JP2021049046A - 弾球遊技機 - Google Patents

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Abstract

【課題】遊技性のさらなる向上を実現しうる遊技機を提供する。【解決手段】特別図柄の変動開始から停止表示までの1回の図柄変動において、第1演出の実行後に第3演出を実行可能であり、特別図柄の変動開始から停止表示までの1回の図柄変動において、第2演出の実行後に第3演出を実行可能である。第1演出および第2演出は、演出表示装置に表示される演出が継続するか否かを示唆する継続示唆演出を含み、継続示唆演出の実行回数に応じて演出が段階的に進行する演出過程を有する。第1演出は、演出表示装置にて変動表示される装飾図柄を仮停止させた後に再変動させる第1継続示唆演出により演出の継続を示唆する。第2演出は、装飾図柄の仮停止および再変動とは異なる第2継続示唆演出により演出の継続を示唆する。第3演出は、装飾図柄がリーチ態様にて変動表示される過程を含むリーチ演出である。【選択図】図67

Description

遊技の進行中に演出が実行される遊技機に関する。
従来、各種の弾球遊技機のうち、いわゆる第1種ぱちんこ遊技機と呼ばれていた遊技機は、遊技盤の略中央に設けられた液晶ディスプレイなどの表示領域に複数の図柄を変動させながら表示する(以下、そうした表示を「図柄変動」または「変動表示」等という)。この遊技機は、複数列の図柄変動を停止させたときの図柄の組合せが特定の態様となった場合に、通常遊技より多くの賞球が得られる、いわゆる大当りと呼ばれる特別遊技へと移行するものとして知られている。表示領域における図柄の変動表示は、単に複数の図柄が変動表示されるだけでなく、いわゆるリーチ画面と呼ばれる状態のように、あと一つ図柄が揃えば大当りとなる状態で変動表示の時間を通常よりも長くする等、遊技者の期待感を高めるための演出が図られている。また、図柄等の画像にキャラクタを用いて変動表示にストーリーを持たせる演出や、特別遊技への移行期待度の高さを予告的に示唆する予告演出によっても遊技者の期待感を高めている(例えば、特許文献1参照)。
特開2003−230714号公報
上述のような構成を採用する遊技機は、従来機種として既に多数存在している。従来機種との差別化を図るために、遊技性のさらなる向上が求められている。
本願発明は上記課題に鑑みたもので、遊技性のさらなる向上を実現しうる遊技機を提供することを目的とする
本発明のある態様の弾球遊技機は、遊技領域が形成された遊技盤と、遊技領域に設けられる始動口と、始動口への入球を契機として取得した抽選値に基づいて当否判定を実行する当否判定手段と、特別図柄が変動表示され、特別図柄の停止表示により当否判定の結果を示す特別図柄表示装置と、特別図柄表示装置に当否判定が所定の結果となることを示す特別図柄が停止表示された場合、その停止表示後に通常遊技より遊技者に有利な特別遊技を実行可能とする特別遊技制御手段と、演出が表示可能な演出表示装置と、を備える。特別図柄の変動表示中に演出表示装置に表示可能な演出として、少なくとも第1演出と、第2演出と、第3演出とがあり、特別図柄の変動開始から停止表示までの1回の図柄変動において、第1演出の実行後に第3演出を実行可能であり、特別図柄の変動開始から停止表示までの1回の図柄変動において、第2演出の実行後に第3演出を実行可能であり、第1演出および第2演出は、演出表示装置に表示される演出が継続するか否かを示唆する継続示唆演出を含み、継続示唆演出の実行回数に応じて演出が段階的に進行する演出過程を有する。第1演出は、演出表示装置にて変動表示される装飾図柄を仮停止させた後に再変動させる第1継続示唆演出により演出の継続を示唆し、第2演出は、装飾図柄の仮停止および再変動とは異なる第2継続示唆演出により演出の継続を示唆し、第3演出は、装飾図柄がリーチ態様にて変動表示される過程を含むリーチ演出である。
なお、以上の構成要素の任意の組合せや、本発明の構成要素や表現を方法、装置、システム、コンピュータプログラム、コンピュータプログラムを格納した記録媒体、データ構造などの間で相互に置換したものもまた、本発明の態様として有効である。
本発明のある態様によれば、遊技性のさらなる向上を実現しうる遊技機を提供できる。
ぱちんこ遊技機の前面側における基本的な構造を示す図である。 ぱちんこ遊技機の背面側における基本的な構造を示す図である。 ぱちんこ遊技機の機能ブロックを示す図である。 メイン基板の機能構成を示すブロック図である。 当否判定テーブルを模式的に示す図である。 設定値ごとの当否抽選値の範囲設定を模式的に示す図である。 図柄判定テーブルを模式的に示す図である。 変動パターンテーブルを模式的に示す図である。 事前当否判定で参照される事前当否判定テーブルを模式的に示す図である。 遊技設定に対応した事前当否判定テーブルを模式的に示す図である。 サブ基板の構成を示すブロック図である。 携帯連携システムの概略を模式的に示す図である。 メイン基板およびサブ基板のハードウェア構成を概略的に示すブロック図である。 演出制御装置のハードウェア構成を概略的に示すブロック図である。 ぱちんこ遊技機におけるメイン基板の制御開始処理を示すフローチャートである。 図15におけるS124の設定変更処理を詳細に示すフローチャートである。 図15におけるS126の設定確認処理を詳細に示すフローチャートである。 図15におけるS120のメイン処理を詳細に示すフローチャートである。 割込処理の詳細を示すフローチャートである。 ぱちんこ遊技機におけるサブ基板の制御開始処理を示すフローチャートである。 図20におけるS518のメイン処理を詳細に示すフローチャートである。 メイン基板からコマンドを受信した場合の割込処理を示すフローチャートである。 演出表示制御のためのタイマ割込が発生した場合の割込処理を示すフローチャートである。 サブCPUが制御CPUからコマンドを受信した場合の割込処理を示すフローチャートである。 各種デバイス制御のためのタイマ割込が発生した場合の割込処理を示すフローチャートである。 特別図柄変動表示の過程を示すフローチャートである。 装飾図柄変動表示の過程を示すフローチャートである。 特別遊技の過程を示すフローチャートである。 小当り遊技の過程を示すフローチャートである。 スロットマシンの外面における基本的な構造を示す斜視図である。 筐体扉部を開放したときに露出する筐体扉部の背面図である。 筐体扉部を開放したときに露出する筐体基部の内部構成を示す正面図である。 リールの図柄配列を示す図である。 スロットマシンの機能ブロック図である。 スロットマシンにおける基本的な遊技の流れを示すフローチャートである。 主制御装置および副制御装置のハードウェア構成を概略的に示すブロック図である。 演出表示制御部のハードウェア構成を概略的に示すブロック図である。 スロットマシンにおける主制御装置の主なプログラム制御処理を示すフローチャートである。 主制御装置におけるタイマ割込処理を示すフローチャートである。 変動演出の流れを模式的に示す図である。 事前示唆演出の演出パターンを示す図である。 事前示唆演出パターン1の演出過程の前半を模式的に示す図である。 事前示唆演出パターン1の演出過程の後半を模式的に示す図である。 事前示唆演出パターン2の演出過程の後半を模式的に示す図である。 事前示唆演出パターン3の演出過程を模式的に示す図である。 事前示唆演出パターン4の演出過程の一部を模式的に示す図である。 事前示唆演出パターン5の演出過程の一部を模式的に示す図である。 事前示唆演出パターン6の演出過程を模式的に示す図である。 事前示唆演出パターン7の演出過程の一部を模式的に示す図である。 事前示唆演出パターン9の演出過程の一部を模式的に示す図である。 事前示唆演出パターン10,11の演出過程を模式的に示す図である。 事前示唆演出パターン12の演出過程を模式的に示す図である。 事前示唆演出パターン15の演出過程を模式的に示す図である。 事前示唆演出パターン19の演出過程を模式的に示す図である。 事前示唆演出パターン20の演出過程を模式的に示す図である。 複数変動にわたる事前示唆演出の演出過程の前半を模式的に示す図である。 複数変動にわたる事前示唆演出の演出過程の後半を模式的に示す図である。 事前示唆演出の終了後に特定の演出が発生しない演出過程を模式的に示す図である。 通常経由と特殊経由のバトルリーチ演出の期待度を示す図である。 演出選択画面の表示例を示す図である。 ボタン演出が実行される場合の演出過程の一例を示す図である。 ボタン煽り演出およびボタン演出の演出過程の一例を示す図である。 特殊演出の実行後に装飾図柄が外れとなって確定停止する演出過程を模式的に示す図である。 特殊演出にて時間調整がなされる演出過程のバリエーションの一例を示す図である。 特殊演出の実行後に装飾図柄が当りとなって確定停止する演出過程を模式的に示す図である。 特殊演出の実行後に装飾図柄が再変動する演出過程を模式的に示す図である。 ステップアップ演出の演出過程を模式的に示す図である。 特殊ステップアップ演出の演出過程を模式的に示す図である。 擬似連続変動演出の演出過程を模式的に示す図である。 遊技フローの一例を模式的に示す図である。 特殊擬似連ゾーンの演出過程の一例を示す図である。 装飾図柄の仮停止時の図柄組合せの一例を示すテーブルである。 装飾図柄の確定停止時の図柄組合せの一例を示す図である。 特殊擬似連ゾーンにて実行可能な演出パターンを模式的に示す図である。 12回の擬似変動が実行される演出パターンを示す図である。 18回の擬似変動が実行される演出パターンを示す図である。 擬似変動シナリオを模式的に示す図である。 図柄変化パターンおよび帯色変化パターンの一例を示す図である。 図柄変化パターンおよび帯色変化パターンの一例を示す図である。 プレミアパターンの図柄組合せの一例を示すテーブルである。 図柄変化パターンおよび帯色変化パターンの一例を示す図である。 図柄変化パターンおよび帯色変化パターンの一例を示す図である。 図柄変化パターンと帯色変化パターンの組み合わせの一例を示す。
(前提技術)
本実施例のぱちんこ遊技機においては、従来にいう第1種ぱちんこ遊技機に相当する遊技が複数混在する。その複数の遊技としての第1の遊技と第2の遊技とが、同時に実行されないよう第2の遊技が優先的に実行される。またこれらの遊技性を両立させるために、複数の始動入賞口、複数の特別図柄表示装置、複数の保留ランプを備える。第1の遊技における大当りの出玉より、第2の遊技における大当りの出玉の方がおおむね多くなるように設計される。例えば、第2の遊技の方が確変を伴う大当りとなる確率が高く、また、第2の遊技の方が大当りした際の特別遊技を構成する単位遊技数が多い(大入賞口の開放時間が長い長開放単位遊技と開放時間が短い短開放単位遊技とが一つの特別遊技中に混在し、同一単位遊技数であっても第2の遊技の方が第1の遊技よりも長開放単位遊技の数が多い場合を含む)など、第2の遊技の方が第1の遊技より相対的に利益が高くなる設計がされている。その上で、最初は第1の遊技にて初当りを狙い、第1の遊技における大当りで時短が付与された後は第2の遊技を繰り返し狙って多くの出玉を得る、という遊技性を実現する。
図1は、ぱちんこ遊技機の前面側における基本的な構造を示す。ぱちんこ遊技機100は、主に遊技機枠と遊技盤で構成される。ぱちんこ遊技機100の遊技機枠は、外枠101、前枠102、透明板103、扉104、上球皿105、下球皿106、発射ハンドル107、スピーカー108、演出ボタン109、十字キー110、装飾ランプ111を含む。外枠101は、開口部分を有し、ぱちんこ遊技機100を設置すべき位置に固定するための枠体である。前枠102は、外枠101の開口部分に整合する枠体であり、図示しないヒンジ機構により外枠101へ開閉可能に取り付けられる。前枠102は、遊技球を発射する機構や、遊技盤を着脱可能に収容させるための機構、遊技球を誘導または回収するための機構等を含む。
透明板103は、ガラスなどにより形成され、扉104により支持される。扉104は、図示しないヒンジ機構により前枠102へ開閉可能に取り付けられる。上球皿105は、遊技球の貯留、発射レールへの遊技球の送り出し、下球皿106への遊技球の抜き取り等をする機構を有する。下球皿106は、遊技球の貯留、抜き取り等の機構を有する。扉104の上部には左右にスピーカー108が設けられており、演出を制御する手段によって遊技状態や演出などに応じた効果音や楽曲の音声を出力する。扉104の外観を構成する樹脂部材の大部分が半透明であり、その透過する内部に装飾ランプ111が設けられる。装飾ランプ111は、演出を制御する手段によって遊技状態や演出などに応じた様々な色で発光するLEDであり、点滅等することで演出の役割を果たす。
遊技盤80は、レール82により区画された遊技領域81上に、第1始動口11、第2始動口12、大入賞口20、第1作動口31、第2作動口32、一般入賞口33、アウト口34、演出表示装置60、センター飾り64を含む。センター飾り64は、遊技領域81の略中央部とその上部および右部にわたって演出表示装置60の画面枠を形成するように設けられる装飾的な樹脂部材であり、遊技球の流路、演出表示装置60の保護、装飾等の機能を有する。センター飾り64の下部には流入した遊技球が転動するステージ65が形成され、その転動の仕方によってステージ65からの落下方向は第1始動口11へ入球する方向と第1始動口11に入球しない側方の方向とに振り分けられる。センター飾り64の上部には、演出内容に沿って駆動されて演出的な動作をする可動役物66が設けられる。遊技領域81には、遊技球の流路を形成するための図示しない複数の遊技釘や風車などの機構が設置される。なお、本明細書において「入球」「入賞」「落入」は相互に同義としてもよい。また、各入賞口や各入球口は、遊技球が通過するタイプの「通過口」(「ゲート」や「スルーチャッカー」等とも呼ぶ)で構成される場合があってもよく、「入球」「入賞」「落入」と「通過」もまた相互に同義としてもよい。
第1始動口11は第1の遊技に対応する始動入賞口として設けられ、第2始動口12は第2の遊技に対応する始動入賞口として設けられる。第1始動口11と第2始動口12は、遊技者の意思にしたがった遊技球の発射強弱によって一方への入球を狙うことが可能となるように構成される。第1始動口11は、遊技領域81における略中央下部に設けられ、第2始動口12は、第1始動口11の直下に設けられる。左打ち、すなわちセンター飾り64の左側通路へ流れるように狙って相対的に弱めに打球した場合は第1始動口11および第2始動口12に入球可能ないし入球容易である一方、右打ち、すなわちセンター飾り64の右側通路へ流れるように狙って相対的に強めに打球した場合は第2始動口12には入球可能ないし入球容易であるが第1始動口11には入球不能ないし入球困難となるように遊技釘の配置による流路が形成される。ただし、通常時には第2始動口12の開口部上方が第1始動口11に覆われて遊技球の流入が妨げられることから、第2始動口12の拡開機構が開放されない限り第2始動口12には入球不能ないし入球困難である。当否抽選は、通常遊技より遊技者に有利な状態である特別遊技へ移行するか否かを判定する抽選であり、第1始動口11または第2始動口12へ入球があるたびに実行される。
なお、第1始動口11および第2始動口12は、遊技球の発射強弱によっていずれかを目標にした打ち分けが可能な程度に互いに離れた位置に設けられてもよい。第1始動口11と第2始動口12は、それぞれ遊技領域81の左側と右側に離して設置され、一方を狙った遊技球が他方へ入球しがたい構成としてもよい。たとえば、第1始動口11は、左打ち、すなわちセンター飾り64の左側通路へ流れるように狙って比較的弱めに発射したときに入球可能ないし入球容易となるような位置に設けられる。第2始動口12は、右打ち、すなわちセンター飾り64の右側通路へ流れるように狙って比較的強めに発射したときに入球可能ないし入球容易となるような位置に設けられる。
第1始動口11は、第1始動入賞検出装置16を備える。第1始動入賞検出装置16は、第1始動口11への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す第1始動入賞情報を生成する。第2始動口12は、第2始動入賞検出装置17と、拡開機構である普通電動役物90(いわゆる電動チューリップ)と、普通電動役物90を開閉させるための普通電動役物ソレノイド91を備える。第2始動入賞検出装置17は、第2始動口12への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す第2始動入賞情報を生成する。
第1作動口31は、遊技領域81の左側方位置に設けられ、第1通過検出装置36を含む。第1通過検出装置36は、第1作動口31への遊技球の通過を検出するセンサであり、通過時にその通過を示す通過情報を生成する。第2作動口32は、遊技領域81の右側方位置に設けられ、第2通過検出装置37を含む。第2通過検出装置37は、第2作動口32への遊技球の通過を検出するセンサであり、通過時にその通過を示す通過情報を生成する。第1作動口31または第2作動口32への遊技球の通過は普通電動役物90を拡開させるか否かを決定する開放抽選の契機となる。第1作動口31または第2作動口32を遊技球が通過すると、開放抽選の判定結果を示す図柄である普通図柄が普通図柄表示部45に変動表示される。したがって、開放抽選は「普通図柄抽選」とも呼ぶ。変動開始から所定時間の経過後に、普通図柄の変動表示が停止する。普通図柄が当りの図柄で停止すると、普通電動役物ソレノイド91の駆動力により普通電動役物90が拡開され、第2始動口12への入球可能性が高まる。なお、変形例として作動口の個数を1個とし、遊技領域81の左側方位置に設ける構成としてもよい。
3つの一般入賞口33は、遊技球の入球を検出するための一般入賞検出装置38をそれぞれ備える。一般入賞検出装置38は、一般入賞口33への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す一般入賞情報を生成する。
大入賞口20は、遊技球の入球を検出するための大入賞検出装置25と、大入賞口20を開閉させるための大入賞口ソレノイド92を備える。大入賞検出装置25は、大入賞口20への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す大入賞口入賞情報を生成する。大入賞口20は、第1特別図柄51または第2特別図柄52が所定の態様にて停止したときに「大当り」として開放状態となる横長方形状の入賞口である。大入賞口20はアウト口34の右上方の位置に設けられる。なお、変形例として大入賞口を遊技領域81の中央下部や大入賞口20の上方または下方にさらにもう一つ設け、複数の大入賞口が設けられる構成としてもよい。アウト口34は、各入賞口のいずれにも入球しなかった遊技球が排出される排出口であり、アウト検出装置39を備える。アウト検出装置39は、アウト口34を通過して排出される遊技球を検出するセンサであり、検出時にその検出を示す排出情報を生成する。アウト口34は、各入賞口のいずれにも入球しなかった遊技球がすべて誘導されて通過し得るよう、遊技領域81の中央最下端部に設けられる。アウト口34の球詰まりを防止するために十分な幅の遊技球通路を確保しつつ、アウト検出装置39を複数個並べて設ける仕様としてもよい。
遊技盤80における遊技領域81の外側下方に、図柄等表示ユニット120が配置される。図柄等表示ユニット120には、第1特別図柄表示部41、第2特別図柄表示部42、第1特図保留表示部71、第2特図保留表示部72、普通図柄表示部45、普図保留表示部75、遊技状態表示部76、異常報知部77等の各表示部が設けられる。具体的には、第1の遊技に対応する第1特別図柄表示部41と第2の遊技に対応する第2特別図柄表示部42とが左側下位置に左右に並設され、第1特別図柄51および第2特別図柄52の変動が表示される。
第1特別図柄51は、第1始動口11への遊技球の入球を契機とする第1当否抽選の判定結果に対応した図柄であり、所定の当り態様にて停止されたときに特別遊技としての大当りが発生する。第2特別図柄52は、第2始動口12への遊技球の入球を契機とする第2当否抽選の判定結果に対応した図柄であり、所定の当り態様にて停止されたときに特別遊技としての大当りが発生する。第1特別図柄表示部41および第2特別図柄表示部42は、例えば「8の字」を形成する7個のセグメントおよび「ドット」を表す1個のセグメントの8個のセグメントからなる8セグメントLEDの表示装置である。8セグメントLEDでは、8個のセグメントを組み合わせることにより8ビット分の数値を表現できる。セグメントの組合せで表される第1特別図柄51および第2特別図柄52は、必ずしも文字や数字の体をなしておらず、各セグメントの組合せで形成される一般に意味を持たない記号であってよい。これらの記号が高速で次々に入れ替わって第1特別図柄表示部41および第2特別図柄表示部42へ表示され、または、所定の表示(例えば「−」)と非表示(例えば全消灯)とが所定時間繰り返された後に判定結果に対応した図柄が表示されることにより、第1特別図柄51および第2特別図柄52の図柄変動表示が実現される。なお、第1特別図柄表示部41および第2特別図柄表示部42を8セグメントLEDではないLEDドットアレーを用いて、その点灯パターンや点灯色の組合せで複数種類の第1特別図柄51および第2特別図柄52を表現してもよい。
また、第1特別図柄51および第2特別図柄52は必ずしも演出的な役割をもつことを要しないため、本実施例では遊技領域81の左下方の第1特別図柄表示部41および第2特別図柄表示部42にて目立たない大きさで表示させる。ただし、特別図柄自体に演出的な役割をもたせることで装飾図柄を用いずに表現する手法を採用する場合には、特別図柄を8セグメントLEDではなく、例えば液晶ディスプレイ等の他の表示装置に表示させる構成としてもよい。
第1特別図柄表示部41の上方には第1の遊技に対応する特別図柄変動の保留ランプとして第1特図保留表示部71が設けられ、第2特別図柄表示部42の上方には第2の遊技に対応する特別図柄変動の保留ランプとして第2特図保留表示部72が設けられる。第1特図保留表示部71は2個のランプからなり、その点灯個数または点滅個数によって第1の遊技における当否抽選値の保留されている数(以下、当否抽選値の保留されている数を単に「保留数」ともいう)を表示する。第1特図保留表示部71における保留数は、第1特別図柄51の変動中または特別遊技の実行中に第1始動口11へ入賞したことに基づいて抽選値を取得した回数(個数)であり、図柄変動がまだ実行されていない入賞球の数を示す。第2特図保留表示部72も2個のランプからなり、その点灯個数または点滅個数によって第2の遊技における保留数を表示する。第2特図保留表示部72における保留数は、第2特別図柄52の変動中または特別遊技の実行中に第2始動口12へ入賞したことに基づいて抽選値を取得した回数(個数)であり、図柄変動がまだ実行されていない入賞球の数を示す。当否抽選値の保留数は、演出表示装置60の画面下部にも保留ランプ画像の点灯個数で表す形で表示される。
図柄等表示ユニット120における右側には、普通図柄表示部45が設けられる。普通図柄表示部45は、便宜上、二つのランプで構成されるとともに、それらの点灯組合せによって普通図柄の表示状態が表現される。まず、第1のランプと第2のランプを同時に点滅表示させることにより普通図柄の変動が表現され、最終的には第1のランプと第2のランプの点灯状態の組合せで普通図柄の停止図柄が表現される。例えば、第1のランプの点灯と第2のランプの消灯で外れの停止図柄が表現され、第1のランプの消灯と第2のランプの点灯で第1の当り態様が表現され、第1のランプと第2のランプの両方の点灯で第2の当り態様が表現される。
また、普通図柄表示部45の右側には普通図柄変動の保留ランプとして普図保留表示部75が設けられる。普図保留表示部75もまた2個のランプからなり、その点灯個数または点滅個数によって普通図柄変動の保留数を表示する。普通図柄変動の保留数は、普通図柄の変動中に第1作動口31または第2作動口32を通過した遊技球の個数であり、普通図柄の変動がまだ実行されていない普通図柄抽選の数を示す。
なお、図柄等表示ユニット120には遊技状態表示部76、異常報知部77が設けられている。遊技状態表示部76は、後述する特定遊技状態等の遊技状態に対応した表示をする表示部であり、例えば1つのランプと1つの7セグメントLEDで構成される。例えば、確率変動中の場合にランプを点灯表示、入球容易状態中の場合に点滅表示、通常状態の場合に消灯表示することにより各遊技状態を報知し、特別遊技の実行中は7セグメントLEDによりその特別遊技で実行する単位遊技数(ラウンド数)を表示する。異常報知部77は、遊技機の一部の異常を報知する表示部であり、例えば複数のランプで構成され、異常の種類に応じた点灯パターンにより異常を報知する。なお、これらの表示部を図柄等表示ユニット120に集約配置せず、各表示部を個別に構成してもよいし、または、適宜まとめた複数の表示装置に分けて構成してもよい。また、特定遊技状態等の遊技状態の報知は、例えば電源断から復帰した後の一定時間といった所定期間に限りなされるよう構成してもよい。
遊技領域81の略中央にはセンター飾り64により形成される画面枠から画面が露出するように演出表示装置60が設けられ、第1特別図柄51または第2特別図柄52に連動する装飾図柄61を含む演出画像の変動を表示する。以下、そうした表示を「図柄変動」または「変動表示」等という。
演出表示装置60は、第1特別図柄51または第2特別図柄52の変動表示と連動する形で装飾図柄61を変動表示する液晶ディスプレイで構成される表示装置である。装飾図柄61は、第1特別図柄51および第2特別図柄52で示される抽選の判定結果表示を視覚的に演出するための図柄である。演出表示装置60は、装飾図柄61として、例えばスロットマシンのゲームを模した複数列の図柄を変動させる動画像を画面の中央領域に表示する。本実施例においては、「0」〜「9」の数字で構成される図柄を3列に表示して変動させ、最終的に停止表示される3個の図柄組合せによって当りまたは外れを示す。装飾図柄61を構成する複数図柄のそれぞれは、色彩や模様の装飾が施された数字、文字、または記号で構成されるが、これら数字、文字、記号に対して全図柄に共通する絵柄または図柄ごとに異なる絵柄を加えて一体化させる形で構成されてもよい。この絵柄は、ぱちんこ遊技機100の当該機種に設定された装飾または演出のテーマに関連するモチーフが描かれた絵柄であり、例えば人物や動物のキャラクタが描かれた絵柄であってもよい。装飾図柄61は、絵柄が一体的に含まれる図柄が変動表示される場合と、絵柄が分離して数字、文字、記号の部分のみが変動表示される場合とが、演出の展開に沿って切り替えられる構成であってもよい。装飾図柄61の変動表示の背景には、ぱちんこ遊技機100の当該機種に設定された装飾または演出のテーマに関連する演出的効果を有する動画像が図柄変動と連動して表示される。
演出表示装置60は、高精細なドットマトリクス型表示装置である液晶ディスプレイで構成されるが、その表示領域の横幅は遊技領域の横幅の半分程度であってもよいし、半分を超える大型サイズであってもよい。大型サイズの場合、演出表示装置の右側の遊技球通路は遊技球1個が通過できる程度の通路幅にて形成され、遊技者はいわゆる「右打ち」として最大強度で打ち出せばほぼ確実に右側通路へ遊技球を通過させることができ、いわゆる「左打ち」との打ち分けができる。演出表示装置60は、単一の表示装置で構成される場合だけでなく、複数の表示装置の組合せで構成されてもよい。複数の場合、メイン液晶とサブ液晶の組合せといった大小異なる大きさのディスプレイを組み合わせてもよく、サブ液晶はメイン液晶に隣接する位置に配置されてもよいし、遊技盤以外の位置、例えば発射ハンドルの近傍(上球皿、右側装飾ランプなど)に設置されてもよい。発射ハンドルの近傍に設置される場合、遊技者が操作入力可能なタッチパネルの形で構成されてもよい。演出表示装置60は、液晶ディスプレイに限らず、有機ELディスプレイなどの表示装置で構成されてもよいし、ドラム回転式などの機械的表示手段やLEDマトリクス式などの表示手段で構成されてもよい。
演出ボタン109は、遊技者が演出内容に応じて遊技機へ所定の指示を入力するために押下する操作入力手段であり、その押下態様に応じて演出内容等に変化が加えられる。演出ボタン109は、前枠102に設けられる。演出ボタン109は、通常、前枠102内に格納されているが、演出ボタン109の裏側には棒状の部材が取り付けられており、棒状の部材と演出ボタン109とを盤面に略垂直な方向に突出させることができるように設けられる。棒状の部材と演出ボタン109は、外部に突出した状態において演出レバー112として機能し、遊技者は演出ボタン109を握持して演出レバー112を下方へ引くことができるようになっている。これによっても、遊技者が遊技機へ所定の指示を入力することができる。十字キー110は、遊技者が遊技機へ方向指示を入力する操作入力手段であり、上球皿105の左方の外壁面に設けられる。
以上のような構成の遊技機においてなされる遊技の方法および制御の流れを概説する。遊技者が発射ハンドル107を手で回動させると、その回動角度に応じた強度で上球皿105に貯留された遊技球が1球ずつレール82に案内されて遊技領域81へ発射される。遊技者が発射ハンドル107の回動位置を手で固定させると一定の時間間隔で遊技球の発射が繰り返される。遊技領域81の上部へ発射された遊技球は、複数の遊技釘や風車、センター飾り64等に当たりながらその当たり方に応じた方向へ落下する。遊技球が一般入賞口33、第1始動口11、第2始動口12、大入賞口20の各入賞口へ落入すると、その入賞口の種類に応じた賞球が上球皿105または下球皿106に払い出される。一般入賞口33等の各入賞口に落入した遊技球はセーフ球として処理され、アウト口34に落入した遊技球はアウト球として処理される。セーフ球の排出はアウト検出装置39による検出の対象外とする仕様としてもよいし、セーフ球もアウト検出装置39が設けられた領域に誘導してその排出をすべてアウト検出装置39により検出する仕様としてもよい。あるいは、セーフ球の誘導およびアウト検出装置39によるセーフ球の検出はせず、セーフ球の検出球数をアウト球の検出球数に加算した合計を排出球数とする仕様としてもよい。
また、第1作動口31または第2作動口32を遊技球が通過すると、普通図柄表示部45において普通図柄が変動表示され、表示に先だって決定された変動表示時間の経過後に停止表示される。普通図柄が第1の当り態様または第2の当り態様で停止表示された場合、停止表示された図柄の当り態様と停止表示された際の遊技状態に基づいて普通電動役物90を拡開する。すなわち、図柄停止時の遊技状態が通常遊技状態で、普通図柄が第1の当り態様で停止表示した場合には、普通電動役物90の開放として0.1秒間の短開放が実行される。また、特定遊技状態(例えば入球容易状態)時に普通図柄が第1の当り態様で停止表示した場合、通常時および特定遊技状態(例えば入球容易状態)時に普通図柄が第2の当り態様で停止表示した場合には、普通電動役物90の開放として6秒間の長開放が実行される。ここで、普通図柄の当選確率と長開放の実行確率は、遊技状態によって異なるように設定される。具体的には、通常状態における開放抽選では、1/100の確率で普通図柄が当りとなり、その場合の短開放の実行確率(第1の当り態様の当り図柄が選択される確率)は1/3、長開放の実行確率(第2の当り態様の当り図柄を選択する確率)は2/3に設定される。また、特定遊技状態(例えば入球容易状態)における開放抽選では、99/100の確率で普通図柄が当りとなり、第1の当り態様と第2の当り態様の選択確率は通常遊技状態と変わらないものの、いずれの態様で当選しても長開放が実行されるように設定される。このように入球容易状態では普通図柄の当り確率の変動機能(1/100から99/100に確率変動)と開放時間の延長機能(第1の当り態様で停止表示した場合の開放時間を0.1秒から6.0秒に延長)により、第2始動口12への入球容易性を高めている。なお、普通電動役物90の作動期間を延長させる機能(長開放)を「開放延長」と呼ぶこともある。
なお、上述のように通常状態では長開放となる確率の方が短開放の確率より高い仕様とすることで、普通図柄の当選時には通常状態でも一定の割合で長開放が実行されるようにする。変形例として、通常状態では逆に短開放となる確率の方が長開放の確率より高い仕様としてもよいし、両者の確率を同じにする仕様としてもよいし、必ず短開放となる仕様としてもよい。また、入球容易状態のときには、さらに普通図柄の変動時間の短縮機能を加えた3つの機能を用いて第2始動口12への入球容易性を高める構成としてもよい。その場合の普通図柄の変動時間は、例えば通常状態では10秒間であり、入球容易状態では2秒間である。なお、通常状態における開放抽選の当り確率をゼロ(0/100)に設定し、入球容易状態において開放抽選がなされた場合に限り普通電動役物90が拡開されうる仕様としてもよい。さらに、普通電動役物90が拡開するときはその旨を事前に報知してもよく、普通図柄変動の保留を先読みして普通図柄の変動開始前に報知してもよいし、普通図柄の変動中に報知してもよい。
第2始動口12の普通電動役物90を長開放させるときの開放態様の変形例としては、短開放時より長い2秒開放を3回繰り返すことにより総開放時間を6秒程度にまで長くする態様としてもよい。また、開放時間と開放回数の組合せを複数通り用意し、いずれかを選択する構成としてもよい。例えば2秒開放を3回の場合、6秒開放を1回の場合と比較して総開放時間は同じであるが、インターバル期間も含めると前者は後者より長い。そのため、特に第2始動口12を右打ちの方向に配置する変形例の構成では、開放に気がついた遊技者がその時点から打球方向を第2始動口12に合わせたとして前者の方が入球チャンスが長いともいえる。また、普通図柄の当り種類が複数存在するように構成し、その当り種類に応じて拡開機構の開放態様が異なるようにしてもよい。例えば、普通図柄が第1の当りとなった場合、通常状態では0.1秒開放を1回、入球容易状態では1秒開放を3回とし、第2の当りとなった場合、通常状態では6秒開放を1回、入球容易状態では2秒開放を2回としてもよい。
一方、第1始動口11または第2始動口12に入球すると、第1特別図柄表示部41、第2特別図柄表示部42および演出表示装置60において第1特別図柄51、第2特別図柄52、および装飾図柄61が変動表示される。第1特別図柄51、第2特別図柄52、および装飾図柄61の変動表示は、表示に先だって決定された変動表示時間の経過後に停止される。第1特別図柄51および第2特別図柄52は、その変動開始から停止までの変動態様が定められた変動パターンにしたがって変動表示される。装飾図柄61は、その変動開始から停止までの変動態様が定められた変動演出パターンにしたがって変動表示される。変動パターンおよび変動演出パターンはそれぞれ複数種ずつ用意され、それぞれが長短様々な変動時間をもつ。変動パターンにしたがって第1特別図柄51および第2特別図柄52が変動表示される間、同じ変動時間をもつ変動演出パターンにしたがって装飾図柄61が変動表示される。変動パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動表示時間が定められており、その変動表示時間の経過時に第1特別図柄51、第2特別図柄52、および装飾図柄61の変動が停止される。以下、変動演出パターンにしたがって表示される装飾図柄61の変動表示を例示するとともに、変動演出パターンについて簡単に説明する。なお、変動パターンおよび変動演出パターンの決定方法等の詳細は別途説明する。
装飾図柄61の変動表示の一例としては、まず変動開始とともにスロットマシンのリール回転のように3列とも図柄を変動させ、変動終了タイミングへ近づいたときに一列ずつ停止させることで最終的な停止態様としての図柄組合せを表示する。なお、装飾図柄190の変動停止時の動作として、1列ずつではなく複数列同時に停止させるよう制御して変動表示中に装飾図柄以外の演出表示を注目させてもよいし、より短い変動時間で図柄変動を表示できるようにしてもよい。また、装飾図柄190の変動開始時の動作として当該変動におけるその後の展開(演出パターンの種類等)に応じて一部の列の変動開始を遅延させるように制御して、期待感を演出するようにしてもよい。
次に、変動演出パターンについて簡単に説明する。変動演出パターンには、通常外れ演出パターン、リーチ外れ演出パターン、リーチ大当り演出パターンが含まれる。通常外れ演出パターンは、通常の外れの図柄組合せを表示するときの演出パターンである。リーチ外れ演出パターンは、あと一つ図柄が揃えば大当りとなる状態であるリーチ状態を経て外れの図柄組合せを表示するときの演出パターンである。リーチ大当り演出パターンは、リーチ状態を経て大当りの図柄組合せを表示するときの演出パターンである。特に、リーチ状態を経るときのパターンとしては、長短様々な変動時間をもつパターンが含まれ、相対的に変動時間の短いリーチパターンを「ノーマルリーチ」と称し、変動時間の長いリーチパターンを「スーパーリーチ」と称する。通常外れ演出パターン、リーチ外れ演出パターン、リーチ大当り演出パターンは、それぞれ通常状態にて表示する通常のパターンと、時短状態において表示する時短用パターンとがある。ただし、通常状態であっても、第2始動口12への入球に対応する第2図柄変動であった場合は、大当りが確変を伴う確率や特別遊技の単位遊技数が多くなる確率が第1始動口11への入球に対応する第1変動より高いチャンス状態といえるため、相対的に有利な大当りが発生するチャンスであることを表示するチャンス演出用のパターンを用いてもよい。なお、実施例では時短状態において時短用のパターンを用いるが、確変状態では時短を伴うため、確変状態においても時短用パターンが用いられる。ただし、変形例では確変状態において時短用とは異なる確変用のパターンを用いる仕様としてもよい。あるいは、時短用と確変用で共通のパターンを用いる仕様としてもよいし、時短用のパターンは特に用いずに確変状態において確変用のパターンを用いる仕様としてもよい。
なお、当否抽選の保留数が所定数(例えば3個)になると、遊技効率を高めるために外れの場合の図柄変動時間が通常より短縮される(以下、「短縮変動」ともいう)。同様に、当否抽選の保留数が4個になると、さらに遊技効率を高めるために外れの場合の図柄変動時間が上記3個の場合よりもさらに短縮される(以下、「超短縮変動」ともいう)。上述の図柄変動を経て、停止時の第1特別図柄51、第2特別図柄52、および装飾図柄61が大当りを示す停止態様となった場合、通常遊技よりも遊技者に有利な遊技状態である特別遊技に移行し、大入賞口20の開閉動作が開始される。大当りを示す装飾図柄61の停止態様は、例えば3つの図柄の種類が一致する組合せの態様である。
特別遊技には通常特別遊技と短縮特別遊技の2種類があり、それぞれ獲得賞球による利益に大きな差が生じる。通常特別遊技は、開始デモ時間と呼ばれる演出画面の表示によって開始される。開始デモ時間の画面表示後に大入賞口20が開放され、その開放が約30秒間続いた後、または9球以上の遊技球が落入した後で一旦閉鎖される。このような大入賞口20の開放から閉鎖までが、基本的には単位遊技と呼ばれるが、1回の単位遊技の間に複数回の短時間の開放を繰り返す場合があってもよい。大入賞口20の開閉ないし単位遊技が所定回数、例えば4回または10回繰り返された後、終了デモ時間と呼ばれる演出画面の表示によって通常特別遊技が終了される。通常特別遊技においては、1回の単位遊技あたり9球以上の入球が十分に期待でき、10回分の単位遊技によって十分な賞球(これを「出玉」ともいう)を獲得でき、大きな利益が得られる。10回の単位遊技が繰り返される特別遊技を適宜「10R大当り」とも称し、4回の単位遊技が繰り返される特別遊技を適宜「4R大当り」とも称する。なお、単位遊技は10回繰り返されるものの、一部の単位遊技で大入賞口20を通常よりも短い時間(例えば1.6秒)開放させることで実質的に少数回の単位遊技が繰り返されたものと同様の通常特別遊技(「実質nR大当り」と称する場合もある)を実現することもできる。
一方、短縮特別遊技は、開始デモ時間および終了デモ時間が短く、または、ほとんどなく(0.1秒など)、1回の単位遊技で大入賞口20を1.6秒間だけ開放させる。この単位遊技を2回繰り返して短縮特別遊技が終了される。短縮特別遊技では、ごく短時間の大入賞口20の開放を2回繰り返すだけであるため、大入賞口20にはほとんど入球し得ず、実質的に出玉がほぼゼロまたは少数(例えば数球〜数10球程度など、1ラウンドに1〜2球程度までの入球に応じた払出数)に等しい特別遊技である。2回の単位遊技が繰り返される特別遊技を適宜「2R大当り」とも称する。なお、単位遊技の回数は通常特別遊技と同じものの、全ての単位遊技で大入賞口20を通常よりも短い時間開放させることで短縮特別遊技を実現することもできる。
また、上述の図柄変動を経て、停止時の第1特別図柄51または第2特別図柄52および装飾図柄61が所定の小当り態様であった場合、1回の単位遊技で構成される小当り遊技に移行し、大入賞口20の開閉動作が実行される。小当り遊技を構成する1回の単位遊技においては、大入賞口20が約1.6秒間だけ開放され、外観上は2R大当りと近似する動作態様となる。
特別遊技が発生した場合であってそのときの当り停止図柄が特定の態様(例えば「777」)であった場合、特別遊技の終了後に特定遊技の一つである確変がさらに開始される。確変中は、通常の確率状態より当りの確率が高い当否抽選が行われ、比較的早期に新たな特別遊技が発生し得る。なお、当否抽選の判定結果が特定大当り、すなわち確変を伴う大当りであったことは外観上明示せず、装飾図柄や演出内容として明示的に報知しない潜伏確変状態としてもよい。その場合、確変中であっても確変であるか非確変であるかが演出表示装置60には明示されない。なお、所定条件が成立した場合に確変であるか非確変であるかを演出表示装置60に明示してもよい。
特別遊技が終了した後の通常遊技において特定遊技状態の一つである入球容易状態が開始される。入球容易状態では、開放抽選の当り確率を通常より高めるとともに、普通電動役物90の拡開時間を長開放とする開放延長を実行する。一定時間あたりの普通図柄の当り回数が増加し得る上、第2始動口12への入球容易性も増すため、第2始動口12への入球数が増加する可能性も高い。したがって、第2始動口12への入球による賞球を得られる機会が増加する結果、持ち玉をほとんど減らさないか、あるいは少しずつ持ち玉を増やしながら遊技し続けることが可能となる。
入球容易状態においては、特定遊技状態の一つとして、第1特別図柄51、第2特別図柄52、装飾図柄61の変動時間が通常状態よりも短縮される、いわゆる時短がさらに実行される。第1特別図柄51、第2特別図柄52、装飾図柄61の変動時間は、所定の変動回数、例えば100回の変動表示がなされた後で元の変動時間に戻されるが、その変動回数に達する前に大当りが発生すれば時短もいったん終了する。時短において第1特別図柄51、第2特別図柄52、装飾図柄61の変動時間が短縮されるため、通常の変動時間のまま図柄変動がなされる通常状態の場合と比べて、大当りが発生するまでの時間を短縮することができ、大当りの獲得容易性を相対的に高めることができる。変形例では、入球容易状態において特別図柄の時短を実施しない仕様としてもよい。
図2は、ぱちんこ遊技機の背面側における基本的な構造を示す。電源スイッチ150は、ぱちんこ遊技機100の電源をオンオフするスイッチである。メイン基板200は、ぱちんこ遊技機100の全体動作を制御し、とくに第1始動口11、第2始動口12へ入賞したときの抽選等、遊技動作全般を処理する。サブ基板300は、液晶ユニット151を備え、演出表示装置60における表示内容を制御し、特にメイン基板200による判定結果に応じて演出的な表示内容を変動させる。裏セット機構152は、賞球タンク153や賞球の流路、賞球を払い出す払出装置154等を含む。払出装置154は、各入賞口への入賞に応じて賞球タンク153から供給される遊技球を上球皿105へ払い出す。払出制御基板155は、払出装置154による払出動作を制御する。発射装置156は、上球皿105の貯留球を遊技領域81へ1球ずつ発射する。発射制御基板157は、発射装置156の発射動作を制御する。電源基板158は、ぱちんこ遊技機100の各部へ電力を供給する。メイン基板200の基板上には、性能表示部159が設けられる。性能表示部159は、セーフ球とアウト球の合計である発射球総数に対する総賞球数の比率を、例えば4桁の数字を表示する4つの7セグメントLEDで構成される。
メイン基板200の基板上には、設定変更装置170が設けられる。設定変更装置170は、複数の遊技仕様に対応する複数の設定(遊技設定ともいう)のいずれかに設定を変更するための装置である。遊技設定として例えば6段階の設定(設定1〜設定6)が用意され、遊技設定に応じて大当りとなる確率を異ならせることができる。具体的には、設定1から設定6のうち数値が大きいほど遊技者に有利な遊技仕様にでき、設定1から設定6までの大当り確率のそれぞれをM1〜M6とした場合、M1≦M2≦M3≦M4≦M5≦M6となるように各設定の大当り確率を定めることができる。異なる遊技設定に対して異なる大当り確率を割り当てることは必須ではなく、異なる遊技設定間で大当り確率が同一となるようにしてもよい。例えば、設定1から設定6までの全ての遊技設定に対して同一の大当り確率を割り当ててもよい。
設定変更装置170は、遊技店の従業員が持つ設定キーを挿入する設定キーシリンダ171と、複数の遊技設定のいずれかに設定を変更するための設定変更ボタン172と、設定された設定値を点灯表示する設定表示部173と、設定された設定値を記憶する設定メモリとを含む。設定キーシリンダ171は、設定を変更できる状態(以下「設定変更状態」という)や設定を確認できる状態(以下「設定確認状態」という)へ移行するためのターンキー型のスイッチである。まず、電源スイッチ150をオフにし、設定キーシリンダ171に設定キーを挿入して設定キーを回してオン状態にしてから、電源スイッチ150をオンにすると、設定変更状態または設定確認状態へ移行する。設定変更状態へ移行するためには、RAMクリアスイッチ(「RWMクリアスイッチ」と呼称する場合もある)を押下しながら電源スイッチ150をオンにする。一方、設定確認状態へ移行するには、RAMクリアスイッチを押下せずに電源スイッチ150をオンにする。
設定変更状態へ移行した場合、設定表示部173に遊技設定の初期値として設定1を示す「1」の数字が表示され、設定変更ボタン172を押下することで設定を変更できる。設定表示部173は、1桁の数字を表示する7セグメントLEDで構成される。設定変更ボタン172を1回押下するごとに設定表示部173に表示される設定値が1→2→3→4→5→6→1→・・・というように順番に変更される。設定を変更した後に設定キーシリンダ171に挿入した設定キーを元に戻してオフ状態にすると、そのときに設定表示部173に表示されている設定値が設定メモリに記憶されて設定変更が確定し、遊技可能な状態となる。一方、設定確認状態へ移行した場合、設定メモリに記憶された設定値が設定表示部173に表示される。設定確認状態では、設定変更ボタン172を押下しても設定表示部173に表示される設定値は切り替わらず、設定を変更することはできない。その後、設定キーシリンダ171に挿入した設定キーを元に戻してオフ状態にすると、遊技可能な状態となる。なお、設定キーをオフ状態にして遊技可能な状態にすると、設定表示部173が消灯し、現在の設定値を視認できない状態となる。
なお、設定変更ボタン172は、RAMクリアスイッチと兼用されてもよい。この場合、設定キーが回されていない状態(設定キーオフ状態)でRAMクリアスイッチが押されたまま電源投入があれば、RAMクリアが実行される。一方、設定キーが回された状態(設定キーオン状態)でRAMクリアスイッチが押されたまま電源投入があれば、RAMクリアの実行とともに設定変更状態へ移行する。また、設定キーオフ状態でRAMクリアスイッチが押されずに電源投入があれば、RAMクリアを伴わない電源復帰となる。一方、設定キーオン状態でRAMクリアスイッチが押されずに電源投入があれば、設定確認状態へ移行する。また、設定表示部173は、性能表示部159と兼用されてもよい。この場合、兼用表示部は、遊技可能状態の場合には性能表示部159として機能し、設定変更状態または設定確認状態の場合には設定表示部173として機能してもよい。その他、設定変更装置170を設けないこととし、遊技設定の変更が不可となるようにしてもよい。
<機能ブロック>
図3は、ぱちんこ遊技機100の機能ブロックを示す。以下、各構成を用いて実現される機能を説明するが、本明細書中では、物理構成と機能構成を整合させるため、例えばメイン基板200、払出制御基板155、発射制御基板157等、物理構成として既に説明している部分については便宜上その用語をそのまま使用する場合がある。
ぱちんこ遊技機100は、遊技機外部から供給される交流電源(AC24V等)に基づいて遊技機内で使用する電源を生成する電源基板158と、遊技の基本動作や遊技の進行を制御する主制御装置としてのメイン基板200と、賞球払出しを制御する枠制御装置としての払出制御基板155と、遊技領域への遊技球の発射を制御する発射制御基板157と、演出的な動作や処理を制御する副制御装置としてのサブ基板300とに機能を分担させた形態で構成される。
メイン基板200は、第1始動口11、第2始動口12、大入賞口20、第1作動口31、第2作動口32、一般入賞口群(第1一般入賞口33a,第2一般入賞口33b)、アウト口34、図柄等表示ユニット120、外部情報出力端子160と電気的に接続されており、各々との間で各種制御信号を送受信する。払出制御基板155は、メイン基板200、発射制御基板157、払出装置154と電気的に接続されている。払出制御基板155は、メイン基板200から送信される賞球払出やメイン基板200の制御状態を示す信号等に基づいて発射の許可信号を発射制御基板157に送信して発射制御基板157を間接的に制御するとともに、払出装置154による賞球の払出を制御する。払出装置154は、払出モータ166と球計数センサ167を含む。発射制御基板157は、払出制御基板155、発射装置156、球送装置164と電気的に接続されており、払出制御基板155から送信される発射の許可信号等に基づいて球送装置164および発射装置156を制御して遊技球を発射させる。サブ基板300は、演出表示装置60、可動役物66(駆動モータ67、位置検出センサ68)、スピーカー108、演出用入力操作装置115(演出ボタン109、十字キー110)、装飾ランプ111と電気的に接続されており、各々との間で各種制御信号を送受信する。
メイン基板200とサブ基板300の間におけるデータの送受信はメイン基板200からサブ基板300への一方向となるよう一方向でのデータ送受信にて全体動作を実現するための各構成がメイン基板200とサブ基板300に配置される。メイン基板200からサブ基板300へのデータ送信の一方向性が保たれるため、サブ基板300に含まれる構成からメイン基板200に含まれる構成へはデータを送信することができず、データ送信の要求もできない。したがって、サブ基板300は、メイン基板200で生成された情報が送信されない限りその情報を参照することはできない。また、メイン基板200と払出制御基板155の間、払出制御基板155と発射制御基板157の間は、双方向でデータ送受信がなされる。ただし、メイン基板200とサブ基板300の間と同様、メイン基板200から払出制御基板155への一方向でのデータ送受信とする構成や、払出制御基板155から発射制御基板157への一方向でのデータ送受信とする構成にしてもよい。
なお、以下に説明するメイン基板200、払出制御基板155、発射制御基板157、サブ基板300に含まれる各機能ブロックはあくまで例示にすぎず、変形例として、一部の機能ブロックが他の基板に搭載されてもよい。例えばメイン基板200に含まれる機能ブロックがサブ基板300に搭載される形で構成してもよいし、発射制御基板157に含まれる機能ブロックが払出制御基板155に搭載される形で構成してもよい。また、例えばメイン基板200に含まれる機能ブロックの一部がメイン基板200に搭載される形で構成してもよいし、残りの部分が払出制御基板155に搭載される等、機能ブロックの一部を複数の基板に分割して設け、全体として1つの機能ブロックが構成されるようにしてもよい。
<メイン基板200>
図4は、メイン基板200の機能構成を示すブロック図である。メイン基板200は、入球判定手段201、性能表示部159、乱数生成手段202、第1抽選手段211、第2抽選手段212、事前判定手段235、普図抽選手段213、保留制御手段240、メイン表示制御手段250、特別遊技制御手段260、小当り遊技制御手段265、特定遊技制御手段270、開閉制御手段275、特図調整手段276、メイン初期処理実行手段280、メイン電断処理実行手段282、メインエラー検出手段284、設定変更手段286、設定確認手段287、コマンド通信手段205を備える。
<入球判定手段201>
入球判定手段201は、各入賞口への遊技球の入球を判定する。入球判定手段201は、第1始動入賞情報を受け取ると遊技球が第1始動口11に入賞したと判断し、第2始動入賞情報を受け取ると遊技球が第2始動口12に入賞したと判断する。入球判定手段201は、大入賞口入賞情報を受け取ると遊技球が大入賞口20に入賞したと判断し、一般入賞情報を受け取ると遊技球が一般入賞口33に入賞したと判断する。入球判定手段201は、通過情報を受け取ると遊技球が第1作動口31または第2作動口32を通過したと判断する。入球判定手段201は、排出情報を受け取ると遊技球がアウト口34を通過したと判断する。入球判定手段201は、セーフ球とアウト球の合計である発射球総数に対する総賞球数の比率を算出して性能表示部159に表示させる。入球判定手段201は、大当りとなる確率が通常確率状態かつ通常入球状態(いわゆる低確率かつ低入球である低低状態)のときの「払出球数」÷「アウト球数」×100の値を性能表示部159に表示させる。したがって、性能表示部159は、低ベース状態でのベースを表示する。
<乱数生成手段202>
乱数生成手段202は、第1抽選手段211、第2抽選手段212、普図抽選手段213での各種決定に用いるための乱数を生成する。具体的には、乱数生成手段202は、第1当否判定手段221、第2当否判定手段222による当否抽選で使用する乱数(「当否抽選値」ともいう)として「0」から「65535」までの範囲の乱数を所定手段により生成する。また、乱数生成手段202は、第1図柄決定手段226、第2図柄決定手段227による図柄決定(図柄抽選)で使用する乱数(「図柄決定抽選値」ともいう)として「0」から「255」までの範囲の乱数を所定手段により生成する。また、乱数生成手段202は、第1変動パターン決定手段231、第2変動パターン決定手段232による変動パターンの決定で使用する乱数(「変動パターン決定抽選値」ともいう)として「0」から「255」までの範囲の乱数を所定手段により生成する。また、乱数生成手段202は、普図抽選手段213による当否抽選で使用する乱数として「0」から「99」までの範囲の乱数を所定手段により生成する。また、乱数生成手段202は、普通図柄の決定の際に使用する乱数として「0」〜「2」までの範囲の乱数を所定手段により生成する。なお、ここでいう「乱数」は、乱数生成回路で生成する物理乱数や数学的な意味での真正乱数のほか、16ビットカウンタを利用した乱数や乱数生成アルゴリズムを利用したソフトウェア乱数などの疑似乱数でもよい。またはハードウェア乱数とソフトウェア乱数を組み合わせて生成する乱数でもよい。また、第1抽選手段211および第2抽選手段212で取得する乱数は、同じ生成手段により生成された乱数を取得してもよいし、別の生成手段により生成された乱数を取得してもよい。
<普図抽選手段213>
普図抽選手段213は、第1作動口31または第2作動口32を遊技球が通過したときに、普通図柄の当否抽選に用いる乱数と普通図柄の停止図柄決定に用いる乱数とを乱数生成手段202から取得して抽選を実行する。普図抽選手段213は、普通図柄の当否判定のために参照する普通図柄当否判定テーブル(不図示)と、普通図柄表示部45に表示させる普通図柄の停止図柄決定のために参照する普通図柄判定テーブルとを保持する。普通図柄当否判定テーブルには当否抽選用の抽選値と当りとの対応関係が、普通図柄判定テーブルには停止図柄決定用の抽選値と普通図柄との対応関係がそれぞれ定められており、前述した当り確率と図柄の選択確率に基づいて普通図柄の当否および停止図柄が決定される。普図抽選手段213は、普通図柄の当否抽選用の抽選値が当りに該当する場合、普通図柄判定テーブルを参照して普通図柄の停止図柄を決定し、普通図柄の当否抽選用の抽選値が外れに該当する場合はつねに1の外れ図柄の態様を決定する。普通図柄の当否判定の結果が当りに該当し、普通図柄が所定の図柄(第1の当り態様または第2の当り態様)で停止すると、後述する開閉制御手段275が停止図柄の態様と遊技状態に応じて第2始動口12の普通電動役物90を拡開する。拡開時間は、短開放時が0.1秒で、長開放時で6秒である。普通図柄の抽選値は、後述する保留制御手段240により一時的に保留される。ただし、保留制御手段240により保留される所定の保留上限数を超えない場合にだけ抽選値が保留される。
<第1抽選手段211および第2抽選手段212>
第1抽選手段211は、第1の遊技に係る第1の抽選を実行する機能として、第1抽選値取得手段216、第1当否判定手段221、第1図柄決定手段226、第1変動パターン決定手段231を含み、第1始動口11への入球に対応する当否抽選として第1当否抽選を実行する。第1抽選手段211による各種の抽選結果に基づき、メイン表示制御手段250により第1特別図柄表示部41において第1特別図柄51の変動表示がなされる。また、コマンド通信手段205から送信される情報に基づき、演出表示装置60の表示領域において装飾図柄61の変動表示がなされる。第2抽選手段212は、第2抽選値取得手段217、第2当否判定手段222、第2図柄決定手段227、第2変動パターン決定手段232を含み、第2始動口12への入球に対応する当否抽選として第2当否抽選を実行する。第2抽選手段212による各種の抽選結果に基づき、メイン表示制御手段250により第2特別図柄表示部42において第2特別図柄52の変動表示がなされる。また、コマンド通信手段205から送信される情報に基づき、演出表示装置60の表示領域において装飾図柄61の変動表示がなされる。
<第1抽選値取得手段216および第2抽選値取得手段217>
