JP2021065366A - 検査装置および検査モジュール - Google Patents

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Abstract

【課題】患部からの反射光を使用して患部を検査する検査装置および検査モジュールを提供すること。【解決手段】本発明の検査装置100は、撮像装置106と、撮像装置106に対して患部画像を撮影させるための検査モジュール115とを備えている。検査モジュール115は、撮像装置106に患部からの反射光を集光するための対物レンズ104と、対物レンズ104の光学軸を取り囲んで患部に向けて光を照射する複数のUVLED103aと、可視LED103aからの光を円偏光として患部に照射するための偏光状態調節部102cを備えた円偏光フィルタ102aと、患部からの反射光を検出するための円偏光フィルタ102bとを含んでおり、患部からの蛍光を高いコントラストで検出可能としている。【選択図】図1

Description

本発明は、検査装置および検査モジュールに関し、より詳細には、皮膚からの反射光を使用して紫外発光性の真菌感染症を検査する検査装置および検査モジュールに関する。
従来から通常デジタルダーモスコープとして、デジタルカメラで所定の大きさの皮膚の色素沈着等を拡大撮像する装置および検査方法が知られている。この装置は、デジタルカメラにダーモスコープモジュールを取り付けて皮膚表面と、真皮まで達してから反射されるそれぞれの反射光を観察することにより、皮膚表面から真皮付近に至る皮膚患部の色素沈着状態を検索することを可能とする。このようなデジタルダーモスコープとしては、偏光フィルタを使用することにより、皮膚表面および真皮内部から反射した光をそれぞれ観察できるシステムも提案されている。
ダーモスコープは、皮膚の色素沈着(ほくろなど)や扁平上皮癌、メラノーマなどの病変を観察してがん診断するために使用されている。また、皮膚感染症を検査するために、ウッド灯検査として、皮膚に対して紫外線を照射し、皮膚からの蛍光を検出して検査する方法も知られている。例えば、ウッド灯検査が適用される皮膚感染症としては、紫外線を照射することにより特有の蛍光を発生する皮膚疾患、白癬菌感染症、マラセジア・フルフール感染症、紅色陰癬、緑膿菌感染症などを挙げることができる。この他、尋常性白斑の診断にも適用される。
ウッド灯検査法は、皮膚に対して365nm−450nmの紫外線を照射して、皮膚からの蛍光を検査するが、この時、白癬菌では、青緑色の蛍光を生じ、マラセジア・フルフール感染症では、灰黄色の蛍光を生じ、紅色陰癬では、サンゴ色の蛍光を生じ、緑膿菌感染症では、黄緑色の蛍光を生じる。また、尋常性白斑は、淡い青白色の蛍光を生じる。
本発明者は、円偏光を利用した皮膚疾患検査装置を検討しており、国際公開WO2018/135337号パンフレット(特許文献1)において、LEDを光源として円偏光の光アイソレータ機能を利用したデジタルダーモスコープを提案した。
一方、近年のLED技術の進歩により、青色発光ダイオードの価格が低下し、また発光色のバリエーションも増えたため、ウッド灯検査の代替手段として紫外線発光ダイオードを使用することも可能となっている。しかしながら、365nm近辺の紫外線は、可視感度が低すぎ、患部の発光を観測することができるものの、患部の位置を同時に特定することが困難と言う問題があった。このため、UVLEDと、可視LEDとを交互に照射して複数の画像から患部位置を特定することも可能と言えるが、UVLEDと可視LEDとを切替えて照射した場合、視野中での患部位置がずれで、正確さに欠ける場合もある。
国際公開WO2018/135337号パンフレット
本発明は、上述した従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、本発明は、ウッド灯検査に代替可能な皮膚疾患の検査装置および検査モジュールを提供することを目的とする。
すなわち、本発明によれば、
撮像装置と、
前記撮像装置に患部画像を取得させるための検査モジュールと
を備える検査装置であって、
前記検査モジュールは、
前記撮像装置に患部からの反射光を集光するための対物レンズと、
前記対物レンズの光学軸を取り囲んで前記患部に向けて紫外光および可視光を照射する複数のUVLEDおよび可視LEDと、
前記患部からの反射光を通過させる第1円偏光フィルタと、
前記可視LEDからの光を円偏光として前記患部に照射するための偏光状態調節部を備えた第2円偏光フィルタと
