[第1実施形態]
以下では、本発明に係る遊技機の一実施形態を示すパチスロ機について、図面を参照しながら説明する。本実施の形態のパチスロ機では、遊技を行うための遊技媒体としてメダルを用いる。なお、遊技媒体としては、メダル以外にも、コイン、遊技球、遊技用のポイントデータ又はトークンなどを適用することもできる。また、遊技媒体を払い出す遊技機に限定されず、遊技球等の遊技媒体を封入し所定の付与条件が成立した場合に獲得ポイント等、電子データとして特典を付与する封入式の遊技機に適用することも可能である。また、本実施形態では、特定の小役の成立をランプなどでナビゲートする機能であるアシストタイム(以下、「AT」という)と、特定プレイ数の間、リプレイ確率が通常時より高くなる機能であるRTとが同時に作動するアシストリプレイタイム(以下、「ART」という)の機能を備えたパチスロについて説明する。
[パチスロ機の機能フロー]
図1に示すように、パチスロ機1は、遊技者によりメダルが投入され、スタートレバー6が操作されると、予め定められた数値の範囲(例えば、0〜65535)の乱数から一つの値(以下、乱数値)を抽出する。
内部当籤役決定手段(後述のメインCPU31)は、抽出された乱数値に基づいて抽籤を行い、内部当籤役を決定する。すなわち、内部当籤役決定手段は、スタートスイッチ6S(図4参照)によるスタートレバー6に対する単位遊技の開始操作の検出(所定の開始条件の成立)に基づき、複数の役の中から所定の当籤確率で内部当籤役を決定する。
内部当籤役の決定により、後述の入賞ラインに沿って表示を行うことを許可する図柄の組合せが決定される。なお、図柄の組合せの種別としては、メダルの払出、再遊技(リプレイ)の作動、ボーナスの作動などといった特典が遊技者に与えられる「入賞」に係るものと、それ以外のいわゆる「ハズレ」に係るものとが設けられている。
続いて、複数のリール3L、3C、3Rの回転が行われた後で、遊技者によりストップボタン7L、7C、7Rが押されると、リール停止制御手段(後述のメインCPU31、後述のモータ駆動回路39、後述のステッピングモータ49L、49C、49R)は、内部当籤役とストップボタン7L、7C、7Rが押されたタイミングとに基づいて、該当するリール3L、3C、3Rの回転を停止する制御を行う。
ここで、パチスロ機1では、基本的に、ストップボタン7L、7C、7Rが押されたときから規定時間(190msec)内に、該当するリール3L、3C、3Rの回転を停止する制御が行われる。本実施の形態では、上記規定時間内でのリール3L、3C、3Rの回転に伴って移動する図柄の数を「滑り駒数」と呼び、その最大数を図柄4個分(最大滑り駒数)に定める。
リール停止制御手段は、入賞に係る図柄の組合せの表示を許可する内部当籤役が決定されているときでは、上記規定時間を利用して、その図柄の組合せが入賞ライン(以下、「有効ライン」という)に沿って極力表示されるように最大滑り駒数の範囲でリール3L、3C、3Rの回転を停止する。
その一方で、内部当籤役によってその表示が許可されていない図柄の組合せについては、上記規定時間を利用して、有効ラインに沿って表示されることがないように最大滑り駒数の範囲でリール3L、3C、3Rの回転を停止する。
こうして、複数のリール3L、3C、3Rの回転が全て停止されると、入賞判定手段(後述のメインCPU31)は、有効ラインに沿って表示された図柄の組合せが、入賞に係るものであるか否かの判定を行う。
すなわち、入賞判定手段は、リール停止制御手段により図柄の変動が停止されたことに基づいて、有効ライン上に停止した図柄の組合せに基づいて役の入賞又は非入賞を判定する。
入賞に係るものであるとの判定が行われると、メダルの払出などの特典が遊技者に与えられる。以上のような一連の流れがパチスロ機1における1回の遊技(単位遊技)として行われる。
なお、本実施の形態では、全てのリール3L、3C、3Rが回転しているときに最初に行われるリールの停止操作(ストップボタン7L、7C、7Rの操作)を第1停止操作、第1停止操作の次に行われる停止操作を第2停止操作、第2停止操作の次に行われる停止操作を第3停止操作という。
また、パチスロ機1では、前述した一連の流れの中で、表示ユニット100により行う光(映像)の出力、スピーカ9L、9Rにより行う音の出力、あるいはこれらの組合せを利用して様々な演出が行われる。
スタートレバーが操作されると、上述した内部当籤役の決定に用いられた乱数値とは別に、演出用の乱数値(以下、演出用乱数値)が抽出される。演出用乱数値が抽出されると、演出内容決定手段は、内部当籤役に対応づけられた複数種類の演出内容の中から今回実行するものを抽籤により決定する。この演出内容決定手段は、後述する副制御基板が担う。
演出内容が決定されると、表示ユニット100やスピーカ9L,9Rは、リールの回転開始時、各リールの回転停止時、入賞の有無の判定時などの各契機に連動させて対応する演出を実行する。このように、パチスロ機1では、内部当籤役に対応づけられた演出内容を実行することによって、決定された内部当籤役(言い換えると、狙うべき図柄の組合せ)を知る機会又は予想する機会が遊技者に提供され、遊技者の興味の向上を図ることができる。
[パチスロ機の構造]
パチスロ機1の機能フローについての説明は以上である。次に、図2及び図3を参照して、本実施の形態におけるパチスロ機1の構造について説明する。
図2は、本実施の形態におけるパチスロ機1の斜視図である。図3は、本実施の形態におけるパチスロ機1の正面図である。
パチスロ機1の全体を形成している筐体60は、前面側に矩形状の開口を有する箱状のキャビネット61と、キャビネット61の前面上部に配置された上ドア62aと、キャビネット61の前面下部に配置された下ドア62bとを有している。キャビネット61は、遊技に用いられる機器(例えば、リールなど)を収容する。上ドア62a及び下ドア62bは、キャビネット61の開口の形状及び大きさに対応するように形成されている。上ドア62aは、キャビネット61における開口の上部を閉塞可能に設けられ、下ドア62bは、キャビネット61における開口の下部を閉塞可能に設けられる。
なお、キャビネット61は、上ドア62a及び下ドア62bを固定する部材であるため、固定枠と称することがあり、また、上ドア62a及び下ドア62bは、前扉と称することがある。
上ドア62aは、表示ユニット100を中央部に有している。表示ユニット100は、遊技の進行に応じた演出を行う演出装置であり、後述の副制御基板72の制御のもと遊技の進行に応じて様々な映像を表示する。なお、表示ユニット100は、例えば、液晶ディスプレイや有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイなどのような表示装置であってもよいが、本実施形態では、所謂プロジェクションマッピング装置を用いる。
下ドア62bの上部の略中央部には、矩形状の開口部として形成された表示窓4が設けられている。表示窓4は、後述するリール3L、3C、3Rに表示された複数の図柄の一部を表示する図柄表示手段を構成する。表示窓4には、右上り斜めのクロスアップライン、上段のトップライン、中段のセンターライン、下段のボトムライン及び右下がり斜めのクロスダウンラインが表示されている。
図3に示すように、表示窓4は、リール3L、3C、3Rに表示された複数の図柄のうちの3個の図柄を表示する。そのため、表示窓4は、3×3の図柄が表示される。表示窓4に表示されるクロスアップライン〜クロスダウンラインの5本のラインは、表示窓4が表示する3×3の図柄を直線的に結ぶラインである。
本実施形態では、これら5本のラインのうちのセンターラインが有効ラインであり、センターラインに沿って表示された図柄の組合せに基づいて、入賞の判定が行われる。一方、センターライン以外の4本のラインは、入賞の判定に用いられることのない疑似的なラインである。
なお、有効ライン(センターライン)は、後述のMAXベットボタン11を操作すること、又はメダル投入口22にメダルを投入することにより有効化される。ここで、MAXベットボタン11を操作することと、メダルを投入することとは同義である。したがって、例えば「メダルの投入枚数」という場合には、上述のMAXベットボタン11の操作によるBET枚数と実際にメダル投入口22に投入された投入枚数のいずれも含まれる。
キャビネット61には、複数のリール3L、3C、3Rが回転自在に横一列に設けられている。各リール3L、3C、3Rは、それぞれの外周面に、遊技に必要な複数種類の図柄によって構成される識別情報としての図柄列が描かれたリール帯を有する。すなわち、リール3L、3C、3Rには、複数の図柄が表示されている。
各リール帯に描かれた図柄は表示窓4を通して、パチスロ機1の外部から視認できるようになっている。また、各リール3L、3C、3Rは、定速回転(例えば80回転/分)で回転し、図柄列を変動表示する。
表示窓4の下方には、略水平面の台座部10が形成されている。台座部10の水平面内のうち、右側にはメダル投入口22が設けられ、左側にはMAXベットボタン11及び1ベットボタン(図示せず)が設けられる。MAXベットボタン11の内部には、メダルの投入が可能な時に点灯するベットボタンLED103(図4参照)が設けられている。
このMAXベットボタン11を押下操作することで、単位遊技(一のゲーム)の用に供される枚数(3枚)のメダルが投入され、有効ラインが有効化される。一方、1ベットボタンを1回、押下操作する度に1枚のメダルが投入される。1ベットボタンが3回操作されると、単位遊技用に供される3枚のメダルが投入され、有効ラインが有効化される。
MAXベットボタン11の操作、1ベットボタンの操作及びメダル投入口22にメダルを投入する操作(遊技を行うためにメダルを投入する操作)を「投入操作」という。
台座部10の水平面内の略中央には、情報表示器14が設けられている。情報表示器14には、今回の遊技に投入されたメダルの枚数(以下、投入枚数)に対応して点灯するLED(図示せず)が設けられている。また、情報表示器14には、特典として遊技者に対して払い出すメダルの枚数(以下、払出枚数)、パチスロ機1の内部に預けられているメダルの枚数(以下、クレジット枚数)などの情報を遊技者に対してデジタル表示するデジタル表示器(図示せず)が設けられている。
また、情報表示器14には、内部当籤役として決定された役に応じた図柄の組合せを有効ラインに沿って表示するために必要な停止操作の情報を報知する指示モニタ(図示せず)が設けられている。指示モニタは、例えば、7セグメントLEDにより構成され、報知する停止操作の情報に一義的に対応する態様で点灯や点滅することで、遊技者に対して必要な停止操作の情報を報知する。後述するように、本実施形態では、停止操作の順序(押し順)に応じて表示される図柄の組合せが異なる役である「押し順役」を設けている。報知する停止操作の情報に一義的に対応する態様とは、例えば、押し順「1st(第1停止操作を左のリール3Lに対して行うこと)」を報知する場合に「1」を表示し、押し順「2nd(第1停止操作を中のリール3Cに対して行うこと)」を報知する場合に「2」を表示し、押し順「3rd(第1停止操作を右のリール3Rに対して行うこと)」を報知する場合に「3」を表示するといったことである。なお、指示モニタにおける停止操作の情報の報知の詳細は、図48で後述する。
後述の図4に示すように、情報表示器14は、ドア中継基板74を介して主制御基板71により制御される。ここで、パチスロ機1では、主制御基板71により制御される指示モニタに加えて、副制御基板72により制御される他の手段を用いて停止操作の情報を報知することとしてもよく、例えば、上述の表示ユニット100において停止操作の情報を報知することとしてもよい。
この場合において、指示モニタにおける報知の態様と、その他の手段における報知の態様とは、異なる態様であってもよい。すなわち、指示モニタでは、報知する停止操作の情報に一義的に対応する態様で報知すればよく、必ずしも、停止操作の情報を直接的に報知する必要はない(例えば、指示モニタにおいて「1」と表示されたとしても、遊技者によっては報知内容を特定できない可能性もあり、直接的な報知とは言えない)。これに対して、その他の手段における報知では、停止操作の情報を直接的に報知することとしてもよい。例えば、押し順「1st」を報知する場合に、指示モニタでは報知する押し順に一義的に対応する「1」を表示する一方で、その他の手段(表示ユニット100)では、第1停止操作を左のリール3Lに対して行うことを直接的に報知することとしてもよい。
このように本実施形態のパチスロ機1では、副制御基板72の制御だけでなく、主制御基板71の制御によっても、内部当籤役に応じた必要な停止操作の情報を報知することができる。もちろん、停止操作の情報の報知は、遊技状態に応じて制御されることとしてもよい。より具体的には、後述の一般遊技状態(非ART)では停止操作の情報を報知することなく、後述のART遊技状態(図7参照)において停止操作の情報を報知することとしてもよい。
また、台座部10の前面部の左寄りには、遊技者がゲームで獲得したメダルのクレジット/払出を押しボタン操作で切り換える精算ボタン13が設けられている。この精算ボタン13の切り換えにより、正面下部のメダル払出口15からメダルが払い出され、払い出されたメダルはメダル受け部16に溜められる。
精算ボタン13の右側には、遊技者の傾動操作により上記リール3L、3C、3Rを回転させ、表示窓4内での図柄の変動表示を開始するための開始操作手段としてのスタートレバー6が所定の角度範囲で傾動自在に取り付けられている。
台座部10の前面部の略中央には、遊技者の押下操作により3個のリール3L、3C、3Rの回転をそれぞれ停止させるための停止操作手段としてのストップボタン7L、7C、7Rが設けられている。なお、実施例では、一のゲーム(単位遊技)は、基本的にスタートレバー6が操作されることにより開始し、全てのリール3L、3C、3Rが停止したときに終了する。
下ドア62bの上部の正面には、第1サブ表示装置201及び第2サブ表示装置202が設けられる。第1サブ表示装置201及び第2サブ表示装置202は、液晶ディスプレイや有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイであり、各種情報を表示する。図2及び図3に示すように、第1サブ表示装置201及び第2サブ表示装置202は、下ドア62bの前面部のうち、台座部10の水平面から略垂直に立設する面の側方に設けられ、左側(MAXベットボタン11やスタートレバー6側)に第1サブ表示装置201が設けられ、右側(メダル投入口22側)に第2サブ表示装置202が設けられる。
第1サブ表示装置201及び第2サブ表示装置202のうちの少なくとも一方、本実施形態では、第1サブ表示装置201の表示面上には、タッチセンサ201aを設けられ、タッチセンサ201aを介して受け付けた遊技者の操作に応じて表示が切り替え可能になっている。タッチセンサ201aは、静電容量方式などの所定の動作原理に従い動作し、遊技者の操作を受け付けると、タッチ入力情報として当該操作に応じた信号を出力する。第1サブ表示装置201は、タッチセンサ201aから出力されるタッチ入力情報に基づいて副制御基板72(図5参照)により制御される。
下ドア62bの下部の正面には、左右に効果音や音声などの音による演出を行うスピーカ9L、9Rが設けられ、このスピーカ9L、9Rの間にメダルが払い出されるメダル払出口15が設けられている。下ドア62bの最下部には、払い出されたメダルを貯留するメダル受け部16が設けられている。
また、下ドア62bの下部の正面のうち、ストップボタン7L、7C、7Rとメダル受け部16とに上下を挟まれた面には、機種のモチーフに対応したデザインがあしらわれた腰部パネル25が取り付けられている。この腰部パネル25は、背後に設けられた腰部パネル照明器(図示せず)により照射される。
[パチスロ機が備える回路の構成]
パチスロ機1の構造についての説明は以上である。次に、図4及び図5を参照して、本実施の形態におけるパチスロ機1が備える回路の構成について説明する。本実施の形態におけるパチスロ機1は、主制御基板71、副制御基板72及びこれらと電気的に接続する外部集中端子板73や周辺装置(アクチュエータ)を備える。
<主制御基板>
図4は、本実施の形態におけるパチスロ機1の主制御基板71を主とする電気的な構成を示す。
(マイクロコンピュータ)
主制御基板71は、回路基板上に設置されたマイクロコンピュータ30を主たる構成要素としている。マイクロコンピュータ30は、CPU(以下、メインCPU)31、ROM(以下、メインROM)32及びRAM(以下、メインRAM)33により構成される。
メインROM32には、メインCPU31により実行される制御プログラム、内部抽籤テーブルなどのデータテーブル、副制御基板72に対して各種制御指令(コマンド)を送信するためのデータなどが記憶されている。メインRAM33には、制御プログラムの実行により決定された内部当籤役などの各種データを格納する格納領域が設けられる。
(乱数発生器など)
メインCPU31には、クロックパルス発生回路34、分周器35、乱数発生器36及びサンプリング回路37が接続されている。クロックパルス発生回路34及び分周器35は、クロックパルスを発生する。
メインCPU31は、発生されたクロックパルスに基づいて、制御プログラムを実行する。乱数発生器36は、予め定められた範囲の乱数(例えば、0〜65535)を発生する。サンプリング回路37は、発生された乱数の中から用途に応じて少なくとも一つの値を抽出する。
(周辺装置及び回路)
マイクロコンピュータ30により動作が制御される周辺装置としては、ステッピングモータ49L、49C、49R及びメダル払出装置(以下、ホッパーという)40がある。また、マイクロコンピュータ30の入出力ポートには、各周辺装置の動作を制御するためのモータ駆動回路39やホッパー駆動回路41、リール位置検出回路50、払出完了信号回路51、外部集中端子板73及びドア中継基板74などの各種回路や各種基板が接続されている。
モータ駆動回路39は、図柄変動手段を構成し、各リール3L、3C、3Rに対応して設けられたステッピングモータ49L、49C、49Rの駆動を制御する。すなわち、モータ駆動回路39は、所定の開始条件の成立に基づき、各リール3L、3C、3Rを回転させることにより各リール3L、3C、3Rに表示された図柄を変動させる。
リール位置検出回路50は、発光部と受光部とを有する光センサにより、リール3L、3C、3Rが一回転したことを示すリールインデックスを各リール3L、3C、3Rに応じて検出する。ここで、リールインデックスとは、リール3L、3C、3Rが一回転したことを示す情報である。
ステッピングモータ49L、49C、49Rは、運動量がパルスの出力数に比例し、回転軸を指定された角度で停止させることが可能な構成を備えている。ステッピングモータ49L、49C、49Rの駆動力は、所定の減速比をもったギアを介してリール3L、3C、3Rに伝達される。ステッピングモータ49L、49C、49Rに対して1回のパルスが出力されるごとに、リール3L、3C、3Rは一定の角度で回転する。
メインCPU31は、リールインデックスを検出してから各リール3L、3C、3Rのステッピングモータ49L、49C、49Rに対してパルスを出力した回数をカウントする。これにより、メインCPU31は、各リール3L、3C、3Rの回転角度(主に、リールが図柄何個分だけ回転したか)を管理する。
次いで、各リール3L、3C、3Rの回転角度の管理について、具体的に説明する。ステッピングモータ49L、49C、49Rに対して出力されたパルスの数は、メインRAM33に設けられたパルスカウンタによって計数される。そして、図柄1個分の回転に必要な所定回数のパルスの出力がパルスカウンタで計数されるごとに、メインRAM33に設けられた図柄カウンタが1ずつ加算される。図柄カウンタは、各リール3L、3C、3Rに応じて設けられている。図柄カウンタの値は、リール位置検出回路50によってリールインデックスが検出されるとクリアされる。
つまり、本実施の形態において、メインCPU31は、図柄カウンタを管理することにより、リールインデックスが検出されてから図柄何個分の回転が行われたのかを管理するようになっている。したがって、各リール3L、3C、3Rの各図柄の位置は、リールインデックスが検出される位置を基準として検出される。
ホッパー駆動回路41は、ホッパー40の動作を制御する。また、払出完了信号回路51は、ホッパー40に設けられたメダル検出部40Sが行うメダルの検出を管理し、ホッパー40から外部に払い出されたメダルが払出枚数に達したか否かをチェックする。
(外部集中端子板)
外部集中端子板73は、主制御基板71からのメダルの投入/払出枚数、遊技回数、ボーナスの作動有無情報などの信号が入力されるとともに、それらの信号を遊技回数やボーナス作動回数などを表示する外部表示器や、遊技場のホストコンピュータに出力する。外部表示器は、例えばパチスロ機1の上方に設置され、遊技回数の進行やボーナス作動と連動して表示を更新したり、ランプなどによりボーナス作動を報知したりするものである。
ここで、メダル投入信号は、メダル投入を認識可能とする信号であって、スタートレバー6の操作時に出力される。メダル払出信号は、メダル払出又は再遊技を認識可能とする信号であって、メダル払出(クレジット貯留含む)時、又は再遊技作動時に出力される。
(ドア中継基板)
ドア中継基板74は、主制御基板71と、各種のボタンやスイッチ及び情報表示器14との配線を中継する基板である。また、ドア中継基板74は、副中継基板75を介して副制御基板72と接続されている。なお、ドア中継基板74は、副中継基板75に対してのみ情報を送信可能に接続されており、副中継基板75から情報が送信されないようになっている。これにより、主制御基板71と副制御基板72との間は、主制御基板71から副制御基板72に対してのみ情報を送信可能な一方向通信とされる。
このドア中継基板74には、スタートスイッチ6S、ストップスイッチ7S、メダルセンサ42S、MAXベットスイッチ11S、1ベットスイッチ(図示せず)及び精算スイッチ13Sが接続されている。
スタートスイッチ6Sは、開始操作検出手段を構成し、スタートレバー6が遊技者により操作されたこと(開始操作)を検出する。また、ストップスイッチ7Sは、停止操作検出手段を構成し、3つのストップボタン7L、7C、7Rのそれぞれが遊技者により押されたこと(停止操作)を検出する。
メダルセンサ42Sは、メダル投入口22に受け入れられたメダルがセレクタ内を通過したことを検出する。また、MAXベットスイッチ11Sは、MAXベットボタン11が遊技者により押されたことを検出する。また、1ベットスイッチは、1ベットボタンが遊技者により押されたことを検出する。メインCPU31は、メダルセンサ42S、あるいはMAXベットスイッチ11S及び1ベットスイッチの検出結果に基づき有効ラインを有効化する。また、精算スイッチ13Sは、精算ボタン13が遊技者により押されたことを検出する。
また、ドア中継基板74には、ストップボタン7L、7C、7Rのそれぞれ内部に設けられ、これらの受付け状態を表示するストップボタン内部LED107L、107C、107Rと、メダル枚数や有利な停止操作を一義的に報知する情報表示器14(指示モニタ)とが接続されている。
<副制御基板>
図5は、本実施の形態におけるパチスロ機1の副制御基板72を主とする電気的な構成を示す。副制御基板72は、主制御基板71と電気的に接続されており、主制御基板71から送信されるコマンドに基づいて演出内容の決定や実行などの処理を行う。
副制御基板72は、基本的に、CPU(以下、サブCPU)81、ロムカートリッジ基板82、RAM(以下、サブRAM)83、レンダリングプロセッサ84、描画用RAM85及びドライバ86を含む。
サブCPU81は、主制御基板71から送信されたコマンドに応じて、ロムカートリッジ基板82に記憶されている制御プログラムに従い、映像、音、光の出力制御を行う。なお、ロムカートリッジ基板82は、基本的には、プログラム記憶領域及びデータ記憶領域を有する。
プログラム記憶領域には、サブCPU81が実行する各種制御プログラムが記憶される。なお、プログラム記憶領域に格納される制御プログラムには、例えば、主制御基板71との通信を制御するための主基板通信タスク、演出用乱数値を抽出して演出内容(演出データ)の決定及び登録を行うための演出登録タスク、決定した演出内容に基づいて表示ユニット100による映像の表示を制御するための描画制御タスク、各種LED101による光の出力を制御するためのランプ制御タスク、スピーカ9L,9Rによる音の出力を制御するための音声制御タスクなどのプログラムが含まれる。
データ記憶領域には、例えば、各種データテーブルを記憶する記憶領域、各種演出内容を構成する演出データを記憶する記憶領域、映像の作成に関するアニメーションデータを記憶する記憶領域、BGMや効果音に関するサウンドデータを記憶する記憶領域、光の点消灯のパターンに関するランプデータを記憶する記憶領域などの各種記憶領域が含まれる。
サブRAM83は、決定された演出内容や演出データを登録する格納領域や、主制御基板71から送信される内部当籤役などの各種データを格納する格納領域などを有する。
また、副制御基板72には、図4及び図5に示すように、表示ユニット100、第1サブ表示装置201及び第2サブ表示装置202が所定の中継基板を介して接続される。例えば、副制御基板72は、役物中継基板(図示せず)を表示ユニット100と接続され、また、液晶中継回路(図示せず)を介して第1サブ表示装置201及び第2サブ表示装置202と接続される。表示ユニット100、第1サブ表示装置201及び第2サブ表示装置202は、副制御基板72の制御のもとそれぞれ個別に制御される。
また、図4に示すように、主制御基板71と副制御基板72との間には、副中継基板75が設けられ、主制御基板71と副制御基板72とを接続する配線を中継する。また、副中継基板75は、副制御基板72と副制御基板72の周辺に配設された複数の基板とを接続する配線を中継することで、副制御基板72と各種周辺装置とを接続する。例えば、副中継基板75は、LED基板(図示せず)を介して副制御基板72と各種LED101、リール照明器102及びベットボタンLED103とを接続する。また、副中継基板75は、サウンドI/O基板(図示せず)を介して副制御基板72とスピーカ9L、9Rとを接続し、タッチセンサ中継基板(図示せず)を介して副制御基板72とタッチセンサ201aとを接続する。
[パチスロ機の遊技状態の遷移フロー]
次に、図6及び図7を参照しながら、本実施形態のパチスロ機1の主制御基板71(メインCPU31)により制御される遊技状態及びその遷移フローについて説明する。
<基本的な遊技状態の遷移フロー>
本実施形態では、主制御基板71は、ボーナスの当籤/作動の有無、リプレイに係る内部当籤役の種別、及びその当籤確率に基づいて遊技状態を管理する。図6に示すように、主制御基板71は、ボーナス(F_BB1,2)の当籤/作動の有無に基づいて、ボーナス非当籤状態、フラグ間状態及びボーナス状態を区別する。具体的には、ボーナス非当籤状態は、ボーナスに非当籤、かつ、ボーナスが作動していない状態であり、フラグ間状態は、ボーナス当籤、かつ、ボーナスが作動していない状態であり、ボーナス状態は、ボーナスが作動している状態である。
なお、ボーナスの当籤の有無は、メインRAM33に設けられる内部当籤役格納領域(図示せず)に格納されるデータに基づいて管理され、ボーナスの作動の有無は、メインRAM33に設けられる遊技状態フラグ格納領域(図示せず)に格納されるデータに基づいて管理される。ここで、本実施形態のパチスロ機1では、ボーナスに係る役が内部当籤役として決定されると、ボーナスが作動するまで複数回の遊技にわたりボーナスに係る役が内部当籤役として持ち越される。フラグ間状態は、ボーナス役が内部当籤役として持ち越されている状態である。
また、主制御基板71は、リプレイに係る内部当籤役の種別及びその当籤確率が互いに異なる、RT0遊技状態〜RT5遊技状態の6種類の状態を設ける。なお、RT0遊技状態、RT2遊技状態及びRT5遊技状態は、リプレイに係る役が内部当籤役として決定される確率が低確率となる遊技状態であり、RT1遊技状態はリプレイに係る役が内部当籤役として決定される確率が中程度の中確率となる遊技状態である。また、RT3遊技状態及びRT4遊技状態は、リプレイに係る役が内部当籤役として決定される確率が高確率となる遊技状態である。
これらRT0遊技状態〜RT5遊技状態は、メインRAM33に設けられる遊技状態フラグ格納領域(図示せず)に格納されるデータに基づいて管理される。具体的には、パチスロ機1では、RT1遊技状態フラグ〜RT5遊技状態フラグの5つのフラグを有し、これらフラグのオン/オフをメインRAM33で管理することでRT遊技状態を管理する。より具体的には、主制御基板71は、オンであるRT遊技状態フラグに応じたRT遊技状態を現在のRT遊技状態として特定する。なお、全てのRT遊技状態フラグがオフである場合には、主制御基板71は、現在のRT遊技状態がRT1遊技状態であると特定する。
図6に示すように、主制御基板71は、(1)ボーナス非当籤状態においてボーナスに係る役(F_BB1,2)が内部当籤役として決定されると、ボーナス非当籤状態からフラグ間状態に遊技状態を移行させる。そして、主制御基板71は、(2)フラグ間状態においてボーナスに係る役が入賞すると、フラグ間状態からボーナス状態に遊技状態を移行させる。
また、主制御基板71は、(3)ボーナス状態において規定枚数(216枚)を超えるメダルが払い出されると、ボーナス状態を終了し、ボーナス状態からRT1遊技状態に遊技状態を移行させる。このRT1遊技状態では、主制御基板71は、(4)20ゲームが経過すると、RT1遊技状態からRT0遊技状態に遊技状態を移行させ、20ゲームが経過する前に(5)ベルこぼし目が表示されると、RT1遊技状態からRT2遊技状態に遊技状態を移行させる。また、RT0遊技状態では、主制御基板71は、(5)ベルこぼし目が表示されると、RT0遊技状態からRT2遊技状態に遊技状態を移行させる。
また、主制御基板71は、(6)RT2遊技状態においてRT3移行リプが表示されると、RT2遊技状態からRT3遊技状態に遊技状態を移行させ、(7)RT3遊技状態においてRT4移行リプが表示されると、RT3遊技状態からRT4遊技状態に遊技状態を移行させる。また、主制御基板71は、(8)RT3遊技状態においてベルこぼし目又はRT2移行リプが表示されると、RT3遊技状態からRT2遊技状態に遊技状態を移行させ、同様に、RT4遊技状態においてベルこぼし目又はRT2移行リプが表示されると、RT4遊技状態からRT2遊技状態に遊技状態を移行させる。
ここで、ベルこぼし目は、後述する押し順ベル(F_3択ベル_1st、F_3択ベル_2nd、F_3択ベル_3rd)が内部当籤役として決定された場合に、押し順ベルの種別ごとに定められた押し順に不正解のときに表示される図柄の組合せである。また、RT2移行リプは、後述する維持リプ(F_維持リプ_1st、F_維持リプ_2nd、F_維持リプ_3rd)が内部当籤役として決定された場合に、維持リプの種別ごとに定められた押し順に不正解のときに表示される図柄の組合せである。また、RT3移行リプは、後述するRT3リプ(F_RT3リプ_1st、F_RT3リプ_213、F_RT3リプ_231、F_RT3リプ_3rd)が内部当籤役として決定された場合に、RT3リプの種別ごとに定められた押し順に正解のときに表示される図柄の組合せである。また、RT4移行リプは、後述するRT4リプ(F_RT4リプ_123、F_RT4リプ_132、F_RT4リプ_2nd、F_RT4リプ_3rd)が内部当籤役として決定された場合に、RT4リプの種別ごとに定められた押し順に正解のときに表示される図柄の組合せである。
<報知の有無に関する遊技状態の遷移フロー>
以上のようにパチスロ機1は、ボーナスの当籤/作動の有無、リプレイに係る内部当籤役の種別、及びその当籤確率に基づいて遊技状態を管理する一方で、遊技者にとって有利な停止操作を報知するか否かなどに基づいて遊技状態を管理する。図7は報知の有無に関する遊技状態の遷移フローを示す図である。
図7に示すように、パチスロ機1の主制御基板71は、報知の有無に基づいて一般遊技状態とART遊技状態とを区別する。一般遊技状態は、基本的には、遊技者にとって有利な停止操作の内容を報知しない遊技状態(非ART)であり、遊技者にとって不利な遊技状態である。反対に、ART遊技状態は、遊技者にとって有利な停止操作を報知する遊技状態であり、遊技者にとって有利な遊技状態である。本実施形態のパチスロ機1では、遊技者は、一般遊技状態から(状況に応じてボーナス状態を挟みながら)、遊技者にとって有利なART遊技状態に移行するように遊技を行っていくことになる。
一般遊技状態は、RT0〜RT4遊技状態のうちARTに非当籤の遊技状態である。図7に示すように、一般遊技状態は、通常遊技状態及びCZ(チャンスゾーン)により構成される。通常遊技状態及びCZは、移行先の遊技状態がそれぞれ異なる遊技状態であり、本実施形態のパチスロ機1では、通常遊技状態からCZに移行し、CZからART遊技状態に移行することで、遊技が行われる。
通常遊技状態は、パチスロ機1において最も不利な遊技状態であり、図7に示すように、通常遊技状態からはCZに移行する可能性がある。具体的には、通常遊技状態ではCZへの移行抽籤を行っており、(A)この移行抽籤に当籤すると、主制御基板71は、通常遊技状態からCZに遊技状態を移行させる。
CZは、ART遊技状態に移行することについての期待度が高い遊技状態(チャンスゾーン)であり、図7に示すように、CZからは通常遊技状態又はART遊技状態に移行する可能性がある。具体的には、CZではARTへの移行抽籤を行っており、(B)この移行抽籤に非当籤すると、主制御基板71は、CZから通常遊技状態に遊技状態を移行させ、(C)この移行抽籤に当籤すると、主制御基板71は、CZからART準備中を経由してART遊技状態(通常ART又はCT)に遊技状態を移行させる。
ここで、パチスロ機1において、ART遊技状態は、基本的にはRT4遊技状態のうちARTに当籤中の遊技状態であり、ART当籤後にRT遊技状態がRT4遊技状態まで移行すると開始する。図6に示すように、RT4遊技状態は、RT0〜RT2遊技状態からRT3遊技状態を経由して移行することになるため、ART当籤後であってもすぐにART遊技状態が開始されるわけではない。そこで、パチスロ機1では、ART当籤後のRT4遊技状態に移行するまでの間をART準備中とし、このART準備中においてRT4遊技状態に移行するために必要な停止操作を報知する。
続いて、ART遊技状態は、基本的にはRT4遊技状態のうちARTに当籤中の遊技状態である。図7に示すように、ART遊技状態は、通常ART及びCTにより構成される。通常ART及びCTは、それぞれ遊技性が異なる遊技状態であり、通常ARTは、所定ゲーム数の間、遊技者にとって有利な停止操作(例えば、払い出されるメダルの枚数が多い図柄の組合せを表示させるための停止操作や、RT4遊技状態を維持するために必要な停止操作)を報知する遊技状態であり、CTは、遊技者にとって有利な停止操作を報知するとともに、通常ARTの継続期間を上乗せする上乗せチャンスゾーンとして機能する遊技状態である。なお、CT中は、通常ARTの継続期間を消化せずに遊技が行われる。
図7に示すように、通常ARTからはCT又は一般遊技状態に移行する可能性がある。具体的には、通常ARTではCTへの移行抽籤を行っており、(D)この移行抽籤に当籤すると、主制御基板71は、通常ARTからCTに遊技状態を移行させる。また、通常ARTは、継続期間が管理されており、(E)この継続期間が終了すると、主制御基板71は、通常ARTから一般遊技状態(通常遊技状態又はCZ)に遊技状態を移行させる。なお、通常ARTの継続期間の管理方法は任意であるが、本実施形態のパチスロ機1では、ゲーム数により継続期間を管理する。もちろん、ゲーム数ではなく、通常ART中に払い出されるメダルの枚数や差枚数により継続期間を管理することとしてもよく、また、通常ART中にメダルの払い出しに影響を与える報知を行った回数(ナビ回数)により継続期間を管理することとしてもよい。
図7に示すように、CTからは通常ARTに移行する可能性がある。具体的には、CTは、継続期間が管理されており、(F)この継続期間が終了すると、主制御基板71は、CTから通常ARTに遊技状態を移行させる。本実施形態のパチスロ機1では、CTは、1セット8ゲームの継続期間により管理されるが、詳しくは後述する(図37参照)。
また、図7に示すように、一般遊技状態(通常遊技状態又はCZ)及びART遊技状態(通常ART又はCT)からは、ボーナス状態に移行する可能性がある。具体的には、図6に示すように、(2)一般遊技状態及びART遊技状態においてボーナスに係る役が入賞すると、主制御基板71は、一般遊技状態又はART遊技状態からボーナス状態に遊技状態を移行させる。
ボーナス状態では、ARTへの移行抽籤を行っており、(G)この移行抽籤に非当籤すると、主制御基板71は、ボーナス状態から一般遊技状態(通常遊技状態又はCZ)に遊技状態を移行する(ただし、ART遊技状態(通常ART又はCT)からボーナス状態に移行していた場合には、移行抽籤に非当籤しても、主制御基板71は、ボーナス状態からART遊技状態(通常ART又はCT)に遊技状態を移行する)。また、(H)ボーナス状態中の移行抽籤に当籤すると、主制御基板71は、ボーナス状態からART遊技状態(通常ART又はCT)に遊技状態を移行する。なお、上述のように、ボーナス状態が終了した場合には、RT1遊技状態に移行するため、ボーナス状態からART遊技状態に遊技状態を移行する場合には、主制御基板71は、ART準備中を経由してART遊技状態に遊技状態を移行する。
[主制御側の各種のデータテーブル]
次に、図8〜図48を参照して、メインROM32に記憶されている各種データテーブルの構成について説明する。
<図柄配置テーブル>
図8に示す図柄配置テーブルは、左リール3L、中リール3C及び右リール3Rの各々の表面に配されている図柄の配列をデータによって表している。図柄配置テーブルは、20個の図柄位置「0」〜「19」と、これらの図柄位置の各々に対応する図柄との対応関係を規定する。
図柄位置「0」〜「19」は、左リール3L、中リール3C及び右リール3Rの各々において回転方向に沿って配されている図柄の位置を示す。図柄位置「0」〜「19」に対応する図柄は、図柄カウンタの値を用いて図柄配置テーブルを参照することによって特定することができる。
図柄の種類としては、「白7」、「青7」、「チリ上1」、「チリ上2」、「チリ下」、「リプレイ」、「帽子」、「サボテン1」、「サボテン2」及び「サボテン3」を含んでいる。
図8に示す図柄配置テーブルは、リールインデックスが検出されるときに表示窓4の中段に位置する図柄(表示窓4の中段を通過中の図柄)を図柄位置「0」に割り当てるとともに、リール3L、3C、3Rの回転方向に移動する順に、20個の図柄の各々に対して図柄位置「0」〜「19」を割り当てた対応関係を規定する。
このように、表示窓4の中段を基準にすることで、表示窓4の中段に位置する図柄の種別を、3つのリール3L、3C、3Rごとに特定することができる。
<図柄コード表>
また、図8に示すように、各リール3L、3C、3Rに配された各図柄は、図柄コード表によって特定され、1バイト(8ビット)のデータによって区別される。図8に示す図柄コード表は、3つのリール3L、3C、3Rの表面に配された図柄を特定するためのコードを表している。
本実施の形態によるパチスロ機1で用いる図柄は、上述のように「白7」、「青7」、「チリ上1」、「チリ上2」、「チリ下」、「リプレイ」、「帽子」、「サボテン1」、「サボテン2」及び「サボテン3」の10種類である。
図柄コード表では、「白7」図柄(図柄コード1)に対して、データとして「00000001」が割り当てられている。「青7」図柄(図柄コード2)に対しては、データとして「00000010」が割り当てられている。「チリ上1」図柄(図柄コード3)に対しては、データとして「00000011」が割り当てられている。
同様に、「チリ上2」、「チリ下」、「リプレイ」、「帽子」、「サボテン1」、「サボテン2」及び「サボテン3」の各図柄(図柄コード4〜10)に対しても、データとして「00000100」から「00001010」が割り当てられている。
<図柄組合せテーブル>
次に、図9〜図12を参照して、図柄組合せテーブルについて説明する。図柄組合せテーブルは、特典の種類に応じて予め定められた図柄の組合せ(コンビネーション)と、当該図柄の組合せが表示された際にメインRAM33に格納するデータと、当該図柄の組合せが表示された際の特典(メダルの払出枚数)との対応関係を規定する。
本実施形態では、有効ラインに沿って表示される図柄の組合せが、図柄組合せテーブルに規定された図柄の組合せ(コンビネーション)と一致する場合に入賞と判定される。そして、入賞と判定されると、メダルの払い出し、再遊技(リプレイ)の作動、ボーナスゲーム(役物連続作動装置)の作動といった特典が遊技者に与えられる。なお、有効ラインに沿って表示された図柄の組合せが、図柄組合せテーブルに規定されている図柄の組合せのいずれとも一致しない場合には、いわゆる「はずれ」となる。すなわち、本実施形態では、「はずれ」に対応する図柄の組合せを図柄組合せテーブルに規定しないことにより、「はずれ」の図柄の組合せを規定する。なお、本発明はこれに限定されず、図柄組合せテーブルに、「はずれ」の項目を設けて、直接「はずれ」を規定してもよい。
図柄組合せテーブル中のデータ欄は、有効ラインに沿って表示された図柄の組合せを識別するための情報が規定される。具体的には、データ欄には、対応する図柄の組合せのデータが格納される「格納領域」と、当該格納領域に格納される「データ(1バイトのデータ中の図柄の組合せに応じたビットを指定するためのデータ)」が規定される。本実施形態では、1バイトの格納領域を22個用いることで、それぞれの図柄の組合せを判別する。例えば、図9に示す「C_BB1」は、格納領域0のビット1に1が格納されることで判別される。
図柄組合せテーブルに規定する、コンビネーションは、各リール3L、3C、3Rが停止した場合に、有効ラインに沿って表示される各リール3L、3C、3Rの図柄組合せを意味する。それぞれのコンビネーションには、当該コンビネーションの役割や当該コンビネーションを構成する図柄の種別に応じたコンビネーション名が規定されている。
また、図柄組合せテーブルに規定する、払出枚数は、対応する図柄の組合せ(コンビネーション)が表示された際に払い出されるメダルの枚数を規定する。例えば、図11を参照すると、コンビネーション名「C_9枚A_01」が表示された場合には、9枚のメダルが払い出されることになる。
また、図柄組合せテーブル中の内容欄は、それぞれの図柄の組合せの役割や、それぞれの図柄の組合せの特徴を示す。図9を参照して、例えば、コンビネーション名「C_BB1」「C_BB2」は、BBに係る図柄の組合せであり、有効ラインに沿って表示されると、遊技状態がボーナス状態に移行する(図6参照)。
また、コンビネーション名「R_RT移行目A_01」〜「R_RT移行目B_02」は、ベルこぼし目である。有効ラインに沿ってベルこぼし目が表示されると、RT遊技状態がRT2遊技状態に移行する(図6参照)。
また、コンビネーション名「C_維持リプA_01」〜「C_維持リプG_01」は、リプレイである。リプレイは、表示窓4に表示されるボトムライン、トップライン又はクロスダウンラインの3つのラインのいずれかに「リプレイ−リプレイ−リプレイ」が表示される図柄の組合せである。有効ラインに沿ってリプレイが表示されると、再遊技の作動が行われる。
また、コンビネーション名「C_RT2リプA_01」、「C_RT2リプA_02」は、RT2移行リプである。RT2移行リプは、表示窓4に表示されるクロスアップラインに「リプレイ−リプレイ−リプレイ」が表示される図柄の組合せである。有効ラインに沿ってRT2移行リプが表示されると、再遊技の作動が行われるとともに、RT遊技状態がRT2遊技状態に移行する(図6参照)。
また、コンビネーション名「C_RT3リプ_01」は、RT3移行リプである。RT3移行リプは、表示窓4に表示されるセンターライン(有効ライン)に「リプレイ−リプレイ−リプレイ」が表示される図柄の組合せである。有効ラインに沿ってRT3移行リプが表示されると、再遊技の作動が行われるとともに、RT遊技状態がRT3遊技状態に移行する(図6参照)。
また、コンビネーション名「C_RT4リプA_01」〜「C_RT4リプD_02」は、RT4移行リプである。有効ラインに沿ってRT4移行リプが表示されると、再遊技の作動が行われるとともに、RT遊技状態がRT4遊技状態に移行する(図6参照)。
また、コンビネーション名「C_チリリプA_01」〜「C_1確チリリプD_01」は、チリリプである。チリリプは、表示窓4にチリ図柄が表示される図柄の組合せである。ここで、図8に示すように、本実施形態では、各リール上に図柄「チリ上1」と図柄「チリ下」とを連続して配置している。チリ図柄とは、図柄「チリ上1」と図柄「チリ下」とを一つの図柄として捉えた場合の名称である。有効ラインに沿ってチリリプが表示されると、再遊技の作動が行われる。
なお、チリリプのうち、コンビネーション名「C_チリリプA_01」は、表示窓4に表示されるリール3L、3C、3Rのうちの一つのリールにのみチリ図柄が表示される図柄の組合せであり、以下では「単チリリプ」と呼ぶことがある。また、チリリプのうち、コンビネーション名「C_チリリプB_01」「C_チリリプC_01」は、表示窓4に表示されるリール3L、3C、3Rのうちの二つのリールにチリ図柄が表示される図柄の組合せであり、以下では「2連チリリプ」と呼ぶことがある。また、チリリプのうち、コンビネーション名「C_チリリプD_01」〜「C_1確チリリプD_01」は、表示窓4に表示されるリール3L、3C、3Rの全てにチリ図柄が表示される図柄の組合せ(又は当該図柄の組合せを表示させるための停止操作に失敗した際に(いわゆる、目押ミス時)に表示される図柄の組合せ)であり、以下では「3連チリリプ」と呼ぶことがある。
また、コンビネーション名「C_リーチ目リプA_01」〜「C_リーチ目リプP_02」は、リーチ目リプである。リーチ目リプは、いわゆるリーチ目であり、表示窓4Lに特別な図柄の組合せが表示される図柄の組合せである。例えば、コンビネーション名「C_リーチ目リプA_01」は、トップラインに沿って「白7−白7−白7」が表示される図柄の組合せである。有効ラインに沿ってリーチ目リプが表示されると、再遊技の作動が行われる。
また、コンビネーション名「C_RB役A_01」〜「C_RB役G_02」は、BB中9枚出目である。有効ラインに沿ってBB中9枚出目が表示されると、9枚のメダルが払い出される。なお、BB中9枚出目のうち、コンビネーション名「C_RB役C_01」、「C_RB役C_02」を除く図柄の組合せは、表示窓4に表示される5本のラインのいずれかに7図柄(図柄「白7」又は図柄「青7」)が3つ並んで表示される図柄の組合せ(又は当該図柄の組合せを表示させるための停止操作に失敗した際に表示される図柄の組合せ)であり、以下では「BB中7揃い」と呼ぶことがある。一方、コンビネーション名「C_RB役C_01」、「C_RB役C_02」は、5本のラインのいずれかに7図柄が2つ並んで表示される図柄の組合せであり、以下では「BB中7煽り」と呼ぶことがある。
また、コンビネーション名「C_9枚A_01」〜「C_9枚H_04」は、ベルである。ベルは、表示窓4に表示される5本のラインのいずれかに「帽子−帽子−帽子」が表示される図柄の組合せである。有効ラインに沿ってベルが表示されると、9枚のメダルが払い出される。
また、コンビネーション名「C_1st_A_01」〜「C_2nd_B_04」は、1枚出目である。有効ラインに沿って1枚出目が表示されると、1枚のメダルが払い出される。また、コンビネーション名「C_SP1_01」「C_SP2_01」は、確定出目である。有効ラインに沿って確定出目が表示されると、1枚のメダルが払い出される。
また、コンビネーション名「C_3枚A_01」〜「C_3枚F_01」は、サボテンである。有効ラインに沿ってサボテンが表示されると、3枚のメダルが払い出される。また、コンビネーション名「C_弱2枚A_01」〜「C_弱2枚B_03」は、弱チェリーであり、コンビネーション名「C_強2枚A_01」〜「C_強2枚C_09」は、強チェリーである。有効ラインに沿って弱チェリー又は強チェリーが表示されると、2枚のメダルが払い出される。
<内部抽籤テーブル>
続いて、図13及び図14を参照して、内部当籤役を決定する際に参照される内部抽籤テーブルについて説明する。内部抽籤テーブルは、遊技状態ごとに設けられ、それぞれの役に対応する抽籤値の情報を規定する。図13は、RT0遊技状態〜RT4遊技状態のそれぞれにおいて参照される内部抽籤テーブルであり、図14は、RT5遊技状態又はボーナス状態において参照される内部抽籤テーブルである。
本実施形態では、予め定められた数値の範囲「0〜65535」から抽出される抽籤用乱数値を、各役に応じた抽籤値で順次減算し、減算の結果が負となったか否か(いわゆる「桁かり」が生じたか否か)の判定を行うことによって内部的な抽籤が行われる。
したがって、抽籤値として規定されている数値が大きいほど、これが割り当てられた役が内部当籤役として決定される確率が高い。すなわち、各番号の当籤確率は、「各番号に対応する抽籤値/抽出される可能性のある全ての乱数値の個数(65536)」によって表すことができる。
内部抽籤テーブルは、基本的には、RT遊技状態の種別に応じて内部当籤役として決定されるリプレイに係る役の種別及び当籤確率が変化する。図13に示すRT0遊技状態〜RT4遊技状態の内部抽籤テーブルを比較すると、それぞれの遊技状態において内部当籤役として決定されるリプレイに係る役の種別及び当籤確率が異なることが分かる。最も特徴的な点として、本実施形態のパチスロ機1では、「F_チリリプ(No.25)」〜「F_リーチ目リプD(No.31)」は、RT0遊技状態〜RT3遊技状態では内部当籤役として決定されることなく、RT4遊技状態でのみ内部当籤役として決定される。パチスロ機1では、RT4遊技状態中に、「F_チリリプ(No.25)」〜「F_リーチ目リプD(No.31)」が内部当籤役として決定された場合には、特有の制御(後述のフラグ変換)を行うが、この特有の制御については後述する。
なお、RT0遊技状態〜RT3遊技状態であっても、「F_リーチ目リプA〜D」については「F_BB1,2」とともに内部当籤役として決定されることはあるものの(No.3〜6、No.15〜18参照)、「F_リーチ目リプA〜D」が単独で内部当籤役として決定されることはない。そのため、RT0遊技状態〜RT3遊技状態中に「F_リーチ目リプA〜D」が内部当籤役として決定された場合(遊技者からすると「F_リーチ目リプA〜D」に応じた図柄の組合せが表示された場合)、ボーナスに係る役(F_BB1,2)が同時に内部当籤役として決定されていることになる。
また、フラグ間状態であるRT5遊技状態は、上述のようにボーナスに係る役を内部当籤役として持ち越す。そのため、図14に示すRT5遊技状態の内部抽籤テーブルでは、持ち越しているボーナスに係る役が必ず内部当籤役として決定されるようになっている。
<内部当籤役と図柄組合せの比較表>
図15〜図20は、それぞれの役が内部当籤役として決定された場合に各内部当籤役において有効ライン上に表示可能な図柄の組合せ(コンビネーション)との対応関係を示す比較表である。各対応表における丸印は、内部当籤役として決定された役において、有効ライン上に表示可能な図柄の組合せ(コンビネーション)を示す。
パチスロ機1では、主制御基板71は、内部当籤役及び遊技状態に応じて停止制御を異ならせ、所定の役が内部当籤役として決定された場合に、図16〜図22に示す対応関係の図柄の組合せ(コンビネーション)を表示可能にリール3L,3C,3Rの回転を停止する。なお、図16〜図22に示す対応表では、役が内部当籤役として決定された場合に表示される可能性のある全ての図柄の組合せを列挙しているが、役に対応して丸印が付された図柄の組合せであっても、表示されないことがある。
すなわち、パチスロ機1では、停止表示可能な図柄の組合せや現在の遊技状態に応じて停止制御(例えば、優先して引き込む図柄)を異ならせることとしており、優先して引き込む図柄の関係上、丸印が付された図柄の組合せであっても表示されないことがある。そこで、役の種別と実際に停止表示される図柄の組合せとの対応関係を、図21及び図22に示す。
<非フラグ間中の当籤役と停止表示される図柄の組合せとの対応関係>
図21は、フラグ間状態を除く遊技状態中の当籤役と停止表示される図柄の組合せとの対応関係(一部の役については省略)とを示す図である。パチスロ機1では、複数の役として、停止操作の順序(押し順)に応じて表示される図柄の組合せが異なる役である「押し順役」を設ける。図21における「押し順正解」に対応付けられた図柄の組合せは、押し順に応じて表示される図柄の組合せのうち、遊技者にとって有利な図柄の組合せであり、「押し順不正解」に対応付けられた図柄の組合せは、押し順に応じて表示される図柄の組合せのうち、遊技者にとって不利な図柄の組合せである。遊技者にとって有利な停止操作を報知する場合、正解となる押し順を報知し、結果、「押し順正解」に対応付けられた図柄の組合せが表示されることになる。なお、ART遊技状態であっても、不正解となる押し順を報知することもあるが、詳しくは後述する。
ここで、本実施形態では、押し順役の名称の末尾は、正解となる押し順を表している。具体的には、役の名称の末尾「1st」は、正解となる押し順が、第1停止操作が左のリール3Lに対するものであることを意味し、役の名称の末尾「2nd」は、正解となる押し順が、第1停止操作が中のリール3Cに対するものであることを意味し、役の名称の末尾「3rd」は、正解となる押し順が、第1停止操作が右のリール3Rに対するものであることを意味している。また、役の名称の末尾「123」は、正解となる押し順が「左、中、右」であることを意味し、役の名称の末尾「132」は、正解となる押し順が「左、右、中」であることを意味し、役の名称の末尾「213」は、正解となる押し順が「中、左、右」であることを意味し、役の名称の末尾「231」は、正解となる押し順が「左、右、中」であることを意味している。
図21に示すように役「F_チリリプ」は、押し順に応じて表示される図柄の組合せが異なる役であり、押し順が正解である場合には、チリリプ(図9参照)のうちの図15〜図20に示した表示可能な図柄の組合せのいずれかが有効ラインに沿って表示され、また、押し順が正解でない場合には、リプレイ(図9参照)のうちの図15〜図20に示した表示可能な図柄の組合せのいずれかが有効ラインに沿って表示される。なお、図15〜図20を参照すると、役「F_チリリプ」は、3連チリリプ(「C_チリリプD_01」〜「C_1確チリリプD_01」)を表示できず、単チリリプ又は2連チリリプ(「C_チリリプA_01」「C_チリリプB_01」「C_チリリプC_01」)しか表示できないことが分かる。すなわち、役「F_チリリプ」は、3連チリリプを表示できない役である。
また、役「F_確チリリプ」「F_1確チリリプ」は、押し順に応じて表示される図柄の組合せが異なる役であり、押し順が正解である場合には、チリリプ(図9参照)のうちの図15〜図20に示した表示可能な図柄の組合せのいずれかが有効ラインに沿って表示され、また、押し順が正解でない場合には、リプレイ(図9参照)のうちの図15〜図20に示した表示可能な図柄の組合せのいずれかが有効ラインに沿って表示される。なお、図15〜図20を参照すると、役「F_確チリリプ」「F_1確チリリプ」は、3連チリリプを表示できることが分かる。すなわち、役「F_確チリリプ」「F_1確チリリプ」は、3連チリリプを表示できる役である。
また、役「F_リーチ目リプA」〜「F_リーチ目リプD」は、押し順に応じて表示される図柄の組合せが異なる役であり、押し順が正解である場合には、リーチ目リプ(図9、図10参照)のうちの図15〜図20に示した表示可能な図柄の組合せのいずれかが有効ラインに沿って表示され、また、押し順が正解でない場合には、リプレイ(図9参照)のうちの図15〜図20に示した表示可能な図柄の組合せのいずれかが有効ラインに沿って表示される。
なお、役「F_チリリプ」「F_確チリリプ」「F_1確チリリプ」及び役「F_リーチ目リプA」〜「F_リーチ目リプD」における正解の押し順は、任意であってよいが、本実施形態では、第1停止操作が左のリール3Lに対するものである押し順を正解の押し順としている。そのため、例えば、役「F_リーチ目リプA」が内部当籤役として決定されている遊技において、遊技者が左のリール3Lに対して第1停止操作を行った場合には、リーチ目リプが表示されることになる。
また、役「F_維持リプA」「F_維持リプB」は、押し順に関わらずリプレイ(図9参照)のうちの図15〜図20に示した表示可能な図柄の組合せのいずれかが有効ラインに沿って表示される。また、役「F_維持リプ_1st」〜「F_維持リプ_3rd」は、押し順に応じて表示される図柄の組合せが異なる役であり、押し順が正解である場合には、リプレイ(図9参照)のうちの図15〜図20に示した表示可能な図柄の組合せのいずれかが有効ラインに沿って表示され、また、押し順が正解でない場合には、RT2移行リプ(図9参照)のうちの図15〜図20に示した表示可能な図柄の組合せのいずれかが有効ラインに沿って表示される。
また、役「F_RT3リプ_1st」〜「F_RT3リプ_3rd」は、押し順に応じて表示される図柄の組合せが異なる役であり、押し順が正解である場合には、RT3移行リプ(図9参照)が有効ラインに沿って表示され、また、押し順が正解でない場合には、リプレイ(図9参照)のうちの図15〜図20に示した表示可能な図柄の組合せのいずれかが有効ラインに沿って表示される。
また、役「F_RT4リプ_123」〜「F_RT4リプ_3rd」は、押し順に応じて表示される図柄の組合せが異なる役であり、押し順が正解である場合には、RT4移行リプ(図9参照)が有効ラインに沿って表示され、また、押し順が正解でない場合には、リプレイ(図9参照)のうちの図15〜図20に示した表示可能な図柄の組合せのいずれかが有効ラインに沿って表示される。
また、役「F_3択ベル_1st」〜「F_3択ベル_3rd」は、押し順に応じて表示される図柄の組合せが異なる役であり、押し順が正解である場合には、ベル(図11参照)が有効ラインに沿って表示され、また、押し順が正解でない場合には、ベルこぼし目(図9参照)又は1枚出目(図11、図12参照)が表示される。
また、役「F_共通ベル」は、押し順に関わらずベル(図11参照)のうちの図15〜図20に示した表示可能な図柄の組合せのいずれかが有効ラインに沿って表示される。また、役「F_サボ1」「F_サボ2」は、押し順に関わらずサボテン(図12参照)のうちの図15〜図20に示した表示可能な図柄の組合せのいずれかが有効ラインに沿って表示される。
また、役「弱チリ」は、押し順に関わらず弱チェリー(図12参照)のうちの図15〜図20に示した表示可能な図柄の組合せのいずれかが有効ラインに沿って表示される。また、役「F_強チリ1」「F_強チリ2」は、押し順に関わらず強チェリー(図12参照)のうちの図15〜図20に示した表示可能な図柄の組合せのいずれかが有効ラインに沿って表示される。
<フラグ間中の当籤役と停止表示される図柄の組合せとの対応関係>
図22は、フラグ間状態中の当籤役と停止表示される図柄の組合せとの対応関係(一部の役については省略)とを示す図であり、特に、フラグ間状態中にBB(「C_BB1」「C_BB2」)を表示可能であるか否を示す。図22の「BBの成立可否」において「○」とは、BBを表示可能であることを示し、「×」は、BBを表示不可能であることを示す。
なお、BBを表示不可能な場合には、内部当籤役として決定されているボーナスに係る役以外の役に応じた図柄の組合せが表示されることになる。このボーナスに係る役以外の役に応じて表示される図柄の組合せは、図21において示した通りである。例えば、役「F_BB1+F_チリリプ」では、BBを表示することはできずに、図21の役「F_チリリプ」に示した対応関係の図柄の組合せが表示される。この場合において、フラグ間状態中は、図21に示す押し順正解時に表示される図柄の組合せのみを表示可能にしてもよく、また、押し順不正解時に表示される図柄の組合せのみを表示可能にしてもよい。
例えば、役「F_BB1+F_3択ベル_1st」では、BBを表示することはできないため、図21の役「F_3択ベル_1st」に示した対応関係の図柄の組合せが表示されることになるが、この場合には、押し順正解時に表示されるベルのみを表示可能にし、押し順不正解時に表示されるベルこぼし目や1枚出目を表示不可能にしてもよい。また、役「F_BB1+F_RT3リプ_1st」の場合に、押し順不正解時に表示されるリプレイのみを表示可能にし、押し順正解時に表示されるRT3移行リプを表示不可能にしてもよい。
図22に示すように、フラグ間状態では、ボーナスに係る役と「はずれ」「F_特殊1」「F_特殊2」「F_特殊3」のいずれかとが内部当籤役として決定されている場合に、BBを表示することができる。
<当籤役の略称>
以上、当籤役と停止表示される図柄の組合せとの対応関係について説明した。続いて、一般遊技状態やART遊技状態などで各種抽籤を行う際に用いられるデータテーブルについて説明するが、以下では、当該データテーブルを参照する際に用いる当籤役を略称で表すため、当該データテーブルの説明の前に当籤役の略称について説明する。図23は、当籤役の略称を示す図である。
図23(A)に示すように、以下において、役「F_BB1」「F_BB2」は役「BB」呼び、役「F_3択ベル_1st」〜「F_3択ベル_3rd」は役「押し順ベル」呼び、役「F_共通ベル」は役「共通ベル」呼び、役「F_サボ1」「F_サボ2」は役「サボテン」呼び、役「F_弱チリ」は役「弱チェリー」呼び、役「F_強チリ1」「F_強チリ2」は役「強チェリー」と呼ぶ。
また、役「F_確チリリプ」「F_1確チリリプ」は、フラグ変換抽籤に当籤すると役「3連チリリプ」と呼び、フラグ変換抽籤に非当籤すると「リプレイ」と呼ぶ。同様に、役「F_リーチ目リプA」〜「F_リーチ目リプD」は、フラグ変換抽籤に当籤すると役「リーチ目リプ」と呼び、フラグ変換抽籤に非当籤すると「リプレイ」と呼ぶ。
(フラグ変換抽籤)
ここで、図23(B)を参照して、フラグ変換抽籤について説明する。本実施形態のパチスロ機1では、RT4遊技状態中に役「F_確チリリプ」「F_1確チリリプ」「F_リーチ目リプA」〜「F_リーチ目リプD」のいずれかが単独で内部当籤役として決定されると、フラグ変換抽籤を行う。そして、パチスロ機1では、このフラグ変換抽籤に当籤した場合に特別な特典(例えば、ARTゲーム数の上乗せやCT当籤)を付与する。
図21に示したように、役「F_確チリリプ」「F_1確チリリプ」は、押し順正解時に「3連チリリプ」の図柄の組合せが表示され、押し順不正解時に「リプレイ」の図柄の組合せが表示される。パチスロ機1では、フラグ変換抽籤に当籤した場合に、役「F_確チリリプ」「F_1確チリリプ」を役「3連チリリプ」として扱い、「3連チリリプ」の図柄の組合せを表示するための情報を報知する(例えば、順押しでチリ図柄を狙わせる)。一方で、フラグ変換抽籤に非当籤した場合に、役「F_確チリリプ」「F_1確チリリプ」を役「リプレイ」として扱い、「リプレイ」の図柄の組合せを表示するための情報を報知する(例えば、順押し以外の押し順を報知する)。
同様に、役「F_リーチ目リプA」〜「F_リーチ目リプD」は、押し順正解時に「リーチ目リプ」の図柄の組合せが表示され、押し順不正解時に「リプレイ」の図柄の組合せが表示される。パチスロ機1では、フラグ変換抽籤に当籤した場合に、役「F_リーチ目リプA」〜「F_リーチ目リプD」を役「リーチ目リプ」として扱い、「リーチ目リプ」の図柄の組合せを表示させるための情報を報知する(例えば、順押しで図柄「白7」を狙わせる)。一方で、フラグ変換抽籤に非当籤した場合に、役「F_リーチ目リプA」〜「F_リーチ目リプD」を役「リプレイ」として扱い、「リプレイ」の図柄の組合せを表示するための情報を報知する。
この報知に従い停止操作を行うことで、フラグ変換抽籤に当籤した場合に、「3連チリリプ」又は「リーチ目リプ」の図柄の組合せが表示され、特別な特典が付与されることになる。パチスロ機1からすると、フラグ変換抽籤に当籤したことに応じて特別な特典を付与しているものの、遊技者からすると、「3連チリリプ」の図柄の組合せが表示されたことで特別な特典が付与されたと感じることになる。
パチスロ機の遊技性を高めるためには、特典が付与される図柄の組合せの出現頻度が一定であるよりも、状態に応じて異なる方が好ましいことがある。停止制御(表示される図柄の組合せ)は、内部当籤役の種類によって異なるため、特典が付与される図柄の組合せの出現頻度を状態に応じて異ならせる手法としては、役の当籤確率を異ならせる手法も考えられる(パチスロ機1では、役の当籤確率は、ボーナスの作動の有無やRT遊技状態に応じて異ならせることができるため、例えば、ART遊技状態に対応する遊技状態としてRT4遊技状態だけでなく、RT6遊技状態やRT7遊技状態などの他の遊技状態を設けるという手法も考えられる)。しかしながら、役の当籤確率を異ならせる契機(RT遊技状態の移行契機)は限定されているため、この手法では柔軟性に欠けてしまう。
そこで、本実施形態のパチスロ機1では、役の当籤確率は変えることなく、内部当籤役を決定するための内部抽籤に加え、フラグ変換抽籤及びその抽籤結果に基づく報知を行うことで、特典が付与される図柄の組合せの出現頻度を状態に応じて柔軟に異ならせることができる。すなわち、フラグ変換抽籤に当籤し易い状態では、特典が付与される図柄の組合せの出現頻度を上げることができ、反対に、フラグ変換抽籤に当籤し難い状態では、特典が付与される図柄の組合せの出現頻度を下げることができる。
なお、以下では、役「F_確チリリプ」「F_1確チリリプ」が内部当籤役として決定された場合のフラグ変換抽籤に当籤することを、役「F_確チリリプ」「F_1確チリリプ」を「3連チリリプ」に変換する(又は単に「3連チリリプ」に変換する)と称することがあり、また、役「F_リーチ目リプA」〜「F_リーチ目リプD」が内部当籤役として決定された場合のフラグ変換抽籤に当籤することを、役「F_リーチ目リプA」〜「F_リーチ目リプD」を「リーチ目リプ」に変換する(又は単に「リーチ目リプ」に変換する)と称することがある。
[一般遊技状態中の遊技の流れ]
続いて、図24を参照して、一般遊技状態中の遊技の流れについて説明する。パチスロ機1では、一般遊技状態の通常遊技状態から一般遊技状態のCZに移行し、その後、一般遊技状態のCZからART遊技状態に移行することで、一般遊技状態(非ART)からART遊技状態への移行が行われる(図7参照)。図24(A)は、一般遊技状態の通常遊技状態から一般遊技状態のCZに移行する際の遊技の流れを示す図である。
図24(A)に示すように、通常遊技状態は、CZの抽籤状態として低確率状態と高確率状態とを有する。この低確率状態及び高確率状態は、通常遊技状態中に行われるCZ抽籤に当籤する期待度がそれぞれ異なる状態であり、低確率状態はCZ抽籤に当籤し難く、高確率状態はCZ抽籤に当籤し易い状態である。なお、通常遊技状態中に行われるCZ抽籤に当籤した場合には、通常遊技状態からCZに遊技状態が移行することになる(図7参照)。
本実施形態のパチスロ機1では、CZ(チャンスゾーン)として、CZ1,CZ2及びCZ3の複数のチャンスゾーンを有する。これらCZ1〜CZ3は、CZ中に行われるART抽籤に当籤する期待度が異なるチャンスゾーンであり、CZ3は、ART抽籤に必ず当籤するチャンスゾーンであり、CZ1,CZ2は、所定の確率でART抽籤に当籤するチャンスゾーンである。通常遊技状態中に行われるCZ抽籤では、これらCZ1〜CZ3の中から通常遊技状態から移行するCZを抽籤する。
続いて、図24(B)は、一般遊技状態のCZ1,CZ2からART遊技状態に移行する際の遊技の流れを示す図である。CZ1,CZ2は、前半部と後半部とから構成される。前半部は、CZ中に行われるART抽籤に当籤する期待度が異なるランクを昇格させる期間であり、後半部は、ランクに基づくART抽籤の抽籤結果をバトル演出により報知する期間である。
CZ1中は、ランクとして6段階のモードを用い、モードが上がるほど、ART抽籤に当籤する期待度が高くなる。CZ1の前半部は、第1ゲーム数(例えば、最大で12ゲーム)継続し、内部当籤役に基づいてモードの昇格抽籤を行う。そして、CZ1の後半部の1ゲーム目に前半部で昇格させたモードに基づいてART抽籤を行う。
また、CZ2中は、ランクとして10段階のポイントを用い、ポイントが上がるほど、ART抽籤に当籤する期待度が高くなる。CZ2の前半部は、第2ゲーム数(例えば、最大で15ゲーム)継続し、内部当籤役に基づいてポイントの昇格抽籤を行う。そして、CZ2の後半部の1ゲーム目に前半部で昇格させたポイントに基づいてART抽籤を行う。
CZ1の後半部では、味方キャラクタと敵キャラクタAとが対戦するバトル演出が行われ、CZ2の後半部では、味方キャラクタと敵キャラクタBとが対戦するバトル演出が行われる。このバトル演出は、第3ゲーム数(例えば、最大で4ゲーム)継続し、ART抽籤の結果に基づき勝敗が管理され、ART抽籤に当籤している場合には味方キャラクタが勝利し、非当籤している場合には敵キャラクタが勝利する。また、CZ1,CZ2の後半部では、毎ゲーム、内部当籤役に基づいてART抽籤を行い、このART抽籤に当籤した場合には、バトル演出の結果を書き換える。すなわち、バトル演出中にいわゆるレア役が内部当籤役として決定されると、ART抽籤を行い、その結果に基づいてバトル演出の結果を書き換える。
CZ1,CZ2において、ARTに非当籤の場合には、後半部のバトル演出で敗北し、基本的には、その後、遊技状態が通常遊技状態に移行する。一方、CZ1,CZ2において、ARTに当籤している場合には、後半部のバトル演出で勝利し、その後、遊技状態がART準備中を経由して通常ARTに移行する。なお、CZ1,CZ2の前半部では、フリーズが発生することもあり、この場合には、遊技状態が(ART準備中を経由して)通常ARTではなくCT(上乗せチャンスゾーン)に移行する。
続いて、図24(C)は、一般遊技状態のCZ3からART遊技状態に移行する際の遊技の流れを示す図である。CZ3は、第4ゲーム数(例えば、最大で17ゲーム)継続し、毎ゲーム、内部当籤役に基づいてART抽籤を行う。CZ3は、ART抽籤に当籤した時点で終了し、次ゲームから遊技状態がART準備中を経由してCT(上乗せチャンスゾーン)に移行する。また、CZ3では、フリーズが発生することもあり、この場合にも、次ゲームから遊技状態がART準備中を経由してCT(上乗せチャンスゾーン)に移行する。一方で、CZ3中のART抽籤に非当籤のまま第4ゲーム数が経過した場合、遊技状態がART準備中を経由して通常ARTに移行する。すなわち、CZ3は、移行した時点でART遊技状態への移行が確定しているチャンスゾーンである。
[一般遊技状態中に用いるデータテーブル]
続いて、図25〜図30を参照して、一般遊技状態中に用いるデータテーブルについて説明する。
<通常中高確率抽籤テーブル>
図25は、CZの抽籤状態(低確率及び高確率)の移行抽籤に用いられる通常中高確率抽籤テーブルである。本実施形態のパチスロ機1では、内部当籤役に基づいてCZの抽籤状態を移行させるとともに、ボーナス終了時やCZ,ART終了時にもCZの抽籤状態を移行させる。図25(A)は、内部当籤役に基づいてCZの抽籤状態を移行させる際に用いられる通常中高確率抽籤テーブルであり、通常遊技状態中に毎ゲーム参照される。また、図25(B)は、ボーナス終了時などにCZの抽籤状態を移行させる際に用いられる通常中高確率抽籤テーブルであり、設定変更時、ボーナス終了時又はCZ,ART終了時に参照される。
図25(A)に示す通常中高確率抽籤テーブルは、現在のCZの抽籤状態及び当籤役に対応付けて、移行後のCZの抽籤状態についての抽籤値の情報を規定する。
なお、以下に示す各種データテーブルでは、抽籤値の情報を概念的に示している。図中「0」は、抽籤確率「0%」に相当する抽籤値が規定されていることを意味し、「極々低」は、抽籤確率「0%〜1%未満」に相当する抽籤値が規定されていることを意味し、「極低」は、抽籤確率「1%〜10%未満」に相当する抽籤値が規定されていることを意味し、「低」は、抽籤確率「10%〜30%未満」に相当する抽籤値が規定されていることを意味し、「中」は、抽籤確率「30%〜60%未満」に相当する抽籤値が規定されていることを意味し、「高」は、抽籤確率「60%〜80%未満」に相当する抽籤値が規定されていることを意味し、「極高」は、抽籤確率「80%〜99%未満」に相当する抽籤値が規定されていることを意味し、「極々高」は、抽籤確率「99%〜100%未満」に相当する抽籤値が規定されていることを意味し、「確定」は、抽籤確率「100%」に相当する抽籤値が規定されていることを意味する。
そして、以下に示す各種データテーブルでは、予め定められた数値の範囲(確率分母が256の場合には「0〜255」、確率分母が65536の場合には「0〜65535」)から抽出される抽籤用乱数値を、規定された抽籤値で順次減算し、減算の結果が負となったか否か(いわゆる「桁かり」が生じたか否か)の判定を行うことによって内部的な抽籤が行われる。
図25(A)に示す通常中高確率抽籤テーブルを参照すると、現在のCZの抽籤状態が低確率である場合には、弱チェリーが内部当籤役である場合に高確率に移行し易いことが分かる。また、現在のCZの抽籤状態が高確率である場合には、共通ベル、サボテン、弱チェリー、強チェリーのいずれかが内部当籤役として決定されることで、高確率が維持されることが分かる。
図25(B)に示す通常中高確率抽籤テーブルは、参照する際の状況に応じて移行後のCZの抽籤状態についての抽籤値の情報を規定する。図25(B)に示す通常中高確率抽籤テーブルを参照すると、ボーナス終了時にはCZの抽籤状態が必ず高確率に移行することが分かる。
<CZ抽籤テーブル>
図26は、CZ抽籤に用いられるCZ抽籤テーブルであり、図26(A)は、通常遊技状態中に内部当籤役に基づいてCZ抽籤を行う際に用いられるCZ抽籤テーブルであり、図26(B)は、CZ失敗時やART終了時にCZの引き戻しを行うか否かのCZ抽籤を行う際に用いられるCZ抽籤テーブルである。
図26(A)に示すCZ抽籤テーブルは、現在のCZの抽籤状態及び内部当籤役に対応付けて、CZ1、CZ2,CZ3の当籤/非当籤に関する抽籤値の情報を規定する。図26(A)に示すCZ抽籤テーブルを参照すると、現在のCZの抽籤状態が高確率中である場合は、低確率中である場合よりもCZ抽籤に当籤する確率が高いことが分かる。
図26(B)に示すCZ抽籤テーブルは、CZ1、CZ2,CZ3の当籤/非当籤に関する抽籤値の情報を規定する。CZ失敗時(CZ1、CZ2中のART抽籤に非当籤時)やART遊技状態の終了時には、図26(B)に示すCZ抽籤テーブルを用いてCZの引き戻し抽籤が行われる。
<CZ1中モードアップ抽籤テーブル>
図27は、CZ1の前半部においてCZ1のモードアップ抽籤に用いられるCZ1中モードアップ抽籤テーブルである。CZ1中モードアップ抽籤テーブルは、現在のモード及び内部当籤役に対応付けて、モードアップ抽籤の結果についての抽籤値の情報を規定する。後述の図29(A)に示すように、CZ1では、モードが上がるほどART抽籤に当籤する確率が上がり、モード6まで上がると、ART抽籤に必ず当籤する。なお、抽籤結果の「モード1UP」とは、CZ1のモードが1上がることを意味し、抽籤結果の「モード2UP」とは、CZ1のモードが2上がることを意味する。すなわち、現在のモードが「2」である状況で、「モード2UP」に当籤すると、CZ1のモードは「2」から「4」に上がることになる。また、抽籤結果の「モード6UP_フリーズ発生」に当籤すると、フリーズが発生し、ART抽籤に当籤するとともにCTが付与される。
<CZ2中ポイント抽籤テーブル>
図28は、CZ2の前半部においてCZ2のポイントアップ抽籤に用いられるCZ2中ポイント抽籤テーブルである。CZ2中ポイント抽籤テーブルは、現在のポイント及び内部当籤役に対応付けて、ポイントアップ抽籤の結果についての抽籤値の情報を規定する。後述の図29(B)に示すように、CZ2では、ポイントが上がるほどART抽籤に当籤する確率が上がり、ポイント10まで上がると、ART抽籤に必ず当籤する。なお、抽籤結果の「ポイント2UP」とは、CZ2のポイントが2上がることを意味し、例えば、現在のポイントが「2」である状況で、「ポイント2UP」に当籤すると、CZ2のポイントは「2」から「4」に上がることになる。また、抽籤結果の「ポイント10UP_フリーズ発生」に当籤すると、フリーズが発生し、ART抽籤に当籤するとともにCTが付与される。
<CZ中ART抽籤テーブル>
図29及び図30は、CZ中のART抽籤に用いられるCZ中ART抽籤テーブルであり、図29(A)は、CZ1の後半部の1ゲーム目に用いられるCZ中ART抽籤テーブル(CZ1用)であり、図29(B)は、CZ2の後半部の1ゲーム目に用いられるCZ中ART抽籤テーブル(CZ2用)であり、図29(C)は、CZ1,CZ2の後半部に用いられるCZ中ART抽籤テーブル(CZ1,CZ2共通 後半バトル中用)であり、図29(D)は、CZ3中のART抽籤に用いられるCZ中ART抽籤テーブル(CZ3用)である。
図29(A)に示すCZ中ART抽籤テーブル(CZ1用)は、現在のモードに対応付けてART抽籤の当籤の有無についての抽籤値の情報を規定する。また、図29(B)に示すCZ中ART抽籤テーブル(CZ2用)は、現在のポイントに対応付けてART抽籤の当籤の有無についての抽籤値の情報を規定する。CZ中ART抽籤テーブル(CZ1用)及びCZ中ART抽籤テーブル(CZ2用)を参照すると、CZ1,CZ2では前半部のランク(モード又はポイント)が上がるほど、ART抽籤に当籤し易いことが分かる。
図29(C)に示すCZ中ART抽籤テーブル(CZ1,CZ2共通 後半バトル中用)は、内部当籤役に対応付けてART抽籤の当籤の有無についての抽籤値の情報を規定する。CZ中ART抽籤テーブル(CZ1,CZ2共通 後半バトル中用)を参照すると、CZ1,CZ2の後半部において、レア役(弱チェリー、サボテン又は強チェリー)が内部当籤役として決定されると、所定の確率でART抽籤に当籤することが分かる。
図30(D)に示すCZ中ART抽籤テーブル(CZ3用)は、CZ3の継続ゲーム数及び内部当籤役に対応付けてART抽籤の当籤の有無についての抽籤値の情報を規定する。CZ中ART抽籤テーブル(CZ3用)を参照すると、CZ3中はART抽籤に当籤すると必ずCTにも当籤することが分かる。
[通常ART中の遊技の流れ]
続いて、図31を参照して、通常ART中の遊技の流れについて説明する。パチスロ機1では、ART遊技状態として、通常ARTとCTとを有し(図7参照)、CT中を上乗せチャンスゾーンとしている。そのため、パチスロ機1では、通常ART中は、CTへの移行を目指して遊技を行うことになる。図31(A)は、通常ART中のCTへの移行抽籤の流れを示す図である。
図31(A)に示すように、パチスロ機1は、通常ART中に行われる様々な抽籤に影響を与える状態として、ARTレベル及びCT抽籤状態を有する。ARTレベルは、レベル1〜レベル4の4段階設けられ、主に通常ART中の継続ゲーム数に基づいて制御される。そして、ARTレベルは、CT抽籤状態の決定や後述する通常ART中のフラグ変換抽籤に対して影響を与える。また、CT抽籤状態は、低確率、通常、高確率及び超高確率の4段階設けられ、主としてARTレベルや通常ART中の内部当籤役に基づいて制御される。そして、CT抽籤状態は、通常ART中に行うCT抽籤や後述する通常ART中のフラグ変換抽籤に対して影響を与える。
(通常ART中のフラグ変換)
上述のように、本実施形態のパチスロ機1では、RT4遊技状態中(すなわち、ART遊技状態中)に役「F_確チリリプ」「F_1確チリリプ」「F_リーチ目リプA」〜「F_リーチ目リプD」のいずれかが単独で内部当籤役として決定されると、フラグ変換抽籤を行い、その抽籤結果に応じて特別な特典(例えば、ARTゲーム数の上乗せやCT当籤)を付与する。図31(B)は、通常ART中のフラグ抽籤方法を示す図である。
図31(B)に示すように、パチスロ機1は、通常ART中は、ARTレベル及びCT抽籤状態を参照して、フラグ変換抽籤を行う。その結果、フラグ変換抽籤に当籤した場合には、特別な特典を付与するとともに、「3連チリリプ」の図柄の組合せや「リーチ目リプ」の図柄の組合せを表示させるための報知(例えば、順押しで所定の図柄を狙わせる報知)を行う。反対に、フラグ変換抽籤に非当籤した場合には、「リプレイ」の図柄の組合せを表示させるための報知(例えば、順押し以外の押し順の報知)を行う。遊技者がこの報知に従い停止操作を行うことで、報知内容に応じた図柄の組合せ、すなわち、フラグ変換抽籤に当籤した場合には「3連チリリプ」の図柄の組合せや「リーチ目リプ」の図柄の組合せが表示され、フラグ変換抽籤に非当籤した場合には「リプレイ」の図柄の組合せが表示される。
[通常ART中に用いるデータテーブル]
続いて、図32〜図36を参照して、通常ART中に用いるデータテーブルについて説明する。
<ART中フラグ変換抽籤テーブル>
図32は、通常ART中のフラグ変換抽籤に用いられるART中フラグ変換抽籤テーブルである。本実施形態に係るパチスロ機1では、通常ART中のフラグ変換抽籤を2段階で行う。具体的には、役「F_確チリリプ」「F_1確チリリプ」が内部当籤役として決定されると、まず、1段階目のフラグ変換抽籤を行い、この1段階目のフラグ変換抽籤に当籤すると、その後、2段階目のフラグ変換抽籤を行う。そして、この2段階目のフラグ変換抽籤に当籤すると、役「F_確チリリプ」「F_1確チリリプ」を「3連チリリプ」に変換し、1段階目のフラグ変換抽籤又は2段階目のフラグ変換抽籤に非当籤すると、役「F_確チリリプ」「F_1確チリリプ」を「3連チリリプ」に変換することなく、「リプレイ」として扱う。
図32(A)は、1段階目のフラグ変換抽籤に用いられるART中フラグ変換抽籤テーブルであり、図32(B)は、2段階目のフラグ変換抽籤に用いられるART中フラグ変換抽籤テーブルである。図32(A)に示すART中フラグ変換抽籤テーブルは、内部当籤役に対応付けて1段階目のフラグ変換抽籤の抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。なお、パチスロ機1では、1段階目のフラグ変換抽籤を役「F_確チリリプ」「F_1確チリリプ」に対してのみ行い、役「F_リーチ目リプA」〜「F_リーチ目リプD」については2段階目のフラグ変換抽籤のみを行う。
図32(B)に示すART中フラグ変換抽籤テーブルは、内部当籤役、ARTレベル及びCT抽籤状態に対応付けて2段階目のフラグ変換抽籤の抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。なお、通常ARTにおいて一度CTに当籤するまでは、項目「ARTレベル」の「初回(一度CTに当籤するまで)」欄が参照される。
ここで、図32(A)(B)に示すように、ART中フラグ変換抽籤テーブルのそれぞれでは、確率分母256の範囲の乱数値(0〜255)を用いて1段階目及び2段階目のフラグ変換抽籤を行うため、2段階のフラグ変換抽籤は、確率分母65536の範囲の乱数値を用いて行う抽籤と擬制することができる。近年のパチスロ機では、従来サブ側で行っていた出玉に関する抽籤(ART抽籤など)をメイン側で行うことが求められているが、メイン側の記憶手段(ROM)の容量が限られているため、容量を抑えつつ遊技性を損なうことのない抽籤を可能にする仕組みが求められている。
この点、本発明に係るパチスロ機1では、確率分母256を2段階で行うことで、確率分母65536の抽籤を行うことができるため、容量を抑えることができる。また、2段階目の抽籤に対して、ARTレベルやCT抽籤状態を参照することで、内部当籤役だけでなく現在の状態に応じてフラグ変換抽籤を行うことができるため、多様な遊技性を持ったフラグ変換抽籤を行うことができる。
<ARTレベル決定テーブル>
図33は、ARTレベルを決定するために用いるARTレベル決定テーブルである。ARTレベルの決定は、ART遊技状態への移行が決まったART当籤時、及び通常ART中に行われる。図33(A)は、ART当籤時にARTレベルを決定するためのARTレベル決定テーブルであり、図33(B)は、通常ART中にARTレベルを決定するためのARTレベル決定テーブルである。
図33(A)に示すARTレベル決定テーブルは、ARTレベルごとに抽籤値の情報を規定する。なお、ART当籤時にフリーズが発生していた場合(図27など参照)には、ARTレベルとしてARTレベル2が決定される。図33(B)に示すARTレベル決定テーブルは、現在のARTレベル及び通常ART中の継続ゲーム数に対応付けて、移行先のARTレベルについての抽籤値の情報を規定する。また、図33(B)に示すARTレベル決定テーブルは、現在のARTレベル及びCT突入時の通常ART中の継続ゲーム数に対応付けて、移行先のARTレベルについての抽籤値の情報を規定する。すなわち、通常ART中では、継続ゲーム数に応じてARTレベルが移行するとともに、通常ARTからCTに突入したタイミングでもARTレベルが移行する。
<通常ART中高確率抽籤テーブル>
図34は、通常ART中のCT抽籤状態を抽籤するための通常ART中高確率抽籤テーブルである。通常ART中高確率抽籤テーブルは、現在のCT抽籤状態及び内部当籤役に対応づけて、移行先のCT抽籤状態についての抽籤値の情報を規定する。通常ART中高確率抽籤テーブルを参照すると、役「3連チリリプ(役「F_確チリリプ」「F_1確チリリプ」当籤時のフラグ変換抽籤に当籤)」や役「リーチ目リプ(役「F_リーチ目リプA」〜「F_リーチ目リプD」当籤時のフラグ変換抽籤に当籤)」では、CT抽籤状態が「低確率」に移行(転落)し易いことが分かる。上述の説明では、フラグ変換抽籤に当籤している場合には、特別な特典が付与されるとしていたため、CT抽籤状態が転落し易いことは上述の説明に反するようにも思えるが、図35で後述するように、役「3連チリリプ」「リーチ目リプ」は、CT抽籤に必ず当籤する。そのため、CT抽籤状態が転落してしまったとしても、CT当籤という特別な特典が付与されることに変わりはない。
<ART中CT抽籤テーブル>
図35は、通常ART中のCT抽籤に用いるART中CT抽籤テーブルである。ART中CT抽籤テーブルは、現在のCT抽籤状態及び内部当籤役に対応付けて、CT抽籤の抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。ART中CT抽籤テーブルでは、内部当籤役として「サボテン」「弱チェリー」「強チェリー」「3連チリリプ」「リーチ目リプ」「BB」が決定されている場合には、確率分母256の範囲の乱数値を用いてCT抽籤が行われる。一方で、内部当籤役としてそれ以外の役(例えば、リプレイ、共通ベル、押し順ベルなど)が決定されている場合には、確率分母65536の範囲の乱数値を用いてCT抽籤が行われる。
なお、パチスロ機1では、CTとして「通常CT」及び「高確CT」を有している。「通常CT」と「高確CT」とでは、CT(上乗せチャンスゾーン)中に上乗せするARTゲーム数の期待度が異なり、「高確CT」は「通常CT」に比べて多くのARTゲーム数が上乗せされ易い(図40参照)。
<通常ART中上乗せ抽籤テーブル>
図36は、通常ART中にARTゲーム数を上乗せする上乗せ抽籤に用いる通常ART中上乗せ抽籤テーブルである。通常ART中上乗せ抽籤テーブルは、内部当籤役に対応付けて上乗せ抽籤の抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。
[CT中の遊技の流れ]
続いて、図37を参照して、CT中の遊技の流れについて説明する。図37(A)に示すように、パチスロ機1では、1セット8回の遊技によりCTが行われる。CT中は、内部当籤役に基づいてARTゲーム数の上乗せ抽籤を行っており、上乗せ抽籤に当籤した場合には遊技回数の減算は行われず、上乗せ抽籤に非当籤した場合に限り遊技回数が減算される。そのため、CT中はARTゲーム数が上乗せされた遊技では終了することがなく、同一のセット内でARTゲーム数が上乗せされない遊技が8回行われると終了する。
また、図37(A)(B)に示すように、CT中に役「3連チリリプ」に当籤すると(すなわち、役「F_確チリリプ」「F_1確チリリプ」当籤時のフラグ変換抽籤に当籤すると)、1セット8回の遊技が再セットされる。例えば、同一のセット内でARTゲーム数が上乗せされない遊技が7回行われた場合、あと1回ARTゲーム数が上乗せされない遊技が行われるとCTが終了してしまうものの、役「3連チリリプ」に当籤するとCTの再セットが行われ、結果、その後、8回ARTゲーム数が上乗せされない遊技が行われるまでCTが終了しないことになる。そのため、CTは、役「3連チリリプ」が当籤するほど継続し易くなる。
(CT中のフラグ変換)
図37(C)は、CT中のフラグ抽籤方法を示す図である。CT中は、役「F_確チリリプ」「F_1確チリリプ」については必ず役「3連チリリプ」に変換する。上述したように、CT中に役「3連チリリプ」に当籤すると、CTが再セットされるため、役「F_確チリリプ」「F_1確チリリプ」が内部当籤役として決定されると、CTが再セットされることになる。
一方で、役「F_リーチ目リプA」〜「F_リーチ目リプD」については、3段階のテーブル(テーブル0〜2)に基づいて、フラグ変換抽籤の当籤確率を制御する。具体的には、図37(C)に示すように、テーブル0は「リーチ目リプ」に変換する確率が最も低く、テーブル1は「リーチ目リプ」に変換する確率が次に低く、テーブル2は「リーチ目リプ」に変換する確率が最も高い。なお、CT中に役「リーチ目リプ」に当籤すると、後述の図41に示すように、CTが新たに付与される。
図37(C)に示すように、通常CTでは、ARTレベルに基づいてテーブルが決定される。また、高確率CTでは、ARTレベルに関係なく、テーブル0が必ず決定される。
[CT中に用いるデータテーブル]
続いて、図38〜図41を参照して、CT中に用いるデータテーブルについて説明する。
<CT中テーブル抽籤テーブル>
図38は、3段階のテーブルの中からフラグ変換抽籤に用いるテーブルを決定するためのCT中テーブル抽籤テーブルである。CT中テーブル抽籤テーブルは、ARTレベルやこれから実行するCTの種別などの状態に対応付けて、フラグ変換抽籤に用いるテーブルについての抽籤値の情報を規定する。CT中テーブル抽籤テーブルは、CT抽籤に当籤しCTに移行することが決まると、又はCTの開始時に参照され、CT中のフラグ変換抽籤に用いるテーブルを決定する。
<CT中フラグ変換抽籤テーブル>
図39は、CT中のフラグ変換抽籤に用いられるCT中フラグ変換抽籤テーブルである。CT中フラグ変換抽籤テーブルは、フラグ変換抽籤に用いるテーブル及び内部当籤役に対応付けて、フラグ変換抽籤の抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。CT中フラグ変換抽籤テーブルを参照すると、CT中は、役「F_確チリリプ」「F_1確チリリプ」は必ず役「3連チリリプ」に変換されることが分かる。
<CT中上乗せ抽籤テーブル>
図40は、CT中にARTゲーム数を上乗せする上乗せ抽籤に用いるCT中上乗せ抽籤テーブルである。CT中上乗せ抽籤テーブルは、内部当籤役に対応付けて上乗せ抽籤の抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。なお、図40に示す当籤役以外の役については、CT中の上乗せ抽籤に当籤することがない。
また、通常CT中の上乗せ抽籤では、役「3連チリリプ」に当籤した回数に応じて上乗せゲーム数が異なる。具体的には、同一のCT中に役「3連チリリプ」に当籤した回数が「1〜8回」の場合には、上乗せゲーム数として「10ゲーム」が決定され易く、同一のCT中に役「3連チリリプ」に当籤した回数が「9〜16回」の場合には、上乗せゲーム数として「20ゲーム」が決定され易く、同一のCT中に役「3連チリリプ」に当籤した回数が「17〜24回」の場合には、上乗せゲーム数として「30ゲーム」が決定され易く、同一のCT中に役「3連チリリプ」に当籤した回数が「25回以上」の場合には、上乗せゲーム数として「50ゲーム」が決定され易い。
より具体的には、CT中上乗せ抽籤テーブルでは、同一のCT中に役「3連チリリプ」に当籤した回数が「1〜8回」の場合には、図中の役「3連チリリプ」の抽籤値「極高」に対応する上乗せゲーム数は「10ゲーム」であり、抽籤値「極低」に対応する上乗せゲーム数は「20ゲーム」である。そして、同一のCT中に役「3連チリリプ」に当籤した回数が「9回以上」になると、図中の役「3連チリリプ」の抽籤値「極高」に対応する上乗せゲーム数が「20ゲーム」に昇格する。更に、同一のCT中に役「3連チリリプ」に当籤した回数が「17回以上」になると、図中の役「3連チリリプ」の抽籤値「極高」及び「極低」に対応する上乗せゲーム数が「30ゲーム」に昇格する。同様に、同一のCT中に役「3連チリリプ」に当籤した回数が「25回以上」になると、図中の役「3連チリリプ」の抽籤値「極高」及び「極低」に対応する上乗せゲーム数が「50ゲーム」に昇格する。
このように本実施形態のパチスロ機1では、CT中に役「3連チリリプ」に当籤した回数に応じて1回あたりに上乗せするゲーム数を増やす。上述のように、ARTゲーム数の上乗せが行われている限り、CTは終了することなく、また、役「3連チリリプ」に当籤するとCTの再セットが行われるため、遊技者からすると、CTが継続するほど1回あたりの上乗せ量が増えることについての期待を持つことができ、CT中の興趣が向上する。また、1回あたりの上乗せ量を増やす契機となる回数は、CTの1セット分の遊技回数(8回)よりも多い回数(9回以上)であるため、遊技者に対して過大な利益を与えてしまうことを防止でき、遊技者及び遊技店の利益のバランスを図ることができる。
<CT中セット数上乗せ抽籤テーブル>
図41は、CT中に新たなCTを付与するセット数上乗せ抽籤に用いられるCT中セット数上乗せ抽籤テーブルである。CT中セット数上乗せ抽籤テーブルは、実行しているCTの種別及び内部当籤役に対応付けて、セット数上乗せ抽籤の抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。図41に示すように、CT中に役「リーチ目リプ」に当籤すると、新たなCTが付与される。セット数上乗せ抽籤に伴い新たなCTが付与された場合には、実行しているCTが終了したタイミングで再度新たなCTが開始される。
なお、上述の役「3連チリリプ」に当籤した回数は、同一のCT中に限り計数することとしているが、この「同一のCT中」は、CT中に行うセット数上乗せ抽籤に当籤した場合に付与される新たなCTも含むこととしてもよく、含まないこととしてもよい。
[ボーナス状態中の遊技の流れ]
続いて、図42を参照して、ボーナス状態中の遊技の流れについて説明する。図42(A)は、一般遊技状態(ART非当籤)中にボーナス状態に移行した場合の遊技の流れを示す図であり、図42(B)は、通常ART中にボーナス状態に移行した場合の遊技の流れを示す図であり、図42(C)は、CT中にボーナス状態に移行した場合の遊技の流れを示す図である。図42(A)〜(C)に示すように、パチスロ機1では、ボーナスの種別として、通常BBと特殊BBとを有し、ボーナス状態の移行時にボーナスの種別を決定する。このとき、特殊BBが決定された場合には、ボーナス状態の終了後、ART準備中を経由してCTに移行することになる。一方で、通常BBが決定された場合は、ボーナス状態に移行する前の状態に応じて異なる流れになる。
図42(A)を参照して、一般遊技状態から通常BBに移行した場合には、通常BB中に内部当籤役に基づいてART抽籤が行われる。このART抽籤に当籤すると、ボーナス状態の終了後、ART準備中を経由して通常ARTに移行することになる。なお、ART抽籤に当籤した後は、ボーナス状態中にARTゲーム数の上乗せ抽籤が行われる。
図42(B)を参照して、通常ARTから通常BBに移行した場合には、通常BBの終了時にCT抽籤が行われる。このCT抽籤は50%の確率で当籤し、当籤するとボーナス状態の終了後にART準備中を経由してCTに移行し、非当籤するとボーナス状態の終了後にART準備中を経由して通常ARTに移行する。また、通常ARTから移行したボーナス状態中は、ARTゲーム数の上乗せ抽籤も行われる。
図42(C)を参照して、CTから通常BB又は特殊BBに移行した場合には、ボーナス状態の終了後にART準備中を経由してCTに移行する。また、通常ARTから移行したボーナス状態中は、ARTゲーム数の上乗せ抽籤も行われる。
[ボーナス状態中に用いるデータテーブル]
続いて、図43〜図45を参照して、ボーナス状態中に用いるデータテーブルについて説明する。
<ボーナス種別抽籤テーブル>
図43は、ボーナス種別(通常BB、特殊BB)を決定するためのボーナス種別抽籤テーブルである。ボーナス種別抽籤テーブルは、ボーナス状態の開始時に参照され、ボーナス状態に移行する前の状態に対応付けてボーナス種別についての抽籤値の情報を規定する。
<ボーナス中ARTゲーム数上乗せ抽籤テーブル>
図44は、ボーナス状態中に行うART抽籤及びARTゲーム数の上乗せ抽籤に用いられるボーナス中ARTゲーム数上乗せ抽籤テーブルである。ボーナス中ARTゲーム数上乗せ抽籤テーブルは、ボーナス種別及び内部当籤役に対応付けて、ART抽籤の抽籤結果及び上乗せゲーム数についての抽籤値の情報を規定する。
ボーナス中ARTゲーム数上乗せ抽籤テーブルは、ART非当籤の状態(一般遊技状態から移行した通常BBにおいて、ART抽籤に当籤するまで)では、ART抽籤に用いられることになる。すなわち、ART非当籤の状態で上乗せゲーム数として1以上(実際には最低50ゲーム)が決定されると、ART抽籤に当籤するとともに、対応するゲーム数が付与されることになる。一方、ART当籤後の状態では、ボーナス中ARTゲーム数上乗せ抽籤テーブルは、ARTゲーム数の上乗せ抽籤に用いられる。
<ボーナス終了時CT抽籤テーブル>
図45は、ボーナス状態の終了時に行うCT抽籤に用いられるボーナス終了時CT抽籤テーブルである。ボーナス終了時CT抽籤テーブルは、ボーナス種別及びボーナス状態に移行する前の遊技状態に対応付けて、CT抽籤の抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。図45に示すボーナス終了時CT抽籤テーブルを参照すると、例えば、通常ART中に通常BBが行われると、ボーナス状態の終了時に50%の確率でCTに当籤することが分かる。
[一般遊技状態中の例外的な遊技の流れ]
続いて、図46を参照して、一般遊技状態中の例外的な遊技の流れについて説明する。パチスロ機1では、基本的には、一般遊技状態中に通常遊技状態からCZに移行し、CZにおいてART抽籤に当籤することでART遊技状態を目指すことになる。ここで、パチスロ機1では、RT4遊技状態中に報知を行うことでART遊技状態を実現しており、また、図46に示すように、表示される図柄の組合せに応じてRT遊技状態を制御している。図21に示したように、RT遊技状態を移行させるための図柄の組合せは、遊技者の停止操作の順序(押し順)に応じて表示されるため、報知が行われない場合であっても、偶然にRT4遊技状態に移行することがある。
また、RT4遊技状態では、役「F_リーチ目リプA」〜「F_リーチ目リプD」が内部当籤役として決定される可能性があるため、一般遊技状態(非ART)中であっても、特別な特典が付与されるリーチ目(リーチ目リプ)を表示することができる。そこで、本実施形態のパチスロ機1では、図46に示すように、一般遊技状態(非ART)中に偶然にRT4遊技状態に移行した場合に、「リーチ目リプ」の図柄の組合せを表示可能な状態になると、CZを経由することなくART遊技状態(通常ART)に移行可能にする。
より具体的には、一般遊技状態、かつ、RT4遊技状態中に役「F_リーチ目リプA」〜「F_リーチ目リプD」が内部当籤役として決定されると、フラグ変換抽籤を行い、このフラグ変換抽籤に当籤すると、「リーチ目リプ」の図柄の組合せを表示するための報知を行うとともに、ARTの権利を付与する。反対に、フラグ変換抽籤に非当籤すると、「リプレイ」の図柄の組合せを表示するための報知を行い、「リーチ目リプ」の図柄の組合せが表示されないように制御する。
<非ART中フラグ変換抽籤テーブル>
図47は、一般遊技状態、かつ、RT4遊技状態中に行うフラグ変換抽籤に用いられる非ART中フラグ変換抽籤テーブルである。非ART中フラグ変換抽籤テーブルは、内部当籤役に対応付けてフラグ変換抽籤の抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。
[メイン側の制御による報知]
パチスロ機では、従来、ART機中にサブ(副制御基板72)側の制御のもとに停止操作の情報(押し順など)の報知を行っていたが、報知の有無が遊技者の利益(いわゆる、出玉)に影響を与えるため、近年では、遊技者の利益を管理するメイン(主制御基板71)側で報知を行うことが求められている。そこで、本実施形態のパチスロ機1では、主制御基板71が制御する情報表示器14に停止操作の情報を報知する指示モニタを設け、メイン側の制御のもとに停止操作の情報を報知することとしている。
図48は、メイン側で行う報知(ナビ)とサブ側で行う報知(ナビ)との対応関係を示す図である。図48に示すように、主制御基板71は、指示モニタに「1」〜「11」の数値を表示することで、停止操作の情報を報知する。この「1」〜「11」の数値は、それぞれが報知する停止操作の内容に一義的に対応しており、「1」〜「3」は、それぞれ第1停止操作を行うリールの種別を示しており、「1」は第1停止操作を左のリール3Lに対して行うことを意味し、「2」は第1停止操作を中のリール3Cに対して行うことを意味し、「3」は第1停止操作を右のリール3Rに対して行うことを意味している。
また、「4」〜「9」は、それぞれ報知する押し順を示しており、「4」は押し順が「左、中、右」であることを意味し、「5」は押し順が「左、右、中」であることを意味し、「6」は押し順が「中、左、右」であることを意味し、「7」は押し順が「中、右、左」であることを意味し、「8」は押し順が「右、左、中」であることを意味し、「9」は押し順が「右、中、左」であることを意味している。
また、「10」「11」は、ボーナスに係る役を報知するものであり、「10」は「白7−白7−白7」からなる図柄の組合せ「C_BB1」を意味し、「11」は「青7−青7−青7」からなる図柄の組合せ「C_BB2」を意味している。
ここで、メイン側で報知する「1」〜「11」の数値は、報知する停止操作の内容に一義的に対応しているものの、全ての遊技者が明確に報知内容を把握できるとは限らない。すなわち、メイン側で指示モニタに対して「6」と表示しただけでは、遊技者によっては報知内容を把握できない可能性もある。
そこで、パチスロ機1では、メイン側の報知と併せてサブ側でも停止操作の内容を報知する。具体的には、パチスロ機1は、副制御基板72が制御する表示ユニット100を設け、サブ側の制御のもとに停止操作の情報を報知する。例えば、第1停止操作を左のリール3Lに対して行うことを報知する場合、メイン側で指示モニタに対して「1」を表示するとともに、サブ側では、表示ユニット100の左のリール3Lの上方に「1」と表示し、左のリール3Lが第1停止操作の対象であることを報知する。同様に、押し順「中、左、右」を報知する場合、メイン側で指示モニタに対して「6」を表示するとともに、サブ側では、表示ユニット100の中のリール3Cの上方に「1」、左のリール3Lの上方に「2」、右のリール3Rの上方に「3」と表示し、押し順が「中、左、右」であることを報知する。また、「F_BB1」が内部当籤役として決定されている場合、メイン側で指示モニタに対して「10」を表示するとともに、サブ側では、表示ユニット100に「白7−白7−白7」を表示し、遊技者に対して狙うべき図柄を報知する。
図48(A)に示すように、ART準備中は、メイン側の制御のもと「ベルナビ」「維持リプナビ」「RT3移行リプナビ」及び「RT4移行リプナビ」が行われる。「ベルナビ」は、役「F_3択ベル_1st」〜「F_3択ベル_3rd」に対して「ベル」の図柄の組合せを表示させるための押し順を報知する。また、「維持リプナビ」は、役「F_維持リプ_1st」〜「F_維持リプ_3rd」に対して「リプレイ」の図柄の組合せを表示させるための押し順を報知する。また、「RT3移行リプナビ」は、役「F_RT3移行リプ_1st」〜「F_RT3移行リプ_3rd」に対して「RT3移行リプ」の図柄の組合せを表示させるための押し順を報知する。また、「RT4移行リプナビ」は、役「F_RT4移行リプ_123」〜「F_RT4移行リプ_3rd」に対して「RT4移行リプ」の図柄の組合せを表示させるための押し順を報知する。
なお、メイン側で報知を行うタイミングは、少なくとも報知を行う一遊技の間であればよく、任意である。例えば、開始操作を受け付けたタイミングでメイン側の報知を行うこととしてもよく、リール3L,3C,3Rの回転開始時にメイン側の報知を行うこととしてもよく、第1停止操作〜第3停止操作のいずれかを受け付けたタイミングでメイン側の報知を行うこととしてもよい。一方で、サブ側で報知を行うタイミングは、少なくとも第1停止操作よりも前のタイミングであることが好ましい。この点、本実施形態のパチスロ機1では、開始操作を受け付けたタイミング、又はリール3L,3C,3Rの回転開始時にメイン側及びサブ側の双方において報知を行う。これにより、遊技者が停止操作を行う前に、メイン側の指示モニタ及びサブ側の表示ユニット100の双方において停止操作の情報が報知される。
また、図48(B)に示すように、ART遊技状態中は、メイン側の制御のもと「ベルナビ」「維持リプナビ」「RT3移行リプナビ」及び「RT4移行リプナビ」が行われる。なお、ART遊技状態(RT4遊技状態)中は、フラグ変換抽籤が行われ、この抽籤結果に基づいて「3連チリリプ」「リーチ目リプ」又は「リプレイ」の図柄の組合せを表示させるための押し順を報知するが、この報知に関しては、メイン側では行うことなく、サブ側でのみ行う。
上述したように、「3連チリリプ」「リーチ目リプ」の図柄の組合せは、特別な特典の付与に関係しているため、報知の有無が遊技者の利益(出玉)に影響を与えるようにも考えられる。しかしながら、パチスロ機1では、実際には、特別な特典をフラグ変換抽籤の抽籤結果に基づいて付与することとしており、表示される図柄の組合せは付与する特典に対して影響を与えない。すなわち、フラグ変換抽籤に当籤している場合には、仮に、「リプレイ」の図柄の組合せを表示してしまったとしても、特別な特典が付与され、反対に、フラグ変換抽籤に当籤していない場合には、仮に、「3連チリリプ」「リーチ目リプ」の図柄の組合せを表示できたとしても、特別な特典は付与しない。
本実施形態のパチスロ機1では、このように表示される図柄の組合せが遊技者の利益(出玉)に影響を与えない場合には、メイン側の指示モニタでの報知を行わずに、サブ側でのみ表示ユニット100での報知を行う。
また、図48(C)(D)に示すように、RT5遊技状態(フラグ間状態)中は、内部当籤役として持ち越しているボーナスに係る役に応じた図柄の組合せを狙わせる報知を行う。具体的には、図48(C)に示すように、役「F_BB1」を持ち越している場合には「白7ナビ」を行い、図48(D)に示すように、役「F_BB2」を持ち越している場合には「青7ナビ」を行う。「白7ナビ」は、役「F_BB1」に対して、「C_BB1」の図柄の組合せを表示させるための停止操作の情報を報知し、「青7ナビ」は、役「F_BB2」に対して、「C_BB2」の図柄の組合せを表示させるための停止操作の情報を報知する。
ここで、図22において上述したように、フラグ間状態では、ボーナスに係る役と「はずれ」「F_特殊1」「F_特殊2」「F_特殊3」のいずれかとが内部当籤役として決定されている場合に、BBの図柄の組合せを表示することができ、それ以外の役がボーナスに係る役とともに内部当籤役として決定されている場合には、BBの図柄の組合せを表示することができない。そのため、図48(C)(D)に示すように、主制御基板71は、メイン側で制御を行う場合、持ち越しているボーナスに係る役と「はずれ」「F_特殊役1」「F_特殊役2」「F_特殊役3」のいずれかとが内部当籤役として決定されている場合に限り、「白7ナビ」又は「青7ナビ」を行う。これにより、メイン側のナビを、ボーナスに係る役を入賞させることのできる適切なタイミングで行うことができる。
なお、主制御基板71は、ボーナスに係る役が内部当籤役として決定されていることを告知(ボーナス告知)した後に限り、「白7ナビ」又は「青7ナビ」を行うこととしてもよい。ここで、ボーナス告知は、例えば、ボーナス確定画面を表示することや、ボーナス確定ランプを点灯させることなどにより行われる。
一例として、ボーナスに係る役が内部当籤役として決定された場合に、数回の遊技にわたり行われる演出(いわゆる連続演出)を行い、この連続演出の結果に応じてボーナス確定画面を表示することが一般的に行われている。この連続演出の最中にメイン側で「白7ナビ」などを行ってしまったのでは、連続演出の結果が途中で分かってしまい、興趣を損ねてしまう可能性がある。そこで、パチスロ機1の主制御基板71は、ボーナス告知が行われた後に限り、「白7ナビ」又は「青7ナビ」を行う。なお、ボーナス告知が行われたタイミングをメイン側で把握可能にする方法は任意である。
一手法としては、ボーナスに係る役を内部当籤役として決定すると、主制御基板71がボーナス告知までに要するゲーム数を決定し、このゲーム数を消化した後に、「白7ナビ」又は「青7ナビ」を行う方法が考えられる。より具体的には、主制御基板71は、ボーナス告知までに要するゲーム数を決定すると、このゲーム数を副制御基板72に通知する。副制御基板72は、このゲーム数に従い演出を制御し、ゲーム数が消化したタイミングでボーナス確定画面を表示することで、メイン側においてボーナス告知が行われたタイミングを把握することができる。すなわち、主制御基板71は、ボーナスに係る役を持ち越していない状態でボーナスに係る役を内部当籤役として決定してからの単位遊技の回数を計数し、その計数結果が所定回数に達した後にボーナスに係る役と「はずれ」「F_特殊役1」「F_特殊役2」「F_特殊役3」のいずれかとが内部当籤役として決定された場合に「白7ナビ」又は「青7ナビ」を行う。
また、他の手法としては、ボーナス告知をサブ側ではなくメイン側において制御する方法が考えられる。より具体的には、主制御基板71は、ボーナスに係る役を持ち越していない状態でボーナスに係る役を内部当籤役として決定すると、表示ユニット100で実行する演出(少なくとも演出に要するゲーム数)を決定し、副制御基板72に通知する。副制御基板72が通知された演出を実行し、ボーナス確定画面を表示することで、メイン側においてボーナス告知が行われたタイミングを把握することができる。
もちろん、その他の手法によりボーナス告知が行われたタイミングをメイン側で把握可能にすることとしてもよい。この場合において、主制御基板71は、副制御基板72などからの信号を受け付けることができないため、主制御基板71が受け付け可能な信号に基づいてボーナス告知が行われたタイミングを把握する必要がある。例えば、停止操作に伴う信号は、主制御基板71が受け付け可能であるため、ボーナスに係る役が内部当籤役として決定されている状態で、所定の停止操作(例えば、順押し以外)が行われた場合に、ボーナス告知を行うことも考えられる。具体的には、副制御基板72は、主制御基板71から内部当籤役に関する情報と停止操作に関する情報とを取得し、これらの情報の組合せが所定の組合せ(内部当籤役「ボーナスに係る役」、停止操作「順押し以外」)である場合にボーナス告知を行う。このようなボーナス告知は、その契機を主制御基板71でも把握することができるため、メイン側においてボーナス告知が行われたタイミングを把握することができる。
[主制御基板の動作説明]
次に、図49〜図65を参照して、主制御基板71のメインCPU31が、プログラムを用いて実行する各種処理の内容について説明する。
<メインCPUの制御によるパチスロの主要動作処理>
まず、メインCPU31の制御で行うパチスロ機1の主要動作処理(電源投入以降の処理)の手順を、図49に示すフローチャート(以下、メインフローという)を参照しながら説明する。
まず、パチスロ機1に電源が投入されると、メインCPU31は、電源投入時の初期化処理を行う(S1)。この処理では、バックアップが正常に行われたか、設定変更が適切に行われたかなどが判定され、その判定結果に対応した初期化が行われる。
続いて、メインCPU31は、一遊技終了時の初期化処理を行う(S2)。この初期化処理では、メインRAM33における指定格納領域のデータをクリアする。なお、ここでいう指定格納領域は、例えば、内部当籤役格納領域や表示役格納領域などの1回の単位遊技(ゲーム)ごとにデータの消去が必要な格納領域である。
続いて、メインCPU31は、メダル受付・スタートチェック処理を行う(S3)。この処理では、メダルセンサ42Sやスタートスイッチ6Sの入力のチェックなどが行われる。
続いて、メインCPU31は、内部抽籤処理を行う(S4)。この処理では、メインCPU31は、現在の遊技状態に応じた内部抽籤テーブル(図13、図14)を参照して、複数の役の中から内部当籤役として決定する役を抽籤する。続いて、メインCPU31は、S4の内部抽籤処理において、役「F_BB1」「F_BB2」を内部当籤役として決定したか否かを判定する(S5)。役「F_BB1」「F_BB2」を内部当籤役として決定した場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、RT5遊技状態フラグをオンにし、遊技状態をフラグ間遊技状態にセットする(S6)。
S6の処理に続いて、又はS5において役「F_BB1」「F_BB2」を内部当籤役として決定していないと判定した場合には(NO)、メインCPU31は、続いて、図50で後述する状態別遊技制御処理を行う(S7)。
続いて、メインCPU31は、メイン側ナビ制御処理を行う(S8)。この処理では、メインCPU31は、図48に示す対応関係に基づいて、現在の遊技状態及び内部当籤役に応じたナビデータをセットする。なお、セットしたナビデータは、スタートコマンドに格納され副制御基板72に通知される。また、セットしたナビデータに応じた報知は、任意のタイミングで行われる。
続いて、メインCPU31は、図60で後述するリール停止初期設定処理を行う(S9)。この処理では、S5で決定した内部当籤役や現在の遊技状態に応じて停止制御に用いるリール停止制御情報を決定する。決定したリール停止制御情報は、メインRAM33に格納され、S12のリール停止制御処理において用いられる。
続いて、メインCPU31は、スタートコマンド送信処理を行う(S10)。この処理では、メインCPU31は、スタートコマンドのデータを生成し、副制御基板72に送信する。なお、スタートコマンドデータには、内部当籤役などの演出に必要な各種の情報が含まれる。
続いて、メインCPU31は、ウェイト処理を行った後にリール回転開始処理を行う(S11)。この処理において、メインCPU31は、全リールの回転開始を要求する。そして、全リールの回転開始が要求されると、一定の周期(1.1172msec)で実行される割込処理により、各リールは、その回転速度が定速度に達するまで加速制御され、その後、該定速度が維持されるように制御される。
続いて、メインCPU31は、図61で後述するリール停止制御処理を行う(S12)。この処理では、S9で決定したリール停止制御情報を用いて、左のストップボタン7L、中のストップボタン7C及び右のストップボタン7Rがそれぞれ押されたタイミングに基づいて該当するリールの回転が停止される。
続いて、メインCPU31は、入賞判別メダル払出処理を行う(S13)。この入賞判別メダル払出処理では、リール3L,3C,3Rが停止した結果、有効ラインに沿って表示された図柄の組合せに基づいて、メダルの払い出しや再遊技の作動などの当該図柄の組合せに応じた利益を付与する。続いて、メインCPU31は、入賞作動コマンド送信処理を行う(S14)。この処理では、メインCPU31は、入賞作動コマンドのデータを生成し、副制御基板72に送信する。なお、入賞作動コマンドデータには、有効ラインに沿って表示された図柄の組合せなどの各種の情報が含まれる。
続いて、メインCPU31は、図62で後述するBBチェック処理を行う(S15)。この処理では、メインCPU31は、ボーナス状態の作動及び終了を制御する。続いて、メインCPU31は、図63及び図64で後述するRTチェック処理を行う(S16)。この処理では、メインCPU31は、表示された図柄の組合せに基づいてRT遊技状態を移行させる制御を行う。
続いて、メインCPU31は、図65で後述するCZ・ART終了時処理を行う(S17)。この処理では、メインCPU31は、CZの引き戻し抽籤を行う。CZ・ART終了時処理を行うと、メインCPU31は、一遊技(単位遊技)が終了したとして処理をS2に戻す。
<状態別制御処理>
次に、図50を参照して、状態別制御処理について説明する。状態別制御処理では、初めに、メインCPU31は、現在の遊技状態がRT4遊技状態中であるか否かを判定する(S31)。RT4遊技状態である場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、図51で後述するフラグ変換処理を行う(S32)。
S32の処理に続いて、又は、S31においてRT4遊技状態中ではないと判定した場合には(NO)、メインCPU31は、現在の遊技状態が通常遊技状態中であるか否かを判定する(S33)。通常遊技状態中である場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、図52で後述する通常中スタート時処理を行い(S34)、状態別制御処理を終了する。
他方、現在の遊技状態が通常遊技状態ではない場合には(NO)、メインCPU31は、現在の遊技状態がCZ中であるか否かを判定する(S35)。CZ中である場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、図53で後述するCZ中スタート時処理を行い(S36)、状態別制御処理を終了する。
他方、現在の遊技状態がCZではない場合には(NO)、メインCPU31は、現在の遊技状態が通常ART中であるか否かを判定する(S37)。通常ART中である場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、図57で後述する通常ART中スタート時処理を行い(S38)、状態別制御処理を終了する。
他方、現在の遊技状態が通常ARTではない場合には(NO)、メインCPU31は、現在の遊技状態がCT中であるか否かを判定する(S39)。CT中である場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、図58で後述するCT中スタート時処理を行い(S40)、状態別制御処理を終了する。
他方、現在の遊技状態がCTではない場合には(NO)、メインCPU31は、現在の遊技状態がボーナス状態中であるか否かを判定する(S41)。ボーナス状態中である場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、図59で後述するBB中スタート時処理を行い(S42)、状態別制御処理を終了する。
他方、現在の遊技状態がボーナス状態ではない場合には(NO)、メインCPU31は、その他処理を行い(S43)、状態別制御処理を終了する。例えば、メインCPU31は、ART準備中である場合に、準備中に応じた処理を行う。
<フラグ変換処理>
次に、図51を参照して、フラグ変換処理について説明する。フラグ変換処理では、初めに、メインCPU31は、CT開始時であるか否かを判定する(S50)。CT開始時である場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、CT中フラグ変換テーブル抽籤テーブル(図38)を参照して、CT中のフラグ変換抽籤に用いるテーブル番号を抽籤し、セットする(S51)。
S51の処理に続いて、又は、S50においてCT開始時ではない場合には(NO)、メインCPU31は、現在の状態に応じたフラグ変換抽籤テーブルをセットする(S52)。例えば、現在の状態が非ART中のRT4遊技状態である場合には、非ART中フラグ変換抽籤テーブル(図47)をセットし、現在の状態が通常ART中のRT4遊技状態である場合には、ART中フラグ変換抽籤テーブル(図32)をセットし、現在の状態がCT中のRT4遊技状態である場合には、CT中フラグ変換抽籤テーブル(図39)をセットする。
続いて、メインCPU31は、内部当籤役に基づいてフラグ変換抽籤を行い(S53)、続いて、当籤したか否かを判定する(S54)。フラグ変換抽籤に当籤している場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、フラグ変換処理を行う(S55)。この処理では、例えば、役「F_1確チリリプ」が内部当籤役として決定されている場合に、役「F_1確チリリプ」を役「3連チリリプ」として扱うように処理する。
続いて、メインCPU31は、現在の遊技状態が非ART中であるか否かを判定する(S56)。すなわち、メインCPU31は、RT4遊技状態への移行が、一般遊技状態(非ART)という報知が行われない状態において、遊技者の停止操作に応じて偶然に行われたものであるか否かを判定する。現在の遊技状態が非ART中である場合には(YES)、メインCPU31は、ARTセット数に1を加算し(S57)、続いて、次遊技にART準備中をセットし(S58)、フラグ変換処理を終了する。他方、現在の遊技状態が非ART中ではない場合には(NO)、メインCPU31は、フラグ変換処理を終了する。
また、S54において、フラグ変換抽籤に当籤していない場合には(NO)、メインCPU31は、フラグ維持処理を行い(S59)、フラグ変換処理を終了する。このフラグ維持処理では、例えば、役「F_1確チリリプ」が内部当籤役として決定されている場合に、役「F_1確チリリプ」を役「リプレイ」として扱うように処理する。
<通常中スタート時処理>
次に、図52を参照して、通常中スタート時処理について説明する。通常中スタート時処理では、初めに、メインCPU31は、図26(A)に示すCZ抽籤テーブルを参照して、現在のCZの抽籤状態及び内部当籤役に基づいてCZ抽籤を行う(S61)。
続いて、メインCPU31は、このCZ抽籤に当籤したか否かを判定する(S62)。CZ抽籤に当籤した場合には(YES)、メインCPU31は、次遊技に当籤した種別のCZをセットし(S63)、続いて、当籤した種別のCZに応じた値をCZゲーム数カウンタにセットする(S64)。なお、CZゲーム数カウンタは、CZの継続期間を計数するカウンタであり、CZ1に当籤している場合には、CZゲーム数カウンタ(前半)に第1ゲーム数(例えば、12)をセットし、CZ2に当籤している場合には、CZゲーム数カウンタ(前半)に第2ゲーム数(例えば、15)をセットし、CZ3に当籤している場合には、CZゲーム数カウンタに第4ゲーム数(例えば、17)をセットする。
S64の処理に続いて、又は、S62においてCZ抽籤に当籤していない場合には(NO)、メインCPU31は、続いて、図25(A)の通常中高確率抽籤テーブルを参照して、内部当籤役に基づいてCZの抽籤状態の移行抽籤を行い(S65)、移行抽籤の結果に基づきCZの抽籤状態を更新し(S66)、通常中スタート時処理を終了する。
<CZ中スタート時処理>
次に、図53を参照して、CZ中スタート時処理について説明する。CZ中スタート時処理では、初めに、メインCPU31は、現在の遊技状態がCZ1中であるか否かを判定する(S71)。CZ1中である場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、図54及び図55で後述するCZ1(CZ2)中処理を行い(S72)、CZ中スタート時処理を終了する。
他方、CZ1中ではない場合には(NO)、メインCPU31は、続いて、現在の遊技状態がCZ2中であるか否かを判定する(S73)。CZ2中である場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、図54及び図55で後述するCZ1(CZ2)中処理を行い(S74)、CZ中スタート時処理を終了する。なお、本実施形態において、CZ1とCZ2とではART抽籤に当籤する期待度が異なるランク(モード又はポイント)が異なるだけであり、基本的な処理は同じである。そこで、本実施形態では、CZ1及びCZ2中の処理をCZ1(CZ2)中処理として一つの処理で説明する。
他方、CZ2中ではない場合には(NO)、メインCPU31は、続いて、図56で
後述するCZ3中処理を行い(S75)、CZ中スタート時処理を終了する。
<CZ1(CZ2)中処理>
次に、図54及び図55を参照して、CZ1(CZ2)中処理について説明する。CZ1(CZ2)中処理では、初めに、メインCPU31は、CZ1又はCZ2の前半部であるか否かを判定する(S81)。メインCPU31は、前半部である場合には(YES)、処理をS82に移し、前半部ではない(後半部である)場合には(NO)、処理を図55のS91に移す。
CZ1の前半部である場合には、メインCPU31は、CZ1中モードアップ抽籤テーブル(図27)を参照して、内部当籤役に基づいてモードアップ抽籤を行う(S82)。同様に、CZ2の前半部である場合には、メインCPU31は、CZ2中ポイント抽籤テーブル(図28)を参照して、内部当籤役に基づいてポイントアップ抽籤を行う(S82)。続いて、メインCPU31は、S82の抽籤結果に基づいて、モード(又はポイント)を更新する(S83)。
続いて、メインCPU31は、S82の抽籤においてフリーズに当籤したか否かを判定する(S84)。フリーズに当籤している場合には(YES)、メインCPU31は、遊技の進行を一時的に停止するフリーズ処理を行うとともに、ARTセット数及びCTセット数に1加算する(S85)。この処理では、メインCPU31は、更に、ARTレベル決定テーブル(図33(A))を参照してARTレベルを決定し、セットする。なお、フリーズ発生時には、ARTレベルとして「ARTレベル2」が決定される。続いて、メインCPU31は、CZを終了するとともに、次遊技にART準備中をセットし(S86)、CZ1(CZ2)中処理を終了する。
他方、S84においてフリーズに当籤していない場合には(NO)、メインCPU31は、CZゲーム数カウンタ(前半)を1減算する(S87)。続いて、メインCPU31は、CZゲーム数カウンタ(前半)が0か否かを判定する(S88)。CZゲーム数カウンタ(前半)が0ではない場合には(NO)、メインCPU31は、CZ1(CZ2)中処理を終了する。
他方、CZゲーム数カウンタ(前半)が0である場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、次遊技にCZ1又はCZ2の後半をセットし(S89)、CZ1(CZ2)中処理を終了する。
続いて、図55を参照して、CZ1又はCZ2の後半部である場合には、メインCPU31は、後半部の1ゲーム目であるか否かを判定する(S91)。後半部の1ゲーム目である場合には、CZ中ART抽籤テーブル(図29(A)(B))を参照して、前半部のモード又はポイントに基づいてART抽籤を行う(S92)。続いて、メインCPU31は、このART抽籤に当籤したか否かを判定する(S93)。
ART抽籤に当籤している場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、ARTセット数に1加算するとともに、ARTレベル決定テーブル(図33(A))を参照してARTレベルを抽籤し、セットする(S94)。S94の処理に続いて、又は、ART抽籤に当籤していない場合には(NO)、メインCPU31は、CZゲーム数カウンタ(後半)に所定値をセットする(S95)。メインCPU31は、例えば、ART抽籤に当籤している場合にCZゲーム数カウンタ(後半)に「4」をセットし、ART抽籤に非当籤している場合にCZゲーム数カウンタ(後半)に「3」をセットする。
S95の処理に続いて、又は、S91において後半部の1ゲームではない場合には(NO)、メインCPU31は、CZ中ART抽籤テーブル(図29(C))を参照して、内部当籤役に基づいてART抽籤を行い(S96)、ART抽籤に当籤したか否かを判定する(S97)。このART抽籤に当籤している場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、ARTセット数に1加算するとともに、ARTレベル決定テーブル(図33(A))を参照してARTレベルを抽籤し、セットする(S98)。
S98の処理に続いて、又は、S97においてART抽籤に当籤していない場合には(NO)、メインCPU31は、CZゲーム数カウンタ(後半)を1減算する(S99)。続いて、メインCPU31は、CZゲーム数カウンタ(後半)が0であるか否かを判定する(S100)。CZゲーム数カウンタ(後半)が0ではない場合には(NO)、メインCPU31は、CZ1(CZ2)中処理を終了する。
他方、CZゲーム数カウンタ(後半)が0である場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、ARTセット数が1以上であるか否かを判定する(S101)。ARTセット数が1以上である場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、CZを終了するとともに、次遊技にART準備中をセットし(S102)、CZ1(CZ2)中処理を終了する。他方、ARTセット数が1以上ではない場合には(NO)、メインCPU31は、続いて、CZ失敗時をセットし(S103)、CZ1(CZ2)中処理を終了する。
<CZ3中処理>
次に、図56を参照して、CZ3中処理について説明する。CZ3中処理では、初めに、メインCPU31は、CZ中ART抽籤テーブル(図30(D))を参照して、内部当籤役に基づいてART抽籤を行い(S121)、このART抽籤に当籤したか否かを判定する(S122)。
ART抽籤に当籤している場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、ARTセット数及びCTセット数に1加算する(S123)。続いて、メインCPU31は、S121のART抽籤においてフリーズに当籤したか否かを判定する(S124)。フリーズに当籤している場合には(YES)、メインCPU31は、遊技の進行を一時的に停止するフリーズ処理を行う(S125)。
S125の処理に続いて、又は、S124においてフリーズに当籤していない場合には(NO)、メインCPU31は、続いて、ARTレベル決定テーブル(図33(A))を参照してARTレベルを抽籤し、セットする(S126)。続いて、メインCPU31は、CZを終了するとともに、次遊技にART準備中をセットし(S127)、CZ3中処理を終了する。
他方、S122においてART抽籤に当籤していない場合には(NO)、メインCPU31は、続いて、CZゲーム数カウンタを1減算する(S128)。続いて、メインCPU31は、CZゲーム数カウンタが0であるか否かを判定する(S129)。CZゲーム数カウンタが0ではない場合には(NO)、メインCPU31は、CZ3中処理を終了する。
他方、CZゲーム数カウンタが0である場合には、メインCPU31は、ARTセット数に1加算するとともに、ARTレベル決定テーブル(図33(A))を参照してARTレベルを抽籤し、セットする(S130)。続いて、メインCPU31は、CZを終了するとともに、次遊技にART準備中をセットし(S131)、CZ3中処理を終了する。
<通常ART中スタート時処理>
次に、図57を参照して、通常ART中スタート時処理について説明する。通常ART中スタート時処理では、初めに、メインCPU31は、ART継続ゲーム数カウンタを1加算する(S141)。なお、ART継続ゲーム数カウンタは、通常ARTが継続したゲーム数を計数するカウンタである。本実施形態では、ART継続ゲーム数カウンタの他に、通常ARTが継続可能なゲーム数を計数するART終了ゲーム数カウンタを設ける。そして、パチスロ機1は、ART継続ゲーム数カウンタの値とART終了ゲーム数カウンタの値とを比較し、ART継続ゲーム数カウンタの値がART終了ゲーム数カウンタの値に到達すると、ART遊技状態を終了する。
続いて、メインCPU31は、ART中CT抽籤テーブル(図35)を参照して、現在のCT抽籤状態及び内部当籤役に基づいてCT抽籤を行い(S142)、このCT抽籤に当籤したか否かを判定する(S143)。CT抽籤に当籤している場合には(YES)、メインCPU31は、CTセット数に1加算するとともに、CTゲーム数カウンタに8をセットし(S144)、続いて、次遊技に当籤した種別のCTをセットする(S145)。
S145の処理に続いて、又は、S143においてCT抽籤に当籤していない場合には(NO)、メインCPU31は、ARTレベル決定テーブル(図33(B))を参照して、ART継続ゲーム数カウンタの値に基づいてARTレベルを抽籤し、セットする(S146)。続いて、メインCPU31は、通常ART中高確率抽籤テーブル(図34)を参照して、現在のCT抽籤状態及び内部当籤役に基づいて、移行先のCT抽籤状態を抽籤し、セットする(S147)。
続いて、メインCPU31は、通常ART中上乗せ抽籤テーブル(図36)を参照して、内部当籤役に基づいてARTゲーム数の上乗せ抽籤を行い(S148)、この上乗せ抽籤に当籤したか否かを判定する(S149)。上乗せ抽籤に当籤している場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、当籤結果をART終了ゲーム数カウンタに加算する(S150)。
S150の処理に続いて、又は、S149において上乗せ抽籤に当籤していない場合には(NO)、メインCPU31は、続いて、ART継続ゲーム数カウンタの値が、ART終了ゲーム数カウンタの値に達したか否かを判定する(S151)。ART継続ゲーム数カウンタの値が、ART終了ゲーム数カウンタの値に達していない場合には(NO)、メインCPU31は、通常ART中スタート時処理を終了する。
他方、ART継続ゲーム数カウンタの値が、ART終了ゲーム数カウンタの値に達した場合には(YES)、メインCPU31は、ARTセット数を1減算し(S152)、続いて、ART終了時をセットし(S153)、通常ART中スタート時処理を終了する。
<CT中スタート時処理>
次に、図58を参照して、CT中スタート時処理について説明する。CT中スタート時処理では、初めに、メインCPU31は、CT中上乗せ抽籤テーブル(図40)を参照して、内部当籤役に基づいてARTゲーム数の上乗せ抽籤を行い(S161)、この上乗せ抽籤に当籤したか否かを判定する(S162)。
上乗せ抽籤に当籤している場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、当籤結果をART終了ゲーム数カウンタに加算する(S163)。なお、上述したように、本実施形態のパチスロ機1では、同一のCT中に役「3連チリリプ」に当籤した回数が増えるほど、1回あたりの上乗せ量が増えることになる。
続いて、メインCPU31は、内部当籤役が役「3連チリリプ」であるか否か(すなわち、図51のフラグ変換処理において役「3連チリリプ」に変換されたか否か)を判定する(S164)。内部当籤役が役「3連チリリプ」である場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、CTゲーム数カウンタに8を再セットし(S165)、CT中スタート時処理を終了する。また、内部当籤役が役「3連チリリプ」ではない場合には(NO)メインCPU31は、CT中スタート時処理を終了する。
S162において、上乗せ抽籤に当籤していない場合には(NO)、メインCPU31は、続いて、CT中セット数上乗せ抽籤テーブル(図41)を参照して、内部当籤役に基づいてCTセット数の上乗せ抽籤を行い(S166)、このCTセット数の上乗せ抽籤に当籤したか否かを判定する(S167)。CTセット数の上乗せ抽籤に当籤している場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、CTセット数に1加算し(S168)、CT中スタート時処理を終了する。
他方、CTセット数の上乗せ抽籤に当籤していない場合には(NO)、メインCPU31は、続いて、CTゲーム数カウンタを1減算し(S169)、続いて、減算の結果、CTゲーム数カウンタが0になったか否かを判定する(S170)。CTゲーム数カウンタが0ではない場合には(NO)、メインCPU31は、CT中スタート時処理を終了する。
CTゲーム数カウンタが0である場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、CTセット数を1減算する(S171)。続いて、メインCPU31は、CTセット数が1以上であるか否かを判定する(S172)。CTセット数が1以上である場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、CTゲーム数カウンタに8をセットし(S173)、CT中スタート時処理を終了する。他方、CTセット数が1以上ではない場合には(NO)、メインCPU31は、CTを終了し、次遊技に通常ARTをセットし(S174)、CT中スタート時処理を終了する。
<BB中スタート時処理>
次に、図59を参照して、BB中スタート時処理について説明する。BB中スタート時処理では、初めに、メインCPU31は、ボーナス中ARTゲーム数上乗せ抽籤テーブル(図44)を参照して、内部当籤役に基づいてARTゲーム数の上乗せ抽籤を行い(S181)、この上乗せ抽籤に当籤したか否かを判定する(S182)。上乗せ抽籤に当籤していない場合には(NO)、メインCPU31は、BB中スタート時処理を終了する。
他方、上乗せ抽籤に当籤している場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、当籤結果をART終了ゲーム数カウンタに加算する(S183)。続いて、メインCPU31は、ARTセット数が0であるか否かを判定する(S184)。ARTセット数が0ではない場合には、メインCPU31は、BB中スタート時処理を終了する。他方、ARTセット数が0である場合には、メインCPU31は、ARTセット数に1加算し(S185)、BB中スタート時処理を終了する。
<リール停止初期設定処理>
次に、図60を参照して、リール停止初期設定処理について説明する。リール停止初期設定処理では、初めに、メインCPU31は、回胴停止初期設定テーブル(図示せず)を参照し、内部当籤役などに基づいて回胴停止用番号を取得する(S191)。続いて、メインCPU31は、回胴停止初期設定テーブルを参照し、回胴停止用番号に基づいて各情報を取得する(S192)。この処理では、メインCPU31は、例えば、押下順序別判定データなどの回胴停止用番号に対応付けられた各種情報を取得する。
続いて、メインCPU31は、図柄コード格納領域(図示せず)に回転中の識別子を格納する(S193)。すなわち、メインCPU31は、全図柄コード格納領域(未使用領域を除く)のビットを「1」にセットする。続いて、メインCPU31は、ストップボタン未作動カウンタに3を格納し(S194)、リール停止初期設定処理を終了する。なお、ストップボタン未作動カウンタは、遊技者により停止操作が行われていないストップボタン7L、7C、7Rの数を判別するためのものであり、メインRAM33の所定の領域に格納されている。
<リール停止制御処理>
続いて、図61を参照して、リール停止制御処理について説明する。リール停止制御処理では、初めに、メインCPU31は、有効なストップボタンが押されたか否かを判定する(S201)。この処理は、ストップスイッチ7Sから信号が出力されたか否かを判定する処理である。メインCPU31は、有効なストップボタンが押されていないと判定した場合には(NO)、ステップS201の処理を繰り返し実行する。
一方、メインCPU31は、有効なストップボタンが押されたと判定した場合には(YES)、押されたストップボタンに応じて、押下順序格納領域(図示せず)と、作動ストップボタン格納領域(図示せず)とを更新する(S202)。すなわち、メインCPU31は、作動ストップボタン格納領域を更新することで、押されたストップボタンの種別を管理するとともに、押されたストップボタンの種別及びその順序に基づいて押下順序格納領域を更新することで、停止操作の順序(押し順)を管理する。
続いて、メインCPU31は、ストップボタン未作動カウンタから1を減算し(S203)、作動ストップボタンから検索対象リールを決定し(S204)、図柄カウンタに基づいて停止開始位置をメインRAM33に格納する(S205)。停止開始位置は、ストップスイッチ7Sによって停止操作が検出されたときの該当リールの図柄カウンタに対応する図柄位置である。
次に、メインCPU31は、滑り駒数決定処理を実行する(S206)。この滑り駒数決定処理は、回胴停止初期設定テーブルから内部当籤役に基づいて選択されるリール停止制御情報(停止テーブル群)に基づいて、停止開始位置に規定された滑り駒数を決定する処理である。
次に、メインCPU31は、主制御基板71から副制御基板72へ送信するリール停止コマンドデータを生成し、生成したリール停止コマンドデータをメインRAM33に割り当てられた通信データ格納領域に格納するリール停止コマンド生成処理を実行する(S167)。このリール停止コマンドデータは、停止されるリールの種別、停止開始位置及び滑り駒数(又は停止予定位置)などを表す。
次に、メインCPU31は、停止開始位置と滑り駒数決定データとに基づいて停止予定位置を決定し、メインRAM33に格納する(S208)。停止予定位置は、滑り駒数として規定されている予め定められた数値「0」〜「4」のうちの何れかを停止開始位置に加算した図柄位置であり、リールの回転が停止する図柄位置である。
次に、メインCPU31は、停止予定位置を検索図柄位置としてセットする(S209)。次に、メインCPU31は、図柄コード格納処理を実行する(S210)。この図柄コード格納処理は、回転中のリールの図柄位置をチェックするためのチェック用図柄位置データの図柄コードを取得する。
次に、メインCPU31は、図柄コード格納処理で取得した図柄コードから図柄コード格納領域を更新する(S211)。次に、メインCPU31は、制御変更処理を行う(S212)。この制御変更処理では、特定の停止位置にあった場合に、リールの停止に用いる停止情報群が更新される。
次に、メインCPU31は、押されたストップボタンが放されたか否かを判定する(S213)。この処理は、ストップスイッチ7Sから信号が出力されなくなったか否かを判定する処理である。
メインCPU31は、押されたストップボタンが放されていないと判定した場合には(NO)、ステップS213の処理を繰り返し実行する。一方、メインCPU31は、押されたストップボタンが放されたと判定した場合には(YES)、リール停止コマンドを送信する(S214)。
次に、メインCPU31は、ストップボタン未作動カウンタが0であるか否かを判定する(S215)。ここで、ストップボタン未作動カウンタが0でないと判定した場合には(NO)、メインCPU31は、引込優先順位格納処理を実行し(S216)、ステップS201の処理を実行する。この引込優先順位格納処理では、回転しているリール3L、3C、3Rの全ての図柄の引込優先順位が決定される。一方、ストップボタン未作動カウンタが0であると判定した場合には(YES)、メインCPU31は、リール停止制御処理を終了する。
<BBチェック処理>
続いて、図62を参照して、BBチェック処理について説明する。BBチェック処理では、初めに、メインCPU31は、ボーナス状態中であるか否かを判定する(S221)。ボーナス状態中である場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、ボーナス状態中に払い出し可能なメダルの枚数を計数するBB中払出枚数カウンタから、入賞判別メダル払出処理(図49のS13)において払い出されたメダルの払出枚数を減算する(S222)。
続いて、メインCPU31は、BB中払出枚数カウンタが0未満になったか否かを判定する(S223)。BB中払出枚数カウンタが0未満ではない場合には(NO)、BBチェック処理を終了する一方で、BB中払出枚数カウンタが0未満である場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、ボーナス終了時処理を行う(S224)。この処理では、メインCPU31は、ボーナス状態中の各種情報をクリアするとともに、RT1遊技状態フラグをオンにセットする。
続いて、メインCPU31は、ボーナス終了時CT抽籤テーブル(図45)を参照して、ボーナス終了時のCT抽籤を行い(S225)、このCT抽籤に当籤したか否かを判定する(S226)。CT抽籤に当籤している場合には、メインCPU31は、続いて、CTセット数に1加算する(S227)。なお、ARTセット数が0のときにCT抽籤に当籤した場合には、S227においてCTセット数に1加算するとともに、ARTセット数にも1加算する。
S227の処理に続いて、又はS226においてCT抽籤に当籤していない場合には(NO)、メインCPU31は、続いて、ARTセット数又はCTセット数が1以上であるか否かを判定する(S228)。ARTセット数又はCTセット数が1以上である場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、ボーナス状態を終了するとともに、次遊技にART準備中をセットし(S229)、BBチェック処理を終了する。
他方、ARTセット数及びCTセット数のいずれも1以上ではない場合には(NO)、メインCPU31は、続いて、ボーナス状態を終了するとともに、次遊技に通常遊技状態をセットする(S230)。続いて、メインCPU31は、通常中高確率抽籤テーブル(図25(B))を参照して、CZの抽籤状態を抽籤し、セットし(S231)、BBチェック処理を終了する。
また、S221においてボーナス状態中ではない場合には(NO)、メインCPU31は、BBの図柄の組合せ(C_BB1,2)が表示されたか否かを判定する(S232)。BBの図柄の組合せが表示されていない場合には(NO)、メインCPU31は、BBチェック処理を終了する。
他方、BBの図柄の組合せが表示された場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、ボーナス種別抽籤テーブル(図43)を参照して、ボーナス種別を抽籤し、セットする(S233)。続いて、メインCPU31は、BB中払出枚数カウンタに所定値(例えば、216)をセットし(S234)、ボーナス開始時処理を行い(S235)、BBチェック処理を終了する。なお、ボーナス開始時処理では、メインCPU31は、ボーナスの作動を開始し、次遊技にボーナス状態をセットするなどの各種の処理を行う。
<RTチェック処理>
続いて、図63及び図64を参照して、RTチェック処理について説明する。RTチェック処理では、初めに、メインCPU31は、RT5遊技状態中であるか否かを判定する(S241)。RT5遊技状態中である場合には(YES)、メインCPU31は、RTチェック処理を終了する一方で、RT5遊技状態中ではない場合には(NO)、メインCPU31は、続いて、RT0遊技状態中であるか否かを判定する(S242)。
S242においてRT0遊技状態中である場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、「ベルこぼし目」の図柄の組合せが表示されたか否かを判定する(S243)。「ベルこぼし目」が表示されていない場合には(NO)、メインCPU31は、RTチェック処理を終了する一方で、「ベルこぼし目」が表示された場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、RT2遊技状態フラグをオンにセットし、RT0遊技状態からRT2遊技状態に移行させ(S244)、RTチェック処理を終了する。
他方、S242においてRT0遊技状態中でない場合には(NO)、メインCPU31は、続いて、RT1遊技状態中であるか否かを判定する(S245)。RT1遊技状態中である場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、「ベルこぼし目」の図柄の組合せが表示されたか否かを判定する(S246)。「ベルこぼし目」が表示された場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、RT2遊技状態フラグをオンにセットするとともにRT1遊技状態フラグをオフにし、RT1遊技状態からRT2遊技状態に移行させ(S247)、RTチェック処理を終了する。
他方、S246において「ベルこぼし目」が表示されていない場合には(NO)、メインCPU31は、続いて、RT1遊技状態が20ゲーム経過したか否かを判定する(S248)。20ゲーム経過していない場合には(NO)、メインCPU31は、RTチェック処理を終了する一方で、20ゲーム経過した場合には(YES)、メインCPU31は、RT1遊技状態フラグをオフにし、RT1遊技状態からRT0遊技状態に移行させ(S249)、RTチェック処理を終了する。
他方、S245においてRT1遊技状態中でない場合には(NO)、メインCPU31は、続いて、RT2遊技状態中であるか否かを判定する(S250)。RT2遊技状態中である場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、「RT3移行リプ」の図柄の組合せが表示されたか否かを判定する(S251)。「RT3移行リプ」が表示されていない場合には(NO)、メインCPU31は、RTチェック処理を終了する一方で、「RT3移行リプ」が表示された場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、RT3遊技状態フラグをオンにセットするとともにRT2遊技状態フラグをオフにし、RT2遊技状態からRT3遊技状態に移行させ(S252)、RTチェック処理を終了する。
他方、S250においてRT2遊技状態中でない場合には(NO)、メインCPU31は、続いて、RT3遊技状態中であるか否かを判定する(S261)。RT3遊技状態中である場合には(YES)、メインCPU31は、「ベルこぼし目」又は「RT2移行リプ」の図柄の組合せが表示されたか否かを判定する(S262)。「ベルこぼし目」又は「RT2移行リプ」が表示された場合には(YES)、メインCPU31は、RT2遊技状態フラグをオンにセットするとともにRT3遊技状態フラグをオフにし、RT3遊技状態からRT2遊技状態に移行させ(S263)、RTチェック処理を終了する。
他方、S262において「ベルこぼし目」及び「RT2移行リプ」のいずれも表示されていない場合には、メインCPU31は、続いて、「RT4移行リプ」の図柄の組合せが表示されたか否かを判定する(S264)。「RT4移行リプ」が表示されていない場合には(NO)、メインCPU31は、RTチェック処理を終了する一方で、「RT4移行リプ」が表示された場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、RT4遊技状態フラグをオンにセットするとともにRT3遊技状態フラグをオフにし、RT3遊技状態からRT4遊技状態に移行させる(S265)。
続いて、メインCPU31は、ART準備中がセットされているか否かを判定する(S266)。ART準備中がセットされていない場合には(NO)、メインCPU31は、RTチェック処理を終了する一方で、ART準備中がセットされている場合には(YES)、メインCPU31は、CTセット数が1以上であるか否かを判定する(S267)。
CTセット数が1以上である場合には(YES)、メインCPU31は、次遊技にCTをセットするとともに、CTゲーム数カウンタに8をセットし(S268)、RTチェック処理を終了する。他方、CTセット数が1以上ではない場合には(NO)、メインCPU31は、次遊技に通常ARTをセットし、ART終了ゲーム数カウンタに所定値をセットし(S269)、RTチェック処理を終了する。
他方、S261においてRT3遊技状態中ではない場合には(NO)、RT4遊技状態中であるため、メインCPU31は、続いて、「ベルこぼし目」又は「RT2移行リプ」の図柄の組合せが表示されたか否かを判定する(S270)。「ベルこぼし目」及び「RT2移行リプ」のいずれも表示されていない場合には(NO)、メインCPU31は、RTチェック処理を終了する一方で、「ベルこぼし目」又は「RT2移行リプ」が表示された場合には(YES)、メインCPU31は、RT2遊技状態フラグをオンにセットするとともにRT4遊技状態フラグをオフにし、RT4遊技状態からRT2遊技状態に移行させ(S271)、RTチェック処理を終了する。
<CZ・ART終了時処理>
続いて、図65を参照して、CZ・ART終了時処理について説明する。CZ・ART終了時処理では、初めに、メインCPU31は、CZ失敗時又はART終了時であるか否かを判定する(S281)。CZ失敗時及びART終了時のいずれでもない場合には(NO)、メインCPU31は、CZ・ART終了時処理を終了する一方で、CZ失敗時又はART終了時である場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、CZ抽籤テーブル(図26(B))を参照して、CZの引き戻し抽籤を行い(S282)、この引き戻し抽籤に当籤したか否かを判定する(S283)。
引き戻し抽籤に当籤した場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、次遊技に当籤した種別のCZをセットし(S284)、当籤した種別のCZに応じた値をCZゲーム数カウンタにセットし(S285)、CZ・ART終了時処理を終了する。
他方、引き戻し抽籤に当籤していない場合には(NO)、メインCPU31は、続いて、次遊技に通常遊技状態をセットする(S286)。続いて、メインCPU31は、通常中高確率抽籤テーブル(図25(B))を参照して、CZの抽籤状態を抽籤し、セットし(S287)、CZ・ART終了時処理を終了する。
[副制御基板の動作説明]
次に、図66〜図68を参照して、副制御基板72のサブCPU81が、プログラムを用いて実行する各種処理の内容について説明する。
<サブ側ナビ制御処理>
まず、図66を参照して、サブ側ナビ制御処理について説明する。サブ側ナビ制御処理では、初めに、サブCPU81は、ナビデータを取得したか否かを判定する(S301)。サブCPU81は、主制御基板71から受信したスタートコマンドデータの中から主制御基板71が決定したナビデータを取得する。S301の処理では、サブCPU81は、受信したスタートコマンドデータの中にナビデータが含まれていたか否かを判定する。
ナビデータを取得した場合には(YES)、サブCPU81は、続いて、ナビデータに応じたサブ側ナビデータをセットする(S302)。図48を参照して、サブCPU81は、例えば、ナビデータ「4」を取得した場合には、サブ側ナビデータといして押し順「左、中、右」を報知するためのナビデータをセットする。これにより、メイン側及びサブ側の双方において停止操作の内容を報知することができる。
他方、ナビデータを取得していない場合には(NO)、サブCPU81は、続いて、ナビ(停止操作の報知)の必要があるか否かを判定する(S303)。本実施形態では、サブCPU81は、例えば、主制御基板71においてフラグ変換抽籤が行われた場合や、主制御基板71において所定の役が内部当籤役として決定された場合に、ナビの必要があると判定する。フラグ変換抽籤の結果や、内部当籤役の種別は、スタートコマンドデータに含まれており、サブCPU81は、スタートコマンドデータに含まれる各種情報からナビの必要があるか否かを判定することができる。
ナビの必要がないと判定した場合には(NO)、サブCPU81は、サブ側ナビ制御処理を終了する。他方、ナビの必要があると判定した場合には(YES)、サブCPU81は、各種抽籤結果に応じたサブ側ナビデータをセットし(S304)、サブ側ナビ制御処理を終了する。例えば、サブCPU81は、役「F_確チリリプ」が内部当籤役として決定されており、フラグ変換抽籤に当籤している場合には、「3連チリリプ」の図柄の組合せを表示するためのナビデータ(例えば、順押しでチリ図柄を狙わせるナビデータ)をセットし、役「F_確チリリプ」が内部当籤役として決定されており、フラグ変換抽籤に非当籤した場合に、「リプレイ」の図柄の組合せを表示するためのナビデータ(例えば、順押し以外の押し順を示すナビデータ)をセットする。これにより、メイン側で停止操作の内容を報知しない場合であっても、サブ側単独で停止操作の内容を報知することができる。
<遊技者登録処理>
次に、図67を参照して、遊技者登録処理について説明する。遊技者登録処理では、初めに、サブCPU81は、登録操作を受け付けたか否かを判定する(S311)。例えば、第1サブ表示装置201のメニュー画面212(図29参照)において登録ボタン212bの操作を受け付けた場合に表示する登録画面において所定の操作を受け付けると、サブCPU81は、登録操作を受け付けたと判定する。
登録操作を受け付けた場合には(YES)、サブCPU81は、続いて、遊技者登録状態をセットする(S312)。後述するように、遊技者登録状態がセットされている状況では、サブCPU81は、第1サブ表示装置201に遊技情報画面213,214,215(図29参照)を表示可能に第1サブ表示装置201の表示画面を制御する。
他方、登録操作を受け付けていない場合には(NO)、サブCPU81は、登録削除操作を受け付けたか否かを判定する(S313)。例えば、第1サブ表示装置201の登録画面において特定の操作を受け付けると、サブCPU81は、登録削除操作を受け付けたと判定する。登録削除操作を受け付けていない場合には(NO)、サブCPU81は、遊技者登録処理を終了する。
他方、登録削除操作を受け付けた場合には(YES)、サブCPU81は、続いて、遊技者登録状態をクリアする。後述するように、遊技者登録状態がクリアされている状況では、サブCPU81は、第1サブ表示装置201に遊技情報画面213,214,215(図29参照)を表示不可能に第1サブ表示装置201の表示画面を制御する。
<履歴管理処理>
次に、図68を参照して、履歴管理処理について説明する。履歴管理処理では、初めに、サブCPU81は、主制御基板71から受信した各種コマンドデータから遊技結果を取得する(S321)。続いて、サブCPU81は、遊技履歴を更新し(S322)、履歴管理処理を終了する。サブCPU81は、例えば、スタートコマンドデータから内部当籤役として決定された役の種類を把握することができ、また、入賞作動コマンドデータから表示された図柄の組合せ(すなわち、内部当籤役として決定された役の入賞の有無)を把握することができる。また、サブCPU81は、例えば、スタートコマンドデータなどから現在の遊技状態や遊技状態の移行状況を把握することができる。サブCPU81は、各種コマンドデータから取得したこれらの遊技結果から、例えば、ボーナス回数、ART回数、ゲーム数(遊技回数)、CZ回数、CZ成功回数、それぞれの役の当籤回数及び当籤確率などの様々な遊技履歴を管理することができる。
[第2実施形態]
続いて、図69〜図99を参照して、第2実施形態のパチスロ機1について説明する。なお、第1実施形態のパチスロ機1と同様の構成、制御については、詳細な説明を省略する。また、以下に示す第2実施形態のパチスロ機1の特徴は、第1実施形態のパチスロ機1においても同様に適用することができる。
<パチスロ機が備える制御系>
第2実施形態のパチスロ機1が備える制御系について、図69を参照して説明する。図69は、第2実施形態のパチスロ機1の制御系の構成を示す回路ブロック図である。
パチスロ機1は、筐体60の内部に設けられた主制御基板71と、上ドア62aに設けられた副制御基板72とを有する。また、パチスロ機1は、主制御基板71に接続された、リール中継端子板410、割合表示装置420、設定用鍵型スイッチ430、キャビネット側中継基板440及び電源装置450を有する。さらに、パチスロ機1は、キャビネット側中継基板440を介して主制御基板71に接続された外部集中端子板73、ホッパー装置40、メダル補助収納庫スイッチ441及びリセットスイッチ442を有する。
なお、外部集中端子板73及びホッパー装置40の構成については上述したので、ここでは、それらの説明を省略する。
リール中継端子板410は、各リール3L,3C,3Rのリール本体の内側に配設されている。リール中継端子板410は、各リール3L,3C,3Rのステッピングモータ(不図示)に電気的に接続されており、主制御基板71からステッピングモータに出力される信号を中継する。
割合表示装置420は、主制御基板71に接続された割合表示基板421と、割合表示基板421に接続された割合表示器422及び切替スイッチ423とを有する。割合表示基板421は、主制御基板71から出力される信号に基づいて割合表示器422の表示を制御する。割合表示器422は、特定区間割合や役物割合等の各種割合を表示する。切替スイッチ423は、割合表示器422の表示を切り替える。
なお、割合表示器422の構成、及び割合表示器422に表示される各種割合の詳細については、図71を参照して後述する。
設定用鍵型スイッチ430は、遊技者に付与される利益の大きさを設定するために設けられた複数の設定値の中から、いずれかの設定値を設定するとき、又はパチスロ機1に設定されている設定値の確認を行うときに使用される。主制御基板71は、設定用鍵型スイッチ430を用いた操作を受け付けると、複数の設定値の中から操作の内容に応じた設定値を設定する。
キャビネット側中継基板440は、主制御基板71と、外部集中端子板73、ホッパー装置40、メダル補助収納庫スイッチ441及びリセットスイッチ442とを電気的に接続するための中継基板である。メダル補助収納庫スイッチ441は、メダル補助収納庫(不図示)がメダルで満杯になっているか否かを検出する。リセットスイッチ442は、パチスロ機1の各種データをリセット(初期化)するときに使用される。
電源装置450は、主制御基板71に接続された電源基板451と、電源基板451に接続された電源スイッチ452とを有する。電源スイッチ452は、パチスロ機1に必要な電源を供給するときに押下される。
また、パチスロ機1は、ドア中継端子板460、並びに、該ドア中継端子板460を介して、主制御基板71に接続された、セレクタ461、ドア開閉監視スイッチ462、BETスイッチ11S、精算スイッチ13S、スタートスイッチ6S、ストップスイッチ基板463、遊技動作表示基板470及び副中継基板75を有する。なお、BETスイッチ11S、精算スイッチ13S、スタートスイッチ6S及び副中継基板75については、上述したので、ここでは、それらの説明を省略する。
セレクタ461は、メダルの材質や形状等が適正であるか否かを選別する装置であり、メダル投入口22に投入された適正なメダルをホッパー装置40へ案内する。セレクタ461内においてメダルが通過する経路上には、図示しないが、適正なメダルが通過したことを検出するメダルセンサ(投入操作検出手段)が設けられる。
ドア開閉監視スイッチ462は、パチスロ機1の外部へ、上ドア62a及び下ドア62bの開閉を報知するためのセキュリティー信号を出力する。ストップスイッチ基板463(停止操作検出手段)は、回転しているリールを停止させるための回路と、停止可能なリールをLED等により表示するための回路とを備える。また、ストップスイッチ基板463には、ストップスイッチが設けられる。ストップスイッチは、各ストップボタン7L、7C、7Rが遊技者により押下されたこと(停止操作)を検出する。
遊技動作表示基板470は、情報表示器14に接続され、メダルの投入を受け付けるとき、3つのリール3L,3C,3Rが回動可能なとき、及び、再遊技を行うとき等に、投入されたメダルの枚数等を情報表示器14に表示させるための基板である。また、遊技動作表示基板470は、LED群471が接続され、LED群471は、例えば、遊技動作表示基板470から入力される信号に基づいて、遊技開始を表示するマークや再遊技を行うマーク等を点灯させる。
副制御基板72は、ドア中継端子板460及び副中継基板75を介して主制御基板71に接続される。また、パチスロ機1は、副中継基板75を介して副制御基板72に接続された、スピーカ9L,9R,各種LED101、タッチセンサ201a及び表示ユニット110を有する。
また、パチスロ機1は、副制御基板72に接続された、ロムカートリッジ基板82及び液晶中継基板480を有する。なお、ロムカートリッジ基板82及び液晶中継基板480は、副制御基板72とともに副制御基板ケースに収納されている。
ロムカートリッジ基板82は、演出用の画像(映像)、音声、光及び通信のデータを管理するための基板である。液晶中継基板480は、副制御基板72及び表示ユニット100間の接続配線を中継する基板である。
<主制御回路>
次に、主制御基板71に実装される主制御回路の構成について、図70を参照して説明する。なお、副制御基板72に実装される副制御回路の構成は、図5において示したものと同様であるため、説明を省略する。図70は、パチスロ機1の主制御回路の構成例を示すブロック図である。
図70(A)に示すように、主制御回路は、主に、主制御基板71に実装されたマイクロコンピュータ30により構成される。マイクロコンピュータ30は、メインCPU31、メインROM32及びメインRAM33により構成される。
メインROM32には、メインCPU31により実行される制御プログラム、データテーブル、副制御基板72に実装される副制御回路に対して各種制御指令(コマンド)を送信するためのデータ等が記憶される。また、メインROM32には、単位遊技に係る最少の遊技時間が複数記憶される。
メインRAM33には、制御プログラムの実行により決定された内部当籤役等の各種データを格納する格納領域が設けられる。
メインCPU31には、クロックパルス発生回路34、分周器35、乱数発生器36及びサンプリング回路37が接続される。クロックパルス発生回路34及び分周器35は、クロックパルスを発生する。メインCPU31は、発生されたクロックパルスに基づいて、制御プログラムを実行する。乱数発生器36は、予め定められた範囲の乱数(例えば、0〜65535)を発生する。サンプリング回路37は、発生された乱数の中から1つの値を抽出する。
<割合表示器>
次に、割合表示器422の構成について、図71を参照して説明する。図69において上述したように、本実施形態のパチスロ機1では、各種の割合を表示する割合表示器422を有する。図71(A)は、割合表示器422の取り付け例を示し、図71(B)は、割合表示器422に表示される内容を示す。
(割合表示器の構成)
図71に示すように、割合表示器422は、4桁の7セグメントLEDにより構成され、図71(B)で後述するように、上位2桁は、表示する割合の種類を示し、下位2桁は、当該割合の値を示す。割合表示器422は、管理者(遊技店の店員等)がパチスロ機1に不正改造がないか確認する際などに使用されるため、パチスロ機1の筐体60の内部に設けられる。このとき、割合表示器422自体に対する不正を防止するため、割合表示器422は、主制御基板71を覆う主制御基板ケースの内部に設けられることが好ましい。
具体的な取り付け例としては、図71(A−1)に示すように、割合表示器422は、主制御基板71上に実装することとしてもよく、また、図71(A−2)に示すように、主制御基板71に接続された他の基板(割合表示基板)上に実装することとしてもよく、また、図71(A−3)に示すように、割合表示器422としての7セグメントLEDユニットを主制御基板に接続することで、取り付けることとしてもよい。いずれの場合であっても、図71(A)に示すように、主制御基板71とともに主制御基板ケースの内部に設けられることが好ましい。
なお、通常、主制御基板ケースには、封印シールが貼りつけられるが、主制御基板ケース内に割合表示器422を設ける場合には、封印シールにより割合表示器422の視認性が損なわれることがないように、封印シールを貼りつけることが好ましい。さらに、主制御基板ケースに、かしめ記録用シールも貼り付けられる。かしめ記録用シールとは、かしめの開封記録の担当者と日付の記入欄、主制御基板の製造番号、製造時に用いる識別用の2次元コードが記載されているシールである。機種によっては、製造時に用いる2次元コードのシールをさらに別に主制御基板ケースに貼り付ける場合もある。こうしたシール等の貼り付け部材によっても割合表示器の視認性が損なわれることのない配置とすることが好ましい。
また、主制御基板に組み付けられるかしめ部材やハーネス、あるいは重畳的に複数の基板を配置する基板構成である場合の他の基板、その他の筐体内の部材によっても、フロントドア(上ドア62a又は下ドア62b)の開放時には割合表示器の視認性が損なわれることのない設計とすることが好ましく、そうすることで管理者の割合表示器の確認作業の効率が良くなる。
(割合表示器の表示内容)
続いて、割合表示器422の表示例について説明する。図71(B)に示すように、割合表示器422には、累計の特定区間割合と、直近6000ゲーム間の連続役物割合及び役物割合と、累計の連続役物割合及び役物割合と、が表示される。割合表示器422に累計の特定区間割合を表示する場合、4桁の7セグメントLEDのうちの上位2桁には、「AU」と表示され、直近6000ゲーム間の連続役物割合を表示する場合、上位2桁には、「=r」と表示され、直近6000ゲーム間の役物割合を表示する場合、上位2桁には、「=b」と表示され、累計の連続役物割合を表示する場合、上位2桁には、「Ar」と表示され、累計の役物割合を表示する場合、上位2桁には、「Ab」と表示される。また、4桁の7セグメントLEDのうちの下位2桁には、対応する割合がパーセント表示で表示される。
ここで、「特定区間割合」とは、全ての遊技状態における遊技回数(すなわち、総遊技回数)に対して、遊技者にとって有利な遊技状態における遊技回数が占める割合をいう。この場合において、遊技者にとって有利な遊技状態とは、例えば、ボーナス作動中のボーナス状態及びART遊技状態に加え、ART遊技状態への移行期待度が高いCZも含めることとしてもよい(図7参照)。
主制御基板71は、メインRAM33に設けられた所定のカウンタにおいて、全ての遊技状態における遊技回数を示す総遊技回数と、遊技者にとって有利な遊技状態における遊技回数を示す特定遊技回数とを計数しておき、以下に示す式により特定区間割合を算出する。
特定区間割合=特定遊技回数/総遊技回数×100
また、「連続役物割合」とは、全ての遊技状態において払い出されたメダルの総数(すなわち、総払出枚数)に対して、第一種特別役物、又は第一種特別役物に係る役物連続作動装置が作動中において払い出されたメダルの総数が占める割合をいう。
主制御基板71は、メインRAM33に設けられた所定のカウンタにおいて、全ての遊技状態において払い出されたメダルの総数を示す総払出枚数と、第一種特別役物、又は第一種特別役物に係る役物連続作動装置が作動中において払い出されたメダルの総数を示す第1特定遊技中払出枚数とを計数しておき、以下に示す式により連続役物割合を算出する。
連続役物割合=第1特定遊技中払出枚数/総払出枚数×100
また、「役物割合」とは、全ての遊技状態において払い出されたメダルの総数(すなわち、総払出枚数)に対して、いずれかの役物が作動中に払い出されたメダルの総数が占める割合をいう。なお、いずれかの役物とは、第一種特別役物、第一種特別役物に係る役物連続作動装置、第二種特別役物、第二種特別役物に係る役物連続作動装置、又は普通役物をいう。また、ART遊技状態中やCZ中も、遊技者にとって有利な状態であるため、いずれかの役物が作動している状態に含めることとしてもよい。
