JP2021056118A - 分析装置、分析システム、分析方法、及び、プログラム - Google Patents

分析装置、分析システム、分析方法、及び、プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】周囲の環境の変動に応じて装置校正、及び/又は、測定結果を補正するための作業量を減少する分析装置を提供する。【解決手段】分析装置200は、発生部1と、測定部3と、算出部301と、を備える。発生部は、測定対象内を通過する電子を発生させる。測定部は、電子が測定対象内を通過中に多重散乱することで到達した到達位置と、当該到達位置に到達した電子数とを測定する。算出部は、電子の到達位置と電子数とに基づいて、測定対象の成分情報を算出する。【選択図】図1

Description

本発明は、測定対象に含まれる成分に関する情報を取得する分析装置、分析システム、分析方法、及びその分析方法をコンピュータに実行させるプログラムに関する。
従来、測定対象に含まれる成分の特定及び/又は含有量(濃度)を測定する分析装置が知られている。例えば、測定対象としてのガスに含まれる特定成分の濃度を、当該特定成分による光(例えば、赤外光)吸収により測定する装置が存在する(例えば、特許文献1)。
特許第6416453号公報
ガス分子の赤外光吸収を用いた従来の分析装置では、例えば、分析時の周囲の温度及び/又は圧力などが、分析装置の校正を行った基準の温度及び/又は圧力などと異なる場合には、正しい測定結果を出力できない場合がある。従って、このように分析装置の温度及び/又は圧力等が変化する場合には、ガス分子数の変化による補正以外に、測定結果の補正が必要となることがある。
本発明の目的は、周囲の環境の変動に応じて装置を校正するための作業量、及び/又は、周囲の環境の変動に応じて測定結果を補正するための作業量を減少することにある。
以下に、課題を解決するための手段として複数の態様を説明する。これら態様は、必要に応じて任意に組み合せることができる。
本発明の一見地に係る分析装置は、発生部と、測定部と、算出部と、を備える。発生部は、測定対象内を通過する電子を発生させる。測定部は、電子が測定対象内を通過中に多重散乱することで到達した到達位置と、当該到達位置に到達した電子数とを測定する。算出部は、電子の到達位置と電子数とに基づいて、測定対象の成分情報を算出する。
上記の分析装置では、測定対象内を通過中に多重散乱した電子の特性を用いて測定対象を分析している。測定対象内を通過中の電子の運動エネルギーは、測定対象の分子の並進運動や分子衝突などで生じる運動エネルギーよりも遙かに大きく、これらの影響をほとんど受けない。その結果、上記の分析装置により得られる測定対象の成分情報(分析結果)は、測定対象の分子の並進運動や分子衝突などによって生じた測定対象の分子の運動エネルギーによる環境変化(温度及び/又は圧力などの変化)の影響をほとんど受けない。分析結果が周囲の影響をほとんど受けないので、上記の分析装置では、周囲の環境の変動に応じて装置を校正するか、及び/又は、周囲の環境の変動に応じて測定結果を補正する必要がほとんどない。
算出部は、電子の到達位置と電子数との関係を表わすヒットパターンに基づいて、成分情報を算出する。これにより、算出部は、単純な計算により成分情報を算出できる。
算出部は、ヒットパターンを電子の散乱角の分布に変換し、電子の散乱角の分布に基づいて成分情報を算出する。これにより、成分情報を簡単な方法により算出できる。
算出部は、電子の散乱角の分布を、確率密度関数を用いてフィッティングして正規分布として近似し、フィッティングにより得た正規分布の標準偏差に基づいて成分情報を算出する。これにより、成分情報を精度よく算出できる。
発生部はβ線源である。これにより、測定対象を通過する電子を含むβ線を容易に発生させられる。
測定部は、電子の直進方向に対して垂直な方向に沿って配置された複数の半導体検出器を有する。この場合、算出部は、電子が入射することで信号が発生した半導体検出器の位置に基づいて到達位置を特定する。また、算出部は、当該信号に基づいて電子数を算出する。
これにより、精度のよいヒットパターンを取得できる。
発生部は電子線源である。これにより、測定対象を通過する電子を含む電子線を容易に発生させられる。
測定部は、複数のシンチレータと、光検出器と、を有している。複数のシンチレータは、電子の直進方向に対して垂直な方向に沿って配置される。光検出器は、複数のシンチレータのそれぞれに対して設けられ、測定対象を通過後の電子が対応するシンチレータに到達したときに生じる発光を検出する。この場合、算出部は、光検出器により発光が検出されたシンチレータの位置に基づいて測定対象を通過後の電子の到達位置を特定する。また、算出部は、光検出器により発光が検出された回数に基づいて電子数を算出する。
これにより、測定対象を分析するために用いるヒットパターンを確実に取得できる。
分析装置は、コリメータをさらに備えている。コリメータは、発生部と測定部との間に設けられ、発生部から発生した電子が通過する開口を有する。
これにより、発生部から発生する電子を測定対象に向けて直進させて、測定対象による電子の多重散乱による到達位置を精度よく測定できる。
測定対象は液体、気体、又は固体である。これにより、測定対象の液体、気体、固体中に含まれる成分に関する情報を取得できる。
成分情報は、測定対象の成分の含有量に関する情報である。これにより、分析装置は、測定対象の純度を測定できる。
本発明の他の見地に係る分析システムは、上記の分析装置と、制御部と、表示部と、を備える。制御部は、分析装置を制御する。表示部は、分析装置にて得られた成分情報を表示する。これにより、上記の分析装置を用いた測定対象の分析システムを実現できる。
本発明のさらに他の見地に係る分析方法は、電子を発生する発生部を備える分析装置による測定対象の分析方法である。分析方法は、以下のステップを備える。
◎測定対象内を通過する電子を発生部が発生させるステップ。
◎電子が測定対象内を通過中に多重散乱することで到達した到達位置と、到達位置に到達した電子数とを測定するステップ。
◎電子の到達位置と電子数とに基づいて、測定対象の成分情報を算出するステップ。
上記の分析方法では、測定対象内を通過中に多重散乱した電子の特性を用いて測定対象を分析している。測定対象内を通過中の電子の運動エネルギーは、測定対象の分子の並進運動や分子衝突などで生じる運動エネルギーよりも遙かに大きく、これらの影響をほとんど受けない。その結果、上記の分析方法により得られる測定対象の成分情報(分析結果)は、測定対象の分子の並進運動や分子衝突などによって生じた測定対象の分子の運動エネルギーによる環境変化(温度及び/又は圧力などの変化)の影響をほとんど受けない。分析結果が周囲の影響をほとんど受けないので、上記の分析方法では、周囲の環境の変動に応じて校正及び/又は測定結果を補正する必要がほとんどない。
