16の確率でハズレリーチ演出Dを実行するサブCPU201)と、
前記遊技価値情報が前記第1遊技価値情報よりも多い第2遊技価値情報(例えば、大当りカウンタ4〜6)である場合、前記第1期待値よりも高い第2期待値で前記特定演出が表示されるよう制御する第2演出表示制御手段(例えば、大当りカウンタ4〜6の場合に250分の26の確率でハズレリーチ演出Eを実行するサブCPU201)と、
を有することを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、最初に特別遊技状態に制御されてから付与された遊技価値にかかわる遊技価値情報が第1遊技価値情報である場合、第1期待値で特定演出が表示されるように制御される。また、付与された遊技価値にかかわる遊技価値情報が第1遊技価値情報よりも多い第2遊技価値情報である場合、第1期待値よりも高い第2期待値で特定演出が表示されるように制御される。このようにすることで、最初に特別遊技状態に制御されてから付与された遊技価値にかかわる遊技価値情報が多くなったとしても、特定演出がより高い期待値で表示されるため、射幸性を抑制しつつ興趣の低下を抑制することが可能となる。
なお、「最初に前記特別遊技状態に制御されてから付与された遊技価値にかかわる遊技価値情報」は、例えば、特別遊技状態の終了後に所定条件が成立する態様で再び特別遊技状態に制御された回数(例えば、特別遊技状態の連荘回数)、特別遊技状態の終了後に払い出された遊技価値(賞球または賞球データ)の量、特別遊技状態の終了後に払い出された遊技価値(賞球または賞球データ)の量と遊技に供した遊技価値との差分等を含む趣旨である。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、
前記遊技価値情報管理手段は、
前記所定条件が成立する態様で複数回にわたって前記特別遊技状態に制御された場合、最初に前記特別遊技状態に制御されてからの前記特別遊技状態に制御された回数をカウントするものである
ことを特徴とする。
上記(2)の遊技機によれば、最初に前記特別遊技状態に制御されてからの特別遊技状態に制御された回数に基づいて特定演出が表示される期待値が高くなるため、射幸性を好適に抑制することが可能となる。
(3)上記(1)に記載の遊技機において、
前記特別遊技状態には、
付与される遊技価値の量が一定量未満の特別遊技状態(例えば、2ラウンドの大当り遊技状態)と、付与される遊技価値の量が一定量を超える特別遊技状態(例えば、10ラウンドの大当り遊技状態)とが含まれており、
前記遊技価値情報管理手段は、
前記所定条件が成立する態様で複数回にわたって前記特別遊技状態に制御された場合、前記複数回の特別遊技状態のうち、付与される遊技価値の量が一定量を超える特別遊技状態のみの回数をカウントするものである
ことを特徴とする。
上記(3)の遊技機によれば、複数回の特別遊技状態のうち、付与される遊技価値の量が一定量を超える特別遊技状態のみの回数に基づいて特定演出が表示される期待値が異なるため、付与される遊技価値の量が一定量未満の特別遊技状態により多く制御された場合に生じうる興趣の低下を抑制することが可能となる。
本発明によれば、興趣の低下を抑制することが可能な遊技機を提供することができる。
[28−7.付記32−7]
従来より、所定の条件が成立すると図柄の可変表示が行われ、特別の結果が導出されると遊技者に有利な特別遊技状態に制御される遊技機が知られている。
この種の遊技機における遊技状態には、特別の結果が導出される確率が低い通常遊技状態と、特別の結果が導出される確率が高い確変遊技状態とが含まれており、確変遊技状態が継続して特別遊技状態が連荘すると、遊技者に大きな利益が与えられる(例えば、特開2002−360826号公報参照)。
ところで、特別遊技状態が連荘しすぎると遊技者に大きな利益が与えられるが故、遊技者の射幸心を煽ることとなり、好ましくない。その一方で連荘を抑制すると、興趣が低下するおそれがある。
本発明は、そのような点に鑑みてなされたものであり、その目的は、興趣の低下を抑制することが可能な遊技機を提供することにある。
(1)本発明に係る遊技機は、
遊技領域に向けて発射された遊技球が通過可能な始動領域(例えば、第2始動口45)と、
前記始動領域を遊技球が通過したことに基づいて抽選を行う抽選手段(例えば、メインCPU71)と、
通常演出(例えば、非リーチ変動演出(超速変動A、超速変動B、通常変動C)または該通常演出よりも演出時間が長い特定演出(例えば、ハズレリーチ演出D〜F)が所定の表示領域に表示されるよう制御可能な演出表示制御手段(例えば、サブCPU201)と、
前記所定の表示領域に特別結果(例えば、大当り画像)が導出されると、遊技者に遊技価値(例えば、賞球や賞球データ)を付与可能な特別遊技状態に制御する特別遊技状態制御手段(例えば、S95〜S99の処理を実行するメインCPU71)と、
前記特別遊技状態の終了後、所定条件が成立する態様で(例えば、確変フラグオフ且つ時短フラグオフの通常遊技状態に制御される前に)再び前記特別遊技状態に制御された場合、最初に前記特別遊技状態に制御されてから付与された遊技価値にかかわる遊技価値情報(例えば、大当りカウンタの値)を管理する遊技価値情報管理手段(例えば、S173の処理を実行するメインCPU71)と、
を備え、
前記演出表示制御手段は、
前記遊技価値情報が第1遊技価値情報(例えば、大当りカウンタ1〜3)である場合、第1期待値で前記特定演出が表示されるよう制御する第1演出表示制御手段(例えば、大当りカウンタ1〜3の場合に250分の16の確率でハズレリーチ演出Dを実行するサブCPU201)と、
前記遊技価値情報が前記第1遊技価値情報よりも多い第2遊技価値情報(例えば、大当りカウンタ4〜6)である場合、前記第1期待値よりも高い第2期待値で前記特定演出が表示されるよう制御する第2演出表示制御手段(例えば、大当りカウンタ4〜6の場合に250分の26の確率でハズレリーチ演出Eを実行するサブCPU201)と、
付与された遊技価値にかかわる遊技価値情報が所定値に至った場合(例えば、大当りカウンタが10に至った場合)、少なくとも前記第2期待値よりも低い特定期待値で前記特定演出が表示されるよう制御する特定演出表示制御手段(例えば、大当りカウンタ10以上の場合に250分の16の期待値でハズレリーチ演出Dを行うメインCPU71)と、
を有することを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、最初に特別遊技状態に制御されてから付与された遊技価値にかかわる遊技価値情報が第1遊技価値情報である場合、第1期待値で特定演出が表示されるように制御される。また、付与された遊技価値にかかわる遊技価値情報が第1遊技価値情報よりも多い第2遊技価値情報である場合、第1期待値よりも高い第2期待値で特定演出が表示されるように制御される。このようにすることで、最初に特別遊技状態に制御されてから付与された遊技価値にかかわる遊技価値情報が多くなったとしても、特定演出がより高い期待値で表示されるため、射幸性を抑制しつつ興趣の低下を抑制することが可能となる。
さらに、付与された遊技価値にかかわる遊技価値情報が所定値に至ると第2期待値よりも低い特定期待値で特定演出が表示されるため、遊技者の目標ができ、興趣の低下を抑制することができる。しかも、付与された遊技価値にかかわる遊技価値情報が所定値に至ると特定演出が表示される期待値を低くしても、それまでは相対的に高い期待値で特定演出が表示されたいたのであるから、射幸性を抑制しつつより一層興趣の低下を抑制することが可能となる。
また、上記の「特定期待値」は、少なくとも第2期待値よりも低い期待値であれば本願発明の作用効果を奏することができるが、第1期待値と同じまたはほぼ同じ期待値であってもよいし、第1期待値よりも短い期待値であってもよい。
なお、「最初に前記特別遊技状態に制御されてから付与された遊技価値にかかわる遊技価値情報」は、例えば、特別遊技状態の終了後に所定条件が成立する態様で再び特別遊技状態に制御された回数(例えば、特別遊技状態の連荘回数)、特別遊技状態の終了後に払い出された遊技価値(賞球または賞球データ)の量、特別遊技状態の終了後に払い出された遊技価値(賞球または賞球データ)の量と遊技に供した遊技価値との差分等を含む趣旨である。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、
前記遊技価値情報管理手段は、
前記所定条件が成立する態様で複数回にわたって前記特別遊技状態に制御された場合、最初に前記特別遊技状態に制御されてからの前記特別遊技状態に制御された回数をカウントするものである
ことを特徴とする。
上記(2)の遊技機によれば、最初に前記特別遊技状態に制御されてからの特別遊技状態に制御された回数に基づいて特定演出が表示される期待値が高くなるため、射幸性を好適に抑制することが可能となる。
(3)上記(1)に記載の遊技機において、
前記特別遊技状態には、
付与される遊技価値の量が一定量未満の特別遊技状態(例えば、2ラウンドの大当り遊技状態)と、付与される遊技価値の量が一定量を超える特別遊技状態(例えば、10ラウンドの大当り遊技状態)とが含まれており、
前記遊技価値情報管理手段は、
前記所定条件が成立する態様で複数回にわたって前記特別遊技状態に制御された場合、前記複数回の特別遊技状態のうち、付与される遊技価値の量が一定量を超える特別遊技状態のみの回数をカウントするものである
ことを特徴とする。
上記(3)の遊技機によれば、複数回の特別遊技状態のうち、付与される遊技価値の量が一定量を超える特別遊技状態のみの回数に基づいて特定演出が表示される期待値が異なるため、付与される遊技価値の量が一定量未満の特別遊技状態により多く制御された場合に生じうる興趣の低下を抑制することが可能となる。
本発明によれば、興趣の低下を抑制することが可能な遊技機を提供することができる。
[29.付記33]
[29−1.付記33−1]
従来より、所定の条件が成立すると図柄の可変表示が行われ、特別の結果が導出されると遊技者に有利な特別遊技状態に制御される遊技機が知られている。
この種の遊技機として、例えば、始動口への入賞が容易化されるとともに抽選確率が高められる高確率時間短縮状態において、規定回数の可変表示が行われると時間短縮状態が終了し、特殊遊技が実行されやすい高確率非時間短縮状態に移行させて、出球を増加させることができるようにした遊技機が開示されている(例えば、特開2016−174800号公報参照)。
特開2016−174800号公報に記載の遊技機は、高確率時間短縮状態から高確率非時間短縮状態に移行すると出球が増加するといった新たな遊技性を備えたものであるが、近年、さらに新たな遊技性を備えることで興趣を高めることができる遊技機が望まれている。
本発明は、そのような点に鑑みてなされたものであり、その目的は、新たな遊技性を備える遊技機を提供することにある。
(1)本発明に係る遊技機は、
遊技領域に向けて発射された遊技球が特別始動領域(例えば、第1始動口7420、第2始動口7440)を通過したことに基づいて、特別結果(例えば、大当り)および非特別結果(例えば、ハズレ)を抽選結果に含む特別図柄抽選を行う特別図柄抽選手段(例えば、S11457の処理を実行するメインCPU7101)と、
前記特別図柄抽選の結果に基づいて特別図柄の可変表示を実行可能な特別図柄可変制御手段(例えば、S11455の処理を実行するメインCPU7101)と、
前記特別図柄の可変表示が実行されて前記特別結果(例えば、大当り)が導出されると、遊技者に利益が付与されうる特別遊技状態(例えば、大当り遊技状態)に制御可能な特別遊技状態制御手段(例えば、S11458〜S11461の処理を実行するメインCPU7101)と、
前記特別図柄の可変表示が実行されて前記非特別結果が導出されると、次回の特別図柄の可変表示が実行されるまでの間に利益を付与することなく、今回の特別図柄の可変表示を終了させる処理を含めて所定の処理を実行可能な非特別処理手段(例えば、メインCPU7101)と、
遊技領域に向けて発射された遊技球が普通始動領域を通過したことに基づいて、普通図柄抽選を行う普通図柄抽選手段(例えば、S11705の処理を実行するメインCPU7101)と、
前記普通図柄抽選の結果に基づいて普通図柄の可変表示を実行可能な普通図柄可変制御手段(例えば、S11703〜S11707の処理を実行するメインCPU7101)と、
前記普通図柄の可変表示が実行されて特定結果(例えば、普通図柄当り)が導出されると、前記特別始動領域への遊技球の通過を可能または容易にする普電役物制御手段(例えば、S11706の制御を実行するメインCPU7101)と、
を備え、
前記非特別結果には、通常非特別結果(例えば、ハズレ時選択図柄コマンド「hz2」、「hz6」のハズレ)と特定非特別結果(例えば、ハズレ時選択図柄コマンド「hz0」、「hz1」、「hz3」〜「hz5」のハズレ)とが含まれており、
前記非特別処理手段は、
導出された非特別結果が前記特定非特別結果である場合、次回の特別図柄の可変表示以降において、前記特別図柄の変動時間を短縮させる第1制御と、前記特別始動領域への遊技球の通過が可能または容易とされる頻度を高める第2制御(例えば、普通図柄の変動時間の短縮、普通図柄当り確率アップ、特別始動領域への遊技球の通過が容易となる態様で普通電動役物を作動させること等のうち少なくともいずれかの制御)とのうち、少なくともいずれかの制御を実行可能に構成される
ことを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、特別図柄の可変表示が実行されて非特別結果が導出されると、次回の特別図柄の可変表示が実行されるまでの間に利益が付与されずに今回の特別図柄の可変表示を終了させる処理が実行されるものの、導出された非特別結果が特定非特別結果である場合、次回の特別図柄の可変表示以降において、特別図柄の変動時間を短縮させる第1制御と、特別始動領域への遊技球の通過が可能または容易とされる頻度を高める第2制御とのうち、少なくともいずれかの制御が実行される。このようにすることで、非特別結果が導出されたとしても、次回の特別図柄の可変表示以降において第1制御と第2制御とのうち少なくともいずれかの制御が実行されるといった、これまでにない新たな遊技性を備える遊技機を提供することが可能となる。
なお、「利益」とは、例えば、賞球や賞球データ(例えば封入式のパチンコ遊技機の場合)等の遊技価値の他、遊技価値が付与される機会(例えば、アタッカー開放等)等が相当する。
また、「前記特別図柄の可変表示が実行されて前記特別結果が導出されると、遊技者に利益が付与されうる特別遊技状態に制御可能」とは、特別結果が導出されるとただちに特別遊技状態に制御される遊技機のみならず、特別結果が導出された後、例えばさらに役物抽選等を行い、この役物抽選の結果が特別の結果である場合に特別遊技状態に制御される遊技機も含む趣旨である。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、
所定の演出画像が表示されるよう制御する演出制御手段(例えば、7セグ表示器7770や液晶表示装置7016等)をさらに備え、
前記演出制御手段は、
前記特別図柄の可変表示が実行されて前記非特別結果が導出された場合、該導出された非特別結果が前記通常非特別結果であるか前記特定非特別結果であるかを把握できないかまたは把握し難い演出画像が表示されるよう制御可能に構成される
ことを特徴とする。
上記(2)の遊技機によれば、導出された非特別結果が通常非特別結果であるか特定非特別結果であるかを把握できないかまたは把握し難い演出画像が表示されるため、演出による興趣を高めることが可能となる。
(3)上記(1)に記載の遊技機において、
前記特定非特別結果には、第1の特定非特別結果(例えば、ハズレ時選択図柄コマンド「hz0」のハズレ)と、第2の特定非特別結果(例えば、ハズレ時選択図柄コマンド「hz1」のハズレ)とが含まれており、
前記非特別処理手段は、
前記第1の特定非特別結果が導出された場合と第2の特定非特別結果が導出された場合とで、遊技者にとっての利益度合いが異なる態様で前記第1制御または/および前記第2制御を実行可能に構成される(例えば、ハズレ時選択図柄コマンド「hz0」の場合は1回の時短回数が付与され、(例えば、ハズレ時選択図柄コマンド「hz1」のハズレの場合は30回の時短回数が付与されうるよう構成される)
ことを特徴とする。
上記(3)の遊技機によれば、特定非特別結果が導出されたとしても、第1の特定非特別結果が導出された場合と第2の特定非特別結果が導出された場合とで、遊技者にとっての利益度合いが異なるといった、これまでにない新たな遊技性を備える遊技機を提供することが可能となる。
本発明によれば、新たな遊技性を備える遊技機を提供することができる。
[29−2.付記33−2]
従来より、所定の条件が成立すると図柄の可変表示が行われ、特別の結果が導出されると遊技者に有利な特別遊技状態に制御される遊技機が知られている。
この種の遊技機として、例えば、始動口への入賞が容易化されるとともに抽選確率が高められる高確率時間短縮状態において、規定回数の可変表示が行われると時間短縮状態が終了し、特殊遊技が実行されやすい高確率非時間短縮状態に移行させて、出球を増加させることができるようにした遊技機が開示されている(例えば、特開2016−174800号公報参照)。
特開2016−174800号公報に記載の遊技機は、高確率時間短縮状態から高確率非時間短縮状態に移行すると出球が増加するといった新たな遊技性を備えたものであるが、近年、さらに新たな遊技性を備えることで興趣を高めることができる遊技機が望まれている。
本発明は、そのような点に鑑みてなされたものであり、その目的は、新たな遊技性を備える遊技機を提供することにある。
(1)本発明に係る遊技機は、
遊技領域に向けて発射された遊技球が特別始動領域(例えば、第1始動口7420、第2始動口7440)を通過したことに基づいて、特別結果(例えば、大当り)および非特別結果(例えば、ハズレ)を抽選結果に含む特別図柄抽選を行う特別図柄抽選手段(例えば、S11457の処理を実行するメインCPU7101)と、
前記特別図柄抽選の結果に基づいて特別図柄の可変表示を実行可能な特別図柄可変制御手段(例えば、S11455の処理を実行するメインCPU7101)と、
前記特別図柄の可変表示が実行されて前記特別結果(例えば、大当り)が導出されると、遊技者に利益が付与されうる特別遊技状態(例えば、大当り遊技状態)に制御可能な特別遊技状態制御手段(例えば、S11458〜S11461の処理を実行するメインCPU7101)と、
前記特別図柄の可変表示が実行されて前記非特別結果が導出されると、次回の特別図柄の可変表示が実行されるまでの間に利益を付与することなく、今回の特別図柄の可変表示を終了させる処理を含めて所定の処理を実行可能な非特別処理手段(例えば、メインCPU7101)と、
遊技領域に向けて発射された遊技球が普通始動領域を通過したことに基づいて、普通図柄抽選を行う普通図柄抽選手段(例えば、S11705の処理を実行するメインCPU7101)と、
前記普通図柄抽選の結果に基づいて普通図柄の可変表示を実行可能な普通図柄可変制御手段(例えば、S11703〜S11707の処理を実行するメインCPU7101)と、
前記普通図柄の可変表示が実行されて特定結果(例えば、普通図柄当り)が導出されると、前記特別始動領域への遊技球の通過を可能または容易にする普電役物制御手段(例えば、S11706の制御を実行するメインCPU7101)と、
を備え、
前記非特別結果には、通常非特別結果(例えば、ハズレ時選択図柄コマンド「hz2」、「hz6」のハズレ)と特定非特別結果(例えば、ハズレ時選択図柄コマンド「hz0」、「hz1」、「hz3」〜「hz5」のハズレ)とが含まれており、
前記非特別処理手段は、
導出された非特別結果が前記特定非特別結果である場合、次回の特別図柄の可変表示以降において、前記特別図柄の変動時間を短縮させる第1制御と、前記特別始動領域への遊技球の通過が可能または容易とされる頻度を高める第2制御(例えば、普通図柄の変動時間の短縮、普通図柄当り確率アップ、特別始動領域への遊技球の通過が容易となる態様で普通電動役物を作動させること等のうち少なくともいずれかの制御)とのうち、少なくともいずれかの制御を実行可能であるとともに、
前記第1の特定非特別結果が導出された場合と第2の特定非特別結果が導出された場合とで、遊技者にとっての利益度合いが異なる態様で前記第1制御または/および前記第2制御を実行可能であり(例えば、ハズレ時選択図柄コマンド「hz0」の場合は1回の時短回数が付与され、ハズレ時選択図柄コマンド「hz1」のハズレの場合は30回の時短回数が付与され)
前記演出制御手段は、
前記導出された非特別結果が前記特定非特別結果である場合、該特定非特別結果が前記第1の特定非特別結果(例えば、ハズレ時選択図柄コマンドが「hz0」)であるか前記第2の特定非特定結果(例えば、ハズレ時選択図柄コマンドが「hz1」)であるかを把握できないかまたは把握し難い演出画像が表示されるよう制御可能に構成される
ことを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、特別図柄の可変表示が実行されて非特別結果が導出されると、次回の特別図柄の可変表示が実行されるまでの間に利益が付与されずに今回の特別図柄の可変表示を終了させる処理が実行されるものの、導出された非特別結果が特定非特別結果である場合、次回の特別図柄の可変表示以降において、特別図柄の変動時間を短縮させる第1制御と、特別始動領域への遊技球の通過が可能または容易とされる頻度を高める第2制御とのうち、少なくともいずれかの制御が実行される。このようにすれば、非特別結果が導出されたとしても、次回の特別図柄の可変表示以降において第1制御と第2制御とのうち少なくともいずれかの制御が実行されるといった、これまでにない新たな遊技性を備える遊技機を提供することが可能となる。
しかも、第1の特定非特別結果が導出された場合と第2の特定非特別結果が導出された場合とで遊技者にとっての利益度合いが異なる態様で第1制御または/および第2制御が実行されるものの、第1の特定非特別結果であるか第2の特定非特定結果であるかを把握できないかまたは把握し難い演出画像が表示されるため、演出による興趣を高めることが可能となる。
なお、「利益」とは、例えば、賞球や賞球データ(例えば封入式のパチンコ遊技機の場合)等の遊技価値の他、遊技価値が付与される機会(例えば、アタッカー開放等)等が相当する。
また、「前記特別図柄の可変表示が実行されて前記特別結果が導出されると、遊技者に利益が付与されうる特別遊技状態に制御可能」とは、特別結果が導出されるとただちに特別遊技状態に制御される遊技機のみならず、特別結果が導出された後、例えばさらに役物抽選等を行い、この役物抽選の結果が特別の結果である場合に特別遊技状態に制御される遊技機も含む趣旨である。
本発明によれば、新たな遊技性を備える遊技機を提供することができる。
[29−3.付記33−3]
従来より、所定の条件が成立すると図柄の可変表示が行われ、特別の結果が導出されると遊技者に有利な特別遊技状態に制御される遊技機が知られている。
この種の遊技機として、例えば、始動口への入賞が容易化されるとともに抽選確率が高められる高確率時間短縮状態において、規定回数の可変表示が行われると時間短縮状態が終了し、特殊遊技が実行されやすい高確率非時間短縮状態に移行させて、出球を増加させることができるようにした遊技機が開示されている(例えば、特開2016−174800号公報参照)。
特開2016−174800号公報に記載の遊技機は、高確率時間短縮状態から高確率非時間短縮状態に移行すると出球が増加するといった新たな遊技性を備えたものであるが、近年、さらに新たな遊技性を備えることで興趣を高めることができる遊技機が望まれている。
本発明は、そのような点に鑑みてなされたものであり、その目的は、新たな遊技性を備える遊技機を提供することにある。
(1)本発明に係る遊技機は、
遊技領域に向けて発射された遊技球が特別始動領域(例えば、第1始動口7420、第2始動口7440)を通過したことに基づいて、特別結果(例えば、大当り)および非特別結果(例えば、ハズレ)を抽選結果に含む特別図柄抽選を行う特別図柄抽選手段(例えば、S11457の処理を実行するメインCPU7101)と、
前記特別図柄抽選の結果に基づいて特別図柄の可変表示を実行可能な特別図柄可変制御手段(例えば、S11455の処理を実行するメインCPU7101)と、
前記特別図柄の可変表示が実行されて前記特別結果(例えば、大当り)が導出されると、遊技者に利益が付与されうる特別遊技状態(例えば、大当り遊技状態)に制御可能な特別遊技状態制御手段(例えば、S11458〜S11461の処理を実行するメインCPU7101)と、
遊技球が通過すると利益が付与される所定の入賞領域(例えば、小当り入賞口7560)と、
通常の遊技状態と比べて、前記所定の入賞領域への遊技球の通過頻度が高められる有利状態(例えば、ラッシュ状態)に制御可能な有利状態制御手段(例えば、メインCPU7101)と、
を備え、
前記非特別結果には、通常非特別結果(例えば、ハズレ時選択図柄コマンド「hz2」、「hz6」のハズレ)と特定非特別結果(例えば、ハズレ時選択図柄コマンド「hz0」、「hz1」、「hz3」〜「hz5」のハズレ)とが含まれており、
前記有利状態制御手段は、
前記有利状態において、前記特別図柄の可変表示が実行されて前記非特別結果が導出され、該導出された非特別結果が前記特定非特別結果である場合、前記有利状態を一旦終了させて、所定期間経過後に、前記有利状態に再び制御可能に構成される
を有することを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、所定の入賞領域への遊技球の通過頻度が高められる有利状態において、特別図柄の可変表示が実行されて非特別結果が導出され、導出された非特別結果が特定非特別結果である場合、有利状態を一旦終了させて、所定期間経過後に、有利状態に再び制御可能に構成されるといった、これまでにない新たな遊技性を備える遊技機を提供することが可能となる。
なお、「利益」とは、例えば、賞球や賞球データ(例えば封入式のパチンコ遊技機の場合)等の遊技価値の他、遊技価値が付与される機会(例えば、アタッカー開放等)等が相当する。
また、「前記特別図柄の可変表示が実行されて前記特別結果が導出されると、遊技者に利益が付与されうる特別遊技状態に制御可能」とは、特別結果が導出されるとただちに特別遊技状態に制御される遊技機のみならず、特別結果が導出された後、例えばさらに役物抽選等を行い、この役物抽選の結果が特別の結果である場合に特別遊技状態に制御される遊技機も含む趣旨である。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、
所定の演出画像が表示されるよう制御する演出制御手段(例えば、ホスト制御回路7212)をさらに備え、
前記演出制御手段は、
前記特別図柄の可変表示が実行されて前記非特別結果が導出された場合、該導出された非特別結果が前記通常非特別結果であるか前記特定非特別結果であるかを把握できないかまたは把握し難い演出画像が表示されるよう制御可能に構成される
ことを特徴とする。
上記(2)の遊技機によれば、導出された非特別結果が通常非特別結果であるか特定非特別結果であるかを把握できないかまたは把握し難い演出画像が表示されるため、演出による興趣を高めることが可能となる。
(3)上記(1)に記載の遊技機において、
前記特定非特別結果には、第1の特定非特別結果(例えば、ハズレ時選択図柄コマンド「hz3」のハズレ)と、第2の特定非特別結果(例えば、ハズレ時選択図柄コマンド「hz4」のハズレ)とが含まれており、
前記有利状態制御手段は、
前記有利状態において、前記第1の特定非特別結果が導出された場合と第2の特定非特別結果が導出された場合とで前記所定期間が異なりうる(例えば、ハズレ時選択図柄コマンド「hz3」のハズレの場合は1回で有利状態が復活し、ハズレ時選択図柄コマンド「hz4」のハズレの場合は30回で有利状態が復活する)よう構成される
ことを特徴とする。
上記(3)の遊技機によれば、特定非特別結果が導出されたとしても、第1の特定非特別結果が導出された場合と第2の特定非特別結果が導出された場合とで、有利状態に再び制御されうるまでの所定期間が異なるといった、これまでにない新たな遊技性を備える遊技機を提供することが可能となる。
本発明によれば、新たな遊技性を備える遊技機を提供することができる。
[29−4.付記33−4]
従来より、所定の条件が成立すると図柄の可変表示が行われ、特別の結果が導出されると遊技者に有利な特別遊技状態に制御される遊技機が知られている。
この種の遊技機として、例えば、始動口への入賞が容易化されるとともに抽選確率が高められる高確率時間短縮状態において、規定回数の可変表示が行われると時間短縮状態が終了し、特殊遊技が実行されやすい高確率非時間短縮状態に移行させて、出球を増加させることができるようにした遊技機が開示されている(例えば、特開2016−174800号公報参照)。
特開2016−174800号公報に記載の遊技機は、高確率時間短縮状態から高確率非時間短縮状態に移行すると出球が増加するといった新たな遊技性を備えたものであるが、近年、さらに新たな遊技性を備えることで興趣を高めることができる遊技機が望まれている。
本発明は、そのような点に鑑みてなされたものであり、その目的は、新たな遊技性を備える遊技機を提供することにある。
(1)本発明に係る遊技機は、
遊技領域に向けて発射された遊技球が特別始動領域(例えば、第1始動口7420、第2始動口7440)を通過したことに基づいて、特別結果(例えば、大当り)および非特別結果(例えば、ハズレ)を抽選結果に含む特別図柄抽選を行う特別図柄抽選手段(例えば、S11457の処理を実行するメインCPU7101)と、
前記特別図柄抽選の結果に基づいて特別図柄の可変表示を実行可能な特別図柄可変制御手段(例えば、S11455の処理を実行するメインCPU7101)と、
前記特別図柄の可変表示が実行されて前記特別結果(例えば、大当り)が導出されると、遊技者に利益が付与されうる特別遊技状態(例えば、大当り遊技状態)に制御可能な特別遊技状態制御手段(例えば、S11458〜S11461の処理を実行するメインCPU7101)と、
遊技球が通過すると利益が付与される所定の入賞領域(例えば、小当り入賞口7560)と、
通常の遊技状態と比べて、前記所定の入賞領域への遊技球の通過頻度が高められる有利状態(例えば、ラッシュ状態)に制御可能な有利状態制御手段(例えば、メインCPU7101)と、
所定の演出画像が表示されるよう制御する演出制御手段(例えば、ホスト制御回路7210)と、
を備え、
前記非特別結果には、通常非特別結果(例えば、ハズレ時選択図柄コマンド「hz2」、「hz6」のハズレ)と特定非特別結果(例えば、ハズレ時選択図柄コマンド「hz0」、「hz1」、「hz3」〜「hz5」のハズレ)とが含まれるとともに、
前記特定非特別結果には、第1の特定非特別結果(例えば、ハズレ時選択図柄コマンド「hz3」のハズレ)と、第2の特定非特別結果(例えば、ハズレ時選択図柄コマンド「hz3」のハズレ)とが含まれており、
前記有利状態制御手段は、
前記有利状態において、前記特別図柄の可変表示が実行されて前記非特別結果が導出され、該導出された非特別結果が前記特定非特別結果である場合、前記有利状態を一旦終了させて、所定期間経過後に、前記有利状態に再び制御可能であるとともに、
前記有利状態において、前記第1の特定非特別結果が導出された場合と第2の特定非特別結果が導出された場合とで前記所定期間が異なりうる(例えば、ハズレ時選択図柄コマンド「hz3」のハズレの場合は1回で有利状態が復活し、ハズレ時選択図柄コマンド「hz4」のハズレの場合は30回で有利状態が復活する)よう構成されており、
前記演出制御手段は、
前記導出された非特別結果が前記特定非特別結果である場合、該特定非特別結果が前記第1の特定非特別結果であるか前記第2の特定非特定結果であるかを把握できないかまたは把握し難い演出画像が表示されるよう制御可能に構成される
ことを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、所定の入賞領域への遊技球の通過頻度が高められる有利状態において、特別図柄の可変表示が実行されて非特別結果が導出され、導出された非特別結果が特定非特別結果である場合、有利状態を一旦終了させて、所定期間経過後に、有利状態に再び制御可能に構成されるといった、これまでにない新たな遊技性を備える遊技機を提供することが可能となる。
しかも、第1の特定非特別結果が導出された場合と第2の特定非特別結果が導出された場合とで有利状態に再び制御されるまでの所定期間が異なりうるものの、第1の特定非特別結果であるか第2の特定非特定結果であるかを把握できないかまたは把握し難い演出画像が表示されるため、演出による興趣を高めることが可能となる。
なお、「利益」とは、例えば、賞球や賞球データ(例えば封入式のパチンコ遊技機の場合)等の遊技価値の他、遊技価値が付与される機会(例えば、アタッカー開放等)等が相当する。
また、「前記特別図柄の可変表示が実行されて前記特別結果が導出されると、遊技者に利益が付与されうる特別遊技状態に制御可能」とは、特別結果が導出されるとただちに特別遊技状態に制御される遊技機のみならず、特別結果が導出された後、例えばさらに役物抽選等を行い、この役物抽選の結果が特別の結果である場合に特別遊技状態に制御される遊技機も含む趣旨である。
本発明によれば、新たな遊技性を備える遊技機を提供することができる。
[29−5.付記33−5]
従来より、所定の条件が成立すると図柄の可変表示が行われ、特別の結果が導出されると遊技者に有利な特別遊技状態に制御される遊技機が知られている。
この種の遊技機として、例えば、始動口への入賞が容易化されるとともに抽選確率が高められる高確率時間短縮状態において、規定回数の可変表示が行われると時間短縮状態が終了し、特殊遊技が実行されやすい高確率非時間短縮状態に移行させて、出球を増加させることができるようにした遊技機が開示されている(例えば、特開2016−174800号公報参照)。
特開2016−174800号公報に記載の遊技機は、高確率時間短縮状態から高確率非時間短縮状態に移行すると出球が増加するといった新たな遊技性を備えたものであるが、近年、さらに新たな遊技性を備えることで興趣を高めることができる遊技機が望まれている。
本発明は、そのような点に鑑みてなされたものであり、その目的は、新たな遊技性を備える遊技機を提供することにある。
(1)本発明に係る遊技機は、
遊技領域に向けて発射された遊技球が特別始動領域(例えば、第2始動口7440)を通過したことに基づいて、特別結果(例えば、大当り)および非特別結果(例えば、ハズレ)を抽選結果に含む特別図柄抽選を行う特別図柄抽選手段(例えば、S11457の処理を実行するメインCPU7101)と、
前記特別図柄抽選の結果に基づいて特別図柄の可変表示を実行可能な特別図柄可変制御手段(例えば、メインCPU7101)と、
前記特別図柄の可変表示が実行されて前記特別結果(例えば、大当り)が導出されると、遊技者に利益が付与されうる特別遊技状態(例えば、大当り遊技状態)に制御可能な特別遊技状態制御手段(例えば、S11458〜S11461の処理を実行するメインCPU7101)と、
遊技球が通過すると利益が付与される入賞領域であって、遊技球の通過が可能または容易な状態において、前記特別始動領域への遊技球の通過頻度が高められると前記入賞領域への遊技球の通過頻度が低くなり、前記特別始動領域への遊技球の通過頻度が低くなると前記入賞領域への遊技球の通過頻度が高められる所定の入賞領域(例えば、小当り入賞口7560)と、
通常の遊技状態と比べて、前記特別結果の導出確率が高められるとともに前記特別始動領域への遊技球の通過頻度が高められる第1有利状態(例えば、高確時短遊技状態)に制御可能な第1有利状態制御手段(例えば、メインCPU7101)と、
通常の遊技状態と比べて前記特別結果の導出確率が高められるとともに、前記第1有利状態と比べて前記特別始動領域への遊技球の通過頻度は低いものの所定の入賞領域(例えば、小当り入賞口)への遊技球の通過頻度が高められることにより、前記第1有利状態よりも遊技者にとっての有利度合いが高い第2有利状態(例えば、小当りラッシュ状態)に制御可能な第2有利状態制御手段(例えば、メインCPU7101)と、
前記第1有利状態における前記特別始動領域への遊技球の通過頻度が高められる期間を変更可能な有利期間変更手段(例えば、メインCPU7101)と、
を備え、前記第1有利状態において前記特別始動領域への遊技球の通過頻度が高められる期間が経過すると、前記第2有利状態に制御されるよう構成されており、
前記非特別結果には、通常非特別結果(例えば、ハズレ時選択図柄コマンド「hz2」、「hz6」のハズレ)と特定非特別結果(例えば、ハズレ時選択図柄コマンド「hz0」、「hz1」、「hz3」〜「hz5」のハズレ)とが含まれており、
前記有利期間変更手段は、
前記第1有利状態において、前記特別図柄の可変表示が実行されて前記非特別結果が導出され、該導出された非特別結果が前記特定非特別結果である場合、前記特別始動領域への遊技球の通過頻度が高められる期間を変更可能に構成される
ことを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、特別結果の導出確率が高められるとともに特別始動領域への遊技球の通過頻度が高められる第1有利状態において、特別図柄の可変表示が実行されて非特別結果が導出され、該導出された非特別結果が特定非特別結果である場合、特別始動領域への遊技球の通過頻度が高められる期間が変更可能に構成される、すなわち第2有利状態に制御されるまでの期間が変更されるといった、これまでにない新たな遊技性を備える遊技機を提供することが可能となる。
なお、「利益」とは、例えば、賞球や賞球データ(例えば封入式のパチンコ遊技機の場合)等の遊技価値の他、遊技価値が付与される機会(例えば、アタッカー開放等)等が相当する。
また、「前記特別図柄の可変表示が実行されて前記特別結果が導出されると、遊技者に利益が付与されうる特別遊技状態に制御可能」とは、特別結果が導出されるとただちに特別遊技状態に制御される遊技機のみならず、特別結果が導出された後、例えばさらに役物抽選等を行い、この役物抽選の結果が特別の結果である場合に特別遊技状態に制御される遊技機も含む趣旨である。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、
所定の演出画像が表示されるよう制御する演出制御手段(例えば、ホスト制御回路7212)をさらに備え、
前記演出制御手段は、
前記第1有利状態において、前記特別図柄の可変表示が実行されて前記非特別結果が導出された場合、該導出された非特別結果が前記通常非特別結果であるか前記特定非特別結果であるかを把握できないかまたは把握し難い演出画像が表示されるよう制御可能に構成される
ことを特徴とする。
上記(2)の遊技機によれば、導出された非特別結果が通常非特別結果であるか特定非特別結果であるかを把握できないかまたは把握し難い演出画像が表示されるため、演出による興趣を高めることが可能となる。
(3)上記(1)に記載の遊技機において、
前記特定非特別結果には、第1の特定非特別結果(例えば、ハズレ時選択図柄コマンド「hz3」のハズレ)と、第2の特定非特別結果(例えば、ハズレ時選択図柄コマンド「hz4」のハズレ)とが含まれており、
第1有利期間変更手段は、
前記第1有利状態において、前記第1の特定非特別結果が導出された場合と第2の特定非特別結果が導出された場合とで、前記特別始動領域への遊技球の通過頻度が高められる期間が異なりうる(例えば、ハズレ時選択図柄コマンド「hz3」の場合は1回の時短回数が付与され、ハズレ時選択図柄コマンド「hz4」のハズレの場合は30回の時短回数が付与されうる)よう構成される
ことを特徴とする。
上記(3)の遊技機によれば、第1有利状態において特定非特別結果が導出されたとしても、第1の特定非特別結果が導出された場合と第2の特定非特別結果が導出された場合とで、有利状態に再び制御されうるまでの所定期間が異なるといった、これまでにない新たな遊技性を備える遊技機を提供することが可能となる。
本発明によれば、新たな遊技性を備える遊技機を提供することができる。
[29−6.付記33−6]
従来より、所定の条件が成立すると図柄の可変表示が行われ、特別の結果が導出されると遊技者に有利な特別遊技状態に制御される遊技機が知られている。
この種の遊技機として、例えば、始動口への入賞が容易化されるとともに抽選確率が高められる高確率時間短縮状態において、規定回数の可変表示が行われると時間短縮状態が終了し、特殊遊技が実行されやすい高確率非時間短縮状態に移行させて、出球を増加させることができるようにした遊技機が開示されている(例えば、特開2016−174800号公報参照)。
特開2016−174800号公報に記載の遊技機は、高確率時間短縮状態から高確率非時間短縮状態に移行すると出球が増加するといった新たな遊技性を備えたものであるが、近年、さらに新たな遊技性を備えることで興趣を高めることができる遊技機が望まれている。
本発明は、そのような点に鑑みてなされたものであり、その目的は、新たな遊技性を備える遊技機を提供することにある。
(1)本発明に係る遊技機は、
遊技領域に向けて発射された遊技球が特別始動領域(例えば、第2始動口7440)を通過したことに基づいて、特別結果(例えば、大当り)および非特別結果(例えば、ハズレ)を抽選結果に含む特別図柄抽選を行う特別図柄抽選手段(例えば、S11457の処理を実行するメインCPU7101)と、
前記特別図柄抽選の結果に基づいて特別図柄の可変表示を実行可能な特別図柄可変制御手段(例えば、メインCPU7101)と、
前記特別図柄の可変表示が実行されて前記特別結果(例えば、大当り)が導出されると、遊技者に利益が付与されうる特別遊技状態(例えば、大当り遊技状態)に制御可能な特別遊技状態制御手段(例えば、S11458〜S11461の処理を実行するメインCPU7101)と、
遊技球が通過すると利益が付与される入賞領域であって、遊技球の通過が可能または容易な状態において、前記特別始動領域への遊技球の通過頻度が高められると前記入賞領域への遊技球の通過頻度が低くなり、前記特別始動領域への遊技球の通過頻度が低くなると前記入賞領域への遊技球の通過頻度が高められる所定の入賞領域(例えば、小当り入賞口7560)と、
通常の遊技状態と比べて、前記特別結果の導出確率が高められるとともに前記特別始動領域への遊技球の通過頻度が高められる第1有利状態(例えば、高確時短遊技状態)に制御可能な第1有利状態制御手段(例えば、メインCPU7101)と、
通常の遊技状態と比べて前記特別結果の導出確率が高められるとともに、前記第1有利状態と比べて前記特別始動領域への遊技球の通過頻度は低いものの所定の入賞領域(例えば、小当り入賞口)への遊技球の通過頻度が高められることにより、前記第1有利状態よりも遊技者にとっての有利度合いが高い第2有利状態(例えば、小当りラッシュ状態)に制御可能な第2有利状態制御手段(例えば、メインCPU7101)と、
前記第1有利状態における前記特別始動領域への遊技球の通過頻度が高められる期間を変更可能な有利期間変更手段(例えば、メインCPU7101)と、
所定の演出画像が表示されるよう制御する演出制御手段(例えば、ホスト制御回路7210)と、
を備え、前記第1有利状態において前記特別始動領域への遊技球の通過頻度が高められる期間が経過すると、前記第2有利状態に制御されるよう構成されており、
前記非特別結果には、通常非特別結果(例えば、ハズレ時選択図柄コマンド「hz2」、「hz6」のハズレ)と特定非特別結果(例えば、ハズレ時選択図柄コマンド「hz0」、「hz1」、「hz3」〜「hz5」のハズレ)とが含まれるとともに、
前記特定非特別結果には、第1の特定非特別結果(例えば、ハズレ時選択図柄コマンド「hz3」のハズレ)と、第2の特定非特別結果(例えば、ハズレ時選択図柄コマンド「hz4」のハズレ)とが含まれており、
前記有利期間変更手段は、
前記第1有利状態において、前記第1の特定非特別結果が導出された場合と第2の特定非特別結果が導出された場合とで、前記特別始動領域への遊技球の通過頻度が高められる期間が異なりうる(例えば、ハズレ時選択図柄コマンド「hz3」の場合は1回の時短回数が付与され、ハズレ時選択図柄コマンド「hz4」のハズレの場合は30回の時短回数が付与されうる)よう構成されており、
前記演出制御手段は、
前記導出された非特別結果が前記特定非特別結果である場合、該特定非特別結果が前記第1の特定非特別結果であるか前記第2の特定非特定結果であるかを把握できないかまたは把握し難い演出画像が表示されるよう制御可能に構成される
ことを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、特別結果の導出確率が高められるとともに特別始動領域への遊技球の通過頻度が高められる第1有利状態において、特別図柄の可変表示が実行されて非特別結果が導出され、該導出された非特別結果が特定非特別結果である場合、特別始動領域への遊技球の通過頻度が高められる期間が変更可能に構成される、すなわち第2有利状態に制御されるまでの期間が変更されるといった、これまでにない新たな遊技性を備える遊技機を提供することが可能となる。
しかも、第1の特定非特別結果が導出された場合と第2の特定非特別結果が導出された場合とで第2有利状態に再び制御されるまでの所定期間が異なりうるものの、第1の特定非特別結果であるか第2の特定非特定結果であるかを把握できないかまたは把握し難い演出画像が表示されるため、演出による興趣を高めることが可能となる。
なお、「利益」とは、例えば、賞球や賞球データ(例えば封入式のパチンコ遊技機の場合)等の遊技価値の他、遊技価値が付与される機会(例えば、アタッカー開放等)等が相当する。
また、「前記特別図柄の可変表示が実行されて前記特別結果が導出されると、遊技者に利益が付与されうる特別遊技状態に制御可能」とは、特別結果が導出されるとただちに特別遊技状態に制御される遊技機のみならず、特別結果が導出された後、例えばさらに役物抽選等を行い、この役物抽選の結果が特別の結果である場合に特別遊技状態に制御される遊技機も含む趣旨である。
本発明によれば、新たな遊技性を備える遊技機を提供することができる。
[29−7.付記33−7]
従来より、所定の条件が成立すると図柄の可変表示が行われ、特別の結果が導出されると遊技者に有利な特別遊技状態に制御される遊技機が知られている。
この種の遊技機として、例えば、始動口への入賞が容易化されるとともに抽選確率が高められる高確率時間短縮状態において、規定回数の可変表示が行われると時間短縮状態が終了し、特殊遊技が実行されやすい高確率非時間短縮状態に移行させて、出球を増加させることができるようにした遊技機が開示されている(例えば、特開2016−174800号公報参照)。
特開2016−174800号公報に記載の遊技機は、高確率時間短縮状態から高確率非時間短縮状態に移行すると出球が増加するといった新たな遊技性を備えたものであるが、近年、さらに新たな遊技性を備えることで興趣を高めることができる遊技機が望まれている。
本発明は、そのような点に鑑みてなされたものであり、その目的は、新たな遊技性を備える遊技機を提供することにある。
(1)本発明に係る遊技機は、
遊技領域に向けて発射された遊技球が特別始動領域(例えば、第2始動口7440)を通過したことに基づいて、特別結果(例えば、大当り)および非特別結果(例えば、ハズレ)を抽選結果に含む特別図柄抽選を行う特別図柄抽選手段(例えば、S11457の処理を実行するメインCPU7101)と、
前記特別図柄抽選の結果に基づいて特別図柄の可変表示を実行可能な特別図柄可変制御手段(例えば、メインCPU7101)と、
前記特別図柄の可変表示が実行されて前記特別結果(例えば、大当り)が導出されると、遊技者に利益が付与されうる特別遊技状態(例えば、大当り遊技状態)に制御可能な特別遊技状態制御手段(例えば、S11458〜S11461の処理を実行するメインCPU7101)と、
遊技球が通過すると利益が付与される入賞領域であって、遊技球の通過が可能または容易な状態において、前記特別始動領域への遊技球の通過頻度が高められると前記入賞領域への遊技球の通過頻度が低くなり、前記特別始動領域への遊技球の通過頻度が低くなると前記入賞領域への遊技球の通過頻度が高められる所定の入賞領域(例えば、小当り入賞口7560)と、
通常の遊技状態と比べて、前記特別結果の導出確率が高められるとともに前記特別始動領域への遊技球の通過頻度が高められる第1有利状態(例えば、高確時短遊技状態)に制御可能な第1有利状態制御手段(例えば、メインCPU7101)と、
通常の遊技状態と比べて前記特別結果の導出確率が高められるとともに、前記第1有利状態と比べて前記特別始動領域への遊技球の通過頻度は低いものの所定の入賞領域(例えば、小当り入賞口)への遊技球の通過頻度が高められることにより、前記第1有利状態よりも遊技者にとっての有利度合いが高い第2有利状態(例えば、小当りラッシュ状態)に制御可能な第2有利状態制御手(例えば、メインCPU7101)段と、
前記第1有利状態における前記特別始動領域への遊技球の通過頻度が高められる期間を変更可能な有利期間変更手段(例えば、メインCPU7101)と、
所定の演出画像が表示されるよう制御する演出制御手段(例えば、ホスト制御回路7210)と、
を備え、
前記非特別結果には、通常非特別結果(例えば、ハズレ時選択図柄コマンド「hz2」、「hz6」のハズレ)と特定非特別結果(例えば、ハズレ時選択図柄コマンド「hz0」、「hz1」、「hz3」〜「hz5」のハズレ)とが含まれるとともに、
前記特定非特別結果には、第1の特定非特別結果(例えば、ハズレ時選択図柄コマンド「hz3」のハズレ)と、第2の特定非特別結果(例えば、ハズレ時選択図柄コマンド「hz4」のハズレ)とが含まれており、
前記有利期間変更手段は、
前記第1有利状態において前記第1の特定非特別結果が導出された場合に前記特別始動領域への遊技球の通過頻度が高められる期間を相対的に少ない短期間(例えば、1回)に変更し、前記第1有利状態において前記第2の特定非特別結果が導出された場合に前記特別始動領域への遊技球の通過頻度が高められる期間を相対的に多い長期間(例えば、30回)に変更し、
前記演出制御手段は、
前記第1有利状態において前記第1の特定非特別結果が導出された場合、前記特別始動領域への遊技球の通過頻度が高められる期間が前記短期間(例えば、1回)に変更され、前記第1の特定非特別結果が導出されたことに基づいて遊技者に直接的な利益は付与されないものの、遊技者に利益が付与されることを把握可能な演出画像が表示されるよう制御可能に構成される
ことを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、特別結果の導出確率が高められるとともに特別始動領域への遊技球の通過頻度が高められる第1有利状態において、第1の特定非特別結果が導出されると、特別始動領域への遊技球の通過頻度が高められる期間が相対的に少ない短期間(例えば、1回)に変更される一方、第2の特定非特別結果が導出されると、特別始動領域への遊技球の通過頻度が高められる期間が相対的に多い長期間(例えば、30回)に変更される。しかも、第1有利状態において第1の特定非特別結果が導出された場合、次回の特別図柄の可変表示が実行されるまでの間に利益が付与されない。すなわち、次回の特別図柄の可変表示が実行されるまでの間に直接的に付与される利益はないものの、特別始動領域への遊技球の通過頻度が高められる期間が相対的に少ない短期間に変更されることで、間接的に第2有利遊技状態に制御されるという利益は付与される。このように、次回の特別図柄の可変表示が実行されるまでの間に直接的に付与される利益はないものの、遊技者に利益が付与されることを把握可能な演出画像が表示されるといった、これまでにない新たな遊技性を備える遊技機を提供することが可能となる。
なお、「利益」とは、例えば、賞球や賞球データ(例えば封入式のパチンコ遊技機の場合)等の遊技価値の他、遊技価値が付与される機会(例えば、アタッカー開放等)等が相当する。
また、「前記特別図柄の可変表示が実行されて前記特別結果が導出されると、遊技者に利益が付与されうる特別遊技状態に制御可能」とは、特別結果が導出されるとただちに特別遊技状態に制御される遊技機のみならず、特別結果が導出された後、例えばさらに役物抽選等を行い、この役物抽選の結果が特別の結果である場合に特別遊技状態に制御される遊技機も含む趣旨である。
本発明によれば、新たな遊技性を備える遊技機を提供することができる。
[30.第28実施形態]
第28実施形態では、例えば図329に示されるステップS11475の特別図柄当り判定処理(以下、「特別図柄抽選」と称する場合もある)の結果が大当りでなかったとしても、時短遊技状態に制御可能なパチンコ遊技機の発明について説明する。以下では、このようなパチンコ遊技機の代表的な例として、第28実施形態の第1実施例〜第7実施例として説明する。なお、この第28実施形態の第1実施例〜第7実施例では、第1実施形態〜27実施形態のパチンコ遊技機と同じ構造および機能を有する部材や処理についての説明は省略する。
[30−1.第1実施例]
以下に説明する第1実施例のパチンコ遊技機は、第1始動口に入賞すると第1特別図柄当り判定処理(以下「第1特別図柄抽選」と称する場合もある)を行い、第2始動口に入賞すると第2特別図柄当り判定処理(以下「第2特別図柄抽選」と称する場合もある)を行う、所謂第1種遊技機と呼ばれるパチンコ遊技機であって、第1特別図柄および第2特別図柄のうちいずれか一方が可変表示中であっても他方の可変表示(以下において「変動表示」とも称する)を開始させる(第1特別図柄と第2特別図柄とを並行して変動表示させる)ことが可能な所謂同時変動機である。ただし、以下に説明する発明は、このようなパチンコ遊技機に限定されるものではなく、第1特別図柄および第2特別図柄のうちいずれか一方のみが可変表示可能な所謂順次変動機と呼ばれるパチンコ遊技機や、所謂第1種・第2種混合機と呼ばれるパチンコ遊技機を含むその他の遊技機にも適用することが可能である。
なお、第1実施例のパチンコ遊技機について説明するにあたり、第1実施形態〜第27実施形態のパチンコ遊技機と同じ構造を有する部材であったとしても、便宜上、異なる符合を付すものとする。ただし、メインCPUにより実行される処理については、第1実施形態〜第27実施形態のパチンコ遊技機と同じステップ番号を付すものとする。
[30−1−1.外観構成]
まず、図721を用いて、第1実施例のパチンコ遊技機の外観構成のうち、とくに遊技領域に配置される部材について説明する。なお、とくに言及しない構成については、第1実施形態〜第27実施形態のパチンコ遊技機と同様である。
図721は、第1実施例に係るパチンコ遊技機における遊技盤ユニットの正面図の一例である。
図721に示すように、遊技盤ユニット33017が備える透明パネル33172には、発射された遊技球が転動流下可能な遊技領域33020が構成されている。
遊技領域33020の略中央には、演出画像が表示される液晶表示装置33016が設けられている。
液晶表示装置33016の下方には第1始動口33420が設けられている。この第1始動口33420は、発射ハンドル(図示せず)の操作量が相対的に小さい場合に遊技球が流下する遊技領域33020の左側領域(例えば、液晶表示装置33016よりも左側の領域)を流下する遊技球が入賞可能に構成されている。第1始動口スイッチ33421(図723参照)は、遊技球の通過により第1始動口33420への遊技球の入賞を検出するものである。第1始動口33420への入賞により払い出される賞球数は例えば3個である。
また、遊技領域33020の左側領域には、遊技球が入賞すると所定数(例えば、3個)の遊技球が賞球として払い出される一般入賞口33053が設けられている。なお、発射ハンドル(図示せず)の操作量が相対的に大きい場合に遊技球が流下する遊技領域33020の右側領域(例えば、液晶表示装置33016よりも右側の領域)にも一般入賞口を設けてもよいが、図721ではとくに図示していない。
遊技領域33020の右側領域(例えば、液晶表示装置33016よりも右側の領域)には、遊技球が通過可能な普図ゲート33049が配置されており、普図ゲート33049のさらに下流側には、大入賞口33540および特別電動役物33600をユニット化したアタッカユニット33500が設けられている。なお、アタッカユニット33500は、普図ゲート33049よりも上流側に設けられていてもよい。
特別電動役物33600は、前後方向に進退可能なシャッタ33610、当該シャッタ33610を駆動する大入賞口ソレノイド33620(図723参照)および当該大入賞口ソレノイド33620の動力をシャッタ33610に伝達する動力伝達機構(不図示)を備える。
特別電動役物33600は、大入賞口ソレノイド33620によりシャッタ33610が駆動されることによって、大入賞口33540への遊技球の入賞を可能(又は容易)とする開放状態と、大入賞口33540への遊技球の入賞を不可能(又は困難)とする閉鎖状態と、に移行(駆動)可能に構成される。特別電動役物33600(シャッタ33610)による開放駆動は、第1特別図柄表示部33073又は第2特別図柄表示部33074(いずれも、例えば図722参照)において特別図柄が特定の停止表示態様となって、大当り遊技状態(すなわち、大当りにかかる動作)に移行された場合に行われる。
大入賞口33540に入賞しなかった遊技球の流下方向としての下流側には、遊技球の流下経路として上下に2つの流下経路33250,33260が形成されている。右打ちされて大入賞口33540に入賞せずにさらに下流側に向けて流下した遊技球は、例えば図721に示される分岐点33255において、上方の流下経路33250または下方の流下経路33260に振り分けられる。
第2始動口33440Aは上方の流下経路33250を流下する遊技球が入賞可能に配置されており、第2始動口33440Bは下方の流下経路33260を流下する遊技球が入賞可能に配置されている。下方の流下経路33260には、第2始動口33440Bおよび普通電動役物33460をユニット化した普通電動役物ユニット33400が設けられている。
普通電動役物33460は、前後方向に進退させることで第2始動口33440Bを開閉させることが可能なシャッタ33442、当該シャッタ33442を駆動するソレノイド33630(図723参照)および当該ソレノイド33630の動力をシャッタ33442に伝達する動力伝達機構(不図示)を備える。
普通電動役物33460は、ソレノイド33630によりシャッタ33442が駆動されることによって、第2始動口33440Bへの遊技球の入賞を可能(又は容易)とする開放状態と、第2始動口33440Bへの遊技球の入賞を不可能(又は困難)とする閉鎖状態(又は半閉鎖状態)との間で移行(駆動)可能に構成される。普通電動役物33460すなわちシャッタ33442は、普通図柄表示部33071(例えば、図722参照)において普通図柄が特定の停止表示態様(普通当りを示す停止態様)となった場合に、所定の期間及び回数だけ閉鎖状態から開放状態への移行が行われる。第2始動口スイッチ33441B(図723参照)は、遊技球の通過により第2始動口33440Bへの遊技球の入賞を検出するものである。第2始動口33440Bへの入賞により払い出される賞球数は例えば1個である。
下方の流下経路33260には、普通電動役物ユニット33400の下流側に小当り入賞口33560が設けられている。この小当り入賞口33560は、下方の流下経路33260を流下したものの第2始動口33440Bに入賞しなかった遊技球が入賞可能に配置されている。
小当り入賞口33560は、前後方向に進退させることで小当り入賞口33560を開閉させることが可能なシャッタ33562を備えている。シャッタ33562は、小当り入賞口ソレノイド33520(例えば、図723参照)により駆動される。小当り入賞口33560が開放されたときに遊技球が入賞すると、入賞した遊技球が小当り入賞口スイッチ33561(図723参照)に検出される。小当り入賞口スイッチ33561に遊技球が検出されると、予め設定された数(例えば10個)の遊技球が払出装置33340(例えば、図723参照)から払い出される。
後述する時短機能が作動すると、上記開放状態(第2始動口33440Bへの遊技球の入賞を可能(又は容易)とする状態)の頻度が高められて、下方の流下経路33260を流下した遊技球の略全部が第2始動口33440Bに入賞する。そのため、時短機能が作動すると、たとえ小当り入賞口33560が開放されていたとしても、流下経路33260を流下した遊技球が小当り入賞口33560まで到達することが困難となり、小当り入賞口33560への遊技球の入賞が困難となる。一方、時短機能が作動していなければ、第2始動口33440Bへの遊技球の入賞が不可能(又は困難)となるため、下方の流下経路33260を流下した遊技球が第2始動口33440Bに入賞する頻度は、時短機能が作動しているときと比べて低くなる。その結果、流下経路33260を流下した遊技球が小当り入賞口33560まで到達しやすくなり、小当り入賞口33560が開放していれば、遊技球が小当り入賞口33560に入賞(通過)することとなる。
第2始動口33440Aは、第2始動口33440Bのように遊技球の入賞の容易さが可変ではなく、遊技球の入賞の容易さが不変のポケット状に構成されている。また、右打ちされた遊技球についての第2始動口33440Aへの入賞の容易さが、左打ちされた遊技球が第1始動口33420に入賞することよりも容易となるように構成されている。第2始動口スイッチ33441A(図723参照)は、遊技球の通過により第2始動口33440Aへの遊技球の入賞を検出するものである。第2始動口33440Aへの入賞により払い出される賞球数は例えば1個である。上方の流下経路33250を転動したものの第2始動口33440Aに入賞しなかった遊技球は、アウト口33057から機外に排出される。ただし、右打ちされた遊技球のうち分岐点33255付近まで流下した遊技球を極稀に機外に排出するアウト口を、アウト口33057と別に設けてもよい。
なお、図721では第2始動口33440Aが小当り入賞口33560の上方に配置されているが、第2始動口33440Aに入賞しなかった遊技球は、小当り入賞口33560への入賞(通過)が困難となるよう構成されている。
このように、第2始動口33440Aおよび第2始動口33440Bのいずれに遊技球が入賞した場合であっても、メインCPU33101は第2特別図柄抽選を行う。なお、払い出される賞球数は、第2始動口33440Aへの入賞時および第2始動口33440Bへの入賞時のいずれにおいても1個であるが、第2始動口33440Bへの入賞時に払い出される賞球数は例えば4個としてもよい。
下方の流下経路33260を転動する遊技球は、第2始動口33440Bが開放されていれば第2始動口33440Bに入賞し、第2始動口33440Bが開放されていなければ第2始動口33440Bに入賞せずにさらに下流側に流下する。第2始動口33440Bに入賞しなかった遊技球は、小当り入賞口33560が開放されていれば小当り入賞口33560に入賞し、小当り入賞口33560が開放されていなければ小当り入賞口33560に入賞せずに、アウト口33057から機外に排出される。
なお、普図ゲート33049を遊技球が通過すると、メインCPU33101は、普通図柄の始動情報(例えば、普通当り判定用乱数値や普通図柄決定用乱数値)を最大4個まで保留する。また、メインCPU33101は、第1始動口33420に遊技球が入賞した場合に第1特別図柄の始動情報(例えば、第1特別図柄の大当り判定用乱数値、特別図柄決定用乱数値、時短当落判定用乱数値等)を最大4個まで保留することは勿論、第2始動口33440A,33440Bに遊技球が入賞した場合にも、第2特別図柄の始動情報(例えば、第2特別図柄の大当り判定用乱数値、特別図柄決定用乱数値、時短当落判定用乱数値等)を最大4個まで保留する。なお、普図ゲート33049への遊技球の通過に基づいて行われる普通抽選の結果が「普通当り」となる確率は、例えば概ね1分の1である。また、普通図柄の変動時間は例えば100msecである。また、メインCPU33101は、特別図柄が変動中であるか否か、大当り遊技状態に制御されているか否か(すなわち、大当りにかかる動作が実行されているか否か)か、および、小当り遊技状態に制御されているか否か(すなわち、小当りにかかる動作が実行されているか否か)、にかかわらず、普通図柄抽選および普通図柄の変動表示を実行する(他の実施形態や他の実施例のパチンコ遊技機においても同様)。
透明パネル33172の右下部には、LEDユニット33070が配置されている。図722は、第1実施例のパチンコ遊技機が備えるLEDユニット33070を示す正面図の一例である。
図722に示されるように、LEDユニット33070は、各種の表示部を一体化したユニット体であり、参照符号は異なるものの、第11実施形態に係るパチンコ遊技機1001のLEDユニット1070(例えば、図143参照)と同様の構成である。このLEDユニット33070は、時短当落判定結果表示部33077および当選時短回数表示部33078を備える点がLEDユニット1070と異なる。
時短当落判定結果表示部33077は、表示LED33077a・33077bを備える。表示LED33077a・33077bは、後述する時短当落判定処理(時短抽選)の実行条件(例えば、第1特別図柄または第2特別図柄の変動開始条件)が成立すると、交互に点灯・消灯を繰り返す変動表示を開始する。そして、所定時間(例えば、後述の図727の変動時間の欄を参照)にわたって変動表示を行った後、時短当落判定処理の結果を表示するものである。例えば、時短当落判定処理の結果が後述する「時短当り」でこのある場合は例えば表示LED33077aが所定時間点灯し、時短当落判定処理の結果が例えば後述する「時短ハズレ」である場合は例えば表示LED33077bが所定時間点灯する。
