JP2021036218A - 分光器、分光モジュール、分光システム、及び分光方法 - Google Patents

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孝純 田邉
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Abstract

【課題】小型かつ簡単な構成で高い波長分解能を備える分光器と、その応用技術を提供する。【解決手段】分光器は、屈折率が周期的に変化するフォトニック結晶と、前記フォトニック結晶に設けられ、光の伝搬方向に沿ってモードギャップ端の幅が一方向に変化するチャープ導波路と、を有する。【選択図】図1

Description

本発明は、フォトニック結晶を用いた分光器と、分光モジュール、分光システム、及び分光方法に関する。
分光装置は、波長多重通信とそのネットワーク評価、農産物や食品のモニタリング、天体観測など、様々な分野で用いられている。
従来の分光装置は、光を空間的に波長分離するプリズム、回折格子等の光学素子と、空間的に波長分離された光を平行にコリメートするレンズを組み合わせて作製されており、大型で高価である。通信波長帯で動作する分光装置を構築する場合は、InGaAs等の高価な赤外線検出器アレイが必要になり、さらにコストが増大する。
フォトニック結晶を用いた波長選択フィルタが提案されている(たとえば、特許文献1参照)。フォトニック結晶導波路の近傍に点欠陥を導入すると、点欠陥が光共振器として作用し、特定の波長を取り出すことができる。
フォトニックチップのランダム性、または無秩序さを利用した分光計が提案されている(たとえば、非特許文献1参照)。多数のランダムな空孔が形成された半円形の領域に光を入力し、光の散乱のパタンから、入力光のスペクトルが復元される。
特許第3925769号
Brandon Redding, Seng Fatt Liew, Raktim Sarma and Hui Gao, "Compact spectrometer based on a disordered photonic chip", Nature Photonics, Vol 7, September 2013
特許文献1の波長選択フィルタは、特定の波長を取り出す機能はあるが、分光装置で要求される連続的なスペクトルの分解に用いることはできない。非特許文献1の分光計は、多大な数のランダムな空孔が意図的に作り込まれており、入力光がどの方向に伝搬するのか不明である。あらかじめ波長ごとに散乱パタンを取得しておくことで、入射光の波長やスペクトルを特定することはできるが、通信用途の分波に適用することは困難である。
本発明は、小型かつ簡単な構成で高い波長分解能を備える分光器と、その応用技術を提供することを目的とする。
上記の目的を実現するため、実施形態では、周期的な屈折率分布を有するフォトニック結晶に、光の伝搬方向に沿ってモードギャップ端の幅、すなわちカットオフ周波数が一方向に変化する導波路構成を設けることで、連続的な分光を可能にする。モードギャップ端の幅、すなわちカットオフ周波数が光の伝搬方向に沿って変化する構造を、ここでは「チャープ導波路」と呼ぶ。
本発明の第1の側面では、分光器は、
屈折率が周期的に変化するフォトニック結晶と、
前記フォトニック結晶に設けられ、光の伝搬方向に沿ってモードギャップ端の幅が一方向に変化するチャープ導波路と、
を有する。
チャープ導波路は、フォトニック結晶に導入される線欠陥の幅、低屈折率領域の径、格子定数の少なくともひとつを光の伝搬方向に沿って変化させることで実現される。
良好な構成例では、分光器は、赤外光を可視光に変換するアップコンバージョン構成を備えていてもよい。アップコンバージョン構成の一例として、蛍光体粒子を含む層がフォトニック結晶に設けられてもよい。
本発明の第2の側面では、分光モジュールは、
屈折率が周期的に変化するフォトニック結晶と、前記フォトニック結晶に設けられ光の伝搬方向に沿ってモードギャップ端の幅が一方向に変化するチャープ導波路とを有する分光器と、
前記チャープ導波路を導波する光のパタンを撮影する撮像デバイスと、
を有する。
本発明の第3の側面では、分光システムは、
