以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照して説明する。まず、図1から図16を参照し、第1実施形態として、本発明をパチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)10に適用した場合の一実施形態について説明する。図1は、第1実施形態におけるパチンコ機10の正面図であり、図2はパチンコ機10の遊技盤13の正面図であり、図3はパチンコ機10の背面図である。
なお、以下の説明では、図1に示す状態のパチンコ機10に対して、紙面手前側を前方(正面)側として、紙面奥側を後方(背面)側として説明する。また、図1に示す状態のパチンコ機10に対して、上側を上方(上)側として、下側を下方(下)側として、右側を右方(右)側として、左側を左方(左)側としてそれぞれ説明する。さらに、図中(例えば、図2参照)の矢印U−D,L−R,F−Bは、パチンコ機10の上下方向,左右方向,前後方向をそれぞれ示している。
図1に示すように、パチンコ機10は、略矩形状に組み合わせた木枠により外殻が形成される外枠11と、その外枠11と略同一の外形形状に形成され外枠11に対して開閉可能に支持された内枠12とを備えている。外枠11には、内枠12を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ18が取り付けられ、そのヒンジ18が設けられた側を開閉の軸として内枠12が正面手前側へ開閉可能に支持されている。
内枠12には、多数の釘や入賞口63,64等を有する遊技盤13(図2参照)が裏面側から着脱可能に装着される。この遊技盤13の正面を球(遊技球)が流下することにより弾球遊技が行われる。なお、内枠12には、球を遊技盤13の正面領域に発射する球発射ユニット112a(図4参照)やその球発射ユニット112aから発射された球を遊技盤13の正面領域まで誘導する発射レール(図示せず)等が取り付けられている。
内枠12の正面側には、その正面上側を覆う正面枠14と、その下側を覆う下皿ユニット15とが設けられている。正面枠14及び下皿ユニット15を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ19が取り付けられ、そのヒンジ19が設けられた側を開閉の軸として正面枠14及び下皿ユニット15が正面手前側へ開閉可能に支持されている。なお、内枠12の施錠と正面枠14の施錠とは、シリンダ錠20の鍵穴21に専用の鍵を差し込んで所定の操作を行うことでそれぞれ解除される。
正面枠14は、装飾用の樹脂部品や電気部品等を組み付けたものであり、その略中央部には略楕円形状に開口形成された窓部14cが設けられている。正面枠14の裏面側には2枚の板ガラスを有するガラスユニット16が配設され、そのガラスユニット16を介して遊技盤13の正面がパチンコ機10の正面側に視認可能となっている。
正面枠14には、球を貯留する上皿17が正面側へ張り出して上面を開放した略箱状に形成されており、この上皿17に賞球や貸出球などが排出される。上皿17の底面は正面視(図1参照)右側に下降傾斜して形成され、その傾斜により上皿17に投入された球が球発射ユニット112a(図4参照)へと案内される。また、上皿17の上面には、枠ボタン22が設けられている。この枠ボタン22は、例えば、第3図柄表示装置81(図2参照)で表示される演出のステージを変更したり、スーパーリーチの演出内容を変更したりする場合などに、遊技者により操作される。
正面枠14には、その周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて、点灯又は点滅することにより発光態様が変更制御され、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。窓部14cの周縁には、LED等の発光手段を内蔵した電飾部29〜33が設けられている。パチンコ機10においては、これら電飾部29〜33が大当たりランプ等の演出ランプとして機能し、大当たり時やリーチ演出時等には内蔵するLEDの点灯や点滅によって各電飾部29〜33が点灯または点滅して、大当たり中である旨、或いは大当たり一歩手前のリーチ中である旨が報知される。また、正面枠14の正面視(図1参照)左上部には、LED等の発光手段が内蔵され賞球の払い出し中とエラー発生時とを表示可能な表示ランプ34が設けられている。
また、右側の電飾部32下側には、正面枠14の裏面側を視認できるように裏面側より透明樹脂を取り付けて小窓35が形成され、遊技盤13正面の貼着スペースK1(図2参照)に貼付される証紙等がパチンコ機10の正面から視認可能とされている。また、パチンコ機10においては、より煌びやかさを醸し出すために、電飾部29〜33の周りの領域にクロムメッキを施したABS樹脂製のメッキ部材36が取り付けられている。
窓部14cの下方には、貸球操作部40が配設されている。貸球操作部40には、度数表示部41と、球貸しボタン42と、返却ボタン43とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)(図示せず)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部40が操作されると、その操作に応じて球の貸出が行われる。具体的には、度数表示部41はカード等の残額情報が表示される領域であり、内蔵されたLEDが点灯して残額情報として残額が数字で表示される。球貸しボタン42は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿17に供給される。返却ボタン43は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿17に球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部40が不要となるが、この場合には、貸球操作部40の設置部分に飾りシール等を付加して部品構成は共通のものとしても良い。カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との共通化を図ることができる。
上皿17の下側に位置する下皿ユニット15には、その左側部に上皿17に貯留しきれなかった球を貯留するための下皿50が上面を開放した略箱状に形成されている。下皿50の右側には、球を遊技盤13の正面へ打ち込むために遊技者によって操作される操作ハンドル51が配設される。
操作ハンドル51の内部には、球発射ユニット112aの駆動を許可するためのタッチセンサ51aと、押下操作している期間中には球の発射を停止する発射停止スイッチ51bと、操作ハンドル51の回動操作量(回動位置)を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器(図示せず)などが内蔵されている。操作ハンドル51が遊技者によって右回りに回動操作されると、タッチセンサ51aがオンされると共に可変抵抗器の抵抗値が回動操作量に対応して変化し、その可変抵抗器の抵抗値に対応した強さ(発射強度)で球が発射され、これにより遊技者の操作に対応した飛び量で遊技盤13の正面へ球が打ち込まれる。また、操作ハンドル51が遊技者により操作されていない状態においては、タッチセンサ51aおよび発射停止スイッチ51bがオフとなっている。
下皿50の正面下方部には、下皿50に貯留された球を下方へ排出する際に操作するための球抜きレバー52が設けられている。この球抜きレバー52は、常時、右方向に付勢されており、その付勢に抗して左方向へスライドさせることにより、下皿50の底面に形成された底面口が開口して、その底面口から球が自然落下して排出される。この球抜きレバー52の操作は、通常、下皿50の下方に下皿50から排出された球を受け取る箱(一般に「千両箱」と称される)を置いた状態で行われる。下皿50の右方には、上述したように操作ハンドル51が配設され、下皿50の左方には灰皿(図示せず)が取り付けられている。
図2に示すように、遊技盤13は、正面視略正方形状に切削加工したベース板60に、球案内用の多数の釘(センターフレーム86の下方において図示し、遊技領域の上半部においては図示せず)や風車(図示せず)の他、レール61,62、一般入賞口63、第1入賞口64、第2入賞口140、可変入賞装置65、スルーゲート67、可変表示装置ユニット80等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠12(図1参照)の裏面側に取り付けられる。
ベース板60は、光透過性の樹脂材料から形成されており、その正面側からベース板60の背面側に配設された各種構造体を遊技者に視認させることが可能となっている。一般入賞口63、第1入賞口64、第2入賞口140及び可変入賞装置65は、ルータ加工によってベース板60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤13の正面側からタッピングネジ等により固定されている。
なお、ベース板60を木製の板部材から形成しても良い。この場合、センターフレーム86の外側において、その正面側からベース板60の背面側に配設された各種構造体を遊技者に視認不能に遮蔽することが可能となる。
遊技盤13の正面中央部分は、正面枠14の窓部14c(図1参照)を通じて内枠12の正面側から視認することができる。以下に、主に図2を参照して、遊技盤13の構成について説明する。
遊技盤13の正面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した外レール62が植立され、その外レール62の内側位置には外レール62と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レール61が植立される。この内レール61と外レール62とにより遊技盤13の正面外周が囲まれ、遊技盤13とガラスユニット16(図1参照)とにより前後が囲まれることにより、遊技盤13の正面には、球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤13の正面であって2本のレール61,62とレール間を繋ぐ樹脂製の外縁部材73とにより区画して形成される領域(入賞口等が配設され、発射された球が流下する領域)である。
2本のレール61,62は、球発射ユニット112a(図4参照)から発射された球を遊技盤13上部へ案内するために設けられたものである。内レール61の先端部分(図2の左上部)には戻り球防止部材68が取り付けられ、一旦、遊技盤13の上部へ案内された球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。外レール62の先端部(図2の右上部)には、球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴム69が取り付けられ、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴム69に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される。
遊技領域の正面視左側下部(図2の左側下部)には、発光手段である複数のLED及び7セグメント表示器を備える第1図柄表示装置37A,37Bが配設されている。第1図柄表示装置37A,37Bは、主制御装置110(図4参照)で行われる各制御に応じた表示がなされるものであり、主にパチンコ機10の遊技状態の表示が行われる。本実施形態では、第1図柄表示装置37A,37Bは、球が、第1入賞口64へ入賞したか、第2入賞口140へ入賞したかに応じて使い分けられるように構成されている。具体的には、球が、第1入賞口64へ入賞した場合には、第1図柄表示装置37Aが作動し、一方で、球が、第2入賞口140へ入賞した場合には、第1図柄表示装置37Bが作動するように構成されている。
また、第1図柄表示装置37A,37Bは、LEDにより、パチンコ機10が確変中か時短中か通常中であるかを点灯状態により示したり、変動中であるか否かを点灯状態により示したり、停止図柄が確変大当たりに対応した図柄か普通大当たりに対応した図柄か外れ図柄であるかを点灯状態により示したり、保留球数を点灯状態により示すと共に、7セグメント表示装置により、大当たり中のラウンド数やエラー表示を行う。なお、複数のLEDは、それぞれのLEDの発光色(例えば、赤、緑、青)が異なるよう構成され、その発光色の組み合わせにより、少ないLEDでパチンコ機10の各種遊技状態を示唆することができる。
尚、本パチンコ機10では、第1入賞口64及び第2入賞口140へ入賞があったことを契機として抽選が行われる。パチンコ機10は、その抽選において、大当たりか否かの当否判定(大当たり抽選)を行うと共に、大当たりと判定した場合はその大当たり種別の判定も行う。ここで判定される大当たり種別としては、15R確変大当たり、4R確変大当たり、4R通常大当たりが用意されている。第1図柄表示装置37A,37Bには、変動終了後の停止図柄として抽選の結果が大当たりであるか否かが示されるだけでなく、大当たりである場合はその大当たり種別に応じた図柄が示される。
ここで、「15R確変大当たり」とは、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりの後に高確率状態へ移行する確変大当たりのことであり、「4R確変大当たり」とは、最大ラウンド数が4ラウンドの大当たりの後に高確率状態へ移行する確変大当たりのことである。また、「4R通常大当たり」は、最大ラウンド数が4ラウンドの大当たりの後に、低確率状態へ移行すると共に、所定の変動回数の間(例えば、100変動回数)は時短状態となる大当たりのことである。
また、「高確率状態」とは、大当たり終了後に付加価値としてその後の大当たり確率がアップした状態、いわゆる確率変動中(確変中)の時をいい、換言すれば、特別遊技状態へ移行し易い遊技の状態のことである。本実施形態における高確率状態(確変中)は、所定の変動回数の間(本実施形態では、100変動回数)、大当たり確率がアップし、後述する第2図柄の当たり確率がアップして第2入賞口140へ球が入賞し易い遊技の状態を含む。「低確率状態」とは、確変中でない時をいい、大当たり確率が通常の状態、即ち、確変の時より大当たり確率が低い状態をいう。また、「低確率状態」のうちの時短状態(時短中)とは、大当たり確率が通常の状態であると共に、大当たり確率がそのままで第2図柄の当たり確率のみがアップして第2入賞口140へ球が入賞し易い遊技の状態のことをいう。一方、パチンコ機10が通常中とは、確変中でも時短中でもない遊技の状態(大当たり確率も第2図柄の当たり確率もアップしていない状態)である。
本実施形態では、後述する振分装置300の確変検出センサSE11の貫通孔を、大当たり遊技の1ラウンド目に遊技球が通過したと判定された時に、その大当たり遊技終了後の遊技状態が100変動回数の間、高確率状態となる。なお、確変検出センサSE11の貫通孔に遊技球が通過したと判定されなかったら大当たり遊技終了後の遊技状態が100変動回数の間、時短状態となる。
確変中や時短中は、第2図柄の当たり確率がアップするだけではなく、第2入賞口140に付随する電動役物140a(電動役物)が開放される時間も変更され、通常中と比して長い時間が設定される。電動役物140aが開放された状態(開放状態)にある場合は、その電動役物140aが閉鎖された状態(閉鎖状態)にある場合と比して、第2入賞口140へ球が入賞しやすい状態となる。よって、確変中や時短中は、第2入賞口140へ球が入賞し易い状態となり、大当たり抽選が行われる回数を増やすことができる。
なお、確変中や時短中において、第2入賞口140に付随する電動役物140aの開放時間を変更するのではなく、または、その開放時間を変更することに加えて、1回の当たりで電動役物140aが開放する回数を通常中よりも増やす変更を行うものとしてもよい。また、確変中や時短中において、第2図柄の当たり確率は変更せず、第2入賞口140に付随する電動役物140aが開放される時間および1回の当たりで電動役物140aが開放する回数の少なくとも一方を変更するものとしてもよい。また、確変中や時短中において、第2入賞口140に付随する電動役物140aが開放される時間や、1回の当たりで電動役物140aを開放する回数はせず、第2図柄の当たり確率だけを、通常中と比してアップするよう変更するものであってもよい。
遊技領域には、球が入賞することにより5個から15個の球が賞球として払い出される複数の一般入賞口63が配設されている。また、遊技領域の中央部分には、可変表示装置ユニット80が配設されている。可変表示装置ユニット80には、第1入賞口64及び第2入賞口140への入賞(始動入賞)をトリガとして、第1図柄表示装置37A,37Bにおける変動表示と同期させながら、第3図柄の変動表示を行う液晶ディスプレイ(以下単に「表示装置」と略す)で構成された第3図柄表示装置81と、スルーゲート67の球の通過をトリガとして第2図柄を変動表示するLEDで構成される第2図柄表示装置(図示せず)とが設けられている。また、正面視において可変表示装置ユニット80の第3図柄表示装置81の外周を囲むようにして、センターフレーム86が配設されている。
なお、本実施形態では、第3図柄表示装置81は遊技盤13の背面に固定される背面ケースに締結固定され、センターフレーム86はベース板60の窓部(中央開口60b)を縁取るように配設されている。即ち、正面視では第3図柄表示装置81の外周を囲むようにセンターフレーム86が配設されているように見えるが、実際は、第3図柄表示装置81とセンターフレーム86とは前後に離れて配置されている。
第3図柄表示装置81は、例えば9インチサイズの大型の液晶ディスプレイで構成されるものであり、表示制御装置114(図4参照)によって表示内容が制御されることにより、例えば上、中及び下の3つの図柄列が表示される。各図柄列は複数の図柄(第3図柄)によって構成され、これらの第3図柄が図柄列毎に横スクロールして第3図柄表示装置81の表示画面上にて第3図柄が可変表示されるようになっている。本実施形態の第3図柄表示装置81は、主制御装置110(図4参照)の制御に伴った遊技状態の表示が第1図柄表示装置37A,37Bで行われるのに対して、その第1図柄表示装置37A,37Bの表示に応じた装飾的な表示を行うものである。なお、表示装置に代えて、例えばリール等を用いて第3図柄表示装置81を構成するようにしても良い。
第2図柄表示装置は、球がスルーゲート67を通過する毎に表示図柄(第2図柄(図示せず))としての「○」の図柄と「×」の図柄とを所定時間交互に点灯させる変動表示を行うものである。パチンコ機10では、球がスルーゲート67を通過したことが検出されると、当たり抽選が行われる。その当たり抽選の結果、当たりであれば、第2図柄表示装置において、第2図柄の変動表示後に「○」の図柄が停止表示される。また、当たり抽選の結果、外れであれば、第2図柄表示装置において、第3図柄の変動表示後に「×」の図柄が停止表示される。
パチンコ機10は、第2図柄表示装置における変動表示が所定図柄(本実施形態においては「○」の図柄)で停止した場合に、第2入賞口140に付随された電動役物140aが所定時間だけ作動状態となる(開放される)よう構成されている。
第2図柄の変動表示にかかる時間は、遊技状態が通常中の場合よりも、確変中または時短中の方が短くなるように設定される。これにより、確変中および時短中は、第2図柄の変動表示が短い時間で行われるので、当たり抽選を通常中よりも多く行うことができる。よって、当たり抽選において当たりとなる機会が増えるので、第2入賞口140の電動役物140aが開放状態となる機会を遊技者に多く与えることができる。よって、確変中および時短中は、第2入賞口140へ球が入賞しやすい状態とすることができる。
なお、確変中または時短中において、当たり確率を高める、1回に当たりに対する電動役物140aの開放時間や開放回数を増やすなど、その他の方法によっても、確変中または時短中に第2入賞口140へ球が入賞しやすい状態としている場合は、第2図柄の変動表示にかかる時間を遊技状態にかかわらず一定としてもよい。一方、第2図柄の変動表示にかかる時間を、確変中または時短中において通常中よりも短く設定する場合は、当たり確率を遊技状態にかかわらず一定にしてもよいし、また、1回の当たりに対する電動役物140aの開放時間や開放回数を遊技状態にかかわらず一定にしてもよい。
スルーゲート67は、可変表示装置ユニット80の左右の領域において遊技盤13に組み付けられ、遊技盤13に発射された球の一部が通過可能に構成されている。スルーゲート67を球が通過すると、第2図柄の当たり抽選が行われる。当たり抽選の後、第2図柄表示装置にて変動表示を行い、当たり抽選の結果が当たりであれば、変動表示の停止図柄として「○」の図柄を表示し、当たり抽選の結果が外れであれば、変動表示の停止図柄として「×」の図柄を表示する。
球のスルーゲート67の通過回数は、合計で最大4回まで保留され、その保留球数が上述した第1図柄表示装置37A,37Bにより表示されると共に第2図柄保留ランプ(図示せず)においても点灯表示される。第2図柄保留ランプは、最大保留数分の4つ設けられ、第3図柄表示装置81の下方に左右対称に配設されている。
なお、第2図柄の変動表示は、本実施形態のように、第2図柄表示装置において複数のランプの点灯と非点灯を切り換えることにより行うものの他、第1図柄表示装置37A,37B及び第3図柄表示装置81の一部を使用して行うようにしても良い。同様に、第2図柄保留ランプの点灯を第3図柄表示装置81の一部で行うようにしても良い。また、スルーゲート67の球の通過に対する最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、スルーゲート67の組み付け数は2つに限定されるものではなく、例えば1つであっても良い。また、スルーゲート67の組み付け位置は可変表示装置ユニット80の左右に限定されるものではなく、例えば、可変表示装置ユニット80の下方でも良い。また、第1図柄表示装置37A,37Bにより保留球数が示されるので、第2図柄保留ランプにより点灯表示を行わないものとしてもよい。
可変表示装置ユニット80の下方には、球が入賞し得る第1入賞口64が配設されている。この第1入賞口64へ球が入賞すると遊技盤13の裏面側に設けられる第1入賞口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第1入賞口スイッチのオンに起因して主制御装置110(図4参照)で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37Aで示される。
一方、第1入賞口64の正面視下方には、球が入賞し得る第2入賞口140が配設されている。この第2入賞口140へ球が入賞すると遊技盤13の裏面側に設けられる第2入賞口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第2入賞口スイッチのオンに起因して主制御装置110(図4参照)で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37Bで示される。
また、第1入賞口64および第2入賞口140は、それぞれ、球が入賞すると5個の球が賞球として払い出される入賞口の1つにもなっている。なお、本実施形態においては、第1入賞口64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数と第2入賞口140へ球が入賞した場合に払い出される賞球数とを同じに構成したが、第1入賞口64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数と第2入賞口140へ球が入賞した場合に払い出される賞球数とを異なる数、例えば、第1入賞口64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数を3個とし、第2入賞口140へ球が入賞した場合に払い出される賞球数を5個として構成してもよい。
第2入賞口140には電動役物140aが付随されている。この電動役物140aは開閉可能に構成されており、通常は電動役物140aが閉鎖状態(縮小状態)となって、球が第2入賞口140へ入賞しにくい状態となっている。一方、スルーゲート67への球の通過を契機として行われる第2図柄の変動表示の結果、「○」の図柄が第2図柄表示装置に表示された場合、電動役物140aが開放状態(拡大状態)となり、球が第2入賞口140へ入賞しやすい状態となる。
上述した通り、確変中および時短中は、通常中と比して第2図柄の当たり確率が高く、また、第2図柄の変動表示にかかる時間も短いので、第2図柄の変動表示において「○」の図柄が表示され易くなって、電動役物140aが開放状態(拡大状態)となる回数が増える。更に、確変中および時短中は、電動役物140aが開放される時間も、通常中より長くなる。よって、確変中および時短中は、通常時と比して、第2入賞口140へ球が入賞しやすい状態を作ることができる。
ここで、第1入賞口64に球が入賞した場合と第2入賞口140へ球が入賞した場合とで、大当たりとなる確率は、低確率状態であっても高確率状態でも同一である。しかしながら、大当たりとなった場合に選定される大当たりの種別として15R確変大当たりとなる確率は、第2入賞口140へ球が入賞した場合のほうが第1入賞口64へ球が入賞した場合よりも高く設定されている。一方、第1入賞口64は、第2入賞口140にあるような電動役物は有しておらず、球が常時入賞可能な状態となっている。
よって、通常中においては、第2入賞口140に付随する電動役物が閉鎖状態にある場合が多く、第2入賞口140に入賞しづらいので、電動役物のない第1入賞口64へ向けて、可変表示装置ユニット80の左方を球が通過するように球を発射し(所謂「左打ち」)、第1入賞口64への入賞によって大当たり抽選の機会を多く得て、大当たりとなることを狙った方が、遊技者にとって有利となる。
一方、確変中や時短中は、スルーゲート67に球を通過させることで、第2入賞口140に付随する電動役物140aが開放状態となりやすく、第2入賞口140に入賞しやすい状態であるので、第2入賞口140へ向けて、可変表示装置80の右方を球が通過するように球を発射し(所謂「右打ち」)、スルーゲート67を通過させて電動役物を開放状態にすると共に、第2入賞口140への入賞によって15R確変大当たりとなることを狙った方が、遊技者にとって有利となる。
なお、本実施形態におけるパチンコ機10は、遊技盤13の構成が左右対称とされるため、「右打ち」で第1入賞口64を狙うことも、「左打ち」で第2入賞口140を狙うこともできる。そのため、本実施形態のパチンコ機10は、パチンコ機10の遊技状態(確変中であるか、時短中であるか、通常中であるか)に応じて、遊技者に対し、球の発射の仕方を「左打ち」と「右打ち」とに変えさせることを不要にできる。よって、球の打ち方を変化させる煩わしさを解消することができる。
第1入賞口64の下方には可変入賞装置65(図2参照)が配設されており、その略中央部分に特定入賞口65aが設けられている。パチンコ機10においては、第1入賞口64又は第2入賞口140への入賞に起因して行われた大当たり抽選が大当たりとなると、所定時間(変動時間)が経過した後に、大当たりの停止図柄となるよう第1図柄表示装置37A又は第1図柄表示装置37Bを点灯させると共に、その大当たりに対応した停止図柄を第3図柄表示装置81に表示させて、大当たりの発生が示される。その後、球が入賞し易い特別遊技状態(大当たり)に遊技状態が遷移する。この特別遊技状態として、通常時には閉鎖されている特定入賞口65aが、所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放される。
この特定入賞口65aは、所定時間が経過すると閉鎖され、その閉鎖後、再度、その特定入賞口65aが所定時間開放される。この特定入賞口65aの開閉動作は、最高で例えば15回(15ラウンド)繰り返し可能にされている。この開閉動作が行われている状態が、遊技者にとって有利な特別遊技状態の一形態であり、遊技者には、遊技上の価値(遊技価値)の付与として通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。
なお、上記した形態に特別遊技状態は限定されるものではない。特定入賞口65aとは別に開閉される大開放口を遊技領域に設け、第1図柄表示装置37A,37Bにおいて大当たりに対応したLEDが点灯した場合に、特定入賞口65aが所定時間開放され、その特定入賞口65aの開放中に、球が特定入賞口65a内へ入賞することを契機として特定入賞口65aとは別に設けられた大開放口が所定時間、所定回数開放される遊技状態を特別遊技状態として形成するようにしても良い。また、特定入賞口65aは1つに限るものではなく、1つ若しくは2以上の複数(例えば3つ)を配置しても良く、また配置位置も第1入賞口64の下方右側や、第1入賞口64の下方左側に限らず、例えば、可変表示装置ユニット80の左方でも良い。
遊技盤13の下側における右隅部には、証紙や識別ラベル等を貼着するための貼着スペースK1が設けられ、貼着スペースK1に貼られた証紙等は、正面枠14の小窓35(図1参照)を通じて視認することができる。
遊技盤13には、アウト口71が設けられている。遊技領域を流下する球であって、いずれの入賞口63,64,65a,140にも入賞しなかった球は、アウト口71を通って図示しない球排出路へと案内される。
遊技盤13には、球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)とが配設されている(図2では不図示)。
図3に示すように、パチンコ機10の背面側には、制御基板ユニット90,91と、裏パックユニット94とが主に備えられている。制御基板ユニット90は、主基板(主制御装置110)と音声ランプ制御基板(音声ランプ制御装置113)と表示制御基板(表示制御装置114)とが搭載されてユニット化されている。制御基板ユニット91は、払出制御基板(払出制御装置111)と発射制御基板(発射制御装置112)と電源基板(電源装置115)とカードユニット接続基板116とが搭載されてユニット化されている。
裏パックユニット94は、保護カバー部を形成する裏パック92と払出ユニット93とがユニット化されている。また、各制御基板には、各制御を司る1チップマイコンとしてのMPU、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等が、必要に応じて搭載されている。
なお、主制御装置110、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114、払出制御装置111及び発射制御装置112、電源装置115、カードユニット接続基板116は、それぞれ基板ボックス100〜104に収納されている。基板ボックス100〜104は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えており、そのボックスベースとボックスカバーとが互いに連結されて、各制御装置や各基板が収納される。
また、基板ボックス100(主制御装置110)及び基板ボックス102(払出制御装置111及び発射制御装置112)は、ボックスベースとボックスカバーとを封印ユニット(図示せず)によって開封不能に連結(かしめ構造による連結)している。また、ボックスベースとボックスカバーとの連結部には、ボックスベースとボックスカバーとに亘って封印シール(図示せず)が貼着されている。この封印シールは、脆性な素材で構成されており、基板ボックス100,102を開封するために封印シールを剥がそうとしたり、基板ボックス100,102を無理に開封しようとすると、ボックスベース側とボックスカバー側とに切断される。よって、封印ユニット又は封印シールを確認することで、基板ボックス100,102が開封されたかどうかを知ることができる。
払出ユニット93は、裏パックユニット94の最上部に位置して上方に開口したタンク130と、タンク130の下方に連結され下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール131と、タンクレール131の下流側に縦向きに連結されるケースレール132と、ケースレール132の最下流部に設けられ、払出モータ216(図4参照)の所定の電気的構成により球の払出を行う払出装置133とを備えている。タンク130には、遊技ホールの島設備から供給される球が逐次補給され、払出装置133により必要個数の球の払い出しが適宜行われる。タンクレール131には、当該タンクレール131に振動を付加するためのバイブレータ134が取り付けられている。
また、払出制御装置111には状態復帰スイッチ120が設けられ、発射制御装置112には可変抵抗器の操作つまみ121が設けられ、電源装置115にはRAM消去スイッチ122が設けられている。状態復帰スイッチ120は、例えば、払出モータ216(図4参照)部の球詰まり等、払出エラーの発生時に球詰まりを解消(正常状態への復帰)するために操作される。操作つまみ121は、発射ソレノイドの発射力を調整するために操作される。RAM消去スイッチ122は、パチンコ機10を初期状態に戻したい場合に電源投入時に操作される。
次に、図4を参照して、本パチンコ機10の電気的構成について説明する。図4は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。
主制御装置110には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU201が搭載されている。MPU201には、該MPU201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM202と、そのROM202内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM203と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。主制御装置110では、MPU201によって、大当たり抽選や第1図柄表示装置37A,37B及び第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行する。
なお、払出制御装置111や音声ランプ制御装置113などのサブ制御装置に対して動作を指示するために、主制御装置110から該サブ制御装置へ各種のコマンドがデータ送受信回路によって送信されるが、かかるコマンドは、主制御装置110からサブ制御装置へ一方向にのみ送信される。
RAM203は、各種エリア、カウンタ、フラグのほか、MPU201の内部レジスタの内容やMPU201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。なお、RAM203は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM203に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。
停電などの発生により電源が遮断されると、その電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタの値がRAM203に記憶される。一方、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAM203に記憶される情報に基づいて、パチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。RAM203への書き込みはメイン処理(図示せず)によって電源遮断時に実行され、RAM203に書き込まれた各値の復帰は電源投入時の立ち上げ処理(図示せず)において実行される。なお、MPU201のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路252からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU201へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図示せず)が即座に実行される。
主制御装置110のMPU201には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン204を介して入出力ポート205が接続されている。入出力ポート205には、払出制御装置111、音声ランプ制御装置113、第1図柄表示装置37A,37B、第2図柄表示装置、第2図柄保留ランプ、特定入賞口65aの開閉板65b(図2参照)の下辺を軸として正面側に開閉駆動するための大開放口ソレノイドや電動役物を駆動するためのソレノイドなどからなるソレノイド209が接続され、MPU201は、入出力ポート205を介してこれらに対し各種コマンドや制御信号を送信する。
また、入出力ポート205には、図示しないスイッチ群およびスライド位置検出センサSや回転位置検出センサRを含むセンサ群などからなる各種スイッチ208、電源装置115に設けられた後述のRAM消去スイッチ回路253が接続され、MPU201は各種スイッチ208から出力される信号や、RAM消去スイッチ回路253より出力されるRAM消去信号SG2に基づいて各種処理を実行する。
払出制御装置111は、払出モータ216を駆動させて賞球や貸出球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU211は、そのMPU211により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM212と、ワークメモリ等として使用されるRAM213とを有している。
払出制御装置111のRAM213は、主制御装置110のRAM203と同様に、MPU211の内部レジスタの内容やMPU211により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。RAM213は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM213に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。なお、主制御装置110のMPU201と同様、MPU211のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路252から停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU211へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図示せず)が即座に実行される。
払出制御装置111のMPU211には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン214を介して入出力ポート215が接続されている。入出力ポート215には、主制御装置110や払出モータ216、発射制御装置112などがそれぞれ接続されている。また、図示はしないが、払出制御装置111には、払い出された賞球を検出するための賞球検出スイッチが接続されている。なお、該賞球検出スイッチは、払出制御装置111に接続されるが、主制御装置110には接続されていない。
発射制御装置112は、主制御装置110により球の発射の指示がなされた場合に、操作ハンドル51の回動操作量に応じた球の打ち出し強さとなるよう球発射ユニット112aを制御するものである。球発射ユニット112aは、図示しない発射ソレノイドおよび電磁石を備えており、その発射ソレノイドおよび電磁石は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、球の発射を停止させるための発射停止スイッチ51bがオフ(操作されていないこと)を条件に、操作ハンドル51の回動操作量(回動位置)に対応して発射ソレノイドが励磁され、操作ハンドル51の操作量に応じた強さで球が発射される。
音声ランプ制御装置113は、音声出力装置(図示しないスピーカなど)226における音声の出力、ランプ表示装置(電飾部29〜33、表示ランプ34など)227における点灯および消灯の出力、変動演出(変動表示)や予告演出といった表示制御装置114で行われる第3図柄表示装置81の表示態様の設定などを制御するものである。演算装置であるMPU221は、そのMPU221により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM222と、ワークメモリ等として使用されるRAM223とを有している。
音声ランプ制御装置113のMPU221には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン224を介して入出力ポート225が接続されている。入出力ポート225には、主制御装置110、表示制御装置114、音声出力装置226、ランプ表示装置227、その他装置228、枠ボタン22などがそれぞれ接続されている。その他装置228には駆動モータ648,820、ソレノイド651等が含まれる。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から受信した各種のコマンド(変動パターンコマンド、停止種別コマンド等)に基づいて、第3図柄表示装置81の表示態様を決定し、決定した表示態様をコマンド(表示用変動パターンコマンド、表示用停止種別コマンド等)によって表示制御装置114へ通知する。また、音声ランプ制御装置113は、枠ボタン22からの入力を監視し、遊技者によって枠ボタン22が操作された場合は、第3図柄表示装置81で表示されるステージを変更したり、スーパーリーチ時の演出内容を変更したりするように、表示制御装置114へ指示する。ステージが変更される場合は、変更後のステージに応じた背面画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、変更後のステージに関する情報を含めた背面画像変更コマンドを表示制御装置114へ送信する。ここで、背面画像とは、第3図柄表示装置81に表示させる主要な画像である第3図柄の背面側に表示される画像のことである。表示制御装置114は、この音声ランプ制御装置113から送信されるコマンドに従って、第3図柄表示装置81に各種の画像を表示する。
また、音声ランプ制御装置113は、表示制御装置114から第3図柄表示装置81の表示内容を表すコマンド(表示コマンド)を受信する。音声ランプ制御装置113では、表示制御装置114から受信した表示コマンドに基づき、第3図柄表示装置81の表示内容に合わせて、その表示内容に対応する音声を音声出力装置226から出力し、また、その表示内容に対応させてランプ表示装置227の点灯および消灯を制御する。
表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113及び第3図柄表示装置81が接続され、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81における第3図柄の変動演出などの表示を制御するものである。また、表示制御装置114は、第3図柄表示装置81の表示内容を通知する表示コマンドを適宜音声ランプ制御装置113へ送信する。音声ランプ制御装置113は、この表示コマンドによって示される表示内容にあわせて音声出力装置226から音声を出力することで、第3図柄表示装置81の表示と音声出力装置226からの音声出力とをあわせることができる。
電源装置115は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部251と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路252と、RAM消去スイッチ122(図3参照)が設けられたRAM消去スイッチ回路253とを有している。電源部251は、図示しない電源経路を通じて、各制御装置110〜114等に対して各々に必要な動作電圧を供給する装置である。その概要としては、電源部251は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチ208などの各種スイッチや、ソレノイド209などのソレノイド、モータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧及びバックアップ電圧を各制御装置110〜114等に対して必要な電圧を供給する。
停電監視回路252は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置110のMPU201及び払出制御装置111のMPU211の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路252は、電源部251から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断、電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置110及び払出制御装置111へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置110及び払出制御装置111は、停電の発生を認識し、NMI割込処理を実行する。なお、電源部251は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置110及び払出制御装置111は、NMI割込処理(図示せず)を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路253は、RAM消去スイッチ122(図3参照)が押下された場合に、主制御装置110へ、バックアップデータをクリアさせるためのRAM消去信号SG2を出力するための回路である。主制御装置110は、パチンコ機10の電源投入時に、RAM消去信号SG2を入力した場合に、バックアップデータをクリアすると共に、払出制御装置111においてバックアップデータをクリアさせるための払出初期化コマンドを払出制御装置111に対して送信する。
図5及び図6を参照して、第1実施形態における遊技盤13のベース板に配設される入賞口ユニット930及び送球ユニット970について説明する。なお、図5及び図6の説明では図2を適宜参照する。
図5は、遊技盤13の分解斜視正面図である。なお、図5では、ベース板60に配設される入賞口ユニット930及び送球ユニット970以外のユニット(例えば、センターフレーム86(図2参照)など)の図示が省略される。
図5に示すように、ベース板60には、センターフレーム86(図2参照)が取り付けられる中央開口の重力方向下側(図5下側)にベース板60の厚み方向に貫通する貫通孔60aがルータ加工によって形成される。
貫通孔60aは、後述する正面ユニット940の正面視における外形よりも若干小さく形成され、内側に正面ユニット940に配設される駆動ユニット960及び特定入賞口ユニット950が挿入される。
ベース板60には、遊技領域(正面)側から入賞口ユニット930が配設され、遊技領域と反対(背面)側から送球ユニット970が配設され、それぞれタッピングネジ等により締結固定される。なお、入賞口ユニット930及び送球ユニット970の詳細な構成については後述する。
図6は、図2のVI−VI線における遊技盤13の断面図である。図6では、組立状態における入賞口ユニット930及び送球ユニット970の配置について図示される。
図6に示すように、正面ユニット940及び送球ユニット970の各通路の連結は、前後方向(図6左右方向)に当接した状態とされると共に、送球ユニット970に形成される凸部が、正面ユニット940に形成される突部に挿入される。
詳しく説明すると、第1送球部942gと流入口982dとは、第1送球部942gに形成される第1凹欠部942g1の内側に流入口982dに形成される第2突起982d1が配置される。また、第2送球部942cと側壁部981bとは、第2送球部942cに形成される第2凹欠部942c1の内側に、側壁部981bに形成される突起981b1が配置される。これにより、ベース板60に組み付ける際の正面ユニット940及び送球ユニット970の位置合わせを容易に行うことができる。
次いで、図7及び図8を参照して、送球ユニット970の全体構成について説明する。図7(a)は、送球ユニット970の正面図であり、図7(b)は、送球ユニット970の側面図である。図8(a)は、送球ユニット970の分解斜視正面図であり、図8(b)は、送球ユニット970の分解斜視背面図である。
図7及び図8に示すように、送球ユニット970は、遊技者側(遊技領域側)に配設され内部に遊技球を挿通可能な空間を備える振分けユニット980と、その振分けユニット980の遊技領域と反対側に配設される通路ユニット990とを備えて形成される。
振分けユニット980は、上述した入賞口ユニット930の第1入賞口64及び第2入賞口140と連なる開口(流入口982d及び側壁部981b)を備えており、その開口(流入口982d及び側壁部981b)から第1入賞口64及び第2入賞口140の介して遊技領域と反対側に送球される遊技球を内部に受け入れることができる。なお、振分けユニット980についての詳しい説明は後述する。
通路ユニット990は、振分けユニット980の重力方向一側(重力方向下側)に配設される。通路ユニット990は、振分けユニット980との対向面に複数の開口(第1挿通孔991a〜第2挿通孔991dを備えており、振分けユニット980の内部を送球される遊技球をその開口から受け入れることができる。なお、通路ユニット990についての詳しい説明は後述する。
次いで、図9から図12を参照して、振分けユニット980の構成について詳細な説明をする。図9(a)は、振分けユニット980の正面図であり、図9(b)は、振分けユニット980の側面図である。図10は、振分けユニット980の分解斜視正面図であり、図11は、振分けユニット980の分解斜視背面図である。図12(a)は、図9(a)のXIIa−XIIa線における振分けユニット980の断面図であり、図12(b)は、図12(a)のXIIb−XIIbにおける振分けユニット980の断面図である。
図9から図12に示すように、振分けユニット980は、背面ベース985と、その背面ベース985の遊技者側に配設される正面ベース981と、その正面ベース981と背面ベースとの間に回転可能な状態で配設される振分け部983と、背面ベース985の背面側に振分け部983と対応する位置に配設されるカバー部材987とを主に備えて形成される。
背面ベース985は、有色半透明(本実施形態では、青色)の樹脂材料から形成され、板状体に形成されるベース部985aと、そのベース部985aの厚み方向に貫通する複数の開口(開口985b〜985g)と、その複数の開口の重力方向他側(重力方向上側)に凹設される凹部985hと、その凹部985hの反対面から突出する収容部986b及び突設部986eとを主に備えて形成される。
ベース部985aは、正面視縦長矩形に形成され、その外縁部に円形状に貫通する複数の締結孔986c及び986dと、正面ベース981側と反対側に重力方向一側に向かって傾斜する傾斜面986aとを備えて形成される。締結孔986cは、後述する正面ベース981を挿通したネジを螺合する孔である。これにより、正面ベース981及び背面ベース985を締結固定することができる。また、締結孔986dは、後述する通路ユニット990を挿通するネジを螺合する孔である。これにより、背面ベース985(振分けユニット980)及び通路ユニット990を締結固定することができる。
傾斜面986aは、後述する開口985b〜985fの重力方向他側の一部と重なる位置に形成される。また、傾斜面986aは、正面ベース981及び背面ベース985が組み合わされた状態において、正面ベース981の傾斜部982bと対向する位置に形成される。これにより、重力方向に流下する遊技球の流下方向を開口985b〜985f側に案内することができる。その結果、遊技球を開口985b〜985fに流入させやすくできる。
凹部985hは、正面ベース981と反対側(図9(b)紙面手前側)に向かって凹設されると共に、ベース部985aの短手方向(図9(b)左右方向)略中央位置に形成される。また、凹部985hは、内側に後述する振分け部983の一部を収容可能な大きさに形成されると共に、底面に円環状に突出する軸受部985jを備える。軸受部985jは、振分け部983を軸支する軸部材988aの一端が挿入される孔であり、軸部材988aの外径よりも大きい内径に形成される。
開口985b及び開口985cは、それぞれベース部985aの短手方向両端部に形成されるとともに、内縁の寸法が遊技球の直径よりも大きく設定される。また、開口985b及び開口985cは、重力方向一側(重力方向下側)の内面が正面ベース981側と反対側に向かうにつれて下降傾斜して形成される。これにより、正面ベース981側から流入する遊技球を正面ベース981側と反対側に転動させることができる。
開口985dは、ベース部985aの短手方向(図9(b)左右方向)略中央位置に形成され、重力方向(図9(b)上下方向)における位置が開口985b及び開口985cと略同一の位置に設定される。また、開口985dは、開口985b及び開口985cと同様に、重力方向一側(重力方向下側)の内面が正面ベース981側と反対側に向かうにつれて下降傾斜して形成される。これにより、正面ベース981側から流入する遊技球を正面ベース981側と反対側に転動させることができる。
開口985eは、開口985b及び開口985dの間に形成され、開口985fは、開口985c及び開口985dの間に形成される。また、開口985e,985fは、正面ベース981側に開口する空間の流入通路985e1,985f1と、正面ベース981側と反対側に開口する空間の排出通路985e3,985f3と、重力方向に延設され流入通路985e1,985f1及び排出通路985e3,985f3を連通する中間通路985e2,985f2と,を主に備えて形成される。