本発明のさらに他の見地に係るプログラムは、電子を発生する発生部を備える分析装置による測定対象の分析方法をコンピュータに実行させるためのプログラムである。この分析方法は、以下のステップを備える。
◎測定対象内を通過する電子を発生部が発生させるステップ。
◎電子が測定対象内を通過中に多重散乱することで到達した到達位置と、到達位置に到達した電子数とを測定するステップ。
◎電子の到達位置と電子数とに基づいて、測定対象の成分情報を算出するステップ。
上記の分析方法では、測定対象内を通過中に多重散乱した電子の特性を用いて測定対象を分析している。測定対象内を通過中の電子の運動エネルギーは、測定対象の分子の並進運動や分子衝突などで生じる運動エネルギーよりも遙かに大きく、これらの影響をほとんど受けない。その結果、上記の分析方法により得られる測定対象の成分情報(分析結果)は、測定対象の分子の並進運動や分子衝突などによって生じた測定対象の分子の運動エネルギーによる環境変化(温度及び/又は圧力などの変化)の影響をほとんど受けない。分析結果が周囲の影響をほとんど受けないので、上記の分析方法では、周囲の環境の変動に応じて校正及び/又は測定結果を補正する必要がほとんどない。
測定対象内を通過中に多重散乱した電子の特性を用いて、周囲の環境の変動にほとんど影響されない測定対象の分析結果が得られるので、周囲の環境の変動に応じて装置の校正及び/又は測定結果を補正する必要がほとんどなくなる。
第1実施形態に係る分析システムの構成を示す図。 電子の運動エネルギーと、各運動エネルギーを有する電子の散乱角の分布の標準偏差を基準の運動エネルギーの標準偏差で補正するための相対値と、の関係の一例を示す図。 ヒットパターンの一例を示す図。 第1実施形態に係る分析システムによる測定対象の測定原理を示す図。 電子の散乱角の分布の一例を示す図。 測定対象ガスにおける特定の成分の混合割合と電子の散乱角の分布の標準偏差との関係の一例を示す図。 測定対象ガスに含まれる特定成分の混合割合と電子の散乱角の分布の標準偏差との関係の温度依存性を示す図。 測定対象ガスの分析動作を示すフローチャート。 シンチレーション検出器としての測定部の構成を示す図。
1.第1実施形態
(1)分析システム
以下、図1を用いて、第1実施形態に係る分析システム100を説明する。図1は、第1実施形態に係る分析システムの構成を示す図である。分析システム100は、測定対象(原子、分子)による電子の多重散乱を利用して、測定対象に含まれる成分に関する情報を取得する分析装置200を含むシステムである。
上記の「測定対象に含まれる成分」との語は、測定対象が1種類の物質で構成されている場合には、その構成物質を意味する。また、測定対象が複数の物質で構成されている場合には、複数の物質のうちの特定のもの(特定対象成分と呼ぶ)を意味する。また、以後の説明では、測定対象に含まれる成分に関する情報を、「成分情報」と呼ぶことにする。
本実施形態において、電子の散乱は、電子が測定対象に近づいた結果、その移動方向を変えられることを意味する。また、本実施形態において、電子の多重散乱は、電子が所定回数(例えば、およそ20回程度)だけ散乱されることを意味し、電子の「一回散乱」とは区別される。多重散乱された電子は、ある範囲内の散乱角にてその移動方向が変化する。なお、一回散乱による電子の移動方向の変化量は多重散乱による電子の移動方向の変化量よりも大きくなる。本実施形態では、多重散乱は、例えば散乱回数が20回程度発生した場合であるとする。ただし、「20回程度」というのは一例であって、これに限定されない。
分析システム100は、分析装置200と、演算制御部300と、表示部400と、を備える。
分析装置200は、測定対象内を通過する電子を発生させ、その電子が測定対象を通過中に多重散乱することで到達した到達位置と当該位置に到達した電子数とに基づいて、測定対象の成分情報を取得する。分析装置200の具体的な構成については、後ほど説明する。
演算制御部300は、CPU、記憶装置(RAM、ROM、SSD、ハードディスクなど)、ADC(Analog−to−Digital Converter)などにより構成されたコンピュータシステムであり、各種の演算及び分析装置200の制御を実行する。
なお、演算制御部300による各種処理の一部又は全部は、記憶装置に記憶されたプログラムを実行することにより実現されてもよいし、上記処理の一部又は全部がハードウェアにより実現されていてもよい。
具体的には、演算制御部300は、分析装置200にて得られた情報を用いて各種演算処理を実行する算出部301と、分析装置200を制御する処理を実行する制御部303と、を有する。
表示部400は、演算制御部300に接続され、演算制御部300から出力された各種情報を表示する。例えば、表示部400は、算出部301にて算出された成分情報を、演算制御部300を介して入力し表示する。表示部400は、例えば、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイなどのディスプレイである。
(2)分析装置の構成
次に、図1を用いて、第1実施形態に係る分析装置200の具体的な構成を説明する。分析装置200は、測定対象内を通過する電子を発生させ、その電子が測定対象を通過中に多重散乱することで到達した到達位置と当該位置に到達した電子数とに基づいて、成分情報を取得する。分析装置200は、その原理上、固体、液体、気体を測定対象とできるが、第1実施形態においては気体を測定対象とする。以下、第1実施形態においては、気体の測定対象を測定対象ガスSGと呼ぶ。
第1実施形態に係る分析装置200は、封入セルCと、発生部1と、測定部3と、算出部301と、を主に備える。
なお、図1では、発生部1から発生した電子の直進方向を「X方向」とし、それに垂直な方向を「Y方向」とする。ここで、「電子の直進方向」とは、測定部3の電子の入射面に対して垂直な方向(法線方向)である。
発生部1から発生した電子は等方的に三次元に伝搬するため二次元射影でき、上記のように、二次元的に電子の直進方向とそれとは垂直な方向とを定義できる。
封入セルCは、内部空間SP内に測定対象ガスSGを封入する。封入セルCは、例えば、β線や電子線を遮蔽できる材料の中空容器である。具体的には、封入セルCは、例えば、アクリル製の中空容器、又は、アルミニウム製の中空容器である。
封入セルCは、ガス入口INと、ガス出口OUTと、を有する。ガス入口INには、導入バルブV1を介して、ガスボンベCLが接続される。ガスボンベCLには、測定対象ガスSGが充填されている。導入バルブV1は、例えば電磁バルブであり、制御部303の制御により開閉可能となっている。