第1抽選値取得手段216は、第1始動口11への入球を契機に、第1抽選手段211による各種の抽選や決定のための乱数を乱数生成手段202から取得する。具体的には、第1当否判定手段221による当否判定用の第1当否抽選値、第1図柄決定手段226による第1特別図柄51の停止態様決定用の第1図柄抽選値、第1変動パターン決定手段231による第1特別図柄51の変動パターン(変動時間)決定用の第1パターン抽選値をそれぞれ対応する乱数生成手段から取得する。第2抽選値取得手段217は、第2始動口12への入球を契機に、第2抽選手段212による各種の抽選や決定のための乱数を乱数生成手段202から取得する。具体的には、第2当否判定手段222による当否判定用の第2当否抽選値、第2図柄決定手段227による第2特別図柄52の停止態様決定用の第2図柄抽選値、第2変動パターン決定手段232による第2特別図柄52の変動パターン(変動時間)決定用の第2パターン抽選値をそれぞれ対応する乱数生成手段から取得する。
第1当否判定手段221は、第1当否抽選値に基づき、特別遊技へ移行するか否かを判定する当否判定を実行する。第2当否判定手段222は、第2当否抽選値に基づき、特別遊技へ移行するか否かを判定する当否判定を実行する。当否判定では、より具体的には、特別遊技へ移行することを示す「大当り」、小当り遊技へ移行することを示す「小当り」、特別遊技および小当り遊技には移行しないことを示す「外れ」、のいずれに該当するかが判定される。第1当否判定手段221および第2当否判定手段222は、当否判定で参照する当否判定テーブルを保持する。なお、図柄変動を開始するにあたって実行する当否判定を、後述する事前当否判定と区別するために、適宜「本判定としての当否判定」とも呼ぶ。なお、本明細書において「テーブル」や「選択基準」というときは、厳密に抽選値などの第1のパラメータと、選択肢を示す値などの第2のパラメータとの対応関係をテーブル構造で定めたデータを指すだけでなく、そのような対応関係として第1のパラメータから第2のパラメータを導出するプログラム構造で実現する場合も広く含むものとする。それらを含めて実質的に「テーブル」と同義の概念として適宜「選択基準」と称する。また、テーブル構造を用いる場合、実質的に1種類となる選択基準を構造的に細分化された複数のテーブルの組合せで構成してもよいが、「複数種の選択基準」というときはその細分化されたテーブルの数ではなくテーブルの実質的な種類の数を示す。
第1当否判定手段221および第2当否判定手段222は、当否判定で参照する当否判定テーブルとして、それぞれの当否判定に対応するテーブルを保持する。具体的には、第1当否判定手段221による当否判定用の当否判定テーブル(「第1当否判定テーブル」ともいう)と、第2当否判定手段222による当否判定用の当否判定テーブル(「第2当否判定テーブル」ともいう)を保持し、実行する当否判定に応じて参照するテーブルを選択する。複数の当否判定テーブルには、大当り、小当り、外れの判定結果と当否抽選値とが対応付けられており、対応付けられた大当りの範囲設定に応じて当否確率が定まる。また、複数の遊技設定に対応する複数種類の当否判定テーブルが用意され、例えば設定1から設定6までの遊技設定のそれぞれに対し、当否抽選値と当否判定結果との対応関係が異なる当否判定テーブルが用意される。なお、複数の遊技設定間で大当り、小当り、外れの確率が同一である場合には、複数の遊技設定で共通となる当否判定テーブルが用意されてもよい。
図5は、当否判定テーブルを模式的に示す図である。本図は、特定の遊技設定に対応する当否判定テーブルを示し、設定6に対応する当否判定テーブルを示す。本図の当否判定テーブルには、大当り、小当り、外れの判定結果と当否抽選値とが対応付けられており、対応付けられたそれぞれの範囲設定に応じて大当り当否確率や小当りの当否確率が定まる。第1当否判定手段221および第2当否判定手段222は、本判定として当否判定において本図の当否判定テーブルを参照する。第1当否判定手段221による第1当否抽選と第2当否判定手段222による第2当否抽選のいずれにおいても、通常時には当否抽選値が0〜299の範囲に該当したときのみ大当りとなる。確変時には大当りの範囲が拡大され、当否抽選値が0〜299の範囲に該当する場合だけでなく、300〜2999の範囲に該当する場合にも大当りとなる。このように、大当りに該当する範囲は遊技状態に応じて変化する。なお、本図では単一の当否判定テーブルによって通常時と確変時の双方の大当り範囲を示したが、当否判定テーブルは通常時用と確変時用とで別個に用意してもよいし、第1当否抽選用と第2当否抽選用とで別個に用意してもよい。
本実施例においては、当否抽選値が大当り範囲に該当しない場合であっても、所定の範囲に該当した場合には小当りとなる。本図の例では、第1当否判定手段221が取得する当否抽選値が56500〜65535の範囲に該当した場合に小当りとなり、第2当否判定手段222が取得する当否抽選値が64000〜65535の範囲に該当した場合に小当りとなる。すなわち、第2当否抽選よりも第1当否抽選の方が小当りに該当する範囲が広く、小当りが発生しやすい。このように、大当りに該当しなかった場合、本来はすべて「外れ」であるが、本図の例では大当りに該当しなかった場合のうち小当りにも該当しなかった場合の当否抽選値範囲を特に「外れ」と表現している。すなわち、「当否」を「大当りか否か」の観点で捉える場合は、「小当り」は「大当りではない」という意味で広義の「外れ」に含めて考えてもよい。また、「当否」を「当りか否か」の観点で捉える場合には、「小当り」は「大当り」とともに広義の「当り」に含めて考えてもよい。なお、本図では大当りか否かの判定テーブルと小当りか否かの判定テーブルとを単一の当否判定テーブルの形で実現する例を示したが、それぞれを別個のテーブルとして実現してもよい。また、「小当り」については、第1の遊技と第2の遊技の一方のみに設けることとしてもよいし、いずれの遊技にも設けないこととしてもよい。その場合、対応する当否判定テーブルに小当りに対応する値が設定されない。
図6は、設定値ごとの当否抽選値の範囲設定を模式的に示す。本図(a)は、第1当否判定手段221が取得する第1当否抽選値と当否判定結果の対応関係を示す。本図(b)は、第2当否判定手段222が取得する第2当否抽選値と当否判定結果の対応関係を示す。通常時および確変時に大当りとなる第1当否抽選値および第2当否抽選値の範囲は、設定値「1」であれば0〜294、設定値「2」であれば0〜295、設定値「3」であれば0〜296、設定値「4」であれば0〜297、設定値「5」であれば0〜298、設定値「6」であれば、0〜299である。したがって、設定値が大きくなるほど通常時に大当りとなる当否抽選値の範囲が増え、通常時に大当りとなる確率が高められる。また、確変時にのみ大当り(つまり、通常時は外れ)となる第1当否抽選値および第2当否抽選値の範囲は、設定値「1」であれば295〜2949、設定値「2」であれば296〜2959、設定値「3」であれば297〜2969、設定値「4」であれば298〜2979、設定値「5」であれば299〜2989、設定値「6」であれば、300〜2999である。したがって、設定値が大きくなるほど確変時に大当りとなる当否抽選値の範囲も増え、確変時に大当りとなる確率も高められる。なお、通常時に大当りとなる通常時大当り確率と、確変時に大当りとなる確変時大当り確率との比は、設定値に拘わらず一定となるように当否抽選値の範囲が定められる。本図では、通常時大当り確率に対して確変時大当り確率が10倍となるように当否抽選値の範囲が定められており、全ての設定値「1」〜「6」において共通となっている。また、小当りとなる確率も設定値に拘わらず一定となるように当否抽選値の範囲が定められる。全ての設定値「1」〜「6」において、第1当否抽選値の範囲が56500〜65535に該当した場合に小当りとなり、第2当否抽選値の範囲が64000〜65535に該当した場合に小当りとなる。大当りまたは小当りとなる範囲外の当否抽選値の範囲は「外れ」となる。本図では、設定値ごとに大当り確率を異ならせているが、異なる設定値間で大当り確率が同一となるように当否抽選値と当否判定結果の対応関係を定めてもよい。
<第1図柄決定手段226および第2図柄決定手段227>
図4に戻り、第1図柄決定手段226および第2図柄決定手段227は、乱数生成手段202から取得する図柄抽選値と当否判定の結果に基づいて、図柄の変動開始にあたってその停止図柄を決定する。第1図柄決定手段226および第2図柄決定手段227は、特別図柄の停止図柄を決定するために参照する複数の図柄判定テーブルを保持する。具体的には、第1図柄決定手段226は第1当否判定手段221による当否判定の結果に応じた複数の図柄判定テーブルを保持し、第2図柄決定手段227は第2当否判定手段222による当否判定の結果に応じた複数の図柄判定テーブルを保持する。第1当否判定手段221は、大当り時に参照する大当り時第1図柄判定テーブル、小当り時に参照する小当り時第1図柄判定テーブル、外れ時に参照する外れ時第1図柄判定テーブルを保持する。第2当否判定手段222は、大当り時に参照する大当り時第2図柄判定テーブル、小当り時に参照する小当り時第2図柄判定テーブル、外れ時に参照する外れ時第2図柄判定テーブルを保持する。第1図柄決定手段226および第2図柄決定手段227は、当否判定の結果に応じて参照する図柄判定テーブルを選択する。なお、図柄変動を開始するにあたって実行する図柄判定を、後述する事前図柄判定と区別するために、適宜「本判定としての図柄判定」とも呼ぶ。
図7は、図柄判定テーブルを模式的に示す図である。図7(a)は当否判定結果が大当りであった場合に参照するテーブルであり、図7(b)は当否判定結果が外れであった場合に参照するテーブルであり、図7(c)は当否判定結果が小当りであった場合に参照するテーブルである。第1図柄決定手段226および第2図柄決定手段227は、本判定として図柄判定において本図の図柄判定テーブルを参照する。各図柄判定テーブルには、特別図柄の種類を示す「0」〜「10」の番号と第1図柄抽選値または第2図柄抽選値との対応関係が定められている。特別図柄の種類はそれぞれ大当り、小当り、外れの当否判定結果と対応付けられており、「0」〜「4」が大当りに対応し、「5」〜「9」が小当りに対応し、「10」が外れに対応する。各種類には複数の特別図柄、すなわちセグメントの組合せで形成される一般に意味を持たない記号が複数割り当てられている。
図7(a)に示す通り、特別図柄の種類「0」〜「4」が大当りおよび大当り後の確率変動の有無に対応付けられている。具体的には、種類「0」は特定大当りとして確変を伴う10R大当りを示し、第1図柄抽選値の場合は「0〜99」に対応付けられ、第2図柄抽選値の場合は「0〜144」に対応付けられる。種類「1」は特定大当りとして確変を伴う4R大当り(または「実質4R当り」)を示し、第1図柄抽選値の場合は「100〜149」に対応付けられ、第2図柄抽選値の場合は「145〜149」に対応付けられる。種類「2」は確変を伴う2R大当りを示し、第1図柄抽選値および第2図柄抽選値がともに「150〜189」に種類「2」が対応付けられる。種類「3」は通常大当りとして確変を伴わない10R大当りを示し、第1図柄抽選値および第2図柄抽選値がともに「150〜189」に種類「3」が対応付けられる。種類「4」は通常大当りとして確変を伴わない4R大当りを示し、第1図柄抽選値および第2図柄抽選値がともに「230〜255」に種類「4」が対応付けられる。このように図柄抽選値の範囲の大きさによって大当り種類(すなわち、大当りの内容とその後の確率変動の有無)ごとの選択確率が定まる。
なお、特別図柄の種類をより多く設けることも可能であり、その場合には複数の特別図柄の種類に対応して1の大当り種類が定まるように構成することで、図柄種類を増やしつつ大当りの種類を少なく設定することができる。あるいは、増加した図柄種類に対応させてより多くの大当りの種類に細分化することも可能である。さらに、第1の抽選時と第2の抽選時とで異なる図柄種類を設けることも可能である。この場合には、第1の抽選時に選択される特別図柄の種類、第2の抽選時に選択される特別図柄の種類のそれぞれに対応するように1の大当り種類が定まるように構成される。ただし、第1の抽選と第2の抽選とで確率変動の割合が同一となるように設定することが望ましい。
図7(b)に示す通り、種類「10」は当否判定結果が外れの場合における全範囲の図柄抽選値に対応付けられている。したがって、外れの場合には必ず同じ特別図柄が停止表示することが決定される。なお、外れの場合に停止表示する特別図柄を複数設けることも可能である。
図7(c)に示す通り、特別図柄の種類「5」〜「9」が小当りに対応付けられている。種類「5」は図柄抽選値の範囲「0〜49」に対応付けられ、種類「6」は図柄抽選値の範囲「50〜99」に対応付けられる。種類「7」は図柄抽選値の範囲「100〜149」に対応付けられ、種類「8」は図柄抽選値の範囲「150〜199」に対応付けられ、種類「9」は図柄抽選値の範囲「200〜255」に対応付けられる。
なお、本実施例においては、メイン基板200における記憶領域を節約するために、事前図柄判定においても図7のテーブルが事前図柄判定テーブルとして参照される。第1図柄決定手段226および第2図柄決定手段227は、事前図柄判定の結果として特別図柄の種類を示す「0」〜「10」の値を第1当否抽選または第2当否抽選であることを示す値や保留の個数とともに演出決定手段303へ送信する。なお、事前図柄判定テーブルとして、さらに細分化し複雑な判定を実施可能としたもの、または同様の特別遊技を実行する大当り図柄の判定範囲をまとめて簡易的にしたものを利用するようにしてもよい。また、本実施例のように外れの際に一律に図柄が定まる場合は、取得した図柄抽選値を参照することなく、また、外れ時用の図柄判定テーブルを用意することなく、特定の図柄を決定してもよい。
<第1変動パターン決定手段231および第2変動パターン決定手段232>
図4に戻り、第1変動パターン決定手段231は、第1特別図柄表示部41および演出表示装置60に表示させる図柄変動の表示過程が定められた変動パターンを、乱数生成手段202から取得する第1パターン抽選値に基づいて複数の変動パターンの中から決定する。第2変動パターン決定手段232は、第2特別図柄表示部42および演出表示装置60に表示させる図柄変動の表示過程が定められた変動パターンを、乱数生成手段202から取得する第2パターン抽選値に基づいて複数の変動パターンの中から決定する。第1変動パターン決定手段231および第2変動パターン決定手段232は、それぞれ図柄変動を開始する際に変動パターンテーブルを参照してその図柄変動の変動パターンを決定する。また、第1変動パターン決定手段231および第2変動パターン決定手段232は、パターン抽選値がいずれの変動パターン範囲に該当するかの事前パターン判定を実行する。第1変動パターン決定手段231および第2変動パターン決定手段232、メイン基板200の制御手段は、変動開始条件を満たした際に変動パターンを決定するために参照する変動パターンテーブルと、始動口への入球時に先読み処理の実行判定のための情報生成に使用する事前パターン判定テーブルをそれぞれ保持または共有する。変動パターンには、特別図柄を変動表示させるときの変動開始から停止までの変動時間が定められており、その種類によって長短様々な変動時間をもつ。すなわち、図柄変動の表示過程が定められた各変動パターンには、実質的には、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動表示時間が定められており、その変動表示時間の経過時に特別図柄の変動が停止される。なお、図柄変動を開始するにあたって実行する変動パターン判定を、特に事前パターン判定と区別するために、適宜「本判定としての変動パターン判定」とも呼ぶ。また、後述する装飾図柄の変動演出パターンの選択に資するため、同一の変動時間でありながら異なる種類の変動パターンとして定義する場合もある。
図8は、変動パターンテーブルを模式的に示す図である。第1変動パターン決定手段231および第2変動パターン決定手段232は、通常状態においては本図(a)のテーブルを参照し、時短状態においては本図(b)のテーブルを参照する。
図8(a)の通り、通常状態において当否判定結果が外れとなった場合、パターン抽選値が0〜4であればパターン範囲番号「0」のスーパーリーチである「スーパー1」を選択し、パターン抽選値が5〜9であればパターン範囲番号「1」のスーパーリーチである「スーパー2」を選択する。パターン抽選値が10〜19であればパターン範囲番号「2」のノーマルリーチである「ノーマル1」を選択し、パターン抽選値が20〜29であればパターン範囲番号「3」のノーマルリーチである「ノーマル2」を選択する。パターン抽選値が30〜255であればパターン範囲番号「4」の「リーチなし外れ」を選択する。「リーチなし外れ」としては、保留数に応じて異なる変動パターンが選択され、保留数が0〜2のときは10秒の変動パターン、保留数が3のときは7秒の変動パターン、保留数が4のときは4秒の変動パターンがそれぞれ選択される。
本図では、変動時間別に主に5種類に分類した例を説明するが、サブ基板300においてそれらの変動パターンごとに複数の変動演出パターンが用意されており、全体で数十種類の変動演出パターンがそれぞれの分類の抽選値範囲に対応付けられていることに等しい。
「ノーマル1」「ノーマル2」「リーチなし外れ」に割り当てられたパターン抽選値の範囲もまた保留数に応じて異なる。保留数が0,1のときは本図(a)に示す通りであるが、保留数が増えるほど「ノーマル1」「ノーマル2」の抽選値範囲が狭くなり、「リーチなし外れ」の抽選値範囲が広くなる。保留数が少ないほど変動時間が相対的に長い変動パターンの抽選値範囲が広くされており、変動時間の長い変動パターンが選択される確率が高まる。そのため、保留数が少ないほど平均的な変動時間が長くなり、保留数が多いほど平均的な変動時間が短くなる。保留数ごとにパターン抽選値範囲と変動パターンの対応関係が異なる変動パターンテーブルを用いることにより、保留数が少なくなったときに変動時間の長い変動パターンが選択されやすくなる制御を実現できる。
通常状態において当否判定結果が4R大当りまたは10R大当りとなった場合、パターン抽選値が0〜123であればパターン範囲番号「5」のスーパーリーチである「スーパー1」を選択し、パターン抽選値が124〜248であればパターン範囲番号「6」のスーパーリーチである「スーパー2」を選択する。パターン抽選値が249〜252であればパターン範囲番号「7」のノーマルリーチである「ノーマル1」を選択し、パターン抽選値が253〜255であればパターン範囲番号「8」のノーマルリーチである「ノーマル2」を選択する。
通常状態において当否判定結果が2R大当りまたは小当りとなった場合、パターン抽選値が0〜122であればパターン範囲番号「9」のスーパーリーチである「スーパー3」を選択し、パターン抽選値が123〜255であればパターン範囲番号「10」のノーマルリーチである「ノーマル3」を選択する。
第1変動パターン決定手段231および第2変動パターン決定手段232は、いわゆる先読み結果として事前判定結果を演出決定手段303へ送信する場合は、パターン範囲番号の値(0〜10)を、第1当否抽選と第2当否抽選のいずれであるかを示す値や保留の個数とともに送信する。なお、図8に示す実施例では、事前パターン判定にて当否判定結果別にテーブルを有するように例示しているが、当否抽選結果にかかわらず1の事前パターン判定テーブルを用いて、乱数値がおよそどの範囲に位置するかに関する情報のみを導き出すようにするとともに、サブ基板300の制御手段側で、事前当否判定結果とともに、いかなる変動が実行されるかを判断するように制御してもよい。
時短状態において参照する図8(b)の変動パターンテーブルは、すべて時短用の変動パターンにパターン抽選値が割り当てられている。ただし、パターン抽選値の範囲と変動時間の対応関係は、外れで選択される「リーチなし外れ短縮」以外はすべて図8(a)と同様である。「リーチなし外れ短縮」は、図8(a)における「リーチなし外れ」と同じ抽選値範囲とパターン範囲番号に対応付けられる、相対的に短い変動時間の変動パターンである。「リーチなし外れ短縮」もまた、保留数に応じて異なる変動パターンが選択され、保留数が0,1のときは10秒の変動パターン、保留数が2〜4のときは1秒の変動パターンがそれぞれ選択される。なお、第1変動パターン決定手段231と第2変動パターン決定手段232で異なる変動パターンテーブルを参照する仕様としてもよいし、遊技状態に応じて異なる変動パターンテーブルを参照する仕様としてもよい。例えば、第2の抽選を第1の抽選より有利な設定とし、第2の抽選を第1の抽選に優先して処理するような遊技機では、時短に伴う入球容易状態にもかかわらず第2の抽選の保留が枯渇して第1の抽選が連続実行されてしまう状況は遊技者にとって好ましくない。そのため、入球容易状態における第1の抽選における外れ変動では、変動時間を短縮しない長時間(例えば10秒)の変動パターンが保留数に拘らず一律に選択されるような変動パターンテーブルを参照することとしてもよい。
<保留制御手段240>
図4に戻り、保留制御手段240は、特図保留手段241、普図保留手段242を含む。特図保留手段241は、新たに第1当否抽選値または第2当否抽選値が取得されるときに、それ以前に取得されていた第1当否抽選値または第2当否抽選値に対応する図柄変動が表示されている場合、新たに取得された第1当否抽選値または第2当否抽選値に対応する図柄変動の開始を保留し、その当否抽選値を対応する図柄の変動表示開始まで記憶する。ここで、第1特別図柄について、それぞれ4個を上限に、第1当否抽選値、第1図柄抽選値、第1パターン抽選値を記憶し、第2特別図柄について、それぞれ4個を上限に、第2当否抽選値、第2図柄抽選値、第2パターン抽選値を記憶する。普図保留手段242は、普図抽選手段213により取得された普図抽選値を保留球として記憶する。これらの保留数がそれぞれ第1特図保留表示部71、第2特図保留表示部72、普図保留表示部75の点灯数または点滅数により表される。特図保留手段241による保留の数は演出表示装置60にも表示される。
特図保留手段241に保留された第2当否抽選の抽選値は第1当否抽選の抽選値より優先的に消化されて図柄変動が表示される。そのため、第1当否抽選として大当りの抽選値が保留されていても第2当否抽選として抽選値の保留がある限りは第1当否抽選の大当り抽選値に対応する図柄変動は表示されない。したがって、第1当否抽選として大当りの保留があっても、さらに第2当否抽選として大当りの保留が入るまで打ち続けることで、複数回の連続的な大当りを獲得できる可能性がある。
<メイン表示制御手段250>
メイン表示制御手段250は、第1特図制御手段251、第2特図制御手段252、普図制御手段254を含む。第1特図制御手段251は、第1抽選手段211による第1当否抽選の判定結果に対応して決定された変動パターンにしたがい第1特別図柄51の変動を第1特別図柄表示部41に表示させる。第1特図制御手段251は、それ以前になされた第1当否抽選または第2当否抽選に対応する図柄の変動表示が終了していることを新たな図柄変動の開始条件とする。第2特図制御手段252は、第2抽選手段212による第2当否抽選の判定結果に対応して決定された変動パターンにしたがい第2特別図柄52の変動を第2特別図柄表示部42に表示させる。第2特図制御手段252もまた、それ以前になされた第1当否抽選または第2当否抽選に対応する図柄の変動表示が終了していることを新たな図柄変動の開始条件とする。
第1特図制御手段251は、特図保留手段241により第2当否抽選の当否抽選値が記憶されている場合は第1当否抽選に対応する図柄変動表示の開始を留保する。一方、第2特図制御手段252は、特図保留手段241により第1当否抽選の当否抽選値が記憶されているか否かにかかわらず第2当否抽選に対応する図柄変動表示を開始する。これにより、第1当否抽選と第2当否抽選の双方に抽選値が保留されていた場合、第2当否抽選で保留された抽選値が優先的に読み出されて図柄変動が表示される。そのような場合、第2当否抽選の保留数が0になるまでは第1当否抽選で保留された抽選値は読み出されずその図柄変動も開始しない。
第1特図制御手段251および第2特図制御手段252は、第1特別図柄51および第2特別図柄52の変動表示を開始するタイミングと停止するタイミングにて、後述するコマンド通信手段205により変動開始コマンドと変動停止コマンドを演出決定手段303(サブメイン)へ送信する。変動開始コマンドを送信するとき、本判定として判定ないし決定された当否判定結果、停止図柄、変動パターンのそれぞれを示す値と第1当否抽選と第2当否抽選のいずれであるかを示す値とを変動開始コマンドとともに演出決定手段303へ送信する。変動停止コマンドを送信するとき、あらためて停止図柄を示す値を変動停止コマンドとともに演出決定手段303へ送信する。また、演出決定手段303(サブメイン)は、演出制御手段304(サブサブ)による装飾図柄の変動表示を制御するために、変動開始コマンドや変動停止コマンドなどを演出制御手段304へ送信する。これにより、メイン表示制御手段250および演出制御手段304(サブサブ)による変動表示が同期し、連動が保たれる。普図制御手段254は、普図抽選手段213による抽選の判定結果を普通図柄の変動表示として普通図柄表示部45に表示させる。
<特図調整手段276>
特図調整手段276は、第1特別図柄51および第2特別図柄52のうち、一方を変動表示させる間は他方の変動表示の開始を待機させる。特図調整手段276は、第1始動口11および第2始動口12のうちいずれに遊技球が入球したかの順序に関係なく、第2始動口12への入球に基づく第2特別図柄52の変動表示を、第1始動口11への入球に基づく第1特別図柄51の変動表示より優先させる。例えば、第1当否抽選値および第2当否抽選値の双方が保留されているとき、つねに第2当否抽選値を優先的に消化させ、第2特別図柄52を連続的に変動表示させる。
なお、変形例における特図調整手段276は、第1特別図柄51の変動表示と第2特別図柄52の変動表示とを、第1始動口11および第2始動口12への入球順序にしたがって選択的に変動表示させてもよい。例えば、第1始動口11、第1始動口11、第2始動口12の順序で入球したときは、第1特別図柄51、第1特別図柄51、第2特別図柄52の順序で変動表示される。この場合、特図調整手段276は保留制御手段240を監視して当否抽選値の保留順序を記憶する。どちらの特別図柄を変動させるべきかが遊技球の入球順、すなわち保留制御手段240における当否抽選値の保留順序にしたがって決定されるので、遊技者は変動の順序を視覚的に把握しやすい。
別の変形例における特図調整手段276は、第1特別図柄51の変動表示と第2特別図柄52の変動表示とを、入球順序にかかわらず予め定められた消化順序にて表示させてもよい。例えば、第1特別図柄51の変動表示と第2特別図柄52の変動表示とを交互に表示することを優先してもよい。例えば、第1当否抽選値および第2当否抽選値の双方が保留されているとき、第1特別図柄51と第2特別図柄52とが交互に変動表示される。いずれの特別図柄を変動させるべきかが遊技球の入球順に関係なく単純に交互に入れ替わるので、遊技者は変動の順序を感覚的に把握しやすい。
特図調整手段276は、また、第1特別図柄51および第2特別図柄52のうち、一方が当り態様で停止されたときは他方の変動表示の開始を待機させる。この場合、特別遊技を実行する間は特別図柄の変動表示は開始されないので、遊技者は特別遊技に集中することができる。
<事前判定手段235>
事前判定手段235は、第1抽選事前判定手段236と第2抽選事前判定手段237を含む。第1抽選事前判定手段236は、第1当否判定手段221、第1図柄決定手段226、第1変動パターン決定手段231による各種判定の実行前に、第1抽選値取得手段216が取得した各種乱数を用いて第1特図制御手段251による第1特別図柄の変動開始前に当該変動に関する情報を事前に判定する。第2抽選事前判定手段237は、第2当否判定手段222、第2図柄決定手段227、第2変動パターン決定手段232による各種判定の実行前に、第2抽選値取得手段217が取得した各種乱数を用いて第2特図制御手段252による第2特別図柄の変動開始前に当該変動に関する情報を事前に判定する。
第1抽選事前判定手段236は、第1抽選手段211に係る事前判定用の判定テーブルとして、第1事前当否抽選値判定テーブル、第1事前図柄抽選値判定テーブル、第1事前変動パターン乱数値判定テーブルを保持する。第1抽選事前判定手段236は、第1事前当否抽選値判定テーブルを用いて特図保留手段241に記憶される第1当否抽選値が属する乱数グループを判定する。第1抽選事前判定手段236は、第1事前図柄抽選値判定テーブルを用いて特図保留手段241に記憶される第1図柄抽選値が属する乱数グループを判定する。第1抽選事前判定手段236は、第1事前変動パターン判定テーブルを用いて特図保留手段241に記憶される第1変動パターン抽選値が属する乱数グループを判定する。そしてこれらの判定結果を事前判定結果として一時的に記憶して、後述するコマンド通信手段205(サブ制御コマンド送信手段207)により事前判定結果に関する情報をサブ基板300に送信する。
図9は、事前当否判定で参照される事前当否判定テーブルを模式的に示す図である。第1抽選事前判定手段236(第1の遊技に関する事前当否判定)は、第1始動口11への入球時に図9(a)の第1事前当否抽選値判定テーブルを参照し、当否抽選値が「0〜299」の場合はその旨を示す「1」の値を事前当否判定結果として設定する。当否抽選値が「300〜2999」の場合はその旨を示す「2」の値を事前当否判定結果として設定する。当否抽選値が「3000〜56499」の場合はその旨を示す「3」の値を事前当否判定結果として設定する。当否抽選値が「56500〜65535」の場合はその旨を示す「4」の値を事前当否判定結果として設定する。次に、第1事前図柄抽選値判定テーブル(図示省略)を参照し、第1図柄抽選値が「0〜99」の場合はその旨を示す「0」の値を事前図柄判定結果として設定する。第1図柄抽選値が「100〜149」の場合はその旨を示す「1」の値を事前図柄判定結果として設定する。第1図柄抽選値が「150〜189」の場合はその旨を示す「2」の値を事前図柄判定結果として設定する。第1図柄抽選値が「190〜229」の場合はその旨を示す「3」の値を事前図柄判定結果として設定する。第1図柄抽選値が「230〜255」の場合はその旨を示す「4」の値を事前図柄判定結果として設定する。さらに、第1事前変動パターン乱数値判定テーブル(図示省略)を参照し、第1パターン抽選値が「0〜9」の場合はその旨を示す「A」の値を事前パターン判定結果として設定する。第1パターン抽選値が「10〜29」の場合はその旨を示す「B」の値を事前パターン判定結果として設定する。第1パターン抽選値が「30〜255」の場合はその旨を示す「C」の値を事前パターン判定結果として設定する。以上のように第1抽選事前判定手段236(第1の遊技に関する事前当否判定)により設定された事前判定情報は、後述するコマンド通信手段205(サブ制御コマンド送信手段207)により第1始動口11への入球を示す(第1当否抽選であることを示す)情報、保留の個数を示す情報等の送信タイミングにあわせて演出決定手段303に送信される。
第2抽選事前判定手段237(第2の遊技に関する事前当否判定)は、第2始動口12への入球時に図9(b)の、第2事前当否抽選値判定テーブルを参照し、当否抽選値が「0〜299」の場合はその旨を示す「1」の値を事前当否判定結果として設定する。当否抽選値が「300〜2999」の場合はその旨を示す「2」の値を事前当否判定結果として設定する。当否抽選値が「3000〜63999」の場合はその旨を示す「3」の値を事前当否判定結果として設定する。当否抽選値が「64000〜65535」の場合はその旨を示す「4」の値を事前当否判定結果として設定する。次に、第2事前図柄抽選値判定テーブル(図示省略)を参照し、第2図柄抽選値が「0〜144」の場合はその旨を示す「0」の値を事前図柄判定結果として設定する。第2図柄抽選値が「145〜149」の場合はその旨を示す「1」の値を事前図柄判定結果として設定する。第2図柄抽選値が「150〜189」の場合はその旨を示す「2」の値を事前図柄判定結果として設定する。第2図柄抽選値が「190〜229」の場合はその旨を示す「3」の値を事前図柄判定結果として設定する。第2図柄抽選値が「230〜255」の場合はその旨を示す「4」の値を事前図柄判定結果として設定する。さらに、第2事前変動パターン乱数値判定テーブル(図示省略)を参照し、第2パターン抽選値が「0〜9」の場合はその旨を示す「A」の値を事前パターン判定結果として設定する。第2パターン抽選値が「10〜29」の場合はその旨を示す「B」の値を事前パターン判定結果として設定する。第2パターン抽選値が「30〜255」の場合はその旨を示す「C」の値を事前パターン判定結果として設定する。以上のように第2抽選事前判定手段237(第2の遊技に関する事前当否判定)により設定された事前判定情報は、後述するコマンド通信手段205(サブ制御コマンド送信手段207)により第2始動口12への入球を示す(第2当否抽選であることを示す)情報、保留の個数を示す情報等の送信タイミングにあわせて演出決定手段303に送信される。
なお、事前判定手段235による事前判定結果として一時記憶された各種情報は、保留記憶数と同様に、それぞれ4個を上限に所定の事前判定結果記憶領域に記憶する。なお、事前判定結果を保留制御手段240が記憶する保留記憶領域を用いて記憶してもよい。事前判定手段235による事前判定結果を後述するコマンド通信手段205(サブ制御コマンド送信手段207)により演出決定手段303に送信したことに基づいて当該情報を消去するようにしてもよい。このように、他の領域と共用したり、送信完了に基づいて情報を消去することにより、メイン基板200における記憶領域の効率利用が期待できる。また、事前判定用の判定テーブルとして、事前判定専用のテーブルを設けずに、本判定用の判定テーブルを用いてもよく、第1の遊技に関する事前当否判定と第2の遊技に関する事前判定とで一部または全部が共通の事前判定テーブルを共用してもよい。このように、他の判定テーブルと共用することで、メイン基板200におけるデータ容量の削減が期待できる。なお、事前判定手段235の判定結果として送信する内容は、例えば、当否の判定結果のみを送信するなど、適宜選択することも可能である。また、事前判定手段235により判定することなく、第1抽選値取得手段216、第2抽選値取得手段217で取得した乱数の値を前述のコマンド通信手段205によりサブ基板300に送信し、サブ基板300により事前判定の内容を判断するように構成してもよい。
事前判定手段235は、設定変更装置170により設定される設定値に応じて、当否抽選値と事前当否判定結果との対応関係が異なる事前当否抽選値判定テーブルを参照してもよい。上述の当否判定テーブルと同様、複数の遊技設定に対応する複数種類の事前当否抽選値判定テーブルを用意し、遊技設定の設定値に応じて参照する事前当否抽選値判定テーブルを切り替えてもよい。その他、複数の遊技設定間で共通利用できる事前当否抽選値判定テーブルを用いてもよい。この場合、遊技設定の設定値と事前当否判定結果の値の組み合わせにより当否が事前判定されてもよい。
図10は、遊技設定に対応した事前当否判定テーブルを模式的に示す図である。本図(a)は、第1抽選事前判定手段236が参照する事前当否判定テーブルであり、本図(b)は、第2抽選事前判定手段237が参照する事前当否判定テーブルである。当否抽選値が「0〜294」の場合には事前当否判定結果が「11」となり、全設定1〜6において大当りとなることを示す。当否抽選値が「295」の場合には事前当否判定結果が「12」となり、通常時の設定2以上または確変時の全設定において大当りとなることを示す。当否抽選値が「296」の場合には事前当否判定結果が「13」となり、通常時の設定3以上または確変時の全設定にて大当りとなることを示す。当否抽選値が「297」の場合には事前当否判定結果が「14」となり、通常時の設定4以上または確変時の全設定において大当りとなることを示す。当否抽選値が「298」の場合には事前当否判定結果が「15」となり、通常時の設定5以上または確変時の全設定において大当りとなることを示す。当否抽選値が「299」の場合には事前当否判定結果が「16」となり、通常時の設定6または確変時の全設定にて大当りとなることを示す。また、当否抽選値が「300〜2949」の場合には事前当否判定結果が「21」となり、確変時の全設定において大当りとなることを示す。当否抽選値が「2950〜2959」の場合には事前当否判定結果が「22」となり、確変時の設定2以上において大当りとなることを示す。当否抽選値が「2960〜2969」の場合には事前当否判定結果が「23」となり、確変時の設定3以上において大当りとなることを示す。当否抽選値が「2970〜2979」の場合には事前当否判定結果が「23」となり、確変時の設定4以上において大当りとなることを示す。当否抽選値が「2980〜2989」の場合には事前当否判定結果が「25」となり、確変時の設定5以上において大当りとなることを示す。当否抽選値が「2990〜2999」の場合には事前当否判定結果が「26」となり、確変時の設定6において大当りとなることを示す。さらに、(a)に示す第1当否抽選値が「3000〜56499」となる場合、および、(b)に示す第2当否抽選値が「3000〜63999」となる場合、事前当否判定結果が「30」となり、全設定において小当りとなることを示す。また、(a)に示す第1当否抽選値が「56500〜65535」となる場合、および、(b)に示す第2当否抽選値が「64000〜65535」となる場合、事前当否判定結果が「40」となり、全設定において外れとなることを示す。このような事前当否判定テーブルを用いることにより、遊技設定の設定値ごとに適切な事前当否判定結果を示すことができる。
<特別遊技制御手段260>
特別遊技制御手段260は、第1抽選手段211による第1当否抽選が特別遊技への移行を示す結果となった場合、第1特別図柄51が所定の大当り態様で停止されたときに特別遊技作動条件が成立したと判定し、大入賞口20を開放させることにより特別遊技を実行する。同様に、特別遊技制御手段260は、第2抽選手段212による第2当否抽選が特別遊技への移行を示す結果となった場合、第2特別図柄52が所定の大当り態様で停止されたときに特別遊技作動条件が成立したと判定し、大入賞口20を開放させることにより特別遊技を実行する。
特別遊技は、大入賞口20の開閉動作を複数回数連続して継続する遊技であり、複数回の単位遊技で構成される。特別遊技には、単位遊技を10回繰り返す10R大当りと、単位遊技を4回繰り返す4R大当りと、10R大当りおよび4R大当りより開放時間が短い単位遊技を2回だけ繰り返す2R大当りがある。10R大当りは第2当否抽選での大当りであり、4R大当りは第1当否抽選での大当りである。10R大当りおよび4R大当りにおいては、1回の単位遊技において大入賞口20を原則として約30秒間開放させる。2R大当りにおいては、1回の単位遊技において大入賞口20を約1.6秒間だけ開放させる。特別遊技制御手段260は、単位遊技の設定ラウンド数を消化したときに特別遊技を終了させる。なお、2R大当りとなった場合においても、所定の条件を満たした場合には、10R大当りおよび4R大当りと同様の開放態様で大入賞口20を開放させてもよい。
<小当り遊技制御手段265>
小当り遊技制御手段265は、第1抽選手段211による第1の抽選が小当りを示す結果となった場合、第1特別図柄51が所定の小当り態様で停止されたときに小当り遊技作動条件が成立したと判定し、開閉制御手段275に大入賞口20を開放させることにより小当り遊技を実行する。同様に、小当り遊技制御手段265は、第2抽選手段212による第2の抽選が小当りを示す結果となった場合、第2特別図柄52が所定の小当り態様で停止されたときに小当り遊技作動条件が成立したと判定し、開閉制御手段275に大入賞口20を開放させることにより小当り遊技を実行する。
小当り遊技においては、単位遊技が1回実行され、1回の単位遊技において大入賞口20を2回開閉する。小当り遊技制御手段265は、1回の開閉あたり大入賞口20を約0.8秒間だけ開放させた後、大入賞口20を閉鎖して小当り遊技を終了させる。
<特定遊技制御手段270>
特定遊技制御手段270は、確変状態、時短状態、および入球容易状態における通常遊技を制御する。特定遊技制御手段270は、特別図柄が確変への移行を伴う特定大当りの図柄であった場合に、特別遊技の終了後に遊技状態を確変状態、時短状態および入球容易状態へ移行させる。確変状態、時短状態および入球容易状態は、次の大当りが発生するまで継続される。時短状態においては、第1特別図柄51および第2特別図柄52の変動表示時間が概ね短くなるよう、第1変動パターン決定手段231および第2変動パターン決定手段232が変動時間の短い変動パターンを選択する。ただし、通常状態においては、保留制御手段240による当否抽選値の保留数に応じた変動パターンテーブルを参照し、保留制御手段240による保留数が少なくなるほど変動時間の長い変動パターンが出現しやすくなる。入球容易状態においては、普通図柄の確変および普通図柄の時短、並びに第2始動口12の開放延長の3つの機能のうち少なくともいずれかが実施されることにより、第2始動口12への入球頻度(入球容易性)が向上する。確変状態の間は第1当否判定手段221および第2当否判定手段222による当否判定結果が大当りとなる確率が高い値のまま維持される。また、特定遊技制御手段270は、特定大当りとなった場合に第2始動口12を開放延長状態にさせるとともに、その当否抽選が第2当否抽選であった場合に限りさらに開放抽選の当り確率を通常確率状態より高い確変状態へ移行させる。
<開閉制御手段275>
開閉制御手段275は、第2始動口12の普通電動役物90や大入賞口20の開閉を制御する。開閉制御手段275は、普通図柄が特定の態様で停止されると、普通電動役物ソレノイド91に開放指示を送り、第2始動口12の普通電動役物90を開放させる。開閉制御手段275は、通常状態においては開放抽選の結果に応じて短開放または長開放の開放時間にて第2始動口12を開放させ、入球容易状態においては長開放の開放時間にて第2始動口12を開放させる。第2始動口12の入球容易性を高め、遊技者が持ち玉を減らさずに遊技を継続できるようにするものである。開閉制御手段275は、特別遊技において、大入賞口ソレノイド92に開放指示を送り、大入賞口20を開放させる。
<メイン初期処理実行手段280、メイン電断処理実行手段282、メインエラー検出手段284>
メイン初期処理実行手段280は、ぱちんこ遊技機100の電源投入時または電源断復帰時におけるメイン基板200の制御開始処理を実行する。メイン電断処理実行手段282は、電源断などの電源異常発生時にメイン基板200における電源断処理などの異常時対応処理を実行する。メインエラー検出手段284は、メイン基板200における異常検知処理を実行する。なお、メイン基板200の制御開始処理、異常時対応処理、および異常検知処理については後述する。
<設定変更手段286、設定確認手段287>
設定変更手段286は、遊技設定を変更するための「設定変更処理」を実行する。設定変更手段286は、設定キーシリンダ171がオン状態のときにRAMクリアスイッチを押しながら電源スイッチ150がオンにされた場合、上述の設定変更状態へ移行させる。設定変更手段286は、設定変更状態へ移行された場合、設定メモリに記憶される設定値を設定表示部173に表示させる。設定変更手段286は、設定変更ボタン172の押下に応じて設定表示部173に表示される設定値を1→2→3→4→5→6→1→・・・のように順番に変更し、設定メモリに記憶される設定値を設定表示部173の表示と同じ値に更新する。設定変更手段286は、設定キーシリンダ171がオフ状態にされた場合、設定変更状態を終了させ、設定表示部173を消灯させる。
設定確認手段287は、遊技設定を確認するための「設定確認処理」を実行する。設定確認手段287は、設定キーシリンダ171がオン状態のときにRAMクリアスイッチが押されずに電源スイッチ150がオンにされた場合、上述の設定確認状態へ移行させる。設定確認手段287は、設定確認状態へ移行された場合、設定メモリに記憶される設定値を設定表示部173に表示させる。設定確認手段287は、上述の設定変更手段286と異なり、設定変更ボタン172が押下されたとしても設定表示部173に表示される設定値を変更せず、設定メモリに記憶される設定値も更新しない。設定確認手段287は、設定キーシリンダ171がオフ状態にされた場合、設定確認状態を終了させ、設定表示部173を消灯させる。
なお、設定メモリで管理する設定値データは「1」〜「6」の数値ではなく、代わりに「0」〜「5」の数値を用いてもよい。この場合、設定値「0」が設定1に対応し、設定値「1」が設定2に対応し、設定値「2」が設定3に対応し、設定値「3」が設定4に対応し、設定値「4」が設定5に対応し、設定値「5」が設定6に対応してもよい。設定値データの正常値として「0」を用いることにより、RAM異常時にRAMクリア処理をして設定値データを初期値「0」にセットしたときに異常判定されなくなるため、異常時のRAMクリア処理を簡易化できる。また、設定値データを利用して何らかの抽選を実行する場合、例えば、先読み処理において設定値毎に異なるテーブルやデータを選択する場合に、その選択のためのオフセット処理を簡略化できるという利点もある。例えば、設定値データとして「1」〜「6」を用いる場合、テーブルやデータ選択のオフセットデータとしてこれらの値をそのまま使用する際には開始アドレスを−1する等の追加処理が必要となる。一方、設定値データとして「0」〜「5」を用いる場合には、設定値データの数値をそのままオフセットデータとして使用できる。なお、設定変更手段286および設定確認手段287は、設定値データとして「0」〜「5」の数値を用いる場合、設定値データの数値をそのまま設定表示部173に表示してもよいし、設定値データの数値に+1を加えた数値を設定表示部173に表示してもよい。後者の場合、「0」〜「5」の数値データが遊技設定における設定1〜設定6の数値に変換されて表示されるため、遊技機の管理者にとって分かりやすい表示とすることができる。
<コマンド送信手段>
コマンド通信手段205は、払出等の実行に必要な制御コマンドを払出制御基板155に送信する払出制御コマンド通信手段206と、演出制御等の実行に必要な制御コマンドをサブ基板300に送信するサブ制御コマンド送信手段207を含む。払出制御コマンド通信手段206は、入球判定手段201による各入賞口への入球の判定に基づいて各入賞口に対応した数の賞球の払出を指示する払出コマンドを送信し、メイン基板200で発生したエラーの状態等を示すコマンドを送信する。サブ制御コマンド送信手段207は、図柄変動を開始するにあたり、その図柄変動に対応する抽選の判定結果を図柄変動の制御コマンドとともに演出決定手段303へ送信する。
サブ制御コマンド送信手段207は、第1特図制御手段251および第2特図制御手段252が第1特別図柄51および第2特別図柄52の変動表示を開始するタイミングと停止するタイミングにて、変動開始コマンドと変動停止コマンドを演出決定手段303(サブメイン)へ送信する。変動開始コマンドを送信するとき、本判定として判定ないし決定された当否判定結果、停止図柄、変動パターンのそれぞれを示す値と第1当否抽選と第2当否抽選のいずれであるかを示す値とを変動開始コマンドとともに演出決定手段303へ送信する。変動停止コマンドを送信するとき、あらためて停止図柄を示す値を変動停止コマンドとともに演出決定手段303へ送信する。また、演出決定手段303(サブメイン)は、演出制御手段304(サブサブ)による装飾図柄の変動表示を制御するために、変動開始コマンドや変動停止コマンドなどを演出制御手段304へ送信する。これにより、メイン表示制御手段250および演出制御手段304(サブサブ)による変動表示が同期し、連動が保たれる。また、サブ制御コマンド送信手段207は、事前判定手段235による事前判定結果を演出決定手段303へ送信する。事前判定結果は送信バッファに一時保存された後、その抽選に対応する図柄変動表示が直ちに開始されるか否かにかかわらず事前判定結果に対応する入賞口(第1始動口11、第2始動口12)の種別情報、保留個数の情報、遊技状態等と併せて演出決定手段303へ送信され、送信バッファから消去または後に上書きされる。これにより、サブ基板300の側にとっては受信した事前判定結果により、図柄変動開始の順番が巡ってくる前にあらかじめ当否結果を推測的に認識できる、いわゆる「先読み」と呼ばれる処理が実現される。なお、サブ基板300が行う事前判定情報に基づく処理等については後述する。サブ制御コマンド送信手段207は、特別遊技制御手段260による特別遊技に関する情報、小当り遊技制御手段265による小当り遊技に関する情報、普図抽選手段213による抽選結果の情報、設定変更手段286により設定される遊技設定の設定値情報をサブ基板300に送信する。また、サブ制御コマンド送信手段207は、メイン初期処理実行手段280およびメインエラー検出手段284等による初期処理に関する情報やエラーに関する情報等、メイン基板200での各種制御、または、メイン基板200に送信される各種信号等に関する情報を適宜、サブ基板300に送信する。
図11は、サブ基板の構成を示すブロック図である。サブ基板300は、図柄態様決定手段301、パターン記憶手段302、演出決定手段303、演出制御手段304、計時手段307、演出設定手段308、サブ初期処理実行手段360、サブ電断処理実行手段362、サブエラー検出手段364、コマンド受信手段370、サブ側事前判定手段371を備える。
パターン記憶手段302は、装飾図柄61の変動において演出表示装置60に表示させる演出的な画像内容とその表示過程が定められた複数の演出パターンを保持する。演出パターンには、装飾図柄61の変動表示における変動開始から停止までの変動過程と演出過程が定められた複数の変動演出パターンと、装飾図柄の変動表示とは別に表示されて大当りへの期待度の高さを変動表示の停止前に予告的に示唆する複数の予告演出パターンとが含まれる。
コマンド受信手段370は、コマンド通信手段205から送信される各種コマンドを受信し、サブ側事前判定手段371は、コマンド通信手段205から送信される事前判定結果を保持する。演出決定手段303は、通常演出決定手段373と先読み演出決定手段374を含む。通常演出決定手段373は、コマンド通信手段205から送信される第1当否抽選の判定結果または第2当否抽選の判定結果の情報に応じて、演出制御手段304によって演出表示装置60へ表示し、スピーカー108、装飾ランプ111等に出力する演出内容を決定する。演出決定手段303は、コマンド通信手段205から送信される遊技設定の設定値に応じて演出内容を決定する。先読み演出決定手段374は、コマンド通信手段205から送信される事前判定結果に応じて、演出制御手段304によって演出表示装置60へ表示し、スピーカー108、装飾ランプ111等に出力する演出内容を決定する。通常演出決定手段373は、第1変動パターン決定手段231または第2変動パターン決定手段232により決定され、コマンド通信手段205から送信された特別図柄の変動パターンに対応する複数の変動演出パターンの中からいずれかを選択してパターン記憶手段302から読み出す。通常演出決定手段373は、読み出した変動演出パターンの情報を演出制御手段304へ送る。通常演出決定手段373は、変動演出パターンを選択するために参照すべきパターンテーブルを保持する。なお、コマンド通信手段205から送信される事前判定結果を参照して通常演出決定手段373により変動演出パターンを決定する場合があってもよく、先読み演出決定手段374による先読み演出の内容と併せて変動演出パターンを決定する場合があってもよい。先読み演出決定手段374は、コマンド通信手段205からの事前判定結果と、サブ基板300に保持する過去の事前判定結果や遊技状態情報等に基づいて本判定の結果をより精度よく特定し、その特定した結果に基づいて本判定前から先読み演出を実行するか否か、および、その実行内容を決定する。具体的には、先読み演出決定手段374は、現在の遊技状態が確率変動遊技中であるかを判定した上で、今回受信した事前判定結果より前の事前判定結果に基づいて通常遊技状態に移行するか否かを判定する。その判定結果を踏まえ、今回受信した事前判定結果に係る本判定の当否結果や選択される変動パターン等を特定し、当該特定結果に基づいて先読み演出の実行可否、先読み演出の実行内容を決定する。なお、演出決定手段303は、通常演出決定手段373と先読み演出決定手段374とが協同している部分が多いため、特に必要な部分を除き、両者を包括した演出決定手段303として説明する。
各変動演出パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動時間が定められており、その変動時間の経過時に図柄変動が停止される。演出決定手段303は、特別図柄の変動パターンに応じて、変動時間が等しい演出画像の変動演出パターンを選択する。
図柄態様決定手段301は、装飾図柄61の停止図柄の組合せとその配置を、第1抽選手段211または第2抽選手段212による抽選の判定結果、特別図柄の停止図柄、特別図柄の変動パターン、装飾図柄の変動演出パターンに応じて決定する。図柄態様決定手段301は、決定した停止図柄の組合せを示す情報を演出制御手段304へ送信する。図柄態様決定手段301は、装飾図柄の停止図柄を決定するために参照すべき図柄範囲テーブルを保持する。
装飾図柄61の停止図柄は、3つの図柄の組合せとして形成され、例えば第1当否判定手段221および第2当否判定手段222による当否判定結果が4R大当りまたは10R大当りの特別遊技への移行を示す場合には特定の組合せ、例えば「777」や「111」のように3つの図柄が揃った組合せが選択される。当否判定結果が2R大当りの場合や小当りの場合もまた特定の組合せ、例えば「357」のような所定の組合せが選択されるが、それらの特定の組合せは必ずしも3つの図柄が揃った組合せでなくてもよい。当否判定結果が大当りでも小当りでもない場合は、「312」や「946」のように3つの図柄が揃っていない組合せであって、2R大当りや小当りのときに選択される特定の組合せに該当しない組合せが選択される。当否判定結果が4R大当りや10R大当りではない場合であって、リーチ付きの外れを示す変動パターンが選択された場合は、「191」や「727」のように一つだけ図柄が揃っていない組合せを選択する。
装飾図柄の変動演出パターンには、装飾図柄の変動表示態様、すなわち装飾図柄の変動開始から変動停止までの演出過程が定義される。変動演出パターンには、通常の外れ図柄を表示するときのパターンと、あと一つ図柄が揃えば大当りとなるリーチ状態を経て外れ図柄を表示するときのパターンと、リーチ状態を経て大当り図柄を表示するときのパターンが含まれる。特に、リーチ状態を経るときのパターンとしては、長短様々な変動時間をもつパターンが含まれる。各変動演出パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動時間が定められており、その変動時間の経過時に図柄変動が停止される。演出決定手段303は、特別図柄の変動パターンに応じて、特別図柄と変動時間が等しい装飾図柄の変動演出パターンを選択する。
時短状態において、第1変動パターン決定手段231または第2変動パターン決定手段232により選択された変動パターンが時短用のパターンであった場合、演出決定手段303は時短用の演出内容が定められた変動演出パターンを選択する。時短用の演出内容は、時短または確変により遊技者に有利な状態であることを印象づける背景映像や音声が出力される演出である。
予告演出パターンは、特定のキャラクタやモチーフの画像、アニメーション、映像などを一時的に画面表示させる演出パターンや、役物を動作させる演出パターン、特定の音声を出力する演出パターンである。予告演出パターンによる演出は、図柄変動と並行して実行され、その図柄変動が大当り態様にて停止する期待度が高いことを予告的に示唆する。例えば、キャラクタの画像を一つだけ画面に表示させるだけの通常予告演出や、多数のキャラクタの群れを画面の一端から他端へ通過させるように表示させる群予告演出がある。また、予告演出の表示過程を複数段階に分け、表示させる段階数を可変にして段階数が多いほど大当りへの期待度が高くなるように設定されるステップアップ予告演出がさらに含まれる。
予告演出パターンには、装飾図柄61の表示態様がリーチ状態となった後のタイミングで演出が実行されて図柄の最終的な停止態様を予告するパターン(リーチ後予告)と、装飾図柄61が一つも停止していないタイミングで演出が実行されてリーチ状態となることを同時に予告するパターン(リーチ前予告)とがある。
演出決定手段303は、当否抽選の判定結果または事前判定結果に応じて演出表示装置60に予告演出を表示させるか否かを所定の予告抽選により決定して事前演出設定をするとともに、表示させるべき予告演出パターンを決定する。演出決定手段303は、予告演出を表示させるか否かを決定するために参照すべき予告決定テーブルと、予告演出パターンの種類を選択するときに参照すべき予告種類テーブルとを保持する。予告決定テーブルは、当否抽選の判定結果または事前判定結果に応じて異なる欄が参照されるように設定されており、当否抽選が当りの場合は外れの場合よりも高い確率で予告演出を表示させるよう、当否抽選の判定結果と予告演出を表示するか否かの対応関係が定められる。これにより、予告演出が表示されること自体で大当りへの期待度の高さを示唆することができる。
演出制御手段304は、選択された変動演出パターンデータにしたがって演出表示装置60へ装飾図柄61を含む演出画像を変動表示させる。演出制御手段304は、装飾図柄61の変動開始コマンドを受け取ったことを新たな装飾図柄の変動表示の開始条件とする。演出制御手段304は、予告演出を表示させる旨が演出決定手段303により決定された場合、選択された予告演出パターンにしたがった予告演出を図柄変動の演出に重畳させる形で演出表示装置60へ表示させる。
演出制御手段304は、第2当否抽選の当否抽選値が記憶されている場合は第1当否抽選に対応する図柄変動表示の開始を留保し、第1当否抽選の当否抽選値が記憶されているか否かにかかわらず第2当否抽選に対応する図柄変動表示を開始する。これにより、第1当否抽選と第2当否抽選の双方について抽選値が保留されていた場合は第2当否抽選で保留された抽選値が優先的に読み出されて装飾図柄の変動が表示される。そのような場合、第2当否抽選の保留数が0になるまでは第1当否抽選で保留された抽選値は読み出されずその装飾図柄の変動も開始しない。このように演出制御手段304は、装飾図柄61の変動表示を含む図柄変動演出を演出表示装置60に表示させる。
演出制御手段304は、装飾ランプ111の点灯および消灯や、可動役物66の動作をさらに制御する。演出制御手段304は、演出表示制御手段305、音声制御手段306、ランプ制御手段309を有する。演出表示制御手段305は、演出表示装置60への表示を制御し、音声制御手段306は、スピーカー108からの音声出力を制御する。ランプ制御手段309は、装飾ランプ111の点灯および消灯を制御する。
