JP2021069434A - カッターナイフ - Google Patents
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Abstract
【課題】切断刃の出具合を微調節することができるカッターナイフを提供する。【解決手段】カッターナイフ1は、対象物Sを切断する切断刃21を有する切断部材20と、切断刃21の刃先21eを出し入れ可能となるように切断部材20を支持するホルダ10と、レバー30と、調節部材40とを備える。レバー30は、ホルダ10に固定された支点32と、切断部材20に接する作用部33と、を有し、支点32まわりの移動によって作用部33が切断部材20を押し出して刃先21eをホルダ10から出す。調節部材40は、支点32から離れた位置のレバー30の加力部35を押すことで、加力部35の押し込み量を調節することができる。【選択図】図1
Description
本発明はカッターナイフに関し、特に切断刃の出具合を微調節することができるカッターナイフに関する。
石跳ねやキズなどから車のボディを保護するフィルムとして、ペイントプロテクションフィルム(PPF)の名称で特に欧米で広く普及している、熱可塑性ポリウレタン(TPU)を基材として用いた保護フィルムがある(例えば、特許文献1参照。)。
特許文献1に記載の保護フィルムを車のボディに貼付する場合、そのボディの外形に合わせて保護フィルムをカットすることが必要となる。保護フィルムをボディに貼付する前に型紙で型を取り、余りがないようにあらかじめフィルムをカットした上でボディに貼付する方法がある。この方法は、手間がかかる上に微妙な寸法差が生じてしまう不都合が生じうる。この不都合を回避する方法として、保護フィルムをボディに先に貼付してから余ったフィルムをカッターナイフでカットする方法がある。しかしながら、この方法では、市販のカッターナイフを用いた場合、カッターナイフの切断刃の出具合を微調節するのが難しく、ボディを傷つけないようにフィルムをカットするのに、施工者の熟練した技能を必要としていた。
本発明は上述の課題に鑑み、切断刃の出具合を微調節することができるカッターナイフを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の第1の態様に係るカッターナイフは、例えば図1に示すように、対象物Sを切断する切断刃21を有する切断部材20と;切断刃21の刃先21eを出し入れ可能となるように切断部材20を支持するホルダ10と;ホルダ10に固定された支点32と、切断部材20に接する作用部33と、を有するレバー30であって、支点32まわりの移動によって作用部33が切断部材20を押し出して刃先21eをホルダ10から出すレバー30と;支点32から離れた位置のレバー30の加力部35を押す調節部材40であって、加力部35の押し込み量を調節可能な調節部材40とを備える。
このように構成すると、調節部材によるレバーの押し込み量を調節することで、刃先がホルダから出る量の微細な調節が可能になる。
また、本発明の第2の態様に係るカッターナイフは、例えば図1に示すように、上記本発明の第1の態様に係るカッターナイフ1において、切断部材20が、刃先21eをホルダ10の内部に収容する方向に切断刃21を付勢する付勢部材26を有する。
このように構成すると、作用部を切断部材から後退させることに追従させて刃先をホルダ内に収容することができる。
また、本発明の第3の態様に係るカッターナイフは、例えば図1に示すように、上記本発明の第1の態様又は第2の態様に係るカッターナイフ1において、レバー30が、作用部33に緩衝材38が設けられて構成されている。
このように構成すると、カッターナイフの使用時に刃先に加わった力を和らげることができる。
また、本発明の第4の態様に係るカッターナイフは、例えば図1及び図2に示すように、上記本発明の第1の態様〜第3の態様のいずれか1つの態様に係るカッターナイフ1において、ホルダ10は、刃先21eが出る部分の近傍に、刃先21eとの位置関係を表す目印15(図2参照)を有する。
このように構成すると、カッターナイフの使用時に刃先の位置及び角度を把握することができる。
また、本発明の第5の態様に係るカッターナイフは、上記本発明の第1の態様〜第4の態様のいずれか1つの態様に係るカッターナイフにおいて、対象物が保護フィルムであり;保護フィルムを車のボディに貼付してから、余った保護フィルムをカットすることに用いる。
