JP2021057908A - 記録装置および車両 - Google Patents

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吉治 今本
正人 田邉
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Abstract

【課題】車載ネットワークを流れるデータを効率的に蓄積する。【解決手段】記録ECU22は、IDが付与された複数種類のパケットをCAN24から受信する。記録ECU22は、受信した複数種類のパケットのIDと、各パケットの受信時刻とを検査データとして記録する。記録ECU22は、受信した複数種類のパケットのデータを上記検査データとして記録し、同じIDが付与されたパケットのデータをグループ化して記録する。記録ECU22は、記録されたパケットのデータを圧縮する。【選択図】図3

Description

本発明は、データ処理技術に関し、特に記録装置および車両に関する。
近年、自動車には、多数の電子制御ユニット(Electronic Control Unit、以下「ECU」と呼ぶ。)が搭載されている。これらのECUを繋ぐネットワークは車載ネットワークと呼ばれる。車載ネットワークには多数の規格が存在するが、広く普及した規格としてCAN(Controller Area Network)がある。
特開2010−144060号公報
車載ネットワークを流れるデータを記録して車両内の記録媒体または車両外のサーバへ保存することにより、エラーの発生原因または車両の故障を調べる手がかりとすることが期待される。一方、車両の製造コストおよびシステムの運用コストを抑制するために、記録媒体の記憶領域またはネットワーク帯域の効率的な利用が求められる。
上記特許文献1では、収集したパケットをポート番号に応じて圧縮して保存する通信記録装置が記載されている。しかし、上記特許文献1の技術は、TCP/IP等、高いレイヤでのデータ蓄積を目的とするものであり、より低レイヤのパケット到着間隔等のデータは欠落してしまう。
本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、1つの目的は、車載ネットワークを流れるデータを効率的に蓄積することである。
上記課題を解決するために、本発明のある態様の記録装置は、IDが付与された複数種類のパケットが、予め定められた周期において車載ネットワークで伝送される順序のパターンを複数記憶する記憶部と、車載ネットワークから複数種類のパケットを受信する受信部と、記憶部に記憶された複数のパターンのうち、受信部により受信された複数種類のパケットの受信順序が合致する周期ごとのパターンを検査データとして記録する第1記録部と、受信部により受信された複数種類のパケットのデータを検査データとして記録する第2記録部と、を備える。
本発明の別の態様もまた、記録装置である。この装置は、IDが付与された複数種類のパケットを車載ネットワークから受信する受信部と、受信部により受信された複数種類のパケットのIDと、各パケットの受信時刻とを検査データとして記録する第1記録部と、受信部により受信された複数種類のパケットのデータを検査データとして記録し、同じIDが付与されたパケットのデータをグループ化して記録する第2記録部と、第2記録部により記録されたパケットのデータを圧縮する圧縮部と、を備える。
本発明のさらに別の態様は、記録方法である。この方法は、IDが付与された複数種類のパケットが、予め定められた周期において車載ネットワークで伝送される順序のパターンを複数記憶する記憶部を備える装置が、車載ネットワークから複数種類のパケットを受信し、記憶部に記憶された複数のパターンのうち、受信した複数種類のパケットの受信順序が合致する周期ごとのパターンを検査データとして記録し、受信した複数種類のパケットのデータを検査データとして記録する。
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を、コンピュータプログラム、コンピュータプログラムを記録した記録媒体、本装置を搭載した車両などの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
本発明によれば、車載ネットワークを流れるデータを効率的に蓄積することができる。
図1(a)と図1(b)は、CANのトラフィックを模式的に示す図である。 図2(a)は、伝送パターンの例を示す図であり、図2(b)は、記録ECUにより記録される検査データの例を示す図である。 第1実施例の車両の機能構成を示すブロック図である。 第1実施例の記録ECUの動作を示すフローチャートである。 図4のS12の検査データ記録処理の詳細を示すフローチャートである。 パケットの受信パターンの例を示す図である。 図7(a)は、基準パターンの例を示す図であり、図7(b)は、差分パターンの例を示す図である。 図4のS12の検査データ記録処理の詳細を示すフローチャートである。 複数の周期において受信されたパケットのIDを示す。 図10(a)は、差分パターンの例を示す図であり、図10(b)は、差分パターンを説明する図である。 図4のS12の検査データ記録処理の詳細を示すフローチャートである。 図12(a)と図12(b)は、異常の可能性があるパケットの受信パターンを示す図である。 第4実施例の車両の機能構成を示すブロック図である。 第4実施例の記録ECUの動作を示すフローチャートである。
[第1実施例]
実施例の車両の構成を説明する前に概要を説明する。実施例の車両は記録ECUを備える。記録ECUは、車両における攻撃の有無または自動運転の正常性をクラウド上の検査装置に検査させることを目的として、CANを流れるパケット(CANメッセージ、フレームとも言える。)を検査データとして蓄積する。車両から検査装置への検査データのアップロードでは、帯域が限られたWLAN(Wireless LAN)を使用する。クラウドおよびWLANは、通信費が比較的高く、検査データのサイズを低減することが重要になる。
