JP2021009989A - 窒化物半導体装置 - Google Patents

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Katsunori Ueno
勝典 上野
松山 秀昭
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秀昭 松山
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Akira Tanaka
亮 田中
信也 高島
Shinya Takashima
信也 高島
悠太 福島
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悠太 福島
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Abstract

【課題】チャネル領域におけるキャリアの移動度を向上することが可能な窒化物半導体装置を提供する。【解決手段】窒化物半導体装置は、窒化ガリウム系半導体層にチャネル領域を有するトランジスタを備える。トランジスタは、窒化ガリウム系半導体層の上方に設けられたゲート絶縁膜と、窒化ガリウム系半導体層とゲート絶縁膜との間に配置され、ゲート絶縁膜よりもバンドギャップが小さく、窒化ガリウム系半導体層との間にバンドオフセットを有する中間層と、ゲート絶縁膜上に設けられたゲート電極と、窒化ガリウム系半導体層に設けられた第1導電型のソース領域と、窒化ガリウム系半導体層上に設けられ、ソース領域と接するソース電極と、を有する。中間層は、ゲート絶縁膜を介してゲート電極と向い合う位置に配置され、かつソース電極とソース領域とが接しているソースコンタクト領域を避けている。【選択図】図1

Description

本発明は、窒化物半導体装置に関する。
従来から、窒化ガリウムを用いた縦型MOSFETが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2017−188687号公報
MOSFETのチャネル領域におけるキャリアの移動度を向上することが可能な窒化物半導体装置が望まれている。
本発明は上記課題に着目してなされたものであって、チャネル領域におけるキャリアの移動度を向上することが可能な窒化物半導体装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の一態様に係る窒化物半導体装置は、第1主面と、前記第1主面の反対側に位置する第2主面とを有する窒化ガリウム系半導体基板と、前記窒化ガリウム系半導体基板の前記第1主面側に設けられた窒化ガリウム系半導体層と、前記窒化ガリウム系半導体層にチャネル領域を有するトランジスタと、を備える。前記トランジスタは、前記窒化ガリウム系半導体層の上方に設けられたゲート絶縁膜と、前記窒化ガリウム系半導体層と前記ゲート絶縁膜との間に配置され、前記ゲート絶縁膜よりもバンドギャップが小さく、前記窒化ガリウム系半導体層との間にバンドオフセットを有する中間層と、前記ゲート絶縁膜上に設けられたゲート電極と、前記窒化ガリウム系半導体層に設けられた第1導電型のソース領域と、前記窒化ガリウム系半導体層上に設けられ、前記ソース領域と接するソース電極と、を有する。前記中間層は、前記ゲート絶縁膜を介して前記ゲート電極と向い合う位置に配置され、かつ前記ソース電極と前記ソース領域とが接しているソースコンタクト領域を避けている。
本発明によれば、チャネル領域におけるキャリアの移動度を向上することが可能な窒化物半導体装置を提供することができる。
図1は、本発明の実施形態1に係る窒化ガリウム半導体装置の構成例を示す平面図である。 図2Aは、本発明の実施形態1に係る窒化ガリウム半導体装置の製造方法を示す断面図である。 図2Bは、本発明の実施形態1に係る窒化ガリウム半導体装置の製造方法を示す断面図である。 図2Cは、本発明の実施形態1に係る窒化ガリウム半導体装置の製造方法を示す断面図である。 図2Dは、本発明の実施形態1に係る窒化ガリウム半導体装置の製造方法を示す断面図である。 図2Eは、本発明の実施形態1に係る窒化ガリウム半導体装置の製造方法を示す断面図である。 図3は、パワーMOSFETのゲート電圧Vgと電界効果移動度μとの関係を示すグラフである。 図4は、本発明の実施形態に係る窒化ガリウム半導体装置のゲート部のエネルギーバンドを示す図である。 図5は、AlN層とGaN層とのヘテロ接合によるエネルギーバンドの曲がりを例示する図である。 図6は、本発明の実施形態2に係る窒化ガリウム半導体装置の構成例を示す断面図である。 図7Aは、本発明の実施形態2に係る窒化ガリウム半導体装置の製造方法を示す断面図である。 図7Bは、本発明の実施形態2に係る窒化ガリウム半導体装置の製造方法を示す断面図である。 図7Cは、本発明の実施形態2に係る窒化ガリウム半導体装置の製造方法を示す断面図である。 図7Dは、本発明の実施形態2に係る窒化ガリウム半導体装置の製造方法を示す断面図である。 図7Eは、本発明の実施形態2に係る窒化ガリウム半導体装置の製造方法を示す断面図である。 図8は、本発明の実施形態3に係る窒化ガリウム半導体装置の構成例を示す断面図である。 図9Aは、本発明の実施形態3に係る窒化ガリウム半導体装置の製造方法を示す断面図である。 図9Bは、本発明の実施形態3に係る窒化ガリウム半導体装置の製造方法を示す断面図である。 図9Cは、本発明の実施形態3に係る窒化ガリウム半導体装置の製造方法を示す断面図である。 図10は、本発明の実施形態4に係る窒化ガリウム半導体装置の構成例を示す断面図である。 図11Aは、本発明の実施形態4に係る窒化ガリウム半導体装置の製造方法を示す断面図である。 図11Bは、本発明の実施形態4に係る窒化ガリウム半導体装置の製造方法を示す断面図である。 図11Cは、本発明の実施形態4に係る窒化ガリウム半導体装置の製造方法を示す断面図である。
以下に本発明の実施形態を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。但し、図面は模式的なものであり、厚みと平面寸法との関係、各装置や各部材の厚みの比率等は現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な厚みや寸法は以下の説明を参酌して判定すべきものである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
以下の説明では、Z軸の正方向を「上」と称し、Z軸の負方向を「下」と称する場合がある。「上」及び「下」は、必ずしも地面に対する鉛直方向を意味しない。つまり、「上」及び「下」の方向は、重力方向に限定されない。「上」及び「下」は、領域、層、膜及び基板等における相対的な位置関係を特定する便宜的な表現に過ぎず、本発明の技術的思想を限定するものではない。例えば、紙面を180度回転すれば「上」が「下」に、「下」が「上」になることは勿論である。
以下の説明では、第1導電型がN型、第2導電型がP型の場合について例示的に説明する。しかしながら、導電型を逆の関係に選択して、第1導電型をP型、第2導電型をN型としても構わない。またPやNに付す+や−は、+及び−が付記されていない半導体領域に比して、それぞれ相対的に不純物濃度が高い又は低い半導体領域であることを意味する。但し、同じPとPとが付された半導体領域であっても、それぞれの半導体領域の不純物濃度が厳密に同じであることを意味するものではない。
<実施形態1>
(GaN半導体装置の構成例)
図1は、本発明の実施形態1に係る窒化ガリウム半導体装置(本発明の「窒化物半導体装置」の一例;以下、GaN半導体装置)1の構成例を示す平面図である。図1に示すように、GaN半導体装置1は、窒化ガリウム基板(本発明の「窒化ガリウム系半導体基板」の一例;以下、GaN基板)2と、GaN基板2の表面2a(本発明の「第1主面」の一例)上に設けられた窒化ガリウム層10(本発明の「窒化ガリウム系半導体層」の一例)と、窒化ガリウム層(以下、GaN層)10にチャネル領域を有するN型の横型MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)100と、を備える。横型MOSFET100は、本発明の「トランジスタ」の一例である。
