JP2021071287A - 被測定細胞の弾性特性分布を解析する方法及び装置、並びに原子間力顕微鏡の探針の形状パラメータを定める方法及び装置 - Google Patents
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Abstract
Description
また、本発明は、上記の被測定細胞の弾性特性分布を解析する方法及び装置に用いて好適な、原子間力顕微鏡の探針の形状パラメータを定める方法及び装置に関する。
特許文献2では、細胞力学診断装置の実現に必要とされる計測精度を損なうことなく、多数の細胞の複素弾性率を高速に計測することができる細胞の複素弾性率の計測方法および計測するシステムが提案されている。細胞は、形状を維持する弾性と変形流動する粘性の両方の性質を併せ持つ粘弾性体であるため、細胞の複素弾性率は一定ではなく、時間や周波数の関数となるからである。
そこで、このような迅速な細胞又は組織の力学特性の計測を可能とする、空間分解能の高い細胞の弾性特性を解析する方法及び装置が必要とされていた。
また、空間分解能の高い細胞の弾性特性を解析する方法及び装置を実現するためには、原子間力顕微鏡の探針形状を非常に正確に知る必要があった。
また、本発明は、原子間力顕微鏡の探針形状を非常に正確に知ることができる、原子間力顕微鏡の探針の形状パラメータを定める方法及び装置を提供することを目的とする。
被測定細胞の表面に原子間力顕微鏡の探針を押し当てた際に得られる、細胞の変形量と前記探針の押圧力を対応付けた実測値を、前記探針が接触した前記被測定細胞の測定位置座標と共に取得するステップ(201)であって、前記被測定細胞の測定位置座標は、前記被測定細胞の核の上層と前記核の周囲となる部位に配置された前記ステップと、
前記探針の先端形状に応じて定められた形状パラメータと、前記細胞の変形量(d)と前記探針の押圧力(F)の関係を表すモデル式を用いて、前記探針の押圧位置での前記細胞の変形量(d)と前記探針の押圧力(F)の関係を計算するステップ(201)と、
前記実測された細胞の変形量と前記探針の押圧力を対応付けた実測値と、前記モデル式により計算された計算値とを用いて、適合誤差の分散値(ΔT)がパラメータRについて最小値となる形状パラメータを演算するステップ(202〜205)と、
前記最小値となる形状パラメータを用いて、前記被測定細胞の応力分布又は弾性値分布の少なくとも一方を作成するステップと、
作成された前記被測定細胞の応力分布又は弾性値分布の少なくとも一方に基づいて、前記被測定細胞の核及び核周辺の、応力分布マップ又は弾性値分布マップの少なくとも一方を生成するステップと、
を含む方法。
[3]本発明の被測定細胞の弾性特性分布を解析する方法において、好ましくは、探針押圧位置での前記細胞の変形量(d)と前記探針の押圧力(F)の関係を表すモデル式は、
ここで、Rは探針の先端半径、σは探針押圧位置での前記細胞の応力、νは細胞のポアソン比、Eは弾性率である。
[4] 本発明の被測定細胞の弾性特性分布を解析する方法において、好ましくは、探針押圧位置での前記細胞の変形量(d)と前記探針の押圧力(F)の関係を表すモデル式は、
被測定細胞の表面に原子間力顕微鏡の探針を押し当てた際に得られる、細胞の変形量と前記探針の押圧力を対応付けた実測値を、前記探針が接触した前記被測定細胞の測定位置座標と共に取得する手段であって、前記被測定細胞の測定位置座標は、前記被測定細胞の核の上層と前記核の周囲となる部位に配置された前記手段と、
前記探針の先端形状に応じて定められた形状パラメータと、前記細胞の変形量(d)と前記探針の押圧力(F)の関係を表すモデル式を用いて、前記探針の押圧位置での前記細胞の変形量(d)と前記探針の押圧力(F)の関係を計算する手段と、
前記実測された細胞の変形量と前記探針の押圧力を対応付けた実測値と、前記モデル式により計算された計算値とを用いて、適合誤差の分散値(ΔT)がパラメータRについて最小値となる形状パラメータを演算する手段と、
前記最小値となる形状パラメータを用いて、前記被測定細胞の応力分布又は弾性値分布の少なくとも一方を作成する手段と、
作成された前記被測定細胞の応力分布又は弾性値分布の少なくとも一方に基づいて、前記被測定細胞の核及び核周辺の、応力分布マップ又は弾性値分布マップの少なくとも一方を生成する手段と、
