JP2021044696A - 秘匿演算装置、秘匿演算方法及び秘匿演算プログラム - Google Patents

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Takayuki Nakachi
孝之 仲地
仁志 貴家
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仁志 貴家
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Abstract

【課題】本開示は、スパースコーディングの秘匿演算を可能にすることを目的とする。【解決手段】本開示は、K個(K>M)の基底を要素とするM×K行列である秘匿辞書行列D^を格納する秘匿辞書記憶部22と、M次元のベクトルである観測信号yがランダムユニタリ行列QPを用いて秘匿化された秘匿観測信号y^を取得し、秘匿辞書記憶部22から秘匿辞書行列D^を読み出し、y^=D^xの関係を用いてK次元のベクトルであるスパース係数xを求めるスパース係数算出処理部31と、取得した秘匿観測信号y^及び求めたスパース係数xを用いて、秘匿辞書記憶部22に格納されている秘匿辞書行列D^を更新する秘匿辞書算出処理部32と、を備える秘匿演算装置である。【選択図】図5

Description

本開示は、エッジ/クラウドでの利用を想定した秘匿演算の方法及び装置に関する。
スパースコーディング(Sparse Coding:SC)(例えば、非特許文献1〜5参照。)は、元々生物の一次視覚野の計算モデルとして提案されたものであり、観測信号を少数の基底ベクトルの重み付き線形和で表現する手法である。生物の一次視覚野における受容細胞は、空間周波数成分が網膜上の特定の領域に出現すると、選択的に反応する性質を持つ。Olshausenらはこの性質を、自然画像の統計的構造を積極的に利用することによって自然画像を効率的に符号化(コーディング)するための仕組みとして獲得した(例えば非特許文献1参照。)とする考えを提案し脚光を浴びた。現在、スパースコーディングは画像・音響信号などのメディア信号処理、脳波・脳血流・fMRIなど生体信号の解析、機械学習など多数の分野に応用されており、その有効性が認められている。例えば、画像処理の分野では雑音除去や画像修復、深層学習では要素技術の一つとして利用され画像識別の分野で最先端の性能を示している。
一方、近年様々な分野においてエッジ/クラウドコンピューティングが急速に普及してきている。そのアプリケーションの領域はスパースコーディングの有効性が確認されているメディア信号処理、生体信号の解析、機械学習などを含め多岐にわたる。しかし、エッジ/クラウドコンピューティングの利用は、サービス提供者の信頼性を前提にしており、その信頼性の欠如や事故によって、データの不正利用や流失、プライバシーの侵害といった問題の発生が危惧されている。今後のクラウドコンピューティングの普及にとって、データの不正利用や流失、エンドユーザーのプライバシーの問題をいかに解決するかが重要な課題となっている。
B. A. Olshausen and D. J. Field, " Emergence of simple− cell receptive−field properties by learning a sparse code for natural images, " Nature, vol. 381, pp. 607−609 (1996). 笠井 裕之, "スパースコーディングの研究動向, "研究報告オーディオビジュアル複合情報処理(AVM), vol. 2014−AVM−84(8), pp. 1−10, 2014. K. Engan, S. O. Aase and J. Hakon Husoy: " Method of optimal directions for frame design, " ICASSP1999, pp. 2443−2446 (1999). M. Aharon, M. Elad and A. Bruckstein:" K−SVD: An algorithm for designing overcomplete dictio− naries for sparse representation, "IEEE Trans. Sig. Proc., 54, 11, pp. 4311−4322 (2006). Y. C. Pati, R. Rezaiifar, Y. C. P. R. Rezaiifar and P. S. Krishnaprasad," Orthogonal matching pursuit: Recursive function approximation with applications to wavelet decomposition, "Asilomar1993, pp. 40−44 (1993).
