JP2021019328A - 送信装置及び受信装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】IPをベースとした通信伝送路に対して親和性の高いものとし、複数の放送伝送路を利用してTLVパケット形式でリオーダリングを考慮して所定のデータを分割しバルク伝送する送信装置及び受信装置を提供する。【解決手段】伝送システム1において、送信装置11は、信号源装置10から大容量のデータを入力してTLVパケット形式の信号に変換し、複数の放送伝送路に用いる伝送方式(ISDB−S3等)に準拠したフレーム長の分割フレームを定め、分割フレームの信号順序を一意に明示するための識別情報を付与し、複数の放送伝送路における各送信機12−1〜12m並びに必要に応じてIPネットワーク19を介して分割フレームを基準にデータを分割伝送する。受信装置17は、送信装置によってバルク伝送されたデータを受信する際に識別情報に基づき分割フレームを再構成してその有効データを連結して復元し外部へ出力する。【選択図】図1

Description

本発明は、衛星放送及び地上放送並びに固定通信及び移動通信の技術分野に関するものであり、特に、デジタルデータの時分割多重伝送に係る送信装置及び受信装置に関する。
デジタル伝送方式では、各サービスで利用可能な周波数帯域幅において、より多くの情報が伝送可能なよう、多値変調方式がよく用いられる。周波数利用効率を高めるには、変調信号1シンボル当たりに割り当てるビット数(変調次数)を高めるのが有効であるが、周波数1Hzあたりに伝送可能な情報速度の上限値と信号対雑音比の関係はシャノン限界で制限される。衛星伝送路を用いた情報の伝送形態の一例として、衛星デジタル放送が挙げられる。
現在利用されている衛星デジタル放送では、誤り訂正符号を用いた受信装置における情報訂正が行われている。パリティビットと呼ばれる冗長信号を送るべき情報に付加することで信号の冗長度(符号化率)を制御し、雑音に対する耐性を上げることが可能である。誤り訂正符号と変調方式は密接に関わっており、信号対雑音比に対する周波数利用効率の理論的な上限値はシャノン限界と呼ばれる。シャノン限界に迫る性能を有する強力な誤り訂正符号の一つとしてLDPC(Low Density Parity Check)符号が1962年にギャラガーによって提案されている(例えば、非特許文献1参照)。
LDPC符号は、非常に疎な検査行列H(検査行列の要素が0と1からなり、且つ1の数が非常に少ない)により定義される線形符号である。
LDPC符号は符号長を大きくし、適切な検査行列を用いることによりシャノン限界に迫る伝送特性が得られる強力な誤り訂正符号であり、現在又は次世代の放送サービスである4K・8Kスーパーハイビジョン衛星放送の伝送方式を規定するARIB STD−B44(以下、高度衛星放送方式(ISDB−S3)と呼ぶ。例えば、非特許文献2参照)においてもLDPC符号が採用されている。多値変調とLDPC符号をはじめとする強力な誤り訂正符号を組み合わせることで、より高い周波数利用効率の伝送が可能となってきている。
高度衛星放送方式(ISDB−S3)を例にした場合、本方式におけるLDPC符号の符号長は、前方向誤り訂正方式(FEC:Forward Error Correction)フレームで構成され、44880ビットであり、BPSK限界(信号点配置をBPSKとした場合の信号対雑音比に対する周波数利用効率の理論的な上限値)から約1dB以内の性能を有することが示されている(例えば、非特許文献3参照)。
尚、高度衛星放送方式(ISDB−S3)においては、LDPC符号化率として、41/120(≒1/3)、49/120(≒2/5)、61/120(≒1/2)、73/120(≒3/5)、81/120(≒2/3)、89/120(≒3/4)、93/120(≒7/9)、97/120(≒4/5)、101/120(≒5/6)、105/120(≒7/8)、及び、109/120(≒9/10)の11種類が定められている。
ところで、昨今、現行の衛星・地上放送による2Kサービスや、衛星放送による4K・8Kスーパーハイビジョンに加え、新たに地上放送による4K・8Kスーパーハイビジョンの提供が期待されている。しかしながら、衛星放送で使用される12GHz帯に着目すると、利用可能な周波数はひっ迫しており、4K・8Kサービスを超える次世代コンテンツの伝送にむけては十分な周波数帯域幅を確保することが困難な状況にある。
そこで、十分な帯域幅が確保できない状況において、大容量伝送を帯域毎に分割して伝送するバルク伝送という技術がある(例えば、特許文献1参照)。通信分野においてもデータを分割送信する技術が知られており、キャリアアグリーションとして実現されている(例えば、非特許文献4参照)。
特開2009−260408号公報
R. G Gallager, "Low Density Parity Check Codes," in Research Monograph series Cambridge, MIT Press, 1963 "高度広帯域衛星デジタル放送の伝送方式(ISDB−S3) 標準規格 ARIB STD-B44 2.1版"、[online]、平成28年3月25日改定、ARIB、[令和1年7月10日検索]、インターネット〈URL:https://www.arib.or.jp/kikaku/kikaku_hoso/std-b44.html〉 鈴木他, "高度BSデジタル放送用LDPC符号の設計"、映像情報メディア学会誌、一般社団法人映像情報メディア学会、映像情報メディア vol.62、No.12、2008年12月1日、pp.1997-2004 "キャリアアグリゲーションの概要"、[online]、[令和1年7月10日検索]、インターネット〈URL:http://www.kddi.com/yogo/%E9%80%9A%E4%BF%A1%E3%82%B5%E3%83%BC%E3%83%93%E3%82%B9/%E3%82%AD%E3%83%A3%E3%83%AA%E3%82%A2%E3%82%A2%E3%82%B0%E3%83%AA%E3%82%B2%E3%83%BC%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3.html〉
上述したように、十分な帯域幅が確保できない状況において、大容量伝送を帯域毎に分割して伝送するバルク伝送という技術が知られている。
また、昨今は放送と通信の融合に伴い、電波の垣根を越えた伝送形態の多様化が進んでおり、特にIP(Internet Protocol)をベースとした通信伝送方式における通信伝送路と放送伝送路とを利用してデータ伝送する伝送システムの構築が進んでいる。第5世代移動通信システム(5G)を始めとした次世代通信ネットワークも、放送伝送路(特に、衛星伝送路)との融合が有効であり、今後、放送伝送方式は、IPをベースとした通信伝送方式との共通化への要望が更に加速することが想定される。
例えば12GHz帯における衛星放送用周波数のひっ迫した状況下で、大容量伝送を可能とするバルク伝送の放送技術は、IPをベースとした通信伝送方式に対しても親和性の高いものが要望される。即ち、今後、データ伝送に関して十分な帯域幅が確保できない状況において、複数の放送伝送路を利用して大容量データを帯域(周波数割り当て)毎に分割してバルク伝送するとともに、IPをベースとした通信伝送方式における通信伝送路へと融合し、容易に伝送データを転換又は結合できる技法が望まれる。少なくとも、4K・8K衛星放送で利用される高度衛星放送方式(ISDB−S3)では、今後、IPをベースとした通信伝送路に対して親和性の高いものとし、複数の放送伝送路を利用して大容量データを帯域(周波数割り当て)毎に分割してバルク伝送するよう制御するための送信装置及び受信装置が必要である。
また、バルク伝送を実現する上での制御に関する技術的課題は、分割した各種信号を伝送する際に、信号伝達の過程で信号が前後に入れ替わるリオーダリングが発生する。特に、IPネットワークでは信号伝達順序は保証されないため、リオーダリングは度々発生する。