当選時短回数表示部33078は、表示LED33078a・33078b・33078c・33078dを備える。当選時短回数表示部33078は、例えばこれら4個の表示LED33078a・33078b・33078c・33078dの点灯・消灯による組み合わせ(表示パターン)により、時短当落判定処理の結果に基づいて決定された時短回数を表示する。この場合、表示LED33078a・33078b・33078c・33078dによる点灯パターンとして、例えば、第1点灯パターンと、この第1点灯パターンと類似する第2点灯パターンとを設けて、時短当落判定処理の結果に基づいて決定された時短回数を、外観上把握し難くしてもよい。
また、上述した液晶表示装置33016には、第1特別図柄表示部33073または/および第2特別図柄表示部33074の各表示に対応する装飾図柄、時短当落判定結果表示部33077の表示に対応する演出画像(例えば、時短当落判定の結果を示す演出画像)、当選時短回数表示部33078の表示に対応する演出画像(例えば、時短当落判定処理の結果に基づいて決定された時短回数を示す演出画像)等、さまざまな演出画像が表示される。
なお、時短当落判定処理の結果が後述する「時短当り」でこのある場合、液晶表示装置33016に、「時短当り」であることを把握可能な演出画像を表示するようにしてもよいし、「時短当り」であるか否かを把握困難または把握できない態様で演出画像を表示するようにしてもよい。
[30−1−2.電気的構成]
次に、図723を用いて、パチンコ遊技機の制御回路について説明する。図723は、第1実施例に係るパチンコ遊技機の制御回路を示すブロック図の一例である。
図723に示すように、パチンコ遊技機は、主に、遊技の制御を行う主制御回路33100と、遊技の進行に応じた演出の制御を行うサブ制御回路33200と、払出・発射制御回路33300と、電源供給回路33338と、から構成される。
主制御回路33100は、メインCPU33101、メインROM33102(読み出し専用メモリ)及びメインRAM33103(読み書き可能メモリ)等を具備しており、主基板ケース内に収容されている。
メインCPU33101には、メインROM33102や、メインRAM33103等が接続される。メインCPU33101は、メインROM33102に記憶されたプログラムに従って、各種の処理を実行する機能を有する。
メインROM33102には、メインCPU33101によりパチンコ遊技機の動作を制御するためのプログラムや、各種のテーブル等が記憶されている。
メインRAM33103は、メインCPU33101の一時記憶領域として種々のフラグや変数の値を記憶する機能を有する。なお、本実施例においては、メインCPU33101の一時記憶領域としてメインRAM33103を用いているが、これに限らず、読み書き可能な記憶媒体であればよい。
メインRAM33103には、特別図柄ゲームの各種データを記憶する記憶領域が設けられる。
また、主制御回路33100は、電源投入時においてリセット信号を生成する初期リセット回路33104や、I/Oポート33105、コマンド出力ポート33106、バックアップコンデンサ33107等を具備する。初期リセット回路33104は、メインCPU33101に接続される。I/Oポート33105は、各種のデバイスからの入力信号をメインCPU33101に送信したり、メインCPU33101からの出力信号を各種の装置に送信したりするものである。コマンド出力ポート33106は、メインCPU33101からのコマンドをサブ制御回路33200に送信するものである。バックアップコンデンサ33107は、電断(電源OFF)時において、例えばメインRAM33103に対して速やかに電源を供給することにより、メインRAM33103に記憶されている各種データを保持するものである。
また、主制御回路33100には、各種のデバイスが接続されている。
例えば、主制御回路33100には、上述した普通図柄表示部33071、普通図柄用保留表示部33072、第1特別図柄表示部33073、第2特別図柄表示部33074、第1特別図柄用保留表示部33075、第2特別図柄用保留表示部33076、時短当落判定結果表示部33077、当選時短回数表示部33078、ソレノイド33630、大入賞口ソレノイド33620、小当り入賞口ソレノイド33520、第1始動口スイッチ33421、第2始動口スイッチ33441A、第2始動口スイッチ33441B、および、小当り入賞口スイッチ33561の他、普図ゲートへの遊技球の通過を検出する普図ゲートスイッチ33491、大入賞口33540への遊技球の入賞(通過)を検出する大入賞口スイッチ33541、一般入賞口33053への遊技球の入賞(通過)を検出する一般入賞口スイッチ33531、所定数(例えば60000発)の遊技球の発射に対して大当り遊技状態以外で払い出された遊技球の割合を示す性能表示データや設定値等が表示される性能表示モニタ33334、および、エラーコードや設定変更中コード等が表示されるエラー報知モニタ33336等が接続されている。主制御回路33100は、信号を送信することにより、これらのデバイスの動作を制御することができる。また、主制御回路33100には、ホール係員を呼び出す機能や大当り回数を表示する機能等を有する呼出装置(不図示)、ホール全体のパチンコ遊技機を管理するホールコンピュータ33700にデータ送信するために用いる外部端子板33323、設定値を変更したり確認したりする際に操作される設定キー33328、設定値を変更する際に操作される設定スイッチ33332等が接続されている。
サブ制御回路33200は、サブCPU33201、プログラムROM33202、バックアップメモリとして機能するワークRAM33203、表示制御回路33204、音声制御回路33205、LED制御回路33206、役物制御回路33207およびコマンド入力ポート33208等を具備する。サブ制御回路33200は、主制御回路33100からの指令に応じて遊技の進行に応じた演出を実行する。また、サブ制御回路33200には、図示しないが、遊技者が操作可能な演出ボタン等も接続されている。
サブCPU33201は、プログラムROM33202に記憶されたプログラムに従って、各種の処理を実行する機能を有する。特に、サブCPU33201は、主制御回路33100から送信される各種のコマンドに従って、サブ制御回路33200の制御を行う。
プログラムROM33202には、サブCPU33201によりパチンコ遊技機の遊技演出を制御するためのプログラムや、各種のテーブル等が記憶されている。
ワークRAM33203は、サブCPU33201の一時記憶領域として種々のフラグや変数の値を記憶する機能を有する。
表示制御回路33204は、液晶表示装置33016における表示制御を行うための回路である。表示制御回路33204は、画像データプロセッサ(以下、VDPと称する)や、各種の画像データを生成するためのデータが記憶されている画像データROM、画像データをバッファするフレームバッファ、画像データを画像信号として変換するD/Aコンバータ等を具備する。
表示制御回路33204は、サブCPU33201から供給されるデータに応じて、液晶表示装置33016に画像を表示させるための種々の処理を行うことができる。表示制御回路33204は、サブCPU33201から供給される画像表示命令に応じて、液晶表示装置33016に表示させるための画像データを一時的にフレームバッファに格納する。なお、液晶表示装置33016に表示させるための画像データには、装飾図柄を示す装飾図柄画像データや、背景画像データ、演出用画像データ等の、遊技に関する各種の画像データが含まれる。
そして、表示制御回路33204は、所定のタイミングで、フレームバッファに格納された画像データをD/Aコンバータに供給する。D/Aコンバータは、画像データを画像信号として変換し、当該変換した画像信号を所定のタイミングで液晶表示装置33016に供給する。液晶表示装置33016に画像信号が供給されると、液晶表示装置33016に当該画像信号に関する画像が表示される。こうして、表示制御回路33204は、液晶表示装置33016に遊技に関する画像を表示させる制御を行うことができる。
音声制御回路33205は、スピーカ33024から発生させる音声に関する制御を行うための回路である。音声制御回路33205は、音声に関する制御を行う音源ICや、各種の音声データを記憶する音声データROM、音声信号を増幅するための増幅器(以下、AMPと称する)等を具備する。
前記音源ICは、スピーカ33024から発生させる音声の制御を行う。音源ICは、サブCPU33201から供給される音声発生命令に応じて、音声データROMに記憶されている複数の音声データから一つの音声データを選択する。また、音源ICは、選択された音声データを音声データROMから読み出し、音声データを所定の音声信号に変換し、当該変換した音声信号をAMPに供給する。AMPは、音声信号を増幅させ、スピーカ33024から音声を発生させる。
LED制御回路33206は、装飾LED等を含むLED33025の制御を行うための回路である。LED制御回路33206は、LED制御信号を供給するためのドライブ回路や、複数種類のLED装飾パターンが記憶されている装飾データROM等を具備する。
役物制御回路33207は、各役物(例えば、役物群34000のうちの一または複数の役物)の制御を行うための回路である。役物制御回路33207は、各役物に対して、駆動信号を供給するための駆動回路や、点灯制御信号を供給するための点灯回路、動作パターンや点灯パターンが記憶されている役物データROM等を有する。
また、駆動回路は、サブCPU33201から供給される役物作動命令に応じて、役物データROMに記憶されている複数の動作パターンから一つの動作パターンを選択する。そして、選択した動作パターンを役物データROMから読み出し、読み出した動作パターンに対応する駆動信号を供給することにより、各役物の機械的な動作を制御する。また、点灯回路は、サブCPU33201から供給される点灯命令に基づいて、役物データROMに記憶されている複数の点灯パターンから一つの点灯パターンを選択する。そして、選択した点灯パターンを役物データROMから読み出し、読み出した点灯パターンに対応する点灯制御信号を供給することにより、各役物の点灯動作を制御する。
コマンド入力ポート33208は、主制御回路33100から送信されたコマンドを受信するものである。
払出・発射制御回路33300は、パチンコ遊技機からの賞球や貸球の払い出しを制御するものであり、この払出・発射制御回路33300には、遊技球を払い出すための払出装置33340、遊技球を発射するための発射装置33015、電断時におけるバックアップデータを遊技場の管理者の操作に応じてクリアするバックアップクリアスイッチ33330、カードユニット33360等が接続されている。また、カードユニット33360には球貸し操作パネル33370が接続され、当該球貸し操作パネル33370への遊技者の操作に応じた信号が供給される。
電源供給回路33338は、パチンコ遊技機で遊技を行うために必要な電源電圧を、主制御回路33100、サブ制御回路33200、払出・発射制御回路33300等に供給するために作成する電源回路である。
電源供給回路33338には、電源スイッチ33035等が接続されている。電源スイッチ33035は、パチンコ遊技機に必要な電源を供給するときにON操作するものである。
[30−1−3.第1実施例に係るパチンコ遊技機の基本仕様]
次に、図724〜図727を用いて、第1実施例に係るパチンコ遊技機の基本仕様について説明する。この図724〜図727は、主制御回路33100のメインCPU33101が各種処理を実行する際に参照するテーブルである。図724〜図727に示される各テーブルは、メインROM33102に記憶される。
なお、主制御回路33100のメインCPU33101により実行される処理は、原則として第12実施形態のパチンコ遊技機と同様であるが、第1始動口33420あるいは第2始動口33440A,33440Bに遊技球が入賞(通過)したことに基づいて、大当り判定用乱数値、特別図柄決定用乱数値、リーチ判定用乱数値および演出選択用乱数値等に加えて時短当落判定用乱数値を取得し、この取得した時短当落判定用乱数値に基づいて時短フラグをONにセットしたり時短回数をセットするようにした点が第12実施形態のパチンコ遊技機と異なる。
なお、本例の時短当落判定用乱数値は、大当り判定用乱数値、特別図柄決定用乱数値、リーチ判定用乱数値および演出選択用乱数値等とは別の乱数値であって、時短当落判定処理に用いられる専用乱数値の値である。本例において、時短当落判定用乱数値は、第1始動口33420あるいは第2始動口33440A,33440Bに遊技球が入賞(通過)したことに基づいて取得されるようにしているが、これに限られず、他の契機に基づいて取得されるようにしてもよい。例えば、遊技球の入賞または通過に基づいて時短当落判定処理が実行される専用の時短抽選口を新たに設けてもよいし、既存の入賞口や普図ゲートを、遊技球が入賞または通過したことに基づいて時短当落判定処理が実行される時短抽選口として用いてもよい。このように、第1始動口33420あるいは第2始動口33440A,33440Bへの遊技球の入賞(通過)とは別の他の契機に基づいて時短当落判定処理を取得することで、特別図柄抽選の結果とは別の楽しみを遊技者に与えることができる。とくに、時短当落判定用乱数値の取得契機のみならず、時短当落判定処理の実行契機についても特別図柄抽選の実行契機と異ならせることにより、ゲーム性の幅が広がり、興趣を高めることが可能となる。さらには、第1始動口33420あるいは第2始動口33440A,33440Bへの遊技球の入賞(通過)頻度よりも時短抽選口への遊技球の入賞(通過)頻度を高めて、特別図柄抽選が実行される期待値よりも時短当落判定処理が実行される期待値を高めると、より一層面白みのあるパチンコ遊技機を提供することが可能となる。
[30−1−3−1.当り乱数判定テーブル]
図724は、第1実施例に係るパチンコ遊技機の当り乱数判定テーブルの一例であって、(a)第1始動口33420に遊技球が入賞(通過)した場合の当り乱数判定テーブルの一例、(b)第2始動口33440A,33440Bに遊技球が入賞(通過)した場合の当り乱数判定テーブルの一例である。これらの当り乱数判定テーブルは、メインCPU33101が特別図柄当り判定処理(例えば、図329のステップS11475参照)の特別図柄当り判定処理を実行する際に参照するテーブルである。
図724(a)に示されるとおり、第1始動口33420に遊技球が入賞(通過)したことに基づいて取得された大当り判定用乱数値を用いた第1特別図柄抽選では、抽選結果が「大当り」または「ハズレ」に決定される。
また、図724(b)に示されるとおり、第2始動口33440A,33440Bに遊技球が入賞(通過)したことに基づいて取得された大当り判定用乱数値を用いた第2特別図柄抽選では、抽選結果が「大当り」、「小当り」および「ハズレ」のうちいずれかに決定される。
メインROM33102に記憶される当り乱数判定テーブルには、第1始動口33420への入賞に基づいて実行される第1特別図柄抽選に用いられるデータとして、確変フラグの値(「0(=オフ)」又は「1(=オン)」)毎に、「大当り」又は「ハズレ」に決定される大当り判定用乱数値の範囲(幅)と、それに対応する当落判定値データ(「大当り判定値データ」、「ハズレ判定値データ」)との関係が規定されている。
また、第2始動口33440A,33440Bへの入賞に基づいて実行される第2特別図柄抽選に用いられるデータとして、確変フラグの値(「0(=オフ)」又は「1(=オン)」)毎に、「大当り」、「小当り」又は「ハズレ」に決定される大当り判定用乱数値の範囲(幅)と、それに対応する当落判定値データ(「大当り判定値データ」、「小当り判定値データ」、「ハズレ判定値データ」)との関係が規定されている。
第1実施例では、第1特別図柄および第2特別図柄ともに、大当り判定用乱数値の総乱数値は65536である。すなわち、上記の大当り判定用乱数値は0〜65535の範囲(幅)で発生する。この範囲は固定値として設定されている。大当り確率は、大当り判定用乱数値の総乱数値に対する大当り判定値データの数によって定められ、小当り確率は、大当り判定用乱数値の総乱数値に対する小当り判定値データの数によって定められる。なお、大当り判定用乱数値の範囲(幅)は、適宜変更しても良い。大当り確率および小当り確率は、図724において選択率(概算)として示される。
なお、図724には示されていないが、大当り確率または/および小当り確率は、低設定よりも高設定の方が高くなるように、設定値毎に異なるようにしても良い。この場合、例えば、大当り確率および小当り確率の両方を低設定よりも高設定の方が高くなるようにしてもよいし、小当り確率を設定値にかかわらず一定とし、大当り確率を低設定よりも高設定の方が高くなるようにしてもよいし、大当り確率を設定値にかかわらず一定とし、小当り確率を低設定よりも高設定の方が高くなるようにしてもよい。
[30−1−3−2.特別図柄判定テーブル]
図725は、第1実施例に係るパチンコ遊技機の特別図柄判定テーブルの一例である。この特別図柄判定テーブルは、メインCPU33101が特別図柄決定処理(例えば、図329のステップS11476参照)を実行する際に参照するテーブルである。
図725に示されるように、特別図柄判定テーブル(第1始動口、第2始動口)は、第1始動口33420あるいは第2始動口33440A,33440Bに遊技球が入賞した際に取得される特別図柄決定用乱数値と先述の当落判定値データとに基づいて、停止図柄を決定付ける「当り時選択図柄コマンド」及び「図柄指定コマンド」を決定するために参照されるテーブルである。例えば、第1始動口33420に遊技球が入賞し、当落判定値データが「大当り判定値データ」であって特別図柄決定用乱数値が「77」である場合には、当り時選択図柄コマンドが「z2」、「図柄指定コマンド」が「zA1」に決定される。「当り時選択図柄コマンド」は当り図柄を指定するためのコマンドであり、当り種類は、この「当り時選択図柄コマンド」に応じて定められる。また、「図柄指定コマンド」は、特別図柄の変動停止時に表示される図柄を指定するためのコマンドである。特別図柄決定用乱数値は、例えば0〜99の中から抽出される。
[30−1−3−3.大当り種類決定テーブル]
図726は、第1実施例に係るパチンコ遊技機の大当り種類決定テーブルの一例である。この大当り種類決定テーブルは、特別図柄当り判定処理(例えば、図329のステップS11475参照)の結果が大当りである場合に、特別図柄決定処理(例えば、図329のステップS11476参照)において大当りの種類を決定する際に参照するテーブルである。
図726に示されるように、大当り種類決定テーブルは、先述の当り時選択図柄コマンドに基づいて、大当りの種類(例えば、ラウンド数、確変フラグ、時短回数等)を決定するために参照されるテーブルである。なお、時短回数は、特別図柄当り判定処理が実行された際の遊技状態に応じて異なる。例えば、通常遊技状態(低確非時短遊技状態)において実行された特別図柄当り判定の結果が大当りであって、当り時選択図柄コマンドが「z1」である場合、ラウンド数が「4」、確変フラグがON、時短回数が「10000」に決定される。ただし、特別図柄当り判定処理が実行された際の遊技状態に応じて時短回数が異なることは必須ではなく、特別図柄当り判定処理が実行された際の遊技状態がいずれであるかにかかわらず、同じ時短回数に決定されるようにしてもよい。
なお、時短回数は時短機能が作動する回数(特別図柄の変動回数)であり、時短回数「10000」は、次回の大当りに当選するまで時短遊技状態に制御する(すなわち、時短機能を作動させる)趣旨である。
[30−1−3−4.特別図柄の変動パターンテーブル]
図727は、第1実施例に係るパチンコ遊技機の特別図柄の変動パターンテーブルの一例であって、(A)低スタート用の特別図柄の変動パターンテーブル、(B)高スタート用の特別図柄の変動パターンテーブルである。なお、図727中の「演出内容」の欄は、分かりやすいように便宜上示したものである。メインCPU33101は、第1始動口33420に遊技球が入賞したときは第1特別図柄の変動パターンを決定し、第2始動口33440A,33440Bに遊技球が入賞したときは第2特別図柄の変動パターンを決定する。
遊技領域33020の左側領域に向けて遊技球が発射されるいわゆる左打ちが推奨される遊技状態、すなわち、確変フラグおよび時短フラグのいずれのフラグについてもOFFにセットされている遊技状態(例えば、通常遊技状態)では、例えば図727(A)に示される低スタート用の特別図柄の変動パターンテーブルを参照して特別図柄の変動パターンが決定される。
一方、遊技領域33020の右側領域に向けて遊技球が発射されるいわゆる右打ちが推奨される遊技状態、すなわち、確変フラグおよび時短フラグのうち少なくともいずれか一方のフラグがONにセットされている遊技状態(例えば、高確時短遊技状態、高確非時短遊技状態、低確時短遊技状態)では、例えば図727(B)に示される高スタート用の特別図柄の変動パターンテーブルを参照して特別図柄の変動パターンが決定される。
図727(A)および(B)に示されるように、第1特別図柄および第2特別図柄の変動パターンは、確変フラグおよび時短フラグのON・OFF状況に加えて、特別図柄抽選の結果(当落)、始動口33420,33440A,33440Bへの遊技球の入賞時に取得されたリーチ判定用乱数値および特別図柄決定用乱数値に基づいて決定される。
高スタート用の特別図柄の変動パターンテーブルを参照して特別図柄の変動パターンを決定した場合、低スタート用の特別図柄の変動パターンテーブルを参照して特別図柄の変動パターンを決定した場合と比べて、単位時間あたりの特別図柄の変動回数の期待値が大きい。とくに、低スタート用の特別図柄の変動パターンテーブルを参照して特別図柄の変動パターンを決定する場合、第2特別図柄は、例えば600000msec程度(例えば、長変動A〜C)と極めて長時間にわたって変動表示が行われる。一方、高スタート用の特別図柄の変動パターンテーブルを参照して特別図柄の変動パターンを決定する場合、第2特別図柄は、例えば1000msec(例えば、超速変動)と極めて短時間にわたって変動表示が行われる。
メインCPU33101は決定した変動パターン情報をサブCPU33201に送信し、サブCPU33201は、受信した変動パターン情報に基づいて、液晶表示装置33016に表示される表示演出や、スピーカ33024から出力される音演出を制御する。
なお、図727には示されていないが、設定値毎に、例えば演出選択用乱数値範囲を変えて、決定される特別図柄の変動パターン(変動時間)が異なりうるようにしてもよい。
また、第1実施例では、例えば通常遊技状態では低スタート用の特別図柄の変動パターンテーブルを参照して特別図柄の変動パターンを決定し、例えば高確時短遊技状態、高確非時短遊技状態および低確時短遊技状態では高スタート用の特別図柄の変動パターンテーブルを参照して特別図柄の変動パターンを決定するようにしたが、これに限られない。
[30−1−3−5.時短当落乱数判定テーブル]
図728は、第1実施例に係るパチンコ遊技機の時短当落乱数判定テーブルの一例である。この時短当落乱数判定テーブルは、第1始動口33420あるいは第2始動口33440A,33440Bに遊技球が入賞(通過)した際に取得される時短当落判定用乱数値に基づいて、時短当りを発生させるか否かを決定する時短当落判定処理を実行する際に参照されるテーブルである。すなわち、この時短当落判定処理は、時短当落判定用乱数値を用いて実行される処理であり、大当り判定用乱数値を用いて実行される特別図柄当り判定処理とは別の抽選処理である。
時短当落乱数判定テーブルには、第1始動口33420への入賞に基づいて実行される時短当落判定処理(以下、第1実施例〜第7実施例において「第1時短当落判定処理」と称する)に用いられるデータとして、「時短当り」又は「時短ハズレ」に決定される時短当落判定用乱数値の範囲(幅)と、それに対応する時短当落判定値データ(「時短当り判定値データ」、「時短ハズレ判定値データ」)との関係が規定されている。また、第2始動口33440A,33440Bへの入賞に基づいて実行される時短当落判定処理(以下、第1実施例〜第7実施例において「第2時短当落判定処理」と称する)に用いられるデータとして、第1始動口33420に入賞したときと同様に、「時短当り」又は「時短ハズレ」に決定される時短当落判定用乱数値の範囲(幅)と、それに対応する時短当落判定値データ(「時短当り判定値データ」、「時短ハズレ判定値データ」)との関係が規定されている。
第1実施例では、第1始動口33420に入賞した場合および第2始動口33440A,33440Bに入賞した場合ともに、時短当落判定用乱数値の総乱数値は100である。すなわち、上記の時短当落判定用乱数値は0〜99の範囲(幅)で発生する。なお、時短当落判定用乱数値の範囲(幅)は、適宜変更しても良い。
また、取得された時短当落判定用乱数値が「時短当り判定値データ」であると判定される確率(以下、「時短当り確率」と称する)は、時短当落判定用乱数値の総乱数値に対する時短当り判定値データの数によって定められ、図728において選択率として示される。第1実施例では、第1時短当落判定処理が行われた場合の時短当り確率よりも、第2時短当落判定処理が行われた場合の時短当り確率の方が高い。
第1始動口33420または第2始動口33440A,33440Bへの入賞に基づいて取得された時短当落判定値データが「時短当り判定値データ」である場合には時短当落判定処理の結果が「時短当り」に決定され、時短当落判定値データが「時短ハズレ判定値データ」である場合には時短当落判定処理の結果が「時短ハズレ」に決定される。
[30−1−3−6.時短回数決定テーブル]
図729は、第1実施例に係るパチンコ遊技機の時短回数決定テーブルの一例である。この時短回数決定テーブルは、第1始動口33420または第2始動口33440A,33440Bへの入賞に基づいて取得された時短当落判定値データが「時短当り判定値データ」である場合に、時短回数を決定する際に参照されるテーブルである。
図729に示されるように、時短回数決定テーブルを参照して時短回数を決定する際、時短当落判定処理が行われたときの遊技状態に応じて時短回数が決定される。例えば、通常遊技状態では「50」に決定され、高確時短遊技状態では「1」に決定され、低確時短遊技状態では「30」に決定され、高確非時短遊技状態では「30」に決定される。
なお、この第1実施例において、セットされる時短回数は遊技状態に応じて異なるものの、遊技状態が同じであればセットされる時短回数も同じ(例えば、通常遊技状態であれば50回)である。ただし、これに代えて、時短当落判定処理の結果が「時短当り」である都度、セットされる時短回数が異なりうるように、セットされる時短回数を決定するようにしてもよい。
このように、第1実施例では、通常遊技状態、高確時短遊技状態、低確時短遊技状態および高確非時短遊技状態のいずれにおいても、第1始動口33420または第2始動口33440A,33440Bへの入賞に基づいて時短当落判定処理が実行される。
[30−1−4.主制御回路による処理]
次に、第1実施例のパチンコ遊技機のメインCPU33101により実行される処理について説明する。上述したとおり、主制御回路により実行される処理は、原則として、図306〜図339に示される第12実施形態のパチンコ遊技機と同様の処理が行われる。以下では、第12実施形態のパチンコ遊技機と異なる処理について、図730を参照して説明する。
図730は、特別図柄変動開始処理を示すフローチャートの一例であって、第13実施形態の特別図柄変動開始処理(例えば、図329参照)を改変したものである。図730に示される特別図柄変動開始処理が図329に示される特別図柄変動開始処理と異なる点は、特別図柄変動開始処理において、特別図柄当り判定処理(ステップS11475)が実行される前に、時短当落判定処理(ステップS11475A)が実行される点である。
メインCPU33101は、ステップS11475Aの時短当落判定処理として、第1始動口33420あるいは第2始動口33440A,33440Bへの遊技球の入賞(通過)に基づいて取得した時短当落判定用乱数値が「時短当り判定値データ」であるか「時短ハズレ判定値データ」であるかを判定する処理(すなわち、「時短当り」であるか否かを判定する処理)、および、「時短当り」であると判定した場合に時短回数を決定する処理を実行する。
ところで、第12実施形態では詳述しなかったが、特別図柄遊技終了処理(図335参照)における遊技状態指定パラメータ設定処理(ステップS11562)において、メインCPU33101は、大当りの種類に応じて確変フラグをONにセットする処理(確変フラグをONにセットしない場合はこの処理を実行しない)、大当りの種類または時短当落判定処理の結果に応じて時短フラグをONにセットする処理(時短フラグをONにセットしない場合はこの処理を実行しない)、時短フラグをONにセットする場合は時短回数をセットする処理等を実行する。とくに時短回数をセットする処理において、メインCPU33101は、大当り遊技状態に制御された場合(すなわち、大当りにかかる動作が実行された場合)は、特別図柄決定処理(例えば、図329のステップS11476参照)において大当りの種類に応じて決定された時短回数をセットし、小当り遊技状態に制御された場合は、時短当落判定処理(ステップS11475A)において決定された時短回数をセットし、大当り遊技状態および小当り遊技状態のいずれにも制御されない場合(すなわち、特別図柄抽選の結果がハズレの場合)は、時短当落判定処理(ステップS11475A)において決定された時短回数をセットする。
[30−1−5.作用効果、拡張例等]
このように、第1実施例のパチンコ遊技機では、大当り遊技状態に制御されなくとも、時短当落判定処理の結果が「時短当り」である場合に時短遊技状態に制御することが可能となり、これまでにない新たなパチンコ遊技機を提供することが可能となる。とくに、時短当落判定処理の結果が「時短当り」である都度、セットされる時短回数が異なりうるようにすると、より面白みを持たせることが可能となる。
また、時短当落判定処理(ステップS11475A)は、特別図柄当り判定処理(ステップS11475)に用いられる大当り判定用乱数値とは別の乱数値(時短当落判定用乱数)を用いて実行されるだけでなく、特別図柄当り判定処理は別の抽選処理として実行されるため、遊技者の興味を、特別図柄当り判定処理だけでなく時短当落判定処理にも向けることができ、興趣を高めることが可能となる。
また、第1実施例のパチンコ遊技機では、時短当落判定処理(ステップS11475A)を、特別図柄当り判定処理(ステップS11475)に先だって実行している。このように、特別図柄当り判定処理に先だって実行された時短当落判定処理の結果が「時短当り」である場合、特別図柄当り判定処理に先だって時短フラグをONに設定するとともにこれにともなって時短回数をセットするようにしてもよい。この場合、特別図柄当り判定処理の実行時には時短機能が作動していることとなる。そのため、例えば、特別図柄当り判定処理が実行されたときの遊技状態に応じてセットされる時短回数が異なる場合には(例えば、図726参照)、遊技者にとっての利益度合いが異なりうるため、興趣を高めることができる。
ただし、時短当落判定処理(ステップS11475A)を、特別図柄当り判定処理(ステップS11475)に先だって実行することに代えて、特別図柄当り判定処理(ステップS11475)が実行された以降に実行してもよい。この場合、時短当落判定処理の結果が特別図柄当り判定処理に影響を及ぼさない(すなわち、遊技者にとって有利となる影響も不利となる影響も及ぼさない)。そのため、少なくとも遊技者にとって不利益となることがないため、遊技者は安心して遊技を行うことができ、興趣の低下を抑制することができる。
また、この第1実施例において、時短当落判定処理(ステップS11475A)に用いられる時短当落判定用乱数値は、他の処理には用いられない専用乱数値であるため、他の処理の制約を受けることなく、例えば任意のタイミングで時短当落判定処理を実行することができ、時短当落判定処理を実行するにあたっての自由度を高めることが可能となる。
なお、特別図柄当り判定処理(ステップS11475)の結果が大当りである場合、メインCPU33101は、大当り種類決定テーブル(図726参照)を参照して当り時選択図柄コマンドに基づいて時短フラグをONにセットするか否かを決定し、時短当落判定処理(ステップS11475A)の結果に基づいて時短フラグをONにセットしない。
ここで、上記の「時短当落判定処理の結果に基づいて時短フラグをONにセットしない」とは、時短当落判定処理を特別図柄当り判定処理に先だって実行し、特別図柄当り判定処理の結果が大当りである場合、時短当落判定処理の結果が「時短当り」であったとしてもこれを無効にし(「時短当り」に基づいて時短フラグをONにセットせず)、当り時選択図柄コマンドに基づいて時短フラグをONにセットする(またはセットしない)。一方、時短当落判定処理を特別図柄当り判定処理が実行された後に実行し、特別図柄当り判定処理の結果が大当りである場合、時短当落判定処理の結果が「時短当り」であったとしてもこれを無効にして当り時選択図柄コマンドに基づいて時短フラグをONにセットしてもよいし、時短当落判定処理自体を実行しないようにしてもよい。なお、時短当落判定処理の結果に基づいて時短フラグをONにセットしないのは、特別図柄当り判定処理の結果が大当りである場合に限られず、特別図柄当り判定処理の結果が大当りであって且つこの大当りに基づいて時短フラグがONにセットされる場合としてもよい。
また、メインCPU33101は、特別図柄当り判定処理(ステップS11475)の結果が大当りであっても時短当落判定処理(ステップS11475A)を実行するようにしてもよい。特別図柄当り判定処理の結果が大当りである場合、大当り種類に応じて、大当り遊技状態の終了後に時短フラグがONにセットされる場合(例えば、図726に示されるように当り時選択図柄コマンド「z1」、「z2」、「z4」、「z5」の場合)と、当り遊技状態の終了後に時短フラグがONにセットされない場合(例えば、図726に示されるように当り時選択図柄コマンド「z0」、「z3」の場合)とがある。そこで、特別図柄当り判定処理の結果が大当りであっても時短フラグONにセットされない大当りである場合、メインCPU33101は、時短当落判定処理の結果が「時短当り」であれば、大当り遊技状態の終了後、「時短当り」に基づいて時短フラグをONにセットするとともに決定された時短回数をセットするようにしてもよい。
ところで、例えば、時短当落判定処理(ステップS11475A)を、特別図柄当り判定処理(ステップS11475)に用いられる大当り判定用乱数値とは別の乱数値(時短当落判定用乱数)を用いて実行する場合のように、時短当落判定処理と特別図柄当り判定処理とが別のタイミングで実行される場合、大当りに基づく特別図柄の可変表示中に時短当落判定処理が実行され、この時短当落判定処理の結果が「時短当り」となる場合がある。このような場合、メインCPU33101は、時短当落判定処理の結果が「時短当り」であるにもかかわらず、例えば、強制的に「時短ハズレ」となるよう制御する(例えば、時短当落判定結果表示部33078に「時短ハズレ」を強制的に導出する)。すなわち、メインCPU33101は、「時短当り」に基づいて決定された時短回数をセットせず(時短フラグもONにセットせず)、大当り遊技状態の終了後に大当りに基づいて決定された時短回数をセットし、時短制御を実行する。ただし、これに代えて、メインCPU33101は、導出された大当りに基づく大当り遊技状態の終了後に、「時短当り」に基づく時短回数をセット(時短フラグもONにセット)するようにしてもよい。さらには、時短フラグがONにセットされる大当りが導出された場合にはこの大当りに基づいて決定された時短回数をセットし、時短フラグがONにセットされない大当りが導出された場合には「時短当り」に基づいて決定された時短回数をセットするようにしてもよい。また、大当りに基づいて決定された時短回数と、「時短当り」に基づいて決定された時短回数とを合計した時短回数にわたって時短制御が実行されるようにしてもよい。また、メインCPU33101は、大当りに基づく特別図柄の可変表示が開始された場合には、時短当落判定処理自体を実行しないようにしてもよい。この段落において説明した内容は、後述する第2実施例および第3実施例においても同様である。
なお、サブCPU33201は、時短当落判定処理の結果が「時短当り」であるのか「時短ハズレ」であるのかを外観で把握することが可能または容易な演出画像(例えば、装飾図柄の変動演出やキャラクタによる表示演出等)を、液晶表示装置33016に表示する制御を実行することが好ましい。この場合、特別図柄抽選の結果とは別に、時短当落判定処理の結果が液晶表示装置33016に表示されるため、興趣の低下を抑制することが可能となる。
また、時短当落判定処理の結果が「時短当り」であるのか「時短ハズレ」であるのかを外観で把握することが可能または容易な演出画像を液晶表示装置33016に表示することに代えて、時短当落判定処理の結果が「時短当り」であるのか「時短ハズレ」であるのかを外観で把握することが不可能または困難な演出画像(例えば、装飾図柄の変動演出やキャラクタによる表示演出等)を液晶表示装置33016に表示する制御を実行してもよい。この場合、時短当落判定処理の結果が開示されるまで、興趣を維持することが可能となる。
また、第1条件成立時は、時短当落判定処理の結果が「時短当り」であるのか「時短ハズレ」であるのかを外観で把握することが可能または容易な演出画像を液晶表示装置33016に表示し、第2条件成立時は、時短当落判定処理の結果が「時短当り」であるのか「時短ハズレ」であるのかを外観で把握することが不可能または困難な演出画像を液晶表示装置33016に表示するようにしてもよい。
また、一般的なパチンコ遊技機では、特別図柄抽選の結果が大当りであった場合、サブCPU33201は、大当り遊技状態において推奨される遊技球の発射方法として例えば右打ち指示を示す演出画像が液晶表示装置33016に表示されるよう制御する。この点、本実施例では、特別図柄抽選の結果が大当りでなかった(例えば、ハズレであった)としても、時短当落判定処理の結果が「時短当り」である場合、サブCPU33201は、時短機能が作動した場合に推奨される遊技球の発射方法として例えば右打ち指示を示す演出画像が液晶表示装置33106に表示されるよう制御する。ただし、時短当落判定処理の結果が「時短当り」である場合、時短機能が作動した場合に推奨される遊技球の発射方法を示す演出画像を、常に液晶表示装置33016に表示するようにしてもよいが、特定条件が成立した場合に限り表示するようにしてもよい。例えば、「時短当り」に基づいてセットされる時短回数が、所定回数以上(例えば2回以上)である場合には表示し、所定回数未満(例えば2回未満)である場合等には表示しないようにしてもよい。なお、上記の特定条件は、時短回数を条件とするものに限られず、適宜、任意の条件とすることができる。
また、特別図柄当り判定処理(ステップS11475)が実行される前に時短当落判定処理(ステップS11475A)が実行される場合、サブCPU33201は、「時短当り」となった状況下(すなわち、時短機能が作動した状態)で特別図柄当り判定処理が実行されるのか否かを、外観で把握可能または把握容易な演出画像を液晶表示装置33016に表示する制御を実行してもよい。
なお、時短当落判定処理に用いる乱数値の種類、時短当落判定処理に用いる乱数値の取得タイミング、時短当落判定処理において時短当りと判定される条件、時短当落判定処理の実行タイミング、時短当落判定処理を実行可能な遊技状態、時短遊技状態の態様、時短当り時にセットされる時短回数、時短遊技状態の開始タイミング、時短遊技状態の終了タイミング、時短回数書き換えタイミング、時短当り確率、および、時短当落判定処理の結果表示、等の時短にかかわる処理をまとめると以下のとおりである。なお、以下では第1実施例の拡張例についても記載しているがこれは一例であり、拡張例のまとめについては後述する。
(時短当落判定処理に用いる乱数値の種類)
上述した第1実施例では、時短当落判定用乱数値を用いて時短当落判定処理を行っている。ただし、これに限られず、例えば、特別図柄決定用乱数値、普通当り判定用乱数値、普通図柄決定用乱数値、および、特別図柄転落判定用乱数値を含む乱数値のうち、いずれか一つまたは複数の乱数値を用いて時短当落判定処理を行うようにしてもよい。また、遊技者にとっての有利度合いが異なる複数の設定値のうちいずれか一の設定値に基づいて遊技が進行するパチンコ遊技機であれば、設定変更時に、変更後の設定値を用いて時短当落判定処理を行うようにしてもよい。
このように、例えば特別図柄決定用乱数値、普通当り判定用乱数値または普通図柄決定用乱数値のように既存の乱数値を用いて時短当落判定処理(ステップS11475A)を実行することにより、徒に乱数を増やす必要がないため、制御負荷を抑制しつつ、これまでになかった新たな処理を実行することができ、興趣を高めることができる。とくに、例えば普通当り判定用乱数値等の乱数値は、普通図柄抽選のみしか用いられていなかったため、このような乱数を有効活用することで、制御負荷を抑制しつつゲーム性の幅を広げることができ、興趣を高めることができる。なお、時短当落判定処理の結果が「時短当り」である場合に決定される時短回数についても、上述の既存の乱数値を用いるとよい。
また、時短当落判定処理に用いる乱数値は、1種類(例えば、時短当落判定用乱数値)に限られず、複数種類の乱数値(例えば、大当り判定用乱数値および図柄決定用乱数値)を用いて決定するようにしてもよい。後述の第2実施例〜第7実施例についても同様である。
(時短当落判定処理に用いる乱数値の取得タイミング)
上述した第1実施例では、時短当落判定処理に用いられる時短当落判定用乱数値を、特別図柄抽選の契機となる始動口33420,33440A,33440Bへの遊技球の入賞(通過)に基づいて取得している。ただし、これに限られず、例えば、普通図柄抽選の契機となる普図ゲート33049への遊技球の通過時や、上述の新たに設けた時短抽選口への遊技球の入賞(通過)時に取得するようにしてもよい。ここで、賞球の払い出しがある特定の入賞口を時短抽選口としてもよいし、賞球の払い出しがない特定のゲートや特定のアウト口を時短抽選口としてもよい。
なお、始動口33420,33440A,33440Bへの遊技球の入賞(通過)に基づいて時短当落判定用乱数値を取得する場合、第1始動口33420および第2始動口33440A,33440Bのいずれに遊技球が入賞した場合であっても時短当落判定用乱数値を取得するようにすることは必須ではなく、第1始動口33420および第2始動口33440A,33440Bのうちいずれか一方に遊技球が入賞した場合にのみ時短当落判定用乱数値を取得するようにしてもよい。
(時短当落判定処理において時短当りと判定される条件)
上述した第1実施例では、取得した時短当落判定用乱数値が特定の時短当落判定用乱数値(例えば、特定の時短当り判定値データ)であるときに時短当りと判定されるようにしているが、これに限られない。例えば、大当り判定用乱数値を用いて時短当落判定処理を実行する場合であれば、特定のハズレ判定値データ、特定の小当り判定値データまたは/および特定の大当り判定値データであるときに時短当りと判定されるようにしてもよいし、特別図柄決定用乱数値を用いて時短当落判定処理を実行する場合であれば、特定のハズレ図柄、特定の小当り図柄、特定の大当り図柄であるときに時短当たりと判定されるようにしてもよい。また、変更後の設定値を用いて時短当落判定処理を行うようにした場合、特定の設定値に変更された場合に時短当りと判定されるようにしてもよい。
(時短当落判定処理の実行タイミング)
上述した第1実施例では、特別図柄変動開始処理(図730参照)において、特別図柄当り判定処理(ステップS11475)が実行される前に、時短当落判定処理(ステップS11475A)が実行されるが、時短当落判定処理の実行タイミングはこれに限られない。例えば、特別図柄変動開始処理において、特別図柄当り判定処理が実行された後に、時短当落判定処理が実行されるようにしてもよい。さらには、特別図柄変動開始処理において時短当落判定処理を実行することに限らず、始動口33420,33440A,33440Bへの遊技球の入賞(通過)時、普図ゲート33049への遊技球の通過時、時短抽選口への遊技球の入賞(通過)時、始動口33420,33440A,33440Bに遊技球が入賞(通過)してから特別図柄変動開始処理が実行されるまでの任意のタイミング、普図ゲート33049を遊技球が通過してから普通図柄抽選が実行されるまでの任意のタイミング等で、時短当落判定処理を実行するようにしてもよい。
なお、始動口33420,33440A,33440Bへの遊技球の入賞(通過)に基づいて取得した時短当落判定用乱数値を用いて特別図柄変動開始処理(図730参照)において時短当落判定処理を実行する場合、メインCPU33101は、特別図柄の始動情報と同様に、取得した時短当落判定用乱数値を保留する。そして、メインCPU33101は、特別図柄変動開始処理において、取得した時短当落判定用乱数値を用いて時短当落判定処理を実行する。
一方、例えば時短抽選口に入賞する等の他の契機に基づいて時短当落判定用乱数値が取得される場合、または、特別図柄変動開始処理とは別のタイミングで時短当落判定処理が実行される場合、メインCPU33101は、次のように処理を実行することができる。例えば、メインCPU33101は、取得した時短当落判定用乱数値を保留し、所定条件の成立に基づいて、保留された時短当落判定用乱数値を用いて時短当落判定処理を実行するようにしてもよいし、時短当落判定用乱数値を取得するとただちに時短当落判定処理を実行するようにしてもよい。
(時短当落判定処理を実行可能な遊技状態)
上述した第1実施例では、通常遊技状態、高確時短遊技状態、低確時短遊技状態および高確非時短遊技状態のいずれにおいても、第1始動口33420または第2始動口33440A,33440Bへの遊技球の入賞(通過)に基づいて時短当落判定処理が実行される。すなわち、時短フラグがONの遊技状態(例えば、低確時短遊技状態、高確時短遊技状態)であったとしても、時短当落判定処理(ステップS11475A)が実行される。このようにすることで、ゲーム性の幅が広がり、興趣を高めることができる。
なお、上記に代えて、例えば、時短フラグがOFFの遊技状態(例えば、通常遊技状態(低確非時短遊技状態)、高確非時短遊技状態)や確変フラグおよび時短フラグのいずれもがOFFの通常遊技状態といった特定の遊技状態においてのみ時短当落判定処理が実行されるようにしてもよい。また、時短当落判定処理についてはいずれの遊技状態であっても行うものの、時短当落判定処理の結果が「時短当り」である場合に行う時短回数のセットを、例えば上述の特定の遊技状態でのみ行う(すなわち、例えば時短フラグがONである場合等の特定の遊技状態でない場合は時短回数をセットしない)ようにしてもよい。さらに、例えば、イ)いずれの遊技状態においても時短当落判定処理を実行する、ロ)特定の遊技状態においてのみ時短当落判定処理を実行する、といった時短当落判定処理を実行するための条件を予め定めて、この定められた条件を満たす場合に時短当落判定処理が実行されるようにしてもよい。
(時短遊技状態の態様)
上述の第1実施例に限らず、後述の第2実施例〜第7実施例でも同様であるが、時短遊技状態では、メインCPU33101により時短機能を作動させる制御が実行される。時短機能を作動させる制御は、例えば、特別図柄の変動時間の短縮機能および電サポ機能のうち少なくともいずれか一方を作動させることにより実行される。電サポ機能とは、普通電動役物33460(より詳しくはシャッタ33442)を促進作動させて所定の入賞口(本例では第2始動口33440B)への遊技球の入賞頻度を高める機能であって、例えば、普通図柄の変動時間の短縮、普通図柄当選確率上昇(すなわち、普通図柄抽選における普通当りの確率アップ)、普通電動役物33460(より詳しくは、例えばシャッタ33442)の開放パターン変更(例えば、開放時間延長等)のうち少なくとも一つ以上が実行される機能が相当する。
なお、第1実施例に限らず、後述の第2実施例〜第7実施例でも同様であるが、時短の種類に応じて、機能が異なる複数の時短遊技状態のうちいずれかに制御されるようにしてもよい。例えば、第1の時短フラグおよび第2の時短フラグを用意し、大当り種類決定テーブル(図726)を参照して時短フラグをセットする場合(すなわち特別図柄抽選の結果が大当りである場合)は第1の時短フラグをセットし、時短当落判定処理の結果に基づいて時短フラグをセットする場合は第2の時短フラグにセットするようにしてもよい。この場合、第1の時短フラグがONにセットされた場合と第2の時短フラグがONにセットされた場合とで、機能が異なる時短機能を作動させるようにするとよい。例えば、第1の時短フラグがONにセットされた場合は、特別図柄の変動時間の短縮機能および電サポ機能の両方が作動する第1時短遊技状態に制御し、第2の時短フラグがONにセットされた場合は、特別図柄の変動時間の短縮機能および電サポ機能のうちいずれか一方のみが作動する第2時短遊技状態に制御されるようにするとよい。また、第1の時短フラグがONにセットされた場合は、特別図柄の変動時間の短縮機能が作動する(電サポ機能は作動しない)第1時短遊技状態に制御し、第2の時短フラグがONにセットされた場合は、電サポ機能が作動する(特別図柄の変動時間の短縮機能は作動しない)第2時短遊技状態に制御されるようにしてもよい。ただし、複数の時短フラグのうちいずれの時短フラグをセットするかについては、上記に限られず、例えば、時短当落判定処理の結果に基づいて決定してもよいし、時短当落判定処理が実行されたときの遊技状態に応じて決定してもよい。
(時短当り時にセットされる時短回数)
上述した第1実施例では、時短当りが発生した場合にセットされる時短回数は、時短当落判定処理が行われたときの遊技状態に応じて決定されるが、これに限られない。例えば、第2始動口33440A,33440Bに遊技球が入賞した場合のように複数の時短当落判定用乱数値が時短当り判定値データとして規定されている場合、セットされる時短回数を、時短当落判定処理が行われたときの遊技状態に代えてまたは加えて、取得された時短当落判定用乱数値に応じて決定するようにしてもよい。例えば、始動口33420,33440A,33440Bへの入賞に基づいて取得された時短当落判定用乱数値が、第1の時短当り判定値データである場合は時短回数を「100」に決定し、第2の時短当り判定値データである場合は時短回数を「50」に決定すること等が相当する。
また、時短フラグがONの遊技状態(例えば、低確時短遊技状態、高確時短遊技状態)であっても時短当落判定処理(ステップS11475A)が実行されるようにし、この時短当落判定処理の結果が「時短当り」である場合、メインCPU33101は、「時短当り」に基づいて決定された時短回数を、時短残回数に代えて新たにセット(すなわち、時短残回数をリセット)するようにしてもよい。この場合、新たにセットされる時短回数が時短残回数よりも多いか少ないかによって遊技者にとっての利益度合いが変わることとなってゲーム性の幅が広がり、時短フラグがONの遊技状態に面白みを持たせることができ、興趣を高めることが可能となる。
また、時短フラグがONの遊技状態(例えば、低確時短遊技状態、高確時短遊技状態)であっても時短当落判定処理(ステップS11475A)が実行されるようにし、この時短当落判定処理の結果が「時短当り」である場合、メインCPU33101は、「時短当り」に基づいて決定された時短回数を、時短残回数に加算するようにしてもよい。この場合、現在の時短残回数よりも少なくなることがないため、遊技者は、時短フラグがONの遊技状態において安心して遊技を行うことができる。
また、時短フラグがONの遊技状態(例えば、低確時短遊技状態、高確時短遊技状態)であっても時短当落判定処理(ステップS11825A)が実行されるようにし、この時短当落判定処理の結果が「時短当り」である場合、メインCPU33101は、「時短当り」に基づいて決定された時短回数を時短残回数に代えて新たにセットする処理と、「時短当り」に基づいて決定された時短回数を時短残回数に加算する処理と、「時短当り」に基づいて決定された時短回数を新たにセットせず遊技状態を継続する処理とのうち、予めいずれかに定めて、この予め定められた条件を満たす態様で時短回数をセットするようにしてもよい。
なお、第1の時短フラグがONにセットされた場合と第2の時短フラグがONにセットされた場合とで機能が異なる時短機能を作動させるようにしたパチンコ遊技機において、時短当落判定処理(ステップS11475A)の結果が「時短当り」であった場合、メインCPU33101は、作動中の時短フラグと「時短当り」に基づいてセットされる時短フラグとが同じ機能の時短である場合と、作動中の時短フラグと「時短当り」に基づいてセットされる時短フラグとが異なる機能の時短である場合とで、時短回数をセットする処理を変えるようにしてもよい。例えば、作動中の時短フラグと「時短当り」に基づいてセットされる時短フラグとが同じ機能の時短である場合には、「時短当り」に基づいて決定された時短回数を時短残回数に加算し、作動中の時短フラグと「時短当り」に基づいてセットされる時短フラグとが異なる機能の時短である場合には、作動中の時短残回数に代えて、「時短当り」に基づいて決定された時短回数を新たにセット(すなわち、時短残回数をリセット)するようにしてもよい。また、作動中の時短フラグと「時短当り」に基づいてセットされる時短フラグとが異なる機能の時短である場合、作動中の時短残回数を全て消化した後に、「時短当り」に基づいて決定された時短フラグをONにセットするようにしてもよい。
なお、時短当落判定処理の結果が「時短当り」であることに基づいて時短回数をセットする場合、時短回数が「0」にセットされる場合があり得るようにしてもよい。すなわち、セットされる時短回数が「0」に決定された場合、時短当落判定処理の結果が「時短当り」であるにもかかわらず、時短フラグがOFFにセットされる。また、時短遊技状態において時短当落判定処理の結果が「時短当り」であって且つ時短回数が「0」にセットされる場合、従前の時短遊技状態も終了することとなる。
(時短遊技状態の開始タイミング)
時短遊技状態の開始にかかわる処理(例えば、時短フラグをONにセットする処理、時短回数をセットする処理等)を特別図柄遊技終了処理(図335参照)において行うことにより、時短遊技状態に制御される(時短遊技状態が開始される)タイミングは以下のとおりとなる。すなわち、特別図柄抽選(第1特別図柄抽選、第2特別図柄抽選)の結果がハズレである場合、特別図柄が確定する特別図柄確定時間が経過したことに基づいて時短遊技状態が開始される。また、特別図柄抽選の結果が小当りである場合、小当り遊技状態の終了(小当りにかかる動作の終了)に基づいて時短遊技状態が開始される。また、特別図柄抽選の結果が大当りである場合、大当り遊技状態の終了(大当りにかかる動作の終了)に基づいて時短遊技状態が開始される。
なお、第1実施例のみならず後述する第2実施例〜第7実施例も含む第28実施形態において、特定図柄の確定表示(すなわち、特別図柄確定時間が経過したとき)と、特別図柄抽選の結果の導出とは同義である。また、特別図柄の可変表示が開始されてから、この可変表示が終了して特別図柄抽選の結果が導出されるまで(すなわち、特別図柄確定時間が経過するまで)が1回のゲームである。
また、第1実施例では、特別図柄変動開始処理(図730参照)において、特別図柄当り判定処理(ステップS11475)が実行される前に、時短当落判定処理(ステップS11475A)が実行されるが、この場合、時短遊技状態の開始にかかわる処理を、特別図柄遊技終了処理(図335参照)において行うことに代えて、特別図柄当り判定処理(ステップS11475)が実行される前に行うようにしてもよい。このようにした場合、時短当落判定処理の結果に基づいて、特別図柄当り判定処理が実行されることとなる。例えば、通常遊技状態(低確非時短遊技状態)において第1始動口33420に遊技球が入賞(通過)し、時短当落判定処理の結果が「時短ハズレ」であって且つ特別図柄当り判定処理の結果が大当り(例えば、当り時選択図柄コマンド「z1」)である場合、通常遊技状態のもとで特別図柄当り判定処理が実行されるため、図726に示されるように時短回数が「100000」に決定される。これに対し、例えば、通常遊技状態において第1始動口33420に遊技球が入賞(通過)し、時短当落判定処理の結果が「時短当り」であって且つ特別図柄当り判定処理の結果が大当り(例えば、当り時選択図柄コマンド「z1」)である場合、低確時短遊技状態のもとで特別図柄当り判定処理が実行されるため、図726に示されるように時短回数が「0」に決定される。
(時短遊技状態の終了タイミング)
時短遊技状態が終了するタイミングは、例えば以下のとおりとなる。すなわち、ホ)時短遊技状態において、セットされた時短回数にわたって特別図柄の可変表示が実行された場合、ヘ)時短遊技状態における特別図柄抽選の結果に基づいて大当り遊技状態に制御された場合、ト)時短当落判定処理の結果が「時短当り」であったにもかかわらず時短回数が「0」にセットされた場合、等である。
なお、時短遊技状態における特別図柄抽選の結果に基づいて小当り遊技状態に制御された場合は、小当り遊技状態に制御された後も時短遊技状態が継続する。
(時短回数書き換えタイミング)
時短フラグがONの遊技状態(例えば、高確時短遊技状態、低確時短遊技状態)において時短当落判定処理を実行し、この時短当落判定処理の結果が「時短当り」である場合、メインCPU33101は、時短回数を書き換えてもよいし、従前の時短回数(すなわち、時短残回数(後述の第1実施例〜第7実施例でも同様))の書き換えを行わずに従前の時短回数を消化すると時短遊技状態が終了する(すなわち、時短回数の書き換えを行わない)ようにしてもよい。
なお、時短回数を書き換える場合、メインCPU33101は、時短当りに基づいて決定された時短回数を、従前の時短回数を消化した時点で書き換えても(セットして)もよいし、大当り判定処理時にセットしてもよいし、特別図柄の変動開始時や変動停止時にセットしてもよいし、時短当落判定処理時にセットしてもよいし、さまざまなタイミングでセットすることができる。なお、時短当落判定処理時にセットする場合、時短当りに基づいて決定された時短回数を、従前の時短回数に上書きすることとなる。また、「時短回数を書き換える」および「従前の時短回数に加算する」のうち予めいずれかに定めて、この予め定められた条件を満たす態様で時短回数をセットするようにしてもよい。
(時短当り確率)
上述した第1実施例では、第1時短当落判定処理が行われた場合の時短当り確率よりも第2時短当落判定処理が行われた場合の時短当り確率の方が高い。ただし、これに限られず、第2時短当落判定処理が行われた場合の時短当り確率よりも第1時短当落判定処理が行われた場合の時短当り確率の方を低くしてもよいし、第1時短当落判定処理が行われた場合と第2時短当落判定処理が行われた場合とで時短当り確率を同じまたはほぼ同じ確率としてもよい。
(時短当落判定処理の結果表示)
上述した第1実施例では、時短当落判定処理(ステップS11475A)の結果を時短当落判定結果表示部33077に表示するとともに液晶表示装置33016に表示し、時短当落判定処理の結果に基づいて決定された時短回数を当選時短回数表示部33078に表示するとともに液晶表示装置33016に表示するようにしている。このように、時短当落判定処理の結果および決定された時短回数を明示することにより、遊技者の知らないところで秘密裏に時短機能が作動したり非作動となったりするといったことを防止できる。とくに、時短当落判定処理は内部的な処理として実行されるため、時短機能が秘密裏に作動したり非作動になると遊技者に猜疑心を与える可能性がある。そこで、時短当落判定処理の結果および決定された時短回数を明示することにより、遊技者に安心感を与えることが可能となる。ただし、時短当落判定結果表示部33077および当選時短回数表示部33078の両方を備えることは必須ではなく、時短当落判定結果表示部33077および当選時短回数表示部33078のうちいずれか一方のみを備えていてもよいし、時短当落判定結果表示部33077および当選時短回数表示部33078のいずれも備えていなくてもよい。また、時短当落判定処理の結果を、時短当落判定結果表示部33077および液晶表示装置33016のうちいずれか一方にのみ表示するようにしてもよい。同様に、時短当落判定処理の結果に基づいて決定された時短回数を、当選時短回数表示部33078および液晶表示装置33016のうちいずれか一方にのみ表示するようにしてもよい。さらには、時短当落判定処理の結果を、時短当落判定結果表示部33077および液晶表示装置33016のいずれにも表示しないようにしてもよく、同様に、時短当落判定処理の結果に基づいて決定された時短回数を、当選時短回数表示部33078および液晶表示装置33016のいずれにも表示しないようにしてもよい。
[30−2.第2実施例]
第2実施例のパチンコ遊技機は、第1実施例のパチンコ遊技機と同様に、特別図柄抽選の結果が大当りでなかったとしても、時短遊技状態に制御可能なものである。以下において、第2実施例のパチンコ遊技機について、第1実施例のパチンコ遊技機と異なる点を主として説明、以下で言及しない部材および処理については、第1実施例のパチンコ遊技機と同様である。
なお、第2実施例のパチンコ遊技機について説明するにあたり、第1実施例のパチンコ遊技機と同じ構造を有する部材や同じ処理については、第1実施例のパチンコ遊技機と同じ符合やステップ番号を付すものとする。
第2実施例のパチンコ遊技機が第1実施例のパチンコ遊技機と大きく異なる点は、時短当落判定処理を実行可能な遊技状態が特定の遊技状態に限られる点、および、時短当りが発生した場合にセットされる時短回数が特定の回数の1種類のみである点である。本例では、例えば、時短フラグがOFFの遊技状態(例えば、通常遊技状態、高確非時短遊技状態)である場合、時短回数が30回に決定される。一方、例えば時短フラグがONの遊技状態(例えば、高確時短遊技状態、低確時短遊技状態)では、それまで(従前)の時短遊技状態が継続し、時短回数が新たにセットされない。なお、時短フラグがONの遊技状態では、時短当落判定処理を実行しないようにしてもよいし、時短当落判定処理については実行するものの時短当落判定処理の結果に基づいて時短回数が新たにセットされないようにしてもよい。
[30−2−2.特別図柄変動開始処理]
図731は、第2実施例に係るパチンコ遊技機のメインCPU33101により実行される特別図柄変動開始処理を示すフローチャートの一例であって、第1実施例の特別図柄変動開始処理(図730参照)を改変したものである。図731に示される特別図柄変動開始処理が図730に示される特別図柄変動開始処理と異なる点は、上述したとおり、特別図柄変動開始処理において、時短フラグがOFFである場合(ステップS11474AにおいてYESと判別された場合)に限り時短当落判定処理(ステップS11475A)を実行し、時短フラグがONである場合(ステップS11474AにおいてNOと判別された場合)に時短当落判定処理を実行しないようにした点である。この第2実施例に係るパチンコ遊技機において、メインCPU33101は、時短フラグがOFFの遊技状態(例えば、通常遊技状態、高確非時短遊技状態)である場合に時短当落判定処理を実行し、時短フラグがONにセットされている遊技状態(例えば、高確時短遊技状態、低確非時短遊技状態)である場合は時短当落判定処理を実行しないため、時短フラグがONにセットされている遊技状態である場合は、その遊技状態が継続される。
また、特別図柄遊技終了処理(図335参照)における遊技状態指定パラメータ設定処理(ステップS11562)において、メインCPU33101は、第1実施例と同様に、大当りの種類に応じて確変フラグをONにセットする処理(確変フラグをONにセットしない場合はこの処理を実行しない)、大当りの種類または時短当落判定処理の結果に応じて時短フラグをONにセットする処理(時短フラグをONにセットしない場合はこの処理を実行しない)、および、時短フラグをONにセットする場合は時短回数をセットする処理等を実行する。ただし、ここでセットされる時短回数は、第1実施例では特別図柄抽選の結果が大当りでない限り(すなわち、小当りまたはハズレである限り)、時短当落判定処理が行われたときの遊技状態に応じて決定された時短回数であるが、第2実施例では予め定められた特定の回数(例えば、30回)である。
すなわち、第2実施例では、メインCPU33101は、時短フラグがOFFの遊技状態(例えば、通常遊技状態(低確非時短遊技状態)、高確非時短遊技状態)において、始動口33420,33440A,33440Bへの遊技球の入賞(通過)に基づいて取得された時短当落判定用乱数値を用いて、特別図柄変動開始処理で時短当落判定処理(ステップS11475A)を実行し、この時短当落判定処理の結果が「時短当り」である場合、時短回数として特定の回数(例えば、30回)をセットする。
なお、この第2実施例においても、特別図柄変動開始処理において、特別図柄当り判定処理(ステップS11475)が実行される前に、時短当落判定処理(ステップS11475A)が実行される。ただし、これに限られない。
[30−2−3.作用効果、拡張例等]
このように、第2実施例のパチンコ遊技機では、大当り遊技状態に制御されなくとも、時短当落判定処理の結果が「時短当り」である場合に時短遊技状態に制御することが可能となり、これまでにない新たなパチンコ遊技機を提供することが可能となる。とくに、時短当落判定処理の結果が「時短当り」である都度、セットされる時短回数が予め定められた特定の回数(例えば、30回)の1種類のみとすることにより、時短当落判定処理の結果が「時短当り」である場合には必ず特定の回数の時短が付与されるといった安心感を遊技者に与えることが可能となる。
また、時短当落判定処理(ステップS11475A)は、特別図柄当り判定処理(ステップS11475)に用いられる大当り判定用乱数値とは別の乱数値(時短当落判定用乱数)を用いて実行されるだけでなく、特別図柄当り判定処理は別の抽選処理として実行されるため、遊技者の興味を、特別図柄当り判定処理だけでなく時短当落判定処理にも向けることができ、興趣を高めることが可能となる。
