次に、本発明の実施の形態を、実施例を用いて説明する。以下では、遊技に用いる遊技媒体が遊技球とされ、当該遊技球を遊技盤面に向けて発射することで遊技を進行させることが可能なパチンコ遊技機(弾球遊技機)に、本発明を適用した例を説明する。なお、以下の実施例に係るパチンコ遊技機は、始動口への遊技球の入球に基づいて特別図柄の変動表示を行い、当該特別図柄の変動表示の終了に伴い大当り図柄が停止表示されると、遊技者に所定量の遊技利益(例えば、賞球)が付与され得る大当り遊技(特別遊技)が実行可能となる所謂「1種タイプ」のパチンコ遊技機である。
また、以下の説明において、単に前側(前方)とは、遊技機を正面視した場合の手前側(遊技時に遊技者が位置する側)のことであり、単に後側(後方)とは、遊技機を正面視した場合の裏面側(背面側)のことである。また、単に上側(上方)、下側(下方)、左側(左方)、右側(右方)とは、遊技機を正面視した場合の上・下・左・右の各方向のことであり、例えば、図1や図3における上側、下側、左側、右側を指す。
図1〜図3に示すように、本実施例のパチンコ遊技機1は、遊技機枠50と、遊技機枠50内に取り付けられた遊技盤2とを備えており、遊技盤2は遊技機枠50から着脱自在に構成されている。図3は、遊技盤2を遊技機枠50から取り外した状態のものを示す。遊技機枠50は、装飾面を有する前面枠51と、遊技盤2等を取り付ける本体枠52と、パチンコ遊技機1をホールの島設備に取り付けるための外枠53と、を有して構成されている。前面枠51、本体枠52及び外枠53は一側端側で軸支され夫々開閉可能に構成されている。
前面枠51には、遊技者の操作量(回転角度)に応じた発射強度で遊技球を発射させるための発射ハンドル60、遊技球を貯留し貯留した遊技球を発射装置側に供給可能な打球供給皿(上皿)61、及び打球供給皿61に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿(下皿)62が設けられている。また、前面枠51には、遊技の進行に伴って行われる遊技演出の実行中などに遊技者が操作可能な第1演出ボタン63a及び第2演出ボタン63b(これら2個の演出ボタンの何れか一方又は両方を指して単に「演出ボタン63」ともいう)や、遊技の状況に応じて様々な光を発することが可能な装飾用の枠ランプ66、遊技の状況に応じて様々な音(効果音)を発することが可能なスピーカ67等も設けられている。枠ランプ66はLEDによって構成されている。
演出ボタン63は、遊技者が操作可能な操作手段として機能するもので、遊技演出の種類に応じて使用する演出ボタンを使い分けることができる。例えば、遊技演出の実行中に第1演出ボタン63a(第1操作手段)または第2演出ボタン63b(第2操作手段)を操作すると、当該操作に基づいて所定の操作対応演出が行われる。
第1演出ボタン63a(第1操作手段)は、打球供給皿61の上面(天面)であって左右方向の略中央に設けられている(図1を参照)。この第1演出ボタン63aは、少なくとも、該第1演出ボタン63aが操作されたことを検知可能な第1演出ボタン検知スイッチ63c(図5を参照)と、第1演出ボタン63aを振動させる第1振動モータ63e(図5を参照)と、第1演出ボタン63aを上方に付勢するスプリング(図示せず)とともに、第1演出ボタンユニットとして構成されている。本実施例では、この第1演出ボタンユニットを打球供給皿61に組み付けて、第1演出ボタン63aが普段はスプリング(付勢部材)により上方に付勢されて打球供給皿61の上面(天面)から突出し、下方への押圧力を加えることにより下降し、その押圧力を解くことで上昇する(元の位置に戻る)ように構成されている。つまり、第1演出ボタン63aは、下方への押圧操作が可能なプッシュ式の操作手段とされている。また、第1演出ボタン63aは、普段は第1振動モータ63eが駆動せず振動していない状態(第1状態)となり、第1振動モータ63eが駆動することで振動した状態(第2状態)となるように構成されている。つまり、第1演出ボタン63aは、第1振動モータ63eを含む可動式の操作手段とされている。第1振動モータ63eのことを「第1演出ボタン駆動部」や「第1演出ボタン駆動手段」ともいう。
第2演出ボタン63b(第2操作手段)は、前面枠51の正面左下であって余剰球受皿62の左方に設けられている(図1を参照)。この第2演出ボタン63bは、少なくとも、該第2演出ボタン63bが操作されたことを検知可能な第2演出ボタン検知スイッチ63d(図5を参照)と、第2演出ボタン63bを振動させる第2振動モータ63f(図5を参照)と、第2演出ボタン63aを前側(前方)に付勢するスプリング(図示せず)とともに、第2演出ボタンユニットといて構成されている。本実施例では、この第2演出ボタンユニットを前面枠51に組み付けて、第2演出ボタン63aが普段はスプリング(付勢部材)により前側に付勢されて前面枠51の表面と略面一となり、後側への押圧力を加えることにより押し込まれ、その押圧力を解くことで前側へ出てくる(元の位置に戻る)ように構成されている。つまり、第2演出ボタン63bは、後側への押圧操作(押し込み操作)が可能なプッシュ式の操作手段とされている。また、第2演出ボタン63bは、普段は第2振動モータ63fが駆動せず振動していない状態(第1状態、通常状態)となり、第2振動モータ63fが駆動することで振動した状態(第2状態)となるように構成されている。つまり、第2演出ボタン63bは、第2振動モータ63fを含む可動式の操作手段とされている。第2振動モータ63bのことを「第2演出ボタン駆動部」や「第2演出ボタン駆動手段」ともいう。また、第1振動モータ63e及び第2振動モータ63bの一方又は両方を指して単に「振動モータ」ともいい、「振動モータ」のことを「演出ボタン駆動部」や「演出ボタン駆動手段」ともいう。
なお、演出ボタン63(操作手段)の構成は本実施例の態様に限らず、遊技者が演出に関与するための入力を行うことができるものであれば足りる。例えば、遊技者が指で触れることにより入力を行う接触式の入力手段(例えばタッチパネル等)であってもよいし、遊技者の身体の一部が近接したことを検知して入力を行う非接触式の入力手段であってもよい。また、本実施例ではプッシュ式の操作手段(押しボタン)としているが、操作レバーや操作スティックなど前後方向や左右方向へ傾倒させることが可能な傾倒式の操作手段であってもよい。さらに、本実施例では演出ボタン63が振動するものとしているが、振動の他にも、上方や前方に突出したり下方や後方に没入したりする等の演出動作を行うものであってもよい。また、本実施例では第1演出ボタン63aと第2演出ボタン63bの2つの演出ボタンが設けられているが、演出ボタンの数は1つであってもよく、3つ以上であってもよい。
遊技盤2には、発射ハンドル60の操作により発射された遊技球が流下する遊技領域3が、レール部材4で囲まれて形成されている。遊技領域3には、遊技球を誘導する複数の遊技釘16が突設されており、レール部材4の先端には、球戻り防止片6が設けられている。球戻り防止片6は、一旦遊技領域へ誘導された遊技球を発射装置側へ戻るのを防止するためのものである。また、遊技盤2には、遊技の状況に応じて様々な光を発することが可能な装飾用の盤面ランプ5(図5を参照)も設けられている。盤面ランプ5はLEDによって構成されている。
遊技領域3の中央付近には、液晶表示装置からなる画像表示装置7(演出表示装置)が設けられている。画像表示装置7の表示画面7aには、演出図柄8L,8C,8R(単に「演出図柄8」ともいう)が表示される演出図柄表示領域7b(「演出図柄表示部」ともいう)が設けられており、当該演出図柄8L,8C,8Rは、後述の第1特別図柄の変動表示及び第2特別図柄の変動表示に同期して変動表示を行う。変動表示の態様としては、例えば上下、左右、斜め方向等にスクロール表示する態様がある。演出図柄表示領域7bは、例えば「左」「中」「右」の3つの図柄表示エリアからなり、左の図柄表示エリアには左演出図柄8Lが表示され、中の図柄表示エリアには中演出図柄8Cが表示され、右の図柄表示エリアには右演出図柄8Rが表示される。なお、左・中・右の図柄表示エリアの位置は夫々区別して設ける必要はなく、左・中・右の演出図柄の表示エリアをそれぞれ図柄表示エリア(演出図柄表示領域7b)の全体としてもよい。
本実施例の演出図柄8L,8C,8R(識別情報)は、それぞれ「1」〜「9」までの数字図柄(識別情報種、図柄種)からなるもので、これらの数字図柄が順に表示されるものとなっている。具体的に、演出図柄8の変動表示は、「1」→「2」・・・「8」→「9」の順(昇順)で数字図柄をスクロール表示させることによって行われるものとなっており、「9」まで到達したら「1」に戻って、スクロール表示を変動終了(停止表示)まで繰り返すものとなっている。また、本実施例では、「1」〜「9」の図柄のそれぞれに色の情報を含ませており、各図柄を色によって分類できるものとしている。具体的には、奇数図柄である「3」と「7」を赤色の図柄(以下「赤図柄」ともいう。)としており、これ以外の奇数図柄である「1」、「5」、「9」を緑色の図柄(以下「緑図柄」ともいう。)としている。また、偶数図柄である「2」、「4」、「6」、「8」を青色の図柄(以下「青図柄」ともいう。)としている。
演出図柄表示領域7bに停止表示される左、中、右の演出図柄の組み合わせ(停止表示態様)によって、後述の第1特別図柄表示器41a(「第1特別図柄表示部」ともいう)で行われる第1特別図柄の変動表示の表示結果や、第2特別図柄表示器41b(「第2特別図柄表示部」ともいう)で行われる第2特別図柄の変動表示の表示結果、つまり、特別図柄当否判定(単に「当否判定」ともいう)の結果を、遊技者が認識し易いように表示する。本実施例では、変動表示している3つの演出図柄8L,8C,8Rが停止表示する順序(停止順序)を、原則「左→右→中」としている。すなわち、停止順が1番目の停止図柄を左演出図柄8Lとし、停止順が2番目の停止図柄を右演出図柄8Rとし、停止順が3番目(最後)の停止図柄を中演出図柄8Cとしている。なお、停止順が1番目の停止図柄のことを「第1停止図柄」ともいい、停止順が2番目の停止図柄のことを「第2停止図柄」ともいい、停止順が3番目の停止図柄のことを「第3停止図柄」や「最終停止図柄」ともいう。
ここで、第1特別図柄、第2特別図柄及び演出図柄の何れか又は全部を指して単に「図柄」や「識別情報」ともいう。また、普通図柄のことを「普図」や「普通識別情報」ともいい、特別図柄のことを「特図」ともいい、第1特別図柄のことを「特図1」や「第1特図」ともいい、第2特別図柄のことを「特図2」や「第2特図」ともいう。さらに、演出図柄8を表示する画像表示装置7、第1特別図柄を表示する第1特別図柄表示器41a及び第2特別図柄を表示する第2特別図柄表示器41bの何れか又は全部を指して「識別情報表示手段」ともいう。
演出図柄8の停止表示態様は次のように定めることができる。例えば、特別図柄当否判定の結果が大当りとなり、その大当りの種別が16R大当りや6R大当り等になった場合には、「222」や「777」などの3桁同一のゾロ目(特定態様、特定表示結果)で演出図柄8を停止表示することが可能である。また、特別図柄当否判定の結果が外れとなった場合には、「637」や「373」などの3つの図柄のうち少なくとも1つの図柄が他と異なるバラケ目(非特定態様、非特定表示結果)で演出図柄8を停止表示することが可能である。これにより、遊技者は停止表示した演出図柄8を見ることで、遊技の進行状況を容易に把握することが可能となる。つまり遊技者は、一般的には特別図柄当否判定の結果を第1特別図柄表示器41aや第2特別図柄表示器41bに表示される特別図柄を見て直接的に把握するのではなく、画像表示装置7(演出図柄表示領域7b)に表示される演出図柄を見て把握する。
ここで、演出図柄8の停止表示態様(図柄組み合わせ)のうち、特別図柄当否判定の結果が大当りの場合に対応する停止表示態様(本実施例ではゾロ目)のことを「大当り態様」、「特定態様」又は「特定表示結果」ということがあり、特別図柄当否判定の結果が外れの場合に対応する停止表示態様(本実施例ではバラケ目)のことを「外れ態様」、「非特定態様」又は「非特定表示結果」ということがある。また、演出図柄8の停止表示態様は、演出図柄8の変動表示の結果を示すものであるといえることから、当該演出図柄8の停止表示態様のことを「結果表示態様」ということがある。
画像表示装置7の表示画面7aでは、前述のような演出図柄8を用いた遊技演出(「演出図柄遊技演出」ともいう)を表示するほか、大当り遊技に伴って実行される大当り遊技演出(「特別遊技演出」ともいう)や客待ち用のデモ演出などが表示される。演出図柄遊技演出や大当り遊技演出等の演出表示では、数字等の演出図柄のほか、背景画像やキャラクタ画像などの演出図柄以外の演出画像も表示される。なお、演出図柄遊技演出のことを「変動演出」ともいう。また、演出図柄8を変動表示した後に停止表示して該停止表示態様により特別図柄当否判定の結果を報知する演出(つまり変動演出)のことを「報知演出」ともいう。
画像表示装置7の表示画面7aには、後述の第1特図保留の記憶数に応じて第1演出保留9aを表示する第1演出保留表示領域9c(第1演出保留表示部)と、後述の第2特図保留の記憶数に応じて第2演出保留9bを表示する第2演出保留表示領域9d(第2演出保留表示部)とが設けられている(図3を参照)。第1演出保留や第2演出保留の表示態様(表示数)により、後述の第1特図保留表示器43aに表示される第1特図保留の記憶数や第2特図保留表示器43bに表示される第2特図保留の記憶数を、遊技者にわかりやすく示すことができる。さらに、本実施例の画像表示装置7の表示画面7aには、現在変動している特別図柄(第1特別図柄または第2特別図柄)に対応する演出保留、すなわち、消化された特図保留に対応する演出保留(第1演出保留9a又は第2演出保留9b)を表示する変動保留表示領域9eが設けられている(図3を参照)。
遊技領域3の中央付近であって画像表示装置7の前方には、表示画面7a(演出図柄表示領域7b)を取り囲むセンター装飾体10が設けられている。センター装飾体10は、プラスチック製(樹脂製)の成型物によって構成されるもので、中央が開口した枠状の部品(盤部品)として、遊技盤2の表面(前面)に取り付けられるものである。当該センター装飾体10の中央開口を介して画像表示装置7の表示画面7aが視認可能となる。
センター装飾体10の下部には、遊技球が転動可能な遊技球転動面を有するステージ部11が設けられており、センター装飾体10の左部には、中空状のワープ部12が設けられている。ワープ部12にはワープ入口とワープ出口とが設けられており、遊技領域3(左遊技領域3A)を流下する遊技球をワープ入口から受け入れてワープ出口から排出することで、当該遊技球をステージ部11へ誘導する。ステージ部11の転動面に誘導された遊技球は、ステージ部11に誘導されない遊技球と比して高い可能性で、後述の第1始動口20に入球可能とされている。また、センター装飾体10の上部には、LED等の電飾部材(盤面ランプ5)を内部に有し、遊技状態に応じて点灯・点滅等が可能な装飾部材13が配されている。この装飾部材13には、その前面側に本パチンコ遊技機1のタイトル(機種名)や登場するキャラクタ等をモチーフとした文字、図形等が表されている。
センター装飾体10の左上部には、遊技演出の実行中に作動可能な可動装飾部材14(可動役物)が設けられている。本実施例では、可動装飾部材14を星形の造形物(星形役物)としている。この可動装飾部材14は、普段はセンター装飾体10の左上部(初期位置、第1位置)に位置した状態(非作動状態)となっている。そして、所定の作動条件が成立すると、センター装飾体10の左上部から表示画面7aの手前側の画面中央部(移動位置、第2位置)まで移動した状態(作動状態)となり、その状態を所定時間保った後、センター装飾体10の左上部に戻る態様で作動するように構成されている(図3、図50、図51等を参照)。つまり、センター装飾体10の左上部と表示画面7aの画面中央部との間を往復移動することが可能とされている。このように構成された可動装飾部材14は、例えば、大当りの可能性が比較的高い遊技演出の実行に伴って作動する。これにより、遊技者は大当りへの期待感を高めることとなる。
本実施例の可動装飾部材14は、演出ボタン63の操作(操作手段の操作)に基づいて作動する場合と、遊技演出の演出パターンに含まれる可動演出の実行パターン(駆動パターン)に基づいて作動する場合とがある。前者の場合、可動装飾部材14の作動は操作対応演出といえる。可動装飾部材14を移動させる機構等の構造的な構成は公知の構成を採用することが可能であり、本発明の要旨とは直接的に関係しないので、ここでの具体的な説明は省略する。なお、可動装飾部材14の配置箇所や個数、形状、移動態様等については本実施例に限定されるものではなく、あらゆる構成を採ることが可能である。
ここで、遊技状況に応じた種々の演出画像を表示することで表示演出を行うことが可能な画像表示装置7のことを「表示演出部」や「表示演出手段」ともいい、遊技演出中に作動することで可動演出を行うことが可能な可動装飾部材14のことを「可動演出部」や「可動演出手段」ともいう。また、遊技の状況に応じて様々な音(効果音)を発することで音演出を行うことが可能なスピーカ67のことを「音演出部」や「音演出手段」ともいい、遊技の状況に応じて様々な光を発することで光演出を行うことが可能な盤面ランプ5、枠ランプ66及び装飾部材13のことを「光演出部」や「光演出手段」ともいう。なお、盤面ランプ5等以外にも、例えば、演出ボタン63や発射ハンドル60が装飾部材13と同様にLED等の電飾部材を内蔵しており、電飾部材の作用により遊技の状況に応じて点灯・点滅等する場合、これら演出ボタン63や発射ハンドル60も「光演出手段」といえる。さらに、これら「表示演出手段」、「可動演出手段」、「音演出手段」及び「光演出手段」を総じて「演出手段」ともいう。
遊技領域3における画像表示装置7の下方には、遊技球の入球し易さが変化しない非可変式の第1始動口20を備える固定入賞装置19が設けられている。第1始動口20への遊技球の入球に基づいて、特別図柄当否判定用乱数等が取得され、予め定められた所定条件が成立すると第1特別図柄に係る当否判定(第1特別図柄当否判定)が実行されると共に第1特別図柄が変動表示され、当否判定の結果に基づいて停止表示される。
第1始動口20の下方には、遊技球の入球し易さが変化する可変式の第2始動口21を備える可変入賞装置22(「可変式始動口」ともいう)が設けられている。第2始動口21への遊技球の入球に基づいて、特別図柄当否判定用乱数等が取得され、予め定められた所定条件が成立すると第2特別図柄の当否判定(第2特別図柄当否判定)が実行されると共に第2特別図柄が変動表示され、当否判定の結果に基づいて停止表示される。
なお、特別図柄当否判定の結果が「大当り」であることに基づいて行われる特別図柄の変動表示や演出図柄の変動表示のことを「大当り変動」や「特定変動」ともいい、特別図柄当否判定の結果が「外れ」であることに基づいて行われる特別図柄の変動表示や演出図柄の変動表示のことを「外れ変動」や「非特定変動」ともいう。
可変入賞装置22は可動部材23を備え、可動部材23の動作によって第2始動口21を開閉するように構成されている。この開閉動作によって、第2始動口21は、第1の態様(閉状態)から当該第1の態様よりも遊技球の入球可能性が高い第2の態様(開状態)へと変化可能である。つまり、可動部材23は、所定の動作(開閉動作)を行うことで、第2始動口21への遊技球の入球可能性を変化させるものである。この可動部材23は、第2始動口ソレノイド24(図5を参照)により駆動される。本実施例の第2始動口21は、可動部材23が開状態にあるときだけ遊技球が入球可能とされ、可動部材23が閉状態にあるときには入球不能となっている。なお、第2始動口21は、可動部材23が閉状態にあるときは開状態にあるときよりも遊技球が入球困難となるものであれば、可動部材23が閉状態にあるときに完全に入球不能となるものでなくてもよい。
遊技領域3における第1始動口20の右方には、大入賞口30(「可変入球口」ともいう)を備えた大入賞装置31が設けられている。大入賞装置31は開閉部材32を備え、開閉部材32の作動により大入賞口30を開閉するように構成されている。開閉部材32は、大入賞口ソレノイド33(図5を参照)により駆動される。大入賞口30は、開閉部材32が開状態にあるときだけ遊技球が入球可能となる。すなわち、大入賞装置31は、開閉部材32の開閉動作により、遊技球が入球不能な入球不能状態(閉状態)と遊技球が入球可能な入球可能状態(開状態)とに変化可能である。
遊技領域3のうち右側領域には、遊技球が通過可能なゲート28(遊技球通過口)が設けられている。ゲート28への遊技球の通過に基づいて、普通図柄当否判定用乱数等が取得され、予め定められた所定条件が成立すると、第2始動口21を開状態とするか否かを判定する普通図柄当否判定が実行されると共に普通図柄が変動表示され、普通図柄当否判定の結果に基づいて停止表示される。当り普通図柄が停止表示すると、第2始動口21は開状態となる。さらに、遊技領域3の下部には複数の一般入賞口27が設けられている。第1始動口20、第2始動口21、大入賞口30及び一般入賞口27は、それぞれ賞球の払い出し契機となる入球口であり、各入球口に遊技球が入球した場合には、夫々の入球口において予め定められた数の遊技球(賞球)が払い出される。具体的には、第1始動口20の賞球数は「5」、第2始動口21の賞球数は「2」、大入賞口30の賞球数は「15」、一般入賞口27の賞球数は「10」としている。
このように複数の入球口(第1始動口20、第2始動口21、大入賞口30、一般入賞口27及びゲート28)等が配されている遊技領域3を、左右方向の中央より左側の左遊技領域(第1領域)3Aと右側の右遊技領域(第2領域)3Bとに分けることができる。左遊技領域3Aを遊技球が流下するように遊技球を発射させる発射ハンドル60の操作のことを「左打ち」といい、右遊技領域3Bを遊技球が流下するように遊技球を発射させる発射ハンドル60の操作のことを「右打ち」という。ここで、複数の入球口のうち、第1始動口20及び左一般入賞口27は、遊技領域3のうち左遊技領域3Aを流下する遊技球が入球可能となるように設けてあり、第2始動口21、大入賞口30、右一般入賞口27及びゲート28は、遊技領域3のうち右遊技領域3Bを流下する遊技球が入球可能となるように設けてある。このため、本パチンコ遊技機1では、遊技開始の際には、原則、左打ちを行って第1始動口20への入球を狙う。一方、第1始動口20への入球に基づく当否判定において大当りとなり遊技状態が特別遊技状態等に変化した際には、原則、右打ちを行ってゲート28、第2始動口21、大入賞口30への入球を狙うこととなる。
図3及び図4に示すように、遊技盤2の右下部には主表示器40が配置されている。主表示器40には、第1特別図柄を変動表示及び停止表示する第1特別図柄表示器41a(第1特別図柄表示部)と、第2特別図柄を変動表示及び停止表示する第2特別図柄表示器41b(第2特別図柄表示部)と、普通図柄を変動表示及び停止表示する普通図柄表示器42(普通図柄表示部)と、が含まれている。また、主表示器40には、第1特別図柄に係る当否判定情報(第1特図保留)の記憶数を表示する第1特図保留表示器43aと、第2特別図柄に係る当否判定情報(第2特図保留)の記憶数を表示する第2特図保留表示器43bと、普通図柄表示器42の作動保留(普図保留)の記憶数を表示する普図保留表示器44と、が含まれている。さらに、主表示器40には、第1特別図柄当否判定または第2特別図柄当否判定の結果が当りになったことを示す当り表示器48と、第1特別図柄当否判定または第2特別図柄当否判定の結果が大当りになった場合に実行される大当り遊技のラウンド数を示すラウンド表示器45と、確率変動機能が作動することを示す遊技状態表示器46と、遊技球の発射方向、すなわち右打ちを行うべき状態(例えば後述の高ベース状態)か左打ちを行うべき状態(例えば後述の低ベース状態)かを示す発射方向表示器47と、が含まれている。主表示器40に含まれるこれらの各種表示器は、後述のメイン制御部によって表示制御される。
第1特別図柄の変動表示は、第1始動口20への遊技球の入球に基づいて行われる。第2特別図柄の変動表示は、第2始動口21への遊技球の入球に基づいて行われる。なお、以下の説明では、第1特別図柄及び第2特別図柄を総称して特別図柄ということがある。また、第1特別図柄表示器41a及び第2特別図柄表示器41bを総称して特別図柄表示部41ということがある。また、第1特図保留表示器43a及び第2特図保留表示器43bを総称して特図保留表示部43ということがある。
特別図柄表示部41では、特別図柄(識別情報)が所定の変動表示時間(「変動時間」ともいう)にしたがって変動表示した後に停止表示し、停止表示した特別図柄(停止図柄)の表示態様(停止表示態様)によって第1始動口20又は第2始動口21への入球に基づく抽選(特別図柄当否判定、大当り抽選)の結果が報知される。停止表示される特別図柄は、特別図柄当否判定によって複数種類の特別図柄の中から選択された一つの特別図柄である。停止図柄が予め定めた大当り図柄(特定特別図柄、特定識別情報)である場合、すなわち、特別図柄の停止表示態様(特別図柄の変動表示の表示結果)が大当りを示す特定態様(特定表示結果)である場合には、停止表示された大当り図柄の種類に応じた開放パターンで大入賞口30を開放させる大当り遊技(特別遊技)が行われる。大当り遊技における大入賞口の開放パターンについては後述する。
特別図柄の停止表示は、所定の停止表示時間(確定表示時間)が経過するまで行われる。そして、停止表示された特別図柄が外れ図柄(外れ態様、非特定態様)であって、当該停止表示の際に特図保留が記憶されている場合には、停止表示時間が経過すると、記憶順の最も古い(最先の)特図保留が消化され、これにより次の特別図柄の変動表示が開始される。また、停止表示された特別図柄が外れ図柄であって、当該停止表示の際に特図保留が記憶されていない場合には、停止表示時間が経過した後も、特別図柄の停止表示状態が維持される。一方、停止表示された特別図柄が大当り図柄である場合には、停止表示時間が経過すると、後述する大当り遊技のオープニング期間に移行し、当該オープニング期間を経て大当り遊技の1ラウンド目が開始される。なお、特別図柄の停止表示時間は「0.5秒〜1.0秒」とされるのが一般的で、本実施例では「0.6秒」としている。
図4に示すように、第1特別図柄表示器41aは、「i〜p」で示す8個のLEDで構成されており、第1特別図柄当否判定の結果に応じた特別図柄を表示する。本実施例では、第1特別図柄当否判定の結果として「16R第1大当り」、「6R第2大当り」、「6R第3大当り」3種類の大当りが設けられており(図6、図8を参照)、第1特別図柄表示器41aのLEDは、それら3種類の大当りの各々に応じた表示態様(特定態様、特定表示結果)を採ることが可能となっている。具体的には、第1特別図柄当否判定の結果が16R第1大当りとなった場合には「ijn」の3個のLEDを点灯させて残りを消灯させ(16R第1大当り図柄)、6R第2大当りとなった場合には「ino」の3個のLEDを点灯させて残りを消灯させ(6R第2大当り図柄)、6R第3大当りとなった場合には「inp」の3個のLEDを点灯させて残りを消灯させる(6R第3大当り図柄)。また、外れとなった場合には、「lo」の2個のLEDを点灯させて残りを消灯させる(外れ図柄)。
第2特別図柄表示器41bは、「a〜h」で示す8個のLEDで構成されており、第2特別図柄当否判定の結果に応じた特別図柄を表示する。本実施例では、第2特別図柄当否判定の結果として「16R第4大当り」及び「16R第5大当り」2種類の大当りが設けられており(図6、図8を参照)、第2特別図柄表示器41bのLEDは、それら2種類の大当りの各々に応じた表示態様(特定態様、特定表示結果)を採ることが可能となっている。具体的には、第2特別図柄当否判定の結果が16R第4大当りとなった場合には「abd」の3個のLEDを点灯させて残りを消灯させ(16R第4大当り図柄)、16R第5大当りとなった場合には「abg」の3個のLEDを点灯させて残りを消灯させる(16R第5大当り図柄)。また、外れとなった場合には、「eh」の2個のLEDを点灯させて残りを消灯させる(外れ図柄)。
なお、特別図柄の停止表示態様(停止図柄)や大当りの種類(ラウンド数の種類、大当りの数など)は、これらに限定されるものではなく、任意に設定することができる。また、特別図柄が停止表示される前には所定の変動時間にわたって特別図柄の変動表示がなされるが、その変動表示の態様は、例えば、予め定められた順序で光が左から右へ繰り返し流れるように各LEDを点灯させる態様とすることができる。
本パチンコ遊技機1では、第1始動口20又は第2始動口21への遊技球の入球があると、その入球に基づいて特別図柄当否判定用乱数等の各種情報(「取得情報」ともいう)が取得され、この取得された各種情報は、メイン制御部のRAMに形成される特図保留記憶部(図示せず)に一旦記憶される。詳細には、第1始動口20への入球であれば第1特図保留として第1特図保留記憶部(図示せず)に記憶され、第2始動口21への入球であれば第2特図保留として第2特図保留記憶部(図示せず)に記憶される。各々の特図保留記憶部に記憶可能な特図保留(取得情報)の数は所定数までとされており、本実施例におけるその上限値はそれぞれ「4」となっている。これら第1特図保留記憶部及び第2特図保留記憶部を、夫々「第1取得情報記憶手段」及び「第2取得情報記憶手段」ともいい、総じて「取得情報記憶手段」ともいう。
特図保留記憶部に記憶された特図保留は、その特図保留に基づく特別図柄の変動表示が実行(開始)可能となったときに消化される。特図保留の消化とは、その特図保留に対応する特別図柄当否判定用乱数等を判定して、その判定結果を示すための特別図柄の変動表示を実行することをいう。従って、本パチンコ遊技機1では、第1始動口20または第2始動口21への遊技球の入球に基づく特別図柄の変動表示がその入球時にすぐに実行できない場合、すなわち特別図柄の変動表示の実行中や特別遊技の実行中である場合であっても、所定数(本実施例では4)を上限として、その入球に対する特別図柄当否判定の権利を留保することが可能となっている。
特図保留記憶部に記憶された特図保留の数は、第1特図保留表示器43a及び第2特図保留表示器43bに表示される。具体的には、第1特図保留表示器43aは「uv」の2個のLEDで構成されており、第1特図保留の数に応じてLEDを表示制御することにより、第1特図保留の数を表示するものとなっている。例えば、保留数が「0」の場合は「u□v□」(例えば、□:消灯、●:赤点灯、▲:緑点灯とする)というように両LEDを消灯する表示態様とし、保留数が「1」の場合は「u□v●」というように「u」のLEDを消灯し「v」のLEDを赤色で点灯させる表示態様とし、保留数が「2」の場合は「u●v□」というように「u」のLEDを赤色で点灯させ「v」のLEDを消灯する表示態様とし、保留数が「3」の場合は「u●v●」というように両方のLEDを赤色で点灯させる表示態様とし、保留数が「4(上限数)」の場合は「u▲v▲」というように両方のLEDを緑色で点灯させ表示態様とすることができる。
また、第2特図保留表示器43bは「wx」の2個のLEDで構成されており、第2特図保留の数に応じてLEDを表示制御することにより、第2特図保留の数を表示するものである。例えば、保留数が「0」の場合は「w□x□」(例えば、□:消灯、●:赤点灯、▲:緑点灯とする)というように両LEDを消灯する表示態様とし、保留数「1」〜「4」についても第1特図保留表示器43aと同様に定められている。
普通図柄の変動表示は、ゲート28への遊技球の通過を契機として行われる。普通図柄表示器42では、普通図柄を所定時間変動表示した後、停止表示し、停止表示された普通図柄(停止図柄)によって、ゲート28への遊技球の通過に基づく普通図柄当否判定の結果を報知する。停止表示される普通図柄は、普通図柄当否判定によって複数種類の普通図柄の中から選択された一つの普通図柄である。停止表示された普通図柄が予め定めた特定普通図柄(当り普通図柄)である場合には、現在の遊技状態に応じた開放パターンにて第2始動口21を開放させる補助遊技が行われる。なお、第2始動口21の開放パターンについては後述する。
具体的には、図4に示すように、普通図柄表示器42は「st」の2個のLEDから構成されており、その点灯態様によって普通図柄当否判定の結果に応じた普通図柄を表示する。例えば、判定結果が当りである場合には、「s■t■」(例えば、■:点灯、□:消灯とする)というように両LEDが点灯した当り普通図柄を停止表示する。また判定結果が外れである場合には、「s□t■」というように「t」のLEDのみが点灯した態様の外れ普通図柄を表示する。なお、外れ普通図柄は、特定普通図柄ではない。普通図柄が停止表示される前には予め定められた所定の変動時間にわたって普通図柄の変動表示が実行されるが、その変動表示の態様は、例えば両LEDが交互に点灯・消滅を繰り返す態様である。
本パチンコ遊技機1では、ゲート28への遊技球の通過があると、その通過に基づいて普通図柄当否判定用乱数等の各種情報(「取得情報」ともいう)が取得され、この取得された各種情報はメイン制御部のRAMに形成される普図保留記憶部(図示せず)に普図保留として一旦記憶される。普図保留記憶部に記憶可能な普図保留の数は所定数までとされており、本実施例におけるその上限値は「4」となっている。普図保留記憶部に記憶された普図保留は、その普図保留に基づく普通図柄の変動表示が実行(開始)可能となったときに消化される。普図保留の消化とは、その普図保留に対応する普通図柄当否判定用乱数を判定して、その判定結果を示すための普通図柄の変動表示を実行することをいう。従って、本パチンコ遊技機1では、ゲート28への遊技球の通過に基づく普通図柄の変動表示がその通過時にすぐ実行できない場合、すなわち普通図柄の変動表示の実行中や補助遊技の実行中である場合であっても、所定個数を上限として、その通過に対する普通図柄当否判定の権利を留保することが可能となっている。