実施例の記録ECUは、CANを流れるパケットの周期性を利用して、検査データのサイズを低減する。具体的には、記録ECUは、受信したパケットを周期ごとにグループ化し、周期ごとに出現パターン(後述の伝送パターン)を使用して冗長性を除去したパケットデータを検査データとして蓄積する。実施例において蓄積対象とするパケットは、周期的に送信されるパケットであり、言い換えれば、所定期間おきに繰り返し送信されるパケットである。パケットをグループ化する周期を以下「グループ周期」とも呼ぶ。周期は、同じID(CAN−ID、フレームIDとも言える)のパケットが一定期間おきに繰り返し送信される場合に、その一定期間とも言える。
なお、グループ周期は、パケットの送信周期と別の値に定められてもよい。グループ周期は、例えば、同じIDのパケットを2個受信する期間に設定されてもよく、言い換えれば、パケットの送信周期の2倍に設定されてもよい。また、ID−Aのパケットの送信周期Aと、ID−Bのパケットの送信周期Bとが異なる場合、グループ周期は、その差異を考慮した値に定められてもよい。例えば、グループ周期は、送信周期Aと送信周期bの公倍数の値に定められてもよい。
図1(a)と図1(b)は、CANのトラフィックを模式的に示す。図1(a)のIDとPL(ペイロード)の組が1つのパケットを示している。この例では、ID1のパケット、ID2のパケット、ID3のパケットがそれぞれ3回伝送されている。図1(b)は、ID1のパケット〜ID3のパケットの受信タイミング10を示している。ここでの周期T1、周期T2、周期T3は、1つのパケットを受信可能な単位時間であるタイムスロットを9個含む。例えば、周期T1では、2番目のタイムスロットでID1のパケットを受信し、3番目のタイムスロットでID2のパケットを受信し、4番目のタイムスロットでID3のパケットを受信したことを示している。
なお、タイムスロットは、グループ周期におけるパケットの到着時刻(オフセット時間)を示す。例えば、グループ周期が20ミリ秒でタイムスロットが2ミリ秒である場合、当該グループ周期には10個のタイムスロットが存在する。グループ周期におけるタイムスロットの個数は、パケット到着間隔の記録精度になる。例えば、グループ周期の開始から2.5ミリ秒後等の中間に到達したパケットには、切り上げ・切り捨て・四捨五入等の既定の方法でタイムスロットが割り当てられるからである。したがって、グループ周期におけるタイムスロットの個数を増加させれば(上の例ではタイムスロットの個数を20にすれば)、より高い精度での記録が可能になる。なお、グループ周期における各タイムスロットは必ずしも等間隔でなくてもよい。
図2(a)は、伝送パターン11の例を示す。伝送パターン11は、予め定められた長さの1周期中に、異なるIDが付与された複数種類のパケットが車載ネットワークで伝送される順序のパターンを示すデータである。また、伝送パターン11は、1周期中に、記録ECU22が、複数種類のパケットを受信する順序のパターンとも言える。図2(a)のPt(パターン)1は、2番目のタイムスロットでID1のパケットを受信し、3番目のタイムスロットでID2のパケットを受信し、4番目のタイムスロットでID3のパケットを受信するパターンである。Pt2は、2番目のタイムスロットでID2のパケットを受信し、3番目のタイムスロットでID1のパケットを受信し、4番目のタイムスロットでID3のパケットを受信するパターンである。
図2(b)は、記録ECUにより記録される検査データの例を示す。検査データは、クラウド上の検査装置により検査されるデータである。検査データは、メタデータ、周期データ、ペイロードデータを含む。メタデータは、基準時間、周期時間、伝送パターンの定義を含む。基準時間は、検査開始時刻でもよく、最初の周期の開始時刻でもよい。周期時間は、1周期の時間の長さである。伝送パターンの定義は、例えば、図2(a)に示したように、複数種類のパケットの伝送順序を示すデータでもよい。
記録ECUは、1周期ごとに、周期の識別子(例えば「T1」)と、その周期における伝送パターンの識別子(例えば「Pt1」)との組を周期データとして記録する。また、記録ECUは、パケットのIDごとにペイロードのデータをグループ化して、ペイロードデータとして記録する。
CANを流れるパケットの検査では、パケットの受信時刻が重要な情報になる。しかし、受信した複数のパケットのそれぞれに受信時刻を付加すると検査データのサイズが大きくなってしまう。そこで実施例では、パケットのペイロードデータとは別個に、周期ごとの伝送パターンを記録しておく。これにより、各パケットの受信タイミングを事後の検証時に把握可能(言い換えれば復元可能)にしつつ、各パケットへの受信時刻の付加が不要になり、検査データのサイズを低減することができる。また、複数の周期に同じ伝送パターンを適用でき、検査データのサイズを低減することができる。
実施例1の構成を詳細に説明する。図3は、第1実施例の車両14の機能構成を示すブロック図である。本明細書のブロック図において示される各ブロックは、ハードウェア的には、コンピュータのCPU・メモリをはじめとする素子や機械装置で実現でき、ソフトウェア的にはコンピュータプログラム等によって実現されるが、ここでは、それらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。これらの機能ブロックはハードウェア、ソフトウェアの組合せによっていろいろなかたちで実現できることは、当業者には理解されるところである。
