JP2021059510A - 飼料添加剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】卵子個数増大及び卵子品質の改善、たとえば、受精が可能な卵子の個数及び受精が可能な卵子の比率を改善するための、哺乳動物の飼料添加剤、及び、卵子個数増大及び卵子品質の改善、たとえば、受精が可能な卵子の個数及び受精が可能な卵子の比率を改善するための方法の提供。【解決手段】甘草エキスを含む、受精が可能な卵子の個数及び受精が可能な卵子の比率を改善するための、哺乳動物の飼料添加剤。甘草エキスを哺乳動物に投与すること含む、受精が可能な卵子の個数及び受精が可能な卵子の比率を改善するための方法。【選択図】なし
Description
本発明は、甘草エキスを含む、卵子個数増大及び卵子品質の改善、たとえば、受精が可能な卵子の個数及び受精が可能な卵子の比率を改善するための、哺乳動物の飼料添加剤、及び甘草エキスを哺乳動物に投与すること含む、卵子個数増大及び卵子品質の改善、たとえば、受精が可能な卵子の個数及び受精が可能な卵子の比率を改善するための方法に関する。
哺乳動物の改良、増殖を効率的に進めるために、受精卵移植が広く行われている。胚移植に必要な良質胚を多数確保するために過剰排卵処理が用いられている。過剰排卵処理は、卵胞刺激ホルモンを一日2回、3〜5日間、雌の哺乳動物に漸減投与することにより行われている。ただし、雌の哺乳動物の体調等により、この処理の後に得られる受精卵から正常胚が発生する頻度が低くなる場合があるという問題があった。また、過剰排卵処理によって得た受精卵からの正常胚発生率を向上させるためには、処理前にエストラジオールなどの女性ホルモンを注射する方法が知られていた。しかし、注射のような獣医師による処置は、酪農家にとって負担であることから、過剰排卵処理を用いずに卵子個数を増大し及び卵子品質を改善するためのより簡易な手段が求められていた。
本発明の課題は、卵子個数増大及び卵子品質の改善、たとえば、受精が可能な卵子の個数及び受精が可能な卵子の比率改善をもたらす、哺乳動物用飼料添加剤又は方法を提供することにある。
本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、カンゾウ抽出物を哺乳動物用飼料に添加することにより、その飼料を摂取した哺乳動物における卵子の個数やその品質を改善することを見出し、この知見に基づいて本発明を完成した。即ち、本発明は以下のとおりである。
[1]甘草エキスを含む、受精が可能な卵子の個数及び受精が可能な卵子の比率を改善するための、哺乳動物の飼料添加剤。
[2]哺乳動物が、ウシである、[1]に記載の飼料添加剤。
[3]ウシが、過剰排卵処理されていないウシである、[2]の飼料添加剤。
[4]卵子が、経膣採卵された卵子である、[1]の飼料添加剤。
[5]受精が、体外受精である、[1]の飼料添加剤。
[6]甘草エキスを、20g/日/頭の用量で投与するための、[1]の飼料添加剤。
[7]甘草エキスを60日以上投与するための、[1]の飼料添加物。
[8]甘草エキスを哺乳動物に投与すること含む、体外受精が可能な卵子の個数及び体外受精が可能な卵子の比率を改善するため方法。
[9]哺乳動物が、ウシである、[8]の方法。
[10]ウシが、過剰排卵処理されていないウシである、[9]の方法。
[11]卵子が、経膣採卵された卵子である、[8]の方法。
[12]受精が、体外受精である、[8]の方法。
[13]甘草エキスを、20g/日/頭の用量で投与する、[8]の方法。
[14]甘草エキスを60日以上投与する、[8]の方法。
[2]哺乳動物が、ウシである、[1]に記載の飼料添加剤。
[3]ウシが、過剰排卵処理されていないウシである、[2]の飼料添加剤。
[4]卵子が、経膣採卵された卵子である、[1]の飼料添加剤。
[5]受精が、体外受精である、[1]の飼料添加剤。
[6]甘草エキスを、20g/日/頭の用量で投与するための、[1]の飼料添加剤。
