<基本的な実施形態>
最初に、本発明の遊技機の特徴部分の前提となる本発明の基本的な実施形態を、図面を参照して具体的に説明する。参照される各図において、同一の部分には同一の符号を付し、同一の部分に関する重複する説明を原則として省略する。なお、以下において、記述の簡略化上、情報、信号、物理量又は部材等を参照する記号又は符号を記すことによって、該記号又は符号に対する情報、信号、物理量又は部材等の名称を省略又は略記することがある。
1.遊技機の機械的構成
本発明の遊技機の基本的な実施形態であるパチンコ遊技機PY1について説明する。最初に、パチンコ遊技機PY1の機械的構成について図1〜図4を用いて説明する。なお、以下の説明において、パチンコ遊技機PY1の各部の左右上下方向は、そのパチンコ遊技機PY1に対面する遊技者にとっての(正面視の)左右上下方向のことである。また、「前方」とはパチンコ遊技機PY1から当該パチンコ遊技機PY1に対面する遊技者に近づく方向とし、「後方」をパチンコ遊技機PY1に対面する遊技者から当該パチンコ遊技機PY1に近づく方向として、説明する。
図1に示すように、パチンコ遊技機PY1は、遊技盤1を含む遊技盤ユニットYUと、遊技盤ユニットYUを内部に収納した遊技機枠2とを備えている。遊技機枠2は、遊技店に固定される枠状の外枠21と、外枠21に取り付けられ、遊技盤ユニットYUが取り付けられる内枠22と、内枠22に回転自在に支持される前扉23と、を備える。
外枠21、内枠22、および前扉23の正面視外周形状は大体同一である。そして、外枠21の前面に内枠22が取り付けられている。
前扉23は内枠22に対して開閉が可能である。前扉23は、大体中央に略縦長矩形状の大きな開口部が形成された枠状の前枠23mと、その開口部に嵌め込まれた透明板23tと、を備える。前扉23が閉じられているとき、遊技盤ユニットYUに含まれる遊技盤1と透明板23tとが対面する。透明板23tは、透明な合成樹脂板で略縦長矩形状に成形されている。よって、パチンコ遊技機PY1が遊技店に設置されると、当該パチンコ遊技機PY1の前方にいる遊技者は、透明板23tを通して、遊技盤1の前面に形成された遊技領域6を視認することができる。なお、透明板23tとして、透明な合成樹脂板の代わりに透明なガラス板を用いてもよい。パチンコ遊技機PY1の前方から透明板23tを通して遊技領域6を視認可能であればよい。
前枠23mの前面の右下部には、遊技球を発射させるための回転操作が可能なハンドル72kが設けられている。ハンドル72kが操作された量(回転角度)が、遊技球を発射させるために遊技球に与えられる力の大きさ(発射強度)に対応付けられている。よって、遊技球は、ハンドル72kの回転操作に応じた発射強度で発射される。
また、前枠23mの前面の下部には、前方に大きく突出した上皿34と、上皿34の直下に配された下皿35が設けられている。上皿34の前方側中央には、下方に押下操作可能な第1演出ボタン40kが設けられている。第1演出ボタン40kの上皿34の上面から視認可能に突出している操作部分は半球形に成形されている。さらに、上皿34の上面の後方側には、ハンドル72kに供給される遊技球を貯留するための供給球貯留穴34Aが形成されている。また、下皿35の上面には、供給球貯留穴34Aに収容しきれない余剰の遊技球を貯留するための余剰球貯留穴35Aが設けられている。
さらに、前枠23mの前面の透明板23tの上側、右側、および左側には、前方に突出した上側装飾体31、右側装飾体32、および左側装飾体33が設けられている。上側装飾体31の底面には、音を出力可能な一対の2つのスピーカー52、具体的には左側に配されたスピーカー52Lと右側に配されたスピーカー52R、が下方を向いて左右方向に所定距離をおいて並設されている。また、右側装飾体32の下部には、下方に押下操作可能な第2演出ボタン41kが設けられている。第2演出ボタン41kの操作部分は棒状に成形されている。さらに、右側装飾体32から上皿34の正面右部分にかけて、および左側装飾体33から上皿34の正面左部分にかけて、発光可能な枠ランプ53が設けられている。
なお、遊技機枠2に設けられる部材や装置の位置や数は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜に変更可能である。
次に、遊技盤ユニットYUについて、図1に加えて図2を用いて説明する。遊技盤ユニットYUは、遊技盤1と、遊技盤1の背面に取り付けられた盤用演出ユニットEUと、を有する。最初に、遊技盤1について説明する。遊技盤1は、透明な合成樹脂板で構成されている。遊技盤1の略中央には正面視略円形の開口部1Aが形成されている。
遊技盤1の前面には、開口部1Aに沿って、略リング状のセンター装飾体61が前方に突出して形成されている。また、センター装飾体61の外側には、センター装飾体61を大きく取り囲むように略リング状に形成された外レール62と、外レール62の左側部分とセンター装飾体61との間で、外レール62およびセンター装飾体61に略平行な湾曲状の内レール63と、が形成されている。
そして、遊技盤1の前面において、センター装飾体61、外レール62および内レール63などで囲まれた領域が遊技領域6を形成している。すなわち、遊技盤1の前面が、センター装飾体61、外レール62および内レール63によって、遊技領域6とそれ以外の領域とに区切られている。また、外レール62と内レール63とで囲まれた領域は、発射された遊技球が遊技領域6へ向かうために通過可能な発射領域7を形成している。
遊技領域6は、ハンドル72kの操作によって発射された遊技球が流下可能な領域であり、パチンコ遊技機PY1で遊技を行うために設けられている。なお、遊技領域6には、多数の遊技用くぎ(図示なし)が突設されている。遊技用くぎは、遊技領域6に進入して遊技領域6を流下する遊技球を、一般入賞口10、第1始動口11、第2始動口12、ゲート13、および大入賞口14などに適度に誘導する経路を構成している。
遊技領域6の所定位置に一般入賞装置10Dが設けられている。一般入賞装置10Dには、一般入賞口10が遊技球の入球が可能に形成されている。遊技球が一般入賞口10へ入球すると、所定個数(例えば、3個)の遊技球が賞球として払い出される。なお、一般入賞口10に入球した遊技球はそのまま遊技領域6の外部へ排出される。
また、遊技領域6におけるセンター装飾体61の中央直下には第1始動入賞装置11Dが設けられている。第1始動入賞装置11Dには、第1始動口11が遊技球の入球が可能に形成されている。第1始動入賞装置11Dは作動しない非作動構造からなる。そのため、第1始動口11は、遊技球の入球のし易さが変化せずに一定(不変)である。遊技球が第1始動口11へ入球すると、所定個数(例えば、4個)の遊技球が賞球として払い出される。なお、第1始動口11に入球した遊技球はそのまま遊技領域6の外部へ排出される。
なお、センター装飾体61の左側部から下端部にかけて、遊技球を内部に通すワープ部61wが形成されている。ワープ部61wへの入口はセンター装飾体61の左側部に形成されている。ワープ部61wに入った遊技球はワープ部61wの内部を通って出口から出る。ワープ部61wの出口付近であってセンター装飾体61の下端部上面には、遊技球が転動可能なステージ61sが設けられている。ステージ61sの先端には、遊技球を下方に導く下方誘導部61yが設けられている。この下方誘導部61yの直下には第1始動口11が設けられている。
遊技領域6における第1始動口11の直下には、第2始動入賞装置(所謂「電チュー」)12Dが設けられている。電チュー12Dには、遊技球が入球不可能な閉態様と入球可能な開態様とに変化可能な第2始動口12が形成されている。第2始動口12は、電チュー12Dが具備する電チュー開閉部材12kによって閉態様と開態様とをとる。すなわち、電チュー開閉部材12kの作動によって第2始動口12が開閉する。
電チュー開閉部材12kは正面視略L字状部材からなり、通常は第2始動口12を閉鎖している。電チュー開閉部材12kは、前方側先端面が遊技領域6と面一状態になる退避状態から前方に突出することができる。電チュー開閉部材12kが前方に突出すると、電チュー開閉部材12kが遊技領域6に垂直に突出した状態になり、第2始動口12が入球可能に開放する。具体的には、電チュー開閉部材12kの水平部の左端に立設された垂直部分が遊技球を受けとめられ、水平部から第2始動口12へと導かれる。
このように、電チュー開閉部材12kが開状態であるときだけ遊技球の第2始動口12への入球が可能となる。遊技球が第2始動口12へ入球すると、所定個数(例えば、2個)の遊技球が賞球として払い出される。なお、第2始動口12に入球した遊技球はそのまま遊技領域6の外部へ排出される。
また、センター装飾体61の右側にゲート13が設けられている。ゲート13は、遊技球が通過可能に構成されている。遊技球がゲート13を通過しても賞球が払い出されない。なお、ゲート13を通過した遊技球はそのまま遊技領域6を流下する。
遊技領域6における第1始動入賞装置11Dの右側でゲート13の下流側には、大入賞装置14Dが設けられている。大入賞装置14Dには、遊技球が入球不可能な閉態様と入球可能な開態様とに変化可能な大入賞口14が形成されている。大入賞口14は、大入賞装置14Dが具備するAT開閉部材14kによって閉態様と開態様とをとる。すなわち、AT開閉部材14kの作動によって大入賞口14が開閉する。
AT開閉部材14kは正面視略横長矩形状の平板からなる可動部材であり、通常は大入賞口14を閉鎖している。AT開閉部材14kの下端部には、水平な回転軸が設けられている。AT開閉部材14kはその回転軸を中心に、上端が前方へ倒れるように略90度回転することができる。AT開閉部材14kが回転すると、AT開閉部材14kが遊技領域6に垂直に突出した状態になり、大入賞口14が入球可能に開放する。
このように、AT開閉部材14kが開状態であるときだけ遊技球の大入賞口14への入球が可能となる。遊技球が大入賞口14へ入球すると、所定個数(第1実施形態では、1個)の遊技球が賞球として払い出される。なお、大入賞口14に入球した遊技球はそのまま遊技領域6の外部へ排出される。
また、遊技領域6における大入賞装置14Dの下方には、その上面が左斜め下方に形成され、遊技球を第2始動口12へ誘導する誘導経路64が遊技領域6(遊技盤1の前面)から前方に突出して設けられている。なお、誘導経路64の上面を転動する遊技球は、第2始動口12の方へ向かって流下可能であるが、基本的には第1始動口11へ入球することはできない。
なお、第1始動口11、第2始動口12、大入賞口14、および一般入賞口10への遊技球の入球や、遊技球のゲート13の通過をまとめて、第1始動口11、第2始動口12、大入賞口14、一般入賞口10、およびゲート13への「入賞」と総称する。
ところで、遊技球が流下可能な遊技領域6は、左右方向の中央より左側の左遊技領域6Aと、右側の右遊技領域6Bと、に分けることができる。遊技球が左遊技領域6Aを流下するように遊技球を発射させるハンドル72kの操作態様を「左打ち」という。一方、遊技球が右遊技領域6Bを流下するように遊技球を発射させるハンドル72kの操作態様を「右打ち」という。
遊技領域6において、左打ちにて遊技球を発射したときに遊技球が流下可能な流路を、第1流路R1といい、右打ちにて遊技球を発射したときに遊技球が流下可能な流路を、第2流路R2という。第1流路R1および第2流路R2には、不図示の多数の遊技用くぎによっても構成されている。
第1流路R1上には、第1始動口11と、2つの一般入賞口10と、が設けられている。よって、遊技者は、左打ちにより第1流路R1を流下するように遊技球を発射させることで、第1始動口11、または、一般入賞口10への入賞を狙うことができる。一方、第2流路R2上には、第2始動口12と、ゲート13と、大入賞口14と、が設けられている。よって、遊技者は、右打ちにより第2流路R2を流下するように遊技球を発射させることで、ゲート13、第2始動口12、または大入賞口14への入賞を狙うことができる。
なお、遊技領域6の略最下部には、遊技領域6へ打ち込まれたもののいずれの入賞口にも入賞しなかった遊技球を遊技領域6の外部へ排出する2つのアウト口19が設けられている。また、各入賞口への入賞による賞球数は、適宜に設定することが可能である。
次に、遊技盤1の背面に取り付けられた盤用演出ユニットEUについて説明する。盤用演出ユニットEUは、主に演出を行う複数の装置をユニット化したものである。盤用演出ユニットEUには、画像表示装置50、および盤可動装置55が取り付けられている。
画像表示装置50は、20インチの3D液晶ディスプレイで構成されており、3D画像を表示可能な表示部50aを具備する。画像表示装置50は、遊技盤1の数センチ後方に配置されている。
盤可動装置55は、動作可能な盤可動体55kを備える。盤可動体55kは、水平状態を保持された横長で板状の昇降部材55k2と、昇降部材55k2の左右方向中央に設けられた略楕円形状の回転部材55k1と、を有する。盤可動体55kは、遊技盤1と画像表示装置50との間に配されている。盤可動体55kは、初期位置に配されている待機状態において、盤可動体55kの下端部分、具体的に回転部材55k1の下端部分が、遊技盤1の開口部1Aの上端から少しだけ下方に位置している。すなわち、盤可動体55kは、待機状態において、回転部材55k1の下端部の一部のみが遊技者から視認でき、大部分が視認できないよう配されている(図3(A)参照)。
そして、盤可動体55kは、全体的に初期位置から所定の作動位置まで下降し、その作動位置から上昇して初期位置に戻ることができる(図3(B)参照)。所定の作動位置としては、正面視で盤可動体55kが開口部1Aの略中央につく位置である。ここで、所定の作業位置は適宜に設定可能であり、正面視で盤可動体55kが開口部1Aの略中央より上方側におかれる位置であっても下方側におかれる位置であってもよい。
また、回転部材55k1は、その中心において前後方向に形成された回転軸を中心に正面視右回りおよび左回りに回転運動することが可能である(図3(C)参照)。なお、回転部材55k1の回転運動は、盤可動体55kが待機位置から作動位置に移動するとき、作動位置に保持されているとき、および作動位置から待機位置に移動するときに実行可能である。
なお、遊技盤ユニットYUに設けられる部材や装置の位置や数は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜に変更可能である。
次に、遊技盤1の前面に形成された遊技領域6の上下方向略中央の右隣(遊技領域6以外の部分)に配置されている表示器類8について説明する。図4に示すように、表示器類8には、第1特別図柄(以下、「特図1」という)を可変表示する特図1表示器81a、第2特別図柄(以下、「特図2」という)を可変表示する特図2表示器81b、及び、普通図柄(以下、「普図」という)を可変表示する普図表示器82が含まれている。また、表示器類8には、後述する特図1保留数を表示する特図1保留表示器83a、および後述する特図2保留数を表示する特図2保留表示器83bが含まれている。
特図1の可変表示は、遊技球の第1始動口11への入賞を契機とした特図1抽選が行われると実行される。また、特図2の可変表示は、遊技球の第2始動口12への入賞を契機とした特図2抽選が行われると実行される。特図1抽選、および特図2抽選については後述する。なお、以下の説明では、特図1、および特図2を総称して「特図」といい、特図1抽選、および特図2抽選を総称して「特図抽選」という。また、特図1表示器81a、および特図2表示器81bを総称して「特図表示器81」という。さらに、特図1保留表示器83a、および特図2保留表示器83bを総称して「特図保留表示器83」という。
特図の可変表示は、特図抽選の結果を報知する。特図の可変表示では、特図が変動表示した後に停止表示する。停止表示された特図(停止特図)は、可変表示の表示結果として導出された特図抽選の結果を表す識別情報である。停止表示された特図が予め定めた特定の特図である場合には、大入賞口14の開放を伴う大当たり遊技が行われる。
特図1表示器81a、および特図2表示器81bはそれぞれ、横並びに配された8個のLEDから構成されている。特図1表示器81a、および特図2表示器81bの点灯態様は、特図抽選の結果に応じた特図、すなわち特図抽選の結果を表す。例えば特図抽選の結果が大当たりである場合には、最終的に「□□■■□□■■」(□:点灯、■:消灯)というように左から1,2,5,6番目にあるLEDが点灯する。この点灯態様が大当たり図柄であり、大当たりを表す。また、特図抽選の結果がハズレである場合には、最終的に「■■■■■■■□」というように一番右にあるLEDのみが点灯する。この点灯態様がハズレ図柄であり、ハズレを表す。なお、特図抽選の結果に対応するLEDの点灯態様は限定されず、適宜に設定することができる。よって、例えば、ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させてもよい。
また、特図の可変表示において、特図が停止表示される前には所定の変動時間にわたって特図の変動表示がなされる。特図の変動表示の態様は、例えば左から右へ光が繰り返し流れるように各LEDが点灯する態様である。なお、変動表示の態様は、特に限定されず、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなど適宜に設定してよい。
ところで、パチンコ遊技機PY1では、遊技球が第1始動口11または第2始動口12へ入賞してもすぐに特図抽選および特図の可変表示が行われない場合がある。具体的には、特図の可変表示の実行中や大当たり遊技の実行中に遊技球の第1始動口11または第2始動口12への入賞があった場合である。この場合、その入賞に基づいて特図抽選および特図の可変表示が保留される。この保留された特図抽選および特図の可変表示のことを「特図保留」という。
特図保留には、第1始動口11への入賞に基づいて保留された特図1抽選、および特図1の可変表示を表す「特図1保留」と、第2始動口12への入賞に基づいて保留された特図2抽選、および特図2の可変表示を表す「特図2保留」と、がある。そして、特図1保留の数、すなわち保留されている特図1抽選および特図1の可変表示の数を特図1保留表示器83aが表示する。一方、特図2保留の数、すなわち保留されている特図2抽選、および特図2の可変表示の数を特図2保留表示器83bが表示する。
特図1保留の数、および特図2保留の数に上限値に設けることも設けないことも可能である。また、特図1保留の数、および特図2保留の数に上限値を設ける場合、特図1保留の数と特図2保留の数を同一にしても良いし、異ならせても良い。なお、基本的な実施形態では、特図1保留の数、および特図2保留の数の上限値が「4」に設定されているとする。
特図1保留表示器83aおよび特図2保留表示器83bのそれぞれは、4個のLEDで構成されており、特図1保留および特図2保留の数の分だけLEDを点灯させることにより特図1保留および特図2保留の数を表示する。なお、以下において、特図1保留の数を「特図1保留数(U1)」といい、特図2保留数の数を「特図2保留数(U2)」という。また、「特図1保留数」と「特図2保留数」を総称して「特図保留数」という。さらに、「特図1保留表示器83a」と「特図2保留表示器83b」とを総称して「特図保留表示器83」という。
また、普図の可変表示は、遊技球のゲート13への入賞を契機とした普図抽選が行われると実行される。そして、普図の可変表示は、普図抽選の結果を報知する。普図の可変表示では、普図が変動表示した後に停止表示する。停止表示された普図(停止普図)は、可変表示の表示結果として導出された普図抽選の結果を表す識別情報である。停止表示された普図が予め定めた特定の普図である場合には、第2始動口12の開放を伴う補助遊技が行われる。
普図表示器82は、例えば2個のLEDから構成されている。普図表示器82の点灯態様は、普図抽選の結果に応じた普図、すなわち普図抽選の結果を表す。普図抽選の結果が当たりである場合には、最終的には、「□□」(□:点灯、■:消灯)というように両LEDが点灯する。この点灯態様が当たり図柄であり、当たりを表す。また普図抽選の結果がハズレである場合には、最終的には、「■□」というように右のLEDのみが点灯する。この点灯態様がハズレ図柄であり、ハズレを表す。なお、普図抽選の結果に対応するLEDの点灯態様は限定されず、適宜に設定することができる。例えば、ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させる態様を採用してもよい。
また、普図が停止表示される前には所定の変動時間にわたって普図の変動表示が行われる。普図の変動表示の態様は、基本的な実施形態では、両LEDが交互に点灯するという態様である。なお、普図の変動表示の態様は、特に限定されず、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなど適宜に設定してもよい。
2.遊技機の電気的構成
次に、図5〜図7に基づいて、パチンコ遊技機PY1の電気的な構成を説明する。図5に示すように、パチンコ遊技機PY1の背面側には、遊技利益を得ることが可能な遊技に関する制御(遊技の進行)を行う遊技制御基板100、遊技制御基板100による遊技の制御に応じた演出に関する制御を行う演出制御基板120、画像の制御を行う画像制御基板140、遊技球の払い出しに関する制御などを行う払出制御基板170、および各基板100、120、140、170に電力を供給する電源基板190が取り付けられている。
電源基板190には、電源スイッチ191が接続されている。電源スイッチ191のON/OFF操作により、電源の投入/遮断が切り換えられる。
図6に示すように、遊技制御基板100には、プログラムに従ってパチンコ遊技機PY1の遊技の進行を制御する遊技制御用ワンチップマイコン(以下「遊技制御用マイコン」)101が実装されている。よって、遊技制御基板100は、遊技の制御を行う遊技制御部と位置づけることができる。なお、遊技制御基板100の制御対象となる遊技利益を獲得可能な遊技には、特図抽選、特図の可変表示、大当たり遊技、後述する遊技状態の設定、普図抽選、普図の可変表示、補助遊技などが含まれる。
遊技制御用マイコン101には、遊技の進行を制御するためのプログラムやテーブル等を記憶した遊技用ROM(Read Only Memory)103、ワークメモリとして使用される遊技用RAM(Random Access Memory)104、遊技用ROM103に記憶されたプログラムを実行する遊技用CPU(Central Processing Unit)102が含まれている。
遊技用ROM103には、後述する遊技制御メイン処理や遊技制御側タイマ割り込み処理などを行うためのプログラムが格納されている。また、遊技用ROM103には、後述する大当たり判定テーブル、大当たり図柄種別判定テーブル、リーチ判定テーブル、特図変動パターン判定テーブル、先読み判定テーブル、大当たり遊技制御テーブル、遊技状態設定テーブル、当たり判定テーブル、補助遊技制御テーブルなどが格納されている。なお、遊技用ROM103は外付けであってもよい。
また、遊技用RAM104には、特図保留記憶部105が設けられている。ここで、特図保留記憶部105について説明する。前述の通り、遊技球の第1始動口11または第2始動口12への入賞があると、特図保留が発生可能であるが、特図保留が可能な場合、すなわち、特図保留数が上限値に達していないときには、この入賞に基づいて、特図抽選などを行うための各種乱数からなる判定情報が取得される。そして、この判定情報は、特図保留として特図保留記憶部105に一旦記憶される。なお、以下において、遊技球の第1始動口11への入賞により取得される判定情報のことを「特図1関連判定情報」といい、遊技球の第2始動口12への入賞により取得される判定情報のことを「特図2関連判定情報」という。また、特図1関連判定情報と特図2関連判定情報とを総称して「特図関連判定情報」という。
そして、特図1関連判定情報は、特図1保留として、特図保留記憶部105の中の特図1保留記憶部105aに記憶される。一方、特図2関連判定情報は、特図2保留として、特図保留記憶部105の中の特図2保留記憶部105bに記憶される。特図1保留記憶部105aに記憶可能な特図1関連判定情報の数、すなわち、特図1保留数の上限値は「4」に設定されている。また、特図2保留記憶部105bに記憶可能な特図2関連判定情報の数、すなわち、特図2保留数の上限値は「4」に設定されている。
また、遊技制御基板100には、所定の中継基板(図示なし)を介して各種センサ類やソレノイド類が接続されている。そのため、遊技制御基板100には、各種センサ類が出力した信号が入力する。また、遊技制御基板100は、各種アクチュエータ類に信号を出力する。
遊技制御基板100に接続されている各種センサ類には、一般入賞口センサ10a、第1始動口センサ11a、第2始動口センサ12a、ゲートセンサ13a、および大入賞口センサ14aが含まれている。
一般入賞口センサ10aは、一般入賞口10に入賞した遊技球を検知する。第1始動口センサ11aは、第1始動口11に入賞した遊技球を検知する。第2始動口センサ12aは、第2始動口12に入賞した遊技球を検知する。ゲートセンサ13aは、ゲート13を通過した遊技球を検知する。大入賞口センサ14aは、大入賞口14に入賞した遊技球を検知する。
また、遊技制御基板100に接続されている各種アクチュエータ類には、電チューソレノイド12s、およびATソレノイド14sが含まれている。電チューソレノイド12sは、電チュー12Dの電チュー開閉部材12kを駆動する。ATソレノイド14sは、大入賞装置14DのAT開閉部材14kを駆動する。
なお、遊技制御基板100に接続されるセンサの種類や数は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜に変更可能である。また、遊技制御基板100に接続されるアクチュエータの種類や数は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜に変更可能である。
さらに遊技制御基板100には、表示器類8(特図表示器81、普図表示器82、および、特図保留表示器83)が接続されている。これらの表示器類8の表示制御は、遊技制御用マイコン101によりなされる。
また遊技制御基板100は、払出制御基板170に各種コマンドを送信するとともに、払い出し監視のために払出制御基板170から信号を受信する。払出制御基板170には、カードユニットCU、および払出装置73が接続されているとともに、発射装置72が接続されている。また、カードユニットCUは、パチンコ遊技機PY1に隣接して設置され、挿入されているプリペイドカード等の情報に基づいて球貸しを可能にする装置である。
払出制御基板170は、遊技制御用マイコン101からの信号や、接続されたカードユニットCUからの信号に基づいて、払出装置73の払出モータ73mを駆動して賞球や貸球の払い出しを行う。払い出される賞球や貸球は、その計数のための払出センサ73aにより検知される。
また、発射装置72は遊技球を発射する装置である。ハンドル72kが、発射装置72に遊技球を発射させるための操作を受け付ける操作部または入力部を構成しており、発射装置72に含まれる。ハンドル72kには、遊技者などの人のハンドル72kへの接触を検知可能なタッチスイッチ72aが設けられている。遊技者によるハンドル72kの操作があった場合には、タッチスイッチ72aが遊技者のハンドル72kへの接触を検知し、発射制御回路175を介して検知信号を払出制御基板170に出力する。
さらに、ハンドル72kには、ハンドル72kの回転角度(操作量)を検知可能な発射ボリュームのつまみ72bが接続されている。発射装置72は、発射ボリュームのつまみ72bが検知したハンドル72kの回転角度に応じた強さで遊技球が発射されるよう発射モータ72mを駆動させる。なお、パチンコ遊技機PY1においては、ハンドル72kへの回転操作が維持されている状態では、約0.6秒毎に1球の遊技球が発射されるようになっている。
また遊技制御基板100は、遊技の進行に応じて、演出制御基板120に対し、遊技に関する情報を含んだ各種コマンドを送信する。演出制御基板120は、遊技制御基板100から送られてきた各種コマンドに基づいて、遊技制御基板100による遊技の進行状況(遊技の制御内容)を把握することができる。
なお、遊技制御基板100と演出制御基板120との接続は、遊技制御基板100から演出制御基板120への信号の送信のみが可能な単方向通信接続となっている。すなわち、遊技制御基板100と演出制御基板120との間には、通信方向規制手段としての図示しない単方向性回路(例えばダイオードを用いた回路)が介在している。
図7に示すように、演出制御基板120には、プログラムに従ってパチンコ遊技機PY1の演出を制御する演出制御用ワンチップマイコン(以下「演出制御用マイコン」)121が実装されている。そして、演出制御基板120は、後述する画像制御基板140、音声制御回路161、およびサブドライブ基板162と共に、演出の制御を行う演出制御部と位置づけることができる。ただし、演出制御部は、少なくとも演出制御基板120を備え、演出装置(画像表示装置50、スピーカー52、枠ランプ53、および盤可動体55k等)を用いた遊技演出、客待ち演出、および操作促進演出などを制御可能であればよい。
なお、演出制御基板120の制御対象となる演出には、遊技演出(特図変動演出、保留演出、大当たり遊技演出など)、客待ち演出、第1演出ボタン40kや第2演出ボタン41kの操作が有効な期間(操作有効期間)において操作を促す操作促進演出などが含まれている。
演出制御用マイコン121には、遊技制御基板100による遊技の進行に伴って演出を制御するためのプログラム等を記憶した演出用ROM123、ワークメモリとして使用される演出用RAM124、演出用ROM123に記憶されたプログラムを実行する演出用CPU122が含まれている。
演出用ROM123には、後述する演出制御メイン処理、受信割り込み処理、1msタイマ割り込み処理、および10msタイマ割り込み処理などを行うためのプログラムが格納されている。なお、演出用ROM123は外付けであってもよい。
演出用RAM124には、後述する始動入賞コマンドを記憶する始動入賞コマンド保留記憶部125、後述する図柄指定コマンドを記憶する図柄指定コマンド記憶部126、および後述する特図変動開始コマンドを記憶する特図変動開始コマンド記憶部127が設けられている。
また、演出制御基板120には、画像制御基板140が接続されている。演出制御基板120の演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から受信したコマンドに基づいて、すなわち、遊技制御基板100による遊技の進行に応じて、画像制御基板140に画像表示装置50の表示制御を行わせる。なお、演出制御基板120と画像制御基板140との接続は、演出制御基板120から画像制御基板140への信号の送信と、画像制御基板140から演出制御基板120への信号の送信の双方が可能な双方向通信接続となっている。
画像制御基板140は、画像制御のためのプログラム等を記憶した画像用ROM142、ワークメモリとして使用される画像用RAM143、及び、画像用ROM142に記憶されたプログラムを実行する画像用CPU141を備えている。また、画像制御基板140は、画像表示装置50に表示される画像のデータを記憶したCGROM(Character Generator Read Only Memory)145、CGROM145に記憶されている画像データの展開等に使用されるVRAM(Video Random Access Memory)146、及び、VDP(Video Display Processor)144を備えている。これらの電子部品の全部又は一部がワンチップで構成されていてもよい。
CGROM145には、例えば、画像表示装置50に表示される画像を表示するための画像データ(静止画データや動画データ、具体的にはキャラクター、アイテム、図柄、図形、文字、数字および記号等(演出図柄を含む)や背景画像等の画像データ)が格納されている。
VDP144は、演出制御用マイコン121からの指令に基づき画像用CPU141によって作成されるディスプレイリストに従って、CGROM145から画像データを読み出してVRAM146内の展開領域に展開する。そして、展開した画像データを適宜合成してVRAM146内のフレームバッファに画像を描画する。そしてフレームバッファに描画した画像をRGB信号として画像表示装置50に出力する。これにより、種々の演出画像が表示部50aに表示される。
なお、ディスプレイリストは、フレーム単位で描画の実行を指示するためのコマンド群で構成されている。ディスプレイリストには、描画する画像の種類、画像を描画する位置、表示の優先順位、表示倍率、画像の透過率等の種々のパラメータの情報が含まれている。
また、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から受信したコマンドに基づいて、すなわち、遊技制御基板100による遊技の進行に応じて、音声制御回路161を介してスピーカー52から音声、楽曲、および効果音等を出力する。
スピーカー52から出力する音声等の音声データは、演出制御基板120の演出用ROM123に格納されている。なお、音声制御回路161を、基板で構成させてCPUを実装してもよい。この場合、そのCPUに音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、基板にROMを実装し、そのROMに音声データを格納してもよい。また、スピーカー52を画像制御基板140に接続し、画像制御基板140の画像用CPU141に音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、画像制御基板140の画像用ROM142に音声データを格納してもよい。
また、演出制御基板120には、所定の中継基板(図示なし)を介して、入力部となる各種センサ類や駆動源となる各種アクチュエータ類が接続されている。演出制御基板120には、各種センサ類が出力した信号が入力する。また、演出制御基板120は、各種アクチュエータ類に信号を出力する。
演出制御基板120に接続されている各種スイッチ類には、第1演出ボタンセンサ40a、および第2演出ボタンセンサ41aが含まれている。第1演出ボタンセンサ40aは、第1演出ボタン40kが押下操作されたことを検出する。第2演出ボタンセンサ41aは、第2演出ボタン41kが押下操作されたことを検出する。第1演出ボタンセンサ40a、および第2演出ボタンセンサ41aは、それぞれが操作されたことを検知すると、その検知内容に応じた信号を演出制御基板120に出力する。
なお、演出制御基板120に接続されるスイッチの種類や数は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜に変更可能である。また、演出制御基板120に接続されるアクチュエータの種類や数は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜に変更可能である。
演出制御基板120に接続された各種アクチュエータ類には、回転部材用モータ55m1、および昇降部材用モータ55m2が含まれている。回転部材用モータ55m1は、回転部材55k1を駆動して、回転部材55k1を回転させることが可能である。昇降部材用モータ55m2は、昇降部材55k2を上昇または下降させることが可能である。詳細には、演出制御用マイコン121は、回転部材55k1や昇降部材55k2の動作態様を決める動作パターンデータを作成し、サブドライブ基板162を介して、回転部材55k1や昇降部材55k2の動作を制御する。
なお、以下において、「回転部材55k1や昇降部材55k2」の動作を「盤可動体55kの動作」と総称することもある。また、回転部材55k1を回転させることや昇降部材55k2を下降または上昇させることについて「盤可動体55kを回転させる、または下降もしくは上昇させる」ともいう。
また、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から受信したコマンドなどに基づいて、サブドライブ基板162を介して枠ランプ53などの点灯制御を行う。詳細には演出制御用マイコン121は、枠ランプ53の発光態様を決める発光パターンデータ(点灯/消灯や発光色等を決めるデータ、ランプデータともいう)を作成し、発光パターンデータに従って枠ランプ53の発光を制御する。なお、発光パターンデータの作成には演出制御基板120の演出用ROM123に格納されているデータを用いる。
なお、サブドライブ基板162を基板で構成させてCPUを実装してもよい。この場合、そのCPUに、枠ランプ53等の点灯制御、および、盤可動体55kの動作制御を実行させてもよい。さらにこの場合、基板にROMを実装して、そのROMに発光パターンや動作パターンに関するデータを格納してもよい。
3.遊技機による主な遊技
次に、パチンコ遊技機PY1により行われる主な遊技について、図8〜図15を用いて説明する。
3−1.普図に関わる遊技
最初に、普図に関わる遊技について説明する。パチンコ遊技機PY1は、発射された遊技球がゲート13を通過すると、普図抽選を実行することができる。普図抽選を行うと、普図表示器82において、普図の可変表示(変動表示を行った後に停止表示)を行う。ここで、停止表示される普図には、当たり図柄とハズレ図柄とがある。なお、普図のハズレ図柄については、後述する特図のハズレ図柄と区別をするために「ハズレ普図」ともいう。
当たり図柄が停止表示されると補助遊技が実行されて、当該ゲート13の通過に係る遊技が終了する。一方、ハズレ普図が停止表示されると、補助遊技は行われず、当該ゲート13の通過に係る遊技が終了する。また、以下において、普図の可変表示または補助遊技が行われていないときに遊技球がゲート13を通過することを「普図変動始動条件の成立」という。
パチンコ遊技機PY1は、普図変動始動条件が成立し、普図関連判定情報を取得して普図抽選を行うことに基づいて、普図の可変表示、および補助遊技といった一連の遊技を行うことができる。取得する普図関連判定情報には、図8(A)に示すように、普通図柄乱数がある。普通図柄乱数は当たり判定を行うための乱数(判定情報)である。各乱数には、適宜に範囲が設けられている。
3−1−1.当たり判定
当たり判定は、例えば図9(A)に示すような当たり判定テーブルを用いて、当たりか否か(補助遊技を実行するか否か)を決定するための判定である。当たり判定テーブルは、後述する遊技状態に関連付けることが可能である。遊技状態に関連付けられる場合、当たり判定テーブルには、非時短状態で用いる当たり判定テーブル(非時短用当たり判定テーブル)と、時短状態で用いる当たり判定テーブル(時短用当たり判定テーブル)と、がある。
各当たり判定テーブルでは、当たり判定の結果である当たりとハズレに、普通図柄乱数の判定値(普通図柄乱数判定値)が適宜に振り分けられている。よって、パチンコ遊技機PY1は、取得した普通図柄乱数を当たり判定テーブルに照合して、当たりかハズレかの当たり判定を行う。当たり判定の結果が当たりであると、普図の可変表示で当たり図柄が停止表示される。一方、当たり判定の結果がハズレであると、普図の可変表示でハズレ普図が停止表示される。なお、当たりの当選確率については、適宜に変更することが可能である。
3−1−2.普図変動パターン判定・普図可変表示
普図変動パターン判定は、例えば図9(B)に示すような普図変動パターン判定テーブルを用いて、普図変動パターンを決定するための判定である。普図変動パターンとは、普図変動時間などの普図の可変表示に関する所定事項に関する識別情報である。
普図変動パターン判定テーブルは、遊技状態(非時短状態/時短状態)に関連付けることが可能である。遊技状態(非時短状態/時短状態)に関連付けられる場合、普図変動パターン判定テーブルには、非時短状態のときに用いられる普図変動パターン判定テーブル(非時短普図変動パターン判定テーブル)と時短状態のときに用いられる普図変動パターン判定テーブル(時短普図変動パターン判定テーブル)とがある。
各普図変動パターン判定テーブルには、普図変動パターン判定の結果である普図変動パターンが、停止される普図毎に1つ格納されている。すなわち、パチンコ遊技機PY1は、非時短状態と時短状態とで、普図変動時間を異ならせることが可能である。例えば、非時短状態においては、ハズレの普図(ハズレ普図)を停止表示する場合の普図の可変表示については普図変動時間が30秒となる普図変動パターンに決定し、当たり図柄を停止表示する場合の普図の可変表示については普図変動時間が30秒となる普図変動パターンに決定する。また、時短状態においては、ハズレ普図を停止表示する場合の普図の可変表示については普図変動時間が5秒となる普図変動パターンに決定し、当たり図柄を停止表示する場合の普図の可変表示については普図変動時間が5秒となる普図変動パターンに決定する。なお、これら普図変動時間については、適宜に変更することが可能である。
そして、普図変動パターン判定で決定された普図変動パターンに対応付けられた普図変動時間の普図の可変表示が、普図表示器82で行われる。このように、当たり判定、および、普図変動パターン判定が行われることによって、普図表示器82において普図の可変表示が行われる。
3−1−3.補助遊技
補助遊技は、普図の可変表示で、表示結果(普図抽選の結果)として、当たり図柄が停止表示(導出)されると実行される。補助遊技において、電チュー12Dが開放する
補助遊技を構成する要素(補助遊技構成要素)には、電チュー12Dが開放する回数、および各開放についての開放時間などの様々な要素が含まれている。パチンコ遊技機PY1は、補助遊技制御テーブルを用いて補助遊技を制御する。補助遊技制御テーブルには、補助遊技構成要素が格納されている。例えば図9(C)に示すように、補助遊技制御テーブルに遊技状態(非時短状態/時短状態)を関連付けることが可能である。すなわち、補助遊技構成要素を、遊技状態(非時短状態/時短状態)に関連付けることが可能である。なお、開放回数や開放時間などの各要素の具体的な内容については、適宜に変更することが可能である。
パチンコ遊技機PY1は、非時短状態における補助遊技と時短状態における補助遊技とで、電チュー12Dの開放時間を異ならせることが可能である。例えば、非時短状態における補助遊技では、0.2秒などの遊技球を電チュー12Dに入賞させるのが困難な第1の開放時間だけ電チュー12Dが開放する。一方、時短状態における補助遊技では、例えば、1.0秒のインターバル(閉鎖)を挟んだ2.5秒の2回開放などの第1の開放時間よりも長く、遊技球を電チュー12Dに入賞させることが容易な第2の開放時間だけ電チュー12Dが開放する。
なお、以下において、非時短状態における補助遊技のことを「ショート開放補助遊技」ともいう。一方、時短状態における補助遊技のことを「ロング開放補助遊技」ともいう。また、各補助遊技における開放時間は、その補助遊技での合計時間であり、例えば、一度開放した後に一旦閉鎖するインターバルを挟んで再度開放するなど、1回の補助遊技の中で複数回開放するように構成しても良い。
3−2.特図に関わる遊技