第1特別図柄51および第2特別図柄52の変動中、演出表示装置60には図柄変動中であることを示す画像を表示する必要がある。通常、ある程度の大きさを持つ通常サイズの装飾図柄61を変動表示させるが、通常サイズの装飾図柄61の変動表示の視認性を阻害する態様で、装飾図柄61の変動以外を主要な演出内容とする特殊な演出を表示させてもよい。この場合、通常サイズの装飾図柄より小さいサイズの装飾図柄である代替図柄を変動表示させることにより図柄変動中であることを遊技者に提示する。以下、単に装飾図柄と呼ぶ場合は通常サイズの装飾図柄を意味するが、代替図柄と区別する場合、通常サイズの装飾図柄を「通常装飾図柄」や「メイン装飾図柄」「メイン装図」とも呼ぶ。
代替図柄は、通常装飾図柄の視認性が阻害される間、例えば通常装飾図柄が非表示となる間に表示される。代替図柄は、当否判定結果を演出的に示唆するための装飾図柄の一形態であり、通常装飾図柄よりも簡略化(言い換えれば簡易化、簡素化)された表示形態を有し、通常装飾図柄よりも簡略化された変動過程にて表示される。代替図柄は、通常装飾図柄の図柄種類を示す部分に対応した外観上の表示形態を有し、例えば、図柄種類を示す数字、文字、記号を表す表示形態を有する。また代替図柄は、通常装飾図柄が変動表示される領域よりも狭い領域で変動表示され、典型的には図柄以外の要素によるメイン演出を阻害しにくい位置、例えば演出表示装置60の画面の隅で変動表示される。代替図柄は、通常装飾図柄よりも相対的に小さく表示されるが、少なくとも図柄種類が外観上識別可能となる表示形態を有する。なお代替図柄は、通常装飾図柄をそのまま縮小したものでもよく、サイズ以外は通常装飾図柄と同一であってもよい。
複数の通常装飾図柄の代わりに表示される複数の代替図柄は、変動終了時の停止態様の組合せによって当否抽選の結果が遊技者に有利な状態となる期待度の高さを示唆する。例えば、複数の代替図柄は、3つの代替図柄のうち2つの図柄種類が揃ったリーチ状態となることによって当該変動における大当りの期待度が高いことを示唆する。また、リーチ状態となる左右図柄が「3」や「7」などの期待度が相対的に高いことを示唆する特定種類の図柄となることや、「1」や「2」などの期待度が相対的に低いことを示唆する種類の図柄となることによって、そのリーチ状態の期待度の高低を示唆してもよい。なお代替図柄は、外観上、確定的な停止状態になることはなく、微小な揺れが維持される仮停止状態になる。代替図柄の仮停止後に、代替図柄に代えて通常装飾図柄を表示させ、その通常装飾図柄を確定停止の状態で表示させてもよい。また、通常装飾図柄と代替図柄を排他的に表示するのではなく、表示期間の重複があってもよい。さらにまた、通常装飾図柄の視認性が阻害される所定の演出時に、通常装飾図柄の変動表示を継続するとともに代替図柄の変動を表示させてもよい。代替図柄とは異なり、第1特別図柄51および第2特別図柄52の変動中に演出表示装置60の所定の領域において、代替図柄と同程度かそれよりも小さい画像にて特別図柄が変動中であることを示唆する簡易図柄を変動表示してもよい。簡易図柄は、通常装飾図柄と同様に3つの図柄組合せの変動表示で構成してもよいし、一つの図柄の変動表示で構成してもよいし、単なる記号(「○」「×」など)を順次切り替える形で構成してもよい。簡易図柄は通常装飾図柄や代替図柄の変動表示態様とは関連性を持たせず、特別図柄の変動開始から変動終了まで一定の変動を表示し、停止表示時には通常装飾図柄の停止表示態様と関連した表示をしてもよい。なお、簡易図柄は、特別図柄の変動表示中であることの示唆および特別図柄の結果が最低限報知されるものであればよく、2つの図柄組合せで表示するものなど適宜変更可能である。また、簡易図柄を「サブ装飾図柄」「サブ装図」「ミニ装飾図柄」「ミニ装図」などと呼んでもよい。演出表示装置60とは別に簡易図柄と同等の表示をLED等の発光態様によって示す第4図柄と呼ばれる装飾図柄の変動表示を用いてもよい。第4図柄は、演出表示装置60に不具合が発生した場合などにおいて、遊技の進行(特別図柄の変動中表示、結果表示)を示すために用いられる。第4図柄の表示態様の一例として、LEDが「白」、「青」、「緑」、「黄」、「橙」、「赤」と順次点灯(消灯を含む点滅としても可)していくことで変動表示してもよいし、特別図柄の種類に応じてある単色で点滅することで変動表示を示唆し、停止表示した際の発光色で外れや大当りの種類を示唆してもよい。
計時手段307は、遊技に使用する時間情報を出力する計時回路である。計時手段307は、電源投入時からの時間をカウンタで計測して時間情報として出力するタイマ回路である。ただし、電池を内蔵してぱちんこ遊技機100の電源オフ時や停電時も電池によって日時を計測し続けられるリアルタイムクロック回路でもよい。リアルタイムクロック回路の場合、個体差や時刻ズレによって遊技台ごとの時刻に微差が生じる可能性があるのに対し、タイマ回路の場合、同時に電源投入する限り複数の遊技台の間で時刻の差が生じる可能性は小さい。
演出決定手段303は、計時手段307により出力される時間情報が所定の時間を示したことを契機とする所定タイミングに開始する同調演出を実行する。同調演出は、図柄変動の変動期間や遊技状態とは実質的に非同期の期間である同調演出期間にて演出表示装置60に表示させる演出である。同調演出期間は数分間に及び、その長さは1回分の図柄変動時間よりも長く、複数回の図柄変動期間を包含し得る。同調演出の演出パターンはパターン記憶手段302に格納されており、その演出パターンには所定の楽曲と映像の再生が定められている。同調演出の演出パターンは複数種類用意され、月、日付、曜日、時刻などの日時によって異なる種類の演出パターンが選択され得る。
同調演出は通常遊技中か特別遊技中かを問わず実行される。ここで「通常遊技中」には、いわゆる待機デモ画面の表示中も含まれる。すなわち「通常遊技中」には、(1)図柄が変動表示されている「変動表示中通常遊技」、(2)図柄の変動表示中ではなく待機デモ画面の表示中でもない「変動停止中通常遊技」、(3)図柄の変動表示中ではなく待機デモ画面の表示中である「待機デモ画面表示中通常遊技」、が含まれる。(1)〜(3)のいずれの期間中も同調演出は実行され得るが、(2)および(3)のときは同調演出における音量低減や輝度低減などの制御をする出力態様が(1)のときとは異なり得る。また、待機デモ画面表示中は、遊技者による演出ボタン109や十字キー110の操作によって後述の携帯連携システムに関する情報を入力でき、その操作入力があったときは同調演出の映像および音声の出力が抑制され、携帯連携システムによる演出カスタマイズなどの画面表示が優先される。
同調演出は、例えば所定の楽曲の演奏や映像を所定の時間(「同調演出開始時間」と呼ぶ)に再生する演出である。同調演出を再生する契機となる時間は、ぱちんこ遊技機100の電源投入時から所定時間間隔を挟んで到達する時間であってもよいし、標準時を基準とした毎正時または正時半の時刻であってもよい。あるいは、日付または曜日によって異なり得る時刻が設定されてもよく、「1時間ごと」のように一定間隔ではなく、最初は1時間後、次は3時間後、というように間隔が異なったり、その間隔が日付や曜日によって異なったりしてもよい。遊技店ごとに遊技店員によって時間を指定できる可変設定であってもよい。ただし、同じ遊技店に設置される複数台の同一機種間において少なくとも同じ時刻で同じ同調演出が実行されるようあらかじめ設定される。例えば、電源投入時から所定時間間隔を挟んで到達する時間を契機とする仕様の場合、遊技店においては複数台を同時に電源投入する。これにより、所定時間となったことを契機にそれら複数の遊技台において一斉に同じ同調演出が実行される。その結果、あたかも複数台で同期しているように同時に演出が表示され、同時に同じ楽曲や映像が流れることでその場でライブ演奏や映画の上映がなされているかの如く臨場感のある相乗的な演出効果が得られる。
同調演出の機能は同じ機種の別の遊技台にも同様に内蔵されており、同じ遊技島における複数の遊技台は毎日遊技店員によって同時に電源投入される。そして、同時に電源投入される複数の遊技台はすべてほぼ同時に同調演出開始時間を迎えることとなり、一斉に同時進行で同調演出を実行し得ることになる。これを複数台同期演出と呼ぶ。その場合、映像の表示が複数台で同調するだけでなく、効果音や背景音楽の出力もまた複数台で同調することとなり、同調する台数が多いほど一斉に演出を実行することによる相乗効果も高まる。
演出設定手段308は、遊技者の遊技履歴を記憶する。遊技履歴とは、遊技結果の履歴および演出結果の履歴を含む。遊技結果の履歴は、打球数、賞球数、大当り回数、確変回数、時短回数といった遊技の結果として遊技者が得られる出玉につながる遊技の結果である。演出結果の履歴は、遊技上の利益とは異なり、演出の内容や種類を変更できる権利や特定種類の演出を出現しやすくできる権利が付与されるといった利益を獲得するために記録される演出上の得点等の情報である。例えば、所定の演出の出現回数やミニゲームの結果などを得点化して遊技者に付与するために、その得点や遊技履歴を示す符号化情報、例えば二次元コードを画面に表示する。その二次元コードを遊技者が自分の携帯端末のカメラで読み取って復号すると、復号により得られた得点や遊技履歴の情報が遊技者の携帯端末に蓄積される。二次元コードを介した遊技機と遊技者の携帯端末との連携システムについては後述する。なお、ここでいう得点は、後述の演出カスタマイズの幅を広げるために必要となるもので、得点が所定の累積値に達すること(例えば1000ポイントに到達することや、100ポイント到達ごと、など)を契機として、カスタマイズ可能な項目が増加する仕様である。
演出設定手段308は、遊技者の選択指示および遊技履歴に基づき、演出カスタマイズとして複数種類の演出内容の選択肢からいずれを選択するかの設定を記憶する。例えば、特別遊技中に表示させる演出パターンとして、表示されるモチーフやキャラクタや楽曲が異なる複数種類の演出パターンがパターン記憶手段302に用意され、そのうちいずれの演出を表示させるかを遊技者に選択させることとする。または、図柄変動させる装飾図柄に含まれる絵柄のデザインとして複数種類のモチーフまたはキャラクタの絵柄がパターン記憶手段302に用意され、そのうちいずれの絵柄を表示させるかを遊技者に選択させることとする。それらの場合に、待機デモ画面の表示中に遊技者による演出ボタン109や十字キー110の操作を受け付け、その操作を介して演出パターンの選択がなされると、演出設定手段308はその選択内容を記憶する。演出決定手段303は、演出設定手段308により記憶された設定に応じて、特別遊技中の演出パターンの種類を選択する。
サブ初期処理実行手段360は、ぱちんこ遊技機100の電源投入時または電源断復帰時におけるサブ基板300の制御開始処理を実行する。サブ電断処理実行手段362は、電源断などの電源異常発生時にサブ基板300における電源断処理などの異常時対応処理を実行する。サブエラー検出手段364は、サブ基板300における異常検知処理を実行する。サブエラー検出手段364が電源断を検出すると、サブ電断処理実行手段362は、電源断処理としてRAMのデータをバックアップ用RAMにバックアップする。
図12は、携帯連携システムの概略を模式的に示す図である。携帯連携システムの前提として、遊技者はあらかじめ携帯端末354で専用サイトが設けられた遊技履歴サーバ358にアカウントおよびパスワードを設定することでユーザ登録しておく。遊技開始時において遊技者により演出ボタン109が押下されたとき、演出表示制御手段305が演出表示装置60の画面に遊技履歴サーバ358の専用サイトのアドレスを符号化した二次元コード350を表示させ、それを遊技者に携帯端末のカメラで読み取らせて遊技履歴サーバ358の専用サイトにアクセスさせる。その専用サイトから遊技者の識別情報や演出得点履歴を符号化した文字情報(これを「パスワード情報」とも呼ぶ)が携帯端末に送信され、携帯端末の画面に表示される。そのパスワード情報の入力画面を演出表示制御手段305が演出表示装置60に表示させ、十字キー110等のボタン操作を介して遊技者に入力させる。入力されたパスワード情報を演出設定手段308が復号して遊技者の識別情報や演出得点履歴として登録することにより、その遊技者の前回までの遊技内容や演出得点状態を引き継ぐことができる。このパスワード情報の入力が、その遊技者の遊技履歴の記録開始指示および各種演出要素を選択する演出カスタマイズの開始指示となる。以降、ぱちんこ遊技機100においては遊技や演出の進行に伴い、演出設定手段308がその遊技者に対して演出上の利益として付与する得点を随時加算して演出得点履歴として累積させるとともに、遊技者は随時、演出カスタマイズを実施して、各種演出要素として好みの要素を選択して設定することができる。演出上の得点付与は、図柄変動ごとに加算することを基本とし、特別遊技への移行期待度が高い演出種類ほど高い得点を付与し、特別遊技へ移行したときも高い得点を付与する。
演出カスタマイズとして、遊技者は累積的に獲得した得点の一部を利用し、その利用するポイント数に応じて、演出表示装置60に表示される演出内容を構成する色、背景、形状、キャラクタ、楽曲などの演出要素を好みの種類に変更することができる。演出設定手段308は、遊技者によるボタン操作を介した演出要素の変更指示を受け取り、その指示に応じて各種演出要素を変更する。カスタマイズできる演出要素は、その要素ごとに複数種類の項目が用意され、項目ごとに必要なポイント数として異なる値が設定されている。したがって、累積された得点が所定値に達することを契機にカスタマイズ可能な項目が増え、あるいはカスタマイズ可能項目を増加させるチャンスが付与されることとなる。遊技者が遊技ないし演出カスタマイズの終了指示としてボタン操作をすると、演出設定手段308は、演出上の特典や演出得点履歴などの情報を符号化した二次元コード350を生成し、これを演出表示制御手段305が演出表示装置60に表示する。その二次元コード350を遊技者が自身の携帯端末のカメラで読み取り、その読み取った二次元コード352を復号することにより情報を取得して携帯端末354に蓄積できる。またその情報は携帯端末354から専用サイトのある遊技履歴サーバ358へネットワーク356を経由して送信され、自身のアカウント情報と紐付けられて管理される。このように、演出上の特典や演出得点履歴などの情報が二次元コード350の表示およびその読み取りという伝送手段を介して携帯端末354へ伝達され、遊技履歴サーバ358にて管理されることで、次回の遊技で遊技や演出の内容を引き継ぐことができる。また、長く遊技を続けることで図柄変動回数や演出回数が増える分、得点を得ることができる。
図13は、メイン基板200およびサブ基板300のハードウェア構成を概略的に示すブロック図である。メイン基板200は、メインCPU290、メインRAM291、メインROM292などの電子部品を含む。メインROM292には、遊技動作全般を制御するためのメイン制御プログラムおよびデータがあらかじめ格納される。メインROM292からメイン制御プログラムまたはデータがメインRAM291へ読み込まれ、メイン制御プログラムがメインCPU290によって実行される。各電子部品間は図示しないシステムバスやデータバスなどのバスで結ばれる。各入球口からの入球信号や払出制御基板155からの払出信号などは図示しない各種インタフェースを介してメインCPU290により取得される。メインCPU290は、図示しない各種駆動回路により各入賞口ソレノイドや第1特別図柄表示部41、第2特別図柄表示部42などの外部装置を駆動制御する。また、メインCPU290からサブ基板300へは、演出制御に必要な命令が当否抽選の結果や図柄の決定結果、変動パターンの決定結果などの情報とともに送信される。メイン基板200からサブ基板300へは、一方向通信で信号が送信される。
メイン基板200からサブ基板300へ送信する命令データは、いわゆるMODEデータと呼ばれる1バイトの命令種別データと、いわゆるEVENTデータと呼ばれる1バイトの命令内容データとの組合せによる2バイト構成である。メイン基板200は、命令種別データおよび命令内容データを対応付けてサブ基板300へ送信することで一命令を送ることができる。命令種別データは、命令の種別を示すビット列であり、あらかじめ命令の種別ごとに開発段階で一意の種別コードを割り当ててある。命令内容データは、命令の内容を示すビット列である。命令種別データおよび命令内容データの最上位ビットは命令種別データと命令内容データのいずれであるかを示す識別ビットであり、最上位ビットが1のときは命令種別データであることを示し、最上位ビットが0のときは命令内容データであることを示す。
メイン基板200からサブ基板300への通信は、1回のデータ送信につき1バイトのデータを送信する仕様のため、2バイトの命令データを送信するために1バイトずつ2回の送信が必要となる。1回目の通信で上位バイトであるMODEデータを送信し、2回目の通信で下位バイトであるEVENTデータを送信する。ノイズ等の影響による通信失敗の可能性を考慮し、メイン基板200は同じデータを連続で送信し、サブ基板300により同じデータが2連続で読み込まれた時点でそのデータの送受信の完了を確定する。2連続で読み込まれるまではメイン基板200は同じデータを繰り返し送信し、最大5回まで送信する。
サブ基板300は、サブCPU310、サブRAM311、サブROM312、演出制御装置313などの電子部品を含む。サブROM312は、演出過程が定義された演出パターンデータや演出表示過程が定義された表示パターンデータなどを含むサブ制御プログラムを保持するデータ格納手段の一つである。サブROM312から演出パターンデータ、表示パターンデータ、音声パターンデータを含むサブ制御プログラムがサブRAM311へ読み込まれ、そのサブ制御プログラムによる演出制御がサブCPU310によって実行される。各電子部品間は図示しないシステムバスやデータバスなどのバスで結ばれる。演出ボタン109などの外部装置からの信号は図示しない各種インタフェースを介してサブCPU310により取得される。サブCPU310は、演出パターンデータにしたがって、演出制御装置313、図示しない各種駆動回路や制御回路により演出表示装置60、スピーカー108、装飾ランプ111、可動役物66などの外部装置を駆動して表示出力、音声出力、ランプ点灯、役物動作による演出を制御する。サブCPU310は、表示パターンデータおよび音声パターンデータを演出制御装置313へ送信する。なお、本実施例ではサブ基板300が演出制御装置313を内包する例を説明するが、サブ基板300と演出制御装置313とは基板として一体化していることを要さず、分離して互いに接続された別個の基板として形成されてもよい。
図14は、演出制御装置313のハードウェア構成を概略的に示すブロック図である。演出制御装置313は、制御CPU320、制御RAM322、データROM324、表示制御回路326、音声制御回路314を含む。データROM324は、演出表示に用いられる演出画像データおよびモーションデータや、音声出力に用いられる音声データなどの素材データをデータ圧縮した状態で保持するデータ格納手段の一つである。演出画像データは、当否抽選の判定結果などを示す演出オブジェクトとして変動表示や演出表示に用いられる画像であり、例えば装飾図柄変動に用いる装飾図柄のスプライト画像、予告演出に用いるスプライト画像、各種演出に用いる動画といった素材画像である。モーションデータは、各種演出に用いる画像に所定タイミングで演出的な動作を加える場合のその動作が定義されたデータである。音声データは、演出中に出力される楽曲、背景音、効果音、キャラクタのセリフといった音声のデータである。
サブCPU310から送られた表示パターンデータに基づいて、その表示パターンデータに指定された演出画像データやモーションデータがデータROM324から制御RAM322へ読み出され、その演出画像データやモーションデータを用いた演出表示が制御CPU320によって実行される。その結果、制御CPU320から表示制御回路326へ演出表示に関するコマンド、演出画像データ、モーションデータが送信され、表示制御回路326により表示制御がなされる。同様にして、制御CPU320から音声制御回路314へ音声出力に関するコマンド、音声データが送信され、音声制御回路314により音声出力制御がなされる。
表示制御回路326は、デコーダ332、描画メモリ334、描画回路336、フレームバッファ338、表示回路340を含み、それぞれがバス330を介して接続される。本図のバス330は、便宜上、システムバス、データバス、アドレスバスなどのバスを包括的に示したものである。
制御CPU320から送られた演出画像データやモーションデータは描画メモリ334に格納され、それらのデータのうち圧縮されたデータはデコーダ332によって復号される。描画メモリ334は、演出画像データやモーションデータをデコーダ332により復号する場合のワークエリアとして用いられたり、描画回路336による描画処理や画像処理を実行する場合のワークエリアとして用いられたりするVRAM(VideoRAM)である。
描画回路336は、描画メモリ334に格納されたデータを用い、制御CPU320から送られたコマンドを順に実行して表示用画像を生成し、その生成された表示用画像を動画像のフレームとしてフレームバッファ338に格納する。フレームバッファ338は、演出表示装置60へ出力すべき動画像のフレームを一時的に格納するバッファメモリとしてのVRAMである。
表示回路340は、フレームバッファ338に格納された表示用画像を格納された順に映像信号の形で演出表示装置60へ出力する。フレームバッファ338は、例えば2フレーム分のメモリ領域を有し、表示回路340が1フレーム分のメモリ領域から表示用画像を出力する間に、描画回路336が次の表示用画像を生成して、もう1フレーム分のメモリ領域に格納する。
なお、データROM324には、表示制御回路326によりなされる表示制御過程が定義された「詳細表示パターンデータ」が保持されている。このとき、サブCPU310から送られる表示パターンデータは、演出表示過程の概要が定義される「概略表示パターンデータ」ということができる。例えば、概略表示パターンデータには、装飾図柄の変動開始および変動停止タイミングや、複数の動画像の再生順序や、再生開始および停止のタイミングなど、一連の演出表示過程の大まかな流れが定義される。一方、詳細表示パターンデータには、装飾図柄の変動表示を実現するためのスプライト画像の表示順序や、モーションデータに基づく動画像を表示するためのフレーム単位での表示処理順序など、細かな表示制御過程が定義される。
演出制御装置313は、サブCPU310から送られた「概略表示パターンデータ」に基づく表示制御をする場合、その処理に必要な「詳細表示パターンデータ」をデータROM324から読み出し、双方の表示パターンデータを用いて表示処理を実行する。したがって、演出制御装置313は、「概略表示パターンデータ」および「詳細表示パターンデータ」を含む表示パターデータに基づいて表示制御処理を実行するということができる。そこで、本明細書においては、明示的に言及しない限り、サブROM312に格納される「概略表示パターンデータ」とデータROM324に格納される「詳細表示パターンデータ」を区別せず、単に「表示パターンデータ」という。例えば、演出制御手段が、データ格納手段に保持される表示パターンデータに基づき特定の処理をするという場合、この表示パターンデータには、「概略表示パターンデータ」と「詳細表示パターンデータ」を含むものとする。なお、変形例においては、表示パターンデータが、「概略表示パターンデータ」と「詳細表示パターンデータ」とに分かれておらず、双方を兼ねる表示パターンデータがサブROM312またはデータROM324に保持されていてもよい。
本実施例では、演出制御装置313のハードウェア構成として、制御CPU320、制御RAM322、データROM324および表示制御回路326が含まれる構成を示している。変形例においては、制御CPU320、制御RAM322、データROM324および表示制御回路326が、それぞれ別の電子部品として構成されるのではなく、一体化されていてもよい。また、表示制御回路326によって実行されるとした処理が、制御CPU320、制御RAM322またはデータROM324により実行されてもよい。例えば、演出制御装置313に含まれる制御CPU320が、表示制御回路326に含まれるデコーダ332、描画回路336、表示回路340により実行されるとした処理を実行してもよい。また、演出制御装置313に含まれる制御RAM322が描画メモリ334やフレームバッファ338の機能を兼ねてもよい。その他、演出制御装置313に表示制御回路326が含まれないハードウェア構成であってもよく、この場合、表示制御回路326により実行されるとした処理が、制御CPU320、制御RAM322またはデータROM324により実行されてもよい。
また、本実施例では、サブ基板300のハードウェア構成として、サブCPU310、サブRAM311およびサブROM312の他に、演出制御装置313が含まれる構成を示している。変形例においては、サブCPU310、サブRAM311、ROM312および演出制御装置313が、それぞれ別の電子部品として構成されるのではなく、一体化されていてもよい。また、演出制御装置313によって実行されるとした処理が、サブCPU310、サブRAM311またはサブROM312により実行されてもよい。例えば、サブCPU310が制御CPU320の処理を実行してもよいし、サブRAM311が制御RAM322の機能を兼ねてもよいし、サブROM312がデータROM324の機能を兼ねてもよい。その他、サブ基板300に演出制御装置313が含まれないハードウェア構成であってもよく、この場合、演出制御装置313により実行されるとした処理が、サブCPU310、サブRAM311またはサブROM312により実行されてもよい。
図15は、ぱちんこ遊技機におけるメイン基板200の制御開始処理を示すフローチャートである。この制御開始処理は、メイン初期処理実行手段280により実行されるが、以降、メイン初期処理実行手段280として機能するメインCPU290が実行するものとして説明する。電源スイッチ150が投入されると、メインCPU290は、スタックポインタを設定し(S100)、メインRAM291へのアクセスを許可し(S102)、メインCPU290の内蔵レジスタの設定などのハードウェアに関する初期設定を実行する(S104)。
メインCPU290は、設定キーの操作状態を確認し、設定キーがON状態であれば(S105のY)、RAMクリアスイッチの操作状態を確認する。RAMクリアスイッチがONされていれば(S122のY)、設定変更処理を実行する(S124)。一方、RAMクリアがOFFであれば(S122のN)、設定確認処理を実行する(S126)。なお、S105にいて、設定キーがOFF状態であれば(S105のN)、S122〜S126の処理をスキップする。
つづいて、RAMクリアスイッチの操作状態、電源断情報フラグの値、及びメインRAM291に格納されているデータの状態に応じて、電源断復帰処理又はメインRAM291の初期化処理を実行する。具体的には、RAMクリアスイッチがONされず、かつ、電源断情報フラグの値と、メインRAM291に格納されているデータとの双方が正常であった場合は、電源断復帰時の処理を実行する。それ以外の場合、すなわち、RAMクリアスイッチがONされた場合、又は、RAMクリアスイッチがONされなかった場合でも、電源断情報フラグと、メインRAM291に格納されているデータとのいずれかが正常でなかった場合は、メインRAM291の初期化処理を実行する。
メインCPU290は、RAMクリアスイッチの操作状態を確認し、RAMクリアスイッチがONされた場合(S106のY)、メインRAM291を初期化する(S116)。RAMクリアスイッチがONされなかった場合(S106のN)、メインCPU290は、電源断情報フラグの値を確認する(S108)。電源断情報フラグの値が電源断正常データと一致しなければ(S108のN)、メインRAM291を初期化する(S116)。電源断情報フラグの値が電源断正常データと一致すれば(S108のY)、メインRAM291に格納されているデータを検査する(S110)。後述するように、前回の電源断時に処理が正常に終了していれば、メインRAM291に格納されていたデータのチェックサムがメインRAM291に格納されているので、メインCPU290は、チェックサムを用いてメインRAM291のデータを検査する。メインRAM291に格納されているデータが正常でなければ(S112のN)、メインRAM291のデータを初期化する(S116)。メインRAMに格納されているデータが正常であれば(S112のY)、電源断前の状態に復帰するための処理を実行する(S114)。
電源断復帰処理(S114)において、電源投入が正常に行われたことを示す電源投入正常データを電源断情報フラグに格納し、各種エラーの初期設定及び払出制御基板155との通信初期設定を実行する。つづいて、電源断前の未送信分のコマンド要求をクリアし、遊技状態を示す各種情報のコマンド送信を要求する。つづいて、第1特別図柄及び第2特別図柄の作動保留球数に対応した演出コマンドを要求する。つづいて、第2始動口12及び大入賞口20の開放/閉鎖状態を電源断前の状態に復帰させる。つづいて、特別図柄の確率変動機能の作動状態を報知するための処理を実行する。
RAM初期化処理(S116)において、電源投入正常データを電源断情報フラグに格納し、メインRAM291の全領域を0でクリアし、メインRAM291の初期設定及び演出表示器の初期化を実行する。なお、S116の初期化処理では、設定変更装置170の設定メモリに記憶される設定値はクリアされず、S124の設定変更処理で設定された設定値がそのまま保持される。
電源断復帰処理(S114)又はRAM初期化処理(S116)が終了すると、後述する割込処理を起動するためにカウント値をセットし、割込タイマの動作を開始させる(S118)。これにより、以降、所定の時間(例えば4ミリ秒)ごとにタイマ割込が発生し、後述する割込処理が実行される。つづいて、メインCPU290は、遊技機を管理するためのメイン処理を実行する(S120)。
図16は、図15におけるS124の設定変更処理を詳細に示すフローチャートである。遊技設定の設定値が記憶されるべき設定メモリの値を確認し、設定メモリ値が正常でなければ(S132のN)、設定値を初期化して初期値にする(S134)。設定値データとして「1」〜「6」を用いる場合、初期値として「1」をセットし、設定値データとして「0」〜「5」を用いる場合、初期値として「0」をセットする。設定メモリ値が正常であれば(S132のY)、S134の処理をスキップする。つづいて、設定変更状態へ移行し(S136)、設定メモリに記憶された設定値を設定表示部173に表示させる(S138)。設定変更ボタン172による変更操作があれば(S140のY)、設定表示部173に表示される設定値を更新するとともに、設定メモリに記憶される設定値を更新する(S142)。変更操作がなければ(S140のN)、S142の処理をスキップする。設定キーがONのままであれば(S144のN)、S138〜S142の処理を繰り返す。設定キーシリンダ171に挿入される設定キーが元に戻されてOFFになれば(S144のY)、設定表示部173を非表示にして設定値が視認できない状態にし(S146)、リターンする。
図17は、図15におけるS126の設定確認処理を詳細に示すフローチャートである。遊技設定の設定値が記憶されるべき設定メモリの値を確認し、設定メモリ値が正常でなければ(S152のN)、設定値を初期化して初期値にする(S154)。設定メモリ値が正常であれば(S152のY)、S154の処理をスキップする。設定確認状態へ移行し(S156)、設定メモリに記憶された設定値を設定表示部173に表示させる(S158)。設定キーがONのままであれば(S160のN)、S158の処理を繰り返して設定値の表示を継続し、設定キーがOFFになれば(S160のY)、設定表示部173を非表示にして設定値が視認できない状態にし(S162)、リターンする。
図18は、図15におけるS120のメイン処理を詳細に示すフローチャートである。メインCPU290は、タイマ割込をいったん禁止し(S200)、ウォッチドッグタイマの動作を開始させ(S202)、電源断を監視する(S204)。図示しない電源電圧監視回路において電源基板158から供給される電源電圧の低下が検出されると、電源電圧監視回路からメインCPU290に無条件割込要求信号が入力されることにより実行される電源断記憶処理において、電源断確認データが電源断確認フラグに格納される。したがって、メインCPU290は、電源断確認フラグの値を監視し(S204)、電源断確認フラグの値が電源断確認データに一致する場合は(S206のY)、電源断のための処理を実行するために、S212に進む。電源断確認フラグの値が電源断確認データに一致しない場合は(S206のN)、普通図柄当り初期値乱数、特別図柄当り図柄初期値乱数、及び特別図柄当りソフト初期値乱数を更新するため、初期値乱数更新処理を実行し(S208)、タイマ割込を許可して(S210)、S200に戻る。以降、S200〜S210が繰り返される。タイマ割込が禁止されている間(S202〜S208)にタイマ割込が発生した場合、S210においてタイマ割込が許可された後に、後述する割込処理を実行する。
S206において電源断が検知されると(S206のY)、メインCPU290は、ウォッチドッグタイマをリスタートさせ(S212)、電源断情報フラグの内容を確認する(S214)。電源断情報フラグの内容が電源投入正常データと一致しない場合は(S214のN)、電源投入時のデータが正常に保存されていないと判断し、電源断異常データを電源断情報フラグに格納して(S216)、S222に進む。電源断情報フラグの内容が電源投入正常データと一致する場合は(S214のY)、電源投入時のデータが正常に保存されていると判断し、電源断正常データを電源断情報フラグに格納する(S218)。つづいて、次回の電源投入時に、バックアップされたメインRAM291のデータを検査するために、メインRAM291に格納されているデータのチェックサムを算出してメインRAM291に格納する(S220)。つづいて、メインRAM291へのアクセスを禁止して(S222)、電源が落ちるまでループする。なお、上記の電源断時の処理は、メインCPU290により実現されるメイン電断処理実行手段282が実行する。
図19は、割込処理の詳細を示すフローチャートである。メイン処理(S120)においてタイマ割込が発生すると、メインCPU290は割込処理を実行する。まず、割込動作条件を設定し(S300)、ウォッチドッグタイマをリスタートさせる(S302)。つづいて、遊技機を管理するため、入力処理(S304)、各種乱数更新処理(S306)、初期値更新型乱数更新処理(S308)、初期値乱数更新処理(S310)、タイマ減算処理(S312)、第2始動口有効期間設定処理(S314)、入賞監視処理(S316)、賞球制御処理(S318)、普通図柄作動ゲート監視処理(S320)、普通図柄制御処理(S322)、普通図柄変動開始監視処理(S324)、始動口監視制御処理(S326)、特別図柄制御処理(S328)、特別電動役物制御処理(S330)、大入賞口有効期間設定処理(S332)、特別図柄変動開始監視制御処理(S334)、異常検知処理(S336)、入球通過時間異常検出処理(S338)、遊技状態表示処理(S340)、ハンドル状態信号検査処理(S342)、LED出力処理(S344)、発射制御信号出力処理(S346)、試験信号出力処理(S348)、ソレノイド出力処理(S350)、演出制御コマンド送信処理(S352)、外部情報出力処理(S354)を順に実行し、次回のタイマ割込を許可して(S356)、リターンする。
入力処理(S304)において、遊技盤面に取り付けられているスイッチ、断線短絡電源異常検知信号、扉・枠の開放信号、磁気検知信号、電波検知信号、及びタッチ状態信号の入力ポートのデータを監視し、入力状態を示すデータを作成してメインRAM291に格納する。なお、この入力状態を示すデータは、レベルデータ(今回の割込時における入力ポートのデータ)と、立ち上がりデータまたは立ち下がりデータ(今回の割込時における入力ポートのデータと前回の割込時における入力ポートのデータを排他的論理和で比較して切り替わりが見られたスイッチを示すデータ)である。
各種乱数更新処理(S306)において、普通図柄変動パターン乱数及び変動パターン乱数を更新する。普通図柄変動パターン乱数をメインRAM291から読み出し、値が所定の最大値未満である場合は値をインクリメントして格納し、値が所定の最大値以上である場合は0を格納する。また、変動パターン乱数をメインRAM291から読み出し、値から所定値を減算した結果が0以上である場合は減算結果を格納し、0未満である場合は所定の最大値を格納する。これにより、普通図柄変動パターン乱数及び変動パターン乱数は、タイマ割込が発生する時間ごとに更新される。
初期値更新型乱数更新処理(S308)において、普通図柄当り乱数、特別図柄当り図柄乱数、及び特別図柄当りソフト乱数を更新する。それぞれの乱数の値、最大値、及び初期値をメインRAM291から読み出し、乱数の値をインクリメントする。インクリメントした結果が、最大値を超えた場合は、乱数の値を0とする。また、インクリメントした結果が、初期値に一致した場合は、初期値乱数をメインRAM291から読み出し、初期値を更新する。これにより、普通図柄当り乱数、特別図柄当り図柄乱数、及び特別図柄当りソフト乱数は、タイマ割込が発生する時間ごとに更新され、乱数の値が初期値に戻ると、すなわち乱数の範囲を一巡すると、新たに初期値を設定し直して乱数が生成される。
初期値乱数更新処理(S310)において、普通図柄当り初期値乱数、特別図柄当り図柄初期値乱数、及び特別図柄当りソフト初期値乱数を更新する。メインRAM291の初期値乱数更新テーブルから初期値乱数を読み出し、初期値乱数の値をインクリメントする。インクリメントした結果が、上限値を超えていた場合は、初期値乱数の値を0とする。メイン処理(S120)における初期値乱数更新処理(S208)においても、同様の処理が実行される。
タイマ減算処理(S312)において、2バイトタイマを更新する。各種制御用のタイマの値をそれぞれテーブルにしたがってメインRAM291から読み出し、タイマの値が0以外である場合、値を順次デクリメントして格納する。タイマの値が0である場合、タイマの更新は実行しない。
第2始動口有効期間設定処理(S314)において、第2始動口12の有効期間を設定する。第2始動口12には、遊技球の入球により賞球の払い出し及び第2特別図柄に係る抽選が実行される有効期間と、遊技球が入球しても賞球の払い出し及び第2特別図柄に係る抽選が実行されない無効期間が設定される。後述するように、始動口監視制御処理(S326)において、第2始動口12の無効期間には、第2始動口入賞の監視処理を実行しないので、第2始動口12に遊技球が入球しても賞球の払い出し及び第2特別図柄に係る抽選は実行されない。第1始動口11、大入賞口20、第1作動口31、第2作動口32、一般入賞口33などに、有効期間及び無効期間が設定される場合についても同様である。普通図柄の状態が「普通電動役物作動中」である場合、第2始動口有効期間フラグに第2始動口12が有効期間であることを示すデータを格納する。普通図柄の状態が「普通電動役物作動中」でない場合、第2始動口有効延長タイマの値が0でなければ、第2始動口有効期間フラグに第2始動口12が有効期間であることを示すデータを格納し、第2始動口有効延長タイマの値が0であれば、第2始動口有効期間フラグに第2始動口が無効期間であることを示すデータを格納する。
入賞監視処理(S316)において、遊技球のスイッチ通過を検査し、遊技球がスイッチを通過したとき、そのスイッチに無効期間がない、又は、現在有効期間である場合で、かつ、賞球払い出しがある場合、入賞カウンタを更新する。また、外部情報出力端子160へ出力するセキュリティの出力要求の作成及びコマンドの送信を要求する。
賞球制御処理(S318)において、払出制御基板155からのデータ受信の監視、払出制御基板155へのコマンド送信要求、払出制御基板155へのコマンド送信、及び払出制御基板155からの受信データの検査を、順に実行する。
普通図柄作動ゲート監視処理(S320)において、遊技球の第1作動口31、第2作動口32の通過を監視し、遊技球が第1作動口31または第2作動口32を通過したと判断したとき、普通図柄変動の保留数が上限値である4未満である場合は、普通図柄の保留数を更新し、普通図柄に係る乱数をメインRAM291に格納する。
普通図柄制御処理(S322)において、普通図柄の状態を監視し、普通図柄制御中と判断した場合、普通図柄表示部45又は普通電動役物90に係る処理を実行する。普通図柄の状態が「普通図柄変動中」である場合、普通図柄変動中処理を実行し、「普通図柄停止図柄表示中」である場合、普通図柄停止図柄表示中処理を実行し、「普通電動役物作動中」である場合、普通電動役物作動中処理を実行し、「普通電動役物作動終了デモ中」である場合、普通電動役物作動終了デモ中処理を実行する。普通図柄変動中処理において、普通図柄の変動を行った後、変動時間を監視し、普通図柄の変動時間終了と判断した場合、普通図柄の変動停止設定を行って、普通図柄の状態を「普通図柄停止図柄表示中」に設定する。普通図柄停止図柄表示中処理において、普通図柄の停止図柄表示時間を監視し、普通図柄の停止図柄表示時間終了と判断した場合、当り判定の結果に対応した普通図柄の作動終了設定を実行する。当りの場合は、普通図柄の状態を「普通電動役物作動中」に設定し、普通電動役物作動開始時の普通電動役物開放延長機能の作動状態を保存し、普通電動役物作動開始時の普通電動役物開放延長機能の作動状態に対応した普通電動役物ソレノイド91の作動設定を実行する。はずれの場合は、普通図柄の状態を「普通図柄変動待機中」に設定する。普通電動役物作動中処理において、遊技球の普通電動役物90に係る入賞口の入賞を監視し、普通電動役物90に係る入賞口の入賞数が最大入賞数に達したと判断した場合は、普通電動役物90の作動終了設定及び第2始動口有効延長時間の設定を実行する。普通電動役物90に係る入賞口の入賞数が最大入賞数に達していないと判断した場合は、普通電動役物90に係る入賞口の入口の開放/閉鎖時間の監視、普通電動役物90に係る入賞口の入口の開放/閉鎖の設定を行い、一連の普通電動役物90の入口の開放が終了したと判断した場合は、普通電動役物90の作動終了設定及び第2始動口有効延長時間の設定を実行する。なお、普通電動役物90に係る入賞口の入口の開放/閉鎖時間の終了でないと判断した場合は、普通電動役物90に係る入賞口の入口の開放/閉鎖の設定は実行しない。普通電動役物作動終了デモ中処理において、普通電動役物90の作動終了デモ時間の監視を行い、普通電動役物90の作動終了デモ時間終了と判断した場合、普通図柄の状態を「普通図柄変動待機中」に設定する。
普通図柄変動開始監視処理(S324)において、普通図柄の状態を監視し、「普通図柄変動待機中」であり、かつ、普通図柄作動保留球数の値が0以外である場合、普通図柄の変動を開始させると判断する。普通図柄の変動を開始させると判断した場合、普通図柄作動保留球数をデクリメントし、当り判定、停止図柄の決定、普通図柄の変動パターン番号の設定、及び普通図柄の変動時間の設定を実行する。その後、普通図柄の状態を「普通図柄変動中」に設定し、普通図柄の状態設定、当り判定、及び変動パターン決定に使用したメインRAM291の領域をクリアする。
始動口監視制御処理(S326)において、遊技球の第1始動口11入賞及び第2始動口12入賞を監視する。第1特別図柄の作動保留球数が4未満であるときに遊技球の入賞を確認した場合は、内蔵乱数を取得し、取得した内蔵乱数に特別図柄当りソフト乱数の値を加算した値を、大当り判定で使用する特別図柄当り乱数としてバッファに格納する。また、特別図柄に係る乱数として、図柄乱数及び変動パターン乱数を取得して記憶する。第2特別図柄の保留を第1特別図柄の保留に優先して消化する場合は、当該入賞に係る保留の更新のみを実行するが、特別図柄の保留の消化順序が入賞順である場合は、当該入賞に係る保留の更新のほか、合計保留数の更新及び入賞順序の記憶を実行する。つづいて、始動口入賞時に記憶する乱数に対応した予告演出コマンドを要求するため、遊技機の状態を確認し、コマンド送信期間と判断した場合、当り予告演出要求、当り図柄予告演出要求、パターン予告演出要求を順に実行する。ここで、(1)当り待ち中で、かつ、普通図柄の確率変動機能が未作動中に、第1特別図柄に係る乱数を記憶する場合、(2)当り待ち中で、かつ、普通図柄の確率変動機能が未作動中に、第2特別図柄に係る乱数を記憶する場合、(3)大当り中又は小当り中に第2特別図柄に係る乱数を記憶する場合のいずれかに該当する場合に、コマンド送信期間であると判断する。つづいて、特別図柄の作動保留球数に対応した演出コマンドを要求する。これにより、特別図柄の作動保留球数が更新されたことが、サブ基板300に通知される。以上のように、先読みにおいては、事前判定情報(事前当否判定情報、事前図柄判定情報、事前パターン判定情報)、保留球数の4つがセットとしてサブ基板300に送信される。なお、上記の例では、メインCPU290において、事前判定処理のためのコマンドの送信を制御したが、別の例では、始動口への入球がある場合には一様に送信を行い、先読み可能期間であるか否かなどの各種の状況判断は、サブCPU310が行ってもよい。つづいて、第2始動口有効期間フラグの値を検査し、第2始動口有効期間フラグの値が第2始動口12が有効期間であることを示すデータである場合、第1始動口入賞の場合と同様に、第2始動口入賞の監視処理を実行する。第2始動口有効期間フラグの値が第2始動口12が無効期間であることを示すデータである場合、第2始動口入賞の監視処理は実行しない。なお、保留球数が0であったときに遊技球の入賞を確認した場合には、ここでいったん保留球数を0から1にした上で、後述する変動開始に係る制御処理が実行される。
特別図柄制御処理(S328)において、当り待ち状態の検査を行い、特別電動役物が作動中、すなわち、大当り中又は小当り中である場合、特別図柄制御処理を終了する。特別電動役物が未作動である場合、特別図柄の状態を検査し、「特別図柄変動待機中」であれば、特別図柄制御汎用処理を終了し、「変動開始」であれば、特別図柄変動開始処理を実行し、「特別図柄変動中」であれば、特別図柄変動中処理を実行し、「特別図柄停止図柄表示中」であれば、特別図柄停止図柄表示中処理を実行する。特別図柄変動開始処理において、変動パターン乱数に基づいて特別図柄変動パターンの選択番号を取得し、特別図柄変動パターン番号に対応した変動時間を決定し、サブ基板300に演出表示を開始させるため、変動付加図柄情報、変動パターン、及びキャラクタの情報のコマンドを要求し、特別図柄の状態を「特別図柄変動中」に設定し、特別図柄変動パターンの決定に使用した変動パターン判定領域を0でクリアする。特別図柄変動中処理において、特別図柄の変動を行った後、変動時間を監視し、特別図柄の変動時間終了と判断した場合、特別図柄の変動停止設定を行って、特別図柄の状態を「特別図柄停止図柄表示中」に設定する。特別図柄停止図柄表示中処理において、特別図柄の停止図柄表示時間を監視し、特別図柄の停止図柄表示時間終了と判断した場合、当り判定の結果に対応した特別図柄の作動終了設定を実行する。大当りの場合は、特別図柄の作動を終了させるため、特別図柄の状態を「特別図柄変動待機中」に設定し、特別電動役物が連続して作動する回数の設定を行い、特別図柄の確率変動機能、特別図柄の変動時間短縮機能、普通図柄の確率変動機能、普通図柄の変動時間短縮機能、及び普通電動役物の開放延長機能を未作動にし、遊技機の状態を大入賞口開放準備中に設定し、当り開始デモ表示時間の設定、当り開始デモ演出のコマンド要求、及び発射位置指定演出のコマンド要求(「右打ち」など推奨発射位置を示唆する演出を実行させるためのコマンド要求)を実行する。当り判定の結果が小当りである場合、特別図柄の変動時間短縮機能及び普通図柄の確率変動機能の作動終了判定を行い、変動パターン選択状態を更新し、遊技状態のコマンド要求を行い、特別図柄の作動を終了させるため、特別図柄の状態を「特別図柄変動待機中」に設定し、遊技機の状態を小当り開始デモ中に設定し、当り開始デモ表示時間の設定、当り開始デモ演出のコマンド要求、及び発射位置指定演出のコマンド要求を実行する。当り判定の結果がはずれである場合、特別図柄の変動時間短縮機能及び普通図柄の確率変動機能の作動終了判定を行い、変動パターン選択状態を更新し、遊技状態のコマンド要求を行い、特別図柄の作動を終了させるため、特別図柄の状態を「特別図柄変動待機中」に設定し、発射位置指定演出のコマンド要求を実行する。
特別電動役物制御処理(S330)において、特別電動役物に係る処理を実行するため、条件装置及び特別電動役物の作動状態を検査し、条件装置が作動中又は特別電動役物が作動中と判断した場合、特別電動役物に係る処理を実行する。特別電動役物の作動状態に応じて、大入賞口開放準備中処理、特別電動役物作動中処理、大入賞口閉鎖中処理、大当り終了デモ中処理、小当り開始デモ中処理、小当り特電作動中処理、小当り大入賞口閉鎖中処理、小当り終了デモ中処理を実行する。
大入賞口有効期間設定処理(S332)において、大入賞口20の有効期間判定の結果を保存するため、大入賞口有効時間の値が0である場合は、大入賞口有効期間フラグに大入賞口無効期間データを格納し、0以外である場合は、大入賞口有効期間フラグに大入賞口有効期間データを格納する。
特別図柄変動開始監視制御処理(S334)において、特別図柄の作動状態を監視し、特別図柄が変動開始できる状態であるか否かを判定する。特別図柄の保留球の消化順序が、第2特別図柄の優先消化である場合、(1)大当り中又は小当り中でないこと、(2)第1特別図柄が変動待機中であること、(3)第2特別図柄が変動待機中であること、(4)当該特別図柄の作動保留球数が0以外であること、の全てが満たされているときに、特別図柄が変動開始できる状態であると判定する。特別図柄の保留球の消化順序が、入賞順である場合、上記(1)〜(3)に加えて、(5)特別図柄の保留球数の合計が0以外であること、(6)当該判定が消化順序すなわち入賞順と一致すること、の全てが満たされているときに、特別図柄が変動開始できる状態であると判定する。
特別図柄が変動開始できる状態であると判定された場合、当該特別図柄の作動保留球数を減算し、第1特別図柄及び第2特別図柄の保留球数に対応した演出コマンドを要求する。これにより、特別図柄の保留球数が更新されたことがサブ基板300に通知される。
つづいて、特別図柄の当り判定を実行する。当り判定において、特別図柄当り乱数により、大当り、小当り、はずれのいずれであるかが判定され、判定結果が、特別図柄判定フラグに格納される。つづいて、図柄を決定する。図柄の決定において、当り判定が大当りであった場合、特別図柄当り図柄乱数に基づいて大当り図柄が決定され、小当りであった場合、小当り図柄が決定され、はずれであった場合、はずれ図柄が決定される。
当り判定の結果が大当りであった場合、図柄の決定処理において決定された当り図柄の種別を示す群判定番号の値に基づいて、特別図柄の確率変動機能の作動内容を判定し、特別図柄の変動時間短縮機能の作動内容や、普通図柄の入賞容易状態を設定など、大当り終了後の遊技状態を設定する。つづいて、特別電動役物が連続して作動する回数や、大入賞口の開放時間の内容など、大当り中の設定を実行する。つづいて、当り判定の結果と、普通図柄の確率変動機能の作動状態に基づいて、大当り終了後に参照すべき変動パターンテーブルを選択することにより、変動パターン選択状態の内容を設定する。つづいて、遊技状態及び当り図柄の種別を示す群判定番号の値に基づいて選択されたテーブルを参照して、開始デモ時間及び終了デモ時間を設定する。つづいて、当り判定及び図柄決定に使用したメインRAM291の領域をクリアし、特別図柄の状態を「変動開始」に設定する。
当り判定の結果が小当りであった場合、小当り終了後に参照すべき変動パターンテーブルを選択することにより、変動パターン選択状態の内容を設定し、開始デモ時間及び終了デモ時間を設定し、当り判定及び図柄決定に使用したメインRAM291の領域をクリアして、特別図柄の状態を「変動開始」に設定する。当り判定の結果がはずれであった場合、当り判定及び図柄決定に使用したメインRAM291の領域をクリアして、特別図柄の状態を「変動開始」に設定する。
異常検知処理(S336)において、メインエラー検出手段284として機能するメインCPU290は、磁気検知信号、断線短絡電源異常検知信号、電波検知信号、扉・枠の開放信号を検査し、エラー状態に変化があった場合は、エラー状態を記憶して、サブ基板300に遊技機のエラー状態演出の表示を要求する。このとき、制御基板に搭載されたLED等の発光手段の発光態様をエラー状態に応じて制御してもよい。エラー状態に変化がなかった場合は、エラー状態の記憶及びエラー状態演出の表示要求は実行しない。
入球通過時間異常検出処理(S338)において、メインエラー検出手段284として機能するメインCPU290は、入球通過時間異常を検出するため、各スイッチレベルの連続オン時間の監視を行い、連続オン時間(例えば、スイッチがオンであるとき割込み毎にインクリメントするカウンタの値)が異常値であったと判断した場合、入球通過時間異常の設定、コマンドの送信要求、外部情報出力端子160へ出力するセキュリティの出力要求の作成を順に実行する。このとき、制御基板に搭載されたLED等の発光手段の発光態様を入球通過時間異常に応じて制御してもよい。連続オン時間が異常ではないと判断した場合は、セキュリティの出力要求の作成は実行しない。
遊技状態表示処理(S340)において、特別電動役物が連続して作動する回数、エラー状態、普通図柄の作動保留球数、及び特別図柄の作動保留球数の表示を要求するため、それぞれの表示データを作成する。
ハンドル状態信号検査処理(S342)において、ハンドルのタッチ状態を監視するため、ハンドル状態の検査を行い、検査の結果、ハンドル状態に変化ありと判断した場合、ハンドル状態監視タイマの減算、ハンドル状態の更新、ハンドル状態監視タイマの設定、及びハンドル状態演出のコマンド送信要求を実行する。検査の結果、ハンドル状態に変化なしと判断した場合、ハンドル状態監視タイマの設定を実行する。ハンドル状態監視タイマの値をデクリメントした結果が0以外の場合、タイマ減算中と判断して、以降の処理は実行しない。
LED出力処理(S344)において、特別図柄の表示、普通図柄の表示、特別図柄の作動保留球数の表示、普通図柄の作動保留球数の表示、遊技状態の表示、特別電動役物が連続して作動する回数の表示、役物連続作動装置未作動時の特別電動役物の作動状態の表示、打ち分けの表示、エラーの表示、賞球比率の表示を実行するために、表示の初期化、表示データの取得及び出力を順に実行する。
発射制御信号出力処理(S346)において、遊技球の発射の禁止/許可の信号を出力するため、払出制御基板155との通信状態及び断線短絡電源異常に対応した発射の禁止/許可の設定、及び発射の禁止/許可データの取得を行った後、発射の禁止/許可の信号の出力を実行する。
試験信号出力処理(S348)において、試験装置に出力する信号を作成し、対応した出力ポートに出力する。
ソレノイド出力処理(S350)において、普通電動役物ソレノイド91及び大入賞口ソレノイド92の出力データを出力するために、普通電動役物ソレノイド91の出力データの取得、大入賞口ソレノイド92の出力データの取得及び出力データの出力を実行する。それぞれのソレノイドの作動フラグ及び作動タイマを取得し、取得したソレノイド作動フラグ及びソレノイド作動タイマに対応した出力データを取得する。つづいて、ソレノイド作動タイマを更新し、出力データをソレノイド出力ポートへ出力する。
演出制御コマンド送信処理(S352)において、サブ基板300へ送信するコマンドの送信要求の有無を検査し、送信要求があると判断した場合、要求するコマンドデータを取得し、使用したコマンドバッファを0でクリアし、取得したコマンドデータに対応したMODEデータの取得、MODEデータの出力、MODEデータの保持、取得したコマンドデータに対応したEVENTデータの取得、EVENTデータの出力を順に実行する。
外部情報出力処理(S354)において、外部情報出力端子160に出力する信号を作成し、作成した信号を外部情報出力ポートに出力する。
上述したメイン基板200の動作過程において使用される乱数について、より詳細に説明する。メイン基板200において使用される乱数には、主に、普通図柄に係る乱数として、普通図柄当り乱数、及び普通図柄変動パターン乱数があり、特別図柄に係る乱数として、特別図柄当り乱数(ハード乱数)、特別図柄当りソフト乱数、特別図柄当り図柄乱数、変動パターン乱数がある。また、初期値更新型乱数である、普通図柄当り乱数、特別図柄当り図柄乱数、及び特別図柄当りソフト乱数の初期値を与えるための乱数として、普通図柄当り初期値乱数、特別図柄当り図柄初期値乱数、及び特別図柄当りソフト初期値乱数がある。
普通図柄当り乱数は、割込処理の初期値更新型乱数更新処理(S308)において更新され、メインRAM291の所定位置に格納される。普通図柄当り乱数は、割込処理の普通図柄作動ゲート監視処理(S320)において、遊技球が第1作動口31または第2作動口32を通過したと判断されたとき、普通図柄変動の保留数が上限値である4未満である場合に、メインRAM291の所定位置から取得され、メインRAM291の別の領域に格納される。普通図柄乱数は、普通図柄変動開始監視処理(S324)において、普通図柄の変動を開始させると判断されたときに、当り判定及び停止図柄の決定のために使用される。
普通図柄変動パターン乱数は、例えば0〜232の値をとり、割込処理の各種乱数更新処理(S306)において更新され、メインRAM291の所定位置に格納される。普通図柄変動パターン乱数は、割込処理の普通図柄作動ゲート監視処理(S320)において、遊技球が第1作動口31または第2作動口32を通過したと判断されたとき、普通図柄変動の保留数が上限値である4未満である場合に、メインRAM291の所定位置から取得され、メインRAM291の別の領域に格納される。普通図柄変動パターン乱数は、普通図柄変動開始監視処理(S324)において、普通図柄の変動を開始させると判断されたときに、普通図柄の変動パターンの決定のために使用される。
特別図柄当り乱数は、割込処理の始動口監視制御処理(S326)において、第1特別図柄又は第2特別図柄の作動保留球数が4未満であるときに遊技球の入賞を確認した場合に、内蔵乱数と特別図柄当りソフト乱数の値を取得し、両者を加算することにより生成され、メインRAM291の所定位置に格納される。特別図柄当り乱数は、割込処理の特別図柄変動開始監視制御処理(S334)において、大当り判定及び小当り判定を実行するために使用される。
特別図柄当りソフト乱数は、割込処理の初期値更新型乱数更新処理(S308)において更新され、メインRAM291の所定位置に格納される。特別図柄当りソフト乱数は、始動口監視制御処理(S326)において、第1特別図柄又は第2特別図柄の作動保留球数が4未満であるときに遊技球の入賞を確認した場合に、メインRAM291の所定位置から取得され、上述したように、特別図柄当り乱数を生成するために使用される。