本発明によれば、調節部材によるレバーの押し込み量を調節することで、刃先がホルダから出る量の微細な調節が可能になる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。なお、各図において互いに同一又は相当する部材には同一あるいは類似の符号を付し、重複した説明は省略する。
まず図1を参照して、本発明の実施の形態に係るカッターナイフ1を説明する。図1(A)はカッターナイフ1の斜視図、図1(B)は内部構造を示すために上蓋を外した状態の分解平面図である。カッターナイフ1は、刃先21eの出具合を微調整することができる構成となっており、これによって、切断対象物Sを、簡便に、任意の深さで切断することができるようになっている。例えば、シート状の切断対象物Sを、直下のものを傷つけないように、貫通させずに厚さ未満の深さでカットして1枚だけを切断(いわゆる1枚切り)する際に、カッターナイフ1は有用である。切断対象物Sの例として、典型的には、車のボディを保護するフィルムとして特に欧米で広く普及しているペイントプロテクションフィルム(PPF)が挙げられるが、これに限らず、他の種類の樹脂フィルムや紙等であってもよく、フィルムや紙等のシート状のもの以外の、厚板状のものやこれよりも立体的なものであってもよい。カッターナイフ1は、ホルダ10と、切断部材20と、レバー30と、調節ねじ40とを備えている。
ホルダ10は、切断部材20を収容して支持する部材である。ホルダ10は、本実施の形態では、成型のしやすさと軽量化を図る観点から合成樹脂で形成されているが、金属等の合成樹脂以外の材料で形成されていてもよい。ホルダ10は、長さは汎用のカッターナイフと概ね同じで、幅は、切断部材20を収容する先端部側の約半分は汎用のカッターナイフと概ね同じで、残りの約半分はレバー30を収容できるように太くなっており、全体として標準的な成人が片手で把持するのに適した大きさになっている。以下、図2を併せて参照して、ホルダ10のより詳細な構成を説明する。
図2は、ホルダ10の分解平面図である。ホルダ10は、切断部材20の着脱やレバー30等を出し入れするために分割可能に構成された本体部11と、分割可能な本体部11の一部を押さえる着脱可能なグリップ部18とを有している。分割可能な本体部11は、ベース12と、主要蓋13と、先端蓋14とに分割できるようになっている。ベース12は、ホルダ10の外形を基礎付ける形状を有している。ベース12は、切断刃21(図1(B)参照)が移動可能な方向である出入方向Xに見て、幅が概ね同じ部分12Aと、幅が連続的に変わる部分12Bとを有しており、全体として見て概ね細長く(長さ(出入方向X)が幅(出入方向Xに直交する方向)よりも長く)形成されている。以下、ベース12について、説明の便宜上、幅が概ね同じ部分を先端部12Aといい、幅が連続的に変わる部分を主要部12Bということがある。先端部12Aと主要部12Bとは、出入方向Xに隣接している。出入方向Xにおける先端部12Aと主要部12Bとの長さの比は、本実施の形態では概ね3:5に形成されているが、使用態様を考慮して、例えば、2:3や5:5等、適宜変更することができる。主要部12Bは、出入方向Xに先端部12Aから離れるにつれて幅が徐々に広くなるように形成されている。より詳細には、主要部12Bの幅を構成する一方の辺(図2において下側の辺)は、先端部12Aの幅を構成する一方の辺と同じ仮想直線上にあり、主要部12Bの幅を構成する他方の辺(図2において上側の辺であり、以下「斜辺12s」という。)は、先端部12Aの幅を構成する他方の辺を延長した仮想直線(不図示)に対して角度をもって延びている。ベース12は、先端部12Aと主要部12Bとが一体に形成されており、その外周に高さを有する外周壁12eが形成され、外周壁12eの内側に切断部材20(図1(B)参照)やレバー30(図1(B)参照)等が収容可能な空間が形成されている。外周壁12eは、先端部12Aの末端(主要部12Bから最遠部)には、切断刃21が出入りできるようにするために、設けられていない。外周壁12eの存在により、ベース12の厚さは、カッターナイフ1の厚さと概ね同じになっている。詳細には、カッターナイフ1の厚さは、ベース12の厚さに対して、主要蓋13あるいは先端蓋14の厚さを加えた厚さとなっている。
