JP2021078480A - ミネラル補給剤 - Google Patents

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【課題】必須ミネラル補給剤の要件である、徐放性と弱アルカリ〜中性を実現する。【解決手段】下記式(1)【化1】(式中、Mは、Mn,Fe,Co,Cu,Znから選ばれる少なくとも一種の2価金属を示し、xとyはそれぞれ次の範囲、0<x<0.4、0.01<y≦1を満足する正の数を示す)で表される、2価金属炭酸塩系の固溶体を含有するミネラル補給剤。【選択図】図1

Description

本発明は、新規な必須ミネラルの炭酸塩系固溶体を有効成分とするミネラル補給剤に関する。更に詳しくは、Caおよび/またはMgと微量必須ミネラルとの炭酸塩系固溶体を有効成分とするミネラル補給剤に関する。
動物、植物の区別なく、すべての生物にとってミネラルが重要であることが徐々に認識されるようになってきた。そのため、肥料には3大要素である窒素、リン、カリ以外にミネラルとして、中量必要なCaとMgに加えて、Fe,Mn、Zn,Cu、B,Mo等の微量必要なミネラルも使用されつつある。
ヒトの食事および、鶏、豚、牛、ペット等の動物の飼料または餌に、中量の必要とされるCaとMg(成人のヒトの場合、1人当たり約200〜600mg)と、微量の必要なFe,Zn,MnおよびCu(成人のヒトの場合、1人当たり約2〜15mgと)、そして超微量の必要なCr,Co,SeおよびMo(成人のヒト1人当たり約20〜40μg)の一部または全部とがミネラルとして添加されている。
ミネラルを含有する物質として使用されているのは、有機ミネラル物質として、乳酸カルシウム、ペプチド鉄、ペプチド亜鉛、ペプチド銅、ペプチドマンガン、DL−トレオニン鉄、硫酸亜鉛メチオニン、クエン酸鉄、コハク酸クエン酸鉄ナトリウム、フマル酸第一鉄等であり、無機ミネラル物質として、塩化カリウム、酸化マグネシウム、水酸化アルムニウム、炭酸亜鉛、炭酸コバルト、炭酸水素ナトリウム、炭酸マグネシウム、炭酸マンガン、ヨウ化カリウム、ヨウ素酸カリウム、ヨウ素酸カルシウム、硫酸亜鉛、硫酸コバルト、硫酸鉄、硫酸銅、硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、硫酸マンガン、リン酸一水素カリウム、リン酸一水素ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸二水素カリウム等である。
本発明者により、下記式(3)
Figure 2021078480
(式中、M12+はCaおよび/またはMgを示し、M22+は必須ミネラルMn, Fe,CuおよびZnの少なくとも一種以上を示し、xは0<x<0.4の範囲を満足する正の数を示す)で表される金属水酸化物固溶体を有効成分として含有する植物のミネラル補給剤が提案されている。(特許文献1)
特開2005−89237
必須ミネラル補給剤が有効に働くためには、ミネラルごとにほぼ決まっている必要量を、毎日吸収されやすい化合物の形で摂取することが必要である。吸収されるためには、水に溶けた状態である必要がある。過剰の摂取は有害であり死に至ることもある。逆に摂取量が少なすぎるとミネラル不足による種々の問題が発生する。したがって、徐々に水に溶解し、各ミネラルについて必要な量をイオンとして放出し、容易に吸収されるミネラル補給剤が理想である。
しかし、前記既存のミネラル補給剤は吸収が悪いか、吸収が良すぎるかのどちらかである。例えば、CaCOとかZnCOは水に難溶のため吸収が悪い。逆にMgSOとかFeSOは水溶性のため、吸収が良すぎて過剰摂取になるか、または必要量を超える量は吸収されずに排出される。排出が起こるのは、1日当たりのミネラル摂取量の上限を超える量が供給されても、必要量だけしか吸収されないためである。このように、従来のミネラル補給剤は、水に難溶で過小摂取になるか、水に易溶で過剰摂取になるか、のどちらかに属し、安全で有効なミネラル補給剤とは言い難く、ミネラルの効果が十分発揮されない。
徐放性のミネラル補給剤として、本発明者が発明した水酸化カルシウムおよび/または水酸化マグネシウムと他の必須ミネラルとの固溶体があるが、pHが12〜13と高すぎる欠点がある。(特許文献1)