本開示は、この問題点に鑑みなされたもので、スパースコーディングの秘匿演算を可能にすることを目的とする。
発明者らは、スパース辞書を秘匿した後に、直交マッチング追跡法(Orthogonal Matching Pursuit:OMP)で解いて得られる解が、観測信号とスパース辞書を秘匿しない場合にOMPを解いて得られるスパース係数と等しくなることを発見した。発明者らの当該発見によって、本開示をするに至った。
本開示は、ランダムユニタリ行列Qを用いて観測信号yを秘匿化した秘匿観測信号y^を入力とし、信号から辞書行列の基底を学習する手法を用いてスパース辞書を更新することで、秘匿辞書行列を生成する。
具体的には、本開示に係る秘匿演算装置は、
K個(K>M)の基底を要素とするM×K行列である秘匿辞書行列D^を格納する秘匿辞書記憶部と、
M次元のベクトルである観測信号yがランダムユニタリ行列Qを用いて秘匿化された秘匿観測信号y^を取得し、前記秘匿辞書記憶部から秘匿辞書行列D^を読み出し、y^=D^xの関係を用いてK次元のベクトルであるスパース係数xを求めるスパース係数算出処理部と、
取得した秘匿観測信号y^及び求めたスパース係数xを用いて、秘匿観測信号y^から秘匿辞書行列D^の基底を求め、前記秘匿辞書記憶部に格納されている秘匿辞書行列D^を更新する秘匿辞書算出部と、
を備える。
具体的には、本開示に係る秘匿演算方法は、
秘匿演算装置が、
M次元のベクトルである観測信号yがランダムユニタリ行列Qを用いて秘匿化された秘匿観測信号y^を取得し、K個(K>M)の基底を要素とするM×K行列である秘匿辞書行列D^を格納する秘匿辞書記憶部から秘匿辞書行列D^を読み出し、y^=D^xの関係を用いてK次元のベクトルであるスパース係数xを求め、
取得した秘匿観測信号y^及び求めたスパース係数xを用いて、秘匿観測信号y^から秘匿辞書行列D^の基底を求め、前記秘匿辞書記憶部に格納されている秘匿辞書行列D^を更新する。
具体的には、本開示に係る秘匿演算プログラムは、本開示に係る秘匿演算装置に備わる各機能部としてコンピュータを実現させるためのプログラムであり、本開示に係る秘匿演算方法に備わる各手順をコンピュータに実効させるためのプログラムである。
本開示によれば、スパースコーディングの秘匿演算を可能にすることができる。
本開示に係るシステム構成の一例を示す。 スパースコーディングの一例を示す。 第1の実施形態における第1のアーキテクチャを示す。 第1の実施形態における第2のアーキテクチャを示す。 本開示に係るローカル処理部の一例を示す。 本開示に係るエッジ/クラウド処理部の一例を示す。 OMPの秘匿演算アルゴリズムの一例を示すフロー図である。 基底dとXのk番目の行ベクトルx の一例を示す。 ランダム辞書行列の一例を示す。 MOD及びK−SVDを用いた場合のサポート間距離の一例を示す。 MOD及びK−SVDを用いた場合の平均I誤差の一例を示す。 秘匿MOD及び秘匿K−SVDを用いた場合のサポート間距離の一例を示す。 秘匿MOD及び秘匿K−SVDを用いた場合の平均I誤差の一例を示す。
以下、本開示の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本開示は、以下に示す実施形態に限定されるものではない。これらの実施の例は例示に過ぎず、本開示は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した形態で実施することができる。なお、本明細書及び図面において符号が同じ構成要素は、相互に同一のものを示すものとする。
本開示では、エッジ/クラウドでの利用を想定し広く普及した多くのアプリケーションソフトウェアが直接利用可能で、かつユーザのプライバシーの保護を考慮したスパースコーディングの秘匿演算法を提案する。概要は次の通りである。
1)スパース辞書学習の秘匿演算のシステム構成
スパース辞書学習の秘匿演算をエッジ/クラウドで実行する際のシステム構成を提案する。図1に、本開示に係るシステム構成の一例を示す。本開示に係るシステムは、ローカル処理部10及びエッジ/クラウド処理部20が通信ネットワーク90で接続されている。エッジ/クラウド処理部20は、本開示における秘匿演算装置として機能する。ローカル処理部10はローカル処理装置として機能する。
