JP2021032060A - 入力装置 - Google Patents

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泰成 西川
Yasunari Nishikawa
泰成 西川
浩一 中尾
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浩一 中尾
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Abstract

【課題】操作部材において移動方向に直交する方向に作用する付勢力を低減して、操作部材を円滑に移動させることが可能な入力装置を提供する。【解決手段】入力装置1は、操作スライド部材7と、スライドベース5と、一対の付勢部材15と、を備える。操作スライド部材7は、入力操作によって上下方向に沿って往復可能に移動する。スライドベース5は、操作スライド部材7を上下方向に沿って移動可能に支持する。一対の付勢部材15は、操作スライド部材7を、上下方向に沿って移動するように付勢する。一対の付勢部材15の各々から操作スライド部材7に作用する個別の付勢力fにおける一方向に直交する方向の直交成分fvは、互いに逆向きである。【選択図】図11

Description

本開示は、一般に入力装置に関し、より詳細には、入力操作によって移動可能な操作部材を有する入力装置に関する。
入力操作によって移動可能な操作部材を有する入力装置として、例えば、特許文献1に記載された表示プレート装置が知られている。この表示プレート装置は、部屋の利用状態を表示する装置である。この表示プレート装置は、表示プレートを保持するプレート保持部材(操作部材)と、プレート保持部材を収容するケース(ガイド部材)とを備えている。
この表示プレート装置では、入力操作によってプレート保持部材が上方向に移動されると、プレート保持部材と一緒に表示プレートが上方向に移動する。これにより、表示プレートに記載された「使用中」の文字がケースの窓部から選択的に露出される。また、入力操作によってプレート保持部材が下方向に移動されると、ケースの窓部に「空室」の文字が選択的に露出される。
実用新案登録第3191580号
特許文献1のような表示プレート装置では、入力操作によってプレート保持部材が円滑に移動することが求められる。この要求は、1つの付勢部材を用いることで実現可能である。この場合、プレート保持部材は、移動範囲の中間位置を超えると、付勢部材によって中間位置から遠ざかる方向に付勢されて円滑に移動する。
しかしながら、1つの付勢部材では、プレート保持部材を、移動方向に平行な方向に付勢するだけでなく、移動方向に直交する方向にも付勢する。このため、移動方向に直交する方向の付勢力によって、プレート保持部材と周辺部材との間に摩擦抵抗が発生し、この摩擦抵抗によって、操作部材が円滑に移動範囲内を移動できず、操作力が小さい場合は、プレート保持部材が途中で止まる場合がある。
本開示は、上記事由に鑑みてなされており、操作部材において移動方向に直交する方向に作用する付勢力を低減して、操作部材を円滑に移動させることができる入力装置を提供することを目的とする。
本発明の一の態様に係る入力装置は、操作部材と、ガイド部材と、一対の付勢部材と、を備える。前記操作部材は、入力操作によって一方向に沿って往復可能に移動する。前記ガイド部材は、前記操作部材を前記一方向に沿って移動可能に支持する。前記一対の付勢部材は、前記操作部材を、前記一方向に沿って移動するように付勢する。一対の付勢部材の各々から前記操作部材に作用する個別の付勢力において、前記一方向に直交する方向の直交成分は、互いに逆向きである。
本開示は、操作部材において移動方向に直交する方向に作用する付勢力を低減して、操作部材を円滑に移動させることができる、という利点を有する。
図1は、実施形態に係る入力装置を示す平面図である。 図2は、同上の入力装置の内部を透視した平面図である。 図3は、同上の入力装置を示す分解斜視図である。 図4は、同上の入力装置のスライドベースを前側から見た斜視図である。 図5は、同上の入力装置の操作スライド部材を前側から見た分解斜視図である。 図6は、同上の入力装置の操作スライド部材を後側から見た分解斜視図である。 図7は、同上の入力装置のレバーを前側から見た斜視図である。 図8は、同上の入力装置の可動スライド部材を前側から見た斜視図である。 図9Aは、同上の入力装置の後側ケース部を前側から見た斜視図である。図9Bは、図9Aの範囲Xの拡大図である。 図10Aは、同上の入力装置の付勢部材を示す斜視図である。図10Bは、付勢部材を示す分解斜視図である。 図11は、同上の入力装置の一対の付勢部材の配置を説明する説明図である。 図12は、同上の入力装置の動作を説明する説明図である。 図13は、同上の入力装置の動作を説明する別の説明図である。 図14Aは、変形例1の入力装置の一対の付勢部材の配置を説明する説明図である。図14Bは、変形例1の入力装置の一対の付勢部材の別の配置を説明する説明図である。 図15は、変形例3の入力装置の一対の付勢部材を説明する説明図である。
以下、実施形態に係る入力装置について説明する。下記の実施形態は、本発明の様々な実施形態の例に過ぎない。また、下記の実施形態は、本発明の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。また、以下の説明における、上下、左右、前後の方向は、説明のために便宜上使用しているに過ぎず、実施形態に係る入力装置の使用方向を規定する趣旨ではない。
(実施形態)
本実施形態に係る入力装置1は、利用対象となる場所(例えば部屋)の利用状況を周囲に知らせ、かつ、その利用状況を無線信号で外部のサーバに送信する装置である。すなわち、入力装置1は、利用対象となる場所の近くに設置され、図1に示すように、ユーザの指操作で操作スライド部材7を上又は下に移動可能である。この操作スライド部材7の移動によって、表示プレート50の2つの表記(例えば「空室」の表記H1及び「使用中」の表記H2)のうち、一方の表記が選択的に露出され、他方の表記が選択的に被覆される。この結果、表示プレート50の表示状態(「空室」又は「使用中」)で、利用対象となる場所の利用状況が周囲に知らされる。また、入力装置1は、表示プレート50の表示状態を検知し、その検知結果を無線信号で外部のサーバに送信する。なお、上記の「空室」及び「使用中」は、表示プレート50に記載される表記の一例であり、表示プレート50に記載される表記としては、どのような表記であってもよい。
図3に示すように、入力装置1は、ケース3と、スライドベース5(ガイド部材)と、操作スライド部材7(操作部材)と、レバー9(リンク機構8)と、可動スライド部材11と、カバー14と、を備えている。また、入力装置1は、一対の付勢部材15と、減速ばね16と、ハーベスタ17とを備えている。スライドベース5は、上述した表示プレート50を構成している。レバー9は、操作スライド部材7の移動によって可動スライド部材11を移動させるリンク機構8を構成している。
図3に示すように、ケース3は、入力装置1の内部部品(例えば、スライドベース5、操作スライド部材7、レバー9、可動スライド部材11、カバー14、一対の付勢部材15、減速ばね16、及びハーベスタ17)を収容する。ケース3は、例えば樹脂(例えばプラスチック)で形成されている。ケース3は、例えば略直方体形(例えば扁平な直方体形)の箱状である。ケース3は、前側ケース部31と、後側ケース部32とを備えている。すなわち、本実施形態では、ケース3は、前側ケース部31と後側ケース部32とに分割構成されている。
前側ケース部31は、後面が開放した箱状(例えば底浅の箱状)である。前側ケース部31は、前壁部31aと、周壁部31bと、を有する。前壁部31aは、略矩形の板状である。周壁部31bは、前壁部31aの外周縁の全体に設けられており、前壁部31aの後側に向かって突出している。前側ケース部31は、表示窓31cを有する。表示窓31cは、スライドベース5(すなわち表示プレート50)を露出するための窓部であり、前壁部31aの厚さ方向を貫通している。表示窓31cは、例えば矩形状(例えば矩形)である。表示窓31cは、例えば、前壁部31aの左半領域における上下方向の中央に設けられている。
後側ケース部32は、例えば略矩形の板状であり、前側ケース部31の後面を塞ぐように、前側ケース部31に固定される。後側ケース部32は、入力装置1の上記の内部部品を支持する部材である。 図3及び図4に示すように、スライドベース5は、操作スライド部材7を上下方向(一方向)に移動可能に支持する部材である。また、スライドベース5は、表示プレート50を構成する部材である。スライドベース5は、例えば樹脂(例えばプラスチック)で形成されている。スライドベース5は、略矩形の板状である。スライドベース5は、ベース本体51と、周壁部52と、複数(例えば4つ)のストッパ53と、ボス部54と、複数の連結部55と、を有する。