を備える検査装置が提供される。
また、他の態様では、
患部画像を取得するための検査モジュールであって、
患部からの反射光を集光するための対物レンズと、
前記対物レンズの光学軸を取り囲んで前記患部に向けて紫外光および可視光を照射する複数のUVLEDおよび可視LEDと、
前記患部からの反射光を通過させる第1円偏光フィルタと、
前記可視LEDからの光を円偏光として前記患部に照射するための偏光状態調節部を備えた第2円偏光フィルタと
を備える検査モジュールが提供される。
さらに他の態様では、
撮像装置と、
前記撮像装置に患部画像を取得させるための検査モジュールと
を備える検査装置であって、
前記検査モジュールは、
前記撮像装置に患部からの反射光を集光するための対物レンズと、
前記対物レンズの光学軸を取り囲んで前記患部に向けて紫外光および可視光を同時に照射する複数のUVLEDおよび可視LEDと、
前記患部からの反射光を通過させる第1円偏光フィルタと
を備える、検査装置が提供される。
本発明によれば、高精度かつ効率的なウッド灯検査に代わる診断を行うことが可能な検査装置および検査モジュールを提供することができる。
図1は、本実施形態の検査装置100の概略図。 本実施形態の保護部材101、円偏光フィルタ102a、円偏光フィルタ102bおよび偏光状態調節部102cの配置を示す図。 図3は、本実施形態の円偏光フィルタ102a、102bのUVLED103a、可視LED103bに対する配置を説明する図。 図4は、本実施形態のLEDホルダ103と、円偏光フィルタ102a、102bと、LEDホルダ103の配置を示す図。 図5は、本実施形態における、UVモードと、VISモードにおける光検出機構を説明する図。 図6は、本実施形態の検査モジュール115の第2の実施形態を示す図。 図7は、本実施形態の検査装置100を使用する検査システム700の実施形態を示す図。 図8は、本実施形態のライトガイド部材810を備えるライトガイドアダプタ800を示す図。 図9は、本実施形態のライトガイドアダプタ800を検査モジュール115に装着したときの使用態様を示す図。 図10は、本実施形態で、UVモードと、UVVISモードを切り替えて使用する実施形態を説明する図。
以下、本発明につき、実施形態を以て説明するが、本発明は後述する実施形態に限定されるものではない。図1は、本実施形態の検査装置100の概略図である。本実施形態の検査装置100は、いわゆるデジタルダーモスコープとして利用することができ、デジタルカメラといった撮像装置106と、検査モジュール115とを含んで構成することができる。撮像装置106と、検査モジュール115とは、アダプタ107によって連結され、操作時には撮像装置106と検査モジュール115とが一体とされて、医師による取り扱いが可能とされている。検査モジュール115は、適切なテーパ角として形成された筐体115aを備え、筐体115a内に各種の要素を収容し、検査モジュール115に適切な剛性を付与すると共に、電池パッケージ114などの固定を可能としている。
撮像装置106は、デジタルカメラを使用することが好ましいが、従来のフィルム型カメラの使用することを排除するものではない。撮像装置106は、レンズ光学系105およびCCDまたはCMOSアレイといった撮像素子120またはフィルムを搭載し、スチル画像撮影機能に加え動画撮影機能を含むことが好ましい。また、撮像装置106は、USB、HDMI(登録商標)といった有線接続、Wifi、3G、4G,5Gといった通信プロトコルによりパーソナルコンピュータといった情報処理装置に接続でき、取得した静止画像や動画像を、情報処理装置に送付し、遠隔的に記録することが可能とされている。
検査モジュール115は、概ね円錐台形状として構成され、LEDホルダ103と、偏光状態調節部102cを含む円偏光フィルタ102aと、円偏光フィルタ102bと、保護部材101とを含んで構成されている。LEDホルダ103には、UVLED103a、可視103bが搭載され、電池パッケージ114に収納された電池(実施形態においては、1.5V電池2本)から直流電力が供給され、皮膚、粘膜、上皮細胞構造といった患部に対して光を照射することができる。
保護部材101は、ガラス、透明プラスチックその他の光学的に透過性を有する材料から形成することができ、防塵機能を提供すると共に、患部を検査する際に塗布されるジェルなどが検査モジュール115内への侵入を防止する。また、検査モジュール115が、患部上でスムースに移動することを補助する。