ガス出口OUTには、導出バルブV2を介して、ポンプPが接続される。導出バルブV2は、例えば電磁バルブであり、制御部303の制御により開閉可能となっている。
上記の構成を有する封入セルCでは、導入バルブV1を開状態とすることで、ガスボンベCLに充填された測定対象ガスSGを、ガス入口INから内部空間SPに導入できる。また、導出バルブV2を開状態としポンプPを動作させることで、ポンプPの吸引により、内部空間SP内の測定対象ガスSGを、ガス出口OUTから外部に排出できる。
さらに、上記の測定対象ガスSGの導入と導出とを同時に行うことで、封入セルCをフロー型のセルとできる。
発生部1は、封入セルCの内部空間SP内に設置され、内部空間SP内に導入された測定対象ガスSGを通過する電子を発生させる。発生部1は、例えば、β線を発生させるβ線源(例えば、14C)である。
本実施形態において、発生部1から発生する電子は、例えば100keVの運動エネルギーを有し、発生部1から離れた方向へと移動する。
本実施形態では、発生部1としてβ線源を用いている。β線源である発生部1は、空間的な拡がりをもって電子を発生する。従って、本実施形態では、発生部1と測定部3との間には、発生部1から発生する電子が通過する開口111を有するコリメータ11が設けられる。
具体的には、コリメータ11は、X方向(直進方向)において、発生部1の直後に配置される。コリメータ11は、例えば、開口111が設けられた板状の部材(例えば、アクリルなどのβ線を遮断できる物質により構成)であり、発生部1から発生した電子のうち、X方向(直進方向)に移動する電子のみを開口111を通じて通過させ、他の方向の電子は遮断する。β線は、制動X線をなるべく生じさせないようなβ線が好ましい。これにより、コリメータ11は、発生部1から発生する電子を、測定対象ガスSGに向けて開口111の直径に対応した直径で直進させることができる。その結果、測定対象ガスSGによる電子の多重散乱による到達位置を精度よく測定できる。
測定部3は、内部空間SP内において、コリメータ11からX方向に距離L1だけ離れた位置に配置され、測定対象ガスSGを通過した電子を検出する。なお、コリメータ11が設けられない場合は、測定部3は、例えば発生部1から距離L1だけ離れた位置に配置される。
コリメータ11と測定部3との間に存在する測定対象ガスSGを電子が通過する距離、すなわち、コリメータ11と測定部3との間の距離L1は、発生部1からの電子が測定対象ガスSGにより平均しておよそ20回程度以上散乱できる距離以上とすることが好ましい。例えば、平均自由行程が1.2cmの場合には、多重散乱を20回散乱とするなら距離L1は24cmである。また、tanθ≒θ(θは散乱角)との関係が成立する場合、正規分布を用いて多重散乱を近似できるため、この関係を満たすのであれば散乱回数は多いほどよい。
電子は軽いため、散乱した電子は直進しない。したがって、距離L1を最短距離とする。測定部3は、コリメータ11から距離L1だけ離れて配置されることで、例えば、おおよそ20回程度散乱した電子を検出することになる。これにより、より理想的なヒットパターンHP(図3)を得られる。
また、電子は、距離L1を移動する間の多重散乱によって生じるとは考えにくい大きな散乱角をもつことがある。このような多重散乱以外を要因とする散乱としては、例えば、tanθ≒θの関係が成立しないような大きな散乱角を有する一回散乱などがある。従って、このような多重散乱以外の影響を最小限とするために、電子の散乱角を解析する際には、ラザフォード散乱、モット散乱の式も用いる。
測定部3は、複数の半導体検出器31を有する。複数の半導体検出器31は、X方向(電子の直進方向)に対して垂直なY方向に沿って並んで配置される。各半導体検出器31は、当該半導体検出器31に到達した電子数に対応する個数のパルス信号を出力する。半導体検出器31としては、例えば、ゲルマニウム半導体検出器、シリコン半導体検出器、カドミウムテルライド半導体検出器などを使用できる。
発生部1から発生した電子は、測定対象ガスSGにより多重散乱されることで、直進方向(X方向)に移動しつつも、直進方向とは垂直な方向(Y方向)にも移動する。その結果、多重散乱された電子は、Y方向に配置されたいずれかの半導体検出器31により検出される。各半導体検出器31は、当該半導体検出器31に到達した電子数に対応する個数のパルス信号を時間的に連続して出力する。
なお、半導体検出器31の大きさ及び/又は配置個数は、測定部3によりどの程度の分解能(所定の範囲に含まれるデータ数)でヒットパターンHPを測定するかにより決定できる。例えば、半導体検出器31を小さくして、所定の範囲に高密度で半導体検出器31を配置すれば、ヒットパターンHPの分解能を高く、つまり、所定の範囲に含まれるデータ数を多くできる。その逆に、所定の範囲に低密度で半導体検出器31を配置すれば、ヒットパターンHPの分解能を低く、つまり、所定の範囲に含まれるデータ数を少なくできる。
また、複数の半導体検出器31は、それぞれが個別の1素子として構成されていてもよいし、それぞれが1チップ上にアレイ状に集積されていてもよい。
複数の半導体検出器31は、X方向に垂直な方向に配置されていればよいので、Y方向に加えて、X方向にもY方向にも垂直な方向(Z方向)にも配置されてもよい。すなわち、複数の半導体検出器31は、X方向を法線とするY−Z平面にアレイ状に配置されてもよい。また、複数の半導体検出器31は、Z方向のみに並んで配置されてもよい。
発生部1としてβ線源を用いる場合、発生部1から発生する電子が有する運動エネルギーには分布がある。また、測定対象による電子の多重散乱の特性は、当該電子が有する運動エネルギーに依存する。
従って、本実施形態では、特定の運動エネルギーを有する電子のみを検出するよう半導体検出器31を設定する。これにより、ばらつきのない精度のよいヒットパターンHPを取得できる。
なお、図2に示すような、例えば、100キロ電子ボルトの運動エネルギーを有する電子のσθ(図2では、σθ_100keV)に対する各運動エネルギーを有する電子のσθの相対値を用いて、任意の運動エネルギーの電子のσθの値を補正することで、コリメータ11から出る様々な運動エネルギーを有する電子を効率良く使うことができる。なお、上記のσθは、後述する電子の散乱角θの分布DIの標準偏差σθである。図2は、電子の運動エネルギーと、各運動エネルギーを有する電子の散乱角の分布の標準偏差を基準の運動エネルギーの標準偏差で補正するための相対値と、の関係の一例を示す図である。