主制御基板71は、メインRAM33に設けられた所定のカウンタにおいて、全ての遊技状態において払い出されたメダルの総数を示す総払出枚数と、いずれかの役物が作動中に払い出されたメダルの総数を示す第2特定遊技中払出枚数とを計数しておき、以下に示す式により役物割合を算出する。
役物割合=第2特定遊技中払出枚数/総払出枚数×100
また、「累計」とは、パチスロ機1を設置してから現在までの全期間をいい、「直近6000ゲーム間」とは、6000ゲーム前の遊技から現在までの期間をいう。「累計」の割合を算出する場合、主制御基板71は、全期間において計数していた計数結果を用いて割合を算出すればよく、また、「直近6000ゲーム間」の割合を算出する場合、主制御基板71は、6000ゲーム前の遊技から現在までの期間において計数していた計数結果を用いて割合を算出すればよい。
なお、パチスロ機1は、メインRAM33に設けられたカウンタにおける計数項目のいずれもが電断により消去されないように構成されている。具体的には、電断時にメインRAM33に設けられたバックアップ領域に当該データを退避させ、復帰時にバックアップ領域からデータを読み出して再セットする。これにより、閉店後に電源を落とし、開店前に電源を入れるという一般的な運用がされた場合であっても、設置時から継続してデータを累積することができる。
また、リプレイの入賞に伴う再遊技の権利は、当該遊技に用いたメダルと同数のメダルの払い出しと考えることもでき、また、0枚のメダルの払い出しと考えることもできる。上述した割合の算出においては、再遊技の権利をメダルの払い出しと考える計算方法Aと、再遊技の権利をメダルの払い出しとは考えない計算方法Bとで算出結果が異なることがある。例えば、連続役物割合や役物割合のように、全ての遊技状態において払い出されたメダルの総数(総払出枚数)に対する割合の算出では、再遊技の権利をメダルの払い出しと考える計算方法Aでは、リプレイが入賞した回数分だけ総払出枚数も増えることになり、結果、当該割合が低くなる。反対に、再遊技の権利をメダルの払い出しと考えない計算方法Bでは、リプレイの入賞は総払出枚数に対して影響を与えないため、結果、当該割合は高くなる。このような計算方法Aと計算方法Bとのかい離は、リプレイが入賞した回数が増えるほど大きくなるため、遊技回数が増えるほど大きくなる。
そこで、割合表示器422では、計算方法Aによる算出結果と、計算方法Bによる算出結果とを切り替え可能に表示することとしてもよい。この場合は、計算方法Aによる算出結果を表示する際の上位2桁の識別子と、計算方法Bによる算出結果を表示する際の上位2桁の識別子とは異なるものとするべきである。また、割合表示器422を設ける基板の大きさに余裕がある場合には、割合表示器422の7セグユニットを増設して、両者を同時に表示することとしてもよい。
また、店舗管理者が表示できる設定用画面(いわゆるホールメニュー)において、連続役物割合や役物割合を表示させる場合にも、同様に、複数の計算方法で算出された結果を表示可能としてもよい。
(割合表示器の表示内容(切り替え表示))
割合表示器422では、主制御基板71が算出した各種の割合を切り替えて表示する。割合表示器422に表示する内容の切り替え方法は任意であり、例えば、所定の間隔で自動的に、各種の割合を切り替えることとしてもよく、また、切替スイッチ423(図69参照)の操作に応じて手動で、各種の割合を切り替えることとしてもよく、自動的な切り替えと手動による切り替えとを組み合わせて、各種の割合を切り替えることとしてもよい。
(割合表示器の表示内容(エラー時))
パチスロ機では、射幸性を徒に高めないように、業界内においてルール化がなされており、例えば、全遊技に対して遊技者にとって有利な遊技状態が占める割合が高くなりすぎないこと、また、通常の遊技状態において安心して遊技を行うことができるように、有利な遊技状態中だけでなく通常の遊技状態においてもメダルが所定以上払い出されることで、通常時のベース(いわゆるコイン持ち)を下げすぎてはいけない、といった規制がなされている。割合表示器422に表示する上述の各種割合は、これら規制を満たしているか確認可能にするものである。偶発的なボーナスの連続成立等により、一時的に規制の規定値を超える場合があるものの、統計的な観点から言えば遊技回数が増えるにつれて表示器に示される割合の値は、規制に沿って作成された設計値に近づくかたちで収束していく。そのため、遊技回数10万回など試行回数が多いときに、なお設計値と乖離した値が表示された場合は、不正行為がされたことを推認できる。また、設計値と乖離が大きい値が特定の台でのみ頻繁に表示される場合に、管理者は不正基板のぶら下げなど、その特定の台に不正行為が行われたことを推認できる。このように、割合表示器422に表示された値が規定値を超えるかどうかは、管理者が不正行為を見抜くための手がかりとして機能する。
そのため、割合表示器422に表示する各種割合が規定値を超えている場合には、管理者がその旨を適切に把握できるようにすることが好ましい。そこで、本実施形態のパチスロ機1では、主制御基板71が算出した上述の各種割合(特定区間割合、連続役物割合、役物割合)が、当該割合に対して設定された規定値以上である場合と、当該割合に対して設定された規定値未満である場合とで、割合表示器422における当該割合の表示態様を異ならせる。例えば、割合表示器422は、規定値以上である場合には当該割合を点滅表示し、規定値未満である場合には当該割合を点灯表示する。これにより、管理者は、各種割合が規定値を満たしているか否かを一目で把握することができる。
また、規定値以上である割合が存在する場合には、外部機器(例えば、ホールコンピュータ)に対してその旨を通知(例えば、特定区間割合が規定値を超えている旨通知)することとしてもよい。具体的には、主制御基板71は、算出した割合の中に規定値以上の割合が存在する場合に、外部集中端子板73を介して、外部機器に対してその旨を通知する。なお、外部集中端子板73からの出力ピンに限りがある場合には、現在エラー出力として利用している出力ピンを利用して、外部機器に対して通知(すなわち、エラー出力)を行うこととしてもよい。
なお、規定値以上である割合が存在するからといって、ただちに不正行為であるとはいえない。そのため、不正行為の疑いが強い異常を検知した場合に出力される第1エラー出力と、通常遊技で発生する異常を検知した場合に出力される第2エラー出力を備えた機種の場合は、規定値を超えていることに基づくエラーは、第2エラー出力とすることが好ましい。ここで、不正行為の疑いが強い異常とは、例えば、RAMクリア検知、RAMの読み書き不能、RAMのソフト的異常、磁気検知、電波検知、通信異常、内部電圧の異常、内部当籤していない役に係る図柄が有効ライン上に表示されるという入賞異常、本来払出のできないタイミングでの払出を検知した場合、設定値が6段階以外の値を示した場合などが挙げられる。また、通常遊技で発生する異常とは、例えば、ホッパー装置40のメダルが底をつくホッパーエンプティ、ホッパー装置40の払出口のメダル詰まり検出、メダル補助収納庫が一杯になってしまうメダルオーバーフロー、メダル投入時のメダル詰まり又はメダル逆流検出や、メダル投入枚数を4枚など異常な枚数で検出した場合、ホール店員がメダル補給などでフロントドア(上ドア62a又は下ドア62b)を開けたことによるドア開放エラーや、メダル補給などの際にホッパーの配線が外れたことを検知した場合、などが挙げられる。
このように規定値以上である割合が存在する場合に外部機器に対して所定の通知を行うことで、管理者は、筐体60の内部に設けられた割合表示器422を見ることなく、各種割合が規定値を満たしているか否かを把握することができるため、管理者の負担を軽減することができる。
(割合表示器の表示内容(設置直後))
パチスロ機1の設置直後のように総遊技回数が所定回数に達するまでは、各種の割合はブレ幅が大きく上下に大きく動いてしまう。そのため、総遊技回数が所定回数に達するまでは、各種の割合の表示態様を異ならせることとしてもよい。このとき、所定回数は、算出する割合の種類によって異ならせることとしてもよい。例えば、累計の割合については、総遊技回数が「17500回」に達するまでは通常とは異なる態様で表示(例えば、黄色で表示)し、総遊技回数が「17500回」に達した後は、通常の態様で表示(例えば、赤色で表示)する一方で、直近6000ゲーム間の割合については、総遊技回数が「6000回」に達するまでは通常とは異なる態様で表示し、総遊技回数が「6000回」に達した後は、通常の態様で表示することとしてもよい。
また、外部機器への出力に関しても、総遊技回数が所定回数に達するまでは、各種の割合が規定値以上である場合であっても、行わないこととしてもよい。この場合においても、所定回数は、算出する割合の種類によって異ならせることとしてもよい。
(割合表示器の変形例)
ところで、既存のパチスロ機は、割合表示器を有していないため、図71(A)に示す割合表示器の取り付け例では、既存のパチスロ機に対して大きな改変を行う必要がある。そこで、既存のパチスロ機において設けられている表示器を、各種の割合を表示する割合表示器として用いることとしてもよい。具体的には、既存のパチスロ機では、貯留されているメダルの数(クレジット数)、及び今回の遊技において払い出されたメダルの枚数(払出枚数)を表示する表示器(情報表示器14)が設けられている。そこで、パチスロ機に対して特別な操作が行われた場合に、クレジット数を表示する表示部(後述のクレジットランプ145)に表示する割合の種類を表示し、払出枚数を表示する表示部(後述の払出枚数ランプ146)に当該種類の割合を表示するように、当該表示器の表示を切り替え可能にしてもよい。
なお、特別な操作は任意であるが、筐体60の内部に設けられたスイッチを用いた操作であることが好ましい。これにより、遊技者が偶然に特別な操作を行ってしまうことを防止できる。
<情報表示器>
次に、図72を参照して、主制御基板71が停止操作の情報を報知する指示モニタを含む情報表示器14の構成について説明する。
図72に示すように、情報表示器14は、インサートランプ141と、スタートランプ142と、リプレイランプ143と、ベット数ランプ144と、クレジットランプ145と、払出枚数ランプ146と、指示モニタ147と、リミットランプ148とを含んで構成される。
インサートランプ141は、点灯(又は点滅(以下省略))することでメダルの投入が可能であることを遊技者に対して報せ、スタートランプ142は、点灯することでスタートレバー6の操作に伴い遊技の開始が可能であることを遊技者に対して報せ、リプレイランプ143は、点灯することで再遊技の作動によりメダルが自動投入されたことを遊技者に対して報せる。また、ベット数ランプ144は、点灯することでベットされたメダルの枚数を遊技者に報せ、クレジットランプ145は、点灯することでパチスロ機1の内部に貯留されているメダルの枚数(クレジット数)を遊技者に対して報せ、払出枚数ランプ146は、点灯することで遊技の結果により払い出されたメダルの枚数(払出枚数)を遊技者に対して報せる。
また、指示モニタ147は、報知ランプ147aと、状態表示器147b(ATランプ)と、を含んで構成される。報知ランプ147aは、例えば、7セグメントLEDにより構成され、報知する停止操作の情報に一義的に対応する態様で点灯することで、必要な停止操作の情報を遊技者に対して報せる。また、状態表示器147bは、点灯することで、現在の遊技状態が遊技者にとって有利な停止操作の態様を報知する遊技状態(例えば、ART遊技状態)であることを遊技者に対して報せる。
なお、本実施形態のパチスロ機1では、クレジットランプ145及び払出枚数ランプ146とは別に報知ランプ147aを設けているが、報知ランプ147aを設けることなく、クレジットランプ145又は払出枚数ランプ146のいずれかを用いて、停止操作の情報を報知することとしてもよい。
また、リミットランプ148は、遊技者にとって有利な遊技状態が長期間にわたって継続した際に点灯する。遊技者にとって有利な遊技状態が長期間にわたって継続した場合、射幸性を徒に煽ってしまうおそれがある。そこで、本実施形態のパチスロ機1では、遊技者にとって有利な遊技状態が長期間にわたって継続した際に、ART遊技状態の継続期間が満了する前であっても強制的にART遊技状態を終了する(リミット処理)。リミットランプ148は、このリミット処理によりART遊技状態を終了した際に点灯し、リミット処理が行われたことを遊技者に対して報せる。また、リミットランプ148は、リミット処理の発動が近い場合に点滅して、実際にリミット処理が行われると点灯することとしてもよい。
なお、リミット処理の詳細については、図79及び図80において後述する。
インサートランプ141〜リミットランプ148は、背面に設けられたLED(図示せず)により点灯、点滅、消灯する。パチスロ機1では、主制御基板71がこのLEDの点灯、点滅、消灯を制御することで、遊技に関する各種の情報を遊技者に対して報せる。
<状態表示器>
次に、図73を参照して、情報表示器14に設けられる状態表示器147bについて説明する。図73は、状態表示器147bの点灯タイミングのパターン例を示す図である。
図73において、タイミングT1は遊技の開始時であり、タイミングT2は当該遊技のリール回転開始時であり、タイミングT3は当該遊技の第1停止操作時であり、タイミングT4は当該遊技の第2停止操作時であり、タイミングT5は当該遊技の第3停止操作時であり、タイミングT6は当該遊技の全リール停止時であり、タイミングT7は当該遊技の終了時であり、タイミングT8は次遊技の開始時である。
図73に示す例では、タイミングT1(すなわち、遊技開始時)において、特定区間(例えば、ART遊技状態)への移行抽籤に当籤している。本実施形態のパチスロ機1では、特定区間への移行抽籤に当籤すると、当該当籤した遊技中に状態表示器147bを点灯させる。例えば、点灯パターン例1では、特定区間への移行抽籤に当籤した遊技の開始時(タイミングT1)に状態表示器147bを点灯させている。また、点灯パターン例2では、特定区間への移行抽籤に当籤した遊技のリール回転開始時(タイミングT2)に状態表示器147bを点灯させ、点灯パターン例3では、特定区間への移行抽籤に当籤した遊技の第1停止操作時(タイミングT3)に状態表示器147bを点灯させ、点灯パターン例4では、特定区間への移行抽籤に当籤した遊技の全リール停止時(タイミングT6)に状態表示器147bを点灯させ、点灯パターン例5では、特定区間への移行抽籤に当籤した遊技の終了時(タイミングT7)に状態表示器147bを点灯させている。
なお、図73に示す点灯パターン例は、一例に過ぎず、本実施形態のパチスロ機1では、特定区間への移行抽籤に当籤した遊技中に状態表示器147bを点灯させればよく、そのタイミングは任意である。
このように特定区間への移行抽籤に当籤した遊技中に状態表示器147bを点灯させることで、遊技者は、特定区間への移行抽籤に当籤していることを把握できるため、その後の遊技に期待を持つことができ好適である。
(状態表示器による告知の改良)
ところで、当籤の有無を、単に一つのランプの点灯/消灯のみで告知していたのでは、当籤の有無は即座に分かるものの、遊技者に対してランプさえ点灯すればよいという気持ちを抱かせてしまうことになり、面白みにかけてしまい、結果、液晶表示装置等での他の演出に対する興味を失わせてしまうおそれがある。そこで、本実施形態のパチスロ機1では、以下に示す方法により、特定区間への移行抽籤に当籤していることを、単調になることなく当該遊技中に報せることとしている。
(状態表示器に対する工夫1)
図72(B)及び図72(C)は、状態表示器147bの別構成例を示す。図72(B)に示す状態表示器147bでは、それぞれが点灯、点滅、消灯する複数のランプ「a」〜「i」を有し、これら複数のランプの点灯、点滅、消灯のパターンに基づいて、特定区間への移行抽籤に当籤していることを報せる。
一例として、特定区間への移行抽籤に当籤している場合には、複数のランプが特定のパターンで点灯(例えば、「a」「c」「d」「h」「i」が点灯)し、当籤していない場合には、複数のランプがこの特定のパターン以外のパターンで点灯する。なお、特定のパターンは、一つに限るものではなく、複数のパターンを有していてもよい。これにより、一つのランプが単に点灯した場合に当籤を報せる場合よりも、深みのある告知が可能になり、例えば、遊技を繰り返し行い当籤時の点灯パターンを覚えるにつれて、当籤の察知が早くなるといった遊技性を実現できる。
なお、移行抽籤の当籤の有無を、点灯パターンに基づいて報せるのではなく、点灯しているランプの数に基づいて報せることとしてもよい。例えば、移行抽籤に当籤している場合には、複数のランプのうちの特定数のランプが点灯し、移行抽籤に当籤していない場合には、複数のランプのうちの特定数以外の数のランプが点灯することとしてもよい。また、例えば、移行抽籤に当籤している場合には、複数のランプのうちの特定数以上(又は特定数以下)の数のランプが点灯し、移行抽籤に当籤していない場合には、複数のランプのうちの特定数未満(又は特定数を超える)の数のランプが点灯することとしてもよい。
また、遊技の進行に応じて複数のランプの点灯パターンを制御することで、複数のランプを用いて移行抽籤の当籤の期待度を示唆する演出を行うこともできる。例えば、移行抽籤に当籤していることを報せる点灯パターンを「全てのランプが点灯する」とした場合に、遊技の進行(開始操作、第1停止操作、第2停止操作、第3停止操作、全リール停止時等)に応じて点灯するランプの数を増減させることで、遊技の進行に合わせて移行抽籤の当籤の期待度を示唆することができる。
(状態表示器に対する工夫2)
図72(C)に示す状態表示器147bは、それぞれが点灯、点滅、消灯する複数のランプを有する点では図72(B)の状態表示器147bと同様であるが、図72(B)の状態表示器147bが複数のランプが全体として意味を持たなかったのに対して、図72(C)に示す状態表示器147bでは、全体として意味を持たせている点が異なる。すなわち、図72(C)に示す状態表示器147bでは、例えば、パチスロ機1のメーカー名、パチスロ機1の機種名、パチスロ機1やメーカーのモチーフとなったキャラクタ名、キャラクタの形状等の、遊技者に対して印象付けたい文字や形状を装飾としても用いる。複数のランプに対してこのような装飾を用いることで、装飾が表す文字や形状を遊技者に対して強く記憶させることができ、ブランド力の向上につながる。
この場合においても、点灯パターンや点灯するランプの数を制御することで、移行抽籤の当籤の有無を分かり難くすることができるとともに、遊技の進行に応じて複数のランプの点灯パターンを制御することで、移行抽籤の当籤の期待度を示唆する演出を行うことができる。
なお、パチスロ機によっては、特定区間として、遊技者にとっての有利度合いの異なる複数種類の特定区間を有することがあり、移行抽籤の結果に基づいていずれかの特定区間に移行することがある。例えば、ART遊技状態とCZとを有するパチスロ機において、移行抽籤の結果に基づいてART遊技状態又はCZに遊技状態を移行させるパチスロ機や、初期ゲーム数が50ゲームであるART遊技状態と初期ゲーム数が100ゲームであるART遊技状態とを有し、移行抽籤に伴い決定した初期ゲーム数のART遊技状態に遊技状態を移行させるパチスロ機等が考えられる。
ここで、上述の工夫1,2のように複数のランプを用いる場合、移行抽籤により当籤した特定区間の種類に応じて、異なる組合せのパターンで複数のランプ(状態表示器147b)を点灯又は消灯させることとしてもよい。一例として、初期ゲーム数が50ゲームのART遊技状態に当籤した場合には、第1の点灯パターンで状態表示器147bを点灯し、初期ゲーム数が100ゲームのART遊技状態に当籤した場合には、第1の点灯パターンとは異なる第2の点灯パターンで状態表示器147bを点灯することとしてもよい。
これにより、特定区間の種類に応じて点灯パターンが異なるため、状態表示器147bの点灯パターンのバリエーションを増やすことができる。遊技者にとってみれば、点灯パターンのバリエーションが増えることで、それぞれの点灯パターンの内容を正確に把握することが困難になるため、液晶表示装置等での他の演出に対する興味を失うことがない。
反対に、移行抽籤により当籤した特定区間の種類に関わらず、同一の組合せのパターンで複数のランプ(状態表示器147b)を点灯又は消灯させることとしてもよい。このような制御では、当籤した特定区間の種類に関わらず点灯パターンが同一であるため、点灯パターンからでは、当籤した特定区間の種類を把握することができない。熟練の遊技者によっては、複数のランプの点灯パターンを暗記してしまっていることがある。そこで、遊技者にとって真に有利な特定区間(例えば、50ゲーム等の長いART遊技状態)と、遊技者にとってあまり有利ではない特定区間(例えば、1ゲームで終了してしまうART遊技状態)とを設け、これら特定区間のいずれにおいても状態表示器147bの点灯パターンを同一にすることで、当籤した特定区間の種類を把握できなくすることができる。
また、初心者向けの配慮として、それぞれの点灯パターンの内容を腰部パネル25などに表示しておくこととしてもよい。例えば、一般的に導入されるデザインの腰部パネル25には、点灯パターンの内容を表示せずに、低貸玉店などのように主に初心者が多い店舗に出荷するパチスロ機の腰部パネル25には、点灯パターンの内容を表示することとしてもよい。また、購入店舗側が客層を踏まえて希望する腰部パネル25をメーカーに発注できるようにしてもよい。これにより、遊技店の客層に応じて点灯パターンの内容を報せる又は報せないといったことが可能になる。
腰部パネル25のデザイン変更は、試験機関による試験が不要であり、また、製造・開発コストの負荷も大きくないため、市場環境に合わせて簡単なパネル替えのみで適切な仕様のパチスロ機を提供することができ、好適である。なお、腰部パネル25自体のデザイン変更ではなく、所定のシール部材を貼り付ける、又は差し替え可能なシート部材により、点灯パターンの内容を報せる又は報せないを切り替え可能にしてもよい。また、点灯パターンの内容を表示する場所は、遊技者が遊技中に認識可能な場所であれば腰部パネル25以外の場所であってもよい。ただし、遊技者にとって見やすい場所であることが望ましい。
(状態表示器に対する工夫3)
また、一つのランプが点灯するか否かで当籤の有無が分かってしまうことを避けるために、状態表示器147bを遊技者が視認し難い位置に配置することとしてもよい。視認し難い位置とは、例えば、メダル受け部16、腰部パネル25、筐体60の側面、メダル投入口22の裏等の任意の場所であってよい。また、状態表示器147bを不透明なカバーで覆い、このカバーにあけられた穴部(のぞき穴)からのみ、状態表示器147bを視認できるようにすることで、状態表示器147bを視認し難くすることができる。また、例えば、お札クリップや駐車場利用サービス券のクリップをパチスロ機1に設け、このクリップの背後に状態表示器147bを設けることとしてもよい。
(状態表示器に対する工夫4)
また、特定区間への移行抽籤の当否を報せる状態表示器147bが同じ位置にある場合、その場所のみを見ていればすぐにわかってしまうため、状態表示器147bの位置を切り替えることとしてもよい。具体的な方法としては、パチスロ機1が有する複数個所のランプ(LED)の少なくとも複数に状態表示器147bの機能を持たせ、時間毎に移行抽籤の当否を報せるランプを異ならせることが考えられる。これにより、例えば、あるタイミングでは、右上部のランプが状態表示器147bの機能を果たしているが、別のタイミングでは、左下部のランプが状態表示器147bの機能を果たすといったことが可能になる。その結果、遊技者は、状態表示器147bの点灯パターンからだけでは、移行抽籤の当否を把握し難くなり、液晶表示装置等での他の演出に対する興味が失われてしまうことを防止できる。
(遊技性からの工夫)
続いて、図74を参照して、特定区間への移行抽籤に当籤していること分かり難くする方法に関する遊技性からの工夫について説明する。第1実施形態のパチスロ機1では、押し順役として「F_3択ベル_1st」「F_3択ベル_2nd」「F_3択ベル_3rd」を設け、押し順正解時には9枚のメダルが払い出され(ベルの図柄の組合せが表示され)、押し順不正解時には0枚又は1枚のメダルが払い出される(ベルこぼし目又は1枚出目の図柄の組合せが表示される)こととしている。そして、ART遊技状態では、押し順役が内部当籤役として決定されると、押し順役に応じた正解の押し順を報知することとしている。そのため、ART遊技状態中は、報知に従い遊技を行うことで、遊技に用いるメダル(例えば、3枚)を超える数のメダルが(例えば、9枚)払い出されることになる。
遊技性からの工夫としては、まず、押し順正解時であっても遊技に用いたメダル以下の数のメダルが払い出される押し順役を更に設ける。図74に示す例では、図74(A)に示すように、「F_3択1枚役_1st」「F_3択1枚役_2nd」「F_3択1枚役_3rd」という押し順役を設けている。「F_3択1枚役_1st」〜「F_3択1枚役3rd」は、押し順に正解したときに、1枚出目の図柄の組合せが表示され、1枚のメダルが払い出され、押し順に不正解のときに、はずれの図柄の組合せが表示され、0枚のメダルが払い出される。
なお、新たに設ける押し順役は、押し順正解時であってもメダルが増加しなければよく、押し順正解時に遊技に用いたメダルの数以下の数(第3数量)のメダルが払い出され、押し順不正解時に当該数(第3数量)よりも少ない数(第4数量)のメダルが払い出される、又はメダルが1枚も払い出されない(すなわち、0枚)役であればよい。
また、遊技性からの工夫では、ART遊技状態として少なくとも2種類のART遊技状態を設ける。具体的には、全ての押し順役(「F_3択1枚役_1st」〜「F_3択1枚役_3rd」及び「F_3択ベル_1st」〜「F_3択ベル_3rd」)について、内部当籤役として決定された際に正解の押し順を報知するART遊技状態と、押し順役のうち「F_3択1枚役_1st」〜「F_3択1枚役_3rd」が内部当籤役として決定された際に正解の押し順を報知し、「F_3択ベル_1st」〜「F_3択ベル_3rd」が内部当籤役として決定された際には正解の押し順を報知しない1枚役ART遊技状態と、を設ける。
そして、遊技性からの工夫では、遊技状態がこれらART遊技状態及び1枚役ART遊技状態のいずれであっても、状態表示器147bを点灯させる。なお、ART遊技状態と1枚役ART遊技状態とで、状態表示器147bの点灯パターンを異ならせてもよく、また、同一の点灯パターンであってもよい。
このような工夫により、状態表示器147bにより現在の遊技状態が押し順役を報知する遊技状態であることを報せることができるものの、状態表示器147bからだけでは、遊技者にとって真に有利なART遊技状態であるのか、1枚役ART遊技状態であるのかを把握できないようにすることができる。
なお、遊技者にとって真に有利なART遊技状態への移行は、特定区間への移行抽籤に当籤することにより行われるが、遊技者にとって必ずしも有利とはいえない1枚役ART遊技状態への移行は、任意に行うことができる。
図74(B)に示す例では、ART遊技状態以外の全ての遊技を1枚役ART遊技状態としている。具体的には、図74(B)に示す例において、11回目の遊技において、特定区間への移行抽籤(すなわち、ART遊技状態への移行抽籤)に当籤しているため、11回目以降の遊技がART遊技状態となっている。このART遊技状態中は、3択1枚役(「F_3択1枚役_1st」〜「F_3択1枚役_3rd」)及び3択ベル(「F_3択ベル_1st」〜「F_3択ベル_3rd」)のいずれが内部当籤役として決定されたとしても、正解の押し順の報知が行われる。
一方で、図74(B)に示す例では、ART遊技状態への移行抽籤に当籤する前の全ての遊技を、1枚役ART遊技状態としている。この1枚役ART遊技状態中は、3択1枚役が内部当籤役として決定された遊技(1回目の遊技)では、正解の押し順の報知が行われる一方で、3択ベルが内部当籤役として決定された遊技(2回目の遊技)では、正解の押し順の報知が行われない。
このようにART遊技状態以外の全ての遊技を1枚役ART遊技状態とした場合、状態表示器147bは、ART遊技状態への移行抽籤に当籤したか否かに関わらず常に点灯していることになるため、遊技者は、状態表示器147bの点灯/消灯からだけでは移行抽籤に当籤したことを把握できなくなる。
また、図74(C)に示す例では、ART遊技状態以外の遊技のうち、3択1枚役が内部当籤役として決定された遊技のみを1枚役ART遊技状態とし、それ以外の遊技を、ART遊技状態及び1枚役ART遊技状態のいずれでもない状態(通常)としている。具体的には、図74(C)に示す例において、11回目の遊技において、特定区間への移行抽籤(すなわち、ART遊技状態への移行抽籤)に当籤しているため、11回目以降の遊技がART遊技状態となっている。
一方で、図74(C)に示す例では、ART遊技状態への移行抽籤に当籤する前の遊技のうち、3択1枚役が内部当籤役として決定された遊技のみを、1枚役ART遊技状態とし、それ以外の遊技を通常遊技状態としている。具体的には、1回目の遊技において3択1枚役が内部当籤役として決定されているため、この1回目の遊技の遊技状態を1枚役ART遊技状態とし、正解の押し順の報知を行っている。一方、2回目の遊技では、3択1枚役が内部当籤役として決定されてないため、通常遊技状態としており、正解の押し順の報知を行わない。
このようにART遊技状態以外の遊技のうちの3択1枚役が内部当籤役として決定された遊技のみを1枚役ART遊技状態とした場合であっても、状態表示器147bは、3択1枚役が内部当籤役として決定された遊技では、ART遊技状態への移行抽籤に当籤したか否かに関わらず点灯することになるため、遊技者は、状態表示器147bの点灯/消灯からだけでは移行抽籤に当籤したことを把握できなくなる。また、1枚役ART遊技状態といっても、遊技者にとって有利な停止操作の態様が報知されることになるため、図74(B)のように常時1枚役ART遊技状態としてしまうと、押し順の報知が行われる報知遊技状態が長期間継続してしまい、遊技の射幸性を徒に高めてしまうおそれがある。この点、図74(C)のように、ART遊技状態以外の遊技のうちの3択1枚役が内部当籤役として決定された遊技のみを1枚役ART遊技状態とすることで、報知遊技状態の期間を限定的にすることができ、射幸性が徒に高まってしまうことを防止できる。
<基本的な遊技フロー>
続いて、本実施形態のパチスロ機1の基本的な遊技フローについて説明する。図75は、パチスロ機1における報知の有無に関する遊技状態の遷移フローである。なお、図75では、報知の有無に関する遊技状態についてのみ示し、ボーナスの作動の有無に関する遊技状態の遷移フローは省略している。
図75に示すように、パチスロ機1は、遊技者にとって有利な停止操作の態様を報知しない通常区間と、遊技者にとって有利な停止操作の態様を報知する特定区間とを有する。なお、通常区間とは、例えば、第1実施形態のパチスロ機1における一般遊技状態中の通常遊技状態が該当し、また、特定区間とは、例えば、第1実施形態のパチスロ機1における一般遊技状態中のCZ及びART遊技状態が該当する(図7参照)。
(通常区間から特定区間への移行)
通常区間から特定区間へは、特定区間への移行抽籤に当籤することで移行する。ここで、特定区間への移行抽籤とは、CZへの移行抽籤とART遊技状態への移行抽籤との双方を含むものである。本実施形態のパチスロ機1において、特定区間への移行抽籤は、設定値に差のない情報に基づいて行われる。「設定値に差のない情報」とは、内部抽籤処理において全ての設定値において同一の確率で内部当籤役として決定される役(設定不問役)や、全リールの停止時に全ての設定値において同一の確率で表示されることになる図柄の組合せ(設定差のない図柄の組合せ)を少なくとも含むものである。
すなわち、本実施形態のパチスロ機1では、設定不問役が内部当籤役として決定された場合に、特定区間への移行抽籤を行い、設定差のある役(設定差役)が内部当籤役として決定された場合には、特定区間への移行抽籤を行わない。また、本実施形態のパチスロ機1では、全リールの停止時に設定差のない図柄の組合せが表示された場合に、特定区間への移行抽籤を行い、設定差のある図柄の組合せが表示された場合には、特定区間への移行抽籤を行わない。
また、特定区間への移行抽籤は、予め定められており一切変動しない完全確率に基づき行われる。「予め定められており一切変動しない完全確率」とは、少なくとも設定値に基づいて変動することのない確率(すなわち、設定値に関わらず当籤する確率が同一の確率)を意味する。
このように「設定値に差のない情報」に基づいて行う移行抽籤を、設定値に関わらず当籤する確率が同一の確率で行うことで、本実施形態のパチスロ機1では、特定区間への移行に関する期待度を各設定値に対して同一にすることができ、出玉性能の差を、設定差のある設定差役の当籤確率に抑えることができる。
(移行抽籤に用いる抽籤テーブルの例)
ここで、特定区間への移行抽籤に用いる抽籤テーブルの例を、図77に示す。図77(A)は、内部当籤役を決定するための内部抽籤テーブルであり、図77(B)は、内部当籤役に基づいて特定区間への移行抽籤を行うための移行抽籤テーブルである。なお、以下では、内部抽籤テーブルは、確率分母を32768とし、移行抽籤テーブルは、確率分母を256としている。
図77(A)に示す例のように、内部抽籤テーブルは、それぞれの役に対応する抽籤値の情報を規定する。ここで、内部抽籤テーブルを用いた抽籤により決定される役には、設定値により抽籤値が異なる設定差役と、設定値に関わらず抽籤値が同一の設定不問役とが含まれる。図77(A)に示す例では、役「F_BB1」「F_維持リプA」等は、設定値により抽籤値が異なる設定差役であり、役「F_サボ1」「F_チリリプ」「F_BB1+F_リーチ目リプ」等は、設定値に関わらず抽籤値が同一の設定不問役である。パチスロ機1では、設定差役が内部当籤役として決定された場合に、特定区間への移行抽籤を行わず、設定不問役が内部当籤役として決定された場合に、特定区間への移行抽籤を行うことができる。なお、特定区間への移行抽籤を行わないとは、移行抽籤自体を行わないことに加え、移行抽籤は行うものの必ず非当籤になることを含むものである。また、特定区間への移行抽籤は、いずれかの設定不問役が内部当籤役として決定された場合に必ず行わなければならないわけではなく、移行抽籤を行う設定不問役と移行抽籤を行わない設定不問役とを設けることとしてもよい。
続いて、図77(B)に示す例のように、移行抽籤テーブルは、内部当籤役として決定された設定不問役毎に、移行抽籤の抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。上述したように、特定区間への移行抽籤は、予め定められており一切変動しない完全確率に基づき行われるため、移行抽籤テーブルにおいて規定されている抽籤値の情報は、設定値に関わらず同一の値である。
なお、「予め定められており一切変動しない完全確率」として、更に、「設定値に差のない情報」に対して一義的に定められた確率であることを含めることとしてもよい。近年のパチスロ機では、移行抽籤に当籤し易い状態と当籤し難い状態とを設けることがある。このような場合に、「設定値に差のない情報に対して一義的に定められた確率」で移行抽籤を行う場合には、例えば、設定不問役の当籤時には、いかなる遊技状態であっても同一の確率で当籤する移行抽籤を行うことになる。反対に、「設定値に差のない情報に対して一義的に定められた確率ではない確率(すなわち、変動する確率)」で移行抽籤を行う場合には、例えば、設定不問役の当籤時に、現在の遊技状態に応じた確率で当籤する移行抽籤、すなわち、現在の遊技状態が高確率状態である場合には、高い確率で当籤する移行抽籤を行い、現在の遊技状態が低確率状態である場合には、低い確率で当籤する移行抽籤、を行うことになる。
(移行抽籤を一義的に定めた確率で行う場合のCZの実現方法)
ところで、このように一義的に定めた確率で移行抽籤を行う場合には、いかなる遊技状態であっても同一の確率で当籤する移行抽籤を行うことになるため、CZ(チャンスゾーン)のようにART遊技状態に移行し易い状態を設けるためには、工夫を講じる必要がある。続いて、図78を参照して、CZの実現方法の一例について説明する。
図78(A)は、CZ中のART抽籤方法の一例を示す図である。例えば、CZ中に内部当籤役として決定される確率に設定差のない押し順役の正解の押し順を報知することとし、ART遊技状態への移行抽籤を、設定差のない押し順役当籤時に表示された図柄の組合せに基づいて行うこととする。具体的には、図78(A)に示す移行抽籤テーブルのように、全リールの停止時にベルの図柄の組合せが表示されると、ART遊技状態への移行抽籤を行い、ベルこぼし目又は1枚出目の図柄の組合せが表示されると、ART遊技状態への移行抽籤を行わない。
通常区間とCZ中とを比較すると、押し順役の当籤確率は同一であるものの、通常区間では正解の押し順が報知されないため、移行抽籤が行われることになる図柄の組合せは表示され難く、反対に、CZ中は正解の押し順が報知されるため、移行抽籤が行われることになる図柄の組合せが表示され易い。その結果、CZ中は通常区間に比べて移行抽籤が行われる頻度が上がることになり、一義的に定めた確率で移行抽籤を行う場合であっても、ART遊技状態に移行し易いCZ(チャンスゾーン)を実現することができる。
また、図78(B)は、CZ中のART抽籤方法の別例を示す図である。パチスロ機1では、RT遊技状態を移行させることで、再遊技に係る役(リプレイ)の当籤確率を変更することができる。そこで、再遊技に係る役(リプレイ)のうちの設定差のない一部の役の当籤確率を、RT遊技状態において異ならせることで、一のRT遊技状態と別のRT遊技状態とでART遊技状態への移行抽籤が行われる頻度を異ならせることができる。
具体的には、図78(B)に示す内部抽籤テーブルにおいて、役「F_チリリプ」は、設定差のない設定不問役であり、図78(B)に示す移行抽籤テーブルのように、この役「F_チリリプ」が内部当籤役として決定されたときに、ART遊技状態への移行抽籤を行う。ここで、図78(B)に示す内部抽籤テーブルを参照すると、役「F_チリリプ」は、設定差はないものの、RT遊技状態に応じて当籤確率が異なり、RT2遊技状態ではRT1遊技状態よりも高い確率で内部当籤役として決定される。
そのため、RT2遊技状態では、RT1遊技状態に比べて移行抽籤が行われる頻度が上がることになり、一義的に定めた確率で移行抽籤を行う場合であっても、ART遊技状態に移行し易いCZ(チャンスゾーン)を実現することができる。より具体的には、RT2遊技状態をCZとして用いることができる。
(移行抽籤を一義的に定めた確率で行う場合のCZの実現方法の別例)
続いて、図78(C)は、CZの実現方法の別例を示す図である。図78(C)に示す方法では、MB(第二種特別役物に係る役物連続作動装置)を用いてCZを実現する。この方法におけるパチスロ機1では、MB中にも抽籤される役物として、シングルボーナス(以下「SB」)とレギュラーボーナス(以下「RB」)とを有し、MBの終了条件を、(A)規定枚数を超えるメダルが払い出されたこと、(B)MB中にSBが成立(内部当籤役として決定、又は入賞)すること、(C)MB中にRBが成立(内部当籤役として決定、又は入賞)すること、の3つの条件の何れかが満たされることとする。そして、パチスロ機1では、満たされた終了条件に応じて、MB終了後にART遊技状態に移行させる。例えば、図78(C)に示す例では、MBがRBの成立により終了すると、MB終了後にART遊技状態に移行し、その他の条件によりMBが終了した場合には、MB終了後にART遊技状態には移行しないこととしている。
すなわち、図78(C)に示す例では、SB成立によるMB終了(いわゆるパンク)や、規定枚数のメダルの払出を受けるよりも前にRBが成立した場合には、ART遊技状態への移行に当籤するというチャンスゾーン(CZ)として機能することになる。
なお、MB中のリール停止制御として、RBが内部当籤役として決定された遊技においてもメダルの払出のある図柄の組合せを優先して停止させることが可能であるため、規定枚数を超えるメダルの払出があった遊技と、RBが内部当籤役として決定された遊技とが同じ遊技であることもある。このような場合には、終了条件(C)が満たされたとしてART遊技状態に移行することが好ましい。
図78(C)に示す例では、(1)通常区間においてMBが入賞すると、CZであるMBに遊技状態が移行する。そして、(2)MB中に規定枚数を超えるメダルが払い出されると、又はSBが成立すると、CZであるMBが終了し、遊技状態が通常区間に移行する。一方で、(3)MB中にRBが内部当籤役として決定されると、CZであるMBが終了し、遊技状態がRBフラグ間に移行する。そして、(4)このRBフラグ間においてRBが入賞すると、遊技状態がRBに移行し、その後(5)RBが終了すると、RB終了を契機として発生する高RTにてART遊技状態が開始される。なお、MB中のRBが内部当籤役として決定された遊技においてRBが入賞した場合には、RBフラグ間を経由せずに、MBが終了した次の遊技からRBが開始する。
このようなパチスロ機1において、通常区間中における(CZとして機能する)MBの当籤確率、及びMB中における(ART遊技状態への移行契機となる)RBの当籤確率は、全ての設定値において共通の確率であるが、MB中における(CZの終了契機となる)SBの当籤確率は、全ての設定値において共通の確率としてもよく、設定値に応じて異なる確率としてもよい。例えば、MB中におけるSBの当籤確率を設定値に応じて異ならせる場合には、高設定ほどSBの当籤確率を低くして、MBが長く続きやすくすることでCZ(MB)中におけるART遊技状態への移行期待度を高めることができ、出玉仕様のバリエーションを豊富にすることができる。
また、ART遊技状態への移行契機となるRBの当籤確率は、他の終了条件との関係により任意に設定することができるが、現実的に当籤が期待できる確率にする方がゲームバランスが良くなるため、規定枚数を10〜30枚などの少なめにして、MB中にRBが比較的高確率で内部当籤役として決定されることとすることが好ましい。
(主制御基板の別構成例)
ここで、内部抽籤テーブルを用いた内部抽籤、及び移行抽籤テーブルを用いた移行抽籤は、主制御基板71において実行される。主制御基板71では、記憶手段(メインROM)の容量が限られているため、内部抽籤に加えて移行抽籤も行う場合には、抽籤のバリエーションが単調になってしまう。そこで、主制御基板71の改良方法を以下に示す。
図70(B)は、主制御基板の別構成例を示す図である。図70(B)において、主制御回路には、第1主制御基板71aと、第2主制御基板71bとが設けられる。これら第1主制御基板71a及び第2主制御基板71bは、シリアル通信等で双方向の通信が可能に接続される。なお、第1主制御基板71a及び第2主制御基板71bの構成は、図70に示した構成と同様であるため、詳細な説明は省略する。
このように主制御基板として、複数の第1主制御基板71a及び第2主制御基板71bを設け、例えば、第1主制御基板71aにおいて内部抽籤テーブルを用いた内部抽籤を行い、第2主制御基板71bにおいて移行抽籤テーブルを用いた移行抽籤を行うことで、それぞれの抽籤に用いる記憶手段の容量を十分に確保することができ、バリエーションに富んだ抽籤を行うことができる。
なお、図70(B)では、第1主制御基板71a及び第2主制御基板71bを双方向の通信が可能な構成としているが、これに限られるものではなく、第1主制御基板71aを上流、第2主制御基板71bを下流として、一方向(第1主制御基板71aから第2主制御基板71b)にのみ通信可能な構成としてもよい。一方向のみの通信とすることで、双方向通信とする場合よりも通信負荷の軽減を図ることができる。
また、内部抽籤と移行抽籤とを別の基板(第1主制御基板71a及び第2主制御基板71b)で行う場合には、内部抽籤と移行抽籤とを行う順序は任意である。例えば、一方の基板において先ず移行抽籤を行った後に、他の基板において内部抽籤を行うこととしてもよく、反対に、一方の基板において先ず内部抽籤を行った後に、他の基板において移行抽籤を行うこととしてもよい。この場合において、先に移行抽籤を行う場合には、移行抽籤の際に内部抽籤の結果(内部当籤役)を把握できないため、移行抽籤を内部抽籤の結果に影響されない形で行うことになる。例えば、内部当籤役に関わらず、単位遊技毎に所定の確率で移行抽籤を行う仕様の場合は、このような構成としてもよい。これにより、実際の内部当籤役と異なる当籤役情報を不正に入力するという不正行為を行ったとしても、移行抽籤の結果には影響がないため、有利な移行抽籤の結果を発生させるという不正行為を抑制できる。また、移行抽籤を先に行う場合には、内部当籤役が関係ないため設定値に差のない抽籤を行うだけで、設定値に差のない情報に基づく抽籤を行うことができる。
反対に、先に内部抽籤を行う場合には、この内部抽籤の結果として決定された内部当籤役を参照して移行抽籤を行うこととしてもよく、また、内部抽籤の結果として決定された内部当籤役を参照することなく移行抽籤を行うこととしてもよい。内部当籤役を参照して移行抽籤を行う場合には、上述のように設定不問役に基づき移行抽籤を行うことで、設定値に差のない情報に基づく抽籤を行うことができ、また、内部当籤役を参照することなく移行抽籤を行う場合には、設定値に差のない抽籤を行うことで、設定値に差のない情報に基づく抽籤を行うことができる。
また、図70(C)は、主制御基板の更に別の構成例を示す図である。主制御基板71において不足しているものは、記憶手段(メインROM)の容量であるため、図70(C)では、第1メインROM32a及び第2メインROM32bのように、一つの主制御基板71上に複数のメインROMを設ける。この場合において、例えば、第1メインROM32aに、内部抽籤に用いる各種のテーブルを格納し、第2メインROM32bに、移行抽籤に用いる各種のテーブルを格納することで、それぞれの抽籤に用いる記憶手段の容量を十分に確保することができ、バリエーションに富んだ抽籤を行うことができる。
(特定区間から通常区間への移行)
続いて、図75に戻り、特定区間から通常区間への移行に関して説明する。特定区間から通常区間へは、特定区間の終了条件を満たすと移行する。なお、特定区間の終了条件は、特定区間中のゲーム数、特定区間中に行われたナビ回数、特定区間中に払い出されたメダルの枚数や差枚数等の任意の条件を用いることができる。また、特定区間の種類に応じて終了条件が異なっていてもよく、例えば、CZとART遊技状態とで、終了条件が異なっていてもよい。
このように特定区間は、基本的には終了条件を満たすと終了するが、本実施形態のパチスロ機1では、例外的に、特定区間が長期間にわたり継続した場合には終了条件を満たすことなく、特定区間から通常区間へ移行し(リミット処理)、また、特定区間の終了条件を満たしたときであっても、保証回数分のナビが行われていない場合には、その後、保証回数分のナビが行われるまで特定区間を終了することなく継続し、保証回数分のナビが行われたことに応じて、特定区間から通常区間へ移行する(ナビ保証処理)。
(リミット処理)
ここで、図79及び図80を参照して、本実施形態のパチスロ機1におけるリミット処理について説明する。図79は、特定区間のリミットゲーム数の計数方法を示す図であり、図80は、特定区間のリミット処理の流れを示す図である。
パチスロ機では、CZやART遊技状態等の特定区間が長期間にわたり継続して行われてしまうと、特定区間中に遊技者が得る利益が大きくなってしまうとともに、全体的な利益のバランスをとるために通常区間中に遊技者が得る利益を減らす必要があり、遊技の射幸性を高めてしまうことになる。そのため、近年では、遊技者にとって有利な状態の継続期間を一定期間に抑えることが求められている。リミット処理は、遊技者にとって有利な特定区間の継続期間を一定期間(例えば、1500ゲーム)に抑える処理である。
(リミットゲーム数の計数方法)
初めに、図79を参照して、リミット処理を行う際の特定区間のリミットゲーム数の計数方法について説明する。図79(A)に示すように、主制御基板71は、特定区間が継続している場合、その継続ゲーム数(リミットゲーム数)を計数する。例えば、ART遊技状態が継続している場合には、主制御基板71は、継続ゲーム数を毎遊技1ずつ加算することで、リミットゲーム数を計数する。また、例えば、通常区間からCZに移行した後にART遊技状態に移行した場合、上述のように特定区間には、少なくともCZ及びART遊技状態が含まれるため、主制御基板71は、CZの継続ゲーム数、及びその後、連続して行われるART遊技状態の継続ゲーム数の和を、リミットゲーム数として計数する。
ところで、パチスロ機によっては、図79(B)に示すように、ART遊技状態やCZ(特定区間)に移行する際に、直ちに移行することなく、待機区間を挟むことがある。例えば、通常区間と特定区間とでRT遊技状態を異ならせるパチスロ機では、RT遊技状態を遷移させてから特定区間を開始する必要があるため、一度、待機区間を挟むことがある。具体的なケースとしては、特定区間への移行抽籤に当籤した場合の、通常区間から特定区間への移行の際に待機区間を挟むことがあり、また、特定区間中にボーナス(役物)が作動した場合の、ボーナス終了後の特定区間への復帰の際に待機区間を挟むことがある。
このような待機区間については、主制御基板71は、リミットゲーム数として計数してもよく、また、計数しないこととしてもよい。すなわち、主制御基板71は、図79(B)における「A1」〜「An」の回数分の遊技は、リミットゲーム数として計数することとしてもよく、また、リミットゲーム数として計数しないこととしてもよい。
また、主制御基板71は、待機区間の種別に応じて、リミットゲーム数として計数するか否かを異ならせることとしてもよい。例えば、特定区間への移行抽籤に当籤した場合の、通常区間から特定区間への移行の際に挟む特定区間については、リミットゲーム数として計数せず、特定区間中にボーナス(役物)が作動した場合の、ボーナス終了後の特定区間への復帰の際に挟む待機区間については、全体として一連の有利な状態中であるとして、リミットゲーム数として計数することとしてもよい。
また、主制御基板71は、待機区間中に行われる報知(ナビ)の種類に応じて、リミットゲーム数として計数するか否かを異ならせることとしてもよい。RT遊技状態を遷移させるために待機区間を設ける場合、待機区間中は、少なくともRT遊技状態を遷移させるための報知を行う必要があるものの、メダルの増減に係る押し順役についての報知は、必ずしも行う必要はない。第1実施形態のパチスロ機1では、ベルこぼし目の図柄の組合せがRT遊技状態を遷移させることになるためメダルの増減に係る押し順役「押し順ベル」を報知する必要があるものの、このベルこぼし目の図柄の組合せを、RT遊技状態を遷移させない制御とした場合には、メダルの増減に係る押し順役「押し順ベル」は、待機区間中に必ずしも報知しなくてもよい。
そこで、主制御基板71は、メダルの増減に係る押し順役についての報知を行う待機区間については、遊技者にとって有利な状態中であるとして、リミットゲーム数として計数し、メダルの増減に係る押し順役についての報知を行わない待機区間については、リミットゲーム数として計数しないこととしてもよい。
また、パチスロ機によっては、図79(C)に示すように、ART遊技状態やCZ(特定区間)中に、ボーナスに係る役が内部当籤役として決定されると、特定区間中にボーナスのフラグ間及びボーナス状態を挟むことがある。主制御基板71は、これらフラグ間やボーナス状態中の遊技を、リミットゲーム数として計数してもよく、また、計数しないこととしてもよい。すなわち、主制御基板71は、図79(C)における「C1」〜「Cn」の回数分の遊技や、「D1」〜「Dn」の回数分の遊技は、リミットゲーム数として計数することとしてもよく、また、リミットゲーム数として計数しないこととしてもよい。
この場合において、主制御基板71は、フラグ間中の遊技は、リミットゲーム数として計数する一方で、ボーナス状態中の遊技は、リミットゲーム数として計数しないこととしてもよく、また反対に、フラグ間中の遊技は、リミットゲーム数として計数しない一方で、ボーナス状態中の遊技は、リミットゲーム数として計数することとしてもよい。また、フラグ間中の遊技、及びボーナス状態中の遊技の双方ともに、リミットゲーム数として計数することとしてもよく、また反対に、双方ともに、リミットゲーム数として計数しないこととしてもよい。
また、主制御基板71は、フラグ間中に行われる報知(ナビ)の種類に応じて、リミットゲーム数として計数するか否かを異ならせることとしてもよい。具体的には、主制御基板71は、メダルの増減に係る押し順役についての報知を行うフラグ間中については、遊技者にとって有利な状態中であるとして、リミットゲーム数として計数し、メダルの増減に係る押し順役についての報知を行わないフラグ間中については、リミットゲーム数として計数しないこととしてもよい。
また、主制御基板71は、ボーナス状態中に行われる報知(ナビ)の種類に応じて、リミットゲーム数として計数するか否かを異ならせることとしてもよい。パチスロ機によっては、ボーナス状態中にも押し順役(すなわち、押し順に応じて払い出されるメダルの枚数が異なる役)を当籤可能にすることがある。このようなパチスロ機では、ボーナス状態中に押し順役を報知することで、遊技者は、より多くの利益を得ることができる。そこで、主制御基板71は、ボーナス状態中に遊技者にとって有利な停止操作の態様を報知する場合には、ボーナス状態中の遊技をリミットゲーム数として計数し、ボーナス状態中に遊技者にとって有利な停止操作の態様を報知しない場合には、ボーナス状態中の遊技をリミットゲーム数として計数しないこととしてもよい。
(リミット処理の流れ)
続いて、図80を参照して、リミット処理の流れについて説明する。図80(A)に示すように、主制御基板71は、上述した計数方法に従い計数したリミットゲーム数が一定ゲーム数(例えば、1500ゲーム)に達すると、遊技状態を特定区間から通常区間に移行させる。すなわち、主制御基板71は、リミットゲーム数が一定ゲーム数に達すると、ゲーム数やナビ回数等が未だ残っている場合(終了条件を満たしていない場合)であっても、特定区間を終了する。
そして、特定区間の終了に伴い、主制御基板71は、報知(ナビ)の発生に関する変数の値を初期化する初期化処理を行う。なお、この初期化処理においてRT遊技状態は、そのまま維持しても、初期化して低RT状態であるRT0としても良い。例えば、ART遊技状態用のRT遊技状態において、ベルこぼし目や転落リプレイなどの図柄の組み合わせによるRT遊技状態への移行を行わず、規定ゲーム数の消化又はボーナスの当籤で終了となるRT遊技状態である場合、リミット処理によりナビが非発生となったとしても、高RTという遊技者に有利な状態が続いてしまうため、後者の仕様として、リプレイ確率の低い遊技状態とすることが望ましい。特に規定ゲーム数が6000ゲームなど大きい値で実質的に次回ボーナスまで継続するようなRT遊技状態である場合に、リミット処理でRT遊技状態を転落させることで、射幸性を適切に抑制することができる。
このようにリミット処理を行う場合、主制御基板71は、リミットゲーム数が一定ゲーム数に達するまでは、状態表示器147bを点灯し続け、リミットゲーム数が一定ゲーム数に達し、特定区間を終了すると状態表示器147bを消灯する。また、主制御基板71は、リミット処理により特定区間を終了した場合には、その後、所定期間にわたり、リミットランプ148を点灯させる。なお、所定期間としては、リミット処理をリミットゲーム数が一定ゲーム数に達した遊技の終了時に行う場合には、例えば、リミット処理が行われた遊技の次遊技中であってよい。また、上述したように、主制御基板71は、リミット処理の発動が近い場合にリミットランプ148を点滅させ、リミット処理の発動が近いことを遊技者に報せることとしてもよい。
ここで、例えば、ボーナス状態中の遊技もリミットゲーム数として計数する場合、ボーナス状態中にリミットゲーム数が一定ゲーム数に達してしまうことがある。この場合には、図80(B)に示すように、主制御基板71は、ボーナス状態中であっても、リミット処理を行い、遊技状態を特定区間から通常区間に移行させることとしてもよい。また、図80(C)に示すように、主制御基板71は、ボーナス状態中は、リミット処理を行うことなく、ボーナスが終了したタイミングでリミット処理を行うこととしてもよい。すなわち、図80(B)に示す例では、リミットゲーム数が一定ゲーム数に達したタイミングで、特定区間から通常区間に遊技状態が移行しており、図80(C)に示す例では、リミットゲーム数が一定ゲーム数に達したタイミングではなく、その後、ボーナス状態が終了したタイミングで、特定区間から通常区間に遊技状態が移行している。
もちろん、特定区間の待機区間中や、ボーナスのフラグ間中も同様に、当該遊技中もリミットゲーム数として計数する場合には、待機区間中やフラグ間中にリミットゲーム数が一定ゲーム数に達すると、待機区間中やフラグ間中であってもリミット処理を行うこととしてもよく、また、リミットゲーム数が一定ゲーム数に達した後に待機区間から特定区間に移行したタイミング、又はリミットゲーム数が一定ゲーム数に達した後にフラグ間からボーナス状態を経て特定区間に移行したタイミングで、リミット処理を行うこととしてもよい。
(リミット処理時の外部機器への信号出力)
また、主制御基板71は、リミット処理により特定区間を終了した場合に、その旨を示す所定の信号を外部機器(データカウンタやホールコンピュータ)に対して出力する。この信号の出力を受けることで、ホール側では、当該パチスロ機においてリミット処理が行われたことを把握することができ、従来把握することができなかった新たな情報を把握することができる。
なお、ボーナス状態中にリミットゲーム数が一定ゲーム数に達してしまった場合には、主制御基板71は、リミットゲーム数が一定ゲーム数に達したタイミング(すなわち、ボーナス状態中)で、外部機器に対して所定の信号を出力することとしてもよく、また、ボーナス状態が終了したタイミングで、外部機器に対して所定の信号を出力する(すなわち、主制御基板71は、特定区間中のボーナス状態中にリミットゲーム数が一定ゲーム数に達すると、当該ボーナス状態の終了時に、外部機器に対して所定の信号を出力する)こととしてもよい。
また、主制御基板71は、一台のパチスロ機1において通常想定される回数を超える回数だけリミット処理が行われた場合に、リミット処理が行われたことを示す信号(リミット信号)だけでなく、リミット処理が想定以上の回数行われたことを示す信号(エラー信号)も外部機器に対して出力することとしてもよい。具体的には、主制御基板71は、特定期間内にリミットゲーム数が一定ゲーム数に達した回数(すなわち、リミット処理が行われた回数)が所定回数に達すると、外部に対して特定の信号を出力する。一例として、主制御基板71は、パチスロ機1の電源投入から電源を落とすまでの間に想定を超える回数だけリミット処理が行われた場合に、リミット信号と合わせてエラー信号も外部機器に対して出力する。これにより、例えば、一日の間にリミット処理が10回といった普通ではありえない回数行われた場合に、ホール側においてそのことを把握することができる。
(ナビ保証処理)
続いて、図81を参照して、本実施形態のパチスロ機1におけるナビ保証処理について説明する。図81は、特定区間終了時のナビ保証処理の流れを示す図である。
特定区間の終了条件をゲーム数により管理するパチスロ機の場合、特定区間中に報知対象となる役(例えば、押し順ベル等)が内部当籤役として決定される回数が少ないと、特定区間中に払い出されるメダルが少なく、遊技者が損失感を覚えてしまうことがある。そこで、本実施形態のパチスロ機1では、特定区間に移行した場合に、最低限のナビ回数を保証し、この保証回数分のナビが行われるまで特定区間を終了することなく継続する。
ここで、図81では、特定区間の終了条件がゲーム数により管理されるものであり、また、図81(A)〜(C)では、50ゲーム終了時に、特定区間の終了条件が満たされているものとする。図81(A)に示す例では、特定区間が50ゲーム継続した(すなわち、終了条件が満たされた)時点で、未だ保証回数分の報知(ナビ)が行われていない。このような場合には、主制御基板71は、終了条件を満たしたとしても特定区間を継続する。図81(A)に示す例では、その後、54ゲーム目に報知対象の役(例えば、押し順ベル)が内部当籤役として決定され、当該報知対象の役に対する報知が行われている。主制御基板71は、この報知に伴い保証回数分の報知が行われた場合には、特定区間を終了する。一方、主制御基板71は、特定区間の終了条件を満たした後の報知によっても、未だ保証回数分の報知が行われていない場合には、特定区間を終了することなく、継続する。
ところで、パチスロ機の中には、押し順役として、押し順正解時のメダルの払出枚数が異なる複数種類の押し順役を設け、主制御基板71が特定区間中にこれらの押し順役に対して正解の押し順を報知することがある。複数種類の押し順役としては、例えば、押し順に正解した場合であってもメダルが増加しない(すなわち、払出枚数が投入枚数以下)、又はメダルの増加が極めて少ない(例えば、3ベット時の払出枚数が4枚)押し順役や、押し順に正解した場合にメダルが増加(例えば、3ベット時の払出枚数が9枚)する押し順役が考えられる。なお、いずれの押し順役であっても、押し順に不正解のときには、押し順に正解したときよりもメダルの払出枚数が少ない、又はメダルの払出枚数が0枚である点は、共通である。
遊技者からすると、押し順正解時にメダルが増加しない又は増加が極めて少ない押し順役に対する報知が行われたとしても、特定区間中に獲得するメダルの総数が増加しないため、これらの押し順役については、特定区間中にナビ回数が保証されている必要はない。これに対して、押し順正解時にメダルが増加する押し順役については、特定区間中に獲得するメダルの総数に影響を与えるため、遊技者からすると、特定区間中にナビ回数が保証されていることが好ましい。
そこで、本実施形態のパチスロ機1では、押し順正解時のメダルの払出枚数が異なる複数種類の押し順役のうち、押し順正解時の払出枚数が投入枚数よりも多い押し順役についてのみ、ナビ回数を保証し、押し順正解時の払出枚数が投入枚数以下の押し順役については、ナビ回数を保証しないこととしてもよい。また、押し順正解時のメダルの払出枚数が異なる複数種類の押し順役のうち、押し順正解時の払出枚数が最も多い押し順役についてのみ、ナビ回数を保証し、それ以外の押し順役については、ナビ回数を保証しないこととしてもよい。
具体的には、主制御基板71は、特定区間中に、ナビ回数を保証する押し順役に対する報知が保証回数以上行われている状況で、特定区間の終了条件が満たされると、ナビ回数を保証しない押し順役に対する報知の回数に関わらず、特定区間の終了条件が満たされたことを条件に特定区間を終了する。一方で、主制御基板71は、特定区間中に、ナビ回数を保証する押し順役に対する報知が保証回数以上行われていない状況で、特定区間の終了条件が満たされた場合には、特定区間を終了することなく継続し、その後、ナビ回数を保証する押し順役に対する報知が保証回数分行われたタイミングで、特定区間を終了する。
このようにすることで、特定区間中に獲得するメダルの総数に影響を与える押し順役についての報知(ナビ)回数が保証されることになるため、遊技者が感じる損失を軽減することができる。
続いて、ボーナス状態を挟みつつ保証回数分の報知が行われることなく特定区間の終了条件が満たされた場合について説明する。図81(B)(C)は、特定区間の終了条件を満たしたとき(50ゲーム終了時)に、未だ保証回数分の報知が行われていないものの、終了条件を満たす前の特定区間中にボーナス状態に一度移行している例を示している。
ボーナス状態は、基本的には遊技者にとって有利な遊技状態であるため、特定区間を全体としてみると、遊技者には一定の利益が付与されていると考えることができる。そこで、主制御基板71は、図81(B)に示すように、特定区間の終了条件を満たしたときに、未だ保証回数分の報知が行われていない場合であっても、この特定区間中に一度でもボーナス状態に移行しているときには、特定区間の終了条件を満たしたことをもって、特定区間を終了させることとしてもよい。
一方で、図81(C)に示すように、主制御基板71は、特定区間の終了条件を満たしたときに、未だ保証回数分の報知が行われていない場合には、この特定区間中にボーナス状態に移行していたか否かに関係なく、保証回数分の報知が行われるまでは特定区間を継続し、その後、保証回数分の報知が行われたタイミングで特定区間を終了することとしてもよい。
続いて、保証回数分の報知が行われることなく特定区間のリミットゲーム数が一定ゲーム数に達した場合について説明する。リミットゲーム数が一定ゲーム数に達するまで特定区間が継続した場合には、遊技者には一定の利益が付与されていると考えることができるため、主制御基板71は、図81(D)に示すように、特定区間のリミットゲーム数が一定ゲーム数に達すると、未だ保証回数分の報知が行われていない場合であっても、特定区間を終了させることとしてもよい。反対に、図81(E)に示すように、主制御基板71は、特定区間のリミットゲーム数が一定ゲーム数に達したとしても、未だ保証回数分の報知が行われていない場合には、保証回数分の報知が行われるまでは特定区間を継続し、その後、保証回数分の報知が行われたタイミングで特定区間を終了することとしてもよい。
なお、ナビ保証処理により、保証回数分の報知が行われるまで特定区間を継続する場合、終了条件を満たした後の特定区間中にいわゆる上乗せ抽籤を行うか否かは任意である。すなわち、主制御基板71は、特定区間中は終了条件を満たすまでは上乗せ抽籤を行う一方で、終了条件を満たした後は、特定区間中であっても上乗せ抽籤を行わないこととしてもよい。反対に、主制御基板71は、終了条件を満たした後も保証回数分の報知が行われるまでの期間は上乗せ抽籤を行うこととしてもよい。
また、ナビ保証処理により、保証回数分の報知が行われるまで特定区間を継続する場合、表示ユニット100等の液晶表示装置上では、特定区間の終了条件を満たしたタイミングで通常画面に戻し、その後、報知の対象となる押し順役が内部当籤役として決定されると、この通常画面上で押し順の報知(ナビ)を行うこととしてもよい。すなわち、保証回数分の報知が行われることなく特定区間の終了条件を満たした場合、主制御基板71は、状態表示器147bを点灯させ続けるものの、副制御基板72は、特定区間中の表示画面から通常区間中の表示画面に表示画面を切り替える。そして、その後、報知の対象となる押し順役が内部当籤役として決定されると、主制御基板71は、指示モニタ147の報知ランプ147aを介して押し順を報知するとともに、副制御基板72は、通常画面上で押し順を報知する。そして、保証回数分の報知が行われると、主制御基板71は、状態表示器147bを消灯させることとしてもよい。
<それぞれの遊技状態の概要>
以上、本実施形態のパチスロ機1の遊技フローの概要について説明した。続いて、図76を参照して、本実施形態のパチスロ機1が有するそれぞれの遊技状態の概要について説明する。
図76に示すように、本実施形態のパチスロ機1では、大きく分類すると、通常区間と、待機区間と、特定区間とを有する。通常区間は、遊技者にとって有利な停止操作の態様が報知されない状態であり、特定区間は、遊技者にとって有利な停止操作の態様が報知される状態である。また、待機区間は、特定区間への移行抽籤に当籤した後の、通常区間から特定区間に移行するまでの間の状態である。
通常区間、待機区間及び特定区間には、ボーナスに係る役の当籤の有無又はボーナスの作動の有無に応じて、ボーナスに係る役が内部当籤役として決定されておらず、かつ、ボーナスが作動していない「ボーナス非作動(非フラグ間)」と、ボーナスに係る役が内部当籤役として決定され、かつ、ボーナスが作動していない「フラグ間」と、内部当籤役として決定される確率に設定差がないボーナス役に応じたボーナスが作動している「ボーナス状態(設定差なし)」と、内部当籤役として決定される確率に設定差があるボーナス役に応じたボーナスが作動している「ボーナス状態(設定差あり)」と、の遊技状態が含まれる。
図76に示すように、通常区間の「ボーナス非作動(非フラグ間)」「フラグ間」「ボーナス状態(設定差なし)」及び「ボーナス状態(設定差あり)」では、主制御基板71は、状態表示器147bを消灯させるとともに、内部当籤役として報知に係る役が決定されている場合には、これらの役をグループ化して副制御基板72に対して送信する。具体的には、役「F_3択ベル_1st」「F_3択ベル_2nd」「F_3択ベル_3rd」のいずれかが内部当籤役として決定された場合、主制御基板71は、これらの役をグループ化した役「押し順ベル」が内部当籤役として決定されたとして、副制御基板72に対して情報を送信する。
また、通常区間の「ボーナス非作動(非フラグ間)」及び「ボーナス状態(設定差なし)」では、主制御基板71は、設定値に差のない情報に基づいて特定区間への移行抽籤を行う一方で、通常区間の「フラグ間」及び「ボーナス状態(設定差あり)」では、主制御基板71は、特定区間への移行抽籤を行わない。また、通常区間の「ボーナス非作動(非フラグ間)」「フラグ間」「ボーナス状態(設定差なし)」及び「ボーナス状態(設定差あり)」では、主制御基板71は、特定区間の継続期間の上乗せ抽籤や、押し順役当籤時の報知を行わない。
また、待機区間の「ボーナス非作動(非フラグ間)」「フラグ間」「ボーナス状態(設定差なし)」及び「ボーナス状態(設定差あり)」では、主制御基板71は、状態表示器147bを点灯させる。なお、主制御基板71は、待機区間中と特定区間中とで状態表示器147bを異なる態様で点灯させることとしてもよい。
また、待機区間の「ボーナス非作動(非フラグ間)」「フラグ間」「ボーナス状態(設定差なし)」及び「ボーナス状態(設定差あり)」では、主制御基板71は、押し順役当籤時の正解の押し順の報知を行うこととしてもよく、また、行わないこととしてもよい。なお、正解の押し順の報知を行う場合には、主制御基板71は、報知に係る役をグループ化することなく、副制御基板72に対して送信する。具体的には、役「F_3択ベル_1st」「F_3択ベル_2nd」「F_3択ベル_3rd」のいずれかが内部当籤役として決定された場合には、主制御基板71は、実際に内部当籤役として決定されている役の種類を特定できる情報を、副制御基板72対して送信する。一方、正解の押し順の報知を行わない場合には、主制御基板71は、報知に係る役をグループ化して、副制御基板72に対して送信する。
また、待機区間の「ボーナス非作動(非フラグ間)」「フラグ間」「ボーナス状態(設定差なし)」及び「ボーナス状態(設定差あり)」では、主制御基板71は、当籤している特定区間への移行抽籤を行わない(ただし、当籤している特定区間とは異なる特定区間については移行抽籤を行うこととしてもよい)。また、待機区間の「ボーナス非作動(非フラグ間)」「フラグ間」及び「ボーナス状態(設定差あり)」では、主制御基板71は、特定区間の継続期間の上乗せ抽籤を行わない。なお、待機区間の「ボーナス状態(設定差あり)」では、主制御基板71は、設定値に差のない情報に基づいて特定区間の継続期間の上乗せ抽籤を行うこととしてもよく、また、行わないこととしてもよい。
また、特定区間の「ボーナス非作動(非フラグ間)」「フラグ間」「ボーナス状態(設定差なし)」及び「ボーナス状態(設定差あり)」では、主制御基板71は、状態表示器147bを点灯させるとともに、押し順役当籤時の正解の押し順の報知を行う。そのため、主制御基板71は、特定区間の「ボーナス非作動(非フラグ間)」「フラグ間」「ボーナス状態(設定差なし)」及び「ボーナス状態(設定差あり)」では、報知に係る役をグループ化することなく、副制御基板72に対して送信する。
また、主制御基板71は、特定区間の「ボーナス非作動(非フラグ間)」「フラグ間」「ボーナス状態(設定差なし)」及び「ボーナス状態(設定差あり)」では、当籤している特定区間への移行抽籤を行わない(ただし、当籤している特定区間とは異なる特定区間については移行抽籤を行うこととしてもよい)。また、主制御基板71は、特定区間の「ボーナス非作動(非フラグ間)」及び「ボーナス状態(設定差なし)」では、設定値に差のない情報に基づいて特定区間の継続期間の上乗せ抽籤を行う一方で、特定区間の「フラグ間」及び「ボーナス状態(設定差あり)」では、特定区間の継続期間の上乗せ抽籤を行わない。
なお、主制御基板71は、3ベット時にのみ特定区間への移行抽籤、又は特定区間の継続期間の上乗せ抽籤を行い、1ベット又は2ベット時には、これらの抽籤を行わないこととしてもよい。
<移行抽籤結果の外部機器への出力>
続いて、図82〜図84を参照して、特定区間への移行抽籤の結果を、パチスロ機からデータカウンタやホールコンピュータ等の外部機器に対して出力する際の流れについて説明する。
遊技店では、パチスロ機等と併せてデータカウンタやホールコンピュータ等の外部機器を設置しており、例えば、パチスロ機においてボーナス状態が開始すると、パチスロ機からデータカウンタに対して信号が出力され、データカウンタにおいてボーナス回数をカウントする。従来のパチスロ機では、特定区間への移行抽籤をサブ(副制御基板72)側で行っていたため、主制御基板71は、メイン(主制御基板71)側で認識できる事象(例えば、RT状態の遷移や特定の押し順で複数回停止操作が行われた等)から抽籤結果を推測して、その推測に基づいて外部機器に対して信号を出力していた。しかしながら、このような従来の方法では、移行抽籤に当籤したことを出力するタイミングが、実際に当籤したタイミングから数ゲーム遅れてしまう上、遊技者の停止操作により偶然に特定の押し順が繰り返されてしまうと、移行抽籤に当籤していないにも関わらず当籤していると推測してしまい、結果、誤った信号が出力されてしまうことがあった。
また、RT遊技状態の遷移に基づいて信号を出力する仕様では、ART中にボーナスを引いた場合、ボーナス消化後にボーナス終了時のRT遊技状態からART用のRT遊技状態へ復帰したときにも信号が出力されることがあった。このような場合には、正確なARTの当籤回数や消化セット数よりも多く当該信号出力がなされてしまい、遊技者が設定を推測や台選びをする際に正確な情報を把握しづらいという問題が生じていた。
この点、本実施形態のパチスロ機1では、推測結果からではなく、特定区間への移行抽籤の結果自体をそのまま外部機器に対して出力するため、移行抽籤の結果を精度良く外部機器に対して出力することができる。
図82は、外部機器への信号出力タイミングのパターン例を示す図である。図82において、タイミングT1は、特定区間(例えば、ART遊技状態)への移行抽籤に当籤した遊技の開始時であり、期間P1は、当該遊技の一遊技間の期間であり、期間P2は、次遊技の一遊技間の期間である。
図82に示す例において、タイミングT1(すなわち、遊技開始時)において、特定区間への移行抽籤に当籤している。本実施形態のパチスロ機1では、特定区間への移行抽籤をメイン(主制御基板71)側で行っているため、主制御基板71では、タイミングT1の時点から移行抽籤に当籤したことを把握できる。
そこで、本実施形態のパチスロ機1では、移行抽籤に当籤した遊技の期間P1中の任意のタイミングで、移行抽籤の結果を外部機器に対して出力する。例えば、出力パターン例Aでは、主制御基板71は、特定区間への移行抽籤に当籤した遊技の開始時(すなわち、スタートレバー6の操作時)に、外部機器に対して移行抽籤の結果を出力している。同様に、出力パターン例Bでは、主制御基板71は、当該遊技のリール回転開始時に外部機器に対して移行抽籤の結果を出力し、出力パターン例Cでは、当該遊技の第1停止操作時に外部機器に対して移行抽籤の結果を出力し、出力パターン例Dでは、当該遊技の全リール停止時に外部機器に対して移行抽籤の結果を出力している。
また、出力パターン例E,Fに示すように、主制御基板71は、移行抽籤に当籤した遊技よりも後の遊技において、外部機器に対して移行抽籤の結果を出力することもできる。例えば、出力パターン例Eでは、主制御基板71は、移行抽籤に当籤した遊技の次の遊技のためのメダル投入時に外部機器に対して移行抽籤の結果を出力している。また、出力パターン例Fでは、主制御基板71は、その後更に複数回の遊技が行われた任意の遊技中(例えば、特定区間が開始する遊技の開始時)に外部機器に対して移行抽籤の結果を出力している。
なお、図82に示す出力パターン例は、一例に過ぎず、本実施形態のパチスロ機1では、特定区間への移行抽籤に当籤した後の任意のタイミングで外部機器に対して移行抽籤の結果を出力することができる。
また、図73に示す状態表示器147bの点灯パターン例と、図82に示す外部機器への信号の出力パターン例とを任意に組み合わせることで、従来にない目新しい面白さを実現することもできる。具体的には、状態表示器147bの点灯よりも先に外部機器に対して移行抽籤に当籤したことを示す信号を出力することとしてもよく、反対に、状態表示器147bを点灯した後に外部機器に対して移行抽籤に当籤したことを示す信号を出力することとしてもよく、また、状態表示器147bの点灯と同時に外部機器に対して移行抽籤に当籤したことを示す信号を出力することとしてもよい。
例えば、外部機器への信号の出力を、状態表示器147bよりも先に行うことで、状態表示器147bの点灯よりも先に、外部機器(データカウンタ)においてカウンタが更新されるため、パチスロ機1以外の外部機器から特定区間の移行の察知を行うことができる。また、例えば、外部機器での処理時間を考慮して、外部機器への信号を状態表示器147bの点灯よりも少し前に出力することで、状態表示器147bの点灯(パチスロ機1における報知)タイミングと、外部機器の更新(パチスロ機1以外の報知)タイミングとを合わせることができ、遊技者の違和感を軽減することができる。
なお、例えば、ボーナスの種類が多く、外部機器に信号を出力する8ピン信号線に空いている出力ピンがない場合のように、外部集中端子板73からの出力ピンに限りがある場合には、主制御基板71は、移行抽籤に当籤した場合であっても、外部機器に対して信号を出力しないこととしてもよい。
また、上記実施例では移行抽籤に当籤した場合に、信号を出力するものとしたが、ARTなどの特定区間が継続する場合に信号を出力するものであっても良い。例えば、ART遊技状態を30ゲーム1セットしてセット数管理をする遊技仕様の場合、移行抽籤に当籤した時(いわゆる初当たり時)に信号出力し、1セット目の30ゲーム消化後、2セット目が開始されるタイミングで外部信号を出力するものとすることができる。このように信号出力することで、正確なセット数が把握できるようになる。また、初当たりの信号と、継続時の信号を異なる信号として、初当たり回数と継続回数を正確にデータカウンタで把握できるものとしてもよく、この場合はさらに遊技状況の把握精度が高めることができる。
なお、このようなセット数管理する遊技機では、ART遊技状態の途中でボーナス状態が開始した場合に、ボーナス終了後に当該セット中のボーナス当籤時からの残りゲーム数から遊技を再開するパチスロ機や、ボーナス終了後に新たなセットを初めから開始するパチスロ機がある。
前者の場合、例えば、ART遊技状態の1セットの30ゲーム中25ゲームを消化したところでボーナスに当籤しボーナス状態が開始した場合に、ボーナス終了後に残りゲーム数5ゲームの時点(ボーナス当籤時の残りゲーム数)からART遊技状態を再開させる。このような場合には、単に1セットが途中で区切られただけであるためART再開時に信号出力をしないことが望ましい。一方後者の場合、ART遊技状態中にボーナスに当籤したことの恩恵として、実質的に1セット分のARTが追加されることになるため、ART再開時に信号出力をすることが望ましい。なお、所定ゲーム数を1セットとするタイプのARTだけでなく、差枚数やナビ回数でARTのセット数を管理するタイプの場合も同様の信号出力処理を適用できる。
なお、ボーナス終了後に当該セット中のボーナス当籤時からの残りゲーム数から遊技を再開するパターンと、ボーナス終了後に新たなセットを初めから開始するパターンとの双方を有するパチスロ機も考えられる。例えば、ART遊技状態の残りゲーム数が所定値未満のときにボーナスに当籤した場合は救済措置として1セット追加し、残りゲーム数が所定値以上のときにボーナスに当籤した場合はボーナス終了後に残りゲーム数から遊技を再開するといった仕様が考えられる。
このようなパチスロ機では、主制御基板71は、ボーナス当籤時のARTの上乗せの有無に応じて、信号出力を制御する。すなわち、ボーナス当籤時にARTの上乗せが発生している場合には、主制御基板71は、ボーナス終了後のART遊技状態の再開時に信号出力を行い、ボーナス当籤時にARTの上乗せが発生していない場合には、主制御基板71は、ボーナス終了後のART遊技状態の再開時に信号出力を行わない。より具体的には、主制御基板71は、ART遊技状態の残りゲーム数が所定値未満のときにボーナスに当籤した場合は、ARTの上乗せが発生したとしてボーナス終了後のART再開時に信号出力を行い、残りゲーム数が所定値以上のときにボーナスに当籤した場合は、ARTの上乗せが発生していないとしてボーナス終了後のART再開時に信号出力を行わない。
言い換えると、主制御基板71は、ART遊技状態の残りゲーム数が所定値未満のときにボーナスに当籤した場合は、ボーナス終了後にボーナス当籤時に実行していたセットとは別のセットのART遊技状態を再開するとともに、外部に対して信号出力を行う。他方、主制御基板71は、ART遊技状態の残りゲーム数が所定値以上のときにボーナスに当籤した場合は、ボーナス終了後にボーナス当籤時に実行していたセットと同じセットのART遊技状態を再開するとともに、外部に対して信号出力を行わない。
また、ボーナス当籤時のART上乗せ発生の有無だけでなく、ボーナス入賞からART開始までのART上乗せの有無に応じて信号出力の有無を決定することとしてもよい。
なお、これまで説明した信号出力は、1回の出力によりデータカウンタの値が1上がるような信号であるが、価値の大きなART遊技状態を開始させる場合は、価値の大きさに応じてデータカウンタの値が複数値上がる信号としてもよい。例えば、通常1セット30ゲームのARTであるところ、プレミアムなどで1セット90ゲームからなるロングARTが開始される場合は、データカウンタの値が3上昇するように信号の出力を行うこととしてもよい。
また、通常1セット30ゲームのARTであるところ、次回ボーナスまで継続するARTを開始する場合、ボーナス当籤までの平均ゲーム数に応じてデータカウンタの値が上昇するように信号の出力を行うこととしてもよい。例えば、ボーナスの当籤確率が1/150である場合には、平均継続ゲーム数は150ゲームであり、5セット分に相当するため、データカウンタの値が5上昇する信号を出力する。この場合、ボーナスの当籤確率に設定差がある場合には、設定が特定されないように、どの設定であっても特定の設定値(例えば、設定6)のボーナス確率から決定される平均継続ゲーム数に応じた信号を出力する。このようにすることで、開始時に価値の異なる複数のART遊技状態を有するパチスロ機であっても、データカウンタなどから事後的に、どの程度の利益が得られたか判断し易くなる。なお、データカウンタの値が複数値上がる信号とは、値を1上げる信号を複数回、外部機器が識別できるように間隔を空けて送信するものとしてもよく、また、値を複数上げる専用の信号を1ショットで送信するものとしてもよい。
(外部機器と連携した演出例)
続いて、図83及び図84を参照して、特定区間への移行抽籤に当籤した場合に、外部機器と連携して行う演出例について説明する。図83は、特定区間への移行抽籤に当籤した遊技中に外部機器に対して信号を出力する場合の演出例を示し、図84は、特定区間への移行抽籤に当籤した後の遊技において外部機器に対して信号を出力する場合の演出例を示す。
(演出例1)
図83に示す演出例1では、移行抽籤に当籤した遊技において、主制御基板71は、リール回転開始に先立ちリール3L,3C,3Rを逆回転し、その後、リール3L,3C,3Rを順回転させることで遊技を進行している。この演出例1では、タイミングT1は、リール3L,3C,3Rの逆回転を開始するタイミングであり、タイミングT2は、リール3L,3C,3Rの順回転を開始するタイミング(すなわち、リール回転開始時)であり、タイミングT3は、当該遊技の全リール停止時である。また、主制御基板71は、状態表示器147bを点灯パターン例4(全リール停止時)のタイミングで点灯し、移行抽籤に当籤したことを出力パターン例B(リール回転開始時)のタイミングで外部機器に対して出力している。
タイミングT1に示すように、特定区間への移行抽籤に当籤した遊技において、主制御基板71は、スタートレバー6の操作に基づいてリール3L,3C,3Rの回転を開始する。このとき、主制御基板71は、まず、リール3L,3C,3Rを逆方向に回転させる。また、副制御基板72では、表示ユニット100を制御して、パチスロ機1の上部に設置されたデータカウンタに注目する旨の表示を行うとともに、5秒のカウントダウンを表示する。ここで、リール3L,3C,3Rの逆回転とは、リール3L,3C,3Rが下から上に向かって回転するものであるため、遊技者にとってみれば、リール3L,3C,3Rの逆回転に伴い、視線が下から上に誘導される。また、このリール3L,3C,3Rによる視線の誘導と併せて、表示ユニット100においても、データカウンタへの注目を促すため、遊技者の興味は、データカウンタに対して強く引き付けられることになる。
タイミングT1〜タイミングT2では、副制御基板72は、表示ユニット100を制御して、カウントダウンを進行する。その後、タイミングT2になると、主制御基板71は、リール3L,3C,3Rを順方向に回転させるとともに、データカウンタに対して移行抽籤に当籤したことを示す信号を出力する。この信号を受けると、データカウンタでは、カウンタを更新し、また、「当たり」等の表示を行う。
このように演出例1では、リール3L,3C,3Rの逆回転、及び表示ユニット100による表示を利用して、データカウンタに視線を誘導し、その後、データカウンタに対して信号を出力することで、遊技者の視線を集めたデータカウンタ上で特定区間への移行抽籤に当籤したことを報知する。これにより、パチスロ機1だけでなく、外部機器(データカウンタ)と連携した演出を実行することができる。
また、演出例1では、タイミングT3になると、主制御基板71は、状態表示器147bを点灯させる。副制御基板72では、状態表示器147bの点灯タイミングに合わせて、表示ユニット100に対して特定区間に当籤したことを示す映像等を表示する。このように演出例1では、状態表示器147bの点灯タイミングや外部機器への信号の出力タイミングに合わせて演出を行うことで、様々な演出を連動して行うことができ、演出効果を高めることができる。
(演出例2)
続いて、図84を参照して、演出例2について説明する。ART遊技状態等の特定区間を有するパチスロ機では、特定区間への移行抽籤に当籤した後に直ちに特定区間を開始せず、移行抽籤に当籤した後に所定回数の遊技が経過してから特定区間を開始することがあり、この所定回数の遊技中にいわゆる前兆演出を行うことがある。ところで、本実施形態のパチスロ機1では、主制御基板71は、自身が行った移行抽籤の結果をそのまま外部機器に対して出力するため、図82において示した出力パターン例A〜Dのように、移行抽籤に当籤した遊技においても、移行抽籤の結果を外部機器に対して出力できてしまう。ここで、移行抽籤に当籤した遊技において移行抽籤の結果を外部機器に対して出力した場合、データカウンタ(外部機器)上でカウンタが更新されてしまうため、前兆演出を行っている最中にデータカウンタの値から演出結果(すなわち、移行抽籤の当否)が分かってしまい、興趣が削がれてしまう。
そこで、図84に示す演出例2では、主制御基板71は、特定区間の移行抽籤に当籤した遊技から32ゲーム後の遊技中の任意のタイミングで、移行抽籤の結果を外部機器に対して出力する。そして、主制御基板71及び副制御基板72は、演出例Aに示すように、この32ゲームの間に前兆演出を行う。これにより、前兆演出が行われる32ゲーム間は、データカウンタの値が更新されることがなく、遊技者は、前兆演出に対して関心を抱くことができる。
なお、本実施形態のパチスロ機1では、特定区間の移行抽籤に当籤すると、当該遊技中に状態表示器147bを点灯させることとしているが、前兆演出中に状態表示器147bから移行抽籤の結果が把握できたのでは興趣が削がれてしまうため、状態表示器147bからは移行抽籤の結果が分かり難くしていることが好ましい。状態表示器147bから移行抽籤の結果を分かり難くする方法は、上述した通りである。
また、遊技者から登録操作を受け付けている場合には、前兆演出を行う期間をカスタマイズ可能にしてもよい。図84に示す例では、演出例Aは、32ゲーム間にわたり前兆演出が行われているが、演出例Bでは、16ゲーム間にわたり前兆演出が行われ、その後は、特定区間の当籤が確定した後の待機演出を行うこととしている。なお、待機演出としては、例えば、パチスロ機1に登場するキャラクタの紹介やストーリ紹介等であってもよく、また、設定値を示唆する演出等であってもよい。また、このように前兆演出の期間をカスタマイズ可能にした場合であっても、主制御基板71は、カスタマイズの有無に関わらず、同じタイミングで外部機器に対して信号を出力する。すなわち、図84に示す例では、演出例Aを行う場合であっても演出例Bを行う場合であっても共に、主制御基板71は、特定区間の移行抽籤に当籤した遊技から32ゲーム後の遊技中に、移行抽籤の結果を外部機器に対して出力している。
<特定区間中のナビ確保方法>
続いて、図85を参照して、特定区間中に遊技者にとって有利な停止操作の態様を報知する回数を確保するためのナビ確保方法について説明する。ART遊技状態等の特定区間を有するパチスロ機では、特定区間中にナビが行われないと特定区間中の遊技が単調になってしまい、遊技者の興趣を削いでしまうことがある。そこで、本実施形態のパチスロ機1では、特定区間中にナビが行われ易い状態を作り出すことで、特定区間中の遊技が単調になってしまうことを防止する。
具体的には、パチスロ機1では、特定区間を開始するタイミングを、ボーナス状態の開始時としつつ、このボーナス状態中は、ボーナス非作動中に比べて高い確率で押し順役(報知対象役)を内部当籤役として決定する。そして、ボーナス状態の開始時に特定区間も併せて開始する場合には、ボーナス状態中に当籤した押し順役に対して正解の押し順を報知し、ボーナス状態の開始時に特定区間を開始しない場合には、ボーナス状態中に押し順を報知しない。これにより、特定区間中にナビが行われないという状況を避けることができ、結果、特定区間中の遊技の興趣を高めることができる。
特に、特定区間を開始するタイミングを、ボーナス状態の開始時としているため、特定区間中に一度もボーナス状態にならないという状況、すなわち、特定区間中にナビが行われ易い状況(ボーナス状態)に一度もならないという状況を回避することができ、結果、遊技者は、特定区間中に一定回数分のナビを受けることができる。
(ボーナス開始時の特定区間開始方法例)
ここで、特定区間を開始するタイミングを、ボーナス状態の開始時とする方法は、任意である。例えば、図85(A−1)に示すように、主制御基板71は、通常区間中に設定不問役であるボーナスに係る役が内部当籤役として決定(すなわち、ボーナス当籤)されたことに応じて、移行抽籤を行う。そして、主制御基板71は、この移行抽籤に当籤している状態で、当該ボーナスに係る役に応じた図柄の組合せが表示されると、ボーナス状態と併せて特定区間を開始し、主制御基板71及び副制御基板72は、ボーナス状態中に高い確率で内部当籤役として決定される押し順役に対して正解の押し順を報知する。一方、主制御基板71は、移行抽籤に当籤していない状態で、ボーナスに係る役に応じた図柄の組合せが表示された場合には、特定区間を開始することなくボーナス状態を開始し、主制御基板71及び副制御基板72は、ボーナス状態中に押し順役が内部当籤役として決定されても正解の押し順を報知しない。
また、図85(A−2)に示すように、主制御基板71は、ボーナスに係る役が内部当籤役として決定されたことではなく、通常区間中に設定不問役であるボーナスに係る役に応じた図柄の組合せが表示(すなわち、ボーナス入賞)されたことに応じて、移行抽籤を行うこととしてもよい。
また、図85(A−3)に示すように、主制御基板71は、通常区間中にボーナスに係る役とは関係なく移行抽籤を行うこととしてもよい。具体的には、主制御基板71は、通常区間中に設定値に差のない情報に基づいて特定区間への移行抽籤を行い、この移行抽籤に当籤した場合には、特定区間への移行権利を付与する。そして、その後にボーナスに係る役に応じた図柄の組合せが表示されると、主制御基板71は、移行権利が付与されている場合には、ボーナス状態と併せて特定区間を開始し、主制御基板71及び副制御基板72は、ボーナス状態中に高い確率で内部当籤役として決定される押し順役に対して正解の押し順を報知する。一方、主制御基板71は、移行権利が付与されていない場合には、特定区間を開始することなくボーナス状態を開始し、主制御基板71及び副制御基板72は、ボーナス状態中に押し順役が内部当籤役として決定されても正解の押し順を報知しない。
(データ例)
図85(B)は、特定区間中のナビ確保方法を実現するためのデータ構成例である。図85(B)に示すように、ボーナス状態中は、ボーナス状態中以外の状態に比べて高い確率で、押し順役(「F_3択役_1st」「F_3択役_2nd」「F_3択役_3rd」)が内部当籤役として決定される。この押し順役は、例えば、押し順に正解した場合には、9枚のメダルが払い出される図柄の組合せが表示され、押し順に不正解の場合には、5枚のメダルが払い出される図柄の組合せが表示されるものである。また、ボーナス状態は、例えば、10枚以上のメダルが払い出されると終了することとする。
このようなデータ例によれば、ボーナス状態中に押し順役に対して正解の押し順を報知する場合には、遊技者は、ボーナス状態中に18枚(=9枚×2回)のメダルの払出を受けることができる一方で、ボーナス状態中に押し順役に対して正解の押し順を報知しない場合には、遊技者は、ボーナス状態中に10枚(=5枚×2回)のメダルの払出しか受けることができないこともある。
<特定区間を用いた前兆実現方法>
続いて、図86及び図87を参照して、本実施形態のパチスロ機1における前兆演出の実現方法について説明する。本実施形態のパチスロ機1では、特定区間への移行抽籤に当籤すると、その遊技中に状態表示器147bを点灯して、移行抽籤に当籤したことを報知するため、複数回の遊技にわたり行う演出を用いて移行抽籤の結果を報知することには適していない。そこで、本実施形態のパチスロ機1では、当否を報せる対象の特定区間(第2特定区間)とは別の特定区間(第1特定区間)を用いて、この第1特定区間中に前兆演出を行うこととしている。
(特定区間移行に関する前兆方法1)
初めに、図86を参照して、第2特定区間への移行に関する前兆実現方法の一手法について説明する。この方法では、ショートART(第1特定区間)及びロングART(第2特定区間)という継続期間の異なる複数の特定区間を設け、ショートART中の遊技を、ロングARTへの移行に関する前兆遊技として扱う。
具体的には、図86(A)に示すように、パチスロ機1では、第1の期間(例えば、3ゲーム間)継続するショートARTと、第1の期間を超える第2の期間(例えば、53ゲーム(3+50)間)継続するロングARTとを設け、通常区間中に、ショートART又はロングARTへの移行抽籤を行う。図86(B)は、移行抽籤に用いる移行抽籤テーブルの一例を示す図である。主制御基板71は、設定値に差のない情報(内部当籤役)に基づいて、設定値により変動することのない確率でショートART又はロングARTへの移行抽籤を行う。
この移行抽籤において、ショートART又はロングARTのいずれかに当籤すると、パチスロ機1では、ショートARTが継続する期間中にロングARTに当籤したか否かを報知する前兆演出を行う。より具体的には、パチスロ機1では、ショートARTに当籤しているときには、このショートARTの継続期間である第1の期間中にロングARTに当籤していないことを報知する前兆演出を行う。一方で、パチスロ機1では、ロングARTに当籤しているときには、ロングARTの継続期間のうちの、開始からショートARTの継続期間である第1の期間までの間、ロングARTに当籤していることを報知する前兆演出を行うとともに、この前兆演出の後にロングARTに固有の演出を行う。
なお、ショートARTを用いて前兆演出を行う場合、ショートART及びロングARTのいずれも特定区間であるため、主制御基板71は、状態表示器147bを点灯させる。すなわち、図86(A)に示すように、主制御基板71は、移行抽籤においてショートARTに当籤した場合には、ショートARTの継続期間である第1の期間中、状態表示器147bを点灯させ、また、移行抽籤においてロングARTに当籤した場合には、ロングARTの継続期間である第2の期間中、状態表示器147bを点灯させる。なお、主制御基板71は、ショートARTとロングARTとで、状態表示器147bを異なる態様で点灯することとしてもよく、また、同じ態様で点灯することとしてもよい。
また、ショートARTを用いて前兆演出を行う場合の、外部機器に対する信号の出力方法も任意である。例えば、主制御基板71は、移行抽籤においてショートARTに当籤した場合には、外部機器に対して信号を出力せずに、移行抽籤においてロングARTに当籤した場合にのみ、外部機器に対して信号を出力することとしてもよい。また、主制御基板71は、移行抽籤においてショートARTに当籤した場合も、ロングARTに当籤した場合もともに、外部機器に対して信号を出力することとしてもよい。
また、ショートART及びロングARTの終了条件としては、特定区間中のゲーム数、特定区間中に行われたナビ回数、特定区間中に払い出されたメダルの枚数や差枚数等の任意の条件を用いることができる。この場合において、ショートARTに対して用いる終了条件と、ロングARTに対して用いる終了条件とは、同一の種別であってもよく、また、異なる種別であってもよい。なお、同一の種別とは、例えば、ショートARTの終了条件としてゲーム数を用いる場合には、ロングARTの終了条件としてもゲーム数を用いることであり、異なる種別とは、例えば、ショートARTの終了条件としてゲーム数を用いる場合に、ロングARTの終了条件としてゲーム数以外の条件を用いることである。
続いて、図86(C)を参照して、ショートARTを用いて前兆遊技を行う場合の演出例について説明する。ショートART又はロングARTに当籤すると、副制御基板72は、表示ユニット100において、例えば「爆破チャンス突入」という演出を行う。この「爆破チャンス」演出は、ショートARTの継続期間である第1の期間中に、爆弾を爆破できるか否かにより、ロングARTへの当籤を報知する演出である。なお、図86に示す例では、ショートARTの継続期間が3ゲーム間であるものとしている。
副制御基板72は、移行抽籤においてショートARTに当籤していた場合(すなわち、ロングARTに非当籤の場合)、爆弾を爆破できないまま「爆破チャンス」演出を終了し、移行抽籤においてロングARTに当籤していた場合には、「爆破チャンス」演出において爆弾の爆破に成功する演出を実行する。なお、ロングARTに当籤していた場合に爆弾の爆破に成功するタイミングは、任意である。例えば、ショートARTの継続期間が3ゲームである場合には、1ゲーム目や2ゲーム目に爆弾の爆破に成功してもよく、3ゲーム目に爆弾の爆破に成功してもよく、また、4ゲーム目の開始時に爆弾の爆破に成功してもよい。
また、ショートART及びロングARTは、特定区間であるため、主制御基板71及び副制御基板72は、前兆演出中に、遊技者にとって有利な停止操作の態様を報知することができる。図86(C)に示す例では、ロングARTの前兆演出である「爆破チャンス」演出中に押し順役が当籤しているため、主制御基板71及び副制御基板72は、当該押し順役に対して正解の押し順を報知している。このようにパチスロ機1では、前兆演出中に遊技者にとって有利な停止操作の態様を報知することができるため、遊技の興趣が高まるはずの前兆演出中に、遊技者に対して損失感を与えてしまうことがない。
(特定区間移行に関する前兆方法2)
続いて、図87を参照して、第2特定区間への移行に関する前兆実現方法の別手法について説明する。上述の前兆方法1では、「爆破チャンス」演出の開始時に既に移行抽籤の結果が確定しているため、前兆演出の結果は前兆遊技の開始時に既に決まってしまっている。続いて説明する別手法では、前兆演出の結果を前兆遊技中に決定可能にする方法である。この方法では、CZ(第1特定区間)とART遊技状態(第2特定区間)という複数の特定区間を設け、CZ中の遊技を、ART遊技状態への移行に関する前兆遊技として扱う。
具体的には、図87(A)に示すように、パチスロ機1では、通常区間中にCZへの移行抽籤を行うとともに、CZ中にARTへの移行抽籤を行う。図87(B)は、移行抽籤に用いる移行抽籤テーブルの一例を示す図である。主制御基板71は、CZへの移行抽籤は、内部当籤役に基づいて行い、ART遊技状態への移行抽籤は、図柄の組合せに基づいて行う。具体的には、主制御基板71は、ベルこぼし目又は1枚出目の図柄の組合せが表示されると、ART遊技状態への移行抽籤を行わず、ベルの図柄の組合せが表示されると、ART遊技状態への移行抽籤を行う。そして、CZ中に押し順ベルに対して正解の押し順を報知することで、CZ中をART遊技状態に移行し易い状態とすることができる。
パチスロ機1では、通常区間中に行う移行抽籤においてCZに当籤すると、図87(C)に示す「爆破チャンス」演出を行う。この「爆破チャンス」演出は、例えば、3ゲーム継続し、この3ゲームの間に押し順ベルが内部当籤役として決定されると、正解の押し順が報知される結果、ART遊技状態への移行抽籤を受けることができる。そして、副制御基板72は、ART遊技状態への移行抽籤に当籤せずにCZが終了すると、爆弾を爆破できないまま「爆破チャンス」演出を終了し、CZの終了前にART遊技状態への移行抽籤に当籤した場合には、「爆破チャンス」演出において爆弾の爆破に成功する演出を実行する。
なお、主制御基板71は、CZ及びART遊技状態の双方において、状態表示器147bを点灯させるが、状態表示器147bの点灯の態様は任意である。すなわち、主制御基板71は、CZとART遊技状態とで状態表示器147bを異なる態様で点灯することとしてもよく、また、同じ態様で点灯することとしてもよい。
また、外部機器に対する信号の出力方法も任意である。例えば、主制御基板71は、移行抽籤にCZに当籤した場合には、外部機器に対して信号を出力せずに、移行抽籤においてART遊技状態に当籤した場合にのみ、外部機器に対して信号を出力することとしてもよい。また、主制御基板71は、移行抽籤においてCZに当籤した場合も、ART遊技状態に当籤した場合もともに、外部機器に対して信号を出力することとしてもよい。
また、CZ及びART遊技状態の終了条件は任意であり、それぞれ異なる種別の終了条件を用いることとしてもよく、また、同一の種別の終了条件を用いることとしてもよい。
また、上述の例の変形として、いわゆるギャップMBの開始時にショートART又はロングARTを開始させる仕様も考えられる。
ここで、ギャップMBとは、例えば、MBの終了条件が14枚を超えるメダルの払出であり、MB中には14枚のメダルが払い出される図柄の組合せ又は15枚のメダルが払い出される図柄の組合せが表示されるMBにおいて、報知が行われる状態では、MB中の1回目の遊技において、14枚のメダルが払い出される図柄の組合せが表示されることになる押し順を報知し、次の遊技において、15枚のメダルが払い出される図柄の組合せが表示されることになる押し順を報知することで、29枚のメダルの払出が得られるものの、報知が行われない状態では、15枚のメダルが払い出される図柄の組合せが表示されることが多く、15枚のメダルの払出で終了してしまうMBをいう。
上述の例では、押し順役が内部当籤役として決定されるまで待ち続ける必要があるものの、このようなギャップMBの開始時にショートARTを開始させると、ショートART開始の遊技と次の遊技で押し順ナビが発生するため、押し順役が内部当籤役として決定されるまで待ち続ける必要がなくなり、遊技が間延びしなくなるため、遊技の興趣が高まる。また、ショートARTで終了したとしても、ギャップMBにより遊技が間延びしないため、通常の遊技でベルナビ回数を消化するよりも得られるメダルが多く、お得感のあるナビ消費を体感できるため、ロングARTにつながらなかったことによる残念さを軽減し、遊技者の遊技意欲の低下を抑制できる。
<ナビ回数の節約方法>
特定区間の継続期間の終了条件として、特定区間中に行われたナビ回数を用いる、いわゆるナビ回数管理のパチスロ機では、ナビ対象の役(報知対象役)が集中して当籤してしまうと、ナビが集中して行われてしまい、結果、特定区間が直ぐに終了してしまう。特定区間が直ぐに終了してしまったのでは、遊技者が不満に感じてしまう原因になってしまうため、以下では、図88を参照して、ナビ回数の節約方法について説明する。
特定区間の継続期間の終了条件としてナビ回数を用いる場合、本実施形態のパチスロ機1では、図88(A)に示すように、ボーナス状態中も遊技者にとって有利な停止操作の態様の報知が必要なボーナス(MB1)と、ボーナス状態中は遊技者にとって有利な停止操作の態様の報知が必要ないボーナス(MB2)とを設ける。具体的には、パチスロ機1では、主制御基板71は、MB1に応じた図柄の組合せが表示されるとMB1遊技状態を開始し、MB2に応じた図柄の組合せが表示されるMB2遊技状態を開始する。
図88(B)に示すように、主制御基板71は、MB1遊技状態中は、押し順に応じて払出枚数が異なる図柄の組合せが表示される役「F_維持リプ_1st+全小役」「F_維持リプ_2nd+全小役」「F_維持リプ_3rd+全小役」を内部当籤役として決定する一方で、MB2遊技状態中は、押し順に関わらず払出枚数が同じ図柄の組合せが表示される役のみを内部当籤役として決定する。そして、MB1遊技状態中は、押し順に応じて払出枚数が異なる可能性があるため、主制御基板71及び副制御基板72は、これらの役が内部当籤役として決定されると、正解の押し順(9枚役が表示される押し順)を報知する。
このようにすることで、特定区間中にMB1遊技状態が開始してしまった場合にはナビ回数を消費しつつ遊技を行うことになるものの、特定区間中にMB2遊技状態を開始できた場合には、ナビ回数を消費することなく遊技を行うことができ、ナビ回数の消費速度を緩和することができる。
なお、MB1遊技状態中は、押し順に応じて払出枚数が異なる図柄の組合せが表示される役を内部当籤役として決定する一方で、MB2遊技状態中は、押し順に関わらず払出枚数が同じ図柄の組合せが表示される役のみを内部当籤役として決定することを実現する方法は任意である。一例として、MB1遊技状態を3ベット専用の遊技状態として、MB1遊技状態中は、リプレイに係る役に関してのみ個別に抽籤しておき、全ての小役を内部当籤役として決定する際に個別に抽籤しておいたリプレイの種別に応じて停止制御を異ならせる。これにより、MB1遊技状態中は、押し順に応じて払出枚数が異なる図柄の組合せが表示される役を内部当籤役として決定することができる。一方で、MB2遊技状態を2ベット専用の遊技状態とし、2ベット時はどの小役もメダルの払出枚数が同じとなる役構成にする。これにより、MB2遊技状態中は、押し順に関わらず払出枚数が同じ図柄の組合せが表示される役のみを内部当籤役として決定することができる。
<リプナビとベルナビの個別管理>
続いて、図89〜図94を参照して、特定区間中にリプナビとベルナビとを個別に管理する方法について説明する。従来のパチスロ機では、特定区間中に、RT遊技状態を高リプ状態に維持するための報知、及びメダルを増加させるための報知の双方の報知を行うことが一般的であるが、これらの報知を個別に管理することで、従来にない新たな遊技性を実現することができる。
(遊技例1)
初めに、図89〜図91を参照して、リプナビとベルナビとを個別管理する場合の遊技例1について説明する。この遊技例1は、特定区間としてリプナビAT及びベルナビATという複数種類の特定区間を有する。リプナビATでは、RT遊技状態を高リプ状態に維持するための報知を行う一方で、メダルを増加させるための報知は行わない。また、ベルナビATでは、少なくともメダルを増加させるための報知を行うとともに、RT遊技状態を高リプ状態に維持するための報知は、必要に応じて行う。
図89(A)は、遊技例1における遊技フローである。図89(A)に示すように、パチスロ機1は、RT遊技状態として、リプレイに係る内部当籤役の種別及びその当籤確率が互いに異なる、RT0遊技状態〜RT3遊技状態の3種類の状態を設ける。RT0遊技状態は、リプレイに係る役が内部当籤役として決定される確率が低確率となる遊技状態であり、ボーナス終了後、初期化処理後、及び設定変更後等に滞在する遊技状態である。また、RT1遊技状態は、リプレイに係る役が内部当籤役として決定される確率が低確率となる遊技状態であり、主に通常遊技において使用される遊技状態である。また、RT2遊技状態は、リプレイに係る役が内部当籤役として決定される確率が高確率となる遊技状態であり、報知に従い移行した場合にはリプナビATとして扱われ、報知に関係なく移行した場合には通常遊技として扱われる遊技状態である。また、RT3遊技状態は、リプレイに係る役が内部当籤役として決定される確率が高確率となる遊技状態であり、主にベルナビATにおいて使用される遊技状態である。
RT0遊技状態からは、RT1遊技状態に移行する可能性がある。具体的には、RT0遊技状態において、ベルこぼし目の図柄の組合せが表示されると、主制御基板71は、遊技状態をRT0遊技状態からRT1遊技状態に移行させる。ここで、図89(B)の当籤役と停止図柄との対応関係に示すように、ベルこぼし目の図柄の組合せは、押し順役である役「F_3択ベル_1st」〜「F_3択ベル_3rd」が内部当籤役として決定された遊技において、押し順に不正解のときに表示される。なお、役「F_3択ベル_1st」〜「F_3択ベル_3rd」が内部当籤役として決定された遊技において、押し順に正解のときには、ベルの図柄の組合せが表示され、9枚のメダルが払い出される。
また、RT1遊技状態からは、RT2遊技状態に移行する可能性がある。具体的には、RT1遊技状態において、RT2移行リプの図柄の組合せが表示されると、主制御基板71は、遊技状態をRT1遊技状態からRT2遊技状態に移行させる。ここで、図89(B)の内部抽籤テーブルに示すように、RT1遊技状態では、押し順役である役「F_RT2移行リプ_123」〜「F_RT2移行リプ_321」を所定の確率で内部当籤役として決定する。そして、図89(B)の当籤役と停止図柄との対応関係に示すように、役「F_RT2移行リプ_123」〜「F_RT2移行リプ_321」が内部当籤役として決定された遊技において、押し順に正解の場合にはRT2移行リプの図柄の組合せが表示され、押し順に不正解の場合にはリプレイの図柄の組合せが表示される。
また、RT2遊技状態からは、RT1遊技状態又はRT3遊技状態に移行する可能性がある。具体的には、RT2遊技状態において、ベルこぼし目又はRT1移行リプの図柄の組合せが表示されると、主制御基板71は、遊技状態をRT2遊技状態からRT1遊技状態に移行させる。ここで、図89(B)の内部抽籤テーブルに示すように、RT2遊技状態では、押し順役である役「F_維持リプ_123」〜「F_維持リプ_321」を所定の確率で内部当籤役として決定する。そして、図89(B)の当籤役と停止図柄との対応関係に示すように、役「F_維持リプ_123」〜「F_維持リプ_321」が内部当籤役として決定された遊技において、押し順に正解の場合にはリプレイの図柄の組合せが表示され、押し順に不正解の場合にはRT1移行リプの図柄の組合せが表示される。主制御基板71は、押し順正解によりリプレイの図柄の組合せが表示された場合には、遊技状態をRT2遊技状態のまま維持し、押し順不正解によりRT1移行リプの図柄の組合せが表示された場合には、遊技状態をRT2遊技状態からRT1遊技状態に移行させる。
また、RT2遊技状態において、RT3移行リプの図柄の組合せが表示されると、主制御基板71は、遊技状態をRT2遊技状態からRT3遊技状態に移行させる。ここで、図89(B)の内部抽籤テーブルに示すように、RT2遊技状態では、押し順役である役「F_RT3移行リプ_123」〜「F_RT3移行リプ_321」を所定の確率で内部当籤役として決定する。そして、図89(B)の当籤役と停止図柄との対応関係に示すように、役「F_RT3移行リプ_123」〜「F_RT3移行リプ_321」が内部当籤役として決定された遊技において、押し順に正解の場合にはRT3移行リプの図柄の組合せが表示され、押し順に不正解の場合にはリプレイの図柄の組合せが表示される。主制御基板71は、押し順正解によりRT3移行リプの図柄の組合せが表示された場合には、遊技状態をRT2遊技状態からRT3遊技状態に移行させ、押し順不正解によりリプレイの図柄の組合せが表示された場合には、遊技状態をRT2遊技状態のまま維持する。
また、RT3遊技状態からは、RT1遊技状態に移行する可能性がある。具体的には、RT3遊技状態において、ベルこぼし目又はRT1移行リプの図柄の組合せが表示されると、主制御基板71は、遊技状態をRT3遊技状態からRT1遊技状態に移行させる。すなわち、主制御基板71は、役「F_3択ベル_1st」〜「F_3択ベル_3rd」が内部当籤役として決定された遊技において、押し順正解によりベルの図柄の組合せが表示された場合には、9枚のメダルを払い出しつつ、遊技状態をRT3遊技状態のまま維持し、押し順不正解によりベルこぼし目の図柄の組合せが表示された場合には、9枚よりも少ない数(又は0枚)のメダルを払い出しつつ、遊技状態をRT3遊技状態からRT1遊技状態に移行させる。
また、図90(C)の移行抽籤テーブルに示すように、パチスロ機1では、主制御基板71は、内部当籤役に基づいてリプナビATへの移行抽籤を行っている。なお、この移行抽籤テーブルは、内部当籤役に基づいてリプナビATへの移行抽籤が行われることを示すものであり、移行抽籤を行うことになる役の種類は単なる例示に過ぎない。
また、図90(C)の移行抽籤テーブルに示すように、パチスロ機1では、主制御基板71は、表示された図柄の組合せに基づいてベルナビATへの移行抽籤を行っている。この遊技例1では、主制御基板71は、RT3移行リプの図柄の組合せが表示された場合にのみ、ベルナビATへの移行抽籤を行い、かつ、RT3移行リプの図柄の組合せが表示された場合には、必ずベルナビATに当籤することとしている。
なお、図示の例では、ベルナビATへの移行抽籤を、RT3移行リプの図柄の組合せが表示されること、すなわち、役「F_RT3移行リプ_123」〜「F_RT3移行リプ_321」が内部当籤役として決定された遊技において押し順に正解することを条件に行うこととしているが、これに限られるものではなく、主制御基板71は、単に、役「F_RT3移行リプ_123」〜「F_RT3移行リプ_321」が内部当籤役として決定された場合に、ベルナビATへの移行抽籤を行うこととしてもよい。
ここで、パチスロ機1では、主制御基板71は、RT2遊技状態中に役「F_RT3移行リプ_123」〜「F_RT3移行リプ_321」を内部当籤役として決定し、その他のRT遊技状態中は役「F_RT3移行リプ_123」〜「F_RT3移行リプ_321」を内部当籤役として決定しない、又はその他のRT遊技状態中はRT2遊技状態中よりも低い確率で役「F_RT3移行リプ_123」〜「F_RT3移行リプ_321」を内部当籤役として決定する。そのため、RT2遊技状態は、その他のRT遊技状態中よりもベルナビATへの移行抽籤を行う頻度が高く、主制御基板71は、RT2遊技状態中は、その他のRT遊技状態(特に、RT1遊技状態)よりも高い頻度でベルナビATへの移行抽籤を行う。
パチスロ機1(主制御基板71及び副制御基板72)では、リプナビAT及びベルナビATのいずれにも当籤していない場合には、遊技者にとって有利な停止操作の態様(正解の押し順)を報知しない。一方で、パチスロ機1では、リプナビATに当籤している場合には、リプナビATに伴う報知を行い、ベルナビATに当籤している場合にはベルナビATに伴う報知を行う。
具体的には、リプナビATに当籤している場合には、主制御基板71及び副制御基板72は、役「F_RT2移行リプ_123」〜「F_RT2移行リプ_321」、役「F_RT3移行リプ_123」〜「F_RT3移行リプ_321」、及び役「F_維持リプ_123」のいずれかが内部当籤役として決定されると、正解の押し順を報知する。一方で、リプナビATに当籤している場合であっても、主制御基板71及び副制御基板72は、役「F_3択ベル_1st」〜「F_3択ベル_3rd」のいずれかが内部当籤役として決定されても、正解の押し順を報知しない。
また、ベルナビATに当籤している場合には、主制御基板71及び副制御基板72は、役「F_3択ベル_1st」〜「F_3択ベル_3rd」のいずれかが内部当籤役として決定されると、正解の押し順を報知する。なお、ベルナビATに当籤している場合には、主制御基板71及び副制御基板72は、役「F_RT2移行リプ_123」〜「F_RT2移行リプ_321」、役「F_RT3移行リプ_123」〜「F_RT3移行リプ_321」、及び役「F_維持リプ_123」のいずれかが内部当籤役として決定されている場合に正解の押し順を報知することとしてもよく、報知しないこととしてもよい。
このようにすることで、リプナビAT中を、ベルナビATへの移行抽籤の頻度が高いRT2遊技状態を維持するための報知を行う特定区間として扱うことができ、また、ベルナビAT中を、メダルを増加させるための報知を行う特定区間として扱うことができる。このように遊技例1では、リプナビATとベルナビATというそれぞれ役割が異なる特定区間を有するため、遊技者にとってみれば、報知が持つ意味が特定区間の種類によって異なることになるため、特定区間中の報知が単調になることなく、興趣の低下を防止することができる。
また、リプナビAT中は、メダルを増加させるための報知は行わないため、メダルの増加が抑えられることになる。パチスロ機では、遊技者と遊技店との利益のバランスを図る必要があるが、メダルが増加する期間が長いと遊技者が得る利益が過大になってしまうため、特定区間に移行し難くするなど他の部分で利益のバランスを図る必要がある。この点、遊技例1のパチスロ機1によれば、メダルを増加させるための報知を行うベルナビATとは別に、メダルを増加させるための報知は行わないリプナビATという特定区間を有するため、特定区間に移行し易い遊技性を実現しつつ、遊技者及び遊技店の利益のバランスを図ることができる。
なお、本実施形態のパチスロ機1では、設定値に差のない情報に基づいて行う移行抽籤を行うことで、特定区間への移行に関する期待度を各設定値に対して同一にすることとしている。この点、移行抽籤自体は、設定値に差のない情報に基づいて行いつつも、特定区間への移行に関する期待度を設定値毎に異ならせることとしてもよい。以下に、その具体的な方法を示す。
上述の遊技例1では、役「F_RT3移行リプ_123」〜「F_RT3移行リプ_321」が内部当籤役として決定されたことに応じて(より詳細には、内部当籤役として決定された場合に正解の押し順で停止操作されたことに応じて)、ベルナビATへの移行抽籤を行うこととしている。移行抽籤を、設定値に差のない情報に基づいて行うため、役「F_RT3移行リプ_123」〜「F_RT3移行リプ_321」は、設定値に関わらず現在の遊技状態に応じた確率で内部当籤役として決定される必要がある。具体的には、主制御基板71は、RT2遊技状態中に設定値に関わらず所定の確率で、役「F_RT3移行リプ_123」〜「F_RT3移行リプ_321」を内部当籤役として決定する。なお、上述したように、RT2遊技状態以外のRT遊技状態においても役「F_RT3移行リプ_123」〜「F_RT3移行リプ_321」を内部当籤役として決定することとしてもよく、この場合には、主制御基板71は、RT2遊技状態以外のRT遊技状態(例えば、RT1遊技状態)中に、設定値に関わらず所定の確率よりも低い確率で、役「F_RT3移行リプ_123」〜「F_RT3移行リプ_321」を内部当籤役として決定する。
また、本実施形態のパチスロ機1では、特定区間への移行抽籤を設定値に関わらず当籤する確率が同一の確率で行うため、役「F_RT3移行リプ_123」〜「F_RT3移行リプ_321」が内部当籤役として決定されたことに応じて(より詳細には、内部当籤役として決定された場合に正解の押し順で停止操作されたことに応じて)、設定値に関わらず同一の確率で当籤する移行抽籤を行う必要がある。そこで、主制御基板71は、ベルナビATへの移行抽籤を行う場合には、設定値に関わらず同一の確率で当籤するように抽籤を行う。
このようにすることで、ベルナビATへの移行抽籤が行われる契機となる、役「F_RT3移行リプ_123」〜「F_RT3移行リプ_321」は、設定値に関わらず同一の確率で内部当籤役として決定され、また、ベルナビATへの移行抽籤は、設定値に関わらず同一の確率で当籤することになる。そのため、一見すると、ベルナビATへの移行に関する期待度は、各設定値に対して同一になるが、本方法では、RT遊技状態の移行に関して設定差を持たせることで、ベルナビATへの移行に関する期待度を設定値毎に異ならせる。
具体的には、主制御基板71は、設定されている設定値に応じた確率で、RT1遊技状態からRT2遊技状態に遊技状態を移行させる。上述のように、RT2遊技状態中は、その他のRT遊技状態よりも高い頻度でベルナビATへの移行抽籤を行うため、移行抽籤の契機や当籤確率には設定差を設けることなく、このRT2遊技状態への移行に関して設定差を設けることで、結果として、ベルナビATへの移行に関する期待度を設定値毎に異ならせることができる。より具体的には、図89(B)に示すRT1用の内部抽籤テーブルにおいて、役「F_RT2移行リプ_123」〜「F_RT2移行リプ_321」を内部当籤役として決定する確率(抽籤値の情報)を、設定値毎に異ならせることで、RT2遊技状態への移行に関して設定差を設けることができる。これにより、役「F_RT2移行リプ_123」〜「F_RT2移行リプ_321」を内部当籤役として決定する確率が高い設定値は、RT2遊技状態に移行し易くなり、結果、ベルナビATへの移行に関する期待度が高くなるため、ベルナビATへの移行に関して設定値毎の特徴を出すことができる。
(遊技例1における演出例)
続いて、図91を参照して、遊技例1のパチスロ機1における演出例について説明する。図91(A)は、当該演出を行う場合の遊技の流れの一例を示す図である。
図91(A)に示すように、1回目の遊技は、RT1遊技状態であり、リプナビAT及びベルナビATのいずれにも当籤していない遊技である。1回目の遊技では、リプナビAT及びベルナビATのいずれにも当籤していないため、状態表示器147bは消灯しており、また、リプナビ回数及びベルナビ回数の双方ともに0回のままである。なお、リプナビ回数とは、役「F_RT2移行リプ_123」〜「F_RT2移行リプ_321」、役「F_RT3移行リプ_123」〜「F_RT3移行リプ_321」、及び役「F_維持リプ_123」のいずれかが内部当籤役として決定されている場合に正解の押し順を報知する回数であり、ベルナビ回数とは、役「F_3択ベル_1st」〜「F_3択_3rd」のいずれかが内部当籤役として決定されている場合に正解の押し順を報知する回数である。
続いて、2回目の遊技では、リプナビATへの移行抽籤に当籤している。そのため、状態表示器147bは点灯パターン1で点灯し、また、リプナビ回数として5回が付与されている。このとき、副制御基板72は、表示ユニット100において図91(B)の(a)に例示する演出を行う。すなわち、副制御基板72は、表示ユニット100にリプナビ回数が付与されたことを表示するとともに、「探索チャレンジ」演出が開始することを表示する。なお、「探索チャレンジ」演出は、リプナビAT中に行われる宝物を探索する演出であり、リプナビ回数が残っている間に宝物を見つけることができた場合には、成功(ベルナビAT)となる演出である。
続いて、3回目の遊技では、役「F_RT2移行リプ_123」〜「F_RT2移行リプ_321」のいずれかが内部当籤役として決定されている。リプナビAT中であるため、主制御基板71及び副制御基板72は、正解の押し順を報知し、RT2遊技状態への移行を促す。この報知に伴い、3回目の遊技では、リプナビ回数が5回から4回に減っている。このとき、副制御基板72は、表示ユニット100において図91(B)の(b)に例示する演出を行う。すなわち、副制御基板72は、表示ユニット100に待機の間(RT1遊技状態)から宝物の間(RT2遊技状態)に移行するための押し順を表示する。遊技者がこの報知に従い停止操作を行うことで、RT2移行リプの図柄の組合せが表示され、その後、図91(B)の(b)に示すように、副制御基板72は、表示ユニット100に待機の間から宝物の間に到着したことを示す表示を行う。
続いて、4回目の遊技では、3回目の遊技においてRT2遊技状態への移行が行われたため、状態表示器147bは点灯パターン2で点灯している。また、4回目の遊技では、役「F_維持リプ_123」〜「F_維持リプ_321」のいずれかが内部当籤役として決定されている。4回目の遊技はリプナビAT中であるため、主制御基板71及び副制御基板72は、正解の押し順を報知し、RT2遊技状態を維持することを促す。この報知に伴い、4回目の遊技では、リプナビ回数が4回から3回に減っている。このとき、副制御基板72は、表示ユニット100において図91(B)の(c)に例示する演出を行う。すなわち、副制御基板72は、表示ユニット100にRT2遊技状態を維持するための押し順を表示する。遊技者がこの報知に従い停止操作を行うことで、RT2遊技状態が維持され、宝物の間における探索が継続することになる。
続いて、5回目の遊技では、役「F_3択ベル_1st」〜「F_3択ベル_3rd」のいずれかが内部当籤役として決定されているが、リプナビAT中であるため、主制御基板71及び副制御基板72は、正解の押し順を報知しない。そのため、副制御基板72は、図91(B)の(d)に示すように、表示ユニット100において押し順が不明であることを示す表示を行う。ここで、図91に示す例では、押し順に不正解であったものとしているため、ベルこぼし目の図柄の組合せが表示されることになる。主制御基板71は、ベルこぼし目の図柄の組合せの表示に伴い、遊技状態をRT2遊技状態からRT1遊技状態に移行させる。また、副制御基板72は、表示ユニット100に宝物の間(RT2遊技状態)から待機の間(RT1遊技状態)に転落してしまったことを示す表示を行う。
続いて、6回目の遊技では、5回目の遊技においてRT1遊技状態への移行が行われたため、状態表示器147bは点灯パターン1で点灯している。また、6回目の遊技では、役「F_RT2移行リプ_123」〜「F_RT2移行リプ_321」のいずれかが内部当籤役として決定されている。リプナビAT中であるため、主制御基板71及び副制御基板72は、正解の押し順を報知し、RT2遊技状態への移行を促す。この報知に伴い、6回目の遊技では、リプナビ回数が3回から2回に減っている。また、副制御基板72は、図91の(e)に示すように、表示ユニット100に待機の間(RT1遊技状態)から宝物の間(RT2遊技状態)に移行するための押し順を表示し、その後、RT2移行リプの図柄の組合せが表示されると、表示ユニット100に待機の間から宝物の間に到着したことを示す表示を行う。
続いて、7回目の遊技では、6回目の遊技においてRT2遊技状態への移行が行われたため、状態表示器147bは点灯パターン2で点灯している。また、7回目の遊技では、役「F_RT3移行リプ_123」〜「F_RT3移行リプ_321」のいずれかが内部当籤役として決定されている。7回目の遊技はリプナビAT中であるため、主制御基板71及び副制御基板72は、正解の押し順を報知する。この報知に伴い、7回目の遊技では、リプナビ回数が2回から1回に減っている。このとき、副制御基板72は、表示ユニット100において図91(B)の(f)に例示する演出を行う。すなわち、副制御基板72は、表示ユニット100に正解の押し順を表示する。
ここで、役「F_RT3移行リプ_123」〜「F_RT3移行リプ_321」のいずれかが内部当籤役として決定されたときに押し順に正解すると、ベルナビATへの移行抽籤が行われベルナビATに当籤することから、副制御基板72は、表示ユニット100にベルナビATに当籤したことを示す表示を行う。また、ベルナビATの当籤に応じて、リプナビ回数及びベルナビ回数にそれぞれ初期値(10)が加算される。なお、ベルナビATに当籤したときにリプナビ回数として1回が残っていることから、ベルナビAT当籤時のリプナビ回数は11回となっている。
その後、8回目の遊技から遊技状態がベルナビATとなり、主制御基板71は、状態表示器147bを点灯パターン3で点灯する。このベルナビATでは、主制御基板71及び副制御基板72は、リプナビ回数が残っている限り、役「F_RT2移行リプ_123」〜「F_RT2移行リプ_321」、役「F_RT3移行リプ_123」〜「F_RT3移行リプ_321」、及び役「F_維持リプ_123」に対して正解の押し順を報知し、ベルナビ回数が残っている限り、役「F_3択ベル_1st」〜「F_3択_3rd」に対して正解の押し順を報知する。
(遊技例2)
続いて、図92〜図94を参照して、リプナビとベルナビとを個別管理する場合の遊技例2について説明する。この遊技例2では、特定区間中は、リプナビ及びベルナビの双方を行うが、双方の報知回数をそれぞれ個別に管理する。すなわち、この遊技例2では、特定区間の終了条件として、リプナビ及びベルナビの双方の回数を用いる。なお、リプナビとは、RT遊技状態を高リプ状態に維持するための報知をいい、ベルナビとは、メダルを増加させるための報知をいう。
図92(A)は、遊技例2における遊技フローである。図92(A)に示すように、遊技例2では、通常区間と特定区間とを有し、また、特定区間中は、リプレイに係る役が内部当籤役として決定される確率が高いリプ高確率(例えば、遊技例1におけるRT2遊技状態やRT3遊技状態)と、リプレイに係る役が内部当籤役として決定される確率が低いリプ低確率(例えば、遊技例1におけるRT1遊技状態)とを有する。
遊技例2では、主制御基板71は、通常区間中に特定区間への移行抽籤を行っており、この移行抽籤に当籤すると、主制御基板71は、遊技状態を通常区間から特定区間に移行させる。なお、遊技例2において、特定区間への移行抽籤は任意の方法により行うこととしてよい。
また、特定区間中にリプナビ回数及びベルナビ回数の双方が0回になると、主制御基板71は、遊技状態を特定区間から通常区間に移行させる。すなわち、遊技例2では、主制御基板71及び副制御基板72は、リプナビ回数が示す回数分だけRT遊技状態を高リプ状態に維持するための報知を行い、ベルナビ回数が示す回数分だけメダルを増加させるための報知を行う。そして、主制御基板71は、リプナビ回数及びベルナビ回数の双方が0回になると、特定区間を終了し、遊技状態を特定区間から通常区間に移行させる。
また、特定区間中に転落リプレイの図柄の組合せが表示されると、主制御基板71は、RT遊技状態を高リプ状態から低リプ状態に移行させ、昇格リプレイの図柄の組合せが表示されると、主制御基板71は、RT遊技状態を低リプ状態から高リプ状態に移行させる。なお、転落リプレイ及び昇格リプレイの図柄の組合せは任意であるが、遊技例1の表現に合わせると、例えば、RT1移行リプの図柄の組合せが転落リプレイの図柄の組合せに相当し、また、RT2移行リプやRT3移行リプの図柄の組合せが昇格リプレイの図柄の組合せに相当する。
なお、RT1移行リプの図柄の組合せは、役「F_維持リプ_123」〜「F_維持リプ_321」が内部当籤役として決定された場合の押し順不正解時に表示され、また、RT2移行リプやRT3移行リプの図柄の組合せは、役「F_RT2移行リプ_123」〜「F_RT2移行リプ_321」、役「F_RT3移行リプ_123」〜「F_RT3移行リプ_321」が内部当籤役として決定された場合の押し順正解時に表示される。そのため、遊技例2におけるリプナビとは、役「F_維持リプ_123」〜「F_維持リプ_321」が内部当籤役として決定された場合に正解の押し順を報知して、転落リプレイの図柄の組合せが表示されることを回避すること、及び、役「F_RT2移行リプ_123」〜「F_RT2移行リプ_321」、役「F_RT3移行リプ_123」〜「F_RT3移行リプ_321」が内部当籤役として決定された場合に正解の押し順を報知して、昇格リプレイの図柄の組合せの表示を促すこと、を含むものである。
なお、役「F_維持リプ_123」〜「F_維持リプ_321」が内部当籤役として決定された場合に正解の押し順で停止操作が行われると、リプレイの図柄の組合せが表示され、RT遊技状態は、現在のRT遊技状態のまま維持される。すなわち、主制御基板71は、高リプ状態中に役「F_維持リプ_123」〜「F_維持リプ_321」が内部当籤役として決定されたときに、リプレイの図柄の組合せが表示されると(押し順正解)、RT遊技状態を高リプ状態のまま維持する一方で、転落リプレイの図柄の組合せが表示されると(押し順不正解)、RT遊技状態を高リプ状態から低リプ状態に移行させる。
続いて、図92(B)は、遊技例2の特定区間の特徴を示す図である。図92(B)に示すように、遊技例2では、特定区間中に、通常ART及び特殊状態という複数の状態を有する。通常ARTと特殊状態とを比較すると、通常ARTは、特殊状態に比べてベルナビ回数の消費速度が速い状態である。また、遊技例2では、特定区間中にリプナビ回数及びベルナビ回数の上乗せを行うところ、通常ARTと特殊状態とを比較すると、特殊状態中は、通常ARTに比べてベルナビ回数の上乗せ量を少なくする一方で、リプナビ回数の上乗せ量を多くする。すなわち、ベルナビ回数の消費速度が抑えられる特殊状態中は、ベルナビ回数よりもリプナビ回数を優先して上乗せする。
(特殊状態の実現方法)
続いて、図93を参照して、ベルナビ回数の消費速度を抑えることが可能な特殊状態の実現方法について説明する。パチスロ機1では、ベルナビの対象となる役として、役「F_3択ベルA_1st」「F_3択ベルA_2nd」「F_3択ベルA_3rd」と、役「F_3択ベルB_12t」「F_3択ベルB_2nd」「F_3択ベルB_3rd」と、を有する。なお、以下では、役「F_3択ベルA_1st」〜「F_3択ベルA_3rd」を単に役「F_3択ベルA」と呼び、役「F_3択ベルB_1st」〜「F_3択ベルB_3rd」を単に役「F_3択ベルB」と呼ぶことがある。
図93(A)に示すように、ボーナス非当籤時、すなわち、ボーナスに係る役が内部当籤役として持ち越されていない状態では、役「F_3択ベルA」及び役「F_3択ベルB」のいずれも押し順に応じて表示される図柄の組合せが異なる役である。具体的には、役「F_3択ベルA」及び役「F_3択ベルB」のいずれも、押し順正解時には、ベルの図柄の組合せが表示され、9枚のメダルが払い出され、押し順不正解時には、ベルこぼし目の図柄の組合せが表示され、9枚よりも少ない数(又は0枚)のメダルが払い出される。
そのため、主制御基板71及び副制御基板72は、ボーナス非当籤時の特定区間中に役「F_3択ベルA」及び役「F_3択ベルB」のいずれかが内部当籤役として決定されると、ベルナビ回数分だけベルナビ(正解の押し順の報知)を行う。言い換えると、ボーナス非当籤時の特定区間中は、役「F_3択ベルA」又は役「F_3択ベルB」のいずれが内部当籤役として決定された場合であっても、ベルナビ回数が減ることになる。
一方で、図93(B)に示すように、フラグ間中、すなわち、ボーナスに係る役が内部当籤役として持ち越されている状態では、役「F_3択ベルB」は押し順に応じて表示される図柄の組合せが異なる役であるが、役「F_3択ベルA」は押し順に関わらず表示される図柄の組合せが同一の役である。具体的には、役「F_3択ベルB」は、押し順正解時には、ベルの図柄の組合せが表示され、9枚のメダルが払い出され、押し順不正解時には、ベルこぼし目の図柄の組合せが表示され、9枚よりも少ない数(又は0枚)のメダルが払い出される。一方で、役「F_3択ベルA」は、押し順に関わらず、ベルの図柄の組合せが表示され、9枚のメダルが払い出される。
そのため、主制御基板71及び副制御基板72は、フラグ間の特定区間中に役「F_3択ベルA」が内部当籤役として決定された場合には、押し順の報知を行わずに、フラグ間の特定区間中に役「F_3択ベルB」が内部当籤役として決定された場合に、ベルナビ回数分だけベルナビ(正解の押し順の報知)を行う。言い換えると、フラグ間の特定区間中は、役「F_3択ベルA」が内部当籤役として決定されてもベルナビ回数は減らずに、役「F_3択ベルB」が内部当籤役として決定された場合にベルナビ回数が減ることになる。
このように、ボーナスに係る役が内部当籤役として持ち越されているか否かに応じて、通常ARTと特殊状態とを区別することで、ベルナビ回数の消費速度を抑えることが可能な特殊状態の実現することができる。すなわち、上述の例の場合には、ボーナス非当籤時の特定区間を通常ARTとし、フラグ間の特定区間を特殊状態とすることで、ベルナビ回数の消費速度を抑えることが可能な特殊状態の実現することができる。
(上乗せ例)
続いて、図94を参照して、リプナビ回数及びベルナビ回数の上乗せ方法について説明する。図94(A)の上乗せ抽籤テーブルは、内部当籤役及び遊技状態毎に、ベルナビ回数及びリプナビ回数の上乗せ量に対する抽籤値の情報を規定する。パチスロ機1では、主制御基板71は、図94(A)に示す上乗せ抽籤テーブルを参照して、ベルナビ回数及びリプナビ回数の上乗せを行う。なお、図94(B)は、図94(A)の上乗せ抽籤テーブルに応じた上乗せの期待度の概要を示す図である。
図94(A)(B)を参照すると、通常ARTと特殊状態とでは、ベルナビ回数の上乗せ期待度とリプナビ回数の上乗せ期待度が異なることが分かる。具体的には、サボテン及び弱チェリーに基づく上乗せでは、通常ART中は、ベルナビ回数の方が上乗せされ易い一方で、特殊状態中は、リプナビ回数の方が上乗せされ易い。より具体的には、特殊状態中は通常ART中に比べて、ベルナビ回数の上乗せ量を少なくし、反対にリプナビ回数の上乗せ量を多くしている。
なお、図94に示す例では、強チェリーに基づく上乗せは、通常ART中と特殊状態中とで、上乗せ期待度を同一にしている。
このような遊技例2のパチスロ機1では、特定区間中にリプナビとベルナビとを個別に管理し、リプナビ回数分だけリプナビを行い、また、ベルナビ回数分だけベルナビを行う。これにより、特定区間中にリプナビの対象となる役、又はベルナビの対象となる役のいずれかが集中して内部当籤役として決定された場合であっても、いずれか一方のナビ回数のみが消費され、他方のナビ回数が消費しないため、ナビ回数の消費速度を緩和することができる。
また、遊技例2のパチスロ機1では、特定区間として通常ARTと特殊状態とを設け、現在の状態に応じて上乗せの期待度を異ならせることとしている。具体的には、ベルナビ回数の消費速度が速い通常ART中は、ベルナビ回数が上乗せされ易くし、反対に、ベルナビ回数の消費速度が抑えられる特殊状態中は、ベルナビ回数の上乗せ量を少なくして、リプナビ回数の上乗せ量を多くする。これにより、ナビ回数の消費速度を緩和することができ、結果、特定区間中の興趣を損ねることがない。
<終了期間の異なるCZの選択方法>
続いて、図95を参照して、終了期間の異なるCZの選択方法について説明する。本実施形態のパチスロ機1では、特定区間が長期間にわたり継続した場合には終了条件を満たすことなく、特定区間から通常区間へ移行することとしている(リミット処理)。また、特定区間にはART遊技状態の他にCZも含まれるため、リミット処理が行われる場合には、CZから連続して行われるART遊技状態は、CZが継続した遊技回数分だけ遊技期間が短くなってしまう。そこで、本実施形態のパチスロ機1では、終了期間の異なるCZの中から実行するCZを遊技者が選択可能にするとともに、選択の際に遊技者にとって好ましいと考えられるCZを選択し易くしている。
図95に示すように、本実施形態のパチスロ機1では、終了期間の異なる複数のCZを有する。具体的には、図95(A)に示すCZ「短期戦」は、終了期間が0ゲームのCZであり、図95(B)に示すCZ「勝負」は、終了期間が1ゲームのCZであり、図95(C)に示すCZ「安定」は、終了期間が10ゲームのCZであり、図95(D)に示すCZ「波乱」は、終了期間が10ゲームのCZであり、図95(E)に示すCZ「長期戦」は、終了期間が30ゲームのCZである。パチスロ機1では、主制御基板71は、CZの継続期間が実行する種類のCZの終了期間を超えると、CZを終了して遊技状態を通常区間に移行する。一方で、主制御基板71は、CZの継続期間が実行する種類のCZの終了期間を超える前に、ART遊技状態への移行抽籤に当籤すると、CZを終了して遊技状態をART遊技状態に移行する。
ここで、CZの選択方法について説明する。図95(A)〜(E)は、CZを選択するための選択画面である。この選択画面には、CZを選択するための選択カーソルが設けられている。図95において選択カーソルは、図95(A)ではCZ「短期戦」を指しており、図95(B)ではCZ「勝負」を指しており、図95(C)ではCZ「安定」を指しており、図95(D)ではCZ「波乱」を指しており、図95(E)ではCZ「長期戦」を指している。この選択カーソルは、例えば、時間の経過に伴い選択するCZを切り替える。
選択画面では、チャンスボタン(図示せず)に対する遊技者の操作を受け付けており、主制御基板71は、チャンスボタンが操作されたタイミングで選択カーソルが指しているCZを選択するものとして、実行するCZの選択を受け付け、その後、選択されたCZを開始する。すなわち、図95(A)のタイミングでチャンスボタンが操作された場合には、主制御基板71は、CZ「短期戦」を選択するものとして、遊技者からの選択を受け付け、その後、CZ「短期戦」を開始する。なお、主制御基板71による選択カーソルが指しているCZの特定方法は任意であるが、例えば、選択カーソルが指し示すCZを切り替える間隔を、主制御基板71においてもカウントしておくことで、主制御基板71において選択カーソルが指しているCZを特定することができる。
本実施形態のパチスロ機1では、選択カーソルは、初期状態において、終了期間が最も短いCZ「短期戦」を指しており、その後、時間の経過に伴い、終了期間が短い順に他のCZを指し示す。例えば、選択カーソルは、時間の経過に伴い、CZ「短期戦」、CZ「勝負」、CZ「安定」、CZ「波乱」、CZ「長期戦」の順にCZを指し示す。
ここで、上述のようにリミット処理が行われる場合には、CZが継続した遊技回数分だけART遊技状態の遊技期間が短くなってしまうため、終了期間が最も短いCZ「短期戦」は、遊技者にとって好ましいと考えられる。パチスロ機1では、選択カーソルが指しているCZに基づいてCZの選択が行われるが、選択カーソルの初期状態として、CZ「短期戦」を指し示すこととすることで、遊技者にとって親切なCZの選択方法を実現することができる。
また、遊技者によっては、選択画面において何らの選択もすることなく遊技を進行することがある。例えば、選択画面においてチャンスボタンに対する操作を受け付けることなく、スタートレバー6が操作され遊技が開始した場合(すなわち、所定の操作が行われた場合)には、遊技者による選択が行われていないことになる。このようにCZの選択を受け付けることなく遊技が開始された場合には、主制御基板71は、終了期間が異なる複数のCZのうち終了期間が最も短いCZを開始する。すなわち、主制御基板71は、遊技者がCZを選択することなく遊技を開始した場合には、遊技を開始したタイミングにおける選択カーソルの位置に関係なく、終了期間が最も短いCZ「短期戦」を自動的に選択し、その後、CZ「短期戦」を開始する。これにより、遊技者にとって親切なCZの選択方法を実現することができる。
なお、このような選択画面は、例えばCZの開始時、言い換えるとCZへの移行権利が付与されている状態で表示される。すなわち、主制御基板71は、ART遊技状態に移行させるか否かの移行抽籤を行うCZへの移行権利を付与するとともに、このCZへの移行権利が付与されている状態で、複数種類のCZの中から一のCZの選択を受け付ける。
<特定区間開始時のリール制御>
続いて、図96〜図98を参照して、特定区間を開始する際のリール制御について説明する。本実施形態のパチスロ機1では、特定区間を開始する際に「7−7−7」等の特定の図柄の組合せ(以下、「AT開始出目」と呼ぶ)を表示可能にリールの停止制御を行う。具体的には、主制御基板71は、特定区間への移行抽籤に当籤すると、特定区間への移行権利を付与する。この特定区間への移行権利は、遊技状態が特定区間に移行するまで持ち越され、遊技状態が特定区間に移行するとクリア(剥奪)される。すなわち、主制御基板71は、移行権利が付与されている状態で特定区間への移行条件(例えば、AT開始出目が表示)を満たすと、遊技状態を特定区間に移行させるとともに、移行権利をクリアする。そして、主制御基板71は、移行権利が付与されている場合と、移行権利が付与されていない場合とで、異なる態様でリール3L,3C,3Rの回転を停止する(すなわち、リールの停止制御を異ならせる)。
図96及び図97は、リールの停止制御に用いられる回胴停止初期設定テーブルの一例を示す図であり、上述した図49のステップS9及びステップS12において用いられる。この回胴停止初期設定テーブルは、リール3L,3C,3Rの回転を停止するためのリール停止制御情報を決定する際に参照される。回胴停止初期設定テーブルは、内部当籤役として決定された役、現在の遊技状態、及び特定区間への移行権利の有無に対応付けて、当該役が内部当籤役として決定された際に用いられるリール停止制御情報を規定する。主制御基板71は、回胴停止初期設定テーブルを参照して、内部当籤役、遊技状態及び移行権利の有無に対応するリール停止制御情報を取得し、当該リール停止制御情報を用いてリール3L、3C、3Rを停止させる。
当籤役、遊技状態及び移行権利の有無に対応付けられたリール停止制御情報は、回胴停止用番号、押下順序別判定データ(引込優先順位テーブル番号、引込優先順位選択テーブル番号)、テーブル番号選択値(変更ステータス、ストップ用テーブルデータ)、第一回胴第一停止用テーブル変更データ、第一回胴停止データテーブル選択データ(左第1停止用停止テーブル)、第一回胴第一停止用テーブル変更初期データ選択値(変更ステータス、テーブル番号)、及び検索順序データテーブル番号を含む情報である。
「押下順序別判定データ」は、引込優先順位テーブル番号と、引込優先順位選択テーブル番号とを含む。「引込優先順位テーブル番号」は、引込優先順位テーブル(図示せず)を選択するための番号である。また、「引込優先順位選択テーブル番号」は、引込優先順位選択テーブル(図示せず)を選択するための番号である。
「テーブル番号選択データ」は、第一停止リールが左リール3L以外である場合に、全てのリールを停止させるときに参照される値であり、変更ステータスと、ストップ用テーブルデータと、を含む。
「ストップ用テーブル番号」は、第一停止リールが左リール3L以外である場合に、全てのリールを停止させるときに参照されるストップ用テーブルを選択するための番号である。「変更ステータス」は、ストップ用テーブルデータに基づいて選択されたストップ用テーブルにおいて参照されるラインを表す一遊技ごとのラインステータスを変更するためのデータであり、本実施の形態におけるラインステータスの初期状態は、Aラインである。ここで、変更ステータスが「0」の場合には、ラインステータスの変更は行われず、「2」の場合には、ラインステータスがAラインであれば、Bラインに変更される。
第一回胴第一停止用テーブル変更データと、第一回胴停止データテーブル選択データと、第一回胴第一停止用テーブル変更初期データ選択値とは、第一停止リールが第一回胴すなわち左リール3Lである場合に参照されるデータである。
「第一回胴第一停止用テーブル変更データ」は、第一停止リールが左リール3Lである場合に、第二停止目以降にも同じ左第一停止後停止テーブルを使用するか変更するかを示すデータである。第一回胴第一停止用テーブル変更データに値(0以外の値)がある場合には、停止予定位置を基に変更データ検索テーブルを選択し、データの検索を行って第2停止目以降の停止テーブルを選択する。
「第一回胴停止データテーブル選択データ」は、第一回胴を停止させるときに参照される第一回胴停止データテーブル(図示せず)を選択するための番号である。
「第一回胴第一停止用テーブル変更初期データ選択値」は、第二及び第三回胴を停止させるときに参照されるデータであり、テーブル番号と、ラインステータスとを含む。「テーブル番号」は、第二及び第三停止リールを停止させるときに参照される第一回胴第一停止後停止データテーブルを選択するための番号である。「変更ステータス」は、テーブル番号に基づいて選択された第一回胴第一停止後停止データテーブルにおいて参照されるラインを表す一遊技ごとのラインステータスを変更するためのデータである。変更ステータスが「0」の場合には、ラインステータスの変更は行われず、「2」の場合には、ラインステータスがAラインであれば、Bラインに変更され、「3」の場合には、ラインステータスがAライン又はBラインであれば、Cラインに変更される。
「検索順序テーブル番号」は、滑り駒数を決定するための検索順序テーブル(図示せず)を選択するための番号である。
図96(A)(B)に示すように、パチスロ機1では、ボーナスに係る役が内部当籤役として決定されているか否かに応じてそれぞれ異なるリール停止制御情報が用いられる。具体的には、ボーナスに係る役が非当籤の際に参照される図96(A)の回胴停止初期設定テーブルでは、役「F_3択ベル_1st」に対して回胴停止用番号「17」のリール停止制御情報が規定されており、ボーナスに係る役が当籤している際に参照される図96(B)の回胴停止初期設定テーブルでは、同一の役「F_3択ベル_1st」に対して回胴停止用番号「31」のリール停止制御情報が規定されている。このようにパチスロ機1では、ボーナスに係る役の当籤の有無に応じてリール停止制御情報を異ならせることで、ボーナスに係る役が内部当籤役として決定されている場合にリールの停止制御を異ならせることができる。
同様に、図96(A)及び図97(C)に示すように、パチスロ機1では、移行権利が付与されているか否かに応じてそれぞれ異なるリール停止制御情報が用いられる。具体的には、移行権利が付与されていない場合に参照される図96(A)の回胴停止初期設定テーブルでは、役「F_3択ベル_1st」に対して回胴停止用番号「17」のリール停止制御情報が規定されており、移行権利が付与されている場合に参照される図97(C)の回胴停止初期設定テーブルでは、同一の役「F_3択ベル_1st」に対して回胴停止用番号「41」のリール停止制御情報が規定されている。このようにパチスロ機1では、移行権利の有無に応じてリール停止制御情報を異ならせることで、特定区間への移行抽籤に当籤している場合にリールの停止制御を異ならせることができる。
続いて、図96及び図97に示す回胴停止初期設定テーブルを用いてリールの停止制御を行う場合の、当籤役と停止図柄との対応関係を図98に示す。図98に示すように、特定区間への移行権利が付与されていない通常区間では、内部当籤役が「はずれ」である場合には「はずれ」の図柄の組合せが表示され、また、内部当籤役が役「F_3択ベル_1st」〜「F_3択ベル_3rd」である場合には、押し順に正解するとベルの図柄の組合せが表示され、押し順に不正解するとベルこぼし目又は1枚出目の図柄の組合せが表示される。
一方で、特定区間への移行権利が付与されている特定区間の待機区間では、内部当籤役が「はずれ」のときは、目押し操作が正確である場合にはAT開始出目の図柄の組合せが表示され、目押し操作が不正確である場合には「はずれ」の図柄の組合せが表示される。また、内部当籤役が役「F_3択ベル_1st」〜「F_3択ベル_3rd」のときには、目押し操作が正確である場合にはAT開始出目の図柄の組合せが表示され、目押し操作が不正確である場合にはベル、ベルこぼし目又は1枚出目の図柄の組合せが表示される。
このようにパチスロ機1では、特定区間への移行権利の有無に応じてリールの停止制御を異ならせるため、特定区間の開始時に遊技者の停止操作に応じてAT開始出目の図柄の組合せを表示するようにリールの回転を停止することができる。
また、パチスロ機1では、移行先の特定区間の種別に応じてリールの停止制御を異ならせることとしてもよい。すなわち、パチスロ機1では、遊技者にとって有利の度合いが異なる複数の特定区間を有し、主制御基板71は、一の特定区間への移行権利が付与されている場合と、当該一の特定区間とは異なる他の特定区間への移行権利が付与されている場合とで、リールの停止制御を異ならせることとしてもよい。具体的には、一の特定区間への移行権利が付与されている場合と他の特定区間への移行権利が付与されている場合とで、同一の役が内部当籤役として決定されたときに用いられるリール停止制御情報が異なるように、回胴停止初期設定テーブルを設ければよい。
これにより、移行先の特定区間の種別に応じてリールの停止制御を異ならせることができるため、例えば、遊技者にとってより有利な特定区間に移行する場合とそれ以外の特定区間に移行する場合とで、特定区間の開始時に表示される図柄の組合せを異ならせることができる。遊技者にとってみれば、特定区間の開始時に表示される図柄の組合せによりその後の遊技の有利度合いが異なることになるため、特定区間の開始時の停止操作に対して強い関心を抱くことになり、遊技の興趣が向上する。
なお、パチスロ機1では、ボーナス状態やRT遊技状態に応じては、内部当籤役の当籤確率が異なるものの、特定区間の種別に応じては、内部当籤役の当籤確率は異ならない。
ここで、近年では、内部抽籤の結果に応じて制御されるリール(以下、「第1メインリール」)の他に別のリール(以下、「第2メインリール」)を設けるパチスロ機も知られている。例えば、第1メインリールとして、上述のリール3L,3C,3Rの3つのリールを有し、第2メインリールとして、リール3Rの右に一列だけ設けられるリールを有するパチスロ機などが知られている。移行抽籤の結果に応じて停止制御を異ならせるリールは、第1メインリールであってもよく、また、第2メインリールであってもよい。
移行抽籤の結果に応じて第2メインリールの停止制御を異ならせる場合、主制御基板71は、特定区間への移行抽籤を行った遊技では、スタートレバー6の操作に応じて、第1メインリールの回転を開始する前に第2メインリールの回転を開始する。そして、ストップボタン7Rが操作されると、主制御基板71は、特定区間への移行抽籤の結果に応じて第2メインリールの回転を停止する。具体的には、特定区間への移行抽籤に当籤している場合には、当籤していない場合には表示されることのない図柄を表示可能に、第2メインリールの回転を停止する。このようにして特定区間への移行抽籤の結果に応じて第2メインリールの回転を停止すると、その後、主制御基板71は、第1メインリールの回転を開始する。
なお、上述の例では、ストップボタン7Rの操作に基づいて第2メインリールを停止することとしているが、ストップボタン7L,7C,7Rの他に第2メインリール専用のストップボタンを設けることとしてもよい。また、第2メインリールは1つとせずに複数設けることとしてもよい。
このように特定区間の移行抽籤の結果に対する停止操作と、内部抽籤の結果に対する停止操作とを切り分けることで、双方の目押しを楽しむことができるとともに、遊技者がゲーム性を把握し易くなる。
<設定変更時の制御>
続いて、図99を参照して、設定変更時の制御について説明する。図99は、設定変更時とメインRAM33のクリア時との制御内容の対応関係を示す図である。本実施形態のパチスロ機1において、主制御基板71は、新たな設定値が設定された場合(設定変更時)は、フラグ間中であっても内部当籤役として持ち越されているボーナスに係る役をクリアすることなく維持し、特定区間中であっても特定区間を維持し、また、特定区間の移行抽籤に当籤している待機区間中であっても移行抽籤の結果を維持する。すなわち、パチスロ機1では、フラグ間中、特定区間中又は待機区間中に新たな設定値が設定された場合であっても、新たな設定値が設定される前の遊技状態がそのまま維持される。
なお、新たな設定値が設定された場合(設定変更時)とは、設定1から設定6というように異なる設定値へ変更する場合だけに限定されず、設定1から設定1というように同じ設定値を再設定する場合(いわゆる同一設定への打ち直し)も含まれる。
一方で、メインRAM33がクリアされた場合(RAMクリア時)は、主制御基板71は、全ての遊技状態をクリアする。すなわち、主制御基板71は、フラグ間中にRAMクリアがされた場合には、持ち越されているボーナスに係る役をクリアし、特定区間中にRAMクリアがされた場合には、特定区間を終了し遊技状態を通常区間に移行し、待機区間中にRAMクリアがされた場合には、移行抽籤の結果をクリアする。
このようにパチスロ機1では、特定区間中にRAMクリアが行われた場合には特定区間をクリアするものの、特定区間中に設定変更が行われた場合には、特定区間のまま維持する。遊技店側からすると、設定値を変更しつつ特定区間を維持/クリアするか選択することができるため、パチスロ機の運営に関して遊技店側に多様な選択肢を与えることができる。
なお、設定変更の操作は、例えば、設定用鍵型スイッチ430(図69参照)を介して行うことができ、また、RAMクリアの操作は、例えば、リセットスイッチ442(図69参照)を介して行うことができる。
[第3実施形態]
続いて、第3実施形態のパチスロ機1について説明する。なお、第3実施形態のパチスロ機1について、第1実施形態又は第2実施形態のパチスロ機1と同様の構成、制御については、詳細な説明を省略する。また、第2実施形態において説明した「特定区間」については、第3実施形態において「有利区間」と称し、いわゆるナビや演出態様を加味した遊技状態を「出玉状態」と称する。その他、第1〜3実施形態において説明したものと同一又は類似の要素で異なる用語を用いる際は、その用語の末尾に第1〜3実施形態で使用した用語を括弧書きで付す。以下に示す第3実施形態のパチスロ機1の特徴は、第1〜3実施形態のパチスロ機1においても同様に適用することができる。
[第3実施形態のパチスロ機の遊技フロー]
初めに、第3実施形態のパチスロ機1の遊技フローについて説明する。図100は、第3実施形態のパチスロ機1の出玉状態の遷移フローである。図101は、出玉状態のうちMB作動中の処理を示す図である。図102は、出玉状態及び遊技状態の概要を一覧にまとめて示す図である。なお、図101及び図102において示す出玉状態やモードなどは、主制御基板71により制御される。
図100に示すように、出玉状態は、大きく分けて通常区間と有利区間とに分けられる。通常区間では、主制御基板71の制御により有利区間ランプ(状態表示器147b)が消灯状態とされ、有利区間では、主制御基板71の制御により有利区間ランプ(状態表示器147b)が点灯状態とされる。有利区間ランプは、消灯状態によって有利区間に滞在していない旨を遊技者に告知する一方、点灯状態によって有利区間に滞在している旨を遊技者に告知する。ただし、本実施形態においては、有利区間に滞在して有利区間ランプが点灯している状態にあっても、報知ランプ147aの点灯態様によって必要な停止操作の情報を遊技者に報知することを抑制(不許容)する状態と許容する状態とがある。図101に示すように、MBは、通常区間と有利区間とのいずれにあってもMBの入賞に応じて作動する。なお、本実施形態においては、当籤時にいずれの押し順によっても必ず入賞し、1枚を超えるメダル払出を終了条件として1Gで終了するショートMB(略して「SMB」という)と、基本的に当籤によりフラグ間状態を経て入賞し、81枚を超えるメダル払出を終了条件として複数ゲームを消化することで終了するロングMB(略して「LMB」という)とがある。LMBは、当籤確率について設定差が無く、SMBは、当籤確率について設定差が有る。以下の説明においては、SMB及びLMBをまとめてMBという。
本実施形態では、主制御基板71は、各種の抽籤処理を行うことで、出玉状態を制御するが、こうした出玉状態を制御する各種の抽籤処理は、大別して通常処理と共通処理とに分けられる。なお、主制御基板71は、通常区間中は、通常処理のみを行い、共通処理を行うことがなく、また、有利区間中は、通常処理と共通処理との双方の処理を行うことができる。
通常処理は、内部当籤役や表示された図柄組合せに応じて行う処理であり、本実施形態では、主制御基板71は、内部当籤役を決定すると、決定した内部当籤役に応じて各種の抽籤処理を行い、出玉状態を制御する。この通常処理は、内部当籤役として決定される確率について設定差のない役が内部当籤役として決定された場合に、設定値に関わらず同一の確率で行われる抽籤処理である。なお、図102に示すように、LMBの作動中は、内部当籤役に応じて各種の通常処理を行うものの、SMBの作動中は、内部当籤役に基づく通常処理は行わない。これは、LMBは、当籤確率について設定差が無いため、LMB作動中という状態に滞在する確率も設定差が無いが、SMBは、当籤確率について設定差が有るため、SMB作動中という状態に滞在する確率には設定差が有る。通常処理は、設定差無く行う処理であるため、状態に滞在する確率が異なる時点で設定差が表れてしまうため、主制御基板71は、SMBの作動中は通常処理を行わない。
また、共通処理は、ボーナスの作動時に行う処理であり、本実施形態では、主制御基板71は、MBの作動時に各種の抽籤処理を行い、出玉状態を制御する。この共通処理は、MBの作動時に設定値に関わらず同一の確率で行われる抽籤処理である。なお、MBの作動時とは、対応する図柄組合せが表示されたことを契機にMB(ボーナス)が作動するタイミングをいう(第1実施形態の図62のS235参照)。なお、上述の共通処理とは異なり、主制御基板71は、SMBの作動時及びLMBの作動時の双方において、共通処理により各種の抽籤処理を実行可能である。
通常区間は、出玉状態として「通常」が実行される。図100及び図102に示すように、「通常」は、電源オン後や設定変更後の初期状態であり、後述する有利区間の終了後に有利区間に関する全ての変数がクリアされ、この「通常」の状態に移行する。「通常」では、ナビが行われず、単位遊技(一のゲーム)ごとに有利区間移行抽籤が実行される。有利区間移行抽籤で当籤すると、有利区間当籤となる。有利区間当籤には、「通常当籤」と「ART当籤」とがある。「通常当籤」の場合、次ゲームから出玉状態として後述する「通常有利」に移行する。一方、「ART当籤」の場合、出玉状態として後述する「ART前兆」に移行する。なお、有利区間移行抽籤については後述する。
有利区間は、主たる出玉状態として、「通常有利」、「SCZ」、「ART前兆」、「MB_HCZ」、「上乗せ特化ゾーン」、「ART」、「エンディング」が実行可能である。有利区間は、最大払出枚数の押し順小役(本実施形態では、「押し順ベル」又は「打順ベル」)を入賞させ得るナビ(ベルナビ)が発生可能な状態であり、有利区間に応じた特典が付与されるまで終了させることができない。なお、本実施形態において、有利区間に応じた特典とは、ベルナビの発生(押し順ベルの当籤)、又はボーナス(MB)の作動をいう。言い換えると、本実施形態では、有利区間は、ベルナビの発生(押し順ベルの当籤)あるいはボーナス(MB)の作動といった終了条件のうち、少なくともいずれかの終了条件が成立するまでは終了させることができない。上記の終了条件が成立すると、後述する有利区間終了抽籤が実行され、この抽籤結果に応じて「通常」に移行する。有利区間終了抽籤の抽籤結果によっては、有利区間が継続される場合もある。ただし、本実施形態では、MBが作動する場合を除き、有利区間が開始されてから例えば100G経過するまでは、押し順ベルに当籤してもベルナビが発生させられないベルナビ非発生状態(報知抑制状態、「待機区間」ともいう)とされる。すなわち、本実施形態においては、原則として、有利区間の開始からMBが作動することなく所定ゲーム数(100G)経過したことを条件に、押し順ベルの当籤に応じて初回のベルナビが発生可能(ベルナビ発生可能状態、報知許容状態)となる。なお、例外として、有利区間の開始から所定ゲーム数(100G)が経過する前であっても、MBに当籤した場合は、ベルナビ発生可能状態(報知許容状態)となる。なお、ゲーム数に関係なく押し順ベルの当籤についてフラグで管理し、フラグの有無や数に応じてベルナビ非発生状態とベルナビ発生可能状態とを制御するようにしてもよい。また、本実施形態では、有利区間が開始されてから例えば1500Gに達すると、上記有利区間の終了条件(押し順ベル当籤、ボーナス(MB)作動)が成立する前であっても、有利区間が強制的に終了させられ、通常区間(「通常」の状態)に移行するといったリミット処理が実行される。例えば、ARTの状態であって有利区間の開始から1500Gに到達すると、ARTの残りゲーム数がたとえ残存していても、リミット処理が実行される。これにより、ARTと共に有利区間が終了させられ、通常区間に移行させられる。
図100及び図102に示すように、「通常有利」は、「通常」において有利区間抽籤により「通常当籤」となることで移行する。また、「通常有利」は、「ART」終了時の有利区間終了抽籤で継続となる抽籤結果が得られた場合のほか、後述「SCZ」においてART非当籤で残り0Gとなった場合にも移行する。「通常有利」においては、SCZ抽籤及び後述するART抽籤が実行される。SCZ抽籤に当籤すると、「通常有利」から後述する「SCZ」の状態に移行し、ART抽籤に当籤すると、「通常有利」から後述する「ART前兆」の状態に移行する。
「通常有利」には、“低確”、“天国準備”、“天国”、“超天国”、“特殊”、“次回前兆”といったART抽籤の「ART」当籤確率が異なる通常モードがある。通常モードの種類は、「通常」において有利区間抽籤により「通常当籤」となった場合、後述する有利区間初期通常モード抽籤により当初決定される。「通常有利」中の通常モードは、当籤役に応じて通常モード移行抽籤が実行され、抽籤結果に応じて基本的にART抽籤の当籤確率が高いモードに昇格したりあるいはモードが維持される。
また、「通常有利」には、“低確”、“高確A”、“高確B”、“高確C”、“高確D”といった「SCZ」の当籤確率が異なるSCZモードがある。SCZモードの種類は、当初“低確”であり、「通常有利」中に行うSCZモードの移行抽籤により昇格・転落あるいは維持される。本実施形態において、「通常有利」中に行うSCZモードの移行抽籤には、当籤役に応じて行うSCZモード移行抽籤と、MBの作動時に行うSCZモード移行抽籤と、「通常有利」中の経過ゲーム数が規定ゲーム数に達したときに行う規定ゲーム数到達時専用のSCZモード移行抽籤とがある。ここで、当籤役に応じて行うSCZモード移行抽籤では、基本的にSCZモードは、「SCZ」の当籤確率が低いモードに転落又は維持され、また、MB作動時に行うSCZモード移行抽籤では、基本的にSCZモードは、「SCZ」の当籤確率が高いモードに昇格又は維持される。
また、規定ゲーム数到達時専用のSCZモード移行抽籤は、例えば「通常有利」中の経過ゲーム数が20G、40G、80Gに到達すると実行され、「SCZ」の当籤確率が高いモードに昇格又は維持される。また、本実施形態では、「通常有利」中の経過ゲーム数が120Gに到達すると、SCZモードが専用の抽籤モード(高確D)となり、SCZ抽籤及びART抽籤において当籤確率が当初より上がる。なお、専用の抽籤モード(高確D)となる“ハマリ天井”となった後は、「通常有利」から「通常」への移行契機となる後述する有利区間終了抽籤(図122参照)を行わないものとし、実質的に「ART」当籤を確定させることが望ましい。このような救済的な措置を行うことにより、押し順ベルやMBにほぼ当籤することなく120ゲーム程度遊技を進めることで、メダルを減らした遊技者に対して恩恵を付与することができ、「通常有利」の状態においてあいにく押し順ベルやMBを引くこと(当籤)ができなかった場合であったとしても、“ハマリ天井”到達への期待感をもって遊技を進めることができるようになり、遊技の興趣が低下することを抑制することができる。なお、「通常有利」中の経過ゲーム数とは、「通常」から「通常有利」に移行した後、「ART」又は「通常」に移行するまでに経過したゲーム数をいう。このとき、「ART」又は「通常」に移行する前に「SCZ」や「MB_HCZ」に移行することもあるが、この「SCZ」中の経過ゲーム数や「MB_HCZ」中の経過ゲーム数を、「通常有利」中の経過ゲーム数に含めることとしてもよく、また、含めないこととしてもよい。なお、「SCZ」中の経過ゲーム数や「MB_HCZ」中の経過ゲーム数を含めない場合、「SCZ」や「MB_HCZ」が終了した後の「通常有利」において、「SCZ」や「MB_HCZ」に移行するまでに計数していた経過ゲーム数を引き継いで「通常有利」中の経過ゲーム数を計数することとしてもよく、新たに最初から「通常有利」中の経過ゲーム数を計数することとしてもよい。
また、“ハマリ天井”のモード(高確D)においては、「ART」のみを抽籤してもよいし、「SCZ」のみを抽籤してもよい。また、各通常モード及びSCZモードよりも「ART」や「SCZ」の当籤確率を高くして、“ハマリ天井”に到達したことで却って「ART」や「SCZ」に当籤し難くなるといった事態が生じないようにすることが遊技の興趣を高める上で望ましい。また、「SCZ」に当籤し、「SCZ」に失敗したとしても、“ハマリ天井”のモード(高確D)へと復帰させるようにして、メダル増加区間である「ART」当籤以上の恩恵を保障することが望ましい。また、「ART」以上の恩恵が確定する“ハマリ天井”のモード(高確D)において「SCZ」に当籤した場合、メダル増加区間である「ART」が開始されるまでのゲーム数が結果的に増えることとなるが、「SCZ」を経由して「ART」に当籤した場合は、後述の「上乗せ特化ゾーン」からARTが開始されるため、5ゲーム程度の「SCZ」中に消費されるメダルを考慮したとしても、「ART」に直接当籤する場合よりも獲得することができるメダルの期待値が高くなるので、「ART」が確定しているのに余計なチャンス遊技でメダルを減らされるといった不快感を遊技者に与えにくいようにすることができる。
さらに、「通常有利」においては、後述するMBの当籤確率が約1/17であり、100Gに達するまでにMB入賞の可能性が高くなっている。そして、MBが入賞すると、ベルナビ発生可能状態となり、MB作動終了後に後述する有利区間終了抽籤が実行され、抽籤結果に応じて「通常」に移行するこことなる。要するに、「通常有利」に移行して所定ゲーム数(100G)を超えると、ベルナビ発生可能状態となるものの、100Gに達するまでにMBが成立するゲームにおいて又はフラグ間状態を経て入賞する可能性が高くなるので、「通常有利」の平均滞在ゲーム数は、概ね25G程度とされる。なお、詳しくは後述するが、MBの入賞を遊技者が意図的に遅らせることで出玉率が上昇するという攻略がなされないように、MBの図柄組合せが引き込み1(全ての押し順で、どのタイミングでストップボタン7L、7C、7Rを停止操作したとしても入賞可能)となるように、図柄配列及びリール停止制御を構成することが望ましい。
図100及び図102に示すように、「SCZ」は、「通常有利」においてSCZ抽籤によりSCZ当籤となることで移行する。「SCZ」は、後述する「ART」に比較的当籤しやすいチャンスゾーン(CZ)である。「SCZ」には、“通常”、“レジェンド”といったSCZモードに応じてART抽籤の当籤確率が異なる種別がある。例えば、SCZモードが“高確A”で種別が“レジェンド”の場合は、同じくSCZモードが“高確A”で種別が“通常”の場合よりもART当籤確率が高くなる。基本的に、種別が“レジェンド”の場合の方が“通常”の場合よりもART当籤確率が高くなる。SCZの種別は、役不問の抽籤により決定される。「SCZ」中にART抽籤に当籤すると、「SCZ」から後述する「上乗せ特化ゾーン」の状態に移行する。ART抽籤で当籤することなく「SCZ」の規定ゲーム数(5G)が終了した場合、「通常有利」へ移行する。なお、「SCZ」では、当籤した押し順ベルのナビが基本的に行われない。また、「SCZ」の種別は、SCZ抽籤に当籤した単位遊技(ゲーム)の内部当籤役を参照して決定するようにしてもよい。例えば、「強ベル」の当籤を契機に「SCZ」に当籤した場合は、他の役を契機に当籤した場合よりも“レジェンド”が選択されやすいなどとしてもよい。また、「SCZ」の種別は、「SCZ」当籤時のSCZモードを参照してもよく、“低確”、“高確A”、“高確B”、“高確C”、“高確D”といったSCZモードごと又はその一部において“レジェンド”の選択率を異ならせてもよい。また、前述の“ハマリ天井”モード(高確D)においては、“レジェンド”が確定するなどの特典を設けて、メダルを減らした遊技者に対する救済措置を設けることにより、遊技者の遊技意欲の低下を抑制する仕様としてもよい。なお、「SCZ」中は、5ゲームの間、内部当籤役を参照してART抽籤を行うが、ハズレ時においては、内部当籤役に非当籤の状態とも考えられるため、ART抽籤を行わないものとしてもよい。また、内部当籤役又は停止出目の少なくともいずれか一方を参照してART抽籤を行うようにしてもよい。停止出目に基づいてART抽籤を行う場合は、遊技者にリールでの出目を楽しませることができ、内部当籤役に基づいてART抽籤を行う場合は、主制御基板71の制御負荷を軽減することができる。