2)スパース辞書学習の秘匿演算
スパース辞書学習のアルゴリズムとして広く用いられているMOD(Method of Optimal Direction)(例えば、非特許文献3参照。)とK−SVD(K−Singular Value Decomposition)(例えば、非特許文献4参照。)の秘匿演算法を提案する。
以下、具体的な実施形態について述べる前にスパース辞書学習の定式化を行う。
[スパース辞書学習の定式化]
M次元の列ベクトルである観測信号yの集合をY={y i=1とする。このとき、図2に示すように、YがK個の基底の線形結合で表せると仮定する。
(数1)
Y=DX (1)
ただし、D={d,...,d}∈RMxKは、M次元の列ベクトルである基底d(1≦i≦K)を要素とする行列であり、辞書行列と呼ぶ。X={x i=1は、K次元の列ベクトルであるスパース係数xを要素とする行列である。一般的に、基底の数が観測信号の次元よりも大きいすなわちK>Mであり、過完備な辞書行列Dを用いる。信号の次元より多い基底による表現Y=DXではXの一意性を保証することが出来ないため、通常は観測信号Yの表現に利用される基底を辞書行列Dのうちの一部に制限する。すなわち、少数のT個の係数のみが非ゼロの値を取り、残りの大部分の係数はゼロの値を取る制約を設ける。
このように、非ゼロ要素が全体に対して少数である状態をスパース(Sparse:疎)と呼ぶ。スパースの制約を持つ最適化問題は、
Figure 2021044696
として定式化される。ただし、
Figure 2021044696
はLのノルム(ベクトル中の非ゼロ要素の個数)を表し、
Figure 2021044696
はフロベニウスのノルムを表し、
Figure 2021044696
で定義される。
なお、スパースコーディングは、辞書行列Dを設計する「スパース辞書設計の問題」と、スパース係数xを求める「スパース係数の推定」の2つに分けて考えることができる。「スパース辞書設計の問題」では、辞書行列Dの行列は離散コサイン変換やフーリエ変換、ウェーブレット変換あるいはカーブレット変換のように予め基底を用意しておく方法と、信号から辞書行列Dの基底を学習する方法がある。信号から辞書行列Dの基底を学習するための代表的な手法が、MOD(Method of Optimal Direction)とK−SVD(K−Singular Value Decomposition)である。MODはYとDXの間の二乗誤差の最小化に疑似逆行列を使用する。K−SVDはk−means法を一般化したものと位置づけられ、MODより高速な反復的アルゴリズムとして提案された。「スパース係数の推定」では、アルゴリズムとして、直交マッチング追跡法(Orthogonal Matching Pursuit:OMP)(例えば、非特許文献5参照。)はよく知られている。
[第1実施形態]スパースコーディングの秘匿演算のシステム構成
図3及び図4に、エッジ/クラウド処理部20でスパースコーディングの秘匿演算を行うアーキテクチャの一例を示す。ローカル処理部10は、コンテンツの所有者が使用する装置に備わる。エッジ/クラウド処理部20は、プロバイダが使用する装置に備わる。
図5に、ローカル処理部10の構成の一例を示す。ローカル処理部10は、送受信部11、メモリ12及びCPU13を備える。メモリ12は、送受信部11の受信した観測信号y、鍵pを格納する。CPU13は、観測信号暗号処理部15、辞書復号処理部16を備える。
図6に、エッジ/クラウド処理部20の構成の一例を示す。エッジ/クラウド処理部20は、送受信部21、メモリ22及びCPU23を備える。CPU23は、スパース係数算出処理部31、秘匿辞書算出処理部32、ポスト処理部33、を備える。メモリ22は、秘匿辞書D^及びスパース係数xを格納する。