図3に示すように、ベース本体51は、例えば略矩形の板状である。より詳細には、ベース本体51は、前側ケース部31の表示窓31cよりも大きいサイズの略矩形(例えば縦長矩形)の板状である。ベース本体51の前面51aは、表示面であり、表示窓31cの後側に配置され、表示窓31cから前側に露出される。以下、表示面51aとも記載する。表示面51aには、例えば、「空室」の表記H1及び「使用中」の表記H2が記載されている。「使用中」の表記H2は、表示面51aの上半領域に記載され、「空室」の表記H1は、表示面51aの下半領域に記載されている。
図4に示すように、周壁部52は、ベース本体51の外周縁に設けられており、ベース本体51の後側に向かって突出している。周壁部52のうち、左右両側の壁部52aは、操作スライド部材7を上下方向に案内するガイド部として機能する。
複数のストッパ53は、2つの上限ストッパ53aと、2つの下限ストッパ53bと、を含む。
各上限ストッパ53aは、操作スライド部材7の移動範囲Q1(第1移動範囲)の上限位置(すなわち第1操作位置)S1を規定し、各下限ストッパ53bは、操作スライド部材7の移動範囲Q1の下限位置(すなわち第2操作位置)S2を規定する(図1参照)。各上限ストッパ53aは、操作スライド部材7が移動範囲Q1の上限位置S1にあるときに操作スライド部材7と接触する。これにより、操作スライド部材7が移動範囲Q1の上限位置(第1操作位置)S1を超えて上方に移動することを禁止する。各下限ストッパ53bは、操作スライド部材7が移動範囲Q1の下限位置S2にあるときに操作スライド部材7と接触する。これにより、操作スライド部材7が移動範囲Q1の下限位置(第2操作位置)S2を超えて下方に移動することを禁止する。このように、上限ストッパ53a及び下限ストッパ53bによって、操作スライド部材7の移動範囲Q1が上限位置(第1操作位置)S1と下限位置(第2操作位置)S2の間の範囲に制限されている。
なお、本実施形態では、操作スライド部材7の位置の基準を、例えば、操作スライド部材7の上面7u(図12参照)としている。したがって、操作スライド部材7が上限ストッパ53aと接触したときの操作スライド部材7の上面7uの位置が、第1操作位置S1である。他方、操作スライド部材7が下限ストッパ53bと接触したときの操作スライド部材7の上面7uの位置が、第2操作位置S2である(図13参照)。
各上限ストッパ53aは、図4に示すように、スライドベース5の左右の側面(すなわち壁部52aの外側側面)の上端部に設けられており、スライドベース5の左右方向の外側に突出している。より詳細には、各上限ストッパ53aは、本体部と、弾性部材53cとを有する。本体部は、スライドベース5の左右方向の外側に突出してスライドベース5と一体に形成された部分である。本体部は、弾性部材53cを収容する収容凹部U1を有する。収容凹部U1は、本体部の後面に凹状に設けられており、本体部の下面で開口している。弾性部材53cは、操作スライド部材7と接触する部分であり、操作スライド部材7との接触時の衝撃及び衝撃音を吸収する。弾性部材53cは、例えば、ゴム弾性を有する材質(例えばエストラマー樹脂)で形成されており、例えば直方体状である。弾性部材53cは、収容凹部U1に収容されており、操作スライド部材7と接触可能となるために、本体部の下面から下方に突出している。
各下限ストッパ53bも、各上限ストッパ53aと同様に、本体部と、弾性部材53dとを有する。本体部は、スライドベース5の左右方向の外側に突出してスライドベース5と一体に形成された部分であり、弾性部材53dを収容する収容凹部D1を有する。収容凹部D1は、本体部の後面に凹状に設けられており、本体部の上面で開口している。弾性部材53dは、操作スライド部材7と接触する部分であり、操作スライド部材7との接触時の衝撃及び衝撃音を吸収する。弾性部材53dは、例えば、ゴム弾性を有する材質(例えばエストラマー樹脂)で形成されており、例えば直方体状である。弾性部材53dは、収容凹部D1に収容されており、操作スライド部材7と接触可能となるために、本体部の上面から上方に突出している。
ボス部54は、一対の付勢部材15の各々の他端部15bが固定される部分である。ボス部54は、ベース本体51の後面の中央位置(したがって左右方向の中央位置)に設けられ、後方に突出している。
複数の連結部55は、後側ケース部32と連結する部分である。各連結部55は、ベース本体51の後面の周縁(例えば4隅)に設けられている。各連結部55は、ボス部55aと、連結凹部55bと、孔部55cと、を有する。ボス部55aは、円柱状に形成され、ベース本体51の後面から突出するように設けられている。連結凹部55bは、円柱状の窪みであり、後側ケース部32の後述の連結部32f(図9A参照)が嵌る部分である。孔部55cは、連結部55と後側ケース部32の連結部32fとを締結するねじが通る貫通孔であり、連結凹部55bの底部の厚さ方向に貫通している。
図2に示すように、スライドベース5は、ケース3内において、後側ケース部32の前面の所定位置(例えば左半領域)に固定される。ここで、後側ケース部32は、複数の連結部32fを有する(図9A参照)。各連結部32fは、後側ケース部32の前面の所定位置(例えば前面の左半領域の4隅)にボス状に設けられている。各連結部32fは、その前端面に、穴部32gを有する(図9A参照)。上記の固定状態で、後側ケース部32の各連結部32fは、スライドベース5の各連結部55の連結凹部55bに嵌る。この状態で、ねじT1がスライドベース5の連結部55の孔部55cを介して後側ケース部32の連結部32fの穴部32gにねじ込まれる。これにより、スライドベース5は、後側ケース部32(すなわちケース3)に固定される。この固定状態では、図1に示すように、スライドベース5の表示面51aは、前側ケース部31の表示窓31cの後側に配置され、表示窓31cから前方に露出可能である。
図1に示すように、操作スライド部材7は、ユーザの指操作によって、第1操作位置(上限位置)S1と第2操作位置(下限位置)S2との間の移動範囲Q1内を、スライドベース5に沿って移動可能な部材である。すなわち、操作スライド部材7は、ユーザの入力操作によって上下方向(一方向)に沿って往復可能に移動する部材である。本実施形態では、操作スライド部材7は、第1操作位置S1と第2操作位置S2との間をスライドして移動可能である。操作スライド部材7は、第1操作位置S1に位置するか、又は第2操作位置S2に位置するかに応じて、選択的に、スライドベース5の表示面51a(すなわち表示プレート50)の2つの表記H1,H2のうちの一方を露出し、他方を被覆する。すなわち、操作スライド部材7は、第1操作位置S1に位置するか、又は第2操作位置S2に位置するかに応じて、選択的に、表示プレート50の所定領域(上半領域又は下半領域)を露出又は被覆する。本実施形態では、操作スライド部材7は、第1操作位置S1にあるときは、表記H1(「空室」)を露出し、表記H2(「使用中」)を被覆する。また、操作スライド部材7は、第2操作位置S2にあるときは、表記H1を被覆し、表記H2を露出する。
操作スライド部材7は、上下方向に貫通しかつ左右方向に偏平な筒状に形成されている。操作スライド部材7は、スライドベース5の外周を囲むように配置されており、スライドベース5に沿って上下方向に移動可能である。
より詳細には、図5及び図6に示すように、操作スライド部材7は、前側スライド部71と、後側スライド部72と、複数のストッパ接触部73とを有する。前側スライド部71及び後側スライド部72は、それらの間にスライドベース5を上下方向に移動可能に挟み込んだ状態で、互いに連結される。
前側スライド部71は、基板部71aと、左右の側壁部71bと、つまみ部71cと、複数の引掛部71dと、複数のねじ穴部71eと、複数の位置決め突部71fと、を有する。
基板部71aは、スライドベース5の表示面51aにおける上下方向の片側半分よりも一回り大きいサイズの略矩形の板状である。左右の側壁部71bは、基板部71aの左右両縁から後方に突出している。
つまみ部71cは、ユーザが指でつまむ部分である。ユーザは、つまみ部71cを摘んで操作スライド部材7を上下方向に移動可能である。つまみ部71cは、例えば板状であり、基板部71aの前面に設けられている。つまみ部71cは、例えば基板部71aの上下方向の中央に位置し、基板部71aの前面から前方に突出し、基板部71aの左右方向に沿って延びている。
複数(例えば4つ)の引掛部71dは、後側スライド部72の後述の複数の引掛部72dに引っ掛かる部分である。複数の引掛部71dは、後側スライド部72の複数の引掛部72dと一対一に対応している。複数の引掛部71dは、左右の側壁部71bの各々の長手方向の両端部付近に設けられている。各引掛部71dは、左右の側壁部71bの後面から後方に突出している。各引掛部71dは、先端部の内側面に爪部を有する。
複数(例えば2つ)のねじ穴部71eは、前側スライド部71と後側スライド部72とを連結するねじがねじ込み可能な穴部である。複数のねじ穴部71eは、例えば、左右の側壁部71bにおける長手方向の中心に1つずつ設けられている。