よって、本発明の目的は、上述の問題に鑑みて、IPをベースとした通信伝送路に対して親和性の高いものとし、複数の放送伝送路を利用してTLV(Type Length Value)パケット形式で所定のデータを分割してバルク伝送するために、リオーダリング等の信号順序の入れ替えの発生に対しても受信側で適切に信号順序を元の並びに戻すことを可能とする送信装置及び受信装置を提供することにある。
本発明の送信装置は、複数の放送伝送路を利用してTLV(Type Length Value)パケット形式で所定のデータをバルク伝送する送信装置であって、信号源装置からバルク伝送の対象となる所定のデータを入力し、TLVパケット形式の信号に変換するTLV信号生成手段と、当該バルク伝送に用いる複数の放送伝送路に対して共通する伝送方式に準拠したフレーム長の分割フレームを定め、当該所定のデータの伝送に要する情報ビットレートが当該複数の放送伝送路の最大伝送レート内に収まるときは当該複数の放送伝送路に応じた数の基本分割スロットで当該分割フレームを構成し、当該所定のデータの伝送に要する情報ビットレートが当該複数の放送伝送路で伝送可能な最大伝送レートを超えるときは更にIP(Internet Protocol)ネットワークの通信伝送路経由で伝送するための所定数の基本分割スロットを加えて当該分割フレームを構成し、該分割フレームを基準に前記TLVパケット形式の信号に変換された所定のデータを分割伝送するよう、当該複数の放送伝送路における各送信機、並びに当該通信伝送路への接続を制御する分割フレーム生成手段と、を備え、前記分割フレーム生成手段は、前記分割フレームを構成する各基本分割スロット内に、前記分割フレームの信号順序を一意に明示するための識別情報を付与する手段を有することを特徴とする。
また、本発明の送信装置において、前記分割フレーム生成手段は、当該分割フレームを構成する各基本分割スロットに対し、その先頭のTLVパケットを示す先頭TLVパケットを各基本分割スロット内の他のTLVパケットとは区別するようTLVヘッダ内の設定で定め、いずれの分割フレームにおける、いずれの基本分割スロットの先頭を示すTLVパケットであるかを受信側で識別できるようにして当該分割フレームを構成することを特徴とする。
また、本発明の送信装置において、前記分割フレーム生成手段は、各基本分割スロットの先頭のTLVパケットを示す先頭TLVパケット内のパケットタイプフィールドの数値を所定の初期値からインクリメントして割り当て、所定範囲内で当該インクリメントを繰り返すことにより前記識別情報を形成して、各基本分割スロット内に付与する手段を有することを特徴とする。
また、本発明の送信装置において、前記分割フレーム生成手段は、当該分割フレームを構成する際に、当該複数の放送伝送路の各々の符号化変調方式に基づきそれぞれ対応する情報ビットレートを算出し、各基本分割スロットを構成する当該分割フレームのフレーム長が一定値になるよう各情報ビットレートに応じて割り当てたデータの後段にヌルを挿入して当該複数の放送伝送路用の基本分割スロット、並びに当該複数の放送伝送路用に合わせて当該通信伝送路用の基本分割スロットを形成することを特徴とする。
また、本発明の送信装置において、前記分割フレーム生成手段は、TLVパケット形式で前記所定のデータを分割してバルク伝送する際に、当該分割フレームを構成する基本分割スロットのスロット分割数を変更可能とし、当該分割フレームを構成する基本分割スロットのスロット分割数及び各基本分割スロットの固有番号の情報を受信側に通知する手段を有することを特徴とする。
また、本発明の送信装置において、前記分割フレーム生成手段により構成した分割フレームがIPネットワークの通信伝送路経由で伝送するための所定数の基本分割スロットを含む際に、該所定数の基本分割スロットに対して、当該IPネットワークと整合するIPベースのパケットに分割し、且つ分割した各IPベースのパケットに対しパケットの信号順序を一意に明示するためのIPシーケンス番号を付与して、受信装置向けに伝送するIPカプセル化手段を更に備えることを特徴とする。
更に、本発明の受信装置は、本発明の送信装置によってバルク伝送された当該所定のデータを受信する受信装置であって、当該複数の放送伝送路、並びに当該通信伝送路を経てバルク伝送されたTLVパケット形式の信号を受信し、IPネットワークの通信伝送路経由で伝送されたIPベースのパケットに対してはIPデカプセル化を施し、該パケット内に付与される信号順序を一意に明示するためのIPシーケンス番号に基づいて信号順序を整列した後、TLV信号を抽出して当該所定数の基本分割スロットを再構成し、前記識別情報に基づいて、該送信装置で生成した分割フレームを再構成するよう並び替えを行う分割フレーム再構成手段と、当該再構成した分割フレームに基づく各基本分割スロットの有効データについて連結し、前記信号源装置から送出されたものと同じ信号形式の所定のデータを復元し、外部出力する出力信号生成手段と、を備えることを特徴とする。
また、本発明の受信装置において、前記分割フレーム再構成手段は、当該複数の放送伝送路、並びに当該通信伝送路を経て受信したTLVパケット形式の信号のうちTLVヘッダ内の設定情報を基に先頭TLVパケットを判別して、いずれの分割フレームにおける、いずれの基本分割スロットの先頭を示すTLVパケットであるかを識別して基本分割フレーム間のTLVヘッダを判別し、該送信装置で生成した分割フレームを再構成するよう並び替えを行うことを特徴とする。
また、本発明の受信装置において、前記識別情報は、各基本分割スロットの先頭のTLVパケットを示す先頭TLVパケット内のパケットタイプフィールドの数値を所定の初期値からインクリメントして割り当て、所定範囲内で当該インクリメントを繰り返すことにより形成されて、各基本分割スロット内に付与されており、前記分割フレーム再構成手段は、当該複数の放送伝送路、並びに当該通信伝送路を経て受信したTLVパケット形式の信号のうち、前記識別情報として付与された先頭TLVパケット内のパケットタイプフィールドの数値を基に、当該分割フレームを再構成するよう並び替えを行うことを特徴とする。
また、本発明の受信装置において、前記分割フレーム再構成手段は、当該分割フレームを再構成する際に、当該複数の放送伝送路の各々の符号化変調方式に基づきそれぞれ対応する情報ビットレートを算出し、各基本分割スロットを構成する当該分割フレームのフレーム長が一定値になるよう各情報ビットレートに応じて割り当てたデータの後段にヌルを挿入して当該複数の放送伝送路用の基本分割スロット、並びに当該複数の放送伝送路用に合わせて当該通信伝送路用の基本分割スロットを形成することを特徴とする。
また、本発明の受信装置において、前記分割フレーム生成手段は、該送信装置から事前通知された、当該分割フレームを構成する基本分割スロットのスロット分割数及び各基本分割スロットの固有番号の情報を基に、当該再構成する分割フレームの構造を識別する手段を有することを特徴とする。
本発明によれば、放送伝送路の周波数がひっ迫する環境においても、データ伝送に係る全体の伝送容量を高め、IPとの親和性の高い伝送システムを実現することが可能となる。特に、送信装置及び受信装置間のデータ伝送同期を容易、且つ安定化して、利用する放送伝送路及び通信伝送路に対する接続容易性(接続タイミングの同期容易性)を向上させることができ、リオーダリング等の信号順序の入れ替えの発生に対しても、受信装置は適切に信号順序を元の並びに戻すことが可能となる。
本発明による一実施例の送信装置及び受信装置を備える伝送システムの概略構成を示すブロック図である。 本発明による一実施例の送信装置の概略構成を示すブロック図である。 本発明による一実施例の送信装置で用いるTLVパケットの構成図である。 本発明による一実施例の送信装置で用いる分割フレームの構成図である。 本発明による一実施例の送信装置で用いる分割フレームに係る先頭TLVパケットの構成図である。 本発明による一実施例の送信装置において、分割フレームを構成する各基本分割スロット内に、分割フレームの信号順序を一意に明示するための識別情報として、先頭TLVパケット内のパケットタイプフィールドの数値を所定範囲でインクリメント付与する例を示す図である。 本発明による一実施例の送信装置で制御する各送信機(例:ISDB−S3)の変調方式、LDPC符号化率、基本分割スロットのペイロードサイズ、及び挿入するヌルTLVパケット長の関係を例示する図である。 送信機(例:ISDB−S3)がサポートする符号化変調方式として16APSK(LDPC符号化率:7/9)固定時における基本分割スロットの構成例である。 本発明による一実施例の送信装置において、分割フレーム内にIPネットワーク経由の伝送を利用する基本分割スロットを含むときに、IPベースのパケットの分割伝送のために付与されるIPシーケンス番号を含むパケット構造を示す図である。 各送信機(例:ISDB−S3)がサポートする符号化変調方式として16APSK(LDPC符号化率:7/9)固定時におけるフレーム分割数5(4個の送信機(放送伝送路)用及び1個のIPネットワーク(通信伝送路)用の基本分割スロット)の構成例である。 本発明による一実施例の受信装置の概略構成を示すブロック図である。