普図保留記憶部に記憶された普図保留の数は、普図保留表示器44に表示される。具体的には、普図保留表示器44は「qr」の2個のLEDで構成されており、普図保留の数に応じてLEDを点灯させることにより普図保留の数を表示するものである。例えば、保留数が「0」の場合は「q□r□」(例えば、□:消灯、●:赤点灯、▲:緑点灯とする)というように両LEDを消灯する表示態様とし、保留数が「1」の場合は「q□r●」というように「q」のLEDを消灯し「r」のLEDを赤色で点灯させる表示態様とすることができる。また、保留数「2」〜「4」についても第1特図保留表示器43aと同様に定められている。
次に図2及び図5に基づいて、本実施例に係るパチンコ遊技機1の電気的な構成について説明する。本パチンコ遊技機1は、当該遊技機の作動を制御する制御基板(制御部、制御手段)として、主制御基板80(「メイン制御部」や「遊技制御部」ともいう)と、副制御基板90(「サブ制御部」や「演出制御部」ともいう)、払出制御基板110(「払出制御部」ともいう)と、画像制御基板100(「画像制御部」ともいう)等を備えている。
主制御基板80(メイン制御部)は、特別図柄当否判定や普通図柄当否判定、遊技状態の移行など、遊技進行や遊技利益に関する制御を行う。副制御基板90(サブ制御部)は、遊技の進行に伴って実行する種々の演出に関する制御を行う。払出制御基板110(払出制御部)は、遊技球の払い出しに関する制御を行う。画像制御基板100(画像制御部)は、画像表示装置7や演出表示器102、演出第1特図保留表示器103a及び演出第2特図保留表示器103b等の表示制御を行う。
図2に示すように、パチンコ遊技機1の後面側(裏面側)の略中央部には主制御基板80を収納した主制御基板収納ケースが設けられている。この主制御基板ケースの上方には、音声制御基板106、ランプ制御基板107及び画像制御基板100を収納した画像制御基板等収納ケースが設けられ、その画像制御基板等収納ケース上には副制御基板90を収納した副制御基板収納ケースが設けられている。また、主制御基板ケースの下方左側には、払出制御基板を収納する払出制御基板ケースが設けられ、その右側には、電源基板109を収納する電源基板ケースが設けられている。
主制御基板80には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1の遊技の進行を制御する遊技制御用ワンチップマイコン(「遊技制御用マイコン」ともいう)81が実装されている。遊技制御用マイコン81には、遊技の進行を制御するためのプログラム等を記憶したROM、ワークメモリとして使用されるRAM、ROMに記憶されたプログラムを実行するCPUが含まれている。遊技制御用マイコン81は、入出力回路87(I/Oポート部)を介して他の基板等とデータ(情報)の送受信を行う。入出力回路87は、遊技制御用マイコン81に内蔵されていてもよい。また、ROMは外付けであってもよい。遊技制御用マイコン81のRAMには、前述した特図保留記憶部(第1特図保留記憶部及び第2特図保留記憶部)と普図保留記憶部とが設けられている。また、主制御基板80(遊技制御用マイコン81)のRAM(主制御RAM)の所定アドレスには、各種フラグや各種計数カウンタに用いるための記憶領域が確保されている。
主制御基板80には、中継基板88を介して各種センサやソレノイドが接続されている。そのため、主制御基板80には各センサから信号が入力され、各ソレノイドには主制御基板80から信号が出力される。具体的には、遊技球を検知可能なセンサ類として、第1始動口センサ20a、第2始動口センサ21a、ゲートセンサ28a、大入賞口センサ30a及び一般入賞口センサ27aが接続されている。これら各種センサのことを「球検知センサ」や「遊技球検知手段」ともいう。
第1始動口センサ20aは、第1始動口20内に設けられて第1始動口20に入球した遊技球を検知するものである。第2始動口センサ21aは、第2始動口21内に設けられて第2始動口21に入球した遊技球を検知するものである。ゲートセンサ28aは、ゲート28内に設けられてゲート28を通過した遊技球を検知するものである。大入賞口センサ30aは、大入賞口30内に設けられて大入賞口30に入球した遊技球を検知するものである。一般入賞口センサ27aは、各一般入賞口27内にそれぞれ設けられて一般入賞口27に入球した遊技球を検知するものである。
ソレノイド類としては、第2始動口ソレノイド24及び大入賞口ソレノイド33が接続されている。これら各種ソレノイドを「駆動手段」ともいう。第2始動口ソレノイド24は、可変入賞装置22の可動部材23を駆動するためのものである。大入賞口ソレノイド33は、大入賞装置31の開閉部材32を駆動するためのものである。
また主制御基板80には、第1特別図柄表示器41a、第2特別図柄表示器41b、普通図柄表示器42、第1特図保留表示器43a、第2特図保留表示器43b、普図保留表示器44、ラウンド表示器45、遊技状態表示器46、発射方向表示器47及び当り表示器48が接続されている。すなわち、これらの主表示器40の表示制御は遊技制御用マイコン81によりなされる。
主制御基板80は、払出制御基板110に各種コマンドを送信するとともに、払い出し監視のために払出制御基板110から信号を受信する。払出制御基板110には、賞球や貸球を払い出す払出装置120、及びカードユニット135(パチンコ遊技機1に隣接して設置され、挿入されたプリペイドカード(遊技価値記憶媒体)等に記憶されている情報に基づいて球貸しを可能にするもの)が接続されているとともに、発射制御基板111(「発射制御部」ともいう)を介して発射装置112が接続されている。発射装置112には、発射ハンドル60(図1を参照)が含まれる。
払出制御基板110は、所定のプログラムに従って遊技球の払い出しを制御する払出制御用ワンチップマイコン(「払出制御用マイコン」ともいう)116が実装されている。払出制御用マイコン116には、遊技球の払い出しを制御するためのプログラム等を記憶したROM、ワークメモリとして使用されるRAM、ROMに記憶されたプログラムを実行するCPUが含まれている。払出制御用マイコン116は、入出力回路117を介し、遊技制御用マイコン81からの信号やパチンコ遊技機1に接続されたカードユニット135からの信号に基づいて、払出装置120の払出モータ121を駆動して賞球の払い出しを行ったり貸球の払い出しを行ったりする。払い出される遊技球は、その計数のため払出センサ122、123により検知される。遊技者による発射ハンドル60の操作があった場合には、タッチスイッチ114が発射ハンドル60への遊技者の接触を検知し、発射ボリューム115が発射ハンドル60の回転量を検知する。そして、発射ボリューム115の検知信号の大きさに応じた強さで遊技球が発射されるよう発射モータ113が駆動制御されることとなる。なお、本実施例では、発射モータ113の駆動により発射装置112が連続して発射可能な遊技球の数は1分間で約100個となっている。
また、主制御基板80は、副制御基板90に対し各種コマンドを送信する。主制御基板80と副制御基板90との接続は、主制御基板80から副制御基板90への信号の送信のみが可能な単方向通信接続となっている。すなわち、主制御基板80と副制御基板90との間には、通信方向規制手段としての図示しない単方向性回路(例えばダイオードを用いた回路)が介在している。
図5に示すように、副制御基板90には、所定のプログラムに従ってパチンコ遊技機1の演出を制御する演出制御用ワンチップマイコン(「演出制御用マイコン」ともいう)91が実装されている。演出制御用マイコン91には、遊技の進行に伴って演出を制御するためのプログラム等を記憶したROM、ワークメモリとして使用されるRAM、ROMに記憶されたプログラムを実行するCPUが含まれている。演出制御用マイコン91は、入出力回路95を介して他の基板等とデータの送受信を行う。なお、入出力回路95は演出制御用マイコン91に内蔵されていてもよく、ROMは外付けであってもよい。また、副制御基板90(演出制御用マイコン91)のRAM(演出制御RAM)の所定アドレスには、各種フラグや各種計数カウンタに用いるための記憶領域が確保されている。
副制御基板90には、画像制御基板100、音声制御基板106、ランプ制御基板107が接続されている。なお、副制御基板90(サブ制御部)や画像制御基板100(画像制御部)、音声制御基板106(音声制御部)、ランプ制御基板107(ランプ制御部)は、遊技の状況に応じて表示演出や音演出、ランプ演出(光演出)等の各種演出を、対応する演出用の装置や部材等(演出手段)に実行させる演出実行手段として機能するものである。また、例えば、チャンス目予告や保留変化予告、ステップアップ予告等の各種予告演出を実行させる予告演出実行手段としても機能する。
副制御基板90の演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、画像制御基板100の画像制御用ワンチップマイコン(「画像制御用マイコン」ともいう)101のCPUに、画像表示装置7、演出表示器102、演出第1特図保留表示器103a及び演出第2保留表示器103bの表示制御を行わせる。画像制御基板100のRAMは、画像データを展開するためのメモリである。画像制御基板100のROMには、画像表示装置7に表示される静止画データや動画データ、具体的にはキャラクタ、アイテム、図形、文字、数字及び記号等(演出図柄、保留図柄等を含む)や背景画像等の画像データが格納されている。画像制御用マイコン101は、演出制御用マイコン91からの指令に基づいてROMから画像データを読み出す。そして、読み出した画像データに基づいて表示制御を実行する。
演出表示器102は、2個のLEDからなり、演出図柄8の変動表示及び停止表示に合わせて変動表示及び停止表示を行い、2個のLEDの点灯・消灯または色の組合せにより、演出図柄8の表示結果(特別図柄当否判定の結果)を示す表示態様で停止表示する。また、演出第1特図保留表示器103a及び演出第2保留表示器103bも同様に2個のLEDからなる。そして、2個のLEDの点灯・消灯または色の組合せにより、演出第1特図保留表示器103aは第1演出保留表示領域9cに表示される保留個数及び第1特図保留表示器43aで表示される保留個数と同じ保留個数を示す表示態様で表示制御される。また、演出第2特図保留表示器103bは第2演出保留表示領域9dに表示される保留個数及び第2特図保留表示器43bで表示される保留個数と同じ保留個数を示す表示態様で表示制御される。これは、キャラクタ図柄を表示画面7a(演出図柄表示部)の略全体に表示したり、可動装飾部材14を動作させて表示画面7aの演出図柄表示領域7b(演出図柄表示部)の略全体を被覆したりすることで、演出図柄8や第1演出保留9a、第2演出保留9b等、表示画面7aに表示される各種画像の一部または全部が視認できない状態になることがあるため、この様な表示器が設けられている。なお、画像制御基板100の画像制御用ワンチップマイコン101に換えて、または加えて、VDP(Video Display Processor)を設けてもよい。
また、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、音声制御基板106を介してスピーカ67から音声、楽曲、効果音等を出力する。スピーカ67から出力する音声等の音データは、副制御基板90のROMに格納されている。なお、音声制御基板106にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUに音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、音声制御基板106にROMを実装してもよく、そのROMに音データを格納してもよい。また、スピーカ67を画像制御基板100に接続し、画像制御用マイコン101に音声制御を実行させてもよい。この場合、画像制御基板100のROMに音データを格納してもよい。
また、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、枠ランプ66や盤面ランプ5等のランプの発光態様を決める発光パターンデータ(点灯/消灯や発光色等を決めるデータ、ランプデータともいう)を、ROMに格納されているデータから決定し、ランプ制御基板107を介して枠ランプ66や盤面ランプ5等のランプ(LED)の点灯制御を行う。
さらに、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、ランプ制御基板107に中継基板108を介して接続された可動装飾部材14を作動させる。前述したように、可動装飾部材14は、センター装飾体10の後方に設けられた可動式のいわゆるギミックのことである。演出制御用マイコン91は、可動装飾部材14を所定の態様で作動させるための駆動パターンデータ(「駆動データ」ともいう)を、副制御基板90のROMに格納されているデータから決定し、決定した駆動パターンデータに基づいて可動装飾部材14の作動(可動演出の実行)を制御する。可動装飾部材14を作動させる駆動源には、ステッピングモータやソレノイド等の電気的駆動源が用いられる。なお、ランプ制御基板107にCPUを実装してもよく、この場合、そのCPUにランプの点灯制御や可動装飾部材14の作動制御を実行させてもよい。さらにこの場合、ランプ制御基板107にROMを実装してもよく、そのROMに発光パターンや駆動パターンに関するデータを格納してもよい。
本実施例では、主制御基板80からのコマンドに基づいて副制御基板90(演出制御用マイコン91)の制御下で実行される演出が、可動装飾部材14の作動を含む演出(「可動あり演出」ともいう)である場合、当該演出実行中の所定時期に第2演出ボタン63bが操作されたことに基づいて、可動装飾部材14が作動することがあるように構成されている。なお、可動装飾部材14の作動は、第1演出ボタン63aの操作に基づいて行われるものであってもよく、また、演出ボタンの操作に関係なく演出実行中の所定の作動時期の到来(つまり、演出パターン)に基づいて行われるものであってもよい。可動装飾部材14の作動パターンについての詳細は後述する。
副制御基板90には、第1演出ボタン63aが操作されたことを検知する第1演出ボタン検知スイッチ63cと、第2演出ボタン63bが操作されたことを検知する第2演出ボタン検知スイッチ63dが接続されている。第1演出ボタン63aが押下されると、第1演出ボタン検知スイッチ63cのスイッチ信号(「検知信号」ともいう)がONとなって副制御基板90に入力され、第1演出ボタン63aの押下が解かれると、その検知信号がOFFとなって副制御基板90に入力される。第2演出ボタン63bが押し込まれると、第2演出ボタン検知スイッチ63cの検知信号がONとなって副制御基板90に入力され、第2演出ボタン63bの押し込みが解かれると、その検知信号がOFFとなって副制御基板90に入力される。なお、第1演出ボタン検知スイッチ63c及び第2演出ボタン検知スイッチ63dの一方又は両方を指して「演出ボタン検知スイッチ」ともいう。また、第1演出ボタン検知スイッチ63cのことを「第1操作検知手段」ともいい、第2演出ボタン検知スイッチ63dのことを「第2操作検知手段」ともいい、第1演出ボタン検知スイッチ63c及び第2演出ボタン検知スイッチ63dの一方又は両方のことを「操作検知手段」ともいう。さらに以下では、第1演出ボタン検知スイッチ63cの検知信号のON/OFFを、第1演出ボタン検知スイッチ63cのON/OFFとして表記する。
本実施例では、主制御基板80からのコマンドに基づいて副制御基板90(演出制御用マイコン91)の制御下で実行される演出が、第1演出ボタン63aの状態変化を含む場合、すなわち、第1振動モータ63eの作動(駆動)を含む場合、当該演出実行中の所定時期に第1演出ボタン63aが押下されたことに基づいて第1振動モータ63eが作動し、第1演出ボタン63aが振動する(第1状態から第2状態となる)ように構成されている。また、主制御基板80からのコマンドに基づいて副制御基板90(演出制御用マイコン91)の制御下で実行される演出が、第2演出ボタン63bの状態変化を含む場合、すなわち、第2振動モータ63fの作動(駆動)を含む場合、当該演出実行中の所定時期に第2演出ボタン63bが押し込まれたことに基づいて第2振動モータ63fが作動し、第2演出ボタン63bが振動する(第1状態から第2状態となる)ように構成されている。このように演出ボタン63の状態を変化(本実施例では振動)させる演出、すなわち、演出ボタン63を用いた演出のことを「操作演出」ともいう。
ここで、本実施例では、第1演出ボタン63aを用いた操作演出及び第2演出ボタン63bを用いた操作演出を、それぞれ第1振動モータ63e及び第2振動モータ63fの作動(駆動)により演出ボタンそのものが振動する演出(「振動演出」ともいう)としているが、操作演出の態様は、そのような振動演出に限られない。例えば、演出ボタン63の内部(演出ボタンユニット)にLED(発光体)を設け、普段はそのLEDが発光していない状態(第1状態)となり、演出ボタン63を操作した際にそのLEDが発光(点灯、点滅等)した状態(第2状態)となる発光演出としてもよい。また、演出ボタン63の内部(演出ボタンユニット)に空気(エア)を外部に噴出する噴出機構を設け、普段はその噴出機構が空気を噴出していない状態(第1状態)となり、演出ボタン63を操作した際にその噴出機構が空気を噴出した状態(第2状態)となる空気噴出演出(所謂「エアバイブ」)としてもよい。要するに、遊技者が触覚や視覚、聴覚等を通して演出ボタン63の状態変化を認識できるものであれば、操作演出の態様は特に問わない。また、本実施例では、第1演出ボタン63aを用いた操作演出及び第2演出ボタン63bを用いた操作演出をともに振動演出としているが、両者とも同じ態様の操作演出である必要はない。例えば、一方を振動演出として他方を発光演出としたり、一方を振動演出として他方を空気噴出演出としたりする等、操作演出の態様の組み合わせは任意である。なお、本実施例に係る操作演出の演出パターン(振動モータの駆動パターン)についての詳細は後述する。
次に、本実施例におけるパチンコ遊技機1の当否判定に係る制御(判定手段)について説明する。本実施例では、特別図柄当否判定の結果として「大当り」と「外れ」がある。「大当り」のときには特別図柄表示部41に「大当り図柄」が停止表示され、「外れ」のときには特別図柄表示部41に「外れ図柄」が停止表示される。特別図柄当否判定で大当りと判定されると、停止表示された特別図柄の種類(大当り種別)に応じた開放パターンにて大入賞口30を開放する「特別遊技」が実行される。大当りとなって実行される特別遊技を「大当り遊技」という。
本実施例の大当りには複数の種別がある。具体的には、図6に示すように、大当りとして「16R(ラウンド)第1大当り」、「6R第2大当り」、「6R第3大当り」、「16R第4大当り」及び「16R第5大当り」の計5種類を設けている。これらの大当りのうち、「16R第1大当り」、「6R第2大当り」及び「6R第3大当り」は第1特別図柄に係る大当りであり、「16R第4大当り」及び「16R第5大当り」は第2特別図柄に係る大当りである。特別図柄表示部41には、これらの大当り種別に応じた大当り図柄が停止表示される。
具体的には、「16R第1大当り」、「16R第4大当り」及び「16R第5大当り」は、何れも、ラウンド数が「16」、1ラウンドでの大入賞口30の開放回数が「1回」、1ラウンドでの大入賞口30の開放時間が「25秒」の大当りである。また、「6R第2大当り」及び「6R第3大当り」は、何れも、ラウンド数が「6」、1ラウンドでの大入賞口30の開放回数が「1回」、1ラウンドでの大入賞口30の開放時間が「25秒」の大当りである。
なお、ラウンドのことを、単に「R」ともいい、「ラウンド遊技」ともいう。また、6R第2大当り及び6R第3大当りのことを総じて「6R大当り」ともいい、16R第1大当り、16R第4大当り及び16R第5大当りのことを総じて「16R大当り」ともいう。さらに、6R大当りに係る大当り遊技(6R大当り遊技)のことを「第1特別遊技」ともいい、16R大当りに係る大当り遊技(16R大当り遊技)のことを「第2特別遊技」ともいう。
本実施例のパチンコ遊技機1では、発生(当選)した大当りの種別に応じて、その大当り遊技の終了後の遊技状態を、後述の高確率状態や時短状態、高ベース状態等に移行させる。すなわち、特別図柄当否判定の結果が大当りで、その大当りの種別が前述の16R第1大当り、6R第2大当り及び16R第4大当りの何れかとなった場合には、大当り遊技終了後の遊技状態を後述の「高確率状態かつ時短状態かつ高ベース状態」とする。これに対して、特別図柄当否判定の結果が大当りで、その大当りの種別が前述の6R第3大当り及び16R第5大当りの何れかとなった場合には、大当り遊技終了後の遊技状態を後述の「低確率状態かつ時短状態かつ高ベース状態」とする。このことから、16R第1大当り、6R第2大当り及び16R第4大当りは「確変大当り」として捉えることができ、6R第3大当り及び16R第5大当りは「非確変大当り」(「通常大当り」または「時短大当り」ともいう。)として捉えることができる。
第1特別図柄(特図1)の当否判定にて大当りとなった場合における各大当りへの振分確率は、16R第1大当りが5%、6R第2大当りが50%、6R第3大当りが45%となっている。これに対して、第2特別図柄(特図2)の当否判定にて大当りとなった場合における各大当りへの振分確率は、16R第4大当りが55%、16R第5大当りが45%となっている。すなわち、第2始動口21への入球に基づく当否判定(特図2当否判定)により大当りとなった場合には、16R大当りの出現率(振分確率)が100%となっており、第1始動口20への入球に基づく当否判定(特図1当否判定)により大当りとなった場合に比べ、16R大当りの出現率(振分確率)が高くなっている。このように本パチンコ遊技機1では、第1始動口20に遊技球が入球して行われる当否判定(特図1当否判定)において大当りとなるよりも、第2始動口21に遊技球が入球して行われる当否判定(特図2当否判定)において大当りとなる方が、遊技者にとって有利となる可能性が高くなるように設定されている。このため、遊技者は、第2始動口21への入球を期待して遊技を行う。特に第2始動口21への入球頻度が高まる後述の開放延長機能の作動中(高ベース状態の発生中)においては顕著である。
ここで、本パチンコ遊技機1では、大当りか外れかの判定は「特別図柄当否判定用乱数(「当否判定用情報」ともいう)」に基づいて行われ、大当りとなった場合の大当りの種別の判定は「大当り種別決定用乱数(「図柄決定用乱数」、「図柄決定用情報」ともいう)」に基づいて行われる。図7(A)に示すように、特別図柄当否判定用乱数は「0〜629」までの範囲で値をとり、大当り種別決定用乱数は「0〜99」までの範囲で値をとる。また、第1始動口20や第2始動口21への入球に基づいて取得される乱数(取得情報)には、特別図柄当否判定用乱数及び大当り種別決定用乱数の他に「変動パターン乱数(「変動パターン情報」ともいう)」がある。
変動パターン乱数は、変動時間を含む変動パターンを決めるための乱数であり、「0〜198」までの範囲で値をとる。また、ゲート28の通過に基づいて取得される乱数には、図7(B)に示す普通図柄当否判定用乱数がある。普通図柄当否判定用乱数は、第2始動口21を開放させる補助遊技を行うか否かの判定(普通図柄抽選)のための乱数であり、「0〜240」までの範囲で値をとる。
次に、本実施例に係るパチンコ遊技機1の遊技状態について説明する。パチンコ遊技機1は、特別図柄及び普通図柄に対する確率変動機能、変動時間短縮機能及び開放延長機能の各機能が作動状態または非作動状態となる組合せにより、複数の遊技状態を有している。特別図柄(第1特別図柄及び第2特別図柄)について確率変動機能が作動している状態を「高確率状態」や「確変状態」といい、作動していない状態を「低確率状態」や「通常状態」という。高確率状態では、特別図柄当否判定において大当りと判定される確率が通常状態よりも高くなっている。すなわち、通常状態では通常状態用の大当り判定テーブルを用いて当否判定を行うものの、高確率状態では、大当りと判定される特別図柄当否判定用乱数の値が多い高確率状態用の大当り判定テーブルを用いて、当否判定を行う(図8(A)を参照)。つまり、特別図柄の確率変動機能が作動すると、作動していないときに比して、特別図柄の変動表示の結果が大当りとなる(停止図柄が大当り図柄となる)確率が高くなる。なお、確率変動機能の作動・非作動の制御は、主制御基板80(遊技制御用マイコン81)によって行われる。したがって、主制御基板80(遊技制御用マイコン81)は、特別図柄当否判定の当選確率(大当り確率)を低確率(第1確率)または高確率(第2確率)に設定可能な確率設定手段として機能するものである。
また、特別図柄(第1特別図柄及び第2特別図柄の一方又は両方)について変動時間短縮機能が作動している状態を「時短状態」や「短縮変動状態」といい、特別図柄(第1特別図柄及び第2特別図柄)について変動時間短縮機能が作動していない状態を「非時短状態」や「通常変動状態」という。時短状態では、特別図柄の変動時間(変動表示の開始時から確定表示時までの時間)の平均値が、非時短状態における特別図柄の変動時間の平均値よりも短くなっている。すなわち、時短状態においては、変動時間の短い変動パターンが選択されることが非時短状態よりも多くなるように定められた変動パターンテーブルを用いて、変動パターンの判定を行う(図9を参照)。その結果、時短状態では、特図保留の消化のペースが速くなり、始動口への有効な入球(特図保留として記憶され得る入球)が発生しやすくなる。そのため、スムーズな遊技の進行のもとで大当りを狙うことができる。なお、変動時間短縮機能の作動・非作動の制御は、主制御基板80(遊技制御用マイコン81)によって行われる。したがって、主制御基板80(遊技制御用マイコン81)は、特別図柄の変動時間が通常よりも短くなる短縮変動状態を設定可能な短縮変動状態設定手段として機能するものである。
特別図柄についての確率変動機能と変動時間短縮機能とは同時に作動することもあるし、片方のみが作動することもある。そして、普通図柄についての確率変動機能及び変動時間短縮機能は、特別図柄の変動時間短縮機能に同期して作動するようになっている。すなわち、普通図柄の確率変動機能及び変動時間短縮機能は、特別図柄の時短状態において作動し、非時短状態において作動しないものとなっている。このため、時短状態では、普通図柄当否判定における当り確率が非時短状態よりも高くなる。具体的に、時短状態では、当りと判定される普通図柄乱数(当り乱数)の値が非時短状態で用いる普通図柄当り判定テーブルよりも多い普通図柄当り判定テーブルを用いて、普通図柄当否判定(普通図柄の判定)を行う(図8(C)を参照)。
また時短状態では、普通図柄の変動時間が非時短状態よりも短くなっている。本実施例では、普通図柄の変動時間は非時短状態では30秒であるが、時短状態では1秒である(図8(D)を参照)。さらに時短状態では、可変入賞装置22(第2始動口21)の開放時間延長機能が作動し、補助遊技における第2始動口21の開放時間が、非時短状態よりも長くなっている。加えて時短状態では、可変入賞装置22の開放回数増加機能が作動し、補助遊技における第2始動口21の開放回数が非時短状態よりも多くなっている。具体的には、非時短状態において普通図柄当否判定の結果が当りになると、可変入賞装置22(第2始動口21)の可動部材23が0.2秒の開放動作を1回行い、時短状態において普通図柄当否判定の結果が当りになると、可変入賞装置22(第2始動口21)の可動部材23が2.0秒の開放動作を3回行うものとなっている。
普通図柄についての確率変動機能及び変動時間短縮機能、並びに、可変入賞装置22の開放時間延長機能及び開放回数増加機能が作動している状況下では、これらの機能が作動していない場合に比して、第2始動口21が頻繁に開放され、第2始動口21へ遊技球の入球頻度が高くなる(「高頻度状態」ともいう)。その結果、発射球数に対する賞球数の割合であるベースが高くなる。従って、これらの機能が作動している状態を「高ベース状態」といい、作動していない状態を「低ベース状態」という。高ベース状態では、手持ちの遊技球(持ち球)を大きく減らすことなく大当りを狙うことができる。
高ベース状態(高頻度状態)は、上記の全ての機能が作動するものでなくてもよい。すなわち、普通図柄についての確率変動機能及び変動時間短縮機能、並びに、可変入賞装置22の開放時間延長機能及び開放回数増加機能のうち少なくとも一つの機能の作動によって、その機能が作動していないときよりも第2始動口21が開放され易く(入球頻度が高く)なっていればよい。また、高ベース状態は、特別図柄の時短状態に付随せずに独立して制御されるようにしてもよい。この様な高ベース状態を発生する機能を「高ベース発生機能」ということもできる。
本実施例のパチンコ遊技機1では、前述したように、16R第1大当り、6R第2大当り及び16R第4大当りの何れかの何れかになった場合の大当り遊技後(特別遊技後)の遊技状態は、特別図柄の高確率状態かつ特別図柄の時短状態かつ高ベース状態となる(図6を参照)。この遊技状態を特に「高確高ベース状態」という。高確高ベース状態は、予め定められた回数の特別図柄の変動表示が実行されるか、又は、大当りとなって大当り遊技が実行されることにより終了する。この高確高ベース状態は、遊技者にとってはいわゆる「確変状態」となる。
また、6R第3大当り及び16R第5大当りの何れかになった場合の大当り遊技後(特別遊技後)の遊技状態は、特別図柄の通常状態(低確率状態)になるとともに、特別図柄の時短状態かつ高ベース状態となる(図6を参照)。この遊技状態を特に「低確高ベース状態」という。低確高ベース状態は、所定回数(例えば100回)の特別図柄の変動表示が実行されるか、大当りに当選してその大当り遊技が実行されることにより終了する。
なお、「低確高ベース状態」のことを「第1遊技状態」ともいい、「高確高ベース状態」のことを「第2遊技状態」ともいう。また、本実施例のパチンコ遊技機1では、遊技状態として「低確低ベース状態」、「低確高ベース状態」、「高確高ベース状態」の3つの遊技状態を設定可能としているが、これに加え、特別図柄の高確率状態かつ特別図柄の非時短状態かつ低ベース状態、すなわち「高確低ベース状態」を設定可能としてもよい。
低確高ベース状態(第1遊技状態)や高確高ベース状態(第2遊技状態)といった高ベース状態では、右打ちにより右遊技領域3Bへ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行できる。高ベース状態では、低ベース状態と比べて第2始動口21が開放されやすくなっており、第1始動口20への入球よりも第2始動口21への入球の方が容易となっている(第1始動口よりも第2始動口の方が遊技球の入球可能性が高くなる)からである。このため高ベース状態では、普通図柄当否判定の契機となるゲート28へ遊技球を通過させつつ、第2始動口21へ遊技球を入球させるべく右打ちを行う。これにより、左打ちを行う場合に比べ、多数の始動入球(特別図柄当否判定の機会)を得ることができる。この状態のとき、発射方向表示器47が所定の態様で点灯制御され、右遊技領域3Bを狙って遊技球を発射すべきことを報知する(右打ち指示報知)。
これに対して、低ベース状態(例えば低確低ベース状態)では、左打ちにより左遊技領域3Aへ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行できる。低ベース状態では、高ベース状態と比べて第2始動口21が開放されにくくなっており、第2始動口21への入球よりも第1始動口20への入球の方が容易となっている(第2始動口よりも第1始動口の方が遊技球の入球可能性が高くなる)からである。そのため、第1始動口20へ遊技球を入球させるべく左打ちを行う。これにより、右打ちを行う場合に比べ、多数の始動入球(特別図柄当否判定の機会)を得ることができる。この状態のとき、発射方向表示器47が所定の態様で点灯制御(表示制御)され、左遊技領域3Aを狙って遊技球を発射すべきことを報知する(左打ち指示報知)。
ここで、発射方向表示器47は「yz」の2個のLEDで構成されており、遊技状態に応じてLEDを点灯させることにより発射方向を示すものである。例えば、低ベース状態では、「y□z□」(例えば、□:消灯、■:点灯とする)というように両LEDを消灯する表示態様として左遊技領域へ発射すべきことを報知することができる。また、高ベース状態では、「y■z■」(例えば、□:消灯、■:点灯とする)というように両LEDを点灯する表示態様として右遊技領域へ発射すべきことを報知することができる。
[主制御メイン処理]
次に、図10〜図36に基づいて遊技制御用マイコン81の動作(メイン制御部80による制御処理)について説明する。なお、遊技制御用マイコン81の動作説明にて登場するカウンタ、フラグ、ステータス、バッファ等は、主制御基板80のRAMに設けられている。主制御基板80に備えられた遊技制御用マイコン81は、パチンコ遊技機1の電源がオンされると、主制御基板80のROMから図10に示す主制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。同図に示すように、主制御メイン処理では、まず、初期設定を行う(S101)。初期設定では、例えば、スタックの設定、定数設定、割り込み時間の設定、主制御基板80のCPUの設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間用コントローラ)の設定や、各種のフラグ、ステータス及びカウンタのリセット等を行う。フラグの初期値は「0」つまり「OFF」であり、ステータスの初期値は「1」であり、カウンタの初期値は「0」である。初期設定(S101)は、電源投入後に一度だけ実行され、それ以降は実行されない。