複数の位置決め突部71fは、後側スライド部72の後述の位置決め穴部72fに嵌まる部分である。位置決め突部71fが位置決め穴部72fに嵌ることで、前側スライド部71と後側スライド部72との間の相対的な位置が位置決めされる。複数の位置決め突部71fは、例えば、左右の側壁部71bにおけるねじ穴部71eの付近(例えば下側)に1つずつ設けられており、左右の側壁部71bの後面から後方に突出している。
後側スライド部72は、基板部72aと、左右の側壁部72bと、複数の引掛部72dと、複数のねじ孔部72eと、複数の位置決め穴部72fと、複数のボス部72gと、2つのボス部72hを有する。基板部72aは、基板部71aと略同形同大の略矩形の板状である。左右の側壁部72bは、基板部72aの左右両縁から前方に突出している。
複数(例えば4つ)の引掛部72dは、前側スライド部71の複数の引掛部71dに引っ掛かる部分である。複数の引掛部72dは、前側スライド部71の複数の引掛部71dと一対一に対応している。複数の引掛部72dは、左右の側壁部72bの各々の長手方向の両端部付近に設けられている。各引掛部72dは、左右の側壁部72bにおける左右方向の外側の側面から外側に突出している。
複数(例えば2つ)のねじ孔部72eは、前側スライド部71と後側スライド部72とを連結するねじが通る孔部である。複数のねじ孔部72eは、基板部72aの左右の縁部における上下方向の中央に設けられている。
複数の位置決め穴部72fは、前側スライド部71の位置決め突部71fが嵌まる部分である。複数の位置決め穴部72fは、例えば、筒状に形成され、左右の側壁部72bにおけるねじ孔部72eの付近(例えば下側)に1つずつ設けられている。
複数(例えば2つ)のボス部72gは、後側ケース部32の後述のガイド溝部32hに嵌る部分である。各ボス部72gは、図6に示すように、後側スライド部72の後面に設けられ、後方に突出している。各ボス部72gは、例えば円柱状である。各ボス部72gは、後側スライド部72の後面の上部及び下部の各々の左右方向の中央に1つずつ設けられている。
2つのボス部72hは、後側スライド部72の前面の左縁及び左縁の各々の上下方向の中央に設けられ、前方に突出している。2つのボス部72hは、一対の付勢部材15の各々の一端部15aが固定される部分である。
複数のストッパ接触部73は、スライドベース5のストッパ53と接触する部分であり、2つの上側接触部73aと、2つの下側接触部73bと、を含む。なお、上側接触部73a及び下側接触部73bの各々の個数は、2つに限られず、1つでも3つ以上でもよい。
各上側接触部73aは、スライドベース5の各上限ストッパ53aと接触する部分である。各上側接触部73aは、操作スライド部材7の上端部における各上限ストッパ53aに対応する位置(例えば、後側スライド部72の上端部の左右両端部)に設けられている。各下側接触部73bは、スライドベース5の各下限ストッパ53bと接触する部分である。各下側接触部73bは、操作スライド部材7の下端部における各下限ストッパ53bに対応する位置(例えば、後側スライド部72の下端部の左右両端部)に設けられている。各上側接触部73aは、平坦な接触面M1を有する。接触面M1は、上限ストッパ53aの弾性部材53cと接触する部分である。各下側接触部73bは、平坦な接触面N1を有する。接触面N1は、下限ストッパ53bの弾性部材53dと接触する部分である。
前側スライド部71及び後側スライド部72は、スライドベース5を前後両側から挟んだ状態で、互いに固定される。この固定状態では、前側スライド部71の左右の側壁部71bと後側スライド部72の左右の側壁部72bの先端部同士が接触する。そして、前側スライド部71の位置決め突部71fが後側スライド部72の位置決め穴部72fに嵌る。これにより、前側スライド部71と後側スライド部72との間の相対的な位置が位置決めされる。
また、前側スライド部71の各引掛部71dが後側スライド部72の各引掛部72dに引っ掛かる。これにより、前側スライド部71と後側スライド部72とが互いに固定される。さらに、各ねじ(図示省略)が、後側スライド部72の各ねじ孔部72eを通って前側スライド部71のねじ穴部71eにねじ込まれてもよい。これにより、前側スライド部71と後側スライド部72とが更に互いに固定可能である。
ここで、ケース3は、図9に示すように、ガイド溝部32hを有する。ガイド溝部32hは、後側ケース部32の前面において、スライドベース5と重なる範囲に設けられている。より詳細には、ガイド溝部32hは、例えば、後側ケース部32の前面の左半領域において、左右方向に中央に設けられ、上下方向に沿って直線状に延びている。操作スライド部材7がケース3内に配置された状態では、後側スライド部72の各ボス部72gが、後側ケース部32のガイド溝部32hに沿って上下方向に移動可能に嵌る。ガイド溝部32hは、各ボス部72gが移動する移動経路を構成している。各ボス部72gの移動がガイド溝部32hによって制限されることで、操作スライド部材7の移動が移動範囲Q1内に制限される。
図12に示すように、レバー9(すなわちリンク機構8)は、操作スライド部材7の移動に応じて可動スライド部材11を移動させる機構である。レバー9は、操作スライド部材7の移動量よりも小さい移動量(例えば大凡6分の1から5分の1倍の移動量)で、可動スライド部材11を移動させる。
図7に示すように、レバー9は、例えば、一方向に延びた略矩形の板状である。レバー9は、レバー本体91と、軸孔部92と、長孔部93と、連結穴部94と、ばね引掛部95と、を有する。
レバー本体91は、例えば、一方向に延びた略矩形の板状である。軸孔部92は、後側ケース部32の後述の回転軸部32iが回転可能に嵌る孔部である。軸孔部92は、レバー本体91における長手方向の中心から一端部(例えば右端部)側にずれた位置に配置されており、レバー本体91の厚さ方向に貫通している。
長孔部93は、後側スライド部72の上側のボス部72g(図6参照)に嵌る孔部である。長孔部93は、レバー本体91における長手方向の他端部(例えば左端部)に設けられている。長孔部93は、レバー本体91の厚さ方向に貫通しており、レバー本体91の長手方向に沿って延びている。
連結穴部94は、可動スライド部材11と連結するためのピンP1が挿入される穴部である。連結穴部94は、レバー本体91における長手方向の一端部(すなわち右端部)に設けられている。連結穴部94の中心と軸孔部92の中心との間隔をL1とし、長孔部93における長手方向の内側端部と軸孔部92の中心との間隔をL2とし、長孔部93における長手方向の外側端部と軸孔部92の中心との間隔をL3とする。この場合、一例として、間隔L1は、間隔L2の約5分の1倍の長さであり、間隔L3の約6分の1倍の長さである。
ばね引掛部95は、減速ばね16の2つの腕部16a,16bに引っ掛かる部分である。ばね引掛部95は、例えば、レバー本体91における長手方向の一端部に設けられ、レバー本体91の長手方向に沿って突出している。
図9A及び図12に示すように、レバー9は、後側ケース部32の前面に配置される。この配置状態では、後側ケース部32の回転軸部32iは、レバー9の軸孔部92に回転可能に嵌る。これにより、レバー9が回転軸部32iを中心に回転可能である。なお、ねじT2が回転軸部32iのねじ穴部(図示省略)にねじ込まれている。また、後側スライド部72の上側のボス部72gが、レバー9の長孔部93を通って後側ケース部32のガイド溝部32h(図9A参照)に嵌る。これにより、操作スライド部材7の上下方向の移動に連動して、レバー9が、回転軸部32iを中心に回転される。また、レバー9の連結穴部94にピンP1が挿入され、そのピンP1の上半部が、可動スライド部材11の後述の連結孔部12fに嵌る。これにより、レバー9における回転軸部32i周りの回転に連動して、可動スライド部材11が上下方向に移動される。
図12に示すように、可動スライド部材11は、レバー9によって、第1位置Y1と第2位置Y2との間の移動範囲Q2(第2移動範囲)を移動する部材である。可動スライド部材11は、第1位置Y1と第2位置Y2との間をスライドして移動可能である。可動スライド部材11の移動範囲Q2は、操作スライド部材7の移動範囲Q1よりも小さく設定されている。可動スライド部材11は、第1位置Y1に位置するか、又は第2位置Y2に位置するかに応じて、選択的に、ハーベスタ17のスイッチ19を第1状態又は第2状態に切り替える。すなわち、第1位置Y1とは、ハーベスタ17のスイッチ19を第1状態に切り替える位置であり、第2位置Y2とは、ハーベスタ17のスイッチ19を第2状態に切り替える位置である。
図8に示すように、可動スライド部材11は、本体部12と、スイッチ押下部13と、を有する。
本体部12は、例えば逆T字形の板状である。本体部12は、上半部12a、下半部12b、段差部12c、左右の片部12dと、左右の段差部12eと、を有する。上半部12aは、段差部12cを介して下半部12bの上端に連結している。上半部12aは、段差部12cによって下半部12bよりも後側に段差状に下がっている。左右の片部12dの各々は、段差部12eを介して下半部12bの左右両端に連結されている。左右の片部12dの各々は、段差部12eによって下半部12bよりも後側に段差状に下がっている。
