JP2021017215A - 航空機の主脚ベイの冷却構造および航空機 - Google Patents
航空機の主脚ベイの冷却構造および航空機 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2021017215A JP2021017215A JP2019135823A JP2019135823A JP2021017215A JP 2021017215 A JP2021017215 A JP 2021017215A JP 2019135823 A JP2019135823 A JP 2019135823A JP 2019135823 A JP2019135823 A JP 2019135823A JP 2021017215 A JP2021017215 A JP 2021017215A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- landing gear
- wheel
- main landing
- aircraft
- outside air
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Ceased
Links
- 238000001816 cooling Methods 0.000 title claims abstract description 43
- 230000002093 peripheral effect Effects 0.000 claims abstract description 39
- 230000002950 deficient Effects 0.000 claims description 18
- 230000007246 mechanism Effects 0.000 description 22
- 238000009792 diffusion process Methods 0.000 description 8
- 230000000052 comparative effect Effects 0.000 description 5
- 238000010586 diagram Methods 0.000 description 5
- 230000004048 modification Effects 0.000 description 5
- 238000012986 modification Methods 0.000 description 5
- 239000011295 pitch Substances 0.000 description 5
- 238000007789 sealing Methods 0.000 description 5
- 230000008859 change Effects 0.000 description 4
- 238000009434 installation Methods 0.000 description 4
- 239000000463 material Substances 0.000 description 4
- 239000011347 resin Substances 0.000 description 4
- 229920005989 resin Polymers 0.000 description 4
- 230000009471 action Effects 0.000 description 3
- 239000000446 fuel Substances 0.000 description 3
- 230000017525 heat dissipation Effects 0.000 description 3
- 238000000034 method Methods 0.000 description 3
- 229910000838 Al alloy Inorganic materials 0.000 description 2
- 229920002430 Fibre-reinforced plastic Polymers 0.000 description 2
- 238000013461 design Methods 0.000 description 2
- 239000011151 fibre-reinforced plastic Substances 0.000 description 2
- 230000020169 heat generation Effects 0.000 description 2
- 229910052751 metal Inorganic materials 0.000 description 2
- 239000002184 metal Substances 0.000 description 2
- 239000007769 metal material Substances 0.000 description 2
- 238000009423 ventilation Methods 0.000 description 2
- 229920000049 Carbon (fiber) Polymers 0.000 description 1
- 239000004677 Nylon Substances 0.000 description 1