図100及び図102に示すように、「ART前兆」は、「通常」又は「通常有利」においてART抽籤によりART当籤となることで移行する。「ART前兆」は、規定ゲーム数消化後にART準備状態を経て「ART」に移行する。ただし、通常モードが「特殊」に滞在でART当籤により「ART前兆」に移行してきた場合には、後述する「上乗せ特化ゾーン」を経て「ART」に移行する。「ART前兆」においては、開始時からART中に用いる各種モードの初期モードのランクアップ抽籤が実行される。ART中に用いる各種モードは、基本的にランクが高いほど遊技者にとって有利であるため、「ART前兆」中のランクアップ抽籤においてランクアップすることができた場合には、「ART」の開始直後の各種モード(初期モード)が遊技者にとって有利なモードとなる。
図100及び図102に示すように、「MB_HCZ」は、通常区間又は有利区間の如何を問わずLMBに当籤することで移行する。「MB_HCZ」においては、HCZモード昇格抽籤や役不問のART抽籤が実行される。HCZモードは、ランクが高いほど、遊技者にとって有利な状態となる。ART抽籤に当籤してLMBの作動が終了すると、「MB_HCZ」から後述する「上乗せ特化ゾーン」の状態を経て「ART」に移行する。ART抽籤に当籤することなくLMBの作動が終了すると、「MB_HCZ」から元の出玉状態(例えば、「通常」や「通常有利」など)に移行する。
図100及び図102に示すように、「上乗せ特化ゾーン」は、ARTの上乗せが行われ易い期間であり、「SCZ」や「MB_HCZ」でのART当籤、あるいは「ART前兆」の規定ゲーム数終了後に移行する。詳細については省略するが、本実施形態では複数の「上乗せ特化ゾーン」を設け、「上乗せ特化ゾーン」では、上乗せ特化ゾーン種別に応じてARTゲーム数の上乗せ抽籤が実行される。「上乗せ特化ゾーン」の種類の儲け方は任意であり、例えば、平均上乗せが異なる複数の上乗せ特化ゾーンを設けることとしてもよく、また、上乗せのゲーム性が異なる複数の上乗せ特化ゾーンを設けることとしてもよい。「上乗せ特化ゾーン」の規定ゲーム数消化後、終了抽籤に当籤すると上乗せ特化ゾーンのストックがあればそのまま「上乗せ特化ゾーン」の状態となり、上乗せ特化ゾーンのストックなければ、「ART」に移行する。
図100及び図102に示すように、「ART」は、いわゆるARTの状態であり、「上乗せ特化ゾーン」あるいは「ART前兆」から移行する。「ART」は、ARTモード、チャンスAモード、チャンスBモード、チャンスCモードといった上乗せ抽籤などの有利度合いが異なるモードがあり、上乗せ抽籤や各種モード移行抽籤が実行される。「ART」は、初期ゲーム数として例えば100Gが付与され、上乗せ抽籤の結果に応じてゲーム数が加算される。「ART」のゲーム数終了時、当籤役不問の有利区間抽籤が実行され、その抽籤結果が「継続」であれば「通常有利」に移行する一方、「終了」であれば「通常」に移行する。
ARTモードには、“モード0”、“モードA”、“モードB”、“モードC”というART中の上乗せ抽籤などの有利度合いが異なる複数のモードがあり、基本的には“モード0”が最も不利なARTモードであり、“モードA”、“モードB”、“モードC”の順にART中の上乗せ抽籤などが有利となる(“モードC”が最も有利)。ART中はARTモードの移行抽籤が実行され、この移行抽籤の結果に応じてARTモードが移行する。ARTモードの移行は、基本的には、現在のARTモードが維持されるか、あるいは、現在のARTモードよりも下位のARTモードに転落する(“モードC”から“モードB”に転落、“モードB”から“モードA”に転落、又は“モードA”から“モード0”に転落(なお、2段階以上の転落を含むこととしてもよい))。そして、ARTモードが最も下位の“モード0”まで転落した場合には、ART中の上乗せ抽籤などが抑制される。一方で、ARTモードが“モード0”以外(“モードA”、“モードB”、“モードC”)である場合には、上乗せ抽籤などが抑制されることなく、通常の確率で上乗せ抽籤などに当籤する。なお、本実施形態では、ARTモードが“モード0”以外である場合、上乗せ抽籤などに当籤は全て同一であるが、上乗せ抽籤などが抑制される“モード0”までの転落のし易さが、それぞれのARTモードにおいて異なるため、ART中の上乗せ抽籤などの有利度合いが異なることになる。ARTモードは、通常処理による移行抽籤では維持又は転落するが、MB作動時の共通処理による移行抽籤により昇格することがある。
なお、本実施形態では、ARTモード“モード0”では、ART中の上乗せ抽籤などが抑制されることとしているが、ART中の上乗せ抽籤などを抑制するのではなく禁止することとしてもよい。通常のパチスロでは、ART中の上乗せは、所謂レア役を契機として行われるが、上乗せの契機となるレア役として弱レア役と強レア役とを設けることもある。ここで、上乗せ抽籤などを禁止する場合、強レア役の当籤時にも上乗せを行わないことになってしまい、遊技者が不満を感じやすくなってしまう。この点、本実施形態のように上乗せ抽籤などを抑制することで、強レア役である「強ベル」の当籤時に上乗せを行うことができるため、遊技者が不満を感じることがない。
また、チャンスAモード、チャンスBモード、チャンスCモードには、それぞれ“通常”、“高確準備”、“高確”、“超高確”というART中の上乗せ抽籤などの有利度合いが異なる複数のモードがあり、基本的には“通常”が最も不利なモードであり、“高確準備”、“高確”、“超高確”の順にART中の上乗せ抽籤などが有利となる(“超高確”が最も有利)。チャンスAモード、チャンスBモード、チャンスCモードは、それぞれが個別に管理され、例えば、ある遊技においてそれぞれのモードが別々のモードであることもあれば(チャンスAモード“高確”、チャンスBモード“超高確”、チャンスCモード“通常”)、一部のモードが共通であることもあれば(チャンスAモード“高確”、チャンスBモード“高確”、チャンスCモード“通常”)、全てのモードが共通であることもある(チャンスAモード“高確”、チャンスBモード“高確”、チャンスCモード“高確”)。ART中は、それぞれのモード毎に移行抽籤が実行され、この移行抽籤の結果に応じてそれぞれのモードが個別に移行する。
チャンスAモード、チャンスBモード、チャンスCモードでは、それぞれ管理するART中の上乗せの契機が異なる。本実施形態では、チャンスBモードは、後述する「SPリプA2」に基づく上乗せ抽籤を管理するモード(図134参照)であり、チャンスCモードは、後述する「SPリプA1」に基づく上乗せ抽籤を管理するモード(図135参照)であり、チャンスAモードは、それ以外の役に基づく上乗せ抽籤を管理するモード(図133参照)である。なお、本発明では、上乗せの契機毎に個別のモードを管理することに特徴を有するものであり、それぞれのモードが管理する上乗せの契機は、上述したものに限られない。一例として、内部当籤役に基づく上乗せを管理するモード、周期到達時の上乗せを管理するモード、ボーナス作動時の上乗せを管理するモード、ボーナス作動中の上乗せを管理するモード、ART準備中の上乗せを管理するモード、ART終了待機中の上乗せを管理するモードなど任意の上乗せ契機毎に個別のモードを管理することができる。
また、図100及び図102に示すように、「ART」中に出玉状態が「エンディング」に移行することがある。上述したように、本実施形態では、有利区間が開始されてから例えば1500Gに達すると、残りゲーム数がたとえ残存していても有利区間を終了するリミット処理を実行する。リミット処理自体は、1500ゲーム到達時に行うものの、パチスロ機1では内部的に残りゲーム数も管理しているため、将来1500ゲームに到達するか否かを、1500ゲーム到達前から予め把握することができる。そこで、主制御基板71は、有利区間の消化ゲーム数と残りゲーム数との合算値が規定値以上になった場合に出玉状態を「エンディング」に移行する。「エンディング」に移行した場合、将来リミット処理が行われることが決まっているため、主制御基板71は、上乗せに関する全ての抽籤を行わない。なお、「エンディング」への移行契機となる有利区間の消化ゲーム数と残りゲーム数との合算値の閾値は、任意に設定することができる。一例として、1500ゲーム到達時にリミット処理が行われるため、閾値を1500ゲームとしてもよいが、本実施形態では、リミット処理が行われる場合に、100ゲーム間のエンディング演出を行うため、閾値を1400ゲームとしている。そして、有利区間の消化ゲーム数と残りゲーム数との合算値が1400ゲームに到達した場合、1400ゲーム消化後に100ゲームのエンディング演出を行い、リミット処理を行う。
図100及び図102に示すように、「MB」は、いわゆるボーナスの状態であり、LMB作動中以外は、通常区間又は有利区間のいずれにおいても入賞に応じて発生し得る。「MB」では、通常モード移行抽籤、SCZモード移行抽籤、ARTモード移行抽籤、ゲーム数上乗せ抽籤などが実行される。
[主制御基板の制御による遊技状態]
次に、図103を参照して、第3実施形態のパチスロ機1の主制御基板71の制御による遊技状態について説明する。図103は、第3実施形態のパチスロ機1の遊技状態の遷移フローである。
図103に示すように、遊技状態としては、リプレイ当籤確率が比較的低いRT0、RT1と、リプレイ当籤確率が比較的高いRT2、RT3とがある。RT0は、設定変更後の初期状態あるいはLMB終了後の遊技状態であって、出玉状態が「通常」の場合に滞在する状態であり、RT1移行図柄あるいはRT1移行リプが表示されると、RT1に移行する。RT1は、主として出玉状態が「通常」の場合に滞在する状態であり、RT2移行リプが表示されると、RT2に移行する。RT2は、RT3移行時における途中の状態であり、RT3移行リプが表示されると、RT3に移行する。RT3は、出玉状態が「ART」あるいは「上乗せ特化ゾーン」などに相当するいわゆるARTの状態であり、RT1移行図柄あるいはRT1移行リプの表示を経てRT1に移行する。
なお、設定変更後の初期状態は、必ずRT0で「通常」の状態となる一方、設定変更がない電源オン後の初期状態では、電源オフとなる前の遊技状態(一般的にはRT1)のままで「通常」の状態となる。設定変更後の初期状態においては、RT0の「通常」状態で有利区間に当籤すると、設定変更がない電源オン後の初期状態において有利区間に当籤した場合よりも相対的に有利な有利区間となる。これについては、図146を参照して後述する。
[主制御側の各種のデータテーブル]
次に、メインROM32に記憶されている各種データテーブルの構成について説明する。
<図柄配置テーブル>
図104に示す図柄配置テーブルは、左リール3L、中リール3C及び右リール3Rの各々の表面に配されている図柄の配列をデータによって表している。図柄配置テーブルは、21個の図柄位置「0」〜「20」と、これらの図柄位置の各々に対応する図柄との対応関係を規定する。
図柄位置「0」〜「20」は、左リール3L、中リール3C及び右リール3Rの各々において回転方向に沿って配されている図柄の位置を示す。図柄位置「0」〜「20」に対応する図柄は、図柄カウンタの値を用いて図柄配置テーブルを参照することによって特定することができる。
図柄の種類としては、「黒BAR」、「赤BAR」、「赤7」、「リプレイA」、「リプレイB」、「リプレイC」、「ベルA」、「ベルB」、「ベルC」及び「ベルD」を含んでいる。
図104に示す図柄配置テーブルは、リールインデックスが検出されるときに表示窓4の中段に位置する図柄(表示窓4の中段を通過中の図柄)を図柄位置「0」に割り当てるとともに、リール3L、3C、3Rの回転方向に移動する順に、21個の図柄の各々に対して図柄位置「0」〜「20」を割り当てた対応関係を規定する。
このように、表示窓4の中段を基準にすることで、表示窓4の中段に位置する図柄の種別を、3つのリール3L、3C、3Rごとに特定することができる。
<図柄コード表>
また、図104に示すように、各リール3L、3C、3Rに配された各図柄は、図柄コード表によって特定され、1バイト(8ビット)のデータによって区別される。図104に示す図柄コード表は、3つのリール3L、3C、3Rの表面に配された図柄を特定するためのコードを表している。
本実施の形態によるパチスロ機1で用いる図柄は、上述のように「黒BAR」、「赤BAR」、「赤7」、「リプレイA」、「リプレイB」、「リプレイC」、「ベルA」、「ベルB」、「ベルC」及び「ベルD」の10種類である。
図柄コード表では、「黒BAR」図柄(図柄コード1)に対して、データとして「00000001」が割り当てられ、同様に、「赤BAR」〜「ベルD」の各図柄(図柄コード2〜10)に対しても、データとして「00000010」から「00001011」が割り当てられている。
<図柄組合せテーブル>
次に、図105〜図108を参照して、図柄組合せテーブルについて説明する。図柄組合せテーブルは、特典の種類に応じて予め定められた図柄の組合せ(コンビネーション)と、当該図柄の組合せが表示された際にメインRAM33に格納するデータと、当該図柄の組合せが表示された際の特典(メダルの払出枚数)との対応関係を規定する。
本実施形態では、有効ラインに沿って表示される図柄の組合せが、図柄組合せテーブルに規定された図柄の組合せ(コンビネーション)と一致する場合に入賞と判定される。そして、入賞と判定されると、メダルの払い出し、再遊技(リプレイ)の作動、ボーナスゲーム(役物連続作動装置)の作動といった特典が遊技者に与えられる。なお、有効ラインに沿って表示された図柄の組合せが、図柄組合せテーブルに規定されている図柄の組合せのいずれとも一致しない場合には、いわゆる「はずれ」となる。すなわち、本実施形態では、「はずれ」に対応する図柄の組合せを図柄組合せテーブルに規定しないことにより、「はずれ」の図柄の組合せを規定する。なお、本発明はこれに限定されず、図柄組合せテーブルに、「はずれ」の項目を設けて、直接「はずれ」を規定してもよい。
ここで、本実施形態では、単位遊技の用に供されるメダルの枚数が「2枚」である場合(2BET時)、表示窓4に表示される3×3の図柄のうちの、左列の下段と、中列の下段と、右列の下段とを結ぶボトムライン、及び、左列の下段と、中列の中段と、右列の下段とを結ぶ小山ラインの2本のラインが有効ラインとなり、単位遊技の用に供されるメダルの枚数が「3枚」である場合(3BET時)、表示窓4に表示される3×3の図柄のうちの、左列の中段と、中列の中段と、右列の中段とを結ぶセンターラインの1本のラインが有効ラインとなる。なお、SMBの作動中は、2BET遊技のみが可能であり、LMBの作動中及びMBの非作動中は、3BET遊技のみが可能である。
図柄組合せテーブル中のデータ欄は、有効ラインに沿って表示された図柄の組合せを識別するための情報が規定される。具体的には、データ欄には、対応する図柄の組合せのデータが格納される「格納領域」と、当該格納領域に格納される「データ(1バイトのデータ中の図柄の組合せに応じたビットを指定するためのデータ)」が規定される。
図柄組合せテーブルに規定する、コンビネーションは、各リール3L、3C、3Rが停止した場合に、有効ラインに沿って表示される各リール3L、3C、3Rの図柄組合せを意味する。それぞれのコンビネーションには、当該コンビネーションの役割や当該コンビネーションを構成する図柄の種別に応じたコンビネーション名が規定されている。
また、図柄組合せテーブルに規定する、払出枚数は、対応する図柄の組合せ(コンビネーション)が表示された際に払い出されるメダルの枚数を規定する。また、図柄組合せテーブル中の内容欄は、それぞれの図柄の組合せの役割や、それぞれの図柄の組合せの特徴を示す。
図105を参照して、例えば、コンビネーション名「S_赤CLリプ_01」〜「S赤CLリプ_18」は、“W揃いリプ”に係る図柄の組合せである。より具体的には、コンビネーション名「S_赤CLリプ_01」〜「S_赤CLリプ_18」は、図柄「赤BAR」と図柄「赤7」との双方が直線状に3個並んで表示され得る図柄の組合せである。
なお、“W揃いリプ”のうち、コンビネーション名「S_赤CLリプ_01」に係る図柄の組合せは、図柄「赤BAR」と図柄「赤7」との双方が直線状に並んで表示されるが、それ以外の図柄の組合せは、図柄「赤BAR」と図柄「赤7」との双方が直線状に並んで表示されるわけではない。これは、リール3L,3C,3Rに配置される図柄の配列の関係から図柄「赤BAR」及び図柄「赤7」は、停止操作のタイミングによっては停止表示できないことがあるためであり、コンビネーション名「S_赤CLリプ_01」以外の図柄の組合せは、いわゆる目押し操作が適切でない場合に代わりに表示される図柄の組合せを示している。これは、“赤BARリプ”などのその他の図柄の組合せについても同様である。
また、コンビネーション名「S_赤XUリプ」〜「S_赤XDリプ_06」は、“赤BARリプ”に係る図柄の組合せであり、図柄「赤BAR」が直線状に3個並んで表示され得る図柄の組合せである。また、コンビネーション名「S_赤7CLリプ_01」「S_赤7CLリプ_02」は、“W揃いリプ”に係る図柄の組合せであり、図柄「赤BAR」と図柄「赤7」との双方が直線状に3個並んで表示され得る図柄の組合せである。また、コンビネーション名「S_赤7XUリプ_01」〜「S_赤7XDリプ_04」は、“赤7リプ”に係る図柄の組合せであり、図柄「赤7」が直線状に3個並んで表示され得る図柄の組合せである。
図106及び図107を参照して、また、コンビネーション名「S_共通リプ1_01」〜「S_共通リプ3_04」は、“赤BAR煽り”に係る図柄の組合せであり、図柄「赤BAR」が直線状に2個並んで表示され得るものの、3個は並ぶことがない図柄の組合せである。同様に、コンビネーション名「S_共通リプ4_01」〜「S_共通リプ6_03」は、“赤7煽り”に係る図柄の組合せであり、図柄「赤7」が直線状に2個並んで表示され得るものの、3個は並ぶことがない図柄の組合せである。
すなわち、本実施形態では、図柄「赤BAR」が直線状に3個並んで表示され得る図柄の組合せを“赤BARリプ”と呼び、図柄「赤BAR」が直線状に2個並んで表示され得るものの、3個は並ぶことがない図柄の組合せを“赤BAR煽り”と呼ぶ。同様に、図柄「赤7」が直線状に3個並んで表示され得る図柄の組合せを“赤7リプ”と呼び、図柄「赤7」が直線状に2個並んで表示され得るものの、3個は並ぶことがない図柄の組合せを“赤7煽り”と呼ぶ。また、図柄「赤BAR」と図柄「赤7」との双方が直線状に3個並んで表示され得る図柄の組合せを“W揃いリプ”と呼ぶ。
<内部抽籤テーブル>
次に、図109を参照して、内部当籤役を決定する際に参照される内部抽籤テーブルについて説明する。内部抽籤テーブルは、遊技状態ごとに設けられ、それぞれの役に対応する抽籤値の情報を規定する。図109は、RT0〜RT3、MB内部中、MB(作動)中のそれぞれにおいて参照される内部抽籤テーブルである。
本実施形態では、予め定められた数値の範囲「0〜65535」から抽出される抽籤用乱数値を、各役に応じた抽籤値で順次減算し、減算の結果が負となったか否か(いわゆる「桁かり」が生じたか否か)の判定を行うことによって内部的な抽籤が行われる。
したがって、抽籤値として規定されている数値が大きいほど、これが割り当てられた役が内部当籤役として決定される確率が高い。すなわち、各番号の当籤確率は、「各番号に対応する抽籤値/抽出される可能性のある全ての乱数値の個数(65536)」によって表すことができる。
内部抽籤テーブルは、基本的には、RT遊技状態の種別に応じて内部当籤役として決定されるリプレイに係る役の種別及び当籤確率が変化する。図109に示すRT0〜RT3の内部抽籤テーブルを比較すると、それぞれの遊技状態において内部当籤役として決定されるリプレイに係る役の種別及び当籤確率が異なることが分かる。ちなみに、RT0〜RT3又はMB内部中において、押し順ベル(「F_4択ベル1A(No.34)」〜「F_4択ベル4B(No.41)」)は、約1/4の確率で内部当籤役として決定される。
なお、SMBは、設定差が有るボーナス役であり、「SMB(No.48)」の単独当籤役として決定可能とされる。一方、LMBは、設定差が無いボーナス役であり、「LMB+F_煽りリプB(No.49)」又は「LMB+F_XDリプ(No.50)」の重複当籤役として決定可能とされる。ここで、図109には設定1用の内部抽籤テーブルについてのみ示しているが、RT0〜RT3において設定差があるSMBは、設定1では約1/18の確率で内部当籤役として決定され、設定6では約1/15の確率で内部当籤役として決定される。また、SMBとLMBとを加味した場合、RT0〜RT3においてMB(「SMB(No.48)」〜「LMB+F_XDリプ(No.50)」)は、設定1では約1/17の確率で内部当籤役として決定され、設定6では約1/15の確率で内部当籤役として決定される。
また、「SMB」は、単独当籤のみ、かつ「SMB」に対応する図柄組合せが引き込み1(全ての押し順で、どのタイミングでストップボタン7L、7C、7Rを停止操作したとしても他の役に阻害されない限り入賞可能)となるように、図柄配列及びリール停止制御が設計されており、必ず成立ゲーム(ボーナス非当籤の状態から持越しではなく初めて当籤したゲーム)で入賞するため、持ち越されることがない。「LMB」は、成立ゲームでは再遊技役(リプレイ)と重複して内部当籤し、再遊技役は、「LMB」よりも優先的に入賞するため、「LMB」の成立時は、必ずフラグ間状態であるMB内部中へ移行する。そして、「LMB」に対応する図柄組合せも引き込み1であるため、フラグ間状態においてボーナスよりも優先的に入賞する小役又は再遊技役が同時に成立しない限り必ず入賞する。このような役構成とすることにより、遊技者が目押しで意図的にMBの入賞を回避して、有利区間の終了条件の充足を遅らせることで“ハマリ天井”への到達率を上昇させるといった攻略法を予防し、ホール側に不測の損害が発生しないように抑制することができる。
なお、図109に示す内部抽籤テーブルでは、MB内部中とMB(作動)中との「F_RT1中リプ1(No.1)」〜「F_共通リプ(No.24)」の抽籤値を省略しているが、MB内部中及びMB中は、その時点におけるRT状態に応じた抽籤値が規定されている。また、MB中は、「F_4択ベル1A(No.34)」〜「F_1枚役(No.47)」の抽籤値を省略しているが、MBの作動中は、内部抽籤処理に関わらず全ての小役(「F_4択ベル1A(No.34)」〜「F_1枚役(No.47)」)に当籤する。
上述の通り、MB中では、リプレイ役については、現在のRT状態の当籤確率(すなわち、図109に示す抽籤値)が引き継がれて抽籤が行われる一方、小役についての抽籤は行われることなく、全ての小役が内部当籤役として決定され得るようになっている。図102にて図示した通り、LMBは、LMB役(図109のNo.49,50)の内部当籤により移行する内部中RT状態をLMB作動中に引き継ぎ、SMBは、SMB役(図109のNo.48)に内部当籤した遊技でのRT状態であるRT0〜3の何れかのRT状態をSMB作動中に引き継ぐことになる。なお、図103で示した通り、LMBの作動終了後はRT0(低RT)に遷移するが、SBMは、内部当籤、作動開始及び作動終了の何れの場合においてもRT状態の遷移を行わない。獲得枚数の少なく、かつ、当籤確率の高いSMBを契機として高RTから低RTに移行しないことにより、高RTを維持し易くして「ART」による出玉の増加速度が低減しないようにしている。
また、MB中における内部当籤役の決定の手法は、上述したものに限られない。例えば、MB中において、現在のRT状態に応じた内部抽籤テーブルを参照し(すなわち、MB中用の内部抽籤テーブルを規定せず)、上述した当籤番号全て(「F_4択ベル1A(No.34)」〜「F_1枚役(No.47)」を含む)に対して、規定された抽籤値に基づいて当籤か否かが判別され得るようにし、その後、全ての小役(「F_4択ベル1A(No.34)」〜「F_1枚役(No.47)」)をさらに内部当籤役として決定するようにしてもよい。これにより、内部抽籤テーブルに係るデータ容量を削減することができる。
さらに、MB中における内部当籤役の決定の手法として、図109に示す内部抽籤テーブルを用いた抽籤を行わずに、全ての小役(「F_4択ベル1A(No.34)」〜「F_1枚役(No.47)」)を内部当籤役として決定するものとしてもよい。この場合は、更にデータ容量や処理負荷の軽減を図ることができる。
<内部当籤役と図柄組合せの対応表>
図110〜図111は、それぞれの役が内部当籤役として決定された場合に各内部当籤役において有効ライン上に表示可能な図柄の組合せ(コンビネーション)との対応関係を示す表である。
図110は、通常時(すなわち、主制御基板71の遊技状態がMB内部中及びMB(作動)中以外の状態(図102参照))における当籤役と停止表示される図柄の組合せとの対応関係を示す図である。主制御基板71は、内部当籤役を決定すると、決定した内部当籤役と停止操作の順序(押し順)とに基づき、図110に示す図柄の組合せが表示されるようにリール3L,3C,3Rを制御する。
例えば、内部当籤役として「F_通常リプB(No.14)」が決定された場合、第1停止操作が左のリール3Lに対する操作(左中右、又は左右中)である“左1st”の押し順で停止操作が行われると、“リプレイ”に係る図柄の組合せ(図106の内容欄参照)が表示され、第1停止操作が中のリール3Cに対する操作(中左右、又は中右左)である“中1st”の押し順で停止操作が行われると、“赤BAR煽り”に係る図柄の組合せが表示され、第1停止操作が右のリール3Lに対する操作(右左中、又は右中左)である“右1st”の押し順で停止操作が行われると、“赤7煽り”に係る図柄の組合せが表示される。
また、内部当籤役として「F_SPリプA1(No.20)」が決定された場合、“左1st”の押し順で停止操作が行われると、“リプレイ”に係る図柄の組合せが表示され、“中1st”の押し順で停止操作が行われると、“赤BARリプ”に係る図柄の組合せが表示され、“右1st”の押し順で停止操作が行われると、“赤7煽り”に係る図柄の組合せが表示される。同様に、内部当籤役として「F_SPリプA2(No.21)」が決定された場合、“左1st”の押し順で停止操作が行われると、“リプレイ”に係る図柄の組合せが表示され、“中1st”の押し順で停止操作が行われると、“赤BAR煽り”に係る図柄の組合せが表示され、“右1st”の押し順で停止操作が行われると、“赤7リプ”に係る図柄の組合せが表示される。
上述したように、ART中は、チャンスBモードにより「SPリプA2」に基づく上乗せ抽籤を管理し、チャンスCモードにより「SPリプA1」に基づく上乗せ抽籤を管理する。「SPリプA2」に基づく上乗せ抽籤は、内部当籤役として「F_SPリプA2(No.21)」が決定された場合に行われ、この上乗せ抽籤に当籤した場合には、パチスロ機1の主制御基板71及び(又は)副制御基板72は、“中1st”の押し順を報知(指示)し、“赤BARリプ”に係る図柄の組合せを表示させる。同様に、「SPリプA1」に基づく上乗せ抽籤は、内部当籤役として「F_SPリプA1(No.20)」が決定された場合に行われ、この上乗せ抽籤に当籤した場合には、パチスロ機1の主制御基板71及び(又は)副制御基板72は、“右1st”の押し順を報知(指示)し、“赤7リプ”に係る図柄の組合せを表示させる。
一方、狙うべき図柄の指示がある場合に常に当該図柄が揃ってしまうと遊技性が単調になってしまうため、内部当籤役として「F_通常リプB(No.14)」が決定された場合、又は「SPリプA1」に基づく上乗せ抽籤や「SPリプA2」に基づく上乗せ抽籤に非当籤した場合に、パチスロ機1の主制御基板71及び(又は)副制御基板72は、所定の確率で“赤BAR煽り”や“赤7煽り”に係る図柄の組合せが表示される押し順を報知(指示)し、図柄揃いの煽りを行う。なお、図柄揃いの煽りも行わない場合には、パチスロ機1の主制御基板71及び(又は)副制御基板72は、“左1st”の押し順を報知(指示)して“リプレイ”に係る図柄の組合せを表示させる。
また、内部当籤役として「F_SPリプB1(No.22)」〜「F_SPリプB3(No.24)」が決定された場合も、押し順に応じて表示される図柄の組合せが異なり、“左1st”の押し順で停止操作が行われると、“リプレイ”に係る図柄の組合せが表示され、“中1st”又は“右1st”の押し順で停止操作が行われると、図柄揃いを煽る図柄の組合せ(“赤BAR煽り”“赤7煽り”)は表示されることなく、図柄が揃う図柄の組合せ(“赤BARリプ”“赤7リプ”“W揃いリプ”)が表示される。後述するように本実施形態では、ART中に上乗せ抽籤に当籤した場合、直ぐに上乗せを報知するのではなく、一時的に保持した後に上乗せを報知することがあり、「F_SPリプB1(No.22)」〜「F_SPリプB3(No.24)」は、上乗せを後で報知する場合に用いる。例えば、パチスロ機1の主制御基板71及び(又は)副制御基板72は、保持している50ゲーム分の上乗せを報知する場合、内部当籤役として「F_SPリプB1(No.22)」〜「F_SPリプB3(No.24)」が決定されると“赤7リプ”に係る図柄の組合せが表示される押し順を報知(指示)し、保持している100ゲーム分の上乗せを報知する場合、“赤BARリプ”に係る図柄の組合せが表示される押し順を報知(指示)し、保持している150ゲーム分の上乗せを報知する場合、“W揃いリプ”に係る図柄の組合せが表示される押し順を報知(指示)する。
なお、通常時においてその他の役が内部当籤役として決定された場合に表示され得る図柄の組合せは、図110に示す通りであり、また、MB内部中やMB(作動)中における当籤役と停止表示される図柄の組合せとの対応関係は、図111に示すとおりである。
[非ART中の遊技の流れ]
続いて、図112を参照して、非ART(「通常」又は「通常有利」)中の遊技の流れについて説明する。図112(A)に示すように、パチスロ機1では、基本的に非ARTからARTを目指して遊技を行う遊技性を有している。図112(A)や図100に示すように、パチスロ機1において、非ARTからARTへの移行ルートは、非ARTからARTに直接移行するART直当りルートと、非ARTからSCZを経由してARTに移行するSCZ経由ルートと、非ARTからMB_HCZを経由してARTに移行するMB_HCZ経由ルートと、がある。以下では、ART直当りルートと、SCZ経由ルートとの流れについて説明する。
図112(B)は、ART直当りルートの遊技の流れを示す図である。図100に示したように、本実施形態において主制御基板71は、「通常」(通常区間)中に有利区間移行抽籤を行い、この移行抽籤に当籤した場合に「通常」から有利区間に移行する。この有利区間移行抽籤では、主制御基板71は、移行先の有利区間の種別も併せて抽籤し、例えば、移行先としてARTが決定された場合には、「通常」から有利区間のARTに直接移行する。
一方で、有利区間移行抽籤において移行先として通常有利が決定された場合には、「通常」から有利区間の通常有利に移行する。図100に示したように、本実施形態において主制御基板71は、通常有利中にART抽籤を行い、この移行抽籤に当籤した場合に通常有利からARTに移行する。本実施形態では、このように「通常」中に行う有利区間移行抽籤において移行先としてARTが決定された場合、又は、通常有利中に行うART抽籤に当籤した場合に、非ARTからARTに直接移行する(ART直当りルート)。
なお、通常有利中のART抽籤は、通常モードに基づいて行う。この通常モードには、“低確”、“天国準備”、“天国”、“超天国”、“特殊”、“次回前兆”といった複数のモードがあり、それぞれART抽籤の当籤確率が異なる。具体的には、ART抽籤の当籤確率は、通常モードのうち“超天国”が最も高く、“天国”及び“特殊”が次に高く、“天国準備”が次に高く、“低確”が最も低い。なお、“次回前兆”はART抽籤に当籤することが確定する通常モードである。通常有利中の通常モードは、任意に移行することができ、例えば、主制御基板71は、通常有利中に当籤役に応じて通常モード移行抽籤を行い、抽籤結果に応じて通常モードを移行させることができる。
また、通常モードに基づくART抽籤の当籤確率と、「通常」中の有利区間移行抽籤においてARTが決定される確率とを比較すると、「通常」中の有利区間移行抽籤においてARTが決定される確率は、通常モード“天国準備”に基づくART抽籤の当籤確率よりも若干高い。そのため、本実施形態では、通常モードによっては、「通常」中の有利区間移行抽籤においてARTが決定される確率よりも、有利区間中のART抽籤の当籤確率の方が低い場合がある(例えば、通常モード“低確”“天国準備”)。
なお、上述したように、通常有利中の経過ゲーム数が120ゲームに到達すると(ハマリ天井)、SCZモードが専用の抽籤モード(高確D)となる。ここで、ハマリ天井後の通常有利中は、主制御基板71は、通常モードに関係なく、SCZモード“高確D”に基づき通常有利中のART抽籤を行う。なお、後述の図115に示すように、SCZモード“高確D”に基づくART抽籤は、通常モード“超天国”よりも当籤確率が高い。
図112(C)は、SCZ経由ルートの遊技の流れを示す図である。図100に示したように、本実施形態において主制御基板71は、通常有利中にSCZ抽籤を行い、このSCZ抽籤に当籤した場合にSCZに移行する。また、主制御基板71は、SCZ中にART抽籤を行い、このART抽籤に当籤した場合にARTに移行する。このように通常有利中に行うSCZ抽籤に当籤し、その後、SCZ中に行うART抽籤に当籤した場合に、非ARTからSCZを経由してARTに移行する(SCZ経由ルート)。一方で、SCZ中に行うART抽籤に当籤することなくSCZが終了した場合、SCZから通常有利に移行する。なお、SCZは、ART抽籤に当籤することなく規定ゲーム数(5G)が経過した場合に終了する。
通常有利中のSCZ抽籤、及び、SCZ中のART抽籤は、SCZモードに基づいて行う。このSCZモードには、“低確”、“高確A”、“高確B”、“高確C”、“高確D”といった複数のモードがあり、それぞれSCZ抽籤、及び、ART抽籤の当籤確率が異なる。具体的には、SCZ抽籤、及び、ART抽籤の当籤確率は、SCZモードのうち“高確D”が最も高く、“高確C”が次に高く、“高確B”が次に高く、“高確A”が次に高く、“低確”が最も低い。これらSCZモードは、任意に移行することができるが、本実施形態では、主制御基板71は、通常有利中の経過ゲーム数や、通常有利中の当籤役に応じてSCZモードの移行抽籤を行い、この抽籤結果に応じてSCZモードを移行させる。
[ART直当りルートで用いる各種データテーブル]
続いて、ART直当りルートにおいて用いる各種のデータテーブルの構成について説明する。なお、以下に示す各種のデータテーブルは、メインROM32に記憶されており、主制御基板71は、これら各種のデータテーブルを参照して、各種の抽籤を行う。
<通常_有利区間移行抽籤テーブル>
初めに、図113を参照して、通常_有利区間移行抽籤テーブルについて説明する。通常_有利区間移行抽籤テーブルは、「通常」の状態(通常区間)においてゲーム(単位遊技)ごとに内部当籤役に基づき有利区間移行抽籤を行う際に参照されるテーブルである。同図に示すように、通常_有利区間移行抽籤テーブルには、参照項目として、「打順ベル」、「共通ベル、1枚」、「共通リプ、チャンスリプ、弱チャンス」、「中チャンス、煽りリプ」、「強ベル」、「確定役」、「LMB」が規定され、参照項目ごとに抽籤結果を示す「非当籤」、「通常有利」、「特定役」、「LMB」の抽籤値が規定される。図109に示す内部当籤役として、「打順ベル」は、「F_4択ベル1A(No.34)」〜「F_4択ベル4B(No.41)」に相当し、「共通ベル、1枚」は、「F_共通ベルA(No.45)〜F_共通ベルB(No.46)」、「F_1枚役(No.47)」に相当し、「共通リプ、チャンスリプ、弱チャンス」は、「F_共通リプ(No.25)」、「F_チャンスリプ(No.26)」、「F_弱チャンス役(No.44)」に相当し、「中チャンス、煽りリプ」は、「F_中チャンス役(No.43)」、「F_煽りリプA(No.31)」〜「F_煽りリプB(No.32)」に相当し、「強ベル」は、「F_強ベル(No.42)」に相当し、「確定役」は、「F_黒BARリプ(No.37)」、「F_赤BARリプ(No.28)」、「F_赤7リプA(No.29)」〜「F_赤7リプB(No.30)」に相当し、「LMB」は、「LMB+F_煽りリプB(No.49)」〜「LMB+F_XDリプ(No.50)」に相当する。なお、抽籤結果としての「特定役」は、「確定役」として特定の処理の契機となるものである。また、他の抽籤テーブルにおいて参照項目として、「打順リプ」、「SPリプA1」、「SPリプA2」、「SPリプB1」、「SPリプB2」を用いることがあるが、「打順リプ」は、「F_RT1中リプ1(No.1)」〜「F_維持リプ5(No.19)」に相当し、「SPリプA1」は、「F_SPリプA1(No.20)」に相当し、「SPリプA2」は、「F_SPリプA2(No.21)」に相当し、「SPリプB1」は、「F_SPリプB1(No.22)」に相当し、「SPリプB2」は、「F_SPリプB2(No.23)」、「F_SPリプB3(No.24)」に相当する。
このような通常_有利区間移行抽籤テーブルを用いた有利区間移行抽籤によれば、「通常」の状態において例えば「打順ベル」に当籤すると、1/256の確率で「通常有利」の抽籤結果が得られ、当該抽籤結果に基づいて次のゲームから「通常有利」の状態となる。また、例えば「中チャンス」あるいは「煽りリプ」に当籤すると、248/256の確率で「通常有利」の抽籤結果が得られ、当該抽籤結果に基づいて次のゲームから「通常有利」の状態となるほか、8/256の確率で「ART」の抽籤結果が得られる場合があり、この場合、当該抽籤結果に基づいて次のゲームから「ART前兆」の状態となる。このような「ART」の当籤確率は、「中チャンス、煽りリプ」の当籤時に3.2%程度であり、「強ベル」の当籤時に12.5%程度であり、「有利区間」に当籤する確率よりも低く抑えられている。
<通常_有利区間初期通常モード抽籤テーブル>
次に、図114を参照して、通常_有利区間初期通常モード抽籤テーブルについて説明する。通常_有利区間初期通常モード抽籤テーブルは、「通常」から有利区間移行抽籤に当籤することで「有利区間」に移行した直後の初回ゲーム(単位遊技)において、当該初回ゲームの通常モードを有利区間初期通常モード抽籤により決定する際に参照されるテーブルである。同図に示すように、通常_有利区間初期通常モード抽籤テーブルには、参照項目として、「打順ベル」、「共通ベル、1枚」、「共通リプ、チャンスリプ、弱チャンス」、「中チャンス、煽りリプ」、「強ベル」、「確定役」、「LMB」が規定され、参照項目ごとに抽籤結果を示す通常モードの種類として、“低確”、“天国準備”、“天国”、“超天国”、“特殊”、“次回前兆”の抽籤値が規定される。
このような通常_有利区間初期通常モード抽籤テーブルを用いた有利区間初期通常モード抽籤によれば、「通常有利」の初回ゲームにおいて例えば「打順ベル」に当籤すると、248/256の確率で“低確”の抽籤結果が得られ、当該初回ゲームでは、その抽籤結果に基づいて“低確”の通常モードとなる。一方、例えば「打順ベル」に当籤した場合には、6/256の確率で“天国準備”の抽籤結果が得られ、この場合に「通常有利」の初回ゲームでは、その抽籤結果に基づいて“天国準備”の通常モードとなる。「通常有利」の初回ゲーム以降は、通常モード移行抽籤の抽籤結果に応じて通常モードが昇格する可能性がある。通常モードは、“低確”、“天国準備”、“天国”、“超天国”、“特殊”、“次回前兆”の順に昇格し(2段階以上の昇格を含む)、基本的に昇格するほど「ART」の当籤確率(図115参照)が高くなるようになっているが、初回ゲームでの通常モードともなり得る“特殊”の場合は、「ART」の当籤確率が“超天国”の場合よりも必ずしも高いとはいえないようになっている(図115参照)。また、「通常有利」の状態で通常モードが“低確”又は“天国準備”の場合の「ART」の当籤確率は、「通常」の状態における「ART」の当籤確率よりも低くなるようになっている(図113及び図115参照)。これにより、「通常」から「通常有利」への移行直後は、「通常」の状態よりも「ART」に当籤し難い状態になりやすい。これについては、後述する通常有利_ART抽籤テーブルを参照して詳述する。
<通常有利_ART抽籤テーブル>
次に、図115を参照して、通常有利_ART抽籤テーブルについて説明する。通常有利_ART抽籤テーブルは、通常モードの種類(“低確”、“天国準備”、“天国”、“超天国”、“特殊”、“次回前兆”)及びSCZモード“高確D”ごとに設けられており、それぞれのモードごとに内部当籤役に基づき「ART」への移行(「ART当籤」)を決定する際に参照されるテーブルである。同図に示すように、各モードに対応する通常有利_ART抽籤テーブルには、参照項目として、「打順ベル」、「共通ベル、1枚」、「共通リプ、フェイクリプ」、「弱チャンス」、「チャンスリプ」、「中チャンス」、「強ベル」が規定され、参照項目ごとに抽籤結果(非当籤、当籤)に対応する抽籤値が規定される。
このような通常有利_ART抽籤テーブルを用いたART抽籤によれば、「通常有利」の状態において例えば“低確”の通常モードである場合には、「弱チャンス」に当籤すると、1/256の確率で「ART」当籤の抽籤結果が得られ、その後「ART前兆」を経て「ART」の状態に移行する。
ここで、通常モードが“低確”又は“天国準備”である場合、「ART」当籤の確率は、内部当籤役の当籤確率も加味すると、「ART」当籤確率(“低確”又は“天国準備”)=0.4%×0.8+0.8%×0.3+12.5%×0.1=1.81%程度となる。一方、図113を参照して「通常」時において有利区間移行抽籤により「ART」当籤の確率は、同様に内部当籤役の当籤確率も加味すると、「ART」当籤確率(通常時)=2.5%程度となる。すなわち、本実施形態では、「通常有利」に移行した当初の通常モード(主として“低確”又は“天国準備”)は、「通常」の状態よりも「ART」当籤の確率が低くなるように抑えられており、「通常」の状態よりも「通常有利」に移行した直後の方が「ART」に移行しにくくなっている。これにより、「通常」の状態であっても「通常有利」を経由せずに「ART」に移行するかもしれないという期待度が高められ、遊技の興趣を高めることができる。また、有利区間が終了し、有利区間ランプ(状態表示器147b)が消灯した場合であっても、必ずしも最も不利な状況であるとは言い切れないため、ランプ消灯時をきっかけに遊技を止めようと考える遊技者に遊技を続行する意欲を生じさせることができる。また、開店直後以外の遊技場においては、前任者が遊技を止めた状態で放置された状況から空き台を選択することとなる。前述の工夫を施したとしても、有利区間ランプが消灯した状況で放置された台の方が多くなる傾向にあり、仮に有利区間ランプ消灯の状況がその機種で相対的に最も不利な状況であることが確定してしまうと、敢えて最も不利な状況から遊技を始める必要もないのではないか、とその遊技者が遊技の開始をためらう可能性がある。わざわざ遊技場まで足を運び、その機種を見に来ている時点で非常に高い遊技意欲をもっている遊技者といえるが、そのような遊技者の意欲を削ぐと稼働率の低下につながる。上述のように、有利区間ランプ消灯の状況が必ずしもその機種の遊技状態の中で最も不利とは限らない仕様とすることにより、ひとまず最も不利な状況とは言い切れないようし、これにより遊技を行ってみようかという気持ちを遊技者に抱かせて稼働率の低下を抑制するといった効果を期待することもできる。
[SCZ経由ルートで用いる各種データテーブル]
続いて、SCZ経由ルートにおいて用いる各種のデータテーブルの構成について説明する。なお、以下に示す各種のデータテーブルは、メインROM32に記憶されており、主制御基板71は、これら各種のデータテーブルを参照して、各種の抽籤を行う。
<通常有利_規定ゲーム到達時SCZモード移行抽籤テーブル>
次に、図116を参照して、通常有利_規定ゲーム到達時SCZモード移行抽籤テーブルについて説明する。通常有利_規定ゲーム到達時SCZモード移行抽籤テーブルは、通常有利の経過ゲーム数(“20G経過時”、“40G経過時”、“80G経過時”)ごとに設けられており、現在(移行前)のSCZモードから移行先のSCZモードを決定する際に参照されるテーブルである。同図に示すように、通常有利_規定ゲーム到達時SCZモード移行抽籤テーブルには、現在のSCZモードごとに抽籤結果(移行先のSCZモード)に対応する抽籤値が規定される。
このような通常有利_規定ゲーム到達時SCZモード移行抽籤テーブルを用いたSCZモードの移行抽籤によれば、規定ゲーム到達時のSCZモード移行抽籤では、通常有利中に経過したゲーム数が多いほど、より上位のSCZモードに移行し易い。なお、本実施形態では上述したように、通常有利中の経過ゲーム数が120Gに到達すると、SCZモードが専用の抽籤モード(高確D)となり、その後、ARTに移行するまで“高確D”から移行することがない。この“高確D”への移行は、移行抽籤を行うことなく行われ、主制御基板71は、通常有利中の経過ゲーム数が120Gに到達すると、SCZモードを“高確D”に移行する。
<通常有利_SCZモード移行抽籤テーブル>
次に、図117を参照して、通常有利_SCZモード移行抽籤テーブルについて説明する。通常有利_SCZモード移行抽籤テーブルは、SCZモードの種類(“低確”、“高確A”、“高確B”、“高確C”、“高確D”)ごとに設けられており、それぞれのモードごとに内部当籤役に基づき移行先のSCZモードを決定する際に参照されるテーブルである。各モードに対応する通常有利_SCZモード移行抽籤テーブルには、参照項目として、「打順ベル」、「共通ベル、1枚」、「共通リプ、フェイクリプ」、「弱チャンス」、「チャンスリプ」、「中チャンス」、「強ベル」が規定され、参照項目ごとに抽籤結果(移行先のSCZモード)に対応する抽籤値が規定される。
このような通常有利_SCZモード移行抽籤テーブルを用いたSCZモードの移行抽籤によれば、通常有利中は、内部当籤役に基づきSCZモードが移行する。なお、図117に示す例では、内部当籤役に基づく移行抽籤では、SCZモードは、転落又は維持されるだけであり、昇格することがない。この点、内部当籤役に基づく移行抽籤においても、SCZモードが昇格することとしてもよい。
<通常有利_SCZ抽籤テーブル>
次に、図118を参照して、通常有利_SCZ抽籤テーブルについて説明する。通常有利_SCZ抽籤テーブルは、通常有利中の各遊技においてSCZモードに基づき「SCZ」への移行(「SCZ当籤」)を決定する際に参照されるテーブルである。同図に示すように、通常有利_SCZ抽籤テーブルには、参照項目として現在のSCZモード(“低確”、“高確A”、“高確B”、“高確C”、“高確D”)が規定され、参照項目ごとに抽籤結果(非当籤、当籤)に対応する抽籤値が規定される。
このような通常有利_SCZ抽籤テーブルを用いたSCZ抽籤によれば、「通常有利」の状態において例えば“高確A”のSCZモードである場合には、24/256の確率で「SCZ」当籤の抽籤結果が得られ、その後「SCZ」の状態に移行する。なお、図118に示す例では、通常有利中のSCZ抽籤では、内部当籤役に関わらず一律の抽籤により「SCZ」への移行を決定するが、これに限られるものではなく、一律の抽籤に変えて、又は一律の抽籤に加えて、内部当籤役及びSCZモードに基づくSCZ抽籤を行うこととしてもよい。また、SCZ抽籤において「SCZ」当籤の抽籤結果が得られた場合、「SCZ」の種類(“通常”、“レジェンド”)を抽籤により決定することとしてもよく、この場合においても、SCZモードや「SCZ」当籤の抽籤結果が得られた際の内部当籤役に応じて「SCZ」の種別の抽籤結果が異なることとしてもよい。例えば、SCZモードが“高確D”である場合には、“レジェンド”が決定され易い、又は、“レジェンド”が必ず決定されることとしてもよい。
<SCZ_ART抽籤テーブル>
次に、図119を参照して、SCZ_ART抽籤テーブルについて説明する。SCZ_ART抽籤テーブルは、「SCZ」の種類、及び、SCZモードの種類(“低確”、“高確A”、“高確B”、“高確C”、“高確D”)ごとに設けられており、それぞれのモードごとに内部当籤役に基づき「ART」への移行(「ART当籤」)を決定する際に参照されるテーブルである。同図に示すように、SCZ_ART抽籤テーブルには、参照項目としてSCZの種類(“通常”、“レジェンド”)、SCZモードの種類(“低確”、“高確A”、“高確B”、“高確C”、“高確D”)、内部当籤役(「打順ベル」、「共通ベル、1枚」、「共通リプ、フェイクリプ」、「弱チャンス」、「チャンスリプ」、「中チャンス」、「強ベル」)が規定され、参照項目ごとに抽籤結果(非当籤、当籤)に対応する抽籤値が規定される。
このようなSCZ_ART抽籤テーブルを用いたART抽籤によれば、例えば“通常”の「SCZ」において、SCZモードが“高確D”である場合には、「中チャンス」に当籤すると、128/256の確率で「ART」当籤の抽籤結果が得られ、その後「上乗せ特化ゾーン」を経て「ART」の状態に移行する。
<SCZ_SCZ終了時SCZモード抽籤テーブル>
次に、図120を参照して、SCZ_SCZ終了時SCZモード抽籤テーブルについて説明する。SCZ_SCZ終了時SCZモード抽籤テーブルは、「ART」への移行に非当籤のまま「SCZ」が終了した場合に、現在のSCZモードごとに移行先のSCZモードを決定する際に参照されるテーブルである。同図に示すように、SCZ_SCZ終了時SCZモード抽籤テーブルには、現在のSCZモードごとに抽籤結果(移行先のSCZモード)に対応する抽籤値が規定される。
このようなSCZ_SCZ終了時SCZモード抽籤テーブルを用いたSCZモードの抽籤によれば、例えばSCZモードが“高確D”である場合には、SCZモードは“高確D”のまま維持される。
<通常有利_有利区間終了抽籤テーブル>
次に、図121を参照して、通常有利_有利区間終了抽籤テーブルについて説明する。通常有利_有利区間終了抽籤テーブルは、通常モードの種類(“低確”、“天国準備”、“天国”、“超天国”、“特殊”)ごとに設けられており、「通常有利」の各通常モードごとに内部当籤役に基づき有利区間の終了を決定する際に参照されるテーブルである。なお、通常モードが“次回前兆”の場合、有利区間を終了させないようにするために、“次回前兆”に対応する有利区間終了抽籤テーブルか設けられていない。また、上述のようにSCZモードが“高確D”の場合も有利区間を終了させないため、SCZモードが“高確D”の場合、主制御基板71は、通常モードの種類に関わらず、有利区間の終了抽籤を行わない。同図に示すように、各通常モードに対応する通常有利_有利区間終了抽籤テーブルには、参照項目として、「打順ベル」、「共通ベル、1枚」、「共通リプ、フェイクリプ」、「弱チャンス」、「チャンスリプ」、「中チャンス」、「強ベル」が規定され、参照項目ごとに抽籤結果(継続、終了)に対応する抽籤値が規定される。
このような通常有利_有利区間終了抽籤テーブルを用いた有利区間終了抽籤によれば、有利区間の開始から例えば100Gに達した後、「通常有利」の状態において、例えば“低確”の通常モードである場合には、「打順ベル」に当籤すると、252/256の高確率で有利区間終了の抽籤結果が得られ、次ゲームから有利区間の「通常有利」の状態から通常区間の「通常」の状態に移行する。一方、例えば“低確”の通常モードで「打順ベル」に当籤した場合にあっても、4/256という低い確率で有利区間継続の抽籤結果が得られる場合がある。この場合、有利区間が終了されることなく継続される。なお、有利区間終了の抽籤結果が得られた後に所定ゲーム数を経過してから通常区間の「通常」の状態に移行するようにしてもよい。また、有利区間終了の抽籤結果が得られた後に、通常区間の「通常」の状態に移行するまでに所定ゲーム数の移行待ち状態を設けることにより、当該所定ゲーム数において勝利で有利区間継続又は/及びART当籤、敗北で有利区間終了といった複数ゲームにまたがる連続演出を行うことができるようにしてもよく、これにより遊技の興趣を高めることができる。この場合は、当該連続演出の最中に有利区間ランプが消灯してしまい、連続演出の途中において敗北が確定してしまうといった興趣が低下する状況を避けることができる。なお、連続演出は、移行待ちの所定ゲーム数よりも1ゲーム以上短いゲーム数で基本的な決着がつく構成として、基本的な決着としての敗北演出が発生した次ゲームで復活するパターンをもたせるようにしてもよい。敗北確定演出が発生したゲームの例えば第3停止時において有利区間ランプが消灯した場合は、復活演出で有利区間継続又はART当籤となる可能性がなくなるため、次ゲームの遊技を継続する意欲が低下するので、そのような状況を避けるための配慮である。具体例としては、所定ゲーム数を5ゲームとして、連続演出について復活演出用の1ゲームを除いた決着までの内容を最大4ゲームで構成し、1ゲームで復活演出を行うといった場合である。復活演出が発生しないことを遊技者が確認した後に有利区間ランプが消灯することにより、連続演出の興趣を途中で低下させる事態を防止することができる。なお、リミッタ(リミット処理)が発動する場合は、「通常有利」から通常区間の「通常」に移行するまでに移行待ち状態を設けることができないので、リミッタ発動の直前については、上述の有利区間継続に関する連続演出の発生を抑制し、連続演出がリミッタで打ち切られる事態を防止するとよい。
[ART中の遊技の流れ]
続いて、図122を参照して、「ART」中の遊技の流れ(より具体的にはART中の上乗せに関する遊技の流れ)について説明する。図122(A)に示すように、本実施形態において主制御基板71は、「ART」を継続可能なゲーム数を延長するゲーム数上乗せと、「上乗せ特化ゾーン」の権利を付与する特化ゾーンのストック上乗せと、の2種類の上乗せを「ART」中に行う。ここで、上述したように、「ART」中は、ARTモード、チャンスAモード、チャンスBモード、チャンスCモードという複数のモードに基づいて上乗せが制御される。以下、「ART」中のモードと上乗せとの関係について説明する。
図122(B)は、ARTモードと上乗せとの関係を示す図である。上述したように、ARTモードには、“モード0”、“モードA”、“モードB”、“モードC”というART中の上乗せ抽籤などの有利度合いが異なる複数のモードがある。「ART」移行時のARTモードの初期状態は、基本的には“モードA”であるが、「確定役」を契機として「ART」に移行した場合には、“モードB”や“モードC”から開始することがある。より具体的には、「確定役1」を契機として「ART」に移行した場合、ARTモードは“モードB”から開始し、「確定役2」を契機として「ART」に移行した場合、ARTモードは“モードC”から開始する。なお、「確定役1」とは、「F_赤BARリプ(No.28)」、「F_赤7リプA(No.29)」、「F_赤7リプB(No.30)」が相当し、「確定役2」とは、「F_黒BARリプ(No.37)」が相当する。
図122(B)に示すように、ARTモードは、上乗せ期待度がそれぞれ異なり、基本的には、“モード0”は上乗せの期待度がほとんどなく、“モードA”、“モードB”、“モードC”は所定の確率で上乗せが行われる。なお、上述のように、ARTモードが“モード0”以外である場合、上乗せの期待度は全て同一であるが、“モード0”までの転落のし易さが、それぞれのARTモードにおいて異なるため、「ART」中の上乗せに関する有利度合いが、“モードA”、“モードB”、“モードC”において異なる。もちろん、“モードA”、“モードB”、“モードC”において上乗せ抽籤などに当籤する確率自体を異ならせることで、「ART」中の上乗せに関する有利度合いを異ならせることとしてもよく、また、上乗せ抽籤などに当籤する確率と、“モード0”までの転落のし易さとの双方から上乗せに関する有利度合いを異ならせることとしてもよい。このとき、“モード0”まで転落し難いARTモードほど上乗せ抽籤などに当籤する確率を高くしてもよく(例えば、“モードC”が上乗せ抽籤などに当籤する確率が最も高い)、また、“モード0”までの転落のし易さと上乗せ抽籤などに当籤する確率とをミックスして調整することとしてもよい。一例として、“モード0”に最も転落し易い“モードA”における上乗せ抽籤などに当籤する確率を、“モードB”における上乗せ抽籤などに当籤する確率よりも高くすることとしてもよい。このようにすることで、ARTモードが“モード0”の直前まで転落すると、却って上乗せし易い状態になる。
また、主制御基板71は、「ART」中にARTモードの移行抽籤を行い、この移行抽籤の結果に応じてARTモードを移行する。ARTモードの移行抽籤は、内部当籤役に基づく抽籤(通常処理)により行われるほか、MB作動時の共通処理により行われる。本実施形態では、通常処理に基づく移行抽籤では、基本的に、ARTモードは維持又は転落するが、共通処理に基づく移行抽籤では、基本的に、ARTモードは維持又は昇格する。もちろん、これに限られるものではなく、通常処理に基づく移行抽籤においてもARTモードを昇格可能としてもよく、また、共通処理に基づく移行抽籤においてもARTモードを転落可能としてもよい。
続いて、図122(C)は、チャンスモードと上乗せとの関係を示す図である。上述のように本実施形態では、管理する上乗せの契機が異なるチャンスAモード、チャンスBモード、チャンスCモードという複数のモードを有する。具体的には、チャンスBモードは、「SPリプA2」に基づく上乗せを管理し、チャンスCモードは、「SPリプA1」に基づく上乗せを管理する。なお、「SPリプA2」は、“右1st”の押し順で停止操作が行われることで図柄「赤7」が3個並んで表示される“赤7リプ”に係る図柄の組合せが表示され、「SPリプA1」は、“中1st”の押し順で停止操作が行われることで図柄「赤BAR」が3個並んで表示される“赤BARリプ”に係る図柄の組合せが表示されるため、チャンスBモードは、赤7揃いに基づく上乗せを管理し、チャンスCモードは、赤BAR揃いに基づく上乗せを管理するといえる。また、チャンスAモードは、「SPリプA1」「SPリプA2」以外の当籤役に基づく上乗せを管理する。
また、チャンスAモード、チャンスBモード、チャンスCモードには、それぞれ“通常”、“高確準備”、“高確”、“超高確”というART中の上乗せ抽籤などの有利度合いが異なる複数のモードがある。主制御基板71は、「ART」中に、チャンスAモード、チャンスBモード、チャンスCモードのそれぞれについて個別のモード移行抽籤を行い、この移行抽籤の結果に応じて各チャンスモードのモードを移行する。そのため、「ART」中にチャンスAモード、チャンスBモード、チャンスCモードは、それぞれ個別に管理され、例えば、ある遊技においてそれぞれのモードが別々のモードであることもあれば、一部のモードが共通であることもあれば、全てのモードが共通であることもある。
続いて、図122(C)は、本実施形態における特殊な上乗せであるラストフリーズの流れを示す図である。本実施形態では、主制御基板71は、「ART」の残りゲーム数が1から0に減算されるタイミングでラストフリーズを発生させるか否かの抽籤を行う。この抽籤に当籤した場合、主制御基板71は、ARTの残りゲーム数に有利区間のリミットに達するまでの値(=1500−消化した有利区間のゲーム数)を加算し、所定のフリーズ処理を行う。一例として、有利区間中に消化したゲーム数が200回のときにラストフリーズの抽籤に当籤した場合、主制御基板71は、ARTの残りゲーム数に1300を加算する。一方で、この抽籤に非当籤の場合には、主制御基板71は、ART終了時の所定の処理を行う。なお、ラストフリーズの抽籤に当籤した場合、リミット処理が行われることが確定するため、主制御基板71は、出玉状態を「エンディング」に移行し、その後、上乗せ抽籤を一切行わない。
また、ラストフリーズの抽籤を行うタイミングは、「ART」の最終ゲームの任意のタイミングであってよく、例えば、「ART」最終ゲームの遊技開始時であってもよく、また、「ART」最終ゲームの第1停止操作時〜第3停止操作時であってもよい。なお、停止操作時とは、ストップスイッチ7Sがオンになったときであってもよく、また、オフになったときであってもよい。
[ART中に用いる各種データテーブル]
続いて、「ART」中の上乗せ抽籤などに用いる各種のデータテーブルの構成について説明する。なお、以下に示す各種のデータテーブルは、メインROM32に記憶されており、主制御基板71は、これら各種のデータテーブルを参照して、各種の抽籤を行う。
以下に示す図123〜図128は、ARTモードに関連する制御に用いられるデータテーブルである。具体的には、図123及び図124は、ARTモードの移行抽籤に用いられるデータテーブルであり、図125及び図126は、ARTモードに基づくゲーム数の上乗せ抽籤に用いられるデータテーブルであり、図127及び図128は、ARTモードに基づく特化ゾーンのストックの上乗せ抽籤に用いられるデータテーブルである。
また、図129〜図135は、チャンスモードに関連する制御に用いられるデータテーブルである。具体的には、図129は、「ART」移行時のチャンスモード(チャンスAモード、チャンスBモード、チャンスCモード)を抽籤するために用いられるデータテーブルであり、図130〜図132は、それぞれのチャンスモードの移行抽籤に用いられるデータテーブルであり、図133〜図135は、それぞれのチャンスモードに基づくゲーム数の上乗せ抽籤に用いられるデータテーブルである。
また、図136は、100ゲーム以上のゲーム数の上乗せを行う場合の上乗せ抽籤に用いられるデータテーブルであり、図137は、ラストフリーズを発生させるか否かの抽籤に用いられるデータテーブルである。
<ART_ARTモード移行抽籤テーブル>
初めに、図123を参照して、ART_ARTモード移行抽籤テーブルについて説明する。ART_ARTモード移行抽籤テーブルは、内部当籤役に基づきARTモードの移行先を決定する際に参照されるテーブルである。同図に示すように、ART_ARTモード移行抽籤テーブルは、現在のARTモードの種類(“モード0”、“モードA”、“モードB”、“モードC”)毎に設けられるとともに、参照項目として、「打順ベル」、「共通ベル、1枚」、「共通リプ、フェイクリプ」、「弱チャンス」、「チャンスリプ」、「中チャンス」、「強ベル」が規定され、参照項目ごとに抽籤結果(移行先のARTモード)に対応する抽籤値が規定される。
このようなART_ARTモード移行抽籤テーブルを用いたARTモードの移行抽籤によれば、主制御基板71は、「ART」中に内部当籤役に基づいてARTモードの移行抽籤(通常処理)を行い、この抽籤結果に基づいてARTモードを移行させる。例えば、現在のARTモードが“モードB”の状態において「打順ベル」に当籤すると、12/256の確率で“モードA”への移行(転落)という抽籤結果が得られ、ARTモードが“モードB”から“モードA”へと移行する。
<MB作動_ARTモード移行抽籤テーブル>
次に、図124を参照して、MB作動_ARTモード移行抽籤テーブルについて説明する。MB作動_ARTモード移行抽籤テーブルは、MB作動時の共通処理において用いられ、ARTモードの移行先を決定する際に参照されるテーブルである。同図に示すように、MB作動_ARTモード移行抽籤テーブルは、現在のARTモードの種類(“モード0”、“モードA”、“モードB”、“モードC”)ごとに抽籤結果(移行先のARTモード)に対応する抽籤値が規定される。
このようなMB作動_ARTモード移行抽籤テーブルを用いたARTモードの移行抽籤によれば、主制御基板71は、「ART」中のMB作動時にARTモードの移行抽籤(共通処理)を行い、この抽籤結果に基づいてARTモードを移行させる。例えば、現在のARTモードが“モード0”の場合、63/256の確率で“モードA”への移行(昇格)という抽籤結果が得られ、ARTモードが“モード0”から“モードA”へと移行する。
<ART_通常上乗せ抽籤テーブル>
次に、図125を参照して、ART_通常上乗せ抽籤テーブルについて説明する。ART_通常上乗せ抽籤テーブルは、「ART」中に行うARTモードに基づく上乗せ抽籤において用いられ、内部当籤役に基づき上乗せゲーム数(すなわち、「ART」を継続可能な期間を延長するゲーム数)を決定する際に参照されるテーブルである。同図に示すように、ART_通常上乗せ抽籤テーブルは、現在のARTモードの種類(“モード0”、“モードA”、“モードB”、“モードC”)毎に設けられるとともに、参照項目として、「打順ベル」、「共通ベル、1枚」、「共通リプ、フェイクリプ」、「弱チャンス」、「チャンスリプ」、「中チャンス」、「強ベル」が規定され、参照項目ごとに抽籤結果(上乗せゲーム数)に対応する抽籤値が規定される。
このようなART_通常上乗せ抽籤テーブルを用いた上乗せ抽籤によれば、主制御基板71は、「ART」中に内部当籤役及びARTモードに基づいて上乗せゲーム数の抽籤を行い、この抽籤結果に基づいて「ART」を継続可能な期間を延長する。例えば、現在のARTモードが“モードA”の状態において「中チャンス」に当籤すると、28/256の確率で上乗せゲーム数として「30G」という抽籤結果が得られ、「ART」を継続可能な期間が30ゲーム分延長される。
ここで、ART_通常上乗せ抽籤テーブルを参照すると、本実施形態では、上乗せゲーム数の抽籤結果として「100A」「100B」「100C」が決定されることがある。これら「100A」〜「100C」は、少なくとも100ゲーム以上の上乗せゲーム数が確定する抽籤結果であり、「100A」〜「100C」が決定された場合には、主制御基板71は、続いて、後述の図136に示す共通_上位上乗せゲーム数抽籤テーブルを参照して、実際に上乗せするゲーム数を抽籤する。
なお、ARTモード“モード0”に対応するART_通常上乗せ抽籤テーブルと、ARTモード“モードA”〜“モードC”に対応するART_通常上乗せ抽籤テーブルとを比較すると、ARTモード“モード0”では、ART中の上乗せ抽籤などが抑制されていることが分かる。具体的には、ARTモードが“モード0”の状態では、強レア役である「強ベル」の当籤時にのみ上乗せが行われ、その他の役の当籤時には上乗せが行われない。
なお、「ART」を継続可能な期間(残りゲーム数)を延長する上乗せゲーム数を決定すると、主制御基板71は、自身が管理する所定のカウンタの値を更新(すなわち、残りゲーム数に上乗せゲーム数を加算)して、「ART」を継続可能な期間を延長する。このとき、副制御基板72は、主制御基板71が上乗せゲーム数を決定したことを契機として、遊技者に対して上乗せしたゲーム数を報知することとしてもよく、また、主制御基板71が決定した上乗せゲーム数を一時的に保持しておき、その後の所定の契機において遊技者に対して保持しているゲーム数を報知することとしてもよい。そのため、副制御基板72は、「ART」を継続可能な期間(残りゲーム数)を計数するカウンタとして、遊技者に対して報知済みの期間(報知済みゲーム数)を計数するカウンタ(報知済みカウンタ)と、遊技者に対して未報知の期間(未報知ゲーム数)を計数するカウンタ(未報知カウンタ)とを有する。なお、メイン(主制御基板71)側で管理する「ART」を継続可能な期間を計数するカウンタの値は、サブ(副制御基板72)側で管理する報知済みカウンタの値と未報知カウンタの値との和に一致する。
ここで、主制御基板71が上乗せゲーム数を決定したことを「契機」として上乗せゲーム数を報知する、とは、主制御基板71が上乗せゲーム数を決定した当該遊技に限られるものではなく、当該遊技から所定ゲーム数後に報知することを含むものである。すなわち、パチスロでは、決定した上乗せゲーム数を複数回の遊技にわたって行う連続演出の結果により報知することがあり、このような連続演出の結果として報知することも、主制御基板71が上乗せゲーム数を決定したことを「契機」として上乗せゲーム数を報知することに含めることとしてもよい。
また、一時的に保持しておいた上乗せゲーム数を報知する「所定の契機」は任意に設定することができ、例えば、見た目上の残りゲーム数(報知済みカウンタ)が所定値以下になった場合であってもよく、また、いわゆるレア役(本実施形態の場合、例えば「弱チャンス」「チャンスリプ」「中チャンス」「強ベル」など)が内部当籤役として決定されたにも関わらず、上乗せ抽籤に非当籤の場合であってもよく、また、主制御基板71が上乗せゲーム数を決定してから所定ゲーム数経過後であってもよく、また、主制御基板71が上乗せゲーム数を決定してから所定時間経過後であってもよい。
なお、主制御基板71が上乗せゲーム数を決定したことを契機として副制御基板72が上乗せゲーム数を報知することを、以下では「即報知」と呼ぶことがあり、また、主制御基板71が決定した上乗せゲーム数を副制御基板72が一時的に保持しておくことを、以下では「潜伏」と呼ぶことがある。また、本実施形態では、様々な条件を契機として上乗せ抽籤を行うこととしているが、上乗せゲーム数を即報知することや、潜伏させることは、ART_通常上乗せ抽籤テーブルを用いた上乗せ抽籤の抽籤結果だけでなく、他の上乗せ抽籤の抽籤結果についても同様に適用することができる。
<MB作動_ARTゲーム数上乗せ抽籤テーブル>
次に、図126を参照して、MB作動_ARTゲーム数上乗せ抽籤テーブルについて説明する。MB作動_ARTゲーム数上乗せ抽籤テーブルは、MB作動時の共通処理において用いられ、ARTモードに基づき上乗せゲーム数を決定する際に参照されるテーブルである。同図に示すように、MB作動_ARTゲーム数上乗せ抽籤テーブルには、参照項目として現在のARTモードの種類(“モード0”、“モードA”、“モードB”、“モードC”)が規定され、参照項目ごとに抽籤結果(上乗せゲーム数)に対応する抽籤値が規定される。
このようなMB作動_ARTゲーム数上乗せ抽籤テーブルを用いた上乗せ抽籤によれば、主制御基板71は、「ART」中にARTモードに基づいて上乗せゲーム数の抽籤を行い、この抽籤結果に基づいて「ART」を継続可能な期間を延長する。具体的には、主制御基板71は、ARTモードが“モード0”の状態では、MB作動時の共通処理において上乗せゲーム数を決定することがなく(「0G」が必ず決定)、“モード0”以外の状態では、MB作動時の共通処理において例えば12/256の確率で上乗せゲーム数として「50G」を決定し、「ART」を継続可能な期間を50ゲーム分延長する。
<ART_履歴種別抽籤テーブル>
次に、図127を参照して、ART_履歴種別抽籤テーブルについて説明する。ART_履歴種別抽籤テーブルは、内部当籤役に基づき履歴高確に移行するか否かを決定する際に参照されるテーブルである。同図に示すように、ART_履歴種別抽籤テーブルは、参照項目として、「打順ベル」、「共通ベル、1枚」、「共通リプ、フェイクリプ」、「弱チャンス」、「チャンスリプ」、「中チャンス」、「強ベル」が規定され、参照項目ごとに抽籤結果(非当籤、当籤)に対応する抽籤値が規定される。
このようなART_履歴種別抽籤テーブルを用いた履歴高確への移行抽籤によれば、主制御基板71は、「ART」中に内部当籤役に基づいて履歴高確への移行抽籤を行い、この抽籤に当籤した場合、5ゲーム間の履歴高確状態をセットする。この5ゲーム間の履歴高確状態中は、図128で後述するART_上乗せ特化ゾーン抽籤テーブルを参照して「上乗せ特化ゾーン」のストック抽籤が行われ、このストック抽籤に当籤した場合、「上乗せ特化ゾーン」のストックが1つ付与される。例えば「中チャンス」に当籤すると、32/256の確率で履歴高確の当籤という抽籤結果が得られ、その後の5ゲーム間が履歴高確状態となる。
<ART_上乗せ特化ゾーン抽籤テーブル>
次に、図128を参照して、ART_上乗せ特化ゾーン抽籤テーブルについて説明する。ART_上乗せ特化ゾーン抽籤テーブルは、内部当籤役に基づき「上乗せ特化ゾーン」のストックを付与するか否かを決定する際に参照されるテーブルである。同図に示すように、ART_上乗せ特化ゾーン抽籤テーブルには、参照項目として、「打順ベル」、「共通ベル、1枚」、「共通リプ、フェイクリプ」、「弱チャンス」、「チャンスリプ」、「中チャンス」、「強ベル」が規定され、参照項目ごとに抽籤結果(非当籤、ガセ1、ガセ2、当籤)に対応する抽籤値が規定される。なお、抽籤結果「非当籤、ガセ1、ガセ2」は、「上乗せ特化ゾーン」のストック抽籤に非当籤であることを意味するが、抽籤結果「ガセ1、ガセ2」の場合、サブ(副制御基板72)側において所定の演出(例えば、非当籤であるものの、当籤を煽る演出)を実行する。
主制御基板71は、「ART」中の履歴高確中のみART_上乗せ特化ゾーン抽籤テーブルを参照して「上乗せ特化ゾーン」のストック抽籤を行い、この抽籤に当籤した場合には、「上乗せ特化ゾーン」の種類を抽籤により決定するとともに、「ART」から「上乗せ特化ゾーン」の状態に移行する。このようなART_上乗せ特化ゾーン抽籤テーブルを用いた「上乗せ特化ゾーン」のストック抽籤によれば、履歴高確中に例えば「中チャンス」に当籤すると、128/256の確率で「上乗せ特化ゾーン」のストック抽籤に当籤という抽籤結果が得られる。
ここで、図127に示すART_履歴種別抽籤テーブルと、図128に示すART_上乗せ特化ゾーン抽籤テーブルとを比較すると、両テーブルとも「打順ベル」「共通ベル、1枚」の当籤時は抽籤結果として「非当籤」のみが決定されることが分かる。同様に、「共通リプ、フェイクリプ」、「弱チャンス」、「チャンスリプ」、「中チャンス」、「強ベル」の当籤時は、両テーブルとも所定の確率で「当籤」が決定されることが分かる。そのため、本実施形態では、履歴高確に移行可能な役が、履歴高確中に当籤すると所定の確率で「上乗せ特化ゾーン」のストック抽籤に当籤することになる。言い換えると、本実施形態では、「ART」中の5ゲーム間にレア役(「共通リプ、フェイクリプ」、「弱チャンス」、「チャンスリプ」、「中チャンス」、「強ベル」)が2回当籤すると、「上乗せ特化ゾーン」のストック抽籤に当籤する可能性がある。なお、本実施形態では、履歴データ(例えば、5ゲーム間の当籤役の履歴)を持つことなく、5ゲーム間の遊技結果に基づいて「ART」の上乗せに関する制御を可能にしているが、この点については後述する。
また、両テーブルを比較すると、ART_履歴種別抽籤テーブルでは、当籤したレア役の種類に応じて履歴高確への移行抽籤に当籤する確率が異なるのに対して、ART_上乗せ特化ゾーン抽籤テーブルでは、当籤したレア役の種類に関わらず一律の確率(例えば、50%)で「上乗せ特化ゾーン」のストック抽籤に当籤することが分かる。これにより、本実施形態では、履歴高確に移行できた場合には、レア役の種類に関係なく(いわゆる弱レア役の当籤時であっても)「上乗せ特化ゾーン」のストックが期待できることになる。
なお、ART_履歴種別抽籤テーブルを参照した履歴高確への移行抽籤は、ARTモードが“モード0”以外の状態において行われ、ARTモードが“モード0”の状態においては行わない。そのため、“モード0”中は履歴高確に移行することがない。図128に示すART_上乗せ特化ゾーン抽籤テーブルを参照した「上乗せ特化ゾーン」のストック抽籤は、履歴高確中のみ行うため、この点からもARTモード“モード0”は上乗せの期待度が低いことが分かる。
<ART_初期高確抽籤テーブル>
次に、図129を参照して、ART_初期高確抽籤テーブルについて説明する。ART_初期高確抽籤テーブルは、「ART」の開始時にチャンスAモード、チャンスBモード、チャンスCモードの初期状態を決定する際に参照されるテーブルである。同図に示すように、ART_初期高確抽籤テーブルには、参照項目として「ART」への移行契機が規定され、参照項目ごとに抽籤結果(ALL通常、チャンスA、チャンスB、チャンスA+B、チャンスC、チャンスA+C、チャンスB+C、ALL高確)に対応する抽籤値が規定される。
上述のようにチャンスAモード、チャンスBモード、チャンスCモードには、“通常”、“高確準備”、“高確”、“超高確”という複数のモードがある。ART_初期高確抽籤テーブルを参照した抽籤により決定される抽籤結果は、「ART」開始時に初期状態として“高確”をセットするチャンスモードの種類を示している。例えば、主制御基板71は、抽籤結果として「チャンスA」を決定した場合、「ART」開始時の初期状態としてチャンスAモード“高確”、チャンスBモード“通常”、チャンスCモード“通常”をセットし、また、抽籤結果として「チャンスB+C」を決定した場合、「ART」開始時の初期状態としてチャンスAモード“通常”、チャンスBモード“高確”、チャンスCモード“高確”をセットし、また、抽籤結果として「ALL通常」を決定した場合、「ART」開始時の初期状態としてチャンスAモード“通常”、チャンスBモード“通常”、チャンスCモード“通常”をセットする。
また、参照項目として設けられた「ART」への移行契機は、任意に設定することができるが、本実施形態では一例として以下のような移行契機を用いる。例えば、主制御基板71は、“レジェンド”の「SCZ」を経由して「ART」に移行した場合、「契機B」の参照項目を用いて抽籤を行い、「F_赤7リプA(No.29)」、「F_赤7リプB(No.30)」の当籤を契機として「ART」に移行した場合、「契機C」の参照項目を用いて抽籤を行い、「F_赤BARリプ(No.28)」の当籤を契機として「ART」に移行した場合、「契機D」の参照項目を用いて抽籤を行い、「F_黒BARリプ(No.37)」の当籤を契機として「ART」に移行した場合、「契機E」の参照項目を用いて抽籤を行い、それ以外の条件を契機として「ART」に移行した場合、「契機A」の参照項目を用いて抽籤を行う。
このようなART_初期高確抽籤テーブルを用いた抽籤によれば、「契機C(「F_赤7リプA」「F_赤7リプB」)」を契機として「ART」に移行した場合、チャンスBモードの初期状態が必ず“高確”になり、また、「契機D(「F_赤BARリプ」)」を契機として「ART」に移行した場合、チャンスCモードの初期状態が必ず“高確”になる。ここで、上述のようにチャンスBモードは、赤7揃いに基づく上乗せを管理するモードであり、チャンスCモードは、赤BAR揃いに基づく上乗せを管理するモードである。そのため、赤7(「F_赤7リプA」「F_赤7リプB」)を契機として「ART」に移行した場合には、「ART」の初期状態が赤7揃いに基づく上乗せが優遇された状態となり、赤BAR(「F_赤BARリプ」)を契機として「ART」に移行した場合には、「ART」の初期状態が赤BAR揃いに基づく上乗せが優遇された状態となる。
<ART_チャンスモード移行抽籤テーブル>
次に、図130〜図132を参照して、ART_チャンスモード移行抽籤テーブルについて説明する。ART_チャンスモード移行抽籤テーブルは、チャンスモードの移行抽籤において参照され、図130は、チャンスAモードの移行抽籤に参照されるテーブルであり、図131は、チャンスBモードの移行抽籤に参照されるテーブルであり、図132は、チャンスCモードの移行抽籤に参照されるテーブルである。ART_チャンスモード移行抽籤テーブルは、チャンスモードの種類(チャンスAモード、チャンスBモード、チャンスCモード)及び現在のモード(“通常”、“高確準備”、“高確”、“超高確”)ごとに設けられ、参照項目として、「打順ベル」、「共通ベル、1枚」、「共通リプ、フェイクリプ」、「弱チャンス」、「チャンスリプ」、「中チャンス」、「強ベル」が規定され、参照項目ごとに抽籤結果(移行先のモード)に対応する抽籤値が規定される。
このようなART_チャンスモード移行抽籤テーブルを用いた移行抽籤によれば、主制御基板71は、「ART」中にチャンスAモードが“通常”である状態で「チャンスリプ」に当籤すると、32/256の確率で“高確準備”への移行という抽籤結果が得られ、チャンスAモードが“通常”から“高確準備”へ移行する。なお、上述したように、主制御基板71は、チャンスAモード、チャンスBモード、チャンスCモードを個別に管理する。すなわち、主制御基板71は、内部当籤役を決定すると、当該内部当籤役に基づいて、チャンスAモードと、チャンスBモードと、チャンスCモードとのそれぞれの移行抽籤を個別に行う。
<ART_チャンスモード用上乗せ抽籤テーブル>
次に、図133〜図135を参照して、ART_チャンスモード用上乗せ抽籤テーブルについて説明する。ART_チャンスモード用上乗せ抽籤テーブルは、チャンスモードに基づく上乗せ抽籤において参照され、図133は、チャンスAモードに基づく上乗せ抽籤において参照されるテーブルであり、図134は、チャンスBモードに基づく上乗せ抽籤において参照されるテーブルであり、図135は、チャンスCモードに基づく上乗せ抽籤において参照されるテーブルである。ART_チャンスモード用上乗せ抽籤テーブルは、チャンスモードの種類(チャンスAモード、チャンスBモード、チャンスCモード)及び現在のモード(“通常”、“高確準備”、“高確”、“超高確”)ごとに設けられ、参照項目として、「打順ベル」、「共通ベル、1枚」、「打順リプ」、「SPリプA1」、「SPリプA2」、「SPリプB1」、「SPリプB2」、「弱チャンス、共通リプ」、「チャンスリプ」、「中チャンス、フェイクリプ」、「強ベル」が規定され、参照項目ごとに抽籤結果(上乗せゲーム数)に対応する抽籤値が規定される。
このようなART_チャンスモード用上乗せ抽籤テーブルを用いた上乗せ抽籤によれば、主制御基板71は、「ART」中に内部当籤役及びチャンスモード(チャンスAモード、チャンスBモード、チャンスCモード)に基づいて上乗せゲーム数の抽籤を行い、この抽籤結果に基づいて「ART」を継続可能な期間を延長する。なお、主制御基板71は、「ART」中の単位遊技において、チャンスAモードに基づく上乗せ抽籤と、チャンスBモードに基づく上乗せ抽籤と、チャンスCモードに基づく上乗せ抽籤と、をそれぞれ行う。ただし、同図を比較すると分かるように、チャンスモードごとに上乗せ抽籤に当籤する可能性のある当籤役が異なるため、チャンスAモードに基づく上乗せと、チャンスBモードに基づく上乗せと、チャンスCモードに基づく上乗せとが重複することはない。
なお、本実施形態では、「ART」中にARTモードに基づく上乗せ抽籤を行うこととしているが、ARTモードに基づく上乗せと、チャンスモードに基づく上乗せとは、重複することがある。例えば、「強ベル」の当籤時に、ARTモードに基づいて上乗せゲーム数として「30G」が決定され(図125参照)、チャンスAモードに基づいて上乗せゲーム数として「50G」が決定された場合には(図133参照)、当該遊技において「80G(=30+50)」の上乗せが行われることになる。
ここで、図134に示すチャンスBモード用のART_チャンスモード用上乗せ抽籤テーブルを参照すると、チャンスBモードに基づく上乗せ抽籤は、「SPリプA2」の当籤時に上乗せゲーム数が決定されることがある。図110において上述したように、「SPリプA2」の当籤時には、“左1st”の押し順で停止操作が行われると、“リプレイ”に係る図柄の組合せが表示され、“中1st”の押し順で停止操作が行われると、“赤BAR煽り”に係る図柄の組合せが表示され、“右1st”の押し順で停止操作が行われると、“赤7リプ”に係る図柄の組合せが表示される。上乗せが行われた場合に通常では揃い難い特定の図柄が揃うことは、上乗せと図柄揃いとが関連することから遊技の興趣を向上させることができる。「SPリプA2」の当籤時にチャンスBモードに基づく上乗せ抽籤に当籤した場合(すなわち、抽籤結果として「0G」以外が決定された場合)、主制御基板71及び(又は)副制御基板72は、第1停止操作として右のリール3Rを停止させるとともに、図柄「赤7」を狙うことを促す演出(結果として“赤7リプ”に係る図柄の組合せが表示)を行うことが好ましい。一方で、「SPリプA2」の当籤時にチャンスBモードに基づく上乗せ抽籤に非当籤した場合(すなわち、抽籤結果として「0G」が決定された場合)、主制御基板71及び(又は)副制御基板72は、第1停止操作として左のリール3Lを停止させることを促す演出(結果として“リプレイ”に係る図柄の組合せが表示)や、第1停止操作として中のリール3Cを停止させるとともに、図柄「赤BAR」を狙うことを促す演出(結果として“赤BAR煽り”に係る図柄の組合せが表示)を行うこととしてもよい。
チャンスCモードについても同様であり、「SPリプA1」の当籤時にチャンスCモードに基づく上乗せ抽籤に当籤した場合(すなわち、抽籤結果として「0G」以外が決定された場合)、主制御基板71及び(又は)副制御基板72は、第1停止操作として中のリール3Cを停止させるとともに、図柄「赤BAR」を狙うことを促す演出(結果として“赤BARリプ”に係る図柄の組合せが表示)を行い、「SPリプA2」の当籤時にチャンスCモードに基づく上乗せ抽籤に非当籤した場合(すなわち、抽籤結果として「0G」が決定された場合)、主制御基板71及び(又は)副制御基板72は、第1停止操作として左のリール3Lを停止させることを促す演出(結果として“リプレイ”に係る図柄の組合せが表示)や、第1停止操作として右のリール3Rを停止させるとともに、図柄「赤7」を狙うことを促す演出(結果として“赤7煽り”に係る図柄の組合せが表示)を行うこととしてもよい。
<共通_上位上乗せゲーム数抽籤テーブル>
次に、図136を参照して、共通_上位上乗せゲーム数抽籤テーブルについて説明する。共通_上位上乗せゲーム数抽籤テーブルは、「ART」中の上乗せ抽籤において抽籤結果として「100A」、「100B」、「100C」の何れかが決定された場合に参照されるテーブルである。共通_上位上乗せゲーム数抽籤テーブルには、参照項目として「100A」、「100B」、「100C」が規定され、参照項目ごとに抽籤結果(上乗せゲーム数)に対応する抽籤値が規定される。
主制御基板71は、「ART」中に行うARTモードに基づく上乗せ抽籤やチャンスモードに基づく上乗せ抽籤において「100A」、「100B」、「100C」の何れかを決定すると、共通_上位上乗せゲーム数抽籤テーブルを参照して、上乗せゲーム数の抽籤を行う。例えばARTモードに基づく上乗せ抽籤などにより「100A」を決定した場合、主制御基板71は、246/256の確率で上乗せゲーム数として「100G」を決定し、8/256の確率で上乗せゲーム数として「200G」を決定し、2/256の確率で上乗せゲーム数として「300G」を決定する。
<ART_ラストフリーズ抽籤テーブル>
次に、図137を参照して、ART_ラストフリーズ抽籤テーブルについて説明する。ART_ラストフリーズ抽籤テーブルは、「ART」の終了時に内部当籤役に関係なくラストフリーズを行うか否かを決定する際に参照されるテーブルである。同図に示すように、ART_ラストフリーズ抽籤テーブルには、抽籤結果(非当籤、当籤)に対応する抽籤値が規定される。
主制御基板71は、自身が管理する「ART」の残りゲーム数を計数するカウンタの値が0になると、ART_ラストフリーズ抽籤テーブルを参照した抽籤を行い、この抽籤に当籤した場合には、「ART」の残りゲーム数に有利区間のリミットに達するまでの値を加算し、所定のフリーズ処理を行う。一方で、主制御基板71は、この抽籤に非当籤の場合には、次の図138に示す共通_終了時有利区間終了抽籤テーブルを参照した抽籤を行う。
<共通_終了時有利区間終了抽籤テーブル>
次に、図138を参照して、共通_終了時有利区間終了抽籤テーブルについて説明する。共通_終了時有利区間終了抽籤テーブルは、例えば「ART」の終了時に内部当籤役に関係なく有利区間の終了を決定する際に参照されるテーブルである。同図に示すように、共通_終了時有利区間終了抽籤テーブルには、抽籤結果(継続、終了)に対応する抽籤値が規定される。
このような共通_終了時有利区間終了抽籤テーブルを用いた終了時有利区間終了抽籤によれば、例えば「ART」のゲーム数を消化した終了時において、内部当籤役とは無関係に243/256の確率で有利区間終了の抽籤結果が得られ、次ゲームから通常区間の「通常」の状態に移行する。一方、例えば「ART」のゲーム数を消化した終了時においては、内部当籤役とは無関係に13/256の確率で有利区間継続の抽籤結果が得られる場合がある。この場合、有利区間が終了されることなく「ART」から「通常有利」の状態に移行することで有利区間が継続される。なお、本実施形態では、ART(AT)関連の処理においては、設定1〜6の全設定で共通のテーブルを採用している。これにより、ART(AT)の設定差が極端に高くなることで射幸性を煽りすぎることを抑制することができるとともに、主制御基板71におけるART(AT)抽籤に必要なデータ容量を削減することができる。
[有利区間の流れについて]
次に、図139〜図146を参照して、有利区間の流れについて説明する。図139〜図141は、有利区間の開始当初からベルナビを発生させる仕様例1を図示したものであり、仕様例1において打順ベル役及びMBの当籤する順番が異なる3パターンについて有利区間の流れを説明するための図である。図142は、第3実施形態の実施例1に係る有利区間の流れを説明するための図である。仕様例1との相違点として、実施例1では、有利区間開始直後においてベルナビ抑制状態(ベルナビ非発生状態)となっている。図143は、仕様例1と実施例1との有利区間における払出量を比較するための図であり、図142に示される実施例1による効果を示したものである。図144は、仕様例2に係る有利区間終了時の流れを説明するための図であり、図145は、第3実施形態の実施例2に係る有利区間終了時の流れを説明するための図である。図146は、第3実施形態の実施例3として、設定変更がない場合の電源オン後と、設定変更がなされた場合の電源オン後について説明するための図である。なお、仕様例とは、各実施例の効果を説明するために例示した仕様であるが、各仕様例も周知技術ではなく、採用する場合に各々の仕様に応じた効果を発揮するものであり、企画者が意図する遊技性によっては課題の解決手段として適宜採用することができる仕様である。以下の説明において「MB」は、図109に示す「SMB」及び「LMB」のいずれも該当するため、これらを総称して「MB」と表記するが、主に当籤確率が高い「SMB」を想定しており、フラグ間状態については、図示を省略している。
<有利区間の終了条件>
図139〜図141に示す仕様例1及び図142に示す実施例1における有利区間の終了条件は、以下のとおりである。
条件1:打順ベルの当籤による押し順報知の少なくとも1回以上の発生
条件2:MBの少なくとも1回以上の入賞又は作動(入賞により作動するので、いずれに基づいて判定してもよい)
条件3:条件1又は条件2の少なくともいずれか一方を充足したことを前提として所定の終了条件が成立
この条件3における所定の終了条件が成立したときに有利区間を終了させるものであり、仕様例1と実施例1とで差はない。
なお、有利区間の開始時から所定期間経過(20ゲーム以上経過)又は当該有利区間の開始時から毎ゲーム有利区間の終了抽籤を行い、上述の条件1又は条件2の充足よりも以前に終了抽籤で当籤していた場合、終了フラグを設定しておき、ベルナビ発生により条件1を満たしたゲーム又はMB作動で条件2を充足したゲームにおいて条件3を充足したとみなして有利区間を終了させてもよい。また、条件3を充足してから有利区間を終了さるまでの間に、少なくとも1ゲーム以上の所定ゲーム数の移行待ち状態を設けてもよい。なお、説明の便宜上、MBと表記しているが、MB以外の所定のボーナスの作動を終了条件としてもよい。また、変形例として、ボーナス非搭載の機種、又はシングルボーナス(SB)や1ゲーム限りのCTボーナス(CB)のみをボーナスとして有する機種においては、条件2を設定せずに打順ベル成立によるナビ発生のみを有利区間終了の前提条件として設定しても問題ない。
<仕様例1>
仕様例1では、有利区間が開始されてから最初に打順ベルが当籤するまではベルナビ確定状態となる点に特徴がある。この仕様では、有利区間において打順ベルの当籤後、できる限り早期にベルナビ(押し順報知)を行い、有利区間の開始直後からベルナビ確定状態として、打順ベルに当籤すればそれに応じて1回目のベルナビが発生させられることとなり、その後は有利区間の終了抽籤の結果に応じて有利区間が終了される。この仕様は、実際に一様にメダルが増加するART状態である「ART」に当籤しない場合、なるべく早く有利区間を終了可能状態へと移行させることを目的とするものである。例えば、「通常有利」の有利区間に当籤した場合に、結果としてART非当籤であるにもかかわらず、過度に長いゲーム数を有利区間として報知し、遊技者が遊技を止めにくい状況で遊技の続行が強いられる場合に、最終的に当たらなかったのに当たりそうな煽りを極端に長く見せられたと感じた遊技者が遊技機への興味を著しく低下させる場合があり、そうした場合を適切に抑制することができる仕様である。
有利区間終了までの流れとして、図139〜図141の3パターンについて以下、図の順に説明を行う。
まず、図139は、有利区間開始後にMBよりも先に打順ベルに当籤し、MBに当籤することなく有利区間が終了した場合である。この場合は、ナビにより打順ベルが遊技者に獲得されるため、図143に示す「有利区間(CZ/高確用)のベルナビによる払出」が発生することとなる。打順ベルの当籤確率が約1/4であり、MBの当籤確率に設定差があるものの1/15〜1/17程度であることから、打順ベルがMBより先に当籤するというこのパターンは、発生の頻度が高い。なお、打順ベルに当籤して1回以上の押し順ナビが発生した後の有利区間終了前に、MBに当籤する場合も発生し得るが、MBの入賞及びMB作動中の獲得枚数は、押し順ナビの発生の影響を受けず、図143に示す「有利区間(CZ/高確用)のベルナビによる払出」にも影響しないものである。詳しくは後述の図141にて説明する。合わせて説明するが、本仕様例及び実施例のMBは同じ仕様であり、目押し位置正解で9枚の払出、目押し位置不正解で8枚の払出が得られる仕様である。最低限の技量介入を担保するために、8枚が入賞する場合を設けているが、例えば少なくとも1以上のいずれかのリールに赤BARの図柄を目押しで停止させれば9枚獲得可能など、容易に入賞できるものとして初心者でも安心して遊技を行うことができる仕様としている。
次に、図140は、仕様例1おいて打順ベルよりも先にMBに当籤し、その後に打順ベルに当籤することなく有利区間が終了した場合のパターンを示している。このパターンは、前述の通り、図143に示す「有利区間(CZ/高確用)のベルナビによる払出」が発生しないものであるが、MBの方が打順ベルよりも当籤確率が低いため、図139に示すパターンよりも発生の頻度は低い。なお、単に当籤確率のみを考慮した場合、MB当籤確率を打順ベルよりも高い確率とすれば、ベルナビの発生頻度を抑えられるとも考えられるが、例え当該MBによる払出枚数が少ないものとしても、出玉試験における役物比率(全払出に占めるボーナスによる払出の割合が高すぎることに基づく不適合事由)の項目で不適合となる可能性があり、MB当籤確率を打順ベルよりも高めるという解決策を採用する場合は、出玉設計の自由度が極めて低いものとなる。
次に、図141は、仕様例1において打順ベルがMBよりも先に当籤してベルナビが発生したものの、その後の有利区間終了よりも前にMBが当籤したパターンである。この場合は、結果的にMBの当籤・作動により上記条件2を満たすことで有利区間の終了条件を成立させることができたため、有利区間の「通常有利」の状態におけるナビによる出玉を抑制し、その分ART(本ATと記載する場合もある)における出玉の獲得を増して遊技者が待ち望む“当り”である「ART」で十分な出玉を獲得させて遊技の興趣を高めたいとの出玉設計思想からすると、有利区間突入直後に打順ベルナビの発生を許容する仕様が好ましくない方向に作用してしまったパターンといえる。なお、初回のベルナビ発生時点で即座に有利区間を終了させるという手法でこの事象を抑制することができるが、1/4程度の高確率で打順ベルが成立するため、有利区間ランプが点灯した直後に平均4ゲーム程度で、ベルナビが1回発生して有利区間が終了してしまうとなると、「通常有利」の状態を設けて適度なゲーム数の間、ARTに当籤するか否かを演出などで楽しませることが難しいという側面もあるため、この手法を採用した場合は、出玉設計や演出設計の自由度が大幅に狭くなることとなる。
<実施例1>
次に、図142を参照して実施例1に係る有利区間の流れについて説明する。同図に示すように、実施例1では、有利区間について以下の条件が適用される。
第1条件:有利区間の開始から100G経過するまでは、打順ベルに当籤してもベルナビ非発生状態とし、ベルナビを発生させない。
第2条件:MBの当籤確率が比較的高い1/17程度とされる(図109参照)。
第3条件:MB作動終了後、有利区間終了抽籤の抽籤結果に応じて有利区間が終了させられる。
これにより、有利区間が開始されてから100Gに達するまでは打順ベルに当籤しても有利区間の終了不能状態(ベルナビ非発生状態)とされる一方、MBの当籤確率が比較的高いため、100GまでにMBが当籤しやすく、その後、有利区間の終了可能状態(ベルナビ発生可能状態)としてゲーム(単位遊技)ごとに有利区間の終了抽籤が行われ、有利区間の終了に当籤することでMB作動終了後に有利区間が終了することとなる。この実施例1によれば、有利区間の「通常有利」の状態におけるナビによる出玉を抑制し、その分ART(本ATと記載する場合もある)における出玉の獲得を増して遊技者が待ち望む“当り”である「ART」で十分な出玉を獲得させて遊技の興趣を高めたいとの出玉設計思想からすると、図139及び図141に示すように「通常有利」で打順ベルナビの発生によりベルを入賞させて出玉が獲得されるという、好ましくない事象を抑制することができる。なお、MB作動によるメダルの獲得は、ナビの影響を受けないため、「通常有利」でのナビ発生率を抑制することで、通常区間の「通常」と「通常有利」とのベース値(投入枚数に対する払出枚数の割合)を概ね近い値に抑制することができ、その分の出玉を「ART」に振り分けることができる。
このような実施例1による有利区間の流れでは、有利区間における押し順ナビの発生を適切に抑制することができ、出玉設計の自由度を高めることができる。具体的には、有利区間の「通常有利」の状態における出玉を増やさず、図143に示すように白抜き矢印で示す出玉分を「ART」などの出玉に割振ることができ、出玉の設計自由度を高めることができる。
ここまでの説明において、MBは、成立ゲームで必ず入賞する「SMB」として図示及び説明をした。一方、「LMB」では、成立ゲームでリプレイにより入賞が阻害され、ボーナスのフラグ間状態(持越し中)が発生する。ここで、ボーナスのフラグ間状態では、押し順ナビを発生させる仕様としてもよいし、あるいは発生させない仕様としてもよい。前述の「通常有利」の状態におけるベルナビ発生を抑制する観点からは、押し順ナビを発生させない仕様とすると効果的である。また、有利区間中に約1/448(図109の当籤番号No.49及びNo.50参照 当籤確率が146/65536)の当籤確率でLMBを当籤させたことに基づいて、「ART」に当籤させる場合などは、フラグ間状態、LMB入賞、LMB作動中、「ART」という流れでゲームを進めていくため、当該フラグ間状態も遊技者にART当籤状態と同視できる遊技状態となるので、ベルナビを発生させる仕様とすることが望ましい。なお、この実施例1の場合、持越し可能なボーナスが1種類であるが、例えばLMB1、LMB2など複数種類の持越し可能ボーナスを搭載した機種の場合は、持越し中のボーナス種別に応じて押し順ナビを発生させたり発生させなかったりして、ナビの有無でボーナスの種別を遊技者に対して推測させるようにしてもよいし、持越し中の打順ベル当籤ゲームでは、ナビを必ず発生させる仕様とするか、全く発生させない仕様として画一的に処理し、ナビの有無からボーナス種別の絞り込みが困難としてメインリールの停止出目(いわゆるリーチ目)でボーナス種別を絞り込ませるゲーム性としてもよい。
<仕様例2>
次に、図144を参照して仕様例2に係る有利区間終了時の流れについて説明する。同図に示すように、仕様例2では、ARTが所定ゲーム数(例えば100G)を消化して終了すると、それに伴って有利区間も終了して初期化処理が行われる。これにより、ART終了後は、次ゲームから通常区間(非有利区間)に移行することとなる。このような有利区間終了時の流れによれば、ART中にはある程度の出玉を獲得することを期待しつつ遊技を行うことができるものの、それと引き換えにART終了後には通常区間へと移行してしまうことが確定しているため、遊技者は、ARTの終了時点で必ず遊技を終了しがちとなってしまう。すなわち、ARTの終了と共に有利区間も終了してしまう仕様であると、遊技の興趣を高めることができないばかりか、遊技機の稼働率低下も招きやすくなる。
<実施例2>
次に、図145を参照して実施例2に係る有利区間の流れについて説明する。同図に示すように、実施例2では、ARTが所定ゲーム数(例えば100G)を消化して終了すると、先述した終了時有利区間終了抽籤が行われる。この終了時有利区間終了抽籤の結果として「終了」となると、仕様例2と同様に、ART終了後は、次ゲームから通常区間(非有利区間)に移行することとなる。
一方、ARTの終了時に終了時有利区間終了抽籤の結果として「継続」に当籤すると、通常区間の「通常」に移行することなく有利区間初期通常モード抽籤により通常モードが決定され、有利区間の「通常有利」に移行する。このとき、「通常有利」の状態においては、基本的に有利区間の開始から所定ゲーム数(100G)を超えているため、ゲームごとに有利区間終了抽籤が行われ、そうして有利区間終了抽籤に当籤すると、有利区間の初期化処理を経て通常区間の「通常」の状態に移行することとなる。
また、「通常有利」の状態では、通常モードのランクが昇格して高くなると(例えば“超天国”や“次回前兆”等の場合)、ART抽籤に当籤しやすくなり、そうしてART当籤すると、「ART前兆」等を経て再びARTに移行することとなる。
このような実施例2の有利区間終了時の流れによれば、ART終了後にあっても有利区間が継続して再びARTに移行するかもしれないという期待感が高められるので、遊技の興趣を高めることができ、遊技機の稼働率アップにも寄与することができる。
<実施例3>
次に、図146を参照して実施例3に係る有利区間の流れについて説明する。同図に示すように、実施例3では、例えば開店時において表示ユニット100に表示される態様が異なる場合がある。
例えば、閉店後に電源を落とし、設定変更することなくそのまま開店前に電源オンとした後の初期状態では、同図の(a)に示すように、「通常」の状態に応じた一般的な表示態様が表示ユニット100に表示される。このとき、一般的には、遊技状態がRT1となっている。
一方、開店前などに設定変更(例えば、設定変更作業を行ったものの設定1から再度設定1を決定するなど同一設定への打ち直しを含む)がなされた後の初期状態では、同図の(b)に示すように、一般的に開店時に遊技状態として滞在するであろうRT1とは異なるRT0にあることを示唆するために、例えば「早起きは三文の徳ステージ」などといった表示態様が表示ユニット100に表示される。すなわち、設定変更後の開店時における初期状態では、遊技状態がRT0となっており、このRT0の「通常」状態であることが表示ユニット100において示唆される。
RT0と他のRT(例えばRT1)とにおいて「通常」の状態で有利区間に当籤した場合は、以下に示すような第1〜第3のいずれかのパターンで有利さに差が設けられている。
(第1のパターン)
RT0で有利区間当籤の場合:押し順ナビ2回以上となって出玉有りでARTに当籤しやすい。
他のRTで有利区間当籤の場合:押し順ナビ1回で出玉無しのままCZに当籤しやすい。
(第2のパターン)
RT0で有利区間当籤の場合:ARTの当籤が確定。
他のRTで有利区間当籤の場合:AR又はCZのいずれかに当籤可能。
(第3のパターン)
RT0で有利区間当籤の場合:ART及びCZのうち、ARTに当籤する比率が相対的に高い。なお、「相対的に高い」とは、ARTに当籤する比率が100%で、CZに当籤する比率が0%の場合を含むものとしてもよい。
他のRTで有利区間当籤の場合:ART及びCZのうち、ARTに当籤する比率が相対的に低い。なお、「相対的に低い」とは、ARTに当籤する比率が0%で、CZに当籤する比率が100%の場合を含むものとしてもよい。
このような実施例3の初期状態によれば、開店時の表示態様によって「通常」の状態でも有利さが期待し得る状態を判別することができ、遊技者が朝一で遊技機を選定する際の目安として有効に利用することができる。
なお、上述の仕様であると、遊技場側にとっては、設定変更がバレやすいというデメリットもある。同一設定への打ち直しを行えば、設定値が前日と変化したか否かを遊技者に推測されにくくすることはできるものの、設置台数が多い場合などは、全台を設定変更する作業に膨大な労力がかかる。そこで、電源投入時に、前回の電断から所定時間経過したことを条件として、電源投入後は設定変更時と同一の図146(a)に示すような画面を表示させるものとしてもよい。この場合の所定時間とは、営業中の一時的な電断で図146(a)に示すような示唆画面が表示されないように、例えば2時間あるいは4時間程度の時間として深夜の電断後に一般的に経過するであろう時間長さとすることが望ましい。
そして、携帯端末連動機能(ユニメモ(登録商標))などメーカーが提供するサービスを積極的にユーザが利用し得るように、携帯端末連動機能をONにする操作を遊技者が遊技機で行った場合のみ図146(a)に示すような開店時の有利画面を表示させる仕様としてもよい。また、遊技者がメダルを1枚も投入していない客待ち画面では、設定変更状態か否かを判定することができないように、共通の客待ち画面(デモ画面)を表示するものとしてもよい。このようにすることにより、メダルを借りて実際にメダルを投入することで初めて状態を判別することができるようになるので、まず遊技者に着席してメダルを借りようという動機付けと開店時からの来店の動機付けを行うことができる。しかし、開店時の遊技客が極端に少ない店舗では、借りたメダルを持って複数の台を渡り歩いて有利なRT0を独占しようとする遊技者が現れる場合もある。そのような遊技者に対する対策として、図146(a)に示すような設定変更示唆画面を表示可能とするか否かをホールメニューで遊技場のスタッフが任意に設定可能として、設定変更を遊技者に判別されたくない店舗では、設定変更時においても図146(b)に示すような通常画面が表示される設定を可能とする機能を備えるようにしてもよい。
[主制御基板及び副制御基板が有する各種機能]
以上、本発明に係るパチスロ機1について説明した。続いて、パチスロ機1の主制御基板71及び副制御基板72が有する各種機能について説明する。
主制御基板71は、スタートスイッチ6Sやストップスイッチ7Sと接続され、図1に示す遊技の進行を制御するため、変動制御手段、内部当籤役決定手段、停止制御手段、状態制御手段、有利状態告知手段、モード制御手段、及びRT制御手段として機能する。ストップボタン7L、7C、7Rは、停止操作手段として機能する。リール3L、3C、3R及び表示窓4は、可変表示手段として機能する。副制御基板72及び報知ランプ147aは、操作態様報知手段として機能する。状態表示器147bは、有利状態告知手段として機能する。これらの機能については、以下の付記において説明し、実施形態において対応するものを末尾に括弧書き付す。
なお、本発明は、上記した実施形態に限定されるものではなく、例えば以下に説明するような機能などを備えたものでもよい。
例えば、ART終了時の終了時有利区間終了抽籤で当籤(継続)した場合には、所定ゲーム数にわたって「通常有利」の有利区間における滞在が保障される保障区間の状態を設けるようにしてもよい。保障区間を設けた場合は、終了時有利区間終了抽籤に当籤したにもかかわらず、例えば1ゲームや2ゲームで終了するような事態を回避することができ、たとえ有利区間が継続されても遊技者がストレスを感じるようなことを抑制することができる。
上記保障区間としては、例えば20ゲーム等といった固定的な期間を付与するようにしてもよい。固定的な期間とした場合、主制御基板71による出玉抽籤の処理による負荷を軽減することができ、ゲーム性も明瞭となる。一方、保障区間として付与されるゲーム数等を保障区間の継続及び終了に関する条件に基づき抽籤で決定するようにしてもよい。保障区間自体の付与についても決定するようにしてもよい。さらに、終了時有利区間終了抽籤によって当籤となる継続と共に一括して保障区間のゲーム数等を決定するようにしてもよい。そうした場合、抽籤処理に必要なデータを軽減することができる。終了時有利区間終了抽籤とは別途の抽籤によって保障区間のゲーム数等を決定するようにした場合は、多彩なゲーム性を実現することができる。
また、上記保障区間については、ゲーム数を管理することなく、所定役(例えばベルあるいはリプレイ、MB等)が所定回数当籤又は入賞するまで継続させるようにしてもよい。
「通常有利」における有利区間終了抽籤については、上記保障区間が終了するまで行わないようにしてもよいし、保障区間中に行うようにしてもよい。保障区間中の有利区間終了抽籤において当籤(終了)した場合は、その当籤結果を例えばフラグとして記憶しておき、保障区間の終了時又はその終了時の次ゲームで通常区間(「通常」)へと移行させるようにしてもよい。
保障区間中であることや保障区間の終了条件が成立した旨を示唆あるいは報知するようにしてもよい。そうした場合、ART終了後にチャンスであることが分かりやすくなり、遊技者にとっては遊技意欲の低下を抑制することができ、ひいては遊技機の稼働率をも高めることができる。例えば、表示ユニット100に「チャンス状態継続確定残り20ゲーム」等と表示することで明確に報知してもよいし、ARTが当籤しやすいことを示唆するステージ等を表示するような演出を行うようにしてもよい。また、映像、音、ランプなどの演出実行手段により保障区間専用の演出態様で演出を実行可能としてもよい。
保障区間の可否については、設定差を設けるようにし、設定値に基づいて保障区間に関する決定についての有利度合いを異ならせるようにしてもよい。例えば、保障区間のゲーム数を抽籤で決定する場合に、設定1であれば平均20ゲームとし、設定6であれば平均50ゲームとなるように設定し、高設定になるほどARTの引き戻し(ARTが終了してからすぐに再度ARTに当籤すること)が発生しやすい仕様としてもよい。そうした場合、遊技者は、有利区間の終了について、状態表示器147bの消灯を確認することで確実に察知することができ、ART終了後の有利区間のゲーム数を確実に把握することができる。さらに、遊技者は、把握したART終了後有利区間のゲーム数に応じて設定値を推測することができ、ART終了後の出玉が減る状態であっても、設定値推測や引き戻しの期待感を持ちつつ遊技を行うことで遊技の興趣が高められる。
[パチスロに特有の別制御]
続いて、図147〜図153を参照して、本実施形態のパチスロ機1に特有の別の制御について説明する。
<通常有利中の経過ゲーム数と特典との関係>
初めに、図147を参照して、「通常有利」中の経過ゲーム数と特典との関係について説明する。なお、図147に示す例では、上述の実施例1における終了条件を採用している。具体的には、第1条件として「有利区間の開始から100G経過するまでは、打順ベルに当籤してもベルナビ非発生状態とし、ベルナビを発生させない。」という条件を採用している。もちろん、以下に示す説明においても、上述の仕様例1における終了条件を採用することとしてもよい。
上述したように本実施形態のパチスロ機1では、「通常(通常区間)」から「ART(有利区間)」を目指して遊技を行う遊技性を有し、主制御基板71は、「通常」中に有利区間移行抽籤を行っている。この移行抽籤において「ART」に当籤した場合には、「通常」から「ART」に直接移行できるものの、多くの場合において「通常」から「通常有利(有利区間)」を経由して「ART」に移行する。図102に示すように、「通常有利」中は「ART」中に比べて報知内容(押し順指示)が制限され、例えば、高RT(RT3)への移行や高RTを維持するための報知が行われないため、「ART」に比べて不利な状態であり、本実施形態の場合、出玉率が1を超えない区間として設計されている。そのため、通常区間から有利区間に移行できた場合であっても、「ART」ではなく「通常有利」に移行してしまった場合には、結果としてメダルを消費してしまうばかりで恩恵が少なく、遊技意欲が低減してしまうおそれがある。
そこで、本実施形態では、主制御基板71は、「通常有利」中の経過ゲーム数に応じて遊技者に対して所定の特典を付与する。具体的には、図147に示すように、主制御基板71は、「通常有利」中の経過ゲーム数が「20G」に達すると第1の特典(特典1)を付与し、「40G」に達すると第2の特典(特典2)を付与し、「80G」に達すると第3の特典(特典3)を付与する。なお、第1の特典、第2の特典、第3の特典は、SCZモードの移行(昇格)であり、「通常有利」中の経過ゲーム数が多いほど上位のSCZモードに移行し易い(図116参照)。
上述したように、設定差があるもののMBは1/15〜1/17程度の確率で当籤するため、「通常有利」中の経過ゲーム数が「20G」、「40G」に達することは現実的にあり得るものであり、また、「80G」にも稀に到達し得る。しかしながら、このときに付与する特典は、SCZモードの昇格抽籤であり、そして、SCZモードが昇格した場合には「SCZ」という「ART」のチャンスゾーンに移行し易くなるだけであり、直ちに「ART」に移行するわけではない。そのため、「通常有利」中の経過ゲーム数に応じてSCZモードの昇格という特典を付与したとしても、遊技者に対して過度な特典を付与することにならず、射幸性を徒に高めることがない。一方で、遊技者にとってみれば、「通常有利」中の経過ゲーム数が増えるほど、「SCZ」という「通常有利」とは異なる遊技性の状態に移行し易くなるため、遊技性が多彩に変化することになり、遊技の興趣が向上する。
また、「通常有利」中の経過ゲーム数が「120G」に達すると、主制御基板71は、第4の特典(特典4)を付与する。この第4の特典は、“ハマリ天井”であり、SCZモードが専用のモード“高確”となり、「ART」に移行するまでSCZモードが転落することがなくなる。このようにパチスロ機1では、「通常有利」中の経過ゲーム数が「120G」に達すると、その後の「ART」への移行が確定する。ここで、打順ベルの当籤確率は約1/4であり、仮に上述の実施例1における第1条件を採用した場合であっても、打順ベル及びMBの何れにも当籤せずに「通常有利」が120ゲーム経過することは極めて稀である。また、「通常有利」が120ゲーム経過していた場合、「通常有利」中に所定量のメダルを消費してしまっていることがあるため、このような極めて稀なケースにおいて「ART」が確定する“ハマリ天井”とした場合であっても、遊技者に対して過度な特典を付与することはない。
なお、「通常有利」は有利区間であるため、「通常有利」中の経過ゲーム数は、リミット処理が行われるゲーム数の計数に含まれる。そのため、「通常有利」に長期間滞在した結果、大きな特典が付与されたとしても、遊技者に対して有利な停止操作の態様を報知する有利区間(「ART」)が必要以上に継続してしまうことがなく、射幸心を徒に高めてしまうことを防止できる。
なお、主制御基板71は、「通常有利」が予め定められた所定の期間継続したときに何らかの特典を付与可能であればよく、長期間滞在するほど大きな特典を付与するものに限られるものではない。
[主制御基板及び副制御基板が有する各種機能]
以上のようなパチスロ機1に特有の制御を実現するために、パチスロ機1の主制御基板(主制御回路91,メインCPU93)及び副制御基板(副制御回路101,サブCPU102)は、次のような機能を有する。
パチスロ機1は、複数の図柄が表面に描かれた複数のリール3L,3C,3Rと、リール3L,3C,3Rに対応して設けられ遊技者が停止可能な複数のストップボタン7L,7C,7Rを有し、主制御基板71は、スタートスイッチ6Sやストップスイッチ7Sと接続され、図1に示す遊技の進行を制御するため、主制御基板71は、変動制御手段、内部当籤役決定手段、停止制御手段、状態制御手段として機能する。
また、主制御基板71は、報知ランプ147aを制御して遊技者に対して所定の押し順を報知するとともに、副制御基板72は、表示ユニット100を制御して遊技者に対して所定の押し順を報知するため、主制御基板71、報知ランプ147a、副制御基板72、及び表示ユニット100は、操作態様報知手段として機能する。
また、主制御基板71は、「通常有利」中の経過ゲーム数を計数するとともに、経過ゲーム数に応じて遊技者に対して特典(SCZモードの昇格)を付与することから、主制御基板71は、計数手段及び特典付与手段として機能する。
また、主制御基板71は、「ART」の残りゲーム数を管理する所定のカウンタを設け、基本的には、この残りゲーム数が0になると「ART」を終了するが、一連の有利区間中に行われたゲーム数(例えば、「ART」中の経過ゲーム数と「通常有利」中の経過ゲーム数との和)が1500回に達すると、「ART」の残りゲーム数に関わらず有利区間を終了するリミット処理を行うため、主制御基板71は、状態制御手段として機能する。
<疑似的な履歴抽籤>
続いて、図148及び図149を参照して、「ART」中の疑似的な履歴抽籤について説明する。なお、図148は、本実施形態のパチスロ機1における疑似的な履歴抽籤の概要を示す図であり、図149は、疑似的な履歴抽籤の別例の概要を示す図である。
従来のパチスロでは、過去の遊技に関する履歴データを保持しておき、この履歴データに基づいて様々な抽籤を行うことがある。このような従来のパチスロでは、容量に余裕のあるサブ(副制御基板72)側で様々な抽籤を行っていたため、問題にはならなかったが、近年のパチスロでは、出玉に関する抽籤をメイン(主制御基板71)側で行わなければならず、容量が限られるメイン側で履歴データを保持したり、また、履歴データに基づいて各種の抽籤を行っていたのでは、データ容量や処理負荷が増大してしまう。一方で、過去の遊技の履歴も加味して抽籤が行われることで多彩な遊技性を実現することができるため、興趣が向上するとともに、遊技者からすると、レア役などが連続して当籤した場合にいわゆる引き損感を感じることがなくなるため、安心して遊技を行うことができる。
そこで、本実施形態のパチスロ機1では、図148及び図149に示す制御を行うことで、疑似的な履歴抽籤を実現する。具体的には、本実施形態のパチスロ機1では、主制御基板71による制御と副制御基板72による制御とを組み合わせることで、疑似的な履歴抽籤を実現する。
ここで、図148(A)は、疑似的な履歴抽籤の内部的な抽籤仕様の例を示す図であり、主制御基板71による制御例を示している。上述したように本実施形態では、主制御基板71は、「ART」中に履歴高確への移行抽籤を行っており、この移行抽籤に当籤した場合に5ゲーム間の履歴高確に移行する。そして、主制御基板71は、この5ゲーム間の履歴高確中に「上乗せ特化ゾーン」のストック抽籤を行い、当籤した場合に特典(「上乗せ特化ゾーン」のストック)を付与し、非当籤のまま5ゲームが経過すると、履歴高確を終了する。これにより、本実施形態では、短期間(5ゲーム間)にレア役に連続して当籤した場合に特典を付与することができる。
続いて、図148(B)は、疑似的な履歴抽籤の演出例を示す図である。過去の履歴を参照していると遊技者に錯覚させるために、副制御基板72は、表示ユニット100の所定の表示領域に、履歴表示窓と履歴アイコンとを表示する。履歴表示窓は、過去の遊技の履歴を表示するための表示領域であり、例えば、5ゲームに相当する5つの表示領域から構成される(なお、履歴表示窓は、所定の演出情報(後述の履歴アイコン)が所定回数分の遊技に対応して表示される表示領域であればよく、必ずしも窓枠の領域に限られるものではない。窓枠の領域とすることで、所定の演出情報を表示しない場合であっても、当該所定の演出情報が表示される領域であることを遊技者が識別可能である点で好適であるが、他の演出との重なりを考慮して、履歴の表示領域であることを明示する窓枠などを設けずに、レア役に当籤や入賞した場合に所定の演出情報の表示のみを行うこととしてもよい)。5つの表示領域のそれぞれは、今回の遊技から複数回数前の遊技までの5ゲーム分の遊技のそれぞれに対応して設けられており、例えば、一番左の表示領域(窓)は、前回の遊技の履歴を表示し、左から2番目の表示領域(窓)は、2ゲーム前の遊技の履歴を表示し、左から3番目の表示領域(窓)は、3ゲーム前の遊技の履歴を表示し、左から4番目の表示領域(窓)は、4ゲーム前の遊技の履歴を表示し、一番右の表示領域(窓)は、5ゲーム前の遊技の履歴を表示する(なお、詳細には、今回の遊技の開始操作〜第3停止操作までは、一番左の表示領域に前回の遊技の履歴を表示し、今回の遊技の第3停止操作〜次回の遊技の開始操作が行われるまでは、一番左の表示領域に今回の遊技の履歴を表示する(他の表示領域についても同様である))。
そして、副制御基板72は、履歴高確への移行抽籤に当籤し得るレア役(「共通リプ、フェイクリプ」、「弱チャンス」、「チャンスリプ」、「中チャンス」、「強ベル」)が内部当籤役として決定されると、表示窓の対応する表示領域に所定の演出情報(履歴アイコン)を表示する。図148(B)に示すように、この履歴アイコンとして、“赤アイコン”と“緑アイコン”とを有し、副制御基板72は、履歴高確への移行抽籤した場合には、“赤アイコン”又は“緑アイコン”を所定の確率で表示し、履歴高確への移行抽籤に非当籤の場合には、必ず“緑アイコン”を表示する。これにより、履歴高確への移行抽籤に非当籤の場合に“赤アイコン”が表示されることがなくなるため、“赤アイコン”は、履歴高確に当籤していることを報せる役割を有することになる。
なお、副制御基板72は、レア役が内部当籤役として決定されたことを条件に履歴アイコンを表示することとしてもよく、また、レア役に応じた図柄の組合せが表示されたことを条件に履歴アイコンを表示することとしてもよい。ここで、レア役に応じた図柄の組合せは、レア役が内部当籤役として決定されないと表示されることがないため、副制御基板72は、「レア役が内部当籤役として決定されたことに応じて、」履歴アイコンを表示するといえる。この点は、図149に示す疑似的な履歴抽籤の別例についても同様である。
一方で、副制御基板72は、履歴高確への移行抽籤に当籤することがない「打順ベル」、「共通ベル、1枚」が内部当籤役として決定された場合、表示窓の対応する表示領域に“赤アイコン”及び“緑アイコン”の何れも表示しない。その結果、5ゲーム分の表示窓には、5ゲーム間のレア役の当籤履歴が“赤アイコン”及び“緑アイコン”を用いて表示されることになる。なお、履歴アイコンを表示する表示領域の位置は、遊技の進行に応じてスライドする。図148(B)に示す例では、一番左の表示領域に表示されていた“赤アイコン”は、次ゲームの終了時に一つ右の表示領域にスライドしている。これにより、履歴アイコンは、レア役が当籤してから5ゲーム後に表示窓から消えるため、履歴高確中は履歴アイコンが表示窓内に表示されることになる。
その後、履歴高確中に再びレア役が内部当籤役として決定されると、副制御基板72は、表示窓の対応する表示領域に履歴アイコンを表示する。なお、このとき表示する履歴アイコンの種別の決定は、今回当籤したレア役に基づく履歴高確の移行抽籤に基づいて行うこととしてもよく、また、履歴高確中の「上乗せ特化ゾーン」のストック抽籤の結果に基づいて行うこととしてもよく、また、双方を加味して行うこととしてもよい。その結果、履歴高確中にレア役に当籤した場合、5ゲーム分の表示窓内に履歴アイコンが少なくとも2つ表示されることになる。
このとき、図148(A)に示すように、内部的には履歴高確中のレア役という当該遊技の結果のみに基づいて「上乗せ特化ゾーン」のストック抽籤を行い、過去の履歴を参照していないものの、副制御基板72は、表示窓内に表示された複数の履歴アイコンや、表示窓自体を発光させるなどの演出を行う。遊技者からすると、過去の履歴を表示する表示窓や過去の履歴を示す履歴アイコンが発光することで、あたかも履歴抽籤が行われたかのように感じるため、遊技の興趣が向上する。一方で、メイン側の制御としては、主制御基板71は、特定の条件を満たした場合に限り履歴高確という状態であることを把握可能であればよく、従来のように5ゲーム分の履歴データを毎遊技更新して保持し続ける必要がないため、データ容量や処理負荷が増大することがない。
なお、ここでは1ゲームの進行毎に履歴アイコンの表示が更新される場合を例示したが、履歴アイコンの表示の更新条件は、これに限られるものではなく任意に設定することができる。一例として、副制御基板72は、履歴アイコンに対応する内部当籤役が成立する度に履歴アイコンの表示を更新することとしてもよく、また、再遊技役以外の内部当籤役が成立する度に履歴アイコンの表示を更新することとしてもよい。このように所定の役が内部当籤役として決定される度に履歴アイコンの表示を更新することで、疑似的な履歴抽籤演出が行われる状態を一定ゲーム数に定めず所定の期間継続させることができる。また、副制御基板72は、内部当籤役としてハズレ(内部当籤役非当籤)が5回決定されたら履歴高確を終了、打順役が5回成立したら終了など履歴高確の終了条件を一定のゲーム数消化以外の条件と関連付けしてもよい。なお、打順役が5回成立するとは、打順役が内部当籤役として5回決定されたことであってもよく、また、打順役が内部当籤役として決定された場合に正解の押し順で停止操作が行われた結果、遊技者にとって有利な図柄の組合せが停止表示されたことであってもよい。また、副制御基板72は、反対に、打順役が5回不成立した場合、すなわち、打順役が内部当籤役として決定されたにも関わらず不正解の押し順で停止操作が行われ、結果、遊技者にとって不利な図柄の組合せが停止表示された場合に、履歴高確の終了することとしてもよい。この場合に、1つの履歴表示窓に複数のアイコンが表示されることのないように適宜履歴アイコンの表示ルールや更新タイミングを定めるものとしてもよい。例えば、ハズレ5回で履歴高確を終了させる場合などはハズレ又はレア役当籤となる度に履歴アイコンを1つ進める更新するなどの更新ルールとすればよい。
なお、副制御基板72は、「上乗せ特化ゾーン」のストック抽籤の結果に応じて、表示窓や履歴アイコンを用いた演出の態様を変化させることとしてもよい。例えば、「上乗せ特化ゾーン」のストック抽籤に当籤している場合に、表示窓又は履歴アイコンの少なくとも一方においてストック抽籤の当否と関連付けされた演出(例えば、表示窓の周囲を大きく発光)を行い、「上乗せ特化ゾーン」のストック抽籤に非当籤している場合に、表示窓又は履歴アイコンの少なくとも一方においてストック抽籤の当否と関連付けされた演出(例えば、表示窓の周囲を小さく発光)を行うこととしてもよい。
続いて、図148(C)は、疑似的な履歴抽籤における演出例2である。図148(B)では、履歴高確中に再びレア役が当籤した場合の演出例を示していたが、図148(C)では、最初のレア役当籤時に履歴高確の移行抽籤に当籤することなく、その後、5ゲーム以内に再びレア役に当籤した場合の演出例を示す。この場合、2度目のレア役当籤時は履歴高確中ではないため、メイン側において「上乗せ特化ゾーン」のストック抽籤は行わないが、副制御基板72は、履歴高確中のレア役当籤時と同様に、表示窓内に表示された複数の履歴アイコンや、表示窓自体を発光させるなどの演出を行う。このようにすることで、内部的に履歴高確中ではない場合であっても、あたかも履歴抽籤が行われたかのように感じさせることができる。
なお、メイン側と比べてサブ側には制限が少ないため、副制御基板72は、任意の方法により、履歴高確中と履歴高確中以外とで同様の演出を行うことができる。一例として、副制御基板72は、履歴データを保持しておくことで、履歴高確中と履歴高確中以外とで同様の演出を行うこととしてもよく、また、表示窓内に履歴アイコンが複数表示されたという情報に基づいて、履歴高確中と履歴高確中以外とで同様の演出を行うこととしてもよい。
ところで、図148に示す例では、疑似的な履歴抽籤として、所定ゲーム数(5ゲーム)の間にレア役が複数回(2回)当籤した場合を例にとって説明したが、履歴抽籤には、このような履歴抽籤の他に、所定役が「連続」して当籤した場合に行う履歴抽籤も含まれる。続いて、図149を参照して、所定役が連続して当籤した場合の疑似的な履歴抽籤方法について説明する。なお、図149では、ベルが4回連続して当籤した場合に所定の特典を付与する方法について説明する。
図149(A)(B)は、疑似的な履歴抽籤の内部的な抽籤仕様の例を示す図であり、主制御基板71による制御例を示している。図149(A)に示すように、主制御基板71は、履歴高確の状態として“非高確”、“履歴高確A”、“履歴高確B”、“履歴高確C”を有する。図149(A)(B)に示すように、主制御基板71は、“非高確”においてベルが内部当籤役として決定されると、履歴高確の状態を1ゲームで終了する“履歴高確A”に移行する。そして、主制御基板71は、この“履歴高確A”中(すなわち、次の遊技)にベルが内部当籤役として決定されると、履歴高確の状態を“履歴高確B”に移行し、“履歴高確A”中にベルが内部当籤役として決定されないと、“履歴高確A”を終了し、履歴高確の状態を“非高確”に移行する。
また、主制御基板71は、“履歴高確B”中(すなわち、次の遊技)にベルが内部当籤役として決定されると、履歴高確の状態を“履歴高確C”に移行し、“履歴高確B”中にベルが内部当籤役として決定されないと、“履歴高確B”を終了し、履歴高確の状態を“非高確”に移行する。そして、主制御基板71は、“履歴高確C”中(すなわち、次の遊技)にベルが内部当籤役として決定されると、「ART」を継続可能な期間を延長するなどの特典を付与し、“履歴高確C”中にベルが内部当籤役として決定されないと、“履歴高確C”を終了し、履歴高確の状態を“非高確”に移行する。なお、“履歴高確C”中にベルが内部当籤役として決定された場合、主制御基板71は、履歴高確の状態を“履歴高確C”のまま維持することとしてもよく、また、“非高確”に移行することとしてもよい。
続いて、図149(C)は、ベルが連続して当籤した場合の疑似的な履歴抽籤における演出例である。副制御基板72は、ベルが内部当籤役として決定されると、表示窓の対応する表示領域にベルの当籤や入賞を示唆する“ベルアイコン”を表示し、反対に、ベルが内部当籤役として決定されないと、表示窓の対応する表示領域に“ベルアイコン”を表示しない。
そして、副制御基板72は、“ベルアイコン”が表示窓に4個連続して表示されると、表示窓内に表示された複数の“ベルアイコン”や、表示窓自体を発光させるなどの演出を行う。これにより、メイン側で履歴データを持つことなく、ベルが連続して当籤したことに基づいて特典が付与されたかのように感じさせることができる。
なお、図149に示す例では、ベルの当籤時に履歴高確の状態が必ず一つ昇格し、また、履歴高確の状態が最上位の状態(“履歴高確C”)の場合にベルに当籤すると、必ず特典を付与することとしているが、これに限られるものではない。例えば、主制御基板71は、ベルの当籤時に履歴高確の状態を所定確率で一つ昇格させることとしてもよい。また、例えば、主制御基板71は、ベルの当籤時に履歴高確の状態を一度に複数段階昇格可能としてもよい(例えば、95%の確率で一つ昇格し、5%の確率で二つ昇格するなど)。また、これらの場合、現在の履歴高確の状態ごとに確率を異ならせることとしてもよい。また、主制御基板71は、履歴高確の状態が最上位の状態の場合にベルに当籤すると、所定確率で特典を付与することとしてもよい。
なお、ここまで主制御基板71と副制御基板72との処理を合わせる形で、疑似的な履歴抽籤を行う場合について説明したが、主制御基板71の処理負荷をさらに軽減させるために、主制御基板71において履歴高確の状態を持たずに、副制御基板72により制御される演出表示のみで擬似的な履歴抽籤演出を行うものとしても良い。
この場合、主制御基板71は所定役の当籤に基づいて特典の付与を決定すればよく、5ゲーム相当の履歴高確状態を持たないものとできる。副制御基板72は、所定役が当籤した場合に対応する第1の履歴アイコンの表示を行う。その後、5ゲーム以内に、内部当籤役に応じて主制御基板71により特典が付与された場合は、副制御基板72は、当該ゲームに対応する表示領域に第2の履歴アイコンを表示し、第1及び第2の履歴アイコンと履歴表示窓とを用いて履歴を参照して当ったかのような演出を行うものとしてもよい。このようにすることで、あたかも履歴抽籤が行われたかのような印象を遊技者に与えつつも、主制御基板71の処理をさらに軽減することができる。
なお、第1の履歴アイコンと第2の履歴アイコンの表示ゲームにおける内部当籤役は同じ役であっても異なる役であってもよい。例えば、第1の履歴アイコンの表示ゲームはレア役の1種であるチェリー役、第2の履歴アイコンの表示ゲームは他のレア役であるスイカ役などどとしてもよい。
[主制御基板及び副制御基板が有する各種機能]
以上のようなパチスロ機1に特有の制御を実現するために、パチスロ機1の主制御基板(主制御回路91,メインCPU93)及び副制御基板(副制御回路101,サブCPU102)は、次のような機能を有する。
パチスロ機1は、複数の図柄が表面に描かれた複数のリール3L,3C,3Rと、リール3L,3C,3Rに対応して設けられ遊技者が停止可能な複数のストップボタン7L,7C,7Rを有し、主制御基板71は、スタートスイッチ6Sやストップスイッチ7Sと接続され、図1に示す遊技の進行を制御するため、主制御基板71は、遊技制御手段として機能する。
また、副制御基板72は、疑似的な履歴抽籤を行う際に、今回の遊技から複数回前の遊技までの5ゲーム分の遊技のそれぞれに対応して設けられた、5つの表示領域を有する表示窓を表示ユニット100に表示するため、パチスロ機1は、表示窓を有する。
また、主制御基板71は、「ART」中のレア役当籤を契機に行う履歴高確への移行抽籤に当籤すると、履歴高確を開始し、この履歴高確中に5ゲームの遊技が行われると、履歴高確を終了するため、主制御基板71は、状態制御手段として機能する。そして、主制御基板71は、履歴高確中にレア役に当籤すると、「上乗せ特化ゾーン」のストック付与という特典を付与可能であるため、主制御基板71は、特典付与手段として機能する。
そして、副制御基板72は、「ART」中にレア役が内部当籤役として決定されたことに応じて、表示ユニット100に表示される表示窓が有する複数の表示領域のうちの、レア役が当籤役として決定された遊技に対応する表示領域に、履歴アイコンを表示するとともに、主制御基板71が履歴高確中のレア役当籤に伴い特典を付与する場合(すなわち、表示窓に履歴アイコンが2つ以上表示された場合)に、表示窓又は履歴アイコンの少なくとも一方においてストック抽籤の当否と関連付けされた演出を行うため、副制御基板72及び表示ユニット100は、演出実行手段として機能する。
<ART中の上乗せ報知>
続いて、図150を参照して、「ART」中の上乗せ報知(上乗せ演出)に関して説明する。パチスロでは、ART(AT)中にスイカやチェリーなどの遊技者が注目し易いレア役を契機に上乗せ抽籤を行い、この上乗せ抽籤に当籤した場合に当籤した上乗せを報知することが一般的に行われているが、レア役に当籤したにも関わらず上乗せが行われない頻度が高いと遊技者の落胆を誘うことになり、遊技の興趣が低下してしまう。この点、本実施形態のパチスロ機1では、以下に示すように遊技者が注目し易いレア役の当籤時に上乗せの報知が行われる頻度を高めることとしている。なお、以下においてレア役とは、ART中の上乗せ抽籤に当籤し得る役をいい、例えば、ARTモードに基づく上乗せ抽籤の場合、「弱チャンス」、「チャンスリプ」、「中チャンス」、「強ベル」が相当する(図125参照)。
図150(A)は、副制御基板72による上乗せ報知の概要を示す図である。本実施形態において副制御基板72は、主制御基板71が上乗せゲーム数を決定すると上乗せを即報知することもあれば、潜伏させることもある。図150(A)に示すように、上乗せゲーム数を潜伏してい状態では、副制御基板72は、例えば、その後に主制御基板71が行った上乗せ抽籤において非当籤の場合に、潜伏させた上乗せのゲーム数を代わりに報知する。一方で、上乗せゲーム数を潜伏している状態であっても、その後に主制御基板71が行った上乗せ抽籤に当籤している場合には、副制御基板72は、例えば、潜伏分の上乗せゲーム数を保持したまま、当該上乗せ抽籤の結果として決定された上乗せゲーム数を報知する。これにより、上乗せゲーム数を潜伏している状態では、上乗せ抽籤の結果に関わらず、上乗せの報知が行われることになるため、上乗せの報知が行われる頻度を高めることができる。
ここで、主制御基板71は、レア役の当籤時に通常処理に基づき上乗せ抽籤(図125参照)を行う他、MBの作動時(すなわち、MBに応じた図柄の組合せが表示されて、MBの作動が行われた時)に共通処理に基づき上乗せ抽籤(図126参照)を行うが、副制御基板72は、MB作動時の上乗せ抽籤に当籤した場合、基本的に上乗せゲーム数を即報知することなく、未報知のまま保持する(潜伏させる)。そして、副制御基板72は、その後、レア役の当籤を契機とする上乗せ抽籤時に、潜伏させていたMB作動時の上乗せゲーム数を代わりに報知する。これにより、遊技者が注目し易いレア役の当籤時に上乗せの報知が行われる頻度を高めることができる。一方で、MB作動時には上乗せの報知は行われないものの、遊技者からすると、MB作動時にはそもそも上乗せ抽籤自体が行われていないと感じるだけであり、MB作動時の上乗せ報知の頻度に高低が生じるわけではなく、遊技者の落胆を誘うことがない。
続いて、図150(B)は、副制御基板72が上乗せの報知を行う際の制御例1を示す図である。図150(B)に示す制御例1では、まずMB作動時の上乗せ抽籤において主制御基板71が「50G」の上乗せゲーム数を決定している。副制御基板72は、MB作動時の上乗せゲーム数を報知することなく保持する結果、この時点において、副制御基板72は、潜伏分のゲーム数として「50G」を加算する。
図150(B)に示す制御例1では、続いて、レア役に当籤した結果、主制御基板71は、上乗せ抽籤を行い、「10G」の上乗せゲーム数を決定している。この時点において副制御基板72は、潜伏分のゲーム数として「50G」を保持しているものの、レア役を契機とする上乗せ抽籤に当籤しているため、副制御基板72は、保持している「50G」は維持したまま、今回決定された「10G」の上乗せゲーム数を報知する。そのため、遊技者には、レア役の当籤に伴い10ゲームの上乗せが行われたことが報知される。なお、副制御基板72は、潜伏分のゲーム数を維持したままであるため、この時点において、副制御基板72は、潜伏分のゲーム数として「50G」を保持している。
図150(B)に示す制御例1では、続いて、レア役に当籤した結果、主制御基板71は、上乗せ抽籤を行っているが、この上乗せ抽籤には当籤しなかった。この時点において副制御基板72は、潜伏分のゲーム数として「50G」を保持しているため、副制御基板72は、保持している「50G」の範囲で上乗せゲーム数を報知する。具体的には、副制御基板72は、上乗せ抽籤の契機となったレア役により上乗せする可能性のあるゲーム数を、潜伏分のゲーム数として保持しているゲーム数の範囲で報知する。図125を参照して、例えば、「弱チャンス」を契機とする上乗せ抽籤では、上乗せゲーム数として「10G」、「20G」、「30G」が決定される可能性があり、潜伏分のゲーム数として保持している「50G」が決定されることはない。そのため、この場合には、副制御基板72は、「10G」、「20G」、「30G」の何れかを報知する。また、例えば、「強ベル」を契機とする上乗せ抽籤では、上乗せゲーム数として「30G」、「50G」、「100A(100G以上)」が決定される可能性があるものの、潜伏分のゲーム数として保持している「50G」しか保持していない。そのため、この場合には、副制御基板72は、「30G」、「50G」の何れかを報知し、保持している潜伏分のゲーム数を超える「100G以上」を報知することはない。なお、副制御基板72は、潜伏分のゲーム数の範囲において報知すればよく、上乗せ抽籤の契機となったレア役により上乗せする可能性のあるゲーム数のうちの最大のゲーム数を報知する必要はなく、潜伏分のゲーム数の範囲において、その一部又は全部を適宜報知することができる。
図150(B)に示す制御例1では、副制御基板72は、潜伏分のゲーム数として保持しているゲーム数の範囲の中から、上乗せ抽籤の契機となったレア役により上乗せする可能性のあるゲーム数として「50G」を決定し、「50G」の上乗せゲーム数を報知している。これにより、遊技者には、あたかもレア役の当籤に伴い50ゲームの上乗せが行われたかのような報知が行われることになる。なお、副制御基板72は、潜伏分のゲーム数を報知したため、この時点において、副制御基板72が保持する潜伏分のゲーム数は、「0G」となる。
続いて、図150(C)は、副制御基板72が上乗せの報知を行う際の制御例2を示す図である。図150(B)に示す制御例1では、副制御基板72は、レア役当籤時の上乗せ抽籤に非当籤の場合に、潜伏分の上乗せゲーム数を代わりに報知することとしているが、図150(C)に示す制御例2では、副制御基板72は、レア役当籤時の上乗せ抽籤に当籤した場合に、当籤した上乗せゲーム数に潜伏分の上乗せゲーム数を加えて報知する。
具体的には、図150(C)に示す制御例2では、まずMB作動時の上乗せ抽籤において主制御基板71が「50G」の上乗せゲーム数を決定している。副制御基板72は、MB作動時の上乗せゲーム数を報知することなく保持する結果、この時点において、副制御基板72は、潜伏分のゲーム数として「50G」を加算する。
図150(C)に示す制御例1では、続いて、レア役に当籤した結果、主制御基板71は、上乗せ抽籤を行い、「10G」の上乗せゲーム数を決定している。この時点において副制御基板72は、潜伏分のゲーム数として「50G」を保持しているため、副制御基板72は、上乗せ抽籤において当籤した「10G」に潜伏分の上乗せゲーム数を加えて報知する。具体的には、副制御基板72は、上乗せ抽籤の契機となったレア役により上乗せする可能性のあるゲーム数を、上乗せ抽籤において当籤した上乗せゲーム数と、潜伏分のゲーム数として保持している上乗せゲーム数との和の範囲で報知する。図150(C)に示す制御例2では、上乗せ抽籤において当籤した上乗せゲーム数と、潜伏分のゲーム数として保持している上乗せゲーム数との和は「60G」であるが、上乗せ抽籤の契機となったレア役により上乗せする可能性のあるゲーム数として「60G」はなく「50G」があったものとする。そこで、副制御基板72は、「50G」の上乗せゲーム数を報知している。これにより、遊技者には、レア役の当籤に伴い10ゲームの上乗せしか行われていないにも関わらず、あたかも50ゲームの上乗せが行われたかのような報知が行われることになる。なお、副制御基板72は、潜伏分のゲーム数を報知したため、この時点において、副制御基板72が保持する潜伏分のゲーム数は、「10G」となる。
図150(C)に示す制御例2では、その後、レア役に当籤した結果、主制御基板71は、上乗せ抽籤を行っているが、この上乗せ抽籤には当籤しなかったため、副制御基板72は、保持している「10G」の上乗せゲーム数を報知している。その結果、副制御基板72が保持する潜伏分のゲーム数は、「0G」となる。
なお、副制御基板72は、上乗せゲーム数を保持している状態で、レア役に基づく上乗せ抽籤に非当籤などの場合に、必ず保持している潜伏分の上乗せゲーム数を報知することとしてもよく、所定の確率で保持している潜伏分の上乗せゲーム数を報知することとしてもよい。
<ART中の上乗せ報知と設定示唆>
以上のように本実施形態において副制御基板72は、潜伏分の上乗せゲーム数をレア役当籤時に回すことで、レア役当籤時に上乗せの報知が行われる頻度を高くし、また、一度に報知される上乗せゲーム数を多くしている。このような潜伏を用いた制御によれば、以下のような設定示唆の制御も可能になる。
近年のパチスロでは、内部当籤役などに基づくART(AT)に関する抽籤(通常処理)を、設定値に関係なく共通の確率で行うことが求められている。これにより、利益バランスのブレが抑えられ、安心して遊技を行うことができるが、設定推測要素が減ってしまうという問題がある。そこで、本実施形態のパチスロ機1では、ART(AT)に関する通常処理に基づく抽籤から設定差を無くしつつも、共通処理を用いた抽籤結果を潜伏させることで新たな設定推測要素を実現している。
具体的には、図150(D)に示すように、パチスロ機1では、レア役を契機とする通常処理に基づく上乗せ抽籤から設定差を完全になくすため、レア役が内部当籤役として決定される確率と、レア役当籤時の上乗せ抽籤との双方を設定値に関わらず共通の確率で行う。説明を簡易にするため、図150(D)に示す例では、レア役が内部当籤役として決定される確率は、全設定共通で約1/60であり、レア役当籤時の上乗せ抽籤において決定され得る上乗せゲーム数の一回当たりの期待度は、全設定共通で約「10G」とする。
SMB作動時の共通処理に基づく上乗せ抽籤は、上乗せ抽籤の抽籤確率自体は全設定共通とするものの、SMBが内部当籤役として決定される確率に設定差をつける。説明を簡易にするため、図150(D)に示す例では、SMBが内部当籤役として決定される確率は、設定1で約1/18、設定6で約1/15とし、SMB作動時の上乗せ抽籤において決定され得る上乗せゲーム数の一回当たりの期待度は、全設定共通で約「5G」とする。
このような場合において、例えば、180回の遊技が行わると、設定値に関係なく、レア役は3回内部当籤役として決定され、レア役を契機として「30G」の上乗せが期待できる。一方で、SMBに関しては、設定1では、SMBは10回作動し、SMBの作動を契機として「50G」の上乗せが期待でき、設定6では、SMBは12回作動し、SMBの作動を契機として「60G」の上乗せが期待できる。
このとき上述のように、副制御基板72がMB作動時の上乗せ分を潜伏させて、レア役当籤時の上乗せ報知に回すことで、設定1ではトータルとして「80G」の上乗せゲーム数の報知が行われ、設定6ではトータルとして「90G」の上乗せゲーム数の報知が行われる。MB作動時の上乗せ分を潜伏させることで、遊技者からすると、MB作動時には上乗せが行われていないと感じることになるため、通常処理に基づくART(AT)に関する抽籤から完全に設定差を無くしつつも、遊技者に対して設定推測要素を提供することができる。
[主制御基板及び副制御基板が有する各種機能]
以上のようなパチスロ機1に特有の制御を実現するために、パチスロ機1の主制御基板(主制御回路91,メインCPU93)及び副制御基板(副制御回路101,サブCPU102)は、次のような機能を有する。
パチスロ機1は、複数の図柄が表面に描かれた複数のリール3L,3C,3Rと、リール3L,3C,3Rに対応して設けられ遊技者が停止可能な複数のストップボタン7L,7C,7Rを有し、主制御基板71は、スタートスイッチ6Sやストップスイッチ7Sと接続され、図1に示す遊技の進行を制御するため、主制御基板71は、遊技制御手段として機能する。
また、主制御基板71は、MBに応じた図柄の組合せが表示され、MBの作動が行われると、「ART」の上乗せゲーム数を決定するとともに、レア役が内部当籤役として決定されると、「ART」の上乗せゲーム数を決定するため、主制御基板71は、第1上乗せ決定手段及び第2上乗せ決定手段として機能する。このとき、主制御基板71は、上乗せゲーム数を決定すると、決定した上乗せゲーム数分だけ「ART」を継続可能な期間を延長するため、主制御基板71は、上乗せ制御手段として機能する。
また、副制御基板72は、MB作動時の上乗せ抽籤による上乗せゲーム数を未報知のまま保持するため、副制御基板72は上乗せ潜伏手段として機能する。そして、副制御基板72は、主制御基板71が決定した上乗せゲーム数を、表示ユニット100を用いて遊技者に対して報知するとともに、レア役当籤時の上乗せ抽籤に非当籤の場合に未報知のまま保持している上乗せゲーム数を代わりに報知するため、副制御基板72及び表示ユニット100は、報知手段として機能する。
<ART中の演出ステージ>
続いて、図151及び図152を参照して、「ART」中の演出ステージについて説明する。まず、図151(A)(B)を参照して、本実施形態のパチスロ機1における潜伏させている上乗せゲーム数の報知に関する、図150とは異なる制御例について説明する。具体的には、副制御基板72は、潜伏させている上乗せゲーム数を、図柄揃いにより報知する。
図151(A)に示すように、内部当籤役として「F_SPリプB1(No.22)」〜「F_SPリプB3(No.24)」が決定された場合、押し順に応じて表示される図柄の組合せが異なり、“中1st”や“右1st”の押し順で停止操作が行われると、図柄が揃う図柄の組合せ(“赤BARリプ”“赤7リプ”“W揃いリプ”)が表示される。パチスロ機1では、潜伏させている上乗せゲーム数がある場合、“赤BARリプ”“赤7リプ”“W揃いリプ”といった図柄の組合せを表示させて、潜伏させている上乗せゲーム数を報知する。具体的には、潜伏させている上乗せゲーム数が無い場合や、潜伏させている上乗せゲーム数を報知しない場合には、“左1st”の押し順を報知し、“リプレイ”に係る図柄の組合せの表示を促す。なお、この場合における押し順の報知は、少なくとも副制御基板72が表示ユニット100を介して行うものであるが、副制御基板72とともに主制御基板71も報知ランプ147aを介して行うこととしてもよい。
一方で、副制御基板72は、潜伏させている上乗せゲーム数を50ゲーム分報知する場合には、“赤7リプ”に係る図柄の組合せの表示を促す押し順を報知し、50ゲームの上乗せが行われたことを示す上乗せ報知演出を行う。同様に、副制御基板72は、潜伏させている上乗せゲーム数を100ゲーム分報知する場合には、“赤BARリプ”に係る図柄の組合せの表示を促す押し順を報知し、100ゲームの上乗せが行われたことを示す上乗せ報知演出を行い、潜伏させている上乗せゲーム数を150ゲーム分報知する場合には、“W揃いリプ”に係る図柄の組合せの表示を促す押し順を報知し、150ゲームの上乗せが行われたことを示す上乗せ報知演出を行う。
続いて、図151(B)は、副制御基板72が未報知のまま保持している潜伏分の上乗せゲーム数と、副制御基板72が報知する押し順との関係を示す図である。なお、図151では、「F_SPリプB1(No.22)」〜「F_SPリプB3(No.24)」に加えて、「F_SPリプA1(No.20)」、「F_SPリプA2(No.21)」についても例示している。ここで、「F_SPリプA1(No.20)」、「F_SPリプA2(No.21)」は、チャンスCモード及びチャンスBモードに基づく上乗せ抽籤において用いられる役であるが、図151に示すように、潜伏分の上乗せゲーム数の報知に用いることとしてもよいため、合わせて説明する。
初めに、「F_SPリプA1(No.20)」は、図柄が揃う図柄の組合せとして「100G報知」に用いる“赤BARリプ”を表示可能である。そのため、副制御基板72は、潜伏させている上乗せゲーム数が「0〜49G」、「50〜99G」の場合には、“左1st”の押し順を報知し、“リプレイ”に係る図柄の組合せの表示を促す、又は、“右1st”の押し順とともに図柄「赤7」を狙うことを促す演出を行い、“赤7煽り”に係る図柄の組合せの表示を促す。また、副制御基板72は、潜伏させている上乗せゲーム数が「100〜149G」、「150G以上」の場合には、“中1st”の押し順とともに図柄「赤BAR」を狙うことを促す演出を行い、“赤BARリプ”に係る図柄の組合せの表示を促すとともに、100ゲームの上乗せが行われたことを示す上乗せ報知演出を行う。
「F_SPリプA1(No.20)」〜「F_SPリプB3(No.24)」についても同様であり、副制御基板72は、図151(B)に示すように、未報知のまま保持している潜伏分の上乗せゲーム数に応じて所定の押し順や狙うべき図柄を報知するとともに、所定ゲーム数の上乗せが行われたことを示す上乗せ報知演出を行う。例えば、「F_SPリプB1(No.22)」の当籤時には、副制御基板72は、潜伏させている上乗せゲーム数が「0〜49G」、「50〜99G」の場合には、“左1st”の押し順を報知し、“リプレイ”に係る図柄の組合せの表示を促し、また、潜伏させている上乗せゲーム数が「100〜149G」の場合には、“中1st”の押し順とともに図柄「赤BAR」を狙うことを促す演出を行い、“赤BARリプ”に係る図柄の組合せの表示を促すとともに、100ゲームの上乗せが行われたことを示す上乗せ報知演出を行い、また、潜伏させている上乗せゲーム数が「150G以上」の場合には、“右1st”の押し順とともに図柄「赤BAR」を狙うことを促す演出を行い、“W揃いリプ”に係る図柄の組合せの表示を促すとともに、150ゲームの上乗せが行われたことを示す上乗せ報知演出を行う。なお、本実施形態では、全てのリール3L,3C,3Rにおいて図柄「赤BAR」の隣に図柄「赤7」が配置されていることから、“W揃いリプ”に係る図柄の組合せの表示を促す場合には、図柄「赤BAR」を狙うことを促す演出を行えばよい。
このように副制御基板72は、図柄が揃う図柄の組合せごとに報知する上乗せゲーム数を対応付けておき、潜伏させている上乗せゲーム数が、内部当籤役として決定された役において停止表示可能な図柄の組合せに対応付けられた報知する上乗せゲーム数以上である場合に、当該図柄の組合せの表示を促す押し順などの報知を行うとともに、当該図柄の組合せに対応付けられた上乗せゲーム数分の上乗せの報知を行う。これにより、一度の上乗せ演出で報知される上乗せゲーム数を多くすることができ、遊技の興趣を向上させることができる。なお、副制御基板72は、潜伏させている上乗せゲーム数が、内部当籤役として決定された役において停止表示可能な図柄の組合せに対応付けられた報知する上乗せゲーム数以上である場合に、必ず上乗せ演出のための報知を行うこととしてもよく、所定確率で上乗せ演出のための報知を行うこととしてもよい。
なお、報知する上乗せゲーム数が対応付けられた図柄の組合せを複数停止表示可能な役も存在し、当該複数の図柄の組合せに対応付けられた報知する上乗せゲーム数の何れよりも、潜伏させている上乗せゲーム数が多いことがある。一例として、「F_SPリプB1(No.20)」は、「100G」が対応付けられた“赤BARリプ”と、「150G」が対応付けられた“W揃いリプ”とを停止表示可能であるため、「F_SPリプB1(No.20)」が内部当籤役として決定された場合の潜伏させている上乗せゲーム数が「150G以上」である場合が該当する。この場合、副制御基板72は、何れの報知を行うこととしてもよく、例えば、以下に示す演出ステージに応じて報知の種別を決めることとしてもよい。
続いて、「ART」中の演出ステージについて説明する。本実施形態のパチスロ機1では、「ART」中の演出ステージとして複数の演出ステージを有しており、副制御基板72は、滞在している演出ステージに応じた上乗せ報知の演出を行う。なお、演出ステージとは、演出状態の一種であり、遊技状態に応じて決定される。演出ステージとしては、例えば、背景や場面(シーン)の他、表示されるキャラクタの種類又はキャラクタの動作、また、これらの組合せを用いることができる。ここで、副制御基板72は、演出ステージを決定するための遊技状態として、例えば、「ART」中の上乗せに関する各種モード(チャンスAモード、チャンスBモード、チャンスCモード)を用いるが、これら各種モードの他に潜伏させている上乗せゲーム数も加味することとしている。
図151(C)は、潜伏させている上乗せゲーム数と演出ステージとの対応関係の概念図である。図151(C)に示す例では、「ART」中の演出ステージとして、例えば、「ステージA」、「ステージB」、「ステージC」、「ステージC」を有する。例えば、「ステージA」は、基本的な演出ステージであり、「ステージB」は、図柄「赤7」を遊技者に狙わせ“赤7リプ”の表示を促す演出が比較的行われ易い演出ステージである。また、「ステージC」は、図柄「赤BAR」を遊技者に狙わせ“赤BARリプ”の表示を促す演出が比較的行われ易い演出ステージであり、「ステージD」は、図柄「赤BAR」を遊技者に狙わせ“W揃いリプ”の表示を促す演出が比較的行われ易い演出ステージである。
副制御基板72は、潜伏させている上乗せゲーム数に応じて演出ステージを決定し、決定した演出ステージに対応する上乗せ報知演出により潜伏させている上乗せゲーム数(の一部)を遊技者に対して報知する。例えば、副制御基板72は、潜伏させている上乗せゲーム数が多いほど、演出ステージとして「ステージD」を決定し易く、潜伏させている上乗せゲーム数が少ないほど、演出ステージとして「ステージA」を決定し易い。遊技者にとってみれば、より上位の演出ステージに移行した場合には、その後の遊技に期待を持つことができ、興趣が向上する。また、潜伏させている上乗せゲーム数が多いため、上位の演出ステージではより賑やかな演出を行うなどのように多彩な演出制御を実現することができる。
なお、演出ステージを単に潜伏させている上乗せゲーム数のみから決定したのでは、上位の演出ステージといっても単なる潜伏分の報知が行われるだけであり、仕様を理解した熟練の遊技者からすると、興趣が削がれてしまう。そこで、本実施形態では、副制御基板72は、「ART」中の上乗せに関する各種モード(チャンスAモード、チャンスBモード、チャンスCモード)と、潜伏させている上乗せゲーム数とから演出ステージを決定する。これにより遊技者は、潜伏分の上乗せの報知なのか、各種モードに基づく上乗せ抽籤の結果としての上乗せの報知なのかを把握し難くなるため、上乗せの報知演出について遊技者の興趣が削がれることがない。特に、本実施形態では、チャンスBモードは“赤7リプ(赤7揃い)”に基づく上乗せを管理し、チャンスCモードは“赤BARリプ(赤BAR揃い)”に基づく上乗せを管理する。そして、潜伏分の上乗せの報知も同様に、“赤7リプ”や“赤BARリプ”に基づいて行うため、チャンスBモード及びチャンスCモードと、潜伏させている上乗せゲーム数とを加味して演出ステージを決定することで、上乗せ報知の契機を、更に把握し難くすることができ、上乗せの報知演出について遊技者の興味を引き付けることができる。
図152は、本実施形態のパチスロ機1における「ART」中の演出ステージを示す図である。初めに、図152(A)を参照して、本実施形態のパチスロ機1における「ART」中の演出ステージの種類について説明する。パチスロ機1では、「ART」中の演出ステージとして“ARTステージ1”、“ARTステージ2”、“ARTステージ3”、“ARTステージ4”、“ARTステージ5”という5つの演出ステージを有する。なお、詳細には、「ART」中の演出ステージとして、更に“エンディングステージ”という演出ステージを有しているが、この“エンディングステージ”は、出玉状態「エンディング」に対応する専用の演出ステージであり、専用の移行条件に従い移行するため図152の説明では省略する。
図152(A)に示すように、“ARTステージ1”は、「ART」中の基本的な演出ステージであり、“ARTステージ2”は、チャンスAモードが“高確”以上(“高確”、“超高確”)、又は、潜伏させている上乗せゲーム数が“小”(0〜49G)であることを示唆する演出ステージである。また、“ARTステージ3”は、チャンスBモードが“高確”以上(“高確”、“超高確”)、又は、潜伏させている上乗せゲーム数が“中”(50〜99G)であることを示唆する演出ステージであり、“ARTステージ4”は、チャンスCモードが“高確”以上(“高確”、“超高確”)、又は、潜伏させている上乗せゲーム数が“大”(100〜149G)であることを示唆する演出ステージである。また、“ARTステージ5”は、チャンスAモード、チャンスBモード、チャンスCモードのうちの複数のモードが“高確”以上(“高確”、“超高確”)、又は、潜伏させている上乗せゲーム数が“特大”(150G以上)であることを示唆する演出ステージである。
このようにすることで、5つの演出ステージでは、副制御基板72が上乗せ演出を行う頻度が異なることになり、“ARTステージ1”は、副制御基板72が上乗せ演出を行う頻度が最も低い演出ステージに相当し、“ARTステージ2”は、副制御基板72が上乗せ演出を行う頻度が次に低い演出ステージに相当し、“ARTステージ3”は、副制御基板72が上乗せ演出を行う頻度が次に低い演出ステージに相当し、“ARTステージ4”は、副制御基板72が上乗せ演出を行う頻度が次に低い演出ステージに相当し、“ARTステージ5”は、副制御基板72が上乗せ演出を行う頻度が最も高い演出ステージに相当する。
図152(B)は、副制御基板72が演出ステージを移行する際に参照されるサブ_演出ステージ移行抽籤テーブルである。サブ_演出ステージ移行抽籤テーブルは、現在の演出ステージごとに設けられる(なお、図152(B)では、現在の演出ステージが“ARTステージ1”である場合に参照されるサブ_演出ステージ移行抽籤テーブルのみを示し、他の演出ステージに滞在している場合に参照されるテーブルは省略している)。
サブ_演出ステージ移行抽籤テーブルには、参照項目として、「チャンスC+チャンスB高確以上」、「チャンスC高確以上」、「チャンスB高確以上」、「チャンスA高確以上」、「潜伏特大」、「潜伏大」、「潜伏中」、「潜伏小」が規定され、参照項目ごとに抽籤結果(移行先の演出ステージ)についての抽籤値が規定される。このようなサブ_演出ステージ移行抽籤テーブルによれば、例えば「チャンスC高確以上」である場合には、16384/32768の確率で演出ステージが“ART1ステージ”のまま維持され、16384/32768の確率で演出ステージが“ART1ステージ”から“ART4ステージ”に移行する。
なお、参照項目の「チャンスC+チャンスB高確以上」とは、チャンスCモードとチャンスBモードとが“高確”以上であることを意味し、「チャンスC高確以上」とは、チャンスCモードが“高確”以上であることを意味し、「チャンスB高確以上」とは、チャンスBモードが“高確”以上であることを意味し、「チャンスA高確以上」とは、チャンスAモードが“高確”以上であることを意味する。また、「潜伏特大」とは、潜伏させている上乗せゲーム数が“特大”(150G以上)であることを意味し、「潜伏大」とは、潜伏させている上乗せゲーム数が“大”(100〜149G)であることを意味し、「潜伏中」とは、潜伏させている上乗せゲーム数が“中”(50〜99G)であることを意味し、「潜伏小」とは、潜伏させている上乗せゲーム数が“小”(0〜49G)であることを意味する。
参照項目が規定するこれらの条件は、重複して成立していることがある。そこで、副制御基板72は、図152(C)に示す検索順序に従い、参照項目が規定する条件を検索し、最初に満たした条件を参照項目として用いて、演出ステージの移行抽籤を行う。このように「ART」中の上乗せに関する各種モード(チャンスAモード、チャンスBモード、チャンスCモード)と、潜伏させている上乗せゲーム数とから演出ステージを決定することで、潜伏分の上乗せの報知なのか、各種モードに基づく上乗せ抽籤の結果としての上乗せの報知なのかを把握し難くすることができる。
[主制御基板及び副制御基板が有する各種機能]
以上のようなパチスロ機1に特有の制御を実現するために、パチスロ機1の主制御基板(主制御回路91,メインCPU93)及び副制御基板(副制御回路101,サブCPU102)は、次のような機能を有する。
パチスロ機1は、複数の図柄が表面に描かれた複数のリール3L,3C,3Rと、リール3L,3C,3Rに対応して設けられ遊技者が停止可能な複数のストップボタン7L,7C,7Rを有し、主制御基板71は、スタートスイッチ6Sやストップスイッチ7Sと接続され、図1に示す遊技の進行を制御するため、主制御基板71は、遊技制御手段及び停止制御手段として機能する。
また、主制御基板71は、所定の条件を満たすと「ART」の上乗せゲーム数を決定するとともに、決定した上乗せゲーム数分だけ「ART」を継続可能な期間を延長するため、主制御基板71は、上乗せ決定手段及び上乗せ制御手段として機能する。
また、副制御基板72は、上乗せゲーム数を未報知のまま保持可能であるため、副制御基板72は上乗せ潜伏手段として機能する。そして、副制御基板72は、主制御基板71が決定した上乗せゲーム数を、表示ユニット100を用いて遊技者に対して報知するため、副制御基板72及び表示ユニット100は、報知手段として機能する。
また、副制御基板72は、潜伏させている上乗せゲーム数(未報知の上乗せゲーム数)に応じて複数の演出ステージの中から一の演出ステージを決定可能であり、潜伏させている上乗せゲーム数を報知する場合に、演出ステージに応じた図柄揃いを促す上乗せ報知演出を実行可能であるため、副制御基板72は、演出ステージ決定手段として機能する。
<ART中のエンディング制御>
続いて、図153を参照して、「ART」中のエンディング制御について説明する。本実施形態では、有利区間が開始されてから例えば1500Gに達すると、残りゲーム数がたとえ残存していても有利区間を終了するリミット処理を実行するが、リミット処理を将来行うことが確定した段階(有利区間の消化済みゲーム数と残りゲーム数との合算値が規定値以上になった段階)で、主制御基板71は、出玉状態を「エンディング」に移行する。一方で、副制御基板72は、メイン側において出玉状態を「エンディング」に移行した場合であっても、直ぐにはサブ側の演出状態を「エンディング(END)」に移行させることなく、所定の条件を契機に演出状態を「エンディング」に移行させる。以下では、特に、副制御基板72が演出状態を「エンディング」に移行させる制御の詳細について説明する。なお、本実施形態では、有利区間には「ART」や「通常有利」などが含まれるため、有利区間と「ART」とは完全には一致しないものの、以下に示す制御において有利区間と「ART」との差異は関係がないため、以下では有利区間と「ART」とが全く同一の遊技状態であるものとして説明する。
初めに、図153(A)は、有利区間に関連してメイン(主制御基板71)側で計数するメイン側カウンタと、サブ(主制御基板71)側で計数するサブ側カウンタとの関係を示す図である。主制御基板71は、第1のカウンタを用いて有利区間中に経過したゲーム数(消化済みゲーム数)を計数するとともに、第2のカウンタを用いて有利区間を継続可能な期間(残りゲーム数)を計数する。主制御基板71は、第1のカウンタの値が「1500」に達するとリミット処理を行い、第2のカウンタの値に関係なく有利区間を終了し、第1のカウンタの値が「1500」に達する前に、第2のカウンタの値が「0」になると、有利区間を終了する。
一方で、副制御基板72は、第3のカウンタを用いて有利区間中に経過したゲーム数(消化済みゲーム数)を計数するとともに、第4のカウンタを用いて有利区間を継続可能な期間(残りゲーム数)のうちの遊技者に対して報知した期間(報知済みゲーム数)を計数し、また、第5のカウンタを用いて有利区間を継続可能な期間(残りゲーム数)のうちの遊技者に対して未報知の期間(未報知ゲーム数(=潜伏させている上乗せゲーム数))を計数する。なお、副制御基板72は、潜伏させている上乗せゲーム数を報知した場合には、報知したゲーム数分だけ、報知済みゲーム数を加算するとともに、未報知ゲーム数を減算する。
メイン・サブの双方において計数する消化済みゲーム数は、基本的には一致するため、メイン側の第1のカウンタの値とサブ側の第3のカウンタの値とは一致する(なお、有利区間と「ART」とが一致しない場合、リミット処理はサブ側では行わないため、サブ側では有利区間の消化済みゲーム数を計数する必要が無く、「ART」中の消化済みゲーム数を計数することになるため、両カウンタの値は完全には一致しないものの、以下に説明する制御には関係が無い)。
また、サブ側では、報知済みの残りゲーム数と、未報知のまま保持している残りゲーム数とを個別に計数するため、メイン側の第2のカウンタの値と、サブ側の第4カウンタの値とは一致せず、また、メイン側の第2のカウンタの値と、サブ側の第5カウンタの値とも一致しない。ただし、報知済みの残りゲーム数と未報知のまま保持している残りゲーム数との和は、メイン側で計数する残りゲーム数と一致するため、メイン側の第2のカウンタの値と、サブ側の第4カウンタの値及び第5カウンタの値の和とは、一致する。
図153(B)に示すように、主制御基板71は、有利区間の消化済みゲーム数と残りゲーム数との合算値に基づいて「エンディング」への移行制御を行っており、例えば、ゲーム数の上乗せが行われた結果、有利区間の消化済みゲーム数と残りゲーム数との合算値が規定値以上になった段階で出玉状態を「エンディング」に移行する。
一方で、副制御基板72は、有利区間の消化済みゲーム数と報知済みゲーム数との合算値(すなわち、未報知ゲーム数を除いた合算値)に応じてサブ側の演出状態を「エンディング(END)」に移行させる。ここで、図153(C)は、サブ側の「エンディング」移行制御の概念図であり、図153(D)は、副制御基板72が演出状態を「エンディング」に移行させる際に参照されるサブ_エンディング移行抽籤テーブルである。
図153(D)に示すように、サブ_エンディング移行抽籤テーブルは、参照項目として消化済みゲーム数と報知済みゲーム数との合算値を規定し、合算値ごとに「エンディング」に移行させるか否かの抽籤結果(非当籤、当籤)についての抽籤値の情報を規定する。このようなサブ_エンディング移行抽籤テーブルによれば、例えば消化済みゲーム数と報知済みゲーム数との合算値が「1000〜1199G」である場合には、24576/32768の確率で「エンディング」への移行抽籤に非当籤し、8192/32768の確率で「エンディング」への移行抽籤に当籤する。
図153(C)(D)に示すように、副制御基板72は、有利区間の消化済みゲーム数と報知済みゲーム数との合算値が大きくなるほど高い確率で演出状態を「エンディング」に移行させる。そして、副制御基板72は、演出状態を「エンディング」に移行させると、演出ステージを専用の“エンディングステージ”に移行し、有利区間が終了するまで当該“エンディングステージ”のまま維持する。なお、メイン側において出玉状態が「エンディング」に移行していない場合には、サブ側において「エンディング」への移行抽籤を行う必要がないため、副制御基板72は、メイン側において出玉状態が「エンディング」に移行した場合(すなわち、メイン側の管理するカウンタにおいて、有利区間の消化済みゲーム数と残りゲーム数との合算値が規定値以上になった場合)に限り、サブ側の演出状態を「エンディング」に移行させるか否かの抽籤を行うこととしてもよい。
このように「エンディング」移行時に専用の演出ステージに移行させることで、遊技者は、リミット処理が行われることを予め把握することができる。なお、“エンディングステージ”に移行した後は、リミット処理が行われることが確定しているため、ゲーム数の上乗せ報知演出を行う意味がない。そのため、副制御基板72は、“エンディングステージ”に移行した後は、上乗せ報知演出を行わない。
また、“エンディングステージ”への移行は、メイン側の合算値が規定値以上に達している状態で、サブ側の合算値(未報知ゲーム数を除く)が大きくなるほど高い確率で行われる。そのため、“エンディングステージ”への移行確率は、未報知のまま保持している上乗せゲーム数(未報知ゲーム数)が少ないほど高い確率となり、未報知のまま保持している上乗せゲーム数が多いほど低い確率となる。図151及び図152において上述した「ART」中の演出ステージの移行制御は、メイン側の合算値が規定値以上に達している状態にも関わらず“エンディングステージ”に移行しない場合においても同様に適用することができ、副制御基板72は、未報知のまま保持している上乗せゲーム数が多い場合には高い確率で上乗せ報知演出を行う頻度が相対的に高い演出ステージに移行する。遊技者にとってみれば、上乗せ報知演出が行われると興趣が向上するため、残りゲーム数の報知状況に応じて演出態様をコントロールすることで、遊技の興趣を向上させることができる。