流入通路985e1,985f1は、後述する正面ベース981と背面ベース985との対向間に形成される第1通路TR1及び第2通路TR2に連結されると共に、遊技球が通過可能な大きさに形成される。これにより、第1通路TR1及び第2通路を流下する遊技球を流入通路985e1,985f1に流入させることができる。
中間通路985e2,985f2は、重力方向に延設して形成され、重力方向他側(重力方向上側)が流入通路985e1,985f1に連通されると共に、遊技球が通過可能な大きさに形成される。これにより、流入通路985e1,985f1を通過する遊技球を中間通路985e2,985f2に流入させることができる。
また、中間通路985e2,985f2には、遊技球の送球方向(重力方向)と略直交する方向に凹設される凹設部985f4が形成される。凹設部985f4は、その内側に後述する検出装置SE3を配設するための切り欠きであり、背面視において検出装置SE3の外形と略同一に設定される。これにより、検出装置SE3をベース部985aの背面側(正面ベース981と反対側)から挿入して配設することができる。
検出装置SE3は、遊技球の通過を検知する装置であり、その厚み方向に遊技球よりも若干大きい内径の検出孔SE1aが貫通形成される。検出孔SE1aは、背面視横長矩形の状態で配設される検出装置SE3の長手方向のどちらか一方または他方に偏って形成されており、検出孔SE1aが形成されていない長手方向のどちらか他方または一方に検出装置SE3を制御する検出基板SE1bが配設される。
本実施形態では、検出装置SE3により遊技球の通過が検知されると、5個の賞球が払い出されると共に、第1図柄の抽選が実行される。この抽選に対応して、第3図柄表示装置81で第3図柄の変動表示が実行される。
また、検出装置SE3は、検出孔SE1aの軸方向が中間通路985e2,985f2の延設方向に平行に設定されると共に、検出孔SE1aの内部空間と中間通路985e2,985f2の空間とが略一致する位置に配置される。これにより、遊技球が中間通路985e2,985f2の重力方向他側(重力方向上側)から重力方向一側(重力方向下側)に流下する場合に、検出装置SE3の検出孔SE1aを通過させることができる。これにより、第1通路TR1及び第2通路TR2を通過する遊技球を検出することができる。
また、検出装置SE3は、検出孔SE1aの軸方向が重力方向と平行に形成されるので、遊技球を検出孔SE1aに送球する際に、遊技球の自重を利用しやすくできる。その結果、遊技球が中間通路985e2,985f2及び検出孔SE1aとの連結部分に引っ掛ることを抑制できる。
凹設部985e4,985f4は、流入通路985e1,985f1及び排出通路985e3,985f3の空間と連なって形成される。即ち、中間通路985e2,985f2は、検出装置SE3を利用して形成される。これにより、中間通路985e2,985f2の重力方向の長さ寸法が大きくなることを抑制できる。その結果、背面ベース985が重力方向に大型化することを抑制できる。
排出通路985e3,985f3は、中間通路985e2,985f2の重力方向一側(重力方向下側)に連結されると共に、遊技球が通過可能な大きさに形成される。また、排出通路985e3,985f3は、振分けユニット980及び通路ユニット990が組み合わされた状態において、後述する通路ユニット990の第3挿通孔991c及び第4挿通孔991dに連結される。これにより、中間通路985e2,985f2を通過する遊技球を、排出通路985e3,985f3に流入させることができると共に、その空間を通過させて通路ユニット990に送球できる。
開口985gは、開口985dの重力方向一側(重力方向下側)に形成される。また、開口985gは、開口985dと同様に、重力方向一側(重力方向下側)の内面が正面ベース981側と反対側に向かうにつてれて下降傾斜して形成される。これにより、正面ベース981側から流入する遊技球を正面ベース981と反対側に転動させることができる。
流入通路985e1,985f1は、後述する正面ベース981と背面ベース985との対向間に形成される第1通路TR1及び第2通路TR2に連結されると共に、遊技球が通過可能な大きさに形成される。これにより、第1通路TR1及び第2通路TR2を流下する遊技球を流入通路985e1,985f1に流入させることができる。
収容部986bは、一対の半円環体から形成される。また、収容部986bは、後述する磁性体988bを内側に収容する部分であり、その内径が、円柱体に形成される磁性体988bの外径と略同一に設定される。また、収容部986bの突設寸法は、磁性体988bの軸方向寸法よりも大きく設定される。これにより、収容部986bの内側に磁性体988bを収容できる。また、収容部986bは、一対の半円環体から形成されるので、磁性体988bの外径が製造の誤差により微小に大きく形成された場合でも、一対の半円環体を弾性変形させて磁性体988bを配設できる。
突設部986eは、上述した軸受部985jとベース部985aを挟んで反対側の位置から円柱状に突設される。また、突設部986eは、その軸に円形状に凹設される締結孔を備える。締結孔は、後述するカバー部材987を挿通するネジの先端を螺合させる孔であり、カバー部材987を当接させた状態でネジを螺合することで、カバー部材987を背面ベース985に締結固定できる。
磁性体988bは、磁石から形成されており、収容部986bに配設されることで、ベース部985aを介して正面ベース981側に磁界を発生させることができる。これにより、後述する振分け部983に配設される磁性体988cを反発させて振分け部983を変位させやすくできる。
正面ベース981は、有色半透明(本実施形態では、青色)の樹脂材料から形成される。また、正面ベース981は、正面視において背面ベース985よりも大きい略矩形状に形成されると共に、ベース板981aとそのベース板981aから遊技者側(背面ベース986と反対側)に膨出する膨出部982とを主に備えて形成される。
ベース板981aは、正面視略矩形状の板部材に形成され、その外周縁部に板厚方向に貫通する複数の挿通孔981gと、背面ベース985側に向けて突設される第1ガイド壁981f及び第2ガイド壁981dと、その第1ガイド壁981f及び第2ガイド壁981dの近傍に貫通する第2挿通孔981eと、膨出部982の重力方向一側(重力方向下側)に板厚方向に貫通する貫通孔981cとを主に備えて形成される。
挿通孔981gは、組み立て状態の送球ユニット970をベース板60(図5参照)に締結するネジ(図示しない)を挿通する孔であり、ネジの先端部分の外径よりも大きい内径に設定される。
第1ガイド壁981fは、半円の円環形状に形成されると共に、後述する膨出部982を間に挟む状態で短手方向に一対形成される。また、第1ガイド壁981fは、半円の開放部分をベース板981aの短手方向略中央側に向けて形成される。
第2ガイド壁981dは、円環形状に形成されると共に、ベース板981aの短手方向に2箇所形成される。また、第2ガイド壁981dは、後述する膨出部982の重力方向下側に形成されると共に、2箇所の間に貫通孔981cが形成される。
第1ガイド壁981f及び第2ガイド壁981dは、その内縁形状が上述した背面ベース985の締結孔986cの周囲の外形形状と略同一に形成される。これにより、正面ベース981及び背面ベース985を組み合わせた場合に、第1ガイド壁981f及び第2ガイド壁981dの内側に締結孔986cの周囲の壁部を挿入でき、第1ガイド壁981f及び第2ガイド壁981dを位置決めすることができる。
第2挿通孔981eは、第1ガイド壁981fの半円の中心および第2ガイド壁981dの中心に形成される。第2挿通孔981eは、正面ベース981及び背面ベース985が組み立られた状態において、締結孔986cと同軸上に形成されており、正面ベース981側からネジを挿通して締結孔986dに螺合させることで、正面ベース981と背面ベース985とを締結できる。
貫通孔981cは、一辺が遊技球の直径よりも大きい正方形に貫通形成される。また、貫通孔981cは、その縁部に沿って背面ベース985側と反対側(図9(a)紙面手前側)に立設される側壁部981bを備えて形成される。また、貫通孔981cは、上述した入賞口ユニット930の第2入賞口140に連通する部分であり、入賞口ユニット930及び送球ユニット970がベース板60に装着された状態において、第2入賞口140に流入した遊技球の転動方向と重なる位置に形成される。
側壁部981bは、入賞口ユニット930及び送球ユニット970がベース板60に装着された状態において、立設先端面が入賞口ユニット930の第2送球部942cと当接する寸法に形成される。また、側壁部981bは、重力方向一側(重力方向下側)の内面の転動面981c1が、転動部943aの端面943a1よりも重力方向一側に位置されると共に、背面ベース985側に向かって下降傾斜して形成される(図6参照)。
さらに、側壁部981bは、立設先端面から突設される突起981b1を備える。突起981b1は、転動面981c1から重力方向へ遊技球の半径分離間した位置に形成される。これにより、転動部943aの端面943a1から貫通孔981cの転動面981c1に遊技球が送球される場合に、遊技球が転動部943aと貫通孔981cとの間に挟まりにくくできる。なお、転動部943aの端面943a1から貫通孔981cの転動面981c1に遊技球が送球される場合についての詳しい説明は後述する。
膨出部982は、ベース板981aから膨出するドーム状に形成されると共に、その内側に遊技球を挿通可能な大きさに設定され、その内側に流入口982dから流入される遊技球が通過する送球通路TR0と、その送球通路TR0から分岐する第1通路TR1及び第2通路TR2とを備えて形成される。膨出部982は、正面視縦長矩形に形成されると共に、重力方向上端部を切り欠いて形成される流入口982dと、正面視略中間位置に背面ベース985側に向かって屈曲して立設する立設壁982aと、重力方向他側の複数箇所に凹設される凹部982e〜982jとを主に備えて形成される。
流入口982dは、正面視略U字状に切り欠き形成される。また、流入口982dは、入賞口ユニット930及び送球ユニット970がベース板60に装着された状態において、内縁部分が、入賞口ユニット930の第1入賞口64に流入した遊技球の転動方向と重なる位置に形成される。
また、流入口982dは、重力方向他側(重力方向上側)の縁部に背面ベース985側と反対側に突出する第2突起982d1を備える。第2突起982d1は、上述した入賞口ユニット930の第1凹欠部942g1の内縁形状に形成されており、入賞口ユニット930及び送球ユニット970がベース板60に配設された場合に、第1凹欠部942g1の内縁に第2突起982d1が当接される。
また、第2突起982d1から流入口982dの重力方向一側(重力方向下側)の端面までの距離寸法L14(図9(a)参照)は、第1凹欠部942g1の内縁から第1送球部942gの重力方向一側の内縁までの距離寸法L35(図87(b)参照)までの距離寸法よりも大きく設定される。これにより、第1入賞口64を介して第1送球部942gに送球された遊技球が、流入口982dに流入する際に、流入口982d(膨出部982)と第1送球部942gとの間に挟まりにくくできる。
立設壁982aは、正面視において膨出部982の外縁形状と所定の間隔を隔てる矩形状に形成される。また、立設壁982aは、流入口982dの重力方向下側に形成されると共に、重力方向上側に立設方向視三角形状に形成される当接部982a1を備えて形成される。
立設壁982aは、膨出部982の外周部分の内縁と水平方向における離間距離L16(図12(b)参照)が、遊技球の直径よりも大きく設定されており、その対向間に遊技球が通過可能な空間の第1通路TR1及び第2通路TR2が形成される。
第1通路TR1及び第2通路TR2は、後述する振分け部983の下流側に形成されており、振分け部983を通過する遊技球がどちらかに送球される。振分け部983は、流入口982dに流入する遊技球を、第1通路TR1及び第2通路TR2に交互に送球可能に設定される。これにより、第1入賞口64に流入する遊技球の送球が単調になることを抑制できる。その結果、遊技者の興趣が損なわれることを抑制できる。
立設壁982aの重力方向他側(重力方向上側)には、膨出部982の内側面から背面ベース985側に円環状に突出する軸受部982cが形成される。軸受部982cは、後述する振分け部983を軸支する軸部材988aの他端側を支持する部分であり、内径が軸部材988aの外径と略同一に設定される。よって、軸部材988aを軸受部982cに挿入することで、軸部材988aの他端側を支持できる。
また、上述したように、軸部材988aの一端側は、背面ベース985の軸受部985jに挿入されるので、正面ベース981及び背面ベース985を組み合わせる際に、軸部材988aの一端を軸受部985jに挿入すると共に、軸部材988aの他端側を軸受部982cに挿入することで、軸部材988aを正面ベース981及び背面ベース985の間に支持できる。
当接部982a1は、後述する振分け部983の回転軌跡上に形成されており、振分け部983の作用部983aが当接することで、振分け部983の回転変位量が規制される。なお、当接部982a1と振分け部983との当接状態についての詳しい説明は後述する。
凹部982e及び凹部982fは、膨出部982の重力方向一側(重力方向下側)の内側面から第1通路TR1及び第2通路TR2の延設方向と略直交する方向に凹設される。また、凹部982e及び凹部982fの内側には、第1通路TR1又は第2通路TR2と連通する空間の第1分岐通路BK1又は第2分岐通路BK2が形成される。
第1分岐通路BK1は、正面ベース981及び背面ベース985が組み合わされた状態において背面ベース985の開口985bと連通される。従って、第1分岐通路BK1は、第1通路TR1を流下する遊技球を受け入れ可能に形成されると共に、その受け入れた遊技球を背面ベース985の開口985bに流入可能とされる。
第2分岐通路BK2は、正面ベース981及び背面ベース985が組み合わされた状態において背面ベース985の開口985cと連通される。従って、第2分岐通路BK2は、第2通路TR2を流下する遊技球を受け入れ可能に形成されると共に、その受け入れた遊技球を背面ベース985の開口985cに流入可能とされる。
凹部982h及び凹部982jは、膨出部982の重力方向一側(重力方向下側)の内側面から第1通路TR1及び第2通路TR2の延設方向に凹設される。即ち、第1通路TR1及び第2通路TR2は、凹部982h及び凹部982jの分、重力方向一側に延設される。
第1通路TR1は、正面ベース981及び背面ベース985が組み合わされた状態において背面ベース985の開口985eと連通される。従って、第1通路TR1は、流入口982dに流入した遊技球が流入されると共に、その流入された遊技球を背面ベース985の開口985eに流入可能とされる。
第2通路TR2は、正面ベース981及び背面ベース985が組み合わされた状態において背面ベース985の開口985fと連通される。従って、第2通路TR2は、流入口982dに流入した遊技球が流入されると共に、その流入された遊技球を背面ベース985の開口985fに流入可能とされる。
凹部982gは、凹部982h及び凹部982jの間に形成されると共に、凹設方向が第1通路TR1及び第2通路TR2の延設方向と平行に設定される。また、凹部982gの内側には、第1通路TR1及び第2通路TR2と連通する空間の第3分岐通路BK3が形成される。よって、第1通路TR1及び第2通路TR2に連通する第3分岐通路BK3が、第1通路TR1及び第2通路TR2との間に形成されるので、振分けユニット980の小型化を図ることができる。
第3分岐通路BK3は、正面ベース981及び背面ベース985が組み合わされた状態において背面ベース985の開口985dと連通される。従って、第3分岐通路BK3は、第1通路TR1又は第2通路TR2を流下する遊技球を受け入れ可能に形成されると共に、その受け入れた遊技球を背面ベース985の開口985dに流入可能とされる。
傾斜部982bは、膨出部982の重力方向一側(重力方向下側)に形成されると共に、重力方向一側に向かって背面ベース985側に傾斜して延設される。また、傾斜部982bは、正面ベース981及び背面ベース985を組み合わせた状態において、開口985bから開口985fと対向する位置に形成される。これにより、第1通路TR1、第2通路TR2、第1分岐通路BK1、第2分岐通路BK2及び第3分岐通路BK3を流下する遊技球を傾斜部982bに当接させることで、流下する遊技球を開口985b〜985f側に案内して開口985b〜985fに流入させ易くできる。
案内部982h1,982j1は、凹部982h及び凹部982jと傾斜部982bとに連結されると共に、立設先端面が背面ベース985側(図9(b)紙面手前側)に向かって下降傾斜される。これにより、第1通路TR1及び第2通路TR2を流下する遊技球を、案内部982h1,982j1の立設先端面に当接させて、開口985e及び開口985f側に案内して、開口985e及び開口985fに流入しやすくできる。
また、案内部982h1,982j1は、傾斜部982bと連結して形成される。これにより、第1通路TR1及び第2通路TR2を流下する遊技球を傾斜部982bに当接させて背面ベース985側に案内しつつ案内部982h1,982j1に衝突させることで、遊技球を開口985e及び開口985fに流入させすくできる。さらに、傾斜部982bの傾斜の分、案内部982h1,982j1の立設距離を小さくすることができるので、案内部982h1,982j1の剛性を高めて耐久性の向上を図ることができる。
ここで、上述したように、振分けユニット980(送球ユニット970)は、遊技者側に配設される正面ユニット940(入賞口ユニット930)を介して遊技者から視認可能とされる。そのため、正面ユニット940を介す分、第1通路TR1及び第2通路TR2を流下する遊技球は、遊技者側から視認し難くなる。さらに、開口985e及び開口985fの正面側に案内部982h1,982j1が立設されると、その案内部982h1,982j1の厚みの分、第1通路TR1及び第2通路TR2を流下する遊技球が遊技者から視認し難くなるという問題点があった。
これに対し、本実施形態では、案内部982h1,982j1は、傾斜部982bと連結して形成されるので、傾斜部982bの立設寸法を小さくできる。従って、開口985e及び開口985fに送球される遊技球(第1通路TR1及び第2通路TR2を流下する遊技球)を、正面ユニット940を介した状態であっても視認させやすくすることができる。即ち、本実施形態では、傾斜部982bが、遊技球の流下方向へ向かうに従って背面ベース985側に位置するように傾斜されることで、剛性の確保と遊技球の案内とを可能としつつ、案内部982h1,982j1の前後方向の厚みを薄くすることができるので、遊技球の視認性を確保できる。
振分け部983は、正面ベース981及び背面ベース985の対向間の寸法よりも若干小さい厚みに設定されると共に、正面視略T字状に形成される。また、振分け部983は、T字状の一辺側の作用部983aと、その作用部983aの延設方向略中央位置から突出する中間板983bと、作用部983a及び中間板983bの連結部分に貫通される貫通孔983cと、その貫通孔983cの軸を中心に円形状に膨出する当接部983dと、作用部983a及び中間板983bの背面ベース985側に連結して形成される壁部983eとを主に備えて形成される。
貫通孔983cは、正面ベース981及び背面ベース985の対向間に支持される軸部材988aが挿入される孔であり、軸部材988aの外径よりも若干大きく形成される。これにより、正面ベース981及び背面ベース985を組み上げる場合に、軸部材988aを振分け部983の貫通孔983cに挿入した状態とすることで、振分け部983が回転可能な状態で正面ベース981及び背面ベース985の対向間に配設される。
中間板983bは、貫通孔983cの径方向外側に向かって延設して形成されると共に、振分け部983の変位が一方または他方に回転して規制された状態において、その先端から中間板983bの内側までの離間距離L17(図12(b)参照)が遊技球の直径よりも小さい寸法とされる。これにより、遊技球の送球が第1通路TR1又は第2通路TR2の一方または他方のどちらかに規制される。また、中間板983bは、振分け部983が貫通孔983cを中心に回転されることで、第1通路TR1の一方に遊技球の送球を規制した状態から第2通路TR2の他方に遊技球の送球を規制した状態に切り換えられる。
作用部983aは、正面視において中間板983bの延設方向と略直交する方向に延設して形成される。また、作用部983aは、当接部983dとの連結位置が、中間板983bの当接部983dとの連結位置よりも重力方向一側(重力方向下側)に設定される。これにより、流入口982dを介して振分け部983に送球される遊技球は、作用部983a側に荷重をかけた状態とされる。その結果、振分け部983は、貫通孔983cを中心に回転変位される。
壁部983eは、作用部983a及び中間板983bに連結されると共に、貫通孔983cの軸方向視において略半円状の板状に形成される。壁部983eは、貫通孔983cの軸と直交する方向において作用部983a及び中間板983bよりも外側に突出して形成されると共に、厚み寸法が上述した背面ベース985の凹部985hの凹設寸法よりも小さく設定される。よって、背面ベース985及び正面ベース981の対向間に振分け部983を配設した状態において、凹部985hの内部に壁部983eを配置できる。これにより、流入口982dから振分けユニット980の内部に送球される遊技球が、凹部985hの内部に引っ掛ることで、その遊技球の流下が阻害されることを抑制できる。
また、壁部983eは、中間板983bの背面側であって、貫通孔983cから径方向外側端部に、中間板983b側に向かって凹設される収容部983e1を備える。収容部983e1は、円柱状体に形成される磁性体988cを内側に収容する部分であり、磁性体988cの外径と略同一の内径の円形に凹設される。また、収容部983e1は、背面ベース985側から正面ベース981側に向かって凹設されており、磁性体988cが背面ベース985側から内部に収容される。
磁性体988cは、磁石から形成されており、背面ベース985に配設される磁性体988bと反発する状態で配設される。これにより、振分け部983は、磁性体988cが背面ベース985に配設される磁性体988bから磁力が作用されて、貫通孔983cを軸に回転して作用部983aの延設方向を一方または他方に傾いた状態にできる。
また、磁性体988cと磁性体988bとが反発される状態に配設されると共に、収容部983e1が正面側に向かって凹設されるので、収容部983e1に挿入する磁性体988cが収容部983e1から抜け出ることを抑制できる。即ち、収容部983e1に挿入される磁性体988cを係止する部分を必要としないので、振分け部983の構造を簡易にできると共に、振分け部983への磁性体988cの配設を簡易にできる。
なお、磁性体988b及び磁性体988cの磁力は、遊技球の荷重よりも小さい磁着力に設定される。これにより、振分けユニット980の内側を送球される遊技球が磁性体988b及び磁性体988cに磁着して、振分けユニット980の内側に停滞することを抑制できる。
カバー部材987は、上面視縦長矩形に形成されると共に、背面ベース985の凹部985hの正面ベース981側と反対側に配設される。また、カバー部材987は、正面視円形状に重力方向に並んで凹設される2つの第1凹部987a及び第2凹部987bを備えて形成される。
第1凹部987aは、内側に上述した背面ベース985の収容部986bを収容する部分であり、収容部986bの外径と略同一の内径に設定される。よって、上述したように収容部986bの内部に磁性体988bを収容した状態で、第1凹部987aに収容部986bの先端を収容することで、収容部986bの内側に収容した磁性体988bが収容部986bから抜け出ることを抑制できる。
第2凹部987bは、その凹設底面に背面ベース985に締結固定するための貫通孔987b1を備える。また、第2凹部987bは、凹設部分の内形が、上述した背面ベース985の突設部986eの外径と略同一の内径に形成される。これにより、カバー部材987は、背面ベース985の突設部986eに第2凹部987bを収容して位置決め配置できると共に、位置決めした状態で貫通孔987b1を介してネジを突設部986eの締結孔に締結できる。
次いで、図13を参照して、流入口982dから遊技球が振分けユニット980に流入した場合の振り分け部983の動作について説明する。図13(a)及び図13(b)は、図12(b)の範囲XIIIaにおける振分けユニット980の部分拡大断面図である。なお、以下では、振分け部983の作用部983aが第1通路TR1の一方へ遊技球の送球を規制する状態から、第2通路TR2の他方への遊技球の送球を規制する状態へ変位される場合のみを説明し、第2通路TR2の他方への遊技球の送球を規制する状態から、第1通路TR1の一方への遊技球の送球を規制する場合の説明は省略する。
図13(a)及び図13(b)に示すように、振分け部983に遊技球が送球される前(作用部983aに遊技球が当接する前)では、上述したように、振分け983に配設される磁性体988cが磁性体988b(図10参照)と反発することで、貫通孔983cから径方向外側の中間板983bが、第2通路TR2側へ傾いた状態とされる。なお、第2通路TR2側の作用部983aが正面ベース981の当接部982a1に当接することで、その回転量が規制される(図13(a)参照)。
この状態で遊技球が振分け部983に送球されると、遊技球は、中間板983b及び第1通路TR1側の作用部983aとの間に送球される。上述したように、作用部983aは、当接部983dとの連結位置が、中間板983bの当接部983dとの連結位置よりも重力方向一側(重力方向下側)に設定されるので、遊技球の荷重を第1通路TR1側の作用部983aに作用させることができる。
これにより、振分け部983は、図13(b)に示すように、貫通孔983cを軸に回転変位され、貫通孔983cから径方向外側の中間板983bが、第1通路TR1側へ傾いた状態とされる。なお、第1通路TR1側の作用部983aが正面ベース981の当接部982a1に当接することで、その回転量が規制される。また、この場合、磁性体988cの反発方向が、貫通孔983cから径方向外側の中間板983bを第2通路TR2側へ作用する状態から第1通路TR1側へ作用する状態に切り換えられる。
従って、振分け部983は、遊技球の荷重および磁性体988cの反発力を利用して、貫通孔983cを軸に回転変位させることができる。また、磁性体988cの反発力の方向が切り替わるので、振分け部983が回転した状態を維持させることができる。従って、振分け部983は、遊技球が送球される都度、中間板983bの傾き方向を変位させて、遊技球を第1通路TR1及び第2通路TR2に一球ずつ送球できる。
次いで、図14から図16を参照して、通路ユニット990の構成について説明する。図14(a)は、通路ユニット990の正面図であり、図14(b)は、通路ユニット990の側面図である。図15は、通路ユニット990の分解斜視正面図であり、図16は、通路ユニット990の分解斜視背面図である。
図14から図16に示すように、通路ユニット990は、振分けユニット980側が開口する複数の開口を備える第1通路部材991と、その第1通路部材991に配設される第1通路部材991を通過する遊技球を送球する第2通路部材992と、第2通路部材992に配設され第2通路部材992を通過した遊技球を送球する第3通路部材993と、第2通路部材992及び第3通路部材993の間に配設される検出装置SE4とを主に備えて形成される。
第1通路部材991は、正面視横長矩形に形成されると共に第2通路部材992側に所定の幅を備えて形成される。また、第1通路部材991は、振分けユニット980側の重力方向他側(重力方向上側)に貫通形成される第1挿通孔991aと、その第1挿通孔991aの重力方向一側(重力方向下側)に貫通形成される第2挿通孔991bと、その第2挿通孔991bの水平方向両隣に形成される貫通形成される第3挿通孔991c及び第4挿通孔991dと、正面視における外側周囲に円形状に複数個貫通形成される貫通孔991fとを主に備えて形成される。
第1挿通孔991aは、正面視において一辺が遊技球の直径よりも大きい正方形に形成される。また、第1挿通孔991aは、振分けユニット980及び通路ユニット990を組み合わせた状態において、振分けユニット980の開口985dと内部空間が連なる位置に形成される。これにより、振分けユニット980の内部を流下して開口985dを通過する遊技球を第1挿通孔991aに受け入れることができる。
また、第1挿通孔991aは、重力方向一側(重力方向下側)の内面が第2通路部材992側に向かって下降傾斜して形成される。これにより、第1挿通孔991aに送球される遊技球を第2通路部材992側に転動させることができる。
さらに、第1挿通孔991aには、第2通路部材992を挿通するネジを螺合する締結孔991g1を備える円環状の円環突起991gが外周部分に連結して形成される。これにより、第1通路部材991及び第2通路部材992を締結固定することができる。
第2挿通孔991bは、正面視において縦長矩形に形成され、短手方向の幅寸法が遊技球の直径よりも大きく設定される。また、第2挿通孔991bは、振分けユニット980及び通路ユニット990が組み合わされた状態において、振分けユニット980の開口985gと内部空間が連なる位置に形成される。これにより、振分けユニット980の内部を流下して開口985gを通過する遊技球を第2挿通孔991bに受け入れることができる。
また、第2挿通孔991bは、重力方向一側(重力方向下側)の内面が第2通路部材992側に向かって下降傾斜して形成される。これにより、第2挿通孔991bに送球される遊技球を第2通路部材992側に転動させることができる。
第3挿通孔991cは、正面視において縦長矩形に形成され、短手方向の幅寸法が遊技球の直径よりも大きく設定される。また、第3挿通孔991cは、振分けユニット980及び通路ユニット990が組み合わされた状態において、振分けユニット980の開口985eの内部空間が連なる位置に形成される。これにより、振分けユニット980の内部(第1通路TR1)を流下して開口985eを通過する遊技球を第3挿通孔991cに受け入れることができる。
また、第3挿通孔991cは、重力方向他側(重力方向上側)に水平方向両側に凹設される凹設部991c1を備える。凹設部991c1は、振分けユニット980に配設される検出装置SE3の検出基板SE1bを内部に収容する部分であり、検出装置SE3の外形と略同一の寸法に形成される。これにより、検出装置SE3の検出基板SE1b側を凹設部991c1により保護することができると共に、検出装置SE3が振分けユニット980及び通路ユニット990を組み合わせた状態で外部から不正に操作されることを抑制できる。
さらに、振分けユニット980と通路ユニット990とを組み合わせる場合に、振分けユニット980に配設する検出装置SE3の検出基板SE1bを通路ユニット990の凹設部991c1の内部に受け入れることができるので、振分けユニット980と通路ユニット990との位置決めとすることができる。これにより、検出装置SE3の一部が外部に張り出すことを抑制して、送球ユニット970の全体としての小型化を図ることができる。
第3挿通孔991cは、第2通路部材992側の内縁に第2挿通孔991b側から突出する突設部991c2を備えると共に、重力方向一側(重力方向下側)の内面が水平方向に隣り合う第2挿通孔991bから離間する方向に下降傾斜して形成される。これにより、第3挿通孔991cに流入した遊技球を突設部991c2に衝突させると共に、第2挿通孔991bから離間する方向(図14(a)左方向)に転動させることができる。
第4挿通孔991dは、正面視において縦長矩形に形成され、短手方向の幅寸法が遊技球の直径よりも大きく設定される。また、第4挿通孔991dは、振分けユニット980及び通路ユニット990が組み合わされた状態において、振分けユニット980の開口985fの内部空間が連なる位置に形成される。これにより、振分けユニット980の内部(第2通路TR2)を流下して開口985fを通過する遊技球を第4挿通孔991dに受け入れることができる。
また、第4挿通孔991dは、重力方向他側(重力方向上側)に水平方向両側に凹設される凹設部991d1を備える。凹設部991d1は、振分けユニット980に配設される検出装置SE3の検出基板SE1bを内部に収容する部分であり、検出装置SE3の外形と略同一の寸法に形成される。これにより、検出装置SE3の検出基板SE1b側を凹設部991d1により保護することができると共に、検出装置SE3が振分けユニット980及び通路ユニット990を組み合わせた状態で外部から不正に操作されることを抑制できる。
さらに、第4挿通孔991dは、第2通路部材992側の内縁に第2挿通孔991b側から突出する突設部991d2を備えると共に、重力方向一側(重力方向下側)の内面が水平方向に隣り合う第2挿通孔991bから離間する方向に下降傾斜して形成される。これにより、第4挿通孔991dに流入した遊技球を突設部991d2に衝突させると共に、第2挿通孔991bから離間する方向(図14(a)右方向)に転動させることができる。
第2通路部材992は、正面視において上下反対の略T字状の板状に形成されると共に、重力方向他側(重力方向上側)に貫通する第5挿通孔992bと、その第5挿通孔992bの重力方向一側(重力方向下側)に貫通する第6挿通孔992cと、第5挿通孔992bの内周縁に立設される立設壁992aとを主に備えて形成される。
第5挿通孔992bは、正面視において縦長矩形に形成され、短手方向の幅寸法が遊技球の直径よりも大きく設定される。また、第5挿通孔992bは、第1通路部材991及び第2通路部材992が組み合わされた状態において、第1通路部材991の第1挿通孔991aの内部空間が連なる位置に形成される。これにより、第1通路部材991の第1挿通孔991aを通過する遊技球を第5挿通孔992bに受け入れることができる。
立設壁992aは、第5挿通孔992bの縁部全域から第3通路部材993側に向かって立設される。また、立設壁992aは、重力方向一側(重力方向下側)の内面が第3通路部材993側に向かって下降傾斜して形成される。これにより、第5挿通孔992bに送球された遊技球を第3通路部材993側(図14(b)右側)に転動させることができる。
立設壁992aの外周面には、水平方向に突出する係合部992dと、第1通路部材991側の端部から水平方向に突出する突設壁992eとを備えて形成される。係合部992dは、水平方向に突出すると共に、その先端が第3通路部材993側に屈曲するL字状に形成される。係合部992dは、立設壁992aとの対向間に後述する検出装置SE4及び振分けユニット980に配設される検出装置SE3の配線が挿入される。これにより、検出装置SE3及び検出装置SE4の配線を係止することができるので、検出装置SE3及び検出装置SE4が振分けユニット980及び通路ユニット990から抜け出ることを抑制できる。
突設壁992eは、立設壁992aの水平方向両側に正面視半円状に突出して形成され、その半円の軸に貫通する貫通孔992e1を備える。また、突設壁992eは、第1通路部材991及び第2通路部材992が組み合わされた状態において、第1通路部材991の円環突起991gと対向する位置に形成されると共に、貫通孔992e1が締結孔991g1と同軸上に位置される。これにより、第2通路部材992側から貫通孔992e1にネジを挿通すると共に、そのネジを締結孔991g1に螺合することで、第1通路部材991及び第2通路部材992を締結固定できる。
第6挿通孔992cは、正面視において一辺が遊技球の直径よりも大きい正方形に形成される。また、第6挿通孔992cは、第1通路部材991及び第2通路部材992を組み合わせた状態において、その内部空間が第1通路部材991の第2挿通孔991bの内部空間と連なる位置に形成される。これにより、第1通路部材991の第2挿通孔991bを通過する遊技球を第6挿通孔992cに受け入れることができる。
また、第6挿通孔992cの周囲には、第3通路部材993側に向かって立設されるガイド壁992c1が形成される。ガイド壁992c1は、第6挿通孔992cの重力方向一側(重力方向下側)に立設される第1壁部992c2と、その第1壁部992c2の延設方向の端部と連なると共に重力方向に延設される第2壁部992c3とから形成される。
第1壁部992c2及び第2壁部992c3は、検出装置SE4を配設する位置決めとなる壁面であり、第3通路部材993に形成される立設壁993e及び係合部993dとの対向間における寸法が検出装置SE4の対向における寸法と略同一に設定される。
また、検出装置SE4は、検出孔SE1aの内部空間が第6挿通孔992cの内部空間と連なる位置に配置される。これにより、第6挿通孔992cを通過する遊技球は、検出孔SE1aを通過して検出装置SE4に検出されると共に、第3通路部材993側に送球される。
また、第2通路部材992は、第6挿通孔992cから水平方向(図14(a)左右方向)に離間した位置に、第3通路部材993側に突設される円環突起992fを備える。円環突起992fは、その軸に円形状の孔の締結孔992f1を備える。締結孔992f1は、第3通路部材993を挿通したネジを螺合する孔であり、これにより、第2通路部材992及び第3通路部材993を締結固定できる。
第1挿通孔991aは、正面視において一辺が遊技球の直径よりも大きい正方形に形成される。また、第1挿通孔991aは、振分けユニット980及び通路ユニット990を組み合わせた状態において、振分けユニット980の開口985dと内部空間が連なる位置に形成される。これにより、振分けユニット980の内部を流下して開口985dを通過する遊技球を第1挿通孔991aに受け入れることができる。
また、第1挿通孔991aは、重力方向一側(重力方向下側)の内面が第2通路部材992側に向かって下降傾斜して形成される。これにより、第1挿通孔991aに送球される遊技球を第2通路部材992側に転動させることができる。
さらに、第1挿通孔991aには、第2通路部材992を挿通するネジを螺合する締結孔991g1を備える円環状の円環突起991gが外周部分に連結して形成される。これにより、第1通路部材991及び第2通路部材992を締結固定することができる。
第2挿通孔991bは、正面視において縦長矩形に形成され、短手方向の幅寸法が遊技球の直径よりも大きく設定される。また、第2挿通孔991bは、振分けユニット980及び通路ユニット990が組み合わされた状態において、振分けユニット980の開口985gと内部空間が連なる位置に形成される。これにより、振分けユニット980の内部を流下して開口985gを通過する遊技球を第2挿通孔991bに受け入れることができる。
また、第2挿通孔991bは、重力方向一側(重力方向下側)の内面が第2通路部材992側に向かって下降傾斜して形成される。これにより、第2挿通孔991bに送球される遊技球を第2通路部材992側に転動させることができる。
第3通路部材993は、正面視横長矩形の板状に形成される。第3通路部材993は、長手方向略中間位置に貫通形成される第7挿通孔993aと、その第7挿通孔993aの縁部から立設される案内壁993bと、重力方向他側の縁部から第2通路部材992側に立設される立設壁993eと、長手方向に突出する係合部993dと、第2通路部材992側の側面に凹設される凹部993cとを主に備えて形成される。
第7挿通孔993aは、正面視において一辺が遊技球の直径よりも多きい正方形に形成される。また、第7挿通孔993aは、第2通路部材992及び第3通路部材993を組み合わせた状態において、第2通路部材992に配設される検出装置SE4の内部空間と連なる位置に形成される。これにより、第2通路部材992の第7挿通孔993a及び検出装置SE4の検出孔SE1aを通過した遊技球を第7挿通孔993aに受け入れることができる。
案内壁993bは、第7挿通孔993aの重力方向他側(重力方向上側)を除く3方向の縁部から第2通路部材992側と反対側に向かって立設される。また、案内壁993bは、重力方向一側(重力方向下側)の内面が第2通路部材992側に向かって上方傾斜(第2通路部材992側と反対側に向かって下降傾斜)して形成される。これにより、第7挿通孔993aに送球された遊技球を第2通路部材992側と反対側(図14(b)右側)に転動させることができる。
また、第3通路部材993は、図14(b)に示すように、第2通路部材992の立設壁992aの重力方向一側(図14(b)下側)に配設される。上述したように、第3通路部材993は、重力方向他側(図14(b)上側)が開放されるので、その分、第3通路部材993を立設壁992aに近づけて配設できる。その結果、上述した振分けユニット980の開口985dと開口985gとを近づけることができ、振分けユニット980及び通路ユニット990の重力方向における外形を小型化することができる。
立設壁993eは、第2通路部材992及び第3通路部材993が組み合わされた状態において、第2通路部材992の第1壁部992c2との対向間の距離寸法が、検出装置SE4の検出孔SE1aの軸と直交する方向における短手側の距離寸法と略同一に設定される。これにより、検出装置SE4の重力方向における位置決めをすることができる。
また、遊技球が送球される上流側(第2通路部材992側)に、検出装置SE4の重力方向下側の位置決めをする第1壁部992c2が形成される。これにより、第6挿通孔992cを通過する遊技球を検出装置SE4の検出孔SE1aに挿通させやすくできる。
即ち、検出孔SE1aは、遊技者の不正を防止する目的で、遊技球の直径よりも若干大きい寸法に形成されるため、遊技球の転動面の高さの微小な位置ずれにより、その内部に遊技球が挿通できなくなるところ、本実施形態では、遊技球が送球される上流側(第2通路部材992側)に、検出装置SE4の重力方向下側の位置決めをする第1壁部992c2が形成されるので、第6挿通孔992cと検出孔SE1aと転動面の高さが位置ずれすることを抑制できる。その結果、第6挿通孔992cを挿通する遊技球を検出孔SE1aに挿通させやすくできる。
係合部993dは、第3通路部材993の長手方向に突出して形成されると共に、その突出先端に第2通路部材992側に屈曲する屈曲部993d1を備える。屈曲部993d1は、第2通路部材992及び第3通路部材993が組み合わされた状態において、第2通路部材992の第2壁部992c3との対向間の距離寸法が、検出装置SE4の検出孔SE1aの軸と直交する方向における長手側の距離寸法と略同一に設定される。これにより、検出装置SE4の水平方向における位置決めをすることができる。
凹部993cは、第2通路部材992と第3通路部材993とが組み合わされた状態において、第2通路部材992の円環突起992fと対向する位置に形成されると共に、円環突起992fの外径よりも大きい内縁形状に形成される。また、凹部993cは、その凹設底面に円環突起992fの締結孔992f1と同軸上に貫通形成される貫通孔993c1を備える。これにより、凹部993cに第2通路部材992の円環突起992fを挿入すると共に、ネジを第3通路部材993側から貫通孔993c1を挿通させて締結孔992f1に螺合させることで、第2通路部材992及び第3通路部材993を締結固定できる。
以上のように構成される送球ユニット970によれば、送球ユニット970が、第1入賞口64及び第2入賞口140と異なるユニットから形成されると共に、第1入賞口64及び第2入賞口140を備える正面ユニット940の背面側(遊技領域と反対側)に配設されるので、送球ユニット970(振分けユニット980)を交換して別のユニットを配設することで、遊技領域を流下する遊技球の流下に影響することなく、別の遊技形態とできる。
次いで、図17から図69を参照して、第2実施形態について説明する。第1実施形態では、振分ユニット980の第1通路TR1及び第2通路TR2が球を前戻りさせずに後方へ案内する通路として形成される場合を説明したが、第2実施形態の振分ユニット300では、球の前戻りを許容するように構成される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
まず、図17から図35を参照して遊技盤13の構成の詳細を説明し、その後で、図36から図69を参照して動作ユニット500の構成の詳細を説明する。
図17は、第2実施形態における遊技盤13及び動作ユニット500の正面分解斜視図である。図17に示すように、遊技盤13の内部に配設されるセンターフレーム86には内部開口が形成されており、遊技者は、このセンターフレーム86の内部開口を通して動作ユニット500を視認可能となる。
これに加えて、本実施形態では、遊技盤13のベース板60が光透過性の樹脂材料から形成されているので、センターフレーム86の内部開口を通した視認態様に限定されず、センターフレーム86の外側に位置するベース板60を介して動作ユニット500を視認可能となる。
図18は、遊技盤13の正面図であり、図19は、遊技盤13の背面図であり、図20は、遊技盤13の正面斜視図であり、図21は、遊技盤13の背面斜視図である。図18では、図2においては図示を省略していた風車FS1や釘KG1についても図示されている。
本実施形態では、後述するように、球の流下経路を振り分けるという釘の機能を代替する上部連結部材270を備えており、上部連結部材270が配設される範囲では、釘KG1が配置されていない。
これにより、釘KG1の非透過性が欠点として作用することを回避することができる。換言すれば、上部連結部材270が配設されるセンターフレーム86の上方位置(センターフレーム86の上方かつ外レール62の下方である位置)から釘KG1を排除することで、センターフレーム86の上方位置を通過する光が釘KG1により様々な方向に反射したり、遮られたりすることを回避することができるので、センターフレーム86の上方位置における光演出の視認性を向上することができる。なお、センターフレーム86の上方位置における光演出の態様については後述する。
図19では、ベース板60の中央開口60bの形状が、左右中央位置において上方に凹設される形状から形成されることや、その凹設部分に配置される電飾基板251に接続される電気配線DH1を保持するためにも利用されるセンサカバー254が図示されている。
図19に示すように、センターフレーム86の下方位置において、ベース板60の背面側には、一般入賞口63に入球した球の流下経路を構成する集合樋480と、その集合樋480の上方に配設されると共に第1入賞口64の後側を跨ぐような形状で形成される幅広装飾部材490と、が締結固定される。
集合樋480は、無色透明の樹脂材料から形成される。これにより、集合樋480が背面側からの光の入射を遮ることを防止することができる。また、正面視で、一般入賞口63に入球して集合樋480を流下する球の視認性を向上することができる。
幅広装飾部材490は、有色透明(本実施形態では青色)の樹脂材料から形成される。これにより、遊技領域を正面視で視認する遊技者に対して、幅広装飾部材490を目立たせることができる。
幅広装飾部材490は、左右端部に締結ネジの挿通孔491を備える。その挿通孔491には、集合樋480に螺入される締結ネジが挿通され、その締結ネジにより幅広装飾部材490が集合樋480に締結固定される。これにより、幅広装飾部材490に対する注目力を、集合樋480を流下する球に対する注目力に繋げることができる。
幅広装飾部材490は、一般入賞口63の上方において球を転動させる板状部(天井板部455)の背後において、その板状部と同様の傾斜角度で形成される左右一対の傾斜形成部492と、その傾斜形成部492の左右内側において左右方向に延設される中央形成部493と、を備える。
傾斜形成部492は、部材の上面が、正面視において、一般入賞口63の上方において球を転動させる板状部(天井板部455)に沿うように配置される。そのため、球を転動させる板状部が無色透明の樹脂材料から形成される場合であっても、正面視において、あたかも球が傾斜形成部492を転がっているように見せることができ、球の流下経路の把握をさせ易くすることができる。
中央形成部493は、第1入賞口64に入球した球の流下経路(後述する傾斜延設部315)の天井部を構成する。これにより、球が流下経路から脱落することを防止することができると共に、第1入賞口64に入球した球の流下経路が無色透明の樹脂材料から形成される場合であっても、有色透明の樹脂材料から形成される中央形成部493により球の流下経路を正面視で把握し易くすることができる。
図20では、センターフレーム86の上方および下方において、遊技領域に張り出す部分を有し光透過性の樹脂材料から形成される上部連結部材270や、入賞口構成部材400等の樹脂部材が図示されている。これらの樹脂部材により、球の流下態様を安定的に維持する効果を生じさせることができるが、詳細は後述する。なお、図20では、釘KG1および風車FS1の図示は省略されている。
先に概要を説明すると、上部連結部材270や入賞口構成部材400等の樹脂部材の共通の効果として、割れたり欠けたりした時の修理が容易であることが挙げられる。この効果は、通常用いられる金属製の釘を利用する場合には奏しない効果である。
ベース板60に植設される釘の場合、球が衝突したり、作業者が釘に誤って過負荷をかけたりした場合等に、釘が曲がったり折れたりする可能性がある。曲がった場合には同じだけ逆側に曲げれば元通りにできる可能性があるが、折れた場合には元通りにすることは困難である。
そもそも、ベース板60への釘の打ち込みは自動機で行うものであり、一本ずつ単独で打ち込むものではなく、遊技盤全体にまとめて打ち込む方法が一般的である。そのため、一本の釘が欠損しただけであっても、他の釘が植設されている状態で欠損した単独の釘を新たに打ち直すことは困難であり、ベース板60ごと交換する必要が生じる可能性がある。
この際、ベース板60には、レール61,62や外縁部材73等が組み付けられているので、これらの組み付けられていた部材を、交換先のベース板60に組み付け直すか、又は、これらの部材ごと交換する必要があり、いずれにせよ、修理費用が嵩み易い。
これに対し、上部連結部材270や入賞口構成部材400等の樹脂部材の一部が割れたり欠けたりした場合、新たな部材と交換することにより修理を完了することができ、ベース板60を交換する必要がない。また、樹脂部材は、レール61,62や外縁部材73等とは独立しているので、樹脂部材の交換の際にレール61,62や外縁部材73等に関連する費用は生じないので、修理費用を抑制することができる。
図21では、センターフレーム86の上部に配置される電飾基板251及び基板保持板252について、基板保持板252がベース板60の板厚寸法内に入り込むように配置されており、基板保持板252の前側に配置される電飾基板251に至ってはベース板60の厚み寸法の内側位置に収まるように配置されることが図示されているが、詳細は後述する。
図21に示すように、ベース板60の板背面から背面側へ向けて外形部が先細りする円筒状に突設形成される複数の嵌合部60cを備える。嵌合部60cは、内径側に雌ネジが形成されており、動作ユニット500をベース板60に締結固定する際に締結ネジが螺入される部分として機能する。
図22は、遊技盤13の分解正面斜視図であり、図23は、遊技盤13の分解背面斜視図である。図22及び図23に示すように、遊技盤13は、ベース板60と、そのベース板60の内側に配置されると共にセンターフレーム86を有する中央構成ユニット240と、その中央構成ユニット240の上部とベース板60とを連結すると共に遊技領域を流下する球の流下方向を制限する上部連結部材270と、その上部連結部材270と中央構成ユニット240との間に配置される薄板部材290と、を備える。
中央構成ユニット240の詳細については後述するが、図22で拡大図として示すように、中央構成ユニット240には、薄板部材290の位置決め及び固定に利用される固定用部244が形成される。
図24は、中央構成ユニット240の分解正面斜視図であり、図25は、中央構成ユニット240の分解背面斜視図である。中央構成ユニット240は、ベース板60の中央開口60bに配設される際に環状に組み立てられるユニットであって、センターフレーム86を有しており、球の流下を案内する。
中央構成ユニット240は、センターフレーム86の上側部を構成する上側構成部材241と、センターフレーム86の下側部を構成する下側構成部材261と、を備える。上側構成部材241及び下側構成部材261が、光透過性の樹脂材料から、それぞれ環形状の上下半分を構成することで、組立状態(図18参照)において正面視で第3図柄表示装置を囲むセンターフレーム86を構成する。
このように、センターフレーム86を単品で環状に構成するのではなく、複数部材を組み合わせて環状に構成することにより、樹脂部材の成形に必要となる樹脂金型の大きさを小さくすることができる。これにより、樹脂金型の製造コストを抑えることができる。
例えば、ベース板60の中央開口60bの上縁部の形状が、本実施形態のように左右中央部において薄板部242の形状に対応して上向きに凹設される形状ではなく、略円弧形状で形成されるようにベース板60の設計変更を行う場合、上半分(上側構成部材241)のみ対応して設計変更すればベース板60にセンターフレーム86を組み付けることができることから、下半分(下側構成部材261)については本実施形態に対応させて設計した部材を流用することができる。
これにより、ベース板60の設計変更や、センターフレーム86の形状を変えて見映えを変えることにより行うマイナーチェンジのために、センターフレーム86の全体を包含するような大きな金型を新たに製造する必要がないので、金型費用の削減を図ることができる。