- 210000001015 abdomen Anatomy 0.000 description 1
- 238000010521 absorption reaction Methods 0.000 description 1
- 238000013459 approach Methods 0.000 description 1
- 239000004917 carbon fiber Substances 0.000 description 1
- 238000010276 construction Methods 0.000 description 1
- 230000007547 defect Effects 0.000 description 1
- 238000005553 drilling Methods 0.000 description 1
- 239000000428 dust Substances 0.000 description 1
- 230000000694 effects Effects 0.000 description 1
- 239000000835 fiber Substances 0.000 description 1
- 239000003365 glass fiber Substances 0.000 description 1
- 230000001976 improved effect Effects 0.000 description 1
- VNWKTOKETHGBQD-UHFFFAOYSA-N methane Chemical compound C VNWKTOKETHGBQD-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
- 238000000465 moulding Methods 0.000 description 1
- 229920001778 nylon Polymers 0.000 description 1
- 238000005192 partition Methods 0.000 description 1
- 230000000149 penetrating effect Effects 0.000 description 1
- 230000001737 promoting effect Effects 0.000 description 1
- 230000009467 reduction Effects 0.000 description 1
- 239000012783 reinforcing fiber Substances 0.000 description 1
- 230000000717 retained effect Effects 0.000 description 1
- 238000009420 retrofitting Methods 0.000 description 1
- 230000000630 rising effect Effects 0.000 description 1
- 238000000638 solvent extraction Methods 0.000 description 1
- 230000008093 supporting effect Effects 0.000 description 1
Images
Landscapes
- General Details Of Gearings (AREA)
Abstract
Description
以下に開示するように、本開示に包含される冷却構造は、主脚における顕著な発熱部であるブレーキから周囲への熱の拡散防止に注視する。
また、車輪用開口の前方に、車輪から離れる向きに気流を案内するガイド部を備えた本開示の第2の冷却構造によれば、ブレーキ等の発熱源の直下のホイールの位置から外気が主脚ベイに流入することを抑えることができるので、流入した外気が車輪の発熱部を通過することによる熱の拡散を防いで、主脚ベイ内部の温度上昇を抑えることができる。
さらに、転向部を含む導入流路を備えた本開示の航空機によれば、好適な位置よりも後方にスクープ部を設置せざるを得ない場合であっても、転向部により、スクープ部から取り込んだ外気を前方の車輪に向けて供給して、主脚ベイ内部の温度上昇を抑えることができる。
第1〜第3実施形態によれば、主脚ベイ内部の温度上昇を抑えることができるため、主脚ベイに配置された装備品や構造部材等を熱から保護することができる。
図1〜図4を参照して本開示の第1実施形態に係る航空機の主脚ベイの冷却構造を説明する。
第1実施形態に係る航空機の主脚ベイの冷却構造は、主脚におけるブレーキ等の発熱部から発せられる熱の拡散を防止する。
図1および図2に示すように、航空機の機体1は、主脚10と、胴体11と、主翼12と、エンジン13と、主脚ベイ20を覆うフェアリング14(belly fairing)と、図示しない尾翼とを備えている。
フェアリング14には、主脚10の展開および収納に伴い車輪110が出入りする車輪用開口140が、板厚方向に貫通して形成されている。車輪用開口140は、車輪110の外径に対応した径の円形状の開口である。
車輪用開口140に連続して、フェアリング14と主翼12の下側スキン121とに亘り、主脚10の展開時に開かれる主脚ドア15に対応した形状の切欠16が形成されている。主脚ドア15は、主脚10の支柱17(図3)に設けられている。