以下、図面を参照しながら、本発明による一実施例の送信装置11及び受信装置17を備える伝送システム1を詳細に説明する。
(伝送システム)
図1は、本発明による一実施例の送信装置11及び受信装置17を備える伝送システム1の概略構成を示すブロック図である。図1に示す伝送システム1の例では、信号源装置10、送信装置11、m(m>1)台の送信機12‐1,12‐2,…,12‐m(以下、総括して「送信機12」とも称する。)、m台の送信アンテナ13‐1,13‐2,…,13‐m(以下、総括して「送信アンテナ13」とも称する。)、放送衛星14、本例では1台の受信アンテナ15、m台の受信機16‐1,16‐2,…,16‐m(以下、総括して「受信機16」とも称する。)、受信装置17、表示装置18、及びIPネットワーク19を備えるように構成される。
本実施例に係る伝送システム1におけるm台の送信機12、及びこれにそれぞれ対応するm台の受信機16の各々は、高度衛星放送方式(ISDB−S3)に準拠した装置であり、ISDB−S3でサポートされる符号化変調方式(LDPC符号、及び現行規格上で最大多値変調32APSK)でデータ伝送可能としている。つまり、送信機12‐mは、伝送するデータに対し所定のLDPC符号化率に従うLDPC符号化処理を施し(BCH符号を付加することもある)、所定の変調方式に従うマッピングを施した変調信号を生成し、放送衛星14に向けてアップリンクする。放送衛星14は、当該変調信号を受信アンテナ15に向けてダウンリンクする。受信機16‐mは受信アンテナ15を介して当該変調信号を受信して送信機12‐mの符号化変調方式に対応する復調・復号処理を施し、送信機12‐mから伝送される当該データを復元する。尚、m台の受信機16の機能を有する1台の受信機としてもよい。
つまり、m台の送信機12、m台の送信アンテナ13、放送衛星14、受信アンテナ15、及びm台の受信機16は、所謂、Multi-Input Multi-Output(MIMO)又はMulti-Input Single-Output(MISO)の放送伝送システムと同様に、複数(m個)の放送伝送路を構成している。IPネットワーク19は、IPをベースとした通信伝送方式における通信伝送路を構成している。例えば、IPネットワーク19は、IPv4又はIPv6等のインターネットプロトコルで構成された一般的な通信伝送路とすることができる。尚、本例では、放送伝送路として、複数の衛星伝送路を用いる例を説明するが、これに限定するものではなく、次世代の複数の地上伝送路を用いたものとしてもよい。
そして、送信装置11は、複数の放送伝送路(本例では、衛星伝送路)と、必要であればIPネットワーク19による通信伝送路を利用して、信号源装置10から取得する大容量データを受信装置17に向けてバルク伝送するよう、m台の送信機12を制御する。
図1に示す信号源装置10は、本伝送システム1で伝送するデータを送信装置11に対して送出する装置であり、送信装置11がIPネットワーク19による通信伝送路をも利用できるようになっていることから、m台の送信機12で伝送可能な最大伝送レート(32APSK(9/10)において147.4578Mbpsの情報ビットレート)よりも高い伝送レートであっても送信装置11に対してデータを送出することができるようになっている。
例えば、送信装置11は、信号源装置10からm台の送信機12で伝送可能な最大伝送レートを超えるIallの情報ビットレートのデータを入力し、m台の送信機12及びIPネットワーク19に対して、図4を参照して後述する分割フレームに基づいて当該データを分配して出力する。具体的には、送信装置11は、送信機12‐1に対しては情報ビットレートIで、送信機12‐2に対しては情報ビットレートIで、送信機12‐mに対しては情報ビットレートIで分配し、m台の送信機12で伝送可能な最大伝送レートを超える残りのデータに関して、IPネットワーク19に対しては情報ビットレートIで、信号源装置10から取得する大容量データを分配して出力する。
信号源装置10から取得する大容量データの情報ビットレートがIallの場合、そのIallと送信装置11による分配後の情報ビットレートI,I,…,Iとの間には、情報ビットレートの計測範囲を送信すべき映像、音声等の実データ(ヘッダを除くペイロード)に限定した場合、以下の式(1)が成立する。
ここで、送信装置11は、信号源装置10から取得する大容量データを伝送するにあたり、衛星伝送路として利用するm台の送信機12を予め決定しており、m台の送信機12の各々で設定される変調方式及びLDPC符号化率によって伝送可能な最大値が定まるため、m台の送信機12の各々から、当該変調方式及びLDPC符号化率を指定するTMCC(Transmission and Multiplexing Configuration Control)情報(TMCC,TMCC,…,TMCC)を取得することで、当該情報ビットレートI,I,…,Iを定めることができる。尚、m台の送信機12が固定の符号化変調方式を用いるものとして予め定めているときは、TMCC情報を取得することなく、当該情報ビットレートI,I,…,Iを定めることができる。
そして、送信装置11は、信号源装置10から取得する大容量データの情報ビットレートIallがIPネットワーク19を利用することなくm台の送信機12のみで伝送可能である時、そのm台の送信機12の範囲内で当該大容量データを分配する。
m台の送信機12は、それぞれに分配された当該情報ビットレートI,I,…,Iの各データに関してそれぞれの符号化変調方式に基づく変調信号を生成して、それぞれの送信アンテナ13を介して放送衛星14にアップリンクする。
放送衛星14にアップリンクされたm台の送信機12からの各変調信号は、当該放送衛星14がカバーするサービスエリアにおける受信アンテナ15に向けて、一斉にダウンリンクする。
m台の受信機16は、それぞれ受信アンテナ15を介してm台の送信機12からの対応する変調信号を受信して、m台の送信機12の各々における符号化変調方式に対応する復調・復号処理を施し、m台の送信機12から伝送される各データを復元し、TMCC情報(TMCC,TMCC,…,TMCC)とともに受信装置17に送出する。
受信装置17は、本例ではm台の受信機16から得られるTMCC情報(TMCC,TMCC,…,TMCC)を基に、当該m台の送信機12から伝送される当該情報ビットレートI,I,…,Iの各データについて図4を参照して後述する分割フレームを再構成する。また、受信装置17は、送信装置11からIPネットワーク19を経て送出される分配後の一部データ(情報ビットレートIのデータ)があるときは、そのデータをも受信して、図4を参照して後述する分割フレームを再構成する。
そして、受信装置17は、m台の受信機16及びIPネットワーク19を経由して伝送された分割データ(情報ビットレートI,I,…,Iのデータ)の全てを受信し、再構成した当該分割フレームにおける各基本分割スロットの有効データについて各基本分割スロットの昇順に連結し、信号源装置10から送出されたものと同じ信号形式の大容量データ(情報ビットレートIallで伝送されたものとしたときと等価なデータ)を復元し、表示装置18に適した出力信号を生成して表示装置18に出力する。
表示装置18は、受信装置17を介して、信号源装置10から送出された大容量データを再生する。尚、表示装置18の代わりに、大容量データを記録媒体に記録する記録装置としてもよい。