UVLED103aは、本実施形態では、UVLEDであり、ウッド灯検査に使用される水銀灯が発生する365nm−420nmの波長を発するLEDを使用することができる。また、可視LED103bは、可視LEDであり、可視LEDとしては、白癬菌などが紫外線照射により発生する蛍光とは異なる波長域の可視光線を放出するLEDを使用することが、患部が発する蛍光の観測を阻害することなく、患部の観測および患部位置の特定の両方を同時に行うことができるため、好ましい。
例えば、白癬菌、マラセジア・フルフール感染症、緑膿菌感染症では青系統の蛍光が生じるため、可視LEDとしては、赤(600nm〜660nm)を発生するLEDを使用することができる。一方、紅色陰癬では、サンゴ色の蛍光を生じるので、青〜黄(450nm〜590nm)を発生するLEDを使用することが好ましい。使用する可視LEDは、450nm〜660nmの範囲で、赤、黄色などの一色を発生する可視LEDを使用することができるが、観測する患部が発生する蛍光色に対応して、赤および黄色を発生する複数種類の可視LEDを搭載し、切り替えスイッチで、患部位置を特定しやすい可視波長を発生させることができる。
以下、本実施形態の好ましい実施形態として、UVLED103aを無偏光で、可視LED103bを円偏光として患部に照射する態様を主に説明するが、本実施形態は、波長域が、少なくともUVLED103aと、可視LED103bとを使用し、可視LED103bを円偏光することなく、十分なコントラストで患部を観察できる限り、光アイソレータ機能を機能させなくとも良い。
本実施形態では、偏光フィルタを、円偏光フィルタ102aと、円偏光フィルタ102bとの組み合わせで使用する。円偏光フィルタ102aには、偏光状態調節部102cが形成されており、偏光状態調節部102cは、本実施形態では円形アパーチャとして形成され、UVLED103aが配置された位置に形成されている。UVLED103aからの紫外光は、円偏光を受けることなく、無偏光のままで患部に照射される。
一方、偏光状態調節部102cの可視LED103bに対応する位置には、円偏光フィルタ102bが存在し、可視LED103bからの円偏光を皮膚に向けて照射させる。また、円偏光フィルタ102bは、円偏光フィルタ102aとの組合せで、光アイソレータを構成するように機能する。UVLED103aから照射された光は、皮膚表面および皮膚内部まで侵入した後反射され、いずれも無偏光状態で反射されるので、円偏光フィルタ102bを通過し、好感度に患部が発生する蛍光を検出する。
一方、可視LED103bは、円偏光された後患部に照射されるため、皮膚表面で大部分が反射される直接反射は、円偏光フィルタ102bが光アイソレータとして機能するため、観測されない。一方、皮膚内部まで侵入した後に反射した可視光線は、皮膚内部での散乱により実質上無偏光状態となって反射され、円偏光フィルタ102bへと到達する。このため、円偏光フィルタ102bは、光アイソレータとしては機能せず、検査装置100の観察視野全体からの反射を通過させ、患部を含む観察部位の画像を形成させる。
本実施形態における偏光状態調節部102cは、周方向に一定間隔で形成した円形アパーチャ(直径5.5mm〜6.5mm)として構成されていて、UVLED103aからの光を、無偏光のまま患部に照射させるモード(以下、UVモードとして参照する。)、およびLED103bからの光を円偏光として照射するモード(以下、VISモードとして参照する。)を提供する。また、本実施形態ではUVVISモードとして、無偏光の紫外線を患部に照射するモードと、円偏光の可視光を患部に照射するUVVISモードが提供される。
本実施形態で使用する円偏光フィルタ102a、102bは、カメラ光学系用の汎用品であり、厚さを、0.28〜2.5mmとすることができ、有機系でも無機系でも構わない。なお、本実施形態では、偏光状態調節部102cは、円偏光フィルタ102aに円形の開口を形成した円形アパーチャとして構成するものとして説明する。しかしながら、他の実施形態では、円形アパーチャに代えて、偏光特性のないフィルムなどの光学的材料と、円偏光材料とを交互に接合して円形、方形、六角形、八角形の多角形に構成することもでき、同様の機能を提供する限り特定の構成に限定されるものではない。