上側構成部材241は、組立状態(図18参照)においてベース板60の板正面と面一で配置される薄板部242と、その薄板部242の正面側に帯状に延設され、遊技中においてガラスユニット16(図1参照)との間に球を通さない寸法で形成されると共に球の流下を案内可能に形成される帯状フレーム部245と、その帯状フレーム部245の下側および左右内側に配設され略円弧形状を形成する装飾部247と、を備える。
薄板部242は、左右および上側の縁部において補強のために背面側に延設される延設部243と、上部連結部材270(図22及び図23参照)との位置決め及び固定に利用される固定用部244と、を備える。
延設部243は、前後幅がベース板60の板厚と同程度の長さとなるように設計される。即ち、延設部243よりも前後幅が短い薄板部242の前後厚みは、ベース板60の板厚よりも薄く設計されている。これにより、薄板部242の背面側にスペースを確保し易くすることができる。
固定用部244は、上部連結部材270(図22及び図23参照)との位置決めのために凹設される凹設部244aと、その凹設部244aに近接配置され正面側に突設される突設部244bと、上部連結部材271に正面側から挿通される締結ネジが螺入される締結部244cと、を左右対称位置に備えている。
薄板部242はベース板60と面一で配置され、突設部244bを正面側の任意の位置から形成することができる。そのため、上部連結部材270(図22及び図23参照)との位置決めの設計自由度を向上することができる。なお、固定用部244を利用した上部連結部材270の組み付けについては後述する。
装飾部247は、複数の立体的な模様や図形が形成されており、薄板部242に比較して光透過性が低くなるように形成されている。これにより、装飾部247を、光透過性を若干残しながら、視界を分断する部分として利用することができる。
ここまでは、上側構成部材241の正面側の構成を主に説明した。次に、上側構成部材241の背面側に配設される構成について説明する。上側構成部材241は、薄板部242の背面側に形成される締結部に締結固定される電飾基板251と、その電飾基板251を締結固定する締結ネジで共締めされる基板保持板252と、電飾基板251と薄板部242とに挟持されると共に正面側に末広がりとなる皿形状に形成される皿状部材253と、上側構成部材241の左右片側(本実施形態では右側)において装飾部247の背面側となる位置に締結固定されるセンサカバー254と、を備える。
基板保持板252は、左右対称形状ではなく、左側部と比較して右下部の形成が省略されている。これにより、センサカバー254側から通される電気配線DH1(図19参照)の接続を容易にすることができる。即ち、電飾基板251の接続端子251aは、基板の右下側部の板背面に配置されており、この位置への電気配線DH1の接続が容易となるように基板保持板252の形状が設計されている。
更に、基板保持板252は、左右中央位置において上に凸の湾曲形状で凹設形成される凹設部252aを備える。凹設部252aは、動作ユニット500の配置の自由度を向上させる目的で形成される部分であるが、詳細は後述する。
センサカバー254は、内部に静電容量センサ(例えば、遊技者がガラスユニット16の正面側に手をかざしたことを検知可能なセンサ)を配置し、その静電容量センサを固定するための固定部材である。本実施形態では、静電容量センサの固定だけではなく、電飾基板251に接続される電気配線DH1の中継部分としても兼用されている。
即ち、電飾基板251に形成される鉤形状部に結束バンド等で電気配線DH1を固定することで、電気配線DH1を装飾部247の背面位置に保持することができる。これにより、電気配線DH1を遊技者の視界に入り難いように隠すことができる。このように、センサカバー254を利用して電気配線DH1の配置を保持することで、電気配線DH1の配置を保持するための専用部材を用意する場合に比較して、組み付け工数を削減したり、材料コストを低減したりすることができる。
下側構成部材261は、組立状態(図18参照)においてベース板60の板正面に締結固定される薄板部262と、その薄板部262から背面側へ帯状に延設される帯状延設部263と、その帯状延設部263の延設端部に形成される締結部に締結固定されると共に帯状延設部263の背面側を塞ぐように覆う背面覆設部264と、薄板部262の左右下端部の正面側に締結固定され薄板部262との間で球を背面側へ流すための流下経路を構成する左右一対の流路前構成部265と、薄板部262の左右下端部の背面側に締結固定され流路前構成部265の薄板部262から左右内側にはみ出した半構成部と合体することで球を帯状延設部263の上面に案内する流下経路を構成する左右一対の流路後構成部266と、を備える。
帯状延設部263は、左右中央部へ向けて下降傾斜する上面部を備えており、転動した球をベース板60の正面側へ戻すように機能する。帯状延設部263の左右中央部には、左右方向の速度が収まった球を背面側へ流し易いよう背面側へ下降傾斜する中央後傾斜部263aと、その中央後傾斜部263aの左右両側において中央後傾斜部263aよりも若干下側に配置され左右方向の速度が収まった球を正面側へ流し易いよう正面側へ下降傾斜する一対の左右前傾斜部263bと、中央後傾斜部263aにより背面側へ流され流下した後で背面覆設部264に正面側へ案内された球をベース板60の正面側へ排出可能に貫通形成される球排出孔263cと、を備える。
帯状延設部263との関係において、背面覆設部264は基本的には帯状延設部263の背面側端部からの球の脱落を防止するように塞ぐが、中央後傾斜部263aの後方に限っては、帯状延設部263との間で球を下方に流下させることができる隙間を形成する。この隙間を通り正面側へ案内された球が球排出孔263cから排出される。
球排出孔263cは左右中央位置に配置され、その下方には第1入賞口64が配設されているので(図18参照)、球排出孔263cから排出された球は、高確率で(釘KG1に弾かれながら第1入賞口64に近づく球よりも高確率で)第1入賞口64に入球する。そのため、帯状延設部263に球が案内された場合に、その球に対する注目力を向上させることができる。
流路前構成部265は、薄板部262の正面側を流下する球を背面側に案内する案内経路を形成し、流路後構成部266は、その案内経路の後端面を形成することで球を帯状延設部263の上面に案内する。換言すれば、流路前構成部265及び流路後構成部266によって、ベース板60の正面側から流入した球を、帯状延設部263の上面に排出するトンネル状部が形成される。
図22及び図23に戻って説明する。上部連結部材270は、光透過性の樹脂材料から形成される部材であって、薄肉の板状部271と、その板状部271を基端として背面側から正面側に押し出されるように張り出す張出部272〜277と、板状部271の背面側において部分的に肉薄に形成される肉薄部278と、その肉薄部278において背面側に突設するように形成される突設部279と、を備える。
板状部271は、正面視で左右に長い左右対称の弓形状に形成され、下縁部の形状がセンターフレーム86の上縁部の形状に沿う形状とされる。また、板状部271は、上縁部が湾曲形状とされており、詳細には、板状部271の上縁部の特定の点における接線が、その特定の点に近接配置される外レール62の対応する点の接線と平行となる形状とされる。
外レール62と板状部271とは、球(遊技球)の直径程度の間隔が空けられている(図18参照)。これにより、外レール62に沿って転動する球が板状部271と衝突して勢いが減衰される事態の発生を回避し易くすることができる。
即ち、遊技領域に導入された球が板状部271に衝突する前に、球は外レール62から離れるよう構成される。換言すれば、外レール62に接触している限り、球が板状部271と衝突することは無いので、最大の発射強度で発射させる球(例えば、返しゴム69に衝突するまで外レール62に接触して転動する球)が板状部271に衝突して勢いが減衰されることを回避することができる。
これにより、球の不要な減衰を避けることができると共に、最大の発射強度の球が板状部271と衝突することで板状部271が割れたり欠けたりすることを回避することができる。
なお、外レール62と板状部271との間隔については、球の直径程度の間隔に限られるものではなく、種々の態様が例示される。例えば、球の形状を考慮して、球と板状部271との衝突を避けられるように、前後方向で間隔を変化させる(ベース板60から離れるほど間隔が広くなる)ようにしても良い。この場合において、ベース板60に近い側における板状部271と外レール62との間隔を狭めることができるので、板状部271に装飾を施す場合に、その装飾の形成面積を広げることができる。
張出部272〜277は、板状部271の左右中心を基準として左右対称となる位置から、板状部271の左右中心を基準とする左右対称形状で、板状部271の背面側から正面側へ向けて張り出される部分であり、それぞれが、釘の機能を代替する。
左右中央側から、第1張出部272、第2張出部273、第3張出部274、第4張出部275、第5張出部276、第6張出部277と称して説明する。
第1張出部272及び第2張出部273は、薄板部材290を介して中央構成ユニット240の正面に配置される。第3張出部274は、中央構成ユニット240とベース板60とを跨ぐように配置される。第4張出部275、第5張出部276及び第6張出部277は、ベース板60の正面に配置される。
このように、各張出部272〜277は、どの部材の正面側に配置されるかが異なるので、その機能や、設計思想に違いが生じ得るが、詳細は後述する。
肉薄部278は、薄板部材290を配置するために、板背面が薄板部材290の厚み寸法分または厚み寸法を若干超えた寸法分だけ正面側にずれることで、肉薄に形成される部分である。本実施形態では、肉薄部278から薄板部材290に押圧力が負荷されることで薄板部材290を保持する態様ではなく、固定用部244(図22参照)によって薄板部材290を保持する態様を採用している。
なお、肉薄部278における板背面の正面側へのずれ寸法は、薄板部材290の厚み寸法以上で形成される場合に限られるものではなく、種々の態様が例示される。例えば、板背面の正面側へのずれが、薄板部材290の厚み寸法未満の寸法で設計されても良い。この場合、薄板部材290が厚み方向に伸縮可能(圧縮可能)に形成されることで、薄板部材290に過度な圧力が加えられることを回避しながら、薄板部材290の配置を固定し易くすることができる。
また、例えば、薄板部材290の縁部に対応する部分だけ、肉薄部278の板背面の正面側へのずれを小さくするようにしても良い。この場合、薄板部材290に圧力が加えられる範囲を薄板部材290の縁部に限定することができる。
突設部279は、薄板部材290に穿設される位置決め孔291に挿通される部分であって、薄板部材290を位置決めするための突状部分である。肉薄部278における第1張出部272又は第2張出部273の配置位置の裏側には、張出部272,273の形状に対応した凹部(窪み)が形成されることから、この位置から突設部279を突設させることはできない。即ち、突設部279は、肉薄部278の内、第1張出部272や、第2張出部273の配置を避けた位置から突設される。
薄板部材290は、光透過性の樹脂材料から薄板状(シート状)に形成される部材であって、組み付け時の位置決め用に穿設される複数の位置決め孔291と、上部連結部材270を中央構成ユニット240に締結固定する締結ネジを挿通させるための孔として穿設される複数の挿通孔292と、を備える。
位置決め孔291は、左右外側に穿設され中央構成ユニット240の突設部244bが挿通される孔291aと、左右内側に穿設され上部連結部材270の突設部279が挿通される孔291bと、を備える。即ち、薄板部材290は、中央構成ユニット240及び上部連結部材270の双方との位置決めに利用される。
なお、本実施形態において、左右外側とは、正面視における遊技盤13又は動作ユニット500の左右縁側を意味し、左右内側とは、正面視における遊技盤13又は動作ユニット500の左右中央部側を意味する。
図22及び図23に示すように、突設部244bは、第2張出部273の背面側の凹設部と対向配置される位置に形成される。そのため、正面視において、突設部244bは第2張出部273に目隠しされる。これにより、突設部244bの視認性は低下させながら、突設部244bによる薄板部材290の位置決め(位置安定)作用を生じさせることができる。
図22及び図23に示すように、上部連結部材270に形成する部分を孔部ではなく突設部279とすることで、張出部272,273の境界位置という狭い範囲においても問題なく位置決め用の部分を構成することができる。換言すれば、狭い範囲において貫通孔や凹部を形成する際には、部材肉厚が過度に薄くなり強度が不足する事態となる可能性があるが、その事態を回避することができる。
換言すれば、薄板部材290の位置決め用の部分のために、張出部272,273の配置が制限されたり、強度が低下したりすることを回避し易くすることができる。即ち、張出部272,273の境界位置に位置決め用の孔部を形成する場合には、張出部272,273の境界位置の幅長さを孔部の幅長さ以上(孔部が円形状であれば直径以上)にする必要が生じるし、孔部により材料が削られる分、張出部272,273の強度低下が生じる可能性があるところ、本実施形態によれば、これらの問題点を解消し易くすることができる。
一方で、上述のように、張出部272,273の背面は窪んでいるので突設部279を形成することができないところ、この位置については、図22に示すように、中央構成ユニット240から突設部244bを突設させることで対応できるので、張出部272,273の配置に制限されることなく薄板部材290の位置決め用の部分(突設部244b,279)を配置することができる。
このように、本実施形態によれば、薄板部材290の位置決め用の突設部244b,279を、中央構成ユニット240及び上部連結部材270の双方に形成させることにより、上部連結部材270の設計自由度や強度を高く維持しながら、薄板部材290の位置決め用部分の配置が制限されることを回避することができるので、薄板部材290の位置を安定させることができる。
更に、薄板部材290に挿通した突設部279が中央構成ユニット240の凹設部244aに挿通可能となるように設計されることで、中央構成ユニット240及び上部連結部材270に対して薄板部材290を位置決めするのと同時に、中央構成ユニット240に対する上部連結部材270の位置決めを行うことができる。
薄板部材290は、上部連結部材270を介して遊技者が視認可能となる部材である。敢えて図示はしないが、本実施形態では、薄板部材290の板正面に模様、図形、文字またはキャラクターが色彩豊かに描かれており、中央構成ユニット240の電飾基板251に配置されるLEDから照射される光の発光態様の違い(色味や明暗の態様の違い)に応じて、薄板部材290を通して視認される色彩や明暗の態様が様々に変化する。
模様、図形、文字またはキャラクターをベース板60に直接描く場合と異なり、本実施形態によれば、薄板部材290を取り外せば薄板部材290に描かれた模様、図形、文字またはキャラクターを遊技盤13から取り去ることができるので、遊技盤13の見映えを容易に異ならせることができる。
例えば、遊技盤13の形状は同じものを流用しながら、遊技性を変える場合に(所謂、スペック違い)、遊技盤13に描かれる模様、図形、文字またはキャラクターや、色彩等を異ならせて、遊技者が遊技性を把握し易いようにする場合がある。
模様、図形、文字またはキャラクターがベース板60に直接描かれている場合には、ベース板60ごと取り替える必要が生じるので、実質、遊技盤13全体を取り替えることになり易く、遊技性変更にあたりコストが嵩み易い。
一方、本実施形態によれば、薄板部材290を、描かれる模様、図形、文字またはキャラクターや、色彩等が異なる別の薄板部材290と交換することで足りるので、遊技盤13全体を取り替える必要は無い。従って、遊技性変更のためのコストを抑制し易くすることができる。
図26は、図18の範囲XXVIにおける遊技盤13の拡大正面図であり、図27は、図26のXXVII−XXVII線における遊技盤13の部分断面図であり、図28は、図26のXXVIII−XXVIII線における遊技盤13の部分断面図である。
図26に図示されるように、張出部272〜277は、それぞれ個別の形状で形成される一方で、遊技領域に導入された球が衝突した場合には、その球の勢いを落としながら、その球をセンターフレーム86の左右側へ流下させるという共通の目的を有する。
従来から、同様の配置で植設されることのあった釘の代替品として張出部272〜277を形成している。即ち、植設される複数の釘を正面視で囲むような形状から各張出部272〜277が設計されている。
第1張出部272、第2張出部273及び第3張出部274で共通してみられるように、上側面が他の側面に比較して広く形成されている。これにより、上側面のどの位置に乗るかに寄らず、乗った球を上側面の傾斜に沿って同一の方向に流すよう構成することができる。これにより、発射力の調整が多少ずれても、球を類似の流下経路で流下させ易くなるので、同様の経路で球を流下させたい遊技者の遊技中のストレスを緩和することができる。
第3張出部274と第4張出部275は、隣り合って配設されているため、球の発射力調整が少しずれるだけでどちらに球が到達するかが変化することになるが、上側面の傾斜が大きく異なる。即ち、第3張出部274の上側面は、左右内側に向かって緩く傾斜する下降傾斜面であるのに対し、第4張出部275の上側面は、左右内側に向かって急激に傾斜する下降傾斜面として形成される。
そのため、第4張出部275の上側面に到達して流下する球は、センターフレーム86との衝突時に上向きに大きく跳ね返ることになり、勢いが失われ易い。そのため、遊技領域の下流側において第1入賞口64まで到達せずに、アウト口71へ向かって流下したり、一般入賞口63へ向かって流下したり、しやすい。
一方で、第3張出部274の上側面に到達して流下する球は、センターフレーム86と左右方向で衝突し、跳ね返り方向の負荷も流下の勢いとして利用できるので、遊技領域の下流側において第1入賞口64まで到達し易い。
即ち、どの張出部272〜276に球が到達するかによって、遊技領域の下流側における球の流下態様が変化するように張出部272〜276の形状を設計している。これにより、遊技者に球の発射力の調整を意欲的に行わせることができる。
図27及び図28に図示されるように、ベース板60と中央構成ユニット240の延設部243とは、上下間に中央構成ユニット240の薄板部242の板厚程度の隙間CL1,CL2を空けて配置されるよう設計される。
即ち、ベース板60の中央開口60bに中央構成ユニット240が位置決めされる設計思想ではなく、ベース板60の中央開口60bと中央構成ユニット240との間には隙間を空けておき、上部連結部材270による締結固定(連結)の際にベース板60に対する中央構成ユニット240の位置合わせを同時に行うという設計思想から設計される。
図27及び図28に図示されるように、第1張出部272の背面には薄板部材290及び中央構成ユニット240が配置される一方で、第3張出部274の背面にはベース板60が配置される。このように、張出部272〜277の背面に配置される部材は全て同じでは無く、異なる場合がある。
図27に示すように、中央構成ユニット240の薄板部242が薄肉で形成されることから、例えば、第1張出部272に負荷が与えられることで第1張出部272に撓み変形が生じる場合、中央構成ユニット240の薄板部242も撓み変形することができるので、第1張出部272に加えられる負荷を吸収することができる。これにより、第1張出部272が割れたり欠けたりする可能性を低くすることができる。
そのため、例えば、第1張出部272に球が衝突する際に、その球の勢いが非常に大きかったとしても、第1張出部272の撓み変形や、その撓み変形の影響で生じる薄板部242の撓み変形によって、球の勢いを十分に低下させることができるので、第1張出部272に衝突した後の球の流下を落ち着かせることができる。
薄板部242の撓み変形は、上述のように、薄板部242とベース板60とが嵌合される構成ではなく、間に隙間CL1,CL2が設けられる構成を採用したことによって生じ易くなっている。即ち、本実施形態では、薄板部242とベース板60との間に隙間CL1,CL2を設けることにより、中央構成ユニット240を撓み変形させることによって、第1張出部272に与えられる負荷を逃がすことができる。
同様の作用が、第2張出部273にも期待できる。なお、第1張出部272に与えられる負荷としては、遊技球の衝突による負荷や、遊技領域における球詰まりを解消する際に遊技機店の店員から加えられる負荷や、メンテナンス作業を行う作業者から加えられる負荷等が想定される。
一方、図28に示すように、ベース板60は、撓みが生じない程度に厚肉で形成されるので、例えば、第3張出部274に負荷が与えられた場合に、ベース板60の撓み変形により負荷を逃がす作用を期待することはできないが、第3張出部274の高さ位置は、張出部272,273よりも低い位置にあるので、衝突する球の勢いは比較的小さい。そのため、第3張出部274をベース板60の正面に配置する構成でも、第3張出部274が割れたり欠けたりする可能性を低くすることができる。
更に、衝突する球の勢いが比較的小さい箇所で、第3張出部274に衝突した球の勢いを過度に低下させると、球の流下が停止する可能性があることを考慮して、本実施形態では、第3張出部274をベース板60の正面に配置する構成を採用している。
また、第3張出部274の撓みは抑えられ、状態が安定していることから、センターフレーム86の左右側に振り分けられて、釘が植設されている遊技領域としての、センターフレーム86の左右側領域や下側領域に近い配置において、球の案内を安定化させることができるので、球の発射強度と、球の流下態様との対応を安定させることができる。
なお、第3張出部274が割れたり欠けたりすることを確実に避けるためには、球との衝突角度や、第3張出部274の形状等を、第3張出部274に与えられる負荷が小さくなるように(負荷が逃げやすくなるように)設計することが好ましい。第4張出部275〜第6張出部277についても、同様の設計思想を採用することが好ましい。
張出部272〜277を、ベース板60に植設される釘KG1の代替品として利用することの利点について説明する。特に、演出効果の向上を図ることができる。即ち、光透過性の樹脂材料から形成される張出部272〜277の場合、金属製の釘KG1に比較して、遊技者にとって目隠しとなる部分が少ない。
例えば、本実施形態のように、張出部272,273の背面側に電飾基板251や薄板部材290を配置する構成であっても(図27参照)、張出部272,273が光を透過させるので、電飾基板251に配設されるLED等の発光手段から照射される光や、薄板部材290に描かれた模様、図形、文字またはキャラクターを遊技者が視認し易いようにすることができる。
電飾基板251は、下側部中央位置に配置される4個のLEDから構成される中央発光手段251bと、その中央発光手段251bの左右側および上側を囲むように配設される7個のLEDから構成される周囲発光手段251cと、左右両端部付近に2個ずつ配設されるLEDから構成される遠方発光手段251dと、を備えており、図26において本実施形態における配置が隠れ線で図示される。各発光手段251b,251c,251dは、光の照射方向が必ずしも統一されておらず、光らせようとする対象がそれぞれ異なる。
中央発光手段251bは、光の照射方向が前方向(光軸が前後方向)であり、中央構成ユニット240の装飾部247の左右中央部におけるシンボルマーク(図26において白塗で図示)を照らす。そのシンボルマークの全体を淡く発光させるために、中央発光手段251bから照射される光の光軸を基準とした照射方向の幅角度が大きくなるように設計される。
周囲発光手段251cは、光の照射方向が前方向(光軸が前後方向)であり、帯状フレーム部245や、張出部272,273の縁部等、前後方向に幅を持つ部分に光を導入させるように配置されている。前後方向の幅が長い部分を通過した後において遊技者に視認される光が弱弱しくならないように、光のエネルギーを光軸に集めるために、周囲発光手段251cから照射される光の光軸を基準とした照射方向の幅角度は小さくなるように設計される。
これにより、光の明暗の付け方や、色の変化により、光の経路(帯状フレーム部245や張出部272,273を通過する光の経路)を直接的に目立たせ、その目立たせ方に差をつける演出を行うことができる。例えば、左右で光の明暗に差をつけることで、球を発射する方向を暗に示唆する発光演出を実行することができる。
例えば、第1張出部272の下縁部272aの後方に配置されている周囲発光手段251cのLEDは、第1張出部272の下縁部272aから、左右外側縁部272bに光を導光させるように配置されている。これにより、遊技者は、第1張出部272の光を目印に球を発射することで、第1張出部272の左右外側縁部272bに球を到達させ易くなる。光の光軸は第1張出部272の前後幅が長い位置を通過しており、第1張出部272の内部で光を全反射させ易くすることができる。
また、第1張出部272の内部形状は、後方が内側に突設されるように湾曲形成されているので、第1張出部272の内側に進行した光を第1張出部272の内部で繰り返し反射させ、第1張出部272の内側に光を集め易くすることができる。これにより、正面視において第1張出部272を周囲に比較して明るく発光させることができる。
図27に図示されるように、中央構成ユニット240の薄板部242の背面側に電飾基板251が配置される。本実施形態では、正面側で球が案内される範囲における上部連結部材270の背面において、ベース板60の肉厚部分(釘KG1を打ち込むために必要となる厚み部分)の厚み寸法内(前後方向寸法内)に電飾基板251を配置している。即ち、ベース板60の肉厚部分の背側面の前後位置よりも、電飾基板251の前後位置の方が正面側に設定される。
これは、球を案内するための部品としての釘KG1をベース板60に打ち込んでいる範囲においては、不可能な基板配置である。換言すれば、釘KG1が打ち込まれる範囲においては、ベース板60を十分に肉厚に形成せざるを得ないので、ベース板60の厚み寸法内(ベース板60の肉厚部分の背側面の前後位置よりも正面側)に電飾基板251を配置するスペースを確保することができない。
これに対し、本実施形態では、球を案内するための部品として、釘KG1ではなく薄肉の上部連結部材270を採用し、その背面にベース板60の中央開口60bを配置してベース板60の代わりに中央構成ユニット240の薄板部242を配置することで、球が案内される範囲の背面側において電飾基板251を配置するためのスペースを確保するようにしている。
これにより、電飾基板251をベース板60の背面側に配置せざるを得ない場合に比較して、電飾基板251の配置の設計自由度を向上することができると共に、電飾基板251の配置を前側に寄せることができる。
電飾基板251の配置を前側に寄せることで、遊技盤13の背面側に配置される動作ユニット500の回転演出装置800(図17参照)の配置を前側に寄せ易くすることができると共に、電飾基板251に配設される中央発光手段251bや周囲発光手段251cや、回転演出装置800に配設される光源が、前側に配置されることになるので、遊技者に視認させる光をより明るくすることができる。
遠方発光手段251dは、光の照射方向(光軸方向)が前後方向と交差する方向(図26において矢印で図示される方向)であり、左右外側に配設される張出部274〜276や、帯状フレーム部245や、外レール62等に光を照射するように配置されている。
これにより、強度確保のためにベース板60の板厚部分を形成し、その板厚部分の正面に張出部274〜276を配設する本実施形態のような構成であっても、遠方発光手段251dからの光照射を利用して張出部274〜276を十分に照らすことができる。
特に、本実施形態では、電飾基板251がベース板60の板厚後端よりも前端側に寄せられている(板厚寸法内に配設されている)ことから、遠方発光手段251dから前後方向と交差する方向に照射される光を、左右外側に離れた第5張出部276まで到達させ易くすることができる。
遠方発光手段251dからの光を受ける張出部274〜276の形状は、光量を確保し易くなるように形状が工夫されている。即ち、例えば、第3張出部274において、遠方発光手段251d側の側面274a(左右内側かつ上側の側面)が広く形成され、遠方発光手段251dからの光を面で受けるように形成されている。
また、遠方発光手段251dの反対側(左右外側かつ下側)においては、面と面との連結位置に角部274bが形成され、張出部274に形成されるカットをこの角部274bに光を集中させるような形状から形成している。これにより、遠方発光手段251dから離れた角部274bにおいても、発光強度を確保することができる。
なお、第6張出部277への光照射については、電飾基板251からの光照射ではなく、第6張出部277の正面視左右内側に配置される薄板部242(左右中央ではなく左右外側の薄板部242)を正面側へ透過する光により行っている。
また、第6張出部277の発光演出は、後述する回転演出装置800の回転部材810から照射される光によっても実行されるが、回転部材810から照射される光が正面側へ向かうための構成や、その強弱の設定については、後述する。
図20に戻って説明する。図20に示すように、センターフレーム86の下方に配設される入賞口63,64等は、光透過性の樹脂材料から形成される入賞口構成部材400の一部として形成される。
図29は、遊技盤13の分解正面斜視図であり、図30は、遊技盤13の分解背面斜視図である。図29及び図30では、入賞口構成部材400が分解された状態が図示される。
入賞口構成部材400は、遊技盤13の左右中央部においてベース板60に締結固定される中央構成部材410と、その中央構成部材410の下部を正面側から覆う形状で構成される覆設部材430と、中央構成部材410の左側に配置されベース板60に締結固定される左部構成部材450と、中央構成部材410の右側に配置されベース板60に締結固定される右部構成部材470と、を備える。なお、右部構成部材470は、左部構成部材450と概略左右対称形状で形成される。
中央構成部材410は、ベース板60に面で接触した状態で締結固定される平板状の本体板部411と、特定入賞口65aを構成する開口部として形成される横長開口412と、その横長開口412の左右側部に上方において球の流下経路を振分可能に張出形成される左右一対の振分部413と、その振分部413の上方において上側面が湾曲板状に形成されると共に球の流下経路を振分可能に正面側に突設される左右一対の湾曲状突設部414と、横長開口412の左右端部から左右外側に離れた位置に球を排出可能な大きさで穿設される左右一対のアウト口415と、を備える。
本体板部411は、左右両側において背面側から板厚を薄くするように凹設されるシート配設用凹部411aを備える。シート配設用凹部411aは、演出用のシート部材(薄板部材380)の外形に応じた形状で凹設され、そのシート部材の厚みと略同等の凹設深さで形成される。
振分部413と湾曲状突設部414との間の隙間は、球の直径よりも大きく形成される。これにより、振分部413と湾曲状突設部414との間の隙間を通して球を流下させることができるので、球の流下のランダム性を高めることができ、球への注目力を向上させることができる。
振分部413は、左右内側(第2入賞口140側)の側面から突設される複数の突条部413aを備える。突条部413aは、流下する球に当接することで球の流下速度を減速させるために設けられる形状部であり、突条部413aによる減速効果によって、特定入賞口65aの開閉板65bに球から与えられる衝突力を低減することができる。これにより、開閉板65bの破損を防止することができる。
湾曲状突設部414の湾曲面の下端部を通る湾曲面の接線HL1(図31参照)は、振分部413の左右内側側面(第1入賞口64側の側面)を通るように設計されている。そのため、湾曲状突設部414の湾曲面を下端部まで転動した球が、振分部413の左右内側側面に到達する事態が生じやすい。
覆設部材430は、光透過性の樹脂材料から形成され、薄板状に形成される本体板部431と、その本体板部431の左右側端部から左右内側部へ向けて延びる帯形状で背面側へ延設される左右一対の帯状部432と、その帯状部432の左右内側端部と連結されると共に鉛直方向に長尺の板形状で背面側へ延設される左右一対の鉛直板部433と、その鉛直板部433の上端部から左右内側へ向かう程に上昇傾斜する姿勢の長尺板形状で背面側へ延設される左右一対の傾斜板部434と、電動役物140aの回転角度を規制するように電動役物140aの下側において本体板部431から背面側に立設形成される立設部435と、を備える。
帯状部432、鉛直板部433、傾斜板部434及び立設部435は、覆設部材430が中央構成部材410に締結固定された状態において、その先端部が中央構成部材410の本体板部411に当接可能な長さで形成される。即ち、帯状部432、鉛直板部433、傾斜板部434及び立設部435により球の流下経路が変化されると共に、球の流下経路が振り分けられる。
帯状部432は、アウト口415の左右外側および下側に沿うように配設され、帯状部432に転動して流下する球は、アウト口415に案内され、遊技領域から排出される。
傾斜板部434は、アウト口415よりも特定入賞口65a側に配置されているが、上側面の傾斜方向がアウト口415側へ下降傾斜する方向なので、傾斜板部434に転動した流下する球も、アウト口415に案内され、遊技領域から排出される。
立設部435は、中央構成部材410と覆設部材430との組立状態(図17参照)において中央構成部材410の振分部413の左右内側に、球の直径以上の隙間を空けて配置される。これにより、振分部413と立設部435との間を球が流下可能となっている。
左部構成部材450は、無色透明の樹脂材料から形成され、ベース板60に面で接触した状態で締結固定される平板状の本体板部451と、その本体板部451の左部広範囲で正面側に張出形成される張出部453と、その張出部453との間に球が通過可能な大きさの隙間を空けて左端部が配置される板状部であり、右側へ向かうほど下降傾斜する形状から形成される天井板部455と、その天井板部455よりも下側において一般入賞口63へ球を案内可能な形状で形成される複数の球案内部457,459と、を備える。
天井板部455は、張出部453と天井板部455との間の隙間を通過した球のみが球案内部457,459を流下可能となるようにするために、途中で分断されることない板状に形成される。
左部構成部材450の背面側および右部構成部材470の背面側には、背面側から板厚を薄くするように凹設されるシート配設用凹部451b,471bが形成される。シート配設用凹部451b,471bは、演出用のシート部材(図示せず)の外形に応じた形状で凹設され、そのシート部材の厚みと略同等の凹設深さで形成される。なお、このシート部材の装飾の例は、薄板部材380における説明で代用する。
図31は、図18の範囲XXXIにおける遊技盤13の拡大正面図である。張出部453と天井板部455との間の隙間を通過せず、天井板部455の上面を転動して流下する球は、案内部457,459へ案内されることはなく、中央構成部材410側へ案内されるように流下する。左部構成部材450や中央構成部材410の上流側からの球の流下経路について説明する。
図31に示すように、ベース板60に植設される複数の釘KG1は、左右方向内側へ向かう程に下降傾斜する直線に沿って球の直径未満の隙間を空けて並べられることで、左右中央側へ向かって流下する球の道筋(主経路FL1)が形成される一方、所々で球の直径を超える隙間を空けていることで、その隙間を通過して主経路から外れる球の脱落経路FL2,FL3が形成される。
天井板部455は、球が上面を転動可能となるように形成されるが、天井板部455を転動する球の転動速度は、主経路FL1から下方へ脱落するタイミングにより異なる。詳述すると、主経路FL1から脱落経路FL2に球の経路が変化する場合、球の流下速度は、主に左右方向を向く状態から、主に上下方向を向く状態に切り替えられる。
そして、天井板部455に到達してから再び速度が左右方向を向く状態に切り替えられるので、天井板部455に球が到達するタイミングが早いほど(流下経路の上流側であるほど)、天井板部455を流下する際の球の転動速度(勢い)が大きくなり、遊技領域の左右内側(特定入賞口65a側)に到達し易い。
また、天井板部455の上面の左右内側端部(下端部)は、隣り合う湾曲状突設部414の上端部よりも上方に配置されていることから、天井板部455を転動し左右内側に過ぎる球が湾曲状突設部414の左右外側側面にせき止められることを回避し易い。
天井板部455を流下する際の球の転動速度を大きくし、その速度のまま特定入賞口65aに到達すると、球から開閉板65bに大きな衝撃力が伝えられることによる開閉板65bの破損が危惧されるが、本実施形態では、開閉板65bまでの球の流下経路に突条部413aが配設されており、球の流下速度を減速させている。
加えて、突条部413aの左右内側には立設部435が対向配置されており、複数の球が横並びで流下することを防止している。これにより、突条部413aと立設部435との間で球詰まりが生じることを回避することができる(整流作用)と共に、球が開閉板65bに同時に着地する事態の発生を回避し易くすることができることから開閉板65bの破損を防止し易くすることができる(耐久性向上)。
このように、球の流下速度が落とされつつ、球の流下経路が制限されている。これにより、開閉板65bに球が衝突する際に生じる衝突力を低減することができるので、開閉板65bが破損する不具合の発生を抑制することができる。
なお、本実施形態では、突条部413aは立設部435を基準として左右対称位置に配置されるので、左右一対の突条部413aと立設部435とにより形成される一対の流下経路において、球が同時に流下した場合には、開閉板65bに複数の球が同時に着地することは生じ得る。
そのため、特別遊技状態において、球を左右に打ち分けることにより、特定入賞口65aに複数の球を同時に入球させ易くすることができる。これにより、特別遊技状態の進行が遅くなりすぎる事態を回避し易くすることができる。
天井板部455の上面は左右に幅広の傾斜面として形成されているので、天井板部455で複数の球を同時に受け入れることができ、それらの球を整列させた状態で勢いよく左右内側(特定入賞口65a側)に流すことができる。
そして、左右内側に流された球は振分部413の左右内側(突条部413aが形成される側)を順番に通り、開放状態の開閉板65bに順番に到達する。このように、本実施形態によれば、開閉板65bに到達する球の道筋が振分部413の左右内側を通る道筋にまとめられているので、開閉板65bの上流側において球同士が衝突して、球が特定入賞口65aから逸れてしまう事態の発生を抑制することができる。
更に、振分部413の突条部413aに当接しながら流下し開閉板65bに到達する位置よりも、特定入賞口65a及び開閉板65bの左右端が左右外側に位置するように設計することで、開閉板65bの上で球同士が衝突して左右に跳ねた場合であっても、球が開閉板65bの上面に乗っている状態を依然として維持することができる。従って、開閉板65bから球が零れる事態の発生を抑制することができる。
なお、球が開閉板65bの左右端部から密に複数個滞留した場合であっても、本実施形態では傾斜板部434の下方に空間が形成されており、球を開閉板65bの左右外側に流せるようになっているので、振分部413の左右内側を通る球の経路が詰まる事態は回避することができる。
本実施形態では、天井板部455と湾曲状突設部414との間に球の直径を超える隙間を配置することで、この隙間を通る球の流下を許容している。例えば、天井板部455を転動し流下する球が、内側脱落経路FL3を通り流下する球に衝突すると、天井板部455を転動してきた球が左右方向速度を低下され、天井板部455と湾曲状突設部414との間の隙間に入り込み易い。
主経路FL1を流下する球が、外側脱落経路FL2で流下する頻度や、内側脱落経路FL3で流下する頻度は、釘KG1の状態(汚れの付着、生産ロット)により変わり得る。そのため、対策なしでは、釘KG1の状態により遊技効率や遊技利益が左右され、平等な条件での遊技を提供することができない。
これに対し、本実施形態では、外側脱落経路FL2を通り天井板部455を転動する球の方が、内側脱落経路FL3で流下する球よりも高頻度で生じる場合、第1入賞口64まで到達する球が少なくなるので、抽選を受けて大当たりを目指す遊技状態(通常状態、時短状態、高確率状態など)の場合には不利だが、特定入賞口65aが開閉する大当たり遊技状態では、天井板部455と湾曲状突設部414との間の隙間に球が入り込む可能性を少なくでき、天井板部455に到達したほとんどの球を特定入賞口65aへ案内することができるので、遊技効率を向上させることができる(例えば、大当たり遊技に要する時間を短縮できる)。
一方、内側脱落経路FL3を流下する球の方が、外側脱落経路FL2を通り天井板部455を転動する球よりも高頻度で生じる場合、第1入賞口64まで到達する球は多くなるので、抽選を受けて大当たりを目指す遊技状態(通常状態、時短状態、高確率状態など)の場合には有利だが、特定入賞口65aが開閉する大当たり遊技状態では、天井板部455を転動して流下する球の経路に内側脱落経路FL3から下方へ流下した球が衝突し、天井板部455と湾曲状突設部414との間の隙間に落下する球や、振分部413と湾曲状突設部414との間の隙間を通過してアウト口415側へ流れる球が頻発する。これにより、特定入賞口65aから逸れる球が増えるので、大当たり遊技の遊技効率は低下することになる。
このように、本実施形態では、外側脱落経路FL2を通り天井板部455を転動する球の発生頻度と内側脱落経路FL3を流下する球の発生頻度との大小関係が切り替わると、遊技状態として有利な状態と不利な状態とが切り替わるのであって、遊技者が一方的に有利になったり、一方的に不利になったりするものではなくなるように設計されている。
即ち、釘KG1の状態が異なることは許容しながら、どのような釘KG1の状態であったとしても、ある状態では遊技者に有利となり、他のある状態では遊技者に不利となる関係を保つようにすることで、平等な条件での遊技の提供を図っている。
外側脱落経路FL2で流下して、天井板部455の左端部において上方向に延設される延設板部455aと、その延設板部455aと対向配置される張出部453の左右内側において左右外側下方へ向けて湾曲形成される側壁部453aとの間を流下する球の流下経路について説明する。
この流下経路へ球が案内される割合は、近接する釘KG2の状態(球が流下する位置における間隔)により、変動する。釘KG2は、球の衝突や、遊技機店の店員が触れること等により、状態が変動する場合がある。
また、釘KG2の直前まで球が到達するか割合は、球が側壁部453の上面を転動するかによって変動する。球が側壁部453の上面に到達するかどうかは、側壁部453の上方に配置される風車FS1の状態によって変動する。風車FS1も、回転軸が釘KG2と同様にベース板60に打ち込まれているので、球の衝突や、遊技機店の店員が触れること等により、状態が変動する場合がある。
延設板部455aと側壁部453aとの間の流下経路の真下には第1球案内部457が配設されているので、通常は、流下した球は第1球案内部457を通り遊技領域から排出される。第1球案内部457は一般入賞口63を構成しており、第1球案内部457に球が案内されると、遊技者に対して賞球の払い出しが実行される。
本実施形態では、延設板部455aと側壁部453aとの間を球が真下に流下する場合、その球は、8割の確率で第1球案内部457に入球し、1割の確率で左に逸れ、1割の確率で右に逸れるように構成されている。なお、この割合は、延設板部455a及び側壁部453aの形状(傾斜や間隔等)や、第1球案内部457の配置により、異なるように設計することが可能である。
これに対し、例えば、第1球案内部457に到達した球が未だ第1球案内部457に留まっている間に、次の球が第1球案内部457に到達した場合には、次の球は第1球案内部457の左右に逸れて流下し易くなる。また、例えば、第1球案内部457へ向けて複数の球が集まった状態で流れると、その複数の球の内の数個は第1球案内部457の左右に逸れて流下し易くなる。
第1球案内部457から左右外側に逸れると、その下流側には入賞口は配設されておらず、アウト口415から排出される。一方、第1球案内部457から左右内側に逸れると、第1球案内部457から左右内側へ突設される傾斜案内部458を転動して第2球案内部459に到達し得る。第2球案内部459は一般入賞口63を構成しており、第2球案内部459に球が案内されると、遊技者に対して賞球の払い出しが実行される。
第1球案内部457に球が案内されることに伴って払い出される賞球個数と、第2球案内部459に球が案内されることに伴って払い出される賞球個数とは、任意に設定可能であるが、本実施形態では、下流側に球が案内された方が払い出される賞球個数が多くなるように設定している。
即ち、第2球案内部459に球が案内されることに伴って払い出される賞球個数の方が、第1球案内部457に球が案内されることに伴って払い出される賞球個数よりも多くなるように設定されている。
これにより、天井坂部455の左端よりも左側に球が流下した場合に、その球が第1球案内部457には入らずに、右側(第2球案内部459側)に逸れることを、遊技者が望むような遊技性を作ることができ、左部構成部材450への注目力を向上させることができる。
例えば、第1球案内部457に球が案内されることに伴い、賞球が1個払い出されるよう設定される場合には、第1案内部457へ向かう球が、左右外側(図31左側)に逸れると遊技者の手持ちの球数が減り、第1案内部457に案内されると球数は現状維持(発射1個に対して賞球1個)、左右内側(図31右側)に逸れると第2球案内部459に球が案内されて賞球(1個よりも多い個数、一般的に、2個〜15個)が払い出されることにより、手持ちの球数が増える可能性があるという遊技性を構成することができる。
これにより、第1案内部457付近の球の流れと遊技者が得られる利益の大小とを分かり易く対応づけることができるので、第1案内部457付近の球の流れに対する注目力を向上させることができる。
第1案内部457の右方に延びる傾斜案内部458は、樹脂材料から形成されているので、曲げなどが生じた場合には容易に折れ損する。そのため、釘KG1と異なり状態の変化が把握し易い。折れ損した状態を把握できれば、部材を交換するまでパチンコ機10を稼働停止することで、遊技者が不測の不利益を被ることを回避することができる。
本実施形態では、傾斜案内部458を転動した球が第2球案内部459に高確率で案内されるように、種々の形状的工夫がされている。第1に、第2球案内部459の左上位置において天井板部455の下面側に膨らむ膨出部456が形成される。
傾斜案内部458の上面を転動開始し、上下への跳ねが十分には収まっていない球は膨出部456に左右方向で当接することになり、球の速度方向が下方に向き変えられる。これにより、傾斜案内部458の上面を転動した球が、勢いのままに第2球案内部459の右側へ逸れることを防止することができる。
第2に、傾斜案内部458が、第2球案内部459との間の左右方向間隔が球の半径よりも短い間隔となると共に、第2球案内部459との間の上下方向間隔が球の直径よりも短い間隔となる位置まで第2球案内部459側へ張り出している(傾斜案内部458と第2球案内部459との間の球の通過を許容しない寸法関係で形成されている)ので、傾斜案内部458により、第2球案内部459の左側へ球が逸れることを防止し易くすることができる。
入賞口構成部材400は、樹脂成形部材であり、ベース板60への組み付けは締結ネジによる締結固定なので、不良が生じた場合の交換は、釘KG1を交換(打ち直し)する場合に比較して容易である。
例えば、釘KG1が折れた場合には長期間に亘り遊技機の稼働を停止することになる可能性が高いところ、通常、釘KG1の打ち込みは一本ごとに打ち込むのではなく、多数の釘KG1を自動機で打ち込むことから、一部の釘KG1が折れたからといって釘KG1を打ち込み直すことは容易では無い。
そのため、修復のためには、遊技盤全体の取り換えが必要になることが多いが、取り替え費用を賄えないと判断した場合には、釘KG1の他に故障している箇所が無いにも関わらず、再稼働することなく倉庫にしまわれる可能性がある。即ち、メンテナンス性および遊技機の稼働期間向上の観点から改良の余地があった。
本実施形態では、釘KG1の不良が極力生じないようにするために、上下方向に落下してくる球の受け止めを左部構成部材450の張出部453で行い、受け止めた球を張出部453の上面で左右に転動させることで上下方向の勢いを低減してから、その下流側の釘KG1に当接させるようにしている。これにより、球から釘KG1へ与えられる負荷を低減することができ、釘KG1の不良の発生を抑制することができる。
また、外側脱落経路FL2の左右外側に配置される釘KG1に着目すると、その左右外側は張出部453に覆われているので、これらの釘KG1に球が左右外側から衝突することはない。そのため、釘KG1がランダムな方向から負荷を受ける場合に比較して、釘KG1が折れるまでの期間を長くすることができる。
左部構成部材450の正面側を流下した球はアウト口415を通りベース板60の背面側に排出される。この時、鉛直板部433により左右内側(開閉板65bに近接する側)への球の通過が規制されていることから、アウト口415を通らずに、開閉板65b側へ球が流れることを防止することができる。
そのため、開閉板65bの回動軸は左部構成部材450側から球が流れ込むことを防止することができるので、球詰まりに対する対策として開閉板65bと内レール61との間を常に球が通過可能に空けておく必要が無く、内レール61と開閉板65bの回動軸(下縁部)との上下間隔を球の直径未満に設定することができる。
また、そのように構成したとしても、開閉板65bに乗っていた球が左右に零れた場合には、鉛直板部433と開閉板65bとの間に仮置きすることができ、開閉板65bが閉鎖状態となれば、球の流下経路を遮っていた開閉板65bが球の流下経路から退避するので、仮置きされていた球はアウト口71へ向けて流下することになる。従って、球詰まりが生じる可能性を低くすることができる。
図32は、図31のXXXII−XXXII線における遊技盤13の部分断面図である。左部構成部材450の本体板部451は、左右内側縁部からベース板60の前面に沿って薄肉板状(本体板部451の厚みよりも薄い板状)で延設される延設部451aを備え、中央構成部材410の本体板部411は、左右外側縁部から正面側側面に沿って延設される覆設延設部411bを備える。
本実施形態では、覆設延設部411bとベース板60とにより延設部451aが挟持される。これにより、挟持される側である左部構成部材450の左右内側端部から固定用の締結ネジを取り払うことができるので、その分、左部構成部材450に装飾を施す場合に締結ネジの存在が目立ってしまうことで演出効果を低下させるという不具合を生じさせないようにし易くすることができる。加えて、部材を締結固定するための締結ネジの本数を削減することができるので、組立の工数や、材料コストを削減することができる。
延設部451aをベース板60との間で挟持している状態における覆設延設部411bの前端部の前後位置は、本体板部451の前端部の前後位置よりも背面側に位置している。これにより、本体板部451の前面側を流下する球が本体板部411の前面側へ向けて流れる際に、覆設延設部411bの前端部と球とが衝突して、球が左右外側に跳ね返される事態の発生を防止することができる。
図33は、振分ユニット300の分解正面斜視図であり、図34は、振分ユニット300の分解背面斜視図である。図33及び図34に図示されるように、振分ユニット300の内部には上述した振分け部983が回転可能な状態で配設されており、第1入賞口64を通り振分ユニット300の内部に案内された球が交互に左右に振り分けられるように構成される。
振分ユニット300は、背面側から振分け部983が回転可能な状態で配設される部材であって第1入賞口64を通過した球を左右に振分けて流下させる流下経路を構成する第1構成部材310と、第1入賞口64を通過した球が後方に流下する経路の天井を構成する天井構成部材330と、第1構成部材310と共に振分け部983の軸部材988aを両持ちで支持すると共に振分け部983に当接して流れる球の背面側への脱落を規制する第1補助部材340と、第1構成部材310の下流側から後方に排出された球の排出経路を構成する第2構成部材350と、その第2構成部材350が締結固定される部材であって第2構成部材350により構成される排出経路の後方および上方を覆うように配設され第1構成部材310に締結固定される左右一対の第2補助部材370と、第1構成部材310の正面側に配置され第1構成部材310と中央構成部材410の本体板部411との間に左右一対で配設される薄板部材380と、を備える。
第1構成部材310は、無色半透明の樹脂材料から形成され、前後方向と直交する面に沿って形成される板状の中央板部311と、その中央板部311の上端から正面側に延設される延設板部313と、中央板部311の背面側に延設され左右外側へ向けて下降傾斜する方向に帯状に延びる一対の傾斜延設部315と、その傾斜延設部315の左右外側端部に連接され球の流下方向を切り替える(本実施形態では左右方向から前後方向に90度切り替える)一対の方向切替部317と、中央板部311の正面側において球が通過可能な大きさの開口が左右に複数並べられる左右一対の開口形成部320と、を備える。
中央板部311は、延設板部313の後端部の真下において、振分け部983を軸支する軸部材988aの一端が挿入される略円筒状の軸受部312を備える。軸受部312は軸部材988aの外径よりも大きい内径に形成される。