ホルダ10のベース12には、ばね用突起12pと、支点突起12fと、ナットケース12jとが設けられている。ばね用突起12pは、切断部材20が係合する突起である。ばね用突起12pは、先端部12Aに近い主要部12Bに形成されている。支点突起12fは、レバー30が係合する突起である。支点突起12fは、本実施の形態では、斜辺12sの中点よりもやや先端部12A寄りで斜辺12sに隣接した部分の主要部12Bに形成されている。ナットケース12jは、調節ねじ40(図1(B)参照)が係り合うホルダナット16(図1(B)参照)を収容するものである。ナットケース12jは、本実施の形態では、先端部12Aから遠い斜辺12sの端部に、外側に突き出るように形成されている。これらの他、ベース12には、主要蓋13を嵌め込んだときに固定するための締結部材(本実施の形態ではナット)を収容する窪み12dが形成されている。窪み12dは、本実施の形態では、ナットケース12jに近い主要部12Bの端部と、斜辺12sに対向する主要部12Bの辺の中点付近との2箇所に形成されているが、数及び配置は適宜変更することができる。各窪み12dには、締結部材(本実施の形態ではボルト)を通すための挿通孔12hが形成されている。また、ベース12には、斜辺12sに対向する主要部12Bの辺の近傍の、先端部12Aから遠い主要部12Bの端部に、吊り下げ紐を通すことができる空洞12cが形成されている。空洞12cの形成は任意である。ベース12の先端部12Aの末端(主要部12Bから最遠部)である末端部12tには、前述のように外周壁12eが設けられておらず、切断刃21(図1(B)参照)が出入方向Xに摺動可能な先端溝12rが形成されている。
主要蓋13は、ベース12の主要部12Bを覆う上蓋の一部であり、その輪郭はベース12の主要部12Bの輪郭に対応する形状になっている。主要蓋13は、本実施の形態では、板状に形成されており、ベース12よりも厚さが薄くなっている。主要蓋13の外周縁13e及びベース12の主要部12Bの外周壁12eの上端には、それぞれ相互に嵌まり合う凹凸が形成されており、両者が嵌め合わされたときにずれないように構成されている。主要蓋13には、ナットケース13jが設けられていると共に、窪み13dと空洞13cとが形成されている。主要蓋13のナットケース13j、窪み13d、空洞13cは、それぞれ、主要蓋13をベース12に嵌めたときにベース12のナットケース12j、窪み12d、空洞12cに対応する位置に設けられている。主要蓋13のナットケース13jは、主要蓋13の表面よりも外側に隆起していて、ベース12のナットケース12jと協働してホルダナット16(図1(B)参照)を保持するように構成されている。主要蓋13の窪み13dには、ベース12の挿通孔12hを通過する締結部材を通すための挿通孔13hが形成されている。主要蓋13の空洞13cは、ベース12の空洞12cと協働して吊り下げ紐を通す穴11c(図1(B)参照)を形成している。
先端蓋14は、ベース12の先端部12Aを覆う上蓋の一部であり、その輪郭はベース12の先端部12Aの輪郭に対応する形状になっている。先端蓋14は、本実施の形態では、主要蓋13と同様の厚さに形成されている。先端蓋14の外周縁14e及びベース12の主要部12Bの外周壁12eには、それぞれ相互に嵌まり合う凹凸が形成されており、両者が嵌め合わされたときにずれないように構成されている。先端蓋14は、ベース12の先端部12Aに嵌めたときのベース12の先端溝12rに対向する位置に、先端溝12rと同様の先端溝(図2には表れていない)が形成されている。また、先端蓋14の先端溝が形成されている部分である末端部14tとベース12の末端部12tとに対応する、本体部11の末端部分11tは、図1(A)に示すように、他の部分に比べて厚さが薄くなっている。この厚さが薄い末端部分11tは、切断刃21(図1(B)参照)を包み込む程度に切断刃21よりも一回り厚く形成されている。ベース12において、この厚さが薄い末端部12tは、他の部分に比べて厚さが薄くなっている。先端蓋14では、全体として厚さは変わらないが、この末端部14tが、他の部分からオフセットしている。また、先端蓋14の末端部14tには、刃先21eが出る部分の近傍に、リブマーク15が形成されている。リブマーク15は、カッターナイフ1を使用する際の傾斜を把握する目安となるものであり、目印に相当する。なお、刃先21eが出る部分の近傍とは、典型的には、カッターナイフ1の使用時に刃先21eを見たときに視野に入る範囲である。リブマーク15は、本実施の形態では、先端蓋14の接触予定辺14cに対して直角の方向に延びている。接触予定辺14cは、カッターナイフ1を使用する際に切断対象物Sに平行に接触することを予定している辺であり、末端部14tの辺の一部である。リブマーク15は、図2では、3本が形成されているとして示されているが、数及び大きさを適宜決定することができる。また、リブマーク15は、本実施の形態では、カッターナイフ1を右手で持ったときに内側(視界に入る側)となる先端蓋14に形成することにしているが、左手で持ったときに内側(視界に入る側)となるベース12の面に形成することにしてもよく、両面に形成して左右どちらの手でカッターナイフ1を持った場合も視界に入るように形成してもよい。