車両14は、LAN・WAN・インターネット等の通信網を介してクラウド上の検査装置16に接続される。車両14は、送信ECU20と記録ECU22を備える。送信ECU20と記録ECU22は、CAN24を介して接続される。なお、検査装置16は、車両14内の装置であってもよく、CAN24を介して記録ECU22と接続されてもよい。
送信ECU20は、CAN24へパケットを出力することにより、CAN24を介して他の車載装置(他のECU等)へパケットを送信するECUである。送信ECU20は、不図示のセンサーまたは不図示のアクチュエータに接続されたECUでもよく、カーナビゲーション装置またはIVI(In-Vehicle Infotainment)装置を制御するECUでもよい。図3では、送信ECU20を1つ描いたが、実際の車両14は、複数の送信ECU20を備えてもよい。また、1つの送信ECU20は、異なるIDを付与した複数種類のパケットをCAN24へ送信してもよい。
送信ECU20は、パケット生成部30と通信部32を含む。パケット生成部30は、他の車載装置へ送信すべきメッセージをペイロードに含むパケットを生成する。通信部32は、パケット生成部30により生成されたパケットを、CANプロトコルにしたがってCAN24へ出力する。
記録ECU22は、送信ECU20からCAN24へ出力されたパケットを監視し、蓄積するECUである。実施例では、記録ECU22は専用の装置として実装されるが、変形例として、記録ECU22の機能が、他の車載装置の機能の一部として実装されてもよい。例えば、CAN24の複数のバス間でフレームの中継およびルーティングを実行するCGW(Central GateWay)のECUに、記録ECU22の機能が組み込まれてもよい。
記録ECU22は、パラメータ記憶部40、時刻管理部42、検査データ記憶部44、通信部46、パケット記録部48、検査データ送信部50を含む。これらの機能ブロックに対応する複数のモジュールを含むコンピュータプログラムが記録ECU22のメモリに格納されてもよい。記録ECU22のCPUは、そのコンピュータプログラムを適宜読み出して実行することにより、各機能ブロックの機能を発揮してもよい。
パラメータ記憶部40は、図2(b)に示した態様の検査データを記録するための各種パラメータを記憶する。具体的には、パラメータ記憶部40は、予め定められた周期時間(例えば24ミリ秒)と、予め定められた複数の伝送パターンを記憶する。
時刻管理部42は、現在時刻を管理する。検査データ記憶部44は、検査データを記憶する記憶領域である。通信部46は、CANプロトコルにしたがって、異なるIDが付与された複数種類のパケットをCAN24から受信する。また、通信部46は、WLANを介して検査装置16と通信する。
パケット記録部48は、パラメータ記憶部40に記憶されたパラメータと、通信部46により受信されたパケットとに基づく検査データを検査データ記憶部44に格納する。検査データ送信部50は、検査データ記憶部44に格納された検査データを、通信部46を介して検査装置16へ送信する。
パケット記録部48は、パターン記録部52、ペイロード記録部54、圧縮部56を含む。パターン記録部52は、パラメータ記憶部40に記憶された複数の伝送パターンのうち、或る周期に受信された複数種類のパケットの受信順序が合致する伝送パターンを、当該周期の伝送パターンとして特定する。すなわち、パターン記録部52は、検査データ作成期間内の複数の周期について、周期ごとの伝送パターンを特定する。パターン記録部52は、各周期の識別子と、各周期の伝送パターンとを対応付けた周期データを検査データ記憶部44に格納する(図2(b))。
ペイロード記録部54は、或る周期に受信された複数種類のパケットそれぞれのペイロードデータを、IDごとに区分けして検査データ記憶部44に格納する(図2(b))。言い換えれば、ペイロード記録部54は、同じIDが付与されたパケットのペイロードデータをグループ化して検査データ記憶部44に記録する。ペイロード記録部54は、同一ファイル内のIDごとの領域に、各IDのペイロードデータを分けて記録してもよい。また、ペイロード記録部54は、各IDのペイロードデータを、IDごとに異なるファイルに記録してもよい。
なお、パターン記録部52とペイロード記録部54は、周期データとペイロードデータを異なる記憶領域に記録する。例えば、(1)周期データとペイロードデータを同一ファイルの別領域に論理的に分けて記録してもよい。また、(2)周期データとペイロードデータのそれぞれを異なるファイルに記録してもよい。
圧縮部56は、検査データ記憶部44に格納された検査データを公知のアルゴリズム(例えばgzip)により圧縮する。圧縮部56は、ペイロード記録部54により記録され、かつ、IDごとにグループ化されたペイロードデータを圧縮する。同じIDのパケットは、ペイロードの内容が類似することが多いため、IDごとにグループ化されたペイロードデータを圧縮することで、圧縮の効率を高めることができる。なお、圧縮部56は、IDごとにグループ化されたペイロードデータをグループ単位(言い換えればID単位)で圧縮してもよい。例えば、図2(b)に示すペイロードデータの場合、ID1、ID2、ID3それぞれのペイロードデータを別個に圧縮してもよい。
以上の構成による記録ECU22の動作を説明する。
図4は、第1実施例の記録ECU22の動作を示すフローチャートである。電源オン(イグニッションオン)等の開始条件が満たされると、パケット記録部48は、パラメータ記憶部40からパラメータを読み込む(S10)。パケット記録部48は、1周期分の検査データ記録処理を実行する(S12)。予め定められた個数の周期分、検査データの記録が未完了であれば(S14のN)、S12に戻り、次の周期の検査データ記録処理を実行する。予め定められた個数の周期分、検査データの記録が完了すると(S14のY)、圧縮部56は、検査データを圧縮する(S16)。検査データ送信部50は、圧縮された検査データを検査装置16へ送信する(S18)。