フェアリング14や主脚ドア15は、アルミニウム合金等の金属材料、あるいは、ガラス繊維や炭素繊維等の強化繊維を含む繊維強化樹脂材料(Fiber-Reinforced Plastics; FRP)等を用いて構成されている。
シール部材19は、間隙18を塞ぐことで飛行時の機体1の空気抵抗を抑える。シール部材19によれば、機体1の空気抵抗に起因する騒音を低減することができる。また、空気抵抗の抑制により、燃費の低減にも寄与できる。
シール部材19は、車輪用開口140の周縁部140Aよりも径方向内側に突出している。シール部材19は、車輪110のタイヤ110Cと接触することで間隙18を塞ぎつつ、車輪110の出入りに支障がないように、柔軟な部材あるいは弾性体を用いて構成されている。シール部材19は、金属製、あるいはナイロン等の樹脂製であって、ブラシ状に構成されている。
なお、シール部材19は、ラバー等の材料から円弧状の板に形成されていてもよい。
ここで、飛行中に亘り、間隙18の周方向における後方は、それよりも前方と比べ、車輪用開口140から露出した車輪110と車輪用開口140の後壁141(図6(b))との凹凸による空気抵抗に起因して、フェアリング14の表面近傍における外気の圧力が高い傾向にある。そのため、間隙18の後方における外気と、主脚ベイ20の内部の空気との圧力差に基づいて、間隙18の後方では外気が主脚ベイ20に流入し易い。
但し、シール部材19の一部の領域191は、主脚ドア15に設けられている。一部領域191は、主脚ドア15が開くと、フェアリング14に設けられているシール部材19の残部領域192から分離して主脚ドア15に追従する。
残部領域192は、単一のセグメントから構成されていてもよいし、複数の円弧状のセグメント(図示しない)に分割して構成されていてもよい。
例えば、主脚ドア15とフェアリング14との境界の位置B1から、車輪110の軸110Fを中心とした所定の角度範囲に亘り欠損箇所A1を設定することができる。
本実施形態の欠損箇所A1は、機体1の軸方向(前後方向)に対してほぼ左右対称であるが、必ずしもこれに限られない。
欠損箇所A1の周方向の寸法(幅)は、図2に示す欠損箇所A1に対して広く設定することも、狭く設定することも可能である。
欠損箇所A1は、必ずしも、車輪用開口140の後端に位置している必要はない。車輪用開口140の後端にはシール部材19が配置され、その後端のシール部材19の周方向両側に、欠損箇所A1が設定されていてもよい。
図1および図3を参照し、本実施形態の主脚10および主脚ベイ20について説明する。
主脚ベイ20は、胴体11および主翼12に設けられた図示しない複数の隔壁により、胴体11の下部および左右の主翼12の下部に亘り連続した一つの区画である。主脚ベイ20には、図3に示すように、左舷の主脚10(10L)と右舷の主脚10(10R)とが収納される。主脚ベイ20は、主脚ベイ20の天井に相当する図示しない圧力隔壁により、客室等の与圧区画に対して隔てられている。
主脚ベイ20の内部には、主脚10の動作に関係する種々の計器や、および主脚10をロックする装置、その他の機器等、種々の装備品が設置されている。
右舷および左舷のそれぞれの主脚10は、車軸113により連結された一対の車輪110(111,112)と、車軸113に取り付けられて一対の車輪110を支持する支柱17とを備えている。支柱17は、図示しない軸支部により、軸線Bを中心に回動可能に主翼12の構造部材に設けられている。
車輪110は、ホイール110Bと、ホイール110Bの周りに設けられるラバー製のタイヤ110Cと、車輪110を制動するブレーキ機構110Dとを含んでいる。ブレーキ機構110Dは、例えば、車輪110と共に回転するディスクと、制動時にディスクに押し当てられるパッドとを備えている。
本実施形態に限らず、主脚10は、適宜な数(例えば4つあるいは6つ)の車輪110を備えていてよい。
また、機体1が、右舷の主脚10Rと左舷の主脚10Lとを個別に収納する主脚ベイ20を備えていてもよく、その場合、右舷用の主脚ベイ20と左舷用の主脚ベイ20とが、連続していない独立した区画であってもよい。
上述した欠損箇所A1に対応する車輪用開口140の周縁部140Aの近傍には、間隙18を通じてフェアリング14の内側に流入した外気を所定の向きに案内するガイド壁21(図3および図4(a))が設けられている。ガイド壁21は、車輪用開口140から露出した車輪110(第1車輪111)における発熱部(ブレーキ機構110D等)の近傍に向けて外気を案内する。
このガイド壁21と、車輪用開口140の後方において欠損しているシール部材19と、車輪用開口140が形成されたフェアリング14とを含んで、主脚ベイ20の内部を冷却する本実施形態の冷却構造が構成されている。
ガイド壁21の幅(周方向の寸法)は、欠損箇所A1の幅に対応して適宜に定めることができる。
本実施形態のガイド壁21は、周縁部140Aの近傍から上方に起立した支持体211と、支持体211の先端側に設けられた弾性体212とを備えている。
支持体211は、内周側のガイド面により外気を案内する。このガイド面は円筒面のように滑らかな形状であることが好ましい。支持体211の外周側の形状は特に限定されない。
支持体211は、フェアリング14に対して必ずしも垂直に起立していなくてもよく、垂直の方向に対して傾斜していてもよい。