屈折率が周期的に変化するフォトニック結晶と、前記フォトニック結晶に設けられ光の伝搬方向に沿ってモードギャップ端の幅が一方向に変化するチャープ導波路とを有する分光器と、
前記チャープ導波路を導波する光のパタンを撮影する撮像デバイスと、
前記撮像デバイスによって撮影された画像データを取得し、前記画像データを解析して前記分光器に入力された前記光の波長またはスペクトルを特定する情報処理装置と、
を有する。
好ましい構成例では、情報処理装置は、波長と前記チャープ導波路の導波パタンの対応関係を示す情報を記憶するメモリと、前記情報に基づいて、取得された前記画像データから前記光のスペクトルを決定するプロセッサとを有する。
本発明の第4の側面では、分光方法は、
モードギャップ端の幅が光の伝搬方向に沿って一方向に変化するフォトニック結晶に光を入力し、
前記チャープ導波路を導波する前記光のパタンを撮像し、
あらかじめ取得された波長と導波パタンの対応関係を示す情報に基づいて、撮像された前記パタンから前記光の波長またはスペクトルを推定する。
光伝搬方向に沿ってモードギャップ端の幅が一方向に変化するチャープ導波路を用いることで、小型かつ簡単な構成で高い波長分解能を実現することができる。分光器にアップコンバージョン構成を設ける場合は、安価なCMOSカメラ等でチャープ導波路の導波パタンを撮影することができる。
実施形態の分光システムの模式図である。 フォトニック結晶で形成された分光器のSEM画像である。 図2の導波路構成を設けたフォトニック結晶のモードギャップ端(カットオフ周波数)を示す図である。 チャープ導波路の構成例を示す図である。 異なる導波路幅の導波路構成を設けたフォトニック結晶の分散関係を示した図である。 導波路幅を変えたときの導波路モードの分散関係を示す図である。 作製された分光器チップと光を入射させたとき上面からのカメラによる取得画像である。 所定のステップサイズで入力光の波長を変えたときの導波パタンの変化を示す図である。 複数セクションで形成されるチャープ導波路の構成例を示す図である。 フォトニック結晶の作製誤差を示す図である。 作製誤差(ランダム性)による光の空間的な局在を説明する図である。 光のランダムな局在が存在する場合のカットオフ周波数付近の透過スペクトルの例を示す図である。 製造誤差を利用した連続的なスペクトル分光を説明する図である。 周波数アップコンバージョン機能を備えた分光システムの模式図である。 アップコンバージョン機能を有するフォトニック結晶の模式図である。 CMOSカメラで撮影された可視光の導波パタンを、IRカメラで撮影された赤外光の導波パタンと比較して示す図である。 分光方法のフローチャートである。 学習データのための前処理を示す図である。 ディープラーニングのアルゴリズムの一例を示す図である。 学習データの正答率を示す図である。
実施形態では、小型の分光器を実現するために、フォトニック結晶を用いる。フォトニック結晶は、ナノ加工技術を用いて、シリコン等の高屈折率材料に、波長程度のサイズの周期的な屈折率分布を作り込んだ構造体であり、光に対して人工的な結晶の機能を発現する。
連続的なスペクトル分光を可能にするために、モードギャップ端の帯域幅、すなわちカットオフ周波数が光の伝搬方向に沿って変化する「チャープ導波路」を用いる。後述するように、チャープ導波路を伝搬する光の導波パタンは、入射光の波長に依存する。この導波パタンをカメラで観測して、分光を可能にする。
さらに、高価な赤外線カメラに替えて、汎用の可視光カメラで導波パタンを観測可能にするために、蛍光色素を用いた周波数のアップコンバージョン構成を設ける。
製造誤差または製造揺らぎよりも高い波長分解能を要する場合は、光のランダムな局在を利用して入力波長を推定することで、製造誤差よりも高い波長分解能を実現する。
<システム構成>
図1は、実施形態の分光システム1の模式図である。分光システム1は、フォトニック結晶11で形成される分光器10Aと、集光レンズ20と、撮像デバイス31と、情報処理装置40を有する。分光器10A、集光レンズ20、及び撮像デバイス31をひとつのパッケージ内に収容して、分光モジュール51を構成してもよい。
分光器10Aは、周期的な屈折率変化を有するフォトニック結晶11で形成される。この例では、シリコン(Si)のスラブ111に規則的に空孔112を設けることでフォトニック結晶11が形成されている。Siは環境への影響がほとんどなく、動作電力が低いことからも有利であるが、スラブの材料はSiに限定されず、Ge等の他の高屈折率材料を用いてもよい。