GaN層10は、N型の第1窒化ガリウム層(以下、第1GaN層)20と、第1GaN層20上に設けられたP型の第2窒化ガリウム層(以下、第2GaN層)30と、を有する。また、横型MOSFET100は、第2GaN層30上に設けられた中間層40と、中間層40上に設けられたゲート絶縁膜50と、ゲート絶縁膜50上に設けられたゲート電極60と、第2GaN層30及びゲート電極60を覆う絶縁膜65と、を備える。
中間層40は、例えば窒化アルミニウム層である。ゲート絶縁膜50は、例えばシリコン酸化膜(SiO膜)である。
また、横型MOSFET100は、第2GaN層30に設けられたN型のソース領域31と、第2GaN層30に設けられたN型のドレイン領域32と、第2GaN層30上に設けられてソース領域31と接するソース電極70と、第2GaN層30上に設けられてドレイン領域32と接するドレイン電極80と、を備える。以下、GaN半導体装置1を構成する各部について、詳しく説明する。
GaN基板2は、例えばN型のc面GaN単結晶基板である。GaN基板2に含まれるN型不純物は、Si(シリコン)、O(酸素)及びGe(ゲルマニウム)のうちの一種類以上の元素である。一例を挙げると、GaN基板2に含まれるN型不純物はSi又はOであり、GaN基板2におけるSiの不純物濃度は5×1017cm−3以上である。
なお、GaN基板2は、N型又はN型であってもよい。GaN基板2は、転位密度が1×10cm−2未満の低転位自立基板であってもよい。GaN基板2が低転位自立基板であることにより、GaN基板2上に形成される第1GaN層20の転位密度も低くなる。また、低転位基板をGaN基板2に用いることで、GaN基板2に大面積のパワーデバイスが形成される場合でも、パワーデバイスにおけるリーク電流を少なくすることができる。これにより、製造装置は、パワーデバイスを高い良品率で製造することができる。また、熱処理において、イオン注入された不純物が転位に沿って深く拡散することを防ぐことができる。
第1GaN層20は、GaN基板2の表面上に設けられている。第1GaN層20は、例えばN型のGaN単結晶層であり、GaN基板2の表面2a上にエピタキシャル成長された層である。第1GaN層20は、エピタキシャル成長の過程でN型不純物がドープされることにより形成される。N型不純物は、例えばSiである。例えば、第1GaN層20におけるSiの濃度は、2×1016cm−3である。第1GaN層20の厚さは4μmである。
第2GaN層30は、第1GaN層20の表面上に設けられている。第2GaN層30は、例えばP型のGaN単結晶層であり、第1GaN層20の表面上にエピタキシャル成長された層である。第2GaN層30は、エピタキシャル成長の過程でP型不純物がドープされることにより形成される。あるいは、第2GaN層30は、真性又はN型のGaN層がエピタキシャル成長され、その表面から所定の深さにP型不純物がイオン注入され、熱処理されることにより形成されてもよい。例えば、第2GaN層30におけるMgの濃度は、1×1017cm−3である。P型不純物は、Mg(マグネシウム)である。第2GaN層30において、P型不純物であるMgの濃度は、N型不純物であるSiの濃度よりも高くなっている。第2GaN層30の厚さは1μmである。
ソース領域31及びドレイン領域32は、第2GaN層30の表面30a及びその近傍に設けられている。ソース領域31及びドレイン領域32は、第2GaN層30の表面30aから所定の深さにN型不純物がイオン注入され、熱処理されることにより形成される。ソース領域31及びドレイン領域32は、N型の不純物濃度(より正確にいえば、N型の不純物濃度からP型の不純物濃度を相殺した値)が第1GaN層20よりも高い。例えば、P型不純物はMgであり、N型不純物はSiである。
第2GaN層30の表面30a近傍であって、ソース領域31とドレイン領域32との間に位置し、かつゲート絶縁膜50を介してゲート電極60と向い合う領域に、横型MOSFET100のチャネルが形成される。以下、チャネルが形成される領域をチャネル領域という。
中間層40は、第2GaN層30の表面30a上に設けられている。中間層40は、第2GaN層30よりもバンドギャップが大きい、ワイドギャップ半導体層である。バンドギャップとは、バンド構造における価電子帯と伝導帯との間のエネルギー準位の差を意味する。中間層40は、例えば、極薄のAlN単結晶層であり、第2GaN層30の表面30a上にエピタキシャル成長された層である。中間層40は、第2GaN層30の表面30aにヘテロ接合されている。
中間層40としてAlN層が用いられる場合について説明する。AlNの格子定数は、c=0.4982nm、a=0.3112nmである。AlN層はc面第2GaN層30上に形成されている。AlN層の厚さはc軸方向となっている。AlN層の1分子厚はc/2であり、0.25nmである。したがって、AlN層の最小厚さは0.25nmである。AlN層の厚さは、0.25nm以上、7nm以下であり、より好ましくは、0.25nm以上、2nm以下である。AlN層の最大厚さが7nm以下であり、より好ましくは2nm以下であることの理由は、後で説明する。一例を挙げると、AlN層の厚さは0.8nmである。
なお、中間層40は、AlN層に限定されるものではなく、AlN層以外の窒化アルミニウム系半導体層であってもよい。AlN層以外の窒化アルミニウム系半導体層として、窒化アルミニウムガリウム層(以下、AlGaN層)、AlGaN層上にAlN層が積層された積層膜、AlN層上にAlGaN層が積層された積層膜などが例示される。AlGaN層は、AlN層にGaが添加されている窒化物半導体層である。AlGaN層や、AlN層上にAlGaN層が積層された積層膜は、第2GaN層30よりもバンドギャップが大きい、ワイドギャップ半導体層である。
なお、中間層40は、窒化アルミニウム系半導体層(AlN層、AlGaN層など)に限定されない。中間層40は、第2GaN層30よりもバンドギャップが大きい、窒化アルミニウム系半導体層以外の材料で構成されていてもよい。
ゲート絶縁膜50は、中間層40上に設けられている。ゲート絶縁膜50は、例えばSiO膜(シリコン酸化膜)又はAl膜(酸化アルミニウム膜)である。一例を挙げると、ゲート絶縁膜50はSiO膜であり、膜厚は100nmである。なお、ゲート絶縁膜50は、SiO膜に限定されるものでない。ゲート絶縁膜50は、中間層40よりもバンドギャップが大きい材料で構成されていればよい。
ゲート絶縁膜50又は中間層40として使用可能な材料の一例と、その誘電率、バンドギャップ及びGaNとのバンドオフセットを表1に示す。バンドオフセットとは、伝導帯のエネルギー準位の差を意味する。なお、上述したように、中間層40として、AlGaN層を使用可能である。AlGaN層の誘電率、バンドギャップ、GaNとのバンドオフセットは、AlGaN層におけるAlとGaとの比によって異なるが、およその値は、表1に示すAlNとGaNとの間の値である。
Figure 2021009989
ゲート絶縁膜50は、中間層40よりもバンドギャップが大きい材料で構成される。中間層40は、第2GaN層30よりもバンドギャップが大きく、かつ、第2GaN層30との間にバンドオフセットを有する材料で構成される。表1を参照しながら、ゲート絶縁膜50と40中間層との組み合わせを例示する。
ゲート絶縁膜50としてSiOを用いる場合は、中間層40として、SiOよりもバンドギャップが小さく、かつ、GaNに対してバンドオフセットを有する酸化アルミニウム(Al)、窒化アルミニウム(AlN)、ダイヤモンド、窒化シリコン(Si)、又は酸化ガリウム(Ga)を用いることができる。
ゲート絶縁膜50としてAlを用いる場合は、中間層40として、Alよりもバンドギャップが小さく、かつ、GaNに対してバンドオフセットを有するAlN、ダイヤモンド、Si、又はGaを用いることができる。
ゲート絶縁膜50としてAlNを用いる場合は、中間層40として、AlNよりもバンドギャップが小さく、かつ、GaNに対してバンドオフセットを有するダイヤモンド、Si、又はGaを用いることができる。
ゲート絶縁膜50としてダイヤモンドを用いる場合は、中間層40として、ダイヤモンドよりもバンドギャップが小さく、かつ、GaNに対してバンドオフセットを有するSi、又はGaを用いることができる。