図5は、図4のS12の検査データ記録処理の詳細を示すフローチャートである。不図示だが、パターン記録部52は、検査データ記録処理の開始時に、現在時刻を基準時刻として検査データ記憶部44に格納し、予め定められた1周期の時間と、既存の伝送パターンを検査データ記憶部44にさらに格納する(図2(b)のメタデータ)。通信部46は、CAN24のバスからパケットを受信する(S20)。パターン記録部52は、時刻管理部42から現在時刻を受信時刻として取得し、パケットと受信時刻の組を所定の記憶領域に一時的に記憶させる(S22)。1周期の時間が未経過であれば(S24のN)、S20に戻り、新たなパケットと受信時刻の組を記録する処理を繰り返す。
グループ周期の1周期の時間が経過すると(S24のY)、パターン記録部52は、今周期に受信された各パケットの受信時刻にしたがって各パケットの受信順序を特定する。パターン記録部52は、各パケットの受信順序と、既存の伝送パターン(すなわち図4のS10で読み込まれた伝送パターン)とを比較する(S26)。パケットの受信順序に合致する既存の伝送パターンが存在する場合(S28のY)、パターン記録部52は、今周期の識別子と、上記合致する既存の伝送パターンの識別子とを対応付けて検査データ記憶部44に格納する(図2(b)の周期データ)(S30)。
パケットの受信順序に合致する既存の伝送パターンが存在しなければ(S28のN)、パターン記録部52は、その受信順序を示す新たな伝送パターンのデータを生成する(S32)。パターン記録部52は、新たな伝送パターンのデータをパラメータ記憶部40および検査データ記憶部44(図2(b)のメタデータ)に格納する。また、パターン記録部52は、今周期の識別子と、新たな伝送パターンの識別子とを対応付けて検査データ記憶部44に格納する(図2(b)の周期データ)(S30)。ペイロード記録部54は、今周期に受信されたパケットのペイロードデータを、パケットのID単位にグループ化して、検査データ記憶部44に格納する(図2(b)のペイロードデータ)(S34)。
なお、1つの周期におけるパケットの受信および一時記憶処理(S20〜S24)と、周期終了後の検査データ記録処理(S26〜S34)は、並行して実行されてもよい。例えば、第1周期が終了後、第1周期で受信されたパケットに基づく検査データが記録されることと並行して、第2周期におけるパケットの受信および一時記憶処理が実行されてもよい。
検査データの記録処理と検査データの圧縮処理は、並行して実行されてもよい。また、全ての検査データを検査データ記憶部44に記録後、検査データの圧縮処理が実行されてもよい。検査データの圧縮処理は、記録ECU22とは別の装置(別のECU)が実行してもよい。
[第2実施例]
第1実施例では、1周期内のタイムスロットとパケットのIDとを直接対応付けた伝送パターンを用いて検査データを記録した。第2実施例では、基準となる1つの伝送パターン(以下「基準パターン」とも呼ぶ。)と、各周期におけるパケットの受信パターンとの差分を示す差分パターンを用いて検査データを記録する。
図6は、パケットの受信パターンの例を示す。本発明者は、実験により、異なるID(例えばID1、2、3)のパケットの受信タイミングが必ずしも同じにはならないことを発見した。例えば、電源オンのタイミング依存で、または、異なる車両間では、ID2のパケットのオフセットが異なることがある。同様に、ID3のパケットのオフセットが異なることがある。例えば、図6の周期T1では、ID1のパケットとID2のパケットとの間隔は5であり、ID1のパケットとID3のパケットとの間隔は10である。しかし、電源のオン/オフを挟んだ次回の検査データ記録時には、これらの間隔(言い換えれば受信タイミング)が異なる値になることがある。
このような状況において、第1実施例のように1周期内のタイムスロットとパケットのIDとを直接対応付けると、オフセットの変化に合わせた個数の伝送パターンを用意する必要がある。また、複数の周期間で同じパターンを使用することが難しくなる。そこで、第2実施例の記録ECU22は、1周期目を基準パターンとし、基準パターンからの差分を示す差分パターンを用いて検査データを記録する。図6では、基準パターンでの受信タイミングを網掛けを施した基準タイミング62で示している。
図7(a)は、基準パターンの例を示し、図7(b)は、差分パターンの例を示す。図7(a)は、図6の周期T1の受信パターンに基づいて設定された基準パターンを示している。図7(b)は、図7(a)の基準パターンとの差分を示す差分パターンである。同図の差分パターンでは、タイムスロットが後ろにずれた場合、正の値が設定され、タイムスロットが前にずれた場合、負の値が設定される。例えば、図6の周期T2に対して差分パターン2が記録され、図6の周期T3に対して差分パターン1が記録される。
第2実施例の記録ECU22の機能構成は、第1実施例(図3)と同様である。以下、第1実施例と同じ構成は説明を適宜省略し、異なる構成を主に説明する。
パラメータ記憶部40は、予め定められた複数の差分パターンをパラメータとして記憶する。パターン記録部52は、最初の周期における複数種類のパケットの受信順序を基準パターンとして生成し、基準パターンのデータ(識別子を含む)を検査データ記憶部44に記録する(図2(b)のメタデータ)。パターン記録部52は、最初の周期の識別子と基準パターンの識別子との組を検査データ記憶部44に記録する(図2(b)の周期データ)。
パターン記録部52は、2回目以降の周期における複数種類のパケットの受信順序と基準パターンとの差分を抽出し、その差分に合致する差分パターンを特定する。パターン記録部52は、2回目以降の周期の識別子と差分パターンの識別子との組を、図2(b)の周期データとして検査データ記憶部44に記録する。
