JP2021054873A - 高粘度重質油からの炭化水素の生産方法、及び生産システム - Google Patents

高粘度重質油からの炭化水素の生産方法、及び生産システム Download PDF

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Kazuaki Miyata
和明 宮田
増子 芳範
Yoshinori Masuko
芳範 増子
国司 洋介
Yosuke Kunishi
洋介 国司
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Abstract

【課題】重質油の生産地において設定される様々な生産条件にも適合し易く、かつ生産地が寒冷な地域にあっても水の凍結等が起き難い、重質油由来の炭化水素の生産方法を提供すること。【解決手段】この炭化水素の生産方法は、水蒸気及び低沸点炭化水素を地下のオイルサンド層Oに送入する工程と、前記オイルサンド層Oから、水蒸気(水)、低沸点炭化水素、及び重質油並びに水が混合した第一混合物を回収する工程と、前記第一混合物中の重質油を、超臨界改質装置40を使って改質する工程と、超臨界改質装置40において得られた改質油と水との第二混合物から低沸点炭化水素を分離する工程と、前記第二混合物から分離された低沸点炭化水素の少なくとも一部を前記オイルサンド層Oに戻す工程とを有する。【選択図】図1

Description

本発明は、オイルサンド層に含まれる高粘度の超重質炭化水素を採取し、パイプライン輸送が可能な状態にある低粘度の炭化水素を生産する炭化水素の生産方法、及び生産システムに関する。
オイルサンド層に含まれる超重質炭化水素(以下、重質油とする)は、将来の石油資源として利用が期待されている。しかしながら、常温では粘度が高いため(例えば10000センチポアズ(CP)程度)、坑井を通じて地下から採取することが非常に困難である。また、地下から採取できたとしてもパイプラインの配管中を流動しないという問題がある。
これに対し、溶剤(ナフサ・灯油・LPG等の低沸点炭化水素)を地下のオイルサンド層に圧入し、オイルサンド層に含まれる重質油に溶剤を混合することで重質油の粘度を低下させ、その重質油と溶剤との混合物をオイルサンド中に配設した回収パイプを通じて回収し、地上に汲み上げたうえでパイプラインを通じて輸送する技術が提案されている。また、高温の水蒸気を地下のオイルサンド層に圧入し、オイルサンド層に含まれる重質油を水蒸気で加熱して流動性を高め、上記と同様に回収パイプを通じて回収し、溶剤を混合し粘度を低下させたうえでパイプラインを通じて輸送する技術も提案されている(例えば下記の非特許文献1参照)。
ところで、前者の方法では、オイルサンド層が存在する生産地まで溶剤を輸送する必要があり、生産地が遠隔地にある場合には、溶剤をその生産地まで輸送するために多額のコストを負担する必要がある。また、後者の方法では、生産地において水蒸気を生成するための燃料を確保する必要がある。
上記のような現状に対し、超臨界水を利用した重質油の改質プラントを生産地に設置する提案がなされている(例えば下記の非特許文献2参照)。すなわち、超臨界水改質プラントにおいて生成される水蒸気を地下に圧入し、オイルサンド層に含まれる重質油を加熱して流動性を高め、上記と同様に回収パイプを通じて回収し、回収した重質油を上記プラントにおいて改質し、生成油の粘度をパイプラインによる輸送が可能な程度にまで低下させるとともに、改質の過程で生成されるピッチ/コークなどの高粘度重質油を燃料とする技術が提案されている。
Hydrocarbon Solvent Injection Study for Heavy Oil Recovery in the Columbian Oil sands, Rodolfo J. Martin, Sr. (February 2, 2015) 超臨界水を用いた超重質油改質技術 新井博久 石油技術協会誌第79巻第6号、平成26年11月
上記のように超臨界水改質プラントを生産地に設置する技術によれば、基本的に溶剤や燃料を生産地まで輸送する必要が無いため、ランニングコストが抑えられる点で有利である。しかしながら、オイルサンドの加熱を、超臨界水改質プラントにおいて生成される水蒸気に依存するため、オイルサンド層に投入される熱量がプラントの運転条件によって決定されてしまい、期待すべき改質油の生産量や、生産地に埋蔵されたオイルサンドの油質などの生産条件に適合させることが難しい。また、オイルサンドの加熱を水蒸気に頼るため、一定量の水の貯留が必要となるが、特にカナダ等のオイルサンドの主要産地の様な冬季の寒さ厳しい寒冷地では、貯留水が凍結してしまいプラントの運用に支障を来たす可能性がある。