特別図柄当り図柄乱数は、例えば0〜999(図7の例では0〜255)の値をとり、割込処理の初期値更新型乱数更新処理(S308)において更新され、メインRAM291の所定位置に格納される。特別図柄当り図柄乱数は、始動口監視制御処理(S326)において、第1特別図柄又は第2特別図柄の作動保留球数が4未満であるときに遊技球の入賞を確認した場合に、メインRAM291の所定位置から取得され、メインRAM291の別の領域に格納される。特別図柄当り図柄乱数は、割込処理の特別図柄変動開始監視制御処理(S334)において、当り判定が大当りであった場合に、大当り図柄を決定するために用いられる。
変動パターン乱数は、例えば0〜49999(図8の例では0〜255)の値をとり、割込処理の各種乱数更新処理(S306)において更新され、メインRAM291の所定位置に格納される。変動パターン乱数は、始動口監視制御処理(S326)において、第1特別図柄又は第2特別図柄の作動保留球数が4未満であるときに遊技球の入賞を確認した場合に、メインRAM291の所定位置から取得され、メインRAM291の別の領域に格納される。変動パターン乱数は、割込処理の特別図柄制御処理(S328)において、特別図柄変動パターンを決定するために用いられる。
普通図柄当り初期値乱数、特別図柄当り図柄初期値乱数、及び特別図柄当りソフト初期値乱数は、それぞれ、普通図柄当り乱数、特別図柄当り図柄乱数、及び特別図柄当りソフト乱数と同じ範囲の値をとり、メイン処理(S120)の初期値乱数更新処理(S208)及び割込処理の初期値乱数更新処理(S310)において更新され、メインRAM291の所定位置に格納される。普通図柄当り初期値乱数、特別図柄当り図柄初期値乱数、及び特別図柄当りソフト初期値乱数は、初期値更新型乱数更新処理(S308)において、普通図柄当り乱数、特別図柄当り図柄乱数、及び特別図柄当りソフト乱数を更新するときに、それぞれの乱数の初期値として用いられる。
割込処理は、タイマ割込により一定時間ごとに実行されるので、割込処理に含まれる各種乱数更新処理(S306)及び初期値更新型乱数更新処理(S308)も、一定時間ごとに実行される。すなわち、普通図柄当り乱数、普通図柄変動パターン乱数、特別図柄当り乱数、特別図柄当りソフト乱数、特別図柄当り図柄乱数、変動パターン乱数は、一定時間ごとに更新される。これに対して、メイン処理(S120)は、割込処理が終了してから次のタイマ割込が発生するまでの間、すなわち、タイマにより計測される一定時間から割込処理に要した時間を減じた時間だけ繰り返される。割込処理に要する時間は、遊技状態などに応じて異なるので、メイン処理(S120)における初期値乱数更新処理(S208)は、各種乱数更新処理(S306)や初期値更新型乱数更新処理(S308)と異なり、一定時間ごとに実行されるわけではない。これにより、初期値更新型乱数更新処理(S308)において初期値を設定する際に取得される初期値乱数を毎回ランダムにすることができる。
図20は、ぱちんこ遊技機におけるサブ基板300の制御開始処理を示すフローチャートである。この制御開始処理は、サブ初期処理実行手段360により実行されるが、以降、サブ初期処理実行手段360として機能するサブCPU310が実行するものとして説明する。サブ基板300の制御を開始すると、サブCPU310はスタックポインタを設定し(S500)、各種の初期設定が完了するまですべての割込を禁止し(S502)、サブCPU310のレジスタ設定やポート初期化といったハードウェアに関する初期設定を実行する(S504)。サブROM312から制御プログラムを読み出してサブRAM311に配置するとともに、制御プログラムにおける各種の変数のうち、初期値のある変数については初期値を設定し、初期値のない変数についてはゼロクリアのデータを設定することにより、サブRAM311を初期化する(S506)。なお、サブ基板300における割込処理は、最優先で実行される割込処理として、電源立ち上げ時の処理と、ウォッチドッグ機能が有効な場合における各種異常発生時のリセット処理とがある。次に実行優先度の高い優先レベル7の割込処理として、メイン基板200から受信するコマンド処理があり、その次に優先度の高い優先レベル3の割込処理として、ウォッチドッグタイマによるCPU暴走検知時のリセット処理がある。次に優先される優先レベル2の割込処理として、制御CPU320との間で送受信されるコマンドに係る処理があり、最も優先度の低い優先レベル1の割込処理として、リアルタイムクロックとの通信処理やランプ、ソレノイド、モータ等の各種デバイス制御処理等がある。以上の各種処理に関する割込が仮に同時に発生した場合には、割込の種類ごとにあらかじめ設定された優先度の高いものから優先して実行される。なお、本図に示す処理は、最優先レベルの割込である電源立ち上げ時の処理および各種異常発生時のリセット処理と、優先レベル3の割込であるCPU暴走検知時のリセット処理とを含む。
メイン基板200から受信するコマンド以外の割込(優先レベル7)を禁止し(S510)、あらかじめ記憶された全機種用のすべてのエラー情報から当該機種で使用する各種エラー情報を設定する(S512)。装飾ランプ111などのすべてのランプを消灯し(S514)、ウォッチドッグタイマの動作を開始し(S516)、メイン処理を実行する(S518)。通常はS518のメイン処理から本フローへ戻ることはないが、戻ったときはスリープ(小消費電力モード)へ移行する(S520)。
図21は、図20におけるS518のメイン処理を詳細に示すフローチャートである。図20のS506においてサブRAM311に配置された制御プログラムが正確に配置されているかを本図のメイン処理内でチェックするためにそのチェックを開始する先頭アドレスを取得し(S530)、以降の処理においてすべての割込を許可し(S532)、モータやソレノイド等のデバイスの初期化動作を実行する(S534)。
ウォッチドッグタイマを使用する設定であればウォッチドッグタイマをクリアし(S536)、装飾図柄の外れの組合せがランダムの組合せになるように装飾図柄のカウンタを更新し(S540)、サブCPU310の入力ポートを監視する(S542)。なお、S540はカウンタを用いて装飾図柄の外れ図柄を決定する方式における処理であるため、外れ図柄となる全ての図柄組合せを組み込んだ抽選シートを用いて装飾図柄の外れ図柄を決定する方式の場合にはS540の処理は実行しない。その抽選シートを用いて装飾図柄の外れ図柄を決定する処理は、S552で後述する通りメイン基板200から特別図柄の停止図柄を示すコマンドを受信したときに実行する。サブエラー検出手段364として機能するサブCPU310は、エラー状態を監視して各種エラーを検知したときはそのエラーを報知し(S544)、演出ボタン109の入力状態に応じた処理を実行し(S546)、予告抽選を実行する(S548)。なお、S548における予告抽選は、特に図柄変動開始直後に出現させる予告演出のコマンドをできる限り早期に演出制御装置313へ送信するため、抽選処理を1回のループで処理するのではなく複数回のループに分け、図柄変動開始直後に出現させる予告演出を先のループで抽選する。リアルタイムクロック、ランプ、モータ、ソレノイド等のデバイスに対する動作要求があればその動作を実行し(S550)、コマンドバッファに保存されたコマンドを解析し(S552)、コマンド解析直後の場合はS536の処理へ戻り(S554のY)、コマンド解析直後でないときは(S554のN)、空き時間で行えばよい低優先度の処理として抽選用ソフト乱数を更新し(S556)、S536の処理に戻る。なお、S552において、解析するコマンドが特別図柄の変動パターンを示す場合は装飾図柄の変動演出パターンをこのS552の処理にて決定し、解析するコマンドが特別図柄の停止図柄を示す場合は抽選シートを用いて装飾図柄の外れ図柄を決定する方式であれば装飾図柄の停止図柄をこのS552の処理にて決定する。
図22は、メイン基板200からコマンドを受信した場合の割込処理を示すフローチャートである。メイン基板200から受信するメインコマンドは、リセット割込やエラー割込に次いで優先度の高い優先レベル7の割込命令である。メイン基板200から受信したデータを入力ポートへ読みに行き、2回連続で同じデータが読み込まれたときにそのデータを新たなコマンドとして確定し(S600のY)、その確定したコマンドが第1コマンド(MODEデータ)であれば(S602のY)、その第1コマンドを一時記憶領域に保存する(S604)。ハード乱数を後続の処理のために取得し(S606)、元のルーチンに戻る。このようにメイン基板200からメインコマンドの割込があるたびにハード乱数を取得しておくことにより、乱数の取得タイミングに周期性を生じさせず、値のランダム性を高める。S600において読み込まれたデータが2回連続で一致しなければ(最高5回まで読み込み可能)、S602をスキップして元のルーチンに戻る(S600のN)。
S602において、確定したコマンドが第1コマンドではなく第2コマンドの場合は(S602のN)、第1コマンドがすでに適切に受信済みであることが確認できれば(S608のY)、コマンドバッファ(コマンドデータ用のリングバッファ)における読み取り位置であるコマンドライトポインタを取得し(S610)、第1コマンドと第2コマンドとをコマンドバッファに保存する(S612)。コマンドバッファに保存されたコマンドデータは、図21のS552において解析される。コマンドライトポインタを更新し(S614)、一時記憶領域に保存させていた第1コマンドをクリアして(S616)、元のルーチンに戻る。S608において第1コマンドが受信済みでないときはS610以降をスキップして(S608のN)、元のルーチンに戻る。
図23は、演出表示制御のためのタイマ割込が発生した場合の割込処理を示すフローチャートである。このタイマ割込は、サブCPU310から制御CPU320へ演出表示に関するコマンドを送信するための優先レベル2の割込であり、500μs周期で発生する。この割込では、バッファをチェックし(S620)、バッファに送信用のコマンドデータがあれば(S622のY)、そのコマンドデータを読み込み(S624)、制御CPU320へ送信する(S626)。なお、制御CPU320へのコマンドデータの送信は、制御CPU320側で正常受信された旨を示すコマンドをサブCPU310が制御CPU320から受信するまで所定時間間隔で最大3回まで送信を試みる。送信後、バッファの読み出しアドレスの設定を更新し(S628)、元のルーチンに戻る。バッファに送信用のデータがなければ(S622のN)、S624以降をスキップして元のルーチンに戻る。
図24は、サブCPU310が制御CPU320からコマンドを受信した場合の割込処理を示すフローチャートである。この割込もまた優先レベル2の割込である。サブCPU310が制御CPU320から受信するコマンドは、主にサブCPU310から制御CPU320へ送信したコマンドが正常受信された旨を示すコマンドである。制御CPU320からコマンドを受信した場合、受信したコマンドデータを読み出し(S630)、コマンドを解析し(S632)、コマンドバッファに保存して(S634)、元のルーチンに戻る。
図25は、各種デバイス制御のためのタイマ割込が発生した場合の割込処理を示すフローチャートである。このタイマ割込は、装飾ランプ111などのランプ制御、可動役物66を駆動するソレノイドやモータの制御、各種タイマの管理制御のための割込であり、1ms周期で発生する。優先度が最も低い優先レベル1の割込であるため、優先レベル2以上の割込を許可し(S640)、演出ボタン109からの入力を示す信号、エラー検知を示す信号、電断を示す信号、モータやソレノイド等の制御対象デバイスへの駆動信号等を入出力するポートの入出力を処理する(S642)。このとき、電断を示す信号が入力された場合は直ちにバックアップ処理へ移行する。モータやソレノイド等のデバイスの制御パターンに基づくカウント処理やS642でポートにデータを書き込むためのバッファのオンオフ制御など、デバイス制御に係るデータを更新し(S644)、演出のタイミングを計るためのタイマを更新し(S646)、演出ボタン109の入力有効時間を管理するためのタイマを更新し(S648)、装飾ランプ111の点灯切換制御や制御CPU320の暴走監視制御等のためのタスク制御用カウンタを更新して16ms周期を作成する(S650)。
なお、装飾ランプ111の点灯切換制御の最小単位は16msである。画像表示制御の1フレームが16msまたは32msであり、その整数倍を装飾ランプ111の点灯切換制御の最小単位としておくことで、ランプ制御と画像表示制御を同期させやすくできる。また、例えば30秒間のエラー報知といった、比較的長時間の期間をカウントする場合に、仮に1割込(1ms)周期のカウントを用いてしまうとカウント値が必要以上に長くなってしまうが、16ms周期のカウント値とすることによってカウント値を短くすることもできる。
タスク制御には処理0〜15までの16種類のタスクがあり、そのうち1つのタスクが装飾ランプ111の点灯切換制御であり、2つのタスクが制御CPU320の暴走監視制御である。装飾ランプ111の点灯切換制御は、タスク制御用カウンタのカウント値に応じて16割込に1回実行することで16ms周期での切換を実現する。制御CPU320の暴走監視制御は、例えば処理0と処理8に割り当て、タスク制御用カウンタのカウント値が0と8のとき、すなわち8割込に1回、制御CPU320からのトグル信号を監視(S652)することで、8ms周期での監視を実現する。
なお、制御CPU320からは1フレームごとにオンオフ反転するトグル信号が出力されており、このトグル信号が1600ms連続して同じ値のまま変化しない場合に制御CPU320が暴走していると判断し、サブCPU310から制御CPU320へリセット信号を送信し、リセット信号を受信した制御CPU320はリセットを実行する。制御CPU320からは1フレーム(16msまたは32ms)周期でトグル信号を受信するため、その周期より短い8ms周期で監視する。最後に、上述のような例えば30秒間のエラー報知といった比較的長時間のエラー報知期間を管理するタイマを減算し(S654)、そのタイムアウト時にエラー報知が終了する。
図26は、特別図柄変動表示の過程を示すフローチャートである。第2当否抽選値の保留がなされている場合(S700のY)、第2当否判定手段222が第2当否抽選値を読み出して第2特別図柄52の当否を判定し(S702)、第2当否判定手段222が第2特別図柄52の停止図柄を決定し(S704)、第2変動パターン決定手段232が第2特別図柄52の変動パターンを決定し(S706)、決定した結果とともに変動開始コマンドをサブ基板300へ送信して第2特別図柄52の図柄変動を開始する(S716)。
第2当否抽選値の保留がなされていない場合であって(S700のN)、第1当否抽選値の保留がなされている場合(S708のY)、第1当否判定手段221が第1当否抽選値を読み出してあらためて第1特別図柄51の当否を判定し(S710)、第1当否判定手段221が第1特別図柄51の停止図柄を決定し(S712)、第1変動パターン決定手段231が第1特別図柄51の変動パターンを決定し(S714)、決定した結果とともに変動開始コマンドをサブ基板300へ送信して第1特別図柄51の図柄変動を開始する(S716)。第1当否抽選値の保留がなされていない場合はS710からS722までの処理をスキップする(S708のN)。
特別図柄の図柄変動表示を処理し(S718)、所定の変動時間が経過して図柄表示の停止タイミングに達するまでS718を繰り返し(S720のN)、所定の変動時間が経過して図柄表示の停止タイミングに達したときは(S720のY)、変動停止コマンドをサブ基板300へ送信して表示中の図柄変動をあらかじめ決定された停止図柄にて停止し(S722)、特別図柄の変動表示を終了する。
図27は、装飾図柄変動表示の過程を示すフローチャートである。サブ基板300の演出決定手段303がメイン基板200から変動開始および演出表示内容を示すコマンドを受信し(S750)、受信した特別図柄の停止図柄、変動パターン、当否判定結果に応じて装飾図柄の停止態様を決定し(S752)、変動パターンに対応する変動演出パターンを決定する(S754)。ここで、事前判定により前兆設定がオンになっている場合(S756のY)、すでに決定されている変動演出パターンが、予告演出との重畳表示を回避すべき特定の演出内容が含まれたパターンでない場合であって(S758のN)、前兆設定がオンされた契機である図柄変動でなければ(S760のN)、所定の予告演出を表示すべき設定を実行し(S764)、前兆設定がオンされた契機である図柄変動である場合は(S760のY)、前兆設定をオフする(S762)。前兆設定がオンでない場合や(S756のN)、変動演出パターンに特定の演出内容が含まれる場合は(S758のY)、S760からS764の処理をスキップする。
その後、装飾図柄の変動演出表示を開始し(S766)、装飾図柄の変動演出表示処理と(S768)、予告演出の表示処理を実行し(S770)、メイン基板200から変動停止コマンドを受信するまでS768とS770を繰り返し(S772のN)、変動停止コマンドを受信したときに(S772のY)、S752で決定された停止態様にて装飾図柄を停止表示させることで図柄変動表示を停止し(S774)、装飾図柄の変動演出を終了する(S776)。
図28は、特別遊技の過程を示すフローチャートである。まず、演出表示制御手段305が特別遊技の演出処理を開始し(S800)、開閉制御手段275が大入賞口20を開放する(S802)。所定の開放時間が経過せず(S804のN)、大入賞口20への入球数も9球以上に達していなければS804に戻り(S806のN)、所定の開放時間が経過したか(S804のY)、開放時間が経過していないものの(S804のN)、大入賞口20への入球数が9球以上に達した場合(S806のY)、開閉制御手段275が大入賞口20を閉鎖させる(S810)。
単位遊技が最終ラウンドに達していなければ(S810のN)、ラウンド数に1を加算してS802に戻り(S812)、単位遊技が最終ラウンドに達していた場合は(S810のY)、演出表示制御手段305は特別遊技の演出処理を終了させ(S814)、特別遊技制御手段260は特別遊技を終了させ(S816)、特定遊技、すなわち確変、時短、入球容易状態の実行を開始する(S818)。
図29は、小当り遊技の過程を示すフローチャートである。小当り遊技において、1回だけ実行される単位遊技を開始し(S819)、大入賞口20を開放させ(S820)、所定の開放時間を経過するまで開放を継続させ(S822のN)、開放時間を経過した場合(S822のY)、大入賞口20を閉鎖し(S824)、設定回数分の開閉が終了していなければ(S826のN)、開閉回数に1を加算してS820に戻り(S828)、設定回数分の開閉が終了していれば(S826のY)、小当り遊技を終了する。
前提技術においては、第1の遊技における大当りの出玉より、第2の遊技における大当りの出玉の方が概ね多い、すなわち、第1の遊技よりも第2の遊技の方が1回の大当りにおける賞球獲得期待値が多くなるように設計されていたが、別の例では、第1の遊技の方が第2の遊技よりも賞球獲得期待値が多くなるように設計されてもよいし、第1の遊技と第2の遊技の賞球獲得期待値が概ね等しくなるように設計されてもよい。後者の場合、第1の遊技において実行される特別遊技と第2の遊技において実行される特別遊技に含まれる単位遊技の数の平均が等しくなるように設計されてもよい。例えば、第1の遊技においては、100%の確率で単位遊技が7回実行される特別遊技が実行され、第2の遊技においては、50%の確率で単位遊技が4回実行される特別遊技が、50%の確率で単位遊技が10回実行される特別遊技が実行されてもよい。また、いずれの場合においても、大入賞口に特定領域が設けられ、大入賞口に入球した遊技球が特定領域に入球または特定領域を通過した場合に、特別遊技終了後の通常遊技において確変状態などの特定遊技が実施されるように構成されてもよい。この場合、第1の遊技において大当りとなった場合に実行される特別遊技よりも、第2の遊技において大当りとなった場合に実行される特別遊技の方が、特定領域への入球容易性が高く、特別遊技の終了後に確変状態の通常遊技が実行される確率が高くなるように構成されてもよい。例えば、特定領域への入球が相対的に困難となる特別遊技が実行される第1当りと、特定領域への入球が相対的に容易となる特別遊技が実行される第2当りとが設けられ、第1の遊技よりも第2の遊技の方が第2当りとなる確率が高いように構成されてもよい。または、第1の遊技において第2当りとなる確率は100%未満であるが、第2の遊技において第2当りとなる確率は100%であるように構成されてもよい。
(前提技術2)
次に、前提技術としてスロットマシンの基本構成を説明する。
図30は、スロットマシン1010の外面における基本的な構造を示す斜視図である。スロットマシン1010は、主に箱状体である筐体基部1102と、筐体基部1102の前面に設けられた筐体扉部1104と、筐体基部1102および筐体扉部1104に設けられた各種装置と、を備える。筐体扉部1104は、筐体基部1102の開口部に開閉自在に取り付けられた扉体であり、筐体基部1102と筐体扉部1104とが一体となることによりスロットマシン1010の筐体を形成する。筐体扉部1104は、遊技店の営業時間中は施錠され、スロットマシン1010の内部への不正なアクセスが防止される。遊技店の従業員によって筐体扉部1104が解錠されたときにはじめて内部へのアクセスが可能となる。
筐体扉部1104には、その前面略中央に透明窓1132が設けられ、内部で回転するリールが透明窓1132を通じて視認される。筐体扉部1104の前面上部には、演出的な内容が表示される演出表示装置1130が設けられる。筐体扉部1104における透明窓1132の下方に設けられた操作領域には、第1ベットボタン1112a、第2ベットボタン1112b、精算ボタン1113、十字キー1118、演出ボタン1120、メダル投入口1110が設けられる。第1ベットボタン1112aは、メダルを1枚掛ける(以下、「ベットする」ともいう)ためのボタンであり、第2ベットボタン1112bは、いわゆるマックスベットボタンであり、最大ベット枚数である3枚のメダルを掛けるためのボタンである。精算ボタン1113は、メダル投入口1110から投入されて貯留メダルとして記憶されたメダルまたはベットされたメダルを遊技者に払い出す指示をするボタンである。十字キー1118および演出ボタン1120は演出としての遊技者の操作入力を受け付ける操作入力手段である。ベットボタン1112a、bの下方には、遊技者がリールの回転開始を指示するためのスタートレバー1114が設けられる。スタートレバー1114の右方には、3つのリールの回転停止をそれぞれ指示するための左ストップボタン1116a、中ストップボタン1116b、右ストップボタン1116cが設けられる。筐体扉部1104の下方にはメダルの払出口1108とその前方にメダル受け皿1106が設けられ、払出口1108の左右にスピーカー1122が設けられる。筐体扉部1104の外周など複数箇所に複数の演出ランプ1124が設けられる。
演出表示装置1130の図示しない上部には、状態表示ランプ、回数表示ランプ、貯留枚数表示ランプ、払出数表示ランプが設けられる。状態表示ランプは、例えばボーナス遊技やAT(アシストタイム)が開始されると点灯し、終了すると消灯する。回数表示ランプは、ボーナス遊技やATの実行回数等を表示する7セグメント表示器である。貯留枚数表示ランプは、貯留(クレジット)された遊技メダルの枚数を表示する7セグメント表示器である。払出数表示ランプは、小役が成立した際に払い出される遊技メダルの枚数を表示する7セグメント表示器である。払出数表示ランプは、スロットマシン1010に何らかの異常(エラー)が発生した際に、そのエラーの種類を示すアルファベット文字を表示する。例えば、ホッパーエンプティエラー、遊技メダル払出エラー、遊技メダル滞留エラー、遊技メダル逆流エラー、補助収納庫満杯エラー、回胴停止エラー、設定値エラー等がある。ホッパーエンプティエラーは、ホッパータンク1162の中の遊技メダルが空になった場合のエラーである。遊技メダル払出エラーは、本来とは異なるタイミングで遊技メダルが払い出された場合のエラーである。遊技メダル滞留エラーは、メダル投入口1110の内部に遊技メダルが詰まった場合のエラーである。遊技メダル逆流エラーは、メダル投入口1110とは異なる位置から遊技メダルが侵入するなど、本来の順路とは異なる方向へ遊技メダルが進んだ場合のエラーである。補助収納庫満杯エラーは、ホッパータンク1162の中の遊技メダルが満杯となった場合のエラーである。回胴停止エラーは、予め定められた位置に各リールが停止しない場合のエラーである。設定値エラーは、予め定められた数値範囲外の設定値となった場合のエラーである。
図31は、筐体扉部1104を開放したときに露出する筐体扉部1104の背面図である。略中央には、透明窓1132が設けられる。上部には、遊技における演出を制御する、いわゆるサブ基板と呼ばれる副制御装置1300が設置される。透明窓1132の下方には、メダルセレクタ1150と、その右方にメダル誘導路1152、下方にメダル返却路1154が設けられる。メダルセレクタ1150は、後述するメダル投入口にメダルが投入されたとき、メダルを受付可能な状態の場合はメダル誘導路1152に振り分け、受付不可の状態の場合はメダル返却路1154に振り分ける。メダル誘導路1152に振り分けられたメダルは、メダル誘導路1152を通じて後述するホッパータンクに貯留される。
図32は、筐体扉部1104を開放したときに露出する筐体基部1102の内部構成を示す正面図である。筐体基部1102の略中央部には、左リール1160a、中リール1160b、右リール1160cが回転可能に設けられる。左リール1160a、中リール1160b、右リール1160cは、それらの外周面に複数の図柄が印字された回転部材であり、それぞれステッピングモータの駆動力によって回転することで図柄の回転移動が透明窓1132を通じて遊技者に視認される。
筐体基部1102の上部には、遊技の進行を制御する、いわゆるメイン基板である主制御装置1200が設置される。主制御装置1200において、その右部分に設定変更スイッチ1168が設けられる。設定変更スイッチ1168は、6段階ある遊技仕様を変更するためのボタンと、遊技店の従業員が持つ設定キーを挿入する鍵穴と、設定された設定値を記憶する設定メモリと、を含む。それぞれ異なる遊技仕様に対応付けられた6段階の設定値は、設定1から設定6までのうち数値が大きいほど遊技者に有利な遊技仕様となる。遊技店の従業員が設定キーを鍵穴に挿入して回すと、ボタンを操作して設定変更できる状態となる。
筐体基部1102の下部にはホッパータンク1162が設けられ、ホッパータンク1162の下方にはメダルを払出口1108から払い出す払出装置1164(以下、「ホッパー」とも称する)が設けられる。ホッパータンク1162の左方には、スロットマシン1010の各部へ電力を供給する電源基板1166が設けられる。
図33は、リールの図柄配列を示す図である。左リール1160a、中リール1160b、右リール1160cのそれぞれの外周面には、図の表に示されるような図柄列が印字されている。各リールには、それぞれ図柄番号0〜19に対応する20個の図柄が等間隔で配置されている。これらの図柄のうち有効ライン上に停止した図柄の組合せが所定の役が成立する所定の同じ図柄や所定の組合せとなった場合に、その役の入賞が決まる。一方、図柄が並ぶラインには、有効ラインとして設定されないラインであって所定の同じ図柄や所定の組合せが停止したとしても役の入賞とは扱わないこととする組合せラインも含まれる。
以上のスロットマシン1010において、遊技者はメダル投入口1110から1枚〜3枚のメダルを投入することでメダルを掛ける。クレジットとしてメダルが貯留されている場合は、遊技者は第1ベットボタン1112a、第2ベットボタン1112b、または精算ボタン1113を押下することで1枚または3枚のメダルを掛ける。遊技者がスタートレバー1114を操作すると、左リール1160a、中リール1160b、右リール1160cの回転が開始し、リール上の図柄列が縦方向に高速移動する。遊技者が任意の順序で左ストップボタン1116a、中ストップボタン1116b、右ストップボタン1116cを押下すると、その押下順序に対応する順序で左リール1160a、中リール1160b、右リール1160cの回転が停止し、それぞれいずれかの図柄が停止位置に表示される。所定の有効ライン上に停止した図柄の組合せ態様が複数種類の役のいずれかに該当した場合に「入賞」と判定され、その役の種類に応じた数のメダルが払い出され、または遊技状態の移行が実行される。
図34は、スロットマシン1010の機能ブロック図である。スロットマシン1010は、主制御装置1200と副制御装置1300とを備える。主制御装置1200は、リール1160a〜c、ベットボタン1112a、b、精算ボタン1113、スタートレバー1114、ストップボタン1116a〜c、設定変更スイッチ1168と電気的に接続され、副制御装置1300は、演出ランプ1124、演出表示装置1130、スピーカー1122、十字キー1118、演出ボタン1120と電気的に接続される。主制御装置1200および副制御装置1300は、それぞれハードウェア的にはデータやプログラムを格納するROMやRAM、演算処理に用いるCPU等の素子を含んで構成されるが、本図では主にソフトウェア的な観点から捉えた機能ブロックを説明する。
なお、主制御装置1200に含まれる各機能ブロックは、いずれかが主制御装置1200ではなく副制御装置1300に搭載されるかたちで構成されてもよい。同様に、副制御装置1300に含まれる各機能ブロックは、いずれかが副制御装置1300ではなく主制御装置1200に搭載されるかたちで構成されてもよい。ただし、主制御装置1200と副制御装置1300の間におけるデータの送受信は主制御装置1200から副制御装置1300への一方向であるため、そのような一方向でのデータ送受信にて全体動作が実現されるよう各構成が主制御装置1200と副制御装置1300に配置される。このように主制御装置1200から副制御装置1300へのデータ送信の一方向性が保たれるため、副制御装置1300に含まれる構成から主制御装置1200に含まれる構成へはデータを送信することができず、データ送信の要求もできない。したがって、主制御装置1200で生成された情報は、主制御装置1200が副制御装置1300へ一方的に送信しない限り副制御装置1300から参照することはできない。
主制御装置1200は、役抽選手段1202、乱数判定手段1204、当選フラグ制御手段1206、リール制御手段1208、停止位置決定テーブル1210、操作順序検出手段1212、入賞判定手段1214、払出手段1216、特別遊技制御手段1218、設定変更手段1220を備える。
役抽選手段1202は、遊技者によりスタートレバー1114の操作がなされたことを契機として、複数種類の役から当選役を決定する役抽選を実行するとともに、役抽選の結果を副制御装置1300へ送信する。役の種類には、小役、特別役、再遊技役があり、いずれの当選役も決定されない場合は外れとなる。小役には複数種類があり、その種類に応じた数のメダルが払い出される。特別役には、レギュラーボーナス(「RB」ともいう)とビッグボーナス(「BB」ともいう)がある。再遊技役は「リプレイ」とも呼ばれ、新たなメダル投入をせずに同数のメダルが投入されたのと同じ状態となり、再び遊技ができる役である。乱数判定手段1204は、役抽選に用いる乱数の値を抽選値として取得する。なお、本願にいう「乱数」は、数学的に発生させる乱数でなくてもよく、ハードウエア乱数やソフトウエア乱数などにより発生させる疑似乱数でもよい。役抽選手段1202は、役抽選として、乱数判定手段1204により取得される抽選値が役ごとに割り当てられたいずれかの抽選値範囲に該当するか否かによって当選役を決定する。
当選フラグ制御手段1206は、各役に対応する複数のフラグのうち、当選役に対応するフラグをオンする。フラグをオンした当選役が小役の場合、その当選の持ち越しはないため、当該遊技が終了するときに入賞有無を問わずフラグをオフする。フラグをオンした当選役が特別役の場合、その当選は入賞まで持ち越されるため、入賞があるまでフラグをオンのまま維持し、入賞した時にフラグをオフする。フラグをオンした当選役が再遊技役の場合、その当選も持ち越しはないため、当該遊技が終了するときにフラグをオフする。
リール制御手段1208は、スタートレバー1114の操作がなされたことを契機として、左リール1160a、中リール1160b、右リール1160cの回転を開始させる制御をするとともに、スタートレバー1114の操作を示す情報を副制御装置1300へ送信する。リール制御手段1208は、役抽選の結果に応じて、複数の停止位置決定テーブル1210からいずれかを選択する。リール制御手段1208は、左ストップボタン1116a、中ストップボタン1116b、右ストップボタン1116cの個別の押下を契機とし、その押下に対応して左リール1160a、中リール1160b、右リール1160cの回転を停止させる制御をするとともに、ストップボタンの押下を示す情報を副制御装置1300へ送信する。リール制御手段1208は、それぞれに設けられるステッピングモータの駆動を制御することによって左リール1160a、中リール1160b、右リール1160cを回転および停止を制御する。
リール制御手段1208は、停止位置決定テーブル1210に基づき、左ストップボタン1116a、中ストップボタン1116b、右ストップボタン1116cが押下されたタイミングおよび押下順序に応じて左リール1160a、中リール1160b、右リール1160cの停止位置を決定する。操作順序検出手段1212は、左ストップボタン1116a、中ストップボタン1116b、右ストップボタン1116cが押下された順序を検出する。リール制御手段1208は、左リール1160a、中リール1160b、右リール1160cの回転位置を、それぞれに対応するフォトセンサによって基準位置を検出する。
停止位置決定テーブル1210には、役抽選の結果と、ストップボタン1116a〜cが押下されたときのリール1160a〜cの位置と、ストップボタン1116a〜cの押下順序と、リール1160a〜cの複数の図柄のうちいずれを有効ライン上に停止させるかの対応関係が定められる。すなわち、小役の種類、特別役の種類、再遊技役の種類に応じて個別の停止位置決定テーブル1210が用意され、役ごとの入賞条件として、ストップボタン1116a〜cが押下タイミングおよび押下順序がそれぞれの停止位置決定テーブル1210に定められる。いずれかの役に当選している場合、その当選役に応じた停止位置決定テーブル1210に基づき、ストップボタン1116a〜cの押下タイミングおよび押下順序が入賞条件を満たした場合に、リール制御手段1208は当選役に対応する図柄組合せが有効ライン上に揃うようにリール1160a〜cの停止位置を決定する。いずれかの役に当選している場合であっても、ストップボタン1116a〜cの押下タイミングおよび押下順序が入賞条件を満たしていない場合は、リール制御手段1208はその当選役に応じた停止位置決定テーブル1210に基づいて当選役に対応する図柄組合せが有効ライン上に揃わないようにリール1160a〜cの停止位置を決定する。いずれの役にも当選していない場合、外れに対応する停止位置決定テーブル1210に基づき、リール制御手段1208は役に対応する図柄組合せが有効ライン上に揃わないようにリール1160a〜cの停止位置を決定する。
なお、本明細書において「テーブル」というときは、厳密に抽選値などの第1のパラメータと、選択肢を示す値などの第2のパラメータとの対応関係をテーブル構造で定めたデータを指すだけでなく、そのような対応関係として第1のパラメータから第2のパラメータを導出するプログラム構造で実現する場合も広く含むものとする。それらを含めて実質的に「テーブル」と同義の概念として適宜「選択基準」とも称する。また、テーブル構造を用いる場合、実質的に1種類となる選択基準を構造的に細分化された複数のテーブルの組み合わせで構成してもよいが、「複数種の選択基準」というときはその細分化されたテーブルの数ではなくテーブルの実質的な種類の数を示す。
入賞判定手段1214は、いずれかの役に対応する図柄組合せが有効ライン上に揃った場合に入賞したと判定し、入賞した役に対応する払出メダル数を決定する。払出手段1216は、入賞判定手段1214で決定された払出メダル数を貯留メダル数に加算する。ただし、貯留メダル数が50を超えるときは超えた分のメダルを払出装置1164により払い出す。また、入賞した役が再遊技役の場合は前回遊技で掛けられた投入メダル数と同数のメダルが再び掛けられた状態にする。入賞判定手段1214は、入賞に関する情報や払出メダル数の情報を副制御装置1300へ送信する。
特別遊技制御手段1218は、特別役に入賞した場合に通常遊技から特別遊技へ移行させ、特別遊技の終了条件を満たしたときに特別遊技から通常遊技へ移行させる制御をする。特別遊技としては、RBに入賞した場合に移行するRB遊技と、BBに入賞した場合に移行するBB遊技がある。RB遊技は、所定の図柄または所定の組合せが有効ライン上に8回停止したとき、または、12回の遊技結果が得られたときに終了する。BB遊技は、所定の図柄または所定の組合せが有効ライン上に停止したことによるメダルの払出枚数の合計が465枚を超えるときに終了する。
設定変更手段1220は、6段階の遊技仕様のうち、設定変更スイッチ1168により設定された設定値に対応する遊技仕様に決定し、役抽選手段1202による役抽選における各役の当選確率を変更する。6段階の遊技仕様は、設定1から設定6までのうち数値が大きいほど当選確率が高い。設定変更スイッチ1168を操作するたびに「設定1」→「設定2」→「設定3」→・・・→「設定6」→「設定1」のように設定値を1ずつインクリメントするとともに、「設定6」から「設定1」に戻すことによりインクリメントを循環させる。最後にスタートレバー1114を操作することにより、その時点で選択されている設定値に決定され、設定変更が確定する。
副制御装置1300は、パターン記憶手段1302、演出決定手段1304、演出制御手段1306を備える。パターン記憶手段1302は、複数種類の演出パターンを記憶する。演出パターンには、遊技の進行に合わせて演出表示装置1130に表示させる演出内容や、演出ランプ1124の点灯パターン、スピーカー1122から出力する音声パターンなどが定められている。演出決定手段1304は、スタートレバー1114の操作を示す情報やストップボタン1116の押下を示す情報、役抽選の結果を示す情報、入賞に関する情報、払出メダル数の情報などの情報を主制御装置1200から受信する。演出決定手段1304は、スタートレバー1114やストップボタン1116a〜cの操作やリール1160a〜cの停止を契機として、役抽選手段1202による役抽選の結果や入賞状況、遊技状態にしたがってパターン記憶手段1302に記憶される複数種類の演出パターンからいずれかを選択する。演出制御手段1306は、演出決定手段1304により選択された演出パターンにしたがい、演出表示装置1130の表示、演出ランプ1124の点灯、およびスピーカー1122からの出力を制御する。演出制御手段1306は、演出ボタン1120や十字キー1118の入力内容に応じて演出表示装置1130への表示内容や演出ランプ1124の点灯パターン、スピーカー1122からの音声出力などを変化させる。演出パターンによる演出を制御する間に、あらたにベットボタン1112a,bやスタートレバー1114の操作がなされた場合、演出制御手段1306は表示中の演出をキャンセルし、演出決定手段1304はあらたな遊技に対応する演出パターンを選択し、選択した演出パターンによる演出を演出制御手段1306が開始する。
図35は、スロットマシン1010における基本的な遊技の流れを示すフローチャートである。まず、リール1160a〜cのいずれもまだ回転していない場合であって(S1010のN)、メダルのベットもされていない状態(S1012のN)を想定する。その状態において、クレジットとしてメダルの貯留がある場合(S1014のY)、ベットボタン1112a、bのいずれかが押下されれば(S1016のY)、押下されたベットボタンに対応するメダル枚数のベットを設定する(S1018)。クレジットがない場合はメダル投入等がなされるまで本フローのルーチンを抜けて残りの処理をスキップする(S1014のN)。S1016においてベットボタン1112a、bの押下がない場合も押下がなされるまで本フローのルーチンを抜けて残りの処理をスキップする(S1016のN)。S1012においてすでにベットがなされた状態であればS1014からS1018までをスキップする(S1012のY)。
ベットが設定された状態で、スタートレバー1114の操作があれば(S1020のY)、役抽選手段1202が役抽選を実行し(S1022)、当選フラグ制御手段1206は役抽選の結果に応じて当選役に対応するフラグをオンし(S1024)、役抽選の結果に応じた停止位置決定テーブル1210を選択する(S1025)。前の遊技終了から4.1秒が経過していなければ待機し(S1026のN)、経過していれば(S1026のY)、リール制御手段1208はリール1160a〜cの回転を開始して(S1028)、本フローのルーチンを抜ける。S1020においてスタートレバー1114の操作がなければ本フローのルーチンを抜けて残りの処理をスキップする(S1020のN)。
S1010において、リール1160a〜cのうち少なくともいずれかが回転中の場合(S1010のY)、ストップボタン1116a〜cのいずれかの押下があれば(S1030のY)、当選役を示すフラグの状態、ストップボタンの押下タイミング、押下順序、および停止位置決定テーブル1210に基づいてリールの停止位置を決定し(S1032)、押下されたストップボタンに対応するリールを停止させる(S1034)。ストップボタンの押下がなければS1032およびS1034をスキップする(S1030のN)。リール1160a〜cがすべて停止状態となった場合(S1036のY)、それらの停止位置に基づいて当選役の入賞を判定し(S1038)、入賞があれば当選役に対応する払出数にてメダルを払い出す(S1040)。全リールが停止された状態でなければS1038およびS1040をスキップする(S1036のN)。
なお、リール停止管理処理としては、ウエイト時間をセットし、リールの回転開始の待機中を示す情報を含む制御コマンドを生成してコマンドバッファに書き込み、リールの加速に用いる各種データの初期値を所定の記憶領域に記憶する。全リールが定速回転しているか否かを判定し、定速回転していないと判定した場合には、全リールの回転が異常であるか否かを判定し、異常である場合には、再び、リールの加速に用いる各種データの初期値を所定の記憶領域に記憶して全リールの確認を終了する。一方、定速回転していると判定した場合や、回転が異常ではないと判定した場合はそのまま全リールの確認を終了する。
なお、メダルの払出において払出の貯留が不可の場合、ホッパー払出を実行する。このホッパー払出処理では、まず、ホッパーの駆動を開始し、払出しが検出されるまで待機する(所定時間が経過するまで払出しが検出されない場合は、ホッパーエンプティエラーとなる)。払出しが検出された場合は払出数を加算し、払出終了か否かを判定し、払出終了でなければ払出処理を繰り返し、払出終了であればホッパーの駆動を終了する。
図36は、主制御装置1200および副制御装置1300のハードウェア構成を概略的に示すブロック図である。主制御装置1200は、メインCPU1250、メインRAM1252、メインROM1254などの電子部品を含む。メインROM1254には、遊技動作全般を制御するためのメイン制御プログラムおよびデータがあらかじめ格納される。メインROM1254からメイン制御プログラムまたはデータがメインRAM1252へ読み込まれ、メイン制御プログラムがメインCPU1250によって実行される。各電子部品間は図示しないシステムバスやデータバスなどのバスで結ばれる。メダルの投入を示す信号、ベットボタン1112a、bの押下を示す信号、精算ボタン1113の押下を示す信号、スタートレバー1114の操作を示す信号、ストップボタン1116a〜cの押下を示す信号、リール1160a〜cの位置を示す信号などは図示しない各種インタフェースを介してメインCPU1250により取得される。メインCPU1250は、図示しない各種駆動回路によりリール1160a〜cのステッピングモータなどの外部装置を駆動制御する。また、メインCPU1250から副制御装置1300へ演出制御に必要なコマンドが役抽選の結果や入賞情報、各ボタンやレバーの操作を示す情報とともに送信される。
副制御装置1300は、サブCPU1350、サブRAM1352、サブROM1354、演出表示制御部1360などの電子部品を含む。サブROM1354は、演出過程が定義された演出パターンデータや演出表示過程が定義された表示パターンデータなどを含むサブ制御プログラムを保持するデータ格納手段の一つであり、図34でいうパターン記憶手段1302として機能するハードウェア構成である。サブROM1354から演出パターンデータや表示パターンデータを含むサブ制御プログラムがサブRAM1352へ読み込まれ、そのサブ制御プログラムによる演出制御がサブCPU1350によって実行される。各電子部品間は図示しないシステムバスやデータバスなどのバスで結ばれ、互いに信号の送受信が可能な双方向通信にて接続される。例えば、サブCPU1350から演出表示制御部1360へコマンドを送信する場合は複数回コマンドを送信し、演出表示制御部1360はコマンドを少なくとも1回適切に受信し次第、サブCPU1350へ確認応答(ACK)を返信することにより、ノイズ等による通信エラーを回避する。仮に複数のコマンドの受信順序が通常と異なる場合は演出表示制御部1360はACKを返信せずに無視し、適切なコマンドに対してのみ返信する。演出ボタン1120などの外部装置からの信号は図示しない各種インタフェースを介してサブCPU1350により取得され、その信号の受信または受信回数に応じて演出表示制御部1360へ対応するコマンドを送信する。サブCPU1350は、演出パターンデータにしたがって、図示しない各種駆動回路や制御回路によりスピーカー1122などの外部装置を駆動して音声出力による演出を制御する。また、サブCPU1350は、表示パターンデータを演出表示制御部1360へ送信する。サブCPU1350および演出表示制御部1360は、図34でいう演出決定手段1304および演出制御手段1306として機能するハードウェア構成である。なお、本実施例では副制御装置1300が演出表示制御部1360を内包する例を説明するが、副制御装置1300と演出表示制御部1360とは基板として一体化していることを要さず、分離して互いに接続された別個の基板として形成されてもよい。
図37は、演出表示制御部1360のハードウェア構成を概略的に示すブロック図である。演出表示制御部1360は、制御CPU1362、制御RAM1364、データROM1366、表示制御回路1370を含む。データROM1366は、演出表示に用いられる演出画像データやモーションデータ、三次元画像のオブジェクト定義データなどの素材データをデータ圧縮した状態で保持するデータ格納手段の一つであり、図34でいうパターン記憶手段1302として機能するハードウェア構成である。演出画像データは、入賞判定結果などを示す演出オブジェクトとして演出表示に用いられる画像であり、例えば各種演出に用いるスプライト画像、各種演出に用いる動画といった素材画像である。モーションデータは、各種演出に用いる画像に所定タイミングで演出的な動作を加える場合のその動作が定義されたデータである。オブジェクト定義データは、三次元オブジェクトの形状が定義されたデータである。
サブCPU1350から送られた表示パターンデータに基づいて、その表示パターンデータに指定された演出画像データやモーションデータ、オブジェクト定義データなどの素材データがデータROM1366から制御RAM1364へ読み出され、その素材データを用いた演出表示が制御CPU1362によって実行される。その結果、制御CPU1362から表示制御回路1370へ演出表示に関するコマンドや素材データが送信され、表示制御回路1370により表示制御がなされる。演出表示中にあらたなベットボタン1112a,bやスタートレバー1114の操作を示す信号を受信した場合は、サブCPU1350はあらたな演出パターンを決定してあらたな演出表示を示すコマンドを制御CPU1362に送信する。サブCPU1350および表示制御回路1370は、図34でいう演出決定手段1304および演出制御手段1306として機能するハードウェア構成である。
表示制御回路1370は、デコーダ1374、描画メモリ1376、描画回路1378、フレームバッファ1380、表示回路1382を含み、それぞれがバス1372を介して接続される。本図のバス1372は、便宜上、システムバス、データバス、アドレスバスなどのバスを包括的に示したものである。
制御CPU1362から送られた演出画像データやモーションデータ、オブジェクト定義データなどの素材データは描画メモリ1376に格納され、それらのデータのうち圧縮されたデータはデコーダ1374によって復号される。描画メモリ1376は、演出画像データやモーションデータをデコーダ1374により復号する場合のワークエリアとして用いられたり、描画回路1378による描画処理や画像処理を実行する場合のワークエリアとして用いられたりするVRAM(VideoRAM)である。
描画回路1378は、描画メモリ1376に格納されたデータを用い、制御CPU1362から送られたコマンドを順に実行して表示用画像を生成し、その生成された表示用画像を動画像のフレームとしてフレームバッファ1380に格納する。フレームバッファ1380は、演出表示装置1130へ出力すべき動画像のフレームを一時的に格納するバッファメモリとしてのVRAMである。なお、フレームバッファ1380と描画メモリ1376は単一のVRAMで構成して領域を分け合う形で形成されてもよい。
表示回路1382は、フレームバッファ1380に格納された表示用画像を格納された順に映像信号の形で演出表示装置1130へ出力する。フレームバッファ1380は、例えば2フレーム分のメモリ領域を有し、表示回路1382が1フレーム分のメモリ領域から表示用画像を出力する間に、描画回路1378が次の表示用画像を生成して、もう1フレーム分のメモリ領域に格納する。
スロットマシン1010は、電源装置として機能する電源基板1166から電力供給される。電源装置には、電源スイッチおよびリセットスイッチが接続されており、これら各スイッチからの信号がメインCPU1250に送信される。電源スイッチは、電源装置からスロットマシン1010への電源投入および電源断の操作を受け付けるスイッチである。リセットスイッチは、スロットマシン1010においてエラーが発生した際等に、主制御装置1200に搭載された各回路等をリセットするためのスイッチである。電源装置からの電力は、主制御装置1200および副制御装置1300に供給される。電源装置から主制御装置1200および副制御装置1300への電力供給経路上には、供給電圧を監視してその電圧が所定電圧以下に低下する電源断を検出する電源監視手段が設けられる。電源監視手段は、供給電圧が所定電圧まで低下したときに電源断と判定し、電源断検出信号をメインCPU1250またはサブCPU1350に出力する。なお、主制御装置1200の電源断を検出するときの基準電圧値は、副制御装置1300の電源断を検出するときの基準電圧値よりも高い値に設定され、副制御装置1300よりも先に主制御装置1200が電断時に実行するようにプログラムされた処理(電源断処理)を実行する。
図38は、スロットマシン1010における主制御装置1200の主なプログラム制御処理を示すフローチャートである。主制御装置1200で実行される遊技制御処理では、まず、遊技開始処理を実行し(S1100)、遊技メダル管理処理を実行し(S1102)、開始条件としてベット数が規定数に一致し、かつ、スタートレバーの操作が受け付けられた場合は(S1104のY)、レバー受付時処理を実行し(S1106)、少なくともいずれかの開始条件が満たされていない場合は(S1104のN)、S1102に戻る。S1106に続き、役決定処理を実行し(S1108)、フリーズ抽選処理としてフリーズ(演出)を実行するか否かと、フリーズ中の演出態様を決定する(S1110)。フリーズ抽選において擬似遊技フリーズが選択された場合は擬似遊技を実行する(S1112)。ウエイト時間待機等のリール停止管理処理を実行し(S1114)、停止表示図柄判定処理を実行して遊技役の成立有無を判定する(S1116)。次いで、遊技メダル払出処理を実行し(S1118)、遊技終了処理を実行し(S1120)、S1100に戻って本図のフローを繰り返す。
図39は、主制御装置1200におけるタイマ割込処理を示すフローチャートである。このタイマ割込処理においては、遊技者によりなされるベット操作等の遊技操作に応じて出力される各遊技操作信号の読込みや信号レベルの検出(確認)、各制御コマンドの送信等の処理が、一定の時間(例えば2.235ミリ秒)ごとに実施される。まず、割込初期処理(レジスタの退避、割込禁止等)を実行し(S1200)、電源断が検知されたか否かが判定され、電源断が検知された場合は(S1202のY)、電源断処理が実行される(S1204)。電源断処理では、レジスタの退避やスタックポインタの保存、割込み状態の保存等がなされる。また、所定の記憶領域に記憶されている、役決定結果に関する情報やRT遊技状態に関する情報の保持や、チェックサムの算出および記憶等が処理される。電源断が検知されなかった場合は(S1202のN)、タイマ計測を実行する(S1206)。タイマ計測は、遊技制御処理においてセットされた任意のタイマの経過時間等を計測するものである。次いで、表示用ランプの制御(出力ポートに出力された制御データに基づく表示用ランプにおける表示値の更新等)を実行し(S1208)、さらに入力ポートの読込みを実行する(S1020)。入力ポートの読込みでは、入力ポートに入力された各遊技操作信号の信号レベルの読込みと格納、信号レベルの判定等がなされる。
次いで、リールの回転の加速、減速、定速維持や停止維持等を制御するためのリール駆動制御(S1212)を、全リールが終了するまで繰り返す(S1214)。次に、リールやホッパー、ブロッカ等の励磁出力を行うポート出力処理を実行し(S1216)、制御コマンド送信処理を実行する(S1218)。所定の記憶領域に記憶されていた外端信号データを読出し外端信号を出力し(S1220)、割込終了処理(レジスタの復帰、割込許可等)を実行して(S1222)、割込リターンする。
なお、主制御装置1200において実行される他の制御処理として、主制御電源投入処理がある。主制御電源投入処理は、主制御装置1200への電力供給開始時(電源投入時)になされる処理であり、仮スタックポインタのセットやチェックサムの算出、チェック等がなされ、電源復帰処理を実行できるように処理される。スタックポインタの復帰や割込みの起動がなされ、電源断時に所定の記憶領域に記憶されていた、役決定結果に関する情報やRT遊技状態に関する情報等に基づき遊技が行われる。
(実施例)
以下、本実施例の特徴的な構成について説明する。本実施例では、特殊な演出過程を経由する場合にその後の演出の種類に依らずに大当りとなる期待度を一定とする「期待度固定演出」と、特定の演出の実行を事前示唆する「事前示唆演出」とを実行可能とする。まず、演出全体の構成に関係する「1.事前示唆演出」について説明し、その次に特殊な演出過程を経由する場合に実行可能となる「2.期待度固定演出」について説明する。
(1.事前示唆演出)
本実施例では、特定の演出の実行を事前示唆する「事前示唆演出」が用意され、事前示唆演出の実行後においてのみ実行可能な専用演出が用意される。専用演出は、大当りとなる期待度が相対的に高い「高期待度演出」の一つである。事前示唆演出は、遊技の進行中の様々なタイミングで開始され、示唆対象となる特定の演出の実行タイミングまで継続される。その後、示唆対象となる特定の演出が実行可能なタイミングで事前示唆演出が終了し、事前示唆演出の終了を契機として特定の演出が実行可能となる。なお、事前示唆演出の終了を契機として、専用演出が実行される場合もあれば、専用演出ではない共通演出が実行される場合もあり、専用演出および共通演出のいずれも実行されない場合もある。ここで、「共通演出」とは事前示唆演出の実行を伴わずに実行可能な演出のことをいい、様々な変動演出や予告演出が該当しうる。
本実施例によれば、事前示唆演出の終了後に高期待度演出の一つである専用演出の実行を可能とすることで、事前示唆演出の開始時点で当りとなる期待度が高いことを示唆できる。また、事前示唆演出の終了後に専用演出が実行される場合と、専用演出が実行されない場合とを設けることで、高期待度とするために実行頻度を低くしなければならない専用演出が実行されない場合であっても事前示唆演出を実行することができ、事前示唆演出の実行頻度を高めることができる。また、事前示唆演出の終了後に専用演出が実行されない場合であっても、専用演出とは別の共通演出の実行を可能とすることで、演出のバリエーションを高めるとともに、当りとなるチャンスがあることを遊技者に示唆できる。さらに、事前示唆演出の開始タイミングや終了タイミングに応じて、事前示唆演出の終了後に実行可能な演出の種類に差を設けることで、事前示唆演出の開始または終了タイミングの違いによる期待度の違いを遊技者に示唆できる。これにより、演出の興趣を高めることができる。
図40は、変動演出の流れを模式的に示す図である。本図では、メイン装図の変動開始後にノーマルリーチなどを経由して様々な演出が実行され、大当りとなる期待度が最も高く設定される「最強演出」が実行されるまでの流れを示している。「最強演出」は、変動演出の最終盤で実行可能な最高期待度の変動演出であり、最強演出の実行中または終了後に当該変動が大当りとなるか外れとなるかを遊技者に確定的に報知する当落分岐演出が実行される。当落分岐演出では、例えば、画面に演出ボタン109や演出レバー112の操作を遊技者に促す表示がなされ、演出ボタン109や演出レバー112の操作後に当落が確定的に報知される。当落分岐演出の一例は、可動役物66が作動する役物作動演出であり、例えば、虹色の点灯色にて役物作動演出が実行される場合には当否結果が大当りまたは確変を伴う大当りとなることが確定的に報知される。
図40の左側には事前示唆演出の有無によらずに実行可能な共通演出の流れを示し、右側には事前示唆演出の開始後にのみ実行可能な専用演出を示している。図40において事前示唆演出が開始可能なタイミングに星印(★)を付している。事前示唆演出は、図柄変動の開始から終了までの様々なタイミングで開始可能であり、図柄変動の開始を契機として開始可能であり、変動途中に実行される「SP発展示唆」、「発展ミッション」、「通常擬似連」、「特殊擬似連」および「バトルリーチ」の開始を契機として開始可能である。事前示唆演出の終了を契機として専用演出である「全画面発展」が実行可能であり、全画面発展の後に上述の最強演出への移行が突然発生する「突発最強」が実行可能である。突発最強も事前示唆演出の実行後にのみ実行可能な専用演出であり、突発最強の発生後に最強演出が実行される。