次に、特図に関わる遊技について説明する。パチンコ遊技機PY1は、発射された遊技球が第1始動口11に入賞すると、特図1抽選を実行することができる。特図1抽選が行われると、特図1表示器81aにおいて、特図1の可変表示(変動表示を行った後に停止表示)を行って、特図1抽選の結果を報知する。ここで、停止表示される特図1には、大当たり図柄、およびハズレ図柄がある。すなわち、特図1抽選の結果には大当たり、およびハズレがある。
大当たり図柄が停止表示されると大当たり遊技が実行され、新たな遊技状態が設定されて、当該入賞に基づく遊技が終了する。また、ハズレ図柄が停止表示されると、大当たり遊技が行われず、当該入賞に基づく遊技が終了する。
同様に、パチンコ遊技機PY1は、発射された遊技球が第2始動口12に入賞すると、特図2抽選を実行することができる。特図2抽選が行われると、特図2表示器81bにおいて、特図2の可変表示(変動表示を行った後に停止表示)を行って、特図2抽選の結果を報知する。ここで、停止表示される特図2には、大当たり図柄、およびハズレ図柄がある。すなわち、特図2抽選の結果には、大当たり、およびハズレがある。
大当たり図柄が停止表示されると大当たり遊技が実行され、新たな遊技状態が設定されて、当該入賞に基づく遊技が終了する。さらに、ハズレ図柄が停止表示されると大当たり遊技が行われず、当該入賞に基づく遊技が終了する。
また、以下において、第1始動口11に遊技球が入賞することを「第1始動条件の成立」といい、第2始動口12に遊技球が入賞することを「第2始動条件の成立」という。また、「第1始動条件の成立」と「第2始動条件の成立」をまとめて「始動条件の成立」と総称する。また、特別図柄のハズレ図柄については、前述の普図のハズレ図柄と区別するために「ハズレ特図」ともいう。
パチンコ遊技機PY1は、始動条件が成立し、特図関連判定情報を取得して特図抽選を行うことに基づいて、特図の可変表示、および大当たり遊技といった一連の遊技を行う。そして、特図の可変表示を行うために、当該特図関連判定情報について種々の判定を行う。取得する特図関連判定情報には、図8(B)に示すように、特別図柄乱数、大当たり図柄種別乱数、リーチ乱数および特図変動パターン乱数がある。
特別図柄乱数は大当たり判定を行うための乱数(判定情報)である。大当たり図柄種別乱数は大当たり図柄種別判定を行うための乱数(判定情報)である。リーチ乱数はリーチ判定を行うための乱数(判定情報)である。特図変動パターン乱数は特別図柄の変動パターン判定を行うための乱数(判定情報)である。各乱数には、適宜に範囲が設けられている。次に、特図関連判定情報を用いて行われる各判定について説明する。
3−2−1.大当たり判定
大当たり判定は、大当たり判定テーブルを用いて、大当たりか否か(大当たり遊技を実行するか否か)、言い換えると、大当たり、またはハズレの何れかを決定することである。大当たり判定テーブルは、例えば図10(A)に示すように、後述する遊技状態に関連付けて設けることができる。具体的には、大当たり判定テーブルには、後述する通常確率状態で用いられる大当たり判定テーブル(以下、「通常確率用大当たり判定テーブル」という)と、後述する高確率状態で用いられる大当たり判定テーブル(以下、「高確率用大当たり判定テーブル」という)と、がある。
遊技状態に関連付けられた各大当たり判定テーブルでは、大当たり判定の結果である大当たり、およびハズレに、特別図柄乱数の判定値(特別図柄乱数判定値)が振り分けられている。パチンコ遊技機PY1は、遊技状態に関連付けられた大当たり判定テーブルに、取得した特別図柄乱数を照合して、大当たり、またはハズレの何れであるかを判定する。図10(A)に示すように、高確率用大当たり判定テーブルの方が、通常確率用大当たり判定テーブルよりも、大当たりと判定される特別図柄乱数判定値が多く設定されている。
なお、大当たり確率や各種大当たり判定の判定結果に対する特別図柄乱数判定値の振り分け方については、適宜に変更することが可能である。
3−2−2.大当たり図柄種別判定
大当たり図柄種別判定は、大当たり判定の結果が大当たりである場合に、例えば図10(B)に示すような大当たり図柄種別判定テーブルを用いて大当たり図柄の種別(大当たり図柄種別)を決定することである。大当たり図柄の種別に、大当たりの内容、換言すれば、遊技者に付与される遊技特典などで構成される大当たりの構成要素(遊技者に有利な内容)を対応付けることが可能である。
大当たり図柄種別判定テーブルは、可変表示される特別図柄の種別(特図1/特図2)、言い換えれば、当該大当たり図柄種別判定が起因する(当該大当たり図柄種別判定を発生させた)入賞が行われた始動口の種別(第1始動口11/第2始動口12)に関連付けられている。すなわち、大当たり図柄種別判定テーブルには、特図1の可変表示を行うときに用いられる大当たり図柄種別判定テーブル(第1大当たり図柄種別判定テーブル)と特図2の可変表示を行うときに用いられる大当たり図柄種別判定テーブル(第2大当たり図柄種別判定テーブル)とがある。
大当たり図柄は複数種類設定可能である。各大当たり図柄種別判定テーブルでは、大当たり図柄種別判定の結果である大当たり図柄種別に、大当たり図柄種別乱数の判定値(大当たり図柄種別乱数判定値)が振り分けられている。よって、パチンコ遊技機PY1は、取得した大当たり図柄種別乱数を大当たり図柄種別判定テーブルに照合して、大当たり図柄の種別を判定する。そして、第1大当たり図柄種別判定テーブルおよび第2大当たり図柄種別判定テーブルでは、大当たり図柄種別乱数判定値が各種大当たり図柄に適宜に振り分けられている。
特図1の大当たり図柄、および特図2の大当たり図柄の種類は適宜に設定することができるが、例えば、図10(B)に示す大当たり図柄種別判定テーブルのように、特図1の大当たり図柄として、大当たり図柄A、大当たり図柄B、および大当たり図柄Cの3種類の大当たり図柄を設け、特図2の大当たり図柄として、大当たり図柄D、大当たり図柄E、および大当たり図柄Fの3種類の大当たり図柄を設けることができる。そして、図10(B)に示す大当たり図柄種別判定テーブルのように、第1大当たり図柄種別判定テーブルおよび第2大当たり図柄種別判定テーブルでは、大当たり図柄種別乱数判定値が各種大当たり図柄に適宜に振り分けられている。なお、大当たり図柄種別の振分率については、適宜に変更することが可能である。また、大当たり図柄の種別については、適宜に増加したり減少したりすることが可能である。
3−2−3.リーチ判定
リーチ判定は、例えば、大当たり判定の結果がハズレである場合に、図10(C)に示すようなリーチ判定テーブルを用いて、後述する特図変動演出でリーチを発生させるか否かを決定することである。
リーチ判定テーブルは、遊技状態(非時短状態/時短状態)に関連付けることが可能である。遊技状態に関連付けられる場合、例えば、リーチ判定テーブルには、非時短状態のときに用いられるリーチ判定テーブル(非時短用リーチ判定テーブル)と、時短状態のときに用いられるリーチ判定テーブル(時短用リーチ判定テーブル)とがある。
各リーチ判定テーブルでは、リーチ判定の結果である「リーチ有り(リーチを発生させる)」と「リーチ無し(リーチを発生させない)」に、リーチ乱数の判定値(リーチ乱数判定値)が振り分けられている。よって、パチンコ遊技機PY1は、取得したリーチ乱数をリーチ判定テーブルに照合して、リーチ有りかリーチ無しか(リーチを発生させる否か)を判定する。
図10(C)に示すように、非時短用リーチ判定テーブルと時短用リーチ判定テーブルとで、「リーチ有り(リーチを発生させる)」と判定されるリーチ乱数判定値の数を異ならせることが可能である。なお、以下において、大当たり判定の結果が「ハズレ」であることを前提に行われるリーチ判定の結果「リーチ有り(リーチを発生させる)」のことを「リーチ有りハズレ」といい、「リーチ無し(リーチを発生させない)」のことを「リーチ無しハズレ」ということもある。
3−2−4.特図変動パターン判定
特図変動パターン判定は、大当たり判定の結果が大当たり、およびハズレの何れの場合にも、例えば図11〜図12に示すような特別図柄の変動パターン判定テーブル(特図変動パターン判定テーブル)を用いて、特図の可変表示の変動パターン(特図変動パターン)を決定することである。
特図変動パターンとは、特図変動時間、所謂「尺」や後述する特図変動演出の演出フロー(演出内容)などに関する所定事項を識別するための識別情報である。なお、特図変動パターンには、特図変動時間や特図変動演出の演出フロー(演出内容)の他、大当たり判定の結果、およびリーチ判定の結果に関する識別情報を含ませることも可能である。なお、特図変動パターンの種類や数は適宜に変更することが可能である。
特図変動パターン判定テーブルは、判定対象となる可変表示を行う特別図柄の種別(特図1/特図2)、言い換えれば、当該特図変動パターン判定が起因する入賞が行われた始動口の種別(第1始動口11/第2始動口12)に関連付けることが可能である。すなわち、特図変動パターン判定テーブルには、特図1の可変表示を行うときに用いられる特図変動パターン判定テーブル(特図1変動パターン判定テーブル:図11)と、特図2の可変表示を行うときに用いられる特図変動パターン判定テーブル(特図2変動パターン判定テーブル:図12)とがある。
そして、各特図変動パターン判定テーブルは、遊技状態(非時短状態/時短状態)に関連付けることが可能である。具体的には、特図1変動パターン判定テーブルには、非時短状態のときに用いられる特図1変動パターン判定テーブル(非時短用特図1変動パターン判定テーブル)と時短状態のときに用いられる特図1変動パターン判定テーブル(時短用特図1変動パターン判定テーブル)とがある。一方、特図2変動パターン判定テーブルについても同様に、非時短状態のときに用いられる特図2変動パターン判定テーブル(非時短用特図2変動パターン判定テーブル)と、時短状態のときに用いられる特図2変動パターン判定テーブル(時短用特図2変動パターン判定テーブル)と、がある。
また、遊技状態(非時短状態/時短状態)に関連付けられた各特図変動パターン判定テーブルは、さらに、大当たり判定結果、およびリーチ判定結果にも関連付けることが可能である。すなわち、非時短用特図1変動パターン判定テーブルおよび時短用特図1変動パターン判定テーブルにはそれぞれ、大当たり用、リーチ有りハズレ用、およびリーチ無しハズレ用がある。同様に、非時短用特図2変動パターン判定テーブルおよび時短用特図2変動パターン判定テーブルにもそれぞれ、大当たり用、リーチ有りハズレ用、およびリーチ無しハズレ用がある。
さらに、遊技状態に関連付けられた各リーチ無しハズレ用の特図1変動パターン判定テーブルは、特図1保留数にも関連付けることが可能である。例えば、特図1保留数(U1)が0〜2のときに用いられるリーチ無しハズレ用の特図1変動パターン判定テーブルと、特図1保留数(U1)が3〜4のときに用いられるリーチ無しハズレ用の特図1変動パターン判定テーブルと、がある。同様に、遊技状態に関連付けられた各リーチ無しハズレ用の特図2変動パターン判定テーブルも、特図2保留数にも関連付けることが可能である。具体的には、特図2保留数(U2)が0〜2のときに用いられるリーチ無しハズレ用の特図2変動パターン判定テーブルと、特図2保留数(U2)が3〜4のときに用いられるリーチ無しハズレ用の特図2変動パターン判定テーブルと、がある。
そして、各特図変動パターン判定で決定された特図変動パターンに応じた特図変動時間の特図の変動表示が、特図表示器81で行われる。そして、特図の変動表示の後に、特図可変表示の表示結果(特別図柄抽選の結果)として、大当たり図柄が停止表示されると、即座に次の特図の可変表示が行われず、引き続いて、大当たり遊技が実行される。
また、各特図変動パターンに、図11〜図12の表の右から3番目の欄に示すような特図変動演出の演出フローを関連付けることが可能である。ここで、特図変動パターンに関連づけられた特図変動演出の演出フローを構成する代表的な演出について説明する。
特図変動演出の演出フローを構成する演出として、通常変動、リーチ、ノーマルリーチ(Nリーチ)、ロングリーチ(Lリーチ)、スペシャルリーチ(SPリーチ)、バトル演出、がある。
通常変動は、停止表示していた演出図柄が変動を開始し、各演出図柄を構成する1つ1つが認識困難な程度に高速で変動表示して特図の可変表示が開始されたことを示唆する演出である。そして、リーチ無しハズレ変動に係る特図変動演出(演出図柄の変動開始から変動停止までの部分)、および、リーチが発生する特図変動演出におけるリーチが成立(確定)するまでの部分が通常変動で構成されることがある。
Nリーチは、通常変動を経てリーチが成立(確定)した直後に、例えば当該リーチを構成する演出図柄が仮停止したその位置で所定時間(例えば、10秒)維持された状態で、残り1つの演出図柄が減速していき、通常変動より低速で変動する演出である。Nリーチが示唆する大当たりの期待度は、通常変動より高く、後述するLリーチ、およびSPリーチよりも低い。Nリーチで特図変動演出が終了する場合、その低速で変動する残りの1つの演出図柄が停止する。ハズレの場合、残りの1つの演出図柄は、リーチを構成する演出図柄とは異なる演出図柄で停止する。Nリーチで特図変動演出が終了しない場合、残りの1つの演出図柄が再び高速で変動し、リーチが維持されたままNリーチからLリーチ、SPリーチに発展する(切り替わる)。
Lリーチは、大当たりのときもハズレのときも実行可能であり、大当たり遊技状態になるか否かを示唆する演出であり、大当たり遊技状態になる可能性があることを示唆する。さらに、Lリーチは、例えばNリーチの後に実行可能な演出であり、Nリーチよりも長時間行われ、Nリーチよりも大当たり期待度が高いことを示唆する。Lリーチでも、成立したリーチが維持されるが、当該リーチを構成する演出図柄が縮小されると共に、Nリーチのときよりも背景画像の支障にならない所定位置(例えば、後述する左演出図柄EZ1が表示部50aの左上で、右演出図柄EZ3が表示部50aの右上)に移動した状態で、Lリーチ専用の背景画像に切り替わる(Lリーチ専用の映像が流れる)。なお、Lリーチでは、主に表示部50aにおいて2DCGによるアニメーション画像が表示される。Lリーチの演出内容としては、主人公キャラクターが必殺技を習得するために特訓を行うなど後述のSPリーチに係る試合とは異なるシーンの映像が表示される。
SPリーチは、大当たりのときもハズレのときも実行可能であり、大当たり遊技状態になるか否かを示唆する演出であり、大当たり遊技状態になる可能性があることを示唆する。さらに、SPリーチは、例えばNリーチの後に実行可能な演出であり、Lリーチよりも長時間行われ、Lリーチよりも大当たり期待度が高いことを示唆する。SPリーチでも、成立したリーチが維持されるが、当該リーチを構成する演出図柄が縮小されると共に、Nリーチのときよりも背景画像の支障にならない所定位置(例えば、後述する左演出図柄EZ1が表示部50aの左上で、右演出図柄EZ3が表示部50aの右上)に移動した状態で、SPリーチ専用の背景画像に切り替わる(SPリーチ専用の映像が流れる)。なお、SPリーチでは、主に表示部50aにおいて3DCG画像が表示される。そして、SPリーチの演出内容としては、主人公キャラクターが所属するチームと、主人公キャラクターのライバルが所属するチームとが試合を行うシーンの映像が表示される。
バトル演出は、例えば時短状態においてリーチ後に実行可能な演出であり、通常変動よりも大当たり期待度が高いことを示唆する演出である。バトル演出でも、成立したリーチが維持されるが、当該リーチを構成する演出図柄が縮小されると共に所定位置(例えば、左演出図柄EZ1が表示部50aの左上で、右演出図柄EZ3が表示部50aの右上)に移動した状態で、バトル演出専用の背景画像に切り替わる(バトル演出専用の映像が流れる)。また、バトル演出では、主に表示部50aにおいて3DCG画像が表示される。
なお、Nリーチ、Lリーチ、SPリーチ、およびバトル演出における「リーチが維持された状態」には、当該Nリーチ、Lリーチ、SPリーチ、およびバトル演出においてリーチを構成する演出図柄が表示部50aで視認可能である状態だけではなく、例えば、専用の背景画像との関係で所定期間、当該リーチを構成する演出図柄が表示部50aから視認困難または視認不可能な状態も含むものとする。また、通常変動、Nリーチ、Lリーチ、SPリーチ、およびバトル演出の演出内容は適宜に変更可能である。さらに、特図変動演出を構成する演出は、これらに限られず、適宜に加え、あるいは減らすことが可能である。
また、図11〜図12の表の右から2番目の欄に示すように、特図変動パターンに、大当たり判定結果および特図変動演出の演出内容などを関連付けて名称を付すことが可能である。そして、大当たりに係る特図変動パターンのことを「大当たり変動」、ハズレに係る特図変動パターンのことを「ハズレ変動」と総称することもある。
さらに、大当たり判定結果に関わらずSPリーチが行われる特図変動パターンのことを「SPリーチ変動」、Lリーチが行われる特図変動パターンのことを「Lリーチ変動」、Nリーチで特図変動演出が終わる特図変動パターンのことを「Nリーチ変動」と総称することもある。また、リーチ有りのハズレ変動のことを「リーチ有りハズレ変動」といい、リーチ無しのハズレ変動のことを「通常ハズレ変動」と総称することもある。
3−2−5.先読み判定
パチンコ遊技機PY1は、大当たり判定を行う前に、取得した特図関連判定情報に基づいて、例えば図13〜図14に示すような先読み判定テーブルを用いて先読み判定を行うことが可能である。先読み判定テーブルは、その始動入賞に係る始動口の種別(第1始動口11/第2始動口12)、言い換えると、その始動入賞によって可変表示される特図の種類(特図1/特図2)に関連付けることが可能である。すなわち、先読み判定テーブルには、第1始動口11に入賞し、特図1の可変表示が行われる場合の第1先読み判定テーブル(図13)と、第2始動口12に入賞し、特図2の可変表示が行われる場合の第2先読み判定テーブル(図14)と、がある。なお、第1先読み判定テーブルに基づいて行う先読み判定を「第1先読み判定」、第2先読み判定テーブルに基づいて行う先読み判定を「第2先読み判定」ともいう。
また、先読み判定テーブルは、後述する遊技状態(通常遊技状態/高確率高ベース遊技状態/低確率高ベース遊技状態)にも関連付けることが可能である。すなわち、先読み判定テーブルには、通常遊技状態のときに用いられる先読み判定テーブル(通常遊技状態用先読み判定テーブル)と、高確率高ベース遊技状態のときに用いられる先読み判定テーブル(高確率高ベース遊技状態用先読み判定テーブル)と、低確率高ベース遊技状態のときに用いられる先読み判定テーブル(低確率高ベース遊技状態用先読み判定テーブル)と、がある。
つまり、先読み判定テーブルには、通常遊技状態のときに用いられる第1先読み判定テーブルと、高確率高ベース遊技状態のときに用いられる第1先読み判定テーブルと、低確率高ベース遊技状態のときに用いられる第1先読み判定テーブルと、通常遊技状態のときに用いられる第2先読み判定テーブルと、高確率高ベース遊技状態のときに用いられる第2先読み判定テーブルと、低確率高ベース遊技状態のときに用いられる第2先読み判定テーブルと、がある。
なお、図13〜図14に示す先読み判定テーブルを用いる先読み判定によって、当該始動口11、12への入賞によって行われる特図の可変表示に係る特図変動パターンが特定される。すなわち、当該入賞に基づく特図の可変表示が行われるよりも前にその特図の可変表示に係る特図変動パターンが先読み判定結果として特定される。特図変動パターンを特定する過程で、大当たりの当否も先読み判定結果として特定される。
そして、特図変動パターンなどに関する情報が含まれる先読み判定結果は始動入賞コマンドに対応付けられている。後述するように、始動入賞コマンドは、その生成に伴って先読み判定結果として演出制御基板120に送信される。なお、先読み判定結果としてどのような情報を特定させるかは適宜に変更可能である。例えば、大当たり図柄種別に関する情報も先読み判定結果に含ませることができる。
以上のように、大当たり判定、大当たり図柄種別判定、リーチ判定、および特図変動パターン判定が行われることによって、特図表示器81において特図の可変表示が行われる。そして、特図の可変表示で、表示結果(特別図柄抽選の結果)として、大当たり図柄が停止表示されると、次の特図の可変表示が行われず、引き続いて、大当たり遊技が実行される。次に、大当たり遊技について説明する。
3−3.大当たり遊技
大当たり遊技は、大入賞口14の開閉を伴う複数回のラウンド遊技と、大当たり遊技が開始してから初回のラウンド遊技が開始されるまでのオープニング(OPとも表記する)と、最終回のラウンド遊技が終了してから大当たり遊技が終了するまでのエンディング(EDとも表記する)とを含んでいる。各ラウンド遊技は、オープニングの終了又は前のラウンド遊技の終了によって開始し、次のラウンド遊技の開始又はエンディングの開始によって終了する。
なお、OPやEDを設けないようすることが可能である。また、以下において、所定回数目(所定の順番)のラウンド遊技を、単に「ラウンド」という。例えば、初回(1回目)のラウンド遊技のことを「1ラウンド(1R)」ともいい、10回目のラウンド遊技のことを「10ラウンド(10R)」ともいう。
そして、パチンコ遊技機PY1は、大当たり遊技制御テーブルを用いて大当たり遊技を制御する。大当たり遊技制御テーブルは大当たり図柄の種別毎に設定することが可能である。すなわち、大当たり遊技を大当たり図柄の種別に対応付けることが可能である。そして、大当たり遊技は1種類、または複数種類設定可能である。
大当たり遊技制御テーブルには、大当たり遊技を構成する要素(大当たり遊技構成要素)が格納されている。大当たり遊技構成要素には、ラウンド遊技の回数、各回のラウンド遊技における大入賞口14の開放回数、各開放が行われる大入賞口の種別および開放時間(開放パターン)、次回の開放まで閉鎖させる時間(閉鎖時間)、オープニングの時間(オープニング時間)、およびエンディングの時間(エンディング時間)などが含まれている。
そして、パチンコ遊技機PY1は、例えば図15(A)に示すような大当たり遊技制御テーブルを用いて大当たり遊技を制御することが可能である。すなわち、図15(A)に示すような大当たり遊技の種別および各大当たり遊技に対する大当たり遊技構成要素を設定することが可能である。ここで、図15(A)で設定されている大当たり遊技について説明する。
大当たり図柄Aに対応付けられた大当たり遊技(以下、「第1大当たり遊技」ともいう)では、ラウンド遊技が10回行われる。そして、1Rから10Rまでの各ラウンド遊技では、1回のラウンド遊技あたり最大で29.5秒にわたって大入賞口14が開放する。また、第1大当たり遊技が開始されてから最初のラウンド遊技が開始されるまでの間、10.0秒間にわたり大入賞口14の閉鎖状態が保持されたオープニングがある。さらに、最後のラウンド遊技が終了してから第1大当たり遊技が終了するまでの間、15.0秒間にわたり大入賞口14の閉鎖状態が保持されたエンディングがある。
大当たり図柄Bに対応付けられた大当たり遊技(以下、「第2大当たり遊技」ともいう)では、ラウンド遊技が5回行われる。そして、1Rから5Rまでの各ラウンド遊技では、1回のラウンド遊技あたり最大で29.5秒にわたって大入賞口14が開放する。また、第2大当たり遊技が開始されてから最初のラウンド遊技が開始されるまでの間、10.0秒間にわたり大入賞口14の閉鎖状態が保持されたオープニングがある。さらに、最後のラウンド遊技が終了してから第2大当たり遊技が終了するまでの間、15.0秒間にわたり大入賞口14の閉鎖状態が保持されたエンディングがある。
大当たり図柄Cに対応付けられた大当たり遊技(以下、「第3大当たり遊技」ともいう)では、ラウンド遊技が5回行われる。そして、1Rから5Rまでの各ラウンド遊技では、1回のラウンド遊技あたり最大で29.5秒にわたって大入賞口14が開放する。また、第3大当たり遊技が開始されてから最初のラウンド遊技が開始されるまでの間、10.0秒間にわたり大入賞口14の閉鎖状態が保持されたオープニングがある。さらに、最後のラウンド遊技が終了してから第3大当たり遊技が終了するまでの間、15.0秒間にわたり大入賞口14の閉鎖状態が保持されたエンディングがある。
大当たり図柄Dに対応付けられた大当たり遊技(以下、「第4大当たり遊技」ともいう)では、ラウンド遊技が10回行われる。そして、1Rから10Rまでの各ラウンド遊技では、1回のラウンド遊技あたり最大で29.5秒にわたって大入賞口14が開放する。また、第4大当たり遊技が開始されてから最初のラウンド遊技が開始されるまでの間、10.0秒間にわたり大入賞口14の閉鎖状態が保持されたオープニングがある。さらに、最後のラウンド遊技が終了してから第4大当たり遊技が終了するまでの間、10.0秒間にわたり大入賞口14の閉鎖状態が保持されたエンディングがある。
大当たり図柄Eに対応付けられた大当たり遊技(以下、「第5大当たり遊技」ともいう)では、ラウンド遊技が6回行われる。そして、1Rから6Rまでの各ラウンド遊技では、1回のラウンド遊技あたり最大で29.5秒にわたって大入賞口14が開放する。また、第5大当たり遊技が開始されてから最初のラウンド遊技が開始されるまでの間、10.0秒間にわたり大入賞口14の閉鎖状態が保持されたオープニングがある。さらに、最後のラウンド遊技が終了してから第5大当たり遊技が終了するまでの間、10.0秒間にわたり大入賞口14の閉鎖状態が保持されたエンディングがある。
大当たり図柄Fに対応付けられた大当たり遊技(以下、「第6大当たり遊技」ともいう)では、ラウンド遊技が6回行われる。そして、1Rから6Rまでの各ラウンド遊技では、1回のラウンド遊技あたり最大で29.5秒にわたって大入賞口14が開放する。また、第6大当たり遊技が開始されてから最初のラウンド遊技が開始されるまでの間、10.0秒間にわたり大入賞口14の閉鎖状態が保持されたオープニングがある。さらに、最後のラウンド遊技が終了してから第6大当たり遊技が終了するまでの間、10.0秒間にわたり大入賞口14の閉鎖状態が保持されたエンディングがある。
なお、各ラウンド遊技では、予め定めた所定個数(例えば10個)の遊技球が大入賞口センサ14aによって検知されると、大入賞口14の最大開放時間が経過する前であっても、大入賞口14を閉鎖してラウンド遊技が終了する。また、大当たり遊技構成要素の種類や具体的な内容については、適宜に変更することが可能である。
また、図15(A)に示す大当たり遊技制御テーブルでは、何れの種類の大当たり遊技が実行されるかは、大当たり図柄の種類によって決定されているが、これとは異なる方法で大当たり遊技が実行されるようにしても良い。例えば、遊技領域6に2つの入賞口に振分け可能な装置を設け、一方の入賞口に入賞すると所定数のラウンド遊技からなる大当たり遊技のみが実行される一方、他方の入賞口に入賞すると、所定数より多いラウンド遊技からなる大当たり遊技と所定数より少ないラウンド遊技からなる大当たり遊技の何れかが抽選などによって所定の確率で実行されるようにしても良い。
3−4.遊技状態
次に、パチンコ遊技機PY1が制御可能な遊技状態について説明する。パチンコ遊技機PY1は、大当たり遊技が実行されている状態である大当たり遊技状態と、大当たり遊技が実行されていない非大当たり遊技状態がある。非大当たり遊技状態には、基本的なベースとなる遊技状態である通常遊技状態と、通常遊技状態よりも遊技者に有利な特定遊技状態と、がある。この特定遊技状態に係る「遊技者に有利」となる要素には大当たり確率と、第2始動口12の開放の容易性とがある。すなわち、特定遊技状態に大当たり確率と、第2始動口12の開放の容易性を関連付けることができる。
大当たり確率について遊技者に有利とは、通常遊技状態よりも大当たり確率が高くなり、大当たり当選し易くなるということである。また、第2始動口12の開放の容易性について遊技者に有利とは、通常遊技状態よりも第2始動口12の開放の容易性が高くなり、単位時間あたりの第2始動口12の開放時間が長くなるということである。
そして、特定遊技状態としては、大当たり確率および第2始動口12の単位時間あたりの開放時間の何れもが遊技者に有利な第1特定遊技状態と、大当たり確率のみが遊技者に有利な第2特定遊技状態と、第2始動口12の単位時間あたりの開放時間のみが遊技者に有利な第3特定遊技状態の3種類を設定可能である。なお、これらの3種類の特定遊技状態の全てをパチンコ遊技機PY1に搭載せずに、3種類の特定遊技状態の中の一部を搭載することもできる。
ここで、大当たり確率に注目した部分的な遊技状態として、大当たり確率が通常遊技状態よりも高くなり、大当たり確率について遊技者に有利な状態を「高確率状態」という。これに対して、大当たり確率が通常遊技状態での通常確率であり、大当たり確率について遊技者に有利ではない状態を「通常確率状態」という。
また、単位時間あたりの第2始動口12の開放時間に注目した部分的な遊技状態として、単位時間あたりの第2始動口12の開放時間が通常遊技状態よりも長く、第2始動口12の開放の容易性(第2始動口12の開放のし易さ)が遊技者に有利な状態を「時短状態」という。これに対して、単位時間あたりの第2始動口12の開放時間が通常遊技状態での開放時間であり、第2始動口12の開放の容易性が遊技者に有利ではない状態を「非時短状態」という。
ここで、非時短状態と時短状態について詳細に説明する。前述のように、時短状態は、非時短状態に比べて、単位時間当たりの電チュー12Dの開放時間が長くなる。すなわち、時短状態は非時短状態よりも第2始動口12に入賞させ易い状態である。ここで、非時短状態よりも時短状態で第2始動口12に入賞させ易くするための具体的な方法について説明する。
例えば、時短状態を、非時短状態に比べて普図変動時間が短くなり易い状態にすることで、時短状態では第2始動口12に入賞させ易くすることができる。例えば、前述の通り、当たり判定の結果に関わらず、時短状態においては、非時短状態において決定される普図変動時間(30.0秒)よりも短い普図変動時間(5.0秒)が決定されるようにする。その結果、時短状態の方が、単位時間当たりにおける普図抽選の実行回数が多くなる。この場合、非時短状態と時短状態の違いに関わらず、当たり判定で当たりに当選する確率と1回の補助遊技における電チュー12Dの開放時間が同一であると、単位時間あたりにおける普図抽選の実行回数が多い分、単位時間あたりの電チュー12Dの開放時間が長くなる。
また、時短状態を、非時短状態に比べて1回の補助遊技における電チュー12Dの開放時間が長くなり易い状態にすることで、時短状態では第2始動口12に入賞させ易くすることができる。例えば、前述の通り、非時短状態では、1回の補助遊技で電チュー12Dが0.2秒開放するのに対し、時短状態では、1回の補助遊技で電チュー12Dが合計で5.0秒開放するようにする。この場合、非時短状態と時短状態の違いに関わらず、当たり判定で当たりに当選する確率と普図変動時間が同一であると、単位時間あたりの補助遊技の実行回数が等しくなるため、1回の補助遊技での電チュー12Dの開放時間が長い分、単位時間あたりの電チュー12Dの開放時間が長くなる。
さらに、時短状態を、非時短状態に比べて当たり判定で当たりと判定され易い状態にすることで、時短状態では第2始動口12に入賞させ易くすることができる。例えば、前述の通り、非時短状態では、当たり判定において6600/65536の確率で当たりと判定されるのに対し、時短状態では、当たり判定において59936/65536の確率で当たりと判定されるようにする。この場合、非時短状態と時短状態の違いに関わらず、1回の補助遊技における電チュー12Dの開放時間と普図変動時間が同一であると、当たり判定で当たりと判定される確率が高い分、単位時間あたりの当たり判定の回数が多くなるため、単位時間あたりの電チュー12Dの開放時間が長くなる。
このように、時短状態の開放容易性を構成する要素として、当たり判定で当たりに当選する確率(当たり当選確率)、普図変動時間、および1回の補助遊技における電チュー12Dの開放時間がある。そして、時短状態においては非時短状態よりも当たりに当選し易いこと、普図変動時間が短くなり易いこと、および1回の補助遊技における電チュー12Dの開放時間が長くなり易いことからなる3つの条件が成立することによって、時短状態では、非時短状態に比べて、単位時間あたりの電チュー12Dの開放時間が長くなり、第2始動口12への入賞を容易にすることができる。この結果、発射球数に対する賞球数の割合である所謂「ベース」が高くなる。そのため、ベースの高い時短状態では、通常遊技状態に比べて所持する遊技球を大きく減らすことなく大当たり当選を狙うことができる。すなわち、時短状態の方が非時短状態よりも遊技者にとって有利であるといえる。
なお、時短状態においては、第2始動口12の単位時間あたりの開放時間が長くなるための3つの条件が全て揃わずに一部の条件のみが揃うようにしても良い。最終的に、時短状態では、非時短状態に比べて、単位時間当たりの電チュー12Dの開放時間が長くなり、第2始動口12への入賞が容易になればよい。
また、時短状態では、非時短状態に比べて特図変動時間の短い特図変動パターンが選択され易くなるようにするなどして、単位時間あたりにおける特図可変表示の実行回数が少ない、または特図変動時間の平均が低くなるようにしても良い。その結果、時短状態では、特図保留が消化されるペースが速くなり、始動口への有効な入賞(特図保留として記憶され得る入賞)が発生しやすくなる。そのため、スムーズな遊技の進行のもとで大当たりを狙うことができる。
なお、以下において、各特定遊技状態について遊技者に対する有利性の内容に関連付けて、第1特定遊技状態のことを「高確率高ベース遊技状態」、第2特定遊技状態のことを「高確率低ベース遊技状態」、および第3特定遊技状態のことを「低確率高ベース遊技状態」ともいう。さらに、通常遊技状態のことを「低確率低ベース遊技状態」ともいう。
よって、低確率低ベース遊技状態は、通常確率状態且つ非時短状態で制御されている遊技状態といえる。同様に、低確率高ベース遊技状態は通常確率状態且つ時短状態、高確率低ベース遊技状態は高確率状態且つ非時短状態、および高確率高ベース遊技状態は高確率状態且つ時短状態で制御されている遊技状態といえる。
このように、パチンコ遊技機PY1は、低確率低ベース遊技状態、低確率高ベース遊技状態、高確率低ベース遊技状態、高確率高ベース遊技状態、および大当たり遊技状態で制御可能である。なお、大当たり遊技状態では、大入賞口14が長時間開放し、遊技球を多量に獲得することができるので、大当たり遊技状態も遊技者に有利な遊技状態ということができる。よって、大当たり遊技状態と、特定遊技状態は、通常遊技状態よりも遊技者に有利な「有利遊技状態」ということもできる。
なお、高確率高ベース遊技状態、および高確率低ベース遊技状態は、大当たり確率が通常確率状態よりも高確率となっている点で低確率低ベース遊技状態よりも遊技者に有利な遊技状態である。また、高確率高ベース遊技状態、および低確率高ベース遊技状態は、第2始動口12への入賞容易性が非時短状態よりも高い点で低確率低ベース遊技状態よりも遊技者に有利な遊技状態である。さらには、大当たり遊技状態では、1回の入賞による賞球数が第1始動口11、および第2始動口12よりも多い大入賞口14が開放するので、大当たり遊技状態は低確率低ベース遊技状態よりも遊技者に有利な遊技状態である。
また、パチンコ遊技機PY1の電源が投入されると最初に通常遊技状態が設定される。また、大当たり遊技状態は、大当たり図柄の停止表示が行われることによって設定される。一方、特定遊技状態は、大当たり当選して大当たり遊技が実行されることによって設定される。次に、特定遊技状態の設定について説明する。
3−5.特定遊技状態の設定
パチンコ遊技機PY1は、大当たり遊技の終了に伴って、新たに特定遊技状態を設定することができる。すなわち、大当たり遊技の後に、特定遊技状態にて遊技を制御・進行させることができる。この特定遊技状態の継続期間は適宜に設定可能である。例えば、特定遊技状態を次回大当たり当選するまで継続させることができる。また、特定遊技状態が継続できる期間を制限することもできる。
特定遊技状態の継続期間を制限させる場合は、継続期間に対する終了条件が成立することを契機に特定遊技状態を終了させることができる。そして、特定遊技状態が終了すると通常遊技状態が設定されるようにすることができる。また、高確率高ベース遊技状態については、終了条件が成立すると、低確率高ベース遊技状態または高確率低ベース遊技状態が設定されるようにすることもできる。この場合、新たに設定された低確率高ベース遊技状態または高確率低ベース遊技状態は次回大当たり当選するまで継続するようにしても良い。また、新たに設定された低確率高ベース遊技状態または高確率低ベース遊技状態についても同一または異なる終了条件を設け、当該終了条件が成立すると通常遊技状態が設定されるようにしても良い。
また、特定遊技状態の継続期間に対する終了条件は適宜に設定することができる。終了条件として、例えば特図可変表示の実行回数を設定することができる。また、特図可変表示の実行回数に限られず、大当たり遊技後の経過時間、大当たり遊技後の遊技球の発射球数、大当たり遊技後のゲート13への通過回数、または特定遊技状態を終了させるか否かの抽選(所謂、「転落抽選」)において終了させるという結果の導出などを終了条件に設定することができる。さらには、これらの要素を単独で終了条件に設定しても良く、また複合的に設定しても良い。
なお、これらの終了条件は、大当たり遊技後に設定可能な全ての特定遊技状態に対して同一に設定しても良く、また設定可能な特定遊技状態の中の一部の特定遊技状態に対して設定しても良い。さらに、特定遊技状態毎に終了条件を異ならせても良い。
さらに、大当たり遊技の後に制御される特定遊技状態、終了条件の有無、および終了条件の内容は、その大当たり遊技に係る大当たり図柄種別に対応付けることが可能である。例えば、前述のように大当たり図柄種別が設定されている場合、図15(B)に示すように、大当たり図柄A、大当たり図柄B、および大当たり図柄Dに係る大当たり遊技の終了後に高確率高ベース遊技状態で遊技が制御されるようにしても良い。ここで、この高確率高ベース遊技状態については終了条件を設けずに、大当たり当選するまで継続可能にすることができる。さらに、大当たり図柄C、および大当たり図柄Eに係る大当たり遊技の終了後に低確率高ベース遊技状態で遊技が制御されるようにしても良い。ここで、この低確率高ベース遊技状態については終了条件を設け、終了条件として100回の特図可変表示に設定することができる。なお、この大当たり種別図柄と大当たり遊技の後に制御される特定遊技状態、終了条件の有無、および終了条件の内容との関係は一例であって、これに限られない。
また、大当たりの遊技利益に着目し、大当たり遊技後に高確率状態で遊技が進行する大当たりのことを「高確率大当たり」ともいう。さらに、大当たり遊技後に高確率状態且つ時短状態で遊技が進行する大当たりのことを「確変大当たり」ともいう。加えて、大当たり遊技後に通常確率状態且つ時短状態で遊技が進行する大当たりのことを「時短大当たり」ともいう。
4.遊技機による主な演出
次に、パチンコ遊技機PY1により行われる主な演出について、図16〜図30を用いて説明する。
4−1.演出モード
最初に、演出モードについて説明する。演出モードは、演出の区分(あるいは、上位概念的な属性)のことである。パチンコ遊技機PY1は、演出モードとして、客待ち演出モード、通常演出モードと、確変演出モード、時短演出モードおよび大当たり演出モードを設定することが可能である。
客待ち演出モードは、「低確率低ベース遊技状態」、「低確率高ベース遊技状態」、「高確率低ベース遊技状態」および「高確率高ベース遊技状態」において特図可変表示が行われていないときに設定可能であり、特図可変表示が行われていない待機状態であることを示す演出モードである。客待ち演出モードが設定されているときに客待ち演出が行われる。客待ち演出では、例えば、図16(A)に示すように、表示部50aにおいてパチンコ遊技機PY1を紹介する客待ちデモ動画G100が表示される。また、客待ちデモ動画G100が表示されているときに第1演出ボタン40kが操作されると、図16(B)に示すように、パチンコ遊技機PY1の演出に関する設定を行うための設定画面G101が表示される。演出に関する設定には、スピーカー52から出力される音の音量設定、表示部50aの輝度設定、および実行される演出の頻度設定などがある。なお、演出に関する設定の項目は適宜に設定することができる。また、客待ちデモ動画G100から遊技者の操作によって設定画面G101が表示されないようにすることもできる。
通常演出モードは、「低確率低ベース遊技状態」において設定可能であり、通常遊技状態であることを示す演出モードである。そして、さらに通常演出モードに属する下位の演出モードを複数設けることができる。例えば、通常演出モードに属する下位の階層の演出モードとして、第1通常演出モード、第2通常演出モード、および第3通常演出モードなどを設けることができる。
なお、以下において、演出モードに属する下位の階層の演出モードを「演出ステージ」ともいう。それに伴って、第1通常演出モードを「第1通常演出ステージ」ともいい、第2通常演出モードを「第2通常演出ステージ」ともいい、第3通常演出モードを「第3通常演出ステージ」ともいう。なお、特段の事情がない場合以外、基本的にはパチンコ遊技機PY1の電源が投入された後、最初に特図変動表示が開始されたときに設定される演出モードは第1通常演出ステージ(第1通常演出モード)であるとする。ただし、当該最初に設定される演出モードの種類は特に限定されずに適宜変更しても良い。
このように通常演出モードに属する複数の演出ステージを設けた場合、所定の切替条件が成立すると演出ステージを順番に繰り返して切り替えていくことができる。切替条件は適宜に設定可能であるが、例えば、切替条件として、大当たりに当選することなく所定回数の特図可変演出が行われることに設定することができる。さらに、切替条件として、SPリーチハズレ変動に基づく特図変動演出など、特定の演出が実行されることに設定することもできる。
また、後述するように特図変動演出においてリーチが発生することがあるが、特図変動演出を、リーチが発生しない場合の特図変動演出の全区間、およびリーチが発生する場合のリーチが成立する前の前段部分と、リーチが発生する場合のリーチが成立した後の後段部分と、に分けることができる。なお、前段部分は、前述の「通常変動」で構成される。
そして、第1通常演出ステージの前段部分では、表示部50aにおいて、主に街の景色を表す背景画像(図17(A):第1通常用背景画像G111)が表示される。第2通常演出ステージの前段部分では、表示部50aにおいて、主に野球場のグラウンドを表す背景画像(図17(B):第2通常用背景画像G112)が表示される。第3通常演出ステージの前段部分では、表示部50aにおいて、主に飲食店内を表す背景画像(図17(C):第3通常用背景画像G113)が表示される。一方、第1通常演出ステージ〜第3通常演出ステージの後段部分では、第1通常用背景画像G111、第2通常用背景画像G112および第3通常用背景画像G113が表示されず、通常演出モードにおけるリーチの種類に応じた専用の背景画像が表示される。
なお、通常演出モードにおけるリーチの種類に応じた専用の背景画像は、演出ステージの種別に関係なく通常演出モードに共通の背景画像としても良く、また、演出ステージ毎に異なる背景画像としても良い。