グリップ部18は、ベース12に主要蓋13及び先端蓋14を嵌めた本体部11に対して末端部分11tの側から装着することができるように、筒状(スリーブ状)に形成されている。グリップ部18は、筒状の断面形状が長方形に形成されている。グリップ部18の出入方向Xの長さは、ベース12を基にして見たときに、末端部12tを除いた先端部12Aから、主要部12Bの幅が広がった部分の一部にまたがった長さとなっている。この構成により、グリップ部18を本体部11に嵌めたときに、グリップ部18のやや幅が広がった部分が、これよりも幅が広い主要部12Bの部分に突き当たって止まるようになっている。グリップ部18は、本実施の形態では、幅方向に細長い長方形の開口が出入方向Xに等間隔で形成されていて、全体として出入方向Xに延びる梯子状に形成されている。この構成により、カッターナイフ1を手で持ったときに、滑り止めの機能を果たすことができるようになっている。グリップ部18に形成された細長い開口は、図1(A)から把握できるように、対向する面で段違い(互い違い)になっている。上述のような各部品を有するホルダ10は、ベース12に主要蓋13を嵌める際に、両ナットケース12j、13jにホルダナット16(図1(B)参照)を保持させることにしていて、ホルダナット16を有している。
図3を図1(B)と併せて参照して、切断部材20を説明する。図1(B)に示すように、切断部材20は、切断刃21と、切断刃ケース22と、ばねケース25と、ばね26とを有している。図3の切断部材20を説明する図では、(A)に切断刃ケース22の分解正面図を、(B)にばねケース25の平面図を、それぞれ示している。切断刃21は、本実施の形態では、汎用のカッターナイフ用の替刃を用いている。切断刃ケース22は、切断刃台23と切断刃蓋24とを含んでおり、両者で切断刃21を挟み込んで保持することができるように構成されている。切断刃ケース22は、図1(B)に示すように、平面形状が概ね長方形で、ベース12(図2参照)の先端部12Aの空間に嵌まる大きさに形成されている。切断刃台23には、概ね長手方向の中央部分に、切断刃蓋24の方に向かって突出した保持突起23pが形成されている。この保持突起23pに、切断刃21の切欠き孔が嵌められることで、切断刃21が切断刃ケース22に対して位置決めされるように構成されている。また、切断刃台23は、一方の端部に、ばねケース25と連結するための連結突起23jが形成されている。本実施の形態では、連結突起23jが2個形成されている。
ばねケース25は、平面視における基本形状が長方形に形成されており、長手方向の一端が円弧状に形成されている。ばねケース25は、円弧状に形成されている端部とは反対側の端部の近傍に、連結突起23jが嵌め込まれる連結孔25jが形成されている。連結孔25jは、連結突起23jと同数(本実施の形態では2個)が形成されている。ばねケース25は、円弧状の端部と連結孔25jとの間に、開口25hが形成されている。開口25hは、概ねばねケース25の長手方向に長い長方形状に形成されているが、連結孔25j側の幅狭開口25hAの幅が、円弧状端部側の幅広開口25hBの幅よりも狭くなっている。幅狭開口25hAと幅広開口25hBとは連続している。幅狭開口25hAは、ベース12に形成されたばね用突起12p(図2参照)が適合するように構成されている。幅狭開口25hAは、ばね用突起12pに嵌合した状態で出入方向Xに円滑に摺動しつつ極力遊びが少なくなるような大きさに形成されている。幅広開口25hBには、圧縮したばね26が収容されるようになっている。ばね26は、本実施の形態では圧縮ばねが用いられており、付勢部材に相当する。ばね26は、幅広開口25hBに収容されるが、幅狭開口25hAの幅よりも広い幅を有している。このため、ばね26は、幅狭開口25hAには進入できないようになっている。