また、送信装置11と信号源装置10との間、及び送信装置11とm台の送信機12との間の接続は、専用線による直接的な通信形態としてもよいし、IPベースのローカルエリアネットワークを介した接続としてもよい。同様に、受信装置11と表示装置18との間、及び受信装置11とm台の受信機16との間の接続は、専用線による直接的な通信形態としてもよいし、IPベースのローカルエリアネットワークを介した接続としてもよい。
以下、より具体的に、本発明に係る一実施例の送信装置11について詳細に説明する。
(送信装置)
図2は、本発明による一実施例の送信装置11の概略構成を示すブロック図である。この送信装置11は、TLV信号生成部111、分割フレーム生成部112、及びIPカプセル化部113、を備える。
TLV信号生成部111は、信号源装置10から、情報ビットレートIallの大容量データ(映像及び音声等を含む)を入力し、TLVパケット形式の信号(例えば、ARIB STD−B32,第3分冊,P.20,3.5,TLVパケット参照)に変換(格納)して分割フレーム生成部112に出力する。
例えば、信号源装置10は、情報ビットレートIallの大容量データとして、IPベースの可変長信号(以下、「IP信号」と称する。)でTLV信号生成部111に送出する例を説明する。このようなIP信号は、例えばイーサネット(登録商標)のフレームに格納されたIPパケットであってもよい。
TLV信号生成部111は、IP信号の形式で入力される場合、信号源装置10から得られる可変長のIPパケットのパケット長を判別し、図3に示すようにTLVパケット形式の信号に準拠した4バイト長のTLVヘッダを生成し、TLVパケットペイロードの部分に付与する。通常、TLVヘッダは、パケットタイプフィールド(“0x7F”を示す1バイトと、タイプ(Type)を示す1バイト)と、パケット長さフィールド(length)を示す2バイトから構成される。
ここで、図3ではTLVパケットペイロード内にIPパケットを格納するよう変換する例を示しているが、TLV信号生成部111は、TLVパケットペイロード内に格納するために信号源装置10から取得する情報ビットレートIallの大容量データとして、イーサネット(登録商標)のフレームに格納されたものや、IPパケットの形式のもの、或いは、純粋な映像及び音声等のRAWデータであってもよい。TLV信号生成部111は、任意の信号形式(ヘッダを有するものであれば図3に示すようにそのまま格納)で信号源装置10から取得する大容量データを、TLVヘッダを付与したTLV信号に変換することで、後述する分割フレーム生成部112の入力信号としてTLVパケット形式の信号に限定することが可能となる。
例えば、情報ビットレートIallの大容量データは、図3に示すように、IPパケットとして構成され、そのIPパケット内には、IPヘッダ及びIPパケットペイロードの他、他のヘッダ情報(例えばUDP(User Datagram Protocol)ヘッダ等)が付与されたものでもよく、更にそのIPパケットペイロード内では、MMTPヘッダとMMTPパケットペイロードからなるMMTPパケットを構成するMMT信号を構成したものであってもよい。このように、情報ビットレートIallの大容量データが、ヘッダを有するものであれば図3に示すようにそのままTLVパケットペイロードに格納する。これにより本伝送システム1を経由した後でもIPベースの信号伝送に悪影響を及ぼすことがなく親和性の高いものすることができる。
ところで、本発明に係る送信装置11は、以下に説明するように、分割フレーム生成部112を備えることで、IPベースの信号伝送に親和性の高いものするだけでなく、ISDB−S3形式のフレーム構造とも親和性が良くなるようにしている。
分割フレーム生成部112は、m台の送信機12への分配に係る情報ビットレートを調整するための分割フレーム(図4参照)を構成して、この分割フレームに基づき、TLV信号生成部111から入力されるTLV信号を後続するm台の送信機12へ分割し、当該TLV信号がm台の送信機12で伝送可能な最大伝送レートを超える情報ビットレートIallのときはIPネットワーク19へも分割して分配する。
送信装置11は、信号源装置10から取得する大容量データを伝送するにあたり、衛星伝送路として利用するm台の送信機12を予め決定しており、m台の送信機12の各々で設定される変調方式及びLDPC符号化率によって伝送可能な最大値が定まるため、m台の送信機12の各々から、当該変調方式及びLDPC符号化率を指定するTMCC情報(TMCC,TMCC,…,TMCC)を取得することで、当該情報ビットレートI,I,…,Iを定めることができる。尚、m台の送信機12が固定の符号化変調方式を用いるものとして予め定めているときは、TMCC情報を取得することなく、当該情報ビットレートI,I,…,Iを定めることができる。m台の送信機12で伝送可能な最大伝送レートを超える残りのデータに関して、IPネットワーク19に対しては情報ビットレートIで、信号源装置10から取得する大容量データを分配する。
図4に示すように、分割フレーム生成部112によって生成される分割フレームは、横幅がフレーム長、縦幅が分割スロット数に相当し、この分割フレームは複数の基本分割スロットから構成される。各基本分割スロットは、そのフレーム長が放送伝送路の伝送方式(本例ではISDB−S3)の伝送フレーム長(ISDB−S3の120スロット分)に対応したものとなっており、放送伝送路の伝送方式と容易に同期が取れ(ISDB−S3の伝送フレーム120スロットと同期が取れ)、且つ放送伝送路の伝送方式(本例ではISDB−S3)がサポートする最大伝送レート時の符号化変調方式(ISDB−S3の例では、32APSK(LDPC符号化率:9/10))を収容可能とする設定となっている。即ち、m台の送信機12がISDB−S3に準拠したものとするときは、各基本分割スロットの伝送フレーム長を、120×40392ビット=4847040ビット(605880バイト)に設定する。
そして、分割フレーム生成部112に入力されたTLV信号は、4バイトのTLVヘッダ及び可変長のTLVパケットペイロードが順次、基本分割スロット#1から昇順に基本分割スロット#nまで収容される。ここで、基本分割スロット#1内のTLV信号は送信機12‐1用であり、基本分割スロット#2内のTLV信号は送信機12‐2用であり、基本分割スロット#m内のTLV信号は送信機12‐m用であり、基本分割スロット#n内のTLV信号はIPネットワーク19経由で伝送するためのものである。
尚、各基本分割スロット内のTLV信号を構成する各TLVパケットにおけるTLVヘッダ先頭1バイトの“0x7F”は当該放送伝送路におけるTLVパケットの先頭位置を判別するパターンとして使用される。
そこで、各基本分割スロットの先頭に配置されるTLVパケット(先頭TLVパケット)は、図5に示すように、基本分割スロット内におけるTLV信号の先頭位置を明示するものとなっている。図5は、本発明による一実施例の送信装置11で用いる分割フレームに係る先頭TLVパケットの構成図である。基本分割スロットの先頭位置におけるパケットタイプフィールドとして、既存のTLV信号形式では未定義領域である“0x04−0xFD”から、各分割フレームにおける各基本分割スロットの先頭TLVパケットを示す識別パターンを設定する。よって、図4及び図5に示す先頭TLVパケットは、デフォルト設定される他のTLVパケットとは異なるパケットタイプフィールドの値を設定し、いずれの分割フレームにおける、いずれの基本分割スロットの先頭を示すTLVパケットであるかを受信装置17側で識別できるようにする。
特に、本実施例の送信装置11における分割フレーム生成部112は、分割フレームを構成する各基本分割スロット内に、分割フレームの信号順序を一意に明示するための識別情報を付与する手段を有している。
図6は、本発明による一実施例の送信装置11において、分割フレームを構成する各基本分割スロット内に、分割フレームの信号順序を一意に明示するための識別情報として、先頭TLVパケット内のパケットタイプフィールドの数値を所定範囲でインクリメント付与する例を示す図である。図6に示すように、分割フレーム生成部112は、各基本分割スロットの先頭TLVパケット内のパケットタイプフィールドの数値を“0x04”(初期値)からインクリメントして割り当て、“0x04”−“0xFD”の範囲内で当該インクリメントを繰り返すようにして、当該識別情報を各基本分割スロット内に付与する。