また、「高確率低ベース遊技状態」においても通常演出モードを設定可能にし、通常演出モードは非時短状態であることを示す演出モードにしても良い。あるいは「高確率低ベース遊技状態」においてのみ設定され、通常演出モードとは異なる所定の演出モードを設けても良い。さらに、ある条件で発生した低確率低ベース遊技状態、および高確率低ベース遊技状態において、通常演出モードと異なる所定の演出モードを設定しても良い。
確変演出モードは、「高確率高ベース遊技状態」において設定可能であり、高確率高ベース遊技状態であることを示す演出モードである。確変演出モードの前段部分では、例えば、図17(D)に示すように、表示部50aにおいて宇宙を表す背景画像(確変用背景画像G120)が表示され、確変用BGMがスピーカー52から出力される。また、確変演出モードの後段部分では、確変演出モードにおけるリーチの種類に応じた専用の背景画像が表示される。
時短演出モードは、「低確率高ベース遊技状態」において設定可能であり、時短状態であることを示す演出モードである。時短演出モードの前段部分では、例えば、図17(E)に示すように、表示部50aにおいて空を表す背景画像(時短用背景画像G130)が表示され、時短用BGMがスピーカー52から出力される。また、時短演出モードの後段部分では、時短演出モードにおけるリーチの種類に応じた専用の背景画像が表示される。
なお、時短演出モードは、低確率高ベース遊技状態、および高確率高ベース遊技状態において設定され、低確率高ベース遊技状態、または高確率高ベース遊技状態の何れかであり、少なくとも時短状態であることを示す演出モードにすることもできる。
また、確変演出モードおよび時短演出モードの何れもまたは何れか一方について、通常演出モードと同様に、さらにその演出モード用の演出ステージを複数設け、所定の切替条件が成立すると、演出ステージが切り替わるようにしても良い。
大当たり演出モードは、「大当たり遊技状態」において大当たり遊技が行われているときに設定可能な演出モードであり、大当たり遊技が行われていることを示す演出モードである。大当たり演出モードでは、例えば、大当たり遊技におけるオープニング中に、図18(A)に示すように、表示部50aにおいて、大当たり遊技の開始を示唆するオープニング画像G1や「右打ち」を促す右打ち画像G2が表示される大当たりオープニング演出が行われる。加えて、オープニング中には、大当たりオープニング演出として、表示部50aにおいて、オープニング画像G1や右打ち画像G2の背景で、大当たり遊技の種別に応じた背景画像(オープニング用背景画像G200)が表示される。
また、大当たり演出モードでは、大当たり遊技におけるラウンド遊技中に、図18(B)に示すように、表示部50aにおいて、右打ち画像G2がオープニングから引き続いて表示されると共に、ラウンド数を示すラウンド画像G3や払い出された賞球数を示唆する賞球数画像G4が表示されるラウンド演出が行われる。加えて、ラウンド遊技中には、ラウンド演出として、表示部50aにおいて、右打ち画像G2、ラウンド画像G3、および賞球数画像G4の背景で、大当たり遊技の種別に応じた背景画像(ラウンド用背景画像G201)が表示されると共に、スピーカー52から大当たり遊技の種別に応じたBGMが出力される。
さらに、大当たり遊技におけるエンディング中には、図18(C)に示すように、表示部50aにおいて、大当たり遊技後に設定される演出モードを示唆するエンディング画像G5や払い出された総賞球数を示唆する総賞球数画像G6が表示される大当たりエンディング演出が行われる。加えて、エンディング中には、大当たりエンディング演出として、表示部50aにおいて、エンディング画像G5や総賞球数画像G6の背景で、大当たり遊技の種別に応じた背景画像(エンディング用背景画像G202)が表示される。
なお、以下において、大当たりオープニング演出、ラウンド演出、および大当たりエンディング演出を合わせて、大当たり遊技において実行される演出として「大当たり遊技演出」ともいう。すなわち、大当たり演出モードにおいて大当たり遊技演出が行われる。
4−2.特図変動演出
次に、特図変動演出について説明する。パチンコ遊技機PY1は、特図の可変表示が開始されると、特図の可変表示に係る特図変動パターンおよび特図抽選結果(大当たり判定結果、大当たり図柄種別判定結果、リーチ判定結果、および、特図変動パターン判定結果)などに基づいて、特図変動演出を実行する。
特図変動演出では、表示部50aにおいて、所定の背景画像に重畳的に、演出図柄の変動表示が行われる。演出図柄の変動表示では、演出図柄が変動した後に停止する。すなわち、特図変動時間、演出図柄の変動表示が行われた後に、当該変動が停止して、演出図柄の停止表示が行われる。そして、基本的には、演出図柄の停止表示によって特図抽選の結果が報知される。
なお、表示部50aで行われる特図変動演出では、演出図柄の変動表示以外の画像を用いることも可能である。さらに、表示部50aを含む画像表示装置50以外に、スピーカー52、枠ランプ53、盤可動装置55、第1演出ボタン装置40、および第2演出ボタン装置41などの様々な演出装置を用いた特図変動演出を行うことが可能である。
次に、特図可変表示に応じて実行される特図変動演出において、表示部50aに表示される演出図柄について説明する。演出図柄は、特図抽選結果を示すための識別情報でもあり、複数種類設けられている。詳細には、演出図柄の構成要素の1つが、特図抽選結果を示すための識別情報を構成し、その識別情報の違いによって演出図柄が複数種類設けられている。
例えば、図19(A)に示すように、演出図柄を1〜9の数字で構成させ、9つの演出図柄を設けることができる。そして、数字「1」を含む演出図柄を演出図柄G10aとする。同様に、数字「2」〜数字「9」を含む演出図柄を演出図柄G10b〜演出図柄G10eとする。なお、便宜上、個々の演出図柄を区別なく取り扱う場合は、「演出図柄G10」と総称する。
また、「3」、および「7」に係る演出図柄G10c、G10gの数字部分は赤色であり、「1」、「2」、「4」、「5」、「6」、「8」、および「9」の演出図柄G10a、G10b、G10d、G10e、G10f、G10h、G10iの数字部分は青色である。すなわち、演出図柄G10の構成要素に、色が含まれている。なお、演出図柄G10の構成や識別情報を何に設定するかは適宜に変更しても良い。例えば、演出図柄G10に、各数字に対応付けられたキャラクターなどの他の構成要素を加えても良い。
続いて、演出図柄G10を表示するための演出図柄表示領域について説明する。例えば、図19(B)に示すように、表示部50aを水平方向に略均等に3つに分けた左側、中央および右側を、左演出図柄領域50b1、中演出図柄領域50b2、および右演出図柄領域50b3とすることができる。左演出図柄領域50b1、中演出図柄領域50b2、および右演出図柄領域50b3の何れにも演出図柄G10が表示される。
そして、主に、特図変動演出の前段部分において、左演出図柄領域50b1に表示される演出図柄G10を「左演出図柄EZ1」と総称し、中演出図柄領域50b2に表示される演出図柄G10を「中演出図柄EZ2」と総称し、および右演出図柄領域50b3に表示される演出図柄G10を「右演出図柄EZ3」と総称する。すなわち、左演出図柄領域50b1、中演出図柄領域50b2、および右演出図柄領域50b3において、共通して、数字の1〜9からなる演出図柄G10が表示されるが、相対的な表示位置で演出図柄G10を区別する場合には、左演出図柄EZ1、中演出図柄EZ2、および右演出図柄EZ3と表記する。
また、図19(B)に示すように、表示部50aの下端部の左端(左下隅)の一区画に、小図柄を可変表示する小図柄領域50cを設けることが可能である。小図柄領域50cにおいて、特図の可変表示に応じて小図柄を可変表示させることができる。なお、小図柄のデザインは適宜に設定可能であるが、例えば、演出図柄G10の数字部分をそのまま縮小させて構成させることができる。
なお、図19(B)において、左演出図柄領域50b1、中演出図柄領域50b2、右演出図柄領域50b3、および小図柄領域50cは一点鎖線で明示されているが、これは左演出図柄領域50b1、中演出図柄領域50b2、右演出図柄領域50b3、および小図柄領域50cの範囲を表すために記載したものであり、実際には表示されていない。
また、前述したように、特図変動演出の演出フローを構成する演出として、通常変動、Nリーチ、Lリーチ、SPリーチ、およびバトル演出がある。ここで、これらの一部について説明する。
4−2−1.通常変動
パチンコ遊技機PY1は、特図変動演出において、先ず通常変動を行うことが可能である。通常変動は、特図の可変表示が開始されたことを示唆する演出として機能する。次に、通常変動を具体的に説明する。なお、小図柄として、左演出図柄EZ1、中演出図柄EZ2、および右演出図柄EZ3に対応する左小図柄KZ1、中小図柄KZ2、および右小図柄KZ3が小図柄領域50cで可変表示する。
例えば、図20(A)に示すように、表示部50aにおいて、左演出図柄EZ1、中演出図柄EZ2および右演出図柄EZ3が停止表示されていると共に、左小図柄KZ1、中小図柄KZ2および右小図柄KZ3が停止表示されており、特図の可変表示が行われておらず、特図の可変表示を待機している状態から、特図の可変表示が開始されると、図20(B)に示すように、その開始に伴って特図変動演出が開始される。具体的には、演出図柄EZ1〜EZ3の変動表示が開始されると共に、左小図柄KZ1、中小図柄KZ2および右小図柄KZ3の変動表示が開始される。
演出図柄EZ1〜EZ3の変動表示の表示態様と、小図柄KZ1〜KZ3の変動表示の表示態様とを異ならせることができる。例えば、演出図柄EZ1〜EZ3の変動表示は、各演出図柄EZ1〜EZ3が表示部50aの上から下にスクロール表示して行い、小図柄KZ1〜KZ3の変動表示は、各小図柄KZ1〜KZ3を定位置で次々に入れ替えて行うようにしても良い。なお、演出図柄EZ1〜EZ3の変動表示の表示態様と、小図柄KZ1〜KZ3の変動表示の表示態様とを同一にしても良い。
また、演出図柄EZ1〜EZ3および小図柄KZ1〜KZ3は変動表示の開始直後から高速で変動表示する。演出図柄EZ1〜EZ3および小図柄KZ1〜KZ3が高速で変動表示されている間は、演出図柄EZ1〜EZ3および小図柄KZ1〜KZ3は、基本的に背景画像G111〜G114などのその背景側の画像が視認容易な透明性を持って表示される。
そして、この特図の可変表示の特図変動パターンがリーチ無しハズレの特図変動パターン(例えば、通常ハズレ変動)であると、リーチが発生することなく、特図の可変表示の終了(特図の停止表示)に伴って、リーチ無しハズレに特有なハズレ目(所謂「バラケ目」)で演出図柄EZ1〜EZ3および小図柄KZ1〜KZ3の停止表示が行われる。
演出図柄EZ1〜EZ3の停止表示に向けて、例えば、最初に図20(C)に示すように、左演出図柄EZ1が上下方向略中央位置で仮停止し、次に図20(D)に示すように、右演出図柄EZ3が上下方向略中央位置で仮停止し、さらに、図20(E)に示すように、中演出図柄EZ2が上下方向略中央位置で仮停止する。
そして、最後に、上下方向略中央位置で水平方向に並んだ状態で仮停止している演出図柄EZ1〜EZ3が、図20(F)に示すように、そのまま一斉に完全に停止し、停止が確定する(演出図柄EZ1〜EZ3の停止表示が行われる)。仮停止していた演出図柄EZ1〜EZ3がバラケ目で完全に停止するとき、すなわち、演出図柄EZ1〜EZ3の停止表示が行われるとき、3つの小図柄KZ1〜KZ3が、演出図柄EZ1〜EZ3と同一のバラケ目で一斉に停止し、小図柄KZ1〜KZ3の停止表示も行われる。
なお、図20の例では、演出図柄EZ1〜EZ3の停止表示が行われる際に、左演出図柄EZ1→右演出図柄EZ3→中演出図柄EZ2の順で演出図柄が仮停止したが、仮停止する態様はこれに限られず、適宜に設定することができる。
4−2−2.リーチ
次に、リーチの成立について説明する。特図の可変表示の特図変動パターンがリーチ有りハズレの特図変動パターン(例えば、Nハズレ変動)である場合も、基本的には前述のリーチ無しの場合と同様に、表示部50aにおいて、図21(A)に示すように、演出図柄EZ1〜EZ3が停止表示されていると共に、小図柄KZ1〜KZ3が停止表示されている状態から、特図の可変表示が開始されて、図21(B)に示すように、演出図柄EZ1〜EZ3の変動表示が開始すると共に、小図柄KZ1〜KZ3の変動表示が開始する。
その後、所定時間が経過した後に、図21(C)に示すように、数字「5」に係る左演出図柄EZ1が上下方向略中央位置で仮停止し、次に、図21(D)に示すように、同一の数字「5」に係る右演出図柄EZ3が上下方向略中央位置で水平方向に並んで仮停止して、リーチが成立する。なお、左演出図柄EZ1、および右演出図柄EZ3でリーチが成立しても、小図柄KZ1〜KZ3の変動表示は継続して行われている。
さらに、図21の例では、リーチが成立する際に、左演出図柄EZ1→右演出図柄EZ3の順で演出図柄が仮停止したが、仮停止する態様はこれに限られず、適宜に設定することができる。また、リーチを構成する演出図柄の数字も「5」に限られない。また、仮停止する位置も上下方向略中央位置に限られない。また、リーチを構成する演出図柄が並ぶ方向も水平方向に限られず斜め方向など他の方向であってもよい。
このように、リーチ無しハズレである場合の特図変動演出の全期間と、リーチが発生する場合の特図変動演出の開始時からリーチ成立時までの区間を通常変動とすることができる。ただし、リーチが成立するまでの時間は、特図変動パターンなどに基づいて適宜に設定することができる。さらに、リーチが成立するまでの間に、所謂「疑似連」や、カットイン予告、台詞予告などの種々の予告演出を実行することも可能である。あるいは、リーチが成立するまでの間に、所謂「ゾーン」に突入するようにすることも可能である。
4−2−3.Nリーチ
パチンコ遊技機PY1は、通常変動の後にリーチが成立するとNリーチを行うことが可能である。Nリーチは、特図抽選の抽選結果が「大当たり」であった可能性があることを示唆する演出であり、遊技者に大当たりを期待させるための演出として機能する。次に、Nリーチを具体的に説明する。
リーチが成立すると、例えば、図21(D)に示すように、その時点からNリーチが行われる。Nリーチでは、図22(A)に示すように、リーチが成立したときの状態が所定時間(例えば、10秒)維持される。Nリーチが開始されると、図22(B)に示すように、通常態様の高速で変動表示(スクロール)をしている中演出図柄EZ2が徐々に減速していく。
特図の可変表示の特図変動パターンがリーチ有りハズレの特図変動パターン(例えば、Nハズレ変動)であると、リーチが成立した状態から、中演出図柄EZ2が上下方向略中央位置で仮停止してハズレを示す演出図柄の停止表示が行われる。このとき、リーチが成立しているので、図22(C−1)に示すように、リーチを構成する数字とは異なる数字(図22(C−1)において「4」)からなる中演出図柄EZ2が仮停止する。そして、特図の可変表示の終了(特図の停止表示)に伴って、図22(D)に示すように、仮停止状態が完全な停止状態になり、リーチ有りハズレに特有なハズレ目で左演出図柄EZ1、中演出図柄EZ2および右演出図柄EZ3の停止表示が行われる。
また、仮停止していた演出図柄EZ1〜EZ3がリーチ有りハズレに特有なハズレ目で完全に停止するとき、すなわち、演出図柄EZ1〜EZ3の停止表示が行われるとき、3つの小図柄KZ1〜KZ3が、演出図柄EZ1〜EZ3と同一のリーチ有りハズレに特有なハズレ目で一斉に停止し、小図柄KZ1〜KZ3の停止表示も行われる。なお、Nリーチの内容は、適宜に変更または追加することが可能である。
Nリーチで特図変動演出が終了しない場合、図22(C−2)に示すように、停止していない残りの1つの中演出図柄EZ2が再び高速で変動し、リーチが維持されたままNリーチからLリーチまたはSPリーチに発展する(切り替わる)ことがある。
4−2−4.Lリーチ
パチンコ遊技機PY1は、Nリーチの後にLリーチを行うことが可能である。Lリーチは、特図抽選の結果が「大当たり」である可能性が、Nリーチよりも高いことを示唆する演出であり、遊技者に大当たりを期待させるための演出として機能する。なお、Lリーチでも、成立したリーチが維持されるが、例えば、図23(A)に示すように、Lリーチの開始時に、当該リーチを構成する演出図柄EZ1、EZ3が縮小されると共に、表示部50aにおける小図柄領域50cに重複しない所定位置(例えば、左演出図柄EZ1は表示部50aの左上で、右演出図柄EZ3は表示部50aの右上)に移動する。
また、Lリーチの開始時に、例えば、図23(A)に示すように、表示部50aにLリーチ専用の背景画像(Lリーチ用背景画像G114)が表示される。Lリーチ用背景画像G114は、所定のストーリーが展開する動画で構成されている。Lリーチ用背景画像G114に係る動画のストーリーの内容は適宜に設定可能であるが、基本的な実施形態では、主人公キャラクターが女の子に告白するという内容で構成されている。
Lリーチ用背景画像G114が表示されると、最初に、図23(A)に示すように、主人公キャラクターがある待ち合わせ場所で女の子を待っているシーンから開始される。続いて、図23(B)に示すように、待ち合わせ場所に女の子が現れる。このとき、表示部50aの略中央にて、中演出図柄EZ2として、リーチを構成している数字「5」の演出図柄と、リーチを構成していない数字「4」の演出図柄と、が現れて、奥側から手前側に出てきてはまた奥側へ戻るようにゆっくりと回転する。
数字「4」の演出図柄と数字「5」の演出図柄の回転が継続して行われている中、Lリーチ用背景画像G114に係るストーリーが進展する。そして、図23(C)に示すように、主人公キャラクターが女の子に告白するシーンを迎える。このとき、表示部50aの略中央にて、リーチを構成している数字「5」の演出図柄と、リーチを構成していない数字「4」の演出図柄と、が相互に相手を弾き飛ばそうとぶつかり合う。数字「5」の演出図柄はリーチを構成し、数字「4」の演出図柄はリーチを構成していないことから、数字「4」の演出図柄が弾き飛ばされて数字「5」の演出図柄が残ると、大当たりを示す態様の演出図柄EZ1〜EZ3の停止表示が成立する一方、数字「5」の演出図柄が弾き飛ばされて数字「4」の演出図柄が残ると、リーチハズレを示す態様の演出図柄EZ1〜EZ3の停止表示が成立する。よって、この図23(C)の場面は、当該Lリーチの最終局面であり、大当たりを示唆する演出(大当たり示唆演出)が実行されるかハズレを示唆する演出(ハズレ示唆演出)が実行されるかに分岐する分岐点(所謂「当落分岐点」)を構成している。
当落分岐点において、特図の可変表示の特図変動パターンが大当たり変動(L大当たり変動)であると、図24(A−1)に示すように、表示部50aに、笑顔の女の子がアップで表示された後、図24(B−1)に示すように、告白に成功して喜んでいる主人公キャラクターが表示される笑顔の女の子がアップで表示された後、図24(B−1)に示すように、告白に成功して喜んでいる主人公キャラクターが表示されると共に、スピーカー52から所定の効果音が出力される。このとき、リーチを構成している数字「5」の左演出図柄EZ1および右演出図柄EZ3と共に、そのリーチを構成している数字「5」の中演出図柄EZ2が表示部50aの中央に仮停止態様で表示される。すなわち、演出図柄EZ1〜EZ3が大当たりを示す態様で仮停止表示している。
告白に成功して喜んでいる主人公キャラクターの表示と、所定の効果音の出力とは、大当たり示唆演出を構成する。大当たり示唆演出の後は、図24(C−1)に示すように、大当たりを示す態様で演出図柄EZ1〜EZ3および小図柄KZ1〜KZ3の停止表示が行われる。
一方、当落分岐点後、特図の可変表示の特図変動パターンがリーチ有りハズレ変動(Lハズレ変動)であると、大当たり示唆演出が行われることなく、Lリーチ用背景画像G114にて、図24(A−2)に示すように、表示部50aに、悲しい表情をした女の子がアップで表示された後、図24(B−2)に示すように、告白に失敗して落胆している主人公キャラクターが表示される。このとき、リーチを構成している数字「5」の左演出図柄EZ1および右演出図柄EZ3と共に、リーチを構成していない数字「5」の中演出図柄EZ2が表示部50aの中央に仮停止態様で表示される。すなわち、演出図柄EZ1〜EZ3がリーチハズレを示す態様で仮停止表示している。
告白に失敗して落胆している主人公キャラクターの表示は、ハズレ示唆演出を構成する。ハズレ示唆演出の後は、図24(C−2)に示すように、リーチ用のハズレ目で演出図柄EZ1〜EZ3および小図柄KZ1〜KZ3の停止表示が行われる。
4−2−5.SPリーチ
また、パチンコ遊技機PY1は、Nリーチの後にSPリーチを行うことが可能である。SPリーチは、特図抽選の結果が「大当たり」である可能性が、Lリーチよりも高いことを示唆する演出であり、遊技者に大当たりを期待させるための演出として機能する。なお、SPリーチでも、成立したリーチが維持されるが、例えば、図25(A)に示すように、SPリーチの開始時に、当該リーチを構成する演出図柄EZ1、EZ3が縮小されると共に、表示部50aにおける小図柄領域50cに重複しない所定位置(例えば、左演出図柄EZ1は表示部50aの左上で、右演出図柄EZ3は表示部50aの右上)に移動する。
また、SPリーチの開始時に、例えば、図25(A)に示すように、表示部50aにSPリーチ専用の背景画像(SPリーチ用背景画像G115)が表示される。SPリーチ用背景画像G115は、所定のストーリーが展開する動画で構成されている。SPリーチ用背景画像G115に係る動画のストーリーの内容は適宜に設定可能であるが、基本的な実施形態では、主人公キャラクターと、主人公キャラクターのライバルである敵キャラクターとが対決するという内容で構成されている。なお、主人公キャラクターは野球のピッチャーであり、敵キャラクターは野球のバッターであり、両者は野球の試合においてピッチャーとバッターの立場で対決する。
SPリーチ用背景画像G115が表示されると、最初に、図25(A)に示すように、敵キャラクターが出現し、続いて、図25(B)に示すように、表示部50aの中央にSPリーチが開始されたことを表す画像(SPリーチ開始タイトル画像)G11が表示される。SPリーチ開始タイトル画像G11は、SPリーチのタイトルを表すタイトル画像G11a「図25(B)において「敵バッター○○を打ち取れ!!」」と、タイトル画像G11aを引き立てるエフェクト画像G11bとで構成される。
次に、図25(C)に示すように、主人公キャラクターと敵キャラクターが対峙しているシーンが表示される。その後、SPリーチ用背景画像G115にて、図26(A)に示すように、主人公キャラクターがボールを投げ、図26(B)に示すように、ボールが敵キャラクターに向かって進み、図26(C)に示すように、敵キャラクターがバットを振り始める。続いて、図26(D)に示すように、ボールとバットとが接近し、主人公キャラクターと敵キャラクターとの対決に決着がつこうとする場面を迎える。この場面は、ピッチャーとバッターの対決で主人公キャラクターが勝利して大当たりが示唆されるか敗北してハズレが示唆されるかの分岐点(当落分岐点)を構成する。
この当落分岐点後、特図の可変表示の特図変動パターンが大当たり変動(SP大当たり変動)であると、図27(A−1)に示すように、表示部50aに、敵キャラクターが空振りをして対決に勝利した後、図27(B−1)に示すように、敵キャラクターを三振に取ってマウンド上で雄叫びを上げる主人公キャラクターが表示されると共に、スピーカー52から所定の効果音が出力される。このとき、演出図柄EZ1〜EZ3は大当たりを示す態様で仮停止表示している。
対決に勝利して雄叫びを上げている主人公キャラクターの表示と、所定の効果音の出力とが、大当たり示唆演出を構成する。大当たり示唆演出の後は、図27(C−1)に示すように、大当たりを示す態様で演出図柄EZ1〜EZ3および小図柄KZ1〜KZ3の停止表示が行われる。
一方、当落分岐点後、特図の可変表示の特図変動パターンがリーチハズレ変動(SPハズレ変動)であると、大当たり示唆演出が行われることなく、SPリーチ用背景画像G115にて、図27(A−2)に示すように、敵キャラクターがホームランを打って対決に敗北し、図27(B−2)に示すように、主人公キャラクターがマウンド上で落胆する。このとき、演出図柄EZ1〜EZ3はリーチハズレを示す態様で仮停止表示している。
対決に敗北して落胆している主人公キャラクターの表示が、ハズレ示唆演出を構成する。ハズレ示唆演出の後は、図27(C−2)に示すように、リーチ用のハズレ目で演出図柄EZ1〜EZ3および小図柄KZ1〜KZ3の停止表示が行われる。
次に、特図変動演出において行われる可動体演出と操作演出について説明する。可動体演出と操作演出は、前述のSPリーチ、Lリーチ、およびNリーチ、さらには大当たり遊技演出などに組み込まれる形でこれらの演出の一部として行われる場合と、これらの演出とは独立して行われる場合とがある。最初に可動体演出について説明する。
4−3.可動体演出
パチンコ遊技機PY1は、特図変動演出や大当たり遊技演出などの所定の演出における所定のタイミングで可動体の動作を伴う可動体演出を行うことが可能である。可動体演出は、例えば盤可動装置55などの可動装置を用いた演出であり、大当たり期待度やSPリーチへの発展を示唆する演出として機能する。
例えば、可動体演出がSPリーチへの発展を示唆する演出として機能する場合、図28(A)に示すように、特図変動演出において、NリーチからSPリーチに発展する際に、まずは図28(B)に示すように、盤可動装置55が作動し、盤可動体55kが正面視で作動位置まで下降し、所定時間その位置で保持される。さらに、このとき、表示部50aの全体に、盤可動体55kの動作に伴うエフェクト画像G13も表示される。そして、図28(C)に示すように、エフェクト画像G13が消去され、盤可動体55kが待機位置まで上昇して、盤可動装置55が通常の待機状態に戻る。盤可動装置55が通常の待機状態に戻ると、SPリーチに発展する。なお、可動体演出における可動装置の作動内容は、適宜に変更または追加することが可能である。
4−4.操作演出
次に操作演出について説明する。パチンコ遊技機PY1は、特図変動演出や大当たり遊技演出などの所定の演出における所定のタイミングで、操作促進演出、および第1演出ボタン40kや第2演出ボタン41k等の操作に応じた操作結果演出を含む操作演出を行うことが可能である。操作促進演出は、遊技者に操作手段の操作を促す演出であり、操作結果演出は、操作促進演出における操作手段の操作に応じて行われる演出であり、それぞれ遊技者に大当たりを期待させるための演出として機能する。
例えば、前述のように、LリーチやSPリーチにおいて当落分岐点に達すると、第1演出ボタン40kの押下操作が有効な期間(第1演出ボタン操作有効期間)が発生し、この第1演出ボタン操作有効期間の発生に伴って、図29(A)に示すように、第1演出ボタン40kの操作を促す演出(第1演出ボタン操作促進演出)が行われる。
第1演出ボタン操作促進演出において、表示部50aに、第1演出ボタン操作促進演出画像G12が表示される。第1演出ボタン操作促進演出画像G12は、操作対象である第1演出ボタン40kを表す画像(操作対象画像)G12aと、第1演出ボタン40kの操作態様(すなわち、押下操作)を表す画像(押下操作画像)G12bと、第1演出ボタン40kの操作に係る操作有効期間(第1演出ボタン操作有効期間)の残り時間を表す画像(第1演出ボタン操作有効期間残り時間画像)G12cと、を含む。
なお、第1演出ボタン操作有効期間残り時間画像G12cは、おおむね曲線状のプログレスバーからなり、時間の経過に伴って、遊技者が第1演出ボタン操作有効期間の残り時間を容易に理解できるように変化する。なお、図29(B)は、第1演出ボタン操作有効期間が発生して、第1演出ボタン操作有効時間の1/3の時間が経過した様子を表している。
そして、特図の可変表示の特図変動パターンが大当たり変動(SP大当たり変動)であると、第1演出ボタン操作有効期間において第1演出ボタン40kが押下操作された後、または、第1演出ボタン操作有効期間において第1演出ボタン40kが操作されることなく第1演出ボタン操作有効期間の残り時間がなくなった後、操作結果演出が行われる。
操作結果演出としては、例えば図29(C)に示すように、盤可動装置55が作動して、盤可動体55kが作動位置まで下降し、所定時間その位置で保持されると共に、回転部材55k1が所定時間回転する。このように、操作結果演出に可動体演出も含まれている。さらに、このとき、操作結果演出として、表示部50aの全体に、盤可動体55kの動作に伴うエフェクト画像G13が表示される。そして、図29(D)に示すように、エフェクト画像G13が消去され、回転部材55k1の回転が止まり、盤可動体55kが上昇することによって操作結果演出が終了する。操作結果演出が終了すると大当たり示唆演出が行われる。
一方、特図の可変表示の特図変動パターンがリーチハズレ変動(SPハズレ変動)であると、第1演出ボタン操作有効期間において第1演出ボタン40kが押下操作されても、または、第1演出ボタン40kが押下操作されることなく演出ボタン操作有効期間の残り時間がなくなっても、操作結果演出が行われることがなく、ハズレ示唆演出が行われる。
なお、操作結果演出は、盤可動装置55の作動やエフェクト画像G13の表示に限られず、適宜に変更または追加することが可能である。また、操作演出は特図変動演出に限られず大当たり演出においても実行可能である。
4−5.先読み演出
次に、特図保留の対象となる特図可変表示が実行される前に実行可能な先読み演出について説明する。パチンコ遊技機PY1は、特図変動演出の任意のタイミングで、先読み判定の結果に基づいて、大当たり判定が行われていない特図1保留または特図2保留に対する先読み演出を行うことが可能である。先読み演出は、特図1保留または特図2保留に対する大当たり期待度を示唆する演出であり、その保留に対応する特図の可変表示の前から大当たりを期待させる演出として機能する。先読み演出の一例として、特図保留を表す保留演出を用いた保留変化予告がある。ここで、通常演出モードにおいて行われる保留演出、および保留変化予告について説明する。
保留演出は、図30(A)に示すように、表示部50aの下端部における略中央の一区画において横長矩形状に形成された保留表示領域50dにおいて行われる。保留表示領域50dは、保留表示領域50dを左右方向に略均等に4つに分割した第1領域50d1、第2領域50d2、第3領域50d3、および、第4領域50d4で構成されている。すなわち、保留表示領域50dにおいて、第1領域50d1〜第4領域50d4が左端から右端に向けて順に並んで設けられている。
第1領域50d1には、保留されている特図1保留の中で最も先に発生し、その特図1保留に対応する特図1関係乱数に基づいて最も先に特図1可変表示が行われる特図1保留を表す保留アイコンが表示される。同様に、第2領域50d2〜第4領域50d4には、保留されている特図1保留の中で2〜4番目に発生し、その特図1保留に対応する特図1関係乱数に基づいて2〜4番目に特図1可変表示が行われる特図1保留を表す保留アイコンが表示される。
なお、以下において、第1領域50d1に表示される保留アイコンに対応する特図1保留のことを「保留順1の特図1保留」と称する。同様に、第2領域50d2、第3領域50d3、および第4領域50d4に表示される保留アイコンに対応する特図1保留のことを「保留順2の特図1保留」、「保留順3の特図1保留」、および「保留順4の特図1保留」と称する。すなわち、存在している特図1保留について、発生した順に「保留順1」〜「保留順4」と称する。
また、保留表示領域50dの左隣には、当該変動表示領域50eが形成されている。当該変動表示領域50eには、現在実行中の特図1変動表示を表す当該アイコンが表示される。よって、当該変動表示領域50eに表示される当該アイコンが示す対象は、保留表示領域50dに表示される保留アイコンが示す対象と異なり、厳密には、特図1保留に応じた「保留演出」には含まれないが、保留アイコンの表示と当該アイコンの表示とは関連性を有しているので、以下においては、保留アイコンの表示と当該アイコンの表示とをまとめて、「保留演出」とする。また、保留アイコンと当該アイコンとをまとめて、「アイコン」と称する。さらに、当該アイコンが示す実行中の特図1変動表示を「当該変動」とも称する。
なお、図30(A)において保留表示領域50dおよび当該変動表示領域50eは一点鎖線で明示され、第1領域50d1〜第4領域50d4は破線で明示されているが、これは保留表示領域50d、第1領域50d1〜第4領域50d4、および当該変動表示領域50eの範囲を表すために記載したものであり、実際には表示されていない。
次に、保留演出の具体例について説明する。なお、以降の説明では、小図柄KZ1〜KZ3の可変表示は省略する。前提として、特図1変動表示中(特図変動演出中)であり、特図1保留数(U1)が「2」であるとする。この状況下において、図30(B)に示すように、前述した不図示の第1領域50d1において、現在保留されている特図1保留の中で最も先に発生した特図1保留(保留順1の特図1保留)を表した保留アイコンHA2が表示され、前述した不図示の第2領域50d2において、保留アイコンHA2が表す特図1保留の次に発生した特図1保留(保留順2の特図1保留)を表した保留アイコンHA3が表示されている。また、前述した不図示の当該変動表示領域50eには、現在実行中の特図1変動表示を表す当該アイコンHA1が表示されている。なお、図30(B)で表示されているアイコンHA1〜HA3の表示態様は通常態様である。
このように、保留演出においては、特図1保留が発生した順に保留表示領域50dの左端から右に並んで表示される。すなわち、保留されている特別図柄の可変表示、言い換えれば、特図保留記憶部105に記憶されている特図関連判定情報に基づく未実行の特別図柄の可変表示は、個別に保留アイコンで表示される。
そして、図30(C)に示すように、演出図柄EZ1〜EZ3の停止表示が行われると、その直前まで実行中の特図変動表示を表していた当該アイコンHA1が消去される。続けて、保留アイコンHA2を表す特図1保留に基づいて特別図柄の可変表示(特図変動演出)が開始されると、保留アイコンHA2と保留アイコンHA3がシフトする。具体的には、不図示の第1領域50d1に表示されていた保留アイコンHA2は不図示の当該変動表示領域50eに移動し、不図示の第2領域50d2に表示されていた保留アイコンHA3は不図示の第1領域50d1に移動する。すなわち、表示されていた保留アイコンHA2および保留アイコンHA3がそれぞれ1つずつ左にシフトする。これは、保留アイコンHA2に対応する特別図柄の可変表示が開始され、保留アイコンHA3が表す特図1保留が、現在保留されている特図1保留の中で最も先に発生した特図1保留になり、次に開始される特図可変表示になったことに応じて、保留アイコンHA2および保留アイコンHA3をその状況に適応させるためである。
また、当該変動表示領域50eに表示されている保留アイコンHA2は、実行中の特図1変動表示を表しているので、当該変動表示領域50eに表示される際に当該アイコンHA2となる。すなわち、「アイコン」の前に付く言葉として、保留表示領域50dに表示されているアイコンについては「保留」とし、当該変動表示領域50eに表示されているアイコンについては「当該」とする。換言すれば、保留アイコンが表示されているときに、該保留アイコンが示す特図保留に対して特別図柄の変動表示の開始条件が成立すると、該開始条件の成立に係る特別図柄の変動表示に対応する保留アイコンが当該アイコンとして表示される。
なお、保留アイコンから当該アイコンになる際に、言い換えると、アイコンは保留表示領域50dから当該変動表示領域50eに移動する際に、アイコンの大きさが同一のままでも拡大されても良い。図30(C)では、アイコンは保留表示領域50dから当該変動表示領域50eに移動する際に約2倍に拡大している。
そして、この状況から第1始動口11に遊技球が入賞して、特図1保留が発生すると、図30(E)に示すように、当該特図1保留の発生に応じて、新たな保留アイコンHA4が前述した不図示の第2領域50d2に表示される。
このように、第1始動口11に入賞して特図1関係乱数が取得されると、1つの共通したアイコンが表示される。このアイコンは、当該入賞に基づく特図1可変表示が終了すると消去されるが、表示されている間は、当該特図1可変表示の置かれている状態(保留の状態および実行中の状態)に応じて、異なる名称(保留アイコンおよび当該アイコン)で存在していることになる。
ところで、前述のとおり、始動入賞コマンドには当否情報および特図変動パターン情報が含まれている。そして、パチンコ遊技機PY1は、この当否情報および特図変動パターン情報に基づいて、保留アイコンを通常態様、または特別態様で表示することができる。この保留アイコンを特別態様で表示することを「保留予告」という。
保留アイコンの表示態様が特別態様である、すなわち保留予告が行われると、遊技者は、その保留アイコンに対応した特別図柄の可変表示で大当たりに当選できるかもしれないという期待を持つことができる。次に、保留予告の具体例について説明する。保留予告の具体例として、図30(E)に示す保留アイコンHA4の表示態様が特別態様になるとする。
保留予告の1つの種別として、保留アイコンが表示された直後に特別態様になる、言い換えれば、特図1保留の発生時(第1始動口11への入賞時)に保留予告が行われる保留予告種別がある。例えば、図31(A)に示すように、保留アイコンHA4が表示される前の状況(図30(D)の状況)から、第1始動口11に遊技球が入賞して、特図1保留が発生すると、図30(E)の場合と同様に、当該特図1保留の発生に応じて、通常態様の保留アイコンHA4が前述した不図示の第2領域50d2に表示される。なお、図面においては、通常態様の保留アイコンは完全に静止しているように見えるが、実際には、基本的には、完全に静止状態するようにしても、表示位置は移動しないがその場で軽く揺れたりするように構成しても良い。
そして、その直後に、図31(B)に示すように、保留アイコンHA4の表示態様が通常態様から特別態様(図31(B)において灰色)に変化する(保留予告が行われる)。なお、図29の例では保留アイコンHA4は表示直後に一瞬通常態様で表示されるが、特別態様で表示されるようにし、通常態様で表示される期間をなくしてもよい。
別の保留予告の種別として、保留アイコンが移動する際に特別態様になる、言い換えれば、特図1保留のシフト時に保留アイコン変化予告が行われる保留予告種別がある。例えば、図32(A)に示すように、保留アイコンHA4が表示される前の状況(図30(D)の状況)から、第1始動口11に遊技球が入賞して、特図1保留が発生すると、図32(B)に示すように、当該特図1保留の発生に応じて、通常態様(図32(B)において白色)の保留アイコンHA4が前述した不図示の第2領域50d2に表示される。
そして、図32(C)に示すように、演出図柄EZ1〜EZ3の停止表示が行われると、その直前まで実行中の特図変動表示を表していた当該アイコンHA2が消去される。続けて、保留アイコンHA3が表す特図1保留に基づいて特別図柄の可変表示(特図変動演出)が開始されると、図32(D)に示すように、第1領域50d1に表示されていた保留アイコンHA3は不図示の当該変動表示領域50eに移動し、第2領域50d2に表示されていた保留アイコンHA4は不図示の第1領域50d1に移動する。ここで、保留アイコンHA4が第2領域50d2から第1領域50d1に移動する際に、その表示態様が通常態様から特別態様(図32(D)において灰色)に変化する(保留予告が行われる)。
また、保留予告に係る特別態様を複数種類設けて、特別態様の種類によって大当たり期待度が異なるようにすることができる。例えば、保留アイコンの表示態様を、保留アイコンの色に関連付け、保留アイコンの表示態様として白色、緑色、赤色、および金色が設定されているとする。ここで、白色が通常態様であり、緑色、赤色、および金色が特別態様とする。そして、保留アイコンの表示態様が示す大当たり期待度は、白色<緑色<赤色<金色の順で高くなるように設定することができる。
なお、先読み演出は、特図1保留および特図2保留の両方または一方に対して行うことが可能である。また、先読み演出は、保留アイコンHAの表示態様に限られず、例えば背景画像などの表示部50aにおける保留アイコンHA以外の画像や、スピーカー52から出力される音、枠ランプ53による発光、および盤可動装置55による動作などの画像表示装置50以外の演出装置を用いて実行することが可能である。さらには、先読み演出の演出態様として、保留アイコンHAによる保留アイコン変化予告などのように実行されてから特図変動表示が開始されるまで途切れることなく継続する演出態様の他に、演出図柄の停止表示が行われる度または演出図柄の変動表示が開始される度など、断続的且つ連続的に実行する演出態様にしても良い。
5.遊技制御用マイコン101による遊技の制御
[遊技制御メイン処理]
次に図33〜図42に基づいて遊技制御用マイコン101による遊技の制御について説明する。なお、以下に説明する遊技を制御するためのフローチャートは、一例である。そして、フローチャートにおける複数の処理については、処理内容に矛盾が生じない範囲で、適宜に実行順序を変更し、または並列に実行することができる。
また、以下において説明する遊技制御用マイコン101による遊技の制御において登場するカウンタ、タイマ、フラグ、ステータス、バッファ等は、遊技用RAM104に設けられている。また、カウンタの初期値は「0」であり、フラグの初期値は「0」つまり「OFF」であり、ステータスの初期値は「1」である。
遊技制御基板100に備えられた遊技制御用マイコン101は、パチンコ遊技機PY1が電源投入されると、遊技用ROM103から図33に示した遊技制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。同図に示すように、遊技制御メイン処理では、まず、電源投入時処理(S001)を行う。電源投入時処理では、遊技用RAM104へのアクセスの許可設定、遊技用CPU102の設定、SIO(SyStem Input/Output)、PIO(Parallel Input/Output)、CTC(Counter/Timer Circuit:割り込み時間の管理のための回路)の設定等が行われる。
電源投入時処理に次いで、割り込みを禁止し(S002)、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)を実行する。この普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)では、普図関連判定情報および特図関連判定情報に係る種々の乱数のカウンタ値を1加算して更新する。各乱数のカウンタ値は上限値に達すると「0」に戻って再び加算される。なお各乱数のカウンタの初期値は「0」以外の値であってもよく、ランダムに変更されるものであってもよい。また各乱数のうちの少なくとも一部は、カウンタIC等からなる公知の乱数生成回路を利用して生成される所謂ハードウェア乱数であってもよい。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)が終了すると、割り込みを許可する(S004)。割り込み許可中は、遊技制御側タイマ割り込み処理(S005)の実行が可能となる。遊技制御側タイマ割り込み処理(S005)は、例えば4msec周期で遊技用CPU102に繰り返し入力される割り込みパルスに基づいて実行される。すなわち、遊技制御側タイマ割り込み処理(S005)は4msec周期で実行される。そして、遊技制御側タイマ割り込み処理(S005)が終了してから、次に遊技制御側タイマ割り込み処理(S005)が開始されるまでの間に、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)による種々の乱数のカウンタ値の更新処理が繰り返し実行される。なお、割り込み禁止状態のときに遊技用CPU102に割り込みパルスが入力された場合は、遊技制御側タイマ割り込み処理(S005)はすぐには開始されず、割り込み許可(S004)がされてから開始される。