ゲート絶縁膜50としてSiを用いる場合は、中間層40として、Siよりもバンドギャップが小さく、かつ、GaNに対してバンドオフセットを有するGaを用いることができる。
ゲート電極60は、ゲート絶縁膜50上に設けられている。ゲート電極60は、ゲート絶縁膜50を介してチャネル領域と隣り合っている。ゲート電極60は、Al、Ti、Ni、Wなどの金属または不純物をドープしたポリシリコンで構成されている。
絶縁膜65は、例えばSiO膜で構成されている。絶縁膜65には、ソース領域31の上方と第2GaN層30の上方とを開口する第1コンタクトホールH1と、ドレイン領域32の上方を開口する第2コンタクトホールH2とが設けられている。
ソース電極70は、絶縁膜65上に設けられている。ソース電極70は、絶縁膜65に設けられた第1コンタクトホールH1を通して、P型の第2GaN層30と、N型のソース領域31とに接している。また、ドレイン電極80は、絶縁膜65上に設けられている。ドレイン電極80は、絶縁膜65に設けられた第2コンタクトホールH2を通して、N型のドレイン領域32と接している。これにより、横型MOSFET100のオン電流は、ドレイン電極80から、ドレイン領域32、チャネル領域及びソース領域31を通って、ソース電極70に流れる。また、第2GaN層30の電位は、ソース電極70の電位に固定される。
ソース電極70及びドレイン電極80は、Al又はAl−Siの合金、Ni、Ni合金、Ti−Al合金、Ni−Au合金などで構成されている。また、ソース電極70は、第2GaN層30及びソース領域31との間にバリアメタル層を有してもよい。ドレイン電極80は、ドレイン領域32との間にバリアメタル層を有してもよい。バリアメタル層はTi(チタン)で構成されていてもよい。つまり、ソース電極70及びドレイン電極80は、Ti層及びAl層の積層、又は、Ti層及びAl−Siの合金層の積層であってもよい。ソース電極70は、図示しないソースパッドを兼ねた電極であってもよいし、ソースパッドとは別に設けられた電極であってもよい。ドレイン電極80は、図示しないドレインパッドを兼ねた電極であってもよいし、ドレインパッドとは別に設けられた電極であってもよい。
(GaN半導体装置の製造方法)
次に、本発明の実施形態1に係るGaN半導体装置1の製造方法を説明する。図2Aから図2Eは、本発明の実施形態1に係るGaN半導体装置1の製造方法を工程順に示す断面図である。GaN半導体装置1は、成膜装置、露光装置、エッチング装置など、各種の製造装置によって製造される。
図2Aに示すように、製造装置は、GaN基板2の表面2a上に第1GaN層20を形成する。例えば、製造装置は、有機金属成長法(MOCVD法)により、GaN基板2上に第1GaN層20をエピタキシャル成長させる。製造装置は、第1GaN層20をエピタキシャル成長させる過程で、第1GaN層20にN型不純物としてSiをドープする。次に、製造装置は、MOCVD法により、第1GaN層20上に第2GaN層30をエピタキシャル成長させる。製造装置は、第2GaN層30をエピタキシャル成長させる過程で、第2GaN層30にP型不純物としてMgをドープする。
次に、図2Bに示すように、製造装置は、MOCVD法により、P型の第2GaN層30上に中間層40をエピタキシャル成長させる。次に、製造装置は、GaN基板2、第1GaN層20、第2GaN層30及び中間層40を積層体に熱処理を施す。この熱処理により、第1GaN層20に導入されたSi等のN型不純物と、第2GaN層30に導入されたMg等のP型不純物とがそれぞれ活性化される。第1GaN層20はN型となり、第2GaN層30はP型となる。
次に、製造装置は、第2GaN層30において、ソース及びドレインが形成される領域にN型不純物としてSiをイオン注入する。例えば、製造装置は、第2GaN層30上にマスク(図示せず)を形成する。マスクは、SiO膜、Al膜又はフォトレジストで構成されている。マスクは、ソース及びドレインが形成される領域の上方を開口し、他の領域の上方を覆う形状を有する。製造装置は、マスクが形成された第2GaN層30にSiをイオン注入する。イオン注入後、製造装置は、第2GaN層30上からマスクを除去する。図2Cに示すように、中間層40のうち、ソース及びドレインが形成される領域の上方に位置する部位はイオン注入によって非晶質化され、非晶質の中間層41となる。
次に、製造装置は、ソース及びドレインが形成される領域にSiがイオン注入された積層体に熱処理を施す。この熱処理により、第2GaN層30に導入されたSi等のN型不純物が活性化され、P型の第2GaN層30にN型のソース領域31とN型のドレイン領域32とが形成される。また、この熱処理により、ソース領域31及びドレイン領域32において、イオン注入により生じた欠陥をある程度回復することができる。
次に、図2Dに示すように、製造装置は、プラズマCVD法により、中間層40、41上にゲート絶縁膜50を形成する。次に、製造装置は、ゲート絶縁膜50及び中間層40、41を部分的にウェットエッチングする。これにより、製造装置は、横型MOSFETのゲートとなる領域にゲート絶縁膜50及び中間層40、41を残し、それ以外の領域からゲート絶縁膜50及び中間層40、41を除去する。
次に、図2Eに示すように、製造装置は、GaN基板2の表面2a側に金属膜を形成し、形成された金属膜をパターニングして、ゲート電極60を形成する。金属膜の形成は、蒸着又はスパッタリング等で行う。金属膜のパターニングは、ドライエッチング又はリフトオフ法で行う。次に、製造装置は、プラズマCVD法等により絶縁膜65(図1参照)を形成する。次に、製造装置は、絶縁膜65を部分的にエッチングして、第1コンタクトホールH1(図1参照)、第2コンタクトホールH2(図1参照)を形成する。次に、製造装置は、ソース電極70(図1参照)及びドレイン電極80(図1参照)を形成する。金属膜の形成は、蒸着又はスパッタリング等で行う。金属膜のパターニングは、ドライエッチング又はリフトオフ法で行う。以上の工程を経て、図1に示したGaN半導体装置1が完成する。
(中間層の厚さ)
中間層40の厚さの上限値は、閾値電圧の観点、パラレル伝導防止の観点、又は2次元電子ガスの発生防止の観点から、7nm以下が好ましく、2μm以下がより好ましい。以下、各観点について説明する。
〔閾値電圧の観点〕
図3は、本発明者が行った実験の結果であり、N型のパワーMOSFETのゲート電圧Vgと電界効果移動度μとの関係を示すグラフである。図3の実線aは、GaN半導体装置1において、中間層40であるAlN層の厚さが1nmの場合のデータである。図3の破線bはAlN層が無く、ゲート絶縁膜50であるSiO膜がGaN層に直接接している場合のデータである。また、本発明者が行った実験の結果を表2に示す。表2は、AlN層の膜厚(nm)と、電界効果移動度μの最大値μ_max(cm/Vs)と、パワーMOSFETの閾値電圧Vthとの関係を示している。なお、表2は、ゲート絶縁膜50の厚さが100nmであるときに得られたデータである。
Figure 2021009989
図3及び表2に示すように、AlN層がない場合の電界効果移動度μは130cm/Vsであり、閾値電圧Vthは3.7Vであった。一方、AlN層が1nmある場合の電界効果移動度μは330cm/Vsであり、閾値電圧Vthは1.5Vであった。横型MOSFET100のように、ゲート絶縁膜50とチャネル領域との間に中間層40が配置されると、電界効果移動度μは大きくなるが、閾値電圧Vthは小さくなる傾向があることが確認された。この傾向は、中間層40がAlN層の場合だけでなく、中間層40がAlGaN層である場合も同様である。
中間層40がAlN層(又は、AlGaN層)であり、中間層40の下地がGaN層の場合、中間層40とGaN層との界面に応力に起因したピエゾ分極が発生する。中間層40において、Al濃度が高いほど(すなわち、組成がAlNに近いほど)応力が大きくなり、ピエゾ分極が大きくなる。また、ピエゾ分極が発生する場合において、中間層40の厚さが厚くなるほど、表(ゲート電極寄り)と裏(GaN寄り)との分極距離が大きくなる。分極距離が大きくなるほど、中間層40とGaN層との界面での分極電荷の影響がより強くなり、閾値電圧Vthは小さくなる傾向がある。