したがって、本発明が解決しようとする課題は、徐放性で且つ、pHが中性からアルカリ性の7〜12未満、特に好ましくは7〜10の範囲のミネラル補給剤を提供することである。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究した結果、下記式(1)
Figure 2021078480
(式中、Mは、Mn、Fe、Co、CuおよびZnから選ばれる少なくとも一種の2価金属,好ましくはMn,Fe,CuおよびZnを示し、xとyはそれぞれ次の範囲、0<x<0.4、好ましくは0.02≦x≦0.3、特に好ましくは0.05≦x≦0.2,0.01<y≦1、好ましくは0.5≦y≦1、特に好ましくは0.8≦y≦1、を満足する正の数を示す)で表されるCaおよび/またはMgと必須微量ミネラル2価金属イオンとの新規な炭酸塩系固溶体を共沈法で合成することにより、徐放性であり且つ温和なpH範囲7〜12未満、特には7〜10を実現することに成功した。該炭酸塩系固溶体は、CaCOやドロマイトよりも高い水溶性を示すだけでなく、難溶性のMn,ZnおよびCuの炭酸塩の水溶性も大きく改善されている。
本明細書において固溶体のpHとは、固溶体1gの粉砕物を100mLの脱イオン水に加えて30℃で5分間攪拌して得た分散液のpHを言う。
CaCOは約6mg/LのCaが水に溶けるという難溶性であるが、Mg等とともに固溶化することにより、Ca換算で20〜200mg/Lという大幅な水溶性改善、すなわち吸収性改善が可能となった。本発明の固溶体を入れた水溶液のpHを、飲料水基準の8.6以下にできる。これは、従来CaCOおよびドロマイトでは不可能であった。Ca,Mg、Mn,Fe,Zn,Cuの2価金属をすべて含有する本発明の炭酸塩系固溶体を鶏の飼料に添加することにより、死亡率の低下、餌の低減、食味の向上、タンパクの増量、脂肪の低減ができる。成長中の農産物に本発明の炭酸塩系固溶体を与えると、収穫増、栄養成分の増加、糖度及び酸度の向上が得られ、かつ酸度の向上よりも糖度の向上が大きいので食味も向上する。キノコの培地に与えると、収穫量とミネラル含有量が増加する。
Ca換算とは、分析において溶出した全ての種類のイオンの総モル数を求め、このモル数のCa原子の重さを言う。
実施例1の生成物のXRDパターン 実施例2の生成物のXRDパターン 実施例3の生成物のXRDパターン 実施例4の生成物のXRDパターン
本発明は下記式(1)
Figure 2021078480
(式中、Mは、Mn、Fe、Co、Cu、Znから選ばれる少なくとも一種の2価金属を示し、xとyはそれぞれ次の範囲、0<x<0.4、0.01<y≦1を満足する正の数を示す)で表される、2価金属炭酸塩系の固溶体を含有するミネラル補給剤である。
主成分であるCaおよび/またはMgは、好ましくはCaおよびMgである。好ましいCa:Mgのモル比率は25〜75:75〜25、特に好ましくは40〜70:60〜30である。
本発明の金属炭酸塩系固溶体の構造は、CaCO(カルサイト)、MgCO(マグネサイト)及び(Ca、Mg)CO(ドロマイト)のいずれかに属する。Ca成分が多い時はカルサイト型構造、Mgが主成分の時はマグネサイト型構造、CaとMgが近い量存在する場合はドロマイト型構造を示す。結晶性が悪い場合には、無定形に近いこともある。CaとMgは中量必要なミネラルであり、且つCaの必要量がMgのそれより多いから、本発明の固溶体の好ましい構造は、ドロマイト型である。
本発明の固溶体は、難溶性でも易溶性でも無く、Ca換算で20〜200mg/Lレベルの適度の濃度を保ちながら(生体による吸収分を補填しながら)ゆっくりと溶けていく、いわゆる優れた徐放性を示す。ミネラルが動物あるいは植物により吸収されるためには、水に溶解する必要がある。しかし、水に対する炭酸カルシウムの溶解度は約6mg/L前後と極めて低い。本発明では、比較的易溶性である炭酸マグネシウムあるいは炭酸第一鉄と共に炭酸カルシウムを固溶させ、更に、水熱処理しないで炭酸化反応を100℃未満で行うことにより結晶の大きさを小さくコントロールし、これによりCa換算で20mg/L以上、好ましくは30mg/L以上、特に好ましくは50mg/L〜200mg/Lの水への溶解性が可能となった。