本体部12は、連結孔部12fと、位置決め孔部12gと、配置孔部12hと、一対のガイド孔部12iを有する。
連結孔部12fは、ピンP1(図7参照)の上半部が貫通する孔部である。すなわち、ピンP1を介して可動スライド部材11とレバー9とが連結される。
位置決め孔部12gは、スイッチ押下部13が位置決めされる孔部である。位置決め孔部12gは、本体部12の所定位置(例えば下部中央)に貫通状に設けられている。
配置孔部12hは、レバー9の軸孔部92を貫通する回転軸部32i(図9A参照)が配置する長孔である。配置孔部12hは、本体部12の所定位置(すなわち回転軸部32iに対応する位置、例えば上半領域の左側)に貫通状に設けられている。配置孔部12hは、本体部12の上下方向に延びている。
一対のガイド孔部12iは、後側ケース部32の一対のガイド突部32j(図9A参照)が配置する長孔である。各ガイド孔部12iは、本体部12の左右の片部12dに貫通状に設けられている。各ガイド孔部12iは、片部12dの上下方向に延びている。
スイッチ押下部13は、ハーベスタ17のスイッチ19を押下する部分である。スイッチ押下部13は、本体部12の後面から後方に突出している。スイッチ押下部13は、例えば円柱形である。
図12に示すように、可動スライド部材11は、後側ケース部32の前面に配置される。ここで、後側ケース部32は、一対のガイド突部32jを有する。各ガイド突部32jは、後側ケース部32の前面から突出するように設けられている。各ガイド突部32jは、例えば、後側ケース部32の前面の右半領域において、上下方向に略中央位置に設けられ、左右方向に互いに間隔を空けて並んでいる。
上記の配置状態(すなわち可動スライド部材11が後側ケース部32の前面に配置された状態)では、レバー9に連結されたピンP1の上端部が、可動スライド部材11の連結孔部12fに挿入される。これにより、ピンP1を介してレバー9と可動スライド部材11とが、互いに連結される。また、後側ケース部32の一対のガイド突部32jが、可動スライド部材11の一対のガイド孔部12i内に配置される。これにより、可動スライド部材11の移動が上下方向に制限される。なお、ねじT3がガイド突部32jのねじ穴部(図示省略)にねじ込まれている。
なお、本実施形態では、ガイド突部32jがガイド孔部12iの上端部にあるとき、可動スライド部材11は、第1位置Y1にあり(図12参照)。他方、ガイド突部32jがガイド孔部12iの下端部にあるとき、可動スライド部材11は、第2位置Y2にある(図13参照)。
本実施形態では、可動スライド部材11の位置の基準を、例えば、可動スライド部材11の上面11u(図12参照)とする。したがって、ガイド突部32jがガイド孔部12iの上端部にあるときの可動スライド部材11の上面11uの位置が、第1位置Y1である(図12参照)。他方、ガイド突部32jがガイド孔部12iの下端部にあるときの可動スライド部材11の上面11uの位置が、第2位置Y2である(図13参照)。
図2及び図3に示すように、カバー14は、例えば可動スライド部材11の周囲を覆う部材である。これにより、可動スライド部材11及びレバー9が、後側ケース部32から外れることが防止される。カバー14は、例えば逆さ略U字形の板状である。カバー14は、金属又は樹脂で形成されている。カバー14は、開口部14aと、3つのねじ孔部14b,14cと、2つの位置決め孔部14eと、を有する。
開口部14aは、例えば、可動スライド部材11の下半部12bを露出する開口部であり、カバー14の中央から下端に亘って形成されている。ねじ孔部14bは、レバー9の回転軸部32iにねじ込まれるねじT2(図2参照)が通る孔部であり、回転軸部32iに対応する位置(例えば開口部14aの上縁部の左端)に貫通状に設けられている。各ねじ孔部14cは、各ガイド突部32jにねじ込まれるねじT3(図2参照)が通る孔部であり、各ガイド突部32jに対応する位置(例えば開口部14aの左右各縁部の上下方向の中央)に貫通状に設けられている。2つの位置決め孔部14eは、後側ケース部32の2つの位置決め突部32k(図9A参照)が嵌る孔であり、各位置決め突部32kに対応する位置(例えば開口部14aの左縁下部及び右縁上部)に貫通状に設けられている。すなわち、カバー14は、各ねじT2,T3によって、可動スライド部材11の周囲を覆うように、後側ケース部32の前面に固定される。
一対の付勢部材15は、ユーザの指操作で操作スライド部材7を操作するときの操作力を後述の付勢力F1,F2(図12及び図13参照)によって、ユーザの指操作を補助する付勢機構を構成している。なお、付勢力F1,F2は、一対の付勢部材15の各々の個別の付勢力fの合力(全付勢力)の上下方向の成分である。一対の付勢部材15の各々の個別の付勢力fは、操作スライド部材7を押す方向に作用する。一対の付勢部材15の各々は、互いに同じ構成で構成されている。一対の付勢部材15は、図10A及び図10Bに示すように、伸縮可能なアーム部材151と、複数(例えば2つ)の巻きばね152(ばね部材)と、2つの連結シャフト154,155とを有する。
巻きばね152は、アーム部材151を伸びる方向に反発させるばね部材である。巻きばね152は、巻きばね152が伸ばされることで縮む方向にばね力を発揮する引っ張りばねである。2つの連結シャフト154,155は、段付きシャフトである。
アーム部材151は、金属製の2つの基材156,157を有する。基材156は、一方向に伸びた略矩形の平板状である。基材156は、基材本体156aと、2つの引掛部156b,156cとを有する。基材本体156aは、略矩形の板状である。2つの引掛部156b,156cは、2つの巻きばね152の一端部が引っ掛けられる部分である。2つの引掛部156b,156cは、基材本体156aの基端部の幅方向の両側から幅方向外側に突出している。2つの引掛部156b,156cは、それらの根本が段状に屈曲することで、基材本体156aの一方の主面よりも前側に張り出している。基材本体156aは、ガイド孔156dと、連結孔156eと、固定孔156fとを有する。ガイド孔156dは、連結シャフト154が移動する移動路を構成する長孔である。ガイド孔156dは、基材本体156aにおいて、厚さ方向に貫通し、長手方向に沿って直線状に延びている。連結孔156eは、連結シャフト155の先端部(細径部)が挿入されて先端部がかしめられて締結される貫通孔であり、基材本体156aの基端部に厚さ方向に貫通するように設けられている。固定孔156fは、基材本体156aの先端部(アーム部材151の一端部)15aを後側スライド部72のボス部72hに連結するための円孔であり、基材本体156aの先端部15aに厚さ方向に貫通するように設けられている。
基材157は、基材156と同様に、基材本体157aと、2つの引掛部157b,157cとを有する。基材本体157aは、略矩形の板状である。2つの引掛部157b,157cは、2つの巻きばね152の他端部が引っ掛けられる部分である。2つの引掛部157b,157cは、基材本体157aの基端部の幅方向の両側から幅方向外側に突出している。基材本体157aは、ガイド孔157dと、連結孔157eと、固定孔157fとを有する。ガイド孔157dは、連結シャフト155が移動する移動路を構成する長孔である。ガイド孔157dは、基材本体157aにおいて、厚さ方向に貫通し、長手方向に沿って直線状に延びている。連結孔157eは、連結シャフト154の先端部(細径部)が挿入されて先端部がかしめられて締結される貫通孔であり、基材本体157aの基端部に厚さ方向に貫通するように設けられている。固定孔157fは、基材本体157aの他端部(アーム部材151の他端部)15bをスライドベース5のボス部54に連結するための円孔であり、基材本体157aの先端部に厚さ方向に貫通するように設けられている。
2つの基材156,157は、図10Aに示すように、互いの厚さ方向に重ねられた状態で、2つの連結シャフト154,155によって、互いに連結されている。この連結状態で、連結シャフト154は、基材156のガイド孔156dを通って基材157の連結孔157eに締結されている。連結シャフト155は、基材157のガイド孔157dを通って基材156の連結孔156eに締結されている。なお、より詳細には、先に連結シャフト154,155が連結孔157e,156eに締結される。そして、連結シャフト154,155がそれぞれ、ガイド孔156d,157dの端部の丸孔部に通される。そして、引掛部156b,157b間及び引掛部156c,157c間に巻きばね152が引っ掛けられる。この引っ掛け状態では、付勢部材15の伸縮動作において、連結シャフト154,155はガイド孔156d,157dの端部の丸孔部まで移動しないため、連結シャフト154,155は、ガイド孔156d,157dの端部の丸孔部から外れない。2つの基材156,157の先端基端方向は、互いに逆向きである。基材157は、基材156の上記の一方の主面上に重なっている。基材156の2つの引掛部156b,156cが上記の一方の主面よりも前側に張り出しているため、基材156の2つの引掛部156b,156cは、基材157の2つの引掛部157b,157cとほぼ平坦である。そして、一側の引掛部156c,157cの間に一方の巻きばね152が引っ掛けられ、他側の引掛部156c,157cの間に他方の巻きばね152が引っ掛けられている。