なお、中間層40にAlN層(又は、AlGaN層)を用いない場合は、ピエゾ分極は発生しないか、発生してもその影響は小さいため、中間層40の厚さが厚くなるほど閾値電圧Vthは上昇する傾向がある。
横型MOSFET100をノーマリーオフのMOSFETとして使用する場合、閾値電圧Vthは正である必要があり、0.5V以上であることが好ましい。この観点から、中間層40にAlN層(又は、AlGaN層)を用いる場合は、その膜厚は2nm以下にすることが好ましい。
また、横型MOSFET100をノーマリーオフのパワーMOSFETとして使用する場合、閾値電圧Vthは正である必要があり、3.0V以上であることが好ましい。閾値電圧Vth≧3.0Vは、ゲート絶縁膜50の膜厚と閾値電圧Vthとの関係を予め調べておき、閾値電圧Vthが3.0V以上となるようにゲート絶縁膜50の膜厚を規定することで実現できる。
閾値電圧Vth≧3.0Vを実現するために、中間層40にAlN層(又は、AlGaN層)以外の膜を用いてもよい。これにより、ゲート絶縁膜50の膜厚だけでなく、中間層40の膜厚を厚くして閾値電圧Vthを高めることができる。AlN層(又は、AlGaN層)以外の膜として、例えば、表1に示した酸化アルミニウム(Al)、ダイヤモンド、窒化シリコン(Si)、又は酸化ガリウム(Ga)等が挙げられる。
なお、閾値電圧Vthは、例えば、以下の式によって算出される。
Vth=Qs/C+2φs
Qs=q×Na×W
W=√(4×ε×k×T×ln(Na/ni/q2Na))
上記の各式において、QsはGaN表面に形成される空乏層中の電荷量、Cは絶縁膜全体の電気容量、φsはGaNの表面ポテンシャル、qは素電荷、NaはGaNのアクセプタ濃度、WはGaN表面に形成される空乏層の幅、εはGaNの誘電率、kはボルツマン定数、Tは絶対温度、niはGaNの真性キャリア濃度、である。図1に示す横型MOSFET100では、第2GaN層30が上記GaNに相当する。
〔パラレル伝導防止の観点〕
図4は、本発明の実施形態に係る横型MOSFET100のゲート部のエネルギーバンドを示す図である。図4では、ゲート電極60にゲート電圧Vgが印加されている状態を示している。パラレル伝導防止の観点から、中間層40の厚さdは7nm以下であることが好ましい。
まず、パラレル伝導について説明する。ゲート電極60にゲート電圧Vgが印加されると、図4に示すように、ゲート絶縁膜50に電圧V1が印加されてゲート絶縁膜50の伝導帯が傾くとともに、中間層40に電圧V2が印加されて中間層40の伝導帯が傾き、チャネル領域(図1参照)に存在する電子e1の一部が破線矢印で示すように中間層40の伝導帯にトンネル伝導する。電圧V1はゲート絶縁膜50における電圧降下量に相当し、電圧V2は中間層40における電圧降下量に相当する。例えば、V1>V2である。
中間層40の伝導帯にトンネル伝導した電子e2は、ゲート絶縁膜50と中間層40との界面に沿ってソース−ドレイン間を伝導する。つまり、ソース−ドレイン間の伝導経路として、チャネル領域を通る経路の他に、ゲート絶縁膜50と中間層40との界面を通る経路が生じることになる。この現象がパラレル伝導である。パラレル伝導により、チャネル領域の電子が減少するため、チャネル領域における電子の移動度が低下する。移動度の低下をさらに抑制するためには、パラレル伝導を防ぐことが効果的である。
次に、横型MOSFET100のゲート部を構成する各層のパラメータの一例を示す。P型の第2GaN層30のバンドギャップは3.4eVであり、比誘電率は9である。ゲート絶縁膜50はSiO膜であり、その厚さは100nmである。SiO膜のバンドギャップは9.1eVであり、比誘電率は3.9である。ゲート電圧Vgの最大値が30Vに設計されている場合、ゲート絶縁膜50における電界Eは最大で3MV/cmとなる。中間層40はAlN層である。AlN層の伝導帯のエネルギー準位と第2GaN層30の伝導帯のエネルギー準位との差(バンドオフセット)ΔE2は、2eVである。
第2GaN層30の伝導帯から中間層40の伝導帯へのトンネル伝導を防ぐためには、強反転で、AlN40における電位差V2(=E×d)が、バンドオフセットΔE2よりも小さければよい(V2<ΔE2)。強反転とは、Qg≧1×1013[cm−2]×qであるときを意味する。Qgは、ゲート部に蓄積される電荷の合計値である。qは素電荷である。
「Qg≧1×1013cm−2×qで、V2<ΔE2」を満たすとき、横型MOSFET100の反転層(チャネル領域)が強反転して十分に大きな電流が流れている状態でも、ゲート絶縁膜50と中間層40との界面に電荷が貯まらないようにすることができる。
なお、q=1.602×10−19[C]であるため、
Qg≧(1×1013)×(1.602×10−19)=1.602×10−6である。
また、中間層40の電気容量をC2とすると、V2=Qg/C2である。
したがって、「Qg≧1×1013cm−2×qで、V2<ΔE2」の規定は、「1.602×10−6/C2 < ΔE2」、と示すこともできる。
「1.602×10−6/C2 < ΔE2」は、ゲート電極に十分電圧を印加して、中間層40と第2GaN層30との界面に電荷が十分に蓄積した状態においても、ゲート絶縁膜50中間層40との界面には電子が蓄積しない、という条件である。なお、「1.602×10−6/C2 < ΔE2」は、小数第三位を四捨五入して「1.60×10−6/C2 < ΔE2」としてもよく、小数第二位を四捨五入して、「1.6×10−6/C2 < ΔE2」としてもよい。
上記のトンネル伝導を防ぐための条件は、中間層の膜厚で規定してもよい。すなわち、バンドオフセットΔE2と、中間層40における電界Eと、中間層40の厚さdとの間に以下の式(1)が成り立つようにしてもよい。
d<ΔE2/E…(1)
E=3MV/cm、ΔE2=2eVを式(1)に代入すると、およそ、d<7nmとなる。したがって、パラレル伝導防止の観点から、中間層40の膜厚は7nm以下であることが好ましい。中間層40として、AlGaN層、又は、Al層とAlGaN層の積層膜を用いる場合も、上記と同様に膜厚は7nm以下であることが好ましい。
〔2次元電子ガスの発生防止の観点〕
図5は、中間層40と第2GaN層30とのヘテロ接合によるエネルギーバンドの曲がりを例示する図である。中間層40は、AlN層である。中間層40とP型の第2GaN層30とがヘテロ接合することにより、中間層40では分極(自発分極とピエゾ分極)が生じる。この分極により中間層40に内部電界Epが発生し、中間層40に内部電圧Vpが発生する。例えば、上記のヘテロ接合により中間層40に生じる界面分極電荷Ncは最大で6E13cm−2となり、内部電界Epは最大で2.2V/cmとなる。中間層40として、AlN層の代わりにAl0.3Ga0.7Nを用いる場合、上記のヘテロ接合により生じる界面分極電荷Ncは最大で1.5E13cm−2となり、内部電界Epは最大で0.55V/cmとなる。中間層40の内部電圧Vpと、中間層40の内部電界Epと、中間層40の厚さdとの間には、以下の式(2)が成り立つ。
Vp=Ep×d…(2)
また、中間層40と接する第2GaN層30では、内部電圧Vpによりエネルギーバンドが曲がり、上記した界面分極電荷に対応した電荷が発生する。第2GaN層30のエネルギーバンドが曲がって伝導帯がフェルミ準位に達すると、2次元電子ガス(2DEG)が発生する。2DEGが発生すると、チャネルがオン状態(ノーマリーオン)になり易い。MOSFETの特性をノーマリーオフにするために、2DEGの発生を防ぐことが好ましい。
第2GaN層30の伝導帯の準位とフェルミ準位との差は3.2eVである。2DEGの発生を防ぐためには、第2GaN層30に印加される電圧(すなわち、中間層40の内部電圧Vp)を3.2eVよりも小さくすればよく、以下の式(3)が成り立つようにすればよい。
Vp<3.2eV…(3)
式(2)より、式(3)は式(3)’のように示すことができる。
Vp=(Ep×d)<3.2eV…(3)’
式(3)’に、中間層40の内部電界Ep=2.2V/cmを代入すると、およそ、d<1.5nmとなる。また、式(3)’にAl0.3Ga0.7Nの内部電界Ep=0.55V/cmを代入すると、およそ、d<6nmとなる。