初期設定(S101)に次いで、割り込みを禁止し(S102)、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)を実行する。この普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)では、図7に示した種々の乱数カウンタの値を1加算する更新を行う。各乱数カウンタの値は上限値に至ると「0」に戻って再び加算される。なお、各乱数カウンタの初期値は「0」以外の値であってもよく、ランダムに変更されるものであってもよい。更新された乱数カウンタ値は主制御基板80のRAMの所定の更新値記憶領域(図示せず)に逐次記憶される。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)が終了すると、割り込みを許可する(S104)。割り込み許可中は、割り込み処理(S105)の実行が可能となる。この割り込み処理(S105)は、例えば4ms周期で主制御基板80のCPUに繰り返し入力される割り込みパルスに基づいて実行される。そして、割り込み処理(S105)が終了してから、次に割り込み処理(S105)が開始されるまでの間に、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)による各種カウンタ値の更新処理が繰り返し実行される。なお、割り込み禁止状態のときにCPUに割り込みパルスが入力された場合は、割り込み処理(S105)はすぐには開始されず、割り込み許可(S104)がされてから開始される。
[割り込み処理]
次に、割り込み処理(S105)について説明する。図11に示すように、割り込み処理(S105)では、まず、出力処理(S201)を実行する。出力処理(S201)では、以下に説明する各処理において主制御基板80のRAMに設けられた出力バッファにセットされたコマンド(制御信号)等を、副制御基板90や払出制御基板110等に出力する。ここで出力するコマンド等には、遊技状態、特別図柄当否判定の結果、大当り種別としての図柄、変動パターン等に関する情報等が挙げられる。なお、コマンドは、例えば2バイトの情報からなる。上位1バイトは、コマンドの種類に関する情報であり、下位1バイトはコマンドの内容に関する情報である。
出力処理(S201)に次いで行われる入力処理(S202)では、主にパチンコ遊技機1に取り付けられている各種センサ(第1始動口センサ20a、第2始動口センサ21a、大入賞口センサ30a等、図5を参照)が検知した検知信号を読み込み、賞球情報としてRAMの出力バッファに記憶する。また、下皿62の満杯を検知する下皿満杯検知センサ(図示せず)からの検知信号も取り込み、下皿満杯データとしてRAMの出力バッファに記憶する。
次に行われる普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S203)は、図10の主制御メイン処理で行う普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)と同じである。即ち、図7に示した各種乱数カウンタ値(普通図柄乱数カウンタ値も含む)の更新処理は、タイマ割り込み処理(S105)の実行期間と、それ以外の期間(割り込み処理(S105)の終了後、次の割り込み処理(S105)が開始されるまでの期間)との両方で行われている。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S203)に次いで、後述する始動口センサ検知処理(S204)、始動入球時処理(S205)、普図動作処理(S206)、特図動作処理(S207)、保留球数処理(S208)及び電源断監視処理(S209)を実行する。その後、その他の処理(S210)を実行して、割り込み処理(S105)を終了する。そして、次に主制御基板80のCPUに割り込みパルスが入力されるまでは主制御メイン処理のS102〜S104の処理が繰り返し実行され(図10を参照)、割り込みパルスが入力されると(約4ms後)、再び割り込み処理(S105)が実行される。再び実行された割り込み処理(S105)の出力処理(S201)においては、前回の割り込み処理(S105)にてRAMの出力バッファにセットされたコマンド等が出力される。
[始動口センサ検知処理]
図12に示すように、始動口センサ検知処理(S204)では、まず、遊技球がゲート28を通過したか否か、即ち、ゲートセンサ28aによって遊技球が検知されたか否かを判定する(S301)。遊技球がゲート28を通過していなければ(S301でNO)、S305の処理に移行し、ゲート28を通過していれば(S301でYES)、普通図柄保留球数(普図保留の数、具体的にはRAMに設けた普図保留の数をカウントするカウンタの値)が4未満であるか否か判定する(S302)。
普通図柄保留球数が4未満でなければ(S302でNO)、S305の処理に移行する。一方、普通図柄保留球数が4未満であれば(S302でYES)、普通図柄保留球数に「1」を加算し(S303)、普通図柄乱数取得処理(S304)を行う。普通図柄乱数取得処理(S304)では、RAMの更新値記憶領域(図示せず)に記憶されている普通図柄当否判定用乱数カウンタの値(ラベル−TRND−H、図7(B)を参照)を取得し、その取得乱数値(取得情報)を、主制御基板80のRAMに設けられた普図保留記憶部のうち現在の普通図柄保留球数に応じたアドレス空間に格納する。
S305では、第2始動口21に遊技球が入球したか否か、即ち、第2始動口センサ21aによって遊技球が検知されたか否かを判定する(S305)。第2始動口21に遊技球が入球していない場合(S305でNO)には、S306〜S308の処理を行うことなくS309の処理に移行し、第2始動口21に遊技球が入球した場合には(S305でYES)、特図2保留球数(第2特図保留の数、具体的にはメイン制御部80のRAMに設けた第2特図保留の数をカウントするカウンタの数値)が4(上限数)未満であるか否か判定する(S306)。そして、特図2保留球数が4未満でない場合(S306でNO)には、S307及びS308の処理を行うことなくS309の処理に移行し、特図2保留球数が4未満である場合には(S306でYES)、特図2保留球数に1を加算して(S307)、特図2関係乱数取得処理を行う(S308)。
特図2関係乱数取得処理(S308)では、RAMの更新値記憶領域(図示せず)に記憶されている特別図柄当否判定用乱数カウンタの値(ラベル−TRND−A)、大当り種別決定用乱数カウンタの値(ラベル−TRND−AS)及び変動パターン乱数カウンタの値(ラベル−TRND−T1)を取得し(つまり図7(A)に示す乱数の値を取得し)、それら取得乱数値(取得情報)を第2特図保留記憶部85bのうち現在の特図2保留球数に応じたアドレス空間に格納する。
続いて第1始動口20に遊技球が入球したか否か、即ち、第1始動口センサ20aによって遊技球が検知されたか否かを判定する(S309)。第1始動口20に遊技球が入球していない場合(S309でNO)には、S310〜S312の処理を行うことなく本処理を終える。一方、第1始動口20に遊技球が入球した場合には(S309でYES)、特図1保留球数(第1特図保留の数、具体的にはメイン制御部80のRAMに設けた第1特図保留の数をカウントするカウンタの値)が4(上限数)未満であるか否か判定する(S310)。そして、特図1保留球数が4未満でない場合(S310でNO)には、S311及びS312の処理を行うことなく本処理を終え、特図1保留球数が4未満である場合には(S310でYES)、特図1保留球数に「1」を加算して(S311)、特図1関係乱数取得処理を行う(S312)。
特図1関係乱数取得処理(S312)では、特図2関係乱数取得処理(S308)と同様に、RAMの更新値記憶領域(図示せず)に記憶されている特別図柄当否判定用カウンタの値(ラベル−TRND−A)、大当り種別決定用乱数カウンタの値(ラベル−TRND−AS)及び変動パターン乱数カウンタの値(ラベル−TRND−T1)を取得し(つまり図7(A)に示す乱数値を取得し)、それら取得乱数値を第1特図保留記憶部のうち現在の特図1保留球数に応じたアドレス空間に格納する。
[始動入球時処理]
図11に示すように遊技制御用マイコン81は、始動口センサ検知処理(S204)に次いで始動入球時処理(S205)を行う。図13に示すように、始動入球時処理(S205)では、まず、特図2保留球数が「1」増加したか否かを判定する(S315)。そして、特図2保留球数が「1」増加したと判定した場合(S315でYES)、S316の処理に移行する。これは、第2始動口に遊技球が入球したことに基づいて、始動口センサ検知処理(S204)におけるS307で特図2保留球数に「1」を加算した場合が該当する。一方、特図2保留球数が増加していないと判定した場合(S315でNO)、S316〜S318の処理を行うことなくS319の処理に移行する。
S316では、直前の始動口センサ検知処理(S204)における特図2関係乱数取得処理(S308)で取得して第2特図保留記憶部に記憶した最新の取得乱数値(取得情報)を読み出す(S316)。次いで、読み出した第2特別図柄に係る取得乱数値を判定する(S317)。S317では、読み出した取得乱数値のうち、特別図柄当否判定用乱数カウンタの値(特別図柄当否判定用乱数値)については、現在の遊技状態(低確率状態か高確率状態か)に応じて大当りか外れかを判定し、当該判定の結果が大当りである場合には、さらに大当りの種別を判定する。このS317による判定は、特図2保留についての当否判定(大当りか否かの判定)を、後述の特図2当否判定処理(S1202)における当否判定(S1303,S1304)に先立って行う事前判定(所謂「保留先読み」)に相当するものである。
なお、大当りか否かの事前判定は、大当り判定テーブル(図8(A)を参照)、すなわち、高確率状態であれば高確率状態用の大当り判定テーブル、通常状態(低確率状態)であれば通常状態用の大当り判定テーブルに基づいて、大当り判定値と一致するか否かを判定することが可能である。また、他の事前判定態様として、変動パターン情報を判定可能な変動パターン情報判定テーブルとして、通常状態用(低確率状態用)の変動パターン情報判定テーブルと、高確率状態用(高確率状態用)の変動パターン情報判定テーブルと、を有するものとする。そして、事前判定においては、取得乱数値(特別図柄当否判定用乱数カウンタの値等)と、遊技状態に応じた変動パターン情報判定テーブルと、に基づいて、所定の変動パターン情報を選択するものとすることが可能である。そして、この選択した変動パターン情報から、大当りかどうかや大当り種別、大当り信頼度の高い遊技演出が実行されるかどうか等を識別可能とすることができる。
次いでS318では、S317による事前判定の結果に係る遊技情報(事前判定情報)、具体的には、特別図柄当否判定用乱数値が大当り判定値と一致するか否かを示す情報(当否情報)や、大当り種別決定用乱数カウンタの値(大当り種別決定用乱数値)を示す情報、変動パターン乱数カウンタの値(変動パターン乱数値)を示す情報等を含むコマンドデータを、特図2始動入球コマンドとして生成し、当該コマンドをRAMの出力バッファにセットする(S318)。なお、特図2始動入球コマンドとして、S316で読み出した特図2取得乱数の値の一部または全部を、そのまま副制御基板に送信するようにしてもよいし、特図2取得乱数の値はそのまま送信せず、特図2取得乱数の値に基づいて取得した遊技情報(例えば、前述の変動パターン情報等)を送信するようにしてもよい。
また、メイン制御部80から送信した特図2始動入球コマンドをサブ制御部90で解析することで、大当りに係る情報であるか、大当り種別は何れであるか、変動パターンは何れであるか等を、サブ制御部90が識別できるものとされている。また、本実施例では、これに加えて、特図2始動入球コマンドを解析することで、取得した特図2取得乱数が高確率状態で判定した場合に大当りとなるかどうか、及び低確率状態で判定した場合に大当りとなるかどうか、を特定可能とされている。これにより、サブ制御部90は、受信した特図2始動入球コマンドを保留(演出保留情報)として記憶し、特定のタイミングで当該演出保留情報を事前判定し、低確率状態で当否判定した場合に大当りと判定される演出保留情報が記憶されているかどうかを判定することが可能となる。
なお、不正防止の観点から、S316で読み出した取得乱数値のうち特別図柄当否判定用乱数値を、そのままサブ制御部に送信することはせず、その他の大当り種別決定用乱数カウンタの値(大当り種別決定用乱数値)と変動パターン乱数カウンタの値(変動パターン乱数値)を示す情報と、事前判定の結果を示す情報とを含むコマンドデータを特図2始動入球コマンドとして生成し、これをセットすることが可能である。
次いでS319では、前述の特図2に係る処理と同様に、特図1保留球数が「1」増加したか否かを判定する(S319)。そして、特図1保留球数が「1」増加したと判定した場合(S319でYES)、S320の処理に移行する。これは、第1始動口に遊技球が入球したことに基づいて、始動口センサ検知処理(S204)におけるS311で特図1保留球数に「1」を加算した場合が該当する。一方、S319で、特図1保留球数が増加していないと判定した場合(S319でNO)、S320〜S323の処理を行うことなく本処理を終える。
S320では、時短フラグがONであるか否かを判定し(S320)、時短フラグがONである、すなわち高ベース状態であると判定した場合(S320でYES)、S321〜S323の処理を行うことなく本処理を終える。一方、S320で時短フラグがOFFである、すなわち低ベース状態であると判定した場合(S320でNO)、S321以降の事前判定に係る処理に進む。
ここで、時短フラグがONである場合、すなわち現在の遊技状態が高ベース状態である場合、第2始動口21への入球頻度が高まる開放延長機能が作動しており、特図2の当否判定(図8(B)を参照)が行われやすい状態となっている。また、本実施例では、後述するように特図2保留の消化(第2特別図柄の変動表示)を特図1保留の消化(第1特別図柄の変動表示)に優先して実行するもの(所謂特図2優先変動機)としている。このような構成において、例えば、特図1の事前判定を行い、その結果を予告等の演出により遊技者に報知し、その事前判定の結果が大当りであることが明示された場合、遊技者は、特図2保留消化の優先を利用して、任意のタイミングで特図2保留を意図的に無くして(「0」にして)、事前判定の結果が示された特図1に係る大当りを意図的に発生させるといった技術介入が可能となる。このように大当りの発生タイミングを遊技者が調整できることは、遊技の公平性の観点から好ましくない。このため、現在の遊技状態が低ベース状態でなく高ベース状態である場合には(S320でYES)、S321以降の特図1の事前判定に係る処理を行わず、本処理を終えることとしている。
S321〜S323の処理は、前述したS316〜S318と同様の処理を特図1について行うものである。すなわち、始動口センサ検知処理(S204)における特図1関係乱数取得処理(S312)で取得して第1特図保留記憶部に記憶した最新の取得乱数値(取得情報)を読み出し(S321)、読み出した取得乱数値について事前判定を行う(S322)。そして、この事前判定に係る遊技情報を含むコマンドデータを特図1始動入球コマンドとして生成し、当該コマンドをRAMの出力バッファにセットする(S323)。なお、S322の事前判定(保留先読み)は、後述の特図1当否判定処理(S1207)における当否判定(S1603,S1604)に先立って行うものである。
[普図動作処理]
遊技制御用マイコン81は、始動入球時処理(S205)に次いで、図14に示す普図動作処理(S206)を行う。普図動作処理(S206)では、普通図柄表示器42及び可変入賞装置22に関する処理を4つの段階に分け、それらの各段階に「普図動作ステータス1、2、3、4」を割り当てている。そして、「普図動作ステータス」が「1」である場合には(S401でYES)、普通図柄待機処理(S402)を行い、「普図動作ステータス」が「2」である場合には(S401でNO、S403でYES)、普通図柄変動中処理(S404)を行い、「普図動作ステータス」が「3」である場合には(S401、S403で共にNO、S405でYES)、普通図柄確定処理(S406)を行い、「普図動作ステータス」が「4」である場合には(S401、S403、S405の全てがNO)、普通電動役物処理(S407)を行う。なお、普図動作ステータスは、初期設定では「1」である。
[普通図柄待機処理]
図15に示すように、普通図柄待機処理(S402)では、まず、普通図柄の保留球数が「0」であるか否かを判定し(S501)、「0」であれば(S501でYES)、S502〜S505の処理を行うことなく本処理を終える。一方「0」でなければ(S501でNO)、後述の普通図柄当否判定処理を行い(S502)、次いで、普通図柄変動パターン選択処理を行う(S503)。
普通図柄変動パターン選択処理(S503)では、図8(D)に示す普通図柄変動パターン選択テーブルを参照して、遊技状態が時短状態であれば、普通図柄の変動時間が1秒の普通図柄変動パターンを選択する。一方、遊技状態が非時短状態であれば、普通図柄の変動時間が30秒の普通図柄変動パターンを選択する。普通図柄変動パターン選択処理(S503)を終えたら、後述の普通図柄乱数シフト処理(S504)を行い、次いで、普通図柄変動開始処理(S505)を行い、処理を終える。普通図柄変動開始処理では、S503で選択した普通図柄変動パターンに基づいて普通図柄の変動表示を開始するとともに、普通動作ステータスを「2」にセットする。また、普通図柄変動開始処理では、副制御基板90に普通図柄の変動開始を知らせるため、普通図柄変動開始コマンドをセットする。
[普通図柄当否判定処理]
図16に示すように、普通図柄当否判定処理(S502)では、まず、普図保留記憶部に格納されている普通図柄当否判定用乱数カウンタの値(ラベル−TRND−H)を読み出す(S601)。次いで、時短フラグがONであるか否か(すなわち遊技状態が時短状態であるか否か)を判定する(S602)。S602で、時短フラグがONである、すなわち時短状態であると判定した場合(S602でYES)、図8(C)に示す普通図柄当り判定テーブルのうち時短状態用のテーブル(当り判定値が「0」〜「239」)に基づいて高確率普図当否判定を行い(S604)、S605の処理に移行する。すなわち、読み出した普通図柄当否判定用乱数カウンタの値(ラベル−TRND−H)が当り判定値の何れかと一致するか否かを判定する。一方、S602で時短フラグがONでない、すなわち、非時短状態であると判定した場合(S602でNO)、図8(C)に示す普通図柄当り判定テーブルのうち非時短状態用のテーブル(当り判定値が「0」、「1」)に基づいて低確率普図当否判定を行い(S603)、S605の処理に移行する。そして、普図当否判定(S603,S604)の結果が当り(普図当り)であるか否かを判定し(S605)、外れであると判定された場合(S605でNO)、停止表示する外れ普通図柄(普図外れ図柄)を決定し(S606)、処理を終える。一方、S605で当り(普図当り)であると判定された場合(S605でYES)、停止表示する当り普通図柄(普図当り図柄)を決定し(S607)、普図当りフラグをONにして(S608)、処理を終える。
[普通図柄乱数シフト処理]
図17に示すように、普通図柄乱数シフト処理(S504)では、まず、普通図柄保留球数を1ディクリメントする(S701)。次いで、普図保留記憶部における各普図保留の格納場所を、現在の位置から読み出される側に一つシフトする(S702)。そして、普図保留記憶部における最上位の保留記憶の格納場所であるアドレス空間を空(「0」)にして、即ち普図保留の4個目に対応するRAM領域を0クリアして(S703)、処理を終える。このようにして、普図保留が保留順に消化されるようにしている。
[普通図柄変動中処理]
図18に示すように、普通図柄変動中処理(S404)では、まず、普通図柄の変動時間が経過したか否か判定し(S801)、経過していなければ(S801でNO)、S802〜S803の処理を行うことなく本処理を終える。一方、普通図柄の変動時間が経過していれば(S801でYES)、普通図柄変動停止コマンドをセットする(S802)とともに、普図動作ステータスを「3」にセットする(S803)。そして、普通図柄の変動表示を、普通図柄当否判定用乱数の判定結果に応じた表示結果(当り普通図柄又は外れ普通図柄)で停止させる等のその他の処理を行って(S804)、本処理を終える。
[普通図柄確定処理]
図19に示すように、普通図柄確定処理(S406)では、まず、普図当りフラグがONであるか否かを判定する(S901)。普図当りフラグがONでなければ(S901でNO)、普図動作ステータスを「1」にセットして(S905)、この処理を終える。一方、普図当りフラグがONであれば(S901でYES)、続いて時短フラグがONであるか否か、すなわち時短状態中か否かを判定する(S902)。そして、時短状態中であれば(S902でYES)、可変入賞装置22(第2始動口21)の開放パターンとして時短状態中の開放パターンをセットする(S903)。時短状態中の開放パターンとは、前述の通り、2.0秒の開放を3回繰り返す開放パターンである。従って、第2始動口21の開放回数をカウントする第2始動口開放カウンタに「3」をセットする。
これに対して、非時短状態中であれば(S902でNO)、可変入賞装置22(第2始動口21)の開放パターンとして非時短状態中の開放パターンをセットする(S906)。非時短状態中の開放パターンとは、前述の通り、0.2秒の開放を1回行う開放パターンである。従って、第2始動口開放カウンタに「1」をセットする。そして、開放パターンのセット(S903,S906)に続いて、普図動作ステータスを「4」にセットし(S904)、本処理を終える。
[普通電動役物処理]
図20に示すように、普通電動役物処理(S407)では、まず、普図当り終了フラグがONであるか否かを判定する(S1001)。普図当り終了フラグは、当りとなって実行された補助遊技において、第2始動口21の開放が終了したことを示すフラグである。
普図当り終了フラグがONでなければ(S1001でNO)、第2始動口21の開放中か否かを判定する(S1002)。開放中でなければ(S1002でNO)、第2始動口21を開放させる時期(タイミング)に至ったか否かを判定し(S1003)、至っていなければ(S1003でNO)、S1004の処理を行うことなく本処理を終え、至っていれば(S1003でYES)、第2始動口21を開放させ(S1004)、本処理を終える。
一方、第2始動口21の開放中であれば(S1002でYES)、第2始動口21を閉鎖させる時期(タイミング)に至ったか否か(すなわち第2始動口21を開放してから予め定められた開放時間が経過したか否か)を判定し(S1005)、至っていなければ(S1005でNO)、S1006〜S1010の処理を行うことなく本処理を終え、至っていれば(S1005でYES)、第2始動口21を閉状態(閉鎖)とする(S1006)。
第2始動口21の閉鎖処理(S1006)に次いで、第2始動口開放カウンタの値を1ディクリメントし(S1007)、第2始動口開放カウンタの値が「0」であるか否か判定する(S1008)。第2始動口開放カウンタの値が「0」でなければ(S1008でNO)、再び第2始動口21を開放させるためにS1009及びS1010の処理を行うことなく、本処理を終える。一方第2始動口開放カウンタの値が「0」であれば(S1008でYES)、補助遊技を終了させる普図当り終了処理を行う(S1009)とともに、普図当り終了フラグをセットして(S1010)、本処理を終える。なお、第2始動口開放カウンタは、時短状態中であれば第2始動口21の開放(可動部材23の開放動作)が3回なされると「0」になり、非時短状態中であれば第2始動口21の開放が1回なされると「0」になる。
これに対して、前述のS1001にて普図当り終了フラグがONであると判定した場合(S1001でYES)、S903又はS906にてセットされた回数の第2始動口21の開放動作は終了しているので、普図当り終了フラグをOFFにするとともに(S1011)、普図当りフラグをOFFにし(S1012)、普図動作ステータスを「1」にセットして(S1013)、本処理を終える。これにより、次回の割り込み処理において、普図動作処理(図13)として再び普通図柄待機処理(S402)が実行されることになる。
[特図動作処理]
図11に示すように遊技制御用マイコン81は、普図動作処理(S206)に次いで特図動作処理(S207)を行う。特図動作処理(S207)では、図21に示すように、特別図柄表示器41及び大入賞装置31に関する処理を4つの段階に分け、それらの各段階に「特図動作ステータス1、2、3、4」を割り当てている。そして、「特図動作ステータス」が「1」である場合には(S1101でYES)、特別図柄待機処理(S1102)を行い、「特図動作ステータス」が「2」である場合には(S1101でNO、S1103でYES)、特別図柄変動中処理(S1104)を行い、「特図動作ステータス」が「3」である場合には(S1101,S1103で共にNO、S1105でYES)、特別図柄確定処理(S1106)を行い、「特図動作ステータス」が「4」である場合には(S1101,S1103,S1105の全てがNO)、大当り遊技としての特別電動役物処理(S1107)を行う。なお、特図動作ステータスは、初期設定では「1」である。
[特別図柄待機処理]
図22に示すように、特別図柄待機処理(S1102)では、まず、第2始動口21の保留球数(即ち特図2保留球数)が「0」であるか否かを判定する(S1201)。特図2保留球数が「0」である場合(S1201でYES)、即ち、第2始動口21への入球に起因して取得した乱数カウンタ値の記憶がない場合には、第1始動口20の保留球数(即ち特図1保留球数)が「0」であるか否かを判定する(S1206)。そして、特図1保留球数も「0」である場合(S1206でYES)、即ち、第1始動口20への入球に起因して取得した乱数カウンタ値の記憶もない場合には、画像表示装置7の表示画面7aを待機画面とする処理中(客待ち用のデモ画面の実行中)であるか否かを判定し(S1211)、待機画面とする処理中であれば(S1211でYES)、処理を終え、待機画面とする処理中でなければ(S1211でNO)、待機画面を表示するために待機画面設定処理を実行する(S1212)。
S1201にて特図2保留球数が「0」でないと判定した場合(S1201でNO)、即ち、第2始動口21への入球に起因して取得した乱数カウンタ値の記憶が1つ以上ある場合には、後述の特図2当否判定処理(S1202)、特図2変動パターン選択処理(S1203)、特図2乱数シフト処理(S1204)、特図2変動開始処理(S1205)をこの順で行う。また、特図2保留球数が「0」であるが特図1保留球数が「0」でない場合(S1201でYES、S1206でNO)、即ち、第2始動口21に係る乱数カウンタ値の記憶はないが、第1始動口20への入球に起因して取得した乱数カウンタ値の記憶が1つ以上ある場合には、後述の特図1当否判定処理(S1207)、特図1変動パターン選択処理(S1208)、特図1乱数シフト処理(S1209)、特図1変動開始処理(S1210)をこの順で行う。このように本実施例では、第1特図保留に基づく第1特別図柄の変動表示は、第2特図保留が「0」の場合(S1201でYES)に限って行われる。すなわち第2特図保留の消化(第2特別図柄の変動表示)は、第1特図保留の消化(第1特別図柄の変動表示)に優先して実行される。そして本実施例では、第2特図保留に基づく当否判定の方が、第1特図保留に基づく当否判定よりも、遊技者にとって利益の大きい大当りになりやすくなっている(図8(B)を参照)。
[特図2当否判定処理]
図23に示すように、特図2当否判定処理(S1202)では、まず、判定値として、RAMの第2特図保留記憶部85bの最下位の領域(即ち第2特図保留の1個目に対応するRAM領域)に記憶されている(最も古い記憶の)特別図柄当否判定用乱数カウンタの値(ラベル−TRND−A)を読み出す(S1301)。次いで、確変フラグがONであるか否か、すなわち高確率状態であるか否かを判定する(S1302)。そして、高確率状態でなければ(S1302でNO)、すなわち通常状態であれば、図8(A)に示す大当り判定テーブルのうち通常状態用の大当り判定テーブル(大当り判定値が「3」及び「397」)に基づいて当否判定を行う(S1303)。一方、高確率状態であれば(S1302でYES)、大当り判定テーブルのうち高確率状態用の大当り判定テーブルに基づいて当否判定を行う(S1304)。高確率状態用の大当り判定テーブルでは、大当り判定値が「3」、「53」、「113」、「173」、「227」、「281」、「337」、「397」、「449」、「503」とされている。
大当り判定(S1303,S1304)の結果が「大当り」であると判定した場合(S1305でYES)、大当り種別決定用乱数カウンタの値(ラベル−TRND−AS)を読み出して、図8(B)に示す大当り種別判定テーブルに基づいて大当り種別を判定し(S1307)、当該大当り種別決定用乱数の値に基づいて大当り図柄を決定し(S1308)、大当りフラグをONにして(S1309)、本処理を終える。一方、大当り判定(S1303,S1304)の結果が「大当り」でない(外れである)と判定した場合(S1305でNO)、外れ図柄を決定し(S1306)、処理を終える。
第1特別図柄に係る当否判定の場合は、第1特別図柄用の大当り種別判定テーブルを用いて大当り種別を判定し、第2特別図柄に係る当否判定の場合は、第2特別図柄用の大当り種別判定テーブルを用いて大当り種別を判定する。大当り判定(特別図柄当否判定)や大当り種別決定判定を、夫々「判定」といってもよいし、大当り判定及び何れの大当り図柄となるかを含めて「判定」といってもよい。また、これらの結果を「判定結果」ということもある。
ここで、ラウンド表示器45は、6R用ランプ及び16R用ランプの2個のLEDで構成されている(図4を参照)。そして、例えば6R大当りになると、対応する大当り図柄が確定表示するタイミングで、6R用ランプが点灯表示される。具体的には、「6▲16R△」の様な表示態様となる。また、16R大当りになると、対応する大当り図柄が確定表示するタイミングで、16R用ランプが点灯表示される。具体的には、「6△16R▲」の様な表示態様となる。
[特図2変動パターン選択処理]
特別図柄待機処理(S1102)では、特図2当否判定処理(S1202)に次いで、特図2変動パターン選択処理を行う(S1203)。図24及び図25に示すように、特図2変動パターン選択処理(S1203)では、まず、遊技状態が時短状態であるか否か(時短フラグがONであるか否か)を判定する(S1401)。時短状態でないと判定した場合(S1401でNO)、すなわち非時短状態であれば、次いで、大当りフラグがONであるか否かを判定する(S1402)。大当りフラグがONであると判定した場合(S1402でYES)、非時短状態大当り用テーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち非時短状態かつ大当りに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1)に基づいて変動パターンを選択する(S1403)。本実施例では、変動パターンP1〜P3の何れかが選択される。なお、本実施例では、変動パターンが決まれば変動時間も決まるものとされている。次いで、S1404の処理に移行する。
一方、S1402にて大当りフラグがONでないと判定した場合(S1402でNO)、次いで第2特別図柄の保留数が「1」又は「2」であるか否かを判定する(S1405)。ここでいう保留数とは、本処理により変動パターンを決定している情報も含めた記憶数であるので、保留記憶の数は「1」〜「4」の何れかの値とされる。そして、S1405にて保留数が「1」又は「2」であると判定した場合(S1405でYES)、第1保留数外れ用テーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち非時短状態かつ外れかつ保留球数「1,2」に該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1)に基づいて変動パターンを選択する(S1406)。本実施例では、変動パターンP4〜P7の何れかが選択される。
一方、S1405にて保留数が「1」又は「2」でない、すなわち「3」又は「4」であると判定した場合(S1405でNO)、第2保留数外れ用テーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち非時短状態かつ外れかつ保留球数「3,4」に該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1)に基づいて変動パターンを選択する(S1407)。本実施例では、変動パターンP8〜P11の何れかが選択される。また、第1保留数外れ用テーブルは、第2保留数外れ用テーブルよりも、比較的長時間の変動時間の変動パターンを選択する可能性が高く設定されている。また、選択可能な最も短時間の変動時間(12000ms)も、第2保留数外れ用テーブルのもの(4000ms)よりも長い時間とされている。
また、S1401にて時短状態であると判定した場合(S1401でYES)、図25に示すように大当りフラグがONであるか否かを判定する(S1408)。大当りフラグがONであると判定した場合(S1408でYES)、時短状態大当り用テーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち時短状態かつ大当りに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1)に基づいて変動パターンを選択する(S1409)。本実施例では、変動パターンP12〜P14の何れかが選択される。
一方、S1408にて大当りフラグがONでないと判定した場合(S1408でNO)、次いで保留数が「1」であるか否かを判定する(S1410)。ここでいう保留数も前述と同様であり、保留数は「1」〜「4」の何れかの値とされている。S1410にて保留数が「1」であると判定した場合(S1410でYES)、第3保留数外れ用テーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち時短状態かつ外れかつ保留球数「1」に該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1)に基づいて変動パターンを選択する(S1411)。本実施例では、変動パターンP15〜P18の何れかが選択される。