本発明は上記の事情に鑑みてなされたもので、重質油の生産地において設定される様々な生産条件にも適合し易く、かつ生産地が寒冷な地域にあっても水の凍結等が起き難い、重質油由来の炭化水素の生産方法及び生産システムを提供することを目的としている。
本発明に係る炭化水素の生産方法は、
水蒸気及び低沸点炭化水素を地下の油層に送入する工程と、
前記油層から、前記水蒸気、前記低沸点炭化水素、及び前記油層に含まれる重質油並びに水が混合した第一混合物を回収する工程と、
前記第一混合物中の前記重質油を、超臨界改質装置を使って改質する工程と、
前記超臨界改質装置において得られた改質油と水との第二混合物から、低沸点炭化水素を分離する工程と、
前記第二混合物から分離された前記低沸点炭化水素の少なくとも一部を前記油層に戻す工程と
を有する。
本発明に係る炭化水素の生産方法は、前記超臨界改質装置による前記重質油の改質に先立って、前記第一混合物から低沸点炭化水素を分離する工程をさらに有していてもよい。
本発明に係る炭化水素の生産方法は、前記超臨界改質装置による前記重質油の改質に先立って、該重質油を加熱する工程をさらに有していてもよい。
本発明に係る炭化水素の生産方法は、前記第二混合物から熱を回収する熱回収工程をさらに有していてもよい。
本発明に係る炭化水素の生産システムは、
地下の油層に掘削された圧入坑に低沸点炭化水素と共に送入すべき水蒸気を生成するボイラと、
前記油層に掘削された生産坑から回収された、前記水蒸気、前記低沸点炭化水素、及び前記油層に含まれる重質油が混合した第一混合物を汲み上げて回収するポンプと、
前記第一混合物中の前記重質油を改質する超臨界改質装置と、
前記超臨界改質装置において得られた改質油と水との第二混合物から、低沸点炭化水素を分離する第一分離器と、
前記第二混合物から分離された低沸点炭化水素の少なくとも一部を前記油層に戻す経路と
を備える。
本発明に係る炭化水素の生産システムは、前記超臨界改質装置による前記重質油の改質に先立って、前記第一混合物から低沸点炭化水素を分離する第二分離器をさらに備えていてもよい。
本発明に係る炭化水素の生産システムは、前記超臨界改質装置による前記重質油の改質に先立って、該重質油を加熱する予加熱器をさらに備えていてもよい。
本発明に係る炭化水素の生産システムは、前記第二混合物から熱を回収する熱回収部をさらに備えていてもよい。
本発明によれば、重質油の生産地において設定される様々な生産条件に適合させることが容易であり、重質油由来の炭化水素を安定的に生産することができる。また、水を貯留せず系内で循環させているので、生産地が寒冷地域にあっても水の凍結等のトラブルが起きない。
本発明の炭化水素の生産システムの構成を示すブロック図である。
本発明の炭化水素の生産システムの第一実施形態を図1に示す。この生産システムにおいては、地下のオイルサンド層Oに掘削した二本の水平坑のうち、上部坑(圧入坑)W1を介してオイルサンド層Oに低沸点炭化水素と共に水蒸気を圧入し、オイルサンド層Oに含まれる超重質炭化水素(以下、重質油とする)を水蒸気で加熱して流動性を高め、下部坑(生産坑)W2を介して地上に回収する。
図1に示す本実施形態に係る炭化水素の生産システムは、ボイラ10と、ポンプPと、分離器(第二分離器)20と、予加熱器30と、超臨界改質装置40とを備えている。
ボイラ10は、低沸点炭化水素と共に地下のオイルサンド層Oに圧入すべき水蒸気を生成する。ポンプPは、下部坑W2から回収された、水蒸気、低沸点炭化水素(例えばn=6〜20の飽和炭化水素)、及びオイルサンド層Oに含まれる重質油並びに水の混合物(以下、第一混合物とする)を汲み上げて地上に回収する。なお、第一混合物に含まれる水は、オイルサンド層Oに含まれる既存の水と、オイルサンド層Oに圧入された水蒸気の液化水とを含む。
分離器20は、第一混合物を加熱し、該混合物から水蒸気と低沸点炭化水素とをそれぞれ分離する。予加熱器30は、分離器20において第一混合物から水蒸気と低沸点炭化水素とを分離されることにより得られた重質油を加熱する。超臨界改質装置40は、予加熱器30によって加熱された重質油を改質する。
また、当該システムは、冷却器45と、分離器(第一分離器)50と、冷却器55と、分離器60、70及び80と、混合部90とを備えている。