図1(B)を主に参照してレバー30を説明する。レバー30は、調節ねじ40の動きを切断部材20に伝える役割を果たすものである。レバー30は、主要な部材であるレバー本体31と、緩衝材38とを有している。レバー本体31は、ベース12の主要部12Bの空間に収まる板状の部材で構成されており、ベース12の支点突起12f(図2参照)が嵌まる支点孔32hが形成されている。レバー本体31は、平面形状が多角形に形成されている。レバー本体31を形成する多角形は、平面視において、支点突起12fに支点孔32hを嵌めた状態で、支点孔32hの部分から切断部材20の脇を越えて斜辺12sに対向する辺の間際まで延びた作用辺34と、支点孔32hの部分からナットケース12jに隣接する部分まで延びる加力辺36とを有している。本実施の形態では、作用辺34と加力辺36とは、同一直線上になく、両者のなす角が鈍角となっている。緩衝材38は、作用辺34よりも切断部材20の側に突き出るようにして、作用辺34の側に取り付けられている。緩衝材38は、レバー本体31よりも軟らかい(弾性率が小さい)材料で構成されており、典型的にはゴム(天然ゴム、シリコンゴム、ウレタンゴム、その他のエラストマー樹脂(スチレン系エラストマー、オレフィン系エラストマー等))を用いることができるが、ゴム以外の材料であってもよい。
レバー本体31に緩衝材38が取り付けられて構成されたレバー30は、支点突起12fに支点孔32hを嵌めた状態で、支点孔32hの中心(以下、単に「支点32」という。)まわりに移動(回動)することができるようになっている。レバー30は、支点32まわりの回動によって緩衝材38に切断部材20が接する部分があり、この部分を作用部33とする。また、レバー30は、加力辺36に調節ねじ40が接する部分があり、この部分を加力部35とする。本実施の形態では、支点32が作用部33と加力部35との間にあり、支点32と作用部33との距離よりも支点32と加力部35との距離の方が長くなっている。支点32と加力部35との距離は、支点32と作用部33との距離に対して、典型的には3〜4倍であるが、切断刃21のホルダ10からの突出量を詳細に調節できるようにする観点から4.5倍や5倍等の4倍よりも大きくしてもよく、カッターナイフ1の大型化を抑制する観点から2.5倍や2倍等の3倍よりも小さくしてもよい。
調節ねじ40は、レバー30の加力部35に力を加えてレバー30を支点32まわりに移動させるものである。調節ねじ40は、ねじ部41と、キャップ42と、ロックナット43とを有している。ねじ部41は、ホルダナット16に組み合わさる、らせん状の溝が切られたボルトで構成されている。ねじ部41は、ホルダナット16にねじ込む際の回転量に応じてホルダ10内の空間へ進入する量を調節することができるようになっている。つまり、ねじ部41の回転量を調節することで、ねじ部41の先端のホルダ10内への進入量、ひいてはレバー30の加力部35の押し込み量を調節することができるようになっている。このような機能を発揮するねじ部41を有する調節ねじ40は、調節部材に相当する。本実施の形態では、ねじ部41は、ホルダ10を手に持った状態で上部外側に突き出るように配置されている。キャップ42は、ねじ部41を構成するボルトの頭部に装着する部品である。キャップ42を設けることで、指先でねじ部41を回しやすくなっている。ロックナット43は、ホルダナット16に対するねじ部41の位置を固定するための部品である。ロックナット43は、典型的にはホルダナット16と同じナットが用いられる。ねじ部41が所望の位置にあるときに、ロックナット43をホルダナット16(ナットケース12j、13j)の方にねじ込むことで、ねじ部41の移動をロックすることができるようになっている。
上述のように各部品が構成されたカッターナイフ1は、以下の要領で組み立てることができる。まず、ベース12を置き、ばね用突起12pにレバー30の支点孔32hを嵌めるようにして、レバー30をベース12に装着する。また、切断部材20のばねケース25のみを、ばね用突起12pに幅狭開口25hAを嵌めるようにして、ベース12に装着する。ばねケース25をばね用突起12pに嵌めたら、ばね26を幅広開口25hBに嵌め込む。このとき、ばね26は、やや圧縮された状態で、ばねケース25の円弧状の端部に近い幅広開口25hBの内壁と、ばね用突起12pとの間に挟まれており、ばねケース25の円弧状の端部がばね用突起12pから遠ざかる方向にばねケース25を付勢している。ベース12のナットケース12jには、ホルダナット16を載置しておく。この状態で、主要蓋13によってベース12の主要部12Bを閉じ、窪み12d、13d及び挿通孔12h、13hを通した締結部材でベース12と主要蓋13とを固定する。