また、第2実施例のパチンコ遊技機では、時短当落判定処理(ステップS11475A)を、特別図柄当り判定処理(ステップS11475)に先だって実行している。このように、特別図柄当り判定処理に先だって実行された時短当落判定処理の結果が「時短当り」である場合、特別図柄当り判定処理に先だって時短フラグをONに設定するとともにこれにともなって時短回数をセットするようにするとよい。この場合、特別図柄当り判定処理の実行時には時短機能が作動していることとなる。そのため、例えば、特別図柄当り判定処理が実行されたときの遊技状態に応じてセットされる時短回数が異なる場合には(例えば、図726参照)、遊技者にとっての利益度合いが異なりうるため、興趣を高めることができる。
ただし、時短当落判定処理(ステップS11475A)を、特別図柄当り判定処理(ステップS11475)に先だって実行することに代えて、特別図柄当り判定処理(ステップS11475)が実行された以降に実行してもよい。この場合、時短当落判定処理の結果が特別図柄当り判定処理に影響を及ぼさない(すなわち、遊技者にとって有利となる影響も不利となる影響も及ぼさない)。そのため、少なくとも遊技者にとって不利益となることがないため、遊技者は安心して遊技を行うことができ、興趣の低下を抑制することができる。
また、この第2実施例において、時短当落判定処理(ステップS11475A)に用いられる時短当落判定用乱数値は、他の処理には用いられない専用乱数値であるため、他の処理の制約を受けることなく、例えば任意のタイミングで時短当落判定処理を実行することができ、時短当落判定処理を実行するにあたっての自由度を高めることが可能となる。
なお、特別図柄当り判定処理(ステップS11475)の結果が大当りである場合、メインCPU33101は、大当り種類決定テーブル(図726参照)を参照して当り時選択図柄コマンドに基づいて時短フラグをONにセットするか否かを決定し、時短当落判定処理(ステップS11475A)の結果に基づいて時短フラグをONにセットしない。
ここで、上記の「時短当落判定処理の結果に基づいて時短フラグをONにセットしない」とは、時短当落判定処理を特別図柄当り判定処理に先だって実行し、特別図柄当り判定処理の結果が大当りである場合、時短当落判定処理の結果が「時短当り」であったとしてもこれを無効にし(「時短当り」に基づいて時短フラグをONにセットせず)、当り時選択図柄コマンドに基づいて時短フラグをONにセットする(またはセットしない)。一方、時短当落判定処理を特別図柄当り判定処理が実行された後に実行し、特別図柄当り判定処理の結果が大当りである場合、時短当落判定処理の結果が「時短当り」であったとしてもこれを無効にして当り時選択図柄コマンドに基づいて時短フラグをONにセットしてもよいし、時短当落判定処理自体を実行しないようにしてもよい。なお、時短当落判定処理の結果に基づいて時短フラグをONにセットしないのは、特別図柄当り判定処理の結果が大当りである場合に限られず、特別図柄当り判定処理の結果が大当りであって且つこの大当りに基づいて時短フラグがONにセットされる場合としてもよい。
また、メインCPU33101は、特別図柄当り判定処理(ステップS11475)の結果が大当りであっても時短当落判定処理(ステップS11475A)を実行するようにしてもよい。特別図柄当り判定処理の結果が大当りである場合、大当り種類に応じて、大当り遊技状態の終了後に時短フラグがONにセットされる場合(例えば、図726に示されるように当り時選択図柄コマンド「z1」、「z2」、「z4」、「z5」の場合)と、当り遊技状態の終了後に時短フラグがONにセットされない場合(例えば、図726に示されるように当り時選択図柄コマンド「z0」、「z3」の場合)とがある。そこで、特別図柄当り判定処理の結果が大当りであっても時短フラグONにセットされない大当りである場合、メインCPU33101は、時短当落判定処理の結果が「時短当り」であれば、大当り遊技状態の終了後、「時短当り」に基づいて時短フラグをONにセットするとともに決定された時短回数をセットするようにしてもよい。ただし、この第2実施例では、時短フラグがONの遊技状態(例えば、低確時短遊技状態、高確時短遊技状態)では時短当落判定処理が実行されず、時短フラグがOFFの遊技状態(例えば、通常遊技状態、高確非時短遊技状態)において時短当落判定処理が実行される。
なお、サブCPU33201は、時短当落判定処理の結果が「時短当り」であるのか「時短ハズレ」であるのかを外観で把握することが可能または容易な演出画像(例えば、装飾図柄の変動演出やキャラクタによる表示演出等)を、液晶表示装置33016に表示する制御を実行することが好ましい。この場合、特別図柄抽選の結果とは別に、時短当落判定処理の結果が液晶表示装置33016に表示されるため、興趣の低下を抑制することが可能となる。
また、時短当落判定処理の結果が「時短当り」であるのか「時短ハズレ」であるのかを外観で把握することが可能または容易な演出画像を液晶表示装置33016に表示することに代えて、時短当落判定処理の結果が「時短当り」であるのか「時短ハズレ」であるのかを外観で把握することが不可能または困難な演出画像(例えば、装飾図柄の変動演出やキャラクタによる表示演出等)を液晶表示装置33016に表示する制御を実行してもよい。この場合、時短当落判定処理の結果が開示されるまで、興趣を維持することが可能となる。
また、第1条件成立時は、時短当落判定処理の結果が「時短当り」であるのか「時短ハズレ」であるのかを外観で把握することが可能または容易な演出画像を液晶表示装置33016に表示し、第2条件成立時は、時短当落判定処理の結果が「時短当り」であるのか「時短ハズレ」であるのかを外観で把握することが不可能または困難な演出画像を液晶表示装置33016に表示するようにしてもよい。
また、一般的なパチンコ遊技機では、特別図柄抽選の結果が大当りであった場合、サブCPU33201は、大当り遊技状態において推奨される遊技球の発射方法として例えば右打ち指示を示す演出画像が液晶表示装置33016に表示されるよう制御する。この点、本実施例では、特別図柄抽選の結果が大当りでなかった(例えば、ハズレであった)としても、時短当落判定処理の結果が「時短当り」である場合、サブCPU33201は、時短機能が作動した場合に推奨される遊技球の発射方法として例えば右打ち指示を示す演出画像が液晶表示装置33106に表示されるよう制御する。ただし、時短当落判定処理の結果が「時短当り」である場合、時短機能が作動した場合に推奨される遊技球の発射方法を示す演出画像を、常に液晶表示装置33016に表示するようにしてもよいが、特定条件が成立した場合に限り表示するようにしてもよい。例えば、「時短当り」に基づいてセットされる時短回数が、所定回数以上(例えば2回以上)である場合には表示し、所定回数未満(例えば2回未満)である場合等には表示しないようにしてもよい。なお、上記の特定条件は、時短回数を条件とするものに限られず、適宜、任意の条件とすることができる。
また、本実施例において、特別図柄抽選の結果が大当りでなかった(例えば、ハズレであった)としても、時短当落判定処理の結果が「時短当り」である場合、サブCPU33201は、時短機能が作動した場合に推奨される遊技球の発射方法として例えば右打ち指示を示す演出画像が液晶表示装置33106に表示されるよう制御することが好ましい。とくに、この第2実施例では、時短当落判定処理の結果が「時短当り」である場合、特定の回数(例えば、30回)がセットされるため、推奨される遊技球の発射方法を示す演出画像を、常に液晶表示装置33016に表示することが好ましい。
また、特別図柄当り判定処理(ステップS11475)が実行される前に時短当落判定処理(ステップS11475A)が実行される場合、サブCPU33201は、「時短当り」となった状況下(すなわち、時短機能が作動した状態)で特別図柄当り判定処理が実行されるのか否かを、外観で把握可能または把握容易な演出画像を液晶表示装置33016に表示する制御を実行してもよい。
また、この第2実施例において、時短当落判定処理に用いる乱数値の種類、時短当落判定処理に用いる乱数値の取得タイミング、時短当落判定処理において時短当りと判定される条件、時短当落判定処理の実行タイミング、時短当落判定処理を実行可能な遊技状態、時短当り時にセットされる時短回数、時短遊技状態の開始タイミング、時短遊技状態の終了タイミング、時短当り確率、および、時短当落判定処理の結果表示、等の時短にかかわる処理をまとめると、以下のとおりである。なお、以下では第2実施例の拡張例についても記載しているがこれは一例であり、拡張例のまとめについては後述する。
(時短当落判定処理に用いる乱数値の種類)
第1実施例と同様、時短当落判定用乱数値を用いて時短当落判定処理を行ってもよいし、これに限られず、例えば、特別図柄決定用乱数値、普通当り判定用乱数値、普通図柄決定用乱数値、および、特別図柄転落判定用乱数値を含む乱数値のうち、いずれか一つまたは複数の乱数値を用いて時短当落判定処理を行うようにしてもよい。また、遊技者にとっての有利度合いが異なる複数の設定値のうちいずれか一の設定値に基づいて遊技が進行するパチンコ遊技機であれば、設定変更時に、変更後の設定値を用いて時短当落判定処理を行うようにしてもよい。
このように、例えば特別図柄決定用乱数値、普通当り判定用乱数値または普通図柄決定用乱数値のように既存の乱数値を用いて時短当落判定処理(ステップS11475A)を実行することにより、徒に乱数を増やす必要がないため、制御負荷を抑制しつつ、これまでになかった新たな処理を実行することができ、興趣を高めることができる。とくに、例えば普通当り判定用乱数値等の乱数値は、普通図柄抽選のみしか用いられていなかったため、このような乱数を有効活用することで、制御負荷を抑制しつつゲーム性の幅を広げることができ、興趣を高めることができる。なお、時短当落判定処理の結果が「時短当り」である場合に決定される時短回数についても、上述の既存の乱数値を用いるとよい。
(時短当落判定処理に用いる乱数値の取得タイミング)
この第2実施例では、第1実施例と同様、時短当落判定処理に用いる時短当落判定用乱数値を、特別図柄抽選の契機となる始動口33420,33440A,33440Bへの遊技球の入賞(通過)に基づいて取得している。ただし、これに限られず、例えば、普通図柄抽選の契機となる普図ゲート33049への遊技球の通過時や、時短抽選口への遊技球の入賞(通過)時に取得するようにしてもよい。ここで、賞球の払い出しがある特定の入賞口を時短抽選口としてもよいし、賞球の払い出しがない特定のゲートや特定のアウト口を時短抽選口としてもよい。
また、始動口33420,33440A,33440Bへの遊技球の入賞(通過)に基づいて時短当落判定用乱数値を取得する場合、第1始動口33420および第2始動口33440A,33440Bのいずれに遊技球が入賞した場合であっても時短当落判定用乱数値を取得するようにすることは必須ではなく、第1実施例と同様、第1始動口33420および第2始動口33440A,33440Bのうちいずれか一方に遊技球が入賞した場合にのみ時短当落判定用乱数値を取得するようにしてもよい。
(時短当落判定処理において時短当りと判定される条件)
上述した第2実施例では、取得した時短当落判定用乱数値が特定の時短当落判定用乱数値(例えば、特定の時短当り判定値データ)であるときに時短当りと判定されるようにしているが、これに限られない。例えば、大当り判定用乱数値を用いて時短当落判定処理を実行する場合であれば、特定のハズレ判定値データ、特定の小当り判定値データまたは/および特定の大当り判定値データであるときに時短当りと判定されるようにしてもよいし、特別図柄決定用乱数値を用いて時短当落判定処理を実行する場合であれば、特定のハズレ図柄、特定の小当り図柄、特定の大当り図柄であるときに時短当たりと判定されるようにしてもよい。また、変更後の設定値を用いて時短当落判定処理を行うようにした場合、特定の設定値に変更された場合に時短当りと判定されるようにしてもよい。
(時短当落判定処理の実行タイミング)
第2実施例では、第1実施例と同様、特別図柄変動開始処理(図731参照)において、特別図柄当り判定処理(ステップS11475)が実行される前に、時短当落判定処理(ステップS11475A)が実行されるが、時短当落判定処理の実行タイミングはこれに限られない。例えば、特別図柄変動開始処理において、特別図柄当り判定処理が実行された後に、時短当落判定処理が実行されるようにしてもよい。さらには、特別図柄変動開始処理において時短当落判定処理を実行することに限らず、始動口33420,33440A,33440Bへの遊技球の入賞(通過)時、普図ゲート33049への遊技球の通過時、時短抽選口への遊技球の入賞(通過)時、始動口33420,33440A,33440Bに遊技球が入賞(通過)してから特別図柄変動開始処理が実行されるまでの任意のタイミング、普図ゲート33049を遊技球が通過してから普通図柄抽選が実行されるまでの任意のタイミング等で、時短当落判定処理を実行するようにしてもよい。
なお、始動口33420,33440A,33440Bへの遊技球の入賞(通過)に基づいて取得した時短当落判定用乱数値を用いて特別図柄変動開始処理(図731参照)において時短当落判定処理を実行する場合、メインCPU33101は、特別図柄の始動情報と同様に、取得した時短当落判定用乱数値を保留する。そして、メインCPU33101は、特別図柄変動開始処理において、取得した時短当落判定用乱数値を用いて時短当落判定処理を実行する。
一方、例えば時短抽選口に入賞する等の他の契機に基づいて時短当落判定用乱数値が取得される場合、または、特別図柄変動開始処理とは別のタイミングで時短当落判定処理が実行される場合、メインCPU33101は、次のように処理を実行することができる。例えば、メインCPU33101は、取得した時短当落判定用乱数値を保留し、所定条件の成立に基づいて、保留された時短当落判定用乱数値を用いて時短当落判定処理を実行するようにしてもよいし、時短当落判定用乱数値を取得するとただちに時短と当落判定処理を実行するようにしてもよい。
(時短当落判定処理を実行可能な遊技状態)
第2実施例では、時短フラグがOFFの遊技状態(例えば、通常遊技状態、高確非時短遊技状態)においてのみ時短当落判定処理が実行される。すなわち、時短フラグがOFFの遊技状態(例えば、通常遊技状態、高確非時短遊技状態)において、始動口33420,33440A,33440Bへの遊技球の入賞(通過)に基づいて時短当落判定用乱数値を取得し、この時短当落判定用乱数値を用いて時短当落判定処理が実行される。このように、時短フラグがONの遊技状態(例えば、低確時短遊技状態、高確時短遊技状態)では時短当落判定処理(ステップS11475A)が実行されず、時短フラグがOFFの遊技状態である場合に限り時短当落判定処理が実行されるため、制御負荷が徒に増大することを防ぐことが可能となる。
時短フラグがONの遊技状態(例えば、高確時短遊技状態、低確時短遊技状態)では、始動口33420,33440A,33440Bに遊技球が入賞(通過)したとしても時短当落判定処理が実行されない。この場合、始動口33420,33440A,33440Bへの遊技球の入賞(通過)に基づいて時短当落判定用乱数値を取得しないようにしてもよいし、始動口33420,33440A,33440Bへの遊技球の入賞(通過)に基づいて取得した時短当落判定用乱数値を破棄してもよいし、取得した時短当落判定用乱数値を用いて時短当落判定処理は実行されるものの、時短遊技状態の開始にかかわる処理(例えば、時短フラグをONにセットする処理、時短回数をセットする処理等)を実行せずに、時短当落判定処理をクリアするようにしてもよい。
(時短当り時にセットされる時短回数)
第2実施例では、時短当りが発生した場合にセットされる時短回数は、予め定められた特定の回数(例えば、30回)の1種類のみである。
(時短遊技状態の開始タイミング)
第2実施例において、時短遊技状態の開始タイミングは第1実施例と同様である。すなわち、特別図柄抽選(第1特別図柄抽選、第2特別図柄抽選)の結果がハズレである場合、特別図柄が確定する特別図柄確定時間が経過したことに基づいて時短遊技状態が開始される。また、特別図柄抽選の結果が小当りである場合、小当り遊技状態の終了(小当りにかかる動作の終了)に基づいて時短遊技状態が開始される。また、特別図柄抽選の結果が大当りである場合、大当り遊技状態の終了(大当りにかかる動作の終了)に基づいて時短遊技状態が開始される。
また、第2実施例では、第1実施例と同様、特別図柄変動開始処理(図731参照)において、特別図柄当り判定処理(ステップS11475)が実行される前に、時短当落判定処理(ステップS11475A)が実行される。この場合、第1実施例と同様、時短遊技状態の開始にかかわる処理を、特別図柄遊技終了処理において行うことに代えて、特別図柄当り判定処理(ステップS11475)が実行される前に行うようにしてもよい。
(時短遊技状態の終了タイミング)
また、第2実施例では、時短遊技状態が終了するタイミングは、ホ)時短遊技状態において、セットされた時短回数にわたって特別図柄の可変表示が実行された場合、ヘ)時短遊技状態における特別図柄抽選の結果に基づいて大当り遊技状態に制御された場合、等である。
なお、時短遊技状態における特別図柄抽選の結果に基づいて小当り遊技状態に制御された場合は、第1実施例と同様、小当り遊技状態に制御された後も時短遊技状態が継続する。
(時短当り確率)
第1実施例と同様、第1時短当落判定処理が行われた場合の時短当り確率よりも第2時短当落判定処理が行われた場合の時短当り確率の方を高くしてもよいし、第2時短当落判定処理が行われた場合の時短当り確率よりも第1時短当落判定処理が行われた場合の時短当り確率の方を高くしてもよいし、第1時短当落判定処理が行われた場合と第2時短当落判定処理が行われた場合とで時短当り確率を同じまたはほぼ同じ確率としてもよい。
(時短当落判定処理の結果表示)
上述した第2実施例では、第1実施例と同様、時短当落判定処理(ステップS11475A)の結果を時短当落判定結果表示部33077に表示するとともに液晶表示装置33016に表示し、時短当落判定処理の結果に基づいて決定された時短回数を当選時短回数表示部33078に表示するとともに液晶表示装置33016に表示するようにしてもよい。時短当落判定処理の結果および決定された時短回数を明示することにより、遊技者の知らないところで秘密裏に時短機能が作動したり非作動となったりするといったことを防止できる。とくに、時短当落判定処理は内部的な処理として実行されるため、時短機能が秘密裏に作動したり非作動になると遊技者に猜疑心を与える可能性がある。そこで、時短当落判定処理の結果および決定された時短回数を明示することにより、遊技者に安心感を与えることが可能となる。また、時短当落判定結果表示部33077および当選時短回数表示部33078のうちいずれか一方のみを備えていてもよいし、時短当落判定結果表示部33077および当選時短回数表示部33078のいずれも備えていなくてもよい。また、時短当落判定処理の結果を、時短当落判定結果表示部33077および液晶表示装置33016のうちいずれか一方にのみ表示するようにしてもよい。同様に、時短当落判定処理の結果に基づいて決定された時短回数を、当選時短回数表示部33078および液晶表示装置33016のうちいずれか一方にのみ表示するようにしてもよい。さらには、時短当落判定処理の結果を、時短当落判定結果表示部33077および液晶表示装置33016のいずれにも表示しないようにしてもよく、同様に、時短当落判定処理の結果に基づいて決定された時短回数を、当選時短回数表示部33078および液晶表示装置33016のいずれにも表示しないようにしてもよい。
[30−3.第3実施例]
第3実施例のパチンコ遊技機は、第1実施例および第2実施例のパチンコ遊技機と同様に、特別図柄抽選の結果が大当りでなかったとしても、時短遊技状態に制御可能なものである。以下において、第3実施例のパチンコ遊技機について、第1実施例のパチンコ遊技機と異なる点を主として説明、以下で言及しない部材および処理については、第1実施例のパチンコ遊技機と同様である。
なお、第3実施例のパチンコ遊技機について説明するにあたり、第1実施例のパチンコ遊技機と同じ構造を有する部材については、第1実施例のパチンコ遊技機と同じ符合を付すものとする。ただし、メインCPUにより実行される処理については、第1実施形態〜第27実施形態のパチンコ遊技機と同じステップ番号を付すものとする。そのため、メインCPU33101により実行される処理が第1実施例と同じ処理(後述する時短当落判定処理)であったとしても、第1実施例と異なる符号を付すものとする。
第3実施例のパチンコ遊技機が第1実施例のパチンコ遊技機と大きく異なる点は、始動口33420,33440A,33440Bへの遊技球の入賞(通過)時に特別図柄転落判定用乱数値を取得し、この取得した特別図柄転落判定用乱数値を用いた特別図柄転落判定処理が実行される点、および、取得した特別図柄転落判定用乱数値が特定の特別図柄転落判定用乱数値データである場合に「時短当り」となる点である。
[30−3−1.特別図柄変動開始処理]
図732は、第3実施例に係るパチンコ遊技機のメインCPU33101により実行される特別図柄変動開始処理を示すフローチャートの一例であって、第13実施形態の特別図柄変動開始処理(図341参照)を改変したものである。図732に示される特別図柄変動開始処理では、ステップS11825において特別図柄転落判定処理が実行される。このステップS11825の特別図柄転落判定処理は、第13実施形態において説明した特別図柄転落判定処理(図343参照)と同様の処理である。なお、第13実施形態では詳細を説明していないが、メインCPU33101は、始動口33420,33440A,33440Bへの遊技球の入賞(通過)に基づいて特別図柄転落判定用乱数値を取得し、この特別図柄転落判定用乱数値を用いて、ステップS11825の特別図柄転落判定処理を実行する。
また、図732に示されるように、メインCPU33101は、特別図柄転落判定処理(ステップS11825)を実行した後、ステップS11825Aの処理に移る。
ステップS11825Aにおいて、メインCPU33101は、時短当落判定処理を実行する。このステップS11825Aでは、始動口33420,33440A,33440Bへの遊技球の入賞(通過)に基づいて取得した特別図柄転落判定用乱数値を用いて時短当落判定処理が行われる。具体的には、取得した特別図柄転落判定用乱数値が特定の特別図柄転落判定用乱数値データであるか否かを判別し、特定の特別図柄転落判定用乱数値データである場合に「時短当り」と判別し、特定の特別図柄転落判定用乱数値データでない場合は「時短ハズレ」と判別する。
なお、特定の特別図柄転落判定用乱数値データは、特別図柄転落判定処理(ステップS11825)において、転落抽選当選であると判別される乱数値(すなわち、図343のステップS11853においてYESと判別される乱数値)であってもよいし、特別図柄転落判定処理において転落抽選落選であると判別される乱数値(例えば、図343のステップS11853においてNOと判別される乱数値)であってもよい。
[30−3−2.作用効果、拡張例等]
このように、第3実施例のパチンコ遊技機では、大当り遊技状態に制御されなくとも、時短当落判定処理の結果が「時短当り」である場合に時短遊技状態に制御することが可能となり、これまでにない新たなパチンコ遊技機を提供することが可能となる。また、高確率状態(例えば、高確時短遊技状態、高確非時短遊技状態)であったとしても、特別図柄転落判定処理(ステップS11825A)の結果に応じて高確率状態が終了しうるため、常に遊技者に緊張感を与えることができる。また、特別図柄転落判定処理は遊技者にとって不利となりうる抽選である一方、時短当落判定処理(ステップS11825A)は遊技者にとって有利となりうる抽選である。このように、遊技者にとって不利となりうる抽選(特別図柄転落判定処理)と、遊技者にとって有利となりうる抽選(時短当落判定処理)とを並行して実行可能とすることで、これまでにない新たな遊技性を備える遊技機を提供することが可能となる。とくに、例えば、高確率状態が終了するような状況下であっても、時短機能が作動する可能性に対する期待感を遊技者に与えることができるため、興趣を高めることが可能となる。
また、第3実施例のパチンコ遊技機では、時短当落判定処理(ステップS11825)を、特別図柄当り判定処理(ステップS11826)に先だって実行している。このように、特別図柄当り判定処理に先だって実行された時短当落判定処理の結果が「時短当り」である場合、特別図柄当り判定処理に先だって時短フラグをONに設定するとともにこれにともなって時短回数をセットするようにするとよい。この場合、特別図柄当り判定処理の実行時には時短機能が作動していることとなる。そのため、例えば、特別図柄当り判定処理が実行されたときの遊技状態に応じてセットされる時短回数が異なるようにした場合、遊技者にとっての利益度合いが異なりうるため、興趣を高めることができる。
ただし、時短当落判定処理(ステップS11825A)を、特別図柄当り判定処理(ステップS11826)に先だって実行することに代えて、特別図柄当り判定処理が実行された以降に実行してもよい。この場合、時短当落判定処理の結果が特別図柄当り判定処理に影響を及ぼさない(すなわち、遊技者にとって有利となる影響も不利となる影響も及ぼさない)。そのため、少なくとも遊技者にとって不利益となることがないため、遊技者は安心して遊技を行うことができ、興趣の低下を抑制することができる。
なお、特別図柄当り判定処理(ステップS11475)の結果が大当りである場合、メインCPU33101は、大当り種類決定テーブル(図726参照)を参照して当り時選択図柄コマンドに基づいて時短フラグをONにセットするか否かを決定し、時短当落判定処理(ステップS11475A)の結果に基づいて時短フラグをONにセットしない。
ここで、上記の「時短当落判定処理の結果に基づいて時短フラグをONにセットしない」とは、時短当落判定処理を特別図柄当り判定処理に先だって実行し、特別図柄当り判定処理の結果が大当りである場合、時短当落判定処理の結果が「時短当り」であったとしてもこれを無効にし(「時短当り」に基づいて時短フラグをONにセットせず)、当り時選択図柄コマンドに基づいて時短フラグをONにセットする(またはセットしない)。一方、時短当落判定処理を特別図柄当り判定処理が実行された後に実行し、特別図柄当り判定処理の結果が大当りである場合、時短当落判定処理の結果が「時短当り」であったとしてもこれを無効にして当り時選択図柄コマンドに基づいて時短フラグをONにセットしてもよいし、時短当落判定処理自体を実行しないようにしてもよい。なお、時短当落判定処理の結果に基づいて時短フラグをONにセットしないのは、特別図柄当り判定処理の結果が大当りである場合に限られず、特別図柄当り判定処理の結果が大当りであって且つこの大当りに基づいて時短フラグがONにセットされる場合としてもよい。
また、メインCPU33101は、特別図柄当り判定処理(ステップS11475)の結果が大当りであっても時短当落判定処理(ステップS11475A)を実行するようにしてもよい。特別図柄当り判定処理の結果が大当りである場合、大当り種類に応じて、大当り遊技状態の終了後に時短フラグがONにセットされる場合(例えば、図726に示されるように当り時選択図柄コマンド「z1」、「z2」、「z4」、「z5」の場合)と、当り遊技状態の終了後に時短フラグがONにセットされない場合(例えば、図726に示されるように当り時選択図柄コマンド「z0」、「z3」の場合)とがある。そこで、特別図柄当り判定処理の結果が大当りであっても時短フラグONにセットされない大当りである場合、メインCPU33101は、時短当落判定処理の結果が「時短当り」であれば、大当り遊技状態の終了後、「時短当り」に基づいて時短フラグをONにセットするとともに決定された時短回数をセットするようにしてもよい。
なお、サブCPU33201は、特別図柄転落判定用乱数を用いた時短当落判定処理の結果が「時短当り」であるのか「時短ハズレ」であるのかを外観で把握することが可能または容易な演出画像(例えば、装飾図柄の変動演出やキャラクタによる表示演出等)を、液晶表示装置33016に表示する制御を実行することが好ましい。この場合、特別図柄抽選の結果とは別に、時短当落判定処理の結果が液晶表示装置33016に表示されるため、興趣の低下を抑制することが可能となる。
また、特別図柄転落判定用乱数を用いた時短当落判定処理の結果が「時短当り」であるのか「時短ハズレ」であるのかを外観で把握することが可能または容易な演出画像を液晶表示装置33016に表示することに代えて、時短当落判定処理の結果が「時短当り」であるのか「時短ハズレ」であるのかを外観で把握することが不可能または困難な演出画像(例えば、装飾図柄の変動演出やキャラクタによる表示演出等)を液晶表示装置33016に表示する制御を実行してもよい。この場合、時短当落判定処理の結果が開示されるまで、興趣を維持することが可能となる。
また、第1条件成立時は、時短当落判定処理の結果が「時短当り」であるのか「時短ハズレ」であるのかを外観で把握することが可能または容易な演出画像を液晶表示装置33016に表示し、第2条件成立時は、時短当落判定処理の結果が「時短当り」であるのか「時短ハズレ」であるのかを外観で把握することが不可能または困難な演出画像を液晶表示装置33016に表示するようにしてもよい。
また、一般的なパチンコ遊技機では、特別図柄抽選の結果が大当りであった場合、サブCPU33201は、大当り遊技状態において推奨される遊技球の発射方法として例えば右打ち指示を示す演出画像が液晶表示装置33016に表示されるよう制御する。この点、本実施例では、特別図柄抽選の結果が大当りでなかった(例えば、ハズレであった)としても、時短当落判定処理の結果が「時短当り」である場合、サブCPU33201は、時短機能が作動した場合に推奨される遊技球の発射方法として例えば右打ち指示を示す演出画像が液晶表示装置33106に表示されるよう制御する。ただし、時短当落判定処理の結果が「時短当り」である場合、時短機能が作動した場合に推奨される遊技球の発射方法を示す演出画像を、常に液晶表示装置33016に表示するようにしてもよいが、特定条件が成立した場合に限り表示するようにしてもよい。例えば、「時短当り」に基づいてセットされる時短回数が、所定回数以上(例えば2回以上)である場合には表示し、所定回数未満(例えば2回未満)である場合等には表示しないようにしてもよい。なお、上記の特定条件は、時短回数を条件とするものに限られず、適宜、任意の条件とすることができる。
また、本実施例において、特別図柄抽選の結果が大当りでなかった(例えば、ハズレであった)としても、時短当落判定処理の結果が「時短当り」である場合、サブCPU33201は、時短機能が作動した場合に推奨される遊技球の発射方法として例えば右打ち指示を示す演出画像が液晶表示装置33106に表示されるよう制御することが好ましい。また、時短当落判定処理の結果が「時短当り」である場合、時短機能が作動した場合に推奨される遊技球の発射方法を示す演出画像を、常に液晶表示装置33016に表示するようにしてもよいし、特定条件が成立した場合に限り表示するようにしてもよい。例えば、「時短当り」に基づいてセットされる時短回数が都度異なるような場合には、セットされる時短回数が所定回数以上である場合には表示し、所定回数未満である場合等には表示しないようにしてもよい。なお、上記の特定条件は、時短回数を条件とするものに限られず、適宜、任意の条件とすることができる。
また、特別図柄当り判定処理(ステップS11826)が実行される前に時短当落判定処理(ステップS11825A)が実行される場合、サブCPU33201は、「時短当り」となった状況下(すなわち、時短機能が作動した状態)で特別図柄当り判定処理が実行されるのか否かを、外観で把握可能または把握容易な演出画像を液晶表示装置33016に表示する制御を実行してもよい。
また、この第3実施例において、時短当落判定処理に用いる乱数値の種類、時短当落判定処理に用いる乱数値の取得タイミング、時短当落判定処理において時短当りと判定される条件、時短当落判定処理の実行タイミング、時短当落判定処理を実行可能な遊技状態、時短当り時にセットされる時短回数、時短遊技状態の開始タイミング、時短遊技状態の終了タイミング、時短回数書き換えタイミング、時短当り確率、および、時短当落判定処理の結果表示、等の時短にかかわる処理をまとめると、以下のとおりである。なお、以下では第3実施例の拡張例についても記載しているがこれは一例であり、拡張例のまとめについては後述する。
(時短当落判定処理に用いる乱数値の種類)
第3実施例では、第1実施例および第2実施例とは異なり、特別図柄転落判定用乱数値を用いて時短当落判定処理を行うようにしたものである。
このように、特別図柄転落判定処理(ステップS11825)が実行されるパチンコ遊技機においては既存の乱数値である特別図柄転落判定用乱数値を用いて時短当落判定処理(ステップS11825A)を実行することにより、徒に乱数を増やす必要がないため、制御負荷を抑制しつつ、これまでになかった新たな処理を実行することができ、興趣を高めることができる。とくに、例えば特別図柄転落判定用乱数値は、特別図柄転落判定処理(ステップS11825)のみしか用いられていなかったため、このような乱数を有効活用することで、制御負荷を抑制しつつゲーム性の幅を広げることができ、興趣を高めることができる。なお、時短当落判定処理の結果が「時短当り」である場合に決定される時短回数についても、特別図柄転落判定用乱数値を用いるとよい。
(時短当落判定処理に用いる乱数値の取得タイミング)
この第3実施例では、時短当落判定処理に用いられる特別図柄転落判定用乱数値を、特別図柄抽選の契機となる始動口33420,33440A,33440Bへの遊技球の入賞(通過)に基づいて取得している。ただし、これに限られず、例えば、普通図柄抽選の契機となる普図ゲート33049への遊技球の通過時や、特別図柄転落判定専用口への遊技球の入賞(通過)時に取得するようにしてもよい。ここで、賞球の払い出しがある特定の入賞口を特別図柄転落判定専用口としてもよいし、賞球の払い出しがない特定のゲートや特定のアウト口を特別図柄転落判定専用口としてもよい。
また、始動口33420,33440A,33440Bへの遊技球の入賞(通過)に基づいて特別図柄転落判定用乱数値を取得する場合、第1始動口33420および第2始動口33440A,33440Bのいずれに遊技球が入賞した場合であっても特別図柄転落判定用乱数値を取得するようにすることは必須ではなく、第1始動口33420および第2始動口33440A,33440Bのうちいずれか一方に遊技球が入賞した場合にのみ特別図柄転落判定用乱数値を取得するようにしてもよい。
(時短当落判定処理において時短当りと判定される条件)
上述した第3実施例では、取得した特別図柄転落判定用乱数値が特定の特別図柄転落判定用乱数値データであるときに時短当りと判定されるようにしたものである。
(時短当落判定処理の実行タイミング)
第3実施例では、特別図柄変動開始処理(図732参照)において、特別図柄当り判定処理(ステップS11826)が実行される前に、時短当落判定処理(ステップS11825A)が実行されるが、時短当落判定処理の実行タイミングはこれに限られない。例えば、特別図柄変動開始処理において、特別図柄当り判定処理が実行された後に、時短当落判定処理が実行されるようにしてもよい。さらには、特別図柄変動開始処理において時短当落判定処理を実行することに限らず、特別図柄転落判定用乱数値を取得した後であれば、始動口33420,33440A,33440Bへの遊技球の入賞(通過)時、普図ゲート33049への遊技球の通過時、特別図柄転落判定専用口への遊技球の入賞(通過)時、始動口33420,33440A,33440Bに遊技球が入賞(通過)してから特別図柄変動開始処理が実行されるまでの任意のタイミング、普図ゲート33049を遊技球が通過してから普通図柄抽選が実行されるまでの任意のタイミング等で、時短当落判定処理を実行するようにしてもよい。
なお、この第3実施例では、特別図柄転落判定用乱数値を用いて時短当落判定処理を行うものの、特別図柄転落判定処理と時短当落判定処理とをほぼ同じタイミングで実行することは必須ではなく、特別図柄転落判定用乱数値を取得した後の任意のタイミングで時短当落判定処理を実行してもよい。例えば、特別図柄転落判定処理は特別図柄変動開始処理において実行されるものの、時短当落判定処理は始動口33420,33440A,33440Bへの遊技球の入賞(通過)時に実行されるようにしてもよい。
なお、特別図柄転落判定用乱数値を用いた時短当落判定処理が特別図柄変動開始処理(図732参照)において実行される場合、メインCPU33101は、始動情報として保留された特別図柄転落判定用乱数値を用いて時短当落判定処理を実行することができる。
一方、特別図柄転落判定用乱数値を用いた時短当落判定処理が特別図柄変動開始処理(図732参照)とは異なるタイミングで実行される場合、メインCPU33101は、始動情報として保留された特別図柄転落判定用乱数値を用いて時短当落判定処理を実行してもよいし(この場合、時短当落判定処理の実行後に特別図柄転落判定用乱数値をクリアしない)、取得した特別図柄転落判定用乱数値を始動情報とは別に保留することによって時短当落判定処理を実行してもよい。すなわち、取得した特別図柄転落判定用乱数値を、特別図柄転落判定処理および時短当落判定処理のいずれも用いることができれば、取得した特別図柄転落判定用乱数値を保留する態様はとくに限られない。さらに、時短当落判定処理については、始動口33420,33440A,33440Bへの遊技球の入賞(通過)に基づいて取得した特別図柄転落判定用乱数値をもちいてただちに実行し、特別図柄転落判定処理については保留された特別図柄転落判定用乱数値を用いて特別図柄変動開始処理において実行してもよい。
(時短当落判定処理を実行可能な遊技状態)
この第3実施例では、通常遊技状態、高確時短遊技状態、低確時短遊技状態および高確非時短遊技状態のいずれにおいても時短当落判定処理が実行されるようにしてもよいし、これに限られず、例えば、時短フラグがOFFの遊技状態(例えば、通常遊技状態(低確非時短遊技状態)、高確非時短遊技状態)や確変フラグおよび時短フラグのいずれもがOFFの通常遊技状態といった特定の遊技状態においてのみ時短当落判定処理が実行されるようにしてもよい。また、時短当落判定処理についてはいずれの遊技状態であっても行うものの、時短当落判定処理の結果が「時短当り」である場合に行う時短回数のセットを、例えば上述の特定の遊技状態でのみ行う(すなわち、例えば時短フラグがONである場合等の特定の遊技状態でない場合は時短回数をセットしない)ようにしてもよい。さらに、例えば、イ)いずれの遊技状態においても時短当落判定処理を実行する、ロ)特定の遊技状態においてのみ時短当落判定処理を実行する、といった時短当落判定処理を実行するための条件を予め定めて、この定められた条件を満たす場合に時短当落判定処理が実行されるようにしてもよい。
(時短当り時にセットされる時短回数)
この第3実施例では、時短当落判定処理(ステップS11825A)の結果が「時短当り」である場合、メインCPU33101は、セットする時短回数を、第1実施例と同様に時短当落判定処理が行われたときの遊技状態に応じて決定してもよいし、第2実施例と同様に予め定められた特定の回数に決定してもよい。
また、時短フラグがONの遊技状態(例えば、低確時短遊技状態、高確時短遊技状態)であっても時短当落判定処理(ステップS11825A)が実行されるようにし、この時短当落判定処理の結果が「時短当り」である場合、メインCPU33101は、「時短当り」に基づいて決定された時短回数を、時短残回数に代えて新たにセット(すなわち、時短残回数をリセット)するようにしてもよい。この場合、新たにセットされる時短回数が時短残回数よりも多いか少ないかによって遊技者にとっての利益度合いが変わることとなってゲーム性の幅が広がり、時短フラグがONの遊技状態に面白みを持たせることができ、興趣を高めることが可能となる。
また、時短フラグがONの遊技状態(例えば、低確時短遊技状態、高確時短遊技状態)であっても時短当落判定処理(ステップS11825A)が実行されるようにし、この時短当落判定処理の結果が「時短当り」である場合、メインCPU33101は、「時短当り」に基づいて決定された時短回数を、時短残回数に加算するようにしてもよい。この場合、現在の時短残回数よりも少なくなることがないため、遊技者は、時短フラグがONの遊技状態において安心して遊技を行うことができる。
また、時短フラグがONの遊技状態(例えば、低確時短遊技状態、高確時短遊技状態)であっても時短当落判定処理(ステップS11825A)が実行されるようにし、この時短当落判定処理の結果が「時短当り」である場合、メインCPU33101は、「時短当り」に基づいて決定された時短回数を時短残回数に代えて新たにセットする処理と、「時短当り」に基づいて決定された時短回数を時短残回数に加算する処理と、「時短当り」に基づいて決定された時短回数を新たにセットせず遊技状態を継続する処理とのうち、予めいずれかに定めて、この予め定められた条件を満たす態様で時短回数をセットするようにしてもよい。
なお、第1の時短フラグがONにセットされた場合と第2の時短フラグがONにセットされた場合とで機能が異なる時短機能を作動させるようにしたパチンコ遊技機において、時短当落判定処理(ステップS11825A)の結果が「時短当り」であった場合、メインCPU33101は、作動中の時短フラグと「時短当り」に基づいてセットされる時短フラグとが同じ機能の時短である場合と、作動中の時短フラグと「時短当り」に基づいてセットされる時短フラグとが異なる機能の時短である場合とで、時短回数をセットする処理を変えるようにしてもよい。例えば、作動中の時短フラグと「時短当り」に基づいてセットされる時短フラグとが同じ機能の時短である場合には、「時短当り」に基づいて決定された時短回数を時短残回数に加算し、作動中の時短フラグと「時短当り」に基づいてセットされる時短フラグとが異なる機能の時短である場合には、作動中の時短残回数に代えて、「時短当り」に基づいて決定された時短回数を新たにセット(すなわち、時短残回数をリセット)するようにしてもよい。また、作動中の時短フラグと「時短当り」に基づいてセットされる時短フラグとが異なる機能の時短である場合、作動中の時短残回数を全て消化した後に、「時短当り」に基づいて決定された時短フラグをONにセットするようにしてもよい。
また、時短当落判定処理の結果が「時短当り」であることに基づいて時短回数をセットする場合、時短回数が「0」にセットされる場合があり得るようにしてもよい。すなわち、セットされる時短回数が「0」に決定された場合、時短当落判定処理の結果が「時短当り」であるにもかかわらず、時短フラグがOFFにセットされる。また、時短遊技状態において時短当落判定処理の結果が「時短当り」であって且つ時短回数が「0」にセットされる場合、従前の時短遊技状態も終了することとなる。
(時短遊技状態の開始タイミング)
第3実施例において、時短遊技状態の開始タイミングは第1実施例や第2実施例と同様である。すなわち、特別図柄抽選(第1特別図柄抽選、第2特別図柄抽選)の結果がハズレである場合、特別図柄が確定する特別図柄確定時間が経過したことに基づいて時短遊技状態が開始される。また、特別図柄抽選の結果が小当りである場合、小当り遊技状態の終了(小当りにかかる動作の終了)に基づいて時短遊技状態が開始される。また、特別図柄抽選の結果が大当りである場合、大当り遊技状態の終了(大当りにかかる動作の終了)に基づいて時短遊技状態が開始される。
また、第3実施例では、第1実施例や第2実施例と同様、特別図柄変動開始処理(図732参照)において、特別図柄当り判定処理(ステップS11826)が実行される前に、時短当落判定処理(ステップS11825A)が実行される。この場合、第1実施例や第2実施例と同様、時短遊技状態の開始にかかわる処理を、特別図柄遊技終了処理において行うことに代えて、特別図柄当り判定処理(ステップS11826)が実行される前に行うようにしてもよい。
(時短遊技状態の終了タイミング)
また、第3実施例では、時短遊技状態が終了するタイミングは第1実施例と同様である。すなわち、ホ)時短遊技状態において、セットされた時短回数にわたって特別図柄の可変表示が実行された場合、ヘ)時短遊技状態における特別図柄抽選の結果に基づいて大当り遊技状態に制御された場合、ト)時短当落判定処理の結果が「時短当り」であったにもかかわらず時短回数が「0」にセットされた場合、等である。
なお、時短遊技状態における特別図柄抽選の結果に基づいて小当り遊技状態に制御された場合は、第1実施例や第2実施例と同様、小当り遊技状態に制御された後も時短遊技状態が継続する。
(時短回数書き換えタイミング)
時短フラグがONの遊技状態(例えば、高確時短遊技状態、低確時短遊技状態)において時短当落判定処理を実行し、この時短当落判定処理の結果が「時短当り」である場合、メインCPU33101は、時短回数を書き換えてもよいし、従前の時短回数の書き換えを行わずに従前の時短回数を消化すると時短遊技状態が終了する(すなわち、時短回数の書き換えを行わない)ようにしてもよい。
なお、時短回数を書き換える場合、メインCPU33101は、時短当りに基づいて決定された時短回数を、従前の時短回数を消化した時点で書き換えても(セットして)もよいし、大当り判定処理時にセットしてもよいし、特別図柄の変動開始時や変動停止時にセットしてもよいし、時短当落判定処理時にセットしてもよいし、さまざまなタイミングでセットすることができる。なお、時短当落判定処理時にセットする場合、時短当りに基づいて決定された時短回数を、従前の時短回数に上書きすることとなる。また、「時短回数を書き換える」および「従前の時短回数に加算する」のうち予めいずれかに定めて、この予め定められた条件を満たす態様で時短回数をセットするようにしてもよい。
(時短当り確率)
第3実施例では、第1始動口33420への遊技球の入賞(通過)に基づいて取得した特別図柄転落判定用乱数値を用いて時短当落判定処理が行われる場合の時短当り確率よりも、第2始動口33440A,33440Bへの遊技球の入賞(通過)に基づいて取得した特別図柄転落判定用乱数値を用いて時短当落判定処理が行われる場合の時短当り確率の方を高くしてもよい。また、第2始動口33440A,33440Bへの遊技球の入賞(通過)に基づいて取得した特別図柄転落判定用乱数値を用いて時短当落判定処理が行われる場合の時短当り確率よりも、第1始動口33420への遊技球の入賞(通過)に基づいて取得した特別図柄転落判定用乱数値を用いて時短当落判定処理が行われる場合の時短当り確率の方を高くしてもよい。さらには、第1始動口33420への遊技球の入賞(通過)に基づいて取得した特別図柄転落判定用乱数値を用いて時短当落判定処理が行われる場合と、第2始動口33440A,33440Bへの遊技球の入賞(通過)に基づいて取得した特別図柄転落判定用乱数値を用いて時短当落判定処理が行われる場合とで、時短当り確率を同じまたはほぼ同じ確率としてもよい。
(時短当落判定処理の結果表示)
上述した第3実施例では、第1実施例や第2実施例と同様、時短当落判定処理(ステップS11825A)の結果を時短当落判定結果表示部33077に表示するとともに液晶表示装置33016に表示し、時短当落判定処理の結果に基づいて決定された時短回数を当選時短回数表示部33078に表示するとともに液晶表示装置33016に表示するようにしてもよい。時短当落判定処理の結果および決定された時短回数を明示することにより、遊技者の知らないところで秘密裏に時短機能が作動したり非作動となったりするといったことを防止できる。とくに、時短当落判定処理は内部的な処理として実行されるため、時短機能が秘密裏に作動したり非作動になると遊技者に猜疑心を与える可能性がある。そこで、時短当落判定処理の結果および決定された時短回数を明示することにより、遊技者に安心感を与えることが可能となる。また、時短当落判定結果表示部33077および当選時短回数表示部33078のうちいずれか一方のみを備えていてもよいし、時短当落判定結果表示部33077および当選時短回数表示部33078のいずれも備えていなくてもよい。また、時短当落判定処理の結果を、時短当落判定結果表示部33077および液晶表示装置33016のうちいずれか一方にのみ表示するようにしてもよい。同様に、時短当落判定処理の結果に基づいて決定された時短回数を、当選時短回数表示部33078および液晶表示装置33016のうちいずれか一方にのみ表示するようにしてもよい。さらには、時短当落判定処理の結果を、時短当落判定結果表示部33077および液晶表示装置33016のいずれにも表示しないようにしてもよく、同様に、時短当落判定処理の結果に基づいて決定された時短回数を、当選時短回数表示部33078および液晶表示装置33016のいずれにも表示しないようにしてもよい。
[30−4.第4実施例]
第4実施例のパチンコ遊技機は、第1実施例〜第3実施例のパチンコ遊技機と同様に、特別図柄抽選の結果が大当りでなかったとしても、時短遊技状態に制御可能なものである。以下において、第4実施例のパチンコ遊技機について、第1実施例のパチンコ遊技機と異なる点を主として説明し、以下で言及しない部材および処理については、第1実施例のパチンコ遊技機と同様である。
なお、第4実施例のパチンコ遊技機について説明するにあたり、第1実施例のパチンコ遊技機と同じ構造を有する部材については、第1実施例のパチンコ遊技機と同じ符合を付すものとする。
第4実施例のパチンコ遊技機では、第1実施例のパチンコ遊技機のように時短当落判定用乱数値を用いて時短当落判定処理を実行するのではなく、特別図柄当り判定処理の結果がハズレである場合に、特別図柄決定用乱数値を用いて時短当落判定処理を実行する点で、第1実施例のパチンコ遊技機と大きく異なる。
[30−4−1.特別図柄判定テーブル]
図733は、第4実施例に係るパチンコ遊技機の特別図柄判定テーブルの一例である。この特別図柄判定テーブルは、メインCPU33101が特別図柄決定処理(例えば、図730のステップS11476参照)を実行する際に参照するテーブルである。
図733に示されるように、第4実施例に係るパチンコ遊技機の特別図柄判定テーブル(第1始動口、第2始動口)は、第1始動口33420あるいは第2始動口33440A,33440Bに遊技球が入賞した際に取得される特別図柄決定用乱数値と先述の当落判定値データとに基づいて、「当り時選択図柄コマンド」および「図柄指定コマンド」のみならず、「ハズレ時選択図柄コマンド」を決定するためにも参照されるテーブルである。例えば、第1始動口33420に遊技球が入賞し、当落判定値データが「ハズレ判定値データ」であって特別図柄決定用乱数値が「0」である場合には、ハズレ時選択図柄コマンドが「hz0」、「図柄指定コマンド」が「zA2」に決定される。「ハズレ時選択図柄コマンド」はハズレ図柄を指定するためのコマンドであり、ハズレ種類は、この「ハズレ時選択図柄コマンド」に応じて定められる。
[30−4−2.ハズレ種類決定テーブル]
図734は、第4実施例に係るパチンコ遊技機のハズレ種類決定テーブルの一例である。このハズレ種類決定テーブルは、特別図柄当り判定処理(例えば、図730のステップS11475参照)の結果がハズレである場合に、特別図柄決定処理(例えば、図730のステップS11476参照)において、先述のハズレ時選択図柄コマンドに基づいて、ハズレの種類(例えば、時短フラグをONにセットするか否か、時短フラグをONにセットする場合はセットする時短回数)を決定するために参照されるテーブルである。なお、時短フラグをONにセットするか否か、および、時短フラグをONにセットする場合にセットする時短回数は、特別図柄決定処理が実行された際の遊技状態に応じて異なる。例えば、通常遊技状態(低確非時短遊技状態)において実行された特別図柄当り判定の結果がハズレであって、特定のハズレ図柄(例えば、ハズレ時選択図柄コマンドが「hz0」)である場合、時短フラグがONにセットされ、セットされる時短回数は「20」に決定される。
図734の時短回数の欄に示される「−」は、時短フラグがONにセットされず且つ時短回数もセットされないことを示す。図734において、ハズレ時選択図柄コマンドが「hz0」、「hz1」または「hz3」である場合、時短当落判定処理の結果は「時短当り」である。また、ハズレ時選択図柄コマンドが「hz1」または「hz4」である場合、時短当落判定処理の結果は「時短ハズレ」である。なお、特別図柄決定処理が実行された際の遊技状態に応じて時短回数が異なることは必須ではなく、特別図柄決定処理が実行された際の遊技状態がいずれであるかにかかわらず、同じ時短回数に決定されるようにしてもよい。
なお、特別図柄当り判定処理の結果がハズレであって、ハズレ時選択図柄コマンドに基づいてハズレの種類を決定する場合、特別図柄決定処理(例えば、図730のステップS11476参照)において時短当落判定処理もあわせて実行することとなり、特別図柄記憶転送処理(ステップS11474)の次に、特別図柄当り判定処理(ステップS11475)が実行されることとなる。
また、第4実施例では、図733に示されるように、第1特別図柄決定用乱数値を用いて時短当落判定処理(すなわち、特別図柄決定処理)が実行された場合の時短当り確率(ハズレ時選択図柄コマンド「hz0」の選択率)よりも、第2特別図柄決定用乱数値を用いて時短当落判定処理が実行された場合の時短当り確率(ハズレ時選択図柄コマンド「hz2」の選択率および「hz3」の選択率の和)の方が高い。
[30−4−3.作用効果、拡張例等]
このように、第4実施例のパチンコ遊技機では、大当り遊技状態に制御されなくとも、時短当落判定処理の結果が「時短当り」である場合に時短遊技状態に制御することが可能となり、これまでにない新たなパチンコ遊技機を提供することが可能となる。とくに、特別図柄当り判定処理の結果がハズレである場合、取得された特別図柄決定用乱数を用いて特別図柄当り判定処理が実行されるため、これまでは遊技者に何らの利益も付与されずに落胆を与えるだけであったハズレに対しても面白みを持たせることが可能となり、遊技性の幅を広げることができ、興趣を高めることが可能となる。
なお、特別図柄抽選の結果がハズレである場合、サブCPU33201は、ハズレ種類(すなわち時短当落判定処理の結果)が「時短当り」(すなわち、ハズレ時選択図柄コマンド「hz0」、「hz2」または「hz3」)であるのか「時短ハズレ」(すなわち、ハズレ時選択図柄コマンド「hz1」または「hz4」)であるのかを外観で把握することが可能または容易な演出画像(例えば、装飾図柄の変動演出やキャラクタによる表示演出等)を、液晶表示装置33016に表示する制御を実行することが好ましい。この場合、特別図柄抽選の結果がハズレであったとしても、興趣の低下を抑制することが可能となる。
また、特別図柄抽選の結果がハズレである場合、時短当落判定処理の結果が「時短当り」であるのか「時短ハズレ」であるのかを外観で把握することが可能または容易な演出画像を液晶表示装置33016に表示することに代えて、時短当落判定処理の結果が「時短当り」であるのか「時短ハズレ」であるのかを外観で把握することが不可能または困難な演出画像(例えば、装飾図柄の変動演出やキャラクタによる表示演出等)を液晶表示装置33016に表示する制御を実行してもよい。この場合、特別図柄抽選の結果がハズレであったとしても、時短機能が作動する可能性があることに対する期待を維持することができ、興趣の低下を抑制することが可能となる。
また、特別図柄抽選の結果がハズレである場合、第1条件成立時は、時短当落判定処理の結果が「時短当り」であるのか「時短ハズレ」であるのかを外観で把握することが可能または容易な演出画像を液晶表示装置33016に表示し、第2条件成立時は、時短当落判定処理の結果が「時短当り」であるのか「時短ハズレ」であるのかを外観で把握することが不可能または困難な演出画像を液晶表示装置33016に表示するようにしてもよい。
また、本実施例において、特別図柄抽選の結果が大当りでなかった(例えば、ハズレであった)としても、時短当落判定処理の結果が「時短当り」である場合、サブCPU33201は、時短機能が作動した場合に推奨される遊技球の発射方法として例えば右打ち指示を示す演出画像が液晶表示装置33106に表示されるよう制御する。ただし、時短当落判定処理の結果が「時短当り」である場合、時短機能が作動した場合に推奨される遊技球の発射方法を示す演出画像を、常に液晶表示装置33016に表示するようにしてもよいが、特定条件が成立した場合に限り表示するようにしてもよい。例えば、「時短当り」に基づいてセットされる時短回数が、所定回数以上(例えば2回以上)である場合には表示し、所定回数未満(例えば2回未満)である場合等には表示しないようにしてもよい。なお、上記の特定条件は、時短回数を条件とするものに限られず、適宜、任意の条件とすることができる。
なお、特別図柄当り判定処理(ステップS11826)の結果が大当りである場合、メインCPU33101は、大当り種類決定テーブル(図726参照)を参照して当り時選択図柄コマンドに基づいて時短フラグをONにセットするか否かを決定し、時短当落判定処理(ステップS11825A)の結果に基づいて時短フラグをONにセットしない。
ここで、上記の「時短当落判定処理の結果に基づいて時短フラグをONにセットしない」とは、時短当落判定処理を特別図柄当り判定処理に先だって実行し、特別図柄当り判定処理の結果が大当りである場合、時短当落判定処理の結果が「時短当り」であったとしてもこれを無効にし(「時短当り」に基づいて時短フラグをONにセットせず)、当り時選択図柄コマンドに基づいて時短フラグをONにセットする(またはセットしない)。一方、時短当落判定処理を特別図柄当り判定処理が実行された後に実行し、特別図柄当り判定処理の結果が大当りである場合、時短当落判定処理の結果が「時短当り」であったとしてもこれを無効にして当り時選択図柄コマンドに基づいて時短フラグをONにセットしてもよいし、時短当落判定処理自体を実行しないようにしてもよい。なお、時短当落判定処理の結果に基づいて時短フラグをONにセットしないのは、特別図柄当り判定処理の結果が大当りである場合に限られず、特別図柄当り判定処理の結果が大当りであって且つこの大当りに基づいて時短フラグがONにセットされる場合としてもよい。
また、メインCPU33101は、特別図柄当り判定処理(ステップS11826)の結果が大当りであっても時短当落判定処理(ステップS11825A)を実行するようにしてもよい。特別図柄当り判定処理の結果が大当りである場合、大当り種類に応じて、大当り遊技状態の終了後に時短フラグがONにセットされる場合(例えば、図726に示されるように当り時選択図柄コマンド「z1」、「z2」、「z4」、「z5」の場合)と、当り遊技状態の終了後に時短フラグがONにセットされない場合(例えば、図726に示されるように当り時選択図柄コマンド「z0」、「z3」の場合)とがある。そこで、特別図柄当り判定処理の結果が大当りであっても時短フラグONにセットされない大当りである場合、メインCPU33101は、時短当落判定処理の結果が「時短当り」であれば、大当り遊技状態の終了後、「時短当り」に基づいて時短フラグをONにセットするとともに決定された時短回数をセットするようにしてもよい。
また、第4実施例のパチンコ遊技機は、第1実施例のパチンコ遊技機と同様に所謂同時変動機であるため、一方の特別図柄抽選(例えば、第1特別図柄抽選)の結果がハズレであって且つ特定のハズレ図柄(例えば、図734のハズレ種類決定テーブルに示されるハズレ時選択図柄コマンド「hz0」)であり、一方の特別図柄抽選の結果に基づく特別図柄の可変表示中に他方の特別図柄(例えば、第2特別図柄)の可変表示において大当りが導出される場合が生じうる。このような場合、メインCPU33101は、以下のとおり制御を実行する。なお、以下では、一方の特別図柄を第1特別図柄とし、他方の特別図柄を第2特別図柄として説明する。
第1特別図柄抽選の結果がハズレであって且つ特定のハズレ図柄(例えば、図734のハズレ種類決定テーブルに示されるハズレ時選択図柄コマンドが「hz0」)であり、第1特別図柄の可変表示中に第2特別図柄の可変表示において大当りが導出された場合、メインCPU33101は、第1特別図柄抽選の結果が特定のハズレ図柄であるにもかかわらず、この第1特別図柄を、通常のハズレ図柄(例えば、同ハズレ時選択図柄コマンドが「hz1」)で強制的に停止させる制御を実行する。このようにすることで、徒に複雑な制御を実行することなく、興趣の低下を抑制することが可能となる。
なお、メインCPU33101は、第1特別図柄抽選の結果が特定のハズレ図柄であるにもかかわらず第1特別図柄を通常のハズレ図柄で強制的に停止させることに代えて、第1特別図柄を、特定のハズレ図柄で強制的に停止させる制御を実行してもよい。このような場合であっても、徒に複雑な制御を実行することなく、興趣の低下を抑制することが可能となる。
さらに、メインCPU33101は、第2特別図柄の可変表示において大当りが導出されたことに基づいて第1特別図柄の可変表示時間の計測を停止し、第2特別図柄の可変表示において大当りが導出されたことに基づく大当り遊技状態の終了後、第1特別図柄の可変表示時間の計測を再開し、第1特別図柄の可変表示時間の経過に基づいて特定のハズレ図柄を導出するようにしてもよい。このようにした場合であっても、徒に複雑な制御を実行することなく、興趣の低下を抑制することが可能となる。
また、第1特別図柄抽選の結果がハズレであって且つ特定のハズレ図柄(例えば、図734のハズレ種類決定テーブルに示されるハズレ時選択図柄コマンド「hz0」)であり、第1特別図柄抽選の結果に基づく特別図柄の可変表示中に第2特別図柄の可変表示において小当りが導出される場合も生じうる。このような場合であっても、メインCPU33101は、第1特別図柄抽選の結果が特定のハズレ図柄であるにもかかわらず、この第1特別図柄を、通常のハズレ図柄(例えば、同ハズレ時選択図柄コマンドが「hz1」)で強制的に停止させる制御を実行してもよいし、特定のハズレ図柄で強制的に停止させる制御を実行してもよい。さらには、第1特別図柄の可変表示時間の計測を停止し、第2特別図柄の可変表示において小当りが導出されたことに基づく小当り遊技状態の終了後、第1特別図柄の可変表示時間の計測を再開し、第1特別図柄の可変表示時間の経過に基づいて特定のハズレ図柄を導出するようにしてもよい。
なお、第1特別図柄の可変表示中に、第2特別図柄の可変表示において大当りが導出される場合と小当りが導出される場合とで、同じ処理が実行されるようにしてもよいが、これは必須ではなく、上述した制御を適宜組み合わせて実行することができる。
また、第1特別図柄抽選の結果がハズレであって且つ特定のハズレ図柄(例えば、図734のハズレ種類決定テーブルに示されるハズレ時選択図柄コマンドが「hz0」)であり、この第1特別図柄の可変表示中に第2特別図柄の可変表示において特定のハズレ図柄(例えば、同ハズレ時選択図柄コマンドが「hz2」)が導出される場合も生じうる。このような場合、メインCPU33101は、第1特別図柄抽選の結果が特定のハズレ図柄であるにもかかわらず、この第1特別図柄を通常のハズレ図柄(例えば、同ハズレ時選択図柄コマンドが「hz1」)で強制的に停止させる制御を実行してもよい。この場合、メインCPU33101は、第2特別図柄の可変表示において特定のハズレ図柄が導出されたことに基づいて時短回数をセットする(時短フラグもONにセットする)。
また、第1特別図柄抽選の結果がハズレであって且つ特定のハズレ図柄(例えば、図734のハズレ種類決定テーブルに示されるハズレ時選択図柄コマンドが「hz0」)であり、第1特別図柄の可変表示中に第2特別図柄の可変表示において特定のハズレ図柄(例えば、同ハズレ時選択図柄コマンドが「hz2」)が導出された場合、メインCPU33101は、第1特別図柄を特定のハズレ図柄で強制的に停止させる制御を実行してもよい。この場合、メインCPU33101は、先に導出された特定のハズレ図柄(すなわち、第2特別図柄の可変表示において導出された特定のハズレ図柄)に基づいて時短回数をセットし(時短フラグもONにセットし)、後に導出された特定のハズレ図柄(すなわち、第1特別図柄の可変表示において導出された特定のハズレ図柄)を無効にしてもよい。また、後に導出された特定のハズレ図柄に基づいて時短回数をセットし(時短フラグもONにセットし)、先に導出された特定のハズレ図柄を無効にしてもよい。さらには、先に導出された特定のハズレ図柄に基づく時短回数と、後に導出された特定のハズレ図柄に基づく時短回数との合計回数にわたって時短制御を実行するようにしてもよい。
サブCPU33201による液晶表示装置33016の表示制御について説明する。特別図柄当り判定処理(ステップS11475)が実行される前に時短当落判定処理(ステップS11475A)が実行される場合、サブCPU33201は、「時短当り」となった状況下(すなわち、時短機能が作動した状態)で特別図柄当り判定処理が実行されるのか否かを、外観で把握可能または把握容易な演出画像を液晶表示装置33016に表示する制御を実行してもよい。
また、特別図柄抽選の結果がハズレであって且つ時短当落判定処理の結果が「時短当り」である場合、メインCPU33101は、当該ゲームにおいて特別図柄の変動表示を停止した後のインターバル時間を、特別図柄抽選の結果がハズレであって且つ時短当落判定処理の結果が「時短ハズレ」である場合の上記のインターバル時間よりも長くしてもよい。装飾図柄の変動表示は特別図柄の変動表示と同期するため、この場合、サブCPU33201は、上記のインターバル時間が経過するまでの間、「時短当り」であることを示す演出画像を液晶表示装置33016に表示することが好ましい。
なお、特別図柄抽選の結果がハズレであって且つ時短当落判定処理の結果が「時短当り」であったとしても、メインCPU33101は、当該ゲームにおいて特別図柄の変動表示を停止した後のインターバル時間を、特別図柄抽選の結果がハズレであって且つ時短当落判定処理の結果が「時短ハズレ」である場合の上記のインターバル時間と同じまたは略同じ時間としてもよい。この場合、サブCPU33201は、装飾図柄の変動表示中または装飾図柄を仮停止させた仮停止中に、「時短当り」であることを示す演出画像を液晶表示装置33016に表示することが好ましい。