本開示の装置は、コンピュータとプログラムによっても実現でき、プログラムを記録媒体に記録することも、ネットワークを通して提供することも可能である。例えば、メモリ12、22は、CPU13、23の動作を制御するためにプロセッサ13、23によって読み取り可能及び実行可能なデータ及び命令、すなわちプログラムコードを記憶する。
プログラムコードは、本実施形態に備わる任意の機能部を実現させるためのプログラムモジュールを含む。例えば、メモリ22に格納されているプログラムモジュールは、スパース係数算出処理部31、秘匿辞書算出処理部32、ポスト処理部33を実現させるためのモジュールを含む。メモリ12に格納されているプログラムモジュールは、観測信号暗号処理部15、辞書復号処理部16を含む。
図3は、エッジ/クラウド処理部で秘匿辞書行列の学習を行うアーキテクチャを示す。最初に、ローカル処理部10において、観測信号暗号処理部15が、鍵pより生成したランダムユニタリ行列Qを用いて、観測信号Yを秘匿観測信号
Figure 2021044696
へ変換する。なお、本明細書では秘匿観測信号「Y^」と記載することがある。
その後、送受信部11が、秘匿観測信号Y^をエッジ/クラウド処理部20へ転送する。エッジ/クラウド処理部20に備わる秘匿辞書算出処理32は、秘匿観測信号Y^を入力として、MODまたはK−SVDのアルゴリズムを実行して秘匿辞書行列
Figure 2021044696
を推定する。なお、本明細書では秘匿観測信号「D^」と記載することがある。
エッジ/クラウド処理部20では秘匿領域での辞書行列すなわち秘匿辞書行列D^が随時更新される。ローカル処理部10では、ユーザが鍵pを持つ。このため、ローカル処理部10に備わる辞書復号処理部16は、秘匿辞書行列D^をエッジ/クラウド処理部20から取得し、ランダムユニタリ行列Qのエルミート行列Q を秘匿辞書行列D^へ掛け合わせることで、辞書行列Dを得ることができる。
秘匿辞書行列D^は、辞書行列Dの学習の際に秘匿観測信号Y^を用いることで秘匿化された秘匿辞書行列Dである。秘匿観測信号y^を取得する前にメモリ22に格納されている秘匿辞書行列D^は、ランダム信号や、観測信号について事前知識がある場合にはそれに近い辞書を用いる。例えば、観測信号が画像の場合は離散コサイン変換(DCT)をランダムユニタリ行列Qで変換した値を用いることができる。
図4のスパース係数推定秘匿演算の実行では、最初にローカル処理部10において、観測信号暗号処理部15が観測信号Yを秘匿観測信号Y^へ変換し、送受信部11がエッジ/クラウド処理部20へ伝送する。次に、エッジ/クラウド処理部20では、スパース係数算出処理31が、事前に転送された秘匿辞書行列D^と秘匿観測信号Y^を用いてOMPのアルゴリズムを実行してスパース係数を推定する。
ポスト処理部33は、推定したスパース係数を用いて、画像・音響信号などのメディア信号処理、脳波・脳血流・fMRIなどの生体信号の解析、パターン認識など機械学習などアプリケーション処理を行う。
[第2実施形態]スパース辞書学習の秘匿演算の流れ
本開示のスパース辞書学習の秘匿演算について述べる前に、本開示に関連する観測信号が秘匿されない場合の辞書学習について記述する。一般的に辞書学習は、二つのステップを交互に繰り返すことによって、式(2)の最適化問題を解く。ステップ1ではスパース係数の計算、ステップ2では辞書行列の更新を行う。
1.観測信号を秘匿しない場合の辞書学習
(1)ステップ1:スパース係数の計算
ステップ1では辞書行列Dを固定し、式(2)の最適化問題を解く。各入力の観測信号yに対して、スパース係数xを求める問題であり、次式のように書き換えることができる。
Figure 2021044696
これにより、スパース係数xを要素とする行列Xを求める。
しかしながら、この問題は全ての基底の組み合わせを試さないと最適解が得られない組合せ最適化問題であり、NP困難であることが知られている。この問題に対する解法として、貪欲法に基づく方法やL制約をL制約で緩和した上で解く方法など、数多くのアルゴリズムが提案されている。