但し、弾性体212が支持体211に対して垂直に、径方向内側に向けて水平に延びていることも許容される。
弾性体212は、車輪110側に位置するガイド面により外気を案内する。このガイド面は平滑な形状であることが好ましい。弾性体212の車輪110とは反対側における形状は特に限定されない。
つまり、弾性体212により、外気が第1車輪111と第2車輪112との間に向けて誘導されることとなる。
外気に直接曝されない第2車輪112に関しては、ブレーキ機構110Dに熱を留め、周囲に拡散させないように、第1車輪111とガイド壁21との間から取り込まれた外気が直接当たらないようにすることが好ましい。ガイド壁21は、外気の流れを第1車輪111と第2車輪112との間で径方向内側に向けて転向させることで、第1車輪111の発熱部の近傍に外気を供給しつつ、上方の第2車輪112の発熱部に外気が供給されることを防ぐ。
上記観点から、ガイド壁21の高さは、収納状態にある第1車輪111と第2車輪112との間において、適切に定められることが好ましい。
例えば、間隙18から流入した外気が上方に向かうにつれて次第に径方向内側に案内されるように、ガイド壁21の全体が傾斜していてもよい。その場合、ガイド壁21において車輪110に接触しうる部位のみを弾性体212として構成すれば足りる。
さて、主脚10のタイヤ110Cと地面との摩擦や、ブレーキ機構110Dの部材間の摩擦により熱が発せられる。離陸後、車輪110の制動によりブレーキ機構110Dの温度が顕著に上昇した状態で、主脚10が主脚ベイ20に収納されるとしても、本実施形態の冷却構造によれば、タイヤ110Cやブレーキ機構110D等からの発熱に起因して主脚ベイ20内の温度が上昇することを防ぐことができる。
飛行中に、フェアリング14の表面に沿って流れる気流の一部が第1車輪111のホイール110Bの孔等の開口に流入する。ホイール110Bの孔等の開口を通じて主脚ベイ20内に流入する外気の流れをF1で示す。
一方、飛行中において主脚ベイ20の内部と外気との圧力差が車輪用開口140の周方向において相対的に大きい後方から、間隙18を通じてガイド壁21と第1車輪111との間に流入する外気の流れをF3で示す。外気の流れF3は、ガイド壁21により第1車輪111と第2車輪112との間へ、径方向内側に案内される。外気の流れF3の流量は、矢印の太さにより模式的に示されているように、ホイール110Bの位置からブレーキ機構110Dに向けて流入する外気の流れF1の流量よりも大きい。
ここで、上方の第2車輪112は、下方の第1車輪111とは異なり、機外の気流に曝されておらず、ガイド壁21に沿って主脚ベイ20に導入された外気の流れF3も供給されないため、第2車輪112のブレーキ機構110D等からの熱の拡散は最小限に抑えられている。
ホイール110Bの開口や、車輪110とガイド壁21との間から主脚ベイ20に流入した外気は、主脚ドア15と、フェアリング14や主翼12のスキンとの間の隙間27、あるいは、フェアリング14に設けられた図示しない開口等から機外へと排出される。
つまり、本実施形態によれば、熱の拡散を抑えつつ主脚ベイ20に外気を導入し、外気の導入により主脚ベイ20の換気を促進する観点からも、主脚ベイ20の温度上昇を抑制することができる。
上述したように、車輪用開口140における後方ではフェアリング14の表面近傍における外気の圧力が大きいため、後方よりも外気の圧力が小さい、例えば前方においてシール部材19を欠損させて外気取り込み用の開口を設ける場合と比べて、小さい開口面積でも必要な外気の流量を確保することができる。
したがって、車輪110の外周の間隙18の大部分はシール部材19により塞いで空気抵抗を抑えつつ、車輪110の後方から外気を効率よく取り込んで、構造部材や装備品に許容される温度以下に主脚ベイ20の内部の温度を維持することができる。
本実施形態の冷却構造によれば、機体の大幅な設計変更を必要としないで、主脚ベイ20の温度上昇を抑制することができる。
それに対して、本実施形態のように、既存のシール部材19の一部を欠損させ、車輪用開口140の周縁部140Aの近傍に、第1車輪110の高さと大きくは変わらない高さのガイド壁21を設置することは容易である。
ガイド壁21の先端側(上記実施形態では弾性体212)は、支持体211に対して位置が可変に構成されていてもよい。
飛行中において、ブレーキ機構110D等の温度が高いときには、ガイド壁21の先端側により、車輪110と支持体211との間に流入した外気を径方向内側に案内する必要がある。しかし、ブレーキ機構110Dの温度が放熱により低下した後の巡航時には、シール部材19の欠損箇所の間隙18を塞ぐことで、空気抵抗を抑えることが好ましい。
例えばアクチュエータ(図示しない)を用いて、弾性体212を支持体211に対して昇降させることができる。その場合は、飛行高度や飛行姿勢、外気温等の情報に基づいてアクチュエータを駆動することで、適時に弾性体212を昇降させることが好ましい。例えば、離陸後、所定の高度に到達したり、機体1が巡航時の水平に近い姿勢となったり、外気温が所定の温度を下回ったりしたならば、第1位置P1から第2位置P2へと弾性体212を移動させるとよい。高度、飛行姿勢、外気温等の情報は、主脚ベイ20内部に設けられたセンサにより、あるいは、航空機に搭載されている制御系から取得することができる。高度、飛行姿勢、および外気温の他、離陸からの経過時間や、外気の圧力等に基づいて弾性体212の位置を変更するようにしてもよい。支柱17に設けた温度センサにより検知された温度に基づいて、弾性体212の位置を変更するようにしてもよい。