このとき、ばねケース25の連結孔25jの部分は、主要蓋13に覆われずに露出している。この一方で、ばねケース25以外の切断部材20について、切断刃台23と切断刃蓋24とで切断刃21を挟んで、切断刃21を切断刃ケース22に装着しておく。そして、切断刃21を有する切断刃ケース22の連結突起23jを、露出している連結孔25jに嵌め込むことで、切断刃21を有する切断刃ケース22をベース12の先端部12Aに装着する。次に、先端蓋14によってベース12先端部12Aを閉じる。本実施の形態では、切断刃21の交換を簡便にする観点から、先端蓋14とベース12とを締結部材等で固定せずに両者を嵌め込むだけにしている。先端蓋14をベース12に嵌めたら、グリップ部18を、本体部11の末端部分11tから装着する。グリップ部18を本体部11に装着することで、先端蓋14はグリップ部18に保持されてベース12から外れなくなる。最後に、ロックナット43をねじ部41に取り付けてある状態で、ねじ部41をホルダナット16に組み合わせる(ねじ込む)。このようにして、カッターナイフ1となる。
引き続き図1を主に参照し、適宜図2及び図3を参照して、カッターナイフ1の作用を説明する。カッターナイフ1を使用していないときは、調節ねじ40がホルダ10の内部に深く入り込んでおらず、切断部材20がばね26によってレバー30がある方向に付勢されていて、切断刃21の全体がホルダ10内に収容されている。カッターナイフ1を使用しようとして、切断刃21の刃先21eをホルダ10から出すときは、調節ねじ40をねじ込む。すると、調節ねじ40の先端(キャップ42が取り付けられている端部とは反対側の端部)がホルダ10の内部に入り込んでいき、レバー30の加力部35に当たる。さらに調節ねじ40をねじ込んでいくと、レバー30は、加力部35が調節ねじ40に押されることによって支点32まわりに(図1(B)では時計回りの方向に)回転移動し、これに伴って作用部33が切断部材20の方向に移動して、切断部材20を末端部分11tの方向に押す。切断部材20がレバー30の作用部33に押されることにより、末端部分11tのホルダ10の先端から、切断刃21の刃先21eが出る。カッターナイフ1の使用者は、切断刃21の刃先21eがホルダ10から所望の量だけ出るまで、調節ねじ40をねじ込めばよい。カッターナイフ1では、調節ねじ40のピッチで調節ねじ40がホルダ10内に入り込む量を調節できると共に、レバー30における支点32から作用部33及び加力部35それぞれまでの距離の相違によって、調節ねじ40がレバー30を押す量よりもレバー30が切断部材20を押す量の方が小さくなるので、ホルダ10から切断刃21の刃先21eを出す量の微細な調節(微調節)が可能となる。ここで、微調節とは、典型的には調節ねじ40を1/4回転させたときに、切断刃21を0.01〜0.10mm、さらには0.025〜0.05mmだけ突出させることができることを表している。なお、調節ねじ40のピッチは、切断対象物Sの厚さに対応した値とすることができる。例えば、切断対象物Sたるフィルムの厚さが0.1mm用のカッターナイフの場合は以下のように設定することができる。支点32と作用部33との距離のレバー比が3.5のとき、調節ねじ40のピッチを0.35mmとする。この構成では、調節ねじ40を1回転したとき、切断刃21は0.1mmだけ突出する。1/4回転では0.025mmだけ突出する。このように、切断しようとする切断対象物Sの厚さに応じて微調節の量を設定することができる。調節ねじ40のピッチは、切断しようとする切断対象物Sの厚さとレバー比に応じて定めるとよく、典型的には0.2〜1.0mmとするとよく、さらに好ましくは0.25〜0.5mmとするとよい。ホルダ10から刃先21eが出る量、換言すれば調節ねじ40をねじ込む量が定まったら、ロックナット43をホルダナット16の方に締め付けることで、調節ねじ40を固定することができ、意図せずに切断刃21が移動してしまうことを回避することができる。