[遊技制御側タイマ割り込み処理]
次に、遊技制御側タイマ割り込み処理(S005)について説明する。図34に示すように、遊技制御側タイマ割り込み処理(S005)では、まず出力処理(S101)を実行する。出力処理(S101)では、以下に説明する各処理において遊技制御基板100の遊技用RAM104に設けられた出力バッファにセットされたコマンド等を、演出制御基板120や払出制御基板170等に出力する。
出力処理(S101)に次いで行われる入力処理(S102)では、遊技制御用マイコン101は、余剰球貯留穴35Aの満杯を検出する下皿満杯スイッチからの検出信号を取り込み、下皿満杯データとして遊技用RAM104の出力バッファに記憶する。
次に行われる普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)は、図33の遊技制御メイン処理で行う普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)と同じである。即ち、普図関連判定情報および特図関連判定情報に係る各種乱数のカウンタ値の更新処理は、遊技制御側タイマ割り込み処理(S005)の実行期間と、それ以外の期間(メイン側タイマ割り込み処理(S005)の終了後、次の遊技制御側タイマ割り込み処理(S005)が開始されるまでの期間)との両方で行われている。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)に次いで、遊技制御用マイコン101は、センサ検知処理(S104)を行い、続いて普通動作処理(S105)を行い、さらに特別動作処理(S106)を行う。センサ検知処理、普通動作処理および特別動作処理については後述する。
次に、遊技制御用マイコン101は、その他の処理(S107)を実行して、遊技制御側タイマ割り込み処理(S005)を終了する。その他の処理(S107)としては、電源が断たれる際の電源断監視処理、遊技用RAM104に設けられているタイマの更新などが行われる。また、その他の処理(S107)として、遊技者に賞球を払い出す払出制御処理が行われる。払出制御処理では、第1始動口11用の賞球カウンタ、第2始動口12用の賞球カウンタ、大入賞口14用の賞球カウンタ、及び、一般入賞口10用の賞球カウンタが「0」を超えているか否かのチェックを行い、「0」を超えていると、賞球要求信号を払出制御基板170に送信する。そして、賞球信号を送信するとき、その信号に係る賞球カウンタを「1」減算する更新処理を行う。
そして、遊技制御用マイコン101は、次に遊技用CPU102に割り込みパルスが入力されるまでは遊技制御メイン処理のステップS002〜S004の処理を繰り返し実行し、割り込みパルスが入力されると(約4msec後)、再び遊技制御側タイマ割り込み処理(S005)を実行する。遊技制御用マイコン101は、再び実行された遊技制御側タイマ割り込み処理(S005)の出力処理(S101)において、前回の遊技制御側タイマ割り込み処理(S005)にて遊技用RAM104の出力バッファにセットされたコマンド等を出力する。
[センサ検知処理]
次に、図35〜図36を用いてセンサ検知処理について説明する。センサ検知処理(S104)ではまず、一般入賞口10に遊技球が入賞したか否か、即ち、一般入賞口センサ10aによって遊技球が検出されたか否か判定する(S201)。一般入賞口10に遊技球が入賞していない場合(S201でNO)にはステップS203に進み、一般入賞口10に遊技球が入賞した場合には(S201でYES)、遊技球に所定個数の賞球を払い出すための一般入賞口賞球処理を行う(S202)。一般入賞口賞球処理では、一般入賞口10用の賞球カウンタに、一般入賞口10への入賞に応じた賞球個数(基本的な実施形態において「3」)を加算する。
ステップS203では、遊技球がゲート13を通過したか否か、即ち、ゲートセンサ13aによって遊技球が検出されたか否か判定する。遊技球がゲート13を通過していなければ(S203でNO)、ステップS207に進む。一方、遊技球がゲート13を通過していれば(S203でYES)、後述する普通動作ステータス=1であるか否か、言い換えれば、普図可変表示または補助遊技の何れも行われていないか否かを判定する(S204)。普通動作ステータス=1でない場合には(S204でNO)、ステップS207に進み、普通動作ステータス=1である場合(S204でYES)には、普通図柄乱数カウンタ(ラベル−TRND−F)のカウンタ値が示す普通図柄乱数を普図関連判定情報として取得し(S205)、取得した普図関連判定情報を、遊技用RAM104に設けられた普図保留記憶部86に記憶して(S206)、ステップS207に進む。
ステップS207では、第2始動口12に遊技球が入賞したか否か、即ち、第2始動口センサ12aによって遊技球が検出されたか否か判定する。第2始動口12に遊技球が入賞していない場合(S207でNO)にはステップS214に進み、第2始動口12に遊技球が入賞した場合には(S207でYES)、遊技球に所定個数の賞球を払い出すための第2始動口賞球処理を行う(S208)。第2始動口賞球処理では、第2始動口12用の賞球カウンタに、第2始動口12への入賞に応じた賞球個数(第1実施形態において「2」)を加算する。
次に、特図2保留数(具体的には遊技用RAM104に設けた特図2保留数をカウントするカウンタ(特図2保留数カウンタ)の数値)が「4」(上限記憶数)以上であるか否か判定する(S209)。特図2保留数が「4」以上である場合(S209でYES)には、ステップS214に進むが、特図2保留数が「4」以上でない(「4」未満である)場合には(S209でNO)、特図2保留数加算処理を行う(S210)。特図2保留数加算処理では、特図2保留数カウンタを「1」加算し、特図2保留表示器83bが示す特図2保留数を「1」増加させる。
続いて、特別図柄乱数カウンタ(ラベル−TRND−T)、大当たり図柄種別乱数カウンタ(ラベル−TRND−OS)、リーチ乱数カウンタ(ラベル−TRND−RC)及び特図変動パターン乱数カウンタ(ラベル−TRND−HP)からなる特図2関連判定情報を取得し、遊技用RAM104に設けられた特図関連判定情報用バッファに記憶する(S211)。
次に、第2先読み判定処理を行う(S212)。第2先読み判定処理では、図14に示す第2先読み判定テーブルに、現在の遊技状態とステップS211で取得した特図2関連判定情報とを照合して第2始動入賞コマンドを特定し、特定した第2始動入賞コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。
続いて、遊技制御用マイコン101は、ステップS211で取得した特図2関連判定情報を特図2保留記憶部105bに記憶する(S213)。
続いて、ステップS214では、第1始動口11に遊技球が入賞したか否か、即ち、第1始動口センサ11aによって遊技球が検出されたか否か判定する。第1始動口11に遊技球が入賞していない場合(S214でNO)にはステップS221に進み、第1始動口11に遊技球が入賞した場合には(S214でYES)、遊技球に所定個数の賞球を払い出すための第1始動口賞球処理を行う(S215)。第1始動口賞球処理では、第1始動口11用の賞球カウンタに、第1始動口11への入賞に応じた賞球個数(第1実施形態において「4」)を加算する。
次に、特図1保留数(具体的には遊技用RAM104に設けた特図1保留の数をカウントするカウンタ(特図1保留数カウンタ)の数値)が「4」(上限記憶数)以上であるか否か判定する(S216)。特図1保留数が「4」以上である場合(S216でYES)には、ステップS221に進むが、特図1保留数が「4」以上でない(未満である)場合には(S216でNO)、特図1保留数加算処理を行う(S217)。特図1保留数加算処理では、特図1保留数カウンタを「1」加算し、特図1保留表示器83aが示す特図1保留数を「1」増加させる。
続いて、特別図柄乱数カウンタ(ラベル−TRND−T)、大当たり図柄種別乱数カウンタ(ラベル−TRND−OS)、リーチ乱数カウンタ(ラベル−TRND−RC)及び特図変動パターン乱数カウンタ(ラベル−TRND−HP)からなる特図1関連判定情報を取得し、遊技用RAM104に設けられた特図関連判定情報用バッファに記憶する(S218)。
次に、第1先読み判定処理を行う(S219)。第1先読み判定処理では、図13に示す第1先読み判定テーブルに、現在の遊技状態とステップS218で取得した特図1関連判定情報とを照合して第1始動入賞コマンドを特定し、特定した第1始動入賞コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。
続いて、遊技制御用マイコン101は、ステップS218で取得した特図1関連判定情報を特図1保留記憶部105aのうち現在の特図1保留数に応じた記憶領域に記憶する(S220)。
ステップS221では、大入賞口14に遊技球が入賞したか否か、即ち、大入賞口センサ14aによって遊技球が検出されたか否か判定する。大入賞口14に遊技球が入賞していない場合(S221でNO)にはセンサ検知処理を終了し、大入賞口14に遊技球が入賞した場合には(S221でYES)、遊技用RAM104に設けられた大入賞口入賞カウンタのカウンタ値が「9」以上であるか否かを判定する(S222)。大入賞口入賞カウンタは、大当たり遊技の1回のラウンド遊技において大入賞口14に入賞した個数を計数するためのカウンタである。なお、大入賞口入賞カウンタは各ラウンド遊技が終了するたびにクリアされる。第1実施形態では、入賞規定個数は「10」に設定されている。よって、ステップS222の処理が行われる。
大入賞口入賞カウンタのカウンタ値が「11」以上であると(S222でYES)、センサ検知処理を終了し、大入賞口入賞カウンタのカウンタ値が「11」以上でない、すなわち、「11」未満であると(S222でNO)、大入賞口入賞カウンタのカウンタ値を「1」加算し(S223)、遊技者に所定個数の賞球を払い出すための大入賞口賞球処理を行い(S224)、センサ検知処理を終了する。なお、大入賞口賞球処理では、大入賞口14用の賞球カウンタに、大入賞口14への入賞に応じた賞球個数(第1実施形態において「9」)を加算する。
なお、遊技球を検知可能なセンサとして、センサ10a〜14a以外のセンサを設け、そのセンサが遊技球を検知したことに基づいて、図35〜図36に示す処理以外の処理を行うようにしても良い。
[普通動作処理]
次に、普図表示器82および電チュー12Dの制御に関する普通動作処理について説明する。図37に示すように、普図表示器82および電チュー12Dに関する処理が4つのステータス(段階)に分けられている。そして、それらの各ステータスに「普通動作ステータス=1,2,3,4」が割り当てられている。遊技制御用マイコン101は、普通動作処理(S105)において、最初に、「普通動作ステータス」を確認する(S1101)。「普通動作ステータス」が「1」である場合には、普通図柄待機処理(S1102)を行い、「普通動作ステータス」が「2」である場合には、普通図柄変動処理(S1103)を行い、「普通動作ステータス」が「3」である場合には、普通図柄確定処理(S1104)を行い、「普通動作ステータス」が「4」である場合には、補助遊技制御処理(S1105)を行う。なお「普通動作ステータス」は初期設定で「1」に設定される。
普通図柄待機処理(S1102)は、普図の可変表示および補助遊技が行われていない待機中に行われる処理である。普通図柄待機処理(S1102)では、普図保留記憶部86に記憶された普通図柄乱数に基づいて当たり判定を行う。さらに、現在の遊技状態に基づいて普図変動パターン判定を行って普図変動パターンを決定し、決定した普図変動パターンに応じた普図変動時間の普図の変動表示を普図表示器82に開始させて、普通動作ステータスを「2」に変更する。また、遊技制御用マイコン101は、普図の変動表示の開始時に、普図変動パターン判定結果に応じた普図変動開始コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。
普通図柄変動処理(S1103)は、普図が変動表示しているときに行われる処理である。普通図柄変動処理(S1103)では、実行中の普図の変動表示が開始してから普図変動時間が経過したか否か(普図の変動表示を終了させるか否か)を判定し、普図変動時間が経過したと判定されれば、当たり判定結果に基づいて普図の停止表示を行って、普通動作ステータスを「3」に変更する。また、遊技制御用マイコン101は、普図の変動表示の開始時に、普図変動停止コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。
普通図柄確定処理(S1104)は、普図が停止表示しているときに行われる処理である。普通図柄確定処理(S1104)では、実行中の普図の停止表示が開始してから所定の停止時間(例えば、0.8秒)が経過したか否か(普図の停止表示を終了させるか否か)を判定し、所定の停止時間が経過したと判定されれば、停止表示している普図が当たり図柄であるか否かを判定する。当たり図柄でなければ(停止表示している普図がハズレ図柄であれば)、普通動作ステータスを「1」に変更する。一方、当たり図柄が停止表示していれば、普通動作ステータスを「4」に変更して、現在の遊技状態および補助遊技制御テーブルに基づいて補助遊技を開始させる。さらに、遊技制御用マイコン101は、補助遊技の開始時に、補助遊技開始コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。
補助遊技制御処理(S1105)は、補助遊技が行われているときに行われる処理である。補助遊技制御処理(S1105)では、現在の遊技状態および補助遊技制御テーブルに基づいて補助遊技を制御する。そして、補助遊技が終了すれば、普通動作ステータスを「1」に変更する。
[特別動作処理]
次に、特図表示器81、特図保留表示器83および大入賞装置14Dの制御に関する特別動作処理について説明する。図38に示すように、特図表示器81、特図保留表示器83および大入賞装置14Dに関する処理は、5つのステータス(段階)に分けられている。そして、それらの各ステータスに「特別動作ステータス=1,2,3,4,5」が割り当てられている。遊技制御用マイコン101は、最初に「特別動作ステータス」を確認する(S1501)。
遊技制御用マイコン101は、「特別動作ステータス」が「1」である場合には、特別図柄待機処理(S1502)を行い、「特別動作ステータス」が「2」である場合には、特別図柄変動処理(S1503)を行い、「特別動作ステータス」が「3」である場合には、特別図柄確定処理(S1504)を行い、「特別動作ステータス」が「4」である場合には、大当たり遊技制御処理(S1505)を行い、「特別動作ステータス」が「5」である場合には、遊技状態設定処理(S1506)を行う。なお「特別動作ステータス」は初期設定で「1」に設定される。
特別図柄待機処理(S1502)は、特別図柄の可変表示、大当たり遊技が行われていない待機中に行われる処理である。特別図柄待機処理については後に詳述する。
特別図柄変動処理(S1503)は、特別図柄が変動表示しているときに行われる処理である。特別図柄変動処理については後に詳述する。
特別図柄確定処理(S1504)は、特別図柄が停止表示しているときに行われる処理である。特別図柄確定処理については後に詳述する。
大当たり遊技制御処理(S1505)は、大当たり遊技において行われる処理である。遊技制御用マイコン101が、大当たり遊技制御処理を行うことによって、大当たり遊技制御テーブルに応じた大当たり遊技を行う。大当たり遊技が終了する際に特別動作ステータスを「5」に変更する。なお、各ラウンド遊技が開始される際には、そのラウンド数を示すラウンド数指定コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。また、全てのラウンド遊技が終了してエンディングが開始される際には、当該大当たり遊技に係る大当たり図柄に応じたエンディングを示すエンディングコマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。なお、遊技制御用マイコン101が、特別動作ステータス「4」を設定し、大当たり遊技を制御する状態が、「大当たり遊技状態」であり、特別動作ステータス「4」が設定されていることを「大当たり遊技状態」と称する。
遊技状態設定処理(S1506)は、大当たり遊技が終了する際に、大当たり遊技後に制御する遊技状態を設定する処理である。例えば、大当たり遊技後に高確率状態で制御する場合は、高確率フラグを遊技用RAM104の高確率フラグ領域にONして高確率状態を設定する。さらにこのときに、高確率状態の継続期間を制限する場合、継続期間も併せて設定する。例えば、高確率状態の終了条件が特図可変表示の実行回数である場合、その回数(以下において、「高確率規定回数」という)を遊技用RAM104に設けられた高確率残り回数カウンタにセットする。また、大当たり遊技後に時短状態で制御する場合は、時短フラグを遊技用RAM104の時短フラグ領域にONして時短状態を設定する。さらにこのときに、時短状態の継続期間を制限する場合、継続期間も併せて設定する。例えば、時短状態の終了条件が特図可変表示の実行回数である場合、その回数(以下において、「時短規定回数」という)を遊技用RAM104に設けられた時短残り回数カウンタにセットする。
また、遊技制御用マイコン101は、遊技状態設定処理において、大当たり遊技後の遊技状態を示す遊技状態コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。
[特別図柄待機処理]
次に図39を用いて特別図柄待機処理について説明する。特別図柄待機処理(S1502)ではまず、特図2保留数が「0」であるか否かを判定する(S1601)。特図2保留数が「0」である場合(S1601でYES)、即ち、第2始動口12への入賞に起因して取得した特図2関連判定情報の記憶がない場合には、特図1保留数が「0」であるか否かを判定する(S1608)。そして、特図1保留数も「0」である場合(S1608でYES)、即ち、第1始動口11への入賞に起因して取得した特図1関連判定情報の記憶もない場合には、客待ちフラグがONか否かを判定する(S1618)。ここで、客待ちフラグがONであれば(S1618でYES)、特別図柄待機処理を終え、客待ちフラグがONでなければ(S1618でNO)、客待ちコマンドを出力バッファにセットし(S1619)、客待ちフラグをONにし(S1620)、特別図柄待機処理を終える。
また、特図2保留数が「0」であるが特図1保留数が「0」でない場合(S1601でYES且つS1608でNO)、即ち、特図2関連判定情報はないが、第1始動口11への入賞に起因して取得した特図1関連判定情報の記憶が1つ以上ある場合には、特図1判定処理(S1609)及び特図1変動パターン判定処理(S1610)を行う。
特図1判定処理(S1609)では、特図1保留記憶部105aに記憶されている特別図柄乱数の中で最も先に記憶されたものを読み出して、遊技状態に関連付けられた大当たり判定テーブルに基づいて、大当たり、またはハズレの何れであるかの判定(大当たり判定)を行う。
ここで、大当たり判定の結果が大当たりであれば、大当たり図柄種別乱数を読み出して第1大当たり図柄種別判定テーブルに基づいて大当たり図柄種別の判定(大当たり図柄種別判定)を行う。そして、大当たり図柄種別を表す大当たり図柄データを遊技用RAM104に設けられた特図バッファにセットすると共に、大当たり図柄種別を表す図柄指定コマンドを遊技用RAM104に設けられた出力バッファにセットする。
また、大当たり判定の結果が「ハズレ」であれば、ハズレを表すハズレ図柄データを特図バッファにセットすると共に、ハズレを表す図柄指定コマンドを出力バッファにセットする。
次に、特図1変動パターン判定処理(S1610)について図40を用いて説明する。特図1変動パターン判定処理では、まず、現在非時短状態であるか否かを判定する(S1651)。非時短状態であれば(S1651でYES)、非時短状態用の特図1変動パターン判定テーブルを選択(S1652)してからステップS1654に進み、非時短状態でなければ(S1651でNO)、時短状態用の特図1変動パターン判定テーブルを選択(S1653)してからステップS1654に進む。
ステップS1654において、遊技制御用マイコン101は、大当たり判定結果が「大当たり」であるか否かを判定する。大当たりでなければ(S1654でNO)、ステップS1655に進み、大当たりであれば(S1654でYES)、ステップS1652またはステップS1653の何れかで選択した特図1変動パターン判定テーブルの中から大当たり図柄用の特図1変動パターン判定テーブルを選択(S1659)してからステップS1660に進む。
ステップS1655において、遊技制御用マイコン101は、リーチ判定を行う。リーチ判定では、リーチ乱数を読み出して、そのリーチ乱数を現在の遊技状態(非時短状態/時短状態)に応じたリーチ判定テーブルに照合して、リーチ有りかリーチ無しかを判定する。
遊技制御用マイコン101は、次に、ステップS1655のリーチ判定の結果が「リーチ有り」であるか否かを判定する(S1656)。リーチ有りであれば(S1656でYES)、ステップS1652またはステップS1653の何れかで選択した特図1変動パターン判定テーブルの中からリーチ有りハズレ用の特図1変動パターン判定テーブルを選択(S1658)してからステップS1660に進み、リーチ有りでなければ(S1656でNO)、現在の特図1保留数を確認して、ステップS1652またはステップS1653の何れかで選択した特図1変動パターン判定テーブルの中から特図1保留数に応じたリーチ無しハズレ用の特図1変動パターン判定テーブルを選択(S1657)してからステップS1660に進む。
遊技制御用マイコン101は、ステップS1660において、特図変動パターン乱数を読み出して、その特図変動パターン乱数をステップS1657〜ステップS1659の何れかで選択した特図1変動パターン判定テーブルに照合して、特図1変動パターンを判定する特図1変動パターン判定を行う。続けて、遊技制御用マイコン101は、決定された特図1変動パターンを示す特図1変動開始コマンドを出力バッファにセットし(S1661)、決定された特図1変動パターンに応じた特図変動時間を特別動作用タイマにセットし(S1662)、特図1変動パターン判定処理を終了して、特別図柄待機処理に処理を戻す。
なお、特別動作用タイマは、遊技制御側タイマ割り込み処理におけるその他の処理において、4ms分、更新される。また、セットされる特図1変動開始コマンドには、特別図柄の種別(特図1であるということ)に関する情報や特図1変動パターン判定処理(S1610)で行われた特図変動パターン判定の結果に関する情報(リーチの有無や特図変動時間の情報を含む特図変動パターンの情報)が含まれている。
続いて、遊技制御用マイコン101は、ステップS1610で決定された特図1変動パターンに応じた特図変動時間に基づいて特図1表示器81aに特図1の変動表示を開始させる(S1611)。
次に、遊技制御用マイコン101は、特図1保留記憶部105aにおける各種カウンタ値の格納場所(記憶領域)を現在の位置から読み出される側に一つシフトするとともに、特図1保留記憶部105aにおける保留1個目に対応する記憶領域(読み出される側から最も遠い記憶領域)をクリアする特図1保留記憶部シフト処理を行う(S1612)。このようにして、特図1保留が保留された順に消化される。
次に、遊技制御用マイコン101は、特図1保留数カウンタを「1」減算し(S1613)、特図1保留表示器83aが示す特図1保留数を「1」減少させて変更し(S1614)、特別動作ステータスを「2」に変更する(S1615)。
遊技制御用マイコン101は、続いて、客待ちフラグがONか否かを判定し(S1616)、ONであれば(S1616でYES)、客待ちフラグをOFFして(S1617)、特別図柄待機処理を終え、ONでなければ(S1616でNO)、ステップS1617を実行することなく特別図柄待機処理を終える。
また、ステップS1601において特図2保留数が「0」でない場合(S1601でNO)、即ち、第2始動口12への入賞に起因して取得した特図2関連判定情報の記憶が1つ以上ある場合には、特図2判定処理(S1602)及び特図2変動パターン判定処理(S1603)を行う。特図2判定処理(S1602)及び特図2変動パターン判定処理(S1603)は、特図1判定処理(S1609)および特図1変動パターン判定処理(S1610)と基本的には同じ処理内容である。
特図2判定処理(S1602)は、大当たり判定で用いるテーブルが第2大当たり判定テーブルであること、および大当たり図柄種別判定で用いるテーブルが第2大当たり図柄種別判定テーブルであることを除いて、基本的には特図1判定処理(S1609)と同様の処理であるため説明を省略する。また、特図2変動パターン判定処理(S1603)も、基本的には、特図2変動パターン判定で用いるテーブルが特図2変動パターン判定テーブルであることを除いて特図1変動パターン判定処理(S1610)と同様の処理であるため説明を省略する。
次に、遊技制御用マイコン101は、ステップS1603で決定された特図変動パターンに応じた特図変動時間に基づいて特図2表示器81bに特図2の変動表示を開始させる(S1604)。
次に、遊技制御用マイコン101は、特図2保留記憶部105bにおける各種カウンタ値の格納場所(記憶領域)を現在の位置から読み出される側に一つシフトするとともに、特図2保留記憶部105bにおける保留4個目に対応する記憶領域(読み出される側から最も遠い記憶領域)をクリアする特図2保留記憶部シフト処理を行う(S1605)。このようにして、特図2保留が保留された順に消化される。
続いて遊技制御用マイコン101は、特図2保留数カウンタを「1」減算し(S1606)、特図2保留表示器83bが示す特図2保留数を「1」減少させて変更し(S1607)、特別動作ステータスを「2」に変更し(S1615)、ステップS1616に進む。
上記のように第1実施形態では、特図1保留に基づく特別図柄の変動表示は、特図2保留が「0」の場合(S1601でYESの場合)に限って行われる。すなわち特図2保留の消化は、特図1保留の消化に優先して実行される。そして第1実施形態では、特図2保留に基づく抽選の方が、特図1保留に基づく抽選よりも、遊技者にとって利益の大きい大当たり図柄に当選しやすくなっている。なお、特図1保留の消化を特図2保留の消化に優先して実行されるようにしても良い。また、特図1保留の消化と特図2保留の消化を、特図の種別に関わらず保留が発生した順に行っても良い。
[特別図柄変動処理]
次に図41を用いて特別図柄変動処理について説明する。遊技制御用マイコン101は、特別図柄変動処理ではまず、特別図柄の変動表示を終了させるか否か、即ち、ステップS1603又はステップS1610で特別動作用タイマにセットした特図変動時間が経過した(特別動作カウンタ=0)か否かを判定する(S1701)。特別図柄の変動表示を終了させない場合(S1701でNO)、特別図柄変動処理を終了し、特別図柄の変動表示を終了させる場合(S1701でYES)、特図表示器81に、特別図柄の変動表示を終了させるとともに、ステップS1602又はステップS1609で特図バッファにセットした図柄データ(大当たり図柄データ、またはハズレ特図データ)に応じた特別図柄の停止表示をさせる(S1702)。
続いて、予め設定された特図確定時間(例えば、0.8秒)を特別動作用タイマにセットし(S1703)、特別図柄の変動表示が終了することを示す特図変動停止コマンドを出力バッファにセットし(S1704)、特別動作ステータスを「3」に変更し(S1705)、特別図柄変動処理を終了する。
[特別図柄確定処理]
次に図42を用いて特別図柄確定処理について説明する。遊技制御用マイコン101は、特別図柄確定処理(S1504)ではまず、特別図柄の停止表示を終了させるか否か、即ち、ステップS1703で特別動作用タイマにセットした特図確定時間が経過した(特別動作カウンタ=0)か否かを判定する(S1751)。特別図柄の停止表示を終了させない場合(S1751でNO)、特別図柄確定処理を終了し、特別図柄の停止表示を終了させる場合(S1751でYES)、現在、通常確率状態(高確率フラグがOFF)であるか否かを判定する(S1752)。
遊技制御用マイコン101は、現在、通常確率状態でなければ(S1752でNO)、ステップS1757に進み、現在、通常確率状態であれば(S1752でYES)、時短状態(時短フラグがON)であるか否かを判定する(S1753)。遊技制御用マイコン101は、時短状態でなければ(S1753でNO)、ステップS1757に進み、現在、時短状態であれば(S1753でYES)、時短状態で実行可能な特別図柄の可変表示の残りの回数(時短残り回数)を計測する時短残り回数カウンタの値を「1」減算し(S1754)、時短残り回数カウンタの値が「0」であるか否かを判定する(S1755)。時短残り回数カウンタの値(時短残り回数)が「0」でなければ(S1755でNO)、ステップS1757に進み、時短残り回数カウンタの値(時短残り回数)が「0」であれば(S1755でYES)、時短状態から非時短状態に移行させて(時短フラグをOFFする)(S1756)、ステップS1757に進む。
次に、遊技制御用マイコン101は、現在の遊技状態を確認し、その遊技状態を示した遊技状態コマンドを出力バッファにセットし(S1757)、現在停止表示している特別図柄が大当たり図柄か否かを判定する(S1758)。大当たり図柄でなければ(S1758でNO)、特別動作ステータスを「1」に変更して(S1762)、特別図柄確定処理を終え、大当たり図柄であれば(S1758でYES)、遊技状態をリセットする(通常遊技状態を設定する。具体的には、高確率フラグおよび時短フラグをOFFし、高確率残り回数カウンタおよび時短残り回数カウンタの値を「0」にする)(S1759)。
続いて、遊技制御用マイコン101は、大当たり遊技準備処理を行い(S1760)、特別動作ステータスを「4」に変更し(S1761)、特別図柄確定処理を終了する。遊技制御用マイコン101は、大当たり遊技準備処理において、大当たり図柄の種別に応じた大当たり遊技制御テーブルを遊技用RAM104の所定領域にセットする。また、停止表示している大当たり図柄に応じたオープニング中であることを示す大当たりオープニングフラグを遊技用RAM104の所定領域にONし、大当たり図柄の種別に応じて、所定のオープニング時間(大当たり遊技が開始されてから1ラウンドを開始するまでの時間)を特別動作用タイマにセットする。さらには、大当たり図柄の種別に応じ、大当たり図柄の種別を示すオープニングコマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。大当たり図柄の種別に応じたオープニングコマンドは、その停止表示した大当たり図柄の種別に応じた大当たり遊技(大当たり遊技のオープニング)が開始されることを表す。
6.演出制御基板120による演出の制御
[演出制御メイン処理]
次に図43〜図47のフローチャートを用いて、演出制御基板120による演出の制御について説明する。なお、以下に説明する演出を制御するためのフローチャートは、一例である。そして、フローチャートにおける複数の処理については、処理内容に矛盾が生じない範囲で、適宜に実行順序を変更し、または並列に実行することができる。
また、以下の演出制御基板120による演出の制御の説明において登場するカウンタ、タイマ、フラグ、バッファ等は、演出用RAM124に設けられている。演出制御基板120に備えられた演出制御用マイコン121は、パチンコ遊技機PY1が電源投入されると、図43に示したサブ制御メイン処理のプログラムを演出用ROM123から読み出して実行する。
同図に示すように、演出制御メイン処理では、最初に、電源投入に応じた電源投入時処理を行う(S4001)。電源投入時処理では、例えば、演出用CPU122の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間の管理のための回路)等の設定等を行う。
次に、割り込みを禁止し(S4002)、乱数シード更新処理を実行する(S4003)。乱数シード更新処理(S4003)では、種々の演出に関する判定を行うための種々の演出判定用乱数カウンタの値を更新する。なお、演出判定用乱数には、後述する停止図柄パターン判定用乱数、および特図変動演出パターン判定用乱数等の演出内容を決定するための様々な乱数がある。
種々の演出についての判定用乱数カウンタの更新方法は、一例として、前述の遊技制御基板100が行う乱数更新処理と同様の方法をとることができる。更新に際して乱数値を1ずつ加算するのではなく、2ずつ加算するなどしてもよい。これは、前述の遊技制御基板100が行う乱数更新処理においても同様である。
乱数シード更新処理が終了すると、コマンド送信処理を実行する(S4004)。コマンド送信処理では、演出制御基板120の演出用RAM124内の出力バッファに格納されている各種のコマンド(例えば、後述する特図変動演出開始コマンド、客待ち開始コマンド、オープニング演出開始コマンド、ラウンド演出開始コマンド、およびエンディング演出開始コマンドなど)を、画像制御基板140に送信する。
コマンドを受信した画像制御基板140は、受信したコマンドに従って、表示部50aに画像を表示する(画像による種々の演出を実行する)。また、演出制御基板120は、画像制御基板140によって行われる種々の演出とともに、音声制御回路161を介してスピーカー52から音声を出力させたり(音声による種々の演出を実行したり)、サブドライブ基板162を介して枠ランプ53を発光させたり(発光による種々の演出を実行したり)、盤可動体55kを作動させたり(動作による種々の演出を実行したり)する。なお、種々の演出としては、特図変動演出、大当たり遊技演出(大当たりオープニング演出、ラウンド演出、大当たりエンディング演出)、客待ち演出、操作演出、および先読み演出等がある。
演出制御用マイコン121は続いて、割り込みを許可する(S4005)。以降、ステップS4002〜ステップS4005をループさせる。割り込み許可中においては、受信割り込み処理(S4010)、1msタイマ割り込み処理(S4011)、および10msタイマ割り込み処理(S4012)の実行が可能となる。1msタイマ割り込み処理(S4011)、および10msタイマ割り込み処理(S4012)については後述する。
受信割り込み処理(S4010)は、ストローブ信号、すなわち、遊技制御基板100から送られた各種のコマンドが演出制御用マイコン121の外部INT入力部に入力される度に実行される。受信割り込み処理(S4010)では、演出制御用マイコン121は遊技制御基板100の出力処理(S101)により送信されてきて受信した各種のコマンドを演出用RAM124の受信バッファに格納する。この受信割り込み処理は、他の割り込み処理(S4011、S4012)に優先して実行される。
[1msタイマ割り込み処理]
次に図44を用いて1msタイマ割り込み処理について説明する。1msタイマ割り込み処理(S4011)は、演出制御基板120に1msec周期の割り込みパルスが入力される度に実行される。演出制御用マイコン121は、1msタイマ割り込み処理(S4011)ではまず、入力処理を行う(S4101)。入力処理では、演出制御用マイコン121は、第1演出ボタンセンサ40aからの検出信号に基づいて第1演出ボタンスイッチデータを作成する。演出制御用マイコン121は、第2演出ボタンセンサ41aからの検出信号に基づいて第2演出ボタンスイッチデータを作成する。
続いて、演出制御用マイコン121は、発光データ出力処理を行う(S4102)。発光データ出力処理では、演出制御用マイコン121は、画像による演出等に合うタイミングなどで枠ランプ53を発光させるべく、後述の10msタイマ割り込み処理における発光データ作成処理(S4203)で作成された発光データをサブドライブ基板162に出力する。つまり、演出制御用マイコン121は、発光データに従って枠ランプ53を所定の発光態様で発光させる。
次いで、演出制御用マイコン121は、可動装置制御処理を行う(S4103)。可動装置制御処理では、演出制御用マイコン121は、所定のタイミングで盤可動体55kを駆動させるべく、駆動データ(盤可動体55kの駆動のためのデータ)を作成し、または、出力する。つまり、演出制御用マイコン121は、駆動データに従って、盤可動体55kを所定の動作態様で駆動させる。
次に、演出制御用マイコン121は、タイマ更新処理を行う(S4104)。タイマ更新処理では、各種所定の演出に関する時間の管理・制御を行うために、後述する演出用RAM124に設けられた各種タイマの更新が行われる。当該処理では、演出用RAM124に設けられたタイマが1msec分、更新される。
そして、演出制御用マイコン121は、ウォッチドッグタイマのリセット設定を行うウォッチドッグタイマ処理を行って(S4105)、1msタイマ割り込み処理を終える。
[10msタイマ割り込み処理]
次に図45を用いて10msタイマ割り込み処理について説明する。10msタイマ割り込み処理(S4012)は、演出制御基板120に10msec周期の割り込みパルスが入力される度に実行される。演出制御用マイコン121は、10msタイマ割り込み処理ではまず、ステップS4010で受信バッファに格納したコマンドなどを解析する受信コマンド解析処理を行う(S4201)。受信コマンド解析処理については後述の第1実施形態で詳細に説明する。
次いで、演出制御用マイコン121は、音声制御処理を行う(S4202)。音声制御処理では、演出用RAM124にセットされる特図変動演出データなどが示す演出内容などに基づいて、音声データ(スピーカー52からの音声の出力を制御するデータ)の作成と音声制御回路161への出力が行われる。
次いで、演出制御用マイコン121は、発光データ作成処理を行う(S4203)。発光データ作成処理では、演出用RAM124にセットされる特図変動演出データなどが示す演出内容などに基づいて、発光データの作成が行われる。
[受信コマンド解析処理]
次に図46〜図47を用いて受信コマンド解析処理について説明する。演出制御用マイコン121は、受信コマンド解析処理ではまず、遊技制御基板100から始動入賞コマンド(第1始動入賞コマンド又は第2始動入賞コマンド)を受信したか否か、言い換えれば、始動入賞コマンドを受信バッファに格納したか否かを判定する(S4301)。演出制御用マイコン121は、始動入賞コマンドを受信していれば(S4301でYES)、ステップS4302に進む一方、始動入賞コマンドを受信していなければ(S4301でNO)、ステップS4303に進む。
ステップS4302において、演出制御用マイコン121は、第1始動口11や第2始動口12に遊技球が入賞することに応じた始動入賞時処理を行う。始動入賞時処理では、受信した始動入賞コマンドを演出用RAM124にある始動入賞コマンド保留記憶部125に記憶する。次に、演出制御用マイコン121は、その記憶した始動入賞コマンドを解析して、大当たり期待度を示す先読み演出を実行するか否かの判定を行う。先読み演出には、保留アイコンを特別態様で表示する保留予告の他に、連続する複数回の特別図柄の変動表示にわたって行われる連続予告演出等がある。これらの先読み演出を実行すると決定した場合には、決定した演出を実行するための先読み演出開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。
演出用RAM124の出力バッファにセットされた先読み演出開始コマンドが、コマンド送信処理(S4004)により画像制御基板140に送信されると、画像制御基板140の画像用CPU141は、画像用ROM142から所定の演出画像を読み出して、画像表示装置50の表示部50aにて画像による先読み演出を行う。また、演出制御用マイコン121は、画像制御基板140によって行われる画像による先読み演出が行われている間、画像制御基板140に送信された先読み演出開始コマンドが示す先読み演出内容に応じて、音声制御回路161を介してスピーカー52から音声を出力させ(音声による先読み演出を実行し)、また、サブドライブ基板162を介して枠ランプ53を発光させ(発光による先読み演出を実行し)、盤可動体55kを作動させる(動作による先読み演出を実行する)ことが可能である。
ステップS4303において、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から図柄指定コマンドを受信したか否か、言い換えれば、図柄指定コマンドを受信バッファに格納したか否かを判定する。演出制御用マイコン121は、図柄指定コマンドを受信していなければ(S4303でNO)、ステップS4305に進む一方、図柄指定コマンドを受信していれば(S4303でYES)、図柄指定コマンドを演出用RAM124にある図柄指定コマンド記憶部126に記憶する(S4304)。
ステップS4305において、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から特図変動開始コマンドを受信したか否か、言い換えれば、特図変動開始コマンドを受信バッファに格納したか否かを判定する。特図変動開始コマンドを受信していなければ(S4305でNO)、ステップS4307に進む一方、特図変動開始コマンドを受信していれば(S4305でYES)、特図変動演出の演出内容を決定し、特図変動演出を開始させるための特図変動演出開始処理(S4306)を行う。
演出制御用マイコン121は、特図変動演出開始処理では、まず、特図変動開始コマンドを演出用RAM124にある特図変動開始コマンド記憶部127に記憶する。次いで、ステップS4304で既に記憶した図柄指定コマンドが示す停止特図の内容(大当たり図柄の種別、ハズレ特図)と特図変動開始コマンドが示す特図変動パターンに基づいて、停止表示させる演出図柄EZ1〜EZ3、および小図柄KZ1〜KZ3を判定する停止図柄判定を行うための停止図柄パターン判定テーブルを選択する。停止図柄パターン判定テーブルは、特図および特図変動パターンに関連づけられて複数設けられている。よって、演出制御用マイコン121は、停止特図および特図変動パターンに対応付けられた停止図柄パターン判定テーブルを1つ選択する。各停止図柄パターン判定テーブルには、所定の振分率(%)となるように、複数の演出図柄EZ1〜EZ3、および小図柄KZ1〜KZ3に停止図柄パターン判定用乱数の値(停止図柄パターン判定値)が振り分けられている。次に、演出制御用マイコン121は、停止図柄パターン判定用乱数カウンタが示す値を停止図柄パターン判定用乱数として取得し、取得した停止図柄パターン判定用乱数に基づいて停止図柄パターン判定を行う。