を備える解析システムである。
複数個の取得された前記細胞の変形量と前記探針の押圧力を対応付けた実測値に対して、前記細胞の変形量と前記探針の押圧力を対応付けたモデル式による計算値を演算するステップと、
前記実測値と前記計算値の適合誤差(Δx,y)を求める適合誤差演算ステップ(301)と、
前記探針の先端半径Rをパラメータとする最小適合誤差(Δx,y min)を演算する最小値演算ステップ(302)と、
前記最小値演算ステップで計算された最小適合誤差(Δx,y min)がパラメータRについて最小値か判定する最小値判定ステップ(303)と、
前記最小値判定ステップで最小値でないと判断された時は、前記モデル式の接触応力パラメータを変更するステップ(303)と、
前記適合誤差演算ステップに初期値の接触応力パラメータ又は最小値判定ステップで更新された接触応力パラメータを前記適合誤差演算ステップに設定する接触応力パラメータ設定ステップ(304)と、
前記最小値判定ステップで最小値と判定すれば、適合誤差分散値演算ステップに前記測定点(x、y)の最小適合誤差(Δx,y min)を送る単一測定点の最小適合誤差の送付ステップ(303)と、
前記実測値を取得するステップから前記単一測定点の最小適合誤差の送付ステップまでを、前記被測定細胞の全測定点を対象として繰り返すステップと、
被測定細胞の全測定点を対象として適合誤差の分散値(ΔT)を求める適合誤差分散値演算ステップ(305)と、
前記適合誤差分散値演算ステップの演算した適合誤差の分散値(ΔT)がパラメータRについて最小値か判定する適合誤差分散値の最小値判定部演算ステップ(306)と、
前記適合誤差分散値の最小値判定部演算ステップで、前記適合誤差の分散値(ΔT)が最小値でないと判断されれば、残差演算ステップに前記適合誤差の分散値ΔTを送るステップ(306)と、
モンテカルロ法によって前記探針の先端半径Rのパラメータを変更して、接触応力パラメータ設定ステップに送る残差演算ステップ(307)と、
を備え、前記適合誤差分散値の最小値判定部演算ステップで、前記適合誤差の分散値(ΔT)が最小値と判断されたパラメータRを前記探針の先端形状パラメータとして決定する(306)ものである。
[10]本発明の細胞の弾性特性を解析するための原子間力顕微鏡の探針の形状パラメータを定める方法において、好ましくは、前記モデル式は、次式で表されるとよい。
[11]本発明の細胞の弾性特性を解析するための原子間力顕微鏡の探針の形状パラメータを定める方法において、好ましくは、モデル式の接触応力パラメータは、細胞の弾性率Eと細胞の膜応力σを含んでおり、
前記適合誤差(Δx,y)を求める式は、次式で表されるとよい。
本発明の原子間力顕微鏡の探針の形状パラメータを定める方法及び装置は、モンテカルロ法等を用いた機械学習により、カンチレバー探針の先端形状に応じて定められたモデル式の形状パラメータを定めているので、原子間力顕微鏡の探針形状を非常に正確に知ることができる。
図1は、本発明の一実施例を示す、細胞の弾性解析システムのシステム構成を模式的に示す。図1に示すように、本実施形態の細胞解析は、原子力間力顕微鏡20(AFM: Atomic Force Microscope)と、コンピュータ10とを含んで構成されている。併せて、細胞とカンチレバーの探針との相対的な位置を調整する位置調整機構として、位置調整駆動部32とコントローラ34を設けてある。
プリアンプ26は、フォトディテクタ25が有する4分割された各受光面に対応する電圧値のうち、上側2つの受光面に対応する電圧値の和と、下側2つの受光面に対する電圧値の和をとり、さらに、上側2つの受光面に対する電圧値の和と下側2つの受光面に対する電圧値の和の差をとることで、カンチレバー23のたわみ量を電圧値として出力し、出力されたたわみ量を表す電圧値をコンピュータ10に入力する。
ステップ101では、位置調整駆動部32を制御して、プレート40に載置された測定対象となる細胞の測定領域に探針24を位置づける。ここで、本実施形態では、図3に示すように、細胞の核の直上の表面に格子点状に配置された測定位置を定義する。図3に示す例では、細胞の表面に、核の中心を中心とする40μm×40μmの範囲を測定領域として定義し、この測定領域を256×256画素の正方形で分割した各区画の中心を探針24が押圧する先端の測定位置として定義している。この座標系としては、例えば(i、j);i=1〜256、j=1〜256を用いるとよく、またXYZ軸ステージのXY軸平面と一致させるとよい。