LED103a、103bからの光線は、本実施形態では、光軸に対して約16°42’傾斜して患部に照射される。この傾斜角度は、保護部材101からの乱反射を適切に抑制し、観察視野において輝度の濃淡を生じさせないように設定することができ、検査モジュール115の配置、撮像装置106の光学的構成、その他の要因に応じて適宜設定することができる。
患部からの反射光は、円偏光フィルタ102bを通過した後、対物レンズ104によりレンズ光学系105により集光され、CCDなどの撮像素子120上に結像される。撮像素子120は、結像された画像を、光電変換してデジタル画像を生成する。生成したデジタル画像は、撮像装置106が搭載する表示部(図示せず)に表示することができ、さらに情報処理装置(図示せず)に送付して、情報処理装置のディスプレイ装置上で、撮像装置106上の表示と非同期または同期的に表示させることができる。
図2は、本実施形態の円偏光フィルタ102aおよび円偏光フィルタ102bの構成を示す概略図である。円偏光フィルタ102aは、中心が切り取られたドーナツ状の形状とされており、ドーナツ状の部分には、UVLED103aの数に対応する偏光状態調節部102cが形成されていて、LED103aからの無偏光の光が皮膚に向けて照射され、UVモードを形成する。
また、円偏光フィルタ102bは、円偏光フィルタ102aの中心の切り取された部分に対応する径とされて、LEDホルダ103のLED103a、103bよりもレンズ側に配置することができる。また、円偏光フィルタ102aの偏光状態調節部102cが形成されていない位置には、可視LED103aが配置されていて、円偏光の可視光線を患部に照射することでVISモードを提供する。
以下、図3を使用して、本実施形態の円偏光フィルタ102a、102bのUVLED103a、可視LED103bに対する配置を説明する。UVLED103aは、例示的な本実施形態では、4つ使用され、可視LED103bも4つ使用されていて合計8のLEDが配置されている。UVLED103aは、できるだけ蛍光強度を高めるために高強度で、かつ数多く用いることが好ましいが、本実施形態では、1/2の4つがUVLED103aとされる。
また、可視LED103bは、偏光状態調節部102cが形成されていない位置に配置されていて、円偏光を患部に照射する。可視LED103bは、4つとも同一の波長域の光を発生するように選択されていても良く、また2つずつ、青〜黄色、赤という異なる波長域の光を発生する可視LED103bが共用されていても良い。
図3に示した実施形態では、UVLED103a、可視LED103bが同時に照射されており、UVVISモードで、検査装置100が動作する。この場合、UVLED103aからの無偏光の紫外線が照射され、患部から感染症に特有の蛍光が発生し、これが円偏光フィルタ102bを通過して撮像装置106により観測される。また、可視LED103bからは円偏光した可視光が患部領域に照射され、皮膚内部まで侵入して反射した可視光が、円偏光フィルタ102bを通過して観測される。
この可視光は、円偏光フィルタ102a、102bの透過率による減衰に加え、皮膚内部まで侵入したことによる反射高度の減衰を受け、紫外線の強度よりもはるかに弱い強度で検査装置により観測される。この結果、患部からの蛍光は、十分なコントラストで観測することができる。例えば、可視LED103bとして、赤色発光LEDを使用する場合、青系の蛍光が、赤で照射された患部部分に浮き上がって観察される。
また、可視LED103bとして黄〜緑色発光LEDを使用した場合、青系の蛍光が、黄〜緑色の患部部分に浮き上がって観測されることとなる。一方、紅色陰癬の場合には、可視LEDとして赤色発光LEDを使用すると蛍光のコントラストが低下するため、可視LED103bとして黄〜緑色発光LEDを使用することが好ましい。さらに、好ましい実施形態では、赤色発光LEDと、黄〜緑色発光LEDを適宜切替えて使用することができるように、複数種類の波長域の可視LEDを搭載することができる。
図4は、本実施形態のLEDホルダ103と、円偏光フィルタ102a、102bと、LEDホルダ103の配置を示す図である。図4に示すように、フィルタ保持部110には磁性体で形成されたノブ110aが形成されている。また、検査モジュール115の筐体115aには、磁石112、113が固定されていて、円偏光フィルタ102aのLED103aに対する位置を、変更自在に固定させている。