本開示では、L制約に基づく近似解法である直交マッチング追跡法(OMP)(例えば、非特許文献5参照。)を用いる。直交マッチング追跡法は、観測信号の近似に利用する係数の添字集合の中から「サポート」、すなわち非ゼロ係数の添字集合Sを見つけ出すアルゴリズムである。初めはサポートは空集合であるとして、観測信号yを基底の線型結合で近似した時の残差を最小にするように新たな基底をサポート集合に一つ一つ追加していき、サポートに含まれる基底のみで信号を近似した時の残差が予め定められた停止条件であるε以下になったら停止する。残差の低減に寄与する基底を順次選択していく貪欲法であり、解の最適性は保証されないが、多くの場合優れた近似を与えることが知られている。
(直交マッチング追跡法(OMP)の秘匿演算アルゴリズム)
図7は、OMPの秘匿演算アルゴリズムの一例を示すフロー図である。OMPの秘匿演算方法は、ステップS101〜S106を有する。ステップS102〜S106がメインループである。
・S101:初期化
k=0
Figure 2021044696
・S102〜S106:メインループ:
k→k+1とし、以下のステップを実行する。
S102では、近似誤差を求める。
Figure 2021044696
S103では、サポートの更新を行う。
Figure 2021044696
S104では、サポート内での最良解の探索を行う。
Figure 2021044696
S105では、残差の更新を行う。
Figure 2021044696
S106では、停止条件を満たすか否かを判定する。
Figure 2021044696
更新した残差r^が停止条件であるε以下であれば、ステップS104で探索した結果を解とする。
(2)ステップ2:辞書行列の更新
ステップ2ではステップ1で求めたスパース係数xを要素とする行列Xを固定し、辞書行列Dの更新を行う。スパース辞書学習の代表的な手法がMODとK−SVDである。MODとK−SVDともにステップ1は同じ処理で、ステップ2の辞書行列の更新方法が異なる。
A.MOD
MODはYとDXの間の二乗誤差の最小化に疑似逆行列を使用する。辞書行列Dについて解くと、次式が得られる。
Figure 2021044696
より、
Figure 2021044696
B.K−SVD
K−SVDは、k−means法を一般化したものと位置づけられる。k−means法では各サンプルをクラスタに割り当てるステップと、クラスタの重心を移動させるステップが交互に繰り返される。クラスタ重心は特徴量の空間におけるベクトルであり、そのクラスタに割り当てられたサンプルの平均的な特徴と捉えられるk−means法の拡張である。soft k−means法(又はfuzzy k−means法)では各サンプルを多数のクラスタに割り当てる。これはクラスタ重心の一次結合としてサンプルが表されることを意味し、クラスタ重心を基底に置き換えることで、辞書学習と対応する。
K−SVDではMODとは異なり、辞書行列Dの全体ではなく、図8に示すような一つの基底dに着目し、着目した基底dを順次更新する。
Figure 2021044696
ここでEは観測信号の集合Yから基底dを除いた線形予測値との残差を示す。
Figure 2021044696
K−SVDではEを特異値分解(Singular Value Decomposition:SVD)することで、dとx を求める。しかしながら、得られる解はスパースの制約を満たすとは限らないため、K−SVDではステップ1で求めたx における非ゼロ要素のみを更新する。これによって、ステップ1で得られたスパース性を維持することができる。x における非ゼロ要素のインデックス集合ωを以下のように定義する。
Figure 2021044696
但し、x (i)はx のi番目の要素を表す。
ここで、(ω(i),i)の位置の要素のみが1である大きさN×|ω|の行列Ωを定義する。Ωを用いるとx の非ゼロ要素のみで構成されるベクトルx が、次式のように書き表せる。
Figure 2021044696
同様にEに対して、Ωを用いてE =EΩと変換する。
Figure 2021044696
に対してSVDを適用し、直行行列U,Vと対角行列Σに分解すると次式が得られる。
Figure 2021044696