以上の構成による記録ECU22の動作を説明する。図4に示した第1実施例の記録ECU22の動作は、第2実施例の記録ECU22にも当てはまる。以下、第1実施例と異なる点として、1周期分の検査データ記録処理を説明する。
図8は、図4のS12の検査データ記録処理の詳細を示すフローチャートである。同図のS40〜S44は、図5のS20〜S24と同じであるため、説明を省略する。1回の周期が終了すると(S44のY)、パターン記録部52は、基準パターンを生成済か否かを判定する。基準パターンが未生成の場合であり、第2実施例では最初の周期の終了時に(S46のN)、パターン記録部52は、最初の周期におけるパケットの受信順序を示す基準パターンのデータを生成する。パターン記録部52は、基準パターンのデータを検査データ記憶部44に格納する(S48)。パターン記録部52は、最初の周期の識別子と基準パターンの識別子の組を周期データとして検査データ記憶部44に格納する(S56)。S58は図5のS34と同じであるため、説明を省略する。
基準パターンが生成済の場合であり、第2実施例では2番目以降の周期の終了時に(S46のY)、パターン記録部52は、今周期におけるパケットの受信パターンを基準パターンを使用して正規化する。言い換えれば、パターン記録部52は、受信パターンと基準パターンとの差分を抽出する(S50)。抽出した差分に合致する既存の差分パターン(「特定差分パターン」と呼ぶ。)が存在する場合(S52のY)、パターン記録部52は、今周期の識別子と、特定差分パターンの識別子の組を周期データとして検査データ記憶部44に格納する(S56)。
抽出した差分に合致する既存の差分パターンが存在しなければ(S52のN)、パターン記録部52は、その差分を示す新たな差分パターンのデータを生成する(S54)。パターン記録部52は、新たな差分パターンのデータをパラメータ記憶部40および検査データ記憶部44に格納する。また、パターン記録部52は、今周期の識別子と、新たな差分パターンの識別子の組を周期データとして検査データ記憶部44に格納する(S56)。検査装置16は、基準パターンと差分パターンを組み合わせることで、各周期におけるパケットの受信タイミングを把握することができる。
第2実施例の態様によると、電源オンのタイミングや車両の種類等の要因によりパケット送信のタイミングがずれる場合でも、各周期におけるパケット受信のパターンとして共通の差分パターンを適用できる。これにより、検査データのサイズを低減できる。
[第3実施例]
図9は、本発明者の実験結果であり、複数の周期において受信されたパケットのIDを示す。同図は、左から右へ、最初の第1タイムスロットから最後の第10タイムスロットを並べており、各タイムスロットで受信されたパケットのIDを示している。ID224のパケットは、破線で示すように、後の周期になるほど後のタイムスロットで受信されている。逆に、ID247のパケットは、一点鎖線で示すように、後の周期になるほど前のタイムスロットで受信されている。タイムスロットの位置がずれる理由は、送信ECU20が、本来想定される時間間隔であり、すなわち記録ECU22で定められた周期(例えば24ミリ秒)より短い間隔(例えば23.9ミリ秒)もしくは長い間隔(例えば24.2ミリ秒)でパケットを送信するからである。
この場合、第1実施例の方式では多くの伝送パターンが必要になり、第2実施例の方式でも多くの差分パターンが必要になる。周期を経るにつれ、差分が大きくなっていくからである。そこで、第3実施例の記録ECU22は、直前の周期におけるパケットの受信パターンを基準パターンとして、今周期におけるパケットの受信パターンと基準パターンとの差分を検査データに記録する。言い換えれば、記録ECU22は、周期Nと周期N+1において、同一IDのパケットが出現する位置の差分を記録していく。
図10(a)は、差分パターンの例を示す。ここでは、5つのIDに関する差分パターンを示している。発明者の実験では、7万周期を、約500個の差分パターンで表現可能であった。図10(a)の差分パターンのうち、出現頻度が最も高い差分パターンは、「0、0、0、0、0」(すなわち差分なし)であり、その出現頻度は7190回であった。図10(b)は、差分パターンを説明する図である。同図は、図10(a)の差分パターン64に対応する。差分パターン64は、今周期、ID235のパケットが受信されたタイムスロットが、前周期より1つ前にずれたことを示している。
このように、直前の周期のパケットの受信パターンと、今周期におけるパケットの受信パターンとの差分を逐次記録していくことで、各周期におけるパケット受信のパターンとして共通の差分パターンを適用できる。例えば、本発明者の実験では、7万周期のうち7190周期に、同じ差分パターン「0、0、0、0、0」を適用できた。これにより、検査データのサイズを低減できる。
第3実施例の記録ECU22の機能構成は、第1実施例(図3)と同様である。以下、第1実施例と同じ構成は説明を適宜省略し、異なる構成を主に説明する。
パラメータ記憶部40は、予め定められた複数の差分パターンをパラメータとして記憶する。パターン記録部52は、最初の周期における複数種類のパケットの受信順序を基準パターンとして生成し、基準パターンのデータ(識別子を含む)を検査データ記憶部44に記録する(図2(b)のメタデータ)。パターン記録部52は、最初の周期の識別子と基準パターンの識別子の組を検査データ記憶部44に記録する(図2(b)の周期データ)。
パターン記録部52は、2回目以降の周期(以下「今周期」とも呼ぶ。)における複数種類のパケットの受信順序と基準パターンとの差分を抽出し、その差分に合致する差分パターンを特定する。パターン記録部52は、今周期の識別子と、特定した差分パターンの識別子の組を検査データ記憶部44に記録する(図2(b)の周期データ)。パターン記録部52は、今周期における複数種類のパケットの受信順序を新たな基準パターンとして一時的に記憶する。