一方、S1410にて保留数が「1」でない、すなわち、保留数が「2」〜「4」の何れかであると判定した場合(S1410でNO)、第4保留数外れ用テーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち時短状態かつ外れかつ保留球数「2〜4」に該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1)に基づいて変動パターンを選択する(S1412)。本実施例では、変動パターンP19〜P22の何れかが選択される。ここで、時短状態でかつ外れの場合に選択される変動パターンは、非時短状態でかつ外れの場合に選択される変動パターンと比較して、短い変動パターンが選択される可能性が高くされている。これは、時短状態において変動時間の短い変動パターンがより多く選択されようにすることで、特図保留の消化スピードを早める(時短中の遊技を迅速に進行させる)ためである。
前述のようにして変動パターンの選択を行った後は、図24に示すその他の処理を行い(S1404)、本処理を終える。その他の処理(S1404)では、選択した変動パターンに応じた変動パターン指定コマンドをRAMの出力バッファにセットする等の処理を行う。また、この処理でセットされた変動パターン指定コマンドは、後述の変動開始コマンドに含められて、出力処理(S201)によりサブ制御部90に送信される。
[特図2乱数シフト処理]
図26に示すように、特図2乱数シフト処理(S1204)では、まず、特図2保留球数を1ディクリメントする(S1501)。次いで、第2特図保留記憶部85bにおける各種カウンタ値の格納場所を、1つ下位側(例えば第2特図保留記憶部85bがアドレス「0000」〜「0003」に対応するアドレス空間からなる場合、アドレス「0000」側)にシフトする(S1502)。そして、第2特図保留記憶部85bの最上位のアドレス空間に「0」をセットして、即ち、(上限数まで記憶されていた場合)第2特図保留の4個目に対応するRAM領域を0クリアして(S1503)、本処理を終える。
特図2乱数シフト処理(S1204)を実行した後は、図22に示す特図2変動開始処理(S1205)を実行する。特図2変動開始処理(S1205)では、特図動作ステータスを「2」にセットすると共に、変動開始コマンドをRAMの出力バッファにセットして、第2特別図柄の変動表示を開始する。
図22の特別図柄待機処理(S1102)において、特図2保留球数が「0」であり、かつ、特図1保留球数が「0」でないと判定した場合(S1201でYES、S1206でNO)、特図1当否判定処理(S1207)、特図1変動パターン選択処理(S1208)、特図1乱数シフト処理(S1209)、特図1変動開始処理(S1210)をこの順で行う。
[特図1当否判定処理]
図27に示すように、特図1当否判定処理(S1207)では、図23に示した特図2当否判定処理(S1202)と同様の流れで処理(S1601〜S1609)を行う。従って、本処理の詳細な説明は省略する。但し、本処理は特図1に関する処理であるので、S1601では、RAMの第1特図保留記憶部85aの最下位の領域(即ち第1特図保留の1個目に対応するRAM領域)に記憶されている特別図柄当否判定用乱数カウンタ値(ラベル−TRND−A)を読み出して処理を行う。
[特図1変動パターン選択処理]
図28及び図29に示すように、特図1変動パターン選択処理(S1208)では、図24及び図25に示した特図2変動パターン選択処理(S1403)と同様の流れで処理(S1701〜S1712)を行う。従って本処理の詳細な説明は省略する。
[特図1乱数シフト処理]
図30に示すように、特図1乱数シフト処理(S1209)では、まず、特図1保留球数を1ディクリメントする(S1801)。次いで、第1特図保留記憶部における各種カウンタ値の格納場所を、1つ下位側にシフトする(S2002)。そして、第1特図保留記憶部の最上位のアドレス空間に「0」をセットして、即ち、(上限数まで記憶されていた場合)第1特図保留の4個目に対応するRAM領域を0クリアして(S1803)、本処理を終える。
特図1乱数シフト処理(S1209)を実行した後は、図22に示す特図1変動開始処理(S1210)を実行する。特図1変動開始処理(S1210)では、特図動作ステータスを「2」にセットすると共に、変動開始コマンドをRAMの出力バッファにセットして、第1特別図柄の変動表示を開始する。
[特別図柄変動中処理]
図31に示すように、特別図柄変動中処理(S1104)では、まず、特別図柄の変動時間、すなわち、前述のS1203又はS1208で選択された変動パターンに応じて決まる変動時間(図9を参照)が経過したか否かを判定する(S1901)。変動時間が経過していないと判定した場合(S1901でNO)、S1902〜S1912の処理を行うことなく本処理を終える。これにより特別図柄の変動表示が継続される。
一方、S1901にて変動時間が経過したと判定した場合(S1901でYES)、変動停止コマンドをセットする(S1902)。そして、確変フラグがONであるか否か判定し(S1903)、ONであれば(S1903でYES)、確変カウンタを1減算し(S1904)、確変カウンタの値が「0」であるか否かを判定する(S1905)。S1905で確変カウンタが「0」であると判定した場合(S1905でYES)、確変フラグをOFFにし(S1906)、S1907の処理に移行する。一方、確変フラグがONでないと判定した場合と(S1903でNO)、確変カウンタが「0」でないと判定した場合には(S1905でNO)、そのままS1907の処理に移行する。
S1907では、時短フラグがONであるか否かを判定し(S1907)、時短フラグがONであると判定した場合(S1907でYES)、時短状態中に実行した特別図柄の変動表示回数をカウントする時短カウンタの値を1減算し(S1908)、時短カウンタの値が「0」であるか否かを判定し(S1909)、「0」であれば(S1909でYES)、時短フラグをOFFにし(S1910)、S1911の処理に進む。また、時短フラグがONでないと判定した場合と(S1907でNO)時短カウンタの値が「0」でないと判定した場合には(S1909でNO)、そのままS1911の処理に移行する。
S1911では、特図動作ステータスを「3」にセットする(S1911)。そして、特別図柄の変動表示を、特別図柄当否判定乱数及び大当り種別決定用乱数の判定結果に応じた結果で停止させる等のその他の処理を行い(S1912)、本処理を終える。
[特別図柄確定処理]
図32に示すように、特別図柄確定処理(S1106)では、まず、大当りフラグがONであるか否かを判定する(S2001)。大当りフラグがONであれば(S2001でYES)、次いで確定した大当りの種別が16R大当りであるか否かを判定し、16R大当りであると判定した場合(S2002でYES)、大当り遊技中に実行するラウンドの回数をカウントするラウンドカウンタの値に「16」をセットし(S2003)、S2009の処理に移行する。一方、S2002で、大当りの種別が16R大当りでないと判定した場合(S2002でNO)、確定した大当りの種別は6R大当りであるため、ラウンドカウンタの値に「6」をセットし(S2004)、S2009の処理に移行する。
S2009では、確定した大当りの種別(種類)に応じた大入賞口開放パターンをセットする(S2009)。ここで、前述したように、大入賞口の開放パターンは、大当りの種別に応じて定められているので、今回確定した大当りに対応する大入賞口開放パターンをセットする(図6を参照)。そして、夫々の大当り遊技において、S2009でセットした大入賞口開放パターンに基づく大入賞口30の開放動作が実行される。
次いでS2010では、大当り遊技を開始するべく、大当りのオープニングコマンドをセットする(S2010)。本実施例では、オープニングコマンドとして、16R第1大当りに対応する第1オープニングコマンド、6R第2大当りに対応する第2オープニングコマンド、6R第3大当りに対応する第3オープニングコマンド、16R第4大当りに対応する第4オープニングコマンド及び16R第5大当りに対応する第5オープニングコマンドの計5種類が設けられている。S2010では、今回確定した大当り(開始する大当り)の種別に応じたオープニングコマンドがセットされる。メイン制御部80(遊技制御用マイコン81)は、そのセットしたオープニングコマンドを、出力処理(S201)により、所定のタイミングでサブ制御部90に対して送信する。オープニングコマンドを受信したサブ制御部90は、当該オープニングコマンドに基づいて所定の遊技演出の実行処理を行う。
オープニングコマンドをセットしたら、大当り遊技のオープニング期間を開始し(S2011)、特図動作ステータスを「4」にセットする(S2012)。オープニング期間は、大当り遊技における大入賞口の最初の開放動作を開始する前であって、特別図柄(演出図柄)の変動表示を実行不能とした後に設定される期間であり、「開始期間」ともいう。また、この「開始期間」において実行する演出を「開始演出(オープニング演出)」ともいう。本実施例では、確定した大当りの種別と、その大当りが確定したとき(つまり、大当り図柄が停止表示されたとき)の遊技状態とによって、オープニング期間(オープニング時間)が決まるものとなっており、前述のオープニングコマンドによってオープニング期間が特定可能となっている。よって、オープニングコマンドを受信したサブ制御部90は、当該オープニングコマンドにより特定される大当り種別及びオープニング期間に基づいて、オープニング演出を行うことが可能となっている。
これに対し、前述のS2001において大当りフラグがONでないと判定した場合(S2001でNO)、特図動作ステータスを「1」にセットし(S2013)、本処理を終える。
[特別電動役物処理(大当り遊技)]
図33に示すように、特別電動役物処理(S1107)ではまず、確変フラグがONであるか否かを判定する(S2101)。確変フラグがONであると判定した場合(S2101でYES)、確変フラグをOFFにし(S2102)、時短フラグがONであるか否かを判定する(S2103)。時短フラグがONであると判定した場合(S2103でYES)、時短フラグをOFFにし(S2104)、S2105の処理に移行する。一方、S2101で確変フラグがONでないと判定した場合(S2101でNO)、S2102の処理を行うことなくS2103の処理に移行し、S2103で時短フラグがONでないと判定した場合(S2103でNO)、S2104の処理を行うことなくS2105の処理に移行する。つまり、大当り遊技の実行中は、低確率状態かつ非時短状態に制御される。本実施例では、非時短状態中は常に低ベース状態であるので、大当り遊技の実行中は低ベース状態に制御されることにもなる。
次いでS2105では、大当り終了フラグがONであるか否かを判定する(S2105)。大当り終了フラグは、大当り遊技において大入賞装置31の動作処理(大入賞口30の開放処理)が全て終了(大当り遊技が終了)したことを示すフラグである。大当り終了フラグがONでなければ(S2105でNO)、次いでラウンドの開始時期であるか否かを判定する(S2106)。これは、前述した大当り種別毎に設定した大入賞口開放パターンに基づいて判定する。例えば、1ラウンド目の開始前であれば、オープニング期間が終了して1ラウンド目の最初の開放処理を実行するタイミングであるか否かによって判定する。また、既に1ラウンド目を開始した後であれば、前のラウンドが終了し、かつ、所定のインターバル期間が終了している否かによって判定する。
S2106にてラウンド開始時期であると判定した場合(S2106でYES)、対応するラウンドのラウンド開始コマンドをセットし(S2107)、大入賞口開放処理を行う(S2108)。これにより、大入賞口30が開放状態となり所定のラウンドが開始することとなる。なお、S2107では、1ラウンド目の開始であれば「1R開始コマンド」、2ラウンド目の開始であれば「2R開始コマンド」のように、開始するラウンドを特定可能なラウンド開始コマンドがセットされる。セットされたラウンド開始コマンドは、S201の出力処理により、サブ制御部90に送信される。S2108の大入賞口開放処理では、実行される大当りの種別に応じて定められた大入賞口開放パターン、すなわち、前述のS2009でセットした大入賞口開放パターンに基づいて大入賞口30を開放させるべく、開閉部材32を動作(開動作)させる。
一方、S2106にてラウンド開始時期でないと判定した場合(S2106でNO)、S2112の処理に移行する。ここで、ラウンド開始時期でないと判定する場合として、例えば、1ラウンド開始前のオープニング期間中やラウンド遊技中、ラウンド遊技終了後のインターバル期間中(大入賞口閉鎖処理中)等を挙げることができる。
S2112では、大入賞口開放動作の実行中であるか否か、すなわち、S2108の処理によって開放された大入賞口が未だ開放中(ラウンド遊技中)であるか否かを判定する(S2112)。その結果、大入賞口開放動作の実行中(ラウンド遊技中)でないと判定した場合(S2112でNO)、S2113〜S2115の処理を行うことなくS2116の処理に移行し、大入賞口開放動作の実行中(ラウンド遊技中)であると判定した場合(S2112でYES)、実行中のラウンド遊技の終了条件(ラウンド終了条件)が成立したか否かを判定する(S2113)。
ここで、本実施例のラウンド終了条件として、(1)実行中のラウンド遊技において定められた大入賞口の開放時間(例えば、25s)、つまりラウンド遊技の実行時間が経過したこと、(2)実行中のラウンド遊技において大入賞口に予め定められた規定数(例えば10個)の遊技球が入球したこと、の2つの条件が定められている。そして、何れか一方の条件が成立すると、当該先に成立した条件に基づいてラウンド終了条件が成立したこととなる。S2113で、ラウンド終了条件が成立していないと判定した場合(S2113でNO)、S2114〜S2121の処理を行うことなく本処理を終える。
一方、S2113にてラウンド終了条件が成立したと判定した場合(S2113でYES)、対応するラウンドのラウンド終了コマンドをセットする(S2114)。S2114では、1ラウンド目の終了であれば「1R終了コマンド」、2ラウンド目の終了であれば「2R終了コマンド」のように、終了するラウンドを特定可能なラウンド終了コマンドがセットされる。セットされたラウンド終了コマンドは、S201の出力処理により、サブ制御部90に送信される。
次いでS2115では、大入賞口閉鎖処理を行う(S2115)。大入賞口閉鎖処理(S2115)では、大入賞口30の開閉部材32を動作(閉動作)させて、大入賞口30を閉鎖状態とする。また、大入賞口閉鎖処理(S2115)では、大入賞口30を閉鎖状態に保つ閉鎖時間、すなわちインターバル時間をセットする。
次いでS2116では、インターバル時間が経過したか否かを判定し(S2116)、経過していない(インターバル期間中である)と判定した場合(S2116でNO)、S2117〜S2121の処理を行うことなく本処理を終える。一方、S2116でインターバル時間が経過したと判定した場合(S2116でYES)、ラウンドカウンタの値を1ディクリメントし(S2117)、ラウンドカウンタの値が「0」であるか否かを判定する(S2118)。ラウンドカウンタの値が「0」でないと判定した場合(S2118でNO)、S2119〜S2121の処理を行うことなく本処理を終える。一方、ラウンドカウンタの値が「0」であると判定した場合(S2118でYES)、大当り遊技を終了させる大当り終了処理として、大当りのエンディングコマンドをセットすると共に(S2119)、大当りのエンディング期間を開始し(S2120)、大当り終了フラグをONにして(S2121)、本処理を終える。なお、ラウンドカウンタの値は、実行する大当り遊技における全てのラウンド遊技を終了すると「0」になる。
S2119では、予め定められた複数のエンディングコマンドの中から、今回の大当り発生時の遊技状態や今回の大当りの種別、大当り遊技後の遊技状態等に応じたエンディングコマンドが選択され、当該選択されたコマンドがセットされる。こうしてセットされるエンディングコマンドの種類によって、実行される(設定される)エンディング期間(エンディング時間)が決まるものとなっている。エンディング期間は、大当り遊技における大入賞口30の全ての開放動作を終了した後であって、特別図柄(演出図柄)の変動表示を実行可能とする前に設定される期間であり、「終了期間」ともいう。エンディング期間(終了期間)では、大入賞口30は閉鎖状態とされている。この「終了期間」に実行する演出を「終了演出(エンディング演出)」ともいう。
メイン制御部80(遊技制御用マイコン81)は、S2119でセットしたエンディングコマンドを、出力処理(S201)により、所定のタイミングでサブ制御部90に対して送信する。エンディングコマンドを受信したサブ制御部90は、当該エンディングコマンドに基づいて所定のエンディング演出の実行処理を行う。
前述のS2105において、大当り終了フラグがONであると判定した場合(S2105でYES)、大当り遊技における最終ラウンドが終了しているので、大当りのエンディング時間が経過したか否か、すなわち、前述のS2120の処理で開始したエンディング期間の終了タイミングか否かを判定する(S2122)。そして、エンディング時間が経過していないと判定した場合(S2122でNO)、S2123〜S2126の処理を行うことなく本処理を終える。一方、エンディング時間が経過したと判定した場合(S2122でYES)、大当り終了フラグをOFFにし(S2123)、後述する遊技状態設定処理(S2124)を行う。次いで、大当りフラグをOFFにし(S2125)、特図動作ステータスを「1」にセットして(S2126)、本処理を終える。これにより、次回の割り込み処理において、特図動作処理(S207)として再び特別図柄待機処理(S1102)が実行されることになる。なお、以上の特別電動役物処理(S1107)を実行する遊技制御用マイコン81は「特別遊技実行手段」として機能するものである。
[遊技状態設定処理]
図34に示すように、遊技状態設定処理(S2124)では、まず、今回終了した大当り遊技が確変大当りに係るものであるか否かを判定する(S2201)。本実施例では、前述したように、16R第1大当り、6R第2大当り及び16第4大当りの3種類を確変大当りとしていることから、S2201では、それら3種類のうちの何れかに該当するか否かを判定する。その結果、確変大当りであると判定した場合(S2201でYES)、確変フラグをONにするとともに(S2202)、確変カウンタに「10,000」をセットし(S2203)、さらに時短フラグをONにするとともに(S2204)、時短カウンタに「10,000」をセットして(S2205)、本処理を終える。
ここで、確変カウンタにセットする値は、高確率における特別図柄当否判定を実行可能な回数である。本実施例においてセットする「10,000」という値(10,000回)は、高確率状態における大当り確率や遊技店の1日の営業時間、当該営業時間内に実行可能な特図当否判定の回数等を考慮すると、実質的には次回の大当りが発生するまで又は遊技ホールの営業時間が終了するまで、高確率状態を保証しているのと同じことである。従って、遊技状態が高確率状態に設定された場合には、次回の大当りが発生するまで高確率状態が保証される(実質的に同義である)といってもよい。また、確変フラグがONの場合には、時短カウンタにも同様に「10,000」がセットされるため、高確率状態が設定されている間、時短状態(開放延長状態)も共に設定される。つまり、確変大当りに係る大当り遊技が終了すると、遊技状態が「高確高ベース状態」(第2遊技状態)となる。なお、本実施例の様に、確変カウンタ及び時短カウンタに「10,000」の値を設定して、実質的に次回大当りまで高確高ベース状態を設定するようにしてもよいし、確変フラグ及び時短フラグがONの場合には、カウンタに値をセットすることなく、次回大当りが発生するまで高確高ベース状態を設定する様な制御を採用してもよい。
一方、S2201にて確変大当りでないと判定した場合(S2201でNO)、すなわち、今回終了した大当り遊技が非確変大当り(通常大当り)に係る大当り遊技である場合、確変フラグをONにすることなく、時短フラグをONにするとともに(S2206)、時短カウンタに「100」をセットして(S2207)、本処理を終える。本実施例では、前述したように、6R第3大当り及び16R第5大当りの2種類を非確変大当り(通常大当り)としているので、これら2種類のうちの何れかに係る大当り遊技が終了すると、遊技状態が「低確高ベース状態」(第1遊技状態)となる。この低確高ベース状態は、特別図柄の変動表示が100回行われること(特別図柄当否判定が100回行われること)、及び次の大当りが発生すること、の何れかの条件の成立により終了する。なお、時短カウンタ及び確変カウンタは、第1特別図柄の変動表示回数と第2特別図柄の変動表示回数とを合算した回数を計数するものである。以上の遊技状態設定処理(S2124)を実行する遊技制御用マイコン81は「遊技状態設定手段」として機能するものである。
[保留球数処理]
図11に示すように遊技制御用マイコン81は、特図動作処理(S207)に次いで、保留球数処理(S208)を行う。図35に示すように、保留球数処理(S208)では、まず、主制御基板80のRAMに記憶されている特図1保留球数、特図2保留球数及び普通図柄保留球数を読み出す(S2501)。次いで、その保留球数のデータ(その保留球数情報を副制御基板90等に送信するための保留球数コマンド)を、RAMの出力バッファにセットする(S2502)。この保留球数に係るデータ(保留球数コマンド)は、次回の割り込み処理(S105)での出力処理(S201)によって出力され、割り込み処理毎に、保留球数に係るデータ(保留球数コマンド)の出力バッファへのセット(S2502)と、出力処理(S201)とが順次行われる。当該保留球数コマンドを受信したサブ制御部90は、受信した保留球数コマンドに基づいて特図保留球数に増減が生じたと判断した場合、これに応じて、画像表示装置7の表示画面7aにおける演出保留表示領域(第1演出保留表示領域9c、第2演出保留表示領域9d)の表示内容を更新する。例えば、特図1保留球数が「3」から「4」に1増加した場合、その増加した分の特図1保留球数「4」に対応する第1演出保留9aを第1演出保留表示領域9cに追加表示する。また、特図1保留球数が「2」から「1」に1減少した場合(つまり、第1特図保留が消化された場合)、第1演出保留表示領域9cの左端(特図1保留球数「1」に対応する箇所、図3を参照)に表示されている第1演出保留9aを変動保留表示領域9e(図3を参照)に移動するとともに、これに伴って第1演出保留表示領域9cに表示されている第1演出保留9aを左側に1つ移動(シフト)する。
なお、特図保留球数が加算された際の特図保留球数のデータ、すなわち始動入球(始動入賞)の発生に伴う特図保留球数のデータについては、前述の始動入球コマンドに含めるか、加算後(始動入球後)の特図保留球数を示す保留球数コマンドを始動入球コマンドとともに出力バッファにセットするものとしてもよい。また、特図保留球数が減算された際の保留球数のデータ、すなわち特別図柄の変動開始(特図保留の消化)に伴う特図保留球数のデータについては、前述の変動開始コマンドに含めるか、減算後(特図保留消化後)の特図保留球数を示す保留球数コマンドを変動開始コマンドとともに出力バッファにセットするものとしてもよい。
[電源断監視処理]
図11に示すように遊技制御用マイコン81は、保留球数処理(S208)に次いで電源断監視処理(S209)を行う。図36に示すように、電源断監視処理(S209)では、まず、電源断信号の入力の有無を判定し(S2601)、入力がなければ(S2601でNO)、本処理を終了する。一方、電源断信号の入力があれば(S2601でYES)、現在の遊技機の状態(確変か否か、当り遊技中か否か、保留球数はいくつか、確変・時短の残り変動回数はいくつか等)に関するデータをRAMに記憶するとともに(S2602)、電源断フラグをONにし(S2603)、その後は割り込み処理(S105)に戻ることなくループ処理を実行する。
[サブ制御メイン処理]
次に、図37〜図42に基づいて、演出制御用マイコン91の動作(サブ制御部90による制御処理)について説明する。なお、演出制御用マイコン91の動作説明にて登場するカウンタ、フラグ、ステータス、バッファ、タイマ等は、副制御基板90(サブ制御部)のRAMに設けられている。
副制御基板90に備えられた演出制御用マイコン91は、パチンコ遊技機1の電源がオンされると、副制御基板90のROMから図37に示すサブ制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。同図に示すように、サブ制御メイン処理では、まず、CPU初期化処理を行う(S4001)。CPU初期化処理(S4001)では、スタックの設定、定数設定、CPU92の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間用コントローラ)等の設定や各種のフラグ、ステータス及びカウンタのリセット等を行う。
次いでS4002では、電源断信号がONでかつ副制御基板90のRAMの内容が正常であるか否かを判定する(S4002)。この判定結果がNOであれば(S4002でNO)、副制御基板90のRAMの初期化をし(S4003)、S4004に進む。一方、この判定結果がYESであれば(S4002でYES)、副制御基板90のRAMを初期化することなくS4004に進む。すなわち、電源断信号がONでない場合、又は電源断信号がONであってもRAMの内容が正常でない場合には(S4002でNO)、副制御基板90のRAMを初期化するが、停電などで電源断信号がONとなったがRAMの内容が正常に保たれている場合には(S4002でYES)、RAMを初期化しない。RAMを初期化すれば、各種のフラグ、ステータス及びカウンタの値はリセットされる。
なお、S4001〜S4003は、電源投入後に(電源投入に際して)一度だけ実行され、それ以降は実行されない。また、本実施例では、演出制御用マイコン91においても、図11に示す遊技制御用マイコン81による電源断監視処理(S209)と同様の処理を行うこととしており、停電などで電源断信号がONになると、そのときの演出制御に係るデータが副制御基板90のRAMに記憶されるものとなっている。つまり、停電などの電源断発生時における演出制御に係るデータがバックアップされるものとなっている。このため、停電等の電源断から復帰した後の電源投入時(電断復帰時)に、副制御基板90のRAMの初期化(S4003)が行われない限り、演出制御用マイコン91による演出制御の状態は電源断発生前の状態に復帰する。
次いでS4004にて割り込みを禁止し(S4004)、乱数シード更新処理を実行する(S4005)。乱数シード更新処理(S4005)では、種々の演出決定用乱数カウンタの値を更新する。更新された乱数カウンタ値は、副制御基板90のRAMの所定の更新値記憶領域(図示せず)に逐次記憶される。演出決定用乱数には、実行する演出図柄遊技演出の態様(変動演出パターン)を決定する変動演出決定用乱数や、予告演出を決定する予告演出決定用乱数、演出図柄を決定する演出図柄決定用乱数等がある。乱数の更新方法は、前述の主制御基板80が行う乱数更新処理と同様の方法をとることができる。なお、乱数の更新に際して、乱数値を1ずつ加算するのではなく、2ずつ加算するなどしてもよい。演出決定用乱数は、予め定められたタイミングで取得される。このタイミングとしては、例えば主制御基板80から始動入球があった旨を通知する制御信号(始動入球コマンド)が送信されてきたときや、主制御基板80から変動開始を通知する制御信号(変動開始コマンド)が送信されてきたときや、後述の変動演出パターンを決定するときなどとすることができる。取得した演出決定用乱数の格納場所は、副制御基板90のRAMの所定の乱数カウンタ値記憶領域(図示せず)である。
乱数シード更新処理(S4005)が終了すると、コマンド送信処理を実行する(S4006)。コマンド送信処理では、副制御基板90のRAM内の出力バッファ(「サブ出力バッファ」ともいう)に格納されている各種のコマンド(制御信号)を、画像制御基板100、音声制御基板106及びランプ制御基板107のうち、対応するコマンド送信先となる制御基板に送信する。コマンドを受信した各制御基板(各制御部)は、受信したコマンドに従い各種の演出装置(画像表示装置7、スピーカ67、盤面ランプ5、枠ランプ66及び可動装飾部材14等)を用いて各種の演出(演出図柄遊技演出や大当り遊技に係る特別遊技演出等)を実行する。
次いでS4007では、割り込みを許可する(S4007)。以降、S4004〜S4007をループさせる。割り込み許可中においては、受信割り込み処理(S4008)、2msタイマ割り込み処理(S4009)、及び10msタイマ割り込み処理(S4010)の実行が可能となる。これらの制御処理を実行することで、画像表示装置7の表示画面7a(演出図柄表示領域7b)上で実行される演出図柄等の表示制御や、各種ランプの点灯制御や、可動装飾部材の動作制御や、スピーカからの音声出力制御等を行うことが可能となる。
[受信割り込み処理]
受信割り込み処理(S4008)では、図38に示すように、ストローブ信号(STB信号)がONか否か、すなわち主制御基板80から送られたストローブ信号が演出制御用マイコン91の外部INT入力部に入力されたか否かを判定する(S4101)。そして、S4101で、ストローブ信号がONでないと判定した場合(S4101でNO)、処理を終える。一方、S4101で、ストローブ信号がONであると判定した場合(S4101でYES)、主制御基板80から送信されてきた各種のコマンドを副制御基板90のRAMに格納し(S4102)、処理を終える。この受信割り込み処理(S4008)は、他の割り込み処理(S4009、S4010)に優先して実行される処理である。
[2msタイマ割り込み処理]
2msタイマ割り込み処理(S4009)は、副制御基板90に2msec周期の割り込みパルスが入力する度に実行する処理である。図39に示すように、2msタイマ割り込み処理(S4009)では、まず、演出ボタン検知スイッチ63c、63dからの検知信号に基づいてスイッチデータ(エッジデータ及びレベルデータ)を作成する入力処理を行う(S4201)。このスイッチデータは、第1演出ボタン63a及び第2演出ボタン63bの夫々についての操作有無(ON、OFF)を示すもので、演出ボタン63の操作に基づく操作対応演出の実行や演出ボタン63を振動させる操作演出の実行等に供されるものである。次いで、枠ランプ66や盤面ランプ5等のランプを発光させるためのランプデータを出力するランプデータ出力処理(S4202)と、可動装飾部材14(電気的駆動源)を駆動するための駆動データや振動モータを駆動する(演出ボタン63を振動させる)ための駆動データを出力する駆動データ出力処理(S4203)とを行う。なお、ランプデータ及び駆動データは、後述の10msタイマ割り込み処理で作成される。そして、ウォッチドッグタイマのリセット処理を行うウォッチドッグタイマ処理を行う(S4204)。
[10msタイマ割り込み処理]
10msタイマ割り込み処理(S4010)は、副制御基板90に10msec周期の割り込みパルスが入力する度に実行する処理である。図40に示すように、10msタイマ割り込み処理(S4010)では、まず、後述する受信コマンド解析処理(S4302)を行う。次いで、2msタイマ割り込み処理で作成したスイッチデータを10msタイマ割り込み処理用のスイッチデータとして副制御基板90のRAMに格納するスイッチ状態取得処理を行い(S4303)、スイッチ処理を行う(S4304)。スイッチ処理(S4304)では、先のスイッチ状態取得処理(S4303)にて格納したスイッチデータに基づいて、表示画面7aの表示や可動装飾部材14の作動、装飾用ランプ類(盤面ランプ5、枠ランプ66等)の発光等(つまり、操作対応演出の実行)を設定したり、第1演出ボタン63aや第2演出ボタン63bの振動(つまり、操作演出の実行)を設定したりする。その後、演出決定用乱数を更新するなどのその他の処理を実行する(S4305)。
[受信コマンド解析処理]
図41に示すように、受信コマンド解析処理(S4302)では、まず、主制御基板80から始動入球コマンドを受信したか否かを判定し(S4395)、始動入球コマンドを受信していないと判定した場合(S4395でNO)、S4401の処理に移行し、始動入球コマンドを受信したと判定した場合(S4395でYES)、演出保留情報記憶処理(S4400)を行って、S4401の処理に移行する。
演出保留情報記憶処理(S4400)では、S4395で受信した始動入球コマンド(特図1始動入球コマンド又は特図2始動入球コマンド)に含まれる各種情報(事前判定結果、大当り種別決定用乱数値、変動パターン乱数値等の遊技情報)を、特別図柄の種類(第1特別図柄、第2特別図柄)及び始動入球コマンドの送受信時(コマンド生成時)の特図保留球数に応じて、シフトメモリ形式で副制御基板90のRAMの所定の演出保留情報記憶領域に記憶する。例えば、受信した始動入球コマンドが特図1の保留球数「4」に対応する特図1始動入球コマンドである場合、その特図1始動入球コマンドに含まれる事前判定結果や当り種別等の情報を、特図1演出保留情報記憶領域のうち保留数4に対応する領域に、特図1演出保留情報として記憶する。こうして記憶される演出保留情報は、後述する変動演出や予告演出、演出モード等の各種演出の実行に用いられる。副制御基板90における演出保留情報記憶領域の記憶内容(演出保留情報)は、前述の主制御基板(メイン制御部)80における特図保留記憶部(第1特図保留記憶部、第2特図保留記憶部)の記憶内容(取得情報)と一致するものである。このことから、副制御基板90の演出保留情報記憶領域も「取得情報記憶手段」といえる。