延設板部313は、左右中央部に沿って上端面が後方へ向かうほど下降傾斜する突条として形成され球の転動路を形成する突条部313aと、左右縁部から立設され球を後方に案内する左右一対の壁状部314と、を備える。
傾斜延設部315を流下する球は、第2補助部材370の前板部371に背面側への脱落を規制されながら、左右外側に流下する。なお、第2補助部材370は、検出装置SE3の抜け止め用の部材としても利用される。
方向切替部317は、傾斜延設部315の左右端部の左右外側において傾斜延設部315よりも一段下がった位置で球が転動可能な板面として形成され正面側へ向けて下降傾斜する傾斜面部318と、その傾斜面部318の後側縁部および左右外側縁部から立設され球を正面側に案内可能な形状で正面側へ向けて湾曲形成される立設湾曲部319と、を備える。
開口形成部320は、検出装置SE3が背面側から挿通されるセンサ配置用開口321と、そのセンサ配置用開口321の左右側面に沿って正面側に延設され検出センサSE3の左右端部を支持する左右一対の支持延設部322と、その支持延設部322の間において球が通過可能に開口形成される入賞用開口部323と、支持延設部322を基準とした入賞用開口部323の左右反対側において球が通過可能に開口形成される一対の排出用開口部325と、入賞用開口部323及び排出用開口部325を通過した球を受け止めて背面側へ案内可能な形状で底面部が後方へ向けて湾曲形成される底面構成部327と、その底面構成部327の上面側を仕切るように支持延設部322の下縁から底面構成部327に向けて延設される一対の仕切り壁部328と、を備える。
センサ配置用開口321に検出装置SE3を挿通する際に、検出孔SE1aが入賞用開口部323の内側に配置されるように設計されている。支持延設部322の前縁部から突設される位置決め突部322aと検出装置SE3の前端部とが当接することで検出装置SE3の前後位置を容易に位置決めすることができる。
方向切替部317を通過し開口形成部320に到達した球は、入賞用開口部323又は排出用開口部325のいずれかを通過して、底面構成部327の上面を転動して背面側へ案内される。各転動経路は仕切り壁部328によって分断されているので、底面構成部327の上面で球が交差したり、衝突したりする可能性を低くすることができる。これにより、球の流れを整流化することができるので、球詰まりや、球が停滞することを防止することができる。
底面構成部327の上面を転動する球の内、入賞用開口部323を通過した球は検出装置SE3に通過を検知される。一方、排出用開口部325を通過した球は検出装置SE3には通過を検知されない。なお、いずれにしても、底面構成部327の上面を転動した球は、球の排出を検知する検出装置(図示せず)に検知された後、図示しない球排出路へと案内される。
図示しない球排出路へは、球は第2補助部材370に背面側への脱落を規制されながら、第2構成部材350の転動面351を左右内側へ向けて転動し、左右それぞれに配設される共通落下流路352を流れて案内される。
第2補助部材370は、傾斜延設部315の背面側に開いている空間に蓋をして球の脱落を防止する前板部371と、第2構成部材350の転動面351及び共通落下流路352に沿って流下する球の流下経路の上面側および背面側を塞いで球の脱落を防止する後板部372と、第1構成部材310の締結部329に螺入される締結ネジを挿通可能に前板部371に穿設される挿通孔373と、第2構成部材350の締結部353に螺入される締結ネジを挿通可能に後板部372に穿設される挿通孔374と、を備える。
なお、第2構成部材350及び第2補助部材370を形成する材料は任意に設定可能であるが、本実施形態では、第2構成部材350を有色不透明の樹脂材料から形成し、第2補助部材370を無色透明の樹脂材料から形成している。
これにより、共通落下流路352を流れる球の視認性を落とし排出された球に対する注目力を下げることができると共に、第2補助部材370の背面側から光を取り入れることができるので、取り入れられる光によって手前側に配設される第1構成部材310を明るく照らすことができ、第1構成部材310を流下する球の視認性を向上することができる。
薄板部材380は、本体板部411のシート配設用凹部411a(図30参照)に収容されることで位置決めされる。このように位置決めされた状態で、遊技盤13の組立が行われ、薄板部材380は本体板部411と第1構成部材310とに前後方向で挟持される。
第1入賞口64に入球した球の流下の過程における前後左右の変位(配置変化)について説明する。まず、第1入賞口64に入球した球は、延設板部313に沿って後方に変位する。その後、第1実施形態で説明した振分け部983の回転変位によって左右に振り分けられ、傾斜延設部315に沿って左右外側へ変位する。
その後、方向切替部317によって流下方向を正面側へ切り替えられ、前方に変位する。球の流下方向を切り替えるための湾曲面が形成される案内部が流下する球の正面側に配置される場合には、その案内部が球への視線を遮り易く、視認性が低下する可能性があるが、本実施形態では、案内部としての立設湾曲部319は球の背面側に配置されるので、立設湾曲部319が球への視線を遮る可能性は低い。これにより、球の視認性を確保し易くすることができる。
その後、入賞用開口部323を真下に流下する球は、検出装置SE3に検知された後で、底面構成部327に沿って後方へ変位する。また、入賞用開口部323の上方において左右いずれかに変位し、排出用開口部325の真上に到達した球は、排出用開口部325を通過して底面構成部327に沿って後方へ変位する。
このように、本実施形態では、第1入賞口64に入球した球の配置を、入球当初は後側に寄せ、左右に流し、検出装置SE3を通過する直前で手前側に寄せるようにしている。これにより、第1実施形態の構成に比較して、振分け部983の配置を後方に寄せることができると共に、延設板部313の下側にスペースを空けることができる。
この空いたスペースは、第2入賞口140の電動役物140aを動作させるための駆動機構を配置するためのスペースとして利用することができる。これにより、本実施形態では、第1実施形態に比較して、第2入賞口140の配置を第1入賞口64に近づけることができる。
また、振り分けられた後の球が流下する経路を、前後方向へ経路を切り替えるようにして構成することで、流路を一貫して上下方向に並べて構成する場合(例えば、振分ユニット980で上述した構成の場合)に比較して、流路の正面視における上下幅を短縮することができる。これにより、第1入賞口64に対する検出装置SE3の相対的な上下配置の設計自由度を向上することができる。
図35は、図18の範囲XXXVにおける遊技盤13の部分拡大正面図である。図35では、中央構成部材410及び薄板部材380が半透明に図示され、振分ユニット300が視認可能とされる。また、図35では、説明の便宜のために、電動役物140aの閉鎖状態および開放状態における外形が共に図示されている。なお、図35の説明では、図33及び図34を適宜参照する。
薄板部材380は、光透過性の樹脂材料から薄板状(シート状)に形成される部材であって、中央構成部材410を介して遊技者が視認可能となる部材である。敢えて図示はしないが、本実施形態では、薄板部材380の板正面に模様、図形、文字またはキャラクターが色彩豊かに描かれており、照射される光の態様の違い(色味や明暗の態様の違い)に応じて、薄板部材380を通して視認される色彩や明暗の態様が様々に変化する。
模様、図形、文字またはキャラクターをベース板60に直接描く場合と異なり、本実施形態によれば、薄板部材380を取り外せば薄板部材380に描かれた模様、図形、文字またはキャラクターを遊技盤13から取り去ることができるので、遊技盤13の見映えを容易に異ならせることができる。
例えば、遊技盤13の形状は同じものを流用しながら、遊技性を変える場合に(所謂、スペック違い)、遊技盤13に描かれる模様、図形、文字またはキャラクターや、色彩等を異ならせて、遊技者が遊技性を把握し易いようにする場合がある。
模様、図形、文字またはキャラクターがベース板60に直接描かれている場合には、ベース板60ごと取り替える必要が生じるので、実質、遊技盤13全体を取り替えることになり易く、遊技性変更にあたりコストが嵩み易い。
一方、本実施形態によれば、薄板部材380を、描かれる模様、図形、文字またはキャラクターや、色彩等が異なる別の薄板部材380と交換することで足りるので、遊技盤13全体を取り替える必要は無い。従って、遊技性変更のためのコストを抑制し易くすることができる。
薄板部材380に施す装飾の態様は何ら限定されるものではなく、種々の態様が例示される。例えば、検出装置SE3の上方において無色透明な範囲を形成することで傾斜面部318を転動する球の視認性を向上させ、その他の部分においては図形や模様を密に描画して装飾性を向上させるようにしても良い。また、例えば、正面視で入賞用開口部323や、排出用開口部325に対応する箇所に数字等で目印をそれぞれ描き、どの目印に近接して球が流下したかによって遊技者が得られる利益を把握し易くするようにしても良い。
薄板部材380は、貫通孔60aよりも左右外側に張り出すように大きな形状で設計されており、ベース板60と中央構成部材410の本体板部411との間に挟まれるようにして配設される。
本実施形態では、薄板部材380の後端面と、第1構成部材310の前端部(例えば、支持延設部322の前端部)とが当接するように配置される。即ち、検出装置SE3が薄板部材380と近接配置されるので、検出装置SE3の検出孔SE1aを遊技者側に寄せることができる。これにより、検出装置SE3を通過する球の視認性を向上することができ、検出装置SE3を通過する球を見逃す事態が発生することを回避し易くすることができる。
また、検出装置SE3は、正面視において電動役物140aよりも左右外側に配置されており、電動役物140aに隠されることが無い。これにより、球の流下経路が電動役物140aに隠される場合(図5参照)に比較して、電動役物140aの状態(開放状態、閉鎖状態)に関わらず、検出装置SE3を通過する球の視認性を向上させることができる。
また、検出装置SE3は、中央構成部材410の本体板部411よりも後方に配置されているので、本体板部411の正面側における球の流下態様に影響を与えるものではない。即ち、検出装置SE3が本体板部411よりも前側(ベース板60の前端面よりも前側)に張り出して配置される場合に比較して、遊技領域の設計自由度を向上させることができる。
強度の関係で、本体板部411に釘を配設することはされないが、本実施形態では、釘の代替品として振分部413や湾曲状突設部414により球の経路を振り分けるよう構成されている。これにより、本体板部411の正面側における球の流下経路が単調となることを回避することができる。
検出装置SE3の検出孔SE1aを通って検出装置SE3に検知される球(入賞用開口部323を通過する球)と、排出用開口部325を通過する球とは、双方共に、傾斜面部318を転動して正面側へ変位する経路を通る。そのため、傾斜面部318に到達した球の個数と、検出装置SE3に検知される球の個数とには、差異が生じる場合がある。
傾斜面部318により球が手前側に変位することで球の視認性を向上することができるものの、入賞用開口部323を通ったのか、排出用開口部325を通ったのかの識別がし難い構成では、球が検出装置SE3を本当に通っていないのか、検出装置SE3を通っているのに検知不良が生じているのかの判別ができず、遊技者が不満を感じる可能性があった。
これに対し、本実施形態では、傾斜面部318から入賞用開口部323を通過する球は、入賞時流下経路FL31に沿って、正面視で下方へ流下するように視認されるのに対し、傾斜面部318から排出用開口部325を通過する球は、非入賞時流下経路FL32に沿って、正面視における流下方向が下向きから左右向きに90度切り替えられる。
即ち、球の流下方向に左右方向成分があるか、否かで、球が検出装置SE3を通過するか、否かの判別を行うことができるので、球の通過箇所を見間違う可能性を低くすることができる。これにより、検出装置SE3の検出孔SE1aを球が通過したか否かの判別を容易とすることができる。
入賞時流下経路FL31に沿って流下する遊技球も、非入賞時流下経路FL32に沿って流下する遊技球も、正面視において振分部413や湾曲状突設部414の付近を流下することから、その流下経路は特定入賞口65aへ向けて流下する遊技球の流下経路と重なるように視認される。
そのため、傾斜面部318を経て流下する遊技球が、あたかも特定入賞口65aへ向けて流下しているように遊技者に見せることができる。遊技者は、発射した遊技球の内、開閉板65bの上方までは到達したが特定入賞口65aに入らなかった遊技球(開閉板65bが閉鎖状態の時に通り過ぎた遊技球)の個数を、アウト口71に向けて内レール61を転動する遊技球を目視で確認して把握することが多い。しかし、傾斜面部318を経て流下する遊技球は入賞時流下経路FL31又は非入賞時流下経路FL32を流下した後は底面構成部327(図34参照)に沿って後方に流されるので、遊技球はアウト口71の手前には登場しない。
これにより、大当たり遊技実行中において第1入賞口64に入球した遊技球を、特定入賞口65aへ向けて流下しているように見える遊技球の個数に加算させることができるので、第1入賞口64に入球した遊技球の個数に関わらず、発射した遊技球のほとんどが特定入賞口65aに入球しているように錯覚させることができる。
更に、傾斜面部318を経て流下する遊技球と、実際に特定入賞口65aへ向けて流下している遊技球とは、配置が薄板部材380により前後で分断されているので、互いに衝突することは無い。これにより、特定入賞口65aへ向けて流下している遊技球の流下を阻害することなく、上述の錯覚を生じさせることができる。
なお、本実施形態では、非入賞時流下経路FL32が左右方向に流れる流路として形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、検出装置SE3へ向けて傾斜面部318を流下した球が流れる経路において本体板部411及び薄板部材380に開口が前後方向に穿設されるように構成し、この開口を通ることで、非入賞時流下経路FL32が正面側に球が流れる流路として形成しても良い。
即ち、非入賞時流下経路FL32を流れる球が、本体板部411の正面側に再び戻り、アウト口71へ向けて流下するようにしても良い。この場合、開閉板65bが開放状態となっていれば、非入賞時流下経路FL32を流れた球が開閉板65bに拾われて、特定入賞口65aに入球し得る。
即ち、第1入賞口64に入球した球が本体板部411の前側に再び戻った後で、特定入賞口65aに入球し得るという遊技性を構成することができるので、第1入賞口64に入球した球に対する注目力(特に、開閉板65bが開閉動作する大当たり遊技中における注目力)を向上させることができる。
次いで、遊技盤13の背面側に締結固定される動作ユニット500(図17参照)の構造について説明する。動作ユニット500は、遊技盤13のベース板60(図2参照)に背面側から締結固定される。
図36、図37、図38及び図39は、動作ユニット500の正面図である。図36では、動作ユニット500の内部動作ユニット600の退避状態が図示され、図37では、内部動作ユニット600の中間状態が図示され、図38では、内部動作ユニット600の張出状態が図示され、図39では、内部動作ユニット600の一の動作誤差限界状態が図示される。
本実施形態において、退避状態は、内部動作ユニット600の発光動作演出ユニット700が上下動作範囲の上側端位置に配置された状態であり、中間状態は、発光動作演出ユニット700が退避状態から前後傾倒方向の姿勢が維持されたまま動作可能な範囲の下側端位置に配置された状態であり、張出状態は、発光動作演出ユニット700が上下動作範囲の下側端位置に配置され、回転演出装置800の回転軸RJ1が前後方向を向いた状態である。
中間状態から張出状態への状態変化では、発光動作演出ユニット700の前後方向の姿勢変化(傾倒動作)が生じる。この姿勢変化は、所定の回転軸線(後述する中心軸J1)を中心とする回転動作として実行される。
本実施形態において、一の動作誤差限界状態は、発光動作ユニット700に設計上許容される左右方向の傾きが限界となった状態の内の一つの状態である。図39では、便宜上、発光動作ユニット700の右側部が退避状態と同じ位置に配置され、左側部が下方に位置ずれした状態として図示される。本実施形態では、一の動作誤差限界状態の傾斜角度を保ったまま、発光動作ユニット700を上下方向に動作させることが可能となるように、動作ユニット500が構成されているが、詳細は後述する。
図36に示すように、内部動作ユニット600の退避状態では、回転演出装置800の回転部材810は、装飾用の図形や模様が形成される装飾板811を正面側へ向けた姿勢とされる。
装飾板811に形成される図形や模様は、図37に示すように、背面ケース510の底壁部511に形成される図形や模様と関連する態様で形成され、内部動作ユニット600の中間状態において一体的に視認される(放射状に延びる直線形状および左右外側に形成される波模様の内、直線形状も含めて回転部材810に形成された状態で視認される)。
即ち、装飾板811に形成される図形や模様を、底壁部511と一体的に視認される図形の一部として設計することができるので、回転部材810の大きさが、回転部材810に形成される図形や模様を限定することを避けることができる。
また、図38に示すように、内部動作ユニット600の張出状態においては、発光動作演出ユニット700が前転方向に傾倒し、発光動作演出ユニット700の本体部材710に形成される図形や模様が正面視で視認される。
この図形や模様についても、背面ケース510の底壁部511に形成される図形や模様と関連する態様で形成され、内部動作ユニット600の張出状態において一体的に視認される(放射状に延びる直線形状および左右外側に形成される波模様の内、直線形状は底壁部511のみに形成され、本体部材710には波模様が形成された状態で視認される)。
即ち、本体部材710に形成される図形や模様を、底壁部511と一体的に視認される図形の一部として設計することができるので、本体部材710の大きさが、本体部材710に形成される図形や模様を限定することを避けることができる。
退避状態から張出状態へ向けて発光動作演出ユニット700は上下方向に変位するので、固定の底壁部511との関係において、退避状態で図形や模様が一体的に視認される状態から、底壁部511に形成される図形や模様と、回転部材810に形成される図形や模様とが、ずれ始める。
このずれは、上下方向の変位量が大きくなるほど目立つことになる。これに対し、本実施形態では、張出状態において発光動作演出ユニット700が傾倒変位することで遊技者に視認させる面を切り替え、底壁部511と一体的に視認される図形や模様を新たに遊技者に視認させることができる。従って、底壁部511に形成される図形や模様と、上下方向に変位する発光動作演出ユニット700(本体部材710、回転部材810)に形成される図形や模様とを、退避状態および張出状態において一体的に視認させるよう構成することができる。
ここで説明した発光動作演出ユニット700の上下方向変位中に、発光動作演出ユニット700の正面視における外形が変化する。これにより、単一の演出ユニットを、あたかも複数の異なる演出ユニットのように錯覚させることができ、動作演出の設計自由度を向上させることができる。
図40は、動作ユニット500の分解正面斜視図であり、図41は、動作ユニット500の分解背面斜視図である。なお、図40及び図41では、背面ケース510の開口511aに配設される液晶表示装置(第3図柄表示装置81)の図示が省略され、開口511aを通して奥側を視認可能に図示される。
動作ユニット500は、底壁部511と、その底壁部511の外縁から立設される外壁部512とから正面側が開放された箱状に形成される背面ケース510を備える。背面ケース510は、底壁部511の中央に矩形状の開口511aが開口形成されることで、正面視矩形の枠状に形成される。開口511aは、第3図柄表示装置81の表示領域の外形(外縁)に対応した(即ち、第3図柄表示装置81の表示領域を正面視で区切ることが可能な)大きさに形成される。
背面ケース510は、外壁部512の正面側端部に遊技盤13の背面に沿う(例えば、平行に配置される)平面板として延設され、組立状態(図2参照)において遊技盤13を面支持する支持板部513を備える。
支持板部513は、遊技盤13のベース板60に形成される嵌合凹部(図示せず)と嵌合可能な形状で正面側へ向けて円環状に突設される複数の位置決め凸部513aと、その位置決め凸部513aの中心部においてベース板60に締結される締結ネジを挿通可能に穿設される挿通孔513bと、をそれぞれ複数備える。
ベース板60の嵌合部60c(図21参照)に位置決め凸部513aを嵌合させることによりベース板60に対して背面ケース510を位置決めし、締結ネジを挿通孔513bに挿通し、嵌合部60cの雌ネジに螺入することにより、遊技盤13と動作ユニット500とを一体的に固定することができるので、遊技盤13及び動作ユニット500の全体としての剛性の向上を図ることができる。
なお、位置決め凸部513aの形状は何ら限定されるものではなく、種々の態様が例示される。例えば、ベース板60の嵌合部60cの外形(本実施形態では、円形)よりも若干小さな外形の環状の凸部でも良いし、組み付け時の作業性を考慮して、嵌合隙間が大きくなるような形状(大径の環形状)の突部でも良い。また、嵌合部60cの外形が矩形状に形成される場合には、それに対応して位置決め凸部513aの形状も矩形状とされることは当然想定される。
動作ユニット500は、遊技盤13の背面側に配置され、発光手段や、動作ユニットが内部に配設されている。即ち、動作ユニット500は、背面ケース510と、その背面ケース510に正面側から差し込まれて締結固定される装飾固定部材520と、背面ケース510の内側上部に配設される内部動作ユニット600と、背面ケース510の内側下部に配設される発光演出ユニット518と、を備える。
発光演出ユニット518は、振分ユニット300や入賞口構成部材400(図29参照)の後方から、前方に光を照射するユニットであって、振分ユニット300や入賞口構成部材400により形成される球の通過経路を明るく照らすよう機能する。
装飾固定部材520は、光透過性の樹脂材料から形成され、左右両位置に対称配置されると共にそれぞれ上下に分割可能な複数の薄板状部材から構成されるものであって、左上側に配置される第1固定部材530と、左下側に配置される第2固定部材540と、右上側に配置される第3固定部材550と、右下側に配置される第4固定部材560と、第1固定部材530及び第2固定部材540の背面側に配設される左側電飾基板570と、第3固定部材550及び第4固定部材560の背面側に配設される右側電飾基板580と、を備える。各部分の構成および役割について、図42及び図43を参照して説明する。
図42は、動作ユニット500の分解正面斜視図であり、図43は、動作ユニット500の分解背面斜視図である。図42及び図43では、背面ケース510から装飾固定部材520が分解されて前方に配置され、背面ケース510から内部動作ユニット600が分解されて背面ケース510と装飾固定部材520との間に配置される状態が図示される。
第1固定部材530は、前後方向に延びる薄板状の差し込み板部531と、その差し込み板部531の前側部から右方に延設される前板部534と、差し込み板部531の前側部から左方に延設される外板部537と、を備える。
差し込み板部531は、内部動作ユニット600の受入孔623に差し込み可能な形状および配置で延設先端部から背面側に突設される複数の差し込み突部532を備え、内部動作ユニット600の外側部材610の外側傾斜変位を防止する役割がある。差し込み板部531と外側部材610との相対的な機能の説明は後述する。
前板部534は、左側電飾基板570の正面に配置され左側電飾基板570の外形に対応した形状から形成される(左側電飾基板570を覆うように形成される)板状部であって、左側電飾基板570の正面側に配設されるLED等の発光手段からの光を拡散させるために裏側に光拡散加工が形成される。尚且つ、内部動作ユニット600の外側部材610に締結固定される締結ネジを挿通可能に穿設される挿通孔535を備える。
外板部537は、背面ケース510の外壁部512の前面部に当接可能な部分であって、外壁部512に形成される締結部512aに螺入される締結ネジを挿通可能に穿設される挿通孔538を備える。
即ち、第1固定部材530は、動作ユニット500の組立状態(図36参照)において、背面ケース510の外壁部512と内部動作ユニット600の外側部材610とを連結固定する。
第2固定部材540は、第1固定部材530の前板部534と同様の前後位置で配置される板状部であって前板部534の下端から若干間隔を空けて配置される前板部541と、その前板部541の右下側部から右方に延設される締結用延設部544と、前板部541の左端部から左側へ延設される外板部547と、を備える。
前板部541は、左側電飾基板570の正面に配置され左側電飾基板570の外形に対応した形状から形成される(左側電飾基板570を覆うように形成される)板状部であって、左側電飾基板570の正面側に配設されるLED等の発光手段からの光を拡散させるために裏側に光拡散加工が形成される。
尚且つ、内部動作ユニット600の外側部材610に締結固定される締結ネジを挿通可能に穿設される挿通孔542と、内部動作ユニット600の内側部材670に締結固定される締結ネジを挿通可能に穿設される挿通孔543と、を備える。即ち、前板部541を介した締結固定によって、内部動作ユニット600の外側部材610と内側部材670との連結固定することができる。
連結用延設部544は、発光演出ユニット518の締結部518aに螺入される締結ネジを挿通可能に穿設される挿通孔545を備える。外板部547は、背面ケース510の外壁部512の前面部に当接可能な部分であって、外壁部512に形成される締結部512bに螺入される締結ネジを挿通可能に穿設される挿通孔548を備える。
即ち、第2固定部材540は、動作ユニット500の組立状態(図36参照)において、背面ケース510の外壁部512と、内部動作ユニット600の外側部材610及び内側部材670と、発光演出ユニット518と、を連結固定する。
第3固定部材550、第4固定部材560及び右側電飾基板580は、背面側に配置され覆われる対象となる内部動作ユニット600の内側部材670の形状の違いに起因して、第1固定部材530、第2固定部材540及び左側電飾基板570と形状が多少異なるが、基本的には第1固定部材530及び第2固定部材540と左右対称に形成され、有する構成と、各構成の役割は同様なので、重複する部分についての説明は省略すると共に第1固定部材530及び第2固定部材540の説明で上述した符号を便宜上図示する。
内部動作ユニット600及び装飾固定部材520の背面ケース510への組み付け順序について説明する。背面ケース510への組み付けは、まず内部動作ユニット600を先に背面ケース510に組み付けて(図40参照)、その後で装飾固定部材520を背面ケース510に組み付ける。
概要として、内部動作ユニット600の背面ケース510への組み付け工程は、まず左右の外側部材610及び内側部材670を背面ケース510に締結固定し、その後で背面ケース510の内側に正面側から発光動作演出ユニット700を入れて左右の外側部材610及び内側部材670の間に配置し、発光動作演出ユニット700を変位部材680との組み付け位置に配置し、脱落防止のための部材(ネジやカラー等)を正面側から締結部682に組み付けるという順序で作業を行う。
本実施形態では、発光動作演出ユニット700の組み付け作業時において、装飾固定部材520を背面ケース510に組み付けることを要しないので、背面ケース510の正面側を広く開け放つことができ、装飾固定部材520に作業者の手の動線が遮られることを回避することができる。これにより、作業効率を向上することができる。
尚且つ、装飾固定部材520の挿通孔535,538,542,543,545,548に締結ネジを挿通して締結固定する作業は、背面ケース510の正面側から行うことができるので、発光動作演出ユニット700を変位部材680に組み付ける作業の終了後に、背面ケース510の姿勢を変えずに、続けて装飾固定部材520の締結固定のための作業を行うことができる。これにより、作業効率を更に向上させることができる。次いで、組み付け作業の詳細について説明する。
図44は、図36のXLIV−XLIV線における動作ユニット500の断面図であり、図45は、図44の範囲XLVにおける動作ユニット500の部分拡大断面図であり、図46は、図36のXLIV−XLIV線における動作ユニット500の断面図である。
図44及び図45では、発光動作演出ユニット700が背面ケース510から分解されると共に、装飾固定部材520を組み付ける前の状態として装飾固定部材520の図示が省略される。一方、図46では、発光動作演出ユニット700及び装飾固定部材520が背面ケース510に組み付けられた状態(図36参照)が図示される。
本実施形態では、内部動作ユニット600と背面ケース510との固定のみでは十分な剛性を発揮しないように、締結位置が設計されており(例えば、締結位置が上下一方の端部のみに配置されており)、内部動作ユニット600は背面ケース510に対して左右外側に撓み変形可能(姿勢変化可能)に構成される(図45の想像線を参照)。
この撓み変形を利用して、発光動作演出ユニット700の組み付けを迅速に行うことが可能である。即ち、発光動作演出ユニット700の組み付けは、締結部682を発光動作演出ユニット700の被連結孔764に挿通させた状態で締結部682に締結ネジを螺入することで行われるところ、内部動作ユニット600が左右外側に撓み変形することで、発光動作演出ユニット700を締結部682へ向けて進入させる経路の寸法を固定時幅寸法W1から撓み時幅寸法W2に左右に広げることができるので、組み付け作業の作業性の向上を図ることができる。
この際、内部動作ユニット600が左右外側に撓み変形することにより、締結部682への締結ネジの進入方向が、背面側へ向かう程に左右内側へ向くような傾斜方向(正面側が左右外側に広がる傾斜方向)となる。
この場合、締結ネジを前後方向で進入させる場合に比較して、締結ネジを螺入するためのドライバーを発光動作演出ユニット700の装飾部材750から離した(避けた)状態(前後方向に対して傾斜した方向)で背面ケース510内に締結ネジを進入させることができる。
そのため、締結作業を容易とすることができると共に、ドライバーとの接触を避けることを目的の一つとして形状が設計される発光動作演出ユニット700の装飾部材750の設計自由度を向上させることができる。即ち、発光動作演出ユニット700の組み付け作業の作業効率を向上させると共に、装飾部材750の設計自由度を向上させることができる。
この効果を発揮可能とするために、本実施形態では、締結ネジが挿通される被連結孔764の長孔764aの左右方向寸法は、内部動作ユニット600の撓み変形による締結部682の配置ずれに対応可能な寸法(十分な左右長さ)で設計される。
なお、左右内側への内部動作ユニット600の撓み変形は、筒状部材695が背面ケース510の底壁部511に当接し抵抗が生じることから、左右外側への撓み変形に比較して生じ難いように構成されている。
本実施形態では、装飾固定部材520が組み付けられることにより、内部動作ユニット600の左右外側への撓み変形が抑制されるよう構成される。これは、内部動作ユニット600と背面ケース510との締結位置(背面ケース510の底壁部511に配置される締結位置、背面側寄りに配置される締結位置)よりも、内部動作ユニット600、装飾固定部材520及び背面ケース510の締結位置(背面ケース510の外壁部512や内部動作ユニット600の正面側に配置される締結位置、正面側寄りに配置される締結位置)の方が多いことや、装飾固定部材520の形状的工夫から効果が発揮される。
第1に、装飾固定部材520は、外壁部512又は支持板部513に締結固定される外板部547を備え、外壁部512と一体的に構成されている支持板部513はベース板60に締結固定される(図42参照)。即ち、支持板部513を介してベース板60に装飾固定部材520は変位を規制される。これにより、ベース板60の剛性を利用して、装飾固定部材520及び内部動作ユニット600の剛性を向上させることができることから、内部動作ユニット600の左右外側への撓み変形を抑制することができる。
第2に、装飾固定部材520の差し込み板部531が、内部動作ユニット600の左右外側に当接配置される。即ち、差し込み板部531により内部動作ユニット600の左右外側への撓み変形を抑制することができる。
これら第1の構成および第2の構成から、装飾固定部材520が組み付けられた状態において内部動作ユニット600が左右外側に撓み変形することを防止することができる。
加えて、装飾固定部材520は背面ケース510に正面側から組み付けられるよう構成されており、発光動作演出ユニット700は背面ケース510に正面側から組み付けられるよう構成されているので、背面ケース510の姿勢を変えることなく、発光動作演出ユニット700の組み付けに続いて装飾固定部材520を組み付けるように一連の流れで組み付け作業を行うことができる。従って、組み付け作業の効率化を図ることができる。
一方、メンテナンス等で発光動作演出ユニット700を締結部682から取り外す作業が、装飾固定部材520を取り外すことなく実行可能に構成した方が、メンテナンス作業の工数を減らすことができ効率が良い。
ここで、装飾固定部材520の背面側には電飾基板570,580が配設されており(図42参照)、電飾基板570,580を左右内側に張り出すように構成した方が、発光演出の演出範囲を広げることができ、演出効果を向上させることができる。
これに対し、本実施形態のように電飾基板570,580が左右内側に張り出して配置されていると、メンテナンス作業者が発光動作演出ユニット700を正面側に移動させる際に、発光動作演出ユニット700の左右端部に形成される連結板部765が電飾基板570,580と衝突し、電飾基板570,580が破損する可能性がある。
これに対し、本実施形態では、後述する内側部材670の延設壁部677の正面側縁部から左右内側へ向けて、電飾基板570,580の背面を覆うために十分な形状で保護延設部677bが延設される(図42参照)。
保護延設部677bは、電飾基板570,580の上側部における左右内側の縁部の形状に対応した形状線S51(図42参照)と同様の形状で左右内側端部が形成され、形状線S51に対応する位置まで延設される。
これにより、電飾基板570,580を背面側から支える面積を大きくすることができると共に、電飾基板570,580の上側部の背面を保護延設部677bにより防護することができるので、メンテナンス作業時に電飾基板570,580と発光動作演出ユニット700とが接触することを回避することができる。
一方、形状線S51の下端よりも下方では、電飾基板570,580の形状によらず、左右内側への延設部分の形成が省略される。従って、この位置において発光動作演出ユニット700を取り外す作業を行う場合には、発光動作演出ユニット700と電飾基板570,580とが接触する可能性が残る。
これに対し、本実施形態では、発光動作演出ユニット700が下降変位すると共に姿勢変化するよう構成されており(図37及び図38参照)、姿勢変化により締結部682の向きが前後方向から上下方向に変化して締結ネジにドライバーを差しこむことができなくなるので、発光動作演出ユニット700を取り外す作業は、発光動作演出ユニット700の姿勢が変化する前に実行されるよう構成される。従って、保護延設部677bは、発光動作演出ユニット700の姿勢が変化する前に配置される位置において形成すれば十分であり、本実施形態では、そのように設計されている(図37参照)。
このように、保護延設部677bを上下全範囲に亘り形成するのではなく、発光動作演出ユニット700と電飾基板570,580との接触を避けるための必要最小限の範囲の形成に留めることにより、保護延設部677bの形成範囲を狭めることができる。
換言すれば、本実施形態では、発光動作演出ユニット700を取り外す作業を行うことができる発光動作演出ユニット700の配置を内部動作ユニット600の退避状態と中間状態との間の配置に制限するように構成することで、保護延設部677bの形成範囲の縮小を図っている。
なお、本実施形態では、装飾固定部材520を背面ケース510から取り外した後で発光動作演出ユニット700を取り外すことも当然可能である。この場合には、組み付け作業時と同様に、内部動作ユニット600を左右外側に撓み変形させることで、発光動作演出ユニット700を取り出す経路の左右幅を広くすることができるので、発光動作演出ユニット700が保護延設部677bと接触することを回避することができる。
図47は、動作ユニット500の分解正面斜視図であり、図48は、動作ユニット500の分解背面斜視図である。図47及び図48では、主に内部動作ユニット600を分解した状態が図示されており、装飾固定部材520の図示が省略される。
図47及び図48に示すように、内部動作ユニット600は、背面ケース510の底板部511に締結固定される外側部材610と、その外側部材610に上下方向へ変位可能に支持されると共に左右方向内側に配置される昇降板部材630と、その昇降板部材630を昇降させるための駆動力を発生させる装置であって外側部材610に締結固定される駆動モータ648と、その駆動モータ648の駆動軸に固定され昇降板部材630に駆動力を伝達する伝達ギア649と、昇降板部材630に上向きの付勢力(引っ張り方向の負荷)を与えるコイルスプリングSP1と、を備える。
また、内部動作ユニット600は、昇降板部材630の移動の抵抗力を発生可能に構成される抵抗発生装置650と、外側部材610との間に昇降板部材630を配置させるよう左右方向内側に配置され外側部材610に左右方向で挿通される締結ネジによって外側部材610に締結固定される内側部材670と、その内側部材670に変位可能に支持されると共に左右方向内側に配置される変位部材680と、内側部材670の上端部背面側において左右内側から締結固定される回転姿勢補助部材690と、変位部材680に両端部を連結される発光動作演出ユニット700と、を備える。
内部動作ユニット600は、概略左右対称に構成されるユニットであって、発光動作演出ユニット700が左右中心に配置され、発光動作演出ユニット700の左右両側において背面ケース510側に固定配置される略共通の構成により発光動作演出ユニット700が動作可能に支持される。
以下、内部動作ユニット600の各構成の詳細について、図47の各範囲を拡大して図示した図49及び図50を参照して説明する。なお、図49及び図50の説明では、図47及び図48を適宜参照する。
図49(a)は、図47の範囲XLIXaにおける外側部材610、昇降板部材630及び抵抗発生装置650の分解正面斜視図であり、図49(b)は、図47の範囲XLIXbにおける外側部材610の正面斜視図であり、図50(a)は、図47の範囲Laにおける昇降板部材630、内側部材670、変位部材680及び回転姿勢補助部材690の分解正面斜視図であり、図50(b)は、図47の範囲Lbにおける変位部材680及び回転姿勢補助部材690の分解正面斜視図である。
図49(a)及び図49(b)に示すように、外側部材610は、上下方向に長尺の板状に形成される板状部611と、その板状部611の左右外側(背面ケース510の外壁部512であって組立状態において近接する外壁部512側)に壁状に延設されると共に板状部611の左右外側の領域を区画するように形成される延設壁部621と、を備える。
板状部611は、上下方向に長尺の長円形で穿設される上下一対の長孔612と、上側の長孔612の後方において上下方向に長尺で幅広(長孔612よりも幅広)の長円形で穿設される配線通し孔613と、下側の長孔612の後方において左右外側に円柱状に突設される上下一対の案内突設部614と、を備える。
長孔612は、昇降板部材630の変位方向を制限するための長孔であり、上側と下側とに一対が配置される。長孔612の前後幅は、挿通される昇降板部材630の上締結部632及び下締結部633の直径よりも若干広く形成されているので、昇降板部材630の前後方向への変位は小さくなる。これら一対の長孔612は、前後配置を敢えてずらして形成されている。即ち、下側の長孔612の方が、上側の長孔612に比較して前側に配置されている。
これにより、昇降板部材630の上側部の支持位置が昇降板部材630の下側部の支持位置に比較して後側となるので、昇降板部材630の上側部に吊り下げられる態様の昇降板部材630の下側部は、重力により後側に付勢される。
これにより、昇降板部材630のラックギア部634を伝達ギア649側に寄せることができるので、ラックギア部634が伝達ギア649から脱落することを回避することができ、歯合関係の適正化を図ることができる。
配線通し孔613は、発光動作演出ユニット700の内部において接続される電気配線であって、脱落防止カラー部材685の異形開口部685aを通り内側部材670の左右外側に位置した電気配線を通し、外側部材610の左右外側へ排出するための開口部である。
案内突設部614は、抵抗発生装置650の前後変位部材653の変位を案内する部分として機能する。即ち、前後変位部材653が前後方向に変位できるよう案内すると共に、前後変位部材653が前後に傾倒して姿勢変化することを防止するように機能するが、詳細は後述する。
延設壁部621は、正面側端部に配置され装飾固定部材520に挿通される締結ネジを螺入可能に構成される複数の締結部622と、背面側に配置され装飾固定部材520の差し込み板部531の差し込み突部532(図43参照)を差し込み可能に形成される上下一対の受入孔623と、を備える。なお、正面側端部に配置される締結部622以外の締結部は、主に電飾基板570,580(図40参照)を締結固定するための締結部である。
昇降板部材630は、長尺方向を上下方向に向ける長尺本体部631と、その長尺本体部631から左右外側に突設形成され外側部材610の上側の長孔612に挿通されると共に締結ネジを螺入可能に形成される一対の上締結部632と、長尺本体部631から左右外側に突設形成され外側部材610の下側の長孔612に挿通されると共に締結ネジを螺入可能に形成される一対の下締結部633と、長尺本体部631の背面側にギア歯状に形成され伝達ギア649と歯合されるラックギア部634と、を備える。
また、昇降板部材630は、長尺本体部631の下端部から背面側に延設され不図示の位置検出装置の検出溝に配置されることで長尺本体部631の位置を検出可能に構成される被検出部635と、一対の上締結部632の中間位置において前後方向に長尺の長孔として長尺本体部631に穿設される前後長孔636と、板状部611の左右外側に配置され挿通されている締結ネジにより上締結部632に締結固定される脱落防止板637と、板状部611の左右外側に配置され挿通されている締結ネジにより下締結部633に締結固定される被当接板638と、動作時の摩擦抵抗の低減のために上締結部632及び下締結部633に組み付けられるリング部材C1と、を備える。
上締結部632と下締結部633とは、外側部材610の長孔612の前後配置に対応して配置される。そのため、下締結部633は、上締結部632よりも前側に配置される。
前後長孔636は、内側部材670の第2長孔673や湾曲長孔674に挿通される金属棒状部材686の前後移動を案内する長孔であり、第2長孔673及び湾曲長孔674が形成される範囲の前後幅以上の前後長さで形成される。
昇降板部材630の上締結部632が上側の長孔612に挿通された状態で上締結部632の先端側に脱落防止板637が締結固定され、且つ、下締結部633が下側の長孔612に挿通された状態で下締結部633の先端側に被当接板638が締結固定されることにより、外側部材610に昇降動作可能に支持される昇降板部材630の外側部材610からの脱落を防止し易くすることができる。
被当接板638は、左右外側にコイルスプリングSP1の下端部を係止するための係止部を備える。コイルスプリングSP1の上端部は外側部材610の板状部611の左右外側に形成される係止部638aに係止される。即ち、コイルスプリングSP1は、被当接板638を上方に付勢する付勢力(引っ張り力)を生じる。
脱落防止板637が長円形で形成されているのに対して、被当接板638は、矩形状に形成されている。これにより、抵抗発生装置650との当接面積を大きくすることができ、衝突時に生じる単位面積当たりの負荷の大きさを低減することができるが、詳細は後述する。
抵抗発生装置650は、プランジャーの出没方向を前後方向とするソレノイド651と、そのソレノイド651を収容し外側部材610の左右外側に固定するための固定カバー652と、ソレノイド651のプランジャーに係止されると共に外側部材610の案内突設部614に案内されることで前後方向に変位可能に構成される前後変位部材653と、を備える。
固定カバー652は、外側部材610に螺入される締結ネジを挿通可能な挿通孔としてソレノイド651の上下両位置に穿設される複数の挿通孔652aと、外側部材610の案内突設部614の先端部が嵌合可能な配置寸法で凹設される上下一対の嵌合部652bと、を備える。
前後変位部材653は、上下両側において案内突設部614が挿通される長孔として前後長尺で穿設される一対の被案内長孔653aを備える。被案内長孔653aが案内突設部614に挿通された状態で、案内突設部614の先端部に固定カバー652の嵌合部652bが嵌合されることにより、前後変位部材653の案内突設部614からの脱落防止を図ることができる。
内側部材670は、図50(a)及び図50(b)に示すように、外側部材610の板状部611と左右方向で対向配置される板状部671と、その板状部671の左右外側に壁状に延設される延設壁部677と、板状部671の上端側後方部において左右内側に矩形状に張出形成される矩形張出部678と、を備える。
板状部671は、昇降板部材630の前後位置よりも背面側において上下方向に長尺の長孔として穿設される第1長孔672と、その第1長孔672よりも正面側で第1長孔672の上端部よりも上側に位置ずれした上端部から第1長孔672と平行に延びる長孔として穿設される第2長孔673と、その第2長孔673の下端部に連結される湾曲形状の長孔として穿設される湾曲長孔674と、を備える。
板状部671の背面ケース510との連結部として、図48では左側の内側部材670の上端部背面側においてのみ締結部が図示されており、その他に内側部材670の背面側に締結部の図示は無い。このことからも分かるように、板状部671の位置固定は、主には背面ケース510との直接の締結固定ではなく、背面ケース510に締結固定される外側部材610や装飾固定部材520(図40参照)を介しての締結固定によるものである。換言すれば、板状部671は背面ケース510との間接的な締結固定により、背面ケース510との固定力が生じている。
板状部671は、外側部材610の板状部611に左右外側から左右方向に挿通される締結ネジが螺入される締結部671aを複数備えており、締結ネジの螺入により内側部材670が外側部材610に締結固定される。
第1長孔672は、第2長孔673及び湾曲長孔674の幅よりも幅が太く形成される。これにより、本実施形態では、第1長孔672を電気配線の通し孔として利用することができ、発光動作演出ユニット700に接続される電気配線が左右一対の内側部材670の左右内側領域に露出することを防止することができるが、詳細は後述する。
第2長孔673及び湾曲長孔674は、同一幅で形成されている。湾曲長孔674の湾曲形状は、第1長孔672に案内される変位部材680の筒状部684が第1長孔672の下端に位置する状態で筒状部684の中心を軸とする円弧形状として形成される。
延設壁部677は、板状部671から左右外側へ第1長孔672を囲むように形成される区画壁部677aと、正面側縁部から左右内側へ向けて電飾基板570,580の背面を覆うために十分な形状で延設される保護延設部677bと、を備える。
変位部材680は、左右内側が開放される略矩形の箱形状に形成される箱状本体部681と、その箱状本体部681の短手方向側壁部から外側に突設形成される一対の締結部682と、箱状本体部681の左右外側側面に沿って延設される延設部683と、箱状本体部681の隅部から左右外側方向に円筒状に張り出す筒状部684と、その筒状部684の先端側に締結固定される脱落防止カラー部材685と、延設部683の基端側において円形の凹部として形成される嵌合凹部683aに嵌合固定される金属棒状部材686と、相対変位する部材間の隙間に配置され金属棒状部材686が挿通される複数のリング部材687と、筒状部684が挿通される大径リング部材688と、発光動作演出ユニット700を前後で挟むように配置された状態で(図46参照)、締結部682に挿通される前後リング部材689と、を備える。
締結部682は、発光動作演出ユニット700の被連結孔764に挿通される締結ネジが螺入される雌ネジ部を有しており、この締結ネジにより、発光動作演出ユニット700が変位部材680に連結される。
延設部683は、発光動作演出ユニット700を変位部材680に組み付ける際に、発光動作演出ユニット700が内側部材670に接触しないように防護する部分として機能する(延設部683及び発光動作演出ユニット700の配置関係について図45及び図46参照)。
筒状部684は、内周側において箱状単体部681を左右方向に貫通するように形成される異形開口部684bと、その異形開口部684aを通る中心軸を挟んだ両位置に脱落防止カラー部材685に挿通された締結ネジを螺入可能に形成される締結部684aを備える。
筒状部684は、内側部材670の第1長孔672に挿通された状態で、脱落防止カラー部材685が締結固定される。脱落防止カラー部材685の中央部には、筒状部684の異形開口部684bと同程度の大きさの開口として異形開口部685aが形成されている。
即ち、脱落防止カラー部材685が筒状部684に締結固定された状態において、筒状部684及び脱落防止カラー部材685の内周側には左右方向に貫通する開口が形成される。この開口は、発光動作演出ユニット700に接続される電気配線の通し孔としての機能を有する。このことについて、ここで説明する。
発光動作演出ユニット700に一端が接続されている電気配線の他端側は、発光動作演出ユニット700の配線通し孔762(図48参照)から外側に出され、変位部材680の筒状部684の異形開口部684bおよび脱落防止カラー部材685の異形開口部685aを通って内側部材670の第1長孔672よりも左右外側に出され、更に、外側部材610の配線通し孔613を通って板状部611よりも左右外側に出される。
異形開口部685aは、単純な円形開口ではなく、円形状の直径位置から内側に突設される突設部(締結ネジが挿通される部分)を備えており、異形開口部685aが周方向で回転した場合に突設部が電気配線を引っ掛けることで、電気配線を周方向に変位させる。これにより、異形開口部685aと電気配線との間で生じる擦れを抑制できるので、電気配線の断線を防止し易くすることができる。
電気配線の他端側は板状部611よりも左右外側から背面ケース510の背面側に這わされ、個別の中継基板に接続される。板状部611よりも左右外側の領域は、少なくとも装飾固定部材520に隠される(図40参照)。
電気配線の一端側において、発光動作演出ユニット700と変位部材680との間の位置において電気配線が露見する可能性が考えられるが、本実施形態では、箱状本体部681が電気配線を覆い隠すように左右内側に延設されていると共に、発光動作演出ユニット700の延設板部763が配線通し孔762よりも前側において電気配線を正面視で覆うように延設されている(図48参照)。これにより、発光動作演出ユニット700と変位部材680との間の位置において電気配線が露見することを防止し易くすることができる。
このように電気配線を通すことによって、左右一対の内側部材670の左右内側の領域に電気配線が露見する事態を回避することができる。そのため、遊技者に電気配線が視認される場合に生じがちな問題点として、電気配線が第3図柄表示装置81の手前側に配置され表示を隠すことにより視認性を低下させるという問題点や、電気配線がまとまりなく配置されることで汚く見えてしまい演出効果を低下させるという問題点を、解消することができる。即ち、第3図柄表示装置81の視認性を向上することができると共に電気配線を遊技者から隠すことができる。
この時、区画壁部677aによって、外側部材610と内側部材670との間の隙間における電気配線の配置を制限することができるので、区画壁部677aよりも正面側に配置される昇降板部材630と電気配線とが接触する事態を回避することができる。
金属棒状部材686は、左右外側の端部にEリングが嵌め込まれることで鍔付きの棒形状とされることで、左右外側端部から部材が脱落することを防止している。金属棒状部材686の挿通順序としては、左右内側の端部が、リング部材687、昇降板部材630の前後長孔636、リング部材687、内側部材670の第2長孔673(湾曲長孔674)、リング部材687、変位部材680の嵌合凹部683aの順に差し込まれ、延設部683の嵌合凹部683aに嵌合固定される。
このように、金属棒状部材686は、昇降板部材630及び内側部材670に挿通される部材であって、上下方向配置は昇降板部材630の昇降動作による配置変化に依存し、前後方向配置は第2長孔673及び湾曲長孔674の配置に依存する。この金属棒状部材686の配置の変化により、金属棒状部材686が嵌合固定される変位部材680及び発光動作演出ユニット700の配置や姿勢が変化するよう構成されているが、変位部材680及び発光動作演出ユニット700の配置や姿勢の変化については後述する。