とvは、それぞれUとVのi番目の列ベクトル、σはΔのi番目の対角成分である。K−SVDでは第一特異値に関する成分uとσ を用いて、次式のように基底ならびにスパース係数の行ベクトルの近似解を得る。
Figure 2021044696
Figure 2021044696
前述のように、MODでは式(4)を算出することで、K−SVDでは式(11)を算出することで、辞書行列Dの更新を行うことができる。以上が、観測信号を秘匿しない場合の辞書学習の流れである。
2.観測信号を秘匿した場合の辞書学習
次に観測信号を秘匿した場合の辞書行列Dの学習について述べる。スパース辞書学習の秘匿演算では、ローカル処理部10が、次式のように秘匿観測信号Y^を生成する。
Figure 2021044696
このとき式(2)に代わり、次式に示す最適化問題を考える。
Figure 2021044696
ただし、
Figure 2021044696
はM次元の列ベクトルである基底
Figure 2021044696
を要素とする秘匿辞書行列である。なお、本明細書では基底「d^」と記載することがある。
(1)ステップ1:スパース係数の計算
ステップ1では秘匿辞書行列D^を固定し、式(14)の最適化問題を解く。各入力の観測信号y^に対して、スパース係数xを求める問題であり、次式のように書き換えることができる。
Figure 2021044696
スパース係数xを求めることで、スパース係数xを要素とする行列Xを求めることができる。
発明者らは、辞書行列DをD^=QDと秘匿した後に、式(15)をOMPで解いて得られる解xが、観測信号yと辞書行列Dを秘匿しない場合にOMPを解いて得られるスパース係数xと等しくなることを発見した。
(2)ステップ2:秘匿辞書行列の更新
ステップ2ではステップ1で求めた行列Xを固定し、秘匿辞書行列D^の更新を行う。
[第3実施形態]スパース辞書学習MODの秘匿演算D^X
本実施形態の秘匿辞書算出処理部32は、秘匿観測信号Y^を用いた秘匿辞書行列D^の推定に際し、秘匿なMODを用いる。具体的には、Y^とD^Xの間の二乗誤差の最小化に疑似逆行列を使用する。
Figure 2021044696
より、
Figure 2021044696
が得られる。
式(16)を算出することで、秘匿領域での辞書行列すなわち秘匿辞書行列D^を更新することができる。
次に、秘匿辞書行列D^と観測信号を秘匿しない場合にMODを解いて得られる辞書Dとの関係を示す。式(13)で定義のY^=QYより、式(16)は次式の通り書き換えることができる。
Figure 2021044696
式(4)に示す観測信号を秘匿しない場合にMODを解いて得られるD=YX(XX−1の関係式を用いると、秘匿辞書行列D^と辞書行列Dの関係は、
Figure 2021044696
となる。このように、本実施形態は、MODを用いて辞書行列を更新することで、辞書行列Dを秘匿化できる。
鍵pを持つローカル処理部10は、D=Q D^を用いて辞書行列Dを得ることができる。このため、ローカル処理部10は、ユーザから入力された鍵pを用い、エッジ/クラウド処理部20から取得した秘匿辞書行列D^にランダムユニタリ逆変換Q を行うことで、辞書行列Dを求めることができる。また秘匿辞書行列にD^=QDの関係が成立することから、ステップ1で更新されるスパース係数xは秘匿しない場合にOMPを解いて得られる解と同じ値となることがわかる。
[第4実施形態]K−SVDの秘匿演算
本実施形態の秘匿辞書算出処理部32は、秘匿観測信号Y^を用いた秘匿辞書行列D^の推定に際し、秘匿K−SVDを用いる。秘匿K−SVDでは、D^全体の更新を行う秘匿MODとは異なり、一つの基底d^に着目し順次更新する。
観測信号を秘匿しない場合のK−SVDの辞書行列を更新する手法と同様の手法を用いて、求める。
Figure 2021044696
ここでE^は秘匿観測信号の集合Y^から基底d^を除いた線形予測値との残差を示す。解のスパース性を維持するために、x における非ゼロ要素のみで構成されるベクトルx のみ更新する。E^に対して、Ωを用いてE^ =E^Ωと変換する。
Figure 2021044696