フォトニック結晶11は、線状に空孔112が間引かれた線欠陥113を有する。線欠陥113は、入力光が伝搬する導波路として機能する。フォトニック結晶11は、モードギャップ端の帯域幅(以下、単に「モードギャップ端の幅」と称する)、すなわちカットオフ周波数が光の伝搬方向に沿って変化するチャープ導波路110を有する。
光導波路を伝搬できるモードのカットオフ周波数またはカットオフ波長は、後述するように、光導波路のモードギャップ端の幅によって決まる。モードギャップ端の幅が光の入力側から伝搬方向に沿って増大するようにチャープ導波路110を設計することで、入力光を長波長側から順に分光することができる。
特定の波長の入射光は、チャープ導波路110の特定の位置まで伝搬する。そのモードの光は、カットオフ周波数の位置に達すると、それ以上は伝搬できずに、反射または散乱される。チャープ導波路110では、入力波長に依存して光散乱の位置が決まるので、光散乱のパタンを撮像デバイス31で撮影し、解析することで入力光のスペクトルを復元することができる。
撮像デバイス31は、たとえば、その検出面が分光器10の上面と対向するように配置され、チャープ導波路110を導波する光のパタンを撮像する。撮像デバイス31で取得された画像は情報処理装置40に入力され、解析される。情報処理装置40は、パーソナルコンピュータ(PC)、スマートフォン、タブレット端末などの情報処理機能を有する機器であり、少なくともプロセッサ41とメモリ42を有する。
メモリ42には、入力波長とチャープ導波路110を導波する光のパタンの対応関係を示す情報や、解析プログラム、学習プログラムなどが記憶されている。プロセッサ41はメモリ42に格納された情報やプログラムを用いて、撮像デバイス31から取得した画像データを処理し、解析して分光結果を取得する。
情報処理装置40は、撮像デバイス31から取得した画像、解析結果のスペクトル等を表示する表示装置を備えていてもよいし、表示すべき情報を外部のモニタディスプレイに出力してもよい。
図2は、分光器10に用いられるフォトニック結晶11の一部を示すSEM(Scanning Electron Microscope)画像である。フォトニック結晶11は、CMOSプロセスなど、汎用の半導体プロセスで作製される。Siのスラブ111に、空孔112が形成されて、周期的な屈折率分布が形成されている。線欠陥113で形成される導波路の基準幅をWとすると、この領域での導波路の幅wはW×0.98である。基準幅は、たとえば、チャープ導波路の光入力端の幅、または初期幅であってもよい。このサンプルでの空孔112の径Dは256nm、格子定数a(または空孔112のピッチ)は420nmである。
線欠陥113で形成される導波路の幅w、空孔112の径D、及び格子定数aの少なくともひとつを、光伝搬方向に沿って一方向に変化させることで、チャープ導波路が実現される。
図3は、図2のチャープ導波路の透過スペクトルである。チャープ導波路を伝搬する所定のモードの光にとって、波長1532nmよりも高い周波数(短波長)はこの領域を透過するが、それ以下の周波数でそのモードは存在できない。透過光のモードが存在できなくなる周波数位置を「モードギャップ端」と呼び、このときの周波数を「カットオフ周波数(fmg)」と呼ぶ。カットオフ周波数よりも低い周波数の光は、モードギャップ端の位置で散乱する。
製造誤差のない理想的なケース、または製造誤差を考慮する必要のない空間解像度の場合は、チャープ導波路の伝搬方向に沿ってモードキャップ端の位置、すなわちカットオフ周波数を連続的に変えることで、入力光を連続的に分光することができる。たとえば、チャープ導波路の導波路幅を、光の伝搬方向に沿って連続的に狭くすることで、連続的な分光が可能になる。導波する光のパタンを撮像デバイス31で撮影し、情報処理装置40で散乱位置を特定して、入力光の波長が推定される。
図4は、チャープ導波路110の構成例を示す図である。上述のように、チャープ導波路110は、導波路幅w、空孔112のサイズ(たとえば径D)、及び格子定数aの少なくともひとつを光伝搬方向に変えることで実現される。