詳細は後ほど説明するが、算出部301は、電子の到達位置と、当該位置に到達した電子数Neとに基づいて、測定対象ガスSGの成分情報を算出する。そのため、算出部301は、電子の入射によりパルス信号が発生した半導体検出器31が配置された位置を、電子の到達位置として特定する。電子の到達位置を特定するために、算出部301は、例えば、各半導体検出器31の識別情報(例えば、各半導体検出器31の信号が入力されるアドレス値など)と、対応する半導体検出器31のY方向の配置位置と、を関連付けたテーブルを、演算制御部300の記憶装置に記憶している。その一方、算出部301は、各半導体検出器31で所定の時間内に発生したパルス数から、当該半導体検出器31に入射した電子数Neを取得する。
本実施形態において、算出部301は、測定対象ガスSGの成分情報を算出するために、電子の到達位置と電子数Neとを取得後に、パルス信号を発生した半導体検出器31の配置位置(電子の到達位置)と、その半導体検出器31にて検出した電子数Neと、を関連付けてヒットパターンHPを生成する。
つまり、ヒットパターンHPは、各半導体検出器31が配置されたY方向の位置と、その半導体検出器31で所定の時間内に検出された電子数Neと、の関係を表すデータである。すなわち、ヒットパターンHPは、図3に示すように、測定対象ガスSGにより多重散乱した電子が到達したY方向の位置(到達位置)と、当該位置において測定された電子数Neとの関係を表したデータである。後述するように、このヒットパターンHPから、測定対象ガスSGを通過中に多重散乱した電子の散乱角θの分布DI(図5)を算出できる。
第1実施形態に係る図1に示す分析装置200は、さらに、環境測定部5を備えている。環境測定部5は、測定対象ガスSGの温度を測定する温度計と、圧力を測定する圧力計と、により構成される。後述するように、フロー型のセルとして動作させる場合において、電子の多重散乱による測定対象ガスSGの分析結果は、測定対象ガスSGの温度や圧力から算出される分子数に応じて変化しうる。
具体的には、測定対象ガスSGに含まれる成分の混合割合と電子の散乱角θの分布DIの標準偏差σθ(後述する図5に示す標準偏差σθ)との関係を表した検量線において、その傾き及び/又は切片(オフセット)が温度及び圧力の影響を受ける。分析装置200が環境測定部5を備えることで、後述するように、測定対象ガスSGの温度及び圧力を測定し、その温度及び圧力に対応した最適な検量線のオフセット量及び/又は傾きを正確に把握することができる。
(3)測定原理
次に、図4を用いて、第1実施形態に係る分析システム100による、測定対象ガスSGに含まれる成分の含有量(成分情報の一例)の測定原理を説明する。図4は、第1実施形態に係る分析システムによる測定対象の測定原理を示す図である。
発生部1から発生した電子(β線)は、所定の運動エネルギーを有して、内部空間SP内で、X方向(直進方向)に測定部3に向けて移動する。電子が移動する内部空間SP内に測定対象ガスSGが存在すると、測定部3に向けて移動中の電子は、測定対象ガスSGのガス分子により散乱する。ガス分子により散乱された電子は、移動方向を直進方向(X方向)からY方向へ変化させる。
ガス分子により1回のみ散乱(一回散乱)された電子の移動方向の変化量は大きい一方で、図4に示すように、発生部1から測定部3に向かって移動する間にガス分子により多重散乱された電子の散乱角θは、図5に示すように、散乱していない透過電子の到達位置からある広がりを持つ分布を有する。図5は、電子の散乱角の分布の一例を示す図である。
より具体的に説明すると、一回散乱は、電子がガス分子の原子核近傍でクーロン弾性散乱することで発生するので、その移動方向は大きく変化(例えば、90°程度変化)する。
その一方で、原子核のサイズが原子のサイズに比べて著しく小さいため、ほとんどの電子は、原子核近傍ではないところ、すなわち、電子の移動方向が大きく変化しないところでクーロン弾性散乱する。分布(散乱角の分布)はラザフォード散乱、モット散乱の式で表される。なお、ガス長が大きくなると多重散乱を起こすが、この現象は、tanθ≒θの関係が成立する場合において正規分布で近似できる。
上記の理由から、多重散乱したほとんどの電子は、その移動方向がY方向に大きく変化することはなく、Y方向に沿って配置された複数の半導体検出器31のいずれかで検出できる。
また、上記の多重散乱による電子の散乱角θと各散乱角θを有する電子数との関係は、ある広がりを有する分布を有し、正規分布で近似できる。分析装置200において、電子の散乱角θは、電子を検出した半導体検出器31のY方向における位置に対応し、各散乱角θを有する電子数は、各半導体検出器31により検出された電子数Neに対応する。本実施形態では、半導体検出器31による上記の検出結果に基づいて、電子の到達位置を電子の散乱角に変換する。
具体的には、直進方向(Y=0)から(電子の入射により)パルス信号が発生した半導体検出器31の配置位置までの距離をLyとし、コリメータ11から測定部3までの距離をL1とした場合、散乱角θはtan-1(Ly/L1)との式から算出できる。なお、上記の距離Lyは、ヒットパターンHPにおける「各半導体検出器31が配置されたY方向の位置」、すなわち、「測定対象ガスSGにより多重散乱した電子が到達したY方向の位置(到達位置)」に対応する。
上記の散乱角θと、ヒットパターンHPにおける対応する「電子数Ne」とを関連付けることで、図5に示すような電子の散乱角θの分布DIを得られる。すなわち、電子の散乱角θの分布DIは、電子の散乱角θと、当該散乱角θを有する電子数Neと、の関係を表すデータである。なお、電子の散乱角θと散乱角θを有する電子数Neとの関係を表す分布DIの算出は、上記に限られず、他の方法でも実行できる。
上記の電子の散乱角θの分布DIは、正規分布で近似できる。正規分布で近似できる電子の散乱角θの分布DIの標準偏差σθは、以下の数1のように表される。
Figure 2021056118
上記の数1において、βは電子の速さ/光の速さであり、cは光の速さであり、pは電子の運動量である。またxは、以下の数2のように表される。
Figure 2021056118
上記の数2において、Cgは、内部空間SPに存在する測定対象ガスSGの密度であり、L1はコリメータ11から測定部3までのX方向の距離である。また、Lradは、測定対象ガスSGにより決まる値であり、放射長(Radiation Length)と呼ばれる。具体的には、例えば、放射長Lradは、各元素に対して、以下の表1に示すような特有の値を有する。
Figure 2021056118
放射長Lradは、原子番号と質量数に相関があるため、元素毎に異なり、また、同一の元素であっても同位体毎に異なる。具体的には、例えば、水素(H2)と窒素(N2)とでは放射長Lradが異なっている。また、例えば、水素(1H)の放射長は重水素(2H)の放射長とは異なる。さらに、上記の数1で示されるように、放射長Lradが異なると、同一のCgに対して標準偏差σθの値が変化する。