ノブ110aは、本実施形態では、UVモード、VISモード、および紫外VISモードで検査装置100を動作させるためのLED選択スイッチとして機能する。例えば、UVモードでは、UVLED103aのみに通電し、VISモードでは、可視LED103bのみに通電し、紫外VISモードでは、UVLED103a、可視LED103bの両方に通電してそれぞれの光線を患部に対して照射させる機能を提供することができる。
さらに図4を使用して本実施形態のLED103a、103bによる照射光学系を説明する。LED103aは、患部500に向けて無偏光状態の光UV光を照射する。保護部材101を通過した光は、患部400に対して上述したように、約16°45’の照射角で照射され、患部400で反射されて反射光として光学系に返される。
一方、可視LED103bから照射された可視光は、円偏光フィルタ102aで円偏光された後、患部500に向けて円偏光状態の可視光を照射する。可視光は、保護部材101を通過した後、患部400に照射された後、光学系に返される。光学系には、円偏光フィルタ102bが配置されているので、可視光線のうち高い強度を有する直接反射は観察されず、皮膚内部まで侵入した後無偏光となって反射された低強度の可視光線が観察され、患部から発生する蛍光のコントラストを改善する。
反射光は、円偏光フィルタ102bを通過した後、対物レンズ104に達する。対物レンズ104に達した反射光は、対物レンズ104により撮像装置106のレンズ光学系105へと進行し、撮像素子120上に結像される。フィルタ保持部110には、ノブ110aが形成されており、患部400に照射するべき波長範囲を制御することが可能とされている。
図5は、本実施形態における、UVモードと、VISモードにおける光検出機構を説明する図である。図5(a)は、VISモードにおける光検出機構を示し、図5(b)は、UVモードにおける光検出機構を示す。
本実施形態で使用する円偏光フィルタ102a、102bは、カメラ用の市販品を使用することができ、本実施形態では、市販品の円偏光フィルタ102aをドーナツ状に加工し、円周方向に所定数の偏光状態調節部102cを形成することで形成される。また、円偏光フィルタ102bは、LEDホルダ103の直径と同一の円形とされ、LEDホルダ103の適切な位置に保持させることができる。
以下、図5(a)、図5(b)を使用して、本実施形態の光検出機構を詳細に説明する。図5(a)は、本実施形態におけるVISモードの光検出機構を示す。可視LED103bからの光は、円偏光フィルタ102aに入射すると、円偏光フィルタ102aにより、偏光方向Paで示される円偏光として患部510に照射される。
患部510は、光をその表面で反射させるが、照射された光の一部分は、表皮内部へと侵入し、患部で散乱された拡散反射を生成する。ここで、患部510の表面で直接反射された光は、直線偏光のまま反射され、円偏光フィルタ102bに入射する。
この場合、円偏光フィルタ102bは、光アイソレータとして機能するので、円偏光フィルタ102bにより反射され、皮膚から直接反射した光は検出されることはない。
一方、患部内部を通過した反射光は、皮膚内部の乱反射に伴い、拡散して低強度となり、また偏光方向が混合された無偏光状態として円偏光フィルタ102bに到達する。円偏光フィルタ102bは、無偏光の反射光を、マリュスの法則に従った強度で通過させるので、視野内に存在する患部510の画像が検出できる。
また、図5(b)に示すUVモードでは、UVLED103aからの光は、偏光状態調節部102cを通過してLED103aの実質的に無偏光の光のまま患部510に照射される。この際、患部の表面からの反射光の偏光方向は、実質的に保持され、直線偏光フィルタ102aを通して透過する。一方、患部内部で反射された反射光も、患部内部の乱反射により実質的に無偏光状態で反射され、マリュスの法則に従い、両方の反射光が、円偏光フィルタ102aを通して透過する。この場合、表面反射の方が、マリュスの法則に従って円偏光フィルタ102bを通過する光よりも強度がはるかに高くなるので、UVモードでは、表面反射として患部からの蛍光が効率的に観察されることになる。
すなわち、UVモードは、患部からの蛍光を検出しやすくし、VISモードは、患部全体からの反射を観測可能とする。
図6は、本実施形態の検査モジュール115の第2の実施形態を示す。第2の実施形態では、撮像装置106と、検査モジュール115とは別構成とされ、医師は、より軽量な検査モジュール115を手操作して検査が可能となる。この結果、医師といった検査者に対する捜査負担を軽減することが可能とされている。