また、“エンディングステージ”に移行した後は、原則として有利区間の終了まで“エンディングステージ”の演出を継続し、有利区間が終了するゲームにおいて“エンディングステージ”の演出を終了し、当該ゲームの終了時又は次ゲームの開始時などに通常区間に対応する演出ステージへと移行させる。
また、“エンディングステージ”の滞在中は、LMBなどのボーナスが作動した場合でも依然としてリミット処理が近いうちに行われるという状況に変わりはないため“エンディングステージ”を維持することが望ましい。ここで、有利区間終了の直前のゲーム(例えば、第1のカウンタの値が「1499」のゲーム)においてLMBなどのように所定ゲーム数を消化に要するボーナスに当籤し、ボーナスが作動した場合、ボーナスの作動中に第1のカウンタが「1500」に達してリミット処理が行われ、有利区間が終了することになる。このとき、出玉が増加する状態であるボーナス作動中にも関わらず“エンディングステージ”を終了させて別の演出ステージ(通常区間に対応する演出ステージやボーナス作動中の演出ステージ)へ移行させると、遊技者に違和感を与える恐れがある。そこで、副制御基板72は、ボーナスの作動中にリミット処理により有利区間が終了する場合には、当該ボーナスの終了まで“エンディングステージ”のまま演出ステージを継続し、ボーナスの終了時に(有利区間の終了報知や、のめり込み防止表示などを行って)通常区間に対応する演出ステージへと移行させることとしてもよい。
さらに、第1のカウンタの値が「1498」〜「1500」などリミット処理発動の直前でボーナス役が内部当籤役として決定され、入賞されずに持ち越された場合にも、副制御基板72は、“エンディングステージ”を継続して、当該持ち越し中のボーナス役が入賞して作動したボーナスの終了を待って“エンディングステージ”を終了させるというエンディング状態終了の遅延処理を行うことが好ましい。なお、この場合、リミット処理により有利区間が終了し、押し順などの報知を行わない状況(通常区間)となっても“エンディングステージ”が一時的に継続されてしまうため、副制御基板72は、このような非有利区間の“エンディングステージ”では有利区間中の“エンディングステージ”と演出を異ならせて、遊技者に機械の故障ではない旨を明示することが好ましい。また、副制御基板72は、非有利区間の“エンディングステージ”では、ボーナス役の入賞が可能な遊技(リプレイなどのボーナス役の入賞を阻害する役に当籤していない遊技)でボーナス役の入賞を促す旨の報知や、指示機能が終了しており、ボーナスの終了後に“エンディングステージ”が終了する旨の報知などを行って、遊技者に状況を分かり易く伝えることとしてもよい。また、ボーナス作動中にリミット処理により有利区間が終了した場合、又は、ボーナス作動中にリミット処理が行われる可能性が高い場合などは、副制御基板72は、それ以外のボーナス作動中とは異なる演出(例えば、大量獲得を祝福する演出や設定示唆情報など何らかの有利な情報を含む演出など)を、当該ボーナスの開始時、作動中、ないしは終了時に行うこととしてもよい。
また、有利区間が終了する際に、主制御基板71は、全リールの停止後などに所定時間、遊技操作(例えば、次遊技のメダルの投入操作や再遊技の作動による自動再投入、開始操作など)を受け付けない有利区間終了時のフリーズ処理を行うこととしてもよい。このとき、副制御基板72は、有利区間終了時のフリーズの時間を利用して、当該有利区間中に獲得したメダルの枚数、消化ゲーム数、ないしはセット数のように当該有利区間に関する情報を表示することとしてもよく、また、のめり込み防止表示をこれらに合わせて表示することとしてもよい。また、上述のように、リミット処理による有利区間の終了がボーナス作動中に発生する場合は、主制御基板71は、ボーナスの消化を妨げないようにリミット処理による有利区間の終了時にフリーズを発生させずに、ボーナスの終了時に有利区間終了時のフリーズを行うこととしてもよい。なお、有利区間の終了とは関係なく、ボーナス終了時に有利区間中に獲得したメダルの枚数などの有利区間に関する情報などを表示する表示用の時間を確保するなどの目的で、ボーナス終了時に所定時間のフリーズが設けられている場合は、有利区間の終了がボーナス作動中に発生する場合は、有利区間終了時のフリーズを有利区間終了時にも、ボーナス終了時にも行わず、主制御基板71は、ボーナス終了時のフリーズのみをボーナス終了時に行い、このボーナス終了時のフリーズ中に副制御基板72は、有利区間に関する情報やのめり込み防止表示などを表示することとしてもよい。フリーズによる遊技の遅延が複数発生することを抑制することで、遊技のテンポが悪くなってしまうことを防止できる。なお、ここまで説明した内容は、後述する別例のリミット処理によりボーナス作動中に有利区間が終了する場合においても適用することとしてもよく、また、仕様設計者は発動するリミッタの種別により上記の処理を適用するか、不適用とするか演出の流れなどを考慮して任意に決定することができる。
<可変リミッタ>
ここまで、有利区間を終了するリミット処理を実行する条件を有利区間が開始されてから例えば1500Gに達した場合など、リミット処理の実行条件が一定の場合を前提として説明を行った。しかし、主制御基板71によるリミット処理の実行条件は必ずしも一定である必要はなく、少なくとも上限値(例えば有利区間開始から1500G)を超えて有利区間が継続しないようにすれば十分に過度の射幸性を抑制するという効果を発揮することができる。そこで、主制御基板71は、第1のカウンタ(消化済みゲーム数)が所定の終了条件を満たした場合に、第1のカウンタ(消化済みゲーム数)が上限値を超えるより前に有利区間を終了させるリミット処理を行うこととしてもよい。
例えば、「ART」が1セットあたり50G固定のセット数管理タイプのパチスロでは、「通常有利」の期間や「ART」中のボーナスなどにより、1セットのゲーム数に対して中途半端なタイミング(例えば、上限値まで残り20Gである1480G)で今回のセットの「ART」が終了することがある。このようなケースでは、次セットの「ART」を1セット全て(50G)行うことができず、セットの途中でリミット処理を行うことになってしまう。次セットの「ART」が開始されたにも関わらず、直ぐに強制的に終了させられてしまったのでは遊技者が不満を感じる可能性もある。そこで、主制御基板71は、上限値に達する前ではあるものの、区切りが良い今回のセットの「ART」終了時に、有利区間のリミット処理を行うこととしてもよい。これにより、有利区間(「ART」)は、必ず区切りの良いタイミングで終了することになるため、遊技者が不満を感じる可能性を軽減することができる。
また、パチスロによっては、リミット処理を行う場合に所定のエンディング制御を行うことも考えられるため、このようなエンディング制御を行うケースについても説明する。例えば、「ART」が1セットあたり50G固定のセット数管理タイプのパチスロにおいて、有利区間開始からの消化済みゲーム数及び残りゲーム数の値の合計値が1400〜1450Gの範囲(所定の終了条件の設定範囲)に達した場合に、主制御基板71は、残りの未消化セット数にかかわらずエンディング用の1セットとして50Gの有利区間(「ART」)を設定し、当該エンディング用の1セットが終了した時点で所定の終了条件を満たしたとしてリミット処理を実行し、有利区間を終了させるものとしてもよい。つまり、リミット処理は有利区間の開始から1400〜1450Gの時点で予約され、1450〜1500Gまでで実行されることとなる。このようにある程度、リミット処理の実行タイミングに幅を持つことを許容することで、不自然なタイミングで有利区間が終了して遊技者に違和感を与えることを防ぎつつ、射幸性を適切に抑制できる。また、「ART」1セットあたりのゲーム数を固定としても、途中でボーナスの作動や基本のセットと異なる上乗せ特化状態などの消化が加わることで、エンディング用の1セットが決定されるタイミングは必ずしも50の倍数である1400ゲームちょうどとはならないため、所定の終了条件の設定範囲(リミット処理を予約可能である期間)にも幅を持たせることが好ましい。
なお、後述するようにリミット処理は、ゲーム数に限らず有利区間中に遊技者が獲得したメダルの差枚数やナビの発生回数に基づいて行うことができる(後述の枚数リミッタ、払出枚数リミッタ、ナビ回数リミッタ)。上述の可変リミッタの説明は、リミット処理の種類に関係なく適用可能である。すなわち、主制御基板71は、リミット処理の実行タイミングをリミット処理発動用のカウンタ(ゲーム数カウンタ、払出枚数カウンタ、ナビ回数カウンタなど)がリミッタ発動の閾値(上限値)に達した場合に限らず、所定の終了条件を充足した場合には、リミッタ発動の閾値に達するよりも前にリミット処理を行うものとしてもよい。なお、所定の終了条件は任意であるが、一例として、セット数管理タイプの「ART」において、次セットの「ART」を開始してしまうと、次セットの「ART」の途中でリミッタが発動してしまうことが予測されることを採用することができる(パチスロでは、「ART」中の1ゲームあたりのメダルの増加量やそれぞれの役の当籤確率などが設計仕様から把握することができるため、後述の枚数リミッタ、払出枚数リミッタ又はナビ回数リミッタを用いる場合であっても、次セットの「ART」の途中でリミッタが発動してしまうことを予測することができる)。
この点についての技術的思想を整理すると、以下のようになる。
特定の遊技状態(有利区間)を継続可能な残り期間を示す第2数値(有利区間継続可能な残りゲーム数、差枚数、ナビ回数)が終了閾値(残り0ゲーム、0枚、0回)に達すると前記特定の遊技状態を終了するとともに、少なくとも前記計数手段が計数する前記第1数値(消化済みのゲーム数等)が所定の終了条件(例えば、リミット処理の実行となる有利区間1500ゲーム消化または、変形例のようにリミット処理の実行タイミングに幅が許容される場合は設定された1450〜1500までのゲーム数のいずれかの到達等)を満たす場合は前記第2数値の値が前記終了閾値に達していないときであっても前記特定の遊技状態を終了させる特定状態終了手段(主制御基板71)。
なお、特定状態終了手段は、「ART」など有利区間の権利がゼロとなったことに基づいて有利区間を終わらせる処理と、リミット処理により有利区間を終わらせる場合の双方についてまとめて記載したが、プログラム上、別の処理として持たせるものとしてもよい。
[主制御基板及び副制御基板が有する各種機能]
以上のようなパチスロ機1に特有の制御を実現するために、パチスロ機1の主制御基板(主制御回路91,メインCPU93)及び副制御基板(副制御回路101,サブCPU102)は、次のような機能を有する。
パチスロ機1は、複数の図柄が表面に描かれた複数のリール3L,3C,3Rと、リール3L,3C,3Rに対応して設けられ遊技者が停止可能な複数のストップボタン7L,7C,7Rを有し、主制御基板71は、スタートスイッチ6Sやストップスイッチ7Sと接続され、図1に示す遊技の進行を制御するため、主制御基板71は、遊技制御手段として機能する。
また、主制御基板71は、所定の条件を満たすと有利区間を開始し、有利区間の残りゲーム数が0になった場合や有利区間の消化済みゲーム数が1500回に達した場合や、リミット処理の実行タイミングに幅を持たせるケースでは、一例として設定された1450〜1500までのゲーム数に達した場合に有利区間を終了するため、特定状態開始手段及び特定状態終了手段として機能する。
また、主制御基板71及び副制御基板72は、有利区間に関連する数値(例えば、有利区間の消化済みゲーム数、有利区間の残りゲーム数、有利区間の残りゲーム数のうちの報知済みゲーム数又は未報知ゲーム数)を計数するため、主制御基板71及び副制御基板72は、計数手段として機能する。
また、副制御基板72は、表示ユニット100を制御して、有利区間の残りゲーム数のうちの一部を報知し、報知済みゲーム数として管理するため、副制御基板72及び表示ユニット100は、残期間報知手段として機能する。そして、副制御基板72は、有利区間の残りゲーム数のうちの未報知分の残りゲーム数を、未報知のまま保持するため、副制御基板72は、残期間潜伏手段として機能する。そして、副制御基板72は、表示ユニット100を制御して、未報知のまま保持している未報知ゲーム数の一部を上乗せゲーム数として報知するとともに、報知した上乗せゲーム数に応じて、報知済みゲーム数と未報知ゲーム数とを更新するため、副制御基板72及び表示ユニット100は、上乗せ報知手段として機能する。そして、副制御基板72は、複数の演出ステージの中から一の演出ステージを決定するため、副制御基板72は、演出ステージ決定手段として機能する。
<ART中のラストフリーズ>
続いて、主制御基板71が「ART」の終了時に行うラストフリーズについて説明する。上述したように、本実施形態では、主制御基板71は、「ART」の残りゲーム数が1から0に減算されるタイミングでラストフリーズを発生させるか否かの抽籤を行う。この抽籤に当籤した場合、主制御基板71は、ARTの残りゲーム数に有利区間のリミットに達するまでの値(=1500−消化した有利区間のゲーム数)を加算し、所定のフリーズ処理を行う。一例として、有利区間中に消化したゲーム数が200回のときにラストフリーズの抽籤に当籤した場合、主制御基板71は、ARTの残りゲーム数に1300を加算する。なお、リミット処理は、有利区間中に消化したゲーム数が1500回に到達すると行われるため、例えば「通常有利」中の遊技を50回行い、その後「ART」に移行し、「ART」中の遊技を100回行った後にラストフリーズの抽籤に当籤した場合、有利区間中に消化したゲーム数は、150回(=50+100)となり、ARTの残りゲーム数に1300を加算する。なお、主制御基板71は、ラストフリーズの抽籤に当籤した場合、リミット処理が行われるまで「ART」の継続を許容すればよく、ARTの残りゲーム数に有利区間のリミットに達するまでの値を加算するという加算処理を必ずしも行う必要はない。例えば、主制御基板71は、リミット処理以外による有利区間の終了を禁止することで、リミット処理が行われるまで「ART」の継続を許容することとしてもよく、また、例えば、主制御基板71は、これまでに消化した有利区間のゲーム数に関係なく、ARTの残りゲーム数にリミッタを超える値(9999)を加算することで、リミット処理が行われるまで「ART」の継続を許容することとしてもよい。
[主制御基板及び副制御基板が有する各種機能]
以上のようなパチスロ機1に特有の制御を実現するために、パチスロ機1の主制御基板(主制御回路91,メインCPU93)及び副制御基板(副制御回路101,サブCPU102)は、次のような機能を有する。
パチスロ機1は、複数の図柄が表面に描かれた複数のリール3L,3C,3Rと、リール3L,3C,3Rに対応して設けられ遊技者が停止可能な複数のストップボタン7L,7C,7Rを有し、主制御基板71は、スタートスイッチ6Sやストップスイッチ7Sと接続され、図1に示す遊技の進行を制御するため、主制御基板71は、遊技制御手段として機能する。
また、主制御基板71は、所定の条件を満たすと有利区間を開始し、有利区間の消化済みゲーム数が1500回に達した場合や、リミット処理の実行タイミングに幅を持たせるケースでは、一例として設定された1450〜1500までのゲーム数に達した場合に有利区間を終了するため、特定状態開始手段及び特定状態終了手段として機能する。
また、主制御基板71は、有利区間に関連する数値(例えば、有利区間の消化済みゲーム数、有利区間の残りゲーム数)を計数するため、主制御基板71は、計数手段として機能する。そして、主制御基板71は、「ART」の残りゲーム数が0になると、ラストフリーズを行うか否かを決定し、ラストフリーズを行うと決定した場合には「ART」の残りゲーム数にリミット処理が行われるまでのゲーム数を加算する一方で、ラストフリーズを行わないと決定した場合には「ART」を終了するため、主制御基板71は、終了時処理決定手段及び終了時処理実行手段として機能する。
[第3実施形態の変形例]
また、第3実施形態の変形例としては、例えば図154に示すような遊技状態の流れとし、このような遊技状態に対して図100に示すような出玉状態を適用するようにしてもよい。
また、第3実施形態は、有利区間ランプ(状態表示器147b)の点灯・非点灯の状態が有利区間と非有利区間(通常区間)とに対応するものとして説明したが、例えば図155に示すように、非有利区間(通常区間)から有利区間に移行する途中の区間として、ボーナス(設定差無しのBB等)に関係する待機区間を設定するようにしてもよい。
待機区間とは、設定差無しのボーナス当籤時に有利区間当籤となっても、当該ボーナスの入賞まで有利区間ランプ(状態表示器147b)を点灯させない区間を意味する。すなわち、ボーナスの当籤から入賞までは、有利区間ランプが非点灯の状態で待機区間となり、そのボーナス入賞時に有利区間ランプが点灯状態となって有利区間が進行することとなる。
このような待機区間について、例えば「BB1+スイカ」の当籤で待機区間フラグがセットされ、BB1の入賞まで待機区間が進行する一方、「BB1+チェリー」の当籤では待機区間フラグがセットされず、その当籤を条件に待機区間を経由することなく有利区間が開始されるというように、フラグ別に待機区間の設定有無を決定するようにしてもよい。ただし、同一のフラグで待機区間の設定有無を分けないことが望ましい。このように、待機区間設定有りに対応するボーナスでは、当該ボーナスの当籤と同時に有利区間に当籤していてもボーナス持越し中は待機区間として有利区間ランプを非点灯とすることができる。
[別制御例]
続いて、図156〜図163を参照して、上述した特有の制御とは別のパチスロ機1に特有な別制御例について説明する。
<有利区間中の上乗せ制御>
初めに、図156及び図157を参照して、パチスロ機1における有利区間中の上乗せ制御について説明する。パチスロによっては、いわゆる確定役やプレミア役といった、内部当籤役として決定された場合に、遊技者に対して特典を付与し易い役(以下では、特定役とする)を設けていることがある。通常、このような特定役(確定役やプレミア役)は、内部当籤役として決定される確率が他の役に比べて低い一方で、遊技者に対して特典を付与する確率が他の役に比べて高い(例えば100%)、又は、付与する特典が他の契機において付与する特典よりも大きい、といったように、特典の付与が優遇されている。
ところで、有利区間中の遊技に対して、上述のようにリミット処理を行うパチスロの場合、リミット処理が行われる直前に特典の付与が優遇されている特定役が内部当籤役として決定されてしまうと、特定役に伴い大きな特典が付与されたとしてもリミット処理に掛かってしまうため、特定役に伴い付与された大きな特典が無駄になってしまい、遊技意欲を損ねてしまう可能性がある。一方で、有利区間(ART)などの遊技者にとって有利な遊技状態中に制限なく特典を付与してしまったのでは、遊技者の射幸心を徒に高めてしまい、射幸性が高すぎると感じる一部の遊技者から敬遠されてしまうという問題もある。
この点、以下に示すように本発明に係るパチスロ機1では、リミット処理により射幸性のバランスをとりつつも、遊技意欲を損ねることのない有利区間中の上乗せ制御を実行する。詳細は後述するが、パチスロ機1では、主制御基板71は、特定役が当籤したタイミングに応じて特典の付与を制限する。ここで、通常のパチスロでは、特定役の当籤時に固有の図柄の組合せを表示することで、特定役の当籤を遊技者に対して把握させることとしているため、遊技者にとってみれば、表示された図柄の組合せから特定役の当籤が分かってしまう。この点、パチスロ機1では、主制御基板71は、特定役に基づき大きな特典を付与する場合には、固有の図柄の組合せが表示されるように停止制御を行い、特定役に基づく特典の付与を制限する場合には、他の役においても表示され得る汎用的な図柄の組合せが表示されるように停止制御を行う。遊技者にとってみれば、特定役が当籤していることを把握することができないため、特典の付与を制限したとしても引き損感を感じることがない。
初めに、図156(A)を参照して、有利区間の上乗せ制御を説明するために用いる役構成と図柄の組合せとについて説明する。なお、以下では、第1実施形態において説明した図柄の組合せなどを参照して有利区間中の上乗せ制御について説明する。有利区間中の上乗せ制御の説明においては、図156(A)に示すように、特定役(確定役やプレミア役)として、「F_単チリリプ」、「F_2連チリリプ」、「F_3連チリリプ」の3種類の役を用いる。なお、それぞれの特定役の当籤確率については、本制御において関係がないため、省略する。
「F_単チリリプ」、「F_2連チリリプ」、「F_3連チリリプ」は、停止操作の態様に応じて停止表示される図柄の組合せが異なり、特定の態様で停止操作が行われると、固有の図柄の組合せが有効ラインに沿って表示され、特定の態様以外の態様で停止操作が行われると、汎用的な図柄の組合せが有効ラインに沿って表示される。
具体的には、主制御基板71は、「F_単チリリプ」当籤時に“左1st”の押し順で停止操作が行われると、「単チリリプ」に係る図柄の組合せを有効ラインに沿って表示し、“中1st”又は“右1st”の押し順で停止操作が行われると、「リプレイ」に係る図柄の組合せを有効ラインに沿って表示する。また、主制御基板71は、「F_2連チリリプ」当籤時に“左1st”の押し順で停止操作が行われると、「2連チリリプ」に係る図柄の組合せを有効ラインに沿って表示し、“中1st”又は“右1st”の押し順で停止操作が行われると、「リプレイ」に係る図柄の組合せを有効ラインに沿って表示する。また、主制御基板71は、「F_3連チリリプ」当籤時に“左1st”の押し順で停止操作が行われると、「3連チリリプ」に係る図柄の組合せを有効ラインに沿って表示し、“中1st”又は“右1st”の押し順で停止操作が行われると、「リプレイ」に係る図柄の組合せを有効ラインに沿って表示する。
なお、第1実施形態で説明したように、「単チリリプ」に係る図柄の組合せは、表示窓4に表示されるリール3L、3C、3Rのうちの一つのリールにのみチリ図柄が表示される図柄の組合せであり、「2連チリリプ」に係る図柄の組合せは、二つのリールにチリ図柄が表示される図柄の組合せであり、「3連チリリプ」に係る図柄の組合せは、全てのリールにチリ図柄が表示される図柄の組合せである。ただし、第1実施形態では、「単チリリプ」、「2連チリリプ」、「3連チリリプ」は、ある一つの役に固有の図柄の組合せではなかったが、以下に示す説明では、「単チリリプ」は「F_単チリリプ」に固有の図柄の組合せであり、「2連チリリプ」は「F_2連チリリプ」に固有の図柄の組合せであり、「3連チリリプ」は「F_3連チリリプ」に固有の図柄の組合せであるものとする。
一方で、「単チリリプ」、「2連チリリプ」、「3連チリリプ」に“中1st”又は“右1st”の押し順で停止操作が行われたときに表示される「リプレイ」に係る図柄の組合せは、汎用的な図柄の組合せであり、例えば「F_リプレイ」当籤時に停止操作の態様に関係なく表示される図柄の組合せである。なお、特定役に固有の図柄の組合せを停止表示するための停止操作の態様は、任意であり、押し順に限られるものではない。また、図156(A)に示す例では、全ての特定役において固有の図柄の組合せを停止表示するための停止操作の態様が共通としているが、これに限られるものではなく、それぞれ別々の停止操作の態様としてもよく、また、一部の特定役のみ別の停止操作の態様としてもよい。
続いて、図156(B)を参照して、それぞれの特定役が内部当籤役として決定された場合の上乗せ抽籤の概要について説明する。なお、本制御では、特定役の当籤時に特典の付与を制限することとしているが、以下では、説明を簡易にするため、特典付与の制限として、特典の付与を行わないこと例にとり説明する。もちろん、特典の付与を制限するとは無効にすることに限らず、制限をする場合に制限をしない場合よりも特典を付与する確率を低くすることを含むものである。ここで、確率を低くするとは、確率を0%にすることを含むものである。
図156(B)に示すように、特定役に基づく上乗せ抽籤は、有効区間であるか無効区間であるかに応じて異なる。ここで、有効区間とは特定役に基づく上乗せ抽籤を行う区間であり、無効区間とは特定役に基づく上乗せ抽籤を行わない区間である。有効区間の場合、主制御基板71は、「F_単チリリプ」が内部当籤役として決定されると“小さな特典”を付与し、「F_2連チリリプ」が内部当籤役として決定されると“中の特典”を付与し、「F_3連チリリプ」が内部当籤役として決定されると“大きな特典”を付与する。なお、本説明における“小さな特典”、“中の特典”、“大きな特典”は、比較上のものであり、“中の特典”とは“小さな特典”よりも大きく、“大きな特典”よりも小さいことを意味し、“小さな特典”が絶対的に小さい特典であることを意味するものではない。また、付与する特典の種類は任意であり、有利区間の継続期間の管理方法による。一例として、ゲーム数により継続期間を管理する場合には、継続期間を延長する上乗せゲーム数や、上乗せゲーム数を獲得し易い上乗せ特化ゾーンの権利(ストック)が相当する。
続いて、図156(C)を参照して、特定役に基づく上乗せ抽籤の有効区間及び無効区間における押し順ナビの概要について説明する。なお、図156(C)では、「F_3連チリリプ」当籤時についてのみ説明するが、「F_単チリリプ」、「F_2連チリリプ」についても同様である。同図に示すように、有効区間において、「F_3連チリリプ」が内部当籤役として決定されると、主制御基板71及び副制御基板72は、報知ランプ147a及び表示ユニット100を介して“左1st”の押し順と狙うべき図柄とを報知する。遊技者がこの報知に従い停止操作を行うことで、有効ライン上には「3連チリリプ」に係る図柄の組合せが表示されることになる。一方で、無効区間において、「F_3連チリリプ」が内部当籤役として決定されると、主制御基板71及び副制御基板72は、報知ランプ147a及び表示ユニット100を介して、例えば“中1st”の押し順を報知する。遊技者がこの報知に従い停止操作を行うことで、有効ライン上には「リプレイ」に係る図柄の組合せが表示されることになる。なお、特典を付与するか否かは、報知する押し順に関係なく決まっているため、この場合の報知は、副制御基板72が表示ユニット100を介して行い、主制御基板71は行わないこととしてもよい。
有効区間中は、「F_3連チリリプ」が内部当籤役として決定されたことに応じて“大きな特典”が付与されているため、遊技者は、表示された「3連チリリプ」に係る図柄の組合せから“大きな特典”が付与されたことを把握でき、また、当該特典を享受することができる。一方で、無効区間中は何らの特典も付与されていないが、「リプレイ」に係る図柄の組合せが表示されているため、遊技者は、「F_3連チリリプ」が内部当籤役として決定されていることを把握することはできず、興趣を損ねることがない。
続いて、図157を参照して、特定役に基づく上乗せ抽籤の有効区間と無効区間の設定方法の一例について説明する。図157(D)は、有効区間と無効区間の設定方法の第1方法を示す図である。この第1方法では、リミット処理が行われるまでの有利区間の残り期間(言い換えると、有利区間が開始してから経過した期間)に基づいて、特定役に基づく上乗せ抽籤の有効区間と無効区間とを設定する。なお、上述したように特定役ごとに付与する特典の大きさが異なるため、この第1方法では、有効区間又は無効区間として設定する期間を、特定役ごとに異ならせる。
一例として、“大きな特典”が付与される「F_3連チリリプ」は、リミット処理が行われるまでの有利区間の残り期間が「1000G」になるまで(言い換えると、有利区間が開始してから「500G」経過するまで)を有効区間とし、それ以降を無効区間として設定する(なお、通常区間中は、特定役の種類に関わらず有効区間として設定する)。また、“中の特典”が付与される「F_2連チリリプ」は、リミット処理が行われるまでの有利区間の残り期間が「800G」になるまで(言い換えると、有利区間が開始してから「700G」経過するまで)を有効区間とし、それ以降を無効区間として設定する。また、“小さな特典”が付与される「F_単チリリプ」は、リミット処理が行われるまでの有利区間の残り期間が「600G」になるまで(言い換えると、有利区間が開始してから「900G」経過するまで)を有効区間とし、それ以降を無効区間として設定する。もちろん、図157(D)に示す設定方法は一例に過ぎず、付与する特典の大きさに応じて有効区間と無効区間とを設定することができる。
主制御基板71は、有効区間中(有利区間が開始してから規定ゲーム数が経過するまで)に特定役が内部当籤役として決定されると、当該特定役に対応する特典を付与することができる一方で、無効区間中(有利区間が開始してから規定ゲーム数を経過した後)に特定役が内部当籤役として決定されると、何らの特典も付与しない。そして、主制御基板71及び副制御基板72は、有効区間中に特定役が内部当籤役として決定されると、報知ランプ147a及び表示ユニット100を介して、当該特定役に固有の図柄の組合せを停止表示させるために必要な停止操作の態様を報知(“左1st”の押し順と狙うべき図柄とを報知)し、主制御基板71及び副制御基板72は、無効区間中に特定役が内部当籤役として決定されると、報知ランプ147a及び表示ユニット100を介して、汎用的な図柄の組合せを停止表示させるために必要な停止操作の態様を報知(“中1st”の押し順を報知)する。
なお、本制御では、特定役の当籤時に特典の付与を制限することとしているが、上述したように、特典の付与を制限することには、制限をする場合に制限をしない場合よりも特典を付与する確率を低くすることを含む。ここで、特典を付与する確率を低くする場合の主制御基板71及び副制御基板72の制御処理について説明する。なお、以下の説明は、後述する図157(E)(F)のように有効区間と無効区間とを設定する場合にも同様に当てはまる。また、以下の説明では、無効区間を「低減区間」と読み直して説明する。低減区間とは、特定役の当籤時に特典を付与する確率を低くする区間をいう。
主制御基板71は、有効区間中(有利区間が開始してから規定ゲーム数が経過するまで)に特定役が内部当籤役として決定されると、第1の確率(100%を含んでもよい)で当該特定役に対応する特典を付与すると決定する一方で、低減区間中(有利区間が開始してから規定ゲーム数を経過した後)に特定役が内部当籤役として決定されると、第1の確率よりも低い第2の確率(0%を含んでもよい)で当該特定役に対応する特典を付与すると決定する。そして、特定役が内部当籤役として決定されたことに応じて主制御基板71が特典を付与すると決定すると、主制御基板71及び副制御基板72は、報知ランプ147a及び表示ユニット100を介して、当該特定役に固有の図柄の組合せを停止表示させるために必要な停止操作の態様を報知(“左1st”の押し順と狙うべき図柄とを報知)し、特定役が内部当籤役として決定されたにも関わらず主制御基板71が特典を付与しないと決定すると、主制御基板71及び副制御基板72は、報知ランプ147a及び表示ユニット100を介して、汎用的な図柄の組合せを停止表示させるために必要な停止操作の態様を報知(“中1st”の押し順を報知)する。なお、低減区間中に特典を付与する第2の確率は、変動させることとしてもよく、例えば、有利区間が開始してから経過した期間(言い換えると、リミット処理が行われるまでの残り期間)に長いほど第2の確率を低くしてもよく、また、付与する特典の大きな特定役ほど第2の確率を低くしてもよい。
続いて、図157(E)を参照して、特定役に基づく上乗せ抽籤の有効区間と無効区間の設定方法の第2方法について説明する。この第2方法では、有利区間中の特殊区間を無効区間とし、その他の区間を有効区間とする。なお、特殊区間とは、例えば上乗せ特化ゾーンのストックを複数所有している状態をいう。パチスロによっては、通常区間中にプレミア役に当籤すると、有利区間(ART)に移行するとともに、上乗せ特化ゾーンのストックを最初から複数所持している状態で有利区間(ART)が開始することがある。このような状態で更にプレミア役に当籤してしまうと、遊技者に対して過度な利益を付与することになってしまう。
図157(E)に示すように、第2方法では、このような状態において特定役が内部当籤役として決定された場合には、特典の付与を制限する。具体的には、主制御基板71は、有効区間中(すなわち、特殊区間以外)に特定役が内部当籤役として決定されると、当該特定役に対応する特典を付与することができる一方で、無効区間中(すなわち、特殊区間中)に特定役が内部当籤役として決定されると、何らの特典も付与しない。そして、主制御基板71及び副制御基板72は、有効区間中に特定役が内部当籤役として決定されると(言い換えると、主制御基板71が特典を付与すると決定すると)、報知ランプ147a及び表示ユニット100を介して、当該特定役に固有の図柄の組合せを停止表示させるために必要な停止操作の態様を報知し、また、主制御基板71及び副制御基板72は、無効区間中に特定役が内部当籤役として決定されると(言い換えると、主制御基板71が特典を付与しないと決定すると)、報知ランプ147a及び表示ユニット100を介して、汎用的な図柄の組合せを停止表示させるために必要な停止操作の態様を報知する。
なお、特殊区間は、任意に設定することができ、上述のように上乗せ特化ゾーンのストックを所定数以上所持している状態であってもよく、また、有利区間(ART)を継続可能な期間を延長するための上乗せ量(例えば、上乗せゲーム数)を未報知のまま所定量以上所持している状態であってもよい。また、特殊区間中は、専用の演出ステージに滞在させ、遊技者に特殊区間中であることを把握可能にしてもよい。
また、図157(E)では、特典の大きさが異なる複数の特定役のそれぞれにおいて、特殊区間の範囲が共通となっているが、異ならせることとしてもよい。例えば、“大きな特典”が付与される「F_3連チリリプ」は、上乗せ特化ゾーンのストックを第1所定数以上所持している状態を特殊区間とし、“中の特典”が付与される「F_2連チリリプ」は、上乗せ特化ゾーンのストックを第1所定数よりも多い第2所定数以上所持している状態を特殊区間とし、“小さな特典”が付与される「F_単チリリプ」は、上乗せ特化ゾーンのストックを第2所定数よりも多い第3所定数以上所持している状態を特殊区間としてもよい。
続いて、図157(F)は、特定役に基づく上乗せ抽籤の有効区間と無効区間の設定方法の第3方法を示す図である。この第3方法では、第1方法と第2方法と組み合わせて、有効区間と無効区間とを設定する。すなわち、第3方法では、特定役の種類に関係なく、有利区間中の特殊区間を無効区間として設定するとともに、“大きな特典”が付与される「F_3連チリリプ」については、特殊区間以外の有利区間のうち、リミット処理が行われるまでの有利区間の残り期間が「1000G」になるまで(言い換えると、有利区間が開始してから「500G」経過するまで)を有効区間とし、それ以降を無効区間として設定する。同様に、“中の特典”が付与される「F_2連チリリプ」については、特殊区間以外の有利区間のうち、リミット処理が行われるまでの有利区間の残り期間が「800G」になるまで(言い換えると、有利区間が開始してから「700G」経過するまで)を有効区間とし、それ以降を無効区間として設定する。また、“小さな特典”が付与される「F_単チリリプ」については、特殊区間以外の有利区間のうち、リミット処理が行われるまでの有利区間の残り期間が「600G」になるまで(言い換えると、有利区間が開始してから「900G」経過するまで)を有効区間とし、それ以降を無効区間として設定する。
そして、主制御基板71は、有効区間中(すなわち、特殊区間以外)に特定役が内部当籤役として決定されると、当該特定役に対応する特典を付与することができる一方で、無効区間中に特定役が内部当籤役として決定されると、何らの特典も付与しない。そして、主制御基板71及び副制御基板72は、有効区間中に特定役が内部当籤役として決定されると(言い換えると、主制御基板71が特典を付与すると決定すると)、報知ランプ147a及び表示ユニット100を介して、当該特定役に固有の図柄の組合せを停止表示させるために必要な停止操作の態様を報知し、また、主制御基板71及び副制御基板72は、無効区間中に特定役が内部当籤役として決定されると(言い換えると、主制御基板71が特典を付与しないと決定すると)、報知ランプ147a及び表示ユニット100を介して、汎用的な図柄の組合せを停止表示させるために必要な停止操作の態様を報知する。
このように有利区間中を、特定役に基づく特典を付与可能な有効区間と、当該特典の付与を制限する無効区間(低減区間)とに分け、それぞれにおいて停止表示させる図柄の組合せが異なるように報知を行うことで、遊技者に対して付与する利益が過度になり過ぎず、適度な射幸性のバランスをとることができるだけでなく、遊技者に対して引き損を感じさせることがないため、遊技者の遊技意欲を損ねてしまうことがない。
[主制御基板及び副制御基板が有する各種機能]
以上のようなパチスロ機1に特有の制御を実現するために、パチスロ機1の主制御基板(主制御回路91,メインCPU93)及び副制御基板(副制御回路101,サブCPU102)は、次のような機能を有する。
パチスロ機1は、複数の図柄が表面に描かれた複数のリール3L,3C,3Rと、リール3L,3C,3Rに対応して設けられ遊技者が停止可能な複数のストップボタン7L,7C,7Rを有し、主制御基板71は、スタートスイッチ6Sやストップスイッチ7Sと接続され、図1に示す遊技の進行を制御するため、主制御基板71は、変動制御手段、内部当籤役決定手段、停止制御手段として機能する。
また、主制御基板71は、所定の条件を満たすと有利区間を開始し、有利区間の残りゲーム数が0になった場合や有利区間の消化済みゲーム数が1500回に達した場合や、リミット処理の実行タイミングに幅を持たせるケースでは、一例として設定された1450〜1500までのゲーム数に達した場合に有利区間を終了するため、状態制御手段として機能する。
また、主制御基板71は、特定役が内部当籤役として決定されると、有利区間に関する特典を所定の確率で付与可能であり、また、主制御基板71は、特定役が内部当籤役として決定されたときの状態(有効区間又は低減区間)に応じて、特典を付与し得る確率を変化させるため、確率変更手段として機能する。また、主制御基板71は、有利区間中に所定条件を満たすと、当該条件を満たしている状態を特殊区間(特殊状態)として設定することができるため、主制御基板71は、状態制御手段として機能する。
また、特定役の当籤時に、主制御基板71は、報知ランプ147aを制御して遊技者に対して所定の押し順を報知するとともに、副制御基板72は、表示ユニット100を制御して遊技者に対して所定の押し順を報知するため、主制御基板71、報知ランプ147a、副制御基板72、及び表示ユニット100は、報知手段として機能する。
<ART移行時の特典付与>
続いて、図158を参照して、パチスロ機1におけるART移行時の特典付与について説明する。初めに、図158(A)を参照して、本制御における遊技状態の遷移フローについて説明する。同図に示すように本制御のパチスロ機1では、通常区間と有利区間とを有するとともに、有利区間中を更に「通常有利」と「ART」という出玉状態に分ける。なお、通常区間は、主制御基板71及び(又は)副制御基板72が遊技者に対して停止操作の態様を報知しない非報知状態であり、有利区間は、主制御基板71及び(又は)副制御基板72が遊技者に対して停止操作の態様を報知可能な報知状態である。また、「通常有利」及び「ART」は、主制御基板71及び(又は)副制御基板72が遊技者に対して停止操作の態様を報知可能であるものの、「通常有利」よりも「ART」の方が停止操作の態様を報知する頻度(可能性)が高い状態である。この点は、第3実施形態における「通常有利」と「ART」との関係と同じである(図102参照)。なお、本制御では、通常区間及び「通常有利」は出玉率が1を超えない区間であり、「ART」は通常区間及び「通常有利」よりも出玉率が高い区間(例えば出玉率が1を超える区間)であるものとする。
同図に示すように、本制御において主制御基板71は、(1)通常区間から有利区間の「通常有利」に遊技状態を移行することができる。この移行条件は任意であり、例えば、移行抽籤の当籤であってもよく、また、所定ゲーム数の経過であってもよく、また、特定の役が内部当籤役として決定されたことであってもよく、また、特定の図柄の組合せが有効ラインに沿って表示されたことであってもよい。本制御において(1)の通常区間から「通常有利」への移行は、比較的高確率で行われ、例えば約1/30の確率で移行するものとする。
また、本制御において主制御基板71は、(2)「通常有利」から「ART」に有利状態を移行することができる。この移行条件も上述と同様に任意であるが、本制御において(2)の「通常有利」から「ART」への移行は、通常区間から「通常有利」への移行よりも低い確率で行われ、例えば約1/100の確率で移行するものとする。また、主制御基板71は、「通常有利」のまま所定ゲーム数(例えば、500ゲーム)が経過した場合にハマリ天井として「通常有利」から「ART」に移行させることとしてもよい。
また、本制御において主制御基板71は、(3)「ART」から通常区間に遊技状態を移行することができる。この移行条件は、「ART」が終了することであり、例えば、「ART」を継続可能な期間が終了閾値に達した場合や、有利区間中に消化したゲーム数がリミット閾値に達したことでリミット処理が行われた場合に、主制御基板71は、「ART」を終了し、通常区間に遊技状態を移行する。
なお、同図に示すように、本制御において主制御基板71は、(4)「通常有利」から通常区間に遊技状態を移行させることとしてもよい。この移行条件も上述と同様に任意であり、また、移行確率も任意である。例えば、(1)の通常区間から「通常有利」への移行確率と同程度であってもよく、また、(1)の移行確率よりも高い確率であってもよく、また、(1)の移行確率と(2)の「通常有利」から「ART」への移行確率との間の確率であってもよく、また、(2)の移行確率と同程度であってもよく、また、(2)の移行確率よりも低い確率であってもよい。なお、同図に示す例では、(2)の移行確率と同じく、「通常有利」から通常区間には、例えば約1/100の確率で移行するものとする。
このような遊技状態の遷移フローを有するパチスロ機1では、一段階目の有利区間(「通常有利」)までは高頻度で移行することになるため、遊技状態の移行が高頻度で行われ、遊技性が多様化するため非ART中においても遊技を続ける要素となる。一方で、二段階目の有利区間(「ART」)への移行は、一段階目の有利区間までの移行確率よりも低確率であるため、二段階目の有利区間までは移行し難くなっている。本制御では、主制御基板71は、一段階目の有利区間(「通常有利」)において、二段階目の有利区間(「ART」)に移行することなく経過した期間の長さに応じて、「ART」移行時に特典を付与することとしている。具体的には、主制御基板71は、「ART」に移行することなく「通常有利」のまま経過したゲーム数が多いほど、「ART」の初期ゲーム数(すなわち、「ART」開始時に設定される「ART」を継続可能な期間)として多くのゲーム数を付与する。
ここで、図158(B)は、本制御における「ART」移行時に付与する特典の一例を示す図である。同図に示すように、「通常有利」から「ART」に移行すると、主制御基板71は、「通常有利」のまま経過したゲーム数が「0〜99G」である場合には「ART」の初期ゲーム数として「50G」を付与し、同ゲーム数が「100〜199G」である場合には「ART」の初期ゲーム数として「100G」を付与し、同ゲーム数が「200〜299G」である場合には「ART」の初期ゲーム数として「200G」を付与し、同ゲーム数が「300〜399G」である場合には「ART」の初期ゲーム数として「300G」を付与し、同ゲーム数が「400〜499G」である場合には「ART」の初期ゲーム数として「500G」を付与し、同ゲーム数が「500G」である場合には「ART」の初期ゲーム数として「1000G」を付与する。なお、「通常有利」が500ゲーム経過し、その後「ART」が1000ゲーム経過すると、有利区間が1500ゲーム継続することになり、リミット処理に掛かってしまう。そのため、同ゲーム数が「500G」である場合に付与する「ART」の初期ゲームとは、有利区間に関するリミット処理が行われるまでの残りゲーム数と同じである。
このような制御によれば、「ART」の継続期間は、「通常有利」から「ART」に移行するまでの期間に応じて決定され、当該期間が長いほど「ART」の継続期間も長くなる。これにより、「通常有利」が長く継続してしまった場合であっても単にメダルを消費してしまうだけでなく、その後に「ART」が長期間継続することについての期待を持つことができるため、遊技意欲の低減を抑制することができる。一方で、本制御においても、主制御基板71は、有利区間のリミット処理を行うため、「ART」が必要以上に継続してしまうことがなく、射幸心を徒に高めてしまうことを防止できる。
[主制御基板及び副制御基板が有する各種機能]
以上のようなパチスロ機1に特有の制御を実現するために、パチスロ機1の主制御基板(主制御回路91,メインCPU93)及び副制御基板(副制御回路101,サブCPU102)は、次のような機能を有する。
パチスロ機1は、複数の図柄が表面に描かれた複数のリール3L,3C,3Rと、リール3L,3C,3Rに対応して設けられ遊技者が停止可能な複数のストップボタン7L,7C,7Rを有し、主制御基板71は、スタートスイッチ6Sやストップスイッチ7Sと接続され、図1に示す遊技の進行を制御するため、主制御基板71は、遊技制御手段として機能する。
また、主制御基板71は、通常区間において移行条件(第1開始条件)を満たすと、通常区間から「通常有利」に遊技状態を移行し、「通常有利」において移行条件(第2開始条件)を満たすと、「通常有利」から「ART」に遊技状態を移行し、「通常有利」において移行条件(終了条件)を満たすと、「通常有利」から通常区間に遊技状態を移行するため、主制御基板71は、第1状態制御手段、第2状態制御手段及び第3状態制御手段として機能する。
また、主制御基板71は、「ART」に移行することなく「通常有利」のまま経過したゲーム数が多いほど、「ART」の初期ゲーム数として多くのゲーム数を付与するため、期間決定手段として機能する。
<状態リセットの再認識>
続いて、図159を参照して、パチスロ機1における状態リセットの再認識について説明する。パチスロ機1では、主制御基板71は、有利区間の終了時に有利区間に関する全ての情報を初期化(リセット)するため、例えば、有利区間終了後の通常区間においてどのような有利区間を経てきたかを把握することができず、その後の遊技が単調になってしまう恐れがある。そこで、本制御では、主制御基板71は、リセット時に表示された図柄の組合せ(出目)を介して、リセットによる情報の初期化を迂回し、リセット後に再認識する。
図159(A)は、本制御(リセット再認識)の概念を示す図である。本制御では、リール3L,3C,3Rの停止時に表示される図柄の組合せ(出目)に対して、特定の状態であることを予め対応付けておく。そして、同図に示すように、主制御基板71は、リセットによる情報の初期化からの復帰後に、停止表示されている図柄の組合せから、対応付けられた特定の状態を読み出し、当該特定の状態であることをリセット後に再認識する。
続いて、図159(B)は、本制御(リセット再認識)の流れを示す図である。同図に示す例では、主制御基板71は、所定の図柄の組合せ“リプレイの右下がり”が停止表示されると、所定の遊技状態を終了し別の遊技状態に移行するとともに、当該所定の遊技状態の終了時に当該所定の遊技状態に関する全ての情報を初期化(リセット)することとする。そして、所定の図柄の組合せである“リプレイの右下がり”に対して、所定の遊技状態の終了という状態を対応付けておく。
同図に示すように、“リプレイの右下がり”という図柄の組合せが表示されると、主制御基板71は、所定の遊技状態を終了し、各種情報をリセットする。ここで、次ゲームが開始されるまで、“リプレイの右下がり”という図柄の組合せは表示されたままであり、主制御基板71によるリセット制御は極めて短時間に行われるため、リセットによる情報の初期化からの復帰した後であっても、“リプレイの右下がり”という図柄の組合せは表示されたままであり、主制御基板71は、“リプレイの右下がり”という図柄の組合せを読み込むことができる。そこで、本制御では、主制御基板71は、リセットによる情報の初期化からの復帰後に、読み込んだ“リプレイの右下がり”という図柄の組合せから、当該図柄の組合せに対して予め対応付けられた「所定の遊技状態の終了」という状態を読み込み、所定の遊技状態の終了時であることを再認識する。
続いて、図159(C)(D)を参照して、本制御を用いたパチスロ機1の遊技性について説明する。図159(C)は、本制御を好適に用いる場合の遊技状態の遷移フローの一例である。なお、それぞれの遊技状態の詳細は、これまでに説明したとおりであるため、省略する。同図に示すように、主制御基板71は、(1)通常区間から有利区間の「通常有利」に遊技状態を移行することができ、(2)「通常有利」から「ART」に遊技状態を移行することができ、(3)「ART」から通常区間に遊技状態を移行することができ、(4)「通常有利」から通常区間に遊技状態を移行させることができる。なお、それぞれの移行条件や移行確率は、本制御を用いた遊技性に関係あるものを除き、説明を省略する。
同図を参照すると、主制御基板71は、有利区間から通常区間に遊技状態を移行させる場合、(3)のように「ART」から通常区間に移行させるケースと、(4)のように「通常有利」から通常区間に移行させるケースとがある。本制御を用いる場合、「ART」から通常区間への移行条件、又は「通常有利」から通常区間への移行条件のうちの何れか一方を、特定の図柄の組合せ(終了出目)が表示されることという条件に設定し、当該特定の図柄の組合せに対して、対応する遊技状態の終了時であることを対応付けておく。なお、図159に示す例では、「ART」の終了条件を特定の図柄の組合せが表示されることとして用い、また、特定の図柄の組合せに対して、「ART」の終了時であることを対応付けておく。
このようにすることで、有利区間から通常区間に遊技状態を移行させる場合に有利区間に関する情報をリセットした場合であっても、どのような有利区間を経て通常区間に移行したのかを把握することができる。具体的には、図159(D)に示すように、「通常有利」は特定の状態に対応付けられた図柄の組合せとは関係なく終了するため、「通常有利」の有利区間から通常区間に移行した場合、主制御基板71は、リセットから復帰した後に、表示されている図柄の組合せから特定の状態であることを再認識することはない。他方、「ART」は特定の状態に対応付けられた図柄の組合せが表示されることで終了するため、「ART」の有利区間から通常区間に移行した場合、主制御基板71は、リセットから復帰した後に、表示されている図柄の組合せから「ART」の終了時であることを再認識することができる。
すなわち、通常であれば「通常有利」「ART」という複数の状態を有する有利区間の終了時に有利区間に関する情報を初期化するため、有利区間の終了後にどのような有利区間(「通常有利」又は「ART」)が終了したのかを把握することはできない。これに対して、本制御によれば、「通常有利」「ART」という複数の状態を有する有利区間の終了時に有利区間に関する情報を初期化するものの、「ART」の終了時には「ARTの終了時であること」を再認識するため、有利区間の終了後にどのような有利区間(「通常有利」又は「ART」)が終了したのかを把握することができる。
[主制御基板及び副制御基板が有する各種機能]
以上のようなパチスロ機1に特有の制御を実現するために、パチスロ機1の主制御基板(主制御回路91,メインCPU93)及び副制御基板(副制御回路101,サブCPU102)は、次のような機能を有する。
パチスロ機1は、複数の図柄が表面に描かれた複数のリール3L,3C,3Rと、リール3L,3C,3Rに対応して設けられ遊技者が停止可能な複数のストップボタン7L,7C,7Rを有し、主制御基板71は、スタートスイッチ6Sやストップスイッチ7Sと接続され、図1に示す遊技の進行を制御するため、主制御基板71は、停止制御手段として機能する。
また、主制御基板71は、特定の図柄の組合せが停止表示されたことに応じて、「ART」を終了するとともに、「ART」の終了時にリセット制御を行う。そして、主制御基板71は、リセット制御からの復帰後に、表示されている特定の図柄の組合せから「ARTの終了時であること」を再認識するため、主制御基板71は、状態制御手段、終了手段及び初期化手段として機能する。
<有利区間の任意リセット>
続いて、図160を参照して、パチスロ機1における有利区間の任意リセット制御について説明する。通常区間と有利区間とを有し、有利区間として「ART」とART以外の状態(例えば「通常有利」)とを有するパチスロでは、「ART」の終了時に有利区間を終了し、通常区間に移行することが考えられる。しかしながら、通常区間中は、有利区間への移行確率を変更することが困難であるため、「ART」終了後(=有利区間の終了後)に引き戻しが期待できず、「ART」が終了したタイミングで遊技をやめ易くなり、遊技機の稼動が低下してしまう恐れがある。
この点、第3実施形態のパチスロ機1では、「ART」の終了後に有利区間を終了せずに「通常有利」に移行可能にしているが(図138参照)、有利区間にはリミットがあるため、例えば、リミットの直前に「ART」が終了し、その後、有利区間のまま維持されてしまうと、仮に、「ART」の終了直後に「ART」に戻ることができたとしても、リミット処理により引き戻した「ART」は直ぐに終了してしまう。
そこで、図160(A)に示すように、パチスロ機1では有利区間を遊技者が任意にリセット可能にしている。具体的には、主制御基板71は、遊技者がリセット操作を行うと有利区間を終了する。なお、主制御基板71がリセット操作を受け付ける方法は、任意であり、例えば、主制御基板71は、任意の操作部などの操作に伴い遊技者によるリセット操作を受け付けることができる。また、遊技者が有利区間をリセット可能なタイミングも、有利区間中の任意のタイミングであってよいが、以下に示す説明では、遊技者は「ART」の終了時に有利区間のリセット操作を行うことができるものとする。
同図に示すように、主制御基板71は、「ART」の終了時に遊技者からリセット操作を受け付けたか否かを判定する。リセット操作を受け付けた場合、主制御基板71は、有利区間を終了し、遊技状態を「ART」から通常区間に移行する。一方で、リセット操作を受け付けていない場合、主制御基板71は、有利区間を継続し、遊技状態を「ART」から有利区間の「通常有利」に移行する。
続いて、図160(B)は、本制御を好適に用いる場合の遊技状態の遷移フローの一例である。なお、それぞれの遊技状態の詳細は、これまでに説明したとおりであるため、省略する。また、それぞれの移行条件や移行確率は、本制御を用いた遊技性に関係あるものを除き、説明を省略する。
同図に示すように、主制御基板71は、(1)通常区間から有利区間の「ART」に遊技状態を移行することができる。なお、本制御は、「ART」の終了後に有利区間を終了せずに「通常有利」に移行可能としている点に特徴を有しているため、同図では通常区間から「ART」に直接移行する例のみ示しているが、これに限られるものではなく、通常区間から「通常有利」を経由して「ART」に移行するものであってもよい。
また、主制御基板71は、「ART」が終了すると、(2)遊技者からリセット操作を受け付けた場合には、遊技状態を「ART」から通常区間に移行し、(3)遊技者からリセット操作を受け付けていない場合には、遊技状態を「ART」から有利区間の「通常有利」に移行する。なお、主制御基板71がリセット操作を受け付けることと、遊技者がリセット操作を行うこととの対応関係は任意である。すなわち、遊技者が意図的な操作を行った場合に、主制御基板71がリセット操作を受け付けることとしてもよく、遊技者が何らの操作も行わない場合に、主制御基板71がリセット操作を受け付けることとしてもよい。
また、主制御基板71は、(4)「通常有利」から「ART」に遊技状態を移行させることができ、また、(5)「通常有利」から通常区間に遊技状態を移行させることができる。なお、同図に示すように、「ART」への移行期待度は、通常区間よりも「通常有利」の方が高い。言い換えると、通常区間において「ART」への移行条件(「ART」の開始条件)を満たす確率と、「通常有利」において「ART」への移行条件(「ART」の開始条件)を満たす確率とでは、後者の方が高い確率である。
このような本制御によれば、「ART」の終了後を「ART」引き戻しのチャンスゾーン(「通常有利」)とすることができ、「ART」終了後の稼動の低下を抑制することができる。また、「ART」終了時が有利区間のリミットに近いときには、遊技者は自らの意思で有利区間をクリアし、リミットまでの期間をリセットすることができる。その結果、遊技者にとってみれば、メリット・デメリットを考慮した上で、リセット操作を行うか否かの選択を行うことができるため、「ART」が終了した後の選択に戦略性を持たせることができ、遊技性の幅を広げることができる。
なお、「ART」終了後の「通常有利」は、最大で100ゲーム間継続することとし、この100ゲーム間のうちに「ART」に移行できなかった場合には、主制御基板71は、有利区間を終了し、遊技状態を通常区間に移行することとしてもよい。
[主制御基板及び副制御基板が有する各種機能]
以上のようなパチスロ機1に特有の制御を実現するために、パチスロ機1の主制御基板(主制御回路91,メインCPU93)及び副制御基板(副制御回路101,サブCPU102)は、次のような機能を有する。
主制御基板71は、有利区間中に消化したゲーム数がリミット閾値に達したことでリミット処理を行うとともに、「ART」の終了時に遊技者からのリセット操作を受け付けることができるため、主制御基板71は、操作受付手段として機能する。
また、主制御基板71は、「ART」への移行条件が満たされると、遊技状態を「ART」に移行するとともに、リセット操作を受け付けている場合には「ART」終了後に遊技状態を通常区間に移行し、リセット操作を受け付けていない場合には「ART」終了後に遊技状態を「通常有利」に移行するため、主制御基板71は、状態制御手段として機能する。
<有利区間を用いたゲーム数天井>
続いて、図161を参照して、パチスロ機1における有利区間を用いたゲーム数天井について説明する。図161(A)は、本制御を好適に用いる場合の遊技状態の遷移フローの一例である。本制御においては、主制御基板71は、RT状態と報知に関する状態とを管理する。RT状態とは再遊技の作動に係る「リプレイ」の種類や「リプレイ」が内部当籤役として決定される確率が異なる状態であり、以下の説明では、「リプレイ」が内部当籤役として決定される確率が低い「低RT」と、「リプレイ」が内部当籤役として決定される確率が高い「高RT」とを有する。また、報知に関する状態とは遊技者に対して停止操作の態様を報知する確率が異なる状態であり、以下の説明では、通常区間と有利区間とを有する。なお、通常区間は、基本的には遊技者に対して停止操作の態様を報知しない状態であり、有利区間は、遊技者に対して停止操作の態様を報知可能であるものの、後述のようにゲーム数天井に到達するまでは停止操作の態様を報知しない状態である。
同図に示すように、主制御基板71は、(1)「低RT」において後述する“7揃いリプレイ”に係る図柄の組合せが有効ラインに沿って表示されると、「低RT」から「高RT」にRT状態を移行させる。また、主制御基板71は、(2)「高RT」において所定条件(任意の第1条件)を満たすと、「高RT」から「低RT」にRT状態を移行させる。なお、「高RT」から「低RT」への移行契機となる所定条件は、任意であり、例えば、ボーナスに係る役が内部当籤役として決定されることや、ボーナスの作動が行われることや、ボーナスの作動が終了することなどである。
また、主制御基板71は、(3)通常区間において特定条件(任意の第2条件)を満たすと、通常区間から有利区間に報知に関する状態を移行させる。なお、通常区間から有利区間への移行契機となる特定条件は、本制御には関係ないため詳細な説明を省略する。また、主制御基板71は、(4)有利区間において“7揃いリプレイ”に係る図柄の組合せが有効ラインに沿って表示されると、有利区間から通常区間に報知に関する状態を移行させる。また、主制御基板71は、有利区間に消化した1500回に達した場合にも、リミット処理を行い、有利区間から通常区間に報知に関する状態を移行させる。
このように本制御では、“7揃いリプレイ”に係る図柄の組合せが有効ラインに沿って表示されると、主制御基板71は、RT状態を「低RT」から「高RT」に移行させるとともに、報知に関する状態を有利区間から通常区間に移行させる。後述するように本制御では、有利区間中のRT状態を「低RT」とし、通常区間中のRT状態を「高RT」としている。そのため、有利区間(「低RT」)と通常区間(「高RT」)とを比較すると、通常区間の方が有利な状態となっている。
続いて、図161(B)は、本制御において用いる役構成と当該役に対応する図柄の組合せとの対応関係を示す図である。本制御では、有利区間中の報知対象となる役として「択数リプ」(「F_択数リプ_01」〜「F_択数リプ_??」)を有する。なお、「択数リプ」は停止操作の態様に応じて停止表示される図柄の組合せが異なる役(リプレイ)であり、「択数リプ」ごとに正解となる態様で停止操作が行われた場合には“7揃いリプレイ”に係る図柄の組合せが有効ラインに沿って表示され、不正解となる態様で停止操作が行われた場合には“リプレイ”に係る図柄の組合せが有効ラインに沿って表示される。
有利区間(「低RT」)中は、ゲーム数天井に到達するまでは報知を行わないため、主制御基板71(及び副制御基板72)は、「択数リプ」が内部当籤役として決定されても、停止操作の態様を報知しない一方で、ゲーム数天井に到達した後は、主制御基板71(及び副制御基板72)は、「択数リプ」ごとに正解となる停止操作の態様を報知する。その結果、ゲーム数天井に到達した後は、「択数リプ」の当籤時に“7揃いリプレイ”に係る図柄の組合せが有効ラインに沿って表示され、通常区間(「高RT」)に移行することになる。なお、報知が行われない場合であっても遊技者が偶然に正解となる態様で停止操作を行うことがあり、この場合にも、“7揃いリプレイ”に係る図柄の組合せが有効ラインに沿って表示され、通常区間(「高RT」)に移行する。このようなケースを避けるため、「択数リプ」の択数はなるべく多くすることが好ましい。例えば、3つのリール3L,3C,3Rの押し順のみで択数を設けるときには、最大で6択にしかならないが、押し順に加えて狙うべき図柄も異ならせることで、択数を6択以上に増やすことができる。
続いて、図161(C)は、本制御における遊技の流れの概要を示す図である。同図に示すように、本制御では、有利区間中を「低RT」とし、この有利区間(「低RT」)中主制御基板71(及び副制御基板72)は、ゲーム数天井に到達するまで何らの報知も行わない。その後、有利区間(「低RT」)中にゲーム数天井に到達すると、主制御基板71(及び副制御基板72)は、報知を解禁し、その後、「択数リプ」が内部当籤役として決定されると、「択数リプ」ごとに正解となる停止操作の態様を報知する。これにより、“7揃いリプレイ”に係る図柄の組合せが有効ラインに沿って表示される結果、主制御基板71(及び副制御基板72)は、通常区間(「高RT」)に遊技状態を移行する。その後は、例えば、ボーナスに当籤するまで「高RT」のまま遊技が行われることになる。すなわち、本制御によれば、「低RT」(有利区間)の状態でボーナスに当籤することなく所定ゲーム数が経過すると、天井状態となり、その後、ボーナスに当籤するまでの遊技を「高RT」(通常区間)の状態で行うことができる。
なお、天井のゲーム数は、有利区間中に報知を行わない期間(ゲーム数)に応じて適宜設定することができる。そこで、主制御基板71は、通常区間から有利区間への移行時に、報知を行わない期間を抽籤により決定し、セットすることとしてもよい。これにより、有利区間中に報知を行わない期間がその都度変わることになり、結果、天井に到達するまでのゲーム数も変わることになる。また、図161に示す説明では、天井としてゲーム数天井を例にとり説明したが、天井の実現方法は任意であり、例えば、所定役が内部当籤役として決定された回数に応じて天井を実現することとしてもよい。具体的には、主制御基板71(及び副制御基板72)は、有利区間中に所定役が内部当籤役として決定された回数が所定回数に達するまでは報知を行わず、所定回数に達した後に報知を行うこととしてもよい。
[主制御基板及び副制御基板が有する各種機能]
以上のようなパチスロ機1に特有の制御を実現するために、パチスロ機1の主制御基板(主制御回路91,メインCPU93)及び副制御基板(副制御回路101,サブCPU102)は、次のような機能を有する。
パチスロ機1は、複数の図柄が表面に描かれた複数のリール3L,3C,3Rと、リール3L,3C,3Rに対応して設けられ遊技者が停止可能な複数のストップボタン7L,7C,7Rを有し、主制御基板71は、スタートスイッチ6Sやストップスイッチ7Sと接続され、図1に示す遊技の進行を制御するため、主制御基板71は、遊技制御手段として機能する。
また、主制御基板71は、“7揃いリプレイ”に係る図柄の組合せが有効ラインに沿って表示されると、「低RT」から「高RT」にRT状態を移行させるとともに、有利区間から通常区間に報知に関する状態を移行させる。また、主制御基板71は、通常区間において所定の開始条件が満たされると、通常区間から有利区間に報知に関する状態を移行させるため、主制御基板71は、RT状態制御手段、状態終了手段、及び状態開始手段として機能する。
また、主制御基板71は、有利区間中に経過したゲーム数を計数しておき、この経過したゲーム数がゲーム数天井に応じた回数に達すると、「択数リプ」の当籤時に“7揃いリプレイ”に係る図柄の組合せを停止表示するために必要な停止操作の態様を報知するため、主制御基板71は、計数手段及び報知手段として機能する。また、主制御基板71は、有利区間の開始時にゲーム数天井に応じた回数(すなわち、有利区間中に報知を行わない期間)を決定可能であるため、主制御基板71は、所定値設定手段として機能する。
<有利区間を用いた遊技性>
続いて、図162を参照して、パチスロ機1における有利区間を用いた新たな遊技性の実現方法について説明する。通常区間と有利区間とを有するパチスロでは、通常区間中は有利区間への移行確率を変更することが困難な一方で、有利区間中は様々な確率で抽籤を行うことができる。そこで、有利区間として「通常有利」と「ART」とを設け、「通常有利」から「ART」に移行可能にするとともに、通常区間から有利区間の「ART」に移行する確率と、「通常有利」から「ART」に移行する確率とを異ならせることで、「ART」への移行確率が異なる複数の状態を実現している(例えば、第3実施形態の「通常」と、通常有利中の通常モード“低確”“天国”など)。
ところで、有利区間には上限(リミット)が設けられていることから、「ART」への移行ルートとして、「通常有利」からの移行を主な移行ルートとしてしまうと、リミット処理が行われる場合に「通常有利」(有利区間)中の遊技分だけ遊技可能な「ART」の期間が損なわれてしまう。そこで、本制御では、通常区間から「ART」への移行を、「ART」への主な移行ルートとして設定し、リミット処理が行われる場合であっても、遊技可能な「ART」の期間を無駄にしてしまうことを防止する。
図162(A)は、本制御を好適に用いる場合の遊技状態の遷移フローの一例である。なお、それぞれの遊技状態の詳細は、これまでに説明したとおりであるため、省略する。また、それぞれの移行条件や移行確率は、本制御を用いた遊技性に関係あるものを除き、説明を省略する。
同図に示すように、主制御基板71は、(1)通常区間から有利区間の「通常有利」に遊技状態を移行することができ、また、(2)通常区間から有利区間の「ART」に遊技状態を移行することができる。また、主制御基板71は、(3)有利区間の「通常有利」から通常区間に遊技状態を移行することができ、また、(4)有利区間の「通常有利」から有利区間の「ART」に遊技状態を移行することができる。ここで、同図に示すように、「ART」への移行期待度は、「通常有利」よりも通常区間の方が高い。言い換えると、通常区間において「ART」への移行条件(「ART」の開始条件)を満たす確率と、「通常有利」において「ART」への移行条件(「ART」の開始条件)を満たす確率とでは、前者の方が高い確率である。
このように遊技状態を制御することで、図162(B)に示すように、非ART中は、「ART」への移行期待度が低い「通常有利」から、「ART」への移行期待度が高い通常区間を目指して遊技を行うことになる。言い換えると、非ART中は、如何にして有利区間(「通常有利」)を抜けて、通常区間に移行できるかという遊技性を有することになる。そして、「ART」へは通常区間から直接移行することになるため、本制御によれば、リミット処理を行う場合であっても、遊技可能な「ART」の期間を無駄にしてしまうことがない。
[主制御基板及び副制御基板が有する各種機能]
以上のようなパチスロ機1に特有の制御を実現するために、パチスロ機1の主制御基板(主制御回路91,メインCPU93)及び副制御基板(副制御回路101,サブCPU102)は、次のような機能を有する。
パチスロ機1は、有利区間中に消化したゲーム数がリミット閾値に達したことでリミット処理を行うとともに、主制御基板71は、スタートスイッチ6Sやストップスイッチ7Sと接続され、図1に示す遊技の進行を制御するため、主制御基板71は、遊技制御手段として機能する。
また、主制御基板71は、通常区間において第1条件を満たすと、遊技状態を「通常有利」に移行し、通常区間において第2条件を満たすと、遊技状態を「ART」に移行し、「通常有利」において第3条件を満たすと、遊技状態を通常区間に移行し、「通常有利」において第4条件を満たすと、遊技状態を「ART」に移行する。そして、主制御基板71は、「通常有利」からよりも通常区間からの方が「ART」に移行し易いため、主制御基板71は、状態制御手段として機能する。
<通常区間中の設定差なしのボーナス役を用いた遊技性>
続いて、図163を参照して、パチスロ機1における通常区間中の設定差なしのボーナス役を用いた制御について説明する。有利区間を有するパチスロでは、ボーナス役を契機として様々な特典を付与することができ、例えば、有利区間中にボーナス役が内部当籤役として決定され、その後、ボーナスの作動が行われると、主制御基板71は、ボーナスの作動時に特典を付与することができる(共通処理)。この有利区間中のボーナス作動に伴う特典の付与は、複数のボーナス役に共通して行うことができ、また、内部当籤役として決定される確率に設定差があるボーナス役であっても、ボーナスの作動時に特典を付与することができる。なお、共通処理は、有利区間中のボーナス作動時に行うものであるが、ボーナスの作動は、ボーナス役が内部当籤役として決定されないと行われないため、共通処理は、「ボーナス役が内部当籤役として決定されると」行われる処理であるともいえる。
また、通常区間中にボーナス役が内部当籤役として決定された場合、主制御基板71は、特典を付与することができる(通常処理)。この通常区間中のボーナス当籤に伴う特典の付与は、複数のボーナス役のそれぞれにおいて個別に行うことができるものの、内部当籤役として決定される確率に設定差があるボーナス役については行うことができず、設定差のないボーナス役の当籤時にのみ行うことができる。
本制御では、このような通常処理と共通処理との差異を用いて以下に示すような遊技性を実現する。初めに、図163(A)を参照して、本制御において好適に用いることができるボーナス役の構成について説明する。同図に示すような本制御では、ボーナスとしてBB1及びBB2を設け、これらのボーナスを他の役とともに重複して内部当籤役として決定可能にしている。具体的には、本制御では、BB1が単独で当籤する「F_BB1」という役と、BB2が単独で当籤する「F_BB2」という役と、BB2が特殊役とともに重複して当籤する「F_BB2+特殊役」という役とを有する。そして、「F_BB1」については内部当籤役として決定される確率に設定差がないように設定し、「F_BB1」については内部当籤役として決定される確率に設定差があるように設定し、「F_BB2+特殊役」については内部当籤役として決定される確率に設定差がないように設定する。
このようなボーナス役の構成において、有利区間中は、「F_BB1」、「F_BB2」、「F_BB2+特殊役」の何れが内部当籤役として決定された場合であっても(その後のボーナスの作動時に)、主制御基板71は共通処理を行う。その結果、有利区間中は、主制御基板71は、ボーナス役の種類(「F_BB1」、「F_BB2」、「F_BB2+特殊役」)に関わらず共通の特典を付与することになる。
これに対して、通常区間中は、主制御基板71は、内部当籤役として決定されたボーナス役の種類に応じて固有の処理(通常処理)を行うことができ、主制御基板71は、例えば、通常区間中に「F_BB1」が内部当籤役として決定されると、「F_BB1」に固有の処理(通常処理)を行い、また、通常区間中に「F_BB2+特殊役」が内部当籤役として決定されると、「F_BB2+特殊役」に固有の処理(通常処理)を行う。一方で、通常区間中に「F_BB2」が内部当籤役として決定されても、「F_BB2」は設定差があるボーナス役であるため、何らの処理も行わない。その結果、通常区間中は、主制御基板71は、ボーナス役の種類(「F_BB1」、「F_BB2」、「F_BB2+特殊役」)に応じて固有の特典を付与することになる。
本制御では、このような有利区間中の共通処理による共通の特典と、通常区間中の通常処理(固有の処理)による固有の特典とに差を設けることで、本制御特有の遊技性を実現する。一例として、図163(A)に示すように、「F_BB2+特殊役」が内部当籤役として決定される確率を、他のボーナス役に比べて低い確率とする一方で、通常区間中の「F_BB2+特殊役」に基づく固有の特典を、有利区間中の共通処理に基づく共通の特典よりも大きくする。より具体的には、「F_BB2+特殊役」は、いわゆるプレミアムなボーナス役とし(例えば、設定1〜6共通の約1/16384で当籤)、通常区間中に内部当籤役として決定された場合には、プレミア役に応じた非常に大きな特典を付与する。一方で、有利区間中に内部当籤役として決定された場合には、他のボーナス役と共通の特典を付与する。
このようにすることで、本制御によれば、通常区間中をプレミアムな特典を受けることが可能な期間とすることができ、反対に、有利区間中をプレミアムな特典を受けることができない期間とすることができる。通常区間と有利区間とを有するパチスロでは、有利区間中に状態表示器147bが点灯し、有利区間に滞在中であることを告知することとしている。遊技者にとってみれば、状態表示器147bの点灯状態から有利区間中であるか否かを明確に把握できてしまうため、有利区間中ではない場合(通常区間中)に遊技の稼動が低下してしまう可能性がある。この点、本制御によれば、有利区間中ではない場合にプレミアムな特典を受けることができるため、状態表示器147bの点灯状態から通常区間中であることが分かったとしても、遊技の稼動が低下してしまうことを抑制することができる。
なお、本制御では、有利区間中に「F_BB2+特殊役」が内部当籤役として決定された場合、共通処理に基づく小さな特典しか付与されないため、遊技者が引き損を感じてしまう可能性がある。そこで、主制御基板71は、「F_BB2」が内部当籤役として決定された場合と、「F_BB2+特殊役」が内部当籤役として決定された場合とで、基本的に共通の図柄の組合せが有効ラインに沿って表示されるように停止制御を行う。具体的には、図163(C)に示すように、“第1の操作態様”で停止操作が行われた場合、主制御基板71は、「F_BB2」が内部当籤役として決定された場合であっても、「F_BB2+特殊役」が内部当籤役として決定された場合であっても共通の図柄の組合せが有効ラインに沿って表示されるように停止制御を行う。一方で、“第2の操作態様”で停止操作が行われた場合には、主制御基板71は、「F_BB2」が内部当籤役として決定された場合であっても、「F_BB2+特殊役」が内部当籤役として決定された場合とで異なる図柄の組合せ(例えば、「F_BB2」の当籤時にはハズレの図柄の組合せ、「F_BB2+特殊役」の当籤時には「特殊役」に応じた図柄の組合せ)が有効ラインに沿って表示されるように停止制御を行う。
このとき、共通の図柄の組合せが表示される“第1の操作態様”は、停止操作のタイミングが、「特殊役」以外の取りこぼしが発生する(引込1ではない)小役を取りこぼすことのないタイミング(いわゆる「小役回収打法」)であることが好ましい。より好ましくは、個別の図柄の組合せが表示される“第2の操作態様”は、停止操作のタイミングが、「特殊役」以外の取りこぼしが発生する小役を取りこぼすタイミングである。また、更に好ましくは、「特殊役」に対応する図柄の組合せが有効ラインに沿って表示されたときに払い出されるメダルの枚数は、「特殊役」以外の取りこぼしが発生する小役に対応する図柄の組合せが有効ラインに沿って表示されたときに払い出されるメダルの枚数よりも少ない。
このようにすることで、“第1の操作態様(小役回収打法)”で遊技を行っている限り、表示された図柄の組合せからでは「F_BB2」が内部当籤役として決定されたのか、「F_BB2+特殊役」が内部当籤役として決定されたのかを判別することができないため、引き損を感じることがない。なお、図163に示す例では、「F_BB2」と「F_BB2+特殊役」という役構成を有しているが、これに限られるものではない。すなわち、本制御は、ボーナス役(BB2)が共通しつつ、当該ボーナス役と重複して当籤する役の種類が異なっていればよい。
[主制御基板及び副制御基板が有する各種機能]
以上のようなパチスロ機1に特有の制御を実現するために、パチスロ機1の主制御基板(主制御回路91,メインCPU93)及び副制御基板(副制御回路101,サブCPU102)は、次のような機能を有する。
パチスロ機1は、複数の図柄が表面に描かれた複数のリール3L,3C,3Rと、リール3L,3C,3Rに対応して設けられ遊技者が停止可能な複数のストップボタン7L,7C,7Rを有し、主制御基板71は、スタートスイッチ6Sやストップスイッチ7Sと接続され、図1に示す遊技の進行を制御するため、主制御基板71は、変動制御手段、内部当籤役決定手段及び停止制御手段として機能する。
また、主制御基板71は、有利区間においてボーナス役が内部当籤役として決定されると、決定されたボーナス役の種別に関わらず共通の特典を付与する共通処理を実行するとともに、通常区間において「F_BB2+特殊役」が内部当籤役として決定されると、プレミアムな特典を付与するため、共通処理手段及び個別処理手段として機能する。
[変形例]
続いて、図164〜図173を参照して、本発明に係るパチスロ機1の変形例について説明する。
<有利区間の移行抽籤に関する別制御>
初めに、図164〜図167を参照して、有利区間の移行抽籤に関する変形例について説明する。図164(A)は、通常区間中の遊技状態ごとに、有利区間への移行抽籤に当籤する確率(有利区間移行確率(=P(X)))を示す。なお、図164における参照項目「役物非作動時」とは、役物(第一種特別役物など)が作動していない状態である。また、「役物非作動時の一般中(以下、「一般中」)」とは、役物が作動していない状態、かつ、ボーナス役が内部当籤役として決定されていない状態である。また、「役物非作動時の内部中(以下、「内部中」)」とは、役物が作動していない状態、かつ、ボーナス役が内部当籤役として決定されている状態(フラグ間)である。また、「役物非作動時のBB一般中(以下、「BB一般中」)」とは、ボーナス状態中であるものの、役物が作動していない状態である。また、参照項目「役物作動時」とは、役物が作動している状態である。また、「役物作動時のRB作動中(以下、「RB作動中」)」とは、役物のうち第一種特別役物(RB)が作動している状態である。また、「役物作動時のCB作動中(以下、「CB作動中」)」とは、役物のうち第二種特別役物(CB)が作動している状態である。
パチスロ機1において主制御基板71は、有利区間への移行抽籤を行うことができるが、有利区間移行確率が一律であることを担保する必要がある。そのため、この移行抽籤は、内部当籤役(リプレイを除く)を決定するための内部抽籤に用いる抽籤値が、遊技状態により変動する場合は、「一般中」を除いて行うことができない。図164(A)における原則パターンは、有利区間移行確率が遊技状態により変動するパターンを示している。このような原則パターンでは、図164(B)に示すように、主制御基板71は、「一般中」においてのみ有利区間への移行抽籤を行うことができ、その他の場合には行うことができない。
ここで、有利区間移行確率が一律であることを担保できればよいため、「一般中」と、内部当籤役を決定するための内部抽籤に用いる抽籤値が共通の場合には、一律性の担保ができているため、主制御基板71は、例外的に有利区間への移行抽籤を行うことができる。
一例として、同図における例外パターン1は、小役(払出のある入賞役)及びRT状態の変動でも当籤確率が変化しないリプレイ(以下、「有利区間抽籤対象役」)に関する内部抽籤に用いる抽籤値が、「一般中」と「内部中」と「BB一般中」とにおいて共通(言い換えると、有利区間抽籤対象役の当籤確率が共通)の場合を示す。この例外パターン1の場合、主制御基板71は、図164(B)に示すように、「内部中」及び「BB一般中」も「一般中」と同じく有利区間への移行抽籤を行うことができる。
また、同図における例外パターン2は、「RB作動中」も「一般中」「内部中」「BB一般中」と有利区間抽籤対象役の当籤確率が共通の場合を示す。この例外パターン2の場合、主制御基板71は、図164(B)に示すように、「内部中」「BB一般中」「RB作動中」も「一般中」と同じく有利区間への移行抽籤を行うことができる。
また、同図における例外パターン3は、「CB作動中」も「一般中」「内部中」「BB一般中」「RB作動中」と有利区間抽籤対象役の当籤確率が共通の場合を示す。この例外パターン3の場合、主制御基板71は、図164(B)に示すように、「内部中」「BB一般中」「RB作動中」「CB作動中」も「一般中」と同じく有利区間への移行抽籤を行うことができる。
なお、「内部中」「RB作動中」「BB一般中」「CB作動中」は、パチスロの仕様により設けられ、パチスロの仕様によっては部分的にない場合もある。一例として、BB(第一種特別役物に係る連続作動装置)及びRB(第一種特別役物)を非搭載で、CB(第二種特別役物)を搭載(MB(第二種特別役物に係る連続差動装置)を含んでもよい)しているパチスロや、BBやRBを搭載しているものの「BB一般中」や「RB作動中」には有利区間への移行抽籤をせずに、「CB作動中」に有利区間への移行抽籤をパチスロにおいては、主制御基板71は、図164(B)の例外パターン4に示すように、「一般中」と「内部中」と「CB作動中」とにおいて有利区間への移行抽籤を行うことができる。
なお、主制御基板71は、内部当籤役として決定される確率に設定差のない役(設定不問役)だけでなく、設定差のある役(設定差役)に基づいて有利区間への移行抽籤を行うこととしてもよい。また、主制御基板71は、有利区間への移行抽籤を、設定値に関わらず当籤する確率が同一の確率で行うこととしてもよく、設定値に応じて異なる確率で行うこととしてもよい。
ここで、図165は、設定不問役及び設定差役の双方に基づいて有利区間への移行抽籤を行うとともに、有利区間への移行抽籤を、設定値に関わらず当籤する確率が同一の確率で行う場合に好適に用いられる有利区間への移行抽籤テーブルの一例である。
主制御基板71は、原則として、「役物非作動時」の「一般中」にのみ有利区間への移行抽籤を行う。例外として、「一般中」以外の状態においても、「一般中」と同じくじの構成を用いる場合に限り、有利区間への移行抽籤の結果が一律であることを担保できるものとし、有利区間への移行抽籤を行うことができる。例えば、同図の例では「リプレイ1」「チェリー」「スイカ1」「スイカ2」「押し順ベル1」〜「押し順ベル6」の内部当籤確率が「BB一般中」「RB作動中」も「一般中」と同様であれば、「一般中」と同様に有利区間への移行抽籤を行ってよい。なお、「BB一般中」「RB作動中」などボーナス状態中に再遊技が当籤しない仕様とする場合は、「一般中」の再遊技当籤時の有利区間への移行抽籤を行わない(抽籤処理自体の対象から外すものでも、抽籤処理を行うものの抽籤値を「0」とするものでもよい)ものとすれば一律性を担保できる。
同図において「リプレイ1」は、RT状態が変動しても当籤確率が変わらない再遊技役であり、「リプレイ2」は、RT状態が変動すると当籤確率も変わる再遊技役である。(注1)に示すように、「リプレイ2」に基づいて有利区間への移行抽籤を行ってしまうと、RT状態に応じて有利区間移行確率が異なり、一律性が確保できないため、主制御基板71は、「リプレイ2」に当籤した場合であっても有利区間への移行抽籤を行わない。他方、「リプレイ1」は一律性が担保できるため、主制御基板71は、「リプレイ1」に当籤した場合には有利区間への移行抽籤を行うことができる。なお、RT状態などにおいて当籤確率が異なるリプレイであっても、主制御基板71は、RT状態が非作動の再遊技確率非変動状態(RT0)中のみ有利区間への移行抽籤を行うこととしてもよい。
また、同図において「チェリー」は、単独で内部当籤役として決定されることもあれば「チェリー(No.3)」、BB1とともに内部当籤役として決定さえることもある「BB1+チェリー(No.11)」。この場合、参照くじはどちらも「チェリー」であるため、(注2)に示すように、主制御基板71は、「チェリー」に紐づいた移行抽籤の抽籤値を用いて、有利区間への移行抽籤を行う。
一方で、スイカに関しては、「スイカ1(No.4)」と「BB2+スイカ2(No.12)」とでは、参照くじは「スイカ1」と「スイカ2」とで異なる。そのため、(注3)に示すように、主制御基板71は、それぞれにおいて異なる抽籤値を用いて、有利区間への移行抽籤を行うことができる。
また、「RB(No.13)」のように単独で内部当籤役として決定されるボーナス役は、「内部中」「BB一般中」「RB作動中」「CB作動中」において、内部当籤役として決定される確率が「一般中」から変動する。そのため、(注4)に示すように、主制御基板71は、単独で内部当籤役として決定される「RB」に当籤した場合であっても有利区間への移行抽籤を行わない。
続いて、図166は、設定不問役及び設定差役の双方に基づいて有利区間への移行抽籤を行うとともに、有利区間への移行抽籤を、設定値に応じて異なる確率で行う場合に好適に用いられる有利区間への移行抽籤テーブルの一例である。
同図に示すように、主制御基板71は、有利区間への移行抽籤を設定値に応じて異なる確率で行うこととしてもよい。なお、有利区間への移行抽籤に設定差を設ける方法は任意であり、例えば、「リプレイ1」のように全ての設定値において有利区間への移行抽籤の当籤確率を異ならせることとしてもよく、また、「押し順ベル1」〜「押し順ベル6」のように一部の設定値において共通することとしてもよい。また、「チェリー」のように内部当籤役として決定される確率が異なる役についても、有利区間への移行抽籤を設定値に応じて異なる確率で行うこととしてもよい。また、「スイカ2」のように、全ての設定値において有利区間への移行抽籤の当籤確率を共通としてもよい。また、「押し順ベル1」〜「押し順ベル6」では、「押し順ベル1」における有利区間への移行抽籤の当籤確率〜「押し順ベル6」における有利区間への移行抽籤の当籤確率を共通としているが、「押し順ベル」の種別により当籤確率を異ならせることとしてもよい。
続いて、図167は、本変形例における役物割合の算出方法を示す図である。図167(A)は、遊技者に対して有利な停止操作の態様を報知(指示)する指示機能(AT)がない機種における役物割合の算出方法である。このような機種の場合、主制御基板71は、全ての遊技状態において払い出されたメダルの総数(=X+Y)に対して、いずれかの役物が作動中(ボーナス作動中)に払い出されたメダルの総数(=X)が占める割合を役物割合として算出する。
また、図167(B)は、指示機能を有する機種における役物割合の第1の算出方法であり、図167(C)は、指示機能を有する機種における役物割合の第2の算出方法である。指示機能を有する場合、遊技者に払い出されるメダルは、(X)ボーナス作動中に払い出されるメダル、(Y)ボーナス作動中以外の状態における指示機能の作動中に払い出されるメダル、(Z)ボーナスも指示機能も作動しない状態に払い出されるメダル、に分けることができる。
図167(B)に示すように、第1の算出方法では主制御基板71は、全ての遊技状態において払い出されたメダルの総数(=X+Y+Z)に対して、ボーナス作動中に払い出されたメダルの総数(=X)が占める割合を、役物割合として算出する。また、図167(C)に示すように、第2の算出方法では主制御基板71は、全ての遊技状態において払い出されたメダルの総数(=X+Y+Z)に対して、ボーナス作動中に払い出されたメダルの総数と、ボーナス作動中以外の状態における指示機能の作動中に払い出されるメダルの総数との和(=X+Y)が占める割合を、役物割合として算出する。
指示機能を有する機種では、第1の算出方法を用いて役物割合を算出することとしてもよく、第2の算出方法を用いて役物割合を算出することとしてもよい。なお、第2の算出方法を用いることで、ボーナスを不正に作動させるゴトだけでなく、指示機能を不正に作動させるゴト行為が行われた場合でも察知がしやすくなり、セキュリティ性を高めることができる。なお、第1の算出方法と第2の算出方法とを手動で又は時間経過などで自動的に切り換えて確認できるものとしてもよい。
また、有利区間への移行抽籤の方法に応じて、役物割合を算出する方法を異ならせることとしてもよい。例えば、主制御基板71は、図165のように有利区間への移行抽籤を設定値に関わらず当籤する確率が同一の確率で行う場合には、第1の算出方法で役物割合を算出し、割合表示器422に表示することとしてもよい。また、例えば、主制御基板71は、図166のように有利区間への移行抽籤を設定値に応じて異なる確率で行う場合には、第1の算出方法及び第2の算出方法で役物割合を算出し、両方を割合表示器422に表示することとしてもよい。
なお、割合表示器422で表示する項目が多すぎると、メイン(主制御基板71)側の計算の負荷が大きくなるため、第2の算出方法で算出した役物割合を表示する場合には、特定区間割合(有利区間比率(=全体のゲーム数のうち、有利区間に滞在したゲーム数の比率を示す値))を表示しないこととしてもよい。
また、(Y)ボーナス作動中以外の状態における指示機能の作動中に払い出されるメダル、の算出方法は任意である。例えば、実際の払出枚数から乖離しないように、主制御基板71は、実際に払い出されたメダルの枚数を算出用の払出枚数カウンタに加算するものとしてもよい。この場合、指示(ナビ)と異なる停止操作の結果、打順役(押し順役)を取りこぼした場合には、払出枚数のカウンタの値は維持されるか、+0枚の処理がされて値が変化しない。一方で、主制御基板71は、指示(ナビ)が行われた場合には、打順役に応じたメダルが払い出されたものとして、指示機能の作動中に払い出されるメダルを算出することとしてもよい。この場合には、主制御基板71は、打順役が内部当籤役として決定された時点で、払出枚数のカウンタの値を打順役に応じたメダル枚数分だけ更新すればよい。これにより、遊技者の偶発的な操作ミスに左右されない遊技機の挙動を把握することができる。
また、(Y)の払出枚数を算出するメダルは、指示機能の作動中に払い出されたメダルであってもよく、また、指示機能が発動されたことに応じて払い出されたメダルであってもよい。ここで、パチスロではART中(指示機能の作動中)に、停止操作の態様によって遊技の結果(例えば、払い出されるメダルの枚数)が異なる役(例えば、押し順ベル(打順ベル))が内部当籤役として決定されると遊技者に対して有利な停止操作の態様を報知する一方で、停止操作の態様に関わらず遊技の結果が異なる役(例えば、スイカ、チェリーなどの所謂レア役)が内部当籤役として決定された場合には報知の必要がないため、遊技者に対して停止操作の態様を報知しない。
(Y)の払出枚数を前者(指示機能の作動中に払い出されたメダル)から算出する場合、主制御基板71は、報知の有無に関係なくART中(指示機能の作動中)に払い出された全てのメダル(例えば、レア役に伴い払い出されたメダルも含む)を用い、(Y)の払出枚数を算出する。一方で、(Y)の払出枚数を後者(指示機能が発動されたことに応じて払い出されたメダル)から算出する場合、主制御基板71は、報知の結果としてART中(指示機能の作動中)に払い出されたメダルのみを(Y)の払出枚数を算出し、報知することなく払い出されたメダルについては(Z)の払出枚数の算出に用いる。
また、後者の場合には、主制御基板71は、以下のような制御を行うこととしてもよい。
上述したように、指示機能の作動中は、停止操作の態様に応じて異なる図柄の組合せが表示される役が内部当籤役として決定された場合に、遊技者にとって有利な停止操作の態様を報知する。このような指示機能により報知する対象の役として、例えば、押し順正解時に所定の図柄の組合せ(ベル−ベル−ベル)が表示され、押し順不正解時に特定の図柄の組合せ(ベルこぼし目)が表示される役(押し順ベル(打順ベル))があるが、パチスロによっては、停止操作の態様に関係なく(引込1)所定の図柄の組合せ(ベル−ベル−ベル)が表示される役(共通ベル)を設けることもある。このような「共通ベル」は、遊技者に対して停止操作の態様を報知する必要はないものの、所定の図柄の組合せが表示されたときに当籤した役が「押し順ベル」であるのか「共通ベル」であるのかを、報知の有無から把握できてしまうため、主制御基板71及び(又は)副制御基板72は、「共通ベル」が内部当籤役として決定された場合であっても、演出的に押し順の報知を行うこともできる。
ここで、「共通ベル」当籤時の押し順の報知は、演出的なものであり、遊技の結果(払い出されるメダルの枚数)に影響しない。そのため、(Y)の払出枚数を後者から算出する場合、「共通ベル」により払い出されたメダルの枚数を(Y)の払出枚数に含める必要はないが、主制御基板71は、「共通ベル」により払い出されたメダルの枚数を(Y)の払出枚数に含めることとしてもよく、含めないこととしてもよい。
「共通ベル」により払い出されたメダルの枚数を(Y)の払出枚数に含める場合、指示機能の発動(報知ランプ147aの点灯)時に払出枚数を計数するカウンタを画一的に加算することで、処理を画一的に行えるため、メイン(主制御基板71)側のプログラム容量を削減することができる。
なお、「共通ベル」当籤時の押し順の報知は、主制御基板71が報知ランプ147aを用いて行うこともできるが、副制御基板72が表示ユニット100を用いて行うこともでき、また、主制御基板71及び副制御基板72の双方において行うこともできる。ここで、「共通ベル」当籤時の押し順の報知を副制御基板72のみが行い、主制御基板71が行わない場合には、指示機能は発動していないとして、「共通ベル」により払い出されたメダルの枚数を(Y)の払出枚数に含めないこととしてもよい。
また、主制御基板71は、役物割合が所定値(70%)に近い所定の閾値以上(例えば、60%)である場合には、「共通ベル」などの引込1の役の当籤時に指示機能の発動(報知ランプ147aの点灯)を低下させる、又は発動しないようにするなどの抑制処理を行い、役物割合が所定の閾値未満(例えば、60%未満)である場合には、引込1の役の当籤時に指示機能の発動を許容するというように、役物割合に応じて、引込1の役の当籤時に指示機能の発動頻度に変化をつけるものとしてもよい。
<有利区間の別構成例>
ここまでの実施例及び仕様例では、有利区間はあくまで1つの有利区間という概念を前提として、その中で打順役の指示(ナビ)が発生しやすい状態、発生しにくい状態などを工夫することで出玉設計の白由度を高めつつ、遊技の興趣高める発明について説明をしてきた。ここからは、有利区間の概念をさらに細分化させることで、ゲーム性を整理し、
開発の効率を高めることも考えられる。以下、一例として、図168に示すように、有利区間のうち、出玉が増加しにくい区間を「演出区間」、概ね出玉が増加しやすい区間を「増加区間」と定義する案について説明する。
まず、前提として各区間を以下のように定義する。
通常区間:出玉率が1を超えない区間(指示の発生は任意)であり、演出区間もしくは増加区間への移行割合が一の割合で定められている区間。
演出区間:出玉率が1を超えない区間(指示の発生は任意)であり、他の演出区間もしくは増加区間への移行割合が通常区間と共通であるが、移行先(指示機能に係る処理の内容)が異なる区間。有利区間に含まれる。なお、上述の説明における「通常有利」を本案のように演出区間として定義した遊技性としてもよい。
増加区間:押しなべて遊技メダルが増加する区間(常時出玉率が1を超えるわけではない)であり、通常区間及び演出区間とは異なり、増加区間においてあらかじめ定められている増加区間の状態ごとに指示機能に係る処理を自由に行うことができる区間。有利区間に含まれる。
この定義を前提として、有利区間ランプについては、演出区間又は増加区間に当籤し、かつ、出玉率が1を超える状態になったときに点灯させ、初期化するときに消灯させるものとするとよい。このようにすることで、有利区間ランプが点灯しているのに、メダルが増えないという状況が生じなくなるため、少なくともメダルが増加することで遊技者にとって分かりやすい仕様の遊技機となる。
また、増加区間を終了させる際には、指示機能に係る性能に関するパラメータを初期化し、通常区間に移行させることで、遊技者間の公平性も担保することができる。そして、前述の「ART」終了時の有利区間継続抽籤で当籤した場合のように、増加区間後に演出区間に移行して、「ART」の連荘を期待させる遊技状態では、出玉が減る状態であっても有利区間ランプが点灯状態を維持して、“当り”が連続する可能性がある状態で遊技者が遊技を止めないようにとの観点から配慮した仕様としてもよい。
他の演出区間もしくは増加区間への移行割合(当籤確率)が同じで、移行先(指示機能に係る処理の内容)が異なるとは、一例として以下のような遊技仕様を指すものである。
1:通常区間での有利区間移行抽籤
有利区間移行抽籤の当籤確率:1/100
移行先振分 演出区間(CZ)75% 増加区間(ART)25%
移行発生確率 演出区間(CZ)約1/133 増加区間(ART)約1/400
1:演出区間(CZ)での有利区間移行抽籤
有利区間移行抽籤の当籤確率:1/100 この当籤確率1/100が共通であり移行割合が同一となる。
移行先振分 演出区間(上位CZ)10% 増加区間(ART)90%
移行発生確率 演出区間(上位CZ)約1/1000 増加区間(ART)約1/111
このように、移行先の振り分けを変化させることにより、有利区間抽籤の当籤係数は同じ値を参照としつつ、有利区間のうち、「ART」のようにメダルが増加する増加区間へ移行させるか、「通常有利」や「SCZ」のように、メダルの増加はあまり期待できないもののART当籤のチャンス状態とするかという振り分けに幅を持たせることができ、全体的な処理のフローをシンプルなものとしつつ、多彩な遊技状態の遷移バリエーションを創出することができる。
なお、演出区間はあまりに長いと、メダルの増加が期待できない状態で過度に遊技者に遊技を強制することとなり、遊技者に不快感を与えるおそれがあるため、例えば16ゲーム以下とする、又は32ゲームとするなど一定のゲーム数を上限として設定してもよい。また、消費したメダルが所定枚数(例えば50枚)に達した場合や、打順ベルの成立回数が所定回数(例えば8回)となった場合など遊技者を過度に拘束しない指標として機能するゲーム数以外のパラメータを参照して演出区間の終了条件としてもよい。
前述の実施例では、設定差のない内部当籤役に基づいて有利区間移行抽籤を行っていたが、本変形例では、設定差のある内部当籤役が決定されたことに基づいて有利区間移行抽籤を行うものとしている。この場合でも、あくまで有利区間関連の抽籤テーブル自体には設定差がない全設定共通の抽籤テーブルを参照することとして、内部当籤役の当籤確率の差に基づいて出玉率の差やART発生率に差を創出することとする。これにより、有利区間関連の抽籤テーブル自体の容量を増大させずに、出玉率の差やART発生率に差を創出することができる。
ボーナス作動中に「演出区間」に当籤した場合は、有利区間かつ演出区間かつボーナス作動により遊技メダルの増加が期待できる状態のため、有利区間ランプを点灯させることが望ましい。ボーナス作動中が消化作業ならずに、有利区間ランプに注目しつつ遊技を楽しむことができる。なお、この場合、ボーナス後に一旦演出区間(CZなど)に移行する場合は、ボーナス終了を契機として有利区間ランプを消灯させるものとする。ボーナス後に増加区間(ARTなど)に移行する場合は、そのまま有利区間ランプを点灯させ続けるものとするとよい。
RTを高RTへ移行させるいわゆるART準備中においては、必ずしも出玉率が1を超える状態ではないものの、遊技者にとって非常に有利なARTに移行する権利が既に付与されていることを確定的に報知することにより、うっかりARTの権利を残したまま遊技をやめてしまうといった事態を抑制することができる。
なお、内部当籤役だけでなく、メインリールの有効ライン上の表示出目(図柄組合せ、入賞結果、結果表示ともいう)に基づいて有利区間関連の抽籤や判定を行ってもよい。例えば、目押しタイミングにより3枚役と1枚役のいずれかを入賞させ得る内部当籤役Aがある。この場合に、3枚役が入賞した場合は、有利区間関連抽籤を行わない、又は1枚役が入賞した場合よりも不利な条件で行う、1枚役が入賞した場合は、有利区間関連抽籤を3枚役が入賞した場合よりも有利な条件で行うものとして、遊技者に対して意図的に目押しで3枚役の入賞を回避する打法を推奨することで、通常時のベースが低い打ち方を選択した遊技者には、ARTが当籤しやすいといった仕様とすることができる。
このような仕様とすることにより、通常時に3枚役を目押ししてあまりメダルを減らさない代わりにARTに当籤しにくいゲーム性にて長時間遊技を楽しむか、通常時に1枚役を目押ししてメダルの減る速度が速い代わりにARTに当籤しやすいという短時間向きの遊技性で楽しむか遊技者が任意に選択することができ、遊技性の幅が広がることとなる。
なお、あくまで上記は一例であり、1枚役など少ない払出枚数の入賞を条件とするものに限らず、目押しにより有利度合いの低いRTへ移行するRT移行出目(小役こぼし目や転落リプレイ)を表示させたり、小役を取りこぼしたりした場合に有利区間関連抽籤を、有利な表示結果を導出させた場合に比べて良い条件で行うものとしてもよい。
この思想を整理すると、停止操作態様により表示結果が異なる所定の内部当籤役が決定された場合に、遊技価値(メダル)の付与又はRTの遷移あるいはボーナスの作動などに入賞判定による恩恵に関して最も有利ではない表示結果を導出したことに基づいて所定の有利区間関連抽籤を行う、又は有利区間関連抽籤の抽籤内容が入費判定による恩恵について最も有利な表示結果が導出された場合よりも有利な内容で行われるものとなると、表現することができる。
一部のボーナス作動中をメダルが実質的に減るように内部当籤役を重複させて決定させることで、ボーナス中を減る状態した分、ART中の1ゲームあたりの増加枚数を3枚程度に増やす手法ないし、ボーナス作動中は無純増役のみが成立して純増0枚のボーナスとなることで、遊技機型式試験においてボーナスを利用して、ART中の増加速度の速さを相殺して適合させる仕様も考えられる。また、ボーナス内部中で有利区間関連抽籤を行うものとして、通常区間、演出区間、有利区間もボーナス内部中RTに滞在し、小役確率を高めることでボーナスが極めて入賞しにくいというボーナスを封じ込めるような仕様を、変形例に合わせて採用し、遊技者や遊技場の希望が高い適切な出玉速度の遊技機を提供するようにしてもよい。
なお、出玉速度が速くなると射幸性が高いと感じる遊技者もいるため、リミッタゲーム数を1500ゲームから1200ゲームなど短くして適切に射幸性を抑制して、いわゆるのめり込みを防止すべきとの観点から配慮してもよい。
また、リミッタの発動条件となるゲーム数については、演出区間を含む有利区間の開始からカウントを始めても、増加区間の開始からカウントを始めてもよい。また、一日の遊技のうちで、客側から見て一番マイナスの大きい時点の差枚数を起点として、そこから3000枚メダルが増加した場合にリミッタを発動させるなど、当該有利区間以外の差枚数などの状況を参照して、ゲーム数以外の要素に応じたリミッタで射幸性を抑制してもよい。
また、他の演出区間もしくは増加区間への移行割合(当籤確率)が同じで、移行先(指示機能に係る処理の内容)が異なる例として、図169に示す遊技仕様を用いることとしてもよい。
具体的には、図169(A)は、有利区間への移行抽籤に用いる移行抽籤テーブルの例を示す。同図に示すように、移行抽籤テーブルには、参照項目(内部当籤役)ごとに抽籤結果についての抽籤値の情報が規定されている。ここで、抽籤結果として、当籤時に行うべき処理(当籤処理)を規定している点にある。この当籤処理は、図169(B)に示す通り、当該当籤処理が決定された際に滞在している状態に応じて異なり、例えば、「当籤処理1」が決定された場合であっても、滞在している状態が「通常区間」であるときは、主制御基板71は、通常区間から演出区間Aへの移行を行い、滞在している状態が「演出区間A」であるときは、主制御基板71は、演出区間Aから演出区間Bへの移行を行う。このようにすることで、移行割合(当籤確率)が同じで、移行先(指示機能に係る処理の内容)が異なる制御を実現することができ、その結果、有利区間移行確率の一律性を担保することができ、公平な遊技性を実現し、また、データ容量の削減を図ることができる。
なお、主制御基板71は、「増加区間」中に予め定められたテーブルなどを参照して、自由に上乗せ抽籤などを行うこととしてよい。例えば、「増加区間」中に複数の状態(上乗せ低確、高確、超高確、特化ゾーン)などを設けて、現在の状態に応じて上乗せ抽籤を行うこともできる。
<有利区間ランプの点灯タイミングの別例>
続いて、図170を参照して、有利区間として「演出区間」と「増加区間」とを有するパチスロ機1における有利区間ランプ(状態表示器147b)の点灯タイミング、特に、「増加区間」へ移行する旨の決定がされたことを報知する報知演出と、有利区間ランプの点灯タイミングとの関係について説明する。「演出区間」と「増加区間」とを有するパチスロ機1では主制御基板71は、有利区間に移行したタイミングではなく、「増加区間」に移行したタイミングで有利区間ランプを点灯することができる。また、パチスロ機1では、副制御基板72は、「演出区間」中に「増加区間」へ移行可能であるか否かに関する演出(前兆演出)を実行することができる。以下に示すように、本制御では、「増加区間」に移行することが決定されている場合、副制御基板72は「演出区間」中に前兆演出を行うとともに、前兆演出の結果として「増加区間」へ移行する旨の決定がされたことを報知する報知演出を行い、その後、「演出区間」から「増加区間」に移行すると、主制御基板71は、有利区間ランプを点灯する。言い換えると、本制御では、副制御基板72による前兆の結果の報知の後に、主制御基板71は、有利区間ランプを点灯する。
初めに、図170(A)は、有利区間ランプの点灯タイミングと、前兆の結果を報知するタイミング(報知演出のタイミング)との関係を示す第1のパターンである。同図では、通常区間中に行った有利区間への移行抽籤において、主制御基板71は、「演出区間」に移行した後に「増加区間」に移行すると決定している。この決定により、主制御基板71は、「増加区間」への移行に当籤したタイミングから、有利区間の「演出区間」に遊技状態を移行しているが、有利区間ランプは未だ点灯していない。「演出区間」中を「増加区間」への前兆として用いるべく、副制御基板72は、表示ユニット100を介して、「演出区間」中に「増加区間」への移行を煽る前兆演出を行う。その後、前兆の終了間際になると、副制御基板72は、表示ユニット100を介して、「増加区間」へ移行するか否かを報知する報知演出を実行する。同図に示す例の場合、通常区間中に行った有利区間への移行抽籤において「増加区間」に移行することが決定されているため、副制御基板72は、報知演出において「増加区間」へ移行する旨の決定がされていることを報知する。その後、主制御基板71は、「演出区間」から「増加区間」に遊技状態を移行するが、「増加区間」に移行したタイミングで、有利区間ランプを点灯する。
続いて、図170(B)は、有利区間ランプの点灯タイミングと、報知演出のタイミングとの関係を示す第2のパターンである。同図では、通常区間中に行った有利区間への移行抽籤では、主制御基板71は、「演出区間」に移行した後に「増加区間」に移行することなく有利区間を終了すると決定している。この決定により、主制御基板71は、有利区間の「演出区間」に遊技状態を移行しているが、有利区間ランプは未だ点灯していない。主制御基板71は、「演出区間」中も移行抽籤を行っており、同図に示す例では、「演出区間」中の移行抽籤の結果、「増加区間」への移行が決定されている。図170(A)と同様に、副制御基板72は、表示ユニット100を介して、「演出区間」中に「増加区間」への移行を煽る前兆演出を行う。その後、前兆の終了間際になると、副制御基板72は、表示ユニット100を介して、「増加区間」へ移行するか否かを報知する報知演出を実行する。同図に示す例の場合、通常区間中に行った有利区間への移行抽籤では「増加区間」への移行は決定されていないものの、その後の「演出区間」中に行った移行抽籤において「増加区間」に移行することが決定されているため、副制御基板72は、報知演出において「増加区間」へ移行する旨の決定がされていることを報知する。その後、主制御基板71は、「演出区間」から「増加区間」に遊技状態を移行するが、「増加区間」に移行したタイミングで、有利区間ランプを点灯する。
このように有利区間ランプの点灯タイミングを、報知演出よりも後に行うことで、本制御によれば、「演出区間」中の前兆演出や報知演出の実行時において、遊技者は「増加区間」への移行に当籤しているか否かを把握するすべがなく、演出に対する興味を失うことがない。
続いて、図170(C)は、有利区間への移行抽籤の抽籤結果(当籤処理)の別例である。同図に示すように、主制御基板71は、通常区間中の有利区間への移行抽籤において「当籤処理1」を決定した場合、通常区間から「演出区間」に移行し、当該「演出区間」において15ゲーム経過した後に有利区間を終了し、通常区間に移行する。また、主制御基板71は、通常区間中の有利区間への移行抽籤において「当籤処理2」を決定した場合、通常区間から「演出区間」に移行し、当該「演出区間」において15ゲーム経過した後に初期ゲーム数を50ゲームとするART(「増加区間」)に移行する。
このようにすることで、通常区間中の移行抽籤において「増加区間(ART)」への移行に当籤していた場合と、当籤していない場合とで、「演出区間(前兆)」の長さを同じにすることができる。遊技者にとってみれば、「演出区間(前兆)」中にその後の展開を予測することができないため、最後まで興味を失うことなく遊技を行うことになり、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、主制御基板71は、有利区間のうち「演出区間」については、押し順役に当籤したときの押し順ナビ、すなわちナビの発生により出玉増加の利益がある押し順ナビを1回も発生させずに終了可能としてもよい。「演出区間」は有利区間ランプが点灯しない区間であるため、点灯したにも関わらずなんの恩恵もないということを遊技者が感じることがなく、遊技者を落胆させてしまう恐れもないためである。また、主制御基板71は、「演出区間」中において、押し順役に当籤した遊技において押し順を報知することで、多少の出玉の増加ないしメダルの消費低減を許容することとしてもよいが、「増加区間」と比べて押し順役に当籤した遊技における押し順の報知頻度を相対的に低いものとして、あまり出玉を増加させないものとすることが望ましい。「演出区間」中のメダルの増加を増やしてしまうと、出玉のバランス調整上「増加区間」で払い出すべき払出を相対的に低下させることに繋がる恐れがあるためである。
[主制御基板及び副制御基板が有する各種機能]
以上のようなパチスロ機1に特有の制御を実現するために、パチスロ機1の主制御基板(主制御回路91,メインCPU93)及び副制御基板(副制御回路101,サブCPU102)は、次のような機能を有する。
パチスロ機1は、複数の図柄が表面に描かれた複数のリール3L,3C,3Rと、リール3L,3C,3Rに対応して設けられ遊技者が停止可能な複数のストップボタン7L,7C,7Rを有し、主制御基板71は、スタートスイッチ6Sやストップスイッチ7Sと接続され、図1に示す遊技の進行を制御するため、主制御基板71は、遊技制御部として機能する。
また、主制御基板71は、遊技状態の移行を決定可能であり、また、少なくとも通常区間と、通常区間よりも有利であり「演出区間」及び「増加区間」を有する有利区間とに遊技状態を制御することができるため、主制御基板71は、移行決定手段及び状態制御手段として機能する。
また、主制御基板71は、遊技状態が「増加区間」になると、遊技状態が「増加区間」であることを報知可能な有利区間ランプを点灯するため、主制御基板71及び有利区間ランプは、報知手段として機能する。
また、副制御基板72は、表示ユニット100を介して、演出を制御するとともに、遊技状態が「増加区間」へ移行する旨の決定がされたことを報知する報知演出(特定演出)を実行可能であるため、副制御基板72及び表示ユニット100は、演出制御部及び報知演出実行手段として機能する。
また、主制御基板71は報知ランプ147aを制御して、遊技者にとって有利な停止操作の態様を報知するとともに、副制御基板72は表示ユニット100を制御して、遊技者にとって有利な停止操作の態様を報知するため、主制御基板71、報知ランプ147a、副制御基板72、及び表示ユニット100は、報知手段として機能する。
<有利区間リミッタの別例(枚数リミッタ)>
続いて、図171〜図173を参照して、有利区間のリミット処理に用いるリミッタの別例について説明する。これまで、有利区間のリミッタとして、有利区間中に消化したゲーム数を用いたリミッタ(以下、「ゲーム数リミッタ」)について説明したが、有利区間のリミッタの種類は、ゲーム数リミッタに限るものではない。具体的には、主制御基板71は、有利区間中に払い出されたメダルの枚数が所定枚数(例えば、2400枚)以上に達するとリミット処理を行うこととしてもよい。なお、このような有利区間中に払い出されたメダルの枚数を用いたリミッタを、以下では「枚数リミッタ」と呼ぶ。
図171(A)は、枚数リミッタの概要を示す図である。同図において、縦軸は差枚数(=払出枚数−投入枚数)であり、純増枚数ともいう。差枚数のプラス及びマイナスは、遊技者から見た値であり、遊技者に対して払い出されたメダルの方が投入されたメダルよりも多い場合(遊技者側のプラス)にはプラス、逆の場合にはマイナスになる。また、横軸はゲーム数であり、右に行くほど有利区間の開始から多くのゲームが消化されたことを意味する。枚数リミッタは、遊技者が一度に極端に多くのメダルを獲得しないように最もメダルが減った時点を起点して、2400枚のプラスの差枚数が得られたときに有利区間を強制的に終了させるものである。
同図では、有利区間開始後、100枚ほどメダルが減っている。これは、例えばART準備中又は前兆状態などでメダルが減ったものである。そして有利区間開始から−100枚となった時点からメダルは増加しつづけ、最終的に+2300枚ほどまでメダルが増加している。この時点で、遊技者目線では、少なくとも2400枚のメダルが手元にあることとなる。そこで、主制御基板71は、枚数リミッタを発動し、有利区間を強制的に終了させる。これにより、射幸性を適切に抑制することができる。
なお、主制御基板71は、ゲーム数リミッタのみを用いて有利区間のリミット処理を行うこととしてもよく、枚数リミッタのみを用いて有利区間のリミット処理を行うこととしてもよく、ゲーム数リミッタと枚数リミッタとの双方を用いて有利区間のリミット処理を行うこととしてもよい。なお、双方のリミッタを用いる場合、主制御基板71は、有利区間が開始してから何れか一方のリミッタ発動条件を満たした場合に、有利区間を終了させることが望ましい。なお、本説明においては、ゲーム数リミッタを1500ゲーム、枚数リミッタを2400枚として説明したが、これは一例であり、これより少ない値又は多い値を遊技仕様に応じて採用して射幸性を適切に制御するものとしてもよい。
ここで、ゲーム数リミッタと枚数リミッタとの双方を用いる場合について説明する。より具体的には、有利区間(ART、ATなど)におけるメダル増加の傾斜値A(1ゲームあたりの純増期待値、ボーナス作動による増加を含む純増期待値)と、ゲーム数リミッタの発動条件となるゲーム数Bと、枚数リミッタの発動条件となる差枚数Cとの関係について説明する。
なお、以下では、説明の便宜上、有利区間におけるメダル増加の傾斜値Aが「3枚」、ゲーム数リミッタの発動条件となるゲーム数Bが「100ゲーム」であるものとする。
第1の仕様では、傾斜値A×ゲーム数リミッタのゲーム数B=枚数リミッタの差枚数Cという関係の仕様(例:A(3枚)×B(100ゲーム)=C(300枚))が考えられる。このような仕様は最も基本的な仕様であり、有利区間を安定的に制御することができ、射幸性を適切に抑制することができる。
第2の仕様では、傾斜値A×ゲーム数リミッタのゲーム数B<枚数リミッタの差枚数Cという関係の仕様(例:A(3枚)×B(100ゲーム)<C(400枚))が考えられる。このような仕様の場合、リミッタが発動するケースを考慮すると以下の通りである。
100ゲーム消化するよりも前に400枚を超えるメダルが払い出された場合に、枚数リミッタが発動し、400枚を超えるメダルが払い出されるよりも前に100ゲームを消化した場合には、ゲーム数リミッタが発動する。ボーナスを期待値よりも多く引くか、純増枚数の多い押し順役を期待値よりも極端に多く引いた場合に枚数リミッタが作動し、期待値に近い値で遊技が進行した場合は、ゲーム数リミッタが発動する可能性が高くなる。傾斜値が「3枚」であるため、結果として、リミッタが発動する場合は、100G到達によるゲーム数リミッタの方が、枚数リミッタよりも発動しやすくなり、遊技者の意識は差枚数よりもゲーム数に傾くこととなる。
すなわち、傾斜値が「3枚」であるため、平均して133.3ゲームで400枚のメダルが払い出されることになり、その前にゲーム数リミッタに到達する可能性が高い。したがって、発動のし易さは、ゲーム数リミッタ>枚数リミッタ、となる。差枚数による枚数リミッタの発動をあまり気にさせたくない場合は、このような仕様とすると良い。例えば、ARTを1セット100枚の純増で終了など終了条件(リミッタではない)を差枚数で管理とするタイプの場合はこのようなリミッタ仕様とすると、リミッタの発動頻度を抑制でき、遊技者がリミッタにより有利区間が打ち切られる頻度を低下でき、遊技の興趣の低下を抑制できる。
第3の仕様では、傾斜値A×ゲーム数リミッタのゲーム数B>枚数リミッタの差枚数Cという関係の仕様(例:A(3枚)×B(100ゲーム)>C(200枚))が考えられる。このような仕様の場合、リミッタが発動するケースを考慮すると以下の通りである。
100ゲーム消化するよりも前に200枚を超えるメダルが払い出された場合に、枚数リミッタが発動し、200枚を超えるメダルが払い出されるよりも前に100ゲームを消化した場合には、ゲーム数リミッタが発動する。傾斜値が「3枚」であるため、平均して66.6ゲームほどで200枚のメダルが払い出されることになり、100ゲーム消化の前に枚数リミッタに到達する可能性が高い。したがって、発動のし易さは、ゲーム数リミッタ<枚数リミッタ、となる。ゲーム数消化によるゲーム数リミッタの発動をあまり気にさせたくない場合は、このような仕様とすると良い。例えば、1ゲームあたりの純増枚数0.1〜1枚などと比較的低いが長いゲーム数継続するような仕様については、このような仕様とすると、リミッタの発動頻度を抑制でき、遊技者がリミッタにより有利区間が打ち切られる頻度を低下でき、遊技の興趣の低下を抑制できる。
なお、何れの仕様にしても、リミッタ到達により終了する割合よりも、リミッタ以外の有利区間の終了条件(ARTゲーム数やセット数ストックがゼロになるなど)によることにより、有利区間が終了する割合が高い出玉設計として、有利区間を消化できる権利がリミッタ発動により消去される事象の発生を抑制することが望ましい。
続いて、複数のリミッタを設ける場合に実現可能な遊技性について説明する。
(リミッタの種別に応じた有利区間終了時演出)
枚数リミッタの発動時と、ゲーム数リミッタの発動時とで、副制御基板72は、表示ユニット100を用いて異なる有利区間終了時演出を実行可能としても良い。それぞれを専用の演出とした場合には、それぞれの演出を一度は見てみようという遊技動機につながる。また、副制御基板72は、リミッタの種別に応じて有利区間終了時に行う演出の振り分けを異ならせるものとしても良い。例えば、枚数リミッタだとゲーム数リミッタ発動時よりも、設定示唆の精度が高い(設定ごとの係数の差が大きい、または特定の設定が確定する演出が出やすいなど)としてもよい。設定示唆など特定の情報が得られる又は専用演出が見られることで、リミッタにより有利区間が打ち切りとなる不快感を低減できる。また、有利区間終了時に行う演出の振り分けを、上述のリミッタの仕様に基づき設定することとしてもよい。例えば、仕様上、発動し易いリミッタよりも、発動し難いリミッタが発動した場合の方が、副制御基板72は、遊技者にとって好ましい(例えば、設定示唆の精度が高い)演出を決定し易いとしてもよい。
(リミッタの種別に応じたエンディング演出)
また、副制御基板72は、枚数リミッタの発動が濃厚になった状況となった場合は、エンディング演出1を、ゲーム数リミッタの発動が濃厚になった状況の場合は、エンディング演出2を、どちらが発生するか割合に大きな差がないが、少なくともどちらかが発生することが濃厚になった場合には、エンディング演出3(エンディング演出1又は2への分岐を持つ演出としてもよい)を行うなど、有利区間の終了時にいきなり打ち切りになって違和感を遊技者に与えないように、リミッタ発動前から有利区間終了示唆演出期間(エンディング)を設けることとしてもよい。なお、「枚数リミッタの発動が濃厚になった状況」とは、例えば、ARTを差枚数以外の情報に基づき管理する場合には、これまでの差枚数と、残りのART期間から算出される差枚数(例えば、ゲーム数管理のARTの場合には「残りゲーム数×傾斜値」)との和が、閾値(例えば、枚数リミッタが発動する差枚数や、当該差枚数よりも若干少ない値)に達したときであり、また、例えば、ARTを差枚数に基づき管理する場合は、これまでの差枚数と、残り枚数との和が、閾値に達したときである。また、「ゲーム数リミッタの発動が濃厚になった状況」とは、例えば、ARTをゲーム数以外の情報に基づき管理する場合には、これまでに経過したゲーム数と、残りのART期間から算出されるゲーム数(例えば、差枚数管理のARTの場合には「残り差枚数/傾斜値」)との和が、閾値(例えば、ゲーム数リミッタが発動するゲーム数や、当該ゲーム数よりも若干少ない値)に達したときであり、また、例えば、ARTをゲーム数に基づき管理する場合は、これまでに経過したゲーム数と、残りゲーム数との和が、閾値に達したときである。
(発動したリミッタの種別を履歴画面において報知ないし示唆)
また、副制御基板72は、発動したリミッタの種別ないしリミッタ種別に対応して発生する演出(上記エンディング演出の種類など)について、遊技者がメニュー画面にて閲覧可能な遊技履歴画面に表示しても良い。この場合は、そもそも多くの出玉を獲得できているため、高設定に期待できるとの遊技意欲を喚起させることができる。
(リミッタの種別に応じた外部信号を出力)
また、枚数リミッタと、ゲーム数リミッタのどちらが発動したか、ホール側がホールコンピュータなどで把握できるように、主制御基板71は、発動したリミッタに応じた種類の外部信号を出力するとよい。このとき、主制御基板71は、外部端子板の異なるピンからリミッタ発動の外部信号を出力するものとしてもよい。例えば、本来の出玉仕様であれば主にゲーム数リミッタが発動し、枚数リミッタはあまり発動しない機種において、頻繁に枚数リミッタが発動している場合は、何らかのゴト行為が行われているか、遊技機とホールコンピュータとの接続ミスの可能性をホール店員は察知することができる。
なお、同じ遊技においてで枚数リミッタの発動条件とゲーム数リミッタの発動条件を満たした場合は、主制御基板71は、予め定めたどちらか一方の信号を出力してもよいし、2種類の信号を所定の順番で出力してもよい。順番に出力する場合は、確実に受信できるように先に出力する信号の出力完了から、次の信号出力まで所定時間の間を空けるとよい。また、同じ遊技において枚数リミッタの発動条件とゲーム数リミッタの発動条件とを満たした場合は、どちらか一方のリミット処理のみを行い、他方の処理は行わないものとして、メイン(主制御基板71)において余計な処理を発生させないものとしてもよく、この場合には、主制御基板71は、行われた種別のリミッタに応じた外部信号を出力する。
(リミッタの種別を問わず一の外部信号を出力)
また、メイン(主制御基板71)の容量や、外部信号出力用の端子板のピン数に余裕がある場合は、上述のように異ならせても良いが、リミッタの種別に関わらず同じ外部信号を出力するものとしてもよい。メイン(主制御基板71)の容量を節約することができる。
(リミッタ以外の有利区間終了とリミッタによる終了で同じ外部信号を出力)
また、主制御基板71は、リミッタ以外の有利区間終了とリミッタによる終了とで同じ外部信号を出力し、有利区間が終了した旨をホールコンピュータなどで察知できるものとしてもよい。この場合は、さらにメイン(主制御基板71)の容量を節約できる。
(ボーナス作動中にリミッタが発動した場合の外部信号出力例(すぐに出力))
また、ボーナス作動中にリミッタが発動した場合は、主制御基板71は、外部信号の出力を当該遊技又は当該遊技の終了直後に開始してもよい。このようにすることで、例えば一撃の獲得枚数が枚数リミッタの枚数を超えたとしてもリミッタ機能に不備があったわけではなく、偶然枚数リミッタ到達付近でボーナスが作動して出玉を獲得したということをホール側は確認できる。
(ボーナス作動中にリミッタが発動した場合の外部信号出力(ボーナス終了時))
また、ボーナス作動中にリミッタが発動した場合は、主制御基板71は、外部信号の出力をボーナス終了時ないし終了直後に開始してもよい。実質的に出玉増加する遊技状態の終了を正確に把握させたい場合はこのような仕様としてもよい。
(枚数リミッタ発動の可能性がある遊技で遊技者が小役を取りこぼした場合の演出)
例えば、枚数リミッタが発動するまでの残り枚数が6枚の3枚掛け遊技で、正解時に9枚のメダルが払い出される押し順ベルに当籤し、正解の押し順の報知が行われたにも関わらず遊技者が押し順をミスした場合、遊技開始時の状況を見て当該ゲームで枚数リミッタが発動すると想定して、当該遊技の開始時から枚数リミッタ発動時の演出を始めていることがある。このようなケースでは、押し順を間違えた結果、枚数リミッタは発動しないものの、副制御基板72は、当該遊技の開始時から始めていた枚数リミッタ発動時の演出(例えば、枚数リミッタの発動が予定されている旨の演出)をそのまま継続して実行することとしてもよく、また、枚数リミッタが発動しないと判断したことにより、当該演出を一旦終了ないし中断することとしてもよい。
(発動するリミッタが遊技者の操作により変更される場合の演出)
また、遊技者の操作ミスなどにより発動するリミッタの種類が異なる場合がある。例えば、枚数リミッタが発動するまでの残り枚数が6枚、かつ、ゲーム数リミッタが発動するまでの残りゲーム数が2ゲームの状況において、3枚掛け遊技で正解時に9枚のメダルが払い出される押し順ベルに当籤し、正解の押し順の報知が行われたケースが該当する。このようなケースでは、遊技者が報知に従い停止操作を行った場合には当該遊技において枚数リミッタが発動するが、報知に従わずに押し順にミスした場合には次遊技においてゲーム数リミッタが発動する(なお、次遊技で枚数リミッタが発動する可能性もあるが、ここでは、複数のリミッタ発動条件が成立した場合にゲーム数リミッタが優先して発動するものとする)。
このような場合、副制御基板72は、押し順ベルに当籤した遊技において枚数リミッタ発動時の演出を開始して、枚数リミッタの非発動が確定した移行の任意のタイミング(第1停止操作〜全リール停止時のうち、取りこぼし乃至少ない枚数の図柄組合せの表示が確定した以降の任意のタイミング)で、ゲーム数リミッタ発動時の演出に切り替えるか、いずれかのリミッタ発動示唆にも対応しない演出に一旦戻すような処理を行って、発動するリミッタと演出との矛盾を回避するように制御することが好ましい。
(ボーナス作動中、内部中のリミッタ発動による終了時演出の遅延及びエンディング演出の延長)
なお、ここまで説明したリミット処理に関連して行われる演出及び制御についても、前述したボーナス作動中にリミット処理が行われる場合は、リミット処理による有利区間終了に応じた演出の発生タイミングをボーナス終了時又は終了直後まで遅らせる、かつ、エンディング演出などの有利区間中演出をそれまで延長するという手法を用いることで、遊技者の違和感を軽減することができる。
<枚数リミッタの制御方法>
続いて、図172(B)を参照して、枚数リミッタの制御方法について説明する。枚数リミッタでは、有利区間の開始時から最もメダルの絶対値が減った地点を最下点(起点)として、直近の最下点からのプラス分を、枚数リミッタの発動契機となる差枚数として用いる。同図では、有利区間開始を1ゲーム目として遊技が進行していきメダルの増減を1〜8ゲームで繰り返した後に、増加していき枚数リミッタに到達する例を示している。
同図では、有利区間の開始時から最もメダルの絶対値が減った地点が「−9枚」であるため、Nゲーム目に差枚数が「+2391枚」となったタイミングで枚数リミッタが発動している。なお、枚数リミッタの発動に伴い、リミッタ用のカウンタは0にリセットされている。その後N+2ゲーム目に押し順に正解したベルが揃った結果、起点からの差枚数が「+2400枚」を超えているものの、既に枚数リミッタが発動し、有利区間(ART)は終了しているため、一時的なものに過ぎず、問題はない。
なお、同図では、当該ゲームの払出終了時点の有利区間開始時からの絶対的差枚数を示しいているが、説明用の値であり、該当するカウンタは遊技機に当籤する必要がない。もちろん、該当するカウンタを当籤して遊技者に獲得枚数を示すために用いることとしてもよい。
また、起点フラグは、現時点の遊技の状況が有利区間開始後の最下点であることを示す情報である。起点フラグを持たずに、単にリミッタに用いるカウンタ(枚数カウンタ)の値が0であることを持って最下点と認識しても良いが、枚数リミッタ発動までの差枚数減算が始まったか否かをサブ(副制御基板72)側で演出する場合など、ON/OFF判定のみで行える起点フラグを参照して、枚数カウンタの値をサブ側に送信せずに演出させることでメイン(主制御基板71)の処理負荷を軽減することができる。なお、その場合は、サブ側はメインから送信される投入枚数、払出枚数の情報を受けて枚数カウンタと同様の処理をサブ側で行い、枚数カウンタの状況として演出(枚数リミッタ発動までの枚数報知など)を行っても良い。
最下点(起点)は、直近の最下点と同じ値又はより少ない値となった場合のいずれかで更新すれば良い。有利区間開始後の1ゲーム目終了時に絶対的差枚数が「−3枚」となった後一度増加し、4ゲーム目終了時に再び絶対的差枚数が「−3枚」となっている。そのため、主制御基板71は、4ゲーム目終了時に再び起点フラグを設定している。実際には、その後もメダルが減ったため、有利区間開始後の8ゲーム目終了時の絶対的差枚数が「−9枚」が枚数リミッタにおける起点となっている。
なお、同図では、第1最下点を、有利区間開始後の1ゲーム目終了時としているが、有利区間開始時点の1ゲーム消化より前の時点(絶対的差枚数が0枚時点)を第1最下点として設定し、1ゲーム終了時を第2最下点、マイナス9枚となった時点を第3最下点として第3最下点から2400枚増加すると枚数リミッタを発動するものとしてもよい。また、同図では、リプレイの入賞時には投入枚数0枚、払出枚数0枚として枚数カウンタを更新している。これにより再遊技時の差枚数を更新する必要がなくなり処理負荷を軽減することができる。一方で、リプレイの入賞時に投入枚数分の払出枚数を行い、次ゲームにおいて投入枚数が3枚として枚数カウンタを更新することとしてもよい。このようにすることで、リプレイが入賞してから次ゲームの開始操作が行われるまでの間の枚数カウンタの値を現実の差枚数挙動と一致させることができ、枚数カウンタの値を実増減枚数として参照して、演出用の枚数表示などに流用し易くなる。
なお、副制御基板72は、枚数カウンタの値を表示ユニット100(液晶画面)などで報知して、枚数リミッタ発動までの残り枚数を遊技者に把握可能ないし示唆してもよい。また、副制御基板72は、枚数リミッタ発動までの残り枚数を直接的に表示せず、枚数リミッタ発動まで残り2000枚以上なら第1演出ステージ、残り1000〜1999枚なら第2演出ステージ、残り999枚以下なら第3演出ステージのように、背景などの演出ステージを枚数リミッタ発動までの枚数範囲に応じて異ならせて示唆しても良い。
また、主制御基板71は、枚数カウンタの値を外部信号として出力して、ホールコンピュータやパチスロの上部などに設置される遊技データ閲覧用のデータ表示器などで表示可能としてもよい。なお、主制御基板71は、起点フラグ及び枚数カウンタの値を、電断時でも消去せず維持することが好ましい。一方で、主制御基板71は、設定変更時には、起点フラグ及び枚数カウンタの値を消去することとしてもよい。
<枚数リミッタの調整打法>
続いて、図173(C)を参照して、枚数リミッタの調整打法について説明する。枚数リミッタを用いて有利区間を強制的に終了させる仕様では、枚数リミッタの発動直前にメダルの増減を調整することで、枚数リミッタの発動を介する方法も考えられる。例えば、押し順役が内部当籤役として決定された場合に、正解の押し順で停止操作が行われると「9枚」のメダルが払い出され、不正解の押し順で停止操作が行われるとメダルの払い出しが「0枚」である仕様では、1回の遊技において3枚のメダルが必要であるため、押し順役の当籤時に正解の押し順で停止操作が行われると、枚数カウンタは「+6枚」され、押し順役の当籤時に不正解の押し順で停止操作が行われると、枚数カウンタは「−3枚」される。そのため、例えば、押し順役に3回当籤した場合に、押し順に2回不正解し、1回正解すると、枚数カウンタの値は維持され、結果、枚数リミッタが発動することがない。
このように枚数リミッタを調整することで、枚数リミッタの発動直前にARTのままボーナスの当籤を待つことなどができる。同図に示す例では、Mゲーム目からこのような調整打法が始まっており、BB(ボーナス)に当籤するXゲーム目まで調整打法が行われている。その結果、X+10ゲーム目には、枚数リミッタが発動する+2400枚を超える+2512枚のメダルが獲得できている。
なお、パチスロ機1では、意図的に押し順の報知に逆らった方が有利である旨を示唆ないし報知する演出を行って遊技者に最大の利益を得ることのできる打ち方(打順ナビと異なる停止操作)を促しても良い。なお、このような演出は、副制御基板72が表示ユニット100などを介して行うこととしてもよく、また、主制御基板71が行うこととしてもよい。
なお、純増15枚程度かつ比較的当籤確率の高いミニボーナス(ボーナス作動中の15枚役は取りこぼし不能ないし困難)と、純増120枚のボーナスなど複数種類のボーナス役が存在する場合は、枚数リミッタ到達までの残り差枚数がミニボーナスにおける純増枚数よりも多い枚数のラインで上記調整打法を推奨する演出を行ってもよい。また、押し順役以外の小役については、払出枚数が3枚を超える増加役とせずに、枚数調整がしやすいもの(例えば、払出枚数が3枚)としてもよい。このように打ち方の工夫で出玉率を向上できる遊技性とすることで遊技の興趣が高まる。
なお、こうした遊技性の複雑さが初心者に敬遠されるなどのデメリットを重視する場合は、枚数カウンタを実際の純増枚数分だけ加算するのではなく、指示通りに遊技した場合の純増枚数分だけ加算することとしてもよい。例えば、3枚掛け遊技で、正解時に9枚のメダルが払い出される押し順ベルに当籤した場合、主制御基板71は、正解の押し順を報知したことを条件に、遊技者の操作態様や入賞結果を問わずに枚数カウンタに+6とする処理を行う。このような仕様として、こうした調整打法を封じる仕様としてもよい。
<調整打法を封じる仕様の遊技性>
続いて、このような調整打法を封じる仕様おいて実現可能な遊技性について説明する。
(ボーナス非搭載)
そもそもボーナス役を搭載せずに、小役と再遊技のみで内部当籤役を構成すると上記のような複雑な打法を遊技者に求めることがなくなり、遊技性が分かりやすくなる。
(無増減又は減るボーナス搭載)
また、上記の打法を抑制する別の仕様例として、ボーナスは作動中に投入枚数と同枚数の払出が行われる小役しか入賞しない無増減ボーナスとしてもよく、また、ボーナスは作動中に投入枚数よりも少ない枚数の払出が行われる小役しか入賞しない減るボーナスとしてもよい。この場合、ボーナスはメダルが増加しないかわりに有利区間の抽籤において有利な処理をボーナス作動時またはボーナス作動中に行うこととしてもよく、また、有利な処理を行わないものの、遊技店において遊技者が通常の遊技を行う限りリール制御でボーナスの入賞が阻害され、ボーナスが入賞困難な仕様としても良い。
(ボーナス作動中の純増枚数が3枚以下)
3枚掛け遊技を前提として、ボーナス入賞時には払出がないため、ボーナス入賞ゲームでの差枚数はマイナス3枚となる。ボーナスは3枚掛け1ゲームで終了するとして、ボーナス作動中に発生する最大枚数の入賞は6枚役以下とする。このようにすることで、ボーナス作動時からボーナス終了時までの差枚数がプラスの値になることがないため、枚数カウンタの値がボーナス作動により増加することがなくなり、前述のような複雑な打法を遊技者は行わずに済む。
<調整打法を認める仕様の遊技性>
続いて、このような調整打法を認める仕様おいて実現可能な遊技性について説明する。
(ボーナス作動中の小役はずし又は獲得枚数低減)
前述の打法を行える仕様に加えて、ボーナス作動中に枚数リミッタが発動してしまう場合は、あえてボーナスの獲得枚数を減らして、当該ボーナスを終わらせて、ボーナス後は、上述の打法により有利区間を延命しつつ、次回のボーナスを待つのが最も有利という場合がある。そこで、ボーナス作動中に、小役を目押しタイミングや押し順で取りこぼせる又は払出枚数の少ない役を入賞させることができるものとする。この場合、払出枚数の少ない役は、ボーナス作動中の投入枚数よりも少ない枚数であることが望ましいが、例えば特定ポイントを目押しすると14枚、それ以外のポイントを目押しすると15枚の払出が受けられるなど、微調整を行うことができる役を設けるというものでも一定の効果を奏することができる。
(押し順役以外の通常時の役は再遊技又は投入枚数以下の役のみ)
例えば、ボーナス非作動中3枚掛けと仮定する。押し順ベルは9枚とするが、いわゆるスイカ、チェリー、押し順の概念なしのベルなど他の役は再遊技役、又は、払出枚数3枚以下の役として構成する。こうすることで、残り数枚の純増で枚数リミッタが作動する状況で他の小役を引いた場合でも枚数リミッタが作動することなく攻略打法の難易度が低下して遊技しやすくなる。
(押し順役のナビと異なる停止操作をした場合に、特定枚数(1〜2枚役)が入賞する頻度に遊技者が介入できる)
押し順役のナビと異なる停止操作をした場合は、1枚払出又はとりこぼしとなる仕様がある。この場合、当該ゲームの増減がマイナス2枚、マイナス3枚の2通り生じるため、計算しにくく、遊技していて混乱することがある。そのような仕様と比べて、ナビ無視時は、必ず1〜2枚が揃うなど枚数が固定される場合は、ギリギリの枚数の状態でのナビ無視時のマイナス値が例えばマイナス2枚に固定されるため、計算しやすく、遊技者が計算をミスしてあと1回ナビ無視すべきところをナビ通りに打ってしまい打順ベルをとってしまうというケアレスミスが低減する。
なお、必ずではなく高い頻度で1枚払出となる又は取りこぼしとなるなど、おおむね安定させるものとしてもある程度の効果は発揮できる。また、ナビ無視のパターンにより、払出枚数が安定するものでもよい。例えば、「1・2・3」(左・中・右が正解打順)の打順ナビ発生時に、1枚役入賞率は“中1st”>“右1st”という関係性を持たせて、3枚減らしたい場合は、右第1停止、2枚減らしたい場合は中第一停止と遊技者が選択できるものでもよい。また、当該ゲームで第1停止正解後に第2停止をミスした場合「1・3・2」の順に停止した場合は、他のナビ無視打順よりも高い確率で又は必ず1枚役が入賞するなど、遊技者が減らし方を打法で選択できるものとするとよい。
(ナビ無視すべき場合にナビ態様変化)
ナビにしたがって遊技するのが最適な場合は、副制御基板72は、押し順表示を第1態様(青数字など)で行い、ナビに逆らって遊技するのが最適な場合は、副制御基板72は、押し順表示を第2態様(赤数字など)で行う。
(ナビ無視すべき状況か演出で変化)
主制御基板71又は副制御基板72は、BGMや映像、ランプなどの態様をナビ従う状況と、ナビに逆らう状況とで異ならせてもよい。ナビ発生よりも前の時点で、次ゲームでナビが発生したらナビに逆らうべき状況か否かを事前に把握できるようにすることが望ましい。
(ナビ無視すべき場合にロックやリールフリーズ)
主制御基板71は、レバーオン直後、リール回転開始後などにリールの回転開始遅延(フリーズやリールアクション)や、ストップボタンの一時操作受付無効化期間を設けることとしてもよい。これにより、遊技者に注意喚起をすることができ、有利区間を誤って終わらせてしまうケースを防止できる。また、主制御基板71又は副制御基板72は、合わせて音声や映像などでも注意喚起することが望ましい。
<有利区間リミッタの別例(払出枚数リミッタ)>
ここで、上述の枚数リミッタでは、差枚数(=払出枚数−投入枚数)、すなわち、遊技者に対して払い出されたメダルの枚数から当該遊技において用いられたメダルの枚数を減算した値に基づき、リミット処理を行うこととしているが、これに限られるものではない。主制御基板71は、遊技者に対して払い出されたメダルの枚数を用いてリミット処理を行うこととしてもよく、このようなリミッタを払出枚数リミッタと呼ぶ。具体的には、主制御基板71は、有利区間中に所定枚数(例えば、2400枚など)のメダルを払い出したことを契機として、有利区間を終了するリミット処理を行うこととしてもよい。
上述の枚数リミッタでは、払出枚数から投入枚数を差し引いた差枚数を基準としてリミット処理を行っているが、払出枚数リミッタでは、払出枚数から投入枚数を差し引くことなく、払出枚数をそのまま参照して、払出枚数が規定値に達した場合にリミット処理を行う。このような払出枚数リミッタでは、主制御基板71は、有利区間又は増加区間の開始時に払出枚数カウンタを初期化して、小役の入賞により払出が発生するたびに当該払出枚数カウンタを更新する。そして、主制御基板71は、払出枚数カウンタの値がリミット処理を行う規定値に達すると、有利区間を終了し、また、有利区間に関する各種の処理や値を初期化するというリミット処理を行う。
このような払出枚数リミッタにおいても、リプレイに係る役が入賞した場合の払出枚数カウンタの更新方法は任意であり、3枚の払い出しとしてカウントすることとしてもよく、また、0枚の払い出しとしてカウントすることとしてもよいが、主制御基板71は、リプレイに係る役が入賞した場合には0枚の払い出しとしてカウントすることが望ましい。このようにすることで、例えば、3BETの遊技において3枚役(入賞したときに3枚のメダルが払い出される役)が入賞した場合と、リプレイに係る役が入賞した場合とで、払出枚数カウンタの値の変化を異ならせることができる。すなわち、3枚役が入賞した場合よりも、リプレイに係る役が入賞した場合の方が払出枚数カウンタのカウントが進まない分、遊技者にお得感を感じさせることができ、実質的に同価値である3枚役とリプレイに係る役との価値に差を持たせることができる。
<有利区間リミッタの別例(ナビ回数リミッタ)>
また、有利区間のリミット処理に用いるリミッタの種類としては、以下に説明するナビ回数リミッタも用いることができる。ナビ回数リミッタを用いる場合、主制御基板71は、有利区間中に遊技者に対して所定回数(例えば、400回など)の報知(ナビ)を行ったことを契機(すなわち、ナビ回数が規定値に達したことを契機)として、有利区間のリミット処理を行う。ここで、ARTなどの有利区間中に遊技者に対して行うナビの中には、有利区間中にメダルを増加させるためのナビの他、有利区間中にメダルを維持又はメダルの減少を通常区間中に比べて抑制するためのナビがある。前者のナビは、例えば、3BET遊技において正解の停止操作の態様である場合(例えば、押し順正解時)に3枚よりも多いメダル(例えば、9枚など)が払い出される役の当籤時に正解の停止操作の態様を報知することをいい、後者のナビは、例えば、RT状態を高RTのまま維持するためのナビや、3BET遊技において正解の停止操作の態様である場合に3枚、又は、正解の停止操作の態様である場合に3枚よりも少ないが不正解の停止操作の態様である場合(例えば、押し順不正解時)よりも多いメダルが払い出される役の当籤時に正解の停止操作の態様を報知することをいう。なお、前者のナビの対象となる役は、その役割から有利区間(ART)中にメダルを増加させる増加役と呼ぶことができる。パチスロにおいて、複数の役のうちのどの役を増加役とするかは、遊技仕様の観点から任意に設計することができる。
ナビ回数リミッタを用いる場合、主制御基板71は、増加役の当籤時に行ったナビの回数については、ナビ回数リミッタによるリミット処理の発生条件となるナビ回数のカウント対象とする一方で、非増加役の当籤時に行ったナビの回数については、当該ナビ回数のカウント対象から除外することとしてもよく、また、非増加役の当籤時に行ったナビ回数についても、当該ナビ回数のカウント対象に含めることとしてもよい。非増加役の当籤時に行ったナビの回数をカウント対象から除外することで、偶然、非増加役が有利区間(ART)の開始後に多く成立してしまったケースのように、メダルがあまり増えていない場合に、過度な出玉を抑制するというリミッタの趣旨とは関係ない事象で有利区間が終了してしまうことを防止でき、遊技者に不満を与えることがない。
このようなナビ回数リミッタでは、主制御基板71は、有利区間又は増加区間の開始時にリミット処理の発生条件となるナビ回数のカウンタ(ナビ回数カウンタ)を初期化して、カウント対象となるナビが発生するたびに当該ナビ回数カウンタの値を更新する。そして、主制御基板71は、ナビ回数カウンタの値がリミット処理を行う規定値に達すると、有利区間を終了し、また、有利区間に関する各種の処理や値を初期化するというリミット処理を行う。なお、これまでに説明した各種のリミッタにおいてカウンタの更新方法は、加算式であってもよく、また、減算式であってもよい。
<リミッタ期間の別例>
また、上述の説明では、ゲーム数リミッタ、枚数リミッタ、払出枚数リミッタ、ナビ回数リミッタなどのリミッタを有利区間中にのみ利用する例について説明したが、このようなリミッタは、有利区間中ではなく、任意の期間に採用することができる。例えば、偶発的に有利区間に当たり続けた場合、一回一回の有利区間においては最大でも枚数リミッタ分しかメダルの払い出しが行われないものの、有利区間への移行が複数回行われた結果、総合すると多くのメダルの払い出しが行われてしまう場合があり、射幸心を過度に煽ってしまう恐れがある。そこで、有利区間中のリミッタとは別に、直近の所定ゲーム数分の期間(例えば、直近の6000ゲーム)の増加状況を示す値(例えば、出玉率や差枚数)が予め定められた規定値(例えば、170%又は遊技者から見て+10000枚)を超えた場合に有利区間を終了させる特別リミッタを設けることとしてもよい。このような特別リミッタによれば、主制御基板71は、有利区間中に特別リミッタの発動条件が満たされたときには、たとえ当該有利区間が開始したばかりであり、ゲーム数リミッタや枚数リミッタが全く発動し得る状況でなかったとしても、当該有利区間を強制的に終了する。
なお、主制御基板71における有利区間の制御において、現時点で獲得されている有利区間に関する権利(ATゲーム数、ATのストック数、獲得可能差枚数など)と出玉率とを参照して、特別リミッタが発動するおそれがある場合に、主制御基板71は、当該規定値に到達するよりも前に上乗せの発生率を低下させるなど特別リミッタの発動可能性を低下させる、又は、特別リミッタ発動時に消去させる増加区間(ART)の権利が低減するように制御することとしてもよい。
また、メダルの増加状況を示す値(例えば、出玉率や差枚数)による特別リミッタ発動の判定に用いられる所定期間は、ゲーム数以外を基準としてもよく、例えば、所定の時間(例えば、10時間など)や、所定の投入枚数(例えば、投入枚数18000枚)など、遊技者が遊技を所定期間にわたって行ったことを判断し得る情報に用いて、特別リミッタを発動する所定期間を決定することとしてもよい。
このような特別リミッタを用いるパチスロの構成を以下に示す。
遊技価値を用いて遊技可能な遊技機であって、
遊技状態を遊技者にとって有利な有利遊技状態(例えば、パチスロにおける有利区間、増加区間(AT、ART)であってもよく、パチンコにおける確変状態や時短状態であってもよい)とする権利(パチスロでのATストック、ATゲーム数などであってもよく、また、パチンコにおける確変状態、時短状態などへの移行権利であってもよい)を付与可能な権利付与手段(例えば、主制御基板71)と、
当該権利に基づいて終了条件の成立まで遊技状態を前記有利遊技状態に制御する遊技状態制御手段(例えば、主制御基板71)と、
前記権利がある場合に前記有利遊技状態を継続させる有利遊技状態継続手段(例えば、主制御基板71(パチスロでのATストック数がある場合にAT状態を継続などであってもよく、また、パチンコでの確変状態や時短状態の継続であってもよい))、
所定の単位遊技を起点として所定期間の経過までの遊技価値の増加状況を示す値を記憶する増加状況記憶手段(例えば、主制御基板71が特別リミッタの発動条件を判定するために用いる差枚数や出玉率監視用のカウンタ)と、
前記増加状況記憶手段の値が予め定められた規定値となったときに、前記権利がある場合であっても前記有利状態を終了させる特別終了手段(特別リミッタ)と、を備える遊技機。
また、上述の特別リミッタは、直近の所定期間に限らず、例えば、一日単位のリミッタとしてもよく、また、両者を併用して用いることとしてもよい。なお、主制御基板71が一日単位を把握する方法は任意である。一例として、主制御基板71は、所定時間(2時間、4時間など営業時の一時的な電断と区別でき、営業終了に伴う閉店中の電断と推認できる時間値)以上の電断時、又は所定時間以上の電断後の電源投入時を一日の開始時(起点)として、当該起点から(すなわち、前日分の情報をリセットして)、メダルの増加状況を示す値(例えば、出玉率や差枚数)を監視して特別リミッタを制御する。また、主制御基板71は、電源投入状態で所定時間(1時間など)以上が経過した時を、一日の開始時(起点)として、当該起点から(すなわち、前日分の情報をリセットして)、メダルの増加状況を示す値(例えば、出玉率や差枚数)を監視して特別リミッタを制御することとしてもよい。なお、何れの場合であっても、計時方法は、主制御基板71にRTCなどの計時手段を搭載することで実現することができる。
<ナビミス時のペナルティ>
また、パチスロ機1では、有利区間中に遊技者に対して行った報知に従わずに停止操作を行った場合に、主制御基板71は、所定のペナルティを付すこととしてもよい。例えば、ART準備中のように高RTへの移行待ちをしている状態において、ARTの上乗せ抽籤を行う仕様の場合、高RTへの移行を回避しART準備中を引き延ばすことでART準備中の上乗せ抽籤を多く受けることができる。そこで、主制御基板71は、遊技者に対して行った報知に従わずに停止操作が行われた場合に、このようなARTの上乗せ抽籤を行わないこととしてもよい。なお、偶然のミスであるか意図的なミスであるか判別することができないため、例えば、主制御基板71は、報知に従わない停止操作を行った回数に応じて、ペナルティの度合いを変えることとしてもよい。
[第4実施形態]
続いて、図174〜図220を参照して、第4実施形態のパチスロ機1について説明する。なお、上記実施形態及び各種変形例のパチスロ機1と同様の構成、制御については、詳細な説明を省略する。また、以下に示す第4実施形態のパチスロ機1の特徴は、上記実施形態及び各種変形例のパチスロ機1においても同様に適用することができ、また、上記実施形態及び各種変形例のパチスロ機1の特徴は、以下に示す第4実施形態のパチスロ機1においても同様に適用することができる。
なお、以下に示す第4実施形態のパチスロ機1は、AT機である。一般に、遊技者にとって有利な停止操作の態様を報知(ナビ)する報知状態を有するパチスロ機として、いわゆるART機とAT機とが知られている。ART機は、非報知状態と報知状態とでRT状態の移行を伴うことが一般的であり、例えば、非報知状態中の遊技をリプレイの当籤確率が低い低RT状態において基本的には行わせ、報知状態中は、押し順ベル(打順ベル)などの報知対象役のナビとともに、リプレイの当籤確率が高い高RT状態に移行するためのナビや高RT状態を維持するためのナビを行う。一方で、AT機では、非報知状態と報知状態とでRT状態の移行を伴わないことが一般的であり、例えば、ボーナスを内部当籤役として持ち越しているフラグ間状態(フラグ間RT)中にボーナスの入賞を回避し続けることで非報知状態と報知状態との双方においてフラグ間RTを維持し、フラグ間RT中に報知の有無を切り替えることで、報知状態と非報知状態とを切り替えている。
ここで、AT機におけるフラグ間RTの仕様は様々であるが、特開2015−217077号公報には、2BET専用のボーナスを持ち越しているフラグ間状態中に、3BETの遊技を行うことで、2BET専用のボーナスの入賞を回避しつつ、フラグ間状態を維持し続ける仕様が開示されている。なお、2BET専用のボーナスとは、2BETで行われる遊技においてのみ内部当籤役として決定され、また、2BETで行われる遊技においてのみ入賞可能なボーナスをいい、例えば、2BETで行われる遊技において2BET専用のボーナスが内部当籤役として決定され、その後、当該ボーナスが持ち越されたまま3BETの遊技が行われた場合、3BETの遊技中は、当該ボーナスは入賞することがない。以下に示す第4実施形態のパチスロ機1においても同様に、2BET専用のボーナス(BB1又はBB2)を持ち越しているフラグ間状態中に3BETの遊技を行いつつ、報知状態と非報知状態とを切り替えることで、AT機を実現している。なお、第4実施形態のパチスロ機1は、AT機に限られるものではなく、ART機にも同様に適用することができ、また、AT機の仕様としても2BET専用のボーナスを持ち越しているフラグ間状態中に行うものに限られるものではなく、その他の仕様に適用することができる。
[主制御側の各種のデータテーブル]
初めに、図174〜図178を参照して、メインROM32に記憶されている各種データテーブルの構成について説明する。
[図柄配置テーブル]
図174に示す図柄配置テーブルは、左リール3L、中リール3C及び右リール3Rの各々の表面に配されている図柄の配列をデータによって表している。図柄配置テーブルは、20個の図柄位置「0」〜「19」と、これらの図柄位置の各々に対応する図柄との対応関係を規定する。
図柄位置「0」〜「19」は、左リール3L、中リール3C及び右リール3Rの各々において回転方向に沿って配されている図柄の位置を示す。図柄位置「0」〜「19」に対応する図柄は、図柄カウンタの値を用いて図柄配置テーブルを参照することによって特定することができる。
[図柄コード表]
また、図174に示すように、各リール3L、3C、3Rに配された各図柄は、図柄コード表によって特定され、1バイト(8ビット)のデータによって区別される。図174に示す図柄コード表は、3つのリール3L、3C、3Rの表面に配された図柄を特定するためのコードを表している。
本実施の形態によるパチスロ機1で用いる図柄は、「黒BAR」、「赤BAR」、「紫7」、「リプレイA」、「リプレイB」、「リプレイC」、「リプレイD」、「ベル」、「ブランク上」及び「ブランク下」の10種類であり、それぞれに対して1バイトのデータが割り当てられている。
[内部抽籤テーブル]
続いて、図175を参照して、内部当籤役を決定する際に参照される内部抽籤テーブルについて説明する。内部抽籤テーブルは、遊技状態毎に設けられ、各種内部当籤役と、各内部当籤役が決定されるときの抽籤値との対応関係を規定する。なお、3BETのボーナス非作動中は「3BET時、一般」欄が参照され、3BETのボーナス内部中は「3BET時、内部中」欄が参照され、3BETのボーナス作動中は「3BET時、BB」欄が参照され、2BETのボーナス非作動中は「2BET時、一般」欄が参照され、2BETのボーナス内部中は「2BET時、内部中」欄が参照される。本実施形態のパチスロ機1では、2BET専用のボーナス内部中(フラグ間状態)中に3BETの遊技を行うことで、遊技が進行するため、基本的には3BET時の内部中に対応する内部抽籤テーブルが参照され、その他の内部抽籤テーブルは用いることがない。
図175において、「No.1(F_通常リプ1)」〜「No.45(F_BB3)」が示す役が内部当籤役として決定された場合、同図の「対応する図柄組合せ」欄に記載された各種の図柄の組合せの導出が許容される(入賞が許可される)。なお、「対応する図柄組合せ」欄に記載された図柄の組合せの内容は、図176及び図177の図柄組合せテーブルに示す。また、図178には、夫々の役が内部当籤役として決定された場合に、入賞が許可された図柄の組合せのうちの実際に入賞する図柄の組合せ(内部当籤役と表示役との対応関係)を示す。
[図柄組合せテーブル]
次に、図176及び図177を参照して、本実施形態のパチスロ機1における入賞等に係る図柄の組合せを規定する図柄組合せテーブルについて説明する。図柄組合せテーブルは、複数の図柄の組合せを予め規定している。なお、図176及び図177においては、規定される図柄の組合せ内で「/」が付された箇所があるが、これは、表記された図柄のうちいずれの図柄でもその図柄の組合せを構成することを示す。また、本実施形態のパチスロ機1では、有効ラインをセンターラインとしている。
図176及び図177において、「BB1」〜「BB3」に対応する図柄の組合せは、ボーナスの作動に係る図柄の組合せであり、「RP01」〜「RP19」に対応する図柄の組合せは、リプレイの作動に係る図柄の組合せである。また、「NM01」〜「NM34」に対応する図柄の組合せは、メダルの払い出しに係る図柄の組合せである。
[内部当籤役と停止操作順序(打順)と表示役等との対応関係]
次に、図178を参照して、本実施形態のパチスロ機1における内部当籤役と停止操作順序(打順)と表示役(実際に入賞する図柄の組合せ)等との対応について説明する。なお、図178では、2BET専用のボーナスを内部当籤役として持ち越している3BET遊技における対応関係を示し、他の状態における対応関係は省略している。同図に示すように、本実施形態のパチスロ機1では、リプレイ役は、第1停止操作に応じて表示される図柄の組合せが異なる押し順3択の押し順役(3択役)であり、押し順小役(「F_打順1ベルA」〜「F_打順6特殊B」)は、第1停止操作及び第2停止操作に応じて表示される図柄の組合せが異なる押し順6択の押し順役(6択役)である。
また、同図において「TLリプ」とは、コンビネーション名「C_TLリプ(RP01)」に係る図柄の組合せであり、トップライン(TL)に沿って図柄「リプレイ(図柄「リプレイA」〜「リプレイD」の総称)」が並んで表示され得る図柄の組合せである。また、「中段リプ」とは、コンビネーション名「C_中段リプ(RP03)」に係る図柄の組合せであり、センターライン(中段)に沿って図柄「リプレイ」が並んで表示され得る図柄の組合せである。また、「XUベルリプ」とは、コンビネーション名「C_XUベルリプ(RP19)」に係る図柄の組合せであり、クロスアップライン(XU)に沿って図柄「ベル」が並んで表示され得る図柄の組合せである。なお、以下において、「XDリプ」とは、コンビネーション名「C_XDリプ(RP02)」に係る図柄の組合せであり、クロスダウンライン(XD)に沿って図柄「リプレイ」が並んで表示され得る図柄の組合せをいう。
また、同図において「紫7リプ」とは、コンビネーション名「C_紫7TLリプ(RP10)」〜「C_紫7XUリプ(RP12)」に係る図柄の組合せであり、センターライン〜クロスダウンラインの5本のラインの何れかに沿って図柄「紫7」が3つ並んで表示され得る図柄の組合せである。また、「紫7フェイク」とは、コンビネーション名「C_紫7フェイク1(RP13)」〜「C_紫7フェイク3(RP15)」に係る図柄の組合せであり、センターライン〜クロスダウンラインの何れにも図柄「紫7」が3つ並んで表示されることのない図柄の組合せである。
また、同図において「赤BARリプ」とは、コンビネーション名「C_赤BARXDリプ(RP06)」〜「C_赤BARXUリプ(RP08)」に係る図柄の組合せであり、センターライン〜クロスダウンラインの何れかに沿って図柄「赤BAR」が3つ並んで表示され得る図柄の組合せである。また、「赤BARフェイク」とは、コンビネーション名「C_赤BARフェイク1(RP16)」〜「C_赤BARフェイク3(RP18)」に係る図柄の組合せであり、センターライン〜クロスダウンラインの何れにも図柄「赤BAR」が3つ並んで表示されることのない図柄の組合せである。
また、同図において「W揃いリプ」とは、コンビネーション名「C_W揃いリプ1(RP05)」「C_W揃い2(RP09)」に係る図柄の組合せであり、センターライン〜クロスダウンラインの何れか1つのラインに沿って図柄「赤BAR」が3つ並んで表示され、センターライン〜クロスダウンラインの他のラインに沿って図柄「紫7」が3つ並んで表示され得る図柄の組合せである。また、「黒BARリプ」とは、コンビネーション名「C_黒BARリプ(RP04)」に係る図柄の組合せであり、センターラインに沿って図柄「黒BAR」が3つ並んで表示され得る図柄の組合せである。
また、同図において「下段ベル」とは、コンビネーション名「C_BLベル(NM30)」に係る図柄の組合せであり、ボトムライン(下段)に沿って図柄「ベル」が3つ並んで表示され得る図柄の組合せである。また、「中段ベル」とは、コンビネーション名「C_CLベル(NM31)」に係る図柄の組合せであり、センターライン(中段)に沿って図柄「ベル」が3つ並んで表示され得る図柄の組合せである。また、「上段ベル」とは、コンビネーション名「C_TLベル(NM32)」に係る図柄の組合せであり、トップライン(上段)に沿って図柄「ベル」が3つ並んで表示され得る図柄の組合せである。
また、同図において「変則1」とは、コンビネーション名「C_変則ベル1(NM27)」に係る図柄の組合せであり、「変則2」とは、コンビネーション名「C_変則ベル2(NM28)」に係る図柄の組合せであり、「変則3」とは、コンビネーション名「C_変則ベル3(NM29)」に係る図柄の組合せである。
また、同図において「チャンス」とは、コンビネーション名「C_チャンス1(NM33)」「C_チャンス2(NM34)」に係る図柄の組合せであり、「1枚」とは、コンビネーション名「C_L1stミス1(NM01)」〜「C_R2ndミス6(NM26)」に係る図柄の組合せである。また、「1枚(1/2)」又は「1枚(1/4)」とは、停止操作のタイミングが適切である場合に「1枚」の図柄の組合せが表示され、不適切である場合には「はずれ」となることをいう。なお、「はずれ」とは、図176及び図177に規定する何れの組合せも表示されない図柄の組合せである。
同図に示すように、「F_紫7フェイク1(No.7)」〜「F_黒BARリプ(No.13)」が内部当籤役として決定された場合、停止操作の順序が左1st(左中右又は左右中)である場合に、特別な図柄の組合せが表示されるが、停止操作の順序が中1st(中左右又は中右左)である場合又は右1st(右左中又は右中左)である場合は、「TLリプ」の図柄の組合せが表示される。詳しくは後述するが、本実施形態のパチスロ機1では、確定役を無効にする制御を行うことがある。主制御回路91(及び副制御回路101)は、確定役を無効にする場合には、「右左中」又は「右中左」の押し順を報知することで、「TLリプ」の図柄の組合せの表示を促し、確定役を無効にしない場合には、何らの押し順も報知せず(「左中右」又は「左右中」の押し順を報知することで)、特別な図柄の組合せの表示を可能にする。
なお、「F_紫7フェイク1(No.7)」〜「F_黒BARリプ(No.13)」について、本実施形態では、停止操作の順序が左1stである場合に、特別な図柄の組合せが表示され、停止操作の順序が中1st又は右1stである場合は、「TLリプ」の図柄の組合せが表示されることとしているが、特別な図柄の組合せが表示される停止操作の順序と、「TLリプ」の図柄の組合せが表示される停止操作の順序とを、夫々の役毎に異ならせることとしてもよい。
また、詳しくは後述するが、本実施形態のパチスロ機1では、主制御回路91は、有利区間への移行時に特殊モードをONにセットし、リプレイ(RP)に係る図柄の組合せのうち「XDリプ(RP02)」以外の図柄の組合せ(RP01、RP03〜RP19)が表示された場合に、特殊モードをOFFに更新する。すなわち、リプレイに係る図柄の組合せのうち「XDリプ」は、特殊モードをONのまま維持する図柄の組合せとして機能し、リプレイに係る図柄の組合せのうち「XDリプ」以外の図柄の組合せは、特殊モードをOFFに更新する図柄の組合せとして機能する。
ここで、同図に示すように、本実施形態のパチスロ機1では、リプレイに係る役(No.1〜No.13)が内部当籤役として決定された場合、「XDリプ」が表示されることはなく、「XDリプ」以外の図柄の組合せが必ず表示される。すなわち、本実施形態のパチスロ機1では、特殊モードがONである場合にリプレイに係る役(No.1〜No.13)が内部当籤役として決定されると、特殊モードは、必ずOFFに更新される。
この点、主制御回路91は、リプレイに係る役のうちの一部の役については、「XDリプ」を表示可能に停止制御することとしてもよく、また、一部の押し順である場合には、「XDリプ」を表示可能に停止制御することとしてもよく、また、リプレイに係る役のうちの一部の役が内部当籤役として決定された場合の、一部の押し順である場合に、「XDリプ」を表示可能に停止制御することとしてもよい。
また、主制御回路91は、特定の遊技状態である場合には、「XDリプ」を表示可能に停止制御することとしてもよい。特定の遊技状態として、例えば、RT状態が異なる状態を用いることとしてもよい。本実施形態のパチスロ機1の場合には、フラグ間RT(2BET専用ボーナスの内部中の3BET遊技)において遊技を行うことを想定しているが、非フラグ間である場合(フラグ間RTとは異なるRT状態である場合)、言い換えると、2BET専用のボーナスを持ち越していない3BET遊技では、主制御回路91は、「XDリプ」を表示可能に停止制御することとしてもよい。この場合においても、主制御回路91は、異なるRT状態の場合のリプレイに係る役のうちの一部(又は全て)の役については、「XDリプ」を表示可能に停止制御することとしてもよく、また、一部(又は全て)の役については、「XDリプ」のみを表示可能に停止制御し、「XDリプ」以外の図柄の組合せを表示不可能に停止制御することとしてもよい。また、主制御回路91は、異なるRT状態の場合のリプレイに係る役のうちの一部(又は全て)の役については、一部の押し順であるときに、「XDリプ」を表示可能に停止制御し、他の押し順であるときには、「XDリプ」以外の図柄の組合せを表示可能に停止制御することとしてもよい。
また、主制御回路91は、BET数に応じて、「XDリプ」を表示可能に停止制御するか否かを異ならせることとしてもよい。本実施形態のパチスロ機1の場合には、3BET遊技を想定しているが、2BET遊技である場合には、主制御回路91は、「XDリプ」を表示可能に停止制御することとしてもよく、また、「XDリプ」のみが表示されるように停止制御することとしてもよい。この場合においても、主制御回路91は、2BET遊技のリプレイに係る役のうちの一部の役については、「XDリプ」を表示可能(又は「XDリプ」のみを表示するように)に停止制御することとしてもよく、また、2BET遊技の一部の押し順であるときに、「XDリプ」を表示可能に停止制御することとしてもよく、また、2BET遊技であり、リプレイに係る役のうちの一部の役が内部当籤役として決定された場合の、一部の押し順である場合に、「XDリプ」を表示可能に停止制御することとしてもよい。
また、主制御回路91は、遊技状態(RT状態)とBET数とを加味して、「XDリプ」を表示可能に停止制御するか否かを異ならせることとしてもよい。一例として、主制御回路91は、特定の遊技状態(RT状態)であり、かつ、特定のBET数である場合には、「XDリプ」を表示可能に停止制御し、その他の場合には、「XDリプ」を表示不可能に停止制御することとしてもよい。この場合においても、主制御回路91は、特定の遊技状態(RT状態)であり、かつ、特定のBET数である場合の、リプレイに係る役のうちの一部の役である場合に、「XDリプ」を表示可能(又は「XDリプ」のみを表示するように)に停止制御することとしてもよく、また、特定の遊技状態(RT状態)であり、かつ、特定のBET数である場合の、一部の押し順であるときに、「XDリプ」を表示可能に停止制御することとしてもよく、また、特定の遊技状態(RT状態)であり、かつ、特定のBET数である場合の、リプレイに係る役のうちの一部の役が内部当籤役として決定され、かつ、一部の押し順である場合に、「XDリプ」を表示可能に停止制御することとしてもよい。
[第4実施形態のパチスロ機の遊技フロー]
続いて、第4実施形態のパチスロ機1の遊技フローについて説明する。図179は、第4実施形態のパチスロ機1の出玉状態の遷移フローであり、図180は、出玉状態及び遊技状態の概要を一覧にまとめて示す図である。なお、図179及び図180において示す出玉状態やモードなどは、主制御基板71(主制御回路91)により制御される。
図179に示すように、出玉状態は、大きく分けて通常区間と有利区間とに分けられる。通常区間では、主制御回路91の制御により有利区間ランプ(状態表示器147b)が消灯状態とされ、有利区間では、主制御回路91の制御により有利区間ランプ(状態表示器147b)が点灯状態とされる。有利区間ランプは、消灯状態によって有利区間に滞在していない旨を遊技者に告知する一方、点灯状態によって有利区間に滞在している旨を遊技者に告知する。ただし、本実施形態においては、有利区間に滞在して有利区間ランプが点灯している状態にあっても、報知ランプ147aの点灯態様によって必要な停止操作の情報を遊技者に報知することを抑制(不許容)する状態と許容する状態とがある。
本実施形態では、主制御回路91は、各種の処理を行うことで、出玉状態を制御するが、こうした出玉状態を制御する各種の処理は、大別して抽籤による処理(抽籤処理)と抽籤によらない処理(その他処理)とに分けられる。
通常区間は、出玉状態として「通常」が実行される。「通常」は、電源オン後や設定変更後の初期状態であり、有利区間の終了後に有利区間に関する全ての変数がクリアされ、この「通常」の状態に移行する。「通常」では、ナビが行われず、単位遊技(一のゲーム)ごとに有利区間移行抽籤が実行される。有利区間移行抽籤で当籤すると、有利区間当籤となる。有利区間当籤には、「通常当籤」と「AT前兆当籤」とがある。「通常当籤」の場合、次ゲームから出玉状態として「通常有利」に移行し、「AT前兆当籤」の場合、出玉状態として「AT前兆」に移行する。また、「通常」において、後述する確定役が当籤役として決定されると「AT当籤」となり、出玉状態が「特化ゾーン準備」に移行する。