次いでS4401では、主制御基板80から変動開始コマンドを受信したか否かを判定し(S4401)、変動開始コマンドを受信したと判定した場合(S4401でYES)、後述する変動演出開始処理(S4402)を行って、S4403の処理に移行し、変動開始コマンドを受信していないと判定した場合(S4401でNO)、変動演出開始処理(S4402)を行うことなく、S4403の処理に移行する。
S4403では、主制御基板80から変動停止コマンドを受信したか否かを判定し(S4403)、変動停止コマンドを受信したと判定した場合(S4403でYES)、演出図柄を停止表示して変動演出を終了させる変動演出終了処理を行う(S4404)。変動演出終了処理(S4404)では、演出図柄8を停止表示して変動演出を終了させるための変動演出終了コマンドをサブ出力バッファにセットする。セットした変動演出終了コマンドがコマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御用マイコン101は、画像表示装置7の表示画面7a上で変動表示していた演出図柄8を停止表示して、変動演出(演出図柄遊技演出)を終了させる。一方、S4403で、変動停止コマンドを受信していないと判定した場合(S4403でNO)、変動演出終了処理(S4404)を行うことなく、S4405の処理に移行する。なお、変動演出とは、演出図柄8の変動表示やリーチ演出など、特別図柄の変動表示に合わせて行われる種々の演出を指す。
S4405では、主制御基板80から大当り遊技関連コマンドを受信したか否かを判定する(S4405)。ここで、大当り遊技関連コマンドとは、大当り遊技の実行にあたり主制御基板80から送信されるコマンドのことであり、具体的には、大当り遊技の開始(大当りの発生)に際して送信されるオープニングコマンド(S2010を参照)、ラウンドの開始に際して送信されるラウンド開始コマンド(S2107を参照)、ラウンドの終了に際して送信されるラウンド終了コマンド(S2114を参照)、大当り遊技の終了に際して送信されるエンディングコマンド(S2119を参照)等が該当する。S4405では、これらの大当り遊技関連コマンドの何れかを受信したか否かを判定し、受信していなければ(S4405でNO)、S4407の処理に移行し、受信していれば(S4405でYES)、当該受信したコマンドの種類に応じた演出(大当り遊技関連演出)の実行に係る処理を行う(S4406)。
例えば、受信した大当り遊技関連コマンドがオープニングコマンドであれば、当該コマンドに基づき特定される大当りの種別に応じたオープニング演出を指定するオープニング演出コマンドをサブ出力バッファにセットし、ラウンド開始コマンドであれば、当該コマンドに基づき特定されるラウンドに応じたラウンド演出を指定するラウンド演出コマンドをサブ出力バッファにセットし、エンディングコマンドであれば、当該コマンドに基づき特定される大当りの種別に応じたエンディング演出を指定するエンディング演出コマンドをサブ出力バッファにセットする。これらのセットした大当りに係る各種の演出コマンドがコマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御用マイコン101は、大当り遊技の進行状況に合わせて、オープニング演出やラウンド演出等の大当り遊技に関連する演出を画像表示装置7の表示画面7a上で実行する。
最後にS4407の処理を行い、本処理を終える。S4407では、その他の処理として、前述した各種コマンドを除いた他の受信コマンド(例えば、普通図柄変動開始コマンドや普通図柄変動停止コマンド)に基づく処理を行う(S4407)。
[変動演出開始処理]
次に、受信コマンド解析処理(S4302)にて実行される変動演出開始処理(S4402)について説明する。図42に示すように、変動演出開始処理(S4402)では、まず、変動演出決定用乱数や予告演出決定用乱数、演出図柄決定用乱数等の各種演出決定用乱数を取得する演出決定用乱数取得処理(S4501)を行う。本実施例では、メイン制御部80から変動開始コマンドを受信したタイミングでS4501の処理を行い、夫々の乱数から所定の値(取得情報)を取得する。この取得した値(取得情報)に基づいて、実行する演出図柄遊技演出(変動演出)の態様や予告演出の態様、停止表示する演出図柄等を決定する。
次いでS4502では、受信した変動開始コマンドを解析する(S4502)。変動開始コマンドには、第1特別図柄または第2特別図柄の変動パターン選択処理で選択された変動パターンを指定する変動パターン指定コマンド(変動パターンを指定する情報)が含まれている。変動パターン指定コマンドには、図9に示す変動パターン情報(P1〜P22)や現在の遊技状態を指定する遊技状態情報、第1特別図柄当否判定または第2特別図柄当否判定の結果、大当り種別を指定する図柄情報等が含まれている(図8を参照)。また、変動パターン指定コマンドには、第1特別図柄に対応するものと第2特別図柄に対応するものとが存在することから、変動パターン指定コマンドを解析することで、今回開始する演出図柄遊技演出(演出図柄の変動表示)が特図1に係るものなのか特図2に係るものなのかを判別することが可能となる。なお、変動パターン情報や遊技状態情報、図柄情報等は、これ以降に実行する変動演出開始処理以外の他の処理においても利用可能である。
次いでS4503では、演出制御用マイコン91が現在のモードステータスを参照する(S4503)。モードステータスは、実行する演出モードを決めるためのものである。モードステータスは「1」〜「5」までの何れかの値とされ、各値は演出モードA〜Eに対して割り当てられている。具体的には、モードステータス「1」が演出モードAに対応し、モードステータス「2」が演出モードBに対応し、モードステータス「3」が演出モードCに対応し、モードステータス「4」が演出モードDに対応し、モードステータス「5」が演出モードEに対応する。現在のモードステータスを参照することで、現在の演出モードを特定することが可能である。
ここで、演出モードとは、画像表示装置7における演出の態様であり、演出モードが異なると、予告演出やリーチ演出等の遊技演出の演出態様の一部又は全部が異なるものとされる。具体的に、演出図柄8の表示態様(例えば、図柄デザイン、数字デザインなど)が異なったり、登場するキャラクタ、アイテム、背景画像が異なったりする等、画像表示装置7に表示される演出画像が演出モードによって異なるものとされる。また、演出図柄遊技演出や大当り遊技演出も演出モードに応じた態様で実行されるものとすることができ、複数の遊技演出(予告演出やリーチ演出、ラウンド演出等)を設ける場合に、演出モードによって異なる遊技演出を実行可能とすることができる。
本実施例では、演出モードA及び演出モードBを遊技状態が低確低ベース状態である場合に実行可能な演出モードとし、演出モードCを遊技状態が低確高ベース状態である場合に実行可能な演出モードとし、演出モードDを遊技状態が高確高ベース状態である場合に実行可能な演出モードとし、演出モードEを遊技状態が低確高ベース状態と高確高ベース状態の何れの場合においても実行可能な演出モードとしている。従って、演出モードが「A〜D」の何れかである場合、遊技者は演出モードを確認することで、現在の遊技状態が低確低ベース状態であるのか高確高ベース状態(確変遊技状態)であるのかを把握することができる。一方、演出モードが「E」である場合、遊技者は演出モードを確認しても、現在の遊技状態が低確高ベース状態(時短状態)であるのか高確高ベース状態(確変遊技状態)であるのかを把握(判別)することは困難(不可能)である。その意味において演出モードEは「確率非報知モード」といえる。
次いでS4504では、画像表示装置7、盤面ランプ5、可動装飾部材14等を用いて行う変動演出のパターン(変動演出パターン)を決めるための図示しない変動演出パターン決定テーブルをセットする(S4504)。具体的には、S4503で参照したモードステータス(現在の演出モード)とメイン制御部80から受信した変動パターン指定コマンドに基づいて、使用する変動演出パターン決定テーブルをセットする。例えば、受信した変動パターン指定コマンドが指定する変動パターン情報が「P1(変動パターンP1)」(図9を参照)であった場合、変動演出パターン決定テーブルとして、現在の演出モードに対応した大当り時変動演出パターン決定テーブルがセットされる。変動演出パターン決定テーブルは、主に、演出図柄遊技演出の実行態様(演出図柄の変動態様等)を決定するためのもので、演出モード(モードステータス)に対応する複数の変動演出パターン決定テーブル(図示せず)が副制御基板90のROMに予め格納されている。S4504では、それらの変動演出パターン決定テーブルの中から、S4503で参照したモードステータス(現在の演出モード)に対応するテーブルが選択されてセットされる。
次いでS4505では、S4501において取得した変動演出決定用乱数及びS4504においてセットした変動演出パターン決定テーブルに基づいて、指定された変動パターンに適合した変動演出パターン(報知演出パターン)を選択し、これを設定する(S4505)。変動演出パターンとしては、主に、演出図柄表示領域7bで表示される演出図柄8の変動態様(演出図柄遊技演出の実行態様)が設定される。これにより、演出図柄遊技演出(変動演出)において、リーチ演出を実行する場合(リーチあり変動演出)や、特定のキャラクタを用いて行うキャラクタ演出を実行する場合(キャラクタ変動演出)、リーチ演出やキャラクタ演出を実行しない場合(リーチなし変動演出)等が決定される。また、変動演出パターンには、演出図柄8の変動態様の他、演出図柄8の変動表示に付随して実行される音演出や光演出、可動演出等の実行態様も含まれる。
なお、リーチ演出とは、例えば、特別図柄当否判定の結果が大当りであることを示す場合の演出図柄8の表示態様として、3個の演出図柄8L、8C、8Rがすべて同一(ゾロ目)となる態様(大当り態様、特定態様)を設けている場合において、3個の演出図柄8L、8C、8Rのうちの2個が大当り態様を構成する図柄で停止表示(仮停止)され、残り1個が変動表示を続けている状態で、残り1個の演出図柄が大当り態様を完成させる図柄で停止表示されるか否かを示す演出のことをいう。リーチ演出のことを「特定演出」ともいう。
またS4505では、S4501において取得した演出図柄決定用乱数及び図示しない停止図柄決定テーブルに基づいて、停止表示する演出図柄8(「停止演出図柄」ともいう)を決定し、これを設定する。ここで、停止表示の種類には、仮停止表示(仮停止)と確定停止表示(確定停止)とがある。仮停止とは、演出図柄のスクロール表示(変動表示)が一旦停止(一時停止)され、演出図柄が表示画面上の所定の停止位置(例えば演出図柄表示領域7b)にて、その数字やキャラクタ等を認識できる程度に僅かに動いた状態で表示されることを意味する。僅かに動いた状態のことを「揺れ変動」ともいう。一方、確定停止とは、演出図柄のスクロール表示(変動表示)が終了して、演出図柄が表示画面上の所定の停止位置(例えば演出図柄表示領域7b)にて、その数字やキャラクタ等を認識できる状態で完全に停止して表示されることを意味する。演出図柄が変動表示を経て確定停止されると、その変動表示の表示結果(変動演出の結果)が確定的に表示(確定表示)されること(導出表示されること)となる。したがって、演出図柄の仮停止は、確定停止に至るまで1回または複数回行うことが可能である。
S4505において決定(選択)する停止演出図柄は、仮停止する図柄(以下「仮停止図柄」ともいう。)と、確定停止する図柄(以下「確定停止図柄」ともいう。)である。具体的に、演出図柄遊技演出(変動演出)の結果として停止表示(確定停止)される演出図柄8、すなわち確定停止図柄は、特別図柄当否判定の結果が外れであってリーチ有り外れの場合は、「787」等の3つの演出図柄8L,8C,8Rのうち1つの演出図柄が他の演出図柄と異なるバラケ目(リーチ外れ目、外れ態様)とされ、リーチ無し外れの場合は、「635」等の3つの演出図柄8L,8C,8Rのうち少なくとも1つの演出図柄が他の演出図柄が異なるバラケ目(完全外れ目、外れ態様)とされる。一方、特別図柄当否判定の結果が大当りであって16R第1大当り又は16R第4大当りの場合は、「777」のゾロ目(大当り態様)とされ、それ以外の大当りの場合は「777」以外のゾロ目(大当り態様)とされる。
また、確定停止に至る前の変動表示の途中で一旦仮停止される演出図柄8、すなわち仮停止図柄は、基本的には、前述のゾロ目(大当り態様)以外の出目(リーチ外れ目、完全外れ目等)とされる。但し、例えば、演出図柄8をゾロ目で停止した後に再度変動表示させる所謂「再抽選」を実行する変動演出パターンの場合には、仮停止図柄がゾロ目(大当り態様)とされる。この場合、仮停止図柄は、相対的に有利度合の低い大当り(例えば確変大当りよりも有利度合の低い通常大当り)に対応する出目とされる。また、再抽選後の確定停止図柄は、再度、相対的に有利度合の低い大当りに対応する出目としたり、相対的に有利度合の高い大当り(例えば通常大当りよりも有利度合の高い確変大当り)に対応する出目としたりすることができる。さらに、演出図柄8は、変動表示が終了して確定停止する直前(間際)にも仮停止されることから、確定停止直前に仮停止する演出図柄8も仮停止図柄であるが、この場合の仮停止図柄は確定停止図柄と同じとなる。なお、前述した演出図柄8の停止表示態様はあくまでも一例であり、停止演出図柄として何を停止表示するかは適宜設定可能である。
本実施例のパチンコ遊技機1には、演出図柄8の変動態様(変動演出パターン)として、リーチA、リーチB、リーチC、スーパーリーチ(「SPリーチ」ともいう)A、スーパーリーチB、スーパーリーチC等が設定されている。S4505では、変動演出パターン決定テーブルに基づいて、それらリーチ演出のうち何れのリーチ演出を行うか、又はリーチ演出を行わない(これを「ノーマル変動」ともいう)かが決定される。そして、リーチあり変動演出が実行される場合には、変動パターン指定コマンド及び変動演出パターン決定テーブルに基づいて、何れかのリーチ演出が設定される。ここで、スーパーリーチ演出(SPリーチA〜Cの何れか)が実行される場合には、ノーマルリーチ演出(リーチA〜Cの何れか)が実行される場合と比較して、大当りとなる可能性が高くなるように設定されている。すなわち、スーパーリーチ演出はノーマルリーチ演出と比較して大当り信頼度(大当りとなる可能性)の高い遊技演出であるといえる。スーパーリーチ演出(SPリーチ演出)のことを「特別特定演出」ともいう。
本実施例では、主制御基板80からの変動パターン指定コマンドとして、変動時間が30000ms以上の変動パターン(図9を参照)を指定する変動パターン指定コマンドを副制御基板90が受信した場合に、当該コマンドに基づいてリーチ演出(リーチあり変動演出)が設定(実行)され得る。そのうち、変動時間が30000msの場合には、リーチ演出としてノーマルリーチ演出が設定(実行)され(ノーマルリーチ変動演出)、変動時間が45000ms以上の場合には、リーチ演出としてSPリーチ演出が設定(実行)される(SPリーチ変動演出)。なお、本実施例では、リーチ演出の種類としてリーチA〜Cの3種類のノーマルリーチと、SPリーチA〜Cの3種類のスーパーリーチを備えるものとしているが、リーチ演出の種類(数)はこれに限定されるものではなく、さらに多くのリーチ演出を備えることとしてもよい。
ここで、演出図柄8の変動表示は、基本的に次のようにして行われる。すなわち、3つの演出図柄8L,8C,8Rが変動表示を開始した後、全図柄の変動速度が高速で略一定となり、その後、所定時間(例えば9秒)が経過したタイミングで、第1停止図柄(本例では左演出図柄8L)の変動速度が低下して第1停止図柄が停止(仮停止)する。これに次いで第2停止図柄(本例では右演出図柄8R)の変動速度が低下して第2停止図柄が停止(仮停止)し、最後に第3停止図柄(本例では中演出図柄8C)の変動速度が低下して第3停止図柄が停止(仮停止)する。この後、3つの演出図柄8L,8C,8Rが確定停止することで、変動表示の表示結果が導出表示され、これをもって1回の変動表示が終了する。このような変動表示の開始から終了までの流れをベースとして、ノーマル変動やリーチ演出等が行われる。
例えば、特図保留球数や遊技状態に応じた特別図柄の変動時間短縮機能が作動していない場合(変動時間短縮機能非作動時)において、3つの演出図柄8L,8C,8Rが変動表示を開始した場合、当該変動開始から所定時間(例えば9秒)が経過したタイミングで左演出図柄8L(第1停止図柄)が停止(仮停止)し、これに続いて右演出図柄8R(第2停止図柄)が停止(仮停止)する。このとき、左右の演出図柄8L,8Rが同じ数字の図柄で停止(仮停止)すればリーチ成立となり、その後、リーチ演出に発展する。一方、リーチ成立とならなければ(つまり、ノーマル変動であれば)、右演出図柄8R(第2停止図柄)の停止(仮停止)に続いて中演出図柄8C(第3停止図柄)が停止(仮停止)する。本実施例では、ノーマル変動にて、演出図柄8の変動開始から第3停止図柄(本例では中演出図柄8C)が停止(仮停止)するまでにかかる時間は約11秒となっている。但し、特別図柄の変動時間短縮機能が作動している場合のノーマル変動では、変動表示の開始から左演出図柄8L(第1停止図柄)が停止(仮停止)するまでにかかる時間が通常(変動時間短縮機能非作動時)よりも短くなり、これに伴って、右演出図柄8R(第2停止図柄)および中演出図柄8C(第3停止図柄)が停止(仮停止)するまでにかかる時間も短くなる。
なお、S4505にて設定される変動演出パターンや、後述のS4506で設定される予告演出パターンによっては、例えば、演出図柄8の変動表示の開始後、3つの演出図柄8L,8C,8Rが同時期に一斉に停止(仮停止)したり、第1停止図柄が停止するまでの所定時間(例えば9秒)を越えても全図柄が変動し続けたりする等、演出図柄の停止表示の順序やタイミング等が前述した態様と異なる場合がある。
次いでS4506では、予告演出の設定に係る処理(予告演出設定処理)を行う(S4506)。予告演出とは、現在実行中の変動表示の結果又は後に実行される変動表示の結果が大当りとなる可能性(大当り信頼度)を示唆する演出のことである。本実施例では、S4400で記憶した演出保留情報(事前判定結果)に基づく予告演出(保留先読み予告)や、現在の特図変動表示(変動演出)に係る予告演出(当該変動予告)など、種々の予告演出が実行可能となっていることから、S4506では、各予告演出について、実行するか否か(実行有無)を判定したり、実行する予告演出の実行パターン(予告演出パターン)を設定したりする。具体的には、S4501において取得した予告演出決定用乱数と、副制御基板90のROMに記憶された予告演出決定テーブル(図示せず)とに基づいて、予告演出の実行有無や予告演出パターンを決定し、この決定結果に基づいて予告演出パターンを設定する。
なお、S4400で記憶される演出保留情報の記憶内容(演出保留情報記憶領域の記憶内容)や、S4502での変動開始コマンドの解析結果により特定される特別図柄当否判定の結果(今回の特図変動表示に係る当否判定の結果)、同じく変動開始コマンドの解析結果により特定される特別図柄の変動パターン情報(今回の特図変動表示に係る変動パターンや停止図柄)によって、S4506で設定する予告演出パターン、すなわち、実行する予告演出の種類(予告種)や態様、予告演出の有無等は、異なるものとなる。また、予告演出を実行する場合、複数の予告演出のうち、一の予告演出(一種類の予告演出)を行うこともあれば、二以上の予告演出(複数種の予告演出)を複合して行うこと、すなわち、一の変動表示中(変動演出中)に複数種の予告演出を各々の実行タイミングで行うこともある。
次いでS4507では、S4505で設定した変動演出パターン及びS4506で設定した予告演出パターンに基づいて演出図柄遊技演出(変動演出表示、予告演出等)を開始するための変動演出開始コマンドをサブ出力バッファにセットし(S4507)、変動演出開始処理を終える。S4507でセットされた変動演出開始コマンドが、コマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御用マイコン101は、変動演出開始コマンドに基づき特定される変動演出パターン、すなわちS4505で設定された変動演出パターンに対応する所定の変動演出用画像データ(演出図柄8の変動開始、変動中、変動停止等を示す画像データ)と、変動演出開始コマンドに基づき特定される予告演出パターン、すなわちS4506で設定された予告演出パターンに対応する所定の予告演出用画像データを画像制御基板100のROMから読み出して、該読み出した画像データによる変動演出や予告演出等を画像表示装置7の表示画面7a上で実行する。また、演出表示器102での2個のLEDによる変動表示(点滅表示)も実行する。
以上の変動演出開始処理(S4402)により開始される変動演出は、第1演出ボタン63a及び第2演出ボタン63bの操作機会が設けられない「ボタン操作なし変動演出」として実行される場合と、第1演出ボタン63a及び第2演出ボタン63bの何れか一方又は両方の操作機会が設けられた「ボタン操作あり変動演出」(「操作報知演出」ともいう)として実行される場合とがある。以下では、ボタン操作あり変動演出について詳しく説明する。
[ボタン操作あり変動演出]
本実施例のボタン操作あり変動演出(操作報知演出)は、第1演出ボタン63aの操作に係るもの(「第1ボタン操作あり変動演出」ともいう)と、第2演出ボタン63bの操作に係るもの(「第2ボタン操作あり変動演出」ともいう)に大別される。以下では、それら2つのボタン操作あり変動演出について説明する。
[第1ボタン操作あり変動演出]
第1ボタン操作あり変動演出は、変動演出中の所定時期に第1演出ボタン63aの操作を遊技者に促す促進演出(「第1促進演出」ともいう)が実行されるとともに、その促進演出の実行を受けて第1演出ボタン63aが操作された場合に当該操作に基づく操作対応演出(「第1操作対応演出」ともいう)が実行されるものである。本実施例では、第1促進演出及び第1操作対応演出を、前述のS4506で設定される予告演出パターンによる予告演出としている。予告演出としての第1操作対応演出は、例えば、画像表示装置7の表示画面7aに所定の予告演出画像を表示するものである。第1演出ボタン63aの操作に基づく予告演出を実行する予告演出パターンが前述のS4506にて設定された場合、これを受けて実行される変動演出は第1ボタン操作あり変動演出として実行される。なお、第1演出ボタン63aの操作に基づく予告演出のことを「ボタン予告」ともいい、ボタン予告の実行に係る予告演出パターンのことを「ボタン予告パターン」ともいう。
本実施例のボタン予告パターンには複数のパターンが設けられている。その中には、演出図柄8(演出図柄8L,8C,8R)が変動表示を開始してから、左演出図柄8L(第1停止図柄)が停止表示(仮停止)するまでの間に第1演出ボタン63aの操作に基づくボタン予告が実行可能となる変動開始時予告パターンと、リーチ成立時に第1演出ボタン63aの操作に基づくボタン予告が実行可能となるリーチ成立時予告パターンと、が含まれている。
変動開始時予告パターンによるボタン予告(「変動開始時ボタン予告」ともいう)は、例えば、図43に示す態様で実行される。図43(A)は、演出図柄8の変動表示後、第1促進演出が実行される様子を示しており、図43(B)は、第1演出ボタン63aの操作に基づく予告演出が実行される様子を示している。
図43(A)に示すように、変動開始時ボタン予告(変動開始時予告パターン)における第1促進演出は、第1演出ボタン63aの外観を模した第1演出ボタン画像BG1(「第1操作手段画像」ともいう)と、第1演出ボタン63aの操作を受け付ける期間(「操作受付期間」ともいう)を示す操作受付期間画像TGを、画像表示装置7の表示画面7aに表示して実行される。変動開始時ボタン予告における第1演出ボタン63aの操作態様は、第1演出ボタン63aを1回押下する単押し操作としている。このため、変動開始時ボタン予告に係る第1促進演出では、第1演出ボタン63aが下降した後に上昇する様子を表す動画像として、第1演出ボタン画像BG1が表示される。
また、変動開始時ボタン予告(変動開始時予告パターン)における第1演出ボタン63aの操作受付期間は、演出図柄8の変動表示の開始後、左演出図柄8L(第1停止図柄)が停止表示(仮停止)するまでの間(「変動序盤期間」や「第1変動期間」ともいう)に設定される。第1促進演出では、その操作受付期間が終了(経過)するまでの残り時間(残り期間)を操作受付期間画像TGにより表示(報知)するものとしている。本実施例では操作受付期間(操作受付時間)を「5秒」としており、その操作受付期間の残り時間をレベルゲージで表す動画像として操作受付期間画像TGが表示される。操作受付期間画像TG及び第1演出ボタン画像BG1の表示は、操作受付期間内に第1演出ボタン63aが単押し操作されるか、操作されずに操作受付期間が経過するまで行われる。なお、操作受付期間は、演出ボタンの操作受付を開始するタイミングに合わせて開始されるものであり、演出ボタンの操作を含む変動演出パターンや予告演出パターンにより定められるものである。
図43(A)に示すように、変動序盤期間において第1促進演出が実行され、当該第1促進演出での操作受付期間画像TGにより示される操作受付期間内に第1演出ボタン63aが1回押下(単押し操作)されると、その時点で操作受付期間が終了するとともに第1促進演出が終了し(第1演出ボタン画像BG1及び操作受付期間画像TGが消去され)、これに続いて、図43(B)に示すように予告演出(第1操作対応演出)が実行される。本実施例では、その予告演出を、所定のキャラクタがセリフを発する様子を表したセリフ画像SGを表示画面7aに表示するもの(「セリフ予告」ともいう)としている。
セリフ予告では、セリフ画像SGに含まれるセリフの内容やセリフを示す文字の色、セリフを発するキャラクタの種類(図43(B)ではキャラクタA)等により、現在実行中の変動演出(当該変動)に係る大当り信頼度が示唆される。本実施例では、セリフの内容、セリフを示す文字の色(セリフ色)、及びセリフを発するキャラクタの少なくとも一部が互いに異なる複数種のセリフ画像SGが予め設けられており、そのうちの何れかが前述のS4506にて変動開始時予告パターンとして設定される。この設定された変動開始時予告パターンに対応するセリフ画像SGが、第1演出ボタン63aの単押し操作に基づいて表示される。この表示されるセリフ画像SGの種類によって大当り信頼度が異なるものとなっている。
なお、操作受付期間内に第1演出ボタン63aが操作されなかった場合、セリフ画像SGは表示されない(セリフ予告は実行されない)。また、変動開始時ボタン予告として実行する予告演出はセリフ予告に限定されるものではない。例えば、第1演出ボタン63aの操作に基づいて、当該変動に関連するアイテム画像を表示したり(アイテム予告)、当該変動に関連するキャラクタ画像を表示したり(キャラクタ予告)、背景画像(表示画面7aの背景)を変化させたりする(背景予告)等、様々な態様を採ることが可能である。さらに、セリフ予告やアイテム予告等の複数種の予告演出を変動開始時予告パターンとして予め設けておき、そのうちの何れかが前述のS4506にて設定され得るように構成することも可能である。
次に、リーチ成立時予告パターンによるボタン予告(「リーチ成立時ボタン予告」ともいう)は、例えば、図44に示す態様で実行される。図44(A)は、演出図柄8のうち左演出図柄8Lと右演出図柄8Rとが同じ図柄で停止(仮停止)してリーチ成立となったときに第1促進演出が実行される様子を示しており、図44(B)は、第1演出ボタン63aの操作に基づく予告演出が実行される様子を示している。
図44(A)に示すように、リーチ成立時ボタン予告(リーチ成立時予告パターン)における第1促進演出は、第1演出ボタン63aの操作態様を示す第1文字画像MG1と、第1演出ボタン63aの外観を模した第1演出ボタン画像BG1と、第1演出ボタン63aの操作受付期間を示す操作受付期間画像TGを、画像表示装置7の表示画面7aに表示して実行される。リーチ成立時ボタン予告における第1演出ボタン63aの操作態様は、第1演出ボタン63aを所定時間押下し続ける長押し操作としている。このため、リーチ成立時ボタン予告に係る第1促進演出では、「長押し」の文字を表す第1文字画像MG1が表示されるとともに、第1演出ボタン63aが下降してそのまま維持される様子を表す動画像として第1演出ボタン画像BG1が表示される。また、操作受付期間画像TGは、前述の変動開始時ボタン予告に係る第1促進演出と同様にして表示される。リーチ成立時ボタン予告(リーチ成立時予告パターン)における第1演出ボタン63aの操作受付期間(操作受付時間)は、変動開始時ボタン予告と同様の「5秒」である。
リーチ成立時に第1促進演出が実行された際、当該第1促進演出での操作受付期間画像TGにより示される操作受付期間内に第1演出ボタン63aが押下され、その押下された状態が操作受付期間の終了まで所定時間(例えば4秒以上)に亘って維持(つまり、長押し操作)されると、操作受付期間の終了とともに第1促進演出が終了し(第1文字画像MG1、第1演出ボタン画像BG1及び操作受付期間画像TGが消去され)、これに続いて、図44(B)に示すように予告演出(第1操作対応演出)が実行される。本実施例では、その予告演出を、現在実行中の変動演出(当該変動)に関連する文字を表したパネル画像PGを表示画面7aに表示するもの(「パネル予告」ともいう)としている。パネル予告では、パネル画像PGに含まれる文字の内容や色等により、現在実行中の変動演出(当該変動)に係る大当り信頼度が示唆される。
例えば、パネル画像PGに含まれる文字の内容として「ファイト」、「チャンス」、「SP」及び「激熱!」の4種類を設け、そのうちの何れかが前述のS4506にてリーチ成立時予告パターンとして設定され得るように構成することができる。この場合、S4506にてリーチ成立時予告パターン(パネル予告)が設定されると、そのリーチ成立時予告パターンに対応するパネル画像PGが、第1演出ボタン63aの長押し操作に基づいて表示される。図44(B)では「SP」のパネル画像PGが表示された場合を示している。
ここで、リーチ成立時ボタン予告(パネル予告)は、前述のS4505で設定される変動演出パターンが「リーチなし変動演出」である場合には実行されず、「リーチあり変動演出」である場合に実行され得る。そして、リーチ成立時ボタン予告(パネル予告)にて表示されるパネル画像PGの大当り信頼度は、「激熱!」が最も高く、以下、「SP」、「チャンス」、「ファイト」の順で低くなるように、S4506でのリーチ成立時予告パターンの設定条件(例えば、リーチ成立時予告パターン決定テーブル)を定めることができる。また、「リーチあり変動演出」におけるリーチ演出がSPリーチ演出である場合、「ファイト」、「チャンス」、「SP」及び「激熱!」の何れについても表示される可能性があるものとすることができる。一方、「リーチあり変動演出」におけるリーチ演出がノーマルリーチ演出である場合、「SP」及び「激熱!」については表示される可能性がなく、「ファイト」及び「チャンス」については表示される可能性があるものとすることができる。こうすることで、遊技者の期待感を徒に煽ることのないようにすることが可能となる。
なお、操作受付期間終了前に第1演出ボタン63aの操作を止める等して、操作受付期間内に第1演出ボタン63aが適正に長押し操作されなかった場合、パネル画像PGは表示されない(パネル予告は実行されない)。また、リーチ成立時ボタン予告として実行する予告演出はパネル予告に限定されるものではない。例えば、第1演出ボタン63aの長押し操作に基づいて、当該変動に関連するアイテム画像を表示したり(アイテム予告)、当該変動に関連するキャラクタ画像を表示したり(キャラクタ予告)、背景画像(表示画面7aの背景)を変化させたりする(背景予告)等、様々な態様を採ることが可能である。さらに、パネル予告やアイテム予告等の複数種の予告演出を、リーチ成立時予告パターンとして予め設けておき、前述のS4506にて設定され得るように構成することも可能である。
また本実施例では、第1演出ボタン63aを用いる変動開始時ボタン予告およびリーチ成立時ボタン予告において、第1演出ボタン63aが操作されたとき(第1演出ボタン検知スイッチ63cがONになったとき)に、第1振動モータ63eが駆動して第1演出ボタン63aが振動する場合とそうでない場合とを生じる構成となっている。つまり、第1演出ボタン63aが操作されたときに、当該第1演出ボタン63aの状態が変化する操作演出(振動演出)が実行される場合と実行されない場合とがある構成となっている。
ここで、第1演出ボタン63aの状態が変化する操作演出の演出パターン(操作演出パターン)、すなわち、第1演出ボタン63aの振動パターン(第1振動モータ63eの駆動パターン)について説明する。まず、変動開始時ボタン予告にて第1演出ボタン63aが単押し操作されたときに実行され得る操作演出の演出パターンは、図45(A)に示すパターンAの1種類である。なお、図45(A)では、操作受付期間が開始されから間もなくして(例えば1秒以内に)第1演出ボタン63aが押下(単押し操作)された場合を示している。
図45(A)に示すように、パターンAは、操作受付期間にて第1演出ボタン63aが押下(単押し操作)されて第1演出ボタン検知スイッチ63cがONになると、これに基づいて第1振動モータ63eが短時間(第1駆動時間)の駆動を1回行うものである。本実施例では、その駆動時間(第1駆動時間)を0.5秒としている。このパターンAによる操作演出が、遊技者による第1演出ボタン63aの単押し操作に基づいて実行されると、その単押し操作を行う遊技者の手(指)を通じて、第1演出ボタン63aの一時的な振動(「短時間振動」ともいう)が遊技者に伝わるようになる。なお、第1演出ボタン63aが単押し操作される場合の操作受付期間は、第1演出ボタン検知スイッチ63cがONになることに基づいて終了する(図45(A)を参照)。したがって、第1演出ボタン63aの2回目以降の操作は無効となる。