冷却器45は、超臨界改質装置40において得られた改質油と水との混合物(以下、第二混合物とする)から熱を回収して冷却する。分離器50は、第二混合物から、低沸点炭化水素と水とをそれぞれ分離する。冷却器55は、超臨界改質装置40において得られたピッチ、コークなどの高粘度重質油と水との混合物(以下、第三混合物とする)から熱を回収して冷却する。分離器60は、第三混合物から水を分離する。分離器70は、分離器20において第一混合物から分離された低沸点炭化水素から、水を分離する。分離器80は、分離器50及び70において得られた低沸点炭化水素から、軽質ガス(例えばメタン、エタン、LPG)を分離する。混合部90は、分離器50、60及び70において油分から分離された水と、分離器50及び80において得られた低沸点炭化水素とを混合する。
さらに、当該システムは、貯留槽T1、T2及びT3を備えている。
貯留槽T1は、分離器80において軽質ガスを分離された低沸点油(すなわち低沸点炭化水素)を貯留する。貯留槽T2は、分離器80において低沸点炭化水素から分離された軽質ガスを貯留する。貯留槽T3は、分離器50、60及び70において油分から分離された水を貯留する。
当該システムは、上記の水/油の系とは独立して、熱を要する分離器20及び予加熱器30と、冷却器45、55との間で熱媒体としての水蒸気を循環させる配管100を備えている。配管100は閉じた系を構成しており、分離器20及び予加熱器30で入熱の必要が生じた場合に熱媒体を加熱するリボイラ110を備えている。リボイラ110は、分離器20及び予加熱器30と、冷却器45、55との間で熱収支がバランスしていれば作動させる必要はない。
ボイラ10及び超臨界改質装置40は、本生産システムが定常運転されている状態では、分離器60において得られたコークなどの高粘度重質油を燃料として使用する。また、リボイラ110も、当該システムが定常運転されている状態では、分離器60において得られたコークなどの高粘度重質油を燃料として使用する。
次に、定常運転時の本生産システムの動作を説明する。まず、混合部90において水と低沸点炭化水素とを混合し、その混合物をボイラ10において加熱して高圧の水蒸気を生成し、低沸点炭化水素を含むその高圧の水蒸気を、経路L0を通じて上部坑W1に供給し、地下のオイルサンド層Oに圧入する。
オイルサンド層Oに含まれる重質油は、水蒸気及びそれ含まれる低沸点炭化水素によって加熱されて流動性を高められ、水蒸気(水)及び低沸点炭化水素と混合し、自らに作用する重力とオイルサンド層Oとの下部坑W2内の差圧に依って下部坑W2の周囲に移動する。
下部坑W2の周囲に集まった水蒸気、低沸点炭化水素、及び重質油の混合物、すなわち第一混合物は、ポンプPにより下部坑W2を介してオイルサンド層Oから汲み上げられ、地上に回収される。
地上に回収された第一混合物は、まず、経路L1を通じて分離器20に導入される。分離器20においては、第一混合物を加熱することにより、該混合物から水蒸気と低沸点炭化水素とがそれぞれ分離される。
分離器20において水蒸気及び低沸点炭化水素を分離された重質油は、経路L2を通じて予加熱器30に導入される。予加熱器30においては、超臨界改質装置40による重質油の改質に先立って重質油が加熱される。このときの超臨界水改質に必要な水は、必要に応じて、貯留槽T3から経路L6cを通じて予加熱器30に供給される。
予加熱器30によって加熱され、それに伴って昇圧された重質油と水との混合物は、逆止弁35を設けられた経路L3を通じて超臨界改質装置40に導入される。超臨界水はその熱により重質油を分解し、高い親油性により分解後の軽質分を溶解する能力を備えている。超臨界改質装置40においては、重質油が、超臨界水の熱により、第二混合物(改質油と水との混合物)と第三混合物(ピッチ、コークなどの高粘度重質油と水との混合物)とに分解される。
本実施形態では、熱回収率向上のため、水と重質油は予加熱器30を介して超臨界改質装置40に導入されるが、水と重質油とを別々に加熱して超臨界改質器に導入しても良い。また、予備加熱器30に替えて昇圧器を設け水と重質油とを昇圧器によって低温で昇圧した後、超臨界水改質器に直に導入し、超臨界改質装置40内に設けた過熱器によって加熱してもよい。これにより、重質油と水との混合物に含まれる金属塩類がスケールとして経路L3の配管に沈着するのを防止することができる。
超臨界改質装置40において得られた第二混合物は、保有する熱の一部を冷却器45によって回収されたうえで、経路L4を通じて分離器50に導入される。分離器50においては、第二混合物から低沸点炭化水素と水とがそれぞれ分離され、改質油が生成される。改質油は、経路L4aを通じて不図示のパイプライン設備に送出され、加工基地等の目的地に輸送される。