第2の実施形態の検査モジュール115は、さらに図1に示した検査モジュール115に対して接眼部610が追加されていて、対物レンズ104で集光された光を、凹レンズ611で略平行な光線として、医師による直接観察が可能とされる。また、さらに他の実施形態では、接眼部610に対して光ファイバーを接続し、遠隔して設置された撮像装置106に対して画像を送付し、検査モジュール115による画像を、撮像装置106本体の液晶ディスプレイや情報処理装置のディスプレイ装置上で医師が確認する構成とすることができる。このため、図6に示した実施形態では、医師といった検査者に対して不自然な体勢を強いることなく、検査に注意力を払わせることが可能となる。
図6に示した実施形態では、検査装置100のうち手操作するのを検査モジュール115程度まで低減することが可能となり、より操作性が改善すると共に、画像の確認も撮像装置106の幾何学的配置とは独立して行うことが可能とされるので、より取扱性が改善できる。
図7は、本実施形態の検査装置100を使用する検査システム700の実施形態を示す。本実施形態の検査システム700は、本実施形態の検査装置100と、ディスプレイ装置、キーボード、マウスといった要素を含む情報処理装置710とを含んで構成される。情報処理装置710は、本実施形態のプログラムを実行するためのCPU、メモリ、および記憶装置720を含んで構成され、本実施形態の各ステップを実行するように、情報処理装置を機能させる。
なお、検査装置100と、情報処理装置710との間の接続は、上述したように、USB接続とすることもできるし、WiFi接続とすることもできるし、その他IEEE802.11xによる無線LAN接続を使用して接続することができる。なお検査装置100と、情報処理装置710との間の接続は、ユーザの要求に応じて適宜変更することができる。
検査装置100は、患者701の患部702に接触しており、その画像が、説明する実施形態では、撮像装置106本体の他、情報処理装置のディスプレイ装置にも表示されている。ディスプレイ装置に表示された患部702の画像は、蛍光による高輝度の領域として観察される。また、患部702が存在する体の部分は、可視LED103bの照射により低い輝度で、体の部分がどこであるかが判断できる程度の明度で観察される。また、本実施形態の検査装置100は、従来のウッド灯検査方法とは異なり観察画像をその場で撮影することができ、さらに、撮像装置106が搭載する液晶ディスプレイ装置よりも拡大表示することができるので、より鮮明で高い精度での検査が可能とされている。
また、情報処理装置710は、ハードディスクといった記憶装置720を備えており、直接モードおよび偏光モードで測定したデジタル画像を、個人情報に紐づけて、例えばデータベースの形式で格納する。本実施形態によれば、少なくとも1人の患者701に対して複数生成される直接モードおよび偏光モードの画像を患者701の個人識別情報に紐づけて一連の操作として記録できるので、診断内容の取り違えなどのミスを効率的に防止できる。
この結果、本実施形態によれば、医師の注意力を、情報処理装置の操作に割くことなく、診断のために向けることが可能となり、さらに検査の品質を改善することが可能となる。
以下、図8を使用して、本実施形態の検査装置100に装着して使用されるライドガイドアダプタ800について説明する。図8は、本実施形態のライトガイド部材810を備えるアダプタ800を示す。図8(a)がライトガイドアダプタ800、ライトガイド部材810の使用態様であり、図8(b)が、ライドガイド部材810を保持すると共に、患部702に接触する箇所に装着されるアダプタ部材820を示す。
本実施形態のライトガイド部材810は、検査装置100の検査モジュール115の先端に装着されて、狭い患部領域に対してLED光を照射し、患部の狭い領域から反射した反射光を、カメラの対物レンズへと導く。
ライトガイドアダプタ800は、図8に示すように、ライトガイド部材810と、アダプタ部材820とから構成される。ライトガイド部材810は、例えばポリカーボネート樹脂、PMMAなどの光学グレードの樹脂材料を削り出して構成されていて、中心軸を中心として延びた導光部と、導光部に連続し、ライトガイド部材810を、アダプタ部材820に保持させるための基部とからなる。導光部は、その先端面と、基部の基部面とが、光学的グレードの平坦面とされていて、透過する光を散乱させることなく、また不必要に減衰させないようにされている。なお、本実施形態では、UV光の透過性を考慮してライトガイド部材810を、PMMA、ガラス、ポリノルボルネン系樹脂など、紫外線を吸収しない材質から形成される。