更に、酸化されやすく、酸化されると実質的に水に不溶となるMnおよびFeは、これを2価の状態で固溶化することで、酸化に対し安定化され、良好な水への溶解性を実現できる。少なくとも2種類以上、好ましくは7種類以上のミネラルが固溶体の組成比に近い比率で、水に溶解する。
本発明の固溶体のpHは7〜12未満、好ましくは7〜10、特に好ましくは7〜8.5の範囲にある。したがって飲料水のpH規格5.8〜8.6に適合し、飲料水のミネラル補給剤としても使用できる。
本発明の固溶体の製造の一例は、Caおよび/またはMgと2価金属Mの夫々の水溶性金属塩の混合水溶液にNaCO、NaHCO、NHCO、NHHCO等のアルカリ性炭酸塩を加えて共沈反応を起こさせ、次に濾過、水洗、乾燥することにより実施できる。この際、所望により共沈生成物を水熱処理して結晶を大きくすることにより、pHが中性〜弱アルカリ性であり、かつ非晶質の物に比べて水に対する溶解量を少し減らされたものを得ることができる。水熱処理は、好ましくは水洗後、100〜200℃、好ましくは100〜150℃で1〜10時間処理することにより行う。
本発明の固溶体の製造方法の別の例として、前記共沈反応におけるアルカリ性炭酸塩の代わりにNaOH、KOH、アンモニア、Ca(OH)等のアルカリ化合物を添加して共沈反応を起こさせることにより、水酸化物の固溶体を製造し、好ましくは固溶体を水洗したのち、これを水に分散させ、COと反応させることにより、本発明の炭酸塩系固溶体を製造できる。この場合にも、炭酸塩系固溶体を更に水熱処理することにより、前記と同様の効果を出すことができる。
本発明の固溶体の使用量は動物の飼料に対し0.001〜1重量%、好ましくは0.01〜0.5重量%、特に好ましくは、0.02〜0.2重量%である。農産物等の植物に対しては、土壌1m当たり0.5〜20g、好ましくは1〜10g、特に好ましくは2〜4gである。散布時期は、種まき又は植栽の前または後、更には結実直前〜結実中である。散布場所は、根の近傍の土を浅く取り散布後、覆土することが好ましい。ヒトに対しては、1日当たり0.1〜5g、好ましくは0.5~3g、特に好ましくは0.7〜2gである。キノコに対しては、培地1kg当たり0.5〜5gである。
本発明の固溶体を動物の飼料に使用する場合、極微量必要とされるMo,Se,Cr(3+)及びCo(2+)を本発明の固溶体と物理的に混合する又は本発明の固溶体と反応させることにより、該微量金属を固溶体に含有させることができる。Mo及びSeはHMoO、NaMoO,HSeO,NaSeO等のMo(6+)及びSe(6+)の酸素酸又は酸素酸塩を物理的に混合又は、水媒体中で混合することにより、製造できる。Cr(3+)及びCo(2+)の場合は、塩化物、硝酸塩、硫酸塩等の水溶性塩の水溶液を本発明炭酸塩系固溶体合成原料の2価金属イオン水溶液に混合して、アルカリ性炭酸塩と共沈反応させることによりCr(3+)及びCo(2+)がさらに固溶した金属炭酸塩系固溶体として製造できる。
本発明の固溶体を農作物等の植物およびキノコに使用する場合には、ホウ素及び極微量必要とされるMo及びCoを本発明の固溶体と物理的に混合する又は水媒体中で混合することにより、これら金属を固溶体に含有させることができる。ホウ素源は、HBO、またはNa等のホウ酸塩であることができる。これらを水媒体中で固溶体と混合すると、ホウ素イオンが炭酸イオンと置換すると推定される。動物の飼料においても、本発明の固溶体へのMo及びCoの添加は、同様にして行うことができる。
ヒトを対象とする場合、該固溶体が、CaとMgを含有し、且つZnおよび/またはFeの2価金属をさらに含有し、該固溶体1gの粉砕物を100mLの脱イオン水に加えて30℃で5分間攪拌して得た分散液のpHが6.5〜8.6の範囲にあり、ヒト用の飲料水用が好ましい。
以下実施例により本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化亜鉛、塩化第一鉄、塩化マンガン及び硝酸第二銅の混合水溶液(Ca=0.75モル/L、Mg=0.6モル/L,Zn=0.06モル/L,Fe=0.045モル/L,Mn=0.03モル/L,Cu=0.015モル/L)2Lを、0.9モル/Lの炭酸ナトリウムと0.3モル/Lの炭酸水素ナトリウムの混合水溶液3Lに撹拌下添加し、約30℃で共沈反応させた。この後、濾過、水洗し、得られたケ−キを撹拌機で水3Lに分散させ、80℃で2時間加熱熟成した。この後、濾過、乾燥(約120℃)、および粉砕した。