[7]甘草エキスを60日以上投与するための、[1]の飼料添加物。
[8]甘草エキスを哺乳動物に投与すること含む、体外受精が可能な卵子の個数及び体外受精が可能な卵子の比率を改善するため方法。
[9]哺乳動物が、ウシである、[8]の方法。
[10]ウシが、過剰排卵処理されていないウシである、[9]の方法。
[11]卵子が、経膣採卵された卵子である、[8]の方法。
[12]受精が、体外受精である、[8]の方法。
[13]甘草エキスを、20g/日/頭の用量で投与する、[8]の方法。
[14]甘草エキスを60日以上投与する、[8]の方法。
本発明によれば、卵子個数増大及び卵子品質の改善、たとえば、体外受精が可能な卵子の個数及び体外受精が可能な卵子の比率を改善することができる。
本発明において、甘草とは、カンゾウ属(Glycyrrhiza)に属する植物をいう。カンゾウ属は、地中海地方、小アジア、ロシア南部、中央アジア、中国北部、北アメリカなどに自生するマメ科の多年草である。本発明においては、たとえば、Glycyrrhiza acanthocarpa、G.aspera、G.astragalina、G.bucharica、G.echinata(ロシアカンゾウ)、G.eglandulosa、G.foetida、G.foetidissima、G.glabra(スペインカンゾウ)、G.gontscharovii、G.iconica、G.inflate、G.korshinskyi、G.lepidota(アメリカカンゾウ)、G.pallidiflora、G.squamulosa、G.triphylla、G.uralensis(ウラルカンゾウ)、G.yunnanensis、G.inflata(新疆カンゾウ)を用いることができる。これらは1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明で使用される甘草エキスは、植物体の根及び/又は茎を適宜加工して使用することができる。本発明においては、市販品を使用してもよく、また当該分野で公知の方法で製造したものを使用することもできる。本発明で使用される甘草エキスのグリチルリチン酸の含量は、2.0%以上、好ましくは、5%以上、より好ましくは、10%以上、さらに好ましくは13%以上である。
甘草エキスの抽出溶媒は特に限定はされないが、たとえば、水、アルコール(たとえば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、n−ブタノールなど)、アセトン、酢酸エチルなどを用いることができる。また、その乾燥粉末を得る場合は、例えば減圧乾燥や噴霧乾燥等、当業者が通常用いる方法によりエキスの溶媒を除去することで得ることができる。
過剰排卵処理とは、たとえば、ウシでは通常1回に1個しか排卵しない卵子を、ホルモン処理によりいくつも排卵させ、さらに人工授精を行うことで体内に複数の受精卵を発生させ、これらの受精卵を子宮内に液を流して回収する技術をいう。
本発明において、「体外受精が可能な卵子の個数及び体外受精が可能な卵子の比率を改善する」とは、たとえば、経膣採卵における、体外受精が可能な卵子の平均数の増加、体外受精が可能な卵子の割合の増加である。
本発明において哺乳動物とは、たとえば、サル、イヌ、ネコ、ヤギ、ヒツジ、ブタ、モルモット、ウサギ、マウス、ラットおよびヒトであり、好ましくは、ウシである。
本発明において、経膣採卵(Ovum Pick−Up:OPU)とは、超音波診断装置を用いて、生体卵から卵子を採取する技術をいう。たとえば、生きている(屠殺後でも可能である。)ウシの卵巣に針を刺し、卵子を吸引して、回収する。6月程度の仔牛や妊娠したウシからも採卵が可能である。OPUで採取した卵子を、IVF(体外受精)に付すことによって移植可能な胚を生産することができる(OPU−IVF)。
本発明において「飼料」は、哺乳動物による摂取に適し、またはそれが意図される、あらゆる化合物、調製品、混合物、または組成物を意味する。本発明において飼料添加剤とは、家畜等の栄養に供することを目的として使用される餌(飼料)に添加して飼料の品質保持や補助栄養として利用される添加剤のことである。