各付勢部材15では、各連結シャフト154,155は、ガイド孔156d,157dに沿って移動可能である。これにより、一方の基材156は、他方の基材157の長手方向に沿って他方の基材157上を相対的にスライド可能である。このスライドによって、各付勢部材15は、それらの長手方向に伸縮可能である。各付勢部材15は、縮められると巻きばね152が弾性的に伸ばされ、巻きばね152の復元力によって元の長さに伸長される。これにより、この付勢部材15は、伸長する方向にばね力を発揮する付勢部材(すなわち、操作スライド部材7を押す方向に付勢する付勢部材)を構成している。
図11に示すように、一対の付勢部材15の各々の一端部15aの固定孔156fはそれぞれ、後側スライド部72の2つのボス部72hに回転可能に固定される。一対の付勢部材15の各々の他端部15bの固定孔157fは、互いに重ねられた状態で、スライドベース5のボス部54に共通の回転軸周りに回転可能に固定される。より詳細には、ボス部72h及びボス部54にそれぞれ溝付きシャフトが圧入され、付勢部材15の固定孔156f,157fに溝付きシャフトが通され、溝付きシャフトの溝に抜け止めEリング(又はナイロンワッシャ)が嵌められる。これにより、付勢部材15の両端部15a,15bがボス部72h,54に回転可能に固定される。この連結状態では、一対の付勢部材15は、操作スライド部材7の移動範囲Q1内の位置に依らず、互いに左右対称(すなわち鏡像対称)に配置される。一対の付勢部材15の各々は、操作スライド部材7を押す方向に付勢力(個別の付勢力)fで付勢する。一対の付勢部材15は、スライドベース5の後面と後側スライド部72の前面との間に配置されている。
ここで、一対の付勢部材15の各々から操作スライド部材7に作用する個別の付勢力fにおいて、上下方向(操作スライド部材7の移動方向)に平行な方向の成分を平行成分fhと記載し、上下方向に直交する方向(左右方向)の成分を直交成分fvと記載する。一対の付勢部材15の左右対称な配置により、一対の付勢部材15の各々の個別の付勢力fの直交成分fvは、操作スライド部材7の移動範囲Q1の全範囲に亘って相殺される。そして、一対の付勢部材15の各々の個別の付勢力fの平行成分fhのみが、操作スライド部材7に作用する。それら各平行成分fhの合力が付勢力F1,F2を構成する。なお、一対の付勢部材15の各々の個別の付勢力fの平行成分fhの合力は、一対の付勢部材15の各々の個別の付勢力fの合力である全付勢力における上下方向に平行な方向の平行成分と同じである。
なお、一対の付勢部材15の配置が左右対称(鏡像対称)である場合、一対の付勢部材15の各々の個別の付勢力fの平行成分fhの個別反転位置は、一対の付勢部材15の全付勢力の平行成分F1,F2の反転位置と一致する。個別反転位置とは、操作スライド部材7の移動範囲Q1において、個別の付勢力fの平行成分fhの向きが反転する位置である。反転位置とは、一対の付勢部材15の全付勢力の平行成分F1,F2の向きが反転する位置(本実施形態では中間位置S3)である。上記の一致により、一対の付勢部材15の各々の個別の付勢力fの直交成分fvは、操作スライド部材7の移動範囲Q1の全範囲に亘って相殺する。
より詳細には、図11に示すように、操作スライド部材7の正面から見て、一対の付勢部材15の各々の一端部15a(したがって2つのボス部72h)の内側に、一対の付勢部材15の各々の他端部15b(したがってボス部54)が配置される。この配置によって、一対の付勢部材15の各々の個別の付勢力fの直交成分fvは、互いに逆向きになる。更に、一対の付勢部材15の各々の一端部15aは、操作スライド部材7において上下方向(操作スライド部材7の移動方向)に関して同じ位置にあり、一対の付勢部材15の各々の他端部15bも、スライドベース5において上下方向に関して同じ位置にある。これにより、一対の付勢部材15の各々の個別の反転位置が一致する。個別の反転位置とは、操作スライド部材7の移動範囲Q1において、一対の付勢部材15の各々の個別の付勢力fの平行成分fhの向きが反転する位置である。この結果、一対の付勢部材15の各々の個別の付勢力fの直交成分fvが、操作範囲Q1全体に亘って効果的に相殺される。
このように、一対の付勢部材15の各々の個別の付勢力fの直交成分fvが相殺する。これにより、付勢部材15が1つの場合(すなわち直交成分fvが相殺しない場合)と比べて、操作スライド部材7に作用する全付勢力の直交成分(上下方向に直交する方向(左右方向)の成分)を低減できる。全付勢力は、一対の付勢部材15の各々の個別の付勢力fの合力である。したがって、全付勢力の直交成分(すなわち左右方向を向いた付勢力)による操作スライド部材7とスライドベース5(周辺部材)の右側面又は左側面との間の摩擦抵抗を低減できる。この結果、操作スライド部材7をスライドベース5に対して円滑に移動させることができる。
図11に示すように、本実施形態では、ボス部54(したがって一対の付勢部材15の各々の他端部15b)は、スライドベース5の後面の幅方向(左右方向)の中央位置に配置されている。2つのボス部72h(したがって一対の付勢部材15の各々の一端部15a)は、後側スライド部72の前面の左右両縁の上下方向の中央位置に配置されている。そして、操作スライド部材7が移動範囲Q1の上下方向の中間位置S3を通過するとき、ボス部54は、2つのボス部72hの中間を通過する。したがって、操作スライド部材7が移動範囲Q1の中間位置S3よりも第1操作位置S1の側にあるときは、一対の付勢部材15は、下方に凸のV字型の配置となる。この配置により、一対の付勢部材15は、操作スライド部材7に対して、第1操作位置S1の側(すなわち上側)に向いたばね力(第1付勢力F1)を作用させる(図12参照)。第1付勢力F1は、一対の付勢部材15の各々の個別の付勢力fにおける上側を向いた平行成分fhの合力である。他方、操作スライド部材7が移動範囲Q1の中間位置S3よりも第2操作位置S2の側(すなわち下側)にあるときは、一対の付勢部材15は、上方に凸の逆V字型に配置となる。この配置により、一対の付勢部材15は、操作スライド部材7に対して、第2操作位置S2の側(すなわち下側)に向いたばね力(第2付勢力F2)を作用させる(図13参照)。第2付勢力F2は、一対の付勢部材15の各々の個別の付勢力fにおける下側を向いた平行成分fhの合力である。また、操作スライド部材7が中間位置S3にあるときは、一対の付勢部材15は、左右方向に一列に並ぶ配置形態となる。この配置形態では、一対の付勢部材15の各々の付勢力fの平行成分fhは、ゼロになる。このため、一対の付勢部材15は、第1付勢力F1及び第2付勢力F2を操作スライド部材7に作用させない。このように、一対の付勢部材15は、操作スライド部材7が中間位置S3から離れたとき、操作スライド部材7を中間位置S3から遠ざける方向に作用する。
なお、中間位置S3は、一対の付勢部材15の全付勢力における上下方向の成分の向きが反転する反転位置である。全付勢力とは、一対の付勢部材15の各々の個別の付勢力fの合力である。本実施形態では、一対の付勢部材15の各々の個別反転位置は、中間位置S3と一致する。
減速ばね16は、操作スライド部材7が移動して第1操作位置S1又は第2操作位置S2に到達するとき、操作スライド部材7の移動速度を減速させるばねである。すなわち、減速ばね16は、操作スライド部材7が移動して第1操作位置S1又は第2操作位置S2に到達するとき、操作スライド部材7に対して、操作スライド部材7の移動方向の反対方向に向かった力を作用させるばねである。例えば、減速ばね16は、操作スライド部材7が第2操作位置S2に到着するときは、操作スライド部材7に対して、第1操作位置S1側(すなわち上側)に向かった力を作用させる。また、減速ばね16は、操作スライド部材7が第1操作位置S1に到着するときは、操作スライド部材7に対して、第2操作位置S2側(すなわち下側)に向かった力を作用させる。
また、減速ばね16は、操作スライド部材7が第1操作位置S1又は第2操作位置S2から動き始めるとき、静止摩擦による操作スライド部材7の動き難さを低減するばねである。すなわち、減速ばね16は、操作スライド部材7が第1操作位置S1又は第2操作位置S2から動き始めるとき、操作スライド部材7に対して、操作スライド部材7が動き始める方向に向かった力を作用させるばねである。例えば、操作スライド部材7が第1操作位置S1から動き始めるときは、減速ばね16は、操作スライド部材7を第1操作位置S1から第2操作位置S2に向かった力を作用させる。また、操作スライド部材7が第2操作位置S2から動き始めるときは、減速ばね16は、操作スライド部材7を第2操作位置S2から第1操作位置S1に向かった力を作用させる。
図9Bに示すように、減速ばね16は、例えば、巻きばねであり、2つの腕部16a,16bと、軸孔部16cと、を有する。