前後リング部材689は、箱状本体部681側に配置される板状リング部材689aと、円筒の端部に外側に広がる鍔が形成される鍔付きリング部材689bと、を備える。
板状リング部材689aと鍔付きリング部材689bは、前後に並ぶそれぞれの板状部によって発光動作演出ユニット700を挟むように構成され、鍔付きリング部材689bの円筒状部689b1が、後述する中間連結部材760の被連結孔764の内周側に配置される。
回転姿勢補助部材690は、内側部材670の矩形張出部678の左右内側に配置され、左右内側から挿通される締結ネジが矩形張出部678の締結部に螺入されることにより矩形張出部678に締結固定される。
回転姿勢補助部材690は、左右内側が開放される箱状に形成され矩形張出部678に締結固定される箱状本体部691と、その箱状本体部691の左右内側に配置され箱状本体部691に回転可能に軸支される筒状部材695と、を備える。
箱状本体部691は、背面側の左右内側端部から下方へ延設される延設部692を備え、その延設部692の左右内側において左右方向に延びる回転軸で筒状部材695が支持されている。即ち、筒状部材695は、箱状本体部691の背面側端部および下側位置に配置されており、遊技者から遠ざけられた配置であるので、筒状部材695が過度に目立つことを避けることができる。
発光動作演出ユニット700は、左右両側に配置される変位部材680の締結部682に連結されるユニットであり、左右両側の変位部材680の配置や姿勢が変化することによって配置や姿勢が変化する。
図51は、発光動作演出ユニット700の分解正面斜視図であり、図52は、発光動作演出ユニット700の背面分解斜視図であり、図53は、発光動作演出ユニット700の分解正面斜視図である。なお、図53では、発光動作演出ユニット700を見上げる方向視における分解図が図示される。また、図53では、発光動作演出ユニット700に加えて、変位部材680が対応する配置で図示される。
発光動作演出ユニット700は、回転演出装置800が配設される本体部材710と、その本体部材710の下側に配置され本体部材710に締結固定される下板部材730と、本体部材710と下板部材730との間に配置され空間の正面側を塞ぐ中間板部材740と、その中間板部材740の正面側に固定される複数の装飾部材750と、本体部材710の左右両側に配置され左右外側から挿通される締結ネジにより本体部材710に締結固定される左右一対の中間連結部材760と、を備える。
本体部材710は、下側および正面側が開放される箱形状に形成され、下板部材730に下方から挿通される締結ネジが螺入可能に形成される複数の締結部711と、天板の正面側縁から下方に延設される前縁部712と、その前縁部712との間に中間板部材740を挟持可能な寸法で前縁部712に対向配置される複数の挟持部713と、左右両側において天板と背面側壁部とを連結するように形成される左右一対の被固定板部720と、を備える。
被固定板部720は、中間連結部材760を面で支持可能となるように左右方向軸と交差する平面に沿う平板形状で形成され、中間連結部材760に左右外側から挿通される締結ネジが螺入可能に形成され中間部材760の締結固定に利用される複数の締結部721と、背面側下端部において略半円形状に凹設される凹設部722と、を備える。
凹設部722は、半円形状の中心軸が、中間連結部材760に穿設される配線通し孔762の中心軸と揃うように形成される。これにより、凹設部722と下板部材730とで形成される開口部と、配線通し孔762とを左右一直線に並べることができるので、電気配線を配線通し孔762に通し易くすることができる。
下板部材730は、本体部材710の締結部711に螺入される締結ネジを挿通するための複数の挿通孔731と、前縁部付近において、前後に対向配置される複数の突条部732と、を備える。
下板部材730は、下面左右外側部に光拡散加工が施されており、部材を通して奥側を見る際の視認性が低下するように形成されている。これにより、見上げる方向視(図53参照)で下板部材730側から発光動作演出ユニット700を視認する場合であっても、その内部に配置される電気配線や、駆動装置等を視認し難くすることができる。
また、下板部材730の下面左右内側部(図53において略円形の白塗り部)には、模様や図形等を描くようにしても良い。これにより、発光動作演出ユニット700が内部動作ユニット600の退避状態(図36参照)において、第3図柄表示装置81の前方上側に配置されることで遊技者に下面が視認される状況においても、発光動作演出ユニット700の模様や図形を遊技者に視認させることで、演出効果を維持することができる。
突条部732は、本体部材710の前縁部712及び挟持部713と同様の機能を奏するように形成される。即ち、中間板部材740を挟持可能な寸法で前後に並べて併設される。
中間板部材740は、下板部材730の前縁部の形状に沿って左右中央部が正面側に張り出すように湾曲する薄板形状に形成され、背面側に複数の電飾基板741が締結固定される。
中間板部材740は、本体部材710と下板部材730とに挟まれることにより保持される。即ち、中間板部材740の上縁部は本体部材710の前縁部712と挟持部713とに挟持され、中間板部材740の下縁部は下板部材730の突条部732に挟持されることにより保持される。従って、中間板部材740を本体部材710や下板部材730に締結固定する場合に比較して、組立用の締結ネジの本数を削減することができる。
電飾基板741は、左右中央と、左右両側とに配置され、正面側に配置されるLED等の発光手段から正面側に光を照射可能に構成される。これにより、装飾部材750を発光させる発光演出を実行することができる。
電飾基板741に配置される発光手段からは正面側へ光が照射されるのみであり、下方(下板部材730側)に光を照射する発光手段が配置されてはいないが、下板部材730を遊技者が視認する場合、発光動作演出ユニット700の配置は第3図柄表示装置81の斜め前上側(図36参照)となるので、第3図柄表示装置81から照射される光が下板部材730に照射されることになる。即ち、下板部材730の明るさを第3図柄表示装置81から照射される光により確保することができるので、下板部材730の演出効果が低下する可能性を低くできる。
装飾部材750は、中間板部材740の左右中央位置に配置される装飾部材であって薄肉形成される樹脂材料によって立体形状を構成した中央装飾部材751と、その中央装飾部材751の左右両側に配置され中間板部材740に背面側から挿通される締結ネジが螺入されることで中間板部材740に締結固定される左右一対の被締結部材755と、を備える。
被締結部材755は、締結ネジが螺入される複数の締結部756を備えており、中央装飾部材751は、締結部756の外径よりも若干大きな内径で締結部756に対応する位置に穿設される複数の位置保持用孔752を備える。
中央装飾部材751の中間板部材740への固定は、中央装飾部材751専用の固定手段によるものではなく、被締結部材755を中間板部材740に締結固定するための締結部756を挿通させることで行われている。そのため、中央装飾部材751を中間板部材740に組み付けるための作業工数を削減することができると共に締結ネジの本数を削減することができる。
また、本実施形態では、複数の締結部756の間が断面湾曲形状の板状部757により連結されるよう形成されている。板状部757は、中央装飾部材751の縁部であって中間板部材740の前面に面で当接する基端側当接面部753に対応する形状とされる。
これにより、締結部756に締結ネジが螺入されることで被締結部材755が中間板部材740に締結固定された状態において、基端側当接面部753を、板状部757と中間板部材740とで挟むようにして支持することができるので、中央装飾部材751の配置を安定させることができる。
図54(a)から図54(d)を参照して、中間連結部材760について説明する。なお、図54(a)から図54(d)の説明では、図51から図53を適宜参照する。
図54(a)は、右側の中間連結部材760の正面図であり、図54(b)は、図54(a)の矢印LIVb方向視における中間連結部材760の側面図であり、図54(c)は、図54(a)の矢印LIVc方向視における中間連結部材760の側面図であり、図54(d)は、図54(a)のLIVd−LIVd線における中間連結部材760の断面図である。
中間連結部材760は、本体部材710の被固定板部720と対向配置される部分であって締結部721に螺入される締結ネジが挿通される複数の挿通孔761aを有する板状部761と、その板状部761の背面側下部において左右方向に穿設される配線通し孔762と、板状部761から左右方向に平面板状に延設される延設板部763と、その延設板部763の幅方向外側部において穿設される被連結孔764と、延設板部763の幅方向中央部において板状部761と連結するように延設される一対の連結板部765と、延設板部763の幅方向片側端部(下板部材730側端部)から正面側(中間板部材740側)に延設される遮蔽延設板766と、を備える。
中間連結部材760の上下方向略中央部において前後に配置される2つの挿通孔761aを結ぶ直線と、水平に向く水平直線HL71との間の角度は、傾斜角度θ71として設計されている。傾斜角度θ71の角度は何ら限定されるものではないが、本実施形態では、傾斜角度θ71は約5度とされる。
延設板部763が形成される平面は、重力の方向に向く(水平直線HL71に対して直角な方向を向く)鉛直直線VL71上に配置される(角度が0とされる)。延設板部763が鉛直直線VL71上に配置されることで、上述したような、発光動作演出ユニット700を変位部材680へ前側から組み付ける際の作業を行い易くすることができる。
挿通孔761aの傾斜角度θ71は、変位部材680に発光動作演出ユニット700が組み付けられた状態における回転演出装置800の回転部材810の傾斜角度に対応する。従って、中間連結部材760を変位部材680に組み付ける作業の作業性は維持しながら、発光動作演出ユニット700の回転演出装置800の初期姿勢を傾斜させるという設計(図55参照)を実現することができる。
この場合、内部動作ユニット600の退避状態または中間状態においても、回転演出装置800の回転部材810から照射される光の光軸を斜め前方向に向けることができる。これにより、回転部材810から照射される光によって、遊技盤13の周縁部付近(例えば、第3図柄表示装置81からの光が届きにくい箇所)を照らすことができるので、遊技盤13の全体を明るく視認させ易くすることができる。
被連結孔764は、延設板部763に2箇所ずつ形成されるが、左右で形状が異なるように形成されている。即ち、左側の中間連結部材760では、延設板部763の幅方向両側共に、左右に長尺の長孔764aが形成される。一方、右側の中間連結部材760では、延設板部763の幅方向片側(図36上側)においては長孔764aが形成され、幅方向反対側(図36下側)においては略円形状で穿設される支持孔764bが形成される(図36参照)。
連結板部765は、板状部761と延設板部763との角度関係(位置関係)を保持可能に補強するための部分である。図53に示す姿勢では、板状部761を支える延設板部763の幅方向が上下方向(重力方向)に沿うので、発光動作演出ユニット700の自重によって板状部761に対して延設板部763が折れ難い。
一方で、後述するように、中間連結部材760は傾倒動作可能に構成されており、約90度前倒れした場合には延設板部763の幅方向が前後方向(重力方向と直交する方向)に沿うので、発光演出ユニット700の自重によって板状部761に対して延設板部763が折れ易い。
これに対し、本実施形態では、連結板部765によって補強がされているので、板状部761に対して延設板部763が折れる事態の発生を防止し易くすることができる。即ち、中間連結部材760が姿勢変化することにより生じる不具合(折れ損の発生)を回避し易くすることができる。
遮蔽延設板766は、見上げる方向視において被連結孔764への視界を遮る機能(図53参照)と、外側面(図53下面)に装飾模様が形成されていることで装飾による演出面積を広げる機能と、を備える。
図53に示すように、中間連結部材760の遮蔽延設板766の下側面に装飾模様が形成されているのと同様に、変位部材680の箱状本体部681の下側面にも縞模様が形成されている。そのため、遮蔽延設板766の下側面と箱状本体部681の下側面とを一体的に視認させ易くすることができるので、装飾用の模様(装飾模様、縞模様)が形成されている面積を広げて視認させることができる。
これにより、動作ユニット500の組立状態(図36参照)において、発光動作演出ユニット700を見上げる方向視における中間連結部材760及び変位部材680の演出効果を向上させることができる。
従って、見上げる方向視において、発光動作演出ユニット700の左右中央部を視認される場合だけでなく、左右端部を視認される場合においても、発光動作演出ユニット700を利用した演出効果を向上することができる。
回転演出装置800は、回転部材810と、その回転部材810を回転変位させるための駆動力を発生する駆動モータ820と、回転部材810と同期回転し回転部材810の姿勢を検出する姿勢検出手段830と、を備える。
回転部材810は、発光動作演出ユニット700の本体部材710に回転可能に支持されるところ、その支持には低摩擦のベアリングを利用している。これにより、回転部材810が回転駆動される場合においても、回転部材810の回転に伴う負荷の内、発光動作演出ユニット700に伝達される程度を低減することができる。
回転部材810は、装飾が形成される装飾板811と、装飾板811と対応する外形形状で形成され装飾板811と対向配置される放熱板812と、装飾板811及び放熱板812が締結固定され断面円形で形成されると共にその断面円形状の中心位置で円周方向に回転可能となるように本体部材710に支持される回転基礎部材813と、装飾板811と放熱板812との間に配置されるアーチ形状透過部材814と、を備える。
装飾板811及び放熱板812は、有色(本実施形態では黒色)の樹脂材料から形成される類似形状の部材であって、装飾板811には主に図形や模様などの装飾が形成される一方、放熱板812には回転基端側としての回転基礎部材813側から、回転先端側(回転部材810の長手方向端側)へ向けて列設される吸気用開口812aが穿設される。
アーチ形状透過部材814は、無色透明の樹脂材料から形成されると共に装飾板811及び放熱板812の湾曲面に沿った形状のアーチ形状とされており、装飾板811と放熱板812との間に固定されている。アーチ形状透過部材814を通して、装飾板811と放熱板812との間に配設される電飾基板(図示せず)に配置されるLED等の発光手段から照射される光が、回転部材810の回転軸と平行な方向に進行する。
電飾基板に配設されるLED等の発光手段は、吸気用開口812aと同様に回転部材810の湾曲形状に沿って列設され、その列設の間隔は吸気用開口812aよりも狭く設定される。この複数のLEDの点灯消灯を、回転部材810の回転(回転発光演出)に合わせて実行することで、光の残像によって特定の表示を視認させる残像表示(残像効果による残像表示)を実行可能となる。
各LEDから照射される光は、回転部材810の内部において回転径方向で隣り合わせとなるように仕切られると共に回転軸と平行な方向に延びる各通路を進行するように構成され、他の通路に入り込まないように形成される。これにより、各LEDから照射される光の進行経路(回転発光演出におけるLED光の変位軌跡の直径)を明確とすることができるので、残像表示を明確な表示として視認させることができる。
アーチ形状透過部材814の凹側面には、粗面加工(拡散加工)が形成される。これにより、LED光を乱反射させて拡散させることができるので、LED光を直接視認する場合に比較して、眩しさが抑えられる。
放熱板812の吸気用開口812aについて説明する。吸気用開口812aは、回転部材810の回転周方向の接線方向に穿設されており、回転部材810の回転変位時に装飾板811と放熱板812との間に空気を取り込むように作用する。
装飾板811及び放熱板812の間の位置の構成の内、アーチ形状透過部材814の反対側(図51下側)は開放されており、空気を排出することが可能となっている。また、装飾板811と放熱板812との間には、回転径方向に延びるアーチ形状に沿って連続的に延びる凹部が空気の通り道として形成される。
即ち、回転部材810の回転実行時において、吸気用開口812aから吸気された空気は、アーチ形状透過部材814のアーチ形状に沿う凹部を通り回転径方向外側へ流れ、背面側へ排出されることで、空気を大気中に排出することができる。この空気の流れにより、回転部材810の内側の熱を外部に放散(放熱)させることができるので、電飾基板が高温となることによる不具合を避け易くすることができる。
アーチ形状透過部材814のアーチ形状により、空気を滑らかに背面側へ送ることができ、渦が発生することを回避することができる。これにより、回転基礎部材813側の背面側からの空気の取込をスムーズに行うことができるので、回転軸付近における冷却を実行することができる。
換言すれば、径方向外側へ空気を流すと、径方向内側の気圧が下がるので、背面側から空気を取り込むことができ、回転中において空気の流れを循環させることができる。これにより、放熱効果を持続的に生じさせることができる。
空気の流れによる冷却作用は、回転発光演出の実行時にのみ期待されるものではなく、種々の態様が例示される。例えば、内部動作ユニット600の退避状態や中間状態において、回転部材810を首振り往復動作させる場合にも、吸気用開口812aを通る空気の循環が発生し、電飾基板の冷却を実行することができる。
本実施形態では、装飾性を考慮して、装飾板811には吸気用開口812aは形成されていない(図37参照)。吸気用開口812aを通した空気の取込は、吸気用開口812aの進行方向にある空気を取り込むように作用するので、回転方向が一方向で固定とされると、空気を取り込む側が、回転部材810の長手方向一側に偏ることになり、電飾基板の冷却効果が半減する可能性がある。
そのため、本実施形態では、回転部材810の回転方向を一方向で固定するのではなく、第1の演出態様では一の回転方向で回転し、異なる第2の演出態様では他の回転方向で回転するように制御している。これにより、空気の取り込む側が回転部材810の長手方向一側に偏ることを回避することができ、十分な電飾基板の冷却効果を期待することができる。
姿勢検出手段830は、回転部材810の回転軸に軸支されるギア部と歯合して回転部材810と同期回転する検出用ギア831と、検出用ギア831の径方向外側部から軸方向と平行に延設される延設部が進入可能な位置に検出溝が配置され、その延設部が検出溝に進入したことを検知して検出用ギア831の位相を検出可能な検出センサ832と、を備える。
姿勢検出手段830の設計として、回転部材810がどの姿勢である場合を検出するかを任意に設計することができるが、本実施形態では、回転部材810が、装飾部材750側に装飾板811を配置させた状態において回転部材810の長手方向が左右方向に沿う姿勢であって装飾板811が正面側に配置されている姿勢(適正姿勢、図51参照)となっていることを少なくとも検出することができるように検出用ギア831の延設部の形成位置が設計される。
図55から図57は、図36のLV−LV線における遊技盤13及び動作ユニット500の断面図である。図36では遊技盤13は図示されていないが、図55から図57では組立状態における配置での遊技盤13の断面図が図示される。図55から図57では、内部動作ユニット600が退避状態から張出状態へ変化する様子が時系列で図示される。
即ち、図55では、内部動作ユニット600が退避状態で図示され、図56では、内部動作ユニット600が中間状態で図示され、図57では、内部動作ユニット600が張出状態で図示される。
図55から図57に示すように、内部動作ユニット600は、退避状態から張出状態へ状態が変化する過程で、発光動作演出ユニット700及び回転演出装置800が変位するよう構成される。発光動作演出ユニット700及び回転演出装置800の変位は、上下方向の変位と、前転方向の変位とが、段階的に生じるように構成されるが、詳細は後述する。
本実施形態における構成において、特に注目力の高い回転演出装置800の配置について、説明する。発光動作演出ユニット700及び回転演出装置800が前転方向に姿勢変化することから、退避状態および中間状態における回転演出装置800の前後方向配置に比較して、張出状態における回転演出装置800の前後方向配置の方が、正面側に位置する。
これにより、退避状態においては回転演出装置800を背面側に位置させることで、回転演出装置800の正面側にスペースを確保できることで、装飾部247や電飾基板251を前寄りに配置して演出効果を向上させることが可能である一方、張出状態において回転演出装置800を回転させる回転発光演出を実行させる際の回転演出装置800の位置を遊技者側に近づけることができるので、回転発光演出の迫力を増加させることができる。従って、退避状態における演出効果も、張出状態における演出効果も、双方共に向上させることができる。
本実施形態では、回転演出装置800からの光の照射方向LD81は、張出状態では正面側に設定される。一方で、中間状態および退避状態においても光演出に利用することを考慮して、光の照射方向LD81を真上ではなく、斜め前方に向けた方向に設定している。これにより、中間状態および退避状態において回転演出装置800の光演出手段としての利用価値が極端に低下することを避けることができる。なお、光演出の詳細については後述する。
内部動作ユニット600の退避状態における回転演出装置800の光の照射方向LD81を斜め前方に設定したことに伴って、内部動作ユニット600の中間状態から張出状態への発光動作演出ユニット700の姿勢変化に要する前転方向の姿勢変化角度は、90度よりも小さくなる。これにより、姿勢変化角度が90度で構成される場合に比較して、姿勢変化に要する時間やスペースを短縮することができる。
内部動作ユニット600の退避状態において、回転演出装置800を支える発光動作演出ユニット700が前転方向に傾斜した姿勢となるので、前後幅が若干嵩むことになる。そのため、通常であれば、発光動作演出ユニット700を背面側寄りに配置したり、発光動作演出ユニット700の変位を正面視でベース板60の中央開口60bの内側で抑えるように設計したりして、発光動作演出ユニット700とベース板60との衝突の回避を図ることになる。
しかし、発光動作演出ユニット700が背面側寄りに配置される場合には、発光動作演出ユニット700が遊技者から遠いため、演出の迫力が半減する可能性がある。また、発光動作演出ユニット700の変位を中央開口60bの内側で抑える場合には、動作が小さくなりがちになり演出の迫力が半減する可能性がある。
これに対し、本実施形態では、ベース板60よりも薄肉の中央構成ユニット240を利用することで背面側のスペース確保を図っている。更に、演出効果向上のための電飾基板251の前後方向配置はベース板60の厚み寸法内に収め、更に基板保持板252に凹設部252aを形成して発光動作演出ユニット700との間に隙間を形成するよう図っている。これにより、発光動作演出ユニット700の姿勢や配置の自由度向上を図りながら、発光動作演出ユニット700が、遊技盤13の構成と衝突することを避けている。
発光動作演出ユニット700及び回転演出装置800の前転方向の姿勢変化は、退避状態において開始されるものではなく、中間状態までは同一姿勢のまま下降し、中間状態から姿勢変化が開始される。この姿勢変化の開始位置は、後述するように第1長孔672、第2長孔673及び湾曲長孔674の形状により規定されるものであって、駆動装置(駆動モータ648、ソレノイド651)の制御態様によっては変更されないように構成される。
中間状態では、左右中央の断面における装飾部247の下縁部の上下位置H1(図56参照)よりも回転演出装置800が下側に位置していることからわかるように、発光動作演出ユニット700及び回転演出装置800の前方には中央開口60bが位置し、遊技盤13のベース板60は配設されないので、衝突の可能性が無い。
この衝突の可能性が無い状態から発光動作演出ユニット700の前転方向の姿勢変化が開始されることにより、発光動作演出ユニット700及び回転演出装置800が遊技盤13に衝突する可能性を低くすることができる。
これにより、電飾基板251及び装飾部247を配設するスペースが、発光動作演出ユニット700及び回転演出装置800の前転方向変位の変位軌跡と重なることで制限されることを避けることができる。従って、電飾基板251及び装飾部247の配設位置の設計自由度を向上することができる。
次いで、発光動作演出ユニット700及び回転演出装置800の変位態様を段階的に分けるための構成について説明する。本実施形態では、発光動作演出ユニット700の変位が、形状の異なる2本の長孔に案内されるように構成されている。
図58(a)から図58(c)は、第1長孔672、第2長孔673及び湾曲長孔674を模式的に示す第1長孔672、第2長孔673及び湾曲長孔674の模式側面図である。
図58(a)では、内部動作ユニット600の退避状態における構成の配置が図示され、図58(b)では、内部動作ユニット600の中間状態における構成の配置が図示され、図58(c)では、内部動作ユニット600の張出状態における構成の配置が図示される。
図58(a)から図58(c)では、理解を容易とするために、昇降板部材630の前後長孔636、変位部材680の箱状本体部681及び延設部683の外形が想像線で図示され、変位部材680の筒状部684及び金属棒状部材686の外形線(第1長孔672、第2長孔673及び湾曲長孔674に周囲を囲まれる部分の外形線)が実線で図示される。
図58(a)から図58(c)に示すように、本実施形態では、第1長孔672と、第2長孔673及び湾曲長孔674とが、異なる形状から形成され、発光動作演出ユニット700の上下位置および姿勢に対応する筒状部684及び金属棒状部材686の案内のされ方が配置により変化することで、発光演出ユニット700が段階的に変位するよう構成される。以下、詳述する。
発光演出ユニット700を保持する変位部材680への駆動力の伝達は、昇降板部材630を介して行われる。即ち、図58(a)から図58(c)においては、前後長孔636が、駆動モータ648(図47参照)で生じる駆動力の伝達経路の最上流側となる。
即ち、昇降板部材630が上下方向に昇降変位することに伴い、前後長孔636の内側に配置される金属棒状部材686が許容される方向に変位し、金属棒状部材686の変位に他の部分が追従して変位する。
まず、第1長孔672及び第2長孔673は、長尺方向が上下方向に合致し、互いに平行となるように配置される。そのため、第2長孔673に金属棒状部材686が案内され、第1長孔672に筒状部684が案内される間(退避状態と中間状態との間)は、変位部材680に連結される発光演出ユニット700の前転方向の変位は抑制され、上下方向に平行変位する。
次いで、金属棒状部材686が湾曲長孔674に案内されるが、湾曲長孔674は、内部動作ユニット600の中間状態(筒状部684が第1長孔672の下端に当接している状態)における筒状部684の中心を中心軸J1とする円弧に沿って形成され、第2長孔673の下端と連結される。
そのため、湾曲長孔674に金属棒状部材686が案内される間(中間状態と張出状態との間)は、筒状部684の上下位置は維持され、金属棒状部材686が中心軸J1を中心に回転変位することで、発光演出ユニット700が中心軸J1を中心に前転方向に変位する。
図58(c)の状態から、昇降板部材630を上昇移動させる場合において、金属棒状部材686には前後長孔636を介して駆動力が伝達されるが、筒状部684へは昇降板部材630からの直接的な駆動力伝達は生じない。
そのため、内部動作ユニット600の中間状態(図58(b)参照)となるまでは筒状部684の配置は、第1長孔672の下端に当接している状態で維持される。そして、内部動作ユニット600の中間状態から退避状態(図58(a)参照)へ向けて移動する際には、金属棒状部材686が固定される箱状本体部681を介して筒状部684が昇降板部材630に吊り上げられる態様で、筒状部684が上昇移動する。
即ち、昇降板部材630が下降することに伴う変位部材680の変位は、図58(a)の状態から、図58(b)の状態を経て、図58(c)の状態に至る変位として設計され、昇降板部材630が上昇することに伴う変位部材680の変位は、図58(c)の状態から、図58(b)の状態を経て、図58(a)の状態に至る変位として設計される。
これらの変位の駆動力を伝達するのは前後長孔636であり、その変位方向は上下方向(直線方向)として規定されており、前後長さは金属棒状部材686が湾曲長孔674を通ることを許容するのに十分な長さとして設定される。即ち、発光演出ユニット700の変位態様の変化に合わせて前後長孔636の変位方向を切り替える必要がないので、昇降板部材630の設計を単純化することができる。
なお、退避状態における回転演出装置800の光の照射方向LD81が斜め前方に設定される一方で、張出状態における回転演出装置800の光の照射方向LD81が前方に設定されるので、発光演出ユニット700の前転方向の変位角度は90度よりも若干小さい角度として設計される。
図58(a)から図58(c)に図示されるように、第1長孔672が幅広に形成されているのは、筒状部684の異形開口部684b(図50(a)参照)が電気配線を通す配線通し孔として機能するので、電気配線を通すのに十分大きな隙間を形成することが一つの目的である。
また、他の目的として、発光演出ユニット700の前転方向への変位時に支持される軸が大径である方が、支持面積(周面の面積)を増大させることができる。これにより、姿勢変化の伴う変位時に支持部(第1長孔672)の単位面積当たりに生じる負荷(摩擦力)を低減することができるので、局所的に摩耗することを避けることができ、筒状部684及び第1長孔672の耐久性を向上させることができる。これにより、部材の材料の設計自由度を向上することができ、例えば、筒状部684が樹脂材料により形成されていても、十分な耐久性を持たせることができる。
第2長孔673及び湾曲長孔674は、金属棒状部材686の変位を案内するための長孔であり、第1長孔672に比較して幅が狭い。駆動モータ648で発生した駆動力は、昇降板部材630を介して金属棒状部材686に伝達される。金属棒状部材686は細径ではあるが、金属製であり、内部に電気配線を通すことが不要であり内部が充填されているので、十分な強度を発揮できる。
第2長孔673及び湾曲長孔674の幅が狭く形成されていることで、金属棒状部材686との間のクリアランスを小さくすることができるので、発光動作演出ユニット700の変位を安定させることができる。
そのため、内部動作ユニット600の中間状態(上下方向の変位と、前転方向の変位とが切り替えられる状態)における金属棒状部材686の配置ずれを小さくすることができる。これにより、発光動作演出ユニット700の変位の段階的な切替を滑らかに実行することができる。
発光動作演出ユニット700の自重が、変位の過程において、どの方向に作用するかについて説明する。図58(a)から図58(c)では、発光動作演出ユニット700の重心位置G1が図示される。
変位部材680の上下方向変位を規制するのは昇降板部材630であるが、その昇降板部材630に筒状部684は直接的には支えられていない。そのため、筒状部684は、箱状本体部681、延設部683及び金属棒状部材686を介して昇降板部材630に吊り下げられており、第1長孔672に変位が制限されることで配置が維持されている。
従って、内部動作ユニット600の退避状態から中間状態までは、発光動作演出ユニット700の自重によって、金属棒状部材686を回転軸とする方向に沿って筒状部684を下向きに変位させる負荷(金属棒状部材686を中心とする後転方向の負荷)が生じるので、発光動作演出ユニット700の自重によって筒状部684は前斜め下方向に付勢される。
これにより、筒状部684を第1長孔672の前側面に当接させ、大径リング部材688(図50(a)参照)を一方向に転動させるように構成することができるので、回転方向が定まらずに摺動する場合に比較して、筒状部684、大径リング部材688及び第1長孔672の摩耗を抑制することができる。
一方、内部動作ユニット600の中間状態から張出状態までは、筒状部684が第1長孔672に下支えされる(下方への変位が規制される)。そのため、発光動作演出ユニット700の自重によって、筒状部684の配置が第1長孔672の下端に維持されると共に、筒状部684を回転軸とする方向に沿って金属棒状部材686を下向きに変位させる負荷(筒状部684を中心とする前転方向の負荷)が生じるので、発光動作演出ユニット700の自重によって金属棒状部材686は中心軸J1を中心とする円弧に沿う方向で付勢される。
従って、内部動作ユニット600が中間状態から張出状態への状態変化を開始する場合の負荷が自重により生じるので、変位を滑らかに生じさせることができる。なお、本実施形態では、重心位置G1が前後方向において金属棒状部材686と筒状部684との間に配置されているので、軸となる金属棒状部材686及び筒状部684から重心位置G1までの距離が過度に長くなることを避けることができる。
これにより、金属棒状部材686を中心とする回転方向の負荷も、筒状部684を中心とする回転方向の負荷も、それぞれ過大となることを避け、適正な大きさで生じさせることができる。
変位部材680の上下方向変位中において、金属棒状部材686が筒状部684を追い抜くように構成される。この構成により、筒状部684は停止させて金属棒状部材686のみを上下方向変位させることができる。
内部動作ユニット600の張出状態からの金属棒状部材686の上昇変位開始時に筒状部684を共に上昇変位させる場合に比較して、変位部材680の上昇変位を開始させるために必要となる駆動力を低減することができる。これにより、駆動モータ648の小形化を図ることができる。
また、筒状部684の上下変位幅を短くすることで、筒状部684に挿通されている電気配線の上下方向変位幅を短くすることができる。そのため、電気配線の断線の発生を防止し易くすることができる。
正面視における発光動作演出ユニット700及び回転演出装置800の見え方について説明する。本実施形態では、発光動作演出ユニット700を前転方向に変位させることにより、異なる態様の発光演出を実行するように構成されている。
図59から図61は、動作ユニット500の正面図である。なお、図59から図61では、説明の便宜上、外レール62、中央構成ユニット240の装飾部247及び電飾基板251の外形が模式的に図示され、装飾部247及び電飾基板251の内側が白塗りされた状態で図示される。
図59から図61において装飾部247及び電飾基板251の内側を白塗りとすることで、光透過性が低くなることを表現している。なお実際は、電飾基板251は不透過性の材料から形成されており遊技者の視界を遮るが、装飾部247は光透過性の材料から形成されているので、光透過性が低いとは言え、遊技者の視界は通る(装飾部247を介して背面側の構成を視認することが可能となる)。
図59では、内部動作ユニット600の退避状態が図示され、図60では、内部動作ユニット600の中間状態が図示され、図61では、内部動作ユニット600の張出状態が図示される。
図59に示すように、内部動作ユニット600の退避状態では、回転演出装置800は、装飾部247や電飾基板251の後ろに配置され、正面視ではその大部分が隠される。そのため、回転演出装置800自体の視認性は低くなる。この状態において、被検出部635が検出装置(図示せず)の検出溝に進入することで検出装置に検出されることで、昇降板部材630が上下方向変位の上端に配置されていることが音声ランプ制御装置113(図4参照)で判定される。
また、内部動作ユニット600の退避状態では、発光動作演出ユニット700及び回転演出装置800が装飾部247により分断された状態で視認される。そのため、発光動作ユニット700は装飾部材750に電飾基板741(図51参照)から照射される光を当てることにより実行される正面側向きの光演出を実行し、回転演出装置800は外レール62へ向けて光を照射する上側向きの光演出を実行する場合に、それぞれの光演出を分けて視認させることができるので、それぞれの光演出を際立たせることができる。
本実施形態では、回転演出装置800から光を照射する部分として弓なりに湾曲する面(正面視で外レール62と上下方向で対向配置される面)と、外レール62とが、上に凸の湾曲形状として類似の形状で設計される。
そのため、回転演出装置800が、後述する回転発光演出を実行する姿勢とは異なる姿勢とされる場合に、回転演出装置800を、あたかも外レール62を照らすための部材であるかのように視認させることができる。これにより、内部動作ユニット600の退避状態における回転演出装置800の利用価値を高めることができ、内部動作ユニット600の退避状態における遊技盤13及び動作ユニット500の見映えを良くすることができる。
回転演出装置800から外レール62へ照射される光により行うことで効果的な演出として、光が球の経路で移動しているように光を視認させる右打ち示唆演出が想定される。例えば、回転演出装置800から光を照射する順番を、左端のLEDで上方に配置される外レール62の範囲E1に光を照射する時を起点として、右隣のLEDで外レール62の範囲E2に光を照射するように変化させ、順に範囲E3,E4と変化させると共に、光照射したLEDは照射タイミングから一定時間(例えば、1秒)経過したら消灯する第1発光制御態様に設定することで、あたかも、光が外レール62に沿って右に移動しているように見せることができ、これにより右打ちを行うタイミングであることを遊技者に報知することができる。
この場合、右打ち示唆演出を行うために、遊技盤13(図18参照)に電飾基板を点在させたり、第3図柄表示装置81で表示する右打ち示唆用の図形や絵を設計したりする労力を省くことができる。
なお、右打ち示唆演出としては、回転演出装置800による発光演出のみで実行する場合に限られるものではなく、種々の態様が例示される。例えば、回転演出装置800による発光演出に加えて、遊技盤13に点在される電飾基板に配置される発光手段を発光させるようにしても良いし、回転演出装置800による発光演出に加えて、第3図柄表示装置81で右打ち示唆用の図形や絵を表示しても良い。
内部動作ユニット600の退避状態における回転演出装置800の配置位置は、透明樹脂からなる上部連結部材270の背面側に設定されているので、回転演出装置800の前方に釘は配置されていない。これにより、釘による反射の影響を受けることが無いので、回転演出装置800から照射される光を遊技者に視認させ易くすることができる。
加えて、回転演出装置800は、後述するように、内部動作ユニット600の張出状態における回転発光演出を実行可能であるにも関わらず、内部動作ユニット600の張出状態とは姿勢の異なる退避状態において外レール62に光を当てて右打ち示唆演出を実行可能な装置として利用される。即ち、回転演出装置800を異なる目的の演出に兼用することができる。
なお、回転演出装置800により実行される光演出は、右打ち示唆演出に限られるものではない。例えば、演出装置としての電飾基板251の中央発光手段251bが発光演出を実行する予告演出として、上向きの矢印を遊技者に視認させるような光演出を実行しても良い。
図60に示すように、内部動作ユニット600の中間状態では、回転演出装置800が装飾部247の下側に配置される。これにより、退避状態に比較して、装飾部247に遮蔽されていない分だけ発光動作演出ユニット700及び回転演出装置800の視認性が高くなる。
更に、退避状態に比較して、発光動作演出ユニット700及び回転演出装置800が一体的に構成されることを把握し易くなると共に、外レール62と回転演出装置800との上下間隔が広くなる。
従って、回転演出装置800の役割として、外レール62を照らすための部材ではなく、発光動作演出ユニット700の装飾部材750と一体的に光演出を実行する部材として認識され易くすることができる。
これにより、内部動作ユニット600の退避状態では中央装飾部材751が何とか視認される程度の小さな演出体だったものが、中間状態では中央装飾部材751のみではなく回転演出装置800を含む大きな演出体に変化したかのような錯覚を遊技者に与えることができる。
図61に示すように、回転演出装置800は、内部動作ユニット600の張出状態において光の照射方向LD81が正面側を向く姿勢とされる。この状態で、上述の第1発光制御態様で回転演出装置800から光を照射する場合、左右方向に沿って光が右方に移動するように視認させることができる。この手法によっても、右打ち示唆演出として遊技者に把握させることができる。
なお、本実施形態における遊技領域における特定入賞口65aの配置(図31参照)とは異なり、特定入賞口65aが遊技領域の右下側に配置される場合には、回転演出装置800の長手方向が右下がりの傾斜姿勢となるように回転演出装置800の姿勢を変化させ、その姿勢で上述の第1発光制御態様で光を照射しても良い。この場合、光の移動する先に特定入賞口65aが配置されているので、特定入賞口65aに向けて球を発射すべき状態であることを遊技者が理解し易くすることができる。
回転演出装置800は、内部動作ユニット600の張出状態において1回転以上の回転動作を実行可能となるように配置される。回転動作の動作速度について特に限定されるものではないが、例えば、高速回転させる際に、回転演出装置800から照射される光の配置毎の点滅を細かく制御することで、回転中に図形や絵柄が視認されるように構成しても良い(所謂、バーサライタ装置として構成しても良い)。
図61では、昇降板部材630が上下方向変位の下端に配置されたことが被検出部635が検出装置(図示せず)の検出溝に進入することで検出装置に検出されることにより、回転部材810の回転軸RJ1が前後方向に向いた状態であることを音声ランプ制御装置113(図4参照)で判定可能となる。
この検出をフラグとして、回転部材810の回転発光演出を実行可能となるように制御しても良い。即ち、昇降板部材630の移動終端を検出する検出装置を、回転部材810の回転発光演出の開始可能タイミングを検出する検出装置として兼用することができる。
図62は、動作ユニット500の正面図である。なお、図62では、説明の便宜上、外レール62、中央構成ユニット240の装飾部247及び電飾基板251の外形が模式的に図示され、装飾部247及び電飾基板251の内側が白塗りされた状態で図示される。図62では、内部動作ユニット600の張出状態において、回転演出装置800の回転部材810が高速回転している状態における残像の外形線が想像線で図示される。
なお、回転部材810の高速回転の速度は、何ら限定されるものではなく、種々の態様が例示される。例えば、残像により背面側の構成が視認し難くなるほどの回転速度でも良いし、残像は生じるものの、回転部材810が配置されていない位置を通して背面側の構成を視認できる程度の回転速度でも良い。
図62では、回転演出装置800の光演出(回転発光演出)として、残像により背面側の構成が視認し難くなるほどの回転速度で回転部材810が回転されると共に、回転中に視認可能に制御される図形の一例(右向きの大きな矢印)が図示される状態が図示される。
なお、図62では、理解を容易とするために、回転部材810の取り得る配置が45度ずつ角度ずれして図示されるが、実際は残像が見えるのみであり、回転部材810の外形を明確に視認することは困難となる程度の回転速度で回転する。図62に示すように図形が視認可能となるようにすることで、遊技者に対して報知を実行することができる(右打ちすべきタイミングであることを把握させることができる)。
回転発光演出の具体的な実施方法について説明する。回転部材810の内部には、アーチ形状透過部材814を介して正面側へ向けて光を進行させるよう配置されるLEDが回転部材810の長手方向に沿って複数並べられている。そのため、回転軸RJ1を中心に回転部材810を回転させる際にLEDが移動する軌跡(円形経路)の直径は、回転軸RJ1からの距離に応じて異なる。
図62において、回転部材810の高速回転に伴う移動中の各LEDの配置が、表示しようとしている図形(図62では、右向きの矢印)の内側にあるか、外側にあるかに応じて、各LEDのオンオフを切り替えると、アーチ形状透過部材814を通して視認される光の残像が一体的に視認されることで、特定の図形(図62では、右向きの矢印)を遊技者に視認させることができる。
表示される図形は、回転部材810の回転に対応して各LEDのオンオフ制御のタイミングを切り替えることで多様に変化させることができるので、回転部材810を利用した発光演出の演出自由度を向上することができる。
このように、本実施形態によれば、回転演出装置800を利用して、同様の目的の報知演出(右打ち示唆演出)を様々な態様で実行することができる。即ち、内部動作ユニット600の退避状態では、外レール62に光を照射する態様で実行でき、内部動作ユニット600の張出状態では、回転演出装置800を回転させない態様または回転させる態様の双方で実行することができる。
従って、報知演出のバリエーションが少ない(例えば、一つである)場合に比較して、演出の予想をされ難くすることができる。これにより、遊技者の興趣の向上を図ることができる。
なお、本実施形態では、右打ち示唆の報知演出を一例として説明したが、必ずしもこれに限られるものでは無く、種々の演出が例示される。例えば、光の向きや矢印の向きを左右交互に入れ替え、球の発射を左右交互に切り替えることを示唆する報知演出でも良いし、左の向きや矢印の向きを左向きとすることで、左打ちに戻すことを示唆する報知演出を行っても良い。
また、例えば、張出状態における回転発光演出における高速回転中に外レール62と同心の円弧形状を表示するように発光演出を行うことで、退避状態における回転演出装置800と同様に、外レール62の形状に合わせた発光演出を張出状態においても継続させることができる。これにより、発光演出に一貫性を持たせることができる。
図62に示すように、回転演出装置800は、内部動作ユニット600の張出状態において高速回転可能とされるが、回転発光演出は、回転演出装置800の回転軸が維持されることを前提に設計されるので、高速回転により回転軸に対して直角方向に生じる負荷で回転演出装置800が変位しないように支える構成を本実施形態では採用している。
まず、回転演出装置800の左右方向の変位の規制について説明する。発光動作演出ユニット700の保持は、変位部材680の締結部682に中間連結部材760の被連結孔764が連結されることで行われるところ、左右一対ずつの被連結孔764の内、右下の一つのみが長孔では無く略円形状の支持孔764bとして形成され、その他は、長孔764aとして形成される。
ここで、締結部682が連結される被連結孔764を長孔764aとすることで、発光動作演出ユニット700を上下方向に変位させる際の左右両側の変位部材680の上下位置ずれを許容することができる(図39参照)。一方で、長孔764aのみで構成すると、回転演出装置800が高速回転する際に回転演出装置800が左右方向に配置ずれする可能性がある。
これに対し、本実施形態のように、少なくとも一つの孔を支持孔764bとすることにより、支持孔764bにより締結部682の左右方向の移動を規制することができるので、回転発光演出において回転演出装置800が高速回転したとしても、回転演出装置800の左右方向への位置ずれを抑制することができる。
図63(a)から図63(c)は、変位部材680の締結部682と、被連結孔764の長孔764a及び支持孔764bと、の模式正面図である。図63(a)から図63(c)では、発光動作演出ユニット700の長手方向(左右幅方向)が模式直線700Lとして模式的に図示される。
即ち、図63(a)では、模式直線700Lが左右方向に沿うように配置されることから発光動作演出ユニット700が水平な姿勢で保たれる状態が図示され、図63(b)では、模式直線700Lが左上りで傾斜することから発光動作演出ユニット700が傾斜した姿勢の状態が、許容される最大の傾斜角度で図示され、図63(c)では、模式直線700Lが右上りで傾斜することから発光動作演出ユニット700が傾斜した姿勢の状態が、許容される最大の傾斜角度で図示される。なお、図63(a)に示す状態は、図36及び図37に示す状態に対応し、図63(c)に示す状態は、図39に示す状態に対応する。
図63(a)から図63(c)に図示されるように、模式直線700Lの傾斜は、支持孔764bを支点とする回動変位により生じる。図63(b)では、図面左上に配置される長孔764aの左端部に前後リング部材689の円筒状部689b1が当接する位置が図示されており、この状態まで模式直線700L(発光動作演出ユニット700に対応)の回動(正面視時計回り方向の回動)は許容される。
図63(c)では、図面右上に配置される長孔764aの右端部に前後リング部材689の円筒状部689b1が当接する位置が図示されており、この状態まで模式直線700L(発光動作演出ユニット700に対応)の回動(正面視反時計回り方向の回動)は許容される。
このように、本実施形態では、支持孔764bを複数位置で採用する場合と異なり、左右に配置される締結部682の上下方向に沿う直線UD71方向の位置ずれを許容することができる。そのため、発光動作演出ユニット700の昇降動作が、左右にそれぞれ配置される駆動モータ648を同時に駆動させることにより実行される構成において、駆動モータ648同士の動作タイミングのずれや、回転速度がばらつきの発生を許容することができる。
支持孔764bを起点とする模式直線700Lの回動は、図63に示されるように支持孔764bの開口方向が前後方向とされる場合(内部動作ユニット600の退避状態や中間状態)では、昇降板部材630の移動方向(直線UD71に沿う方向、上下方向)に向けた変位として許容される。
一方、発光動作演出ユニット700が傾倒変位して支持孔764bの開口方向が略上下方向とされる場合(本実施形態では上下方向に対する角度が5度となる方向とされる場合、即ち、内部動作ユニット600の張出状態の場合、図62参照)、支持孔764bを起点とする模式直線700Lの回動方向は直線UD71と略直交する平面に沿う方向(本実施形態では、前後方向に対する角度が5度となる平面に沿う方向)となり、直線UD71と略直角に交差する。
昇降板部材630は、長孔612(図49参照)により直線UD71方向に変位するように案内される一方、前後方向変位が規制されていることから、発光動作演出ユニット700の前後方向変位は抑制されている。そのため、支持孔764bを起点とする模式直線700Lの回動方向が直線UD71と略直交する平面に沿う方向である場合、模式直線700Lの回動の許容幅は抑制される。
即ち、長孔764aが形成されている条件下においても、内部動作ユニット600の張出状態において発光動作演出ユニット700の昇降板部材630に対する位置ずれを抑制することができる。
この場合、上述したように、回転部材810が高速回転する回転発光演出を、内部動作ユニット600の張出状態で実行するように制御することで、回転部材810の回転軸RJ1の配置が回転発光演出中にずれることを防止することができる。これにより、回転部材810の回転軸RJ1の配置を固定するための別部材の配設を省略することができる。
また、本実施形態では、支持孔764bが回転部材810の逆側(図62の状態において後側)に配置されるので、回転部材810に近い側に支持孔764bが配設される場合に比較して、回転部材810の回転により生じる配置ずれ(発光動作演出ユニット700の正面側で生じる配置ずれ)を制限し易くすることができる。
発光動作演出ユニット700が傾倒変位する場合、回転方向の負荷によって、中間連結部材760に対して変位部材680から離れる方向(締結部682(図50参照)が張り出す方向)に負荷が生じる(図53参照)。そのため、対策なしでは、締結部682に過負荷が生じ破損する可能性がある。
これに対し、本実施形態では、発光動作演出ユニット700が若干傾倒する姿勢(図55参照)を初期姿勢とすることで、傾倒変位前から中間連結部材760が変位部材680の下縁部側に近接する方向に付勢される。即ち、変位部材680の回転軸としての筒状部684(図50(a)参照)に近い側で中間連結部材760が変位部材680に近接配置されるので、中間連結部材760に対して変位部材680から離れる方向に生じる負荷を変位部材680の回転方向の負荷として生じさせ易くすることができ、締結部682に加えられる負荷を低減することができる。
次に、回転演出装置800の上下方向の変位の規制について説明する。本実施形態では、昇降板部材630の被当接板638の上下方向の変位を抵抗発生装置650により規制可能に構成されており、その規制を内部動作ユニット600の張出状態において実行可能に構成される。
図64から図66は、図36のLXIV−LXIV線における動作ユニット500の断面図である。LXIV−LXIV線は、昇降板部材630の被当接板638(図49参照)の板厚の中心を通る線として設定される。図36では遊技盤13は図示されていないが、図64から図66では組立状態における配置での遊技盤13の断面図が図示される。
図64では、内部動作ユニット600の退避状態が図示され、図65では、内部動作ユニット600の中間状態が図示され、図66では、内部動作ユニット600の張出状態が図示される。
また、図64から図66では、ソレノイド651に通電されておらず、ソレノイド651が非励磁の状態が図示される。加えて、図65では、参考としてソレノイド651に通電されソレノイド651が励磁された状態が部分的に切り取られて図示される。
図64及び図66に示すように、ソレノイド651が非励磁の状態では、抵抗発生装置650の前後変位部材653が正面側に位置し、昇降板部材630の被当接板638の移動経路に入り込む。