図4の構成(A)では、線欠陥113の導波路幅wを、矢印の伝搬方向に沿って単調減少することで、チャープ導波路110Aが形成される。光入射側の導波路幅をw1、伝搬方向に進んだ位置での導波路幅をw2とすると、w1>w2となるように幅wを徐々に狭くすることで、長波長側の光から順に散乱させて、分光することができる。
図4の構成(B)では、空孔112の径Dを、矢印の伝搬方向に沿って単調増加することで、チャープ導波路110Bが形成される。光入射側の空孔112の径をD1、伝搬方向の径をD2とすると、D1<D2となるように径Dを変化させることで、長波長側の光から順に散乱させて、分光することができる。必ずしもすべての空孔112を伝搬方向に沿って増大させる必要はなく、線欠陥の近傍に位置する空孔112の径Dを変化させるだけでも、チャープ導波路110Bは実現される。また、必ずしも線欠陥113に最近接する列の空孔112の径Dを調整する必要はなく、線欠陥113から一列または数列離れた位置の空孔112の径Dを調整してもよい。
図4の構成(C)では、空孔112のピッチ、すなわちフォトニック結晶の格子定数aを矢印の伝搬方向に沿って単調減少することで、チャープ導波路110Cが形成される。光入射側の格子定数をa1、伝搬方向での格子定数をa2とすると、a1>a2となるように格子定数aを変化させることで、長波長側の光から順に散乱させて、分光することができる。図4の(C)のように三角格子の場合、必ずしも結晶の2方向で格子定数を小さくする必要はなく、いずれか一方の方向で格子定数を小さくするだけでも、チャープ導波路110Cは実現される。
図5は、異なる導波路幅のフォトニック結晶の分散関係を示す。図5の(A)は、導波路幅wが1.00×Wのときの透過特性、図5の(B)は導波路幅wが0.80×Wの時の透過特性、図5の(C)は導波路幅wが0.65×Wのときの透過特性である。横軸は正規化された波数k、縦軸は角周波数ω(a/λ)である。等価屈折率の大きい、すなわち閉じ込めの大きいTEモードに着目する。実線は線欠陥113で形成される導波路の偶TEモード、点線は奇TEモードの透過特性である。グレイの領域は、フォトニック結晶11のフォトニックバンドギャップ(PBC)である。この帯域では、フォトニック結晶11の線欠陥113以外の領域で、どの波数についてもモードが存在せず、光が遮断されるが、線欠陥113では特定のモードが存在する。
偶TEモードに着目すると、フォトニックバンドギャップの下端と、線欠陥113の偶TEモードとの差がモードギャップ(MG)であり、モードギャップ端の幅がこのモードのカットオフ周波数になる。導波路のカットオフ周波数以下の周波数のモードの光は反射または散乱され、カットオフ周波数よりも高い周波数のモードの光は導波路を透過する。図5の(A)から(C)に向かって導波路の幅wが小さくなるほど、モードギャップ端の幅(カットオフ周波数)は大きくなる。
図6は、導波路幅をW×0.98からW×1.05の間で振ったときのバンドエッジシミュレーション結果を示す図である。偶TEモードのモードギャップ端の近傍での導波路モードの分散関係を示している。プロットAとプロットBで示されるように、導波路幅が初期幅よりも狭くなると、モードギャップ端の幅が広がってカットオフ周波数が高くなる。プロットC〜Gで示されるように、導波路幅が初期導波路幅(w=W)よりも広くなると、モードギャップ端の幅が狭くなってカットオフ周波数が低くなる。
分光するためには、入射側から伝搬方向に沿ってカットオフ周波数を徐々に高くして、長波長の光から順に散乱させればよい。モードギャップ端帯域幅の調整は、線欠陥113の導波路幅を変化させる以外に、図4の(A)〜(C)のいずれか、または組み合わせによって実現可能である。
図7は、実際にCMOSプロセスで作製された分光器10のチップと、チャープ導波路110を導波する光の撮影画像である。入射側のポートPinで、たとえば光ファイバから光が分光器10に入力される。分光器10のチップ上には、チャープ導波路以外に光回路が形成されていてもよい。
チャープ導波路上で、明るく散乱する箇所Lscatter1とLscatter2が観測される。チャープ導波路は波長依存性を有し、異なる波長の光は、伝搬方向の異なる位置で散乱される。図7の導波パタンから、入力光に波長λ1の光と、λ1よりも波長の短いλ2の光が含まれていることがわかる。