演出制御用マイコン121は、停止図柄パターン判定において、選択した停止図柄パターンテーブルに、取得した停止図柄パターン判定用乱数を照合し、停止表示させる演出図柄EZ1〜EZ3、および小図柄KZ1〜KZ3を決定して、決定した演出図柄EZ1〜EZ3、および小図柄KZ1〜KZ3を表すデータを演出用RAM124の所定領域にセットする。例えば、特図変動パターンがリーチ無しハズレ変動であれば所謂「バラケ目」となるように演出図柄EZ1〜EZ3、および小図柄KZ1〜KZ3の組み合わせが選択される。また、特図変動パターンがリーチ有りハズレ変動であれば、左演出図柄EZ1と右演出図柄EZ3とが同一で、中演出図柄EZ2がそれらと異なるように演出図柄EZ1〜EZ3、および小図柄KZ1〜KZ3の組み合わせが選択される。さらに、特図変動パターンが大当たり変動であれば、演出モードおよび大当たり図柄の種別に応じて所謂「ゾロ目」となるように演出図柄EZ1〜EZ3、および小図柄KZ1〜KZ3の組み合わせが選択される。
次に、演出制御用マイコン121は、滞在している演出モードと特図変動開始コマンドが示す特図変動パターンに基づいて、特図変動演出の演出内容が対応付けられた特図変動演出パターンを判定する特図変動演出パターン判定を行うための特図変動演出パターン判定テーブルを選択する。特図変動演出パターン判定テーブルは、演出モードおよび特図変動パターンに関連づけられて複数設けられている。よって、演出制御用マイコン121は、特図変動パターンに対応付けられた特図変動演出パターン判定テーブルを1つ選択する。各特図変動演出パターン判定テーブルには、所定の振分率(%)となるように、1又は複数の特図変動演出パターンに特図変動演出パターン判定用乱数の値(特図変動演出パターン判定値)が振り分けられている。続いて、演出制御用マイコン121は、特図変動演出パターン判定用乱数カウンタが示す値を特図変動演出パターン判定用乱数として取得し、取得した特図変動演出パターン判定用乱数に基づいて特図変動演出パターン判定を行う。
演出制御用マイコン121は、特図変動演出パターン判定において、選択した特図変動演出パターンテーブルに、取得した特図変動演出パターン判定用乱数を照合し、特図変動演出パターンを決定して、決定した特図変動演出パターンを表すデータを演出用RAM124の所定領域にセットすると共に、特図変動演出パターンを示す特図変動演出開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。
演出用RAM124の出力バッファにセットされた特図変動演出開始コマンドが、コマンド送信処理(S4004)により画像制御基板140に送信されると、画像制御基板140の画像用CPU141は、画像用ROM142から所定の演出画像を読み出して、画像表示装置50の表示部50aにて画像による特図変動演出を行う。
また、特図変動演出開始コマンドには、特図変動開始コマンドが示す特図変動パターンに関連付けられた演出フローに関する情報が含まれている。また、特図変動演出開始コマンドには、画像表示装置50で行われる画像による特図変動演出の他に、スピーカー52から出力される音声による特図変動演出、枠ランプ53で行われる発光による特図変動演出の演出内容、および、盤可動体55kで行われる動作による特図変動演出の演出内容が含まれている。
また、演出制御用マイコン121は、画像制御基板140によって行われる画像による特図変動演出が行われている間、画像制御基板140に送信された特図変動演出開始コマンドが示す特図変動演出内容に応じて、音声制御回路161を介してスピーカー52から音声を出力させ(音声による特図変動演出を実行し)、また、サブドライブ基板162を介して枠ランプ53を発光させ(発光による特図変動演出を実行し)、盤可動体55kを作動させる(動作による特図変動演出を実行する)。
ステップS4307において、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から特図変動停止コマンドを受信したか否か、言い換えれば、特図変動停止コマンドを受信バッファに格納したか否かを判定する。演出制御用マイコン121は、特図変動停止コマンドを受信していなければ(S4307でNO)、ステップS4309に進む一方、特図変動停止コマンドを受信していれば(S4307でYES)、特図変動演出を終了させる(演出図柄EZ1〜EZ3および小図柄KZ1〜KZ3の変動表示を停止し、停止表示を行う)ための特図変動演出終了処理(S4308)を行う。
演出制御用マイコン121は、特図変動演出終了処理では、特図変動停止コマンドを解析し、その解析結果に基づいて、特図変動演出を適宜に終了(演出図柄EZ1〜EZ3、および小図柄KZ1〜KZ3の変動表示を停止)させるための特図変動演出終了コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。画像制御基板140は、特図変動演出終了コマンドを受信すると、実行中の特図変動演出を終了(変動中の演出図柄EZ1〜EZ3、および小図柄KZ1〜KZ3を停止)する。
ステップS4309において、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から遊技状態コマンドを受信したか否か、言い換えれば、遊技状態コマンドを受信バッファに格納したか否かを判定する。演出制御用マイコン121は、遊技状態コマンドを受信していなければ(S4309でNO)、ステップS4311に進む一方、遊技状態コマンドを受信していれば(S4309でYES)、遊技状態コマンドを解析して、遊技状態コマンドが表す遊技状態を特定し、遊技状態を設定するための遊技状態設定処理を行う(S4310)。
演出制御用マイコン121は、遊技状態設定処理において、遊技状態コマンドが示す遊技状態に応じた遊技状態フラグを演出用RAM124の遊技状態フラグ領域に設定する。例えば、演出制御用マイコン121は、遊技状態コマンドが示す遊技状態が通常遊技状態であれば遊技状態フラグ「00H」を演出用RAM124の遊技状態フラグ領域に設定する。また、演出制御用マイコン121は、遊技状態コマンドが示す遊技状態が高確率高ベース遊技状態であれば遊技状態フラグ「01H」を演出用RAM124の遊技状態フラグ領域に設定する。さらに、演出制御用マイコン121は、遊技状態コマンドが示す遊技状態が低確率高ベース遊技状態であれば遊技状態フラグ「02H」を演出用RAM124の遊技状態フラグ領域に設定する。
ステップS4311において、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から客待ちコマンドを受信したか否か、言い換えれば、客待ちコマンドを受信バッファに格納したか否かを判定する。演出制御用マイコン121は、客待ちコマンドを受信していなければ(S4311でNO)、ステップS4313に進む一方、客待ちコマンドを受信していれば(S4311でYES)、客待ち演出待機処理を行い(S4312)、受信コマンド解析処理を終える。
演出制御用マイコン121は、客待ち演出待機処理では、演出図柄の停止表示が行われてから客待ち演出を開始させるまでの待機時間(客待ち演出待機時間:例えば、20秒)を客待ち演出タイマにセットする。なお、演出制御用マイコン121は、この待機時間が経過したか否かを判定可能であり、待機時間が経過したと判定すると、客待ち演出を開始させるための客待ち演出開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。
ステップS4313において、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100からオープニングコマンドを受信したか否か、言い換えれば、オープニングコマンドを受信バッファに格納したか否かを判定する。演出制御用マイコン121は、オープニングコマンドを受信していなければ(S4313でNO)、ステップS4315に進む一方、オープニングコマンドを受信していれば(S4313でYES)、大当たり遊技のオープニングの開始に伴う大当たりオープニング演出開始処理を行う(S4314)。
演出制御用マイコン121は、大当たりオープニング演出開始処理では、オープニングコマンドを解析して、その解析結果に基づいて、これから実行される大当たり遊技のオープニングに応じた大当たりオープニング演出を実行するか否かを判定し、実行するのであれば大当たりオープニング演出の演出内容(大当たりオープニング演出パターン)を選択し、選択した大当たりオープニング演出パターンにて大当たりオープニング演出を開始するための大当たりオープニング演出開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。
ステップS4315において、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100からラウンド数指定コマンドを受信したか否か、言い換えれば、ラウンド数指定コマンドを受信バッファに格納したか否かを判定する。ラウンド数指定コマンドを受信していなければ(S4315でNO)、ステップS4317に進む一方、ラウンド数指定コマンドを受信していれば(S4315でYES)、ラウンド遊技の開始に伴うラウンド演出開始処理を行う(S4316)。
演出制御用マイコン121は、ラウンド演出開始処理では、ラウンド数指定コマンドを解析して、これから開始されるラウンド遊技に応じたラウンド演出を実行するか否かを判定し、実行するのであればラウンド演出の演出内容(ラウンド演出パターン)を選択し、選択したラウンド演出パターンに応じたラウンド演出開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。
ステップS4317において、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100からエンディングコマンドを受信したか否か、言い換えれば、エンディングコマンドを受信バッファに格納したか否かを判定する。エンディングコマンドを受信していなければ(S4317でNO)、受信コマンド解析処理を終える一方、エンディングコマンドを受信していれば(S4317でYES)、大当たり遊技のエンディングの開始に伴う大当たりエンディング演出開始処理(S4318)、および演出モード設定処理(S4319)を行ってから受信コマンド解析処理を終える。
演出制御用マイコン121は、大当たりエンディング演出開始処理において、エンディングコマンドを解析して、これから実行される大当たり遊技のエンディングに応じた大当たりエンディング演出を実行するか否かを判定し、実行するのであれば大当たりエンディング演出の演出内容(大当たりエンディング演出パターン)を選択し、選択した大当たりエンディング演出パターンに応じた大当たりエンディング演出開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。
また、演出制御用マイコン121は、演出モード設定処理において、エンディングコマンドの解析結果、具体的には、エンディングコマンドが示す大当たり図柄に基づいて、大当たり遊技後の演出モードを設定する処理(演出モードを制御するための処理)を行う。
例えば、演出制御用マイコン121は、大当たりエンディングコマンドが示す大当たり図柄が、大当たり図柄A,B、または大当たり図柄D,Eであると、高確率高ベース遊技状態を示唆する確変演出モードに設定する。そして、確変演出モードを示す演出モードフラグを演出用RAM124の所定領域にONすると共に、確変演出モードを設定することを示す確変演出モード開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。演出用RAM124の出力バッファにセットされた確変演出モード開始コマンドが、コマンド送信処理(S4004)により画像制御基板140に送信されると、画像制御基板140の画像用CPU141は、エンディングが終了するタイミングで、背景画像として確変用背景画像G120を表示し、BGMとして確変用BGMを出力する。
また、演出制御用マイコン121は、大当たりエンディングコマンドが示す大当たり図柄が、大当たり図柄C、または大当たり図柄Fであると、低確率高ベース遊技状態を示唆する時短演出モードを設定する。そして、演出制御用マイコン121は、時短演出モードを示す演出モードフラグを演出用RAM124の所定領域にONすると共に、時短演出モードを設定することを示す時短演出モード開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。演出用RAM124の出力バッファにセットされた時短演出モード開始コマンドが、コマンド送信処理(S4004)により画像制御基板140に送信されると、画像制御基板140の画像用CPU141は、エンディングが終了するタイミングで、背景画像として時短用背景画像G130を表示し、BGMとして時短用BGMを出力する。
<第1実施形態>
次に、前述の本発明に係る基本的な実施形態に基づいて、本発明に係る第1実施形態について説明する。以下においては、主に、第1実施形態として、基本的な実施形態と異なる点について説明する。また、基本的な実施形態と同一の構成、または同様に対応する構成については同一の符号、および用語を用いる。
最初に第1実施形態の大まかな特徴点を遊技性の観点で説明する。基本的な実施形態では、大当たり判定において「大当たり」および「ハズレ」の何れか一方に決定されていたが、第1実施形態では、「大当たり」および「ハズレ」以外に、「小当たり」に決定されることもある。言い換えると、第1実施形態では、基本的な実施形態における大当たり判定では決定されることがなかった「小当たり」が設けられている。
なお、詳細は後述するが、大当たり判定で大当たり判定の結果として、「小当たり」に決定されると、「大当たり」および「ハズレ」に決定された場合と同様に、特図変動パターンが決定されて、当該特図変動パターンに基づいて特図可変表示が行われる。特図可変表示では最終的に、「小当たり」に当選したことを示す「小当たり図柄」の停止表示が行われる。すなわち、特図可変表示において、大当たり判定結果として、「小当たり」が導出される。そして、小当たり図柄の停止表示が行われると、小当たり遊技が実行される。
小当たり遊技では、大入賞口14が開放する。すなわち、小当たり遊技は、大入賞口14の開放を伴う遊技である。小当たり遊技が行われている遊技状態のことを「小当たり遊技状態」と称することもある。小当たり遊技状態では、第1始動口11や第2始動口12と比べて賞球数が多い大入賞口14が開放するので、小当たり遊技状態は、通常遊技状態よりも遊技者に有利な遊技状態と位置づけることもできる。また、小当たり遊技状態において、特図可変表示の実行が規制、詳細には禁止されている。そして、小当たり遊技状態が終了すると、新たな特図可変表示の開始が可能となる。小当たり遊技状態の詳細は後述する。
また、基本的な実施形態では、第2始動口12の開放容易性(開放のし易さ)に係る遊技状態として、非時短状態、および時短状態が設けられており、相対的に遊技者に有利な時短状態は、大当たりに当選して大当たり遊技状態が終了することに応じて設定されていた。すなわち、時短状態の発生の契機として、大当たり遊技状態の終了(大当たり当選、あるいは大当たり図柄の停止表示)が設定されていた。しかしながら、第1実施形態では、時短状態設定の契機として、大当たり遊技状態の終了の他に、小当たり図柄の停止表示、またはハズレ図柄の停止表示も設けられている。
なお、第1実施形態では、小当たり図柄は1種類しか設けられていないので、小当たり図柄の停止表示が行われると必ず当該停止表示に応じて時短状態が設定される。一方、ハズレ図柄には、ハズレ図柄A、ハズレ図柄B、ハズレ図柄C、およびハズレ図柄Dの4種類が設けられており、ハズレ図柄Bの停止表示、またはハズレ図柄Cの停止表示に応じて時短状態が設定される。
このように、小当たり図柄の停止表示、ハズレ図柄Bの停止表示、およびハズレ図柄Cの停止表示に応じて時短状態が設定されるので、小当たり図柄、ハズレ図柄B、およびハズレ図柄Cは、時短状態を設定させることができる特別図柄と位置づけることができる。
また、第1実施形態では、第1始動口11への入賞に基づく大当たり判定、換言すると、特図1可変表示に係る大当たり判定でのみ「小当たり」に決定されることがあり、第2始動口12への入賞に基づく大当たり判定、換言すると、特図2可変表示に係る大当たり判定では「小当たり」に決定されることはない。さらに、時短状態を設定させることができるハズレ図柄は、第1始動口11への入賞に基づく大当たり判定で「ハズレ」に決定された場合にのみ決定される。よって、基本的には、非時短状態で第1始動口11への入賞を目指して左打ちしている状況において、大当たり遊技状態にかかわらずに時短状態を発生させることができる。
次に、遊技制御用マイコン101が遊技制御のために用いる各種テーブルであって、基本的な実施形態と異なるテーブル、および基本的な実施形態では用いられていなかったテーブルについて説明する。基本的な実施形態と異なるテーブルは、大当たり判定テーブル、特図1変動パターン判定テーブル、および特図2変動パターン判定テーブルである。基本的な実施形態では用いられていなかったテーブルとして、ハズレ図柄種別判定テーブル、小当たり図柄の停止表示に係る遊技状態設定テーブル、小当たり遊技制御テーブル、およびハズレ図柄の停止表示に係る遊技状態設定テーブルがある。
最初に、大当たり判定テーブルについて説明する。第1実施形態では、第1始動口11への入賞に基づいて特図1可変表示を行う場合の大当たり判定と、第2始動口12への入賞に基づいて特図2可変表示を行う場合の大当たり判定と、で異なる大当たり判定テーブルを用いられる。以下において、前者を「特図1大当たり判定テーブル」と称し、後者を「特図2大当たり判定テーブル」と称する。なお、以下において、特図1可変表示に係る大当たり判定を「特図1大当たり判定」と称する。また、特図2可変表示に係る大当たり判定を「特図2大当たり判定」と称する。
図48(A)は特図1大当たり判定テーブルの構成例であり、図48(B)は特図2大当たり判定テーブルの構成例である。特図1大当たり判定テーブル、および特図2大当たり判定テーブルの何れにも、基本的な実施形態の場合と同様に、通常確率状態で用いるテーブルと、高確率状態で用いるテーブルと、がある。すなわち、特図1大当たり判定テーブルには、通常確率状態用特図1大当たり判定テーブルと、高確率状態用特図1大当たり判定テーブルと、があり、特図2大当たり判定テーブルには、通常確率状態用特図2大当たり判定テーブルと、高確率状態用特図2大当たり判定テーブルと、がある。
図48(A)に示すように、各特図1大当たり判定テーブルでは、大当たり判定結果である大当たり、小当たり、およびハズレのそれぞれに、特別図柄乱数の判定値(特別図柄乱数判定値)が適宜に振り分けられている。よって、各特図1大当たり判定テーブルで大当たり判定が行われると、大当たり、小当たり、およびハズレの何れかに決定される。一方、図48(B)に示すように、各特図2大当たり判定テーブルでは、大当たり判定結果である大当たり、およびハズレのそれぞれに、特別図柄乱数判定値が適宜に振り分けられている。よって、各特図2大当たり判定テーブルで大当たり判定が行われると、大当たり、およびハズレの何れかに決定され、小当たりに決定されることはない。
次に、ハズレ図柄種別判定テーブルについて説明する。前述の通り、第1実施形態では、ハズレ図柄は複数種類設けられている。以下において、ハズレ図柄の種類のことを「ハズレ図柄種別」と称する。そして、ハズレ図柄種別判定テーブルは、大当たり判定の結果がハズレである場合に、ハズレ図柄種別を決定するためのテーブルである。ハズレ図柄種別判定テーブルにも、大当たり図柄種別判定テーブルと同様に、特図1可変表示を行うときに用いられるハズレ図柄種別判定テーブル(特図1ハズレ図柄種別判定テーブル)と、特図2可変表示を行うときに用いられるハズレ図柄種別判定テーブル(特図2ハズレ図柄種別判定テーブル)と、がある。なお、以下において、ハズレ図柄種別判定テーブルを用いてハズレ図柄種別を決定することを「ハズレ図柄種別判定」と称する。さらには、特図1ハズレ図柄種別判定テーブルを用いてハズレ図柄種別を決定することを「特図1ハズレ図柄種別判定」と称し、特図2ハズレ図柄種別判定テーブルを用いてハズレ図柄種別を決定することを「特図2ハズレ図柄種別判定」と称する。
ここで、ハズレ図柄種別判定について説明する。ハズレ図柄種別判定も、大当たり図柄種別判定と同様に、大当たり図柄種別判定用乱数をハズレ図柄種別判定テーブルに照合することで行われる。すなわち、大当たり図柄種別判定およびハズレ図柄種別判定で共通の乱数が用いられる。そこで、第1実施形態においては、基本的な実施形態で説明した「大当たり図柄種別判定用乱数」のことを「図柄種別判定用乱数」と称する。
第1実施形態では、特図1に係るハズレ図柄として、ハズレ図柄A、ハズレ図柄B、ハズレ図柄Cの3種類のハズレ図柄が設けられ、特図2に係るハズレ図柄として、ハズレ図柄Dの1種類のハズレ図柄が設けられている。そして、図48(C)に示すように、各ハズレ図柄種別判定テーブルでは、図48(C)に示す各ハズレ図柄種別に対する選択率となるように、各ハズレ図柄種別に、図柄種別乱数の判定値(図柄種別乱数判定値)が適宜に振り分けられている。
次に、特図1変動パターン判定テーブル、および特図2変動パターン判定テーブルについて説明する。基本的な実施形態では、特図1変動パターン判定テーブル、および特図2変動パターン判定テーブルのそれぞれは、第2始動口12の開放容易性に係る遊技状態に関連付けられていた。換言すると、特図1変動パターン判定テーブルには、非時短状態用の特図1変動パターン判定テーブルと、時短状態用の特図1変動パターン判定テーブルと、があり、特図2変動パターン判定テーブルには、非時短状態用の特図2変動パターン判定テーブルと、時短状態用の特図2変動パターン判定テーブルと、があった。第1実施形態では、この特図変動パターン判定テーブルの基本的な構成は共通するが、時短状態用の特図2変動パターン判定テーブルがさらに細かく分けられている。具体的には、時短状態用の特図2変動パターン判定テーブルは、当該時短状態の契機に関連付けられており、大当たり遊技状態後の時短状態用の特図2変動パターン判定テーブル(第1時短状態用の特図2変動パターン判定テーブル)と、小当たり図柄停止表示後およびハズレ図柄B停止表示後の時短状態用の特図2変動パターン判定テーブル(第2時短状態用の特図2変動パターン判定テーブル)と、ハズレ図柄C停止表示後の時短状態用の特図2変動パターン判定テーブル(第3時短状態用の特図2変動パターン判定テーブル)と、がある。
ここで、遊技状態および遊技状態の契機に関連付けられた各特図変動パターン判定テーブルについて説明する。図49(A)は非時短状態用の特図1変動パターン判定テーブルの構成例であり、図49(B)は時短状態用の特図1変動パターン判定テーブルの構成例であり、図50(A)は非時短状態用の特図2変動パターン判定テーブルの構成例であり、図50(B)は第1時短状態用の特図2変動パターン判定テーブルの構成例であり、図51(A)は第2時短状態用の特図2変動パターン判定テーブルの構成例であり、図51(B)は第3時短状態用の特図2変動パターン判定テーブルの構成例である。
図49(A)、図49(B)に示すように、非時短状態用の特図1変動パターン判定テーブル、および時短状態用の特図1変動パターン判定テーブルの中には、大当たり判定結果が大当たりである場合の特図1変動パターン判定テーブルと、大当たり判定結果がハズレである場合の特図1変動パターン判定テーブルの他に、大当たり判定結果が小当たりである場合の特図1変動パターン判定テーブルも含まれている。これは、前述の通り、第1実施形態では、特図1大当たり判定の判定結果に「小当たり」が含まれているからである。
また、大当たり判定結果がハズレである場合の特図1変動パターン判定テーブルには、ハズレ図柄Aの場合の特図1変動パターン判定テーブル(ハズレ図柄A用特図1変動パターン判定テーブル)と、ハズレ図柄Bの場合の特図1変動パターン判定テーブル(ハズレ図柄B用特図1変動パターン判定テーブル)と、ハズレ図柄Cの場合の特図1変動パターン判定テーブル(ハズレ図柄C用特図1変動パターン判定テーブル)と、がある。これは、前述の通り、第1実施形態では、ハズレ図柄には複数の種類があり、ハズレ図柄の種別によっては、ハズレ図柄の停止表示後に遊技者に有利な時短状態が発生するので、その場合には、特図変動時間をある程度確保して、遊技者の期待感を高める特図変動演出を確実に実行させるためである。よって、ハズレ図柄B用特図1変動パターン判定テーブル、およびハズレ図柄C用特図1変動パターン判定テーブルには、リーチ判定結果が関連付けられておらず、大当たりの場合と同様に、特図1変動パターン判定結果として、通常変動で特図変動演出が終了する特図1変動パターンが含まれていない。一方、ハズレ図柄A用特図1変動パターン判定テーブルには、リーチ判定結果が関連付けられており、基本的な実施形態における非時短状態用のハズレに係る特図1変動パターン判定テーブルと同様に、さらに、リーチ有りの場合のハズレ図柄A用特図1変動パターン判定テーブルと、リーチ無しの場合のハズレ図柄A用特図1変動パターン判定テーブルと、がある。
次に、遊技状態を新たに設定(変更)するための遊技状態設定テーブルについて説明する。基本的な実施形態では、大当たり遊技状態が終了することに応じて遊技状態を新たに設定(変更)する場合は、当該大当たり遊技状態に係る大当たり図柄種別に関連付けられた遊技状態設定テーブルに基づいて遊技状態が新たに設定(変更)された。第1実施形態において、大当たり遊技状態が終了することに応じて遊技状態を新たに設定(変更)する場合は、同様である。そして、小当たり図柄の停止表示に応じて遊技状態を新たに設定(変更)する場合、およびハズレ図柄の停止表示に応じて遊技状態を新たに設定(変更)する場合も、基本的には、遊技状態設定テーブルに基づいて遊技状態が新たに設定(変更)される。
小当たり図柄の停止表示に応じて遊技状態を新たに設定(変更)する場合の遊技状態設定テーブルには、非時短状態おいて小当たり図柄の停止表示が行われた場合の小当たり図柄停止表示用遊技状態設定テーブル(非時短小当たり図柄停止表示用遊技状態設定テーブル)と、時短状態おいて小当たり図柄の停止表示が行われた場合の小当たり図柄停止表示用遊技状態設定テーブル(時短小当たり図柄停止表示用遊技状態設定テーブル)と、がある。すなわち、小当たり図柄の停止表示に係る遊技状態設定テーブルには、遊技状態が関連付けられている。
図52(A)は非時短小当たり図柄停止表示用遊技状態設定テーブルの構成例であり、図52(B)は時短小当たり図柄停止表示用遊技状態設定テーブルの構成例である。図52(A)および図52(B)に示すように、非時短小当たり図柄停止表示用遊技状態設定テーブルによると、小当たり図柄の停止表示に応じて時短状態が設定されるが、時短小当たり図柄停止表示用遊技状態設定テーブルによると、小当たり図柄の停止表示に応じて時短状態が設定されない。
また、ハズレ図柄の停止表示に応じて遊技状態を新たに設定(変更)する場合の遊技状態設定テーブル(ハズレ図柄停止表示用遊技状態設定テーブル)には、非時短状態においてハズレ図柄の停止表示が行われた場合のハズレ図柄停止表示用遊技状態設定テーブル(非時短ハズレ図柄停止表示用遊技状態設定テーブル)と、時短状態においてハズレ図柄の停止表示が行われた場合のハズレ図柄停止表示用遊技状態設定テーブル(時短ハズレ図柄停止表示用遊技状態設定テーブル)と、がある。図52(C)は非時短ハズレ図柄停止表示用遊技状態設定テーブルの構成例であり、図52(D)は時短ハズレ図柄停止表示用遊技状態設定テーブルの構成例である。すなわち、ハズレ図柄の停止表示に係る遊技状態設定テーブルには、遊技状態が関連付けられている。
さらに、非時短ハズレ図柄停止表示用遊技状態設定テーブルには、ハズレ図柄Bである場合の非時短ハズレ図柄停止表示用遊技状態設定テーブル(非時短ハズレ図柄B停止表示用遊技状態設定テーブル)と、ハズレ図柄Cである場合の非時短ハズレ図柄停止表示用遊技状態設定テーブル(非時短ハズレ図柄C停止表示用遊技状態設定テーブル)と、があり、時短ハズレ図柄停止表示用遊技状態設定テーブルには、ハズレ図柄Bである場合の時短ハズレ図柄停止表示用遊技状態設定テーブル(時短ハズレ図柄B停止表示用遊技状態設定テーブル)と、ハズレ図柄Cである場合の時短ハズレ図柄停止表示用遊技状態設定テーブル(時短ハズレ図柄C停止表示用遊技状態設定テーブル)と、がある。すなわち、ハズレ図柄の停止表示に係る遊技状態設定テーブルには、遊技状態とハズレ図柄種別が関連付けられている。
図52(C)および図52(D)に示すように、非時短ハズレ図柄B停止表示用遊技状態設定テーブル、および非時短ハズレ図柄C停止表示用遊技状態設定テーブルによると、ハズレ図柄Bの停止表示およびハズレ図柄Cに応じて時短状態が設定されるが、時短ハズレ図柄B停止表示用遊技状態設定テーブル、および時短ハズレ図柄C停止表示用遊技状態設定テーブルによると、ハズレ図柄Bの停止表示およびハズレ図柄Cの停止表示に応じて時短状態が設定されない。
このように、遊技状態を新たに設定(変更)するための遊技状態設定テーブルには、大当たり判定結果が関連付けられている。そして、小当たりに係る遊技状態設定テーブルおよびハズレに係る遊技状態設定テーブルには、特図停止表示が行われたときの遊技状態が関連付けられている。また、大当たりに係る遊技状態設定テーブルおよびハズレに係る遊技状態設定テーブルには、図柄種別が関連付けられている。
また、小当たり図柄の停止表示に応じて時短状態が設定された場合の当該時短状態の終了条件、およびハズレ図柄Bの停止表示に応じて時短状態が設定された場合の当該時短状態の終了条件は「特図可変表示150回」に設定されている。すなわち、当該時短状態は、大当たりに当選することなく150回の特図可変表示が実行されると終了して、非時短遊技状態になる。一方、ハズレ図柄Cの停止表示に応じて時短状態が設定された場合の当該時短状態の終了条件は「特図可変表示50回」に設定されている。すなわち、当該時短状態は、大当たりに当選することなく50回の特図可変表示が実行されると終了して、非時短遊技状態になる。
次に、小当たり遊技制御テーブルについて説明する。小当たり遊技制御テーブルは、小当たり遊技が行われる小当たり遊技を制御するために用いるテーブルである。小当たり遊技は、大入賞口14の開閉を伴う開放遊技と、当該小当たり遊技が開始してから初回の開放遊技が開始されるまでのオープニング(OPとも表記する)と、最終回の開放遊技が終了してから当該小当たり遊技が終了するまでのエンディング(EDとも表記する)とを含んでいる。各開放遊技は、オープニングの終了又は前の開放遊技の終了によって開始し、次の開放遊技の開始又はエンディングの開始によって終了する。また、開放遊技を挟んでオープニングが開始されてからエンディングが終了するまでが小当たり遊技を構成する。
図53に小当たり遊技制御テーブルの構成例を示す。小当たり遊技制御テーブルには、小当たり遊技を構成する要素(小当たり遊技構成要素)が格納されている。小当たり遊技構成要素には、開放遊技の回数、各開放遊技に係る大入賞口の開放時間(開放パターン)、オープニングの時間(オープニング時間)、およびエンディングの時間(エンディング時間)などが含まれている。なお、小当たり遊技の種別が複数ある場合、小当たり遊技の種別毎に、小当たり遊技構成要素を設定することが可能である。
小当たり遊技制御テーブルによれば、開放遊技が1回行われる。そして、第1実施形態においては、開放遊技にて、大入賞口14が1.8秒にわたって開放する。また、小当たり遊技が開始されてから最初の開放遊技が開始されるまでの間、2.0秒にわたり大入賞口14の閉鎖状態が保持されたオープニングが行われる。さらに、最後の開放遊技が終了してから小当たり遊技が終了するまでの間、0.5秒間にわたり大入賞口14の閉鎖状態が保持されたエンディングが行われる。
次に、遊技制御用マイコン101が行う処理であって、処理内容が基本的な実施形態と異なる処理、および基本的な実施形態では行われていなかった処理について説明する。基本的な実施形態と異なる処理は、特別動作処理と、特別動作処理における特別図柄待機処理の特図1判定処理、特図1変動パターン判定処理、特図2判定処理、および特図2変動パターン判定処理と、特別動作処理における特別図柄確定処理と、である。一方、基本的な実施形態では行われていなかった処理として、特別動作処理における小当たり図柄表示後遊技状態設定処理、小当たり遊技制御処理、およびハズレ図柄表示後遊技状態設定処理がある。
最初に、特別動作処理について説明する。第1実施形態に係る特別動作処理について説明する。特別動作処理のフローチャートを図54に示す。第1実施形態に係る特別動作処理では、特図表示器81、特図保留表示器83および大入賞装置14Dに関する処理が、8つのステータス(段階)に分けられている。そして、それらの各ステータスに「特別動作ステータス=1,2,3,4,5,6,7,8」が割り当てられている。
遊技制御用マイコン101は、「特別動作ステータス」が「1」である場合には、特別図柄待機処理(S1502)を行い、「特別動作ステータス」が「2」である場合には、特別図柄変動処理(S1503)を行い、「特別動作ステータス」が「3」である場合には、特別図柄確定処理(S1504)を行い、「特別動作ステータス」が「4」である場合には、大当たり遊技制御処理(S1505)を行い、「特別動作ステータス」が「5」である場合には、大当たり遊技後遊技状態設定処理(S1506)を行い、「特別動作ステータス」が「6」である場合には、小当たり図柄表示後遊技状態設定処理(S1507)を行い、「特別動作ステータス」が「7」である場合には、小当たり遊技制御処理(S1508)を行い、「特別動作ステータス」が「8」である場合には、ハズレ図柄表示後遊技状態設定処理(S1509)を行う。なお「特別動作ステータス」は初期設定で「1」に設定される。
第1実施形態に係る「特別図柄変動処理」、「大当たり遊技制御処理」、および「大当たり遊技状態後遊技状態設定処理」は、基本的な実施形態に係る「特別図柄変動処理」、「大当たり遊技制御処理」、および「遊技状態設定処理」と同じ処理内容である。なお、「特別動作ステータス=5」に係る処理は、「大当たり遊技後遊技状態設定処理」であり、基本的な実施形態における名称と異なっているが、これは第1実施形態において遊技状態を新たに設定(変更)する契機が増えたことを受けて、その名称を変更したためであり、「特別動作ステータス=5」での処理内容は概ね同一である。また、第1実施形態に係る「特別図柄待機処理」における「特図1判定処理」、「特図1変動パターン判定処理」、「特図2判定処理」、および「特図2変動パターン判定処理」、ならびに「特別図柄確定処理」は、基本的な実施形態に係る「特別図柄待機処理」における「特図1判定処理」、「特図1変動パターン判定処理」、「特図2判定処理」、および「特図2変動パターン判定処理」、ならびに「特別図柄確定処理」と処理内容が異なる。これらの処理の詳細は後述する。
小当たり図柄表示後遊技状態設定処理(S1507)は、小当たり図柄の停止表示が終了して小当たり図柄が確定した際に、遊技状態を新たに設定(変更)する処理である。
小当たり遊技制御処理(S1508)は、小当たり遊技において行われる処理である。遊技制御用マイコン101が、小当たり遊技制御処理を行うことによって、小当たり遊技制御テーブルに応じた小当たり遊技が行われる。なお、遊技制御用マイコン101が、特別動作ステータス「7」を設定し、小当たり遊技を制御する状態が、「小当たり遊技状態」であり、特別動作ステータス「7」が設定されていることを「小当たり遊技状態」と称する。
ハズレ図柄表示後遊技状態設定処理(S1509)は、非時短状態においてハズレ図柄Bの停止表示、およびハズレ図柄Cの停止表示が終了してハズレ図柄B、およびハズレ図柄Cが確定した際に、遊技状態を設定する処理である。
なお、詳細は後述するが、小当たり図柄が停止表示された場合の特別図柄確定処理において「特別動作ステータス」が「6」に変更される。一方、ハズレ図柄Bが停止表示された場合、およびハズレ図柄Cが停止表示された場合の特別図柄確定処理において「特別動作ステータス」が「8」に変更される。また、小当たり図柄表示後遊技状態設定処理が終了する際に、「特別動作ステータス」が「7」に変更され、ハズレ図柄表示後遊技状態設定処理が終了する際に、「特別動作ステータス」が「1」に変更される。さらに、小当たり遊技制御処理が終了する際に、「特別動作ステータス」が「1」に変更される。
次に、特別図柄待機処理における特図1判定処理、および特図1変動パターン判定処理について説明する。最初に、特図1判定処理について説明する。図55に特図1判定処理のフローチャートを示す。図55に示すように、遊技制御用マイコン101は、特図1判定処理において、まずは、ステップS1621として、現在、大当たり確率に係る遊技状態が通常確率状態であるか否かを判定する。遊技制御用マイコン101は、通常確率状態であると判定すると、ステップS1622において、通常確率状態用の特図1大当たり判定テーブルを選択する一方、通常確率状態ではない、すなわち高確率状態であると判定すると、ステップS1623において、高確率状態用の特図1大当たり判定テーブルを選択する。
遊技制御用マイコン101は、特図1大当たり判定テーブルを選択すると、ステップS1624において、選択した特図1大当たり判定テーブルに基づいて特図1大当たり判定を行う。遊技制御用マイコン101は、特図1大当たり判定では、特図1保留記憶部105aに記憶されている特別図柄乱数の中で最も先に記憶されたものを読み出して、選択した特図1大当たり判定テーブルに照合し、大当たり、小当たり、またはハズレの何れであるかを判定する。
遊技制御用マイコン101は、ステップS1625において、特図1大当たり判定の結果が大当たりであるか否かを判定する。遊技制御用マイコン101は、大当たりであると判定すると、ステップS1626において、特図1大当たり図柄種別判定テーブルを選択し、ステップS1627において、特図1大当たり図柄種別判定を行う。
遊技制御用マイコン101は、特図1大当たり図柄種別判定では、特図1保留記憶部105aに記憶されている図柄種別乱数の中で最も先に記憶されたものを読み出して、特図1大当たり図柄種別判定テーブルに照合し、何れの大当たり図柄種別であるかを判定する。遊技制御用マイコン101は、特図1大当たり図柄種別判定を行うと、ステップS1628において、その判定結果である大当たり図柄種別を示す図柄種別フラグを遊技用RAM104の所定領域にセットし、ステップS1629において、その判定結果である大当たり図柄種別を示す図柄指定コマンドを遊技用RAM104に設けられた出力バッファにセットし、当該特図1判定処理を終えて、特別図柄待機処理に処理を戻す。
遊技制御用マイコン101は、ステップS1625において大当たりでないと判定すると、ステップS1630において、特図1大当たり判定の結果が小当たりであるか否かを判定する。遊技制御用マイコン101は、小当たりであると判定すると、ステップS1631において、小当たり図柄を示す図柄種別フラグを遊技用RAM104の所定領域にセットし、ステップS1632において、小当たり図柄を示す図柄指定コマンドを遊技用RAM104に設けられた出力バッファにセットし、当該特図1判定処理を終えて、特別図柄待機処理に処理を戻す。
遊技制御用マイコン101は、ステップS1630において小当たりでないと判定すると、ステップS1633において、特図1ハズレ図柄種別判定テーブルを選択し、ステップS1634において、特図1ハズレ図柄種別判定を行う。
遊技制御用マイコン101は、特図1ハズレ図柄種別判定では、特図1保留記憶部105aに記憶されている図柄種別乱数の中で最も先に記憶されたものを読み出して、特図1ハズレ図柄種別判定テーブルに照合し、何れのハズレ図柄種別であるかを判定する。遊技制御用マイコン101は、特図1ハズレ図柄種別判定を行うと、ステップS1635において、その判定結果であるハズレ図柄種別を示す図柄種別フラグを遊技用RAM104の所定領域にセットし、ステップS1636において、その判定結果であるハズレ図柄種別を示す図柄指定コマンドを遊技用RAM104に設けられた出力バッファにセットし、当該特図1判定処理を終えて、特別図柄待機処理に処理を戻す。
次に、特図1変動パターン判定処理について説明する。図56に特図1変動パターン判定処理のフローチャートを示す。図56に示すように、遊技制御用マイコン101は、特図1パターン判定処理において、まずは、ステップS1641として、現在、第2始動口12の開放容易性に係る遊技状態が非時短状態であるか否かを判定する。遊技制御用マイコン101は、非時短状態であると判定すると、ステップS1642において、非時短状態用の特図1変動パターン判定テーブルを選択する一方、非時短状態ではない、すなわち時短状態であると判定すると、ステップS1643において、時短状態用の特図1変動パターン判定テーブルを選択して、ステップS1644に進む。
続いて、遊技制御用マイコン101は、ステップS1644において、図柄種別フラグなどを確認して、特図1大当たり判定結果が大当たりであるか否かを判定する。遊技制御用マイコン101は、特図1大当たり判定結果が大当たりであると判定すると、ステップS1645において、ステップS1642またはステップS1643の何れかで選択した特図1変動パターン判定テーブルの中で、大当たり用の特図1変動パターン判定テーブルを選択する。一方、遊技制御用マイコン101は、特図1大当たり判定結果が大当たりではないと判定すると、ステップS1645において、図柄種別フラグなどを確認して、特図1大当たり判定結果が小当たりであるか否かを判定する。遊技制御用マイコン101は、特図1大当たり判定結果が小当たりであると判定すると、ステップS1647において、ステップS1642またはステップS1643の何れかで選択した特図1変動パターン判定テーブルの中で、小当たり用の特図1変動パターン判定テーブルを選択して、ステップS1656に進む。
遊技制御用マイコン101は、特図1大当たり判定結果が小当たりではないと判定すると、ステップS1648において、図柄種別フラグなどを確認して、特図1ハズレ図柄種別判定の結果がハズレ図柄Aであるか否かを判定する。遊技制御用マイコン101は、特図1ハズレ図柄種別判定の結果がハズレ図柄Aであると判定すると、ステップS1649において、リーチ判定を行う。遊技制御用マイコン101は、リーチ判定において、特図1保留記憶部105aに記憶されているリーチ乱数の中で最も先に記憶されたものを読み出して、そのリーチ乱数を現在の遊技状態(非時短状態/時短状態)に応じたリーチ判定テーブルに照合して、リーチ有りかリーチ無しかを判定する。