以上の構成による記録ECU22の動作を説明する。図4に示した第1実施例の記録ECU22の動作は、第3実施例の記録ECU22にも当てはまる。以下、第1実施例と異なる点として、1周期分の検査データ記録処理を説明する。
図11は、図4のS12の検査データ記録処理の詳細を示すフローチャートである。同図のS60〜S64は、図5のS20〜S24と同じであるため、説明を省略する。1回の周期が終了し(S64のY)、今周期が最初の周期であれば(S66のY)、パターン記録部52は、今周期におけるパケットの受信順序を示す受信パターンのデータ(例えば図2(a)の形式)を生成する。パターン記録部52は、生成した受信パターンのデータをメタデータとして検査データ記憶部44に格納する(S68)。パターン記録部52は、最初の周期の識別子と受信パターンの識別子の組を周期データとして検査データ記憶部44に格納する(S76)。S78は、図5のS34と同じであるため、説明を省略する。
2回目以降の周期が終了した場合(S66のN)、パターン記録部52は、直前の周期におけるパケットの受信パターンと、今周期におけるパケットの受信パターンとを比較し、差分を抽出する(S70)。抽出した差分に合致する既存の差分パターン(「特定差分パターン」と呼ぶ。)が存在する場合(S72のY)、パターン記録部52は、今周期の識別子と特定差分パターンの識別子の組を周期データとして検査データ記憶部44に格納する(S76)。
抽出した差分に合致する既存の差分パターンが存在しなければ(S72のN)、パターン記録部52は、その差分を示す新たな差分パターンのデータを生成する(S74)。パターン記録部52は、新たな差分パターンのデータをパラメータ記憶部40および検査データ記憶部44に格納する。また、パターン記録部52は、今周期の識別子と、新たな差分パターンの識別子の組を周期データとして検査データ記憶部44に格納する(S76)。検査装置16は、最初の周期におけるパケットの受信パターンに対して、各周期に至るまでの1つ以上の差分パターンを順次適用していくことで、各周期におけるパケットの受信タイミングを把握することができる。
[第4実施例]
図12(a)と図12(b)は、異常の可能性があるパケットの受信パターンを示す。図12(a)では、周期T2と周期T3で、ID3のパケットを複数回受信している。また、図12(b)では、周期T2と周期T3で、ID3のパケットを本来の送信周期からずれたタイミングで受信している。このように、車両14に異常が生じた場合、CAN24におけるパケットの伝送パターンは通常時と異なるものになる。なお、車両14の異常は、車両14が攻撃を受けていること(ECUの乗っ取り等)を含み、また、車両14で故障が発生したことを含む。
そこで、第4実施例の記録ECU22は、CAN24から受信された複数種類のパケットの受信順序が合致するパターンに基づいて、車両14の異常を検出する。これにより、車両14が攻撃を受けていること、また、車両14に故障が生じたこと等の検出が容易になる。以下、第1実施例と同じ構成は説明を適宜省略し、異なる構成を主に説明する。
図13は、第4実施例の車両14の機能構成を示すブロック図である。第4実施例の車両14は、第1実施例の車両14の構成に加えて、異常検出部70と異常処理部72をさらに備える。
パラメータ記憶部40は、車両14の異常時に生じるパケットの受信パターン(以下「異常時受信パターン」とも呼ぶ。)と、車両14の異常時に生じる受信パターンに関する統計値(以下「異常時統計値」とも呼ぶ。)とをさらに記憶する。異常時受信パターンは、図2(a)に示した伝送パターンの形式でもよく、図7(b)および図10(a)に示した差分パターンの形式でもよい。異常時統計値は、所定の受信パターン(例えば異常とは言えないグレーゾーンの受信パターン)の出現頻度でもよい。
異常検出部70は、パケット記録部48により検査データ記憶部44に記録されたパケットの受信パターン(伝送パターンまたは差分パターン)を取得し、その受信パターンがパラメータ記憶部40に記憶された異常時受信パターンに合致するか否かを判定する。合致する場合、異常検出部70は、車両14が異常な状態であることを検出する。
また、異常検出部70は、検査データ記憶部44に記録された複数の受信パターンを取得し、複数の受信パターンに基づいて所定の統計処理を実行し、統計値を算出する。異常検出部70は、算出した統計値がパラメータ記憶部40に記憶された異常時統計値に合致するか否かを判定する。合致する場合、異常検出部70は、車両14が異常な状態であることを検出する。なお、異常検出部70は、受信パターンに基づく統計値が異常時統計値に不一致であるが、両者の差異が所定範囲内の場合、車両14を異常と判定してもよい。また、異常時統計値は、異常と判定する閾値でもよく、異常検出部70は、受信パターンに基づく統計値が、その閾値以上(もしくは閾値未満)である場合に、車両14を異常と判定してもよい。
異常処理部72は、異常検出部70により車両14の異常が検出された場合に、所定の異常時処理を実行する。例えば、異常処理部72は、異常時処理として、異常が検出された受信パターンに基づいて攻撃または故障に関する検査処理を実行してもよい。また、異常処理部72は、異常時処理として、車両14のディスプレイ(不図示)に車両14の異常を表示させてもよく、所定の外部装置(例えば検査装置16)へ車両14の異常を通知してもよい。さらにまた、異常処理部72は、異常時処理として、車両14の異常を示すログデータを所定の記憶領域に保存してもよい。