分離器50において改質油から分離された低沸点炭化水素は、経路L5を通じて分離器80に導入される。同じく分離器50において改質油から分離された水は、経路L6を通じて混合部90に供給され、地下に供給される水蒸気として循環利用される。なお、水蒸気として利用され得ない余剰の水が生じた場合、その余剰水は、経路L6から分岐する経路L6aを通じて貯留槽T3に一時貯留され、利用の見込みがない場合は廃水処理される。
超臨界改質装置40において得られた第三混合物は、保有する熱の一部を冷却器55によって回収されたうえで、経路L7を通じて分離器60に導入される。分離器60においては、第三混合物から水が分離され、ピッチ/コークが生成される。ピッチ/コークは、経路L7aを通じ、それぞれの用途に応じて配送される。コークは、上述のように、ボイラ10、超臨界改質装置40、及びリボイラ110の燃料として系内で使用される。ピッチは燃料には不向きなのでアスファルトなど舗装材などに加工され出荷されてもよい。
分離器60においてピッチ/コークから分離された水は、経路L6に接続された経路L8を通じて経路L6を流れる水と合流し、混合部90に供給される。
分離器20において重質油から分離された水蒸気は、経路L9を通じてボイラ10に導入され、同じく分離器20において重質油から分離された低沸点炭化水素は、経路L10を通じて分離器70に導入される。分離器70においては、低沸点炭化水素から水が分離される。低沸点炭化水素から分離された水は、経路L6に接続された経路L11を通じて経路L6を流れる水と合流し、混合部90に供給される。
分離器70において水を分離された低沸点炭化水素は、経路L12を通じて分離器80に導入される。分離器80においては、分離器50及び70において得られた低沸点炭化水素から、軽質ガスが分離される。分離器80において軽質ガスを分離された低沸点炭化水素は、経路L12aを通じて不図示のパイプライン設備に送出され、加工基地等の目的地に輸送されるが、一部の低沸点炭化水素は、経路L13を通じて貯留槽T1に導入され、システム内に貯留される。貯留槽T1に貯留された低沸点炭化水素は、必要があれば経路L13aを通じて混合部90に供給されて水と混合され、ボイラ10において生成された水蒸気と共に地下のオイルサンド層Oに圧入される。その以外に、経路L13bを通じて調製部75に導入され、改質油の調製に使用されることもある。
分離器80において低沸点炭化水素から分離された軽質ガスは、不図示のパイプラインを通じて加工基地等の目的地に輸送されるが、一部の軽質ガスは、経路L14を通じて貯留槽T2に導入され、システム内に貯留される他、経路L15を通じて混合部90に供給されて水と混合され、ボイラ10において生成された水蒸気と共に地下に圧入されることもある。
次に、本生産システムを始動させる際の運用について説明する。まず事前に、貯留槽T1にシステムの始動に必要な量の低沸点炭化水素を導入すると共に、貯留槽T3に必要量の水を導入しておく。さらに、本生産システムを始動し定常運転に至るまでボイラ10及び超臨界改質装置40を作動させるのに十分な量の燃料(ただしコークには限らない)を不図示の燃料槽に導入しておく。そして、貯留槽T1に事前に貯留した低沸点炭化水素を、経路L13aを通じて混合部90に供給すると共に、貯留槽T3に事前に貯留した水を、経路L6bを通じて混合部90に供給し、両者を混合する。低沸点炭化水素を混合された水を、火を入れて作動させたボイラ10に供給し、加熱して水蒸気を生成する。生成された水蒸気をオイルサンド層Oに圧入する。その後の過程は上記定常運転時と同じなので省略する。
本実施形態の炭化水素の生産システムによれば、上記の過程を経ることで、地下から回収した第一混合物由来の低沸点炭化水素及び水が継続的に得られ、システムの始動前に事前に系外から導入しておいた低沸点炭化水素及び水が払い出されたとしても、第一混合物由来の低沸点炭化水素及び水がそれらに代わって消費される。また、上記の過程を経ることで、コークが継続的に生成され、当初用意した燃料に代わってボイラ10及び超臨界改質装置40の燃料として消費される。したがって、事前に用意した低沸点炭化水素、水、及び燃料によって本生産システムを始動した後は、閉じた系の中で本生産システムの定常運転を継続的に維持することが可能である。