2DEGの発生を防ぐ観点から、中間層40の厚さは、Gaの有無など組成にもよるが、2nm以下であることが好ましい。中間層40として、AlGaN層、又は、Al層とAlGaN層の積層膜を用いる場合も、上記と同様に膜厚は2nm以下であることが好ましい。
以上説明したように、本発明の実施形態1に係るGaN半導体装置1は、表面2aと、表面2aの反対側に位置する裏面2bとを有するGaN基板2と、GaN基板2の表面2a側に設けられたP型の第2GaN層30上と、第2GaN層30にチャネル領域を有する横型MOSFET100と、を備える。横型MOSFET100は、第2GaN層30の上方に設けられたゲート絶縁膜50と、第2GaN層30とゲート絶縁膜50との間に配置された中間層40と、ゲート絶縁膜50上に設けられたゲート電極60と、第2GaN層30上に設けられたN型のソース領域31と、第2GaN層30上に設けられ、ソース領域31と接するソース電極70と、を有する。
中間層40は、ゲート絶縁膜50よりもバンドギャップが小さく、第2GaN層30との間にバンドオフセットを有する。中間層40は、ゲート絶縁膜50を介してゲート電極60と向い合う位置(例えば、ゲート電極60の下方)に配置される。中間層40は高抵抗でありオーミック接触を阻害するので、ソース電極70とソース領域31とが接しているソースコンタクト領域SCを避けている。すなわち、中間層40はソースコンタクト領域SC上と、ソースコンタクト領域SC下とを避けている。また、中間層40は、ソースコンタクト領域SCだけでなく、ドレイン電極80とドレイン領域32とが接しているドレインコンタクト領域DCも避けている。すなわち、中間層40は、ドレインコンタクト領域DC上と、ドレインコンタクト領域DC下とを避けている。
例えば、第2GaN層30の表面30aの法線方向からの平面視で、中間層40は、ソースコンタクト領域SCと、ドレインコンタクト領域DCとをそれぞれ避けている。中間層40は、ソースコンタクト領域SC上や、ソースコンタクト領域SC下や、ソース電極70とソース領域31との間(すなわち、ソースコンタクト領域SC)には配置されていない。また、中間層40は、ドレインコンタクト領域DC上や、ドレインコンタクト領域DC下や、ドレイン電極80とドレイン領域32との間(すなわち、ドレインコンタクト領域DC)には配置されていない。
言い換えると、ソース電極70は、ソース領域31に直接接している。また、ドレイン電極80は、ドレイン領域32に直接接している。中間層40は、ソース電極70とドレイン電極80との間に配置されている。または、中間層40は、ソースコンタクト領域SCとドレインコンタクト領域DCとの間に配置されている。
これによれば、横型MOSFETのチャネル領域は、第2GaN層30よりもバンドギャップが大きい中間層40で覆われる。中間層40は、第2GaN層30にヘテロ接合されていることが好ましい。例えば、中間層40は第2GaN層30に直接設けられている。下地の第2GaN層30の結晶構造は単結晶であり、中間層40の結晶構造も下地のGaN層に揃い単結晶となっている。中間層40と第2GaN層30との界面付近において双方の格子定数は一致又はほぼ一致している。これによれば、中間層40は、第2GaN層30との界面付近での電子の散乱を抑制することができ、チャネル領域における電子の平均自由工程を長くすることができる。これにより、チャネル領域において、電子の移動度をさらに向上させることができる。
中間層40の電気容量をC2とし、中間層40と第2GaN層30との間のバンドオフセットをΔE2とすると、1.6×10−6/C2<ΔE2、の関係を満たすことが好ましい。これにより、横型MOSFET100のチャネル領域に存在する電子が中間層40の伝導帯にトンネル伝導することを防ぐことができ、パラレル伝導を防ぐことができる。これにより、チャネル領域において、電子の減少を抑制することができるので、電子の移動度をさらに向上させることができる。
中間層40の厚さは、0.25nm以上7nm以下であることが好ましい。これによれば、チャネル領域に存在する電子が中間層40の伝導帯にトンネル伝導することを防ぐことができ、パラレル伝導を防ぐことができる。これにより、チャネル領域において、電子の減少を抑制することができるので、電子の移動度をさらに向上させることができる。
中間層40の厚さは、0.25nm以上2nm以下であることがさらに好ましい。これによれば、2DEGの発生を抑制するとともに、閾値電圧Vthを0.5V以上に設定することができる。これにより、MOSFETの特性がノーマリーオンとなることを防ぐことができる。
また、横型MOSFET100の閾値電圧Vhを3.0V以上に設定してもよい。これにより、横型MOSFET100をパワーMOSFETとして使用することができる。閾値電圧Vthは、ゲート絶縁膜50の厚さを厚くすることによって、3.0V以上の任意の値に調整してもよい。また、中間層40にAlN層(又は、AlGaN層)以外の膜を用いる場合は、ピエゾ分極の影響を無視できるので、中間層40の膜厚を厚くして閾値電圧Vthを高くしてもよい。
<実施形態2>
上記の実施形態1では、本発明の実施形態に係る窒化物半導体装置が横型のパワーMOSFETである場合を説明した。しかしながら、本発明はこれに限定されない。本発明の実施形態に係る窒化物半導体装置は、縦型のパワーMOSFETであってもよい。
図6は、本発明の実施形態2に係るGaN半導体装置1Aの構成例を示す断面図である。図6に示すように、GaN半導体装置1Aは、GaN基板2と、GaN基板2上に設けられたN型の第1GaN層20と、第1GaN層20上に設けられたP型の第2GaN層30と、第2GaN層30にチャネル領域を有するN型の縦型MOSFET100Aと、を備える。縦型MOSFET100Aは、本発明の「トランジスタ」の一例である。縦型MOSFET100Aは、第2GaN層30上に設けられた中間層40と、中間層40上に設けられたゲート絶縁膜50と、ゲート絶縁膜50上に設けられたゲート電極60と、を備える。
また、縦型MOSFET100Aは、第2GaN層30に設けられたN型のソース領域31と、ソース領域31と接するソース電極70と、ドレイン電極80と、を備える。ドレイン電極80は、GaN基板2の表面2aの反対側に位置する裏面2b(本発明の「第2主面」の一例)側に設けられている。
また、縦型MOSFET100Aは、第2GaN層30に設けられたN型の不純物領域33を備える。不純物領域33は、SiやO等のN型不純物を含む。不純物領域33において、Si等のN型不純物の濃度は、Mg等のP型不純物の濃度よりも高い。不純物領域33は、第2GaN層30の表面30aから第2GaN層30の厚さ方向に深く形成されており、第1GaN層20に達している。また、第2GaN層30の厚さ方向と直交する水平方向において、不純物領域33はソース領域31と一定の距離を置いて離れて配置されている。
GaN半導体装置1Aでは、第2GaN層30の表面30a近傍であって、不純物領域33とソース領域31との間に位置し、かつゲート絶縁膜50を介してゲート電極60と向かい合う領域が、縦型MOSFET100Aのチャネル領域となる。縦型MOSFET100Aのオン電流は、ドレイン電極80から、GaN基板2、第1GaN層20、不純物領域33、チャネル領域及びソース領域31を通って、ソース電極70に流れる。また、ソース電極70は、ソース領域31だけでなく第2GaN層30の表面30aとも接している。これにより、第2GaN層30の電位は、ソース電極70の電位に固定される。
図7Aから図7Eは、本発明の実施形態2に係るGaN半導体装置1Aの製造方法を工程順に示す断面図である。GaN半導体装置1Aは、成膜装置、露光装置、エッチング装置など、各種の製造装置によって製造される。図7Aにおいて、P型の第2GaN層30上に中間層40をエピタキシャル成長させる工程までは、実施形態1と同じである。中間層40が形成された後、製造装置は、第2GaN層30において、不純物領域33が形成される領域にN型不純物としてSiをイオン注入する。図7Bに示すように、単結晶の中間層40のうち、不純物領域33が形成される領域の上方に位置する部位は、イオン注入によって非晶質化され、非晶質の中間層41となる。