図8は、分光器10に赤外帯域の光の波長を変えながら単一波長の光を入力したときの各波長での導波パタンを示す。ここでは、撮像デバイス31として赤外線カメラを用いて導波パタンを観測している。入力光の波長が長くなるにつれて導波パタンの光散乱位置が入力ポートから遠ざかるのがわかる。
あらかじめ波長ごとの散乱パタンを情報処理装置40のメモリ42に記憶しておくことで、測定対象の光の導波パタンを撮像デバイス31で撮像し、その画像データから入力光の波長、または分光スペクトルを推定することができる。
<光のランダムな空間局在の利用>
上述した構成では、製造揺らぎのない理想的なケース、または製造揺らぎを考慮する必要のない分解能レベルでの分光を前提としている。現実の半導体プロセスでは、1nm〜数nmの製造ばらつきが存在する。チャープ導波路のモードギャップ端の幅が光の入射側から一方向に変化するように、たとえば線欠陥113による導波路幅wが単調減少(出力側からみると単調増加)するように設計しても、実際に作製される導波路の幅は、製造誤差によって変動する。製造揺らぎよりも高い波長分解能が必要な場合、製造揺らぎが分光精度に影響する。
これを解決するために、実施形態では製造揺らぎによる光の空間的な局在を利用して、製造誤差よりも高い波長分解能を実現する。
図9は、半導体プロセスの解像度に限界があるときのチャープ導波路110を示す。連続的にチャープするように設計された導波路であっても、実際に作製される導波路幅には揺らぎが存在する。図9のチャープ導波路110は、この製造誤差を逆に利用して、導波路幅が離散的に変化する複数のセクションとして、第1セクション〜第Nセクションを有する。
導波路幅が離散的に変化する各セクションにおいても、製造揺らぎにより導波路幅は伝搬方向に沿ってランダムに揺らぐ。
図10は、フォトニック結晶の作製誤差の別の例を示す図である。直径が260nmの空孔を周期的に配置する設計に基づいてフォトニック結晶を作製しても、各空孔の径にばらつきが生じる。空孔の平均直径は259.98nmである。空孔112aの径は平均よりも3.85nm大きく、空孔112bの径は平均よりも1.26nm大きい。偏差は2.93nmである。ここでも、光散乱体のランダムな分布が生じる。図4を参照して説明したように、空孔112の径の揺らぎは、線欠陥113の導波路幅の揺らぎと同じ効果を有する。
図11は、製造揺らぎによる光の空間的にランダムな局在を説明する図である。フォトニック結晶11のチャープ導波路110のあるセクションの導波路幅はW×0.98に設計されている。実際に作製される導波路幅は、製造揺らぎによって伝搬方向に変動する。モードギャップ端近傍の周波数を考えると、導波路幅が設計値よりも小さくなった箇所では、導波路のモードの角周波数は設計されたカットオフ周波数よりも高くなり、光は一部散乱され、一部はトンネリングにより透過する。導波路幅が設計値よりも大きくなった箇所では、導波路のモードの角周波数は設計されたカットオフ周波数よりも小さくなり、そこに光が局在する。局在した光は、その後放出される。図10のように、空孔112の径が設計値から変動する場合も、同じ現象が起きる。ランダムな媒質中の光の局在は、光のアンダーソン局在ともよばれる。
図12は、光のランダムな局在がある場合のカットオフ周波数付近の透過スペクトルを示す図である。幅がW×0.98、長さが100周期の導波路の透過スペクトルを、2次元FDTD(Finite Difference Time Domain:時間領域差分)法で計算したものである。モードギャップ端、すなわちカットオフ周波数fmgの近傍に存在する複数のピークは、光の局在によるものである。各ピークは、導波路上の異なる局在を示す。
光のランダムな局在は、図9のチャープ導波路110のすべてのセクションで発生し得る。光のランダムな局在は波長依存性があるため、製造誤差よりも細かい波長間隔で、あらかじめ波長ごとに光のランダムな局在による散乱パタンを取得しておき、測定光の撮像画像をあらかじめ取得した散乱パタンと比較、分析することで、正確に波長を特定することができる。換言すると、製造揺らぎまたは構成のランダム性を利用して、製造誤差よりも高い分解能での分光が可能になる。