刃先21eをホルダ10から適切な量だけ出したら、使用者は、利き手の指先がグリップ部18に掛かるようにカッターナイフ1を持ち、切断対象物Sを切断する。このとき、末端部分11tにリブマーク15が形成されているので、切断対象物Sに対してカッターナイフ1を適切な角度で当てることができ、適切な深さで切断対象物Sを切断することができる。また、切断対象物Sを切断する際、本実施の形態では、レバー30に緩衝材38が設けられているので、切断対象物Sを切断した際に刃先21eに加わった力を和らげることができる。切断対象物Sの切断が完了して、カッターナイフ1を使い終わったら、ロックナット43を緩めてから調節ねじ40を緩めて、調節ねじ40をホルダ10の内部から後退(退避)させる。すると、レバー30は、加力部35がホルダナット16に近づく方向に、ひいては作用部33が末端部分11tから遠ざかる方向に移動可能となる。すると、切断部材20が末端部分11tから離れる方向に移動することを妨げていたレバー30が末端部分11tに対して後退することになるので、ばね26によって切断部材20が末端部分11tから離れる方向に付勢され、切断部材20がホルダ10内に収容される。このように、カッターナイフ1は、ばね26を有するので、調節ねじ40を緩めるだけで、切断刃21をホルダ10内に収容することができる。
カッターナイフ1を繰り返し使用することで、切断刃21の切れ味が悪くなった場合、切断刃21を交換するとよい。カッターナイフ1は、切断刃21を交換する際、グリップ部18を本体部11から抜いて、ベース12に嵌め込まれているだけの先端蓋14を外し、切断刃21を保持している切断刃ケース22をばねケース25から外して、切断刃台23から切断刃蓋24を外すだけで、簡便に切断刃21を交換することができる。そして、この手順を逆に行うだけで、切断刃21を交換した切断刃ケース22を簡便にホルダ10内に装着することができる。
以上で説明したように、本実施の形態に係るカッターナイフ1によれば、支点32まわりに移動するレバー30と、レバー30の加力部35の押し込み量を調節する調節ねじ40と、レバー30の作用部33の移動に伴ってホルダ10内で移動する切断部材20とを備えるので、調節ねじ40によるレバー30の押し込み量を調節することで、刃先21eがホルダ10から出る量を微調節することができる。また、切断部材20がばね26を有するので、カッターナイフ1の使用後に、調節ねじ40を緩めるだけで、切断刃21をホルダ10内に収容することができる。また、レバー30が緩衝材38を有するので、カッターナイフ1の使用時に刃先21eに加わった力を和らげることができる。また、末端部分11tにリブマーク15が設けられているので、切断対象物Sに対してカッターナイフ1を適切な角度で当てることができ、適切な深さで切断対象物Sを切断することが可能になる。
以上の説明では、レバー30が、作用辺34と加力辺36とが同一直線上になく両者のなす角が鈍角となっているとしたが、この両者のなす角はホルダの外形(外寸)に応じて適宜変更可能なことはもちろん、図4(A)に示す第1の変形例に係るカッターナイフ1Aのように、作用辺34と加力辺36とが同一直線上に存在するようにレバー30Aを構成してもよい。この場合、ホルダ10Aの形もレバー30Aの構成に合わせて形成することになる。第1の変形例に係るカッターナイフ1Aでは、作用部33における力の方向と加力部35における力の方向は、互いに平行で逆向きとなる。
以上の説明では、レバー30、30Aは、作用部33と加力部35との間に支点32が存在するとしたが、図4(B)に示す第2の変形例に係るカッターナイフ1Bのように、作用部33及び加力部35の外側に支点32が存在するような、換言すれば支点32と加力部35との間に作用部33が存在するようなレバー30Bの構成としてもよい。この場合も、作用辺34と加力辺36とが同一直線上になくてもよく、カッターナイフ1A(図4(A)参照)に倣って同一直線上に存在するように構成してもよい。カッターナイフ1Bにおいて作用辺34と加力辺36とが同一直線上に存在するように構成した場合は、作用部33における力の方向と加力部35における力の方向は、互いに平行で同じ向きとなる。また、カッターナイフ1Bにおいても、ホルダ10Bの形をレバー30Bの構成に合わせて形成することになる。なお、図4(B)に例示するカッターナイフ1Bでは、ホルダナット16を、ホルダ10Bの内部に回転可能かつ両面から部分的に露出するように支持し、ホルダ10Bに対してホルダナット16を回転させることで、頭部の無いボルトを移動させる構成としている。このような構成とすると、ホルダ10Bを持ったときに調節部材に相当するねじ41Bがホルダの上部外側に突き出ることを回避することができる。この、ホルダナット16をホルダ10Bの内部で支持する構成は、図1に示すカッターナイフ1等において採用することもできる。