より具体的には、図6に示す左端の分割フレームにおいて、各基本分割スロットの先頭TLVパケット内のパケットタイプフィールドに“0x04”を付与した場合、次の分割フレームに対しては“0x05”を、その次の分割フレームに対しては“0x06”を同様に付与する。つまり、分割フレーム毎に、1ずつインクリメントした値を先頭TLVパケット内のパケットタイプフィールドに付与し、“0xFD”が付与された分割フレームの次の分割フレームに対しては“0x04”を付与するようにして繰り返す。これにより、受信装置17における分割フレームの受信順序が、送信装置11側の送信順序と入れ替わりが生じるような場合でも、基本分割フレーム間の前後関係が識別可能となる。また、受信装置17側で、正しい順序の分割フレームに並び替えることができ、尚且つ、分割フレームと基本分割スロットとの紐づけが可能となる。
図4に示すように、各基本分割スロットは、m台の送信機12から取得するTMCC情報に基づき、情報ビットレートが調整された残りの領域を埋めるために、各基本分割スロットの後方からヌル(NULL)が挿入される。このヌルは、分割フレームにおける各TLVパケットの単位を明確にするために、可変長のヌルTLVパケット(“0xFF”を基本単位とする可変長パケット)としてもよいが、放送伝送路上では実際に伝送されない。
ISDB−S3がサポートする変調方式・LDPC符号化率の組合せは、55種類あり、限定するものではないが、例えばm台の送信機12の全てにおいて単一の変調方式・LDPC符号による符号化変調方式でデータ伝送を行うと定めた場合、図7に示すように、上記ヌル(NULL)長も55種類となる。図7は、本発明による一実施例の送信装置で制御する各送信機(例:ISDB−S3)の変調方式、LDPC符号化率、基本分割スロットのペイロードサイズ、及び挿入するヌルTLVパケット長の関係を例示する図である。
また、図4から理解されるように、通信伝送路(IPネットワーク19)経由でデータ分割して伝送する場合も放送伝送路でデータ分割して伝送する場合と同様に、1つの分割フレーム内で先頭TLVパケットを持つ基本分割スロットを構成している。このため、1つの分割フレームに対し、別途、フレームヘッダを設けることなく、受信装置17側では、各先頭TLVパケットにより各分割フレームを再構成できるようにしており、放送伝送路及び通信伝送路のいずれに対しても親和性の高い態様で、伝送効率も高いものとしている。
このようにして、分割フレーム生成部112は、図2に示す例ではTMCC情報に基づき適時、m台の送信機12への分配に係る情報ビットレートを調整するための分割フレーム(図4参照)を構成して、この分割フレームに基づき、TLV信号生成部111から入力されるTLV信号を後続するm台の送信機12へ分割し、当該TLV信号がm台の送信機12で伝送可能な最大伝送レートを超える情報ビットレートIallのときはIPネットワーク19へも分割して分配する。
そして、分割フレーム生成部112は、大容量データを分割フレーム単位で、m台の送信機12及びIPネットワーク19へ分配するよう動作するため、クロック同期で分配動作させる際に安定化するとともに、m台の送信機12の各々における伝送フレーム(本例ではISDB−S3の伝送フレーム)で収容可能なペイロードサイズが基本分割スロットのペイロードサイズと一致するため、容易にm台の送信機12に対し接続可能となる。
また、m台の送信機12の各々における符号化変調方式が個々に異なり、可変とする場合でも、分割フレーム生成部112は、m台の送信機12の各々から取得したTMCC情報に基づき、対応する各基本分割スロットのペイロードサイズを設定することができるため、m台の送信機12の各々に対する情報ビットレートが一定となるよう制御することができる。換言すると、m台の送信機12の各々のTMCC情報に基づき、基本分割スロットの情報ビットレートが定まることになる。
一例として、図8は、送信機12‐1(例:ISDB−S3)がサポートする符号化変調方式として16APSK(LDPC符号化率:7/9)固定時における基本分割スロットの構成例である。図8に示す例では、基本分割スロットあたり、99.9552Mbps伝送することが可能である。尚、基本分割スロット内のヌル(又はヌルTLVパケット)は、送信装置11と送信機12‐1の接続容易性やクロック同期管理を容易とするためのパディング的な機能であることから、送信機12‐1から放送伝送路上で実際に伝送されることはない。
尚、図2に示すように、分割フレーム生成部112は、m台の送信機12及びIPネットワーク19へのデータの分配数をTMCC情報に応じて可変とするとき(即ち、1分割フレームを構成する基本分割スロットの総数を可変とするとき)には、スロット分割数(本例ではn)及び各送信機12に対応する基本分割スロットを示す固有番号(本例では1〜m)の情報について、m台の送信機12の各々に通知して、m台の送信機12の各々におけるTMCC情報(TMCC,TMCC,…,TMCC)を用いてm台の送信機12から受信装置17に向けて伝送させるよう構成するのが好適である。これにより、詳細に後述する受信装置17が1分割フレームを容易に再構成することができるようになる。
利用するm台の送信機12の全てに通知するスロット分割数の情報は、図4に示す分割フレームにおける基本分割スロットの総数(n)の情報に相当する。m台の送信機12の各々に通知する基本分割スロットを示す固有番号(本例では1〜m)は、図4に示す各基本分割スロットを識別する固有番号に相当する。
図2に示す例では、分割フレーム生成部112は、スロット分割数(本例ではn)及び各送信機12に対応する基本分割スロットを示す固有番号(本例では1〜m)の情報を、m台の送信機12の各々から取得したTMCC情報の拡張領域に埋め込んで返信することで通知する。ISDB−S3はTMCC情報の拡張領域として3614ビット利用可能であり、スロット分割数及び基本分割スロットの固有番号の情報を独立して送信するために十分な空き領域を有する。ただし、これらのスロット分割数及び基本分割スロットの固有番号の情報はローカルエリアネットワーク経由で分割フレーム生成部112からm台の送信機12の各々に通知する形態でもよいし、各基本分割スロット内に埋め込んでもよい。
例えば、図3に示すようにTLVパケットペイロード内にMMT信号形式でデータを伝送するよう定めているときは、MMTPヘッダ内にスロット分割数及び基本分割スロットの固有番号の情報を埋め込んでもよい。MMTの場合、MMTPヘッダ内に拡張領域が確保されており、それらを利用してスロット分割数及び基本分割スロットの固有番号の情報を通知することも可能である。このように、MMTなど、固有のヘッダ情報を有する信号形式を格納するよう定めているときは、当該ヘッダ情報の空き領域を利用して通知する。また、スロット分割数を頻繁に変更することは想定しにくいため、各送信機12の周波数割り当てなど固有の情報について伝送時刻でスケジューリングしたスロット分割数及び基本分割スロットの固有番号の情報を送受(送信装置11及び受信装置17)間で予め定めて既知としておくか、又は当該大容量データの伝送前に送信装置11から受信装置17へ事前通知することも可能である。
図2に示すIPカプセル化部113は、情報ビットレートIで、信号源装置10から取得する大容量データを分配伝送する際に、図4に示す基本分割スロット♯nにおけるTLV信号についてIPv4又はIPv6等のインターネットプロトコルに従うヘッダ情報を付加しIPカプセル化を施してIPベースの信号(IPパケットやイーサネット(登録商標)フレーム等)を形成してIPネットワーク19に出力し、IPネットワーク19経由で受信装置17向けに伝送する。
特に、分割フレーム生成部112により構成した分割フレームがIPネットワーク19の通信伝送路経由で伝送するための所定数の基本分割スロットを含む際に、IPカプセル化部113は、この所定数の基本分割スロットに対して、当該IPネットワーク19と整合するIPベースのパケットに分割し、且つ分割した各IPベースのパケットに対しパケットの信号順序を一意に明示するためのIPシーケンス番号を付与して、受信装置17向けに伝送する手段を有している。