また、この第4実施例において、時短当落判定処理に用いる乱数値の種類、時短当落判定処理に用いる乱数値の取得タイミング、時短当落判定処理において時短当りと判定される条件、時短当落判定処理の実行タイミング、時短当落判定処理を実行可能な遊技状態、時短当り時にセットされる時短回数、時短遊技状態の開始タイミング、時短遊技状態の終了タイミング、時短回数書き換えタイミング、時短当り確率、および、時短当落判定処理の結果表示、等の時短にかかわる処理をまとめると、以下のとおりである。なお、以下では第4実施例の拡張例についても記載しているがこれは一例であり、拡張例のまとめについては後述する。
(時短当落判定処理に用いる乱数値の種類)
第4実施例では、特別図柄決定用乱数値を用いて時短当落判定処理(すなわち特別図柄決定処理)を実行しているが、これに限られず、例えば、普通当り判定用乱数値や普通図柄決定用乱数値を用いて時短当落判定処理を実行するようにしてもよい。
このように、例えば特別図柄決定用乱数値、普通当り判定用乱数値または普通図柄決定用乱数値のように既存の乱数値を用いて時短当落判定処理(ステップS11475)を実行することにより、徒に乱数を増やす必要がないため、制御負荷を抑制しつつ、これまでになかった新たな処理を実行することができ、興趣を高めることができる。とくに、例えば普通当り判定用乱数値等の乱数値は、普通図柄抽選のみしか用いられていなかったため、このような乱数を有効活用することで、制御負荷を抑制しつつゲーム性の幅を広げることができ、興趣を高めることができる。なお、時短当落判定処理の結果が「時短当り」である場合に決定される時短回数についても、上述の既存の乱数値を用いるとよい。
(時短当落判定処理に用いる乱数値の取得タイミング)
この第4実施例では、時短当落判定処理(すなわち、特別図柄決定処理)に用いる特別図柄決定用乱数値を、特別図柄抽選の契機となる始動口33420,33440A,33440Bへの遊技球の入賞(通過)に基づいて取得している。特別図柄決定用乱数値を用いて時短当落判定処理を実行する限り、時短当落判定処理に用いられる乱数値(すなわち、特別図柄決定用乱数値)は、特別図柄抽選の契機となる始動口33420,33440A,33440Bへの遊技球の入賞(通過)に基づいて取得される。
また、特別図柄決定用乱数値を用いて時短当落判定処理を実行する場合、第1始動口33420への遊技球の入賞(通過)に基づいて取得された特別図柄決定用乱数値(以下、「第1特別図柄決定用乱数値」と称する)および第2始動口33440A,33440Bへの遊技球の入賞(通過)に基づいて取得された特別図柄決定用乱数値(以下、「第2特別図柄決定用乱数値」と称する)のいずれについても時短当落判定処理を実行することは必須ではない。例えば、第1特別図柄決定用乱数値および第2特別図柄決定用乱数値のうちいずれか一方のみについて時短当落判定処理を実行するようにしてもよい。
(時短当落判定処理において時短当りと判定される条件)
上述した第4実施例では、取得した時短当落判定用乱数値が特定のハズレ図柄(例えば、特定のハズレ時選択図柄コマンド)であるときに時短当りと判定されるようにしたものである。
(時短当落判定処理の実行タイミング)
第4実施例では、特別図柄変動開始処理(例えば、図730参照)において、特別図柄当り判定処理(ステップS11475)が実行された後に、時短当落判定処理すなわち特別図柄決定処理(ステップS11476)が実行されるが、時短当落判定処理の実行タイミングはこれに限られない。例えば、特別図柄変動開始処理において、特別図柄当り判定処理が実行される前に、時短当落判定処理が実行されるようにしてもよい。さらには、特別図柄変動開始処理において時短当落判定処理を実行することに限らず、特別図柄決定用乱数値を取得した後であれば、始動口33420,33440A,33440Bへの遊技球の入賞(通過)時、普図ゲート33049への遊技球の通過時、特定の入賞口や特定の通過口(例えば、特定の一般入賞口や特定のゲート等)への遊技球の入賞(通過)時、始動口33420,33440A,33440Bに遊技球が入賞(通過)してから特別図柄変動開始処理が実行されるまでの任意のタイミング、普図ゲート33049を遊技球が通過してから普通図柄抽選が実行されるまでの任意のタイミング等で、特別図柄決定用乱数値を用いた時短当落判定処理を実行するようにしてもよい。
なお、特別図柄決定用乱数値を用いた時短当落判定処理が特別図柄変動開始処理(図730参照)において実行される場合、メインCPU33101は、始動情報として保留された特別図柄決定用乱数値を用いて時短当落判定処理を実行することができる。ただし、特別図柄決定用乱数値を用いた時短当落判定処理が特別図柄変動開始処理と異なるタイミングで実行される場合、特別図柄決定処理については特別図柄変動開始処理で実行される。そのため、特別図柄決定用乱数値を用いた時短当落判定処理が特別図柄変動開始処理と異なるタイミングで実行される場合、メインCPU33101は、始動情報として保留された特別図柄決定用乱数値を用いて時短当落判定処理を実行してもよいし(この場合、時短当落判定処理の実行後に特別図柄決定用乱数値をクリアしない)、取得した特別図柄決定用乱数値を始動情報とは別に保留することによって時短当落判定処理を実行してもよい。すなわち、取得した特別図柄決定用乱数値を、特別図柄決定処理および時短当落判定処理のいずれも用いることができれば、取得した特別図柄決定用乱数値を保留する態様はとくに限られない。さらに、時短当落判定処理については、始動口33420,33440A,33440Bへの遊技球の入賞(通過)に基づいて取得した特別図柄決定用乱数値をもちいてただちに実行し、特別図柄決定処理については保留された特別図柄決定用乱数値を用いて特別図柄変動開始処理において実行するようにしてもよい。
(時短当落判定処理を実行可能な遊技状態)
第4実施例では、図734に示されるように、時短フラグがOFFの遊技状態(例えば、通常遊技状態(低確非時短遊技状態)、高確非時短遊技状態)においてのみ時短当落判定処理が実行される。すなわち、始動口33420,33440A,33440Bへの遊技球の入賞(通過)に基づいて特別図柄決定用乱数値を取得したとしても、時短フラグがOFFの遊技状態である場合に限り、取得した特別図柄決定用乱数値を用いて時短当落判定処理が実行される。時短フラグがONの遊技状態(例えば、高確時短遊技状態、低確時短遊技状態)では、時短当落判定処理が実行されない。この場合、取得した特別図柄決定用乱数値を用いて時短当落判定処理は実行されるものの、時短遊技状態の開始にかかわる処理(例えば、時短フラグをONにセットする処理、時短回数をセットする処理等)を実行せずに、時短当落判定処理をクリアするようにしてもよい。このように、時短フラグがONの遊技状態(例えば、低確時短遊技状態、高確時短遊技状態)では時短当落判定処理(ステップS11475A)が実行されず、時短フラグがOFFの遊技状態である場合に限り時短当落判定処理が実行されるため、制御負荷が徒に増大することを防ぐことが可能となる。
ただし、時短フラグがONの遊技状態(例えば、低確時短遊技状態、高確時短遊技状態)であっても時短当落判定処理(ステップS11825A)が実行されるようにし、この時短当落判定処理の結果が「時短当り」である場合、メインCPU33101は、「時短当り」に基づいて決定された時短回数を、時短残回数に代えて新たにセット(すなわち、時短残回数をリセット)するようにしてもよい。この場合、新たにセットされる時短回数が時短残回数よりも多いか少ないかによって遊技者にとっての利益度合いが変わることとなってゲーム性の幅が広がり、時短フラグがONの遊技状態に面白みを持たせることができ、興趣を高めることが可能となる。
また、時短フラグがONの遊技状態(例えば、低確時短遊技状態、高確時短遊技状態)であっても時短当落判定処理(ステップS11825A)が実行されるようにし、この時短当落判定処理の結果が「時短当り」である場合、メインCPU33101は、「時短当り」に基づいて決定された時短回数を、時短残回数に加算するようにしてもよい。この場合、現在の時短残回数よりも少なくなることがないため、遊技者は、時短フラグがONの遊技状態において安心して遊技を行うことができる。
また、時短フラグがONの遊技状態(例えば、低確時短遊技状態、高確時短遊技状態)であっても時短当落判定処理(ステップS11825A)が実行されるようにし、この時短当落判定処理の結果が「時短当り」である場合、メインCPU33101は、「時短当り」に基づいて決定された時短回数を時短残回数に代えて新たにセットする処理と、「時短当り」に基づいて決定された時短回数を時短残回数に加算する処理と、「時短当り」に基づいて決定された時短回数を新たにセットせず遊技状態を継続する処理とのうち、予めいずれかに定めて、この予め定められた条件を満たす態様で時短回数をセットするようにしてもよい。
なお、第1の時短フラグがONにセットされた場合と第2の時短フラグがONにセットされた場合とで機能が異なる時短機能を作動させるようにしたパチンコ遊技機において、時短当落判定処理(ステップS11825A)の結果が「時短当り」であった場合、メインCPU33101は、作動中の時短フラグと「時短当り」に基づいてセットされる時短フラグとが同じ機能の時短である場合と、作動中の時短フラグと「時短当り」に基づいてセットされる時短フラグとが異なる機能の時短である場合とで、時短回数をセットする処理を変えるようにしてもよい。例えば、作動中の時短フラグと「時短当り」に基づいてセットされる時短フラグとが同じ機能の時短である場合には、「時短当り」に基づいて決定された時短回数を時短残回数に加算し、作動中の時短フラグと「時短当り」に基づいてセットされる時短フラグとが異なる機能の時短である場合には、作動中の時短残回数に代えて、「時短当り」に基づいて決定された時短回数を新たにセット(すなわち、時短残回数をリセット)するようにしてもよい。また、作動中の時短フラグと「時短当り」に基づいてセットされる時短フラグとが異なる機能の時短である場合、作動中の時短残回数を全て消化した後に、「時短当り」に基づいて決定された時短フラグをONにセットするようにしてもよい。
(時短当り時にセットされる時短回数)
第4実施例では、時短当りが発生した場合にセットされる時短回数は、時短当落判定処理が行われたときの遊技状態とハズレ時選択図柄コマンド(すなわち、取得された特別図柄決定用乱数値)とに基づいて決定するようにしているが、これに限られず、予め定められた特定の回数に決定してもよい。
なお、時短フラグがONの遊技状態(例えば、高確時短遊技状態、低確時短遊技状態)においても時短当落判定処理を実行する場合、メインCPU33101は、時短フラグがONの遊技状態において実行した時短当落判定処理の結果が「時短当り」であるとき、この「時短当り」に基づいて決定された時短回数を、従前の時短回数に上書きするようにしてもよいし、従前の時短回数に加算するようにしてもよい。また、時短フラグがONの遊技状態において時短当落判定処理を実行し、この時短当落判定処理の結果が「時短当り」であることに基づいて決定された時短回数を、例えば、「従前の時短回数に上書きする」および「従前の時短回数に加算する」のうち予めいずれかに定めて、この予め定められた条件を満たす態様で時短回数をセットするようにしてもよい。
また、時短当落判定処理の結果が「時短当り」であることに基づいて時短回数をセットする場合、時短回数が「0」にセットされる場合があり得るようにしてもよい。すなわち、セットされる時短回数が「0」に決定された場合、時短当落判定処理の結果が「時短当り」であるにもかかわらず、時短フラグがOFFにセットされる。また、時短遊技状態において時短当落判定処理の結果が「時短当り」であって且つ時短回数が「0」にセットされる場合、従前の時短遊技状態も終了することとなる。
(時短遊技状態の開始タイミング)
第4実施例において、時短遊技状態の開始タイミングは第1実施例〜第3実施例と同様である。すなわち、特別図柄抽選(第1特別図柄抽選、第2特別図柄抽選)の結果がハズレである場合、特別図柄が確定する特別図柄確定時間が経過したことに基づいて時短遊技状態が開始される。また、特別図柄抽選の結果が小当りである場合、小当り遊技状態の終了(小当りにかかる動作の終了)に基づいて時短遊技状態が開始される。また、特別図柄抽選の結果が大当りである場合、大当り遊技状態の終了(大当りにかかる動作の終了)に基づいて時短遊技状態が開始される。
また、第4実施例では、第1実施例〜第3実施例と同様、特別図柄変動開始処理(例えば、図730参照)において、特別図柄当り判定処理(ステップS11475)が実行される前に、時短当落判定処理(ステップS11475A)が実行される。この場合、第1実施例〜第3実施例と同様、時短遊技状態の開始にかかわる処理を、特別図柄遊技終了処理において行うことに代えて、特別図柄当り判定処理(ステップS11475)が実行される前に行うようにしてもよい。
(時短遊技状態の終了タイミング)
また、第4実施例では、時短遊技状態が終了するタイミングは第1実施例や第3実施例と同様である。すなわち、ホ)時短遊技状態において、セットされた時短回数にわたって特別図柄の可変表示が実行された場合、ヘ)時短遊技状態における特別図柄抽選の結果に基づいて大当り遊技状態に制御された場合、ト)時短当落判定処理の結果が「時短当り」であったにもかかわらず時短回数が「0」にセットされた場合、等である。
なお、時短遊技状態における特別図柄抽選の結果に基づいて小当り遊技状態に制御された場合は、第1実施例〜第3実施例と同様、小当り遊技状態に制御された後も時短遊技状態が継続する。
(時短回数書き換えタイミング)
時短フラグがONの遊技状態(例えば、高確時短遊技状態、低確時短遊技状態)において時短当落判定処理を実行し、この時短当落判定処理の結果が「時短当り」である場合、メインCPU33101は、時短回数を書き換えてもよいし、従前の時短回数の書き換えを行わずに従前の時短回数を消化すると時短遊技状態が終了する(すなわち、時短回数の書き換えを行わない)ようにしてもよい。
なお、時短回数を書き換える場合、メインCPU33101は、時短当りに基づいて決定された時短回数を、従前の時短回数を消化した時点で書き換えても(セットして)もよいし、大当り判定処理時にセットしてもよいし、特別図柄の変動開始時や変動停止時にセットしてもよいし、時短当落判定処理時にセットしてもよいし、さまざまなタイミングでセットすることができる。なお、時短当落判定処理時にセットする場合、時短当りに基づいて決定された時短回数を、従前の時短回数に上書きすることとなる。また、「時短回数を書き換える」および「従前の時短回数に加算する」のうち予めいずれかに定めて、この予め定められた条件を満たす態様で時短回数をセットするようにしてもよい。
(時短当り確率)
第4実施例では、第1特別図柄決定用乱数値を用いて時短当落判定処理が実行された場合の時短当り確率(ハズレ時選択図柄コマンド「hz0」の選択率)よりも、第2特別図柄決定用乱数値を用いて時短当落判定処理が実行された場合の時短当り確率(ハズレ時選択図柄コマンド「hz2」の選択率および「hz3」の選択率の和)の方が高い。ただし、これに限られず、第2特別図柄決定用乱数値を用いて時短当落判定処理が実行された場合の時短当り確率よりも、第1特別図柄決定用乱数値を用いて時短当落判定処理が実行された場合の時短当り確率の方が高くなるようにしてもよいし、第1特別図柄決定用乱数値を用いて時短当落判定処理が実行された場合と第2特別図柄決定用乱数値を用いて時短当落判定処理が実行された場合とで時短当り確率を同じまたはほぼ同じ確率としてもよい。
(時短当落判定処理の結果表示)
上述した第4実施例では、第1実施例〜第3実施例と同様、時短当落判定処理(ステップS11475A)の結果を時短当落判定結果表示部33077に表示するとともに液晶表示装置33016に表示し、時短当落判定処理の結果に基づいて決定された時短回数を当選時短回数表示部33078に表示するとともに液晶表示装置33016に表示するようにしてもよい。時短当落判定処理の結果および決定された時短回数を明示することにより、遊技者の知らないところで秘密裏に時短機能が作動したり非作動となったりするといったことを防止できる。とくに、時短当落判定処理は内部的な処理として実行されるため、時短機能が秘密裏に作動したり非作動になると遊技者に猜疑心を与える可能性がある。そこで、時短当落判定処理の結果および決定された時短回数を明示することにより、遊技者に安心感を与えることが可能となる。また、時短当落判定結果表示部33077および当選時短回数表示部33078のうちいずれか一方のみを備えていてもよいし、時短当落判定結果表示部33077および当選時短回数表示部33078のいずれも備えていなくてもよい。また、時短当落判定処理の結果を、時短当落判定結果表示部33077および液晶表示装置33016のうちいずれか一方にのみ表示するようにしてもよい。同様に、時短当落判定処理の結果に基づいて決定された時短回数を、当選時短回数表示部33078および液晶表示装置33016のうちいずれか一方にのみ表示するようにしてもよい。さらには、時短当落判定処理の結果を、時短当落判定結果表示部33077および液晶表示装置33016のいずれにも表示しないようにしてもよく、同様に、時短当落判定処理の結果に基づいて決定された時短回数を、当選時短回数表示部33078および液晶表示装置33016のいずれにも表示しないようにしてもよい。
[30−5.第5実施例]
第5実施例のパチンコ遊技機は、第1実施例〜第4実施例のパチンコ遊技機と同様に、特別図柄抽選の結果が大当りでなかったとしても、時短遊技状態に制御可能なものである。また、第4実施例のパチンコ遊技機は、特別図柄当り判定処理の結果がハズレである場合に特別図柄決定用乱数値を用いて時短当落判定処理を実行するようにしたものであるが、この第5実施例のパチンコ遊技機は、特別図柄当り判定処理の結果が小当りである場合に特別図柄決定用乱数値を用いて時短当落判定処理を実行するようにしたものである。以下において、第5実施例のパチンコ遊技機について、第1実施例や第4実施例のパチンコ遊技機と異なる点を主として説明し、以下で言及しない部材および処理については、第1実施例や第4実施例のパチンコ遊技機と同様である。
なお、第5実施例のパチンコ遊技機について説明するにあたり、第1実施例や第4実施例のパチンコ遊技機と同じ構造を有する部材については、第1実施例や第4実施例のパチンコ遊技機と同じ符合を付すものとする。
[30−5−1.当り乱数判定テーブル]
図735は、第5実施例に係るパチンコ遊技機の当り乱数判定テーブルの一例である。図735に示されるとおり、第1始動口33420(例えば、図721参照)に遊技球が入賞(通過)したことに基づいて取得された大当り判定用乱数値を用いた第1特別図柄抽選では、抽選結果が「大当り」、「小当り」および「ハズレ」のうちいずれかに決定される。また、第2始動口33440A,33440Bに遊技球が入賞(通過)したことに基づいて取得された大当り判定用乱数値を用いた第2特別図柄抽選においても、抽選結果が「大当り」、「小当り」および「ハズレ」のうちいずれかに決定される。
メインROM33102に記憶される当り乱数判定テーブルには、第1始動口33420への入賞に基づいて実行される第1特別図柄抽選に用いられるデータとして、確変フラグの値(「0(=オフ)」又は「1(=オン)」)毎に、「大当り」、「小当り」又は「ハズレ」に決定される大当り判定用乱数値の範囲(幅)と、それに対応する当落判定値データ(「大当り判定値データ」、「小当り判定値データ」、「ハズレ判定値データ」)との関係が規定されている。
同様に、第2始動口33440A,33440Bへの入賞に基づいて実行される第2特別図柄抽選に用いられるデータとして、確変フラグの値(「0(=オフ)」又は「1(=オン)」)毎に、「大当り」、「小当り」又は「ハズレ」に決定される大当り判定用乱数値の範囲(幅)と、それに対応する当落判定値データ(「大当り判定値データ」、「小当り判定値データ」、「ハズレ判定値データ」)との関係が規定されている。
なお、図735には示されていないが、大当り確率または/および小当り確率は、低設定よりも高設定の方が高くなるように、設定値毎に異なるようにしても良い。この場合、例えば、大当り確率および小当り確率の両方を低設定よりも高設定の方が高くなるようにしてもよいし、小当り確率を設定値にかかわらず一定とし、大当り確率を低設定よりも高設定の方が高くなるようにしてもよいし、大当り確率を設定値にかかわらず一定とし、小当り確率を低設定よりも高設定の方が高くなるようにしてもよい。
[30−5−2.特別図柄判定テーブル]
図736は、第5実施例に係るパチンコ遊技機の特別図柄判定テーブルの一例である。この特別図柄判定テーブルは、メインCPU33101が特別図柄決定処理(例えば、図730のステップS11476参照)を実行する際に参照するテーブルである。
[30−5−3.当り種類決定テーブル]
図737は、第5実施例に係るパチンコ遊技機の当り種類決定テーブルの一例である。この当り種類決定テーブルは、特別図柄当り判定処理(例えば、図730のステップS11475参照)の結果が大当りまたは小当りである場合に、特別図柄決定処理(例えば、図730のステップS11476参照)において当りの種類を決定する際に参照するテーブルである。なお、図737の時短回数の欄に示される「0」は、時短フラグがOFFにセットされ且つ時短回数がセットされない(または「0」にセットされる)ことを示す。また、図737の時短回数の欄に示される「−」は、時短フラグがONにセットされず且つ時短回数もセットされない(「0」にもセットされない)ことを示す。
図737に示されるように、当り種類決定テーブルは、先述の当り時選択図柄コマンドに基づいて、特別図柄当り判定処理の結果が大当りである場合は大当りの種類(例えば、ラウンド数、確変フラグ、時短回数等)を、特別図柄当り判定処理の結果が小当りである場合は小当りの種類(例えば、時短回数)を、それぞれ決定するために参照されるテーブルである。特別図柄当り判定処理の結果が大当りおよび小当りのいずれの場合であっても、時短フラグをONにセットするか否か、および、時短フラグをONにセットする場合にセットする時短回数は、特別図柄決定処理が実行された際の遊技状態に応じて異なる。例えば、通常遊技状態(低確非時短遊技状態)において実行された特別図柄当り判定の結果が小当りであって、特定の当り図柄(例えば、当り時選択図柄コマンドが「z3」)である場合、時短フラグがONにセットされ、セットされる時短回数は「20」に決定される。ただし、特別図柄決定処理が実行された際の遊技状態に応じて時短回数が異なることは必須ではなく、特別図柄決定処理が実行された際の遊技状態がいずれであるかにかかわらず、同じ時短回数に決定されるようにしてもよい。また、本実施例では、小当り図柄に、時短フラグがONにセットされる小当り図柄(例えば、図737の当り種類決定テーブルに示される当り時選択図柄コマンド「z20」、「z8」、「z8」)と、時短フラグがONにセットされない小当り図柄(例えば、図737の当り種類決定テーブルに示される当り時選択図柄コマンド「z4」、「z10」)とが含まれているが、これに限られず、例えば、全ての小当り図柄を、時短フラグがONにセットされる小当り図柄としてもよい。また、第1特別図柄における小当り確率と第2特別図柄における小当り確率とを異ならせるとともに、全ての小当り図柄を時短フラグがONにセットされる小当り図柄とすることで、第1特別図柄抽選において時短フラグがONにセットされる確率と、第2特別図柄抽選において時短フラグがONにセットされる確率とが異なる確率となるようにしてもよい。または、小当り図柄の一部または全部、およびハズレ図柄の一部を、時短フラグがONにセットされる図柄としてもよい。また、小当り確率を設定値にかからず同一の確率とすることにより、時短当落判定処理において時短当りと判定される確率が設定値にかかわらず同一であるとともに、特別図柄当り判定処理の結果が大当りであることに基づいて時短フラグがONにセットされる確率が設定値に応じて異なるようにしてもよい。または、小当り図柄の一部または全部を、時短フラグがONにセットされる図柄としてもよい。
なお、特別図柄当り判定処理の結果が小当りであって、当り時選択図柄コマンドに基づいて当りの種類を決定する場合、特別図柄決定処理(例えば、図730のステップS11476参照)において時短当落判定処理もあわせて実行することとなり、特別図柄記憶転送処理(ステップS11474)の次に、特別図柄当り判定処理(ステップS11475)が実行されることとなる。
また、第5実施例では、図736に示されるように、第1特別図柄決定用乱数値を用いて時短当落判定処理(すなわち、ステップS11476の特別図柄決定処理)が実行された場合の時短当り確率(当り時選択図柄コマンド「z3」の選択率)よりも、第2特別図柄決定用乱数値を用いて時短当落判定処理が実行された場合の時短当り確率(当り時選択図柄コマンド「z8」の選択率および「z9」の選択率の和)の方が高い。
[30−5−4.作用効果、拡張例等]
このように、第5実施例のパチンコ遊技機では、大当り遊技状態に制御されなくとも、時短当落判定処理の結果が「時短当り」である場合に時短遊技状態に制御することが可能となり、これまでにない新たなパチンコ遊技機を提供することが可能となる。
なお、特別図柄抽選の結果が小当りである場合、サブCPU33201は、時短当落判定処理の結果が「時短当り」であるのか(すなわち、当り時選択図柄コマンドが「z3」、「z8」および「z9」のうちのいずれかであるのか)、「時短ハズレ」であるのか(すなわち、当り時選択図柄コマンドが「z4」または「z10」であるのか)を、外観で把握することが可能または容易な演出画像(例えば、装飾図柄の変動演出やキャラクタによる表示演出等)を、液晶表示装置33016に表示する制御を実行することが好ましい。この場合、特別図柄抽選の結果が大当りでなかったとしても、興趣の低下を抑制することが可能となる。
また、特別図柄抽選の結果が小当りである場合、時短当落判定処理の結果が「時短当り」であるのか「時短ハズレ」であるのかを外観で把握することが可能または容易な演出画像を液晶表示装置33016に表示することに代えて、時短当落判定処理の結果が「時短当り」であるのか「時短ハズレ」であるのかを外観で把握することが不可能または困難な演出画像(例えば、装飾図柄の変動演出やキャラクタによる表示演出等)を液晶表示装置33016に表示する制御を実行してもよい。この場合、特別図柄抽選の結果が大当りでなかったとしても、時短機能が作動する可能性があることに対する期待を維持することができ、興趣の低下を抑制することが可能となる。
また、特別図柄抽選の結果が小当りである場合、第1条件成立時は、時短当落判定処理の結果が「時短当り」であるのか「時短ハズレ」であるのかを外観で把握することが可能または容易な演出画像を液晶表示装置33016に表示し、第2条件成立時は、時短当落判定処理の結果が「時短当り」であるのか「時短ハズレ」であるのかを外観で把握することが不可能または困難な演出画像を液晶表示装置33016に表示するようにしてもよい。
また、本実施例において、特別図柄抽選の結果が大当りでなかった(例えば、小当りであった)としても、時短当落判定処理の結果が「時短当り」である場合、サブCPU33201は、時短機能が作動した場合に推奨される遊技球の発射方法として例えば右打ち指示を示す演出画像が液晶表示装置33106に表示されるよう制御する。ただし、時短当落判定処理の結果が「時短当り」である場合、時短機能が作動した場合に推奨される遊技球の発射方法を示す演出画像を、常に液晶表示装置33016に表示するようにしてもよいが、特定条件が成立した場合に限り表示するようにしてもよい。例えば、「時短当り」に基づいてセットされる時短回数が、所定回数以上(例えば2回以上)である場合には表示し、所定回数未満(例えば2回未満)である場合等には表示しないようにしてもよい。なお、上記の特定条件は、時短回数を条件とするものに限られず、適宜、任意の条件とすることができる。
また、第5実施例のパチンコ遊技機は、第1実施例のパチンコ遊技機と同様に所謂同時変動機であるため、一方の特別図柄抽選(例えば、第1特別図柄抽選)の結果が小当りであって且つ特定の小当り図柄(例えば、図737の当り種類決定テーブルに示される当り時選択図柄コマンド「z3」)であり、一方の特別図柄抽選の結果に基づく特別図柄の可変表示中に他方の特別図柄(例えば、第2特別図柄)の可変表示において大当りが導出される場合が生じうる。このような場合、メインCPU33101は、以下のとおり制御を実行する。なお、以下では、一方の特別図柄を第1特別図柄とし、他方の特別図柄を第2特別図柄として説明する。
第1特別図柄抽選の結果が小当りであって且つ特定の小当り図柄(例えば、図737の当り種類決定テーブルに示される当り時選択図柄コマンドが「z3」)であり、第1特別図柄の可変表示中に第2特別図柄の可変表示において大当りが導出された場合、メインCPU33101は、第1特別図柄抽選の結果が特定の小当り図柄であるにもかかわらず、この第1特別図柄を、通常の小当り図柄(例えば、同当り時選択図柄コマンドが「z4」)で強制的に停止させる制御を実行する。このようにすることで、徒に複雑な制御を実行することなく、興趣の低下を抑制することが可能となる。ただし、通常の小当り図柄で強制的に停止させることに代えて、時短機能が作動しないハズレ図柄で強制的に停止させるようにしてもよい。
なお、メインCPU33101は、第1特別図柄抽選の結果が特定の小当り図柄であるにもかかわらず第1特別図柄を通常の小当り図柄(またはハズレ図柄)で強制的に停止させることに代えて、第1特別図柄を、特定の小当り図柄で強制的に停止させる制御を実行してもよい。このような場合であっても、徒に複雑な制御を実行することなく、興趣の低下を抑制することが可能となる。
さらに、メインCPU33101は、第2特別図柄の可変表示において大当りが導出されたことに基づいて第1特別図柄の可変表示時間の計測を停止し、第2特別図柄の可変表示において大当りが導出されたことに基づく大当り遊技状態の終了後、第1特別図柄の可変表示時間の計測を再開し、第1特別図柄の可変表示時間の経過に基づいて特定の小当り図柄を導出するようにしてもよい。このようにした場合であっても、徒に複雑な制御を実行することなく、興趣の低下を抑制することが可能となる。
また、第1特別図柄抽選の結果が小当りであって且つ特定の小当り図柄(例えば、図737の当り種類決定テーブルに示される当り時選択図柄コマンドが「z3」)であり、第1特別図柄抽選の結果に基づく特別図柄の可変表示中に第2特別図柄の可変表示において小当りが導出される場合も生じうる。このような場合であっても、メインCPU33101は、第1特別図柄抽選の結果が特定の小当り図柄であるにもかかわらず、この第1特別図柄を、通常の小当り図柄(またはハズレ図柄)で強制的に停止させる制御を実行してもよいし、特定の小当り図柄で強制的に停止させる制御を実行してもよい。さらには、第1特別図柄の可変表示時間の計測を停止し、第2特別図柄の可変表示において小当りが導出されたことに基づく小当り遊技状態の終了後、第1特別図柄の可変表示時間の計測を再開し、第1特別図柄の可変表示時間の経過に基づいて特定の小当り図柄を導出するようにしてもよい。
なお、第1特別図柄の可変表示中に、第2特別図柄の可変表示において大当りが導出される場合と小当りが導出される場合とで、同じ処理が実行されるようにしてもよいが、これは必須ではなく、上述した制御を適宜組み合わせて実行することができる。
また、第1特別図柄抽選の結果が小当りであって且つ特定の小当り図柄(例えば、図737の当り種類決定テーブルに示される当り時選択図柄コマンドが「z3」)であり、この第1特別図柄の可変表示中に第2特別図柄の可変表示において特定の小当り図柄(例えば、同当り時選択図柄コマンドが「z8」)が導出される場合も生じうる。このような場合、メインCPU33101は、第1特別図柄抽選の結果が特定の小当り図柄であるにもかかわらず、この第1特別図柄を通常の小当り図柄(例えば、同当り時選択図柄コマンドが「z4」)で強制的に停止させる制御を実行してもよい。この場合、メインCPU33101は、第2特別図柄の可変表示において特定の小当り図柄が導出されたことに基づいて時短回数をセットする(時短フラグもONにセットする)。
また、第1特別図柄抽選の結果が小当りであって且つ特定の小当り図柄(例えば、図737の当り種類決定テーブルに示されるハズレ時選択図柄コマンドが「z3」)であり、第1特別図柄の可変表示中に第2特別図柄の可変表示において特定の小当り図柄(例えば、同ハズレ時選択図柄コマンドが「z8」)が導出された場合、メインCPU33101は、第1特別図柄を特定の小当り図柄で強制的に停止させる制御を実行してもよい。この場合、メインCPU33101は、先に導出された特定の小当り図柄(すなわち、第2特別図柄の可変表示において導出された特定の小当り図柄)に基づいて時短回数をセットし(時短フラグもONにセットし)、後に導出された特定の小当り図柄(すなわち、第1特別図柄の可変表示において導出された特定の小当り図柄)を無効にしてもよい。また、後に導出された特定の小当り図柄に基づいて時短回数をセットし(時短フラグもONにセットし)、先に導出された特定の小当り図柄を無効にしてもよい。さらには、先に導出された特定の小当り図柄に基づく時短回数と、後に導出された特定の小当り図柄に基づく時短回数との合計回数にわたって時短制御を実行するようにしてもよい。
また、一般的なパチンコ遊技機では、特別図柄抽選の結果が大当りであった場合、サブCPU33201は、大当り遊技状態において推奨される遊技球の発射方法として例えば右打ち指示を示す演出画像が液晶表示装置33016に表示されるよう制御する。この点、本実施例では、特別図柄抽選の結果が大当りでなかった(例えば、ハズレであった)としても、時短当落判定処理の結果が「時短当り」である場合、サブCPU33201は、時短機能が作動した場合に推奨される遊技球の発射方法として例えば右打ち指示を示す演出画像が液晶表示装置33106に表示されるよう制御する。ただし、時短当落判定処理の結果が「時短当り」である場合、時短機能が作動した場合に推奨される遊技球の発射方法を示す演出画像を、常に液晶表示装置33016に表示するようにしてもよいが、特定条件が成立した場合に限り表示するようにしてもよい。例えば、「時短当り」に基づいてセットされる時短回数が、所定回数以上(例えば2回以上)である場合には表示し、所定回数未満(例えば2回未満)である場合等には表示しないようにしてもよい。なお、上記の特定条件は、時短回数を条件とするものに限られず、適宜、任意の条件とすることができる。
また、特別図柄決定用乱数値を用いて時短当落判定処理を実行するものの、この時短当落判定処理を、特別図柄決定処理(ステップS11476)とは別のタイミングで実行してもよい。例えば、特別図柄当り判定処理(ステップS11475)が実行される前に時短当落判定処理を実行するようにした場合、サブCPU33201は、「時短当り」となった状況下(すなわち、時短機能が作動した状態)で特別図柄当り判定処理が実行されるのか否かを、外観で把握可能または把握容易な演出画像を液晶表示装置33016に表示する制御を実行してもよい。
また、特別図柄抽選の結果が小当りであって且つ時短当落判定処理の結果が「時短当り」である場合、メインCPU33101は、小当りにかかる動作終了後のインターバル時間を、特別図柄抽選の結果が小当りであって且つ時短当落判定処理の結果が「時短ハズレ」である場合の上記のインターバル時間よりも長くし、サブCPU33201は、上記のインターバル時間が経過するまでの間、「時短当り」であることを示す演出画像を液晶表示装置33016に表示することが好ましい。
なお、特別図柄抽選の結果が小当りであって且つ時短当落判定処理の結果が「時短当り」であったとしても、メインCPU33101は、小当りにかかる動作終了後のインターバル時間を、特別図柄抽選の結果が小当りであって且つ時短当落判定処理の結果が「時短ハズレ」である場合の上記のインターバル時間と同じまたは略同じ時間としてもよい。この場合、サブCPU33201は、装飾図柄の変動表示中または小当りにかかる動作中に、「時短当り」であることを示す演出画像を液晶表示装置33016に表示することが好ましい。
また、この第5実施例において、時短当落判定処理に用いる乱数値の種類、時短当落判定処理に用いる乱数値の取得タイミング、時短当落判定処理において時短当りと判定される条件、時短当落判定処理の実行タイミング、時短当落判定処理を実行可能な遊技状態、時短当り時にセットされる時短回数、時短遊技状態の開始タイミング、時短遊技状態の終了タイミング、時短回数書き換えタイミング、時短当り確率、および、時短当落判定処理の結果表示、等の時短にかかわる処理をまとめると、以下のとおりである。なお、以下では第5実施例の拡張例についても記載しているがこれは一例であり、拡張例のまとめについては後述する。
(時短当落判定処理に用いる乱数値の種類)
第5実施例では、特別図柄決定用乱数値を用いて時短当落判定処理(すなわち特別図柄決定処理)を実行しているが、これに限られず、例えば、普通当り判定用乱数値や普通図柄決定用乱数値を用いて時短当落判定処理を実行するようにしてもよい。
このように、例えば特別図柄決定用乱数値、普通当り判定用乱数値または普通図柄決定用乱数値のように既存の乱数値を用いて時短当落判定処理(ステップS11475)を実行することにより、徒に乱数を増やす必要がないため、制御負荷を抑制しつつ、これまでになかった新たな処理を実行することができ、興趣を高めることができる。とくに、例えば普通当り判定用乱数値等の乱数値は、普通図柄抽選のみしか用いられていなかったため、このような乱数を有効活用することで、制御負荷を抑制しつつゲーム性の幅を広げることができ、興趣を高めることができる。なお、時短当落判定処理の結果が「時短当り」である場合に決定される時短回数についても、上述の既存の乱数値を用いるとよい。
(時短当落判定処理に用いる乱数値の取得タイミング)
この第5実施例では、時短当落判定処理(すなわち、特別図柄決定処理)に用いる特別図柄決定用乱数値を、特別図柄抽選の契機となる始動口33420,33440A,33440Bへの遊技球の入賞(通過)に基づいて取得している。特別図柄決定用乱数値を用いて時短当落判定処理を実行する限り、時短当落判定処理に用いられる乱数値(すなわち、特別図柄決定用乱数値)は、特別図柄抽選の契機となる始動口33420,33440A,33440Bへの遊技球の入賞(通過)に基づいて取得される。
また、特別図柄決定用乱数値を用いて時短当落判定処理を実行する場合、第1始動口33420への遊技球の入賞(通過)に基づいて取得された特別図柄決定用乱数値(以下、「第1特別図柄決定用乱数値」と称する)および第2始動口33440A,33440Bへの遊技球の入賞(通過)に基づいて取得された特別図柄決定用乱数値(以下、「第2特別図柄決定用乱数値」と称する)のいずれについても時短当落判定処理を実行することは必須ではない。例えば、第1特別図柄決定用乱数値および第2特別図柄決定用乱数値のうちいずれか一方のみについて時短当落判定処理を実行するようにしてもよい。
(時短当落判定処理において時短当りと判定される条件)
上述した第5実施例では、取得した時短当落判定用乱数値が特定の当り図柄(例えば、特定の当り時選択図柄コマンド)であるときに時短当りと判定されるようにしたものである。
(時短当落判定処理の実行タイミング)
第5実施例では、特別図柄変動開始処理(例えば、図730参照)において、特別図柄当り判定処理(ステップS11475)が実行された後に、時短当落判定処理すなわち特別図柄決定処理(ステップS11476)が実行されるが、時短当落判定処理の実行タイミングはこれに限られない。例えば、特別図柄変動開始処理において、特別図柄当り判定処理が実行される前に、時短当落判定処理が実行されるようにしてもよい。さらには、特別図柄変動開始処理において時短当落判定処理を実行することに限らず、特別図柄決定用乱数値を取得した後であれば、始動口33420,33440A,33440Bへの遊技球の入賞(通過)時、普図ゲート33049への遊技球の通過時、特定の入賞口や特定の通過口(例えば、特定の一般入賞口や特定のゲート等)への遊技球の入賞(通過)時、始動口33420,33440A,33440Bに遊技球が入賞(通過)してから特別図柄変動開始処理が実行されるまでの任意のタイミング、普図ゲート33049を遊技球が通過してから普通図柄抽選が実行されるまでの任意のタイミング等で、特別図柄当り判定処理(例えば、図730のステップS11476参照)とは別に、時短当落判定処理を実行するようにしてもよい。
なお、特別図柄決定用乱数値を用いた時短当落判定処理が特別図柄変動開始処理(図730参照)において実行される場合、メインCPU33101は、始動情報として保留された特別図柄決定用乱数値を用いて時短当落判定処理を実行することができる。
一方、特別図柄決定用乱数値を用いた時短当落判定処理が特別図柄変動開始処理(図730参照)とは異なるタイミングで実行される場合、メインCPU33101は、始動情報として保留された特別図柄決定用乱数値を用いて時短当落判定処理を実行してもよいし(この場合、時短当落判定処理の実行後に特別図柄決定用乱数値をクリアしない)、取得した特別図柄決定用乱数値を始動情報とは別に保留することによって時短当落判定処理を実行してもよい。すなわち、取得した特別図柄決定用乱数値を、特別図柄決定処理および時短当落判定処理のいずれも用いることができれば、取得した特別図柄決定用乱数値を保留する態様はとくに限られない。さらに、時短当落判定処理については、始動口33420,33440A,33440Bへの遊技球の入賞(通過)に基づいて取得した特別図柄決定用乱数値をもちいてただちに実行し、特別図柄決定処理については保留された特別図柄決定用乱数値を用いて特別図柄変動開始処理において実行してもよい。
(時短当落判定処理を実行可能な遊技状態)
第5実施例では、図737に示されるように、特別図柄当り判定の結果が小当りである場合(例えば、当り時選択図柄コマンドが「z3」、「z8」または「z9」である場合)に実行される時短当落判定処理は、時短フラグがOFFの遊技状態(例えば、通常遊技状態(低確非時短遊技状態)、高確非時短遊技状態)においてのみ実行される。すなわち、始動口33420,33440A,33440Bへの遊技球の入賞(通過)に基づいて特別図柄決定用乱数値を取得したとしても、時短フラグがOFFの遊技状態である場合に限り、取得した特別図柄決定用乱数値を用いて時短当落判定処理が実行される。時短フラグがONの遊技状態(例えば、高確時短遊技状態、低確時短遊技状態)では、時短当落判定処理が実行されない。この場合、取得した特別図柄決定用乱数値を用いて時短当落判定処理は実行されるものの、時短遊技状態の開始にかかわる処理(例えば、時短フラグをONにセットする処理、時短回数をセットする処理等)を実行せずに、時短当落判定処理をクリアするようにしてもよい。このように、時短フラグがONの遊技状態(例えば、低確時短遊技状態、高確時短遊技状態)では時短当落判定処理(ステップS11475A)が実行されず、時短フラグがOFFの遊技状態である場合に限り時短当落判定処理が実行されるため、制御負荷が徒に増大することを防ぐことが可能となる。
ただし、時短フラグがONの遊技状態(例えば、低確時短遊技状態、高確時短遊技状態)であっても時短当落判定処理(ステップS11825A)が実行されるようにし、この時短当落判定処理の結果が「時短当り」である場合、メインCPU33101は、「時短当り」に基づいて決定された時短回数を、時短残回数に代えて新たにセット(すなわち、時短残回数をリセット)するようにしてもよい。この場合、新たにセットされる時短回数が時短残回数よりも多いか少ないかによって遊技者にとっての利益度合いが変わることとなってゲーム性の幅が広がり、時短フラグがONの遊技状態に面白みを持たせることができ、興趣を高めることが可能となる。
また、時短フラグがONの遊技状態(例えば、低確時短遊技状態、高確時短遊技状態)であっても時短当落判定処理(ステップS11825A)が実行されるようにし、この時短当落判定処理の結果が「時短当り」である場合、メインCPU33101は、「時短当り」に基づいて決定された時短回数を、時短残回数に加算するようにしてもよい。この場合、現在の時短残回数よりも少なくなることがないため、遊技者は、時短フラグがONの遊技状態において安心して遊技を行うことができる。
また、時短フラグがONの遊技状態(例えば、低確時短遊技状態、高確時短遊技状態)であっても時短当落判定処理(ステップS11825A)が実行されるようにし、この時短当落判定処理の結果が「時短当り」である場合、メインCPU33101は、「時短当り」に基づいて決定された時短回数を時短残回数に代えて新たにセットする処理と、「時短当り」に基づいて決定された時短回数を時短残回数に加算する処理と、「時短当り」に基づいて決定された時短回数を新たにセットせず遊技状態を継続する処理とのうち、予めいずれかに定めて、この予め定められた条件を満たす態様で時短回数をセットするようにしてもよい。
なお、第1の時短フラグがONにセットされた場合と第2の時短フラグがONにセットされた場合とで機能が異なる時短機能を作動させるようにしたパチンコ遊技機において、時短当落判定処理(ステップS11825A)の結果が「時短当り」であった場合、メインCPU33101は、作動中の時短フラグと「時短当り」に基づいてセットされる時短フラグとが同じ機能の時短である場合と、作動中の時短フラグと「時短当り」に基づいてセットされる時短フラグとが異なる機能の時短である場合とで、時短回数をセットする処理を変えるようにしてもよい。例えば、作動中の時短フラグと「時短当り」に基づいてセットされる時短フラグとが同じ機能の時短である場合には、「時短当り」に基づいて決定された時短回数を時短残回数に加算し、作動中の時短フラグと「時短当り」に基づいてセットされる時短フラグとが異なる機能の時短である場合には、作動中の時短残回数に代えて、「時短当り」に基づいて決定された時短回数を新たにセット(すなわち、時短残回数をリセット)するようにしてもよい。また、作動中の時短フラグと「時短当り」に基づいてセットされる時短フラグとが異なる機能の時短である場合、作動中の時短残回数を全て消化した後に、「時短当り」に基づいて決定された時短フラグをONにセットするようにしてもよい。
(時短当り時にセットされる時短回数)
第5実施例では、時短当りが発生した場合にセットされる時短回数は、時短当落判定処理が行われたときの遊技状態と当り時選択図柄コマンド(すなわち、取得された特別図柄決定用乱数値)とに基づいて決定するようにしているが、これに限られず、予め定められた特定の回数に決定してもよい。
なお、時短フラグがONの遊技状態(例えば、高確時短遊技状態、低確時短遊技状態)においても時短当落判定処理を実行する場合、メインCPU33101は、時短フラグがONの遊技状態において実行した時短当落判定処理の結果が「時短当り」であるとき、この「時短当り」に基づいて決定された時短回数を、従前の時短回数に上書きするようにしてもよいし、従前の時短回数に加算するようにしてもよい。また、時短フラグがONの遊技状態において時短当落判定処理を実行し、この時短当落判定処理の結果が「時短当り」であることに基づいて決定された時短回数を、例えば、「従前の時短回数に上書きする」および「従前の時短回数に加算する」のうち予めいずれかに定めて、この予め定められた条件を満たす態様で時短回数をセットするようにしてもよい。
また、時短当落判定処理の結果が「時短当り」であることに基づいて時短回数をセットする場合、時短回数が「0」にセットされる場合があり得るようにしてもよい。すなわち、セットされる時短回数が「0」に決定された場合、時短当落判定処理の結果が「時短当り」であるにもかかわらず、時短フラグがOFFにセットされる。また、時短遊技状態において時短当落判定処理の結果が「時短当り」であって且つ時短回数が「0」にセットされる場合、従前の時短遊技状態も終了することとなる。
(時短遊技状態の開始タイミング)
第5実施例において、時短遊技状態の開始タイミングは第1実施例〜第4実施例と同様である。すなわち、特別図柄抽選(第1特別図柄抽選、第2特別図柄抽選)の結果がハズレである場合、特別図柄が確定する特別図柄確定時間が経過したことに基づいて時短遊技状態が開始される。また、特別図柄抽選の結果が小当りである場合、小当り遊技状態の終了(小当りにかかる動作の終了)に基づいて時短遊技状態が開始される。また、特別図柄抽選の結果が大当りである場合、大当り遊技状態の終了(大当りにかかる動作の終了)に基づいて時短遊技状態が開始される。
また、第5実施例では、第1実施例〜第4実施例と同様、特別図柄変動開始処理(例えば、図730参照)において、特別図柄当り判定処理(ステップS11475)が実行される前に、時短当落判定処理(ステップS11475A)が実行される。この場合、第1実施例〜第4実施例と同様、時短遊技状態の開始にかかわる処理を、特別図柄遊技終了処理において行うことに代えて、特別図柄当り判定処理(ステップS11475)が実行される前に行うようにしてもよい。
(時短遊技状態の終了タイミング)
また、第5実施例では、時短遊技状態が終了するタイミングは第1実施例、第3実施例および第4実施例と同様である。すなわち、ホ)時短遊技状態において、セットされた時短回数にわたって特別図柄の可変表示が実行された場合、ヘ)時短遊技状態における特別図柄抽選の結果に基づいて大当り遊技状態に制御された場合、ト)時短当落判定処理の結果が「時短当り」であったにもかかわらず時短回数が「0」にセットされた場合、等である。
なお、時短遊技状態における特別図柄抽選の結果に基づいて小当り遊技状態に制御された場合は、第1実施例〜第4実施例と同様、小当り遊技状態に制御された後も時短遊技状態が継続する。
(時短回数書き換えタイミング)
時短フラグがONの遊技状態(例えば、高確時短遊技状態、低確時短遊技状態)において時短当落判定処理を実行し、この時短当落判定処理の結果が「時短当り」である場合、メインCPU33101は、時短回数を書き換えてもよいし、従前の時短回数の書き換えを行わずに従前の時短回数を消化すると時短遊技状態が終了する(すなわち、時短回数の書き換えを行わない)ようにしてもよい。
なお、時短回数を書き換える場合、メインCPU33101は、時短当りに基づいて決定された時短回数を、従前の時短回数を消化した時点で書き換えても(セットして)もよいし、大当り判定処理時にセットしてもよいし、特別図柄の変動開始時や変動停止時にセットしてもよいし、時短当落判定処理時にセットしてもよいし、さまざまなタイミングでセットすることができる。なお、時短当落判定処理時にセットする場合、時短当りに基づいて決定された時短回数を、従前の時短回数に上書きすることとなる。また、「時短回数を書き換える」および「従前の時短回数に加算する」のうち予めいずれかに定めて、この予め定められた条件を満たす態様で時短回数をセットするようにしてもよい。
また、時短フラグがONの遊技状態において行われた大当り判定処理の結果が大当りであって、大当りの種類に応じて時短回数が決定される場合、メインCPU33101は、従前の時短回数をリセットした上で、決定された時短回数をセットすることのみならず、決定された時短回数を従前の時短回数に上乗せする等してもよい。
(時短当り確率)
第5実施例では、第1特別図柄決定用乱数値を用いて時短当落判定処理が実行された場合の時短当り確率(当り時選択図柄コマンド「z3」の選択率)よりも、第2特別図柄決定用乱数値を用いて時短当落判定処理が実行された場合の時短当り確率(当り時選択図柄コマンド「z8」の選択率および「z9」の選択率の和)の方が高い。ただし、これに限られず、第2特別図柄決定用乱数値を用いて時短当落判定処理が実行された場合の時短当り確率よりも、第1特別図柄決定用乱数値を用いて時短当落判定処理が実行された場合の時短当り確率の方が高くなるようにしてもよいし、第1特別図柄決定用乱数値を用いて時短当落判定処理が実行された場合と第2特別図柄決定用乱数値を用いて時短当落判定処理が実行された場合とで時短当り確率を同じまたはほぼ同じ確率としてもよい。
(時短当落判定処理の結果表示)
上述した第5実施例では、第1実施例〜第4実施例と同様、時短当落判定処理(ステップS11475A)の結果を時短当落判定結果表示部33077に表示するとともに液晶表示装置33016に表示し、時短当落判定処理の結果に基づいて決定された時短回数を当選時短回数表示部33078に表示するとともに液晶表示装置33016に表示するようにしてもよい。時短当落判定処理の結果および決定された時短回数を明示することにより、遊技者の知らないところで秘密裏に時短機能が作動したり非作動となったりするといったことを防止できる。とくに、時短当落判定処理は内部的な処理として実行されるため、時短機能が秘密裏に作動したり非作動になると遊技者に猜疑心を与える可能性がある。そこで、時短当落判定処理の結果および決定された時短回数を明示することにより、遊技者に安心感を与えることが可能となる。また、時短当落判定結果表示部33077および当選時短回数表示部33078のうちいずれか一方のみを備えていてもよいし、時短当落判定結果表示部33077および当選時短回数表示部33078のいずれも備えていなくてもよい。また、時短当落判定処理の結果を、時短当落判定結果表示部33077および液晶表示装置33016のうちいずれか一方にのみ表示するようにしてもよい。同様に、時短当落判定処理の結果に基づいて決定された時短回数を、当選時短回数表示部33078および液晶表示装置33016のうちいずれか一方にのみ表示するようにしてもよい。さらには、時短当落判定処理の結果を、時短当落判定結果表示部33077および液晶表示装置33016のいずれにも表示しないようにしてもよく、同様に、時短当落判定処理の結果に基づいて決定された時短回数を、当選時短回数表示部33078および液晶表示装置33016のいずれにも表示しないようにしてもよい。
[30−6.第6実施例]
次に、第6実施例のパチンコ遊技機について説明する。この第6実施例のパチンコ遊技機は、特別図柄抽選(大当り判定)の結果が大当りであると大当り遊技状態に制御されるとともに、役物開放当りによって開放するVアタッカーに進入した遊技球がVアタッカー内のV入賞口に入賞したときにも大当り遊技状態に制御される、所謂1種・2種混合機と呼ばれるパチンコ遊技機である。このような1種・2種混合機では、第1特別図柄と第2特別図柄とを並行して変動表示させる必要はなく、入賞順に変動表示を実行する順次変動が行われる。ただし、第1特別図柄よりも第2特別図柄を優先して変動表示させるようにしてもよい。
なお、第6実施例のパチンコ遊技機について説明するにあたり、第1実施例と共通する部材等についての記載は省略するものとする。第1実施例のパチンコ遊技機は所謂第1種遊技機と呼ばれるパチンコ遊技機であり、所謂1種・2種混合機ではないが、第6実施例のパチンコ遊技機と第1実施例のパチンコ遊技機とで共通乃至類似する部材等があるため、このような共通する部材等についての記載を省略するものである。
また、第6実施例のパチンコ遊技機について説明するにあたり、第1実施例のパチンコ遊技機と共通する部材等であったとしても、第1実施例のパチンコ遊技機とは異なる符合やステップ番号を付すものとする。
[30−6−1.外観構成]
まず、図738を参照して、第6実施例のパチンコ遊技機のパチンコ遊技機の外観構成について説明する。図738は、第6実施例に係るパチンコ遊技機における遊技盤ユニットの正面図の一例である。
図738に示すように、遊技盤ユニット35017は、発射された遊技球が転動流下可能な遊技領域35020が形成された透明パネル35172を備える。
遊技領域35020の略中央には、例えばキャラクタによる演出画像や装飾図柄による変動演出が表示される液晶表示装置35016が設けられている。
液晶表示装置35016の例えば上方や右側方の周縁部には、後述するサブCPU35201によって作動制御される演出用役物36000が配置されている。
液晶表示装置35016の下方には第1始動口35420が設けられている。この第1始動口35420は、発射ハンドル(図示せず)の操作量が相対的に小さい場合に遊技球が流下する遊技領域35020の左側領域(例えば、液晶表示装置35016よりも左側の領域)を流下する遊技球が入賞可能に構成されている。第1始動口スイッチ35421(図740参照)は、遊技球の通過により第1始動口35420への遊技球の入賞を検出するものである。第1始動口35420への入賞により払い出される賞球数は例えば3個である。
また、遊技領域35020の左側領域には、一般入賞口35053が配置されている。
また、発射ハンドルの操作量が相対的に大きい場合に遊技球が流下する遊技領域35020の右側領域(例えば、液晶表示装置35016よりも右側の領域)には、遊技球が通過可能な普図ゲート35049が配置されている。
普図ゲート35049を遊技球が通過すると、メインCPU35101(後述の図740参照)は、普通図柄の始動情報(普通当り判定用乱数値や普通図柄決定用乱数値)を最大4個まで保留し、保留された順に普通図柄抽選を行う。メインCPU35101は、所定時間にわたって普通図柄の可変表示を行い、普通図柄抽選の結果を普通図柄表示部35071(後述する図739参照)に導出する。
普図ゲート35049の下流側には、V入賞装置35422が配置されている。V入賞装置35422は、V入賞装置35422の内部に遊技球が進入できるように開口された開閉入賞口39221と、開閉入賞口39221を開閉させることが可能なVアタッカー39222と、開閉入賞口39221からV入賞装置35422の内部に進入した遊技球が通過可能なV入賞口39223と、開閉入賞口39221からV入賞装置35422の内部に進入した遊技球のうちV入賞口39223を通過しなかった遊技球が通過可能なハズレ口39224と、V入賞口39223を開閉させるVシャッター39225とを備える。なお、V入賞装置35422は、普図ゲート35049よりも上流側に設けられていてもよい。
Vアタッカー39222は、弧状に沿った部材からなり、常には開閉入賞口39221を閉鎖している。そして、特別図柄の変動表示が停止して「役物開放当り」であることを示す図柄組合せが確定表示(導出)されると、特別図柄の変動表示が停止するとほぼ同時に、アタッカーソレノイド35427(後述する図740参照)の駆動によりVアタッカー39222が例えば1回作動する。Vアタッカー39222が1回作動すると開閉入賞口39221は例えば1800msec開放する。そして、Vアタッカー39222の作動により開閉入賞口39221が開放している間、V入賞装置35422の内部に進入可能な遊技球は、1回の開放あたり最大で例えば10個である。
V入賞装置35422の内部に遊技球が進入すると、後述するアタッカースイッチ35429により検出される。アタッカースイッチ35429によりV入賞装置35422の内部への遊技球の進入が検出されると、メインCPU35101は、払出・発射制御回路35300を介して例えば10個の賞球を払い出し、アタッカー入賞カウンタの値を加算する。アタッカー入賞カウンタが規定値に達すると、開閉入賞口39221を開放することができる最大時間(例えば1800msec)が経過していなくても、アタッカーソレノイド35427によりVアタッカー39222が駆動して開閉入賞口39221が閉鎖される。
V入賞口39223を開閉させるVシャッター39225は、Vシャッター用ソレノイド35431(後述する図740参照)の駆動により、V入賞口39223への遊技球の通過が不可能(又は困難)な閉鎖態様と、V入賞口39223への遊技球の通過が可能(又は容易)な開放態様との間で、常時一定動作を行っている。この第6実施例のパチンコ遊技機では、例えば、「6000msec閉鎖⇒1000msec開放⇒6000msec閉鎖」の動作を繰り返す7000msecのサイクル(周期)でVシャッター39225が常時一定動作を行っている。
また、V入賞口39223の上方には、V入賞装置35422の内部に進入した遊技球のうち1球のみを保持することができる係止部材39226を備えている。V入賞装置35422に複数の遊技球が進入した場合、上記の係止部材39226により1球のみが保持され、その他の遊技球はハズレ口39224から機外に排出される。また、係止部材39226は、Vアタッカー39222が作動してから一定時間(例えば3000msec)経過後に、図示しない係止用ソレノイドの駆動により遊技球の係止が解除される。係止部材39226における係止が解除された遊技球は、V入賞口39223に向けて落下し、このタイミングでV入賞口39223が開放されていればV入賞口39223に入賞(通過)し、このタイミングでV入賞口39223が閉鎖していればハズレ口39224を通過する。すなわち、V入賞装置35422の内部に遊技球が進入すると、ほぼ係止部材39226により1球の遊技球が保持されるため、V入賞装置35422の内部に進入した遊技球の個数にかかわらず、概ね7分の1の確率でV入賞口39223を遊技球が通過するよう構成されている。
V入賞口スイッチ35432は、遊技球の通過によりV入賞口39223への遊技球の通過を検出するものである。メインCPU35101は、Vアタッカー39222が開放してから所定時間(例えば4000msec)内にV入賞口39223への遊技球の通過を検出すると、Vアタッカー39222の開放制御が継続する。すなわち、役物開放当りによって最初に開放されるVアタッカー39222の開放制御を1ラウンドとする大当り遊技状態に制御される。
V入賞装置35422の内部に進入しなかった遊技球の流下方向としての下流側には、特別電動役物35600が設けられている。特別電動役物35600は、前後方向に進退可能なシャッタ35610、当該シャッタ35610を駆動する大入賞口ソレノイド35620(図739参照)および当該大入賞口ソレノイド35620の動力をシャッタ35610に伝達する動力伝達機構(不図示)を備える。特別電動役物35600は、大入賞口35540の上方に配置される。特別電動役物35600は、大入賞口ソレノイド35620によりシャッタ35610が駆動されることによって、大入賞口35540への遊技球の入賞を可能(又は容易)とする開放状態と、大入賞口35540への遊技球の入賞を不可能(又は困難)とする閉鎖状態と、に移行(駆動)可能に構成される。特別電動役物35600(シャッタ35610)による開放駆動は、第1特別図柄表示部35073又は第2特別図柄表示部35074(いずれも後述する図739参照)において特別図柄が大当りを示す停止表示態様が導出されて大当り遊技状態に移行された場合に行われる。なお、大当り遊技状態では時短機能が作動しない。
大入賞口35540に入賞しなかった遊技球の流下方向としての特別電動役物35600の下流側には、普通電動役物35460が設けられている。普通電動役物35460は、前後方向に進退させることで第2始動口35440を開閉させることが可能なシャッタ35442、当該シャッタ35442を駆動するソレノイド35464(後述する図740参照)および当該ソレノイド35464の動力をシャッタ35442に伝達する動力伝達機構(不図示)を備える。
普通電動役物35460は、ソレノイド35464によりシャッタ35442が駆動されることによって、第2始動口35440への遊技球の入賞が可能(又は容易)な開放状態と、第2始動口35440への遊技球の入賞が不可能(又は困難)な閉鎖状態との間で移行(駆動)可能に構成される。普通電動役物35460すなわちシャッタ35442は、普通図柄表示部35071(後述する図740参照)において普通図柄が特定の停止表示態様(普通当りを示す停止態様)となった場合に、所定の期間及び回数だけ行われる。なお、第2始動口35440への遊技球の入賞により払い出される賞球数は例えば1個である。
なお、右打ちされた遊技球のうち、V入賞装置35422、大入賞口35540および第2始動口35440のいずれにも入賞しなかった遊技球は、アウト口35057から機外に排出される。
また、透明パネル35172の右下部には、LEDユニット35070が配置されている。図739は、第6実施例のパチンコ遊技機が備えるLEDユニット35070を示す正面図の一例である。
図739に示されるように、LEDユニット35070は、各種の表示部を一体化したユニット体であり、参照符号は異なるものの、第1実施例に係るパチンコ遊技機のLEDユニット35070(例えば、図722参照)と同様の構成である。このLEDユニット35070は、第1実施例に係るパチンコ遊技機のLEDユニット35070と同様、時短当落判定結果表示部35077および当選時短回数表示部35078を備える。
第1実施例に係るパチンコ遊技機と同様、時短当落判定結果表示部35077は、表示LED35077a・35077bを備える。表示LED35077a・35077bは、後述する時短当落判定処理(時短抽選)の実行条件(例えば、第1特別図柄または第2特別図柄の変動開始条件)が成立すると、交互に点灯・消灯を繰り返す変動表示を開始する。そして、所定時間にわたって変動表示を行った後、時短当落判定処理の結果を表示するものである。例えば、時短当落判定処理の結果が後述する「時短当り」でこのある場合は例えば表示LED35077aが所定時間点灯し、時短当落判定処理の結果が例えば後述する「時短ハズレ」である場合は例えば表示LED35077bが所定時間点灯する。なお、所謂1種・2種混合機と呼ばれる第6実施例のパチンコ遊技機では、第1特別図柄と第2特別図柄とが並行して変動表示することはなく、第1特別図柄および第2特別図柄のうちいずれか一方のみが変動表示可能となっている。
当選時短回数表示部35078は、表示LED35078a・35078b・35078c・35078dを備える。当選時短回数表示部35078は、例えばこれら4個の表示LED35078a・35078b・35078c・35078dの点灯・消灯による組み合わせ(表示パターン)により、時短当落判定処理の結果に基づいて決定された時短回数を表示する。この場合、表示LED35078a・35078b・35078c・35078dによる点灯パターンとして、例えば、第1点灯パターンと、この第1点灯パターンと類似する第2点灯パターンとを設けて、時短当落判定処理の結果に基づいて決定された時短回数を、外観上把握し難くしてもよい。
なお、上述した液晶表示装置35016には、第1特別図柄表示部35073または/および第2特別図柄表示部35074の各表示に対応する装飾図柄、時短当落判定結果表示部35077の表示に対応する演出画像(例えば、時短当落判定の結果を示す演出画像)、当選時短回数表示部35078の表示に対応する演出画像(例えば、時短当落判定処理の結果に基づいて決定された時短回数を示す演出画像)等、さまざまな演出画像が表示される。