被当接板638の上下両側面および前後変位部材653の上下両側面は、上下方向と直交する平面状に形成される。これにより、被当接板638の移動方向(上下方向)と、その移動方向で被当接板638が前後変位部材653の上下両側面から受ける負荷の方向とを合致させることができる。
そのため、被当接板638から前後変位部材653に与えられる負荷が後方へ向く成分を持たないので、前後変位部材653が背面側に押し出されることを回避できる。従って、前後変位部材653が正面側に位置する状態をが維持される。
図64に示す状態では、前後変位部材653は、被当接板638と上下方向で当接し、被当接板638の下降変位を防止するように機能する。即ち、駆動モータ648に通電させずとも、前後変位部材653によって昇降板部材630が自重で下降変位することを防止することができるので、内部動作ユニット600を退避状態で維持することができる。
なお、本実施形態では昇降板部材630に対してコイルスプリングSP1(図47参照)から上方向への付勢力が生じているので、コイルスプリングSP1の付勢力を、内部動作ユニット600を退避状態で維持するために十分な大きさで設計することで、前後変位部材653を機能させずとも内部動作ユニット600を退避状態で維持することが可能である。
一方、この場合には、コイルスプリングSP1の付勢力が大きくなり、昇降板部材630を下降変位させるために駆動モータ648に発生させる駆動力が大きくなることから、駆動モータ648を大型化することが必要になる可能性がある。これに対し、本実施形態のように前後変位部材653により内部動作ユニット600を退避状態に維持する構成を採用することにより、コイルスプリングSP1の付勢力は、あくまで補助的なものとして小さくすることができるので、駆動モータ648の小形化を図ることができる。
図66に示す状態では、前後変位部材653は、被当接板638と上下方向で当接し、被当接板638の上昇変位を防止するように機能する。即ち、駆動モータ648に通電させずとも、前後変位部材653によって昇降板部材630が上昇変位することを防止することができるので、内部動作ユニット600を張出状態で維持することができる。
昇降板部材630を上昇変位させる負荷としては、回転演出装置800(図62参照)の回転発光演出の際の慣性による負荷が想定される。即ち、回転演出装置800が高速回転する際に回転演出装置800が回転軸と直角な方向に変位する可能性があるが、上下方向の変位については前後変位部材653によって防止することができる。
このように、本実施形態では、前後変位部材653によって、内部動作ユニット600の退避状態における昇降板部材630の下降変位のみならず、内部動作ユニット600の張出状態における昇降板部材630の上昇変位をも防止することができる。
図65に示す状態は、ソレノイド651に通電され励磁された状態(図65において切り取られた範囲を参照)において昇降板部材630が下降変位し、その後でソレノイド651への通電が解除された非励磁の状態に対応する。
即ち、本実施形態では、ソレノイド651が励磁された状態となると、前後変位部材653が被当接板638の変位軌跡から退避することで、昇降板部材630の上下変位が許容されるところ、昇降板部材630の上下変位の途中でソレノイド651が非励磁の状態となったとしても、直ちに昇降板部材630の上下変位が規制されるものではなく、被当接板638が前後変位部材653の前側面に摺動する状態で上下変位を継続させることができる。
換言すれば、昇降板部材630が上下変位中に受ける負荷の態様として、前後変位部材653が被当接板638と接触しないことから前後変位部材653からの負荷は受けない態様と、前後変位部材653と接触することで摩擦力を受ける態様とを構成可能であり、これらをソレノイド651への通電の有無により切り替えることができる。
被当接板638と当接する前後変位部材653の前側面の形状は何ら限定されるものではないが、本実施形態では、上下一対の案内突設部614に亘って前後方向と直交する平面形状とされ、案内突設部614よりも上下外側において被当接板638から逃げる側に湾曲する湾曲面形状とされる。
これにより、背面側側面が前後方向と直交する平面形状とされる被当接板638との接触面の上下幅を広げることができ、接触面積を確保することができるので、前後変位部材653から昇降板部材630が受ける摩擦力を大きくすることができ、昇降板部材630を制動させる程度を上下両方向で大きくすることができる。
このように、本実施形態では、前後変位部材653によって、上下変位中の昇降板部材630を制動(又は停止)させることができる。即ち、前後変位部材653を、昇降板部材630の配置を上下端(内部動作ユニット600の退避状態および張出状態)で維持するための部材と、変位中の昇降板部材630を制動させるための部材として、兼用することができる。
昇降板部材630のラックギア部634へは、歯合される伝達ギア649を介して駆動力が伝達されるところ、上述したように、昇降板部材630のラックギア部634が自重により後方へ付勢されることでラックギア634と伝達ギア649との歯合状態が適正化され、駆動力の伝達効率が向上している。
これに対し、昇降板部材630を制動させる際に、前後変位部材653から被当接板638へ加えられる負荷は正面側向きの負荷であり、ラックギア634を伝達ギア649から離すように作用する。
そのため、前後変位部材653が被当接板638に当接することで、当接位置で生じる摩擦力により制動されることによる減速の効果だけではなく、ラックギア634と伝達ギア649との歯合状態を悪くする(噛み合いの程度を低くして駆動力の伝達効率を悪くする)ことによる減速の効果を生じさせることができる。これにより、昇降板部材630を効率的に制動(減速)させることができる。
ソレノイド651の通電の切り替え制御の一例について説明する。内部動作ユニット600の退避状態を基準として説明する。まず、駆動モータ648を駆動開始するよりも前にソレノイド651に通電し、前後変位部材653を被当接板638の変位軌跡から退避させる。
これにより、昇降板部材630が上下方向に変位可能となるので、駆動モータ648を駆動開始し、内部動作ユニット600を張出状態へ向けて下降変位させる。張出状態となる前の状態(例えば、内部動作ユニット600の中間状態)においてソレノイド651への通電を解除することで、前後変位部材653が被当接板638に押し当てられるので(図65参照)、摩擦力により昇降板部材630を制動させることができる。
この状態で内部動作ユニット600の張出状態に到達すると、被当接板638が前後変位部材653の変位軌跡よりも下側に配置されるので、前後変位部材653はソレノイド651の戻りバネにより正面側の位置に変位する(図66参照)。
従って、前後変位部材653から被当接板638に与えられる作用を、ソレノイド651の通電の有無の切り替えを行うことなく、制動から、位置の規制に、滑らかに変化させることができる。
一方、内部動作ユニット600の張出状態からの上昇変位の際には、昇降板部材630の上下方向の変位中はソレノイド651への通電を維持することで、前後変位部材653が被当接板638に接触しない状態を維持することができる。これにより、前後変位部材653と被当接板638との間の摩擦抵抗を発生させないようにすることができるので、昇降板部材630の上昇変位に必要な駆動力を低減することができ、駆動モータ648の小形化を図ることができる。
内部動作ユニット600の状態変化に対応して、回転演出装置800の回転動作の態様が変化することについて説明する。本実施形態では、発光動作演出ユニット700の姿勢が前転方向または後転方向に変化することで回転演出装置800の姿勢も変化するが、この姿勢ごとに許容される回転動作(回転角度)が変化する。
図67から図69は、図36のLXVII−LXVII線における遊技盤13及び動作ユニット500の断面図である。LXVII−LXVII線は、回転姿勢補助部材690の筒状部材695(図37参照)の幅寸法の中央を通る線に対応する。図36では遊技盤13は図示されていないが、図67から図69では組立状態における配置での遊技盤13の断面図が図示される。
図67では、内部動作ユニット600の張出状態が図示され、図68(a)及び図68(b)では、内部動作ユニット600の中間状態が図示され、図69(a)及び図69(b)では、内部動作ユニット600の退避状態が図示される。即ち、図67から図69では、内部動作ユニット600が張出状態から中間状態を経て退避状態へ変化する様子が時系列で図示される。
なお、図68(a)及び図69(a)では、回転部材810の長手方向が左右方向に沿う適正姿勢における回転部材810が図示され、図68(b)及び図69(b)では、回転部材810の図面手前側端部が、許容される背面側への移動終端に到達した状態が図示される。
即ち、図68(b)では、回転部材810の端部が背面ケース510の底壁部511と当接している状態が図示され(図68(b)においては非当接で図示されるが、図示された断面よりも右方(図68(b)紙面手前側)において当接している)、図69(b)では、回転部材810の端部が回転姿勢補助部材690の筒状部材695と当接している状態が図示される(図69(b)においては非当接で図示されるが、図示された断面よりも右方(図69(b)紙面手前側)において当接している)。
図67に示す内部動作ユニット600の張出状態では、回転演出装置800の回転部材810が、回転発光演出を一例とする、回転軸RJ1を中心とした回転方向RD1に一周以上(360度以上)の回転動作を可能となるように構成される。即ち、センターフレーム86に配設される装飾部247等が、回転演出装置800の回転部材810の動作軌跡に入り込まない位置に配置される。
図68では、回転演出装置800の回転部材810の背面側に背面ケース510の底壁部511が配設されるので、回転演出装置800の回転部材810の回転可能な角度は、回転部材810が回転方向RD1で変位して背面ケース510と当接するまでの角度に制限される(図68(b)参照)。
基本的には、内部動作ユニット600の張出状態から中間状態へ向けて状態変化する前に、回転演出装置800の回転部材810の長手方向が左右方向に沿うように回転部材810の姿勢が制御され(適正姿勢に制御され)、その上で中間状態へ向けて状態変化させるように制御されるので、回転部材810と底壁部511とが衝突する可能性は低い。
本実施形態では、誤制御により回転演出装置800の回転部材810が底壁部511と衝突する事態が生じたとしても、回転部材810が底壁部511の開口511aの上縁よりも上側において底壁部511と衝突するように配置されているので、回転部材810が第3図柄表示装置81と衝突する事態を回避することができる。
図69では、回転演出装置800の回転部材810の背面側に回転姿勢補助部材690の筒状部材695が配設されるので、回転演出装置800の回転部材810の回転可能な角度は、回転部材810が回転方向RD1で変位して筒状部材695と当接するまでの角度に制限される。即ち、回転演出装置800の回転部材810の回転可能な角度は、中間状態(図68(b)参照)における角度よりも、退避状態における角度の方が小さくなる(図69(b)参照)。
本実施形態では、内部動作ユニット600の中間状態において回転部材810が底壁部511と当接するまで回転変位している場合に、そのまま内部動作ユニット600の退避状態まで状態変化が継続した場合であっても、その状態変化(発光動作演出ユニット700の上昇変位)の過程において回転部材810が筒状部材695に当接することで前側に押し出されることで、回転部材810の適正姿勢との姿勢差が小さくなるように回転部材810の姿勢が修正されるよう構成される。
回転部材810が、適正姿勢において左右対称形状とされており(図61参照)、筒状部材695が左右対称位置に配置されていることから、回転部材810の姿勢差が左右どちらで生じたとしても(回転軸RJ1を中心とする何れの回転方向で生じたとしても)、回転部材810の適正姿勢との姿勢差が小さくなるように回転部材810の姿勢が修正される。
回転部材810は回転軸RJ1を中心に回転動作しているので、回転部材810が背面側に変位して筒状部材695と当接する側(左右一側、図69参照)の反対側(左右他側)では、回転部材810がベース板60に近接することになる。適正姿勢からの姿勢ずれが大きいと、回転部材810とベース板60とが擦れることで回転部材810が摩耗したり、衝突により破損したりする可能性がある。
これに対し、上述のように筒状部材695が機能することで、内部動作ユニット600が退避状態へ向けて状態変化する過程で、適正姿勢に戻る側に回転部材810の姿勢が変化するので、左右他側の回転部材810をベース板60から離す方向に変位させることができる。これにより、回転部材810とベース板60との接触を回避することができる。
筒状部材695は、上述のように、回転部材810と当接して回転部材810を正面側に押し出すように機能する部材であって、回転部材810の摩耗を避けるために転動可能な真円形状の筒状に形成されている。即ち、回転部材810との接触時に筒状部材695が回転することで、回転部材810に摺れ傷を残さないように構成されている。
この機能を維持するために、装飾形状は極力省くことが好ましいところ、筒状部材695が遊技者に視認されると、他の装飾部分と同時に見た場合に形状が簡素過ぎて、違和感を与える可能性がある。
これに対し、本実施形態では、筒状部材695は内部動作ユニット600の張出状態における回転部材810の配置よりも退避位置側(上側かつ背面側)に配置されているので、筒状部材695に対する注目力を低くすることができる。
更に、内部動作ユニット600の退避状態では、筒状部材695は回転部材810の背面側に配置されるよう設計されているので(図36参照)、回転部材810によって筒状部材695の視認性を低下させることができる。
従って、筒状部材695の形状は回転部材810の摩耗を回避するために最適な形状に設計しながら、筒状部材695の視認性を下げることで、筒状部材695が遊技者に見られる可能性を低下させることができ、違和感なく遊技を継続させることができる。
内部動作ユニット600の退避状態において回転部材810に許容される姿勢変化により可能となる光演出について説明する。上述のように、内部動作ユニット600の退避状態においては、回転演出装置800から照射される光が外レール62に照射され、外レール62を発光させる演出が可能となっている。
これに加え、回転部材810が回転軸RJ1を中心として姿勢変化することで、回転部材810の回転先端部の片方を前側に変位させることができる。例えば、図69(b)において、紙面奥側(左側)の回転先端部を正面側に寄せることができるので、外レール62の左側をより明るく発光させ、右側は若干暗く発光させることができる。また、回転部材810の姿勢変化の方向を逆にすれば、左右の明暗の違いを逆転させることができる。
これにより、外レール62の発光強度を部位ごとに変化させる演出を実行することができる。例えば、回転部材810からの光照射の発光強度は変化させずに、回転部材810を回転軸RJ1中心の回転方向で往復させるように繰り返し姿勢変化させることで、外レール62の左右に照射された光による見かけの明るさを、左右交互に切り替えることができる。
内部動作ユニット600の中間状態において回転部材810に許容される姿勢変化により可能となる光演出について説明する。上述のように、内部動作ユニット600の中間状態においては、退避状態における姿勢変化角度よりも大きな角度で回転部材810が姿勢変化可能となっている。そのため、回転演出装置800から照射される光が外レール62に照射され、外レール62を発光させる演出における光の到達位置を、より正面側に位置させることができる。
これにより、LED等の発光手段を備える回転部材810が外レール62から遠ざかったとしても、外レール62で光が反射する位置を正面側(遊技者側)に変化させることで、外レール62に照射され反射する光の強度の変化が、遊技者から見て目立たないようにすることができる。
また、光の到達範囲を外レール62に限定されるものではなく、上部連結部材270の第6張出部277等(図26参照)の外レール62から離れて配置される部分へも光を到達させることができる。
回転部材810は左右中央位置に配設される回転軸RJ1を中心として首振り動作することで、左右外側に配置される長手方向端部を片側ずつ前寄せ配置させることができるので、ベース板60の強度面から配置が左右中央位置に設計された電飾基板251ではカバーし難い範囲(左右外側位置)における光演出を補助することができる。
これにより、電飾基板251の配置が限定される場合であっても、電飾基板251が配置されていない箇所における光演出の演出性能を、動作ユニット500に配設される回転演出装置800の発光演出により向上させることができる。
次いで、図70を参照して第3実施形態について説明する。第1実施形態では、遊技球を第1通路TR1又は第2通路TR2から排出するための凹部982e,982f,982gが、第1通路TR1又は第2通路TR2の左右に配置される場合を説明したが、第3実施形態の振分ユニット3980では、球の排出経路が、第1通路TR1及び第2通路TR2を形成する膨出部3982の前側に形成される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図70(a)は、第3実施形態における振分ユニット3980の正面図であり、図70(b)は、振分ユニット3980の背面図である。図70(a)及び図70(b)に示すように、振分ユニット3980では、開口985e,985fの上流側において球を正面側に排出可能に構成される。
即ち、振分ユニット3980の正面ベース3981は、膨出部982に貫通形成される一対の開口3982kと、その開口3982kを通過して膨出部982の正面側に排出された球を左方向に流下させ背面側へ排出する排出樋3982lと、を備える。
開口3982kは、第1通路TR1又は第2通路TR2の正面側に配置され、第1通路TR1又は第2通路TR2を流下している球が通過可能となる大きさの矩形状で貫通形成される。
排出樋3982lは、左右に長い部分は左方へ向けて下降傾斜しており、その左端に形成される前後に長い部分は後方へ向けて下降傾斜する。そのため、第1通路TR1又は第2通路TR2から開口3982kを通過して排出樋3982lに乗った球は、排出樋3982lに沿って左方へ流され、左端位置において流下方向が後方側へ切り替わり、後方へ流される。
なお、本実施形態では、排出樋3982lは、一対の開口3982kの両側において球を受け入れるよう構成されることで、部品数を抑える形で部品コストを低減しているが、各開口3982kにそれぞれ排出樋3982lを設けるようにしても良い。この場合、左の開口3982kの正面側に配設される排出樋3982lは左方へ向けて下降傾斜し、右の開口3982kの正面側に配設される排出樋3982lは右方へ向けて下降傾斜するよう構成することで、排出樋3982l単体の長さを短くすることができる。
流入口982dを通過した球の見え方について説明する。正面ベース3981は、有色半透明(本実施形態では、青色)の樹脂材料から形成されており、流入口982dを通過して膨出部982の背面側を流下する球を膨出部982を通して視認することができる。
一方で、球が流下する第1通路TR1及び第2通路TR2は電動役物140aの後方まで延びて形成されているので、電動役物140aの後方の範囲においては電動役物140aが遮蔽物として作用して、球の視認性が悪くなる。
検出装置SE3に球が検知されるか否かの差が、電動役物140aの後方の範囲における球の流下方向で生じるとなると、視認性の悪い範囲における球に注目する必要があり、遊技者に疲労感を与える可能性がある。
これに対し、本実施形態では、検出装置SE3へ向かう経路から逸れる球は開口3982kを通って正面側に流れることから遊技者目線で球が近づいてくるだけでなく、正面側への流れが電動役物140aに隠される範囲よりも上方において生じることから、流入口982dを通過した球の内、検出装置SE3から逸れる方向に流れる球の視認性を確保することができる。
これにより、流入口982dを球が通過しているのに特別図柄の抽選が生じなかった場合に、球が検出装置SE3から逸れたことによる結果であることを容易に把握することができる。
振分けユニット3980の形状的な他の工夫について説明する。本実施形態では、開口3982kを形成して球の排出経路を確保した代わりに、背面ベース3985では、第1実施形態における背面ベース985から開口985b,985c(図8参照)の形成が省略されており、それに対応して膨出部982の下端付近における左右幅が短縮されている。
これにより、振分ユニット3980の左右幅を短縮することができるので、ベース板60の貫通孔60a(図5参照)の形状を小さくすることができることにより、ベース板60の厚肉部(釘を植設可能な部分)の面積を確保することができる。これにより、釘の配置自由度を向上することができる。
また、電動役物140aの近傍に釘を配置できるようになるので、電動役物140aに球を案内するための釘の配置自由度を向上することができる。
次いで、図71を参照して第4実施形態について説明する。第1実施形態では、遊技球を第1通路TR1又は第2通路TR2から排出するための凹部982e,982f,982gが、第1通路TR1又は第2通路TR2の左右に配置される場合を説明したが、第4実施形態の振分ユニット4980では、球の排出経路が、第1通路TR1及び第2通路TR2の背面側を形成する背面ベース4985の後側に形成される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図71(a)は、第4実施形態における振分ユニット4980の正面図であり、図71(b)は、振分ユニット4980の背面図である。図71(a)及び図71(b)に示すように、振分ユニット4980では、開口985e,985fの上流側において球を背面側に排出可能に構成される。
即ち、振分ユニット4980の背面ベース4985は、左右一対で貫通形成される開口4985kと、その開口4985kを通過して背面ベース4985の背面側に排出された球を左方向に流下させ背面側へ排出する排出樋4985lと、を備える。
開口4985kは、第1通路TR1又は第2通路TR2の背面側に配置され、第1通路TR1又は第2通路TR2を流下している球が通過可能となる大きさの矩形状で貫通形成される。
排出樋4985lは、左右に長い部分は左方へ向けて下降傾斜しており、その左端に形成される前後に長い部分は後方へ向けて下降傾斜する。そのため、第1通路TR1又は第2通路TR2から開口4985kを通過して排出樋4985lに乗った球は、排出樋4985lに沿って左方へ流され、左端位置において流下方向が後方側へ切り替わり、後方へ流される。
排出樋4985lは背面ベース4985の背面側に配置されており、遊技者から離れて配置されているが、その手前側に配置される正面ベース981及び背面ベース4985は、半透明の樹脂材料から形成されているので、遊技者は正面ベース981及び背面ベース4985を介して、排出樋4985l及び排出樋4985lを転動する球を視認可能である。
なお、本実施形態では、排出樋4985lは、一対の開口4985kの両側において球を受け入れるよう構成されることで、部品数を抑える形で部品コストを低減しているが、各開口4985kにそれぞれ排出樋4985lを設けるようにしても良い。この場合、各開口4985lから少なくとも後側に球を流せば、球を排出することができるので、排出樋4985lを左右に長く形成することを不要とすることができる。これにより、排出樋4985lの形状を単純化することができる。
排出樋4985lを背面側に形成する本実施形態の構成によれば、排出樋4985lが目立つことを避けることができるので、ベース板60(図5参照)の貫通孔60a付近におけるベース板60のデザインに排出樋4985lが影響を与えることを避けることができる。従って、ベース板60の装飾模様の設計自由度を向上することができる。
振分けユニット4980の形状的な他の工夫について説明する。本実施形態では、開口4985kを形成して球の排出経路を確保した代わりに、背面ベース4985では、第1実施形態における背面ベース985から開口985b,985c(図8参照)の形成が省略されており、それに対応して膨出部982の下端付近における左右幅が短縮されている。
これにより、振分ユニット4980の左右幅を短縮することができるので、ベース板60の貫通孔60a(図5参照)の形状を小さくすることができることにより、ベース板60の厚肉部(釘を植設可能な部分)の面積を確保することができる。これにより、釘の配置自由度を向上することができる。
また、電動役物140aの近傍に釘を配置できるようになるので、電動役物140aに球を案内するための釘の配置自由度を向上することができる。
開口4985kを背面側に形成する構成によれば、開口を正面側に形成する構成(図70参照)に比較して、開口4985kの上下配置を電動役物140aの配置によらずに任意に設計可能となる。そのため、第1通路TR1又は第2通路TR2を流下する球が逸れることなく検出装置SE3に検知される(検出孔SE1aを通過する)確率を形状から調整することができる。
例えば、開口4985kの上下幅を球の直径と同等の幅長さで設計する場合、第1通路TR1又は第2通路TR2を流下する球のほとんどは開口4985kを通過せず、検出装置SE3の検出孔SE1aを通過することになる。
一方、開口4985kの上下幅を球の直径の1.5倍の幅長さで設計する場合、第1通路TR1又は第2通路TR2を流下する球の20%程度が開口4985kを通過し、残りの80%程度が検出装置SE3の検出孔SE1aを通過することになる。即ち、開口4985kの上下幅の長さを任意に設計することで、検出装置SE3に検知される確率を調整することができる。
次いで、図72及び図73を参照して、第5実施形態について説明する。第2実施形態では、上部連結部材270に到達した球は滑らかに左右に案内される場合を説明したが、第5実施形態の上部連結部材5270では、球の左右方向への滑らかな案内が抑制される種々の工夫が施されている。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図72は、第5実施形態における遊技盤13の部分拡大正面図であり、図73は、図72のLXXIII−LXXIII線における遊技盤13の部分断面図である。
図72に示すように、センターフレーム86を構成する上側構成部材5241は、帯状フレーム部245から第2張出部5273へ向けて突設形成される左右突設部5246を備える。第2張出部5273は、下端部から、減速突設部5246の左右位置へ向けて突設される減速突設部5273aを備える。
本実施形態によれば、左右一対の第1張出部272の間や、第1張出部272と第2張出部5273との間を流下した球が帯状フレーム部245に到達し、左右に転動する場合、左右突設部5246から左右外側へ射出されるように流下し、減速突設部5273aに衝突して減速される。
即ち、左右一対の第1張出部272の間や、第1張出部272と第2張出部5273との間にまで到達する程に発射の勢いが大きく、大きな運動エネルギーを有する球の速度を、減速突設部5273aとの衝突により減速させることができる。
減速突設部5273aへの球の当接に係る重なり幅(上下寸法)は、左右突設部5246を通過する際の球の速度の大小によって異なる。即ち、高速で左右突設部5246を通過する球は、より高い位置で減速突設部5273aと広範囲で当接する一方、左右突設部5246を通過する際の速度が遅い球は、減速突設部5273aとの当接前から低い位置に変位し、減速突設部5273aと擦れる程度の当接に留められる。
従って、左右突設部5246を通過する際の速度が高速である場合には、大きな減速作用を期待できる一方、左右突設部5246を通過する際の速度が遅い場合には、減速作用を抑えることができ、球が停留することを回避することができる。
本実施形態によれば、強めの発射力で発射経路HL51に沿って発射され左右突設部5246よりも上流側(左右内側)で帯状フレーム部245に到達した球には、転動の過程で減速突設部5273aに当接することによる減速作用が生じる一方、弱めの発射力で発射経路HL52に沿って発射され左右突設部5246の下流側(左右外側)で帯状フレーム部245に到達した球には、減速突設部5273aによる減速作用は生じないように構成している。
即ち、遊技領域の左右中央にまで届く強めの発射力で発射された球には減速突設部5273aによる減速作用が生じ、遊技領域の左右外側(左側)に到達する弱めの発射力で発射された球には減速突設部5273aによる減速作用が生じない。これにより、発射力の大小(運動エネルギーの大小)による球の流下(帯状フレーム部245の下端側を通過する時の流下)の速度差を小さくすることができる。
図73に示すように、第3張出部5274の上面には、球が通過可能な大きさで開口5274aが貫通形成される。開口5274aは、球の直径程度の左右幅で形成され、板状部271が切り欠かれる態様で形成される凹設部5271aと合同で球の通路を形成する。凹設部5271aにより球を開口5274a側に案内し易くすることができる。
ベース板60には、開口5274aに入球した球の通路として貫通路5060dが前後方向に貫通形成される。ベース板60の背面側には、貫通路5060dを通過した球を受け入れ、左右外側かつ下方へ向けて球を案内する案内流路5295aを備える流路構成部材5295が締結固定される。
案内流路5295aは、帯状延設部263の上面に球を送る部材としての流路後構成部266(図25参照)に内部経路を連通させるようにして連結される。これにより、ベース板60の背面側へ流れた球を、帯状延設部263の上面に再び登場させるように球の経路を構成することができる。
帯状延設部263(図24参照)を転動する球は、中央後傾斜部263aを通り球排出孔263cから排出されると、第1入賞口64へ向けて落下する(図18参照)。このような配置関係から、帯状延設部263を転動する球は第1入賞口64に入球する可能性が著しく高まる。
そのため、開口5274aを通りベース板60の背面側に流れた球に対する注目力を向上させることができる。加えて、開口5274aを球が通るように発射力を調整する遊技者の意欲を高めることができる。
なお、背面側に流れた球のその後の流下経路については、何ら限定されるものではなく、種々の態様が例示される。例えば、流路前構成部265(図18参照)の左右外側位置においてベース板60の正面側に戻るようにベース板60に貫通孔が形成されていても良いし、左部構成部材450や右部構成部材470の背後を流下するように流下経路が下方に延設されても良い。
左部構成部材450や右部構成部材470の背後を流下するように流下経路が下方に延設されている場合、その流下経路が、外側脱落経路FL2(図31参照)と正面視で少なくとも部分的に重なるように配置することで、ベース板60の背面側を流下する球が、あたかも第1球案内部457へ向けて流下するように見せることができる。これにより、ベース板60の背面側を流下する球に対する注目力を向上することができる。
次いで、図74及び図75を参照して第6実施形態について説明する。第2実施形態では、発光動作演出ユニット700が遊技盤13の背面側に配置される場合を説明したが、第6実施形態では、発光動作演出ユニット6700が遊技盤13の正面側に配置される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図74及び図75は、図36のLV−LV線に対応する線における第6実施形態におけるパチンコ機6010の部分断面図である。図74では、発光動作演出ユニット6700が上端位置に配置された状態が図示され、図75では、発光動作演出ユニット6700が下端位置に配置された状態が図示される。
図74及び図75に示すように、パチンコ機6010は、遊技盤13の正面側に正面枠6014を備えており、その正面枠6014が外枠11に施錠された状態で第1ガラスユニット6016aが遊技領域の正面側を塞ぐよう構成される。
正面枠6014は、上述の第1ガラスユニット6016aと、正面側へ向かう程上昇傾斜する傾斜姿勢とされ正面側寄りに配置される第2ガラスユニット6016bと、を備える。
第1ガラスユニット6016aは、センターフレーム86を基準として、遊技領域側に板状ガラス部が形成され、その反対側に開口部6016cが貫通形成される。即ち、第1ガラスユニット6016aは、センターフレーム86の正面が開放されているので、正面視においてガラスユニット6016aが視界を遮らない分、センターフレーム86及びその内側に配設される第3図柄表示装置81の表示の視認性を向上することができる。
第2ガラスユニット6016bは、正面枠6014の周囲を構成する支持部6014aの内側に嵌め込まれる形で固定される。第2ガラスユニット6016bが遊技者と動作ユニット500とを隔絶するので、第1ガラスユニット6016aに開口部6016cが形成されている場合であっても、遊技者が動作ユニット500に触れるという事態を避けることができる。
支持部6014aは、不透過性の樹脂材料および金属材料から形成されており、その背面側に配置される構成を隠すように機能する。
発光動作演出ユニット6700は、配置が違うことを除いては、第2実施形態で説明した発光動作演出ユニット700と同一である。即ち、発光動作演出ユニット6700には、回転演出装置800が回転可能に配設されている。
正面枠6014の内側には、第2実施形態で説明した第1長孔672、第2長孔673及び湾曲長孔674と同一形状の第1長孔6672、第2長孔6673及び湾曲長孔6674が、第2実施形態における姿勢に対して前転方向に約25度傾斜した状態で形成される。
配置の変化に伴う、発光動作演出ユニット6700の見え方の変化について説明する。図74に示すように、発光動作演出ユニット6700が上端位置に配置されると、中央装飾部材751が、辛うじて視認され、回転部材810の全貌は正面枠6014の支持部6014aに目隠しされる。即ち、発光動作演出ユニット6700が上端位置に配置されると、発光動作演出ユニット6700の視認性は低下する。
一方、発光動作演出ユニット6700が斜め後ろ方向へ向けて下降変位すると、支持部6014aに隠されていた部分が第2ガラスユニット6016bの後方に配置され、回転部材810の全貌を視認可能となる。また、回転部材810が回転軸RJ1を中心に高速回転して回転発光演出を実行した場合であっても、回転部材810の回転先端側まで遊技者に視認させることができる。即ち、発光動作演出ユニット6700が下端位置に配置されると、発光動作演出ユニット6700の視認性は向上する。
なお、図75に想像線で示すように、回転部材810の回転軌跡は、第1ガラスユニット6014aの厚み寸法内に進入しているが、その進入した位置には開口部6016cが形成されており、第1ガラスユニット6014aと回転部材810との接触を回避している。即ち、開口部6016cは、回転部材810との接触を避けることで、回転部材810の配置自由度を向上させるように機能する。
本実施形態では、遊技盤13の正面側には発光動作演出ユニット6700が配設される一方、遊技盤13の背面側には発光動作演出ユニット700が配設される。発光動作演出ユニット700の動作態様は第2実施形態で上述した通りである。
そのため、本実施形態によれば、第3図柄表示装置81の表示領域の正面側に可動ユニットが張り出す演出動作として、発光動作演出ユニット6700を下端位置へ向けて移動させても良いし、発光動作演出ユニット700を内部動作ユニット600の張出状態とするようにしても良い。
また、回転演出装置800の回転発光演出を、発光動作演出ユニット700の回転部材810で実行しても良いし、発光動作演出ユニット6700の回転部材810で実行しても良い。これにより、回転発光演出の実行位置の設定自由度を向上することができると共に、実行のバリエーション(発光動作演出ユニット700又は発光動作演出ユニット6700の片方で回転発光演出を実行するか、交互に回転発光演出を実行するか、同時に回転発光演出を実行するか、等のバリエーション)の設計自由度を向上させることができる。
なお、背面ケース510内にも発光動作演出ユニット700が配設される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、背面ケース510の内部に発光動作演出ユニット700を配置しないように構成しても良い。
この場合、内部動作ユニット600の退避状態において発光動作演出ユニット700によって視界が遮られることが無くなるので、第3図柄表示装置81の上縁部を上方に引き上げて、第3図柄表示装置81の表示領域の面積を増加させることができる。また、発光動作演出ユニット700を収容するために必要だった背面ケース510の前後幅を短縮することができるので、センターフレーム86と第3図柄表示装置81との前後間隔を短縮することができ、第3図柄表示装置81による表示の視認性を向上することができる。
次いで、図76を参照して第7実施形態について説明する。第2実施形態では、金属棒状部材686が、直線形状の第2長孔673と、湾曲形成される湾曲長孔674とに案内されることで、発光動作演出ユニット700が平行移動する状態と、筒状部684の中心軸J1を中心として発光動作演出ユニット700が回動する状態とが切り替えられる場合を説明したが、第7実施形態のガイド部7673は、上下方向に沿って直線的に延びる突条形状で形成される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図76(a)から図76(c)は、第7実施形態におけるガイド部7673及びL字長孔7674を模式的に示すガイド部7673及びL字長孔7674の模式側面図である。図76(a)では、内部動作ユニット600の退避状態における高さにおける構成の配置が図示され、図76(b)では、内部動作ユニット600の中間状態における高さにおける構成の配置が図示され、図76(c)では、内部動作ユニット600の張出状態における高さにおける構成の配置が図示される。
なお、張出状態における発光動作演出ユニット700の配置は、筒状部684の配置が後方に位置ずれしていることからも分かるように、第2実施形態で説明した内部動作ユニット600の張出状態における発光動作演出ユニット700の配置よりも後方にずれる。
ガイド部7673は、第2実施形態で説明した第2長孔673の延設方向に沿って形成され、更に下方に向けて延設される板状部として外側部材610の左右内側面に形成され、金属棒状部材686の前後方向変位を規制するように配設される。L字長孔7674は、第2実施形態で説明した湾曲長孔674の下端部から後方に向けて筒状部684を受け入れられる幅の凹設部7674aが形成される。
変位部材680の下降変位について説明する。図76(a)から図76(b)までの変位は、変位部材680の姿勢を維持したまま行われる平行移動である。図76(b)から図76(c)までの変位では、筒状部684を中心として金属棒状部材686が回転変位することで、変位部材680が前転方向に傾倒する。
この時、筒状部684は、金属棒状部材686との距離が維持される関係から、凹設部7674aに進入および退避する態様で前後方向に変位する。即ち、変位部材680の姿勢変化中において、筒状部684は配置が維持されるものではなく、筒状部684の前後方向への変位が生じたままの状態で、変位部材680を傾倒変位させることができる。
次いで、図77を参照して第8実施形態について説明する。第2実施形態では、金属棒状部材686を案内する第2長孔673が上下方向に沿って延設される場合を説明したが、第8実施形態の第2長孔8673は、上下方向に対して傾斜した方向に沿って延設される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図77(a)から図77(c)は、第8実施形態における第2長孔8673、湾曲長孔8674、第3長孔8675、第1長孔上部8672a及び第1長孔下部8672bを模式的に示す第2長孔8673、湾曲長孔8674、第3長孔8675、第1長孔上部8672a及び第1長孔下部8672bの模式側面図である。
図77(a)では、金属棒状部材686及び筒状部684が変位範囲の上端位置に配置された状態が図示され、図77(b)では、金属棒状部材686が第2長孔8673と湾曲長孔8674との連結位置に配置された状態が位置され、図77(c)では、金属棒状部材686が湾曲長孔8674と第3長孔8675との連結位置に配置された状態が図示される。
第1長孔上部8672a及び第2長孔8673は、後方に向けて前後方向に対して約70度の傾斜角度で下降傾斜する方向に延設される。第2長孔8673の下端部に湾曲長孔8674が連結される。
湾曲長孔8674は、筒状部684が第1長孔上部8672aと第1長孔下部8672bとの連結位置に配置された状態における筒状部684の中心軸J81を中心とする円弧に沿う湾曲形状で延設される。
湾曲長孔8674の下端部に第3長孔8675の上端部が連結される。第1長孔上部8672aの下端部に連結される第1長孔下部8672bと第3長孔8675は、前方に向けて前後方向に対して約70度の傾斜角度で下降傾斜する方向に延設される。
金属棒状部材686は、昇降板部材630の前後長孔636に挿通されており、昇降板部材630が上下方向に移動することに伴って上下位置が変化する。金属棒状部材686の配置変化に伴う変位部材680の変位について説明する。
図77(a)から図77(b)までの変位は、変位部材680の姿勢を維持したまま行われる平行移動である。この時、変位部材680の変位方向は鉛直方向ではなく、前後方向の成分を有する方向となる。遊技者から見ると、変位部材680が下がりながら後方へ向けて退避しているように見えるので、発光動作演出ユニット700が下降して現れるにつれて、発光動作演出ユニット700の大きさが小さくなっている(遠ざかっている)用に見せることができる。
図77(b)から図77(c)までの変位では、筒状部684を中心として金属棒状部材686が回転変位することで、変位部材680が前転方向に傾倒する。これに伴い、発光動作演出ユニット700の視認される面を切り替えることができる。本実施形態では、第2実施形態に比較して傾倒角度が大きいので、回転部材810(図51参照)の裏面側を遊技者に視認させることができる。
この時、筒状部684は、金属棒状部材686との距離が維持される関係から、凹設部7674aに進入および退避する態様で前後方向に変位する。即ち、変位部材680の姿勢変化中において、筒状部684は配置が維持されるものではなく、筒状部684の前後方向への変位が生じたままの状態で、変位部材680を傾倒変位させることができる。
図77(c)に示す状態から、更に金属棒状部材686が下降変位すると、変位部材680は第3長孔8675に沿って前方へ向けて変位する。そのため、遊技者に対して変位部材680が下がりながら前方へ向けて張り出してきているように見せることができる。この際、第2長孔8673に沿って一旦後方に変位している分、前方への張り出しを際立たせることができる。
本実施形態では、第1長孔上部8672aと第1長孔下部8672bとの連結位置に筒状部684が配置された状態において、筒状部684の変位抵抗が増加するように構成している。即ち、図77(b)において筒状部684の後側部と当接する第1長孔下部8672bの内面が、第1長孔下部8672bのその他の部分や第1長孔上部8672aの内面の摩擦係数に比較して、摩擦係数が大きな材料から形成されている。
これにより、金属棒状部材686が湾曲長孔8674の終端位置に到達するまで、第1長孔上部8672aと第1長孔下部8672bとの連結位置に筒状部684を維持し易くすることができる。
なお、筒状部684を第1長孔上部8672aと第1長孔下部8672bとの連結位置に維持する手法は、摩擦係数の大きな材料を採用することに限られるものではなく、種々の態様が例示される。例えば、第1長孔上部8672a又は第1長孔下部8672bの内面の形状を摩擦係数の大きな形状(例えば、シボ加工形状)から形成するようにしても良い。
次いで、図78を参照して第9実施形態について説明する。第2実施形態では、締結部682が挿通される長孔764aが左右方向に長く上下方向に短い場合を説明したが、第9実施形態の大径孔9764aは、鍔付きリング部材9689bの円筒状部689b1の外径よりも十分に大きな内径の円形孔とされる。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図78(a)及び図78(b)は、図37のLXXVIIIa−LXXVIIIa線に対応する線における第9実施形態における変位部材9680及び発光動作演出ユニット9700の部分断面図である。
図78(a)では、締結部682が略前後方向(前方に向けて3度上昇傾斜する方向)に向き、大径孔9764aの上縁部が円筒状部689b1と当接して支えられている状態が図示される。図78(b)では、締結部682が下向きとなる姿勢に変位部材9680の姿勢が切り替えられ、締結部682に締結される締結ビスB91の頭部に鍔付きリング部材9689b及び発光動作演出ユニット9700が下支えされている状態が図示される。
本実施形態では、大径孔9764aを両側から挟む板状リング部材689aと、鍔付きリング部材9689bとでは、発光動作演出ユニット9700との当接の態様が異なる。即ち、板状リング部材689aは、板平面部で発光動作演出ユニット9700と当接する。一方、鍔付きリング部材9689bは鍔部の先端から円筒状部689b1側へ向けて360度に亘って形成される傾斜面部9689b2が、大径孔9764aの端部に360度に亘って形成される面取り傾斜部9764a1に面で当接する。
図78(a)に示す状態(内部動作ユニット600の退避状態や中間状態に相当する状態)では、締結部682が後倒れ方向に傾斜しているので、発光動作演出ユニット9700は後方に寄ることになり、板状リング部材989aと当接する。
この当接は平面上における当接なので、締結部682を中心とする発光動作演出ユニット9700の回動変位に対する摺動摩擦力は小さくされており、少なくとも大径孔9764aと円筒状部689b1との間の隙間分だけ発光動作演出ユニット9700は変位できる。従って、発光動作演出ユニット9700の回動変位を許容することができる。
一方、図78(b)に示す状態(内部動作ユニット600の張出状態に相当する状態)では、締結部682の先端が下向きとなることで発光動作演出ユニット9700は下方に沈み込み、鍔付きリング部材9689bと当接する。
この当接は、360度に亘って形成される傾斜面部9689b2と、360度に亘って形成される面取り傾斜部9764a1との当接なので、大径孔9764aの中心が締結部682の中心と合うように発光動作演出ユニット9700が配置されると共に、大径孔9764aの面取り傾斜部9764a1と鍔付きリング部材9689bの傾斜面部9689b2との間の、締結部682の中心軸と直交する方向における隙間を埋めることで発光動作演出ユニット9700の変位を制限(規制)することができる。
発光動作演出ユニット9700の自重は、面取り傾斜部9764a1が傾斜面部9689b2に押し付けられる方向に作用するので、重力を利用して、発光動作演出ユニット9700の変位の制限の度合いを強めることができる。
このように、本実施形態では、変位部材9680の姿勢の変化に伴って、発光動作演出ユニット9700の変位の許容(制限)の度合いを切り替えることができる。そのため、断面が単純な円形状の貫通孔である大径孔9764aを採用した場合であっても、変位部材9680が傾倒変位した状態(図78(b)参照)において発光動作演出ユニット9700が前後方向および左右方向に位置ずれすることを防止することができる。
これにより、回転部材810(図62参照)の高速回転時に発光動作演出ユニット9700の配置がずれることを防止することができるので、回転部材810による残像表示を有利に実行可能となる。
次いで、図79を参照して第10実施形態について説明する。第2実施形態では、検出センサ832により回転部材810が適正姿勢となったことが検知され、これにより回転演出装置800の前後方向の傾倒変位を容易とする場合を説明したが、第10実施形態の回転部材810は、姿勢検出手段10830により適正姿勢に付勢される。なお、なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図79(a)及び図79(b)は、第10実施形態における回転部材810及び姿勢検出手段10830の正面図である。図79(a)及び図79(b)では、内部動作ユニット600の張出状態における配置で図示されており、回転部材810の外径が想像線で図示され、回転部材810に固定される固定ギア10815が実線で図示される。また、図79(b)では、回転部材810の適正姿勢が図示され、図79(a)では、回転部材810が適正姿勢から角度ずれ(回転軸RJ1を中心に約15度回転方向に変位)した状態が図示されており、図79(b)に示す状態へ向けての各ギア10815,10821,10831の回転方向が矢印で図示される。
図79(a)及び図79(b)に示すように、回転部材810は、駆動モータ820の駆動軸に固着される駆動ギア10821の駆動力がギアの噛み合いで固定ギア10815に伝達されることで回転可能に構成され、その固定ギア10815は、姿勢検出手段10830の検出用ギア10831と歯合されている。
検出用ギア10831は、回転軸を中心とする180度の角度範囲に亘って圧肉形成される錘部10831aを備える。錘部10831aは、本実施形態では、金属製の部材が検出用ギア10831に嵌合されるが、樹脂材料から一体形成するようにしても良い。
この構成によれば、検出用ギア10831の重心は錘部10831aの中心側(回転軸と円弧の中心とを結ぶ線上)に配置されることから、回転部材810の回転が適正姿勢と異なる姿勢(図79(a)参照)で停止した場合であっても、検出用ギア10831が重力で付勢されることにより、回転部材810が適正姿勢となるまで回転して姿勢を戻すことができる。
従って、内部動作ユニット600の張出状態(図61参照)において回転発光演出を実行した後の、駆動モータ820の停止姿勢として、回転部材810を適正姿勢で正確に停止させることができなくとも、その後で回転部材810を適正姿勢に戻すことができるので、回転部材810の姿勢検出の正確さを緩和することができる。これにより、製品コストを低減させることができる。
本実施形態では、内部動作ユニット600の中間状態および張出状態における回転軸RJ1は、鉛直方向を向くのではなく前傾方向を向いている(図68及び図69参照)。そのため、錘部10831aを利用した重力による付勢を、回転部材810の前傾方向の姿勢に関わらず生じさせることができる。
これにより、内部動作ユニット600の張出状態において回転部材810を適正姿勢としてから回転演出装置800を起き上がり方向に姿勢変化させる移動態様のみならず、回転演出装置800の起き上がり動作中や、上下方向変位中において回転部材810を適正姿勢に戻しながら移動させる移動態様を実現可能である。
また、図79(a)の姿勢から、回転演出装置800が起き上がり動作する場合(図67から図69の時系列を参照)、回転部材810が背面側で空気抵抗を受けて、適正姿勢に戻され得る。即ち、本実施形態では、回転部材810が短手方向側側面から空気抵抗を受けやすい形状とされていることで、起き上がり動作する場合に回転部材810を適正姿勢に戻しやすくすることができる。
なお、回転部材810の短手方向側側面が空気抵抗を受け難い細幅形状から形成されても良い。この場合、回転部材810の回転発光演出の動作抵抗を低減することができる。適正姿勢に回転部材810を戻す作用は、錘部10831aにより生じさせることができる。
以上、上記実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。
上記各実施形態において、一の実施形態における構成の一部または全部を、他の実施形態における構成の一部または全部の構成と組み合わせて或いは置き換えて、別の実施形態としても良い。
上記第2実施形態では、センターフレーム86とベース板60とを連結する上部連結部材270に、球の流下経路の振分を行う張出部272〜277が形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。
例えば、球の流下経路の振分を行う部分が、張り出すのではなく、凹部として形成されても良い。また、その凹部を介して球を案内する流路が形成され、球を遊技領域の他の箇所へ案内できるようにしても良い。
例えば、センターフレーム86とベース板60とを連結する部材が、センターフレーム86の下側に配設される等して、いずれかの入賞口63,64,65a,140に球を案内する受入部を備えるように構成しても良い。また、例えば、センターフレーム86とベース板60とを連結する部材が、スルーゲート67が配設されるように構成しても良い。
また、上部連結部材270は、ベース板60の表面側に沿って延設され、ガラスユニット16との間に遊技領域が構成されたが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、正面枠14が閉じられた状態におけるガラスユニット16の裏面側に沿うように延設され、ベース板60との間に遊技領域が構成されるようにしても良い。この場合、ベース板60側に張り出す張出部を形成し、球の流下経路の振分を行うようにしても良い。
この場合、ベース板60との締結位置が重要となるが、例えば、内レール61付近で球の流下に影響を与えにくい箇所(戻り球防止部材68の左下方等)に締結位置を配置すれば、遊技領域の広さを十分に確保することができる。
上記第2実施形態では、上部連結部材270が左右対称な形状から形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、センターフレーム86の形状が、左側は球の流下経路を確保するために内レール61から離れて内レール61との間に大きなスペースを形成する一方、右側は外レール62との間に球の直径よりも若干長い程度のスペースを空けるように設計される場合(一般的な右打ち機の場合)、上部連結部材270が遊技領域の左側にのみ形成することは十分に想定される。また、左右逆で設計することもあり得る。