図9は、本発明による一実施例の送信装置11において、分割フレーム内にIPネットワーク経由の伝送を利用する基本分割スロットを含むときに、IPベースのパケットの分割伝送のために付与されるIPシーケンス番号を含むパケット構造を示す図である。図9に示すように、IPカプセル化部113は、IPネットワーク上では、IPベースのパケットの入れ替わり(リオーダリング)が発生することから、IPペイロード領域に16ビットのIPシーケンス番号(IPSN)を付与して受信装置17向けに伝送する。このIPシーケンス番号を受信装置17側で利用することで、受信装置17は、入れ替わりが生じたIPベースのパケットを適切な順序に並び替えることが可能となる。
受信装置17では、当該ヘッダ情報を基に受信したIPベースの信号を順番に並び替えた後、当該図4に示す基本分割スロット♯nにおけるTLV信号を抽出することになる。ただし、上述したように、送信装置11は、信号源装置10からm台の送信機12で伝送可能な最大伝送レートを超える情報ビットレートIallのデータを受信装置17に向けて伝送するときにのみIPネットワーク19への伝送を利用する。尚、図4に示す基本分割スロット♯nは、1スロット分に限らず複数スロットとしてもよいが、本実施例では主として伝送時刻の安定性の高い放送伝送路を用いる構成としているため、1スロット分としている。また、送信装置11から放送伝送路と通信伝送路を用いて大容量データを受信装置17へ分割伝送する上では、受信装置17側での当該分割スロットの再構成(各基本分割スロット内のTLVパケットの連結)の容易性の観点から、m台の送信機12で伝送するための基本分割スロットのサイズと整合する同サイズとしている。
図10は、各送信機(例:ISDB−S3)がサポートする符号化変調方式として16APSK(LDPC符号化率:7/9)固定時におけるフレーム分割数5(4個の送信機(放送伝送路)用及び1個のIPネットワーク(通信伝送路)用の基本分割スロット)の構成例である。図10に示す例は、送信装置11が、m=4とした4台の送信機12と接続し、4台の送信機12の全てが16APSK(LDPC符号化率:7/9)に設定され、更にIPネットワーク19分配用に16APSK(LDPC符号化率:7/9)と同一の基本伝送スロットを適用し、それを第nスロット(n=5)とした場合の基本分割スロットの構成例である。この場合、スロット分割数は5、基本分割スロットの固有番号は#1〜#5まで存在する。
上述したように、図2に示す実施例の送信装置11は、分割フレーム生成部112により、スロット分割数(5)及び各送信機12に対応する基本分割スロットを示す固有番号(本例ではm=1〜4)の情報について、m台の送信機12の各々に通知して、m台の送信機12の各々におけるTMCC情報(TMCC,TMCC,…,TMCC)を用いてm台の送信機12から受信装置17に向けて伝送させるよう構成するのが好適である。このため、以下、図2に示す送信装置11に対応する本発明に係る一実施例の受信装置17について詳細に説明する。
(受信装置)
図11は、本発明による一実施例の受信装置17の概略構成を示すブロック図である。この受信装置17は、分割フレーム再構成部171、IPデカプセル化部172、及び出力信号生成部173、を備える。
分割フレーム再構成部171は、m台の送信機12にそれぞれ対応するm台の受信機16から得られるTMCC情報(TMCC,TMCC,…,TMCC)を基に分割フレームの構造(基本分割スロットのスロット分割数等)を識別し、且つ各基本分割スロットを構成する先頭TLVパケットをTLVヘッダ内の設定情報を基に判別して並び替えを行い、当該m台の送信機12から伝送される当該情報ビットレートI,I,…,Iの各データについて各基本分割スロット内の後方でヌル(又はヌルTLVパケット)を挿入して図4を参照して上述した分割フレームを再構成する。尚、本例では、図4に示す分割フレームを再構成するためのスロット分割数及び各送信機12に対応する基本分割スロットを示す固有番号の情報が、TMCC情報(TMCC,TMCC,…,TMCC)を用いて伝送されている。ただし、複数の放送伝送路で用いられる符号化変調方式が予め既知である場合、且つm台の送信機12及びIPネットワーク19へのデータの分配数が可変でなく固定の場合や、送受間で予め既知であるようにスケジューリング又は事前通知されているときは、分割フレーム再構成部171は、当該TMCC情報(TMCC,TMCC,…,TMCC)を参照する必要なく、予め固定フレーム長である分割フレームを再構成することができる。
つまり、分割フレーム再構成部171は、上述した図5に示す先頭TLVパケットをTLVヘッダ内の設定で判別し、且つ分割フレームの信号順序を一意に明示するための識別情報(上記の実施例では、先頭TLVパケット内のパケットタイプフィールドの数値による)を判定することで、他のTLVヘッダと区別して各基本分割スロットの先頭位置及び分割フレーム間の適切な信号順序を把握することが可能である。そして、分割フレーム再構成部171は、図4に示す分割フレームを再構成するためのスロット分割数及び各送信機12に対応する基本分割スロットを示す固有番号の情報から、各基本分割スロットに対応する情報ビットレートでTLVパケット配置を決定し、所定量のヌル(又はヌルTLVパケット)を各基本分割スロットの後方に挿入することで、図4に示す分割フレームを再構成する。これにより、実際には放送伝送路及び通信伝送路では伝送されないヌル(又はヌルTLVパケット)を用いて分割フレームを正確に復元することで、各分割フレームにおける各基本分割スロット間の処理速度を一定に保ち処理を安定化させることが可能となり、放送伝送路及び通信伝送路における伝送遅延を補償することが可能となる。また、先頭TLVパケットにより各基本分割スロットの先頭位置を把握することが可能であるため、別途、フレームヘッダを設けることなく、受信装置17側では、各先頭TLVパケットにより各分割フレームを再構成することができ、放送伝送路及び通信伝送路のいずれに対しても親和性の高い態様で、伝送効率も高いものとなる。
IPデカプセル化部172は、送信装置11からIPネットワーク19を経て送出される分配後の一部データ(情報ビットレートIのデータ)があるときは、そのデータをもIPベースのパケットで受信してIPデカプセル化を施し、該パケット内に付与される信号順序を一意に明示するためのIPシーケンス番号に基づいて信号順序を整列した後、当該図4に示す基本分割スロット♯nにおけるTLV信号を抽出して、当該基本分割スロット♯nを再構成し、分割フレーム再構成部171に出力する。
これにより、分割フレーム再構成部171は、送信装置11からIPネットワーク19を経て送出される分配後の一部データ(情報ビットレートIのデータ)があるときは、そのデータをも受信して、上述した識別情報(上記の実施例では、先頭TLVパケット内のパケットタイプフィールドの数値による)に基づいて、図4を参照して上述した当該分割フレームを再構成するよう並び替えを行う。
出力信号生成部173は、分割フレーム再構成部171によって再構成した当該分割フレームにおける基本分割スロット#1から基本分割スロット#nまでのデータについて各基本分割スロットの昇順に、TLVヘッダ(先頭TLVヘッダを含む)及びヌルを削除した上で連結し(即ち、有効データについて連結し)、信号源装置10から送出されたものと同じ信号形式の大容量データ(情報ビットレートIallで伝送されたものとしたときと等価なデータ)を復元し、表示装置18に適した出力信号を生成して表示装置18に出力する。尚、表示装置18の代わりに、大容量データを記録媒体に記録する記録装置としてもよい。