[30−6−2.電気的構成]
次に、図740を参照して、第6実施例のパチンコ遊技機のパチンコ遊技機の電気的構成について説明する。図740は、第6実施例に係るパチンコ遊技機の制御回路を示すブロック図の一例である。
図740に示すように、パチンコ遊技機は、主に、遊技の制御を行う主制御回路35100と、遊技の進行に応じた演出の制御を行うサブ制御回路35200と、払出・発射制御回路35300と、電源供給回路35338と、から構成される。
主制御回路35100は、メインCPU35101、メインROM35102(読み出し専用メモリ)及びメインRAM35103(読み書き可能メモリ)等を具備しており、主基板ケース内に収容されている。
メインCPU35101には、メインROM35102や、メインRAM35103等が接続される。メインCPU35101は、メインROM35102に記憶されたプログラムに従って、各種の処理を実行する機能を有する。
メインROM35102には、メインCPU35101によりパチンコ遊技機の動作を制御するためのプログラムや、各種のテーブル等が記憶されている。
メインRAM35103は、メインCPU35101の一時記憶領域として種々のフラグや変数の値を記憶する機能を有する。なお、本実施例においては、メインCPU35101の一時記憶領域としてメインRAM35103を用いているが、これに限らず、読み書き可能な記憶媒体であればよい。
メインRAM35103には、各種データを記憶する記憶領域が設けられる。
また、主制御回路35100は、電源投入時においてリセット信号を生成する初期リセット回路35104や、I/Oポート35105、コマンド出力ポート35106、バックアップコンデンサ35107等を具備する。初期リセット回路35104は、メインCPU35101に接続される。I/Oポート35105は、各種のデバイスからの入力信号をメインCPU35101に送信したり、メインCPU35101からの出力信号を各種の装置に送信したりするものである。コマンド出力ポート35106は、メインCPU35101からのコマンドをサブ制御回路35200に送信するものである。バックアップコンデンサ35107は、電断(電源OFF)時において、例えばメインRAM35103に対して速やかに電源を供給することにより、メインRAM35103に記憶されている各種データを保持するものである。
また、主制御回路35100には、各種のデバイスが接続されている。
例えば、主制御回路35100には、普通図柄表示部35071や、普通図柄用保留表示部35072、第1特別図柄表示部35073、第2特別図柄表示部35074、第1特別図柄用保留表示部35075、第2特別図柄用保留表示部35076、普通電動役物35460のシャッタ35442を駆動するソレノイド35464、特別電動役物35600のシャッタ35610を駆動する大入賞口ソレノイド35620、アタッカーソレノイド35427、Vシャッター用ソレノイド35431等が接続されている。主制御回路35100は、信号を送信することにより、これらのデバイスの動作を制御することができる。また、主制御回路35100には、ホール係員を呼び出す機能や大当り回数を表示する機能等を有する呼出装置(不図示)や、ホール全体のパチンコ遊技機を管理するホールコンピュータ35700にデータ送信するために用いる外部端子板35323が接続されている。
また、主制御回路35100には、第1始動口35420への遊技球の入賞(通過)を検出する第1始動口スイッチ35421や、第2始動口35440への遊技球の入賞(通過)を検出する第2始動口スイッチ35441、普図ゲート35049への遊技球の通過を検出する普図ゲートスイッチ35491、大入賞口35540への遊技球の入賞(通過)を検出する大入賞口スイッチ35541、V入賞装置35422の内部への遊技球の進入を検出するアタッカースイッチ35429、V入賞口39223への遊技球の通過を検出するV入賞口スイッチ35431、一般入賞口35053への遊技球の入賞(通過)を検出する一般入賞口スイッチ35531、性能表示モニタ35334、エラー報知モニタ35336等が接続されている。主制御回路35100には、これらの部材で遊技球が検出された場合に、当該部材から所定の検出信号が供給される。また、主制御回路35100には、電断時におけるバックアップデータを遊技場の管理者の操作に応じてクリアするバックアップクリアスイッチ35330等が接続されている。
さらに、主制御回路35100には、設定キー35328および設定スイッチ35332も接続されている。設定キー35328は、設定変更処理や設定確認処理を実行するための契機となる鍵または鍵に類するものである。設定スイッチ35332は、押下操作可能であり、後述の設定変更処理の際に、セットされている設定値を変更するためのものである。設定キー35328および設定スイッチ35332は、遊技機管理責任者以外の第三者(例えば遊技者)が容易にアクセスできないように主基板ケース内に収容されている。
また、主制御回路35100には、払出・発射制御回路35300が接続されている。払出・発射制御回路35300には、遊技球の払い出しを行う払出装置35340や、遊技球の発射を行う発射装置35015、カードユニット35360等が接続されている。カードユニット35360には、球貸し操作パネル35370が接続され、当該球貸し操作パネル35370への遊技者の操作に応じた信号が供給される。
払出・発射制御回路35300は、主制御回路35100から供給される賞球制御コマンドや、カードユニット35360から供給される貸し球制御信号を受け取ると、払出装置35340に対して所定の信号を送信し、払出装置35340に遊技球を払い出させる制御を行う。また、払出・発射制御回路35300は、発射ハンドル(図示せず)が遊技者によって握持され、かつ、時計回り方向へ回動操作されると、その回動角度(回動量)に応じて発射ソレノイド(図示せず)に電力を供給し、遊技球を発射させる制御を行う。
さらに、コマンド出力ポート35106には、サブ制御回路35200(コマンド入力ポート35208)が接続されている。サブ制御回路35200は、主制御回路35100から供給される各種のコマンドに応じて、液晶表示装置35016における表示制御や、スピーカ35024から発生させる音声に関する制御、LED35025の光に関する制御等を行う。
サブ制御回路35200は、サブCPU35201、プログラムROM35202、バックアップメモリとして機能するワークRAM35203、液晶表示装置35016等の各種表示装置に表示される演出画像を制御する表示制御回路35204、スピーカ35024から出力される演出音等を制御する音声制御回路35205、LED35025等による発光演出を制御するLED制御回路35206、特別図柄抽選等の結果に基づいて作動する演出用役物36000の作動を制御する役物制御回路35207およびコマンド入力ポート35208等を具備する。サブ制御回路35200は、主制御回路35100からの指令に応じて遊技の進行に応じた演出を実行する。また、サブ制御回路35200には、図示しないが、遊技者が操作可能な演出ボタン等も接続されている。
サブCPU35201は、プログラムROM35202に記憶されたプログラムに従って、各種の処理を実行する機能を有する。特に、サブCPU35201は、主制御回路35100から供給される各種のコマンドに従って、サブ制御回路35200の制御を行う。
プログラムROM35202には、サブCPU35201によりパチンコ遊技機の遊技演出を制御するためのプログラムや、各種のテーブル等が記憶されている。
なお、本実施例においては、プログラムやテーブル等が記憶される記憶手段として、メインROM35102及びプログラムROM35202を用いるように構成したが、これに限らず、制御手段を備えたコンピュータにより読み取り可能な記憶媒体であれば別態様であってもよい。例えば、前記記憶手段として、ハードディスク装置や、CD−ROM及びDVD−ROM、ROMカートリッジ等の記憶媒体を用いてもよい。また、前記プログラムやテーブル等は、予め記録されているものでなくとも、電源投入後にダウンロードされ、ワークRAM35203等に記録されるものでもよい。さらに、前記プログラムやテーブル等は、各々異なる記憶媒体に記録されていてもよい。
ワークRAM35203は、サブCPU35201の一時記憶領域として種々のフラグや変数の値を記憶する機能を有する。なお、本実施例においては、サブCPU35201の一時記憶領域としてワークRAM35203を用いているが、これに限らず、読み書き可能な記憶媒体であればよい。
表示制御回路35204は、液晶表示装置35016における表示制御を行うための回路である。表示制御回路35204は、画像データプロセッサ(以下、VDPと称する)や、各種の画像データを生成するためのデータが記憶されている画像データROM、画像データをバッファするフレームバッファ、画像データを画像信号として変換するD/Aコンバータ等を具備する。
表示制御回路35204は、サブCPU35201から供給されるデータに応じて、液晶表示装置35016に画像を表示させるための種々の処理を行うことができる。表示制御回路35204は、サブCPU35201から供給される画像表示命令に応じて、液晶表示装置35016に表示させるための画像データを一時的にフレームバッファに格納する。なお、液晶表示装置35016に表示させるための画像データには、装飾図柄を示す装飾図柄画像データや、背景画像データ、演出用画像データ等の、遊技に関する各種の画像データが含まれる。
そして、表示制御回路35204は、所定のタイミングで、フレームバッファに格納された画像データをD/Aコンバータに供給する。D/Aコンバータは、画像データを画像信号として変換し、当該変換した画像信号を所定のタイミングで液晶表示装置35016に供給する。液晶表示装置35016に画像信号が供給されると、液晶表示装置35016に当該画像信号に関する画像が表示される。こうして、表示制御回路35204は、液晶表示装置35016に遊技に関する画像を表示させる制御を行うことができる。
音声制御回路35205は、スピーカ35024から発生させる音声に関する制御を行うための回路である。音声制御回路35205は、音声に関する制御を行う音源ICや、各種の音声データを記憶する音声データROM、音声信号を増幅するための増幅器(以下、AMPと称する)等を具備する。
前記音源ICは、スピーカ35024から発生させる音声の制御を行う。音源ICは、サブCPU35201から供給される音声発生命令に応じて、音声データROMに記憶されている複数の音声データから一つの音声データを選択する。また、音源ICは、選択された音声データを音声データROMから読み出し、音声データを所定の音声信号に変換し、当該変換した音声信号をAMPに供給する。AMPは、音声信号を増幅させ、スピーカ35024から音声を発生させる。
LED制御回路35206は、装飾LED等を含むLED35025の制御を行うための回路である。LED制御回路35206は、LED制御信号を供給するためのドライブ回路や、複数種類のLED装飾パターンが記憶されている装飾データROM等を具備する。
役物制御回路35207は、各役物の制御を行うための回路である。役物制御回路35207は、各役物に対して、駆動信号を供給するための駆動回路や、点灯制御信号を供給するための点灯回路、動作パターンや点灯パターンが記憶されている役物データROM等を有する。
また、駆動回路は、サブCPU35201から供給される役物作動命令に応じて、役物データROMに記憶されている複数の動作パターンから一つの動作パターンを選択する。そして、選択した動作パターンを役物データROMから読み出し、読み出した動作パターンに対応する駆動信号を供給することにより、各役物の機械的な動作を制御する。また、点灯回路は、サブCPU35201から供給される点灯命令に基づいて、役物データROMに記憶されている複数の点灯パターンから一つの点灯パターンを選択する。そして、選択した点灯パターンを役物データROMから読み出し、読み出した点灯パターンに対応する点灯制御信号を供給することにより、各役物の点灯動作を制御する。
コマンド入力ポート35208は、主制御回路35100から送信されたコマンドを受信するものである。
払出・発射制御回路35300は、パチンコ遊技機からの賞球や貸球の払い出しを制御するものであり、この払出・発射制御回路35300には、遊技球を払い出すための払出装置35340、遊技球を発射するための発射装置35015、電断時におけるバックアップデータを遊技場の管理者の操作に応じてクリアするバックアップクリアスイッチ35330等が接続されている。
電源供給回路35338は、パチンコ遊技機で遊技を行うために必要な電源電圧を、主制御回路35100、サブ制御回路35200、払出・発射制御回路35300等に供給するために作成する電源回路である。
電源供給回路35338には、電源スイッチ35035等が接続されている。電源スイッチ35035は、パチンコ遊技機に必要な電源を供給するときにON操作するものである。
なお、設定キー35328および設定スイッチ35332は、上述したように主制御回路35100に接続されているが、これに代えて、電源供給回路35338に接続されるようにしても良い。この場合であっても、遊技機管理責任者以外の第三者(例えば遊技者)が設定スイッチ35332や設定キー35328に容易にアクセスできないように、所定のケース内に収容されていることが好ましい。所定のケース内とは、正に当該ケースを開放しないと設定スイッチ35332や設定キー35328にアクセスできないものに加え、上記ケースの設定スイッチ35332および設定キー35328の対応箇所にのみ切欠きがあり、遊技機管理責任者が管理する鍵を使用してパチンコ遊技機を設置している島設備から当該パチンコ遊技機を回動させて背面を露出させたときに、遊技機管理責任者が設定スイッチ35332または/および設定キー35328にアクセスできるようにされているものも含む。
[30−6−3.第6実施例に係るパチンコ遊技機の基本仕様]
次に、図741〜図745を用いて、第6実施例に係るパチンコ遊技機の基本仕様について説明する。第6実施例に係るパチンコ遊技機において、メインCPU35101は、第1始動口35420あるいは第2始動口35440に遊技球が入賞(通過)したことに基づいて、大当り判定用乱数値、図柄決定用乱数値、時短当落判定用乱数値、リーチ判定用乱数値および演出選択用乱数値等の各種乱数値を取得する。なお、図741〜図745に示される各テーブルは、メインROM35102に記憶される。
[30−6−3−1.当り乱数判定テーブル]
図741は、第6実施例に係るパチンコ遊技機の大当り乱数判定テーブルの一例である。
図741に示されるとおり、第1始動口35420に遊技球が入賞(通過)したことに基づいて取得された大当り判定用乱数値を用いた第1特別図柄抽選では、抽選結果が「大当り」または「ハズレ」に決定される。また、第2始動口35440に遊技球が入賞(通過)したことに基づいて取得された大当り判定用乱数値を用いた第2特別図柄抽選では、抽選結果が「大当り」または「役物開放当り」に決定される。第1特別図柄抽選が行われた場合に「役物開放当り」が決定されないようにすることは必須ではないが、「役物開放当り」に決定されるようにしたとしても、第2特別図柄抽選が行われた場合と比べて極めて低い確率(例えば、「大当り」と同等か「大当り」よりも低い確率)でしか決定されないようにすることが好ましい。また、第2特別図柄抽選が行われた場合に「ハズレ」に決定されないようにすることは必須ではないが、「ハズレ」に決定されるようにした場合、「役物開放当り」に決定される確率よりも高くなるようにしてもよいし、「役物開放当り」に決定される確率よりも低くなるようにしてもよい。
メインROM35102に記憶される当り乱数判定テーブルには、第1始動口35420への入賞に基づいて実行される第1特別図柄抽選に用いられるデータとして、「大当り」又は「ハズレ」に決定される大当り判定用乱数値の範囲(幅)と、それに対応する判定値データ(「大当り判定値データ」、「ハズレ判定値データ」)との関係が規定されている。また、第2始動口35440への入賞に基づいて実行される第2特別図柄抽選に用いられるデータとして、「大当り」又は「役物開放当り」に決定される大当り判定用乱数値の範囲(幅)と、それに対応する判定値データ(「大当り判定値データ」、「役物開放当り判定値データ」)との関係が規定されている。
なお、この第6実施例のパチンコ遊技機では、「大当り」に決定される大当り確率を変更する機能を有していないが、これは必須ではなく、例えば大当りの種類等に応じて確変フラグがONにセットされるようにして大当り確率が高められるようにしてもよい。
第6実施例では、第1特別図柄および第2特別図柄ともに、大当り判定用乱数値の総乱数値は65536である。すなわち、上記の大当り判定用乱数値は0〜65535の範囲(幅)で発生する。大当り確率は、大当り判定用乱数値の総乱数値に対する大当り判定値データの数によって定められ、役物開放当り確率は、大当り判定用乱数値の総乱数値に対する役物開放当り判定値データの数によって定められる。なお、大当り判定用乱数値の範囲(幅)は、適宜変更しても良い。大当り確率および役物開放当り確率は、図741において選択率(概算)として示される。
なお、図741には示されていないが、大当り確率または/および役物開放当り確率は、低設定よりも高設定の方が高くなるように、設定値毎に異なるようにしても良い。この場合、例えば、大当り確率および役物開放当り確率の両方を、低設定よりも高設定の方が高くなるようにしてもよいし、役物開放当り確率を設定値にかかわらず一定とし、大当り確率を低設定よりも高設定の方が高くなるようにしてもよいし、大当り確率を設定値にかかわらず一定とし、役物開放当り確率を低設定よりも高設定の方が高くなるようにしてもよい。
また、設定値に応じて大当り確率や役物開放当り確率を変えることに代えてまたは加えて、例えば、Vアタッカー39222の開放時間を設定毎に変えてV入賞装置35422への入賞率を変えたり、V入賞口39223の開放頻度や開放時間を設定毎に変えてV入賞口39223への通過率を変えたり、時短継続回数を設定値毎に変えたりする等してもよい。すなわち、大当り確率、役物開放当り確率、Vアタッカー39222の開放時間、V入賞口39223の開放頻度や開放時間および時短継続回数等、遊技者にとっての有利度合いを変更しうる条件のうちの一つまたは二つ以上を採用することにより、大当り遊技状態に制御される期待値が低設定よりも高設定の方が高くなるように構成してもよい。
[30−6−3−2.特別図柄判定テーブル]
図742は、第6実施例に係るパチンコ遊技機の特別図柄判定テーブルの一例である。
図742に示されるように、特別図柄判定テーブル(第1始動口、第2始動口)は、第1始動口35420あるいは第2始動口35440に遊技球が入賞(通過)した際に取得される図柄決定用乱数値と先述の判定値データとに基づいて、停止図柄を決定付ける「当り時選択図柄コマンド」及び「図柄指定コマンド」を決定するために参照されるテーブルである。例えば、第1始動口35420に遊技球が入賞し、判定値データが「大当り判定値データ」(すなわち、大当り判定の結果が大当り)であって図柄決定用乱数値が「77」である場合には、当り時選択図柄コマンドが「z2」、「図柄指定コマンド」が「zA1」に決定される。
[30−6−3−3.大当り種類決定テーブル]
図743は、第6実施例に係るパチンコ遊技機の大当り種類決定テーブルの一例である。なお、図743の備考欄は、分かりやすいように便宜上記載したものである。
図743に示されるように、大当り種類決定テーブルは、先述の当り時選択図柄コマンドに基づいて、当りの種類(例えば、ラウンド数、時短回数等)を決定するために参照されるテーブルである。例えば、当り時選択図柄コマンドが「z3」であるとき、大当り遊技状態において実行されるラウンド遊技のラウンド数が「15」に決定され、大当り遊技状態後の時短回数が「4」に決定される。
なお、当り時選択図柄コマンド「z4」、「z5」および「z6」は、判定値データが「役物開放当り判定値データ」である場合(すなわち、大当り判定の結果が役物開放当りである場合)の当り時選択図柄コマンドであり、役物開放当りによってVアタッカー39222が開放したときにV入賞口39223への遊技球の通過が検出されたことによって大当り遊技状態に制御された場合のラウンド数および時短回数が規定されている。したがって、大当り判定の結果が役物開放当りであったとしても、V入賞口39223への遊技球の通過が検出されずに大当り遊技状態に制御されなければ、大当り遊技状態には制御されず、図743の大当り種類決定テーブルに規定された時短回数もセットされない(ただし、後述する時短当落判定処理の結果が「時短当り」である場合は「時短当り」に基づく時短回数がセットされる)。
[30−6−3−4.時短当落乱数判定テーブル]
図744は、第6実施例に係るパチンコ遊技機の時短当落乱数判定テーブルの一例である。
図744に示されるとおり、時短当落乱数判定テーブルは、第1始動口35420あるいは第2始動口35440に遊技球が入賞(通過)した際に取得される時短当落判定用乱数値に基づいて、時短当りを発生させるか否かを決定する時短当落判定処理(時短抽選)を実行する際に参照されるテーブルである。例えば、第1始動口35420あるいは第2始動口35440に遊技球が入賞し、取得された時短当落判定値データが「時短当り判定値データ」である場合には時短当落判定処理の結果が「時短当り」に決定され、時短当落判定値データが「時短ハズレ判定値データ」である場合には時短当落判定処理の結果が「時短ハズレ」に決定される。
時短当落判定処理の結果が「時短当り」であると、例えば1回の時短回数がセットされる。なお、時短当落判定処理の結果が「時短当り」である場合、セットされる時短回数は1回に限られず、予め定められた複数回数であってもよいし、都度異なる回数であってもよい。
なお、第6実施例のパチンコ遊技機では、時短フラグがOFFにセットされている通常遊技状態において時短当落判定処理が実行され、時短フラグがONにセットされている時短遊技状態では時短当落判定処理が実行されない。
時短フラグがONにセットされる時短遊技状態では、セットされた時短回数(特別図柄の変動回数)にわたって、電サポ機能が作動する。電サポ機能は、上述したとおり、普通電動役物35460(より詳しくはシャッタ35442)を促進作動させて所定の入賞口(本例では第2始動口35440)への遊技球の入賞頻度を高める機能であって、例えば、普通図柄の変動時間の短縮、普通図柄当選確率上昇(すなわち、普通図柄抽選における普通当りの確率アップ)、普通電動役物35460(より詳しくは、例えばシャッタ35442)の開放パターン変更(例えば、開放時間延長等)のうち少なくとも一つ以上が実行される機能が相当する。本実施例では、例えば、時短フラグがOFFであるとき、メインCPU35101は、普通図柄の変動表示を相対的に長時間(例えば600000msec)にわたって実行するとともに、普通電動役物35460を相対的に短い時間(例えば600msec)だけ開放する制御を行う。一方、時短フラグがONであるとき、メインCPU35101は、普通図柄の変動表示を相対的に短い時間(例えば1000msec)だけ実行するとともに、普通電動役物35460を相対的に長い時間(例えば3000msec)にわたって開放する制御を行う。したがって、時短フラグがOFFであるときにたとえ右打ちしたとしても右打ちされた遊技球が第2始動口35440に入賞することは殆どないのに対し、時短フラグがONであるときは1000msec程度で普通電動役物35460が開放されるため、右打ちされた遊技球が第2始動口35440に入賞しやすくなる。
なお、第6実施例では、時短回数がセットされる場合、セットされる時短回数は「4」であるため、V入賞装置35422への遊技球の入賞チャンスは少なくとも4回与えられる。ただし、時短遊技状態における最後(例えば4回目)の第2特別図柄の変動表示が終了するまで(特別図柄の変動表示が停止して特別図柄抽選の結果が導出されるまで)は時短フラグがONにセットされているため、時短フラグがOFFにセットされるまでの間に第2始動口35440に遊技球が入賞して第2特別図柄の変動表示(第2始動情報)を4個まで保留することができる。したがって、V入賞口39223を遊技球が通過するチャンスは、時短遊技状態における第2特別図柄の変動表示(第6実施例において「時短遊技」と称する)の4回と、時短フラグがOFFにセットされるまでの間に保留された第2特別図柄の変動表示(第6実施例において「保留遊技」と称する)の4回と、をあわせて合計8回与えられる可能性がある。
ただし、セットされる時短回数は、時短当落判定処理の結果が「時短当り」である場合に例えば抽選で決定することにより、都度異なりうるようにしてもよい。
[30−6−3−5.特別図柄の変動パターンテーブル]
図745は、第6実施例に係るパチンコ遊技機の特別図柄の変動パターンテーブルの一例である。
図745に示されるように、メインCPU35101は、第1始動口35420に遊技球が入賞したときは第1特別図柄の変動パターンを決定し、第2始動口35440に遊技球が入賞したときは第2特別図柄の変動パターンを決定する。
図745に示されるように、第1特別図柄抽選の結果が「大当り」である場合、メインCPU35101は、第1特別図柄の変動パターンを、第1始動口35420に遊技球が入賞(通過)したときに取得された演出選択用乱数値に基づいて決定する。
また、第1特別図柄抽選の結果が「ハズレ」である場合、メインCPU35101は、第1特別図柄の変動パターンを、時短フラグの状況(ONであるかOFFであるか)、第1始動口35420に遊技球が入賞(通過)したときに取得されたリーチ判定用乱数値および演出選択用乱数値に基づいて決定する。なお、時短遊技状態では通常は右打ちされるため第1始動口35420に遊技球が入賞することは殆どないが、時短遊技状態において仮に第1始動口35420に遊技球が入賞してしまった場合には、第1始動口35420に遊技球が入賞したときに取得されたリーチ判定用乱数値および演出選択用乱数値に基づいて第1特別図柄の変動パターンを決定する。
また、第2特別図柄抽選の結果が「大当り」である場合、メインCPU35101は、第2特別図柄の変動パターンを、第2始動口35440に遊技球が入賞(通過)したときに取得された演出選択用乱数値に基づいて決定される。
第2特別図柄抽選の結果が「役物開放当り」であって且つ時短フラグがONである場合、メインCPU35101は、第2特別図柄の変動パターンを、第2始動口35440に遊技球が入賞したときに取得されたリーチ判定用乱数値および演出選択用乱数値に基づいて第2特別図柄の変動パターンを決定する。
一方、第2特別図柄抽選の結果が「役物開放当り」であって且つ時短フラグがOFFである場合、メインCPU35101は、第2特別図柄の変動パターンを、変動時間が例えば600000msecと極めて長い長変動演出に決定する。時短フラグがOFFである場合、基本的に第2始動口35440に遊技球が入賞(通過)することはないが、不測の事態が発生して仮に万一第2始動口35440に遊技球が入賞した場合であっても、有利者に与えうる利益を最小限にとどめるようにするためこのようにしたものであるが、このようにすることは必ずしも必須ではない。
[30−6−4.主制御回路による処理]
次に、第6実施例のパチンコ遊技機のメインCPU35101により実行される各種の処理のうち、第1実施例と異なる処理を中心に説明する。
[30−6−4−1.特別図柄制御処理]
図746は、第6実施例に係るパチンコ遊技機のメインCPU35101による特別図柄制御処理の一例を示すフローチャートである。
特別図柄制御処理は、主制御メイン処理の実行中にサブルーチンとして呼び出される。なお、同図に示す各処理の右方に括弧書きで記載した数値(「00」〜「11」)は、制御状態フラグの値を示す。この制御状態フラグは、メインRAM35103内の所定の記憶領域に格納される。メインCPU35101は、制御状態フラグの数値に応じた処理を実行することにより、特別図柄ゲームを進行させる。
図746に示すように、メインCPU35101は、制御状態フラグをロードする処理を行う(ステップS14001)。この処理において、メインCPU35101は、メインRAM35103に記憶された制御状態フラグの値を読み出す。メインCPU35101は、読み出した制御状態フラグの値に基づいて、後述のステップS14002〜S14013の各処理を実行するか否かを判定する。この制御状態フラグは、特別図柄ゲームの状態を示すものであり、ステップS14002〜S14013のいずれかの処理を実行可能にするものである。また、メインCPU35101は、ステップS14002〜S14013の各処理に対して設定された待ち時間などに応じて決定された所定のタイミングで各処理を実行する。なお、この所定のタイミングに至る前は、各処理を実行せずに、他のサブルーチンに係る処理を実行する。もちろん、所定の周期で、第1実施例で説明したシステムタイマ割込処理(例えば、図15参照)も実行する。
次に、メインCPU35101は、特別図柄の変動開始に実行される処理として、特別図柄記憶チェック処理を行う(ステップS14002)。この処理において、メインCPU35101は、制御状態フラグが特別図柄記憶チェック処理を示す値(「00」)である場合に、特別図柄の変動表示の保留個数をチェックし、保留個数が「0」でない場合(保留球がある場合)には、始動口入賞検出処理で抽出された乱数値から各種情報を取得する。また、メインCPU35101は、この処理において、制御状態フラグに、後述の特別図柄変動時間管理処理(ステップS14003)を示す値(「01」)をセットし、今回の処理で取得された特別図柄の変動パターンに対応する特別図柄の変動表示時間を待ち時間タイマにセットする。すなわち、始動口入賞検出処理で決定された特別図柄の変動パターンに対応する変動時間が経過した後、後述の特別図柄表示時間管理処理が実行されるように設定される。一方、保留個数が「0」である場合(保留球がない場合)、メインCPU35101は、デモ画面を表示するためのデモ表示処理を行う。この特別図柄記憶チェック処理については、図747を参照して後述する。
次に、メインCPU35101は、特別図柄変動時間管理処理を行う(ステップS14003)。この処理において、制御状態フラグが特別図柄変動時間管理処理を示す値(「01」)であり、特別図柄の変動時間が経過した場合に、メインCPU35101は、制御状態フラグに、後述の特別図柄表示時間管理処理(ステップS14004)を示す値(「02」)をセットし、確定後待ち時間を待ち時間タイマにセットする。すなわち、このステップS14003の処理でセットされた確定後待ち時間が経過した後、後述の特別図柄表示時間管理処理が実行されるように設定される。
次に、メインCPU35101は、特別図柄表示時間管理処理を行う(ステップS14004)。この処理において、メインCPU35101は、制御状態フラグが特別図柄表示時間管理処理を示す値(「02」)であり、ステップS14003の処理でセットされた確定後待ち時間が経過した場合に、特別図柄抽選の結果を判別する。そして、特別図柄抽選の結果が「役物開放当り」である場合、メインCPU35101は、制御状態フラグに、後述のV入賞装置開放インターバル管理処理(ステップS14005)を示す値(「03」)をセットし、V入賞装置開放インターバルに対応する時間を待ち時間タイマにセットする。
また、特別図柄抽選の結果が「大当り」である場合、メインCPU35101は、制御状態フラグに、後述の大当り開始インターバル管理処理(ステップS14008)を示す値(「06」)をセットし、大当り開始インターバルに対応する時間を待ち時間タイマにセットする。このように、ステップS14004の処理でセットされたV入賞装置開放インターバルに対応する時間(以下、「V入賞装置開放インターバル時間」と称する)または大当り開始インターバルに対応する時間(以下、「大当り開始インターバル時間」と称する)が経過した後、後述のV入賞装置開放インターバル管理処理または大当り開始インターバル管理処理が実行されるように設定される。一方、特別図柄抽選の結果が「大当り」および「役物開放当り」のいずれでもない場合、メインCPU35101は、制御状態フラグに、後述の特別図柄ゲーム終了処理(ステップS14013)を示す値(「11」)をセットする。すなわち、この場合には、V入賞装置開放インターバル管理処理(ステップS14005)および大当り開始インターバル管理処理(ステップS14008)のいずれも実行されず、後述の特別図柄ゲーム終了処理が実行されるように設定される。この特別図柄表示時間管理処理については、図748を参照して後述する。
制御状態フラグに、V入賞装置開放インターバル管理処理(ステップS14005)を示す値(「03」)がセットされている場合、メインCPU35101は、V入賞装置開放インターバル管理処理を行う(ステップS14005)。この処理において、メインCPU35101は、制御状態フラグがV入賞装置開放インターバル管理処理を示す値(「03」)であり、ステップS14004の処理でセットされた役物開放開始インターバルに対応する時間が経過した場合に、Vアタッカー39222を作動させて開閉入賞口39221を開放し、V入賞装置35422への遊技球の入賞を可能にする。また、この処理において、メインCPU35101は、制御状態フラグに、後述のV入賞装置開放中処理(ステップS14006)を示す値(「04)」をセットするとともに、Vアタッカー39222の開放上限時間(例えば1800msec)をアタッカー開放時間タイマ(図示せず)にセットする。すなわち、この処理により、後述のV入賞装置開放中処理(ステップS14006)が実行されるように設定される。
次に、メインCPU35101は、V入賞装置開放中処理を行う(ステップS14006)。詳細は後述するが、この処理において、まず、メインCPU35101は、制御状態フラグがV入賞装置開放中処理を示す値(「04」)である場合に、アタッカー入賞カウンタが所定数(例えば10個)以上であるという条件、及び、開放上限時間(例えば1800msec)を経過した(Vアタッカー開放時間タイマが「0」である)という条件の一方が満たされた(所定の閉鎖条件が成立した)か否かを判別する。一方の条件が満たされた場合、メインCPU35101は、アタッカーソレノイド35427によりVアタッカー39222を駆動させて開閉入賞口39221を閉鎖させるため、メインRAM35103に位置付けられた変数を更新する。そして、メインCPU35101は、V入賞口スイッチ35431によりV入賞口39223への遊技球の通過検出があったか否かを判別し、V入賞口39223への遊技球の通過検出がなければ、制御状態フラグに、V入賞装置開放処理終了インターバル処理を示す値(「05」)をセットし、V入賞装置開放処理終了インターバルに対応する時間(V入賞装置開放処理終了インターバル時間)を待ち時間タイマにセットする。すなわち、この処理でセットされたV入賞装置開放処理終了インターバル時間が経過した後、後述のV入賞装置開放処理終了インターバル処理が実行されるように設定される。一方、V入賞口39223への遊技球の通過検出があったと判別すると、メインCPU35101は、制御状態フラグに、後述の大入賞口内残留球監視処理(ステップS14010)を示す値(「08」)をセットし、V入賞装置開放処理終了インターバル時間を待ち時間タイマにセットする。すなわち、この処理でセットされたV入賞装置開放処理終了インターバル時間が経過した後、後述の大入賞口内残留球監視処理(ステップS14010)が実行されるように設定される。なお、後述の大入賞口再開放待ち時間管理処理(ステップS14011)において大入賞口開放回数カウンタの値が「1」増加するため、上述のV入賞装置開放中処理が、大当り遊技状態における1ラウンド目のラウンド遊技となる。また、図示していないが、V入賞口39223への遊技球の通過検出があったと判別すると、メインCPU35101は、大当りフラグをセットする処理も実行する。
制御状態フラグに、制御状態フラグがV入賞装置開放処理終了インターバル処理を示す値(「05」)がセットされている場合、メインCPU35101は、V入賞装置開放処理終了インターバル処理を行う(ステップS14007)。この処理において、メインCPU35101は、V入賞装置開放処理終了インターバル時間が経過した場合に、特別図柄ゲーム終了処理を示す値(「11」)を制御状態フラグにセットする。すなわち、この処理により、ステップS14007の処理後に後述の特別図柄ゲーム終了処理が実行されるように設定される。
次に、制御状態フラグに、大当り開始インターバル管理処理(ステップS14008)を示す値(「06」)がセットされている場合、メインCPU35101は、大当り開始インターバル管理処理を行う(ステップS14008)。この処理において、メインCPU35101は、制御状態フラグが大当り開始インターバル管理処理を示す値(「06」)であり、ステップS14004の処理でセットされた大当り開始インターバルに対応する時間が経過した場合に大入賞口35540を開放させるため、メインROM35102から読み出されたデータに基づいて、メインRAM35103に位置付けられた変数を更新する。また、この処理において、メインCPU35101は、制御状態フラグに、後述の大入賞口開放中処理(ステップS14009)を示す値(「07)」をセットするとともに、大入賞口35540の開放上限時間(例えば30000msec)を大入賞口開放時間タイマにセットする。すなわち、この処理により、後述の大入賞口開放中処理(ステップS14009)が実行されるように設定される。
次に、メインCPU35101は、大入賞口開放中処理を行う(ステップS14009)。この処理において、まず、メインCPU35101は、制御状態フラグが大入賞口開放中処理を示す値(「07」)である場合に、大入賞口入賞カウンタが所定数以上であるという条件、及び、開放上限時間を経過した(大入賞口開放時間タイマが「0」である)という条件の一方が満たされた(所定の閉鎖条件が成立した)か否かを判別する。一方の条件が満たされた場合、メインCPU35101は、大入賞口35540を閉鎖させるため、メインRAM35103に位置付けられた変数を更新する。そして、メインCPU35101は、制御状態フラグに、後述の大入賞口内残留球監視処理(ステップS14010)を示す値(「08」)をセットするとともに、大入賞口内残留球監視時間を待ち時間タイマにセットする。すなわち、この処理により、ステップS14009でセットされた大入賞口内残留球監視時間が経過した後、後述の大入賞口内残留球監視処理が実行されるように設定される。なお、この大入賞口開放中処理の終了直前には、サブ制御回路35200に対してラウンド間表示コマンドが送信される。
次に、メインCPU35101は、大入賞口内残留球監視処理を行う(ステップS14010)。この処理において、メインCPU35101は、制御状態フラグが大入賞口内残留球監視処理を示す値(「08」)であり、大入賞口内残留球監視時間が経過した場合に、大入賞口開放回数カウンタの値が大入賞口開放回数の最大値以上である(最終ラウンドである)という条件が満たされたか否かを判別する。上記条件を満たさないと判別した場合、メインCPU35101は、大入賞口再開放待ち時間管理処理を示す値(「09」)を制御状態フラグにセットする。また、メインCPU35101は、ラウンド間インターバルに対応する時間を待ち時間タイマにセットする。すなわち、この処理により、ラウンド間インターバルに対応する時間が経過した後、後述の大入賞口再開放待ち時間管理処理が実行されるように設定される。一方、ステップS14010において、上記条件を満たしたと判別した場合、メインCPU35101は、大当り終了インターバル処理を示す値(「10」)を制御状態フラグにセットし、大当り終了インターバルに対応する時間(大当り終了インターバル時間)を待ち時間タイマにセットする。すなわち、この処理でセットされた大当り終了インターバルに対応する時間が経過した後、後述の大当り終了インターバル処理が実行されるように設定される。
次に、メインCPU35101は、大入賞口開放回数カウンタの値が大入賞口開放回数の最大値以上ではないと判別した場合、大入賞口再開放待ち時間管理処理を行う(ステップS14011)。この処理において、メインCPU35101は、制御状態フラグが大入賞口再開放待ち時間管理処理を示す値(「09」)であり、ラウンド間インターバルに対応する時間が経過した場合に、大入賞口開放回数カウンタの値を「1」増加するように記憶更新する。また、メインCPU35101は、大入賞口開放中処理を示す値(「07」)を制御状態フラグにセットする。そして、メインCPU35101は、開放上限時間(例えば30000msec)を大入賞口開放時間タイマにセットする。すなわち、この処理で上述した大入賞口開放中処理(ステップS14009)が再度実行されるように設定される。なお、大入賞口再開放待ち時間管理処理の終了直前には、サブ制御回路35200に対して大入賞口開放中表示コマンドが送信される。
また、メインCPU35101は、大入賞口開放回数カウンタの値が大入賞口開放回数の最大値以上であると判別した場合に、大当り終了インターバル処理を行う(ステップS14012)。この処理において、メインCPU35101は、制御状態フラグが大当り終了インターバル処理を示す値(「10」)であり、大当り終了インターバルに対応する時間が経過した場合に、特別図柄ゲーム終了処理を示す値(「11」)を制御状態フラグにセットする。すなわち、この処理により、ステップS14012の処理後に後述の特別図柄ゲーム終了処理が実行されるように設定される。
なお、V入賞装置開放中処理(ステップS14006)においてV入賞口39223への遊技球の通過検出があったと判別された場合には、サブCPU35201は、この大当り遊技状態における2ラウンド目以降のラウンド遊技を、シャッタ35610を駆動させて大入賞口35540への遊技球の入賞を可能とする処理を実行する。ただし、2ラウンド目以降のラウンド遊技の処理はこれに限られず、例えば、Vアタッカー39222を駆動させてV入賞装置35422への遊技球の入賞を可能とする処理を、ラウンド遊技として実行してもよい。
次に、メインCPU35101は、大当り遊技状態が終了した場合、役物開放状態が終了した場合、又は、大当り判定の結果が「ハズレ」であった場合、特別図柄ゲーム終了処理を行う(ステップS14013)。この処理において、メインCPU35101は、制御状態フラグが特別図柄ゲーム終了処理を示す値(「11」)である場合に、保留個数を示すデータ(始動記憶情報)を「1」減少するように記憶更新する。また、メインCPU35101は、次回の特別図柄の変動表示を行うために、特別図柄記憶領域の更新を行う。さらに、メインCPU35101は、特別図柄記憶チェック処理を示す値(「00」)を制御状態フラグにセットする。すなわち、この処理により、ステップS14013の処理後、上述した特別図柄記憶チェック処理(ステップS14002)が実行されるように設定される。この特別図柄ゲーム終了処理を終了すると、メインCPU35101は、特別図柄制御処理を終了する。
上述したように、第6実施例のパチンコ遊技機では、制御状態フラグに各種値を順次セットすることにより、特別図柄ゲームを進行させる。具体的に、大当り判定の結果が「ハズレ」である場合に、メインCPU35101は、制御状態フラグを「00」、「01」、「02」、「11」の順にセットする。これにより、メインCPU35101は、上述した特別図柄記憶チェック処理(ステップS14002)、特別図柄変動時間管理処理(ステップS14003)、特別図柄表示時間管理処理(ステップS14004)及び特別図柄ゲーム終了処理(ステップS14013)をこの順で所定のタイミングで実行する。
また、メインCPU35101は、特別図柄抽選の結果が「役物開放当り」である場合、制御状態フラグを「00」、「01」、「02」、「03」の順でセットする。これにより、メインCPU35101は、上述した特別図柄記憶チェック処理(ステップS14002)、特別図柄変動時間管理処理(ステップS14003)、特別図柄表示時間管理処理(ステップS14004)及びV入賞装置開放インターバル管理処理(ステップS14005)をこの順で所定のタイミングで実行し、役物開放状態への移行制御を実行する。
さらに、メインCPU35101は、役物開放状態への移行制御が実行された場合、制御状態フラグを「04」にセットする。これにより、メインCPU35101は、上述したV入賞装置開放中処理(ステップS14006)、すなわち役物開放状態を実行することとなる。
そして、V入賞装置開放中処理(ステップS14006)において、V入賞口39223への遊技球の通過検出があった場合、メインCPU35101は、制御状態フラグを「08」、「09」の順でセットする。これにより、メインCPU35101は、大入賞口内残留球監視処理(ステップS14010)および大入賞口再開放待ち時間管理処理(ステップS14011)をこの順で実行し、大当り遊技状態を実行する。
一方、V入賞装置開放中処理(ステップS14006)において、V入賞口39223への遊技球の通過検出がなかった場合、メインCPU35101は、制御状態フラグを「05」にセットする。これにより、メインCPU35101は、上述したV入賞装置開放処理終了インターバル処理(ステップS14007)を実行し、役物開放状態を終了する。
また、メインCPU35101は、特別図柄抽選の結果が「大当り」である場合、制御状態フラグを「00」、「01」、「02」、「06」の順でセットする。これにより、メインCPU35101は、上述した特別図柄記憶チェック処理(ステップS14002)、特別図柄変動時間管理処理(ステップS14003)、特別図柄表示時間管理処理(ステップS14004)及び大当り開始インターバル管理処理(ステップS14008)をこの順で所定のタイミングで実行し、大当り遊技状態への移行制御を実行する。
さらに、メインCPU35101は、大当り遊技状態への移行制御が実行された場合、制御状態フラグを「07」、「08」、「09」の順でセットする。これにより、メインCPU35101は、上述した大入賞口開放中処理(ステップS14009)、大入賞口内残留球監視処理(ステップS14010)及び大入賞口再開放待ち時間管理処理(ステップS14011)をこの順で所定のタイミングで実行し、大当り遊技状態を実行する。
なお、大当り遊技状態中に、当該大当り遊技状態の終了条件が成立した場合、メインCPU35101は、制御状態フラグを「07」、「08」、「10」、「11」の順でセットする。これにより、メインCPU35101は、上述した大入賞口開放中処理(ステップS14009)、大入賞口内残留球監視処理(ステップS14010)、大当り終了インターバル処理(ステップS14012)及び特別図柄ゲーム終了処理(ステップS14013)をこの順で所定のタイミングで実行し、大当り遊技状態を終了する。
[30−6−4−2.特別図柄記憶チェック処理]
図747は、第6実施例に係るパチンコ遊技機のメインCPU35101による特別図柄記憶チェック処理の一例を示すフローチャートである。特別図柄記憶チェック処理は、特別図柄制御処理の実行中にサブルーチンとして呼び出される。
先ず、メインCPU35101は、特別図柄制御処理(ステップS14001参照)で読み出した制御状態フラグが特別図柄記憶チェック処理を示す値(「00」)であるか否かを判別する(ステップS14021)。制御状態フラグが「00」でないと判別した場合(ステップS14021におけるNO)、メインCPU35101は、特別図柄記憶チェック処理を終了する。一方、制御状態フラグが「00」であると判別した場合(ステップS14021におけるYES)、メインCPU35101は、ステップS14022の処理に移る。
ステップS14022において、メインCPU35101は、第2始動口入賞(第2特別図柄の変動表示)の保留個数(第2始動情報数)が「0」であるか否かを判別する。メインCPU35101は、第2始動口入賞の保留個数が「0」であると判別した場合(ステップS14022におけるYES)、ステップS14023の処理に移り、第2始動口入賞の保留個数が「0」でないと判別した場合(ステップS14022におけるNO)、ステップS14027の処理に移る。
ステップS14023において、メインCPU35101は、第1始動口入賞(第1特別図柄の変動表示)の保留個数(第1始動情報数)が「0」であるか否かを判別する。メインCPU35101は、第1始動口入賞の保留個数が「0」でないと判別した場合(ステップS14023におけるNO)、ステップS14025の処理に移り、第1始動口入賞の保留個数が「0」であると判別した場合(ステップS14023におけるYES)、ステップS14024の処理に移る。
ステップS14024において、メインCPU35101は、デモ画面を表示するためのデモ表示処理を行う。この処理において、メインCPU35101は、サブ制御回路35200に対してデモ表示コマンドを送信する。この処理を終了すると、メインCPU35101は、特別図柄記憶チェック処理を終了する。
一方、ステップS14025において、メインCPU35101は、第1始動口入賞の保留個数に対応する第1始動情報数の値を「1」減算する。第6実施例において、メインCPU35101は、メインRAM35103に設けられた第1特別図柄始動記憶領域(0)〜第1特別図柄始動記憶領域(4)にデータが記憶されているか否かを判別して、変動表示中又は保留中の第1特別図柄の変動表示に対応する特別図柄ゲームの始動情報があるか否かを判別する。第1特別図柄始動記憶領域(0)には、変動表示中の第1特別図柄の変動表示に対応する特別図柄ゲームのデータ(情報)が始動情報として記憶される。そして、第1特別図柄始動記憶領域(1)〜第1特別図柄始動記憶領域(4)には、保留されている4回分の第1特別図柄の変動表示(保留球)に対応する特別図柄ゲームのデータ(情報)が始動情報として記憶される。なお、各第1特別図柄始動記憶領域の始動情報には、例えば、第1始動口35420の入賞時に抽出した大当り判定用乱数値や演出選択用乱数値、決定された変動パターン等を示すデータが含まれる。
次に、ステップS14026において、メインCPU35101は、第1始動口入賞に基づいて特別図柄記憶転送処理を行う。この処理において、メインCPU35101は、第1特別図柄始動記憶領域(1)〜(4)のデータを、それぞれ第1特別図柄始動記憶領域(0)〜(3)にシフトする。このときまた、メインCPU35101は、サブ制御回路35200に対して保留減算コマンドを送信する。その後、メインCPU35101は、ステップS14029の処理に移る。
一方、ステップS14027において、メインCPU35101は、第2始動口入賞の保留個数に対応する第2始動情報数の値を「1」減算する。第6実施例において、メインCPU35101は、メインRAM35103に設けられた第2特別図柄始動記憶領域(0)〜第2特別図柄始動記憶領域(4)にデータが記憶されているか否かを判別して、変動表示中又は保留中の第2特別図柄の変動表示に対応する特別図柄ゲームの始動情報があるか否かを判別する。第2特別図柄始動記憶領域(0)には、変動表示中の第2特別図柄の変動表示に対応する特別図柄ゲームのデータ(情報)が始動情報として記憶される。そして、第2特別図柄始動記憶領域(1)〜第2特別図柄始動記憶領域(4)には、保留されている4回分の第2特別図柄の変動表示(保留球)に対応する特別図柄ゲームのデータ(情報)が始動情報として記憶される。なお、各第2特別図柄始動記憶領域の始動情報には、例えば、第2始動口35440の入賞時に抽出した大当り判定用乱数値、変動スケジュール決定用乱数値、演出選択用乱数値、決定された変動パターン等を示すデータが含まれる。
次に、メインCPU35101は、第2始動口入賞に基づいて特別図柄記憶転送処理を行う(ステップS14028)。この処理において、メインCPU35101は、第2特別図柄始動記憶領域(1)〜(4)のデータを、それぞれ第2特別図柄始動記憶領域(0)〜(3)にシフトする。このときまた、メインCPU35101は、サブ制御回路35200に対して保留減算コマンドを送信する。その後、メインCPU35101は、ステップS14029の処理に移り、ステップS14030〜ステップS14035の処理を実行したのち、特別図柄記憶チェック処理を終了する。
ステップS14029において、メインCPU35101は、制御状態フラグに特別図柄変動時間管理処理を示す値(「01」)をセットする処理を行う。このときまた、メインCPU35101は、サブ制御回路35200に対して特別図柄演出開始コマンドを送信する。その後、メインCPU35101は、ステップS14030の処理に移る。
ステップS14030において、メインCPU35101は、時短当落判定処理を行う。この処理において、メインCPU35101は、第1始動口35420または第2始動口35440に遊技球が入賞(通過)したことに基づいて取得された時短当落判定用乱数値を用いて、時短フラグをONにセットするか否かを、特別図柄抽選とは別に行う。時短当落判定処理の結果が時短当りである場合、メインCPU35101は、特別図柄抽選の結果が「大当り」でなかったとしても時短フラグをONにセットし、時短遊技状態に制御する。
ステップS14031において、メインCPU35101は、大当り判定処理を行う。この処理において、メインCPU35101は、第2特別図柄始動記憶領域(0)に大当り判定用乱数値がセットされているときはこの大当り判定用乱数値に基づいて、第2入賞始動口に対応する大当り判定テーブル(図示せず)を参照して、判定値データを取得する。また、第2特別図柄始動記憶領域(0)に大当り判定用乱数値がセットされていなければ、第1特別図柄始動記憶領域(0)にセットされている大当り判定用乱数値に基づいて、第1入賞始動口に対応する大当り判定テーブル(図示せず)を参照して、判定値データを取得する。そして、メインCPU35101は、取得した判定値データに基づいて、「大当り」であるか「役物開放当り」であるか「ハズレ」であるかを判定(大当り判定)する。
次に、ステップS14032において、メインCPU35101は、特別図柄決定処理を行う。この処理において、メインCPU35101は、ステップS14031において取得した判定値データに基づいて当り時選択図柄コマンドを決定する(図742参照)。
次に、ステップS14033において、メインCPU35101は、特別図柄変動パターン決定処理を行う。
次に、ステップS14034において、メインCPU35101は、特別図柄演出開始コマンドをセットする。これにより、サブ制御回路35200には、特別図柄演出開始コマンドが送信される。
次に、ステップS14035において、メインCPU35101は、ステップS14033の特別図柄変動パターン決定処理で決定された特別図柄の変動パターンに対応する変動表示時間を待ち時間タイマにセットする。この処理を終了すると、メインCPU35101は、特別図柄記憶チェック処理を終了する。
[30−6−4−3.特別図柄表示時間管理処理]
図748は、第6実施例に係るパチンコ遊技機のメインCPU35101による特別図柄表示時間管理処理の一例を示すフローチャートである。特別図柄表示時間管理処理は、特別図柄制御処理の実行中にサブルーチンとして呼び出される。同図に示すように、メインCPU35101は、制御状態フラグが特別図柄表示時間管理処理を示す値(「02」)であるか否かを判別する(ステップS14041)。制御状態フラグが特別図柄表示時間管理処理を示す値(「02」)でないと判別した場合(ステップS14041におけるNO)、メインCPU35101は、特別図柄表示時間管理処理を終了する。一方、制御状態フラグが特別図柄表示時間管理処理を示す値(「02」)であると判別した場合(ステップS14041におけるYES)、メインCPU35101は、ステップS14042の処理に移る。
ステップS14042において、メインCPU35101は、待ち時間タイマの値(待ち時間)が「0」であるか否かを判別する。この処理において、メインCPU35101は、待ち時間タイマにセットされた変動表示確定後の待ち時間(変動表示開始待ち時間)が消化されたか否かを判別する。待ち時間タイマの値が「0」でないと判別した場合(ステップS14042におけるNO)、メインCPU35101は、特別図柄表示時間管理処理を終了する。一方、待ち時間タイマの値が「0」であると判別した場合(ステップS14042におけるYES)、メインCPU35101は、ステップS14043の処理に移る。
ステップS14043において、メインCPU35101は、特別図柄抽選の結果が「大当り」であるか否かを判別する。特別図柄抽選の結果が「大当り」であると判別した場合(ステップS14043におけるYES)、メインCPU35101は、ステップS14044の処理に移る。一方、特別図柄抽選の結果が「大当り」でないと判別した場合(ステップS14043におけるNO)、メインCPU35101は、ステップS14050の処理に移る。
ステップS14044において、メインCPU35101は、各フラグおよび各カウンタ値の初期化処理を行う。具体的には、メインCPU35101は、時短カウンタ、時短フラグをクリア(OFFにセット)する処理を行う。この処理を終了すると、メインCPU35101は、ステップS14045の処理に移る。
ステップS14045において、メインCPU35101は、大当りを示す大当りフラグをセットする処理を行う。この処理を終了すると、メインCPU35101は、ステップS14046の処理に移る。
ステップS14046において、メインCPU35101は、制御状態フラグに大当り開始インターバル管理処理を示す値(「06」)をセットする処理を行う。
次に、メインCPU35101は、特別図柄(第1特別図柄又は第2特別図柄)に対応する大当り開始インターバル時間を待ち時間タイマにセットする処理を行う(ステップS14047)。
次に、メインCPU35101は、特別図柄に対応する大当り開始コマンドをメインRAM35103にセットする処理を行う(ステップS14048)。これにより、サブ制御回路35200には、大当り開始コマンドが送信される。
次に、メインCPU35101は、大当り種類決定テーブル(図743参照)を参照し、特別図柄(当り時選択図柄コマンド)に対応するラウンド数上限値(大入賞口開放回数上限値)をメインRAM35103にセットし、ラウンド数表示LEDパターンフラグをセットする(ステップS14049)。なお、ラウンド数表示LEDパターンフラグは、残りラウンド数を所定パターンで表示するか否かを示すフラグである。この処理を終了すると、メインCPU35101は、特別図柄表示時間管理処理を終了する。
ステップS14050は、時短遊技状態である場合に、時短カウンタの減算を行う処理である。すなわち、メインCPU35101は、時短フラグがセットされているか否かを判別し、時短フラグがセットされている場合、時短カウンタ減算処理を行う。この処理を終了すると、メインCPU35101は、ステップS14051に移る。一方、時短フラグがセットされていなければ、ステップS14050の処理をスキップして、ステップS14051に移る。
ステップS14051において、メインCPU35101は、特別図柄抽選の結果が「役物開放当り」であるか否かを判別する。特別図柄抽選の結果が「役物開放当り」であると判別した場合(ステップS14051におけるYES)、メインCPU35101は、ステップS14052の処理に移る。一方、特別図柄抽選の結果が「役物開放当り」でないと判別した場合(ステップS14051におけるNO)、メインCPU35101は、ステップS14056の処理に移る。
ステップS14052において、メインCPU35101は、役物開放当りであることを示す役物開放当りフラグをセットする処理を行う。この処理を終了すると、メインCPU35101は、ステップS14053の処理に移る。
ステップS14053において、メインCPU35101は、制御状態フラグにV入賞装置開放インターバル管理処理を示す値(「03」)をセットする処理を行う。
次に、メインCPU35101は、V入賞装置開放インターバル時間を待ち時間タイマにセットする処理を行う(ステップS14054)。
次に、メインCPU35101は、役物開放開始コマンドをメインRAM35103にセットする処理を行う(ステップS14055)。これにより、サブ制御回路35200には、役物開放開始コマンドが送信される。この処理を終了すると、メインCPU35101は、特別図柄表示時間管理処理を終了する。
一方、ステップS14056において、メインCPU35101は、制御状態フラグに特別図柄ゲーム終了処理を示す値(「11」)をセットする処理を行う。この処理を終了すると、メインCPU35101は、特別図柄表示時間管理処理を終了する。
[30−6−4−4.V入賞装置開放中処理]
図749は、第6実施例に係るパチンコ遊技機のメインCPU35101によるV入賞装置開放中処理の一例を示すフローチャートである。V入賞装置開放中処理は、特別図柄制御処理の実行中にサブルーチンとして呼び出される。同図に示すように、メインCPU35101は、制御状態フラグがV入賞装置開放中処理を示す値(「04」)であるか否かを判別する(ステップS14071)。制御状態フラグがV入賞装置開放中処理を示す値(「04」)でないと判別した場合(ステップS14071におけるNO)、メインCPU35101は、V入賞装置開放中処理を終了する。一方、制御状態フラグがV入賞装置開放中処理を示す値(「04」)であると判別した場合(ステップS14071におけるYES)、メインCPU35101は、ステップS14072の処理に移る。
ステップS14072において、メインCPU35101は、V入賞装置35422への遊技球の入賞数を示すアタッカー入賞カウンタの値が上限(例えば、10個)に達したか否かを判別する。アタッカー入賞カウンタの値が上限に達したと判別すると(ステップS14072におけるYES)、メインCPU35101は、ステップS14073に移る。一方、アタッカー入賞カウンタの値が上限に達していなければ(ステップS14072におけるNO)、メインCPU35101は、ステップS14074に移る。
ステップS14073において、メインCPU35101は、待ち時間タイマをクリアする。ステップS14073の処理を終了すると、メインCPU35101は、ステップS14075に移る。
一方、ステップS14074では、メインCPU35101は、待ち時間タイマの値が「0」であるか否かを判別する。待ち時間タイマの値が「0」でなければ(ステップS14074におけるNO)、メインCPU35101は、V入賞装置開放中処理を終了する。一方、待ち時間タイマの値が「0」であれば(ステップS14074におけるYES)、メインCPU35101は、ステップS14075に移る。
ステップS14075において、メインCPU35101は、V入賞口スイッチ35431によるV入賞口39223への遊技球の通過検出があったか否かを判別する。V入賞口スイッチ35431によるV入賞口39223への遊技球の通過検出があれば(ステップS14075におけるYES)、メインCPU35101は、ステップS14076に移る。一方、V入賞口スイッチ35431によるV入賞口39223への遊技球の通過検出がなければ(ステップS14075におけるNO)、メインCPU35101は、ステップS14080に移る。
ステップS14076において、メインCPU35101は、大当りフラグをセットする。ステップS14076の処理を終了すると、メインCPU35101は、ステップS14077に移る。
ステップS14077において、メインCPU35101は、制御状態フラグに、大入賞口内残留球監視処理(ステップS14010)を示す値(「08」)をセットするとともに、大入賞口内残留球監視時間を待ち時間タイマにセットする。すなわち、この処理により、後述の大入賞口内残留球監視処理が実行されるように設定される。この処理を終了すると、メインCPU35101は、ステップS14078に移る。
ステップS14078において、メインCPU35101は、V大当り開始インターバル時間を待ち時間タイマにセットする。この処理を終了すると、メインCPU35101は、ステップS14079に移る。
ステップS14079において、メインCPU35101は、V大当り開始コマンドをセットする。これにより、サブ制御回路35200には、V大当り開始コマンドが送信される。ステップS14079の処理を終了すると、メインCPU35101は、V入賞装置開放中処理を終了する。
一方、ステップS14080では、メインCPU35101は、制御状態フラグに、V入賞装置開放処理終了インターバル処理を示す値(「05」)をセットし、V入賞装置開放中処理を終了する。
[30−6−4−5.V入賞装置開放処理終了インターバル処理]
図750は、第6実施例に係るパチンコ遊技機のメインCPU35101によるV入賞装置開放処理終了インターバル処理の一例を示すフローチャートである。V入賞装置開放処理終了インターバル処理は、特別図柄制御処理の実行中にサブルーチンとして呼び出される。この処理は、V入賞装置開放中処理(ステップS14006)において、V入賞口スイッチ35431によるV入賞口39223への遊技球の通過検出がなかった場合、すなわち、時短当落判定処理の結果が「時短当り」であったにもかかわらず、V入賞口39223への遊技球の通過が検出されなかった場合に実行される処理である。同図に示すように、メインCPU35101は、制御状態フラグがV入賞装置開放処理終了インターバル処理を示す値(「05」)であるか否かを判別する(ステップS14091)。制御状態フラグがV入賞装置開放処理終了インターバル処理を示す値(「05」)でないと判別した場合(ステップS14091におけるNO)、メインCPU35101は、V入賞装置開放処理終了インターバル処理を終了する。一方、制御状態フラグがV入賞装置開放処理終了インターバル処理を示す値(「05」)であると判別した場合(ステップS14091におけるYES)、メインCPU35101は、ステップS14092の処理に移る。