光のランダムな局在を利用するには、図9の各セクションに十分な数の局在化モードが存在することが望ましい。各セクションが長い場合、製造ばらつきによるランダム性の効果が現われやすい。カットオフ周波数の近傍でより多くの局在化によるピークが観察され、波長分解能の向上が期待できる。一方、各セクションの長さは、分光器全体のデバイスサイズとトレードオフの関係にある。図12のように、各セクションの長さを100〜150周期程度にすることで、デバイス全体のサイズの増大を抑制しつつ、高い波長分解能を実現することができる。
図13は、製造揺らぎを利用した高解像のスペクトル分光を説明する図である。光のランダムな局在は、モードギャップ端の周波数(カットオフ周波数)の近傍で強い波長依存性を有する。そこで、チャープ導波路のモードギャップ端を連続的に変化させる代わりに、図9のように、離散的なモードギャップを有する複数のセクションとして設計する。この例で設定される導波路幅の間隔2nmは、許容誤差の限界である。
たとえば、λ2の光が入射すると、第1セクションをそのまま透過して、第2セクションに入射する。λ2は、第2セクションの導波路幅の設計値762nmで決まるカットオフ周波数fmgに近い波長である。製造揺らぎにより、導波路のカットオフ周波数がλ2よりも高くなっている部分で、この光は反射または散乱され、一部はトンネリングする。製造揺らぎにより、導波路モードの角周波数がλ2よりも低くなっている部分に光は局在し、やがて放出される。第Nセクションでは、設計されたカットオフ周波数はλ2よりも高く、モードは存在しない。
光のランダムな局在による散乱光のパタンは、各分光器チップに固有のものである。あらかじめ、導波路幅の間隔2nmよりも細かい波長間隔Δλ(たとえば、Δλ=0.5nm)で、単一の波長を個々の分光器に入射してその散乱パタンを取得しておくことで、分光器チップに固有の製造誤差を利用して、その製造誤差よりも高い分解能で、入力光の波長またはスペクトルを特定することができる。
<可視光へのアップコンバージョン>
上述した構成例では、入力光に光通信帯域である赤外光を用い、撮像デバイス31として赤外線カメラを用いて導波パタンまたは光のランダムな局在による散乱パタンを撮影している。赤外線カメラは高価なため、コスト低減の観点から、可視領域での汎用カメラを用いることが望ましい。
図14は、可視光へのアップコンバージョン機能を備えた分光システム2の模式図である。分光システム2は、フォトニック結晶11で形成される分光器10B、集光レンズ20、撮像デバイス32、及び情報処理装置40を有する。分光器10Bと、集光レンズ20と、撮像デバイス32をひとつのパッケージ内に収容して、分光モジュール52を構成してもよい。分光器10Bには、フォトニック結晶11からの散乱光の波長を可視領域の光に変換するアップコンバージョン手段として、蛍光体層115が設けられている。
図15は、分光器10Bの断面模式図である。Siのスラブ111を貫通する多数の空孔112が規則的に配置されて、フォトニック結晶11が形成されている。フォトニック結晶11の下層に下部クラッド層116として、たとえばSiO2層が配置され、上層に上部クラッド層117として、たとえばSiO2層が配置されている。
この例では、上部クラッド層117の表面に蛍光体層115が設けられているが、上部クラッド層117を省略して、直接、スラブ111上に蛍光体層115を設けてもよい。蛍光体層115は、たとえば、PDMS(ポリジメチルシロキサン)等のポリマーに蛍光体粒子を分散させ、必要に応じて硬化剤を添加して、フォトニック結晶11の光散乱面に蛍光体材料を塗布する。あるいは、蛍光体粒子を研磨剤に混ぜ、すりつぶして微細化したものをフォトニック結晶11の光散乱面に塗布し、スピンコート及び乾燥により蛍光体層115を得てもよい。
図16は、CMOSカメラで撮影された可視光の導波パタンを、赤外線(IR)カメラで撮影された赤外光の導波パタンと比較して示す図である。図16の(A)では、図14の分光器10Bに5つの異なる波長の光を入力し、撮像デバイス32としてのCMOSカメラで導波パタンを撮影している。CMOSカメラの変換効率と感度にもよるが、チャープ導波路を伝搬する光の全体的なパワー分布が得られる。
図16の(B)では、(A)とほぼ同じ波長の光を図1の分光器10Aに入力し、撮像デバイス31としてIRカメラで導波パタンを撮影している。