次に、図5〜図8を参照し、本開示の第2実施形態に係る航空機の主脚ベイの冷却構造を説明する。以下、第1実施形態と相違する事項を中心に説明する。第1実施形態と同様の構成要素には同じ符合を付している。
第2実施形態では、第1実施形態の冷却構造とは異なる構成により、主脚におけるブレーキ等の発熱部から発せられる熱の拡散を防止する。
ガイド部24は、フェアリング14における車輪用開口140の周方向における前方に備えられている。このガイド部24には、機外に露出した車輪111から離れる向きに気流を案内するガイド面24A(図5(b)および図7)が与えられている。
車輪用開口140の周囲における前方および後方に傾斜領域25が形成されていると、車輪用開口140の周縁部140Aと車輪111の外周部110Aとの間に狭い隙間ができるのを避けることができるので、飛行時に、車輪用開口140の前方からフェアリング14の表面に沿って、車輪111の下側の表面を通過して後方に向かう外気の流れがスムーズとなる。そのため、飛行時の機体1の空気抵抗を低減することができる。
フェアリング14において傾斜領域25が形成される範囲の形状や、傾斜領域25の前後方向の寸法、あるいは、車輪用開口140の中心に対する傾斜領域25の角度、そして周りのフェアリング14の表面に対する傾斜角度等は、適宜に定めることができる。
図7に示すように、ガイド部24の厚さは、車輪用開口140の径方向外側から径方向内側に向かうにつれて厚さが次第に増加しており、前方の傾斜領域25の表面に対して下方に突出している。
図8(a)および(b)のいずれも、図6(a)のVIb−VIb線に相当する断面においてフェアリング14および車輪111の外気に曝される空力的表面を模式的に示している。
発明者が行った解析結果によれば、ガイド部24の作用により、車輪111のホイール110Bの位置における圧力増大を抑えることができる。加えて、車輪111の後端における圧力の増大をも抑えることができる。
第2実施形態の冷却構造によっても、機体の大幅な設計変更を必要としないで、主脚ベイ20の温度上昇を抑制することができる。
既存の航空機のフェアリング14に、ガイド部24を後付けすることで、主脚ベイ20の冷却を図ることもできる。
ガイド部24は、フェアリング14に一体に形成されていてもよい。つまり、フェアリング14における車輪用開口140の周囲に、傾斜領域25の形状と、ガイド面24Aの形状とを与えることができる。
ガイド部24の姿勢は、図9に一例を示すように変更可能に構成されていてもよい。
図9に示す例では、アクチュエータ等の駆動部26によりガイド部24が駆動されることで、実線で示す第1状態D1と、一点鎖線で示す第2状態D2とにガイド部24が揺動し、それに伴い、ガイド面24Aの向きが変化する。
離陸後は、ガイド部24を第1状態D1に駆動し、収納された車輪111から離れる向きに外気の流れをガイド面24Aにより案内するとよい。
一方、ブレーキ機構110Dの温度が放熱により低下した後の巡航時には、ガイド部24を第2状態D2に駆動して、機体1の空気抵抗を抑えることが好ましい。このとき、ガイド面24Aが、傾斜領域25(図6)と同様に、車輪用開口140の径方向外側から径方向内側に向かうにつれて、車輪111の下端110Eの位置に対して上方に次第に退いていると、空気抵抗の低減に有効である。
例えば、離陸後、所定の高度に到達したり、機体1が巡航時の水平に近い姿勢となったり、外気温が所定の温度を下回ったりしたならば、第1状態D1から第2状態D2へとガイド部24の姿勢を変化させることができる。高度、飛行姿勢、外気温等の情報は、主脚ベイ20内部に設けられたセンサにより、あるいは、航空機に搭載されている制御系から取得することができる。高度、飛行姿勢、および外気温の他、離陸からの経過時間や、外気の圧力等に基づいてガイド部24の姿勢を変更するようにしてもよい。支柱17に設けた温度センサにより検知された温度に基づいて、ガイド部24の姿勢を変更するようにしてもよい。
次に、図10〜図14を参照して、本開示の第3実施形態に係る航空機3を説明する。
第3実施形態では、機体1に設けられるスクープ形状の導入流路30を用いて、主脚ベイ20の内部に外気を取り込むことで、主脚ベイ20の内部における必要な箇所の冷却を図る。
導入流路30は、図10(b)に示すように、スクープ部31と、スクープ部31の後端に連なる転向部32とを備えている。
前端31Aからスクープ部31の内側に流入した外気は、後方に流れて後端31Bから流出し、転向部32に流入する。
左舷の導入流路30(30L)は、主脚ベイ20に収納されている左の主脚10Lの車輪110(111,112)に向けて外気を供給する。
右舷の導入流路30(30R)は、主脚ベイ20に収納されている右の主脚10Rの車輪110(111,112)に向けて外気を供給する。
上記の例によらず、スクープ部31はスキン2Aに直接形成されていてもよい。
この場合、スクープ部31に流入した外気は、スクープ部31の後端からそのまま後方へと流出し、車輪110へと供給される。そのため、転向部32は必要ない。