図柄変動の序盤に実行される演出として、「役物可動」、「専用図柄」および「ノーマルリーチ」がある。「役物可動」は事前示唆演出に付随して実行可能な演出であり、事前示唆演出の継続中に事前示唆演出の終了を示唆する演出である。詳細は後述するが、例えば、画面下方に配置される可動役物が小刻みに動くことにより事前示唆演出の終了が示唆される。「専用図柄」も事前示唆演出に付随して実行可能な演出であり、通常の数字の図柄とは異なる特殊図柄が停止するか否かを煽ることで事前示唆演出の継続中に事前示唆演出の終了を示唆する。詳細は後述するが、例えば、全画面発展を示唆する「全画面」の文字で構成される専用図柄が停止するか否かを煽る表示がなされ、専用図柄が停止する場合には事前示唆演出が終了して全画面発展が実行され、専用図柄が停止しない場合には全画面発展が実行されずに事前示唆演出が終了する。「ノーマルリーチ」は、事前示唆演出の実行有無によらずに実行可能な共通演出であり、三つの図柄列で構成されるメイン装図の左右が同一図柄で仮停止し、メイン装図の中央が高速変動したリーチ状態となることで事前示唆演出の終了が示唆される。
図柄変動の中盤に実行される変動演出として、「SP発展示唆」、「SP発展(主役登場)」、「通常発展(弱リーチ)」および「発展ミッション」がある。「SP発展示唆」は、図柄変動の終盤に実行可能なSPリーチ前半(強リーチ)に発展するか否かを煽る演出である。SP発展示唆においてSPリーチ前半への発展に成功する場合、SP発展(主役登場)が実行され、その後にSPリーチ前半(強リーチ)に発展する。一方、SP発展示唆においてSPリーチ前半に発展しない場合、通常発展(弱リーチ)が実行され、SPリーチ前半(強リーチ)よりも相対的に低期待度の弱リーチ演出となる。通常発展(弱リーチ)の実行後にはSPリーチ前半(強リーチ)に発展可能である。なお、SP発展示唆や通常発展(弱リーチ)の実行後に次の演出に発展せずにメイン装図が外れとなって変動停止する場合もある。「発展ミッション」は、メイン装図が外れ態様で仮停止した後に実行可能であり、外れと見せかけた後に発展する演出である。発展ミッションでは、クリアすべきミッションが与えられ、ミッションをクリアできた場合にはSPリーチ前半(強リーチ)に発展し、ミッションに失敗した場合には次の演出に発展せずにメイン装図が外れとなって変動停止する。また、図柄変動の中盤で「通常擬似連」を経由することがあり、所定回数(例えば3回)の擬似連続変動の終了後に「SP発展(主役登場)」「通常発展(弱リーチ)」または「発展ミッション」に移行可能である。なお、通常擬似連において擬似連続変動が所定回数(例えば3回)に到達せずにメイン装図が外れとなって変動停止したり、所定回数(例えば3回)の擬似連続変動においてメイン装図が外れとなって変動停止したりする場合もありうる。
図柄変動の終盤に実行される変動演出として、SPリーチ前半(強リーチ)とSPリーチ後半(最強演出)とがある。SPリーチの前半および後半を通じて2系統の演出パターンがあり、「最強儀式リーチ」と「バトルリーチ」の2系統がある。第1系統の「最強儀式リーチ」は、メインキャラクタが最強の称号を手に入れるための儀式の過程が表示される演出であり、SPリーチ前半からSPリーチ後半にわたって連続した演出が実行される。つまり、SPリーチ前半の時点で「最強儀式リーチ前半」が実行される場合にはその後に必ずSPリーチ後半の「最強儀式リーチ後半」に発展することが確定する。したがって、最強儀式リーチ前半は、その後の最強演出(最強儀式リーチ後半)が確定しているという意味で「最強演出確定リーチ」ということができ、最強儀式リーチ前半は、SPリーチ後半の最強演出と同様に大当りとなる期待度が非常に高い変動演出といえる。第2系統の「バトルリーチ」は、敵キャラクタと対戦する過程が表示される演出であり、大当りとなる期待度が高い高期待度演出の一つである。バトルリーチにも前半と後半があり、バトルリーチの後半に発展した場合にはメインキャラクタ(主役)が最強状態となる演出が実行され、後半に発展しない場合よりも敵キャラクタに勝利する可能性(勝利期待度)が高いことが示唆される。本実施例において、バトルリーチの対戦相手として敵キャラクタA〜Fの6種類が用意され、登場する敵キャラクタA〜Fの種類に応じて勝利期待度が異なるよう構成される。バトルリーチでは、バトルリーチ前半とバトルリーチ後半において同じ敵キャラクタが継続して登場する。例えば、バトルリーチ前半で敵キャラクタAが登場した場合、敵キャラクタAとの攻防過程を示す演出表示がなされた後、バトルリーチ後半にてメインキャラクタが最強状態となって敵キャラクタAとのバトルの決着がつく。SPリーチ後半(最強演出)の終盤には演出レバー112を遊技者に操作させる当落分岐演出が実行され、演出ボタン109を操作する場合よりも大当りとなる期待度が高いことが示唆される。例えば、バトルリーチの後半に発展しない場合にはバトルリーチ前半の終了後に演出ボタン109を遊技者に操作させる当落分岐演出が実行され、SPリーチ後半の最強演出が実行される場合よりも大当りとなる期待度が低いことが示唆される。
事前示唆演出の実行後にのみ実行可能な専用演出として、「全画面発展」、「専用擬似連」および「突発最強」がある。「全画面発展」は、事前示唆演出が特定の表示態様で終了する場合に実行可能な演出であり、画面全体が嵐に飲み込まれた後に主役となるキャラクタが登場する。全画面発展後には「通常擬似連」、「専用擬似連」または「突発最強」移行される。「通常擬似連」は、全画面発展を経由する場合と経由しない場合の双方において実行可能な擬似連続変動演出であり、所定回数(例えば3回)の擬似連続変動の終了後に「SP発展(主役登場)」「通常発展(弱リーチ)」または「発展ミッション」に移行可能である。上述したように、通常擬似連において擬似連続変動が所定回数(例えば3回)に到達せずにメイン装図が外れとなって変動停止したり、所定回数(例えば3回)の擬似連続変動においてメイン装図が外れとなって変動停止したりする場合もありうる。「専用擬似連」は、全画面発展を経由する場合にのみ実行可能な擬似連続変動演出であり、全画面発展した専用背景が表示された状態で所定回数(例えば3回)の擬似連続変動が実行される特殊な演出形態である。「突発最強」は、最強演出へ移行するための演出であり、突発最強の実行後に最強演出である「最強儀式リーチ後半」または「バトルリーチ後半」に発展する。
事前示唆演出の示唆対象となりうる専用演出は、事前示唆演出の開始タイミングや終了タイミングに応じて種類が異なりうる。例えば、変動開始を契機に事前示唆演出が開始され、図柄変動の序盤で事前示唆演出が終了する場合、全画面発展後に「通常擬似連」、「専用擬似連」または「突発最強」に移行可能である。一方、図柄変動の中盤に事前示唆演出が開始または終了する場合、全画面発展後に「突発最強」にのみ移行可能である。図柄変動の終盤では「バトルリーチ前半」においてのみ事前示唆演出が実行され、全画面発展後には突発最強を経由せずに「バトルリーチ後半」に移行される。このように、事前示唆演出の開始や終了のタイミングに応じて、示唆対象となりうる専用演出の種類を異ならせることで、事前示唆演出の開始や終了のタイミングによって大当りとなる期待度を示唆できる。
図41は、事前示唆演出の演出パターンを示す図である。本実施例では、事前示唆演出として23種類の演出パターン(事前示唆演出パターンともいう)が用意される。各パターンは、事前示唆演出の開始契機、終了契機、終了演出および示唆対象となる演出の組み合わせが異なっている。上述の通り、事前示唆演出の開始契機および終了契機に応じて示唆対象となる演出の種類が異なりうる。また、事前示唆演出の示唆対象となる演出の種類に応じて、事前示唆演出の終了時の表示態様(つまり、終了演出の表示態様)を異ならせている。
事前示唆演出パターン1〜9では、変動開始を契機に事前示唆演出が開始され、役物可動、専用図柄、ノーマルリーチまたはSP発展示唆を契機に事前示唆演出が終了する。示唆対象となる演出は、通常擬似連、専用擬似連または突発最強である。通常擬似連、専用擬似連または突発最強に移行する場合には、終了演出として全画面発展が実行される。なお、事前示唆演出の終了後に特定の演出が発生しない場合があり、示唆対象となる演出が存在しないことを「−」で示している。また、事前示唆演出には、紫色、赤色および金色の3種類の表示色が設定され、事前示唆演出の表示色に応じて示唆対象となる演出の種類が示唆される。具体的には、金色の場合には突発最強に移行されることが確定し、赤色の場合には通常擬似連または突発最強に移行されることが確定する。一方、紫色の場合には事前示唆演出の終了後に演出が発生しないことが示唆される。
図42は、事前示唆演出パターン1の演出過程の前半を模式的に示す図である。事前示唆演出の開始時には竜巻が発生して画面が嵐に飲み込まれる様子が表示される。まず、(a)に示すように、メイン装図の変動開始を契機として竜巻の発生を示唆する雷雲が画面の左右に発生して事前示唆演出が開始する。事前示唆演出の開始時における雷雲の表示色は、紫色、灰色または白色であり、赤色や金色といった高期待度を示唆する色とは異なる表示色が用いられる。次に、(b)に示すように、画面の左右に竜巻が発生し、画面枠が竜巻の奥に向かって吹き飛ぶような演出表示がなされる。(b)の画面中央に小さく表示される画面枠内には変動表示されるメイン装図、当該変動の期待度を示唆する当該変動オブジェクトおよび保留される抽選値の期待度を示唆する保留オブジェクトなどが表示される。(b)の画面中央の画面枠内は、仮に事前示唆演出に係る竜巻が発生しなかった場合の変動演出と同じ内容が表示される。つまり、事前示唆演出が開始しない場合の通常時の変動演出をそのまま縮小させた画像が画面中央に小さく表示される画面枠内に表示される。つづいて、(c)に示すように画面下方に龍を模した可動役物(下龍役物)が登場し、可動役物が小刻みに振動する「役物可動(下龍煽り)」により事前示唆演出の終了が示唆される。その後、(d)に示すように、下龍が咆哮して煙を吐くような演出表示がなされて全画面発展に移行する。
図43は、事前示唆演出パターン1の演出過程の後半を模式的に示す図である。本図は、図42(d)につづく演出過程を示す。まず、(a)に示すように、下龍が吐き出した煙が画面全体に充満して煙に包まれたような状態が表示される。このとき、煙の表示色が赤色に変化可能であり、煙の表示色によって高期待度の専用演出の実行が示唆される。なお、事前示唆演出パターン1では全画面発展後に通常擬似連に移行されるため、煙の表示色が紫色のまま維持されるか、赤色に変化するかのどちらかであり、突発最強への移行が確定する金色には変化しない。次に、(b)に示すように、画面全体に充満した煙の奥から手前に向かって人差指と中指を突き出した手が表示される。つづいて、(c)に示すように、画面全体に充満していた煙が晴れ、人差指と中指を突き出したメインキャラクタ(主役)が登場して必殺技を繰り出す。その後、(d)に示すように、事前示唆演出の示唆対象となる通常擬似連が開始される。このとき、通常擬似連として複数種類の擬似連演出が用意され、例えば、期待度が異なる4種類の通常擬似連のいずれかが実行可能である。また、(c)のタイミングで繰り出される必殺技の種類に応じて(d)で実行される通常擬似連の種類が異なるよう構成されうる。例えば、3種類の必殺技が用意され、第1必殺技(例えば必殺α)となる場合には相対的に低期待度の通常擬似連が実行されやすく、第2必殺技(例えば必殺β)となる場合には相対的に高期待度の通常擬似連が実行されやすくなる。第3必殺技(例えば必殺γ)となる場合には、通常擬似連ではなく、突発最強に移行されるように構成されうる。したがって、通常擬似連に移行される事前示唆演出パターン1では、第3必殺技(必殺γ)は実行不可となる。
図44は、事前示唆演出パターン2の演出過程の後半を模式的に示す図である。事前示唆演出パターン2の演出過程の前半は、図42に示す事前示唆演出パターン1の前半と同様である。事前示唆演出パターン2では、(a)に示すように全画面発展し、(b)に示すように人差指と中指を突き出した手が表示された後、(c)に示すように第3必殺技(必殺γ)を繰り出すメインキャラクタが登場し、(d)に示すように突発最強が発生する。事前示唆演出パターン2では、突発最強が発生するため、(a)の全画面発展において、煙の表示色が紫色のまま維持される場合と、赤色に変化する場合と、金色に変化する場合とがある。事前示唆演出パターン2では、例えば、全画面発展の煙の表示色が紫色に維持される確率が事前示唆演出パターン1よりも低く設定される。
図45は、事前示唆演出パターン3の演出過程を模式的に示す図である。事前示唆演出パターン3は、事前示唆演出パターン1,2の前半の演出過程と共通するが、「役物可動(下龍煽り)」の後に龍が煙を吐く演出が実行されることなく事前示唆演出が終了する。図45(a)〜(c)は、図42(a)〜(c)と同じである。(a)に示すように変動開始を契機に雷雲が発生し、(b)に示すように画面の左右に竜巻が発生し、(c)に示すように下龍役物が小刻みに動く。その後、下龍が煙を吐く演出が実行されることなく事前示唆演出が終了し、(d)に示されるように事前示唆演出の開始前と同様の表示態様に戻る。具体的には、(c)の左右に表示されていた竜巻が消滅し、竜巻に飲み込まれて画面中央に小さく表示される画面枠が手前に戻ることになる。例えば、竜巻が勢いを失って自然消滅するように竜巻表示が消される「消滅1」の終了演出となり、何事も無かったように事前示唆演出が終了する。事前示唆演出の終了後の(d)では、予告演出などの期待度を高める演出が何らなされず、例えばメイン装図が外れとなって変動停止する。なお、(d)のタイミングに変動停止が確定して次の図柄変動が開始されてもよいし、外れと見せかけてから発展ミッションに移行されてもよい。事前示唆演出パターン3では、示唆対象となる演出が存在しないため、竜巻の表示色は低期待度を示唆する紫色のままであり、紫色の表示色が維持されたまま竜巻が消滅して事前示唆演出が終了する。
図46は、事前示唆演出パターン4の演出過程の一部を模式的に示す図である。事前示唆演出パターン4における事前示唆演出の開始時の表示態様は、事前示唆演出パターン1〜3と同じであり、図42(a)〜(b)や図45(a)〜(b)と同じである。図46において(a)に示されるように画面の左右に竜巻が発生し、画面枠が竜巻の奥に向かって吹き飛ぶような演出表示がなされた後、(b)に示すように「全画面」の文言の専用図柄が停止するか否かを煽る演出表示がなされる。つづいて、(c)に示すように「全画面」の専用図柄が画面中央に停止表示されると、(d)に示すように全画面発展が実行される。全画面発展後の演出過程は、図43(a)〜(d)と同様であり、煙の奥から人差指と中指を突き出すメインキャラクタが登場して通常擬似連が開始する。したがって、事前示唆演出パターン4では、事前示唆演出の終了契機が役物可動(下龍煽り)ではなく、専用図柄(停止煽り)となる点で上述の事前示唆演出パターン1と相違し、それ以外は事前示唆演出パターン1の演出過程と共通する。
図47は、事前示唆演出パターン5の演出過程の一部を模式的に示す図である。事前示唆演出パターン5の演出過程の前半は、事前示唆演出パターン4と共通であり、事前示唆演出の開始後に「全画面」の文言の専用図柄が停止するか否かを煽る演出表示がなされた後、(a)に示すように「全画面」の専用図柄が画面中央に停止表示される。つづいて、(b)に示すように全画面発展が実行されると、メインキャラクタが登場する代わりに、(c)に示すように竜巻の中心に飲み込まれて竜巻を真上から見たような渦巻状の全画面表示に変化する。その後、(d)に示すように渦巻状の背景画像の手前にメイン装図が外れとなって仮停止表示され、渦巻状の背景画像を継続したままメイン装図が再変動して専用擬似連に突入する。専用擬似連では、(d)に示す渦巻状の専用背景を用いて擬似連続変動演出が実行される点で通常擬似連と異なる。なお、変形例として、専用擬似連を実行する代わりに複数回の図柄変動期間にわたって渦巻状の専用背景が表示される「特殊ゾーン」に突入してもよい。この場合、事前示唆演出パターン5は、特殊ゾーンに滞在可能な変動パターンに対応する抽選値が保留された場合に先読みによって選択可能となるよう構成される。例えば、特殊ゾーンに滞在可能となる保留が消化される前の図柄変動にて事前示唆演出パターン5が選択されて特殊ゾーンへ移行され、その後に特殊ゾーンへの移行契機となった保留が消化されて特殊ゾーンに滞在した状態のまま図柄変動が開始される。
図48は、事前示唆演出パターン6の演出過程を模式的に示す図である。事前示唆演出パターン6では、「全画面」の専用図柄が停止せずに滑り落ちる演出表示がなされる。図48(a),(b)は、それぞれ図46(a),(b)と同じであり、「全画面」の専用図柄が停止するか否かを煽る演出表示がなされる。つづいて、図48の(c)に示すように、専用図柄が画面中央で停止せずに滑り落ちる演出表示がなされ、その後に(d)に示すように事前示唆演出の開始前の画面に戻る。このとき、事前示唆演出パターン3と同様、(c)の左右に表示されていた竜巻が消滅し、竜巻に飲み込まれて画面中央に小さく表示される画面枠が手前に戻り、竜巻が自然消滅する「消滅1」の表示態様で事前示唆演出が終了する。
図49は、事前示唆演出パターン7の演出過程の一部を模式的に示す図である。事前示唆演出パターン7における事前示唆演出の開始時の表示態様は、事前示唆演出パターン1〜6と同じであり、図42(a),(b)と同じである。図49において、(a)に示すように画面中央に小さく表示される画面枠内でメイン装図がリーチ態様となる「ノーマルリーチ」が発生し、ノーマルリーチの発生を契機として全画面発展が実行される。つづいて、(b)に示すように、煙の奥から手前に向かって人差指と中指を突き出した手が表示され、(c)に示すように、メインキャラクタが登場して必殺技を繰り出す。例えば、メインキャラクタが第2必殺技(必殺β)を繰り出すことで、相対的に高期待度の通常擬似連に移行されることが示唆される。その後、(d)に示すように、通常擬似連が開始される。したがって、事前示唆演出パターン7では、事前示唆演出の終了契機が役物可動(下龍煽り)や専用図柄(停止煽り)ではなく、ノーマルリーチとなる点で上述の事前示唆演出パターン1,4と相違し、それ以外は事前示唆演出パターン1,4の演出過程と共通する。通常擬似連が実行される事前示唆演出パターン1,4,7では、図43(d)の擬似連Aおよび図49(b)の擬似連Bのいずれも実行可能であり、その他の擬似連Cや擬似連Dが実行可能であってもよい。事前示唆演出パターン1,4,7では、例えば、複数種類の通常擬似連(例えば擬似連A〜D)のいずれを実行するかの演出抽選が実行され、抽選結果に基づいて複数種類の通常擬似連のいずれかが実行される。複数種類の通常擬似連A〜Dの選択傾向は、事前示唆演出パターンによらずに共通であってもよいし、事前示唆演出パターンに応じて異なっていてもよい。例えば、事前示唆演出パターン1では擬似連Aが選択されやすく、事前示唆演出パターン4では擬似連Bが選択されやすく、事前示唆演出パターン7では擬似連Cが選択されやすくなるよう構成されてもよい。
事前示唆演出パターン8では、ノーマルリーチの発生を契機として全画面発展が実行された後、メインキャラクタが第3必殺技(必殺γ)を繰り出して突発最強が発生する。したがって、事前示唆演出パターン8は、ノーマルリーチを契機として事前示唆演出が終了する点で事前示唆演出パターン7と共通し、全画面発展後に突発最強が発生する点で事前示唆演出パターン2と共通する。事前示唆演出パターン8においても、事前示唆演出パターン2と同様、全画面発展の実行時に煙の表示色が紫色、赤色または金色となりうる。
図50は、事前示唆演出パターン9の演出過程の一部を模式的に示す図である。事前示唆演出パターン9では、(a)に示すようにメイン装図がリーチ態様となる「ノーマルリーチ」まで画面の左右に竜巻が表示される事前示唆演出が継続する。したがって、事前示唆演出パターン9は、「ノーマルリーチ」が発生するまでの演出過程が事前示唆演出パターン7,8と共通である。しかしながら、事前示唆演出パターン9では「ノーマルリーチ」を契機として事前示唆演出が終了せず、ノーマルリーチ後に「SP発展示唆」が実行されるまで事前示唆演出が継続する。(b)は、「SP発展示唆」の開始時に事前示唆演出が継続している状態を示し、画面中央に小さく表示される画面枠内においてSP発展となるか通常発展となるかを煽る「SP発展示唆」が開始される。その後、SP発展示唆の開始を契機として、(c)に示すように全画面発展が実行されて煙の奥から手前に向かって人差指と中指を突き出した手が表示され、メインキャラクタが登場して第3必殺技(必殺γ)を繰り出す。その後、(d)に示すように突発最強が発生する。(c)の全画面発展時において煙の表示色が金色に変化することで、突発最強の発生が確定報知されてもよい。
このように、変動開始を契機に事前示唆演出が開始される事前示唆演出パターン1〜9では、事前示唆演出の終了契機が異なることがあり、終了契機の違いに応じて示唆対象となりうる演出の種類も異なりうる。また、事前示唆演出の終了契機となる演出は、それぞれが異なるタイミングで実行され、変動開始(または事前示唆演出の開始)から事前示唆演出の終了契機となるタイミングまでの経過時間が異なりうる。例えば、「役物可動(下龍煽り)」や「専用図柄(停止煽り)」は、変動開始から比較的短い時間(例えば2秒未満、3秒未満、5秒未満)の経過後の早いタイミングで実行されうる。これらの事前示唆演出の終了契機に達するまでの経過時間が短いパターンでは、事前示唆演出の終了後に専用演出が実行されないことがあり、事前示唆演出の終了後に高期待度演出が実行される可能性が低いため、大当りとなる期待度が低いことが示唆されうる。さらに言えば、事前示唆演出の継続時間が短い場合には、事前示唆演出の終了後に専用演出が実行されないことがあり、役物可動(下龍煽り)や専用図柄(停止煽り)が発生した時点で大当りとなる期待度が低いことが示唆されうる。一方、ノーマルリーチやSP発展示唆は、変動開始から比較的長い時間(例えば2秒以上、5秒以上、10秒以上)の経過後の遅いタイミングで実行されうる。これらの事前示唆演出の終了契機に達するまでの経過時間が長いパターンでは、事前示唆演出の終了後に「通常擬似連」または「突発最強」に必ず移行されるため、大当りとなる期待度が高いことが示唆される。言いかえれば、事前示唆演出の継続時間が長い場合には必ず専用演出が実行されるため、事前示唆演出が継続したままノーマルリーチが発生した時点で大当りとなる期待度が高いことが示唆されうる。このようにして、事前示唆演出の終了タイミングに応じて示唆対象となる演出の種類に差を設けることで、事前示唆演出が早期に終了せずに継続する場合に高期待度となることを遊技者に事前示唆できる。
図51は、事前示唆演出パターン10,11の演出過程を模式的に示す図である。事前示唆演出パターン10,11は、擬似連続変動演出の途中で事前示唆演出が開始し、メイン装図の三つの図柄列の全てが仮停止することを契機に事前示唆演出が終了する。擬似連続変動演出とは、メイン装図の三つの図柄列の全てを停止したかのように見せる仮停止表示後にメイン装図を再変動させ、1回の図柄変動期間内においてあたかも複数回の図柄変動がなされたかのように見せる変動演出である。まず、(a)に示すように、擬似連続変動に係るメイン装図の再変動開始を契機として、画面枠を小刻みに回転させて揺らすシェイク演出を実行し、画面枠が奥に吹き飛ぶことを示唆する。このシェイク演出により事前示唆演出が開始される。次に、(b)に示すように、画面の左右に竜巻が発生し、画面枠が竜巻の奥に向かって吹き飛ぶような演出表示がなされる。(b)は、上述の事前示唆演出パターン1〜9と同様の演出過程である。(b)の画面中央に小さく表示される画面枠内には、擬似連続変動演出に係るメイン装図が変動表示され、擬似連の継続を示唆する「継続」の文言の特殊図柄が停止するか否かを煽る表示がなされる。つづいて、(c)に示すように、「継続」の特殊図柄が仮停止して擬似連の継続が示唆されると、擬似連の仮停止を契機として竜巻が画面内で激しく動いて消滅する「消滅2」の表示態様で事前示唆演出が終了する。その後、(d)に示すように、事前示唆演出の開始前と同様の表示態様に戻るとともに、大当りとなるチャンスが高くなることを示唆する「チャンスアップ!」の予告演出(予告A)が実行される。したがって、事前示唆演出パターン10,11では、事前示唆演出の開始によってチャンスアップ用の予告演出Aの実行が事前示唆される。予告演出Aは、画面上の演出表示ではなく、「チャンスアップ」の音声が出力される音声演出であってもよいし、下龍などの可動役物が作動する役物作動演出であってもよい。
事前示唆演出パターン10,11のそれぞれは、事前示唆演出の開始契機となるタイミングが異なる。事前示唆演出パターン10では、3回の擬似連続変動において、1回目の擬似連続変動が終了して2回目の擬似連続変動が開始されることを契機に事前示唆演出が開始され、2回目の擬似連続変動の終了(仮停止)を契機として事前示唆演出が終了する。一方、事前示唆演出パターン11では、2回目の擬似連続変動が終了して3回目の擬似連続変動が開始されることを契機に事前示唆演出が開始され、3回目の擬似連続変動の終了(仮停止)を契機として事前示唆演出が終了する。一連の擬似連続変動演出において、事前示唆演出パターン10,11の一方のみが実行されてもよいし、双方が実行されてもよい。後者の場合、2回目と3回目の双方の擬似連続変動演出にて事前示唆演出が実行され、チャンスアップ用の予告演出Aが実行される。なお、事前示唆演出パターン10,11では、事前示唆演出の終了後に専用演出が実行されないため、事前示唆演出の継続中および終了時の少なくとも一方における竜巻の表示色は紫色であり、赤色や金色などの期待度が高いことを示唆する表示色には変化しない。
図52は、事前示唆演出パターン12の演出過程を模式的に示す図である。事前示唆演出パターン12は、メイン装図が外れになったと見せかけた後に発展ミッションが開始されることを契機に事前示唆演出が開始し、発展ミッションの開始からX秒後(例えば1秒未満や2秒未満)に事前示唆演出が終了し、発展ミッションのタイトルの表示色が高期待度を示唆する色に変化する予告演出(予告B)が実行される。まず、(a)に示すように、発展ミッションの開始を示すタイトル表示を契機として、画面枠を小刻みに回転させて揺らすシェイク演出が実行され、(b)に示すように画面枠が竜巻の奥に向かって吹き飛ぶような演出表示がなされる。つづいて、(c)に示すように竜巻が画面内で激しく動いて画面中央に向かって消滅する「消滅3」の表示態様で事前示唆演出が終了する。その後、(d)に示すように事前示唆演出の開始前と同様の表示態様に戻るとともに、発展ミッションの開始を示すタイトル表示の文字や枠などが赤色や金色などの高期待度色に変化する予告演出(予告B)が実行される。したがって、事前示唆演出パターン12では、事前示唆演出の開始によってタイトルの表示色が変化する予告演出Bの実行が事前示唆される。また、(c)に示す「消滅3」の表示態様において、画面中央のタイトル表示に向かって竜巻が消滅することにより、タイトルの表示色が変化する予告演出Bの実行が事前示唆演出の終了時の表示態様(消滅3)によって事前示唆される。なお、事前示唆演出パターン12では、事前示唆演出の終了後に専用演出が実行されないため、事前示唆演出の継続中および終了時の少なくとも一方における竜巻の表示色は紫色であり、赤色や金色などの期待度が高いことを示唆する表示色には変化しない。
事前示唆演出パターン13は、事前示唆演出パターン12と同様に事前示唆演出が開始されるが、事前示唆演出の終了タイミングおよび示唆対象となる予告演出が異なる。事前示唆演出パターン13では、発展ミッションの開始からY秒後(例えば2秒後、3秒後、5秒後)に事前示唆演出が終了し、事前示唆演出の終了を契機として当該変動オブジェクトや保留オブジェクトの表示態様(形状、模様、色など)が変化する保留変化演出(予告C)が実行される。例えば、当該変動オブジェクトや保留オブジェクトの形状を変化させ、特定の演出にて登場するアイテムやキャラクタを模した画像や文字を含む画像に変化させることで、当該変動や保留が消化される先の変動において特定の演出が実行されることが示唆される。その他、当該変動オブジェクトや保留オブジェクトの模様をキリン柄に変化させたり、表示色を赤色や金色などに変化させたりすることで、当該変動または保留が消化される先の変動にて大当りとなる期待度が示唆される。事前示唆演出パターン13では、事前示唆演出パターン12とは異なる予告演出Cが実行されるため、事前示唆演出の終了時の表示態様が事前示唆演出パターン12とは異なり、保留変化を示唆させる「消滅4」の表示態様で事前示唆演出が終了する。「消滅4」の表示態様では、例えば、竜巻が画面内で激しく動いて画面下方の当該変動オブジェクトや保留オブジェクトの表示領域に向かって消滅する。その結果、事前示唆演出の終了時の表示態様(消滅4)により、当該変動オブジェクトや保留オブジェクトが変化する予告演出Cの実行が事前示唆される。したがって、事前示唆演出パターン12,13のいずれかが実行される場合、事前示唆演出の終了時の表示態様(消滅3または消滅4)がパターンに応じて異なり、終了時の表示態様の違いによって示唆対象となる予告演出が予告Bであるか予告Cであるかを事前示唆することができる。特に、示唆対象となる演出が実行される箇所に向けて竜巻が移動するように事前示唆演出を実行することで、示唆対象となる演出がいずれであるかを遊技者に分かりやすく示唆できる。なお、事前示唆演出パターン13においても、事前示唆演出の終了後に専用演出が実行されないため、事前示唆演出の継続中および終了時の少なくとも一方における竜巻の表示色は紫色であり、赤色や金色などの期待度が高いことを示唆する表示色には変化しない。
事前示唆演出パターン14は、事前示唆演出パターン12,13と同様に事前示唆演出が開始されるが、事前示唆演出の終了タイミングが異なり、また、示唆対象が全画面発展後の突発最強となる点で異なる。事前示唆演出パターン14では、発展ミッションの開始からZ秒後(10秒以上、20秒以上など)に事前示唆演出が終了し、上述のタイトル変化演出(予告B)や保留変化演出(予告C)が実行されるタイミングよりも後に事前示唆演出が終了する。事前示唆演出の終了タイミングは、発展ミッションの後半または発展ミッションの終了後であってもよく、ミッションに失敗してメイン装図が外れとなって仮停止された後であってもよい。この場合、ミッション失敗後に全画面発展が実行されることにより、外れとなったと見せかけた後に復活して突発最強が発生する演出過程としてもよい。なお、全画面発展後の演出過程は、事前示唆演出パターン9などと同じであり、例えば、図50(c)に示すように全画面発展が実行されて煙の奥から手前に向かって人差指と中指を突き出した手が表示された後、メインキャラクタが登場して第3必殺技(必殺γ)が繰り出され、その後に図50(d)に示すように突発最強が発生する。また、図50(c)の全画面発展時において煙の表示色が金色に変化することで、突発最強の発生が確定報知されうる。
図53は、事前示唆演出パターン15の演出過程を模式的に示す図である。事前示唆演出パターン15は、SP発展示唆の開始を契機に事前示唆演出が開始し、SP発展示唆においてSPリーチに発展せずに通常発展(弱リーチ)となることを契機に事前示唆演出が終了する。まず、(a)に示すようにSPリーチに発展するか、または、通常発展となるかを煽るSP発展示唆が開始されるタイミングで、画面枠を小刻みに回転させて揺らすシェイク演出が実行される。次に、(b)に示すように、画面の左右に竜巻が発生し、画面枠が竜巻の奥に向かって吹き飛ぶような演出表示がなされる。その後、(c)に示すように、画面中央に小さく表示される画面枠内で通常発展することが示唆される。つづいて、(d)に示すように、通常発展先となる弱リーチの開始を契機として竜巻が消滅して事前示唆演出の開始前と同様の表示態様に戻る。事前示唆演出パターン15では、竜巻が勢いを失って自然消滅するように竜巻表示が消される「消滅1」の終了演出となり、何事も無かったように事前示唆演出が終了する。事前示唆演出パターン15では、示唆対象となる演出が存在しないため、竜巻の表示色は低期待度を示唆する紫色のままであり、紫色の表示色が維持されたまま竜巻が消滅して事前示唆演出が終了する。
事前示唆演出パターン16〜18では、事前示唆演出パターン15と同様、SP発展示唆の開始を契機に事前示唆演出が開始し、SP発展示唆においてSPリーチに発展せずに通常発展(弱リーチ)となる。しかしながら、弱リーチの開始時に事前示唆演出が終了するのではなく、弱リーチ開始後から所定時間経過後(X秒後、Y秒後、Z秒後)に事前示唆演出が終了して、予告演出B、予告演出Cまたは全画面発展後の突発最強が発生する。事前示唆演出パターン16〜18の事前示唆演出の終了タイミングや終了演出、終了後の演出過程は、それぞれ発展ミッションに係る事前示唆演出パターン12〜14と同様である。事前示唆演出パターン16では、事前示唆演出パターン12と同様、弱リーチの開始からX秒後(例えば1秒未満や2秒未満)に事前示唆演出が終了し、タイトル表示が赤色や金色などの高期待度色に変化する予告演出(予告B)が実行される。事前示唆演出パターン17では、事前示唆演出パターン13と同様、弱リーチの開始からY秒後(例えば2秒後、3秒後、5秒後)に事前示唆演出が終了し、事前示唆演出の終了を契機として当該変動オブジェクトや保留オブジェクトの表示態様(形状、模様、色など)が変化する保留変化演出(予告C)が実行される。事前示唆演出パターン18では、事前示唆演出パターン14と同様、弱リーチの開始からZ秒後(10秒以上、20秒以上など)に事前示唆演出が終了し、全画面発展後に突発最強が発生する。事前示唆演出パターン18では、弱リーチの後半または弱リーチの終了後に事前示唆演出が終了してもよく、弱リーチ後に継続失敗となり、メイン装図が外れとなって仮停止された後に復活して突発最強が発生する演出過程としてもよい。
図54は、事前示唆演出パターン19の演出過程を模式的に示す図である。事前示唆演出パターン19は、SP発展示唆の開始を契機に事前示唆演出が開始し、SP発展示唆においてSPリーチに発展してメインキャラクタが登場することを契機に事前示唆演出が終了する。まず、(a)に示すようにSPリーチに発展するか、通常発展となるかを煽るSP発展示唆が開始されるタイミングで、画面枠を小刻みに回転させて揺らすシェイク演出が実行され、次に(b)に示すように、画面の左右に竜巻が発生した状態で画面中央に小さく表示される画面枠内でSP発展することが示唆される。つづいて、(c)に示すように、メインキャラクタ(主役)が登場するタイミングで竜巻が消滅し、事前示唆演出の開始前と同様の表示態様に戻る。このとき、主役登場を契機として竜巻が画面内で激しく動いて消滅する「消滅2」の表示態様で事前示唆演出が終了する。その後、(d)に示すようにバトルリーチが開始するとともに、大当りとなるチャンスが高いことを示唆する「チャンスアップ!」の予告演出(予告A)が実行される。事前示唆演出パターン19における事前示唆演出の終了演出および予告演出Aは、事前示唆演出パターン10,11と同様である。
図55は、事前示唆演出パターン20の演出過程を模式的に示す図である。事前示唆演出パターン20は、SP発展示唆の開始を契機に事前示唆演出が開始し、SPリーチに発展してメインキャラクタが登場した後も事前示唆演出が継続する点で事前示唆演出パターン19と異なる。まず、SP発展示唆の開始を契機に事前示唆演出が開始され、(a)に示すように、画面の左右に竜巻が発生した状態で画面中央に小さく表示される画面枠内でSP発展することが示唆される。つづいて、(b)に示すように、メインキャラクタ(主役)が登場するが、画面左右の竜巻は消滅せず、事前示唆演出が継続した状態で主役登場となる。つまり、画面中央に小さく表示される画面枠内で主役が登場する。その後、(c)に示すように全画面発展が実行され、煙の奥から人差指と中指を突き出すメインキャラクタが登場して第3必殺技(必殺γ)を繰り出した後、(d)に示すように突発最強が発生する。(c)の全画面発展時において煙の表示色が金色に変化することで、突発最強の発生が確定報知されてもよい。事前示唆演出パターン20は、SP発展が示唆される図54(b)または図55(a)までの演出過程が事前示唆演出パターン19と共通する一方、図54(c)または図55(b)のメインキャラクタ登場のタイミングで画面の左右に竜巻が残存して突発最強に発展する点で事前示唆演出パターン19と相違する。その結果、SP発展後のメインキャラクタ登場の時点で事前示唆演出が継続して竜巻が残存していれば、事前示唆演出パターン20であることが確定するため、事前示唆演出の継続により突発最強となることを事前示唆できる。また、事前示唆演出パターン19,20のいずれかが実行される場合には、メインキャラクタ登場の時点での事前示唆演出の継続有無が演出の分岐点となるため、図54(c)または図55(b)のメインキャラクタ登場の時点で竜巻が継続するか否かの期待感を煽ることができる。
事前示唆演出パターン21〜23は、バトルリーチの開始を契機に事前示唆演出が開始される点で事前示唆演出パターン12〜14と異なるが、それ以外の点で事前示唆演出パターン12〜14と同様に構成される。事前示唆演出パターン21〜23では、バトルリーチ開始から所定時間経過後(X秒後、Y秒後、Z秒後)に事前示唆演出が終了して、予告演出B、予告演出Cまたは全画面発展後の最強演出が発生する。つまり、事前示唆演出パターン21〜23の事前示唆演出の終了タイミングや終了演出、終了後の演出過程は、それぞれ発展ミッションに係る事前示唆演出パターン12〜14と同様である。事前示唆演出パターン21では、事前示唆演出パターン12と同様、バトルリーチの開始からX秒後(例えば1秒未満や2秒未満)に事前示唆演出が終了し、タイトル表示が赤色や金色などの高期待度色に変化する予告演出(予告B)が実行される。事前示唆演出パターン22では、事前示唆演出パターン13と同様、バトルリーチの開始からY秒後(例えば2秒後、3秒後、5秒後)に事前示唆演出が終了し、事前示唆演出の終了を契機として当該変動オブジェクトや保留オブジェクトの表示態様(形状、模様、色など)が変化する保留変化演出(予告C)が実行される。事前示唆演出パターン23では、事前示唆演出パターン14と同様、弱リーチの開始からZ秒後(10秒以上、20秒以上など)に事前示唆演出が終了して全画面発展が実行される。なお、事前示唆演出パターン23の場合には、全画面発展後に突発最強が発生するのではなく、全画面発展後に最強演出(バトルリーチ後半)が実行される。事前示唆演出パターン23では、バトルリーチ前半の途中で事前示唆演出が終了するため、最強演出が突然発生するというよりは、事前示唆演出を伴わずにバトルリーチ後半の最強演出となる演出過程とは変わらない。したがって、事前示唆演出パターン23は、突発最強が実行されずに最強演出が実行される点で、他の事前示唆演出パターンと相違する。また、事前示唆演出パターン23では、全画面発展前のバトルリーチ前半で登場する敵キャラクタの種類と、全画面発展後のバトルリーチ後半で登場する敵キャラクタの種類が同じとなるよう構成され、全画面発展後に最強儀式リーチ後半に移行されないように構成される。一方、「突発最強」となる事前示唆演出パターン2,8,9,14,18,20では、突発最強の発生後に「最強儀式リーチ後半」が実行される場合と「バトルリーチ後半」が実行される場合とがあり、バトルリーチ後半において敵キャラクタA〜Fのいずれも登場可能となる。
このように、図柄変動の途中で事前示唆演出が開始される事前示唆演出パターン10〜23においても、事前示唆演出の終了契機が異なることがあり、終了契機の違いに応じて示唆対象となりうる演出の種類も異なりうる。また、事前示唆演出の終了契機となる演出は、それぞれが異なるタイミングで実行され、事前示唆演出の開始(または変動開始)から事前示唆演出の終了契機となるタイミングまでの経過時間が異なりうる。例えば、予告演出A,B,Cが示唆対象となるパターンでは、事前示唆演出の開始から比較的短い時間の経過後の早いタイミングで実行されうる。これらの事前示唆演出の終了契機に達するまでの経過時間が短いパターンでは、事前示唆演出の終了後に専用演出が実行されないため、大当りとなる期待度が低いことが示唆されうる。言いかえれば、事前示唆演出の継続時間が短い場合には、事前示唆演出の終了後に専用演出が実行されないことがあり、事前示唆演出の終了時点で大当りとなる期待度が低いことが示唆されうる。一方、突発最強や最強演出が示唆対象となるパターンでは、事前示唆演出の開始から比較的長い時間(例えば10秒以上)の経過後の遅いタイミングで実行されうる。これらの事前示唆演出の終了契機に達するまでの経過時間が長いパターンでは、事前示唆演出の終了後に「突発最強」または「最強演出」に必ず移行されるため、大当りとなる期待度が高いことが示唆される。言いかえれば、事前示唆演出の継続時間が長い場合には必ず専用演出が実行されるため、事前示唆演出が継続したまま発展ミッションや弱リーチ、バトルリーチが進行する場合にはその時点で大当りとなる期待度が高いことが示唆されうる。このようにして、事前示唆演出の終了タイミングに応じて示唆対象となる演出の種類に差を設けることで、事前示唆演出が早期に終了せずに継続する場合に高期待度となることを遊技者に事前示唆できる。
上述の予告演出A〜Cは、事前示唆演出の終了を契機として実行される場合と、事前示唆演出の終了を契機とせずに実行される場合とで、チャンスアップの期待度が異なるように構成されてもよい。例えば、事前示唆演出の終了を契機として予告演出A〜Cが実行される場合、高期待度であることが示唆される予告演出となる確率が相対的に高くなるよう構成されてもよい。一方、事前示唆演出の終了を契機とせずに予告演出A〜Cが実行される場合、高期待度であることが示唆される予告演出となる確率が相対的に低くなるよう構成されてもよい。
また、事前示唆演出の終了を契機として全画面発展が実行され、突発最強または最強演出が実行される確率は、事前示唆演出の開始タイミングおよび終了タイミングの少なくとも一方が図柄変動の終盤に近づくほど高く設定されてもよい。例えば、変動開始を契機として事前示唆演出が開始された後に突発最強となる事前示唆演出パターン2,8,9が選択される確率は相対的に低く設定されてもよい。一方で、バトルリーチ開始を契機に事前示唆演出が開始された後に最強演出となる事前示唆演出パターン23が選択される確率は相対的に高く設定されてもよい。
上述の事前示唆演出パターン1〜23は、例えば、通常確率状態(低確率状態)かつ通常入球状態(低入球状態)の通常遊技中に実行可能であり、通常遊技中の1回の図柄変動期間内で事前示唆演出が開始および終了して示唆対象となる演出が実行される。上述の事前示唆演出パターンは、1回の図柄変動期間内で一つのみ実行されてもよいし、1回の図柄変動期間内で複数実行されてもよい。例えば、示唆対象となる演出がない事前示唆演出パターン3,6が変動演出の序盤で実行された後に、事前示唆演出パターン12〜23のいずれかが変動演出の中盤以降で実行されてもよい。また、事前示唆演出パターン1,4,7が実行されて通常擬似連に移行された後に、事前示唆演出パターン10,11の少なくとも一方が実行されてもよい。同様に、事前示唆演出パターン5が実行されて専用擬似連に移行された後に、事前示唆演出パターン10,11の少なくとも一方が実行されてもよい。さらに、通常擬似連または専用擬似連の終了後に事前示唆演出パターン12〜23のいずれかが変動演出の中盤以降で実行されてもよい。また、変動演出の中盤で突発最強への移行を伴わない事前示唆演出パターン12,13,15〜17,19が実行された後、事前示唆演出パターン21〜23のいずれかが変動演出の終盤で実行されてもよい。つまり、1回の図柄変動期間内で第1の事前示唆演出が開始および終了した後、同じ図柄変動期間内で第2の事前示唆演出が開始および終了してもよい。
事前示唆演出は、確率変動状態(高確率状態)や入球容易状態(高入球状態)の通常遊技中に実行可能であってもよい。また、事前示唆演出の開始および終了と、示唆対象となる特定の演出の実行とが通常遊技中の複数回の図柄変動期間にわたって実行されてもよい。例えば、入球容易状態であるために1回の図柄変動時間が極めて短い場合、事前示唆演出が開始される図柄変動とは別の図柄変動にて事前示唆演出が終了して示唆対象となる特定の演出が実行されてもよい。言いかえれば、複数回の図柄変動にわたって事前示唆演出が継続してもよく、図柄の変動停止時に事前示唆演出が継続表示されていてもよい。
図56は、複数変動にわたる事前示唆演出の演出過程の前半を模式的に示す図である。まず、(a)に示すように図柄変動が開始され、図柄変動の開始を契機として(b)に示すように画面の左右に竜巻が発生して画面枠が竜巻の奥に向かって吹き飛ぶような演出表示がなされる。このとき、メイン装図は、画面中央に小さく表示される画面枠内ではなく、画面枠よりも手前の位置に重畳して表示される。つづいて(c)に示すように、画面左右の竜巻表示が継続した状態でメイン装図が変動停止し、画面左右の竜巻表示が継続した状態で(d)に示すように次の図柄変動が開始される。このとき、メイン装図を画面枠よりも手前の位置に重畳して表示することで、(c)においてメイン装図が変動停止したことを遊技者により分かりやすく示すことができる。
図57は、複数変動にわたる事前示唆演出の演出過程の後半を模式的に示す図である。本図は、図56の演出過程のつづきを示し、図柄変動の開始を契機として事前示唆演出が終了し、示唆対象となる高期待度演出が実行される演出過程を示している。まず、(a)に示すように、画面左右の竜巻表示が継続した状態でメイン装図の図柄変動が開始し、つづいて、(b)に示すように竜巻が消滅して画面全体が煙に包まれる全画面発展が実行される。その後、(c)に示すように遊技者の入力操作を促すために画面中央に演出ボタン109を模した画像が表示される。演出ボタン109への入力操作がなされるか、演出ボタン109の入力操作が有効となる操作期間が終了すると、(d)に示すように示唆対象となる特定の演出が実行される。本図の例では、メインキャラクタが登場して大当りとなることを確定的に報知する当落分岐演出が実行される。その他の例として、(d)のタイミングで敵キャラクタを登場させることでバトルリーチへの発展が示唆されてもよい。また、(c)のタイミングで演出レバー112の操作を促すために画面中央に演出レバー112を模した画像を表示し、演出レバー112の操作後に当落分岐演出を実行してもよい。(c)のタイミングで演出レバー112が表示された後に大当りとなる期待度は、(c)のタイミングで演出ボタン109が表示された後に大当りとなる期待度よりも高くてもよい。本図の例においても、(b)の全画面発展時に煙の表示色を赤色や金色に変化させることで、当落分岐演出にて大当りとなる期待度が高いことを示唆してもよい。
図58は、事前示唆演出の終了後に特定の演出が発生しない演出過程を模式的に示す図である。本図では、事前示唆演出が複数の図柄変動にわたって継続せず、メイン装図の変動停止を契機として事前示唆演出が終了する。まず、(a)に示すように図柄変動が開始され、図柄変動の開始を契機として(b)に示すように画面の左右に竜巻が発生して画面枠が竜巻の奥に向かって吹き飛ぶような演出表示がなされる。このとき、メイン装図は、画面中央に小さく表示される画面枠内ではなく、画面枠よりも手前の位置に重畳して表示される。つづいて(c)に示すように、メイン装図が変動停止するタイミングにおいて、画面左右の竜巻が消滅し、事前示唆演出の開始前の表示態様に戻ってメイン装図が変動停止する。このようにして、事前示唆演出が継続せずに何もなかったかのようにして事前示唆演出が終了する。
図56〜図58に示す演出過程は、保留される抽選値の先読みを契機として実行されてもよい。例えば、当落分岐演出が実行可能となる抽選値に対応する特定保留が先読みされる場合に、その特定保留が消化される図柄変動よりも前の図柄変動にて事前示唆演出を開始させ、その特定保留が消化される図柄変動まで事前示唆演出を継続させてもよい。その後、その特定保留が消化される図柄変動にて事前示唆演出を終了し、その後に当落分岐演出を実行してもよい。
事前示唆演出の開始タイミングおよび終了タイミングは、図柄変動を伴う通常遊技中に限られず、特別遊技中に事前示唆演出を開始させたり、終了させたりしてもよい。例えば、特別遊技中に事前示唆演出を開始させ、特別遊技中の特定回数のラウンドの終了を契機として事前示唆演出を終了させ、その後にラウンド継続の継続演出が実行されるようにしてもよい。例えば、特別遊技の種類として4回の単位遊技を含む4R大当りと、10回の単位遊技を含む10R大当りがある場合に、4回目の単位遊技の終了を契機として事前示唆演出を終了させ、5回目以降の単位遊技が実行されるかを煽る演出を実行してもよい.この場合、4R大当りとなる場合と10R大当りとなる場合とで事前示唆演出の終了演出の表示態様が異なりうるようにし、例えば、10R大当りとなる場合には事前示唆演出の表示色を金色や虹色に変化させることで、5回目以降の単位遊技が継続する期待度が高いことを事前示唆してもよい。なお、特別遊技の開始前、例えば大当りとなる図柄の停止表示前に事前示唆演出を開始させ、大当りとなることを示す図柄の停止表示時に事前示唆演出を継続させ、特別遊技の開始後に事前示唆演出を終了させることで、5回目以降の単位遊技が継続する期待度が高いことを事前示唆してもよい。その他、特別遊技の実行中に事前示唆演出を終了させるのではなく、特別遊技の終了デモにおいて事前示唆演出を終了させ、特別遊技の終了後に確率変動状態に移行されるか否かを煽る演出を実行してもよい。また、特別遊技の実行中に保留される抽選値が大当りに対応するいわゆる「保留内連荘」状態である場合、特別遊技の終了デモにて事前示唆演出を終了させずに事前示唆演出を継続させ、特別遊技の終了後の通常遊技中に事前示唆演出を終了させて当落分岐演出を実行させるようにしてもよい。
本実施例のある態様によれば、遊技の進行中に実行可能な複数の演出があり、複数の演出の実行を事前示唆する事前示唆演出の実行が可能であってもよい。事前示唆演出の実行を契機として、複数の演出のいずれかが実行される場合と、複数の演出のいずれもが実行されない場合とがあってもよい。複数の演出として、第1演出および第2演出がある場合、第1演出または第2演出の実行を事前示唆する事前示唆演出の実行が可能であり、事前示唆演出の実行を契機として、第1演出が実行される場合と、第2演出が実行される場合と、第1演出および第2演出のいずれも実行されない場合とがあってもよい。事前示唆演出の開始時の表示態様は、第1演出が実行される場合と、第2演出が実行される場合と、第1演出および第2演出のいずれも実行されない場合とで同じになることがあってもよい。事前示唆演出の終了時の表示態様は、第1演出が実行される場合と、第2演出が実行される場合と、第1演出および第2演出のいずれも実行されない場合とで異なることがあってもよい。ここで、事前示唆演出の示唆対象となる複数の演出には様々な演出が該当しうる。
事前示唆演出の示唆対象となる演出の一例として、擬似連続変動演出において装飾図柄が停止表示されたかのように見せる仮停止表示や、仮停止表示において仮停止後の演出内容を示唆する擬似連専用図柄を仮停止表示させる場合などが挙げられる。また、装飾図柄のリーチ態様を伴うリーチ変動演出において、リーチ態様となる前タイミングで実行されるリーチ前予告や、リーチ態様となった後に実行されるリーチ後予告も示唆対象となる演出に該当しうる。リーチ前予告やリーチ後予告の具体例は、期待度を示唆する文言やキャラクタ画像の表示を比較的短時間(数秒程度)にわたって表示するカットイン演出や、期待度がより高い状態に突入ないし発展することを示唆する特定ゾーン突入演出などである。これらの予告演出では、期待度の高さに応じた種類のキャラクタが表示されたり、期待度の高さに応じた表示色で文字やウィンドウ枠などが表示されたりしてもよい。また、背景表示の変更や滞在中のゾーンを示す帯状の表示等の付加、高期待度であることを示唆するオブジェクト画像を画面上に付帯表示等により特定ゾーン(高期待度であることが示唆される状態)への突入演出が示されてもよいし、可動役物66を作動させる役物作動演出が実行されてもよい。その他、可動役物66に電飾ランプが施される場合には、期待度の高さに応じた表示色で可動役物を点灯させながら作動させてもよい。
事前示唆演出の示唆対象となる演出の一例として、いわゆるスーパーリーチ演出中に実行される様々な演出が挙げられる。スーパーリーチ演出を伴う変動演出では、リーチ前演出、リーチ後演出、リーチ後の発展演出(いわゆるスーパーリーチ演出)が含まれ、リーチ後に実行される複数段階の発展演出によりスーパーリーチ演出が構成されることもある。なお、スーパーリーチ演出への発展前のリーチ前演出やリーチ後演出において事前示唆演出が終了して示唆対象となる演出が実行されてよいし、リーチ後の発展演出において事前示唆演出が終了して示唆対象となる演出が実行されてよい。リーチ後演出は、スーパーリーチ演出ではない、いわゆるノーマルリーチ演出にて実行される演出内容と少なくとも部分的に共通する共通演出を含んでもよく、共通演出の実行後に次の段階への発展(つまり、スーパーリーチ演出への発展)を示唆する予告演出を実行することで期待度を高める演出としてもよい。発展演出が複数段階にわたる場合には、複数段階の少なくとも一つが事前示唆演出の示唆対象となってもよいし、複数段階の二以上や各段階が事前示唆演出の示唆対象となってもよい。この場合、複数段階の演出に応じて事前示唆演出の開始および終了が複数回繰り返されてもよい。さらに、複数種類の発展演出を用意し、発展演出の段階数を異ならせたり、複数種類の発展演出の表示順序を入れ替えることにより、多種多様なスーパーリーチ演出が実現されてもよい。例えば、複数種類の発展演出を連続的に順番に実行していくことにより、リーチ後の発展演出がステップアップしていくリーチアップ演出が実行されてもよい。また、各段階の発展演出の実行中や、各段階の発展演出の合間のタイミングにおいて、上述のカットイン演出、装飾図柄の仮停止表示、擬似連専用図柄の仮停止表示などが実行されてもよい。また、スーパーリーチ演出を伴う変動演出では、カットイン演出や擬似連専用図柄の表示態様として金色やキリン柄といった高期待度の表示色が用いられてもよい。事前示唆演出の示唆対象となる演出が当りとなる期待度が高い高期待度演出であれば、事前示唆演出の終了時の表示態様を高期待度であることを示唆する表示態様に変化させてもよい。
事前示唆演出の示唆対象となる演出は、図柄の変動停止直前のタイミングで実行されてもよい。したがって、事前示唆演出は、図柄の変動停止直前のタイミングまで継続してもよい。変動停止直前に実行される演出は、当該変動の当否結果を確定的に報知する演出であってよく、例えば、演出ボタン109やレバー112による入力操作を遊技者に促す表示後に遊技者の入力操作を契機として開始可能な特定操作演出であってよい。この特定操作演出は、例えば、可動役物66が作動する役物作動演出などであり、虹色などの点灯色にて役物作動演出が実行される場合には当否結果が大当りまたは確変を伴う大当りとなることが確定的に報知される。一方で、虹色以外の点灯色、例えば、白色、青色、緑色、赤色などで役物作動演出が実行される場合には当否結果が大当りとなる期待度が高いことが示唆される。期待度の高さが作動する役物の点灯色により、白色、青色、緑色、赤色の順に高くなることが示唆されてもよいし、虹色以外のこれらの点灯色の場合に当否結果が大当りとなることが確定しないことが示唆されてもよい。遊技者の入力操作を促す表示(例えば、操作ボタンを模擬したボタン画像の表示や「押せ!」の文言表示など)やその後に実行されうる特定操作演出は、図柄がリーチ態様である状況下で実行されてもよいし、図柄が外れ態様または当り態様にて仮停止されている状況下で実行されてもよい。図柄が外れ態様にて仮停止されている状況下で特定操作演出が実行される場合、外れであると思わせた後に大当りとなる復活演出または救済演出であってもよい。復活演出または救済演出が実行される場合には、仮停止状態の図柄がその後に再変動する擬似連続変動を伴ってもよい。つまり、図柄が外れ態様にて仮停止されている状況下で特定操作演出が実行される場合、仮停止状態の図柄がその後に再変動する擬似連続変動が実行されてもよい。また、当り態様にて仮停止されている状況下で特定操作演出が実行される場合、より有利な種類の大当りに昇格する昇格演出であってもよい。昇格演出は、例えば、確変なしの大当りを示唆する図柄種類または図柄組合せから確変付き大当りを示唆する図柄種類または図柄組合せへの昇格であってもよいし、大当り後に移行される特別遊技の実質ラウンド数がより多い大当りを示唆する図柄種類または図柄組合せへの昇格であってもよい。特定操作演出は、可動役物の作動を伴わない演出であってもよい。特定操作演出は、遊技者の入力操作に応じて開始されてもよいし、遊技者の入力操作によらずに開始されてもよい。特定操作演出は、遊技者の入力操作がなされない場合に実行がスキップされてもよいし、遊技者の入力操作がなされない場合であっても実行されてもよい。
また、事前示唆演出の示唆対象となる演出は、当該変動に係る大当り期待度を示唆する当該変動オブジェクトの表示態様を変化させる当該変動オブジェクト変化演出や、保留に係る大当り期待度を示唆する保留オブジェクトの表示態様を変化させる保留変化演出などであってもよい。本明細書において、当該変動オブジェクトの変化演出と、保留オブジェクトの変化演出の双方を合わせて「保留変化演出」ということがある。当該変動オブジェクトや保留オブジェクトは、画面の中央下部などに表示される球状のオブジェクト画像である。保留オブジェクトは、特図保留手段に保留される抽選値の保留数を演出的に示すためのオブジェクト画像であり、保留数と同数の球状のオブジェクト画像(保留球画像)が表示され、保留球画像の表示数により保留数が示される。当該変動オブジェクトは、保留オブジェクトと同様または類似の表示態様を有するオブジェクト画像であるが、一見して保留オブジェクトとの違いが分かるように、保留オブジェクトより大きく表示されたり、保留オブジェクトの表示領域とは異なる位置に表示されたりする。当該変動オブジェクトや保留オブジェクトはさらに、その表示態様により当該変動または保留に係る大当り期待度を示唆する。例えば、当該変動オブジェクトや保留オブジェクトの表示画像の表示色、表示文言、オーラ画像やキャラクタ画像などの付加的な装飾表示により当該変動または保留に係る大当り期待度が示唆される。保留変化演出では、相対的に低期待度の表示態様から高期待度の表示態様にオブジェクトの表示が変化し、表示態様の変化および変化後の表示態様により当該変動または保留に係る大当り期待度が高いことが示唆される。