また、測定対象ガスSGが複数の物質(同位体)で構成されている場合には、当該物質の混合割合に基づいて、測定対象ガスSGの密度Cg、及び、放射長Lradが算出される。具体的には、例えば、測定対象ガスSGに物質A(密度:CA、放射長:LA)がa%、物質B(密度:CB、放射長:LB)がb%含まれている場合、密度Cgは(a*CA+b*CB)/100との式から算出できる。また、放射長Lradは、1/Lrad=wA*(1/LA)+wB*(1/LB)(wA、wB:物質の混合割合から決定される重量比)との式から算出できる。測定対象ガスSGが2種以上の物質で構成されている場合も、上記の式を用いて密度Cg、放射長Lradを算出できる。
このように、複数の物質が含まれる測定対象(測定対象ガスSG)において、当該測定対象全体の放射長Lradが1/Lrad=wA*(1/LA)+wB*(1/LB)との式で表さること、及び、電子の散乱角θの分布DIの標準偏差σθが放射長Lradに従って変化することは、この標準偏差σθが、wA及びwBの値、すなわち、測定対象中に含まれる物質の混合割合により変化することを意味する。
例えば、測定対象ガスSGを、水素ガス(H2)に不純物として窒素ガス(N2)が含まれるガスとした場合に、測定対象ガスSGに含まれる水素ガスの割合と、電子の散乱角θの分布DIの標準偏差σθとの関係をプロットすると、図6に示すように、水素ガスの割合が増加するに従って、標準偏差σθが減少する傾向が見られる。図6は、測定対象ガスにおける特定の成分の混合割合と電子の散乱角の分布の標準偏差との関係の一例を示す図である。
なお、図6に示すように、混合割合の変化レンジが小さければ(5%程度の範囲)、標準偏差σθは混合割合に対してほぼリニアに変化している。この場合には、標準偏差σθと混合割合との関係は、リニア近似できる。リニア近似とは、例えば、標準偏差σθと混合割合との関係を、Y=aX+b(a、b:定数、X、Y:変数(すなわち、標準偏差σθ、混合割合))との一般的な一次式で近似できることをいう。
その一方で、混合割合の変化レンジが大きくなると、標準偏差σθは混合割合に対してリニアに変化しない可能性がある。この場合には、標準偏差σθと混合割合との関係は、混合割合についての任意の関数で近似できる。任意の関数で近似するとは、例えば、標準偏差σθと混合割合との関係を、Y=f(X)(X、Y:変数(すなわち、標準偏差σθ、混合割合)、f(X):変数Xで表される式(関数))との関数で近似できることをいう。
このように、第1実施形態に係る分析装置200を用いた測定対象ガスSGの分析では、図6のような、測定対象ガスSGに含まれる特定成分の混合割合と、電子の散乱角θの分布DIの標準偏差σθとの関係を検量線として用いることで、上記特定成分の混合割合を測定できる。
また、図6に示すように、測定対象ガスSGにおける水素ガスの割合のわずかな変化(5%以下の変化)、つまり、水素ガスに含まれる不純物(窒素)の割合のわずかな変化に対して、標準偏差σθが有意に変化している。さらに、第1実施形態に係る分析装置200では、1%以下の水素ガスの割合の変化であっても、精度よく測定できる。このように、第1実施形態に係る分析装置200(電子の多重散乱を用いた測定対象ガスSGの分析方法)は、測定対象ガスSGに含まれる成分の含有割合のわずかな変化も感度よく測定できる。
上記の特性により、第1実施形態に係る分析装置200は、水素ガス中の不純物量の測定だけでなく。各種製造プロセスに用いられる原料ガスを測定対象ガスSGとし、それに含まれる不純物量を測定する目的でも使用できる。
さらに、電子の多重散乱を用いた分析方法は、従来の分析方法と比較すると、以下の点で有利である。第1に、電子は、測定対象ガスSGに含まれる成分(元素)よりも遙かに軽く、当該成分により散乱しやすい。これにより、例えば、上記のように、測定対象ガスSGに含まれる成分の割合のわずかな違いを感度よく測定できる。
第2に、第1実施形態に係る分析装置200において、発生部1から発生した電子は、keVオーダーの運動エネルギーをもって測定部3に向けて移動する。そのため、発生部1から測定部3まで移動する電子は、測定対象ガスSGに含まれる分子の並進運動や分子衝突などで生じる運動エネルギーよりも遙かに大きな運動エネルギーを有し、測定対象ガスSGの温度及び圧力に影響を受けないか、または、受けたとしてもその影響は非常に小さい。
すなわち、第1実施形態に係る分析装置200により得られる電子の散乱特性に基づく測定対象ガスSGの分析結果は、測定対象ガスSGの温度及び圧力の影響をほとんど受けない。これにより、第1実施形態に係る分析装置200では、測定対象ガスSGの吸光を用いた従来のガス分析装置と比べて、測定対象ガスSGの圧力や温度による分析装置の補正に対する作業量を少なくできる。従来のガス分析装置が補正を必要とする理由は、分析装置の温度および圧力などの少なくともいずれかが変化することで、ガス分子の赤外光吸収を引き起こす励起エネルギーが、ガス分子の並進運動や分子衝突などで生じる運動エネルギーに近くなり、上記のように生じた運動エネルギーを持つガス分子が、温度や圧力などに依存したガス分子と衝突することで、ガス分子の赤外光吸収を引き起こす励起エネルギー準位の半減期が変化するためである。
なお、フロー型のセルとして動作させる場合は、図7に示すように、測定対象ガスSGに含まれる特定成分の混合割合と、電子の散乱角θの分布DIの標準偏差σθとの関係を表すグラフ(検量線)は、測定対象ガスSGの温度の高低により変化しうる。ただし、その変化は、測定環境の温度が所定範囲内にあれば、上記関係を示すグラフが上下にシフトするのみであり、その傾きは温度により大きくは変化しない。この場合は、分析装置200を用いて分析を実行するに際して、環境測定部5の測定結果に基づいて、現在の検量線のオフセット量を調整する。図7は、測定対象ガスに含まれる特定成分の混合割合と電子の散乱角の分布の標準偏差との関係の温度依存性を示す図である。
その一方で、検量線のオフセットだけでなくその傾きも変化するような大きな測定環境の変化があった場合、その変化後の測定環境に近い条件で分析装置200を再度校正して、新たな検量線を取得してもよい。検量線の傾きが変化しうるような測定環境とは、例えば、検量線を作成したときの温度よりも所定の範囲を超えて著しく高温となった環境である。
その他、例えば、傾きが所定値以上変化する複数種類の測定環境下で複数種類の検量線を取得しておき、環境測定部5による測定結果に基づいて現在の測定環境に近い測定環境下で取得した検量線を選択することで、分析装置200を適宜校正してもよい。