上記のように構成された炭化水素の生産システムによれば、地下のオイルサンド層Oに圧入すべき水蒸気に、溶剤としての低沸点炭化水素を混合しているので、オイルサンド層O内での重質油の溶解が、水蒸気だけを圧入する場合と比べて促進される。オイルサンド層Oから回収された、水蒸気(水)、低沸点炭化水素、及び重質油の混合物(第一混合物)は、超臨界改質装置40による重質油の改質に先立って、重質油成分から水蒸気(水)と低沸点炭化水素とが分離されると共に、重質油成分を系内で生成したコークを燃料として予加熱するので、超臨界改質装置40の運転効率が向上する。超臨界改質装置40の運転効率が向上することにより、燃料として消費するコークの量が少なくて済むので、ボイラ10において使用できるコークの量をその分多くすることができる。これにより、オイルサンド層Oに投入すべき熱量が大きくても、超臨界改質装置40の運転条件に左右されずにボイラ10を運転することができる。つまり、様々な生産条件が設定されたとしてもその条件にシステムを適合させることが容易であり、重質油由来の炭化水素を安定的に生産することができる。
また、重質油の生産地には温暖な地域も寒冷な地域もあるが、冬季の寒さ厳しい寒冷地では、水を貯留すると凍結し、システムの運用に支障を来たす可能性があるが、上記のように構成された炭化水素の生産システムによれば、システム内で使用される水は、余剰分を除いて常に独立した系内を循環しており貯留されることはないので、冬季であっても凍結の心配がない。
以上、本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されることはない。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、構成の付加、省略、置換、及びその他の変更が可能である。本発明は前述した説明によって限定されることはなく、特許請求の範囲に記載された事項によってのみ限定される。
本発明は、重質油由来の炭化水素の生産方法及び生産システムに関する。本発明によれば、重質油の生産地において設定される様々な生産条件にも適合し易く、かつ生産地が寒冷な地域にあってもシステム内で水の凍結等のトラブルが起き難い。
10 ボイラ、20 分離器(第二分離器)、30 予加熱器、35 逆止弁、40 超臨界改質装置、45 冷却器、50 分離器(第一分離器)、55 冷却器、60、70、80 分離器、75 調製部、90 混合部、100 配管、110 リボイラ、O オイルサンド層、P ポンプ、T1、T2、T3 貯留槽、W1 上部坑(圧入坑)、W2 下部坑(生産坑)

Claims (8)

  1. 水蒸気及び低沸点炭化水素を地下の油層に送入する工程と、
    前記油層から、前記水蒸気、前記低沸点炭化水素、及び前記油層に含まれる重質油並びに水が混合した第一混合物を回収する工程と、
    前記第一混合物中の前記重質油を、超臨界改質装置を使って改質する工程と、
    前記超臨界改質装置において得られた改質油と水との第二混合物から、低沸点炭化水素を分離する工程と、
    前記第二混合物から分離された前記低沸点炭化水素の少なくとも一部を前記油層に戻す工程と
    を有する炭化水素の生産方法。
  2. 前記超臨界改質装置による前記重質油の改質に先立って、前記第一混合物から低沸点炭化水素を分離する工程をさらに有する請求項1に記載の炭化水素の生産方法。
  3. 前記超臨界改質装置による前記重質油の改質に先立って、該重質油を加熱する工程をさらに有する請求項1又は2に記載の炭化水素の生産方法。
  4. 前記第二混合物から熱を回収する熱回収工程をさらに有する請求項1記載の炭化水素の生産方法。
  5. 地下の油層に掘削された圧入坑に低沸点炭化水素と共に送入すべき水蒸気を生成するボイラと、
    前記油層に掘削された生産坑から回収された、前記水蒸気、前記低沸点炭化水素、及び前記油層に含まれる重質油が混合した第一混合物を汲み上げて回収するポンプと、
    前記第一混合物中の前記重質油を改質する超臨界改質装置と、
    前記超臨界改質装置において得られた改質油と水との第二混合物から、低沸点炭化水素を分離する第一分離器と、
    前記第二混合物から分離された低沸点炭化水素の少なくとも一部を前記油層に戻す経路と
    を備える炭化水素の生産システム。
  6. 前記超臨界改質装置による前記重質油の改質に先立って、前記第一混合物から低沸点炭化水素を分離する第二分離器をさらに備える請求項5に記載の炭化水素の生産システム。
  7. 前記超臨界改質装置による前記重質油の改質に先立って、該重質油を加熱する予加熱器をさらに備える請求項5又は6に記載の炭化水素の生産システム。
  8. 前記第二混合物から熱を回収する熱回収部をさらに備える請求項5から7のいずれか一項に記載の炭化水素の生産システム。
JP2018003830A 2018-01-12 2018-01-12 高粘度重質油からの炭化水素の生産方法、及び生産システム Pending JP2021054873A (ja)

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