本実施例のある態様によれば、遊技の進行中に演出表示装置に表示可能な特定演出の表示態様を第1表示態様から当りとなる期待度が高いことを示唆する第2表示態様に変化させる特定変化演出が実行可能であってもよい。特定変化演出の実行を事前示唆する事前示唆演出の実行が可能であり、事前示唆演出の実行を契機として特定変化演出が実行されてもよい。事前示唆演出の実行を伴う演出過程の開始から事前示唆演出が開始するまでの時間値および事前示唆演出の実行を伴う演出過程の開始から事前示唆演出が終了するまでの時間値の少なくとも一方に応じて事前示唆演出の実行を契機とする特定変化演出の実行確率が異なってもよい。ここで、「特定変化演出」とは、上述の事前示唆演出の示唆対象となる様々な演出のうち、演出態様または表示態様の変化により期待度を示唆しうる任意の演出が該当しうる。特定変化演出は、画面上の表示の変化を伴う表示演出に限られず、可動役物の点灯色や形態の変化を伴う役物作動演出であってもよい。ここで「事前示唆演出の実行を伴う演出過程の開始」とは、図柄変動の開始タイミングであってもよいし、特定の演出の開始タイミングであってもよい。例えば、事前示唆演出の開始契機となる特定の演出(SP発展示唆、発展ミッション、バトルリーチ前半、通常擬似連、専用擬似連など)の開始タイミングであってもよい。
本実施例のある態様によれば、遊技の進行中に特定演出が実行可能であり、遊技の進行中の複数のタイミングにて特定演出の変化を事前示唆する事前示唆演出が実行可能であってもよい。特定演出が第1態様である状況下で事前示唆演出が実行される場合、事前示唆演出の実行を契機として特定演出が第1態様よりも当りとなる期待度が高いことを示唆する第2態様となる場合と、事前示唆演出の実行を契機として特定演出が第2態様とならない場合とがあってもよい。事前示唆演出の実行を契機として特定演出が第2態様とならない場合、その後の特定演出が第1態様となる場合と、第2態様よりも当りとなる期待度が高いことを示唆する第3態様となる場合とがあってもよい。ここで、「特定演出」とは、上述の事前示唆演出の示唆対象となる様々な演出のうち、演出態様または表示態様の変化により期待度を示唆しうる任意の演出が該当し、少なくとも3種類以上の演出態様または表示態様を取りうる任意の演出が該当しうる。特定演出の一例は保留変化演出であり、第1態様が通常の保留表示であり、第2態様が高期待度を示唆する保留表示であり、第3態様が大当り確定または確変大当り確定を示唆する保留表示であってもよい。
(2.期待度固定演出)
上述の「1.事前示唆演出」にて述べたように、遊技の進行中に実行可能な演出として「バトルリーチ演出」があり、バトルの対戦相手となる敵キャラクタが異なる複数のバトルリーチ演出が用意される。バトルリーチ演出が実行される場合、敵キャラクタに勝利する演出過程となることで、遊技者に有利な状態となることが示唆される。例えば、バトルリーチ演出に登場する複数の敵キャラクタには異なる強さが設定され、強い敵キャラクタが登場する場合には勝利期待度が低くなり、弱い敵キャラクタが登場する場合には勝利期待度が高くなる。したがって、複数の敵キャラクタのいずれが登場するかに応じてその後のバトルリーチ演出での勝利期待度が異なることとなり、バトルリーチ演出の開始時にいずれの敵キャラクタが登場するかによってその後のバトルに勝利する期待度が示唆される。
このようなバトルリーチ演出では、遊技者に人気の高い敵キャラクタが強いキャラクタであることが多いため、遊技者が演出を楽しみたいと思う人気の敵キャラクタが登場する場合にバトルに勝利しにくいという状況が生じうる。その結果、遊技者にとって関心の高い演出が実行されるにもかかわらず、遊技者にとって不利な状態となりやすいことが示唆される状況となりうる。このような状況を避けるため、人気の強い敵キャラクタが登場する場合に勝利期待度を高めるように演出傾向を定めることもできる。しかしながら、この場合には弱い敵キャラクタが登場する場合に勝利期待度が低くなるため、バトルでの強さと勝利期待度とが整合しなくなってしまう。また、弱い敵キャラクタが好みである遊技者の期待に応えることもできなくなる。
そこで、本実施例では、強さの異なる複数の敵キャラクタのいずれが登場したとしても、その後のバトルに勝利する期待度が同じになる特殊な演出過程を用意する。具体的には、特殊演出を経由してバトルリーチ演出が実行される場合、敵キャラクタの種類によらずにバトルに勝利する期待度が同じとなる「期待度固定演出」とする。一方で、特殊演出を経由せずにバトルリーチ演出が実行される場合には、敵キャラクタの種類に応じてバトルに勝利する期待度を異ならせる。具体的には、特殊経由の場合にはバトルリーチ演出の実行前に敵キャラクタの選択画面を表示させ、遊技者の好みに応じて任意の敵キャラクタを選択できるようにする。さらに、特殊経由のバトルリーチ演出では、特殊演出を経由しない通常経由のバトルリーチ演出よりも勝利期待度が高くなるようにする。なお、バトルリーチ演出の内容は、特殊経由と通常経由とで共通である。その結果、特殊経由のバトルリーチ演出では、遊技者が自分の好みの敵キャラクタを選択でき、かつ、バトルに勝利する可能性が高くなるという二重の利益を付与できる。これにより、特殊演出を経由しない通常経由のバトルリーチ演出のみが用意される遊技機と比べて、演出の興趣を高めることができる。
図59は、通常経由と特殊経由のバトルリーチ演出の期待度を示す図である。本図では、バトルリーチ演出に登場する敵キャラクタとしてA〜Fの6種類があり、6種類のバトルリーチ演出が用意される。バトルリーチ演出は、図柄変動中に実行可能な変動演出の一つであり、メイン装図がリーチとなった後に実行可能なスーパーリーチ演出(SP演出)の一つである。バトルリーチ演出で勝利した場合、大当りとなることが確定し、メイン装図が大当り態様にて停止表示される。したがって、バトルリーチ演出の勝利期待度は、その後に大当りとなる期待度(確率)と同一となりうる。なお、バトルリーチ演出で勝利した場合に大当りが確定しなくてもよく、バトルリーチ演出の勝利期待度がその後に大当りとなる期待度と異なってもよい。この場合、バトルリーチ演出で勝利することでその後に大当りとなる期待度が高まることが望ましい。つまり、バトルリーチ演出で勝利した後に大当りとなる期待度は、バトルリーチ演出で敗北した後に大当りとなる期待度よりも高くなるよう構成されることが望ましい。
特殊演出を経由しない「通常経由」のバトルリーチ演出では、敵キャラクタA〜Fの種類に応じて勝利期待度が異なっている。通常経由では、敵キャラクタAの勝利期待度は3%であり、敵キャラクタBの勝利期待度は5%であり、敵キャラクタCの勝利期待度は8%であり、敵キャラクタDの勝利期待度は10%であり、敵キャラクタEの勝利期待度は12%であり、敵キャラクタFの勝利期待度は15%である。通常経由のバトルリーチ演出は、例えば、上述の図40の変動演出フローの「バトルリーチ」であり、事前示唆演出に関連してバトルリーチが実行される場合と、事前示唆演出と関連せずにバトルリーチが実行される場合とがありうる。一方、特殊演出を経由する「特殊経由」のバトルリーチ演出では、敵キャラクタA〜Fの種類によらず勝利期待度が同じである。特殊経由では、敵キャラクタA〜Fのいずれも勝利期待度が50%である。特殊経由のバトルリーチ演出は、上述の事前示唆演出と関連せずに実行される。特殊経由のバトルリーチ演出は、50%の確率で大当りとなりうることから「50%チャレンジ演出」ともいう。
特殊経由でバトルリーチ演出が実行される場合、敵キャラクタA〜Fのいずれのバトルリーチ演出が実行されても勝利期待度は同じである。例えば、特殊経由で敵キャラクタAのバトルリーチ演出が実行される場合の勝利期待度(50%)は、特殊経由で敵キャラクタBのバトルリーチ演出が実行される場合の勝利期待度(50%)と同じである。一方で、通常経由のバトルリーチ演出が実行される場合、敵キャラクタA〜Fのいずれのバトルリーチ演出が実行されるかに応じて勝利期待度が異なる。例えば、通常経由で敵キャラクタAのバトルリーチ演出が実行される場合の勝利期待度(3%)は、通常経由で敵キャラクタBのバトルリーチ演出が実行される場合の勝利期待度(5%)と異なる。
また、特殊経由のバトルリーチ演出が実行される場合の勝利期待度は、通常経由のバトルリーチ演出が実行される場合の勝利期待度よりも高い。より具体的には、特定の敵キャラクタ(A〜Fのいずれか)のバトルリーチ演出が実行される場合、特殊経由の勝利期待度(50%)は、通常経由の勝利期待度(3%〜15%)よりも高い。例えば、特殊経由で敵キャラクタAのバトルリーチ演出が実行される場合の勝利期待度(50%)は、通常経由で敵キャラクタAのバトルリーチ演出が実行される場合の勝利期待度(3%)よりも高い。同様に、特殊経由で敵キャラクタBのバトルリーチ演出が実行される場合の勝利期待度(50%)は、通常経由で敵キャラクタBのバトルリーチ演出が実行される場合の勝利期待度(5%)よりも高い。
また、特殊経由のバトルリーチ演出が実行される場合に大当りとなる期待度(50%)は、バトルリーチ演出とは別の高期待度演出(例えば、図40の最強儀式リーチ)が実行される場合に大当りとなる期待度(例えば25%)よりも高い。一方で、通常経由のバトルリーチ演出が実行される場合に大当りとなる期待度(3%〜15%)は、バトルリーチ演出とは別の高期待度演出(例えば、最強儀式リーチ)が実行される場合に大当りとなる期待度(25%)よりも低い。
なお、通常経由のバトルリーチ演出が実行される場合、敵キャラクタA〜Fのそれぞれの勝利期待度は、図示されるように互いに異なる値であってもよいし、一部のキャラクタについて勝利期待度が共通であってもよい。例えば、敵キャラクタA,Bの勝利期待度がいずれも5%であり、敵キャラクタC,Dの勝利期待度がいずれも10%であり、敵キャラクタE,Fの勝利期待度がいずれも15%であってもよい。
通常経由のバトルリーチ演出が実行される場合に敵キャラクタA〜Fのそれぞれが登場する確率は、全て同じ(16%〜17%)であってもよいし、キャクラクタ別に異なっていてもよい。例えば、通常経由のバトルリーチ演出が実行される場合に勝利期待度が相対的に高いキャラクタ(例えば敵キャラクタE,F)については相対的に高い登場確率(例えば6%〜10%)とし、通常経由のバトルリーチ演出が実行される場合の勝利期待度が相対的に低いキャラクタ(例えば敵キャラクタA,B)については相対的に高い登場確率(18%〜25%)としてもよい。
図60は、演出選択画面の表示例を示す図である。画面左側には、バトルリーチ演出にて登場しうる6種類の敵キャラクタA〜Fが順に並んで表示されている。図示される例では、選択候補となる6種類の敵キャラクタA〜Fが円環に沿って並べられており、中央下側に選択対象の敵キャラクタが相対的に大きく表示される。(a)は、初期状態の演出選択画面であり、選択対象の初期候補として敵キャラクタAが表示されている。十字キー110の左右ボタンを押下することで、選択対象となる敵キャラクタが一つずつ切り替わる。(b)は、十字キー110の右ボタンを1回押下した場合の演出選択画面であり、中央下側の選択対象が敵キャラクタBに切り替わっている。
図60の画面右側には「誰を選んでも勝利期待度は50%!!」の説明文が表示されており、6種類の敵キャラクタA〜Fのいずれを選択しても勝利期待度の差がなく、かつ、勝利期待度が非常に高いことが示される。これにより、敵キャラクタA〜Fの種類に応じて勝利期待度が異なる通常経由のバトルリーチ演出ではなく、通常経由とは異なる「特殊経由」のバトルリーチ演出であることが遊技者に分かりやすく示される。また、本図の画面右下には、演出選択画面での選択操作が有効となる期間が終了するまでの残り時間が表示される。演出選択画面において、敵キャラクタA〜Fのいずれかが選択された状態で演出ボタン109を押下してキャラ選択を確定するか、所定時間が経過して選択操作の有効期間が終了すると、選択された敵キャラクタが登場するバトルリーチ演出が開始される。その後のバトルリーチ演出の内容は通常経由と同等である。なお、十字キー110で選択した後に演出ボタン109を操作して選択対象を確定する入力方法ではなく、演出ボタン109を押下するごとに選択対象が一つずつ切り替わるようにしてもよい。この場合、選択対象を確定する入力操作がなく、所定時間の経過時に選択対象が確定してもよい。
図60の演出選択画面において、6種類の敵キャラクタA〜Fの表示順は特に限られないが、例えば、通常経由のバトルリーチ演出が実行される場合の勝利期待度の大きさの順に表示される。例えば、図59に示すように通常経由のバトルリーチ演出の勝利期待度の大きさが低い方からA→B→C→D→E→Fである場合、図60の演出選択画面における敵キャラクタの表示順もA→B→C→D→E→Fである。また、演出選択画面の表示開始時の初期位置(画面中央下側)には、通常経由のバトルリーチ演出が実行される場合に最も低い勝利期待度(3%)となる敵キャラクタAが表示される。演出選択画面が表示される特殊経由のバトルリーチ演出では、非常に高い勝利期待度(50%)が設定されるため、通常経由では勝利しにくい敵キャラクタに勝利するレア演出が見られる機会が付与されると言える。そのため、通常経由において勝利期待度が低いキャラクタを選択する方がレア演出が見られる可能性が高いという点でメリットが大きい。そこで、通常経由において勝利期待度の低い敵キャラクタAを初期位置に配置し、遊技者が選択する可能性が高いと考えられる敵キャラクタAの選択操作を容易にしている。
図60の演出選択画面において、選択肢となる敵キャラクタを切り替える操作ごとに画面右上の「勝利期待度50%」の文言を強調表示してもよい。敵キャラクタの切り替えがなされるにも拘わらず、画面右上の勝利期待度の数値が変更されずに同じ数値(50%)で更新表示されることで、いずれの敵キャラクタであっても勝利期待度が変わらないことを遊技者により強調して示すことができる。
演出選択画面の表示例は図示されるものに限られず、複数種類のバトルリーチ演出のそれぞれに対応する複数の選択肢が表示され、複数の選択肢のいずれかを遊技者の操作により選択可能である限りにおいて任意の表示態様であってもよい。例えば、複数の選択肢が縦一列や横一列に並べられてもよいし、2×3=6マスの選択肢が順に配置されていてもよいし、円グラフのように6分割された扇形状の選択肢が順に配置されてもよい。
演出選択画面において敵キャラクタを選択する操作がなされなかった場合、初期位置に配置される敵キャラクタAが選択され、敵キャラクタAと対戦するバトルリーチ演出が実行されてもよい。その他、演出選択画面において敵キャラクタを選択する操作がなされなかった場合、50%チャレンジが終了し、通常経由と同等の期待度となるバトルリーチ演出が実行されてもよい。つまり、敵キャラクタA〜Fの種類に応じて勝利期待度が異なるバトルリーチ演出が実行されてもよい。
演出選択画面は、遊技者が複数の選択肢のいずれかを自分の意思で選択可能となるよう構成されてもよいし、必ずしも自分の意思で選択できないように構成されてもよい。例えば、選択対象となる選択肢がルーレットのように自動的に切り替えされ、遊技者の入力操作によっていずれかの選択肢が選択されるように構成されてもよい。この場合、選択対象となる選択肢が高速で切り替わるために遊技者が意図する選択肢を確実に選択することが困難となるよう構成されてもよい。その他、演出選択画面にて選択される選択肢が演出パターンによりあらかじめ決まっており、遊技者が自由に選択できないにも拘わらず、遊技者があたかも選択したかのように見せる演出選択画面が表示されてもよい。したがって、本実施例における演出選択画面は、複数の選択肢を表示した後にいずれかの選択肢が選択されたことが表示される画面であってもよい。
特殊経由の「50%チャレンジ」の開始前には、特殊経由となるか否かを煽る事前演出が実行されてもよい。この事前演出は、50%チャレンジが実行される図柄変動期間内に実行されてもよいし、50%チャレンジが実行される図柄変動よりも前の図柄変動にて実行される先読み演出であってもよい。特殊経由となるか否かを煽る事前演出の一例は、メイン装図が特定の外れ態様の図柄組合せで停止または仮停止する「チャンス目演出」である。例えば、メイン装図が「135」の図柄組合せで停止または仮停止することで50%チャレンジに突入し、それ以外の外れ態様の図柄組合せで停止または仮停止する場合には50%チャレンジとはならないことが示唆される。チャンス目演出では、例えば三つの図柄列が左、右、中央の順に仮停止され、左図柄が「1」で仮停止することでチャンス目演出が開始する。次に右図柄が「5」で仮停止する場合にはチャンス目演出が継続し、右図柄が「5」で仮停止せずに「6」で仮停止する場合にはチャンス目失敗となる。また、右図柄が「5」で仮停止した後に中央図柄が「3」で仮停止するとチャンス目成功となる。一方、中央図柄が「3」で仮停止せずに「4」で仮停止するとチャンス目失敗となる。なお、特殊経由となるか否かを煽る事前演出の別の例として、「?%チャレンジ」の文言のパネルを表示し、パネルが「50%チャレンジ」に変化するか、「0%チャレンジ」に変化するかを煽るパネル煽り演出を実行してもよい。
特殊経由の「50%チャレンジ」の開始時または開始後に大当りとなる期待度がさらに高まる昇格演出が実行され、例えば「77%チャレンジ」に昇格してもよい。その他、大当りとなる期待度が低い「33%チャレンジ」が用意され、大当りとなる期待度が33%から50%や77%に昇格する昇格演出が実行されてもよい。昇格演出は、50%チャレンジが開始することを示すタイトル表示後、つまり、演出選択画面の表示前に実行されてもよい。昇格演出は演出選択画面の表示直後に実行されてもよく、図60の画面右側に表示される期待度の数値が50%から77%に切り替わってもよい。昇格演出は、演出選択画面においていずれかの選択肢を選択した後に実行されてもよいし、その後のバトルリーチの開始前に実行されてもよい。
特殊経由のバトルリーチ演出が実行される場合、通常経由のバトルリーチ演出に関連して実行可能な特定演出が実行可能であってもよい。例えば、特殊経由のバトルリーチ演出においても、タイトル変化演出(図41の予告B)や保留変化演出(図41の予告C)が実行可能であってもよい。一方で、特殊経由のバトルリーチ演出が実行される場合、通常経由のバトルリーチ演出に関連して実行可能な別の特定演出が実行不可であってもよい。例えば、特殊経由のバトルリーチ演出においては、上述の事前示唆演出や全画面発展、突発最強などが実行不可であってもよい。
特殊経由および通常経由の変動演出過程において、大当り期待度が非常に高いことを示唆する「激熱予告」や大当りとなることが確定する「確定予告」が実行されてもよい。激熱予告では、例えば大当りとなる期待度が50%以上または80%以上であることが示唆されてもよい。激熱予告の一例は、期待度が非常に高いことを示す特定の表示態様(例えばキリン柄)を伴う予告演出であり、キリン柄を伴うカットイン演出や保留変化演出などの様々な演出が該当しうる。激熱予告は、装飾ランプ111をキリン柄をイメージした黄色または金色で点滅させる特殊な電飾演出(キリンフラッシュ演出)であってもよい。また、確定予告の一例は、大当り確定であることを示す特定の表示態様(例えば虹色)を伴う予告演出であり、虹色を伴うカットイン演出、保留変化演出、役物作動演出または電飾演出などの様々な演出が該当しうる。
上述の激熱予告や確定予告は、特殊経由および通常経由のいずれの変動演出過程においても実行可能であってもよい。激熱予告や確定予告が発生した場合には、特殊経由および通常経由のいずれであっても、大当りとなる期待度が非常に高い(例えば期待度50%以上または80%以上)や大当り確定であることが事前示唆されてもよい。例えば、特殊経由で50%チャレンジ演出が実行される場合には大当り期待度が50%となるところ、激熱予告が発生して50%チャレンジ演出が実行される場合には大当り期待度が80%となってもよい。同様に、通常経由でバトルリーチ演出が実行される場合には大当り期待度が敵キャラクタA〜Fの種類に応じて3%〜15%となるところ、激熱予告が発生して通常経由でバトルリーチ演出が実行される場合には敵キャラクタA〜Fの種類によらずに大当り期待度が80%となってもよい。したがって、激熱予告が発生して特殊経由となる場合の大当り期待度(80%)は、激熱予告が発生して通常経由となる場合の大当り期待度(80%)と同じであってもよい。また、激熱予告が発生して通常経由となる場合の大当り期待度(80%)は、激熱予告が発生しない特殊経由の大当り期待度(50%)よりも高くてもよい。同様に、激熱予告が発生して特定の高期待度演出(例えば最強儀式リーチ)となる場合の大当り期待度(80%)は、激熱予告が発生しない特殊経由の大当り期待度(50%)よりも高くてよい。また、激熱予告が発生して通常経由となる場合の大当り期待度(80%)は、激熱予告が発生しない特定の高期待度演出(例えば最強儀式リーチ)となる場合の大当り期待度(例えば25%)よりも高くてよい。上述の例において、激熱予告を確定予告に読み替えても同じことが言える。
なお、激熱予告や確定予告が実行される場合、大当り期待度が80%や100%となることが示唆されるため、その後に特殊経由の50%チャレンジ演出が実行されると、大当りとなる期待度が下がったかのような印象を遊技者に与えてしまい、演出の整合性が取れなくなるおそれがある。そこで、激熱予告や確定予告が実行された後に特殊演出を実行する場合には、特殊演出の実行時に大当りとなる期待度が80%や100%であることを報知してもよい。例えば、50%チャレンジ演出のタイトル表示前に激熱予告が実行された場合、特殊演出にて表示される期待度を50%から80%に変更する昇格演出を実行してもよい。また、50%チャレンジ演出のタイトル表示前に大当り確定予告が実行された場合、特殊演出にて表示される期待度を50%から99%または100%に変更する昇格演出を実行してもよい。その他、激熱予告や確定予告が実行される場合には特殊経由とならないようにしたり、特殊経由となる場合には激熱予告や確定予告が発生しないようにしたりする禁則処理をかけることで、演出の整合性を維持するようにしてもよい。また、特殊経由となる場合には任意の予告演出を実行不可とするように禁則処理をかけてもよいし、特殊経由となる場合には特定の予告演出のみを実行不可とするように禁則処理をかけてもよい。例えば、特殊経由となる場合には特殊経由にて示唆される大当り期待度(50%)を超える予告演出を実行不可にする一方で、特殊経由となる場合には特殊経由にて示唆される大当り期待度(50%)以下となる予告演出を実行可能にしてもよい。
本実施例のある態様によれば、遊技の進行中に実行可能な演出として少なくとも第1演出と、第2演出とがあり、遊技の進行中に第1演出または第2演出の実行を遊技者が選択可能となることがあってもよい。遊技者による選択を契機として第1演出または第2演出が実行される場合、第1演出の実行後に当りとなる期待度と、第2演出の実行後に当りとなる期待度とが同じとなってもよい。遊技者による選択を契機とせずに第1演出または第2演出が実行される場合、第1演出の実行後に当りとなる期待度と、第2演出の実行後に当りとなる期待度とが異なってもよい。ここで、第1演出および第2演出の一例は、対戦相手(敵キャラクタ)の異なるバトルリーチ演出であるが、第1演出および第2演出がそれ以外の演出であってもよい。例えば、第1演出が「発展ミッション」や「弱リーチ」であり、第2演出が「バトルリーチ前半」や「最強儀式リーチ」であってもよい。つまり、演出の種類に応じて期待度が異なりうる任意の演出の組み合わせが第1演出と第2演出の組み合わせに該当し、上述の事前示唆演出の示唆対象となる演出の少なくとも一部が第1演出や第2演出に該当しうる。
本実施例のある態様によれば、遊技の進行中に実行可能な演出として少なくとも複数の特定演出と、特殊演出とがあり、遊技の進行中に複数の特定演出のいずれかの実行を遊技者が選択可能となることがあってもよい。遊技者による選択を契機として複数の特定演出のいずれかが実行される場合にその特定演出の実行後に当りとなる期待度は、特殊演出の実行後に当りとなる期待度よりも高くてもよい。遊技者による選択を契機とせずに複数の特定演出のいずれかが実行される場合にその特定演出の実行後に当りとなる期待度は、特殊演出の実行後に当りとなる期待度よりも低くてもよい。ここで、複数の特定演出の一例は、対戦相手(敵キャラクタ)の異なるバトルリーチ演出であり、特殊演出の一例は、最強儀式リーチであるが、それ以外の様々な演出が複数の特定演出や特殊演出に該当しうる。例えば、上述の事前示唆演出の示唆対象となる演出の少なくとも一部が複数の特定演出や特殊演出となりうる。変形例として、遊技者による選択を契機とせずに複数の特定演出のいずれかが実行される場合もその特定演出の実行後に当りとなる期待度は、特殊演出の実行後に当りとなる期待度よりも高くてもよい。この場合の特殊演出の一例は、発展ミッションや弱リーチであるが、それ以外の様々な演出が特殊演出に該当しうる。
本実施例のある態様によれば、遊技の進行中に実行可能な演出として少なくとも第1演出と、第2演出とがあり、遊技の進行中に少なくとも第1演出および第2演出が選択候補として表示される演出選択画面が表示されることがあってもよい。演出選択画面の表示後に第1演出が実行される場合に当りとなる期待度は、演出選択画面が表示されずに第1演出が実行される場合に当りとなる期待度よりも高くてもよい。ここで、第1演出および第2演出の一例は、対戦相手(敵キャラクタ)の異なるバトルリーチ演出であるが、第1演出および第2演出がそれ以外の演出であってもよく、上述の事前示唆演出の示唆対象となる演出の少なくとも一部が第1演出や第2演出に該当しうる。
本実施例のある態様によれば、遊技の進行中に実行可能な演出過程として、特殊演出の実行後に特定演出が実行される第1演出過程と、特殊演出が実行されずに特定演出が実行される第2演出過程とがあり、第1演出過程および第2演出過程において当りとなる期待度を示唆する第1予告演出および第2予告演出が実行可能であってもよい。第1予告演出が実行され、第2予告演出が実行されない第2演出過程の実行後に当りとなる期待度は、第1予告演出が実行されず、第2予告演出も実行されない第1演出過程の実行後に当りとなる期待度よりも高く、第1予告演出が実行され、第2予告演出が実行されない第1演出過程の実行後に当りとなる期待度よりも低くてもよい。第1予告演出が実行され、第2予告演出が実行される第2演出過程の実行後に当りとなる期待度は、第1予告演出が実行され、第2予告演出が実行される第2演出過程の実行後に当りとなる期待度と同じであってもよい。ここで、特殊演出の一例は演出選択画面の表示を伴う50%チャレンジであり、特定演出の一例はバトルリーチ演出である。また、第1予告演出の一例は、大当りとなる期待度が非常に高いことを示唆するカットイン演出などの予告演出であり、第2予告演出の一例は、大当りであることを確定報知する可動役物演出である。なお、特殊演出、特定演出、第1予告演出および第2予告演出の例はこれらに限られず、上述の事前示唆演出の示唆対象となる演出の少なくとも一部がこれらの演出に該当しうる。例えば、第1予告演出が上述の激熱予告であり、第2予告演出が上述の大当り確定予告であってもよい。
本実施例のある態様によれば、遊技の進行中に実行可能な演出過程として、特殊演出の実行後に特定演出が実行される第1演出過程と、特殊演出が実行されずに特定演出が実行される第2演出過程とがあり、第1演出過程において当りとなる期待度を示唆する第1予告演出が実行可能であり、第2演出過程において当りとなる期待度を示唆する第2予告演出が実行可能であり、第2予告演出は、第1演出過程において実行不可であってもよい。第2予告演出が実行される第2演出過程の実行後に当りとなる期待度は、第1予告演出が実行されない第1演出過程の実行後に当りとなる期待度よりも高く、第1予告演出が実行される第1演出過程の実行後に当りとなる期待度よりも低くてもよい。ここで、特殊演出の一例は演出選択画面の表示を伴う50%チャレンジであり、特定演出の一例はバトルリーチ演出である。また、第1予告演出の一例は、大当りであることを確定報知する可動役物演出であり、第2予告演出の一例は、大当りとなる期待度が非常に高いことを示唆するカットイン演出などの予告演出である。なお、特殊演出、特定演出、第1予告演出および第2予告演出の例はこれらに限られず、上述の事前示唆演出の示唆対象となる演出の少なくとも一部がこれらの演出に該当しうる。例えば、第2予告演出が上述の激熱予告であり、第1予告演出が上述の大当り確定予告であってもよい。
本実施例は、第1特別図柄が大当りとなって特別遊技が実行される場合にその特別遊技後に確率変動状態または通常確率状態に移行される一方、第2特別図柄が大当りとなって特別遊技が実行される場合にはその特別遊技後に必ず確率変動状態に移行されるぱちんこ遊技機に適用されてもよい。この場合、大当り後の特別遊技中に開放される大入賞口内の特定領域に遊技球が入球するか否かに応じて確率変動状態に移行されるか否かが決定されてもよい。つまり、特別遊技中の特定領域への入球(V入賞)により確率変動状態への移行が確定する「玉確」または「V確」といわれる構成であってもよい。特別遊技中に開放可能な大入賞口として、大入賞口内に特定領域が設けられていない第1大入賞口と、大入賞口内に特定領域が設けられる第2大入賞口とが設けられ、1回の特別遊技中に第1大入賞口が開放される第1単位遊技および第2大入賞口が開放される第2単位遊技が実行されてもよい。この場合、大当り図柄の種類に応じて第2大入賞口の開放態様や開放時間が異なる第2単位遊技を実行可能とし、特定領域の入球容易性が異なる第2単位遊技を実行可能とすることで、大当り図柄の種類に応じて確率変動状態への移行確率が異なるようにしてもよい。例えば、大当り図柄Aで大当りとなって特別遊技が実行される場合には第2大入賞口の開放時間が相対的に長い第2単位遊技を実行し、特定領域への入球が容易となるようにしてもよい。一方で、大当り図柄Bで大当りとなって特別遊技が実行される場合には第2大入賞口の開放時間が相対的に短い第2単位遊技を実行し、特定領域への入球が困難となるようにしてもよい。その他、大入賞口の開放タイミングと、大入賞口内で特定領域と非特定領域のいずれかに遊技球を振り分けるための振分機構の作動タイミングとを大当り図柄の種類に応じて異ならせることにより、特定領域への入球が容易または可能な特別遊技(大当り図柄A)または特別領域への入球が困難または不可となる特別遊技(大当り図柄B)が実行されるようにしてもよい。その他、特定領域が設けられる大入賞口のみを設け、特定回数の単位遊技(例えば第4ラウンド)において特定領域と非特定領域のいずれかに遊技球を振り分けるための振分機構を作動させるようにし、その作動態様を大当り図柄の種類に応じて異ならせることにより、特定領域への入球が容易または可能となる特別遊技(大当り図柄A、特定領域に入球可能となる振分時間値が10秒)と、特定領域への入球が困難または不可となる特別遊技(大当り図柄B、特定領域に入球可能となる振分時間値が0.05秒)とが実行されるようにしてもよい。
上述の「V確」の構成において、第1特別図柄が大当りとなって特別遊技が実行される場合の第2単位遊技の実行態様と、第2特別図柄が大当りとなって特別遊技が実行される場合の第2単位遊技の実行態様とを異ならせることにより、確率変動状態への移行確率が異なるようにしてもよい。例えば、第1特別図柄が大当りとなって特別遊技が実行される場合には第2単位遊技における第2大入賞口の開放時間を相対的に短くして特定領域への入球が相対的に困難となるようにする一方、第2特別図柄が大当りとなって特別遊技が実行される場合には第2単位遊技における第2大入賞口の開放時間を相対的に長くして特定領域への入球が相対的に容易となるようにしてもよい。具体例を挙げれば、第1特別図柄が大当りとなって特別遊技が実行される場合の第2大入賞口内の特定領域への入球確率が50%程度となるようにする一方、第2特別図柄が大当りとなって特別遊技が実行される場合の第2大入賞口内への入球確率が80%程度となるようにしてもよい。また、第2特別図柄が大当りとなって特別遊技が実行される場合の第2単位遊技における第2大入賞口の開放時間を長くする(例えば5秒以上、10秒以上または20秒以上)とすることで、特別遊技中に第2大入賞口に向けて遊技球を発射していればほぼ確実に第2大入賞口に入球するように第2単位遊技を構成してもよい。これにより、第2特別図柄が大当りとなって特別遊技が実行される場合に第2大入賞口内の特定領域への入球確率が実質的に100%となるようにしてもよい。つまり、第2特別図柄が大当りとなる場合の確率変動状態への移行確率が実質的に100%となるようにしてもよい。この場合、第1特別図柄が大当りとなる場合の確率変動状態への移行確率は100%未満であってもよく、第1特別図柄が大当りとなる場合の確率変動状態への移行確率が50%〜80%程度であってもよい。つまり「V確」の構成において、特図1を確変100%未満とし、特図2を確変100%としてもよい。
以下、本実施例の特徴的な構成についてさらに説明する。本実施例では、演出ボタン109や演出レバー112といった操作入力手段への入力操作を遊技者に指令する「3.操作演出(ボタン演出ともいう)」を実行可能とする。ボタン演出が実行される場合、ボタン演出の実行前にボタン演出の発生を示唆する「ボタン煽り演出」を実行可能とする。また、ボタン演出における遊技者の入力操作タイミングの違いによる演出実行時間のずれを吸収するための「時間調整演出」を実行可能とする。本実施例では、図柄変動に伴う演出の継続を示唆する継続示唆演出を複数回実行可能とし、継続示唆演出の実行回数に応じて演出を段階的に進行させる「4.ステップアップ演出」を実行可能とする。また、複数回の図柄変動にわたって擬似連続変動演出を連続的に実行可能とする「5.特殊擬似連ゾーン」に移行可能とする。
(3.ボタン演出)
図61は、ボタン演出が実行される場合の演出過程の一例を示す図である。図61(a)〜(c)のそれぞれは、図柄の変動開始から変動停止までの1回の図柄変動期間にわたる変動演出過程を示している。まず、装飾図柄の変動開始時に通常演出が実行され、その後にボタン演出の発生を示唆する「ボタン煽り演出」が実行される。ボタン煽り演出の実行後には、演出ボタン109や演出レバー112などの操作入力手段への入力操作を遊技者に指令するボタン演出が実行される。ボタン演出では、操作入力手段への入力操作が有効となる操作有効期間(ボタン有効期間ともいう)が定められる。ボタン演出では、入力操作すべき操作入力手段を模した画像が表示され、ボタン有効期間内であることが演出的に示される。ボタン演出において、ボタン有効期間が終了するまでの残り時間が演出的に示されてもよく、例えば、数字のカウントダウン表示や、時間経過とともに徐々に長さが短くなるバー表示によりボタン有効期間の残り時間が示される。
ボタン演出は、ボタン有効期間内の入力操作を契機として、または、ボタン有効期間の終了を契機として終了する。ボタン演出の終了後には、ボタン演出の終了を契機に実行可能な特定演出が実行される。特定演出の一例は、高期待度であることを示唆する発展演出であり、例えば、装飾図柄がリーチ態様となってから実行可能なスーパーリーチ演出である。また、ボタン演出の終了後であって特定演出の実行前には可動役物66の作動を伴う可動役物演出(単に役物演出ともいう)が実行可能である。特定演出の実行後、装飾図柄の全てが仮停止し、仮停止される装飾図柄の図柄組合せにより当否結果が示唆される。装飾図柄が仮停止状態にて表示された後、装飾図柄の全てが確定停止され、確定停止される装飾図柄の図柄組合せにより当否結果が確定的に示される。図61に示す例では、装飾図柄が確定停止する前に特定演出が終了して通常演出へ移行されることを示す特殊演出が実行され、特殊演出の実行後に通常演出に移行されてから装飾図柄が確定停止する。特殊演出は、遊技者の目を惹くことで演出を違和感なく切り替えるための「アイキャッチ演出」とも呼ばれる。
図61(a)は、ボタン演出が実行されるボタン有効期間内に演出ボタンへの入力操作がなされない場合の演出過程を示す。図61(a)において、ボタン煽り演出の実行時間t1は、例えば5〜10秒程度であり、一例を挙げれば6秒、7秒または8秒程度である。また、ボタン演出におけるボタン有効期間の時間t2は、例えば3秒〜8秒程度であり、一例を挙げれば、4秒、5秒または6秒程度である。したがって、ボタン煽り演出の実行時間t1は、ボタン演出におけるボタン有効期間の時間t2より長くてもよい。図61(a)において、ボタン有効期間内に演出ボタンへの入力操作がなされない場合、ボタン有効期間の終了を契機として役物演出が実行される。役物演出の実行時間t3は、例えば1秒〜2秒程度である。図61(a)において、装飾図柄の全てが仮停止してから特殊演出が開始されるまでの時間t4は、例えば2秒〜4秒程度であり、特殊演出の実行時間t5は、例えば0.5秒〜2秒程度であり、特殊演出が終了してから通常演出にて装飾図柄が確定停止するまでの時間t6は、例えば1秒〜3秒程度である。ある実施例において、装飾図柄が仮停止してから特殊演出が開始されるまでの時間t4は、特殊演出が終了してから装飾図柄が確定停止するまでの時間t6と同じでもよいし、時間t6より長くてもよいし、時間t6よりも短くてもよい。図61(a)において、特殊演出の実行時間t5は、特殊演出が終了してから装飾図柄が確定停止するまでの時間t6より短くてもよい。
図61(b)は、ボタン有効期間の途中で演出ボタンへの入力操作がなされる場合の演出過程を示す。図61(b)では、入力操作を契機として役物演出が実行され、その後に特定演出が開始可能となるタイミングまで役物演出が継続して実行される。図61(b)では、ボタン演出の開始から時間t2’の経過時に入力操作がなされており、ボタン有効期間が終了するまでの残り時間Δtがある状況下で入力操作がなされている。その結果、ボタン有効期間の残り時間Δtだけ図61(a)の場合よりも早いタイミングで役物演出が実行される。図61(b)では、図61(a)の場合よりもボタン有効期間の残り時間Δtだけ役物演出の時間が長くなり、図61(a)において役物演出が実行される時間t3に残り時間Δtを加えた時間t3’=t3+Δtにわたって役物演出が継続して実行される。このようにして役物演出の実行時間を調整することにより、入力操作タイミングに応じた演出実行タイミングのずれを吸収できる。つまり、入力操作タイミングの違いに拘わらず、入力操作をしていない図61(a)と同じタイミングで特定演出を開始できる。その結果、図61(b)において図柄が変動開始してから確定停止するまでの演出時間を図61(a)と同じ時間に揃えることができる。図61(b)の場合、役物演出が「時間調整演出」に相当する。なお、図61(b)において、装飾図柄が全て仮停止してから特殊演出が開始するまでの時間t4、特殊演出の実行時間t5、および、特殊演出の終了後に装飾図柄が確定停止するまでの時間t6は、図61(a)の場合と共通である。
図61(c)は、ボタン有効期間の途中で演出ボタンへの入力操作がなされる場合の別の演出過程を示す。図61(c)では、図61(b)と同様、ボタン演出の開始から時間t2’の経過時に入力操作がなされ、入力操作を契機として役物演出が実行される。しかしながら、図61(c)にて役物演出が実行される時間は、図61(a)と同じ時間t3であり、図61(b)において役物演出が実行される時間t3’=t3+Δtよりも短い。その結果、図61(c)では、図61(a),(b)よりも特定演出の開始タイミングが早く、ボタン有効期間の残り時間Δtだけ図61(a),(b)よりも早いタイミングで特定演出が実行される。図61(c)では、特定演出の開始タイミングが早いため、装飾図柄が仮停止するタイミングが図61(a),(b)よりも早くなってしまう。そこで、図61(c)では、装飾図柄の全てが仮停止した後に実行される特殊演出の実行時間を図61(a),(b)よりもΔtだけ長くすることにより、入力操作タイミングに応じた演出実行タイミングのずれを吸収する。具体的には、図61(a),(b)において特殊演出が実行される時間t5にボタン有効期間の残り時間Δtを加えた時間t5’=t5+Δtにわたって特殊演出が継続して実行される。このようにして特殊演出の実行時間を調整することにより、特殊演出の終了タイミングを図61(a),(b)と同じタイミングに揃えることができる。その結果、図61(c)において図柄が変動開始してから確定停止するまでの演出時間を図61(a),(b)と同じ時間に揃えることができる。図61(c)の場合、特殊演出が「時間調整演出」に相当する。
図61(c)の演出過程によれば、役物演出の実行時間t3が図61(a)と同じであるため、図61(b)のように役物演出の実行時間がt3’=t3+Δtに長くなることを防ぐことができる。これにより、当否結果が確定していない演出過程の途中で長めの役物演出が実行されることで間延びした印象を遊技者に与える演出過程となることを防ぐことができる。一方、図61(c)の演出過程によれば、装飾図柄の全てが仮停止されて当否結果が示唆された後に時間調整演出となる特殊演出が実行されるため、当りとなるかもしれないという期待感が高められる演出過程において間延びした演出となることを防ぐことができる。
ある実施例では、ボタン有効期間内に入力操作がなされた場合、図61(c)の演出過程が実行されるようにしてもよい。この場合、ボタン演出の実行中のボタン有効期間内における入力操作の有無に応じて、特殊演出(アイキャッチ演出)の継続時間が異なってもよい。具体的には、ボタン有効期間内に入力操作がない場合には特殊演出(アイキャッチ演出)の継続時間が相対的に短くなり、ボタン有効期間内に入力操作がある場合には特殊演出(アイキャッチ演出)の継続時間が相対的に短くなってもよい。また、ボタン有効期間内の入力操作タイミングに応じて、特殊演出(アイキャッチ演出)の継続時間が異なってもよい。具体的には、ボタン有効期間の開始から入力操作までの経過時間が短いほど、特殊演出(アイキャッチ演出)の継続時間が長くなってもよい。別の言い方をすれば、ボタン有効期間における入力操作タイミングが遅いほど、特殊演出(アイキャッチ演出)の継続時間が短くなってもよい。
ある実施例では、ボタン演出の実行後の役物演出または特定演出の実行態様をボタン有効期間内の入力操作の有無に応じて異ならせるようにしてもよい。また、ボタン有効期間内にボタンを操作しなかった場合にのみ特別な演出(例えばプレミア演出)を実行可能としてもよい。この場合、ボタン操作を煩わしく思う遊技者に対して特別な演出を提供できる。この特別な演出は、当該変動が大当りとなる場合にのみ実行可能とし、当該変動が外れとなる場合には実行不可としてもよい。このような構成によれば、ボタン演出後に特別な演出を発生させるためにボタン演出の際に意図的にボタンを操作しないという選択肢を遊技者に提供できる。例えば、変動開始からボタン演出発生までの演出過程において大当りとなる期待度の高い演出が実行された場合、遊技者は、大当りとなることが確定する特別な演出が発生するかもしれないという期待感を高めつつ、ボタン演出においてボタンをあえて操作しないという行動を取ることができる。このようにして、遊技者の選択自由度を高めた遊技性を提供できる。
図62は、ボタン煽り演出およびボタン演出の演出過程の一例を示す図である。図62(a),(b)は、ボタン煽り演出の画面例を示す。まず、図62(a)に示すように二体の龍(ドラゴン)508が登場し、二体のドラゴン508が絡み合う過程が表示される。次に、図62(b)に示すように、二体のドラゴン508が向かい合うようにして咆哮する様子が示される。図62(c)は、ボタン演出の画面例を示し、画面中央に演出ボタン109を模したボタン画像510が表示され、演出ボタン109の操作を遊技者に促す「押せ!!」の文言が表示される。ボタン画像510の表示により、ボタン操作が有効となるボタン有効期間内であることが遊技者に示唆される。また、ボタン画像510の下方には、ボタン有効期間を示すためのタイマー画像512が表示され、タイマー画像512のバー513の長さを徐々に短くすることでボタン有効期間が終了するまでの残り時間が示唆される。図62(d)は、可動役物演出の実行例を示し、二体のドラゴンを模した可動役物514が画面の手前に登場するように作動する。本実施例では、図62(a),(b)に示すボタン煽り演出において二体のドラゴンを登場させることにより、ボタン演出の発生が事前示唆されるとともに、ボタン演出後に二体のドラゴンを模した可動役物514が登場する役物演出の発生が事前示唆される。ボタン煽り演出は、ボタン演出の発生またはボタン演出後の可動役物演出の発生を示唆する発生示唆演出の一種である。なお、図62(a)〜(d)の演出過程では、画面右下に三列の図柄列で構成される簡易図柄500が変動表示されており、図柄変動中であることが示唆される。
本実施例において、図62(a),(b)に示すボタン煽り演出の実行時間t1は、図62(c)に示すボタン演出の実行時間(ボタン有効期間)t2よりも長くなるよう構成される。ボタン演出は、当該変動の当落を報知する報知演出の発生契機となりうる演出であるため、遊技者にとって重要度が極めて高い演出であり、期待度が最も高まる瞬間であるとも言える。このような期待度の高まる緊張の瞬間に向けて、ボタン演出の発生を煽るボタン煽り演出の実行時間を長くすることで、遊技者の期待感をより効果的に煽ることができる。近年、時間あたりの出玉率を適正化するために1回の図柄変動の変動時間の平均値を長くすることが必要とされており、例えば、変動時間が相対的に長い変動パターンの変動時間をさらに長くすることが求められる。変動時間の長時間化に合わせて通常演出やリーチ演出の実行時間を単純に長くしてしまうと、演出が間延びした印象を与えるために遊技者に敬遠されかねない。その点、上述のボタン煽り演出は、遊技者の期待感が高まるタイミングに実行されるため、ボタン煽り演出の実行時間を長くしたとしても演出が間延びした印象を与えにくい。したがって、本実施例によれば、ボタン煽り演出の実行時間を長くすることで、演出が間延びした印象を与えることを回避しつつ、図柄変動時間の平均値を長くして時間あたりの出玉率を適正化できる。
操作演出は、複数種類用意されてもよい。例えば、操作演出として、演出ボタン109を押下することを指令する「ボタン演出」と、演出レバー112を引くことを指令する「レバー演出」とを実行可能としてもよい。「レバー演出」は、「ボタン演出」よりも期待度が高いことを示唆する演出であってもよい。また、「ボタン演出」として、通常ボタンが表示される第1ボタン演出と、高期待度であることを示唆するチャンスボタンが表示される第2ボタン演出とが用意されてもよく、第2ボタン演出は、第1ボタン演出よりも高期待度となる演出であってもよい。さらに、「レバー演出」として、通常レバーが表示される第1レバー演出と、高期待度であること示唆する激熱レバーが表示される第2レバー演出とが用意されてもよい。演出の期待度は、第1ボタン演出<第2ボタン演出<第1レバー演出<第2レバー演出の順に期待度が高くてもよい。高期待度の操作演出ほど、変動開始から操作演出の開始までの時間値が長くなる傾向にあってもよい。例えば、変動開始から第1ボタン演出が開始されるまでの第1時間値よりも、変動開始から第1レバー演出が開始されるまでの第2時間値が長くてもよい。一方、複数種類の操作演出のそれぞれにおけるボタン有効期間は共通であってもよく、操作演出の開始前に実行される発生示唆演出(ボタン煽り演出)の実行時間よりも短くてもよい。
操作演出の発生を示唆する発生示唆演出(ボタン煽り演出)は、複数種類用意されてもよい。例えば、ボタン煽り演出の種類に応じて、ボタン煽り演出の終了後に実行されるボタン演出の種類が示唆されてもよい。例えば、第1種類のボタン煽り演出と、第1種類よりも高期待度の第2種類のボタン煽り演出とが用意されてもよい。第2種類のボタン煽り演出が実行される場合、第1種類のボタン煽り演出が実行される場合に比べて、レバー演出が実行される期待度が高くてもよい。変動開始から第1種類のボタン煽り演出が開始されるまでの第1時間値よりも、変動開始から第2種類のボタン煽り演出が開始されるまでの第2時間値が長くてもよい。第2種類のボタン煽り演出の実行時間は、第1種類のボタン煽り演出の実行時間と同じであってもよいし、第1種類のボタン煽り演出の実行時間よりも短くてもよいし、長くてもよい。また、変動開始からボタン煽り演出が開始されるまでの時間値に応じて、ボタン煽り演出が実行される時間値が異なってもよい。例えば、変動開始から第1時間後にボタン煽り演出が実行される場合のボタン煽り演出の実行時間よりも、変動開始から第1時間よりも長い第2時間後にボタン煽り演出が実行される場合のボタン煽り演出の実行時間が長くてもよい。
図63は、特殊演出の実行後に装飾図柄が確定停止する演出過程を模式的に示す図であり、当否結果が外れとなる場合の画面例を示している。図63(a)は、三列の図柄列で構成される装飾図柄502の全てが仮停止する前の画面例を示し、装飾図柄502の左右の図柄列が同じ図柄「3」で仮停止されてリーチ態様となるとともに、装飾図柄502の中央の図柄列が図柄「3」で仮停止されて大当りとなるか、図柄「4」で仮停止されて外れとなるかを煽る演出がなされている。画面の右下には、三列の図柄列で構成される簡易図柄500が変動表示されており、図柄変動中であることが示唆される。図63(a)では、装飾図柄502および簡易図柄500の背景表示520として特定演出にて用いられる画像が表示される。背景表示520の表示例は、例えば、バトル演出や最強演出といった高期待度演出にて用いられる背景画像であり、変動開始時に実行可能な通常演出の背景画像とは異なる。
図63(b)は、図63(a)の表示後に装飾図柄502の全てが仮停止する画面例を示し、装飾図柄502が外れを示す「343」の図柄組合せにて仮停止されている。このとき、装飾図柄502は確定停止しておらず、微小な揺れが維持される仮停止状態にて表示される。このとき、画面右下の簡易図柄500は変動表示されており、図柄変動中であることが示唆される。装飾図柄502および簡易図柄500の背景表示520は、図63(a)の背景表示520と同じであり、特定演出が継続している。
図63(c)は、図63(b)の表示後に通常演出への移行を示唆する特殊演出の画面例を示す。特殊演出(アイキャッチ演出)では、装飾図柄502が一時的に非表示となり、特殊演出専用の画像が全画面表示される。特殊演出では、演出に登場するメインキャラクタ(主役)の画像516と、遊技機のタイトルである「CRドラゴンII」を示す画像518とが表示される。特殊演出における背景表示522は、図63(a),(b)に示す特定演出における背景表示520とは異なっている。画面右下の簡易図柄500は変動表示されており、図柄変動中であることが示唆される。
図63(d)は、図63(c)の表示後に装飾図柄504が確定停止する画面例を示し、通常演出の画面例を示す。装飾図柄504は、図63(b)にて仮停止された装飾図柄502と同じ「343」の図柄組合せにて確定停止され、当否結果が外れであることを示している。このとき、画面の右下の簡易図柄500も変動停止しており、図柄停止中であることが示唆される。簡易図柄500は、装飾図柄504と同じ図柄組合せである「343」の図柄組合せにて停止表示されており、簡易図柄500によっても当否結果が外れであることが示される。通常演出では、通常演出用の背景表示524が用いられ、例えば日中の街並みや荒野などの風景を表示する画像が背景表示524として用いられる。通常演出の背景表示524は、図63(a),(b)の特定演出用の背景表示520と異なり、図63(c)の特殊演出用の背景表示522とも異なる。
図63(a),(b)に示される装飾図柄502は、図柄種類を示す部分のみで構成され、図柄種類を識別するための数字(例えば、「3」または「4」)を示す部分からなる表示形態を有する。一方、図63(d)に示される通常演出における装飾図柄504は、図柄種類を識別する数字「3」または「4」を示す第1部分504aと、数字に付帯して表示されるキャラクタを示す第2部分504bとを組み合わせた表示形態を有する。キャラクタを示す第2部分504bの種類は、図柄種類を識別する数字を示す第1部分504aの種類に応じて異なる。つまり、キャラクタの種類は、図柄種類に応じて異なる。図63に示す例では、特定演出にて用いられる装飾図柄502と通常演出にて用いられる装飾図柄504の表示形態が異なる。
なお、特定演出に用いられる装飾図柄の表示形態は、通常演出にて用いられる装飾図柄の表示形態と同じであってもよい。具体的には、特定演出および通常演出の双方において、図63(d)に示される装飾図柄504のように、図柄種類を示す第1部分と付帯して表示される第2部分を組み合わせた表示形態を有する装飾図柄が用いられてもよい。逆に、特定演出および通常演出の双方において、図63(a)に示される装飾図柄502のように、図柄種類を示す部分のみからなる表示形態を有する装飾図柄が用いられてもよい。その他、遊技状態に応じて装飾図柄の表示形態が異なっていてもよい。例えば、左打ち状態における通常演出では、図63(d)に示される装飾図柄504のように、図柄種類を示す第1部分と付帯して表示される第2部分を組み合わせた表示形態を有する装飾図柄が使用されてもよい。一方、右打ち状態における通常演出では、図63(a)に示される装飾図柄502のように、図柄種類を示す部分のみからなる装飾図柄が使用されてもよい。また、特定演出では、通常演出と同様に遊技状態に応じて装飾図柄の表示形態が異なっていてもよいし、遊技状態によらずに装飾図柄の表示形態が共通であってもよい。例えば、特定演出では、左打ち状態であるか右打ち状態であるかによらずに図63(a)に示される装飾図柄502のように、図柄種類を示す部分のみからなる装飾図柄が使用されてもよい。
上述の特殊演出(アイキャッチ演出)を伴う演出過程は、特定の遊技状態においてのみ実行可能であってもよい。例えば、特殊演出(アイキャッチ演出)を伴う演出過程は、左打ち状態においてのみ実行可能とされ、右打ち状態においては実行不可とされてもよい。
図64(a)〜(c)は、図61(c)の演出過程のバリエーションの一例を示す図である。図64(a)は、装飾図柄が外れとなって確定停止する場合を示し、特殊演出が終了してから所定時間t6の経過後に装飾図柄が外れとなって停止し、変動停止から所定時間t7の経過後に次変動が開始される流れを示している。装飾図柄が確定停止してから次変動が開始されるまでの時間t7は、例えば0.5秒〜1秒程度であり、特殊演出が終了してから装飾図柄が確定停止するまでの時間t6より短くてもよい。図64(a)の場合、特殊演出の終了後に通常演出が開始され、その後に装飾図柄が確定停止する際においても通常演出が継続され、その後に装飾図柄が変動開始する際においても通常演出が継続され、例えば、図63(d)に示される背景表示524が継続して表示される。
図64(b)は、装飾図柄が当りとなって確定停止する場合を示す。図64(b)では、特定演出の開始後に装飾図柄が当り態様にて仮停止され、その後に特殊演出が実行される。特殊演出の終了後、通常演出に移行して装飾図柄が当り態様にて確定停止する。その後、特別遊技の開始デモが開始され、大入賞口の開放を伴う特別遊技が実行される。図64(b)において特殊演出が終了してから装飾図柄が当り態様にて確定停止するまでの時間t6’は、図64(a)において特殊演出が終了してから装飾図柄が外れ態様にて確定停止するまでの時間t6と同じであってもよいし、時間t6よりも長くてもよい。後者の場合、特殊演出の終了後に装飾図柄が当り態様にて仮停止状態となる時間t6’を長めに設定することで、当りとなったことを遊技者が実感する時間を長めに付与できる。
図64(c)は、特殊演出の終了後に装飾図柄が外れ態様にて確定停止せずに再変動して復活演出が実行される場合を示す。図64(c)の場合、図64(a)において特殊演出の終了後に装飾図柄が確定停止するまでの時間t6よりも長い時間t6”にわたって装飾図柄の仮停止状態が継続される。つまり、特殊演出が終了してから所定時間t6を経過して装飾図柄が確定停止するはずのタイミングにおいても仮停止状態が継続する。図64(c)において特殊演出の終了後の装飾図柄の仮停止状態の継続時間t6”を長めにすることにより、仮停止状態の継続によって演出がさらに継続することを示唆することができ、その後に装飾図柄を再変動させて復活演出を実行することで期待度の高い演出過程とすることができる。図64(c)において特殊演出の終了後の装飾図柄の仮停止状態の継続時間t6”は、例えば、3秒〜5秒程度である。 図64(c)において、特殊演出の終了後の装飾図柄の仮停止状態の継続時間t6”は、特殊演出の実行時間t5’よりも長くなることがある。一方、図64(a)において、特殊演出の終了後の装飾図柄の仮停止状態の継続時間t6は、特殊演出の実行時間t5’よりも短くなることがある。図64(c)における特殊演出の終了後の装飾図柄の仮停止状態の継続時間t6”は、図64(b)における特殊演出の終了後の装飾図柄の仮停止状態の継続時間t6’と同じであってもよいし、時間t6’より長くてもよいし、時間t6’より短くてもよい。
図64(c)における復活演出は、特定演出として実行可能な演出過程の少なくとも一部と共通してもよい。図64(c)における復活演出として、バトル演出や最強演出などのスーパーリーチ演出が実行されてもよい。図64(c)における復活演出として、ボタン煽り演出やボタン演出が実行されてもよい。この場合、ボタン演出における入力操作タイミングに応じて時間調整演出が実行されてもよい。このとき、図61(b)に示されるように役物演出にて時間調整演出が実行されてもよいし、図61(c)に示されるように特殊演出において時間調整演出が実行されてもよい。後者の場合、特殊演出後に実行される復活演出の実行後に特殊演出が再度実行されてもよい。
特殊演出(アイキャッチ演出)は、複数種類用意されてもよく、例えば、表示色の異なる複数種類のアイキャッチ演出が実行可能であってもよい。アイキャッチ演出が実行される場合、アイキャッチ演出の種類に応じて、アイキャッチ演出の終了後の演出展開の期待度が示唆されてもよい。例えば、通常色となる第1種類のアイキャッチ演出が実行される場合に比べて、赤色の表示色となる第2種類のアイキャッチ演出が実行される場合の方がアイキャッチ演出後に復活演出が実行される可能性が高くてもよい。その他、金色の表示色となる第3種類のアイキャッチ演出が実行される場合には、アイキャッチ演出後に必ず復活演出が実行されるようにしてもよい。つまり、金色の表示色となる第3種類のアイキャッチ演出により、その後に復活演出が実行されることが確定的に示唆されてもよい。その結果、第3種類のアイキャッチ演出の終了後に装飾図柄が仮停止状態を維持する時間は、相対的に長い時間t6”となってもよい。別の言い方をすれば、第1種類や第2種類のアイキャッチ演出の終了後に装飾図柄が仮停止状態を維持する時間(例えばt6)に比べて、第3種類のアイキャッチ演出の終了後に装飾図柄が仮停止状態を維持する時間(例えばt6”)が長くてもよい。