ステップS14092において、メインCPU35101は、待ち時間タイマの値が「0」であるか否かを判別する。この処理において、メインCPU35101は、待ち時間タイマにセットされたV入賞装置開放処理終了インターバル時間が消化されたか否かを判別する。待ち時間タイマの値が「0」でないと判別した場合(ステップS14092におけるNO)、メインCPU35101は、V入賞装置開放処理終了インターバル処理を終了する。一方、待ち時間タイマの値が「0」であると判別した場合(ステップS14092におけるYES)、メインCPU35101は、ステップS14093の処理に移る。
ステップS14093において、メインCPU35101は、制御状態フラグに特別図柄ゲーム終了処理を示す値(「11」)をセットする処理を行い、ステップS14094に移る。
ステップS14094において、メインCPU35101は、V入賞装置開放処理終了コマンドをセットする。これにより、サブ制御回路35200には、V入賞装置開放処理終了コマンドが送信される。この処理を終了すると、メインCPU35101は、ステップS14095に移る。
ステップS14095において、メインCPU35101は、役物開放当りフラグをクリアする処理、すなわち、メインRAM35103の所定領域にON設定されている役物開放当りフラグをOFFに設定する処理を行う。ステップS14095の処理を終了すると、メインCPU35101は、V入賞装置開放処理終了インターバル処理を終了する。
このように、時短当落判定処理の結果が「時短当り」であったとしても、V入賞口39223への遊技球の通過が検出されずに大当り遊技状態に制御されなかった場合、時短当落判定処理の結果に基づいて時短回数がセットされる(またはセットされない)こととなる。すなわち、時短当落判定処理の結果が「時短当り」であれば時短回数が例えば1回にセットされ、時短当落判定処理の結果が「時短ハズレ」であれば時短回数がセットされずに通常遊技状態に制御されることとなる。
[30−6−4−6.大当り終了インターバル処理]
図751は、第6実施例に係るパチンコ遊技機のメインCPU35101による大当り終了インターバル処理の一例を示すフローチャートである。大当り終了インターバル処理は、特別図柄制御処理の実行中にサブルーチンとして呼び出される。同図に示すように、メインCPU35101は、制御状態フラグが大当り終了インターバル処理を示す値(「10」)であるか否かを判別する(ステップS14101)。制御状態フラグが大当り終了インターバル処理を示す値(「10」)でないと判別した場合(ステップS14101におけるNO)、メインCPU35101は、大当り終了インターバル処理を終了する。一方、制御状態フラグが大当り終了インターバル処理を示す値(「10」)であると判別した場合(ステップS14101におけるYES)、メインCPU35101は、ステップS14102の処理に移る。
ステップS14102において、メインCPU35101は、待ち時間タイマの値が「0」であるか否かを判別する。この処理において、メインCPU35101は、待ち時間タイマにセットされた大当り終了インターバル時間が消化されたか否かを判別する。待ち時間タイマの値が「0」でないと判別した場合(ステップS14102におけるNO)、メインCPU35101は、大当り終了インターバル処理を終了する。一方、待ち時間タイマの値が「0」であると判別した場合(ステップS14102におけるYES)、メインCPU35101は、ステップS14103の処理に移る。
ステップS14103において、メインCPU35101は、大入賞口開放回数表示LEDパターンフラグをクリアする。大入賞口開放回数表示LEDパターンフラグは、大当り時のラウンド数をLEDの発光パターンによって表示するか否かを示す管理フラグとして用いられる。
次に、メインCPU35101は、ラウンド数振り分けフラグをクリアする(ステップS14104)。このラウンド数振り分けフラグは、メインRAM35103に格納される管理フラグの一つであり、1ラウンド中にあっても予め決められた回数だけ大入賞口35540を周期的に開閉させるか否かを示すためのフラグである。1ラウンド中でも大入賞口35540を周期的に開閉させる場合は、ラウンド数振り分けフラグが「1」となる。このときまた、メインCPU35101は、サブ制御回路35200に対して特別図柄大当り終了表示コマンドを送信する。
次に、メインCPU35101は、制御状態フラグに特別図柄ゲーム終了処理を示す値(「11」)をセットする処理を行う(ステップS14105)。
次に、メインCPU35101は、ステップS14106において、大当りフラグをクリアする処理、すなわち、メインRAM35103の所定領域にON設定されている大当りフラグをOFFに設定する処理を行い、ステップS14107に移る。
ステップS14107において、メインCPU35101は、時短フラグがONにセットされる時短大当りであったか否かを判別する。本実施例では、当り時選択図柄コマンドが「z0」、「z1」または「z3」である場合に、時短大当りであったと判別される。
メインCPU35101は、時短大当りでなかった、すなわち時短フラグがONにセットされない通常大当り(例えば、当り時選択図柄コマンドが「z2」)であったと判別すると(ステップS14107におけるNO)、大当り終了インターバル処理を終了する。一方、時短大当りであったと判別すると(ステップS14107におけるYES)、メインCPU35101は、ステップS14108に移る。
ステップS14108において、メインCPU35101は、時短フラグをONにセットし、この処理を終了するとステップS14109に移る。
ステップS14109において、メインCPU35101は、時短回数を時短カウンタにセットする。第6実施例のパチンコ遊技機では、大当り種類決定テーブル(図743参照)に示される通り、セットされる時短回数は「4」である。この処理を終了すると、メインCPU35101は、大当り終了インターバル処理を終了する。
[30−6−4−7.特別図柄ゲーム終了処理]
特別図柄ゲーム終了処理は、特別図柄の変動終了時に実行される処理であって、主制御メイン処理の実行中にサブルーチンとして呼び出される。この特別図柄ゲーム終了処理についてはとくに図示しないが、この処理において、メインCPU35101は、特別図柄ゲームを終了するための各種処理を実行する。特別図柄ゲーム終了処理で実行される各種処理には、例えば、当りの種類に応じて時短フラグをONにセットする処理(時短フラグをONにセットしない場合はこの処理を実行しない)、時短フラグをONにセットする場合は時短回数をセットする処理等が含まれる。とくに時短回数をセットする処理において、大当り遊技状態に制御された場合(すなわち、大当りにかかる動作が実行された場合)、および、小当り遊技状態に制御され且つ役物開放当りによってVアタッカー39222が開放したときにV入賞口39223への遊技球の通過が検出されたことによって大当り遊技状態に制御された場合、メインCPU35101は、特別図柄決定処理(例えば、図747のS14032参照)において当りの種類に応じて決定された時短回数をセットする。また、時短回数をセットする処理において、特別図柄抽選の結果がハズレである場合、および、小当り遊技状態に制御されたもののV入賞口39223への遊技球の通過が検出されずに大当り遊技状態に制御されなかった場合、メインCPU35101は、時短当落判定処理(例えば、図747のS14030参照)において決定された時短回数をセットする。
また、特別図柄抽選の結果が小当りである場合、時短フラグおよび時短回数のセットを以下のように行ってもよい。例えば、小当り図柄として、特別図柄決定用乱数値を用いて実行される時短当落判定処理では時短ハズレと判定される(以下、「時短図柄を兼用しない」と称する)ものの特定領域通過時に時短フラグをONにセットする旨が決定される小当り図柄A、時短図柄を兼用せず且つ特定領域通過時にも時短フラグがONにセットされない小当り図柄B、特別図柄決定用乱数値を用いて実行される時短当落判定処理では時短当りと判定され(以下、「時短図柄を兼用する」と称する)且つ特定領域通過時にも時短フラグをONにセットする旨が決定される小当り図柄C、および、時短図柄と兼用するものの特定領域通過時に時短フラグをONにセットされない小当り図柄Dを設ける。そして、特別図柄抽選の結果が小当りであって、小当り図柄が小当り図柄Aまたは小当り図柄Cである場合、特定領域通過に基づいてセットされる時短フラグおよび時短回数を、大当り遊技状態の終了後にセットする。また、特別図柄抽選の結果が小当りであって、小当り図柄が小当り図柄Cまたは小当り図柄Dであり且つ特定領域非通過であった場合、小当り図柄が時短図柄と兼用することに基づいてセットされる時短フラグおよび時短回数を、小当り遊技状態の終了後にセットする。それ故、特別図柄抽選の結果が小当りであって、小当り図柄が小当り図柄Cである場合、特定領域を通過させるか否かによって、その後(小当り遊技状態の終了後または大当り遊技状態の終了後)に実行される時短制御の回数(すなわち時短回数)が異なることとなる。なお、V入賞口39223への遊技球の通過時に、V入賞口39223への遊技球の通過に基づいて時短回数を決定するか、時短図柄に基づいて時短回数を決定するかをあらかじめ定め、または、抽選により決定してもよい。
また、とくに図示しないが、メインCPU35101は、特別図柄ゲーム終了処理(図746のステップS14013参照)において、時短当落判定結果表示部35077および当選時短回数表示部35078の表示を制御する。
特別図柄ゲーム終了処理を終了すると、メインCPU35101は、特別図柄制御処理を終了する。
なお、「特別図柄の変動終了」は、特別図柄の変動表示が終了(停止)し、特別図柄が確定する特別図柄確定時間経過後(すなわち、特別図柄抽選の結果が導出されたとき)が相当する。
[30−6−5.遊技の流れ]
次に、上述した各テーブルを用いて上記の各制御処理が実行されたときの遊技の流れについて説明する。
先ず、時短フラグがOFFの通常遊技状態では、右打ちしたとしても普通図柄の変動時間が例えば600000msecと長時間であるため、遊技者が右打ちする実益はない。そのため、一般的な遊技者は、通常遊技状態では左打ちで遊技を行う。
通常遊技状態において行われた第1特別図柄抽選の結果が「大当り」であったとき、メインCPU35101は、特別図柄判定テーブル(図742参照)を参照して当り時選択図柄コマンドを決定する。その後、メインCPU35101は、大当り種類決定テーブル(図743参照)を参照し、決定された当り時選択図柄コマンドに基づいて当りの種類(ラウンド数、時短回数)を決定し、大当り遊技状態に制御する。
なお、図738に示されるように、大入賞口35540は右側領域に配置されているため、大当り遊技状態では、右打ちで遊技が行われる。
大当り種類決定テーブル(図743参照)に示されるように、当り時選択図柄コマンドが「z0」、「z1」または「z3」であるとき、メインCPU35101は、大当り遊技状態が終了したのちの遊技状態を、時短フラグがONにセットされる時短遊技状態に制御する。
また、第6実施例のパチンコ遊技機では、通常遊技状態において、メインCPU35101は、第1始動口35420への遊技球の入賞(通過)に基づいて時短当落判定用乱数値を取得し、この時短当落判定用乱数値を用いて時短当落判定処理を行う。この時短当落判定処理の結果が「時短当り」である場合、メインCPU35101は、当該ゲームの結果に基づいて大当り遊技状態に制御されなくとも、時短遊技状態に制御する。ただし、当該ゲームの結果に基づいて大当り遊技状態に制御される場合、たとえ時短当落判定処理の結果が「時短当り」であったとしても、メインCPU35101は、「時短当り」に基づいて時短回数をセットするのではなく、当り時選択図柄コマンドに基づいて時短回数をセットする。なお、「当該ゲームの結果に基づいて大当り遊技状態に制御される」とは、当該ゲームにおける特別図柄抽選の結果が大当りであってこの大当りに基づいて大当り遊技状態に制御される場合、および、当該ゲームにおける特別図柄抽選の結果が役物開放当りであってこの役物開放当りに基づいてV入賞装置35422の内部に進入した遊技球がV入賞口39223に入賞(通過)したこと基づいて大当り遊技状態に制御された場合が相当する。
時短遊技状態では、普通図柄の変動時間が例えば1000msecと短縮され、しかも普通図柄抽選の結果は極めて高い確率で「普通当り」となるため、普通電動役物35460の開放頻度が高められ、ひいては第2始動口35440への遊技球の入賞頻度が高められる。そのため、時短遊技状態では、右打ちで遊技が行われる。
第2始動口35440に遊技球が入賞すると、メインCPU35101は第2特別図柄抽選を行う。この第2特別図柄抽選では、図741に示されるように極めて高い確率で役物開放当りに当選する。役物開放当りに当選すると、メインCPU35101は、Vアタッカー39222を作動させて、開閉入賞口39221からV入賞装置35422への遊技球の入賞が可能な状態となる。
なお、上述した通り、セットされる時短回数は「4」であるため、V入賞装置35422への遊技球の入賞チャンスは少なくとも4回与えられる。また、第2特別図柄の変動表示を4個まで保留することができる。そのため、V入賞口39223への遊技球の通過チャンスは、時短遊技の4回と保留遊技の4回(最大)とをあわせて合計8回与えられる可能性がある。
また、上述したとおり、V入賞装置35422の内部に進入した遊技球の個数にかかわらず、V入賞装置35422の内部に進入した遊技球は、概ね7分の1の確率でV入賞口39223に入賞(通過)する。そして、V入賞口39223を遊技球が通過するとV入賞大当りとなり、メインCPU35101は大当り遊技状態に制御する。
[30−6−6.作用効果、拡張例等]
ところで、第6実施例のパチンコ遊技機では、通常遊技状態において、大当り遊技状態に制御されなくとも、時短当落判定処理の結果が「時短当り」である場合には時短遊技状態に制御され、第2始動口35440への遊技球の入賞頻度が高められることによってV入賞装置35422への遊技球の入賞チャンスが生起しうる。そして、V入賞装置35422の内部に進入した遊技球がV入賞口39223に入賞(通過)すると大当り遊技状態に制御され、大当り遊技状態の終了後は、当り時選択図柄コマンドに応じた時短回数がセットされる。一方、時短当落判定処理の結果が「時短当り」であることによってV入賞装置35422への遊技球の入賞チャンスが生起したとしてもV入賞口39223に遊技球が入賞(通過)しなかった場合、大当り遊技状態には制御されないものの、Vアタッカー39222の開放制御が終了した後、時短回数として特定の回数(例えば1回)がセットされる。そのため、ゲームの汎用性が拡大し、これまでにない新たなゲーム性を備えるパチンコ遊技機を提供することで、興趣を高めることが可能となる。
また、時短当落判定処理(ステップS14030)は、大当り判定処理(ステップS14031)に用いられる大当り判定用乱数値とは別の乱数値(時短当落判定用乱数)を用いて実行されるだけでなく、特別図柄当り判定処理は別の抽選処理として実行されるため、遊技者の興味を、特別図柄当り判定処理だけでなく時短当落判定処理にも向けることができ、興趣を高めることが可能となる。
また、第6実施例のパチンコ遊技機では、時短当落判定処理(ステップS14030)を、大当り判定処理(ステップS14031)に先だって実行している。このように、大当り判定処理に先だって実行された時短当落判定処理の結果が「時短当り」である場合、大当り判定処理に先だって時短フラグをONに設定するとともにこれにともなって時短回数をセットするようにしてもよい。この場合、大当り判定処理の実行時には時短機能が作動していることとなる。そのため、例えば、大当り判定処理が実行されたときの遊技状態に応じてセットされる時短回数が異なるようにした場合、遊技者にとっての利益度合いが異なりうるため、興趣を高めることができる。
ただし、時短当落判定処理(ステップS14030)を、大り判定処理(ステップS14031)に先だって実行することに代えて、大当り判定処理(ステップS14031)が実行された以降に実行してもよい。この場合、時短当落判定処理の結果が大当り判定処理に影響を及ぼさない(すなわち、遊技者にとって有利となる影響も不利となる影響も及ぼさない)。そのため、少なくとも遊技者にとって不利益となることがないため、遊技者は安心して遊技を行うことができ、興趣の低下を抑制することができる。
また、この第6実施例において、時短当落判定処理(ステップS14030)に用いられる時短当落判定用乱数値は、他の処理には用いられない専用乱数値であるため、他の処理の制約を受けることなく、例えば任意のタイミングで時短当落判定処理を実行することができ、時短当落判定処理を実行するにあたっての自由度を高めることが可能となる。
なお、サブCPU35201は、時短当落判定処理の結果が「時短当り」であるのか「時短ハズレ」であるのかを外観で把握することが可能または容易な演出画像(例えば、装飾図柄の変動演出やキャラクタによる表示演出等)を、液晶表示装置35016に表示する制御を実行することが好ましい。この場合、特別図柄抽選の結果とは別に、時短当落判定処理の結果が液晶表示装置35016に表示されるため、興趣の低下を抑制することが可能となる。
また、サブCPU35201は、特別図柄の変動中に時短当落判定処理が実行された場合、変動中の特別図柄についての特別図柄抽選の結果に応じて、時短当落判定処理の結果を示す演出画像を表示する制御を実行したり実行しなかったりしてもよい。例えば、大当りが導出される特別図柄の変動中は時短当落判定処理の結果を示す演出画像を表示せず、ハズレが導出される特別図柄の変動中は時短当落判定処理の結果を示す演出画像を表示するようにすると好ましい。また、役物開放当りが導出される特別図柄の変動中は、時短当落判定処理の結果を示す演出画像を表示しても表示しなくてもよい。
また、サブCPU35201は、時短当落判定処理の結果が「時短当り」であるのか「時短ハズレ」であるのかを外観で把握することが不可能または困難な演出画像(例えば、装飾図柄の変動演出やキャラクタによる表示演出等)を液晶表示装置35016に表示する制御を実行してもよい。
また、例えば、第1条件成立時は、時短当落判定処理の結果が「時短当り」であるのか「時短ハズレ」であるのかを外観で把握することが可能または容易な演出画像を液晶表示装置35016に表示し、第2条件成立時は、時短当落判定処理の結果が「時短当り」であるのか「時短ハズレ」であるのかを外観で把握することが不可能または困難な演出画像を液晶表示装置35016に表示するようにしてもよい。
また、一般的なパチンコ遊技機では、特別図柄抽選の結果が大当りであった場合、サブCPU35201は、大当り遊技状態において推奨される遊技球の発射方法として例えば右打ち指示を示す演出画像が液晶表示装置35016に表示されるよう制御する。この点、本実施例では、特別図柄抽選の結果が大当りでなかった(例えば、ハズレであった)としても、時短当落判定処理の結果が「時短当り」である場合、サブCPU35201は、時短機能が作動した場合に推奨される遊技球の発射方法として例えば右打ち指示を示す演出画像が液晶表示装置35106に表示されるよう制御する。ただし、時短当落判定処理の結果が「時短当り」である場合、時短機能が作動した場合に推奨される遊技球の発射方法を示す演出画像を、常に液晶表示装置35016に表示するようにしてもよいが、特定条件が成立した場合に限り表示するようにしてもよい。例えば、「時短当り」に基づいてセットされる時短回数が、所定回数以上(例えば2回以上)である場合には表示し、所定回数未満(例えば2回未満)である場合等には表示しないようにしてもよい。なお、上記の特定条件は、時短回数を条件とするものに限られず、適宜、任意の条件とすることができる。
また、本実施例において、特別図柄抽選の結果が大当りでなかった(例えば、ハズレであった)としても、時短当落判定処理の結果が「時短当り」である場合、サブCPU35201は、時短機能が作動した場合に推奨される遊技球の発射方法として例えば右打ち指示を示す演出画像が液晶表示装置35106に表示されるよう制御することが好ましい。ただし、時短当落判定処理の結果が「時短当り」である場合、時短機能が作動した場合に推奨される遊技球の発射方法を示す演出画像を、常に液晶表示装置35016に表示するようにしてもよいが、特定条件が成立した場合に限り表示するようにしてもよい。例えば、通常遊技状態において、時短当落判定処理の結果が「時短当り」であるとき、セットされる時短回数が都度異なるようにした場合、「時短当り」に基づいてセットされる時短回数が、所定回数以上(例えば2回以上)である場合には表示し、所定回数未満(例えば2回未満)である場合等には表示しないようにしてもよい。なお、上記の特定条件は、時短回数を条件とするものに限られず、適宜、任意の条件とすることができる。
また、この第6実施例では、特別図柄記憶チェック処理(図747参照)において、大当り判定処理(S14031)が実行される前に、時短当落判定処理(S14030)が実行されるが、サブCPU35201は、「時短当り」となった状況下(すなわち、時短機能が作動した状態)で大当り判定処理が実行されるのか否かを、外観で把握可能または把握容易な演出画像を液晶表示装置35016に表示する制御を実行してもよい。とくに、時短機能が作動しているか否かによって大当り判定処理の結果として遊技者に付与される利益(例えば、時短回数)が異なる場合、興趣が高められる。
また、特別図柄抽選の結果がハズレであって且つ時短当落判定処理の結果が「時短当り」である場合、メインCPU35101は、当該ゲームにおいて特別図柄の変動表示を停止した後のインターバル時間を、特別図柄抽選の結果がハズレであって且つ時短当落判定処理の結果が「時短ハズレ」である場合の上記のインターバル時間よりも長くしてもよい。装飾図柄の変動表示は特別図柄の変動表示と同期するため、この場合、サブCPU35201は、上記のインターバル時間が経過するまでの間、「時短当り」であることを示す演出画像を液晶表示装置35016に表示することが好ましい。
なお、特別図柄抽選の結果がハズレであって且つ時短当落判定処理の結果が「時短当り」であったとしても、メインCPU35101は、当該ゲームにおいて特別図柄の変動表示を停止した後のインターバル時間を、特別図柄抽選の結果がハズレであって且つ時短当落判定処理の結果が「時短ハズレ」である場合の上記のインターバル時間と同じまたは略同じ時間としてもよい。この場合、サブCPU35201は、装飾図柄の変動表示中または装飾図柄を仮停止させた仮停止中に、「時短当り」であることを示す演出画像を液晶表示装置35016に表示することが好ましい。
また、特別図柄抽選の結果が役物開放当りであって且つこの役物開放当りに基づいて大当り遊技状態に制御されない場合、メインCPU35101は、時短当落判定処理の結果が「時短当り」であるときの役物開放当りにかかる動作終了後のインターバル時間を、時短当落判定処理の結果が「時短ハズレ」であるときの上記のインターバル時間よりも長くしてもよいし、同じまたは略同じ時間としてもよい。
また、この第6実施例において、時短当落判定処理に用いる乱数値の種類、時短当落判定処理に用いる乱数値の取得タイミング、時短当落判定処理において時短当りと判定される条件、時短当落判定処理の実行タイミング、時短当落判定処理を実行可能な遊技状態、時短当り時にセットされる時短回数、時短遊技状態の開始タイミング、時短遊技状態の終了タイミング、時短回数書き換えタイミング、時短当り確率、および、時短当落判定処理の結果表示、等の時短にかかわる処理をまとめると以下のとおりである。なお、以下では第6実施例の拡張例についても記載しているがこれは一例であり、拡張例のまとめについては後述する。
(時短当落判定処理に用いる乱数値の種類)
上述した第6実施例では、時短当落判定用乱数値を用いて時短当落判定処理を行っている。ただし、これに限られず、例えば、特別図柄決定用乱数値、普通当り判定用乱数値、普通図柄決定用乱数値、および、特別図柄転落判定用乱数値を含む既存の乱数値のうち、いずれか一つまたは複数の乱数値を用いて時短当落判定処理を行うようにしてもよい。
このように、例えば特別図柄決定用乱数値、普通当り判定用乱数値または普通図柄決定用乱数値のように既存の乱数値を用いて時短当落判定処理(ステップS11475A)を実行する場合、徒に乱数を増やす必要がないため、制御負荷を抑制しつつ、これまでになかった新たな処理を実行することができ、興趣を高めることができる。とくに、例えば普通当り判定用乱数値等の乱数値は、普通図柄抽選のみしか用いられていなかったため、このような乱数を有効活用することで、制御負荷を抑制しつつゲーム性の幅を広げることができ、興趣を高めることができる。なお、時短当落判定処理の結果が「時短当り」である場合に決定される時短回数についても、上述の既存の乱数値を用いるとよい。
また、普図ゲート35049への遊技球の通過、V入賞口39223への遊技球の通過、ハズレ口39224への遊技球の通過、特定の入賞口や特定の通過口(例えば、時短抽選口や特定の一般入賞口等)への遊技球の入賞(通過)等の所定の入賞口やゲートを通過したことに基づいて時短当落判定処理を行うようにしてもよい。なお、上記の時短抽選口は、V入賞装置35422の内部に進入した遊技球のみが通過可能なものであってもよいし、V入賞装置35422の上流側を流下する遊技球が通過可能なものであってもよいし、V入賞装置35422の内部に進入しなかった遊技球のみが通過可能なものであってもよい。さらには、所定の入賞口やゲートを通過したことに基づいて時短当落判定を行うことに代えて、所定の入賞口やゲートを通過したことに基づいて時短フラグをONにセットすることが決定されるようにしてもよい。また、遊技者にとっての有利度合いが異なる複数の設定値のうちいずれか一の設定値に基づいて遊技が進行するパチンコ遊技機であれば、設定変更時に、変更後の設定値を用いて時短当落判定処理を行うようにしてもよい。
(時短当落判定処理に用いる乱数値の取得タイミング)
上述した第6実施例では、時短当落判定処理に用いる時短当落判定用乱数値を、特別図柄抽選の契機となる始動口35420,35440への遊技球の入賞(通過)に基づいて取得している。ただし、これに限られず、例えば、普通図柄抽選の契機となる普図ゲート35049への遊技球の通過時や、時短抽選口への遊技球の入賞(通過)時に取得するようにしてもよい。ここで、賞球の払い出しがある特定の入賞口を時短抽選口としてもよいし、賞球の払い出しがない特定のゲートや特定のアウト口を時短抽選口としてもよい。
なお、始動口35420,35440への遊技球の入賞(通過)に基づいて時短当落判定用乱数値を取得する場合、第1始動口35420および第2始動口35440のいずれに遊技球が入賞した場合であっても時短当落判定用乱数値を取得するようにすることは必須ではなく、第1始動口35420および第2始動口35440のうちいずれか一方に遊技球が入賞した場合にのみ時短当落判定用乱数値を取得するようにしてもよい。
(時短当落判定処理において時短当りと判定される条件)
上述した第6実施例では、取得した時短当落判定用乱数値が特定の時短当落判定用乱数値(例えば、特定の時短当り判定値データ)であるときに時短当りと判定されるようにしているが、これに限られない。例えば、大当り判定用乱数値を用いて時短当落判定処理を実行する場合であれば、特定のハズレ判定値データ、特定の小当り判定値データまたは/および特定の大当り判定値データであるときに時短当りと判定されるようにしてもよいし、特別図柄決定用乱数値を用いて時短当落判定処理を実行する場合であれば、特定のハズレ図柄、特定の小当り図柄、特定の大当り図柄であるときに時短当たりと判定されるようにしてもよい。また、変更後の設定値を用いて時短当落判定処理を行うようにした場合、特定の設定値に変更された場合に時短当りと判定されるようにしてもよい。
(時短当落判定処理の実行タイミング)
上述した第6実施例では、特別図柄記憶チェック処理(図747参照)において、大当り判定処理(S14031)が実行される前に、時短当落判定処理(S14030)が実行されるが、時短当落判定処理の実行タイミングはこれに限られない。例えば、特別図柄記憶チェック処理において、大当り判定処理が実行された後に、時短当落判定処理が実行されるようにしてもよい。さらには、特別図柄記憶チェック処理(すなわち特別図柄の変動開始時)において時短当落判定処理を実行することに限らず、始動口35420,35440への遊技球の入賞(通過)時、普図ゲート35049への遊技球の通過時、V入賞口39223への遊技球の通過時、ハズレ口39224への遊技球の通過時、時短抽選口への遊技球の入賞(通過)時、始動口35420,35440に遊技球が入賞(通過)してから特別図柄変動開始処理が実行されるまでの任意のタイミング、普図ゲート35049を遊技球が通過してから普通図柄抽選が実行されるまでの任意のタイミング等で、時短当落判定処理を実行するようにしてもよい。
なお、始動口35420,35440への遊技球の入賞(通過)に基づいて取得した時短当落判定用乱数値を用いて特別図柄記憶チェック処理(図747参照)において時短当落判定処理を実行する場合、メインCPU35101は、特別図柄の始動情報と同様に、取得した時短当落判定用乱数値を保留する。そして、メインCPU35101は、特別図柄変動開始処理において、取得した時短当落判定用乱数値を用いて時短当落判定処理を実行する。
一方、例えば時短抽選口に入賞する等の他の契機に基づいて時短当落判定用乱数値が取得される場合、または、特別図柄変動開始処理とは別のタイミングで時短当落判定処理が実行される場合、メインCPU35101は、次のように処理を実行することができる。例えば、メインCPU35101は、取得した時短当落判定用乱数値を保留し、所定条件の成立に基づいて、保留された時短当落判定用乱数値を用いて時短当落判定処理を実行するようにしてもよいし、時短当落判定用乱数値を取得するとただちに時短と当落判定処理を実行するようにしてもよい。
(時短当落判定処理を実行可能な遊技状態)
上述した第6実施例では、通常遊技状態において時短当落判定処理が実行され、時短フラグがONにセットされている時短遊技状態では時短当落判定処理が実行されない。このように、時短遊技状態では時短当落判定処理(ステップS14030)が実行されず、時短フラグがOFFの通常遊技状態である場合に限り時短当落判定処理が実行されるため、制御負荷が徒に増大することを防ぐことが可能となる。
ただし、通常遊技状態であっても時短当落判定処理(ステップS14030)が実行されるようにし、この時短当落判定処理の結果が「時短当り」である場合、メインCPU35101は、「時短当り」に基づいて決定された時短回数を、時短残回数に代えて新たにセット(すなわち、時短残回数をリセット)するようにしてもよい。この場合、新たにセットされる時短回数が時短残回数よりも多いか少ないかによって遊技者にとっての利益度合いが変わることとなってゲーム性の幅が広がり、時短フラグがONの遊技状態に面白みを持たせることができ、興趣を高めることが可能となる。
また、時短遊技状態であっても時短当落判定処理(ステップS14030)が実行されるようにし、この時短当落判定処理の結果が「時短当り」である場合、メインCPU35101は、「時短当り」に基づいて決定された時短回数を、時短残回数に加算するようにしてもよい。この場合、現在の時短残回数よりも少なくなることがないため、遊技者は、時短遊技状態において安心して遊技を行うことができる。
また、時短遊技状態であっても時短当落判定処理(ステップS14030)が実行されるようにし、この時短当落判定処理の結果が「時短当り」である場合、メインCPU35101は、「時短当り」に基づいて決定された時短回数を時短残回数に代えて新たにセットする処理と、「時短当り」に基づいて決定された時短回数を時短残回数に加算する処理と、「時短当り」に基づいて決定された時短回数を新たにセットせず遊技状態を継続する処理とのうち、予めいずれかに定めて、この予め定められた条件を満たす態様で時短回数をセットするようにしてもよい。
(時短当り時にセットされる時短回数)
第6実施例では、時短当りが発生した場合にセットされる時短回数は、予め定められた特定の回数(例えば、1回)の1種類のみである。ただし、これに限られず、例えば、取得した時短当落判定用乱数値に応じて時短回数が決定されるようにしてもよいし、時短当落判定処理が行われたときの遊技状態に応じて時短回数が決定されるようにしてもよいし、取得した時短当落判定用乱数値および時短当落判定処理が行われたときの遊技状態といった複数の条件に基づいて時短回数が決定されるようにしてもよい。
なお、時短遊技状態でも時短回数をセットしうる場合、例えば、大当り判定処理(ステップS14031)の結果が大当りである場合と、時短当落判定処理の結果が「時短当り」である場合とのように、異なるルートで時短フラグがセットされる場合、ルートが同じであるか異なるかによって、時短回数をセットする処理を変えるようにしてもよい。例えば、大当り判定処理の結果が大当りであることに基づいて時短遊技状態に制御されているときに、大当り判定処理の結果が大当りとなって時短回数がセットされる場合(同じルートで時短フラグがセットされる場合)は、作動中の時短残回数に代えて、大当りに基づいて決定された時短回数を新たにセット(すなわち、時短残回数をリセット)し、時短当落判定処理の結果が「時短当り」となって時短回数がセットされる場合(異なるルートで時短フラグがセットされる場合)は、例えば、作動中の時短残回数を全て消化した後に、「時短当り」に基づく時短遊技状態に制御されるようにしてもよい。また、例えば、同じルートで時短フラグがセットされる場合は、新たな時短回数をセットせずに作動中の時短残回数が消化されると時短遊技状態が終了し、異なるルートで時短フラグがセットされる場合は、時短残回数をリセットして新たな時短回数をセットするようにしてもよい。なお、時短回数をセットする場合の処理は、これに限られず、例えば、作動中の時短残回数をリセットして新たな時短回数をセットする、作動中の時短残回数を消化した後に新たな時短回数を実行する(または新たな時短回数を作動中の時短残回数に加算する)、および、新たな時短回数をセットせずに作動中の時短残回数が消化されると時短遊技状態が終了する、といった複数の態様を、時短フラグがセットされるルートが同じであるか異なるかに応じて、適宜、任意に組み合わせることができる。
また、時短当落判定処理の結果が「時短当り」であることに基づいて時短回数をセットする場合、時短回数が「0」にセットされる場合があり得るようにしてもよい。すなわち、セットされる時短回数が「0」に決定された場合、時短当落判定処理の結果が「時短当り」であるにもかかわらず、時短フラグがOFFにセットされる。また、時短遊技状態において時短当落判定処理の結果が「時短当り」であって且つ時短回数が「0」にセットされる場合、従前の時短遊技状態も終了することとなる。
(時短遊技状態の開始タイミング)
時短遊技状態の開始にかかわる処理(例えば、時短フラグをONにセットする処理、時短回数をセットする処理等)を特別図柄ゲーム終了処理(図746のステップS14013参照)において行うことにより、時短遊技状態に制御される(時短遊技状態が開始される)タイミングは以下のとおりとなる。すなわち、特別図柄抽選(第1特別図柄抽選、第2特別図柄抽選)の結果がハズレである場合、特別図柄が確定する特別図柄確定時間が経過したことに基づいて時短遊技状態が開始される。また、特別図柄抽選の結果が役物開放当りであって且つVアタッカー39222が開放したにもかかわらずV入賞口39223への遊技球の通過が検出されずに大当り遊技状態に制御されなかった場合、V入賞装置開放処理の終了に基づいて時短遊技状態が開始される。また、特別図柄抽選の結果が役物開放当りであって且つVアタッカー39222が開放したときにV入賞口39223への遊技球の通過が検出されたことによって大当り遊技状態に制御された場合、および、特別図柄抽選の結果が大当りであって大当り遊技状態に制御された場合、大当り遊技状態の終了(大当りにかかる動作の終了)に基づいて時短遊技状態が開始される。
なお、第6実施例では、特別図柄記憶チェック処理(図747参照)において、大当り判定処理(ステップS14031)が実行される前に、時短当落判定処理(ステップS14030)が実行されるが、この場合、時短遊技状態の開始にかかわる処理を、特別図柄ゲーム終了処理(ステップS14013)において行うことに代えて、特別図柄当り判定処理(ステップS11475)が実行される前に行うようにしてもよい。このようにした場合、時短当落判定処理の結果に基づいて、大当り判定処理が実行されることとなる。例えば、大当り判定処理の結果が大当りであって、大当り判定処理が実行されたときの遊技状態において時短にかかわる処理(時短フラグをONにセットするか否か、時短フラグをONにセットする場合にセットされる時短回数等)が異なる場合、時短当落判定処理の結果が時短当りであるか否かによって時短にかかわる処理が異なることとなる。
(時短遊技状態の終了タイミング)
時短遊技状態が終了するタイミングは、例えば以下のとおりとなる。すなわち、ホ)時短遊技状態において、セットされた時短回数にわたって特別図柄の可変表示が実行された場合、ヘ)時短遊技状態における特別図柄抽選の結果に基づいて大当り遊技状態に制御された場合(大当り判定処理の結果が大当りの場合、および、大当り判定処理の結果が役物開放当りであって且つVアタッカー39222が開放したときにV入賞口39223への遊技球の通過が検出されたことによって大当り遊技状態に制御された場合、の両方を含む)、等である。
なお、時短遊技状態における特別図柄抽選の結果(役物開放当り)に基づいてV入賞装置開放処理が実行されたものの、Vアタッカー39222が開放したときにV入賞口39223への遊技球の通過が検出されずに大当り遊技状態に制御されなかった場合は、V入賞装置開放処理が終了した後も時短遊技状態が継続する。
(時短回数書き換えタイミング)
時短フラグがONの時短遊技状態において時短当落判定処理を実行し、この時短当落判定処理の結果が「時短当り」である場合、メインCPU33101は、時短回数を書き換えてもよいし、従前の時短回数の書き換えを行わずに従前の時短回数を消化すると時短遊技状態が終了する(すなわち、時短回数の書き換えを行わない)ようにしてもよい。
なお、時短回数を書き換える場合、メインCPU33101は、時短当りに基づいて決定された時短回数を、従前の時短回数を消化した時点で書き換えても(セットして)もよいし、大当り判定処理時にセットしてもよいし、V入賞口39223への遊技球の通過が検出された時点でセットしてもよいし、特別図柄の変動開始時や変動停止時にセットしてもよいし、時短当落判定処理時にセットしてもよいし、さまざまなタイミングでセットすることができる。なお、時短当落判定処理時にセットする場合、時短当りに基づいて決定された時短回数を、従前の時短回数に上書きすることとなる。また、「時短回数を書き換える」および「従前の時短回数に加算する」のうち予めいずれかに定めて、この予め定められた条件を満たす態様で時短回数をセットするようにしてもよい。
(時短当り確率)
上述した第6実施例では、第1時短当落判定処理が行われた場合の時短当り確率および第2時短当落判定処理が行われた場合のいずれであっても、時短当り確率は100分の1と同じ確率である(図744参照)。ただし、これに限られず、第1時短当落判定処理が行われた場合の時短当り確率よりも第2時短当落判定処理が行われた場合の時短当り確率の方を高くしてもよいし、第2時短当落判定処理が行われた場合の時短当り確率よりも第1時短当落判定処理が行われた場合の時短当り確率の方を低くしてもよい。
(時短当落判定処理の結果表示)
上述した第6実施例では、第1実施例〜第5実施例と同様、時短当落判定処理の結果を時短当落判定結果表示部35077に表示するとともに液晶表示装置35016に表示し、時短当落判定処理の結果に基づいて決定された時短回数を当選時短回数表示部35078に表示するとともに液晶表示装置35016に表示するようにしている。このように、時短当落判定処理(ステップS14030)の結果および決定された時短回数を明示することにより、遊技者の知らないところで秘密裏に時短機能が作動したり非作動となったりするといったことを防止できる。とくに、時短当落判定処理は内部的な処理として実行されるため、時短機能が秘密裏に作動したり非作動になると遊技者に猜疑心を与える可能性がある。そこで、時短当落判定処理の結果および決定された時短回数を明示することにより、遊技者に安心感を与えることが可能となる。ただし、時短当落判定結果表示部35077および当選時短回数表示部35078を備えることは必須ではなく、時短当落判定結果表示部35077および当選時短回数表示部35078のうちいずれか一方のみを備えていてもよいし、時短当落判定結果表示部35077および当選時短回数表示部35078のいずれも備えていなくてもよい。また、時短当落判定処理の結果を、時短当落判定結果表示部35077および液晶表示装置35016のうちいずれか一方にのみ表示するようにしてもよい。同様に、時短当落判定処理の結果に基づいて決定された時短回数を、当選時短回数表示部35078および液晶表示装置35016のうちいずれか一方にのみ表示するようにしてもよい。さらには、時短当落判定処理の結果を、時短当落判定結果表示部35077および液晶表示装置35016のいずれにも表示しないようにしてもよく、同様に、時短当落判定処理の結果に基づいて決定された時短回数を、当選時短回数表示部35078および液晶表示装置35016のいずれにも表示しないようにしてもよい。
[30−7.第7実施例]
次に、第7実施例のパチンコ遊技機について説明する。この第7実施例のパチンコ遊技機は、所謂第1種遊技機と呼ばれるパチンコ遊技機であって、第1実施例〜第5実施例のパチンコ遊技機と同様、第1特別図柄および第2特別図柄のうちいずれか一方が可変表示中であっても他方の可変表示(以下において「変動表示」とも称する)を開始させる(第1特別図柄と第2特別図柄とを並行して変動表示させる)ことが可能な所謂同時変動機である。ただし、第7実施例のパチンコ遊技機では、例えば遊技領域の右側領域に第1始動口が配置されている等、第1実施例〜第5実施例のパチンコ遊技機と異なる点が存在する。以下では、第1実施例〜第5実施例のパチンコ遊技機と異なる点を主として説明する。
なお、第7実施例のパチンコ遊技機について説明するにあたり、第1実施例〜第5実施例のパチンコ遊技機と共通する部材等についての記載は省略するものとする。また、第7実施例のパチンコ遊技機は、第1実施例〜第5実施例のパチンコ遊技機とで共通乃至類似する部材等であったとしても、第1実施例〜第5実施例のパチンコ遊技機とは異なる符合やステップ番号を付すものとする。
[30−7−1.外観構成]
まず、図752を用いて、第7実施例のパチンコ遊技機の外観構成のうち、とくに遊技領域に配置される部材について説明する。なお、とくに言及しない構成については、第1実施例〜第5実施例のパチンコ遊技機と同様である。
図752は、第7実施例に係るパチンコ遊技機における遊技盤ユニット37017の正面図の一例である。
図752に示すように、遊技領域37020の右側領域(例えば、液晶表示装置37016よりも右側の領域)には、遊技球が通過可能な普図ゲート37049が配置されており、普図ゲート37049のさらに下流側には、大入賞口37540および特別電動役物37600をユニット化したアタッカユニット37500が設けられている。なお、アタッカユニット37500は、普図ゲート37049よりも上流側に設けられていてもよい。
大入賞口37540に入賞しなかった遊技球の流下方向としての下流側には、第1始動口37420Bおよび普通電動役物37460をユニット化した普通電動役物ユニット37400が設けられている。
普通電動役物37460は、ソレノイド37630(図753参照)によりシャッタ37442が駆動されることによって、第1始動口37420Bへの遊技球の入賞を可能(又は容易)とする開放状態と、第1始動口37420Bへの遊技球の入賞を不可能(又は困難)とする閉鎖状態(又は半閉鎖状態)との間で移行(駆動)可能に構成される。
第1始動口37420Bに入賞しなかった遊技球の流下方向としての普通電動役物ユニット37400の下流側には小当り入賞口37560が設けられている。この小当り入賞口37560は、右打ちされて普通電動役物ユニット37400まで流下したものの第1始動口37420Bに入賞しなかった遊技球が入賞可能に配置されている。
時短機能が作動すると、上記開放状態(第1始動口37420Bへの遊技球の入賞を可能(又は容易)とする状態)の頻度が高められて、右打ちされて普通電動役物ユニット37400まで流下した遊技球の略全部が第1始動口37420Bに入賞する。そのため、時短機能が作動すると、たとえ小当り入賞口37560が開放されていたとしても、小当り入賞口33560への遊技球の入賞が困難となる。一方、時短機能が作動していなければ、第1始動口37420Bへの遊技球の入賞が不可能(又は困難)となるため、普通電動役物ユニット37400まで流下した遊技球が第1始動口37420Bに入賞する頻度は、時短機能が作動しているときと比べて低くなる。その結果、普通電動役物ユニット37400まで流下した遊技球が小当り入賞口37560まで到達しやすくなり、小当り入賞口37560が開放していれば、遊技球が小当り入賞口37560に入賞(通過)することとなる。
小当り入賞口37560に入賞しなかった遊技球の流下方向としての小当り入賞口37560の下流側には、第2始動口37440が配置されている。
第2始動口37440は、第1始動口37420Bのように遊技球の入賞の容易さが可変ではなく、第1始動口37420Aと同様に、遊技球の入賞の容易さが不変のポケット状に構成されている。また、右打ちされた遊技球についての第2始動口37440への入賞の容易さは、左打ちされた遊技球が第1始動口37420Aに入賞することよりも容易となるように構成されている。第2始動口スイッチ37441(図753参照)は、遊技球の通過により第2始動口37440への遊技球の入賞を検出するものである。第2始動口37440への入賞により払い出される賞球数は例えば1個である。遊技領域37020の右側領域を流下したものの、大入賞口37540、第2始動口37440および第1始動口37420Bのいずれにも入賞しなかった遊技球は、アウト口37057から機外に排出される。
なお、第1始動口37420Aおよび第1始動口37420Bのいずれに遊技球が入賞した場合であっても、メインCPU37101は第1特別図柄抽選を行う。なお、払い出される賞球数は、第1始動口37420Aへの入賞時は例えば4個、第1始動口37420Bへの入賞時は例えば1個であるが、いずれに入賞した場合であっても賞球数を同じにしてもよい。
[30−7−2.電気的構成]
次に、図753を用いて、パチンコ遊技機の制御回路について説明する。図753は、第7実施例に係るパチンコ遊技機の制御回路を示すブロック図の一例である。
上述したように、第1実施例〜第5実施例のパチンコ遊技機では、各始動口への入賞を検出するスイッチとして、第1始動口33420への遊技球の入賞を検出する第1始動口スイッチ33421、第2始動口33440Aへの遊技球の入賞を検出する第2始動口スイッチ33441A、および、第2始動口33440Bへの遊技球の入賞を検出する第2始動口スイッチ33441Bが主制御回路33100に接続されている。
これに対し、第7実施例のパチンコ遊技機では、各始動口への入賞を検出するスイッチとして、第1始動口37420Aへの遊技球の入賞を検出する第1始動口スイッチ37421A、第1始動口37420Bへの遊技球の入賞を検出する第1始動口スイッチ37421B、および、第2始動口37440への遊技球の入賞を検出する第2始動口スイッチ37441が主制御回路37100に接続されている点において、第1実施例〜第5実施例のパチンコ遊技機と異なる。
図753に示されるその他の構成については、図723を参照して説明した第1実施例〜第5実施例のパチンコ遊技機と同様であるため(ただし符号は異なる)、説明を省略する。
[30−7−3.第7実施形態に係るパチンコ遊技機の基本仕様]
次に、図754〜図757を用いて、第7実施形態のパチンコ遊技機の基本仕様について説明する。この第7実施例のパチンコ遊技機では、特別図柄当り判定処理の結果がハズレである場合に、特別図柄決定用乱数値を用いて時短当落判定処理を実行する点で、第4実施例のパチンコ遊技機と共通する。また、この第7実施例においてとくに言及しない仕様等については、第1実施例〜第5実施例のパチンコ遊技機と同様である。
[30−7−3−1.当り乱数判定テーブル]
図754は、第7実施形態に係るパチンコ遊技機の当り乱数判定テーブルの一例であって、(a)第1始動口37420A,37420Bに遊技球が入賞(通過)した場合の当り乱数判定テーブルの一例、(b)第2始動口37440に遊技球が入賞(通過)した場合の当り乱数判定テーブルの一例である。
[30−7−3−2.特別図柄判定テーブル]
図755は、第7実施例に係るパチンコ遊技機の特別図柄判定テーブルの一例である。
図755に示されるように、第7実施例に係るパチンコ遊技機の特別図柄判定テーブル(第1始動口、第2始動口)は、第4実施例と同様、第1始動口37420A,37420Bあるいは第2始動口37440に遊技球が入賞した際に取得される特別図柄決定用乱数値と先述の当落判定値データとに基づいて、「当り時選択図柄コマンド」および「図柄指定コマンド」のみならず、「ハズレ時選択図柄コマンド」を決定するためにも参照されるテーブルである。
この第7実施例では、第1始動口37420A,37420Bに遊技球が入賞(通過)した場合の特別図柄抽選の結果がハズレである場合、第1始動口37420A,37420Bへの遊技球の入賞(通過)時に取得した特別図柄決定用乱数に応じて、「ハズレ時選択図柄コマンド」が「hz0」または「hz1」に決定される。例えば、第1始動口37420Aに遊技球が入賞し、当落判定値データが「ハズレ判定値データ」であって特別図柄決定用乱数値が「77」である場合には、ハズレ時選択図柄コマンドが「hz0」に決定される。ハズレ時選択図柄コマンドが「hz0」に決定される確率は、ハズレ時選択図柄コマンドが「hz1」に決定される確率と比べて極めて低い。なお、「ハズレ時選択図柄コマンド」はハズレ図柄を指定するためのコマンドであり、ハズレ種類は、この「ハズレ時選択図柄コマンド」に応じて定められる。
[30−7−3−3.大当り種類決定テーブル]
図756は、第7実施例に係るパチンコ遊技機の大当り種類決定テーブルの一例である。この大当り種類決定テーブルは、先述の当り時選択図柄コマンドに基づいて、大当りの種類(例えば、ラウンド数、確変フラグ、時短フラグ、時短回数等)を決定するために参照されるテーブルである。
図756に示されるように、この第7実施例では、当り時選択図柄コマンドが「z0」または「z2」である場合、大当り遊技状態の終了後、確変フラグおよび時短フラグのいずれもONにセットされる。また、セットされる時短回数は「1」である。一方、当り時選択図柄コマンドが「z1」または「z3」である場合、大当り遊技状態の終了後、確変フラグおよび時短フラグのいずれもOFFにセットされる。
[30−7−3−4.ハズレ種類決定テーブル]
図757は、第7実施例に係るパチンコ遊技機のハズレ種類決定テーブルの一例である。このハズレ種類決定テーブルは、第4実施例と同様、特別図柄当り判定処理(例えば、図730のステップS11475参照)の結果がハズレである場合に、時短当落判定処理すなわち特別図柄決定処理(例えば、図730のステップS11476参照)において、先述のハズレ時選択図柄コマンドに基づいて、ハズレの種類(例えば、時短フラグをONにセットするか否か、時短フラグをONにセットする場合はセットする時短回数)を決定するために参照されるテーブルである。時短フラグをONにセットするか否か、および、時短フラグをONにセットする場合にセットする時短回数は、始動口37420A,37420B,37440への入賞に基づいて取得したハズレ判定値データ(すなわち、ハズレ時選択図柄コマンド)および特別図柄決定処理が実行された際の遊技状態に応じて異なる。例えば、ハズレ時選択図柄コマンドが「hz0」であって特別図柄決定処理が実行された際の遊技状態が通常遊技状態である場合、時短当落判定処理の結果が「時短当り」であると判別される。すなわち、時短フラグがONにセットされ、セットされる時短回数は「10000」である。セットされる時短回数「10000」は、次回の大当りに当選するまで低確時短遊技状態に制御する(すなわち、時短機能を作動させる)趣旨である。また、ハズレ時選択図柄コマンドが「hz1」であって特別図柄決定処理が実行された際の遊技状態が高確時短遊技状態である場合、時短当落判定処理の結果が「時短当り」であると判別される。すなわち、時短フラグがONにセットされ、セットされる時短回数は「1」である。なお、ハズレ時選択図柄コマンドが「hz2」である場合、特別図柄決定処理が実行された際の遊技状態が通常遊技状態、低確時短遊技状態、高確時短遊技状態および高確非時短遊技状態のいずれであったとしても、時短フラグがOFFにセットされる。なお、図757の時短回数の欄に示される「−」は、時短フラグがOFFにセットされるため時短回数がセットされないことを示す。
[30−7−3−5.特別図柄の変動パターンテーブル]
この第7実施例に係るパチンコ遊技機の特別図柄の変動パターンテーブルはとくに図示しないが、第1実施例〜第5実施例と同様、例えば、図727に示される(A)低スタート用の特別図柄の変動パターンテーブル、および、(B)高スタート用の特別図柄の変動パターンテーブル、を採用することができる。
[30−7−4.主制御回路による処理]
この第7実施例に係るパチンコ遊技機のメインCPU37101により実行される処理は、第1実施例〜第5実施例のパチンコ遊技機と同様であるため、説明を省略する。
[30−7−5.遊技の流れ]
次に、第7実施例のパチンコ遊技機の遊技の流れについて、図758を用いて説明する。図758は、遊技状態遷移の一例を示す図である。なお、図758では、大当り遊技状態に制御される前の遊技状態と、大当り遊技状態に制御された後の遊技状態とが同じである場合についてはとくに図示していない。
(通常遊技状態における遊技の流れ)
先ず、通常遊技状態(確変フラグOFF且つ時短フラグOFF)において、特別図柄抽選の結果に基づいて特別図柄の変動表示が実行されて大当りが導出されると、大当り遊技状態に制御される。大当り遊技状態終了後の遊技状態は、大当り種類に応じて移行先が異なる。具体的には、特別図柄抽選の結果が大当りであって、当り時選択図柄コマンドが「z0」または「z2」である場合(すなわち確変当りである場合)、大当り遊技状態終了後、高確時短遊技状態に制御される。この場合、セットされる時短回数は「1」である。
また、特別図柄抽選の結果が大当りであって、当り時選択図柄コマンドが「z1」または「z3」である場合(すなわち非確変当りである場合)、大当り遊技状態終了後、通常遊技状態に制御される。
また、通常遊技状態において、特別図柄抽選の結果がハズレである場合、特別図柄の変動表示が実行されると、常には、遊技者に何らの利益も付与されず通常遊技状態が継続する通常ハズレ(すなわち、遊技状態が移行しないハズレ時選択図柄コマンド「hz1」)が導出される。ただし、稀に(例えば大当り確率とほぼ同程度の確率(例えば、概ね300分の1)といった低い確率で)、通常ハズレではなく特定ハズレ(例えば、ハズレ時選択図柄コマンドが「hz0」)が導出される場合がある。導出されたハズレが特定ハズレであった場合、特別図柄抽選の結果が確定表示されたことに基づいて、通常遊技状態から低確時短遊技状態に移行する。この場合、セットされる時短回数は「10000」である(次回大当りまで低確時短遊技状態を継続させる趣旨である)。ただし、セットされる時短回数はこれに限られず、次回大当りに当選する前に通常遊技状態に移行しうる回数(例えば100回)としてもよい。
このように、第7実施例のパチンコ遊技機では、特別図柄の可変表示が実行されて、大当り遊技状態に制御されないハズレが導出されたとしても、当該ハズレが特定のハズレであった場合(例えば、ハズレ時選択図柄コマンドが「hz0」の場合)、特定のハズレが導出されたことに基づいて低確時短遊技状態に移行するようにすることで、興趣を高めることが可能となる。
(高確時短遊技状態における遊技)
次に、高確時短遊技状態(確変フラグON且つ時短フラグON)において、特別図柄抽選の結果に基づいて特別図柄の変動表示が実行されて大当りが導出されると、大当り遊技状態に制御される。大当り遊技状態終了後の遊技状態は、大当り種類に応じて移行先が異なる。具体的には、特別図柄抽選の結果が大当りであって、当り時選択図柄コマンドが「z0」または「z2」である場合(すなわち確変当りである場合)、大当り遊技状態終了後も高確時短遊技状態に制御される。この場合、セットされる時短回数は「1」である。
一方、特別図柄抽選の結果が大当りであって、当り時選択図柄コマンドが「z1」または「z3」である場合(すなわち非確変当りである場合)、大当り遊技状態終了後、通常遊技状態に制御される。
また、高確時短遊技状態において、特別図柄抽選の結果がハズレである場合、特別図柄の変動表示が実行されると、常には、遊技者に何らの利益も付与されず高確時短遊技状態が継続する通常ハズレ(すなわち、遊技状態が移行しないハズレ時選択図柄コマンド「hz1」)が導出されるものの、稀に特定ハズレ(例えば、ハズレ時選択図柄コマンドが「hz0」)が導出される場合がある。導出されたハズレが特定ハズレであった場合、時短フラグがOFFにセットされて時短回数もセットされないため、特別図柄抽選の結果として特定ハズレが確定表示されたことに基づいて高確非時短遊技状態に移行する。
(高確非時短遊技状態における遊技)
高確非時短遊技状態(確変フラグON且つ時短フラグOFF)では、時短機能が作動しないため、遊技領域37020の右側領域を流下した遊技球は、図752を参照して説明したとおり、第2始動口37440に入賞(通過)可能となる。第2始動口37440に遊技球が入賞した場合、当り乱数判定テーブル(図754参照)に示されるように、特別図柄の変動表示が実行されてそのほとんどが小当りとして導出される。しかも、時短機能が作動しないため、時短機能が作動しているときと比べて第2始動口37440への入賞頻度が低い。そのため、高確非時短遊技状態では、小当り入賞口37560への入賞頻度が高められる所謂小当りラッシュ状態となる。
小当りラッシュ状態は、右打ちされた遊技球が小当り用のアタッカーとして機能する小当り入賞口37560(例えば図752参照)に遊技球が入賞する頻度が他の遊技状態(通常遊技状態、高確時短遊技状態、低確時短遊技状態)よりも高められる遊技状態であり、時短フラグがOFFであり且つ高スタート用の特別図柄の変動パターンテーブル(図727(B)参照)を参照して特別図柄の変動パターンが決定されるときの遊技状態である。
なお、時短機能が作動する遊技状態(高確時短遊技状態、低確時短遊技状態)では、第2始動口37440への遊技球の入賞が容易となるため、第2特別図柄抽選の結果が小当りであったとしても、普通電動役物ユニット37400よりも下流側に設けられる小当り入賞口37560への入賞が困難となる。また、第2始動口37440に遊技球が入賞したときの賞球数(例えば1個)よりも、小当り入賞口37560に遊技球が入賞したときの賞球数(例えば10個)の方が多い。その結果、時短遊技状態では単位時間あたりの発射球数に対する賞球数の期待値が1以下または1未満であるが、小当りラッシュ状態では単位時間あたりの発射球数に対する賞球数の期待値が1を超えうる。ただし、通常遊技状態では、第2始動口37440に遊技球が入賞したとしても第2特別図柄の可変表示が長変動(例えば600000msec)となり、単位時間あたりの特別図柄の可変表示の実行回数の期待値は、第2始動口37440に入賞した場合よりも第1始動口37420Aに入賞した場合の方が大きいため、右打ちする実益に乏しい。
また、本実施例では、確変フラグON且つ時短フラグOFFとなるいわゆる高確非時短状態を小当りラッシュ状態としているが、小当りラッシュ状態は、必ずしも高確非時短状態でしか実現できないわけではない。すなわち、時短状態では、一般的に、特別図柄の変動時間が短縮される他、電サポ機能が作動して第1始動口37420Bへの遊技球の入賞が容易となる。しかし、時短状態であったとしても、電サポ機能を作動させず、通常遊技状態と比べて第1始動口37420Bへの遊技球の入賞が必ずしも容易ではない場合がある。そのため、通常遊技状態において、例えば、右打ちした遊技球が普図ゲートスイッチ37491(図753参照)により検出されたことに基づいて行われる普通図柄抽選の結果が100%または100%に近い確率で普通当りとなるようにし、第2始動口37440への入賞に基づいて払い出される賞球数を1球とするとともに、第2特別図柄の変動時間を、通常遊技状態では長変動とし、大当り遊技状態が終了したのちの遊技状態では超速変動(例えば1000msec)とすれば、大当り遊技状態が終了したのちの遊技状態が高確時短遊技状態であっても(ただし電サポ機能は作動していない)、単位時間あたりの発射球数に対する賞球数の期待値が1を超えうるラッシュ状態を実現することが可能となる。
なお、高確非時短遊技状態において、特別図柄抽選の結果に基づいて特別図柄の変動表示が実行されて大当りが導出されると、大当り遊技状態に制御される。大当り遊技状態終了後の遊技状態は、大当り種類に応じて移行先が異なる。具体的には、特別図柄抽選の結果が大当りであって、当り時選択図柄コマンドが「z0」または「z2」である場合(すなわち確変当りである場合)、大当り遊技状態終了後は高確時短遊技状態に制御される。この場合、セットされる時短回数は「1」である。
一方、特別図柄抽選の結果が大当りであって、当り時選択図柄コマンドが「z1」または「z3」である場合(すなわち非確変当りである場合)、大当り遊技状態終了後は通常遊技状態に制御される。
(低確時短遊技状態における遊技)
次に、低確時短遊技状態(確変フラグOFF且つ時短フラグON)において、特別図柄抽選の結果に基づいて特別図柄の変動表示が実行されて大当りが導出されると、大当り遊技状態に制御される。大当り遊技状態終了後の遊技状態は、大当り種類に応じて移行先が異なる。具体的には、特別図柄抽選の結果が大当りであって、当り時選択図柄コマンドが「z0」または「z2」である場合(すなわち確変当りである場合)、大当り遊技状態終了後は高確時短遊技状態に制御される。この場合、セットされる時短回数は「1」である。
一方、特別図柄抽選の結果が大当りであって、当り時選択図柄コマンドが「z1」または「z3」である場合(すなわち非確変当りである場合)、大当り遊技状態終了後、通常遊技状態に制御される。
[30−7−6.作用効果、拡張例等]
このように、第7実施例のパチンコ遊技機では、大当り遊技状態に制御されなくとも、時短当落判定処理の結果が「時短当り」である場合に時短遊技状態に制御することが可能となり、これまでにない新たなパチンコ遊技機を提供することが可能となる。
また、高確時短遊技状態では、特別図柄抽選の結果がハズレであったとしても、このハズレが特定ハズレである場合、単位時間あたりの発射球数に対する賞球数の期待値が1を超えうる小当りラッシュ状態となるため、興趣を高めることが可能となる。
なお、特別図柄抽選の結果がハズレである場合、サブCPU37201は、ハズレ種類が通常ハズレであるのか特定ハズレであるのかを外観で把握することが可能または容易な演出画像(例えば、装飾図柄の変動演出やキャラクタによる表示演出等)を、液晶表示装置37016に表示する制御を実行することが好ましい。この場合、特別図柄抽選の結果がハズレであったとしても、興趣の低下を抑制することが可能となる。
また、特別図柄抽選の結果がハズレである場合、通常ハズレであるのか特定ハズレであるのかを外観で把握することが可能または容易な演出画像を液晶表示装置37016に表示することに代えて、通常ハズレであるのか特定ハズレであるのかを外観で把握することが不可能または困難な演出画像(例えば、装飾図柄の変動演出やキャラクタによる表示演出等)を液晶表示装置37016に表示する制御を実行してもよい。この場合、特別図柄抽選の結果がハズレであったとしても、時短機能が作動する可能性があることに対する期待を維持することができ、興趣の低下を抑制することが可能となる。
また、特別図柄抽選の結果がハズレである場合、第1条件成立時は、通常ハズレであるのか特定ハズレであるのかを外観で把握することが可能または容易な演出画像を液晶表示装置37016に表示し、第2条件成立時は、通常ハズレであるのか特定ハズレであるのかを外観で把握することが不可能または困難な演出画像を液晶表示装置37016に表示するようにしてもよい。
また、一般的なパチンコ遊技機では、特別図柄抽選の結果が大当りであった場合、サブCPU37201は、大当り遊技状態において推奨される遊技球の発射方法として例えば右打ち指示を示す演出画像が液晶表示装置37016に表示されるよう制御する。この点、本実施例では、特別図柄抽選の結果が大当りでなかった(例えば、ハズレであった)としても、時短当落判定処理の結果が「時短当り」である場合、サブCPU37201は、時短機能が作動した場合に推奨される遊技球の発射方法として例えば右打ち指示を示す演出画像が液晶表示装置37106に表示されるよう制御する。ただし、時短当落判定処理の結果が「時短当り」である場合、時短機能が作動した場合に推奨される遊技球の発射方法を示す演出画像を、常に液晶表示装置37016に表示するようにしてもよいが、特定条件が成立した場合に限り表示するようにしてもよい。例えば、「時短当り」に基づいてセットされる時短回数が、所定回数以上(例えば2回以上)である場合には表示し、所定回数未満(例えば2回未満)である場合等には表示しないようにしてもよい。なお、上記の特定条件は、時短回数を条件とするものに限られず、適宜、任意の条件とすることができる。
また、特別図柄当り判定処理(ステップS11475)が実行される前に時短当落判定処理(ステップS11475A)が実行される場合、サブCPU37201は、特定ハズレ(すなわち、時短当り)となった状況下(時短機能が作動した状態)で特別図柄当り判定処理が実行されるのか否かを、外観で把握可能または把握容易な演出画像を液晶表示装置37016に表示する制御を実行してもよい。