有利区間は、主たる出玉状態として、「通常有利」「CZ前兆」「AT前兆」「CZ」「特化ゾーン準備」「特化ゾーン」「AT」「AT中CZ」「特殊AT」「エンディング」が実行可能である。有利区間は、押し順小役(本実施形態では、「F_打順1ベルA」〜「F_打順6特殊B」)の当籤時に最大払出枚数の図柄の組合せを表示させるナビ(ベルナビ)が発生可能な状態であり、主制御回路91は、有利区間のうち「特化ゾーン」「AT」「特殊AT」「エンディング」ではベルナビを行い、「通常有利」「CZ前兆」「AT前兆」「CZ」「AT中CZ」ではベルナビを行わず、「特化ゾーン準備」では抽籤結果に応じてベルナビを行う。有利区間には上述のリミッタが設けられており、有利区間が開始されてから例えば1500Gに達すると、ゲーム数リミッタによるリミット処理が実行され、有利区間が開始されてからの差枚数が例えば2400枚に達すると、枚数リミッタによるリミット処理が実行される。これにより、ATと共に有利区間が終了させられ、通常区間に移行させられる。
図179及び図180に示すように、「通常有利」は、「通常」において有利区間抽籤により「通常当籤」となることで移行する。また、「通常有利」は、「CZ」においてAT非当籤で残り0Gとなった場合にも移行する。「通常有利」においては、AT抽籤及びCZ抽籤が実行される。CZ抽籤に当籤すると、「通常有利」から「CZ」の状態に移行し、「AT前兆当籤」となると、「通常有利」から「AT前兆」の状態に移行する。また、「通常有利」において、後述する確定役が当籤役として決定されると「AT当籤」となり、出玉状態が「特化ゾーン準備」に移行する。
また、「通常有利」には、“低確”“天国準備”“天国”“超天国”“特殊”といったAT抽籤の当籤確率が異なる通常モードがある。「通常」において有利区間抽籤により「通常当籤」となった場合に、初期通常モード抽籤により通常モードの初期値が決定される。「通常有利」中においては、当籤役に応じて通常モード移行抽籤が実行され、抽籤結果に応じてモードの移行が制御される。
また、「通常有利」には、“低確”“高確A”“高確B”といった「CZ」の当籤確率が異なるCZモードがある。CZモードの種類は、当初“低確”であり、「通常有利」中に行うCZモードの移行抽籤により昇格・転落あるいは維持される。なお、本実施形態では、CZモードは、「通常有利」中に行うCZモードの移行抽籤に応じて制御されるほか、「通常有利」中の経過ゲーム数が規定ゲーム数に達したときに行う天井制御により制御されることがある。
また、「通常有利」では、履歴抽籤及び天井恩恵抽籤といった抽籤処理や、天井制御といったその他処理が行われる。履歴抽籤は、抽籤対象の役が所定ゲーム間において当籤役として決定された回数に応じて特典を付与するか否かを決定する処理であるが、詳しくは、図186及び図187において後述する。また、天井恩恵抽籤及び天井制御は、「通常有利」中の経過ゲーム数が規定ゲーム数に達したときに行う処理であるが、詳しくは、図185において後述する。
続いて、図179及び図180に示すように、「CZ前兆」は、「通常有利」においてCZ抽籤によりCZ当籤となることで移行する。「CZ前兆」は、1〜32ゲーム間の前兆ゲーム数が経過すると終了し、「CZ」の状態に移行する。なお、「CZ前兆」中は、当籤役に応じてAT抽籤が実行され、当籤した場合には、「CZ前兆」から「AT前兆」や「特化ゾーン準備」の状態に移行するとともに、後述する確定役が当籤役として決定されると、出玉状態が「特化ゾーン準備」に移行する。
続いて、図179及び図180に示すように、「CZ」は、「CZ前兆」において前兆ゲーム数分の遊技が行われることで移行する。「CZ」は、「AT」に比較的当籤しやすいチャンスゾーン(CZ)であり、5ゲーム間継続する。「CZ」には、“通常”“特殊”というAT抽籤の当籤確率が異なる種別がある。基本的に、種別が“特殊”の場合の方が“通常”の場合よりもAT当籤確率が高くなる。「CZ」中にAT抽籤に当籤すると、「CZ」の規定ゲーム数(5G)が経過した後に「CZ」から「特化ゾーン準備」の状態に移行し、AT抽籤に当籤することなく「CZ」の規定ゲーム数(5G)が経過すると、「通常有利」の状態に移行する。なお、「CZ」は、AT抽籤に当籤した場合であっても、規定ゲーム数(5G)が経過するまでは、継続する。そのため、本実施形態では、「CZ」中に、AT抽籤に複数回当籤することがあり、この場合には、ATのストック(より詳細には、特化ゾーンのストック)が複数付与される。ただし、「CZ」において、後述する確定役が当籤役として決定された場合は、CZの残りゲーム数に関わらず、出玉状態は、次ゲームから「特化ゾーン準備」となる。
続いて、図179及び図180に示すように、「AT前兆」は、「通常」又は「通常有利」においてAT抽籤によりAT前兆当籤となることで移行する。「AT前兆」は、1〜32ゲーム間の前兆ゲーム数が経過すると終了し、「特化ゾーン準備」の状態に移行する。なお、「AT前兆」中は、当籤役に応じて特化ゾーン種別昇格抽籤が実行され、当籤した場合には、特化ゾーンの種別が上位の種別に変更される。
続いて、図179及び図180に示すように、「特化ゾーン準備」は、「通常」「通常有利」「CZ」においてAT抽籤によりAT当籤となると、「AT前兆」において前兆ゲーム数分の遊技が行われると、又は「AT」においてATのストックが1以上の状態でATのゲーム数が0になると、移行する。「特化ゾーン準備」においては、通常リプ(「F_通常リプ1」「F_通常リプ2」)又は特殊リプ(「F_特殊リプ1」「F_特殊リプ2」)の当籤時に特化ゾーン開始抽籤が実行され、当籤した場合には、「特化ゾーン準備」から「特化ゾーン」の状態に移行する。また、「特化ゾーン準備」においては、当籤役に応じてゲーム数上乗せ抽籤が実行され、当籤した場合には、特化ゾーン中に行うゲーム数上乗せ抽籤の結果に、当籤結果が加算される。
また、「特化ゾーン準備」では、天井制御といったその他処理が行われる。天井制御では、主制御回路91は、「特化ゾーン準備」において、内部当籤役として「はずれ」が決定された回数が規定回数(天井)に達すると、ATのストックを付与し、また、「特化ゾーン準備」の継続ゲーム数が規定回数(天井)に達すると、特化ゾーンの種別として最上位の種別(特化ゾーン4)が決定される。なお、本実施形態では、ATの継続期間を定めるゲーム数を、特化ゾーンにより決定することとしており、ATのゲーム数が0になった場合にATのストックがあるときは、特化ゾーンに再び移行し、当該ストック分のATのゲーム数を決定する。そのため、本実施形態では、ATのストックと特化ゾーンのストックとは同じである。本実施形態では、各種の状態において行うAT抽籤に当籤した場合に、AT(特化ゾーン)のストックが付与され、また、各種の状態において行う特化ゾーンストック抽籤に当籤した場合に、AT(特化ゾーン)のストックが付与される。
続いて、図179及び図180に示すように、「特化ゾーン」は、「特化ゾーン準備」において特化ゾーン開始抽籤により開始となると移行する。「特化ゾーン」においては、ゲーム数上乗せ抽籤と特化ゾーン終了抽籤とが実行され、特化ゾーン終了抽籤において終了となるまでに、ゲーム数上乗せ抽籤において決定したゲーム数が、ATのゲーム数として加算される。また、「特化ゾーン」には、“特化ゾーン1”“特化ゾーン2”“特化ゾーン3”“特化ゾーン4”といったゲーム数の上乗せ期待度が異なる複数の特化ゾーンがある。ゲーム数の上乗せ期待度は、“特化ゾーン4”が最も高く、“特化ゾーン3”が次に高く、“特化ゾーン2”が次に高く、“特化ゾーン1”が最も低い。特化ゾーンの種別は、基本的には、AT(特化ゾーン)のストック当籤時に決定され、「特化ゾーン準備」において当籤役に応じて昇格されることがある。
続いて、図179及び図180に示すように、「AT」は、「特化ゾーン」において特化ゾーン終了抽籤により終了となると移行する。「AT」は、ゲーム数により継続期間が管理され、AT(特化ゾーン)のストックが無い状態で、残りゲーム数が0になった場合に(より詳細には、最終上乗せ抽籤に非当籤した場合に)終了し、「通常」に移行する。「AT」においては、AT中CZ抽籤が実行され、当籤した場合には、「AT」から「AT中CZ」の状態に移行する。また、「AT」においては、特化ゾーンストック抽籤が実行され、当籤した場合には、特化ゾーンのストックが付与される。
ここで「AT」には、“低確”“高確A”“高確B”“高確C”といった特化ゾーンのストック付与期待度が異なるATモードがある。ATモードは、「AT」の開始時(「特化ゾーン」から「AT」への移行時)に実行される初期ATモード抽籤により初期モードがセットされ、その後、「AT」中に実行されるATモード移行抽籤により移行される。
また、「AT」では、履歴抽籤及び最終上乗せ抽籤といった抽籤処理や、天井制御といったその他処理が行われる。履歴抽籤は、抽籤対象の役が所定ゲーム間において当籤役として決定された回数に応じて特典を付与するか否かを決定する処理であるが、詳しくは、図186及び図187において後述する。また、最終上乗せ抽籤は、ATのストックが無い状態でATの残りゲーム数が0になった場合に行う抽籤処理であり、当籤した場合には、AT(特化ゾーン)のストックが3個又は5個付与される結果、出玉状態が「特化ゾーン準備」に移行する。他方、最終上乗せ抽籤に非当籤の場合には、ATの終了に伴い有利区間も終了し、出玉状態が「通常」に移行する。また、天井制御では、主制御回路91は、「AT」において、内部当籤役として「はずれ」が決定された回数が規定回数(天井)に達すると、AT(特化ゾーン)のストックを付与し、また、「AT」の継続ゲーム数が規定回数(天井)に達すると、出玉状態が「AT」から「AT中CZ」の状態に移行する。
続いて、図179及び図180に示すように、「AT中CZ」は、「AT」においてAT中CZ当籤となることで移行する。「AT中CZ」は、特化ゾーンのストックが比較的当籤し易いチャンスゾーン(CZ)であり、5,10,15ゲームの何れかの期間継続する。「AT中CZ」においては、特化ゾーンストック抽籤が実行され、当籤した場合には、特化ゾーンのストックが付与される。なお、「AT中CZ」は、特化ゾーンストック抽籤に当籤した場合であっても、規定ゲーム数(5,10,15G)が経過するまでは、継続する。そのため、本実施形態では、「AT中CZ」中に、特化ゾーンストック抽籤に複数回当籤することがあり、この場合には、特化ゾーンのストックが複数付与される。
また、「AT中CZ」では、天井制御といったその他処理が行われる。天井制御では、主制御回路91は、「AT中CZ」において、内部当籤役として「はずれ」が決定された回数が規定回数(天井)に達すると、特化ゾーンのストックを付与する。
続いて、図179及び図180に示すように、「特殊AT」は、確定役の有効時に黒BARが入賞することで移行する。なお、黒BARとは「F_黒BARリプ」をいう。本実施形態では、確定役が当籤役として決定された場合の出玉状態に応じて、確定役を有効/無効に制御する。図180に示すように、出玉状態「通常」「通常有利」「CZ前兆」「AT前兆」「CZ」では、確定役は有効であり、出玉状態「特化ゾーン」「特殊AT」「エンディング」では、確定役は無効である。なお、出玉状態「特化ゾーン準備」「AT」「AT中CZ」では、確定役は条件付きで有効であるが、この点は、後述する。
本実施形態では、確定役として、「F_黒BARリプ」「F_W揃いリプ」「F_赤BARリプ」「F_紫7リプ」を設ける。確定役が有効である場合には、対応する特典が付与され、確定役が無効である場合には、対応する特典は付与されない。また、確定役には、それぞれ固有の図柄の組合せと、他のリプレイ役と共通に用いられる汎用の図柄の組合せ(TLリプ)とが対応付けられており、確定役が無効である場合には、汎用の図柄の組合せが表示される押し順が報知される結果、当該汎用の図柄の組合せが表示される。他方、確定役が有効である場合には、固有の図柄の組合せが表示される押し順が報知される(又は何らの押し順も報知されない)結果、「F_黒BARリプ」の当籤時には「黒BARリプ」の図柄の組合せが表示可能で、「F_W揃いリプ」の当籤時には「W揃いリプ」の図柄の組合せが表示可能で、「F_赤BARリプ」の当籤時には「赤BARリプ」の図柄の組合せが表示可能で、「F_紫7リプ」の当籤時には「紫7リプ」の図柄の組合せが表示可能となる。
主制御回路91は、確定役が有効である場合に、「F_黒BARリプ」が当籤役として決定されると、出玉状態を「特殊AT」に移行する。「特殊AT」においては、天井制御といったその他処理が行われる。天井制御では、主制御回路91は、「特殊AT」において、内部当籤役として「はずれ」が決定された回数が規定回数(天井)に達すると、特化ゾーンのストックを付与する。
続いて、図179及び図180に示すように、「エンディング」は、エンディング移行条件を満たした場合に移行する。なお、エンディング移行条件は任意であり、例えば、ATの残りゲーム数やATの残りストック数から有利区間のリミッタ(ゲーム数リミッタや枚数リミッタ)に到達することが確定している場合に、エンディング移行条件を満たしたとしてもよい。「エンディング」は、有利区間のリミッタ到達まで継続する。
このような仕様の本実施形態のパチスロ機1において、出玉状態「通常」「通常有利」は、遊技者にとって不利な通常の遊技状態(非報知状態)である。また、出玉状態「特化ゾーン」「AT」「特殊AT」「エンディング」は、遊技者にとって有利な遊技状態(報知状態)である。なお、出玉状態「AT前兆」「特化ゾーン準備」は、「AT」への移行が確定している状態であり、遊技者にとって有利な遊技状態の前兆期間や準備期間である。また、出玉状態「CZ」は、遊技者にとって有利な遊技状態への移行期待度が高いチャンスゾーンであり、出玉状態「CZ前兆」は、チャンスゾーンの前兆期間である。また、出玉状態「AT中CZ」は、AT中に行われるチャンスゾーンである。なお、出玉状態「AT中CZ」では、押し順のナビは行われない。
[内部当籤役と抽籤種別との対応関係]
続いて、図181は、内部当籤役と抽籤種別との対応関係を示す図である。本実施形態のパチスロ機1では、主制御回路91は、内部当籤役に基づいて各種の抽籤を行うが、それぞれの役毎に抽籤の結果を設けたのでは一つの抽籤に要するデータ量が膨大になってしまう。そこで、パチスロ機1では、複数の役をまず出玉フラグにグループ化し、この出玉フラグに基づいて抽籤種別を決定し、決定した抽籤種別に基づいて各種の抽籤を行う。例えば、「F_打順1ベルA」は、出玉フラグ「打順ベル(No.5)」にグループ化され、この出玉フラグ「打順ベル」に基づき、抽籤種別としてNo.1の「打順ベル」が決定される。そして、この抽籤種別が参照されて、各種の抽籤が行われる。
なお、確定役は、抽籤処理においては抽籤種別「フェイク/確定役」に属し、この抽籤種別「フェイク/確定役」は、抽籤結果として基本的には遊技者にとって不利な抽籤結果となる。本実施形態では、確定役に応じた抽籤処理では、基本的に不利な結果としつつ、確定役が有効である場合には、抽籤によらない処理(確定役当籤時処理)により、遊技者にとって有利な状態となるように制御する。
具体的には、主制御回路91は、確定役「F_紫7リプ」「F_赤BARリプ」「F_W揃いリプ」が有効である場合、AT(特化ゾーン)のストックを1つ付与し、確定役「F_黒BARリプ」が有効である場合、AT(特化ゾーン)のストックを3個又は5個付与する。そして、AT(特化ゾーン)のストックが付与された結果、主制御回路91は、出玉状態を「AT前兆」「特化ゾーン準備」などに移行する。
なお、確定役「F_紫7リプ」「F_赤BARリプ」「F_W揃いリプ」は、付与するAT(特化ゾーン)のストックの数は同じであるが、特化ゾーンの種別が異なり、「F_W揃いリプ」が最も有利な特化ゾーンのストックを付与し、「F_赤BARリプ」が次に有利な特化ゾーンのストックを付与し、「F_紫7リプ」が次に有利な特化ゾーンのストックを付与する。
そのため、確定役の中では複数のストックを付与する「F_黒BARリプ」が最も大きな特典を付与する役であり、有利な特化ゾーンのストックを付与する「F_W揃いリプ」が次に大きな特典を付与する役であり、次に有利な特化ゾーンのストックを付与する「F_赤BARリプ」が次に大きな特典を付与する役であり、次に有利な特化ゾーンのストックを付与する「F_紫7リプ」が最も小さな特典を付与する役である。
[各状態におけるナビ種別]
続いて、図182を参照して、本実施形態のパチスロ機1において、押し順役の当籤時に主制御回路91がセットするナビ種別について説明する。なお、同図において、ナビ種別「1」は打順1(左中右)を遊技者に対して報知するナビ種別であり、ナビ種別「2」は打順2(左右中)を遊技者に対して報知するナビ種別であり、ナビ種別「3」は打順3(中左右)を遊技者に対して報知するナビ種別であり、ナビ種別「4」は打順4(中右左)を遊技者に対して報知するナビ種別であり、ナビ種別「5」は打順5(右左中)を遊技者に対して報知するナビ種別であり、ナビ種別「6」は打順6(右中左)を遊技者に対して報知するナビ種別である。また、同図において「状態1」とは、確定役「有効」かつ押し順指示「あり」の場合をいい、「状態2」とは、確定役「無効」かつ押し順指示「あり」の場合をいう。
なお、同図に示すように、本実施形態では、「状態2」における「F_紫7フェイク1(No.7)」〜「F_黒BARリプ(No.13)」に対するナビ種別として、「5」又は「6」を規定しているが、これに限られるものではなく、「状態2(確定役「無効」)では、「TLリプ」の図柄の組合せが表示される押し順を報知可能であればよい。
ここで、上述したように、本実施形態のパチスロ機1では、押し順小役は、押し順6択の6択役であるが、リプレイ役は、押し順3択の3択役である。同図に示すように、本実施形態のパチスロ機1では、3択役であるリプレイ役に対して押し順を報知する場合であっても、6択の押し順(ナビ種別「5」又は「6」)を報知する。この3択役のナビ制御について、図183及び図184を参照して説明する。
[3択役のナビ制御]
初めに、図183を参照して、本制御の比較例について説明する。従来のAT機やART機では、サブ(副制御)側の制御のもとにナビを行っていたが、ナビの有無が遊技者の利益(いわゆる、出玉)に影響を与えるため、近年では、遊技者の利益を管理するメイン(主制御)側でナビを行うことが求められている。ここで、サブ側の制御のもとに行うナビは演出としての意味合いもあるため、サブ側のナビ内容は、メイン側のナビ内容と一致しないことがあった。例えば、第1停止操作のみを要求する3択の押し順役と、第1停止操作及び第2停止操作を要求する6択の押し順役を有する仕様において、3択の押し順役の当籤時に、メイン側では3択の押し順に応じたナビを行う一方で、サブ側では、6択の押し順役であるか3択の押し順役であるかを分からなくするために、敢えて6択の押し順に応じたナビを行うことがあった。
図183に示す比較例は、メイン側のナビ内容とサブ側のナビ内容とが一致しないナビ制御に関するものである。
図183(A)(a)は、比較例におけるメイン側のナビ種別を示す図である。同図に示すように、比較例では、3択の押し順ナビと、6択の押し順ナビとで異なるナビ種別を設定している。具体的には、第1停止操作が左のリール3Lに対するものであることを意味する左1stに対して、ナビ種別「1」が設定され、左中右の押し順に対して、ナビ種別「4」が設定されている。
続いて、図183(A)(b)は、比較例における正解の押し順が右左中である6択役の当籤時に行うナビ例を示す図である。同図に示すように、このような場合には、メイン側では、指示モニタにおいて右左中に対応するナビ種別である「8」を表示し、サブ側では、液晶ディスプレイ(表示ユニット100)において右左中の押し順を表示する。このように比較例では、6択役当籤時のナビにおいては、メイン側のナビとサブ側のナビとが一致する。
続いて、図183(A)(c)は、比較例における正解の押し順が右1stである3択役の当籤時に行うナビ例を示す図である。同図に示すように、このような場合には、メイン側では、指示モニタにおいて右1stに対応するナビ種別である「3」を表示する。このとき、サブ側においても3択の押し順をナビするだけであれば、メイン側のナビとサブ側のナビとは一致するものの、演出的に6択の押し順をナビする場合には、サブ側では、液晶ディスプレイ(表示ユニット100)において、右1stを満たす6択の押し順である右左中の押し順又は右中左の押し順を表示する。その結果、メイン側のナビとサブ側のナビとが一致しないことになる。
続いて、図184(B)は、本制御における3択役当籤時のナビ制御を示す図である。本制御では、3択役の当籤時にメイン側のナビ内容とサブ側のナビ内容とが一致するように制御する。なお、本制御では、本来不要な情報をメイン側においてもナビすることで、メイン側のナビ内容とサブ側のナビ内容とを一致させるものであり、以下に示す制御例は一例に過ぎない。すなわち、以下に示す例では、ナビする内容が押し順に関するものであるが、ナビする内容は押し順に限るものではなく、いわゆる目押しタイミング(狙うべき図柄)をナビするものであってもよい。一例として、左リールに対して所定の図柄を狙い、他のリールに対しては任意の図柄であってよい役と、左リール及び中リールに対して所定の図柄を狙う役とにおいて、ナビする内容を合わせることとしてもよい。また、押し順に関しても、3択役に求められる押し順は、第1停止操作ではなく第2停止操作や第3停止操作であってもよい。一例として、第2停止操作が所定のリールに対するものであることを要求する3択役と、第1停止操作〜第3停止操作までの全ての順序が適切であることを要求する6択役とにおいて、ナビする内容を合わせることとしてもよい。
図184(B)(a)は、本制御におけるメイン側のナビ種別を示す図である。同図に示すように、本制御では、3択の押し順に関するナビ種別を設けずに、6択の押し順に関するナビ種別のみを設けている。
続いて、図184(B)(b)は、本制御における正解の押し順が右1stである3択役の当籤時に行うナビ例を示す図である。本制御において3択役の当籤時にナビを行う場合、主制御回路91は、6択の押し順用に設けられたナビ種別の中から、3択の押し順に合致するナビ種別を取得する。具体的には、主制御回路91は、正解の押し順が左1stである3択役の当籤時には、左中右に対応するナビ種別「1」又は左右中に対応するナビ種別「2」を取得し、正解の押し順が中1stである3択役の当籤時には、中左右に対応するナビ種別「3」又は中右左に対応するナビ種別「4」を取得し、正解の押し順が右1stである3択役の当籤時には、右左中に対応するナビ種別「5」又は右中左に対応するナビ種別「6」を取得する。より詳細には、本実施形態において主制御回路91は、3択役の当籤時にナビ種別変更抽籤を行い、この抽籤に当籤した場合には、3択の押し順に合致するナビ種別のうちの一方(偶数)のナビ種別を取得し、非当籤した場合には、3択の押し順に合致するナビ種別のうちの他方(奇数)のナビ種別を取得する。
その結果、正解の押し順が右1stである3択役の当籤時にナビ種別「5」を取得した場合、メイン側では、指示モニタにおいて右左中に対応するナビ種別である「5」を表示し、サブ側では、液晶ディスプレイ(表示ユニット100)において、右左中の押し順を表示する。同様に、正解の押し順が右1stである3択役の当籤時にナビ種別「6」を取得した場合、メイン側では、指示モニタにおいて右中左に対応するナビ種別である「6」を表示し、サブ側では、液晶ディスプレイ(表示ユニット100)において、右中左の押し順を表示する。これにより、本制御では、3択役の当籤時に演出的に6択のナビを行いつつも、メイン側のナビとサブ側のナビとを一致することができる。
続いて、本制御を用いた仕様例について説明する。パチスロ機によっては、押し順役(択役)の制御として、不正解時にRT状態を低RTに移行することや、バトル演出などの演出において遊技者にとって有利/不利にすることがある。一例として、3択役は、押し順に不正解の場合であっても、RT状態を低RTに移行する転落出目は表示されることはないが、6択役は、押し順に不正解の場合に、転落出目を表示することがある。また、例えば、3択役をリプレイとし、6択役を押し順ベルとするパチスロ機において、バトル演出などの所定の演出では、リプレイが当籤すると遊技者にとって不利な結果(防御)となり、ベルが当籤すると遊技者にとって有利な結果(攻撃)となることがある。
このような仕様では、当籤した役が3択役であるか6択役であるかを遊技者に把握させないように、3択役の当籤時にサブ側において演出的に6択のナビを行うことがあるが、比較例のような制御では、熟練者は、メイン側のナビ内容から、当籤した役が3択役であるか6択役であるかを把握できてしまう。これに対して、本制御によれば、メイン側のナビとサブ側のナビとが一致するため、熟練者であっても、当籤した役が3択役であるか6択役であるかを把握できない。その結果、例えば、RT状態の転落制御の仕様の場合には、ナビ種別から転落の可能性が分からないため、遊技者は、ナビミスしないように緊張感を持って遊技を行うことになり、また、演出の有利/不利の仕様の場合には、ナビ種別から有利(攻撃)/不利(防御)が分からないため、最後まで期待感を維持して遊技を行うことになり、比較例に比べて遊技の興趣が向上する。
[有利区間における遊技の流れ]
続いて、図185を参照して、本実施形態のパチスロ機1における有利区間における遊技の流れについて説明する。図185(A)は、有利区間の特殊モードの制御を説明するための図であり、図185(B)は、通常有利の終了制御を説明するための図である。
(特殊モード制御)
初めに、図185(A)を参照して、特殊モードの制御について説明する。特殊モードは、各種の抽籤などが遊技者にとって不利になるモードであり、本実施形態では、特殊モードがONである場合には、AT(特化ゾーンストック)抽籤、CZ抽籤及び各種のモード移行抽籤などにおいて遊技者にとって有利な結果に当籤する確率が低く(又は当籤することがなく)、また、押し順役の当籤時に押し順をナビする確率が低い(又はナビすることがない)。
図185(A)(a)に示すように、主制御回路91は、出玉状態「通常」(すなわち、通常区間)において有利区間への移行抽籤を行っており、この移行抽籤において当籤すると有利区間に遊技状態を移行する。主制御回路91は、通常区間から有利区間に遊技状態を移行すると、特殊モードをONにセットし、その後、有利区間において「XDリプ」以外のリプレイに係る図柄の組合せが表示されると、特殊モードをOFFに切り替える。すなわち、特殊モードONの条件は、通常区間から有利区間に遊技状態が移行することであり、特殊モードOFFの条件は、「XDリプ」以外のリプレイに係る図柄の組合せが表示されることである。
続いて、図185(b)を参照して、特殊モードの制御例について説明する。同図に示すように「通常」の状態では、特殊モードは用いられず、「通常(通常区間)」から有利区間に移行すると、特殊モードはONにセットされる。有利区間においてリプレイ役以外の役が当籤役として決定された場合には、リプレイに係る図柄の組合せは表示されないことから、特殊モードはONのまま維持される。その後、有利区間においてリプレイ役が当籤役として決定され、「XDリプ」以外のリプレイに係る図柄の組合せが表示されると、特殊モードはOFFに更新され、その後はOFFのまま維持される。
続いて、図185(c)は、特殊モードの制御例の追加説明図である。上述したように本実施形態では、リプレイ役の当籤時には「XDリプ」が表示されることはなく、「XDリプ」以外のリプレイに係る図柄の組合せが必ず表示される。そのため、本実施形態では、有利区間に移行した後にリプレイ役に当籤すると、特殊モードはOFFに更新される。この点、上述したように、リプレイ役の当籤時に「XDリプ」が表示されることとしてもよく、また、特定のRT状態においては「XDリプ」が表示されることとしてもよく、また、特定のBET数においては「XDリプ」が表示されることとしてもよい。図185(c)に示す図は、リプレイ役の当籤時に「XDリプ」が表示可能な仕様における特殊モードの制御例である。
同図に示すように、「通常」の状態では、特殊モードは用いられず、「通常(通常区間)」から有利区間に移行すると、特殊モードはONにセットされる。有利区間においてリプレイ役以外の役が当籤役として決定された場合には、リプレイに係る図柄の組合せは表示されないことから、特殊モードはONのまま維持される。また、有利区間においてリプレイ役が当籤役として決定された場合であっても、「XDリプ」に係る図柄の組合せが表示された場合には、特殊モードはONのまま維持される。その後、有利区間においてリプレイ役が当籤役として決定され、「XDリプ」以外のリプレイに係る図柄の組合せが表示されると、特殊モードはOFFに更新され、その後はOFFのまま維持される。
ここで、本実施形態では、リプレイ役が当籤した後に、報知状態(特化ゾーンやAT)を開始することとしている。より詳細には、特化ゾーン準備では、特化ゾーン開始抽籤に当籤した場合に特化ゾーンが開始されるが、この特化ゾーン開始抽籤は、リプレイ役(通常リプ又は特殊リプ)の当籤時に行うため、本実施形態では、報知状態が開始されるタイミングで特殊モードは必ずOFFに更新され、結果、ナビ確率が高くなる(詳細には、ナビ確率が低くなるように制御されない)。この点、リプレイ役(通常リプ又は特殊リプ)の当籤時に「XDリプ」を表示可能な仕様では、報知状態が開始されたタイミングであっても、特殊モードがONのままの場合もあり、このような場合には、報知状態においてもナビ確率が低いままとなる。このような仕様によれば、報知状態の開始直後のナビ確率を異ならせることができるため、出玉感にメリハリを生じさせることができる。
もちろん、特化ゾーン開始抽籤を当籤役に応じて行うのではなく、表示された図柄の組合せに応じて行うこととすることで、報知状態中のナビ確率を低くしないように制御することもできる。具体的には、特殊モードをONのままに維持する「XDリプ」に係る図柄の組合せの表示時には特化ゾーン開始抽籤を行わずに、「XDリプ」以外のリプレイに係る図柄の組合せの表示時に特化ゾーン開始抽籤を行うことで、報知状態中のナビ確率を低くしないように制御することもできる。
なお、特殊モードの制御は、表示された図柄の組合せに基づき行うのではなく、他の条件に基づき行うこととしてもよい。一例として、主制御回路91は、特殊モードがONになってから行われた遊技の回数が所定回数に達した場合に、特殊モードをOFFに更新することとしてもよい。また、主制御回路91は、遊技回数と図柄の組合せとを組み合わせて特殊モードを制御することとしてもよく、例えば、「XDリプ」以外のリプレイに係る図柄の組合せが表示された場合に特殊モードをOFFに更新するとともに、「XDリプ」以外のリプレイに係る図柄の組合せが表示されることなく所定回数の遊技が行われた場合にも、特殊モードをOFFに更新することとしてもよい。また、主制御回路91は、表示された図柄の組合せではなく、所定の役が当籤役として決定された場合に、特殊モードをOFFに更新することとしてもよい。また、主制御回路91は、当籤役と遊技回数と図柄の組合せとを組み合わせて特殊モードを制御することとしてもよい。この場合において組み合わせる条件は、全ての条件であってもよく、また何れか2つの条件であってもよい。また、所定の役は、リプレイ役に限らずメダルの払い出しに係る小役やボーナスの作動に係るボーナス役を含むものであってもよい。また、表示された図柄の組合せもリプレイ役に対応する図柄の組合せに限らず、小役やボーナス役に対応する図柄の組合せであってもよい。
(通常有利の終了制御)
続いて、図185(B)を参照して、通常有利の終了制御について説明する。本実施形態のパチスロ機1では、出玉状態「通常」の滞在期間は短く、通常遊技では多くの期間を「通常有利」に滞在する。ここで、「通常有利」は有利区間であり、ゲーム数リミッタなどの制限がかかるため、通常遊技中は一定期間毎に「通常有利」から「通常」に移行させ、その後直ちに「通常有利」に移行させる。この一定期間毎の「通常有利」から「通常」への移行は、仮天井制御と天井制御により行われる。
図185(B)(a)に示すように、仮天井制御は、「通常有利」が400ゲーム継続した場合に行われる。仮天井制御において主制御回路91は、「通常有利」が400ゲーム継続すると、天井恩恵抽籤を行う。この天井恩恵抽籤において終了となると(抽籤結果「転落」)、主制御回路91は、出玉状態を「通常有利」から「通常」に移行する。また、天井恩恵抽籤においてCZモードを“高確A”に移行することが決定されると(抽籤結果「CZモード高確A」)、出玉状態を「通常有利」の維持したまま、CZモードを“高確A”に移行する。また、天井恩恵抽籤においてAT当籤が決定されると(抽籤結果「AT当籤」)、主制御回路91は、AT(特化ゾーン)のストックを1つ付与して、出玉状態を「通常有利」から「AT前兆」に移行させる。このように、本実施形態のパチスロ機1では、「通常有利」中は、有利区間の終了、CZのチャンス又はAT当籤といった契機が、400ゲーム毎に訪れる。
続いて、図185(b)に示すように、天井制御は、「通常有利」が500ゲーム継続した場合に行われ、主制御回路91は、「通常有利」が500ゲーム継続すると、出玉状態を「通常有利」から「通常」に移行する。このように、本実施形態のパチスロ機1では、「通常有利」中は500ゲーム毎に有利区間が必ず終了する。
なお、本実施形態では、「通常有利」の継続ゲーム数に基づいて仮天井制御及び天井制御を行うこととしているが、仮天井制御及び天井制御を行う契機は、「通常有利」の継続ゲーム数ではなく、有利区間のうちの遊技者にとって有利な状態以外の出玉状態の継続ゲーム数であってもよい。すなわち、「通常有利」と「CZ前兆」と「CZ」との継続ゲーム数に基づいて仮天井制御及び天井制御を行うこととしてもよい。この場合において、出玉状態「通常」への移行は、「通常有利」のみからとし、「CZ前兆」や「CZ」中からは「通常」に移行(転落)しないこととしてもよい。また、仮天井制御と天井制御とのうちの何れか一方のみを、「通常有利」と「CZ前兆」と「CZ」との継続ゲーム数に基づいて行い、他方は、「通常有利」の継続ゲーム数に基づいて行うこととしてもよい。一例として、天井制御については、「通常有利」と「CZ前兆」と「CZ」との継続ゲーム数に基づいて行い、仮天井制御については、「通常有利」の継続ゲーム数に基づいて行うこととしてもよい。
[履歴抽籤の概要]
続いて、図186及び図187を参照して、本実施形態のパチスロ機1における履歴抽籤の概要について説明する。初めに、図186(A)を参照して、履歴抽籤の契機となる履歴役の種別について説明する。なお、主制御回路91は、内部当籤役として決定された役に関する当籤役の履歴情報を所定ゲーム数(5ゲーム)分、管理する。言い換えると、主制御回路91は、内部当籤役として決定された役に関する当籤役の履歴情報を所定ゲーム数(5ゲーム)分、記憶する。
(履歴役の種別)
図186(A)(a)に示すように、「通常有利」における履歴抽籤では、履歴役として「リプレイ」「レア役」が設けられる。「通常有利」における履歴役「リプレイ」には、通常リプ、特殊リプ、チャンスリプが含まれる。なお、通常リプは「F_通常リプ1」であり、特殊リプは「F_特殊リプ1」「F_特殊リプ2」であり、チャンスリプは「F_チャンスリプ」である。
また、「通常有利」における履歴役「レア役」には、チャンスリプ、フェイクリプ(非ナビ)、強ベル、中チャンス、弱チャンス、ベル15枚入賞が含まれる。なお、チャンスリプは「F_チャンスリプ」であり、フェイクリプ(非ナビ)は押し順ナビが行われない場合の「F_紫7フェイク1」「F_紫7フェイク2」「F_赤BARフェイク」であり、強ベルは「F_強ベル」であり、中チャンスは「F_XUベルリプ」であり、弱チャンスは「F_弱チャンス」である。また、ベル15枚入賞は、「F_共通ベル1」又は「F_打順1ベルA」〜「F_打順6ベルB」の当籤時に正解の押し順で停止操作が行われてベルが入賞することである。
また、図186(A)(b)に示すように、「AT」における履歴抽籤では、履歴役として「リプレイ」「レア役」「はずれ」が設けられる。「AT」における履歴役「リプレイ」には、通常リプ、特殊リプ、チャンスリプ、フェイクリプ(ナビ)、確定役(ナビ)が含まれる。通常リプは「F_通常リプ1」であり、特殊リプは「F_特殊リプ1」「F_特殊リプ2」であり、チャンスリプは「F_チャンスリプ」である。また、フェイクリプ(ナビ)は、押し順ナビが行われる場合の「F_紫7フェイク1」「F_紫7フェイク2」「F_赤BARフェイク」であり、確定役(ナビ)は、押し順ナビが行われる場合の「F_紫7リプ」「F_赤BARリプ」「F_W揃いリプ」「F_黒BARリプ」である。
また、「AT」における履歴役「レア役」には、チャンスリプ、フェイクリプ(非ナビ)、強ベル、中チャンス、弱チャンスが含まれる。なお、チャンスリプは「F_チャンスリプ」であり、フェイクリプ(非ナビ)は押し順ナビが行われない場合の「F_紫7フェイク1」「F_紫7フェイク2」「F_赤BARフェイク」であり、強ベルは「F_強ベル」であり、中チャンスは「F_XUベルリプ」であり、弱チャンスは「F_弱チャンス」である。
また、「AT」における履歴役「はずれ」には、はずれ、通常リプ2、共通1枚、BBが含まれる。はずれは内部当籤役としてはずれが決定されることであり、通常リプ2は「F_通常リプ2」であり、共通1枚は「F_共通1枚」であり、BBは「F_BB1」〜「F_BB3」である。
(履歴抽籤の内容)
続いて、図186(B)は、履歴抽籤の内容を示す図である。本実施形態のパチスロ機1では、主制御回路91は、所定ゲーム間(5ゲーム間)において履歴役が当籤役として決定された回数に応じて履歴抽籤を行う。具体的には、主制御回路91は、「通常有利」では、所定ゲーム間において履歴役「リプレイ」が連続して当籤した回数であるリプレイ(連)に応じて履歴抽籤を行い、また、所定ゲーム間において履歴役「レア役」が当籤した回数であるレア役(個数)に応じて履歴抽籤を行う。また、主制御回路91は、「AT」では、リプレイ(連)に応じて履歴抽籤を行い、また、レア役(個数)に応じて履歴抽籤を行い、また、所定ゲーム間において履歴役「はずれ」が連続して当籤した回数であるはずれ(連)に応じて履歴抽籤を行う。なお、本実施形態では、履歴役「リプレイ」及び履歴役「はずれ」は、連続して当籤した回数に応じて履歴抽籤を行うこととしているが、連続して当籤した回数ではなく、所定ゲーム間において当籤した回数に応じて履歴抽籤を行うこととしてもよい。また、履歴役「レア役」は、所定ゲーム間において当籤した回数に応じて履歴抽籤を行うこととしているが、連続して当籤した回数に応じて履歴抽籤を行うこととしてもよい。
「通常有利」のリレプイ(連)に応じた履歴抽籤では、主制御回路91は、履歴役「リプレイ」が3回以上連続して当籤した場合に、履歴抽籤(CZ抽籤)を行い、当籤した場合には、CZ当籤となり「通常有利」から「CZ前兆」や「CZ」に遊技状態を移行する。なお、リレプイ(連)に応じた履歴抽籤(CZ抽籤)は、履歴役「リプレイ」が連続して3回当籤した「リプ3連」時には所定の確率で当籤し、履歴役「リプレイ」が連続して4回以上当籤した「リプ4連以上」時には必ず当籤する。
また、「通常有利」のレア役(個数)に応じた履歴抽籤では、主制御回路91は、履歴役「レア役」が3回以上当籤した場合に、履歴抽籤(AT抽籤)を行い、当籤した場合には、AT当籤となり「通常有利」から「AT前兆」や「特化ゾーン準備」に遊技状態を移行する。なお、レア役(個数)に応じた履歴抽籤(AT抽籤)は、履歴役「レア役」が所定ゲーム間に3個当籤した「レア役3個」時には所定の確率で当籤し、履歴役「レア役」が所定ゲーム間に4個以上当籤した「レア役4個以上」時には必ず当籤する。また、「通常有利」の履歴役「レア役」には、ベル15枚入賞が含まれるため、「通常有利」のレア役(個数)に応じた履歴抽籤は、第3停止操作のオフエッジ時に行う。
また、「AT」のリレプイ(連)に応じた履歴抽籤では、主制御回路91は、履歴役「リプレイ」が3回以上連続して当籤した場合に、履歴抽籤(AT中CZ抽籤)を行い、当籤した場合には、AT中CZ当籤となり「AT」から「AT中CZ」に遊技状態を移行する。なお、リレプイ(連)に応じた履歴抽籤(AT中CZ抽籤)は、履歴役「リプレイ」が連続して3回当籤した「リプ3連」時には所定の確率で当籤し、履歴役「リプレイ」が連続して4回以上当籤した「リプ4連以上」時には必ず当籤する。
また、「AT」のレア役(個数)に応じた履歴抽籤では、主制御回路91は、履歴役「レア役」が2回以上当籤した場合に、履歴抽籤(特化ゾーンストック抽籤)を行い、当籤した場合には、特化ゾーンのストックを1つ付与する。なお、付与する特化ゾーンのストックは1つに限られず、複数付与可能にしてもよい。レア役(個数)に応じた履歴抽籤(特化ゾーンストック抽籤)は、履歴役「レア役」が所定ゲーム間に2個当籤した「レア役2個」時には所定の確率で当籤し、履歴役「レア役」が所定ゲーム間に3個以上当籤した「レア役3個以上」時には必ず当籤する。
また、「AT」のはずれ(連)に応じた履歴抽籤では、主制御回路91は、履歴役「はずれ」が4回以上連続して当籤した場合に、履歴抽籤(ATモードUP抽籤)を行い、当籤した場合には、ATモードを1つ昇格させる。なお、ATモードは低いモードから順に“低確”“高確A”“高確B”“高確C”である。はずれ役(連)に応じた履歴抽籤(ATモードUP抽籤)は、履歴役「はずれ」が連続して4回当籤した「はずれ4連」時には所定の確率で当籤し、履歴役「はずれ」が連続して5回当籤した「はずれ5連」時には「はずれ4連」時よりも高い確率で当籤する。
ここで、図186(A)を参照すると、チャンスリプは、履歴役「リプレイ」に含まれるとともに、履歴役「レア役」にも含まれる。本実施形態においては、主制御回路91は、所定ゲーム間にチャンスリプが当籤役として決定された場合、履歴役「リプレイ」に含まれる役が当籤役として決定された回数と、履歴役「レア役」に含まれる役が当籤役として決定された回数との双方の回数を加算する。
そのため、チャンスリプの当籤時には、リプレイ(連)の抽籤条件と、レア役(個数)の抽籤条件とを同時に満たすことがある。例えば、4ゲーム前の当籤役が履歴役「レア役」に含まれる役であり、3ゲーム前の当籤役が履歴役「レア役」に含まれる役であり、2ゲーム前の当籤役が履歴役「リプレイ」に含まれる役であり、1ゲーム前の当籤役が履歴役「リプレイ」に含まれる役であり、当該遊技の当籤役がチャンスリプである場合、当該遊技において「リプ3連」と「レア役3個」が同時に成立する。このような場合、本実施形態のパチスロ機1では、抽籤条件を満たした全ての履歴抽籤を行う。すなわち、主制御回路91は、「リプ3連」に基づく履歴抽籤と、「レア役3個」に基づく履歴抽籤の双方を行う。このように本実施形態のパチスロ機1では、チャンスリプの当籤という1つのことを契機として、複数の履歴抽籤を行うことができる。このとき、主制御回路91は、当籤した履歴抽籤に対応する特典を付与可能であり、複数の履歴抽籤の双方に当籤した場合には、双方の特典を付与する。
続いて、図187(C)は、当籤履歴の表示例を示す。副制御回路101は、液晶ディスプレイ(表示ユニット100)に5ゲーム分の履歴表示窓を表示する。この履歴表示窓には、5ゲーム分の当籤役の履歴情報が表示され、1ゲーム毎に古い履歴情報が新しい履歴情報に入れ替わるように表示される。同図に示すように、副制御回路101は、履歴役「リプレイ」を青丸で表示し、履歴役「レア役」を宝石(白)又は宝石(赤)で表示する。また、副制御回路101は、履歴役「はずれ」である場合には、当該遊技に対応する履歴表示窓を空欄にすることで履歴役「はずれ」を表現する。なお、履歴役「リプレイ」及び履歴役「レア役」の双方に属するチャンスリプの表示は任意であり、例えば、履歴役「リプレイ」に応じた青丸と、履歴役「レア役」に応じた宝石(白)又は宝石(赤)とを、交互にブリンク表示することとしてもよく、また、何れか一方の表示のみをすることとしてもよく、また、固有の表示を行うこととしてもよい。
また、履歴役「レア役」時に宝石(白)を表示するか、宝石(赤)を表示するかは、抽籤により決定される。この抽籤は、図209のAT_アイコン種別抽籤テーブルを参照して主制御回路91が行い、副制御回路101は、この抽籤において当籤した場合に、宝石(赤)を表示し、非当籤した場合に宝石(白)を表示する。なお、図187に示すように、宝石(赤)が表示された場合(より詳細には、主制御回路91が行う抽籤に当籤した場合)には、その後の所定ゲーム間(言い換えると、宝石(赤)が表示されている間)は、特化ゾーンのストック抽籤に当籤する確率が、宝石(白)が表示された場合よりも高くなる(図210参照)。
続いて、図187(E)は、履歴抽籤方法を示す図である。主制御回路91は、当該遊技において、履歴抽籤の抽籤条件を満たした場合に履歴抽籤を行う。同図に示すように、例えば、4ゲーム前の当籤役が履歴役「レア役」に含まれる役であり、2ゲーム前の当籤役が履歴役「レア役」に含まれる役であり、今回の遊技の当籤役が履歴役「レア役」に含まれる役である場合、当該遊技においてレア役の個数が「レア役3個」となっている。そのため、このような場合には、主制御回路91は、「レア役3個」に基づく履歴抽籤を行う。
一方で、4ゲーム前の当籤役が履歴役「レア役」に含まれる役であり、3ゲーム前の当籤役が履歴役「レア役」に含まれる役であり、1ゲーム前の当籤役が履歴役「レア役」に含まれる役であり、今回の遊技の当籤役が履歴役「レア役」に含まれる役以外である場合、所定ゲーム間におけるレア役の個数は3個であるが、今回の遊技では「レア役3個」の条件を満たしていない。そのため、このような場合には、主制御回路91は、履歴抽籤を行わない。
[ATポイントを用いた制御]
続いて、図188を参照して、本実施形態のパチスロ機1におけるATポイントを用いた制御について説明する。ここで、ATポイントは、特定の遊技状態において払い出され得るメダルの数量(差枚数=払出枚数−投入枚数)に関する数値情報である。なお、特定の遊技状態は、遊技者にとって有利な停止操作の情報を報知可能な報知状態に関連する一連の遊技状態であり、本実施形態においては、出玉状態「特化ゾーン準備」「特化ゾーン」「AT」「AT中CZ」「特殊AT」をいう。主制御回路91は、これら特定の遊技状態の各遊技において、遊技情報を取得するとともに、取得した遊技情報に応じてATポイントを算出する。
具体的には、図188(A)に示すように、ATポイントは、累積ポイントと所持ポイントとを合計することで算出される。累積ポイントは、上述の特定の遊技状態においてこれまでに付与されたメダルの数量の合計値に関する数値情報であり、特定の遊技状態の各遊技(より詳細には、特定の遊技状態のうち遊技者にとって有利な停止操作の情報が報知される遊技)において、今回の遊技において払い出されるメダルの数量を累積した数値情報である。また、所持ポイントとは、上述の特定の遊技状態において今後付与され得るメダルの数量の合計値に関する数値情報であり、特定の遊技状態の各遊技において、ATの残りゲーム数及びAT(特化ゾーン)の残りストック数に応じて算出される。
主制御回路91は、遊技者にとって有利な停止操作の情報が報知される遊技において、遊技情報として当籤役を取得する。そして、主制御回路91は、当籤役として15枚役が決定されている場合に、累積ポイントに対して24ポイントを加算し、当籤役として6枚役が決定されている場合に、累積ポイントに対して6ポイントを加算する。なお、15枚役とは、入賞時に15枚のメダルが払い出され得る役であり、本実施形態では「F_共通ベル1」「F_強ベル」「F_打順1ベルA」〜「F_打順6ベルB」をいう。また、6枚役とは、入賞時に6枚のメダルが払い出され得る役であり、本実施系値では「F_共通ベル2」「F_打順1特殊A」〜「F_打順6特殊B」をいう。
ここで、3BETの遊技において15枚のメダルが払い出された場合、当該遊技ではメダルは12枚増加し、また、3BETの遊技において6枚のメダルが払い出された場合、当該遊技ではメダルは3枚増加する。そのため、本実施形態では、メダル1枚を2ポイントに換算して(1ポイント=0.5枚)、ATポイントの算出を行う。
また、主制御回路91は、特定の遊技状態の各遊技において、ATの残りゲーム数及びAT(特化ゾーン)の残りストック数を取得する。そして、主制御回路91は、AT(特化ゾーン)の残りストック数1つ当たりに対して、所持ポイントを600ポイント加算し、ATの残りゲーム数1ゲーム当たりに対して、所持ポイントを7ポイント加算する。なお、本実施形態では、AT中の1ゲーム当たりに払い出されるメダルの期待値は、3.5枚である。そのため、ATの残りゲーム数1ゲーム当たりに対して設定された所持ポイントは、AT中の1ゲーム当たりに払い出されるメダルの期待値に応じたポイントであるといえる。また、本実施形態では、特化ゾーンのストック1つ当たりから決定される上乗せゲーム数は、約85ゲームである。そのため、特化ゾーンのストック1つ当たりに対して設定された所持ポイントは、特化ゾーンのストック1つ当たりから決定される上乗せゲーム数と、AT中の1ゲーム当たりに払い出されるメダルの期待値とに応じたポイントであるといえる(600≒85×7)。
このように累積ポイントは、これまでに実際に払い出されたメダルの枚数の実数を表し、所持ポイントは、今後払い出され得るメダルの枚数の期待値を表す。そして、ATポイントは、累積ポイントと所持ポイントとの合算であり、特定の遊技状態において払い出され得るメダルの数量を表す。
主制御回路91は、特定の遊技状態の各遊技において、累積ポイントと所持ポイントとを更新することで、ATポイントを更新する。例えば、「AT」中に1回の遊技が行われると、ATの残りゲーム数が1減る結果、所持ポイントが7ポイント減る一方で、当該遊技における当籤役に応じて累積ポイントが更新される。すなわち、1ゲーム当たりのメダル増加量の期待値(所持ポイント)が、実際に払い出されたメダルの枚数の実数値(累積ポイント)に替わりATポイントが更新される。また、例えば、「特化ゾーン」の状態において、ストックを消費してATのゲーム数を決定した場合、AT(特化ゾーン)のストックが1減る一方で、決定したゲーム数分だけATの残りゲーム数が増加するため、累積ポイントからは、ストック1つ分の600ポイントが減る一方で、増加したゲーム数分の所持ポイントが増加する。
なお、ATポイントは、遊技者には報せないこととすることが好ましい。一方で、ATポイントは、遊技店の店員などに対しては報せることとしてもよい。遊技店の店員などに対してATポイントを報せる方法は任意であるが、例えば、パチスロ機1の前扉(上ドア62a又は下ドア62b)を開けた状態において確認することのできる遊技機内部の表示部に対してATポイントの値を表示することとしてもよく、また、パチスロ機1から遊技店のホールコンピュータに対してATポイントの値を送信することで、ホールコンピュータにおいてATポイントの値を確認可能にしてもよい。また、遊技店の店員などに対して報せる情報は、ATポイントであってもよく、また、累積ポイントであってもよく、また、所持ポイントであってもよく、また、これら全てであってもよく、これらのうちの一部であってもよい。このように遊技店側にATポイントを報せることで不正の検知に役立てることができる。例えば、ATポイント(累積ポイント)が少ないにも関わらず、多くのメダルが払い出されている場合には、不正の可能性があると判断することができる。
続いて、図188(B)〜図188(E)は、算出したATポイントを用いた制御例を示す。なお、詳しくは後述するが、本実施形態では、ATポイントを用いた制御において用いるATポイントの閾値は、全て256の倍数となっている。また、本実施形態では、ATポイントが閾値以上となった場合に、各種の制御を無効にすることとしているが、ATポイントを用いた制御では、ATポイントが閾値以上となった場合に、閾値未満の場合よりも遊技者にとって不利な制御となればよく、必ずしも無効にすることに限られない。一例として、ATポイントが閾値以上となった場合には閾値未満の場合よりも、遊技者にとって有利な制御を行う確率が低くなる又は遊技者にとって不利な制御を行う確率が高くなること(例えば、所定の抽籤において有利な抽籤結果となる確率が低くなること)としてもよい。
(確定役制御)
初めに、図188(B)を参照して、ATポイントを用いた確定役制御について説明する。図180において上述したように、出玉状態「特化ゾーン準備」「AT」「AT中CZ」では、確定役は条件付きで有効となる。以下に説明する確定役制御は、出玉状態「特化ゾーン準備」「AT」「AT中CZ」において、確定役を有効とするか無効とするかの制御に関するものである。
同図に示すように、本実施形態のパチスロ機1では、確定役の種別毎にATポイントの閾値が設定され、ATポイントが閾値以上の遊技では、対象の確定役が当籤役として決定された場合であっても、当該確定役は無効になる。また、ATポイントが閾値未満の遊技では、対象の確定役が当籤役として決定された場合に、図217に示す共通_確定役無効抽籤テーブルを用いた無効抽籤を行い、この抽籤の抽籤結果として「有効」が決定されると当該確定役は有効となり、抽籤結果として「無効」が決定されると当該確定役は無効になる。
上述したように、確定役が無効である場合には、確定役に対応する特典を付与せずに、また、右左中又は右中左の押し順がナビされる結果、汎用の図柄の組合せ(TLリプ)が表示される。また、確定役が有効である場合には、確定役に対応する特典を付与するとともに、右1st以外の押し順がナビされる(又は何らの押し順もナビされない)結果、確定役に固有の図柄の組合せが表示される。
ここで、同図に示すように、無効にするATポイントの閾値は、付与する特典の大きさに基づき段階的に高くなる。すなわち、最も大きな特典を付与する確定役「F_黒BARリプ」に対しては最も低い閾値が設定され、無効になり易く制御する一方で、最も小さな特典を付与する確定役「紫7リプ」に対しては最も高い閾値が設定され、無効になり難く制御する。これにより、本実施形態のパチスロ機1では、AT中などにおいて多くのメダルの払い出しを受けた場合や、残りゲーム数や残りストック数などから今後多くのメダルの払い出しが期待できる場合には、確定役が無効になり易くなる。
(最終上乗せ制御)
続いて、図188(C)を参照して、ATポイントを用いた最終上乗せ制御について説明する。上述したように、本実施形態では、ATのストックが無い状態でATの残りゲーム数が0になった場合(ATの終了時)に最終上乗せ抽籤を行い、当籤した場合には、AT(特化ゾーン)のストックを3個又は5個付与する。以下に説明する最終上乗せ制御は、ATの終了時に最終上乗せ抽籤を行うか否かの制御に関するものである。
同図に示すように、本実施形態のパチスロ機1では、ATポイントの閾値が設定され、ATの終了時にATポイントが閾値以上である場合には、最終上乗せを行わない(最終上乗せ抽籤自体を行わない)。他方、ATの終了時にATポイントが閾値未満である場合には、図213に示すAT_最終上乗せ抽籤テーブルを用いた最終上乗せ抽籤を行い、この抽籤の抽籤結果として「当籤」が決定されると、最終上乗せを行い、抽籤結果として「非当籤」が決定されると、最終上乗せを行わない。
(AT中の各種抽籤の制御)
続いて、図188(D)を参照して、ATポイントを用いたAT中の各種抽籤に関する制御について説明する。本実施形態では、ATなどの特定の遊技状態において、主制御回路91は、各種の抽籤を行う。以下に説明するAT中の各種抽籤の制御は、これら各種の抽籤を行うか否かの制御に関するものである。なお、以下の説明では、有効/無効にする各種の抽籤として、図210に示すAT_特化ゾーンストック抽籤テーブルを用いたAT中の特化ゾーンのストック抽籤や、図209に示すAT_アイコン種別抽籤テーブルを用いた履歴役「レア役」の当籤時に宝石(赤)を表示するか否かの抽籤を対象としているが、他の抽籤を有効/無効の対象としてもよい。
同図に示すように、本実施形態のパチスロ機1では、ATポイントの閾値毎にATポイント種別が対応付けられ、ATポイントが768ポイント未満である場合にはATポイント種別として「種別0」が対応付けられ、768ポイント以上1280ポイント未満である場合にはATポイント種別として「種別1」が対応付けられ、1280ポイント以上2560ポイント未満である場合にはATポイント種別として「種別2」が対応付けられ、2560ポイント以上である場合にはATポイント種別として「種別3」が対応付けられている。
主制御回路91は、ATなどの特定の遊技状態の各遊技において、ATポイント種別に応じて、図218に示す共通_抽籤無効抽籤テーブルを用いた無効抽籤を行い、この抽籤の抽籤結果として「有効」が決定されると、上述した各種の抽籤を有効(抽籤を行う)とし、抽籤結果として「無効」が決定されると、上述した各種の抽籤を無効(抽籤を行わない)とする。同図及び後述の図218に示すように、本実施形態のパチスロ機1では、ATポイントが低いほど無効抽籤において「有効」が決定され易く、ATポイントが高いほど無効抽籤において「無効」が決定され易い。
なお、上述したように、履歴役「レア役」の当籤時に宝石(赤)を表示することが決定された場合、その後の所定ゲーム間は、特化ゾーンのストック抽籤に当籤する確率が、宝石(白)が表示された場合よりも高くなる。そのため、履歴役「レア役」の当籤時に宝石(赤)を表示することが決定された場合には、その後の所定ゲームの間は、ATポイントに基づく無効抽籤を行わないこととしてもよい。
(AT中CZのシナリオ抽籤種別の制御)
続いて、図188(E)を参照して、ATポイントを用いたAT中CZのシナリオ抽籤種別に関する制御について説明する。本実施形態では、「AT中CZ」の状態は、シナリオにより管理され、シナリオに応じて有利度合いが異なる。AT中CZのシナリオ抽籤種別の制御は、ATポイントに応じて抽籤するシナリオの有利度合いを異ならせる制御である。
同図に示すように、本実施形態のパチスロ機1では、ATポイントの閾値毎にシナリオ抽籤種別が対応付けられ、ATポイントが768ポイント未満である場合にはシナリオ抽籤種別として「種別0」が対応付けられ、768ポイント以上1280ポイント未満である場合にはシナリオ抽籤種別として「種別1」が対応付けられ、1280ポイント以上2560ポイント未満である場合にはシナリオ抽籤種別として「種別2」が対応付けられ、2560ポイント以上である場合にはシナリオ抽籤種別として「種別3」が対応付けられている。
主制御回路91は、AT中CZの開始時に、図214(A)に示すAT中CZ_シナリオ抽籤テーブルを参照して、シナリオ抽籤種別に基づくシナリオ抽籤を行う。詳しくは後述するが、本実施形態では、シナリオ抽籤種別「種別0」は、遊技者にとって有利なシナリオが最も決定され易く、シナリオ抽籤種別「種別1」は、遊技者にとって有利なシナリオが次に決定され易く、シナリオ抽籤種別「種別2」は、遊技者にとって有利なシナリオが次に決定され易く、シナリオ抽籤種別「種別3」は、遊技者にとって有利なシナリオが最も決定され難い。言い換えると、本実施形態では、ATポイントが低いほど有利なシナリオが決定され易く、ATポイントが高いほど有利なシナリオが決定され難い。
[ATポイントの管理方法]
続いて、図189を参照して、本実施形態のパチスロ機1におけるATポイントの管理方法について説明する。本実施形態のパチスロ機1では、主制御回路91には、ATポイントを計数するためのカウンタが設けられる。図189(A)に示すように、このATポイント用のカウンタは、上位バイト(1バイト)及び下位バイト(1バイト)の2バイトからなるカウンタである。
上位バイトでは、256の整数倍の値が計数され、下位バイトでは、ATポイントのうちの当該整数倍の値では計数できない端数部分の値(0〜255)が計数される。図189(B)に示すように、例えば、ATポイントが256ポイントである場合、上位バイトでは「1」をカウントし、下位バイトでは「0」をカウントする結果、16進数では上位バイト「01」下位バイト「00」の「100H」で表すことができる。同様に、ATポイントが257ポイントである場合には、上位バイト「01」下位バイト「01」の「101H」で表すことができ、また、ATポイントが292ポイントである場合には、上位バイト「01」下位バイト「24」の「124H」で表すことができ、また、ATポイントが532ポイントである場合には、上位バイト「02」下位バイト「14」の「214H」で表すことができる。
続いて、図189(C)は、ATポイントを用いた制御に用いる閾値を示す図である。上述したように、本実施形態のパチスロ機1では、ATポイントの閾値として256の倍数を用いる。このように閾値として256の倍数を用いる場合、同図に示すように、下位バイトは常に「00」になるため、上位バイトの値を比較することで閾値以上であるか否かを判定することができ、閾値に下位バイトの値が不要になる。
例えば、閾値として3072ポイントを用いる場合、当該閾値は、上位バイト「0C」下位バイト「00」の「C00H」で表すことができ、ATポイント用のカウンタの上位バイトが「0C」以上の場合は、下位バイトの値に関係なく、閾値以上であると判定することができ、また、ATポイント用のカウンタの上位バイトが「0C」未満の場合は、下位バイトの値に関係なく、閾値未満であると判定することができる。
同様に、閾値として2048ポイントを用いる場合、当該閾値は、上位バイト「08」下位バイト「00」の「800H」で表すことができ、また、閾値として1792ポイントを用いる場合、当該閾値は、上位バイト「07」下位バイト「00」の「700H」で表すことができ、また、閾値として768ポイントを用いる場合、当該閾値は、上位バイト「03」下位バイト「00」の「300H」で表すことができる。そして、閾値(上位バイトのみ)と、ATポイント用のカウンタの上位バイトとを比較することで、閾値以上であるか否かを判定することができる。
そのため、本実施形態のパチスロ機1では、ATポイント用のカウンタとしては、2バイトのデータを用いる一方で、閾値としては1バイトのデータのみを用い、ATポイント用のカウンタのうちの上位バイトの値と、閾値の1バイトの値とを比較することで、ATポイントに対する閾値の制御が可能になる。
一例として、図189(D)には、ATポイントが2000ポイントである場合の閾値の制御例を示す。ATポイントが2000ポイントである場合、2バイトのATポイント用のカウンタの値は、上位バイト「07」下位バイト「D0」の「7D0H」となる。例えば、閾値3072ポイントと比較する場合、閾値は1バイトのみの「0CH」で表すことができるため、閾値「0CH」と、ATポイント用のカウンタの上位バイト「07H」とを比較して、2000ポイントは、閾値(3072)未満であると判定することができる。同様に、閾値1792ポイントと比較する場合、閾値は1バイトのみの「07H」で表すことができるため、閾値「07H」と、ATポイント用のカウンタの上位バイト「07H」とを比較して、2000ポイントは、閾値(1792)以上であると判定することができる。
[出玉状態の制御に用いる各種データテーブル]
続いて、出玉状態の制御において用いる各種のデータテーブルの構成について説明する。なお、以下に示す各種のデータテーブルは、メインROM32に記憶されており、主制御基板71は、これら各種のデータテーブルを参照して、各種の抽籤を行う。
[通常_有利区間移行抽籤テーブル]
初めに、図190を参照して、通常_有利区間移行抽籤テーブルについて説明する。通常_有利区間移行抽籤テーブルは、「通常」の状態(通常区間)において単位遊技毎に内部当籤役(抽籤種別)に基づき有利区間移行抽籤を行う際に参照されるテーブルである。通常_有利区間移行抽籤テーブルは、抽籤種別毎に、有利区間移行抽籤の抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。主制御回路91は、抽籤結果として「非当籤」が決定された場合には、出玉状態を移行することなく「通常」のまま維持する。また、主制御回路91は、抽籤結果として「通常有利」が決定された場合には、次ゲームの出玉状態を「通常」から「通常有利」に移行するとともに、図191に示す通常_初期通常モード抽籤テーブルを参照して、通常モードを決定し、通常モードの初期値としてセットする。
また、主制御回路91は、抽籤結果として「AT前兆」が決定された場合には、次ゲームの出玉状態を「通常」から「AT前兆」に移行させるとともに、AT(特化ゾーン)のストックを1つ付与する。なお、付与するストックは1つに限られず、複数を付与することとしてもよい。このとき、主制御回路91は、図216に示す共通_特化ゾーン種別抽籤テーブルを参照して、付与した特化ゾーンストックの種別も合わせて決定する。また、主制御回路91は、1ゲーム〜32ゲームの中から「AT前兆」の前兆ゲーム数を決定しセットする。
なお、同図において抽籤種別「フェイク/確定役」に基づく有利区間移行抽籤では、故高確率で「通常有利」に当籤し、「AT前兆」に当籤する確率は極端に低い。これは上述のように、本実施形態では、確定役に応じた抽籤処理では、基本的に不利な結果としつつ、確定役が有効である場合には、抽籤によらない処理(確定役当籤時処理)により、遊技者にとって有利な状態となるように制御するためである。
[通常_初期通常モード抽籤テーブル]
続いて、図191を参照して、通常_初期通常モード抽籤テーブルについて説明する。通常_初期通常モード抽籤テーブルは、有利区間移行抽籤において「通常有利」に当籤した場合に参照され、内部当籤役(抽籤種別)に応じて通常モードの初期値を決定する初期通常モード抽籤に用いられる。通常_初期通常モード抽籤テーブルは、抽籤種別毎に、初期通常モード抽籤の抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。主制御回路91は、抽籤結果として決定した通常モードを、次ゲームに移行する「通常有利」の通常モードの初期値としてセットする。
[通常有利_CZモード移行抽籤テーブル]
続いて、図192を参照して、通常有利_CZモード移行抽籤テーブルについて説明する。通常有利_CZモード移行抽籤テーブルは、「通常有利」の状態において単位遊技毎に内部当籤役(抽籤種別)に基づきCZモードの移行抽籤を行う際に参照されるテーブルである。通常有利_CZモード移行抽籤テーブルは、移行元(現在)のCZモード及び抽籤種別毎に、移行先のCZモードについての抽籤値の情報を規定する。主制御回路91は、抽籤結果として決定したCZモードを、次ゲームのCZモードとしてセットする。
[通常有利_CZ抽籤テーブル]
続いて、図193を参照して、通常有利_CZ抽籤テーブルについて説明する。通常有利_CZ抽籤テーブルは、「通常有利」の状態において単位遊技毎に内部当籤役(抽籤種別)に基づきCZへの移行抽籤を行う際に参照されるテーブルである。通常有利_CZ抽籤テーブルは、現在のCZモード及び抽籤種別毎に、CZへの移行抽籤の抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。主制御回路91は、抽籤結果として「非当籤」が決定された場合には、出玉状態を移行することなく「通常有利」のまま維持し、抽籤結果として「当籤」が決定された場合には、次ゲームの出玉状態を「通常有利」から「CZ前兆」に移行するとともに、1ゲーム〜32ゲームの中から「CZ前兆」の前兆ゲーム数を決定しセットする。
[通常有利_通常モード移行抽籤テーブル]
続いて、図194を参照して、通常有利_通常モード移行抽籤テーブルについて説明する。通常有利_通常モード移行抽籤テーブルは、「通常有利」の状態において単位遊技毎に内部当籤役(抽籤種別)に基づき通常モードの移行抽籤を行う際に参照されるテーブルである。通常有利_通常モード移行抽籤テーブルは、移行元(現在)の通常モード及び抽籤種別毎に、移行先の通常モードについての抽籤値の情報を規定する。主制御回路91は、抽籤結果として決定した通常モードを、次ゲームの通常モードとしてセットする。
[通常有利_AT抽籤テーブル]
続いて、図195を参照して、通常有利_AT抽籤テーブルについて説明する。通常有利_AT抽籤テーブルは、「通常有利」の状態において単位遊技毎に内部当籤役(抽籤種別)に基づきATへの移行抽籤を行う際に参照されるテーブルである。通常有利_AT抽籤テーブルは、現在の通常モード及び抽籤種別毎に、ATへの移行抽籤の抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。主制御回路91は、抽籤結果として「非当籤」が決定された場合には、出玉状態を移行することなく「通常有利」のまま維持する。他方、抽籤結果として「当籤」が決定された場合には、次ゲームの出玉状態を「通常有利」から「AT前兆」に移行させるとともに、AT(特化ゾーン)のストックを1つ付与する。なお、付与するストックは1つに限られず、複数を付与することとしてもよい。また、主制御回路91は、抽籤結果として「当籤」が決定された場合には、図216に示す共通_特化ゾーン種別抽籤テーブルを参照して、付与した特化ゾーンストックの種別も合わせて決定する。また、主制御回路91は、1ゲーム〜32ゲームの中から「AT前兆」の前兆ゲーム数を決定しセットする。
[通常有利_履歴抽籤テーブル]
続いて、図196を参照して、通常有利_履歴抽籤テーブルについて説明する。通常有利_履歴抽籤テーブルは、「通常有利」の状態において上述した履歴抽籤を行う際に参照されるテーブルであり、図196(A)は、リプレイ連に基づく履歴抽籤を行う際に参照される通常有利_履歴抽籤テーブル(リプレイ連)であり、図196(B)は、レア役個数に基づく履歴抽籤を行う際に参照される通常有利_履歴抽籤テーブル(レア役個数)である。
通常有利_履歴抽籤テーブル(リプレイ連)は、所定ゲーム間にリプレイが連続して当籤役として決定された回数(リプレイ連)毎に、履歴抽籤の抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。主制御回路91は、抽籤結果として「当籤」が決定された場合には、次ゲームの出玉状態を「通常有利」から「CZ前兆」に移行するとともに、1ゲーム〜32ゲームの中から「CZ前兆」の前兆ゲーム数を決定しセットする。
通常有利_履歴抽籤テーブル(レア役個数)は、所定ゲーム間にレア役が当籤役として決定された回数(レア役個数)毎に、履歴抽籤の抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。主制御回路91は、抽籤結果として「当籤」が決定された場合には、次ゲームの出玉状態を「通常有利」から「AT前兆」に移行させるとともに、AT(特化ゾーン)のストックを1つ付与する。なお、付与するストックは1つに限られず、複数を付与することとしてもよい。また、主制御回路91は、抽籤結果として「当籤」が決定された場合には、図216に示す共通_特化ゾーン種別抽籤テーブルを参照して、付与した特化ゾーンストックの種別も合わせて決定する。また、主制御回路91は、1ゲーム〜32ゲームの中から「AT前兆」の前兆ゲーム数を決定しセットする。
[通常有利_天井恩恵抽籤テーブル]
続いて、図197を参照して、通常有利_天井恩恵抽籤テーブルについて説明する。通常有利_天井恩恵抽籤テーブルは、「通常有利」の経過ゲーム数が400ゲームに到達した際に参照され、400ゲーム到達時の仮天井制御における恩恵を付与するか否かの天井恩恵抽籤に用いられる。通常有利_天井恩恵抽籤テーブルは、天井恩恵抽籤の抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。主制御回路91は、抽籤結果として「転落」が決定された場合には、次ゲームの出玉状態を「通常有利」から「通常」に移行する。また、主制御回路91は、抽籤結果として「CZモード高確A」が決定された場合には、出玉状態を移行することなく「通常有利」のまま維持するとともに、次ゲームのCZモードとして「高確A」をセットする。また、主制御回路91は、抽籤結果として「AT当籤」が決定された場合には、次ゲームの出玉状態を「通常有利」から「AT前兆」に移行させるとともに、AT(特化ゾーン)のストックを1つ付与する。なお、付与するストックは1つに限られず、複数を付与することとしてもよい。また、主制御回路91は、抽籤結果として「AT当籤」が決定された場合には、図216に示す共通_特化ゾーン種別抽籤テーブルを参照して、付与した特化ゾーンストックの種別も合わせて決定する。また、主制御回路91は、1ゲーム〜32ゲームの中から「AT前兆」の前兆ゲーム数を決定しセットする。
[CZ_CZ種別抽籤テーブル]
続いて、図198を参照して、CZ_CZ種別抽籤テーブルについて説明する。CZ_CZ種別抽籤テーブルは、CZ当籤からCZが開始されるまでの間(本実施形態では、CZの開始時)において、開始するCZの種別を決定するためのCZ種別抽籤を行う際に参照されるテーブルである。CZ_CZ種別抽籤テーブルは、CZ種別抽籤の抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。主制御回路91は、抽籤結果として「通常」が決定された場合には、開始するCZの種別として「通常」を決定し、セットする。また、主制御回路91は、抽籤結果として「特殊」が決定された場合には、開始するCZの種別として「特殊」を決定し、セットする。
[CZ_AT抽籤テーブル]
続いて、図199を参照して、CZ_AT抽籤テーブルについて説明する。CZ_AT抽籤テーブルは、「CZ」の状態において単位遊技毎に内部当籤役(抽籤種別)に基づきATへの移行抽籤を行う際に参照されるテーブルである。CZ_AT抽籤テーブルは、CZの種別及び抽籤種別毎に、ATへの移行抽籤の抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。主制御回路91は、抽籤結果として「非当籤」が決定された場合には、AT(特化ゾーン)のストックを付与せずに、「当籤」が決定された場合には、AT(特化ゾーン)のストックを1つ(又は複数)付与するとともに、図216に示す共通_特化ゾーン種別抽籤テーブルを参照して、付与した特化ゾーンストックの種別も合わせて決定する。
なお、「CZ」はゲーム数により継続期間が管理され、「CZ」中にAT抽籤に当籤しても、5ゲーム間は出玉状態「CZ」のまま移行しない。主制御回路91は、「CZ」の終了時(5ゲーム経過)にATのストックを有している場合には、次ゲームの出玉状態を「CZ」から「特化ゾーン準備」に移行させ、ATのストックを有していない場合には、次ゲームの出玉状態を「CZ」から「通常有利」に移行させる。
[特化ゾーン準備_ベルナビ抽籤テーブル]
続いて、図200を参照して、特化ゾーン準備_ベルナビ抽籤テーブルについて説明する。図180において上述したように、「特化ゾーン準備」の状態では抽籤結果に応じてベルナビを行う。特化ゾーン準備_ベルナビ抽籤テーブルは、「特化ゾーン準備」の状態において押し順小役(「F_打順1ベルA」〜「F_打順6特殊B」)の当籤時に参照され、正解の押し順を報知するか否かのベルナビ抽籤を行う際に参照されるテーブルである。特化ゾーン準備_ベルナビ抽籤テーブルは、特殊モードのON/OFFに対して、ベルナビを行うか否かの抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。主制御回路91は、ベルナビ抽籤において「非当籤」が決定された場合には何らの報知も行わず、「当籤」が決定された場合にはベルナビを行う。同図によると、特殊モードがONである場合には、押し順小役が当籤してもベルナビが行われ難いことが分かる。
なお、本実施形態では、特殊モードは、少なくとも特化ゾーンの開始時にOFFに更新されるため、「特化ゾーン」や「AT」の状態では常にOFFであり、ONであることはない。この点、上述の仕様例のように、リプレイ役(通常リプ又は特殊リプ)の当籤時に「XDリプ」を表示可能な仕様とした場合には、「特化ゾーン」や「AT」の状態においても特殊モードがONのままの場合がある。このような仕様の場合には、主制御回路91は、「特化ゾーン」や「AT」の状態においても、特殊モードのON/OFFに基づきベルナビ抽籤を行うこととしてもよい。「特化ゾーン」や「AT」の状態におけるベルナビ抽籤では、特殊モードがONである場合には所定の確率でベルナビに当籤し、特殊モードがOFFである場合には所定の確率よりも高い確率(より好ましくは100%の確率)でベルナビに当籤することとしてもよい。また、「特化ゾーン準備」「特化ゾーン」「AT」の状態では、特殊モードがONである場合のみベルナビ抽籤を行い、特殊モードがOFFである場合は、ベルナビ抽籤を行うことなく、必ず、ベルナビを行うこととしてもよい。
[特化ゾーン準備_特化ゾーン開始抽籤テーブル]
続いて、図201を参照して、特化ゾーン準備_特化ゾーン開始抽籤テーブルについて説明する。特化ゾーン準備_特化ゾーン開始抽籤テーブルは、「特化ゾーン準備」の状態において通常リプ又は特殊リプの当籤時に特化ゾーンを開始させるか否かを決定する特化ゾーン開始抽籤を行う際に参照されるテーブルである。同図に示すように、特化ゾーン種別としては“初回”“特化ゾーン1”“特化ゾーン2”“特化ゾーン3”“特化ゾーン4”が設けられ、最初の「特化ゾーン準備」では“初回”が参照され、2回目以降の「特化ゾーン準備」では特化ゾーンの種別に応じて“特化ゾーン1”“特化ゾーン2”“特化ゾーン3”“特化ゾーン4”が参照される。より具体的には、「通常」「通常有利」「CZ前兆」「CZ」「AT前兆」から移行した「特化ゾーン準備」では、“初回”が参照され、「AT」「特殊AT」から移行した「特化ゾーン準備」では、特化ゾーンの種別に応じたテーブルが参照される。
特化ゾーン準備_特化ゾーン開始抽籤テーブルは、特化ゾーンの種別毎に特化ゾーン開始抽籤の抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。主制御回路91は、抽籤結果として「準備継続」が決定された場合には、出玉状態を「特化ゾーン準備」のまま維持し、抽籤結果として「開始」が決定された場合には、次ゲームの出玉状態を「特化ゾーン準備」から「特化ゾーン」に移行させる。
[特化ゾーン_ゲーム数上乗せ抽籤テーブル]
続いて、図202〜図205を参照して、特化ゾーン_ゲーム数上乗せ抽籤テーブルについて説明する。図202は、特化ゾーンの種別が“特化ゾーン1”である場合に参照される特化ゾーン_ゲーム数上乗せ抽籤テーブルであり、図203は、特化ゾーンの種別が“特化ゾーン2”である場合に参照される特化ゾーン_ゲーム数上乗せ抽籤テーブルであり、図204は、特化ゾーンの種別が“特化ゾーン3”である場合に参照される特化ゾーン_ゲーム数上乗せ抽籤テーブルであり、図205は、特化ゾーンの種別が“特化ゾーン4”である場合に参照される特化ゾーン_ゲーム数上乗せ抽籤テーブルである。
特化ゾーン_ゲーム数上乗せ抽籤テーブルは、「特化ゾーン」の状態において単位遊技毎に内部当籤役(抽籤種別)に基づき上乗せゲーム数の抽籤を行う際に参照されるテーブルである。特化ゾーン_ゲーム数上乗せ抽籤テーブルは、特化ゾーンの種別及び抽籤種別毎に、上乗せゲーム数の抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。主制御回路91は、特化ゾーン中の単位遊技毎に上乗せゲーム数を決定すると、決定した上乗せゲーム数を合算して管理する。そして、主制御回路91は、特化ゾーンが終了すると、合算した上乗せゲーム数をATの残りゲーム数に加算する。
[特化ゾーン_特化ゾーン終了抽籤テーブル]
続いて、図206を参照して、特化ゾーン_特化ゾーン終了抽籤テーブルについて説明する。特化ゾーン_特化ゾーン終了抽籤テーブルは、「特化ゾーン」の状態において単位遊技毎に内部当籤役(抽籤種別)に基づき特化ゾーンを終了させるか否かを決定する特化ゾーン終了抽籤を行う際に参照されるテーブルである。特化ゾーン_特化ゾーン終了抽籤テーブルは、特化ゾーンの種別及び抽籤種別毎に特化ゾーン終了抽籤の抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。主制御回路91は、抽籤結果として「継続」が決定された場合には、出玉状態を「特化ゾーン」のまま維持する。また、主制御回路91は、抽籤結果として「終了」が決定された場合には、次ゲームの出玉状態を「特化ゾーン」から「AT」に移行させるとともに、特化ゾーン中に決定された上乗せゲーム数の合算値をATの残りゲーム数に加算し、AT(特化ゾーン)のストックを1減算する。なお、特化ゾーンには、保障期間が設けられており、主制御回路91は、保障期間の間は特化ゾーン終了抽籤を行わず、保障期間が終了した後の単位遊技において特化ゾーン終了抽籤を行う。保障期間は、特化ゾーンの種別に関係なく一定であってもよく、また、特化ゾーンの種別に応じて異なるものであってもよい。本実施形態では、“特化ゾーン1”の保障期間は5ゲームであり、その他の特化ゾーンの保障期間は10ゲームである。
[AT_初期ATモード抽籤テーブル]
続いて、図207を参照して、AT_初期ATモード抽籤テーブルについて説明する。AT_初期ATモード抽籤テーブルは、AT当籤からATが開始されるまでの間(本実施形態では、ATの開始時)において、ATモードの初期値を決定するための、初期ATモード抽籤を行う際に参照されるテーブルである。なお、本実施形態のパチスロ機1では、ATの終了後にAT(特化ゾーン)のストックが残っている場合、特化ゾーンなどを経由して再びATが開始される。ここで、主制御回路91は、初回のAT開始時のみATモードの初期値を決定し、ATの終了後にストックを消費して再び開始するATの開始時には、初期ATモード抽籤を行わずに、AT終了時のATモードをそのまま引き継ぐこととしてもよい。もちろん、ATの終了後にストックを消費して再び開始するATの開始時に、初期ATモード抽籤を行うこととしてもよい。
AT_初期ATモード抽籤テーブルは、初期ATモード抽籤の抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。主制御回路91は、抽籤結果として「低確」が決定された場合には、ATモードとして“低確”をセットし、抽籤結果として「高確A」が決定された場合には、ATモードとして“高確A”をセットし、抽籤結果として「高確B」が決定された場合には、ATモードとして“高確B”をセットし、抽籤結果として「高確C」が決定された場合には、ATモードとして“高確C”をセットする。
[AT_ATモード移行抽籤テーブル]
続いて、図208を参照して、AT_ATモード移行抽籤テーブルについて説明する。AT_ATモード移行抽籤テーブルは、「AT」の状態において単位遊技毎に内部当籤役(抽籤種別)に基づきATモードの移行抽籤を行う際に参照されるテーブルである。AT_ATモード移行抽籤テーブルは、移行元(現在)のATモード及び抽籤種別毎に、移行先のATモードについての抽籤値の情報を規定する。主制御回路91は、抽籤結果として決定したATモードを、次ゲームのATモードとしてセットする。
[AT_アイコン種別抽籤テーブル]
続いて、図209を参照して、AT_アイコン種別抽籤テーブルについて説明する。AT_アイコン種別抽籤テーブルは、「AT」の状態において履歴役「レア役」が内部当籤役として決定された場合に、履歴役「レア役」を宝石(赤)で表示するか否かのアイコン種別抽籤を行う際に参照されるテーブルである。AT_アイコン種別抽籤テーブルは、抽籤種別毎に、アイコン種別抽籤の抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。主制御回路91は、抽籤結果として「非当籤(白)」が決定された場合には、その旨を副制御回路101に通知し、通知を受けた副制御回路101は、液晶ディスプレイ(表示ユニット100)の履歴表示窓に宝石(白)を表示する。同様に、主制御回路91は、抽籤結果として「当籤(赤)」が決定された場合には、その旨を副制御回路101に通知し、通知を受けた副制御回路101は、液晶ディスプレイ(表示ユニット100)の履歴表示窓に宝石(赤)を表示する。
なお、上述したように、図218に示す共通_抽籤無効抽籤テーブルにおいて抽籤結果として「無効」が決定された場合には、主制御回路91は、アイコン種別抽籤を行わない。この場合には、副制御回路101は、液晶ディスプレイ(表示ユニット100)の履歴表示窓に宝石(白)を表示する。
[AT_特化ゾーンストック抽籤テーブル]
続いて、図210を参照して、AT_特化ゾーンストック抽籤テーブルについて説明する。AT_特化ゾーンストック抽籤テーブルは、「AT」の状態において単位遊技毎に内部当籤役(抽籤種別)に基づき特化ゾーンのストック抽籤を行う際に参照されるテーブルである。AT_特化ゾーンストック抽籤テーブルは、ATモード等及び抽籤種別毎に、特化ゾーンのストック抽籤についての抽籤値の情報を規定する。なお、「特殊AT」の状態では「特殊AT」欄が参照され、上述のアイコン種別抽籤で「当籤(赤)」が決定されてから所定ゲーム数の間(5ゲーム間)は、「赤宝石」欄が参照され、それ以外の場合は、現在のATモードに応じた欄が参照される。
主制御回路91は、抽籤結果として「非当籤」が決定された場合には、特化ゾーンのストックを付与することなく、抽籤結果として「当籤」が決定された場合には、AT特化ゾーンのストックを1つ(又は複数)付与するとともに、図216に示す共通_特化ゾーン種別抽籤テーブルを参照して、付与した特化ゾーンストックの種別も合わせて決定する。また、主制御回路91は、抽籤結果として「特殊当籤」が決定された場合には、AT特化ゾーンのストックを複数付与するとともに、図216に示す共通_特化ゾーン種別抽籤テーブルを参照して、付与した特化ゾーンストックの種別も合わせて決定する。
同図に示すように、本実施形態のパチスロ機1では、「赤宝石」欄が参照される場合が特化ゾーンのストック抽籤に当籤する確率が最も高い。そのため、履歴役「レア役」に伴い履歴表示窓に宝石(赤)が表示されている間は、特化ゾーンのストック抽籤に当籤し易い状態といえる。
ここで、上述したように、図218に示す共通_抽籤無効抽籤テーブルにおいて抽籤結果として「無効」が決定された場合には、主制御回路91は、特化ゾーンのストック抽籤を行わない。なお、「赤宝石」欄を参照した特化ゾーンのストック抽籤についてのみは行うこととしてもよい。
[AT_AT中CZ抽籤テーブル]
続いて、図211を参照して、AT_AT中CZ抽籤テーブルについて説明する。AT_AT中CZ抽籤テーブルは、「AT」の状態において単位遊技毎に内部当籤役(抽籤種別)に基づきAT中CZへの移行抽籤を行う際に参照されるテーブルである。AT_AT中CZ抽籤テーブルは、抽籤種別毎に、AT中CZへの移行抽籤の抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。主制御回路91は、抽籤結果として「非当籤」が決定された場合には、出玉状態を移行することなく「AT」のまま維持し、抽籤結果として「当籤」が決定された場合には、次ゲームの出玉状態を「AT」から「AT中CZ」に移行する。
[AT_履歴抽籤テーブル]
続いて、図212を参照して、AT_履歴抽籤テーブルについて説明する。AT_履歴抽籤テーブルは、「AT」の状態において上述した履歴抽籤を行う際に参照されるテーブルであり、図212(A)は、リプレイ連に基づく履歴抽籤を行う際に参照されるAT_履歴抽籤テーブル(リプレイ連)であり、図212(B)は、レア役個数に基づく履歴抽籤を行う際に参照されるAT_履歴抽籤テーブル(レア役個数)であり、図212(C)は、はずれ連に基づく履歴抽籤を行う際に参照されるAT_履歴抽籤テーブル(はずれ連)である。
AT_履歴抽籤テーブル(リプレイ連)は、所定ゲーム間にリプレイが連続して当籤役として決定された回数(リプレイ連)毎に、履歴抽籤の抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。主制御回路91は、抽籤結果として「当籤」が決定された場合には、次ゲームの出玉状態を「AT」から「AT中CZ」に移行する。
AT_履歴抽籤テーブル(レア役個数)は、所定ゲーム間にレア役が当籤役として決定された回数(レア役個数)毎に、履歴抽籤の抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。主制御回路91は、抽籤結果として「当籤」が決定された場合には、AT(特化ゾーン)のストックを1つ(又は複数)付与するとともに、図216に示す共通_特化ゾーン種別抽籤テーブルを参照して、付与した特化ゾーンストックの種別も合わせて決定する。
AT_履歴抽籤テーブル(はずれ連)は、所定ゲーム間にはずれが当籤役として決定された回数(はずれ連)毎に、履歴抽籤の抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。主制御回路91は、抽籤結果として「当籤」が決定された場合には、ATモードを1つ昇格させる。
[AT_最終上乗せ抽籤テーブル]
続いて、図213を参照して、AT_最終上乗せ抽籤テーブルについて説明する。AT_最終上乗せ抽籤テーブルは、ATのストックが無い状態でATの残りゲーム数が0になった場合に行う最終上乗せ抽籤に用いられるテーブルである。AT_最終上乗せ抽籤テーブルは、確定役の無効の有無毎に、最終上乗せ抽籤の抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。なお、ATが終了するまでに確定役が無効になっていない場合には「無効なし」欄が参照され、確定役が無効になっている場合には「無効有り」欄が参照される。主制御回路91は、抽籤結果として「当籤」が決定された場合には、AT(特化ゾーン)のストックを3個又は5個付与するとともに、図216に示す共通_特化ゾーン種別抽籤テーブルを参照して、付与した特化ゾーンストックの種別も合わせて決定する。
なお、主制御回路91は、確定役が無効になっている場合にのみ(言い換えると、確定役に応じて特典を付与しないと決定した場合にのみ)最終上乗せ抽籤を行い、無効になっていない場合には最終上乗せ抽籤を行わないこととしてもよい。また、同図に示すように、本実施形態では、確定役が無効になっている場合には、最終上乗せ抽籤に必ず当籤することとしているが、確定役が無効になっている場合には、無効になっていない場合と比べて、最終上乗せ抽籤に当籤する確率が異なって(高い又は低い)いればよい。
[AT中CZ_シナリオ抽籤テーブル]
続いて、図214を参照して、AT中CZ_シナリオ抽籤テーブルについて説明する。AT中CZ_シナリオ抽籤テーブルは、AT中CZの当籤からAT中CZが開始されるまでの間(本実施形態では、AT中CZの開始時)において、開始するAT中CZのシナリオを決定するためのシナリオ抽籤を行う際に参照されるテーブルである。AT中CZ_シナリオ抽籤テーブルは、シナリオ抽籤種別毎に、シナリオ抽籤の抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。主制御回路91は、抽籤結果として決定されたシナリオをセットし、AT中CZの遊技を制御する。
なお、シナリオ抽籤種別は、ATポイントに応じて決定される情報であり(図188(E))、主制御回路91は、シナリオ抽籤を行う場合に、当該時点におけるATポイントに応じてシナリオ抽籤種別を決定する。また、シナリオは、シナリオ番号が大きいほど遊技者にとって有利なシナリオであり、シナリオ抽籤種別「種別0」〜「種別3」では、「種別0」が有利なシナリオを最も当籤し易いシナリオ抽籤種別であり、「種別1」が有利なシナリオを次に当籤し易いシナリオ抽籤種別であり、「種別2」が有利なシナリオを次に当籤し易いシナリオ抽籤種別であり、「種別3」が有利なシナリオを最も当籤し難いシナリオ抽籤種別である。そのため、本実施形態では、ATポイントが少ないほど、遊技者にとって有利なシナリオが決定され易い。
続いて、図214(B)は、シナリオの内容を示す図である。シナリオは、5ゲーム毎にCZ種別を規定する情報である。例えば、シナリオ1は、5ゲームで終了するAT中CZのシナリオであり、1〜5ゲームのCZ種別が1(青)となるシナリオである。また、シナリオ10は、15ゲームで終了するAT中CZのシナリオであり、1〜5ゲームのCZ種別が1(青)、6〜10ゲームのCZ種別が2(緑)、11〜15ゲームのCZ種別が3(赤)となるシナリオである。なお、「AT中CZ」の状態では、固有の演出ステージを用いて演出が行われ、CZ種別の末尾の色情報(青、緑、赤)は、当該演出ステージの色を表している。そのため、遊技者は、演出ステージの色から、CZ種別を把握することができる。
[AT中CZ_特化ゾーンストック抽籤テーブル]
続いて、図215を参照して、AT中CZ_特化ゾーンストック抽籤テーブルについて説明する。AT中CZ_特化ゾーンストック抽籤テーブルは、「AT中CZ」の状態において単位遊技毎に内部当籤役(抽籤種別)に基づき特化ゾーンのストック抽籤を行う際に参照されるテーブルである。AT中CZ_特化ゾーンストック抽籤テーブルは、CZ種別及び抽籤種別毎にストック抽籤の抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。主制御回路91は、抽籤結果として「非当籤」が決定された場合には、特化ゾーンのストックを付与せずに、「当籤」が決定された場合には、特化ゾーンのストックを1つ(又は複数)付与するとともに、図216に示す共通_特化ゾーン種別抽籤テーブルを参照して、付与した特化ゾーンストックの種別も合わせて決定する。
なお、AT中CZはシナリオ毎のゲーム数により継続期間が管理され、AT中CZにおいてAT抽籤に当籤しても、シナリオに対応したゲーム数の間は、出玉状態「AT中CZ」のまま移行しない。主制御回路91は、AT中CZが終了すると、次ゲームの出玉状態を「AT中CZ」から「AT」に移行させる。
[共通_特化ゾーン種別抽籤テーブル]
続いて、図216を参照して、共通_特化ゾーン種別抽籤テーブルについて説明する。共通_特化ゾーン種別抽籤テーブルは、AT(特化ゾーン)のストックが付与された場合に特化ゾーンの種別を抽籤する際に参照されるテーブルである。共通_特化ゾーン種別抽籤テーブルは、ストック契機毎に特化ゾーンの種別の抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。ここで、確定役「F_紫7リプ」に応じて特化ゾーンのストックが付与された場合にはストック契機「紫7」が参照され、確定役「F_赤BARリプ」に応じて特化ゾーンのストックが付与された場合にはストック契機「赤BAR」が参照され、確定役「F_W揃いリプ」に応じて特化ゾーンのストックが付与された場合にはストック契機「W揃い」が参照され、確定役「F_黒BARリプ」に応じて特化ゾーンのストックが付与された場合にはストック契機「黒BAR」が参照され、「通常有利」の状態において通常モード“特殊”において特化ゾーンのストックが付与された場合にはストック契機「通常モード特殊」が参照され、これら以外を契機として特化ゾーンのストックが付与された場合にはストック契機「通常(右以外)」が参照される。
主制御回路91は、抽籤結果として「特化ゾーン1」が決定された場合には、当該ストックの特化ゾーンの種別を“特化ゾーン1”とし、抽籤結果として「特化ゾーン2」が決定された場合には、当該ストックの特化ゾーンの種別を“特化ゾーン2”とし、抽籤結果として「特化ゾーン3」が決定された場合には、当該ストックの特化ゾーンの種別を“特化ゾーン3”とし、抽籤結果として「特化ゾーン4」が決定された場合には、当該ストックの特化ゾーンの種別を“特化ゾーン4”とする。なお、特化ゾーンは、種別に応じてゲーム数の上乗せ期待度が異なり、ゲーム数の上乗せ期待度は、“特化ゾーン4”が最も高く、“特化ゾーン3”が次に高く、“特化ゾーン2”が次に高く、“特化ゾーン1”が最も低い。
また、“特化ゾーン1”は、当籤役に関係なく毎ゲーム少ないけれどもゲーム数の上乗せが行われる特化ゾーンであり、“特化ゾーン2”は、当籤役に応じてゲーム数の上乗せが行われないことがあるものの、通常リプ(「F_通常リプ1」)の当籤時に少なくとも50ゲーム以上の上乗せが行われる特化ゾーンである。なお、“特化ゾーン2”において通常リプが当籤した場合には、主制御回路91は、右左中又は右中左の押し順を報知して「紫7リプ」に係る図柄の組合せの表示を促す。また、“特化ゾーン3”は、当籤役に応じてゲーム数の上乗せが行われないことがあるものの、通常リプの当籤時に少なくとも100ゲーム以上の上乗せが行われる特化ゾーンである。なお、“特化ゾーン3”において通常リプが当籤した場合には、主制御回路91は、中左右又は中右左の押し順を報知して「赤BARリプ」に係る図柄の組合せの表示を促す。
また、“特化ゾーン4”は、“特化ゾーン1”〜“特化ゾーン3”の特徴を有し、当籤役に関係なく毎遊技ゲーム数の上乗せが行われるとともに、通常リプの当籤時に少なくとも50ゲーム以上(100ゲームの確率も高い)の上乗せが行われ、特殊リプ(「F_特殊リプ1」「F_特殊リプ2」)の当籤時に少なくとも200ゲーム以上の上乗せが行われる特化ゾーンである。なお、“特化ゾーン4”において通常リプが当籤し、上乗せゲーム数として50ゲームが決定された場合には、主制御回路91は、右左中又は右中左の押し順を報知して「紫7リプ」に係る図柄の組合せの表示を促し、また、通常リプが当籤し、上乗せゲーム数として100ゲームが決定された場合には、主制御回路91は、中左右又は中右左の押し順を報知して「赤BARリプ」に係る図柄の組合せの表示を促す。また、“特化ゾーン4”において「F_特殊リプ1」が当籤した場合には、主制御回路91は、右左中又は右中左の押し順を報知して「W揃いリプ」に係る図柄の組合せの表示を促し、「F_特殊リプ2」が当籤した場合には、主制御回路91は、中左右又は中右左の押し順を報知して「W揃いリプ」に係る図柄の組合せの表示を促す。
[共通_確定役無効抽籤テーブル]
続いて、図217を参照して、共通_確定役無効抽籤テーブルについて説明する。共通_確定役無効抽籤テーブルは、確定役を条件付きで有効とする状態(「特化ゾーン準備」「AT」「AT中CZ」)において、ATポイントに基づき無効とはならない確定役の当籤時に、当該確定役を無効にするか否かの無効抽籤を行う際に参照されるテーブルである。すなわち、主制御回路91は、確定役「F_黒BARリプ」が当籤役として決定された場合、ATポイントが768ポイント未満である場合には、共通_確定役無効抽籤テーブルを用いた無効抽籤を行い、ATポイントが768ポイント以上である場合には、この抽籤を行うことなく、無効にする。
共通_確定役無効抽籤テーブルは、確定役の無効抽籤の抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。主制御回路91は、抽籤結果として「有効」が決定された場合には、当籤した確定役を有効として、確定役に応じた特典を付与する。また、主制御回路91は、抽籤結果として「無効」が決定された場合には、当籤した確定役を無効にして、確定役に応じた特典を付与しない。
[共通_抽籤無効抽籤テーブル]
続いて、図218を参照して、共通_抽籤無効抽籤テーブルについて説明する。共通_抽籤無効抽籤テーブルは、AT中などの特定の遊技状態において各種の抽籤を無効にするか否かの無効抽籤を行う際に参照されるテーブルである。共通_抽籤無効抽籤テーブルは、ATポイント種別毎に、無効抽籤の抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。主制御回路91は、抽籤結果として「有効」が決定された場合には、当該遊技において各種の抽籤を行い、抽籤結果として「無効」が決定された場合には、当該遊技では各種の抽籤を行わない。
なお、ATポイント種別は、ATポイントに応じて決定される情報であり(図188(D))、主制御回路91は、無効抽籤を行う場合に、当該時点におけるATポイントに応じてATポイント種別を決定する。
[共通_ストック時ロック発生抽籤テーブル]
続いて、図219を参照して、共通_ストック時ロック発生抽籤テーブルについて説明する。共通_ストック時ロック発生抽籤テーブルは、AT(特化ゾーン)のストックが付与された場合にロック状態を発生させるか否かを抽籤する際に参照されるテーブルである。共通_ストック時ロック発生抽籤テーブルは、ストック当籤時の状態及びストック当籤時の抽籤種別毎にロック状態を発生させるか否かの抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。ここで、出玉状態「通常」又は「通常有利」においてAT(特化ゾーン)のストックが付与された場合には「通常/通常有利」欄が参照され、出玉状態「AT」においてAT(特化ゾーン)のストックが付与された場合には「AT」欄が参照される。
主制御回路91は、抽籤結果として「非当籤」が決定された場合には、ロック状態を発生させずに、抽籤結果として「当籤」が決定された場合には、遊技の進行を停止するロック状態を発生させる。なお、主制御回路91は、ロック状態を発生させる場合には、更なる特典を付与することとしてもよい。例えば、主制御回路91は、ロック状態を発生させる場合には、当該抽籤の契機となった分のAT(特化ゾーン)のストックに加え、1つ又は複数のストックを更に付与することとしてもよい。
同図に示すように出玉状態「AT」中は、特化ゾーンのストックが付与されると比較的高確率でロック状態が発生する。ここで、上述したように履歴役「レア役」に基づき宝石(赤)が表示された場合、その後の所定ゲーム数の間は、特化ゾーンのストックが付与され易い(図210参照)。そのため、本実施形態のパチスロ機1では、履歴役「レア役」に基づき宝石(赤)が表示された場合、その後の所定ゲーム数の間は、ロック状態が発生し易い状態となる。
[第4実施形態のパチスロ機1の遊技性のまとめ]
以上、第4実施形態のパチスロ機1について説明したが、本実施形態のパチスロ機1において実装可能な遊技性(遊技仕様)をまとめると以下の通りである。
[ATポイントを用いた制御(上乗せ確率変化)]
図188において上述したように、本実施形態のパチスロ機1では、主制御回路91は、特定の遊技状態(本実施形態では、出玉状態「特化ゾーン準備」「特化ゾーン」「AT」「AT中CZ」「特殊AT」)において払い出され得るメダルの数量(差枚数=払出枚数−投入枚数)に関する数値情報をATポイントして管理する。主制御回路91は、特定の遊技状態の各遊技において、遊技情報を取得するとともに、取得した遊技情報に応じてATポイントを算出する。
具体的には、主制御回路91は、内部当籤役として決定された役や入賞した役といった、今回の遊技において実際に払い出されるメダルの枚数を特定するための遊技情報を取得すると、実際に払い出されるメダルの枚数に応じたポイントの加算値を算出し、累積ポイントを更新する。また、主制御回路91は、ATの残りゲーム数やATの残りストック数といった遊技情報を取得すると、ATの残りゲーム数やATの残りストック数から予想される、今後付与され得るメダルの枚数の期待値に応じた所持ポイントを算出する。そして、主制御回路91は、累積ポイントと所持ポイントとの合計を、ATポイントとして算出する。
そして、主制御回路91は、算出したATポイントが閾値を超えると(より詳細には、閾値以上になると)、特典の付与確率(例えば、特定の遊技状態の遊技期間の延長に関する延長情報)を変化させる。一例としては、主制御回路91は、ATポイントが閾値を超えている場合には、確定役のような特定の遊技状態の遊技期間の延長といった特典を付与する期待度が他の役よりも高い役が内部当籤役として決定されたとしても、確定役を無効にして特典を付与しないように制御する。
このように本実施形態のパチスロ機1では、特定の遊技状態において付与され得るメダルの枚数に関するATポイントに応じて、特定の遊技状態の遊技期間の延長に関する延長情報が変化するため、特定の遊技状態中の遊技が多様化し、遊技の興趣が向上する。また、特定の遊技状態において遊技者が多くの利益を既に得ている又は将来得ることができる場合に、確定役を無効にするなどの制御を行うことで、遊技者が得られる利益が過大になってしまうことを防止でき、結果、過度なのめり込みを防止しつつ、遊技性を多様化することができる。
なお、特定の遊技状態の遊技期間の延長に関する延長情報は任意であり、また、延長情報を変化させることには、本実施形態のように無効にすること(延長しないこと)の他に、確率を低くすることも含み、また、確率を高くすることも含む。すなわち、本遊技性は、ATポイントが閾値を超えた場合に、確定役を無効にすることの他に、確定役を無効にする確率を変化させることを含み、また、確定役の制御に限られず、ATポイントが閾値を超えた場合に、AT(特化ゾーン)のストックの上乗せ抽籤を無効にすること、当該上乗せ抽籤に当籤する確率を変化させることを含む。また、本実施形態では、AT中にゲーム数の上乗せは行わないが、ATポイントが閾値を超えた場合に、ゲーム数の上乗せ抽籤を無効にすること、当該上乗せ抽籤に当籤する確率を変化させることや、当該上乗せ抽籤に当籤した場合に上乗せするゲーム数を変化(多くする又は少なくする)させることを含む。
[ATポイントを用いた制御(出目の多様化)]
また、本実施形態のパチスロ機1では、確定役が無効の場合には、右左中又は右中左の押し順を報知し、確定役が有効の場合には、当該押し順を報知しない。その結果、確定役が無効の場合には、他のリプレイ役においても表示され得る図柄の組合せ(TLリプ)が表示され、確定役が有効の場合には、夫々の確定役において固有の図柄の組合せが表示される。なお、本実施形態では、確定役が有効の場合には何らの押し順も報知しないが、これに限られるものではなく、確定役に固有の図柄の組合せが表示される押し順を報知することとしてもよい。
これにより、本実施形態のパチスロ機1では、確定役の当籤時に表示される図柄の組合せ(出目)が、ATポイントに応じて異なることになり、遊技者が注目する出目(結果表示)が多様化し、遊技の興趣が向上する。このとき、確定役が有効である場合の出目は、確定役に固有の出目である一方で、確定役が無効である場合の出目は、確定役以外の役が当籤役として決定された場合にも表示され得る出目である。そのため、遊技者は、表示された汎用的な出目から確定役が当籤し無効になったのか他の役が当籤したのかを把握することができず、遊技者に気付かれることなく出目のバリエーションが異なる状態を制御することができる。また、図188(B)に示すように、無効にする確定役の種類は、ATポイントに応じて段階的に増えるため、出目のバリエーションを段階的に変化させることができる。
なお、本遊技性は、ATポイントに応じて出目のバリエーションを異ならせるものであり、異ならせる対象は、固有の出目であるか汎用的な出目であるかは限るものではない。例えば、主制御回路91は、ATポイントが特定の範囲にある場合には(第1閾値未満)、特定の役の当籤時に特定の出目(図柄の組合せ)が表示されるように、押し順のナビを行い、ATポイントが特定の範囲とは異なる所定の範囲にある場合には(第1閾値以上第2閾値未満)、特定の役の当籤時に所定の出目(図柄の組合せ)が表示されるように、押し順のナビを行うものであってもよい。
[ATポイントを用いた確定役制御と最終上乗せ制御]
また、本実施形態のパチスロ機1では、主制御回路91は、確定役が有効である場合には、当該確定役の当籤を契機として特典を付与する一方で、確定役が無効である場合には、確定役に当籤した遊技よりも後の遊技であるATの終了時に行う最終上乗せ抽籤に基づき、特典を付与可能である。これにより確定役を無効にした場合には、その代わりに他の特典を付与することができるため、遊技者が一方的に不利益を受けてしまうことを軽減することができる。なお、この場合において、確定役を無効にした場合には、汎用的な出目が表示されることになるため、遊技者は確定役が無効になったことに気付くことなく、最終上乗せ抽籤に基づく特典を得ることができる。このように確定役を無効にした場合には、代わりの特典を付与することで、実際に生じた不利益も補てんすることができ、また、確定役の当籤に伴う特典を多様化することができる。なお、本実施形態では、最終上乗せ抽籤に基づく特典と、確定役「F_黒BARリプ」に基づく特典とを同一の特典としているが、これに限るものではない。すなわち、無効にする確定役に基づく特典と、無効にした特典を補てんする特典とは、同一のものに限らず、異なる特典であってもよい。
また、主制御回路91は、最終上乗せ抽籤の抽籤時(すなわち、確定役が当籤した遊技よりも後のAT終了時)に、ATポイントが閾値(1024)以上である場合には、最終上乗せ抽籤を行わない。これにより、遊技者が得られる利益が過大になってしまうことを防止でき、結果、過度なのめり込みを防止しつつ、遊技性を多様化することができる。このように、本実施形態のパチスロ機1では、ATポイントに基づき最終上乗せ抽籤を無効にするが、最終上乗せ抽籤は、ATポイントに関わらず無効にしないこととしてもよい。また、ATポイントに応じて最終上乗せ抽籤に当籤する確率を異ならせることとしてもよい。また、確定役を無効にしている場合には、ATポイントに関わらず最終上乗せ抽籤を無効にせず、確定役を無効にしている場合には、ATポイントに基づき最終上乗せ抽籤を無効にすることとしてもよい。
[ATポイントを用いた履歴種別制御]
また、本実施形態のパチスロ機1では、主制御回路91は、履歴役「レア役」が当籤役として決定されると、履歴表示窓に宝石(赤)を表示するか宝石(白)を表示するかを決定する。なお、宝石(赤)を表示すると決定した場合には、その後の所定ゲーム数の間、AT中の特化ゾーンのストック抽籤に当籤する確率が上がる。主制御回路91は、この宝石(赤)を表示するか否かの決定も、ATポイントを参照して行う。具体的には、ATポイントに基づき抽籤無効抽籤を行い、この抽籤において「無効」が決定されると、宝石(赤)を表示するか否かの抽籤を行わないため、宝石(赤)を表示するか否かの決定は、ATポイントに基づき行われることになる。これにより、ATポイントに応じて、宝石(赤)を表示する確率だけでなく、その後の特典(特化ゾーンストック)付与の確率も変化するため、多様な遊技性を実現することができる。
なお、AT中の特化ゾーンのストック抽籤に当籤した場合、遊技の進行を停止するロック状態を発生可能することがある(図219参照)。上述のように特化ゾーンのストック付与の確率は、ATポイントに応じて変化するため、ATポイントに応じてロック状態の発生頻度を異ならせることができるため、多様な遊技性を実現することができる。
[ATポイントを用いた遊技性のその他の仕様例]
続いて、図220を参照して、ATポイントを用いた遊技性において適用可能なその他の仕様例について説明する。初めに、図220(A)(a)には、本遊技性の基本パターンを示す。同図に示すように、本遊技性では、上乗せ(特典付与)確率と、出目内容とをATポイントに基づき変化させる。具体的には、主制御回路91は、ATポイントが閾値以上になると、上乗せ確率を異ならせるとともに、出目の内容を異ならせる。なお、上乗せ確率を異ならせるとは、上述したように、確定役を有効/無効にすることの他、他の役(リプレイ、小役、レア役)に基づく上乗せ抽籤の当籤確率を異ならせることに加え、上乗せ抽籤の抽籤対象となる役を増減することなどを含む。また、出目の内容を異ならせるとは、上述したように、押し順に応じて異なる図柄の組合せが表示される役の当籤時にナビする押し順を制御することである。
また、上乗せ確率については、上乗せ制御Aと上乗せ制御Bとがある場合に、両者を共に変化させることとしてもよく、また、両者を個別に変化させることとしてもよい。具体的には、主制御回路91は、ATポイントが閾値以上になると、上乗せ制御A及び上乗せ制御Bの当籤確率を変化させてもよく、また、主制御回路91は、ATポイントが第1閾値以上になると、上乗せ制御Aの当籤確率を変化させ、ATポイントが第2閾値以上になると、上乗せ制御Bの当籤確率を変化させることとしてもよい。
また、同図(b)(c)は、本遊技性の他の仕様例への適用パターンを示す。同図(b)に示すように、主制御回路91は、ATポイントが閾値以上になると、上乗せ確率を異ならせる一方で、出目の内容についてはATポイントに関わらず一定になるように制御してもよい。このような仕様例では、出目の内容は同一であるものの、上乗せの確率が変化する。遊技者からすると、目に見える出目は同一であるため、例えば、レア役などの出目から上乗せの期待感を持つことができるものの、内部的には上乗せされていないことになる。
反対に、同図(c)に示すように、主制御回路91は、上乗せ確率についてはATポイントに関わらず一定になるように制御する一方で、出目の内容については、ATポイントが閾値以上になると変化するように制御してもよい。このような仕様例では、上乗せ確率は同一であるものの、出目の内容は変化する。出目の内容が異なるため、上乗せの期待度を変えることなく、例えば、レア役などの出目が出やすい状態又は出にくい状態を設けることができる。遊技者からすると、レア役などの出目が頻繁に出現しているにも関わらず、上乗せが行われないといった状況や、反対にレア役などの出目が全くでないにも関わらず、上乗せが行われるといった状況が発生するため、遊技の興趣が向上する。
続いて、図220(B)は、上乗せ確率を変化させる閾値と、出目の内容を変化させる閾値との関係を示す図である。同図に示すように、主制御回路91は、上乗せ確率を変化させる閾値と、出目の内容を変化させる閾値とを共通としてもよい。一例として、主制御回路91は、ATポイントが閾値1未満である場合には、上乗せ確率を確率A、出目の内容を出目Aとし、ATポイントが閾値1以上閾値2未満である場合には、上乗せ確率を確率B、出目の内容を出目Bとし、ATポイントが閾値2以上閾値3未満である場合には、上乗せ確率を確率C、出目の内容を出目Cとし、ATポイントが閾値3以上閾値4未満である場合には、上乗せ確率を確率D、出目の内容を出目Dとしてもよい。
また、主制御回路91は、上乗せ確率を変化させる閾値と、出目の内容を変化させる閾値とを異なるものとしてもよい。一例として、主制御回路91は、上乗せ確率については、ATポイントが閾値2未満である場合に確率A、ATポイントが閾値2以上閾値3未満である場合に確率B、ATポイントが閾値3以上閾値4未満である場合に確率Cとする一方で、出目の内容については、ATポイントが閾値1未満である場合に出目A、ATポイントが閾値1以上閾値3未満である場合に出目B、ATポイントが閾値3以上閾値4未満である場合に出目Cとしてもよい。また、主制御回路91は、ATポイントが閾値3未満である場合には、出目の内容を出目Aとしつつも、上乗せ確率については、変化させることとしてもよい。一例として、ATポイントが閾値1未満である場合には上乗せ確率を確率A、ATポイントが閾値1以上閾値2未満である場合には上乗せ確率を確率B、ATポイントが閾値2以上閾値3未満である場合には上乗せ確率を確率Cとしてもよい。
続いて、図220(C)は、上乗せ確率及び出目の内容を変化させるために用いるポイント種別を示す図である。同図のパターン1に示すように、本実施形態では、主制御回路91は、ATポイントに基づいて上乗せ確率及び出目の内容を変化させているが、これに限るものではない。すなわち、ATポイントは、累積ポイントと所持ポイントとからなるが、主制御回路91は、ATポイント、累積ポイント、所持ポイントの何れかを用いて上乗せ確率及び出目の内容を変化させることができる。
なお、用いるポイント種別は、上乗せ確率及び出目の内容の双方において共通であってもよく、また、異なるものであってもよい。同図のパターン2は、上乗せ確率及び出目の内容において異なるポイント種別を用いる場合を示している。具体的には、主制御回路91は、上乗せ確率はATポイントに基づき変化させ、出目の内容は累積ポイントに基づき変化させることとしてもよい。
また、用いるポイント種別は、ATポイントの範囲に応じて異ならせることとしてもよい。なお、ATポイントの範囲ではなく、累積ポイント又は所持ポイントの範囲に基づいて、用いるポイント種別を異ならせることとしてもよい。同図のパターン3は、ATポイントの範囲に応じて用いるポイント種別を異ならせる場合を示している。具体的には、主制御回路91は、ATポイントが第1範囲(閾値1未満)である場合には、上乗せ確率及び出目の内容を累積ポイントに基づき変化させ、ATポイントが第2範囲(閾値1以上閾値2未満)である場合には、上乗せ確率及び出目の内容をATポイントに基づき変化させることとしてもよい。
この場合において、ATポイントの範囲は、上乗せ確率及び出目の内容の双方において共通であってもよく、また、異なるものであってもよい。同図のパターン4は、上乗せ確率及び出目の内容の双方においてATポイントの範囲を異ならせる場合を示している。具体的には、主制御回路91は、ATポイントが第1範囲(閾値1未満)である場合には、上乗せ確率を累積ポイントに基づき変化させ、ATポイントが第2範囲(閾値1以上閾値2未満)である場合には、上乗せ確率をATポイントに基づき変化させる一方で、出目の内容については、ATポイントが閾値2未満である限りは、ATポイントに基づき変化させることとしてもよい。
また、用いるポイント種別は、上乗せ確率及び出目の内容の双方において共通であってもよく、また、異なるものであってもよい。同図のパターン5は、上乗せ確率及び出目の内容において異なるポイント種別を用いる場合を示している。具体的には、主制御回路91は、ATポイントが第1範囲(閾値1未満)である場合には、上乗せ確率を累積ポイントに基づき変化させるとともに、出目の内容をATポイントに基づき変化させ、ATポイントが第2範囲(閾値1以上閾値2未満)である場合には、上乗せ確率をATポイントに基づき変化させるとともに、出目の内容を所持ポイントに基づき変化させることとしてもよい。
[ATポイントの管理方法]
また、本実施形態のパチスロ機1では、主制御回路91は、AT中などの特定の遊技状態では、累積ポイントと所持ポイントとを毎遊技更新することで、ATポイントを毎遊技更新する。例えば、「AT」中に1回の遊技が行われると、ATの残りゲーム数が1減る結果、所持ポイントが7ポイント減る一方で、当該遊技における当籤役に応じて累積ポイントが更新される。また、例えば、「特化ゾーン」の状態において、ストックを消費してATのゲーム数を決定した場合、AT(特化ゾーン)のストックが1減る一方で、決定したゲーム数分だけATの残りゲーム数が増加するため、累積ポイントからは、ストック1つ分の600ポイントが減る一方で、増加したゲーム数分の所持ポイントが増加する。
このように本実施形態のパチスロ機1では、特定の遊技状態の各遊技において、当該遊技の遊技情報(当籤役など)に応じてATポイントを更新するため、特定の遊技状態において付与され得るメダルの数量に関するATポイントに適切に管理することができる。すなわち、遊技の進行に応じて、1ゲーム当たりのメダル増加量の期待値(所持ポイント)が、実際に払い出されたメダルの枚数の実数値(累積ポイント)に替わるため、より実数に近いATポイントを算出することができる。
[閾値との比較方法]
また、本実施形態のパチスロ機1では、上位バイト(1バイト)及び下位バイト(1バイト)の2バイトからなるカウンタを用いてATポイントを計数するとともに、閾値として256の倍数を用いる。そして、主制御回路91は、上位バイトのカウンタの値と、閾値の倍数部分の値とを比較することで、ATポイントが閾値以上になったか否かを判定する。これにより、閾値に下位バイトの値が不要になるため、データ容量を軽減することができるとともに、比較制御に要する処理負荷を軽減することができる。
[主制御基板及び副制御基板が有する各種機能]
以上のようなパチスロ機1に特有の制御を実現するために、パチスロ機1の主制御基板(主制御回路91,メインCPU93)及び副制御基板(副制御回路101,サブCPU102)は、次のような機能を有する。
パチスロ機1は、複数の図柄が表面に描かれた複数のリール3L,3C,3Rと、リール3L,3C,3Rに対応して設けられ遊技者が停止可能な複数のストップボタン7L,7C,7Rを有し、主制御回路91は、スタートスイッチ6Sやストップスイッチ7Sと接続され、図1に示す遊技の進行を制御するため、主制御回路91は、遊技制御手段として機能する。
また、パチスロ機1では、ATポイントをカウントしてATポイントに基づく各種の制御を行う「AT」の状態などと、ATポイントを用いることのない「通常」の状態などとを有するため、パチスロ機1は、所定の遊技状態(通常など)と特定の遊技状態(ATなど)とを含む複数の遊技状態を有する。また、パチスロ機1では、左1stの押し順で停止操作が行われたときに、確定役に固有の図柄の組合せが表示され、右1stなどの押し順で停止操作が行われたときに、他のリプレイ役においても表示される汎用的な図柄の組合せが表示される、複数の確定役を有する。
また、主制御回路91は、ATなどの特定の遊技状態の各遊技において、内部当籤役やATの残りゲーム数などの遊技情報を取得するとともに、取得した遊技情報に応じて、特定の遊技状態において付与され得るメダルの枚数に関する数値情報であるATポイントを算出するため、主制御回路91は、数値算出手段として機能する。
また、主制御回路91は、特定の遊技状態の各遊技において、今回の遊技において付与するメダルの枚数に関する情報(例えば、内部当籤役や今回の遊技において実際に払い出した枚数)を取得するとともに、取得した情報に応じて、累積ポイントを算出する。また、主制御回路91は、特定の遊技状態の各遊技において、AT(特化ゾーン)の残りストック数及びATの残りゲーム数を取得するとともに、取得した残りストック数及び残りゲーム数に応じて、所持ポイントを算出する。そして、主制御回路91は、累積ポイントと所持ポイントとからATポイントを算出する。そのため、主制御回路91は、第1数値算出手段、第2数値算出手段及び第3数値算出手段として機能する。また、主制御回路91は、AT(特化ゾーン)のストック数を消費してATの残りゲーム数を加算可能であるため、主制御回路91は、遊技期間決定手段として機能する。
また、主制御回路91は、ATポイントが閾値以上になると、ATなどの特定の遊技状態の遊技期間の延長に関する延長情報を変化させるため、主制御回路91は、延長情報変化手段として機能する。なお、特定の遊技状態の遊技期間の延長に関する延長情報としては、例えば、確定役に伴う特化ゾーンのストック付与や、AT中に行う特化ゾーンストック抽籤を用いることができ、確定役を有効/無効にすることや、特化ゾーンストック抽籤に当籤する確率を変更することで、延長情報を変化させることができる。また、主制御回路91は、ATポイントと閾値とを比較して各種の制御を行うが、これら各種の制御は、これまでに実際に払い出されるメダルの枚数に応じたポイント(累積ポイント)と閾値とを比較して行うこととしてもよく、また、今後付与され得るメダルの枚数に応じたポイント(所持ポイント)と閾値とを比較して行うこととしてもよく、また、累積ポイントと所持ポイントとを合計したATポイントと閾値とを比較して行うこととしてもよい。
また、主制御回路91は、ATポイントに応じて、当籤役として決定された場合に右1stの押し順を報知する確定役の種類を決定し、決定した種類の確定役が当籤役として決定されると、右左中又は右中左の押し順を報知するため、主制御回路91は、対象役決定手段及び報知手段として機能する。このとき、主制御回路91は、付与する特典が大きな確定役から順に、右1stの押し順を報知する確定役の種類を段階的に増加させる(図188(B)参照)。
また、主制御回路91は、確定役の当籤時に確定役が有効である場合には、確定役に応じた特典を付与可能であるとともに、確定役を無効にした場合には、ATの終了時に行う最終上乗せ抽籤により特典を付与可能であるため、主制御回路91は、特典付与手段、第1特典付与決定手段及び第2特典付与決定手段として機能する。このとき、主制御回路91は、確定役が当籤した遊技におけるATポイントに応じて確定役を無効にするか否かを決定し、また、AT終了時のATポイントに応じて最終上乗せ抽籤を行うか否かを決定する。
また、主制御回路91は、履歴役「レア役」が当籤役として決定されると、履歴表示窓に宝石(赤)を表示するか宝石(白)を表示するかを決定可能であるため、主制御回路91は、履歴種別決定手段として機能する。そして、パチスロ機1では、副制御回路101は、液晶ディスプレイの履歴表示窓に所定ゲーム数の間の当籤役の履歴情報を表示するとともに、履歴役「レア役」に基づき宝石(赤)を表示すると決定した場合には、履歴表示窓に宝石(赤)を表示するため、副制御回路101及び液晶ディスプレイの履歴表示窓は、履歴表示手段として機能する。
なお、主制御回路91は、履歴役「レア役」に基づき宝石(赤)を表示するか否かの決定をATポイントに基づき行う。具体的には、ATポイントに基づき抽籤無効抽籤を行い、抽籤を無効にすることが決定された場合には、宝石(赤)を表示するか否かの抽籤自体を行わないため、主制御回路91は、無効制御手段として機能する。
また、主制御回路91は、履歴役「レア役」に基づき宝石(赤)を表示すると決定した場合には、その後の所定ゲーム数の間は、特化ゾーンのストック付与抽籤を高い確率で当籤させるため、主制御回路91は、特典付与手段として機能する。また、主制御回路91は、特化ゾーンのストック付与抽籤に当籤してストックを付与する場合に、遊技の進行を停止するロック状態を発生可能であるため、主制御回路91は、ロック制御手段として機能する。
また、主制御回路91は、ATポイントを上位バイト及び下位バイトの2バイトからなるATポイント用のカウンタで計数するため、主制御回路91は、2バイトのカウンタとして機能する。
[有利区間中の特殊モード制御]
主制御回路91は、通常区間から有利区間への移行時に特殊モードをONにセットし、特殊モードONの状態で「XDリプ」以外のリプレイに係る図柄の組合せが表示されると、特殊モードをOFFに更新する。特殊モードがONである場合、AT(特化ゾーンストック)抽籤などの抽籤結果が遊技者にとって不利になるとともに、押し順小役の当籤時に押し順をナビする確率が低い。以下説明する遊技性は、特殊モードによる押し順のナビの制御に関するものである。
「通常」の状態でAT当籤し、その後、特殊モードがONのまま、「特化ゾーン準備」の状態に移行した場合、「特化ゾーン準備」の状態では、押し順のナビが特殊モードに応じた確率で行われるため(図200参照)、「特化ゾーン準備」の状態では、特殊モードに応じて出玉感が異なり、出玉感にメリハリが生じる。
また、「特化ゾーン準備」の状態から、押し順のナビが行われる報知状態として機能する「特化ゾーン」の状態への移行は、通常リプ又は特殊リプの当籤時に行う特化ゾーン開始抽籤において開始が決定されることである(図201参照)。このとき、本実施形態では、通常リプ又は特殊リプが当籤した遊技では、基本的には、「XDリプ」以外のリプレイに係る図柄の組合せが表示されるため、報知状態として機能する「特化ゾーン」の状態に移行した場合には、特殊モードがOFFに更新される。このように「特化ゾーン」の状態では、特殊モードがOFFになるため、押し順小役の当籤時に押し順をナビする確率が上がり、特殊モードがONである「特化ゾーン準備」の状態と比べて、出玉感が異なり、「特化ゾーン準備」の状態と「特化ゾーン」の状態との間で出玉感にメリハリが生じる。
なお、主制御回路91はRT状態が異なる場合には、通常リプ又は特殊リプの当籤時に「XDリプ」の図柄の組合せを表示するように停止制御を行うこともできる。すなわち、主制御回路91は、フラグ間RT(2BET専用ボーナスの内部中の3BET遊技)では、通常リプの当籤時に「XDリプ」以外のリプレイに係る図柄の組合せ(TLリプなど)を表示可能に停止制御し、フラグ間RT以外のRT状態では、通常リプの当籤時に「XDリプ」の図柄の組合せを表示して、「XDリプ」以外のリプレイに係る図柄の組合せを表示不可能に停止制御する。
このような制御を行う場合、フラグ間RTでは、「特化ゾーン」の状態の開始契機となる通常リプの当籤時に、「XDリプ」以外のリプレイに係る図柄の組合せの表示に伴い特殊モードがOFFに更新される一方で、フラグ間RT以外のRT状態では、通常リプの当籤時に「XDリプ」の図柄の組合せが表示されてしまうため、「特化ゾーン」の状態の開始された場合であっても特殊モードがONのまま維持されてしまう。すなわち、主制御回路91は、「特化ゾーン準備」の状態から「特化ゾーン」の状態への移行は、通常リプが当籤役として決定されたことのみを持って行うが、特殊モードの切り替えは、通常リプが当籤役として決定されただけでは行わずに、「XDリプ」以外のリプレイに係る図柄の組合せが表示された場合に行う。
そして、主制御回路91は、特殊モードがONである「特化ゾーン」の状態では、所定の確率で押し順のナビを行い、特殊モードがOFFである「特化ゾーン」の状態では、所定の確率よりも高い確率(より好ましくは100%の確率)で押し順のナビを行うことで、「特化ゾーン」の開始直後の出玉感にメリハリを生じさせることができる。
[主制御基板及び副制御基板が有する各種機能]
以上のようなパチスロ機1に特有の制御を実現するために、パチスロ機1の主制御基板(主制御回路91,メインCPU93)及び副制御基板(副制御回路101,サブCPU102)は、次のような機能を有する。
パチスロ機1は、複数の図柄が表面に描かれた複数のリール3L,3C,3Rと、リール3L,3C,3Rに対応して設けられ遊技者が停止可能な複数のストップボタン7L,7C,7Rを有し、主制御回路91は、スタートスイッチ6Sやストップスイッチ7Sと接続され、図1に示す遊技の進行を制御するため、主制御回路91は、遊技制御手段として機能する。
また、パチスロ機1では、「通常」や「通常有利」の状態のように遊技者にとって不利な通常の遊技状態(所定遊技状態)と、これら通常の遊技状態よりも遊技者にとって有利な「特化ゾーン」の状態(特定遊技状態)と、「特化ゾーン」の状態が開始されるまでの待機期間である「特化ゾーン準備」の状態(待機遊技状態)とを含む複数の遊技状態を有する。また、パチスロ機1では、2BET専用ボーナスを当籤役として持ち越しているフラグ間RTと、当該ボーナスを当籤役として持ち越していない非フラグ間RTとを有する。なお、フラグ間RTと非フラグ間RTとでは、リプレイ役が当籤役として決定される確率が異なるものであり、それゆえに、パチスロ機1は、リプレイ役が当籤役として決定される確率が異なるフラグ間RTと非フラグ間RTとを含む複数のRT状態を有する。
また、パチスロ機1では、当籤役として決定された場合に遊技者にとって有利な停止操作の態様が報知され得る押し順小役(「F_打順1ベルA」〜「F_打順6特殊B」)と、フラグ間RTでは、「XDリプ」以外のリプレイに係る図柄の組合せ(TLリプ)を表示可能であり、非フラグ間RTでは、「XDリプ」の図柄の組合せのみを表示可能で、「XDリプ」以外のリプレイに係る図柄の組合せを表示不可能な通常リプなどの役を有するため、パチスロ機1は、複数の役として報知対象役と特定役とを有する。
また、パチスロ機1では、特殊モードを有し、特殊モードのON/OFFにより押し順小役の当籤時に正解の押し順をナビする確率を異ならせるため、第1報知モード(特殊モードON)と、第1報知モードよりも正解の押し順をナビする確率が高い第2報知モード(特殊モードOFF)とを有する。
また、主制御回路91は、「通常」の状態においてAT抽籤に当籤すると、「AT前兆」の状態を経由するなどして「特化ゾーン準備」の状態に遊技状態を移行可能であり、また、「特化ゾーン準備」の状態において通常リプ又は特殊リプの当籤時に行う特化ゾーン開始抽籤で開始が決定されると、「特化ゾーン」の状態に遊技状態を移行可能であるため、主制御回路91は、遊技状態制御手段として機能する。
また、主制御回路91は、通常区間である「通常」の状態から有利区間である「特化ゾーン準備」の状態に移行すると、特殊モードをONに設定可能であり、また、「特化ゾーン準備」の状態から「特化ゾーン」の状態に移行すると(より詳細には、特化ゾーン開始抽籤の抽籤契機となった通常リプの当籤に伴い「XDリプ」以外のリプレイに係る図柄の組合せが表示されると)、特殊モードをOFFに設定可能であるため、主制御回路91は、報知モード設定手段として機能する。
また、主制御回路91は、特殊モードがONの場合に押し順小役に当籤すると、所定の確率で正解の押し順をナビして、また、特殊モードがOFFの場合に押し順小役に当籤すると、所定の確率よりも高い確率で正解の押し順をナビするため、主制御回路91は、報知手段として機能する。
[3択役のナビ制御]
以下説明する遊技性は、3択役の当籤時にメイン側のナビ内容とサブ側のナビ内容とが一致させる制御に関するものである。3択役の当籤時にナビを行う場合、主制御回路91は、6択の押し順用に設けられたナビ種別の中から、3択の押し順に合致するナビ種別を取得する。具体的には、主制御回路91は、正解の押し順が左1stである3択役の当籤時には、左中右に対応するナビ種別「1」又は左右中に対応するナビ種別「2」を取得し、正解の押し順が中1stである3択役の当籤時には、中左右に対応するナビ種別「3」又は中右左に対応するナビ種別「4」を取得し、正解の押し順が右1stである3択役の当籤時には、右左中に対応するナビ種別「5」又は右中左に対応するナビ種別「6」を取得する。そして、主制御回路91は、取得したナビ種別に基づいて指示モニタにおいて押し順のナビを行う。
そして、副制御回路101は、メイン側のナビ種別に応じたナビを液晶ディスプレイ(表示ユニット100)において行う。具体的には、副制御回路101は、メイン側のナビ種別が「1」である場合には、液晶ディスプレイに左中右の押し順を表示し、メイン側のナビ種別が「2」である場合には、液晶ディスプレイに左右中の押し順を表示し、メイン側のナビ種別が「3」である場合には、液晶ディスプレイに中左右の押し順を表示し、メイン側のナビ種別が「4」である場合には、液晶ディスプレイに中右左の押し順を表示し、メイン側のナビ種別が「5」である場合には、液晶ディスプレイに右左中の押し順を表示し、メイン側のナビ種別が「6」である場合には、液晶ディスプレイに右中左の押し順を表示する。これにより、本制御では、3択役の当籤時に演出的に6択のナビを行いつつも、メイン側のナビとサブ側のナビとを一致することができる。
なお、主制御回路91は、6択役の当籤時にナビを行う場合には、正解の押し順(6択)に応じたナビ種別を取得して押し順のナビを行い、副制御回路101は、メイン側のナビ種別に応じたナビを液晶ディスプレイにおいて行う。
[主制御基板及び副制御基板が有する各種機能]
以上のようなパチスロ機1に特有の制御を実現するために、パチスロ機1の主制御基板(主制御回路91,メインCPU93)及び副制御基板(副制御回路101,サブCPU102)は、次のような機能を有する。
パチスロ機1は、複数の図柄が表面に描かれた複数のリール3L,3C,3Rと、リール3L,3C,3Rに対応して設けられ遊技者が停止可能な複数のストップボタン7L,7C,7Rを有し、主制御回路91は、スタートスイッチ6Sやストップスイッチ7Sと接続され、図1に示す遊技の進行を制御するため、主制御回路91は、遊技制御手段として機能する。また、副制御回路101は、遊技に関する演出を制御するため、副制御回路101は、演出制御手段として機能する。
また、パチスロ機1では、3択役と6択役とを有し、3択役の中には右1stの押し順である場合に、所定の図柄の組合せ(TLリプ)が表示され、左1stの押し順である場合に、他の図柄の組合せ(紫7リプ)が表示される「F_紫7リプ」が含まれるとともに、6択役の中には、右左中の押し順である場合に特定の図柄の組合せ(上段ベル)が表示され、右左中以外の押し順である場合に特定の図柄の組合せが表示されない「F_打順5ベルA」や、右中左の押し順である場合に特定の図柄の組合せ(上段ベル)が表示され、右中左以外の押し順である場合に特定の図柄の組合せが表示されない「F_打順6ベルA」が含まれるため、パチスロ機1は、複数の役として、第1択数役と第2択数役とを有し、更に、第1択数役として特定第1択数役、第2択数役として特定第2択数役と所定第2択数役とを有する。
また、主制御回路91は、指示モニタを介して押し順を報知可能であり、副制御回路101は、液晶ディスプレイ(表示ユニット100)を介して押し順を報知可能であるため、主制御回路91及び指示モニタは、メイン側報知手段として機能し、副制御回路101及び液晶ディスプレイは、サブ側報知手段として機能する。
[AT中CZにおけるナビ制御]
続いて、AT中CZにおけるナビ制御に関する遊技性について説明する。主制御回路91は、「AT」の状態において移行条件を満たすと、「AT中CZ」の状態に遊技状態を移行する。主制御回路91は、押し順小役の当籤時に正解の押し順のナビを行わないため、「AT中CZ」の状態は、メダルの増加に関しては、「AT」の状態よりも不利であるが、「AT中CZ」の状態は、「AT」の状態に比べて特化ゾーンのストックが付与され易い。これにより、「AT」の状態の期間延長という「AT中CZ」の遊技性を損なうことなく、「AT中CZ」において遊技者に与える利益(メダルと特化ゾーンストック)を適切な範囲に収めることができる。また、「AT中CZ」の状態において出玉率を下げることで、その分の割合を他の部分に回すことができ、例えば、「AT中CZ」の状態への移行頻度や、「AT中CZ」の状態におけるストック付与の期待度を高くすることもできる。なお、本実施形態では、「AT中CZ」の状態では、押し順のナビをしないこととしているが、これに限られるものではなく、「AT」の状態よりも押し順をナビする確率が低ければよい。
また、主制御回路91は、「AT」の状態では、報知対象となる押し順小役が当籤した場合に特化ゾーンのストックを付与することはないものの(図210参照)、「AT中CZ」の状態では、押し順小役の当籤時に特化ゾーンのストックを付与することがある(図215参照)。このように押し順をナビする確率が低い「AT中CZ」の状態において押し順小役が当籤した場合に、ナビをしないことの不利益の代わりに特化ゾーンのストックを付与可能とすることで、「AT中CZ」の状態における押し順小役の当籤に対して、遊技者は不満を感じることがなくなるため、遊技の興趣が向上する。
[主制御基板及び副制御基板が有する各種機能]
以上のようなパチスロ機1に特有の制御を実現するために、パチスロ機1の主制御基板(主制御回路91,メインCPU93)及び副制御基板(副制御回路101,サブCPU102)は、次のような機能を有する。
パチスロ機1は、複数の図柄が表面に描かれた複数のリール3L,3C,3Rと、リール3L,3C,3Rに対応して設けられ遊技者が停止可能な複数のストップボタン7L,7C,7Rを有し、主制御回路91は、スタートスイッチ6Sやストップスイッチ7Sと接続され、図1に示す遊技の進行を制御するため、主制御回路91は、遊技制御手段として機能する。
また、パチスロ機1では、「通常」や「通常有利」の状態のように遊技者にとって不利な通常の遊技状態(所定の遊技状態)と、これら通常の遊技状態よりも遊技者にとって有利な「AT」や「AT中CZ」の状態(特定の遊技状態)と、を有するとともに、特定の遊技状態として「AT」の状態(通常区間)と、「AT」の状態よりも特化ゾーンのストックが付与され易い「AT中CZ」の状態(上乗せ区間)とを有する。また、パチスロ機1は、正解の押し順で停止操作が行われたときに払い出されるメダルの枚数(15枚)が、不正解の押し順で停止操作が行われたときに払い出されるメダルの枚数(0又は1枚)よりも多い報知対象の役である「F_打順ベル1A」〜「F_打順ベル6B」を有する。
また、主制御回路91は、報知対象の役が当籤役として決定された場合に、正解の押し順を報知可能であるため、主制御回路91は、報知手段として機能する。このとき、主制御回路91は、「AT」の状態では、報知対象の役が当籤した場合に必ず(又は高確率で)正解の押し順のナビを行うが、「AT中CZ」の状態では、「AT」中よりも低い確率で正解の押し順のナビ(又はナビを行わない)を行う。
また、主制御回路91は、「AT」の状態において「AT中CZ」の状態への移行条件を満たすと、「AT中CZ」の状態に遊技状態を移行可能であり、「AT中CZ」の状態において終了条件を満たすと、「AT中CZ」を終了して「AT」に移行可能であるため、主制御回路91は、上乗せ区間制御手段として機能する。また、主制御回路91は、「AT」や「AT中CZ」の状態では、内部当籤役(抽籤種別)に応じて特化ゾーンのストックを付与可能であり、特に、「AT中CZ」の状態では、報知対象の役の当籤時であっても特化ゾーンのストックを付与可能であるため、主制御回路91は、上乗せ制御手段として機能する。
[履歴抽籤方法]
続いて、パチスロ機1における履歴抽籤方法に関する遊技性について説明する。主制御回路91は、所定ゲーム間(5ゲーム間)において履歴役が当籤役として決定された回数に応じて履歴抽籤を行う。パチスロ機1では、このような履歴役として履歴役「リプレイ」と履歴役「レア役」とを有するが、チャンスリプ(「F_チャンスリプ」)は、履歴役「リプレイ」及び履歴役「レア役」の双方に属する。そのため、チャンスリプが当籤役として決定された場合、履歴役「リプレイ」の回数と履歴役「レア役」の回数との双方が加算され、結果、チャンスリプの当籤時には、リプレイ(連)の抽籤条件と、レア役(個数)の抽籤条件とを同時に満たすことがある。このように2つの抽籤条件を満たした場合、主制御回路91は、抽籤条件を満たした全ての履歴役に応じて特典を付与することができる。
[主制御基板及び副制御基板が有する各種機能]
以上のようなパチスロ機1に特有の制御を実現するために、パチスロ機1の主制御基板(主制御回路91,メインCPU93)及び副制御基板(副制御回路101,サブCPU102)は、次のような機能を有する。
パチスロ機1は、複数の図柄が表面に描かれた複数のリール3L,3C,3Rと、リール3L,3C,3Rに対応して設けられ遊技者が停止可能な複数のストップボタン7L,7C,7Rを有し、主制御回路91は、スタートスイッチ6Sやストップスイッチ7Sと接続され、図1に示す遊技の進行を制御するため、主制御回路91は、遊技制御手段として機能する。
また、パチスロ機1では、履歴役「リプレイ」と履歴役「レア役」との双方に属するチャンスリプ(「F_チャンスリプ」)を有する。また、主制御回路91は、内部当籤役として決定された役に関する当籤役の履歴情報を所定ゲーム数(5ゲーム)分、記憶するため、主制御回路91は、履歴管理手段として機能する。
また、主制御回路91は、リプレイ(連)の抽籤条件を満たし履歴抽籤に当籤した場合に特典を付与可能であり、レア役(個数)の抽籤条件を満たし履歴抽籤に当籤した場合に特典を付与可能であるため、主制御回路91は、特典付与手段として機能する。なお、主制御回路91は、チャンスリプの当籤時には、リプレイ(連)の抽籤条件と、レア役(個数)の抽籤条件とを同時に満たした場合には、双方の特典を付与可能である。
また、副制御回路101は、液晶ディスプレイの履歴表示窓に所定ゲーム数の間の当籤役の履歴情報を表示するため、副制御回路101及び液晶ディスプレイの履歴表示窓は、履歴表示手段として機能する。
[第5実施形態]
続いて、図221〜図243を参照して、第5実施形態のパチスロ機1について説明する。なお、上記実施形態及び各種変形例のパチスロ機1と同様の構成、制御については、詳細な説明を省略する。また、以下に示す第5実施形態のパチスロ機1の特徴は、上記実施形態及び各種変形例のパチスロ機1においても同様に適用することができ、また、上記実施形態及び各種変形例のパチスロ機1の特徴は、以下に示す第5実施形態のパチスロ機1においても同様に適用することができる。
なお、以下に示す第5実施形態のパチスロ機1は、第4実施形態のパチスロ機1と同様に、2BET専用のボーナス(BB1)を持ち越しているフラグ間状態中に3BETの遊技を行いつつ、報知状態と非報知状態とを切り替えることで、AT機能を実現するAT機である。
[主制御側の各種のデータテーブル]
初めに、図221〜図225を参照して、メインROM32に記憶されている各種データテーブルの構成について説明する。
[図柄配置テーブル]
図221に示す図柄配置テーブルは、左リール3L、中リール3C及び右リール3Rの各々の表面に配されている図柄の配列をデータによって表している。図柄配置テーブルは、20個の図柄位置「0」〜「19」と、これらの図柄位置の各々に対応する図柄との対応関係を規定する。
図柄位置「0」〜「19」は、左リール3L、中リール3C及び右リール3Rの各々において回転方向に沿って配されている図柄の位置を示す。図柄位置「0」〜「19」に対応する図柄は、図柄カウンタの値を用いて図柄配置テーブルを参照することによって特定することができる。
[図柄コード表]
また、図221に示すように、各リール3L、3C、3Rに配された各図柄は、図柄コード表によって特定され、1バイト(8ビット)のデータによって区別される。図221に示す図柄コード表は、3つのリール3L、3C、3Rの表面に配された図柄を特定するためのコードを表している。
本実施の形態によるパチスロ機1で用いる図柄は、「赤7」、「青7」、「BAR」、「リプレイA」、「リプレイB」、「ベル」、「スイカA」、「スイカB」、「チェリー」及び「ブランク」の10種類であり、それぞれに対して1バイトのデータが割り当てられている。
[内部抽籤テーブル]
続いて、図222を参照して、内部当籤役を決定する際に参照される内部抽籤テーブルについて説明する。内部抽籤テーブルは、遊技状態毎に設けられ、各種内部当籤役と、各内部当籤役が決定されるときの抽籤値との対応関係を規定する。なお、3BETのボーナス非作動中は「3BET時、一般」欄が参照され、3BETのボーナス内部中は「3BET時、内部中」欄が参照され、3BETのボーナス作動中は「3BET時、BB」欄が参照され、2BETのボーナス非作動中は「2BET時、一般」欄が参照され、2BETのボーナス内部中は「2BET時、内部中」欄が参照される。本実施形態のパチスロ機1では、2BET専用のボーナス内部中(フラグ間状態)中に3BETの遊技を行うことで、遊技が進行するため、基本的には3BET時の内部中に対応する内部抽籤テーブルが参照され、その他の内部抽籤テーブルは用いることがない。
図222において、「No.1(F_通常リプ)」〜「No.45(F_BB2)」が示す役が内部当籤役として決定された場合、同図の「対応する図柄組合せ」欄に記載された各種の図柄の組合せの導出が許容される(入賞が許可される)。なお、「対応する図柄組合せ」欄に記載された図柄の組合せの内容は、図223及び図224の図柄組合せテーブルに示す。また、図225には、夫々の役が内部当籤役として決定された場合に、入賞が許可された図柄の組合せのうちの実際に入賞する図柄の組合せ(内部当籤役と表示役との対応関係)を示す。
[図柄組合せテーブル]
次に、図223及び図224を参照して、本実施形態のパチスロ機1における入賞等に係る図柄の組合せを規定する図柄組合せテーブルについて説明する。図柄組合せテーブルは、複数の図柄の組合せを予め規定している。なお、図223及び図224においては、規定される図柄の組合せ内で「/」が付された箇所があるが、これは、表記された図柄のうちいずれの図柄でもその図柄の組合せを構成することを示す。また、本実施形態のパチスロ機1では、有効ラインをセンターラインとしている。
図223及び図224において、「BB1」「BB2」に対応する図柄の組合せは、ボーナスの作動に係る図柄の組合せであり、「RP01」〜「RP18」に対応する図柄の組合せは、リプレイの作動に係る図柄の組合せである。また、「NM01」〜「NM43」に対応する図柄の組合せは、メダルの払い出しに係る図柄の組合せである。
[内部当籤役と停止操作順序(打順)と表示役等との対応関係]
次に、図225を参照して、本実施形態のパチスロ機1における内部当籤役と停止操作順序(打順)と表示役(実際に入賞する図柄の組合せ)等との対応について説明する。なお、図225では、2BET専用のボーナスを内部当籤役として持ち越している3BET遊技における対応関係を示し、他の状態における対応関係は省略している。
同図において「通常リプ」とは、コンビネーション名「S_CLリプ(RP01)」に係る図柄の組合せであり、センターライン(CL)に沿って図柄「リプレイ(図柄「リプレイA」「リプレイB」の総称)」が並んで表示される図柄の組合せである。また、「リーチ目リプ」とは、コンビネーション名「S_リーチ目リプA1(RP05)」〜「S_リーチ目リプB3(RP15)」に係る図柄の組合せである。また、「チェリー着きリーチ目」とは、コンビネーション名「S_リーチ目リプC1(RP16)」〜「S_リーチ目リプC3(RP18)」に係る図柄の組合せである。
また、同図において「CL」とは、コンビネーション名「C_CLベル(NM09)」に係る図柄の組合せであり、センターライン(CL)に沿って図柄「ベル」が並んで表示される図柄の組合せであり、「TL」とは、コンビネーション名「S_TLベル(NM10)」に係る図柄の組合せであり、トップライン(TL)に沿って図柄「ベル」が並んで表示される図柄の組合せであり、「BL」とは、コンビネーション名「S_BLベル1(NM04)」「S_BLベル2(NM05)」に係る図柄の組合せであり、ボトムライン(BL)に沿って図柄「ベル」が並んで表示される図柄の組合せである。また、「XU」とは、コンビネーション名「C_XUベル1(NM06)」「C_XUベル2(NM07)」に係る図柄の組合せであり、クロスアップライン(XU)に沿って図柄「ベル」が並んで表示される図柄の組合せであり、「XD」とは、コンビネーション名「S_XDベル(NM08)」に係る図柄の組合せであり、クロスダウンライン(XD)に沿って図柄「ベル」が並んで表示される図柄の組合せであり、「小V」とは、コンビネーション名「S_小Vベル(NM11)」に係る図柄の組合せであり、上段(左リール)中段(中リール)上段(右リール)の小さなV字(小V)型に図柄「ベル」が並んで表示される図柄の組合せである。
また、同図において「XU(BAR)」とは、表示窓4の左リール3Lに対応する上段の領域に図柄位置「18」の図柄「BAR」を狙って停止操作を行った場合に、「XU」の図柄の組合せが表示されることを意味する。また、「BL(青7)」は、表示窓4の左リール3Lに対応する上段の領域に図柄位置「13」の図柄「青7」を狙って停止操作を行った場合に、「BL」の図柄の組合せが表示されることを意味する。
そのため、「F_打順2ベルA1」「F_打順2ベルA2」が当籤役として決定された遊技では、表示窓4の左リール3Lに対応する上段の領域に図柄位置「18」の図柄「BAR」を狙って停止操作を行った場合には、ボトムライン(BL)に沿って図柄「ベル」が並んで表示され、表示窓4の左リール3Lに対応する上段の領域に図柄位置「13」の図柄「青7」を狙って停止操作を行った場合には、クロスアップライン(XU)に沿って図柄「ベル」が並んで表示される。
また、同図において「BL(BAR)」とは、表示窓4の左リール3Lに対応する上段の領域に図柄位置「18」の図柄「BAR」を狙って停止操作を行った場合に、「BL」の図柄の組合せが表示されることを意味する。また、「XU(青7)」は、表示窓4の左リール3Lに対応する上段の領域に図柄位置「13」の図柄「青7」を狙って停止操作を行った場合に、「XU」の図柄の組合せが表示されることを意味する。
そのため、「F_打順2ベルB1」「F_打順2ベルB2」が当籤役として決定された遊技では、表示窓4の左リール3Lに対応する上段の領域に図柄位置「18」の図柄「BAR」を狙って停止操作を行った場合には、クロスアップライン(XU)に沿って図柄「ベル」が並んで表示され、表示窓4の左リール3Lに対応する上段の領域に図柄位置「13」の図柄「青7」を狙って停止操作を行った場合には、ボトムライン(BL)に沿って図柄「ベル」が並んで表示される。
また、同図において「中段チェ」とは、コンビネーション名「S_中段チェ(NM12)」に係る図柄の組合せであり、左リールの中段に図柄「チェリー」が表示される図柄の組合せである。また、「角チェ」とは、コンビネーション名「S_角チェ1(NM16)」「S_角チェ2(NM17)」に係る図柄の組合せであり、左リールの上段又は下段に図柄「チェリー」が表示される図柄の組合せである。また、「はずれ」とは、図223及び図224に規定する何れの組合せも表示されない図柄の組合せである。
また、同図において「スイカ」とは、コンビネーション名「S_CLスイカ(NM01)」〜「S_XDスイカ(NM03)」に係る図柄の組合せであり、センターライン、クロスアップライン、クロスダウンラインの何れかに沿って図柄「スイカ(図柄「スイカA」「スイカB」の総称)」が並んで表示される図柄の組合せである。また、同図において「スイカこぼし」とは、コンビネーション名「S_スイカF1」〜「S_スイカF3」に係る図柄の組合せであり、スイカの取りこぼし時に表示される図柄の組合せである。また、「1枚(1/2)」又は「1枚(1/4)」とは、停止操作のタイミングが適切である場合に「1枚」の図柄の組合せが表示され、不適切である場合には「はずれ」となることをいう。
[第5実施形態のパチスロ機の遊技フロー]
続いて、第5実施形態のパチスロ機1の遊技フローについて説明する。図226及び図227は、第5実施形態のパチスロ機1の出玉状態の遷移フローであり、図228は、出玉状態及び遊技状態の概要を一覧にまとめて示す図である。なお、図226〜図228において示す出玉状態や得点ランクなどは、主制御基板71(主制御回路91)により制御される。
図226に示すように、出玉状態は、大きく分けて通常区間と有利区間とに分けられる。通常区間では、主制御回路91の制御により有利区間ランプ(状態表示器147b)が消灯状態とされ、有利区間では、主制御回路91の制御により有利区間ランプ(状態表示器147b)が点灯状態とされる。有利区間ランプは、消灯状態によって有利区間に滞在していない旨を遊技者に告知する一方、点灯状態によって有利区間に滞在している旨を遊技者に告知する。ただし、本実施形態においては、有利区間に滞在して有利区間ランプが点灯している状態にあっても、報知ランプ147aの点灯態様によって必要な停止操作の情報を遊技者に報知することを抑制(不許容)する状態と許容する状態とがある。
本実施形態では、主制御回路91は、各種の処理を行うことで、出玉状態を制御するが、こうした出玉状態を制御する各種の処理は、大別して抽籤による処理(抽籤処理)と抽籤によらない処理(その他処理)とに分けられる。
通常区間は、出玉状態として「通常」が実行される。「通常」は、電源オン後や設定変更後の初期状態であり、有利区間の終了後に有利区間に関する全ての変数がクリアされ、この「通常」の状態に移行する。「通常」では、ナビが行われず、また、レア役が当籤役として決定された場合に有利区間移行抽籤が実行される。なお、本実施形態においてレア役とは、「F_チェリー1(No.16)」〜「F_スイカ2(No.19)」をいう。また、本実施形態ではレア役の他に確定役を有しているが、本実施形態において確定役とは「F_リーチ目リプA1(No.2)」〜「F_確定チェリプ2(No.10)」「F_中段チェリー(No.15)」をいう。
「通常」の状態において行う有利区間移行抽籤で当籤すると、有利区間当籤となる。有利区間当籤には、「ガセ前兆当籤」と「ボーナス当籤」とがあり、「ボーナス当籤」の場合には、更にボーナス時次回ゲーム移行抽籤が実行される。ボーナス時次回ゲーム移行抽籤には、「前兆経由」と「直接ボーナス」とがあり、有利区間移行抽籤において「ボーナス当籤」となり、ボーナス時次回ゲーム移行抽籤において「前兆経由」に当籤すると、「本前兆当籤」となる。また、有利区間移行抽籤において「ボーナス当籤」となり、ボーナス時次回ゲーム移行抽籤において「直接ボーナス」に当籤すると、「直当り当籤」となる。また、「通常」の状態において確定役が当籤役として決定されると、確定役当籤時処理(有利区間移行抽籤を行うことなく)により「直当り当籤」となる。
「ガセ前兆当籤」の場合、次ゲームから出玉状態として「前兆(ガセ前兆)」に移行し、「本前兆当籤」の場合、次ゲームから出玉状態として「前兆(本前兆)」に移行する。他方、「直当り当籤」の場合、次ゲームから出玉状態として「初回ボーナス」に移行する。また、「本前兆当籤」及び「直当り当籤」の場合には、更に、通常時ボーナス種別抽籤が行われ、「初回ボーナス」の種別が決定される。
なお、本実施形態では、出玉状態として「初回ボーナス」「連ボーナス」を有するが、これらは、役物の作動が行われることなく(内部当籤役のための抽籤係数が変わることなく)遊技者にとって有利な停止操作の態様が報知されることで、遊技者にとって有利な状態となる、いわゆる疑似ボーナスである。本実施形態では、「通常」の状態においてレア役に当籤すると、疑似ボーナスである「初回ボーナス」のチャンスとなり、「通常」の状態において確定役に当籤すると、疑似ボーナスである「初回ボーナス」が確定する。レア役の当籤時は、「初回ボーナス」に当籤する可能性はあるものの、非当籤する可能性もあるため、「前兆」の状態を経由させて、この「前兆」の状態において「初回ボーナス」の当否を報せる演出を行う。一方で、確定役の当籤時は、「初回ボーナス」の当籤が確定するため、「前兆」の状態を経由することなく、直ちに「初回ボーナス」の状態に移行する。
続いて、有利区間は、主たる出玉状態として、「ガセ前兆」「本前兆」「初回ボーナス」「CZ」「CZ中前兆」「連ボーナス」が実行可能である。有利区間は、押し順小役(本実施形態では、「F_打順1ベルA1」〜「F_打順6ベルB2」)の当籤時に最大払出枚数の図柄の組合せを表示させ得るナビ(ベルナビ)が発生可能な状態であり、主制御回路91は、有利区間のうち「ガセ前兆」「本前兆」「CZ」「CZ中前兆」ではベルナビを行わず、「初回ボーナス」「連ボーナス」ではベルナビを行う。なお、主制御回路91は、「CZ」「CZ中前兆」においてもベルナビを行うこととしてもよい。有利区間には上述のリミッタが設けられており、有利区間が開始されてから例えば1500Gに達すると、ゲーム数リミッタによるリミット処理が実行され、有利区間が開始されてからの差枚数が例えば2400枚に達すると、枚数リミッタによるリミット処理が実行される。これにより、有利区間が終了させられ、通常区間に移行させられる。
「ガセ前兆」及び「本前兆」は、「通常」においてレア役が当籤役として決定されると移行する可能性がある。「ガセ前兆」及び「本前兆」は、1ゲームの演出区間であり、レア役の当籤に応じて「初回ボーナス」に当籤したか否かを報せる演出が実行される。「ガセ前兆」は、「初回ボーナス」に当籤していない場合の演出区間(前兆)であり、「初回ボーナス」に当籤していないことを報せる演出(敗北など)が実行される。反対に、「本前兆」は、「初回ボーナス」に当籤している場合の演出区間(前兆)であり、「初回ボーナス」に当籤していることを報せる演出(勝利など)が実行される。主制御回路91は、「ガセ前兆」において1回の遊技が行われると、有利区間を終了して、「通常」の状態に出玉状態を移行する。なお、本実施形態では、主制御回路91は、有利区間の終了時に遊技の進行を停止するロック状態を発生する。また、主制御回路91は、「本前兆」において1回の遊技が行われると、「初回ボーナス」の状態に出玉状態を移行する。
なお、本実施形態では、「ガセ前兆」及び「本前兆」を1ゲーム間の状態としているが、「ガセ前兆」及び「本前兆」は、1ゲーム間に限られるものではなく、所定ゲーム数間であってもよい。この場合、主制御回路91は、所定回数の遊技が行われると、「ガセ前兆」又は「本前兆」から他の出玉状態に移行させ、また、副制御回路101は、所定回数の遊技において、「初回ボーナス」に当籤していることを報せる演出を行う。
続いて、「初回ボーナス」は、「本前兆」が終了した場合、又は「通常」において「直当り当籤」の場合に移行する。「初回ボーナス」には、REG(初回REG)と、BIG(初回BIG)とがあり、「通常」において「本前兆当籤」及び「直当り当籤」の場合に行われる通常時ボーナス種別抽籤の抽籤結果に応じて振り分けられる。REGとBIGとでは、「初回ボーナス」において遊技者が得られるメダルの期待値が異なり、REGよりもBIGの方が遊技者の得られるメダルの期待値が高い。また、BIGの場合には、その後、必ず「CZ」の状態に移行するのに対して、REGの場合には、基本的には「CZ」に移行することなく「通常」の状態に戻ってしまう。
「初回ボーナス」の開始時には、主制御回路91によるリール演出が行われ、遊技者の停止操作に関係なく自動的に所定の図柄の組合せが表示される。具体的には、主制御回路91は、「初回REG」の開始時には、自動的にリール3L,3C,3Rを回転させるとともに、その後、図柄「BAR」が直線状に並ぶ図柄の組合せ(BAR−BAR−BAR)が表示されるように、自動的にリール3L,3C,3Rを停止する。また、主制御回路91は、「初回BIG」の開始時には、自動的にリール3L,3C,3Rを回転させるとともに、その後、図柄「青7」が直線状に並ぶ図柄の組合せ(青7−青7−青7)が表示されるように、自動的にリール3L,3C,3Rを停止する。
「初回REG」は、12ゲーム間継続する疑似ボーナスであり、昇格抽籤が実行される。昇格抽籤に非当籤のまま12ゲームが経過すると、「初回REG」は終了し、「通常」の状態に移行する。このとき、「初回REG」の終了に伴い有利区間も終了し、また、有利区間の終了時には上述のようにロック状態が発生する。また、昇格抽籤に当籤すると、開始から12ゲーム経過し「初回REG」が終了した直後に「連ボーナス」が開始する(0ゲーム連)。
「初回BIG」は、「小役ゲーム」と「JACゲーム」とを含み、「小役ゲーム」が合計25ゲーム実行されると終了する疑似ボーナスである。「小役ゲーム」は、「初回BIG」が開始されたときの初期状態であり、25ゲーム間継続する。「小役ゲーム」では、リプレイ役の当籤時にJAC−IN処理が行われ、「小役ゲーム」から「JACゲーム」に移行する。なお、JAC−IN処理の契機となるリプレイ役は、「F_通常リプ(No.1)」〜「F_確定チェリプ2(No.10)」である。すなわち、本実実施形態のリプレイ役の全てが、JAC−IN処理の契機となるリプレイ役である。「JACゲーム」は、「小役ゲーム」においてJAC−IN処理がなされると移行し、4ゲーム間継続する。
「JACゲーム」において4回の遊技が行われると、再び「小役ゲーム」に移行し、「小役ゲーム」においてリプレイ役に当籤する度にJAC−IN処理により「JACゲーム」に移行する。「初回BIG」は、「小役ゲーム」における遊技回数が合計で25回に達すると終了し、「CZ」又は「連ボーナス」の状態に移行する。なお、「初回BIG」の終了条件は、「小役ゲーム」における遊技回数であり、「JACゲーム」における遊技回数は含まない。また、「JACゲーム」における遊技回数は、「小役ゲーム」における遊技回数に含まないため、「JACゲーム」に多く移行できた場合には、「初回BIG」のゲーム数はその分だけ延びることになり、多くのメダルの払い出しが期待できる。
「初回BIG」は、ポイントを獲得して高ランクを目指す遊技性を有しており、「小役ゲーム」及び「JACゲーム」の各遊技においてポイント上乗せ抽籤が行われる。「小役ゲーム」と「JACゲーム」とでは、「JACゲーム」の方がポイントを多く獲得できるように設定されている。そのため、「JACゲーム」に多く移行できた場合には、メダルの払い出しだけでなく、ポイントの獲得においても有利となる。
「小役ゲーム」における遊技回数が合計で25回に達した「初回BIG」の終了時には、得点ランク振分処理が実行される。この得点ランク振分処理では、「初回BIG」中に獲得したポイント(「小役ゲーム」において獲得したポイントと「JACゲーム」において獲得したポイントとの合計)に基づき「初回BIG」の結果をランク付けする。得点ランクは、「初回BIG」終了後の「CZ」における「連ボーナス」の当籤期待度を規定する情報であり、低いランクから順に“ランクE”“ランクD”“ランクC”“ランクB”“ランクA”“ランクS”が設けられている。
なお、得点ランクが“ランクS”である場合には、「初回BIG」が終了した直後に「CZ」を経由することなく「連ボーナス」が開始する(0ゲーム連)。この場合には、主制御回路91は、Sランク時ボーナス種別抽籤を実行し、0ゲーム連する「連ボーナス」の種別を決定する。
続いて、「CZ」は、「初回BIG」又は「連ボーナス」が終了すると移行する。「CZ」と「通常」は、疑似ボーナスを目指して遊技を行うという点において同じであるが、「CZ」は、「通常」よりも疑似ボーナスに当籤し易いチャンスゾーン(CZ)であり、32ゲーム間継続する。なお、「通常」は、REG又はBIGからなる「初回ボーナス」を目指して遊技を行い、「CZ」は、BIGのみからなる「連ボーナス」を目指して遊技を行う。
「CZ」においては、CZ中ボーナス抽籤が実行される。このCZ中ボーナス抽籤は、「通常」における有利区間移行抽籤に対応するが、「通常」における有利区間移行抽籤は、レア役の当籤時にか実行されないが、「CZ」におけるCZ中ボーナス抽籤は、レア役以外の役(全ての役)の当籤時にも実行される。CZ中ボーナス抽籤の当籤には「ガセ前兆当籤」と「ボーナス当籤」とがあり、「ボーナス当籤」の場合には、更にボーナス時次回ゲーム移行抽籤が実行される。ボーナス時次回ゲーム移行抽籤には、「前兆経由」と「直接ボーナス」とがあり、CZ中ボーナス抽籤において「ボーナス当籤」となり、ボーナス時次回ゲーム移行抽籤において「前兆経由」に当籤すると、「本前兆当籤」となる。また、CZ中ボーナス抽籤において「ボーナス当籤」となり、ボーナス時次回ゲーム移行抽籤において「直接ボーナス」に当籤すると、「直当り当籤」となる。
「ガセ前兆当籤」の場合、次ゲームから出玉状態として「CZ中前兆(ガセ前兆)」に移行し、「本前兆当籤」の場合、次ゲームから出玉状態として「CZ中前兆(本前兆)」に移行する。他方、「直当り当籤」の場合、次ゲームから出玉状態として「連ボーナス」に移行する。また、「本前兆当籤」及び「直当り当籤」の場合には、更に、CZ時ボーナス種別抽籤が行われ、「連ボーナス」の種別が決定される。
「CZ中ガセ前兆」は「ガセ前兆当籤」の場合に移行し、「CZ中本前兆」は「本前兆当籤」の場合に移行する。「CZ中ガセ前兆」及び「CZ中本前兆」は、1ゲームの演出区間であり、当籤役に応じて「連ボーナス」に当籤したか否かを報せる演出が実行される。「CZ中ガセ前兆」は、「連ボーナス」に当籤していない場合の演出区間(前兆)であり、「連ボーナス」に当籤していないことを報せる演出(敗北など)が実行される。反対に、「CZ中本前兆」は、「連ボーナス」に当籤している場合の演出区間(前兆)であり、「連ボーナス」に当籤していることを報せる演出(勝利など)が実行される。
「CZ中ガセ前兆」において1回の遊技が行われると、「CZ」の状態に出玉状態が移行され、「CZ中本前兆」において1回の遊技が行われると、「連ボーナス」の状態に出玉状態が移行される。なお、「CZ」は、トータルで32回の遊技が行われると終了するが、「CZ中前兆」における遊技回数は、「CZ」における遊技回数に含まない。「CZ」において32回の遊技が行われ、当該遊技においてCZ中ボーナス抽籤に非当籤の場合には、「CZ」が終了して、「通常」の状態に出玉状態が移行される。「CZ」の終了に伴い有利区間も終了するため、主制御回路91は、「CZ(有利区間)」の終了時に遊技の進行を停止するロック状態を発生する。
続いて、「連ボーナス」は、「CZ中本前兆」が終了した場合などに移行する。「連ボーナス」には、SBIG(シングルBIG)と、WBIG(ダブルBIG)とがあり、「連ボーナス」の当籤時に行われるCZ時ボーナス種別抽籤の抽籤結果に応じて振り分けられる。SBIGとWBIGとでは、「連ボーナス」において獲得するポイントの期待値が異なり、SBIGよりもWBIGの方が獲得するポイントの期待値が高い。なお、SBIGとWBIGとのその他の遊技性は同じである。
「連ボーナス」の開始時には、主制御回路91によるリール演出が行われ、遊技者の停止操作に関係なく自動的に所定の図柄の組合せが表示される。具体的には、主制御回路91は、SBIGの開始時には、自動的にリール3L,3C,3Rを回転させるとともに、その後、図柄「赤7」がシングル揃いする図柄の組合せ(例えば、センターラインのみに沿って赤7−赤7−赤7)が表示されるように、自動的にリール3L,3C,3Rを停止する。また、主制御回路91は、WBIGの開始時には、自動的にリール3L,3C,3Rを回転させるとともに、その後、図柄「赤7」がダブル揃いする図柄の組合せ(例えば、センターライン及びクロスアップラインに沿って赤7−赤7−赤7)が表示されるように、自動的にリール3L,3C,3Rを停止する。
「連ボーナス」と「初回BIG」とは、同じ遊技性であり、「連ボーナス」は、「小役ゲーム」と「JACゲーム」とを含み、「小役ゲーム」が合計25ゲーム実行されると終了する疑似ボーナスである。「小役ゲーム」と「JACゲーム」とは、上述の「初回ボーナス」で説明した通りであり、「小役ゲーム」及び「JACゲーム」の各遊技においてポイント上乗せ抽籤が行われる。
「連ボーナス」は、「小役ゲーム」における遊技回数が合計で25回に達した場合に終了し、「連ボーナス」の終了時には、得点ランク振分処理が実行され、「連ボーナス」中に獲得したポイントに基づき「連ボーナス」の結果をランク付けする。得点ランクが“ランクS”である場合には、「連ボーナス」が終了した直後に「CZ」を経由することなく「連ボーナス」が開始する(0ゲーム連)。この場合には、主制御回路91は、Sランク時ボーナス種別抽籤を実行し、0ゲーム連する「連ボーナス」の種別を決定する。
得点ランクが“ランクS”以外である場合には、「連ボーナス」の終了に伴い「CZ」の状態に出玉状態が移行され、その後、「CZ」において特典ランクに応じた期待値で「連ボーナス」を目指す遊技が行われる。このように本実施形態のパチスロ機1では、CZと疑似ボーナス(初回ボーナス及び連ボーナス)とがループする遊技性を有し、特に、疑似ボーナス中の結果(得点ランク)に応じてCZ中のボーナス期待度が変化する遊技性を有する。
図228に示すように、このような仕様の本実施形態のパチスロ機1において、出玉状態「通常」「ガセ前兆」「CZ」「CZ中ガセ前兆」では、確定役が有効になるように制御される。具体的には、主制御回路91は、「通常」「CZ」の状態において確定役が当籤役として決定されると、「直当り当籤」となり、「初回ボーナス」「連ボーナス」の状態に出玉状態を移行する。また、主制御回路91は、「ガセ前兆」「CZ中ガセ前兆」の状態において確定役が当籤役として決定されると、前兆の種別を本前兆に書き換える結果、その後、「初回ボーナス」「連ボーナス」の状態に出玉状態が移行される。
一方で、出玉状態「本前兆」「初回BIG」「CZ中本前兆」「連ボーナス」では、確定役が無効になるように制御される。なお、確定役が無効になるように制御される場合には、主制御回路91は、確定役に応じた図柄の組合せ(リーチ目リプ、チェリー付きリーチ目、中段チェ)が表示されない押し順を報知する。また、出玉状態「初回REG」では、同じ「初回REG」中の一回目の確定役のみ有効となるように制御され、同じ「初回REG」中の二回目以降の確定役は無効になるように制御される。
[内部当籤役と抽籤種別との対応関係]
続いて、図229は、内部当籤役と抽籤種別との対応関係を示す図である。本実施形態のパチスロ機1では、主制御回路91は、内部当籤役に基づいて各種の抽籤を行うが、それぞれの役毎に抽籤の結果を設けたのでは一つの抽籤に要するデータ量が膨大になってしまう。そこで、パチスロ機1では、複数の役をまず出玉フラグにグループ化し、この出玉フラグに基づいて抽籤種別を決定し、決定した抽籤種別に基づいて各種の抽籤を行う。例えば、「F_打順6ベルB2」は、出玉フラグ「打順ベルB(No.19)」にグループ化され、この出玉フラグ「打順ベルB」に基づき、抽籤種別AとしてNo.4の「打順ベルB」が決定され、抽籤種別BとしてNo.3の「打順ベル」が決定される。そして、これら抽籤種別A,Bが参照されて、各種の抽籤が行われる。
[各状態におけるナビ種別]
続いて、図230を参照して、本実施形態のパチスロ機1において、押し順役の当籤時に主制御回路91がセットするナビ種別について説明する。なお、同図において、ナビ種別「1」は打順1(左中右)を遊技者に対して報知するナビ種別であり、ナビ種別「2」は打順2(左右中)を遊技者に対して報知するナビ種別であり、ナビ種別「3」は打順3(中左右)を遊技者に対して報知するナビ種別であり、ナビ種別「4」は打順4(中右左)を遊技者に対して報知するナビ種別であり、ナビ種別「5」は打順5(右左中)を遊技者に対して報知するナビ種別であり、ナビ種別「6」は打順6(右中左)を遊技者に対して報知するナビ種別である。また、ナビ種別「抽籤」はナビ種別「1」〜「6」を抽籤して決定することをいう。また、同図において「状態1」とは、確定役「有効」かつ押し順指示「あり」の場合をいい、「状態2」とは、確定役「無効」かつ押し順指示「あり」の場合をいう。
[出玉状態の制御に用いる各種データテーブル]