図65は、特殊演出の実行後に装飾図柄が確定停止する演出過程を模式的に示す図であり、当否結果が当りとなる場合の画面例を示している。図65(a)は、特定演出にて装飾図柄502が当り態様となって仮停止する画面例を示し、図63(a)の表示後に装飾図柄502が当りを示す「333」の図柄組合せにて仮停止される状態を示す。図65(b)は、図65(a)の表示後に通常演出への移行を示唆する特殊演出の画面例を示し、図63(c)と同様、特殊演出専用の画像が全画面表示される。図65(c)は、図65(b)の表示後に通常演出に移行し、通常演出において装飾図柄504が当り態様にて仮停止する画面例を示す。図65(c)では、装飾図柄504のアニメーション表示により当りとなったことを強調表示する演出が実行されており、図柄種類を示す数字「3」に付帯して表示されるキャラクタ部分が拡大されるアクションを伴うアニメーション表示(図柄アクション表示ともいう)がなされている。図65(d)は、図65(c)の表示後に装飾図柄504が確定停止する画面例を示する。図65(d)では、装飾図柄504のキャラクタ部分が通常サイズで表示されるとともに、装飾図柄504が当り態様となる「333」の図柄組合せにて確定停止されている。このとき、画面右下に表示される簡易図柄500は、装飾図柄504と同じ図柄組合せである「333」の図柄組合せにて停止表示されており、図柄停止中であることが示唆される。
図66は、特殊演出の実行後に装飾図柄が再変動する演出過程を模式的に示す図である。図66(a)は、特定演出にて装飾図柄502が外れ態様となって仮停止する画面例を示し、図63(a)の表示後に装飾図柄502が外れを示す「343」の図柄組合せにて仮停止される状態を示す。図66(b)は、図66(a)の表示後に通常演出への移行を示唆する特殊演出の画面例を示し、図63(c)と同様、特殊演出専用の画像が全画面表示される。図66(b)では、キャラクタ画像516、タイトル画像518および背景表示522の表示色が図63(c)とは異なり、例えば、赤色や金色といった高期待度を示唆する表示色にて表示可能である。特殊演出専用画像の表示色を高期待度色とすることで、特殊演出の終了後に復活演出が実行される可能性が高いことや、復活演出の発生が確定することが示唆される。図66(c)は、図66(b)の表示後に通常演出に移行し、通常演出において装飾図柄504が外れ態様にて仮停止する画面例を示す。図66(c)では、装飾図柄504が仮停止状態を維持しており、画面右下の簡易図柄500も変動表示を継続している。図66(d)は、図66(c)の表示後に装飾図柄504が再変動する画面例を示す。装飾図柄504が再変動することにより、演出が継続して復活演出が実行されることが示唆される。
ある実施例において、図柄の変動表示中に操作入力手段(演出ボタンまたは演出レバー)への入力操作を遊技者に指令する操作演出(ボタン演出)が実行可能であってもよい。操作演出の実行中の操作入力手段への入力操作を契機として、または、操作演出の終了を契機として特定演出を開始可能であってもよい。特定演出の終了後であって図柄の停止表示前に通常演出への移行を示唆する特殊演出(アイキャッチ演出)を演出表示装置に表示可能であってもよい。特殊演出の終了後に通常演出を開始可能であってもよい。操作演出の実行中の操作入力手段への入力操作の有無に応じて、または、操作演出の実行中に操作入力手段への入力操作がなされるタイミングに応じて、特殊演出の継続時間が異なってもよい。
ある実施例において、操作演出の実行中に操作入力手段への入力操作がない場合、特殊演出の継続時間よりも特殊演出の終了後に装飾図柄が仮停止状態を維持する時間が長くてもよい。一方、操作演出の実行中に操作入力手段への入力操作がある場合、特殊演出の継続時間よりも特殊演出の終了後に装飾図柄が仮停止状態を維持する時間が短くてもよい。
ある実施例において、第1種類の特殊演出(アイキャッチ演出)と、第2種類の特殊演出(アイキャッチ演出)とが実行可能であってもよい。第1種類の特殊演出の終了後に装飾図柄が仮停止状態を維持する時間よりも、第2種類の特殊演出の終了後に装飾図柄が仮停止状態を維持する時間の方が長くてもよい。
ある実施例において、遊技の進行中に操作入力手段(演出ボタンまたは演出レバー)への入力操作を遊技者に指令する操作演出(ボタン演出)を実行可能であってもよい。操作演出の開始を契機に操作入力手段への入力操作が有効となる有効期間内であることが遊技者に示されてもよい。操作演出の開始前に操作演出の発生を示唆する発生示唆演出(ボタン煽り演出)を実行可能であってもよい。発生示唆演出の開始から有効期間の開始までの経過時間は、有効期間の開始から終了までの経過時間より長くてもよい。
ある実施例において、複数種類の操作演出が実行可能であってもよい。複数種類の操作演出のそれぞれの有効期間の長さは同じであってもよい。図柄の変動開始から複数種類の操作演出のいずれかが開始されるまでの時間は、実行される操作演出の種類に応じて異なってもよい。図柄の変動開始から操作演出が開始されるまでの時間が長いほど、相対的に高期待度となる種類の操作演出が実行されやすくてもよい。
ある実施例において、複数種類の発生示唆演出(ボタン煽り演出)を実行可能であってもよい。複数種類の発生示唆演出のそれぞれの実行時間は、操作演出の有効期間の長さよりも長くてよい。複数種類の発生示唆演出のそれぞれの実行時間は、異なってもよい。図柄の変動開始から複数種類の発生示唆演出のいずれかが開始されるまでの時間が長いほど、相対的に実行時間が長い種類の発生示唆演出が実行されやすくてもよい。
(4.ステップアップ演出)
図67は、ステップアップ演出の演出過程を模式的に示す図である。本実施例における「ステップアップ演出」とは、図柄変動に伴う演出の継続を示唆する継続示唆演出を複数回実行可能とし、継続示唆演出の実行回数に応じて演出を段階的に進行させる演出のことをいう。本実施例におけるステップアップ演出として、装飾図柄の仮停止および再変動により演出の継続を示唆する擬似連続変動演出と、装飾図柄の仮停止および再変動とは異なる演出により演出の継続を示唆する特殊ステップアップ演出とがある。特殊ステップアップ演出では、カットイン演出などの専用画面演出や、可動役物66を動作させる可動役物演出により演出の継続が示唆される。
図67(a)は、装飾図柄の仮停止および再変動により演出継続が示唆される擬似連続変動演出の演出過程を示す。図67(a)では、装飾図柄がリーチとなる前に3段階の擬似連続変動が実行される場合を示している。装飾図柄の変動開始時には通常演出が実行されており、演出の進行途中で擬似連続変動演出の第1段階が開始する。第1段階の終了時に装飾図柄が仮停止され、仮停止される装飾図柄が再変動するか否かにより演出が継続するか否かを示唆する1回目の継続示唆演出が実行される。第2段階に演出が継続した場合、第2段階の終了時に装飾図柄が仮停止され、仮停止される装飾図柄が再変動するか否かにより2回目の継続示唆演出が実行される。第3段階に演出が継続した場合、第3段階の終了時に装飾図柄がリーチ態様となることで演出が継続することが示唆され、スーパーリーチ演出などの発展演出が実行される。なお、第1段階、第2段階または第3段階の終了時に装飾図柄が確定停止して演出が継続しない演出過程となることもある。
図67(a)の擬似連続変動演出において、演出の進行に応じて1段階や2段階のみの擬似連続変動が実行されてもよいし、4段階以上の擬似連続変動が実行されてもよい。擬似連続変動演出において、いずれの段階の擬似変動演出が実行されているかを遊技者に示す表示がなされてもよい。例えば、第1段階の演出実行中には「1回目」や「第1段」などの表示がなされ、第2段階の演出実行中には「2回目」や「第2段」などの表示がなされてもよい。第3段階の演出実行中には「3回目」や「第3段」などの表示がなされてもよいし、最終段階の演出であることを示すために「最終段」や「MAX」などの表示がなされてもよい。なお、第1段階の演出実行中には擬似連続変動演出となるか否かが遊技者には分からない状況となりうるため、第1段階の演出実行中には演出の段階を示す表示がなされなくてもよい。いいかえれば、第2段階以降の演出実行中においてのみ「○回目」や「○段目」などの表示がなされ、第1段階の演出実行中にはこれらの表示がなされなくてもよい。つまり、装飾図柄が最初に仮停止するまでは演出段階を示す表示がなされず、装飾図柄が最初の仮停止後に再変動してから演出段階を示す表示がなされてもよい。
図67(a)の擬似連続変動演出において、第1段階の演出開始時に開始演出が実行されてもよい。開始演出は、通常演出から擬似連続変動演出への移行を示唆するカットイン演出であってもよいし、可動役物が作動する役物演出であってもよい。開始演出が実行される場合、開始演出の前後において演出の背景表示が変化してもよい。具体的には、通常演出用の背景表示から擬似連続変動演出用の背景表示に変化してもよい。なお、通常演出が継続するような表示態様にて擬似連続変動演出が実行されてもよく、開始演出の前後において背景表示が変わらないようにしてもよい。つまり、擬似連続変動演出の背景表示が通常演出の背景表示と同じであってもよい。擬似連続変動演出の背景表示が通常演出の背景表示と同じである場合、開始演出が実行されなくてもよく、通常演出と擬似連続変動演出の第1段階との間で演出表示が切り替わることなく連続的に実行されてもよい。つまり、変動開始時の通常演出が擬似連続変動演出の第1段階であってもよい。
図67(a)の擬似連続変動演出における継続示唆演出では、変動開始時の通常演出にて表示可能な表示形態の装飾図柄が仮停止されてもよいし、通常演出では表示されることのない特殊図柄が仮停止されてもよい。特殊図柄として、例えば「継続」「続」「NEXT」といった演出が継続することを示唆する文言を示す図柄が用いられてもよい。擬似連続変動演出における継続示唆演出では、一つの特殊図柄のみが仮停止されてもよいし、少なくとも一つの特殊図柄を含む態様にて三列の装飾図柄の全てが仮停止されてもよい。擬似連続変動演出における継続示唆演出では、装飾図柄がリーチ態様とならずに外れ態様にて仮停止されてもよい。装飾図柄の仮停止時の図柄組合せとして、三列の装飾図柄のうちの一列または二列が当り態様からずれた状態となる「ズレ目」が用いられてもよい。
図67(b)は、専用画面演出により演出継続が示唆される特殊ステップアップ演出の演出過程を示す。特殊ステップアップ演出は、通常演出とは異なる専用演出であり、通常演出の背景表示とは異なる背景表示にて演出が進行する。特殊ステップアップ演出として、例えば、メインキャラクタ(主役)が街中で多数の雑魚キャラを蹴散らしながら進んでいく「ストリートバトル演出」が実行される。図67(b)の特殊ステップアップ演出では、図67(a)の擬似連続変動演出と同様に3段階の演出過程となっており、メインキャラクタが倒れることなく進んでいくことで、その後の発展演出が実行可能となる。特殊ステップアップ演出の開始時には、「ストリートバトル」に突入することを示唆する開始演出が実行される。
ストリートバトル演出の第1段階では、「第1ステージ」といった第1段階に滞在することを示す表示がなされ、ストリートバトル演出が継続していく。その後、第1段階の終了時に「第2ステージ」の文言を全画面に表示する継続示唆演出により、第2段階への継続が示唆される。その後、第2段階のストリートバトル演出が実行され、画面には「第2ステージ」といった第2段階に滞在することを示す表示がなされる。第2段階の終了時に「第3ステージ」の文言を全画面に表示する継続示唆演出により、第3段階への継続が示唆される。その後、第3段階のストリートバトル演出が実行され、画面には「第3ステージ」といった第3段階に滞在することを示す表示がなされる。第3段階の終了時に「最終ステージ」といった最終段階に到達したことを示唆する文言を全画面に表示することにより、その後の発展演出への継続を示唆する発展示唆演出が実行される。なお、特殊ステップアップ演出が途中で終了する場合には、特定段階の終了時に継続示唆演出が実行されることなく装飾図柄が外れとなって停止表示される。
図67(c)は、役物演出により演出継続が示唆される特殊ステップアップ演出の演出過程を示す。図67(c)の特殊ステップアップ演出として、例えば、登場するキャラクタにまつわるエピソードが物語形式で順に表示されていく「エピソード演出」が実行される。図67(c)の特殊ステップアップ演出では、図67(a)の擬似連続変動演出と同様に3段階の演出過程となっており、特定キャラクタのエピソードが第1話から第3話まで継続することで、その後の発展演出が実行可能となる。特殊ステップアップ演出の開始時には、エピソード演出に突入することを示唆する開始演出が実行される。特殊ステップアップ演出の第1段階では、「第1話」といった第1段階に滞在することを示す表示がなされ、物語が進行していく。その後、第1段階(第1話)の終了時に可動役物を作動させる継続示唆演出が実行され、第2段階(第2話)への継続が示唆される。その後、第2段階のエピソード演出が実行され、第2段階(第2話)の終了時に可動役物を作動させる継続示唆演出により第3段階(第3話)への継続が示唆される。その後、第3段階のエピソード演出が実行され、第3段階(第3話)の終了時に可動役物を作動させる発展示唆演出により、その後の発展演出への継続が示唆される。
図68は、特殊ステップアップ演出の演出過程を模式的に示す図であり、図67(b)の「ストリートバトル演出」の画面例を示す。図68(a)は、ストリートバトルの開始演出の画面例であり、画面中央に「ストリートバトル突入!!」の文言が表示されている。図68(b)は、第1段階のストリートバトル演出の画面例を示し、メインキャラクタが多数の敵キャラクタを倒していく演出過程が表示される。図68(b)の画面右上には、第1段階に滞在していることを示す「1stSTAGE」の文言が表示されている。図68(c)は、第2段階への継続示唆演出の画面例を示し、画面中央に第2段階への移行を示唆する「2ndSTAGE」の文言が表示されている。図68(d)は、第2段階のストリートバトル演出の画面例を示し、メインキャラクタが第1段階とは異なる敵キャラクタとバトルする演出過程が表示される。図68(d)の画面右上には、第2段階に滞在していることを示す「2ndSTAGE」の文言が表示されている。図68(a)〜(d)に示す特殊ステップアップ演出では、装飾図柄が非表示となり、画面右下に表示される簡易図柄500の変動表示により図柄変動中であることが示唆される。
図67(a)〜(c)に示すステップアップ演出は、互いに同じ演出時間となるよう構成されてもよい。言いかえれば、図67(b),(c)の特殊ステップアップ演出の演出時間は、図67(a)の擬似連続変動演出の演出時間と同じとなるように構成されてもよい。また、図67(b),(c)の特殊ステップアップ演出の各段階の演出時間は、図67(a)の擬似連続変動演出の各段階における擬似変動時間と同じとなるように構成されてもよい。これにより、擬似連続変動演出において複数回の擬似変動が繰り返されるのと同様のタイミングで演出の段階が進行していく特殊ステップアップ演出を実行できる。その結果、特殊ステップアップ演出において装飾図柄の仮停止および再変動がなされていないにも拘わらず、あたかも複数回の擬似変動が繰り返されたかのような印象を遊技者に与える演出過程とすることができる。なお、特殊ステップアップ演出および擬似連続変動演出の開始演出から発展示唆演出までの演出時間を同じにする一方で、特殊ステップアップ演出および擬似連続変動演出の各段階の演出時間を異ならせてもよい。例えば、特殊ステップアップ演出および擬似連続変動演出の特定段階の演出の開始または終了タイミング(第1段階の終了、第2段階の開始、第2段階の終了または第3段階の開始タイミング)を互いに異ならせるようにしてもよい。
図67(b),(c)の特殊ステップアップ演出の終了後に移行可能な発展演出は、図67(a)の擬似連続変動演出の終了後に移行可能な発展演出と同じであってもよい。これにより、特定の発展演出が実行される図柄変動において、特定の発展演出の開始前に特殊ステップアップ演出または擬似連続変動演出が実行される演出パターンを用意することができ、演出のバリエーションを増やすことができる。また、特殊ステップアップ演出の演出期待度と、擬似連続変動演出の演出期待度とを異ならせるようにし、例えば、擬似連続変動演出の演出期待度よりも特殊ステップアップ演出の演出期待度が高くなるようにしてもよい。これにより、特定の発展演出が実行される前に特殊ステップアップ演出と擬似連続変動演出のいずれが実行されるかによって、変動開始から図柄停止までの1回の図柄変動期間にわたる演出の期待度に差をつけることができ、期待度の異なる多数の演出バリエーションを用意することができる。
図67(a)〜(c)に示すステップアップ演出は、装飾図柄がリーチ態様となる前ではなく、装飾図柄がリーチ態様となってから実行されてもよい。例えば、装飾図柄がリーチ態様となることを契機として、擬似連続変動演出または特殊ステップアップ演出が開始されてもよい。この場合、図67(a)の擬似連続変動演出の開始演出は、装飾図柄の三列の図柄列のうち左右の図柄列が同じ図柄にて仮停止してリーチ態様となる演出表示により実行されてもよい。図67(b),(c)の特殊ステップアップ演出の開始演出は、装飾図柄がリーチ態様となった直後に実行されてもよく、装飾図柄がリーチ態様となる演出表示とは別の演出表示により特殊ステップアップ演出の開始が示唆されてもよい。また、図67(a)の擬似連続変動演出の継続示唆演出は、リーチ態様となった装飾図柄の中図柄列に特殊図柄が仮停止する演出表示であってもよい。また、装飾図柄がリーチ態様となってから図67(a)〜(c)に示すステップアップ演出が実行される場合、発展示唆演出としてボタン演出が実行されてもよく、ボタン演出を契機として実行可能な役物可動演出により発展演出への発展が示唆されてもよい。また、発展示唆演出として実行されるボタン演出の実行前にボタン煽り演出が実行されてもよい。
図69は、擬似連続変動演出の演出過程を模式的に示す図である。図69(a)〜(c)のそれぞれは、図柄の変動開始から変動停止までの1回の図柄変動期間において装飾図柄の仮停止および再変動を2回実行することにより、3回の擬似変動を実行する擬似連続変動演出である。最終回となる3回目の擬似変動では、高期待度の発展演出が実行され、装飾図柄が当りとなるか否かを煽る演出が実行可能である。図69(a)〜(c)のそれぞれは、装飾図柄がリーチ態様となるタイミングが異なっている。
図69(a)は、3回目の擬似変動において装飾図柄がリーチ態様となる演出過程の一例を示す。変動開始時に通常演出が実行されており、通常演出の実行中に装飾図柄が1回目の仮停止状態となる。その後、通常演出の実行中に装飾図柄が再変動して2回目の擬似変動が開始される。その後、通常演出の実行中に装飾図柄が2回目の仮停止状態となる。その後、通常演出の実行中に装飾図柄が再変動して3回目の擬似変動が開始される。その後、3回目の擬似変動の途中で装飾図柄がリーチ態様となり、リーチを契機として発展演出が実行される。発展演出の終了時には装飾図柄が仮停止状態となってから確定停止する。図69(a)では、装飾図柄がリーチ態様となるまで継続的に通常演出が実行される場合を示しているが、任意のタイミングにて通常演出とは別の特定演出が実行されてもよい。特定演出の実行時には、通常演出にて用いられる背景表示とは異なる背景表示が用いられてもよい。
図69(b)は、2回目の擬似変動において装飾図柄がリーチ態様となる演出過程の一例を示す。図69(b)の1回目の擬似変動における演出過程は、図69(a)の1回目の擬似変動における演出過程と同様である。図69(b)では、装飾図柄の1回目の仮停止および再変動後に装飾図柄がリーチ態様となり、リーチを契機として特殊演出が実行される。特殊演出は、演出時間が相対的に長い演出過程を有し、特殊演出が実行されない図69(a)の2回目の擬似変動期間よりも長い演出時間を有する。特殊演出の一例は、メインキャラクタが敵キャラクタとバトルする過程が表示されるバトル演出や、メインキャラクタが特定のミッションを達成するまでの過程が表示されるミッション演出などである。特殊演出の終了時には、擬似連続変動演出が継続するか否かを煽る演出が実行される。例えば、演出継続を示唆する特殊図柄が仮停止するか、または、装飾図柄が外れ態様にて仮停止するか否かを煽る演出が実行される。特殊演出では、バトル演出での勝利やミッション演出でのミッション達成などにより、装飾図柄の仮停止後に再変動することが示唆される。したがって、図69(b)の特殊演出は、擬似連続変動演出の継続可否を示唆する演出と言える。特殊演出の終了後に装飾図柄が再変動して3回目の擬似変動が実行される場合、装飾図柄の再変動を契機として発展演出が実行される。発展演出の終了時には装飾図柄が仮停止状態となってから確定停止する。
図69(c)は、1回目の擬似変動において装飾図柄がリーチ態様となる演出過程の一例を示す。図69(c)では、装飾図柄の変動開始時に通常演出が実行され、その後に装飾図柄がリーチ態様となり、リーチを契機として特殊演出が実行される。図69(c)の特殊演出は、図69(b)の特殊演出と同様であり、演出時間が相対的に長い演出過程を有する。図69(c)の特殊演出は、特殊演出が実行されない図69(a)の1回目の擬似変動期間よりも長い演出時間を有する。特殊演出の実行後、特殊演出の終了に対応して装飾図柄が1回目の仮停止状態となる。その後、装飾図柄が再変動して2回目の擬似変動が実行され、特殊演出から通常演出に移行する。2回目の擬似変動の開始に対応して期待度が高まることを示唆するチャンスアップ演出が実行されてもよい。その後、通常演出の実行中に装飾図柄が2回目の仮停止状態となる。その後、装飾図柄が再変動して3回目の擬似変動が実行される場合、装飾図柄の再変動を契機として発展演出が実行される。発展演出の終了時には装飾図柄が仮停止状態となってから確定停止する。
図69(b),(c)の特殊演出を含む擬似連続変動演出によれば、最終回以外の擬似変動において特殊演出を実行可能とすることで、特殊演出が実行されない図69(a)の擬似連続変動演出よりも高期待度の演出とすることができる。また、通常演出の実行中に単に装飾図柄の仮停止および再変動を実行して擬似連続変動演出の継続可否を示唆するのではなく、装飾図柄をリーチ態様とするとともにリーチを契機として特殊演出を開始して演出の継続可否を示唆することで、より高期待度の演出過程とすることができる。
ある実施例において、第1演出(擬似連続変動演出)と、第2演出(特殊ステップアップ演出)と、第3演出(発展演出)とがあってもよい。1回の図柄変動において第1演出の実行後に第3演出を実行可能であってもよい。1回の図柄変動において第2演出の実行後に第3演出を実行可能であってもよい。第1演出および第2演出は、表示される演出が継続するか否かを示唆する継続示唆演出を含み、継続示唆演出の実行回数に応じて演出が段階的に進行する演出過程を有してもよい。第1演出は、装飾図柄を仮停止させた後に再変動させる第1継続示唆演出により演出の継続を示唆してもよい。第2演出は、装飾図柄の仮停止および再変動とは異なる第2継続示唆演出(専用画面演出、役物可動演出)により演出の継続を示唆してもよい。第3演出は、装飾図柄がリーチ態様にて変動表示される過程を含むリーチ演出であってもよい。
ある実施例において、第1演出(擬似連続変動演出)の演出時間と、第2演出(特殊ステップアップ演出)の演出時間とが同じであってもよい。ある実施例において、第1演出(擬似連続変動演出)にて第1継続示唆演出(装飾図柄の仮停止および再変動)が実行されてから次の第1継続示唆演出(装飾図柄の仮停止および再変動)が実行されるまでの時間値と、第2演出(特殊ステップアップ演出)にて第2継続示唆演出(専用画面演出または役物可動演出)が実行されてから次の第2継続示唆演出(専用画面演出または役物可動演出)が実行されるまでの時間値とが同じであってもよい。ある実施例において、第1演出の実行中に装飾図柄が表示される一方、第2演出の実行中に装飾図柄が非表示とされてもよい。
ある実施例において、1回の図柄変動において装飾図柄を仮停止させた後に再変動させることにより擬似的に複数回の図柄変動が実行されたかのように見せる擬似連続変動演出が実行可能であってもよい。擬似連続変動演出において装飾図柄がリーチ態様となることを契機に特殊演出を開始可能であってもよい。特殊演出は、装飾図柄の仮停止後に装飾図柄が再変動して擬似連続変動演出が継続するか否かを示唆する演出過程を含んでもよい。擬似連続変動演出として、特殊演出が実行される第1擬似連続変動演出と、特殊演出が実行されない第2擬似連続変動演出とがあってもよい。第1擬似連続変動演出において特殊演出の開始前に装飾図柄がリーチ態様となってから特殊演出の開始後に装飾図柄が仮停止されるまでの時間値は、第2擬似連続変動演出において装飾図柄が再変動してから装飾図柄が次に仮停止するまでの1回の擬似変動期間の時間値より長くてもよい。
(5.特殊擬似連ゾーン)
図70は、遊技フローの一例を模式的に示す図である。図70の遊技フローでは、通常遊技中の演出モードとして、「通常モード」「第1時短モード」「第2時短モード」が用意され、第2時短モードにおいて「特殊擬似連ゾーン」に移行可能である。通常モードは、遊技開始時に実行される初期モードである。通常モードは、通常確率状態かつ通常入球状態(いわゆる低確率かつ低入球である低低状態)において実行され、いわゆる左打ち状態となる。したがって、通常モードでは特図1が大当りとなることを目指す遊技となる。通常モードでは、例えば図40に示される変動演出の流れに沿って遊技が進行され、上述の「1.事前示唆演出」「2.期待度固定演出」「3.ボタン演出」「4.ステップアップ演出」などが実行可能である。通常モードにて特図1が大当りになると特別遊技が実行され、特別遊技の終了後に「第1時短モード」または「第2時短モード」に移行される。図70の遊技フローでは、大当りの種類に応じて移行先が定められており、「3R大当り」となる場合に第1時短モードへ移行され、「10R大当り」となる場合に第2時短モードへ移行される。
特図1が「10R大当り」となる割合は非常に低く設定されており、例えば特図1の「10R大当り」の割合は5%であり、特図1の「3R大当り」の割合は95%である。「10R大当り」は必ず確変付きであり、10Rの特別遊技の実行後に確率変動状態に移行される。一方、「3R大当り」には、確率変動状態に移行される「3R確変大当り」と確率変動状態に移行されない「3R通常大当り」とがある。「3R確変大当り」となる場合には、3Rの特別遊技の実行後に確率変動状態に移行される。一方、「3R通常大当り」となる場合には、3Rの特別遊技の実行後に通常確率状態に移行される。なお、「3R確変大当り」と「3R通常大当り」の確率は同程度であり、例えば、「3R確変大当り」の割合は50%であり、「3R通常大当り」の割合は45%である。
第1時短モードは、通常モードにて「3R確変大当り」または「3R通常大当り」となる場合に移行される。第1時短モードは、入球容易状態(高入球状態)において実行され、いわゆる右打ち状態となる。したがって、第1時短モードでは特図2が大当りとなることを目指す遊技となる。第1時短モードは、確率変動状態であるか通常確率状態であるかが秘匿された状態で実行され、いわゆる潜伏確変状態となる。第1時短モードには終期が設定されており、所定回数(例えば100回)の図柄変動が終了すると、第1時短モードから通常モードへ移行される。第1時短モードにて大当りとなると、特別遊技が実行され、特別遊技の終了後に「第2時短モード」に移行される。特図2の大当りとして、特図1と同様、「10R確変大当り」「3R確変大当り」「3R通常大当り」が用意される。特図2では「10R大当り」となる割合が特図1よりも高く設定されている。例えば、特図2の「10R大当り」の割合は50%であり、「3R確変大当り」の割合は25%であり、「3R通常大当り」の割合は25%である。
第2時短モードは、通常モードにて10R大当りとなる場合、または、第1時短モードにて大当りとなる場合に移行される。なお、第2時短モードにて大当りとなる場合も第2時短モードに移行される。第2時短モードは、第1時短モードと同様、入球容易状態(高入球状態)において実行され、いわゆる右打ち状態となり、特図2が大当りとなることを目指す遊技となる。また、第2時短モードでは、特図2の大当りを繰り返し発生させて第2時短モードをループさせることを目指す遊技性となるため、「連荘モード」とも言える。第2時短モードでは、第2時短モードへの移行契機となった大当りの種類に応じて確率変動状態または通常確率状態となる。10R大当りとなって第2時短モードへ移行される場合には確率変動状態に移行されることが確定しているため、確率変動状態であることが遊技者に分かる態様で第2時短モードが実行されてもよい。一方、3R大当りとなって第2時短モードへ移行される場合には、「3R確変大当り」と「3R通常大当り」のいずれの大当りとなったかが必ずしも遊技者には分からないため、確率変動状態であるか否かが遊技者に分からない潜伏確変状態で第2時短モードが実行されてもよい。第2時短モードには終期が設定されており、所定回数(例えば100回)の図柄変動が終了すると、第2時短モードから通常モードへ移行される。
第2時短モードは、「特殊擬似連ゾーン」と「RUSHゾーン」の2段階の演出モードで構成される。特殊擬似連ゾーンは、第2時短モードに移行されてから所定回数(例えば20回)の図柄変動が終了するまで実行される。特殊擬似連ゾーンでは、擬似変動回数が3回、6回、12回または18回の擬似連続変動演出を実行可能とし、1回の擬似変動期間を1秒程度または1秒未満の短時間にすることで非常に多くの回数の図柄変動が高速で実行されたかのように見せる演出過程となる。なお、特殊擬似連ゾーンの終期となる所定回数(例えば20回)の図柄変動では、擬似連続変動演出が実行されなくてもよく、特殊擬似連ゾーンにて大当りとなるか、特殊擬似連ゾーンが終了してRUSHゾーンに移行されるかを煽る演出が実行されてもよい。
RUSHゾーンは、特殊擬似連ゾーンの終了を契機に移行され、第2時短モードに移行されてから所定回数(例えば100回)の図柄変動が終了するまで実行される。第2時短モードの終期が100回の図柄変動であり、特殊擬似連ゾーンの終期が20回の図柄変動であれば、RUSHゾーンにおいて80回の図柄変動が終了するまでRUSHゾーンが継続可能である。RUSHゾーンでは、特殊擬似連ゾーンとは異なる背景表示が用いられ、擬似連続変動を伴わない演出過程となる。RUSHゾーンは、複数段階の演出により構成されてもよい。例えば、RUSHゾーンの前半(例えば、60回の図柄変動終了まで)が「チャンスモード」となる一方、RUSHゾーンの後半(例えば、残り20回の図柄変動終了まで)が「ピンチモード」となるよう構成されてもよい。例えば、チャンスモードでは敵キャラクタが少ない状況で演出過程が進行するのに対し、ピンチモードでは多くの敵キャラクタに囲まれた状況で演出過程が進行するように構成されてもよい。
図71は、特殊擬似連ゾーンの演出過程の一例を示す図である。図71(a)〜(d)のそれぞれは、擬似連続変動演出において装飾図柄506が仮停止状態となるときの画面例を示す。例えば、図71(a)は、1回目の仮停止状態の画面例であり、図71(b)は、2回目の仮停止状態の画面例であり、図71(c)は、3回目の仮停止状態の画面例であり、図71(d)は、4回目の仮停止状態の画面例である。画面中央には、メインキャラクタの画像536が表示されており、装飾図柄506の擬似変動に応じてメインキャラクタが様々なポーズを決める様子が表示される。画面中央下方には、三列の図柄列で構成される装飾図柄506が表示されている。装飾図柄506は、図柄種類を識別するための数字を示す部分のみで構成され、キャラクタなどの付帯して表示される部分を含まない表示形態を有する。画面の左右のそれぞれには、特殊擬似連ゾーンに滞在していることを示す「特殊ZONE」の文言が付された帯画像532が表示されている。帯画像532は、画面の上下方向に延びており、「特殊ZONE」の文言が上下方向にスクロールされるように表示可能である。画面右上には、右打ち状態であることを示す「右打ち」の文言および右向き矢印を示す画像534が表示されており、画面右下には、三列の図柄列で構成される簡易図柄500が変動表示されている。
特殊擬似連ゾーンでは、1)装飾図柄506の仮停止時の図柄組合せ、2)帯画像532の表示色、3)メインキャラクタ画像536の表示態様により期待度の高さが示唆される。また、1)〜3)の表示態様を擬似変動の実行に対応して変化させることで、当該変動が大当りとなる期待度の高さが示唆される。例えば、1回の図柄変動期間内における擬似変動回数の増加に応じて、1)〜3)の表示態様を段階的に高期待度の表示態様に変化させていくことで、当該変動が大当りとなる期待度の高さが示唆される。また、特殊擬似連ゾーンでは、当否結果または変動パターンの先読み結果に応じて、4)帯画像532のスクロール表示態様を変化させることにより、大当りとなる期待度の高さを示唆する。例えば、通常時では帯画像532を低速でスクロールさせる表示態様とし、帯画像532を高速スクロールさせたり、帯画像532を強調した表示態様で高速スクロールさせたりすることにより高期待度となることを示唆可能とする。
図72は、装飾図柄506の仮停止時の図柄組合せの一例を示すテーブルである。特殊擬似連ゾーンにおける装飾図柄506の仮停止時の図柄組合せとして、a)バラけ目、b)白色順目、c)青色同色目、d)緑色同色目、e)赤色同色目の5種類が用意される。特殊擬似連ゾーンにて用いられる装飾図柄506は、「1」〜「9」の数字図柄であり、「2」「4」「6」「8」の偶数図柄は青色、「1」「5」「9」の奇数図柄は緑色、「3」「7」の奇数図柄は赤色となっている。a)バラけ目は、三列の装飾図柄506の数字が全て異なる図柄組合せであり、例えば、図71(a)に示される「174」の図柄組合せにおいて図柄色が「青赤緑」となる。b)白色順目は、三列の装飾図柄506の数字が順番に1ずつ大きくなる図柄組合せであり、例えば、図71(b)に示される「345」の図柄組合せである。b)白色順目の図柄組合せでは、a)バラけ目の図柄組合せとは異なることを強調するため、図柄色が通常の青緑赤とは異なる色となり、例えば白色図柄となる。c)〜e)の同色目は、三列の装飾図柄506の図柄色が同じとなる図柄組合せである。例えば、図71(c)に示される「468」の図柄組合せにて図柄色が全て青色となるパターンや、図71(d)に示される「159」の図柄組合せにて図柄色が全て緑色となるパターンである。図柄組合せの期待度は、a)〜e)の順番で期待度が段階的に高くなるように設定されており、a)のバラけ目の期待度が最も低く、e)の赤色同色目の期待度が最も高く設定される。
図73は、装飾図柄506の確定停止時の図柄組合せの一例を示す図である。特殊擬似連ゾーンにおける装飾図柄506の確定停止時の図柄組合せとして、f)青同色ガセ、g)緑同色ガセ、h)赤同色ガセ、i)青図外れ、j)緑図外れ、k)青図当り、l)緑図当り、m)赤図当りの8種類が用意される。f)青同色ガセは、左右図柄が異なる数字で青色の同色となるが、中図柄が緑色または赤色となる図柄組合せである。g)緑同色ガセは、左右図柄が異なる数字の緑色で同色となるが、中図柄が青色となる図柄組合せである。h)赤同色ガセは、左右図柄が異なる数字で赤色の同色となるが、中図柄が青色となる図柄組合せである。f)〜h)の同色ガセは、装飾図柄506の確定停止前にリーチ態様とならない場合に選択される。i)青図外れは、左右図柄が同じ数字の青色図柄となってリーチ態様となるが、中図柄が左右図柄とは異なる数字となって外れとなる図柄組合せである。j)緑図外れは、左右図柄が同じ数字の緑色図柄となってリーチ態様となるが、中図柄が左右図柄とは異なる数字となって外れとなる図柄組合せである。k)青図当りは、三列の図柄が同じ数字の青色図柄となって当りとなる図柄組合せである。l)緑図当りは、三列の図柄が同じ数字の緑色図柄となって当りとなる図柄組合せである。m)赤図当りは、三列の図柄が同じ数字の赤色図柄となって当りとなる図柄組合せである。i)〜m)の図柄組合せは、装飾図柄506の確定停止前にリーチ態様となる場合に選択される。なお、確定停止時の図柄組合せとして、a)バラけ目が用いられてもよい。また、仮停止時の図柄組合せとして、f)〜h)の同色ガセが用いられてもよい。
特殊擬似連ゾーンにおける帯画像532の表示色として、白色、青色、緑色、赤色の4種類がある。帯画像532の表示色は、白、青、緑、赤の順で期待度が段階的に高くなるように設定されており、白色の期待度が最も低く、赤色の期待度が最も高い。特殊擬似連ゾーンにおける帯画像532の表示色は、装飾図柄506の変動開始または再変動開始を契機として変化しうる。例えば、図71(a)の帯画像532の表示色は「白色」であるが、その後の装飾図柄506の再変動を契機として表示色が変化し、図71(b)の帯画像532の表示色は「青色」となる。なお、装飾図柄506の再変動を契機として表示色が変化しないこともあり、例えば、図71(c)のように帯画像532の表示色が「青色」のまま維持されることもある。帯画像532の表示色が複数回の擬似変動にわたって維持された後に表示色が変化することもあり、例えば、図71(d)のように帯画像532の表示色が「緑色」に変化することもある。このようにして、帯画像532の表示色を段階的に期待度のより高い表示色に変化させることで、当該変動が大当りとなる期待度の高さが示唆される。なお、帯画像532の表示色として「金色」を用いてもよく、帯画像532の表示色が金色となる場合には、当該変動が大当りとなる、または、保留される当否抽選値が大当りとなることが確定してもよい。つまり、金色の帯表示は、大当り確定を示唆する当確演出であってもよい。
特殊擬似連ゾーンにて画面中央に表示されるメインキャラクタ画像536は、複数種類のポーズを決めながら演舞を継続するよう表示される。例えば、6種類程度の決めポーズが用意され、複数種類のポーズを順に決めていくことで演出が進行していく。このとき、特定種類の決めポーズが発生することを契機にチャンスアップ演出が実行されてもよく、チャンスアップ演出により擬似連続変動演出の継続が示唆されてもよい。例えば、6回目の擬似変動や12回目の擬似変動にて特定種類の決めポーズとなることにより、7回目以降または13回目以降の擬似変動が継続することが示唆されてもよい。
図74は、特殊擬似連ゾーンにて実行可能な演出パターンを模式的に示す図である。特殊擬似連ゾーンでは、1回、3回、6回、12回または18回の擬似変動が実行される演出パターンが用意される。図74(a)は、擬似連続変動が実行されずに1回の図柄変動が実行されるパターンである。図74(a)のパターンの演出時間は2〜3秒程度であり、装飾図柄の変動開始から1〜2秒後に装飾図柄が仮停止状態となって確定停止する。図74(b)は、3回の擬似変動が実行されるパターンであり、装飾図柄の変動開始後に装飾図柄の仮停止および再変動が2回実行され、3回目の擬似変動にて装飾図柄が仮停止状態となって確定停止する。図74(b)における1回の擬似変動期間は1秒程度であり、図74(a)における1回の図柄変動時間よりも短い。図74(b)のパターンの演出時間は4〜5秒程度である。図74(c)は、6回の擬似変動が実行されるパターンであり、装飾図柄の変動開始後に装飾図柄の仮停止および再変動が5回実行され、6回目の擬似変動にて装飾図柄が仮停止状態となって確定停止する。図74(c)における1回の擬似変動期間は1秒程度であり、図74(b)における1回の擬似変動期間と同じである。図74(c)のパターンの演出時間は7〜8秒程度である。
図74(d)は、6回の擬似変動が実行されるパターンであるが、6回目の擬似変動において装飾図柄がリーチ態様となって発展演出が実行可能となる点で図74(c)のパターンと異なる。図74(d)のパターンは、6回目の擬似変動が開始するまでの演出過程が図74(c)のパターンと同様に構成される。一方で、図74(d)のパターンでは、図74(c)のパターンにて装飾図柄が変動停止するタイミングに対応してリーチ態様となるよう構成される。図74(d)のパターンでは、6回目の擬似変動にて装飾図柄がリーチとなることを契機にボタン演出が実行され、ボタン演出の終了後に装飾図柄が外れとなって確定停止する場合、ボタン演出の終了後に高期待度の発展演出が実行される場合、ボタン演出の終了後に大当り確定が告知される直撃大当りとなる場合が用意される。図74(d)において発展演出が実行される場合には、その後に大当りとなるパターンと、外れとなるパターンとが用意される。
図74(e)は、12回の擬似変動が実行されるパターンである。図74(e)の前半の1〜6回の擬似変動は、図74(c)のパターンと同様であるが、6回目の擬似変動にて装飾図柄が確定停止せずに仮停止状態を維持したままとなる点で図74(c)のパターンと異なる。図74(e)の6回目の擬似変動にて装飾図柄が仮停止状態を維持する時間は、1〜5回目の擬似変動にて装飾図柄が仮停止状態を維持する時間より長くてもよく、1〜2秒程度の時間が確保されてもよい。図74(e)の6回目の擬似変動にて装飾図柄が仮停止状態を維持する時間において、7回目以降の擬似変動が継続することを示唆する継続示唆演出が実行されてもよい。例えば、画面中央のキャラクタが特定種類のポーズを決めることにより、擬似変動の継続示唆するチャンスアップ演出が実行されてもよい。なお、図74(e)の6回目の擬似変動にて継続示唆演出が実行されなくてもよい。
図74(e)の後半の7回〜12回の擬似変動は、図74(d)のパターンと同様である。6回目の擬似変動にて装飾図柄が仮停止状態となった後、装飾図柄が再変動して7回目の擬似変動がなされる。その後、装飾図柄の仮停止および再変動が5回実行され、12回目の擬似変動が実行される。図74(e)のパターンでは、12回目の擬似変動にて装飾図柄がリーチ態様となり、リーチを契機にボタン演出が実行される。ボタン演出の終了後に装飾図柄が外れとなって確定停止する場合、ボタン演出の終了後に高期待度の発展演出が実行される場合、ボタン演出の終了後に大当り確定が告知される直撃大当りとなる場合が用意される。図74(e)においても、発展演出が実行される場合には、その後に大当りとなるパターンと、外れとなるパターンとが用意される。
図74(f)は、18回の擬似変動が実行されるパターンである。図74(f)の1〜6回の擬似変動および7回〜12回の擬似変動は、図74(e)の前半の1〜6回の擬似変動と同様である。図74(f)のパターンにおいても、6回目および12回目の擬似変動にて装飾図柄が仮停止状態を維持する時間は、1〜5回目および7〜11回目の擬似変動にて装飾図柄が仮停止状態を維持する時間より長くてもよい。また、図74(f)の6回目および12回目の擬似変動にて装飾図柄が仮停止状態を維持する時間において、7回目以降または13回目以降の擬似変動が継続することを示唆する継続示唆演出が実行されてもよい。なお、6回目および12回目の擬似変動の少なくとも一方にて継続示唆演出が実行されなくてもよい。図74(f)の13回〜18回の擬似変動は、図74(d)のパターンと同様である。12回目の擬似変動にて装飾図柄が仮停止状態となった後、装飾図柄が再変動して13回目の擬似変動がなされ、その後に装飾図柄の仮停止および再変動が5回実行され、18回目の擬似変動が実行される。18回目の擬似変動にて装飾図柄がリーチ態様となり、リーチを契機にボタン演出が実行される。なお、図74(f)のパターンは、当否結果が大当りとなる場合にのみ選択され、ボタン演出の終了後に高期待度の発展演出が実行されて大当りとなるパターンと、ボタン演出の終了後に大当り確定が告知される直撃大当りとなるパターンとが用意される。
特殊擬似連ゾーンでは、6回の擬似変動を基本パターンとし、6回の倍数である12回および18回の擬似変動を実行可能としている。つまり、基本パターンの擬似変動回数をN回(Nは2以上の整数)とした場合、2×N回および3×N回といった基本パターンのM倍(Mは2以上の整数)となるM×N回の擬似変動を実行する倍数パターンを用意している。基本パターンでは、装飾図柄の仮停止および再変動をN−1回実行することでN回の擬似変動が実行される。倍数パターンでは、装飾図柄の仮停止および再変動をM×N−1回実行することでM×N回の擬似変動が実行される。
特殊擬似連ゾーンでは、連続する複数回の図柄変動において、基本パターンの擬似変動演出を実行可能とし、あたかも倍数パターンの擬似変動が実行されたかのように見せることを可能とする。逆の言い方をすれば、1回の図柄変動において倍数パターンを実行することにより、あたかも基本パターンの擬似変動演出が複数回実行され、複数回の図柄変動が実行されたかのように見せることを可能とする。例えば、6回の擬似変動パターンが2回連続して実行される場合、12回の擬似変動パターンが実行されたかのように見せることができる。また、6回の擬似変動パターンを3回連続して実行される場合、18回の擬似変動パターンが実行されたかのように見せることができる。さらに、6回の擬似変動パターンと12回の擬似変動パターンが連続して実行される場合、18回の擬似変動パターンが実行されたかのように見せることができる。
図75は、12回の擬似変動が実行される演出パターンを示す。(1)は、1回の図柄変動期間において12回の擬似変動が実行されるパターンであり、図74(e)のパターンが実行される。(2)は、2回の図柄変動期間において12回の擬似変動が実行されるパターンであり、図74(c)のパターンの実行後に図74(d)のパターンが実行される。(1)と(2)のいずれのパターンにおいても、6回目の擬似変動の終了時にインターバルが設けられ、12回目の擬似変動においてリーチ態様となって発展演出が実行可能である点において演出過程が共通する。(1)と(2)のパターンの相違点は、6回目の擬似変動にて装飾図柄が仮停止後に確定停止せずに継続示唆演出が実行可能であるか、6回目の擬似変動にて装飾図柄が仮停止後に確定停止するかである。したがって、6回目の擬似変動の終了時の演出態様を注意深く見なければ、(1)のパターンと(2)のパターンとを見分けることは難しいと言える。
図76は、18回の擬似変動が実行される演出パターンを示す。(1)は、1回の図柄変動期間において18回の擬似変動が実行されるパターンであり、図74(f)のパターンが実行される。(2)は、2回の図柄変動期間において18回の擬似変動が実行されるパターンであり、図74(c)のパターンの実行後に図74(e)のパターンが実行される。(3)は、3回の図柄変動期間において18回の図柄変動が実行されるパターンであり、図74(c)のパターンを2回連続して実行した後に図74(d)のパターンが実行される。(1)〜(3)のいずれのパターンにおいても、6回目および12回目の擬似変動の終了時にインターバルが設けられ、18回目の擬似変動においてリーチ態様となって発展演出が実行可能である点において演出過程が共通する。(1)〜(3)のパターンの相違点は、6回目および12回目の擬似変動にて装飾図柄が仮停止後に確定停止せずに継続示唆演出が実行可能であるか、6回目および12回目にて装飾図柄が仮停止後に確定停止するかである。したがって、6回目および12回目の擬似変動の終了時の演出態様を注意深く見なければ、(1)〜(3)のパターンを見分けることは難しいと言える。
特殊擬似連ゾーンでは、基本パターンとなる6回の擬似変動が実行される場合よりも、倍数パターンとなる12回や18回の擬似変動が実行される場合の方が大当りとなる期待度が高くなるように構成される。このような構成において、図75および図76に示すような演出パターンを実行可能とすることで、基本パターンの擬似変動が実行されているにも拘わらず、倍数パターンの擬似変動が実行されているかのような印象を遊技者に与えることができ、遊技者の期待度を高めることができる。また、特殊擬似連ゾーンにおける特別図柄の変動回数が遊技者に分かりづらい演出とすることができ、特殊擬似連ゾーンの終期に到達するまでの残りの変動回数を分かりにくくできる。これにより、特殊擬似連ゾーンがいつまで続くか分からないという焦燥感を煽るような演出とすることができる。なお、特殊擬似連ゾーンにおいて、図柄変動回数を画面に表示せずに秘匿することで、特殊擬似連ゾーンの終期を分かりにくくしてもよい。一方、RUSHゾーンでは、図柄変動回数を画面に表示することで、RUSHゾーンの終期が明確となるようにしてもよい。例えば、ピンチモードにおいて高入球状態の終期に到達するまでの残り変動回数をカウントダウンすることにより、高入球状態がもうすぐ終了してしまうかもしれないという焦燥感を煽る演出としてもよい。
図77は、擬似変動シナリオを模式的に示す図である。擬似変動シナリオは、特殊擬似連ゾーンの1回の図柄変動期間における演出の詳細内容を定める。擬似変動シナリオは、図74(a)〜(f)のパターンのそれぞれに対応して用意される。図74(a)〜(d)の擬似変動回数が6回以下のパターンでは、それぞれ1種類の擬似変動シナリオが用意される。具体的には、図74(a)のパターンでは、a)1回変動のシナリオが選択され、図74(b)のパターンでは、b)3回変動のシナリオが選択される。図74(c)のパターンでは、c)6回変動発展なしのシナリオが選択され、図74(d)のパターンでは、d)6回変動発展ありのシナリオが選択される。一方、図74(e)の擬似変動回数が12回のパターンでは、e−1)12回変動発展ありのシナリオと、e−2)「6回変動発展なし」と「6回変動発展あり」を組み合わせたシナリオの2種類が用意される。なお、e−2)の擬似変動シナリオは、c)とd)の擬似変動シナリオを組み合わせたものに相当する。また、図74(f)の擬似変動回数が18回のパターンでは、f−1)18回変動発展ありのシナリオと、f−2)「6回変動発展なし」と「12回変動発展あり」を組み合わせたシナリオと、f−3)「6回変動発展なし」を2回と「6回変動発展あり」を組み合わせたシナリオである。f−2)の擬似変動シナリオは、c)とe−1)の擬似変動シナリオを組み合わせたものに相当し、f−3)の擬似変動シナリオは、c)とd)の擬似変動シナリオを組み合わせたものに相当する。
図74(a)〜(f)のパターンのそれぞれに対応する擬似変動シナリオを構成する「シナリオ要素」として、「1回変動」「3回変動」「6回変動発展なし」「6回変動発展あり」「12回変動発展あり」「18回変動発展あり」の6種類が用意される。擬似変動シナリオは、6種類のシナリオ要素のいずれかを単独で使用するか、2種類のシナリオ要素を組み合わせて使用することにより実現される。さらに、各種類のシナリオ要素について、装飾図柄506の仮停止時の図柄組合せの変化パターンを定める「図柄変化パターン」と、帯画像532の表示色の変化パターンを定める「帯色変化パターン」とが用意される。また、シナリオ要素の種類に応じて、複数の図柄変化パターンおよび複数の帯色変化パターンが用意され、図柄変化パターンを決定するための抽選と、帯色変化パターンを決定するための抽選とを別々に実行可能とする。これにより、一つのシナリオ要素について、図柄変化パターンの種類数と帯色変化パターンの種類数を掛け合わせた数の演出パターンを実行可能とし、バリエーションに富んだ演出を実行可能とする。
図78は、「1回変動」「3回変動」および「6回変動発展なし」における図柄変化パターンおよび帯色変化パターンの一例を示す。図78(a)は、「1回変動」のシナリオ要素に対応する図柄変化パターンおよび帯色変化パターンを示す。1回変動では、装飾図柄506の確定停止時の図柄組合せが「a)バラけ目」となる1種類の図柄変化パターンのみが用意され、帯画像532の表示色が「白色」となる1種類の帯色変化パターンのみが用意される。図78(b)は、「3回変動」のシナリオ要素に対応する図柄変化パターンおよび帯色変化パターンを示す。3回変動では、1回目と2回目の仮停止時に「a)バラけ目」または「b)白色順目」となり、3回目の確定停止時に「a)バラけ目」または「f)青同色ガセ」となる2種類の図柄変化パターンが用意される。また、3回変動では、1回〜3回の擬似変動の全体にわたって帯画像532の表示色が「白色」となる1種類の帯色変化パターンのみが用意される。図78(b)において「バ」は「a)バラけ目」を意味し、「順」は「b)白色順目」を意味する。
図78(c)は、6回変動発展なしにおける図柄変化パターンおよび帯色変化パターンの一例を示す。「6回変動発展なし」のシナリオ要素では、5種類の図柄変化パターンが用意される。「6回変動発展なし」では、6回目の擬似変動においてリーチ態様とならないため、6回目の擬似変動にて確定停止される装飾図柄506の図柄組合せは、f)〜h)の同色ガセ(青色ガセ、緑色ガセ、赤色ガセ)となる。図78(c)において、「青」は「c) 青色同色目」を意味し、「青・緑・赤ガセ」は、f)〜h)の同色ガセ(青色ガセ、緑色ガセ、赤色ガセ)のいずれかとなることを意味する。
図78(c)の「6回変動発展なし」の図柄変化パターン1〜4では、1回目と2回目の仮停止時の図柄組合せが図78(b)の「3回変動」の図柄変化パターン1〜2と同じとなる。したがって、図柄変化パターン1〜4が実行される場合、装飾図柄の2回目の仮停止時のタイミングでは、擬似変動回数が3回であるか6回であるかが判別できないように構成される。図78(c)の図柄変化パターン5では、2回目の仮停止時の図柄組合せが「a)バラけ目」となり、「3回変動」の図柄変化パターン1,2とは異なる図柄組合せとなる。したがって、図柄変化パターン5となる場合には、6回以上の擬似変動となることが確定する。なお、「6回変動発展なし」の図柄変化パターン1〜5では、3回目の仮停止時の図柄組合せが「a)バラけ目」、「b)白色順目」または「c) 青色同色目」となり、4回目の仮停止時の図柄組合せが「b)白色順目」または「c) 青色同色目」となる。5回目の仮停止時の図柄組合せは「c) 青色同色目」となる。
装飾図柄の1回目〜5回目の仮停止時の図柄組合せでは、仮停止回数が増えるごとに相対的に高期待度となる図柄組合せに変化しうるが、相対的に低期待度となる図柄組合せには変化しない。具体的には、「b)白色順目」となった後に「a)バラけ目」に変化することはなく、「c) 青色同色目」となった後に「a)バラけ目」や「b)白色順目」に変化することもない。また、仮停止時の図柄組合せは、1段階ずつ変化するよう構成される。例えば、「a)バラけ目」の次に「b)白色順目」に変化することはあるが、「a)バラけ目」の次に「b)白色順目」をスキップして「c)青色同色目」に変化することはない。なお、図柄変化パターンでは、仮停止ごとに図柄組合せが変化するとは限らず、連続する複数の仮停止タイミングにて同じ種類の図柄組合せになりうる。例えば、図柄変化パターン2のように白色順目が3回繰り返されたり、図柄変化パターン3のように青色同色目が3回繰り返されたり、図柄変化パターン5のようにバラけ目が3回繰り返されたりすることがある。また、連続する3回の仮停止タイミングにて異なる種類の図柄組合せになることがあり、例えば、図柄変化パターン3のように、3回の擬似変動にて、バラけ目、白色順目、青色同色目の順に図柄組合せが変化することがある。
図78(c)の「6回変動発展なし」では、2種類の帯色変化パターンが用意される。帯色変化パターン1は、1回〜3回の擬似変動における帯画像532の表示色が「白色」であり、4〜6回の擬似変動における帯画像532の表示色が「青色」である。「6回変動発展なし」の帯色変化パターン1の1回〜3回の帯画像532の表示色は、「3回変動」の帯色変化パターンと同じであり、帯色変化パターンに注目した場合に擬似変動回数が3回であるか6回であるかが判別できないように構成される。「6回変動発展なし」の帯色変化パターン2は、1回〜2回の擬似変動における帯画像532の表示色が「白色」であり、3回〜6回の擬似変動における帯画像532の表示色が「青色」である。帯色変化パターン2によれば、3回目の擬似変動で帯画像532の表示色が変化することで「3回変動」の帯色変化パターンとは異なるパターンであることが示唆され、4回目以降の擬似変動が継続することを示唆できる。
図79は、「6回変動発展あり」における図柄変化パターンおよび帯色変化パターンの一例を示す。「6回変動発展あり」のシナリオ要素では、22種類の図柄変化パターンが用意される。「6回変動発展あり」のシナリオ要素では、6回目の擬似変動にてリーチ態様となるため、リーチ外れまたは当りとなる図柄組合せにて装飾図柄が確定停止する。図柄変化パターン1〜5は、1回〜5回の仮停止時の図柄組合せが図78(c)の「6回変動発展なし」の図柄変化パターンと同じであり、6回目の確定停止時の図柄組合せのみ異なっている。図柄変化パターン1〜5の6回目の確定停止時の図柄組合せは、i)青図外れ、j)緑図外れ、k)青図当り、l)緑図当り、m)赤図当りのいずれかとなる。図79の図柄変化パターン1〜5が実行される場合、装飾図柄の5回目の仮停止時のタイミングでは、装飾図柄がリーチ態様となるか否かが判別できないと言える。
図79の図柄変化パターン6〜12は、装飾図柄の5回目の仮停止時の図柄組合せが「d)緑色同色目」となるパターンであり、図柄変化パターン1〜5よりも高期待度となることを示唆する。装飾図柄の5回目の仮停止時に「d)緑色同色目」となる場合には、装飾図柄がリーチ態様となることが確定すると言える。図柄変化パターン6〜12の6回目の確定停止時の図柄組合せは、j)緑図外れ、l)緑図当り、m)赤図当りのいずれかとなり、k)青図当りまたはi)青図外れとはならない。図79の図柄変化パターン13〜20は、装飾図柄の5回目の仮停止時の図柄組合せが「e)赤色同色目」となるパターンであり、図柄変化パターン1〜12よりも高期待度となることを示唆する。図柄変化パターン13〜20の6回目の確定停止時の図柄組合せは、m)赤図当りのみである。したがって、装飾図柄の5回目の仮停止時に「e)赤色同色目」となる場合には赤図柄で大当りとなることが確定すると言える。
図79の図柄変化パターン21〜22は、1回〜5回の仮停止時の装飾図柄が「金色」または「キリン柄」となるプレミアパターンである。図柄変化パターン21の6回目の確定停止時の図柄組合せは、「l)緑図当り」または「m)赤図当り」であることから、1回目の仮停止時に「金色」の図柄組合せとなった場合には緑図柄または赤図柄で当りとなることが確定する。また、図柄変化パターン22の6回目の確定停止時の図柄組合せは、「m)赤図当り」のみであることから、1回目の仮停止時に「キリン柄」の図柄組合せとなった場合には赤図柄で当りとなる(例えば10R大当りとなる)ことが確定する。なお、これらのプレミアパターンは、「6回変動発展あり」のシナリオ要素のみで実行可能であり、後述する「12回変動発展あり」や「18回変動発展あり」のシナリオ要素では実行されないよう構成される。プレミアパターンでは、1回目の仮停止時に大当りとなることが確定しているため、12回や18回といった擬似停止回数の多い演出パターンに適用すると、当り図柄が確定停止するまでの演出が間延びし、かえって煩わしい演出となりかねないためである。
図79の「6回変動発展あり」の図柄変化パターンでは、仮停止時の図柄組合せが1段階ずつ変化しない場合があり、1度に2段階以上変化するよう構成される場合がある。例えば、図柄変化パターン10では、装飾図柄の3回目の仮停止時に「a)バラケ目」となった後、装飾図柄の4回目の仮停止時に「d)緑色同色目」となり、「b)白色順目」と「c)青色同色目」をスキップするよう構成される。また、図柄変化パターン13〜16では、装飾図柄の4回目の仮停止時に「c)青色同色目」となった後、装飾図柄の5回目の仮停止時に「e)赤色同色目」となり、「d)緑色同色目」をスキップするよう構成される。このような図柄変化パターンは、図78(a)〜(c)の図柄変化パターンには存在しないため、図柄組合せが1度に2段階以上変化した場合には装飾図柄がリーチ態様となることが確定し、高期待度となることが示唆されると言える。