(1)Zピエゾ素子の原点から細胞高さ方向への移動量z(以下、移動量zという)
(2)カンチレバー23のたわみ量Δ(以下、たわみ量Δという)
(3)探針24にかかる力F(以下、力Fという)
以上、押圧力窪み量の測定データ取得処理について説明した。
図4は、被測定細胞の応力分布と弾性値分布を計算により求める処理を説明するフローチャートである。
ステップ200に示すように、被測定細胞の測定領域としては、例えば256×256画素の正方形で分割された各区画の中央部に配置された格子点状の測定位置+が定義される。この測定位置+に探針24を押圧する。
ステップ202では、単一の測定位置(i、j)=(x、y)について、窪み量dをパラメータとする押圧力Flについて、実測値Expと計算値Calの適合誤差(Fitting Error)Δx,yを求める。
探針の先端半径Rにかかる機械学習による最適化に関しては、図12に示す適合誤差分散値演算部305、適合誤差分散値の最小値判定部演算部306、残差演算部307を用いて、後で詳細に説明する。
そして、適合誤差Δx,yが最小になる最小適合誤差Δx,y minを求める。
ステップ204では、全ての測定位置(i、j);i=1〜256、j=1〜256についての最小適合誤差Δx,y minから平均適合誤差Δx,y meanを求める。
ステップ205では、適合誤差の分散値ΔTを求める。
AFMチップの探針24は、先端半径がRの先端部を有し、被測定細胞に圧接される。被測定細胞は、探針24の先端位置に対して窪み量としての変形量dが発生する。探針24の先端が、被測定細胞の表面に対して垂直方向に作用する押圧力Fに応じて、被測定細胞の表面に応力σが発生する。探針24の押圧力Flは、被測定細胞の表面の引張応力σ(プレストレス)による抗力Fsと、通常のヘルツモデルで考察する変形量dによるFeの二つの成分の和とバランスが取れている。
本発明の細胞の弾性解析システムでは、探針24と被測定細胞の位置関係を変えることで、押圧力Fと変形量dの関係を示す測定データが得られる。
図7(A)は、探針24の先端半径Rと、細胞体の表面形状の傾き(∂z/∂x、∂z/∂y)の関係を示している。図7(B)は、探針24の先端半径Rと、探針押圧位置での細胞の変形量dの関係を示している。図7(A)、(B)では、表面トポグラフィ勾配へのチップ半径の依存性が表される。
図7(C)は、探針24の先端半径Rと、探針押圧位置での細胞体の表面形状の傾きと細胞の変形量(∂z/∂x、∂z/∂y、d)の関係を示している。図7(D)は、探針24の先端半径Rと、探針押圧位置での細胞体の表面形状の傾きと細胞の変形量(∂z/∂x、∂z/∂y、d)の別の関係を示すもので、細胞の変形量が大きいため、細胞体の表面形状が深く窪んでいる状態を示している。図7(C)、(D)では、細胞の変形量dに対するチップ先端半径の依存性が表される。
従って、(D)ヘルツ+膜応力モデルが最も好ましく、次善のものは(A)放物線型のヘルツモデルである。
図10(a)は生きているがん細胞の光学顕微鏡画像である。
図10(b)は生きているがん細胞のAFM高さマップである。
図10(c)は生きているがん細胞のAFMストレスマップである。
図10(d)は死んだ癌細胞の光学顕微鏡画像である。
図10(e)は死んだ癌細胞のAFM高さマップである。
図10(f)は死んだ癌細胞のAFMストレスマップである。
生きている細胞の核領域の周りのプレストレスは、死んだ細胞のプレストレスそれよりも高い。
図13は図12の機械学習アルゴリズムの機能ブロック図において、弾性率Eと応力σから適合誤差(フィッティングエラー)Δを計算する第1ループの要部拡大図である。
弾性率E・膜応力σ設定部304は、適合誤差演算部301に初期値の弾性率E・膜応力σ又は最小値判定部303で更新された弾性率E・膜応力σを適合誤差演算部301に設定する。
図12において、最小値判定部303がパラメータRについて最小値と判定すれば、適合誤差分散値演算部305に当該測定点(x、y)の最小適合誤差Δx,y minを送る。