また、上部連結部材270の背面に、ベース板60又はセンターフレーム86の少なくとも一方が配設される構成に限定されるものではなく、上部連結部材270に十分な剛性を持たせれば、上部連結部材270が、背面側にベース板60もセンターフレーム86も配置されない部分を有することは十分に想定される。
また、センターフレーム86が薄板部242を構成して張り出す位置は、左右中央である必要はない。例えば、左右両側に形成されるようにしても良いし、複数位置で薄板部242として張り出してベース板60と噛み合う(隙間を空けて交互に進入し合う)ように構成しても良い。
また、薄板部242が、上部連結部材270の左右幅のほとんどを占める大きさで形成されるようにしても良い。この場合、電飾基板251を配設可能な左右幅を拡大することができる。
また、電飾基板251が薄板部242の背面側に配置されベース板60の厚み寸法内に収まる構成について、電飾基板251の配置はセンターフレーム86の上側に限定されるものではない。例えば、上部連結部材270のように、ベース板60の前面と連なって遊技領域の一面を構成する薄板部材がセンターフレーム86の左右側に形成されれば、センターフレーム86の左右側に電飾基板251を配置することが可能となるし、ベース板60の下方に配設される振分ユニット300や入賞口構成部材400に電飾基板251を組み込んで、ベース板60の厚み寸法内に収めるように構成しても良い。
上記第2実施形態では、上部連結部材270の背面側に、ベース板60に固定される形で電飾基板251が配設される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、背面ケース510に配設される発光演出ユニット518と同様の構成(機種に対応するロゴ等が形成され、内部に配設される電飾基板のLEDにより発光演出を行う構成)が、上部連結部材270の背後位置に配設され、上部連結部材270側を照らすようにしても良いし、敢えて電飾基板251の配設を省略して回転演出装置800からの光が上部連結部材270を通して遊技者側に通り易くしても良い。
上記第2実施形態では、周囲発光手段251cのLEDからの光が、第1張出部272の下縁部272aに照射される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、LEDが正面視における第1張出部272の内側に配置されても良い。この場合、第1張出部272の凹部側に光拡散加工を設けたり、凹設方向に深くなるほど先細りする形状で凹設したりすることにより、第1張出部272の内側に照射された光を拡散させることができ、LEDの外形の視認性を低下させると共に、LEDから照射された光の視認性を向上することができる。
上記第2実施形態では、薄板部材290は、板正面に模様、図形、文字またはキャラクターが色彩豊かに描かに描かれる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、薄板部材290の少なくとも一部に光拡散加工やシボ加工を形成しても良いし、第1張出部272や第2張出部273の窪みに入り込むような形状(例えば、凸レンズ形状や、立体的な形状)で薄板部材290の表面を形成しても良い。
上記第2実施形態では、薄板部材290に形成される孔291a,291bが、センターフレーム86側から突設される突設部244bと、上部連結部材270から突設される突設部279とを受け入れることで、薄板部材290の位置ずれが抑制される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。
例えば、薄板部材290の孔291a,291bに挿通される突設部は、センターフレーム86又は上部連結部材270のいずれか一方から突設されるように構成しても良い。また、突設部244bと突設部279とが異なる孔291a,291bに挿通されるのではなく、薄板部材290に形成される単一の孔に共通で挿通されるようにしても良い。これにより、薄板部材290の位置決めになると共に、センターフレーム86及び上部連結部材270の連結にも利用することができる。
上記第2実施形態では、センターフレーム86側から突設される突設部244bが、第2張出部273の背面側の凹部の内側に形成されたが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、突設部244bが板状部271の背面側に(板状部271と前後方向で対向配置されるように)配設されても良い。なお、第2張出部273の背面側の凹部の内側に突設部244bが形成される場合には、第2張出部273が突設部244bの目隠しとして機能する。
上記第2実施形態では、側壁部453aと延設板部455aとの間を流下した球が第1球案内部457に確率で流れこむ場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、側壁部453a及び延設板部455aと、球案内部457との間隔が空けられ、間に振分け部983が配設されることで、2個の内の1個は、確実に球案内部457に流れ込むようにしても良い。即ち、振分け部983の2姿勢の内、どちらの姿勢の状態で球が案内されるかによって、球案内部457に入球する割合が変わるように構成しても良い。
上記第2実施形態では、傾斜案内部458が一方向(右下方向)に傾斜して、第2球案内部459に直接的に球を案内する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、傾斜案内部458が球案内部457の左右両方から左右反対方向に延設されても良いし、例えば、傾斜案内部458が、球を左右に蛇行させて案内するよう構成され、左右への切り返し位置で一定の確率で球を第2球案内部459から逸らすように構成されても良い。
また、例えば、傾斜案内部458が、単一の球を案内する場合と複数の球を同時に案内する場合とで第2球案内部459への球の到達確率を変更するように構成しても良い。例えば、第2球案内部459の配置を現状よりも左右方向で傾斜案内部458に近づく方向に変位させることで、先に第2球案内部459に到達した球が流下しきる前に後追いの球が第2球案内部459に到達すると、先の球に行く手を阻まれて第2球案内部459から逸れやすくなるという構成を実現することができる。
逆に、例えば、第2球案内部459の配置を現状よりも左右方向で傾斜案内部458から若干離す方向に変位させることで、先に第2球案内部459に到達しそうな球であって傾斜案内部458との間から落下しかけた球が落下しきる前に後追いの球が第2球案内部459に到達すると、先の球の上を転がって第2球案内部459に到達し易くなるという構成を実現することができる。
単一の球を案内する場合の方が第2球案内部459への球の到達確率が低ければ、第2球案内部459に複数球が入球して一度に払い出される賞球が過剰となる事態を避けることができる。一方で、複数の球を案内する場合の方が第2球案内部459への球の到達確率が高ければ、傾斜案内部458に複数の球が到達した場合における傾斜案内部458周辺に対する注目力を向上させることができる。
上記第2実施形態では、傾斜案内部458が固定されている場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、傾斜案内部458が前後に出没可能に構成されても良い。この場合、突出状態では、第2実施形態と同様に球を第2球案内部459に流れ込ませることができる一方で、退避状態では、第1球案内部457の上流で右側に流れた球が第2球案内部459に到達する割合を低下させる。また、傾斜案内部458が出没変位する場合に限られるものではなく、傾斜角度が変化するように前後方向に延びる回転軸を中心に、一定間隔で傾倒動作可能に構成しても良い。
上記第2実施形態では、第1球案内部457に入球した場合の賞球個数よりも、第2球案内部459に入球した場合の賞球個数の方が多い場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、賞球個数を同じとしても良いし、入球により遊技者が得られる利益の質が違うように構成しても良い。
例えば、利益として、賞球の払い出しではなく、図柄の抽選の利益を得られるようにしても良いし、大当たり遊技開始前に入球することで大当たり遊技のラウンド数を選択(変動)可能な利益でも良いし、大当たり遊技中に入球することで大当たり遊技後の図柄の当たり確率が変化(上昇)する利益を得られるようにしても良い。これらの利益を、第1球案内部457や第2球案内部459に任意に設定することができる。
上記第2実施形態では、天井板部455の傾斜がほぼ一定である場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、天井板部455の傾斜角度が、途中位置から上流側において水平に対して大きな角度とされ、同じ途中位置から下流側において水平に対して小さな角度とされても良い。この場合、途中位置の上流側で球が天井板部455に着地するか、途中位置の下流側で球が天井板部455に着地するかで球の転動速度が変化し易くなるので、その後の球の流下経路を予想し易い。即ち、天井板部455の途中位置に対する注目力を向上させることができる。
また、天井板部455の上面に、球の転動速度を減速させるための複数の突条を形成するようにしても良い。この場合において、突条の形成位置は、天井板部455の左右幅の全域に形成される必要はなく、傾斜の変化と同様に、一部範囲に形成するようにしても良い。
また、減速用の複数の突条は、天井板部455の上面に限定されるものではない。例えば、第1球案内部457へ向けて球を下方に案内する案内流路を構成する樹脂壁から案内流路側に突設されても良いし、膨出部456の下面側や傾斜案内部458の上面側から球の流下経路側に突設されても良い。
また、突条の形成方向は前後方向と交差する方向に限定されるものではない。例えば、本体板部451から正面側に突条が突設されても良いし、本体板部451の正面側に本体板部451と平行な平面に沿う平板形状から形成される前板部材が配設され、本体板部451との間に球の流下経路を構成する場合、前板部材から背面側に突条が突設されるようにしても良い。
上記第2実施形態では、第1球案内部457に落下した球が一般入賞口63に円滑に案内される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、第1球案内部457の内部形状がすり鉢状に形成され、下端部の開口が球の直径よりも若干大きい程度の大きさで形成される場合、第1球案内部457を球が通過するまでの時間を引き延ばすことができる。
この場合、第1球案内部457に球が留まっている間に第1球案内部457に後追いの球が到達すれば、その球を傾斜案内部458側へ案内し易く、第2案内部459への球の入球確率を増加させることができる。従って、複数の球が連なって第1球案内部457に到達するという稀な状況を待たずとも、球が第2案内部459側に案内されるという状況が生じるように構成することができる。
また、第1球案内部457の形状を工夫する以外の手法として、球の重みで変位する可動部材を配設しても良い。その可動部材は、球が第1球案内部457に入球してから所定期間において第1球案内部457への入球を塞ぐよう構成され、可動部材に到達した球を傾斜案内部458側に案内するように構成される。これにより、先の球が第1球案内部457を通過してから所定期間において、第2球案内部459へ球が到達する確率を向上させることができる。
上記第2実施形態では、左部構成部材450が固定の樹脂部材から形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、電動の可動役物により球の流下経路が変更されるようにしても良い。この場合において、傾斜案内部458が前後に出没可能に構成されても良い。即ち、前方に突出した状態においては球を第2球案内部459側へ案内するが、後方に没入した状態では球が第2球案内部459側に案内されず、落下するようにしても良い。
また、例えば、第1球案内部457を塞ぐように配置される板状部材が前後に出没可能に配設されても良い。即ち、板状部材が前方に突出した状態においては、板状部材に到達した球は傾斜案内部458側に案内され第2球案内部459に入球し易くなるが、板状部材が後方に没入した状態では、球が第1球案内部457に落下し易い構成とすることができる。
また、例えば、傾斜板部434が、開閉板65bの開閉と同期して、傾斜方向が左右反転するように動作するよう構成しても良い。開閉板65bが開放状態となった場合に傾斜板部434の傾斜方向を左右内側へ向けた下降傾斜とすることで、第2球案内部459を左右内側に逸れた球や、天井板部455と湾曲状突設部414との間に落下した球を、開閉板65b側に流れ込ませる構成とすることができる。これにより、球が広範囲から開閉板65b側へ案内されるよう構成することができる。
なお、傾斜板部434の傾斜は、電動の有無とは関係なく、左右内側に下降傾斜するよう構成しても良い。この場合であっても、開閉板65bが閉鎖状態の時に傾斜板部434の上面を転動した球が行きつく先は変わらずアウト口71なので、遊技性を維持することができる。
上記第2実施形態では、アウト口415を通して遊技領域から球を排出可能に構成したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、鉛直板部433の形成を省略し、アウト口415の形成を省略して、左部構成部材450を通過した球が開閉板65b側に流下するように構成しても良い。これにより、開閉板65bへ向かう球の流下経路のバリエーションを増やすことができる。
上記第2実施形態では、開閉板65bが下縁に沿って左右に延びる回転軸で回転変位する正面視長方形形状の板部材から形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、正面視で上縁部が左右中央部へ向けて上昇傾斜するよう形成されることによる正面視5角形形状(ホームベースに類似の形状)で構成されても良い。これにより、上縁部に球が当接した場合に、球を上縁部の形状に沿って左右外側に流し易くすることができる。
なお、開閉板65bの上縁部で左右外側に流された球の流下態様を調整するための調整手段を備えても良い。例えば、傾斜板部434の左右内側先端部から鉛直板部433と平行に下方に延びる延設板と、その延設板に球が通過可能な大きさで左右方向に貫通形成される球通過孔と、を備えるようにしても良い。
例えば、球通過孔の配置を、開閉板65bの開放状態において開閉板65bの上縁部65bに左右外側に流された球の配置とずれた位置とし(上側にずれた位置とし)、開閉板65bが開放状態と閉鎖状態との間の状態において開閉板65bの上縁部65bに左右外側に流された球の通過を許容する位置として設計しても良い。
この場合、延設板および球通過孔により、開閉板65bの開放状態においては球を開閉板65bの上側に留めて左右漏れを防止する一方、閉鎖途中においては開閉板65bが球を左右に流す(こぼす)ことができるように構成することができる。
なお、開閉板65bの開放状態における姿勢を維持するために下支え可能な位置で覆設部材430の本体板部431の背面側から背面側へ向けて突設される突設部を覆設部材430に形成しても良い。更に、突設部が開閉板65bの左右幅方向両端部において開閉板65bを傾倒方向で当接するようにしても良い。この場合、開閉板65bの開放状態における姿勢を維持し易くなる。
上記第2実施形態では、振分ユニット300が、方向切替部317で前方に案内された球が検出装置SE3の上方で左右方向に流下方向が切り替えられてから排出用開口部325を通過する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、入賞用開口部323を排出用開口部として利用して球を排出するようにしても良い。この場合、方向切替部317の下面に球が落下可能な大きさの貫通孔を形成し、その貫通孔に落下した球が検出装置SE3に検知されるように構成するようにすれば良い。また、同様の構成として、排出用開口部と、検出装置SE3との配置を逆としても良い。
また、方向切替部317による流路の切り替え方向が、前方側ではなく後方側として、同様の構成を採用しても良いし、入賞用開口部323の上方から前方に球が通過してベース板60の前側に排出されるよう構成しても良い。
この場合、排出用開口部325を検出装置SE3の左右側に配設する必要が無いので、左右一対の検出装置SE3の左右間隔を狭めることができたり、検出装置SE3の左右のスペースを釘の植設スペース等に有効利用したりすることができる。
また、これらの構成は、左右の検出装置SE3周りで同一とする必要は無く、左右別々の構成を採用しても良い。例えば、大当たり遊技中において、入賞用開口部323の上方から前方に通過した球が開閉板65bに拾われ得る構成を左右片側で採用するようにしてもよく、この場合、入賞用開口部323の上方から前方に球が通過する構成の側に球が案内される場合と、逆の場合とで、第1入賞口64に入球した球がベース板60の正面側に戻って開閉板65bに拾われる確率が変化する。そのため、第1入賞口64に入球した球に対する注目力を向上することができる。
上記第2実施形態では、センターフレーム86の上方において発光動作演出ユニット700が退避して、張出状態では第3図柄表示装置81の前方に発光動作演出ユニット700が配置される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、発光動作演出ユニット700を縦長に構成して、センターフレーム86の左右側に退避するように構成しても良い。
また、正面枠14の上縁部から前方に張り出すよう構成されることに倣って、正面枠14の左右縁部から前方に張り出すような構成を採用し、その張り出した部分に発光動作演出ユニット700を退避させるように構成しても良い。この場合、左右両縁の前側に退避しておき、張出状態では第3図柄表示装置81の正面側に発光動作演出ユニット700が後退しながら配置されるよう構成することができる。
上記第2実施形態では、回転部材810と当接する部材として、筒状部材695について説明したが、筒状部材695の材質は何ら限定されるものではない。例えば、回転部材810から与えられる負荷程度では形状変形しない硬質の樹脂材料から形成されるようにしても良い。この場合、回転部材810の過度な変位を抑制することができる。
また、回転部材810から与えられる負荷程度であっても変形(径方向で潰れる変形)可能な軟質の樹脂材料から形成されるようにしても良い。この場合、筒状部材695が緩衝材として機能し、回転部材810の破損を回避し易くすることができる。
上記第2実施形態では、装飾板811に形成される図形や模様を、内部動作ユニット600の中間状態において底壁部511に形成される図形や模様と一体的に視認されるよう設計したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、発光動作演出ユニット700が特定の上下配置で左右どちらかに傾く傾斜姿勢となった場合に、底壁部511に形成される図形や模様と一体的に視認されるように装飾板811に形成される図形や模様を設計しても良い。この場合、一体的に視認される内容が、発光動作演出ユニット700が左側に傾く場合と、右側に傾く場合とで異なるように設計することで、底壁部511及び装飾板811の演出効果を向上させることができる。
上記第2実施形態では、発光動作演出ユニット700が、上下に昇降変位しながら傾倒することで、正面視における発光動作演出ユニット700の外形の変化と、発光動作演出ユニット700の上下位置の変化とが同時に生じる場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。
例えば、発光動作演出ユニット700の上下配置は維持したまま、発光動作演出ユニット700の正面視における外形が変化するように構成しても良い。上記第2実施形態においても、例えば、発光動作演出ユニット700が内部動作ユニット600の中間状態において回転部材810が回転軸RJ1を中心に所定角度回転変位することで、回転部材810の投影方向が変わることから、回転部材810の正面視における外形を変化させることができる。
上記第2実施形態では、昇降板部材630の昇降変位に対する抵抗を生じさせる前後変位部材653が、ソレノイド651によって前後方向変位する部材として構成したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、駆動モータの駆動力で変位する回動アームが、被当接板638に対して近接または離間する方向に変位可能とされ、被当接板638との間で摩擦力を生じたり、移動方向を遮ったりすることで、昇降板部材630の変位抵抗を生じさせても良い。
上記第2実施形態では、前後変位部材653の変位方向が昇降板部材630の変位方向と直交する方向(昇降板部材630の移動方向と直交する平面上の方向)で設計される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。即ち、前後変位部材653の変位方向と、昇降板部材630の変位方向(上下方向)との成す角度が直角でなくても良い。
例えば、前後変位部材653の変位方向が、前方に向かうにつれて上昇傾斜するように設計される場合、前後変位部材653が前方に変位する際には、昇降板部材630が下降変位していれば、摺動摩擦の他に、上向きの負荷を加えることで昇降板部材630の停止までの時間を短くすることができる。一方で、昇降板部材630が上昇変位していれば、摺動摩擦の他に、上向きの負荷を加えることで昇降板部材630の急な減速を避けつつ、昇降板部材630の運動エネルギーを削ぐことができる。
また、前後変位部材653の変位方向を、前方に向かうにつれて下降傾斜するように設計する場合、前後変位部材653が前方に変位する際には、昇降板部材630が上昇変位していれば、摺動摩擦の他に、下向きの負荷を加えることで昇降板部材630の停止までの時間を短くすることができる。一方で、昇降板部材630が下降変位していれば、摺動摩擦の他に、下向きの負荷を加えることで昇降板部材630の急な減速を避けつつ、昇降板部材630の運動エネルギーを削ぐことができる。
上記第2実施形態では、内部動作ユニット600の退避状態においても、張出状態においても、被当接板638と前後変位部材653との上下方向視における重なり前後幅はほぼ同じとなるように構成されたが、必ずしもこれに限られるものではない。
例えば、前後変位部材653の前端面の形状が、上方へ向かう程に後傾斜する傾斜面で形成されるようにしても良い。この場合、被当接板638が下降変位する際に前後変位部材653が前方へ向けて変位すると、被当接板638に対して前後変位部材653の前端面から拾い上げるような方向の負荷を生じさせることができるので、昇降板部材630を制動させる作用を強化することができる。
また、例えば、前後変位部材653の前端面の形状が、下方へ向かう程に後傾斜する傾斜面で形成されるようにしても良い。この場合、被当接板638が上昇変位する際に前後変位部材653が前方へ向けて変位すると、被当接板638に対して前後変位部材653の前端面から下に押し付けるような方向の負荷を生じさせることができるので、昇降板部材630を制動させる作用を強化することができる。
また、例えば、前後変位部材653の前端面の形状が、下端位置から上方へ向かう程に後傾斜する傾斜面と、上端位置から下方へ向かう程に後傾斜する傾斜面とが、所定の中間位置で合体するように形成され、これに対応して、被当接板638の後端面の中間位置に後方へ張り出す張出部が形成されるようにしても良い。
この場合、前後変位部材653の正面側に被当接板638が配置された状態で前後変位部材653が前方に変位されると、前後変位部材653の前端面の所定の中間位置に被当接板638の張出部が収容される態様で昇降板部材630の上下位置を安定させることができる。
この場合において、下側に向けて後方傾斜する傾斜面と、上側に向けて後方傾斜する傾斜面とが合体する部分の個数は、前後変位部材653の前端面において限定されるものではない。例えば、合体する部分を複数構成するような形状(例えば、鋸刃形状、ギザギザ形状)としても良い。この場合、昇降板部材630の上下位置を複数位置で安定させることができる。
上記第2実施形態では、左右一対の昇降板部材630が上下位置ずれ可能に構成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、発光動作演出ユニット700に対して左右の昇降板部材630が締結固定され、左右一対の昇降板部材630の上下位置ずれが許容されないような構成としても良い。この場合、昇降板部材630の変位抵抗を生じさせるための抵抗発生装置650は左右片側にのみ構成すれば十分となる。
一方で、本実施形態では、左右一対の昇降板部材630の上下位置ずれが許容されているので、抵抗発生装置650を左右両側に配置することが好ましい。この構成を利用して、左右のソレノイド651の励磁のタイミングをずらす制御を行っても良い。
例えば、内部動作ユニット600の退避状態から中間状態へ向けて下降変位させる際に、左右一対のソレノイド651を励磁して前後変位部材653を後方に配置した状態で実行される駆動モータ648の駆動制御と同様の駆動制御を、左側のソレノイド651は励磁して、右側のソレノイド651は非励磁とした状態で実行すると、発光動作演出ユニット700が右側に対して左側が下方に配置される傾斜姿勢となるような演出動作を実行することができる。
この演出動作は、内部動作ユニット600の動作誤差限界状態までは、内部動作ユニット600に負荷を与えることなく実行することができる。また、この演出動作用に駆動モータ648の駆動パターンを増やすのではなく、内部動作ユニット600の下降変位の際に利用される駆動モータ648の駆動パターンを流用し、ソレノイド651の励磁を異なる励磁パターンで実行することで、演出動作を実行するようにしている。そのため、駆動モータ648に要求される駆動パターンを低減することができる。
また、右側のソレノイド651を非励磁とするタイミングは、内部動作ユニット600の退避状態からに限定されるものではない。例えば、内部動作ユニット600の退避状態では左右両側のソレノイド651が励磁され、内部動作ユニット600が退避状態から中間状態となる途中で右側のソレノイド651を非励磁としても良い。この場合、摩擦力により右側の昇降板部材630の下降変位を遅らせることができ、発光動作演出ユニット700が右側に対して左側が下方に配置される傾斜姿勢となるような演出動作を実行することができる。
なお、演出動作として、内部動作ユニット600の退避状態からの例を説明したが、上下方向を逆とすることが当然に想定される。即ち、上述した左右一対のソレノイド651の励磁のパターンを、内部動作ユニット600の張出状態からの変位に合わせて実行するようにしても良い。
上記第2実施形態では、内部動作ユニット600の張出状態において、昇降板部材630の被当接板638の上方向の変位が前後変位部材653に規制された状態で、回転演出装置800の回転発光演出が実行される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。
例えば、内部動作ユニット600の張出状態で実行される回転発光演出の種類として、回転軸RJ1を固定した状態で実行される大当たり報知のための演出とは異なる、抽選のはずれ演出として、左右両側または左右片側のソレノイド651を励磁した状態において回転演出装置800の回転発光演出を実行するようにしても良い。
この場合、ソレノイド651が励磁された側では前後変位部材653が被当接板638の移動経路から退避しているので、回転部材810の回転の遠心力により発光動作演出ユニット700や昇降板部材630が上昇変位したとしても、その上昇変位を前後変位部材653が押さえる作用は生じない。
そのため、回転部材810の回転軸RJ1は容易に位置ずれすることになる。これにより、回転部材810の回転発光演出を回転軸RJ1が固定されない状態で実行する動作演出を行うことができるので、回転発光演出における回転部材810の回転速度と回転部材810から照射される光の発光パターンは同じとしながら、回転部材810の残像表示により視認される図形を異ならせることができる。
なお、回転軸RJ1が固定されない状態を形成するためには、左右両側のソレノイド651を励磁した状態としても、左右片側のソレノイド651を励磁した状態としても良いが、左右片側のソレノイド651を励磁して、もう片側のソレノイド651は非励磁とすることで、非励磁とした側の上昇板部材630の上下方向変位を規制することができるので、発光動作演出ユニット700や昇降板部材630が過度に上昇変位することを抑制することができ、発光動作演出ユニット700や昇降板部材630の破損を回避することができる。
上記第2実施形態では、ラックギア部634が伝達ギア649に対して近接離反することで、伝達効率が変化する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、駆動モータ648及び駆動軸を前後に変位可能に構成して、ラックギア部634に対して伝達ギア649が前後に変位可能としても良い。
また、伝達ギア649の直径長さが軸方向で変化するように伝達ギア649を形成しても良い。この場合、伝達ギア649又は昇降板部材630を駆動軸方向に変位させることで、伝達効率を変化させることができる。
ラックギア部634と伝達ギア649との噛み合いが維持された状態におけるラックギア部634の変位について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、ラックギア部634が伝達ギア649から噛み合いが外れる程度まで離れられるように構成しても良い。この場合、駆動モータ648が暴走した場合であっても、ラックギア部634に過負荷が生じる前にラックギア部634が伝達ギア649から離れるように構成することで、ラックギア部634及び伝達ギア649の破損を回避することができる。
上記第2実施形態では、ラックギア部634が昇降板部材630の自重で伝達ギア649側に押し付けられ、ギアの歯合状態が適正化される一方、ソレノイド651の駆動力によってラックギア部634が伝達ギア649から離れる側に押される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、ラックギア部634の変位の方向によらず、両方向とも、ソレノイド651の駆動力で変位するように構成しても良い。また、ソレノイド651の駆動力の発生方向を逆にしても良い。また、伝達ギア649又は駆動モータ648が駆動軸の軸直角方向に変位可能に構成しても良い。
上記第2実施形態では、長孔672〜674に案内される筒状部684及び金属棒状部材686の太さについて、筒状部684の内部に電気配線が挿通されることを理由に筒状部684の方が金属棒状部材686よりも太い場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、内部が空洞ではなく閉塞される構成であっても、筒状部684の方が金属棒状部材686よりも太く形成されても良いし、筒状部684よりも金属棒状部材686の方が太く形成されても良い。
金属棒状部材686(前側の部材)を太く形成することで、発光動作演出ユニット700の傾倒変位時に、中心軸J1から遠い位置で生じる負荷を大面積で耐えることができる。これにより、金属棒状部材686の耐久性を向上することができるので、例えば、同部材を樹脂材料から形成した場合の耐久性を向上することができる。
また、筒状部684と金属棒状部材686とが同様の太さで形成されても良い。この場合、長孔672〜674に設定されるクリアランスを同様の数値で設計することができ、長孔672〜674の摩耗の度合いを均一化することができる。
上記第2実施形態では、上下一対の長孔612が、昇降板部材630の締結部632,633との前後方向のクリアランスを同等で設計される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、上の長孔612と昇降板部材630の上締結部632とのクリアランスよりも、下の長孔612と昇降板部材630の下締結部633とのクリアランスの方が大きくなるように形成しても良い。この場合、昇降板部材630の下側部が前後方向に変位する許容幅を大きくすることができるので、ラックギア部634と伝達ギア649との歯合状態を、昇降板部材630の前後変位によって変化させ易くすることができる。
上記第2実施形態では、第2長孔673が上下に延びる長孔として形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、湾曲長孔674と連結される第2長孔673が、湾曲長孔674に近い側ほど前方に配置されるように前側へ向けて下降傾斜して延設されるように構成しても良い。この場合、金属棒状部材686が第2長孔673に案内されている状態において、金属棒状部材686を前後方向に変位させることができる。
即ち、内部動作ユニット600の退避状態から中間状態に到達する前の状態において、発光動作演出ユニット700の姿勢を傾倒方向に徐々に変化させるような動作を実現させることができる。
なお、第2長孔673の傾斜は、上端部から形成される必要はなく、上端部から途中までは上下方向に長い長孔として形成し、途中から下降傾斜する方向に延設されるように構成しても良い。この場合、内部動作ユニット600の退避状態からの昇降板部材630の始動時においては発光動作演出ユニット700の姿勢を維持することができるので、ベース板60と発光動作演出ユニット700とが衝突することを回避することができる。
上記第2実施形態では、発光動作演出ユニット700の重心位置G1が筒状部684と金属棒状部材686との間に配置される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、重心位置G1が、金属棒状部材686を基準として筒状部684の反対側に配置されても良いし、筒状部684を基準として金属棒状部材686の反対側に配置されても良い。
上記第2実施形態では、筒状部684を支持する形状部が長孔で形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、固定の軸で軸回転可能に筒状部684を構成しても良い。
上記第2実施形態では、発光動作演出ユニット700を支持する変位部材680が発光動作演出ユニット700の左右両側に配設され、上下方向に変位する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、発光動作演出ユニット700が前後方向または前後方向および上下方向が合成された方向に変位するように構成しても良いし、発光動作演出ユニット700の左右片側に変位部材680が配設されるように構成しても良いし、変位部材680が発光動作演出ユニット700の上下に配置され、左右方向または前後方向に変位するように構成しても良い。
上記第2実施形態では、発光動作演出ユニット700に配設される可動部材として、回転動作する回転演出装置800が採用された場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、直線方向で往復動作する可動部材を採用しても良いし、振動する可動部材を採用しても良い。
上記第2実施形態では、上下2個の被連結孔764の内、支持孔764bが下側に配置される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、上側に支持孔764bが配設されても良いし、上下とも支持孔764bとしても良い。
右側の被連結孔764の内、上下とも支持孔764bとして、左側の被連結孔764の上下ともを長孔764aとする場合、変位部材680に対する発光動作演出ユニット700の左右方向の配置ずれのみが許容され、発光動作演出ユニット700の締結部682を軸とした回動方向の姿勢変化を抑制することができる。
また、長孔764aに限定されるものではなく、支持孔764bよりもクリアランスの大きな形状の貫通孔を任意に設計することができる。例えば、締結部684の外径よりも十分に内径の大きな真円形状の貫通孔として形成するようにしても良い。また、例えば、支持孔764bとして、長孔764aよりも長手方向の長さが短い長孔を採用しても良い。この場合、発光動作演出ユニット700が左右方向の水平動作をすることが可能となる。
なお、左右の被連結孔764の形状の設定の内、対角線上の被連結孔764を共に支持孔764bとすると、発光動作演出ユニット700の左右方向の配置ずれも、締結部682を軸とした回動方向の姿勢変化も抑制される。そのため、配置ずれが生じないように、十分な強度で形成し、動作制御も精密に行う場合には良いが、そうでない場合には、少しの動作不良が発光動作演出ユニット700の破損につながるので、注意が必要となる。
上記第3実施形態では第1通路TR1及び第2通路TR2の前側に開口3982kが形成される場合を説明し、上記第4実施形態では第1通路TR1及び第2通路TR2の後側に開口4985kが形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、開口3982k,4985kの双方が形成されるように構成しても良い。この場合、球詰まりにおける耐性を向上させることができる。
また、例えば、第1通路TR1の前側に開口が形成され、第2通路TR2の後側に開口が形成されるようにしても良い。更に、これら開口から排出された球を下流側で合流させる合流流路が形成されても良い。この場合、左右に流下する球の見え方を変化させることができるので、球を利用した演出の演出効果を向上させることができる。
また、例えば、第1通路TR1からは、前側または後側の少なくとも一方に開口が形成され、第2通路TR2からは、左側または右側の少なくとも一方に開口が形成され、それぞれの開口を通して第1通路TR1や第2通路TR2から球が排出されるように構成しても良い。
上記第3実施形態および上記第4実施形態では、開口985dがある場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、開口985dの形成を省略して、検出装置SE3の真上における第1通路TR1と第2通路TR2との間の間隔を狭め、これに伴い検出装置SE3の左右間隔を狭め、開口985e,985fの左右間隔を狭めるようにしても良い。この場合、膨出部982の下端部における左右幅を更に短縮することができる。
上記第3実施形態および上記第4実施形態では、第1通路TR1と第2通路TR2との間に配設される立設壁982aの間に空間が形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、7セグ表示装置を配置して7セグによる演出範囲として利用しても良いし、小型の液晶表示装置を配置するようにしても良い。
上記第5実施形態では、遊技領域の裏側に遊技球を案内する通路が、ベース板60及び上部連結部材5270に形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、遊技球を案内する通路が、上部連結部材270及びセンターフレーム86に形成されるようにしても良いし、センターフレーム86及びベース板60に形成されるようにしても良いし、ベース板60、センターフレーム86及び上部連結部材5270を通るように形成しても良いし、ベース板60、センターフレーム86及び上部連結部材5270の何れかに形成されるようにしても良い。
上記第5実施形態では、第3張出部5274に開口5274aが形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、他の張出部272,5273,275〜277のいずれに形成されるようにしても良い。また、開口ごとに流下後の球の行先を異ならせても良い。
例えば、第1の開口を通過した球は帯状延設部263の上面に到達し、第2の開口を通過した球は釘KG2の真上からベース板60の正面側に戻り、第3の開口を通過した球は湾曲状突設部414の真上からベース板60の正面側に戻るようにしても良い。この場合、第1の開口を狙えば球を第1入賞口64に入球させ易い一方で、第2の開口または第3の開口を狙えば球は第1入賞口64へは向かい難できると共に、球案内部457,459や特定入賞口65aへ球を案内させ易くすることができる。
第6実施形態では、遊技盤13の前側で発光動作演出ユニット6700が往復動作する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、第2実施形態で説明した内部動作ユニット600の退避状態における位置(遊技盤13の背面側の位置)にまで発光動作演出ユニット6700が移動可能に構成されるように構成しても良い。
この場合、遊技者から見え難い状態を、遊技盤13の背面側に配置される退避状態における位置と、発光動作演出ユニット6700の上端位置との、2位置で構成することができる。そのため、遊技者の視界を遮るためのシャッターや導光板等を第2ガラスユニット6016bに配設し、遊技者の視界を遮っている状態で発光動作演出ユニット6700を移動させ、見え難い状態とすることで、発光動作演出ユニット6700が2位置の内のどちらの位置に配置されているか分からないようにできる。これにより、発光動作演出ユニット6700による動作演出を予想させ難くすることができる。
上記第7実施形態では、L字長孔7674が途中まで上下方向に延びる長孔として形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、上下方向ではなく、凹設部7674aに近接するほど後方に向かう方向に傾斜または湾曲しているように構成しても良い。この場合、筒状部684が下降変位する期間に、同時に後方へも変位されるので、変位部材680が、下降変位すると同時に、変位部材680が前転方向へ姿勢変化するように構成できる。
第7実施形態では、L字長孔7674が下端部で後方に延びる形でL字形状に形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、凹設部7674aの上下位置から、更に下方に延びるように形成しても良い。この場合、凹設部7674aに進入させることで、筒状部684の上下方向変位可能範囲の途中位置で筒状部684の上下方向変位を規制することができる。規制による負荷が生じても、筒状部684が太く形成されているので、破損を回避し易くすることができる。
上記第8実施形態では、金属棒状部材686が湾曲長孔8674の途中位置に配置される状態で、回転部材810の回転軸RJ1が前後方向と一致する姿勢となる。その状態で、回転部材810を高速回転させ、回転発光演出を実行するようにしても良い。金属棒状部材686が湾曲長孔8674の途中位置に配置されていても、抵抗発生装置650により昇降板部材630の上下変位を規制することで、発光動作演出ユニット700の姿勢を維持することができ、回転軸RJ1の配置ずれを抑制することができる。
上記第8実施形態では、傾倒前において変位部材680が前転方向に傾斜する姿勢となっているので、傾倒変位後には、回転部材810の裏面側(放熱板812側)を遊技者側に向ける姿勢となっている。この場合であっても、回転部材810の裏面側は放熱板812により蓋をされており、電飾基板も内側に収容されており露見することがない。
上記第8実施形態では、変位部材680が下降変位しながら前後方向変位する場合を説明したが、この場合において、回転演出装置800の前後位置が、変位部材680が傾倒変位する前と、傾倒変位した後とで同様の位置となるように設計しても良い。これにより、例えば、変位部材680、発光動作演出ユニット700及び回転演出装置800のセットを前後方向で複数個積層配置させる場合の設計難易度を低くすることができる。
なお、長孔8672a,8672b,8673,8674,8675の形状は、何ら限定されるものではない。例えば、波形状でも良いし、直線形状の孔と波形状(湾曲形状)の孔との組み合わせでも良い。
上記第9実施形態では、傾斜面部9689b2と面取り傾斜部9764a1との間の負荷が変位部材9680の姿勢により変化することで、発光動作演出ユニット9700の位置ずれのし易さが変化するように構成する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、傾斜面部9689b2と面取り傾斜部9764a1との設計に寄らずとも、押し付け合う箇所に高摩擦の樹脂材料を配置しても良いし、押し付け合う箇所に高粘度のシート部材を配置しても良いし、押し付け合う箇所に互いに嵌合する単数または複数の凹部および凸部を形成しても良い。
なお、凹部および凸部の形状は、点を中心として凹凸形成されるものでも良いし、直線や曲線を中心として形成される突条や凹溝でも良い。突条や凹溝の場合は、その延設方向に沿う方向の発光動作演出ユニット9700の位置ずれは許容し易い一方で、延設方向と交差する方向の発光動作演出ユニット9700の位置ずれは制限し易くすることができる。
上記第10実施形態では、回転部材810を適正姿勢にする作用が、検出用ギア10831の自重による付勢によって生じる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、回転部材810の姿勢を厳格に制御するようにしても良い。
また、回転部材810が適正姿勢となるまでは回転部材810が後転方向に起き上がり動作しないようにしても良い。例えば、回転部材810が適正姿勢の時には左右内側に退避し、回転部材810が適正姿勢から外れている時には左右外側に突出する係合部が回転演出装置800に配設され、突出時には係合部が内側部材670に嵌合可能(挿通可能)とされ、嵌合時には回転部材810の起き上がり方向の動作が規制されるようにしても良い。この場合、回転部材810が適正姿勢にならずに起き上がり動作することを機械的に防止できるので、予期せず回転部材810が破損することを回避することができる。
上記各実施形態では、第1入賞口64の下流側に配設される検出装置SE3の前後位置が同一となるようにして左右に配置される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、検出装置SE3の配置が前後にずれていても良い。
本発明を上記各実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施してもよい。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される)として実施してもよい。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞させることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるパチンコ機として実施してもよい。また、Vゾーン等の特別領域を有する入賞装置を有し、その特別領域に球を入賞させることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機に実施してもよい。更に、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球、スロットマシン、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機などの各種遊技機として実施するようにしても良い。
なお、スロットマシンは、例えばコインを投入して図柄有効ラインを決定させた状態で操作レバーを操作することにより図柄が変動され、ストップボタンを操作することにより図柄が停止されて確定される周知のものである。従って、スロットマシンの基本概念としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を変動表示した後に識別情報を確定表示する表示装置を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の変動表示が停止して確定表示され、その停止時の識別情報の組合せが特定のものであることを必要条件として、遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるスロットマシン」となり、この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
また、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する表示装置を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の球の投入の後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップボタンの操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技が発生させられ、遊技者には、下部の受皿に多量の球が払い出されるものである。かかる遊技機をスロットマシンに代えて使用すれば、遊技ホールでは球のみを遊技価値として取り扱うことができるため、パチンコ機とスロットマシンとが混在している現在の遊技ホールにおいてみられる、遊技価値たるメダルと球との別個の取扱による設備上の負担や遊技機設置個所の制約といった問題を解消し得る。
以下に、本発明の遊技機に加えて上述した実施形態に含まれる各種発明の概念を示す。
<釘の代わりとなる樹脂構成部材>
遊技盤本体と、その遊技盤本体に対して配置が固定される被固定部材と、前記遊技盤本体および前記被固定部材を連結する連結部材と、を備える遊技機において、前記連結部材は、遊技球を案内可能に構成されることを特徴とする遊技機A1。
パチンコ機等の遊技機において、遊技盤に打ち込まれた釘によって遊技球の流下経路をランダムに構成する遊技機がある(例えば、特開2007−325743号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、遊技球の流下経路が釘によってのみ構成されていることから、遊技盤のほぼ全領域に釘を打ち込む必要があるところ、釘を打つ部分の強度を確保するために遊技盤を肉厚にする必要があるので、特に厚み方向の設計において、遊技盤の形状の設計自由度が低くなるという問題点があった。
これに対し、遊技機A1によれば、遊技盤本体と被固定部材とを連結する連結部材によって遊技球を案内可能に構成されているので、連結部材が配置される範囲については、遊技盤本体に釘を打ち込む必要が無くなる。そのため、連結部材が配置される範囲では、遊技盤本体の、特に厚み方向の設計において、形状の設計自由度を向上することができる。
例えば、任意に厚みを設計できる箇所について薄肉に形成することで、遊技盤全体で要する部材の体積を減らすことで材料コストを削減できたり、薄肉とした結果として空いたスペースに演出用部材(電飾基板等)を配置して多様な発光演出を実行可能としたりすることができる。
なお、連結部材の配置は、何ら限定されるものではなく、種々の態様が例示される。例えば、連結部材は、遊技領域に導入された遊技球が最初に衝突する部分を構成するように遊技盤のセンターフレームの上方に配置されても良いし、スルーゲートを内部に保持する部材としてセンターフレームの左右側に配置されても良いし、遊技球を入賞口へ案内するための部材としてセンターフレームの下側に配置されても良い。
また、連結部材は、左右対称形状で構成されても良いし、左右非対称形状で構成されても良い。基本的には、遊技領域が左右対称形状である場合には連結部材も左右対称形状で構成されることが好ましく、遊技領域が左右非対称形状である場合(例えば、右打ち機の場合)には連結部材も左右非対称形状で構成されることが好ましい。
遊技機A1において、前記連結部材は、遊技球を案内可能に構成される案内部を備え、その案内部は、遊技領域側に張り出すように構成されることを特徴とする遊技機A2。
遊技機A2によれば、遊技機A1の奏する効果に加え、遊技領域側に張出形成されていた釘と同様の作用効果を、案内部によって生じさせることができることに加え、連結部材が光透過性の樹脂材料から形成される場合には、釘よりも光を透過させ易くすることができる。従って、案内部が配置される範囲においても、案内部の背後から遊技者側に照射される光の視認性が低下することを回避することができる。
なお、案内部の形状としては、釘の形状を模倣しても良いが、釘の細い形状を樹脂材料から形成する場合には金属材料の釘に比較して強度が落ちるため、複数の釘が配置される範囲を単一の案内部で囲むような形状から形成するようにしても良い。これにより、樹脂材料から形成する場合であっても、強度不足を解消することができる。
遊技機A2において、前記案内部は、前記遊技領域側の反対側に凹設部を備えることを特徴とする遊技機A3。
遊技機A3によれば、遊技機A2の奏する効果に加え、連結部材の軽量化を図ることができる。更に、案内部の肉厚が薄くなることで案内部を撓み易くすることができ、遊技球が案内部に衝突した際に案内部に撓みが生じることで、遊技球と案内部との間で生じる負荷を和らげることができるので、衝撃時の負荷による案内部の破損を回避し易くすることができる。
遊技機A2又はA3において、前記案内部は、前記遊技盤本体に近接配置される第1案内部と、前記被固定部材に近接配置される第2案内部と、を備え、前記第1案内部は、前記第2案内部に比較して、細幅に形成されることを特徴とする遊技機A4。
遊技機A4によれば、遊技機A2又はA3の奏する効果に加え、第1案内部が細幅なので、案内部自体が撓み易く、遊技盤本体が撓まなくても負荷を逃がすことができる。一方で、第2案内部は、案内部自体が撓まずとも、薄板として形成される被固定部材が撓むことで負荷を逃がすことができる。