E^ に対してSVDを適用し、直行行列U^、V^と対角行列Σ^に分解すると次式が得られる。
Figure 2021044696
第一特異値に関する成分u^とσv^ を用いて、次式のように基底及びスパース係数の行ベクトルの近似解を得る。
Figure 2021044696
式(22)を算出することで、秘匿領域での辞書行列すなわち秘匿辞書行列D^を更新することができる。
次に、観測信号を秘匿しない場合に解いて得られる解と、秘匿しない場合に得られる解との関係を示す。ここでE^の第2項d^をd^=Qと分解し、式(13)の関係を用いて整理すると、次式が得られる。
Figure 2021044696
この関係式及びΩの定義によりE^ を分解すると、
Figure 2021044696
と書き表すことができる。
ここで上式のQ に対してSVDを適用する。Qはユニタリ行列で正規直交ベクトルを要素とするため、Q はSVDを用いて次のように分解できる。
Figure 2021044696
第一特異値に関する成分Qとσ を用いて、次式のように基底ならびにスパース係数の行ベクトルの近似解を得る。
Figure 2021044696
Figure 2021044696
式(22)及び式(27)より、基底はd^=u^=Qと表わすことができ、観測信号を秘匿しない場合にK−SVDより得られた解uにQを掛けたものと等しいことがわかる。また式(23)及びに式(28)より、スパース係数はx^ =σv^ =σ となり、観測信号を秘匿した場合も秘匿しない場合も同じ値となることがわかる。このように、本実施形態は、K−SVDを用いて辞書行列を更新することで、辞書行列Dを秘匿化できる。
[第5実施形態]
有効性を検証するために、人工的に生成した秘匿観測信号に対して、スパース係数及び辞書行列の推定を行った。
(秘匿観測信号の生成と評価指標)
過完備なランダム辞書行列Dにスパース係数の行列Xを入力して、Y=DXにより観測信号Yを生成した。以下に、具体的な設定条件を示す。:
・観測信号Y∈RMxK:30×4000次元の行列
・辞書行列D∈RMxK:M×K=30×60次元のランダム辞書行列(図9)
・スパース係数の行列X∈RMxK:60×4000次元の行列で非ゼロの係数の個数L=4
生成した観測信号Yにランダムユニタリ行列Qを掛け、秘匿観測信号Y^を生成した。評価指標として、以下の2つを用いた。
1)サポート間距離
Figure 2021044696
ここで、Sは基底のインデックスの集合である。本開示のS^は、秘匿領域で求まった辞書行列を非秘匿領域へ逆変換することにより求めた。
2)スパース係数の推定値x^の平均L誤差
Figure 2021044696
(結果)
本実施形態のスパース係数と辞書行列の推定精度の性能評価のため、観測信号を秘匿しない場合のMODならびにK−SVD法との比較を行った。
1)秘匿しない場合のMODならびにK−SVD
2)本開示に係る秘匿MODならびに秘匿K−SVD
図10に、観測信号を秘匿しない場合のMODとK−SVDのサポート間距離dist(S^,S)の一例を示す。図11に、観測信号を秘匿しない場合のMODとKSVDの平均L誤差の一例を示す。また、図12に、観測信号を秘匿した場合のMODとKSVDのサポート間距離dist(S^,S)の一例を示す。図13に、観測信号を秘匿した場合のMODとKSVDの平均L誤差の一例を示す。図10〜図13において、実線はMODを示し、破線はK−SVDを示す。
これらの図より、図12及び図13に示す秘匿MODならびに秘匿K−SVDは、図10及び図11に示す観測信号を秘匿しない場合のMODとKSVDと同じ挙動を示していることがわかる。このため、本開示は、観測信号を秘匿した場合にも辞書行列及びスパース係数が正確に推定できていることがわかる。
(本開示の効果)
本開示に係るスパース秘匿辞書行列の秘匿演算により、プライバシーを保護しつつエッジ/クラウドの計算資源を利用したスパースコーディングの実行が可能となる。
本開示は情報通信産業に適用することができる。
10:ローカル処理部
11、21:送受信部
12、22:メモリ
13、23:CPU
15:観測信号暗号処理部