また、特別図柄抽選の結果がハズレであって且つハズレ種類が特定ハズレである場合、メインCPU37101は、当該ゲームにおいて特別図柄の変動表示を停止した後のインターバル時間を、特別図柄抽選の結果がハズレであって且つハズレ種類が通常ハズレである場合の上記のインターバル時間よりも長くしてもよい。装飾図柄の変動表示は特別図柄の変動表示と同期するため、この場合、サブCPU37201は、上記のインターバル時間が経過するまでの間、「時短当り」であることを示す演出画像を液晶表示装置37016に表示することが好ましい。
なお、特別図柄抽選の結果がハズレであって且つハズレ種類が特定ハズレであったとしても、メインCPU37101は、当該ゲームにおいて特別図柄の変動表示を停止した後のインターバル時間を、特別図柄抽選の結果がハズレであって且つハズレ種類が特定ハズレである場合の上記のインターバル時間と同じまたは略同じ時間としてもよい。この場合、サブCPU37201は、装飾図柄の変動表示中または装飾図柄を仮停止させた仮停止中に、「時短当り」であることを示す演出画像を液晶表示装置37016に表示することが好ましい。
[30−8.第1実施例〜第7実施例の拡張例のまとめ]
上述した第1実施例〜第7実施例の各実施例において、時短当落判定処理に用いる乱数値の種類、時短当落判定処理に用いる乱数値の取得タイミング、時短当落判定処理において時短当りと判定される条件、時短当落判定処理の実行タイミング、時短当落判定処理を実行可能な遊技状態、時短遊技状態の態様、時短当り時にセットされる時短回数、時短遊技状態の開始タイミング、時短遊技状態の終了タイミング、時短回数書き換えタイミング、時短当り確率、および、時短当落判定処理の結果表示、等の時短にかかわる処理について拡張例も含めて説明したが、時短にかかわる処理および拡張例をまとめると以下のとおりである。
図759および図760は、時短にかかわる処理として実行可能な例を示す表である。より詳しくは、図759は、時短当落判定処理に用いる乱数値の種類、時短当落判定処理に用いる乱数値の取得タイミング、時短当落判定処理において時短当りと判定される条件、時短当落判定処理の実行タイミング、および、時短当落判定処理を実行可能な遊技状態のそれぞれについて、実行可能な項目をまとめた表である。また、図760は、時短遊技状態の態様、時短当り時にセットされる時短回数、時短遊技状態の開始タイミング、時短遊技状態の終了タイミング、時短回数書き換えタイミング、時短当り確率、および、時短当落判定処理の結果表示のそれぞれについて、実行可能な項目をまとめたものである。
図759に示されるように、例えば、時短当落判定処理に用いる乱数値の種類は、(1−1)時短当落判定用乱数値、(1−2)大当り判定用乱数値のハズレ判定値データ、大当り判定用乱数値の小当り判定値データ、または/および、大当り判定用乱数値の大当り判定値データ、(1−3)特別図柄決定用乱数(特定のハズレ図柄すなわち特定のハズレ時選択図柄コマンド)、特別図柄決定用乱数(特定の小当り図柄すなわち特定の当り時選択図柄コマンド)、または/および、特別図柄決定用乱数(特定の大当り図柄すなわち特定の当り時選択図柄コマンド)、(1−4)特別図柄転落判定用乱数値、(1−5)普通当り判定用乱数値、または/および、普通図柄決定用乱数値、(1−6)特定の設定値、(1−7)乱数値取得せず、の複数の項目のうちのいずれか一つまたは複数を採用することができる。
また、時短当落判定処理に用いる乱数値の取得タイミングは、(2−1)始動口入賞時、(2−2)普図ゲート通過時、(2−3)入賞口内の特定の領域通過時、(2−4)特定の入賞口通過時、(2−5)大当り判定処理時、(2−6)特別図柄変動開始時(大当り判定前、転落判定前)、(2−7)特別図柄変動開始時(大当り判定前、転落判定後)、(2−8)特別図柄変動開始時(大当り判定後、転落判定後)、および、(2−9)乱数値取得せず、の複数の項目のうちのいずれか一つまたは複数を採用することができる。
同様に、時短当落判定処理において時短当りと判定される条件は図759に示される(3−1)〜(3−13)の複数の項目のうちのいずれか一つまたは複数を採用することができ、時短当落判定処理の実行タイミングは図759に示される(4−1)〜(4−9)の複数の項目のうちのいずれか一つまたは複数を採用することができ、時短当落判定処理を実行可能な遊技状態は図759に示される(5−1)〜(5−16)の複数の項目のうちのいずれか一つまたは複数を採用することができる。
さらに、時短の態様、時短当り時にセットされる時短回数、時短遊技状態の開始タイミング、時短遊技状態の終了タイミング、時短回数書き換えタイミング、時短当り確率、および、時短当落判定処理の結果表示は、それぞれ、図760に示される複数の項目のうちのいずれか一つまたは複数を採用することができる。詳述すると、時短の態様は図760に示される(6−1)〜(6−6)の複数の項目のうちのいずれか一つまたは複数を採用することができ、時短当り時にセットされる時短回数は図760に示される(7−1)〜(7−18)の複数の項目のうちのいずれか一つまたは複数を採用することができ、時短遊技状態の開始タイミングは図760に示される(8−1)〜(8−18)の複数の項目のうちのいずれか一つまたは複数を採用することができ、時短遊技状態の終了タイミングは図760に示される(9−1)〜(9−23)の複数の項目のうちのいずれか一つまたは複数を採用することができ、時短回数書き換えタイミングは図760に示される(10−1)〜(10−23)の複数の項目のうちのいずれか一つまたは複数を採用することができ、時短当り確率は図760に示される(11−1)〜(11−3)の複数の項目のうちのいずれか一つまたは複数を採用することができ、時短当落判定処理の結果表示は図760に示される(12−1)〜(12−3)の複数の項目のうちのいずれか一つまたは複数を採用することができる。
そして、図759および図760に示される各処理(時短当落判定処理に用いる乱数値の種類、時短当落判定処理に用いる乱数値の取得タイミング、時短当落判定処理において時短当りと判定される条件、時短当落判定処理の実行タイミング、時短当落判定処理を実行可能な遊技状態、時短遊技状態の態様、時短当り時にセットされる時短回数、時短遊技状態の開始タイミング、時短遊技状態の終了タイミング、時短回数書き換えタイミング、時短当り確率、および、時短当落判定処理の結果表示)のそれぞれについて、時短にかかわる制御を実行可能な範囲内で、任意の一つまたはニ以上を選択して組み合わせた性能を有するものとすることができる。
すなわち、第28実施形態にかかるパチンコ遊技機は、時短にかかわる制御を実行可能な範囲内で、時短当落判定処理に用いる乱数値としての(1−1)〜(1−7)のうちの任意の一つまたは複数と、時短当落判定処理に用いる乱数値の取得タイミングとしての(2−1)〜(2−9)のうちの任意の一つまたは複数と、時短当落判定処理において時短当りと判定される条件としての(3−1)〜(3−13)のうちの任意の一つまたは複数と、時短当落判定処理の実行タイミングとしての(4−1)〜(4−9)のうちの任意の一つまたは複数と、時短当落判定処理を実行可能な遊技状態としての(5−1)〜(5−16)のうちの任意の一つまたは複数と、時短遊技状態の態様としての(6−1)〜(6−6)のうちの任意の一つまたは複数と、時短当り時にセットされる時短回数としての(7−1)〜(7−18)のうちの任意の一つまたは複数と、時短遊技状態の開始タイミングとしての(8−1)〜(8−18)のうちの任意の一つまたは複数と、時短遊技状態の終了タイミングとしての(9−1)〜(9―23)のうちの任意の一つまたは複数と、時短回数書き換えタイミングとしての(10−1)〜(10−23)のうちの任意の一つまたは複数と、時短当り確率としての(11−1)〜(11−3)のうちの任意の一つまたは複数と、時短当落判定処理の結果表示としての(12−1)〜(12−3)のうちの任意の一つまたは複数とを組み合わせた性能を有するものとすることができる。
なお、上述した「時短にかかわる制御を実行可能な範囲内」とは、時短にかかわる制御を実行する際に矛盾が生じない範囲内であることを意味する。例えば、時短当落判定処理に用いる乱数値の種類が図759に示される(1−1)の時短当落判定用乱数値である場合、時短当落判定処理において時短当りと判定される条件は(3−1)の特定の時短当落判定用乱数値データであり、このような組み合わせは時短にかかわる制御を実行可能な範囲内である。一方、時短当落判定処理に用いる乱数値の種類が図759に示される(1−1)の時短当落判定用乱数値であるにもかかわらず、例えば(3−5)の特定のハズレ図柄である場合に時短当落判定処理において時短当りと判定されることには矛盾があるため、このような組み合わせは時短にかかわる制御実行可能な範囲外となる。同様に、例えば、(1−7)のように時短当落判定処理において乱数値が用いられない場合、時短当落判定処理に用いる乱数値の取得タイミングが(2−9)の場合が時短にかかわる制御を実行可能な範囲内であり、時短当落判定処理に用いる乱数値の取得タイミングが(2−9)以外の場合は時短にかかわる制御を実行可能な範囲外となる。
[31.付記34]
従来より、所定の条件が成立すると図柄の可変表示が行われ、特別の結果が導出されると遊技者に有利な特別遊技状態に制御される遊技機が知られている。
この種の遊技機として、例えば、始動口への入賞が容易化されるとともに抽選確率が高められる高確率時間短縮状態において、規定回数の可変表示が行われると時間短縮状態が終了し、特殊遊技が実行されやすい高確率非時間短縮状態に移行させて、出球を増加させることができるようにした遊技機が開示されている(例えば、特開2016−174800号公報参照)。
特開2016−174800号公報に記載の遊技機は、高確率時間短縮状態から高確率非時間短縮状態に移行すると出球が増加するといった新たな遊技性を備えたものであるが、近年、さらに新たな遊技性を備えることで興趣を高めることができる遊技機が望まれている。
本発明は、そのような点に鑑みてなされたものであり、その目的は、新たな遊技性を備える遊技機を提供することにある。
[31−1.付記34−1]
(1)本発明に係る遊技機は、
遊技領域に向けて発射された遊技球が特別始動領域(例えば、第1始動口33420、第2始動口33440A,33440B)を通過したことに基づいて、遊技者に利益(例えば、遊技球や賞球データ)を付与しうる特別遊技状態(例えば、大当り遊技状態)の制御にかかる特別抽選(例えば、ステップS11475の特別図柄当り判定処理)を実行可能な特別抽選手段(例えば、メインCPU33101)と、
前記特別抽選の結果に基づいて特別図柄の可変表示を実行可能な特別図柄可変制御手段(例えば、メインCPU33101)と、
前記特別図柄の可変表示が実行されて特別結果(例えば、大当り)が導出されると、特別遊技状態に制御可能な特別遊技状態制御手段(例えば、メインCPU33101)と、
都度異なりうる回数にわたって前記特別図柄の可変表示が実行されるまで、通常の遊技状態(例えば、通常遊技状態)と比べて前記特別図柄の可変表示時間を短縮しうる第1特定制御と、通常の遊技状態と比べて前記特別始動領域への遊技球の通過が可能または容易となる頻度を高めうる第2特定制御(例えば、電サポ制御)とのうち、少なくともいずれかの特定制御(例えば、時短制御)を実行可能な特定制御実行手段(例えば、メインCPU33101)と、
を備えることを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、特定制御が実行される場合、通常の遊技状態と比べて特別図柄の可変表示時間を短縮しうる第1特定制御と、通常の遊技状態と比べて特別始動領域への遊技球の通過が可能または容易となる頻度を高めうる第2特定制御とのうち、少なくともいずれかの特定制御が実行されるといった、これまでにない新たな遊技性を備える遊技機を提供することが可能となる。
しかも、特定制御が実行される回数は都度異なるため、面白みを持たせることが可能となる。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、
前記特別図柄の可変表示が開始されてから該可変表示が終了して前記特別抽選の結果が導出されるまでを1回のゲームとし、
前記特定制御実行手段は、
当該ゲームにおいて前記特別結果が導出されなくとも、当該ゲームにおける前記特別抽選の結果が導出されるまでの間に、または、当該ゲームにおける前記特別抽選の結果が導出されたことに基づいて、前記特定制御の実行を開始可能に構成される
ことを特徴とする。
上記(2)の遊技機によれば、特別遊技状態に制御される契機となる特別結果が導出されなかった場合であっても特定制御が実行される可能性があるため、興趣の低下を抑制することが可能となる。
なお、以下の(3)〜(17)に記載する各遊技機は、便宜上、上記(2)の遊技機にのみ従属させているが、整合性を図ることができる範囲で、他の遊技機に従属させてもよい。また、以下の(3)〜(17)に記載する各遊技機の一部の構成のみを、他の遊技機と組み合わせるようにしてもよいし、他の遊技機の一部の構成と組み合わせるようにしてもよい。
(3)上記(2)に記載の遊技機において、
遊技領域に向けて発射された遊技球が前記特別始動領域を通過したことに基づいて、前記特別抽選に用いられる当落判定用乱数(例えば、大当り判定用乱数)を取得可能な当落乱数取得手段(例えば、メインCPU33101)と、
遊技領域に向けて発射された遊技球が前記特別始動領域を通過したことに基づいて、前記当落判定用乱数とは別の特定乱数(例えば、時短当落判定用乱数)を取得可能な特定乱数取得手段(例えば、メインCPU33101)と、
前記特定乱数取得手段により取得された特定乱数を用いて前記特定制御の実行にかかわる特定抽選(例えば、ステップS11475Aの時短当落判定処理)を実行可能な特定抽選手段(例えば、メインCPU33101)と、
をさらに備え、
前記特定制御実行手段は、
前記特定抽選の結果に基づいて前記特定制御を実行可能に構成される
ことを特徴とする。
上記(3)の遊技機によれば、当落判定用乱数とは別の特定乱数を用いて特定抽選が実行されるため、特別抽選に加えて特定抽選も並行して実行することが可能となり、興趣の低下を抑制することが可能となる。
(4)上記(2)に記載の遊技機において、
遊技領域に向けて発射された遊技球が前記特別始動領域を通過したことに基づいて、前記特別抽選に用いられる当落判定用乱数(例えば、大当り判定用乱数)を取得可能な当落乱数取得手段(例えば、メインCPU33101)と、
遊技領域に向けて発射された遊技球が前記特別始動領域を通過したことに基づいて、前記当落判定用乱数とは別の特定乱数(例えば、時短当落判定用乱数)を取得可能な特定乱数取得手段(例えば、メインCPU33101)と、
前記特定乱数取得手段により取得された特定乱数を用いて、前記特別抽選に先だって前記特定制御の実行にかかわる特定抽選(例えば、ステップS11475Aの時短当落判定処理)を実行可能な特定抽選手段(例えば、メインCPU33101)と、
をさらに備え、
前記特定制御実行手段は、
前記特定抽選の結果に基づいて、前記特別抽選に先だって前記特定制御を実行可能に構成される
ことを特徴とする。
上記(4)の遊技機によれば、当落判定用乱数とは別の特定乱数を用いて特定抽選が実行されるため、特別抽選に加えて特定抽選も並行して実行することが可能となり、興趣の低下を抑制することが可能となる。
また、特別抽選に先だって特定抽選が実行され、しかも、特別抽選に先だって特定制御を実行可能であるため、特定抽選の結果に基づいて特別抽選が実行されることとなり、興趣を高めることが可能となる。とくに、特定制御が実行されているか否かによって特別抽選の結果が変わりうる場合、その効果が顕著である。
(5)上記(2)に記載の遊技機において、
遊技領域に向けて発射された遊技球が前記特別始動領域を通過したことに基づいて、前記特別抽選に用いられる当落判定用乱数(例えば、大当り判定用乱数)を取得可能な当落乱数取得手段(例えば、メインCPU33101)と、
遊技領域に向けて発射された遊技球が前記特別始動領域を通過したことに基づいて、前記当落判定用乱数とは別の特定乱数(例えば、時短当落判定用乱数)を取得可能な特定乱数取得手段(例えば、メインCPU33101)と、
前記特定乱数取得手段により取得された特定乱数を用いて前記特定制御の実行にかかわる特定抽選(例えば、ステップS11475Aの時短当落判定処理)を実行可能な特定抽選手段(例えば、メインCPU33101)と、
をさらに備え、
前記特定制御実行手段は、
前記特定抽選に結果に基づいて、前記特別抽選が実行された以降に前記特定制御を実行可能に構成される
ことを特徴とする。
上記(5)の遊技機によれば、当落判定用乱数とは別の特定乱数を用いて特定抽選が実行されるため、特別抽選に加えて特定抽選も並行して実行することが可能となり、興趣の低下を抑制することが可能となる。
また、特定抽選に結果に基づいて、特別抽選が実行された以降に特定制御が実行されるため、特定抽選の結果が特別抽選に反映されず、例えば特定制御が実行されるか否かによって特別抽選の結果が遊技者に不利益となる等によって生じうる興趣の低下を抑制することが可能となる。
(6)上記(2)に記載の遊技機において、
遊技領域に向けて発射された遊技球が前記特別始動領域を通過したことに基づいて、前記特別抽選に用いられる当落判定用乱数(例えば、大当り判定用乱数)を取得可能な当落乱数取得手段(例えば、メインCPU33101)と、
遊技領域に向けて発射された遊技球が前記特別始動領域を通過したことに基づいて、前記当落判定用乱数とは別の特定乱数(例えば、時短当落判定用乱数)を取得可能な特定乱数取得手段(例えば、メインCPU33101)と、
前記特定乱数取得手段により取得された特定乱数を用いて、前記特定制御が実行される回数の決定も含めて前記特定制御の実行にかかわる特定抽選(例えば、ステップS11475Aの時短当落判定処理)を実行可能な特定抽選手段(例えば、メインCPU33101)と、
をさらに備え、
前記特定制御実行手段は、
前記特定制御が実行されることが決定されると、前記特定抽選手段により決定された回数にわたって前記特別図柄の可変表示が実行されるまで前記特定制御を実行可能に構成される
ことを特徴とする。
上記(6)の遊技機によれば、当落判定用乱数とは別の特定乱数を用いて特定抽選が実行されるため、特別抽選に加えて特定抽選も並行して実行することが可能となり、興趣の低下を抑制することが可能となる。
また、ただ単に特定制御が実行されるか否かだけでなく、特定制御が実行される回数についても当落判定用乱数とは別の特定乱数を用いて決定されるため、特定制御の実行回数が都度異なりうることとなり、興趣を高めることが可能となる。
(7)上記(2)に記載の遊技機において、
複数の遊技状態のうちいずれかに制御される遊技機であって、
遊技領域に向けて発射された遊技球が前記特別始動領域を通過したことに基づいて、前記特別抽選に用いられる当落判定用乱数(例えば、大当り判定用乱数)を取得可能な当落乱数取得手段(例えば、メインCPU33101)と、
遊技領域に向けて発射された遊技球が前記特別始動領域を通過したことに基づいて、前記当落判定用乱数とは別の特定乱数(例えば、時短当落判定用乱数)を取得可能な特定乱数取得手段(例えば、メインCPU33101)と、
前記特定乱数取得手段により取得された特定乱数を用いて、前記特定制御が実行される回数の決定も含めて前記特定制御の実行にかかわる特定抽選(例えば、ステップS11475Aの時短当落判定処理)を実行可能な特定抽選手段(例えば、メインCPU33101)と、
をさらに備え、
前記特定抽選手段は、
前記特定制御が実行される回数を、前記特定乱数取得手段により取得された特定乱数および遊技状態に応じて決定可能であり、
前記特定制御実行手段は、
前記特定制御が実行されることが決定されると、前記特定抽選手段により決定された回数にわたって前記特別図柄の可変表示が実行されるまで前記特定制御を実行可能に構成される
ことを特徴とする。
上記(7)の遊技機によれば、当落判定用乱数とは別の特定乱数を用いて特定抽選が実行されるため、特別抽選に加えて特定抽選も並行して実行することが可能となり、興趣の低下を抑制することが可能となる。
しかも、特定制御の実行回数は、特定乱数および遊技状態に応じて決定されるため、制御負荷を抑制しつつも遊技性の幅が広がり、興趣を高めることが可能となる。
(8)上記(3)〜(7)のいずれか一つに記載の遊技機において、
前記特定乱数は、
前記特定抽選に専ら用いられる乱数である
ことを特徴とする。
上記(8)の遊技機によれば、特定乱数は特定抽選に用いられる専用乱数であるため、他の制約を受けることがなく、例えば任意のタイミングで特定抽選を実行できる等といった、特定抽選を実行するにあたっての自由度を高めることが可能となる。
(9)上記(2)に記載の遊技機において、
遊技領域に向けて発射された遊技球が普通始動領域(例えば、普図ゲート33049)を通過したことに基づいて普通当落判定用乱数(例えば、普通当り判定用乱数)を取得可能な普通当落判定用乱数取得手段(例えば、メインCPU33101)と、
前記普通当落判定用乱数取得手段により取得された普通当落判定用乱数を用いて普通抽選(例えば、普通図柄抽選)を実行可能な普通抽選手段(例えば、メインCPU33101)と、
前記普通抽選の結果に基づいて普通図柄の可変表示を実行可能な普通図柄可変制御手段(例えば、メインCPU33101)と、
前記普通図柄の可変表示が行われて所定の結果(例えば、普通当り)が導出されると、前記特別始動領域への遊技球の通過が可能または容易となるよう制御可能な普通電動制御手段(例えば、普通電動役物33460を作動させる制御を実行するメインCPU33101)と、
前記普通当落判定用乱数取得手段により取得された普通当落判定用乱数を用いて前記特定制御の実行にかかわる特定抽選(例えば、ステップS11475Aの時短当落判定処理)を実行可能な特定抽選手段(例えば、メインCPU33101)と、
をさらに備え、
前記特定制御実行手段は、
前記特定抽選の結果に基づいて前記特定制御を実行可能に構成される
ことを特徴とする。
上記(9)の遊技機によれば、普通当落判定用乱数を用いて特定抽選が実行されるため、これまでは普通抽選だけにしか用いられていなかった普通当落判定用乱数を有効活用することで、乱数を徒に増やさずに制御負荷を抑制しつつこれまでにない特定抽選を実行し、興趣を高めることが可能となる。
(10)上記(2)に記載の遊技機において、
遊技領域に向けて発射された遊技球が普通始動領域(例えば、普図ゲート33049)を通過したことに基づいて普通当落判定用乱数(例えば、普通当り判定用乱数)を取得可能な普通当落判定用乱数取得手段(例えば、メインCPU33101)と、
前記普通当落判定用乱数取得手段により取得された普通当落判定用乱数を用いて普通抽選(例えば、普通図柄抽選)を実行可能な普通抽選手段(例えば、メインCPU33101)と、
前記普通抽選の結果に基づいて普通図柄の可変表示を実行可能な普通図柄可変制御手段(例えば、メインCPU)と、
前記普通図柄の可変表示が行われて所定の結果(例えば、普通当り)が導出されると、前記特別始動領域への遊技球の通過が可能または容易となるよう制御可能な普通電動制御手段(例えば、普通電動役物を作動させる制御を実行するメインCPU)と、
前記普通当落判定用乱数取得手段により取得された普通当落判定用乱数を用いて、前記特定制御が実行される回数の決定も含めて前記特定制御の実行にかかわる特定抽選(例えば、ステップS11475Aの時短当落判定処理)を実行可能な特定抽選手段(例えば、メインCPU33101)と、
をさらに備え、
前記特定制御実行手段は、
前記特定制御が実行されることが決定されると、前記特定抽選手段により決定された回数にわたって前記特別図柄の可変表示が実行されるまで前記特定制御を実行可能に構成される
ことを特徴とする。
上記(10)の遊技機によれば、普通当落判定用乱数を用いて特定抽選が実行されるため、これまでは普通抽選だけにしか用いられていなかった普通当落判定用乱数を有効活用することで、乱数を徒に増やさずに制御負荷を抑制しつつこれまでにない特定抽選を実行し、興趣を高めることが可能となる。
また、ただ単に特定制御が実行されるか否かだけでなく、特定制御が実行される回数についても普通当落判定用乱数を用いて決定されるため、より一層、制御負荷を抑制しつつ興趣を高めることが可能となる。
(11)上記(2)に記載の遊技機において、
複数の遊技状態のうちいずれかに制御される遊技機であって、
遊技領域に向けて発射された遊技球が普通始動領域(例えば、普図ゲート33049)を通過したことに基づいて普通当落判定用乱数(例えば、普通当り判定用乱数)を取得可能な普通当落判定用乱数取得手段(例えば、メインCPU33101)と、
前記普通当落判定用乱数取得手段により取得された普通当落判定用乱数を用いて普通抽選(例えば、普通図柄抽選)を実行可能な普通抽選手段(例えば、メインCPU33101)と、
前記普通抽選の結果に基づいて普通図柄の可変表示を実行可能な普通図柄可変制御手段(例えば、メインCPU)と、
前記普通図柄の可変表示が行われて所定の結果(例えば、普通当り)が導出されると、前記特別始動領域への遊技球の通過が可能または容易となるよう制御可能な普通電動制御手段(例えば、普通電動役物を作動させる制御を実行するメインCPU)と、
前記普通当落判定用乱数取得手段により取得された普通当落判定用乱数を用いて、前記特定制御が実行される回数の決定も含めて前記特定制御の実行にかかわる特定抽選(例えば、ステップS11475Aの時短当落判定処理)を実行可能な特定抽選手段(例えば、メインCPU33101)と、
をさらに備え、
前記特定抽選手段は、
前記特定制御が実行される回数を、前記普通当落判定用乱数取得手段により取得された普通当落判定用乱数および遊技状態に応じて決定可能であり、
前記特定制御実行手段は、
前記特定制御が実行されることが決定されると、前記特定抽選手段により決定された回数にわたって前記特別図柄の可変表示が実行されるまで前記特定制御を実行可能に構成される
ことを特徴とする。
上記(11)の遊技機によれば、普通当落判定用乱数を用いて特定抽選が実行されるため、これまでは普通抽選だけにしか用いられていなかった普通当落判定用乱数を有効活用することで、乱数を徒に増やさずに制御負荷を抑制しつつこれまでにない特定抽選を実行し、興趣を高めることが可能となる。
しかも、特定制御の実行回数は、普通当落判定用乱数および遊技状態に応じて決定されるため、制御負荷を抑制しつつも遊技性の幅が広がり、興趣を高めることが可能となる。
(12)上記(2)に記載の遊技機において、
遊技領域に向けて発射された遊技球が前記特別始動領域を通過したことに基づいて、導出される特別図柄にかかわる特別図柄乱数(例えば、特別図柄決定用乱数)を取得可能な特別図柄乱数取得手段(例えば、メインCPU33101)と、
前記特別図柄乱数取得手段により取得された特別図柄乱数を用いて前記特定制御の実行にかかわる特定抽選(例えば、ステップS11475Aの時短当落判定処理)を実行可能な特定抽選手段(例えば、メインCPU33101)と、
をさらに備え、
前記特定制御実行手段は、
前記特別図柄乱数取得手段により取得された特別図柄乱数が特定の特別図柄乱数(例えば、時短当落判定処理において時短当りと判定される特別図柄決定用乱数)であることに基づいて前記特定制御を実行可能であるものの、前記特別抽選の結果が前記特別結果である場合、前記特定抽選の結果に基づく特定制御を非実行としうる
ことを特徴とする。
上記(12)の遊技機によれば、特別図柄乱数を用いて特定抽選が実行されるため、特別図柄乱数を有効活用することで、乱数を徒に増やさずに制御負荷を抑制しつつこれまでにない特定抽選を実行し、興趣を高めることが可能となる。
また、上記(12)の遊技機は、特別図柄乱数取得手段により取得された特別図柄乱数が特定の特別図柄乱数であることに基づいて特定制御を実行可能であるものの、特別抽選の結果が特別結果である場合には特定抽選の結果に基づいて特定制御が実行されない場合がありうるようにしたものである。
ことを特徴とする。
(13)上記(2)に記載の遊技機において、
遊技領域に向けて発射された遊技球が前記特別始動領域を通過したことに基づいて、導出される特別図柄にかかわる特別図柄乱数(例えば、特別図柄決定用乱数)を取得可能な特別図柄乱数取得手段(例えば、メインCPU33101)と、
前記特別図柄乱数取得手段により取得された特別図柄乱数を用いて、前記特定制御が実行される回数の決定も含めて前記特定制御の実行にかかわる特定抽選(例えば、ステップS11475Aの時短当落判定処理)を実行可能な特定抽選手段(例えば、メインCPU33101)と、
をさらに備え、
前記特定制御実行手段は、
前記特定制御が実行されることが決定されると、前記特定抽選手段により決定された回数にわたって前記特別図柄の可変表示が実行されるまで前記特定制御を実行可能であるものの、前記特別抽選の結果が前記特別結果である場合、前記特定抽選の結果に基づく特定制御を非実行としうる
ことを特徴とする。
上記(13)の遊技機によれば、特別図柄乱数を用いて特定抽選が実行されるため、特別図柄乱数を有効活用することで、乱数を徒に増やさずに制御負荷を抑制しつつこれまでにない特定抽選を実行し、興趣を高めることが可能となる。
また、ただ単に特定制御が実行されるか否かだけでなく、特定制御が実行される回数についても特別図柄乱数を用いて決定されるため、より一層、制御負荷を抑制しつつ興趣を高めることが可能となる。ただし、特別図柄乱数取得手段により取得された特別図柄乱数が特定の特別図柄乱数であることに基づいて特定制御を実行可能であるものの、特別抽選の結果が特別結果である場合には特定抽選の結果に基づいて特定制御が実行されない場合がありうるようにしている。
(14)上記(2)に記載の遊技機において、
複数の遊技状態のうちいずれかに制御される遊技機であって、
遊技領域に向けて発射された遊技球が前記特別始動領域を通過したことに基づいて、導出される特別図柄にかかわる特別図柄乱数(例えば、特別図柄決定用乱数)を取得可能な特別図柄乱数取得手段(例えば、メインCPU33101)と、
前記特別図柄乱数取得手段により取得された特別図柄乱数を用いて、前記特定制御が実行される回数の決定も含めて前記特定制御の実行にかかわる特定抽選(例えば、ステップS11475Aの時短当落判定処理)を実行可能な特定抽選手段(例えば、メインCPU33101)と、
をさらに備え、
前記特定抽選手段は、
前記特定制御が実行される回数を、前記特別図柄乱数取得手段により取得された特別図柄乱数および遊技状態に応じて決定可能であり、
前記特定制御実行手段は、
前記特定制御が実行されることが決定されると、前記特定抽選手段により決定された回数にわたって前記特別図柄の可変表示が実行されるまで前記特定制御を実行可能であるものの、前記特別抽選の結果が前記特別結果である場合、前記特定抽選の結果に基づく特定制御を非実行としうる
ことを特徴とする。
上記(14)の遊技機によれば、特別図柄乱数を用いて特定抽選が実行されるため、特別図柄乱数を有効活用することで、乱数を徒に増やさずに制御負荷を抑制しつつこれまでにない特定抽選を実行し、興趣を高めることが可能となる。
しかも、特定制御の実行回数は、特別図柄乱数および遊技状態に応じて決定されるため、制御負荷を抑制しつつも遊技性の幅が広がり、興趣を高めることが可能となる。なお、上記(14)の遊技機では、特別図柄乱数取得手段により取得された特別図柄乱数が特定の特別図柄乱数であることに基づいて特定制御を実行可能であるものの、特別抽選の結果が特別結果である場合には特定抽選の結果に基づいて特定制御が実行されない場合がありうるようにしている。
(15)上記(2)に記載の遊技機において、
遊技領域に向けて発射された遊技球が普通始動領域(例えば、普図ゲート33049)を通過したことに基づいて普通当落判定用乱数(例えば、普通当り判定用乱数)を取得可能な普通当落判定用乱数取得手段(例えば、メインCPU33101)と、
前記普通当落判定用乱数取得手段により取得された普通当落判定用乱数を用いて普通抽選(例えば、普通図柄抽選)を実行可能な普通抽選手段(例えば、メインCPU33101)と、
前記普通抽選の結果に基づいて普通図柄の可変表示を実行可能な普通図柄可変制御手段(例えば、メインCPU33101)と、
前記普通図柄の可変表示が行われて所定の結果(例えば、普通当り)が導出されると、前記特別始動領域への遊技球の通過が可能または容易となるよう制御可能な普通電動制御手段(例えば、普通電動役物を作動させる制御を実行するメインCPU33101)と、
遊技領域に向けて発射された遊技球が前記普通始動領域を通過したことに基づいて、導出される普通図柄にかかわる普通図柄乱数(例えば、普通図柄決定用乱数)を取得可能な普通図柄乱数取得手段(例えば、メインCPU33101)と、
前記普通図柄乱数取得手段により取得された普通図柄乱数を用いて前記特定制御の実行にかかわる特定抽選(例えば、ステップS11475Aの時短当落判定処理)を実行可能な特定抽選手段(例えば、メインCPU33101)と、
をさらに備え、
前記特定制御実行手段は、
前記特定抽選の結果に基づいて前記特定制御を実行可能に構成される
ことを特徴とする。
上記(15)の遊技機によれば、普通図柄乱数を用いて特定抽選が実行されるため、これまでは普通抽選の結果として導出される普通図柄の決定だけにしか用いられていなかった普通図柄乱数を有効活用することで、乱数を徒に増やさずに制御負荷を抑制しつつこれまでにない特定抽選を実行し、興趣を高めることが可能となる。
(16)上記(2)に記載の遊技機において、
遊技領域に向けて発射された遊技球が普通始動領域(例えば、普図ゲート33049)を通過したことに基づいて普通当落判定用乱数(例えば、普通当り判定用乱数)を取得可能な普通当落判定用乱数取得手段(例えば、メインCPU33101)と、
前記普通当落判定用乱数取得手段により取得された普通当落判定用乱数を用いて普通抽選(例えば、普通図柄抽選)を実行可能な普通抽選手段(例えば、メインCPU33101)と、
前記普通抽選の結果に基づいて普通図柄の可変表示を実行可能な普通図柄可変制御手段(例えば、メインCPU33101)と、
前記普通図柄の可変表示が行われて所定の結果(例えば、普通当り)が導出されると、前記特別始動領域への遊技球の通過が可能または容易となるよう制御可能な普通電動制御手段(例えば、普通電動役物を作動させる制御を実行するメインCPU33101)と、
遊技領域に向けて発射された遊技球が前記普通始動領域を通過したことに基づいて、導出される普通図柄にかかわる普通図柄乱数(例えば、普通図柄決定用乱数)を取得可能な普通図柄乱数取得手段(例えば、メインCPU33101)と、
前記普通図柄乱数取得手段により取得された普通図柄乱数を用いて、前記特定制御が実行される回数の決定も含めて前記特定制御の実行にかかわる特定抽選(例えば、ステップS11475Aの時短当落判定処理)を実行可能な特定抽選手段(例えば、メインCPU33101)と、
をさらに備え、
前記特定制御実行手段は、
前記特定制御が実行されることが決定されると、前記特定抽選手段により決定された回数にわたって前記特別図柄の可変表示が実行されるまで前記特定制御を実行可能に構成される
ことを特徴とする。
上記(16)の遊技機によれば、普通図柄乱数を用いて特定抽選が実行されるため、これまでは普通抽選の結果として導出される普通図柄の決定だけにしか用いられていなかった普通図柄乱数を有効活用することで、乱数を徒に増やさずに制御負荷を抑制しつつこれまでにない特定抽選を実行し、興趣を高めることが可能となる。
また、ただ単に特定制御が実行されるか否かだけでなく、特定制御が実行される回数についても普通図柄乱数を用いて決定されるため、より一層、制御負荷を抑制しつつ興趣を高めることが可能となる。
(17)上記(2)に記載の遊技機において、
複数の遊技状態のうちいずれかに制御される遊技機であって、
遊技領域に向けて発射された遊技球が普通始動領域(例えば、普図ゲート33049)を通過したことに基づいて普通当落判定用乱数(例えば、普通当り判定用乱数)を取得可能な普通当落判定用乱数取得手段(例えば、メインCPU33101)と、
前記普通当落判定用乱数取得手段により取得された普通当落判定用乱数を用いて普通抽選(例えば、普通図柄抽選)を実行可能な普通抽選手段(例えば、メインCPU33101)と、
前記普通抽選の結果に基づいて普通図柄の可変表示を実行可能な普通図柄可変制御手段(例えば、メインCPU33101)と、
前記普通図柄の可変表示が行われて所定の結果(例えば、普通当り)が導出されると、前記特別始動領域への遊技球の通過が可能または容易となるよう制御可能な普通電動制御手段(例えば、普通電動役物を作動させる制御を実行するメインCPU33101)と、
遊技領域に向けて発射された遊技球が前記普通始動領域を通過したことに基づいて、導出される普通図柄にかかわる普通図柄乱数(例えば、普通図柄決定用乱数)を取得可能な普通図柄乱数取得手段(例えば、メインCPU33101)と、
前記普通図柄乱数取得手段により取得された普通図柄乱数を用いて、前記特定制御が実行される回数の決定も含めて前記特定制御の実行にかかわる特定抽選(例えば、ステップS11475Aの時短当落判定処理)を実行可能な特定抽選手段(例えば、メインCPU33101)と、
をさらに備え、
前記特定抽選手段は、
前記特定制御が実行される回数を、前記普通図柄乱数取得手段により取得された普通図柄乱数および遊技状態に応じて決定可能であり、
前記特定制御実行手段は、
前記特定制御が実行されることが決定されると、前記特定抽選手段により決定された回数にわたって前記特別図柄の可変表示が実行されるまで前記特定制御を実行可能に構成される
ことを特徴とする。
上記(17)の遊技機によれば、普通図柄乱数を用いて特定抽選が実行されるため、これまでは普通抽選の結果として導出される普通図柄の決定だけにしか用いられていなかった普通図柄乱数を有効活用することで、乱数を徒に増やさずに制御負荷を抑制しつつこれまでにない特定抽選を実行し、興趣を高めることが可能となる。
しかも、特定制御の実行回数は、普通図柄乱数および遊技状態に応じて決定されるため、制御負荷を抑制しつつも遊技性の幅が広がり、興趣を高めることが可能となる。
(18)上記(3)〜(17)のいずれか一つに記載の遊技機において、
前記特定抽選の結果に基づく表示が行われる特定表示手段(例えば、時短当落判定結果表示部33077や当選時短回数表示部33078)をさらに備える
ことを特徴とする。
上記(18)の遊技機によれば、特定抽選の結果に基づく表示が行われるようにすることで特定抽選の結果が明示され、内部的に実行される特定抽選に対して遊技者に安心感を与えることが可能となる。
(19)上記(3)〜(18)のいずれか一つに記載の遊技機において、
前記特定抽選手段は、
前記特定制御の実行中であっても前記特定抽選を実行するよう構成される
ことを特徴とする。
上記(19)の遊技機によれば、特定制御の実行中であっても、特定制御の実行にかかわる特定抽選が実行されるため、遊技性の幅が広がり、興趣を高めることが可能となる。
(20)上記(3)〜(18)のいずれか一つに記載の遊技機において、
前記特定抽選手段は、
前記特定制御の実行中であっても前記特定抽選を実行するよう構成されており、
前記特定制御実行手段は、
前記特定制御の実行中に実行された前記特定抽選において、所定回数にわたって前記特定制御を実行する旨が決定された場合、実行中の特定制御の残回数(例えば、時短残回数)に代えて、前記所定回数にわたって前記特別図柄の可変表示が実行されるまで前記特定制御を実行可能に構成される
ことを特徴とする。
上記(20)の遊技機によれば、特定制御の実行中であっても、特定制御の実行にかかわる特定抽選が実行されるため、遊技性の幅が広がり、興趣を高めることが可能となる。
しかも、特定制御の実行中に実行された特定抽選において特定制御を実行する旨が決定された場合、実行中の特定制御の残回数に代えて、新たに決定された所定回数の特定制御が実行されるため、興趣を高めることが可能となる。とくに、新たに決定された回数の特定制御が実行中の特定制御の残回数よりも多ければ遊技者を喜ばせることができる一方、新たに決定された回数の特定制御が実行中の特定制御の残回数よりも少なければ遊技者を落胆させてしまうといった、これまでにない遊技性を提供することが可能となる。
(21)上記(3)〜(18)のいずれか一つに記載の遊技機において、
前記特定抽選手段は、
前記特定制御の実行中であっても前記特定抽選を実行するよう構成されており、
前記特定制御実行手段は、
前記特定制御の実行中に実行された前記特定抽選において、所定回数にわたって前記特定制御を実行する旨が決定された場合、実行中の特定制御の残回数(例えば、時短残回数)に前記所定回数を加えた回数にわたって前記特別図柄の可変表示が実行されるまで前記特定制御を実行可能に構成される
ことを特徴とする。
上記(21)の遊技機によれば、特定制御の実行中であっても、特定制御の実行にかかわる特定抽選が実行されるため、遊技性の幅が広がり、興趣を高めることが可能となる。
しかも、特定制御の実行中に実行された特定抽選において特定制御を実行する旨が決定された場合、実行中の特定制御の残回数に、新たに決定された所定回数を加えた回数の特定制御が実行されるため、特定制御の実行中における興趣を高めることが可能となる。
(22)上記(3)〜(21)のいずれか一つに記載の遊技機において、
前記特別抽選の結果が前記特別結果である場合、該特別結果に基づく特別遊技状態の終了後、前記特定制御の実行可否を決定する特定制御実行決定手段(例えば、メイン33CPU101)をさらに備え、
前記特定制御実行手段は、
前記特別抽選の結果が前記特別結果であったとしても、該特別結果に基づく特別遊技状態の終了後に前記特定制御を実行しない旨が前記特定制御実行決定手段により決定された場合、前記特定抽選の結果に基づいて前記特定制御を実行可能に構成される
ことを特徴とする。
上記(22)の遊技機によれば、特別抽選の結果が特別結果であったとしても、この特別結果に基づいて特定制御が実行されない場合には、特定抽選の結果に基づいて特定制御が実行されうるため、遊技者に与えうる落胆を軽減することができ、興趣の低下を抑制することが可能となる。
(23)上記(3)〜(21)のいずれか一つに記載の遊技機において、
前記特定制御実行手段は、
前記特別図柄の可変表示の実行中に前記特定抽選が実行され、その後、該特別図柄の可変表示が終了して前記特別結果が導出された場合、
前記特定抽選に基づく特定制御を実行せずに、前記特別結果に基づいて前記特定制御を実行するよう構成される
ことを特徴とする。
上記(23)の遊技機によれば、制御負荷を抑制しつつ興趣を高めることが可能となる。
なお、「特定抽選に基づく特定制御を実行せず」とは、特定抽選を実行するもののこの特定抽選の結果にかかわらず特定制御を実行しない態様、および、特別結果が導出される場合には特定抽選自体を実行しない態様の両方を含む趣旨である。
[31−2.付記34−2]
(1)本発明に係る遊技機は、
遊技領域に向けて発射された遊技球が特別始動領域(例えば、第1始動口33420、第2始動口33440A,33440B)を通過したことに基づいて、遊技者に利益(例えば、遊技球や賞球データ)を付与しうる特別遊技状態(例えば、大当り遊技状態)の制御にかかる特別抽選(例えば、ステップS11475の特別図柄当り判定処理)を実行可能な特別抽選手段(例えば、メインCPU33101)と、
前記特別抽選の結果に基づいて特別図柄の可変表示を実行可能な特別図柄可変制御手段(例えば、メインCPU33101)と、
前記特別図柄の可変表示が実行されて特別結果(例えば、大当り)が導出されると、特別遊技状態(例えば、大当り遊技状態)に制御可能な特別遊技状態制御手段(例えば、メインCPU33101)と、
予め定められた特定回数(例えば、30回)にわたって前記特別図柄の可変表示が実行されるまで、通常の遊技状態(例えば、通常遊技状態)と比べて前記特別図柄の可変表示時間を短縮しうる第1特定制御と、通常の遊技状態と比べて前記特別始動領域への遊技球の通過が可能または容易となる頻度を高めうる第2特定制御(例えば、電サポ制御)とのうち、少なくともいずれかの特定制御(例えば、時短制御)を実行可能な特定制御実行手段(例えば、メインCPU33101)と、
を備えることを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、特定制御が実行される場合、通常の遊技状態と比べて特別図柄の可変表示時間を短縮しうる第1特定制御と、通常の遊技状態と比べて特別始動領域への遊技球の通過が可能または容易となる頻度を高めうる第2特定制御とのうち、少なくともいずれかの特定制御が実行されるといった、これまでにない新たな遊技性を備える遊技機を提供することが可能となる。
しかも、特定制御が実行される回数は予め定められた特定回数であるため、遊技者を安心させることが可能となる。とくに、上記の特定回数は1種類であることが、遊技者を安心させる観点から好ましい。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、
前記特別図柄の可変表示が開始されてから該可変表示が終了して前記特別抽選の結果が導出されるまでを1回のゲームとし、
前記特定制御実行手段は、
当該ゲームにおいて前記特別結果が導出されなくとも、当該ゲームにおける前記特別抽選の結果が導出されるまでの間に、または、当該ゲームにおける前記特別抽選の結果が導出されたことに基づいて、前記特定制御の実行を開始可能に構成される
ことを特徴とする。
上記(2)の遊技機によれば、特別遊技状態に制御される契機となる特別結果が導出されなかった場合であっても特定制御が実行される可能性があるため、興趣の低下を抑制することが可能となる。
なお、以下の(3)〜(5)、(7)および(8)に記載する各遊技機は、便宜上、上記(2)の遊技機にのみ従属させているが、整合性を図ることができる範囲で、他の遊技機に従属させてもよい。また、以下の(3)〜(5)、(7)および(8)に記載する各遊技機の一部の構成のみを、他の遊技機と組み合わせるようにしてもよいし、他の遊技機の一部の構成と組み合わせるようにしてもよい。
(3)上記(2)に記載の遊技機において、
遊技領域に向けて発射された遊技球が前記特別始動領域を通過したことに基づいて、前記特別抽選に用いられる当落判定用乱数(例えば、大当り判定用乱数)を取得可能な当落乱数取得手段(例えば、メインCPU33101)と、
遊技領域に向けて発射された遊技球が前記特別始動領域を通過したことに基づいて、前記当落判定用乱数とは別の特定乱数(例えば、時短当落判定用乱数)を取得可能な特定乱数取得手段(例えば、メインCPU33101)と、
前記特定乱数取得手段により取得された特定乱数を用いて前記特定制御の実行にかかわる特定抽選(例えば、ステップS11475Aの時短当落判定処理)を、前記特定制御が実行されていない場合に実行可能な特定抽選手段(例えば、メインCPU33101)と、
をさらに備え、
前記特定制御実行手段は、
前記特定抽選の結果に基づいて前記特定制御を実行可能に構成される
ことを特徴とする。
上記(3)の遊技機によれば、特定制御が実行されていない場合、当落判定用乱数とは別の特定乱数を用いて特定抽選が実行されるため、制御負荷を抑制しつつ、特別抽選に加えて特定抽選も並行して実行することが可能となり、興趣の低下を抑制することが可能となる。
(4)上記(2)に記載の遊技機において、
遊技領域に向けて発射された遊技球が前記特別始動領域を通過したことに基づいて、前記特別抽選に用いられる当落判定用乱数(例えば、大当り判定用乱数)を取得可能な当落乱数取得手段(例えば、メインCPU33101)と、
遊技領域に向けて発射された遊技球が前記特別始動領域を通過したことに基づいて、前記当落判定用乱数とは別の特定乱数(例えば、時短当落判定用乱数)を取得可能な特定乱数取得手段(例えば、メインCPU33101)と、
前記特定乱数取得手段により取得された特定乱数を用いて、前記特別抽選に先だって前記特定制御の実行にかかわる特定抽選(例えば、ステップS11475Aの時短当落判定処理)を、前記特定制御が実行されていない場合に実行可能な特定抽選手段(例えば、メインCPU33101)と、
をさらに備え、
前記特定制御実行手段は、
前記特定抽選の結果に基づいて、前記特別抽選に先だって前記特定制御を実行可能に構成される
ことを特徴とする。
上記(4)の遊技機によれば、特定制御が実行されていない場合、当落判定用乱数とは別の特定乱数を用いて特定抽選が実行されるため、制御負荷を抑制しつつ、特別抽選に加えて特定抽選も並行して実行することが可能となり、興趣の低下を抑制することが可能となる。
また、特別抽選に先だって特定抽選が実行され、しかも、特別抽選に先だって特定制御を実行可能であるため、特定抽選の結果に基づいて特別抽選が実行されることとなり、興趣を高めることが可能となる。とくに、特定制御が実行されているか否かによって特別抽選の結果が変わりうる場合、その効果が顕著である。
(5)上記(2)に記載の遊技機において、
遊技領域に向けて発射された遊技球が前記特別始動領域を通過したことに基づいて、前記特別抽選に用いられる当落判定用乱数(例えば、大当り判定用乱数)を取得可能な当落乱数取得手段(例えば、メインCPU)と、
遊技領域に向けて発射された遊技球が前記特別始動領域を通過したことに基づいて、前記当落判定用乱数とは別の特定乱数(例えば、時短当落判定用乱数)を取得可能な特定乱数取得手段(例えば、メインCPU)と、
前記特定乱数取得手段により取得された特定乱数を用いて前記特定制御の実行にかかわる特定抽選(例えば、ステップS11475Aの時短当落判定処理)を、前記特定制御が実行されていない場合に実行可能な特定抽選手段(例えば、メインCPU33101)と、
をさらに備え、
前記特定制御実行手段は、
前記特定抽選に結果に基づいて、前記特別抽選が実行された以降に前記特定制御を実行可能に構成される
ことを特徴とする。
上記(5)の遊技機によれば、特定制御が実行されていない場合、当落判定用乱数とは別の特定乱数を用いて特定抽選が実行されるため、制御負荷を抑制しつつ、特別抽選に加えて特定抽選も並行して実行することが可能となり、興趣の低下を抑制することが可能となる。
また、特定抽選に結果に基づいて、特別抽選が実行された以降に特定制御が実行されるため、特定抽選の結果が特別抽選に反映されず、例えば特定制御が実行されるか否かによって特別抽選の結果が遊技者に不利益となる等によって生じうる興趣の低下を抑制することが可能となる。
(6)上記(3)〜(5)のいずれか一つに記載の遊技機において、
前記特定乱数は、
前記特定抽選に専ら用いられる乱数である
ことを特徴とする。
上記(6)の遊技機によれば、特定乱数は特定抽選に用いられる専用乱数であるため、他の制約を受けることがなく、例えば任意のタイミングで特定抽選を実行できる等といった、特定抽選を実行するにあたっての自由度を高めることが可能となる。
(7)上記(2)に記載の遊技機において、
遊技領域に向けて発射された遊技球が普通始動領域(例えば、普図ゲート)を通過したことに基づいて普通当落判定用乱数(例えば、普通当り判定用乱数)を取得可能な普通当落判定用乱数取得手段(例えば、メインCPU)と、
前記普通当落判定用乱数取得手段により取得された普通当落判定用乱数を用いて普通抽選(例えば、普通図柄抽選)を実行可能な普通抽選手段と、
前記普通抽選の結果に基づいて普通図柄の可変表示を実行可能な普通図柄可変制御手段(例えば、メインCPU)と、
前記普通図柄の可変表示が行われて所定の結果(例えば、普通当り)が導出されると、前記特別始動領域への遊技球の通過が可能または容易となるよう制御可能な普通電動制御手段(例えば、普通電動役物を作動させる制御を実行するメインCPU)と、
前記普通当落判定用乱数取得手段により取得された普通当落判定用乱数を用いて前記特定制御の実行にかかわる特定抽選(例えば、ステップS11475Aの時短当落判定処理)を、前記特定制御が実行されていない場合に限り実行可能な特定抽選手段(例えば、メインCPU33101)と、
をさらに備え、
前記特定制御実行手段は、
前記特定抽選の結果に基づいて、前記特定制御を実行可能に構成される
ことを特徴とする。
上記(7)の遊技機によれば、特定制御が実行されていない場合に普通当落判定用乱数を用いて特定抽選が実行されるため、これまでは普通抽選だけにしか用いられていなかった普通当落判定用乱数を有効活用することで、乱数を徒に増やさずに制御負荷を抑制しつつこれまでにない特定抽選を実行し、興趣を高めることが可能となる。
(8)上記(3)〜(7)のいずれか一つに記載の遊技機において、
前記特定抽選の結果に基づく表示が行われる特定表示手段(例えば、時短当落判定結果表示部33077や当選時短回数表示部33078)をさらに備える
ことを特徴とする。
上記(8)の遊技機によれば、特定抽選の結果に基づく表示が行われるようにすることで特定抽選の結果が明示され、内部的に実行される特定抽選に対して遊技者に安心感を与えることが可能となる。
(9)上記(3)〜(8)のいずれか一つに記載の遊技機において、
前記特別抽選の結果が前記特別結果である場合、該特別結果に基づく特別遊技状態の終了後、前記特定制御の実行可否を決定する特定制御実行決定手段(例えば、メイン33CPU101)をさらに備え、
前記特定制御実行手段は、
前記特別抽選の結果が前記特別結果であったとしても、該特別結果に基づく特別遊技状態の終了後に前記特定制御を実行しない旨が前記特定制御実行決定手段により決定された場合、前記特定抽選の結果に基づいて前記特定制御を実行可能に構成される
ことを特徴とする。
上記(9)の遊技機によれば、特別抽選の結果が特別結果であったとしても、この特別結果に基づいて特定制御が実行されない場合には、特定抽選の結果に基づいて特定制御が実行されうるため、遊技者に与えうる落胆を軽減することができ、興趣の低下を抑制することが可能となる。
(10)上記(3)〜(8)のいずれか一つに記載の遊技機において、
前記特定制御実行手段は、
前記特別図柄の可変表示の実行中に前記特定抽選が実行され、その後、該特別図柄の可変表示が終了して前記特別結果が導出された場合、
前記特定抽選に基づく特定制御を実行せずに、前記特別結果に基づいて前記特定制御を実行するよう構成される
ことを特徴とする。
上記(10)の遊技機によれば、制御負荷を抑制しつつ興趣を高めることが可能となる。
なお、「特定抽選に基づく特定制御を実行せず」とは、特定抽選を実行するもののこの特定抽選の結果にかかわらず特定制御を実行しない態様、および、特別結果が導出される場合には特定抽選自体を実行しない態様の両方を含む趣旨である。
[31−3.付記34−3]
(1)本発明に係る遊技機は、
遊技領域に向けて発射された遊技球が特別始動領域(例えば、第1始動口33420、第2始動口33440A,33440B)を通過したことに基づいて、遊技者に利益(例えば、遊技球や賞球データ)を付与しうる特別遊技状態(例えば、大当り遊技状態)の制御にかかる特別抽選(例えば、ステップS11826の特別図柄当り判定処理)を実行可能な特別抽選手段(例えば、メインCPU33101)と、
前記特別抽選の結果に基づいて特別図柄の可変表示を実行可能な特別図柄可変制御手段(例えば、メインCPU33101)と、
前記特別図柄の可変表示が実行されて特別結果(例えば、大当り)が導出されると、特別遊技状態(例えば、大当り遊技状態)に制御可能な特別遊技状態制御手段(例えば、メインCPU33101)と、
前記特別結果の導出確率を高めうる高確率制御を実行可能な高確制御実行手段(例えば、メインCPU33101)と、
前記高確率制御の終了にかかる高確終了抽選(例えば、ステップS11825の特別図柄転落判定処理)を実行可能な高確終了抽選手段(例えば、メインCPU33101)と、
所定条件の成立に基づいて、通常の遊技状態(例えば、通常遊技状態)と比べて前記特別図柄の可変表示時間を短縮しうる第1特定制御と、通常の遊技状態と比べて前記特別始動領域への遊技球の通過が可能または容易となる頻度を高めうる第2特定制御(例えば、電サポ制御)とのうち、少なくともいずれかの特定制御(例えば、時短制御)を実行可能な特定制御実行手段(例えば、メインCPU)と、
を備えることを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、高確率制御が実行されていたとしても、高確終了抽選の結果に応じて高確率制御が終了しうるため、常に遊技者に緊張感を与えることができる。このように遊技者に緊張感を与えつつも、通常の遊技状態と比べて特別図柄の可変表示時間を短縮しうる第1特定制御と、通常の遊技状態と比べて特別始動領域への遊技球の通過が可能または容易となる頻度を高めうる第2特定制御とのうち、少なくともいずれかの特定制御が実行される可能性をもたせることで、これまでにない新たな遊技性を備える遊技機を提供することが可能となる。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、
前記特別図柄の可変表示が開始されてから該可変表示が終了して前記特別抽選の結果が導出されるまでを1回のゲームとし、
前記特定制御実行手段は、
当該ゲームにおいて前記特別結果が導出されなくとも、当該ゲームにおける前記特別抽選の結果が導出されるまでの間に、または、当該ゲームにおける前記特別抽選の結果が導出されたことに基づいて、前記特定制御の実行を開始可能に構成される
ことを特徴とする。
上記(2)の遊技機によれば、特別遊技状態に制御される契機となる特別結果が導出されなかった場合であっても特定制御が実行される可能性があるため、興趣の低下を抑制することが可能となる。
なお、以下の(3)〜(7)に記載する各遊技機は、便宜上、上記(2)の遊技機にのみ従属させているが、整合性を図ることができる範囲で、他の遊技機に従属させてもよい。また、以下の(3)〜(7)に記載する各遊技機の一部の構成のみを、他の遊技機と組み合わせるようにしてもよいし、他の遊技機の一部の構成と組み合わせるようにしてもよい。
(3)上記(2)に記載の遊技機において、
遊技領域に向けて発射された遊技球が前記特別始動領域を通過したことに基づいて、前記高確終了抽選に用いられる終了判定用乱数(例えば、特別図柄転落判定用乱数)を取得可能な終了判定用乱数取得手段(例えば、メインCPU33101)と、
前記終了判定用乱数取得手段により取得された終了判定用乱数を用いて前記特定制御の実行にかかわる特定抽選(例えば、ステップS11825Aの時短当落判定処理)を実行可能な特定抽選手段(例えば、メインCPU33101)と、
をさらに備え、
前記特定制御実行手段は、
前記特定抽選の結果に基づいて前記特定制御を実行可能に構成される
ことを特徴とする。
上記(3)の遊技機によれば、高確終了抽選に用いられる終了判定用乱数を用いて特定抽選が実行されるため、高確率制御が終了するかもしれないといった緊張感を与えつつ特定抽選も実行されることとなり、興趣を高めることが可能となる。とくに、例えば、高確率制御が終了するような状況下であっても、特定制御が実行される可能性に対する期待感を遊技者に与えることができるため、興趣を高めることが可能となる。
(4)上記(2)に記載の遊技機において、
遊技領域に向けて発射された遊技球が前記特別始動領域を通過したことに基づいて、前記高確終了抽選に用いられる終了判定用乱数(例えば、特別図柄転落判定用乱数)を取得可能な終了判定用乱数取得手段(例えば、メインCPU33101)と、
前記終了判定用乱数取得手段により取得された終了判定用乱数を用いて、前記特別抽選に先だって前記特定制御の実行にかかわる特定抽選(例えば、ステップS11825Aの時短当落判定処理)を実行可能な特定抽選手段(例えば、メインCPU33101)と、
をさらに備え、
前記特定制御実行手段は、
前記特定抽選の結果に基づいて、前記特別抽選に先だって前記特定制御を実行可能に構成される
ことを特徴とする。
上記(4)の遊技機によれば、高確終了抽選に用いられる終了判定用乱数を用いて特定抽選が実行されるため、高確率制御が終了するかもしれないといった緊張感を与えつつ特定抽選も実行されることとなり、興趣を高めることが可能となる。とくに、例えば、高確率制御が終了するような状況下であっても、特定制御が実行される可能性に対する期待感を遊技者に与えることができるため、興趣を高めることが可能となる。
また、特別抽選に先だって特定抽選が実行され、しかも、特別抽選に先だって特定制御を実行可能であるため、特定抽選の結果に基づいて特別抽選が実行されることとなり、興趣を高めることが可能となる。とくに、特定制御が実行されているか否かによって特別抽選の結果が変わりうる場合、その効果が顕著である。
(5)上記(2)に記載の遊技機において、
遊技領域に向けて発射された遊技球が前記特別始動領域を通過したことに基づいて、前記高確終了抽選に用いられる終了判定用乱数(例えば、特別図柄転落判定用乱数)を取得可能な終了判定用乱数取得手段(例えば、メインCPU33101)と、
前記終了判定用乱数取得手段により取得された終了判定用乱数を用いて、前記高確終了抽選が実行された後に、前記特定制御の実行にかかわる特定抽選(例えば、ステップS11825Aの時短当落判定処理)を実行可能な特定抽選手段(例えば、メインCPU33101)と、
をさらに備え、
前記特定制御実行手段は、
前記特定抽選に結果に基づいて前記特定制御を実行可能に構成される
ことを特徴とする。
上記(5)の遊技機によれば、高確終了抽選に用いられる終了判定用乱数を用いて特定抽選が実行されるため、高確率制御が終了するかもしれないといった緊張感を与えつつ特定抽選も実行されることとなり、興趣を高めることが可能となる。とくに、例えば、高確率制御が終了するような状況下であっても、特定制御が実行される可能性に対する期待感を遊技者に与えることができるため、興趣を高めることが可能となる。
また、高確終了抽選が実行された後に特定抽選が実行されるため、高確終了抽選の結果に基づいて特定抽選が実行されることとなり、興趣を高めることが可能となる。とくに、高確率制御が実行されているか否かによって特定抽選の結果が変わりうる場合(例えば、高確率制御が実行されているか否かによって特定制御の実行回数が変わりうる場合)、その効果が顕著である。
(6)上記(2)に記載の遊技機において、
遊技領域に向けて発射された遊技球が前記特別始動領域を通過したことに基づいて、前記高確終了抽選に用いられる終了判定用乱数(例えば、特別図柄転落判定用乱数)を取得可能な終了判定用乱数取得手段(例えば、メインCPU33101)と、
前記終了判定用乱数取得手段により取得された終了判定用乱数を用いて、前記特定制御が実行される回数の決定も含めて前記特定制御の実行にかかわる特定抽選(例えば、ステップS11825Aの時短当落判定処理)を実行可能な特定抽選手段(例えば、メインCPU33101)と、
をさらに備え、
前記特定制御実行手段は、
前記特定制御が実行されることが決定されると、前記特定抽選手段により決定された回数にわたって前記特別図柄の可変表示が実行されるまで前記特定制御を実行可能に構成される
ことを特徴とする。
上記(6)の遊技機によれば、高確終了抽選に用いられる終了判定用乱数を用いて特定抽選が実行されるため、高確率制御が終了するかもしれないといった緊張感を与えつつ特定抽選も実行されることとなり、興趣を高めることが可能となる。とくに、例えば、高確率制御が終了するような状況下であっても、特定制御が実行される可能性に対する期待感を遊技者に与えることができるため、興趣を高めることが可能となる。
また、ただ単に特定制御が実行されるか否かだけでなく、特定制御が実行される回数についても終了判定用乱数を用いて決定されるため、制御負荷を抑制しつつ興趣を高めることが可能となる。
(7)上記(2)に記載の遊技機において、
複数の遊技状態のうちいずれかに制御される遊技機であって、
遊技領域に向けて発射された遊技球が前記特別始動領域を通過したことに基づいて、前記高確終了抽選に用いられる終了判定用乱数(例えば、特別図柄転落判定用乱数)を取得可能な終了判定用乱数取得手段(例えば、メインCPU)と、
前記終了判定用乱数取得手段により取得された終了判定用乱数を用いて、前記特定制御が実行される回数の決定も含めて前記特定制御の実行にかかわる特定抽選(例えば、ステップS11825Aの時短当落判定処理)を実行可能な特定抽選手段(例えば、メインCPU33101)と、
をさらに備え、
前記特定抽選手段は、
前記特定制御が実行される回数を、前記終了判定用乱数取得手段により取得された終了判定用乱数および遊技状態に応じて決定可能であり、
前記特定制御実行手段は、
前記特定制御が実行されることが決定されると、前記特定抽選手段により決定された回数にわたって前記特別図柄の可変表示が実行されるまで前記特定制御を実行可能に構成される
ことを特徴とする。
上記(7)の遊技機によれば、高確終了抽選に用いられる終了判定用乱数を用いて特定抽選が実行されるため、高確率制御が終了するかもしれないといった緊張感を与えつつ特定抽選も実行されることとなり、興趣を高めることが可能となる。とくに、例えば、高確率制御が終了するような状況下であっても、特定制御が実行される可能性に対する期待感を遊技者に与えることができるため、興趣を高めることが可能となる。
しかも、特定制御の実行回数は、終了判定用乱数および遊技状態に応じて決定されるため、制御負荷を抑制しつつも遊技性の幅が広がり、興趣を高めることが可能となる。
(8)上記(3)〜(7)のいずれか一つに記載の遊技機において、
前記特定抽選の結果に基づく表示が行われる特定表示手段(例えば、時短当落判定結果表示部33077や当選時短回数表示部33078)をさらに備える
ことを特徴とする。
上記(8)の遊技機によれば、特定抽選の結果に基づく表示が行われるようにすることで特定抽選の結果が明示され、内部的に実行される特定抽選に対して遊技者に安心感を与えることが可能となる。
(9)上記(3)〜(8)のいずれか一つに記載の遊技機において、
前記特定抽選手段は、
前記特定制御の実行中であっても前記特定抽選を実行するよう構成される
ことを特徴とする。
上記(9)の遊技機によれば、特定制御の実行中であっても、特定制御の実行にかかわる特定抽選が実行されるため、遊技性の幅が広がり、興趣を高めることが可能となる。
(10)上記(3)〜(8)のいずれか一つに記載の遊技機において、
前記特定抽選手段は、
前記特定制御の実行中であっても前記特定抽選を実行するよう構成されており、
前記特定制御実行手段は、