なお、細幅の態様は、最大幅が小さいとの設定でも良いし、形状が三角形である場合のように細幅の部分があることで特定しても良い。
遊技機A2からA4のいずれかにおいて、前記案内部は、張出方向視における枠形状を構成する辺同士が交差する角度が最大となる部分が上端位置よりも下側に配置されることを特徴とする遊技機A5。
遊技機A5によれば、遊技機A2からA4のいずれかの奏する効果に加え、角度が最大となる部分を軸とした撓み変形を許容して、遊技球の衝突に対して堪えやすくすることができる。
遊技機A1からA5のいずれかにおいて、前記被固定部材は、環状に構成され、前記遊技盤本体の内側に固定されることを特徴とする遊技機A6。
遊技機A6によれば、遊技機A1からA5のいずれかの奏する効果に加え、被固定部材の形状を遊技盤本体の剛性により保持し易くすることができる。
遊技機A1からA6のいずれかにおいて、前記連結部材と、遊技盤本体または被固定部材と、が重なるように構成され、箇所によって、重なる対象が変わることを特徴とする遊技機A7。
遊技機A7によれば、遊技機A1からA6のいずれかの奏する効果に加え、遊技盤本体の形成を省略して被固定部材でまかなうことにより、遊技盤本体を省略せずに形成する場合に比較して、遊技盤本体に要する材料コストを削減することができる。
また、被固定部材と連結部材とが重なる範囲においては、背面から照射される光を通り易くすることができると共に、被固定部材を薄肉形成することで背面側のスペースを確保することができることから、演出装置の配設自由度を向上することができる。
遊技機A7において、前記被固定部材と前記連結部材とが重なる箇所の後方に発光手段が配置される遊技機A8。
遊技機A8によれば、遊技機A7の奏する効果に加え、遊技盤本体の後方に発光手段を配設する場合に比較して、被固定部材を薄肉で形成することにより発光手段の配設スペースを確保し易くすることができる。
遊技機A1からA8のいずれかにおいて、前記被固定部材と、前記連結部材との間に配設される薄肉装飾部材を備え、その薄肉装飾部材は、前記被固定部材に形成される第1位置決め部と、前記連結部材に形成される第2位置決め部と、に位置合わせされることを特徴とする遊技機A9。
遊技機A9によれば、遊技機A1からA8のいずれかの奏する効果に加え、被固定部材や連結部材の各形状に制限されることなく薄肉装飾部材の位置合わせを行うことができる。
遊技機A9において、前記第1位置決め部と、前記第2位置決め部とが係合することを特徴とする遊技機A10。
遊技機A10によれば、遊技機A9の奏する効果に加え、第1位置決め部および第2位置決め部によって、被固定部材と連結部材との位置合わせを行うことができる。
<釘なし振分>
遊技球が通過可能な通過領域と、前記通過領域に遊技球を案内可能に構成される案内手段と、前記通過領域を通過した遊技球を流下させる流下領域と、を備え、前記案内手段は、前記通過領域へ遊技球を案内する割合を変化可能に構成され、前記流下領域は、遊技球が入球可能に構成される第1入球口および第2入球口を備え、前記第1入球口に遊技球が入球する割合および前記第2入球口に遊技球が入球する割合を維持可能に構成されることを特徴とする遊技機B1。
パチンコ機等の遊技機において、遊技盤に打ち込まれた釘によって遊技球を入賞口へ振り分ける遊技機がある(例えば、特開2007−325743号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、遊技球の流下経路の振分に利用する釘は、遊技球との衝突によりベース板に対する状態が変化することがあり、その状態の変化によって入賞口に入球し易い状態や、入球し難い状態が形成され得るので、遊技の公平性という観点から改善の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機B1によれば、案内手段が遊技球を通過領域へ案内する割合が変化可能な状況において、流下領域は、第1入球口に遊技球が入球する割合および前記第2入球口に遊技球が入球する割合を維持可能に構成されるので、遊技球が第1入球口や第2入球口に入球し易くなったり、入球し難くなったりすることを避けることができ、遊技の公平性という観点から改善することができる。
遊技機B1において、前記流下領域は、樹脂材料から形成されることを特徴とする遊技機B2。
遊技機B2によれば、遊技機B1の奏する効果に加え、流下領域が樹脂材料から形成されるので、流下領域を形成する樹脂部材の一部が破損した場合には、樹脂部材自体を取り替えることで容易に元通りに修復することができる。従って、釘で遊技球の振分を行う場合に比較して、メンテナンス性および遊技機の稼働期間向上の観点において改良することができる。
また、釘の場合、曲げが生じていたとしても目視では判別し難く、遊技球の振分の状態(バランス)が出荷時から変化した状態での稼働が生じ得る一方で、樹脂材料から流下領域が形成される場合、曲げが生じ難い形状としたり、曲げが生じたら容易に破損する設計としたりすることで、出荷時の状態と異なる状態が構成され難くすることができる。これにより、遊技球の振分の状態(バランス)を出荷時のまま維持し易くすることができる。
遊技機B1又はB2において、前記第2入球口の上流側に前記第1入球口が配設され、前記第2入球口に遊技球が入球した場合に遊技者が得られる利益が、前記第1入球口に遊技球が入球した場合に遊技者が得られる利益に比較して大きくなることを特徴とする遊技機B3。
遊技機B3によれば、遊技機B1又はB2の奏する効果に加え、第2入球口側へ遊技球が流下するかについて注目させることができる。
なお、遊技者が得られる利益の態様は何ら限定されるものではない。例えば、賞球の有無や賞球個数でも良いし、図柄の抽選の有無でも良いし、遊技球の通過によって抽選の確率が変化する利益でも良いし、これらの組み合わせでも良い。
遊技機B1からB3のいずれかにおいて、前記通過領域の上流側に配置され、遊技球を前記通過領域とは異なる第3の方向に案内可能な上流側手段を備え、その上流側手段は、前記第2入球口への遊技球の流下を防止するように構成され、前記第3の方向に振り分けられた遊技球は、入球した場合に遊技者が利益を得られる利益通過手段を通過する経路で流下可能に構成されることを特徴とする遊技機B4。
遊技機B4によれば、遊技機B1からB3のいずれかの奏する効果に加え、通過領域側へ行かなかった遊技球は、第2入球口へ向かう球の流下を妨害することが無く、更に、利益通過手段を通過する可能性があるので、通過領域側から逸れた遊技球に対する注目力を向上させることができる。
遊技機B4において、前記上流側手段により前記第3の方向に案内される遊技球は、案内が開始される地点が上流側である方が、前記利益通過手段への入球可能性が高くなるよう構成されることを特徴とする遊技機B5。
遊技機B5によれば、遊技機B4の奏する効果に加え、上流側手段の注目力を、利益通過手段側に配置される下流側だけでなく、上流側においても向上させることができる。換言すれば、通常遊技で不満でも、大当たり遊技では快適となるように遊技領域を構成することができる。
遊技機B5において、一般入賞口側を構成する第1部材と、利益通過手段側を構成する第2部材とが、樹脂構成部材同士の係合で位置決めされることを特徴とする遊技機B6。
遊技機B6によれば、遊技機B5の奏する効果に加え、第1部材と第2部材とを金属製の締結ビスで固定する場合に比較して、締結ビスを省くことができるので、第1部材と第2部材との重なり位置における視認性を向上することができる。
遊技機B6において、位置決めの手法が遊技盤との挟み込みであることを特徴とする遊技機B7。
遊技機B7によれば、遊技機B6の奏する効果に加え、遊技領域と対向配置される部分における第1部材と第2部材との位置関係を規定し易くすることができる。これにより、第1部材や第2部材に当接しながら流下する遊技球の流れが不規則に乱れることを回避することができる。即ち、締結ビスで部材を遊技盤本体に固定する場合に生じがちな、第1部材と第2部材との前後位置の反転が発生する可能性を低くすることができる。
遊技機B5からB7のいずれかにおいて、前記利益通過手段の真上に来るまでは遊技機の勢いを確保し、真上にきてから減速させる減速突部を備えることを特徴とする遊技機B8。
遊技機B8によれば、遊技機B5からB7のいずれかの奏する効果に加え、遊技球が利益通過手段に高速で衝突することによる利益通過手段の破損を回避することができる。
遊技機B8において、左右広い範囲からまとめて集めて、その先の利益通過手段が、左右広めに構成されることを特徴とする遊技機B9。
遊技機B9によれば、遊技機B8の奏する効果に加え、利益通過手段に連続で遊技球が到達した場合でも、先に到達した遊技球を左右に流すことで、後追いの遊技球を受け入れやすくすることができる。これにより、遊技球が利益通過手段に連続で到達した場合における入球不良を回避し易くすることができる。
遊技機B8又はB9において、前記利益通過手段への遊技球の流下経路の後方において、遊技球の流下を所定の態様で補助する補助手段が配設されることを特徴とする遊技機B10。
遊技機B10によれば、遊技機B8又はB9の奏する効果に加え、補助手段によって利益通過手段への遊技球の流下を所定の態様で補助することができるので、遊技球の流下に関する問題点を所定の態様で改善することができる。
遊技機B10において、前記補助手段は、所定の入賞口に入球し流下する遊技球および遊技球の流下経路であることを特徴とする遊技機B11。
遊技機B11によれば、遊技機B10の奏する効果に加え、所定の入賞口に入球して流下する遊技球を、あたかも利益通過手段へ向けて流下しているように見せることができる。これにより、大当たり遊技実行中において所定の入賞口に入球した遊技球を、利益通過手段へ入球するように見える遊技球の個数として加算することができるので、発射した遊技球のほとんどが利益通過手段に入球しているように錯覚させることができる。
遊技機B10において、前記補助手段は、前記利益通過手段への流下経路を後方から装飾する装飾手段であることを特徴とする遊技機B12。
遊技機B12によれば、遊技機B10の奏する効果に加え、利益通過手段への流下経路に遊技者の注目が集まった場合に、装飾が施されていない場合に比較して、装飾手段により遊技者の興趣の向上を図ることができる。
遊技機B1からB12のいずれかにおいて、前記流下領域における前記第1入球口に遊技球が入球する割合および前記第2入球口に遊技球が入球する割合の維持を、異なる割合とされる複数状態で実行可能とされることを特徴とする遊技機B13。
遊技機B13によれば、遊技機B1からB12のいずれかの奏する効果に加え、流下領域で維持される状態を、複数状態で変化させることができる。例えば、流下領域に一定間隔で出没する出没手段を配設しても良いし、第1入球口と第2入球口との間に配設される傾斜板の傾斜角度を変化させるように制御しても良い。
<遊技球左右振分の装置をコンパクトにする>
遊技盤本体と、その遊技盤本体の前端面よりも後方において複数の入球口に振り分ける態様で遊技球を流下可能に構成される流下手段と、を備える遊技機において、前記遊技盤本体は、遊技球の流路を振り分ける釘を配設可能な配設領域と、釘の配設が不可能な非配設領域と、を備え、前記流下手段は、遊技球の流下経路が、前記非配設領域の後方を含む範囲に配設されることを特徴とする遊技機C1。
パチンコ機等の遊技機において、左右に併設される第1入球口および第2入球口と、第1入球口または第2入球口へ向けて遊技球が流下可能に構成される振分流路と、を備える遊技機がある(例えば、特開2015−144741号公報、特に図4を参照)。振分流路は樹脂材料により形成されており、その内部を遊技球が流下可能に形成されるところ、球詰まりが生じた場合の対策を容易とするため等の理由から、第1入球口および第2入球口の上流側(入球する直前位置)において、遊技球が通過可能な大きさの空隙部が形成されている。
しかし、上述した従来の遊技機では、第1入球口および第2入球口が遊技盤の手前側に張り出して構成されているので、振分流路の手前側に遊技領域を構成することが困難であるという問題点があった。換言すれば、遊技領域の形成範囲を大きく確保するという観点から改善の余地があるという問題点があった。
換言すれば、第1入球口および第2入球口を配置するために必要な領域が部分的に遊技盤の正面側に張出ていることで、遊技球を流下させられる他の範囲が狭まってしまい、遊技球を流下させる範囲の設計自由度が低下する可能性があるという問題点があった。
これに対し、遊技機C1によれば、流下手段が遊技盤本体の前端面よりも後方において配設されるので、遊技盤本体の前端面よりも正面側において遊技球を案内する他の部材を配設することができることから、遊技領域の形成範囲を大きく確保することができる。
遊技機C1において、前記複数の入球口は、第1入球口を備え、前記第1入球口は、遊技領域に配設される可動役物と正面視で重ならないよう配置されることを特徴とする遊技機C2。
遊技機C2によれば、遊技機C1の奏する効果に加え、可動役物によって、第1入球口に入球する遊技球の視認性が低下することを防止できる。
遊技機C1又はC2において、前記第1入球口から逸れて流下する遊技球の流下経路は、遊技領域に配設される可動役物と正面視で重なる位置に少なくとも一部が配置されることを特徴とする遊技機C3。
遊技機C3によれば、遊技機C1又はC2の奏する効果に加え、第1入球口から逸れて流下する遊技球を可動役物で隠すことができる。
遊技機C1からC3のいずれかにおいて、前記流下手段は、前記複数の入球口の上流側において遊技者側に遊技球を流下させるように構成される方向切替部を備えることを特徴とする遊技機C4。
遊技機C4によれば、遊技機C1からC3のいずれかの奏する効果に加え、方向切替部によって、流下手段を流下する遊技球を複数の入球口の直前で遊技者側に流すことで遊技球の視認性を向上させると共に、複数の入球口へ向けて流下する遊技球に対する注目力を向上させることができる。
遊技機C4において、前記遊技盤本体の正面側における前記方向切替部の正面位置において、遊技球の流下方向を振り分ける振分手段を備えることを特徴とする遊技機C5。
遊技機C5によれば、遊技機C4の奏する効果に加え、釘を打つことが困難となる遊技盤本体の正面位置においても、振分手段によって遊技球の振分を行うことができる。これにより、遊技領域の設計自由度を向上することができる。
遊技機C5において、前記振分手段によって振り分けられた遊技球の少なくとも一部が入球可能に構成される入球手段を備え、前記流下手段を流下し前記方向切替部を流下した遊技球は、背面側へ排出され、前記流下手段を流下する遊技球は、前記遊技盤本体を通して視認可能に構成されることを特徴とする遊技機C6。
遊技機C6によれば、方向切替部を流下した遊技球のその後の視認性が低下することで、あたかも遊技球が入球手段に入球したものだと錯覚させることができる。これにより、流下手段を流下する遊技球を、入球手段に向かって流下する遊技球の個数に加算することができ、入球手段へ向かって多量の遊技球が流下しているように見せることができる。
この場合において、流下手段を流下する遊技球と、遊技盤本体の正面側を流下する遊技球とは、遊技盤本体によって隔絶されており衝突し得ないので、実際に入球手段へ向かって流下している遊技球の流下が、流下手段を流下する遊技球によって阻害されることを回避することができる。即ち、実際に入球手段へ向かって流下している遊技球の入球効率は確保しながら、更に多くの遊技球が入球手段へ向かって流下しているように遊技者に見せる演出を実行することができる。
遊技機C1において、第1入球口および第2入球口と、前記第1入球口に向けて遊技球が流下可能に構成される第1流路と、を備え、その第1流路は、前記第1入球口の上流側において、遊技球が前記第1入球口から逸れる方向に流れる枝分かれ流路を備えることを特徴とする遊技機C7。
遊技機C7によれば、第1流路において第1入球口側に球詰まりが生じたとしても、枝分かれ流路から遊技球を排出することができるので、球詰まりの解消を容易とすることができる。
遊技機C7において、前記第1流路は、前記第1入球口の上流側において、前記第1入球口と前記第2入球口とを結ぶ所定直線と交差する方向に遊技球を進行させて、遊技球を前記第1入球口から逸らすよう構成されることを特徴とする遊技機C8。
パチンコ機等の遊技機において、左右に併設される第1入球口および第2入球口と、第1入球口または第2入球口へ向けて遊技球が流下可能に構成される振分流路と、を備える遊技機がある(例えば、特開2015−144741号公報、特に図4を参照)。振分流路は樹脂材料により形成されており、その内部を遊技球が流下可能に形成されるところ、球詰まりが生じた場合の対策を容易とするため等の理由から、第1入球口および第2入球口の上流側(入球する直前位置)において、遊技球が通過可能な大きさの空隙部が形成されている。
しかし、上述した従来の遊技機では、第1入球口および第2入球口の上流側において遊技球を排出可能な大きさで形成される空隙部が、遊技球を左右方向に排出する態様で形成されているので、遊技球の通過領域を確保するために、第1入球口へ向けて遊技球を流下させるための流路と、第2入球口へ向けて遊技球を流下させるための流路と、の配置の左右間隔を、遊技球の直径以上は空ける必要が生じるため、第1入球口および第2入球口の実際の左右幅に比較して、第1入球口および第2入球口を配置するための左右幅が過大となるという問題点があった。
換言すれば、第1入球口および第2入球口を配置するために必要な左右幅(領域)が過大となることで、遊技盤の前側または後側において遊技球の流下経路を形成可能な範囲が狭まってしまい、遊技球を流下させる範囲の設計自由度が低下する可能性があるという問題点があった。
これに対し、遊技機C8によれば、第1入球口から遊技球を逸らすための構成が所定直線と交差する方向に遊技球を進行させるよう構成されているので、第1入球口と第2入球口との間隔を遊技球の直径以上とする必要性を排除できることから、第1入球口および第2入球口を配置するための左右幅(領域)を抑えることができる。従って、遊技球を流下させる範囲の設計自由度を向上させることができる。
なお、遊技球を流下させる範囲の設計の態様としては、何ら限定されるものではない。例えば、遊技盤と扉枠のガラス板との間の領域(所謂、遊技領域)の設計の態様であっても良いし、遊技盤の前端面よりも後側の領域(例えば、樹脂製の内部流路)の設計の態様であっても良い。前者の場合、遊技球を案内する部材として遊技盤に打ち込まれる釘の配置の設計の態様も含まれる。
遊技機C8において、前記第2入球口に向けて遊技球が流下可能に構成される第2流路を備え、その第2流路は、前記第2入球口の上流側において、前記第1入球口と前記第2入球口とを結ぶ所定直線と交差する方向に遊技球を進行させて、遊技球を前記第2入球口から逸らすよう構成されることを特徴とする遊技機C9。
遊技機C9によれば、遊技機C8の奏する効果に加え、第1入球口および第2入球口を配置するための左右幅を(領域)を更に抑えることができる。
遊技機C8又はC9において、前記第2入球口に向けて遊技球が流下可能に構成される第2流路と、前記第1流路を流下した遊技球であって前記第1入球口から逸れた遊技球および前記第2流路を流下した遊技球であって前記第2入球口から逸れた遊技球を受け入れ可能に構成される受入手段と、を備えることを特徴とする遊技機C10。
遊技機C10によれば、遊技機C8又はC9の奏する効果に加え、第1入球口から逸れた遊技球を受け入れる手段と、第2入球口から逸れた遊技球を受け入れる手段とを単一の手段とすることができるので、部品数を抑える形で部品コストを抑えることができる。
遊技機C10において、前記受入手段は、前記所定直線の正面側に配置されることを特徴とする遊技機C11。
遊技機C11によれば、遊技機C10の奏する効果に加え、受入手段に受け入れられた遊技球の視認性を向上させることができるので、流下手段に入球した遊技球が第1入球口または第2入球口を通過したのか、第1入球口および第2入球口から逸れて受入手段に受け入れられたのか、の判断を容易とすることができる。
遊技機C10において、前記受入手段は、前記所定直線の背面側に配置されることを特徴とする遊技機C12。
遊技機C12によれば、遊技機C10の奏する効果に加え、流下手段の正面側に遊技球の流路が形成される場合に比較して、流下手段の視認性を向上させることができるので、流下手段の下流側に配設される第1入球口および第2入球口を遊技球が通過していることを判別し易くすることができる。
<演出は見易い側で行い、退避は見難い側への移動として行う>
動作演出を行う第1位置と、その第1位置とは異なる第2位置とを移動可能な移動手段を備え、前記第2位置は、前記第1位置よりも、移動手段の視認性が低い位置であることを特徴とする遊技機D1。
パチンコ機等の遊技機において、画像表示装置を臨む開口の内側において昇降変位する可動体に軸支される回転動作部材を備える遊技機がある(例えば、特開2010−200914号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、回転動作部材が常に開口の内側において視認可能とされているので、制御不良による回転動作部材の姿勢ずれや、過回転した後の回転動作部材を遊技者に視認され易く、演出効果を低下させる可能性があるという問題点があった。
これに対し、遊技機D1によれば、動作演出を実行する第1位置に比較して、第2位置における移動手段の視認性を低くしているので、第2位置において、姿勢ずれや過回転が生じたとしても、その状態を遊技者に視認され難くすることができ、演出効果が低下することを防止することができる。
なお、移動手段の視認性を低くする態様は何ら限定されるものではなく、種々の態様が例示される。例えば、透明部材か、不透明部材かに関わらず、移動手段と遊技者との間に視界を遮るような部材が配置される態様でも良いし、移動手段を、遊技者の注目が集まり易い液晶表示装置の正面側の領域から外方に変位(退避)させる態様でも良い。
遊技機D1において、前記第1位置の方が、前記第2位置よりも遊技機正面側に配置されることを特徴とする遊技機D2。
遊技機D2によれば、遊技機D1の奏する効果に加え、第2位置から第1位置へ移動手段が移動することで、移動手段自体の視認される大きさを拡大することができる。
遊技機D2において、前記移動手段は、所定の回転軸で回転動作可能とされ、その回転動作によって前後配置が変化することを特徴とする遊技機D3。
遊技機D3によれば、遊技機D2の奏する効果に加え、移動手段を前後に平行移動させることを不要としながら、移動手段の前後配置を変化させることができる。従って、移動手段の前後配置を変化させるための構造を簡易とすることができる。
遊技機D1からD3のいずれかにおいて、前記第2位置に配置された移動手段の状態を適正な側に保つよう補助する補助手段を備えることを特徴とする遊技機D4。
遊技機D4によれば、遊技機D1からD3のいずれかの奏する効果に加え、第2位置において補助手段で移動手段の状態を適正にすることで、第1位置における移動手段の演出を適切に実行することができる。
なお、補助の態様は何ら限定されるものではない。例えば、当接により移動手段の姿勢を適正な側に修正する態様でも良いし、付勢力により移動手段を適正な側に維持する態様でも良い。
遊技機D4において、前記補助手段は、前記第1位置を基準として、前記第2位置側に配置されることを特徴とする遊技機D5。
遊技機D5によれば、遊技機D4の奏する効果に加え、目立たない側に補助手段を置くことで、補助手段を隠しやすくできる。そのため、補助手段を隠すための別部材を不要とでき、補助手段の手前側のスペースを演出スペースとして確保することができる。
なお、第2位置側の配置の態様は、何ら限定されるものではなく、種々の態様が例示される。例えば、単純に目立たない側でも良いし、前後方向後側でも良いし、液晶装置を臨む遊技盤の中央開口の外方側でも良い。
遊技機D5において、前記第2位置は、前記第1位置よりも遊技機背面側に設定され、前記補助手段は、前記移動手段が前記第2位置に配置されると前記移動手段により遊技者の視線を遮られるよう配設されることを特徴とする遊技機D6。
遊技機D6によれば、遊技機D5の奏する効果に加え、移動手段を利用して補助手段を隠すことができるので、補助手段の万が一の露見を避け易く、移動手段が退避している時の見映えが良い。これにより、補助手段の設計自由度を高めることができる。
遊技機D1からD6のいずれかにおいて、前記移動手段の移動は、前記第1位置へ向かう第1の移動と、その第1の移動が可能な状態に前記移動手段を配置させるための第2の移動とから構成され、前記第2の移動時に前記移動手段の状態を適正な側に近づけるよう構成されることを特徴とする遊技機D7。
遊技機D7によれば、遊技機D1からD6のいずれかの奏する効果に加え、第1位置へ向かう移動時に移動手段が不適正な状態となっている事態を回避することができる。
遊技機D7において、前記移動手段は、付勢力によって状態が適正な側に近づけられることを特徴とする遊技機D8。
遊技機D8によれば、制御に寄ることなく、移動手段を適正な側に近づけることができる。
遊技機D7又はD8において、前記第2の移動は、所定の回動軸を中心とする回転動作であることを特徴とする遊技機D9。
遊技機D9によれば、遊技機D7又はD8の奏する効果に加え、移動手段の姿勢の変化途中で、移動手段を適正な側に近づけるように状態変化させることができる。
遊技機D7からD9のいずれかにおいて、前記第1の移動時に、移動手段の正面側と背面側とが異なる態様で形成されることを特徴とする遊技機D10。
遊技機D10によれば、遊技機D7からD9のいずれかの奏する効果に加え、遊技者に見られる正面側は装飾として適した形に形成し、背面側は機能的に適した形に形成することができる。
<演出装置の見せる面を変化させる演出>
所定の演出を実行可能な第1手段を備え、その第1手段は、所定の演出として、第1の演出を行う第1姿勢と、第2の演出を行う第2姿勢とに変化可能とされ、前記第1姿勢と前記第2姿勢とで、正面を向く側が変化することを特徴とする遊技機E1。
パチンコ機等の遊技機において、画像表示装置を臨む開口の内側において昇降変位する可動体に軸支される姿勢変化部材を備える遊技機がある(例えば、特開2010−200914号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、姿勢変化部材が常に同じ側を正面側に向けており、姿勢が変わる以上の見映えの変化が生じないので、姿勢変化部材を利用した演出効果を向上させる観点で改良の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機E1によれば、第1手段の正面を向く側が、第1姿勢と第2姿勢とで変化するように構成されているので、第1手段という単一の可動手段の各側面を異なる態様で設計しておけば、見られる側(正面側)を変化させることができるので、第1手段を全く異なる物のように遊技者に見せることができる。従って、第1手段の演出効果を向上させる観点で改良することができる。
なお、所定の演出の態様としては、何ら限定されるものではなく、種々の態様が例示される。例えば、第1手段の少なくとも一部が動作する動作演出でも良いし、第1手段が有する発光手段から照射される光を利用した発光演出でも良い。
遊技機E1において、前記第1手段は、発光される光で図形を視認可能となるように所定の形状に沿って並べられる所定発光手段を備え、その所定発光手段により視認される図形が、前記第1姿勢と前記第2姿勢とで変化可能に構成されることを特徴とする遊技機E2。
遊技機E2によれば、遊技機E1の奏する効果に加え、所定発光手段により視認される図形を変化させることで、第1手段の演出効果を向上させることができる。
なお、所定発光手段により視認される図形の変化の態様は、何ら限定されるものではなく、種々の態様が例示される。例えば、停止した状態における所定発光手段の各発光素子の発光パターンを制御することで視認させる図形を変化させるようにする態様でも良いし、所定発光手段の各発光素子の発光状態は固定して所定発光手段を動作させることで視認させる図形(残像等)を変化させるようにする態様でも良いし、これらを組み合わせた態様でも良い。
遊技機E1又はE2において、前記第1手段は、第1位置と第2位置とを移動可能とされ、前記第1位置において視認可能とされる第1手段の外形と、前記第2位置において視認可能とされる第1手段の外形と、が異なることを特徴とする遊技機E3。
遊技機E3によれば、遊技機E1又はE2の奏する効果に加え、第1手段が、移動しながら視認される外形が変化するように構成されるので、単一の部材では実現し難い演出を遊技者に視認させることができる。これにより、第1手段の演出効果を向上させることができる。
遊技機E3において、前記第1手段が演出動作可能な領域が、演出態様に対応して設定されることを特徴とする遊技機E4。
遊技機E4によれば、遊技機E3の奏する効果に加え、第1手段で実行される演出動作に必要な領域が演出の態様に対応して大小変化するように構成することで、第1手段の配置毎に第1手段が演出動作可能な領域が変化したとしても、その領域に合わせた演出の態様で第1手段を動作させることができるので、第1手段の動作演出の設計自由度を向上することができる。
遊技機E3又はE4において、前記第1位置に配置された前記第1手段を所定方向視で分断するよう配置される分断手段を備えることを特徴とする遊技機E5。
遊技機E5によれば、遊技機E3又はE4の奏する効果に加え、分断手段により、第1位置における第1手段の見え方と、第2位置(非分断)における第1手段の見え方と、を異ならせることができる。
遊技機E3からE5のいずれかにおいて、前記所定発光手段は、前記第1位置において前記第1姿勢で視認される図形が、遊技領域における遊技球の進行を補助する進行補助手段の形状に対応するよう構成されることを特徴とする遊技機E6。
遊技機E6によれば、遊技機E3からE5のいずれかの奏する効果に加え、第1姿勢における発光により、遊技球の進行方向を遊技者に示唆する演出を行うことができるので、第1手段単独の演出に加え、遊技球の進行方向に関わる演出と兼用することができる。
なお、進行補助手段の態様は、何ら限定されるものではなく、種々の態様が例示される。例えば、発射球を遊技領域に案内する部分を含む金属レールでも良いし、遊技領域に配置され遊技球の流下を案内する案内手段でも良いし、遊技球の通過を許容する状態と制限する状態とで切り替え可能な球通過状態切替手段でも良い。
遊技機E6において、前記第2位置において前記第2姿勢で視認される図形が、遊技球が入球可能な所定の入球領域に注目させるための図形であることを特徴とする遊技機E7。
遊技機E7によれば、遊技機E6の奏する効果に加え、同様の目的で実行される光演出として、別の態様の光演出を単一の第1手段で行うことができる。これにより、遊技者が演出に飽きることを防止し易くすることができる。
遊技機E3からE7のいずれかにおいて、前記第1手段の移動は、前記第1位置へ向かう第1の移動と、その第1の移動が可能な状態に前記移動手段を配置させるための第2の移動とから構成され、前記第2の移動時に前記第1手段の状態を適正な側に近づけるよう構成されることを特徴とする遊技機E8。
遊技機E8によれば、遊技機E3からE7のいずれかの奏する効果に加え、第1位置へ向かう移動時に移動手段が不適正な状態となっている事態を回避することができる。
遊技機E8において、前記第1手段は、付勢力によって状態が適正な側に近づけられることを特徴とする遊技機E9。
遊技機E9によれば、遊技機E8の奏する効果に加え、制御に寄ることなく、第1手段を適正な側に近づけることができる。
遊技機E8又はE9において、前記第2の移動は、所定の回動軸を中心とする回転動作であることを特徴とする遊技機E10。
遊技機E10によれば、遊技機E8又はE9の奏する効果に加え、変位手段の姿勢の変化途中で、移動手段を適正な側に近づけるように状態変化させることができる。
遊技機E8からE10のいずれかにおいて、前記第1の移動時に、変位手段の正面側と背面側とが異なる態様で形成されることを特徴とする遊技機E11。
遊技機E11によれば、遊技機E8からE10のいずれかの奏する効果に加え、遊技者に見られる正面側は装飾として適した形に形成し、背面側は機能的に適した形に形成することができる。
<被動作部材の支持構造>
変位可能に構成される変位手段と、その変位手段を支持する支持手段と、を備え、その支持手段は、前記変位手段の変位を許容可能な許容部と、前記変位手段の変位を制限可能な制限部と、を備えることを特徴とする遊技機F1。
パチンコ機等の遊技機において、左右一対の駆動装置の駆動により昇降動作する可動ユニットが、個別の駆動装置で回転駆動される回転動作部材を備える遊技機がある(例えば、特開2013−000482号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、可動ユニットは、左右両側において上下に延びる板部に上下方向に直動する態様で支持されているので、左右一対の駆動装置の駆動タイミングのずれが生じて可動ユニットの姿勢が崩れる(傾斜する)方向に負荷が生じると、可動ユニットの動作の滑らかさが失われると共に、動作抵抗が増大することで動力伝達系が損傷する可能性が高くなるという問題点があった。即ち、演出性および耐久性の観点から改善の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機F1によれば、変位手段を支持する支持手段が、変位手段の変位を制限する制限部に加えて、変位手段の変位を許容する許容部を備えるので、変位手段を駆動させる駆動タイミングのずれが生じたとしても、支持手段に対する変位手段の変位が予め許容されることから、その許容幅において変位手段の動作の滑らかさを維持できると共に、支持手段と変位手段との間で変位手段に加えられる負荷を低減することができる。これにより、演出性および耐久性の観点からの改善を図ることができる。
また、変位手段の支持態様として、許容部が影響する割合を大きくするか、制限部が影響する割合を大きくするかを適宜選択可能に構成することで、2通りの支持態様を構成することができる。
なお、従来の遊技機では可動ユニットが上下方向に変位するものとして説明されたが、変位手段の変位方向は何ら限定されるものではない。例えば、上下方向でも良いし、左右方向でも良いし、前後方向でも良いし、所定の回転軸を中心とした回転方向でも良いし、これらの組み合わせでも良い。
なお、許容部および制限部の構成は、形状を任意に設定することができ、種々の態様が例示される。例えば、許容部は第1方向に延設される長孔として形成され、制限部は許容部の長手方向寸法よりも短い直径の真円形状で形成されても良い。
遊技機F1において、前記許容部は、前記制限部により前記変位手段の被制限部の変位が制限された状態で、前記変位手段の変位を許容可能となるように構成されることを特徴とする遊技機F2。
遊技機F2によれば、遊技機F1の奏する効果に加え、制限部を基端とする変位手段の変位を許容することができる。これにより、変位の制限の有無を電気制御で切り替える場合に比較して、制御が不要な分、変位手段の変位の滑らかさを確保し易くすることができる。
遊技機F1又はF2において、前記許容部は、前記変位手段の変位を第1許容幅で許容する第1許容状態と、前記変位手段の変位を前記第1許容幅よりも小さな第2許容幅で許容する第2許容状態と、で状態変化可能に構成されることを特徴とする遊技機F3。
遊技機F3によれば、遊技機F1又はF2の奏する効果に加え、変位手段の変位の種類に対応した変位幅が異なる場合であっても、一の許容部により異なる変位幅に対応することができる。
遊技機F3において、前記状態変化は、前記変位手段の姿勢が変化することにより生じることを特徴とする遊技機F4。
遊技機F4によれば、遊技機F3の奏する効果に加え、変位手段の姿勢変化により許容部が許容する許容幅の変更が生じることから、変位の許容および制限を受ける変位手段の姿勢と、変位の許容幅の大きさと、を直接的に結びつけることができるので、変位手段の動作不良を予め回避することができる。また、変位手段を押さえて変位を制限するための別の制限部材を採用する場合に比較して、構成部材の個数を削減することができる。
遊技機F4において、前記変位手段は、前記支持手段に第1方向に沿って変位するように支持され、前記第1許容状態は、前記許容部により許容される前記変位手段の変位の方向が前記第1方向と平行な所定平面上に含まれ、前記第2許容状態は、前記許容部により許容される前記変位手段の変位の方向が前記所定平面と交差することを特徴とする遊技機F5。
遊技機F5によれば、遊技機F4の奏する効果に加え、第1方向に対する変位手段の変位の方向として許容部が許容する方向を切り替えることで、許容部による変位の許容幅を変化させることができる。
これにより、変位手段を駆動する駆動装置の制御との関係において、変位手段と支持手段との第1方向における位置ずれが生じ易い範囲においては変位手段の姿勢を第1許容状態で維持する一方、位置ずれを生じないようにできるか又は位置ずれを防止したい範囲においては変位手段の姿勢を第2許容状態とすることで、変位手段の変位を柔らかすぎることなく、且つ硬すぎることなく、メリハリのある変位態様にすることができる。
遊技機F3からF5のいずれかにおいて、前記変位手段は動作可能に構成される動作手段を支持しており、前記動作手段は高速動作可能に構成され、その高速動作は、前記許容部が前記第2許容状態とされている状態において実行可能とされることを特徴とする遊技機F6。
遊技機F6によれば、遊技機F3からF5のいずれかの奏する効果に加え、動作手段の高速動作により生じる慣性負荷で変位手段の配置がずれることを防止し易くすることができる。
遊技機F1からF6のいずれかにおいて、前記支持手段は、前記変位手段を両側から支持する一対の部材から構成されることを特徴とする遊技機F7。
遊技機F7によれば、遊技機F1からF6のいずれかの奏する効果に加え、変位手段を安定して支持することができる。
遊技機F7において、前記一対の部材が第1軸を同軸の中心として回動変位可能に構成され、前記許容部の許容幅は、前記第1軸方向に沿って延びるよう形成されることを特徴とする遊技機F8。
遊技機F8によれば、遊技機F7の奏する効果に加え、許容部に許容される許容幅内での変位手段の変位を、第1軸を中心とする円筒の接平面上で生じさせることができる。換言すれば、許容部に許容される変位を、第1軸に対して変位手段が捻られる態様の変位として生じさせることができる。
これにより、左右両側の駆動伝達機構にギアを用いる際に生じ得るバックラッシュ等の回避困難な変位量のずれに立体的に対応することができ、第1軸を中心とする変位手段の回動変位をスムーズに生じさせることができる。
遊技機F8において、一方の前記支持手段が前記制限部を備えることを特徴とする遊技機F9。
遊技機F9によれば、遊技機F8の奏する効果に加え、他方の支持手段と移動手段との組み付け時の配置ずれを許容でき、組み付けを容易とすることができる。
遊技機F1からF9のいずれかにおいて、前記許容部は長孔として形成され、前記制限部は、長手方向が前記許容部の長手方向よりも短い長孔として形成されることを特徴とする遊技機F10。
遊技機F10によれば、遊技機F1からF9のいずれかの奏する効果に加え、制限部および許容部の長手方向に移動手段をスライド移動させることができる。これにより、移動手段に生じる負荷を逃がしたり、移動手段の動作演出に活用したりすることができる。
<移動手段の固定力が複数種類設定される技術思想>
移動可能な移動手段と、その移動手段に負荷を付与可能な負荷付与手段と、を備え、その負荷付与手段は、前記移動手段の状態に対応して、付与する負荷を切替可能とされることを特徴とする遊技機G1。
パチンコ機等の遊技機において、昇降変位する移動手段の移動を規制可能な位置まで移動可能に構成される規制手段(負荷付与手段)を備える遊技機がある(例えば、特開2016−54856号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、規制手段により移動手段の移動を規制することができるものの、それ以上の効果は望めず、規制手段の占める体積分に対する費用対効果が低くなっていた。即ち、規制手段を有効活用するという観点から改良の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機G1によれば、負荷付与手段から移動手段に付与される負荷が、移動手段の状態に対応して切替可能とされるので、単一の負荷付与手段で、移動手段の移動に複数種類の影響を与えることができる。即ち、負荷付与手段を有効活用することができる。
なお、負荷付与手段の負荷の切替の基準として採用される移動手段の状態の態様は、何ら限定されるものではなく、種々の態様が例示される。例えば、移動手段の状態の違いとして、移動手段の配置の違いを採用しても良いし、動作態様の違いを採用しても良い。
動作態様が違う状態としては、例えば、移動手段が能動的に動作する状態と、移動手段に保持される他の可動手段または移動手段の外方に配置される他の可動手段の動作を受けて受動的に動作する状態と、が例示される。
なお、付与する負荷の切替の態様としては、何ら限定されるものではなく、種々の態様が例示される。例えば、移動手段の移動方向を基準とする負荷の方向が切り替えられても良いし(移動手段の移動方向に対向する方向と、移動手段の移動方向に交差する方向と、で切り替えられても良いし)、移動手段の移動開始からの経過時間により負荷付与手段から付与される負荷の態様が切り替えられても良い。
また、負荷の切替の態様としては、負荷の大小の切り替えでも良いし、負荷の発生態様の切り替えでも良い。負荷の発生態様としては、例えば、移動手段との擦れによる摩擦力(ブレーキ)としての態様でも良いし、自らの移動許容幅の限界に到達したことにより生じる規制力(ストッパ)としての態様でも良い。
遊技機G1において、前記負荷付与手段は、前記移動手段の移動方向に対向する方向に負荷を付与する対向状態と、前記移動手段の移動方向と交差する方向に負荷を付与する交差状態と、で付与する負荷を切替可能とされることを特徴とする遊技機G2。
遊技機G2によれば、遊技機G1の奏する効果に加え、移動手段の移動経路に対する負荷付与手段の配置を変えることで、負荷付与手段から移動手段に付与される負荷を切り替えることができるので、負荷の切り替えのための複雑な形状を不要とし、負荷付与手段を簡易に構成することができる。
遊技機G1又はG2において、前記負荷付与手段は、前記移動手段の移動方向と交差する方向に移動可能な負荷付与移動手段を備え、その負荷付与移動手段は、前記移動手段と当接可能に構成されることを特徴とする遊技機G3。
遊技機G3によれば、遊技機G1又はG2の奏する効果に加え、負荷付与移動手段が、直線的な動作(直動)により移動手段の移動経路に対する出没を実行するよう構成することができるので、負荷付与手段から移動手段に付与される負荷の態様を切り替えるために負荷付与移動手段に要求される移動幅(動作のばらつきを考慮した移動幅)を小さくすることができる。
従って、負荷付与移動手段を配置するためのスペースを抑制することができる。パチンコ機等の遊技機は、通常、移動手段や負荷付与手段を配置するスペースが、所定の規格により決められた大きさ(体積)の内部に制限されるので、負荷付与移動手段を配置するためのスペースを抑制することによって、移動手段や負荷付与手段の配置の自由度を向上させることができる。
遊技機G3において、前記負荷付与手段は、移動方向が前記移動手段の移動方向と直角に交差するよう構成され、前記移動手段の移動方向への移動が制限されるよう構成されることを特徴とする遊技機G4。
遊技機G4によれば、遊技機G3の奏する効果に加え、負荷付与手段について、最小限の移動幅で、移動手段に与える負荷の態様の違いを大きくすることができる。
遊技機G1からG4のいずれかにおいて、前記負荷付与手段により付与される負荷の切り替えは、前記移動手段の位置に対応して実行されることを特徴とする遊技機G5。
遊技機G5によれば、遊技機G1からG4のいずれかの奏する効果に加え、移動手段の演出動作が、位置が異なると違うように構成される場合に対応できる。
例えば、移動手段が所定の動作手段を備える場合において、移動手段の位置が停止している時に動作手段が高速動作する一方で、移動手段が移動する時には動作手段は停止または低速で動作するような演出が実行される場合には、移動手段の位置が停止している時に移動手段を確実に固定するという要求が生じ得る一方で、移動手段が移動する時には緩やかな固定(制動)としたいという要求が生じ得る。
負荷付与手段による付与される負荷の切り替えが移動手段の位置に対応して実行されるようにすることで、移動手段の配置の違いによる異なる要求を満たすことができる。
遊技機G1からG5のいずれかにおいて、前記負荷付与手段は、前記移動手段が正方向に移動する場合には負荷を付与する一方、前記移動手段が逆方向に移動する場合には負荷の付与を解除することを特徴とする遊技機G6。
遊技機G6によれば、遊技機G1からG5のいずれかの奏する効果に加え、移動方向の正逆の違いに対する対応を、負荷付与手段からの負荷の有無(大小)により行うことができる。
遊技機G1からG6のいずれかにおいて、前記移動手段を移動させるための駆動力を発生させる駆動手段を備え、前記移動手段と前記駆動手段とを離す方向で発生する離間負荷が生じることを特徴とする遊技機G7。
遊技機G7によれば、遊技機G1からG6のいずれかの奏する効果に加え、離間負荷が生じることにより、移動手段を駆動手段から離すことができ、駆動力の伝達効率を低下させることができる。
遊技機G7において、前記離間負荷は、前記負荷付与手段から生じることを特徴とする遊技機G8。
遊技機G8によれば、遊技機G7の奏する効果に加え、負荷付与手段を多機能で構成することができる。
遊技機G7において、前記離間負荷は、前記駆動手段に生じることを特徴とする遊技機G9。
遊技機G9によれば、遊技機G7の奏する効果に加え、駆動力の伝達経路の上流側で駆動力の伝達効率を低下させることができる。
遊技機G1からG9のいずれかにおいて、前記負荷付与手段から前記移動手段に摩擦力が負荷される場合と、前記負荷付与手段が前記移動手段の移動を制限する場合と、を構成可能であることを特徴とする遊技機G10。
遊技機G10によれば、遊技機G1からG9のいずれかの奏する効果に加え、同様の駆動力を生じさせて移動手段を移動させる場合であっても、移動手段の移動態様のバリエーションを増加させることができる。
<移動手段の移動を案内する複数の案内手段の態様が異なる>
移動可能な移動手段と、その移動手段の移動を案内する第1案内手段と、その第1案内手段とは異なる態様で前記移動手段の移動を案内する第2案内手段と、を備えることを特徴とする遊技機H1。
パチンコ機等の遊技機において、移動手段が同一の態様からなる一対の案内手段に移動を案内される遊技機がある(例えば、特開2012−157474号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、移動手段の部分であって、案内手段に案内される一対の部分に与えられる負荷の態様が共通となっており、耐久性向上のためには、それぞれ同様に強度を高める必要があることから、移動手段(の部分であって一対の案内手段に案内される部分)の設計自由度が低くなるという問題点があった。
これに対し、遊技機H1によれば、移動手段の移動を案内する第1案内手段と第2案内手段との案内態様が異なるので、与えられる負荷の態様や、耐久性向上のために必要な強度の数値が異なるようにすることができる。そのため、移動手段の部分であって複数の案内手段に案内される部分の形状や強度を異なるように構成することができることから、移動手段(の部分であって複数の案内手段に案内される部分)の設計自由度を向上させることができる。
なお、第1案内手段と第2案内手段との態様の違いとしては、何ら限定されるものではなく、種々の態様が例示される。例えば、第1案内手段は案内レールとして構成される一方、第2案内手段は案内孔として構成されても良いし、第1案内手段は所定の回転軸で軸支される回転案内手段である一方、第2案内手段はガイド溝として構成されても良いし、各構成の組み合わせ方を変更した態様でも良い。
例えば、第1案内手段および第2案内手段がガイド溝である場合に、第1案内手段および第2案内手段で溝の延設方向が平行である一方、溝の幅が異なる態様でも良いし、第1案内手段および第2案内手段で溝の延設方向が非平行とされる一方、溝の幅が共通とされる態様でも良い。
遊技機H1において、前記第2案内手段は、少なくとも一部が前記第1案内手段に沿うように配置されることを特徴とする遊技機H2。
遊技機H2によれば、遊技機H1の奏する効果に加え、第2案内手段は少なくとも一部が第1案内手段に沿うので、移動手段を2段階動作させることができる。
遊技機H2において、前記第2案内手段は、前記第1案内手段に沿う併設部と、その併設部に案内される場合とは異なる方向で前記移動手段を案内する補助部と、を備えることを特徴とする遊技機H3。
遊技機H3によれば、遊技機H2の奏する効果に加え、併設部と補助部との境界において、移動手段が案内されて移動する移動方向を変化させることができる。そのため、移動手段の移動態様を複雑化することができる。
遊技機H1からH3のいずれかにおいて、前記移動手段を移動させるための駆動力を前記移動手段に伝達させる伝達手段を備え、その伝達手段の変位方向は、移動手段の移動方向に関わらず一方向に固定されることを特徴とする遊技機H4。
遊技機H4によれば、遊技機H1からH3のいずれかの奏する効果に加え、移動手段の移動中に伝達手段の変位方向を切り替える場合に比較して、駆動力伝達系の設計を容易とすることができる。
遊技機H4において、前記伝達手段は、前記第2案内手段に案内される被案内部を介して駆動力を伝達するよう構成されることを特徴とする遊技機H5。
遊技機H5によれば、遊技機H4の奏する効果に加え、幅の細い第2案内手段に案内される被案内部を介して駆動力が伝達されるので、駆動力伝達時における被案内部の配置ずれを抑制することができる。
遊技機H5において、前記被案内部は、前記第1案内手段に案内される補助案内部を前記伝達手段の移動方向で追い抜くよう構成されることを特徴とする遊技機H6。
遊技機H6によれば、遊技機H5の奏する効果に加え、補助案内部側の全重量が被案内部側にかけられ、その全重量に対抗して駆動される場合に比較して、移動手段の移動開始時に要する駆動力を低減することができる。
遊技機H2からH6のいずれかにおいて、前記移動手段が前記併設部に案内されている状態では、前記移動手段の前記第2案内手段側を回転軸とする回転方向に前記移動手段の前記第1案内手段側が付勢され、前記移動手段が前記補助部に案内されている状態では、前記移動手段の前記第1案内手段側を回転軸とする回転方向に前記移動手段の前記第2案内手段側が付勢されることを特徴とする遊技機H7。
遊技機H7によれば、遊技機H2からH6のいずれかの奏する効果に加え、案内手段に案内されるローラーを構成として採用した場合にローラーを回転させ易くなるので、案内される部材としてのローラーの摩耗を低減することができる。
遊技機H3からH7のいずれかにおいて、前記移動手段が前記補助部に案内される場合に、前記移動手段は、前記第1案内手段の所定部に維持され、前記第1案内手段は、前記第2案内手段に比較して幅広で形成されることを特徴とする遊技機H8。
遊技機H8によれば、遊技機H3からH7のいずれかの奏する効果に加え、所定部での維持を、幅の広い第1案内手段で行うことができるので、補助部に案内される移動手段の移動を安定させることができる。そのため、移動手段の一部であって第2案内手段に案内される部分が、併設部と補助部との境界を通過する際に不安定になることを防止し易くすることができる。これにより、移動手段の移動を安定させることができると共に、移動が段階的に切り替わるよう構成される場合において滑らかな段階切替を行うことができる。
また、第1案内手段の所定部における支持面積を増大させることができるので、移動手段と第1案内手段との間で局所的な摩耗が生じることを回避し易くすることができる。
遊技機H8において、前記所定部は、少なくとも移動手段の上下方向の変位を抑制するように構成されることを特徴とする遊技機H9。
遊技機H9によれば、遊技機H8の奏する効果に加え、第1案内手段に案内される部分において、移動手段を移動させるために必要となる負荷を低減することができる。
遊技機H8又はH9において、前記移動手段に接続される電気配線が、前記第1案内手段を通して配設されることを特徴とする遊技機H10。
遊技機H10によれば、遊技機H8又はH9の奏する効果に加え、電気配線を通す断面積を十分に確保することができると共に、移動手段が補助部に案内される場合における電気配線の変位を抑制することができるので、電気配線の耐久性を向上することができる。
遊技機A1からA10、B1からB13、C1からC12、D1からD10、E1からE11、F1からF10、G1からG10及びH1からH10のいずれかにおいて、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機Z1。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
遊技機A1からA10、B1からB13、C1からC12、D1からD10、E1からE11、F1からF10、G1からG10及びH1からH10のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機Z2。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(又は作動口を通過)することを必要条件として、表示手段において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
遊技機A1からA10、B1からB13、C1からC12、D1からD10、E1からE11、F1からF10、G1からG10及びH1からH10のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機Z3。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。