16:辞書復号処理部
20:エッジ/クラウド処理部
31:スパース係数算出処理部
32:秘匿辞書算出処理部
33:ポスト処理部
90:通信ネットワーク

Claims (6)

  1. K個(K>M)の基底を要素とするM×K行列である秘匿辞書行列D^を格納する秘匿辞書記憶部と、
    M次元のベクトルである観測信号yがランダムユニタリ行列Qを用いて秘匿化された秘匿観測信号y^を取得し、前記秘匿辞書記憶部から秘匿辞書行列D^を読み出し、y^=D^xの関係を用いてK次元のベクトルであるスパース係数xを求めるスパース係数算出処理部と、
    取得した秘匿観測信号y^及び求めたスパース係数xを用いて、秘匿観測信号y^から秘匿辞書行列D^の基底を求め、前記秘匿辞書記憶部に格納されている秘匿辞書行列D^を更新する秘匿辞書算出部と、
    を備える秘匿演算装置。
  2. 前記スパース係数算出処理部は、直交マッチング追跡法を用いてスパース係数xを推定する、
    請求項1に記載の秘匿演算装置。
  3. 前記秘匿辞書算出部は、前記スパース係数算出処理部で求めたスパース係数xを固定し、Y^とD^xの間の二乗誤差を最小化するD^を求めることで、秘匿観測信号y^から秘匿辞書行列D^の基底を求める、
    請求項1又は2に記載の秘匿演算装置。
  4. 前記秘匿辞書算出部は、MOD(Method of Optimal Direction)又はK−SVD(K−Singular Value Decomposition)を用いて、取得した秘匿観測信号y^及び求めたスパース係数xから秘匿辞書行列D^の基底を求める、
    請求項1から3のいずれかに記載の秘匿演算装置。
  5. 秘匿演算装置が、
    M次元のベクトルである観測信号yがランダムユニタリ行列Qを用いて秘匿化された秘匿観測信号y^を取得し、K個(K>M)の基底を要素とするM×K行列である秘匿辞書行列D^を格納する秘匿辞書記憶部から秘匿辞書行列D^を読み出し、y^=D^xの関係を用いてK次元のベクトルであるスパース係数xを求め、
    取得した秘匿観測信号y^及び求めたスパース係数xを用いて、秘匿観測信号y^から秘匿辞書行列D^の基底を求め、前記秘匿辞書記憶部に格納されている秘匿辞書行列D^を更新する、
    秘匿演算方法。
  6. 請求項1から4のいずれかに記載の秘匿演算装置に備わる各機能部としてコンピュータを実現させるための秘匿演算プログラム。
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Non-Patent Citations (3)

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Title
TAKAYUKI NAKACHI ET AL.: "Secure Dictionary Learning for Sparse Representation", 2019 27TH EUROPEAN SIGNAL PROCESSING CONFERENCE (EUSIPCO), JPN6022032845, 2 September 2019 (2019-09-02), US, ISSN: 0004845223 *
仲地 孝之 ほか: "秘匿OMP演算を用いた暗号化画像のクラス分類", 電子情報通信学会技術研究報告, vol. 118, no. 449, JPN6022032846, 12 February 2019 (2019-02-12), JP, pages 227 - 232, ISSN: 0004845225 *
日野 英逸 ほか: "スパース表現の数理とその応用", 情報処理学会研究報告 2012 OCTOBER[CD−ROM], vol. Vol.2012-CVIM-183 No.20, JPN6018014849, 15 October 2012 (2012-10-15), pages 1 - 10, ISSN: 0004845224 *

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