以上の説明では、切断部材20が、切断刃21に対してホルダ10への係止用の付属部品22、25、26を取り付けたものとして構成されていることにしたが、切断刃21単体で切断部材20が構成されていてもよい。また、切断刃21として、汎用の替刃を用いることにしたが、付属部品22、25、26を用いる場合も用いない場合も、汎用の替刃に限らず、用途等に応じて種々の大きさ(幅、長さ)、形状、素材のものを採用することができる。なお、例えば汎用の替刃にも複数種類の幅のものが存在するが、採用した切断刃21の幅に適合するように、ベース12の先端部12A及び先端蓋14の幅、切断刃ケース22のサイズ等を、適宜調節するとよい。
以上の説明では、調節部材が、ホルダ10に取り付けられたホルダナット16に組み合わさるねじ部41を有するものであるとしたが、らせん状の溝を切ったねじに限らず、ラチェット機構等を利用するものであってもよい。
以上の説明では、ホルダ10がリブマーク15を有し、切断部材20がばね26を有し、レバー30が緩衝材38を有することにしたが、リブマーク15、ばね26、緩衝材38は必要に応じて設けることができる任意の構成であり、これらのうちの1つ又は複数を省略してもよい。しかしながら、リブマーク15、ばね26、緩衝材38には、前述の利点があるため、備えていることが好ましい。
1、1A、1B カッターナイフ
10、10A、10B ホルダ
15 リブマーク
20 切断部材
21 切断刃
21e 刃先
26 ばね
30、30A、30B レバー
32 支点
33 作用部
35 加力部
38 緩衝材
40 調節ねじ
S 切断対象物
10、10A、10B ホルダ
15 リブマーク
20 切断部材
21 切断刃
21e 刃先
26 ばね
30、30A、30B レバー
32 支点
33 作用部
35 加力部
38 緩衝材
40 調節ねじ
S 切断対象物
Claims (5)
- 対象物を切断する切断刃を有する切断部材と;
前記切断刃の刃先を出し入れ可能となるように前記切断部材を支持するホルダと;
前記ホルダに固定された支点と、前記切断部材に接する作用部と、を有するレバーであって、前記支点まわりの移動によって前記作用部が前記切断部材を押し出して前記刃先を前記ホルダから出すレバーと;
前記支点から離れた位置の前記レバーの加力部を押す調節部材であって、前記加力部の押し込み量を調節可能な調節部材とを備える;
カッターナイフ。 - 前記切断部材が、前記刃先を前記ホルダの内部に収容する方向に前記切断刃を付勢する付勢部材を有する;
請求項1に記載のカッターナイフ。 - 前記レバーが、前記作用部に緩衝材が設けられて構成されている;
請求項1又は請求項2に記載のカッターナイフ。 - 前記ホルダは、前記刃先が出る部分の近傍に、前記刃先との位置関係を表す目印を有する;
請求項1〜3のいずれか1項に記載のカッターナイフ。 - 前記対象物が保護フィルムであり;
前記保護フィルムを車のボディに貼付してから、余った前記保護フィルムをカットすることに用いる;
請求項1〜4のいずれか1項に記載のカッターナイフ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019196097A JP2021069434A (ja) | 2019-10-29 | 2019-10-29 | カッターナイフ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019196097A JP2021069434A (ja) | 2019-10-29 | 2019-10-29 | カッターナイフ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2021069434A true JP2021069434A (ja) | 2021-05-06 |
Family
ID=75711787
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2019196097A Pending JP2021069434A (ja) | 2019-10-29 | 2019-10-29 | カッターナイフ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2021069434A (ja) |
-
2019
- 2019-10-29 JP JP2019196097A patent/JP2021069434A/ja active Pending
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