第3に、第1実施形態に係る分析装置200は、電子の多重散乱を用いて測定対象ガスSGの成分に関する情報を取得している。電子は、赤外不活性な物質によっても散乱するので、分析装置200は、赤外不活性な物質など、従来の赤外光などを用いた分析装置では測定が困難であった物質に関する情報を取得できる。赤外不活性な物質は、例えば、水素ガス(H2)、窒素ガス(N2)、ヘリウムガス(He)、アルゴンガス(Ar)などである。
(4)分析装置による具体的な分析動作
以下、図8を用いて、第1実施形態に係る分析システム100を用いた測定対象ガスSGの具体的な分析動作を説明する。図8は、測定対象ガスの分析動作を示すフローチャートである。以下においては、水素ガスを測定対象ガスSGとし、これに含まれる不純物としての窒素ガスの含有量を測定する場合を例にとって説明する。純粋な水素ガスは、例えば、火力発電のタービンの冷却に使用される。タービン冷却用の水素ガスは、不純物として窒素ガスをわずかでも含んでいると、タービンに風損を生じさせる。
従って、不純物の混合割合を数%以下のオーダーで測定できる分析システム100を用いることで、測定対象ガスSGである水素ガスがタービン冷却の用途に適しているか否かを、適切に判断できる。
測定対象ガスSGの分析を開始する前に、水素ガス中の窒素ガス又は水素ガスの混合割合と、電子の散乱角θの分布DIの標準偏差σθとの関係を表す、図7に示すような検量線を取得し、演算制御部300の記憶装置に記憶する。具体的には、以下のようにして、検量線を取得する。
まず、予め決められた混合割合の水素ガスと窒素ガスの混合ガスを複数種類準備する。準備した複数の混合ガスのそれぞれについて、電子の散乱角θの分布DIの標準偏差σθを算出する。標準偏差σθの算出は、後述するステップS1〜S4を実行することにより実現できる。次に、算出した各標準偏差σθと、その標準偏差を算出したときの混合割合と、を関連付けて検量線を生成する。すなわち、ここでの検量線は、標準偏差σθと混合割合との関係を表す数値データである。
さらに、上記の検量線の生成を、異なる温度及び/又は圧力で繰り返すことにより、最終的に、異なる温度及び/又は圧力毎の検量線を生成できる。
なお、検量線は、標準偏差σθと混合割合との関係を何らかの関数により表すものであってもよい。この場合、検量線は、例えば、標準偏差σθと混合割合との関係を表す数値データに対してリニアフィット(Y=aX+bとの一次式を用いてフィッティング)(混合割合の変化レンジが小さい場合)、又は、任意関数とのフィッティング(Y=f(X)との式を用いてフィッティング)(混合割合の変化レンジが大きい場合)を行うことで生成できる。
その他、上記にて説明した数1及び数2を用いて、理論計算により検量線を算出することもできる。いずれの方法で検量線を算出するかは、適宜選択できる。
検量線を取得後、測定対象ガスSGの分析動作を開始する。なお、すでに演算制御部300に検量線が記憶されている場合には、上記した検量線の生成動作は省略し、測定対象ガスSGの分析動作から開始される。なお、異なる測定環境で測定した複数の検量線が記憶装置に記憶されている場合には、環境測定部5の測定結果に基づいて、現在の測定環境に近い測定環境下で取得した検量線を選択してもよい。
まず、ステップS1で、制御部303が、導入バルブV1を開状態とし、ガスボンベCLから測定対象ガスSGを内部空間SPに導入する。
測定対象ガスSGを内部空間SPに導入後、ステップS2で、発生部1から電子を発生させて、電子を出力する。出力された電子は、測定部3に向かって移動する。なお、半導体検出器31により有意な計数(パルス信号の発生個数)を取得するために、電子の発生は、少なくとも所定の時間継続する。
その後、ステップS3で、演算制御部300の算出部301が、測定対象ガスSGを通過後の電子の到達位置と当該位置に到達した電子数Neとの関係を表したヒットパターンHPを取得する。具体的には、例えば、以下のようにしてヒットパターンHPを取得できる。
まず、算出部301は、電子の入射によりパルス信号が発生した半導体検出器31、つまり、電子の入射により0でない所定個数以上のパルス信号を出力した半導体検出器31を、多重散乱した電子の到達位置と特定する。その後、算出部301は、半導体検出器31により計数されたパルス信号数に基づいて、対応する到達位置に到達した電子数Neを算出する。
上記の特定した電子の到達位置と、その位置に到達した電子数Neと、を関連づけてヒットパターンHPを取得する。
ヒットパターンHPを生成後、ステップS4で、算出部301は、ステップS2で生成したヒットパターンHPから、電子の散乱角θの分布DIを生成する。具体的には、算出部301は、以下のようにして、電子の散乱角θの分布DIを生成できる。
まず、ヒットパターンHP中の電子の到達位置を用いて、電子の散乱角θを算出する。例えば、ヒットパターンHP中の電子の到達位置をYiとした場合、その到達位置に対応する散乱角θiは、tan-1(Yi/L1)(L1:コリメータ11から測定部3までの距離)との式から算出できる。
次に、算出した散乱角θiと、当該散乱角θiの算出に用いた到達位置Yiに(ヒットパターンHPにおいて)関連づけられた電子数Neと、を関連づける。
上記の散乱角θiの算出と、散乱角θiと電子数Neとの関連づけと、をヒットパターンHPに含まれる全ての到達位置Yiに対して繰り返すことで、電子の散乱角θと、各散乱角θを有する電子数Neと、の関係を表すデータとして、電子の散乱角θの分布DIを生成できる。
電子の散乱角θの分布DIを生成後、ステップS5で、算出部301は、電子の散乱角θの分布DIの標準偏差σθを算出する。
具体的には、例えば、算出部301は、ステップS3で生成した電子の散乱角θの分布DIに対して、以下の数3で表される散乱角θについての正規分布の確率密度関数を用いてフィッティングを実行することで、電子の散乱角θの分布DIを正規分布で近似する。このフィッティングの結果得られた正規分布、すなわち、電子の散乱角θの分布DIを近似して得られた正規分布における標準偏差の値を、電子の散乱角θの分布DIの標準偏差σθとする。なお、数3において、θaveは散乱角の平均値である。
Figure 2021056118
標準偏差σθを算出後、ステップS6で、算出部301は、ステップS5で、この標準偏差σθを用いて、測定対象ガスSGを分析する。具体的には、算出部301は、測定対象ガスSGの成分情報、すなわち、水素ガスと窒素ガスの混合割合を算出する。
具体的には、例えば、検量線が混合割合と標準偏差σθとの関係を表した数値データである場合には、算出部301は、当該数値データにおいて、算出された標準偏差σθに最も近い2つの標準偏差と対応する2つの混合割合を特定し、特定した当該2点((標準偏差,混合割合)との座標値で表される2点)の線形補間により、算出された標準偏差σθに対応する混合割合を算出できる。