ここで、図9Bに示すように、後側ケース部32は、ばね軸部32bと、規制壁部32cと、を有する。ばね軸部32bは、減速ばね16の軸孔部16cに挿入される部分である。軸孔部16cは、減速ばね16を構成するばね線が巻回されている部分である。ばね軸部32bは、例えば、後側ケース部32の前面の右上部に設けられており、前方に突出している。規制壁部32cは、減速ばね16の2つの腕部16a,16bの動きを規制する部分である。規制壁部32cは、後側ケース部32の前面において、ばね軸部32bとレバー9との間を設けられている。
規制壁部32cは、減速ばね16のばね軸部32b周りの回転を一定角度の回転に規制する部分である。規制壁部32cは、2つの規制端部32e,32dを有する。規制端部32eは、規制壁部32cの下側の端部であり、減速ばね16の他方の腕部16bの上方向への動きを規制する。規制端部32dは、規制壁部32cの上側の端部であり、減速ばね16の他方の腕部16aの下方向への動きを規制する。
減速ばね16は、ケース3内に収容された状態で、後側ケース部32に配置される。この配置状態で、後側ケース部32のばね軸部32bは、減速ばね16の軸孔部16cに挿入される。減速ばね16の一方の腕部16bは、規制壁部32cの規制端部32eの下側に配置される。減速ばね16の他方の腕部16aは、規制端部32dの上側に配置される。レバー9のばね引掛部95は、減速ばね16の2つの腕部16a,16bの間に配置される。
そして、操作スライド部材7が第1操作位置S1又は第2操作位置S2から動き始めるとき、レバー9のばね引掛部95は、減速ばね16の2つの腕部16a,16bのうちの一方の腕部によって、操作スライド部材7が動き始める方向に後押しされる。すなわち、レバー9のばね引掛部95は、減速ばね16から、レバー9の回転方向に作用する力を受ける。この結果、操作スライド部材7は、第1操作位置S1又は第2操作位置S2から動き始めるとき、減速ばね16によって後押しされ、これにより、操作スライド部材7の静止摩擦に対して円滑に動き始めることができる。
また、操作スライド部材7が移動して第1操作位置S1又は第2操作位置S2に到達するときは、レバー9のばね引掛部95が、減速ばね16の2つの腕部16a,16bのうちの一方の腕部を2つの腕部16a,16bの間隔が広がる方向に弾性的に変形させる。これにより、レバー9のばね引掛部95は、レバー9の回転方向とは逆方向に作用する力を受ける。この結果、レバー9の回転速度が減速して、操作スライド部材7の移動速度が減速される。これにより、操作スライド部材7が上限ストッパ53a又は下限ストッパ53bと接触するときの衝撃及び衝撃音が低減される。
ハーベスタ17は、スイッチ19の状態が第1状態及び第2状態のうちの一方から他方に切り替わるときの運動エネルギを電気エネルギに変換する装置である。また、ハーベスタ17は、変換した電気エネルギを用いて、表示面51aに表示された表記が「空室」の表記H1であるか「使用中」の表記H2であるかを知らせる情報を無線電波で外部のサー
バに送信する装置である。ハーベスタ17は、例えば、後側ケース部32の前面の右側領域に配置されている。
ハーベスタ17は、図9Aに示すように、ケース18と、スイッチ19と、発電器20と、信号生成回路21と、送信回路22とを有する。
ケース18は、スイッチ19、発電器20、信号生成回路21、及び送信回路22を収容する。ケース18は、例えば上下方向に長い直方体形の箱状である。ケース18は、スイッチ開口部18aを有する。スイッチ開口部18aは、スイッチ19が配置される開口部である。スイッチ開口部18aは、ケース18の前壁部に貫通状に設けられており、ケース18の上下方向に長い略矩形状である。
スイッチ19は、例えばロッカースイッチ(シーソースイッチとも呼ばれる。)であり、第1状態又は第2状態に切替可能である。スイッチ19は、長手方向の中心を基点として、長手方向の両端部が交互に上下動する。本実施形態では、スイッチ19の両端部のうち、一端部(例えば下端部)が下がった状態が第1状態となり、他端部(例えば上端部)が下がった状態が第2状態となる。スイッチ19は、ケース18のスイッチ開口部18aの後側に配置されている。例えば、スイッチ19の一端部(すなわち第1状態側の端部)は、スイッチ開口部18aの下部に配置され、スイッチ19の他端部(すなわち第2状態側の端部)は、スイッチ開口部18aの上部に配置されている。
スイッチ開口部18aは、可動スライド部材11の後側に配置される。これにより、スイッチ19が可動スライド部材11の後側に配置される。より詳細には、スイッチ開口部18aは、可動スライド部材11のスイッチ押下部13の後側に配置される。これにより、可動スライド部材11が第1位置Y1(すなわち移動範囲Q2の下限位置)にあるときは、スイッチ押下部13が、下方に移動してスイッチ19の一端部(下端部)を押下する。すなわち、スイッチ19が第1状態に切り替えられる。他方、可動スライド部材11が第2位置(すなわち移動範囲Q2の上限位置)にあるときは、スイッチ押下部13が、上方に移動してスイッチ19の他端部(上端部)を押下する。すなわち、スイッチ19が第2状態に切り替えられる。
発電器20は、スイッチ19が第1状態又は第2状態に切り替わるときの動作で発生する運動エネルギを電気エネルギに変換する。発電器20は、例えば、磁石とコイルとを有し、スイッチ19のシーソー動作を直線動作に変換し、その直線動作で磁石を移動させ、磁石とコイルとで誘導起電力を発生させて発電する。
信号生成回路21は、発電器20で発生した電力を用いて、スイッチ19の状態が第1状態であるか第2状態であるか(すなわち表示面51aの表記が「空室」の表記H1であるか「使用中」の表記H2であるか)を知らせる信号を生成する回路である。信号生成回路21は、例えば、発電器20での誘導起電力の向き又は上記の磁石の移動方向に応じて、スイッチ19の状態が第1状態であるか第2状態であるかを検知可能である。なお、スイッチ19の状態の検知の方法は、上記の検知の方法に限定されない。そして、信号生成回路21は、その検知結果に基づいて、スイッチ19の状態が第1状態であるか第2状態であるかを知らせる信号を生成する。
送信回路22は、発電器20で発生した電力を用いて、信号生成回路21で生成された信号を無線信号として外部のサーバに送信する。
次に図12及び図13を参照して、入力装置1の動作を説明する。
まず、ユーザの指操作で、操作スライド部材7を第1操作位置S1から第2操作位置S2に移動させる場合の動作を説明する。
図12に示すように、操作スライド部材7が第1操作位置(上限位置)S1にあるときは、操作スライド部材7によって、入力装置1の表示面51aの上半領域(すなわち「使用中」の表記H2)が被覆される(図1参照)。また、表示面51aの下半領域(すなわち「空室」の表記H1)は、露出(すなわち表示)されている(図1参照)。
図12及び図13に示すように、操作スライド部材7を第1操作位置S1から第2操作位置S2に移動させるとき、ユーザは、操作スライド部材7のつまみ部71c(図1参照)を指で摘む。そして、ユーザは、操作スライド部材7を、下方に移動させて、第1操作位置S1から第2操作位置(下限位置)S2に移動させる。この結果、操作スライド部材7によって、入力装置1の表示面51aのうち、上半領域(すなわち「使用中」の表記H2)が露出(すなわち表示)され、下半領域(すなわち「空室」の表記H1)が被覆される。
また、操作スライド部材7の上記の移動(すなわち第1操作位置S1から第2操作位置S2への移動)によって、レバー9が回転軸部32iを中心に反時計回りに回転する。この回転によって、可動スライド部材11が、移動範囲Q2の下限位置(第1位置)Y1から上限位置(第2位置)Y2に移動する。この移動によって、可動スライド部材11のスイッチ押下部13が、スイッチ19の一端部(下端部)を押下する位置からスイッチ19の他端部(上端部)を押下する位置に移動する。すなわち、スイッチ19が第1状態から第2状態に切り替わる。そして、ハーベスタ17が、スイッチ19のその切替動作で発生する運動エネルギを発電器で電気エネルギに変換する。ハーベスタ17は、変換された電気エネルギを用いて、スイッチ19が第2状態に切り替わった事(すなわち表示面51aに「使用中」の表記H2が表示された事)を知らせる信号を信号生成回路21で生成する。そして、ハーベスタ17は、生成した信号を送信回路22から外部のサーバに無線で送信する。
より詳細には、上記の入力装置1の動作において、操作スライド部材7は、ユーザの指操作で第1操作位置S1から下方に動き始めるとき、減速ばね16によって、下方向(すなわち操作スライド部材7が動き始める方向)に向かったばね力を受ける。すなわち、操作スライド部材7は、減速ばね16によって後押しされる。これにより、操作スライド部材7が動き始めるとき、操作スライド部材7の静止摩擦に対して、小さい操作力で操作スライド部材7を動かし始めることができる。また、減速ばね16の上記の後押しにより、操作スライド部材7が、第1操作位置S1から下方に動き始めるときに一対の付勢部材15から受ける上方向の力(第1付勢力F1)を低減できる。これによっても、小さい操作力で、操作スライド部材7を第1操作位置S1から動かし始めることができる。