遊技制御用マイコン101は、ステップS1650において、リーチ判定の結果が「リーチ有り」であるか否かを判定する。遊技制御用マイコン101は、リーチ判定の結果がリーチ有りであれば、ステップS1651において、ステップS1642またはステップS1643の何れかで選択した特図1変動パターン判定テーブルの中で、リーチ有りハズレ図柄Aに係る特図1変動パターン判定テーブルを選択してからステップS1656に進み、リーチ判定の結果がリーチ有りでなければ、ステップS1652において、現在の特図1保留数を確認して、ステップS1642またはステップS1643の何れかで選択した特図1変動パターン判定テーブルの中で特図1保留数に応じたリーチ無しハズレ図柄A用の特図1変動パターン判定テーブルを選択してからステップS1656に進む。
遊技制御用マイコン101は、ステップS1648において、特図1ハズレ図柄種別判定の結果がハズレ図柄Aではないと判定すると、ステップS1653において、図柄種別フラグなどを確認して、特図1ハズレ図柄種別判定の結果がハズレ図柄Bであるか否かを判定する。遊技制御用マイコン101は、特図1ハズレ図柄種別判定の結果がハズレ図柄Bであると判定すると、ステップS1654において、ステップS1642またはステップS1643の何れかで選択した特図1変動パターン判定テーブルの中で、ハズレ図柄B用の特図1変動パターン判定テーブルを選択してからステップS1656に進み、特図1ハズレ図柄種別判定の結果がハズレ図柄Bではないと判定すると、ステップS1655において、ハズレ図柄C用の特図1変動パターン判定テーブルを選択してからステップS1656に進む。
遊技制御用マイコン101は、ステップS1645、S1647、S1651、S1652、S1654、S1655で特図1変動パターン判定テーブルを選択すると、ステップS1656において、選択した特図1変動パターン判定テーブルに基づいて特図1変動パターン判定を行う。遊技制御用マイコン101は、特図1変動パターン判定において、特図1保留記憶部105aに記憶されている特図変動パターン乱数の中で最も先に記憶されたものを読み出して、その特図変動パターン乱数を選択した特図1変動パターン判定テーブルに照合して、特図1変動パターンを判定する。
続けて、遊技制御用マイコン101は、ステップS1657において、決定された特図1変動パターンを示す特図1変動開始コマンドを出力バッファにセットし、ステップS1658において、決定された特図1変動パターンに応じた特図変動時間を特別動作用タイマにセットして、特図1変動パターン判定処理を終了し、特別図柄待機処理に処理を戻す。
次に、特別図柄待機処理における特図2判定処理、および特図2変動パターン判定処理について説明する。最初に、特図2判定処理について説明する。図57に特図2判定処理のフローチャートを示す。図57に示すように、遊技制御用マイコン101は、特図2判定処理において、まずは、ステップS1661として、現在、大当たり確率に係る遊技状態が通常確率状態であるか否かを判定する。遊技制御用マイコン101は、通常確率状態であると判定すると、ステップS1662において、通常確率状態用の特図2大当たり判定テーブルを選択する一方、通常確率状態ではない、すなわち高確率状態であると判定すると、ステップS1663において、高確率状態用の特図2大当たり判定テーブルを選択する。
遊技制御用マイコン101は、特図2大当たり判定テーブルを選択すると、ステップS1664において、選択した特図2大当たり判定テーブルに基づいて特図2大当たり判定を行う。遊技制御用マイコン101は、特図2大当たり判定では、特図2保留記憶部105bに記憶されている特別図柄乱数の中で最も先に記憶されたものを読み出して、選択した特図2大当たり判定テーブルに照合し、大当たり、またはハズレの何れであるかを判定する。
遊技制御用マイコン101は、ステップS1665において、特図2大当たり判定の結果が大当たりであるか否かを判定する。遊技制御用マイコン101は、大当たりであると判定すると、ステップS1666において、特図2大当たり図柄種別判定テーブルを選択し、ステップS1667において、特図2大当たり図柄種別判定を行う。
遊技制御用マイコン101は、特図2大当たり図柄種別判定では、特図2保留記憶部105bに記憶されている図柄種別乱数の中で最も先に記憶されたものを読み出して、特図2大当たり図柄種別判定テーブルに照合し、何れの大当たり図柄種別であるかを判定する。遊技制御用マイコン101は、特図2大当たり図柄種別判定を行うと、ステップS1668において、その判定結果である大当たり図柄種別を示す図柄種別フラグを遊技用RAM104の所定領域にセットし、ステップS1669において、その判定結果である大当たり図柄種別を示す図柄指定コマンドを遊技用RAM104に設けられた出力バッファにセットし、当該特図2判定処理を終えて、特別図柄待機処理に処理を戻す。
遊技制御用マイコン101は、ステップS1665において大当たりでない、すなわち、ハズレであると判定すると、ステップS1670において、特図2ハズレ図柄種別判定テーブルを選択し、ステップS1671において、特図2ハズレ図柄種別判定を行う。
遊技制御用マイコン101は、特図2ハズレ図柄種別判定では、特図2保留記憶部105bに記憶されている図柄種別乱数の中で最も先に記憶されたものを読み出して、特図2ハズレ図柄種別判定テーブルに照合し、何れのハズレ図柄種別であるかを判定する。遊技制御用マイコン101は、特図2ハズレ図柄種別判定を行うと、ステップS1672において、その判定結果であるハズレ図柄種別を示す図柄種別フラグを遊技用RAM104の所定領域にセットし、ステップS1673において、その判定結果であるハズレ図柄種別を示す図柄指定コマンドを遊技用RAM104に設けられた出力バッファにセットし、当該特図2判定処理を終えて、特別図柄待機処理に処理を戻す。なお、前述の通り、第1実施形態では、特図2に係るハズレ図柄種別としては、ハズレ図柄Dの1種類のみが設けられている。
次に、特図2変動パターン判定処理について説明する。図58に特図2変動パターン判定処理のフローチャートを示す。図58に示すように、遊技制御用マイコン101は、特図2パターン判定処理において、まずは、ステップS1681として、現在、第2始動口12の開放容易性に係る遊技状態が非時短状態であるか否かを判定する。遊技制御用マイコン101は、非時短状態であると判定すると、ステップS1682において、非時短状態用の特図2変動パターン判定テーブルを選択して、ステップS1689に進む。
遊技制御用マイコン101は、ステップS1681において、非時短状態ではない、すなわち時短状態であると判定すると、ステップS1683において、後述する時短フラグの種別を確認して、当該時短状態が大当たり遊技後の時短状態であるか否かを判定する。遊技制御用マイコン101は、当該時短状態が大当たり遊技後の時短状態であると判定すると、ステップS1684において、第1時短状態用の特図2変動パターン判定テーブルを選択して、ステップS1689に進む。
遊技制御用マイコン101は、ステップS1683において、大当たり遊技状態後の時短状態ではないと判定すると、ステップS1685において、時短フラグの種別を確認して、当該時短状態が小当たり図柄停止表示後の時短状態であるか否かを判定する。遊技制御用マイコン101は、当該時短状態が小当たり図柄停止表示後の時短状態であると判定すると、ステップS1686において、第2時短状態用の特図2変動パターン判定テーブルを選択して、ステップS1689に進む。
遊技制御用マイコン101は、当該時短状態が小当たり図柄停止表示後の時短状態ではないと判定すると、ステップS1687において、時短フラグの種別を確認して、当該時短状態がハズレ図柄B停止表示後の時短状態であるか否かを判定する。遊技制御用マイコン101は、当該時短状態が、ハズレ図柄B停止表示後の時短状態であると判定すると、ステップS1686において、第2時短状態用の特図2変動パターン判定テーブルを選択して、ステップS1689に進む一方、ハズレ図柄B停止表示後の時短状態ではないと判定すると、ステップS1688において、第3時短状態用の特図2変動パターン判定テーブルを選択して、ステップS1689に進む。
遊技制御用マイコン101は、ステップS1689において、図柄種別フラグなどを確認して、特図2大当たり判定結果が大当たりであるか否かを判定する。遊技制御用マイコン101は、特図2大当たり判定結果が大当たりであると判定すると、ステップS1690において、ステップS1682、S1684、S1686、S1688の何れかで選択した特図2変動パターン判定テーブルの中で、大当たり用の特図2変動パターン判定テーブルを選択する。一方、遊技制御用マイコン101は、特図2大当たり判定結果が大当たりではない、すなわちハズレであると判定すると、ステップS1691において、リーチ判定を行う。遊技制御用マイコン101は、リーチ判定において、特図2保留記憶部105bに記憶されているリーチ乱数の中で最も先に記憶されたものを読み出して、そのリーチ乱数を現在の遊技状態(非時短状態/時短状態)に応じたリーチ判定テーブルに照合して、リーチ有りかリーチ無しかを判定する。
遊技制御用マイコン101は、ステップS1692において、リーチ判定の結果が「リーチ有り」であるか否かを判定する。遊技制御用マイコン101は、リーチ判定の結果がリーチ有りであれば、ステップS1693において、ステップS1682、S1684、S1686、S1688の何れかで選択した特図2変動パターン判定テーブルの中で、リーチ有りハズレ用の特図2変動パターン判定テーブルを選択してからステップS1695に進み、リーチ判定の結果がリーチ有りでなければ、ステップS1694において、現在の特図2保留数を確認して、ステップS1682、S1684、S1686、S1688の何れかで選択した特図2変動パターン判定テーブルの中で特図2保留数に応じたリーチ無しハズレ用の特図2変動パターン判定テーブルを選択してからステップS1695に進む。
遊技制御用マイコン101は、ステップS1690、S1693、S1694で、特図2変動パターン判定テーブルを選択すると、ステップS1695において、選択した特図2変動パターン判定テーブルに基づいて特図2変動パターン判定を行う。遊技制御用マイコン101は、特図2変動パターン判定において、特図2保留記憶部105bに記憶されている特図変動パターン乱数の中で最も先に記憶されたものを読み出して、その特図変動パターン乱数を選択した特図2変動パターン判定テーブルに照合して、特図2変動パターンを判定する。
続けて、遊技制御用マイコン101は、ステップS1696において、決定された特図2変動パターンを示す特図2変動開始コマンドを出力バッファにセットし、ステップS1697において、決定された特図2変動パターンに応じた特図変動時間を特別動作用タイマにセットして、特図2変動パターン判定処理を終了し、特別図柄待機処理に処理を戻す。
次に、特別図柄確定処理について説明する。図59に特別図柄確定処理のフローチャートを示す。図59に示すように、遊技制御用マイコン101は、特別図柄確定処理において、まずは、ステップS1751として、特別図柄の停止表示を終了させて特別図柄を確定するか否か、即ち、ステップS1703で特別動作用タイマにセットした特図確定時間が経過したか否かを判定する。遊技制御用マイコン101は、特図確定時間が経過していないと判定すると、当該特別図柄確定処理を終了する。一方、遊技制御用マイコン101は、特図確定時間が経過したと判定すると、ステップS1752において現在、通常確率状態(高確率フラグがOFF)であるか否かを判定する。
遊技制御用マイコン101は、現在、通常確率状態ではないと判定すると、ステップS1757に進み、現在、通常確率状態であると判定すると、ステップS1753において、時短状態(時短フラグがON)であるか否かを判定する。遊技制御用マイコン101は、時短状態ではないと判定すると、ステップS1757に進み、現在、時短状態であると判定すると、ステップS1754において、時短残り回数カウンタの値を「1」減算し、ステップS1755において、時短残り回数カウンタの値が「0」であるか否かを判定する。遊技制御用マイコン101は、時短残り回数カウンタの値(時短残り回数)が「0」ではないと判定すると、ステップS1757に進み、時短残り回数カウンタの値(時短残り回数)が「0」であると判定すると、ステップS1756において、時短状態から非時短状態に移行させて(時短フラグをOFFする)、ステップS1757に進む。
遊技制御用マイコン101は、ステップS1757において、現在の遊技状態を確認し、その遊技状態を示した遊技状態コマンドを出力バッファにセットし、ステップS1758において、現在停止表示している特別図柄が大当たり図柄であるか否かを判定する。遊技制御用マイコン101は、大当たり図柄であると判定すると、ステップS1759において、遊技状態をリセットする(通常遊技状態を設定する。具体的には、高確率フラグおよび時短フラグをOFFし、時短残り回数カウンタの値を「0」にする)。
続いて、遊技制御用マイコン101は、ステップS1760において、大当たり遊技準備処理を行い、ステップS1761において、特別動作ステータスを「4」に変更し、当該特別図柄確定処理を終了する。遊技制御用マイコン101は、大当たり遊技準備処理において、大当たり図柄の種別に応じた大当たり遊技制御テーブルを遊技用RAM104の所定領域にセットする。また、停止表示している大当たり図柄に応じたオープニング中であることを示す大当たりオープニングフラグを遊技用RAM104の所定領域にONし、大当たり図柄の種別に応じて、所定のオープニング時間(大当たり遊技が開始されてから1ラウンドを開始するまでの時間)を特別動作用タイマにセットする。さらには、大当たり図柄の種別に応じ、大当たり図柄の種別を示すオープニングコマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。大当たり図柄の種別に応じたオープニングコマンドは、その停止表示した大当たり図柄の種別に応じた大当たり遊技(大当たり遊技のオープニング)が開始されることを表す。
遊技制御用マイコン101は、ステップS1758において、現在停止表示している特別図柄が大当たり図柄ではないと判定すると、ステップS1762において、現在停止表示している特別図柄が小当たり図柄であるか否かを判定する。遊技制御用マイコン101は、小当たり図柄であると判定すると、ステップS1763において、特別動作ステータスを「6」に変更し、当該特別図柄確定処理を終了する。
遊技制御用マイコン101は、ステップS1762において、現在停止表示している特別図柄が小当たり図柄ではないと判定すると、ステップS1764において、現在停止表示している特別図柄がハズレ図柄Bまたはハズレ図柄Cであるか否かを判定する。遊技制御用マイコン101は、ハズレ図柄Bまたはハズレ図柄Cであると判定すると、ステップS1766において、特別動作ステータスを「8」に変更して、当該特別図柄確定処理を終了する一方、ハズレ図柄Bまたはハズレ図柄Cではないと判定すると、ステップS1765において、特別動作ステータスを「1」に変更して、当該特別図柄確定処理を終了する。
ここで、小当たり図柄表示後遊技状態設定処理(S1507)、およびハズレ図柄表示後遊技状態設定処理(S1509)について説明する。最初に、小当たり図柄表示後遊技状態設定処理(S1507)について説明する。前述の通り、遊技制御用マイコン101は、特別動作ステータスが「6」のときに、小当たり図柄表示後遊技状態設定処理を行う。遊技制御用マイコン101は、小当たり図柄の停止表示後に時短状態にて遊技を行うので、小当たり図柄表示後遊技状態設定処理において、小当たり図柄の停止表示を契機とした時短状態であることを示す時短フラグ(小当たり図柄表示後時短フラグ)を遊技用RAM104の時短フラグ領域にONして時短状態を設定すると共に、小当たり図柄の停止表示を契機とした時短状態であることを示す遊技状態コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。また、当該時短状態の終了条件は特図可変表示の実行回数「150」回であるので、「150」回を時短規定回数として、時短残り回数カウンタにセットする。そして、遊技制御用マイコン101は、特別動作ステータスを「7」に変更して、当該小当たり図柄表示後遊技状態設定処理を終了する。
次に、ハズレ図柄表示後遊技状態設定処理(S1509)について説明する。前述の通り、遊技制御用マイコン101は、特別動作ステータスが「8」のときに、ハズレ図柄表示後遊技状態設定処理を行う。遊技制御用マイコン101は、ハズレ図柄表示後遊技状態設定処理において、ハズレ図柄種別に基づいて時短状態を設定する。具体的に、遊技制御用マイコン101は、ハズレ図柄Bの停止表示が行われていれば、ハズレ図柄Bの停止表示を契機とした時短状態であることを示す時短フラグ(ハズレ図柄B表示後時短フラグ)を遊技用RAM104の時短フラグ領域にONして時短状態を設定すると共に、ハズレ図柄Bの停止表示を契機とした時短状態であることを示す遊技状態コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。また、当該時短状態の終了条件は特図可変表示の実行回数「150」回であるので、「150」回を時短規定回数として、時短残り回数カウンタにセットする。一方、遊技制御用マイコン101は、ハズレ図柄Cの停止表示が行われていれば、ハズレ図柄Cの停止表示を契機とした時短状態であることを示す時短フラグ(ハズレ図柄C表示後時短フラグ)を遊技用RAM104の時短フラグ領域にONして時短状態を設定すると共に、ハズレ図柄Cの停止表示を契機とした時短状態であることを示す遊技状態コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。また、当該時短状態の終了条件は特図可変表示の実行回数「50」回であるので、「50」回を時短規定回数として、時短残り回数カウンタにセットする。そして、遊技制御用マイコン101は、特別動作ステータスを「1」に変更して、当該ハズレ図柄表示後遊技状態設定処理を終了する。
なお、遊技制御用マイコン101は、大当たり遊技後遊技状態設定処理(S1505)において時短状態を設定する場合は、大当たり遊技状態の終了を契機とした時短状態であることを示す時短フラグ(大当たり遊技状態後時短フラグ)を遊技用RAM104の時短フラグ領域にONして時短状態を設定すると共に、大当たり遊技状態の終了を契機とした時短状態であることを示す遊技状態コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。また、当該時短状態に終了条件としての時短期待回数が設定されている場合、すなわち、大当たり図柄C,Fに係る大当たり遊技状態終了後の時短状態を設定する場合、当該時短状態の終了条件は特図可変表示の実行回数「100」回であるので、「100」回を時短規定回数として、時短残り回数カウンタにセットする。
このように、大当たり遊技後遊技状態設定処理(S1505)、小当たり図柄表示後遊技状態設定処理(S1507)、およびハズレ図柄表示後遊技状態設定処理(S1509)において、時短状態を示す時短フラグとして、大当たり遊技状態後時短フラグ、小当たり図柄表示後時短フラグ、ハズレ図柄B表示後時短フラグ、およびハズレ図柄C表示後時短フラグがセットされるので、遊技制御用マイコン101は、当該時短フラグに基づいて、契機が関連付けられた時短状態を特定し、時短状態に係る特図2変動パターン判定テーブルを適切に選択して、特図2変動パターン判定を行うことができる。
次に、演出制御用マイコン121が、各契機による時短状態を設定した場合の演出について説明する。最初に大当たり遊技状態の終了を契機とした時短状態における演出について説明する。図60は、主に、表示部50aで、大当たり遊技状態の終了を契機とした時短状態において時短モードによる演出が行われている様子を示す図である。図60(A)は、時短モードによる演出が行われる前の演出として、大当たり遊技が終了する際にエンディング演出が実行されている様子を示す図、図60(B)は、エンディング演出が終了して時短モードになって特図変動演出が開始される直前の様子を示す図、図60(C)〜図60(E)は、演出モードBによる特図変動演出が行われている様子を示す図である。
前述のように、演出制御用マイコン121は、大当たり遊技状態が終了するときに、時短演出モードを設定し、時短演出モードを開始することを示す時短演出モード開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。セットされた時短モード開始コマンドは、コマンド送信処理(S4004)により画像制御基板140に送信される。
画像制御基板140の画像用CPU141は、時短モード開始コマンドを受信すると、図60(A)〜図60(B)に示すように、エンディング用背景画像G202から、時短用背景画像G130に切り替える。また、画像用CPU141は、これから時短状態で制御され、時短状態では基本的に第2始動口12へ入賞させて特図2可変表示を行う遊技が行われるので、表示部50aの所定領域において、右打ちを促す画像(右打ち画像)G30を表示する。さらに、画像用CPU141は、表示部50aの所定領域において、当該時短状態に係る時短残り回数を示す画像(時短残り回数画像)G31を表示する。
なお、右打ち画像G30および時短残り回数画像G31の具体的な表示内容は、その機能を発揮できる範囲内で特に限定されないが、第1実施形態では、右打ち画像G30は、表示部50aの水平方向全域に延びた帯状のベース部分と、ベース部分の上で水平方向に複数並べられた右向き矢印を表す図形と、で構成され、時短残り回数画像G31は、文字「残り回数〇〇回」で構成されている。時短残り回数画像G31に係る「〇〇」の部分には、実際の時短残り回数を表す数字が表示される。よって、図60(B)に示すように、エンディング演出が終了して時短モードによる特図変動演出が開始される前には、大当たり遊技状態後の時短状態に係る時短規定回数である「100」が表示されている。また、画像用CPU141は、エンディング演出が終了して時短モードによる特図変動演出が開始される前に、当該大当たり遊技に係る演出図柄EZ1〜EZ3を停止状態で表示する。
そして、時短演出モードにおいて1回目の特図変動表示が開始されると、図60(C)に示すように、演出図柄EZ1〜EZ3の変動表示が開始されると共に、時短残り回数画像G31が示す時短残り回数が「1」減少する。そして、当該1回目の特図変動表示が終了すると、図60(D)に示すように、演出図柄EZ1〜EZ3の停止表示が行われる。続いて、時短演出モードにおいて2回目の特図変動表示が開始されると、図60(E)に示すように、演出図柄EZ1〜EZ3の変動表示が開始されると共に、時短残り回数画像G31が示す時短残り回数がさらに「1」減少する。その後は、大当たり当選しない限りは、時短演出モードにおいて特図変動パターンに基づく特図変動演出などが適宜に実行されながら、特図変動表示が開始される度に、時短残り回数画像G31が示す時短残り回数が「1」ずつ減少していく。
次に、小当たり図柄の停止表示を契機とした時短状態、ハズレ図柄Bの停止表示を契機とした時短状態、およびハズレ図柄Cの停止表示を契機とした時短状態において行われる演出について説明する。
第1実施形態では、小当たり図柄の停止表示を契機とした時短状態、およびハズレ図柄Bの停止表示を契機とした時短状態では、時短演出モードとは異なり、当該時短状態に応じた演出モードが設定される。以下において、この演出モードを「超チャンスモード」と称する。そして、超チャンスモードでは、時短演出モードの場合と同様に、表示部50aにおいて、超チャンスモード専用の背景画像(超チャンスモード用背景画像G140)が表示され、スピーカー52から超チャンスモード用のBGM(超チャンスモード用BGM)が出力される。なお、第1実施形態では、超チャンスモード用背景画像G140はゴルフ場の風景を紹介する動画で構成されている。
演出制御用マイコン121は、例えば、小当たり図柄の停止表示を契機とした時短状態を示す遊技状態コマンド、およびハズレ図柄Bの停止表示を契機とした時短状態を示す遊技状態コマンドを受信すると、ステップS4310の遊技状態設定処理において新たに遊技状態を設定した後に、超チャンスモードを示す演出モードフラグ(超チャンスモードフラグ)を演出用RAM124の所定領域にONすると共に、超チャンスモードを開始することを示す超チャンスモード開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。セットされた超チャンスモード開始コマンドは、コマンド送信処理(S4004)により画像制御基板140に送信される。
画像制御基板140の画像用CPU141は、超チャンスモード開始コマンドを受信すると、表示部50aにおいて、その直前に表示されている背景画像から、超チャンスモード用背景画像G140に切り替える。また、画像用CPU141は、これから時短状態で制御され、時短状態では基本的に第2始動口12へ入賞させて特図2可変表示を行う遊技が行われるので、表示部50aの所定領域において、右打ち画像G30を表示する。さらに、画像用CPU141は、表示部50aの所定領域において、当該時短状態に係る時短残り回数を表す時短残り回数画像G31を表示する。
一方、ハズレ図柄Cの停止表示を契機とした時短状態では、時短演出モードおよび超チャンスモードとは異なり、当該時短状態に応じた演出モードが設定される。以下において、この演出モードを「短チャンスモード」と称する。そして、短チャンスモードでは、時短演出モードおよび超チャンスモードの場合と同様に、表示部50aにおいて、短チャンスモード専用の背景画像(短チャンスモード用背景画像G150)が表示され、スピーカー52から短チャンスモード用のBGM(短チャンスモード用BGM)が出力される。なお、第1実施形態では、短チャンスモード用背景画像G150は所定のキャラクターがジョギングをしている様子を表す動画で構成されている。
演出制御用マイコン121は、例えば、ハズレ図柄Cの停止表示を契機とした時短状態を示す遊技状態コマンドを受信すると、ステップS4310の遊技状態設定処理において新たに遊技状態を設定した後に、短チャンスモードを示す演出モードフラグ(短チャンスモードフラグ)を演出用RAM124の所定領域にONすると共に、短チャンスモードを開始することを示す短チャンスモード開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。セットされた短チャンスモード開始コマンドは、コマンド送信処理(S4004)により画像制御基板140に送信される。
画像制御基板140の画像用CPU141は、短チャンスモード開始コマンドを受信すると、表示部50aにおいて、その直前に表示されている背景画像から、短チャンスモード用背景画像G150に切り替える。また、画像用CPU141は、これから時短状態で制御され、時短状態では基本的に第2始動口12へ入賞させて特図2可変表示を行う遊技が行われるので、表示部50aの所定領域において、右打ち画像G30を表示する。さらに、画像用CPU141は、表示部50aの所定領域において、当該時短状態に係る時短残り回数を表す時短残り回数画像G31を表示する。
また、詳細な説明は省略するが、第1実施形態では、小当たりに係る特図変動演出、ハズレ図柄種別Bのハズレに係る特図変動演出、およびハズレ図柄種別Cのハズレに係る特図変動演出では、リーチが成立した後に、これらの特図変動演出に専用の演出が実行される。以下において、この専用の演出のことを「チャレンジ演出」と称する。
チャレンジ演出では、表示部50aにおいて、背景画像として、チャレンジ演出専用の背景画像(チャレンジ演出用背景画像)G116が表示される。すなわち、リーチが成立すると、表示部50aにおいては、それまで表示されていた何れかの通常用背景画像(第1通常用背景画像G111、第2通常用背景画像G112、第3通常用背景画像G113)から、チャレンジ演出用背景画像G116に切り替わる。
次に、超チャンスモードおよび短チャンスモードの具体例について説明する。図61は、主に、表示部50aで、通常演出モードから超チャンスモードに切り替わって、超チャンスモードによる演出が行われている様子を示す図である。一方、図61は、主に、表示部50aで、通常演出モードから短チャンスモードに切り替わって、短チャンスモードによる演出が行われている様子を示す図である。
最初に超チャンスモードについて説明する。図61(A)は、通常演出モードにおいて表示部50aでチャレンジ演出が行われている様子を示す図、図61(B)は、通常演出モードにおいて表示部50aでチャレンジ演出が終了して、小当たり、およびハズレ図柄Bのハズレを示唆すると共に、超チャンスモードが設定されることを示唆する態様で演出図柄EZ1〜EZ3の停止表示が実行されている様子を示す図、図61(C)は、通常演出モードが終了して超チャンスモードによる特図変動演出が開始される直前の様子を示す図、図61(D)〜図61(F)は、超チャンスモードによる特図変動演出が行われている様子を示す図である。
図61(A)に示すように、特図変動演出においてチャレンジ演出が実行されているときに、小当たりおよびハズレ図柄Bに係る特図変動表示が終了すると、図61(B)に示すように、小当たり、およびハズレ図柄Bのハズレを示唆すると共に、超チャンスモードが設定されることを示唆する態様で演出図柄EZ1〜EZ3の停止表示が行われる。第1実施形態では、演出図柄EZ1〜EZ3に係る「小当たり、およびハズレ図柄Bのハズレを示唆すると共に、超チャンスモードが設定されることを示唆する態様」として、左演出図柄EZ1が文字「超チャンス」を含む画像(左超チャンスモード示唆画像)G32a、中演出図柄EZ2が文字「モード」を含む画像(中超チャンスモード示唆画像)G32b、右演出図柄EZ3が文字「突入」を含む画像(右超チャンスモード示唆画像)G32cでそれぞれ構成されている。
なお、以下において、左超チャンスモード示唆画像G32a、中超チャンスモード示唆画像G32b、および右超チャンスモード示唆画像G32cを併せて「超チャンスモード示唆画像G32」と総称する。超チャンスモード示唆画像G32の表示は、超チャンスモードが設定されることを示唆している。
前述のように、特別図柄確定処理が終了した直後に、小当たり図柄の停止表示を契機とした時短状態を示す遊技状態コマンド、またはハズレ図柄Bの停止表示を契機とした時短状態を示す遊技状態コマンドが演出制御基板120に送信されるので、演出図柄EZ1〜EZ3の停止表示が行われてから特図確定時間が経過したことに応じて、超チャンスモードが設定されて、超チャンスモード開始コマンドが画像制御基板140に送信される。よって、このタイミングで、図61(C)に示すように、チャレンジ演出用背景画像G116から超チャンスモード用背景画像G140に切り替わる。また、これから時短状態で制御され、時短状態では基本的に第2始動口12へ入賞させて特図2可変表示を行う遊技が行われるので、表示部50aの所定領域において、右打ち画像G30が表示される。さらに、表示部50aの所定領域において、当該時短状態に係る時短残り回数画像G31が表示される。なお、第1実施形態では、小当たり図柄の停止表示を契機とした時短状態、およびハズレ図柄Bの停止表示を契機とした時短状態に係る時短規定回数は「150」回であるので、超チャンスモードの設定直後は、図61(C)に示すように、時短残り回数画像G31が表示されたとき、時短残り回数画像G31は時短残り回数が「150」回であることを示唆している。
続いて、超チャンスモードにおいて1回目の特図変動表示が開始されると、図61(D)に示すように、演出図柄EZ1〜EZ3の変動表示が開始されると共に、時短残り回数画像G31が示す時短残り回数が「1」減少する。そして、当該1回目の特図変動表示が終了すると、図61(E)に示すように、演出図柄EZ1〜EZ3の停止表示が行われる。続いて、超チャンスモードにおいて2回目の特図変動表示が開始されると、図61(F)に示すように、演出図柄EZ1〜EZ3の変動表示が開始されると共に、時短残り回数画像G31が示す時短残り回数がさらに「1」減少する。その後は、大当たり当選しない限りは、超チャンスモードにおいて特図変動パターンに基づく特図変動演出などが適宜に実行されながら、特図変動表示が開始される度に、時短残り回数画像G31が示す時短残り回数が「1」ずつ減少していく。
次に、短チャンスモードについて説明する。図62(A)は、通常演出モードにおいて表示部50aでチャレンジ演出が行われている様子を示す図、図62(B)は、通常演出モードにおいて表示部50aでチャレンジ演出が終了して、ハズレ図柄Cのハズレを示唆すると共に、短チャンスモードが設定されることを示唆する態様で演出図柄EZ1〜EZ3の停止表示が実行されている様子を示す図、図62(C)は、通常演出モードが終了して短チャンスモードによる特図変動演出が開始される直前の様子を示す図、図62(D)〜図62(F)は、短チャンスモードによる特図変動演出が行われている様子を示す図である。
図62(A)に示すように、特図変動演出においてチャレンジ演出が実行されているときに、ハズレ図柄Cに係る特図変動表示が終了すると、図62(B)に示すように、ハズレ図柄Cのハズレを示唆すると共に、短チャンスモードが設定されることを示唆する態様で演出図柄EZ1〜EZ3の停止表示が行われる。第1実施形態では、演出図柄EZ1〜EZ3に係る「ハズレ図柄Cのハズレを示唆すると共に、短チャンスモードが設定されることを示唆する態様」として、左演出図柄EZ1が文字「短チャンス」を含む画像(左短チャンスモード示唆画像)G33a、中演出図柄EZ2が文字「モード」を含む画像(中短チャンスモード示唆画像)G33b、右演出図柄EZ3が文字「突入」を含む画像(右短チャンスモード示唆画像)G33cでそれぞれ構成されている。
なお、以下において、左短チャンスモード示唆画像G33a、中短チャンスモード示唆画像G33b、および右短チャンスモード示唆画像G33cを併せて「短チャンスモード示唆画像G33」と総称する。短チャンスモード示唆画像G33の表示は、短チャンスモードが設定されることを示唆している。
前述のように、特別図柄確定処理が終了した直後に、ハズレ図柄Cの停止表示を契機とした時短状態を示す遊技状態コマンドが演出制御基板120に送信されるので、演出図柄EZ1〜EZ3の停止表示が行われてから特図確定時間が経過したことに応じて、短チャンスモードが設定されて、短チャンスモード開始コマンドが画像制御基板140に送信される。よって、このタイミングで、図62(C)に示すように、チャレンジ演出用背景画像G116から短チャンスモード用背景画像G150に切り替わる。また、これから時短状態で制御され、時短状態では基本的に第2始動口12へ入賞させて特図2可変表示を行う遊技が行われるので、表示部50aの所定領域において、右打ち画像G30が表示される。さらに、表示部50aの所定領域において、当該時短状態に係る時短残り回数画像G31が表示される。なお、第1実施形態では、ハズレ図柄Cの停止表示を契機とした時短状態に係る時短規定回数は「50」回であるので、短チャンスモードの設定直後は、図62(C)に示すように、時短残り回数画像G31が表示されたとき、時短残り回数画像G31は時短残り回数が「50」回であることを示唆している。
続いて、短チャンスモードにおいて1回目の特図変動表示が開始されると、図62(D)に示すように、演出図柄EZ1〜EZ3の変動表示が開始されると共に、時短残り回数画像G31が示す時短残り回数が「1」減少する。そして、当該1回目の特図変動表示が終了すると、図62(E)に示すように、演出図柄EZ1〜EZ3の停止表示が行われる。続いて、短チャンスモードにおいて2回目の特図変動表示が開始されると、図62(F)に示すように、演出図柄EZ1〜EZ3の変動表示が開始されると共に、時短残り回数画像G31が示す時短残り回数がさらに「1」減少する。その後は、大当たり当選しない限りは、短チャンスモードにおいて特図変動パターンに基づく特図変動演出などが適宜に実行されながら、特図変動表示が開始される度に、時短残り回数画像G31が示す時短残り回数が「1」ずつ減少していく。
次に、第1実施形態に係るパチンコ遊技機PY1の特徴的な遊技フローについて説明する。図63は、第1実施形態に係るパチンコ遊技機PY1の特徴的な遊技フローを表した図である。通常遊技状態にて遊技が行われているときに、言い換えると、通常演出モードで、第1通常演出ステージ、第2通常演出ステージ、および第3通常演出ステージによる演出が実行されているときに、小当たり図柄の停止表示、またはハズレ図柄Bの停止表示が行われると、当該停止表示に応じて、時短規定回数が150回であり、第2時短状態用特図2変動パターン判定テーブルが用いられる時短状態が設定されて低確率高ベース遊技状態に移行すると共に、超チャンスモードに移行する。一方、ハズレ図柄Cの停止表示が行われると、当該停止表示に応じて、時短規定回数が50回であり、第3時短状態用特図2変動パターン判定テーブルが用いられる時短状態が設定されて低確率高ベース遊技状態に移行すると共に、短チャンスモードに移行する。
また、通常遊技状態にて遊技が行われているときに、言い換えると、通常演出モードで、第1通常演出ステージ、第2通常演出ステージ、および第3通常演出ステージによる演出が実行されているときに、大当たり図柄Cの停止表示が行われると、当該停止表示に応じて、大当たり遊技状態に移行すると共に、大当たり演出モードに移行する。そして、大当たり図柄Cの停止表示に基づく大当たり遊技状態の終了に応じて、時短規定回数が100回であり、第1時短状態用特図2変動パターン判定テーブルが用いられる時短状態が設定されて低確率高ベース遊技状態に移行すると共に、時短演出モードに移行する。なお、大当たり図柄A、Bの停止表示が行われると、当該停止表示に応じて、大当たり遊技状態に移行すると共に、大当たり演出モードに移行する。そして、大当たり図柄A、Bの停止表示に基づく大当たり遊技状態の終了に応じて、第1時短状態用特図2変動パターン判定テーブルが用いられる時短状態が設定されて高確率高ベース遊技状態に移行すると共に、確変演出モードに移行する。
以上のように第1実施形態に係るパチンコ遊技機PY1によると、大当たり遊技を実行することなく時短状態になることがある。よって、遊技者に肯定的な驚きを与えることができ、遊技興趣が向上する。また、大当たり遊技を発生させる大当たり図柄とは異なるハズレ図柄や小当たり図柄が停止表示すると時短状態になるので、遊技者にハズレ図柄や小当たり図柄の停止表示に対しても期待感を持たせることができ、遊技興趣が向上する
また、特図変動表示が行われる前のハズレ図柄種別判定でハズレ図柄B、Cに判定されると、すなわち時短状態にすることができるか否かの判定で時短状態にすることができると判定されると、ハズレ図柄B、Cの停止表示が行われるので、大当たり当選以外にも遊技者に有利になる機会が設けられることになる。よって、遊技が奥深くなって遊技興趣が向上する。さらに、ハズレ図柄B、Cの停止表示および小当たり図柄の停止表示の後以外にも、大当たり遊技が実行された後に時短状態になることがある。このように、時短状態へのルートが複数設けられることで、遊技が適度に複雑化されて遊技興趣が向上する。
また、パチンコ遊技機PY1によると、大当たり図柄とは異なる特別図柄が停止表示すると時短状態になることがあり、当該時短状態のときと、通常遊技状態(非時短状態)のときと、で特図2変動パターンを決定するための条件が異なる、具体的には特図2変動パターン判定テーブルが異なるので、パチンコ遊技機PY1に係る遊技フローを適度に複雑化することができて遊技興趣が向上する。さらに、時短状態にすることができる大当たり図柄とは異なる特別図柄として、ハズレ図柄B、ハズレ図柄C、および小当たり図柄があり、ハズレ図柄Bの停止表示および小当たり図柄の停止表示が行われた場合と、ハズレ図柄Cの停止表示が行われた場合と、で当該時短状態において特図2変動パターンを決定するための条件が異なる、具体的には特図2変動パターン判定テーブルが異なるので、パチンコ遊技機PY1に係る遊技フローを適度に複雑化すると共に、時短状態に対する単調化や飽きを防止することができて遊技興趣が向上する。
(第1実施形態の変更例)
次に、第1実施形態に係るパチンコ遊技機PY1の変更例について説明する。第1実施形態では、時短状態を発生させる特図1ハズレ図柄種別は、ハズレ図柄B,Cの2種類であるが、3種類以上であってもよい。この場合は、第1実施形態のように、ハズレ図柄種別に応じて時短状態において用いる特図2変動パターン判定テーブルを異ならせても良い。また、第1実施形態では、特図2ハズレ図柄種別は、時短状態を発生させないハズレ図柄のみ設けられているが、特図1ハズレ図柄種別のように、時短状態を発生させるハズレ図柄種別を設けても良い。この場合、時短状態において、時短状態を発生させる何れかの特図1ハズレ図柄種別と同じ特図2変動パターン判定テーブルを用いても良く、また、時短状態を発生させる特図1ハズレ図柄種別と異なる特図2変動パターン判定テーブルを用いても良い。
また、第1実施形態では、特図2大当たり判定テーブルには小当たりが含まれていないが、小当たりを含ませて、特図2大当たり判定でも小当たり当選できるようにしても良い。この場合、小当たり図柄の停止表示の終了を契機に時短状態が設定されるようにしても良い。さらにこの場合の時短状態では、特図1に係る小当たり図柄の停止表示後と同じ特図2変動パターン判定テーブルを用いても良く、また、異なる特図2変動パターン判定テーブルを用いても良い。
さらに、第1実施形態では、小当たり図柄には、ハズレ図柄のように複数の種類が設けられていないが、ハズレ図柄のように複数の種類が設けられていても良い。この場合、小当たり図柄の種別に応じて時短状態において用いる特図2変動パターン判定テーブルを異ならせても良い。また、第1実施形態では、小当たり図柄が停止表示すると、その停止表示後に必ず時短状態が発生するが、時短状態が発生しない場合があっても良い。すなわち、小当たり図柄には、時短状態を発生させる小当たり図柄の種別と、時短状態を発生させない小当たり図柄の種別があっても良い。あるいは、時短状態を発生させない小当たり図柄のみが設けられていても良い。
また、第1実施形態では、小当たり図柄の停止表示およびハズレ図柄の停止表示の何れでも時短状態になり得るが、大当たり遊技状態の終了以外の契機として、何れか一方の図柄の停止表示のみが設けられるようにしても良い。さらには、大当たり判定によって大当たり判定結果として小当たり図柄が導出されたことや小当たり種別判定によって小当たり図柄種別判定結果として小当たり図柄B,Cが導出されたことによって時短状態を発生させるのではなく、例えば、大当たり判定前に時短状態を発生させるか否かの判定(時短判定)を行っても良い。この場合、例えば大当たり乱数のような乱数(時短乱数)を別に設けておき、大当たり判定のように、時短乱数を、時短状態を発生させることと時短状態を発生させないことに時短乱数の判定値が適宜に振り分けられた時短判定テーブルに照合する時短判定を行うようにしても良い。そして、時短判定で時短状態を発生させると判定した場合に小当たり図柄の停止表示後やハズレ図柄の停止表示後に時短状態を設定するようにしても良い。また、この場合は、時短判定で時短状態を発生させるという判定結果が導出された場合と、時短判定で時短状態を発生させないという判定結果が導出された場合とで、小当たり図柄やハズレ図柄を異ならせても良い。さらには、時短判定で時短状態を発生させるという判定結果が導出された場合には、さらに小当たり図柄やハズレ図柄の種別を複数の中から決定するようにしておき、第1実施形態に係る大当たり図柄種別判定やハズレ図柄種別判定のように、当該小当たり図柄やハズレ図柄の種別に応じて、当該時短状態で用いる特図判定テーブルや時短規定回数(終了条件)が異なるようにしても良い。