ここで、パターンAによる操作演出は、第1振動モータ63eが短時間(本例では0.5秒)の駆動を1回行うことで、通常の状態(第1状態)にある第1演出ボタン63aが振動した状態(第2状態)となり、その後すぐに通常の状態(第1状態)に戻るものである。このようなパターンAによる操作演出のことを「第1操作演出」ともいう。なお、第1操作演出における第1振動モータ63eの駆動時間は0.5秒でなくてもよく、第1演出ボタン63aの一時的な振動を遊技者に伝えることが可能な時間であれば、0.5秒より短い時間であってもよく、また、0.5秒より短い長い時間であってもよい。但し、第1操作演出は、第1演出ボタン63aの一時的に振動させる演出であるため、第1操作演出における第1振動モータ63eの駆動時間は1秒以内とするのが望ましい。
本実施例では、前述のS4506にて変動開始時ボタン予告(変動開始時予告パターン)が設定される場合、当該変動開始時ボタン予告での操作演出(第1操作演出)に関する設定も併せて行われるようになっている。この設定は、例えば、図45(B)に示す変動開始時ボタン予告用の操作演出決定テーブルAと、前述のS4501で取得される演出決定用乱数(例えば操作演出決定用乱数)とに基づいて行うことができる。
図45(B)に示すように、操作演出決定テーブルAは、特別図柄当否判定の結果(外れ又は大当り)に基づいてS4505で設定され得る変動演出パターンに応じて、演出決定用乱数(例えば操作演出決定用乱数)の値(例えば0〜99)を、操作演出パターンの「なし」及び「パターンA」の夫々に割り当てたデータ構造となっている。なお、当該テーブル中、操作演出パターンの「なし」は操作演出を実行しないことを意味する。また、操作演出パターンの「−」は選択対象外を意味する。これは、特別図柄当否判定の結果が大当りの場合、変動演出パターンとして「リーチなし変動演出」が設定(実行)されることはないからである。
操作演出決定テーブルAを参照して操作演出に関する設定を行う場合、例えば、特別図柄当否判定の結果が「外れ」であり、変動演出パターンが「リーチなし変動演出」であれば、95%の割合で「なし」が選択(設定)され、5%の割合で「パターンA」が選択(設定)される。つまり、外れのリーチなし変動演出における変動開始時ボタン予告では、パターンAによる操作演出が5%の割合で実行され得る。また例えば、特別図柄当否判定の結果が「大当り」であり、変動演出パターンが「SPリーチ変動演出」であれば、70%の割合で「なし」が選択(設定)され、30%の割合で「パターンA」が選択(設定)される。つまり、大当りのSPリーチ変動演出における変動開始時ボタン予告では、パターンAによる操作演出(第1操作演出)が30%の割合で実行され得る。
このような操作演出決定テーブルAによれば、変動開始時ボタン予告にてパターンAによる操作演出が実行される可能性は、外れの場合よりも大当りの場合の方が高くなり、また、外れの場合には、リーチなし変動演出、ノーマルリーチ変動演出、SPリーチ変動演出の順でその可能性が高くなり、大当りの場合には、ノーマルリーチ変動演出、SPリーチ変動演出の順でその可能性が高くなる。このことから、変動開始時ボタン予告の実行にあたり遊技者が第1演出ボタン63aを単押し操作した際、当該操作に伴ってパターンAによる操作演出が実行された場合には、実行されない場合に比べ、リーチ成立や大当りの期待感(大当り信頼度)が高くなる。
次に、リーチ成立時ボタン予告にて第1演出ボタン63aが長押し操作されたときに実行され得る操作演出の演出パターンは、図46及び図47に示すパターンB〜Gの6種類である。なお、図46(A)〜(C)及び図47(D)〜(F)では、操作受付期間が開始されて直ぐに第1演出ボタン63aが押下され、その後、操作受付期間が終了するまで第1演出ボタン63aが押下され続ける場合(つまり、長押し操作される場合)を示している。
図46(A)に示すように、パターンBは、操作受付期間にて第1演出ボタン63aが押下されて第1演出ボタン検知スイッチ63cがONになると、これに基づいて第1振動モータ63eが短時間(第1駆動時間)の駆動を1回行い、以後、操作受付期間の終了まで第1演出ボタン63aが押下され続けても(つまり、長押し操作される間)、第1振動モータ63eが駆動しないものである。本実施例では、この場合の第1振動モータ63eの駆動時間(第1駆動時間)を、前述のパターンAと同様に0.5秒としている。このパターンBによる操作演出では、第1演出ボタン63aの長押し操作の開始に伴い、前述のパターンAと同様の第1演出ボタン63aの短時間振動が1回発生する。つまり、第1演出ボタン63aの長押し操作中に第1操作演出が1回実行される。このようなパターンBによる操作演出が、遊技者による第1演出ボタン63aの長押し操作に基づいて実行されると、その長押し操作を行う遊技者の手(指)を通じて、第1演出ボタン63aの短時間振動が遊技者に伝わるようになる。
また図46(B)に示すように、パターンCは、前述のパターンBに対して、第1振動モータ63eの短時間(第1駆動時間)の駆動を1回追加したものである。すなわち、第1演出ボタン63aの長押し操作の開始に伴い、第1振動モータ63eの短時間(本例では0.5秒)の駆動が、所定の間欠時間を挟んで2回行われるものである。本実施例では、その間欠時間を1.0秒としている。このパターンCによる操作演出では、第1演出ボタン63aの長押し操作の開始に伴い、前述のパターンAと同様の第1演出ボタン63aの短時間振動が2回発生する。つまり、第1演出ボタン63aの長押し操作中に第1操作演出が2回実行される。このようなパターンCによる操作演出が、遊技者による第1演出ボタン63aの長押し操作に基づいて実行されると、その長押し操作を行う遊技者の手(指)を通じて、第1演出ボタン63aの2回の短時間振動が遊技者に伝わるようになり、その振動は前述のパターンBに比して伝わり易いものとなる。パターンBよりも振動回数が多いからである。
なお、第1振動モータ63eの前の駆動と後の駆動との間における間欠時間は任意に定めることができ、第1振動モータ63eの振動が間欠的に発生していることを遊技者に認識させることができる時間であればよい。このことは、以下に説明するパターンD〜Fについても同様である。
また図46(C)に示すように、パターンDは、前述のパターンCに対して、第1振動モータ63eの短時間(第1駆動時間)の駆動を1回追加したものである。すなわち、第1演出ボタン63aの長押し操作の開始に伴い、第1振動モータ63eの短時間(本例では0.5秒)の駆動が間欠時間(本例では1.0秒)を挟んで3回行われるものである。このパターンDによる操作演出では、第1演出ボタン63aの長押し操作の開始に伴い、前述のパターンAと同様の第1演出ボタン63aの短時間振動が3回発生する。つまり、第1演出ボタン63aの長押し操作中に第1操作演出が3回実行される。このようなパターンDによる操作演出が、遊技者による第1演出ボタン63aの長押し操作に基づいて実行されると、その長押し操作を行う遊技者の手(指)を通じて、第1演出ボタン63aの3回の短時間振動が遊技者に伝わるようになり、その振動は前述のパターンBやパターンCに比して伝わり易いものとなる。パターンB及びパターンCよりも振動回数が多いからである。
また図47(D)に示すように、パターンEは、前述のパターンD(図46(C)を参照)における第1振動モータ63eの3回目の駆動(短時間駆動)を、操作受付期間終了まで駆動し続ける態様(長時間駆動)に置き換えたものである。すなわち、第1演出ボタン63aの長押し操作の開始に伴い、第1振動モータ63eの短時間(本例では0.5秒)の駆動が間欠時間(本例では1.0秒)を挟んで2回行われた後、さらに間欠時間(本例では1.0秒)を挟んで、第1振動モータ63eの駆動が操作受付期間終了まで継続して行われるものである。この操作受付期間終了までの第1振動モータ63eの駆動時間(第2駆動時間)は、先に行われる短時間の駆動に係る駆動時間(第1駆動時間)よりも長くなる。このパターンEによる操作演出では、第1演出ボタン63aの長押し操作の開始に伴い、前述のパターンAと同様の第1演出ボタン63aの短時間振動が2回発生した後、長押し操作の終了まで第1演出ボタン63aの振動が継続して発生する(これを「継続振動ともいう)。このようなパターンEによる操作演出が、遊技者による第1演出ボタン63aの長押し操作に基づいて実行されると、その長押し操作を行う遊技者の手(指)を通じて、第1演出ボタン63aの2回の短時間振動とその後の継続振動が遊技者に伝わるようになる。また、パターンEによる操作演出のうち、2回の短時間振動は前述のパターンCと同様であるため(図46(B)を参照)、継続振動が発生するまではパターンCとの区別がつきにくいものとなる。
また図47(E)に示すように、パターンFは、前述のパターンC(図46(B)を参照)における第1振動モータ63eの2回目の駆動(短時間駆動)を、操作受付期間終了まで駆動し続ける態様(長時間駆動)に置き換えたものである。すなわち、第1演出ボタン63aの長押し操作の開始に伴い、第1振動モータ63eの短時間(本例では0.5秒)の駆動が1回行われた後、間欠時間(本例では1.0秒)を挟んで、第1振動モータ63eの駆動が操作受付期間終了まで継続して行われるものである。この操作受付期間終了までの第1振動モータ63eの駆動時間(第3駆動時間)は、先に行われる短時間の駆動に係る駆動時間(第1駆動時間)よりも長く、且つ、前述のパターンEにおける第2駆動時間よりも長くなる。このパターンFによる操作演出では、第1演出ボタン63aの長押し操作の開始に伴い、前述のパターンAと同様の第1演出ボタン63aの短時間振動が1回発生した後、長押し操作の終了まで第1演出ボタン63aの継続振動が発生する。このようなパターンFによる操作演出が、遊技者による第1演出ボタン63aの長押し操作に基づいて実行されると、その長押し操作を行う遊技者の手(指)を通じて、第1演出ボタン63aの1回の短時間振動とその後の継続振動が遊技者に伝わるようになる。また、パターンFによる操作演出のうち1回の短時間振動は前述のパターンBと同様であるため(図46(A)を参照)、継続振動が発生するまではパターンBとの区別がつきにくいものとなる。
また図47(F)に示すように、パターンGは、操作受付期間にて第1演出ボタン63aが押下されて第1演出ボタン検知スイッチ63cがONになると、これに基づいて第1振動モータ63eが駆動を開始し、以後、操作受付期間の終了まで第1演出ボタン63aが押下され続ける間(つまり、長押し操作される間)、第1振動モータ63eが駆動し続けるもの(長時間駆動)である。このパターンGによる操作演出では、第1演出ボタン63aの長押し操作の開始に伴い第1演出ボタン63aの振動が発生し、当該振動が長押し操作の終了まで継続する。つまり、第1演出ボタン63aの長押し操作中、第1演出ボタン63aが操作受付期間終了(長押し操作終了)まで振動し続ける。このようなパターンGによる操作演出が、遊技者による第1演出ボタン63aの長押し操作に基づいて実行されると、その長押し操作を行う遊技者の手(指)を通じて、第1演出ボタン63aの継続振動が遊技者に伝わるようになる。
ここで、パターンE〜G(図47を参照)は、いずれも、第1演出ボタン63aの長押し操作中、操作受付期間の終了まで第1演出ボタン63aが振動し続ける(第1振動モータ63eが駆動し続ける)操作演出を含んでいる。このように、第1演出ボタン63aが振動し続ける操作演出は、通常の状態(第1状態)にある第1演出ボタン63aが振動した状態(第2状態)となり、この状態が所定期間(操作受付期間終了まで)継続されるものである。このようなパターンE〜Gに含まれる第1演出ボタン63aが振動し続ける操作演出(継続振動)のことを「第2操作演出」ともいう。したがって、パターンEによる操作演出は、第1演出ボタン63aの長押し操作中、第1操作演出が2回実行された後、第2操作演出が実行されるものといえる。また、パターンFによる操作演出は、第1演出ボタン63aの長押し操作中、第1操作演出が1回実行された後、第2操作演出が実行されるものといえる。さらに、パターンGによる操作演出は、第1操作演出が実行されることなく第2操作演出が実行される(第2操作演出が終始実行される)ものといえる。また、第2操作演出の実行により第1演出ボタン63aが振動し続ける状態(第2状態)のことを「特別状態」ともいう。
本実施例では、前述のS4506にてリーチ成立時ボタン予告(リーチ成立時予告パターン)が設定される場合、当該リーチ成立時ボタン予告での操作演出に関する設定も併せて行われるようになっている。この設定は、例えば、図48に示すリーチ成立時ボタン予告用の操作演出決定テーブルBと、前述のS4501で取得される演出決定用乱数(例えば操作演出決定用乱数)とに基づいて行うことができる。
図48に示すように、操作演出決定テーブルBは、特別図柄当否判定の結果(外れ又は大当り)に基づいてS4505で設定され得る変動演出パターンに応じて、演出決定用乱数(例えば操作演出決定用乱数)の値(例えば0〜99)を、操作演出パターンの「なし」、「パターンB」、「パターンC」、「パターンD」、「パターンE」、「パターンF」及び「パターンG」の夫々に割り当てたデータ構造となっている。操作演出決定テーブルBでは、変動演出パターンとしてリーチあり変動演出(ノーマルリーチ変動演出、SPリーチ変動演出)が対象となっており、リーチなし変動演出は対象外となっている。リーチ成立時ボタン予告は、リーチ成立を契機とする予告演出だからである。なお、当該テーブル中、操作演出パターンの「なし」は操作演出を実行しないことを意味する。また、操作演出パターンの「−」は選択対象外を意味する。
本実施例では、ノーマルリーチ変動演出にてリーチ成立時ボタン予告が実行される場合、パターンEによる操作演出、パターンFによる操作演出及びパターンGによる操作演出は何れも実行されないものとしている。つまり、パターンE〜Gによる操作演出は、SPリーチ変動演出にてリーチ成立時ボタン予告が実行される場合に限り実行可能となっている。このため、パターンE〜Gによる操作演出は、SPリーチ演出の実行が確定している旨を示唆するSPリーチ確定示唆演出として機能するといえる。
操作演出決定テーブルBを参照して操作演出に関する設定を行う場合、例えば、特別図柄当否判定の結果が「外れ」であり、変動演出パターンが「ノーマルリーチ変動演出」であれば、90%の割合で「なし」が選択(設定)され、5%の割合で「パターンB」が選択(設定)され、3%の割合で「パターンC」が選択(設定)され、2%の割合で「パターンD」が選択(設定)される。つまり、外れのノーマルリーチ変動演出におけるリーチ成立時ボタン予告では、パターンBによる操作演出が5%の割合、パターンCによる操作演出が3%の割合、パターンDによる操作演出が3%の割合で、それぞれ実行され得る。
また例えば、特別図柄当否判定の結果が「大当り」であり、変動演出パターンが「SPリーチ変動演出」であれば、50%の割合で「なし」が選択(設定)され、1%の割合で「パターンB」が選択(設定)され、2%の割合で「パターンC」が選択(設定)され、4%の割合で「パターンD」が選択(設定)され、10%の割合で「パターンE」が選択(設定)され、15%の割合で「パターンF」が選択(設定)され、18%の割合で「パターンG」が選択(設定)される。つまり、大当りのSPリーチ変動演出におけるリーチ成立時ボタン予告では、パターンBによる操作演出が1%の割合、パターンCによる操作演出が2%の割合、パターンDによる操作演出が4%の割合、パターンEによる操作演出が10%の割合、パターンFによる操作演出が15%の割合、パターンGによる操作演出が18%の割合で、それぞれ実行され得る。
このような操作演出決定テーブルBによれば、ノーマルリーチ変動演出におけるリーチ成立時ボタン予告で操作演出が実行される場合、その変動演出が外れ変動であれば、パターンBによる操作演出の実行可能性が最も高く、以下、パターンC、パターンDの順で実行可能性が低くなる。一方、その変動演出が大当り変動であれば、パターンDによる操作演出の実行可能性が最も高く、以下、パターンC、パターンBの順で実行可能性が低くなる。そして、外れ変動と大当り変動の何れにおいても、パターンE〜Gによる操作演出の実行可能性はない(ゼロである)。また、SPリーチ変動演出におけるリーチ成立時ボタン予告で操作演出が実行される場合、その変動演出が外れ変動であれば、パターンBによる操作演出の実行可能性が最も高く、以下、パターンC、パターンD、パターンE、パターンF、パターンGの順で実行可能性が低くなる。一方、その変動演出が大当り変動であれば、パターンGによる操作演出の実行可能性が最も高く、以下、パターンF、パターンE、パターンD、パターンC、パターンBの順で実行可能性が低くなる。このことから、リーチ成立時ボタン予告の実行にあたり遊技者が第1演出ボタン63aを長押し操作した際、当該操作に伴って操作演出が実行され、第1演出ボタン63aの短時間振動が発生した場合には、その振動の発生回数が多い程、大当りの期待感(大当り信頼度)が高くなる。また、第1演出ボタン63aの継続振動が発生した場合には、その時点でSPリーチ演出が確定し、継続振動の実行時間(振動時間)が長くなる程、大当りの期待感(大当り信頼度)が高くなる。
また本実施例では、リーチ成立時ボタン予告での第1演出ボタン63aの長押し操作に伴って、パターンE〜Gの何れかによる操作演出(図47を参照)が実行され、当該長押し操作が操作受付期間終了まで適正に行われた場合(長押し操作が完結した場合)、その後にSPリーチ演出が実行(表示)されるときの表示画面7aの表示態様(演出態様)を通常と異ならせている。具体的には、リーチ成立時ボタン予告でのパターンE〜Gの何れかによる操作演出を経てSPリーチ演出が実行される場合、すなわち、第2操作演出が実行された上でSPリーチ演出が実行される場合、図49(A)に示すように、そのSPリーチ演出が表示される表示画面7aの周縁にエフェクト枠画像EFを表示するものとしている。エフェクト枠画像EFは、表示画面の周縁を装飾する画像であり、例えば、赤色や金色など特定の色による飾り枠を模した画像である。このエフェクト枠画像EFは、SPリーチ演出が終了して演出図柄8が停止表示(仮停止又は確定停止)するまで(当否判定の結果が報知されるまで)表示される。なお、図49(B)は、エフェクト枠画像EFを表示することなくSPリーチ演出が表示される場合の表示画面7aを示している。
エフェクト枠画像EFの表示は、副制御基板90(演出制御用マイコン91)から画像制御基板100(画像制御用マイコン101)への指示のもと、画像制御用マイコン101の制御下で行うことができる。例えば、リーチ成立時ボタン予告でのパターンE〜Gの何れかによる操作演出を伴う長押し操作が、操作受付期間終了まで適正に行われて完結すると、その旨を示すコマンドが副制御基板90から画像制御基板100へ送信される。画像制御用マイコン101は、そのコマンドに基づいて、パターンE〜Gの何れかによる操作演出を伴う長押し操作が行われたことを示すフラグ(「長押し特別フラグ」ともいう)をセット(ON)する。そして、SPリーチ演出を表示画面7aに表示する際に長押し特別フラグを参照し、当該フラグがONであれば、エフェクト枠画像EFの画像データを画像制御基板100のROMから読み出して、該読み出した画像データによるエフェクト枠画像EFをSPリーチ演出とともに表示画面7aに表示する(図49(A)を参照)。
これにより、リーチ成立時ボタン予告でのパターンE〜Gの何れかによる操作演出(第2操作演出)を経てSPリーチ演出が実行される場合には、その操作演出を経ることなくSPリーチ演出が実行される場合には表示されないエフェクト枠画像EFが表示画面7aに表示される。このエフェクト枠画像EFの表示により、その表示を伴って実行されるSPリーチ演出が特別なもの(例えば強SPリーチ演出)である印象を遊技者に与えやすくなり、SPリーチ演出に対する期待感を効果的に煽ることが可能となる。
なお、本実施例では、エフェクト枠画像EFを表示することにより表示画面7aの表示態様(演出態様)を通常と異ならせるものとしているが、演出態様を異ならせる構成はエフェクト枠画像EFの表示に限られない。例えば、普段は表示されないキャラクタ画像や背景画像を表示したり、普段は出力されない効果音を出力したりする等の構成を採ることも可能である。
以上の変動開始時ボタン予告及びリーチ成立時ボタン予告は、S4505で設定される変動演出パターン及びS4506で設定される予告演出パターンに応じて、一の変動演出中に何れか一方が実行されることもあれば、両方が実行されることもある。そして、両方のボタン予告が実行される場合、一の変動演出中に2回の操作受付期間が発生する(設定される)ため、遊技者にとっては、第1演出ボタン63aの操作機会が2回得られることとなる。この場合、1回目の操作受付期間(変動開始時ボタン予告)は単押し操作の機会となり、2回目の操作受付期間(リーチ成立時ボタン予告)は長押し操作の機会となる。
ここで、第1ボタン操作あり変動演出(操作報知演出)のうち、リーチ成立時ボタン予告が実行される変動演出であって、リーチ成立時ボタン予告にてパターンB〜D(図46を参照)の何れかによる操作演出が実行される変動演出のことを「第1操作報知演出」ともいい、リーチ成立時ボタン予告にてパターンE〜G(図47を参照)の何れかによる操作演出が実行される変動演出のことを「第2操作報知演出」ともいう。
[第2ボタン操作あり変動演出]
次に、第2ボタン操作あり変動演出について説明する。第2ボタン操作あり変動演出には、「第2ボタン成功変動演出」と「第2ボタン失敗変動演出」とがある。第2ボタン成功変動演出は、変動演出中の所定時期に第2演出ボタン63bの操作を遊技者に促す促進演出(「第2促進演出」ともいう)が実行されるとともに、当該促進演出の実行を受けて第2演出ボタン63bが操作された場合に当該操作に基づく操作対応演出(「第2操作対応演出」ともいう)が実行されるものである。一方、第2ボタン失敗演出は、第2促進演出が実行されるものの第2演出ボタン63bを操作しても当該操作に基づく第2操作対応演出が実行されないものである。
本実施例では、第2演出ボタン63bの操作に基づく操作対応演出(第2操作対応演出)を、前述のS4505で設定される変動演出パターンによる変動演出に含まれる可動演出としている。第2演出ボタン63bの操作に基づく可動演出は、センター装飾体10の左上部に位置している可動装飾部材14が表示画面7aの略中央(画面手前側)まで移動し、その状態を所定時間保った後、センター装飾体10の左上部に戻るものである(図3、図50(C)等を参照)。このような可動演出(第2操作対応演出)を含む変動演出パターンが前述のS4505にて設定された場合、これを受けて実行される変動演出は「第2ボタン成功変動演出」(第2ボタン操作あり変動演出)となる。一方、可動演出(第2操作対応演出)を含まない(実行しない)ものの第2促進演出を実行する変動演出パターンが前述のS4505にて設定された場合、これを受けて実行される変動演出は「第2ボタン失敗変動演出」(第2ボタン操作あり変動演出)となる。
第2ボタン操作あり変動演出は、例えば、図50及び図51に示す態様で実行される。図50(A)は、表示画面7aにてSPリーチ演出が実行されているときであって第2ボタン操作あり変動演出に係る第2促進演出が実行される前の様子を示しており、図50(B)は、その第2促進演出が実行されたときの様子を示している。また、図51(C)は、図50(B)に示す第2促進演出の開始後、操作受付期間内に第2演出ボタン63bの操作に基づき可動演出が実行されたときの様子(第2ボタン成功変動演出)を示しており、図51(D)は、図50(B)に示す第2促進演出の開始後、操作受付期間内に第2演出ボタン63bの操作が行われたものの可動演出が実行されなかったときの様子(第2ボタン失敗変動演出)を示している。
本実施例では、変動時間が75000msの変動パターン(図9を参照)に基づく特別図柄の変動表示に係る変動演出として、第2ボタン操作あり変動演出が実行され得るものとなっている。この第2ボタン操作あり変動演出は、SPリーチ変動演出の一種とされており、SPリーチ演出中の所定時期に第2促進演出が開始されるとともに、第2促進演出開始後の第2演出ボタン63bの操作に基づいて可動演出(第2操作対応演出)が実行され得る構成となっている。具体的に、第2ボタン操作あり変動演出は、SPリーチ演出の開始後、演出図柄8の停止表示(仮停止又は確定停止)により当該変動演出の結果(当否判定の結果)が報知される最終的な演出場面(「SP終盤演出」や「第2変動期間」ともいう)への移行タイミングに合わせて、第2促進演出が実行される構成となっている。
図50(B)に示すように、第2ボタン操作あり変動演出における第2促進演出は、第2演出ボタン63bの操作態様を示す第2文字画像MG2と、第2演出ボタン63bの外観を模した第2演出ボタン画像BG2と、第2演出ボタン63bの操作受付期間を示す操作受付期間画像TGを、画像表示装置7の表示画面7aに表示して実行される。第2ボタン操作あり変動演出における第2演出ボタン63bの操作態様は、第2演出ボタン63bを前面枠51の後側へ押し込む押し込み操作とされている。このため、第2ボタン操作あり変動演出における第2促進演出では、「押し込め!」の文字を表す第2文字画像MG2が表示されるとともに、第2演出ボタン63bが押し込まれる様子を表す動画像として第2演出ボタン画像BG2が表示される。また、操作受付期間画像TGは、前述の変動開始時ボタン予告及びリーチ成立時ボタン予告に係る第1促進演出と同様にして表示されるものであり、第2演出ボタン63bの操作受付期間も同様の「5秒」である。
SP終盤演出に差し掛かる段階で、図50(B)に示すように第2促進演出が実行され、当該第2促進演出での操作受付期間画像TGにより示される操作受付期間内に第2演出ボタン63bが押し込まれる(押し込み操作される)と、その時点で操作受付期間が終了するとともに第2促進演出が終了する(第2文字画像MG2、第2演出ボタン画像BG2及び操作受付期間画像TGが消去される)。
そして、現在実行中の変動演出が「第2ボタン成功変動演出」である場合、第2促進演出の終了に続いて、図51(C)に示すように可動演出(第2操作対応演出)が実行される。このとき、可動装飾部材14は表示画面7aの略中央(第2位置)に移動して作動状態となる。また、同図に示すように、可動装飾部材14が作動状態となっている間、流れ星を模したエフェクト画像HGが可動装飾部材14の周辺に表示される。その後、可動装飾部材14が作動状態となってから所定時間(例えば5秒)が経過すると、可動装飾部材14は画像表示装置7の左上方(センター装飾体10の左上部、第1位置)に移動して非作動状態となり、これにより可動演出が終了する。この後、図示しないSP終盤演出が表示画面7aで実行され、演出図柄8の停止表示により今回の変動演出(変動表示)の結果(当否判定の結果)が報知される。
一方、現在実行中の変動演出が「第2ボタン失敗変動演出」である場合、第2促進演出の終了に続いて、図51(D)に示すように可動失敗演出が実行される。本実施例の可動失敗演出は、「・・・」の第3文字画像MG3を表示画面7aに表示するものであり、この第3文字画像MG3の表示により、可動演出が実行されないことを示唆するものとなっている。そして、第3文字画像MG3の表示から所定時間(例えば5秒)が経過すると、第3文字画像MG3が消去され、これにより可動失敗演出が終了する。この後、図示しないSP終盤演出が表示画面7aで実行され、演出図柄8の停止表示により今回の変動演出(変動表示)の結果(当否判定の結果)が報知される。
本実施例では、こうした「第2ボタン成功変動演出」又は「第2ボタン失敗変動演出」に係る変動演出パターンが前述の4505で設定されることで、SPリーチ演出中に第2演出ボタン63bの押し込み操作を伴う変動演出(操作報知演出)が実行される。そして、特別図柄当否判定の結果が大当りの場合には、「第2ボタン失敗変動演出」よりも「第2ボタン成功変動演出」の方が実行されやすくなり、外れの場合には、「第2ボタン成功変動演出」よりも「第2ボタン失敗変動演出」の方が実行されやすくなるように、S4504でセットされる変動演出パターン決定テーブルが設計されている。したがって、「第2ボタン成功変動演出」が実行された場合、すなわち、SP終盤演出に差し掛かる段階での第2演出ボタン63bの押し込み操作に基づき可動演出が実行された場合には、遊技者は大当りへの期待感を高めることとなる。
なお、可動失敗演出は本実施例で示す第3文字画像MG3の表示に限定されるものではなく、第2演出ボタン63bが押し込み操作されたものの可動演出が実行されないこと(押し込み操作失敗)を遊技者が認識できるもの(例えば、残念顔のキャラクタ表示など)であればよい。また、可動失敗演出を実行しないようにしてもよい。この場合、第2演出ボタン63bを操作したものの当該操作に応じて演出上の変化が何ら生じないことをもって、可動演出が実行されないこと(押し込み操作失敗)を示唆するものとなる。
また本実施例では、第2促進演出が実行(開始)されてから操作受付期間内に第2演出ボタン63bが押し込み操作されなかった場合、可動演出及び可動失敗演出は何れも実行されないものとなっている。但し、操作受付期間内に第2演出ボタン63bが押し込み操作されなかったとしても、変動演出パターン(時間経過)にしたがって可動演出又は可動失敗演出が実行されるように構成してもよい。
次に、本実施例では、第2演出ボタン63bの操作を伴う「第2ボタン操作あり変動演出」において、第2演出ボタン63bが操作されたとき(第2演出ボタン検知スイッチ63dの検知信号がONになったとき)に、第2振動モータ63fが駆動して第2演出ボタン63bが振動する場合とそうでない場合とを生じる構成となっている。つまり、第2演出ボタン63bが操作されたときに、当該第2演出ボタン63bの状態が変化する操作演出(振動演出)が実行される場合と実行されない場合とがある構成となっている。
第2演出ボタン63bの状態が変化する操作演出の演出パターン(操作演出パターン)、すなわち、第2演出ボタン63bの振動パターン(第2振動モータ63fの駆動パターン)は、図52(A)に示すパターンHの1種類である。なお、図52(A)では、操作受付期間が開始されから間もなくして(例えば1秒以内に)第2演出ボタン63bが押し込まれた(押し込み操作された)場合を示している。また、第2演出ボタン63bが押し込み操作される場合の操作受付期間は、第2演出ボタン検知スイッチ63dがONになることに基づいて終了する。
図52(A)に示すように、パターンHは、第2演出ボタン63bの押し込み操作に基づいて可動装飾部材14が作動状態となってから非作動状態となるまでの間、すなわち、可動演出の開始から終了までの間(可動演出期間)において、当該押し込み操作に基づく第2演出ボタン検知スイッチ63dのON状態が続く限り、第2振動モータ63fが駆動するものである。このため、例えば、図52(A)−(1)に示すように、第2演出ボタン63bの押し込み操作開始以後、可動演出が終了するまで当該押し込み操作を続けた場合には、第2振動モータ63fが駆動し続けて、これにより第2演出ボタン63bが振動し続ける。また例えば、図52(A)−(2)に示すように、第2演出ボタン63bの押し込み操作開始以後、可動演出が終了する前に当該押し込み操作を止めた場合には、その時点で第2演出ボタン検知スイッチ63dの検知信号がOFFとなり、これにより第2振動モータ63fは駆動を停止して、第2演出ボタン63bは振動を停止する。このパターンHによる操作演出が、遊技者による第2演出ボタン63bの押し込み操作に基づいて実行されると、その押し込み操作が継続される間、その押し込み操作を行う遊技者の手(指)を通じて、第2演出ボタン63bの振動(継続振動)が遊技者に伝わるようになる。
ここで、パターンHは、可動演出期間において第2演出ボタン63bの押し込み操作を続ける限り、第2演出ボタン63bが振動し続ける(第2振動モータ63fが駆動し続ける)操作演出である。このように、第2演出ボタン63bが振動し続ける操作演出は、通常の状態(第1状態)にある第2演出ボタン63bが振動した状態(第2状態)となり、この状態が所定期間(可動演出期間終了まで)継続され得るものである。このようなパターンHによる操作演出は、前述のパターンE〜Gによる操作演出と同様に振動モータの長時間駆動を含む「第2操作演出」といえる。
なお、パターンHでは、可動演出期間において第2演出ボタン63bの押し込み操作を続ける限り、第2演出ボタン63bが振動し続けるものとなっているが、可動演出期間を越えて第2演出ボタン63bの押し込み操作を続ける場合にも、その押し込み操作を止めるまで、第2演出ボタン63bが振動し続けるものとしてもよい。
本実施例では、前述のS4505にて第2ボタン成功変動演出(第2ボタン成功変動演出パターン)が設定される場合、当該変動演出での第2演出ボタン63bを用いた操作演出(第2操作演出)に関する設定も併せて行われるようになっている。この設定は、例えば、図52(B)に示す第2ボタン成功変動演出用の操作演出決定テーブルCと、前述のS4501で取得される演出決定用乱数(例えば操作演出決定用乱数)とに基づいて行うことができる。
図52(B)に示すように、操作演出決定テーブルCは、特別図柄当否判定の結果(外れ又は大当り)に基づいてS4505で設定される第2ボタン成功変動演出の当否種別(外れ変動、大当り変動)に応じて、演出決定用乱数(例えば操作演出決定用乱数)の値(例えば0〜99)を、操作演出パターンの「なし」及び「パターンH」の夫々に割り当てたデータ構造となっている。この操作演出決定テーブルCを参照して操作演出に関する設定を行う場合、例えば、第2ボタン成功変動演出が「外れ変動」(特別図柄当否判定の結果が外れ)であれば、80%の割合で「なし」が選択(設定)され、20%の割合で「パターンH」が選択(設定)される。つまり、外れの第2ボタン成功変動演出では、第2演出ボタン63bの押し込み操作に基づく可動演出の実行に際し、パターンHによる操作演出(第2操作演出)が20%の割合で実行され得る。また例えば、第2ボタン成功変動演出が「大当り変動」(特別図柄当否判定の結果が大当り)であれば、50%の割合で「なし」が選択(設定)され、50%の割合で「パターンH」が選択(設定)される。つまり、大当りの第2ボタン成功変動演出では、第2演出ボタン63bの押し込み操作に基づく可動演出の実行に際し、パターンHによる操作演出(第2操作演出)が50%の割合で実行され得る。