その一方、例えば、検量線が混合割合と標準偏差との関係を表した関数(例えば、y=f(x)、y:混合割合、x:標準偏差)である場合には、算出部301は、上記にて算出した標準偏差σθの値を、上記関数のxに代入することにより、混合割合を算出できる。
測定対象ガスSGの成分情報を算出後、算出部301が算出した成分情報を表示部400に出力することで、当該成分情報が表示部400に表示される。
測定対象ガスSGの分析を終了後、ステップS7で、制御部303が、導出バルブV2を開状態としポンプPを動作させることで、内部空間SPから測定対象ガスSGを排出して、分析装置200を用いた分析動作を終了する。
2.第2実施形態
上記の第1実施形態では、電子を発生する発生部1が、測定対象ガスSGが充填した内部空間SP内に配置されていた。これに限られず、封入セルCの内部空間SPは、発生部1を配置する空間と、測定対象ガスSGを充填させ測定部3を配置する空間と、に区分けされてもよい。
この空間の区分けは、例えば、封入セルCの内部空間SP内に測定対象ガスSGを充填したサンプリングバッグなどの容器を挿入することで実現できる。その他、例えば、上記2つの空間を隔てる壁を封入セルCの内部空間SPに設け、この壁にコリメータ11となる開口111を形成し、さらにその開口111を薄膜(電子が通過でき、かつ、大きな電子散乱を生じさせない程度の厚さを有する薄膜)で覆うことによっても、内部空間SPの区分けを実現できる。
内部空間SPを2つの空間に区分けすることで、例えば、2つの空間内の雰囲気を異ならせることができる。例えば、一方の空間に測定対象ガスSGを充填させる一方で、発生部1を配置する他方の空間を真空状態とできる。発生部1を配置する側の空間を真空状態とすることで、発生部1から発生した電子が、測定対象ガスSGを充填した側の空間に到達するまでに散乱することを低減できる。
3.第3実施形態
上記の第2実施形態のように封入セルCの内部空間SPを2つの空間に区分けする場合には、発生部1として、電子線源を用いることもできる。なぜなら、上記のように、内部空間SPを2つの空間に区分けすることで発生部1を配置した側の空間を真空状態にできるので、電子線源から電子を発生させる際に、電子線源が「焼き切れる」ことを回避できるからである。
電子線源としては、例えば、例えば、タングステン、六ホウ化ランタン(LaB6)を用いた電子銃、電界放出電子銃、ショットキー電子銃などを用いることができる。
電子線源から発生する電子の運動エネルギーは広がりが少ないので、発生部1として電子線源を用いる場合には、測定部3として、電子の到達を発光により検出するシンチレーション検出器を用いることができる。
以下、図9を用いて、シンチレーション検出器である測定部の具体的構成を説明する。図9は、シンチレーション検出器としての測定部の構成の一例を示す図である。
シンチレーション検出器である測定部3は、具体的には、複数のシンチレータ31'と、各シンチレータ31'に対応するよう設けられた複数の光検出器33'と、を有する。複数のシンチレータ31'は、電子が到達すると発光する部材(例えば、ファイバーシンチレータ)であり、Y方向(すなわち、電子の直進方向に対して垂直な方向)に沿って並んで配置される。
Y方向に沿って並んで配置された複数のシンチレータ31'を有する測定部3は、測定対象ガスSGとの多重散乱による電子の散乱角θを、どのシンチレータ31'が発光したかを特定することにより決定できる。
シンチレータ31'は、複数の電子が入射すると、入射した電子の個数に対応する回数だけ発光する。すなわち、シンチレータ31'の単位時間あたりの発光回数は、単位時間あたりにシンチレータ31'に到達した電子数に対応する。
なお、シンチレータ31'としてファイバーシンチレータを用いる場合、ファイバーシンチレータの直径は、測定部3によりどの程度の分解能(所定の範囲に含まれるデータ数)でヒットパターンHPを測定するかにより決定できる。例えば、ファイバーシンチレータの直径を小さくすれば、ヒットパターンHPの分解能を高く、つまり、所定の範囲に含まれるデータ数を多くできる。その逆に、ファイバーシンチレータの直径を大きくすれば、ヒットパターンHPの分解能を低く、つまり、所定の範囲に含まれるデータ数を少なくできる。
複数の光検出器33'は、複数のシンチレータ31'に対応するようにY方向に沿って並んで配置されている。すなわち、各光検出器33'は、複数のシンチレータ31'のそれぞれに対して設けられている。光検出器33'は、対応するシンチレータ31'の発光を検出する。光検出器33'は、例えば、光電子倍増管、フォトカウンター素子、MPPC(Multi−Pixel Photon Counter)である。
なお、複数の光検出器33'は、それぞれが個別の1素子として構成されていてもよいし、それぞれが1チップ上にアレイ状に集積されていてもよい。すなわち、複数の光検出器33’は、複数の素子で構成されてもよいし、1チップの素子として構成されてもよい。
第3実施形態において、算出部301は、ヒットパターンHPを得るために、光検出器33'により発光が検出されたシンチレータ31'の位置に基づいて、電子の到達位置を特定する。また、単位時間あたりに光検出器33'により検出された発光回数に基づいて、対応する到達位置に到達した電子数Neを算出する。
4.他の実施形態
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。特に、本明細書に書かれた複数の実施形態及び変形例は必要に応じて任意に組み合せ可能である。
例えば、図8のフローチャートで示す測定対象ガスSGの分析動作の各ステップの処理内容、及び/又は、処理の順番は、発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更できる。
(A)上記のように、ヒットパターンHPと電子の散乱角θの分布DIとは、電子数Neに、電子の到達位置(Y方向の位置)が関連づけられているか、電子の散乱角θが関連づけられているかのみが異なっており、また、散乱角θは、ヒットパターンHPに含まれる電子の到達位置から算出できる。
上記のようにtanθ≒θとの関係が成立する場合、電子の多重散乱はガウス近似できる。従って、ヒットパターンHPを電子の散乱角θの分布DIに変換することなく、例えば、図8のフローチャートのステップS4を省略し、ステップS5においてヒットパターンHPを近似した正規分布の標準偏差を算出し、さらに、ステップS6においてヒットパターンHPを近似した正規分布の標準偏差/距離L1との式を用いて測定対象ガスSGの分析を実行することもできる。