さらに、第1実施形態では、小当たり図柄の停止表示の後の時短状態と、ハズレ図柄Bの停止表示の後の時短状態と、で同一の特図2変動パターン判定テーブルが用いられるが、異なる特図2変動パターン判定テーブルが用いられるようにしても良い。また、小当たり図柄の停止表示の後の時短状態と、ハズレ図柄Bの停止表示の後の時短状態と、で同一の演出モードに移行するが、異なる演出モードに移行するようにしても良い。
また、第1実施形態では、ハズレ図柄Bの停止表示の後の時短状態と、ハズレ図柄Cの停止表示の後の時短状態と、で異なる演出モードに移行するが、同一の演出モードに移行するようにしても良い。
さらに、第1実施形態では、小当たり図柄の停止表示の後の時短状態と、ハズレ図柄Bの停止表示の後の時短状態と、で同一回数の時短規定回数が設定されているが、異なる回数の時短規定回数が設定されていても良い。また、第1実施形態では、ハズレ図柄Bの停止表示の後の時短状態と、ハズレ図柄Cの停止表示の後の時短状態と、で異なる回数の時短規定回数が設定されているが、同一回数の時短規定回数が設定されていても良い。さらには、低確率高ベース遊技状態に係る全ての契機の時短状態で同一回数の時短規定回数が設定されていても良い。
<第2実施形態>
次に、前述の本発明に係る基本的な実施形態、および第1実施形態に基づいて、本発明に係る第2実施形態について説明する。第2実施形態では、小当たり図柄の停止表示、およびハズレ図柄の停止表示を契機に時短状態が設定されることがあるという点で第1実施形態と共通している。以下においては、主に、第2実施形態として、基本的な実施形態、および第1実施形態と異なる点について説明する。また、基本的な実施形態、および第1実施形態と同一の構成、または同様に対応する構成については同一の符号、および用語を用いる。
第1実施形態では、大当たり遊技終了、小当たり図柄・ハズレ図柄Bの停止表示、およびハズレ図柄Cの停止表示を契機に、第2始動口12の開放容易性に係る遊技状態として、共通する1つの時短状態が設定されていた。しかしながら、第2実施形態では、時短状態の契機に応じて、第2始動口12の開放容易性(第2始動口12の開放のし易さ)の異なる時短状態が設定される。以下において、大当たり遊技終了を契機に設定される時短状態を「第1時短状態」と称し、小当たり図柄・ハズレ図柄Bの停止表示を契機に設定される時短状態を「第2時短状態」と称し、およびハズレ図柄Cの停止表示を契機に設定される時短状態を「第3時短状態」と称する。
基本的な実施形態で説明した通り、時短状態に係る第2始動口12の開放容易性(第2始動口12の開放のし易さ)に影響を及ぼす構成として、第2始動口12を開放させる当たりの当選確率(当たり当選確率)、普図変動時間、および補助遊技における第2始動口12の開放時間がある。そして、当たりか否かを決定する当たり判定は当たり判定テーブルを用いて行われ、普図変動時間を決定する普図変動パターン判定は普図変動パターン判定テーブルを用いて行われ、第2始動口12が開放する補助遊技は補助遊技制御テーブルを用いて行われる。ここで、基本的な実施形態(第1実施形態)では、何れのテーブルについても、第2始動口12の開放容易性が関連付けられており、非時短状態のときに用いられるテーブルと、時短状態のときに用いられるテーブルと、で分けて設けられていたが、第2実施形態では、時短状態に複数の種類があることに応じて、非時短状態のときに用いられるテーブルと、第1時短状態のときに用いられるテーブルと、第2時短状態のときに用いられるテーブルと、第3時短状態のときに用いられるテーブルと、で分けられる。
図64(A)は第2実施形態に係る当たり判定テーブルの構成例を示し、図64(B)は第2実施形態に係る普図変動パターン判定テーブルの構成例を示し、図64(C)は第2実施形態に係る補助遊技制御テーブルの構成例を示している。
図64(A)に示すように、非時短状態用の当たり判定テーブルが用いられた場合は、6600/65536の確率で当たりと判定され、第1時短状態用の当たり判定テーブルが用いられた場合は、59936/65536の確率で当たりと判定され、第2時短状態用の当たり判定テーブルが用いられた場合は、50000/65536の確率で当たりと判定され、第3時短状態用の当たり判定テーブが用いられた場合は、65000/65536の確率で当たりと判定される。よって、第3時短状態>第1時短状態>第2時短状態>非時短状態の順番で当たり判定で当たりと判定され易い。
また、図64(B)に示すように、非時短状態用の普図変動パターン判定テーブルが用いられた場合は、停止する普図の種類に関わらず普図変動時間が30秒と判定され、第1時短状態用の普図変動パターン判定テーブルが用いられた場合は、停止する普図の種類に関わらず普図変動時間が5秒と判定され、第2時短状態用の普図変動パターン判定テーブルが用いられた場合は、停止する普図の種類に関わらず普図変動時間が7秒と判定され、第3時短状態用の普図変動パターン判定テーブルが用いられた場合は、停止する普図の種類に関わらず普図変動時間が3秒と判定される。よって、第3時短状態>第1時短状態>第2時短状態>非時短状態の順番で、普図変動表示の単位時間当たりの実行回数が多くなる(実行頻度)が高くなる。
また、図64(C)に示すように、非時短状態用の補助遊技制御テーブルが用いられた場合は、補助遊技における第2始動口12の開放時間が0.2秒となり、第1時短状態用の補助遊技制御テーブルが用いられた場合は、補助遊技における第2始動口12の開放時間が5.0秒となり、第2時短状態用の補助遊技制御テーブルが用いられた場合は、補助遊技における第2始動口12の開放時間が4.0秒となり、第3時短状態用の補助遊技制御テーブルが用いられた場合は、補助遊技における第2始動口12の開放時間が5.6秒となる。よって、第3時短状態>第1時短状態>第2時短状態>非時短状態の順番で、1回の補助遊技における第2始動口12の開放時間が長くなる。
このように、時短状態の種別に応じて、当たり判定テーブル、普図変動パターン判定テーブル、および補助遊技制御テーブルが異なり、当たり当選確率については第3時短状態>第1時短状態>第2時短状態の順番で高く、普図変動時間については第3時短状態>第1時短状態>第2時短状態の順番で短く、補助遊技における第2始動口12の開放時間については第3時短状態>第1時短状態>第2時短状態の順番で長い。前述の通り、当たり当選確率が高くなるにつれて第2始動口12の開放容易性が高くなり、普図変動時間が短くなるにつれて第2始動口12の開放容易性が高くなり、補助遊技における第2始動口12の開放時間が長くなるにつれて第2始動口12の開放容易性が高くなる。よって、このことを鑑みると、第3時短状態>第1時短状態>第2時短状態の順番で第2始動口12の開放容易性が高くなり、遊技者に有利な時短状態であると言える。
また、遊技制御用マイコン101は、時短状態の種別に関連付けられた当たり判定テーブル、普図変動パターン判定テーブル、および補助遊技制御テーブルを選択するためには、第1時短状態、第2時短状態、および第3時短状態を特定する必要がある。ここで、第1実施形態では、大当たり遊技状態後時短フラグ、小当たり図柄表示後時短フラグ、ハズレ図柄B表示後時短フラグ、およびハズレ図柄C表示後時短フラグがセットされるところ、大当たり遊技状態後時短フラグがONされている状態を「第1時短状態」と特定し、小当たり図柄表示後時短フラグ、およびハズレ図柄B表示後時短フラグがONされている状態を「第2時短状態」と特定し、ハズレ図柄C表示後時短フラグがONされている状態を「第3時短状態」と特定する。
したがって、遊技制御用マイコン101は、ステップS1102の普通図柄待機処理において、当たり判定を行うときには、大当たり遊技状態後時短フラグがONされていると第1時短状態用の当たり判定テーブルを選択し、小当たり図柄表示後時短フラグ、およびハズレ図柄B表示後時短フラグがONされていると第2時短状態用の当たり判定テーブルを選択し、ハズレ図柄C表示後時短フラグがONされていると第3時短状態用の当たり判定テーブルを選択する。また、遊技制御用マイコン101は、ステップS1102の普通図柄待機処理において、普図変動パターン判定を行うときには、大当たり遊技状態後時短フラグがONされていると第1時短状態用の普図変動パターン判定テーブルを選択し、小当たり図柄表示後時短フラグ、およびハズレ図柄B表示後時短フラグがONされていると第2時短状態用の普図変動パターン判定テーブルを選択し、ハズレ図柄C表示後時短フラグがONされていると第3時短状態用の普図変動パターン判定テーブルを選択する。さらに、遊技制御用マイコン101は、ステップS1105の補助遊技制御処理において、補助遊技の制御を行う(第2始動口12を開放させる)ときには、大当たり遊技状態後時短フラグがONされていると第1時短状態用の補助遊技制御テーブルを選択し、小当たり図柄表示後時短フラグ、およびハズレ図柄B表示後時短フラグがONされていると第2時短状態用の補助遊技制御テーブルを選択し、ハズレ図柄C表示後時短フラグがONされていると第3時短状態用の補助遊技制御テーブルを選択する。
また、第2実施形態では、第1時短状態、第2時短状態、第3時短状態は、第1実施形態の大当たり遊技状態後の時短状態、小当たり図柄停止後・ハズレ図柄B停止後の時短状態、小当たり図柄C停止後の時短状態に対応している。そして、大当たり当選確率に係る遊技状態として通常確率状態が設定され、且つ、第2始動口12の開放容易性に係る遊技状態として第1時短状態が設定されている遊技状態を「第1低確率高ベース遊技状態」と称する。同様に、通常確率状態が設定され、且つ、第2時短状態が設定されている遊技状態を「第2低確率高ベース遊技状態」と称し、通常確率状態が設定され、且つ、第3時短状態が設定されている遊技状態を「第3低確率高ベース遊技状態」と称する。
また、第2実施形態において、特図2変動パターン判定テーブルについては、第1実施形態と同様に、第1時短状態では、第1時短状態用の特図2変動パターン判定テーブルが用いられ、第2時短状態では、第2時短状態用の特図2変動パターン判定テーブルが用いられ、第3時短状態では、第3時短状態用の特図2変動パターン判定テーブルが用いられる。さらに、時短状態に係る時短規定回数についても、第1実施形態と同様に、大当たり図柄C,Fの大当たり遊技終了後の第1時短状態に係る時短規定回数は100回に設定され、第2時短状態に係る時短規定回数は150回に設定され、第3時短状態に係る時短規定回数は50回に設定されている。加えて、時短状態に係る演出モードについても、第1実施形態と同様に、大当たり図柄C,Fの大当たり遊技終了後の第1時短状態に係る演出モードは時短モードに設定され、第2時短状態に係る演出モードは超チャンスモードに設定され、第3時短状態に係る演出モードは短チャンスモードに設定される。
次に、第2実施形態に係るパチンコ遊技機PY1の特徴的な遊技フローについて説明する。図65は、第1実施形態に係るパチンコ遊技機PY1の特徴的な遊技フローを表した図である。通常遊技状態にて遊技が行われているときに、言い換えると、通常演出モードで、第1通常演出ステージ、第2通常演出ステージ、および第3通常演出ステージによる演出が実行されているときに、小当たり図柄の停止表示、またはハズレ図柄Bの停止表示が行われると、当該停止表示に応じて、時短規定回数が150回であり、第2時短状態用特図2変動パターン判定テーブルが用いられる第2時短状態が設定されて第2低確率高ベース遊技状態に移行すると共に、超チャンスモードに移行する。一方、ハズレ図柄Cの停止表示が行われると、当該停止表示に応じて、時短規定回数が50回であり、第3時短状態用特図2変動パターン判定テーブルが用いられる第3時短状態が設定されて第3低確率高ベース遊技状態に移行すると共に、短チャンスモードに移行する。
また、通常遊技状態にて遊技が行われているときに、言い換えると、通常演出モードで、第1通常演出ステージ、第2通常演出ステージ、および第3通常演出ステージによる演出が実行されているときに、大当たり図柄Cの停止表示が行われると、当該停止表示に応じて、大当たり遊技状態に移行すると共に、大当たり演出モードに移行する。そして、大当たり図柄Cの停止表示に基づく大当たり遊技状態の終了に応じて、時短規定回数が100回であり、第1時短状態用特図2変動パターン判定テーブルが用いられる第1時短状態が設定されて低確率高ベース遊技状態に移行すると共に、時短演出モードに移行する。なお、大当たり図柄A、Bの停止表示が行われると、当該停止表示に応じて、大当たり遊技状態に移行すると共に、大当たり演出モードに移行する。そして、大当たり図柄A、Bの停止表示に基づく大当たり遊技状態の終了に応じて、第1時短状態用特図2変動パターン判定テーブルが用いられる時短状態が設定されて高確率高ベース遊技状態に移行すると共に、確変演出モードに移行する。
以上のように第2実施形態に係るパチンコ遊技機PY1によると、大当たり図柄とは異なるハズレ図柄B、ハズレ図柄C、および小当たり図柄が停止表示すると、大当たり遊技が実行されることなく時短状態になり、ハズレ図柄Bの停止表示および小当たり図柄の停止表示が行われた場合と、ハズレ図柄Cの停止表示が行われた場合と、で異なる種類の時短状態、詳細には構成する要素(当たり当選確率、普図変動時間、補助遊技における第2始動口12の開放時間)が異なる時短状態になるので、パチンコ遊技機PY1に係る遊技フローを適度に複雑化すると共に、時短状態に対する単調化や飽きを防止することができて遊技興趣が向上する。さらに、ハズレ図柄Bの停止表示および小当たり図柄の停止表示が行われた場合と、ハズレ図柄Cの停止表示が行われた場合と、で当該時短状態において特図2変動パターンを決定するための条件が異なる、具体的には特図2変動パターン判定テーブルが異なるので、時短状態に係る遊技に変化をつけることができて遊技興趣が向上する。
また、第2実施形態に係るパチンコ遊技機PY1によると、大当たり遊技が実行されると時短状態になるときと、大当たり図柄とは異なる特別図柄(ハズレ図柄B、ハズレ図柄C、小当たり図柄)が停止表示されると時短状態になるときと、があり、大当たり遊技が実行された場合と、大当たり図柄とは異なる特別図柄(ハズレ図柄B、ハズレ図柄C、小当たり図柄)が停止表示された場合と、で異なる種類の時短状態、詳細には構成する要素(当たり当選確率、普図変動時間、補助遊技における第2始動口12の開放時間)が異なる時短状態になるので、パチンコ遊技機PY1に係る遊技フローを適度に複雑化すると共に、時短状態に対する単調化や飽きを防止することができて遊技興趣が向上する。さらに、大当たり遊技が実行された場合の時短状態(第1時短状態)と、大当たり図柄とは異なる特別図柄(ハズレ図柄B、ハズレ図柄C、小当たり図柄)が停止表示された場合の時短状態(第2時短状態、第3時短状態)と、で第2始動口12の開放容易性が異なるので、時短状態に変化を付けることができて遊技興趣が向上する。また、第1時短状態と、第2時短状態と、第3時短状態と、で特図2変動パターンを決定するための条件が異なる、具体的には特図2変動パターン判定テーブルが異なるので、さらに時短状態に係る遊技に変化をつけることができて遊技興趣が向上する。
(第2実施形態の変更例)
次に、第2実施形態に係るパチンコ遊技機PY1の変更例について説明する。第2実施形態における第2始動口12の開放容易性(第2始動口12の開放のし易さ)に係る遊技状態(非時短状態/第1時短状態/第2時短状態/第3時短状態)を構成する要素(当たり当選確率/普図変動時間/補助遊技における第2始動口12の開放時間)の具体的な値は特に限定されず、適宜に変更可能である。
さらに、第2実施形態では、第3時短状態>第1時短状態>第2時短状態の順番で第2始動口12の開放容易性が高く設定されているが、この順番は適宜に変更しても良い。また、時短状態の一部の種別間もしくは全ての種別間で第2始動口12の開放容易性が同一または略同一に設定されるようにしても良い。この場合は、総合的な開放容易性は同一または略同一であっても、時短状態を構成する要素(当たり当選確率/普図変動時間/補助遊技における第2始動口12の開放時間)が異なるようにすることで、総合的な開放容易性が同一またや略同一であっても時短状態の詳細が異なり、遊技者の時短状態に対する体感性が異なるようにすることが好ましい。遊技性、特には時短状態が多様化され、遊技の単調化を防止することができるからである。
また、第2実施形態では、各時短状態について普図変動パターン判定が行われる場合は、停止表示される普図の種類(当たり/ハズレ)に関わらず同一の普図変動時間に決定されるが、普図の種類に応じて異なる普図変動時間に決定されるようにしても良い。さらには、特図変動パターンのように、当たりおよびハズレの何れに対してもしくは何れか一方に対して、複数種類の普図変動時間の中の何れか1つに決定可能に構成し、特図変動パターン乱数のような乱数を取得することで、普図変動時間を判定によって決定するようにしても良い。また、第2実施形態では、普通図柄の停止時間は、遊技状態に関わらず一定であるが、当たり当選確率、普図変動時間、および補助遊技における第2始動口12の開放時間のように、遊技状態に応じて異なるようにしても良い。
さらに、第2実施形態では、時短状態を発生させる特図1ハズレ図柄種別は、ハズレ図柄B,Cの2種類であるが、3種類以上であってもよい。この場合は、第2実施形態のように、ハズレ図柄種別に応じて時短状態の種別を異ならせても良い。また、第2実施形態では、特図2ハズレ図柄種別は、時短状態を発生させないハズレ図柄のみ設けられているが、特図1ハズレ図柄種別のように、時短状態を発生させるハズレ図柄種別を設けても良い。この場合、時短状態において、時短状態を発生させる何れかの特図1ハズレ図柄種別と同じ特図2変動パターン判定テーブルを用いても良く、また、時短状態を発生させる特図1ハズレ図柄種別と異なる特図2変動パターン判定テーブルを用いても良い。
また、第2実施形態では、小当たり図柄には、ハズレ図柄のように複数の種類が設けられていないが、ハズレ図柄のように複数の種類が設けられていても良い。この場合、小当たり図柄の種別に応じて時短状態の種別を異ならせても良い。さらに、時短状態の種別に応じて用いる特図2変動パターン判定テーブルが異なるようにしても良い。
さらに、第2実施形態では、小当たり図柄の停止表示の後と、ハズレ図柄Bの停止表示の後と、で同一種別の第2時短状態になるが、異なる種別の時短状態になるようにしても良い。この場合、時短状態の種別に応じて用いる特図2変動パターン判定テーブルが異なるようにしても良い。また、小当たり図柄の停止表示の後の時短状態と、ハズレ図柄Bの停止表示の後の時短状態と、で同一の演出モードに移行するが、異なる演出モードに移行するようにしても良い。また、第2実施形態では、ハズレ図柄Bの停止表示の後の時短状態と、ハズレ図柄Cの停止表示の後の時短状態と、で異なる演出モードに移行するが、同一の演出モードに移行するようにしても良い。
また、大当たり判定によって大当たり判定結果として小当たり図柄が導出されたことや小当たり種別判定によって小当たり図柄種別判定結果として小当たり図柄B,Cが導出されたことによって時短状態を発生させるのではなく、例えば、大当たり判定前に時短状態を発生させるか否かの判定(時短判定)を行っても良い。この場合、例えば大当たり乱数のような乱数(時短乱数)を別に設けておき、大当たり判定のように、時短乱数を、時短状態を発生させることと時短状態を発生させないことに時短乱数の判定値が適宜に振り分けられた時短判定テーブルに照合する時短判定を行うようにしても良い。そして、時短判定で時短状態を発生させると判定した場合に小当たり図柄の停止表示後やハズレ図柄の停止表示後に時短状態を設定するようにしても良い。また、この場合は、時短判定で時短状態を発生させるという判定結果が導出された場合と、時短判定で時短状態を発生させないという判定結果が導出された場合とで、小当たり図柄やハズレ図柄を異ならせても良い。さらには、時短判定で時短状態を発生させるという判定結果が導出された場合には、さらに小当たり図柄やハズレ図柄の種別を複数の中から決定するようにしておき、第1実施形態に係る大当たり図柄種別判定やハズレ図柄種別判定のように、当該小当たり図柄やハズレ図柄の種別に応じて、時短状態の種類(時短状態を構成する要素(当たり当選確率、普図変動パターン、補助遊技における第2始動口12の開放時間)の具体的な内容)、当該時短状態で用いる特図判定テーブル、および時短規定回数(終了条件)が異なるようにしても良い。
<第3実施形態>
次に、前述の本発明に係る基本的な実施形態、および第1実施形態に基づいて、本発明に係る第3実施形態について説明する。第3実施形態は、ほとんど第1実施形態と同一であるが、ハズレ図柄Cの停止表示後の時短状態では、小当たり図柄の停止表示後の時短状態、およびハズレ図柄Bの停止表示後の時短状態で用いられる特図2変動パターン判定テーブルが用いられる、すなわち、小当たり図柄の停止表示後の時短状態、ハズレ図柄Bの停止表示後の時短状態、およびハズレ図柄Cの停止表示後の時短状態で共通する同一の特図2変動パターン判定テーブルが用いられるという点で第1実施形態と異なる。以下においては、主に、第3実施形態として、基本的な実施形態、および第1実施形態と異なる点について説明する。また、基本的な実施形態、および第1実施形態と同一の構成、または同様に対応する構成については同一の符号、および用語を用いる。
図66は、第3実施形態において、小当たり図柄の停止表示後の時短状態、ハズレ図柄Bの停止表示後の時短状態、およびハズレ図柄Cの停止表示後の時短状態で用いられる特図2変動パターン判定テーブルを示す。なお、この特図2変動パターン判定テーブルは、第1実施形態において、小当たり図柄の停止表示後の時短状態、およびハズレ図柄Bの停止表示後の時短状態で用いられる特図2変動パターン判定テーブル(第2時短状態用の特図2変動パターン判定テーブル)であるが、これら3つの時短状態に共通の特図2変動パターン判定テーブルは、これに限られず、第1実施形態におけるハズレ図柄Cの停止表示後の時短状態で用いられる特図2変動パターン判定テーブル(第3時短状態用の特図2変動パターン判定テーブル)にしても良い。さらには、これら3つの時短状態に共通の特図2変動パターン判定テーブルを、第2時短状態用の特図2変動パターン判定テーブルおよび第3時短状態用の特図2変動パターン判定テーブルとは異なる変動パターン判定テーブルで構成させても良い。
なお、小当たり図柄の停止表示後の時短状態、ハズレ図柄Bの停止表示後の時短状態、およびハズレ図柄Cの停止表示後の時短状態で用いられる特図2変動パターン判定テーブルが同一となることに応じて、特図2変動パターン判定処理は図67に示すように変更される。具体的には、ステップS1683で、大当たり遊技状態後の時短状態ではないと判定されると、そのままステップS1686に進み、第2時短状態用の特図2変動パターン判定テーブルが選択される。
また、第3実施形態では、小当たり図柄の停止表示後の時短状態、ハズレ図柄Bの停止表示後の時短状態、およびハズレ図柄Cの停止表示後の時短状態で用いられる特図2変動パターン判定テーブルが同一であるが、時短規定回数については、第1実施形態の場合と同様に、小当たり図柄の停止表示後の時短状態、およびハズレ図柄Bの停止表示後の時短状態に係る時短規定回数を150回とし、ハズレ図柄Cの停止表示後の時短状態に係る時短規定回数を50回とする。ただし、小当たり図柄の停止表示後の時短状態、およびハズレ図柄Bの停止表示後の時短状態に係る時短規定回数と、ハズレ図柄Cの停止表示後の時短状態に係る時短規定回数を同一にしても良い。
さらに、演出モードについても、第1実施形態の場合と同様に、小当たり図柄の停止表示後の時短状態、およびハズレ図柄Bの停止表示後の時短状態に係る演出モードを超チャンスモードとし、ハズレ図柄Cの停止表示後の時短状態に係る演出モードを短チャンスモードとする。ただし、小当たり図柄の停止表示後の時短状態、およびハズレ図柄Bの停止表示後の時短状態に係る演出モードと、ハズレ図柄Cの停止表示後の時短状態に係る演出モードを同一にしても良い。
以上のように、第3実施形態に係るパチンコ遊技機PY1によると、大当たり遊技が実行されると時短状態になるときと、大当たり図柄とは異なる特別図柄(ハズレ図柄B、ハズレ図柄C、小当たり図柄)が停止表示されると時短状態になるときと、があり、大当たり遊技が実行された場合と、大当たり図柄とは異なる特別図柄(ハズレ図柄B、ハズレ図柄C、小当たり図柄)が停止表示された場合と、で特図2変動パターンを決定するための条件が異なる、具体的には特図2変動パターン判定テーブルが異なるので、パチンコ遊技機PY1に係る遊技フローを適度に複雑化すると共に、時短状態に対する単調化や飽きを防止することができて遊技興趣が向上する。また、時短状態を発生させる大当たり図柄とは異なる特別図柄(ハズレ図柄B、ハズレ図柄C、小当たり図柄)として、ハズレ図柄B、ハズレ図柄C、および小当たり図柄があり、ハズレ図柄Bの停止表示後の時短状態と、ハズレ図柄Cの停止表示後の時短状態と、小当たり図柄の停止表示後の時短状態と、で特図2変動パターンを決定するための条件が同一、具体的には特図2変動パターン判定テーブルを共通にしているので、パチンコ遊技機PY1に係る遊技フローが過剰に複雑化されて遊技興趣が低下することを防止することができる。さらに、ハズレ図柄Bの停止表示後の時短状態、および小当たり図柄の停止表示後の時短状態と、ハズレ図柄Cの停止表示後の時短状態と、で終了条件、具体的には時短規定回数が異なるので、当該時短状態に変化をつけることができて遊技興趣が向上する。
(第3実施形態の変更例)
次に、第3実施形態に係るパチンコ遊技機PY1の変更例について説明する。小当たり図柄の停止表示後の時短状態、ハズレ図柄Bの停止表示後の時短状態、およびハズレ図柄Cの停止表示後の時短状態で用いられる特図2変動パターン判定テーブルが同一であるが、ハズレ図柄Bの停止表示後の時短状態で用いられる特図2変動パターン判定テーブルと、ハズレ図柄Cの停止表示後の時短状態で用いられる特図2変動パターン判定テーブルと、が同一であり、この特図2変動パターン判定テーブルと、小当たり図柄の停止表示後の時短状態で用いられる特図2変動パターン判定テーブルと、が異なるようにしても良い。さらに、ハズレ図柄Bの停止表示後の時短状態に係る時短規定回数と、ハズレ図柄Cの停止表示後の時短状態に係る時短規定回数と、が同一であり、この時短規定回数と、小当たり図柄の停止表示後の時短状態に係る時短規定回数と、が異なるようにしても良い。また、ハズレ図柄Bの停止表示後の時短状態に係る演出モードと、ハズレ図柄Cの停止表示後の時短状態に係る演出モードと、が同一であり、この演出モードと、小当たり図柄の停止表示後の時短状態に係る演出モードと、が異なるようにしても良い。
また、大当たり判定によって大当たり判定結果として小当たり図柄が導出されたことや小当たり種別判定によって小当たり図柄種別判定結果として小当たり図柄B,Cが導出されたことによって時短状態を発生させるのではなく、例えば、大当たり判定前に時短状態を発生させるか否かの判定(時短判定)を行っても良い。この場合、例えば大当たり乱数のような乱数(時短乱数)を別に設けておき、大当たり判定のように、時短乱数を、時短状態を発生させることと時短状態を発生させないことに時短乱数の判定値が適宜に振り分けられた時短判定テーブルに照合する時短判定を行うようにしても良い。そして、時短判定で時短状態を発生させると判定した場合に小当たり図柄の停止表示後やハズレ図柄の停止表示後に時短状態を設定するようにしても良い。また、この場合は、時短判定で時短状態を発生させるという判定結果が導出された場合と、時短判定で時短状態を発生させないという判定結果が導出された場合とで、小当たり図柄やハズレ図柄を異ならせても良い。さらには、時短判定で時短状態を発生させるという判定結果が導出された場合には、さらに小当たり図柄やハズレ図柄の種別を複数の中から決定するようにしておき、第1実施形態に係る大当たり図柄種別判定やハズレ図柄種別判定のように、当該小当たり図柄やハズレ図柄の種別に応じて、時短規定回数(終了条件)が異なるようにしても良い。
<第4実施形態>
第4実施形態について説明する。第4実施形態でも、ハズレ図柄の停止表示を契機に時短状態が設定されることがあるという点で第1実施形態等と共通している。以下においては、主に、第4実施形態を、基本的な実施形態を基に、基本的な実施形態と異なる点について説明する。第4実施形態の説明において、基本的な実施形態と同一の構成、または同様に対応する構成については同一の符号、および用語を用いる。また、基本的な実施形態以外の実施形態(第1実施形態等)の構成と同様の構成がある場合、対比可能な構成がある場合等には、それを引用しつつ本実施形態を説明することがある。
第4実施形態では、第1実施形態等と異なり、特図1の可変表示に加え、特図2の可変表示においても、ハズレ図柄の停止表示を契機に時短状態が設定されることがある。そして、第4実施形態の特徴点のひとつは、特図1の可変表示で所定のハズレ図柄の停止表示を契機に時短状態が設定されたときと、特図2の可変表示で所定のハズレ図柄の停止表示を契機に時短状態に設定されたときとで、第2始動口12の開放に係る特典が異なるという点にある。
第4実施形態でも、遊技状態に関して、非時短状態と時短状態とがある。また、時短状態として、第1時短状態、第2時短状態、第3時短状態がある。本形態において、第1時短状態は、大当たり遊技終了を契機に設定される時短状態である。第2時短状態は、特図1の可変表示における所定のハズレ図柄(ハズレ図柄B)の停止表示を契機に設定される時短状態である。第3時短状態は、特図2の可変表示における所定のハズレ図柄(ハズレ図柄D)の停止表示を契機に設定される時短状態である。そして、本形態では、第3時短状態の方が、第2時短状態よりも、遊技者に有利な傾向にある。以下、具体的に説明する。
まず、第4実施形態にて、遊技制御用マイコン101が遊技制御のために用いる各種テーブルであって、基本的な実施形態と異なるテーブル、および基本的な実施形態では用いられていなかったテーブルについて説明する。基本的な実施形態と異なるテーブルとしては、第2始動口12が開放する補助遊技に係る各テーブル(当たり判定テーブル、普図変動パターン判定テーブル、補助遊技制御テーブル)、ハズレ図柄種別判定テーブル、特図1変動パターン判定テーブル、特図2変動パターン判定テーブル、ハズレ図柄の停止表示に応じて遊技状態を新たに設定(変更)する場合の遊技状態設定テーブルがある。補助遊技に係る各テーブルより順に説明する。
図68(A)は第4実施形態に係る当たり判定テーブルの構成例を示し、図68(B)は第4実施形態に係る普図変動パターン判定テーブルの構成例を示し、図68(C)は第4実施形態に係る補助遊技制御テーブルの構成例を示している。
図68(A)に示すように、非時短状態用の当たり判定テーブルが用いられた場合は、6600/65536の確率で当たりと判定され、第1時短状態用の当たり判定テーブルが用いられた場合は、59936/65536の確率で当たりと判定され、第2時短状態用の当たり判定テーブルが用いられた場合は、50000/65536の確率で当たりと判定され、第3時短状態用の当たり判定テーブが用いられた場合は、65000/65536の確率で当たりと判定される。よって、第3時短状態>第1時短状態>第2時短状態>非時短状態の順番で当たり判定で当たりと判定され易い。
また、図68(B)に示すように、非時短状態用の普図変動パターン判定テーブルが用いられた場合は、停止する普図の種類に関わらず普図変動時間が30秒と判定され、第1時短状態用の普図変動パターン判定テーブルが用いられた場合は、停止する普図の種類に関わらず普図変動時間が5秒と判定され、第2時短状態用の普図変動パターン判定テーブルが用いられた場合は、停止する普図の種類に関わらず普図変動時間が7秒と判定され、第3時短状態用の普図変動パターン判定テーブルが用いられた場合は、停止する普図の種類に関わらず普図変動時間が3秒と判定される。よって、第3時短状態>第1時短状態>第2時短状態>非時短状態の順番で、普図変動表示の単位時間当たりの実行回数が多くなる(実行頻度)が高くなる。
また、図68(C)に示すように、非時短状態用の補助遊技制御テーブルが用いられた場合は、補助遊技における第2始動口12の開放時間が0.2秒となり、第1時短状態用の補助遊技制御テーブルが用いられた場合は、補助遊技における第2始動口12の開放時間が5.0秒となり、第2時短状態用の補助遊技制御テーブルが用いられた場合は、補助遊技における第2始動口12の開放時間が4.0秒となり、第3時短状態用の補助遊技制御テーブルが用いられた場合は、補助遊技における第2始動口12の開放時間が5.6秒となる。よって、第3時短状態>第1時短状態>第2時短状態>非時短状態の順番で、1回の補助遊技における第2始動口12の開放時間が長くなる。
このように、時短状態の種別に応じて、当たり判定テーブル、普図変動パターン判定テーブル、および補助遊技制御テーブルが異なり、当たり当選確率については第3時短状態>第1時短状態>第2時短状態の順番で高く、普図変動時間については第3時短状態>第1時短状態>第2時短状態の順番で短く、補助遊技における第2始動口12の開放時間については第3時短状態>第1時短状態>第2時短状態の順番で長い。そして、当たり当選確率が高くなるほど、第2始動口12の開放容易性(開放され易さ)は高くなる。また、普図変動時間が短くなるほど、第2始動口12の開放容易性は高くなる。さらに、補助遊技における第2始動口12の開放時間が長くなるほど、第2始動口12の開放容易性が高くなる。よって、このことを鑑みると、第3時短状態>第1時短状態>第2時短状態の順番で第2始動口12の開放容易性が高くなり、遊技球は、第2始動口12へと入賞しやすい状態である。つまり、遊技者に有利な特典の時短状態であると言える。
次に、ハズレ図柄種別判定テーブルについて説明する。図69は、第4実施形態に係るハズレ図柄種別判定テーブルである。本形態においても、ハズレ図柄種別判定テーブルは、大当たり判定の結果がハズレである場合に、ハズレ図柄種別を決定するためのテーブルである。本形態のハズレ図柄種別判定テーブルには、特図1の可変表示を行うときに用いられるハズレ図柄種別判定テーブル(特図1ハズレ図柄種別判定テーブル)と、特図2の可変表示を行うときに用いられるハズレ図柄種別判定テーブル(特図2ハズレ図柄種別判定テーブル)と、がある。本形態においても、第1実施形態等と同様、大当たり図柄種別判定用乱数をハズレ図柄種別判定テーブルに照合することでハズレ図柄種別判定を行う。
ただし、第1実施形態等と異なり、本形態では、特図1に係るハズレ図柄として、ハズレ図柄Aおよびハズレ図柄Bの2種類のハズレ図柄が設けられ、特図2に係るハズレ図柄として、ハズレ図柄Cおよびハズレ図柄Dの2種類のハズレ図柄が設けられている。そして、図69に示すように、各ハズレ図柄種別判定テーブルでは、各ハズレ図柄種別に対する選択率となるように、各ハズレ図柄種別に、図柄種別乱数の判定値(図柄種別乱数判定値)が適宜に振り分けられている。
次に、特図1変動パターン判定テーブル、および特図2変動パターン判定テーブルについて説明する。基本的な実施形態では、特図1変動パターン判定テーブルおよび特図2変動パターン判定テーブルはともに、非時短状態用と時短状態用とがあった。また、第1実施形態等では、特図2変動パターン判定テーブルが、時短状態用について、細かく分けられていた。これに対し、第4実施形態では、上記の実施形態と特図変動パターン判定テーブルの基本的な構成は共通するが、特図1変動パターン判定テーブルおよび特図2変動パターン判定テーブルがともに、時短状態用について細かく分けられている。具体的には、時短状態用の特図1変動パターン判定テーブル、時短状態用の特図2変動パターン判定テーブルはともに、当該時短状態の契機に関連付けられている。
より詳細には、時短状態用の特図1変動パターン判定テーブルには、大当たり遊技状態後の時短状態用のもの(第1時短状態用の特図1変動パターン判定テーブル)、ハズレ図柄B停止表示後の時短状態用のもの(第2時短状態用の特図1変動パターン判定テーブル)、ハズレ図柄D停止表示後の時短状態用のもの(第3時短状態用の特図1変動パターン判定テーブル)がある。また、時短状態用の特図2変動パターン判定テーブルには、大当たり遊技状態後の時短状態用のもの(第1時短状態用の特図2変動パターン判定テーブル)、ハズレ図柄B停止表示後の時短状態用のもの(第2時短状態用の特図2変動パターン判定テーブル)、ハズレ図柄D停止表示後の時短状態用のもの(第3時短状態用の特図2変動パターン判定テーブル)がある。
図70(A)は非時短状態用の特図1変動パターン判定テーブルの構成例であり、図70(B)は第1時短状態用の特図1変動パターン判定テーブルの構成例であり、図71(A)は第2時短状態用の特図1変動パターン判定テーブルの構成例であり、図71(B)は第3時短状態用の特図1変動パターン判定テーブルの構成例である。また、図72(A)は非時短状態用の特図2変動パターン判定テーブルの構成例であり、図72(B)は第1時短状態用の特図2変動パターン判定テーブルの構成例であり、図73(A)は第2時短状態用の特図2変動パターン判定テーブルの構成例であり、図73(B)は第3時短状態用の特図2変動パターン判定テーブルの構成例である。
図70(A)、図70(B)、図71(A)、図71(B)に示すように、特図1変動パターン判定テーブルには、大当たり判定結果が大当たりである場合の特図1変動パターン判定テーブルと、大当たり判定結果がハズレである場合の特図1変動パターン判定テーブルが含まれている。また、大当たり判定結果がハズレである場合の特図1変動パターン判定テーブルには、ハズレ図柄Aの場合の特図1変動パターン判定テーブル(ハズレ図柄A用特図1変動パターン判定テーブル)と、ハズレ図柄Bの場合の特図1変動パターン判定テーブル(ハズレ図柄B用特図1変動パターン判定テーブル)とがある。これは、本形態では、ハズレ図柄として、ハズレ図柄の停止表示後に遊技者に有利な時短状態が発生するものがあり、その場合には、特図変動時間をある程度確保して、遊技者の期待感を高める特図変動演出を確実に実行させるためである。つまり、ハズレ図柄B用特図1変動パターン判定テーブルには、リーチ判定結果が関連付けられておらず、通常変動で特図変動演出が終了する特図1変動パターンが含まれていない。一方、ハズレ図柄A用特図1変動パターン判定テーブルには、リーチ判定結果が関連付けられており、基本的な実施形態における非時短状態用のハズレに係る特図1変動パターン判定テーブルと同様に、さらに、リーチ有りの場合のハズレ図柄A用特図1変動パターン判定テーブルと、リーチ無しの場合のハズレ図柄A用特図1変動パターン判定テーブルと、がある。
また、図72(A)、図72(B)、図73(A)、図73(B)に示すように、特図2変動パターン判定テーブルには、大当たり判定結果が大当たりである場合の特図2変動パターン判定テーブルと、大当たり判定結果がハズレである場合の特図2変動パターン判定テーブルが含まれている。また、大当たり判定結果がハズレである場合の特図2変動パターン判定テーブルには、ハズレ図柄Cの場合の特図2変動パターン判定テーブル(ハズレ図柄C用特図2変動パターン判定テーブル)と、ハズレ図柄Dの場合の特図2変動パターン判定テーブル(ハズレ図柄D用特図2変動パターン判定テーブル)とがある。この点、特図1変動パターン判定テーブルと同様である。
次に、ハズレ図柄の停止表示に応じて遊技状態を新たに設定(変更)するための遊技状態設定テーブルについて説明する。基本的な実施形態では、大当たり遊技状態が終了することに応じて遊技状態を新たに設定(変更)する場合は、当該大当たり遊技状態に係る大当たり図柄種別に関連付けられた遊技状態設定テーブルに基づいて遊技状態が新たに設定(変更)された。第4実施形態において、大当たり遊技状態が終了することに応じて遊技状態を新たに設定(変更)する場合は、同様である。そして、ハズレ図柄の停止表示に応じて遊技状態を新たに設定(変更)する場合も、基本的には、遊技状態設定テーブルに基づいて遊技状態が新たに設定(変更)される。
ハズレ図柄の停止表示に応じて遊技状態を新たに設定(変更)する場合の遊技状態設定テーブル(ハズレ図柄停止表示用遊技状態設定テーブル)には、非時短状態においてハズレ図柄の停止表示が行われた場合のハズレ図柄停止表示用遊技状態設定テーブル(非時短ハズレ図柄停止表示用遊技状態設定テーブル)と、時短状態においてハズレ図柄の停止表示が行われた場合のハズレ図柄停止表示用遊技状態設定テーブル(時短ハズレ図柄停止表示用遊技状態設定テーブル)と、がある。図74(A)は非時短ハズレ図柄停止表示用遊技状態設定テーブルの構成例であり、図74(B)は時短ハズレ図柄停止表示用遊技状態設定テーブルの構成例である。
また、非時短ハズレ図柄停止表示用遊技状態設定テーブルには、ハズレ図柄Bである場合の非時短ハズレ図柄停止表示用遊技状態設定テーブル(非時短ハズレ図柄B停止表示用遊技状態設定テーブル)と、ハズレ図柄Dである場合の非時短ハズレ図柄停止表示用遊技状態設定テーブル(非時短ハズレ図柄D停止表示用遊技状態設定テーブル)と、がある。時短ハズレ図柄停止表示用遊技状態設定テーブルには、ハズレ図柄Bである場合の時短ハズレ図柄停止表示用遊技状態設定テーブル(時短ハズレ図柄B停止表示用遊技状態設定テーブル)と、ハズレ図柄Dである場合の時短ハズレ図柄停止表示用遊技状態設定テーブル(時短ハズレ図柄D停止表示用遊技状態設定テーブル)と、がある。すなわち、ハズレ図柄の停止表示に係る遊技状態設定テーブルには、遊技状態とハズレ図柄種別が関連付けられている。また、本形態では、ハズレ図柄Bおよびハズレ図柄Dが、特図の可変表示における停止表示に応じて、その後の遊技状態が時短状態に設定されるハズレ図柄となっている。
図74(A)、図74(B)に示すように、非時短ハズレ図柄B停止表示用遊技状態設定テーブル、非時短ハズレ図柄D停止表示用遊技状態設定テーブル、時短ハズレ図柄B停止表示用遊技状態設定テーブル、時短ハズレ図柄D停止表示用遊技状態設定テーブルによると、ハズレ図柄Bの停止表示およびハズレ図柄Dに応じて時短状態が設定される。このように、遊技状態を新たに設定(変更)するための遊技状態設定テーブルには、大当たり判定結果が関連付けられており、ハズレに係る遊技状態設定テーブルには、特図停止表示が行われたときの遊技状態が関連付けられている。また、大当たりに係る遊技状態設定テーブルおよびハズレに係る遊技状態設定テーブルには、図柄種別が関連付けられている。なお、図74のハズレ図柄停止表示用遊技状態設定テーブルの構成例では、非時短状態および時短状態のどちらにおいても、つまり、遊技状態にかかわらず、ハズレ図柄種別が同じであれば、同じ遊技状態が設定される。しかし、非時短状態と時短状態とで、ハズレ図柄種別に応じて設定される時短状態が異なるようにしてもよい。