以上の構成による記録ECU22の動作を説明する。図14は、第4実施例の記録ECU22の動作を示すフローチャートである。S80およびS82は、図4のS10およびS12と同じであるため、説明を省略する。S82の処理の詳細は、第1実施例(図5)、第2実施例(図8)、第3実施例(図11)のいずれも適用可能である。異常検出部70は、検査データ記憶部44に記録された受信パターンが異常時受信パターンに一致するか否かを判定する。一致する場合(S84のY)、異常処理部72は、所定の異常時処理を実行する(S90)。
不一致の場合(S84のN)、異常検出部70は、受信パターンの統計値を算出する(S86)。統計値は、今周期における特定の受信パターンの出現頻度(回数、割合等)であってもよく、または、複数の周期に亘る特定の受信パターンの出現頻度であってもよい。異常検出部70は、算出した統計値が異常時統計値に一致するか否かを判定する。一致する場合(S88のY)、異常処理部72は、所定の異常時処理を実行する(S90)。不一致の場合(S88のN)、異常時処理を行わずにS92へ進む。S92以降の処理は、図4のS14以降の処理と同じであるため、説明を省略する。
第4実施例では、ブラックリスト方式で車両14の異常を検出した。変形例として、ホワイトリスト方式で車両14の異常を検出してもよい。例えば、パラメータ記憶部40は、車両14の正常時に生じるパケットの受信パターンと、受信パターンに関する統計値を記憶してもよい。異常検出部70は、パターン記録部52により記録された受信パターンが、正常時の受信パターンに一致する場合(もしくは差異が所定範囲内の場合)に車両14を正常と判定してもよい。また、異常検出部70は、パターン記録部52により記録された受信パターンが、正常時の受信パターンに不一致の場合(もしくは差異が所定範囲を超える場合)に車両14を異常と判定してもよい。統計値による異常判定も同様である。なお、後述するように、異常の検出処理は、記録ECU22とは別の装置が実行してもよい。
以上、本発明を第1実施例〜第4実施例をもとに説明した。これらの実施例は例示であり、各構成要素あるいは各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
変形例を説明する。上記実施例では言及していないが、圧縮部56は、検査データ記憶部44に記録された複数のIDのパケットのペイロードデータを、IDごとに異なる圧縮アルゴリズムを使用して圧縮してもよい。これにより、検査データのサイズを一層低減することができる。
別の変形例を説明する。パラメータ記憶部40に記憶される複数の伝送パターンまたは差分パターン(ここでは総称して「パターン」と呼ぶ)の識別子(ID)として、出現頻度が相対的に高いパターンに、データサイズが相対的に小さい識別子が割り当てられてもよい。また、出現頻度が高いパターンほど、データサイズが小さい識別子が割り当てられてもよい。これにより、検査データのサイズを一層低減することができる。
さらに別の変形例を説明する。記録ECU22は、検査データ記録処理の開始前に、統計情報を学習する学習部を備えてもよい。学習部は、所定期間、CAN24から受信されるパケットのIDを監視し、パケットのIDと受信タイミングとに基づいて、CAN24を流れるパケットの中から周期性のあるパケットを検出してもよい。また、学習部は、同じIDのパケットの複数回の受信タイミングに基づいて、当該パケットの送信周期を検出してもよい。また、学習部は、複数のパケットの送信周期に基づいて、検査データ作成期間における1周期の時間を設定してもよい。例えば、複数のパケットの送信周期の平均値、最頻値、または中央値等を1周期の時間に設定してもよい。
さらに別の変形例を説明する。上記実施例では、複数種類のパケットの受信順序を伝送パターンまたは差分パターンを使用して記録した。変形例として、車両14のパケット記録部48は、パターン記録部52に代えて、複数種類のパケットの受信順序をパターンを使用せずに記録する受信順序記録部を備えてもよい。受信順序記録部は、CAN24から受信された複数のパケットのIDと、各パケットの受信時刻とを対応付けた第1の検査データを検査データ記憶部44に記録する。ペイロード記録部54は、実施例と同様に、CAN24から受信された複数のパケットのペイロードデータをIDを単位にグループ化して第2の検査データとして検査データ記憶部44に記録する。
圧縮部56は、検査データ記憶部44に格納された第1および第2の検査データを公知のアルゴリズムにより圧縮する。圧縮部56は、実施例と同様に、ペイロード記録部54により記録され、かつ、IDごとにグループ化されたペイロードデータを圧縮する。グループ単位(言い換えればID単位)で圧縮してもよい。同じIDのパケットは、ペイロードの内容が類似することが多い。したがって、IDごとにグループ化されたペイロードデータを圧縮することで、圧縮率を高めることができる。
さらに別の変形例を説明する。上記第4実施例では、検査データに基づいて異常を検出する機能を記録ECU22が備えた。変形例として、第4実施例に記載の異常検出部70および異常処理部72の機能を記録ECU22以外の装置(以下、単に「外部装置」と呼ぶ。)が備えてもよい。この外部装置は、記録ECU22とは異なる車両14のECUであってもよく、また、車両14外部のサーバ等(例えば検査装置16)であってもよい。
本変形例では、記録ECU22の検査データ送信部50は、検査データ記憶部44に格納された検査データのうち周期データを外部装置へ送信し、外部装置は、周期データに基づいて車両14の状態を簡易的にチェックしてもよい。簡易チェックにて異常が検出された場合、外部装置は、その旨を記録ECU22へ通知し、記録ECU22は、周期データ+ペイロードデータを外部装置へ送信してもよい。外部装置は、周期データ+ペイロードデータに基づいて、車両14の状態を詳細にチェックしてもよい。
なお、実施例および変形例に記載の技術は、以下の項目によって特定されてもよい。