図79の「6回変動発展あり」の図柄変化パターンでは、1回目の擬似変動から装飾図柄506の仮停止時の図柄組合せが「c)青色同色目」または「d)緑色同色目」の同色目となるパターン11,12,19,20が存在する。このような図柄変化パターンは、図78(a)〜(c)の図柄変化パターンには存在しない。したがって、1回目の仮停止時の図柄組合せが同色目となる場合には、装飾図柄がリーチ態様となることが確定し、高期待度となることが示唆されると言える。
図79の「6回変動発展あり」では、13種類の帯色変化パターンが用意される。図79の帯色変化パターン1,2は、図78(c)の「6回変動発展なし」の帯色変化パターン1,2と同じである。図79の帯色変化パターン3〜6は、帯画像532の表示色が緑色まで変化するパターンであり、帯色変化パターン1,2よりも高期待度であることを示唆する。帯画像532の表示色が緑色となるパターンは、装飾図柄がリーチとなることが確定することを示唆する。図79の帯色変化パターン7〜13は、帯画像532の表示色が赤色まで変化するパターンであり、帯色変化パターン1〜6よりも高期待度であることを示唆する。帯画像532の表示色が赤色となるパターンは、装飾図柄がリーチとなってボタン演出が実行された後に発展演出が実行されるか、直撃大当りとなることが確定することを示唆する。つまり、帯画像532の表示色が赤色となる場合には、リーチ後のボタン演出の直後に外れとなることがないことが確定し、高期待度となることが示唆される。
図79の「6回変動発展あり」の帯色変化パターンでは、1回目の擬似変動から帯画像532の表示色が青色以上となるパターン5,6,9〜13が存在する。このような帯色変化パターンは、図78(a)〜(c)の帯色変化パターンには存在しない。したがって、1回目の擬似変動における帯画像532の表示色が白色ではない場合には、装飾図柄がリーチとなることが確定することが示唆されると言える。
図80は、プレミアパターンの図柄組合せの一例を示すテーブルである。図80は、図79の図柄変化パターン21,22における1回〜5回の装飾図柄の仮停止時の図柄組合せを示す。装飾図柄が金図柄またはキリン柄となるプレミアパターンでは、仮停止時の図柄組合せにより語呂合わせがなされ、高期待度であることが示唆される。図80の例では、金図柄用の語呂合わせとキリン柄用の語呂合わせとして、左図柄が「1」〜「9」のそれぞれとなる9種類が用意される。プレミアパターンでは、語呂合わせとなる図柄組合せの装飾図柄を仮停止表示させるだけでなく、語呂合わせの意味を示す文言が表示されてもよい。例えば、金図柄で「129」の図柄組合せで装飾図柄が仮停止される場合、「一服」の文言が表示されてもよい。その他、図柄の数字が語呂合わせとなっていることをより明確に示すため、語呂合わせの意味と図柄組合せを併記した「一服(129)」といった文言が表示されてもよい。
図81は、「12回変動発展あり」における図柄変化パターンおよび帯色変化パターンの一例を示す。図81(a)は、「12回変動発展あり」の12種類の図柄変化パターンを示す。図81(a)の図柄変化パターン1〜5は、装飾図柄の11回目の仮停止時の図柄組合せが「d)緑色同色目」となるパターンであり、12回目の確定停止時の図柄組合せは、j)緑図外れ、l)緑図当り、m)赤図当りのいずれかとなる。図81(a)の図柄変化パターン6〜12は、装飾図柄の11回目の仮停止時の図柄組合せが「e)赤色同色目」となるパターンであり、12回目の確定停止時の図柄組合せは、「m)赤図当り」のみとなる。「12回変動発展あり」のシナリオ要素では、6回目の擬似変動にて装飾図柄が確定停止せず、装飾図柄の6回目の仮停止後に装飾図柄が再変動して7回目以降の擬似変動が実行される。そのため、「12回変動発展あり」の図柄変化パターン1〜12では、6回目の仮停止時の図柄組合せがc)〜e)の同色目となり、f)〜j)の同色ガセやリーチ外れの図柄組合せとはならない。また、6回目と7回目の仮停止時の図柄組合せが同じ種類となるように図柄変化パターン1〜12が構成され、擬似変動が6回で終了せずに7回目以降も継続していることが示唆される。
図81(a)の「12回変動発展あり」の図柄変化パターン1〜12では、1回目の仮停止時の図柄組合せが「b)白色順目」となっており、1回目の仮停止時の図柄組合せが「a)バラけ目」となる場合よりも高期待度となることが示唆される。3〜5回目の仮停止時の図柄組合せは、「b)白色順目」または「c)青色同色目」となっており、高期待度を示唆する「d)緑色同色目」や「e)赤色同色目」とはならないよう構成される。逆の言い方をすれば、高期待度を示唆する「d)緑色同色目」や「e)赤色同色目」は、6回目以降の仮停止時の図柄組合せとして用いられ、7回目以降の擬似変動が継続することが遊技者に分かるタイミング以降で使用される。その結果、1回〜5回の仮停止時の図柄組合せを見ただけでは、7回目以降の擬似変動が継続するか否かが遊技者に分かりにくい演出過程とすることができる。ただし、図柄変化パターン5,10のように、1回〜4回の仮停止時の図柄組合せが「b)白色順目」となるパターンは、擬似変動回数が6回以下となる図柄変化パターンには存在しない。そのため、図柄変化パターン5,10が実行される場合には、12回以上の擬似変動が確定することが示唆されるとも言える。
図81(b)は、「12回変動発展あり」の11種類の帯色変化パターンを示す。図81(b)の帯色変化パターン1〜5は、帯画像532の表示色が緑色まで変化するパターンであり、少なくとも7回目の擬似変動において帯画像532の表示色が緑色となり、装飾図柄がリーチとなることが確定することを示唆する。図81(b)の帯色変化パターン6〜11は、帯画像532の表示色が赤色まで変化するパターンであり、装飾図柄がリーチとなってボタン演出が実行された後に発展演出が実行されるか、直撃大当りとなることが確定することを示唆する。図81(b)の「12回変動発展あり」の帯色変化パターンにおいても、1回目の擬似変動から帯画像532の表示色が青色以上となるパターン5,10,11が存在する。このような帯色変化パターンは、図78(a)〜(c)の帯色変化パターンには存在しないため、1回目の擬似変動における帯画像532の表示色が白色ではない場合には、装飾図柄がリーチとなることが確定することが示唆されると言える。
図82は、「18回変動発展あり」における図柄変化パターンおよび帯色変化パターンの一例を示す。図82(a)は、「18回変動発展あり」の10種類の図柄変化パターンを示す。図82(a)の図柄変化パターン1〜5は、装飾図柄の17回目の仮停止時の図柄組合せが「d)緑色同色目」となるパターンであり、18回目の確定停止時の図柄組合せは、「l)緑図当り」または「m)赤図当り」のいずれかとなる。図81(a)の図柄変化パターン6〜10は、装飾図柄の17回目の仮停止時の図柄組合せが「e)赤色同色目」となるパターンであり、18回目の確定停止時の図柄組合せは、「m)赤図当り」のみとなる。「18回変動発展あり」のシナリオ要素では、6回目および12回目の擬似変動にて装飾図柄が確定停止せず、装飾図柄の6回目の仮停止後に装飾図柄が再変動して7回目以降の擬似変動が実行され、装飾図柄の12回目の仮停止後に装飾図柄が再変動して13回目以降の擬似変動が実行される。そこで、「18回変動発展あり」においても、6回目と7回目の仮停止時の図柄組合せが同じ種類となるように図柄変化パターン1〜10が構成され、擬似変動が6回で終了せずに7回目以降も継続していることが示唆される。一方、12回目と13回目の仮停止時の図柄組合せについては、12回目と13回目が同じ種類の図柄組合せとなるように構成される図柄変化パターン1〜5と、異なる種類となるように構成される図柄変化パターン6〜10がある。12回目の仮停止時の図柄組合せが擬似変動の継続を示唆する「同色目」となる場合には、18回の擬似変動が実行されることが確定するため、13回目以降も擬似変動が継続していることを明示的に示唆する必要性が低いためである。
図82(b)は、「18回変動発展あり」の11種類の帯色変化パターンを示す。図82(b)の帯色変化パターン1〜11は、全て帯画像532の表示色が赤色まで変化する。
図82(b)の帯色変化パターン1〜11の1回〜12回の擬似変動における帯画像532の表示色の変化パターンは、図81(b)の「12回変動発展あり」の帯色変化パターン1〜11と同じである。図82(b)の帯色変化パターン1〜11では、13回〜18回の擬似変動における帯画像532の表示色が赤色となり、装飾図柄がリーチとなってボタン演出が実行された後に発展演出が実行されるか、直撃大当りとなることが確定することを示唆する。
本実施例では、図74(a)〜(f)の演出パターンに応じてシナリオ要素が決定されると、シナリオ要素の種類に応じて、図柄変化パターンを決定するための抽選と、帯色変化パターンを決定するための抽選とが別々に実行される。その結果、擬似変動回数の増加に応じて装飾図柄506が高期待度を示唆する表示態様(例えば、緑色同色目や赤色同色目)に変化する一方で、帯画像532が高期待度を示唆する表示態様(例えば、緑色や赤色)に変化しないことがありうる。逆に、擬似変動回数の増加に応じて装飾図柄506が高期待度を示唆する表示態様(例えば、緑色同色目や赤色同色目)に変化しない一方で、帯画像532が高期待度を示唆する表示態様(例えば、緑色や赤色)に変化することもある。なお、装飾図柄506と帯画像532の双方が高期待度を示唆する表示態様に変化することもあれば、装飾図柄506と帯画像532の双方が高期待度を示唆する表示態様に変化しないこともありうる。また、図柄変化パターンと帯色変化パターンの組み合わせがランダムに決定されることで、装飾図柄506の仮停止時の図柄組合せが変化するタイミングと、帯画像532の表示色が変化するタイミングが同期することもあれば、同期しないこともありうる。
図83は、「6回変動発展あり」のシナリオ要素において図柄変化パターンと帯色変化パターンの組み合わせの一例を示す図であり、変化タイミングが同期する場合と同期しない場合の一例を示す。図83(a)は、図柄変化パターンと帯色変化パターンの変化タイミングが同期する場合の一例を示し、図79の図柄変化パターン2と帯色変化パターン1が選択される場合を示す。図示されるように、装飾図柄506の図柄組合せは、1回〜3回の擬似変動において「b)白色順目」であり、4回〜6回の擬似変動において「c)青色同色目」または「f)青同色ガセ」である。また、帯画像532の表示色は、1回〜3回の擬似変動において白色であり、4回〜6回の擬似変動において青色である。したがって、このパターンの組み合わせでは、4回目の擬似変動の開始を契機として帯画像532の表示色が白色から青色に変化し、4回目の擬似変動にて装飾図柄506が相対的に高期待度の「c)青色同色目」に変化して仮停止することから、同じタイミングに同期してチャンスアップ演出が実行されると言える。また、装飾図柄506が青色に変化するとともに、帯画像532の表示色も青色に変化することから、同程度の期待度の高さを示唆するチャンスアップ演出が同期して実行されるとも言える。
図83(b)は、図柄変化パターンと帯色変化パターンの変化タイミングが同期しない場合の一例を示し、図79の図柄変化パターン1と帯色変化パターン4が選択される場合を示す。図示されるように、装飾図柄506の図柄組合せは、1回目の擬似変動において「a)バラけ目」であり、2回〜3回の擬似変動において「b)白色順目」であり、4回〜5回の擬似変動において「c)青色同色目」であり、6回目の確定停止時に「g)緑同色ガセ」となる。一方、帯画像532の表示色は、1回〜2回の擬似変動において白色であり、3回〜4回の擬似変動において青色であり、5回〜6回の擬似変動において緑色である。したがって、このパターンの組み合わせでは、奇数回(3回、5回)の擬似変動の開始を契機として帯画像532の表示色が変化するのに対し、奇数回の擬似変動では装飾図柄506の仮停止時の図柄組み合わせは変化しない。一方、偶数回(2回、4回、6回)の擬似変動では、擬似変動の開始を契機として帯画像532の表示色が変化しないのに対し、装飾図柄の仮停止時の図柄組合せは変化する。つまり、装飾図柄506の表示態様の変化によるチャンスアップ演出と、帯画像532の表示態様の変化によるチャンスアップ演出が異なるタイミングで実行されると言える。
特殊擬似連ゾーンでは、6回、12回または18回といった擬似変動回数の多い擬似連続変動演出が実行されるため、各回の擬似変動においてチャンスアップ演出が実行される可能性が低いと言える。特殊擬似連ゾーンでは、1回の擬似変動において仮停止時の図柄組合せの種類が変化するといった図柄表示態様に基づくチャンスアップ演出が実行されにくいと言える。また、特殊擬似連ゾーンでは、1回の擬似変動において帯画像の表示色が変化するといった図柄とは異なる表示の表示態様に基づくチャンスアップ演出が実行されにくいと言える。一方、特殊擬似連ゾーンとは異なる演出モード(例えば通常モード)において実行可能な擬似連続変動演出(通常擬似連ともいう)は、擬似変動回数が2回や3回といった少ない回数であるため、各回の擬似変動においてチャンスアップ演出が実行される可能性が高いと言える。通常擬似連では、1回の擬似変動において「継続」などの特殊図柄の仮停止表示といった図柄表示態様に基づくチャンスアップ演出が実行されやすいと言える。また、通常擬似連では、1回の擬似変動において「第2ステージ」などの次の段階への継続を示唆する表示やミッション演出などの特殊演出の実行といった図柄とは異なる表示の表示態様に基づくチャンスアップ演出が実行されやすいと言える。通常擬似連では、特殊図柄を用いたチャンスアップ演出が実行可能であるのに対し、特殊擬似連ゾーンでは、通常の数字図柄を用いてチャンスアップ演出が実行され、特殊図柄を用いたチャンスアップ演出が実行されないように構成される。また、通常擬似連では、装飾図柄の仮停止時に装飾図柄の表示位置を固定したまま装飾図柄の表示態様を変化させる図柄アクション表示が実行可能であるのに対し、特殊擬似連ゾーンでは、図柄アクション表示が実行されないように構成される。
特殊擬似連ゾーンでは、6回、12回または18回といった擬似変動回数の多い擬似連続変動演出が実行されるため、各回の擬似変動において装飾図柄の仮停止時の図柄組合せが高期待度の同色チャンス目に変化する可能性が低いと言える。これは、通常モードにおける複数回の図柄変動の確定停止時に装飾図柄が同色チャンス目となる場合に、各回の図柄変動において高期待度の同色チャンス目に変化する可能性が高い状況とは対照的と言える。通常モードにおける「チャンス目演出」は、いわゆる先読み演出であってもよく、先読みされる抽選値に係る図柄変動よりも前の図柄変動において停止表示される装飾図柄を奇数または偶数の組合せや同色図柄の組合せにて外れ態様とする演出であってもよい。チャンス目演出では、偶数図柄組合せのチャンス目、青色図柄組合せのチャンス目などにより低期待度であることが示唆される一方、奇数図柄組合せのチャンス目、赤色図柄組合せのチャンス目などにより高期待度であることが示唆される。チャンス目演出では、複数回の図柄変動にわたって連続的に実行されてもよく、1回目の図柄停止時に青色チャンス目となり、2回目の図柄停止時に緑色チャンス目となり、3回目の図柄停止時に赤色チャンス目となってもよい。チャンス目演出では、1回〜3回の図柄停止時において同色チャンス目とするとともに、2回目および3回目の図柄停止時に高期待度の同色チャンス目に変化させることで、4回目の図柄停止時に大当りとなる期待度が高いことを示唆してもよい。
特殊擬似連ゾーンでは、通常モードにて実行可能な通常擬似連と比較して、1回の擬似変動期間が短くなるよう構成される。つまり、特殊擬似連ゾーンでは、通常擬似連と比較して高速で擬似変動が繰り返される。特殊擬似連ゾーンでは、1回の擬似変動期間が固定となるよう構成され、複数回の擬似変動のそれぞれの擬似変動期間の長さが一定となるよう構成される。特殊擬似連ゾーンでは、所定回の擬似変動期間が相対的に長くなるよう構成されてもよい。具体的には、特殊擬似連ゾーンの6回、12回および18回の擬似変動期間の長さは、特殊擬似連ゾーンの1回〜5回、7回〜11回および13回〜17回の擬似変動期間の長さよりも長くてもよい。一方、通常擬似連では、複数回の擬似変動期間が全て共通であってもよいし、複数回の擬似変動期間が全て異なってもよい。
特殊擬似連ゾーンにおいて、擬似変動の回数に応じて1回の擬似変動期間の長さが変化してもよい。例えば、特殊擬似連ゾーンにおいて、擬似変動の回数が増えるにつれて1回の擬似変動期間の長さが短くなるようにしてもよい。例えば、1回〜3回の擬似変動期間の長さを2秒とし、4回〜6回の擬似変動期間の長さを1.5秒とし、7回〜9回の擬似期間の長さを1秒とし、10回〜12回の擬似変動期間の長さを0.5秒とし、13回〜18回の擬似変動期間の長さを0.2秒としてもよい。つまり、特殊擬似連ゾーンでは、複数回(例えば、2回または3回)の擬似変動を契機として1回の擬似変動期間の長さを変化させるとともに、擬似変動回数が増えるにつれて1回の擬似変動期間の長さが短くなるようにしてもよい。なお、通常擬似連においても擬似変動の回数に応じて擬似変動期間の長さが変化してもよい。通常擬似連では、擬似変動の回数が増えるにつれて1回の擬似変動の期間の長さが長くなるようにしてもよい。また、通常擬似連では、複数回の擬似変動を契機とするのではなく、1回の擬似変動が実行されるごとに1回の擬似変動期間の長さを変化させてもよい。
特殊擬似連ゾーンにおいて、三列の図柄列で構成される装飾図柄506の左図柄、中図柄および右図柄のそれぞれが仮停止状態に変化するタイミングが同時であってもよい。一方、通常擬似連では、三列の図柄列で構成される装飾図柄が左図柄、右図柄、中図柄の順で仮停止状態となり、三列の図柄列のそれぞれが仮停止状態に変化するタイミングが異なってもよい。なお、特殊擬似連ゾーンにおいて、装飾図柄の仮停止時において左図柄、右図柄、中図柄の順で仮停止状態となってもよく、三列の図柄列のそれぞれが仮停止状態に変化するタイミングが異なってもよい。また、通常擬似連において、三列の図柄列のそれぞれが仮停止状態に変化するタイミングが同じであってもよい。その他、特殊擬似連ゾーンでは、擬似変動の回数に応じて三列の図柄列のそれぞれが仮停止状態に変化するタイミングが同時となったり、互いに異なったりしてもよい。例えば、1回の図柄変動期間が所定値以上(例えば1秒以上)となる擬似変動では、装飾図柄の仮停止時において左図柄、右図柄、中図柄の順で仮停止状態となるのに対し、1回の図柄変動期間が所定値未満(例えば1秒未満)となる擬似変動では、装飾図柄の仮停止時において左図柄、中図柄および右図柄が仮停止状態に変化するタイミングが同時であってもよい。つまり、特殊擬似連ゾーンにおいて、1回の図柄変動期間における第1期間では、装飾図柄の仮停止時において左図柄、中図柄および右図柄が仮停止状態に変化するタイミングが異なるのに対し、1回の図柄変動期間における第1期間後の第2期間では、装飾図柄の仮停止時において左図柄、中図柄および右図柄が仮停止状態に変化するタイミングが同じであってもよい。
特殊擬似連ゾーンでは、専用の背景音楽(BGM)が出力されるよう構成されてもよい。特殊擬似連ゾーンで出力される背景音楽は、特殊擬似連ゾーンの開始を契機に再生開始され、特殊擬似連ゾーンにおいて連続する複数回の図柄変動にわたって途切れることなく連続的に出力されてもよい。例えば、特殊擬似連ゾーンにて装飾図柄が確定停止した後に次変動が開始して擬似連続変動演出が実行される場合において、装飾図柄の確定停止から次変動の開始にわたって同じ背景音楽が出力され、かつ、次変動の開始後の擬似連続変動演出においても同じ背景音楽の出力が継続される。特殊擬似連ゾーンでは、装飾図柄がリーチ態様となってボタン演出が実行された後に発展演出が実行される場合に背景音楽が切り替えられてもよい。例えば、ボタン演出が実行されるまでは特殊擬似連ゾーン用の第1背景音楽が再生され、ボタン演出の終了または発展演出の開始を契機として第1背景音楽の再生が中断され、第1背景音楽とは異なる第2背景音楽の再生が開始されてもよい。なお、特殊擬似連ゾーンにおいて発展演出が実行される場合であっても第1背景音楽が継続して再生されてもよい。一方、通常モードにて通常擬似連が実行される場合や特殊ステップアップ演出が実行される場合、通常擬似連や特殊ステップアップ演出の開始を契機として背景音楽が切り替えられてもよい。言いかえれば、通常擬似連や特殊ステップアップ演出の開始前に出力されていた背景音楽が通常擬似連や特殊ステップアップ演出の開始を契機に中断され、別の背景音楽の出力が開始されてもよい。
特殊擬似連ゾーンでは、6回目、12回目または18回目といった最終回の擬似変動となる前の擬似変動において何らかの事象が発生することが確定することを示唆可能としてもよい。例えば、特殊擬似連ゾーンにおいて装飾図柄の仮停止時の図柄組合せが「d)緑色同色目」となることにより、最終回の擬似変動においてリーチが確定することを示唆してもよい。特殊擬似連ゾーンにおいて装飾図柄の仮停止時の図柄組合せが「e)赤色同色目」となることにより、大当りが確定となることを示唆してもよいし、確変大当りが確定となることを示唆してもよいし、特別遊技にて遊技者に与えられる利益が相対的に大きい大当り(例えば10R大当り)が確定となることを示唆してもよい。特殊擬似連ゾーンにおいて帯画像の表示色が緑色となることにより、最終回の擬似変動においてリーチが確定することを示唆してもよい。特殊擬似連ゾーンにおいて帯画像の表示色が赤色となることにより、最終回の擬似変動においてリーチ後に発展演出が実行されるか、大当りとなることが確定することを示唆してもよい。また、特殊擬似連ゾーンでは、最終回の擬似変動となる前の擬似変動において何らかの事象が発生することが確定することを示唆された後であっても、その後の擬似変動が継続してもよい。一方、通常擬似連では、最終回の擬似変動が実行されることによって何らかの事象が発生することが確定することを示唆可能としてもよい。例えば、通常擬似連において4回の擬似変動が実行可能である場合に、装飾図柄の3回目の仮停止時に「継続」の特殊図柄が表示されたり、4回目の再変動が開始されたりすることにより4回目の擬似変動にてリーチとなることや大当りとなることが確定してもよい。この場合、リーチや大当り確定を示唆する4回目の擬似変動が最終回となるため、確定示唆がなされた後に装飾図柄が仮停止して再変動することがないように通常擬似連が構成されてもよい。
特殊擬似連ゾーンでは、仮停止時の装飾図柄の図柄組合せの種類のうち、最も期待度が高いことを示す図柄組合せ(例えば、「e)赤色同色目」)にて装飾図柄が仮停止する場合であっても、その仮停止後に装飾図柄が再変動して擬似変動が継続してもよい。特殊擬似連ゾーンでは、図柄変化パターンにおいて最も期待度が高い図柄組合せに成り上がった後であっても装飾図柄の仮停止および再変動が実行されて擬似変動が継続されてもよい。特殊擬似連ゾーンでは、装飾図柄とは異なる表示(例えば帯画像)が最も期待度が高いことを示唆する表示態様(例えば赤色)となって装飾図柄が仮停止する場合であっても、その仮停止後に装飾図柄が再変動して擬似変動が継続してもよい。特殊擬似連ゾーンでは、帯色変化パターンにおいて帯画像の表示色が最も期待度の高い表示色に成り上がった後であっても装飾図柄の仮停止および再変動が実行されて擬似変動が継続されてもよい。
特殊擬似連ゾーンでは、装飾図柄がリーチとなる直前の擬似変動にて仮停止された装飾図柄の図柄色と同じ図柄色にてリーチとなってもよい。特殊擬似連ゾーンでは、装飾図柄がリーチとなる直前の擬似変動にて仮停止された装飾図柄の図柄色よりも期待度が高い図柄色にてリーチとなってもよい。したがって、特殊擬似連ゾーンでは、装飾図柄がリーチとなる直前の擬似変動にて仮停止された装飾図柄の図柄色が示す期待度以上の期待度を示唆する図柄色にてリーチとなってもよい。
ある実施例において、特別図柄の変動開始から停止表示までの1回の図柄変動において、演出表示装置にて変動表示される装飾図柄を仮停止させた後に再変動させることにより擬似的に複数回の図柄変動が実行されたかのように見せる擬似連続変動演出が実行可能であってもよい。擬似連続変動演出として、装飾図柄の仮停止および再変動をN−1回(Nは2以上の整数)実行することによりN回の図柄変動が実行されたかのように見せる第1擬似連続変動演出と、装飾図柄の仮停止および再変動をN×M−1回(Mは2以上の整数)実行することによりN×M回の図柄変動が実行されたかのように見せる第2擬似連続変動演出と、を実行可能としてもよい。
ある実施例の擬似連続変動演出において、装飾図柄の仮停止時の図柄表示態様(例えば図柄組合せ)により期待度を示唆可能とし、装飾図柄とは異なる表示の特定表示態様(例えば帯画像)により期待度を示唆可能としてもよい。図柄表示態様として、第1図柄表示態様と、第1図柄表示態様よりも期待度が高いことを示唆する第2図柄表示態様とがあってもよい。特定表示態様として、第1特定表示態様と、第1特定表示態様よりも期待度が高いことを示唆する第2特定表示態様とがあってもよい。第1特定表示態様の表示後に装飾図柄が第1図柄表示態様にて第1仮停止する場合において、a)第1仮停止後に装飾図柄が再変動し、第1特定表示態様の表示後に装飾図柄が第1図柄表示態様にて第2仮停止することがあってもよい。b)第1仮停止後に装飾図柄が再変動し、第1特定表示態様の表示後に装飾図柄が第2図柄表示態様にて第2仮停止することがあってもよい。c)第1仮停止後に装飾図柄が再変動し、第2特定表示態様の表示後に装飾図柄が第1図柄表示態様にて第2仮停止することがあってもよい。d)第1仮停止後に装飾図柄が再変動し、第2特定表示態様の表示後に装飾図柄が前記第2図柄表示態様にて第2仮停止することがあってもよい。期待度を示唆可能な図柄表示態様として、図柄の数字が特定の組合せとなる表示態様が用いられてもよいし、図柄色が特定の組合せとなる表示態様が用いられてもよい。期待度を示唆可能な特定表示態様として、装飾図柄とは異なる表示が特定の表示色となる表示態様が用いられてもよいし、装飾図柄とは異なる表示が特定のアクションを伴って表示される表示態様が用いられてよい。
ある実施例の擬似連続変動演出として、第1擬似連続変動演出(例えば、通常擬似連)と、第1擬似連続変動演出よりも装飾図柄の仮停止および再変動の回数が多くなりやすい第2擬似連続変動演出(例えば、特殊擬似連ゾーン)とがあってもよい。第1擬似連続変動演出は、第2擬似連続変動演出に比べて、装飾図柄の第1仮停止時の表示態様と、装飾図柄の第1仮停止の次の第2仮停止時の表示態様とが異なりやすくてもよい。第1擬似連続変動演出は、第2擬似連続変動演出に比べて、装飾図柄の第1仮停止に対応して実行可能な予告演出の表示態様と、装飾図柄の第2仮停止に対応して実行可能な予告演出の表示態様とが異なりやすくてもよい。
ある実施例において、第1擬似連続変動演出(例えば、通常擬似連)において仮停止される装飾図柄は、図柄種類を示す第1部分(例えば、数字部分)と第1部分に付帯する第2部分(例えば、キャラクタ部分)を組み合わせた表示形態を有してもよい。第2擬似連続変動演出(例えば、特殊擬似連ゾーン)において仮停止される装飾図柄は、図柄種類を示す部分からなる表示形態(例えば、数字部分のみの表示形態)を有してもよい。
ある実施例において、第1擬似連続変動演出(例えば、通常擬似連)が実行される場合、第1擬似連続変動演出の開始前に出力されていた背景音楽が第1擬似連続変動演出の開始に対応して中断されてもよい。第2擬似連続変動演出(例えば、特殊擬似連ゾーン)が実行される場合、第2擬似連続変動演出の開始前に出力されていた背景音楽が第2擬似連続変動演出の開始後において継続されてもよい。
ある実施例において、擬似連続変動演出における装飾図柄の仮停止または再変動に対応して期待度が高まることを示唆するチャンスアップ演出が実行可能であってもよい。第1擬似連続変動演出(例えば、通常擬似連)においてチャンスアップ演出が実行される場合、チャンスアップ演出の実行後に装飾図柄が仮停止および再変動しないことがあってもよい。一方、第2擬似連続変動演出(例えば、特殊擬似連ゾーン)においてチャンスアップ演出が実行される場合、チャンスアップ演出の実行後に装飾図柄が仮停止および再変動してもよい。
ある実施例の擬似連続変動演出において、装飾図柄の仮停止に対応して第1予告演出が実行可能であってもよい。特別図柄の複数回の図柄変動において装飾図柄の停止表示に対応して第2予告演出が実行可能であってもよい。擬似連続変動演出において装飾図柄の連続する3回の仮停止に対応して3回の第1予告演出が実行される場合にその3回の第1予告演出のそれぞれの態様が互いに異なる可能性よりも、装飾図柄の連続する3回の停止表示に対応して第2予告演出が実行される場合にその3回の第2予告演出のそれぞれの態様が互いに異なる可能性の方が高くてもよい。第1予告演出は、装飾図柄の仮停止時の図柄組合せにより期待度を示唆する予告演出であってもよい。第2予告演出は、装飾図柄の停止表示時の外れ態様の図柄組合せにより期待度を示唆する予告演出(例えばチャンス目演出)であってもよい。
ある実施例の擬似連続変動演出として、装飾図柄の仮停止および再変動の上限回数が第1回数(例えば4回)である第1擬似連続変動演出(例えば、通常擬似連)と、装飾図柄の仮停止および再変動の上限回数が第1回数よりも多い第2回数(例えば6回)である第2擬似連続変動演出(例えば、特殊擬似連ゾーン)とがあってもよい。第1擬似連続変動演出が実行される場合、第1擬似連続変動演出における装飾図柄の仮停止および再変動が第1回数となることを条件に当否判定の結果が大当りとなることが確定することを示唆可能としてもよい。第2擬似連続変動演出が実行される場合、第2擬似連続変動演出における装飾図柄の仮停止および再変動の回数が第2回数となる前に当否判定の結果が大当りとなることが確定することを示唆可能とし、その後においても装飾図柄の仮停止および再変動を継続可能としてもよい。
1)ある実施例において、先読みによって大当り変動であることが事前判定された場合、大当り変動または大当り変動よりも前の変動において装飾図柄の仮停止および再変動を伴う変動演出が実行可能であってもよい。大当り変動では、大当り変動の直前の図柄変動において装飾図柄の仮停止および再変動が実行されたか否かに拘わらず、大当り変動において装飾図柄の仮停止および再変動を伴う変動演出が実行可能であってもよい。装飾図柄の仮停止および再変動を伴う変動演出として、擬似連続変動演出が実行可能であってもよいし、装飾図柄が外れ態様にて仮停止状態となった後に再変動される復活演出が実行可能であってもよい。
2)ある実施例において、第1演出(例えば、低期待度演出)および第2演出(例えば、高期待度演出)を実行可能であり、第1演出が実行されるパターンと、第2演出が実行されるパターンと、第1演出の実行後に第2演出が実行されるパターンとが実行可能であってもよい。複数種類の第1演出が実行可能であり、第1演出の種類に応じて、その後に第2演出が実行される期待度が異なってもよい。例えば、第1種類の第1演出の実行後に第2演出が実行される期待度よりも、第2種類の第1演出の実行後に第2演出が実行される期待度の方が高くてもよい。また、複数種類の第1演出および複数種類の第2演出が実行可能であり、第1演出の種類に応じて、その後に第2演出が実行される場合の第2演出の期待度の高さが異なってもよい。例えば、第1種類の第1演出の実行後に高期待度となる種類の第2演出が実行される期待度よりも、第2種類の第1演出の実行後に高期待度となる種類の第2演出が実行される期待度の方が高くてもよい。また、第1演出の実行後に第2演出が実行されるパターンでは、図柄変動期間内の複数のタイミングにて第2演出が実行可能であってもよく、第2演出の実行タイミングに応じて第2演出の期待度の高さが異なってもよい。例えば、変動開始から第2演出の実行タイミングまでの時間値が長いほど、
3)ある実施例において、装飾図柄がリーチ態様となってから擬似連続変動演出を実行可能としてもよい。この場合、リーチ時の演出態様に応じてリーチ後に装飾図柄が仮停止および再変動して擬似変動が継続する期待度が異なってもよい。
4)ある実施例において擬似連続変動演出が実行される場合、装飾図柄が仮停止および再変動した後の擬似変動中において、予告演出が1回実行される場合と、予告演出が複数回実行される場合とがあってもよい。この場合の擬似変動中に複数種類の予告演出が実行されてよいし、同一種類の予告演出が複数回実行されてもよい。擬似変動中にある種類の予告演出が複数回実行される場合、ある種類の第1予告演出の実行後に第1予告演出により示唆される期待度よりも低い期待度が示唆されるある種類の第2予告演出の実行を不可としてもよい。言いかえれば、ある種類の第1予告演出の実行後に第1予告演出により示唆される期待度以上となる期待度が示唆されるある種類の第2予告演出の実行を可能としてもよい。ある種類の第2予告演出の期待度の高さは、ある種類の第1予告演出の期待度の高さと同じであってもよいし、ある種類の第1予告演出の期待度の高さよりも高くてもよい。
5)ある実施例において、特定演出の実行後に装飾図柄が仮停止して再変動されてもよい。特定演出は、装飾図柄の仮停止が示唆されるように装飾図柄の変動速度を低速に変化させた後、装飾図柄を仮停止させずに装飾図柄の変動速度を高速に変化させる「スベり演出」であってもよい。スベり演出では、装飾図柄が仮停止される表示位置に向けて装飾図柄の変動速度を低速にした後、装飾図柄が仮停止される表示位置にて装飾図柄の変動速度を高速にすることで、装飾図柄が仮停止されるべき表示位置にて止まらずにスベるように見せる演出表示がなされる。特定演出(例えば、スベり演出)の実行される場合、特定演出の実行後に装飾図柄が仮停止して再変動する場合と、特定演出の実行後に装飾図柄が確定停止して再変動しない場合とがあってもよい。特定演出(例えば、スベり演出)が実行されずに装飾図柄が仮停止して再変動する場合があってもよい。この場合、特定演出の実行後に装飾図柄が再変動する期待度は、特定演出が実行されずに装飾図柄が再変動する期待度より高くてもよい。装飾図柄がリーチ態様となってから特定演出(例えば、スベり演出)が実行される場合と、装飾図柄がリーチ態様となる前に特定演出が実行される場合とがあってもよい。この場合、装飾図柄がリーチ態様となってから特定演出が実行された後に装飾図柄が再変動する期待度は、装飾図柄がリーチ態様となる前に特定演出が実行された後に装飾図柄が再変動する期待度より高くてもよい。装飾図柄の再変動後には特定演出とは異なる所定演出が実行可能であってもよい。
6)ある実施例において、第1特別図柄(特図1)と第2特別図柄(特図2)の変動時間を定める変動パターンの選択処理が共通であってもよい。例えば、変動パターンを選択するための共通の変動パターン選択基準(例えば、共通抽選テーブル)が設けられ、特図1の変動パターンの選択および特図2の変動パターンの選択において共通の変動パターン選択基準が用いられてもよい。選択された特図1または特図2の変動パターンに関するデータは、メイン基板200のメインRAM291の同一領域に格納されてもよい。例えば、特図1と特図2の変動時間を規定するデータが格納されるメインRAM291の領域は共通であってもよい。特図1または特図2の変動開始時に特図1と特図2のいずれであるかを示すコマンド(例えば変動開始コマンド)が送信可能であってもよい。変動パターンとして、装飾図柄の仮停止および再変動がなされる再変動演出パターンの時間値に対応する変動パターンがあってもよい。また、特図1と特図2の大当り処理も共通であってもよい。
7)ある実施例において、装飾図柄がリーチ態様となった状態で実行可能なリーチ演出の実行後に装飾図柄が再変動するか否かを示唆する再変動示唆演出が実行可能であってもよい。再変動示唆演出の実行後に装飾図柄を再変動させてから発展演出が実行されるパターンと、再変動示唆演出の実行後に装飾図柄を再変動させずに発展演出が実行されるパターンとがあってもよい。
8)ある実施例において、装飾図柄がリーチ外れ態様にて仮停止した後に特定演出に発展する第1パターンと、装飾図柄がリーチ外れ態様にて仮停止せずに特定演出に発展する第2パターンとがあってもよい。特定演出は、バトルリーチ演出や最強儀式リーチ演出といった高期待度のSPリーチ(強リーチ)演出であってもよい。1回の図柄変動期間における装飾図柄の再変動回数が第1回数以上である場合、第2パターンが実行されてもよい。1回の図柄変動期間における装飾図柄の再変動回数が第1回数より少ない第2回数となる場合、再変動回数が第1回数以上となる場合よりも第2パターンが実行される期待度が低くてもよい。
9)ある実施例において、装飾図柄が再変動しない図柄変動期間において第1演出(例えば、確率変動状態においてのみ実行可能なチャレンジ演出)が実行可能であってもよい。装飾図柄が再変動する図柄変動期間において、第1演出とは異なる第2演出(例えば、通常確率状態においてのみ実行可能なステップアップ予告演出)が実行可能であってもよい。第1演出が実行される図柄変動期間および第2演出が実行される図柄変動期間において、第1演出および第2演出とは異なる第3演出(例えば、激熱ボタン演出などの操作演出)が実行可能であってもよい。第3演出は、図柄変動期間内において第1演出および第2演出の実行後に実行可能であってもよい。
10)ある実施例において、単発的な効果音を出力することで遊技者に当りとなることを告知する「一発告知音」が出力可能であってもよい。一発告知音の発生確率は、一発告知音が出力可能となるタイミングよりも前に実行される先読み演出の種別に応じて異なってもよい。例えば、第1先読み演出と、第1先読み演出よりも高期待度の第2先読み演出とが実行可能である場合、第1先読み演出の実行後に一発告知音が発生する確率よりも、第2先読み演出の実行後に一発告知音が発生する確率の方が高くてもよい。
11)ある実施例において、装飾図柄の再変動回数に応じた回数対応演出が実行可能であってもよい。例えば、装飾図柄の再変動回数が第1回数である状況下で第1回数に対応する第1回数演出が実行可能であってもよい。また、装飾図柄の再変動回数が第2回数である状況下で第2回数に対応する第2回数演出が実行可能であってもよい。装飾図柄の変動回数が第1回数である状況下では第2回数演出が実行不可であってもよく、装飾図柄の変動回数が第2回数である状況下では第1回数演出が実行不可であってもよい。装飾図柄の再変動が最終回となる状況下の所定タイミング以降(例えば、リーチ成立後の発展演出の開始後)においては、回数対応演出(例えば、第1回数演出および第2回数演出)が実行不可であってもよい。
12)ある実施例において、装飾図柄の再変動タイミングが異なる複数種類の再変動演出パターンがあってもよい。当否結果が大当りとなる場合に装飾図柄の再変動タイミングが特定タイミングとなる確率は、当否結果が外れとなる場合に装飾図柄の再変動タイミングが特定タイミングとなる確率よりも高くてよい。第1大当りと、第1大当りよりも大当り後に実行される特別遊技にて獲得可能な利益が大きい第2大当りとがある場合において、第1大当りとなる場合に装飾図柄の再変動タイミングが特定タイミングとなる確率よりも、第2大当りとなる場合に装飾図柄の再変動タイミングた特定タイミングとなる確率が高くてもよい。複数回の図柄変動期間にわたる演出傾向を定める複数種類の演出モードを有し、演出モードの種類に応じて装飾図柄の再変動演出パターンの選択傾向が異なってもよい。例えば、演出モードの種類に応じて装飾図柄の再変動タイミングが所定タイミングとなる可能性が異なってもよい。
13)ある実施例において、装飾図柄の再変動後に実行可能な予告演出として、第1予告演出と、第2予告演出と、第3予告演出とがあってもよい。第1予告演出は、第1予告演出の実行後に装飾図柄がさらに再変動することの否定を示唆する、つまり、第1予告演出の実行後に装飾図柄が再変動しないことを示唆する予告演出(例えば、次回予告演出)であってもよい。第2予告演出は、第2予告演出の実行後に装飾図柄がさらに再変動することを否定しない、つまり、第2予告演出の実行後に装飾図柄が再変動する可能性があることを示唆する予告演出(例えば、ステップアップ予告演出)であってもよい。第3予告演出は、第3予告演出の実行後に装飾図柄が再変動することを示唆する、つまり、第3予告演出の実行後に装飾図柄の再変動が確定することを示唆する予告演出(例えば、継続図柄表示)であってもよい。装飾図柄の再変動後に装飾図柄がリーチ態様となってから発展演出が実行されるパターンと、装飾図柄の再変動後に装飾図柄がリーチ態様とならずに発展演出が実行されるパターンとがあってもよい。
14)ある実施例において、装飾図柄の再変動後に実行可能な演出として、第1パターン(通常パターン)と、第1パターンよりも高期待度を示唆する第2パターン(激熱パターン)とがあってもよい。1回の図柄変動期間内に装飾図柄の再変動を複数回実行可能であり、1回の図柄変動期間内の装飾図柄の再変動回数に応じて、装飾図柄の何回目の再変動中に第2パターンが実行されるかが異なってもよい。
15)ある実施例において、複数段階のステップアップ予告演出が実行可能であってもよい。例えば、第1段階のステップアップ予告後に第2段階のステップアップ予告が実行可能であり、第2段階のステップアップ予告後に第3段階のステップアップ予告が実行可能であってもよい。ステップアップ予告演出の実行途中で装飾図柄の再変動が実行可能であり、装飾図柄の再変動後に、実行途中のステップアップ予告演出の段階数とは関係なく、第1段階のステップアップ予告が実行されてもよい。図柄変動期間内に実行されるステップアップ予告の演出過程は、装飾図柄の変動開始時に決定され、装飾図柄の再変動開始時には決定されなくてもよい。装飾図柄のA回目の再変動中に実行されるステップアップ予告Aは、装飾図柄のB回目の再変動中に実行されるステップアップ予告Bと異なってもよい。ステップアップ予告Aとステップアップ予告Bは、段階数、表示態様および演出種類の少なくとも一つが共通する(同じである)ステップアップ予告であってもよい。装飾図柄のA回目の再変動中に実行されるステップアップ予告Aと装飾図柄のB回目の再変動中に実行されるステップアップ予告Bが異なる場合の大当り期待度は、ステップアップ予告Aとステップアップ予告Bが同じである場合の大当り期待度より高くてもよい。装飾図柄を通常図柄で仮停止させた後、通常図柄とは異なる表示形態を有する表示要素を表示し、その表示要素を変更表示して装飾図柄の仮停止図柄(特殊図柄)として表示してもよい。第1大当り(例えば10R大当り、確変大当り)と、第1大当りよりも遊技者に付与される利益が低い第2大当り(例えば3R大当り、通常大当り)とがあり、装飾図柄の再変動回数に応じて第1大当りとなる期待度が異なってもよい。
16)ある実施例において、装飾図柄が再変動するか否かを示唆する再変動示唆演出が実行可能であってもよい。再変動示唆演出は、遊技機の枠体に設けられる装飾ランプ(例えば装飾ランプ111)を発光させる枠発光演出であってもよい。再変動示唆演出は、演出ボタン109や演出レバー112などの操作入力手段への入力操作を契機に実行可能な特定操作演出であってもよい。リーチ態様となる装飾図柄の図柄種別が異なる複数のリーチ種別があってもよい。例えば、装飾図柄の左右図柄が第1図柄にてリーチとなる第1リーチ種別と、装飾図柄の左右図柄が第2図柄にてリーチとなる第2リーチ種別とがあってもよい。装飾図柄の再変動回数に応じて選択されるリーチ種別がいずれとなるかの傾向が異なってもよい。例えば、装飾図柄の再変動回数に応じて第1リーチ種別となる確率と、第2リーチ種別となる確率とが異なってもよい。装飾図柄の再変動回数が所定回数となる場合に選択されないリーチ種別があってもよい。装飾図柄の再変動回数が所定回数となる場合に選択可能なリーチ種別の種別数は、装飾図柄の再変動回数が所定回数を超える回数となる場合に選択可能なリーチ種別の種別数より多くてもよい。
17)ある実施例において、装飾図柄の仮停止および再変動が実行される擬似変動演出が実行されたとしても、1回の図柄変動期間内に特定演出が1回だけ実行されてもよい。特定演出は、大当りとなることを告知する一発告知演出であってもよい。
18)ある実施例において、再変動示唆演出の実行後に装飾図柄の再変動が実行されずに装飾図柄が確定停止してもよい。再変動示唆演出の実行後に装飾図柄の再変動が実行されずに装飾図柄が確定停止する場合、保留される抽選値の期待度を示唆する保留オブジェクトの表示態様を変化させる保留変化演出が実行されてもよい。
19)ある実施例において、装飾図柄を再変動させる演出過程が定められた再変動演出パターンがあり、再変動演出パターンであることを先読みにより事前判定可能であってもよい。再変動演出パターンの事前判定結果に基づいて、再変動演出パターンが選択される変動よりも前の変動において、再変動することを示唆する先読み示唆演出が実行可能であってもよい。装飾図柄の再変動後に特定の発展演出(例えば、SPリーチ演出)が実行される場合、装飾図柄の再変動回数に応じて、図柄変動の途中で表示される予告演出の種類が異なってもよいし、ある種類の予告演出が図柄変動の途中で発生する期待度が異なってもよい。
20)ある実施例において、装飾図柄を仮停止させる場合、装飾図柄の複数の図柄列の全てを同時に変動状態から仮停止状態に変化させてもよい。装飾図柄の仮停止後に再変動させる場合、複数の図柄列の全てを同時に仮停止状態から変動状態に変化させてもよい。装飾図柄を再変動後に仮停止させる場合、装飾図柄の複数の図柄列の全てが同時に変動状態から仮停止状態に変化しなくてもよい。例えば、複数の図柄列のそれぞれが異なるタイミングで変動状態から仮停止状態に変化してもよい。
ある実施例において、装飾図柄を仮停止させる場合、装飾図柄の複数の図柄列の全てが同時に変動状態から仮停止状態に変化しなくてもよい。装飾図柄の仮停止後に再変動させる場合、複数の図柄列の全てが同時に仮停止状態から変動状態に変化しなくてもよい。装飾図柄を再変動後に仮停止させる場合、装飾図柄の複数の図柄列の全てを同時に変動状態から仮停止状態に変化させてもよい。
ある実施例において、装飾図柄の再変動時に複数の図柄列を通常の変動方向(例えば下方向)とは逆方向(例えば上方向)に変位させてから、複数の図柄列を通常の変動方向(例えば下方向)に変位させ、通常の変動方向(例えば下方向)に高速変動させてもよい。
ある実施例において、装飾図柄の最後の再変動後に装飾図柄を仮停止させて確定停止させる場合、複数の図柄列の一部を変動状態から仮停止状態に変化させた後に、残りの図柄列を変動状態から仮停止状態に変化させてもよい。例えば、装飾図柄が左図柄、中図柄、右図柄の三列で構成される場合、左右図柄を仮停止状態に変化させた後に中図柄を仮停止状態に変化させてもよい。このとき、左右図柄を同時に変動状態から仮停止状態に変化させてもよいし、左右図柄を異なるタイミングで(例えば、左図柄、右図柄の順で)変動状態から仮停止状態に変化させてもよい。
21)ある実施例において、装飾図柄の仮停止時に効果音(サウンド)を出力してもよく、装飾図柄の再変動回数に応じて装飾図柄の仮停止時の効果音を異ならせてもよい。装飾図柄の再変動回数が大きいほど、装飾図柄の仮停止時の効果音の出力時間を長くしたり、効果音の音量を大きくしてもよい。例えば、装飾図柄の第1回数の再変動後に装飾図柄を仮停止させる際に出力される効果音よりも、装飾図柄の第1回数より多い第2回数の再変動後に装飾図柄を仮停止させる際に出力される効果音の方が出力時間が長くてもよいし、および/または音量が大きくてもよい。また、装飾図柄の仮停止時に装飾ランプ(枠ランプ)を点灯させる装飾ランプ演出を実行してもよく、装飾図柄の再変動回数に応じて装飾ランプ演出の実行態様を異ならせてもよい。装飾図柄の再変動回数が大きいほど、装飾図柄の仮停止時の装飾ランプ演出の実行期間を長くしてもよいし、装飾ランプの輝度を大きくしてもよいし、装飾ランプ演出にて点灯される装飾ランプの点灯色を異ならせてもよいし、装飾ランプの点灯パターン(点滅パターンなど)を異ならせてもよい。
22)ある実施例において、装飾図柄が再変動するための条件を提示する条件提示演出が実行されてもよい。装飾図柄が再変動するために充足すべき条件が複数あってもよい。条件提示演出にて提示される条件が達成される期待度は、条件提示演出が実行される図柄変動期間における予告演出の実行態様に応じて異なってもよい。条件提示演出にて提示される条件が達成される期待度は、条件提示演出が実行される変動より前の変動にて実行される先読み演出の実行態様に応じて異なってもよい。条件提示演出にて提示された条件の成否を告知する条件達成演出が実行可能であってもよい。条件達成演出は、演出ボタン109や演出レバー112などの操作入力手段への入力操作を契機として実行可能な特定操作演出であってもよい。また、装飾図柄が再変動することを事前示唆するための再変動示唆予告が実行可能であってもよい。再変動示唆予告は複数あってもよい。再変動示唆予告の発生後に装飾図柄が再変動する期待度は、再変動示唆予告が発生する図柄変動期間における予告演出の実行態様に応じて異なってもよい。再変動示唆予告の発生後に装飾図柄が再変動する期待度は、再変動示唆予告が実行される変動より前の変動にて実行される先読み演出の実行態様に応じて異なってもよい。特定の演出モードにおいて、条件提示演出が実行されなくてもよい。特定の演出モードにおいて、再変動示唆予告が発生しなくてもよい。特定の予告演出が発生する図柄変動期間において、条件提示演出が実行されなくてもよい。特定の予告演出が発生する図柄変動期間において、再変動示唆予告が発生しなくてもよい。
23)ある実施例において、装飾図柄の再変動に対応して、特定演出が実行されることを示唆する特殊演出が実行されてもよい。特殊演出は、再変動専用図柄や発展図柄の表示であってもよい。特殊演出の表示態様を変化させた後に特定演出が実行されてもよい。例えば、再変動専用図柄の表示態様や発展図柄の表示態様を変化させた後に特定演出が実行されてもよい。特殊演出が実行される図柄変動期間において、ある種類の特殊演出(例えば、発展図柄の表示)の実行後には同一種類の特殊演出(例えば、発展図柄の表示)が実行不可であってもよい。
24)ある実施例において、装飾図柄の再変動を示唆する当該変動予告の実行を所定条件充足まで規制(実行不可に)してもよい。所定条件充足は、例えば、操作入力手段への入力操作を指令する操作演出において、入力操作されること、または、ボタン有効期間の経過であってもよい。また、装飾図柄の再変動を示唆する先読み予告の実行を所定条件充足まで規制(実行不可に)してもよい。
25)ある実施例において、通常入球状態(低入球状態または低ベース状態)であって、第1特別図柄(特図1)に対応する第1始動口への入球を契機に取得される抽選値が保留されている状況下において、第2特別図柄(特図2)に対応する第2始動口への入球があった場合、次変動において特図2が変動表示され、特図2の変動表示中に装飾図柄が再変動する場合があってもよい。この場合、特図2が大当りとなる場合に特図2の変動表示中に装飾図柄が再変動する確率は、特図2が外れとなる場合に特図2の変動表示中に装飾図柄が再変動する確率より高くてもよい。通常入球状態において選択可能な特図1の変動パターンの候補数は、通常入球状態において選択可能な特図2の変動パターンの候補数より多くてもよい。
26)ある実施例において、装飾図柄が再変動する前に仮停止する際に出力される演出音声(サウンド)は、装飾図柄が確定停止する際に出力される演出音声と異なってもよく、装飾図柄の再変動がなされない通常変動演出において装飾図柄が確定停止する際に出力される演出音声と異なってもよい。保留される抽選値の先読みに基づいて、先読みされる抽選値に対応する図柄変動よりも前の図柄変動にて装飾図柄がチャンス目で確定停止される際に出力される演出音声は、通常変動演出において装飾図柄がチャンス目とは異なる図柄組合せで確定停止される際に出力される演出音声と異なってもよい。装飾図柄が再変動する前に仮停止する際に出力される演出音声(サウンド)は、装飾図柄がチャンス目で確定停止される際に出力される演出音声と異なってもよい。
27)ある実施例において、所定演出の表示の手前に重畳して装飾図柄を仮停止表示させることが可能であり、装飾図柄の仮停止表示中であっても所定演出の表示を継続的に変化させることにより所定演出を進行させてもよい。例えば、装飾図柄の仮停止表示中に所定演出の表示態様が変化してもよいし、所定演出の表示態様が切り替わってもよい。
28)ある実施例において、装飾図柄の再変動回数が同じであっても、装飾図柄の変動開始から確定停止までの変動時間が異なる場合があってもよい。装飾図柄の再変動回数が多い場合であっても、装飾図柄の再変動回数が少ない場合に比べて装飾図柄の変動開始から確定停止までの変動時間が短くてもよい。例えば、装飾図柄の再変動回数が第1回数となる第1擬似連続変動演出と、装飾図柄の再変動回数が第1回数よりも少ない第2回数となる第2擬似連続変動演出とがあり、第1擬似連続変動演出が実行される場合の装飾図柄の変動開始から確定停止までの変動時間は、第2擬似連続変動演出が実行される場合の装飾図柄の変動開始から確定停止までの変動時間より短い場合があってもよい。
29)ある実施例において、装飾図柄の再変動中にボタン操作演出が実行可能であってもよい。ボタン操作演出の終了を契機に実行可能な特定操作演出は、再変動後に成り下がることがないように構成されてもよい。例えば、装飾図柄の再変動前にボタン操作演出を契機とする第1特定操作演出が実行可能であり、装飾図柄の再変動後にボタン操作演出を契機とする第2特定操作演出が実行可能である場合、第2特定操作演出の期待度は、第1特定操作演出の期待度以上となるように構成されてもよい。装飾図柄の再変動回数が多いときの方が装飾図柄の左右図柄が仮停止するまでの期間にボタン操作演出が発生する頻度が低くてもよい。例えば、装飾図柄が第1回数の再変動をしてから装飾図柄の左右図柄が仮停止するまでの期間にボタン操作演出が発生する頻度は、装飾図柄が第1回数よりも少ない第2回数の再変動をしてから装飾図柄の左右図柄が仮停止するまでの期間にボタン操作演出が発生する頻度より低くてもよい。ボタン操作演出は、ボタン操作の有効期間内に1回のボタン操作を指令する単発ボタン演出であってもよい。ボタン操作演出は、ボタン操作の有効期間内に複数回のボタン操作を指令する連打ボタン演出であってもよい。装飾図柄の再変動中にボタン操作演出用のボタン画像が表示されるタイミングは、装飾図柄の再変動開始から左右図柄の仮停止タイミングまでの期間のうち前半期間であってもよい。装飾図柄の再変動中にボタン操作演出用のボタン画像が表示される回数は、相対的に少なくてもよく、例えば1回以下であってもよい。一方、装飾図柄の最後の再変動後に装飾図柄の左右図柄が仮停止するタイミング以降にボタン操作演出用のボタン画像が表示される回数は、相対的に多くてもよい。装飾図柄の最後の再変動後に装飾図柄の左右図柄が仮停止するタイミング以降にボタン操作演出が複数回発生する場合、装飾図柄の左右図柄が仮停止してから装飾図柄が確定停止するまでの期間のうち後半期間にボタン操作演出が発生してもよい。
30)ある実施例において、予告演出Aの実行後に装飾図柄が再変動される場合、装飾図柄の再変動後に予告演出Aよりも高期待度の予告演出Bが実行されてもよい。予告演出Bの実行は、所定条件充足まで規制(実行不可に)してもよい。所定条件充足は、例えば、操作入力手段への入力操作を指令する操作演出において、入力操作されること、または、ボタン有効期間の経過であってもよい。
31)ある実施例において、装飾図柄の仮停止および再変動を実行する擬似連続変動演出における装飾図柄の仮停止時の図柄は、演出モードに応じて異なってもよい。例えば、第1演出モードでは、装飾図柄の仮停止時の図柄として、装飾図柄の確定停止時の図柄組合せとして用いられる通常図柄が用いられてもよい。第2演出モードでは、装飾図柄の仮停止時の図柄として、装飾図柄の確定停止時の図柄組合せとして用いられない専用図柄が用いられてもよい。専用図柄は、擬似連続変動演出における仮停止時にのみ使用される擬似連専用図柄であってもよい。
32)ある実施例において、装飾図柄の再変動中であることを示唆する示唆演出が実行可能であってもよい。示唆演出は、複数種類あってもよい。示唆演出は、装飾図柄の仮停止時の特殊図柄を用いて実行されてもよい。示唆演出は、操作入力手段への入力操作を契機に実行されてもよい。示唆演出は、操作入力手段への入力操作を指令する操作演出の終了後に実行されてもよく、ボタン有効期間の終了を契機に実行されてもよい。示唆演出は、装飾図柄の最後の再変動中以外に実行されてもよく、装飾図柄の最後の再変動よりも前の再変動中に実行されてもよい。示唆演出は、装飾図柄がリーチ態様となってから実行されてもよい。
33)ある実施例において、装飾図柄の再変動から仮停止までの1回の擬似変動時間は、装飾図柄の再変動回数が多くなるにつれて短くなってもよい。つまり、装飾図柄の再変動から次の再変動までの間隔は、装飾図柄の再変動回数が多くなるにつれて短くなってもよい。
以上、本発明を実施例をもとに説明した。この実施例はあくまで例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。以下、変形例を挙げる。
上述の「1.事前示唆演出」、「2.期待度固定演出」および「3.ボタン演出」の少なくとも一つは、前提技術2にて示したスロットマシンに適用することも可能であり、カジノやゲームセンタ等に設置されるスロットマシンやゲーミングマシンに適用することも可能である。
11…第1始動口、12…第2始動口、60…演出表示装置、80…遊技盤、81…遊技領域、210…抽選手段、220…当否判定手段、230…変動パターン決定手段、260…特別遊技制御手段、303…演出決定手段、304…演出制御手段。

Claims (1)

  1. 遊技領域が形成された遊技盤と、
    前記遊技領域に設けられる始動口と、
    前記始動口への入球を契機として取得した抽選値に基づいて当否判定を実行する当否判定手段と、
    特別図柄が変動表示され、前記特別図柄の停止表示により前記当否判定の結果を示す特別図柄表示装置と、
    前記特別図柄表示装置に前記当否判定が所定の結果となることを示す特別図柄が停止表示された場合、その停止表示後に通常遊技より遊技者に有利な特別遊技を実行可能とする特別遊技制御手段と、
    演出が表示可能な演出表示装置と、を備え、
    前記特別図柄の変動表示中に前記演出表示装置に表示可能な演出として、少なくとも第1演出と、第2演出と、第3演出とがあり、
    前記特別図柄の変動開始から停止表示までの1回の図柄変動において、前記第1演出の実行後に前記第3演出を実行可能であり、
    前記特別図柄の変動開始から停止表示までの1回の図柄変動において、前記第2演出の実行後に前記第3演出を実行可能であり、
    前記第1演出および前記第2演出は、前記演出表示装置に表示される演出が継続するか否かを示唆する継続示唆演出を含み、前記継続示唆演出の実行回数に応じて演出が段階的に進行する演出過程を有し、
    前記第1演出は、前記演出表示装置にて変動表示される装飾図柄を仮停止させた後に再変動させる第1継続示唆演出により演出の継続を示唆し、
    前記第2演出は、前記装飾図柄の仮停止および再変動とは異なる第2継続示唆演出により演出の継続を示唆し、
    前記第3演出は、前記装飾図柄がリーチ態様にて変動表示される過程を含むリーチ演出である弾球遊技機。
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