また、ハズレ図柄Bの停止表示に応じて時短状態が設定された場合の当該時短状態の終了条件は「特図可変表示50回」に設定されている。すなわち、当該時短状態は、大当たりに当選することなく50回の特図可変表示が実行されると終了して、非時短遊技状態になる。一方、ハズレ図柄Dの停止表示に応じて時短状態が設定された場合の当該時短状態の終了条件は「特図可変表示150回」に設定されている。すなわち、当該時短状態は、大当たりに当選することなく150回の特図可変表示が実行されると終了して、非時短遊技状態になる。つまり、ハズレ図柄Bの停止表示に応じて設定される第2時短状態よりも、ハズレ図柄Dの停止表示に応じて設定される第3時短状態の方が、時短状態での特図の可変表示が多く行われ得る(時短規定回数が多い)、有利な特典の遊技状態といえる。
なお、本形態において、ハズレ図柄Bの停止表示に応じて設定される第2時短状態では、第1実施形態で説明した超チャンスモードと同様の内容の演出が行われる。また、ハズレ図柄Dの停止表示に応じて設定される第3時短状態では、第1実施形態で説明した短チャンスモードと同様の内容の演出が行われる。
次に、遊技制御用マイコン101が行う処理であって、処理内容が基本的な実施形態と異なる処理、および基本的な実施形態では行われていなかった処理について説明する。基本的な実施形態と異なる処理は、特別動作処理と、特別動作処理における特別図柄待機処理の特図1判定処理、特図1変動パターン判定処理、特図2判定処理、および特図2変動パターン判定処理と、特別動作処理における特別図柄確定処理と、である。一方、基本的な実施形態では行われていなかった処理として、ハズレ図柄表示後遊技状態設定処理がある。
最初に、特別動作処理について説明する。第4実施形態に係る特別動作処理について説明する。特別動作処理のフローチャートを図75に示す。第4実施形態に係る特別動作処理では、特図表示器81、特図保留表示器83および大入賞装置14Dに関する処理が、6つのステータス(段階)に分けられている。そして、それらの各ステータスに「特別動作ステータス=1,2,3,4,5,6」が割り当てられている。
遊技制御用マイコン101は、「特別動作ステータス」が「1」である場合には、特別図柄待機処理(S1502)を行い、「特別動作ステータス」が「2」である場合には、特別図柄変動処理(S1503)を行い、「特別動作ステータス」が「3」である場合には、特別図柄確定処理(S1504)を行い、「特別動作ステータス」が「4」である場合には、大当たり遊技制御処理(S1505)を行い、「特別動作ステータス」が「5」である場合には、大当たり遊技後遊技状態設定処理(S1506)を行い、「特別動作ステータス」が「6」である場合には、ハズレ図柄表示後遊技状態設定処理(S1509)を行う。なお「特別動作ステータス」は初期設定で「1」に設定される。
第4実施形態に係る「特別図柄変動処理」、「大当たり遊技制御処理」、および「大当たり遊技状態後遊技状態設定処理」は、基本的な実施形態に係る「特別図柄変動処理」、「大当たり遊技制御処理」、および「遊技状態設定処理」と同じ処理内容である。なお、「特別動作ステータス=5」に係る処理は、「大当たり遊技後遊技状態設定処理」であり、基本的な実施形態における名称と異なっているが、これは第4実施形態において遊技状態を新たに設定(変更)する契機が増えたことを受けて、その名称を変更したためであり、「特別動作ステータス=5」での処理内容は概ね同一である。また、第4実施形態に係る「特別図柄待機処理」における「特図1判定処理」、「特図1変動パターン判定処理」、「特図2判定処理」、および「特図2変動パターン判定処理」、ならびに「特別図柄確定処理」は、基本的な実施形態に係る「特別図柄待機処理」における「特図1判定処理」、「特図1変動パターン判定処理」、「特図2判定処理」、および「特図2変動パターン判定処理」、ならびに「特別図柄確定処理」と処理内容が異なる。これらの処理の詳細は後述する。
ハズレ図柄表示後遊技状態設定処理(S1509)は、ハズレ図柄Bの停止表示、およびハズレ図柄Dの停止表示が終了してハズレ図柄B、およびハズレ図柄Dが確定した際に、遊技状態を設定する処理である。
なお、詳細は後述するが、ハズレ図柄Bが停止表示された場合、およびハズレ図柄Dが停止表示された場合の特別図柄確定処理において「特別動作ステータス」が「6」に変更される。また、ハズレ図柄表示後遊技状態設定処理が終了する際に、「特別動作ステータス」が「1」に変更される。
次に、特別図柄待機処理における特図1判定処理、および特図1変動パターン判定処理について説明する。最初に、特図1判定処理について説明する。図76に特図1判定処理のフローチャートを示す。図76に示すように、遊技制御用マイコン101は、特図1判定処理において、まずは、ステップS1621として、現在、大当たり確率に係る遊技状態が通常確率状態であるか否かを判定する。遊技制御用マイコン101は、通常確率状態であると判定すると、ステップS1622において、通常確率状態用の特図1大当たり判定テーブルを選択する一方、通常確率状態ではない、すなわち高確率状態であると判定すると、ステップS1623において、高確率状態用の特図1大当たり判定テーブルを選択する。
遊技制御用マイコン101は、大当たり判定テーブルを選択すると、ステップS1624において、選択した大当たり判定テーブルに基づいて特図1大当たり判定を行う。遊技制御用マイコン101は、特図1大当たり判定では、特図1保留記憶部105aに記憶されている特別図柄乱数の中で最も先に記憶されたものを読み出して、選択した大当たり判定テーブルに照合し、大当たり、またはハズレの何れであるかを判定する。
遊技制御用マイコン101は、ステップS1625において、特図1大当たり判定の結果が大当たりであるか否かを判定する。遊技制御用マイコン101は、大当たりであると判定すると、ステップS1626において、特図1大当たり図柄種別判定テーブルを選択し、ステップS1627において、特図1大当たり図柄種別判定を行う。
遊技制御用マイコン101は、特図1大当たり図柄種別判定では、特図1保留記憶部105aに記憶されている図柄種別乱数の中で最も先に記憶されたものを読み出して、特図1大当たり図柄種別判定テーブルに照合し、何れの大当たり図柄種別であるかを判定する。遊技制御用マイコン101は、特図1大当たり図柄種別判定を行うと、ステップS1628において、その判定結果である大当たり図柄種別を示す図柄種別フラグを遊技用RAM104の所定領域にセットし、ステップS1629において、その判定結果である大当たり図柄種別を示す図柄指定コマンドを遊技用RAM104に設けられた出力バッファにセットし、当該特図1判定処理を終えて、特別図柄待機処理に処理を戻す。
遊技制御用マイコン101は、ステップS1625において大当たりでないと判定すると、ステップS1633において、特図1ハズレ図柄種別判定テーブルを選択し、ステップS1634において、特図1ハズレ図柄種別判定を行う。
遊技制御用マイコン101は、特図1ハズレ図柄種別判定では、特図1保留記憶部105aに記憶されている図柄種別乱数の中で最も先に記憶されたものを読み出して、特図1ハズレ図柄種別判定テーブルに照合し、何れのハズレ図柄種別であるかを判定する。遊技制御用マイコン101は、特図1ハズレ図柄種別判定を行うと、ステップS1635において、その判定結果であるハズレ図柄種別を示す図柄種別フラグを遊技用RAM104の所定領域にセットし、ステップS1636において、その判定結果であるハズレ図柄種別を示す図柄指定コマンドを遊技用RAM104に設けられた出力バッファにセットし、当該特図1判定処理を終えて、特別図柄待機処理に処理を戻す。
次に、特図1変動パターン判定処理について説明する。図77に特図1変動パターン判定処理のフローチャートを示す。図77に示すように、遊技制御用マイコン101は、特図1パターン判定処理において、まずは、ステップS1641として、現在、第2始動口12の開放容易性に係る遊技状態が非時短状態であるか否かを判定する。遊技制御用マイコン101は、非時短状態であると判定すると、ステップS1642において、非時短状態用の特図1変動パターン判定テーブルを選択する一方、非時短状態ではない、すなわち時短状態であると判定すると、ステップS1643において、時短状態用の特図1変動パターン判定テーブルを選択して、ステップS1644に進む。
前述したように本形態では、時短状態用の特図1変動パターン判定テーブルとして、時短状態の種類に応じた3つのものがある。大当たり遊技状態後の時短状態用のもの(第1時短状態用の特図1変動パターン判定テーブル)、ハズレ図柄B停止表示後の時短状態用のもの(第2時短状態用の特図1変動パターン判定テーブル)、ハズレ図柄D停止表示後の時短状態用のもの(第3時短状態用の特図1変動パターン判定テーブル)である。当該時短状態がこれら3つの各時短状態のうち、どの種類のものであるかは、時短フラグの種別によって判別可能である。そこで、S1643では、遊技制御用マイコン101は、時短フラグの種別を確認して(例えば、当該時短状態が大当たり遊技後の時短状態であるか、当該時短状態がハズレ図柄B停止表示後の時短状態であるかを判定し)、当該時短状態に応じた時短状態用の特図1変動パターン判定テーブルを選択する。
続いて、遊技制御用マイコン101は、ステップS1644において、図柄種別フラグなどを確認して、特図1大当たり判定結果が大当たりであるか否かを判定する。遊技制御用マイコン101は、特図1大当たり判定結果が大当たりであると判定すると、ステップS1645において、ステップS1642またはステップS1643の何れかで選択した特図1変動パターン判定テーブルの中で、大当たり用の特図1変動パターン判定テーブルを選択する。一方、遊技制御用マイコン101は、特図1大当たり判定結果が大当たりではないと判定すると、ステップS1651において、ステップS1642またはステップS1643の何れかで選択した特図1変動パターン判定テーブルの中で、ハズレ用の特図1変動パターン判定テーブルを選択する。そのハズレ用の特図1変動パターン判定テーブルの選択にあたっては、図柄種別フラグの確認、リーチ乱数によるリーチ判定(リーチの有無)などが適宜、行われる。
遊技制御用マイコン101は、ステップS1645、S1651で特図1変動パターン判定テーブルを選択すると、ステップS1656において、選択した特図1変動パターン判定テーブルに基づいて特図1変動パターン判定を行う。遊技制御用マイコン101は、特図1変動パターン判定において、特図1保留記憶部105aに記憶されている特図変動パターン乱数の中で最も先に記憶されたものを読み出して、その特図変動パターン乱数を選択した特図1変動パターン判定テーブルに照合して、特図1変動パターンを判定する。
続けて、遊技制御用マイコン101は、ステップS1657において、決定された特図1変動パターンを示す特図1変動開始コマンドを出力バッファにセットし、ステップS1658において、決定された特図1変動パターンに応じた特図変動時間を特別動作用タイマにセットして、特図1変動パターン判定処理を終了し、特別図柄待機処理に処理を戻す。
また、本形態の特図2判定処理および特図2変動パターン判定処理については、基本的には、特図1判定処理(S1609)および特図1変動パターン判定処理(S1610)と同じ処理内容であるため、説明を省略する。なお、具体的には、特図2判定処理は、大当たり図柄種別判定で用いるテーブルが特図2大当たり図柄種別判定テーブルであることを除いて、基本的には特図1判定処理(S1609)と同様の処理である。さらに、特図2変動パターン判定処理は、特図2変動パターン判定で用いるテーブルが特図2変動パターン判定テーブルであることを除いて、基本的には特図1変動パターン判定処理(S1610)と同様の処理である。
次に、特別図柄確定処理について説明する。図78に特別図柄確定処理のフローチャートを示す。図78に示すように、遊技制御用マイコン101は、特別図柄確定処理において、まずは、ステップS1751として、特別図柄の停止表示を終了させて特別図柄を確定するか否か、即ち、ステップS1703で特別動作用タイマにセットした特図確定時間が経過したか否かを判定する。遊技制御用マイコン101は、特図確定時間が経過していないと判定すると、当該特別図柄確定処理を終了する。一方、遊技制御用マイコン101は、特図確定時間が経過したと判定すると、ステップS1752において現在、通常確率状態(高確率フラグがOFF)であるか否かを判定する。
遊技制御用マイコン101は、現在、通常確率状態ではないと判定すると、ステップS1757に進み、現在、通常確率状態であると判定すると、ステップS1753において、時短状態(時短フラグがON)であるか否かを判定する。遊技制御用マイコン101は、時短状態ではないと判定すると、ステップS1757に進み、現在、時短状態であると判定すると、ステップS1754において、時短残り回数カウンタの値を「1」減算し、ステップS1755において、時短残り回数カウンタの値が「0」であるか否かを判定する。遊技制御用マイコン101は、時短残り回数カウンタの値(時短残り回数)が「0」ではないと判定すると、ステップS1757に進み、時短残り回数カウンタの値(時短残り回数)が「0」であると判定すると、ステップS1756において、時短状態から非時短状態に移行させて(時短フラグをOFFする)、ステップS1757に進む。
遊技制御用マイコン101は、ステップS1757において、現在の遊技状態を確認し、その遊技状態を示した遊技状態コマンドを出力バッファにセットし、ステップS1758において、現在停止表示している特別図柄が大当たり図柄であるか否かを判定する。遊技制御用マイコン101は、大当たり図柄であると判定すると、ステップS1759において、遊技状態をリセットする(通常遊技状態を設定する。具体的には、高確率フラグおよび時短フラグをOFFし、時短残り回数カウンタの値を「0」にする)。
続いて、遊技制御用マイコン101は、ステップS1760において、大当たり遊技準備処理を行い、ステップS1761において、特別動作ステータスを「4」に変更し、当該特別図柄確定処理を終了する。遊技制御用マイコン101は、大当たり遊技準備処理において、大当たり図柄の種別に応じた大当たり遊技制御テーブルを遊技用RAM104の所定領域にセットする。また、停止表示している大当たり図柄に応じたオープニング中であることを示す大当たりオープニングフラグを遊技用RAM104の所定領域にONし、大当たり図柄の種別に応じて、所定のオープニング時間(大当たり遊技が開始されてから1ラウンドを開始するまでの時間)を特別動作用タイマにセットする。さらには、大当たり図柄の種別に応じ、大当たり図柄の種別を示すオープニングコマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。大当たり図柄の種別に応じたオープニングコマンドは、その停止表示した大当たり図柄の種別に応じた大当たり遊技(大当たり遊技のオープニング)が開始されることを表す。
遊技制御用マイコン101は、ステップS1758において、現在停止表示している特別図柄が大当たり図柄ではないと判定すると、ステップS1764において、現在停止表示している特別図柄がハズレ図柄Bまたはハズレ図柄Dであるか否かを判定する。遊技制御用マイコン101は、ハズレ図柄Bまたはハズレ図柄Dであると判定すると、ステップS1766において、特別動作ステータスを「6」に変更して、当該特別図柄確定処理を終了する一方、ハズレ図柄Bまたはハズレ図柄Dではないと判定すると、ステップS1765において、特別動作ステータスを「1」に変更して、当該特別図柄確定処理を終了する。
ここで、ハズレ図柄表示後遊技状態設定処理(S1509)について説明する。前述の通り、遊技制御用マイコン101は、特別動作ステータスが「6」のときに、ハズレ図柄表示後遊技状態設定処理を行う。遊技制御用マイコン101は、ハズレ図柄表示後遊技状態設定処理において、ハズレ図柄種別に基づいて時短状態を設定する。具体的に、遊技制御用マイコン101は、ハズレ図柄Bの停止表示が行われていれば、ハズレ図柄Bの停止表示を契機とした時短状態であることを示す時短フラグ(ハズレ図柄B表示後時短フラグ)を遊技用RAM104の時短フラグ領域にONして時短状態を設定すると共に、ハズレ図柄Bの停止表示を契機とした時短状態であることを示す遊技状態コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。また、当該時短状態の終了条件は特図可変表示の実行回数「50」回であるので、「50」回を時短規定回数として、時短残り回数カウンタにセットする。一方、遊技制御用マイコン101は、ハズレ図柄Dの停止表示が行われていれば、ハズレ図柄Dの停止表示を契機とした時短状態であることを示す時短フラグ(ハズレ図柄D表示後時短フラグ)を遊技用RAM104の時短フラグ領域にONして時短状態を設定すると共に、ハズレ図柄Dの停止表示を契機とした時短状態であることを示す遊技状態コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。また、当該時短状態の終了条件は特図可変表示の実行回数「150」回であるので、「150」回を時短規定回数として、時短残り回数カウンタにセットする。そして、遊技制御用マイコン101は、特別動作ステータスを「1」に変更して、当該ハズレ図柄表示後遊技状態設定処理を終了する。
なお、遊技制御用マイコン101は、大当たり遊技後遊技状態設定処理(S1505)において時短状態を設定する場合は、大当たり遊技状態の終了を契機とした時短状態であることを示す時短フラグ(大当たり遊技状態後時短フラグ)を遊技用RAM104の時短フラグ領域にONして時短状態を設定すると共に、大当たり遊技状態の終了を契機とした時短状態であることを示す遊技状態コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。また、当該時短状態に終了条件としての時短期待回数が設定されている場合、すなわち、大当たり図柄C,Fに係る大当たり遊技状態終了後の時短状態を設定する場合、当該時短状態の終了条件は特図可変表示の実行回数「100」回であるので、「100」回を時短規定回数として、時短残り回数カウンタにセットする。
このように、大当たり遊技後遊技状態設定処理(S1505)、およびハズレ図柄表示後遊技状態設定処理(S1509)において、時短状態を示す時短フラグとして、大当たり遊技状態後時短フラグ、ハズレ図柄B表示後時短フラグ、およびハズレ図柄D表示後時短フラグがセットされるので、遊技制御用マイコン101は、当該時短フラグに基づいて、契機が関連付けられた時短状態を特定し、時短状態に係る特図2変動パターン判定テーブルを適切に選択して、特図1変動パターン判定、特図2変動パターン判定を行うことができる。
以上のように第4実施形態に係るパチンコ遊技機PY1は、第1始動口11および第2始動口12を有しており、遊技制御用マイコン101は、第1始動口11への遊技球の入賞に基づいて特図1の可変表示を、第2始動口12への遊技球の入賞に基づいて特図2の可変表示を実行可能である。また、遊技制御用マイコン101は、特図1の可変表示にてハズレ図柄Bを停止表示することに応じて遊技状態を第2時短状態にし、特図2の可変表示にてハズレ図柄Dを停止表示することに応じて遊技状態を第3時短状態にする。つまり、ハズレ図柄であっても、遊技者に有利な時短状態に移行することがあるので、遊技者にハズレ図柄に期待感を持たせることが可能である。そして、第3時短状態の方が、第2時短状態よりも、遊技者に有利な特典が付与された時短状態となっている。つまり、遊技球が入賞した始動口により、その後に設定される時短状態の特典が異なることがあるため、遊技が単調になってしまうことを抑制可能である。よって、遊技興趣の向上が可能である。
また、時短状態は、第2始動口12が開放されやすい遊技状態である。つまり、時短状態は、通常遊技状態(非時短状態)よりも開放されやすい第2始動口12へと遊技球を入賞させることが可能な、通常遊技状態よりも遊技者に有利な特典が付与されている状態である。またこのため、遊技者は、通常遊技状態においては第1始動口11を狙って遊技球を発射しがちであり、時短状態においては第2始動口12を狙って遊技球を発射しがちである。そして、第2始動口12への遊技球の入賞に基づいて移行される第3時短状態の方が、第1始動口11への遊技球の入賞に基づいて移行される第2時短状態よりも、遊技者に有利な特典が付与される。すなわち、すでに通常遊技状態と比較して遊技者に有利な特典の時短状態中の方が、通常遊技状態中よりも、第2時短状態と比較して遊技者に有利な特典の第3時短状態になり易い構成とされている。つまり、通常遊技状態から、より遊技者に有利な特典の第2時短状態となった後、さらに遊技者に有利な特典の第3時短状態となる可能性があり、順に、遊技者に有利な特典の遊技状態へと移行させることが可能な構成となっている。これにより、徐々に有利な特典の遊技状態へと移行していくという、遊技興趣の高いパチンコ遊技機PY1とすることが可能である。
(第4実施形態の変更例)
次に、第4実施形態に係るパチンコ遊技機PY1の変更例について説明する。例えば、上記の実施形態では、特図2の可変表示にて時短状態が設定されるハズレ図柄(ハズレ図柄D)が停止したことに応じて設定される時短状態、および、特図1の可変表示にて時短状態が設定されるハズレ図柄(ハズレ図柄B)が停止したことに応じて設定される時短状態は、それぞれ1種ずつ(第2時短状態、第3時短状態だけ)である。しかし、特図2の可変表示にて時短状態が設定されるハズレ図柄が停止したことに応じて設定される時短状態、および、特図1の可変表示にて時短状態が設定されるハズレ図柄が停止したことに応じて設定される時短状態の一方として、または双方として、複数種の時短状態を設けてもよい。そして、このような場合にも、例えば、特図2の可変表示にてハズレ図柄が停止したことに応じて設定される時短状態の方が、特図1の可変表示にてハズレ図柄が停止したことに応じて設定される時短状態よりも、遊技者に有利な特典が付与される傾向にあることが好ましい。徐々に有利な特典の遊技状態へと移行し易くなり、遊技興趣の向上が可能だからである。具体的には、例えば、上記の実施形態において、特図1の可変表示に係るハズレ図柄と、特図2の可変表示に係るハズレ図柄との双方に、同じ特典の時短状態へと移行するハズレ図柄が追加されてもよい。
また上記の実施形態では、大当たり判定テーブルに小当たりが含まれていないが、小当たりを含ませて、大当たり判定で小当たり当選できるようにしても良い。この場合、第1実施形態等に記載のように、小当たり図柄の停止表示を契機に時短状態が設定されることとしてもよい。また、小当たり図柄の停止表示を契機に時短状態が設定される構成とした場合、特図2の可変表示にて小当たり図柄を停止表示した場合の方が、特図1の可変表示にて小当たり図柄を停止した場合よりも、遊技者に有利な特典の時短状態となるようにすることが可能である。
また、上記の実施形態では、特図2の可変表示にてハズレ図柄が停止したことに応じて設定される時短状態の方が、特図1の可変表示にてハズレ図柄が停止したことに応じて設定される時短状態よりも、遊技者に有利な特典が付与される傾向にある構成について説明した。しかし、特図1の可変表示にてハズレ図柄が停止したことに応じて設定される時短状態の方が、特図2の可変表示にてハズレ図柄が停止したことに応じて設定される時短状態よりも、遊技者に有利な特典が付与される構成としてもよい。
また、上記の実施形態では、左打ちにより第1始動口11(特図1に係る始動口)への入賞を、右打ちにより第2始動口12(特図2に係る始動口)への入賞を狙うことができる構成について説明した。しかし、例えば、右打ちにより、特図1に係る始動口と特図2に係る始動口との入賞を狙うことができる構成を採用することとしてもよい。具体的には、例えば、特図1に係る始動口および特図2に係る始動口として、既知の第2種非電動役物であり、遊技球の接触により作動する作動機構によって開閉可能なものを設けることが考えられる。またこの場合、例えば、遊技球の通過に基づいて普通図柄の抽選を行い、これに当選したことに基づいて普通電動役物を作動させ、作動により開状態となった普通電動役物に入球した遊技球が、特図1または特図2の始動口を開状態とする作動機構へと接触する構成としておけばよい。さらには、開状態の普通電動役物に入球した遊技球を、特図1の始動口を開状態とする作動機構、および、特図2の始動口を開状態とする作動機構のいずれか一方へと切り替えつつ案内可能な切替機構を備えておくことも可能である。これにより、時短状態として、特図1に係る可変表示が行われ易い時短状態と、特図2に係る可変表示が行われ易い時短状態とを設けることが可能となり、よりゲーム性の複雑な遊技機とすることが可能となり、遊技興趣の向上を図ることが可能となる。
また、上記の実施形態では、大当たり判定によって大当たり判定結果としてハズレ図柄B,Dが導出されたことによって時短状態を発生させることとした。しかし、例えば、大当たり判定前に時短状態を発生させるか否かの判定(時短判定)を行っても良い。この場合、例えば大当たり乱数のような乱数(時短乱数)を別に設けておき、大当たり判定のように、時短乱数を、時短状態を発生させることと時短状態を発生させないことに時短乱数の判定値が適宜に振り分けられた時短判定テーブルに照合する時短判定を行うようにしても良い。そして、時短判定で時短状態を発生させると判定した場合にハズレ図柄の停止表示後に時短状態を設定するようにしても良い。また、この場合は、時短判定で時短状態を発生させるという判定結果が導出された場合と、時短判定で時短状態を発生させないという判定結果が導出された場合とで、ハズレ図柄を異ならせても良い。さらには、時短判定で時短状態を発生させるという判定結果が導出された場合には、さらにハズレ図柄の種別を複数の中から決定するようにしておき、第4実施形態に係る大当たり図柄種別判定やハズレ図柄種別判定のように、当該ハズレ図柄の種別に応じて、当該時短状態で用いる特図判定テーブルや時短規定回数(終了条件)が異なるようにしても良い。
また、上記の実施形態では、ハズレ図柄Bの停止表示の後の時短状態と、ハズレ図柄Dの停止表示の後の時短状態と、で異なる演出モードに移行するが、同一の演出モードに移行するようにしても良い。
さらに、上記の実施形態では、ハズレ図柄Bの停止表示の後の時短状態と、ハズレ図柄Cの停止表示の後の時短状態と、で異なる回数の時短規定回数が設定されているが、同一回数の時短規定回数が設定されていても良い。さらには、低確率高ベース遊技状態に係る全ての契機の時短状態で同一回数の時短規定回数が設定されていても良い。
<第5実施形態>
次に、第5実施形態について説明する。第5実施形態では、特図1の可変表示および特図2の可変表示におけるハズレ図柄の停止表示を契機に時短状態が設定されることがあるという点で第4実施形態と共通している。以下においては、主に、第5実施形態を、第4実施形態を基に、第1実施形態と異なる点について説明する。また、基本的な実施形態、および第4実施形態と同一の構成、または同様に対応する構成については同一の符号、および用語を用いる。
第5実施形態の特徴点のひとつは、特図1の可変表示の場合と、特図2の可変表示の場合とで、時短状態を発生させるハズレ図柄が停止表示される可能性が異なることにある。具体的には、特図1ハズレ図柄種別判定テーブルと特図2ハズレ図柄種別判定テーブルとで、時短状態を発生させるハズレ図柄の選択率が異なっている。以下、具体的に説明する。
図79に、第5実施形態に係るハズレ図柄種別判定テーブルである。本形態においても、ハズレ図柄種別判定テーブルは、大当たり判定の結果がハズレである場合に、ハズレ図柄種別を決定するためのテーブルである。また本形態のハズレ図柄種別判定テーブルにも、第4実施形態と同様に、特図1の可変表示を行うときに用いられるハズレ図柄種別判定テーブル(特図1ハズレ図柄種別判定テーブル)と、特図2の可変表示を行うときに用いられるハズレ図柄種別判定テーブル(特図2ハズレ図柄種別判定テーブル)と、がある。また本形態においても、第4実施形態等と同様、大当たり図柄種別判定用乱数をハズレ図柄種別判定テーブルに照合することでハズレ図柄種別判定を行う。
また本形態でも、特図1に係るハズレ図柄として、ハズレ図柄Aおよびハズレ図柄Bの2種類のハズレ図柄が設けられ、特図2に係るハズレ図柄として、ハズレ図柄Cおよびハズレ図柄Dの2種類のハズレ図柄が設けられている。また、ハズレ図柄Bおよびハズレ図柄Dが、時短状態を発生させるハズレ図柄となっている。
ただし、本形態では、第4実施形態と異なり、特図1ハズレ図柄種別判定テーブルにおけるハズレ図柄Bの選択率と、特図2ハズレ図柄種別判定テーブルにおけるハズレ図柄Dの選択率とが異なっている。このため、本形態では、特図1の可変表示が行われた場合と特図2の可変表示が行われた場合とで、時短状態を発生させるハズレ図柄が停止表示される確率が異なっている。
さらに、本形態では、特図1ハズレ図柄種別判定テーブルにおけるハズレ図柄Bの選択率の方が、特図2ハズレ図柄種別判定テーブルにおけるハズレ図柄Dの選択率よりも、高い確率である。このため、特図1の可変表示が行われた場合の方が、特図2の可変表示が行われた場合よりも、時短状態を発生させるハズレ図柄が停止表示される可能性が高くなっている。
以上のように第5実施形態に係るパチンコ遊技機PY1は、第1始動口11および第2始動口12を有しており、遊技制御用マイコン101は、第1始動口11への遊技球の入賞に基づいて特図1の可変表示を、第2始動口12への遊技球の入賞に基づいて特図2の可変表示を実行可能である。また、遊技制御用マイコン101は、特図1の可変表示にてハズレ図柄Bを停止表示することに応じて遊技状態を第2時短状態にし、特図2の可変表示にてハズレ図柄Dを停止表示することに応じて遊技状態を第3時短状態にする。そして、特図1の可変表示にてハズレ図柄Bを停止表示する確率と、特図2の可変表示にてハズレ図柄Dを停止表示する確率とは異なっている。つまり、遊技者が狙っている始動口により、ハズレ図柄に応じて時短状態へと移行する確率が異なるので、遊技が単調になってしまうことを抑制可能である。よって、遊技興趣の向上が可能である。
また、時短状態は、第2始動口12が開放されやすい遊技状態である。つまり、時短状態は、通常遊技状態(非時短状態)よりも開放されやすい第2始動口12へと遊技球を入賞させることが可能な、通常遊技状態よりも遊技者に有利な特典が付与されている状態である。また、遊技者は、通常遊技状態においては第1始動口11を狙って遊技球を発射する傾向にあり、時短状態においては第2始動口12を狙って遊技球を発射する傾向にある。そして、通常遊技状態のときの方が、時短状態のときよりも、時短状態が設定されることによる遊技者の利益が大きな傾向にある。そこで、本形態では、時短状態へと移行されることによる遊技者の利益が大きな傾向にある通常遊技状態では、時短状態よりも、ハズレ図柄に応じて時短状態が設定される確率が高くされている。これにより、ハズレ図柄に応じて時短状態が設定されたことによる遊技者の利益が大きくなるような構成とすることを可能とし、時短状態に対する遊技者の心象および期待感を高く維持することが可能である。
(第5実施形態の変更例)
次に、第5実施形態に係るパチンコ遊技機PY1の変更例について説明する。例えば、第5実施形態では、特図2の可変表示にて時短状態が設定されるハズレ図柄(ハズレ図柄D)が停止する確率は、特図1の可変表示にて時短状態が設定されるハズレ図柄(ハズレ図柄B)が停止する確率よりも極めて低いものの、ゼロではない。しかし、例えば、特図2の可変表示にて時短状態が設定されるハズレ図柄が停止する確率をゼロとした構成でもよい。また、特図2ハズレ図柄種別判定テーブルに、時短状態が設定されるハズレ図柄がない構成としてもよい。すなわち、特図2の可変表示にて時短状態が設定されるハズレ図柄が停止する確率は、特図1の可変表示にて時短状態が設定されるハズレ図柄が停止する確率よりも低い構成であれば、ハズレ図柄に応じて時短状態が設定されたことによる遊技者の利益が大きくなるような構成とすることが可能である。
また、第5実施形態では、特図2の可変表示にて時短状態が設定されるハズレ図柄が停止する確率は、特図1の可変表示にて時短状態が設定されるハズレ図柄が停止する確率よりも低い構成について説明した。しかし、特図2の可変表示にて時短状態が設定されるハズレ図柄が停止する確率は、特図1の可変表示にて時短状態が設定されるハズレ図柄が停止する確率よりも高い構成としてもよい。この場合、すでに時短状態であるときに、再度、時短状態が設定されるハズレ図柄が停止する確率を高くすることができ、個別に(1回で)設定可能な時短規定回数を超えて、時短状態にて遊技できる可能性を高くすることが可能である。つまり、遊技者に有利な特典が付与された時短状態が長く続き易くすることが可能であり、これにより、時短状態に移行した際の遊技者の期待感を高めることが可能である。なお、時短状態が長く続きすぎた場合には、時短状態に対する遊技者の期待感を低下させ、かえって遊技興趣を低下させてしまう可能性があるため、時短状態を連続して設定可能な回数に上限を設けることとしてもよい。すなわち、ハズレ図柄に基づく時短状態が、連続して所定の上限回数、設定された場合、その上限回数に到達した状態での時短状態では、ハズレ図柄に基づいて時短状態が設定されないようにしてもよい。
また例えば、特図2の可変表示にて時短状態が設定されるハズレ図柄が停止する確率と、特図1の可変表示にて時短状態が設定されるハズレ図柄が停止する確率とが異なる構成を、所謂「第1種(デジパチ)」のパチンコ遊技機の特徴と「第2種」のパチンコ遊技機の特徴とを併せ持つ所謂「1種2種混合」といわれるパチンコ遊技機に適用することとしてもよい。具体的には、例えば、時短状態中における第2始動口への遊技球の入賞に基づいて大当たり判定および小当たり判定を行い、小当たりに当選した際に開放された入賞口に入賞した遊技球が特定領域を通過したことに基づいて大当たり遊技を実行する遊技機である。このような構成の場合、第2始動口への遊技球の入賞に基づいて小当たりに当選する確率が比較的高くされているので、第2始動口への遊技球の入賞に基づいて、大当たり判定および小当たり判定のどちらにも当選しなかった場合にも、停止表示されたハズレ図柄に応じて時短状態が設定されることで、再度、設定された時短状態にて小当たり当選を狙えるという、遊技者に大きな利益を生じさせることが可能となり得る。よって、所謂「1種2種混合」といわれるパチンコ遊技機に適用する場合には、特図2の可変表示にて時短状態が設定されるハズレ図柄が停止する確率を、特図1の可変表示にて時短状態が設定されるハズレ図柄が停止する確率よりも高い構成とすることが、小当たり当選を狙える時短状態が連続して設定され易く、遊技興趣の高い状態が長く続き易いという観点から好ましい。
また例えば、特図2の可変表示にて時短状態が設定されるハズレ図柄が停止する確率と、特図1の可変表示にて時短状態が設定されるハズレ図柄が停止する確率とが異なる構成を、小当たり当選に基づいて所定の大入賞口に入賞しやすい所謂「小当たりラッシュ状態」を有するパチンコ遊技機に適用することとしてもよい。具体的には、例えば、左打ち中における遊技球の流下経路(左流下経路)に特図1に係る第1始動口を設け、右打ち中における遊技球の流下経路(右流下経路)に特図1に係る第1始動口および特図2に係る第2始動口を設けるとともに、右流下経路の第1始動口を時短状態にて開放がし易い可変始動口として構成し、さらに、右流下経路における可変始動口の下流側に小当たり当選に基づいて開放可能な大入賞口を設けた遊技機である。このような構成の場合、非時短状態において、第2始動口への入賞に応じて小当たりに当選すると、開放頻度の低い可変始動口へと入賞しなかった遊技球が、可変始動口よりも下流の可変始動口へと入賞しやすく、所謂「小当たりラッシュ状態」となる。そして、「小当たりラッシュ状態」において、第2始動口への遊技球の入賞に基づいて停止表示されたハズレ図柄に応じて時短状態が設定されることで、可変始動口の開放頻度が高くなり、可変始動口への遊技球の入賞頻度が高まることで、可変始動口よりも下流の大入賞口への入賞頻度が低くなる。すなわち、第2始動口への遊技球の入賞に基づいて停止表示されたハズレ図柄に応じて時短状態が設定されることで、「小当たりラッシュ状態」が、大当たりを経ずに突然、終了するという斬新なゲーム性を実現可能となる。よって、所謂「小当たりラッシュ状態」を有するパチンコ遊技機に適用した場合には、ハズレ図柄に基づいて時短状態が設定されることにより、「小当たりラッシュ状態」が突然、終了するという新たな興趣を提供することが可能となる。そして、所謂「小当たりラッシュ状態」を大当たりを経ずに突然、終了するという斬新なゲーム性を高い頻度で実現する観点においては、特図2の可変表示にて時短状態が設定されるハズレ図柄が停止する確率を、特図1の可変表示にて時短状態が設定されるハズレ図柄が停止する確率よりも高い構成とすることが好ましい。
7.その他の変更例
次に、基本的な実施形態、および第1実施形態等に係るパチンコ遊技機PY1についてのその他の変更例を以下に説明する。以下、基本的な実施形態、および第1実施形態等に係るパチンコ遊技機PY1について「パチンコ遊技機PY1など」という。
パチンコ遊技機PY1などでは、特図抽選結果を報知するために表示部50aを用いて演出図柄EZ1〜EZ3の可変表示を行っているが、画像表示装置に代えて、所謂「回胴式遊技機(スロットマシーン)」のように図柄が表示されたドラムを配設し、当該ドラムを可変表示することによって特図抽選結果を報知してもよい。また、パチンコ遊技機PY1などでは、大当たり遊技で大入賞口14が開放可能であるが、大入賞口14以外にも大当たり遊技で開放可能な入賞領域を設けても良い。
また、パチンコ遊技機PY1などでは、特定の大当たり図柄種別に判定されると、必ず大当たり遊技後に高確率状態にて遊技が進行する。すなわち、高確率状態の設定が大当たり図柄種別に対応付けられている。しかしながら、高確率状態の設定条件を変更してもよい。例えば、大入賞装置14Dとは別に、開閉可能であり、開放時に遊技球が入球可能な第2大入賞装置を遊技領域6の遊技球が到達可能な位置に設けておき、大当たり遊技中の所定のラウンド遊技において第2大入賞装置が開放して第2大入賞装置に入球した遊技球が、その下流側に設けられた特定領域を通過すると、大当たり遊技の終了に伴って高確率状態が設定されるようにしてもよい。
この場合、例えば第2大入賞装置が入球容易な時間(例えば、29.5秒)開放する特定の大当たり図柄(高確率状態を設定させ易い大当たり図柄)と、第2大入賞装置が入球困難な時間(例えば、0.5秒)開放する非特定の大当たり図柄(高確率状態を設定させ難い大当たり図柄)と、を設けることができる。また、第2大入賞装置に入賞した遊技球が通過可能な領域として特定領域と非特定領域があり、遊技球を特定領域と非特定領域に振り分ける振分装置を設けておく。そして、第2大入賞装置の開放時間は同じであるが、第2大入賞装置の開放態様と振分装置の作動態様との組み合わせで、高確率状態を設定させ易い大当たり図柄と高確率状態を設定させ難い大当たり図柄を設けることも可能である。
また、パチンコ遊技機PY1などでは、遊技の進行に係る基本的な制御を遊技制御基板100が行い、遊技の進行(遊技の制御)に応じた演出の進行に係る基本的な制御を演出制御基板120が行うというように、遊技の制御と演出の制御とを異なる基板で行っているが、一つの基板で行うよう構成しても良い。この場合、画像制御基板140を、その一つの基板に含めても良く、また、その一つの基板とは別に設けても良い。
また、本発明の遊技機を、アレンジボール機、雀球遊技機等の他の弾球遊技機や回胴式遊技機(所謂「スロットマシーン」)などに適用することも可能である。また、上記の実施形態およびその変更例に記載の各パチンコ遊技機PY1は、それぞれ他の実施形態およびその変更例に係るパチンコ遊技機PY1と組み合わせることも可能である。すなわち、例えば、上記のある実施形態に記載のパチンコ遊技機PY1を、他の実施形態に係るパチンコ遊技機PY1の一部を含んで構成することも可能である。
8.前述した実施形態に開示されている発明
この[発明を実施するための形態]における前段落までには、以下の発明A〜発明Bが開示されている。発明A〜発明Bの説明では、前述した発明を実施する形態における対応する構成の名称や表現、図面に使用した符号を参考のためにかっこ書きで付記している。但し、各発明を構成する手段などの要素はこの付記に限定されるものではない。なお、発明Aは、以下の発明A1〜発明A3の総称であり、発明Bは、以下の発明B1〜発明B3の総称である。
8−1−1.発明A1
所定の第1変動条件(第1始動口11への遊技球の入賞)または第2変動条件(第2始動口12への遊技球の入賞)が成立すると、識別情報(特別図柄)の変動表示を実行可能であり、識別情報を特定態様(大当たり図柄)で停止表示すると、遊技領域(遊技領域6)に設けられた開閉可能な可変入賞口(大入賞口14)の開放を伴う大当たり遊技を実行する遊技制御手段(遊技制御用マイコン101)を備えた遊技機(パチンコ遊技機PY1)において、
前記遊技制御手段は、
識別情報を前記特定態様と異なる非特定態様(ハズレ図柄)で停止表示することに応じて、前記遊技領域に設けられた開閉可能な可変始動口(第2始動口12)が通常遊技状態のときよりも開放し易い特定遊技状態(時短状態)にすることがあり、
前記第2変動条件の成立に応じて識別情報を前記非特定態様で停止表示した場合には、前記第1変動条件の成立に応じて識別情報を前記非特定態様で停止表示した場合よりも、遊技者に有利な特典(第2始動口12の開放容易性が高い、時短規定回数が多い)の前記特定遊技状態にし易いことを特徴とする遊技機。
8−1−2.発明A2
発明A1に係る遊技機であって、
前記第2変動条件は、前記可変始動口への遊技球の入球に基づいて成立することを特徴とする遊技機。
8−1−3.発明A3
発明A1または発明A2に係る遊技機であって、
前記遊技制御手段は、前記大当たり遊技の終了に応じて前記特定遊技状態にすることがあることを特徴とする遊技機。
8−2−1.発明B1
所定の第1変動条件(第1始動口11への遊技球の入賞)または第2変動条件(第2始動口12への遊技球の入賞)が成立すると、識別情報(特別図柄)の変動表示を実行可能であり、識別情報を特定態様(大当たり図柄)で停止表示すると、遊技領域(遊技領域6)に設けられた開閉可能な可変入賞口(大入賞口14)の開放を伴う大当たり遊技を実行する遊技制御手段(遊技制御用マイコン101)を備えた遊技機において、
前記遊技制御手段は、
識別情報を前記特定態様と異なる非特定態様(ハズレ図柄)で停止表示することに応じて、前記遊技領域に設けられた開閉可能な可変始動口(第2始動口12)が通常遊技状態のときよりも開放し易い特定遊技状態(時短状態)にすることがあり、
前記第1変動条件が成立した場合には、前記第2変動条件が成立した場合よりも、識別情報を前記非特定態様で停止表示する可能性が高い(その後の遊技状態を時短状態とするハズレ図柄が選択される確率が高い)ことを特徴とする遊技機。
8−2−2.発明B2
発明B1に係る遊技機であって、
前記遊技領域に、前記可変始動口とは別に設けられた始動口(第1始動口11)を有し、
前記第1変動条件は、前記始動口への遊技球の入球に基づいて成立し、
前記第2変動条件は、前記可変始動口への遊技球の入球に基づいて成立することを特徴とする遊技機。
8−2−3.発明B3
発明B1または発明B2に係る遊技機であって、
前記遊技制御手段は、前記大当たり遊技の終了に応じて前記特定遊技状態にすることがあることを特徴とする遊技機。