しかし、スクープ部31を上記のように好適な位置に設置できるとは限らない。例えば、他の部材との干渉や設置スペース、機体1の剛性確保等の観点から、あるいは、前方からの燃料を含むドレインがスクープ部31を通じて外気と共に主脚ベイ20内の高温部に侵入するのを回避する観点から、さらには、スクープ部31と外気の供給対象との間に、空気の流通を妨げる壁が存在している等の理由から、車輪110よりも前方にスクープ部31を設置することが難しい場合がある。そのため、図11に実線で示すように、好適な位置よりも後方にスクープ部31を設置せざるを得ないとしても、スクープ部31に与えられた転向部32により、スクープ部31から取り込んだ外気を前方の車輪110に向けて供給することができる。
導入流路30により主脚ベイ20に流入した外気は、主脚ドア15と、フェアリング14や主翼12のスキンとの間の隙間27(図1)、あるいは、フェアリング14に設けられた図示しない開口等から機外へと排出される。
転向部32の終端32Bから斜め上方または斜め下方に向けて外気を流出させることも可能である。
転向部32を備えた導入流路30を用いることにより、車輪110に限らず、主脚ベイ20に配置される他の装備品や構造部材に向けて外気を取り込むこともできる。
したがって、外気の導入により、車輪111,112のそれぞれのブレーキ機構110D等の発熱部の放熱を促進し、かつ主脚ベイ20の換気を促進することができるので、主脚ベイ20の全体に亘り温度上昇を抑えることができる。そのため、主脚ベイ20の構造部材や装備品等に熱の影響が及ぶことを避けることができる。
導入流路に備わる転向部の全体あるいは一部を可動式に構成することにより、風向の調整が可能となる。
例えば、図13に示す導入流路40の転向部42は、スクープ部31の後端31Bに固定された第1ダクト421と、第1ダクト421に対して軸周りに回転可能に取り付けられた第2ダクト422とを備えている。なお、図13の紙面の背面側が前方であり、紙面の手前側が後方である。
第1ダクト421に対して第2ダクト422を軸周りに回転させることにより、例えば、一点鎖線の矢印で示すように、第2ダクト422から外気が吹き出される向き(風向)を調整することができる。
飛行中、アクチュエータ等により、必要に応じて第2ダクト422を回転させ、風向を変更することもできる。
図14(a)は、導入流路30を備えた円形のパネル50を示している。パネル50は、平面視において円形の領域からなり、周囲のスキン2Aに設けられた円形の開口の周縁部2Cに複数のボルト51により着脱可能に締結されている。ボルト51は、パネル50の周方向に一定のピッチで配置されている。そのため、ボルト51のピッチ単位の回転角度でパネル50を回転させてスキン2Aに取り付けることが可能である。
例えば、図14(a)に示す状態から時計周り方向に1ピッチ分、回転させた状態にパネル50を取り付けると、図14(b)に実線で示す状態に導入流路30の向きを変更することができる。
また、図14(a)に示す状態から反時計周り方向に2ピッチ分、回転させた状態にパネル50を取り付けると、図14(b)に一点鎖線で示す状態に導入流路30の向きを変更することができる。
以上により、風向の調整を容易に行うことができる。
2A スキン
2C 周縁部
3 航空機
10,10L,10R 主脚
11 胴体
12 主翼
13 エンジン
14 フェアリング
15 主脚ドア
16 切欠
17 支柱
18 間隙
19 シール部材
20 主脚ベイ
21 ガイド壁
22,23 壁体
24 ガイド部
24A ガイド面
25 傾斜領域
26 駆動部
27 隙間
30 導入流路
31 スクープ部
31A 前端
31B 後端
32 転向部
32A 始端
32B 終端
32C 中間部
34 プレート
35 前方支持部
36 後方支持部
40 導入流路
42 転向部
50 パネル
51 ボルト
110 車輪
110A 外周部
110B ホイール
110C タイヤ
110D ブレーキ機構
110E 下端
110F 軸
111 第1車輪
112 第2車輪
113 車軸
121 下側スキン
140 車輪用開口
141 後壁
140A 周縁部
140B 前端部
140C 後端部
191,192領域
211 支持体
212 弾性体
421 第1ダクト
422 第2ダクト
A1 欠損箇所
B 軸線
C1 仮想面
D1,D2 状態
Fa,Fb 矢印
P1,P2 位置
Claims (11)
- 航空機の主脚を収納する主脚ベイを覆い、前記主脚の車輪が出入りする車輪用開口が形成されたフェアリングと、
前記主脚ベイに収納された状態の前記主脚の前記車輪の外周部と前記車輪用開口の周縁部との間の間隙を塞ぎ、前記車輪用開口の後方において欠損しているシール部材と、
前記シール部材が欠損している欠損箇所に対応する前記周縁部の近傍から、前記車輪の外周部に対向して起立したガイド壁と、を含み、
前記ガイド壁は、前記間隙から前記フェアリングの内側に流入した外気を前記車輪用開口の径方向内側に向けて案内する、
ことを特徴とする航空機の主脚ベイの冷却構造。 - 前記ガイド壁は、
前記周縁部の近傍から起立した支持体と、
前記支持体の先端側に連なり、前記径方向内側に向けて外気を案内する弾性体と、を備える、
請求項1に記載の航空機の主脚ベイの冷却構造。 - 前記ガイド壁は、前記周縁部に沿って配置されている、