前記特定制御の実行中に実行された前記特定抽選において、所定回数にわたって前記特定制御を実行する旨が決定された場合、実行中の特定制御の残回数(例えば、時短残回数)に代えて、前記所定回数にわたって前記特別図柄の可変表示が実行されるまで前記特定制御を実行可能に構成される
ことを特徴とする。
上記(10)の遊技機によれば、特定制御の実行中であっても、特定制御の実行にかかわる特定抽選が実行されるため、遊技性の幅が広がり、興趣を高めることが可能となる。
しかも、特定制御の実行中に実行された特定抽選において特定制御を実行する旨が決定された場合、実行中の特定制御の残回数に代えて、新たに決定された所定回数の特定制御が実行されるため、興趣を高めることが可能となる。とくに、新たに決定された回数の特定制御が実行中の特定制御の残回数よりも多ければ遊技者を喜ばせることができる一方、新たに決定された回数の特定制御が実行中の特定制御の残回数よりも少なければ遊技者を落胆させてしまうといった、これまでにない遊技性を提供することが可能となる。
(11)上記(3)〜(8)のいずれか一つに記載の遊技機において、
前記特定抽選手段は、
前記特定制御の実行中であっても前記特定抽選を実行するよう構成されており、
前記特定制御実行手段は、
前記特定制御の実行中に実行された前記特定抽選において、所定回数にわたって前記特定制御を実行する旨が決定された場合、実行中の特定制御の残回数(例えば、時短残回数)に前記所定回数を加えた回数にわたって前記特別図柄の可変表示が実行されるまで前記特定制御を実行可能に構成される
ことを特徴とする。
上記(11)の遊技機によれば、特定制御の実行中であっても、特定制御の実行にかかわる特定抽選が実行されるため、遊技性の幅が広がり、興趣を高めることが可能となる。
しかも、特定制御の実行中に実行された特定抽選において特定制御を実行する旨が決定された場合、実行中の特定制御の残回数に、新たに決定された所定回数を加えた回数の特定制御が実行されるため、特定制御の実行中における興趣を高めることが可能となる。
(12)上記(3)〜(11)のいずれか一つに記載の遊技機において、
前記特定制御実行手段は、
前記特別図柄の可変表示の実行中に前記特定抽選が実行され、その後、該特別図柄の可変表示が終了して前記特別結果が導出された場合、
前記特定抽選に基づく特定制御を実行せずに、前記特別結果に基づいて前記特定制御を実行するよう構成される
ことを特徴とする。
上記(12)の遊技機によれば、制御負荷を抑制しつつ興趣を高めることが可能となる。
なお、「特定抽選に基づく特定制御を実行せず」とは、特定抽選を実行するもののこの特定抽選の結果にかかわらず特定制御を実行しない態様、および、特別結果が導出される場合には特定抽選自体を実行しない態様の両方を含む趣旨である。
[31−4.付記34−4]
(1)本発明に係る遊技機は、
遊技領域に向けて発射された遊技球が特別始動領域(例えば、第1始動口33420、第2始動口33440A,33440B)を通過したことに基づいて、特別抽選用乱数(例えば、大当り判定用乱数)を取得可能な当落乱数取得手段(例えば、メインCPU33101)と、
前記当落乱数取得手段により取得された特別抽選用乱数を用いて、遊技者に利益(例えば、遊技球や賞球データ)を付与しうる特別遊技状態(例えば、大当り遊技状態)の制御にかかる特別抽選(例えば、ステップS11475の特別図柄当り判定処理)を実行可能な特別抽選手段(例えば、メインCPU33101)と、
遊技領域に向けて発射された遊技球が前記特別始動領域を通過したことに基づいて、特別図柄乱数(例えば、特別図柄決定用乱数)を取得可能な特別図柄乱数取得手段(例えば、メインCPU33101)と、
前記特別抽選の結果および前記特別図柄乱数取得手段により取得された特別図柄乱数に基づいて特別図柄の可変表示を実行可能な特別図柄可変制御手段(例えば、メインCPU33101)と、
前記特別図柄の可変表示が実行されて特別結果(例えば、大当り)が導出されると、特別遊技状態(例えば、大当り遊技状態)に制御可能な特別遊技状態制御手段(例えば、メインCPU33101)と、
通常の遊技状態と比べて前記特別図柄の可変表示時間を短縮しうる第1特定制御と、通常の遊技状態と比べて前記特別始動領域への遊技球の通過が可能または容易となる頻度を高めうる第2特定制御(例えば、電サポ制御)とのうち、少なくともいずれかの特定制御(例えば、時短制御)を実行可能な特定制御実行手段(例えば、メインCPU33101)と、
を備えることを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、特別抽選の結果および取得された特別図柄乱数に基づいて特別図柄の可変表示を実行可能な遊技機において、通常の遊技状態と比べて特別図柄の可変表示時間を短縮しうる第1特定制御と、通常の遊技状態と比べて特別始動領域への遊技球の通過が可能または容易となる頻度を高めうる第2特定制御とのうち、少なくともいずれかの特定制御が実行されるようにした、これまでにない新たな遊技性を備える遊技機を提供することが可能となる。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、
前記特別図柄の可変表示が開始されてから該可変表示が終了して前記特別抽選の結果が導出されるまでを1回のゲームとし、
前記特定制御実行手段は、
当該ゲームにおいて前記特別結果が導出されなくとも、当該ゲームにおける前記特別抽選の結果が導出されるまでの間に、または、当該ゲームにおける前記特別抽選の結果が導出されたことに基づいて、前記特定制御の実行を開始可能に構成される
ことを特徴とする。
上記(2)の遊技機によれば、特別遊技状態に制御される契機となる特別結果が導出されなかった場合であっても特定制御が実行される可能性があるため、興趣の低下を抑制することが可能となる。
なお、以下の(3)〜(5)に記載する各遊技機は、便宜上、上記(2)の遊技機にのみ従属させているが、整合性を図ることができる範囲で、他の遊技機に従属させてもよい。また、以下の(3)〜(5)に記載する各遊技機の一部の構成のみを、他の遊技機と組み合わせるようにしてもよいし、他の遊技機の一部の構成と組み合わせるようにしてもよい。
(3)上記(2)に記載の遊技機において、
前記特別抽選の結果がハズレである場合、前記特別図柄乱数取得手段により取得された特別図柄乱数を用いて前記特定制御の実行にかかわる特定抽選(例えば、ステップS11476の特別図柄決定処理においてあわせて実行される時短当落判定処理)を実行可能な特定抽選手段(例えば、メインCPU33101)をさらに備え、
前記特定制御実行手段は、
前記特定抽選の結果に基づいて前記特定制御を実行可能に構成される
ことを特徴とする。
上記(3)の遊技機によれば、特別抽選の結果がハズレである場合、取得された特別図柄乱数を用いて特定抽選が実行されるため、これまでは遊技者に何らの利益も付与されずに落胆を与えるだけであったハズレに対しても面白みを持たせることが可能となり、遊技性の幅を広げることができ、興趣を高めることが可能となる。
(4)上記(2)に記載の遊技機において、
前記特別抽選の結果がハズレである場合、前記特別図柄乱数取得手段により取得された特別図柄乱数を用いて、前記特定制御が実行される回数の決定も含めて前記特定制御の実行にかかわる特定抽選(例えば、ステップS11476の特別図柄決定処理においてあわせて実行される時短当落判定処理)を実行可能な特定抽選手段(例えば、メインCPU33101)をさらに備え、
前記特定制御実行手段は、
前記特定制御が実行されることが決定されると、前記特定抽選手段により決定された回数にわたって前記特別図柄の可変表示が実行されるまで前記特定制御を実行可能に構成される
ことを特徴とする。
上記(4)の遊技機によれば、特別抽選の結果がハズレである場合、取得された特別図柄乱数を用いて特定抽選が実行されるため、これまでは遊技者に何らの利益も付与されずに落胆を与えるだけであったハズレに対しても面白みを持たせることが可能となり、遊技性の幅を広げることができ、興趣を高めることが可能となる。
また、ただ単に特定制御が実行されるか否かだけでなく、特定制御が実行される回数についても、特別抽選の結果がハズレである場合の特別図柄乱数を用いて決定されるため、制御負荷を抑制しつつ興趣を高めることが可能となる。
(5)上記(2)に記載の遊技機において、
複数の遊技状態のうちいずれかに制御される遊技機であって、
前記特別抽選の結果がハズレである場合、前記特別図柄乱数取得手段により取得された特別図柄乱数を用いて、前記特定制御が実行される回数の決定も含めて前記特定制御の実行にかかわる特定抽選(例えば、ステップS11476の特別図柄決定処理においてあわせて実行される時短当落判定処理)を実行可能な特定抽選手段(例えば、メインCPU33101)をさらに備え、
前記特定抽選手段は、
前記特定制御が実行される回数を、前記特別図柄乱数取得手段により取得された特別図柄乱数および遊技状態に応じて決定可能であり、
前記特定制御実行手段は、
前記特定制御が実行されることが決定されると、前記特定抽選手段により決定された回数にわたって前記特別図柄の可変表示が実行されるまで前記特定制御を実行可能に構成される
ことを特徴とする。
上記(5)の遊技機によれば、特別抽選の結果がハズレである場合、取得された特別図柄乱数を用いて特定抽選が実行されるため、これまでは遊技者に何らの利益も付与されずに落胆を与えるだけであったハズレに対しても面白みを持たせることが可能となり、遊技性の幅を広げることができ、興趣を高めることが可能となる。
また、ただ単に特定制御が実行されるか否かだけでなく、特定制御が実行される回数についても特別抽選の結果がハズレである場合の特別図柄乱数を用いて決定されるため、制御負荷を抑制しつつ興趣を高めることが可能となる。
(6)上記(3)〜(5)のいずれか一つに記載の遊技機において、
前記特定抽選の結果に基づく表示が行われる特定表示手段(例えば、時短当落判定結果表示部33077や当選時短回数表示部33078)をさらに備える
ことを特徴とする。
上記(6)の遊技機によれば、特定抽選の結果に基づく表示が行われるようにすることで特定抽選の結果が明示され、内部的に実行される特定抽選に対して遊技者に安心感を与えることが可能となる。
(7)上記(3)〜(6)のいずれか一つに記載の遊技機において、
前記特定抽選手段は、
前記特定制御の実行中であっても前記特定抽選を実行するよう構成される
ことを特徴とする。
上記(7)の遊技機によれば、特定制御の実行中であっても、特定制御の実行にかかわる特定抽選が実行されるため、遊技性の幅が広がり、興趣を高めることが可能となる。
(8)上記(3)〜(6)のいずれか一つに記載の遊技機において、
前記特定抽選手段は、
前記特定制御の実行中であっても前記特定抽選を実行するよう構成されており、
前記特定制御実行手段は、
前記特定制御の実行中に実行された前記特定抽選において、所定回数にわたって前記特定制御を実行する旨が決定された場合、実行中の特定制御の残回数(例えば、時短残回数)に代えて、前記所定回数にわたって前記特別図柄の可変表示が実行されるまで前記特定制御を実行可能に構成される
ことを特徴とする。
上記(8)の遊技機によれば、特定制御の実行中であっても、特定制御の実行にかかわる特定抽選が実行されるため、遊技性の幅が広がり、興趣を高めることが可能となる。
しかも、特定制御の実行中に実行された特定抽選において特定制御を実行する旨が決定された場合、実行中の特定制御の残回数に代えて、新たに決定された所定回数の特定制御が実行されるため、興趣を高めることが可能となる。とくに、新たに決定された回数の特定制御が実行中の特定制御の残回数よりも多ければ遊技者を喜ばせることができる一方、新たに決定された回数の特定制御が実行中の特定制御の残回数よりも少なければ遊技者を落胆させてしまうといった、これまでにない遊技性を提供することが可能となる。
(9)上記(3)〜(6)のいずれか一つに記載の遊技機において、
前記特定抽選手段は、
前記特定制御の実行中であっても前記特定抽選を実行するよう構成されており、
前記特定制御実行手段は、
前記特定制御の実行中に実行された前記特定抽選において、所定回数にわたって前記特定制御を実行する旨が決定された場合、実行中の特定制御の残回数(例えば、時短残回数)に前記所定回数を加えた回数にわたって前記特別図柄の可変表示が実行されるまで前記特定制御を実行可能に構成される
ことを特徴とする。
上記(9)の遊技機によれば、特定制御の実行中であっても、特定制御の実行にかかわる特定抽選が実行されるため、遊技性の幅が広がり、興趣を高めることが可能となる。
しかも、特定制御の実行中に実行された特定抽選において特定制御を実行する旨が決定された場合、実行中の特定制御の残回数に、新たに決定された所定回数を加えた回数の特定制御が実行されるため、特定制御の実行中における興趣を高めることが可能となる。
(10)上記(3)〜(6)のいずれか一つに記載の遊技機において、
前記特定抽選手段は、
前記特定制御の実行中は前記特定抽選を実行せず、前記特定制御が実行されていない場合に限り前記特定抽選を実行するよう構成される
ことを特徴とする。
上記(10)の遊技機によれば、特定制御の実行中は特定抽選が実行されず、特定制御が実行されていない場合に限り特定抽選が実行されるため、制御負荷を抑制しつつ興趣の低下を抑制することが可能となる。
[31−5.付記34−5]
(1)本発明に係る遊技機は、
遊技領域に向けて発射された遊技球が特別始動領域(例えば、第1始動口33420、第2始動口33440A,33440B)を通過したことに基づいて、特別抽選用乱数(例えば、大当り判定用乱数)を取得可能な当落乱数取得手段(例えば、メインCPU33101)と、
前記当落乱数取得手段により取得された特別抽選用乱数を用いて、遊技者に利益(例えば、遊技球や賞球データ)を付与しうる特別遊技状態(例えば、大当り遊技状態)の制御にかかる特別抽選(例えば、ステップS11475の特別図柄当り判定処理)を実行可能な特別抽選手段(例えば、メインCPU33101)と、
遊技領域に向けて発射された遊技球が前記特別始動領域を通過したことに基づいて、特別図柄乱数(例えば、特別図柄決定用乱数)を取得可能な特別図柄乱数取得手段(例えば、メインCPU33101)と、
前記特別抽選の結果および前記特別図柄乱数取得手段により取得された特別図柄乱数に基づいて特別図柄の可変表示を実行可能な特別図柄可変制御手段(例えば、メインCPU33101)と、
前記特別図柄の可変表示が実行されて特別結果(例えば、大当り)が導出されると、特別遊技状態に制御可能な特別遊技状態制御手段(例えば、メインCPU33101)と、
前記特別図柄の可変表示が実行されて小当り結果が導出されると、賞としての遊技価値が付与されうる量の期待値が前記特別遊技状態よりも小さい小当り遊技状態に制御可能な小当り遊技状態制御手段(例えば、メインCPU33101)と、
通常の遊技状態と比べて前記特別図柄の可変表示時間を短縮しうる第1特定制御と、通常の遊技状態と比べて前記特別始動領域への遊技球の通過が可能または容易となる頻度を高めうる第2特定制御(例えば、電サポ制御)とのうち、少なくともいずれかの特定制御(例えば、時短制御)を実行可能な特定制御実行手段(例えば、メインCPU33101)と、
を備えることを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、特別結果が導出されると特別遊技状態に制御され、小当り結果が導出されると、賞としての遊技価値が付与されうる量の期待値が特別遊技状態よりも小さい小当り遊技状態に制御される。そして、特別抽選の結果および取得された特別図柄乱数に基づいて特別図柄の可変表示を実行可能とし、通常の遊技状態と比べて特別図柄の可変表示時間を短縮しうる第1特定制御と、通常の遊技状態と比べて特別始動領域への遊技球の通過が可能または容易となる頻度を高めうる第2特定制御とのうち、少なくともいずれかの特定制御が実行されるようにした、これまでにない新たな遊技性を備える遊技機を提供することが可能となる。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、
前記特別図柄の可変表示が開始されてから該可変表示が終了して前記特別抽選の結果が導出されるまでを1回のゲームとし、
前記特定制御実行手段は、
当該ゲームにおいて前記特別結果が導出されなくとも、当該ゲームにおける前記特別抽選の結果が導出されるまでの間に、または、当該ゲームにおける前記特別抽選の結果が導出されたことに基づいて、前記特定制御の実行を開始可能に構成される
ことを特徴とする。
上記(2)の遊技機によれば、特別遊技状態に制御される契機となる特別結果が導出されなかった場合であっても特定制御が実行される可能性があるため、興趣の低下を抑制することが可能となる。
なお、以下の(3)〜(5)に記載する各遊技機は、便宜上、上記(2)の遊技機にのみ従属させているが、整合性を図ることができる範囲で、他の遊技機に従属させてもよい。また、以下の(3)〜(5)に記載する各遊技機の一部の構成のみを、他の遊技機と組み合わせるようにしてもよいし、他の遊技機の一部の構成と組み合わせるようにしてもよい。
(3)上記(2)に記載の遊技機において、
前記特別抽選の結果が小当りである場合、前記特別図柄乱数取得手段により取得された特別図柄乱数を用いて前記特定制御の実行にかかわる特定抽選(例えば、ステップS11476の特別図柄決定処理においてあわせて実行される時短当落判定処理)を実行可能な特定抽選手段(例えば、メインCPU33101)をさらに備え、
前記特定制御実行手段は、
前記特定抽選の結果に基づいて前記特定制御を実行可能に構成される
ことを特徴とする。
上記(3)の遊技機によれば、特別抽選の結果が小当りである場合、取得された特別図柄乱数を用いて特定抽選が実行される。すなわち、賞としての遊技価値が付与されうる量の期待値が相対的に高い特別遊技状態に制御されなかったとしても、小当りに対して面白みを持たせることが可能となり、遊技性の幅を広げることができ、興趣を高めることが可能となる。
(4)上記(2)に記載の遊技機において、
前記特別抽選の結果が小当りである場合、前記特別図柄乱数取得手段により取得された特別図柄乱数を用いて、前記特定制御が実行される回数の決定も含めて前記特定制御の実行にかかわる特定抽選(例えば、ステップS11476の特別図柄決定処理においてあわせて実行される時短当落判定処理)を実行可能な特定抽選手段(例えば、メインCPU33101)をさらに備え、
前記特定制御実行手段は、
前記特定制御が実行されることが決定されると、前記特定抽選手段により決定された回数にわたって前記特別図柄の可変表示が実行されるまで前記特定制御を実行可能に構成される
ことを特徴とする。
上記(4)の遊技機によれば、特別抽選の結果が小当りである場合、取得された特別図柄乱数を用いて特定抽選が実行される。すなわち、賞としての遊技価値が付与されうる量の期待値が相対的に高い特別遊技状態に制御されなかったとしても、小当りに対して面白みを持たせることが可能となり、遊技性の幅を広げることができ、興趣を高めることが可能となる。
また、ただ単に特定制御が実行されるか否かだけでなく、特定制御が実行される回数についても、特別抽選の結果が小当りである場合の特別図柄乱数を用いて決定されるため、制御負荷を抑制しつつ興趣を高めることが可能となる。
(5)上記(2)に記載の遊技機において、
複数の遊技状態のうちいずれかに制御される遊技機であって、
前記特別抽選の結果が小当りである場合、前記特別図柄乱数取得手段により取得された特別図柄乱数を用いて、前記特定制御が実行される回数の決定も含めて前記特定制御の実行にかかわる特定抽選(例えば、ステップS11476の特別図柄決定処理においてあわせて実行される時短当落判定処理)を実行可能な特定抽選手段(例えば、メインCPU33101)をさらに備え、
前記特定抽選手段は、
前記特定制御が実行される回数を、前記特別図柄乱数取得手段により取得された特別図柄乱数および遊技状態に応じて決定可能であり、
前記特定制御実行手段は、
前記特定制御が実行されることが決定されると、前記特定抽選手段により決定された回数にわたって前記特別図柄の可変表示が実行されるまで前記特定制御を実行可能に構成される
ことを特徴とする。
上記(5)の遊技機によれば、特別抽選の結果が小当りである場合、取得された特別図柄乱数を用いて特定抽選が実行される。すなわち、賞としての遊技価値が付与されうる量の期待値が相対的に高い特別遊技状態に制御されなかったとしても、小当りに対して面白みを持たせることが可能となり、遊技性の幅を広げることができ、興趣を高めることが可能となる。
また、ただ単に特定制御が実行されるか否かだけでなく、特定制御が実行される回数についても特別抽選の結果が小当りである場合の特別図柄乱数を用いて決定されるため、制御負荷を抑制しつつ興趣を高めることが可能となる。
(6)上記(3)〜(5)のいずれか一つに記載の遊技機において、
前記特定抽選の結果に基づく表示が行われる特定表示手段(例えば、時短当落判定結果表示部33077や当選時短回数表示部33078)をさらに備える
ことを特徴とする。
上記(6)の遊技機によれば、特定抽選の結果に基づく表示が行われるようにすることで特定抽選の結果が明示され、内部的に実行される特定抽選に対して遊技者に安心感を与えることが可能となる。
(7)上記(3)〜(6)のいずれか一つに記載の遊技機において、
前記特定抽選手段は、
前記特定制御の実行中であっても前記特定抽選を実行するよう構成される
ことを特徴とする。
上記(7)の遊技機によれば、特定制御の実行中であっても、特定制御の実行にかかわる特定抽選が実行されるため、遊技性の幅が広がり、興趣を高めることが可能となる。
(8)上記(3)〜(6)のいずれか一つに記載の遊技機において、
前記特定抽選手段は、
前記特定制御の実行中であっても前記特定抽選を実行するよう構成されており、
前記特定制御実行手段は、
前記特定制御の実行中に実行された前記特定抽選において、所定回数にわたって前記特定制御を実行する旨が決定された場合、実行中の特定制御の残回数(例えば、時短残回数)に代えて、前記所定回数にわたって前記特別図柄の可変表示が実行されるまで前記特定制御を実行可能に構成される
ことを特徴とする。
上記(8)の遊技機によれば、特定制御の実行中であっても、特定制御の実行にかかわる特定抽選が実行されるため、遊技性の幅が広がり、興趣を高めることが可能となる。
しかも、特定制御の実行中に実行された特定抽選において特定制御を実行する旨が決定された場合、実行中の特定制御の残回数に代えて、新たに決定された所定回数の特定制御が実行されるため、興趣を高めることが可能となる。とくに、新たに決定された回数の特定制御が実行中の特定制御の残回数よりも多ければ遊技者を喜ばせることができる一方、新たに決定された回数の特定制御が実行中の特定制御の残回数よりも少なければ遊技者を落胆させてしまうといった、これまでにない遊技性を提供することが可能となる。
(9)上記(3)〜(6)のいずれか一つに記載の遊技機において、
前記特定抽選手段は、
前記特定制御の実行中であっても前記特定抽選を実行するよう構成されており、
前記特定制御実行手段は、
前記特定制御の実行中に実行された前記特定抽選において、所定回数にわたって前記特定制御を実行する旨が決定された場合、実行中の特定制御の残回数(例えば、時短残回数)に前記所定回数を加えた回数にわたって前記特別図柄の可変表示が実行されるまで前記特定制御を実行可能に構成される
ことを特徴とする。
上記(9)の遊技機によれば、特定制御の実行中であっても、特定制御の実行にかかわる特定抽選が実行されるため、遊技性の幅が広がり、興趣を高めることが可能となる。
しかも、特定制御の実行中に実行された特定抽選において特定制御を実行する旨が決定された場合、実行中の特定制御の残回数に、新たに決定された所定回数を加えた回数の特定制御が実行されるため、特定制御の実行中における興趣を高めることが可能となる。
(10)上記(3)〜(6)のいずれか一つに記載の遊技機において、
前記特定抽選手段は、
前記特定制御の実行中は前記特定抽選を実行せず、前記特定制御が実行されていない場合に限り前記特定抽選を実行するよう構成される
ことを特徴とする。
上記(10)の遊技機によれば、特定制御の実行中は特定抽選が実行されず、特定制御が実行されていない場合に限り特定抽選が実行されるため、制御負荷を抑制しつつ興趣の低下を抑制することが可能となる。
[31−6.付記34−6]
(1)本発明に係る遊技機は、
遊技領域に向けて発射された遊技球が特別始動領域(例えば、第2始動口35440)を通過したことに基づいて、遊技者への利益(例えば、大当り、役物開放当り)付与にかかる特別抽選(例えば、ステップS14031の大当り判定処理)を実行可能な特別抽選手段(例えば、メインCPU35101)と、
前記特別抽選の結果に基づいて特別図柄の可変表示を実行可能な特別図柄可変制御手段(例えば、メインCPU35101)と、
前記特別図柄の可変表示が実行されて特定結果(例えば、役物開放当り)が導出されると、所定領域(例えば、V入賞装置35422)への遊技球の進入が可能または容易となるよう制御する進入制御手段(例えば、メインCPU35101)と、
前記所定領域に進入した遊技球が通過可能な特別領域(例えば、V入賞口39223)と、
前記特別領域を遊技球が通過すると、遊技者に有利な特別遊技状態(例えば、大当り遊技状態)に制御する特別遊技状態制御手段(例えば、メインCPU35101)と、
所定条件の成立(例えば、大当り遊技状態に制御されたこと)に基づいて、前記特別始動領域への遊技球の通過頻度を高めうる特定制御を実行可能な特定制御実行手段(例えば、メインCPU35101)と、
を備えることを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、遊技球が特別始動領域を通過したことに基づいて実行された特別抽選の結果に基づいて特別図柄の可変表示を実行し、特定結果が導出されると所定領域への遊技球の進入が可能または容易となり、所定領域に進入した遊技球が特別領域を通過すると特別遊技状態に制御される遊技機において、所定条件の成立に基づいて、特別始動領域への遊技球の通過頻度を高めるようにした、これまでにない新たな遊技性を備える遊技機を提供することが可能となる。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、
前記特別図柄の可変表示が開始されてから該可変表示が終了して前記特別抽選の結果が導出されるまでを1回のゲームとし、
前記特定制御実行手段は、
当該ゲームの結果に基づいて前記特別遊技状態に制御されなくとも、当該ゲームにおける前記特別抽選の結果が導出されるまでの間に、または、当該ゲームにおける前記特別抽選の結果が導出されたことに基づいて、前記特定制御の実行を開始可能に構成される
ことを特徴とする。
上記(2)の遊技機によれば、当該ゲームの結果に基づいて前記特別遊技状態に制御されなかった場合であっても特定制御が実行される可能性があるため、興趣の低下を抑制することが可能となる。
なお、「当該ゲームの結果に基づいて特別遊技状態に制御されなくとも」とは、例えば、特別抽選の結果にハズレが含まれており、このハズレが導出された場合、および、特定結果が導出されたものの遊技球が特別領域に進入しなかったために特別遊技状態に制御されなかった場合の両方を含む。
また、以下の(3)〜(7)および(9)〜(13)に記載する各遊技機は、便宜上、上記(2)の遊技機にのみ従属させているが、整合性を図ることができる範囲で、他の遊技機に従属させてもよい。また、以下の(3)〜(7)および(9)〜(13)に記載する各遊技機の一部の構成のみを、他の遊技機と組み合わせるようにしてもよいし、他の遊技機の一部の構成と組み合わせるようにしてもよい。
(3)上記(2)に記載の遊技機において、
遊技領域に向けて発射された遊技球が前記特別始動領域を通過したことに基づいて、前記特別抽選に用いられる当落判定用乱数(例えば、大当り判定用乱数)を取得可能な当落乱数取得手段(例えば、メインCPU35101)と、
遊技領域に向けて発射された遊技球が前記特別始動領域を通過したことに基づいて、前記当落判定用乱数とは別の特定乱数(例えば、時短当落判定用乱数)を取得可能な特定乱数取得手段(例えば、メインCPU35101)と、
前記特定乱数取得手段により取得された特定乱数を用いて前記特定制御の実行にかかわる特定抽選(例えば、ステップS14030の時短当落判定処理)を実行可能な特定抽選手段(例えば、メインCPU35101)と、
をさらに備え、
前記特定制御実行手段は、
前記特定抽選の結果に基づいて前記特定制御を実行可能に構成される
ことを特徴とする。
上記(3)の遊技機によれば、当落判定用乱数とは別の特定乱数を用いて特定抽選が実行されるため、特別抽選に加えて特定抽選も実行されることとなり、興趣の低下を抑制することが可能となる。
(4)上記(2)に記載の遊技機において、
遊技領域に向けて発射された遊技球が前記特別始動領域を通過したことに基づいて、前記特別抽選に用いられる当落判定用乱数(例えば、大当り判定用乱数)を取得可能な当落乱数取得手段(例えば、メインCPU35101)と、
遊技領域に向けて発射された遊技球が前記特別始動領域を通過したことに基づいて、前記当落判定用乱数とは別の特定乱数(例えば、時短当落判定用乱数)を取得可能な特定乱数取得手段(例えば、メインCPU35101)と、
前記特定乱数取得手段により取得された特定乱数を用いて、前記特別抽選に先だって前記特定制御の実行にかかわる特定抽選(例えば、ステップS14030の時短当落判定処理)を実行可能な特定抽選手段(例えば、メインCPU35101)と、
をさらに備え、
前記特定制御実行手段は、
前記特定抽選の結果に基づいて、前記特別抽選に先だって前記特定制御を実行可能に構成される
ことを特徴とする。
上記(4)の遊技機によれば、当落判定用乱数とは別の特定乱数を用いて特定抽選が実行されるため、特別抽選に加えて特定抽選も実行されることとなり、興趣の低下を抑制することが可能となる。
また、特別抽選に先だって特定抽選が実行され、しかも、特別抽選に先だって特定制御を実行可能であるため、特定抽選の結果に基づいて特別抽選が実行されることとなり、興趣を高めることが可能となる。とくに、特定制御が実行されているか否かによって特別抽選の結果が変わりうる場合、その効果が顕著である。
(5)上記(2)に記載の遊技機において、
遊技領域に向けて発射された遊技球が前記特別始動領域を通過したことに基づいて、前記特別抽選に用いられる当落判定用乱数を(例えば、大当り判定用乱数)取得可能な当落乱数取得手段(例えば、メインCPU35101)と、
遊技領域に向けて発射された遊技球が前記特別始動領域を通過したことに基づいて、前記当落判定用乱数とは別の特定乱数(例えば、時短当落判定用乱数)を取得可能な特定乱数取得手段(例えば、メインCPU35101)と、
前記特定乱数取得手段により取得された特定乱数を用いて前記特定制御の実行にかかわる特定抽選(例えば、ステップS14030の時短当落判定処理)を実行可能な特定抽選手段(例えば、メインCPU35101)と、
をさらに備え、
前記特定制御実行手段は、
前記特定抽選に結果に基づいて、前記特別抽選が実行された以降に前記特定制御を実行可能に構成される
ことを特徴とする。
上記(5)の遊技機によれば、当落判定用乱数とは別の特定乱数を用いて特定抽選が実行されるため、特別抽選に加えて特定抽選も実行されることとなり、興趣の低下を抑制することが可能となる。
また、特定抽選に結果に基づいて、特別抽選が実行された以降に特定制御が実行されるため、特定抽選の結果が特別抽選に反映されず、例えば特定制御が実行されるか否かによって特別抽選の結果が遊技者に不利益となる等によって生じうる興趣の低下を抑制することが可能となる。
(6)上記(2)に記載の遊技機において、
遊技領域に向けて発射された遊技球が前記特別始動領域を通過したことに基づいて、前記特別抽選に用いられる当落判定用乱数(例えば、大当り判定用乱数)を取得可能な当落乱数取得手段(例えば、メインCPU35101)と、
遊技領域に向けて発射された遊技球が前記特別始動領域を通過したことに基づいて、前記当落判定用乱数とは別の特定乱数(例えば、時短当落判定用乱数)を取得可能な特定乱数取得手段(例えば、メインCPU35101)と、
前記特定乱数取得手段により取得された特定乱数を用いて、前記特定制御が実行される回数の決定も含めて前記特定制御の実行にかかわる特定抽選(例えば、ステップS14030の時短当落判定処理)を実行可能な特定抽選手段(例えば、メインCPU35101)と、
をさらに備え、
前記特定制御実行手段は、
前記特定制御が実行されることが決定されると、前記特定抽選手段により決定された回数にわたって前記特別図柄の可変表示が実行されるまで前記特定制御を実行可能に構成される
ことを特徴とする。
上記(6)の遊技機によれば、当落判定用乱数とは別の特定乱数を用いて特定抽選が実行されるため、特別抽選に加えて特定抽選も実行されることとなり、興趣の低下を抑制することが可能となる。
また、ただ単に特定制御が実行されるか否かだけでなく、特定制御が実行される回数についても当落判定用乱数とは別の特定乱数を用いて決定されるため、興趣を高めることが可能となる。
(7)上記(2)に記載の遊技機において、
複数の遊技状態のうちいずれかに制御される遊技機であって、
遊技領域に向けて発射された遊技球が前記特別始動領域を通過したことに基づいて、前記特別抽選に用いられる当落判定用乱数(例えば、大当り判定用乱数)を取得可能な当落乱数取得手段(例えば、メインCPU35101)と、
遊技領域に向けて発射された遊技球が前記特別始動領域を通過したことに基づいて、前記当落判定用乱数とは別の特定乱数(例えば、時短当落判定用乱数)を取得可能な特定乱数取得手段(例えば、メインCPU35101)と、
前記特定乱数取得手段により取得された特定乱数を用いて、前記特定制御が実行される回数の決定も含めて前記特定制御の実行にかかわる特定抽選(例えば、ステップS14030の時短当落判定処理)を実行可能な特定抽選手段(例えば、メインCPU35101)と、
をさらに備え、
前記特定抽選手段は、
前記特定制御が実行される回数を、前記特定乱数取得手段により取得された特定乱数および遊技状態に応じて決定可能であり、
前記特定制御実行手段は、
前記特定制御が実行されることが決定されると、前記特定抽選手段により決定された回数にわたって前記特別図柄の可変表示が実行されるまで前記特定制御を実行可能に構成される
ことを特徴とする。
上記(7)の遊技機によれば、当落判定用乱数とは別の特定乱数を用いて特定抽選が実行されるため、特別抽選に加えて特定抽選も実行されることとなり、興趣の低下を抑制することが可能となる。
しかも、特定制御の実行回数は、特定乱数および遊技状態に応じて決定されるため、制御負荷を抑制しつつも遊技性の幅が広がり、興趣を高めることが可能となる。
(8)上記(3)〜(7)のいずれか一つに記載の遊技機において、
前記特定乱数は、
前記特定抽選に専ら用いられる乱数である
ことを特徴とする。
上記(8)の遊技機によれば、特定乱数は特定抽選に用いられる専用乱数であるため、他の制約を受けることがなく、例えば任意のタイミングで特定抽選を実行できる等といった、特定抽選を実行するにあたっての自由度を高めることが可能となる。
(9)上記(2)に記載の遊技機において、
遊技領域に向けて発射された遊技球が普通始動領域(例えば、普図ゲート)を通過したことに基づいて普通当落判定用乱数(例えば、普通当り判定用乱数)を取得可能な普通当落判定用乱数取得手段(例えば、メインCPU)と、
前記普通当落判定用乱数取得手段により取得された普通当落判定用乱数を用いて普通抽選(例えば、普通図柄抽選)を実行可能な普通抽選手段(例えば、メインCPU35101)と、
前記普通抽選の結果に基づいて普通図柄の可変表示を実行可能な普通図柄可変制御手段(例えば、メインCPU35101)と、
前記普通図柄の可変表示が行われて所定の結果(例えば、普通当り)が導出されると、前記特別始動領域への遊技球の通過が可能または容易となるよう制御可能な普通電動制御手段(例えば、普通電動役物を作動させる制御を実行するメインCPU)と、
前記普通当落判定用乱数取得手段により取得された普通当落判定用乱数を用いて前記特定制御の実行にかかわる特定抽選(例えば、ステップS14030の時短当落判定処理)を実行可能な特定抽選手段(例えば、メインCPU35101)と、
をさらに備え、
前記特定制御実行手段は、
前記特定抽選の結果に基づいて前記特定制御を実行可能に構成される
ことを特徴とする。
上記(9)の遊技機によれば、普通当落判定用乱数を用いて特定抽選が実行されるため、これまでは普通抽選だけにしか用いられていなかった普通当落判定用乱数を有効活用することで、乱数を徒に増やさずに制御負荷を抑制しつつこれまでにない特定抽選を実行し、興趣を高めることが可能となる。
(10)上記(2)に記載の遊技機において、
遊技領域に設けられた前記特別始動領域および前記特別領域のいずれとも異なる特定領域(例えば、時短抽選口)を通過したことに基づいて前記特定制御を実行可能に構成される
ことを特徴とする。
上記(10)の遊技機によれば、特別始動領域および特別領域のいずれにも遊技球が入賞(通過)しなかった場合であっても、特定領域に遊技球が入賞(通過)すると、特定制御が実行されるため、興趣を高めることが可能となる。とくに、特定領域を、特別始動領域や特別領域よりも遊技球の入賞(通過)を容易な領域とすることで、より一層、興趣を高めることが可能となる。なお、この場合、特定抽選の構成は必須ではなく、例えば、特定領域を通過する都度、特定抽選を実行することなく特定制御が実行される態様を含む。
(11)上記(2)に記載の遊技機において、
遊技領域に設けられた前記特別始動領域および前記特別領域のいずれとも異なる特定領域(例えば、時短抽選口)を通過したことに基づいて特定乱数(例えば、時短当落判定用乱数)を取得可能な特定乱数取得手段と、
前記特定乱数取得手段により取得された特定乱数を用いて前記特定制御の実行にかかわる特定抽選(例えば、ステップS14030の時短当落判定処理)を実行可能な特定抽選手段(例えば、メインCPU35101)と、
をさらに備え、
前記特定制御実行手段は、
当該ゲームの結果に基づいて前記特別遊技状態に制御されなかった場合、前記特定抽選の結果に基づいて前記特定制御を実行可能に構成される
ことを特徴とする。
上記(11)の遊技機によれば、特別始動領域および特別領域のいずれとも異なる特定領域を通過したことに基づいて取得された特定乱数を用いて特定抽選が実行されるといった、これまでにない新たな遊技性を提供することが可能となる。とくに、特別始動領域および特別領域のいずれにも遊技球が入賞(通過)しなかった場合であっても、特定領域に遊技球が入賞(通過)すると特定制御が実行される可能性があるため、例えば、特別始動領域や特別領域への入賞頻度が低いような場合であっても、興趣の低下を抑制することが可能となる。
(12)上記(2)に記載の遊技機において、
遊技領域に設けられた前記特別始動領域および前記特別領域のいずれとも異なる特定領域(例えば、時短抽選口)を通過したことに基づいて特定乱数(例えば、時短当落判定用乱数)を取得可能な特定乱数取得手段と、
前記特定乱数取得手段により取得された特定乱数を用いて、前記特定制御が実行される回数の決定も含めて前記特定制御の実行にかかわる特定抽選(例えば、ステップS14030の時短当落判定処理)を実行可能な特定抽選手段(例えば、メインCPU35101)と、
をさらに備え、
前記特定制御実行手段は、
当該ゲームの結果に基づいて前記特別遊技状態に制御されなかった場合、前記特定制御が実行されることが決定されると、前記特定抽選手段により決定された回数にわたって前記特別図柄の可変表示が実行されるまで前記特定制御を実行可能に構成される
ことを特徴とする。
上記(12)の遊技機によれば、特別始動領域および特別領域のいずれとも異なる特定領域を通過したことに基づいて取得された特定乱数を用いて特定抽選が実行されるといった、これまでにない新たな遊技性を提供することが可能となる。とくに、特別始動領域および特別領域のいずれにも遊技球が入賞(通過)しなかった場合であっても、特定領域に遊技球が入賞(通過)すると特定制御が実行される可能性があるため、例えば、特別始動領域や特別領域への入賞頻度が低いような場合であっても、興趣の低下を抑制することが可能となる。
また、ただ単に特定制御が実行されるか否かだけでなく、特定制御が実行される回数についても特定乱数を用いて決定されるため、制御負荷を抑制しつつ興趣を高めることが可能となる。
(13)上記(2)に記載の遊技機において、
複数の遊技状態のうちいずれかに制御される遊技機であって、
遊技領域に設けられた前記特別始動領域および前記特別領域のいずれとも異なる特定領域(例えば、時短抽選口)を通過したことに基づいて特定乱数(例えば、時短当落判定用乱数)を取得可能な特定乱数取得手段と、
前記特定乱数取得手段により取得された特定乱数を用いて、前記特定制御が実行される回数の決定も含めて前記特定制御の実行にかかわる特定抽選(例えば、ステップS14030の時短当落判定処理)を実行可能な特定抽選
手段(例えば、メインCPU35101)と、
をさらに備え、
前記特定抽選手段は、
前記特定制御が実行される回数を、前記特定乱数取得手段により取得された特定乱数および遊技状態に応じて決定可能であり、
前記特定制御実行手段は、
当該ゲームの結果に基づいて前記特別遊技状態に制御されなかった場合、前記特定制御が実行されることが決定されると、前記特定抽選手段により決定された回数にわたって前記特別図柄の可変表示が実行されるまで前記特定制御を実行可能に構成される
ことを特徴とする。
上記(13)の遊技機によれば、特別始動領域および特別領域のいずれとも異なる特定領域を通過したことに基づいて取得された特定乱数を用いて特定抽選が実行されるといった、これまでにない新たな遊技性を提供することが可能となる。とくに、特別始動領域および特別領域のいずれにも遊技球が入賞(通過)しなかった場合であっても、特定領域に遊技球が入賞(通過)すると特定制御が実行される可能性があるため、例えば、特別始動領域や特別領域への入賞頻度が低いような場合であっても、興趣の低下を抑制することが可能となる。
しかも、特定制御の実行回数は、特定乱数および遊技状態に応じて決定されるため、制御負荷を抑制しつつも遊技性の幅が広がり、興趣を高めることが可能となる。
(14)上記(3)〜(9)および(11)〜(13)のいずれか一つに記載の遊技機において、
前記特定抽選手段は、
前記特定制御の実行中であっても前記特定抽選を実行するよう構成される
ことを特徴とする。
上記(14)の遊技機によれば、特定制御の実行中であっても、特定制御の実行にかかわる特定抽選が実行されるため、遊技性の幅が広がり、興趣を高めることが可能となる。
(15)上記(3)〜(9)および(11)〜(13)のいずれか一つに記載の遊技機において、
前記特定抽選手段は、
前記特定制御の実行中であっても前記特定抽選を実行するよう構成されており、
前記特定制御実行手段は、
前記特定制御の実行中に実行された前記特定抽選において、所定回数にわたって前記特定制御を実行する旨が決定された場合、実行中の特定制御の残回数(例えば、時短残回数)に代えて、前記所定回数にわたって前記特別図柄の可変表示が実行されるまで前記特定制御を実行可能に構成される
ことを特徴とする。
上記(15)の遊技機によれば、特定制御の実行中であっても、特定制御の実行にかかわる特定抽選が実行されるため、遊技性の幅が広がり、興趣を高めることが可能となる。
しかも、特定制御の実行中に実行された特定抽選において特定制御を実行する旨が決定された場合、実行中の特定制御の残回数に代えて、新たに決定された所定回数の特定制御が実行されるため、興趣を高めることが可能となる。とくに、新たに決定された回数の特定制御が実行中の特定制御の残回数よりも多ければ遊技者を喜ばせることができる一方、新たに決定された回数の特定制御が実行中の特定制御の残回数よりも少なければ遊技者を落胆させてしまうといった、これまでにない遊技性を提供することが可能となる。
(16)上記(3)〜(9)および(11)〜(13)のいずれか一つに記載の遊技機において、
前記特定抽選手段は、
前記特定制御の実行中であっても前記特定抽選を実行するよう構成されており、
前記特定制御実行手段は、
前記特定制御の実行中に実行された前記特定抽選において、所定回数にわたって前記特定制御を実行する旨が決定された場合、実行中の特定制御の残回数(例えば、時短残回数)に前記所定回数を加えた回数にわたって前記特別図柄の可変表示が実行されるまで前記特定制御を実行可能に構成される
ことを特徴とする。
上記(16)の遊技機によれば、特定制御の実行中であっても、特定制御の実行にかかわる特定抽選が実行されるため、遊技性の幅が広がり、興趣を高めることが可能となる。
しかも、特定制御の実行中に実行された特定抽選において特定制御を実行する旨が決定された場合、実行中の特定制御の残回数に、新たに決定された所定回数を加えた回数の特定制御が実行されるため、特定制御の実行中における興趣を高めることが可能となる。
(17)上記(3)〜(9)および(11)〜(13)のいずれか一つに記載の遊技機において、
前記特定抽選を第1特定抽選とするとともに、前記特定抽選手段を第1特定抽選手段とし、
前記特別図柄の可変表示が実行されて前記特定結果が導出される場合、前記特定制御を実行するか否か、またはこれに加えて前記特定制御が実行される回数を、前記第1特定抽選とは別に決定する第2特定抽選(例えば、ステップS14031の大当り判定処理において図743の大当り種類決定テーブルを参照して当り時選択図柄コマンドを用いて行われる抽選)を実行可能な第2特定抽選手段をさらに備え、
前記特定制御実行手段は、
前記特別抽選の結果が前記特定結果であるときに前記所定領域に進入した遊技球が前記特別領域を通過したことに基づいて前記特別遊技状態に制御された場合、
前記第1特定抽選の結果に基づいて前記特定制御を実行する旨が決定されていたとしても(例えば、当り時選択図柄コマンドが図743の大当り種類決定テーブルに示される「z4」〜「z6」のうちのいずれかであったとしても)該特定制御を実行せず、前記第2特定抽選の結果に基づいて前記特定制御を実行するよう構成される
ことを特徴とする。
上記(17)の遊技機によれば、特定結果が導出される場合、特定制御を実行するか否か、またはこれに加えて特定制御が実行される回数が第2特定抽選により決定される。そして、特別抽選の結果が特定結果であって、所定領域に進入した遊技球が特別領域を通過して特別遊技状態に制御された場合、第1特定抽選の結果に基づいて特定制御を実行する旨が決定されていたとしてもこれに基づく特定制御を実行せず、第2特定抽選の結果に基づいて特定制御が実行されるため、興趣を高めることが可能となる。
(18)上記(3)〜(9)および(11)〜(13)のいずれか一つに記載の遊技機において、
前記特定抽選手段は、
前記特定制御の実行中は前記特定抽選を実行せず、前記特定制御が実行されていない場合に限り前記特定抽選を実行するよう構成される
ことを特徴とする。
上記(18)の遊技機によれば、特定制御の実行中は特定抽選が実行されず、特定制御が実行されていない場合に限り特定抽選が実行されるため、制御負荷を抑制しつつ興趣の低下を抑制することが可能となる。
(19)上記(3)〜(9)および(11)〜(18)のいずれか一つに記載の遊技機において、
前記特定抽選の結果に基づく表示が行われる特定表示手段(例えば、時短当落判定結果表示部33077や当選時短回数表示部33078)をさらに備える
ことを特徴とする。
上記(19)の遊技機によれば、特定抽選の結果に基づく表示が行われるようにすることで特定抽選の結果が明示され、内部的に実行される特定抽選に対して遊技者に安心感を与えることが可能となる。
[31−7.付記34−7]
(1)本発明に係る遊技機は、
遊技領域に向けて発射された遊技球が特別始動領域(例えば、第2始動口37440)を通過したことに基づいて特別図柄抽選を行う特別図柄抽選手段と、
前記特別図柄抽選の結果に基づいて特別図柄の可変表示を実行可能な特別図柄可変制御手段と、
前記特別図柄の可変表示が実行されて特別結果(例えば、大当り)が導出されると特別遊技状態(例えば、大当り遊技状態)に制御可能な特別遊技状態制御手段(例えば、メインCPU37101)と、
前記特別遊技状態に制御された場合、確率変更機能(例えば、確変フラグ)を作動させて、前記特別結果が導出される確率を通常確率(例えば、318分の1)からより高い高確率(例えば、70分の1)に変更可能な確率変更制御実行手段(例えば、メインCPU37101)と、
前記特別図柄抽選の結果に基づいて特別図柄の可変表示が実行された結果として特定結果(例えば、特定ハズレ)が導出された場合、特定機能(例えば、時短フラグ)を作動させて、前記特別図柄が可変表示される時間または/および前記特別始動領域への遊技球の通過頻度を変更可能な特定制御実行手段(例えば、メインCPU37101)と、
を備え、
前記特定制御実行手段は、
前記特別図柄抽選の結果に基づいて前記特定結果が導出された場合、該特別図柄抽選が実行されたときの前記確率変更機能または/および前記特定機能の作動状況に応じて、前記特定機能が作動する期間を異ならせることが可能に構成される
ことを特徴とする。
上記(1)の遊技機によれば、特別図柄抽選の結果に基づいて特定結果が導出されると、確率変更機能の作動状況と特定機能の作動状況とに応じて、特定機能の作動期間が異なるため、これまでにない新たな遊技性を備える遊技機を提供することが可能となる。
なお、「特定機能が作動する期間」には、特定機能が作動する期間がない場合、すなわち特定機能が作動しない場合も含まれる。
(2)上記(1)に記載の遊技機において、
遊技球が通過すると遊技価値が付与される特定領域(例えば、小当り入賞口37560)をさらに備え、
前記確率変更機能および前記特定機能のうち前記確率変更機能のみが作動する遊技状態(例えば、高確非時短遊技状態)では、前記特定領域(例えば、小当り入賞口)への遊技球の通過頻度を高めて、単位時間に発射された遊技球数に対して付与される遊技価値の期待値が1を超えうるよう構成されており、
前記特定制御実行手段は、
前記確率変更機能および前記特定機能の両方が作動する遊技状態(例えば、高確時短遊技状態)において実行された特別図柄抽選の結果として前記特定結果が導出されると、前記確率変更機能および前記特定機能のうち前記特定機能のみ作動を終了させるよう構成される
ことを特徴とする。
上記(2)の遊技機によれば、確率変更機能および特定機能の両方が作動する遊技状態(例えば、高確時短遊技状態)において特定結果が導出されると、単位時間に発射された遊技球数に対して付与される遊技価値の期待値が1を超えうる遊技状態となるため、興趣を高めることが可能となる。
なお、「遊技価値」は、遊技結果に応じて賞として付与されるものであって、遊技球や賞球データ等が相当する。
なお、「前記特定結果が導出されると、前記確率変更機能および前記特定機能のうち前記特定機能のみ作動を終了させる」は、特定結果が導出されるとただちに特定機能の作動を終了させる態様のみならず、特定結果が導出された後、所定期間経過後(例えば数ゲーム以内)に特定機能の作動を終了させる態様も含む。すなわち、特定結果が導出された場合に、例えば数ゲーム以内といった比較的短い期間内に、単位時間に発射された遊技球数に対して付与される遊技価値の期待値が1を超えうる遊技状態となればよい。
(3)上記(1)または(2)に記載の遊技機において、
前記特定結果は、導出されたとしても前記特別遊技状態に制御されない非特別結果(例えば、ハズレ)であって、
前記特定制御実行手段は、
前記特別遊技状態に制御されない前記非特別結果が導出された場合であっても、所定期間にわたって前記特定機能を作動可能に構成される
ことを特徴とする。
上記(3)の遊技機によれば、特別遊技状態に制御される特別結果が導出されなかった場合であっても、興趣の低下を抑制することが可能となる。とくに、特別遊技状態に制御される特別結果が導出されなかったにもかかわらず、特定結果が導出されると、単位時間に発射された遊技球数に対して付与される遊技価値の期待値が1を超えうる遊技状態となる場合、その効果は顕著なものとなる。
(4)上記(3)に記載の遊技機において、
前記特定機能を作動させる期間は、前記特別図柄の可変表示が実行される回数であって、
前記特定制御実行手段は、
前記確率変更機能および前記特定機能の両方が作動する遊技状態(例えば、高確時短遊技状態)において非特定結果が導出された場合、
前記導出された非特定結果が通常の非特定結果(例えば、通常ハズレ(実施例7に記載されたハズレ時選択図柄コマンドが「hz1」)であるとき、該通常の非特定結果が導出される都度、1回に限り前記特定機能を作動させ、
前記導出された非特定結果が特定の非特定結果(例えば、特定ハズレ(実施例7に記載されたハズレ時選択図柄コマンドが「hz0」))であるとき、前記特定機能を作動させないよう構成される
ことを特徴とする。
上記(4)の遊技機によれば、確率変更機能および特定機能の両方が作動する遊技状態では、通常の非特定結果が導出される都度1回に限り特定機能が作動するため、通常の非特定結果が導出される限り、確率変更機能および特定機能の両方が作動する遊技状態が継続することとなる。その一方、通常の非特定結果ではなく特定の非特定結果が導出されると特定機能を作動させないため、単位時間に発射された遊技球数に対して付与される遊技価値の期待値が1を超えうる遊技状態となり、興趣を高めることが可能となる。
付記34−1〜付記34−7の発明によれば、新たな遊技性を備える遊技機を提供することができる。
なお、本明細書および図面等に開示される各構成については、各々を他の構成と単独で任意に組み合わせることができる。また、付記に記載される各遊技機の一部の構成のみを、他の付記に記載される遊技機と組み合わせてもよいし、他の付記に記載される遊技機の一部の構成と組み合わせるようにしてもよい。例えば、付記34−1に記載される遊技機の一部の構成のみを、付記34−3に記載される遊技機と組み合わせてもよい。また、付記34−2に記載される遊技機の一部の構成と、付記34−5に記載される遊技機の一部の構成とを組み合わせてもよい。
[32.その他]
本明細書に記載されたパチンコ遊技機は、遊技媒体を用いて遊技を行い、その遊技の結果に基づいて特典が付与される形態全ての遊技機について、本発明を適用することができる。すなわち、物理的な遊技者の動作によって遊技媒体が発射されたり投入されたりすることで遊技を行い、その遊技の結果に基づいて遊技媒体が払い出される形態のみならず、主制御回路自体が、遊技者が保有する遊技媒体を電磁的に管理し、封入された遊技球を循環させて行う遊技やメダルレスで行う遊技を可能とするものであってもよい。また、遊技者が保有する遊技媒体を電磁的に管理するのは、主制御回路に装着され(接続され)、遊技媒体を管理する遊技媒体管理装置であってもよい。
主制御回路に接続された遊技媒体管理装置が管理する場合、遊技媒体管理装置は、ROMおよびRWM(あるいはRAM)を有して、遊技機に設けられる装置であって、図示しない外部の遊技媒体取扱い装置と所定のインターフェイスを介して双方向通信機能に接続されるものであり、遊技媒体の貸出動作(すなわち、遊技者が遊技媒体の投入操作を行う上で、必要な遊技媒体を提供する動作)若しくは遊技媒体の払出に係る役に入賞(当該役が成立)した場合の、遊技媒体の払出動作(すなわち、遊技者に対して遊技媒体の払出を行上で、必要な遊技媒体を獲得させる動作)、または遊技の用に供する遊技媒体を電磁的に記録する動作を行い得るものとすればよい。また、遊技媒体管理装置は、これら実際の遊技媒体数の管理のみならず、例えば、その遊技媒体数の管理結果に基づいて、パチンコ遊技機の前面に、保有する遊技媒体数を表示する保有遊技媒体数表示装置(不図示)を設けることとし、この保有遊技媒体数表示装置に表示される遊技媒体数を管理するものであってもよい。すなわち、遊技媒体管理装置は、遊技者が遊技の用に供することができる遊技媒体の総数を電磁的方法により記録し、表示することができるものとすればよい。
また、この場合、遊技媒体管理装置は、遊技者が、記録された遊技媒体数を示す信号を、外部の遊技媒体取扱装置に対して自由に送信させることができる性能を有し、また、遊技者が直接操作する場合の他、記録された遊技媒体数を減ずることができない性能を有し、また、外部の遊技媒体取扱装置との間に外部接続端子板(不図示)が設けられている場合には、その外部接続端子板を介してでなければ、遊技者が、記録された遊技媒体数を示す信号を送信できない性能を有することが望ましい。
遊技機には上記の他、遊技者が操作可能な貸出操作手段、返却(精算)操作手段、外部接続端子板が設けられ、遊技媒体取扱装置には紙幣等の有価価値の投入口、記録媒体(例えばICカード)の挿入口、携帯端末から電子マネー等の入金を行うための非接触通信アンテナ等、その他貸出操作手段、返却操作手段等各種操作手段、遊技媒体取扱装置側外部接続端子板が設けられるようにしてもよい(いずれも不図示)。
その際の遊技の流れとしては、例えば、遊技者が遊技媒体取扱装置に対しいずれかの方法で有価価値を入金し、上記いずれかの貸出操作手段の操作に基づいて所定数の有価価値を減算し、遊技媒体取扱装置から遊技媒体管理装置に対し減算した有価価値に対応する遊技媒体を増加させる。そして遊技者は遊技を行い、さらに遊技媒体が必要な場合には上記操作を繰り返し行う。その後遊技の結果所定数の遊技媒体を獲得し、遊技を終了する際にはいずれかの返却操作手段を操作することにより遊技媒体管理装置から遊技媒体取扱装置に対し遊技媒体数を送信し、遊技媒体取扱装置はその遊技媒体数を記録した記録媒体を排出する。遊技媒体管理装置は遊技媒体数を送信したときに自身が記憶する遊技媒体数をクリアする。遊技者は排出された記録媒体を景品交換するために景品カウンタ等に持っていくか、または他の台で記録された遊技媒体に基づいて遊技を行うために遊技台を移動する。
なお、上記例では全遊技媒体を遊技媒体取扱装置に対して送信したが、遊技機または遊技媒体取扱装置側で遊技者が所望する遊技媒体数のみを送信し、遊技者が所持する遊技媒体を分割して処理することとしてもよい。また、記録媒体を排出するだけに限らず、現金または現金等価物を排出するようにしてもよいし、携帯端末等に記憶させるようにしてもよい。また、遊技媒体取扱装置は遊技場の会員記録媒体を挿入可能とし、会員記録媒体に貯留して後日再遊技可能とするようにしてもよい。
また、遊技機または遊技媒体取扱装置において、図示しない所定の操作手段を操作することにより遊技媒体取扱装置または遊技媒体管理装置に対し遊技媒体または有価価値のデータ通信をロックするロック操作を実行可能としてもよい。その際にはワンタイムパスワード等遊技者にしか知り得ない情報を設定することや遊技媒体取扱装置に設けられた撮像手段により遊技者を記録するようにしてもよい。
また、上記では、遊技媒体管理装置を、パチンコ遊技機に適用する場合について説明しているが、パチスロ機や、遊技球を用いるスロットマシンや、封入式遊技機においても同様に遊技媒体管理装置を設け、遊技者の遊技媒体が管理されるようにすることもできる。
このように、上述した遊技媒体管理装置を設けることにより、遊技媒体が物理的に遊技に供される場合と比べて、遊技機内部の部品点数を減らすことができ、遊技機の原価および製造コストを削減できるのみならず、遊技者が直接遊技媒体に接触しないようにすることもでき、遊技環境が改善し、騒音も減らすことができるとともに、部品を減らしたことにより遊技機の消費電力を減らすことにもなる。また、遊技媒体や遊技媒体の投入口や払出口を介した不正行為を防止することができる。すなわち、遊技機をとりまく種々の環境を改善することができる遊技機を提供することが可能となる。
また、遊技媒体が外部に排出されずに遊技可能に構成された封入式の遊技機と、該遊技機に対して、遊技媒体の消費、貸出および払出に伴う遊技媒体の増減に関するデータを通信ケーブルを介して光信号によって送受信が可能に接続された遊技媒体管理装置と、を有する遊技システムに本発明を適用した場合には、遊技システムを以下のように構成してもよい。
以下に、封入式の遊技機の概略を説明する。封入式の遊技機において、発射装置は、遊技領域の上方に位置し、遊技領域に対して上方から遊技媒体としての遊技球を発射する。遊技者がハンドルを操作すると、払出制御回路により球送りソレノイドが駆動させられ、球送り杵が発射台の方向へと、待機状態の遊技球を押し出す。これにより、遊技球が発射台へ移動する。また、待機位置から発射台への経路には減算センサが設けられており、発射台へ移動する遊技球を検出する。減算センサによって遊技球が検出された場合には、持ち球数が1減算される。このように、遊技領域に対して上方から遊技媒体としての遊技球を発射するように構成されているため、封入式の遊技機ではいわゆる戻り球(ファール球)を回避することができる。そして、遊技領域を転動した後に遊技領域から排出された遊技球は、球磨き装置によって磨かれる。球磨き装置によって磨かれた遊技球は、揚送装置によって上方へと搬送され、発射装置に導かれる。遊技球は封入式の遊技機の外部に排出されずに、当該遊技機において一定数(例えば、50個)の遊技球が一連の経路を循環するように構成されている。
封入式の遊技機では、遊技球が遊技機の外部に排出されないため、遊技球を一時的に保持するための上皿や下皿は設けられていない。封入式の遊技機では遊技球が外部に排出されないことから、遊技者の手元に遊技球が実際にあるわけではなく、遊技を行うことにより遊技球が現実に増減するわけではない。封入式の遊技機において、遊技者は遊技媒体管理装置からの貸出により持ち球を得てから遊技を開始する。ここで、持ち球を得るとは、遊技者が、データ管理上、遊技媒体を得ることをいう。そして、発射装置から遊技球が発射されることにより持ち球が消費され、持ち球数が減少する。また、遊技球が遊技領域に設けられた各入賞口等を通過することにより、入賞口に応じて設定された条件に従った数だけ払出が行われ、持ち球数が増加する。さらに、遊技媒体管理装置からの貸出によっても、持ち球数が増加する。なお、「遊技媒体の消費、貸出および払出」とは、持ち球の消費、貸出および払出が行われることを示す。また、「遊技媒体の増減」とは、消費、貸出および払出によって持ち球数が増減することを示す。また、「遊技媒体の消費、貸出および払出に伴う遊技媒体の増減に関するデータ」とは遊技球が発射されることによる持ち球の減少と、貸出および払出による持ち球の増加とに関するデータである。
封入式の遊技機は、払出制御回路およびタッチパネル式である液晶表示装置を有している。払出制御回路は、遊技球が各入賞口等の通過を検出する各種センサに接続されている。払出制御回路は、持ち球数を管理している。例えば、遊技球が各入賞口を通過した場合には、そのことによる遊技球の払出個数を持ち球数に加算する。また、遊技球が発射されると持ち球数を減算する。払出制御回路は、遊技者の操作により、持ち球数に関するデータを遊技媒体管理装置へ送信する。また、上記の液晶表示装置は遊技機の上部に位置し、遊技媒体管理装置で管理する遊技価値から持ち球への変換(球貸し)や、持ち球の計数(返却)の要求を受け付ける。そして、これらの要求を遊技媒体管理装置を介して払出制御回路に伝え、払出制御回路が現在の持ち球数に関するデータを遊技媒体管理装置に送信するように指示する。ここで、「遊技価値」とは、貨幣・紙幣、プリペイド媒体、トークン、電子マネーおよびチケット等であり、遊技媒体管理装置によって持ち球に変換することが可能であるものを示す。なお、本実施形態において、遊技媒体管理装置は、いわゆるCRユニットであり、紙幣およびプリペイド媒体等を受付可能に構成されている。また、計数された持ち球は、遊技システムが設置される遊技場などにおいて、景品交換等に用いることができる。
また、封入式の遊技機は、バックアップ電源を有している。これにより、夜間等に電源をOFFにした場合であっても、OFFにする直前のデータを保持することができる。また、このバックアップ電源により、例えば、扉開放センサによる扉枠開放の検出を継続して実行させてもよい。これにより、夜間に不正行為を行われることも防止することができる。なお、この場合は、扉枠が開放された回数等の情報を記憶するものであってもよい。さらに、電源が投入された際に、扉枠が開放された回数等の情報を、遊技機の液晶表示装置等に出力するものであってもよい。
遊技媒体管理装置は、遊技機接続基板を有している。遊技媒体管理装置は、遊技機接続基板を介して、遊技機とのデータ(送信信号)の送受信を行うように構成されている。送受信されるデータは、主制御回路に設けられたCPUの固有ID、払出制御回路に設けられたCPUの固有ID、遊技機に記憶された遊技機製造業者コード、セキュリティチップの製造業者コード、遊技機の型式コードなどの情報である。そして、遊技機および前記遊技媒体管理装置のいずれか一方を送信元とし他方を送信先として、送信元が送信信号を送信した際に、上記送信信号を受信した送信先が上記送信信号と同じ信号である確認用信号を上記送信元に送信し、上記送信元は、上記送信信号と上記確認用信号とを比較して、これらが同一か否かを判別するようにしている。
このように、送信元において、送信先から送信された確認用信号を送信信号と比較して、これらが同一か否かを判別することにより、送信元から送信した信号が改ざんされることなく、送信元に送信されていることを確認することができる。これにより、遊技機と遊技媒体管理装置との間での送受信信号を改ざんする等の不正行為を抑制することができる。
また、上記遊技システムにおいて、上記送信元は信号を変調する変調部を有し、該変調部により変調された信号を上記送信信号として送信し、上記送信先は上記変調部により変調された信号を復調する復調部を有することとしてもよい。
これにより、仮に、遊技機と遊技媒体管理装置との間での送受信信号を読み取られたとしても、この信号の解読は困難であり、遊技機と遊技媒体管理装置との間での送受信信号を改ざんする等の不正行為を抑制することができる。
また、上記遊技システムにおいて、上記送信先は、上記送信元からの上記送信信号を受信した際に、上記送信信号を受信したことを示す信号である承認信号を、上記確認用信号とは別に上記送信元に送信することとしてもよい。
これにより、送信信号と確認用信号とを比較することにより、正規の信号の送受信が行われたことを確認するだけでなく、承認信号に基づいて正規の信号の送受信が行われたことを確認することができるので、不正行為の抑制をより強化することができる。