以上のように、本発明に係る送信装置11及び受信装置17を備える伝送システム1は、TLVパケット形式で大容量データを分割してバルク伝送するよう構成される。そして、送信装置11は、当該バルク伝送に用いる複数の放送伝送路に対して共通する伝送方式に準拠したフレーム長の分割フレームを定める。特に、送信装置11は、当該大容量データの伝送に要する情報ビットレートが当該複数の放送伝送路の最大伝送レート内に収まるときは当該複数の放送伝送路に応じた数の基本分割スロットで当該分割フレームを構成し、当該大容量データの伝送に要する情報ビットレートが当該複数の放送伝送路で伝送可能な最大伝送レートを超えるときは更にIPネットワーク19の通信伝送路経由で伝送するための所定数の基本分割スロットを加えて当該分割フレームを構成する。そして、送信装置11は、この分割フレームを基準に当該TLVパケット形式の信号に変換された大容量データを分割伝送するよう、当該複数の放送伝送路における各送信機12、並びに当該通信伝送路(IPネットワーク19)への接続を制御するものとなっている。また、送信装置11は、分割フレームを構成する各基本分割スロット内に、分割フレームの信号順序を一意に明示するための識別情報(上記の実施例では、先頭TLVパケット内のパケットタイプフィールドの数値による)を付与する。これにより、当該大容量データの伝送に係る情報ビットレートを安定化せしめ、送信装置11及び受信装置17間のデータ伝送同期を容易、且つ安定化して、利用する放送伝送路及び通信伝送路に対する接続容易性(接続タイミングの同期容易性)を向上させることができ、リオーダリング等の信号順序の入れ替えの発生に対しても、受信装置17は適切に信号順序を元の並びに戻すことが可能となる。特に、放送伝送路の伝送方式をISDB−S3方式としたときに、分割フレームを構成する基本分割スロットを、ISDB−S3の120スロット分に対応したフレーム長としている。
更に、本発明に係る送信装置11は、当該分割フレームを構成する各基本分割スロットに対し、その先頭のTLVパケットを示す先頭TLVパケットを各基本分割スロット内の他のTLVパケットとは区別するようTLVヘッダ内の設定で定め、いずれの分割フレームにおける、いずれの基本分割スロットの先頭を示すTLVパケットであるかを受信装置17側で識別できるようにして分割フレームを構成する。そして、本発明に係る受信装置17においては、当該複数の放送伝送路、並びに当該通信伝送路を経て受信したTLVパケット形式の信号のうちTLVヘッダ内の設定情報を基に先頭TLVパケットを判別して、いずれの分割フレームにおける、いずれの基本分割スロットの先頭を示すTLVパケットであるかを識別して分割フレームを再構成する。これにより、別途、フレームヘッダを設けることなく、受信装置17側では、各先頭TLVパケットにより各分割フレームを再構成することができ、放送伝送路及び通信伝送路のいずれに対しても親和性の高い態様で、伝送効率も高いものとなる。
また、本発明に係る送信装置11及び受信装置17は、当該分割フレームを構成又は再構成する際に、当該複数の放送伝送路の各々の符号化変調方式に基づきそれぞれ対応する情報ビットレートを算出し、各基本分割スロットを構成する当該分割フレームのフレーム長が一定値になるよう各放送伝送路における情報ビットレートに応じて割り当てたデータの後段にヌルを挿入して当該複数の放送伝送路用の基本分割スロット、並びに当該複数の放送伝送路用に合わせて当該通信伝送路用の基本分割スロットを形成する。当該複数の放送伝送路の各々の符号化変調方式については当該複数の放送伝送路の各々の伝送制御に用いるTMCC情報から把握する構成とすることができる。これにより、例えば放送伝送路に用いる伝送方式がISDB−S3であるときは55種類の符号化変調方式が存在し、従来技法であればデータ分割の際にその55種類の符号化変調方式に応じて独立してクロック同期制御を行う必要が生じていたところ、本発明に係る送信装置11及び受信装置17では、そのような独立したクロック同期制御を行う必要がなくなり、各分割フレームにおける各基本分割スロット間の処理速度を一定に保ち処理を安定化させることが可能となり、放送伝送路及び通信伝送路における伝送遅延を補償することが可能となる。
また、本発明に係る送信装置11は、TLVパケット形式で大容量データを分割してバルク伝送する際に、分割フレームを構成する基本分割スロットのスロット分割数を変更可能とし、分割フレームを構成する基本分割スロットのスロット分割数及び各基本分割スロットの固有番号の情報を受信装置17に通知する手段を有する。尚、スロット分割数を頻繁に変更することは想定しにくいため、各送信機12の周波数割り当てなど固有の情報について伝送時刻でスケジューリングしたスロット分割数及び基本分割スロットの固有番号の情報を送受(送信装置11及び受信装置17)間で予め定めて既知としておくことも可能であるが、当該大容量データの伝送前に送信装置11から受信装置17へ事前通知する構成が有効である。
加えて、本発明に係る送信装置11は、分割フレームを構成する基本分割スロットのスロット分割数及び各基本分割スロットの固有番号の情報を当該複数の放送伝送路の各々の伝送制御に用いるTMCC情報内に埋め込んで受信装置17に通知するのが好適である。即ち、当該情報は、各基本分割スロット内に埋め込むことや、各基本分割スロット内のTLVパケットに格納される所定信号形式(MMT等)のヘッダ情報内に埋め込むことも可能であるが、TMCC情報内に埋め込んで受信装置17に通知する構成の方が利便性の高いものとなる。
また、本発明に係る送信装置11は、当該分割フレームを構成する際に、IPネットワークの通信伝送路経由で伝送するための所定数の基本分割スロットを含むものとするときに、この所定数の基本分割スロットに対して、当該IPネットワーク19と整合するIPベースのパケットに分割し、且つ分割したパケットの信号順序を一意に明示するためのIPシーケンス番号を付与して、受信装置17向けに伝送する。そして、本発明に係る受信装置17は、IPネットワークの通信伝送路経由で伝送された当該所定数の基本分割スロットに関する分割されたIPベースの各パケットを受信したときは、デカプセル化を施し、該パケット内に付与される信号順序を一意に明示するためのIPシーケンス番号に基づいて信号順序を整列した後、TLV信号を抽出して当該所定数の基本分割スロットを再構成する。これにより、IPベースの各パケットにリオーダリング等の信号順序の入れ替えの発生に対しても、受信装置17は適切に信号順序を元の並びに戻すことが可能となる。
上述した実施例に関して、送信装置11又は受信装置17として機能するコンピュータを構成させ、送信装置11又は受信装置17の各手段を機能させるためのプログラムを好適に用いることができる。具体的には、各手段を制御するための制御部をコンピュータ内の中央演算処理装置(CPU)で構成でき、且つ、各手段を動作させるのに必要となるプログラムを適宜記憶する記憶部を少なくとも1つのメモリで構成させることができる。即ち、そのようなコンピュータに、CPUによって該プログラムを実行させることにより、上述した各手段の有する機能を実現させることができる。更に、各手段の有する機能を実現させるためのプログラムを、前述の記憶部(メモリ)の所定の領域に格納させることができる。そのような記憶部は、装置内部のRAM又はROMなどで構成させることができ、或いは又、外部記憶装置(例えば、ハードディスク)で構成させることもできる。また、そのようなプログラムは、コンピュータで利用されるOS上のソフトウェア(ROM又は外部記憶装置に格納される)の一部で構成させることができる。更に、そのようなコンピュータに、各手段として機能させるためのプログラムは、コンピュータが読取り可能な記録媒体に記録することができる。また、上述した各手段をハードウェア又はソフトウェアの一部として構成させ、各々を組み合わせて実現させることもできる。
上述の実施例については代表的な例として説明したが、本発明の趣旨及び範囲内で、多くの変更及び置換することができることは当業者に明らかである。例えば、上述した実施例では、ISDB−S3方式の伝送方式の衛星伝送路を放送伝送路として利用する形態を説明したが、例えばISDB−S3方式と伝送フレーム構成がほぼ同様とすることが予定されている次世代の4K・8K等の地上伝送路を放送伝送路として利用する形態とすることも可能である。また、上述した実施例では、送信装置11と、m台の送信機12とを別個に備える形態を説明したが、送信装置11内にm台の送信機12を包含するよう設けたものであってもよい。従って、本発明は、上述の実施例によって制限するものと解するべきではなく、特許請求の範囲によってのみ制限される。