次に、製造装置は、不純物領域33が形成される領域にSiがイオン注入された積層体に熱処理(以下、第1熱処理)を施す。第1熱処理により、第2GaN層30に導入されたSi等のN型不純物が活性化され、P型の第2GaN層30にN型の不純物領域33が形成される。また、第1熱処理により、不純物領域33において、イオン注入により生じた欠陥をある程度回復することができる。
次に、製造装置は、第2GaN層30において、ソースが形成される領域にN型不純物としてSiをイオン注入する。図7Cに示すように、単結晶の中間層40のうち、ソースが形成される領域の上方に位置する部位は、イオン注入によって非晶質化され、非晶質の中間層41となる。
次に、製造装置は、ソースが形成される領域にSiがイオン注入された積層体に第2熱処理を施す。第2熱処理により、第2GaN層30に導入されたSi等のN型不純物が活性化され、P型の第2GaN層30にN型のソース領域31が形成される。また、第2熱処理により、ソース領域31において、イオン注入により生じた欠陥をある程度回復することができる。
なお、本発明の実施形態では、第1熱処理を行わずに第2熱処理を行うようにしてもよい。この場合は、第2熱処理によって、N型の不純物領域33と、N型のソース領域31とが形成される。
次に、図7Dに示すように、製造装置は、プラズマCVD法により、中間層40、41上にゲート絶縁膜50を形成する。次に、製造装置は、ゲート絶縁膜50及び中間層40、41を部分的にウェットエッチングして、ソース領域31の表面を露出させる。
次に、図7Eに示すように、製造装置は、GaN基板2の表面2a側に金属膜を形成し、形成された金属膜をパターニングして、ゲート電極60及びソース電極70を形成する。金属膜の形成は、蒸着又はスパッタリング等で行う。金属膜のパターニングは、ドライエッチング又はリフトオフ法で行う。
また、ゲート電極60及びソース電極70の形成工程と前後して、製造装置は、GaN基板2の裏面2b側に金属膜を形成し、形成された金属膜を必要に応じてパターニングして、ドレイン電極80(図6参照)を形成する。金属膜の形成は、蒸着又はスパッタリング等で行う。金属膜のパターニングは、ドライエッチング又はリフトオフ法で行う。以上の工程を経て、図6に示したGaN半導体装置1Aが完成する。
以上説明したように、実施形態2に係るGaN半導体装置1Aは、第2GaN層30にチャネル領域を有する縦型MOSFET100Aを備える。縦型MOSFET100Aは、第2GaN層30とゲート絶縁膜50との間に配置された中間層40を有する。中間層40は、ゲート絶縁膜50よりもバンドギャップが小さく、第2GaN層30との間にバンドオフセットを有する。中間層40は、ゲート絶縁膜50を介してゲート電極60と向い合う位置に配置される。中間層40は高抵抗でありオーミック接触を阻害するので、ソース電極70とソース領域31とが接しているソースコンタクト領域SCを避けている。
これによれば、縦型MOSFETのチャネル領域は、第2GaN層30よりもバンドギャップが大きい中間層40で覆われる。GaN半導体装置1Aにおいても、中間層40は第2GaN層30にヘテロ接合されていることが好ましい。これによれば、中間層40は、第2GaN層30との界面付近での電子の散乱を抑制することができ、チャネル領域における電子の平均自由工程を長くすることができる。これにより、チャネル領域において、電子の移動度をさらに向上させることができる。
GaN半導体装置1Aにおいても、中間層40の電気容量をC2とし、中間層40と第2GaN層30との間のバンドオフセットをΔE2とすると、1.6×10−6/C2<ΔE2、の関係を満たすことが好ましい。これにより、縦型MOSFET100Aのチャネル領域に存在する電子が中間層40の伝導帯にトンネル伝導することを防ぐことができ、パラレル伝導を防ぐことができる。これにより、チャネル領域において、電子の減少を抑制することができるので、電子の移動度をさらに向上させることができる。
GaN半導体装置1Aにおいても、中間層40の厚さは、0.25nm以上7nm以下であることが好ましい。これにより、パラレル伝導を防ぐことができるので、チャネル領域における電子の移動度をさらに向上させることができる。また、中間層40の厚さは、0.25nm以上2nm以下であることがさらに好ましい。これにより、2DEGの発生を抑制するとともに、閾値電圧Vthを0.5V以上に設定することができる。縦型MOSFETの特性がノーマリーオンとなることを防ぐことができる。
また、縦型MOSFET100Aの閾値電圧を3.0V以上に設定してもよい。これにより、縦型MOSFET100AをパワーMOSFETとして使用することができる。
<実施形態3>
上記の実施形態2では、P型の第2GaN層30にチャネル領域が形成される場合を説明した。しかしながら、本発明はこれに限定されない。チャネル領域は、P型の第2GaN層30ではなく、P型のウェル領域に形成されてもよい。
図8は、本発明の実施形態3に係るGaN半導体装置1Bの構成例を示す断面図である。
図8に示すように、GaN半導体装置1Bは、GaN基板2と、GaN基板2上に設けられたN型のGaN層110と、GaN層110に設けられたP型のウェル領域111と、ウェル領域111にチャネル領域を有するN型の縦型MOSFET100Bと、を備える。
縦型MOSFET100Bは、本発明の「トランジスタ」の一例である。縦型MOSFET100Bは、GaN層110上に設けられた中間層40と、中間層40上に設けられたゲート絶縁膜50と、ゲート絶縁膜50上に設けられたゲート電極60と、を備える。また、縦型MOSFET100Bは、ウェル領域111の内側に設けられたN型のソース領域31と、GaN層110上に設けられてソース領域31と接するソース電極70と、GaN基板2の裏面2b側に設けられたドレイン電極80と、を備える。
GaN半導体装置1Bでは、ウェル領域111の表面111a近傍であって、GaN層110とソース領域31との間に位置し、かつゲート絶縁膜50を介してゲート電極60と向かい合う領域が、縦型MOSFET100Bのチャネル領域となる。縦型MOSFET100Bのオン電流は、ドレイン電極80から、GaN基板2、GaN層110、チャネル領域及びソース領域31を通って、ソース電極70に流れる。また、ソース電極70は、ソース領域31だけでなくウェル領域111の表面111aとも接している。これにより、ウェル領域111の電位は、ソース電極70の電位に固定される。
図9Aから図9Cは、本発明の実施形態3に係るGaN半導体装置1Bの製造方法を工程順に示す断面図である。GaN半導体装置1Bは、成膜装置、露光装置、エッチング装置など、各種の製造装置によって製造される。図9Aに示すように、製造装置は、GaN基板2の表面2a上にGaN層110を形成する。例えば、製造装置は、MOCVD法により、GaN基板2の表面2a上にGaN層110をエピタキシャル成長させる。製造装置は、GaN層110をエピタキシャル成長させる過程で、GaN層110にN型不純物としてSiをドープする。製造装置は、MOCVD法により、GaN層110の表面上に中間層40をエピタキシャル成長させる。
次に、図9Bに示すように、製造装置は、GaN層110において、ウェルが形成される領域にP型不純物としてMgをイオン注入する。次に、製造装置は、ウェルが形成される領域にMgがイオン注入された積層体に熱処理を施す。この熱処理により、GaN層110に導入されたMg等のP型不純物が活性化され、N型のGaN層110にP型のウェル領域21が形成される。また、この熱処理により、ウェル領域21において、イオン注入により生じた欠陥をある程度回復することができる。
次に、図9Cに示すように、製造装置は、P型のウェル領域111において、N型のソースが形成される領域にN型不純物としてSiをイオン注入する。単結晶の中間層40のうち、ソースが形成される領域の上方に位置する部位は、イオン注入によって非晶質化され、非晶質の中間層41となる。
次に、製造装置は、ソースが形成される領域にSiがイオン注入された積層体に熱処理を施す。この熱処理により、ウェル領域111に導入されたSi等のN型不純物が活性化され、P型のウェル領域111にN型のソース領域31が形成される。また、この熱処理により、ソース領域31において、イオン注入により生じた欠陥をある程度回復することができる。