適合誤差分散値演算部305では、被測定細胞の全測定点を対象として適合誤差の分散値ΔTを求める。
適合誤差分散値の最小値判定部演算部306で最小値と判定されれば、予測値誤差Pi(N)が得られ、終了となる。
この結果は、図10と一致している。
モンテカルロ法によって自動的に生成された先端パラメータにより、応力の分布は核、糸状仮足、および葉状仮足を明確に示す。最適なストレスマップは、(e)最適化された探針形状パラメータによるものである。
反復回数が増加すると、適合誤差が減少する。適合誤差の最小値は、最適化された探針形状パラメータが生成されることを意味する。
本発明の原子間力顕微鏡の探針の形状パラメータを定める方法及び装置は、原子間力顕微鏡の探針形状を非常に正確に知ることができ、被測定細胞の弾性特性分布を解析する方法及び装置に用いて好適である。
20 原子力間力顕微鏡
22 半導体レーザー
23 カンチレバー
24 探針
25 フォトディテクタ
26 プリアンプ
32 位置調整駆動部
34 コントローラ
40 プレート
301 適合誤差演算部
302 最小値演算部
303 最小値判定部
304 弾性率E・膜応力σ設定部
305 適合誤差分散値演算部
306 適合誤差分散値の最小値判定部演算部
307 予測誤差記憶部
308 残差演算部
Claims (13)
- 被測定細胞の弾性特性分布を解析する方法であって、
被測定細胞の表面に原子間力顕微鏡の探針を押し当てた際に得られる、細胞の変形量と前記探針の押圧力を対応付けた実測値を、前記探針が接触した前記被測定細胞の測定位置座標と共に取得するステップであって、前記被測定細胞の測定位置座標は、前記被測定細胞の核の上層と前記核の周囲となる部位に配置された前記ステップと、
前記探針の先端形状に応じて定められた形状パラメータと、前記細胞の変形量(d)と前記探針の押圧力(F)の関係を表すモデル式を用いて、前記探針の押圧位置での前記細胞の変形量(d)と前記探針の押圧力(F)の関係を計算するステップと、
前記実測された細胞の変形量と前記探針の押圧力を対応付けた実測値と、前記モデル式により計算された計算値とを用いて、適合誤差の分散値(ΔT)がパラメータRについて最小値となる形状パラメータを演算するステップと、
前記最小値となる形状パラメータを用いて、前記被測定細胞の応力分布又は弾性値分布の少なくとも一方を作成するステップと、
作成された前記被測定細胞の応力分布又は弾性値分布の少なくとも一方に基づいて、前記被測定細胞の核及び核周辺の、応力分布マップ又は弾性値分布マップの少なくとも一方を生成するステップと、
を含む方法。 - さらに、前記被測定細胞の核及び核周辺の測定された、応力分布マップ又は弾性値分布マップの少なくとも一方が、悪性腫瘍の弾性特性範囲に含まれるか、若しくは正常細胞又は良性腫瘍の弾性特性範囲に含まれるかの閾値と比較する表示を生成するステップを有する請求項1に記載の被測定細胞の弾性特性分布を解析する方法。
- 被測定細胞の弾性特性分布を解析する解析システムであって、
被測定細胞の表面に原子間力顕微鏡の探針を押し当てた際に得られる、細胞の変形量と前記探針の押圧力を対応付けた実測値を、前記探針が接触した前記被測定細胞の測定位置座標と共に取得する手段であって、前記被測定細胞の測定位置座標は、前記被測定細胞の核の上層と前記核の周囲となる部位に配置された前記手段と、
前記探針の先端形状に応じて定められた形状パラメータと、前記細胞の変形量(d)と前記探針の押圧力(F)の関係を表すモデル式を用いて、前記探針の押圧位置での前記細胞の変形量(d)と前記探針の押圧力(F)の関係を計算する手段と、
前記実測された細胞の変形量と前記探針の押圧力を対応付けた実測値と、前記モデル式により計算された計算値とを用いて、適合誤差の分散値(ΔT)がパラメータRについて最小値となる形状パラメータを演算する手段と、
前記最小値となる形状パラメータを用いて、前記被測定細胞の応力分布又は弾性値分布の少なくとも一方を作成する手段と、
作成された前記被測定細胞の応力分布又は弾性値分布の少なくとも一方に基づいて、前記被測定細胞の核及び核周辺の、応力分布マップ又は弾性値分布マップの少なくとも一方を生成する手段と、