導光部の先端面は、患部といった領域に接触し、検査モジュール115を通して照射される光を患部に照射する。また、導光部は、患部からの反射光を、偏光フィルタ保持部を通してカメラの対物部へと導いている。
さらに、導光部の外面および基部の外面は、外部からの迷光が侵入しないように、摺りガラス加工が施されていて、患部以外を除いた外部からの光線が、導光部の内部に侵入しないように構成されている。
アダプタ820は、概ね中空の円錐台の形状とされていて、その断面が図8(b)に示されている。アダプタ820の内面形状は、検査モジュール115の外面形状に適合する形状とされていて、検査モジュール115に摩擦力および収縮力で、しっかりと検査モジュールの先端部に着脱自在に装着することができる。
また、アダプタ部材820は、柔軟な材料、例えば白色のシリコーン樹脂などから形成され、その一端にライトガイド部材810を保持し、他端が円錐台形状の検査モジュール115の先端に装着され、アダプタ部材820の材料の摩擦抵抗で、ライトガイド部材810を着脱自在に保持可能としている。
アダプタ部材820の内面は、脱着時の摩擦抵抗を低減させる目的で、一部が円周方向に肉薄に形成されている。また、アダプタ部材820の一端には、ライトガイド部材810の基部を保持するための開口が形成されており、アダプタ部材820を形成するシリコーン樹脂の弾性力により、ライトガイド部材810が保持される。なお、アダプタ部材820は、さらに外部からの迷光を抑制するために黒色に着色されていても良いし、検査装置100または観測部位を覆うような遮光布を併用することもできる。
一方、アダプタ部材820の大径側の端部は、検査モジュール115の円錐台の先端に装着可能なテーパ形状とされており、ライトガイド部材810の基部を、偏光フィルタ保持部の先端部に密着させるように固定しつつ、撮像装置106に保持させている。
図9は、本実施形態のライトガイドアダプタ800を検査モジュール115に装着したときの使用態様を示す図である。ライトガイドアダプタ800は、撮像装置116に装着された検査モジュール115の先端部に装着されて使用される。ライトガイドアダプタ800の使用時には、ライトガイドアダプタ800の先端部にある導光部が、狭小な患部、例えば指の間、脇の下、足の裏、口腔内、耳孔内などの患部に接触するように近接して配置される。撮像装置116は、患部における患部の画像を外部からの迷光を排除しながら撮影するのを可能としている。
図10は、本実施形態で、UVモードと、UVVISモードを切り替えて使用する実施形態を説明する図である。図10(a)が、UVモードの場合のLED点灯状態を示し、図10(b)が、UVVISモードの場合のLED点灯状態を示す。UVモードでは、患部からの蛍光を高いコントラストで観測する場合に使用され、8つあるLED103a、103bのうち、UVLED103bのみが点灯され、可視LED103bが消灯されている。
この状態では、患部からの蛍光のみが明瞭に観測される。また、医師が患部の位置が、例えば手、足、体部のどの部位にあるかを確認したい場合、UV光とともに、可視LED103bを点灯するUVVISモードを選択することで、患部位置が可視光反射により観察できる。この切替えは、ノブ110aの位置を、UVLED103aだけに通電する位置から、UVLED103aおよび可視LED103bの両方に通電する位置へと切り替えればよい。ノブ110aは、検査装置100の対物レンズ側に医師が、人差し指で操作できるような位置に配置されている。このため、医師は、患部から検査装置100を離すことなく、同一の位置で、UVVISモードでの観察を行うことができる。
なお、他の実施形態では、可視LED103bを点灯すると同時にUVLED103bを消灯させて、UVモード、VISモードを独立したモードとして提供することができる。さらに他の実施形態ではスイッチ位置を3つ設け、UVモード、VISモード、UVVISモードを独立して提供する態様とすることができる。
本実施形態のライトガイドアダプタ800は、医師などの必要に応じて検査モジュール115に装着して使用することができ、本実施形態の検査装置100の利用性を改善することができる。またアダプタ部材820は、ライトガイド部材810やスケール1610を装着することなく、検査モジュール115の先端に装着して患部を観察する場合にも使用できる。アダプタ部材820を検査モジュール115の先端に装着することで、患部近傍の毛細血管などに対する圧力を低減でき、より、血流量の変化を伴わずに観察が可能となる。