これ以降の工程は、実施形態2と同じである。製造装置は、GaN基板2の表面2a側に、ゲート絶縁膜50(図8参照)と、ゲート電極60(図8参照)と、ソース電極70(図8参照)とを形成する。また、製造装置は、GaN基板2の裏面2b側に、ドレイン電極80(図8参照)を形成する。以上の工程を経て、図8に示したGaN半導体装置1Bが完成する。
以上説明したように、実施形態3に係るGaN半導体装置1Bは、ウェル領域111にチャネル領域を有する縦型MOSFET100Bを備える。縦型MOSFET100Bは、第2GaN層30とゲート絶縁膜50との間に配置された中間層40を有する。中間層40は、ゲート絶縁膜50よりもバンドギャップが小さく、第2GaN層30との間にバンドオフセットを有する。中間層40は、ゲート絶縁膜50を介してゲート電極60と向い合う位置に配置される。中間層40は高抵抗でありオーミック接触を阻害するので、ソース電極70とソース領域31とが接しているソースコンタクト領域SCを避けている。これにより、GaN半導体装置1Bは、実施形態2に係るGaN半導体装置1Aと同様の効果を奏する。
GaN半導体装置1Bにおいても、中間層40の電気容量をC2とし、中間層40と第2GaN層30との間のバンドオフセットをΔE2とすると、1.6×10−6/C2<ΔE2、の関係を満たすことが好ましい。これにより、縦型MOSFET100Bのチャネル領域に存在する電子が中間層40の伝導帯にトンネル伝導することを防ぐことができ、パラレル伝導を防ぐことができる。これにより、チャネル領域において、電子の減少を抑制することができるので、電子の移動度をさらに向上させることができる。
GaN半導体装置1Bにおいても、中間層40は第2GaN層30にヘテロ接合されていることが好ましい。中間層40の厚さは、0.25nm以上7nm以下であることが好ましく、0.25nm以上2nm以下であることがさらに好ましい。
また、縦型MOSFET100Bの閾値電圧を3.0V以上に設定してもよい。これにより、縦型MOSFET100BをパワーMOSFETとして使用することができる。
<実施形態4>
上記の実施形態2、3では、本発明の実施形態に係るGaN半導体装置のトランジスタがプレーナ構造の縦型MOSFETである場合を説明した。しかしながら、縦型MOSFETはプレーナ構造に限定されない。縦型MOSFETはトレンチゲート構造であってもよい。
図10は、本発明の実施形態4に係るGaN半導体装置1Cの構成例を示す断面図である。図10に示すように、GaN半導体装置1Cは、トレンチH3が設けられたGaN層10と、第2GaN層30にチャネル領域を有するN型の縦型MOSFET100Cと、を備える。縦型MOSFET100Cは、本発明の「トランジスタ」の一例である。トレンチH3は、第2GaN層30の表面30a側に開口している。トレンチH3の深さは第2GaN層30の厚さよりも大きく、トレンチH3の底部は第1GaN層20まで達している。
トレンチH3の内側には、AlN40膜とゲート絶縁膜50とゲート電極60とが配置されている。トレンチH3の内側の側面と底面とを、AlN40膜と、ゲート絶縁膜50とがこの順で覆っている。また、ゲート電極60は、ゲート絶縁膜50によって水平方向の両側から挟まれている。
GaN半導体装置1Cでは、第2GaN層30であって、第1GaN層20とソース領域31との間に位置し、かつゲート絶縁膜50を介してゲート電極60と向かい合う領域が、縦型MOSFET100Cのチャネル領域となる。縦型MOSFET100Cのオン電流は、ドレイン電極80から、GaN基板2、第1GaN層20、チャネル領域及びソース領域31を通って、ソース電極70に流れる。また、ソース電極70は、ソース領域31だけでなく第2GaN層30の表面30aとも接している。これにより、第2GaN層30の電位は、ソース電極70の電位に固定される。
図11Aから図11Cは、本発明の第4実施形態に係るGaN半導体装置1Cの製造方法を工程順に示す断面図である。GaN半導体装置1Cは、成膜装置、露光装置、エッチング装置など、各種の製造装置によって製造される。図11Aにおいて、P型の第2GaN層30を形成する工程までは、実施形態2と同じである。第2GaN層30が形成された後、製造装置は、第2GaN層30において、ソースが形成される領域にN型不純物としてSiをイオン注入する。
次に、製造装置は、第2GaN層30の表面30a側から第2GaN層30、第1GaN層20を順次ドライエッチングして、トレンチH3を形成する。次に、製造装置は、トレンチH3が形成されたた積層体に熱処理を施す。この熱処理により、第2GaN層30に導入されたSi等のN型不純物が活性化され、P型の第2GaN層30にN型のソース領域31が形成される。また、この熱処理により、ソース領域31において、イオン注入により生じた欠陥をある程度回復することができる。また、この熱処理により、第2GaN層30、第1GaN層20において、トレンチH3の形成により生じた欠陥をある程度回復することができる。
次に、図11Bに示すように、製造装置は、第2GaN層30上に中間層40をエピタキシャル成長させる。次に、製造装置は、プラズマCVD法により、中間層40上にゲート絶縁膜50を形成する。次に、製造装置は、ゲート絶縁膜50及び中間層40を部分的にウェットエッチングする。これにより、製造装置は、トレンチH3内にゲート絶縁膜50及び中間層40を残し、それ以外の領域からゲート絶縁膜50及び中間層40を除去する。
次に、図11Cに示すように、製造装置は、GaN基板2の表面2a側に金属膜を形成し、形成された金属膜をパターニングして、ゲート電極60及びソース電極70を形成する。金属膜の形成は、蒸着又はスパッタリング等で行う。金属膜のパターニングは、ドライエッチング又はリフトオフ法で行う。
また、ゲート電極60及びソース電極70の形成工程と前後して、製造装置は、GaN基板2の裏面2b側に金属膜を形成し、形成された金属膜を必要に応じてパターニングして、ドレイン電極80(図10参照)を形成する。金属膜の形成は、蒸着又はスパッタリング等で行う。金属膜のパターニングは、ドライエッチング又はリフトオフ法で行う。以上の工程を経て、図10に示したGaN半導体装置1Cが完成する。
以上説明したように、実施形態4に係るGaN半導体装置1Cは、第2GaN層30にチャネル領域を有する縦型MOSFET100Cを備える。縦型MOSFET100Cは、第2GaN層30とゲート絶縁膜50との間に配置された中間層40を有する。中間層40は、ゲート絶縁膜50よりもバンドギャップが小さく、第2GaN層30との間にバンドオフセットを有する。中間層40は、ゲート絶縁膜50を介してゲート電極60と向い合う位置に配置される。中間層40は高抵抗でありオーミック接触を阻害するので、ソース電極70とソース領域31とが接しているソースコンタクト領域SCを避けている。これにより、GaN半導体装置1Cは、実施形態2に係るGaN半導体装置1Aと同様の効果を奏する。
GaN半導体装置1Cにおいても、中間層40の電気容量をC2とし、中間層40と第2GaN層30との間のバンドオフセットをΔE2とすると、1.6×10−6/C2<ΔE2、の関係を満たすことが好ましい。これにより、縦型MOSFET100Cのチャネル領域に存在する電子が中間層40の伝導帯にトンネル伝導することを防ぐことができ、パラレル伝導を防ぐことができる。これにより、チャネル領域において、電子の減少を抑制することができるので、電子の移動度をさらに向上させることができる。
GaN半導体装置1Cにおいても、中間層40は第2GaN層30にヘテロ接合されていることが好ましい。中間層40の厚さは、0.25nm以上7nm以下であることが好ましく、0.25nm以上2nm以下であることがさらに好ましい。
また、縦型MOSFET100Cの閾値電圧を3.0V以上に設定してもよい。これにより、縦型MOSFET100CをパワーMOSFETとして使用することができる。
<その他の実施形態>
上記のように、本発明は実施形態及び変形例によって記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面は本発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、変形例が明らかとなろう。