続いて、出玉状態の制御において用いる各種のデータテーブルの構成について説明する。なお、以下に示す各種のデータテーブルは、メインROM32に記憶されており、主制御基板71は、これら各種のデータテーブルを参照して、各種の抽籤を行う。
[通常_有利区間移行抽籤テーブル]
初めに、図231を参照して、通常_有利区間移行抽籤テーブルについて説明する。通常_有利区間移行抽籤テーブルは、「通常」の状態(通常区間)において単位遊技毎に有利区間移行抽籤を行う際に参照されるテーブルである。通常_有利区間移行抽籤テーブルは、抽籤種別A毎に、有利区間移行抽籤の抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。同図に示すように、本実施形態では、主制御回路91は、レア役(「F_チェリー1」「F_チェリー2」「F_スイカ1」「F_スイカ2」)の当籤時にのみ有利区間移行抽籤を行い、他の役の当籤時には当該抽籤を行わない。
主制御回路91は、抽籤結果として「非当籤」が決定された場合には、出玉状態を移行することなく「通常」のまま維持する。また、主制御回路91は、抽籤結果として「ガセ前兆」が決定された場合には、次ゲームの出玉状態を「通常」から「ガセ前兆」に移行する。また、主制御回路91は、抽籤結果として「ボーナス」が決定された場合には、続いて、図232に示す通常_ボーナス時次回ゲーム移行抽籤テーブルを参照して、移行先の出玉状態を決定するとともに、図233に示す通常_通常時ボーナス種別抽籤テーブルを参照して、「初回ボーナス」の種別を決定する。
[通常_ボーナス時次回ゲーム移行抽籤テーブル]
続いて、図232を参照して、通常_ボーナス時次回ゲーム移行抽籤テーブルについて説明する。通常_ボーナス時次回ゲーム移行抽籤テーブルは、有利区間移行抽籤において「ボーナス」に当籤した場合又は「通常」の状態において確定役(「F_リーチ目リプA1(No.2)」〜「F_確定チェリプ2(No.10)」「F_中段チェリー(No.15)」)が当籤した場合に参照され、内部当籤役(抽籤種別B)に応じて移行先の出玉状態を決定する際に用いられる。通常_ボーナス時次回ゲーム移行抽籤テーブルは、抽籤種別B毎に、次ゲームの出玉状態に関する抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。
同図に示すように、本実施形態では、主制御回路91は、レア役又は確定役の当籤時にのみ次ゲームの出玉状態に関する抽籤を行い、他の役の当籤時には当該抽籤を行わない。主制御回路91は、抽籤結果として「前兆経由」が決定された場合には、次ゲームの出玉状態を「通常」から「本前兆」に移行し、抽籤結果として「直接ボーナス」が決定された場合には、次ゲームの出玉状態を「通常」から「初回ボーナス」に移行する。
[通常_通常時ボーナス種別抽籤テーブル]
続いて、図233を参照して、通常_通常時ボーナス種別抽籤テーブルについて説明する。通常_通常時ボーナス種別抽籤テーブルは、有利区間移行抽籤において「ボーナス」に当籤した場合又は「通常」の状態において確定役が当籤した場合に参照され、内部当籤役(抽籤種別A)に応じて「初回ボーナス」の種別を決定する際に用いられる。通常_通常時ボーナス種別抽籤テーブルは、抽籤種別A毎に、「初回ボーナス」の種別抽籤に関する抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。主制御回路91は、抽籤結果として「REG」が決定された場合には、「初回ボーナス」の種別を「REG」と決定し、抽籤結果として「BIG」が決定された場合には、「初回ボーナス」の種別を「BIG」と決定する。
[CZ_CZ中ボーナス抽籤テーブル]
続いて、図234を参照して、CZ_CZ中ボーナス抽籤テーブルについて説明する。CZ_CZ中ボーナス抽籤テーブルは、「CZ」の状態において単位遊技毎に内部当籤役(抽籤種別A)に基づき「連ボーナス」への移行抽籤を行う際に参照されるテーブルである。CZ_CZ中ボーナス抽籤テーブルは、「初回ボーナス」(又は直前の「連ボーナス」)における得点ランク及び抽籤種別A毎に、「連ボーナス」への移行抽籤の抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。
主制御回路91は、抽籤結果として「非当籤」が決定された場合には、出玉状態を移行することなく「CZ」のまま維持する。また、主制御回路91は、抽籤結果として「ガセ前兆」が決定された場合には、次ゲームの出玉状態を「CZ」から「CZ中ガセ前兆」に移行する。また、主制御回路91は、抽籤結果として「ボーナス」が決定された場合には、続いて、図235に示すCZ_ボーナス時次回ゲーム移行抽籤テーブルを参照して、移行先の出玉状態を決定するとともに、図236に示すCZ_CZ時ボーナス種別抽籤テーブルを参照して、「連ボーナス」の種別を決定する。
[CZ_ボーナス時次回ゲーム移行抽籤テーブル]
続いて、図235を参照して、CZ_ボーナス時次回ゲーム移行抽籤テーブルについて説明する。CZ_ボーナス時次回ゲーム移行抽籤テーブルは、「連ボーナス」への移行抽籤において「ボーナス」に当籤した場合に参照され、内部当籤役(抽籤種別B)に応じて移行先の出玉状態を決定する際に用いられる。CZ_ボーナス時次回ゲーム移行抽籤テーブルは、抽籤種別B毎に、次ゲームの出玉状態に関する抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。主制御回路91は、抽籤結果として「前兆経由」が決定された場合には、次ゲームの出玉状態を「CZ」から「CZ中本前兆」に移行し、抽籤結果として「直接ボーナス」が決定された場合には、次ゲームの出玉状態を「CZ」から「連ボーナス」に移行する。
[CZ_CZ時ボーナス種別抽籤テーブル]
続いて、図236を参照して、CZ_CZ時ボーナス種別抽籤テーブルについて説明する。CZ_CZ時ボーナス種別抽籤テーブルは、「連ボーナス」への移行抽籤において「ボーナス」に当籤した場合に参照され、内部当籤役(抽籤種別A)に応じて「連ボーナス」の種別を決定する際に用いられる。CZ_CZ時ボーナス種別抽籤テーブルは、抽籤種別A毎に、「連ボーナス」の種別抽籤に関する抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。主制御回路91は、抽籤結果として「SBIG」が決定された場合には、「連ボーナス」の種別を「SBIG」と決定し、抽籤結果として「WBIG」が決定された場合には、「連ボーナス」の種別を「WBIG」と決定する。
図231〜図236に示すように、本実施形態のパチスロ機1では、「通常」の状態における各種抽籤処理と、「CZ」の状態における各種抽籤処理とは対応している。すなわち、図231の通常_ボーナス時次回ゲーム移行抽籤テーブルは、図234のCZ_CZ中ボーナス抽籤テーブルに対応しており、図232の通常_ボーナス時次回ゲーム移行抽籤テーブルは、図235のCZ_ボーナス時次回ゲーム移行抽籤テーブルに対応しており、図233の通常_通常時ボーナス種別抽籤テーブルは、図236のCZ_CZ時ボーナス種別抽籤テーブルに対応している。ただし、図231と図234とを比較して分かるように、「CZ」の状態では、「通常」の状態よりも疑似ボーナス(初回ボーナス又は連ボーナス)の当籤期待度が高く、特に、「通常」の状態ではレア役以上でしか疑似ボーナスに当籤しないのに対して、「CZ」の状態では、リプレイやベルなどでも疑似ボーナスに当籤する可能性がある。
[BIG及びCZにおける遊技の流れ]
続いて、図237を参照して、BIG及びCZにおける遊技の流れについて説明する。初めに、図237(A)を参照して、BIG中の遊技の流れについて説明する。なお、上述したように本実施形態では、BIG(疑似ボーナス)として初回ボーナスの初回BIGと、連ボーナスのSBIG及びWBIGとを有するが、何れのBIGにおいても遊技性は同じである。
図237(A)に示すように、BIGは、小役ゲームとJACゲームとから構成され、小役ゲームにおいてJAC−IN処理が行われると、JACゲームに移行し、JACゲームにおいて4ゲーム経過すると、小役ゲームに移行する。小役ゲーム及びJACゲームの何れにおいても、単位遊技毎に内部当籤役(抽籤種別B)に基づきポイントを獲得する。ただし、小役ゲームよりもJACゲームの方が、ポイントの獲得期待度が高く、JACゲームを多く行うことができた場合には、当該BIG中の獲得ポイントが増える。
BIGの終了時には、当該BIG中に獲得したポイントの合計に応じて得点ランクが設定される。図237(B)は、獲得したポイントの合計値と得点ランクとの対応関係を示す表である。主制御回路91は、当該BIG中に獲得したポイントの合計値が、「0〜49ポイント」である場合には得点ランク“ランクE”を設定し、「50〜99ポイント」である場合には得点ランク“ランクD”を設定し、「100〜199ポイント」である場合には得点ランク“ランクC”を設定し、「200〜299ポイント」である場合には得点ランク“ランクB”を設定し、「300〜499ポイント」である場合には得点ランク“ランクA”を設定し、「500ポイント以上」である場合には得点ランク“ランクS”を設定する。
得点ランクは、BIG終了後のCZにおける連ボーナスの当籤期待度を規定する情報であり、図237(C)に示すように、連ボーナスの当籤期待度は、“ランクE”が最も低く、続いて、“ランクD”“ランクC”“ランクB”“ランクA”の順に高くなる。また、得点ランクが“ランクS”である場合には、BIGが終了した直後にCZを経由することなく連ボーナスが開始される(0ゲーム連)。
続いて、図237(D)は、CZ中の遊技の流れを示す図である。初回ボーナスや連ボーナスにおいてポイントを獲得すると、獲得したポイントに基づいて得点ランクが設定される。CZ中は、得点ランクに応じて連ボーナスへの移行抽籤が行われ、この抽籤に当籤した場合には連ボーナスに移行し、CZと連ボーナスとがループする。他方、連ボーナスへの移行抽籤に非当籤のままCZが終了すると、CZと連ボーナスとのループが終了し、通常に移行する。
[BIG_ポイント上乗せ抽籤テーブル]
続いて、図238を参照して、BIG_ポイント上乗せ抽籤テーブルについて説明する。BIG_ポイント上乗せ抽籤テーブルは、「初回BIG」又は「連ボーナス」の状態において単位遊技毎に内部当籤役(抽籤種別B)に基づきポイントの上乗せ抽籤を行う際に参照されるテーブルである。「初回BIG」の「小役ゲーム」では、「小役ゲーム、初回」欄が参照され、「初回BIG」の「JACゲーム」では、「JACゲーム、初回」欄が参照される。また、「連ボーナス(SBIG)」の「小役ゲーム」では、「小役ゲーム、SBIG」欄が参照され、「連ボーナス(SBIG)」の「JACゲーム」では、「JACゲーム、SBIG」欄が参照され、「連ボーナス(WBIG)」の「小役ゲーム」では、「小役ゲーム、WBIG」欄が参照され、「連ボーナス(WBIG)」の「JACゲーム」では、「JACゲーム、WBIG」欄が参照される。
BIG_ポイント上乗せ抽籤テーブルは、BIGの種類やBIG中の状態及び抽籤種別B毎に、ポイントの上乗せ抽籤に関する抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。主制御回路91は、抽籤結果に応じたポイントを、当該BIG中の獲得ポイントを計数する所定のカウンタに加算することで、当該BIG中の獲得ポイントの合計値をカウントする。
同図に示すように、「小役ゲーム」と「JACゲーム」とでは、「JACゲーム」の方が上乗せするポイント数が多く、また、SBIGよりもWBIGの方が上乗せするポイント数が多い。なお、本実施形態では、SBIGとWBIGとでは、「小役ゲーム」中のみ上乗せするポイント数が異なり、「JACゲーム」中は上乗せするポイント数が同じとなっているが、これに限られるものではなく、「JACゲーム」中においてもSBIGよりもWBIGの方が上乗せするポイント数が多くなるようにしてもよい。
[BIG_Sランク到達時ボーナス種別抽籤テーブル]
続いて、図239を参照して、BIG_Sランク到達時ボーナス種別抽籤テーブルについて説明する。BIG_Sランク到達時ボーナス種別抽籤テーブルは、BIG中に獲得したポイントに応じて“Sランク”が設定された場合に参照され、0ゲーム連する「連ボーナス」の種別を決定する際に用いられる。BIG_Sランク到達時ボーナス種別抽籤テーブルは、「連ボーナス」の種別抽籤に関する抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。主制御回路91は、抽籤結果として「SBIG」が決定された場合には、「連ボーナス」の種別を「SBIG」と決定し、抽籤結果として「WBIG」が決定された場合には、「連ボーナス」の種別を「WBIG」と決定する。
[REG_昇格抽籤テーブル]
続いて、図240を参照して、REG_昇格抽籤テーブルについて説明する。REG_昇格抽籤テーブルは、「初回REG」の状態において単位遊技毎に内部当籤役(抽籤種別A)に基づき昇格抽籤を行う際に参照されるテーブルである。REG_昇格抽籤テーブルは、抽籤種別A毎に昇格抽籤についての抽籤値の情報を規定する。主制御回路91は、抽籤結果として「非当籤」が決定された場合には、何らの処理も行わず、また、抽籤結果として「当籤」が決定された場合には、当該「初回REG」の終了後に「連ボーナス」を開始する(0ゲーム連)。なお、主制御回路91は、昇格抽籤に一度当籤した後は、当該「初回REG」中は昇格抽籤を行わず、また、昇格抽籤に当籤した「初回REG」の終了時には、図239に示すBIG_Sランク到達時ボーナス種別抽籤テーブルを参照して、0ゲーム連する「連ボーナス」の種別を決定する。
[第5実施形態のパチスロ機1の遊技性のまとめ]
以上、第5実施形態のパチスロ機1について説明したが、本実施形態のパチスロ機1において実装可能な遊技性(遊技仕様)をまとめると以下の通りである。
[BIG中のポイント獲得と連荘]
図237において上述したように、本実施形態のパチスロ機1では、BIG(疑似ボーナス(AT))中は、単位遊技毎に内部当籤役(抽籤種別B)に基づいてポイントを獲得し、BIGの終了時には、BIG中に獲得したポイントを合計した合計値に応じて得点ランクが振り分けられる。そして、BIG終了後のCZでは、この得点ランクに応じてBIG(連ボーナス)への移行抽籤が行われ、この抽籤に当籤した場合にはBIGに移行し、ポイント獲得が再び行われる。このようにBIG中のポイント数に応じてBIGに再度戻ることの期待度が変わるため、遊技者にとってみれば、CZからBIGに移行できただけでは終わらずに、多くのポイントが獲得できるようにBIG中の遊技にも集中することになるため、遊技の興趣が向上する。
また、BIGは、小役ゲームとJACゲームとにより構成され、JACゲームでは、小役ゲームよりも多くのポイントを獲得することができる。遊技者にとってみれば、小役ゲームであるかJACゲームであるかに応じてその後の遊技の流れが異なるため、遊技性がより多様化し、遊技の興趣が向上する。なお、JACゲームは、小役ゲームにおいてリプレイ役に当籤することで移行し(JAC−IN処理)、JACゲームにおいて4回の遊技が行われると小役ゲームに移行する。また、BIGは、小役ゲームにおいて合計で25回の遊技が行われると終了するが、JACゲーム中の遊技回数は、小役ゲームの遊技回数に含まない。そのため、JACゲームに移行できた場合には、JACゲームの間はBIGが終了することなく、また、JACゲーム中は多くのポイントを獲得することができるため、JACゲームへの移行回数が増えるほど得点ランクも高くなり、結果、BIG(連ボーナス)の連荘が期待できる。
また、本実施形態のパチスロ機1では、連ボーナスの種類としてSBIGとWBIGとを有し、SBIGよりもWBIGの方が多くのポイントを獲得することができる。遊技者にとってみれば、連ボーナスの種別に応じて、獲得するポイントの期待値が異なり、結果、BIG(連ボーナス)の連荘の期待度が異なるため、遊技性がより多様化し、遊技の興趣が向上する。なお、SBIGとWBIGとの振り分けは、CZにおいて連ボーナスに当籤した場合に行われる。
[主制御基板及び副制御基板が有する各種機能]
以上のようなパチスロ機1に特有の制御を実現するために、パチスロ機1の主制御基板(主制御回路91,メインCPU93)及び副制御基板(副制御回路101,サブCPU102)は、次のような機能を有する。
パチスロ機1は、複数の図柄が表面に描かれた複数のリール3L,3C,3Rと、リール3L,3C,3Rに対応して設けられ遊技者が停止可能な複数のストップボタン7L,7C,7Rを有し、主制御回路91は、スタートスイッチ6Sやストップスイッチ7Sと接続され、図1に示す遊技の進行を制御するため、主制御回路91は、遊技制御手段として機能する。
また、パチスロ機1では、BIG終了後のCZの状態(所定の遊技状態)と、遊技者にとって有利な停止操作の情報を報知するBIG(特定の遊技状態)とを有し、BIGには小役ゲーム(第1区間)とJACゲーム(第2区間)とを有するため、パチスロ機1は、所定の遊技状態と、第1区間及び第2区間を有する特定の遊技状態とを有する。また、パチスロ機1では、BIG(連ボーナス)としてSBIGとWBIGとを有するため、パチスロ機1は、第1特定の遊技状態と第2特定の遊技状態とを有する。
また、主制御回路91は、小役ゲームにおいてリプレイ役に当籤すると、JACゲームに移行可能であり、JACゲームにおいて4回の遊技が行われると、小役ゲームに移行可能であるため、主制御回路91は、特定遊技中移行制御手段として機能する。また、主制御回路91は、小役ゲームにおいて行われた遊技の回数が25回に達すると、BIGを終了するため、主制御回路91は、終了制御手段として機能する。
また、主制御回路91は、BIG中は、単位遊技毎に内部当籤役に基づいてポイントを付与し、BIGの終了時には、BIG中に付与したポイントを合計した合計値に応じて得点ランクを決定可能であるため、主制御回路91は、数値付与手段、計数手段及びモード決定手段として機能する。
また、主制御回路91は、CZ中に得点ランクに応じてBIG(連ボーナス)に移行するか否かを決定し、移行すると決定するとBIGを開始可能であるため、主制御回路91は、特定遊技開始決定手段及び開始制御手段として機能する。また、主制御回路91は、連ボーナスの開始時に連ボーナスの種類を決定可能であるため、主制御回路91は、種類決定手段として機能する。
[有利区間終了時の演出制御]
続いて、図241を参照して、本実施形態のパチスロ機1における有利区間の終了に伴うロック状態を用いた演出制御について説明する。本実施形態では、主制御回路91は、有利区間の終了時に遊技の進行を停止するロック状態を発生させる。ここで、図241(A)に示すように、本実施形態では、「通常」の状態(通常区間)において、レア役に当籤すると有利区間への移行抽籤を行い、この移行抽籤に当籤すると有利区間である「前兆(本前兆又はガセ前兆)」の状態に移行する。同図に示すように、前兆の種類が「ガセ前兆」である場合には、前兆の終了に伴い有利区間も終了し、通常区間に戻る。他方、前兆の種類が「本前兆」である場合には、前兆が終了すると疑似ボーナス(AT)に移行し、その後、疑似ボーナスとCZとの連荘が終了すると、有利区間も終了し、通常区間に戻る。そのため、本実施形態においては、有利区間の終了は、遊技者にとって有利な状態(疑似ボーナス)に移行することなく有利区間が終了する場合と、遊技者にとって有利な状態が終了した場合とに行われる。
続いて、同図(B)(a)は、「前兆」中の演出例を示す。本実施形態では、「ガセ前兆」及び「本前兆」は、1ゲームの演出区間であり、「通常」の状態において行う有利区間移行抽籤において「初回ボーナス」に当籤したか否かを報せる演出が実行される。このような演出として、例えば、副制御回路101は、液晶ディスプレイ(表示ユニット100)において、主人公と敵とが対決する演出を実行する。「初回ボーナス」に当籤していない場合(ガセ前兆)、副制御回路101は、この対決演出において主人公が敗北する演出を行い、「初回ボーナス」に当籤している場合(本前兆)、副制御回路101は、この対決演出において主人公が勝利する演出を行う。
「ガセ前兆」である場合、有利区間も終了するため、「ガセ前兆」の終了時にはロック状態が発生する。そこで、副制御回路101は、「ガセ前兆」中の遊技、及びその後のロック状態を用いて、対決演出を実行する。その結果、演出が当該遊技の3OFF時(第3停止操作のオフエッジ時)から所定時間経過後に終了する場合であっても、ロック状態により遊技させない期間を設けることで、演出がキャンセルされてしまうことを防止でき、遊技者が演出の結果を見逃さないように制御することができる。
また、同図(B)(b)は、疑似ボーナスとCZとの連荘終了時の演出例を示す。本実施形態では、連荘の終了に伴い有利区間も終了するため、連荘終了時にはロック状態が発生する。そこで、副制御回路101は、連荘終了時のロック状態を用いて、疑似ボーナスとCZとの連荘による遊技の結果に関する演出を実行する。例えば、副制御回路101は、BIGの連荘回数と獲得枚数となどを液晶ディスプレイ(表示ユニット100)に表示することで、疑似ボーナスとCZとの連荘に関する遊技結果についての演出を実行する。このように本実施形態のパチスロ機1では、有利区間終了時のロック状態を用いることで、「初回ボーナス」への移行当否を報せる演出及び疑似ボーナスとCZとの連荘に関する遊技結果を報せる演出を適切に行うことができる。
[主制御基板及び副制御基板が有する各種機能]
以上のようなパチスロ機1に特有の制御を実現するために、パチスロ機1の主制御基板(主制御回路91,メインCPU93)及び副制御基板(副制御回路101,サブCPU102)は、次のような機能を有する。
パチスロ機1は、複数の図柄が表面に描かれた複数のリール3L,3C,3Rと、リール3L,3C,3Rに対応して設けられ遊技者が停止可能な複数のストップボタン7L,7C,7Rを有し、主制御回路91は、スタートスイッチ6Sやストップスイッチ7Sと接続され、図1に示す遊技の進行を制御するため、主制御回路91は、遊技制御手段として機能する。
また、パチスロ機1では、「通常」の状態に対応する通常区間と、「前兆」や「初回ボーナス」の状態に対応する有利区間とを有するため、パチスロ機1は、所定の遊技状態と、特定の遊技状態とを含む複数の遊技状態を有する。なお、有利区間の「ガセ前兆」は、所定回数の遊技が行われる演出区間のみから構成されるため、有利区間の「ガセ前兆」は、第1特定の遊技状態に対応する。また、「本前兆」である場合には、前兆の後に「初回ボーナス」「CZ」「連ボーナス」などの特別区間が続くため、「本前兆」やその後の「初回ボーナス」などは、第2特定の遊技状態に対応する。
また、主制御回路91は、「通常」の状態においてレア役が当籤役として決定されると、有利区間移行抽籤を行い、移行先の有利区間の種類を決定可能であるため、主制御回路91は、種類決定手段として機能する。また、主制御回路91は、移行先として「ガセ前兆」を決定すると「ガセ前兆」に移行し、「ガセ前兆」が終了すると、有利区間を終了して「通常」に移行するため、主制御回路91は、第1遊技状態制御手段として機能する。また、主制御回路91は、移行先として「本前兆」を決定すると「本前兆」を経由して「初回ボーナス」などに移行し、CZ失敗に伴い「CZ」が終了すると、有利区間を終了して「通常」に移行するため、主制御回路91は、第2遊技状態制御手段として機能する。
また、副制御回路101は、「前兆」中に液晶ディスプレイ(表示ユニット100)を用いて「初回ボーナス」に当籤したか否かを報せる演出を行うため、副制御回路101及び液晶ディスプレイは、演出実行手段として機能する。また、主制御回路91は、有利区間の終了時に遊技の進行を停止するロック状態を発生させるため、主制御回路91は、ロック制御手段として機能する。なお、主制御回路91は、「ガセ前兆」終了に伴う有利区間の終了時のみロック状態を発生させることとしてもよく、また、「CZ」終了に伴う有利区間の終了時のみロック状態を発生させることとしてもよく、また、有利区間の終了時には常にロック状態を発生させることとしてもよい。なお、副制御回路101は、「ガセ前兆」の終了に伴うロック状態発生時には、ガセ前兆中の遊技及びロック状態を用いて「初回ボーナス」に当籤したか否かを報せる演出を実行し、連荘終了時には、疑似ボーナスとCZとの連荘に関する遊技結果を報せる演出を実行する。
[ベル当籤時のリール制御]
続いて、図242及び図243を参照して、本実施形態のパチスロ機1におけるベル当籤時のリール制御について説明する。なお、本実施形態では、有効ラインとしてセンターラインを用いることとする。また、以下において、表示窓4において各リールの一つの図柄を表示する領域を単位図柄表示領域と呼ぶ。すなわち、表示窓4は、左リール3Lの3つの図柄を表示する上中下段の単位図柄表示領域と、中リール3Cの3つの図柄を表示する上中下段の単位図柄表示領域と、右リール3Rの3つの図柄を表示する上中下段の単位図柄表示領域と、の9つの単位図柄表示領域を有する。
また、本実施形態では、スイカに対応する図柄として図柄「スイカA」と図柄「スイカB」とを有するが、これらの図柄は、遊技者からすると略同一の図柄であり、両者ともにスイカを意味する図柄である。そのため、以下に説明する遊技性においては、図柄「スイカA」と図柄「スイカB」とは同一の図柄として扱うことができる。もちろん、スイカに対応する図柄として1つの図柄「スイカ」のみを有するパチスロ機であっても、以下に説明する遊技性は実現可能である。この点は、リプレイに対応する図柄(図柄「リプレイA」、図柄「リプレイB」)についても同様である。また、本実施形態では、役物の作動を伴わない疑似ボーナスを用いることとしているが、以下に説明する遊技性は、役物の作動を伴うリアルボーナスを用いるパチスロ機においても適用することができる。
[挟み打ち時の停止形]
初めに、図242(A)を参照して、第2停止までの挟み打ち(左右中)時のリールの停止形について説明する。なお、図242(A)では、表示窓4の左リール3Lに対応する上段の単位図柄表示領域に図柄位置「18」の図柄「BAR」を狙って停止操作を行った場合(左BAR狙い)の停止形を示している。
同図に示すように、左リール3Lの上段の単位図柄表示領域に図柄位置「18」の図柄「BAR」が停止した場合、左リール3Lの中段の単位図柄表示領域には図柄位置「17」の図柄「スイカA」が停止し、左リール3Lの下段の単位図柄表示領域には図柄位置「16」の図柄「ベル」が停止する。左リール3Lの下段の単位図柄表示領域に図柄「ベル」が表示されている場合、ベルの当籤に伴い図柄「ベル」がセンターライン〜クロスダウンラインの5本の直線状のラインの何れかに表示されるためには、右リール3Rの上段の単位図柄表示領域又は下段の単位図柄表示領域に図柄「ベル」が停止する必要がある。
ここで、図221に示すように、本実施形態のパチスロ機1では、右リール3Rでは図柄「ベル」の1つ上に図柄「スイカA」が必ず配置されている。そのため、図242(A)(a)に示すように、左BAR狙いにおいて、右リール3Rの下段の単位図柄表示領域に図柄「ベル」が停止した場合、図柄「ベル」がボトムラインに沿ってテンパイするとともに、図柄「スイカA」もセンターラインに沿ってテンパイし、図柄「ベル」と図柄「スイカA」とがダブルテンパイする。一方で、左BAR狙いにおいて、右リール3Rの上段の単位図柄表示領域に図柄「ベル」が停止した場合、同図(b)に示すように、図柄「ベル」がクロスアップラインに沿ってテンパイ(シングルテンパイ)する。
ここで、本実施形態では、主制御回路91は、内部当籤役として「はずれ」が決定されている場合、左BAR狙いの挟み打ち時において、図柄「ベル」と図柄「スイカA」とのダブルテンパイの停止形を表示させないようにリールの停止制御を行う。より具体的には、主制御回路91は、内部当籤役として「ベル(F_打順2ベルB1、F_打順2ベルB2)」「スイカ(F_スイカ1、F_スイカ2)」「リーチ目リプ(F_リーチ目リプA1、F_リーチ目リプA2、F_リーチ目リプA3、F_リーチ目リプA4、F_リーチ目リプC)」が決定された場合に、左BAR狙いの挟み打ち時において、図柄「ベル」と図柄「スイカA」とのダブルテンパイの停止形を表示可能にリールの停止制御を行い、「はずれ」の場合には、図柄「ベル」と図柄「スイカA」とのダブルテンパイの停止形を表示させないようにリールの停止制御を行う。
その結果、図242(B)に示すように、図柄「ベル」と図柄「スイカA」とがダブルテンパイしている場合、内部当籤役として「ベル」が決定されている場合には、同図(a)に示すように、ボトムラインに沿って図柄「ベル」が並んで表示されて「ベル(S_BLベル1)」が入賞し、内部当籤役として「スイカ」が決定されている場合には、同図(b)に示すように、センターラインに沿って図柄「スイカA」が並んで表示されて「スイカ(S_CLスイカ)」が入賞する(なお、「スイカ」については、いわゆる取りこぼしが生じる可能性がある)。また、内部当籤役として「リーチ目リプ」が決定されている場合には、同図(c)に示すように、いわゆる小役はずれ目のリーチ目が表示される(リーチ目リプが入賞する)。
ここで、内部当籤役として「スイカ」が決定されている場合には、レア役の当籤に伴う有利区間への移行抽籤(初回ボーナスの抽籤)が行われ、また、内部当籤役として「リーチ目リプ」が決定されている場合には、確定役の当籤に伴い初回ボーナスが確定する。一方で、内部当籤役が「はずれ」の場合には、図柄「ベル」と図柄「スイカA」とのダブルテンパイの停止形が表示されることがないため、遊技者からすると、図柄「ベル」と図柄「スイカA」とのダブルテンパイの停止形が表示された時点で、ボーナス(初回ボーナス又は連ボーナス)の当籤に期待することができる。また、ダブルテンパイしている図柄「ベル」と図柄「スイカA」との双方がはずれた場合には、リーチ目が表示される結果、ボーナスが確定するため、図柄「ベル」と図柄「スイカA」とのダブルテンパイの停止形は、遊技者にとってボーナスのチャンスとなる停止形であるといえる。
一方で、主制御回路91は、内部当籤役として「はずれ」が決定されている場合、左BAR狙いの挟み打ち時において、図柄「ベル」のシングルテンパイの停止形を表示可能にリールの停止制御を行う。より具体的には、主制御回路91は、内部当籤役として「はずれ」「ベル(F_打順2ベルA1、F_打順2ベルA2)」「リーチ目リプ(F_リーチ目リプA1、F_リーチ目リプA2、F_リーチ目リプA3、F_リーチ目リプA4、F_リーチ目リプC)」が決定された場合に、左BAR狙いの挟み打ち時において、図柄「ベル」のシングルテンパイの停止形を表示可能にリールの停止制御を行う。
その結果、図242(C)に示すように、図柄「ベル」がシングルテンパイしている場合、内部当籤役として「ベル」が決定されている場合には、同図(a)に示すように、クロスアップラインに沿って図柄「ベル」が並んで表示されて「ベル(S_XUベル1)」が入賞し、内部当籤役として「リーチ目リプ」が決定されている場合には、同図(b)に示すように、リーチ目リプ(S_リーチ目リプA4)が入賞し、内部当籤役として「はずれ」が決定されている場合には、同図(c)に示すように、はずれの出目が表示される。
このように図柄「ベル」のシングルテンパイの停止形は、内部当籤役が「はずれ」の場合にも表示され得るため、遊技者からすると、図柄「ベル」のシングルテンパイの停止形が表示されただけでは、ボーナスの当籤にあまり期待することができない。また、ダブルテンパイしている図柄「ベル」がはずれた場合であっても、ボーナスが確定するわけではないため、図柄「ベル」のシングルテンパイの停止形は、遊技者にとって通常の停止形であるといえる。
このようなリール制御は、表示窓4の左リール3Lに対応する上段の単位図柄表示領域に図柄位置「13」の図柄「青7」を狙って停止操作を行った場合(左青7狙い)も同様である。すなわち、図242(D)に示すように、左リール3Lの上段の単位図柄表示領域に図柄位置「13」の図柄「青7」が停止した場合、左リール3Lの中段の単位図柄表示領域には図柄位置「12」の図柄「リプレイA」が停止し、左リール3Lの下段の単位図柄表示領域には図柄位置「11」の図柄「ベル」が停止する。左リール3Lの下段の単位図柄表示領域に図柄「ベル」が表示されている場合、ベルの当籤に伴い図柄「ベル」がセンターライン〜クロスダウンラインの5本の直線状のラインの何れかに表示されるためには、右リール3Rの上段の単位図柄表示領域又は下段の単位図柄表示領域に図柄「ベル」が停止する必要がある。
ここで、図221に示すように、本実施形態のパチスロ機1では、右リール3Rでは図柄「ベル」の1つ下に図柄「リプレイA」が必ず配置されている。そのため、図242(D)(a)に示すように、左青7狙いにおいて、右リール3Rの上段の単位図柄表示領域に図柄「ベル」が停止した場合、図柄「ベル」がクロスアップラインに沿ってテンパイするとともに、図柄「リプレイA」もセンターラインに沿ってテンパイし、図柄「ベル」と図柄「リプレイA」とがダブルテンパイする。一方で、左青7狙いにおいて、右リール3Rの下段の単位図柄表示領域に図柄「ベル」が停止した場合、同図(b)に示すように、図柄「ベル」がボトムラインに沿ってテンパイ(シングルテンパイ)する。
ここで、本実施形態では、主制御回路91は、内部当籤役として「はずれ」が決定されている場合、左青7狙いの挟み打ち時において、図柄「ベル」と図柄「リプレイA」とのダブルテンパイの停止形を表示させないようにリールの停止制御を行う。より具体的には、主制御回路91は、内部当籤役として「ベル(F_打順2ベルB1、F_打順2ベルB2)」「リプレイ(F_通常リプ)」「リーチ目リプ(F_リーチ目リプA1、F_リーチ目リプA2、F_リーチ目リプA3、F_リーチ目リプA4、F_リーチ目リプC)」が決定された場合に、左青7狙いの挟み打ち時において、図柄「ベル」と図柄「リプレイA」とのダブルテンパイの停止形を表示可能にリールの停止制御を行い、「はずれ」の場合には、図柄「ベル」と図柄「リプレイA」とのダブルテンパイの停止形を表示させないようにリールの停止制御を行う。
一方で、主制御回路91は、内部当籤役として「はずれ」が決定されている場合、左青7狙いの挟み打ち時において、図柄「ベル」のシングルテンパイの停止形を表示可能にリールの停止制御を行う。より具体的には、主制御回路91は、内部当籤役として「はずれ」「ベル(F_打順2ベルA1、F_打順2ベルA2)」「リーチ目リプ(F_リーチ目リプA1、F_リーチ目リプA3、F_リーチ目リプA4、F_リーチ目リプC)」が決定された場合に、左BAR狙いの挟み打ち時において、図柄「ベル」のシングルテンパイの停止形を表示可能にリールの停止制御を行う。
このように左青7狙いにおいても、ダブルテンパイ時に内部当籤役が「はずれ」であることがないため、図柄「ベル」と図柄「リプレイA」とのダブルテンパイの停止形は、遊技者にとってボーナスのチャンスとなる停止形であるといえ、図柄「ベル」のシングルテンパイの停止形は、遊技者にとって通常の停止形であるといえる。
そのため、図243(E)に示すように、本実施形態では、ダブルテンパイの停止形は、ボーナスの期待度が高い停止形であり、シングルテンパイの停止形は、ボーナスの期待度が低い停止形である。このようにダブルテンパイの停止形は、遊技者にとって好ましい停止形であるが、レア役(スイカ)や確定役(リーチ目リプ)に比べて高い確率で当籤するベルの当籤時において常にダブルテンパイの停止形が表示されてしまうと、多くの場合においてベルに入賞することになるため、ボーナスの期待度が低くなってしまい、遊技が単調になってしまう。そこで、本実施形態のパチスロ機1では、ベルの当籤時の図柄「ベル」のテンパイ型をシングルテンパイ及びダブルテンパイの間で振り分ける。これにより、当籤確率の高いベル当籤時に、ダブルテンパイの停止形が表示される頻度を抑えることができ、ダブルテンパイ表示時のボーナスの期待度を維持することができる。
具体的には、図243(F)に示すように、本実施形態では「F_打順2ベルA1」「F_打順2ベルA2」の当籤時には、左BAR狙い及び左青7狙いの双方において、図柄「ベル」がシングルテンパイするようにリールの停止制御を行う。一方で、「F_打順2ベルB1」「F_打順2ベルB2」の当籤時には、左BAR狙い及び左青7狙いの双方において、図柄「ベル」と図柄「スイカA」又は図柄「リプレイA」とがダブルテンパイするようにリールの停止制御を行う。
ここで、図222に示す内部抽籤テーブルを参照すると、「F_打順2ベルA1」「F_打順2ベルA2」の抽籤値は「3056」であり、「F_打順2ベルB1」「F_打順2ベルB2」の抽籤値は「697」である。そのため、ベル当籤時のうちの多くの場合において、シングルテンパイの停止形が表示されるようにリールの停止制御が行われる結果、ダブルテンパイ表示時のボーナスの期待度を維持することができる。
続いて、ベル当籤時のテンパイ型の振り分けの具体的な方法について説明する。図221に示すように、本実施形態では、左BAR狙い時の図柄「ベル」の上には図柄「スイカA」が配置され、左青7狙い時の図柄「ベル」の上には図柄「リプレイA」が配置されている。
また、図223の図柄組合せテーブルを参照すると、図柄「ベル」がボトムラインに沿って表示される図柄の組合せとして、本実施形態では「S_BLベル1(NM04)」と「S_BLベル2(NM05)」とを有する。この「S_BLベル1(NM04)」は、有効ライン(センターライン)に沿って「スイカA−赤7/リプレイA−スイカA」と表示される図柄の組合せであり、左リール3Lに対応する中段の単位図柄表示領域に図柄「スイカA」が表示される図柄の組合せである。一方で、「S_BLベル2(NM05)」は、有効ライン(センターライン)に沿って「リプレイA−赤7/リプレイA−スイカA」と表示される図柄の組合せであり、左リール3Lに対応する中段の単位図柄表示領域に図柄「リプレイA」が表示される図柄の組合せである。
同様に、図223の図柄組合せテーブルを参照すると、図柄「ベル」がクロスアップラインに沿って表示される図柄の組合せとして、本実施形態では「S_XUベル1(NM06)」と「S_XUベル2(NM07)」とを有する。この「S_XUベル1(NM06)」は、有効ライン(センターライン)に沿って「スイカA−ベル−リプレイA」と表示される図柄の組合せであり、左リール3Lに対応する中段の単位図柄表示領域に図柄「スイカA」が表示される図柄の組合せである。一方で、「S_XUベル2(NM07)」は、有効ライン(センターライン)に沿って「リプレイA−ベル−リプレイA」と表示される図柄の組合せであり、左リール3Lに対応する中段の単位図柄表示領域に図柄「リプレイA」が表示される図柄の組合せである。
左BAR狙い時は、左リール3Lに対応する中段の単位図柄表示領域に図柄「スイカA」が表示されるため、左BAR狙い時のBLベル、XUベルとしては、左の中段に図柄「スイカA」が要求される「S_BLベル1(NM04)」又は「S_XUベル1(NM06)」が用いられる。同様に、左青7狙い時は、左リール3Lに対応する中段の単位図柄表示領域に図柄「リプレイA」が表示されるため、左青7狙い時のBLベル、XUベルとしては、左の中段に図柄「リプレイA」が要求される「S_BLベル2(NM05)」又は「S_XUベル2(NM07)」が用いられる。
ここで、図222の内部抽籤テーブルの「対応する図柄組合せ」欄を参照すると、「F_打順2ベルA1」「F_打順2ベルA2」に対しては、NM05とNM06とが対応付けられている一方で、NM04とNM07とは対応付けられていない。左BAR狙いについて考えると、NM04が対応付けられておらず、NM06が対応付けられているため、主制御回路91は、「F_打順2ベルA1」「F_打順2ベルA2」当籤時の左BAR狙いでは、「S_BLベル1(NM04)」を引き込むことができない一方で、「S_XUベル1(NM06)」を引き込むことができる。そのため、「F_打順2ベルA1」「F_打順2ベルA2」当籤時の左BAR狙いでは、ボトムラインに沿って図柄「ベル」がテンパイすることがなく、クロスアップラインに沿って図柄「ベル」がテンパイし、シングルテンパイの停止形になる。
同じように、左青7狙いについて考えると、NM07が対応付けられておらず、NM05が対応付けられているため、主制御回路91は、「F_打順2ベルA1」「F_打順2ベルA2」当籤時の左青7狙いでは、「S_XUベル2(NM07)」を引き込むことができない一方で、「S_BLベル2(NM05)」を引き込むことができる。そのため、「F_打順2ベルA1」「F_打順2ベルA2」当籤時の左青7狙いでは、クロスアップラインに沿って図柄「ベル」がテンパイすることがなく、ボトムラインに沿って図柄「ベル」がテンパイし、シングルテンパイの停止形になる。
同様に、図222の内部抽籤テーブルの「対応する図柄組合せ」欄を参照すると、「F_打順2ベルB1」「F_打順2ベルB2」に対しては、NM04とNM07とが対応付けられている一方で、NM05とNM06とは対応付けられていない。左BAR狙いについて考えると、NM06が対応付けられておらず、NM04が対応付けられているため、主制御回路91は、「F_打順2ベルB1」「F_打順2ベルB2」当籤時の左BAR狙いでは、「S_XUベル1(NM06)」を引き込むことができない一方で、「S_BLベル1(NM04)」を引き込むことができる。そのため、「F_打順2ベルB1」「F_打順2ベルB2」当籤時の左BAR狙いでは、クロスアップラインに沿って図柄「ベル」がテンパイすることがなく、ボトムラインに沿って図柄「ベル」がテンパイし、ダブルテンパイの停止形になる。
同じように、左青7狙いについて考えると、NM05が対応付けられておらず、NM07が対応付けられているため、主制御回路91は、「F_打順2ベルB1」「F_打順2ベルB2」当籤時の左青7狙いでは、「S_BLベル2(NM05)」を引き込むことができない一方で、「S_XUベル2(NM07)」を引き込むことができる。そのため、「F_打順2ベルB1」「F_打順2ベルB2」当籤時の左青7狙いでは、ボトムラインに沿って図柄「ベル」がテンパイすることがなく、クロスアップラインに沿って図柄「ベル」がテンパイし、ダブルテンパイの停止形になる。
以上のように本実施形態のパチスロ機1では、「F_打順2ベルA1」「F_打順2ベルA2」の当籤時には、左BAR狙い及び左青7狙いの双方においてシングルテンパイの停止形となり、「F_打順2ベルB1」「F_打順2ベルB2」の当籤時には、左BAR狙い及び左青7狙いの双方においてダブルテンパイの停止形となるが、これらの組合せは任意に変更することができる。一例として、図243(G)に別制御例について示す。
同図に示すように、別制御例では、「F_打順2ベルA1」「F_打順2ベルA2」の当籤時には、左BAR狙い時はシングルテンパイの停止形になる一方で、青7狙い時にはダブルテンパイの停止形になり、また、「F_打順2ベルB1」「F_打順2ベルB2」の当籤時には、左BAR狙い時はダブルテンパイの停止形になる一方で、青7狙い時にはシングルテンパイの停止形になる。このようにすることで、ボーナスの期待度が高いダブルテンパイの停止形の出現頻度を、左リール3Lの狙う位置に応じて異ならせることができ、遊技性が多様化する。なお、このような制御は、NM04〜NM07の対応関係を変更することで適宜実現することができる。
以上のように本遊技性では、当籤役として決定される確率は高いもののボーナスの期待度が低いベルと、当籤役として決定される確率は低いもののボーナスの期待度は高いスイカとは、挟み打ち時の第2停止時にダブルテンパイすることもあるが、ベルのうち「F_打順2ベルA1」「F_打順2ベルA2」の当籤時には、スイカはテンパイすることなくベルがシングルテンパイする。遊技者にとってみれば、当籤確率が高くボーナスが期待できないベルの当籤時にまでスイカの取りこぼしを気にして停止操作を行う必要がないため、停止操作に対する煩わしさを軽減することができる。
なお、遊技者の停止操作を簡易にするという点からは、ベル当籤時には、常にシングルテンパイし、ダブルテンパイしないように停止制御を行うことも考えられる。しかしながら、このような停止制御は、停止操作を簡易にするという観点からは好ましいものの、テンパイした停止出目の形から当籤役が把握できてしまい、遊技が単調になってしまうため、遊技性の観点から好ましくない。すなわち、遊技性を考えた場合、内部的にはベル当籤時であっても、停止出目の形からスイカかもしれない(ボーナスの期待があるかもしれない)といった期待感を抱くことができることが好ましい。
この点、本遊技性では、ベルのうち「F_打順2ベルB1」「F_打順2ベルB2」が当籤役として決定されている場合には、挟み打ち時の第2停止時にダブルテンパイするため、双方がテンパイする停止出目の出現頻度を「F_打順2ベルB1」「F_打順2ベルB2」の当籤確率分高めることができる。このように本遊技性では、シングルテンパイするベルと、ダブルテンパイするベルとを有することで、遊技者の停止操作を簡易にしつつも、停止出目に応じて遊技者が期待感を持つことができる。
[主制御基板及び副制御基板が有する各種機能]
以上のようなパチスロ機1に特有の制御を実現するために、パチスロ機1の主制御基板(主制御回路91,メインCPU93)及び副制御基板(副制御回路101,サブCPU102)は、次のような機能を有する。
パチスロ機1は、複数の図柄が表面に描かれた複数のリール3L,3C,3Rと、リール3L,3C,3Rに対応して設けられ遊技者が停止可能な複数のストップボタン7L,7C,7Rを有し、主制御回路91は、スタートスイッチ6Sやストップスイッチ7Sと接続され、図1に示す遊技の進行を制御するため、主制御回路91は、停止制御手段として機能する。
また、パチスロ機1では、各リールの一つの図柄を表示する単位図柄表示領域を夫々結ぶ直線状のライン(センターライン〜クロスダウンラインの5本のラインの何れか)に沿って図柄「ベル」が並んで表示され得る「F_打順2ベルA1」「F_打順2ベルA2」「F_打順2ベルB1」「F_打順2ベルB2」と、センターライン〜クロスダウンラインの5本のラインの何れかに沿って図柄「スイカ」が並んで表示され得る「F_スイカ1」「F_スイカ2」とを有する。これら複数の役のうち、「F_打順2ベルA1」「F_打順2ベルA2」は、第1特定役に対応し、「F_打順2ベルB1」「F_打順2ベルB2」は、第2特定役に対応し、「F_スイカ1」「F_スイカ2」は、所定役に対応する。なお、「F_打順2ベルA1」「F_打順2ベルA2」「F_打順2ベルB1」「F_打順2ベルB2」の何れかが当籤役として決定される確率と、「F_スイカ1」「F_スイカ2」の何れかが当籤役として決定される確率とでは、前者の方が確率が高い。
また、主制御回路91は、「通常」の状態において「F_スイカ1」「F_スイカ2」が当籤役として決定されると、有利区間移行抽籤を行う一方で、「通常」の状態において「F_打順2ベルA1」「F_打順2ベルA2」「F_打順2ベルB1」「F_打順2ベルB2」が当籤役として決定された場合には、有利区間移行抽籤を行わない。また、主制御回路91は、図柄「ベル」と図柄「スイカA」とのダブルテンパイ時にベル及びスイカの何れもはずれた場合に、リーチ目リプが入賞したとして「初回ボーナス」などの特典を付与するため、主制御回路91は、特典付与手段として機能する。なお、本制御は、「F_スイカ1」「F_スイカ2」と、「F_打順2ベルA1」「F_打順2ベルA2」「F_打順2ベルB1」「F_打順2ベルB2」とで、有利区間移行抽籤に当籤する確率(すなわち、特典を付与する確率)が異なっていればよく、「F_打順2ベルA1」「F_打順2ベルA2」「F_打順2ベルB1」「F_打順2ベルB2」が当籤役として決定された場合に有利区間移行抽籤に当籤する確率は0%(有利区間移行抽籤を行わないことを含む)に限るものではなく、「F_スイカ1」「F_スイカ2」が当籤役として決定された場合に有利区間移行抽籤に当籤する確率よりも低い確率であればよい。
また、主制御回路91は、左BAR狙いの挟み打ちの第2停止時において、「F_打順2ベルA1」「F_打順2ベルA2」が当籤役として決定されている場合には、図柄「ベル」がシングルテンパイするようにリールの停止制御を行う一方で、「F_打順2ベルB1」「F_打順2ベルB2」「F_スイカ1」「F_スイカ2」が当籤役として決定されている場合には、図柄「ベル」と図柄「スイカA」とがダブルテンパイするようにリールの停止制御を行う。
[別制御例]
続いて、図244〜図247を参照して、上述した特有の制御とは別のパチスロ機1に特有な別制御例について説明する。
[打ち止め制御]
初めに、図244を参照して、パチスロ機1における打ち止め制御について説明する。なお、打ち止めとは、現在の遊技状態を維持したまま、継続して遊技を行うことが不可能な状態とすることをいい、例えば、パチスロ機1の内部に貯留されているクレジットを全て払い出すとともに、新たなメダルの投入を受け付けないように制御することで、遊技を継続不可能にする。打ち止め状態は、パチスロ機1の前扉(上ドア62a又は下ドア62b)を開けて所定の解除操作を行うと、又は打ち止め状態中の電断復帰により解除され、解除されることで遊技が可能になる。なお、打ち止めは、現在の遊技状態を維持したまま行われるため、打ち止めが解除された場合には、打ち止めが行われる前の状態のまま遊技を再開することができ、例えば、AT中などに打ち止めが行われた場合には、解除後にATを引き続き継続することができる。
以下に説明する打ち止め制御を実行可能にするため、パチスロ機1の主制御回路91は、電断復帰からの差枚数をカウントする差枚数カウンタを有する。この差枚数カウンタは、有利区間のリミッタ制御に用いるカウンタとは別の打ち止め専用のカウンタであり、有利区間、非有利区間(通常区間)であるか否かに関わらず、差枚数のカウントを継続する。差枚数カウンタは、電源が投入されてから差枚数のカウントを開始し、また、単位遊技の終了時において差枚数がマイナスの値である場合には、当該単位遊技の終了時に差枚数を0にクリアする。すなわち、差枚数カウンタは、遊技者側が最も損をした時点を起点とする差枚数をカウントする。なお、差枚数カウンタは、打ち止めが解除された場合、打ち止めの解除を問わず電断からの復帰時(電源投入時)、単位遊技の終了時において差枚数がマイナスの値である場合に0にリセットされる。
本打ち止め制御では、主制御回路91は、差枚数カウンタの値が14500を超えると、打ち止め条件を満たしたとして打ち止め状態を発生させる。具体的には、図244(A)に示すように、主制御回路91は、遊技開始時に当該遊技に用いられるメダルの枚数に応じて差枚数カウンタの値を更新する。より具体的には、主制御回路91は、当該遊技のBET数分だけ差枚数カウンタの値を減算する。その後、遊技が行われ、当該遊技におけるメダルの払い出し処理が行われると、主制御回路91は、払い出したメダルの分だけ差枚数カウンタの値を加算することで、差枚数カウンタの値を更新する。
続いて、主制御回路91は、差枚数カウンタの値が14500を超えたか否かを判定し、超えている場合には、打ち止め状態を発生させる。一方で、14500を超えていない場合には、主制御回路91は、差枚数カウンタの値が0未満であるか否かを判定し、0未満である場合には、差枚数カウンタの値を0にクリアし、処理を終了する。このような制御により、主制御回路91は、電源を投入してから遊技者側が最も損をした時点を起点として、差枚数が14500枚を超えた場合に、継続して遊技を行うことが不可能な打ち止め状態を発生させることができる。
続いて、図244(B)は、打ち止め状態を発生させるタイミングを示す図である。同図(a)に示すように、何れの役物(第一種特別役物、第一種特別役物に係る役物連続作動装置、第二種特別役物、第二種特別役物に係る役物連続作動装置、又は普通役物)も作動していない非ボーナス状態では、主制御回路91は、差枚数カウンタの値が14500を超えた場合に打ち止め状態を発生させる。例えば、AT中などは、何れの役物も作動していない非ボーナス状態であるため、主制御回路91は、AT中に差枚数カウンタの値が14500を超えた場合には、その時点で打ち止め状態を発生させる。他方、同図(b)に示すように、何れかの役物が作動しているボーナス状態では、主制御回路91は、ボーナス状態中に差枚数カウンタの値が14500を超えたとしても、直ちに打ち止め状態を発生させずに、当該ボーナス状態が終了したタイミングで、打ち止め状態を発生させる。
[主制御基板及び副制御基板が有する各種機能]
以上のようなパチスロ機1に特有の制御を実現するために、パチスロ機1の主制御基板(主制御回路91,メインCPU93)及び副制御基板(副制御回路101,サブCPU102)は、次のような機能を有する。
パチスロ機1は、複数の図柄が表面に描かれた複数のリール3L,3C,3Rと、リール3L,3C,3Rに対応して設けられ遊技者が停止可能な複数のストップボタン7L,7C,7Rを有し、主制御回路91は、スタートスイッチ6Sやストップスイッチ7Sと接続され、図1に示す遊技の進行を制御するため、主制御回路91は、遊技制御手段として機能する。
また、主制御回路91は、電源が投入されてから行われた遊技の結果として払い出されたメダルの枚数から、遊技に用いられたメダルの枚数を減算した差枚数を計数する差枚数カウンタを有し、この差枚数カウンタは、単位遊技終了時の差枚数がマイナスの値である場合に、差枚数を0にクリアするため、主制御回路91及び差枚数カウンタは、計数手段として機能する。なお、差枚数カウンタが差枚数の計数を開始するタイミングは、電源が投入された後に限るものではなく、差枚数カウンタは、設定変更が行われた後から差枚数を計数することとしてもよく、また、RAMクリアが行われた後から差枚数を計数することとしてもよい。
また、主制御回路91は、差枚数カウンタの値が閾値(14500)を超えたか否かを判定し、超えたと判定すると、現在の遊技状態を維持したまま、継続して遊技を行うことが不可能な打ち止め状態を発生させ、打ち止め状態において解除条件を満たすと、打ち止め状態を解除して、維持しておいた遊技状態に応じた遊技を継続可能にするため、主制御回路91は、判定手段、打止制御手段及び打止解除手段として機能する。なお、主制御回路91は、単位遊技終了時の差枚数がマイナスの値である場合に、差枚数を0にクリアすることとしているが、これに限るものではなく、差枚数カウンタは、マイナスの値も計数して、主制御回路91は、差枚数カウンタの値が14500枚を超えたタイミングで、打ち止め状態を発生させることとしてもよい。すなわち、打ち止め制御に用いる差枚数は、マイナスの値を計数することで算出される単純な差枚数であってもよく、マイナスの値を計数しない差枚数(1日における最大の差枚数、いわゆるMY)であってもよい。また、主制御回路91は、打ち止め状態を解除した場合に差枚数カウンタの値を0にクリアすることとしてもよく、また、0にクリアしないで打ち止め状態時の値をそのまま維持することとしてもよい。また、打ち止め状態時の値を維持する場合、主制御回路91は、複数の閾値を有して、閾値を満たすたびに段階的に打ち止め状態を発生させることとしてもよい。例えば、差枚数カウンタの値が14500枚を超えたタイミングで一度目の打ち止め状態を発生させ、その後、打ち止め状態を解除した後に差枚数カウンタの値が15000枚を超えたタイミングで二度目の打ち止め状態を発生させることとしてもよい。
[ランプ制御]
続いて、図245を参照して、パチスロ機1におけるランプ制御について説明する。なお、以下説明するランプ制御、各リールを照明するランプの制御に関するものである。まず、図245(A)を参照して、リール照明用のランプの構成について説明する。
パチスロ機1では、リール3L,3C,3Rには、リール外周面に沿って半透明フィルム材で構成されたリールシートが装着されており、このリールシートには、表面上に図柄が光透過性有色インキで印刷され、それらの図柄以外の領域が遮光性インキでマスク処理されている。同図に示すように、パチスロ機1では、リール3L,3C,3Rの内側に、リール3L,3C,3Rを背面から照射するバックランプを有する。このバックランプは、リール3L,3C,3Rの夫々の上段、中段、下段の単位図柄表示領域に対応して設けられ、リール背面から遊技者側に向かって、各単位図柄表示領域を照射する。バックランプから照射された光は、リールシートの図柄印刷部分を透過するため、リール3L,3C,3Rの図柄を明るく照らす。
また、同図に示すように、パチスロ機1では、表示窓4の裏側(遊技機内部)上部に上部ランプを有する。この上部ランプは、リール3L,3C,3R(リールシート)の前面に対向する位置(前方)から、リール3L,3C,3Rを照射する。上部ランプから照射された光は、リールシートの前面で反射し、リールシート全体を明るく照らす。なお、本制御では、リールシートの前面を上部から照射する上部ランプを用いることとしているが、本制御は、リールシートを前方から照射するランプであればよく、リールシートの前方の側部(例えば、表示窓4の裏側両サイド)に設けたランプを用いることとしてもよく、また、リールシートの前方の下部(例えば、表示窓4の裏側下部)に設けたランプを用いることとしてもよい。
続いて、図245(B)は、ランプ演出例を示す図であり、上部ランプのON/OFFに伴うリール3L,3C,3Rの視認状況を模式的に示す図である。同図(a)は、上部ランプがOFFであり、バックランプがONである場合の演出例である。バックランプのみがONである場合、リールシートの図柄印刷部分については、バックランプからの光が透過するため、リール3L,3C,3Rの図柄部分が明るく照らされるものの、リールシートの図柄印刷部分以外の部分は、光を反射することがないため、暗い状態である。そのため、遊技者からすると、図柄は強調されるものの、図柄の周囲のリールシートは暗く見えるため、全体として落ち着いた印象を受ける。
また、同図(b)は、上部ランプがONであり、バックランプがONである場合の演出例である。上部ランプがONである場合、リールシートの図柄印刷部分だけでなく、リールシートが前面から照らされる結果、リールシートの図柄印刷部分以外の部分も明るく照らされる。また、リールシートの図柄印刷部分については、上部ランプ及びバックランプの双方から照らされる。そのため、遊技者からすると、図柄だけでなく周囲のリールシート全体が明るく見え、表示窓4の全体が光って見える。
続いて、図245(C)は、上部ランプの制御例を示す図である。なお、上部ランプの制御は、主制御回路91が行うこととしてもよく、また、副制御回路101が行うこととしてもよく、また、他の制御回路が行うこととしてもよい。
本制御では、主制御回路91は、遊技状態に応じて上部ランプのON/OFFを切り替える。すなわち、主制御回路91は、単位遊技毎に上部ランプのON/OFFを切り替えるのではなく、所定の遊技状態中は、上部ランプをOFF状態のまま保持して遊技を行い、特定の遊技状態中は、上部ランプをON状態のまま保持して遊技を行う。なお、本制御では、上部ランプのON/OFFを切り替えることとしているが、本遊技性は、上部ランプの照明度合いを遊技状態に応じて制御可能であればよく、照明度合いはON/OFFに限るものではない。
図245(C)に示すように、主制御回路91は、ボーナスが作動していない通常遊技の状態中は、上部ランプをOFF状態のまま保持して遊技を進行する。その後、通常遊技においてボーナスの作動が開始し、ボーナス状態に移行すると、主制御回路91は、上部ランプをON状態に更新し、ボーナス状態中は、上部ランプをON状態のまま保持して遊技を進行する。その後、ボーナス状態が終了して通常遊技に移行すると、主制御回路91は、上部ランプをOFF状態に更新し、通常状態中は、上部ランプをOFF状態のまま保持して遊技を進行する。より具体的には、主制御回路91は、ボーナス状態に移行する遊技の3OFF後に行われる入賞処理の後に、上部ランプをOFF状態からON状態に更新し、ボーナス状態の終了時の3OFF後に行われるロック状態の解除時に上部ランプをON状態からOFF状態に更新する。
このように主制御回路91は、遊技状態に応じて上部ランプのON/OFFを切り替え、対応する遊技状態中は上部ランプをON状態又はOFF状態のまま保持する。なお、本制御では、上部ランプのON/OFFを切り替える遊技状態として、ボーナス状態と通常状態とを例にとり説明したが、これに限るものではなく、例えば、AT(ART)中と非AT(非ART)中とで上部ランプのON状態/OFF状態を切り替えることとしてもよい。また、本制御では、遊技状態に応じてON/OFFを切り替えるランプの種別を上部ランプとしているが、これに限るものではなく、例えば、遊技状態に応じてバックランプのON/OFFを切り替えることとしてもよく、また、遊技状態に応じてその他の装飾ランプ(例えば、パチスロ機1の筐体60に設けられたサイドランプなど)のON/OFFを切り替えることとしてもよい。
[主制御基板及び副制御基板が有する各種機能]
以上のようなパチスロ機1に特有の制御を実現するために、パチスロ機1の主制御基板(主制御回路91,メインCPU93)及び副制御基板(副制御回路101,サブCPU102)は、次のような機能を有する。
パチスロ機1は、複数の図柄が表面に描かれた複数のリール3L,3C,3Rと、リール3L,3C,3Rに対応して設けられ遊技者が停止可能な複数のストップボタン7L,7C,7Rを有し、主制御回路91は、スタートスイッチ6Sやストップスイッチ7Sと接続され、図1に示す遊技の進行を制御する。
また、主制御回路91は、通常遊技においてボーナス状態の開始条件を満たすとボーナス状態を開始可能であり、ボーナス状態において終了条件を満たすとボーナス状態を終了して通常遊技に遊技状態を移行可能であり、また、ボーナス状態の終了時には遊技の進行を停止するロック状態を発生可能である。そのため、主制御回路91は、遊技状態制御手段及びロック制御手段として機能する。
また、パチスロ機1は、リール3L,3C,3Rの外周面(リールシートの表面)をリール3L,3C,3Rの前面から照射可能な上部ランプを備え、主制御回路91は、この上部ランプの点灯状態を制御するため、上部ランプは照明手段として機能し、主制御回路91は照明制御手段として機能する。なお、主制御回路91は、通常状態では、上部ランプをOFF状態(消灯)のまま保持する一方で、ボーナス状態においては、上部ランプをON状態(点灯)したまま保持する。また、主制御回路91は、ボーナス状態の開始時に上部ランプをOFF状態からON状態に更新し、ボーナス状態の終了に伴うロック状態の解除時に上部ランプをON状態からOFF状態に更新する。
[不正な設定変更の検知]
続いて、図246を参照して、パチスロ機1の副制御回路101による不正な設定変更の検知方法について説明する。初めに、図246(A)を参照して、本制御の概要について説明する。同図(a)は、パチスロ機1における基本的な設定変更操作の概要を示す図である。パチスロ機1における設定変更操作は、まず(1)電源をOFFに更新し、電源がOFFになった後に、(2)所定の鍵を用いて設定用鍵型スイッチ430をONにセットする。その後、(3)電源をONに戻し、(4)設定変更のための所定の操作を行い、最後に(5)所定の鍵を用いて設定用鍵型スイッチ430をOFFに戻す。このようにパチスロ機1では、設定変更を行う場合、設定用鍵型スイッチ430の操作よりも前に、まず、電源をOFFにする必要がある。なお、電源をONのままの設定用鍵型スイッチ430の操作は、現在の設定値の確認操作となり、設定変更を行うことはできない。
続いて、同図(b)は、遊技店において店員などにより行われる設定変更操作の概要を示す図である。設定変更では(1)電源をOFFにする必要があるが、電源スイッチは遊技機内部に設けられているため、店員が設定変更操作を行う場合、電源をOFFにするために、まず(0)前扉(上ドア62a又は下ドア62b)を開ける操作を行う。その後の操作は上述の通りであり、店員は、前扉を開けた後に、上述の(1)〜(5)の設定変更操作を行う。その後、店員は、(6)開けた前扉を閉めて、設定変更操作を完了する。このように店員が設定変更操作を行う場合、まず前扉を開ける操作を行い、その後に電源をOFFにする。
続いて、同図(c)は、本制御において検知対象となる不正な設定変更操作の概要を示す図である。いわゆるゴト師などが不正な設定変更を行う場合、針金などの不正器具を用いて、外部から各種の操作を行う。そのため、前扉が閉じた状態のまま、上述の(1)〜(5)の設定変更操作を行うことがある。本制御では、このような前扉が閉じた状態のままの設定変更操作を不正な設定変更操作として検知する。
店員などが正式な手順で設定変更操作を行う場合、電源をOFFにするために、まず(0)前扉を開ける必要があるため、電源をOFFにしたタイミングで前扉は開いている。これに対して、検知対象の設定変更操作は、前扉が閉じたまま行われるため、電源をOFFにしたタイミングで前扉は閉じている。そこで、本制御では、電源OFF時の前扉の開閉状態を監視することで、不正な設定変更操作を検知する。
図246(B)は、不正な設定変更操作を検知するための具体的な処理フローであり、同図(a)は、副制御回路101が無操作コマンドを受信した場合に行う無操作コマンド受信時処理の流れを示すフローチャートであり、同図(b)は、副制御回路101が設定変更コマンドを受信した場合に行う設定変更コマンド受信時処理の流れを示すフローチャートである。なお、無操作コマンドとは、各種操作(例えば、遊技を進行させるための操作としての、投入操作、開始操作、及び停止操作など)とは関係なく、定期的なタイミングで、主制御回路91から副制御回路101に送信されるコマンドである。また、設定変更コマンドは、設定変更操作に伴い主制御回路91から副制御回路101に送信されるコマンドである。
同図(a)に示すように、副制御回路101は、主制御回路91から送信される無操作コマンドにより、前扉の開閉状態を取得し、保存する。続いて、同図(b)に示すように、副制御回路101は、主制御回路91から送信される設定変更コマンドを受信すると、無操作コマンドから取得し保存しておいた前扉の開閉状態をチェックし、電源が切断される直前の前扉の開閉状態が閉状態であったか否かを判定する。上述したように、店員などが正式な手順で設定変更操作を行う場合は、電源が切断される直前の前扉の開閉状態が開状態であるため、本判定はNOとなり、処理を終える。他方、不正な設定変更操作の場合には、電源が切断される直前の前扉の開閉状態が閉状態であるため、本判定はYESとなる。本判定がYESとなると、副制御回路101は、続いて、不正な設定変更操作の可能性があるとして、不正回数をカウントし、処理を終える。なお、副制御回路101は、設定変更操作の開始を受け付けたタイミングでこれらの処理を行うこととしてもよく、また、設定変更操作の終了を受け付けたタイミングでこれらの処理を行うこととしてもよく、また、設定変更操作ではなく設定確認操作の開始を受け付けたタイミングでこれらの処理を行うこととしてもよく、また、設定確認操作の終了を受け付けたタイミングでこれらの処理を行うこととしてもよい。
また、副制御回路101は、上述の処理により不正な設定変更操作を検知した場合に、不正回数をカウントするだけでなく、不正な設定変更操作が行われたこと示す所定の警告情報を外部に出力することとしてもよい。なお、所定の警告情報の出力としては、例えば、スピーカ9L、9Rなどから警告音を出音するもののように、パチスロ機1が警告を発するものであってもよく、また、ホールコンピューターなどに、不正な設定変更操作の可能性があるという通知を送信することであってもよい。また、副制御回路101は、不正回数が所定回に達した場合に、所定の警告情報を外部に出力することとしてもよい。
[主制御基板及び副制御基板が有する各種機能]
以上のようなパチスロ機1に特有の制御を実現するために、パチスロ機1の主制御基板(主制御回路91,メインCPU93)及び副制御基板(副制御回路101,サブCPU102)は、次のような機能を有する。
パチスロ機1は、複数の図柄が表面に描かれた複数のリール3L,3C,3Rと、リール3L,3C,3Rに対応して設けられ遊技者が停止可能な複数のストップボタン7L,7C,7Rを有し、主制御回路91は、スタートスイッチ6Sやストップスイッチ7Sと接続され、図1に示す遊技の進行を制御する。また、パチスロ機1は、キャビネット61と、キャビネット61の前面に配置された前扉(上ドア62a、下ドア62b)と、を備える。
また、副制御回路101は、無操作コマンドの受信時に前扉の開閉状態を保存しておくため、電断時の前扉の開閉状態を保持可能であり、副制御回路101は、開閉状態保持手段として機能する。また、副制御回路101は、設定変更を受け付けた場合に、設定変更に伴う電断時の前扉の開閉状態を取得して、設定変更に伴う電断時において前扉が閉じていたか否かを判定するため、副制御回路101は、開閉判定手段として機能する。なお、副制御回路101は、設定変更を受け付けた直前の電断を、設定変更に伴う電断として把握することができる。
また、副制御回路101は、設定変更に伴う電断時において前扉が閉じていたと判定した回数を集計可能であり、また、設定変更に伴う電断時において前扉が閉じていたと判定した場合に、所定の警告情報を外部に出力可能であるため、副制御回路101は、回数集計手段及び警告出力手段として機能する。
[MAXベットボタンの機能]
続いて、図247を参照して、パチスロ機1のMAXベットボタン11の新たな機能について説明する。なお、MAXベットボタン11が操作された場合、貯留しているクレジット数の範囲で、ベット数が設定されるが、以下においては、十分な数量のクレジットが貯留されているものとして説明する。すなわち、クレジット不足によるベット数の設定については、本制御において関係がないため、説明を省略する。
従来のパチスロ機では、2BET及び3BETの遊技が可能な状態においてMAXベットボタンが操作されると、ベット数として3BETが設定され、また、1BET及び2BETの遊技が可能な状態においてMAXベットボタンが操作されると、ベット数として2BETが設定される。また、2BETのみの遊技が可能な状態においてMAXベットボタンが操作されると、ベット数として2BETが設定される。すなわち、従来のMAXベットボタンは、当該遊技の状態において遊技可能なベット数のうちの最大のベット数を、貯留しているクレジット数の範囲で設定するベットボタンとして用いられている。
これに対して、本制御では、MAXベットボタン11に対して、当該遊技の状態において遊技可能なベット数のうちの最適なベット数を、貯留しているクレジット数の範囲で設定する機能を持たせる。すなわち、本制御では、MAXベットボタン11は、最大のベット数ではなく、最適なベット数を設定するベットボタンとして用いる。一例として、2BET及び3BETの遊技が可能な状態においてMAXベットボタン11が操作されると、ある場合においてはベット数として3BETが設定され、別のある場合についてはベット数として2BETが設定されることがある。
(遊技状態の概要)
初めに、図247(A)は、本制御が好適に用いられる遊技状態の一例である。同図に示すように、パチスロ機1では、非報知状態と報知状態とを有し、また、非報知状態には、第1抽籤状態と第2抽籤状態とが含まれる。第1抽籤状態は、報知状態に関する抽籤に当籤する確率が通常の確率である状態であり、第2抽籤状態は、報知状態に関する抽籤が全く行われない(又は第1抽籤状態よりも低い確率で当籤する)状態であり、第1抽籤状態から報知状態に移行する際に経由する状態である。
例えば、遊技者とって不利な通常遊技が第1抽籤状態に対応し、また、遊技者にとって有利な停止操作の情報が報知されるATやARTが報知状態に対応する。そして、通常遊技からAT(ART)に移行するまでの状態が第2抽籤状態に対応し、例えば、AT(ART)の前兆状態であったり、AT(ART)が開始されるまでの準備状態が第2抽籤状態に対応する。なお、前兆状態としては、本前兆だけでなくガセ前兆も含むこととしてもよい。第2抽籤状態として重要なことは、報知状態に関する抽籤が行われない(又は第1抽籤状態よりも低い確率で当籤する)状態であることである。
また、第2抽籤状態として、ARTに当籤してから高RTに移行するまでの状態としてもよい。この場合において、高RTへの移行は、2BET時にのみ可能であり、3BET時には不可能にしてもよい。例えば、表示されることで高RTに移行する高RT移行図柄を表示可能な役が、2BET時にのみ当籤し、3BET時には当籤しないようにすることで、高RTへの移行が2BETのみ可能とすることができる。一例として、主制御回路91は、高RT以外のRT状態において、高RTへの移行抽籤を行い、この移行抽籤に当籤した場合に、高RTへの移行を促す。このとき、主制御回路91は、高RTへの移行抽籤を行う遊技では、MAXベットボタン11の操作に応じてベット数として3BETを決定する一方で、高RTへの移行抽籤に当籤し、高RTへ移行するまでの遊技では、MAXベットボタン11の操作に応じてベット数として2BETを決定する。そして、主制御回路91は、高RTに移行した後の遊技では、MAXベットボタン11の操作に応じてベット数として3BETを決定する。
また、他の一例として、主制御回路91は、非報知状態において、報知状態への移行抽籤を行い、この移行抽籤に当籤した場合に、高RTへの移行を促すとともに、高RT中に遊技者にとって有利な停止操作の情報を報知する報知状態を実行する。このとき、主制御回路91は、報知状態への移行抽籤を行う遊技では、MAXベットボタン11の操作に応じてベット数として3BETを決定する一方で、報知状態への移行抽籤に当籤し、高RTへ移行するまでの遊技では、MAXベットボタン11の操作に応じてベット数として2BETを決定する。そして、主制御回路91は、高RTに移行した後の遊技では、MAXベットボタン11の操作に応じてベット数として3BETを決定する。
なお、上述の例では、表示されることで高RTに移行する高RT移行図柄を表示可能な役が、2BET時にのみ当籤し、3BET時には当籤しないようにすることとしているが、これに限られるものではなく、2BET時には3BET時よりも高い確率で当籤することとしてもよい。また、当籤の有無をベット数に応じて異ならせるのではなく、表示の有無をベット数に応じて異ならせるものであってもよく、例えば、2BET時及び3BET時の双方において当籤する可能性のある役が当籤役として決定された場合に、主制御回路91が、2BET時では高RT移行図柄を表示可能にリールの停止制御を行う一方で、3BET時には高RT移行図柄を表示不可能にリールの停止制御を行うこととしてもよい。
このような遊技状態を有するパチスロ機1において、非報知状態では、2BET及び3BETの何れのベット数であっても遊技が可能であるとし、また、報知状態に関しては、3BETのみ可能で、2BETの遊技が不可能であるとする。なお、報知状態中に2BETの遊技が不可能になるとは、報知状態では、2BETが設定不可能になることであってもよく、また、報知状態中に2BETが設定された場合には、遊技者にとって有利な停止操作の情報が報知されなくなる結果、当該遊技が報知状態ではなくなるものであってもよい。
続いて、図247(B)は、ペイアウト率(=OUT枚数/IN枚数×100)に基づく各状態の有利度合いを示す図である。例えば、非報知状態に関して、ベット数が3BETの低RTでは、ペイアウト率が75%であり、ベット数が3BETの高RTでは、ペイアウト率が90%であるとし、ベット数が2BETの低RTでは、ペイアウト率が81%であり、ベット数が2BETの高RTでは、ペイアウト率が95%であるとする。このような場合、ペイアウト率の観点からは、非報知状態では、2BETの方が3BETよりも遊技者にとって有利となる。
また、同図に示すように、報知状態に関しては、ベット数が3BETの低RTでは、ペイアウト率が90%であり、ベット数が3BETの高RTでは、ペイアウト率が105%であるとする。なお、ベット数が2BETの場合には、報知状態が不可能である。そのため、報知状態では、3BETの方が2BETよりも遊技者にとって有利となる。
続いて、図247(C)は、報知状態に関する抽籤の当籤確率に基づく各状態の有利度合いを示す図である。ベット数が3BETの第1抽籤状態では、通常の確率で報知状態に関する抽籤に当籤するが、ベット数が3BETの第2抽籤状態では、報知状態に関する抽籤に当籤することがない(又は通常の確率よりも低い確率で当籤する)。なお、報知状態に関する抽籤とは、例えば、ATやARTのストック付与抽籤である。
一方で、ベット数が2BETの場合には、報知状態が不可能であるため、第1抽籤状態であっても第2抽籤状態であっても、報知状態に関する抽籤に当籤することがない(又は通常の確率よりも低い確率で当籤する)。そのため、報知状態に関する抽籤の観点からは、3BETの第1抽籤状態が他の状態よりも遊技者にとって有利となる。
ここで、ペイアウト率の観点からは、非報知状態では、2BETの方が3BETよりも遊技者にとって有利であるが、2BETの場合には、真に遊技者にとって有利な報知状態への移行が期待できないため、ペイアウト率と報知状態に関する抽籤とを加味した総合的な観点からは、3BETの報知状態が最も遊技者にとって有利であり、当該最も有利な状態に移行可能な3BETの第1抽籤状態が次に遊技者にとって有利であることになる。一方で、残った第2抽籤状態に関しては、報知状態に関する抽籤は、2BET及び3BETは共に不利で差が無いため、ペイアウト率の観点から2BETの方が有利となる。
そのため、図247(D)に示すように、本制御では、非報知状態の第1抽籤状態においてMAXベットボタン11が操作された場合にはベット数として3BETを設定し、非報知状態の第2抽籤状態においてMAXベットボタン11が操作された場合にはベット数として2BETを設定し、報知状態においてMAXベットボタン11が操作された場合にはベット数として3BETを設定する。これにより、2BET及び3BETの何れのベット数においても遊技が可能な状態において、MAXベットボタン11という1つのベットボタンだけで、2BET及び3BETの何れのベット数も設定することができる。
[主制御基板及び副制御基板が有する各種機能]
以上のようなパチスロ機1に特有の制御を実現するために、パチスロ機1の主制御基板(主制御回路91,メインCPU93)及び副制御基板(副制御回路101,サブCPU102)は、次のような機能を有する。
パチスロ機1は、複数の図柄が表面に描かれた複数のリール3L,3C,3Rと、リール3L,3C,3Rに対応して設けられ遊技者が停止可能な複数のストップボタン7L,7C,7Rを有し、主制御回路91は、スタートスイッチ6Sやストップスイッチ7Sと接続され、図1に示す遊技の進行を制御するため、主制御回路91は、遊技制御手段として機能する。
また、パチスロ機1は、遊技者によるベット操作を受け付け可能なMAXベットボタン11を備え、主制御回路91は、MAXベットボタン11を介してベット操作を受け付けると、今回の遊技のベット数を決定可能であるため、MAXベットボタン11は、ベット操作手段として機能して、主制御回路91は、ベット制御手段として機能する。このとき、主制御回路91は、2BET及び3BETの双方において遊技が可能な状態、かつ、クレジット数が3枚以上の状態において、MAXベットボタン11を介してベット操作を受け付けた場合に、ベット数として2BET及び3BETの何れか一方を決定可能であり、特に、非報知状態の第1抽籤状態においてMAXベットボタン11を介してベット操作を受け付けた場合には、ベット数として3BETを決定し、第2抽籤状態においてMAXベットボタン11を介してベット操作を受け付けた場合には、ベット数として2BETを決定する。なお、主制御回路91は、ボーナス状態を有するパチスロ機において、ボーナス役に当籤するまでは、MAXベットボタン11を介してベット操作を受け付けた場合にベット数として3BETを決定し、ボーナス役に当籤した後の遊技(すなわち、ボーナス内部中)では、MAXベットボタン11を介してベット操作を受け付けた場合にベット数として1BET(又は2BET)を決定することとしてもよい。
また、主制御回路91は、非報知状態の第1抽籤状態において、報知状態に移行するか否かを決定可能であり、移行すると決定した場合には、第1抽籤状態から第2抽籤状態を経由して報知状態に移行可能であるため、主制御回路91は、移行決定手段及び遊技状態制御手段として機能する。
[第6実施形態]
続いて、図248〜図289を参照して、第6実施形態のパチスロ機1について説明する。なお、上記実施形態及び各種変形例のパチスロ機1と同様の構成、制御については、詳細な説明を省略する。また、以下に示す第6実施形態のパチスロ機1の特徴は、上記実施形態及び各種変形例のパチスロ機1においても同様に適用することができ、また、上記実施形態及び各種変形例のパチスロ機1の特徴は、以下に示す第6実施形態のパチスロ機1においても同様に適用することができる。
[リール及びストップボタンの構成]
初めに、図248を参照して、第6実施形態のパチスロ機1における複数のリールと複数のストップボタンについて説明する。図248(A)は、第6実施形態のパチスロ機1における複数のリールの概要を示す図である。
同図に示すように、第6実施形態のパチスロ機1では、左から順に第1リール3−1、第2リール3−2、第3リール3−3、第4リール3−4という4つのリールを有する。これら4つのリールは、水平方向に並んで設けられている。表示窓4は、これら4つのリールに描かれた図柄の一部を遊技者が視認可能に形成されている。具体的には、表示窓4には、第1リール3−1、第2リール3−2及び第3リール3−3に対しては、それぞれのリールに描かれた3つの図柄(上段、中段、下段)を遊技者が視認可能に透明な窓領域が形成されている。すなわち、表示窓4には、一つの図柄を表示する単位図柄表示領域として、第1リール3−1、第2リール3−2及び第3リール3−3に対しては、上段の単位図柄表示領域と中段の単位図柄表示領域と下段の単位図柄表示領域とが設けられている。
一方で、第4リール3−4については、有効ラインが通る位置の図柄のみを遊技者が視認可能(より詳細には、有効ラインを通る図柄のみ視認し易く)に透明な窓領域が形成され、有効ラインが通る位置以外の図柄は遊技者が視認不可能(より詳細には、有効ラインを通る図柄以外は視認し難く)に窓領域が形成されている。なお、本実施形態においては、有効ラインは、第1リール3−1、第2リール3−2、第3リール3−3、第4リール3−4の中段の単位図柄表示領域を通るセンターラインとしている。そのため、表示窓4の第4リール3−4に対応する透明な窓領域は、中段の単位図柄表示領域に対してのみとなっている。なお、第4リール3−4における上段の単位図柄表示領域及び下段の単位図柄表示領域については、中段の単位図柄表示領域に対して視認性が低下するように形成されていれば足り、必ずしも表示窓4の対応箇所が不透明であることに限らない。例えば、表示窓4の、第4リール3−4における上段の単位図柄表示領域及び下段の単位図柄表示領域に対応する箇所についても透明にしつつ、リールの背後に設けられたバックランプを、第1リール3−1、第2リール3−2及び第3リール3−3においては上段、中段、下段の全てにおいて点灯する一方で、第4リール3−4においては中段のみ点灯し、上段、下段においては消灯することで、第4リール3−4における上段の単位図柄表示領域及び下段の単位図柄表示領域の視認性を低下させることとしてもよい(なお、バックランプの制御は所定の制御手段により行われる)。また、表示窓4の、第4リール3−4における上段の単位図柄表示領域及び下段の単位図柄表示領域に対応する箇所を不透明にすることとしてもよく、また、当該箇所の前面に部材を配置することで、当該箇所を物理的に視認できないようにしてもよい。
続いて、図248(B)は、第6実施形態のパチスロ機1における複数のストップボタンの概要を示す図である。同図に示すように、第6実施形態のパチスロ機1では、左から順に第1ストップボタン7−1、第2ストップボタン7−2、第3ストップボタン7−3、第4ストップボタン7−4という4つのストップボタンを有する。これら4つのストップボタンは、水平方向に並んで設けられている。
第1ストップボタン7−1は、第1リール3−1に対応して設けられ、第2ストップボタン7−2は、第2リール3−2に対応して設けられ、第3ストップボタン7−3は、第3リール3−3に対応して設けられ、第4ストップボタン7−4は、第4リール3−4に対応して設けられる。第1ストップボタン7−1、第2ストップボタン7−2、第3ストップボタン7−3、第4ストップボタン7−4は、ストップスイッチ7Sに接続されており、ストップスイッチ7Sは、4つのストップボタン7−1〜7−4のそれぞれが遊技者により押されたこと(停止操作)を検出する。主制御回路91は、ストップスイッチ7Sが停止操作を検出すると、操作されたストップボタン7−1〜7−4に対応する種別のリール3−1〜3−4の回転を停止する。
このように、第6実施形態のパチスロ機1では、4つのリール3−1〜3−4を用いて遊技を行うが、第4リール3−4については、遊技者からは有効ラインが通る位置の図柄のみが見える(見えやすい)ことになるため、遊技者には従来の3リールのパチスロ機と同様の感覚で遊技を行わせることができる。すなわち、図248(C)に示すように、遊技者からすると、第1リール3−1、第2リール3−2及び第3リール3−3という3つのリールにおける上段、中段、下段の3つの単位図柄表示領域(3×3)を用いて遊技が行われているという印象を受け、第4リール3−4の中段の単位図柄表示領域は、おまけ程度に設けられたものであり、従来の3×3のパチスロ機と似通った出目感覚を抱くことになる。
[第6実施形態のパチスロ機の遊技フロー]
続いて、第6実施形態のパチスロ機1の遊技フローについて説明する。図249は、第6実施形態のパチスロ機1のボーナス及びRT状態の遷移フローであり、図250は、第6実施形態のパチスロ機1の報知に関する状態の遷移フローである。
[ボーナス及びRT状態の遷移フロー]
図249に示すように、第6実施形態のパチスロ機1では、ボーナス役の当籤の有無及びボーナスの作動の有無に応じて、非フラグ間とフラグ間と1種BBと1種RBとの状態を有する。非フラグ間は、ボーナス役が内部当籤役として決定されておらず、かつ、ボーナスの作動が行われていない状態であり、フラグ間は、ボーナス役が内部当籤役として決定されており、かつ、ボーナスの作動が行われていない状態である。なお、フラグ間には、ボーナス役のうちのBB(後述の「F_BB」)が内部当籤役として決定されている状態であるBBフラグ間と、ボーナス役のうちのRB(後述の「F_RB」)が内部当籤役として決定されている状態であるRBフラグ間と、がある。
また、1種BBは、ボーナス役が内部当籤役として決定されておらず、かつ、ボーナス(BB(第一種特別役物に係る役物連続作動装置))が作動している状態であり、1種RBは、ボーナス役が内部当籤役として決定されておらず、かつ、ボーナス(RB(第一種特別役物))が作動している状態である。なお、本実施形態では、AT(報知状態)中の遊技を疑似ボーナスと表現する。そのため、1種BBや1種RBは、実ボーナス(実BB,実RB)と呼ぶことがある。
主制御回路91は、非フラグ間においてボーナス役が内部当籤役として決定されると、遊技状態をフラグ間に移行する。フラグ間では、主制御回路91は、内部当籤役として決定されたボーナス役に応じた図柄の組合せが有効ライン上に表示されるまで(言い換えると、当該ボーナス役が入賞するまで)、当該ボーナス役を内部当籤役として持ち越す。その後、内部当籤役として決定されたボーナス役に対応する図柄の組合せが有効ライン上に表示されると、主制御回路91は、フラグ間からボーナス状態に遊技状態を移行する。より具体的には、主制御回路91は、BBに対応する図柄の組合せが有効ライン上に表示されると、フラグ間から1種BBに遊技状態を移行し、RBに対応する図柄の組合せが有効ライン上に表示されると、フラグ間から1種RBに遊技状態を移行する。
また、ボーナス状態では、主制御回路91は、規定枚数を超えるメダルが払い出されると、ボーナス状態を終了し、ボーナス状態から非フラグ間に遊技状態を移行させる。ここで、1種BBの規定枚数は17枚であり、1種RBの規定枚数は3枚である。なお、1種BBは、単位遊技が3BETで行われるとともに、入賞時に1枚のメダルが払い出される「F_BB中1枚」が高い確率で内部当籤役として決定される。そのため、1種BB中は、単位遊技当たりの差枚数が「−2枚(=1−3)」となる可能性が高く、1種BB中のトータルにおいても差枚数がマイナスとなる可能性が高い。一方で、1種RBは、単位遊技が3BETで行われるとともに、入賞時に4枚のメダルが払い出される「F_RB中4枚」が高い確率で内部当籤役として決定される。そのため、1種RB中は、単位遊技当たりの差枚数が「+1枚(=4−3)」となる可能性が高く、1種RB中のトータルにおいても差枚数が若干のプラス(現状維持)となる可能性が高い。その結果、本実施形態では、1種BBは、遊技者にとって不利となるボーナス状態であり、1種RBは、遊技者にとって不利とはならないボーナス状態であるといえる。
また、本実施形態のパチスロ機1では、再遊技の作動に係る「リプレイ役」の種類や「リプレイ役」が内部当籤役として決定される確率が異なるRT状態として、非RT状態とRT1状態とRT2状態とRT3状態とRT4状態とRT5状態とRT6状態とRT7状態とを有する。ここで、パチスロ機では設定値に基づき遊技者の有利度合いを定めることとしている。この設定値は、例えば、複数の役の中から内部当籤役を決定する場合に、複数の役が内部当籤役として決定される当籤確率を規定することで、遊技者の有利度合いを定める。このとき、複数の役には、メダルの払出に係る「小役」と、再遊技の作動に係る「リプレイ役」と、ボーナスの作動に係る「ボーナス役」とが含まれる。RT状態は、これら複数の役のうちの「リプレイ役」の当籤確率や、内部当籤役として決定可能な「リプレイ役」の種類を変動可能な状態である。
主制御回路91は、RT状態の移行条件を満たした場合に、現在のRT状態を他のRT状態に移行する。RT状態の移行条件は、RT状態毎に異なり、図249(B)には、移行条件を含むそれぞれのRT状態の概要を示している。なお、本実施形態において主制御回路91は、「ボーナス役」が内部当籤役として決定されたこと、ボーナスが作動したこと、ボーナスが終了したことを条件には、RT状態を移行しない。すなわち、本実施形態では、ボーナス作動の前後においてRT状態は同一のまま維持される。
同図に示すように、非RT状態においては、有効ライン上に表示された図柄の組合せに応じてRT状態を移行させる。具体的には、非フラグ間においては、主制御回路91は、非RT状態においてRT1移行図柄が有効ラインに沿って表示されると、非RT状態からRT1状態にRT状態を移行し、非RT状態においてRT2移行図柄が有効ラインに沿って表示されると、非RT状態からRT2状態にRT状態を移行し、非RT状態においてRT3移行図柄が有効ラインに沿って表示されると、非RT状態からRT3状態にRT状態を移行し、非RT状態においてRT4移行図柄が有効ラインに沿って表示されると、非RT状態からRT4状態にRT状態を移行し、非RT状態においてRT5移行図柄が有効ラインに沿って表示されると、非RT状態からRT5状態にRT状態を移行し、非RT状態においてRT6移行図柄が有効ラインに沿って表示されると、非RT状態からRT6状態にRT状態を移行し、非RT状態においてRT7移行図柄が有効ラインに沿って表示されると、非RT状態からRT7状態にRT状態を移行する。
なお、主制御回路91は、フラグ間、1種BB及び1種RB中は、非RT状態においてRT移行図柄が有効ラインに沿って表示されたとしても、RT状態を移行させない。すなわち、例えば、フラグ間の非RT状態においてRT1移行図柄が有効ラインに沿って表示されたとしても、主制御回路91は、RT状態を移行させることなく、非RT状態のまま維持する。そのため、本実施形態では、非RT状態から他のRT状態への移行は、非フラグ間においてのみ行われ、フラグ間、1種BB及び1種RB中は行われることなく、非RT状態のまま維持される。
また、主制御回路91は、RT1状態〜RT7状態においては、当該RT状態中に行われた単位遊技の回数に応じてRT状態を移行させる。具体的には、主制御回路91は、RT1状態において6000回の遊技が行われると、RT1状態から非RT状態にRT状態を移行し、RT2状態において5900回の遊技が行われると、RT2状態から非RT状態にRT状態を移行し、RT3状態において4500回の遊技が行われると、RT3状態から非RT状態にRT状態を移行し、RT4状態において4400回の遊技が行われると、RT4状態から非RT状態にRT状態を移行し、RT5状態において4300回の遊技が行われると、RT5状態から非RT状態にRT状態を移行し、RT6状態において4200回の遊技が行われると、RT6状態から非RT状態にRT状態を移行し、RT7状態において3000回の遊技が行われると、RT7状態から非RT状態にRT状態を移行する。
なお、RT1状態〜RT7状態については、主制御回路91は、非フラグ間、フラグ間、1種BB及び1種RB中に関係なく、所定回数の遊技が行われた場合に、RT状態を非RT状態に移行する。また、RT1状態〜RT7状態では、主制御回路91は、RT移行図柄が有効ラインに沿って表示されたとしても、RT状態を移行させない。そのため、RT1状態〜RT7状態では、主制御回路91は、所定の初期化処理が行われない限り、所定回数の遊技が行われるまで他のRT状態に移行することなく現在のRT状態のまま維持する。なお、所定の初期化処理は、記憶領域の少なくとも一部を初期化する処理であり、例えば、設定変更時の初期化処理やRAMクリア時の初期化処理である。
ここで、RT状態は、「リプレイ役」の当籤確率や、内部当籤役として決定可能な「リプレイ役」の種類を変動可能であるが、複数のRT状態では、個々の「リプレイ役」の当籤確率、トータルの「リプレイ役」の当籤確率、内部当籤役として決定可能な「リプレイ役」の種類、RT状態の継続期間の何れかが異なっていればよい。なお、個々の「リプレイ役」の当籤確率とは、例えば、「リプレイ役」としてリプレイ1とリプレイ2とを有する場合に、リプレイ1の当籤確率やリプレイ2の当籤確率をいう。また、トータルの「リプレイ役」の当籤確率とは、例えば、「リプレイ役」としてリプレイ1とリプレイ2とを有する場合に、リプレイ1の当籤確率とリプレイ2の当籤確率との合算値をいう。
この点、本実施形態では、少なくともトータルの「リプレイ役」の当籤確率は、複数のRT状態(非RT状態、RT1状態〜RT7状態)において略同一(完全に同一であってもよい)となっている。なお、「リプレイ役」以外の当籤確率は、設定値に応じて変動し、RT状態が変わっても変動しない。そのため、報知状態を加味しない場合には、複数のRT状態におけるペイアウト率(=OUT枚数/IN枚数×100)は、略同一(トータルの「リプレイ役」の当籤確率を完全に同一にした場合には、完全に同一)となっている。
[報知に関する状態の遷移フロー]
続いて、図250を参照して、第6実施形態のパチスロ機1の報知に関する状態の遷移フローについて説明する。本実施形態のパチスロ機1では、遊技者にとって有利な停止操作の態様を遊技者に対して報知可能な報知状態と、当該報知を行う頻度が報知状態よりも低い(又は全く報知しない)非報知状態とを有するAT機である。なお、上述の実施形態では、フラグ間状態を維持したまま報知状態と非報知状態とを切り替えることとし、非フラグ間などに移行することがないように制御していたが、以下において説明するように、本実施形態では、基本的には、BBを持ち越しているBBフラグ間中に報知状態と非報知状態とを切り替えることで、AT機能を実現するが、条件を満たした場合にはBBを入賞させ、非フラグ間、1種BB、RBフラグ間、1種RBにも移行可能にしている。
図250(A)に示すように、本実施形態のパチスロ機1では、報知に関する状態(出玉状態)として、「一般」と「疑似ボーナス」と「引き戻し」と「特化」とを有する。一般は、遊技者にとって有利な停止操作の態様が報知されない非報知状態(非AT)であり、通常区間と、有利区間のうちの非報知状態である通常有利とを含む。なお、有利区間は、報知状態を実行可能な遊技区間であり、通常区間は、報知状態を実行不可能な遊技区間である。「疑似ボーナス」は、遊技者にとって有利な停止操作の態様が報知される報知状態(AT)であり、遊技者が約200枚のメダルを獲得可能な疑似BBと、約100枚のメダルを獲得可能な疑似RBとを含む。また、「引き戻し」及び「特化」は、非報知状態であってもよく、報知状態であってもよい。
「一般」の通常区間(「一般(通常区間)」)と「一般」の通常有利(「一般(通常有利)」)とを比較すると、「一般(通常区間)」は通常区間であり、滞在している場合にAT当籤という特典付与の期待度を変動不可能な遊技区間である。一方で、「一般(通常有利)」は有利区間であり、滞在している場合にAT当籤という特典付与の期待度を変動可能な遊技区間である。
「一般(通常区間)」では、主制御回路91は、有利区間への移行抽籤を行っており、この移行抽籤に当籤した場合には、「一般(通常区間)」から「一般(通常有利)」に出玉状態を移行する。なお、有利区間への移行抽籤においてAT当籤となった場合には、主制御回路91は、「一般(通常区間)」から「疑似ボーナス」に出玉状態を移行することもできる。「一般(通常有利)」では、主制御回路91は、疑似ボーナス(AT)への移行抽籤を行っており、AT当籤となった場合には、「一般(通常有利)」から「疑似ボーナス」に出玉状態を移行する。また、「一般(通常有利)」では、主制御回路91は、通常有利の維持抽籤を行っており、この抽籤において維持を決定した場合には、出玉状態を「一般(通常有利)」のまま維持し、この抽籤において終了を決定した場合には、有利区間を終了して、「一般(通常区間)」から「一般(通常有利)」に出玉状態を移行する。
「一般(有利区間)」には、複数のゾーンが設けられており、このゾーンに応じて疑似ボーナス(AT)への移行抽籤においてAT当籤となる確率が異なる。詳しくは後述するが、ゾーンは、RT状態に応じて設定されるため、本実施形態のパチスロ機1では、RT状態に応じてAT当籤となる確率が異なることになり、RT状態が疑似的な設定値として機能する。
「疑似ボーナス」は、差枚数で管理される報知状態(AT)であり、押し順役(「F_A択ベル1234」〜「F_B択ベル4321」)が内部当籤役として決定された場合に、最も多くのメダルが付与されることになる正解の押し順が報知される。「疑似ボーナス(疑似BB)」は、差枚数が200枚を超えると終了し、「疑似ボーナス(疑似RB)」は、差枚数が100枚を超えると終了する。なお、「疑似ボーナス」の継続期間の管理方法は任意であり、本実施形態のように差枚数で管理することとしてもよく、また、遊技回数やナビ回数などにより管理することとしてもよい。主制御回路91は、「疑似ボーナス」において終了条件を満たすと、出玉状態を「疑似ボーナス」から「引き戻し」に移行する。
「引き戻し」は、最大で32ゲーム間継続する遊技期間である。「引き戻し」では、主制御回路91は、「疑似ボーナス」の引き戻し抽籤を行っており、この抽籤に当籤した場合には「引き戻し」から「疑似ボーナス」に出玉状態を移行する。「引き戻し」には、“非RT用”“通常”“チャンス”“天国”“特殊1”“特殊2”といった複数のモードが設けられており、引き戻し抽籤に当籤しないまま「引き戻し」の期間(最大32ゲーム)が終了すると、主制御回路91は、モードに応じて出玉状態を移行する。具体的には、モードが“非RT用”“通常”“チャンス”である場合には、主制御回路91は、引き戻し抽籤に当籤しないまま「引き戻し」の期間が終了すると有利区間を終了して、「引き戻し」から「一般(通常区間)」に出玉状態を移行する。他方、モードが“天国”“特殊1”“特殊2”である場合には、主制御回路91は、引き戻し抽籤に当籤しないまま「引き戻し」の期間が終了すると、「引き戻し」から「疑似ボーナス」に出玉状態を移行する。
「特化」は、「一般」「疑似ボーナス」よりも特典付与の期待度が高い状態である。なお、特典の種別は任意であり、出玉に関する特典であってもよく、また、出玉に関係のない特典であってもよい。この点、本実施形態では、「特化」では、他の出玉状態に比べて、ATに関する特典(疑似ボーナスのストック)が付与され易くなっている。主制御回路91は、「一般」において特化抽籤を行っており、この抽籤に当籤した場合には、「一般」から「特化」に出玉状態を移行する。
ここで、上述したように、本実施形態では、基本的にはBBフラグ間中に遊技を行う遊技性であるが、出玉状態が「特化」に移行した場合には、BBを入賞させて(BBフラグ間を解除させて)、遊技状態を非フラグ間に移行させる。すなわち、上述の第4実施形態などでは、フラグ間中にボーナスの入賞を不可能に制御していたが、本実施形態では、フラグ間中にボーナスの入賞が可能になっている。このような遊技性の場合、出玉状態が「特化」に移行していないにもかかわらず、BBを入賞させることが可能であるが、主制御回路91は、特化抽籤に当籤していない場合には、BBに応じた図柄の組合せが表示されてBBが入賞した場合に、遊技者にとって不利な状態(非許可状態)に制御する。他方、主制御回路91は、特化抽籤に当籤している場合には、BBに応じた図柄の組合せが表示されてBBが入賞した場合に、遊技者にとって不利ではない状態(許可状態=「特化」)に制御する。
なお、遊技者にとって不利な状態は任意であり、例えば、上述したように1種BB中を差枚数がマイナスの遊技とすることで不利な状態とすることとしてもよく、また、1種BB中及びその後の所定期間の遊技においてATに関する特典付与の期待度を下げることで不利な状態とすることとしてもよい。また、遊技者にとって不利ではない状態は、特化抽籤に当籤していない場合に比較して有利であればよく、遊技者にとって有利である必要は必ずしもない。すなわち、1種BB中は差枚数がマイナスとなるものの、このマイナス分を超える利益を遊技者に対して付与する必要はなく、特化抽籤に当籤していない場合に受ける不利益を遊技者が受けない状態とすればよい。
この点、本実施形態では、「特化」では、ATに関する特典付与の期待度を他の出玉状態に比べて高くしているため、遊技者にとって有利な状態となっている。なお、遊技者にとって不利ではない状態の他の例としては、例えば、1種BBの後に所定ゲーム数の間、差枚数が微増するようなナビ状態を設け、このナビ状態中に所定の特典ムービーなどを流す鑑賞区間としてもよく、また、ATに関する特典付与の期待度を下げないことで、特化抽籤に当籤していない場合に比べては不利ではない状態としてもよい。
ここで、本実施形態において、出玉状態「特化」中の遊技期間には1種BB中の遊技が含まれ、この1種BB中の遊技は、差枚数がマイナスの遊技期間であるため、「特化」中の期間における単位遊技当たりのメダルの収支の期待値は、必ずしも高い状態ではない。一方で、出玉状態「疑似ボーナス」は、遊技者にとって有利な停止操作の情報が報知されるAT期間であるため、「疑似ボーナス」中の期間における単位遊技当たりのメダルの収支の期待値は少なくともプラスになる。そのため、本実施形態では、出玉状態「特化」中の期間における単位遊技当たりのメダルの収支の期待値は、出玉状態「疑似ボーナス」中の期間における単位遊技当たりのメダルの収支の期待値よりも低い。一方で、出玉状態「特化」中の期間におけるATに関する特典付与の期待度は、出玉状態「疑似ボーナス」中の期間におけるATに関する特典付与の期待度よりも高い。
「特化」は、「一般」における特化抽籤に当籤した場合に移行し、その後に再びBBフラグ間になるまで継続する。すなわち、「一般(=BBフラグ間)」において特化抽籤に当籤すると、BBの入賞が促され、BBフラグ間から1種BBを介して非フラグ間に移行する。その後、非フラグ間において再びBBが内部当籤役として決定されると、当該BBの入賞は許可されずに、非フラグ間からBBフラグ間に移行する。そして、BBフラグ間に移行したことをもって「特化」が終了し、「特化」が終了すると出玉状態は、「疑似ボーナス」に移行する。すなわち、主制御回路91は、BBフラグ間への移行に伴い出玉状態を「特化」から「疑似ボーナス」に移行する。
なお、本実施形態では、「特化」は、特化中の非フラグ間においてBBが内部当籤役として決定されると終了するが、これに限るものではなく、特化中の非フラグ間においてBBが内部当籤役として決定された場合に特化終了抽籤を行い、この抽籤において終了が決定されると「特化」を終了し、この抽籤において継続が決定されると「特化」を継続することとしてもよい。この場合において、特化終了抽籤において継続が決定された場合には、BBの入賞が促され、1種BBを介して非フラグ間に移行するとともに、出玉状態は「特化」のまま維持される。他方、終了が決定された場合には、当該BBの入賞は許可されずに、非フラグ間からBBフラグ間に移行し、出玉状態が「特化」から「疑似ボーナス」に移行する。また、特化中の非フラグ間においてBBが内部当籤役として決定された場合にRT状態に応じて特化を終了させることとしてもよい。すなわち、後述するように「特化」は、RT状態を移行させることが可能な期間としても用いられるため、例えば、RT状態が非RT状態である場合には「特化」を継続し、RT状態がRT1状態〜RT7状態である場合には「特化」を終了することとしてもよい。
ここで、本実施形態では、ボーナス役としてBB(「F_BB」)の他にRB(「F_RB」)も有しているため、BBフラグ間が解除されて非フラグ間に移行した場合、BBよりも前にRBが内部当籤役として決定されることがある。主制御回路91は、「特化」の非フラグ間において、BBが内部当籤役として決定された場合には「特化」を終了するが、BBよりも前にRBが内部当籤役として決定された場合には出玉状態を「特化」のまま維持する。なお、実ボーナスであるBBやRBは、停止操作によっては対応する図柄の組合せを停止表示できないこと(所謂、取りこぼし)があり、このような期間まで「特化」としていたのでは、「特化」を意図的に伸ばすことができてしまう。そのため、特化抽籤に当籤してからBBが入賞するまでの期間、及び、「特化」中の非フラグ間においてRBが内部当籤役として決定されてからRBが入賞するまでの期間を、「特化」の準備期間として、ATに関する特典付与の期待度を、他の出玉状態と同様の期待度のまま維持することとしてもよい。
主制御回路91は、出玉状態に関わらず非フラグ間においてBBが内部当籤役として決定されると、非許可状態をセットする。そして、主制御回路91は、BBフラグ間である出玉状態「一般」において特化抽籤に当籤すると、非許可状態を許可状態に更新する。なお、後述するように、RT状態が非RT状態である「一般」と、RT状態がRT1状態〜RT7状態である「一般」とでは、特化抽籤に当籤する確率が異なる。すなわち、主制御回路91は、BBフラグ間かつ非RT状態である出玉状態「一般」では、所定条件を満たすと、非許可状態を許可状態に更新し、BBフラグ間かつRT1状態〜RT7状態である出玉状態「一般」では、所定条件とは異なる特定条件を満たすと、非許可状態を許可状態に更新する。なお、特化抽籤に当籤した場合には、パチスロ機1では、BBの入賞を促す演出を実行可能である。例えば、特化抽籤に当籤すると、副制御回路101は、表示ユニット100を介して、BBに対応する図柄の組合せの表示を促す演出を実行する。もちろん、主制御回路91の制御によりBBの入賞を促すこととしてもよく、主制御回路91及び副制御回路101の双方においてBBの入賞を促すこととしてもよい。
続いて、図250(B)は、RT状態などの遊技状態と出玉状態との対応関係を示す図である。同図に示すように、「一般(通常区間)」は、通常区間であり、また、全てのRT状態に対応している。また、「一般(通常区間)」は、基本的には、BBフラグ間である。なお、出荷時やRAMクリア時などの初期状態においては、非フラグ間も「一般(通常区間)」に対応する。
また、「一般(通常有利)」は、有利区間であり、BBフラグ間中の全てのRT状態に対応している。また、「疑似ボーナス」は、有利区間であり、BBフラグ間中の全てのRT状態に対応している。また、「引き戻し」は、有利区間であり、BBフラグ間中の全てのRT状態に対応している。また、「特化」は、有利区間であり、1種BB中の全てのRT状態、非フラグ間中の全てのRT状態、及び、1種RB中の全てのRT状態に対応している。
上述したように本実施形態のパチスロ機1では、複数のRT状態を疑似的な設定値として用いる。ここで、非RT状態からRT1状態〜RT7状態への移行は、非フラグ間のみ行うことができるため、非フラグ間は、疑似的な設定値を設定するための期間として機能する。そのため、本実施形態では、基本的には、「特化」中に疑似的な設定値の設定が行われる。
なお、有利区間にリミッタが設けられていることは上述の通りである。そのため、例えば、有利区間において実行された遊技回数が1500回に達した場合には、主制御回路91は、「疑似ボーナス」において終了条件を満たしていない場合であっても、「疑似ボーナス」を継続可能な残り期間に関わらず有利区間を終了することで、「疑似ボーナス」を終了する。ここで、図249を参照すると、RT1状態〜RT7状態の終了閾値に応じた遊技回数は、有利区間のゲーム数リミッタの閾値(1500回)に応じた遊技回数よりも多い。
[主制御側の各種のデータテーブル]
続いて、メインROM32に記憶されている各種データテーブルの構成について説明する。
[図柄配置テーブル]
図251に示す図柄配置テーブルは、第1リール3−1、第2リール3−2、第3リール3−3及び第4リール3−4の各々の表面に配されている図柄の配列をデータによって表している。図柄配置テーブルは、20個の図柄位置「0」〜「19」と、これらの図柄位置の各々に対応する図柄との対応関係を規定する。
図柄位置「0」〜「19」は、第1リール3−1、第2リール3−2、第3リール3−3及び第4リール3−4の各々において回転方向に沿って配されている図柄の位置を示す。図柄位置「0」〜「19」に対応する図柄は、図柄カウンタの値を用いて図柄配置テーブルを参照することによって特定することができる。
[図柄コード表]
また、図251に示すように、第1リール3−1、第2リール3−2、第3リール3−3及び第4リール3−4に配された各図柄は、図柄コード表によって特定され、1バイト(8ビット)のデータによって区別される。図251に示す図柄コード表は、第1リール3−1、第2リール3−2、第3リール3−3及び第4リール3−4の表面に配された図柄を特定するためのコードを表している。
本実施の形態によるパチスロ機1で用いる図柄は、「赤7」、「青BAR」、「黒BAR」、「桃色」、「リプレイ」、「ベル」、「チェリー」、「スイカ」、「橙色」及び「紫色」の10種類であり、それぞれに対して1バイトのデータが割り当てられている。
[内部抽籤テーブル]
続いて、図252及び図253を参照して、内部当籤役を決定する際に参照される内部抽籤テーブルについて説明する。内部抽籤テーブルは、遊技状態毎に設けられ、各種内部当籤役と、各内部当籤役が決定されるときの抽籤値との対応関係を規定する。図252(A)は、非フラグ間において参照される内部抽籤テーブルであり、図253(B)は、1種BBにおいて参照される内部抽籤テーブルであり、図253(C)は、1種RBにおいて参照される内部抽籤テーブルである。なお、フラグ間に対応する内部抽籤テーブルは省略しているが、フラグ間に対応する内部抽籤テーブルは、図252(A)に示す非フラグ間用の内部抽籤テーブルのうち、「F_BB」及び「F_RB」に対応する抽籤値が「はずれ」に対応する抽籤値に加算されたものとなっている。そして、フラグ間では、持ち越している種類のボーナス役が必ず内部当籤役として決定される。
[図柄組合せテーブル]
次に、図254及び図255を参照して、本実施形態のパチスロ機1における入賞等に係る図柄の組合せを規定する図柄組合せテーブルについて説明する。図柄組合せテーブルは、複数の図柄の組合せを予め規定している。なお、図254及び図255においては、規定される図柄の組合せ(コンビネーション)内で「/」が付された箇所があるが、これは、表記された図柄のうちいずれの図柄でもその図柄の組合せを構成することを示す。
また、同図において「配当」とは、対応する図柄の組合せが有効ラインに沿って表示された場合に付与される配当の内容を表す。具体的には、「配当:BB」は、第一種特別役物に係る役物連続作動装置(上述の1種BB)が作動することを表し、「配当:RB」は、第一種特別役物(上述の1種RB)が作動することを表し、「配当:RP」は、再遊技(リプレイ)が作動することを表す。また、「配当:12」は、12枚のメダルが払い出されることを表し、「配当:1」は、1枚のメダルが払い出されることを表し、「配当:2」は、2枚のメダルが払い出されることを表し、「配当:3」は、3枚のメダルが払い出されることを表す。
また、同図において「RT移行」とは、対応する図柄の組合せが有効ラインに沿って表示された場合の移行先のRT状態をいう。なお、図249(B)において上述したように、図柄の組合せが表示されることに伴うRT状態の移行は、非フラグ間かつ非RT状態において行われる。図254及び図255において、「RT移行」として「RT1移行」が規定されている図柄の組合せは、RT1移行図柄であり、RT1状態への移行契機となる図柄の組合せである。また、「RT移行」として「RT2移行」が規定されている図柄の組合せは、RT2移行図柄であり、RT2状態への移行契機となる図柄の組合せである。また、「RT移行」として「RT3移行」が規定されている図柄の組合せは、RT3移行図柄であり、RT3状態への移行契機となる図柄の組合せである。また、「RT移行」として「RT4移行」が規定されている図柄の組合せは、RT4移行図柄であり、RT4状態への移行契機となる図柄の組合せである。また、「RT移行」として「RT5移行」が規定されている図柄の組合せは、RT5移行図柄であり、RT5状態への移行契機となる図柄の組合せである。また、「RT移行」として「RT6移行」が規定されている図柄の組合せは、RT6移行図柄であり、RT6状態への移行契機となる図柄の組合せである。また、「RT移行」として「RT7移行」が規定されている図柄の組合せは、RT7移行図柄であり、RT7状態への移行契機となる図柄の組合せである。
ここで、名称「BB」の図柄の組合せと名称「RB」の図柄の組合せとを比較すると、名称「RB」の図柄の組合せを構成する図柄のうちの、第1リール3−1、第2リール3−2及び第3リール3−3の図柄は「青BAR」であり、名称「BB」の図柄の組合せを構成する図柄のうちの第1リール3−1、第2リール3−2及び第3リール3−3の図柄の一部と共通する。
また、名称「RB」の図柄の組合せを構成する図柄のうちの第4リール3−4の図柄は「紫色」であり、名称「BB」の図柄の組合せを構成する図柄のうちの第4リール3−4の図柄は「青BAR」で異なる。ここで、図251を参照すると、第4リール3−4では、図柄「青BAR」と「紫色」とが最大滑り駒数以内の間隔で配置、より詳細には、隣接して配置される。そのため、第1リール3−1、第2リール3−2、第3リール3−3及び第4リール3−4において図柄「青BAR」を狙って停止操作を行うことで、名称「BB」の図柄の組合せも名称「RB」の図柄の組合せも同時に狙うことができる。
なお、第1リール3−1、第2リール3−2及び第3リール3−3において、名称「RB」の図柄の組合せを構成する図柄は「青BAR」のみであり、名称「BB」の図柄の組合せを構成する図柄は「青BAR」以外の図柄も含まれる。そのため、名称「BB」の図柄の組合せを停止表示可能な遊技において、無作為(ランダム)に停止操作を行った場合に名称「BB」の図柄の組合せが停止表示される割合と、名称「RB」の図柄の組合せを停止表示可能な遊技において、無作為に停止操作を行った場合に名称「RB」の図柄の組合せが停止表示される割合と、では後者の方が割合が低い。具体的には、名称「BB」の図柄の組合せは、第1リール3−1において取りこぼしが発生し、無作為に停止操作を行った場合には約1/4の割合で停止表示することができる。また、名称「RB」の図柄の組合せは、第1リール3−1、第2リール3−2及び第3リール3−3において取りこぼしが発生し、無作為に停止操作を行った場合には約1/64の割合で停止表示することができる。
[内部当籤役と図柄組合せの対応表]
続いて、図256〜図258は、それぞれの役が内部当籤役として決定された場合に各内部当籤役において有効ライン上に表示可能な図柄の組合せ(コンビネーション)との対応関係を示す表である。なお、図256(A)及び図257(B)は、非ボーナス状態(すなわち、フラグ間又は非フラグ間)中における内部当籤役と停止表示される図柄の組合せとの対応関係を示す図であり、図257(C)は、1種BB中における内部当籤役と停止表示される図柄の組合せとの対応関係を示す図であり、図257(D)は、1種RB中における内部当籤役と停止表示される図柄の組合せとの対応関係を示す図である。
各対応表における丸印は、内部当籤役として決定された役において、有効ライン上に表示可能な図柄の組合せ(コンビネーション)を示す。なお、同図では、役が内部当籤役として決定された場合に表示される可能性のある全ての図柄の組合せを列挙しているが、役に対応して丸印が付された図柄の組合せであっても、表示されないことがある。そこで、役の種別と実際に停止表示される図柄の組合せとの対応関係を、図259〜図261に示す。
(内部当籤役と実際に停止表示される図柄の組合せとの対応関係)
パチスロ機1では、複数の役として、停止操作の順序(押し順)に応じて表示される図柄の組合せが異なる役である押し順役(押し順ベル)と、停止操作の順序に関わらず表示される図柄の組合せが同じ役である押し順不問役とを有する。図259は、押し順不問役と実際に停止表示される図柄の組合せとの対応関係を示す図であり、図260及び図261は、押し順役と実際に停止表示される図柄の組合せとの対応関係を示す図である。
初めに、図259を参照して、押し順不問役と実際に停止表示される図柄の組合せとの対応関係について説明する。なお、押し順不問役と図柄組合せとの対応関係は、遊技状態に関わらず同一であり、図259に示す対応関係は、遊技状態が非フラグ間、BBフラグ間、RBフラグ間、1種BB、1種RBの何れにおいても同一である。
図259に示すように、役「F_0リプ」は、名称「リプA」の図柄の組合せが有効ラインに沿って表示され、役「F_1リプ」は、名称「リプB」の図柄の組合せが有効ラインに沿って表示され、役「F_2リプ」は、名称「リプC」の図柄の組合せが有効ラインに沿って表示され、役「F_3リプ」は、名称「リプD」の図柄の組合せが有効ラインに沿って表示され、役「F_4リプ」は、名称「リプE」の図柄の組合せが有効ラインに沿って表示され、役「F_5リプ」は、名称「リプF」又は「リプG」の図柄の組合せが有効ラインに沿って表示され、役「F_6リプ」は、名称「リプH」の図柄の組合せが有効ラインに沿って表示され、役「F_7リプ」は、名称「リプI」の図柄の組合せが有効ラインに沿って表示される。
なお、名称「リプB」に係る図柄の組合せは、RT1移行図柄であるため、非フラグ間の非RT状態において役「F_1リプ」が内部当籤役として決定された場合、RT状態が非RT状態からRT1状態に移行する。同様に、名称「リプC」に係る図柄の組合せは、RT2移行図柄であるため、非フラグ間の非RT状態において役「F_2リプ」が内部当籤役として決定された場合、RT状態が非RT状態からRT2状態に移行し、名称「リプD」に係る図柄の組合せは、RT3移行図柄であるため、非フラグ間の非RT状態において役「F_3リプ」が内部当籤役として決定された場合、RT状態が非RT状態からRT3状態に移行し、名称「リプE」に係る図柄の組合せは、RT4移行図柄であるため、非フラグ間の非RT状態において役「F_4リプ」が内部当籤役として決定された場合、RT状態が非RT状態からRT4状態に移行し、名称「リプF」「リプG」に係る図柄の組合せは、RT5移行図柄であるため、非フラグ間の非RT状態において役「F_5リプ」が内部当籤役として決定された場合、RT状態が非RT状態からRT5状態に移行し、名称「リプH」に係る図柄の組合せは、RT6移行図柄であるため、非フラグ間の非RT状態において役「F_6リプ」が内部当籤役として決定された場合、RT状態が非RT状態からRT6状態に移行し、名称「リプI」に係る図柄の組合せは、RT7移行図柄であるため、非フラグ間の非RT状態において役「F_7リプ」が内部当籤役として決定された場合、RT状態が非RT状態からRT7状態に移行する。
また、役「F_共通ベル」は、名称「12A」〜「12U2」の図柄の組合せの何れかが有効ラインに沿って表示される。なお、図259〜図261では、名称「12A」〜「12U2」の図柄の組合せを「12枚」と表記している。名称「12A」〜「12U2」の図柄の組合せは、RT1移行図柄であるため、非フラグ間の非RT状態において役「F_共通ベル」が内部当籤役として決定された場合、RT状態が非RT状態からRT1状態に移行する。
また、役「F_スイカ」は、名称「スイカ」の図柄の組合せが有効ラインに沿って表示される。名称「スイカ」の図柄の組合せは、RT7移行図柄であるため、非フラグ間の非RT状態において役「F_スイカ」が内部当籤役として決定された場合、RT状態が非RT状態からRT7状態に移行する。
また、役「F_チェリー」は、名称「チェリーA」〜「チェリーC」の図柄の組合せの何れかが有効ラインに沿って表示される。名称「チェリーA」〜「チェリーC」の図柄の組合せは、RT3移行図柄であるため、非フラグ間の非RT状態において役「F_チェリー」が内部当籤役として決定された場合、RT状態が非RT状態からRT3状態に移行する。
また、役「F_確定チェリー」は、名称「確定チェリーA」〜「確定チェリーC」の図柄の組合せの何れかが有効ラインに沿って表示される。名称「確定チェリーA」〜「確定チェリーC」の図柄の組合せは、RT3移行図柄であるため、非フラグ間の非RT状態において役「F_確定チェリー」が内部当籤役として決定された場合、RT状態が非RT状態からRT3状態に移行する。
また、役「F_中段チェリー」は、名称「中段チェリー」の図柄の組合せが有効ラインに沿って表示される。名称「中段チェリー」の図柄の組合せは、RT3移行図柄であるため、非フラグ間の非RT状態において役「F_中段チェリー」が内部当籤役として決定された場合、RT状態が非RT状態からRT3状態に移行する。
また、役「F_リーチ目」は、名称「確定役A」〜「確定役C」の図柄の組合せの何れかが有効ラインに沿って表示される。名称「確定役A」〜「確定役C」の図柄の組合せは、RT3移行図柄であるため、非フラグ間の非RT状態において役「F_リーチ目」が内部当籤役として決定された場合、RT状態が非RT状態からRT3状態に移行する。
また、役「F_BB中1枚」は、名称「1A」〜「1M」の図柄の組合せの何れかが有効ラインに沿って表示される。なお、図259〜図261では、名称「1A」〜「1M」の図柄の組合せを「1枚」と表記している。また、役「F_RB中4枚」は、名称「RBベル」の図柄の組合せが有効ラインに沿って表示される。なお、図259〜図261では、名称「RBベル」の図柄の組合せを「4枚」と表記している。
また、役「F_BB」は、名称「BB」の図柄の組合せ、又は、図254及び図255に規定した何れの図柄の組合せでもない「はずれ」の図柄の組合せが有効ラインに沿って表示され、「役F_RB」は、名称「RB」の図柄の組合せ、又は、「はずれ」の図柄の組合せが有効ラインに沿って表示される。
続いて、図260及び図261を参照して、押し順役と実際に停止表示される図柄の組合せとの対応関係について説明する。なお、押し順役と図柄組合せとの対応関係は、遊技状態に応じて異なり、図260は、遊技状態が非フラグ間又はBBフラグ間である場合の対応関係を示し、図261は、遊技状態がRBフラグ間である場合の対応関係を示す。また、同図において、押し順は、4つのリールに対する停止操作の順序(24通り)を示している。
図260に示すように、非フラグ間及びBBフラグ間では、役「F_A択ベル1234」〜「F_B択ベル4321」は、停止操作の順序が正解の押し順である場合に名称「12A」〜「12U2」の図柄の組合せの何れかが有効ラインに沿って表示され、停止操作の順序が不正解の押し順である場合に名称「1A」〜「1M」の図柄の組合せの何れかが有効ラインに沿って表示される。
また、図261に示すように、RBフラグ間では、役「F_A択ベル1234」〜「F_A択ベル4321」は、停止操作の順序が正解の押し順である場合に名称「12A」〜「12U2」の図柄の組合せの何れかが有効ラインに沿って表示され、停止操作の順序が不正解の押し順である場合に名称「1A」〜「1M」の図柄の組合せの何れかが有効ラインに沿って表示される。また、役「F_B択ベル1234」〜「F_B択ベル4321」は、停止操作の順序に関係なく、名称「12A」〜「12U2」の図柄の組合せの何れかが有効ラインに沿って表示される。
このように、本実施形態のパチスロ機1では、RBフラグ間中は、役「F_B択ベル1234」〜「F_B択ベル4321」が押し順役ではなく押し順不問役となり、かつ、正解時に表示される名称「12A」〜「12U2」の図柄の組合せが、押し順に関係なく表示される。非フラグ間とBBフラグ間とRBフラグ間とでは、内部当籤役を決定する確率に差が無いため、RBフラグ間中は、非フラグ間及びBBフラグ間に比べてコイン持ちが良くなる。言い換えると、RBフラグ間中は、非フラグ間及びBBフラグ間に比べて高ベースの遊技期間であり、RBフラグ間中の単位遊技当たりのメダルの収支の期待値は、非フラグ間及びBBフラグ間中の単位遊技当たりのメダルの収支の期待値よりも高い。
[内部当籤役と抽籤種別との対応関係]
続いて、図262は、内部当籤役と抽籤種別との対応関係を示す図である。本実施形態のパチスロ機1では、主制御回路91は、内部当籤役に基づいて各種の抽籤を行うが、それぞれの役毎に抽籤の結果を設けたのでは一つの抽籤に要するデータ量が膨大になってしまう。そこで、パチスロ機1では、複数の役を抽籤種別としてグループ化し、この抽籤種別に基づいて各種の抽籤を行う。例えば、押し順役である役「F_A択ベル1234」〜「F_B択ベル4321」は、No.4の抽籤種別「ベル」にグループ化され、この抽籤種別が参照されて、各種の抽籤が行われる。
[有利区間移行抽籤テーブル]
続いて、図263を参照して、有利区間移行抽籤テーブルについて説明する。有利区間移行抽籤テーブルは、出玉状態「一般(通常区間)」において単位遊技毎に内部当籤役(抽籤種別)に基づき有利区間への移行抽籤を行う際に参照されるテーブルである。有利区間移行抽籤テーブルは、遊技状態毎に設けられ、抽籤種別毎に有利区間移行抽籤の抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。出玉状態「一般(通常区間)」において、遊技状態がBBフラグ間又は非フラグ間である場合には「BBフラグ間、非フラグ間」欄が参照され、遊技状態がRBフラグ間である場合には「RBフラグ間」欄が参照され、遊技状態が1種BBである場合には「1種BB」欄が参照され、遊技状態が1種RBである場合には「1種RB」欄が参照される。
主制御回路91は、抽籤結果として「非当籤」が決定された場合には、通常区間のまま維持して、抽籤結果として「当籤」が決定された場合には、通常区間から有利区間に移行するとともに、出玉状態を「一般(通常区間)」から他の出玉状態に移行する。具体的には、主制御回路91は、抽籤結果「当籤」が決定された場合の抽籤種別が「確定チェリー」「中段チェリー」「リーチ目」である場合には、その後更にフリーズ抽籤や特化抽籤を行いこれら抽籤の結果に応じて「疑似ボーナス」や「特化」に出玉状態を移行する。他方、抽籤結果「当籤」が決定された場合の抽籤種別が「確定チェリー」「中段チェリー」「リーチ目」以外である場合には、出玉状態を「一般(通常有利)」に移行する。
ここで、上述したように出玉状態「一般(通常区間)」は、非許可状態でありBBフラグ間が維持されるため、出玉状態「一般(通常区間)」において遊技状態がRBフラグ間、1種BB及び1種RBである場合には、遊技状態がBBフラグ間である場合に比べて、有利区間への移行抽籤が不利になるように設計されている。なお、本実施形態では、遊技状態がRBフラグ間、1種BB及び1種RBである場合には、有利区間への移行抽籤に当籤することがないようにしているが、これに限るものではなく、遊技状態がBBフラグ間である場合に比べて低い確率で当籤することとしてもよい。この点は、他の抽籤においても同様である。また、同図に示す抽籤値(他の抽籤テーブルについても同様)は、一例に過ぎず、他の値としてもよい。例えば、同図では、抽籤種別が「はずれ、通常リプ」である場合には、抽籤結果として必ず「非当籤」が決定されることとしているが、所定の確率で「当籤」が決定されることとしてもよい。
また、有利区間への移行抽籤において「当籤」となる確率は、あまり低すぎるのは好ましくなく、適度に移行可能であることが好ましい。一例として、有利区間への移行抽籤において「当籤」となる確率を1/100程度としてもよい。すなわち、出玉状態「一般(通常区間)」から「一般(通常有利)」へは、100ゲームに1回程度の割合で移行可能としてもよい。
[MAP抽籤テーブル]
続いて、図264を参照して、MAP抽籤テーブルについて説明する。MAP抽籤テーブルは、有利区間への移行時に、有利区間中のATに関する各種の抽籤に用いる各種情報(MAPやゾーンなど)を決定するために参照されるテーブルである。図264(A)は、MAP抽籤テーブルを示し、図264(B)は、抽籤の結果として得られるMAPの概要を示し、図264(C)は、MAPから決定されるゾーンの概要を示す。
図264(A)に示すように、MAP抽籤テーブルは、現在のRT状態毎にMAP抽籤の抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。主制御回路91は、通常区間から有利区間に移行すると、現在のRT状態を参照してMAP抽籤を行い、MAPを決定する。MAPは、有利区間中のATに関する各種の抽籤に影響を与える情報であり、基本的には、MAP番号が小さいほど各種の抽籤が遊技者にとって不利であり、MAP番号が大きいほど各種の抽籤が遊技者にとって有利である。上述したように、本実施形態のパチスロ機1では、RT状態を疑似的な設定値として用いる。同図を参照すると、RT番号が小さいほど、遊技者にとって不利なMAPが決定され易く、RT番号が大きいほど、遊技者にとって有利なMAPが決定され易い。そのため、詳しくは後述するが、RT番号が小さいRT状態は、疑似的な設定値が低設定であり、RT番号が大きいRT状態は、疑似的な設定値が高設定となる。なお、詳しくは後述するが、非RT状態は、遊技者にとって不利なMAPが決定され易いRT状態であることが好ましい。この場合において、非RT状態は、複数のRT状態のうちの最も不利なRT状態である必要はない。
続いて、図264(B)を参照して、各種MAPの概要について説明する。MAP(付与状態決定情報)は、現在のRT状態の経過ゲーム数毎にゾーン(付与状態)を規定する。主制御回路91は、他のRT状態に移行することなく同一のRT状態のまま実行された遊技回数を計数しており、MAP抽籤によりMAPを決定すると、この計数結果(経過ゲーム数)に対応するゾーンを特定し、決定する。例えば、RT5状態が開始してから1000ゲーム経過した遊技において通常区間から有利区間に移行した場合、主制御回路91は、初めにMAP抽籤テーブルを参照して、RT5状態に基づきMAPを決定する。このとき、MAPとしてMAP4が決定されると、主制御回路91は、ゾーンとして、MAP4の1000ゲームに対応するゾーン3を決定する。なお、MAP及びゾーンは、有利区間においてのみ決定され、通常区間においては決定されることがない。主制御回路91は、通常区間から有利区間に移行すると、MAP及びゾーンを決定し、その後、有利区間を終了して通常区間に移行すると、MAP及びゾーンを初期化(クリア)する。
なお、RT1状態などは、継続期間が6000ゲームであり、MAPにおいて規定するRTゲーム数よりも多いが、実際の経過ゲーム数がMAPにおいて規定するRTゲーム数を超えた場合には、再び、左側のRTゲーム数から順に参照してゾーンを決定すればよい。例えば、RT1状態において、3700ゲームが経過している場合、経過ゲーム数を「101ゲーム(=3700−3599)」としてMAPからゾーンを決定すればよい。また、本実施形態では、現在のRT状態の経過ゲーム数に基づきゾーンを決定することとしているが、残りのゲーム数に基づきゾーンを決定することとしてもよい。上述の例の場合には、残りゲーム数「2300(=6000−3700)」としてMAPからゾーンを決定してもよい。
続いて、図264(C)を参照して、各種ゾーンの概要について説明する。ゾーン(付与状態)は、ATに関する特典付与の期待度を定める情報である。ここで、ATに関する特典付与の期待度には、AT期待度と連荘期待度とがある。AT期待度とは、例えば、ATの初当たりの期待度であり、本実施形態においては、出玉状態「一般(通常有利)」におけるAT当籤の期待度をいう。また、連荘期待度とは、ATの継続期間を延長することに関する期待度であり、例えば、ATの連荘や上乗せ等の期待度であり、本実施形態においては、出玉状態「引き戻し」におけるAT当籤の期待度をいう。
ここで、同図を参照すると、それぞれのMAPに対してゾーンは、400ゲーム毎に規定されている。上述したように、出玉状態「一般(通常区間)」から「一般(通常有利)」への移行を100ゲームに1回程度の割合(すなわち、有利区間への移行抽籤の当籤確率の逆数)で移行可能とした場合、ゾーンは400ゲーム毎に切り替わるため、ゾーンが切り替わるまでの間に一度は有利区間に移行することが期待できる。
[初当たり疑似ボーナス抽籤テーブル]
続いて、図265を参照して、初当たり疑似ボーナス抽籤テーブルについて説明する。初当たり疑似ボーナス抽籤テーブルは、出玉状態「一般(通常有利)」においてATに関する特典(疑似ボーナスのストック)を付与するか否かを決定するために参照されるテーブルである。初当たり疑似ボーナス抽籤テーブルは、ゾーン毎に設けられ、抽籤種別毎に疑似ボーナスのストック付与抽籤の抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。主制御回路91は、出玉状態「一般(通常有利)」における単位遊技毎にゾーン及び抽籤種別を用いて疑似ボーナスのストック付与抽籤を行い、この抽籤において抽籤結果として「非当籤」が決定された場合には何も特典を付与せず、また、抽籤結果として「当籤」が決定された場合には疑似BB又は疑似RBのストックを1つ付与する。
[初当たり疑似ボーナス種別抽籤テーブル]
続いて、図266を参照して、初当たり疑似ボーナス種別抽籤テーブルについて説明する。初当たり疑似ボーナス種別抽籤テーブルは、出玉状態「一般(通常有利)」における疑似ボーナスのストック付与抽籤において抽籤結果として「当籤」が決定された場合に、付与する疑似ボーナスの種別を決定するために参照されるテーブルである。初当たり疑似ボーナス種別抽籤テーブルは、ゾーン毎に設けられ、抽籤種別毎に疑似ボーナスの種別抽籤の抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。主制御回路91は、疑似ボーナスのストック付与抽籤に当籤した場合、続いて、種別抽籤を行い、この抽籤において抽籤結果として「疑似RB」が決定されると疑似RBのストックを1つ付与し、抽籤結果として「疑似BB」が決定されると疑似BBのストックを1つ付与する。
[初当たり疑似RB抽籤テーブル]
続いて、図267を参照して、初当たり疑似RB抽籤テーブルについて説明する。初当たり疑似RB抽籤テーブルは、出玉状態「一般(通常有利)」において疑似RBのストックを付与するか否かを決定するために参照されるテーブルである。初当たり疑似RB抽籤テーブルは、ゾーン毎に設けられ、疑似RBのストック付与抽籤の抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。なお、同図では、一部のゾーンをまとめているが、個々のゾーン毎にテーブルが設けられていてもよい。
主制御回路91は、他のRT状態に移行することなく同一のRT状態のまま実行された遊技回数を計数しており、出玉状態「一般(通常有利)」において、この計数結果(RT状態の経過ゲーム数)に対する所定の演算の結果が所定条件を満たすと、初当たり疑似RB抽籤テーブルを参照して、疑似RBのストック付与抽籤を行う。より具体的には、主制御回路91は、出玉状態「一般(通常有利)」において、RT状態の経過ゲーム数を500で割った余りが131以上を満たす遊技から50ゲーム間を疑似RBのストック抽籤期間とし、初当たり疑似RB抽籤テーブルを参照した疑似RBのストック付与抽籤を行う。
なお、主制御回路91は、出玉状態「一般(通常有利)」において毎遊技行う疑似ボーナスのストック付与抽籤に当籤した場合には、疑似RBのストック抽籤期間であっても、初当たり疑似RB抽籤テーブルを参照した疑似RBのストック付与抽籤を行わないこととしてもよく、また、両ストック付与抽籤を合わせて行うこととしてもよい。また、主制御回路91は、一度の有利区間において疑似RBのストック抽籤期間を、一度のみとしてもよく、また、複数回としても。すなわち、RT状態の経過ゲーム数に対する所定の演算の結果が所定条件を満たした回数が一度の有利区間中に複数回あった場合、最初の一回のみを疑似RBのストック抽籤期間としてもよく、最初の一回以外についても疑似RBのストック抽籤期間としてもよい。また、RT状態の経過ゲーム数に対する所定の演算は、除算に限るものではなく、任意の演算であってよく、また、演算結果が満たす条件も任意であってよい。
また、主制御回路91は、RT状態の経過ゲーム数に対する所定の演算の内容を、現在のRT状態毎に異なることとしてもよい。一例として、所定の演算として除算を用いる場合、疑似RBのストック抽籤期間を一定の周期で設けることができる。このとき、除数をRT状態毎に異ならせることで、この一定の周期の長さをRT状態毎に異ならせることができる。また、主制御回路91は、RT状態の経過ゲーム数に対する所定の演算の結果が満たす所定条件を、現在のRT状態毎に異ならせることとしてもよい。一例として、所定の演算として除算を用いる場合、所定条件として商の値に関する条件としてもよく、また、余りを用いる場合であっても、一のRT状態では第1範囲の余りを所定条件とし、他のRT状態では第2範囲の余りを所定条件としてもよい。また、主制御回路91は、所定の演算の内容と所定条件との双方を、現在のRT状態毎に異ならせることとしてもよい。このようにすることで、疑似RBのストック抽籤期間となる法則性をRT状態毎に異ならせることができる。
[初当たりモード抽籤テーブル]
続いて、図268を参照して、初当たりモード抽籤テーブルについて説明する。初当たりモード抽籤テーブルは、疑似ボーナスのストック付与抽籤において抽籤結果として「当籤」が決定された場合に、その後、出玉状態が(疑似ボーナスを経由して)「引き戻し」に移行した際に用いるモードを決定するために参照されるテーブルである。初当たりモード抽籤テーブルは、ゾーン毎に設けられ、抽籤種別毎にモード抽籤の抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。なお、同図では、一部のゾーンをまとめているが、個々のゾーン毎にテーブルが設けられていてもよい。
主制御回路91は、疑似ボーナスのストック付与抽籤に当籤した場合、続いて、初当たりモード抽籤テーブルを参照してモード抽籤を行い、抽籤結果として得られたモードをセットする。なお、主制御回路91は、現在のRT状態が非RT状態である場合には、モード抽籤を行うことなく、非RT用モードをセットする。
[フリーズ抽籤テーブル]
続いて、図269を参照して、フリーズ抽籤テーブルについて説明する。フリーズ抽籤テーブルは、抽籤種別が「確定チェリー」「中段チェリー」「リーチ目」である場合に参照され、所定のフリーズ制御を実行するか否かを決定するために参照されるテーブルである。フリーズ抽籤テーブルは、フリーズ抽籤の抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。主制御回路91は、フリーズ抽籤の結果として「非当籤」が決定されるとフリーズ制御を行わず、フリーズ抽籤の結果として「当籤」が決定されるとフリーズ制御を実行する。なお、本実施形態では、出玉状態「一般(通常区間)」においてのみフリーズ抽籤を行うこととしているが、他の出玉状態においてもフリーズ抽籤を実行可能としてもよい。
[特化抽籤テーブル]
続いて、図270を参照して、特化抽籤テーブルについて説明する。特化抽籤テーブルは、疑似ボーナス(疑似BB、疑似RB)のストックが付与された場合に参照され、出玉状態を「疑似ボーナス」の前に「特化」に移行させるか否かを決定するために参照されるテーブルである。特化抽籤テーブルは、現在のRT状態毎に設けられ、抽籤種別毎に特化抽籤の抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。主制御回路91は、特化抽籤の結果として「非当籤」が決定されると、出玉状態を「特化」に移行せずに、上述した非許可状態を維持する。また、主制御回路91は、特化抽籤の結果として「当籤」が決定されると、出玉状態を「特化」に移行するとともに、非許可状態を許可状態に更新する。
同図に示すように、本実施形態では、非RT状態では、RT1状態〜RT7状態に比べて高い確率で特化抽籤に当籤する。そのため、非RT状態とRT1状態〜RT7状態とを比較すると、両者では非許可状態から許可状態に更新される条件が異なり(所定条件と特定条件)、非RT状態の方が非許可状態から許可状態に更新され易い。なお、同図では、RT1状態〜RT7状態をまとめているが、個々のRT状態毎にテーブルが設けられていてもよい。また、本実施形態では、特化抽籤を疑似ボーナス(疑似BB、疑似RB)のストックが付与された場合にのみ行うこととしているが、疑似ボーナス(疑似BB、疑似RB)のストックが付与されたか否かに関係なく、特化抽籤を行うこととしてもよい。また、本実施形態では、特化抽籤を出玉状態「一般」においてのみ行うこととしているが、これに限られるものではなく、出玉状態「疑似ボーナス」や「引き戻し」においても行うこととしてもよい。
[通常有利維持抽籤テーブル]
続いて、図271を参照して、通常有利維持抽籤テーブルについて説明する。通常有利維持抽籤テーブルは、出玉状態「一般(通常有利)」において単位遊技毎に抽籤種別に基づき有利区間の終了するか維持するかの維持抽籤を行う際に参照されるテーブルである。通常有利維持抽籤テーブルは、遊技状態毎に設けられ、抽籤種別毎に維持抽籤の抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。出玉状態「一般(通常有利)」において、遊技状態がBBフラグ間又は非フラグ間である場合には「BBフラグ間、非フラグ間」欄が参照され、遊技状態がRBフラグ間である場合には「RBフラグ間」欄が参照され、遊技状態が1種BBである場合には「1種BB」欄が参照され、遊技状態が1種RBである場合には「1種RB」欄が参照される。
主制御回路91は、抽籤結果として「維持」が決定された場合には、有利区間のまま維持して、出玉状態を「一般(通常有利)」のまま維持する。また、主制御回路91は、抽籤結果として「終了」が決定された場合には、有利区間を終了して、有利区間から通常区間に移行するとともに、出玉状態を「一般(通常区間)」に移行する。また、主制御回路91は、有利区間の終了に合わせて、有利区間に関する各種の情報(MAPやゾーンなど)を初期化(クリア)する。なお、本実施形態では、遊技状態がBBフラグ間又は非フラグ間以外の場合には、抽籤結果として必ず「終了」が決定されることとしているが、これに限られるものではなく、遊技状態がBBフラグ間又は非フラグ間よりも低い確率で抽籤結果「維持」が決定されるようにしてもよい。
[疑似ボーナス中疑似BB抽籤テーブル]
続いて、図272を参照して、疑似ボーナス中疑似BB抽籤テーブルについて説明する。疑似ボーナス中疑似BB抽籤テーブルは、出玉状態「疑似ボーナス」において単位遊技毎に抽籤種別に基づき疑似BBのストックを付与するか否かを決定する際に参照されるテーブルである。疑似ボーナス中疑似BB抽籤テーブルは、遊技状態毎に設けられ、抽籤種別毎に疑似BBのストック付与抽籤の抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。出玉状態「疑似ボーナス」において、遊技状態がBBフラグ間又は非フラグ間である場合には「BBフラグ間、非フラグ間」欄が参照され、遊技状態がRBフラグ間である場合には「RBフラグ間」欄が参照され、遊技状態が1種BBである場合には「1種BB」欄が参照され、遊技状態が1種RBである場合には「1種RB」欄が参照される。
主制御回路91は、抽籤結果として「非当籤」が決定された場合には、疑似BBのストックを付与することなく、抽籤結果として「当籤」が決定された場合には、疑似BBのストックを1つ付与する。なお、本実施形態では、遊技状態がBBフラグ間又は非フラグ間以外の場合には、出玉状態「疑似ボーナス」における疑似BBのストック付与抽籤に当籤しないこととしているが、これに限られるものではなく、遊技状態がBBフラグ間又は非フラグ間よりも低い確率で疑似BBのストック付与抽籤に当籤するようにしてもよい。
[引き戻しゲーム数抽籤テーブル]
続いて、図273を参照して、引き戻しゲーム数抽籤テーブルについて説明する。引き戻しゲーム数抽籤テーブルは、出玉状態「疑似ボーナス」が終了して出玉状態「引き戻し」に移行する際に、「引き戻し」の継続期間である引き戻しゲーム数を決定するために参照されるテーブルである。引き戻しゲーム数抽籤テーブルは、現在のモード毎に設けられ、引き戻しゲーム数のゲーム数抽籤の抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。主制御回路91は、ゲーム数抽籤の結果として得られたゲーム数を引き戻しゲーム数としてセットし、出玉状態「引き戻し」はこの引き戻しゲーム数分継続する。
[引き戻し中疑似ボーナス抽籤テーブル]
続いて、図274を参照して、引き戻し中疑似ボーナス抽籤テーブルについて説明する。引き戻し中疑似ボーナス抽籤テーブルは、出玉状態「引き戻し」においてATに関する特典(疑似ボーナスのストック)を付与するか否かを決定するために参照されるテーブルである。引き戻し中疑似ボーナス抽籤テーブルは、出玉状態「引き戻し」に移行してからの経過ゲーム数毎に設けられ、抽籤種別毎に疑似ボーナスのストック付与抽籤の抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。出玉状態「引き戻し」に移行して1ゲーム目の遊技では「1G目」欄が参照され、2ゲーム目の遊技では「2G目」欄が参照され、3ゲーム目の遊技では「3G目」欄が参照され、4〜16ゲーム目の遊技では「4〜16G目」欄が参照され、17〜31ゲーム目の遊技では「17〜31G目」欄が参照され、32ゲーム目の遊技では「32G目」欄が参照される。
主制御回路91は、出玉状態「引き戻し」における単位遊技毎に出玉状態「引き戻し」に移行してからのゲーム数及び抽籤種別を用いて疑似ボーナスのストック付与抽籤を行い、この抽籤において抽籤結果として「非当籤」が決定された場合には何も特典を付与せず、また、抽籤結果として「当籤」が決定された場合には疑似BB又は疑似RBのストックを1つ付与する。
[引き戻し中疑似ボーナス種別抽籤テーブル]
続いて、図274を参照して、引き戻し中疑似ボーナス種別抽籤テーブルについて説明する。引き戻し中疑似ボーナス種別抽籤テーブルは、出玉状態「引き戻し」における疑似ボーナスのストック付与抽籤において抽籤結果として「当籤」が決定された場合に、付与する疑似ボーナスの種別を決定するために参照されるテーブルである。引き戻し中疑似ボーナス種別抽籤テーブルは、モード毎に設けられ、抽籤種別毎に疑似ボーナスの種別抽籤の抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。主制御回路91は、疑似ボーナスのストック付与抽籤に当籤した場合、続いて、種別抽籤を行い、この抽籤において抽籤結果として「疑似RB」が決定されると疑似RBのストックを1つ付与し、抽籤結果として「疑似BB」が決定されると疑似BBのストックを1つ付与する。
[モード移行抽籤テーブル]
続いて、図276を参照して、モード移行抽籤テーブルについて説明する。モード移行抽籤テーブルは、出玉状態「引き戻し」において疑似ボーナスのストック付与抽籤に当籤した場合、又は出玉状態「疑似ボーナス」において疑似ボーナスの0ゲーム連に当籤した場合に参照され、現在のモードから移行先のモードを決定するために用いられる。モード移行抽籤テーブルは、現在のモード毎に設けられ、抽籤種別毎に移行先のモードに関する抽籤値の情報を規定する。主制御回路91は、出玉状態「引き戻し」において疑似ボーナスのストック付与抽籤に当籤した場合などにモードの移行抽籤を行い、抽籤結果として得られたモードをセットする。なお、主制御回路91は、現在のRT状態が非RT状態である場合には、モードの移行抽籤を行うことなく、非RT用モードをセットする。
[特化中疑似BB抽籤テーブル]
続いて、図277を参照して、特化中疑似BB抽籤テーブルについて説明する。特化中疑似BB抽籤テーブルは、出玉状態「特化」において単位遊技毎に抽籤種別に基づき疑似BBのストックを付与するか否かを決定する際に参照されるテーブルである。特化中疑似BB抽籤テーブルは、遊技状態毎に設けられ、抽籤種別毎に疑似BBのストック付与抽籤の抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。出玉状態「特化」において、遊技状態が非フラグ間である場合には「非フラグ間」欄が参照され、遊技状態がBBフラグ間又はRBフラグ間である場合には「BBフラグ間、RBフラグ間」欄が参照され、遊技状態が1種BBである場合には「1種BB」欄が参照され、遊技状態が1種RBである場合には「1種RB」欄が参照される。
主制御回路91は、抽籤結果として「非当籤」が決定された場合には、疑似BBのストックを付与することなく、抽籤結果として「当籤」が決定された場合には、疑似BBのストックを1つ付与する。上述したように出玉状態「特化」は、許可状態であり1種BBへの移行が促されるため、出玉状態「特化」中は、1種BB及び1種RB中も疑似BBのストック付与抽籤が不利になることなく優遇されている。一方で、BBフラグ間やRBフラグ間は、出玉状態「特化」の意図的な引き延ばしを防止するため、疑似BBのストック付与抽籤が不利になるように設計することが好ましい。このようにすることで、特化抽籤に当籤すると、1種BBが開始してからBBが再び内部当籤役として決定されるまでの間をATに関する特典付与の期待度が高い状態とすることができる。
[主制御基板の動作説明]
次に、図278〜図284を参照して、主制御基板71のメインCPU31が、プログラムを用いて実行する各種処理の内容について説明する。
<メインCPUの制御によるパチスロの主要動作処理>
まず、メインCPU31の制御で行うパチスロ機1の主要動作処理(電源投入以降の処理)の手順を、図278に示すフローチャート(以下、メインフローという)を参照しながら説明する。
まず、パチスロ機1に電源が投入されると、メインCPU31は、電源投入時の初期化処理を行う(S501)。この処理では、バックアップが正常に行われたかなどが判定され、その判定結果に対応した初期化が行われる。続いて、メインCPU31は、一遊技終了時の初期化処理を行う(S502)。この初期化処理では、メインRAM33における指定格納領域のデータをクリアする。なお、ここでいう指定格納領域は、例えば、内部当籤役格納領域や表示役格納領域などの1回の単位遊技(ゲーム)ごとにデータの消去が必要な格納領域である。
続いて、メインCPU31は、メダル受付・スタートチェック処理を行う(S503)。この処理では、メダルセンサ42Sやスタートスイッチ6Sの入力のチェックなどが行われる。続いて、メインCPU31は、内部抽籤処理を行う(S504)。この処理では、メインCPU31は、現在の遊技状態に応じた内部抽籤テーブルを参照して、複数の役の中から内部当籤役として決定する役を抽籤する。続いて、メインCPU31は、ボーナス当籤時処理を行う(S505)。この処理では、メインCPU31は、内部抽籤処理において、ボーナス役を内部当籤役として決定したか否かを判定し、ボーナス役を内部当籤役として決定した場合には、非フラグ間からフラグ間に遊技状態を移行する。また、メインCPU31は、出玉状態が「特化」である場合に役「F_BB」を内部当籤役として決定すると、次ゲームの出玉状態として「疑似ボーナス」をセットする。
続いて、メインCPU31は、図279で後述する状態別遊技制御処理を行う(S506)。この処理では、メインCPU31は、現在の出玉状態に応じて各種処理を行う。続いて、メインCPU31は、メイン側ナビ制御処理を行う(S507)。この処理では、メインCPU31は、出玉状態が「疑似ボーナス」である場合に、押し順役に応じたナビデータをセットする。なお、セットしたナビデータは、スタートコマンドに格納され副制御基板72に通知される。また、セットしたナビデータに応じた報知は、任意のタイミングで行われる。
続いて、メインCPU31は、リール停止初期設定処理を行う(S508)。この処理では、内部当籤役や現在の遊技状態に応じて停止制御に用いるリール停止制御情報を決定する。決定したリール停止制御情報は、メインRAM33に格納され、リール停止制御処理において用いられる。続いて、メインCPU31は、スタートコマンド送信処理を行う(S509)。この処理では、メインCPU31は、スタートコマンドのデータを生成し、副制御基板72に送信する。なお、スタートコマンドデータには、内部当籤役などの演出に必要な各種の情報が含まれる。
続いて、メインCPU31は、ウェイト処理を行った後にリール回転開始処理を行う(S510)。この処理において、メインCPU31は、全リールの回転開始を要求する。そして、全リールの回転開始が要求されると、一定の周期(1.1172msec)で実行される割込処理により、各リールは、その回転速度が定速度に達するまで加速制御され、その後、該定速度が維持されるように制御される。
続いて、メインCPU31は、リール停止制御処理を行う(S511)。この処理では、S508で決定したリール停止制御情報を用いて、複数のストップボタンがそれぞれ押されたタイミングに基づいて該当するリールの回転が停止される。続いて、メインCPU31は、入賞判別メダル払出処理を行う(S512)。この入賞判別メダル払出処理では、リールが停止した結果、有効ラインに沿って表示された図柄の組合せに基づいて、メダルの払い出しや再遊技の作動などの当該図柄の組合せに応じた利益を付与する。続いて、メインCPU31は、入賞作動コマンド送信処理を行う(S513)。この処理では、メインCPU31は、入賞作動コマンドのデータを生成し、副制御基板72に送信する。なお、入賞作動コマンドデータには、有効ラインに沿って表示された図柄の組合せなどの各種の情報が含まれる。
続いて、メインCPU31は、ボーナスチェック処理を行う(S514)。この処理では、メインCPU31は、ボーナス状態の作動及び終了を制御する。続いて、メインCPU31は、RTチェック処理を行う(S515)。この処理では、メインCPU31は、RT状態の移行条件を満たした場合に、RT状態を移行条件に対応するRT状態に移行する。RTチェック処理を行うと、メインCPU31は、一遊技(単位遊技)が終了したとして処理をS502に戻す。
<状態別制御処理>
次に、図279を参照して、状態別制御処理について説明する。状態別制御処理では、初めに、メインCPU31は、現在の出玉状態が「一般(通常区間)」であるか否かを判定する(S521)。「一般(通常区間)」である場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、図280で後述する通常区間中処理を行い(S522)、状態別制御処理を終了する。
他方、現在の出玉状態が「一般(通常区間)」ではない場合には(NO)、続いて、メインCPU31は、現在の出玉状態が「一般(通常有利)」であるか否かを判定する(S523)。「一般(通常有利)」である場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、図281で後述する通常有利中処理を行い(S524)、状態別制御処理を終了する。
他方、現在の出玉状態が「一般(通常有利)」ではない場合には(NO)、続いて、メインCPU31は、現在の出玉状態が「疑似ボーナス」であるか否かを判定する(S525)。「疑似ボーナス」である場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、図282で後述する疑似ボーナス中処理を行い(S526)、状態別制御処理を終了する。
他方、現在の出玉状態が「疑似ボーナス」ではない場合には(NO)、続いて、メインCPU31は、現在の出玉状態が「引き戻し」であるか否かを判定する(S527)。「引き戻し」である場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、図283で後述する引き戻し中処理を行い(S528)、状態別制御処理を終了する。
他方、現在の出玉状態が「引き戻し」ではない場合には(NO)、続いて、メインCPU31は、現在の出玉状態が「特化」であるか否かを判定する(S529)。「特化」である場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、図284で後述する特化中処理を行い(S530)、状態別制御処理を終了する。他方、現在の出玉状態が「特化」ではない場合には(NO)、続いて、メインCPU31は、その他処理を行い(S531)、状態別制御処理を終了する。
<通常区間中処理>
次に、図280を参照して、通常区間中処理について説明する。通常区間中処理では、初めに、メインCPU31は、有利区間移行抽籤を行う(S541)。この処理では、メインCPU31は、有利区間移行抽籤テーブルを参照して、有利区間への移行抽籤を行う。続いて、メインCPU31は、有利区間への移行抽籤に当籤したか否かを判定する(S542)。メインCPU31は、有利区間への移行抽籤に当籤していない場合には(NO)、通常区間中処理を終了する。
他方、有利区間への移行抽籤に当籤した場合には(YES)、メインCPU31は、通常区間から有利区間へ移行するとともに、続いて、MAP抽籤テーブルを参照して、現在のRT状態に応じてMAP抽籤を行い(S543)、決定したMAPをセットする。続いて、メインCPU31は、MAP及びRTゲーム数に応じてゾーンを決定し(S544)、セットする。
続いて、メインCPU31は、抽籤種別が「7」〜「9」の何れかであるか否かを判定する。抽籤種別が「7」〜「9」の何れでもない場合には(NO)、メインCPU31は、続いて、出玉状態に「一般(通常有利)」をセットして(S546)、通常区間中処理を終了する。
他方、抽籤種別が「7」〜「9」の何れかである場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、疑似BBのストックを1つ加算する(S547)。続いて、メインCPU31は、フリーズ抽籤テーブルを参照してフリーズ抽籤を行い(S548)、フリーズ抽籤に当籤したか否かを判定する(S549)。フリーズ抽籤に当籤している場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、フリーズ制御を行い(S550)、通常区間中処理を終了する。なお、フリーズ処理では、メインCPU31は、遊技の進行を所定時間ロックするフリーズ状態を発生させるとともに、出玉状態に「疑似ボーナス(疑似BB)」、モードに特殊2モードをセットする。
他方、フリーズ抽籤に当籤していない場合には(NO)、メインCPU31は、続いて、初当たりモード抽籤テーブルを参照して、ゾーン及び抽籤種別に応じてモード抽籤を行い(S551)、決定したモードをセットする。続いて、メインCPU31は、特化抽籤テーブルを参照して特化抽籤を行い(S552)、特化抽籤に当籤したか否かを判定する(S553)。特化抽籤に当籤している場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、出玉状態に「特化」をセットし(S554)、通常区間中処理を終了する。他方、特化抽籤に当籤していない場合には(NO)、メインCPU31は、続いて、出玉状態に「疑似ボーナス(疑似BB)」をセットし(S555)、通常区間中処理を終了する。
なお、本実施形態のパチスロ機1では、出玉状態「一般(通常有利)」では、疑似ボーナスのストック付与抽籤に当籤した場合に付与する疑似ボーナスの種別(疑似BB又は疑似RB)を抽籤により決定することとしているが、出玉状態「一般(通常区間)」では、ストック付与抽籤の当籤時に必ず疑似BBのストックを付与する(S547)。この点、出玉状態「一般(通常区間)」においても、ストック付与抽籤の当籤時に付与する疑似ボーナスの種別を抽籤により決定することとしてもよい。出玉状態「疑似ボーナス」「特化」についても同様に、本実施形態では、ストック付与抽籤の当籤時に必ず疑似BBのストックを付与することとしているが、ストック付与抽籤の当籤時に付与する疑似ボーナスの種別を抽籤により決定することとしてもよい。
<通常有利中処理>
次に、図281を参照して、通常有利中処理について説明する。通常有利中処理では、初めに、メインCPU31は、初当たり疑似ボーナス抽籤テーブルを参照して疑似ボーナスのストック付与抽籤を行い(S571)、この抽籤に当籤したか否かを判定する(S572)。ストック付与抽籤に当籤した場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、初当たりモード抽籤テーブルを参照してゾーン及び抽籤種別に応じてモード抽籤を行い(S573)、決定したモードをセットする。
続いて、メインCPU31は、特化抽籤テーブルを参照して特化抽籤を行い(S574)、特化抽籤に当籤したか否かを判定する(S575)。特化抽籤に当籤している場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、疑似BBのストックを1つ加算するとともに、出玉状態に「特化」をセットし(S576)、通常有利中処理を終了する。
他方、特化抽籤に当籤していない場合には(NO)、メインCPU31は、続いて、初当たり疑似ボーナス種別抽籤テーブルを参照して疑似ボーナスの種別を抽籤する(S577)。続いて、メインCPU31は、当籤した種別の疑似ボーナスのストックを1つ加算するとともに、出玉状態に当該種別の「疑似ボーナス」をセットし(S578)、通常有利中処理を終了する。
他方、疑似ボーナスのストック付与抽籤に非当籤した場合には(NO)、メインCPU31は、続いて、RTゲーム数が抽籤範囲であるか否か、すなわち、上述した疑似RBのストック抽籤期間であるか否かを判定する(S579)。RTゲーム数が抽籤範囲である場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、初当たり疑似RB抽籤テーブルを参照して疑似RBのストック付与抽籤を行い(S580)、この抽籤に当籤したか否かを判定する(S581)。疑似RBのストック付与抽籤に当籤した場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、疑似RBのストックを1つ加算し(S582)、続いて、出玉状態に「疑似ボーナス(疑似RB)」をセットするとともに、モードとして通常モードをセットし(S583)、通常有利中処理を終了する。
他方、RTゲーム数が抽籤範囲でない場合(NO)、又は、疑似RBのストック付与抽籤に当籤していない場合には(NO)、メインCPU31は、続いて、通常有利維持抽籤テーブルを参照して通常有利の維持抽籤を行い(S584)、抽籤結果として維持が決定されたか否かを判定する(S585)。抽籤結果として維持が決定された場合には(YES)、メインCPU31は、出玉状態を「一般(通常有利)」のまま維持して(S586)、通常有利中処理を終了する。他方、抽籤結果として終了が決定された場合には(NO)、メインCPU31は、続いて、有利区間を終了するとともに、出玉状態に「一般(通常区間)」をセットして(S587)、通常有利中処理を終了する。
<疑似ボーナス中処理>
次に、図282を参照して、疑似ボーナス中処理について説明する。疑似ボーナス中処理では、初めに、メインCPU31は、疑似ボーナスの開始1ゲーム目であるか否かを判定する(S591)。開始1ゲーム目である場合、メインCPU31は、開始した種別の疑似ボーナスのストックを1つ減算し(S592)、続いて、疑似ボーナス開始時のリールアクションを実行する(S593)。疑似ボーナス開始時のリールアクションとしては、メインCPU31は、例えば、開始した疑似ボーナスが疑似BBである場合には第1リール3−1、第2リール3−2及び第3リール3−3において図柄「赤7」が直線状に並んで表示されるようにリールアクションを行い、開始した疑似ボーナスが疑似RBである場合には第1リール3−1及び第2リール3−2において図柄「赤7」が表示され、第3リール3−3において図柄「黒BAR」が表示され、これら図柄「赤7」と図柄「黒BAR」とが直線状に並んで表示されるようにリールアクションを行う。なお、第4リール3−4に停止する図柄については任意である。また、メインCPU31は、現在のモードやゾーンを参照して、リールアクションを異ならせることとしてもよい。例えば、モードとして天国がセットされている疑似BBの開始時には、右下がりに図柄「赤7」が揃い易く、モードとして通常がセットされている疑似BBの開始時には、中段に図柄「赤7」が揃い易くなるようにリールアクションを行うこととしてもよい。また、所定のモードであることが確定するリールアクションを有することとしてもよい。具体的には、所定のモードである場合に限り実行するリールアクションを有していればよい。
続いて、メインCPU31は、疑似ボーナス中疑似BB抽籤テーブルを参照して疑似BBのストック付与抽籤を行い(S594)、この抽籤に当籤したか否かを判定する(S595)。疑似BBのストック付与抽籤に当籤している場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、疑似BBのストックを1つ加算する(S596)。
続いて、メインCPU31は、内部当籤役に応じて疑似ボーナス中の差枚数を更新する(S597)。この処理では、メインCPU31は、内部当籤役として決定された役において払い出され得る最大の枚数から当該遊技のBET数である「3」を減算した値に基づいて差枚数を更新する。続いて、メインCPU31は、疑似ボーナスの終了時であるか否かを判定する(S598)。具体的には、メインCPU31は、S597で更新した差枚数と、疑似ボーナスの終了閾値(疑似BBは200枚、疑似RBは100枚)とを比較して、閾値を超えていた場合には、終了時であると判定する。
疑似ボーナスの終了時ではない場合には(NO)、メインCPU31は、疑似ボーナス中処理を終了する一方で、疑似ボーナスの終了時である場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、引き戻しゲーム数抽籤テーブルを参照して引き戻しゲーム数を決定し、セットする(S599)。続いて、メインCPU31は、決定した引き戻しゲーム数が0であるか否かを判定する(S600)。
疑似ボーナスの終了時に決定する引き戻しゲーム数が0の場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、引き戻し中疑似ボーナス種別抽籤テーブルを参照して疑似ボーナスの種別を抽籤し(S601)、決定した種別の疑似ボーナスのストックを1つ加算する(S602)。
続いて、メインCPU31は、疑似BBのストック又は疑似RBのストックが1以上であるか否かを判定する(S603)。何れかのストックが1以上ある場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、モード移行抽籤テーブルを参照して移行先のモードを決定し、セットする(S604)。続いて、メインCPU31は、出玉状態に放出するストックに応じた種別の疑似ボーナスをセットし(S605)、疑似ボーナス中処理を終了する。なお、疑似BBのストックと疑似RBのストックとの双方がある場合のストックの放出順序は任意であり、例えば、ストックした順に放出することとしてもよく、また、疑似BBから優先して放出することとしてもよく、また、疑似RBから優先して放出することとしてもよい。
他方、疑似ボーナスの終了時に疑似BBのストック及び疑似RBのストックの何れも0である場合には、メインCPU31は、続いて、出玉状態に「引き戻し」をセットして(S606)、疑似ボーナス中処理を終了する。
<引き戻し中処理>
次に、図283を参照して、引き戻し中処理について説明する。引き戻し中処理では、初めに、メインCPU31は、引き戻しゲーム数を更新(1減算)する(S611)。続いて、メインCPU31は、引き戻し中疑似ボーナス抽籤テーブルを参照して疑似ボーナスのストック付与抽籤を行い(S612)、この抽籤に当籤したか否かを判定する(S613)。
疑似ボーナスのストック付与抽籤に当籤していない場合には(NO)、メインCPU31は、続いて、引き戻しゲーム数が0であるか否かを判定する(S614)。引き戻しゲーム数が0ではない場合には(NO)、引き戻し中処理を終了する一方で、引き戻しゲーム数が0である場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、モードが“非モード用”“通常”“チャンス”の何れかであるか否かを判定する(S615)。“非モード用”“通常”“チャンス”の何れかである場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、有利区間を終了するとともに、出玉状態に「一般(通常区間)」をセットして(S616)、引き戻し中処理を終了する。
他方、疑似ボーナスのストック付与抽籤に当籤した場合(YES)、又は、モードが“非モード用”“通常”“チャンス”の何れでもない(“天国”“特殊1”“特殊2”の何れか)場合には(NO)、メインCPU31は、続いて、引き戻し中疑似ボーナス種別抽籤テーブルを参照して疑似ボーナスの種別を抽籤する(S617)。続いて、メインCPU31は、当籤した種別の疑似ボーナスのストックを1つ加算する(S618)。続いて、メインCPU31は、モード移行抽籤テーブルを参照して移行先のモードを決定し、セットする(S619)。続いて、メインCPU31は、出玉状態に放出するストックに応じた種別の疑似ボーナスをセットし(S620)、引き戻し中処理を終了する。
<特化中処理>
次に、図284を参照して、特化中処理について説明する。特化中処理では、初めに、メインCPU31は、特化中疑似BB抽籤テーブルを参照して疑似BBのストック付与抽籤を行い(S631)、この抽籤に当籤したか否かを判定する(S632)。
疑似BBのストック付与抽籤に当籤している場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、疑似BBのストック数がリミット値以上であるか否かを判定する(S633)。なお、リミット値は任意の値であってよい。また、リミット値は、現在のRT状態に応じて異なる値であってもよく、また、有利区間のリミッタ到達までの猶予に応じて変化するものであってもよい。例えば、有利区間のゲーム数リミッタまで残り1400ゲームのタイミングでは、リミット値を「8」とし、有利区間のゲーム数リミッタまで残り100ゲームのタイミングでは、リミット値を「2」というように、リミッタ到達までの猶予が大きいほどリミット値を大きくし、猶予が小さいほどリミット値を小さくすることとしてもよい。
疑似BBのストック数がリミット値以上である場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、抽籤種別が「2」「5」〜「9」の何れかであるか否かを判定する(S634)。疑似BBのストック数がリミット値以上ではない場合(NO)、又は、抽籤種別が「2」「5」〜「9」の何れかである場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、疑似BBのストックを1つ加算する(S635)。