請求項1または2に記載の航空機の主脚ベイの冷却構造。 - 前記主脚は、車軸の一端側に設けられた1以上の前記車輪である第1車輪と、前記車軸の他端側に設けられた1以上の前記車輪である第2車輪と、を含み、
前記ガイド壁は、前記第1車輪と前記第2車輪との間に向けて外気を案内する、
請求項1から3のいずれか一項に記載の航空機の主脚ベイの冷却構造。 - 前記フェアリングに一体または別体に、前記車輪用開口の周方向における前方に備わり、前記車輪用開口に露出した前記車輪から離れる向きに気流を案内するガイド部を含む、
請求項1から4のいずれか一項に記載の航空機の主脚ベイの冷却構造。 - 航空機の主脚を収納する主脚ベイを覆い、前記主脚の車輪が出入りする車輪用開口が形成されたフェアリングと、
前記フェアリングに一体または別体に、前記車輪用開口の周方向における前方に備わり、前記車輪用開口に露出した前記車輪から離れる向きに気流を案内するガイド部と、を含む、
ことを特徴とする航空機の主脚ベイの冷却構造。 - 前記フェアリングの前記車輪用開口の周囲における前方および後方には、
前記車輪用開口の径方向外側から径方向内側に向かうにつれて、前記車輪用開口に露出した前記車輪の下端の位置に対して上方に退く傾斜領域が形成され、
前記ガイド部は、前記傾斜領域に沿って配置され、前記車輪用開口の径方向外側から径方向内側に向かうにつれて厚さが増加する板状の部材であって、前方の前記傾斜領域の表面に対して下方に突出している、
請求項6に記載の航空機の主脚ベイの冷却構造。 - 請求項1から7のいずれか一項に記載の冷却構造を備える、
ことを特徴とする航空機。 - 航空機の主脚を収納する主脚ベイを区画する機体と、
前記機体に設けられ、外気を前記主脚ベイに流入させる導入流路と、を含み、
前記導入流路は、
前端から後端に向かうにつれて、前記機体のスキンの表面から滑らかに窪むことで開口断面積が増大するスクープ部と、
前記スクープ部の後端に連なり、前記スクープ部から流入した外気の流れの向きを変更する転向部と、を備える、
ことを特徴とする航空機。 - 前記転向部は、前記機体の内方にかつ前方に向けて外気の流れを案内する、
請求項9に記載の航空機。 - 前記導入流路を含み、平面視において円形の領域からなるパネルを備え、
前記パネルは、周方向に所定のピッチで配置される複数のボルトにより前記機体に締結されている、
請求項9または10に記載の航空機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019135823A JP2021017215A (ja) | 2019-07-24 | 2019-07-24 | 航空機の主脚ベイの冷却構造および航空機 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019135823A JP2021017215A (ja) | 2019-07-24 | 2019-07-24 | 航空機の主脚ベイの冷却構造および航空機 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2021017215A true JP2021017215A (ja) | 2021-02-15 |
Family
ID=74563472
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2019135823A Ceased JP2021017215A (ja) | 2019-07-24 | 2019-07-24 | 航空機の主脚ベイの冷却構造および航空機 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2021017215A (ja) |
Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014169070A (ja) * | 2013-02-28 | 2014-09-18 | Boeing Co | 航空機の着陸ギアの冷却系統 |
JP2015009636A (ja) * | 2013-06-27 | 2015-01-19 | 三菱航空機株式会社 | 航空機の主脚室、及び、航空機 |
JP2015033889A (ja) * | 2013-08-08 | 2015-02-19 | 三菱航空機株式会社 | 航空機の脚収納部、および航空機 |
JP2016137765A (ja) * | 2015-01-26 | 2016-08-04 | 三菱航空機株式会社 | 航空機の主脚ベイの排熱構造 |
-
2019
- 2019-07-24 JP JP2019135823A patent/JP2021017215A/ja not_active Ceased
Patent Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014169070A (ja) * | 2013-02-28 | 2014-09-18 | Boeing Co | 航空機の着陸ギアの冷却系統 |
JP2015009636A (ja) * | 2013-06-27 | 2015-01-19 | 三菱航空機株式会社 | 航空機の主脚室、及び、航空機 |
JP2015033889A (ja) * | 2013-08-08 | 2015-02-19 | 三菱航空機株式会社 | 航空機の脚収納部、および航空機 |