また、上記の入力装置1の動作において、操作スライド部材7が中間位置S3から第2操作位置S2へと下方向に移動するとき、操作スライド部材7は、一対の付勢部材15によって、下方向(すなわち中間位置S3から第2操作位置S2に向かう方向)に向かったばね力第2付勢力F2)を受ける。すなわち、操作スライド部材7は、一対の付勢部材15によって後押しされる。これにより、スイッチ19の切替時(すなわち発電時)に操作スライド部材7が受ける抵抗(すなわち発電時の抵抗)を低減できる。
また、上記の入力装置1の動作において、操作スライド部材7が第2操作位置S2の一定範囲内に接近したとき、レバー9のばね引掛部95が、減速ばね16の上側の腕部16aを上方向(すなわち2つの腕部16a,16bの間隔を広げる方向)に移動させる。これにより、レバー9のばね引掛部95が、減速ばね16からレバー9の回転方向とは反対方向にばね力を受ける。したがって、レバー9の回転速度が減速されて、操作スライド部材7の移動速度が減速される。すなわち、操作スライド部材7は、第2操作位置S2に到達するとき、減速ばね16で減速される。この結果、操作スライド部材7が、下限ストッパ53bと接触するときの衝撃及び衝撃音を低減できる。
このように、操作スライド部材7は、第1操作位置S1からの動き始めは、減速ばね16によって後押しされることで、操作スライド部材7の操作力が少なくなる。そして、操作スライド部材7が中間位置S3を第2操作位置S2側に超えた後は、一対の付勢部材15のばね力(第2付勢力F2)がスイッチ19を押す方向に作用することで、操作スライド部材7の操作力が小さくなる。より詳細には、スイッチ19の切り替えに必要な力は急激に変動する。その変動を指先にあまり感じなくするために、操作スライド部材7が中間位置S3を第2操作位置S2側に超えた後は、一対の付勢部材15のばね力によって操作スライド部材7が後押しされる。一対の付勢部材15はスイッチ19に必要な力と同じ程度のばね力に設定されているが、スイッチ19が切り替った後は、スイッチ19の負荷(抵抗)がゼロになるため、その切替後の一対の付勢部材15のばね力は、不必要に大きな力になる。すなわち、一対の付勢部材15は、スイッチ19の切替後は、操作スライド部材7を第2操作位置S2まで移動させる力だけでよいが、それ以上の力が出てしまう。このため、スイッチ19の切替後は、減速ばね16を用いて一対の付勢部材15のばね力を抑制することで、操作スライド部材7が第2操作位置S2に到着するときの操作スライド部材7の移動速度を減速している。
また、上記の入力装置1では、操作スライド部材7が第1操作位置S1から第2操作位置S2まで移動するとき、一対の付勢部材15の各々の個別の付勢力fの直交成分fvは、相殺されている。このため、操作スライド部材7は、一対の付勢部材15から左方向又は右方向(すなわち操作スライド部材7の移動方向(上下方向)に直交する方向)に向いた付勢力を受けない。したがって、操作スライド部材7は、スライドベース5の左側面又は右側面との間、及び操作スライド部材7の上側ボス72gとケース3のガイド溝32hとの間で摩擦抵抗を殆ど発生させない。この結果、操作スライド部材7は、スライドベース5に対して円滑に移動する。
また、上記の入力装置の動作において、操作スライド部材7は、下方に移動して第2操作位置S2に到達したとき、操作スライド部材7の下側接触部73bとスライドベース5の下限ストッパ53bとが接触することで、下方への移動が停止する。その際、下側接触部73bの接触面N1と下限ストッパ53bの弾性部材53dとが接触する。これにより、操作スライド部材7の下側接触部73bと下限ストッパ53bとが接触するときの衝撃及び衝撃音を低減できる。
また、上記の入力装置1の動作において、レバー9が回転軸部32iを中心に回転するとき、レバー9は、操作スライド部材7の移動量よりも小さい移動量で、可動スライド部材11を第1位置Y1から第2位置Y2に移動させる。このため、ユーザは、操作スライド部材7に対しては、比較的大きな移動量でかつ比較的小さな操作力で移動可能である。これにより、表示面51a(すなわち表示プレート50)を大きく形成でき、表示面51aの視認性を向上できる。また、指操作でも負担無く操作スライド部材7を操作可能である。また、可動スライド部材11に対しては、比較的小さい移動量でかつ比較的速い移動速度で移動可能である。これにより、スイッチ19が比較的速く切り替えられるため、発電器20で、信号の生成及び送信に十分な誘導起電力を発生可能である。
なお、操作スライド部材7を第2操作位置S2から第1操作位置S1に移動させる場合の動作は、上述の動作(操作スライド部材7を第1操作位置S1から第2操作位置S2に移動させる場合の動作)を上下反転させた動作であるため、説明は省略する。
(変形例)
上記の実施形態は、本開示の様々な実施形態の一つに過ぎない。上記の実施形態は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。以下、上記実施形
態の変形例を列挙する。以下に説明する変形例は、適宜組み合わせて適用可能である。以下に説明する変形例では、上記の実施形態と異なる点を中心に説明する。また、以下の変形例では、上記の実施形態と同じ部分については、同じ符号を付して説明を省略する場合がある。
(変形例1)
上記の実施形態では、一対の付勢部材15の配置は、左右対称(すなわち鏡像対称)な配置であるが、左右対称な配置に限定されない。換言すれば、上記の実施形態では、一対の付勢部材15の各々の個別の反転位置は、互いに同じ位置であるが、互いに異なる位置であってもよい。具体的には、一対の付勢部材15の各々の一端部15aは、操作スライド部材7において上下方向に関して同じ位置になくてもよい(図14A)。すなわち、後側スライド部72の2つのボス部72hは、上下方向に関して同じ位置に無くてもよい。また、一対の付勢部材15の各々の他端部15bは、スライドベース5において上下方向に関して同じ位置になくてもよい(図14B)。この場合は、スライドベース5には、2つのボス部64が設けられる。2つのボス部54は、上下方向に関して同じ位置にない。一対の付勢部材15の各々の他端部15bは、2つのボス部54に固定される。
このように、一対の付勢部材15の各々の個別反転位置が互いに異なる位置であると、一対の付勢部材15から操作スライド部材7に作用する全付勢力の平行成分(第1付勢力F1及び第2付勢力F2)を低減できる。なお、全付勢力とは、一対の付勢部材15の各々の個別の付勢力fの合力であり、全付勢力の平行成分とは、全付勢力における上下方向(操作スライド部材7の移動方向)に水平な方向の成分である。これにより、操作スライド部材7が反転位置(中間位置S3)に向かって移動するときに一対の付勢部材15から受ける全付勢力の平行成分F1,F2は、操作スライド部材7の移動方向に逆向するが、この逆向する付勢力F1,F2を低減できる。この結果、操作スライド部材7を反転位置に向かって移動させるときの操作力を低減できる。なお、反転位置とは、全付勢力の平行成分F1,F2の向きが反転する位置である。
(変形例2)
上記の実施形態では、一対の付勢部材15の各々の一端部15aは、操作スライド部材7(操作部材)に固定され、一対の付勢部材15の各々の他端部15bは、スライドベース5(ガイド部材)に固定される。ただし、一対の付勢部材15の各々の一端部154aがスライドベース5に固定され、一対の付勢部材15の各々の他端部15bが操作スライド部材7に固定されてもよい。この場合も実施形態と同様の効果を奏する。
(変形例3)
上記の実施形態では、一対の付勢部材15の各々は、伸縮可能なアーム部材151と、複数の巻きばね152とを有する構成であるが、図15に示すように、一対の付勢部材15の各々は、トーションばね90で構成されてもよい。トーションばね90は、2つの腕部90a,90bを有する巻きばねである。各腕部90a,90bの先端部は、環状に湾曲されている。これにより、各腕部90a,90bの先端部は、各ボス部72h,54に回転可能に固定可能である。この場合、2つのボス部72hは、後側スライド部72の前面において、左右方向の中央から左右両側にずれた位置に配置される。そして、一対のトーションばね90の各々の一方の腕部90aの先端部はそれぞれ、2つのボス部72hに回転可能に固定される。一対のトーションばね90の各々の他方の腕部90bは、ボス部54に固定される。なお、一対のトーションばね90は、互いに干渉しないように、互いに前後方向にずれて配置されている。この場合は、簡単な構成で、操作スライド部材7を押す方向に付勢する付勢部材を構成できる。
(まとめ)
第1の態様の入力装置(1)は、操作部材(7)と、ガイド部材(5)と、一対の付勢部材(15)と、を備える。操作部材(7)は、入力操作によって一方向(例えば上下方向)に沿って往復可能に移動する。ガイド部材(5)は、操作部材(7)を一方向に沿って移動可能に支持する。一対の付勢部材(15)は、操作部材(7)を、一方向に沿って移動するように付勢する。一対の付勢部材(15)の各々から操作部材(7)に作用する個別の付勢力(f)において、一方向に直交する方向の直交成分(fv)は、互いに逆向きである。