続いて、メインCPU31は、抽籤種別が「1」であるか否か(すなわち、役「F_BB」の当籤時であるか否か)を判定する(S636)。抽籤種別が「1」ではない場合には(NO)、特化中処理を終了する一方で、抽籤種別が「1」である場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、出玉状態に「疑似ボーナス(疑似BB)」をセットし(S637)、特化中処理を終了する。
[RTゲーム数とMAP及びゾーンとの関係]
次に、図285を参照して、RTゲーム数とMAP及びゾーンとの関係について説明する。本実施形態のパチスロ機1では、主制御回路91は、通常区間から有利区間に移行すると(言い換えると、出玉状態が「一般(通常区間)」から「一般(通常有利)」に移行すると)、その時点のRT状態に基づいてMAP及びゾーンを決定する。ここで、MAP及びゾーンは、有利区間中は固定であってもよく、また、変動することとしてもよい。
図285(A)のパターン1は、有利区間中にMAP及びゾーンが固定である場合の流れを示す。パターン1では、例えば、RTゲーム数が398ゲームである場合に有利区間に移行している。通常区間から有利区間に移行したため、主制御回路91は、RT状態に基づいてMAP抽籤を行い、続いて、決定したMAP及びRTゲーム数に基づいてゾーンを決定する(図280のS543、S544参照)。ここで、それぞれのMAPに対してゾーンは、400ゲーム毎に規定されているため(図264(B)参照)、RTゲーム数が400ゲームに達するとMAPにおけるゾーンの規定内容が変化する。しかしながら、このパターン1では、有利区間中にMAP及びゾーンが固定であるため、有利区間中はMAPもゾーンも変動することがない。
続いて、図285(B)のパターン2は、有利区間中にMAPは固定であるもののゾーンは変動する場合の流れを示す。パターン2においても、RTゲーム数が398ゲームである場合に有利区間に移行している。通常区間から有利区間に移行したため、主制御回路91は、RT状態に基づいてMAP抽籤を行い、続いて、決定したMAP及びRTゲーム数に基づいてゾーンを決定する。その後、単位遊技が行われ、RTゲーム数が400ゲームに達すると、MAPにおけるゾーンの規定内容が変化する結果、パターン2では、一度の有利区間中にゾーンが変動している。
続いて、図285(C)のパターン3は、有利区間中にMAPもゾーンも変動する場合の流れを示す。パターン2においても、RTゲーム数が398ゲームである場合に有利区間に移行している。通常区間から有利区間に移行したため、主制御回路91は、RT状態に基づいてMAP抽籤を行い、続いて、決定したMAP及びRTゲーム数に基づいてゾーンを決定する。このパターン3では、有利区間中は毎遊技、RT状態に基づいてMAP抽籤を行い、続いて、決定したMAP及びRTゲーム数に基づいてゾーンを決定する。その結果、パターン3では、一度の有利区間中にMAPもゾーンも変動している。
なお、これらパターン1〜パターン3の制御は、通常区間中処理(図280)において説明したS543、S544の処理を行うタイミングに応じて実現することができる。例えば、S543、S544の処理を、図280に示すように通常区間から有利区間に移行したタイミングでのみ行うことで、パターン1の制御を実現することができる。また、S543の処理は、通常区間から有利区間に移行したタイミングで行う一方で、S544の処理は、出玉状態「一般(通常有利)」において毎遊技行うことで(例えば、図281のS571の前にS544を行うことで)、パターン2の制御を実現することができる。S543、S544の処理を、出玉状態「一般(通常有利)」において毎遊技行うことで(例えば、図281のS571の前にS543、S544を行うことで)、パターン3の制御を実現することができる。
[第6実施形態のパチスロ機1の遊技性のまとめ]
以上、第6実施形態のパチスロ機1について説明したが、本実施形態のパチスロ機1において実装可能な遊技性(遊技仕様)をまとめると以下の通りである。
[RT状態を用いた疑似的な設定値]
本実施形態のパチスロ機1では、複数のRT状態を有し、これら複数のRT状態を疑似的な設定値として用いる。このRT状態を用いた疑似的な設定値について図286及び図287を参照して説明する。
図286(A)に示すように、本実施形態のパチスロ機1では、出玉状態「一般(通常有利)」では、RT状態に応じてAT抽籤(疑似ボーナスのストック付与抽籤)を行う。より具体的には、主制御回路91は、出玉状態「一般(通常区間)」から「一般(通常有利)」に移行するとMAPを抽籤し決定する。このMAPには、RT状態の経過ゲーム数に対応付けて、ATに関する特典付与の期待度を定めるゾーンが規定されており、主制御回路91は、MAPを決定するとRT状態の経過ゲーム数から対応するゾーンを特定し決定する。このとき、主制御回路91は、MAPをRT状態に応じて決定するため、ゾーンもRT状態に応じて異なることになり、結果、AT抽籤の抽籤結果がRT状態に応じて異なることになる。
そのため、図286(B)に示すように、本実施形態のパチスロ機1では、全遊技期間に対して占めるAT(疑似ボーナス)の遊技期間の割合がRT状態毎に異なり、また、ATの遊技期間はパチスロ機1のペイアウト率に影響するため、ペイアウト率もRT状態毎に異なることになる。一例として、本実施形態の場合には、全遊技期間に対して占めるATの遊技期間の割合は、RT1状態からRT7状態の中では低い方から順にRT1状態、RT2状態、RT3状態、RT4状態、RT5状態、RT6状態、RT7状態となるように設計されているため、ペイアウト率も低い方から順にRT1状態、RT2状態、RT3状態、RT4状態、RT5状態、RT6状態、RT7状態となる。
なお、RT状態は、複数の役の中のうち再遊技の作動に係る「リプレイ役」の種類及び当籤確率を変動させるため、メダルの払出に係る「小役」の当籤確率やボーナスの作動に係る「ボーナス役」の当籤確率は変動しない。ここで、本実施形態では、トータルの「リプレイ役」の当籤確率は、複数のRT状態(非RT状態、RT1状態〜RT7状態)において略同一としている。そのため、ATを加味しない場合には、複数のRT状態におけるペイアウト率は、略同一となる。
以上のように、本実施形態のパチスロ機1では、全遊技期間に対して占めるAT(疑似ボーナス)の遊技期間の割合がRT状態毎に異なるため、図286(C)に示すように、複数のRT状態が疑似的な設定値として機能する。このようにRT状態を疑似的な設定値として用いることで、実際の設定値では実現できない段階数の設定値を実現することができ、例えば、本実施形態のパチスロ機1では、非RT状態と、RT1〜RT7状態の8つのRT状態により8段階の疑似的な設定値が可能となる。また、疑似的な設定値であるため、実際の設定値では実現できないペイアウト率も実現することができる。
なお、図249において上述したように、RT1状態〜RT7状態への移行は、非RT状態においてのみ行うことができるため、非RT状態は、疑似的な設定値を設定するためのRT状態として機能する。このとき、RT1状態〜RT7状態への移行は、非フラグ間においてのみ行うことができ、フラグ間においては行うことができないため、遊技者がボーナス役の入賞を避けてフラグ間を維持し続けてしまうと、RT状態も非RT状態のまま維持できてしまう。そこで、非RT状態は、ペイアウト率が100%以下となるように設計することが好ましい。なお、非RT状態のペイアウト率が100%以下であればよく、この方法は任意である。すなわち、非RT状態におけるAT抽籤を不利にすること(言い換えると、非RT状態は、ATに関する特典を付与する確率が低いRT状態)で実現することとしてもよく、また、トータルの「リプレイ役」の当籤確率を下げることで実現することとしてもよい。
また、本実施形態のパチスロ機1では、実際の設定値としては1段階の設定値のみを有する。すなわち、複数の役が内部当籤役として決定される当籤確率を定める設定値として1つの設定値のみを有するものの、複数のRT状態を疑似的な設定値として用いることで、8段階の疑似的な設定値を持つことができる。もちろん、実際の設定値は1段階に限るものではなく、実際の設定値を複数段階有するとともに、それぞれの実際の設定値毎に、複数のRT状態により実現される疑似的な設定値を有することとしてもよい。
また、RT状態を疑似的な設定値として用いる遊技性は、メダルの払出に係る小役の当籤確率を役物(ボーナス状態)の作動の有無に応じてのみ変動し、その他の要因では変動しないパチスロ機に対しても適用可能である。すなわち、規則上パチスロ機では、役物が作動した場合や設定値が変更された場合などの限られた条件でしか、メダルの払出に係る小役の当籤確率を変動させることができない。そのため、小役の当籤確率を役物の作動の有無に応じてのみ変動し、その他の要因では変動しないパチスロ機とは、実際の設定値が1段階のパチスロ機、又は、実際の設定値として複数段階の設定値を有するものの小役の当籤確率には設定差が無いパチスロ機を意味する。このようなパチスロ機においても、RT状態を疑似的な設定値として用いることで、多彩な遊技性を実現することができる。
また、図249において上述したように、このような疑似的な設定値として用いるRT状態(RT1状態〜RT7状態)の継続期間として十分な長さの継続期間を有することで、RT状態を疑似的な設定値として用いることができる。なお、RT状態の継続期間は任意であり、例えば、有利区間のゲーム数リミッタ(1500回)よりも多い遊技回数であってもよく、また、1日当たりの平均ゲーム数(例えば、8000回)よりも多い遊技回数であってもよく、また、パチスロ機において内部当籤役として決定される確率が最も低い役の当籤確率の逆数よりも多い遊技回数であってもよい。また、AT一回当たりの平均ゲーム数よりも多い遊技回数であってもよい。また、パチスロ機において頻繁に用いられる2バイトの値で管理される「65535」としてもよい。
また、本実施形態では、AT抽籤に用いるゾーンをRT状態毎に異ならせることでRT状態に応じてAT抽籤を実現可能にしているが、これに限るものではなく、単純にRT状態を参照してAT抽籤を行うこととしてもよい。また、「リプレイ役」の中に、AT抽籤に当籤する確率が低い「通常リプレイ役」とAT抽籤に当籤する確率が高い「チャンスリプレイ役」とを設け、RT状態に応じて「通常リプレイ役」の当籤確率と「チャンスリプレイ役」の当籤確率とを異ならせることとしてもよい。このような場合には、AT抽籤においてはRT状態を参照することはないが、AT抽籤に当籤する確率が高い「チャンスリプレイ」の当籤確率がRT状態に応じて異なる結果、RT状態に応じてAT抽籤を行うことができる。なお、この場合においても、トータルの「リプレイ役」の当籤確率は、複数のRT状態において略同一(又は完全に同一)としてもよい。
また、本実施形態では、ATに関する特典付与の期待度をRT状態毎に異ならせることとしているが、本遊技性は、遊技者に対して特典を付与する場合の特典付与の期待度がRT状態に応じて異なっていればよく、付与する特典はATに関するものに限らない。なお、疑似的な設定値(ペイアウト率)の観点からは、出玉に関する特典であることが好ましいが、出玉以外の特典の付与確率がRT状態毎に異なるものであってもよい。出玉以外の特典としては、例えば、映像に関する特典やキャラクタのカスタマイズに関する特典などであってもよい。
[疑似的な設定値の判別防止制御1]
RT状態を疑似的な設定値として用いる場合、現在のRT状態を遊技者から判別困難に制御することが好ましい。ここで、RT1状態〜RT7状態への移行は、RT移行図柄に応じて行われるため、図286(D)に示すように、非RT状態におけるRT移行図柄を把握することで移行先のRT状態が判別できてしまい、疑似的な設定値も把握されてしまう。そこで、本実施形態のパチスロ機1では、非RT状態だけでなくRT1状態〜RT7状態においてもRT移行図柄を表示可能に制御する。具体的には、RT移行図柄が表示される役「F_1リプ」〜「役_7リプ」を、非RT状態だけでなくRT1状態〜RT7状態においても内部当籤役として決定する(図252、図259参照)。そして、RT1状態〜RT7状態においては、RT移行図柄が表示されたとしてもRT状態を移行することなく維持する。これにより、RT移行図柄が表示されたとしても対応するRT状態に移行するとは限らず、RT移行図柄から疑似的な設定値(RT状態)を判別することができなくなる。
なお、RT1状態〜RT7状態の全てにおいて、RT移行図柄を表示可能にする必要はなく、RT1状態〜RT7状態の一部においてRT移行図柄を表示可能であればよい。また、RT移行図柄の全てがRT1状態〜RT7状態のうちの一のRT状態において表示可能である必要はない。すなわち、非RT状態において表示される複数のRT移行図柄の全てが、他のRT状態において表示可能であればよく、全てのRT移行図柄を一つのRT状態において表示可能である必要はない。
[疑似的な設定値の変更とその制限]
続いて、図287(E)を参照して、疑似的な設定値の変更とその制限について説明する。本実施形態のパチスロ機1では、非RT状態が疑似的な設定値を設定するためのRT状態として機能するが、パチスロ機の規則上、ボーナス役を持ち越しているフラグ間では、RT移行図柄が表示されたことを条件にRT状態を移行することができない。すなわち、同図に示すように、主制御回路91は、非RT状態かつ非フラグ間においては、RT移行図柄が表示されたことを条件にRT状態を移行することができるが、非RT状態であってもフラグ間においては、RT移行図柄が表示されたとしてもRT状態を移行することができずに、非RT状態のままRT状態を維持する。
ここで、本実施形態のパチスロ機1におけるRT移行図柄を契機とするRT状態の移行について考える。本実施形態では、基本的にはBBフラグ間を維持したままRT1状態〜RT7状態が行われるが、同図(1)に示す期間であるRT1状態(RT2状態〜RT7状態も同様)は、RT移行図柄を条件にRT状態を移行しないため、(1)の期間は、RT移行図柄を契機とするRT状態の移行を行うことができない。
その後、単位遊技が繰り返され、RT1状態の遊技回数が6000回に達すると、主制御回路91は、RT状態をRT1状態から非RT状態に移行する。非RT状態に移行したもののBBフラグ間であるため、同図(2)に示す期間であるBBフラグ間の非RT状態では、RT移行図柄を契機とするRT状態の移行を行うことができない。
その後、BBに入賞すると、遊技状態がBBフラグ間から1種BBに移行するが、本実施形態では、1種BB中もRT移行図柄を契機とするRT状態の移行を行わないため、同図(3)に示す期間である1種BB中の非RT状態では、RT移行図柄を契機とするRT状態の移行を行うことができない。
その後、BBが終了すると、遊技状態が1種BBから非フラグ間に移行する。この非フラグ間の非RT状態は、RT移行図柄を契機とするRT状態の移行が可能であるため、同図(4)に示す期間では、RT移行図柄を契機とするRT状態の移行を行うことができる。
このように本実施形態のパチスロ機1では、非RT状態であっても、BBフラグ間中はRT移行図柄を契機としてRT状態を移行することができず、非フラグ間中に限り、RT移行図柄を契機としてRT状態を移行することができる。ここで、BBフラグ間から非フラグ間への移行は、1種BBを経由するため、RT状態の移行(疑似的な設定値の変更)には、BBに応じた図柄の組合せの表示が、必ず、必要となる。そのため、BBに応じた図柄の組合せが表示された後のRT移行図柄を確認することで、移行先のRT状態が判別できてしまい、疑似的な設定値が把握されてしまうおそれがある。そこで、本実施形態のパチスロ機1では、以下に説明する疑似的な設定値の判別防止制御2を実行する。
なお、本実施形態のパチスロ機1では、同図(4)に示す期間において非RT状態からRT1状態〜RT7状態への移行を可能にしているが、同図(3)に示す期間である1種BB中の非RT状態についても、RT移行図柄を契機として非RT状態からRT1状態〜RT7状態に移行することとしてもよい。ただし、継続期間がゲーム数により管理されるRT1状態〜RT7状態中はRT移行図柄を契機とするRT状態の移行を行わないため、1種BB中のRT1状態〜RT7状態においては、RT移行図柄を契機としてRT状態を移行しない。このような場合においても、以下に説明する疑似的な設定値の判別防止制御2を同様に適用することができる。
[疑似的な設定値の判別防止制御2]
図287(F)を参照して、疑似的な設定値の判別防止制御2について説明する。初めに、疑似的な設定値を変更する場合、フラグ間のRT1状態〜RT7状態においてRT状態毎に規定されたゲーム数が経過すると、フラグ間の非RT状態に移行する。このフラグ間の非RT状態において、「BBを狙え」などといった演出を行いBBの入賞を促すことで、フラグ間が解除されて1種BBに移行する。その後、1種BBが終了すると、非フラグ間の非RT状態に移行し、RT移行図柄を契機とするRT状態の移行が可能になり、疑似的な設定値を設定することができる。
ここで、1種BBへの移行を、フラグ間の非RT状態に限定してしまうと、上述したように、BBに応じた図柄の組合せが表示された後のRT移行図柄を確認することで、疑似的な設定値が把握されてしまう。そこで、本実施形態のパチスロ機1では、1種BBへの移行を、フラグ間のRT1状態〜RT7状態においても可能にしている。フラグ間のRT1状態〜RT7状態から1種BBに移行した場合には、1種BB中もその後の非フラグ間中もRT状態がRT1状態〜RT7状態であるため、RT移行図柄を契機としてRT状態を移行することがない。これにより、BBに応じた図柄の組合せが表示された後であっても、RT移行図柄を契機としてRT状態を移行可能な状態(非RT状態)と、移行不可能な状態(RT1状態〜RT7状態)とが混在することになるため、BBに応じた図柄の組合せが表示された後のRT移行図柄を確認したとしても、当該RT移行図柄に応じたRT状態に移行しているとは限らなくなり、疑似的な設定値(RT状態)を判別することができなくなる。
具体的には、主制御回路91は、出玉状態「一般(通常有利)」において特化抽籤を行い、この特化抽籤に当籤した場合に、BBの入賞を促しフラグ間を解除する。図270において上述したように、この特化抽籤はRT状態を参照して行われ、非RT状態である場合にはRT1状態〜RT7状態である場合よりも高い確率で当籤し易いため、RT1状態〜RT7状態から非RT状態に移行した後は、疑似的な設定値が可能になり易い。一方で、同図に示すように、RT1状態〜RT7状態においても特化抽籤に当籤するため、疑似的な設定値(RT状態)を判別困難にすることができる。
このように本実施形態のパチスロ機1では、疑似的な設定値(RT状態)を判別困難に制御することとしているが、これに限られるものではない。すなわち、パチスロ機1では、現在のRT状態(疑似的な設定値)を遊技者に対して報知することとしてもよく、また、現在のRT状態を遊技者に対して一切報知しないこととしてもよい。なお、現在のRT状態を報知するとは、特定のRT状態であることを確定的に報知することに加え、特定のRT状態であることを示唆する報知も含む。ここで、確定的に報知するとは、特定のRT状態と1対1で対応する報知態様により報知を行うことであり、また、示唆する報知とは、特定のRT状態とそれ以外のRT状態との双方において共通する報知態様により報知を行うこと(この場合において、当該報知態様による報知が行われる確率がRT状態毎に異なることが好ましい)である。また、特定のRT状態とは、1つのRT状態であることに限らず、複数のRT状態であってもよい。一例として、出玉率が最も高いRT7状態であることを報知することとしてもよく、また、出玉率が相対的に高いRT5状態〜RT7状態であることを報知することとしてもよい。
また、現在のRT状態の報知は、一部のRT状態についてのみ行うこととしてもよく、また、全てのRT状態について行うこととしてもよい。一例として、出玉率が最も高いRT7状態に滞在している場合にのみRT状態の報知が行われ、他のRT状態に滞在している場合にはRT状態の報知が行われないこととしてもよい。また、現在のRT状態の報知は、特定の条件を満たした場合に限り行うこととしてもよい。特定の条件は任意であり、例えば、疑似ボーナスの終了時、所定回数連荘した疑似ボーナスの終了時、有利区間の終了時、有利区間のリミッタ到達時などであってもよい。また、現在のRT状態の報知は、所定の制御手段(主制御回路91又は(及び)副制御回路101)が所定の演出実行手段(ランプ、スピーカー、表示ユニットなど)を用いて行うことができる。
また、現在のRT状態ではなく、過去に滞在していたRT状態を遊技者に対して報知可能にしてもよい。一例として、パチスロ機では、パチスロ機における所定のメニュー画面又はパチスロ機と連動する遊技者の携帯端末から過去の遊技履歴を確認することができる。この過去の遊技履歴において、過去に滞在していたRT状態を表示することで、過去に滞在していたRT状態を遊技者に対して報せることとしてもよい。なお、このような制御は、例えば、主制御回路91や副制御回路101において、直近のRT状態を所定数記憶しておき、記憶している所定数のRT状態を所定のメニュー画面(表示ユニットなど)に表示することで実現することができる。なお、本実施形態のパチスロ機1では、RT状態を移行する場合には必ず非RT状態を経由するため、過去に滞在していたRT状態を報知する場合には、非RT状態は除いて報知することとしてもよく、また、非RT状態も報知することとしてもよい。すなわち、過去に滞在していたRT状態として非RT状態も報知する場合、1つ前(直前)のRTがRT1状態〜RT7状態であると、現在のRT状態が非RT状態であることを把握できてしまうため、非RT状態は除いて報知することで現在のRT状態及び将来のRT状態を把握され難くすることができる。
(疑似的な設定値のまとめ)
以上のように、本実施形態のパチスロ機1では、RT状態に応じて特典(特にATに関する特典)の付与確率が異なるため、RT状態に応じて遊技者の有利度合い(出玉の波)を異ならせることができる。言い換えると、RT状態を疑似的な設定値として用いることができ、結果、実際の設定値によらずとも出玉の波を作り出すことができる。
また、本実施形態のパチスロ機1では、複数のRT状態において「リプレイ役」の当籤確率が略同一となっている。ここで、複数のRT状態において「リプレイ役」の当籤確率に大きな差が設けられる場合、再遊技が作動する頻度も大きく変わるため、再遊技の作動という観点から出玉の波が異なることになる。このような場合には、遊技者は、再遊技が作動する頻度から有利度合いを推測できてしまい、有利不利が簡単に分かってしまう結果、稼働の偏りが顕著になってしまい好ましくない。これに対して、「リプレイ役」の当籤確率を略同一とすることで、再遊技が作動する頻度からは有利度合いを推測することが困難になる。その結果、RT状態に応じて定まる疑似的な設定値を、従来の遊技機における設定値のように見た目(再遊技の作動)から分かり難くすることができ、従来の複数段階の設定値を有する遊技機と同様の遊技性を遊技者に対して感じさせることができる。
また、パチスロ機1では、疑似的な設定値として機能するRT1状態〜RT7状態の継続期間を、有利区間のゲーム数リミッタ(1500回)よりも多い遊技回数に設定する。これによりRT状態に応じて定まる出玉の波を、十分な長さの期間にわたり維持することができるため、RT状態を疑似的な設定値として用いることができる。また、RT1状態〜RT7状態の継続期間は、RT状態毎に異ならせることで、疑似的な設定値が維持される期間を、疑似的な設定値に応じて異ならせることができる。例えば、遊技者にとって有利な疑似的な設定値は、短くなるように設定することで、遊技者に与える利益が過大にならないように制御することができる。
なお、本実施形態では、ATに関する特典の付与は、ゾーンに応じて行われ、このゾーンは、現在のRT状態に応じて決定されるMAP及びRT状態の経過ゲーム数に基づいて決定される。そのため、特典の付与確率は、(ゾーンを決定するMAPを決定するための)RT状態に応じて異なることになるため、RT状態に応じて遊技者の有利度合い(出玉の波)を異ならせることができる。言い換えると、RT状態を疑似的な設定値として用いることができる。そのため、本発明に係る遊技機では、設定値によらずとも出玉の波を作り出すことができる。
また、本実施形態では、通常区間から有利区間へは約1/100程度の確率で移行させることとしているが、MAPに対してゾーンは400ゲーム毎に規定されているため、通常区間に滞在している場合であっても、ゾーンが切り替わるまでの間に一度は有利区間に移行することが期待できる。
なお、パチスロ機1では、制御手段(主制御回路91又は副制御回路101)は、報知状態に移行することなく、非報知状態のまま実行された遊技回数を計数することとしてもよい。そして、制御手段(主制御回路91又は副制御回路101)は、計数したこの遊技回数を遊技者に対して報知することとしてもよい。これにより、前回の報知状態が終了してから経過した遊技回数(ハマりゲーム数)を遊技者に対して報知することができる。また、制御手段(主制御回路91又は副制御回路101)は、他のRT状態に移行することなく同一のRT状態のまま実行された遊技回数も計数しているが、この遊技回数については、ゾーンの特定に直接的に用いられてしまうため、遊技者に対して報知しないことが好ましい。
また、本実施形態のパチスロ機1では、非RT状態からRT1状態〜RT7状態への移行は、RT移行図柄に応じて行うが、この移行は、非フラグ間においてのみ可能であり、フラグ間においては行うことができない。そのため、疑似的な設定値として用いるRT状態の移行のためには、BBを入賞させてフラグ間を解除する必要があるが、特化抽籤に当籤していな場合には、BBの入賞は遊技者にとって不利に制御される。その結果、基本的にはフラグ間が維持され、RT状態の移行も制限されるが、特化抽籤に当籤した場合には、BBの入賞が遊技者にとって不利にはならないように制御されるため、フラグ間の解除が可能になり、RT状態の移行も可能になる。
ここで、フラグ間の解除を非RT状態においてのみ行うこととすると、フラグ間を解除した後のRT移行図柄を把握することで疑似的な設定値(移行先のRT状態)も把握できてしまう。そこで、本実施形態のパチスロ機1では、非RT状態だけでなく、RT1状態〜RT7状態においても特化抽籤を行う。これにより、フラグ間を解除した後のRT移行図柄を把握できたとしても、当該RT移行図柄に応じたRT状態に移行しているとは限らなくなり、疑似的な設定値(RT状態)を判別することができなくなる。
なお、特化抽籤に当籤した場合には、フラグ間において持ち越しているBBの入賞を促す演出が実行されるため、遊技者は、実行された演出に従うことでフラグ間を解除することができ、結果、その後のRT状態の移行が可能になる。
また、本実施形態では、RT状態を疑似的な設定値として用いつつ、RT移行図柄を契機にRT状態を移行可能な非RT状態を、遊技者にとって不利な疑似設定値としている。具体的には、非RT状態を、ATに関する特典を付与する確率が低いRT状態として設定する。より具体的には、非RT状態である場合には、MAP抽籤において遊技者にとって不利な(ATに関する特典を付与する確率が低い)MAPが決定され易い。このようにすることで、フラグ間を解除すべきであるにも関わらず解除しないまま遊技を行った場合に、遊技者に対して不要な利益を付与してしまうことがなく、RT状態を用いた疑似的な設定値という遊技性を適切に用いることができる。
また、本実施形態では、非ATである出玉状態「一般(通常有利)」とATである出玉状態「疑似ボーナス」との双方を、BBフラグ間において実行可能であるため、専らBBフラグ間において遊技が行われる。そして、BBフラグ間において特化抽籤に当籤した場合には、BBの入賞を促すとともに、1種BBが開始してからBBが内部当籤役として再び決定されるまでの期間をATに関する特典付与の期待度が高い「特化」とすることができる。これにより、基本的な遊技期間であるBBフラグ間において持ち越しているBBを有意義に利用することができる。
このように「特化」は、BBフラグ間を解除した非フラグ間においてBBが再び内部当籤役として決定されると終了するが、非フラグ間ではBBよりも前にRBが内部当籤役として決定されることがある。このような場合には、パチスロ機1では、RBが入賞して開始する1種RB中も「特化」が継続する。これにより、基本的な遊技期間であるBBフラグ間の契機となるBBだけでなく、RBについても有意義に利用することができる。
[主制御基板及び副制御基板が有する各種機能]
以上のようなパチスロ機1に特有の制御を実現するために、パチスロ機1の主制御基板(主制御回路91,メインCPU93)及び副制御基板(副制御回路101,サブCPU102)は、次のような機能を有する。
パチスロ機1は、複数の図柄が表面に描かれた複数のリールに対応して設けられ遊技者が停止可能な複数のストップボタンを有し、主制御基板71は、スタートスイッチ6Sやストップスイッチ7Sと接続され、図1に示す遊技の進行を制御するため、主制御基板71は、遊技制御手段として機能する。
また、パチスロ機1では、RT状態を疑似的な設定値として用いつつ、複数の役が内部当籤役として決定される当籤確率を定める実際の設定値としては、1段階の設定値のみを有することとしてもよく、また、複数段階の設定値を有することとしてもよい。
また、パチスロ機1では、複数の役のうちの「リプレイ役」が内部当籤役として決定される確率や内部当籤役として決定可能な「リプレイ役」の種類を変動可能なRT状態として複数のRT状態を有する。なお、これら複数のRT状態では、トータルの「リプレイ役」の当籤確率は略同一となっている。そして、主制御基板71は、移行条件を満たした場合に現在のRT状態を他のRT状態に移行可能であるため、主制御基板71は、RT制御手段として機能する。
なお、主制御基板71は、非RT状態において、RT移行図柄が表示されると、表示されたRT移行図柄に応じた種別のRT状態にRT状態を移行するとともに、RT1状態〜RT7状態において実行された遊技回数が、RT状態毎に設けられた終了閾値に達するとRT1状態〜RT7状態から非RT状態にRT状態を移行する。このとき、RT状態毎に設けられた終了閾値は、有利区間のゲーム数リミッタに応じた回数よりも多い。また、RT移行図柄は、非RT状態だけでなくRT1状態〜RT7状態のうちの少なくとも一部において表示可能な図柄の組合せであり、主制御基板71は、RT1状態〜RT7状態においてRT移行図柄が表示されたとしても、RT状態を他のRT状態に移行することなく現在のRT状態のまま維持する。
また、主制御基板71は、遊技者に対して特典(より具体的には、AT(報知状態)に関する特典)を付与可能であり、特に本実施形態の場合には、現在のRT状態に応じた確率で特典(ATに関する特典)を付与可能であるため、主制御基板71は、特典付与手段として機能する。また、パチスロ機1では、主制御基板71は、複数の役のうちのメダルの払出に係る小役が内部当籤役として決定される当籤確率を変動可能であるが、主制御基板71は、役物(ボーナス状態)が作動した場合に限り、小役が内部当籤役として決定される当籤確率を変動し、その他の要因では、小役が内部当籤役として決定される当籤確率を変動しないこととしてもよい。そのため、主制御基板71は、小役確率変動手段として機能する。
また、パチスロ機1は、遊技者にとって有利な停止操作の態様を遊技者に対して報知可能なAT(疑似ボーナス)を実行可能な有利区間を有する。そして、主制御基板71は、有利区間において実行された遊技回数がゲーム数リミッタに応じた回数(1500回)に達すると、ATを実行可能な残り期間に関わらず有利区間を終了することで、ATを終了するため、主制御基板71は、リミット制御手段として機能する。
また、主制御基板71は、他のRT状態に移行することなく同一のRT状態のまま実行された遊技回数に応じた数値情報(例えば、経過ゲーム数や残りゲーム数)を計数可能であるため、主制御基板71は、計数手段として機能する。また、パチスロ機1では、ATに関する特典付与の期待度を定めるゾーンを複数有するとともに、RT状態の経過ゲーム数に対応付けてゾーンを規定するMAPを複数有する。そして、主制御基板71は、通常区間から有利区間に移行すると、現在のRT状態に応じて複数のMAPの中から一のMAPを抽籤し決定するとともに、決定した一のMAPにおいてRT状態の経過ゲーム数に対応付けられたゾーンを特定し決定する。そして、主制御基板71は、決定したゾーンを用いてATに関する特典を付与するか否かを決定するとともに、付与すると決定した場合にATに関する特典を付与可能であるため、主制御基板71は、第1決定手段、特典付与手段、第2決定手段として機能する。
また、パチスロ機1では、滞在している場合に特典付与の期待度を変動不可能な通常区間と、滞在している場合に特典付与の期待度を変動可能な有利区間とを有し、主制御基板71は、通常区間から所定の確率で有利区間に移行可能であるとともに、有利区間において終了条件を満たすと通常区間に移行可能であるため、主制御基板71は、状態制御手段として機能する。なお、ゾーンやMAPは、通常区間においては決定されず、有利区間においてのみ決定される。そして、通常区間から有利区間への移行は、約1/100の確率で移行することができる一方で、MAPに対してゾーンは、400ゲーム毎に規定されている。
また、主制御基板71は、ボーナス役(「F_BB」又は「F_RB」)が内部当籤役として決定された単位遊技において、当該ボーナス役に対応する図柄の組合せが表示されない場合に、当該図柄の組合せが表示されるまで、ボーナス役を内部当籤役として持ち越し可能であるため、主制御基板71は、持越手段として機能する。ボーナス役に対応する図柄の組合せが表示された場合に、遊技者にとって不利な状態となる非許可状態と、ボーナス役に対応する図柄の組合せが表示された場合に、不利な状態とはならない許可状態とを制御可能であるため、主制御基板71は、許可状態制御手段として機能する。具体的には、主制御基板71は、特化抽籤の結果に応じて許可状態と非許可状態とを制御する。このとき、主制御基板71は、非フラグ間においてBBが内部当籤役として決定されると非許可状態をセットし、フラグ間の非RT状態において所定の確率で当籤する特化抽籤に当籤すると、非許可状態を許可状態に更新し、フラグ間のRT1状態〜RT7状態において所定の確率とは異なる特定の確率で当籤する特化抽籤に当籤すると、非許可状態を許可状態に更新する。なお、パチスロ機1の任意の制御手段は、特化抽籤に当籤し、非許可状態から許可状態に更新された場合には、BBに応じた図柄の組合せの表示を促す演出を実行可能であるため、主制御基板71や副制御基板72と、当該制御手段により制御されるランプ、スピーカー、表示ユニットなどは、演出実行手段として機能する。
また、パチスロ機1は、報知に関する状態として、遊技者にとって有利な停止操作の態様を報知可能な報知状態(疑似ボーナス)と、報知状態に比べて報知の頻度が低い通常状態(一般や引き戻し)とを有し、ATに関する特典の有無に応じて、報知状態と通常状態とを制御する。具体的には、ATに関する特典が付与されている場合に滞在可能な状態として報知状態を有し、ATに関する特典が付与されていない場合に滞在する状態として通常状態を有する。そして、主制御基板71は、ボーナス役に対応する図柄の組合せが表示された場合に、1種BBや1種RBといったボーナス状態を開始可能であり、当該ボーナス状態において終了条件を満たした場合に、当該ボーナス状態を終了可能であるため、主制御基板71は、ボーナス制御手段として機能する。また、主制御基板71は、ATに関する特典(疑似ボーナスのストック)が付与されているフラグ間において報知状態(疑似ボーナス)を実行可能であり、ATに関する特典が付与されていないフラグ間において通常状態(一般や引き戻し)を実行可能であるため、主制御基板71は、報知状態制御手段として機能する。
また、主制御基板71は、BBを持ち越しているBBフラグ間において特化抽籤に当籤すると、持ち越しているBBの入賞を促すとともに、BBに応じた図柄の組合せの表示に伴い開始する1種BBの開始から、BBが再び内部当籤役として決定されるまでの期間を「特化」として制御可能であるため、主制御基板71は、特別状態制御手段として機能する。そして、主制御基板71は、「特化」中は、「一般」や「疑似ボーナス」中よりも遊技者にとって有利になるようにATに関する特典の付与を制御する。また、主制御基板71は、「特化」中にBBよりも前にRBが内部当籤役として決定された場合、RBに対応する図柄の組合せの表示に伴い開始する1種RB中も「特化」として制御する。
なお、本実施形態のパチスロ機1では、1種BBの開始から、BBが再び内部当籤役として決定されるまでの期間を「特化」として制御することとしているが、「特化」の期間はこれに限られるものではない。具体的には、「特化」の開始タイミングは1種BBの開始時に限られるものではなく、例えば、特化抽籤に当籤し持ち越しているBBの入賞を促す状態になった場合に「特化」を開始することとしてもよく、また、入賞を促された1種BBが終了した場合に「特化」を開始することとしてもよい。また、「特化」の終了タイミングはBBが再び内部当籤役として決定されるまでに限られるものではなく、入賞を促された1種BBが終了した場合に「特化」を終了することとしてもよく、また、入賞を促された1種BBが終了した後に所定回数の遊技が行われた場合に「特化」を終了することとしてもよく、また、入賞を促された1種BBが終了した後に所定回数の遊技が行われるまで又は入賞を促された1種BBが終了した後にBBが再び内部当籤役として決定されるまでの何れか早い方までの期間を「特化」としてもよく、また、入賞を促された1種BBが終了した後にBBが再び内部当籤役として決定されてから所定回数の遊技が行われるまでの期間を「特化」としてもよい。
[1段階設定における設定変更操作]
また、本実施形態のパチスロ機1では、実際の設定値を1段階にしているが設定値を1段階にした場合、設定値を変更する処理が不要になる。パチスロ機では、設定値を変更するための操作部として、設定用鍵型スイッチや設定ボタンが設けられているが、設定値の変更が不要な遊技機においては、この設定用鍵型スイッチや設定ボタンも不要になる。しかしながら、パチスロ機において、この設定用鍵型スイッチや設定ボタンを取り外してしまうことは、製造ラインも変更しなければならず、かえって負担増加に繋がってしまう。
そこで、本実施形態のパチスロ機1では、設定用鍵型スイッチ430や不図示の設定ボタンを維持しつつ、不要となった設定変更操作に対して新たな処理を対応付けることで、1段階の設定値しか有さないパチスロ機1においても設定用鍵型スイッチ430や設定ボタンを有効的に活用する。
初めに、設定用鍵型スイッチ430は、遊技者にとっての有利度合いを規定する設定値に関する操作を受け付け可能な操作部であり、設定キーを用いてスイッチが操作される操作部である。また、設定ボタンは、設定用鍵型スイッチ430がONになった場合に操作を受け付け可能な操作部である。
主制御回路91は、設定用鍵型スイッチ430を介して設定値に関する所定の操作を受け付けると、図288に示すパターンの処理を実行する。なお、所定の操作は任意であり、例えば、従来のパチスロ機における設定変更操作であってもよく、また、現在の設定値の確認操作であってもよい。上述したように設定変更操作は、まず(1)電源をOFFに更新し、電源がOFFになった後に、(2)設定キーを用いて設定用鍵型スイッチ430をONにセットする。その後、(3)電源をONに戻し、(4)設定変更ボタンを操作して所望の設定値を指定した後にスタートレバー6を操作し、最後に(5)設定キーを用いて設定用鍵型スイッチ430をOFFに戻す操作である。また、現在の設定値の確認操作は、電源がONのまま、設定キーを用いて設定用鍵型スイッチ430を操作することである。
図288に示すように、パターン1では、主制御回路91は、RT状態及びボーナスフラグは維持したまま、実ボーナス中であること及びAT中であることをクリアする。このパターン1の処理では、ボーナスフラグが維持されるため、RT状態とフラグ間とが維持されたままとなる。RT状態は疑似的な設定値として用いられるとともに、フラグ間中は、RT移行図柄を契機とするRT状態の移行ができないため、このようなパターン1の処理は、疑似的な設定値の維持操作となる。
続いて、パターン2では、主制御回路91は、RT状態、ボーナスフラグ、実ボーナス中であること及びAT中であることの全てをクリアする。このパターン2の処理では、ボーナスフラグがクリアされるため、RT状態とフラグ間とがクリアされ、非フラグ間の非RT状態となる。この非フラグ間の非RT状態は、疑似的な設定値を設定可能な状態であるため、このようなパターン2の処理は、疑似的な設定値のリセット操作となる。
なお、パターン1及びパターン2の何れにおいても、実際の設定値は1段階しかないため、主制御回路91は、実際の設定値を変更することなく、パターン1又はパターン2の処理(すなわち、遊技に関する遊技情報に対する所定の初期化処理)を実行する。
また、主制御回路91は、例えば、電源がOFFの状態で設定キーを用いて設定用鍵型スイッチ430がONになり、その後、設定用鍵型スイッチ430がONの状態で電源がONになると、パターン1(又はパターン2)の処理を実行し、電源がONのまま設定キーを用いて設定用鍵型スイッチ430がONになると、パターン2(又はパターン1)の処理を実行することとしてもよい。また、主制御回路91は、従来の設定変更操作において、設定ボタンが操作された回数に応じてパターン1とパターン2との処理を切り替えることとしてもよい。一例として、電源がOFFの状態で設定キーを用いて設定用鍵型スイッチ430がONになり、その後、電源がONになった後に、設定変更ボタンが1回(奇数回数)操作されてスタートレバー6が操作されると、パターン1(又はパターン2)の処理を実行し、設定変更ボタンが2回(偶数回数)操作されてスタートレバー6が操作されると、パターン2(又はパターン1)の処理を実行することとしてもよい。
このようにすることで、従来のパチスロ機において備えている設定用鍵型スイッチ430や設定ボタンを取り外す必要がなく、また、実際の設定値に関する処理の代わりに所定の初期化処理を実行するため、不要となった処理を有効に活用することができる。
[主制御基板及び副制御基板が有する各種機能]
以上のようなパチスロ機1に特有の制御を実現するために、パチスロ機1の主制御基板(主制御回路91,メインCPU93)及び副制御基板(副制御回路101,サブCPU102)は、次のような機能を有する。
パチスロ機1は、複数の図柄が表面に描かれた複数のリールに対応して設けられ遊技者が停止可能な複数のストップボタンを有し、主制御基板71は、スタートスイッチ6Sやストップスイッチ7Sと接続され、図1に示す遊技の進行を制御するため、主制御基板71は、遊技制御手段として機能する。
また、パチスロ機1の設定用鍵型スイッチ430(及び設定ボタン)は、遊技者にとっての有利度合いを規定する設定値に関する操作を受け付け可能であるため、設定用鍵型スイッチ430(及び設定ボタン)は、設定操作受付手段として機能する。
また、主制御基板71は、設定用鍵型スイッチ430や設定ボタンを介して所定の操作を受け付けた場合に、設定値を変更することなく、パターン1やパターン2といった遊技に関する遊技情報に対して所定の初期化処理を実行可能であるため、主制御基板71は、処理制御手段として機能する。
また、パチスロ機1では、複数のRT状態を有し、主制御基板71は、移行条件を満たした場合に、現在のRT状態を他のRT状態に移行可能であるため、主制御基板71は、RT制御手段として機能する。また、パチスロ機1では、現在のRT状態に応じた確率で遊技者に対して特典を付与可能であるため、主制御基板71は、特典付与手段として機能する。
[RBフラグ間を用いた遊技性]
続いて、図289を参照して、RBフラグ間を用いた遊技性について説明する。なお、本実施形態では、「リプレイ役」「小役」「ボーナス役」の引込優先順位を、「リプレイ役」が最も高く、「小役」が次に高く、「ボーナス役」が最も低くなるように設定することとしてよい。
図260及び図261において上述したように、非フラグ間及びBBフラグ間とRBフラグ間とを比較すると、RBフラグ間では、役「F_B択ベル1234」〜「F_B択ベル4321」が押し順役ではなく押し順不問役となるため、RBフラグ間は、非フラグ間及びBBフラグ間に比べて高ベースの遊技期間となる。
また、図254において上述したように、名称「BB」の図柄の組合せは、第1リール3−1において取りこぼしが発生し、無作為に停止操作を行った場合には約1/4の割合で停止表示することができ、約1/4の割合で取りこぼしが発生する。また、名称「RB」の図柄の組合せは、第1リール3−1、第2リール3−2及び第3リール3−3において取りこぼしが発生し、無作為に停止操作を行った場合には約1/64の割合で停止表示することができ、約63/64の割合で取りこぼしが発生する。
そして、1種BBは、トータルにおいても差枚数がマイナスとなる可能性が高い状態であり、1種RBは、トータルにおいても差枚数が若干のプラス(現状維持)となる可能性が高い状態である。
そのため、図289(A)に示すように、無作為(ランダム)な停止操作を行った場合、非フラグ間においてRBが内部当籤役として決定されると、当該遊技において名称「RB」の図柄の組合せが表示される割合は、約1/64と非常に低く、約63/64の割合でRBフラグ間に移行する。そして、このRBフラグ間中は、非フラグ間及びBBフラグ間に比べて高ベースの遊技期間であるため、メダルの減少を抑えつつ遊技を行うことができる。
また、名称「RB」の図柄の組合せが表示可能なRBフラグ間でも、当該図柄の組合せが表示される割合は、約1/64と非常に低いため、多くの場合(約63/64の割合)においてRBフラグ間が維持される。
一方で、非フラグ間においてBBが内部当籤役として決定されると、当該遊技において名称「BB」の図柄の組合せが表示される割合は、約1/4と低く、約3/4の割合でBBフラグ間に移行する。このBBフラグ間中は、低ベースの遊技期間であるため、メダルが減少し易いものの、名称「BB」の図柄の組合せが表示される割合は、約1/4であるため、BBフラグ間では比較的早期に名称「BB」の図柄の組合せが表示されることが期待できる。
続いて、図289(B)は、無作為(ランダム)な停止操作を行った場合と、BBフラグ間を維持するように停止操作を行った場合との単位遊技当たりのメダルの収支の期待値について説明する。同図に示すように、無作為に停止操作を行うと、非フラグ間、BBフラグ間、RBフラグ間、1種BB及び1種RBといった各種の遊技状態に移行する。そのため、遊技全体で見ると、低ベースの期間と高ベースの期間とが混在する。特に、無作為な停止操作では、RBフラグ間が長期にわたり継続しやすいため、高ベースの期間も比較的多くなり易い。
これに対して、本実施形態のパチスロ機1のようにBBフラグ間を維持するように停止操作を行った場合、基本的にはBBフラグ間が維持され続けるため、低ベースの期間が長期にわたり継続する。
そのため、無作為に停止操作を行った場合と、BBフラグ間を維持するように停止操作を行った場合とでは、単位遊技当たりのメダルの収支の期待値が異なり、前者の方が期待値が高くなる。このように、本実施形態のパチスロ機1のようにBBフラグ間を維持する遊技性とした場合には、無作為に停止操作を行った場合よりも低ベースになるため、その分の出玉をAT抽籤に振り分けることができる。
なお、このような高ベースのフラグ間を有するボーナス役と、低ベースのフラグ間を有するボーナス役とを設けた場合には、以下のような遊技性も期待できることになる。所謂Aタイプのようなボーナス役の入賞を前提とする遊技性のパチスロ機では、目押しが苦手な初心者は、ボーナス役をなかなか揃えることができないため、熟練者と初心者とでは、技量の差によって出玉に大きな影響が出てしまう。
この点、上述のように、RBフラグ間をBBフラグ間及び非フラグ間に比べて、単位遊技当たりのメダルの収支の期待値を高くすることで、RBに対応する図柄の組合せを揃えることができない場合であっても、遊技者が受ける損失を軽減することができ、停止操作の技量の低い遊技者が著しく不利になってしまうことを防止することができる。
パチスロ機では、ボーナスの入賞を促す演出を実行することがあるが、RBに対応する図柄の組合せの表示を促す演出と、BBに対応する図柄の組合せの表示を促す演出とを個別に実行すると、遊技者によっては(特に熟練者であるほど)高ベースであるRBフラグ間が終了してしまうRBに応じた図柄の組合せの表示は避けて、低ベースであるBBに応じた図柄の組合せの表示のみを行うように停止操作を行うおそれがある。
そこで、本実施形態のパチスロ機1では、RBに対応する図柄の組合せを表示可能な遊技と、BBに対応する図柄の組合せを表示可能な遊技との双方において、BBに対応する図柄の組合せの表示を促す演出を実行することとしてもよい。
ここで、BBに対応する図柄の組合せとRBに対応する図柄の組合せとを比較すると、RBに対応する図柄の組合せを構成する図柄のうちの、第1リール3−1、第2リール3−2及び第3リール3−3の図柄は「青BAR」であり、BBに対応する図柄の組合せを構成する図柄のうちの第1リール3−1、第2リール3−2及び第3リール3−3の図柄の一部と共通する。また、RBに対応する図柄の組合せを構成する図柄のうちの第4リール3−4の図柄は「紫色」であり、第4リール3−4において、BBに対応する図柄の組合せを構成する図柄「青BAR」に隣接して配置される。そのため、BBに対応する図柄の組合せの表示を促す演出として、第1リール3−1、第2リール3−2、第3リール3−3及び第4リール3−4において図柄「青BAR」を狙って停止操作を行うことを促す演出を行うことで、BBに対応する図柄の組合せもRBに対応する図柄の組合せも同時に狙わせることができる。
RBフラグ間を高ベースとしBBフラグ間を低ベースとした場合、熟練者は、RBフラグ間は維持したいものの、BBフラグ間は早期に解除することを望む。このような場合に、RBフラグ間及びBBフラグ間の双方において、BBに対応する図柄の組合せの表示を促す演出を実行すると、BBに対応する図柄の組合せを狙うことでBB又はRBに対応する図柄の組合せが表示されてしまう。そのため、低ベースのBBフラグ間のみを早期に解除し、高ベースのRBフラグ間は維持し続けるといった停止操作を行うことができず、遊技者の技量によって利益に過大な差が出てしまうことを防止することができる。
[主制御基板及び副制御基板が有する各種機能]
以上のようなパチスロ機1に特有の制御を実現するために、パチスロ機1の主制御基板(主制御回路91,メインCPU93)及び副制御基板(副制御回路101,サブCPU102)は、次のような機能を有する。
パチスロ機1は、複数の図柄が表面に描かれた複数のリールに対応して設けられ遊技者が停止可能な複数のストップボタンを有し、主制御基板71は、スタートスイッチ6Sやストップスイッチ7Sと接続され、図1に示す遊技の進行を制御するため、主制御基板71は、遊技制御手段として機能する。
また、主制御基板71は、ボーナス役に対応する図柄の組合せが停止表示された場合に、ボーナス状態を開始可能であり、当該ボーナス状態において終了条件を満たした場合に、当該ボーナス状態を終了可能である。また、主制御基板71は、ボーナス役が内部当籤役として決定された単位遊技において、当該ボーナス役に対応する図柄の組合せが停止表示されない場合に、当該図柄組合せが停止表示されるまで、ボーナス役を内部当籤役として持ち越し可能である。そのため、主制御基板71は、ボーナス制御手段及び持越手段として機能する。
なお、パチスロ機1では、ボーナス役として、BB(「F_BB」)とRB(「F_RB」)とを有し、BBが持ち越されているBBフラグ間と、RBが持ち越されているRBフラグ間とでは、RBフラグ間の方が単位遊技当たりのメダルの収支の期待値が高い。また、パチスロ機1では、BBに対応する図柄の組合せを停止表示可能な遊技において遊技者が無作為に停止操作を行った場合にBBに対応する図柄の組合せが停止表示される割合は、約1/4であり、RBに対応する図柄の組合せを停止表示可能な遊技において遊技者が無作為に停止操作を行った場合にRBに対応する図柄の組合せが停止表示される割合は、約1/64である。
そして、パチスロ機1では、RBに対応する図柄の組合せを構成する図柄と、BBに対応する図柄の組合せを構成する図柄とでは、第1リール3−1、第2リール3−2、第3リール3−3においては共通し、第4リール3−4においては隣接して配置される。なお、BBに対応する図柄の組合せを構成する図柄は、第1リール3−1、第2リール3−2、第3リール3−3、第4リール3−4において図柄「青BAR」であってもよい。すなわち、BBに対応する図柄の組合せは「青BAR−青BAR−青BAR−青BAR」であってもよい。また、RBに対応する図柄の組合せを構成する図柄のうちの第4リール3−4における図柄である図柄「紫色」と、BBに対応する図柄の組合せを構成する図柄のうちの第4リール3−4における図柄である図柄「青BAR」とは、図柄「青BAR」を狙って停止操作を行ったときに図柄「紫色」も合わせて狙うことができる関係であればよく、必ずしも隣接しているものに限らない。例えば、第4リール3−4における互いの図柄の配置間隔が最大滑り駒数以内の間隔であってもよい。
また、パチスロ機1では、BBに対応する図柄の組合せを停止表示可能な遊技又はRBに対応する図柄の組合せを停止表示可能な遊技において、BBに対応する図柄の組合せを停止表示させることを促す演出を実行する。この場合において演出を実行する演出実行手段は任意であり、また、演出を制御する制御手段も任意である。そのため、例えば、主制御基板71や副制御基板72と、当該制御手段により制御されるランプ、スピーカー、表示ユニットなどは、演出実行手段として機能する。
[RTゲーム数を用いた疑似RB抽籤]
主制御回路91は、出玉状態「一般(通常有利)」において、RT状態の経過ゲーム数に対する所定の演算の結果が所定条件を満たすと、初当たり疑似RB抽籤テーブルを参照して、疑似RBのストック付与抽籤を行う。なお、所定の演算は、RT状態の経過ゲーム数ではなく、RT状態の残りゲーム数に対して行うこととしてもよい。これにより、疑似RBのストック付与に関して一定の法則性を持たせることができる。具体的には、主制御回路91は、RT状態の経過ゲーム数を除算した余りを用いて疑似RBのストック付与抽籤を行うが、このように所定の演算として除算を用いることで、除数に応じた遊技回数毎に疑似RBのストックが付与され易い状態を設けることができ、高確率状態のような状態を設けることができる。
また、RT状態の経過ゲーム数に対する所定の演算の結果が所定条件を満たさない限り疑似RBのストックが付与されないため、確率分母の小さい(例えば、1/256)抽籤であっても、実質的な付与確率を小さくすることができる。ここで、確率分母が小さければ、抽籤に用いる乱数値を格納する領域や、抽籤係数を格納する領域が小さくて済むため、データ容量を抑えることができる。そのため、データ容量を抑えつつも多様な遊技性を実現することができる。
なお、主制御回路91は、出玉状態「一般(通常有利)」において毎遊技行う疑似ボーナスのストック付与抽籤に当籤した場合には、疑似RBのストック抽籤期間であっても、初当たり疑似RB抽籤テーブルを参照した疑似RBのストック付与抽籤を行わないこととしてもよい。このようにすることで、毎遊技行われる抽籤において疑似ボーナスのストックが付与された場合には、それ以上のストックは付与しないため、遊技者に対して与える利益が過大になってしまうことを防止することができる。
また、主制御回路91は、RT状態の経過ゲーム数に対する所定の演算の内容や、所定の演算の結果が満たす所定条件を、現在のRT状態毎に異ならせることとしてもよい。このようにすることで、疑似RBのストック抽籤期間となる法則性をRT状態毎に異ならせることができる。
[主制御基板及び副制御基板が有する各種機能]
以上のようなパチスロ機1に特有の制御を実現するために、パチスロ機1の主制御基板(主制御回路91,メインCPU93)及び副制御基板(副制御回路101,サブCPU102)は、次のような機能を有する。
パチスロ機1は、複数の図柄が表面に描かれた複数のリールに対応して設けられ遊技者が停止可能な複数のストップボタンを有し、主制御基板71は、スタートスイッチ6Sやストップスイッチ7Sと接続され、図1に示す遊技の進行を制御するため、主制御基板71は、遊技制御手段として機能する。
また、パチスロ機1では、複数の役のうちの「リプレイ役」が内部当籤役として決定される当籤確率を変動可能なRT状態を有し、主制御基板71は、同一のRT状態のまま実行された遊技回数に応じた数値情報(RT状態の経過ゲーム数や残りゲーム数)を計数可能であるため、主制御基板71は、計数手段として機能する。
また、主制御基板71は、RT状態の経過ゲーム数や残りゲーム数に対する所定の演算の結果が所定条件を満たした場合に、疑似RBのストック付与抽籤を行い、所定の確率で疑似RBのストックを付与可能であるため、主制御基板71は、第1特典付与手段として機能する。また、主制御基板71は、出玉状態「一般(通常有利)」において毎遊技、疑似ボーナスのストック付与抽籤を行い、当籤した場合に疑似ボーナスのストックを付与可能であるため、主制御基板71は、第2特典付与手段として機能する。
なお、主制御回路91は、疑似ボーナスのストック付与抽籤などのATに関する特典の付与抽籤を行うが、ペイアウト率(=OUT枚数/IN枚数×100)を監視して、ATに関する抽籤を制御することとしてもよい。例えば、ペイアウト率≧150%になった場合には、ATに関する抽籤を遊技者にとって不利になるように制御してもよい。なお、ペイアウト率≧150%を満たす期間は任意であり、例えば、電源がONになってから現在までの期間であってもよく、また、直近の数時間であってもよい。
また、遊技に関する各種の遊技情報をクリアするための、RAMクリアボタンを設けて、当該RAMクリアボタンが操作された場合に、主制御回路91は、図288に示すパターンの初期化処理を行うこととしてもよい。また、主制御回路91は、RT状態に応じた外端信号を、データ表示器やホールコンピューターなどに対して送信することとしてもよい。RT状態を疑似的な設定値として用いる場合、このようにRT状態をホールコンピューターなどに送信することで、遊技店のみが疑似的な設定値を把握することができる。また、主制御回路91は、RT状態を疑似的な設定値に応じて高設定/低設定などのように分類し、高設定に応じたRT状態であるか、低設定に応じたRT状態であるかをホールコンピューターなどに送信することとしてもよい。このようにすることで、外端信号としては、2種類の信号のみで足りるため、個別のRT状態を送信する場合に比べて制御が容易になる。
[別制御例]
続いて、図290〜図302を参照して、上述した特有の制御とは別のパチスロ機1に特有な別制御例について説明する。
[RT状態を用いた疑似的な設定値(その2)]
初めに、図290及び図291を参照して、RT状態を用いた疑似的な設定値の別例について説明する。なお、本制御においては、リールやストップボタンの数は任意である。以下においては、リールやストップボタンが3つであるものとして説明する。
(ボーナス及びRT状態の遷移フロー)
図290(A)は、別例におけるボーナス及びRT状態の遷移フローである。図290(A)に示すように、パチスロ機1では、ボーナスの作動の有無に応じて、非ボーナス状態とボーナス状態とを有する。非ボーナス状態は、ボーナスが作動していない状態であり、ボーナス状態は、ボーナスが作動している状態である。主制御回路91は、非ボーナス状態において「ボーナス役」に応じた図柄の組合せが表示されて、ボーナスが開始されると、遊技状態を非ボーナス状態からボーナス状態に移行する。また、ボーナス状態では、主制御回路91は、規定枚数を超えるメダルが払い出されると、ボーナス状態を終了し、ボーナス状態から非ボーナス状態に遊技状態を移行する。
また、パチスロ機1では、再遊技の作動に係る「リプレイ役」の種類や「リプレイ役」が内部当籤役として決定される確率が異なるRT状態として、非RT状態とRT1状態とRT2状態とRT3状態とRT4状態とRT5状態とRT6状態とRT7状態とを有する。
主制御回路91は、RT状態の移行条件を満たした場合に、現在のRT状態を他のRT状態に移行する。なお、本制御例においても、主制御回路91は、「ボーナス役」が内部当籤役として決定されたこと、ボーナスが作動したこと、ボーナスが終了したことを条件には、RT状態を移行しない。すなわち、本実施形態では、ボーナス作動の前後においてRT状態は同一のまま維持される。
RT状態の移行条件は、RT状態毎に異なり、非RT状態及びRT7状態においては、主制御回路91は、有効ライン上に表示された図柄の組合せに応じてRT状態を移行させる。具体的には、非RT状態において主制御回路91は、ベルこぼし目(RT7移行図柄)が有効ラインに沿って表示されると、非RT状態からRT7状態にRT状態を移行する。また、RT7状態において主制御回路91は、RT1移行リプ(RT1移行図柄)が有効ラインに沿って表示されると、RT7状態からRT1状態にRT状態を移行し、RT2移行リプ(RT2移行図柄)が有効ラインに沿って表示されると、RT7状態からRT2状態にRT状態を移行し、RT3移行リプ(RT3移行図柄)が有効ラインに沿って表示されると、RT7状態からRT3状態にRT状態を移行し、RT4移行リプ(RT4移行図柄)が有効ラインに沿って表示されると、RT7状態からRT4状態にRT状態を移行し、RT5移行リプ(RT5移行図柄)が有効ラインに沿って表示されると、RT7状態からRT5状態にRT状態を移行し、RT6移行リプ(RT6移行図柄)が有効ラインに沿って表示されると、RT7状態からRT6状態にRT状態を移行する。
なお、このような表示された図柄の組合せに応じたRT状態の移行は、ボーナス役を内部当籤役として持ち越しているフラグ間において行うことができない点は、上述した通りである。
ここで、パチスロ機1では、押し順役として役「F_6択リプレイ」を有し、この役「F_6択リプレイ」が内部当籤役として決定された場合、押し順に応じてRT1移行リプ〜RT7移行リプの何れかが表示される。例えば、押し順「左中右」である場合にはRT1移行リプが表示され、押し順「左右中」である場合にはRT2移行リプが表示され、押し順「中左右」である場合にはRT3移行リプが表示され、押し順「中右左」である場合にはRT4移行リプが表示され、押し順「右左中」である場合にはRT5移行リプが表示され、押し順「右中左」である場合にはRT6移行リプが表示される。
また、RT1状態〜RT6状態は、有効ライン上に表示された図柄の組合せではRT状態を移行することなく、当該RT状態中に行われた単位遊技の回数に応じてRT状態を移行させる。具体的には、主制御回路91は、RT1状態〜RT6状態では、当該RT状態中に行われた単位遊技の回数が終了閾値に達すると、RT状態を非RT状態に移行する。なお、終了閾値の値は任意であるが、疑似的な設定値として用いるために十分に長い期間であることが好ましく、本制御例では、終了閾値をパチスロ機において頻繁に用いられる2バイトの値で管理される「65535」とする。もちろん、第6実施形態と同様に、有利区間のゲーム数リミッタ(1500回)よりも多い遊技回数としてもよく、また、1日当たりの平均ゲーム数(例えば、8000回)よりも多い遊技回数としてもよく、また、パチスロ機において内部当籤役として決定される確率が最も低い役の当籤確率の逆数よりも多い遊技回数としてもよく、また、AT一回当たりの平均ゲーム数よりも多い遊技回数としてもよい。
このような仕様において、単位遊技当たりのメダルの収支の期待値をRT1状態〜RT6状態において異ならせることで、RT1状態〜RT6状態を疑似的な設定値として用いることができる。また、疑似的な設定値として用いるRT1状態〜RT6状態に移行可能なRT7状態を、疑似的な設定値の設定用のRT状態として用いることができる。すなわち、第6実施形態のパチスロ機1では、疑似的な設定値を自由に選ぶことができない仕様であったが、本制御例におけるパチスロ機1では、設定用のRT7状態における役「F_6択リプレイ」当籤時の押し順に応じて、疑似的な設定値を自由に選ぶことができる。
例えば、遊技店の店員は、営業開始前などに数ゲーム間遊技を行い、非RT状態からRT7状態にRT状態を移行し、このRT状態において役「F_6択リプレイ」が内部当籤役として決定されるのを待つ。パチスロ機1では、役「F_6択リプレイ」が内部当籤役として決定された場合に、表示ユニット100などの表示装置に対して「???」などのように役「F_6択リプレイ」が内部当籤役として決定されたことを報知する演出を実行する。
店員は、この演出からRT7状態における役「F_6択リプレイ」の当籤時であることを把握することができ、疑似的な設定値として設定1を選ぶ場合には押し順「左中右」、設定2を選ぶ場合には押し順「左右中」、設定3を選ぶ場合には押し順「中左右」、設定4を選ぶ場合には押し順「中右左」、設定5を選ぶ場合には押し順「右左中」、設定6を選ぶ場合には押し順「右中左」において停止操作を行えばよい。
なお、RT1状態〜RT6状態において、単位遊技当たりのメダルの収支の期待値を異ならせる方法は任意であり、例えば、「リプレイ役」の当籤確率を異ならせることで、単位遊技当たりのメダルの収支の期待値を異ならせることとしてもよく、また、ATに関する特典付与の期待度を異ならせることで(すなわち、RT状態に応じてATに関する特典を付与することで)単位遊技当たりのメダルの収支の期待値を異ならせることとしてもよい。以下に示す例では、RT1状態〜RT6状態では、トータルの「リプレイ役」の当籤確率を略同一(完全に同一であってもよい)としつつ、RT状態に応じてAT抽籤を行うことで、疑似的な設定値を実現している。
なお、RT状態に応じたAT抽籤は、単純にRT状態を参照してAT抽籤を行うことで実現することとしてもよく、また、第6実施形態のパチスロ機1のようにゾーンにより実現することとしてもよく、また、AT抽籤に当籤する確率が高い「リプレイ役」の当籤確率を異ならせることで実現することとしてもよい。また、本制御例においては、遊技者にとっての有利度合いを規定する実際の設定値(すなわち、複数の役が内部当籤役として決定される当籤確率を定める実際の設定値)を、1段階としてもよく、また、複数段階としてもよい。
(報知に関する状態の遷移フロー)
続いて、図290(B)は、別例における報知に関する状態の遷移フローである。図290(B)に示すように、パチスロ機1では、通常区間と有利区間とを有し、有利区間には通常有利と報知状態とが含まれる。有利区間の報知状態は、遊技者にとって有利な停止操作の態様を遊技者に対して報知可能な状態であり、有利区間の通常有利及び通常区間は、当該報知を行う頻度が報知状態よりも低い(又は全く報知しない)状態である。主制御回路91は、通常区間において有利区間への移行条件を満たすと、通常区間から有利区間の通常有利又は有利区間の報知状態に遊技状態を移行する。また、主制御回路91は、有利区間の通常有利においてAT抽籤に当籤すると、有利区間の通常有利から有利区間の報知状態に遊技状態を移行する。また、主制御回路91は、有利区間の終了条件を満たすと、有利区間から通常区間に遊技状態を移行する。
このような遊技性において、主制御回路91は、有利区間の通常有利において、現在のRT状態を参照してAT抽籤を行うことで、RT1状態〜RT6状態を疑似的な設定値として用いる。例えば、同図に示すように、AT抽籤に当籤する確率を、RT1状態が最も低く、RT2状態が次に低く、RT3状態が次に低く、RT4状態が次に低く、RT5状態が次に低く、RT6状態が最も高くなるように設定することで、RT1状態を疑似的な設定値1、RT2状態を疑似的な設定値2、RT3状態を疑似的な設定値3、RT4状態を疑似的な設定値4、RT5状態を疑似的な設定値5、RT6状態を疑似的な設定値6として用いることができる。
なお、AT抽籤に当籤する確率を例にとり、単位遊技当たりのメダルの収支の期待値を異ならせることとしているが、これに限られるものではなく、報知状態の継続期間を延長する上乗せ抽籤も加味して、単位遊技当たりのメダルの収支の期待値を異ならせることとしてもよい。
<各種データテーブル>
続いて、図291(C)〜(E)を参照して、本制御例において好適に用いられる各種のデータテーブルについて説明する。
(内部抽籤テーブル)
図291(C)は、内部当籤役を決定するために参照される内部抽籤テーブルである。内部抽籤テーブルは、遊技状態毎に設けられ、複数の役のそれぞれに対して、当該役が内部当籤役として決定されるときの抽籤値を規定する。なお、非RT状態では「非RT」欄が参照され、RT7状態では「RT7」欄が参照され、RT1状態では「RT1」欄が参照され、RT2状態では「RT2」欄が参照され、RT3状態では「RT3」欄が参照され、RT4状態では「RT4」欄が参照され、RT5状態では「RT5」欄が参照され、RT6状態では「RT6」欄が参照される。
同図では、夫々のRT状態毎に一部の役に関する抽籤値を示し、その他の役に関する抽籤値については省略している。また、同図の「対応する図柄組合せ」欄には、内部当籤役として決定された場合に入賞が許可される図柄の組合せが規定されている。このように夫々の役に対して入賞が許可される図柄の組合せ(表示役)を規定することで、夫々の役と実際に表示される図柄の組合せとの間に後述の図291(E)に示す対応関係を持たせることができる。なお、本制御例では図291(E)に示す対応関係を実現可能であればよく、図291(C)の「対応する図柄組合せ」欄の規定は一例に過ぎず、その他の方法により図291(E)に示す対応関係を実現可能にしてもよい。また、本制御例において役「F_通常リプレイ」「F_6択リプレイ」は、再遊技の作動に係る「リプレイ役」である。
また、本制御例においては、「BEL_01」〜「BEL_09」の図柄の組合せは、役「F_押し順ベル_1st」「F_押し順ベル_2nd」「F_押し順ベル_3rd」「F_BB中ベル」に対してのみ対応付けられており、他の役に対しては対応付けられていない。また、本制御例では、非ボーナス状態とボーナス状態(BB中)とでは、単位遊技当たりのメダルの収支の期待値が非ボーナス状態の方が高くなるように設定されている。
(図柄組合せテーブル)
続いて、図291(D)を参照して、本制御例のパチスロ機1における入賞等に係る図柄の組合せを規定する図柄組合せテーブルについて説明する。なお、本制御例のパチスロ機1の遊技性の説明において、図柄の組合せを構成する図柄の種類は必要がないため、説明及び図示を省略する。同図に示すように、図柄組合せテーブルは、複数の図柄の組合せを予め規定している。
「図柄組合せA(名称「通常リプ」)」は、有効ラインに沿って表示されると、再遊技(リプレイ)の作動が行われる図柄の組合せである。また、「図柄組合せB(名称「RT1移行リプ」)」は、有効ラインに沿って表示されると、再遊技(リプレイ)の作動が行われるとともに、RT7状態において表示されると、RT状態がRT1状態に移行する。また、「図柄組合せC(名称「RT2移行リプ」)」は、有効ラインに沿って表示されると、再遊技(リプレイ)の作動が行われるとともに、RT7状態において表示されると、RT状態がRT2状態に移行する。また、「図柄組合せD(名称「RT3移行リプ」)」は、有効ラインに沿って表示されると、再遊技(リプレイ)の作動が行われるとともに、RT7状態において表示されると、RT状態がRT3状態に移行する。また、「図柄組合せE(名称「RT4移行リプ」)」は、有効ラインに沿って表示されると、再遊技(リプレイ)の作動が行われるとともに、RT7状態において表示されると、RT状態がRT4状態に移行する。また、「図柄組合せF(名称「RT5移行リプ」)」は、有効ラインに沿って表示されると、再遊技(リプレイ)の作動が行われるとともに、RT7状態において表示されると、RT状態がRT5状態に移行する。また、「図柄組合せG(名称「RT6移行リプ」)」は、有効ラインに沿って表示されると、再遊技(リプレイ)の作動が行われるとともに、RT7状態において表示されると、RT状態がRT6状態に移行する。
また、「図柄組合せH」「図柄組合せI」「図柄組合せJ」は名称「ベル」の図柄の組合せであり、有効ラインに沿って表示されると12枚のメダルが払い出される。「図柄組合せK」「図柄組合せL」「図柄組合せM」「図柄組合せN」「図柄組合せO」「図柄組合せP」は名称「ベルこぼし目」の図柄の組合せであり、有効ラインに沿って表示されると1枚のメダルが払い出されるとともに、非RT状態において表示されると、RT状態がRT7状態に移行する。
(内部当籤役と実際に停止表示される図柄の組合せとの対応関係)
次に、図291(E)は、別制御例のパチスロ機1における内部当籤役と停止操作順序(打順)と実際に停止表示される図柄の組合せとの対応関係を示す表である。なお、同図では、一部の役に関する対応関係を示し、その他の役に関する対応関係については省略している。
同図に示すように、役「F_6択リプレイ」は、押し順に応じて表示される図柄の組合せが異なり、「左中右(123)」の押し順で停止操作が行われた場合に「RT1移行リプ」に係る図柄の組合せが表示され、「左右中(132)」の押し順で停止操作が行われた場合に「RT2移行リプ」に係る図柄の組合せが表示され、「中左右(213)」の押し順で停止操作が行われた場合に「RT3移行リプ」に係る図柄の組合せが表示され、「中右左(231)」の押し順で停止操作が行われた場合に「RT4移行リプ」に係る図柄の組合せが表示され、「右左中(312)」の押し順で停止操作が行われた場合に「RT5移行リプ」に係る図柄の組合せが表示され、「右中左(321)」の押し順で停止操作が行われた場合に「RT6移行リプ」に係る図柄の組合せが表示される。
ここで、通常、押し順役には正解の押し順があり、複数の押し順役の間で正解の押し順を異ならせることとしているが、役「F_6択リプレイ」は1つのみとし、押し順と停止表示される図柄の組合せとを1対1に対応付ける。これは、役「F_6択リプレイ」は、疑似的な設定値を設定するために用いられるものであり、基本的には、遊技店の店員に向けて設けられているためである。すなわち、遊技店の店員は、役「F_6択リプレイ」の当籤時に、設定したい疑似的な設定値に応じた押し順で停止操作を行うことで、店員自身が望む疑似的な設定値を設定することができる。
なお、役「F_6択リプレイ」の当籤時に表示されるRT移行図柄(RT移行リプ)の種類は、押し順ではなく、任意の停止操作の態様により異ならせることとしてもよい。任意の停止操作の態様としては、押し順の他に停止操作のタイミングを用いることができる。例えば、左のリール3Lに対する停止操作が第1のタイミング(図柄位置「0」〜「9」)で行われた場合と、第2のタイミング(図柄位置「10」〜「19」)で行われた場合とで、表示されるRT移行図柄(RT移行リプ)を異ならせることとしてもよい。
また、本制御例では、押し順に応じて6段階の疑似的な設定値を設定可能としているが、疑似的な設定値の段階数は6段階に限るものではない。例えば、6段階よりも少なくしてもよく、また、6段階よりも多くしてもよい。6段階よりも少なくするには、例えば、6通りの押し順において1つ(又は複数)の押し順に対してRT移行図柄を対応付ける(又は他の押し順と同じRT移行図柄を対応付ける)ことで実現することができる。なお、この場合において、疑似的な設定値との観点からは、少なくとも2つ以上の押し順に対して異なるRT移行図柄を対応付けることが好ましい。また、6段階よりも多くするには、停止操作の態様の択数を増やして、それぞれに対して異なるRT移行図柄を対応付ければよい。なお、停止操作の態様の択数を増やす方法としては、押し順と停止操作タイミング(目押し)とを組み合わせることで実現することができる。
[主制御基板及び副制御基板が有する各種機能]
以上のようなパチスロ機1に特有の制御を実現するために、パチスロ機1の主制御基板(主制御回路91,メインCPU93)及び副制御基板(副制御回路101,サブCPU102)は、次のような機能を有する。
パチスロ機1は、複数の図柄が表面に描かれた複数のリールに対応して設けられ遊技者が停止可能な複数のストップボタンを有し、主制御基板71は、スタートスイッチ6Sやストップスイッチ7Sと接続され、図1に示す遊技の進行を制御するため、主制御基板71は、遊技制御手段として機能する。
また、パチスロ機1では、内部当籤役として決定された場合に停止表示可能な図柄の組合せとして、RT1移行リプ、RT2移行リプ、RT3移行リプ、RT4移行リプ、RT5移行リプ、RT6移行リプといった複数の図柄の組合せが対応付けられ、また、内部当籤役として決定された場合に、押し順や停止操作のタイミングといった停止操作の態様に応じてこれら複数の図柄の組合せの何れかを停止表示可能な役「F_6択リプレイ」を有する。そして、この役「F_6択リプレイ」に対応付けられた複数の図柄の組合せのうちの少なくとも2つ以上の図柄の組合せは、それぞれの図柄の組合せがRT7状態において停止表示された場合に、それぞれ異なるRT状態に移行し得るRT移行図柄である。
また、パチスロ機1では、複数の役のうちの「リプレイ役」が内部当籤役として決定される当籤確率を変動可能なRT状態として、設定用のRT7状態と、疑似的な設定値として機能するRT1状態〜RT6状態とを有し、主制御基板71は、RT7状態においてRT移行図柄であるRT1移行リプ〜RT7移行リプが停止表示された場合に、RT7状態から停止表示されたRT1移行リプ〜RT7移行リプに対応するRT1状態〜RT7状態にRT状態を移行可能であるため、主制御基板71は、RT制御手段として機能する。
このとき、疑似的な設定値として機能するRT1状態〜RT6状態では、単位遊技当たりのメダルの収支の期待値が異なる。具体的には、主制御基板71は、遊技者にとって有利な停止操作の態様を遊技者に対して報知可能な報知状態(AT)に関する特典を付与可能であるが、この特典の付与をRT1状態〜RT6状態に応じた確率で行う。そのため、主制御基板71は、特典付与手段として機能する。
[フラグ間を用いた疑似的な設定値]
続いて、図292を参照して、フラグ間を用いた疑似的な設定値の実現方法について説明する。すなわち、以下の制御例では、RT状態ではなくフラグ間を疑似的な設定値として用いる。なお、本制御においても、リールやストップボタンの数は任意である。以下においては、リールやストップボタンが3つであるものとして説明する。
(ボーナス状態の遷移フロー)
図292(A)は、別例におけるボーナス状態の遷移フローである。図292(A)に示すように、パチスロ機1では、ボーナス役の当籤の有無及びボーナスの作動の有無に応じて、非ボーナス状態とフラグ間とボーナス状態とを有する。非ボーナス状態は、ボーナス役が内部当籤役として決定されておらず、かつ、ボーナスの作動が行われていない状態であり、フラグ間は、ボーナス役が内部当籤役として決定されており、かつ、ボーナスの作動が行われていない状態であり、ボーナス状態は、ボーナスの作動が行われている状態である。
なお、本制御例においては、ボーナス役として複数のボーナス役を有し、フラグ間には、これら複数のボーナス役のうち内部当籤役として持ち越しているボーナス役に応じた種別のフラグ間が含まれる。同図に示す例では、ボーナス役として、BB1、BB2、BB3、BB4、BB5、BB6の6種類のボーナス役を有し、BB1を内部当籤役として持ち越している状態をBB1フラグ間、BB2を内部当籤役として持ち越している状態をBB2フラグ間、BB3を内部当籤役として持ち越している状態をBB3フラグ間、BB4を内部当籤役として持ち越している状態をBB4フラグ間、BB5を内部当籤役として持ち越している状態をBB5フラグ間、BB6を内部当籤役として持ち越している状態をBB6フラグ間とする。なお、ボーナス役の数は任意である。本制御例では、フラグ間を疑似的な設定値として用いるため、ボーナス役の数(すなわち、フラグ間の数)に応じて、疑似的な設定値の段階数を調整することができる。
主制御回路91は、非ボーナス状態においてBB1が内部当籤役として決定されると、遊技状態をBB1フラグ間に移行する。主制御回路91は、このBB1フラグ間では、BB1に対応する図柄の組合せが表示されるまでBB1を内部当籤役として持ち越すとともに、BB1に対応する図柄の組合せが表示された場合には、BB1フラグ間からボーナス状態(BB1)に遊技状態を移行する。そして、主制御回路91は、ボーナス状態(BB1)において当該ボーナス状態の終了条件を満たした場合に、ボーナス状態(BB1)から非ボーナス状態に遊技状態を移行する。
BB2〜BB6についても同様であり、主制御回路91は、非ボーナス状態においてBB2が内部当籤役として決定されると、遊技状態をBB2フラグ間に移行し、非ボーナス状態においてBB3が内部当籤役として決定されると、遊技状態をBB3フラグ間に移行し、非ボーナス状態においてBB4が内部当籤役として決定されると、遊技状態をBB4フラグ間に移行し、非ボーナス状態においてBB5が内部当籤役として決定されると、遊技状態をBB5フラグ間に移行し、非ボーナス状態においてBB6が内部当籤役として決定されると、遊技状態をBB6フラグ間に移行する。
また、主制御回路91は、BB2フラグ間では、BB2に対応する図柄の組合せが表示されるまでBB2を内部当籤役として持ち越し、BB3フラグ間では、BB3に対応する図柄の組合せが表示されるまでBB3を内部当籤役として持ち越し、BB4フラグ間では、BB4に対応する図柄の組合せが表示されるまでBB4を内部当籤役として持ち越し、BB5フラグ間では、BB5に対応する図柄の組合せが表示されるまでBB5を内部当籤役として持ち越し、BB6フラグ間では、BB6に対応する図柄の組合せが表示されるまでBB6を内部当籤役として持ち越す。
また、主制御回路91は、BB2フラグ間においてBB2に対応する図柄の組合せが表示された場合には、BB2フラグ間からボーナス状態(BB2)に遊技状態を移行し、BB3フラグ間においてBB3に対応する図柄の組合せが表示された場合には、BB3フラグ間からボーナス状態(BB3)に遊技状態を移行し、BB4フラグ間においてBB4に対応する図柄の組合せが表示された場合には、BB4フラグ間からボーナス状態(BB4)に遊技状態を移行し、BB5フラグ間においてBB5に対応する図柄の組合せが表示された場合には、BB5フラグ間からボーナス状態(BB5)に遊技状態を移行し、BB6フラグ間においてBB6に対応する図柄の組合せが表示された場合には、BB6フラグ間からボーナス状態(BB6)に遊技状態を移行する。
また、主制御回路91は、ボーナス状態(BB2)において当該ボーナス状態の終了条件を満たした場合に、ボーナス状態(BB2)から非ボーナス状態に遊技状態を移行し、ボーナス状態(BB3)において当該ボーナス状態の終了条件を満たした場合に、ボーナス状態(BB3)から非ボーナス状態に遊技状態を移行し、ボーナス状態(BB4)において当該ボーナス状態の終了条件を満たした場合に、ボーナス状態(BB4)から非ボーナス状態に遊技状態を移行し、ボーナス状態(BB5)において当該ボーナス状態の終了条件を満たした場合に、ボーナス状態(BB5)から非ボーナス状態に遊技状態を移行し、ボーナス状態(BB6)において当該ボーナス状態の終了条件を満たした場合に、ボーナス状態(BB6)から非ボーナス状態に遊技状態を移行する。
そして、同図に示すように、BB1フラグ間、BB2フラグ間、BB3フラグ間、BB4フラグ間、BB5フラグ間、BB6フラグ間においてペイアウト率を異ならせることで、フラグ間を疑似的な設定値として用いることができる。すなわち、単位遊技当たりのメダルの収支の期待値は、内部当籤役として持ち越されているボーナス役の種類に応じて異なる。
なお、フラグ間は、複数の役のうちの「リプレイ役」の当籤確率や、内部当籤役として決定可能な「リプレイ役」の種類を変動可能なRT状態としてもよい。例えば、主制御回路91は、BB1が内部当籤役として決定されると、BB1フラグ間に移行するとともに、RT状態をBB1フラグ間RT状態とし、BB2が内部当籤役として決定されると、BB2フラグ間に移行するとともに、RT状態をBB2フラグ間RT状態とし、BB3が内部当籤役として決定されると、BB3フラグ間に移行するとともに、RT状態をBB3フラグ間RT状態とし、BB4が内部当籤役として決定されると、BB4フラグ間に移行するとともに、RT状態をBB4フラグ間RT状態とし、BB5が内部当籤役として決定されると、BB5フラグ間に移行するとともに、RT状態をBB5フラグ間RT状態とし、BB6が内部当籤役として決定されると、BB6フラグ間に移行するとともに、RT状態をBB6フラグ間RT状態とすることとしてもよい。
(ペイアウト率の制御例1)
続いて、図292(B)を参照して、フラグ間によるペイアウト率の制御方法について説明する。図292(B)は、報知に関する状態の遷移フローである。図292(B)に示すように、パチスロ機1では、通常区間と有利区間とを有し、有利区間には通常有利と報知状態とが含まれる。有利区間の報知状態は、遊技者にとって有利な停止操作の態様を遊技者に対して報知可能な状態であり、有利区間の通常有利及び通常区間は、当該報知を行う頻度が報知状態よりも低い(又は全く報知しない)状態である。主制御回路91は、通常区間において有利区間への移行条件を満たすと、通常区間から有利区間の通常有利又は有利区間の報知状態に遊技状態を移行する。また、主制御回路91は、有利区間の通常有利においてAT抽籤に当籤すると、有利区間の通常有利から有利区間の報知状態に遊技状態を移行する。また、主制御回路91は、有利区間の終了条件を満たすと、有利区間から通常区間に遊技状態を移行する。
このような遊技性において、主制御回路91は、有利区間の通常有利において、現在のフラグ間を参照してAT抽籤を行うことで、BB1フラグ間〜BB6フラグ間におけるペイアウト率を異ならせることができ、フラグ間を疑似的な設定値として用いることができる。例えば、同図に示すように、AT抽籤に当籤する確率を、BB1フラグ間が最も低く、BB2フラグ間が次に低く、BB3フラグ間が次に低く、BB4フラグ間が次に低く、BB5フラグ間が次に低く、BB6フラグ間が最も高くなるように設定することで、BB1フラグ間を疑似的な設定値1、BB2フラグ間を疑似的な設定値2、BB3フラグ間を疑似的な設定値3、BB4フラグ間を疑似的な設定値4、BB5フラグ間を疑似的な設定値5、BB6フラグ間を疑似的な設定値6として用いることができる。
なお、フラグ間に応じたAT抽籤は、単純にフラグ間を参照してAT抽籤を行うことで実現することとしてもよく、また、フラグ間に応じて、第6実施形態のゾーンのようなAT抽籤に影響を与える情報を異ならせることで実現することとしてもよく、また、AT抽籤に当籤する確率が高い「リプレイ役」の当籤確率をフラグ間(フラグ間RT状態)において異ならせることで実現することとしてもよい。
(ペイアウト率の制御例2)
続いて図292(C)を参照して、フラグ間によるペイアウト率の別制御方法について説明する。図292(C)は、内部当籤役と実際に表示される図柄の組合せとの対応関係を示す図である。なお、同図においては、押し順を例にとり説明しているが、停止操作の態様に応じて停止表示される図柄の組合せが異なっていればよく、停止操作の態様は押し順に限るものではなく、停止操作のタイミングであってもよく、また、押し順と停止操作のタイミングとを組合せることとしてもよい。
また、同図では、押し順役である役「F_押し順ベル_123」についてのみ示しているが、本制御例では、押し順役として役「F_押し順ベル_123」の他に、役「F_押し順ベル_132」「F_押し順ベル_213」役「F_押し順ベル_231」役「F_押し順ベル_312」役「F_押し順ベル_321」を有しているものとする。これら、役「F_押し順ベル_132」〜役「F_押し順ベル_321」の押し順役における対応関係は、正解となる押し順が異なる点の他は同じである。すなわち、役「F_押し順ベル_123」が6択時の正解の押し順を「左中右(123)」とした場合、役「F_押し順ベル_132」の6択時の正解の押し順は「左右中(132)」、役「F_押し順ベル_213」の6択時の正解の押し順は「中左右(213)」、役「F_押し順ベル_231」の6択時の正解の押し順は「中右左(231)」、役「F_押し順ベル_312」の6択時の正解の押し順は「右左中(312)」、役「F_押し順ベル_321」の6択時の正解の押し順は「右中左(321)」となる。
図292(C)に示すように、例えば、押し順役に対して正解の押し順の択数を調整することで、フラグ間毎にペイアウト率を異ならせることができる。同図においては、役「F_押し順ベル_123」は、BB1フラグ間〜BB3フラグ間においては押し順6択の押し順役であり、正解の押し順(1/6)である場合に、12枚のメダルが払い出される図柄の組合せが表示される。一方で、役「F_押し順ベル_123」は、BB4フラグ間〜BB6フラグ間においては押し順3択の押し順役であり、正解の押し順(1/3)である場合に、12枚のメダルが払い出される図柄の組合せが表示される。このように正解の押し順の択数を調整することで、フラグ間毎にペイアウト率を異ならせることができる。
また、例えば、押し順役に対して不正解の押し順である場合に払い出されるメダルの枚数(言い換えると、不正解の場合に表示される図柄の組合せ)を調整することで、フラグ間毎にペイアウト率を異ならせることができる。同図においては、役「F_押し順ベル_123」は、BB1フラグ間、BB4フラグ間においては、不正解の押し順である場合に、1枚のメダルが払い出される図柄の組合せが表示され、BB2フラグ間、BB5フラグ間においては、不正解の押し順である場合に、2枚のメダルが払い出される図柄の組合せが表示され、BB3フラグ間、BB6フラグ間においては、不正解の押し順である場合に、3枚のメダルが払い出される図柄の組合せが表示される。このように不正解の押し順である場合に払い出されるメダルの枚数を調整することで、フラグ間毎にペイアウト率を異ならせることができる。
なお、同図に示す例の場合、不正解の場合に払い出されるメダルの枚数から、疑似的な設定値(フラグ間の種類)を特定できてしまうため、より好ましくは、不正解の押し順である場合に第1数のメダルが払い出される図柄の組合せが表示される割合と、第1数よりも多い第2数のメダルが払い出される図柄の組合せが表示される割合とを、フラグ間において異ならせることで、不正解の場合に払い出されるメダルの枚数を異ならせることが好ましい。例えば、BB1フラグ間では、不正解の押し順のうちの5つの押し順において1枚のメダルが払い出される図柄の組合せが表示され、不正解の押し順である1つの押し順において3枚のメダルが払い出される図柄の組合せが表示される一方で、BB2フラグ間では、不正解の押し順である4つの押し順において1枚のメダルが払い出される図柄の組合せが表示され、不正解の押し順である2つの押し順において3枚のメダルが払い出される図柄の組合せが表示されるといった制御により実現することができる。また、例えば、BB1フラグ間では、不正解の押し順である場合に、停止操作のタイミングが第1タイミング(例えば、図柄位置「0」〜「4」)である場合に1枚のメダルが払い出される図柄の組合せが表示され、第1タイミング以外のタイミングである場合に3枚のメダルが払い出される図柄の組合せが表示される一方で、BB2フラグ間では、不正解の押し順である場合に、停止操作のタイミングが第2タイミング(例えば、図柄位置「0」〜「10」)である場合に1枚のメダルが払い出される図柄の組合せが表示され、第2タイミング以外のタイミングである場合に3枚のメダルが払い出される図柄の組合せが表示されるといった制御により実現することができる。
フラグ間毎にペイアウト率を異ならせる方法は、押し順役に対して正解の押し順の択数を調整すること、押し順役に対して不正解の押し順である場合に払い出されるメダルの枚数(言い換えると、不正解の場合に表示される図柄の組合せ)を調整することの何れか一方のみを適用することで実現することとしてもよく、両者を組み合わせることで実現することとしてもよい。
このように複数のフラグ間を疑似的な設定値として用いる場合、フラグ間中は、内部当籤役として持ち越しているボーナス役に対応する図柄の組合せが表示されないように、又は、内部当籤役として持ち越しているボーナス役に対応するボーナス状態が開始されないように、制御することが好ましい。なお、以下の説明では、このような制御を「ボーナスを封じ込める」と呼ぶことがある。ボーナスを封じ込めるための制御は任意の方法により行うことができ、例えば、上述したように2BET専用のボーナス役を用いることで、3BET中の遊技において、2BET専用のボーナス役に対応するボーナス状態が開始されないようにしてもよい。また、フラグ間において内部当籤役を決定するための内部抽籤処理において「はずれ」が決定される確率(すなわち、フラグ間において持ち越しているボーナス役のみが内部当籤役として決定される確率)を0にするとともに、小役、リプレイ役、ボーナス役のうちボーナス役の引込優先順位を最も低くすることで、内部当籤役として持ち越しているボーナス役に対応する図柄の組合せが表示されないようにしてもよい。
また、複数のフラグ間を疑似的な設定値として用いる場合、疑似的な設定値をリセットするには、フラグ間を解除する必要がある。そこで、パチスロ機1において主制御回路91は、所定の操作を受け付けた場合に、内部当籤役として持ち越しているボーナス役をクリアし、当該ボーナス役を持ち越していない非フラグ間(非ボーナス状態)に制御することとしてもよい。なお、この所定の操作は、第6実施形態のように設定用鍵型スイッチ430(及び設定ボタン)に応じて受け付けることとしてもよく、また、RAMクリアボタンを設けて、このRAMクリアボタンにより受け付けることとしてもよい。
なお、主制御回路91は、ボーナス役を持ち越していない非フラグ間(非ボーナス状態)において、複数のボーナス役のそれぞれを同一又は略同一の確率で内部当籤役として決定することとしてもよい。また、反対に、主制御回路91は、ボーナス役を持ち越していない非フラグ間(非ボーナス状態)において、複数のボーナス役のそれぞれを異なる確率で内部当籤役として決定することとしてもよい。このとき、例えば、フラグ間中のペイアウト率が低いボーナス役(例えば、BB1)ほど高い確率で内部当籤役として決定することとしてもよく、また、フラグ間中のペイアウト率が高いボーナス役(例えば、BB6)ほど低い確率で内部当籤役として決定することとしてもよい。また、フラグ間中のペイアウト率が所定値以上であるボーナス役については、フラグ間中のペイアウト率が所定値未満であるボーナス役よりも低い確率で内部当籤役として決定することとしてもよい。同様に、フラグ間中のペイアウト率が所定範囲内である1又は複数のボーナス役については、フラグ間中のペイアウト率が所定範囲内ではない1又は複数のボーナス役よりも高い確率で内部当籤役として決定することとしてもよい。なお、この場合における所定範囲内とは、100%前後のペイアウト率であることが好ましく、一例としては、99%〜101%を所定範囲としてもよい。このようにすることで、遊技店側が設定したい疑似的な設定値に応じたボーナス役が内部当籤役として決定されるまで遊技店の店員が遊技を行わない場合であっても、遊技店の営業に支障がない疑似的な設定値が設定されることになる。
また、本制御例においては、遊技者にとっての有利度合いを規定する実際の設定値(すなわち、複数の役が内部当籤役として決定される当籤確率を定める実際の設定値)を、1段階としてもよく、また、複数段階としてもよい。
[主制御基板及び副制御基板が有する各種機能]
以上のようなパチスロ機1に特有の制御を実現するために、パチスロ機1の主制御基板(主制御回路91,メインCPU93)及び副制御基板(副制御回路101,サブCPU102)は、次のような機能を有する。
パチスロ機1は、複数の図柄が表面に描かれた複数のリールに対応して設けられ遊技者が停止可能な複数のストップボタンを有し、主制御基板71は、スタートスイッチ6Sやストップスイッチ7Sと接続され、図1に示す遊技の進行を制御するため、主制御基板71は、遊技制御手段として機能する。
また、主制御基板71は、ボーナス役に対応する図柄の組合せが表示された場合に、ボーナス状態を開始可能であり、当該ボーナス状態において終了条件を満たした場合に、当該ボーナス状態を終了可能であるとともに、ボーナス役が内部当籤役として決定された単位遊技において、当該ボーナス役に対応する図柄の組合せが表示されない場合に、当該図柄の組合せが表示されるまで、ボーナス役を内部当籤役として持ち越し可能であるため、主制御基板71は、ボーナス制御手段及び持越手段として機能する。また、パチスロ機1では、単位遊技当たりのメダルの収支の期待値は、内部当籤役として持ち越しているボーナス役の種類に応じて異なる。
また、主制御基板71は、ボーナス役を内部当籤役として持ち越しているフラグ間では、持ち越しているボーナス役に応じたボーナス状態の開始を不可能に制御するため、主制御基板71は、ボーナス封込手段として機能する。また、主制御基板71は、所定の操作を受け付けた場合に、内部当籤役として持ち越しているボーナス役をクリアし、当該ボーナス役を持ち越していない非フラグ間(非ボーナス状態)に制御可能であるため、主制御基板71は、初期化手段として機能する。
[RT状態を用いた疑似的な設定値の遊技例]
続いて、図293〜図295を参照して、RT状態を疑似的な設定値として用いる場合の遊技性の一例について説明する。なお、本制御においても、リールやストップボタンの数は任意である。以下においては、リールやストップボタンが3つであるものとして説明する。また、以下においては、遊技者にとっての有利度合いを規定する実際の設定値(すなわち、複数の役が内部当籤役として決定される当籤確率を定める実際の設定値)として、複数段階の設定値を有する。主制御回路91は、設定用鍵型スイッチ430や設定用ボタンを介して受け付けた設定変更操作に伴い、複数の設定値の中から何れかの設定値を設定する。
(RT状態の遷移フロー)
図293(A)は、本制御例におけるRT状態の遷移フローである。図293(A)に示すように、パチスロ機1では、複数の役のうちの「リプレイ役」の当籤確率や、内部当籤役として決定可能な「リプレイ役」の種類を変動可能なRT状態として複数のRT状態を有する。本制御例では、これら複数のRT状態に移行の順序が定められており、前の段階のRT状態から次の段階のRT状態に移行するように設けられている。すなわち、本制御例では、前の段階のRT状態から次の段階のRT状態に移行する複数段階のRT状態を有する。
このようなRT状態として、同図に示す例では、前の段階から順にRT1状態、RT2状態、RT3状態、RT4状態及びRT5状態を有する。なお、RT状態の数(段階数)は任意である。主制御回路91は、RT状態の移行条件を満たすと、RT状態を他のRT状態に移行する。具体的には、主制御回路91は、RT1状態においてRT2移行図柄が表示されると、RT1状態からRT1状態の次の段階のRT状態であるRT2状態にRT状態を移行する。また、主制御回路91は、RT2状態においてRT3移行図柄が表示されると、RT2状態からRT2状態の次の段階のRT状態であるRT3状態にRT状態を移行する。また、主制御回路91は、RT3状態においてRT4移行図柄が表示されると、RT3状態からRT3状態の次の段階のRT状態であるRT4状態にRT状態を移行する。また、主制御回路91は、RT4状態においてRT5移行図柄が表示されると、RT4状態からRT4状態の次の段階のRT状態であるRT5状態にRT状態を移行する。
また、主制御回路91は、RT2状態〜RT4状態において、RT1移行図柄が表示されると、RT2状態〜RT4状態から一番前の段階のRT状態であるRT1状態にRT状態を移行する。なお、RT1移行図柄は後述するRT1移行リプであり、RT2移行図柄は後述するRT2移行リプであり、RT3移行図柄は後述するRT3移行リプであり、RT4移行図柄は後述するRT4移行リプであり、RT5移行図柄は後述するRT5移行リプである。
このように本制御例では、一番前の段階のRT状態であるRT1状態から一番後ろの段階のRT5状態まで順にRT状態が移行する。なお、RT状態は、1段階ずつ順に移行するものに限らず、2以上の複数段階を一度に移行するものであってもよい。例えば、RT1状態において、RT2移行図柄だけでなくRT3移行図柄も表示可能にすることで、RT1状態からRT3状態にRT状態を移行可能としてもよい。この点、本制御例では、RT1状態〜RT3状態においても、RT5移行図柄を表示可能としており、主制御回路91は、RT1状態〜RT3状態においてRT5移行図柄が表示されると、RT1状態〜RT3状態からRT5状態にRT状態を移行する。
また、RT5状態は、継続期間がゲーム数により管理されるRT状態であり、RT移行図柄を契機とするRT状態の移行は行われない。RT5状態の継続期間は任意であり、例えば、有利区間のゲーム数リミッタ(1500回)よりも多い遊技回数としてもよく、また、1日当たりの平均ゲーム数(例えば、8000回)よりも多い遊技回数としてもよく、また、パチスロ機において内部当籤役として決定される確率が最も低い役の当籤確率の逆数よりも多い遊技回数としてもよく、また、AT一回当たりの平均ゲーム数よりも多い遊技回数としてもよい。また、パチスロ機において頻繁に用いられる2バイトの値で管理される「65535回」としてもよい。RT5状態において、継続期間に応じた回数の遊技が行われると、主制御回路91は、RT5状態からRT1状態にRT状態を移行する。
(報知に関する状態の遷移フロー)
続いて、図293(B)は、報知に関する状態の遷移フローである。図293(B)に示すように、パチスロ機1では、通常区間と有利区間とを有し、有利区間には通常有利と報知状態とが含まれる。有利区間の報知状態は、遊技者にとって有利な停止操作の態様を遊技者に対して報知可能な状態であり、有利区間の通常有利及び通常区間は、当該報知を行う頻度が報知状態よりも低い(又は全く報知しない)状態である。主制御回路91は、通常区間において有利区間への移行条件を満たすと、通常区間から有利区間の通常有利又は有利区間の報知状態に遊技状態を移行する。また、主制御回路91は、有利区間の通常有利においてAT抽籤に当籤すると、有利区間の通常有利から有利区間の報知状態に遊技状態を移行する。また、主制御回路91は、有利区間の終了条件を満たすと、有利区間から通常区間に遊技状態を移行する。
このような遊技性において、主制御回路91は、有利区間の通常有利において、RT1状態〜RT4状態では、現在の設定値に応じてAT抽籤を行い、RT5状態では、現在の設定値とは異なるAT抽籤、具体的には、設定「6」に応じたAT抽籤を行う。なお、本制御例は、特定段階目のRT状態までRT状態を移行(昇格)できた場合に、特典付与の期待度を、現在の設定値とは異なる設定値に変更するものであり、現在の設定値とは異なる設定値は、設定「6」に限るものではない。また、本制御例は、特定段階目のRT状態までRT状態を移行(昇格)できた場合に、特典付与の期待度が変わればよく、特定段階目のRT状態と、特定段階目よりも前の段階のRT状態とで、特典付与の期待度が変わるものであってもよい。すなわち、主制御回路91は、特定段階目よりも前の段階のRT状態では特典の付与に関する期待度が第1期待度となるように特典の付与を制御し、特定段階目のRT状態では、第1期待度とは異なる第2期待度となるように特典の付与を制御することとしてもよい。なお、特典の付与に関する期待度とは、特典を付与する確率と、付与する場合の特典の大きさとを含むものである。すなわち、特定段階目のRT状態までRT状態を移行(昇格)できた場合に、特典を付与する確率が上がる(又は下がる)こととしてもよく、また、付与する特典の大きさを大きくする(又は小さくする)こととしてもよく、また、両者を組み合わせて、特典を付与する確率は上がる(又は下がる)ものの、付与する特典の大きさは小さくなる(又は大きくなる)こととしてもよい。なお、本制御例は、特定段階目のRT状態までRT状態を移行(昇格)できた場合に、特典付与の期待度が変わるものであればよく、遊技者にとって有利になるか不利になるかは特に問わないが、特定段階目のRT状態までRT状態を移行(昇格)できた場合に、特典付与の期待度が遊技者にとって有利になるように変わるものとしてもよい。
また、付与する特典もATに関する特典に限らず、任意の特典であってよい。また、特典付与の期待度が変わるRT状態は、1つに限るものではなく、複数あってもよい。例えば、特定段階目のRT状態までRT状態を移行(昇格)できた場合には現在の設定値とは異なる第1の設定値に応じた確率で特典を付与し、特定段階目とは異なる所定段階目のRT状態までRT状態を移行(昇格)できた場合には現在の設定値とは異なり、かつ、第1の設定値とも異なる第2の設定値に応じた確率で特典を付与することとしてもよい。
なお、複数段階のRT状態と、通常区間、通常有利及び報知状態とは、それぞれ別に制御される。すなわち、主制御回路91は、複数段階のRT状態のそれぞれにおいて、通常区間、通常有利及び報知状態を制御することができる。言い換えると、主制御回路91は、ATに関する特典の付与の有無に応じて、複数段階のRT状態の何れにおいても報知状態と非報知状態(通常有利又は通常区間)とを制御可能であり、例えば、RT1状態においてATに関する特典が付与されている場合には、RT1状態において報知状態に制御可能であり、また、RT5状態においてATに関する特典が付与されている場合には、RT5状態において報知状態に制御可能である。また、RT1状態においてATに関する特典が付与されていない場合には、RT1状態において非報知状態(通常有利又は通常区間)に制御可能であり、RT5状態においてATに関する特典が付与されていない場合には、RT5状態において非報知状態(通常有利又は通常区間)に制御可能である。
また、本制御例では、報知状態において内部当籤役として決定された場合に、遊技者にとって有利な停止操作の態様が報知される報知対象の役も、複数段階のRT状態の全てにおいて同一となっている。より具体的には、本制御例では、報知対象の役は、押し順ベルである。ここで、押し順ベルとは、停止操作の態様(押し順)に応じて表示される図柄の組合せが異なる役である小役であり、停止操作の態様が正解である場合には、不正解である場合よりも多くのメダルが払い出され、かつ、停止操作の態様が正解である場合であってもRT状態の移行には関係のない役である。他方、本制御例では、停止操作の態様が特定の態様(正解)である場合にRT状態を先の段階のRT状態に移行(昇格)する役については、報知対象の役とはしない。なお、停止操作の態様が所定の態様(不正解)である場合にRT状態を前の段階のRT状態に移行(転落)してしまう役については、報知対象の役としてもよい。この点、本制御例では、停止操作の態様が特定の態様(正解)である場合にRT状態を先の段階のRT状態に移行(昇格)する役と、停止操作の態様が所定の態様(不正解)である場合にRT状態を前の段階のRT状態に移行(転落)してしまう役とが同一の役(役「F_RT1中リプ123」〜役「F_RT4中リプ321」)となっているため、これらの役は、報知対象の役となっていない。そして、主制御回路91は、報知状態において報知対象の役が内部当籤役として決定されると、遊技者にとって有利な停止操作の態様を遊技者に対して報知する。
(通常有利中AT抽籤テーブル)
図293(C)は、通常有利中のAT抽籤に用いる通常有利中AT抽籤テーブルの概念図である。同図に示すように、RT1状態〜RT4状態では、現在の設定値に応じた抽籤値の情報が規定されているが、RT5状態では、現在の設定値とは異なる他の設定値(設定「6」)に応じた抽籤値の情報が規定されている。なお、同図では、AT抽籤に用いる抽籤値をRT状態に応じて異ならせることで、RT5状態において設定「6」に応じたAT抽籤を可能にしているが、これに限られるものではない。すなわち、RT状態に応じて第6実施形態のゾーンのようなAT抽籤に影響を与える情報を異ならせることで、RT5状態におけるAT抽籤を他の設定値に応じたものとしてもよく、また、「リプレイ役」としてAT抽籤に当籤する確率が高いリプレイ役(チャンスリプレイ)を有し、RT1状態〜RT4状態ではチャンスリプレイの当籤確率が他の設定値(設定「6」)と異なる一方で、RT5状態におけるチャンスリプレイの当籤確率を他の設定値(設定「6」)と同じ確率とすることで、RT5状態におけるAT抽籤を他の設定値に応じたものとしてもよい。
(内部抽籤テーブル)
続いて、図294(D)は、内部当籤役を決定するために参照される内部抽籤テーブルである。内部抽籤テーブルは、遊技状態毎に設けられ、複数の役のそれぞれに対して、当該役が内部当籤役として決定されるときの抽籤値を規定する。なお、RT1状態では「RT1」欄が参照され、RT2状態では「RT2」欄が参照され、RT3状態では「RT3」欄が参照され、RT4状態では「RT4」欄が参照され、RT5状態では「RT5」欄が参照される。同図では、夫々のRT状態毎に一部の役に関する抽籤値を示し、その他の役に関する抽籤値については省略している。
(内部当籤役と実際に停止表示される図柄の組合せとの対応関係)
次に、図295(E)は、本制御例のパチスロ機1における内部当籤役と停止操作順序(打順)と実際に停止表示される図柄の組合せとの対応関係を示す表である。なお、同図では、一部の役に関する対応関係を示し、その他の役に関する対応関係については省略している。
同図に示すように、役「F_RT1中リプ_123」〜「F_RT1中リプ_321」は、押し順に応じて表示される図柄の組合せが異なり、正解の押し順で停止操作が行われた場合には「RT2移行リプ」に係る図柄の組合せ(RT2移行図柄)が表示され、不正解の押し順で停止操作が行われた場合には「通常リプ」に係る図柄の組合せが表示される。また、役「F_RT2中リプ_123」〜「F_RT2中リプ_321」は、押し順に応じて表示される図柄の組合せが異なり、正解の押し順で停止操作が行われた場合には「RT3移行リプ」に係る図柄の組合せ(RT3移行図柄)が表示され、不正解の押し順で停止操作が行われた場合には「RT1移行リプ」に係る図柄の組合せ(RT1移行図柄)が表示される。また、役「F_RT3中リプ_123」〜「F_RT3中リプ_321」は、押し順に応じて表示される図柄の組合せが異なり、正解の押し順で停止操作が行われた場合には「RT4移行リプ」に係る図柄の組合せ(RT4移行図柄)が表示され、不正解の押し順で停止操作が行われた場合には「RT1移行リプ」に係る図柄の組合せ(RT1移行図柄)が表示される。また、役「F_RT4中リプ_123」〜「F_RT4中リプ_321」は、押し順に応じて表示される図柄の組合せが異なり、正解の押し順で停止操作が行われた場合には「RT5移行リプ」に係る図柄の組合せ(RT5移行図柄)が表示され、不正解の押し順で停止操作が行われた場合には「RT1移行リプ」に係る図柄の組合せ(RT1移行図柄)が表示される。また、役「F_特殊リプ」は、押し順に関係なく「RT5移行リプ」に係る図柄の組合せ(RT5移行図柄)が表示される。
このようにすることで、RT1状態〜RT5状態という複数段階のRT状態を有しつつ、RT1状態からRT5状態まで順にRT状態の段階を昇格可能な遊技性を実現することができる。そして、RT5状態までRT状態を昇格できた場合に、現在の設定値とは異なる他の設定値に応じた確率で特典を付与することで、RT5状態を疑似的な設定値として用いることができ、RT5状態を用いて現在の設定値とは関係のない出玉の波を作り出すことができる。
(SBを用いたAT制御)
続いて、SBを用いたAT制御について説明する。なお、SBとはシングルボーナス(普通役物)であり、内部当籤役として決定された遊技において対応する図柄の組合せを表示できない場合(入賞できない場合)にはフラグが消滅し、次遊技以降に持ち越されることがないボーナスである。また、対応する図柄の組合せが表示されてボーナス状態が開始した場合には、1回の遊技で当該ボーナス状態が終了する。すなわち、他のボーナスと比較すると、SB(シングルボーナス)は、内部当籤役として持ち越すフラグ間が存在しない点で他のボーナスと大きく相違する。
初めに、図296(A)は、SBを用いる場合との比較例であり、ボーナスとしてBBを用いる場合の制御例である。BBのように次遊技以降にフラグを持ち越し可能なボーナスでは、非ボーナス状態においてBBが内部当籤役として決定されると、ボーナス状態(BB)が開始されるまでの遊技状態が、BBを内部当籤役として持ち越すフラグ間となる。このフラグ間では、RT移行図柄が表示されたことを条件にRT状態を移行することができない。そのため、BBフラグ間を維持したまま、BBフラグ間において報知状態と非報知状態とを切り換えてAT機能を実現した場合、RT状態を移行させることを遊技性に含めることが困難になる。
続いて、図296(B)は、ボーナスとしてSBを用いる場合の制御例である。SBのように次遊技以降にフラグを持ち越さないボーナスでは、SBが内部当籤役として決定された遊技においてSBに応じた図柄の組合せが表示されると、主制御回路91は、遊技状態をボーナス状態(SB)に移行する一方で、当該遊技においてSBに応じた図柄の組合せが表示されないと、SBを持ち越すことがないため、主制御回路91は、遊技状態を非ボーナス状態に移行する。また、ボーナス状態(SB)は1回の遊技で終了するため、主制御回路91は、ボーナス状態(SB)の次遊技に遊技状態を非ボーナス状態に移行する。
このようにSBを持ちた場合には、フラグ間が存在しないため、多くの遊技期間においてRT移行図柄に基づくRT状態の移行が可能となる。そのため、上述のような複数段階のRT状態が特定の段階まで昇格すると、ATに関する特典付与の期待度が異なる遊技性を実現する場合には、ボーナスとしてフラグ間を有さないSBを用いるのも好適である。
(内部抽籤テーブル)
続いて、図296(C)は、内部当籤役を決定するために参照される内部抽籤テーブルである。内部抽籤テーブルは、遊技状態毎に設けられ、複数の役のそれぞれに対して、当該役が内部当籤役として決定されるときの抽籤値を規定する。なお、非ボーナス状態では「非ボーナス」欄が参照され、ボーナス状態(SB)では「SB中」欄が参照される。
同図では、夫々のRT状態毎に一部の役に関する抽籤値を示し、その他の役に関する抽籤値については省略している。また、同図の「対応する図柄組合せ」欄には、内部当籤役として決定された場合に入賞が許可される図柄の組合せが規定されている。このように夫々の役に対して入賞が許可される図柄の組合せ(表示役)を規定することで、夫々の役と実際に表示される図柄の組合せとの間に後述の図296(E)に示す対応関係を持たせることができる。なお、本制御例では図296(E)に示す対応関係を実現可能であればよく、図296(C)の「対応する図柄組合せ」欄の規定は一例に過ぎず、その他の方法により図296(E)に示す対応関係を実現可能にしてもよい。
また、本制御例においては、「BEL_01」〜「BEL_09」の図柄の組合せは、役「F_押し順ベル_1st」「F_押し順ベル_2nd」「F_押し順ベル_3rd」「F_SB中ベル」に対してのみ対応付けられており、他の役に対しては対応付けられていない。また、本制御例では、非ボーナス状態とボーナス状態(SB中)とでは、単位遊技当たりのメダルの収支の期待値が非ボーナス状態の方が高くなるように設定されている。
(図柄組合せテーブル)
続いて、図296(D)を参照して、本制御例のパチスロ機1における入賞等に係る図柄の組合せを規定する図柄組合せテーブルについて説明する。なお、本制御例のパチスロ機1の遊技性の説明において、図柄の組合せを構成する図柄の種類は必要がないため、説明及び図示を省略する。同図に示すように、図柄組合せテーブルは、複数の図柄の組合せを予め規定している。
「図柄組合せA」「図柄組合せB」「図柄組合せC」は名称「ベル」の図柄の組合せであり、有効ラインに沿って表示されると12枚のメダルが払い出される。「図柄組合せD」「図柄組合せE」「図柄組合せF」「図柄組合せG」「図柄組合せH」「図柄組合せI」は名称「ベルこぼし目」の図柄の組合せであり、有効ラインに沿って表示されると1枚のメダルが払い出される。
(内部当籤役と実際に停止表示される図柄の組合せとの対応関係)
次に、図296(E)は、別制御例のパチスロ機1における内部当籤役と停止操作順序(打順)と実際に停止表示される図柄の組合せとの対応関係を示す表である。なお、同図では、一部の役に関する対応関係を示し、その他の役に関する対応関係については省略している。
同図に示すように、役「F_押し順ベル_1st」「F_押し順ベル_2nd」「F_押し順ベル_3rd」は、押し順に応じて表示される図柄の組合せが異なり、正解の押し順で停止操作が行われた場合に「ベル」に係る図柄の組合せが表示され、不正解の押し順で停止操作が行われた場合に「ベルこぼし目」に係る図柄の組合せが表示される。また、役「F_SB中ベル」は、押し順に関係なく「ベル」に係る図柄の組合せが表示される。
[主制御基板及び副制御基板が有する各種機能]
以上のようなパチスロ機1に特有の制御を実現するために、パチスロ機1の主制御基板(主制御回路91,メインCPU93)及び副制御基板(副制御回路101,サブCPU102)は、次のような機能を有する。
パチスロ機1は、複数の図柄が表面に描かれた複数のリールに対応して設けられ遊技者が停止可能な複数のストップボタンを有し、主制御基板71は、スタートスイッチ6Sやストップスイッチ7Sと接続され、図1に示す遊技の進行を制御するため、主制御基板71は、遊技制御手段として機能する。
また、パチスロ機1では、内部当籤役として決定された場合に、正解の押し順で停止操作が行われると現在のRT状態よりも先のRT状態にRT状態を移行可能なRT移行図柄が表示可能であり、不正解の押し順で停止操作が行われると、このRT移行図柄とは異なる図柄の組合せが表示可能な役「F_RT1中リプ_123」〜「F_RT4中リプ_321」を有する。また、パチスロ機1では、複数の役のうちの「リプレイ役」が内部当籤役として決定される当籤確率を変動可能なRT状態として、RT1状態〜RT5状態を有し、主制御基板71は、RT1状態〜RT4状態においてRT移行図柄であるRT2移行リプ〜RT5移行リプが停止表示された場合に、RT状態を現在のRT状態よりも先の段階のRT状態に移行可能であるため、主制御基板71は、RT制御手段として機能する。
また、パチスロ機1では、遊技者にとっての有利度が異なる設定値として複数の設定値を有し、主制御基板71は、設定用鍵型スイッチ430や設定用ボタンを介して受け付けた設定変更操作に伴い、複数の設定値の中から何れかの設定値を設定するため、主制御基板71は、設定手段として機能する。
また、主制御基板71は、遊技者にとって有利な停止操作の態様を遊技者に対して報知可能な報知状態に関する特典を付与可能であり、特に、RT5状態よりも前の段階のRT状態では、実際の設定値に応じた確率でATに関する特典を付与し、RT5状態では、実際の設定値とは異なる設定値に応じてATに関する特典を付与可能であるため、主制御基板71は、特典付与手段として機能する。
また、パチスロ機1は、遊技者にとって有利な停止操作の態様を遊技者に対して報知可能なATを実行可能な有利区間を有する。そして、主制御基板71は、有利区間において実行された遊技回数がゲーム数リミッタに応じた回数(1500回)に達すると、ATを実行可能な残り期間に関わらず有利区間を終了することで、ATを終了するため、主制御基板71は、リミット制御手段として機能する。
また、主制御基板71は、非ボーナス状態においてSBに対応する図柄の組合せが表示された場合に、ボーナス状態(SB)を開始可能であり、ボーナス状態(SB)において1回の単位遊技が行われた場合に、ボーナス状態(SB)を終了して非ボーナス状態を開始可能であるため、主制御基板71は、状態制御手段として機能する。
また、主制御基板71は、ATに関する特典付与の有無に応じて、報知状態と非報知状態(通常有利、通常区間)とを制御可能であり、ATに関する特典が付与されている場合に報知状態に制御し、ATに関する特典が付与されていない場合に非報知状態に制御可能である。また、主制御基板71は、報知状態において報知対象の役が内部当籤役として決定された場合に、遊技者にとって有利な停止操作の態様を遊技者に対して報知可能である。そのため、主制御基板71は、報知状態制御手段及び報知手段として機能する。なお、主制御基板71は、複数段階のRT状態の何れにおいても報知状態と非報知状態とに制御可能であり、また、報知対象役は、複数段階のRT状態の全てにおいて同一の役である。
[4リールを用いた出目制御]
続いて、図297〜図300を参照して、4つのリールを用いた出目制御について説明する。なお、本制御例において各リールに配置される図柄は、第6実施形態と同じであってもよく、また、異なるものであってもよい。
(リール及びストップボタンの構成)
初めに、図297を参照して、本制御例のパチスロ機1における複数のリールと複数のストップボタンについて説明する。図297(A)は、本制御例のパチスロ機1における複数のリールの概要を示す図である。
同図に示すように、本制御例のパチスロ機1では、左から順に第1リール3−1、第2リール3−2、第3リール3−3、第4リール3−4という4つのリールを有する。これら4つのリールは、水平方向に並んで設けられている。表示窓4は、これら4つのリールに描かれた図柄の一部を遊技者が視認可能に形成されている。具体的には、表示窓4には、第1リール3−1、第2リール3−2、第3リール3−3及び第4リール3−4に対して、それぞれのリールに描かれた3つの図柄(上段、中段、下段)を遊技者が視認可能に透明な窓領域が形成されている。すなわち、表示窓4には、一つの図柄を表示する単位図柄表示領域として、第1リール3−1、第2リール3−2、第3リール3−3及び第4リール3−4に対して、上段の単位図柄表示領域と中段の単位図柄表示領域と下段の単位図柄表示領域とが設けられている。
また、パチスロ機1では、第1リール3−1、第2リール3−2、第3リール3−3及び第4リール3−4における1つの単位図柄表示領域を夫々結ぶことにより形成される有効ラインとして、センターラインを有する。すなわち、パチスロ機1では、第1リール3−1、第2リール3−2、第3リール3−3及び第4リール3−4における中段の単位図柄表示領域を通るセンターラインを有効ラインとして用いる。
ここで、本制御例では、第1リール3−1又は第4リール3−4における上段の単位図柄表示領域と中段の単位図柄表示領域と下段の単位図柄表示領域とのうちの有効ライン(センターライン)が結ぶ中段の単位図柄表示領域を除く上段の単位図柄表示領域と下段の単位図柄表示領域との視認性を低下させることがある。具体的には、パチスロ機1では、有効ラインが結ぶ単位図柄表示領域以外の単位図柄表示領域の視認性を低下させるリールの種別を、遊技状態に応じて変更する。例えば、第1状態(例えば、通常時)では、第4リール3−4の上段の単位図柄表示領域と下段の単位図柄表示領域との視認性を低下させ、第2状態(CZ中やAT中)では、第1リール3−1の上段の単位図柄表示領域と下段の単位図柄表示領域との視認性を低下させる。なお、第1状態及び第2状態とする遊技状態の種類は任意であり、また、視認性を異ならせる遊技状態の数も2つに限らず任意であり、また、遊技状態の制御方法は任意である。すなわち、主制御回路91は、遊技状態の移行条件を満たした場合に、現在の遊技状態から移行条件に応じた他の遊技状態に遊技状態を移行する。
なお、視認性を低下させる方法は任意であり、また、視認性の低下を制御する制御手段は、視認性を低下させる方法に応じて異なる。一例として、制御手段は、表示窓4を制御することで視認性を低下させることとしてもよく、例えば、視認性を低下させる単位図柄表示領域の前面に位置する領域の透明度を下げることとしてもよく、また、視認性を低下させる単位図柄表示領域の前面に位置する領域に所定の映像を表示することとしてもよい。また、制御手段は、リールの背後に設けられたバックランプを制御することで視認性を低下させることとしてもよく、例えば、視認性を低下させる単位図柄表示領域に対応するバックランプを消灯することとしてもよい。また、制御手段は、不図示の扉部材(シャッター)などを制御することで視認性を低下させることとしてもよく、例えば、視認性を低下させる場合には、視認性を低下させる単位図柄表示領域の前面に位置する領域を閉じるように扉部材(シャッター)を制御し、視認性を低下させない場合には、扉部材(シャッター)を開放することとしてもよい。
このように、本制御例のパチスロ機1では、4つのリール3−1〜3−4を用いて遊技を行うが、第1リール3−1と第4リール3−4とについては一部の図柄の視認性が低下し、遊技者からは有効ラインが通る位置の図柄のみが見える(見えやすい)ことになるため、遊技者には従来の3リールのパチスロ機と同様の感覚で遊技を行わせることができる。
すなわち、図298(C)に示すように、第1状態では、遊技者は、第1リール3−1、第2リール3−2及び第3リール3−3の上段・中段・下段の単位図柄表示領域の図柄、及び第4リールの中段の単位図柄表示領域の図柄を視認可能であり、第4リールの上段・中段の単位図柄表示領域の図柄は視認不可能(又は視認困難)になる。遊技者からすると、第1リール3−1、第2リール3−2及び第3リール3−3という3つのリールにおける上段、中段、下段の3つの単位図柄表示領域(3×3)を用いて遊技が行われているという印象を受け、第4リール3−4の中段の単位図柄表示領域は、おまけ程度に設けられたものであり、従来の3×3のパチスロ機と似通った出目感覚を抱くことになる。
また、第2状態では、遊技者は、第2リール3−2、第3リール3−3及び第4リール3−4の上段・中段・下段の単位図柄表示領域の図柄、及び第1リールの中段の単位図柄表示領域の図柄を視認可能であり、第1リールの上段・中段の単位図柄表示領域の図柄は視認不可能(又は視認困難)になる。遊技者からすると、第2リール3−2、第3リール3−3及び第4リール3−4という3つのリールにおける上段、中段、下段の3つの単位図柄表示領域(3×3)を用いて遊技が行われているという印象を受け、第1リール3−1の中段の単位図柄表示領域は、おまけ程度に設けられたものであり、従来の3×3のパチスロ機と似通った出目感覚を抱くことになる。
なお、遊技者に対して従来の3×3のパチスロ機と似通った出目感覚を抱かせるためには、役構成や図柄の組合せなどを適切に設計することが好ましい。すなわち、遊技者からすると、所定役の入賞時には所定役に対応する図柄が直線状に並んで表示される(例えば、ベルの入賞時には「ベル−ベル−ベル」が直線状に並んで表示される)ことが一般的であり、当該図柄が直線状に並ばないにもかかわらず所定役が入賞している状況としてしまうと、違和感を感じてしまう。以下、このような違和感を回避するための工夫の一例について説明する。
工夫例1は、第1状態及び第2状態として、内部当籤役として決定される確率を変動可能な状態を用いる場合(例えば、「第1状態が非ボーナス状態、第2状態がボーナス状態」「第1状態が所定RT状態、第2状態が所定RT状態とは異なる特定RT状態」)についてのものである。役構成として、第1リール3−1、第2リール3−2及び第3リール3−3により実現される3×3の単位図柄表示領域において、有効ラインか否かを問わない直線状のラインに所定の図柄が一直線上に表示される所定役(なお、第4リール3−4における図柄は任意である)と、第2リール3−2、第3リール3−3及び第4リール3−4により実現される3×3の単位図柄表示領域において、有効ラインか否かを問わない直線状のラインに特定の図柄が一直線上に表示される特定役(なお、第1リール3−1における図柄は任意である)と、を設ける。
なお、所定の図柄と特定の図柄とは同一であってもよく、また、異なっていてもよい。また、有効ラインか否かを問わない直線状のラインとは、センターライン、トップライン、ボトムライン、クロスアップライ、クロスダウンラインの何れかであり、第1状態における当該ラインと第2状態における当該ラインとは同一のラインであってもよく、また、異なるラインであってもよい。
このような役構成において、主制御回路91は、第1状態(第1リール3−1、第2リール3−2及び第3リール3−3により3×3を実現)では、特定役よりも所定役を高い確率で内部当籤役として決定し(又は所定役のみを内部当籤役として決定し)、第2状態(第2リール3−2、第3リール3−3及び第4リール3−4により3×3を実現)では、所定役よりも特定役を高い確率で内部当籤役として決定する(又は特定役のみを内部当籤役として決定する)。
より具体的には、第1状態として非ボーナス状態を用い、第2状態としてボーナス状態を用いる場合において、非ボーナス状態においてのみ内部当籤役として決定され得る役「通常中ベル」と、ボーナス状態においてのみ内部当籤役として決定され得る役「ボーナス中ベル」とを有する。役「通常中ベル」は、第1リール3−1、第2リール3−2及び第3リール3−3により実現される3×3の単位図柄表示領域において、有効ラインか否かを問わない直線状のラインに図柄「ベル」が一直線上に表示される役であり(第4リール3−4における図柄は任意)、役「ボーナス中ベル」は、第2リール3−2、第3リール3−3及び第4リール3−4により実現される3×3の単位図柄表示領域において、有効ラインか否かを問わない直線状のラインに図柄「ベル」が一直線上に表示される役である(第1リール3−1における図柄は任意)。このようにすることで、第1状態(非ボーナス状態)においても第2状態(ボーナス状態)においても、対応する図柄が直線状に並んで表示された場合に内部当籤役として決定された役が入賞するという状況を実現することができる。
工夫例2は、ATとして複数のATを有し、第1状態としてAT1を用い、第2状態としてAT2を用いる場合のものである。AT1(第1状態)では、報知対象役が内部当籤役として決定された場合に、第1リール3−1、第2リール3−2及び第3リール3−3により実現される3×3の単位図柄表示領域において、有効ラインか否かを問わない直線状のラインに対応する図柄が一直線上に表示される停止操作の態様を報知して、AT2(第2状態)では、報知対象役が内部当籤役として決定された場合に、第2リール3−2、第3リール3−3及び第4リール3−4により実現される3×3の単位図柄表示領域において、有効ラインか否かを問わない直線状のラインに対応する図柄が一直線上に表示される停止操作の態様を報知する。
なお、報知対象役としては、例えば、押し順役を用いることができ、そして、押し順役を報知対象役として用いる場合には、遊技者に対して報知する停止操作の態様として、押し順を用いることができる。もちろん、報知対象役は押し順役に限るものではなく、報知する内容も押し順に限るものではない。すなわち、狙うべき図柄により停止操作の態様の択数を調整することもでき、このような場合には、報知する停止操作の態様も押し順ではなく停止操作のタイミングになる。
また、工夫例2における報知対象役は、第1状態(AT1)及び第2状態(AT2)において同一の役であってもよく、また、異なる役であってもよい。同一の役である場合には、正解となる停止操作の態様(例えば、押し順)を2種類用意しておき、正解となる停止操作の態様のうちの一方(第1の押し順)では、第1リール3−1、第2リール3−2及び第3リール3−3により実現される3×3の単位図柄表示領域において、有効ラインか否かを問わない直線状のラインに対応する図柄が一直線上に表示され(第4リール3−4における図柄は任意)、正解となる停止操作の態様のうちの他方(第2の押し順)では、第2リール3−2、第3リール3−3及び第4リール3−4により実現される3×3の単位図柄表示領域において、有効ラインか否かを問わない直線状のラインに対応する図柄が一直線上に表示される(第1リール3−1における図柄は任意)。なお、不正解となる停止操作の態様の場合には、第1リール3−1、第2リール3−2及び第3リール3−3により実現される3×3の単位図柄表示領域、及び第2リール3−2、第3リール3−3及び第4リール3−4により実現される3×3の単位図柄表示領域の双方において、有効ラインか否かを問わない直線状のラインに対応する図柄が一直線上に表示されない。そして、主制御回路91は、第1状態(AT1)においては、正解となる停止操作の態様のうちの一方(第1の押し順)を報知し、第2状態(AT2)においては、正解となる停止操作の態様のうちの他方(第2の押し順)を報知する。このようにすることで、第1状態(AT1)においても第2状態(AT2)においても、対応する図柄が直線状に並んで表示された場合に内部当籤役として決定された役が入賞するという状況を実現することができる。
また、第1状態と第2状態とのうちの何れか一方においては、入賞時に対応する図柄を直線状に並んで表示し、他方においては、入賞時に対応する図柄を直線状に表示しない制御も考えられる。例えば、再遊技の作動に係るリプレイ役として、役「通常リプレイ」と役「通常リプレイ」よりも特典付与(例えば、AT当籤、CZ当籤、モード移行など)の期待度が高い役「チャンスリプレイ」とを設ける。そして、役「通常リプレイ」に対応する図柄の組合せとして、任意の平行のライン(トップライン、センターライン、ボトムライン)に図柄「リプレイ」が並んで表示される図柄の組合せを対応付け、役「チャンスリプレイ」に対応する図柄の組合せとして、第2リール3−2〜第4リール3−4における図柄が役「通常リプレイ」に対応する図柄の組合せと同一であり、第1リール3−1における図柄は役「通常リプレイ」に対応する図柄の組合せと異なる図柄の組合せ(又は第1リール3−1〜第3リール3−3における図柄が役「通常リプレイ」に対応する図柄の組合せと同一であり、第4リール3−4における図柄は役「通常リプレイ」に対応する図柄の組合せと異なる図柄の組合せ)を対応付ける。
より具体的には、役「通常リプレイ」には、第1リール3−1〜第4リール3−4の中段の単位図柄表示領域に図柄「リプレイ」が並んで表示される図柄の組合せを対応付け、役「チャンスリプレイ」には、第1リール3−1の上段の単位図柄表示領域に図柄「リプレイ」、第2リール3−2〜第4リール3−4の中段の単位図柄表示領域に図柄「リプレイ」が並んで表示される図柄の組合せを対応付ける。
これにより、第1状態では、役「チャンスリプレイ」が内部当籤役として決定された場合に、図柄「リプレイ」が「上段−中段−中段」に表示され、第2状態では、役「チャンスリプレイ」が内部当籤役として決定された場合に、図柄「リプレイ」が「中段−中段−中段」に表示される。一方で、役「通常リプレイ」については、第1状態及び第2状態の双方において、図柄「リプレイ」が「中段−中段−中段」に表示される。このようにすることで、役「チャンスリプレイ」の見え方(出目)を、遊技状態に応じて異ならせることができ、第2状態では、役「チャンスリプレイ」と役「通常リプレイ」とを区別困難にすることができる。
この場合において、第1状態における役「チャンスリプレイ」に基づく特典付与の抽籤に当籤する確率と、第2状態における役「チャンスリプレイ」に基づく特典付与の抽籤に当籤する確率とは、異ならせることとしてもよく、同一であってもよい。また、当籤確率を異ならせる場合には、第2状態における役「チャンスリプレイ」に基づく特典付与の抽籤に当籤する確率を、役「通常リプレイ」に基づく特典付与の抽籤に当籤する確率と同一にしてもよく、また、異ならせることとしてもよい。また、役「通常リプレイ」に基づく特典付与の抽籤に当籤する確率も同様に、第1状態と第2状態とで同一であってもよく、また、異ならせることとしてもよく、第1状態と第2状態とで異ならせる場合において、第2状態における役「チャンスリプレイ」に基づく特典付与の抽籤に当籤する確率を、役「通常リプレイ」に基づく特典付与の抽籤に当籤する確率と同一にする際には、同一とする確率は、第1状態における役「通常リプレイ」に基づく特典付与の抽籤に当籤する確率であってもよく、また、第2状態における役「通常リプレイ」に基づく特典付与の抽籤に当籤する確率であってもよい。
このように第1状態における役「チャンスリプレイ」に基づく特典付与の抽籤に当籤する確率と、第2状態における役「チャンスリプレイ」に基づく特典付与の抽籤に当籤する確率とを、異ならせることで、遊技状態に応じて出目を変更するだけでなく、役のランクを遊技状態に応じて変更することができる。すなわち、役「チャンスリプレイ」は、第1状態を基準としてみると第2状態になることで役のランクが降格し、第2状態を基準としてみると第1状態になることで役のランクが昇格する。
なお、本制御例では、複数のリールとして4つのリール3−1〜3−4を用いることとしているが、リールの数は任意の数であってよく、また、複数のリールは、水平方向に並んで設けられていてもよく、また、垂直方向に並んで設けられていてもよい。また、本制御例は、複数のリールのうちの一端側の視認性を低下させる遊技状態と、当該一端側とは反対の他端側のリールの視認性を低下させる遊技状態とを制御可能であればよい。
なお、視認性を低下させるリールは、視認性を低下させないリールが3つ連続して並ぶことになるリールであることが好ましい。例えば、複数のリールとして5つのリールを用いる場合には、左端と右端との2つのリールの視認性を低下させることで、中央の3つの連続するリールの視認性は低下せず、また、左側の2つの連続するリールの視認性を低下させることで、右側の3つの連続するリールの視認性は低下せず、また、右側の2つの連続するリールの視認性を低下させることで、左側の3つの連続するリールの視認性は低下しない。これらを遊技状態に応じて異ならせることで、5つのリールの場合であっても本制御を適用することができる。
続いて、図297(B)は、本制御例のパチスロ機1における複数のストップボタンの概要を示す図である。同図に示すように、本制御例のパチスロ機1では、左から順に左のストップボタン7L、中のストップボタン7C、右のストップボタン7Rという3つのストップボタンを有する。これら3つのストップボタンは、水平方向に並んで設けられている。
左のストップボタン7Lは、第1リール3−1及び第2リール3−2に対応して設けられ、第1リール3−1に対する停止操作を検出する第1リール用のストップスイッチ7S及び第2リール3−2に対する停止操作を検出する第2リール用のストップスイッチ7Sが接続されている。左のストップボタン7Lが操作されると、第1リール用のストップスイッチ7S及び第2リール用のストップスイッチ7Sが停止操作を検出可能であり、主制御回路91は、第1リール用のストップスイッチ7Sが停止操作を検出すると、第1リール3−1の回転を停止し、第2リール用のストップスイッチ7Sが停止操作を検出すると、第2リール3−2の回転を停止する。なお、後述するように、左のストップボタン7Lに接続された第1リール用のストップスイッチ7S及び第2リール用のストップスイッチ7Sは、何れか一方が無効に制御されることがある。無効に制御されている場合には、主制御回路91は、無効のストップスイッチ7Sに対応するリールの回転は停せず、有効のストップスイッチ7Sに対応するリールの回転のみを停止する。
中のストップボタン7Cは、第2リール3−2及び第3リール3−3に対応して設けられ、第2リール3−2に対する停止操作を検出する第2リール用のストップスイッチ7S及び第3リール3−3に対する停止操作を検出する第3リール用のストップスイッチ7Sが接続されている。中のストップボタン7Cが操作されると、第2リール用のストップスイッチ7S及び第3リール用のストップスイッチ7Sが停止操作を検出可能であり、主制御回路91は、第2リール用のストップスイッチ7Sが停止操作を検出すると、第2リール3−2の回転を停止し、第3リール用のストップスイッチ7Sが停止操作を検出すると、第3リール3−3の回転を停止する。なお、後述するように、中のストップボタン7Cに接続された第2リール用のストップスイッチ7S及び第3リール用のストップスイッチ7Sは、何れか一方が無効に制御されることがある。無効に制御されている場合には、主制御回路91は、無効のストップスイッチ7Sに対応するリールの回転は停せず、有効のストップスイッチ7Sに対応するリールの回転のみを停止する。
右のストップボタン7Rは、第3リール3−3及び第4リール3−4に対応して設けられ、第3リール3−3に対する停止操作を検出する第3リール用のストップスイッチ7S及び第4リール3−4に対する停止操作を検出する第4リール用のストップスイッチ7Sが接続されている。右のストップボタン7Rが操作されると、第3リール用のストップスイッチ7S及び第4リール用のストップスイッチ7Sが停止操作を検出可能であり、主制御回路91は、第3リール用のストップスイッチ7Sが停止操作を検出すると、第3リール3−3の回転を停止し、第4リール用のストップスイッチ7Sが停止操作を検出すると、第4リール3−4の回転を停止する。なお、後述するように、右のストップボタン7Rに接続された第3リール用のストップスイッチ7S及び第4リール用のストップスイッチ7Sは、何れか一方が無効に制御されることがある。無効に制御されている場合には、主制御回路91は、無効のストップスイッチ7Sに対応するリールの回転は停せず、有効のストップスイッチ7Sに対応するリールの回転のみを停止する。
(リールとストップスイッチとの関係(第1状態))
続いて、図299を参照して、第1状態(例えば、通常時)におけるリールとストップスイッチとの関係について説明する。同図(A)に示すように、第1状態では、第4リール3−4の上段の単位図柄表示領域と下段の単位図柄表示領域との視認性が低下する。その結果、第1状態では、第1リール3−1、第2リール3−2及び第3リール3−3という3つのリールにおける上段、中段、下段の3つの単位図柄表示領域(3×3)を用いて遊技が行われているという印象を遊技者に対して与えることができる。
図299(B)に示すように、この第1状態では、主制御回路91は、左のストップボタン7Lに接続された第1リール用のストップスイッチ7Sを有効にする一方で、第2リール用のストップスイッチ7Sを無効にし、また、中のストップボタン7Cに接続された第2リール用のストップスイッチ7Sを有効にする一方で、第3リール用のストップスイッチ7Sを無効にし、また、右のストップボタン7Rに接続された第3リール用のストップスイッチ7S及び第4リール用のストップスイッチ7Sを有効にする。
その結果、図299(C)に示すように、4つのリール3−1〜3−4の全てが回転している状況で、左のストップボタン7Lが操作されると、主制御回路91は、ストップスイッチ7Sが有効な第1リール3−1の回転を停止する一方で、ストップスイッチ7Sが無効な第2リール3−2の回転は停止しない。同様に、4つのリール3−1〜3−4の全てが回転している状況で、中のストップボタン7Lが操作されると、主制御回路91は、ストップスイッチ7Sが有効な第2リール3−2の回転を停止する一方で、ストップスイッチ7Sが無効な第3リール3−3の回転は停止しない。また、4つのリール3−1〜3−4の全てが回転している状況で、右のストップボタン7Rが操作されると、主制御回路91は、ストップスイッチ7Sが有効な第3リール3−3及び第4リール3−4の回転を停止する。
(リールとストップスイッチとの関係(第2状態))
続いて、図300を参照して、第1状態(例えば、CZ中やAT中)におけるリールとストップスイッチとの関係について説明する。同図(A)に示すように、第2状態では、第1リール3−1の上段の単位図柄表示領域と下段の単位図柄表示領域との視認性が低下する。その結果、第2状態では、第2リール3−2、第3リール3−3及び第4リール3−4という3つのリールにおける上段、中段、下段の3つの単位図柄表示領域(3×3)を用いて遊技が行われているという印象を遊技者に対して与えることができる。
図300(B)に示すように、この第2状態では、主制御回路91は、左のストップボタン7Lに接続された第1リール用のストップスイッチ7S及び第2リール用のストップスイッチ7Sを有効にする。また、中のストップボタン7Cに接続された第3リール用のストップスイッチ7Sを有効にする一方で、第2リール用のストップスイッチ7Sを無効にし、また、右のストップボタン7Rに接続された第4リール用のストップスイッチ7Sを有効にする一方で、第3リール用のストップスイッチ7Sを無効にする。
その結果、図300(C)に示すように、4つのリール3−1〜3−4の全てが回転している状況で、左のストップボタン7Lが操作されると、主制御回路91は、ストップスイッチ7Sが有効な第1リール3−1及び第2リール3−2の回転を停止する。また、4つのリール3−1〜3−4の全てが回転している状況で、中のストップボタン7Lが操作されると、主制御回路91は、ストップスイッチ7Sが有効な第3リール3−3の回転を停止する一方で、ストップスイッチ7Sが無効な第2リール3−2の回転は停止しない。また、4つのリール3−1〜3−4の全てが回転している状況で、右のストップボタン7Rが操作されると、主制御回路91は、ストップスイッチ7Sが有効な第4リール3−4の回転を停止する一方で、ストップスイッチ7Sが無効な第3リール3−3の回転は停止しない。
このように本制御例のパチスロ機1によれば、遊技に用いるリール(全ての単位図柄表示領域が見えるリール)を遊技状態に応じて異ならせるため、遊技状態に応じて出目のパターンが大きく異なり、出目のパターンを多彩にすることができる。また、3つのストップボタン7L〜7Rを用いて4つのリール3−1〜3−4を停止することができるとともに、3つのストップボタン7L〜7Rにより停止する4つのリール3−1〜3−4の対応関係を、遊技状態に応じて切り替えることで、遊技者は、慣れ親しんだ3リールの遊技機と同様の感覚で遊技(停止操作)を行うことができる。
なお、本制御例のパチスロ機1は、3つのストップボタン7L〜7Rを用いて4つのリール3−1〜3−4を停止することとしているが、これに限られるものではない。すなわち、第6実施形態のパチスロ機1と同様に、4つのストップボタン7−1〜7−4を用いて4つのリール3−1〜3−4を停止しつつ、単位図柄表示領域の視認性を低下させるリールを遊技状態に応じて異ならせることとしてもよい。
[主制御基板及び副制御基板が有する各種機能]
以上のようなパチスロ機1に特有の制御を実現するために、パチスロ機1の主制御基板(主制御回路91,メインCPU93)及び副制御基板(副制御回路101,サブCPU102)は、次のような機能を有する。
パチスロ機1は、複数の図柄が表面に描かれた複数のリール3−1〜3−4と、リールに描かれた図柄の一部を表示する表示窓4と、遊技者が停止可能な複数のストップボタン7L,7C,7Rとを有し、主制御基板71は、スタートスイッチ6Sやストップスイッチ7Sと接続され、図1に示す遊技の進行を制御するため、主制御基板71は、リール制御手段及び入賞判定手段として機能する。また、主制御基板71は、遊技に関する複数の遊技状態を制御可能であるため、主制御基板71は、状態制御手段として機能する。
また、パチスロ機1では、複数のリール3−1〜3−4は、水平方向に並んで設けられる4つ以上のリールであり、表示窓4には、複数のリール3−1〜3−4のそれぞれ毎に上段、中段、下段の単位図柄表示領域が設けられている。主制御基板71や副制御基板72は、表示窓4に設けられた複数の単位図柄表示領域のうちの一部の単位図柄表示領域に表示される図柄の視認性を、他の単位図柄表示領域に表示される図柄の視認性よりも低下させるため主制御基板71や副制御基板72は、視認性制御手段として機能する。具体的には、主制御基板71や副制御基板72は、第1状態においては、第1リール3−1の上段及び下段の単位図柄表示領域の視認性を低下させ、第2状態においては、第4リール3−4の上段及び下段の単位図柄表示領域の視認性を低下させる。
また、パチスロ機1では、左のストップボタン7Lには、第1リール3−1用のストップスイッチ7Sと第2リール3−2用のストップスイッチ7Sとが接続され、中のストップボタン7Cには、第2リール3−2用のストップスイッチ7Sと第3リール3−3用のストップスイッチ7Sとが接続され、右のストップボタン7Rには、第3リール3−3用のストップスイッチ7Sと第4リール3−4用のストップスイッチ7Sとが接続されている。主制御基板71は、ストップボタン7L,7C,7Rが操作された場合のストップスイッチ7Sの有効/無効を制御し、第1状態においては、左のストップボタン7Lが操作された場合に第1リール3−1の回転を停止する一方で第2リール3−2の回転は停止せず、中のストップボタン7Cが操作された場合に第2リール3−2の回転を停止する一方で第3リール3−3の回転は停止せず、右のストップボタン7Rが操作された場合に第3リール3−3及び第4リール3−4の回転を停止する。また、主制御基板71は、第2状態においては、左のストップボタン7Lが操作された場合に第1リール3−1及び第2リール3−2の回転を停止し、中のストップボタン7Cが操作された場合に第3リール3−3の回転を停止する一方で第2リール3−2の回転は停止せず、右のストップボタン7Rが操作された場合に第4リール3−4の回転を停止する一方で第3リール3−3の回転は停止しない。
また、主制御基板71は、報知対象役が内部当籤役として決定された場合に、遊技者に対して所定の停止操作の態様を報知可能であり、具体的には、第1状態では、第1リール3−1、第2リール3−2及び第3リール3−3により実現される3×3の単位図柄表示領域において、直線状のラインに対応する図柄が一直線上に表示される停止操作の態様を報知し、第2状態では、第2リール3−2、第3リール3−3及び第4リール3−4により実現される3×3の単位図柄表示領域において、直線状のラインに対応する図柄が一直線上に表示される停止操作の態様を報知する。そのため、主制御基板71は、報知手段として機能する。
[RBフラグ間を用いた遊技制御]
続いて、図301及び図302を参照して、パチスロ機1におけるRBフラグ間を用いた遊技制御について説明する。なお、本制御では、リールやストップボタンの数は任意であるが、以下では、リールやストップボタンが4つであるものとして説明する。
(遊技状態の概要)
初めに、図301を参照して、本制御例のパチスロ機1における遊技状態の概要について説明する。本制御例のパチスロ機1では、遊技状態として、非ボーナス状態、RBフラグ間及びボーナス状態(RB)を有する。非ボーナス状態は、ボーナス(RB)が内部当籤役として決定されておらず、かつ、ボーナス(RB)が作動していない状態である。RBフラグ間は、ボーナス(RB)が内部当籤役として決定されており、かつ、ボーナス(RB)が作動していない状態である。ボーナス状態(RB)は、ボーナス(RB)が作動している状態である。
主制御回路91は、非ボーナス状態において、RBが内部当籤役として決定されると、非ボーナス状態からRBフラグ間に遊技状態を移行する。言い換えると、主制御回路91は、RBが内部当籤役として決定された遊技において、RBに対応する図柄の組合せが表示されない場合に、当該図柄の組合せが表示されるまで、RBを内部当籤役として持ち越す。
また、主制御回路91は、RBに対応する図柄の組合せが表示されると、ボーナス状態(RB)を開始し、遊技状態をボーナス状態(RB)に移行する。また、主制御回路91は、RB状態において終了条件を満たすと、ボーナス状態(RB)を開始し、遊技状態を非ボーナス状態に移行する。なお、RB状態の終了条件は任意であり、例えば、規定枚数を超えるメダルが払い出されることを終了条件としてもよい。
ここで、本制御例では、RBは、対応する図柄の組合せを表示可能な遊技では、停止操作の態様に関わらず必ず対応する図柄の組合せが表示される、いわゆる引き込み1の役であり、また、内部当籤役として持ち越されていない遊技においてRBが内部当籤役として決定された場合(すなわち、前遊技までは内部当籤役として決定されておらず、今遊技において内部当籤役として決定された場合)には、当該遊技では、対応する図柄の組合せの表示が可能となる役である。
そのため、非ボーナス状態においてRBが内部当籤役として決定されると、停止操作の態様に関わらずRBに対応する図柄の組合せが表示され、当該遊技においてボーナス(RB)が作動し、非ボーナス状態からボーナス状態(RB)に移行する。言い換えると、非ボーナス状態からボーナス状態(RB)への移行は、基本的には、非ボーナス状態からボーナス状態(RB)に直接移行し、非ボーナス状態からRBフラグ間を介してボーナス状態(RB)に移行することがない。
ただし、本制御例では、所定の操作を行うことで、引き込み1のRBであっても、内部当籤役として決定された遊技において対応する図柄の組合せを表示させずに、RBフラグ間に移行可能にしている。以下、引き込み1のRBの入賞を回避するための操作について説明する。
(引き込み1のRBフラグ間)
図301(B)は、引き込み1のRBの入賞を回避するための操作を説明するための図である。同図では、非ボーナス状態において遊技が開始された結果、当該遊技の内部抽籤処理においてRBが決定されている。RBは引き込み1であるため、全リールの回転が停止された場合には、対応する図柄の組合せが必ず表示され、RBが入賞してしまう結果、RBフラグ間に移行することなく、ボーナス状態(RB)に移行してしまう。そこで、本制御例では、当該遊技が開始してから、当該遊技が終了するまで(例えば、RBに対応する図柄の組合せが表示されるまで)の間に、設定変更操作を行う。設定変更が行われた場合には、当該遊技が終了することになるが、設定変更時の処理として、ボーナスフラグをクリアすることなく維持したままとすることで、ボーナスフラグ(RB)を維持したまま、当該遊技を終了することができる。その結果、引き込み1のRBであっても、内部当籤役として決定された遊技において対応する図柄の組合せが表示されてしまうことを回避することができ、RBフラグ間に遊技状態を移行することができる。
そして、本制御では、主制御回路91は、RBフラグ間になると、RBに応じた図柄の組合せが表示されないように、RBを封じ込める。具体的には、主制御回路91は、RBフラグ間において内部当籤役を決定するための内部抽籤処理において「はずれ」が決定される確率(すなわち、フラグ間において持ち越しているRBのみが内部当籤役として決定される確率)を0にするとともに、小役、リプレイ役、ボーナス役のうちRBの引込優先順位を最も低くすることで、内部当籤役として持ち越しているRBに対応する図柄の組合せが表示されないように制御する。このようにRBフラグ間においてRBを封じ込めることで、RBフラグ間に移行した後に(RBに入賞することがないため)ボーナス状態(RB)に移行することがなく、また、(ボーナス状態(RB)が開始されないため)非ボーナス状態に移行することがなく、RBフラグ間のまま遊技状態が維持される。
(第1遊技フロー)
続いて、図302(C)を参照して、本制御のパチスロ機1における第1遊技フローについて説明する。第1遊技フローでは、ボーナスありの遊技性となり、非ボーナス状態においてRBが内部当籤役として決定されると、当該遊技においてボーナス状態(RB)が開始し、ボーナス状態(RB)の終了後に非ボーナス状態に戻る。非ボーナス状態には、遊技者にとって有利な停止操作の態様を遊技者に対して報知可能な報知状態と、当該報知を行う頻度が報知状態よりも低い(又は全く報知しない)非報知状態とが含まれ、主制御回路91は、報知状態に関する特典の有無に応じて報知状態と非報知状態とを制御する。
(第2遊技フロー)
続いて、図302(D)を参照して、本制御のパチスロ機1における第2遊技フローについて説明する。第2遊技フローでは、ボーナスなしの遊技性となり、非ボーナス状態においてRBが内部当籤役として決定されると、上述した設定変更操作によりRBフラグ間に移行し、その後は、他の遊技状態に移行することなくRBフラグ間のまま遊技が行われる。RBフラグ間には、遊技者にとって有利な停止操作の態様を遊技者に対して報知可能な報知状態と、当該報知を行う頻度が報知状態よりも低い(又は全く報知しない)非報知状態とが含まれ、主制御回路91は、報知状態に関する特典の有無に応じて報知状態と非報知状態とを制御する。
このとき、主制御回路91は、非ボーナス状態では、RBフラグ間よりも報知状態に関する特典を付与する確率を高くする一方で、付与する特典の大きさについてはRBフラグ間の方が大きくなるように制御する。このようにすることで、非ボーナス状態では、報知に関する特典が付与され易いものの、付与される特典が小さくなり、RBフラグ間では、報知に関する特典が付与され難いものの、付与される特典が大きくなる。そのため、第1遊技フローでは、報知状態の初当たり確率は高くなるが、1回当たりの報知状態の継続期間が短くなり、出玉の波が緩やかな波となる一方で、第2遊技フローでは報知状態の初当たり確率は低くなるが、1回当たりの報知状態の継続期間が長くなり、出玉の波が荒くなる。なお、第1遊技フローと第2遊技フローとでは、出玉の波は異なるが、ペイアウト率は第1遊技フローの方が高くなるように設計されていることが好ましい。
このように本制御例のパチスロ機1によれば、非ボーナス状態とRBフラグ間とでは、特典を付与する確率と、特典を付与する場合の特典の大きさとがクロスする。これにより、特典が付与され易いが小さな特典しか付与されない遊技性と、特典が付与され難いが大きな特典が付与される遊技性という出玉性能の異なる遊技性を持つことができる。なお、本制御例では、非ボーナス状態とRBフラグ間とで、特典を付与する確率と特典を付与する場合の特典の大きさとをクロスすればよい。すなわち、上述の例と反対に、主制御回路91は、非ボーナス状態では、RBフラグ間よりも報知状態に関する特典を付与する確率を低くする一方で、付与する特典の大きさについてはRBフラグ間よりも大きくなるように制御することとしてもよい。
また、RBは、対応する図柄の組合せを表示可能な遊技では停止操作の態様に関わらず必ず対応する図柄の組合せが導出されるため、通常は、RBフラグ間に移行させることができない。この点、本制御例のパチスロ機1では、RBが内部当籤役として決定された遊技において、RBに対応する図柄の組合せが表示されるまでの当該遊技の最中に所定の操作を行うことで、RBを持ち越したまま遊技を終了させることができ、このような方法により通常は移行できないRBフラグ間に移行させることができる。また、RBフラグ間では、RBに対応する図柄の組合せの表示が不可能に制御されるため、RBフラグ間に移行した場合には非ボーナス状態に移行させることができない。このように通常の遊技を行っている限りは、RBフラグ間及び非ボーナス状態は維持されるため、遊技店の店員がRBフラグ間及び非ボーナス状態を選択して設定することで、1つの遊技機のみで遊技者に対して出玉性能の異なる遊技性を提供することができる。
なお、RBフラグ間に移行させるためには、RBの当籤遊技において設定変更を行う必要があるため、RBが内部当籤役として決定された場合には、その旨を報知する報知手段を有することが好ましい。この場合において報知手段は、ランプ、スピーカー、液晶など任意であり、また、報知手段を制御する制御手段も主制御回路91であってもよく、副制御回路101であってもよい。
また、RBフラグ間では、RBが封じ込められて入賞することがなく、また、設定変更時にはボーナスフラグが維持されるため、一度、RBフラグ間の遊技性を選択してしまうと、他の遊技性を選択できなくなってしまう。そこで、ボーナスフラグを消去することが可能な設定変更操作とは異なる操作を設けることとしてもよい。例えば、RAMクリアボタンを設け、主制御回路91は、RAMクリアボタンが操作された場合には、持ち越しているRBをクリアし、RBを持ち越していない非ボーナス状態とする初期化処理を実行することとしてもよい。
また、本制御例では、遊技の途中の設定変更により遊技状態をRBフラグ間に移行させることとしているが、これに限られるものではない。例えば、停止操作の態様(例えば、押し順)が正解の態様である場合に1枚のメダルが払い出される図柄の組合せが表示され、不正解の態様である場合に「はずれ」の図柄の組合せが表示される役「打順1枚役」と「RB」とが重複して当籤する役「打順1枚役+RB」という役を持ち、内部当籤役として決定される確率を低く設定する。そして、RBに応じた図柄の組合せよりも1枚のメダルが払い出される図柄の組合せを優先して引き込むように引込優先順位を設定する。このようにすることで、役「打順1枚役+RB」の当籤時に正解の態様で停止操作が行われた場合、1枚のメダルが払い出される図柄の組合せが優先して引き込まれる結果、RBが入賞せずにRBフラグ間に移行させることができる。
[主制御基板及び副制御基板が有する各種機能]
以上のようなパチスロ機1に特有の制御を実現するために、パチスロ機1の主制御基板(主制御回路91,メインCPU93)及び副制御基板(副制御回路101,サブCPU102)は、次のような機能を有する。
パチスロ機1は、複数の図柄が表面に描かれた複数のリールに対応して設けられ遊技者が停止可能な複数のストップボタンを有し、主制御基板71は、スタートスイッチ6Sやストップスイッチ7Sと接続され、図1に示す遊技の進行を制御するため、主制御基板71は、遊技制御手段として機能する。
また、パチスロ機1では、引き込み1のRBを有し、主制御基板71は、RBに対応する図柄の組合せが表示された場合に、ボーナス状態(RB)を開始可能であり、ボーナス状態(RB)において終了条件を満たした場合に、ボーナス状態(RB)を終了可能であるため、主制御基板71は、状態制御手段として機能する。また、主制御基板71は、RBが内部当籤役として決定された遊技において、RBに対応する図柄の組合せが表示されない場合に、当該図柄の組合せが表示されるまで、RBを内部当籤役として持ち越し可能であるため、主制御基板71は、持越手段として機能する。
また、主制御基板71は、RBを内部当籤役として持ち越していない非ボーナス状態において、RBが内部当籤役として決定された場合には、RBに対応する図柄の組合せの表示を可能に制御する一方で、RBを内部当籤役として持ち越しているRBフラグ間においてはRBに対応する図柄の組合せの表示を不可能に制御するため、主制御基板71は、封込手段として機能する。
また、主制御基板71は、設定用鍵型スイッチ430を介して設定変更操作を受け付けると、所定の初期化処理を実行可能であり、特に、RBが内部当籤役として決定された遊技において、RBに対応する図柄の組合せが表示されるまでの当該遊技の最中に設定変更操作を受け付けると、RBを内部当籤役として持ち越したまま当該遊技を終了する初期化処理を実行可能であり、また、RAMクリアボタンなどを介してRAMをクリアする操作を受け付けると、持ち越しているRBを消去し、RBを持ち越していない非ボーナス状態とする初期化処理を実行可能であるため、主制御基板71は、初期化手段として機能する。
また、主制御基板71は、遊技者にとって有利な停止操作の態様を遊技者に対して報知可能な報知状態に関する特典を付与可能であり、特に、非ボーナス状態では、RBフラグ間よりも高い確率で報知状態に関する特典を付与可能である一方で、付与する特典の大きさはRBフラグ間よりも小さいため、主制御基板71は、特典付与手段として機能する。
[その他の変形例]
また、上記実施形態及びその他の仕様例のパチスロ機1に対して、以下のような変形例を適用することができる。
上記実施形態などのパチスロ機1では、内部当籤役に基づいて各種の抽籤や特典付与を行うこととしているが、これに限るものではなく、内部当籤役による表示が行われたことに基づいて各種の抽籤や特典付与を行うこととしてもよい。また、内部当籤役に基づく各種の抽籤や特典付与は、内部当籤役による表示が行われたことに基づく各種の抽籤や特典付与を含むことであり、反対に、内部当籤役による表示が行われたことに基づく各種の抽籤や特典付与は、内部当籤役に基づく各種の抽籤や特典付与を含むものである。
例えば、確定役に基づく特典付与の有効/無効について考える。確定役を有効とする状態で確定役が内部当籤役として決定されると、内部的には有効な状態での確定役の当籤に基づき特典を付与するが、遊技者からすると確定役に応じた図柄の組合せが表示されたことに基づき特典が付与されたように感じる。反対に、確定役を無効とする状態で確定役が内部当籤役として決定されると、内部的には無効な状態での確定役の当籤であるため、特典を付与しないが、遊技者からすると確定役に応じた図柄の組合せが表示されていないため、確定役に応じた特典は付与されないと感じる。このような場合、有効な状態での確定役の当籤に基づく特典付与という内部的な契機は、確定役に応じた図柄の組合せが表示されたことに基づく特典付与という見た目上の契機とみることができ、また、無効な状態での確定役の当籤であるために特典を付与しない内部的な契機は、確定役に応じた図柄の組合せが表示されないために特典を付与しないという見た目上の契機とみることができる。
(ペナルティ)
パチスロ機1において、停止操作の態様に一定の制限を持たせた仕様(例えば、左リール3Lを第1停止操作の対象とすることを推奨する仕様)として、それ以外の停止操作を行った場合に(例えば、第1停止操作として中リール3C又は右リール3Rに対する停止操作を行った場合に)、所定の特典付与に関する抽籤(例えば、ATやARTに関する抽籤や、モード移行に関する抽籤)を遊技者にとって不利なものとするペナルティ状態を、1ゲーム又は複数ゲーム以上の期間にわたって行うこととしてもよい。このようなペナルティ状態としては、例えば、所定の特典付与に関する抽籤に当籤する確率の低下、相対的に不利な抽籤状態(モード)への強制的な移行、所定期間にわたって所定の特典付与に関する抽籤を行わないなどを用いることができる。
(ペナルティの判定)
なお、仕様に沿った停止操作が行われたか否かの判定は、(遊技者に対して停止操作に関する報知が行われない)有利区間中にのみ行い、非有利区間(通常区間)においては行わないこととしてもよく、また、非有利区間(通常区間)中にのみ行い、有利区間においては行わないこととしてもよく、また、非有利区間(通常区間)中及び(遊技者に対して停止操作に関する報知が行われない)有利区間中の双方において行うこととしてもよい。また、この判定は、セキュリティ性の高いメイン(主制御回路91)側において行うことが好ましい。
(ペナルティ状態の発生)
また、仕様に沿った停止操作が行われていない場合に発生させるペナルティ状態は、有利区間中にのみ発生させて、非有利区間(通常区間)においては発生させないこととしてもよく、また、非有利区間(通常区間)中にのみ発生させて、有利区間においては発生させないこととしてもよく、また、非有利区間(通常区間)中及び有利区間中の双方において発生させることとしてもよい。
(ペナルティ状態の報知)
また、ペナルティ報知手段(報知ランプやセグメントなど)を設けて、ペナルティ状態の発生中に、ペナルティ状態であることを遊技者に対して報知することとしてもよい。このようなペナルティ報知手段は、セキュリティ性の高いメイン(主制御回路91)側において制御することが好ましい。
また、メイン側で制御するペナルティ報知手段に加えて、サブ(副制御回路101)側において制御する第2のペナルティ報知手段(液晶ディスプレイ)を設け、液晶表示やプロジェクション映像などにより、遊技者に対してより分かり易くペナルティ状態であることを報知することとしてもよい。また、第2のペナルティ報知手段の一態様として、音声や装飾ランプなどによるペナルティ報知ないし示唆演出を行うこととしてもよい。
(ペナルティ状態の解除)
また、ペナルティ状態は、設定変更に伴い解除し、電断のみでは解除しないこととしてもよく、また、設定変更及び4時間以上の長期間の電断(例えば、営業停止による電断)に伴い解除し、一時的な電断では解除しないこととしてもよい。また、ペナルティ状態は、打ち止め時に解除することとしてもよい。
ペナルティ状態を電断のみでは解除しない仕様では、メイン側で制御するペナルティ報知手段は、一時的な電断から復帰したときはペナルティ状態の報知を維持するが、4時間以上の長期間の電断から復帰したときはペナルティ状態の報知を維持せずに、ペナルティ非報知の態様にすることとしてもよい。また、電断復帰後は、メイン側で制御するペナルティ報知手段(例えば、報知ランプ)による報知のみを維持して、サブ側で制御する第2のペナルティ報知手段(例えば、液晶ディスプレイ)による報知はしないこととしてもよい。
(打ち止め機能)
特定の条件を満たした場合に、遊技の進行が停止できない打ち止め状態を発生させる打ち止め機能を持たせることとしてもよい。打ち止め機能を持たせることで、例えば、1000枚のメダル獲得時点で遊技終了など所定数の遊技価値の獲得で遊技終了としつつ、その分、比較的設定値の高い遊技機を用いるといった定量性の店舗ルールを遊技店が独自に設定することができ、遊技者に短時間でも気軽に遊ぶことのできる環境を遊技店側が用意するといった運用を行い易くなる。以下、打ち止め機能の仕様例について説明する。
(打ち止めの発生条件)
打ち止めの発生条件は、ボーナスの作動終了や有利区間の終了など、遊技者にとって有利な状態が終了したときとすることができる。なお、ボーナスの作動終了時に打ち止めとする場合は、特定のボーナスに限定することとしてもよい。例えば、獲得枚数が100枚程度と少ないボーナスでは打ち止めは発生しないが、獲得枚数が250枚などと多いボーナスではボーナスの作動終了時に打ち止めが発生することとしてもよい。
また、有利区間の終了時に打ち止めを発生させる場合には、当該有利区間の開始から1000枚以上、2000枚以上など所定枚数を超えるメダルを獲得した場合に限って打ち止めを発生させることとしてもよく、1500ゲームの有利区間消化や2400枚のメダルの獲得のようにリミッタの発動条件を満たしたことによる有利区間の終了時に打ち止めを発生させることとしてもよい。また、特定の設定値(設定6など)の場合のみ打ち止め条件を満たした場合に打ち止めを発生させることとしてもよい。また、打ち止めを発生するメダルの枚数については、メインROMに予め定められた一の値を用いることとしてもよく、また、1000枚、2000枚、3000枚など複数の値を用意しておき、遊技店側が選択した任意の値を用いることとしてもよい。
(打ち止め機能の設定)
打ち止め機能は、打ち止め機能が有効な設定(打ち止め条件を満たした場合に打ち止めが発生する設定)と、打ち止め機能が無効な設定(打ち止めが発生しない設定)とを切り替え可能として、遊技機を運用する遊技店の方針により切り替え可能とすることが好ましい。例えば、遊技機の筐体内(パチンコ機の場合は遊技台の背面側)における主基板(主制御基板71)や電源基板上など、遊技者が操作困難な位置に専用スイッチを設けて、当該専用スイッチにより「打ち止め有」と「打ち止め無」とを切り替え可能としてもよい。
また、電源投入時やドアキーの操作時などにホールメニューを所定の画像表示器などに表示可能として、ホールメニュー内の項目として打ち止めの有無を設定できるようにしてもよい。
(精算機能の設定)
また、打ち止めの発生時にクレジットに貯留されているメダルが自動的に精算されて下皿に払い出される精算機能も合わせて搭載することとしてもよい。このとき、打ち止め機能の有無と精算機能の有無とをそれぞれ任意に設定できるようにしてもよく、また、打ち止め機能有りの場合は精算機能も有り、打ち止め機能無しの場合は精算機能も無しのように一括で設定できるようにしてもよい。
なお、メダルや遊技球などの物理的な遊技媒体を用いずに電子データなどの情報により遊技価値を管理する封入式遊技機においては、クレジットに貯留されている遊技価値の情報をプリペイドカードなど遊技価値の情報を保持する記憶媒体に対して、精算時に自動的に移動させることとしてもよい。この際に、記憶媒体(プリペイドカード)の取り忘れがないように遊技者に対して報知することが好ましい。
(打ち止め機能の切り替え操作)
なお、打ち止め機能の切り替え操作について、専用スイッチを設けずに遊技機に備えられている入力手段を用いて当該操作を可能としてもよい。例えば、設定変更中や設定確認中など店員が行う操作を契機に打ち止め切り替え可能な状態として、当該状態において、左ストップボタンが操作されると打ち止め機能の有/無の切り替えを可能としてもよい。また、当該状態において、中ストップボタンが操作されると生産の有/無の切り替えを可能としてもよい。
また、それぞれの設定状態は、遊技機前面の払い出しセグや貯留セグ、ベット枚数ランプなど(情報表示器14)の表示態様により店員が認識可能としてもよく、また、液晶ディスプレイなどの表示装置に「打ち止め有」「精算有」などの画像を表示することで、設定状態を報知するものとしてもよい。
(打ち止め機能の解除方法)
打ち止めが発生して遊技が進行不能となった場合は、ドアキーを遊技機の鍵穴に挿入して回す、筐体内部のエラー解除スイッチを操作するなど、遊技者が行うことのできない任意の操作方法を店員が行うことにより、打ち止め状態が解除され、再び遊技が可能となる。
(打ち止め時の表示)