JP2016137765A (ja) * | 2015-01-26 | 2016-08-04 | 三菱航空機株式会社 | 航空機の主脚ベイの排熱構造 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US9969499B2 (en) | Nacelle for an aircraft turbojet engine with an extended front lip | |
US20090152406A1 (en) | Rotating auxiliary power unit air inlet door | |
US9868534B2 (en) | Heat removal structure of aircraft main landing gear bay | |
US5609313A (en) | Aircraft propulsive power unit | |
US5014933A (en) | Translating lip aircraft cowling structure adapted for noise reduction | |
JP4976400B2 (ja) | エンジンならびにエンジン取り付け構造体を備えた航空機用エンジンアセンブリ | |
EP0756557B1 (en) | An aircraft propulsive power unit | |
JP6145476B2 (ja) | 少なくとも1つの中空フレームを有する骨組構造を備える航空機 | |
RU2398714C2 (ru) | Турбореактивный двигатель для летательного аппарата, летательный аппарат, оснащенный таким турбореактивным двигателем, и способ установки такого турбореактивного двигателя на летательном аппарате | |
RU2573686C2 (ru) | Гондола турбореактивного двигателя с регулируемым поперечным сечением вентиляционного выпускного отверстия | |
CA2848109C (en) | Inner cowl structure for aircraft turbine engine | |
CN104097777B (zh) | 冲压空气通道组件和用于操作冲压空气通道组件的方法 | |
JP2008526599A (ja) | ダクト内ファン垂直離着陸ビークル | |
US9944401B2 (en) | Asymmetric thrust reversers | |
CN102859168B (zh) | 涡轮喷气发动机舱 | |
CN108069035A (zh) | 飞行器 | |
US20150298814A1 (en) | Clocked thrust reversers | |
JP2020040649A (ja) | 機械的に分散された推進ドライブトレイン及びアーキテクチャ | |
JP2014526418A (ja) | 自動車のための位置調節可能なカバー | |
US5906097A (en) | Engine flow control device | |
CN106662040A (zh) | 包括带有旋转门的次级喷嘴的飞机涡轮喷气发动机机舱 | |
US11230328B2 (en) | Through-body duct | |
JP2021017215A (ja) | 航空機の主脚ベイの冷却構造および航空機 | |
US7686579B2 (en) | Ducted fan | |
EP3620632B1 (en) | Acoustic fairing |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A625 | Written request for application examination (by other person) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A625 Effective date: 20220721 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20230418 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20230516 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20230706 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20230822 |
|
A045 | Written measure of dismissal of application [lapsed due to lack of payment] |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A045 Effective date: 20231219 |