(B)上記の第1実施形態では、電子の散乱角θの分布DIの標準偏差σθに基づいて、測定対象ガスSG(測定対象)の成分情報を算出していた。しかし、これに限られず、例えば、電子の散乱角θの分布DI又はヒットパターンHPの半値幅など、電子の散乱角θの分布DI又はヒットパターンHPの拡がりに関する値を用いて、成分情報を算出できる。
(C)上記の第1実施形態では、環境測定部5は、温度計及び圧力計を含み、測定対象ガスSGの温度及び圧力を測定することについて説明した。これに対して、環境測定部5は、温度計及び圧力計のいずれか一方を含み、環境測定部5に含まれる測定装置を用いて温度及び圧力のいずれかを測定してもよい。また、環境測定部5は、温度計及び圧力計以外の測定装置を含んでもよい。環境測定部5は、当該測定装置により温度及び圧力以外の他の測定値を導出してもよい。環境測定部5は、例えば測定対象ガスSGの湿度を測定する湿度計を含み、当該湿度計により湿度を測定してもよい。分析装置200は、環境測定部5が測定した測定値に対応した最適な検量線のオフセット量及び/又は傾きを算出できる。
(D)電子の多重散乱を用いた測定対象の分析方法は、気体(ガス)だけでなく、液体、固体を測定対象とすることができる。この場合、例えば、分析装置200の封入セルC内に液体を充填することで、その液体の成分に関する情報を取得できる。
一方、測定対象が固体である場合には、分析装置200は、封入セルCの代わりに、例えば測定対象である固体を固定する部材を、チャンバー内に配置した構成とすることができる。固体を測定する場合には、固体が固定された場所まで電子を直進させるために、チャンバー内を真空に近い状態にしておくことが好ましい。
(E)分析装置200は、例えば、温度の変化が大きい場所、不純物による測定対象のコンタミネーション防止の必要性が高い場所で使用される。分析装置200は、このような場所では、赤外線を用いた分析装置よりも高い精度の測定結果が得られる。温度の変化が大きい場所、コンタミネーション防止の必要性が高い場所としては、例えば、食品プラント、飲料プラント、医薬品プラント、半導体素子の製造プラントなどがある。
本発明は、測定対象に含まれる成分に関する情報を取得する分析装置に広く適用できる。
100 分析システム
200 分析装置
1 発生部
11 コリメータ
111 開口
3 測定部
31 半導体検出器
31’ シンチレータ
33’ 光検出器
5 環境測定部
C 封入セル
IN ガス入口
OUT ガス出口
SP 内部空間
V1 導入バルブ
CL ガスボンベ
V2 導出バルブ
P ポンプ
300 演算制御部
301 算出部
303 制御部
400 表示部
SG 測定対象ガス
HP ヒットパターン
DI 電子の散乱角の分布
θ 散乱角
Ne 電子数
σθ 電子の散乱角の分布の標準偏差

Claims (14)

  1. 測定対象内を通過する電子を発生させる発生部と、
    前記電子が前記測定対象内を通過中に多重散乱することで到達した到達位置と、前記到達位置に到達した電子数とを測定する測定部と、
    前記電子の到達位置と前記電子数とに基づいて、前記測定対象の成分情報を算出する算出部と、
    を備える分析装置。
  2. 前記算出部は、前記電子の到達位置と前記電子数との関係を表わすヒットパターンに基づいて、前記成分情報を算出する、請求項1に記載の分析装置。
  3. 前記算出部は、前記ヒットパターンを前記電子の散乱角の分布に変換し、前記電子の散乱角の分布に基づいて前記成分情報を算出する、請求項2に記載の分析装置。
  4. 前記算出部は、前記電子の散乱角の分布を、確率密度関数を用いてフィッティングして正規分布として近似し、前記フィッティングにより得た前記正規分布の標準偏差に基づいて前記成分情報を算出する、請求項3に記載の分析装置。
  5. 前記発生部はβ線源である、請求項1〜4のいずれかに記載の分析装置。
  6. 前記測定部は、前記電子の直進方向に対して垂直な方向に沿って配置された複数の半導体検出器を有し、
    前記算出部は、前記電子が入射することで信号が発生した前記半導体検出器の位置に基づいて前記到達位置を特定し、前記信号に基づいて前記電子数を算出する、請求項5に記載の分析装置。
  7. 前記発生部は電子線源である、請求項1〜4のいずれかに記載の分析装置。
  8. 前記測定部は、
    前記電子の直進方向に対して垂直な方向に沿って配置された複数のシンチレータと、
    前記複数のシンチレータのそれぞれに対して設けられ、前記測定対象を通過後の前記電子が対応するシンチレータに到達したときに生じる発光を検出する光検出器と、
    を有し、
    前記算出部は、前記光検出器により発光が検出されたシンチレータの位置に基づいて前記到達位置を特定し、当該光検出器により発光が検出された回数に基づいて前記電子数を算出する、請求項7に記載の分析装置。
  9. 前記発生部と前記測定部との間に設けられ、前記発生部から発生した前記電子が通過する開口を有するコリメータをさらに備える、請求項1〜8のいずれかに記載の分析装置。
  10. 前記測定対象は液体、気体、又は固体である、請求項1〜9のいずれかに記載の分析装置。
  11. 前記成分情報は、前記測定対象の成分の含有量に関する情報である、請求項1〜10のいずれかに記載の分析装置。
  12. 請求項1〜11のいずれかに記載の分析装置と、
    前記分析装置を制御する制御部と、
    前記分析装置にて得られた前記成分情報を表示する表示部と、
    を備える分析システム。
  13. 電子を発生する発生部を備える分析装置による測定対象の分析方法であって、
    測定対象内を通過する電子を発生部が発生させるステップと、
    前記電子が前記測定対象内を通過中に多重散乱することで到達した到達位置と、前記到達位置に到達した電子数とを測定するステップと、
    前記電子の到達位置と前記電子数とに基づいて、前記測定対象の成分情報を算出するステップと、
    を備える、分析方法。
  14. 電子を発生する発生部を備える分析装置による測定対象の分析方法をコンピュータに実行させるプログラムであって、前記分析方法は、
    測定対象内を通過する電子を発生部が発生させるステップと、
    前記電子が前記測定対象内を通過中に多重散乱することで到達した到達位置と、前記到達位置に到達した電子数とを測定するステップと、
    前記電子の到達位置と前記電子数とに基づいて、前記測定対象の成分情報を算出するステップと、
    を備えるプログラム。
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