[項目1]
IDが付与された複数種類のパケットが、予め定められた周期において車載ネットワークで伝送される順序のパターンを複数記憶する記憶部と、
前記車載ネットワークから前記複数種類のパケットを受信する受信部と、
前記記憶部に記憶された複数のパターンのうち、前記受信部により受信された複数種類のパケットの受信順序が合致する周期ごとのパターンを検査データとして記録する第1記録部と、
前記受信部により受信された複数種類のパケットのデータを前記検査データとして記録する第2記録部と、を備える記録装置。
車載ネットワークを流れるパケットの検査では、パケットの受信時刻が検査の重要な手がかりになる。しかし、受信した複数のパケットのそれぞれに受信時刻を付加すると、検査データのサイズが大きくなってしまう。上記記録装置によると、パケットの受信順序に合致する周期ごとのパターンを記録する。これにより、各パケットの受信タイミングを事後の検査時に把握可能にしつつ、各パケットへの受信時刻の付加が不要になり、検査データのサイズを低減することができる。
[項目2]
前記記憶部は、前記複数のパターンとして、所定の基準パターンからの差分を定めた複数の差分パターンを記憶し、
前記第1記録部は、前記受信部により受信された複数種類のパケットの受信順序と前記基準パターンとの差分に合致する周期ごとの差分パターンを前記検査データとして記録する、項目1に記載の記録装置。
この態様によると、各周期におけるパケット受信のパターンとして共通の差分パターンを適用しやすくなる。これにより、検査データのサイズを低減しやすくなる。
[項目3]
前記検査データを圧縮する圧縮部をさらに備え、
前記第2記録部は、同じIDが付与されたパケットのデータをグループ化して記録し、
前記圧縮部は、前記第2記録部により記録されたパケットのデータを圧縮する、項目1または2に記載の記録装置。
同じIDが付与されたパケットのデータは類似することが多いため、本項目の態様によると、圧縮の効率を高めることができる。
[項目4]
前記受信部により受信された複数種類のパケットの受信順序が合致する周期ごとのパターンに基づいて、車両の異常を検出する異常検出部をさらに備える項目1から3のいずれかに記載の記録装置。
車両に異常が生じた場合、車載ネットワークにおけるパケットの伝送パターンは正常時と異なるものになるため、本項目の態様によると。車両の異常を検出しやすくなる。
[項目5]
前記受信部により受信された複数種類のパケットの受信順序が合致する周期ごとのパターンを、本記録装置の外部に設けられた、車両の異常を検出する異常検出部へ送信する送信部をさらに備える、項目1から3のいずれかに記載の記録装置。
[項目6]
IDが付与された複数種類のパケットを車載ネットワークから受信する受信部と、
前記受信部により受信された複数種類のパケットのIDと、各パケットの受信時刻とを検査データとして記録する第1記録部と、
前記受信部により受信された複数種類のパケットのデータを前記検査データとして記録し、同じIDが付与されたパケットのデータをグループ化して記録する第2記録部と、
前記第2記録部により記録されたパケットのデータを圧縮する圧縮部と、を備える記録装置。
同じIDが付与されたパケットのデータは類似することが多いため、この記録装置によると、圧縮の効率を高めることができる。
[項目7]
項目1から6のいずれかに記載のパケット記録装置を備える車両。
この車両によると、パケットの受信順序に合致する周期ごとのパターンを記録する。これにより、各パケットの受信タイミングを事後の検査時に把握可能にしつつ、各パケットへの受信時刻の付加が不要になり、検査データのサイズを低減することができる。
[項目8]
IDが付与された複数種類のパケットが、予め定められた周期において車載ネットワークで伝送される順序のパターンを複数記憶する記憶部を備える装置が、
前記車載ネットワークから前記複数種類のパケットを受信し、
前記記憶部に記憶された複数のパターンのうち、受信した複数種類のパケットの受信順序が合致する周期ごとのパターンを検査データとして記録し、
前記受信した複数種類のパケットのデータを前記検査データとして記録する、記録方法。
この記録方法によると、パケットの受信順序に合致する周期ごとのパターンを記録する。これにより、各パケットの受信タイミングを事後の検査時に把握可能にしつつ、各パケットへの受信時刻の付加が不要になり、検査データのサイズを低減することができる。
上述した実施例および変形例の任意の組み合わせもまた本発明の実施の形態として有用である。組み合わせによって生じる新たな実施の形態は、組み合わされる実施例および変形例それぞれの効果をあわせもつ。また、請求項に記載の各構成要件が果たすべき機能は、実施例および変形例において示された各構成要素の単体もしくはそれらの連携によって実現されることも当業者には理解されるところである。
14 車両、 22 記録ECU、 24 CAN、 40 パラメータ記憶部、 48 パケット記録部、 52 パターン記録部、 54 ペイロード記録部、 56 圧縮部、 70 異常検出部。

Claims (2)

  1. IDが付与された複数種類のパケットを車載ネットワークから受信する受信部と、
    前記受信部により受信された複数種類のパケットのIDと、各パケットの受信時刻とを検査データとして記録する第1記録部と、
    前記受信部により受信された複数種類のパケットのデータを前記検査データとして記録し、同じIDが付与されたパケットのデータをグループ化して記録する第2記録部と、
    前記第2記録部により記録されたパケットのデータを圧縮する圧縮部と、
    を備える記録装置。
  2. 請求項1に記載の記録装置を備える車両。
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