を備える解析システム。 - さらに、前記被測定細胞の核及び核周辺の測定された、応力分布マップ又は弾性値分布マップの少なくとも一方が、悪性腫瘍の弾性特性範囲に含まれるか正常細胞又は良性腫瘍の弾性特性範囲に含まれるかの閾値と比較する表示を生成する手段を有する請求項5に記載の被測定細胞の弾性特性分布を解析する解析システム。
- コンピュータに、
被測定細胞の表面に原子間力顕微鏡の探針を押し当てた際に得られる、細胞の変形量と前記探針の押圧力を対応付けた実測値を、前記探針が接触した前記被測定細胞の測定位置座標と共に取得するステップであって、前記被測定細胞の測定位置座標は、前記被測定細胞の核の上層と前記核の周囲となる部位に配置された前記ステップと、
前記探針の先端形状に応じて定められた形状パラメータと、前記細胞の変形量(d)と前記探針の押圧力(F)の関係を表すモデル式を用いて、前記探針の押圧位置での前記細胞の変形量(d)と前記探針の押圧力(F)の関係を計算するステップと、
前記実測された細胞の変形量と前記探針の押圧力を対応付けた実測値と、前記モデル式により計算された計算値とを用いて、適合誤差の分散値(ΔT)がパラメータRについて最小値となる形状パラメータを演算するステップと、
前記最小値となる形状パラメータを用いて、前記被測定細胞の応力分布又は弾性値分布の少なくとも一方を作成するステップと、
作成された前記被測定細胞の応力分布又は弾性値分布の少なくとも一方に基づいて、前記被測定細胞の核及び核周辺の、応力分布マップ又は弾性値分布マップの少なくとも一方を生成するステップと、
を実行させるためのプログラム。 - 細胞の弾性特性を解析するための原子間力顕微鏡の探針の形状パラメータを定める方法であって、
被測定細胞の表面上の測定点(x、y)に前記探針を押し当てた際に得られる、前記細胞の変形量と前記探針の押圧力を対応付けた実測値を取得するステップと、
複数個の取得された前記細胞の変形量と前記探針の押圧力を対応付けた実測値に対して、前記細胞の変形量と前記探針の押圧力を対応付けたモデル式による計算値を演算するステップと、
前記実測値と前記計算値の適合誤差(Δx,y)を求める適合誤差演算ステップと、
前記探針の先端半径Rをパラメータとする最小適合誤差(Δx,y min)を演算する最小値演算ステップと、
前記最小値演算ステップで計算された最小適合誤差(Δx,y min)がパラメータRについて最小値か判定する最小値判定ステップと、
前記最小値判定ステップで最小値でないと判断された時は、前記モデル式の接触応力パラメータを変更するステップと、
前記適合誤差演算ステップに初期値の接触応力パラメータ又は最小値判定ステップで更新された接触応力パラメータを前記適合誤差演算ステップに設定する接触応力パラメータ設定ステップと、
前記最小値判定ステップで最小値と判定すれば、適合誤差分散値演算ステップに前記測定点(x、y)の最小適合誤差(Δx,y min)を送る単一測定点の最小適合誤差の送付ステップと、
前記実測値を取得するステップから前記単一測定点の最小適合誤差の送付ステップまでを、前記被測定細胞の全測定点を対象として繰り返すステップと、
被測定細胞の全測定点を対象として適合誤差の分散値(ΔT)を求める適合誤差分散値演算ステップと、
前記適合誤差分散値演算ステップの演算した適合誤差の分散値(ΔT)がパラメータRについて最小値か判定する適合誤差分散値の最小値判定部演算ステップと、
前記適合誤差分散値の最小値判定部演算ステップで、前記適合誤差の分散値(ΔT)が最小値でないと判断されれば、残差演算ステップに前記適合誤差の分散値ΔTを送るステップと、
モンテカルロ法によって前記探針の先端半径Rのパラメータを変更して、接触応力パラメータ設定ステップに送る残差演算ステップと、
を備え、前記適合誤差分散値の最小値判定部演算ステップで、前記適合誤差の分散値(ΔT)が最小値と判断されたパラメータRを前記探針の先端形状パラメータとして決定する方法。 - 細胞の弾性特性を解析するための原子間力顕微鏡の探針の形状パラメータを定める解析システムであって、
被測定細胞の表面上の測定点(x、y)に前記探針を押し当てた際に得られる、前記細胞の変形量と前記探針の押圧力を対応付けた実測値を取得する実測値取得部と、
複数個の取得された前記細胞の変形量と前記探針の押圧力を対応付けた実測値に対して、前記細胞の変形量と前記探針の押圧力を対応付けたモデル式による計算値を演算する計算値演算部と、