このような操作演出決定テーブルCによれば、第2ボタン成功変動演出において、第2演出ボタン63bが押し込み操作されて可動演出が実行される際にパターンHによる操作演出が実行される可能性は、外れの場合よりも大当りの場合の方が高くなる。このことから、第2演出ボタン63bの押し込み操作に基づく可動演出の実行にあたり、当該押し込み操作に伴ってパターンHによる操作演出が実行された場合には、実行されない場合に比べ大当りの期待感(大当り信頼度)が高くなる。
なお、前述の変動開始時ボタン予告及びリーチ成立時ボタン予告の何れか一方又は両方を含む第1ボタン操作あり変動演出と、第2ボタン操作あり変動演出とは、一の変動演出として実行可能である。一の変動演出として実行されるか否かは、S4505で設定される変動演出パターン及びS4506で設定される予告演出パターンに応じて決まる。そして、両者の変動演出が一の変動演出として実行される場合、一の変動演出中に最大で3回の操作受付期間が発生し(設定され)、遊技者にとっては、第1演出ボタン63aの操作機会(単押し操作及び/又は長押し操作)と、第2演出ボタン63bの操作機会(押し込み操作)が得られることとなる。例えば、変動演出パターンとして「第2ボタン操作あり変動演出」が設定され、予告演出パターンとして「変動開始時ボタン予告」及び「リーチ成立時ボタン予告」が設定された場合、3回の操作機会が得られる。
[実施例1の作用効果]
以上に説明した本実施例のパチンコ遊技機1では、リーチあり変動演出にてリーチ成立時ボタン予告が実行される場合、第1演出ボタン63aの長押し操作を促す第1促進演出がリーチ成立時に実行される。この第1促進演出中の操作受付期間にて第1演出ボタン63aが長押し操作された際、当該操作に伴って第1演出ボタン63aが短時間振動したり継続振動したりすることがある。そして、パターンE〜Gの何れかによる操作演出を含む変動演出(第2操作報知演出)が実行され、リーチ成立時ボタン予告にて継続振動が発生した場合には、当該変動にてSPリーチ演出が実行されることが確定(判明)し、そのSPリーチ演出の実行時にはエフェクト枠画像EFが表示画面7aに表示される。一方、パターンB〜Dの何れかによる操作演出を含む変動演出(第1操作報知演出)が実行され、リーチ成立時ボタン予告にて継続振動が発生しなかった場合には、当該変動でのSPリーチ演出は不確定となり、エフェクト枠画像EFが表示されることもない。このため、リーチ成立時ボタン予告に係る操作受付期間にて遊技者が第1演出ボタン63aを長押し操作した際、その第1演出ボタン63aが振動し続ける状態(特別状態)になる場合とならない場合とがあり、継続振動が発生するか否か(特別状態となるか否か)によって、その後の変動演出終了(演出図柄8の停止表示)に至るまでの演出態様(SPリーチ演出の実行有無、エフェクト枠画像EFの表示有無等)が異なるものとなる。これにより、第1演出ボタン63aを操作したときの当該第1演出ボタン63aの状態や操作後の演出態様(演出展開)に遊技者の興味を惹きつけて、遊技興趣を向上させることが可能となる。
特に、パターンE〜Gの何れかによる操作演出(第2操作演出)では、操作受付期間が終了するまで第1演出ボタン63aの長押し操作を続ける限り、これに伴って第1演出ボタン63aが振動し続けるため、第1演出ボタン63aの継続振動を、長押し操作を通じて遊技者に認識させることが可能となる。そして、第1演出ボタン63aの継続振動の発生有無は、その後の変動演出の展開に影響する。これにより、リーチ成立時ボタン予告の実行にあたって、第1演出ボタン63aの積極的な操作(本例では長押し操作)を遊技者に促すことが可能となる。
また、本実施例のパチンコ遊技機1では、前述のように、変動開始時ボタン予告及びリーチ成立時ボタン予告の何れか一方又は両方を含む第1ボタン操作あり変動演出と、第2ボタン操作あり変動演出とが、一の変動演出として実行可能となっているため、一の変動演出にて操作受付期間が最大で3回発生し得るものとなっている。そして、そのうちの2回目(リーチ成立タイミング)と3回目(SP終盤演出移行タイミング)の演出ボタン操作では、演出ボタンが振動し続ける状態(特別状態)になる場合とならない場合とがある。また、1回目の操作受付期間(変動開始時ボタン予告)では第1演出ボタン63aの単押し操作、2回目の操作受付期間(リーチ成立時ボタン予告)では第1演出ボタン63aの長押し操作、2回目の操作受付期間(SP終盤演出)では第2演出ボタン63bの押し込み操作といったように、それぞれの操作受付期間で演出ボタンの操作態様が異なるものとなっており、さらには1、2回目と3回目とで操作対象の演出ボタンも異なるものとなっている。しかも、演出ボタンの操作に伴って実行され得る振動演出(操作演出)の演出パターンも複数設けられている。これにより、演出ボタンの操作に遊技者の興味を惹きつけて、演出ボタンを操作する際の興趣を高めることが可能となる。また、演出ボタンの操作を含む変動演出の興趣を高めることが可能となる。
また、本実施例のパチンコ遊技機1では、変動開始時ボタン予告の実行に際しては、第1演出ボタン63aの単押し操作に伴ってパターンAによる操作演出(本例では振動演出)が実行され得るものとなっており、リーチ成立時ボタン予告の実行に際しては、第1演出ボタン63aの長押し操作に伴ってパターンB〜Gによる操作演出が実行され得るものとなっており、SPリーチ演出中(第2ボタン成功変動演出)の可動演出の実行(SP終盤演出への移行)に際しては、第2演出ボタン63bの押し込み操作に伴ってパターンHによる操作演出が実行され得るものとなっている。このため、演出ボタンを用いた操作演出の多様化を図り、演出ボタンの状態を多様に変化させることが可能となる。
特に、リーチ成立時ボタン予告での長押し操作に伴ってパターンE又はFによる操作演出が実行される場合には、第1演出ボタン63aが短時間(一時的に)振動した後に操作受付期間終了まで振動し続ける。また例えば、変動開始時ボタン予告での単押し操作に伴ってパターンAによる操作演出が実行された後、同一変動におけるリーチ成立時ボタン予告での長押し操作に伴ってパターンGによる操作演出が実行される場合には、第1演出ボタン63aが先の操作受付期間にて短時間振動した後、後の操作受付期間にて当該期間終了まで振動し続ける。このように、一の変動演出中において、演出ボタンが短時間振動するだけでなく、後に継続振動する場合があるものとすることで、演出ボタンを用いた操作演出に意外性を付与し、操作演出の興趣を高めることが可能となる。
また、リーチ成立時ボタン予告での長押し操作に伴って操作演出が実行される場合、その操作演出のパターンによっては、操作演出の開始当初、その操作演出が短時間振動だけによるもの(例えばパターンB〜D)なのか継続振動を含むもの(例えば、パターンE、F)なのかが区別し難いものとなっている。これにより、操作演出が実行された際の当該操作演出の実行態様に遊技者の興味を惹きつけて、演出ボタンを操作する際の興趣を高めることが可能となる。
また、本実施例の演出ボタン63の状態が変化する操作演出は、操作受付期間において演出ボタン63の操作が演出ボタン検知スイッチにより検知されたことに基づいて実行されるものとなっている。すなわち、操作受付期間において演出ボタン63が操作された場合に限り実行されるものとなっている。また、長押し操作や押し込み操作に伴う操作演出については、操作受付期間の途中でその操作を止めた場合、その時点で当該操作演出が終了するものとなっている。このため、遊技者にしてみれば、演出ボタンを操作することで、その演出ボタンを通じて、操作演出による演出ボタンの状態変化(本例では振動)を認識することが可能となる。これにより、演出ボタンの積極的な操作を遊技者に促すことが可能となる。
また、本実施例のパチンコ遊技機1は、遊技者が操作可能な演出ボタン(操作手段)として第1演出ボタン63aと第2演出ボタン63bとを備えている。そして、第1演出ボタン63aによる操作演出は、第1演出ボタン63aが短時間振動又は継続振動し、第2演出ボタン63bによる操作演出は、第2演出ボタン63bが継続振動するものとなっている。つまり、第1演出ボタン63aを用いた操作演出には、第1演出ボタン63aが短時間振動する第1操作演出と、第1演出ボタン63aが継続振動する第2操作演出とがある一方、第2演出ボタン63bを用いた操作演出は第2演出ボタン63bが継続振動する第2操作演出だけとなっている。このため、第1操作演出は第1演出ボタン63aだけに実行され得るものとなり、第2操作演出は第1演出ボタン63aと第2演出ボタン63bの両方で実行され得るものとなる。これにより、演出ボタンの種類によって操作演出の態様(操作演出パターン)を異ならせることが可能となり、演出ボタンを操作する際の興趣を高めることが可能となる。
また、本実施例のパチンコ遊技機1は、センター装飾部10の左上部と表示画面7aの手前側中央部との間を移動可能な可動装飾部材14を備えている。この可動装飾部材14は、第2演出ボタン63bの操作(本例では押し込み操作)に基づいて作動可能に構成されている。そして、可動装飾部材14を作動させるべく第2演出ボタン63bを操作した際には、その操作に伴って第2演出ボタン63bのパターンHによる操作演出(第2操作演出)が実行され得る。このため、第2演出ボタン63bの操作を契機として、可動装飾部材14の状態変化と、第2操作演出による第2演出ボタン63bの状態変化とが共に発生し得る演出構成とすることが可能となる。これにより、演出ボタンを操作することの興趣を高めることが可能となる。
なお、前述の実施例1では、第2演出ボタン63bの操作に基づいて可動演出を実行可能(可動装飾部材14を作動可能)としていたが、第1演出ボタン63aの操作に基づいて可動演出を実行可能にしてもよい。この場合、前述の実施例1の可動演出の実行契機を第2演出ボタン63bに替えて第1演出ボタン63aとしたり、第1演出ボタン63aの操作に基づいて作動可能な可動演出部材を別途設けたりする等の構成を採ることが可能である。
また、前述の実施例1では、第1演出ボタン63aを用いた操作演出の演出パターン(操作演出パターン)として、単押し操作に対応するパターンA及び長押し操作に対応するパターンB〜Gの計7種類を備え、第2演出ボタン63bを用いた操作演出の演出パターンとして押し込み操作に対応するパターンHの1種類を備えるものとしていたが、操作演出パターンはこれに限定されるものではない。例えば、第2演出ボタン63bの操作演出パターンとして、第1演出ボタン63aの単押し操作に対応するパターンAや、第1演出ボタン63aの長押し操作に対応するパターンB〜Gと同じようなパターンを設けてもよい。この場合、例えば、第2演出ボタン63bの操作に基づく操作対応演出として、前述の可動演出の他、所定の演出画像を表示する表示演出や所定の効果音を出力する音演出など種々の演出を設けておき、これら演出を予告演出や変動演出の一種として第2演出ボタン63bの操作に基づいて実行可能とし、これに併せて操作演出パターンを設定可能に構成すればよい。こうすれば、演出ボタンの操作に基づく操作対応演出や演出ボタンそのものを用いた操作演出をより多様化することが可能となる。また例えば、演出ボタン63が継続振動する場合、前述のパターンEやパターンFのように、その継続振動の前に必ず1又は複数回の短時間振動を行うこととしてもよい。こうすれば、演出ボタン63が継続振動することによる驚きを遊技者に与えやすくなり、操作演出の興趣をより高めることが可能となる。
また、前述の実施例1では、第1演出ボタン63aの操作態様を単押し操作及び長押し操作とし、第2演出ボタン63bの操作態様を押し込み操作としていたが、これ以外の操作態様を採ることも可能である。例えば、第1演出ボタン63aの押下を繰り返し行う連打操作や、第2演出ボタン63bを手前側へ引く引っ張り操作、第2演出ボタン63bを左右何れかの方向に回転させる回転操作等を採用することが可能である。これらの操作態様で操作する場合においても、前述の実施例1と同様に、演出ボタンの操作に伴って当該演出ボタン状態を変化させる操作演出を適用することが可能である。
また、前述の実施例1では、演出ボタン63の状態が変化する操作演出は、操作受付期間での演出ボタン63の操作(演出ボタン検知スイッチによる検知)に基づいて実行されるものとしていたが、演出ボタンが操作されなくとも操作演出が実行されるようにしてもよい。この場合、例えば、操作受付期間の開始(促進演出の開始)に伴って演出ボタンの振動等の状態変化が発生する構成を採ることが可能である。また例えば、演出図柄の変動表示中であって操作受付期間でないとき(操作受付期間外)に演出ボタンの状態変化が発生し得る構成を採ることも可能である。これらの構成によっても、遊技者が演出ボタンを操作していなくてもその演出ボタンの状態変化(振動等)を遊技者に視覚や聴覚等を通じて認識させることが可能であり、状態が変化した演出ボタンを遊技者に操作させることで、演出ボタンを操作することの興趣を高めることが可能となる。
次に、本発明の実施例2ついて説明する。なお、以下では、実施例1と異なる部分を中心に説明し、実施例1と共通する部分についての説明は省略する。
本実施例のパチンコ遊技機1は、演出ボタンの操作に基づく操作対応演出の実行に関し特徴的な構成を備えたものである。その概要は、変動演出の実行中の所定時期に操作受付期間(「前の操作受付期間」ともいう)が発生し、当該期間での演出ボタンの操作に基づく操作対応演出として特定の操作対応演出(「特定対応演出」ともいう)が実行されると、これを契機に次の操作受付期間が発生して、再度、演出ボタンの操作に基づく操作対応演出が実行可能となる、というものである。前(1回目)の操作受付期間が発生する所定時期としては、変動演出(変動表示)の開始時やリーチ成立時、リーチ演出中等が例示できる。以下では、リーチ成立時に操作受付期間(前の操作受付期間)が発生し、当該期間での演出ボタンの操作に基づいて特定対応演出が実行されると、これを契機に次の操作受付期間が発生して、再度、演出ボタンの操作に基づく操作対応演出が実行可能となる構成を「リーチ成立時予告」に適用した場合を例に説明する。なお、当該リーチ成立時予告のことを「リーチ成立時特殊予告」又は「特殊演出」ともいう。
[リーチ成立時特殊予告処理]
本実施例では、リーチ成立時特殊予告(特殊演出)を実現すべく、演出制御用マイコン91が図53に示すリーチ成立時特殊予告処理(S5000)を実行する。同図に示すように、リーチ成立時特殊予告処理(S5000)ではまず、遊技者に演出ボタンの操作を促す促進演出を実行中であるか否かを判定する(S5001)。本実施例では、リーチ成立時特殊予告で操作する演出ボタンを第1演出ボタン63aとしており、その操作態様を単押し操作としている。このため、リーチ成立時特殊予告にて実行される促進演出は、図54(A)に示す第1演出ボタン画像BG1及び操作受付期間画像TGからなる促進演出画像SEを画像表示装置7の表示画面7aに表示することにより行われる。この第1演出ボタン画像BG1及び操作受付期間画像TGの表示態様は、前述の実施例1における変動開始時ボタン予告と同じ態様である。但し、本実施例に係るリーチ成立時特殊予告での操作受付期間は1回あたり「3秒」である。
S5001にて促進演出を実行中でないと判定した場合(S5001でNO)、促進演出の開始タイミングであるか否かを判定する(S5010)。その結果、促進演出の開始タイミングでないと判定した場合(S5010でNO)、そのまま本処理を終える。一方、促進演出の開始タイミングであると判定した場合(S5010でYES)、促進演出開始処理を行う(S5011)。
ここで、リーチ成立時特殊予告は、リーチ成立を契機として実行される予告演出の一種である。変動演出中(演出図柄8の変動表示中)にリーチ成立時特殊予告を行うか否かは、前述のS4505で設定される変動演出パターン及びS4506で設定される予告演出パターンに応じて決まる。すなわち、変動演出パターンとして「リーチあり変動演出」が設定され、予告演出パターンとして本実施例に係る「リーチ成立時特殊予告」が設定された場合、当該変動演出でのリーチ成立を契機としてリーチ成立時特殊予告が実行(開始)される。このため、リーチ成立時特殊予告での促進演出の開始タイミングは、少なくとも、変動演出中のリーチ成立時と、後述する2回目以降の操作受付期間の開始時である。したがって、リーチ成立時特殊予告が設定されたリーチあり変動演出の実行中であって、リーチ成立時又は後述する次(2回目以降)の操作受付期間の開始時(発生時)である場合(S5010でYES)、促進演出開始処理(S5011)が実行される。
なお、予告演出パターンとしてリーチ成立時特殊予告を設定(実行)するか否かは、例えば、図示しないリーチ成立時特殊予告決定テーブル及び前述のS4501で取得される予告演出決定用乱数(例えば特殊予告決定用乱数)に基づいて決定可能である。この場合、例えば、S4505で設定される変動演出パターンに基づく変動演出が大当り変動である場合、外れ変動である場合に比してリーチ成立時特殊予告の実行可能性を高くしたり、S4505で設定される変動演出パターンに基づく変動演出がSPリーチ変動演出である場合、ノーマルリーチ変動演出に比してリーチ成立時特殊予告の実行可能性を高くしたりすることが可能である。こうすれば、リーチ成立時特殊予告が実行された場合には、実行されない場合に比べ大当り信頼度やSPリーチ演出の実行可能性が高くなる、といった遊技性が得られ、これにより遊技興趣を向上させることが可能となる。
促進演出開始処理(S5011)では、主に、促進演出画像SE(図54(A)を参照)の表示を指示する促進演出画像コマンドをサブ出力バッファにセットする処理と、操作受付期間の経過時間(残り時間)を計測する操作受付期間タイマに計測時間(本例では3秒)をセットする処理が行われる。促進演出画像コマンドがコマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御用マイコン101が促進演出画像SEを表示画面7aに表示する。また、促進演出画像コマンドの送信に合わせて、演出制御用マイコン91が操作受付期間タイマによる計時を開始する。これにより表示画面7aでは、第1演出ボタン画像BG1による単押し操作を示す演出表示及び操作受付期間画像TGによる操作受付期間の残り時間を示す演出表示が行われる。なお、第1演出ボタン画像BG1及び操作受付期間画像TGの表示は、操作受付期間内に第1演出ボタン63aが単押し操作されるか、操作されずに操作受付期間が終了(満了)するまで行われる。
これに対し、前述のS5001にて促進演出を実行中である(つまり、操作受付期間中である)と判定した場合(S5001でYES)、第1演出ボタン63aが操作(ここでは単押し操作)されたか否かを判定する(S5002)。この判定は、第1演出ボタン検知スイッチ63cの検知信号に基づいて行うことができる。その結果、第1演出ボタン63aが操作された(第1演出ボタン検知スイッチ63cがONになった)と判定した場合(S5002でYES)、操作カウンタの値を1減算する(S5003)。
ここで、操作カウンタは、リーチ成立時特殊予告の実行期間中に第1演出ボタン63が操作された回数(「操作回数」ともいう)をカウントするものである。操作カウンタには、前述のS4506にてリーチ成立時特殊予告が設定される場合、当該リーチ成立時特殊予告にて第1演出ボタン63の操作を可能とする回数(「操作可能回数」ともいう)に相当する値がセット(設定)される。この操作可能回数のセットは、例えば、図55に示す操作可能回数決定テーブルと、前述のS4501で取得される演出決定用乱数(例えば操作可能回数決定用乱数)とに基づいて行うことができる。
図55に示すように、操作可能回数決定テーブルは、特別図柄当否判定の結果(外れ又は大当り)に基づいてS4505で設定され得る変動演出パターンに応じて、演出決定用乱数(例えば操作可能回数決定用乱数)の値(例えば0〜99)を、操作回数の「1回」、「2回」及び「3回」の夫々に割り当てたデータ構造となっている。つまり、本実施例のリーチ成立時特殊予告では、操作可能回数の上限が3回となっている。なお、操作可能回数の上限は3回に限定されるものではなく、4回や5回さらにはそれより多くの回数であってもよい。また、操作可能回数は、変動演出時間(変動時間)や変動演出中の演出ボタン操作タイミング、変動演出のうち特殊演出が占める期間(特殊演出の実行期間)、設定される操作受付期間の長さ(操作受付時間)等を考慮して任意に設定可能である。
本実施例の操作可能回数決定テーブルでは、変動演出パターンとしてリーチあり変動演出(ノーマルリーチ変動演出、SPリーチ変動演出)が対象となっており、リーチなし変動演出は対象外となっている。リーチ成立時特殊予告は、リーチ成立を契機とする予告演出だからである。なお、当該テーブルのうち操作回数の「−」は選択対象外を意味する。 本実施例では、ノーマルリーチ変動演出にてリーチ成立時特殊予告が実行される場合、操作可能回数の上限を2回としており、3回目の操作受付期間は発生しない(設定されない)構成となっている。つまり、操作可能回数が3回に決定されるのは、SPリーチ変動演出にてリーチ成立時特殊予告が実行される場合に限られる。このため、リーチ成立時特殊予告にて第1演出ボタン63aの操作回数(操作受付期間の発生回数)が3回となった場合、SPリーチ演出の実行が確定する(SPリーチ確定示唆演出)。
操作可能回数決定テーブルを参照してリーチ成立時特殊予告での操作可能回数に関する設定を行う場合、例えば、特別図柄当否判定の結果が「外れ」であり、変動演出パターンが「ノーマルリーチ変動演出」であれば、90%の割合で「1回」が選択(設定)され、10%の割合で「2回」が選択(設定)される。また例えば、特別図柄当否判定の結果が「大当り」であり、変動演出パターンが「SPリーチ変動演出」であれば、10%の割合で「1回」が選択(設定)され、35%の割合で「2回」が選択(設定)され、55%の割合で「3回」が選択(設定)される。
このような操作可能回数決定テーブルによれば、ノーマルリーチ変動演出にてリーチ成立時特殊予告が実行される場合、第1演出ボタン63aの操作可能回数は、その変動演出が外れ変動であれば2回よりも1回となる可能性が高く、大当り変動であれば1回よりも2回となる可能性が高くなり、何れも3回となる可能性はない。一方、SPリーチ変動演出にてリーチ成立時特殊予告が実行される場合、第1演出ボタン63aの操作可能回数は、その変動演出が外れ変動であれば、1回となる可能性が最も高く3回となる可能性が最も低くなり、その変動演出が大当り変動であれば、3回となる可能性が最も高く1回となる可能性が最も低くなる。このことから、リーチ成立時特殊予告での第1演出ボタン63aの操作可能回数(操作回数、操作受付期間の発生回数)が多くなる程(本例では最高3回)、大当りの期待感(大当り信頼度)が高くなる。
図53に戻り、S5003に次いでS5004では、S5003にて1減算した後の操作カウンタの値が「0」であるか否かを判定する(S5004)。その結果、操作カウンタの値が「0」である場合(S5004でYES)、予告画像コマンドをサブ出力バッファにセットして(S5005)、本処理を終える。操作カウンタの値が「0」である場合(S5004でYES)、その「0」になる契機となった第1演出ボタン63aの操作をもって、リーチ成立時特殊予告での演出ボタン操作は最後(最終回)となる。この場合、予告画像コマンドがサブ出力バッファにセットされ(S5005)、当該コマンドがコマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御用マイコン101は、その予告画像コマンドに基づいて、今回のリーチ成立時特殊予告での予告画像(つまり、実行中の変動演出に関する予告画像)を表示画面7aに表示する。
本実施例では、S5005でセットされる予告画像コマンドに基づいて表示可能な予告画像として、図54(B)〜(D)に示す3種類の画像が用意されている。図54(B)に示す予告画像は、表示画面7aにカットイン予告演出として表示される第1カットイン画像CG1(第1予告画像)であり、図54(C)に示す予告画像は、表示画面7aにカットイン予告演出として表示されるものであって第1カットイン画像CG1よりもサイズが大きい第2カットイン画像CG2(第2予告画像)であり、図54(D)に示す予告画像は、表示画面7aに背景予告演出として表示される背景キャラクタ画像HC(第3予告画像)である。
第1カットイン画像CG1及び第2カットイン画像CG2は、リーチ成立時特殊予告における1回目と2回目の操作受付期間で第1演出ボタン63aが操作されたことに基づいて表示可能な予告画像であり、背景キャラクタ画像HCは、リーチ成立時特殊予告における3回目(最終回)の操作受付期間で第1演出ボタン63aが操作されたことに基づいて表示可能な予告画像である。第1カットイン画像CG1、第2カットイン画像CG2及び背景キャラクタ画像HCは、何れも現在実行中の変動演出(当該変動)の大当り信頼を示唆するものである。本実施例では、各予告画像の大当り信頼度の関係を「第1カットイン画像CG1<第2カットイン画像CG2<背景キャラクタ画像HC」としている。なお、第1カットイン画像CG1及び第2カットイン画像CG2の一方又は両方を指して「カットイン画像」ともいう。
第1カットイン画像CG1、第2カットイン画像CG2及び背景キャラクタ画像HCのうち何れを表示するかは、前述のS4506にてリーチ成立時特殊予告及び該リーチ成立時特殊予告での第1演出ボタン63aの操作可能回数(操作受付期間の発生回数)が設定される際に、これらと共に設定(決定)される。この設定(決定)は、例えば、図示しない予告画像決定テーブル及び前述のS4501で取得される予告演出決定用乱数(例えば予告画像決定用乱数)に基づいて行うことが可能である。これらテーブル及び乱数値の割り当て(振分)により、各予告画像の大当り信頼度の関係が定められる。そして、例えば、操作可能回数決定テーブルを参照して決定された第1演出ボタン63aの操作可能回数(操作上限回数)が「1回」又は「2回」である場合、その1回目又は2回目の操作に基づいて表示する予告画像は第1カットイン画像CG1又は第2カットイン画像CG2となる。また、操作可能回数決定テーブルを参照して決定された第1演出ボタン63aの操作可能回数(操作上限回数)が「3回」である場合、その3回目の操作に基づいて表示する予告画像は背景キャラクタ画像HCとなる。こうして設定(決定)された予告画像を指定するコマンドが、リーチ成立時特殊予告での第1演出ボタン63aの操作に基づいて操作カウンタの値が「0」になった際に、サブ出力バッファにセットされる(S5004でYES、S5005)。
一方、S5004にて操作カウンタの値が「0」でないと判定した場合(S5004でNO)、継続コマンドをサブ出力バッファにセットして(S5006)、本処理を終える。第1演出ボタン63aが操作されても操作カウンタの値が「0」とならない場合(S5002でYES、S5003、S5004でNO)、次(2回目以降)の促進演出を開始すべく(S5001でNO、S5010でYES)、S5011の処理が実行される。これにより、次(2回目以降)の操作受付期間が開始される(発生する)。この操作受付期間の再度の開始(発生)を示唆する画像の表示を指示するコマンドとして継続コマンドがサブ出力バッファにセットされる(S5006)。当該コマンドがコマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御用マイコン101は、その継続コマンドに基づいて、図54(E)に示すNEXT(ネクスト)の文字を表したネクスト画像NGを表示画面7aに表示する。なお、このとき表示する画像は本実施例で示すネクスト画像NGに限定されるものではなく、次(2回目以降)の操作受付期間の開始(発生)に繋がる画像であればよく、画像の種類、表示態様等は特に問わない。
ここで、リーチ成立時特殊予告での第1演出ボタン63aの操作に基づいて、ネクスト画像NGを表示したり予告画像(第1カットイン画像CG1、第2カットイン画像CG2又は背景キャラクタ画像HC)を表示したりする演出のことを総じて「操作対応演出」ともいう。そのうち、ネクスト画像NGを表示する演出のことを「特定対応演出」ともいい、背景キャラクタ画像HCを表示する演出のことを「特別対応演出」ともいう。
以上はリーチ成立時特殊予告での操作受付期間にて第1演出ボタン63aが操作された場合の処理である。これに対し、S5002にて第1演出ボタン63aが操作されていないと判定した場合(S5002でNO)、操作受付期間(本例では「3秒」)が経過したか否かを判定し(S5020)、経過していない場合(S5020でNO)、本処理を終える。一方、操作受付期間が経過した場合(S5020でYES)、操作カウンタをリセット(ゼロクリア)し(S5021)、操作受付期間内に第1演出ボタン63aが操作されなかったことを示す非操作コマンドをサブ出力バッファにセットして(S5022)、本処理を終える。
非操作コマンドがコマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御用マイコン101は、その非操作コマンドに基づいて、それまで表示画面7aに表示していた促進演出画像SEを消去し、リーチ成立時特殊予告が未完のまま終了した旨を示唆する終了画像(図示せず)を表示画面7aに表示する。終了画像は、例えば、促進演出画像SEが消えて無くなる様子を表した画像や「END」の文字を示す画像が挙げられる。S5021及びS5022の処理が実行されると、これ以降、今回のリーチ成立時特殊予告は進展せず、当該リーチ成立時特殊予告に係る予告画像(図54(B)〜(D)を参照)やネクスト画像NG(図54(E)を参照)が当該変動中に表示されることはない。
なお、リーチ成立時特殊予告にて、予め設定された操作可能回数分の第1演出ボタン63aの操作が行われずに当該リーチ成立時特殊予告の終了を迎えた場合、その終了時点で当該リーチ成立時特殊予告に係る予告画像(図54(B)〜(D)を参照)を表示することとしてもよい。この場合、再度の操作受付期間が発生する前の操作受付期間での第1演出ボタン63aの操作に基づくネクスト画像NGの表示により次の操作受付期間が発生して、再度、第1演出ボタン63aの操作に基づく操作対応演出が実行される、といった遊技性は得られなくなるものの、実行中の変動演出に関する予告画像が表示されるため、当該変動に係る大当り信頼度を示唆することが可能となる。また、設定された操作可能回数分の第1演出ボタン63aの操作が行われずに当該リーチ成立時特殊予告の終了を迎えた場合、促進演出画像SEを消去するだけで、終了画像や予告画像等を表示しないこととしてもよい。これにより、例えば、リーチ成立時特殊予告の際に演出ボタンが適切に操作された場合には大当り信頼度がきちんと示唆され、操作されなかった場合には大当り信頼度が示唆されないといったように、演出ボタンが操作された場合とそうでない場合とで差異を設けることが可能となる。
以上のリーチ成立時特殊予告処理(S5000)により実行されるリーチ成立時特殊予告の流れ(演出表示の変遷)について、図56及び図57を参照しながら説明する。なお、図56及び図57は、リーチ成立時特殊予告が実行される際の画像表示装置7(表示画面7a)の表示内容を示す。
図56(A)に示すように、変動演出中に左演出図柄8L及び右演出図柄8Rが同じ図柄で停止(仮停止)してリーチ成立となると、図56(B)に示すように、リーチ成立状態にある演出図柄8が表示画面7aの端の方(本例では右下)に小さく表示されるとともに、表示画面7aの略中央に促進演出画像SEが表示される。この促進演出画像SEの表示開始がリーチ成立時特殊予告(特殊演出)の開始となり、これに伴い1回目の操作受付期間が発生する。
1回目の操作受付期間にて第1演出ボタン63aが操作されると、当該リーチ成立時特殊予告の実行にあたり設定された操作可能回数が「1回」である場合、図56(C1)に示すようにカットイン画像が表示される。同図では第1カットイン画像CG1が表示された場合を示しているが、第2カットイン画像CG2が表示されることもある。カットイン画像は、所定の表示時間(例えば2秒)が経過するまで表示され、その表示時間が経過すると、表示画面7aから消去される。カットイン画像の消去後(表示終了後)は、変動演出パターンに応じたリーチ演出(ノーマルリーチ演出又はSPリーチ演出)が表示画面7aに表示される。このことは、2回目の操作受付期間にて第1演出ボタン63aが操作されたことに基づいてカットイン画像(第1カットイン画像CG1又は第2カットイン画像CG2)が表示された場合についても同様である。
一方、1回目の操作受付期間にて第1演出ボタン63aが操作された場合であって、設定された操作可能回数が「2回」又は「3回」である場合、図56(C2)に示すようにネクスト画像NGが表示される(特定対応演出)。このときネクスト画像NGは、右斜め下方に傾いた態様で表示される。ネクスト画像NGは所定の表示時間(例えば1秒)が経過するまで表示される。ネクスト画像NGの表示時間は、予め定められた任意の時間とすることが可能である。但し、ネクスト画像NGの表示が次の演出ボタン操作への繋ぎであることや、リーチ成立時特殊予告(特殊演出)のスムーズな進行等を考慮して、然程長くない時間(例えば1.0秒〜2.0秒)とするのが望ましい。
ネクスト画像NGの表示時間が経過すると、表示画面7aからネクスト画像NGが消去され、これに続いて図56(D)に示すように、表示画面7aの略中央に促進演出画像SEが表示される。この促進演出画像SEの表示に伴い2回目の操作受付期間が発生する。
2回目の操作受付期間にて第1演出ボタン63aが操作されると、当該リーチ成立時特殊予告の実行にあたり設定された操作可能回数が「2回」である場合、図56(E1)に示すようにカットイン画像が表示される。同図では第2カットイン画像CG2が表示された場合を示しているが、第1カットイン画像CG1が表示されることもある。2回目の操作受付期間での演出ボタン操作に基づくカットイン画像の表示、消去及び消去後の演出表示については、前述した1回目の操作受付期間の場合と同様である。