図16の(A)と(B)で、チャープ導波路の同じ位置に同じ散乱が観察され、分光モジュール52は、可視光領域で動作する分光モジュールとして十分に機能することがわかる。CMOSカメラは、赤外線カメラと比較して画素サイズが小さいため、分光モジュールをよりコンパクトにすることができる。
CMOSカメラの出力は、情報処理装置40に供給されて解析され、分光結果が出力される。要求される分光精度が許容誤差程度のものであれば、CMOSカメラで撮影された導波パタンから、波長を特定または分光することができる。
<分光方法>
図17は、分光方法のフローチャートである。この分光方法は、情報処理装置40のプロセッサによって実行され得る。まず、チャープ導波路110を導波する光の画像(導波パタンまたは散乱パタン)を取得する(S11)。使用波長が光通信の波長帯の場合は、赤外線カメラで撮影された画像を取得してもよい。アップコンバージョン手段を備えた分光器10Bを用いる場合は、CMOSカメラ等の可視光用の汎用カメラから画像を取得してもよい。
取得した画像を、あらかじめメモリ42に保存した波長ごとの導波パタンまたは散乱パタンと比較し(S12)、比較結果に基づいて入力光の波長またはスペクトルを特定する(S13)。許容製造誤差と同程度の波長分解能の場合は、あらかじめ、単一の波長を順に分光器10に入力して、それぞれの散乱パタンを取得し、波長と散乱パタンを対応付けて記憶することで基準データとして用いることができる。製造誤差よりも高い波長分解能を要する場合は、後述するように学習データを取得しておくことで、測定光の導波パタンまたは散乱パタンから正確に波長を特定することができる。
図18は、赤外線カメラによる取得画像の一例を示す。この画像で、導波パタンとして有用なのは、枠で囲んだ着目領域である。散乱光の最終位置(それ以降は導波のモードが存在しない地点)から波長を特定することができる。上述のように、波長の短い光ほど、入力ポートから離れた位置までチャープ導波路を導波する。また、一次元方向の複数個所で強い散乱がある場合は、散乱位置に対応して複数の波長を特定することができる。
許容製造誤差程度の波長分解能の場合は、着目領域で散乱位置(座標位置)を特定し、メモリ42に格納された対応情報を参照することで、波長を特定することができる。
製造誤差よりも高い波長分解能が要求される場合は、たとえば学習アルゴリズムを用いてスペクトルの再構築を行ってもよい。学習データとして、たとえば、波長可変レーザダイオードを用いて、波長を変えながら光を分光器に入力して、波長ごとに導波パタンの画像データを取得し、導波パタンを含む着目領域を取り出す。一例として、図8のように、256×320ピクセルの画像データから、7×320ピクセルの横長の着目領域を取り出す。
図19のように、着目領域の画像にエッジ検出フィルタで畳み込みを行い、たとえばクラス分類の数が100個のニューラルネットワークを構築する。出力層の活性化関数としてSoftmax関数を用いる場合は、100クラスの出力はそのクラスに属する確率として表され、スペクトル強度とみることができる。この例では、0.2nmの分解能で波長が特定されている。
図20は、学習データによる正答率を示す。100の周波数について、画像データから反復的に学習を行うことで、98%の正答率が得られる。すなわち、2〜3nmの製造誤差がある場合でも、0.2nmの分解能で波長分離することができる。
チャープ導波路を用いた実施形態の構成と手法により、小型かつ安価で環境にクリーンな高分解能の分光器が実現する。アップコンバージョン機能を与えることで、光通信帯域の波長を用いる場合でも、汎用のCMOSカメラで導波パタンを撮像することができる。
情報処理装置として、PC、スマートフォン等の携帯端末の外に、FPGA等のメモリ内蔵のロジックデバイスを用いてもよい。
一般的に、分光器のサイズと波長分解能はトレードオフの関係があることが知られているが、実施形態のように光のランダムな局在を利用する場合、小型の分光器チップで、製造誤差よりも高い分解能で分光することができる。
1、2 分光システム
10、10A、10B 分光器
11 フォトニック結晶
110、110A、110B、110C チャープ導波路
111 スラブ
112 空孔(低屈折率領域)