例えば、本発明の「ゲート絶縁膜」は、SiO膜に限定されず、シリコン酸窒化(SiON)膜、ストロンチウム酸化物(SrO)膜、シリコン窒化物(SiN)膜も使用可能である。また、ゲート絶縁膜には、単層の絶縁膜をいくつか積層した複合膜等も使用可能である。ゲート絶縁膜としてSiO膜以外の絶縁膜を用いたMOSFETは、MISFETと呼んでもよい。MISFETは、MOSFETを含む、より包括的な絶縁ゲート型トランジスタを意味する。
このように、本発明はここでは記載していない様々な実施形態等を含むことは勿論である。上述した実施形態及び各変形例の要旨を逸脱しない範囲で、構成要素の種々の省略、置換及び変更のうち少なくとも1つを行うことができる。また、本明細書に記載された効果はあくまでも例示であって限定されるものでは無く、また他の効果があってもよい。本発明の技術的範囲は上記の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
なお、本発明は以下のような構成も取ることができる。
(1)第1主面と、前記第1主面の反対側に位置する第2主面とを有する窒化ガリウム系半導体基板と、
前記窒化ガリウム系半導体基板の前記第1主面側に設けられた窒化ガリウム系半導体層と、
前記窒化ガリウム系半導体層にチャネル領域を有するトランジスタと、を備え、
前記トランジスタは、
前記窒化ガリウム系半導体層の上方に設けられたゲート絶縁膜と、
前記窒化ガリウム系半導体層と前記ゲート絶縁膜との間に配置され、前記ゲート絶縁膜よりもバンドギャップが小さく、前記窒化ガリウム系半導体層との間にバンドオフセットを有する中間層と、
前記ゲート絶縁膜上に設けられたゲート電極と、
前記窒化ガリウム系半導体層に設けられた第1導電型のソース領域と、
前記窒化ガリウム系半導体層上に設けられ、前記ソース領域と接するソース電極と、を有し、
前記中間層は、前記ゲート絶縁膜を介して前記ゲート電極と向い合う位置に配置され、かつ前記ソース電極と前記ソース領域とが接しているソースコンタクト領域を避けている、窒化物半導体装置。
(2)前記中間層の電気容量をC2とし、前記中間層と前記窒化ガリウム系半導体層との間の前記バンドオフセットをΔE2とすると、
1.6×10−6/C2 < ΔE2、の関係を満たす、
前記(1)に記載の窒化物半導体装置。
(3)前記第1導電型はN型であり、
前記トランジスタの閾値電圧は3.0V以上である、
前記(1)又は(2)に記載の窒化物半導体装置。
(4)前記窒化ガリウム系半導体層は、窒化ガリウムで構成される、
前記(1)から(3)のいずれか1項に記載の窒化物半導体装置。
(5)前記窒化ガリウム系半導体層は、
前記第1導電型の第1窒化ガリウム層と、
前記第1窒化ガリウム層上に設けられた第2導電型の第2窒化ガリウム層と、備え、
前記ソース領域は前記第2窒化ガリウム層に設けられている、
前記(1)から(3)のいずれか1項に記載の窒化物半導体装置。
(6)前記ゲート絶縁膜は、酸化シリコン又は酸化アルミニウムで構成される、
前記(1)から(5)のいずれか1項に記載の窒化物半導体装置。
(7)前記中間層は、窒化アルミニウム系半導体層である、
前記(1)、(2)、(4)から(6)のいずれか1項に記載の窒化物半導体装置。
(8)前記中間層は前記窒化ガリウム系半導体層にヘテロ接合されている、
前記(1)から(7)のいずれか1項に記載の窒化物半導体装置。
(9)前記トランジスタは、
前記窒化ガリウム系半導体層に設けられた前記第1導電型のドレイン領域と、
前記窒化ガリウム系半導体層上に設けられ、前記ドレイン領域と接するドレイン電極とをさらに有し、
前記中間層は、
前記ドレイン電極と前記ドレイン領域とが接しているドレインコンタクト領域を避けている、
前記(1)から(8)のいずれか1項に記載の窒化物半導体装置。
(10)前記窒化ガリウム系半導体基板の前記第2主面側に設けられたドレイン電極、をさらに備える
前記(1)から(8)のいずれか1項に記載の窒化物半導体装置。
(11)前記中間層の厚さは、0.25nm以上、7nm以下である前記(1)から(10)のいずれか1項に記載の窒化物半導体装置。
(12)前記中間層の厚さは、0.25nm以上、2nm以下である前記(1)から(10)のいずれか1項に記載の窒化物半導体装置。
1、1A、1B、1C GaN半導体装置
2 GaN基板
2a、30a 表面
2b 裏面
10 GaN層
20 第1GaN層
30 第2GaN層
21 ウェル領域
31 ソース領域
32 ドレイン領域
33 不純物領域
40、41 中間層
50 ゲート絶縁膜
60 ゲート電極
65 絶縁膜
70 ソース電極
80 ドレイン電極
100 横型MOSFET
100A、100B、100C 縦型MOSFET
110 GaN層
111 ウェル領域
111a 表面
DC ドレインコンタクト領域
H1 第1コンタクトホール
H2 第2コンタクトホール
H3 トレンチ
SC ソースコンタクト領域

Claims (12)

  1. 第1主面と、前記第1主面の反対側に位置する第2主面とを有する窒化ガリウム系半導体基板と、
    前記窒化ガリウム系半導体基板の前記第1主面側に設けられた窒化ガリウム系半導体層と、
    前記窒化ガリウム系半導体層にチャネル領域を有するトランジスタと、を備え、
    前記トランジスタは、
    前記窒化ガリウム系半導体層の上方に設けられたゲート絶縁膜と、
    前記窒化ガリウム系半導体層と前記ゲート絶縁膜との間に配置され、前記ゲート絶縁膜よりもバンドギャップが小さく、前記窒化ガリウム系半導体層との間にバンドオフセットを有する中間層と、
    前記ゲート絶縁膜上に設けられたゲート電極と、
    前記窒化ガリウム系半導体層に設けられた第1導電型のソース領域と、
    前記窒化ガリウム系半導体層上に設けられ、前記ソース領域と接するソース電極と、を有し、
    前記中間層は、前記ゲート絶縁膜を介して前記ゲート電極と向い合う位置に配置され、かつ前記ソース電極と前記ソース領域とが接しているソースコンタクト領域を避けている、窒化物半導体装置。
  2. 前記中間層の電気容量をC2とし、前記中間層と前記窒化ガリウム系半導体層との間の前記バンドオフセットをΔE2とすると、
    1.6×10−6/C2 < ΔE2、の関係を満たす、請求項1に記載の窒化物半導体装置。
  3. 前記第1導電型はN型であり、
    前記トランジスタの閾値電圧は3.0V以上である、請求項1に記載の窒化物半導体装置。
  4. 前記窒化ガリウム系半導体層は、窒化ガリウムで構成される、請求項1に記載の窒化物半導体装置。
  5. 前記窒化ガリウム系半導体層は、
    前記第1導電型の第1窒化ガリウム層と、
    前記第1窒化ガリウム層上に設けられた第2導電型の第2窒化ガリウム層と、備え、
    前記ソース領域は前記第2窒化ガリウム層に設けられている、請求項1に記載の窒化物半導体装置。
  6. 前記ゲート絶縁膜は、酸化シリコン又は酸化アルミニウムで構成される、請求項1に記載の窒化物半導体装置。
  7. 前記中間層は、窒化アルミニウム系半導体層である、請求項1に記載の窒化物半導体装置。
  8. 前記中間層は前記窒化ガリウム系半導体層にヘテロ接合されている、請求項1に記載の窒化物半導体装置。
  9. 前記トランジスタは、
    前記窒化ガリウム系半導体層に設けられた前記第1導電型のドレイン領域と、
    前記窒化ガリウム系半導体層上に設けられ、前記ドレイン領域と接するドレイン電極とをさらに有し、
    前記中間層は、
    前記ドレイン電極と前記ドレイン領域とが接しているドレインコンタクト領域を避けている、請求項1に記載の窒化物半導体装置。
  10. 前記窒化ガリウム系半導体基板の前記第2主面側に設けられたドレイン電極、をさらに備える請求項1に記載の窒化物半導体装置。
  11. 前記中間層の厚さは、0.25nm以上、7nm以下である請求項1に記載の窒化物半導体装置。
  12. 前記中間層の厚さは、0.25nm以上、2nm以下である請求項1に記載の窒化物半導体装置。
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