一方、2回目の操作受付期間にて第1演出ボタン63aが操作された場合であって、設定された操作可能回数が「3回」である場合、図56(E2)に示すようにネクスト画像NGが表示される(特定対応演出)。このときネクスト画像NGは、1回目の操作受付期間での演出ボタン操作に基づく場合(図56(C2)を参照)と異なり、左斜め下方に傾いた態様で表示される。つまり、1回目の操作受付期間での演出ボタン操作に基づくネクスト画像NGの表示と、2回目の操作受付期間での演出ボタン操作に基づくネクスト画像NGの表示とで、その表示態様が異なるものとなっている。
なお、2回目のネクスト画像NGの表示時間及び消去については、前述した1回目の操作受付期間の場合と同様である。但し、1回目と2回目とでネクスト画像NGの表示時間を異ならせることも可能である。この場合、1回目の表示時間を2回目の表示時間よりも長くしたり、1回目の表示時間を2回目の表示時間よりも短くしたりことが可能である。また、操作受付期間の開始から終了までの第1演出ボタン63aの操作タイミングに応じて、ネクスト画像NGの表示時間の長短が変化するように構成することも可能である。例えば、第1演出ボタン63aの操作タイミングが相対的に早い場合、ネクスト画像NGの表示時間が相対的に長くなり、第1演出ボタン63aの操作タイミングが相対的に遅い場合、ネクスト画像NGの表示時間が相対的に短くなる構成とすることが可能である。
2回目の操作受付期間での演出ボタン操作に基づき表示されたネクスト画像NGの表示時間が経過すると、表示画面7aからネクスト画像NGが消去され、これに続いて図57(F)に示すように、表示画面7aの略中央に促進演出画像SEが表示される。この促進演出画像SEの表示に伴い3回目の操作受付期間が発生する。
3回目の操作受付期間にて第1演出ボタン63aが操作されると、図57(G)に示すように背景キャラクタ画像HCが表示される(特別対応演出)。背景キャラクタ画像HCは、所定の表示時間(例えば3秒)が経過するまで表示され、その表示時間が経過すると、表示画面7aから消去される。背景キャラクタ画像HCの消去後(表示終了後)は、変動演出パターンに応じたSPリーチ演出(特別特定演出)が表示画面7aに表示される。前述したように、リーチ成立時特殊予告での第1演出ボタン63aの操作回数が3回の場合、SPリーチ演出の実行が確定するからである。
[実施例2の作用効果]
以上に説明した本実施例のパチンコ遊技機1では、リーチ成立時特殊予告の予告演出パターンが設定された変動演出において、リーチ成立を契機として操作受付期間が発生する。この操作受付期間にて第1演出ボタン63aが操作(単押し操作)されると、当該操作に対応した演出(操作対応演出)が実行される。このとき、操作対応演出としてネクスト画像NGが表示された場合には、その後、操作受付期間が発生し、再度、第1演出ボタン63aの操作に基づく演出が実行可能となる。本実施例では、最初の操作受付期間のあと、そのような第1演出ボタン63aの操作に基づく操作受付期間の再発生が1回又は2回起こり得るものとなっている。このため、第1演出ボタン63aの操作に基づくネクスト画像NGの表示(特定対応演出の実行)により操作受付期間が繰り返し発生するといった遊技性が得られるようになる。また、その遊技性は、ネクスト画像NGの表示回数(特定対応演出の実行回数)に応じて、操作受付期間の発生回数、すなわち、第1演出ボタン63aの操作回数(操作可能回数)が変化する遊技性ともいえる。これにより、遊技興趣を向上させることが可能となる。
また、本実施例のパチンコ遊技機1では、リーチ成立時特殊予告における1回目の操作受付期間での演出ボタン操作に基づくネクスト画像NGの表示(前の特定対応演出)と、2回目の操作受付期間での演出ボタン操作に基づくネクスト画像NGの表示(次の特定対応演出)とで、ネクスト画像NGの表示態様が異なるものとなっている。このため、リーチ成立時特殊予告にて第1演出ボタン63aの操作に基づくネクスト画像NGの表示演出(特定対応演出)が繰り返される場合、その演出態様に変化をもたらすことが可能となる。これにより、演出ボタンの操作を伴う演出(本例ではリーチ成立時特殊予告)の趣向性を高めることが可能となる。
また、本実施例のパチンコ遊技機1では、リーチ成立時特殊予告での第1演出ボタン63aの操作回数(操作受付期間の発生回数)が、予め定められた操作可能回数の上限(本例では3回)に到達した場合、背景キャラクタ画像HCの表示(特別対応演出の実行)を経てSPリーチ演出(特別特定演出)が必ず実行されるものとなっている(図55を参照)。そして、リーチ成立時特殊予告での第1演出ボタン63aの操作回数(操作受付期間の発生回数)が多い程、大当り信頼度が高くなる構成となっている(図55を参照)。このため、リーチ成立時特殊予告での第1演出ボタン63aの操作回数が上限(本例では3回)に到達するか否か、換言すると、背景キャラクタ画像HCが表示されるか否かに、遊技者の興味を惹きつけることが可能となる。これにより、演出ボタンの操作を伴う演出(本例ではリーチ成立時特殊予告)の趣向性がさらに高まり、演出ボタンを操作することの興趣をより高めることが可能となる。
なお、前述の実施例2では、リーチ成立時特殊予告での第1演出ボタン63aの操作回数が、予め定められた操作可能回数の上限(本例では3回)に到達した場合に、大当り信頼度の高い背景キャラクタ画像HCが表示されるものとしていたが、上限に達するよりも前の操作受付期間(例えば、1回目又は2回目の操作受付期間)での演出ボタン操作に基づいて、背景キャラクタ画像HCが表示され得るようにしてもよい。こうすれば、第1演出ボタン63aの操作回数が上限に達しなかったとしても大当りの期待感を遊技者に抱かせることが可能となる。
また、前述の実施例2では、第1演出ボタン63aを操作(単押し)するものとしていたが、第2演出ボタン63bを操作するものとしてもよい。この場合、第2演出ボタン63bの操作態様は押し込み操作、引っ張り操作、回転操作等とすることが可能である。
また、前述の実施例2では、リーチ成立時特殊予告にて操作受付期間が複数回発生する場合、その都度、第1演出ボタン63aを同じ操作態様(単押し)で操作するものとしていたが、操作する演出ボタンの種類を異ならせたり、演出ボタンの操作態様を異ならせたりしてもよい。例えば、1回目の操作受付期間では第1演出ボタン63aを単押し操作し、2回目の操作受付期間では第2演出ボタン63bを押し込み操作し、3回目の操作受付期間では第2演出ボタン63bを引っ張り操作する、といった構成を採ることが可能である。また例えば、1〜3回目の操作受付期間で第1演出ボタン63aを操作することとし、1回目は単押し操作、2回目は連打操作、3回目は長押し操作をそれぞれ行うといった構成を採ることも可能である。これらの構成によれば、操作受付期間の発生回数によって操作対象となる演出ボタンの種類や演出ボタンの操作態様が変化し得るので、演出ボタンの操作バリエーションを増やすことが可能となる。この結果、演出ボタンを操作することの興趣を高めることが可能となる。
また、前述の実施例2では、リーチ成立時特殊予告にて操作受付期間が複数回発生する場合であって、前の操作受付期間(例えば、1回目の操作受付期間)での演出ボタン操作に基づきネクスト画像NGが表示される場合と、次の操作受付期間(例えば、2回目の操作受付期間)での演出ボタン操作に基づきネクスト画像NGが表示される場合とで、その表示態様(特定対応演出の演出態様)が異なるものとなっていた(図56(C2)、(E2)を参照)。これに対して、各操作受付期間での演出ボタン操作に基づくネクスト画像NGの表示態様を異ならせず、各操作受付期間で同じ態様としてもよい。この場合、次の操作受付期間の発生に繋がる操作対応演出(特定対応演出)の実行に関し、その演出パターンが1種類になるため、その分、演出表示制御の簡素化が図れるようになる。
また、前述の実施例2では、前の操作受付期間での演出ボタン操作に基づくネクスト画像NGの表示態様と、次の操作受付期間での演出ボタン操作に基づくネクスト画像NGの表示態様との相違に関し、ネクスト画像NGの傾斜態様が互いに異なるものとなっていたが(図56(C2)、(E2)を参照)、その表示態様の相違、すなわち、演出ボタン操作に基づく特定対応演出の演出態様の相違は、実施例2に限定されるものではない。例えば、前の操作受付期間での演出ボタン操作に基づく特定対応演出としての画像表示と、次の操作受付期間での演出ボタン操作に基づく特定対応演出としての画像表示とで、それぞれ表示する画像の内容や種類、色、大きさ等を異ならせるようにしてもよい。また、演出ボタン操作に基づく特定対応演出は、実施例2のように画像を表示する表示演出の他、所定の効果音を出力する音演出や、所定の発光態様で盤ランプや枠ランプ等を発光させる光演出等としてもよく、これら演出を組み合わせることも可能である。これによっても、演出ボタンの操作に基づく特定対応演出の実行(操作受付期間の発生)が繰り返される場合、その演出態様に変化をもたらすことが可能となる。
また、前述の実施例2で説明したリーチ成立時特殊予告は、前述の実施例1のパチンコ遊技機1に適用可能である。すなわち、実施例1に係る変動開始時ボタン予告及びリーチ成立時ボタン予告と、実施例2に係るリーチ成立時特殊予告とを備えたパチンコ遊技機1とすることが可能である。この場合、例えば、リーチ成立時予告の予告演出パターンとして、リーチ成立時ボタン予告の予告演出パターンと、リーチ成立時特殊予告の予告演出パターンとを設け、リーチ成立時予告の予告演出パターンを設定する場合(S4506)、何れか一方の予告演出パターンが設定可能となるように構成する。こうすれば、ともにリーチ成立を契機とするリーチ成立時ボタン予告及びリーチ成立時特殊予告がその実行に際して競合してしまうといった不都合を回避することが可能となる。
また、前述の実施例2の構成に、前述の実施例1で説明した第1演出ボタン63aの操作演出を適用することも可能である。すなわち、リーチ成立時特殊予告にて第1演出ボタン63aが操作される場合、その操作に伴って第1演出ボタン63aの状態変化(例えば振動等)が発生し得るように構成することが可能である。具体的に、例えば、リーチ成立時特殊予告での第1演出ボタン63aの操作回数が予め定められた操作可能回数の上限(例えば3回)に到達した際、その上限となる操作に基づいて背景キャラクタ画像HCが表示されるとともに、第1演出ボタン63aが振動する構成を採ることが可能である。この場合、第1演出ボタン63aの振動パターンは、第1振動モータ63eが短時間(例えば0.5秒)だけ駆動する態様(短時間振動)や、第1演出ボタン63aを押し続ける限り第1振動モータ63eが駆動し続ける態様(継続振動)とすることが可能である。こうすれば、操作演出期間の発生回数(演出ボタンの操作回数)に加え演出ボタンの状態変化にも遊技者の興味を惹きつけることが可能となり、演出ボタンの操作を伴う演出の趣向性を高めることが可能となる。
また、前述の実施例2の構成に、前述の実施例1で説明したエフェクト枠画像EFの表示有無に係る構成を適用することも可能である。すなわち、変動演出中に実行されるリーチ成立時特殊予告において、第1演出ボタン63aの操作回数が予め定められた回数に到達した場合と到達しなかった場合とで、その後の変動演出終了(演出図柄8の停止表示)に至るまでの演出態様(SPリーチ演出の実行有無、エフェクト枠画像EFの表示有無等)が異なるものとなるように構成することが可能である。具体的に、例えば、リーチ成立時特殊予告での第1演出ボタン63aの操作回数が予め定められた操作可能回数の上限(例えば3回)に到達した場合には、その上限となる操作に基づく背景キャラクタ画像HCの表示を経て、その後のSPリーチ演出とともにエフェクト枠画像EFが表示される一方、上限に到達しなかった場合には、背景キャラクタ画像HCやエフェクト枠画像EFが表示されることなく、SPリーチ演出が表示(実行)され得る構成を採ることが可能である。こうすれば、操作演出期間の発生回数(演出ボタンの操作回数)に加え演出ボタン操作後の演出態様(演出展開)に遊技者の興味を惹きつけて、遊技興趣を向上させることが可能となる。
以上、本発明の実施形態として実施例1及び2を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各請求項に記載した範囲を逸脱しない限り、各請求項の記載文言に限定されず、当業者がそれらから容易に置き換えられる範囲にも及び、かつ、当業者が通常有する知識に基づく改良を適宜付加することが可能である。
例えば、前述の実施例では、第2特図保留(第2特別図柄の変動表示)を第1特図保留(第1特別図柄の変動表示)に優先して消化する制御処理(いわゆる特図2優先変動)を採用していたが、これに限らず、第1特図保留を第2特図保留に優先して消化する制御処理(いわゆる特図1優先変動)としてもよい。あるいは、第1特図保留の消化と第2特図保留の消化とに優先順位を設定せず、第1特図保留および第2特図保留のうち、最も古く記憶されたものから順に消化する制御処理(いわゆる入球順(記憶順)変動)の制御処理としてもよい。また、前述の実施例における特図2優先変動に代えて、第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示(第1特図保留の消化と第2特図保留の消化)とを並行して実行する制御処理(いわゆる特図1,2同時変動)を採用してもよい。
また、前述の実施例では、大当り図柄の種類に基づいて確率変動機能を作動させるか否かを決定する1種タイプのパチンコ遊技機に本発明を適用したものを例示したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、大入賞口(Vアタッカー)に確変作動口としての特定領域(V領域)を備え、大当り遊技中に遊技球が特定領域を通過(V通過)したか否かに基づいて確率変動機能を作動させるか否かを決定する1種タイプのパチンコ遊技機(所謂「V確機」)にも本発明を適用することが可能である。あるいは、特別図柄当否判定の結果が小当りとなることで入球可能となる大入賞口に特定領域(V領域)を備え、小当り遊技の際にその大入賞口に入球した遊技球が特定領域を通過(V通過)すると大当りとなり、当該V通過に基づき大当り遊技が実行される1種2種タイプのパチンコ遊技機にも本発明を適用することも可能である。
また、前述の実施例では、確率変動機能の非作動・作動により、大当り確率を低確率(第1確率)または高確率(第2確率)に設定可能としていたが、大当り確率の種類(数)はこれに限定されるものではなく、例えば、低確率(第1確率)よりも高く高確率(第2確率)よりも低い中確率(第3確率)等、3種類以上の確率を設定可能としてもよい。さらに、第1低確率と第1高確率(第1確率条件)、第2低確率と第2高確率(第2確率条件)、第3低確率と第3高確率(第3確率条件)など、低確率と高確率との関係を定めた複数種の確率条件を設け、当該複数種の確率条件のうちの何れかを、例えば、遊技機の電源投入時に任意に設定可能(選択可能)としてもよい。
[その他]
以下、本明細書で開示した実施形態(実施例)に関連する発明を参考発明として開示しておく。
(参考発明1)
従来、遊技者が操作可能な演出ボタンを備え、演出ボタンを用いた演出を遊技中に実行するように構成されたものが知られている(例えば、特開2011−155998号公報を参照)。演出ボタンを備えた遊技機は、演出ボタンの操作を通じて遊技(演出)に参加する機会を遊技者に与えることにより遊技興趣の向上を図れるという利点がある。しかしながら、今では演出ボタンを搭載することは当然となっており、演出ボタンを用いた演出も画一的になりつつあることから、遊技興趣の向上を図るには未だ改善の余地がある。
本参考発明1は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、演出ボタン等の操作手段を備えた遊技機の遊技興趣を向上させることにある。
参考発明1−1の遊技機は、
当否判定を実行可能な当否判定手段と、
前記当否判定の結果が特定結果であることに基づいて特別遊技を実行可能な特別遊技実行手段と、
演出を実行可能な演出実行手段と、
遊技者が操作可能な操作手段と、
前記操作手段の状態を制御可能な状態制御手段と、を備え、
前記演出実行手段は、前記当否判定の結果を報知する報知演出を実行可能であり、
前記報知演出として、前記操作手段の操作受付期間を含む操作報知演出を有し、
前記状態制御手段は、前記操作受付期間にて前記操作手段が操作された場合に前記操作手段の状態を特別状態とすることが可能であり、
前記操作報知演出において、前記操作受付期間にて前記操作手段が操作されて前記操作手段の状態が前記特別状態となった場合とならなかった場合とで、前記当否判定の結果が報知されるまでの演出態様を異ならせることが可能である
ことを特徴とするものである。
このような遊技機では、当否判定の結果を報知する報知演出として、操作手段の操作受付期間を含む操作報知演出が実行され得る。操作報知演出が実行され、該操作報知演出中の操作受付期間にて遊技者が操作手段を操作した際、その操作手段の状態が特別状態となる場合とならない場合とがあり、特別状態となるか否かによって、当否判定結果の報知に至るまでの演出態様を異なせることが可能となっている。このため、操作手段を操作したときの当該操作手段の状態や操作後の報知演出の内容(演出態様)に遊技者の興味を惹きつけることが可能となる。これにより、操作報知演出の興趣を高めることが可能となり、延いては操作手段を備えた遊技機の遊技興趣を向上させることが可能となる。
参考発明1−2の遊技機は、前述した参考発明1−1の遊技機において、
前記状態制御手段は、前記操作受付期間にて前記操作手段が操作された場合に前記操作手段の状態を前記特別状態とするにあたり、少なくとも前記操作手段が操作されている間、前記操作手段の状態を前記特別状態とする
ことを特徴とするものである。
このような遊技機では、操作報知演出中の操作受付期間にて操作手段が操作され、その操作手段の状態が特別状態となる場合、少なくとも操作手段が操作されている間、操作手段の状態が特別状態となる。このため、操作手段の状態が特別状態となっていることを、操作手段の操作を通じて遊技者に認識させることが可能となる。これにより、操作手段の積極的な操作を遊技者に促すことが可能となる。
参考発明1−3の遊技機は、前述した参考発明1−1又は1−2の遊技機において、
前記操作報知演出として、前記操作受付期間にて前記操作手段が操作された場合に前記操作手段の状態が前記特別状態とならない第1操作報知演出と、前記操作受付期間にて前記操作手段が操作された場合に前記操作手段の状態が前記特別状態となる第2操作報知演出と、を有し、
前記第1操作報知演出では、前記操作受付期間にて前記操作手段が操作された後、所定演出を実行することなく前記当否判定の結果を報知し、
前記第2操作報知演出では、前記操作受付期間にて前記操作手段が操作された後、所定演出を実行し、該所定演出後に前記当否判定の結果を報知する
ことを特徴とするものである。
このような遊技機では、操作報知演出として第1操作報知演出が実行される場合、当該報知演出中の操作受付期間にて遊技者が操作手段を操作した際、その操作手段の状態が特別状態とならず、その後、所定演出が実行されることなく当否判定の結果が報知される。一方、操作報知演出として第2操作報知演出が実行される場合、当該報知演出中の操作受付期間にて遊技者が操作手段を操作した際、その操作手段の状態が特別状態となり、その後、所定演出の実行を経て当否判定の結果が報知される。このため、遊技者にとっては、操作手段を操作した際に当該操作手段の状態が特別状態となるか否かによって、当否判定結果の報知前に所定演出が実行されるか否かが判明することとなる。これにより、操作手段の状態と所定演出の実行有無に遊技者の興味を惹きつけて、遊技興趣を向上させることが可能となる。
参考発明1−4の遊技機は、前述した参考発明1−1から1−3の何れか一つの遊技機において、
前記操作報知演出において前記操作受付期間が複数回発生する場合があり、
前記状態制御手段は、前記複数回の操作受付期間のうち少なくとも1回の操作受付期間にて前記操作手段の状態を特別状態とすることが可能である
ことを特徴とするものである。
このような遊技機では、一の操作報知演出中に操作受付期間が複数回発生し得るものとなっており、その複数回の操作受付期間のうち少なくとも1回の操作受付期間で操作手段の状態が特別状態となり得る。このため、操作受付期間の発生や操作受付期間での操作手段の操作に遊技者の興味を惹きつけることが可能となる。これにより、操作報知演出の興趣を高めることが可能となる。
参考発明1−5の遊技機は、前述した参考発明1−4の遊技機において、
前記状態制御手段は、前記複数回の操作受付期間のうち最終回の操作受付期間にて前記操作手段の状態を特別状態とすることが可能である
ことを特徴とするものである。
このような遊技機では、一の操作報知演出中に操作受付期間が複数回発生する場合、その複数回の操作受付期間のうち最終回(最後)の操作受付期間で操作手段の状態が特別状態となり得る。このため、操作報知演出中に操作受付期間が複数回発生する場合、後の操作受付期間にて操作手段を操作する際の興趣を高めることが可能となる。これにより、操作報知演出の興趣をより効果的に高めることが可能となる。
参考発明1−6の遊技機は、
遊技者が操作可能な操作手段と、
前記操作手段を振動させる振動手段と、
遊技の進行を実行する遊技実行手段と、
を備えた遊技機において、
所定条件の成立に起因して遊技の当否判定を行う判定手段と、
前記判定手段による当否判定結果を報知する報知演出を表示する演出表示手段と、
を備え、
前記報知演出は、前記操作手段の操作を伴う操作演出を含む第1演出と、前記第1演出と異なる第2演出とを含み、
前記遊技実行手段は、
前記演出表示手段が前記第1演出を表示している際に、前記操作演出の表示に伴って前記操作手段の操作がされた場合に、前記振動手段によって所定振動力を該操作手段に与えた後、該演出表示手段が該第1演出の表示により前記当否判定結果を仮報知した後、続けて、前記第2演出を表示して前記当否判定結果を報知するように実行する第1実行手段と、
前記演出表示手段が前記第1演出を表示している際に、前記操作演出の表示に伴って前記操作手段の操作がされた場合に、前記振動手段によって前記所定振動力を該操作手段に与えないで、該演出表示手段が該第1演出の表示により前記当否判定結果を報知して、前
記第2演出を表示しないように実行する第2実行手段と、
を有することを特徴とするものである。
このような遊技機では、操作手段の操作と操作手段の振動と第1演出と第2演出との組み合わせに対する趣向性を高めることが可能となる。
以上の本参考発明1によれば、演出ボタン等の操作手段を備えた遊技機の遊技興趣を向上させることが可能となる。
(参考発明2)
参考発明2は、前述した参考発明1と同様の課題を解決するものである。
参考発明2−1の遊技機は、
所定の遊技媒体を用いて遊技を行うことが可能な遊技機であって、
遊技者が操作可能な操作手段と、
演出を実行可能な演出実行手段と、を備え、
前記操作手段は、第1状態と第2状態を採り得るように構成されており、
前記演出実行手段は、前記操作手段を用いた操作演出を実行可能であり、
前記操作演出には、
前記操作手段が前記第1状態から前記第2状態となって該第2状態から前記第1状態となる第1操作演出と、
前記操作手段が前記第1状態から前記第2状態となって該第2状態が所定期間継続される第2操作演出と、があり、
前記第1操作演出の実行後に前記第2操作演出が実行される場合がある
ことを特徴とするものである。
このような遊技機では、第1状態と第2状態を採り得るように構成された操作手段を備えており、この操作手段を用いた操作演出として第1操作演出と第2操作演出が実行可能となっている。第1操作演出は、操作手段が第1状態から第2状態となって該第2状態から第1状態となる操作演出であり、第2操作演出は、操作手段が第1状態から第2状態となって該第2状態が所定期間継続される操作演出である。そして、第1操作演出の実行後に第2操作演出が実行される場合がある。このため、操作演出の実行に際し、その操作演出が第1操作演出として実行されるだけでなく、第1操作演出を経由して第2操作演出として実行される場合もあるようにすることが可能となる。これにより、操作演出の興趣を高めることが可能となり、延いては操作手段を備えた遊技機の遊技興趣を向上させることが可能となる。
参考発明2−2の遊技機は、前述した参考発明2−1の遊技機において、
前記操作手段の操作を検知可能な操作検知手段を備え、
前記第1操作演出では、前記操作検知手段が前記操作手段の操作を検知したことに基づいて、前記操作手段が前記第1状態から前記第2状態となって該第2状態から前記第1状態となり、
前記第2操作演出では、前記操作検知手段が前記操作手段の操作を検知したことに基づいて前記操作手段が前記第1状態から前記第2状態となり、その後、前記操作検知手段が前記操作手段の操作を検知している間、前記第2状態が継続される
ことを特徴とするものである。
このような遊技機では、操作手段の操作を検知可能な操作検知手段を備えている。そして、第1操作演出では、操作手段の操作が検知されたことに基づいて、その操作手段が第1状態から第2状態となって該第2状態から第1状態となる。また、第2操作演出では、操作手段の操作が検知されたことに基づいて、その操作手段が第1状態から第2状態となり、その後、操作手段の操作が検知され続ける間、第2状態が継続される。このため、遊技者にしてみれば、操作手段を操作することで、その操作手段を通じて、第1操作演出による操作手段の状態変化(状態移行)や第2操作演出による操作手段の状態変化(状態移行)を認識することが可能となる。これにより、操作手段の積極的な操作を遊技者に促すことが可能となる。
参考発明2−3の遊技機は、前述した参考発明2−1又は2−2の遊技機において、
非作動状態と作動状態とを採り得る可動演出部を備え、
前記可動演出部は、前記操作手段の操作に基づいて非作動状態から作動状態に変化可能に構成されており、
前記操作手段の操作に基づいて前記可動演出部が非作動状態から作動状態に変化する際に前記第2操作演出が実行される場合がある
ことを特徴とするものである。
このような遊技機では、操作手段の操作に基づいて非作動状態から作動状態に変化可能な可動演出部を備えている。そして、操作手段の操作に基づいて可動演出部が非作動状態から作動状態に変化する際に、第2操作演出が実行され得るものとなっている。このため、操作手段の操作を契機として可動演出部の状態変化(状態移行)と第2操作演出による操作手段の状態変化(状態移行)とが共に発生し得る演出構成とすることが可能となる。これにより、操作手段を操作することの興趣を高めることが可能となる。
参考発明2−4の遊技機は、前述した参考発明2−1から2−3の何れか一つの遊技機において、
前記操作手段には第1操作手段と第2操作手段とがあり、
前記第1操作演出は、前記第1操作手段を用いた操作演出であり、
前記第2操作演出は、前記第2操作手段を用いた操作演出である
ことを特徴とするものである。
このような遊技機では、操作手段として第1操作手段と第2操作手段を備えており、第1操作演出は第1操作手段を用いて実行され、第2操作演出は第2操作手段を用いて実行される。このため、操作手段の種類によって実行され得る操作演出を異ならせることが可能となる。これにより、操作手段を操作する際の興趣を高めることが可能となる。
参考発明2−5の遊技機は、
通常状態である第一状態から、当該第一状態とは異なる状態であることを遊技者の感覚で認識可能な第二状態に変化可能である、遊技者が操作可能な操作手段を備え、
前記操作手段の操作が有効となる一連の操作有効期間が設定される操作演出では、間欠的に前記操作手段が前記第一状態から前記第二状態に変化して、その後前記第一状態に戻る間欠動作、および、前記操作手段が前記第一状態から前記第二状態に変化し、そのまま前記一連の操作有効期間が終了するまで、当該操作手段の第二状態が維持され続ける維持動作が発生する場合があり、
前記操作演出において、前記一連の操作有効期間中に前記維持動作が発生する場合には、当該一連の操作有効期間中における当該維持動作が発生するよりも前に必ず前記間欠動作が一回以上実行されるように設定されている
ことを特徴とするものである。
このような遊技機では、操作手段が第一状態から第二状態に変化したとき、即座に第一状態に戻る場合もあれば、第二状態が維持され続ける場合もある。また、第二状態が維持され続ける場合、必ず一回以上の間欠動作を経て操作手段の第二状態が維持され続ける。これにより、間欠動作が発生すると思わせつつ第二状態が維持されるという驚きのある演出態様が実現可能となる。
以上の本参考発明2によれば、演出ボタン等の操作手段を備えた遊技機の遊技興趣を向上させることが可能となる。
(参考発明3)
参考発明3は、前述した参考発明1と同様の課題を解決するものである。
参考発明3−1の遊技機は、
識別情報の変動表示の表示結果が特定表示結果となることに基づいて、遊技者に所定の利益を付与し得る特別遊技が実行可能となる遊技機であって、
遊技者が操作可能な操作手段と、
前記操作手段の操作を受け付ける操作受付期間を前記変動表示中に発生可能な操作受付期間発生手段と、
前記操作受付期間にて前記操作手段が操作されたことに基づいて操作対応演出を実行可能な操作対応演出実行手段と、を備え、
前記操作対応演出として特定対応演出が実行されると、該実行後に前記操作受付期間が発生する
ことを特徴とするものである。
このような遊技機では、識別情報の変動表示中に操作受付期間が発生し、その操作受付期間にて操作手段が操作されると、これに基づいて操作対応演出が実行される。このとき操作対応演出として特定対応演出が実行されると、その特定対応演出の実行後に操作受付期間が発生する。このため、操作手段の操作に基づいて特定対応演出が実行された場合には、再度、操作受付期間が発生して、操作手段の操作に基づく操作対応演出が実行可能となる。これにより、操作手段の操作に基づく特定対応演出の実行により操作受付期間が繰り返し発生する(操作手段の操作及びこれに基づく操作対応演出の実行が繰り返される)といった遊技性が得られ、遊技興趣を向上させることが可能となる。
参考発明3−2の遊技機は、前述した参考発明3−1の遊技機において、
前記操作対応演出として特定対応演出が実行されて該実行後に前記操作受付期間が発生し、該操作受付期間にて前記操作手段が操作されたことに基づいて次の特定対応演出が実行される場合、該次の特定対応演出と前の特定対応演出とで演出態様が異なる
ことを特徴とするものである。
このような遊技機では、識別情報の変動表示中に操作受付期間が発生し、その操作受付期間での操作手段の操作に基づいて特定対応演出(前の特定対応演出)が実行され、これに基づいて発生した次の操作受付期間での操作手段の操作に基づいて再び特定対応演出(次の特定対応演出)が実行される場合、これら次の特定対応演出と前の特定対応演出とで演出態様が異なるものとなっている。このため、操作手段の操作及びこれに基づく操作対応演出(特定対応演出)の実行が繰り返される場合、その演出態様に変化をもたらすことが可能となる。これにより、操作手段を操作することの興趣を高めることが可能となる。
参考発明3−3の遊技機は、前述した参考発明3−1又は3−2の遊技機において、
前記変動表示中に、該変動表示の表示結果が前記特定表示結果となるか否かを示す特定演出を実行可能な特定演出実行手段を備え、
前記特定演出として、前記変動表示の表示結果が前記特定表示結果となる可能性が相対的に高い旨を示唆する特別特定演出が設けられており、
前記操作対応演出として、前記特定対応演出とは別に特別対応演出が設けられており、
前記操作手段が操作されたことに基づいて前記特別対応演出が実行されると、該実行後に前記特別特定演出が実行される
ことを特徴とするものである。
このような遊技機では、識別情報の変動表示中に当該変動表示の表示結果が特定表示結果となるか否かを示す特定演出が実行可能となっている。その特定演出として、変動表示の表示結果が特定表示結果となる可能性が相対的に高い旨を示唆する特別特定演出が設けられている。また、操作手段の操作に基づく操作対応演出として、再度の操作受付期間の発生契機となる特定対応演出とは別に特別対応演出が設けられている。そして、操作受付期間での操作手段の操作に基づいて特別対応演出が実行されると、その特別対応演出の実行後に特別特定演出が実行されるものとなっている。このため、操作手段の操作に基づき特別対応演出が実行されるか否かに遊技者の興味を惹きつけることが可能となる。これにより、操作手段を操作することの興趣をより高めることが可能となる。
参考発明3−4の遊技機は、前述した参考発明3−1から3−3の何れか一つの遊技機において、
前記変動表示中における前記操作受付期間の発生回数が多い程、該変動表示の表示結果が前記特定表示結果となる可能性が高い
ことを特徴とするものである。
このような遊技機では、識別情報の変動表示中に操作受付期間が発生する場合、その発生回数が多い程、当該変動表示の表示結果が特定表示結果となる可能性(特別遊技の実行可能性)が高いものとなっている。このため、一の変動表示中において、操作手段の操作に基づく特定対応演出の実行により操作受付期間が発生する回数が増える程、当該変動表示の表示結果が特定表示結果となる可能性(特別遊技の実行可能性)が高くなる。これにより、操作手段を操作することの興趣をより一層高めることが可能となる。
参考発明3−5の遊技機は、
表示装置と、
遊技の当否を判定する当否判定手段と、
前記表示装置で複数の識別情報を変動表示した後、前記識別情報の停止態様で前記当否判定結果を報知する変動停止手段と、
前記識別情報の変動表示中に演出を実行する演出実行手段と、
を備える遊技機において、
遊技者による操作が可能な操作手段と、
前記演出実行手段が実行する演出を複数の演出から選択する演出選択手段と、
を有し、
前記複数の演出には演出実行中に前記操作手段の操作を要求する操作有り演出と前記操作手段の操作を要求しない操作無し演出が有り、
前記操作有り演出は、演出実行中に特定の演出が実行されることにより、前記要求する操作手段の操作回数が変化する
ことを特徴とするものである。
このような遊技機では、操作有り演出の実行中に特定の演出が実行されることにより、要求する操作手段の操作回数が変化するため、演出の面白みを増大させることが可能となる。
以上の本参考発明3によれば、演出ボタン等の操作手段を備えた遊技機の遊技興趣を向上させることが可能となる。