これまで本発明の実施形態を以て説明してきたが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、他の実施形態、追加、変更、削除など、当業者が想到することができる範囲内で変更することができ、いずれの態様においても本発明の作用・効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。
本発明によれは、本発明は検査モジュールを患部から離すことなく従来のエコージェルタイプモジュールおよび変更フィルタモジュールに相当する表面近傍の患部検査を可能とし、さらにはデータの正確性を改善した検査装置および検査モジュールを提供することが可能となる。
100 :検査装置
100b :部位
101 :保護部材
102a :円偏光フィルタ(第2偏光フィルタ)
102b :円偏光フィルタ(第1偏光フィルタ)
102c :偏光状態調節部
103 :LEDホルダ
103a :UVLED
103b :可視LED
104 :対物レンズ
105 :レンズ光学系
106 :撮像装置
107 :アダプタ
110 :フィルタ保持部
110a :ノブ
111 :フィルタ保持部材
112 :磁石
113 :磁石
114 :電池パッケージ
115 :検査モジュール
115a :筐体
120 :撮像素子

Claims (9)

  1. 撮像装置と、
    前記撮像装置に患部画像を取得させるための検査モジュールと
    を備える検査装置であって、
    前記検査モジュールは、
    前記撮像装置に患部からの反射光を集光するための対物レンズと、
    前記対物レンズの光学軸を取り囲んで前記患部に向けて紫外光および可視光を照射する複数のUVLEDおよび可視LEDと、
    前記患部からの反射光を通過させる第1円偏光フィルタと、
    前記可視LEDからの光を円偏光として前記患部に照射するための偏光状態調節部を備えた第2円偏光フィルタと
    を備える検査装置。
  2. 前記検査装置は、前記患部に対して紫外線を照射するUVモード、前記患部に対して可視光を照射するVISモードまたは前記患部に対して紫外光および可視光を照射するUVVISモードの少なくとも2モードを備える、請求項1に記載の検査装置。
  3. 前記紫外光は、365〜420nmであり、前記可視光は、450〜660nmの範囲から選択される、請求項1または2に記載の検査装置。
  4. さらに、狭小な患部を拡大して観察するためのライトガイド部材を備える、請求項1〜3のいずれか1項に記載の検査装置。
  5. 患部画像を取得するための検査モジュールであって、
    患部からの反射光を集光するための対物レンズと、
    前記対物レンズの光学軸を取り囲んで前記患部に向けて紫外光および可視光を照射する複数のUVLEDおよび可視LEDと、
    前記患部からの反射光を通過させる第1円偏光フィルタと、
    前記可視LEDからの光を円偏光として前記患部に照射するための偏光状態調節部を備えた第2円偏光フィルタと
    を備える検査モジュール。
  6. 前記検査モジュールは、前記患部に対して紫外線を照射するUVモード、前記患部に対して可視光を照射するVISモードまたは前記患部に対して紫外光および可視光を照射するUVVISモードの少なくとも2モードを備える、請求項5に記載の検査モジュール。
  7. 前記紫外光は、365〜420nmであり、前記可視光は、450〜660nmの範囲から選択される、請求項5または6に記載の検査モジュール。
  8. さらに、狭小な患部を拡大して観察するためのライトガイド部材を備える、請求項5〜7のいずれか1項に記載の検査モジュール。
  9. 撮像装置と、
    前記撮像装置に患部画像を取得させるための検査モジュールと
    を備える検査装置であって、
    前記検査モジュールは、
    前記撮像装置に患部からの反射光を集光するための対物レンズと、
    前記対物レンズの光学軸を取り囲んで前記患部に向けて紫外光および可視光を同時に照射する複数のUVLEDおよび可視LEDと、
    前記患部からの反射光を通過させる第1円偏光フィルタと
    を備える、検査装置。
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