本発明の1つの態様は、哺乳動物、たとえばウシに、甘草エキスを投与することを含む、移植可能な胚の個数及び移植可能な胚の比率を改善するための方法である。
本発明の甘草エキスの投与量は、効果が得られる限り特に制限されないが、10〜40g/日/頭、好ましくは、15〜25g/日/頭、より好ましくは、20g/日/頭である。
本発明の甘草エキスの投与期間は、所望の効果が得られる限り、任意の期間であることできるが、60日以上投与することが好ましい。
0〜4回の出産経験があり、最後の出産から少なくとも60日後に超音波検査によって見られた正常な子宮を有する黒毛和種(n=20)を実験動物として用いた。処理群(n=20)の動物に、20g/日/頭の甘草エキス(株式会社ファブリック大西、少なくとも13%のグリチルリチン酸含量を有する)を、卵子/胚を回収するまで60〜90日間、持続的に給餌した。対照群(n=20)は、最後の出産日から卵子/胚の回収まで甘草を全く摂取しなかった。
OPUには、採卵針を取り付けたプローブ及び超音波画像診断装置を用いた。採取した卵子を市販の培養液を用いて体外培養し、凍結精子を用いて体外受精させた。OPUは、1回/週で、合計3回行った。処理群(55.2±10.9)及び対照群(41.9±10.5)間では、採取できた卵子の平均数に有意差が認められた(p<0.05)。また、処理群(35.1±8.5)及び対照群(22.6±7.1)間では、採取された卵子の中の体外受精可能な卵子の個数においても有意差が認められた(p<0.05)。
採取された卵子の個数の有意差(p:0.038)よりも体外受精可能な卵子の個数の有意差(p:0.007)が大きかったため、処理群及び対照群における、採取された卵子の中の体外受精可能な卵子の割合を、カイ二乗検定を用いて比較した。体外受精可能な卵子の割合は、処理群は、対照群に比べて有意に優れていた(p<0.05)。
これらの結果は、60日間以上の黒毛和種に対する甘草抽出物の給餌が、OPUで採取することができる卵子の数を改善し、卵子の品質を改善し、ウシ当たりの移植可能な胚の平均数の増加をもたらすことを示している。
正常な胚(移植可能な胚)を得るためには、正常な卵子(受精可能な卵子)が必須であることから、本発明の飼料添加剤は、卵子個数増大及び卵子品質(体外受精が可能な卵子の個数及び体外受精が可能な卵子の比率)を改善し、それによって、移植可能な胚を増加させるために有用である。
Claims (14)
- 甘草エキスを含む、受精が可能な卵子の個数及び受精が可能な卵子の比率を改善するための、哺乳動物の飼料添加剤。
- 哺乳動物が、ウシである、請求項1に記載の飼料添加剤。
- ウシが、過剰排卵処理されていないウシである、請求項2に記載の飼料添加剤。
- 卵子が、経膣採卵された卵子である、請求項1に記載の飼料添加剤。
- 受精が、体外受精である、請求項1に記載の飼料添加剤。
- 甘草エキスを、20g/日/頭の用量で投与するための、請求項1に記載の飼料添加剤。
- 甘草エキスを60日以上投与するための、請求項1に記載の飼料添加物。
- 甘草エキスを哺乳動物に投与すること含む、受精が可能な卵子の個数及び受精が可能な卵子の比率を改善するため方法。
- 哺乳動物が、ウシである、請求項8に記載の方法。
- ウシが、過剰排卵処理されていないウシである、請求項9に記載の方法。
- 胚が、経膣採卵された卵子に由来する、請求項8に記載の方法。
- 受精が、体外受精である、請求項8に記載の方法。
- 甘草エキスを、20g/日/頭の用量で投与する、請求項8に記載の方法。
- 甘草エキスを60日以上投与する、請求項8に記載の方法。
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2019
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