この構成によれば、一対の付勢部材(15)の各々から操作部材(7)に作用する個別の付勢力(f)の直交成分(fv)は、互いに逆向きであるため、付勢部材(15)が1つの場合と比べて、操作部材(7)に作用する全付勢力の直交成分を低減できる。したがって、全付勢力の直交成分による操作部材(7)と周辺部材(スライドベース5の右側面又は左側面)との間の摩擦抵抗を低減でき、この結果、操作部材(7)を円滑に移動させることができる。全付勢力とは、一対の付勢部材(15)の各々の個別の付勢力(f)の合力であり、全付勢力の直交成分とは、全付勢力における一方向に直交する方向の成分である。
第2の態様の入力装置(1)では、第1の態様において、一対の付勢部材(15)の各々の個別の付勢力(f)において、一方向に平行な方向の平行成分(fh)の合力(F1,F2)は、操作部材(7)の移動範囲(Q1)内の反転位置(S3)で反転し、操作部材(7)が反転位置(S3)から離れたとき、操作部材(7)を反転位置(S3)から遠ざける方向に付勢する。
この構成によれば、操作部材(7)が反転位置(S3)を通過すると、一対の付勢部材(15)からの付勢力(F1,F2)によって操作部材(7)が後押しされるため、操作部材(7)の操作力を軽減できる。
第3の態様の入力装置(1)では、第1又は第2の態様において、一対の付勢部材(15)の各々の個別の付勢力(f)は、操作部材(7)を押す方向に作用する。
この構成によれば、一対の付勢部材(15)によって、効果的に、操作部材(7)が反転位置(S3)から離れたとき、操作部材(7)を反転位置(S3)から遠ざける方向に付勢することができる。
第4の態様の入力装置(1)では、第3の態様において、一対の付勢部材(15)の各々は、伸縮可能なアーム部材(151)と、アーム部材(151)を伸びる方向に反発させるばね部材(巻きばね152)と、を有する。
この構成によれば、簡単な構成で、操作部材(7)を押す方向に付勢する付勢部材(15)を構成できる。
第5の態様の入力装置(1)では、第4の態様において、ばね部材は、複数の巻きばね(152)で構成される。
この構成によれば、ばね部材が1つの巻きばねで構成される場合と比べて、複数の巻きばね(152)の各々の直径を小さくしても、ばね部材に必要なばね力を確保できる。これにより、複数の巻きばね(152)の直径を小さくできる分、一対の付勢部材(15)の各々を薄型化できる。
第6の態様の入力装置(1)では、第3の態様において、一対の付勢部材(15)の各々は、トーションばね(90)で構成される。
この構成によれば、簡単な構成で、操作部材(7)を押す方向に付勢する付勢部材(15)を構成できる。
第7の態様の入力装置(1)では、第2の態様において、移動範囲(Q1)において、一対の付勢部材(15)の各々の個別の付勢力(f)の平行成分(fh)の向きが反転する個別反転位置は、互いに同じ位置である。
この構成によれば、一対の付勢部材(15)の各々の個別の付勢力(f)の直交成分(fv)を、効果的に相殺できる。
第8の態様の入力装置(1)では、第2の態様において、移動範囲(Q1)において、一対の付勢部材(15)の各々の個別の付勢力(f)の平行成分(fh)の向きが反転する個別反転位置は、互いに異なる位置である。
この構成によれば、一対の付勢部材(15)の各々から操作部材(7)に作用する全付勢力の平行成分(F1,F2)を低減できる。なお、全付勢力とは、個別の付勢力(f)の合力であり、全付勢力の平行成分(F1,F2)とは、全付勢力における一方向(上下方向)に平行な方向の成分である。これにより、操作部材(7)が反転位置(S3)に向かって移動するときに一対の付勢部材(15)から受ける全付勢力の平行成分(F1,F2)は、操作部材(7)の移動方向に逆向するが、この逆向する付勢力(F1,F2)を低減できる。この結果、操作部材(7)を反転位置(S3)に向かって移動させるときの操作力を低減できる。なお、反転位置(S3)とは、全付勢力の平行成分(F1,F2)の向きが反転する位置である。
第9の態様の入力装置(1)では、第1〜第6の態様の何れか1つの態様において、一対の付勢部材(15)の各々の一端部(15a)は、操作部材(7)及びガイド部材(5)のうちの一方に固定される。一対の付勢部材(15)の各々の他端部(15b)は、ガイド部材(5)及びガイド部材(5)のうちの他方に固定される。操作部材(7)の正面から見て、一対の付勢部材(15)の各々の一端部(15a)の内側に、一対の付勢部材(15)の各々の他端部(15b)が配置されている。
この構成によれば、一対の付勢部材(15)の簡単な配置によって、一対の付勢部材(15)の各々の個別の付勢力(f)の直交成分(fv)を、互いに逆向きにできる。
第10の態様の入力装置(1)では、第9の態様において、一対の付勢部材(15)の各々の一端部(15a)は、一方向に関して同じ位置にある。一対の付勢部材(15)の各々の他端部(15b)は、一方向に関して同じ位置にある。
この構成によれば、一対の付勢部材(15)の簡単な配置で、操作部材(7)の移動範囲(Q1)において、一対の付勢部材(15)の各々の個別の付勢力(f)の平行成分(fh)の向きがそれぞれ反転する個別反転位置を、互いに同じ位置できる。
第11の態様の入力装置(1)では、第9の態様において、一対の付勢部材(15)の各々の一端部(15a)は、一方向(上下方向)に関して同じ位置にないか、又は、一対の付勢部材(15)の各々の他端部(15b)は、一方向に関して同じ位置にない。
この構成によれば、一対の付勢部材(15)の簡単な配置で、操作部材(7)の移動範囲(Q1)において、一対の付勢部材(15)の各々の個別の付勢力(f)の平行成分(fh)の向きがそれぞれ反転する個別反転位置を、互いに異なる位置にできる。
1 入力装置
5 スライドベース(ガイド部材)
7 操作スライド部材(操作部材)
15 一対の付勢部材
15a 一端部
15b 他端部
90 トーションばね
151 アーム部材
152 巻きばね(ばね部材)
f 個別の付勢力
fh 平行成分
fv 直交成分
F1 第1付勢力(全付勢力の平行成分)
F2 第2付勢力(全付勢力の平行成分)
Q1 移動範囲
S3 中間位置(反転位置)

Claims (11)

  1. 入力操作によって一方向に沿って往復可能に移動する操作部材と、
    前記操作部材を前記一方向に沿って移動可能に支持するガイド部材と、
    前記操作部材を、前記一方向に沿って移動するように付勢する一対の付勢部材と、を備え、
    前記一対の付勢部材の各々から前記操作部材に作用する個別の付勢力において、前記一方向に直交する方向の直交成分は、互いに逆向きである、
    入力装置。
  2. 前記一対の付勢部材の各々の前記個別の付勢力において、前記一方向に平行な方向の平行成分の合力は、前記操作部材の移動範囲内の反転位置で反転し、前記操作部材が前記反転位置から離れたとき、前記操作部材を前記反転位置から遠ざける方向に付勢する、
    請求項1に記載の入力装置。
  3. 前記一対の付勢部材の各々の前記個別の付勢力は、前記操作部材を押す方向に作用する、
    請求項1又は2に記載の入力装置。
  4. 前記一対の付勢部材の各々は、
    伸縮可能なアーム部材と、
    前記アーム部材を伸びる方向に反発させるばね部材と、を有する、
    請求項3に記載の入力装置。
  5. 前記ばね部材は、複数の巻きばねで構成される、
    請求項4に記載の入力装置。
  6. 前記一対の付勢部材の各々は、トーションばねで構成される、
    請求項3に記載の入力装置。
  7. 前記移動範囲において、前記一対の付勢部材の各々の前記個別の付勢力の前記平行成分の向きが反転する個別反転位置は、互いに同じ位置である、
    請求項2に記載の入力装置。
  8. 前記移動範囲において、前記一対の付勢部材の各々の前記個別の付勢力の前記平行成分の向きが反転する個別反転位置は、互いに異なる位置である、
    請求項2に記載の入力装置。
  9. 前記一対の付勢部材の各々の一端部は、前記操作部材及び前記ガイド部材のうちの一方に固定され、
    前記一対の付勢部材の各々の他端部は、前記ガイド部材及び前記ガイド部材のうちの他方に固定され、
    前記操作部材の正面から見て、前記一対の付勢部材の各々の前記一端部の内側に、前記一対の付勢部材の各々の前記他端部が配置されている、
    請求項1〜6の何れか1項に記載の入力装置。
  10. 前記一対の付勢部材の各々の前記一端部は、前記一方向に関して同じ位置にあり、
    前記一対の付勢部材の各々の前記他端部は、前記一方向に関して同じ位置にある、
    請求項9に記載の入力装置。
  11. 前記一対の付勢部材の各々の前記一端部は、前記一方向に関して同じ位置にないか、又は、前記一対の付勢部材の各々の前記他端部は、前記一方向に関して同じ位置にない、
    請求項9に記載の入力装置。
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