以上、特定の実施例を挙げて本発明を説明したが、本発明は前述の実施例に限定されるものではなく、その技術思想を逸脱しない範囲で種々変形可能である。例えば、上述した実施例では、主として衛星伝送路を放送伝送路として用いる例を説明したが、地上伝送路を放送伝送路として用いてもよい。
本発明によれば、放送伝送路の周波数がひっ迫する環境においても、データ伝送に係る全体の伝送容量を高め、IPとの親和性の高い伝送システムを実現することが可能となるので、複数種類のデジタル変調方式を用いて大容量データを分割し時分割多重する伝送システムの用途に有用である。
1 伝送システム
10 信号源装置
11 送信装置
12,12‐1,12‐2,…,12‐m 送信機
13,13‐1,13‐2,…,13‐m 送信アンテナ
14 放送衛星
15 受信アンテナ
16,16‐1,16‐2,…,16‐m 受信機
17 受信装置
18 表示装置
19 IPネットワーク
111 TLV信号生成部
112 分割フレーム生成部
113 IPカプセル化部
171 分割フレーム再構成部
172 IPデカプセル化部
173 出力信号生成部

Claims (11)

  1. 複数の放送伝送路を利用してTLV(Type Length Value)パケット形式で所定のデータをバルク伝送する送信装置であって、
    信号源装置からバルク伝送の対象となる所定のデータを入力し、TLVパケット形式の信号に変換するTLV信号生成手段と、
    当該バルク伝送に用いる複数の放送伝送路に対して共通する伝送方式に準拠したフレーム長の分割フレームを定め、当該所定のデータの伝送に要する情報ビットレートが当該複数の放送伝送路の最大伝送レート内に収まるときは当該複数の放送伝送路に応じた数の基本分割スロットで当該分割フレームを構成し、当該所定のデータの伝送に要する情報ビットレートが当該複数の放送伝送路で伝送可能な最大伝送レートを超えるときは更にIP(Internet Protocol)ネットワークの通信伝送路経由で伝送するための所定数の基本分割スロットを加えて当該分割フレームを構成し、該分割フレームを基準に前記TLVパケット形式の信号に変換された所定のデータを分割伝送するよう、当該複数の放送伝送路における各送信機、並びに当該通信伝送路への接続を制御する分割フレーム生成手段と、を備え、
    前記分割フレーム生成手段は、前記分割フレームを構成する各基本分割スロット内に、前記分割フレームの信号順序を一意に明示するための識別情報を付与する手段を有することを特徴とする送信装置。
  2. 前記分割フレーム生成手段は、当該分割フレームを構成する各基本分割スロットに対し、その先頭のTLVパケットを示す先頭TLVパケットを各基本分割スロット内の他のTLVパケットとは区別するようTLVヘッダ内の設定で定め、いずれの分割フレームにおける、いずれの基本分割スロットの先頭を示すTLVパケットであるかを受信側で識別できるようにして当該分割フレームを構成することを特徴とする、請求項1に記載の送信装置。
  3. 前記分割フレーム生成手段は、各基本分割スロットの先頭のTLVパケットを示す先頭TLVパケット内のパケットタイプフィールドの数値を所定の初期値からインクリメントして割り当て、所定範囲内で当該インクリメントを繰り返すことにより前記識別情報を形成して、各基本分割スロット内に付与する手段を有することを特徴とする、請求項1又は2に記載の送信装置。
  4. 前記分割フレーム生成手段は、当該分割フレームを構成する際に、当該複数の放送伝送路の各々の符号化変調方式に基づきそれぞれ対応する情報ビットレートを算出し、各基本分割スロットを構成する当該分割フレームのフレーム長が一定値になるよう各情報ビットレートに応じて割り当てたデータの後段にヌルを挿入して当該複数の放送伝送路用の基本分割スロット、並びに当該複数の放送伝送路用に合わせて当該通信伝送路用の基本分割スロットを形成することを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の送信装置。
  5. 前記分割フレーム生成手段は、TLVパケット形式で前記所定のデータを分割してバルク伝送する際に、当該分割フレームを構成する基本分割スロットのスロット分割数を変更可能とし、当該分割フレームを構成する基本分割スロットのスロット分割数及び各基本分割スロットの固有番号の情報を受信側に通知する手段を有することを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の送信装置。
  6. 前記分割フレーム生成手段により構成した分割フレームがIPネットワークの通信伝送路経由で伝送するための所定数の基本分割スロットを含む際に、該所定数の基本分割スロットに対して、当該IPネットワークと整合するIPベースのパケットに分割し、且つ分割した各IPベースのパケットに対しパケットの信号順序を一意に明示するためのIPシーケンス番号を付与して、受信装置向けに伝送するIPカプセル化手段を更に備えることを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の送信装置。
  7. 請求項1から6のいずれか一項に記載の送信装置によってバルク伝送された当該所定のデータを受信する受信装置であって、
    当該複数の放送伝送路、並びに当該通信伝送路を経てバルク伝送されたTLVパケット形式の信号を受信し、IPネットワークの通信伝送路経由で伝送されたIPベースのパケットに対してはIPデカプセル化を施し、該パケット内に付与される信号順序を一意に明示するためのIPシーケンス番号に基づいて信号順序を整列した後、TLV信号を抽出して当該所定数の基本分割スロットを再構成し、前記識別情報に基づいて、該送信装置で生成した分割フレームを再構成するよう並び替えを行う分割フレーム再構成手段と、
    当該再構成した分割フレームに基づく各基本分割スロットの有効データについて連結し、前記信号源装置から送出されたものと同じ信号形式の所定のデータを復元し、外部出力する出力信号生成手段と、
    を備えることを特徴とする受信装置。
  8. 前記分割フレーム再構成手段は、当該複数の放送伝送路、並びに当該通信伝送路を経て受信したTLVパケット形式の信号のうちTLVヘッダ内の設定情報を基に先頭TLVパケットを判別して、いずれの分割フレームにおける、いずれの基本分割スロットの先頭を示すTLVパケットであるかを識別して基本分割フレーム間のTLVヘッダを判別し、該送信装置で生成した分割フレームを再構成するよう並び替えを行うことを特徴とする、請求項7に記載の受信装置。
  9. 前記識別情報は、各基本分割スロットの先頭のTLVパケットを示す先頭TLVパケット内のパケットタイプフィールドの数値を所定の初期値からインクリメントして割り当て、所定範囲内で当該インクリメントを繰り返すことにより形成されて、各基本分割スロット内に付与されており、
    前記分割フレーム再構成手段は、当該複数の放送伝送路、並びに当該通信伝送路を経て受信したTLVパケット形式の信号のうち、前記識別情報として付与された先頭TLVパケット内のパケットタイプフィールドの数値を基に、当該分割フレームを再構成するよう並び替えを行うことを特徴とする、請求項7又は8に記載の送信装置。
  10. 前記分割フレーム再構成手段は、当該分割フレームを再構成する際に、当該複数の放送伝送路の各々の符号化変調方式に基づきそれぞれ対応する情報ビットレートを算出し、各基本分割スロットを構成する当該分割フレームのフレーム長が一定値になるよう各情報ビットレートに応じて割り当てたデータの後段にヌルを挿入して当該複数の放送伝送路用の基本分割スロット、並びに当該複数の放送伝送路用に合わせて当該通信伝送路用の基本分割スロットを形成することを特徴とする、請求項7から9のいずれか一項に記載の受信装置。
  11. 前記分割フレーム生成手段は、該送信装置から事前通知された、当該分割フレームを構成する基本分割スロットのスロット分割数及び各基本分割スロットの固有番号の情報を基に、当該再構成する分割フレームの構造を識別する手段を有することを特徴とする、請求項7から10のいずれか一項に記載の受信装置。
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