前記実測値と前記計算値の適合誤差(Δx,y)を求める適合誤差演算部と、
前記探針の先端半径Rをパラメータとする最小適合誤差(Δx,y min)を演算する最小値演算部と、
前記最小値演算部で計算された最小適合誤差(Δx,y min)がパラメータRについて最小値か判定する最小値判定部と、
前記最小値判定部で最小値でないと判断された時は、前記モデル式の接触応力パラメータを変更する部と、
前記適合誤差演算部に初期値の接触応力パラメータ又は最小値判定部で更新された接触応力パラメータを前記適合誤差演算部に設定する接触応力パラメータ設定部と、
前記最小値判定部で最小値と判定すれば、適合誤差分散値演算部に前記測定点(x、y)の最小適合誤差(Δx,y min)を送る単一測定点の最小適合誤差の送付部と、
前記実測値取得部から前記単一測定点の最小適合誤差の送付部までを、前記被測定細胞の全測定点を対象として繰り返す全体測定点管理部と、
被測定細胞の全測定点を対象として適合誤差の分散値(ΔT)を求める適合誤差分散値演算部と、
前記適合誤差分散値演算部の演算した適合誤差の分散値(ΔT)がパラメータRについて最小値か判定する適合誤差分散値の最小値判定部演算部と、
前記適合誤差分散値の最小値判定部演算部で、前記適合誤差の分散値(ΔT)が最小値でないと判断されれば、残差演算部に前記適合誤差の分散値ΔTを送る部と、
モンテカルロ法によって前記探針の先端半径Rのパラメータを変更して、接触応力パラメータ設定部に送る残差演算部と、
を備え、前記適合誤差分散値の最小値判定部演算部で、前記適合誤差の分散値(ΔT)が最小値と判断されたパラメータRを前記探針の先端形状パラメータとして決定する解析システム。 - コンピュータに、細胞の弾性特性を解析するための原子間力顕微鏡の探針の形状パラメータを定める方法を実行させるためのプログラムであって、
被測定細胞の表面上の測定点(x、y)に前記探針を押し当てた際に得られる、前記細胞の変形量と前記探針の押圧力を対応付けた実測値を取得するステップと、
複数個の取得された前記細胞の変形量と前記探針の押圧力を対応付けた実測値に対して、前記細胞の変形量と前記探針の押圧力を対応付けたモデル式による計算値を演算するステップと、
前記実測値と前記計算値の適合誤差(Δx,y)を求める適合誤差演算ステップと、
前記探針の先端半径Rをパラメータとする最小適合誤差(Δx,y min)を演算する最小値演算ステップと、
前記最小値演算ステップで計算された最小適合誤差(Δx,y min)がパラメータRについて最小値か判定する最小値判定ステップと、
前記最小値判定ステップで最小値でないと判断された時は、前記モデル式の接触応力パラメータを変更するステップと、
前記適合誤差演算ステップに初期値の接触応力パラメータ又は最小値判定ステップで更新された接触応力パラメータを前記適合誤差演算ステップに設定する接触応力パラメータ設定ステップと、
前記最小値判定ステップで最小値と判定すれば、適合誤差分散値演算ステップに前記測定点(x、y)の最小適合誤差(Δx,y min)を送る単一測定点の最小適合誤差の送付ステップと、
前記実測値を取得するステップから前記単一測定点の最小適合誤差の送付ステップまでを、前記被測定細胞の全測定点を対象として繰り返すステップと、
被測定細胞の全測定点を対象として適合誤差の分散値(ΔT)を求める適合誤差分散値演算ステップと、
前記適合誤差分散値演算ステップの演算した適合誤差の分散値(ΔT)がパラメータRについて最小値か判定する適合誤差分散値の最小値判定部演算ステップと、
前記適合誤差分散値の最小値判定部演算ステップで、前記適合誤差の分散値(ΔT)が最小値でないと判断されれば、残差演算ステップに前記適合誤差の分散値ΔTを送るステップと、
モンテカルロ法によって前記探針の先端半径Rのパラメータを変更して、接触応力パラメータ設定ステップに送る残差演算ステップと、
を備え、前記適合誤差分散値の最小値判定部演算ステップで、前記適合誤差の分散値(ΔT)が最小値と判断されたパラメータRを前記探針の先端形状パラメータとして決定することを実行させるためのプログラム。
Priority Applications (1)
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