粉砕物のXRDを測定した結果、低角側に少しシフトしているがドロマイトとほぼ同じ回折パターが得られ、ドロマイト型結晶構造の固溶体であることが分かる(図1)。粉砕物を塩酸に溶解し、元素分析をICP法で行った。COの分析は、AGK式CO吸収法でおこなった。その結果、化学組成は次の通りであった。
[(Ca)0.51(Mg)0.39(Zn)0.04(Fe)0.03(Mn)0.02(Cu)0.01](CO0.80(OH)0.40
水への溶解性とpHを調べるために、粉砕物1gを100mLの脱イオン水に加え、30℃で5分間マグネッチクスターラーを用いて撹拌後、濾過し、ろ液中の金属イオン濃度をICP法で測定した。その結果Ca=18mg/L、Mg=9mg/L、Zn=0.9mg/L、Fe=0.7mg/L、Mn=0.3mg/L、Cu=0.2mg/Lであった。pHは9.3であった。
塩化カルシウム、塩化マグネシウム及び塩化亜鉛の混合水溶液(Ca=0.65モル/L,Mg=0.35モル/L,Zn=0.05モル/L)2Lに、0.9モル/Lの炭酸ナトリウム水溶液2Lを撹拌下に添加し、続いて0.3モル/Lの炭酸水素ナトリウム2Lを添加し共沈反応させた。温度は約25℃であった。反応生成物の一部を容量1Lのオートクレーブに入れ、120℃で4時間水熱処理した後、濾過、水洗、乾燥(120℃)、そして粉砕した。
粉砕物のXRDは、わずかに高角側にシフトしているがドロマイトと同様の回折パターンを示したので、Znがドロマイトに固溶していることが分かる(図2)。 化学組成を実施例1と同様の方法で測定した結果、次の通りであった。
(Ca0.66Mg0.335Zn0.05)CO
水への溶解量とpHを実施例1と同様の方法で測定した結果、Ca,Mg及びZnのそれぞれの溶出量は22mg/L,9mg/L,0.2mg/Lであり、pHは7.6であった。
塩化マグネシウムと塩化亜鉛の混合水溶液(Mg=0.9モル/L,Zn=0.1モル/L)1Lに、撹拌下、約30℃で1モル/Lの炭酸ナトリウム水溶液800mL、続いて、1.0モル/Lの炭酸水素ナトリウム水溶液400mLを加え、共沈反応した。得られた反応物の一部を1Lのオートクレーブに入れ、120℃で4時間水熱処理した。この後濾過、水洗、乾燥(120℃)、粉砕した。
粉砕物のXRDは、わずかに高角側にシフトしているがマグネサイトとほぼ同じ回折パターンを示すため、Znが固溶した炭酸マグネシウムであることが分かる(図3)。 化学組成を実施例1と同様の方法で測定した結果、次の通りであった。
(Mg0.9Zn0.1)(CO0.9(OH)0.2
への溶解度とpHを実施例1と同様の方法で測定した結果、MgとZnの溶出量はMg=21mg/L,Zn=4.1mg/Lであり、pHは7.5であった。
2モルの水酸化カルシウムを5Lの容器に入れ、水2Lを加えて撹拌機で分散させた。このスラリーに塩化マグネシウム、硫酸第一鉄、硝酸マンガン、塩化亜鉛よび硝酸第二銅の混合水溶液(Mg=0.5モル/L,Fe=0.13モル/L,Mn=0.09モル/L, Zn=0.05モル/L、Cu=0.016モル/L)1Lを撹拌下に加え共沈させ、水酸化物固溶体を含むスラリーを生成し、次に炭酸ガスボンベからCOをスラリーに吹き込みpHが10に下がるまで吹き込みを継続した。この後、濾過、水洗、乾燥(120℃)、そして粉砕した。
粉砕物のXRDは、わずかに高角側にシフトしているがカルサイトと同様な回折像を示すことから、カルサイト型固溶体であることが分かる(図4)。化学組成を実施例1と同様の方法で測定した結果、次の通りであった。
[(Ca)0.612(Mg)0.25(Fe)0.065(Mn)0.045(Zn)0.02(Cu)0.008](CO0.7(OH)0.6
粉砕物の水に対する溶解量とpHを実施例1と同様の方法で測定した結果、溶出量はCa­=36mg/L,Mg=22mg/L,Fe=8mg/L,Mn=6mg/L,Zn=3mg/L,Cu=1mg/Lであり、pHは9.8であった。
[比較例1]
石灰岩(炭酸カルシウム、カルサイト型構造)の粉砕物について、水への溶解量とpHを実施例1と同様の方法で測定した結果、溶出量Ca=6mg/L,pHは9.6であった。
[比較例2]