113 線欠陥
115 蛍光体層
20 集光レンズ
31、32 撮像デバイス
40 情報処理装置
41 プロセッサ
42 メモリ
51、52 分光モジュール

Claims (14)

  1. 屈折率が周期的に変化するフォトニック結晶と、
    前記フォトニック結晶に設けられ、光の伝搬方向に沿ってモードギャップ端の幅が一方向に変化するチャープ導波路と、
    を有することを特徴とする分光器。
  2. 前記チャープ導波路は、前記フォトニック結晶に導入される線欠陥の幅、前記フォトニック結晶の格子定数、前記フォトニック結晶の低屈折率領域の径の少なくともひとつを前記伝搬方向に沿って変化させることで実現されることを特徴とする請求項1に記載の分光器。
  3. 前記チャープ導波路は、前記線欠陥の幅が前記伝搬方向に沿って単調減少することを特徴とする請求項2に記載の分光器。
  4. 前記チャープ導波路は、前記格子定数が前記伝搬方向に沿って単調減少することを特徴とする請求項2に記載の分光器。
  5. 前記チャープ導波路は、前記低屈折率領域の径が前記伝搬方向に沿って単調増加することを特徴とする請求項2に記載の分光器。
  6. 赤外光を可視光に変換するアップコンバージョン構成、
    をさらに有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の分光器。
  7. 前記アップコンバージョン構成は、前記フォトニック結晶の光散乱面に配置される蛍光体層であることを特徴とする請求項6に記載の分光器。
  8. 屈折率が周期的に変化するフォトニック結晶と、前記フォトニック結晶に設けられ光の伝搬方向に沿ってモードギャップ端の幅が一方向に変化するチャープ導波路とを有する分光器と、
    前記チャープ導波路を導波する光のパタンを撮影する撮像デバイスと、
    を有する分光モジュール。
  9. 前記光は赤外光であり、
    前記撮像デバイスは赤外線カメラであることを特徴とする請求項8に記載の分光モジュール。
  10. 前記光は赤外光であり、
    前記フォトニック結晶は、前記赤外光を可視光に変換するアップコンバージョン構成を有し、
    前記撮像デバイスは可視光カメラであることを特徴とする請求項8に記載の分光モジュール。
  11. 屈折率が周期的に変化するフォトニック結晶と、前記フォトニック結晶に設けられ光の伝搬方向に沿ってモードギャップ端の幅が一方向に変化するチャープ導波路とを有する分光器と、
    前記チャープ導波路を導波する光のパタンを撮影する撮像デバイスと、
    前記撮像デバイスによって撮影された画像データを取得し、前記画像データを解析して前記分光器に入力された前記光の波長またはスペクトルを特定する情報処理装置と、
    を有することを特徴とする分光システム。
  12. 情報処理装置は、
    波長と前記チャープ導波路の導波パタンの対応関係を示す情報を記憶するメモリと、
    前記情報に基づいて、前記画像データから前記光の波長またはスペクトルを決定するプロセッサと、
    を有することを特徴とする請求項11に記載の分光システム。
  13. 前記メモリは、前記フォトニック結晶の製造誤差よりも細かい波長間隔であらかじめ取得された前記対応関係を記憶し、
    前記プロセッサは、前記製造誤差に由来する光局在のパタンに基づいて、前記光の波長またはスペクトルを決定することを特徴とする請求項12に記載の分光システム。
  14. モードギャップ端の幅が光の伝搬方向に沿って一方向に変化するチャープ導波路を有するフォトニック結晶に光を入力し、
    前記チャープ導波路を導波する前記光のパタンを撮像し、
    あらかじめ取得された波長と導波パタンの対応関係を示す情報に基づいて、撮像された前記パタンから前記光の波長またはスペクトルを推定する、
    ことを特徴とする分光方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2023042512A (ja) * 2021-09-14 2023-03-27 株式会社日立製作所 フォトニック結晶ベースのセンサ

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