ドロマイトの粉砕物について、水への溶解量とpHを実施例1と同様の方法で測定した結果、溶出Ca=7mg/L,Mg=5mg/L,pH=9.3であった。
[比較例3]
実施例4において、得られた水酸化物を濾過、水洗後、乾燥(120℃)、粉砕して得られた粉末について、水への溶解量とpHを測定した結果、溶解量Ca=220mg/L,Mg=6m,Fe=0.2mg/L,Mn=0.2mg/L,Zn=0.1mg/L,Cu=0.1mg/L,pH=12.3であった。
実施例1で合成された金属炭酸塩系固溶体を、市販の飼料(1kg当たり、トウモロコシ:580g、大豆粕ミール:335g、コーンオイル:47g、DL−メチオニン:1.4g、CaHPO:20g、CaCO:6.6g、NaCl:5.0g、ミネラル・ビタミン混合物:5.0g)に対し、0.05%の割合で添加して飼料を作った。当該ミネラル・ビタミン物は1kg当たり、ミネラル、Mg=120g、Fe=16g、Mn=12g、Zn=8g、Cu=1.6g、I(ヨード)=0.07gを含有していた。該飼料を120日齢の鶏18,000羽に60日間投与した。実施例1で合成された金属炭酸塩系固溶体に代えて市販のミネラル・ビタミン混合物0.05%を添加した飼料を供与した鶏を対照として、60日後の死亡率、餌の摂取量、卵の食味を、調べた。その結果死亡率は0.3%から0.06%に減少し、餌の消費量が1日、1羽当110gから105gへと低下し、卵の食味は大きく改善した。
実施例4の方法で合成した本発明金属炭酸塩系固溶体の乾燥前のスラリーに、ホウ酸とモリブデン酸ナトリウムを乾燥固溶体1kgに換算してそれぞれ、70g、1gを撹拌下に加え約30分混合後、濾過、乾燥、粉砕した。
粉砕物を、元肥(窒素、リン、カリを10アール当たりそれぞれ4,8,6kg散布)と一緒に1m当たり3gを散布した農地40m毎に、大根(春の都)、ジャガイモ(男爵)、ナス(接木苗)、トウモロコシ(あま〜いコーン)を植え、粉砕物を散布しない隣接する農地40mを対照区として、収穫量を測定した。その結果を表1に示す。
Figure 2021078480

Claims (9)

  1. 下記式(1)
    Figure 2021078480
    (式中、Mは、Mn,Fe,Co,Cu,Znから選ばれる少なくとも一種の2価金属を示し、xとyはそれぞれ次の範囲、0<x<0.4、0.01<y≦1を満足する正の数を示す)で表される、2価金属炭酸塩系の固溶体を含有するミネラル補給剤。
  2. 該固溶体がCaおよびMgを含む請求項1記載のミネラル補給剤。
  3. 該固溶体が、式(1)におけるMとしてMn,Fe,CuおよびZnの2価金属を含有する、請求項1または2記載のミネラル補給剤。
  4. 請求項1の式(1)において、xとyがそれぞれ0.02≦x≦0.3、0.5≦y≦1の範囲にある請求項1〜3のいずれか1項記載のミネラル補給剤。
  5. 水に対する溶解量がCa換算で20mg/L以上である請求項1〜4のいずれか1項記載のミネラル補給剤。
  6. 該固溶体が、Ca、Mg、Mn、Fe、CuおよびZnのすべての2価金属を含有し、かつホウ素及びモリブデンの酸素酸塩および/または酸素酸を吸着しており、植物用である、請求項1〜5項のいずれか1項記載のミネラル補給剤。
  7. 該固溶体が、Ca、Mg、Mn、Fe、CuおよびZnのすべての2価金属と3価のCrとを含有し、かつセレン及びモリブデンの酸素酸塩および/または酸素酸を吸着しており、動物用である、請求項1〜5のいずれか1項記載のミネラル補給剤。
  8. 該固溶体が、CaとMgを含有し、且つZnおよび/またはFeの2価金属をさらに含有し、該固溶体1gの粉砕物を100mLの脱イオン水に加えて30℃で5分間攪拌して得た分散液のpHが6.5〜8.6の範囲にあり、ヒト用の飲料水用である請求項1〜5項記載のいずれか1項記載のミネラル補給剤。
  9. 下記式(2)
    Figure 2021078480
    (但し、式中Mは、Mn、Fe、Co、Cu、Znから選ばれた少なくとも一種の2価金属を示し、xとyはそれぞれ次の範囲0<x<0.4、0.01<y≦1を満足する正の数を示す)で表される2価金属炭酸塩系の固溶体。
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