打ち止めが発生して遊技が進行不能となった場合は、制御手段(副制御回路101)は、液晶ディスプレイ(表示ユニット100)に対して所定の表示を行うことができる。所定の表示としては、例えば、打ち止め中であることを報せる打ち止め専用の表示であってもよく、また、パチスロ機毎に設けられたデモ画面の表示であってもよく、また、打ち止めとなる前の演出画面を表示することであってもよい。なお、打ち止めとなる前の演出画面を表示する場合には、例えば、輝度を変化(暗くする)などして、通常の状態とは異なる態様の表示となるようにしてもよい。
また、ARTの継続期間の管理方法は任意である。例えば、ゲーム数により継続期間を管理することとしてもよく、また、セット数により継続期間を管理することとしてもよく、また、ART中に払い出されるメダルの枚数や差枚数により継続期間を管理することとしてもよく、また、ART中にメダルの払い出しに影響を与える報知を行った回数(ナビ回数)により継続期間を管理することとしてもよく、また、ART中の任意のタイミングで行う継続判定により継続期間を管理することとしてもよく、また、ART中に特定の図柄組合せが表示されるとARTを終了させることとしてもよい。
この場合、上乗せの対象は、ゲーム数、セット数、ナビ回数、差枚数などのようにARTの継続期間の管理方法によって適宜調整される。
また、上述のパチスロ機1では、報知(ART)機能の作動を、メイン(主制御基板71)側の制御の下に行うこととしているが、これに限られるものではなく、サブ(副制御基板72)側の制御により報知(ART)機能の作動を行うこととしてもよい。
また、上述の説明では、遊技機としてパチスロを例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されない。本発明のリール制御に係る特徴や設定変更及び確認に係る特徴などのパチスロ機1に特有の特徴以外の特徴は、「パチンコ」と呼ばれる遊技機にも適用可能であり、同様の効果が得られる。例えば、チェックサムの生成及び判定処理、メインCPU専用命令コードを使用した各種処理(Qレジスタを用いたアドレスの指定処理、ソフトタイマーの更新処理、7セグLED駆動処理、通信データの生成格納処理等)、規定外ROM領域及び規定外RAM領域を使用した各種処理などの特徴は、「パチンコ」にも適用可能である。また、パチスロにおけるフロントドア(扉体部)は、「パチンコ」において遊技店の店員が開放して内部を確認する部分に対応する。
また、設定値は1段階のみとしてもよい。このとき、設定変更処理をのこしても良いし、無くしてしまってもよい。設定変更処理を残す場合には、同一設定への打ち直しのみが可能となるため、実質的にはRAMクリアするための処理となる。設定値を1段階のみとする場合であっても、有利状態(ART状態など)の抽籤(初当り及び/又は上乗せなど)に関するモードを設け、所定確率で当籤する所定役が当籤した回数を計数し、その回数が規定値に達したときに、このモードを切り替わるようにすることで、出玉に起伏を生じさせることができる。
この場合、所定確率の分母と規定値とを掛けた値が一つの出玉の波となる。その値を1日に相当する遊技回数で切り替わるように規定すれば、設定値が1段階であっても、複数設けた遊技機と遜色のないものとすることが出来る。例えば、1日の営業時間を11時間とした場合、11h=39600secであるため、1遊技にかかる最短時間を規則に則り4.1秒とすると、1日当たりの最大遊技回数は、39600/4.1=約9659回となる。なお、休憩(食事やトイレ)を一切挟まないというのは現実的ではないため、1日当たりの遊技回数を概ね8000回程度と考える。所定確率を1/32、規定値を256とすることで、32×256=8192となるため、概ね1日で出玉の波が切り替わるようにすることができる。
さらに、所定役が当籤した回数が規定値に達するたびに、遊技者に有利なモードと不利なモードとが交互に切り替わるようにすれば、二日間サイクルで収益が安定するようになるため、遊技店の営業に資することができる。なお、設定値を1段階にした場合の説明を行ったが、1段階には限られず転用が可能である。より具体的には、設定値の数を変えずに採用すれば、設定値の数を増やさずに、出玉の波をより複雑にすることが可能となる。また、設定値の数を減らせば、設定値が減って単調になるところを補うことができる。
また、設定値の数を減らすことができた場合、その分のデータ容量を削減することができる。仮に6段階の設定値を1段階の設定値にすることができれば、データを1/6にまで削減することができる。また、各段階で望む出玉率に設計するための開発コストも1/6となる。さらに言えば、遊技機は試験に適合したもののみが、営業に用いることが許可されるものであるところ、試験に要する時間も短縮することが可能となる。
[その他の本実施形態に係る遊技機の拡張性]
本実施形態のパチスロ機1では、遊技者のメダルの投入操作(すなわち、手持ちのメダルをメダル投入口に対して投入する操作、あるいは、クレジットされたメダルをMAXベットボタン、若しくは1ベットボタンを操作して投入する操作)により遊技が開始され、遊技が終了したときにメダルの払い出しがある場合には、ホッパー装置が駆動してメダル払出口からメダルが払い出され、あるいは、クレジットされる形態について説明したが、これに限られるものではない。
例えば、遊技者によって遊技に必要な遊技媒体が投入され、それに基づいて遊技が行われ、その遊技の結果に基づいて特典が付与(例えば、メダルが払い出される)形態全てについて、本発明を適用することができる。すなわち、物理的な遊技者の動作によって遊技媒体が投入され(掛けられ)、遊技媒体が払い出される形態のみならず、主制御回路91(主制御基板71)自体が、遊技者が保有する遊技媒体を電磁的に管理し、メダルレスで遊技を可能とするものであってもよい。また、遊技者が保有する遊技媒体を電磁的に管理するのは、主制御回路91(主制御基板71)に装着され(接続され)、遊技媒体を管理する遊技媒体管理装置であってもよい。
この場合、遊技媒体管理装置は、ROM及びRWM(あるいは、RAM)を有して、遊技機に設けられる装置であって、図示しない外部の遊技媒体取扱装置と所定のインターフェイスを介して双方向通信可能に接続されるものであり、遊技媒体の貸出動作(すなわち、遊技者が遊技媒体の投入操作を行う上で、必要な遊技媒体を提供する動作)若しくは遊技媒体の払出に係る役に入賞(当該役が成立)した場合の、遊技媒体の払出動作(すなわち、遊技者に対して遊技媒体の払出を行う上で、必要な遊技媒体を獲得させる動作)、又は遊技の用に供する遊技媒体を電磁的に記録する動作を行い得るものとすればよい。また、遊技媒体管理装置は、これら実際の遊技媒体数の管理のみならず、例えば、その遊技媒体数の管理結果に基づいて、パチスロ機1の前面に、保有する遊技媒体数を表示する保有遊技媒体数表示装置(不図示)を設けることとし、この保有遊技媒体数表示装置に表示される遊技媒体数を管理するものであってもよい。すなわち、遊技媒体管理装置は、遊技者が遊技の用に供することができる遊技媒体の総数を電磁的方法により記録し、表示することができるものとすればよい。
また、この場合、遊技媒体管理装置は、遊技者が、記録された遊技媒体数を示す信号を、外部の遊技媒体取扱装置に対して自由に送信させることできる性能を有し、また、遊技者が直接操作する場合のほか、記録された遊技媒体数を減ずることができない性能を有し、また、外部の遊技媒体取扱装置との間に外部接続端子板(不図示)が設けられる場合には、その外部接続端子板を介してでなければ、遊技者が、記録された遊技媒体数を示す信号を送信できない性能を有することが望ましい。
遊技機には上記の他、遊技者が操作可能な貸出操作手段、返却(精算)操作手段、外部接続端子板が設けられ、遊技媒体取扱装置には紙幣等の有価価値の投入口、記録媒体(例えばICカード)の挿入口、携帯端末から電子マネー等の入金を行うための非接触通信アンテナ等、その他貸出操作手段、返却操作手段等各種操作手段、遊技媒体取扱装置側外部接続端子板が設けられるようにしてもよい(いずれも不図示)。
その際の遊技の流れとしては、例えば、遊技者が遊技媒体取扱装置に対しいずれかの方法で有価価値を入金し、上記いずれかの貸出操作手段の操作に基づいて所定数の有価価値を減算し、遊技媒体取扱装置から遊技媒体管理装置に対し減算した有価価値に対応する遊技媒体を増加させる。そして遊技者は遊技を行い、さらに遊技媒体が必要な場合には上記操作を繰り返し行う。その後遊技の結果所定数の遊技媒体を獲得し、遊技を終了する際にはいずれかの返却操作手段を操作することにより遊技媒体管理装置から遊技媒体取扱装置に対し遊技媒体数を送信し、遊技媒体取扱装置はその遊技媒体数を記録した記録媒体を排出する。遊技媒体管理装置は遊技媒体数を送信したときに自身が記憶する遊技媒体数をクリアする。遊技者は排出された記録媒体を景品交換するために景品カウンター等に持っていくか、又は他の台で記録された遊技媒体に基づいて遊技を行うために遊技台を移動する。
なお、上記例では全遊技媒体を遊技媒体取扱装置に対して送信したが、遊技機又は遊技媒体取扱装置側で遊技者が所望する遊技媒体数のみを送信し、遊技者が所持する遊技媒体を分割して処理することとしてもよい。また、記録媒体を排出するだけに限らず、現金又は現金等価物を排出するようにしてもよいし、携帯端末等に記憶させるようにしもよい。また、遊技媒体取扱装置は遊技場の会員記録媒体を挿入可能とし、会員記録媒体に貯留して後日再遊技可能とするようにしてもよい。
また、遊技機又は遊技媒体取扱装置において、図示しない所定の操作手段を操作することにより遊技媒体取扱装置又は遊技媒体管理装置に対し遊技媒体又は有価価値のデータ通信をロックするロック操作を実行可能としてもよい。その際にはワンタイムパスワード等遊技者にしか知りえない情報を設定することや遊技機又は遊技媒体取扱装置に設けられた撮像手段により遊技者を記憶するようにしてもよい。
なお、この遊技媒体管理装置は、上述のように、メダルレスでのみ遊技を可能とするものであってもよいし、物理的な遊技者の動作によって遊技媒体が投入され(掛けられ)、遊技媒体が払い出される形態、及びメダルレスで遊技を可能とする形態、双方の形態で遊技を可能とするものであってもよい。この場合には、遊技媒体管理装置が、上述のセレクタやホッパー装置を直接的に制御する方式を採用することもできるし、これらが主制御基板71によって制御され、その制御結果が送信されること基づいて、遊技者が遊技の用に供することができる遊技媒体の総数を電磁的方法により記録し、表示する制御を行い得る制御を可能とする方式を採用することもできる。
また、上記では、遊技媒体管理装置を、パチスロ機1に適用する場合について説明しているが、上述した遊技球を用いるスロットマシンや封入式遊技機においても同様に遊技媒体管理装置を設け、遊技者の遊技媒体が管理されるようにすることもできる。
このように、上述した遊技媒体管理装置を設けることにより、遊技媒体が物理的に遊技に供される場合と比べて、遊技機内部のセレクタやホッパー装置等を減らすことができ、遊技機の原価及び製造コストを削減できるのみならず、遊技者が直接遊技媒体に接触しないようにすることもでき、遊技環境が改善し、騒音も減らすことができるとともに、装置を減らしたことにより遊技機の消費電力を減らすことにもなる。また、遊技媒体や遊技媒体の投入口や払出口を介した不正行為を防止することができる。すなわち、遊技機をとりまく種々の環境を改善することができる遊技機を提供することが可能となる。
[付記1]
付記1の遊技機は、以下の通りである。
[背景技術]
従来、遊技者により、メダルやコインなどの遊技媒体が投入(以下、「投入操作」という。)され、スタートレバーが操作(以下、「開始操作」という。)されると、複数の図柄がそれぞれの表面に配された複数のリールの回転が開始し、ストップボタンが操作(以下、「停止操作」という。)されると、複数のリールの回転が停止し、その結果表示された図柄の組合せに応じて特典が付与される、いわゆるパチスロ機と称される遊技機が知られている。
このような遊技機においては、開始操作をスタートスイッチにより検出すると、乱数値を抽出して抽籤を行う(以下、この抽籤の結果を「内部当籤役」という。)とともに、ステッピングモータを駆動制御して複数のリールの回転を開始させる制御を行い、停止操作をストップスイッチにより検出すると、ステッピングモータを駆動制御し、内部当籤役に基づいて複数のリールの回転を停止させる制御を行う。
この種の遊技機では、いわゆる出玉に関する設計を容易にするための工夫として、一部のボーナス状態において出玉率が1を下回るように内部当籤役を重複当籤させる遊技機が知られている(例えば、特開2015−202331号公報参照)。また、遊技者にとって有利な状態となるAT(assist time)に当籤しているか否かの前兆演出として、主に熟練度の高い遊技者を想定した複雑な演出態様によって趣向を凝らした遊技機も知られている(例えば、特開2015−16085号公報参照)。
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
しかしながら、特許文献1の遊技機では、遊技者が主にボーナス持越し状態で遊技することを前提としており、ボーナス当籤で出玉を獲得するという楽しみが失われていた。また、特許文献2の遊技機では、演出態様や仕様が複雑であり、非熟練者にとってはどのような状態が有利なのか把握しづらいという難点があった。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、遊技者にとって有利な状態を把握させやすくするとともに、旧来とは異なる手法により出玉設計の自由度を高めることができる遊技機を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段]
上記の目的を達成するために、本発明は、以下のような遊技機を提供する。
本発明に係る遊技機は、
複数の識別情報を変動表示可能な複数の可変表示手段(例えば、リール3L、3C、3R及び表示窓4)と、
前記複数の可変表示手段に対応して遊技者が停止操作可能な複数の停止操作手段(例えば、ストップボタン7L、7C、7R)と、
開始条件の成立に基づいて前記複数の可変表示手段を変動表示させる変動制御手段(例えば、主制御基板71)と、
前記開始条件の成立に基づいて内部当籤役を決定可能な内部当籤役決定手段(例えば、主制御基板71)と、
前記内部当籤役決定手段により決定された内部当籤役と前記複数の停止操作手段を介した停止操作とに基づいて、前記複数の可変表示手段の変動表示を停止させることで結果表示を導出可能な停止制御手段(例えば、主制御基板71)と、
遊技者にとって有利な前記複数の停止操作手段に対する操作態様を報知可能な操作態様報知手段(例えば、副制御基板72及び報知ランプ147a)と、
前記操作態様報知手段による報知を実行可能な有利状態(例えば、有利区間)を制御する状態制御手段(例えば、主制御基板71)と、
前記有利状態を告知する有利状態告知手段(例えば、状態表示器147b)と、
を備えた遊技機(例えば、パチスロ機1)であって、
前記有利状態として、所定条件の成立時(例えば、有利区間移行抽籤の当籤時)に前記操作態様報知手段による報知が可能な第1有利状態(例えば、「通常有利」の状態)と、当該第1有利状態よりも前記操作態様報知手段による報知の可能性が高い第2有利状態(例えば、「ART」の状態)と、を少なくとも有し、
前記内部当籤役決定手段により決定可能な前記内部当籤役として、前記複数の停止操作手段に対する特定の操作態様で停止操作を行った場合に前記複数の可変表示手段に有利な結果表示が導出され、当該特定の操作態様とは異なる操作態様で停止操作を行った場合に前記複数の可変表示手段に前記有利な結果表示とは異なる結果表示が導出され得る特定役(例えば、押し順ベル)と、所定のボーナス役(例えば、MB)とを有し、
前記状態制御手段は、前記特定役が前記内部当籤役として決定された単位遊技で前記操作態様報知手段による報知が行われること、又は前記複数の可変表示手段において前記所定のボーナス役に対応する結果表示が導出されることのうち、少なくともいずれか一方を満たした後において前記有利状態を終了させるか否かを判定するための終了判定(例えば、有利区間終了抽籤)を実行可能であり、
前記第1有利状態において、前記特定役が前記内部当籤役として決定された単位遊技で前記操作態様報知手段による報知が行われない報知抑制状態(例えば、ベルナビ非発生状態)と、前記特定役が前記内部当籤役として決定された単位遊技で前記操作態様報知手段による報知が許容される報知許容状態(例えば、ベルナビ発生可能状態)と、を有し、
前記第1有利状態が開始されてから特定条件(例えば、所定ゲーム数(100G)の経過)が成立するまでの間は、前記報知抑制状態となることを特徴とする。
このような構成によれば、報知の可能性が異なる第1有利状態及び第2有利状態が設けられ、第1有利状態は、基本的に特定条件が成立するまでは報知抑制状態として終了させられないので、そのような特定条件を適切に設定することで操作態様の報知を抑制して第1有利状態と第2有利状態との有利さバランスを図ることができ、遊技者にとって有利な状態を把握させやすくしつつ、出玉設計の自由度を高めることができる。
本発明の好ましい実施の形態としては、
前記特定条件は、所定回数の単位遊技(例えば、100G)が実行されることであり、当該所定回数は、前記所定のボーナス役が前記内部当籤役として決定されるまでの平均単位遊技回数よりも多いことを特徴とする。
このような遊技機によれば、特定条件が成立するまでに所定のボーナス役が決定されて有利状態を終了させる判定結果が得られる可能性が高くなるので、有利状態とボーナスとの有利さバランスを適切に図ることができる。
[発明の効果]
本発明によれば、遊技者にとって有利な状態を把握させやすくするとともに、旧来とは異なる手法により出玉設計の自由度を高めることができる遊技機を提供することができる。
[付記2]
付記2の遊技機は、以下の通りである。
[背景技術]
従来、遊技者により、メダルやコインなどの遊技媒体が投入(以下、「投入操作」という。)され、スタートレバーが操作(以下、「開始操作」という。)されると、複数の図柄がそれぞれの表面に配された複数のリールの回転が開始し、ストップボタンが操作(以下、「停止操作」という。)されると、複数のリールの回転が停止し、その結果表示された図柄の組合せに応じて特典が付与される、いわゆるパチスロ機と称される遊技機が知られている。
このような遊技機においては、開始操作をスタートスイッチにより検出すると、乱数値を抽出して抽籤を行う(以下、この抽籤の結果を「内部当籤役」という。)とともに、ステッピングモータを駆動制御して複数のリールの回転を開始させる制御を行い、停止操作をストップスイッチにより検出すると、ステッピングモータを駆動制御し、内部当籤役に基づいて複数のリールの回転を停止させる制御を行う。
この種の遊技機では、遊技者にとって有利な状態となるAT(assist time)に当籤しているか否かの前兆演出として、主に熟練度の高い遊技者を想定した複雑な演出態様によって趣向を凝らした遊技機が知られている(例えば、特開2015−16085号公報参照)。
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
しかしながら、特許文献1の遊技機では、演出態様や仕様が複雑であり、非熟練者にとってはどのような状態が有利なのか把握しづらいという難点があった。また、何ら利益を得ることができないまま前兆演出が終了するので、遊技の興趣が低下するおそれがあった。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、遊技者にとって有利な状態を把握させやすくするとともに、遊技の興趣を高めることができる遊技機を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段]
上記の目的を達成するために、本発明は、以下のような遊技機を提供する。
本発明に係る遊技機は、
複数の識別情報を変動表示可能な複数の可変表示手段(例えば、リール3L、3C、3R及び表示窓4)と、
前記複数の可変表示手段に対応して遊技者が停止操作可能な複数の停止操作手段(例えば、ストップボタン7L、7C、7R)と、
開始条件の成立に基づいて前記複数の可変表示手段を変動表示させる変動制御手段(例えば、主制御基板71)と、
前記開始条件の成立に基づいて内部当籤役を決定可能な内部当籤役決定手段(例えば、主制御基板71)と、
前記内部当籤役決定手段により決定された内部当籤役と前記複数の停止操作手段を介した停止操作とに基づいて、前記複数の可変表示手段の変動表示を停止させることで結果表示を導出可能な停止制御手段(例えば、主制御基板71)と、
遊技者にとって有利な前記複数の停止操作手段に対する操作態様を報知可能な操作態様報知手段(例えば、副制御基板72及び報知ランプ147a)と、
前記操作態様報知手段による報知を実行可能な有利状態(例えば、有利区間)を制御する状態制御手段(例えば、主制御基板71)と、
前記有利状態を告知する有利状態告知手段(例えば、状態表示器147b)と、
を備えた遊技機(例えば、パチスロ機1)であって、
前記有利状態として、所定条件の成立時(例えば、有利区間移行抽籤の当籤時)に前記操作態様報知手段による報知が可能な第1有利状態(例えば、「通常有利」の状態)と、当該第1有利状態から移行可能で当該第1有利状態よりも前記操作態様報知手段による報知の可能性が高い第2有利状態(例えば、「ART」の状態)と、を少なくとも有し、
前記第1有利状態におけるモード(例えば、通常モード)を制御可能なモード制御手段(例えば、主制御基板71)を備え、
前記内部当籤役決定手段により決定可能な前記内部当籤役として、前記複数の停止操作手段に対する特定の操作態様で停止操作を行った場合に前記複数の可変表示手段に有利な結果表示が導出され、当該特定の操作態様とは異なる操作態様で停止操作を行った場合に前記複数の可変表示手段に前記有利な結果表示とは異なる結果表示が導出され得る特定役(例えば、押し順ベル)と、所定のボーナス役(例えば、MB)とを有し、
前記状態制御手段は、前記特定役が前記内部当籤役として決定された単位遊技で前記操作態様報知手段による報知が行われること、又は前記複数の可変表示手段において前記所定のボーナス役に対応する結果表示が導出されることのうち、少なくともいずれか一方を満たした後において前記有利状態を終了させるか否かを判定するための終了判定(例えば、有利区間終了抽籤)を実行可能であり、
前記第1有利状態におけるモードとして、第1モード(例えば、通常モードの“低確”、“天国準備”)と第2モード(例えば、通常モードの“天国”、“超天国”、“特殊”、“次回前兆”)とを少なくとも有し、
前記第1モードと前記第2モードとは、前記第2有利状態に移行する可能性(例えば、「ART」の当籤確率)が異なることを特徴とする。
このような構成によれば、報知の可能性が異なる第1有利状態及び第2有利状態が設けられ、第1有利状態においては、第2有利状態に移行する可能性が異なる第1モードと第2モードとが設けられるので、遊技者は、いずれのモードに滞在して第2有利状態への移行に期待しながら遊技を行うことができ、遊技者にとって有利な状態を把握させやすくしつつ、遊技の興趣を高めることができる。
[発明の効果]
本発明によれば、遊技者にとって有利な状態を把握させやすくするとともに、遊技の興趣を高めることができる遊技機を提供することができる。
[付記3]
付記3の遊技機は、以下の通りである。
[背景技術]
従来、遊技者により、メダルやコインなどの遊技媒体が投入(以下、「投入操作」という。)され、スタートレバーが操作(以下、「開始操作」という。)されると、複数の図柄がそれぞれの表面に配された複数のリールの回転が開始し、ストップボタンが操作(以下、「停止操作」という。)されると、複数のリールの回転が停止し、その結果表示された図柄の組合せに応じて特典が付与される、いわゆるパチスロ機と称される遊技機が知られている。
このような遊技機においては、開始操作をスタートスイッチにより検出すると、乱数値を抽出して抽籤を行う(以下、この抽籤の結果を「内部当籤役」という。)とともに、ステッピングモータを駆動制御して複数のリールの回転を開始させる制御を行い、停止操作をストップスイッチにより検出すると、ステッピングモータを駆動制御し、内部当籤役に基づいて複数のリールの回転を停止させる制御を行う。
この種の遊技機では、遊技者にとって有利な状態となるAT(assist time)に当籤しているか否かの前兆演出として、主に熟練度の高い遊技者を想定した複雑な演出態様によって趣向を凝らした遊技機が知られている(例えば、特開2015−16085号公報参照)。
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
しかしながら、特許文献1の遊技機では、演出態様や仕様が複雑であり、非熟練者にとってはどのような状態が有利なのか把握しづらいという難点があった。例えば、内部的にATの当籤が確定した本前兆状態であるにもかかわらず、それに気づかずに遊技を終えてしまうと、遊技者が本来得られるべき利益を享受できないことになる。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、遊技者にとって有利な状態を把握させやすくし、遊技者が見逃すおそれを低下させつつも、AT抽籤に関する遊技状態を多彩なものとすることができる遊技機を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段]
上記の目的を達成するために、本発明は、以下のような遊技機を提供する。
本発明に係る遊技機は、
複数の識別情報を変動表示可能な複数の可変表示手段(例えば、リール3L、3C、3R及び表示窓4)と、
前記複数の可変表示手段に対応して遊技者が停止操作可能な複数の停止操作手段(例えば、ストップボタン7L、7C、7R)と、
開始条件の成立に基づいて前記複数の可変表示手段を変動表示させる変動制御手(例えば、主制御基板71)段と、
前記開始条件の成立に基づいて内部当籤役を決定可能な内部当籤役決定手段(例えば、主制御基板71)と、
前記内部当籤役決定手段により決定された内部当籤役と前記複数の停止操作手段を介した停止操作とに基づいて、前記複数の可変表示手段の変動表示を停止させることで結果表示を導出可能な停止制御手段(例えば、主制御基板71)と、
遊技者にとって有利な前記複数の停止操作手段に対する操作態様を報知可能な操作態様報知手段(例えば、副制御基板72及び報知ランプ147a)と、
前記操作態様報知手段による報知を実行可能な有利状態(例えば、有利区間)及び前記操作態様報知手段による報知を実行不能な一般状態(例えば、通常区間)を制御する状態制御手段(例えば、主制御基板71)と、
前記有利状態を告知する有利状態告知手段(例えば、状態表示器147b)と、
を備えた遊技機(例えば、パチスロ機1)であって、
前記有利状態として、所定条件の成立時(例えば、有利区間移行抽籤の当籤時)に前記操作態様報知手段による報知が可能な第1有利状態(例えば、「通常有利」の状態)と、当該第1有利状態から移行可能で当該第1有利状態よりも前記操作態様報知手段による報知の可能性が高い第2有利状態(例えば、「ART」の状態)と、を少なくとも有し、
前記第1有利状態におけるモード(例えば、通常モード)を制御可能なモード制御手段(例えば、主制御基板71)を備え、
前記内部当籤役決定手段により決定可能な前記内部当籤役として、前記複数の停止操作手段に対する特定の操作態様で停止操作を行った場合に前記複数の可変表示手段に有利な結果表示が導出され、当該特定の操作態様とは異なる操作態様で停止操作を行った場合に前記複数の可変表示手段に前記有利な結果表示とは異なる結果表示が導出され得る特定役(例えば、押し順ベル)と、所定のボーナス役(例えば、MB)とを有し、
前記状態制御手段は、前記特定役が前記内部当籤役として決定された単位遊技で前記操作態様報知手段による報知が行われること、又は前記複数の可変表示手段において前記所定のボーナス役に対応する結果表示が導出されることのうち、少なくともいずれか一方を満たした後において前記有利状態を終了させるか否かを判定するための終了判定(例えば、有利区間終了抽籤)を実行可能であり、
前記第1有利状態におけるモードとして、第1モード(例えば、通常モードの“低確”、“天国準備”)と第2モード(例えば、通常モードの“天国”、“超天国”、“特殊”、“次回前兆”)とを少なくとも有し、
前記第2モードは、前記第1モードよりも前記第2有利状態に移行する可能性が高く、
前記一般状態は、前記第1モードよりも前記第2有利状態に移行する可能性(例えば、「ART」の当籤確率)が高いことを特徴とする。
このような構成によれば、報知が行われない一般状態と、報知の可能性が異なる第1有利状態及び第2有利状態とが設けられ、第1有利状態においては、第2有利状態に移行する可能性が異なる第1モードと第2モードとが設けられる。そして、一般状態において第2有利状態に移行する可能性の方が、第1有利状態の第1モードにおいて第2有利状態に移行する可能性よりも高いので、遊技者は、報知を受けることができない一般状態にあっても第2有利状態への移行に期待しながら遊技を行うことができ、遊技者にとって有利な状態を把握させやすくし、遊技者が見逃すおそれを低下させつつも、いわゆるAT抽籤に関する遊技状態を多彩なものとすることができる。
[発明の効果]
本発明によれば、遊技者にとって有利な状態を把握させやすくし、遊技者が見逃すおそれを低下させつつも、AT抽籤に関する遊技状態を多彩なものとすることができる遊技機を提供することができる。
[付記4]
付記4の遊技機は、以下の通りである。
[背景技術]
従来、遊技者により、メダルやコインなどの遊技媒体が投入(以下、「投入操作」という。)され、スタートレバーが操作(以下、「開始操作」という。)されると、複数の図柄がそれぞれの表面に配された複数のリールの回転が開始し、ストップボタンが操作(以下、「停止操作」という。)されると、複数のリールの回転が停止し、その結果表示された図柄の組合せに応じて特典が付与される、いわゆるパチスロ機と称される遊技機が知られている。
このような遊技機においては、開始操作をスタートスイッチにより検出すると、乱数値を抽出して抽籤を行う(以下、この抽籤の結果を「内部当籤役」という。)とともに、ステッピングモータを駆動制御して複数のリールの回転を開始させる制御を行い、停止操作をストップスイッチにより検出すると、ステッピングモータを駆動制御し、内部当籤役に基づいて複数のリールの回転を停止させる制御を行う。
この種の遊技機では、遊技者にとって有利な状態となるAT(assist time)に当籤しているか否かの前兆演出として、主に熟練度の高い遊技者を想定した複雑な演出態様によって趣向を凝らした遊技機が知られている(例えば、特開2015−16085号公報参照)。
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
しかしながら、特許文献1の遊技機では、演出態様や仕様が複雑であり、非熟練者にとってはどのような状態が有利なのか把握しづらいという難点があった。例えば、内部的にATの当籤が確定した本前兆状態であるにもかかわらず、それに気づかずに遊技を終えてしまうと、遊技者が本来得られるべき利益を享受できないことになる。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、遊技者にとって有利な状態を把握させやすくし、遊技者が見逃すおそれを低下させつつも、AT抽籤に関する遊技状態を多彩なものとすることができる遊技機を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段]
上記の目的を達成するために、本発明は、以下のような遊技機を提供する。
本発明に係る遊技機は、
複数の識別情報を変動表示可能な複数の可変表示手段(例えば、リール3L、3C、3R及び表示窓4)と、
前記複数の可変表示手段に対応して遊技者が停止操作可能な複数の停止操作手段(例えば、ストップボタン7L、7C、7R)と、
開始条件の成立に基づいて前記複数の可変表示手段を変動表示させる変動制御手段(例えば、主制御基板71)と、
前記開始条件の成立に基づいて内部当籤役を決定可能な内部当籤役決定手段(例えば、主制御基板71)と、
前記内部当籤役決定手段により決定された内部当籤役と前記複数の停止操作手段を介した停止操作とに基づいて、前記複数の可変表示手段の変動表示を停止させることで結果表示を導出可能な停止制御手段(例えば、主制御基板71)と、
遊技者にとって有利な前記複数の停止操作手段に対する操作態様を報知可能な操作態様報知手段(例えば、副制御基板72及び報知ランプ147a)と、
前記操作態様報知手段による報知を実行可能な有利状態(例えば、有利区間)及び前記操作態様報知手段による報知を実行不能な一般状態(例えば、通常区間)を制御する状態制御手段(例えば、主制御基板71)と、
前記有利状態を告知する有利状態告知手段(例えば、状態表示器147b)と、
を備えた遊技機(例えば、パチスロ機1)であって、
前記有利状態として、所定条件の成立時(例えば、有利区間移行抽籤の当籤時)に前記操作態様報知手段による報知が可能な第1有利状態(例えば、「通常有利」の状態)と、当該第1有利状態から移行可能で当該第1有利状態よりも前記操作態様報知手段による報知の可能性が高い第2有利状態(例えば、「ART」の状態)と、を少なくとも有し、
前記内部当籤役決定手段により決定可能な前記内部当籤役として、前記複数の停止操作手段に対する特定の操作態様で停止操作を行った場合に前記複数の可変表示手段に有利な結果表示が導出され、当該特定の操作態様とは異なる操作態様で停止操作を行った場合に前記複数の可変表示手段に前記有利な結果表示とは異なる結果表示が導出され得る特定役(例えば、押し順ベル)と、所定のボーナス役(例えば、MB)とを有し、
前記状態制御手段は、前記特定役が前記内部当籤役として決定された単位遊技で前記操作態様報知手段による報知が行われること、又は前記複数の可変表示手段において前記所定のボーナス役に対応する結果表示が導出されることのうち、少なくともいずれか一方を満たした後において前記有利状態を終了させるか否かを判定するための終了判定(例えば、有利区間終了抽籤)を実行可能であり、
前記第2有利状態の終了条件(例えば、「ART」のゲーム数0)が成立したときに、前記第1有利状態に移行させるか前記一般状態に移行させるかについての判定(例えば、終了時有利区間終了抽籤)を実行可能であることを特徴とする。
このような構成によれば、報知が行われない一般状態と、報知の可能性が異なる第1有利状態及び第2有利状態とが設けられ、有利状態は、特定役が内部当籤役として決定されて報知が行われるか、あるいは所定のボーナス役に対応する結果表示が導出されるか、いずれか一方を満たした後、終了判定の結果によって一般状態に移行させられる可能性がある一方、報知の可能性がより高い第2有利状態の終了時においては、一般状態に移行させずに第1有利状態に移行させられて有利状態が継続する可能性があるので、遊技者にとって有利な状態を把握させやすくし、遊技者が見逃すおそれを低下させつつも、いわゆるAT抽籤に関する遊技状態を多彩なものとすることができる。
[発明の効果]
本発明によれば、遊技者にとって有利な状態を把握させやすくし、遊技者が見逃すおそれを低下させつつも、AT抽籤に関する遊技状態を多彩なものとすることができる遊技機を提供することができる。
[付記5]
付記5の遊技機は、以下の通りである。
[背景技術]
従来、遊技者により、メダルやコインなどの遊技媒体が投入(以下、「投入操作」という。)され、スタートレバーが操作(以下、「開始操作」という。)されると、複数の図柄がそれぞれの表面に配された複数のリールの回転が開始し、ストップボタンが操作(以下、「停止操作」という。)されると、複数のリールの回転が停止し、その結果表示された図柄の組合せに応じて特典が付与される、いわゆるパチスロ機と称される遊技機が知られている。
このような遊技機においては、開始操作をスタートスイッチにより検出すると、乱数値を抽出して抽籤を行う(以下、この抽籤の結果を「内部当籤役」という。)とともに、ステッピングモータを駆動制御して複数のリールの回転を開始させる制御を行い、停止操作をストップスイッチにより検出すると、ステッピングモータを駆動制御し、内部当籤役に基づいて複数のリールの回転を停止させる制御を行う。
この種の遊技機では、遊技者にとって有利な状態となるAT(assist time)に当籤しているか否かの前兆演出として、主に熟練度の高い遊技者を想定した複雑な演出態様によって趣向を凝らした遊技機が知られている(例えば、特開2015−16085号公報参照)。
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
しかしながら、特許文献1の遊技機では、演出態様や仕様が複雑であり、非熟練者にとってはどのような状態が有利なのか把握しづらいという難点があった。例えば、内部的にATの当籤が確定した本前兆状態であるにもかかわらず、それに気づかずに遊技を終えてしまうと、遊技者が本来得られるべき利益を享受できないことになる。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、遊技者にとって有利な状態を把握させやすくし、遊技者が見逃すおそれを低下させつつも、AT抽籤に関する遊技状態を多彩なものとすることができる遊技機を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段]
上記の目的を達成するために、本発明は、以下のような遊技機を提供する。
本発明に係る遊技機は、
複数の識別情報を変動表示可能な複数の可変表示手段(例えば、リール3L、3C、3R及び表示窓4)と、
前記複数の可変表示手段に対応して遊技者が停止操作可能な複数の停止操作手段(例えば、ストップボタン7L、7C、7R)と、
開始条件の成立に基づいて前記複数の可変表示手段を変動表示させる変動制御手段(例えば、主制御基板71)と、
前記開始条件の成立に基づいて内部当籤役を決定可能な内部当籤役決定手段(例えば、主制御基板71)と、
前記内部当籤役決定手段により決定された内部当籤役と前記複数の停止操作手段を介した停止操作とに基づいて、前記複数の可変表示手段の変動表示を停止させることで結果表示を導出可能な停止制御手段(例えば、主制御基板71)と、
前記内部当籤役として少なくとも1種類以上の再遊技役(例えば、リプレイ)の当籤確率が異なる複数のRTのうち、いずれかのRTに制御可能なRT制御手段(例えば、主制御基板71)と、
遊技者にとって有利な前記複数の停止操作手段に対する操作態様を報知可能な操作態様報知手段(例えば、副制御基板72及び報知ランプ147a)と、
前記操作態様報知手段による報知を実行可能な有利状態(例えば、有利区間)を制御する状態制御手段(例えば、主制御基板71)と、
前記有利状態を告知する有利状態告知手段(例えば、状態表示器147b)と、
を備えた遊技機(例えば、パチスロ機1)であって、
前記内部当籤役決定手段により決定可能な前記内部当籤役として、前記複数の停止操作手段に対する特定の操作態様で停止操作を行った場合に前記複数の可変表示手段に有利な結果表示が導出され、当該特定の操作態様とは異なる操作態様で停止操作を行った場合に前記複数の可変表示手段に前記有利な結果表示とは異なる結果表示が導出され得る特定役(例えば、押し順ベル)と、所定のボーナス役(例えば、MB)とを有し、
前記状態制御手段は、前記特定役が前記内部当籤役として決定された単位遊技で前記操作態様報知手段による報知が行われること、又は前記複数の可変表示手段において前記所定のボーナス役に対応する結果表示が導出されることのうち、少なくともいずれか一方を満たした後において前記有利状態を終了させるか否かを判定するための終了判定(例えば、有利区間終了抽籤)を実行可能であり、
前記RT制御手段は、設定変更時に特定のRT(例えば、RT0)に制御可能であり、
前記特定のRTに制御される旨が決定された前記有利状態は、前記特定のRT以外のRTにおいて制御される旨が決定された前記有利状態よりも遊技者にとって有利度合いが高くなる可能性が高いことを特徴とする。
このような構成によれば、報知が実行可能な有利状態が設けられ、有利状態は、特定役が内部当籤役として決定されて報知が行われるか、あるいは所定のボーナス役に対応する結果表示が導出されるか、いずれか一方を満たした後、終了判定の結果によって終了させられる可能性がある一方、設定変更がなされた場合には、遊技状態が特定のRTに制御されることで有利状態よりも有利度合いが高くなる可能性が高いので、遊技者にとって有利な状態を把握させやすくし、遊技者が見逃すおそれを低下させつつも、いわゆるAT抽籤に関する遊技状態を多彩なものとすることができる。
[発明の効果]
本発明によれば、遊技者にとって有利な状態を把握させやすくし、遊技者が見逃すおそれを低下させつつも、AT抽籤に関する遊技状態を多彩なものとすることができる遊技機を提供することができる。
[付記6]
付記6の遊技機は、以下の通りである。
[背景技術]
従来、遊技者により、メダルやコインなどの遊技媒体が投入(以下、「投入操作」という。)され、スタートレバーが操作(以下、「開始操作」という。)されると、複数の図柄がそれぞれの表面に配された複数のリールの回転が開始し、ストップボタンが操作(以下、「停止操作」という。)されると、複数のリールの回転が停止し、その結果表示された図柄の組合せに応じて特典が付与される、いわゆるパチスロ機と称される遊技機が知られている。
このような遊技機においては、開始操作をスタートスイッチにより検出すると、乱数値を抽出して抽籤を行う(以下、この抽籤の結果を「内部当籤役」という。)とともに、ステッピングモータを駆動制御して複数のリールの回転を開始させる制御を行い、停止操作をストップスイッチにより検出すると、ステッピングモータを駆動制御し、内部当籤役に基づいて複数のリールの回転を停止させる制御を行う。
また、例えば、特開2015−39536号公報には、遊技者にとって有利な有利状態(例えば、ART状態)に移行するか否かの抽籤を行い、当該抽籤結果に基づいて本前兆状態(有利状態に移行することが決定されている前兆)又はガセ前兆状態(有利状態に移行しない場合の前兆)に移行可能とする遊技機が知られている。
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
このような遊技機によれば、前兆(本前兆状態又はガセ前兆状態)中に有利状態への移行を煽る演出を行うことができ、遊技の興趣を向上させることができるものの、ガセ前兆状態に移行していた場合には、有利状態に移行することがないため、結果としてメダルを消費してしまうばかりで恩恵もないため、遊技意欲が低減してしまうおそれがあった。
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、遊技意欲の低減を抑制可能な遊技機を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段]
上記の目的を達成するために、本発明は、以下のような遊技機を提供する。
本発明に係る遊技機は、複数の識別情報を変動表示可能な複数の可変表示手段(例えば、リール3L、3C、3R及び表示窓4)と、前記複数の可変表示手段に対応して遊技者が停止操作可能な複数の停止操作手段(例えば、ストップボタン7L、7C、7R)と、開始条件の成立に基づいて前記複数の可変表示手段を変動表示させる変動制御手段(例えば、主制御基板71)と、前記開始条件の成立に基づいて内部当籤役を決定可能な内部当籤役決定手段(例えば、主制御基板71)と、前記内部当籤役決定手段により決定された内部当籤役と前記複数の停止操作手段を介した停止操作とに基づいて、前記複数の可変表示手段の変動表示を停止させることで結果表示を導出可能な停止制御手段(例えば、主制御基板71)と、遊技者にとって有利な前記複数の停止操作手段に対する操作態様を報知可能な操作態様報知手段(例えば、主制御基板71、報知ランプ147a、副制御基板72、表示ユニット100)と、前記操作態様報知手段による報知を実行可能な報知状態(例えば、有利区間)を制御する状態制御手段(例えば、主制御基板71)と、を備えた遊技機であって、前記報知状態として、所定条件の成立時に前記操作態様報知手段による報知が可能な第1報知状態(例えば、「通常有利」)と、当該第1報知状態から移行可能で当該第1報知状態よりも前記操作態様報知手段による報知の可能性が高い第2報知状態(例えば、「ART」)と、を少なくとも有し、前記内部当籤役決定手段により決定可能な前記内部当籤役として、前記複数の停止操作手段に対する特定の操作態様で停止操作を行った場合に前記複数の可変表示手段に有利な結果表示が導出され、当該特定の操作態様とは異なる操作態様で停止操作を行った場合に前記複数の可変表示手段に前記有利な結果表示とは異なる結果表示が導出される特定役(例えば、押し順ベル)と、所定のボーナス役(例えば、MB)とを有し、前記状態制御手段は、非報知状態において特定条件が成立すると、当該非報知状態から前記第1報知状態に移行可能であり、また、前記特定役が前記内部当籤役として決定された単位遊技で前記操作態様報知手段による報知が行われること、又は前記複数の可変表示手段において前記所定のボーナス役に対応する結果表示が導出されることのうち、少なくともいずれか一方を満たした後において前記報知状態を終了させるか否かを判定するための終了判定(例えば、有利区間終了抽籤)を実行可能であり、前記第1報知状態中に行われた単位遊技の回数を計数する計数手段(例えば、主制御基板71)と、前記計数手段が計数する前記回数に応じて特典(例えば、SCZモードの昇格)を付与する特典付与手段(例えば、主制御基板71)と、を更に備えることを特徴とする。
このような遊技機によれば、第1報知状態中に計数された単位遊技の回数に応じて特典が付与される。ここで、第1報知状態は、遊技者にとって有利な操作態様が報知される確率が高い第2報知状態に移行可能な遊技状態であるため、本実施形態の遊技機では、より有利な第2報知状態に移行できないまま第1報知状態に所定期間滞在した場合に特典を付与することができる。これにより非報知状態において、第2報知状態に移行できずに第1報知状態に移行してしまった場合であっても、単にメダルを消費してしまうだけでなく特典の付与が期待できるため、遊技意欲の低減を抑制することができる。
また、本発明に係る遊技機において、前記第2報知状態を継続可能な残り継続期間を管理する残期間管理手段(例えば、主制御基板71)を更に備え、前記状態制御手段は、前記第1報知状態中に行われた単位遊技の回数と、前記第2報知状態中に行われた単位遊技の回数との和が所定回数(例えば、1500回)に達すると、前記残期間管理手段が管理する前記残り継続期間に関わらず、前記報知状態を終了させる(例えば、リミット処理を行う)こととしてもよい。
このような遊技機によれば、第1報知状態に所定期間滞在した場合には特典の付与が期待できるものの、第1報知状態中と第2報知状態中とに行われた単位遊技の回数の和が所定回数に達すると、報知状態が強制的に終了してしまう。これにより第1報知状態に長期間滞在した結果、大きな特典が付与されたとしても、報知状態(第1報知状態又は第2報知状態)が必要以上に継続してしまうことがなく、射幸心を徒に高めてしまうことを防止できる。
また、本発明に係る遊技機は、複数の識別情報を変動表示可能な複数の可変表示部(例えば、リール3L、3C、3R及び表示窓4)と、前記複数の可変表示部に対応して遊技者が停止操作可能な複数の停止操作手段(例えば、ストップボタン7L、7C、7R)と、開始条件の成立に基づいて前記複数の可変表示部を変動表示させる変動制御手段(例えば、主制御基板71)と、前記開始条件の成立に基づいて内部当籤役を決定可能な内部当籤役決定手段(例えば、主制御基板71)と、前記内部当籤役決定手段により決定された内部当籤役と前記複数の停止操作手段を介した停止操作とに基づいて、前記複数の可変表示部の変動表示を停止させることで結果表示を導出可能な停止制御手段(例えば、主制御基板71)と、遊技者にとって有利な前記複数の停止操作手段に対する操作態様を報知可能な操作態様報知手段(例えば、主制御基板71、報知ランプ147a、副制御基板72、表示ユニット100)と、通常状態(例えば、通常区間)と、該通常状態よりも有利な有利状態(例えば、有利区間)と、を少なくとも含む複数の遊技状態を制御する状態制御手段と、を備えた遊技機であって、前記有利状態として、前記操作態様報知手段による報知が抑制された第1有利状態(例えば、通常有利や演出区間)と、前記操作態様報知手段による報知を実行可能な第2有利状態(例えば、ARTや増加区間)と、を少なくとも有し、前記第1有利状態が予め定められた所定の期間継続したときに特典を付与可能な特典付与手段(例えば、主制御基板71)と、前記有利状態中に行われた単位遊技の回数が所定回数となったときに(例えば、ゲーム数リミッタの発動時に)、前記有利状態を終了させる終了手段(例えば、主制御基板71)と、を更に備えることを特徴とする。
このような遊技機によれば、第1有利状態が予め定められた所定の期間継続したときに特典が付与されるため、上述の遊技機と同様に、第2有利状態に移行できずに第1有利状態に移行してしまった場合であっても、単にメダルを消費してしまうだけでなく特典の付与が期待できるため、遊技意欲の低減を抑制することができる。一方で、有利状態(第1有利状態又は第2有利状態)は、当該有利状態中に行われた単位遊技の回数が所定回数となったときに終了してしまうため、第1有利状態に長期間滞在した結果、大きな特典が付与されたとしても、有利状態(第1有利状態又は第2有利状態)が必要以上に継続してしまうことがなく、射幸心を徒に高めてしまうことを防止できる。
[発明の効果]
本発明によれば、遊技意欲の低減を抑制可能な遊技機を提供することができる。
[付記7]
付記7の遊技機は、以下の通りである。
[背景技術]
従来、遊技者により、メダルやコインなどの遊技媒体が投入(以下、「投入操作」という。)され、スタートレバーが操作(以下、「開始操作」という。)されると、複数の図柄がそれぞれの表面に配された複数のリールの回転が開始し、ストップボタンが操作(以下、「停止操作」という。)されると、複数のリールの回転が停止し、その結果表示された図柄の組合せに応じて特典が付与される、いわゆるパチスロ機と称される遊技機が知られている。
このような遊技機においては、開始操作をスタートスイッチにより検出すると、乱数値を抽出して抽籤を行う(以下、この抽籤の結果を「内部当籤役」という。)とともに、ステッピングモータを駆動制御して複数のリールの回転を開始させる制御を行い、停止操作をストップスイッチにより検出すると、ステッピングモータを駆動制御し、内部当籤役に基づいて複数のリールの回転を停止させる制御を行う。
このような遊技機として、特開2016−086863号公報には、遊技者にとって有利な特別役が有利状態中に表示された場合に、遊技状態を識別して外部信号を送信し、データカウンタ等の外部機器と連動して大量のメダルが獲得できることを示唆する賑やかな演出を行う遊技機が開示されている。このような遊技機によれば、単に遊技機だけで演出を行うのではなく、他の機器と連動して演出を行うため、遊技の興趣を高めることができる。
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
しかしながら、このような遊技機では、一連の有利状態において獲得できるメダルが多すぎるため、射幸性が高すぎると感じる一部の遊技者から敬遠されてしまうという問題があった。
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、一連の状態の中で遊技者に対して付与する利益が過度になり過ぎず適度な射幸性のバランスがとられた遊技機を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段]
上記の目的を達成するために、本発明は、以下のような遊技機を提供する。
本発明に係る遊技機は、遊技者にとって有利な停止操作の態様を報知可能な報知状態(例えば、有利区間)に関連して計数された数値がリミット閾値(例えば、1500回)に達すると、前記報知状態を継続可能な残り期間に関わらず前記報知状態を終了するリミット処理を行う遊技機であって、複数の識別情報を変動表示可能な複数の可変表示部(例えば、リール3L、3C、3R及び表示窓4)と、前記複数の可変表示部に対応して遊技者が停止操作可能な複数の停止操作手段(例えば、ストップボタン7L、7C、7R)と、開始条件の成立に基づいて前記複数の可変表示部を変動表示させる変動制御手段(例えば、主制御基板71)と、前記開始条件の成立に基づいて内部当籤役を決定可能な内部当籤役決定手段(例えば、主制御基板71)と、前記内部当籤役決定手段により決定された内部当籤役と前記複数の停止操作手段を介した停止操作とに基づいて、前記複数の可変表示部の変動表示を停止させることで結果表示を導出可能な停止制御手段(例えば、主制御基板71)と、遊技者にとって有利な停止操作の態様を報知可能な報知手段(例えば、主制御基板71、報知ランプ147a、副制御基板72、表示ユニット100)と、前記報知手段による報知を実行可能な前記報知状態を制御する状態制御手段(例えば、主制御基板71)と、を備え、前記内部当籤役決定手段により決定可能な前記内部当籤役として、前記複数の停止操作手段に対する特定の操作態様で停止操作を行った場合に前記複数の可変表示部に特定の結果表示(例えば、単チリリプ、2連チリリプ、3連チリリプ)が導出され、当該特定の操作態様とは異なる操作態様で停止操作を行った場合に前記複数の可変表示部に前記特定の結果表示とは異なる所定の結果表示(例えば、リプレイ)が導出される特定役(例えば、「F_単チリリプ」「F_2連チリリプ」「F_3連チリリプ」)を有し、前記内部当籤役決定手段により前記特定役が前記内部当籤役として決定されたことに応じて、前記報知状態に関する特典を付与可能な特典付与手段(例えば、主制御基板71)と、前記特定役が前記内部当籤役として決定されたときに、前記特典付与手段が特典を付与し得る確率である特典確率を変化させる確率変更手段(例えば、主制御基板71)と、を更に備え、前記確率変更手段は、前記数値が特定値未満である場合は前記特典確率を第1の確率とし、前記数値が前記特定値以上である場合は前記特典確率を該第1の確率より低い第2の確率とし、前記報知手段は、前記数値が前記特定値未満である場合に前記特定役が前記内部当籤役として決定されると、前記特定の操作態様を遊技者に対して報知し、前記数値が前記特定値以上である場合に前記特定役が前記内部当籤役として決定されると、前記特定の操作態様とは異なる操作態様を遊技者に対して報知することを特徴とする。
このような遊技機によれば、通常であれば、特定役の当籤時に報知状態に関する特典を付与可能であるが、報知状態に関連して計数された数値が特定値に達した後は、特定役が決定された場合であっても特典を付与する確率が低下する。これにより報知状態中に遊技者に対して付与する利益が過度になり過ぎず、適度な射幸性のバランスをとることができる。また、本発明に係る遊技機では、この数値がリミット閾値に達した場合、強制的に報知状態を終了するため、この点からも射幸性のバランスをとることができる。なお、特定役の当籤時に特典を付与する場合には、報知手段の報知に伴い特定の結果表示が導出される一方で、特定役の当籤時に特典を付与しない場合には、報知手段の報知に伴い所定の結果表示が導出される。遊技者にとってみれば、特定役が当籤したにも関わらず特典が付与されないことを把握できてしまうと不満を感じてしまう可能性があるものの、本発明に係る遊技機では、特典を付与する場合と付与しない場合とで結果表示を異ならせるため、結果表示から特定役の当籤時であることを把握されることがない。これにより、特定役の当籤時に特典を付与しない場合であっても、遊技者に不満感を与えてしまうことがなく、遊技の興趣の低下を抑制することができる。
また、本発明に係る遊技機において、前記特定役として、第1の操作態様で停止操作を行った場合に第1の結果表示が導出され、当該第1の操作態様とは異なる操作態様で停止操作を行った場合に前記第1の結果表示とは異なる第2の結果表示が導出され得る第1特定役と、第2の操作態様で停止操作を行った場合に第3の結果表示が導出され、当該第2の操作態様とは異なる操作態様で停止操作を行った場合に前記第3の結果表示とは異なる第4の結果表示が導出される第2特定役と、を有し、前記特典付与手段は、前記第1特定役が前記内部当籤役として決定されたことに応じて、第1の大きさの前記特典を付与可能であり、また、前記第2特定役が前記内部当籤役として決定されたことに応じて、前記第1の大きさよりも大きい第2の大きさの前記特典を付与可能であり、前記確率変更手段は、前記第1特定役が前記内部当籤役として決定されたときに前記特典付与手段が特典を付与し得る確率である第1特典確率及び、前記第2特定役が前記内部当籤役として決定されたときに前記特典付与手段が特典を付与し得る確率である第2特典確率を変化させることが可能であり、前記数値が第1特定値未満である場合に前記第1特典確率を所定の確率とし、前記数値が前記第1特定値以上である場合は前記第1特典確率を該所定の確率よりも低い確率とし、前記数値が前記第1特定値よりも小さい第2特定値未満である場合に前記第2特典確率を特定の確率とし、前記数値が前記第2特定値以上である場合は前記第2特典確率を該特定の確率よりも低い確率とし、前記報知手段は、前記数値が前記第1特定値未満である場合に前記第1特定役が前記内部当籤役として決定されると、前記第1の操作態様を遊技者に対して報知し、前記数値が前記第1特定値以上である場合に前記第1特定役が前記内部当籤役として決定されると、前記第1の操作態様とは異なる操作態様を遊技者に対して報知し、前記数値が前記第2特定値未満である場合に前記第2特定役が前記内部当籤役として決定されると、前記第2の操作態様を遊技者に対して報知し、前記数値が前記第2特定値以上である場合に前記第2特定役が前記内部当籤役として決定されると、前記第2の操作態様とは異なる操作態様を遊技者に対して報知することとしてもよい。
このような遊技機によれば、特定役の種別毎に対応付けられた特典の大きさに応じて、特典を付与する確率を変更する閾値である特定値の値を変え、対応付けられた特典が大きい第2特定役の当籤時には、第1特定役の当籤時よりも当該閾値の値を小さくする。これにより対応付けられた特典の大きさ毎に特典を付与し易い期間を調整することができ、適度な射幸性のバランスをとることができる。
[発明の効果]
本発明によれば、一連の状態の中で遊技者に対して付与する利益が過度になり過ぎず適度な射幸性のバランスがとられた遊技機を提供することができる。
[付記8]
付記8の遊技機は、以下の通りである。
[背景技術]
従来、遊技者により、メダルやコインなどの遊技媒体が投入(以下、「投入操作」という。)され、スタートレバーが操作(以下、「開始操作」という。)されると、複数の図柄がそれぞれの表面に配された複数のリールの回転が開始し、ストップボタンが操作(以下、「停止操作」という。)されると、複数のリールの回転が停止し、その結果表示された図柄の組合せに応じて特典が付与される、いわゆるパチスロ機と称される遊技機が知られている。
このような遊技機においては、開始操作をスタートスイッチにより検出すると、乱数値を抽出して抽籤を行う(以下、この抽籤の結果を「内部当籤役」という。)とともに、ステッピングモータを駆動制御して複数のリールの回転を開始させる制御を行い、停止操作をストップスイッチにより検出すると、ステッピングモータを駆動制御し、内部当籤役に基づいて複数のリールの回転を停止させる制御を行う。
このような遊技機として、特開2016−086863号公報には、遊技者にとって有利な特別役が有利状態中に表示された場合に、遊技状態を識別して外部信号を送信し、データカウンタ等の外部機器と連動して大量のメダルが獲得できることを示唆する賑やかな演出を行う遊技機が開示されている。このような遊技機によれば、単に遊技機だけで演出を行うのではなく、他の機器と連動して演出を行うため、遊技の興趣を高めることができる。
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
しかしながら、このような遊技機では、一連の有利状態において獲得できるメダルが多すぎるため、射幸性が高すぎると感じる一部の遊技者から敬遠されてしまうという問題があった。
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、一連の状態の中で遊技者に対して付与する利益が過度になり過ぎず適度な射幸性のバランスがとられた遊技機を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段]
上記の目的を達成するために、本発明は、以下のような遊技機を提供する。
本発明に係る遊技機は、遊技者にとって有利な停止操作の態様を報知可能な報知状態(例えば、有利区間)に関連して計数された数値がリミット閾値(例えば、1500回)に達すると、前記報知状態を継続可能な残り期間に関わらず前記報知状態を終了するリミット処理を行う遊技機であって、複数の識別情報を変動表示可能な複数の可変表示部(例えば、リール3L、3C、3R及び表示窓4)と、前記複数の可変表示部に対応して遊技者が停止操作可能な複数の停止操作手段(例えば、ストップボタン7L、7C、7R)と、開始条件の成立に基づいて前記複数の可変表示部を変動表示させる変動制御手段(例えば、主制御基板71)と、前記開始条件の成立に基づいて内部当籤役を決定可能な内部当籤役決定手段(例えば、主制御基板71)と、前記内部当籤役決定手段により決定された内部当籤役と前記複数の停止操作手段を介した停止操作とに基づいて、前記複数の可変表示部の変動表示を停止させることで結果表示を導出可能な停止制御手段(例えば、主制御基板71)と、遊技者にとって有利な停止操作の態様を報知可能な報知手段(例えば、主制御基板71、報知ランプ147a、副制御基板72、表示ユニット100)と、前記報知手段による報知を実行可能な前記報知状態を制御する状態制御手段(例えば、主制御基板71)と、を備え、前記内部当籤役決定手段により決定可能な前記内部当籤役として、前記複数の停止操作手段に対する特定の操作態様で停止操作を行った場合に前記複数の可変表示部に特定の結果表示(例えば、単チリリプ、2連チリリプ、3連チリリプ)が導出され、当該特定の操作態様とは異なる操作態様で停止操作を行った場合に前記複数の可変表示部に前記特定の結果表示とは異なる所定の結果表示(例えば、リプレイ)が導出される特定役(例えば、「F_単チリリプ」「F_2連チリリプ」「F_3連チリリプ」)を有し、前記報知状態中に所定条件(例えば、上乗せ特化ゾーンのストックが所定数以上)を満たすと、特殊状態(例えば、特殊区間)をセットする状態制御手段(例えば、主制御基板71)と、前記内部当籤役決定手段により前記特定役が前記内部当籤役として決定されたことに応じて、前記報知状態に関する特典を付与可能な特典付与手段(例えば、主制御基板71)と、前記特定役が前記内部当籤役として決定されたときに、前記特典付与手段が特典を付与しうる確率である特典確率を変化させる確率変更手段(例えば、主制御基板71)と、を更に備え、前記確率変更手段は、前記特殊状態ではない場合は前記特典確率を第1の確率とし、前記特殊状態中の場合は前記特典確率を該第1の確率より低い第2の確率とし、前記報知手段は、前記特定役が前記内部当籤役として決定され前記特典付与手段が前記特典を付与する場合に、前記特定の操作態様を遊技者に対して報知し、前記特定役が前記内部当籤役として決定され前記特典付与手段が前記特典を付与しない場合に、前記特定の操作態様とは異なる操作態様を遊技者に対して報知することを特徴とする。
このような遊技機によれば、報知状態中に特定役が当籤した場合、特殊状態中であるか否かに応じて特典を付与する確率が異なり、特殊状態中は、特典を付与する確率が下がる。これにより報知状態中に遊技者に対して付与する利益が過度になり過ぎず、適度な射幸性のバランスをとることができる。また、本発明に係る遊技機では、報知状態に関連して計数される数値がリミット閾値に達した場合、強制的に報知状態を終了するため、この点からも射幸性のバランスをとることができる。なお、特定役の当籤時に特典を付与する場合には、報知手段の報知に伴い特定の結果表示が導出される一方で、特定役の当籤時に特典を付与しない場合には、報知手段の報知に伴い所定の結果表示が導出される。遊技者にとってみれば、特定役が当籤したにも関わらず特典が付与されないことを把握できてしまうと不満を感じてしまう可能性があるものの、本発明に係る遊技機では、特典を付与する場合と付与しない場合とで結果表示を異ならせるため、結果表示から特定役の当籤時であることを把握されることがない。これにより、特定役の当籤時に特典を付与しない場合であっても、遊技者に不満感を与えてしまうことがなく、遊技の興趣の低下を抑制することができる。
また、本発明に係る遊技機において、前記所定条件は、前記報知状態を継続可能な残り期間を延長する上乗せ権利を所定数以上保持している場合に満たされることとしてもよい。
このような遊技機によれば、上乗せ権利を所定数以上保持している場合には特定役低減状態になり、特典付与の確率が下がるため、報知状態中に遊技者に対して付与する利益が過度になり過ぎず、適度な射幸性のバランスをとることができる。
また、本発明に係る遊技機において、前記特定役が前記内部当籤役として決定され、前記特定の操作態様で停止操作が行われた場合に導出される前記特定の結果表示は、複数の役のうち前記特定役に固有の結果表示であり、前記特定役が前記内部当籤役として決定され、前記特定の操作態様とは異なる操作態様で停止操作が行われた場合に導出される前記所定の結果表示は、複数の役のうち前記特定役以外の役が前記内部当籤役として決定された場合にも導出され得る結果表示であることとしてもよい。
このような遊技機によれば、特定役の当籤時に特典が付与される場合、特定役に固有の結果表示が導出されることになる。結果表示(図柄)を揃えて上乗せする遊技性は、遊技者からしても好ましいものであるため、特典付与時に固有の結果表示を表示することで、遊技の興趣を向上させることができる。一方で、特定役の当籤時に特典が付与されない場合、他の役の当籤時にも導出され得る結果表示が導出されることになるため、遊技者に特定役の当籤時であることを把握されることがなく、遊技の興趣の低下を抑制することができる。
[発明の効果]
本発明によれば、一連の状態の中で遊技者に対して付与する利益が過度になり過ぎず適度な射幸性のバランスがとられた遊技機を提供することができる。
[付記9]
付記9の遊技機は、以下の通りである。
[背景技術]
従来、遊技者により、メダルやコインなどの遊技媒体が投入(以下、「投入操作」という。)され、スタートレバーが操作(以下、「開始操作」という。)されると、複数の図柄がそれぞれの表面に配された複数のリールの回転が開始し、ストップボタンが操作(以下、「停止操作」という。)されると、複数のリールの回転が停止し、その結果表示された図柄の組合せに応じて特典が付与される、いわゆるパチスロ機と称される遊技機が知られている。
このような遊技機においては、開始操作をスタートスイッチにより検出すると、乱数値を抽出して抽籤を行う(以下、この抽籤の結果を「内部当籤役」という。)とともに、ステッピングモータを駆動制御して複数のリールの回転を開始させる制御を行い、停止操作をストップスイッチにより検出すると、ステッピングモータを駆動制御し、内部当籤役に基づいて複数のリールの回転を停止させる制御を行う。
また、従来、過去の遊技結果の履歴を参照して特典を付与する遊技機も知られており、例えば、特開2013−252312号公報には、5ゲーム分の入賞履歴を所定の条件に従って表示するとともに、入賞履歴データを保持して、入賞履歴が条件コードデータに該当する入賞履歴となってことに基づいてARTの抽籤を行う遊技機が開示されている。このような遊技機によれば、今回の遊技だけでなく、過去の遊技の履歴も加味して制御が行われるため、多彩な遊技性を実現することができる。
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
しかしながら、このような遊技機では、入賞履歴データを常時5ゲーム分保持し続けたり、5ゲーム分の入賞履歴を参照した判定用データを用意しなければならず、処理のためのデータ容量の増大と、仕様の複雑さゆえに開発工数が増大するという問題があった。
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、データ容量や処理負荷を抑えつつ、多彩な遊技性を実現可能な遊技機を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段]
上記の目的を達成するために、本発明は、以下のような遊技機を提供する。
本発明に係る遊技機は、複数の識別表示を変動表示可能な可変表示手段(例えば、リール3L、3C、3R)と、複数の役の中から決定された当籤役に応じて前記可変表示手段を用いた遊技の進行を制御する遊技制御手段(例えば、主制御基板71)と、遊技に関する演出を実行可能な演出実行手段(例えば、副制御基板72)と、を備える遊技機であって、今回の遊技から所定回数前の遊技までの所定回数の遊技のそれぞれに対応して設けられた所定数の表示領域を有する表示部(例えば、表示ユニット100に表示する履歴表示窓)と、所定役が当籤役として決定されたことに応じて、特典を付与可能な特典付与手段(例えば、主制御基板71)と、を更に備え、前記演出実行手段は、前記所定役が当籤役として決定されたことに応じて、前記表示部が有する所定数の表示領域のうちの前記所定役が当籤役として決定された遊技に対応する表示領域に所定の演出情報(例えば、履歴アイコン)を表示するとともに、前記特典付与手段が前記特典を付与する場合に、前記表示部又は前記所定の演出情報の少なくとも一方において前記特典と関連付けされた演出を実行可能であることを特徴とする。
このような遊技機によれば、所定役が当籤役として決定されると特典を付与することができる。ここで、本発明に係る遊技機では、所定役が当籤役として決定されると、表示部に所定の演出情報を表示し、また、特典を付与する場合には、表示部や所定の演出情報を用いて特典付与に関連する演出を実行する。遊技者からすると演出面から、所定役に当籤した結果として特典が付与されたと錯覚することになり、従来の遊技機のように多彩な遊技性を実現することができる。一方で、本発明に係る遊技機では、従来の遊技機のように過去の履歴データを保持する必要が無く、演出面から過去の履歴を参照して制御している遊技性を実現することができるため、データ容量を抑えることができるとともに、仕様が単調であるため開発工数も抑えることができる。
また、本発明に係る遊技機において、前記複数の役の中から前記所定役が当籤役として決定されたことに応じて、第1状態よりも前記特典の付与に関して有利度合いの高い第2状態(例えば、履歴高確)を開始可能であり、前記所定状態において前記所定回数の遊技が行われたときに前記第2状態を終了可能な状態制御手段(例えば、主制御基板71)を備えることとしてもよい。
このような遊技機によれば、所定役が当籤役として決定されると、その後、所定回数の遊技にわたり第2状態となり、この第2状態中に所定役が当籤役として決定されると、第1状態中に所定役が当籤役として決定された場合よりも、特典の付与に関する有利度合いが高くなる。これにより、本発明に係る遊技機では、従来の遊技機のように過去の履歴データを保持する必要が無く、最初の所定役を契機として第2状態に突入させるだけで、あたかも過去の履歴を参照して制御している遊技性を実現することができるため、データ容量を抑えることができるとともに、仕様が単調であるため開発工数も抑えることができる。
[発明の効果]
本発明によれば、データ容量や処理負荷を抑えつつ、多彩な遊技性を実現可能な遊技機を提供することができる。
[付記10]
付記10の遊技機は、以下の通りである。
[背景技術]
従来、遊技者により、メダルやコインなどの遊技媒体が投入(以下、「投入操作」という。)され、スタートレバーが操作(以下、「開始操作」という。)されると、複数の図柄がそれぞれの表面に配された複数のリールの回転が開始し、ストップボタンが操作(以下、「停止操作」という。)されると、複数のリールの回転が停止し、その結果表示された図柄の組合せに応じて特典が付与される、いわゆるパチスロ機と称される遊技機が知られている。
このような遊技機においては、開始操作をスタートスイッチにより検出すると、乱数値を抽出して抽籤を行う(以下、この抽籤の結果を「内部当籤役」という。)とともに、ステッピングモータを駆動制御して複数のリールの回転を開始させる制御を行い、停止操作をストップスイッチにより検出すると、ステッピングモータを駆動制御し、内部当籤役に基づいて複数のリールの回転を停止させる制御を行う。
また、近年、内部当籤役に決定された役を取りこぼすことがないように、内部当籤役を成立させるための情報など遊技者にとって有利な情報を、遊技者に対して報知する遊技機が知られている。なお、このように遊技者が有利となるような情報を報知することを、一般にナビする(ナビを行う)などといい、ナビが行われる期間をAT(assist time)という。こうしたAT機能を搭載した遊技機によれば、ナビを行うか否かを制御することで遊技者に払い出す遊技媒体の数が制御されるため、遊技者は、ATを継続するATゲーム数(ナビゲーム数)が増加することを望むことになる。
ATゲーム数を増加させるための工夫はこれまで様々な観点からなされてきており、例えば、特開2010−057732号公報には、内部当籤役としてスイカやチェリーなどの特定の役が決定されるとATゲーム数を増加させる(ATゲーム数を上乗せさせる)遊技機が開示されている。
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
このような遊技機によれば、内部当籤役に応じて特典が付与(ATゲーム数が増加)されるため、遊技者は内部当籤役の結果に着目して遊技を行うことになり、遊技の興趣が向上するものの、スイカやチェリーなどの遊技者が注目し易い特定の役が内部当籤役として決定されたにも関わらず特典が付与されない頻度が高いと遊技者の落胆を誘うことになり、遊技の興趣が低下してしまう恐れがあった。
本発明はこのような要望に鑑みてなされたものであり、特定役の当籤時に特典の付与を遊技者に対して適度な頻度で報せることが可能な遊技機を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段]
上記の目的を達成するために、本発明は、以下のような遊技機を提供する。
本発明に係る遊技機は、複数の識別表示を変動表示可能な可変表示手段(例えば、リール3L、3C、3R)と、特定役(例えば、レア役)及びボーナス役(例えば、MB)を含む複数の役の中から決定された当籤役に応じて前記可変表示手段を用いた遊技の進行を制御する遊技制御手段(例えば、主制御基板71)と、を備える遊技機であって、遊技を行う遊技状態として、所定の遊技状態(例えば、通常区間)と、前記所定の遊技状態とは異なる特定の遊技状態(例えば、「ART」)と、を含む複数の遊技状態を有し、前記ボーナス役に応じた結果表示が導出され、ボーナスの作動が行われると、前記特定の遊技状態を継続可能な期間を延長する上乗せ量(例えば、上乗せゲーム数)を決定可能な第1上乗せ決定手段(例えば、主制御基板71)と、前記特定役が当籤役として決定されると、前記特定の遊技状態を継続可能な期間を延長する上乗せ量を決定可能な第2上乗せ決定手段(例えば、主制御基板71)と、前記第1上乗せ決定手段、又は、前記第2上乗せ決定手段が決定した前記上乗せ量分だけ、前記特定の遊技状態を継続可能な期間を延長する上乗せ制御手段(例えば、主制御基板71)と、前記上乗せ量を遊技者に対して報知可能な報知手段(例えば、副制御基板72、表示ユニット100)と、前記ボーナスの作動を契機に前記第1上乗せ決定手段が前記上乗せ量を決定した場合に、当該上乗せ量を報知することなく未報知のまま保持する上乗せ潜伏手段(例えば、副制御基板72)と、を更に備え、前記報知手段は、前記特定役が当籤役として決定されたにも関わらず前記第2上乗せ決定手段が前記上乗せ量を決定しない場合に、当該特定役を契機として決定され得る上乗せ量の範囲において、前記上乗せ潜伏手段が保持している未報知の前記上乗せ量の少なくとも一部を報知可能であることを特徴とする。
このような遊技機によれば、ボーナスの作動を契機に上乗せ量を決定した場合に、この上乗せ量は報知することなく未報知のまま保持しておき、特定役の当籤時に上乗せ量を決定しない場合に、保持しておいた未報知の上乗せ量を代わりに報知する。これにより、特定役の当籤時に、特定役を契機とする上乗せ処理分だけでなく、ボーナスの作動を契機とする上乗せ処理分の報知(上乗せ演出)を行うことができ、遊技者が注目し易い特定役の当籤時に遊技者に対して適度な頻度で特典の付与を報せることができる。
また、本発明に係る遊技機において、前記報知手段は、前記特定役が当籤役として決定されたにも関わらず前記第2上乗せ決定手段が前記上乗せ量を決定しない場合に、前記上乗せ潜伏手段が保持している未報知の前記上乗せ量の少なくとも一部を報知するときに、前記第2上乗せ決定手段により決定可能な上乗せ量と同じ上乗せ量を報知することとしてもよい。
このような遊技機によれば、未報知の上乗せ量を代わりに報知する場合に、特定役の当籤時に決定可能な上乗せ量と同じ上乗せ量を報知するため、遊技者に特定役に基づき上乗せが行われたかのように錯覚させることができ、遊技者が注目し易い特定役の当籤時に遊技者に対して適度な頻度で特典の付与を報せることができる。
また、本発明に係る遊技機において、前記特定役は、複数の設定値のそれぞれにおいて当籤役として決定され得る確率が同一の設定差のない役であり、また、前記ボーナス役は、複数の設定値の少なくとも一部において当籤役として決定され得る確率が異なる設定差のある役であり、前記第1上乗せ決定手段及び前記第2上乗せ決定手段が前記上乗せ量を決定する確率は、複数の設定値のそれぞれにおいて同一であることとしてもよい。
このような遊技機によれば、特定役を契機とする上乗せは、複数の設定値において共通に行われるものの、ボーナスの作動を契機とする上乗せは、設定値毎に異なる確率で行われることになる。上述のように、ボーナスの作動を契機とする上乗せは未報知のまま保持され、その後の特定役の当籤時に代わって報知されるため、設定値に差のない特定役であっても、上乗せの報知が行われる頻度が設定値によって異なることになる。これにより、例えば、上乗せ処理に係る抽籤テーブルの設定差をなくした場合であっても、上乗せの設定差を遊技者に対して感じさせることができ、上乗せ頻度からの設定推測という遊技性を実現することができる。
[発明の効果]
本発明によれば、特定役の当籤時に特典の付与を遊技者に対して適度な頻度で報せることができる。
[付記11]
付記11の遊技機は、以下の通りである。
[背景技術]
従来、遊技者により、メダルやコインなどの遊技媒体が投入(以下、「投入操作」という。)され、スタートレバーが操作(以下、「開始操作」という。)されると、複数の図柄がそれぞれの表面に配された複数のリールの回転が開始し、ストップボタンが操作(以下、「停止操作」という。)されると、複数のリールの回転が停止し、その結果表示された図柄の組合せに応じて特典が付与される、いわゆるパチスロ機と称される遊技機が知られている。
このような遊技機においては、開始操作をスタートスイッチにより検出すると、乱数値を抽出して抽籤を行う(以下、この抽籤の結果を「内部当籤役」という。)とともに、ステッピングモータを駆動制御して複数のリールの回転を開始させる制御を行い、停止操作をストップスイッチにより検出すると、ステッピングモータを駆動制御し、内部当籤役に基づいて複数のリールの回転を停止させる制御を行う。
また、近年、内部当籤役に決定された役を取りこぼすことがないように、内部当籤役を成立させるための情報など遊技者にとって有利な情報を、遊技者に対して報知する遊技機が知られている。なお、このように遊技者が有利となるような情報を報知することを、一般にナビする(ナビを行う)などといい、ナビが行われる期間をAT(assist time)という。こうしたAT機能を搭載した遊技機によれば、ナビを行うか否かを制御することで遊技者に払い出す遊技媒体の数が制御されるため、遊技者は、ATを継続するATゲーム数(ナビゲーム数)が増加することを望むことになる。
ATゲーム数を増加させるための工夫はこれまで様々な観点からなされてきており、例えば、特開2010−057732号公報には、内部当籤役としてスイカやチェリーなどの特定の役が決定されるとATゲーム数を増加させる(ATゲーム数を上乗せさせる)遊技機が開示されている。
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
このような遊技機によれば、内部当籤役に応じて特典が付与(ATゲーム数が増加)されるため、遊技者は内部当籤役の結果に着目して遊技を行うことになり、遊技の興趣が向上するものの、特典の付与に関する演出には、更なる改善の余地があった。
本発明はこのような要望に鑑みてなされたものであり、特典付与の報知に関して興趣が向上する演出を実現可能な遊技機を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段]
上記の目的を達成するために、本発明は、以下のような遊技機を提供する。
本発明に係る遊技機は、複数の識別表示を変動表示可能な可変表示手段(例えば、リール3L、3C、3R)と、前記可変表示手段を用いた遊技の進行を制御する遊技制御手段(例えば、主制御基板71)と、を備える遊技機であって、遊技を行う遊技状態として、所定の遊技状態(例えば、通常区間)と、前記所定の遊技状態とは異なる特定の遊技状態(例えば、「ART」)と、を含む複数の遊技状態を有し、所定の条件を満たすと、前記特定の遊技状態を継続可能な期間を延長する上乗せ量(例えば、上乗せゲーム数)を決定可能な上乗せ決定手段(例えば、主制御基板71)と、前記上乗せ決定手段が決定した前記上乗せ量分だけ、前記特定の遊技状態を継続可能な期間を延長する上乗せ制御手段(例えば、主制御基板71)と、前記上乗せ量を報知することなく未報知のまま保持可能な上乗せ潜伏手段(例えば、副制御基板72)と、特定の条件を満たすと(例えば、「F_SPリプA1」等の当籤時)、前記上乗せ潜伏手段が保持している未報知の前記上乗せ量の少なくとも一部を遊技者に対して報知可能な報知手段(例えば、副制御基板72、表示ユニット100)と、前記上乗せ潜伏手段が保持している未報知の前記上乗せ量に応じて、複数の演出ステージの中から一の演出ステージを決定可能な演出ステージ決定手段(例えば、副制御基板72)と、を更に備え、前記報知手段は、前記演出ステージ決定手段が決定した前記一の演出ステージに対応する上乗せ報知演出により未報知の前記上乗せ量を遊技者に対して報知可能であることを特徴とする。
このような遊技機によれば、内部的に上乗せが行われた場合、報知することなく未報知のまま保持されることがあり、未報知のまま保持された上乗せ量は、その後、特定の条件を満たすと報知される。これにより、少ない上乗せ量が決定される度に上乗せの報知を行う場合に比べて、一度に報知可能な上乗せ量を多くすることができ、特典付与の報知演出に伴い遊技の興趣を向上させることができる。また、本発明に係る遊技機では、未報知の上乗せ量に応じて演出ステージを決定し、この演出ステージに対応する報知演出により未報知の上乗せ量を報知する。遊技者にとってみれば、演出ステージから未報知の上乗せ量を予測することができ、例えば、未報知の上乗せ量が多い場合に決定される演出ステージに移行した場合には、その後の遊技に期待を持つことができる。また、演出ステージに対応する報知演出により未報知の上乗せ量を報知するため、例えば、未報知の上乗せ量が多い場合に決定される演出ステージではより賑やかな演出を行うなどのように多彩な演出制御を実現することができる。
また、本発明に係る遊技機において、前記複数の可変表示手段に対応して遊技者が停止操作可能な複数の停止操作手段(例えば、ストップボタン7L、7C、7R)と、複数の役の中から決定された当籤役と前記複数の停止操作手段を介した停止操作とに応じて、前記複数の可変表示手段の変動表示を停止させることで結果表示を導出可能な停止制御手段(例えば、主制御基板71)と、を更に備え、前記複数の役には、前記複数の停止操作手段に対する第1の操作態様で停止操作を行った場合に前記複数の可変表示手段に第1の結果表示(例えば、リプレイ)が導出され、前記複数の停止操作手段に対する第2の操作態様で停止操作を行った場合に前記複数の可変表示手段に第2の結果表示(例えば、赤BARリプ)が導出され、前記複数の停止操作手段に対する第3の操作態様で停止操作を行った場合に前記複数の可変表示手段に第3の結果表示(例えば、W揃いリプ)が導出される特定役(例えば、「F_SPリプB1」)が含まれ、未報知の前記上乗せ量が所定値(例えば、100)未満の場合に前記特定役が前記当籤役として決定されると、前記第1の操作態様を遊技者に対して報知可能で、未報知の前記上乗せ量が所定値以上特定値(例えば、150)未満の場合に前記特定役が前記当籤役として決定されると、前記第2の操作態様を遊技者に対して報知可能で、未報知の前記上乗せ量が特定値以上の場合に前記特定役が前記当籤役として決定されると、前記第3の操作態様を遊技者に対して報知可能な操作態様報知手段を更に備え、前記報知手段は、未報知の前記上乗せ量が所定値未満の場合に前記特定役が前記当籤役として決定されると、前記上乗せ報知演出を行うことなく、未報知の前記上乗せ量が所定値以上特定値未満の場合に前記特定役が前記当籤役として決定されると、前記所定値分の上乗せ量を報知する前記上乗せ報知演出を行い、未報知の前記上乗せ量が特定値以上の場合に前記特定役が前記当籤役として決定されると、前記特定値分の上乗せ量を報知する前記上乗せ報知演出を実行可能であることとしてもよい。
このような遊技機によれば、報知する未報知の上乗せ量と、結果表示を導出するために報知する操作態様とを対応付けることができる。具体的には、上乗せ量を報知しない場合には、第1の結果表示が導出される操作態様を報知し、所定値分の上乗せ量を報知する場合には、第2の結果表示が導出される操作態様を報知し、特定値分の上乗せ量を報知する場合には、第3の結果表示が導出される操作態様を報知する。結果表示(図柄)を揃えて上乗せする遊技性は、遊技者からしても好ましいものであるため、報知演出を行う際に特定の結果表示の導出を促すことで、遊技の興趣を向上させることができる。
[発明の効果]
本発明によれば、特典付与の報知に関して興趣が向上する演出を実現することができる。
[付記12]
付記12の遊技機は、以下の通りである。
[背景技術]
従来、遊技者により、メダルやコインなどの遊技媒体が投入(以下、「投入操作」という。)され、スタートレバーが操作(以下、「開始操作」という。)されると、複数の図柄がそれぞれの表面に配された複数のリールの回転が開始し、ストップボタンが操作(以下、「停止操作」という。)されると、複数のリールの回転が停止し、その結果表示された図柄の組合せに応じて特典が付与される、いわゆるパチスロ機と称される遊技機が知られている。
このような遊技機においては、開始操作をスタートスイッチにより検出すると、乱数値を抽出して抽籤を行う(以下、この抽籤の結果を「内部当籤役」という。)とともに、ステッピングモータを駆動制御して複数のリールの回転を開始させる制御を行い、停止操作をストップスイッチにより検出すると、ステッピングモータを駆動制御し、内部当籤役に基づいて複数のリールの回転を停止させる制御を行う。
また、近年、内部当籤役に決定された役を取りこぼすことがないように、内部当籤役を成立させるための情報など遊技者にとって有利な情報を、遊技者に対して報知する遊技機が知られている。なお、このように遊技者が有利となるような情報を報知することを、一般にナビする(ナビを行う)などといい、ナビが行われる期間をAT(assist time)という。こうしたAT機能を搭載した遊技機によれば、ナビを行うか否かを制御することで遊技者に払い出す遊技媒体の数が制御されるため、遊技者は、ATを継続するATゲーム数(ナビゲーム数)が増加することを望むことになる。
ATゲーム数を増加させるための工夫はこれまで様々な観点からなされてきており、例えば、特開2010−057732号公報には、内部当籤役としてスイカやチェリーなどの特定の役が決定されるとATゲーム数を増加させる(ATゲーム数を上乗せさせる)遊技機が開示されている。
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
このような遊技機によれば、内部当籤役に応じて特典が付与(ATゲーム数が増加)されるため、遊技者は内部当籤役の結果に着目して遊技を行うことになり、遊技の興趣が向上するものの、特典の付与に関する演出には、更なる改善の余地があった。
本発明はこのような要望に鑑みてなされたものであり、特典付与の報知に関して興趣が向上する演出を実現可能な遊技機を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段]
上記の目的を達成するために、本発明は、以下のような遊技機を提供する。
本発明に係る遊技機は、複数の識別表示を変動表示可能な可変表示手段(例えば、リール3L、3C、3R)と、前記可変表示手段を用いた遊技の進行を制御する遊技制御手段(例えば、主制御基板71)と、を備える遊技機であって、所定の条件を満たすと、特定の遊技状態(例えば、有利区間)を開始可能な特定状態開始手段(例えば、主制御基板71)と、前記特定の遊技状態に関する第1数値(例えば、消化済みのゲーム数)を計数可能な計数手段(例えば、主制御基板71)と、前記特定の遊技状態を継続可能な残り期間を示す第2数値(例えば、残りゲーム数)が終了閾値(例えば、0)に達すると前記特定の遊技状態を終了するとともに、少なくとも前記計数手段が計数する前記第1数値が所定の終了条件(例えば、ゲーム数リミッタの発動条件)を満たす場合は前記第2数値の値が前記終了閾値に達していないときであっても前記特定の遊技状態を終了させる特定状態終了手段(例えば、主制御基板71)と、前記第2数値のうちの所定第2数値(例えば、報知済みの残りゲーム数)を、前記特定の遊技状態を継続可能な残り期間として報知可能な残期間報知手段(例えば、副制御基板72、表示ユニット100)と、前記第2数値のうちの前記所定第2数値以外の特定第2数値(例えば、未報知の残りゲーム数)を、前記残り期間として報知することなく未報知のまま保持可能な残期間潜伏手段(例えば、副制御基板72)と、特定の条件を満たすと、前記残期間潜伏手段が保持している未報知の前記特定第2数値の一部を前記残り期間として報知するとともに、報知した値に応じて前記所定第2数値及び前記特定第2数値を更新する上乗せ報知手段(例えば、副制御基板72、表示ユニット100)と、複数の演出ステージの中から一の演出ステージを決定可能な演出ステージ決定手段(例えば、副制御基板72)と、を更に備え、前記複数の演出ステージとして、前記上乗せ報知手段が前記報知を行う頻度が所定の頻度である第1演出ステージ及び前記頻度が前記第1演出ステージよりも高い第2演出ステージと、後に前記第1数値が前記所定の終了条件を満たすことが決まっている状態においてのみ決定され得る専用演出ステージとを有し、前記演出ステージ決定手段は、前記第1数値が前記所定の終了条件を満たすことが決まっている前記状態において、前記第1数値と前記所定第2数値との和が第1の閾値の範囲内となる第1の状況では所定の確率で前記専用演出ステージを前記一の演出ステージとして決定可能、かつ、前記第1数値と前記所定第2数値との和が前記第1の閾値よりも大きな値である第2の閾値の範囲内となる第2の状況では前記所定の確率よりも高い確率で前記専用演出ステージを前記一の演出ステージとして決定可能であり、前記一の演出ステージとして前記専用演出ステージを決定しない場合には、前記特定第2数値に応じた確率で前記第2演出ステージを前記一の演出ステージとして決定可能であることを特徴とする。
このような遊技機によれば、特定の遊技状態の残り期間は、一部(所定第2数値)が報知され、残りの一部(特定第2数値)が未報知のまま保持されるが、この未報知の残り期間は、演出ステージに応じた頻度で遊技者に対して報知(すなわち、上乗せ)される。このように残り期間の報知(上乗せ)を演出ステージに応じてコントロールすることで、演出態様をきめ細かく制御することができ、遊技の興趣を向上させることができる。すなわち、未報知の残り期間が大きいほど残り期間の報知を行う頻度が高い第2演出ステージが決定されるため、遊技者は、第2演出ステージに移行できた場合には、報知演出が行われることについての期待を持つことができる。
また、本発明に係る遊技機では、特定の遊技状態を消化した期間(第1数値)が所定の終了条件を満たすと、残り期間(第2数値)に関わらず特定の遊技状態を終了するところ、残り期間から将来、所定の終了条件を満たすことが決まっている状態では、専用演出ステージに移行することがある。遊技者からすると、専用演出ステージに移行した場合には、第1数値が終了条件を満たすまで特定の遊技状態が継続することを把握できるため、その後の遊技を安心して行うことができる。このとき、専用演出ステージへの移行は、第1数値(消化済みの期間)と所定第2数値(報知済みの残り期間)との和が大きいほど高い確率で行われ、所定の終了条件を満たすことが決まっている状態であっても、特定第2数値(未報知の残り期間)が大きい場合には、専用演出ステージに移行することなく、例えば、第2演出ステージなどに移行して、報知演出が行われる。遊技者にとってみれば、報知(上乗せ)演出が行われると興趣が向上するため、本発明に係る遊技機のように、残り期間の報知状況に応じて演出態様をコントロールすることで、遊技の興趣を向上させることができる。
[発明の効果]
本発明によれば、特典付与の報知に関して興趣が向上する演出を実現することができる。
[付記13]
付記13の遊技機は、以下の通りである。
[背景技術]
従来、遊技者により、メダルやコインなどの遊技媒体が投入(以下、「投入操作」という。)され、スタートレバーが操作(以下、「開始操作」という。)されると、複数の図柄がそれぞれの表面に配された複数のリールの回転が開始し、ストップボタンが操作(以下、「停止操作」という。)されると、複数のリールの回転が停止し、その結果表示された図柄の組合せに応じて特典が付与される、いわゆるパチスロ機と称される遊技機が知られている。
このような遊技機においては、開始操作をスタートスイッチにより検出すると、乱数値を抽出して抽籤を行う(以下、この抽籤の結果を「内部当籤役」という。)とともに、ステッピングモータを駆動制御して複数のリールの回転を開始させる制御を行い、停止操作をストップスイッチにより検出すると、ステッピングモータを駆動制御し、内部当籤役に基づいて複数のリールの回転を停止させる制御を行う。
また、近年、内部当籤役に決定された役を取りこぼすことがないように、内部当籤役を成立させるための情報など遊技者にとって有利な情報を、遊技者に対して報知する遊技機が知られている。なお、このように遊技者が有利となるような情報を報知することを、一般にナビする(ナビを行う)などといい、ナビが行われる期間をAT(assist time)という。
このようなAT機能を有する遊技機として、例えば、特開2010−233721号公報には、所定のゲーム数を1セットとして有利状態(AT)を行い、1セットの有利状態が終了した後に有利状態を再度開始することを煽る演出期間を設けた遊技機が開示されている。このような遊技機によれば、有している有利状態のセット数に関わらず、1セットの有利状態が終了しても再び次のセットの有利状態が開始されるかもしれないという期待を遊技者に与えることができ、遊技の興趣が向上する。
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
ところで、上述の遊技機では、残りのセット数が無い場合であっても、1セットの有利状態の終了後に再度の有利状態を煽る演出が行われるが、残りのセット数が無いことを遊技者に把握されている場合には、この演出が意味をなさず、却って遊技の興趣を低下させてしまう恐れがある。
本発明はこのような要望に鑑みてなされたものであり、特定の遊技状態の終了に際して遊技の興趣が低下してしまうことを抑制可能な遊技機を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段]
上記の目的を達成するために、本発明は、以下のような遊技機を提供する。
本発明に係る遊技機は、複数の識別表示を変動表示可能な可変表示手段(例えば、リール3L、3C、3R)と、前記可変表示手段を用いた遊技の進行を制御する遊技制御手段(例えば、主制御基板71)と、を備える遊技機であって、所定の条件を満たすと、特定の遊技状態(例えば、有利区間)を開始可能な特定状態開始手段(例えば、主制御基板71)と、前記特定の遊技状態に関する数値を計数可能な計数手段(例えば、主制御基板71)と、前記計数手段が計数する前記数値が特定条件を満たすと(例えば、1500回に達すると)、前記特定の遊技状態を継続可能な残り期間に関わらず前記特定の遊技状態を終了する特定状態終了手段(例えば、主制御基板71)と、前記特定の遊技状態を継続可能な残り期間が終了閾値に達すると、所定処理(例えば、ラストフリーズ)を行うか否かを決定する終了時処理決定手段(例えば、主制御基板71)と、前記終了時処理決定手段が前記所定処理を行うと決定すると、前記計数手段が計数する前記数値が前記特定条件を満たすまで前記特定の遊技状態の継続を許容する終了時処理実行手段(例えば、主制御基板71)と、を更に備え、前記特定状態終了手段は、前記終了時処理決定手段が前記所定処理を行わないと決定すると、前記特定の遊技状態を終了することを特徴とする。
このような遊技機によれば、特定の遊技状態に関連して計数される数値が特定条件を満たすと、特定の遊技状態を継続可能な残り期間に関わらず強制的に特定の遊技状態を終了する(リミット処理)。一方で、本発明に係る遊技機では、特定の遊技状態の残り期間が終了閾値に達した場合、所定処理を行うか否かを決定し、所定処理を行うと決定された場合には、リミット処理が行われるまで(計数される数値が特定条件を満たすまで)、特定の遊技状態の継続を許容する。これにより、所定処理が行われた場合には、終了すると思われた特定の遊技状態がリミット処理が行われるまで継続することになるため、特定の遊技状態の終了に伴い遊技の興趣が低下してしまうことを抑制することができるだけでなく、反対に、遊技者は、特定の遊技状態の終了時に強い関心を抱くことになり、興趣が向上する。なお、リミット処理を行う場合には、特定の遊技状態は残り期間に関わらず強制的に終了するため、所定処理が行われた場合であっても、射幸心を徒に高めてしまうことがなく、バランスのとれた遊技性を実現することができる。すなわち、所定処理が行われた段階で特定の遊技状態が既に長期間にわたり継続していた場合であっても、反対に短期間しか継続していない場合であっても、特定の遊技状態は、全体としてリミット処理が行われるまでしか継続しないため、遊技者に対して過度な利益を付与してしまうことがない。
また、本発明に係る遊技機において、前記終了時処理実行手段は、前記終了時処理決定手段が前記所定処理を行うと決定すると、前記特定の遊技状態を継続可能な残り期間に少なくとも前記数値が前記特定条件を満たすまでに要する期間を加算することとしてもよい。
このような遊技機によれば、特定の遊技状態の終了時に所定処理を行うと決定された場合には、特定の遊技状態を継続可能な残り期間にリミット処理が行われるまでに要する期間を加算する結果、特定の遊技状態の終了に伴い遊技の興趣が低下してしまうことを抑制することができるだけでなく、反対に、遊技者は、特定の遊技状態の終了時に強い関心を抱くことになり、興趣が向上する。
[発明の効果]
本発明によれば、特定の遊技状態の終了に際して遊技の興趣が低下してしまうことを抑制可能な遊技機を提供することができる。
[付記14]
付記14の遊技機は、以下の通りである。
[背景技術]
従来、遊技者により、メダルやコインなどの遊技媒体が投入(以下、「投入操作」という。)され、スタートレバーが操作(以下、「開始操作」という。)されると、複数の図柄がそれぞれの表面に配された複数のリールの回転が開始し、ストップボタンが操作(以下、「停止操作」という。)されると、複数のリールの回転が停止し、その結果表示された図柄の組合せに応じて特典が付与される、いわゆるパチスロ機と称される遊技機が知られている。
このような遊技機においては、開始操作をスタートスイッチにより検出すると、乱数値を抽出して抽籤を行う(以下、この抽籤の結果を「内部当籤役」という。)とともに、ステッピングモータを駆動制御して複数のリールの回転を開始させる制御を行い、停止操作をストップスイッチにより検出すると、ステッピングモータを駆動制御し、内部当籤役に基づいて複数のリールの回転を停止させる制御を行う。
また、例えば、特開2015−39536号公報には、遊技者にとって有利な有利状態(例えば、ART状態)に移行するか否かの抽籤を行うとともに、当該抽籤結果に基づいて本前兆状態(有利状態に移行することが決定されている前兆)又はガセ前兆状態(有利状態に移行しない場合の前兆)に移行可能とする遊技機が知られている。
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
このような遊技機によれば、前兆(本前兆状態又はガセ前兆状態)中に有利状態への移行を煽る演出を行うことができ、遊技の興趣を向上させることができるものの、ガセ前兆状態に移行していた場合には、有利状態に移行することがないため、結果としてメダルを消費してしまうばかりで恩恵もないため、遊技意欲が低減してしまうおそれがあった。
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、遊技意欲の低減を抑制可能な遊技機を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段]
上記の目的を達成するために、本発明は、以下のような遊技機を提供する。
本発明に係る遊技機は、複数の識別表示を変動表示可能な可変表示手段(例えば、リール3L、3C、3R)と、前記可変表示手段を用いた遊技の進行を制御する遊技制御手段(例えば、主制御基板71)と、を備え、停止操作の態様を報知可能な報知状態(例えば、有利区間)として、第1報知状態(例えば、通常有利)と、当該第1報知状態から移行可能で当該第1報知状態よりも報知の可能性が高い第2報知状態(例えば、「ART」)と、を少なくとも有し、前記報知状態に関連して計数された数値が特定値(例えば、1500回)に達すると、前記報知状態を継続可能な残り期間に関わらず前記報知状態を終了するリミット処理を行う遊技機であって、非報知状態(例えば、通常区間)において第1開始条件が満たされると、前記第1報知状態を開始可能な第1状態制御手段(例えば、主制御基板71)と、前記第1報知状態において第2開始条件が満たされると、前記第2報知状態を開始可能な第2状態制御手段(例えば、主制御基板71)と、前記第1状態制御手段が前記第1報知状態を開始してから前記第2状態制御手段が前記第2報知状態を開始するまでに要した期間に応じて、前記第2報知状態を継続可能な期間を決定可能な期間決定手段(例えば、主制御基板71)と、を更に備え、前記期間決定手段は、前記第1報知状態を開始してから前記第2報知状態を開始するまでに要した前記期間が長いほど、前記第2報知状態を継続可能な前記期間として長い期間を決定可能であることを特徴とする。
このような遊技機によれば、第1報知状態において第2開始条件が満たされると第2報知状態が開始されるが、このとき開始する第2報知状態は、第1報知状態から第2報知状態に移行するまでに要した期間に応じて決定され、当該期間が長いほど長い期間が決定される。これにより、第2報知状態に移行できずに第1報知状態に長期間滞在してしまった場合であっても、単にメダルを消費してしまうだけでなく、その後の第2報知状態が長期間継続することについての期待を持つことができるため、遊技意欲の低減を抑制することができる。また、本発明に係る遊技機では、報知状態(第1報知状態及び第2報知状態)に関連して計数された数値が特定値に達すると、報知状態を強制的に終了する。これにより第1報知状態に長期間滞在し、第2報知状態の期間として長い期間が決定された場合であっても、報知状態(第1報知状態及び第2報知状態)が必要以上に継続してしまうことがなく、射幸心を徒に高めてしまうことを防止できる。
また、本発明に係る遊技機において、前記第1報知状態において終了条件が満たされると、前記第1報知状態を終了し前記非報知状態を開始可能な第3状態制御手段(例えば、主制御基板71)を更に備え、前記非報知状態において前記第1開始条件が満たされるまでの平均単位遊技回数は、前記第1報知状態において前記第2開始条件が満たされるまでの平均単位遊技回数よりも少ないこととしてもよい。
このような遊技機によれば、非報知状態から第1報知状態への移行と、第1報知状態から第2報知状態への移行とでは、前者の方が移行頻度が高い。上述のように、第1報知状態は滞在期間が長いほど第2報知状態の期間が長くなるため、遊技者にとってみれば1段階目のチャンス(第1報知状態)が近く感じ、遊技を続ける要素となる。一方で、第2開始条件を満たすよりも前に終了条件を満たしてしまうと非報知状態に移行してしまうため、1段階目のチャンス(第1報知状態)に移行した場合であっても、必ず第2報知状態に移行するわけではなく、非報知状態に移行してしまうこともあるため、射幸心を徒に高めてしまうことがなく、遊技のバランスを図ることができる。
[発明の効果]
本発明によれば、遊技意欲の低減を抑制可能な遊技機を提供することができる。
[付記15]
付記15の遊技機は、以下の通りである。
[背景技術]
従来、遊技者により、メダルやコインなどの遊技媒体が投入(以下、「投入操作」という。)され、スタートレバーが操作(以下、「開始操作」という。)されると、複数の図柄がそれぞれの表面に配された複数のリールの回転が開始し、ストップボタンが操作(以下、「停止操作」という。)されると、複数のリールの回転が停止し、その結果表示された図柄の組合せに応じて特典が付与される、いわゆるパチスロ機と称される遊技機が知られている。
このような遊技機においては、開始操作をスタートスイッチにより検出すると、乱数値を抽出して抽籤を行う(以下、この抽籤の結果を「内部当籤役」という。)とともに、ステッピングモータを駆動制御して複数のリールの回転を開始させる制御を行い、停止操作をストップスイッチにより検出すると、ステッピングモータを駆動制御し、内部当籤役に基づいて複数のリールの回転を停止させる制御を行う。
また、近年、内部当籤役に決定された役を取りこぼすことがないように、内部当籤役を成立させるための情報など遊技者にとって有利な情報を、遊技者に対して報知する遊技機が知られている。なお、このように遊技者が有利となるような情報を報知することを、一般にナビする(ナビを行う)などといい、ナビが行われる期間をAT(assist time)という。このようなAT機能を有する遊技機として、特開2017−185099号公報には、AT等の有利区間に移行した場合に主制御部が管理する区間表示器(AT当籤の報知ランプ)を点灯させることで、有利区間中であることを報知する遊技機が開示されている。
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
このような遊技機によれば、主制御側で有利区間を管理するため、遊技性が明瞭となる反面、区間表示器が点灯するか否かのみで有利区間(AT)への移行の当否が察知できてしまうため、遊技者が区間表示器にのみ集中してしまい、映像や音声などの演出に対する興味が薄れてしまう恐れがある。
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、有利な状態への移行の当否を確実に報知しつつも、遊技者が演出に対する興味を失うことのない遊技機を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段]
上記の目的を達成するために、本発明は、以下のような遊技機を提供する。
本発明に係る遊技機は、複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示部(例えば、リール3L、3C、3R)を備え、前記可変表示部を変動表示した後、遊技者の停止操作に基づいて前記可変表示部の変動表示を停止することで表示結果を導出し、該表示結果に応じた特典を付与可能な遊技機において、遊技の進行を制御する遊技制御部(例えば、主制御基板71)と、演出を制御する演出制御部(例えば、副制御基板72)と、遊技者が停止操作可能な停止操作手段(例えば、ストップボタン7L、7C、7R)と、遊技状態の移行を決定可能な移行決定手段(例えば、主制御基板71)と、少なくとも通常状態(例えば、通常区間)と、当該通常状態よりも有利な有利状態(例えば、有利区間)とに遊技状態を制御可能な状態制御手段(例えば、主制御基板71)と、遊技者にとって有利な停止操作態様を指示可能な指示手段(例えば、主制御基板71、報知ランプ147a、副制御基板72、表示ユニット100)と、を備え、前記有利状態には、出玉率が1よりも低い第1状態(例えば、演出区間)と、当該第1状態よりも前記指示手段による指示の発生頻度の高い第2状態(例えば、増加区間)と、が少なくとも含まれ、前記通常状態において前記移行決定手段は、少なくとも前記第1状態に移行する第1パターン(例えば、通常区間から演出区間に移行するパターン)と、前記第1状態に移行した後に前記第2状態に移行する第2パターン(例えば、通常区間から演出区間を経由して増加区間に移行するパターン)とを決定可能であり、遊技状態が前記第2状態であることを報知可能であり、前記遊技制御部により制御される報知手段(例えば、状態表示器147b)と、前記移行決定手段により遊技状態が前記第2状態へ移行する旨の決定がされたことを報知する特定演出を実行可能であり、前記演出制御部により制御される報知演出実行手段(例えば、表示ユニット100)と、を備え、前記報知手段により遊技状態が前記第2状態であることが報知されるよりも前の前記第1状態の単位遊技において、前記報知演出実行手段により前記特定演出が実行可能であることを特徴とする。
このような遊技機によれば、遊技状態が第2状態である場合、報知手段によりその旨が報知される。ここで、報知手段は、遊技の進行を制御する遊技制御部により制御されるため、遊技者にとって有利な第2状態への移行の当否を、メイン(遊技制御部)側で確実に報知することができる。また、本発明に係る遊技機では、通常状態から有利状態に移行する場合、第1パターンで移行したときであっても、第2パターンで移行したときであっても、第1状態に一度移行するが、この第1状態中にサブ(演出制御部)側で制御する報知演出実行手段において特定演出を実行する。このとき、本発明に係る遊技機では、メイン(遊技制御部)側での報知が行われるよりも前の単位遊技において、サブ(演出制御部)側において演出を実行するため、演出実行時において遊技者は第2状態への移行に当籤しているか否かを把握するすべがなく、演出に対する興味を失うことがない。
また、本発明に係る遊技機において、前記状態制御手段は、前記第1パターンが決定されたことに基づいて前記第1状態に制御する期間の長さと、前記第2パターンが決定されたことに基づいて前記第1状態に制御する期間の長さとを、同じ長さに設定可能であることとしてもよい。
このような遊技機によれば、第1パターンで移行したときであっても、第2パターンで移行したときであっても、第1状態に制御する期間の長さが同じであるため、第1状態の期間の長さから、その後、第2状態に移行するか否かを把握することができない。遊技者にとってみれば、第1状態中にその後の展開を予測することができないため、最後まで興味を失うことなく遊技を行うことになり、遊技の興趣を向上させることができる。
[発明の効果]
本発明によれば、有利な状態への移行の当否を確実に報知しつつも、遊技者が演出に対する興味を失うことのない遊技機を提供することができる。
[付記16]
付記16の遊技機は、以下の通りである。
[背景技術]
従来、遊技者により、メダルやコインなどの遊技媒体が投入(以下、「投入操作」という。)され、スタートレバーが操作(以下、「開始操作」という。)されると、複数の図柄がそれぞれの表面に配された複数のリールの回転が開始し、ストップボタンが操作(以下、「停止操作」という。)されると、複数のリールの回転が停止し、その結果表示された図柄の組合せに応じて特典が付与される、いわゆるパチスロ機と称される遊技機が知られている。
このような遊技機においては、開始操作をスタートスイッチにより検出すると、乱数値を抽出して抽籤を行う(以下、この抽籤の結果を「内部当籤役」という。)とともに、ステッピングモータを駆動制御して複数のリールの回転を開始させる制御を行い、停止操作をストップスイッチにより検出すると、ステッピングモータを駆動制御し、内部当籤役に基づいて複数のリールの回転を停止させる制御を行う。
また、近年、内部当籤役に決定された役を取りこぼすことがないように、内部当籤役を成立させるための情報など遊技者にとって有利な情報を、遊技者に対して報知する遊技機が知られている。なお、このように遊技者が有利となるような情報を報知することを、一般にナビする(ナビを行う)などといい、ナビが行われる期間をAT(assist time)という。
このようなAT機能を有する遊技機として、例えば、特開2017−153724号公報には、ATが長期間にわたり継続すると(例えば、1500回)、残りのゲーム数に関わらず強制的にATを終了させるリミット処理を行う遊技機が開示されている。このような遊技機によれば、遊技者にとって有利な状態が無制限に継続してしまうことを防止できるため、遊技の射幸性が徒に高まってしまうことを抑制することができる。
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
ところで、遊技者にとって有利な状態を終了させる場合(リミット処理による終了か残りゲーム数の消化による終了かに関わらず)、終了させる状態に関する全ての情報がリセット(初期化)されてしまうため、その後の遊技が単調になってしまう恐れがあった。
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、関連する情報をリセットしつつも、その後の遊技性の幅を広げることが可能な遊技機を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段]
上記の目的を達成するために、本発明は、以下のような遊技機を提供する。
本発明に係る遊技機は、複数の識別情報を変動表示可能な複数の可変表示手段(例えば、リール3L、3C、3R)と、複数の役の中から決定された当籤役に応じて前記複数の可変表示手段の変動表示を停止させることで結果表示を導出可能な停止制御手段(例えば、主制御基板71)と、を有する遊技機であって、前記結果表示には、特定の状態(例えば、ARTの終了時)に対応付けられた特定結果表示(例えば、右下がりリプレイ)が含まれ、前記特定結果表示が導出された状態で所定のリセット制御(例えば、ARTに関する情報の初期化)が行われた場合に、当該リセット制御からの復帰後に導出されている前記特定結果表示に基づき前記特定の状態(例えば、ARTの終了時であること)をセットする状態制御手段(例えば、主制御基板71)を更に備えることを特徴とする。
このように本発明に係る遊技機では、特定結果表示を特定の状態に紐づけておき、所定のリセット制御が行われた後に(復帰後に)、その時点で導出されている特定結果表示から特定の状態であることを読み出す。すなわち、特定結果表示が導出された状態で所定のリセット制御が行われた場合、リセット制御に伴い関連する情報が初期化されるものの、導出されている特定結果表示から特定の状態であることをセットすることができる。これにより、関連する情報をリセットした後であっても、復帰後に認識した特定の状態であることを用いて遊技性の幅を広げることができる。
また、本発明に係る遊技機において、前記特定結果表示が導出されたことに応じて、所定の遊技状態(例えば、ART)を終了する終了手段(例えば、主制御基板71)と、前記終了手段が前記所定の遊技状態を終了すると、前記所定の遊技状態に関する情報をリセットする初期化手段(例えば、主制御基板71)と、を更に備え、前記状態制御手段は、前記初期化手段による前記情報のリセットの後に、導出されている前記特定結果表示に基づき前記所定の遊技状態の終了時であることをセットすることとしてもよい。
このような遊技機によれば、特定結果表示が導出された場合、終了手段が所定の遊技状態を終了するとともに、初期化手段が所定の遊技状態に関する情報をリセットする。そして、本発明に係る遊技機では、初期化手段によるリセットの後に、導出されている特定結果表示から所定の遊技状態の終了時であることをセットする。これにより、従来の遊技機であれば、初期化手段によるリセットに伴い遊技機側では単に「所定の遊技状態ではない(例えば、通常の遊技状態)」ことのみしか把握できなかったが、本発明に係る遊技機では、「所定の遊技状態が終了した直後」の通常の遊技状態であることを把握することができる。その結果、例えば、通常の遊技状態から所定の遊技状態への移行を、所定の遊技状態の終了直後とそれ以外とで異ならせることで、所定の遊技状態の終了後に、所定の遊技状態への引き戻しが行われ易いといった遊技性を持たせることができる。
[発明の効果]
本発明によれば、関連する情報をリセットしつつも、その後の遊技性の幅を広げることができる。
[付記17]
付記17の遊技機は、以下の通りである。
[背景技術]
従来、遊技者により、メダルやコインなどの遊技媒体が投入(以下、「投入操作」という。)され、スタートレバーが操作(以下、「開始操作」という。)されると、複数の図柄がそれぞれの表面に配された複数のリールの回転が開始し、ストップボタンが操作(以下、「停止操作」という。)されると、複数のリールの回転が停止し、その結果表示された図柄の組合せに応じて特典が付与される、いわゆるパチスロ機と称される遊技機が知られている。
このような遊技機においては、開始操作をスタートスイッチにより検出すると、乱数値を抽出して抽籤を行う(以下、この抽籤の結果を「内部当籤役」という。)とともに、ステッピングモータを駆動制御して複数のリールの回転を開始させる制御を行い、停止操作をストップスイッチにより検出すると、ステッピングモータを駆動制御し、内部当籤役に基づいて複数のリールの回転を停止させる制御を行う。
また、近年、内部当籤役に決定された役を取りこぼすことがないように、内部当籤役を成立させるための情報など遊技者にとって有利な情報を、遊技者に対して報知する遊技機が知られている。なお、このように遊技者が有利となるような情報を報知することを、一般にナビする(ナビを行う)などといい、ナビが行われる期間をAT(assist time)という。
このようなAT機能を有する遊技機として、例えば、特開2017−153724号公報には、ATが長期間にわたり継続すると(例えば、1500回)、残りのゲーム数に関わらず強制的にATを終了させるリミット処理を行う遊技機が開示されている。このような遊技機によれば、遊技者にとって有利な状態が無制限に継続してしまうことを防止できるため、遊技の射幸性が徒に高まってしまうことを抑制することができる。
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
ところで、遊技者にとって有利な状態を終了させる場合(リミット処理による終了か残りゲーム数の消化による終了かに関わらず)、終了させる状態に関する全ての情報がリセット(初期化)されてしまうため、その後の遊技が単調になってしまう恐れがあった。
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、所定の遊技状態が終了した後の遊技性の幅を広げることが可能な遊技機を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段]
上記の目的を達成するために、本発明は、以下のような遊技機を提供する。
本発明に係る遊技機は、複数の識別表示を変動表示可能な可変表示手段(例えば、リール3L、3C、3R)と、前記可変表示手段を用いた遊技の進行を制御する遊技制御手段(例えば、主制御基板71)と、を備え、停止操作の態様を報知可能な報知状態(例えば、通常区間)として、第1報知状態(例えば、通常有利)と、当該第1報知状態から移行可能で当該第1報知状態よりも報知の可能性が高い第2報知状態(例えば、「ART」)と、を少なくとも有し、前記報知状態に関連して計数された数値が特定値(例えば、1500回)に達すると、前記報知状態を継続可能な残り期間に関わらず前記報知状態を終了するリミット処理を行う遊技機であって、所定の開始条件が満たされると前記第2報知状態を開始し、所定の終了条件が満たされると前記第2報知状態を終了する状態制御手段(例えば、主制御基板71)と、前記状態制御手段による前記第2報知状態の終了時にリセット操作を受け付け可能な操作受付手段(例えば、主制御基板71)と、を更に備え、前記状態制御手段は、前記操作受付手段が前記リセット操作を受け付けると、前記第2報知状態の終了後に非報知状態を開始し、前記操作受付手段が前記リセット操作を受け付けないと、前記第2報知状態の終了後に前記第1報知状態を開始することを特徴とする。
このような遊技機によれば、第2報知状態の終了時にリセット操作を受け付けることができ、遊技者がリセット操作を行った場合には、第2報知状態の終了後に非報知状態に移行し、リセット操作を行わない場合には、第2報知状態の終了後に第1報知状態に移行する。第1報知状態は、停止操作の態様が報知される報知状態であるとともに、第2報知状態へ移行可能な遊技状態であるため、リセット操作を行わずに第1報知状態に移行した場合には、終了した第2報知状態への移行(引き戻し)に期待を持つことができる。一方で、本発明に係る遊技機では、報知状態(第1報知状態及び第2報知状態)に関連して計数された数値が特定値に達すると、報知状態を強制的に終了する(リミット処理)。ここで、リセット操作を行わない場合には、第2報知状態の終了後も報知状態(第1報知状態)中であるため、報知状態に関する数値の計数が継続し、その後、リミット処理が行われ易くなる。そのため、リセット操作を行わない場合、引き戻しに期待を持つことができるものの、リミット処理が行われ易くなるというデメリットも生じてしまう。遊技者にとってみれば、メリット・デメリットを考慮した上で、リセット操作を行うか否かの選択を行うことになるため、第2報知状態が終了した後の選択に戦略性を持たせることができ、遊技性の幅を広げることができる。
また、本発明に係る遊技機において、前記非報知状態よりも前記第1報知状態の方が、前記所定の開始条件を満たす確率が高いこととしてもよい。
このような遊技機によれば、リセット操作を行わずに第1報知状態に移行した場合の方が、第2報知状態に移行し易いため、第2報知状態が終了した後の選択に戦略性を持たせることができ、遊技性の幅を広げることができる。
[発明の効果]
本発明によれば、所定の遊技状態が終了した後の遊技性の幅を広げることができる。
[付記18]
付記18の遊技機は、以下の通りである。
[背景技術]
従来、遊技者により、メダルやコインなどの遊技媒体が投入(以下、「投入操作」という。)され、スタートレバーが操作(以下、「開始操作」という。)されると、複数の図柄がそれぞれの表面に配された複数のリールの回転が開始し、ストップボタンが操作(以下、「停止操作」という。)されると、複数のリールの回転が停止し、その結果表示された図柄の組合せに応じて特典が付与される、いわゆるパチスロ機と称される遊技機が知られている。
このような遊技機においては、開始操作をスタートスイッチにより検出すると、乱数値を抽出して抽籤を行う(以下、この抽籤の結果を「内部当籤役」という。)とともに、ステッピングモータを駆動制御して複数のリールの回転を開始させる制御を行い、停止操作をストップスイッチにより検出すると、ステッピングモータを駆動制御し、内部当籤役に基づいて複数のリールの回転を停止させる制御を行う。
また、近年、内部当籤役に決定された役を取りこぼすことがないように、内部当籤役を成立させるための情報など遊技者にとって有利な情報を、遊技者に対して報知する遊技機が知られている。なお、このように遊技者が有利となるような情報を報知することを、一般にナビする(ナビを行う)などといい、ナビが行われる期間をAT(assist time)という。こうしたAT機能を搭載した遊技機として、例えば、特開2010−057732号公報には、内部当籤役としてスイカやチェリーなどの特定の役が決定されるとATゲーム数を増加させる(ATゲーム数を上乗せさせる)遊技機が開示されている。
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
ところで、AT機能を搭載した従来の遊技機では、ナビが行われるAT期間中が遊技者にとって有利な遊技状態であるため、遊技者は、AT期間を目指して遊技を行うだけであり、遊技性が単調となっていた。
本発明はこのような要望に鑑みてなされたものであり、遊技性に富んだ遊技機を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段]
上記の目的を達成するために、本発明は、以下のような遊技機を提供する。
本発明に係る遊技機は、複数の識別表示を変動表示可能な可変表示手段(例えば、リール3L,3C,3R)と、複数の役の中から決定された当籤役に応じて前記可変表示手段を用いた遊技の進行を制御する遊技制御手段(例えば、主制御基板71)と、を備え、停止操作の態様を報知可能な報知状態(例えば、有利区間)に関連して計数された第1数値が特定値(例えば、1500回)に達すると、前記報知状態を継続可能な残り期間に関わらず前記報知状態を終了して非報知状態(例えば、通常区間)を開始するリミット処理を行う遊技機であって、前記複数の役には、特定の操作態様で停止操作を行った場合に特定の結果表示(例えば、7揃いリプレイ)が導出され、当該特定の操作態様とは異なる所定の操作態様で停止操作を行った場合に前記特定の結果表示とは異なる所定の結果表示(例えば、リプレイ)が導出される特定役(例えば、「F_択数リプ」)と、再遊技の作動に係るリプレイ役とが含まれ、前記特定の結果表示が導出されると、前記リプレイ役が当籤役として決定される確率が高い高RT状態を開始するRT状態制御手段(例えば、主制御基板71)と、非報知状態において所定の開始条件が満たされると前記報知状態を開始する状態開始手段(例えば、主制御基板71)と、前記状態開始手段が前記報知状態を開始すると前記報知状態に関する第2数値を計数する計数手段(例えば、主制御基板71)と、前記報知状態において前記特定の結果表示(例えば、7揃いリプレイ)が導出されると、前記報知状態を終了して前記非報知状態を開始する状態終了手段(例えば、主制御基板71)と、前記報知状態中に前記特定役(例えば、「F_択数リプ」)が当籤役として決定されると、前記特定の操作態様(例えば、7揃いリプレイの表示に必要な停止操作)を報知可能な報知手段(例えば、主制御基板71、報知ランプ147a、副制御基板72、表示ユニット100)と、を更に備え、前記報知手段は、前記計数手段が計数する前記第2数値が所定値に達するまでは、前記特定役が当籤役として決定された場合であっても前記特定の操作態様を報知することなく、前記第2数値が所定値に達した後に前記特定役が当籤役として決定された場合に前記特定の操作態様を報知することを特徴とする。
このような遊技機によれば、特定の結果表示が導出されると、報知状態が終了し非報知状態に移行するものの、リプレイ役が当籤役として決定される確率が高い高RT状態が開始される。すなわち、本発明に係る遊技機では、報知状態が終了し非報知状態に移行した場合、高RT状態が開始する。これにより、本発明に係る遊技機によれば、従来の遊技機とは反対に、報知状態から非報知状態(高RT)への移行を目指す遊技性を実現することができ、興趣の向上が期待できる。ここで、特定の結果表示は、特定役の当籤時に特定の操作態様で停止操作が行われた場合に導出されるところ、報知状態中に特定役に当籤すると、この特定の操作態様が報知されることがある。具体的には、報知状態中に計数された第2数値が所定値に達するまでは特定の停止態様を報知しないものの、所定値に達した後は特定の停止態様を報知する。これにより、報知状態に一定期間滞在した場合には、その後、(特定の停止態様が報知され)高RTへの移行が期待できるため、本発明に係る遊技機によれば、報知状態中の期間を高RTへの天井期間とすることができ、遊技者は安心して遊技を行うことができる。
また、本発明に係る遊技機において、前記状態開始手段が前記報知状態を開始すると、複数の数値の中から一の数値を決定し、前記所定値としてセットする所定値設定手段(例えば、主制御基板71)を更に備えることとしてもよい。
このような遊技機によれば、特定の停止態様が報知されるまでの期間を任意に設定することができるため、高RTへの天井期間がその都度変わり、遊技の興趣が向上する。
[発明の効果]
本発明によれば、遊技性に富んだ遊技機を提供することができる。
[付記19]
付記19の遊技機は、以下の通りである。
[背景技術]
従来、遊技者により、メダルやコインなどの遊技媒体が投入(以下、「投入操作」という。)され、スタートレバーが操作(以下、「開始操作」という。)されると、複数の図柄がそれぞれの表面に配された複数のリールの回転が開始し、ストップボタンが操作(以下、「停止操作」という。)されると、複数のリールの回転が停止し、その結果表示された図柄の組合せに応じて特典が付与される、いわゆるパチスロ機と称される遊技機が知られている。
このような遊技機においては、開始操作をスタートスイッチにより検出すると、乱数値を抽出して抽籤を行う(以下、この抽籤の結果を「内部当籤役」という。)とともに、ステッピングモータを駆動制御して複数のリールの回転を開始させる制御を行い、停止操作をストップスイッチにより検出すると、ステッピングモータを駆動制御し、内部当籤役に基づいて複数のリールの回転を停止させる制御を行う。
また、近年、内部当籤役に決定された役を取りこぼすことがないように、内部当籤役を成立させるための情報など遊技者にとって有利な情報を、遊技者に対して報知する遊技機が知られている。なお、このように遊技者が有利となるような情報を報知することを、一般にナビする(報知する)などといい、ナビが行われる期間をAT(assist time)という。
このようなAT機能を有する遊技機として、例えば、特開2017−153724号公報には、報知期間(AT)が長期間にわたり継続すると(例えば、1500回)、残りのゲーム数に関わらず強制的に報知期間を終了させるリミット処理を行う遊技機が開示されている。このような遊技機によれば、遊技者にとって有利な状態が無制限に継続してしまうことを防止できるため、遊技の射幸性が徒に高まってしまうことを抑制することができる。
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
ところで、このような遊技機では、非報知期間から報知期間への移行に関して高確率/低確率のように確率を異ならせることができないため、報知期間を第1区間と第2区間のように分け、第2区間を従来の遊技機におけるAT中とするとともに、第1区間中に第2区間への移行確率に差をつけることで、AT(第2区間)への移行に確率差を設けることとしている。しかしながら、第1区間は報知期間に含まれるため、このような制御では、第1区間が長期間にわたって継続した後に第2区間(AT区間)に移行した場合、報知期間が上限(1500回)に到達し易くなってしまい、遊技者の興趣を損ねてしまう恐れがある。
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、射幸性を徒に高めてしまうことを抑制しつつも、遊技者の興趣を損ねることのない遊技機を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段]
上記の目的を達成するために、本発明は、以下のような遊技機を提供する。
本発明に係る遊技機は、複数の識別表示を変動表示可能な可変表示手段(例えば、リール3L,3C,3R)と、前記可変表示手段を用いた遊技の進行を制御する遊技制御手段(例えば、主制御基板71)と、を備え、停止操作の態様を報知可能な報知状態(例えば、有利区間)として、第1報知状態(例えば、通常有利)と、当該第1報知状態から移行可能で当該第1報知状態よりも報知の可能性が高い第2報知状態(例えば、「ART」)と、を少なくとも有し、前記報知状態に関連して計数された数値が特定値(例えば、1500回)に達すると、前記報知状態を継続可能な残り期間に関わらず前記報知状態を終了するリミット処理を行う遊技機であって、非報知状態(例えば、通常区間)において第1条件を満たすと、遊技状態を前記第1報知状態に移行し、前記非報知状態において第2条件を満たすと、遊技状態を前記第2報知状態に移行し、前記第1報知状態において第3条件を満たすと、遊技状態を前記非報知状態に移行し、前記第1報知状態において第4条件を満たすと、遊技状態を前記第2報知状態に移行する状態制御手段を更に備え、前記非報知状態において前記第2報知状態への移行契機となる前記第2条件を満たす確率は、前記第1報知状態において前記第2報知状態への移行契機となる前記第3条件を満たす確率よりも高いことを特徴とする。
このような遊技機によれば、報知状態(第1報知状態及び第2報知状態)に関連して計数された数値が特定値に達すると、報知状態を強制的に終了するため、報知状態(第1報知状態及び第2報知状態)が必要以上に継続してしまうことがなく、射幸心を徒に高めてしまうことを防止できる。また、本発明に係る遊技機では、遊技者にとってより有利な第2報知状態への移行は、第1報知状態から行われることもあれば、非報知状態から移行することもあるが、第1報知状態から移行するよりも、非報知状態からの方が第2報知状態へ移行し易くなっている。これにより、第2報知状態へは、非報知状態から第1報知状態を経由して移行するのではなく、第1報知状態から非報知状態を経由して第2報知状態に移行するルートを主な移行ルートとする遊技性を実現することができる。このようにすることで、第2報知状態に移行した場合には、その直前の遊技状態が非報知状態であることが多く、結果、リミット処理のために計数する数値も、第2報知状態への移行の直前に一度リセットされる。その結果、本発明に係る遊技機によれば、リミット処理を行うことで射幸性を徒に高めてしまうことを防止しつつも、リミット処理のために用いる数値を第2報知状態の開始前から無駄に計数することがなく、遊技者の興趣を損ねることがない。
[発明の効果]
本発明によれば、射幸性を高めてしまうことを抑制しつつ、遊技者の興趣を損ねることのない遊技機を提供することができる。
[付記20]
付記20の遊技機は、以下の通りである。
[背景技術]
従来、遊技者により、メダルやコインなどの遊技媒体が投入(以下、「投入操作」という。)され、スタートレバーが操作(以下、「開始操作」という。)されると、複数の図柄がそれぞれの表面に配された複数のリールの回転が開始し、ストップボタンが操作(以下、「停止操作」という。)されると、複数のリールの回転が停止し、その結果表示された図柄の組合せに応じて特典が付与される、いわゆるパチスロ機と称される遊技機が知られている。
このような遊技機においては、開始操作をスタートスイッチにより検出すると、乱数値を抽出して抽籤を行う(以下、この抽籤の結果を「内部当籤役」という。)とともに、ステッピングモータを駆動制御して複数のリールの回転を開始させる制御を行い、停止操作をストップスイッチにより検出すると、ステッピングモータを駆動制御し、内部当籤役に基づいて複数のリールの回転を停止させる制御を行う。
また、近年、内部当籤役に決定された役を取りこぼすことがないように、内部当籤役を成立させるための情報など遊技者にとって有利な情報を、遊技者に対して報知する遊技機が知られている。なお、このように遊技者が有利となるような情報を報知することを、一般にナビする(ナビを行う)などといい、ナビが行われる期間をAT(assist time)という。こうしたAT機能を搭載した遊技機として、例えば、特開2016−104425号公報には、ATへの移行確率を定めるモードを複数備えた遊技機が開示されている。
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
このような遊技機によれば、モード毎の移行確率に差があるため、現在のモードに応じてATへの移行期待度が変わることになり、遊技の興趣が向上するものの、ATへの移行確率が低いモードが示唆されている状況においては、遊技意欲が損なわれ、遊技の興趣が低下してしまう恐れがあった。
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、遊技者にとって有利ではない状態に滞在している場合に遊技意欲が低下してしまうことを抑制可能な遊技機を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段]
上記の目的を達成するために、本発明は、以下のような遊技機を提供する。
本発明に係る遊技機は、複数の識別情報を変動表示可能な複数の可変表示手段(例えば、リール3L,3C,3R)と、前記複数の可変表示手段に対応して遊技者が停止操作可能な複数の停止操作手段(例えば、ストップボタン7L、7C、7R)と、開始条件の成立に基づいて前記複数の可変表示手段を変動表示させる変動制御手段(例えば、主制御基板71)と、前記開始条件の成立に基づいて内部当籤役を決定可能な内部当籤役決定手段(例えば、主制御基板71)と、前記内部当籤役決定手段により決定された内部当籤役と前記複数の停止操作手段を介した停止操作とに基づいて、前記複数の可変表示手段の変動表示を停止させることで結果表示を導出可能な停止制御手段(例えば、主制御基板71)と、を備えた遊技機であって、遊技を行う遊技状態として、通常状態(例えば、通常区間)と、前記通常状態よりも遊技者にとって有利な有利状態(例えば、有利区間)とを有し、前記内部当籤役決定手段により決定可能な前記内部当籤役として、ボーナス役と特定役とが重複して内部当籤役として決定される第1当籤役(例えば、「F_BB2+特殊役」)と、少なくとも前記ボーナス役が内部当籤役として決定されるとともに、重複して当籤する役の種別が前記第1当籤役とは異なる第2当籤役(例えば、「F_BB2」)とを有し、前記内部当籤役決定手段は、前記第1当籤役又は前記第2当籤役の何れか一方については、複数の設定値のそれぞれにおいて同一の確率で前記内部当籤役として決定し、他方については、複数の設定値の少なくとも一部において異なる確率で前記内部当籤役として決定し、前記有利状態において前記ボーナス役が前記内部当籤役として決定されると、前記内部当籤役として決定された役の種別に関わらず第1の特典(例えば、共通処理に基づく特典)を付与可能な共通処理手段(例えば、主制御基板71)と、前記通常状態において前記第1当籤役又は前記第2当籤役のうちの設定差のない役(例えば、「F_BB2+特殊役」)が前記内部当籤役として決定されると、第2の特典(例えば、特殊処理に基づく特典)を付与可能な個別処理手段(例えば、主制御基板71)と、を更に備え、前記第2の特典は、前記第1の特典に比べて大きな特典であることを特徴とする。
このような遊技機によれば、ボーナス役が内部当籤役として決定された際の遊技状態に応じて付与される特典が異なる。具体的には、有利状態中にボーナス役が内部当籤役として決定されると、内部当籤役として決定されたボーナス役の種別に関わらず第1の特典が付与され、通常状態中にボーナス役が内部当籤役として決定されると、決定された役が設定差のない役である場合に限り、第2の特典が付与される。このとき、第2の特典は第1の特典に比べて大きな特典であるため、本発明に係る遊技機によれば、相対的に不利な通常状態中は、より大きな第2の特典を受けることができる。その結果、遊技者にとって有利ではない通常状態に滞在している場合であっても、有利状態中に受けることのできない大きな特典(第2の特典)のチャンスがあるため、通常状態中に遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができる。なお、通常状態中に付与可能な第2の特典は、設定差のない役が内部当籤役として決定され場合に付与される、(通常状態に滞在し易い)低設定であっても高設定と変わらずに第2の特典の付与を受けることができるため、設定状況から遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができる。
また、本発明に係る遊技機において、前記停止制御手段は、前記第1当籤役が前記内部当籤役として決定された遊技において特定の操作態様で停止操作が行われた場合と、前記第2当籤役が前記内部当籤役として決定された遊技において前記特定の操作態様で停止操作が行われた場合とで、前記複数の可変表示手段の変動停止時に同一の結果表示を導出することを特徴とする。
このような遊技機によれば、特定の操作態様で停止操作を行っている場合、第1当籤役の当籤時と第2当籤役の当籤時とで同一の結果表示が導出されるため、例えば、有利状態中に、第1当籤役と第2当籤役とのうち設定差のない役が内部当籤役として決定された場合であっても、設定差のある役が内部当籤役として決定されたのか、設定差のない役が内部当籤役として決定されたのかを判別できないようにすることができる。上述のように設定差のない役は、有利状態中に内部当籤役として決定されるよりも、通常状態中に内部当籤役として決定される方が付与される特典が大きい。そのため、本発明に係る遊技機のように制御することで、遊技者に対して引き損感を与えることがなく、興趣が低下してしまうことを抑制することができる。
[発明の効果]
本発明によれば、遊技者にとって有利ではない状態に滞在している場合に遊技意欲が低下してしまうことを抑制することができる。
[付記21〜付記26]
付記21〜付記26の遊技機は、以下の通りである。
特開2010−057732号公報には、内部当籤役に決定された役を取りこぼすことがないように、内部当籤役を成立させるための情報など遊技者にとって有利な情報を、遊技者に対して報知する遊技機が開示されている。なお、このように遊技者が有利となるような情報を報知することを、一般にナビする(ナビを行う)などといい、ナビが行われる期間をAT(assist time)という。
ところで、AT機能を有する従来の遊技機では、AT(特定の遊技状態)中の遊技が単にナビを待つだけの遊技であったため、AT中の遊技が単調になってしまうという問題があった。
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、特定の遊技状態中の遊技を多様化することが可能な遊技機を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本実施形態の遊技機によれば、以下のような構成の付記21の遊技機を提供することができる。
本発明に係る遊技機は、複数の識別表示を変動表示可能な可変表示手段(例えば、リール3L,3C,3R及び表示窓)と、複数の役の中から決定された当籤役に応じて前記可変表示手段を用いた遊技の進行を制御する遊技制御手段(例えば、主制御回路91)と、を備える遊技機であって、遊技を行う遊技状態として、所定の遊技状態(例えば、AT中以外の遊技状態)と、前記所定の遊技状態とは異なる特定の遊技状態(例えば、AT)と、を含む複数の遊技状態を有し、前記特定の遊技状態の各遊技において、遊技情報(例えば、当籤役、ATのストック数、ATの残りゲーム数など)を取得するとともに、取得した前記遊技情報に応じて、前記特定の遊技状態において付与され得る遊技価値量に関する数値情報(例えば、ATポイント)を算出可能な数値算出手段(例えば、主制御回路91)と、前記数値算出手段が算出した前記数値情報が閾値を超えると、前記特定の遊技状態の遊技期間の延長に関する延長情報を変化(例えば、768ptを超えると黒BARを無効にする)可能な延長情報変化手段(例えば、主制御回路91)と、を更に備えることを特徴とする。
このような遊技機によれば、特定の遊技状態において付与され得る遊技価値量に関する数値情報に応じて、特定の遊技状態の遊技期間の延長に関する延長情報が変化するため、特定の遊技状態中の遊技が多様化し、遊技の興趣が向上する。なお、数値情報は、特定の遊技状態の各遊技において更新されるため、延長情報を毎遊技更新することができ、遊技性をより多様化することができる。
また、本発明に係る遊技機において、前記複数の役には、前記特定の遊技状態の遊技期間の延長期待度が他の役に比べて相対的に高い特定役(例えば、確定役)が含まれ、前記延長情報変化手段は、前記数値情報が前記閾値を超えると、前記特定役に基づく前記特定の遊技状態の遊技期間の延長期待度を下げる(例えば、無効にする)ことを特徴とする。
このような遊技機によれば、数値情報が閾値を超えていない場合は、特定役の当籤に応じて特定の遊技状態の遊技期間が延長され易いものの、数値情報が閾値を超えている場合は、特定役が当籤しても特定の遊技状態の遊技期間が延長され難い。遊技者にとってみれば、特定役の当籤タイミングに応じて得られる利益が異なるため、特定の遊技状態中の遊技性が多様化する。また、数値情報は、特定の遊技状態において付与され得る遊技価値量に関する情報であるため、特定の遊技状態において遊技者が多くの利益を既に得ている又は将来得ることができる場合に、数値情報が閾値を超える。このような場合に、延長期待度を下げることで、遊技者が得られる利益が過大になってしまうことを防止でき、結果、過度なのめり込みを防止しつつ、遊技性を多様化することができる。
上記目的を達成するために、本実施形態の遊技機によれば、以下のような構成の付記22の遊技機を提供することができる。
本発明に係る遊技機は、複数の識別表示を変動表示可能な可変表示手段(例えば、リール3L,3C,3R及び表示窓)と、複数の役の中から決定された当籤役に応じて前記可変表示手段を用いた遊技の進行を制御する遊技制御手段(例えば、主制御回路91)と、を備える遊技機であって、遊技を行う遊技状態として、所定の遊技状態(例えば、AT中以外の遊技状態)と、前記所定の遊技状態とは異なる特定の遊技状態(例えば、AT)と、を含む複数の遊技状態を有し、前記複数の役には、特定の操作態様で停止操作が行われたときに特定の結果表示が導出され、当該特定の操作態様とは異なる所定の操作態様で停止操作が行われたときに前記特定の結果表示とは異なる所定の結果表示が導出される複数の特定役(例えば、確定役)が含まれ、前記特定の遊技状態の各遊技において、遊技情報(例えば、当籤役、ATのストック数、ATの残りゲーム数など)を取得するとともに、取得した前記遊技情報に応じて、前記特定の遊技状態において付与され得る遊技価値量に関する数値情報(例えば、ATポイント)を算出可能な数値算出手段(例えば、主制御回路91)と、前記数値算出手段が算出した前記数値情報に応じて、当籤役として決定された場合に前記所定の操作態様を報知する前記特定役の種類を決定可能な対象役決定手段(例えば、主制御回路91)と、前記対象役決定手段が決定した種類の前記特定役が当籤役として決定されると、前記所定の操作態様を報知可能な報知手段(例えば、主制御回路91)と、を更に備え、前記特定役に応じた結果表示のうち、前記特定の操作態様で停止操作が行われた場合に導出される前記特定の結果表示は、前記複数の特定役の夫々において固有の結果表示(例えば、「C_黒BARリプ」「C_W揃いリプ」など)であり、前記所定の操作態様で停止操作が行われた場合に導出される前記所定の結果表示は、前記複数の役のうち前記特定役以外の役(例えば、「F_通常リプ1」など)が当籤役として決定された場合にも導出され得る汎用の結果表示(例えば、「C_TLリプ」)であり、前記対象役決定手段は、前記数値情報に応じて、前記所定の操作態様を報知する前記特定役の種類を増加させることを特徴とする。
このような遊技機によれば、特定の遊技状態において付与され得る遊技価値量に関する数値情報に応じて、所定の操作態様を報知する特定役の種類が増加する。特定役は、所定の操作態様で停止操作が行われた場合と、特定の操作態様で停止操作が行われた場合とで、導出される結果表示が異なるため、所定の操作態様を報知する特定役の種類が少ない状態と多い状態とでは、特定の遊技状態中の結果表示が異なることになり、遊技者が注目する出目(結果表示)が多様化し、遊技の興趣が向上する。
ここで、特定の操作態様で停止操作が行われた場合に導出される結果表示は、複数の特定役の夫々において固有の結果表示である一方で、所定の操作態様で停止操作が行われた場合に導出される結果表示は、特定役以外の役が当籤役として決定された場合にも導出され得る汎用の結果表示である。そのため、遊技者は、導出された所定の結果表示(汎用)から特定役が当籤したのか他の役が当籤したのかを把握することができず、遊技者に気付かれることなく出目のバリエーションが異なる状態を制御することができる。
また、本発明に係る遊技機において、前記複数の特定役は、他の役に比べて当籤役として決定された場合に前記特定の遊技状態の遊技期間を延長する期待度が高い役であり、前記対象役決定手段は、前記複数の特定役のうち、前記期待度が高い特定役から順に、前記所定の操作態様を報知する特定役として決定することを特徴とする。
このような遊技機によれば、特定の遊技状態の遊技期間を延長する期待度が高い特定役から順に、所定の結果表示(汎用)が導出されるように報知が行われる。遊技者にとってみれば、所定の結果表示(汎用)が導出されてしまうと、特定役の当籤を把握することができないため、遊技期間の延長に関して期待を持つことができなくなり好ましくない。しかしながら、数値情報は、特定の遊技状態において付与され得る遊技価値量に関する情報であるため、特定の遊技状態において遊技者が多くの利益を既に得ている又は将来得ることができる場合に特定役の当籤を隠すものであり、遊技者に対して受け入れがたい不利益を与えるものではなく、却って、過度なのめり込みを防止することができる。
上記目的を達成するために、本実施形態の遊技機によれば、以下のような構成の付記23の遊技機を提供することができる。
本発明に係る遊技機は、複数の識別表示を変動表示可能な可変表示手段(例えば、リール3L,3C,3R及び表示窓)と、複数の役の中から決定された当籤役に応じて前記可変表示手段を用いた遊技の進行を制御する遊技制御手段(例えば、主制御回路91)と、を備える遊技機であって、遊技を行う遊技状態として、所定の遊技状態(例えば、AT中以外の遊技状態)と、前記所定の遊技状態とは異なる特定の遊技状態(例えば、AT)と、を含む複数の遊技状態を有し、前記複数の役には、特定の操作態様で停止操作が行われたときに固有の結果表示(例えば、「C_黒BARリプ」「C_W揃いリプ」など)が導出され、当該特定の操作態様とは異なる所定の操作態様で停止操作が行われたときに他の役(例えば、「F_通常リプ1」など)が当籤役として決定された場合にも導出され得る汎用の結果表示(例えば、「C_TLリプ」)が導出される特定役(例えば、確定役)が含まれ、前記特定の遊技状態に関する特典を付与可能な特典付与手段(例えば、主制御回路91)と、前記特定の遊技状態の各遊技において、遊技情報(例えば、当籤役、ATのストック数、ATの残りゲーム数など)を取得するとともに、取得した前記遊技情報に応じて、前記特定の遊技状態において付与され得る遊技価値量に関する数値情報(例えば、ATポイント)を算出可能な数値算出手段(例えば、主制御回路91)と、前記特定の遊技状態において前記特定役が当籤役として決定されると、当該遊技における前記数値情報に応じて、前記特定役を契機とする第1の特典を付与するか否かを決定可能な第1特典付与決定手段(例えば、主制御回路91)と、前記第1特典付与決定手段が前記第1の特典を付与しないと決定すると、前記特定役が当籤役として決定された遊技よりも後の遊技(例えば、ATの終了時)において、前記第1の特典の付与契機とは異なる付与契機の第2の特典を付与するか否かを決定可能な第2特典付与決定手段(例えば、主制御回路91)と、前記特定役が当籤役として決定された場合に遊技者に対して操作態様を報知可能な報知手段(例えば、主制御回路91)と、を更に備え、前記特典付与手段は、前記第1特典付与決定手段が前記第1の特典を付与すると決定すると、前記特定役の当籤を契機として前記第1の特典を付与可能であるとともに、前記第2特典付与決定手段が前記第2の特典を付与すると決定すると、前記第2特典付与決定手段の決定を契機として前記第2の特典を付与可能であり、前記報知手段は、前記第1特典付与決定手段が前記第1の特典を付与しないと決定すると、遊技者に対して前記所定の操作態様を報知することを特徴とする。
このような遊技機によれば、特定役の当籤を契機として第1の特典を付与可能であるとともに、第1の特典を付与しない場合にはその後の遊技において第2の特典を付与可能である。ここで、第1の特典を付与しない場合、所定の操作態様が報知される結果、結果表示として汎用の結果表示が導出される。遊技者にとってみれば、第1の特典が付与されていないため実際には不利益が生じているにも関わらず、汎用の結果表示が導出されるため損失感を覚えることがなく、遊技者に不満を感じさせることがない。一方で、第1の特典を付与しない場合には、その後、第2の特典を付与可能であるため、実際に生じた不利益も補てんすることができ、遊技者に不要な不利益を与えることがない。このように特定役の当籤に伴い第1の特典又は第2の特典を付与可能とすることで、特定役の当籤に伴う特典を多様化することができる。
また、本発明に係る遊技機において、前記第2特典付与決定手段は、前記第1特典付与決定手段が前記第1の特典を付与しないと決定すると、前記特定役が当籤役として決定された遊技よりも後の遊技における前記数値情報が閾値(例えば、1024pt)を超えている場合、前記第2の特典を付与しないと決定することを特徴とする。
このような遊技機によれば、数値情報が閾値を超えている場合には、第2の特典を付与しない。ここで、数値情報は、特定の遊技状態において付与され得る遊技価値量に関する情報であるため、特定の遊技状態において遊技者が多くの利益を既に得ている又は将来得ることができる場合に、数値情報が閾値を超える。このような場合に、第2の特典を付与しないことで、遊技者が得られる利益が過大になってしまうことを防止でき、結果、過度なのめり込みを防止しつつ、遊技性を多様化することができる。
上記目的を達成するために、本実施形態の遊技機によれば、以下のような構成の付記24の遊技機を提供することができる。
本発明に係る遊技機は、複数の識別表示を変動表示可能な可変表示手段(例えば、リール3L,3C,3R及び表示窓)と、複数の役の中から決定された当籤役に応じて前記可変表示手段を用いた遊技の進行を制御する遊技制御手段(例えば、主制御回路91)と、を備える遊技機であって、遊技を行う遊技状態として、所定の遊技状態(例えば、AT中以外の遊技状態)と、前記所定の遊技状態とは異なる特定の遊技状態(例えば、AT)と、を含む複数の遊技状態を有し、前記特定の遊技状態の各遊技において、今回の遊技において付与する遊技価値量に関する情報(例えば、当籤役や払出枚数)を取得するとともに、取得した前記情報に応じて、前記特定の遊技状態においてこれまでに付与された遊技価値量に関する第1数値情報(例えば、累積ポイント)を算出可能な第1数値算出手段(例えば、主制御回路91)と、前記特定の遊技状態の各遊技において、前記特定の遊技状態の残りストック数及び前記特定の遊技状態の残り遊技期間を取得するとともに、取得した前記残りストック数及び前記残り遊技期間に応じて、前記特定の遊技状態において今後付与され得る遊技価値量に関する第2数値情報(例えば、所持ポイント)を算出可能な第2数値算出手段(例えば、主制御回路91)と、算出した前記第1数値情報及び前記第2数値情報に応じて、前記特定の遊技状態において付与され得る遊技価値量に関する第3数値情報(例えば、ATポイント)を算出可能な第3数値算出手段(例えば、主制御回路91)と、前記第3数値算出手段が算出した前記第3数値情報が閾値を超えると、前記特定の遊技状態の遊技期間の延長に関する延長情報を変化(例えば、768ptを超えると黒BARを無効にする)可能な延長情報変化手段(例えば、主制御回路91)と、を更に備えることを特徴とする。
このような遊技機によれば、特定の遊技状態において付与され得る遊技価値量に関する第3数値情報に応じて、特定の遊技状態の遊技期間の延長に関する延長情報が変化するため、特定の遊技状態中の遊技が多様化し、遊技の興趣が向上する。ここで、第3数値情報は、これまでに付与された遊技価値量に関する第1数値情報と、残りストック数や残り遊技期間に応じて算出される今後付与され得る遊技価値量に関する第2数値情報とに基づき算出されるため、特定の遊技状態において遊技者が多くの利益を既に得ている又は将来得ることができる場合に、遊技期間の延長に関する延長情報を変化させることができ、過度なのめり込みを防止しつつ、遊技性を多様化することができる。なお、第3数値情報(第1数値情報)は、特定の遊技状態の各遊技において更新されるため、延長情報を毎遊技更新することができ、遊技性をより多様化することができる。
また、本発明に係る遊技機において、前記特定の遊技状態の前記残りストック数を消費して前記特定の遊技状態の前記残り遊技期間を決定可能な遊技期間決定手段(例えば、主制御回路91)を更に備え、前記第2数値算出手段は、前記特定の遊技状態の単位遊技当たりに付与される遊技価値量の期待値に応じて、前記特定の遊技状態の前記残り遊技期間に基づき付与され得る遊技価値量に関する第4数値情報(例えば、1G当たり7pt)を算出するとともに、前記残りストック数1つ当りから前記遊技期間決定手段が決定する前記残り遊技期間の期待値、及び前記特定の遊技状態の単位遊技当たりに付与される遊技価値量の期待値に応じて、前記特定の遊技状態の前記残りストック数に基づき付与され得る遊技価値量に関する第5数値情報(例えば、ストック1つ当たり600pt)を算出し、これら前記第4数値情報及び前記第5数値情報を合算することで前記第2数値情報を算出し、また、前記遊技期間決定手段が、前記残りストック数を消費して前記残り遊技期間を決定すると、消費した分の前記残りストック数に基づき算出していた前記第5数値情報に替えて、消費した分の前記残りストック数に応じて決定された前記残り遊技期間に基づき算出された前記第4数値情報を用いて前記第2数値情報を算出することを特徴とする。
このような遊技機によれば、特定の遊技状態の残りストック数や残り遊技期間からは、今後付与され得る遊技価値量の正確な値は分からないものの、夫々の1単位当たりの期待値から今後付与され得る遊技価値量に近い値を求めることができる。そして、この値を用いて遊技期間の延長に関する延長情報を変化させることで、過度なのめり込みを防止しつつ、遊技性を多様化することができる。また、本発明に係る遊技機では、残りストック数を消費して残り遊技期間を決定可能であるが、この場合には、消費した分の残りストック数に対する残り遊技期間の期待値に替えて、残りストック数を消費して具体的に決定した残り遊技期間を用いることで、今後付与され得る遊技価値量に関する数値情報を算出する。そのため、特定の遊技状態において付与され得る遊技価値量に関する数値情報を適切に管理することができる。
上記目的を達成するために、本実施形態の遊技機によれば、以下のような構成の付記25の遊技機を提供することができる。
本発明に係る遊技機は、複数の識別表示を変動表示可能な可変表示手段(例えば、リール3L,3C,3R及び表示窓)と、複数の役の中から決定された当籤役に応じて前記可変表示手段を用いた遊技の進行を制御する遊技制御手段(例えば、主制御回路91)と、を備える遊技機であって、遊技を行う遊技状態として、所定の遊技状態(例えば、AT中以外の遊技状態)と、前記所定の遊技状態とは異なる特定の遊技状態(例えば、AT)と、を含む複数の遊技状態を有し、前記特定の遊技状態の各遊技において、遊技情報(例えば、当籤役、ATのストック数、ATの残りゲーム数など)を取得するとともに、取得した前記遊技情報に応じて、前記特定の遊技状態において付与され得る遊技価値量に関する数値情報(例えば、ATポイント)を算出可能な数値算出手段(例えば、主制御回路91)と、前記数値算出手段が算出した前記数値情報を計数可能な2バイトのカウンタ(例えば、ATポイント用のカウンタ、主制御回路91)と、前記前記カウンタが計数する前記数値情報が閾値以上になると、前記特定の遊技状態の遊技期間の延長に関する延長情報を変化可能な延長情報変化手段(例えば、主制御回路91)と、を更に備え、前記閾値は、256の所定数倍の値であることを特徴とする。
このような遊技機によれば、特定の遊技状態において付与され得る遊技価値量に関する数値情報が閾値以上になると、特定の遊技状態の遊技期間の延長に関する延長情報が変化するため、特定の遊技状態中の遊技が多様化し、遊技の興趣が向上する。なお、数値情報は、特定の遊技状態の各遊技において更新されるため、延長情報を毎遊技更新することができ、遊技性をより多様化することができる。また、閾値は256の所定数倍の値であるため、処理負荷を軽減することができる。
また、本発明に係る遊技機において、前記延長情報変化手段は、前記2バイトのカウンタのうちの上位バイトの値と、前記所定数とを比較し、前記上位バイトの値が前記所定数以上である場合に、前記数値情報が前記閾値以上であると判定することを特徴とする。
このような遊技機によれば、閾値として上位バイトと比較可能なデータ(1バイトのデータ)のみを有していればよいため、データ容量や処理負荷を軽減することができる。
上記目的を達成するために、本実施形態の遊技機によれば、以下のような構成の付記26の遊技機を提供することができる。
本発明に係る遊技機は、複数の識別表示を変動表示可能な可変表示手段(例えば、リール3L,3C,3R及び表示窓)と、複数の役の中から決定された当籤役に応じて前記可変表示手段を用いた遊技の進行を制御する遊技制御手段(例えば、主制御回路91)と、を備える遊技機であって、遊技を行う遊技状態として、所定の遊技状態(例えば、AT中以外の遊技状態)と、前記所定の遊技状態とは異なる特定の遊技状態(例えば、AT)と、を含む複数の遊技状態を有し、前記特定の遊技状態において、所定遊技間(例えば、5ゲーム間)に当籤した役に関する当籤役情報(例えば、当籤役の履歴情報)を表示可能な履歴表示手段(例えば、表示ユニット100)と、前記特定の遊技状態において特定役(例えば、レア役)が当籤役として決定されると、前記履歴表示手段に表示する当籤役情報を、第1当籤役情報(例えば、宝石(赤))とするか第2当籤役情報(例えば、宝石(白))とするかを決定可能な履歴種別決定手段(例えば、主制御回路91)と、前記履歴種別決定手段が前記第1当籤役情報を決定すると、その後の前記所定遊技間において、前記第2当籤役情報を決定した場合よりも高い確率で特典を付与可能な特典付与手段(例えば、主制御回路91)と、前記特定の遊技状態の各遊技において、遊技情報(例えば、当籤役、ATのストック数、ATの残りゲーム数など)を取得するとともに、取得した前記遊技情報に応じて、前記特定の遊技状態において付与され得る遊技価値量に関する数値情報(例えば、ATポイント)を算出可能な数値算出手段(例えば、主制御回路91)と、を更に備え、前記履歴表示手段は、前記履歴種別決定手段が前記第1当籤役情報を決定すると前記第1当籤役情報を表示し、また、前記履歴種別決定手段が前記第2当籤役情報を決定すると前記第2当籤役情報を表示し、前記履歴種別決定手段は、前記数値算出手段が算出した前記数値情報に応じて、前記履歴表示手段に表示する当籤役情報を、前記第1当籤役情報とするか前記第2当籤役情報とするか決定することを特徴とする。
このような遊技機によれば、特定役の当籤に伴い第1当籤役情報が決定された場合には、その後の所定遊技間は特典付与の確率が上がる。ここで、履歴表示手段には、当籤役情報が表示されるため、履歴表示手段に第1当籤役情報が表示された場合、遊技者は、その後の遊技において特典が付与されることに期待して遊技を行うことになる。このように履歴表示手段の表示内容に応じて、その後の遊技性が異なるため、特定の遊技状態中の遊技を多様化することができる。
このとき、特定役の当籤時に第1当籤役情報又は第2当籤役情報の何れを決定するかは、特定の遊技状態において付与され得る遊技価値量に関する数値情報に応じて決まるため、数値情報に応じて特典付与の確率も変化し、多様な遊技性を実現することができる。
また、本発明に係る遊技機において、前記数値算出手段が算出した前記数値情報に応じて、抽籤無効状態とするか否かを決定可能な無効制御手段(例えば、主制御回路91)を更に備え、前記履歴種別決定手段は、前記無効制御手段が前記抽籤無効状態とすることを決定した場合には、必ず、前記履歴表示手段に表示する当籤役情報として前記第2当籤役情報を決定し、前記無効制御手段が前記抽籤無効状態とすることを決定しない場合には、所定の確率で、前記履歴表示手段に表示する当籤役情報として前記第1当籤役情報を決定することを特徴とする。
このような遊技機によれば、抽籤無効状態である場合には、特定役が当籤しても特典付与の確率が低い第2当籤役情報しか決定されないため、遊技者にとっては好ましくない。しかしながら、数値情報は、特定の遊技状態において付与され得る遊技価値量に関する情報であるため、抽籤無効状態となるのは、特定の遊技状態において遊技者が多くの利益を既に得ている又は将来得ることができる場合であり、遊技者に対して受け入れがたい不利益を与えるものではなく、却って、過度なのめり込みを防止することができる。
また、本発明に係る遊技機において、前記特典付与手段が前記特典を付与する場合に、遊技の進行を停止するロック状態を発生可能なロック制御手段(例えば、主制御回路91)を更に備えることを特徴とする。
このような遊技機によれば、特典付与時にはロック状態が発生するため、特典が付与されたことを、遊技者が把握することができる。
[付記27]
付記27の遊技機は、以下の通りである。
特開2010−057732号公報には、内部当籤役に決定された役を取りこぼすことがないように、内部当籤役を成立させるための情報など遊技者にとって有利な情報を、遊技者に対して報知する遊技機が開示されている。なお、このように遊技者が有利となるような情報を報知することを、一般にナビする(ナビを行う)などといい、ナビが行われる期間をAT(assist time)という。
AT機能を有する従来の遊技機では、ATに当籤した場合であっても当籤状態のまま待機し、当籤状態においてATの開始条件が満たされると、実際にATを開始することが広く行われている。ところで、このような当籤状態のまま待機する従来の遊技機では、待機している間も遊技者にとって有利な情報を報知しており、特に、待機している状態と、AT中との報知確率に差が無かった。そのため、待機している状態であってもAT中と同等の出玉感が得られてしまい、メリハリのない遊技性となっていた。
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、特定遊技状態中と当該特定遊技状態が開始されるまでの待機期間である待機遊技状態中とで、メリハリのある遊技性を有する遊技機を提供することを目的とする。
本発明に係る遊技機は、複数の識別表示を変動表示可能な可変表示手段(例えば、リール3L,3C,3R及び表示窓)と、複数の役の中から決定された当籤役に応じて前記可変表示手段を用いた遊技の進行を制御する遊技制御手段(例えば、主制御回路91)と、を備える遊技機であって、前記複数の役には、当籤役として決定された場合に遊技者にとって有利な停止操作の態様が報知され得る報知対象役が含まれ、遊技を行う遊技状態として、所定遊技状態(例えば、AT非当籤の遊技状態)と、前記所定遊技状態よりも遊技者にとって有利な特定遊技状態(例えば、ATや特化ゾーン)と、前記特定遊技状態が開始されるまでの待機期間である待機遊技状態(例えば、ATが開始されるまでの待機状態(特化ゾーン準備))と、を含む複数の遊技状態を有し、前記報知対象役が当籤役として決定された場合に前記有利な停止操作の態様を報知する確率が異なる報知モードとして、第1報知モード(例えば、特殊モードON)と前記第1報知モードよりも前記確率が高い第2報知モード(例えば、特殊モードOFF)とを有し、前記所定遊技状態において第1移行条件(例えば、AT抽籤に当籤)を満たすと、前記待機遊技状態に遊技状態を移行可能であり、また、前記待機遊技状態において第2移行条件(例えば、特化ゾーン開始抽籤に当籤)を満たすと、前記特定遊技状態に遊技状態を移行可能な遊技状態制御手段(例えば、主制御回路91)と、遊技状態が前記所定遊技状態から前記待機遊技状態に移行すると、前記報知モードとして前記第1報知モードを設定可能であり、また、遊技状態が前記待機遊技状態から前記特定遊技状態に移行すると、前記報知モードとして前記第2報知モードを設定可能な報知モード設定手段(例えば、主制御回路91)と、前記第1報知モードにおいて前記報知対象役が当籤役として決定された場合に、所定の確率で前記有利な停止操作の態様を報知可能であり、また、前記第2報知モードにおいて前記報知対象役が当籤役として決定された場合に、前記所定の確率よりも高い特定の確率で前記有利な停止操作の態様を報知可能な報知手段(例えば、主制御回路91)と、を更に備えることを特徴とする。
このような遊技機によれば、特定遊技状態が開始されるまでの待機期間である待機遊技状態に移行すると、報知モードとして第1報知モードが設定されるため、待機遊技状態中は報知確率が低く、報知対象役に当籤しても有利な停止操作の態様が報知され難い。他方、待機遊技状態から特定遊技状態に移行した場合には、報知モードとして第2報知モードが設定され得るため、特定遊技状態中は報知確率が高く、報知対象役に当籤した場合に有利な停止操作の態様が報知される。その結果、本発明に係る遊技機では、特定遊技状態中と待機遊技状態中とで報知確率が異なるため、両遊技状態の出玉感にメリハリが生じ、興趣が向上する。
また、本発明に係る遊技機において、再遊技役が当籤役として決定される確率が異なるRT状態として第1RT状態と第2RT状態とを含む複数のRT状態を有するとともに、前記複数の役には、前記第1RT状態において当籤役として決定されると第1の結果表示(例えば、XDリプ以外のリプレイ)を導出可能であり、前記第2RT状態において当籤役として決定されると前記第1の結果表示を導出不可能(例えば、XDリプが表示されてしまう)な特定役が含まれ、前記遊技状態制御手段は、前記待機遊技状態において前記特定役が当籤役として決定されると、前記特定遊技状態に遊技状態を移行可能であり、前記報知モード設定手段は、前記待機遊技状態において前記特定役が当籤役として決定され、前記第1の結果表示が導出されると、前記報知モードとして前記第2報知モードを設定可能であることを特徴とする。
このような遊技機によれば、待機遊技状態から特定遊技状態への移行は、特定役が当籤役として決定されたことのみをもって行われるが、第1報知モードから第2報知モードへの切り替えは、特定役が当籤役として決定されただけでは行われずに、第1の結果表示が導出された場合に行われる。そのため、本発明に係る遊技機では、特定遊技状態においても報知確率が低くなることがある。ここで、第1の結果表示は、特定役に当籤したときのRT状態が第1RT状態である場合には導出可能であるが、第2RT状態である場合には導出されることがない。そのため、本発明に係る遊技機では、待機遊技状態中のRT状態に応じて、その後に開始する特定遊技状態の報知確率を異ならせることができるため、開始直後の特定遊技状態の出玉感にメリハリを生じさせることができる。
[付記28]
付記28の遊技機は、以下の通りである。
特開2010−057732号公報には、内部当籤役に決定された役を取りこぼすことがないように、内部当籤役を成立させるための情報など遊技者にとって有利な情報を、遊技者に対して報知する遊技機が開示されている。なお、このように遊技者が有利となるような情報を報知することを、一般にナビする(ナビを行う)などといい、ナビが行われる期間をAT(assist time)という。
従来、AT機やART機では、サブ(副制御)側の制御のもとにナビを行っていたが、ナビの有無が遊技者の利益(いわゆる、出玉)に影響を与えるため、近年では、遊技者の利益を管理するメイン(主制御)側でナビを行うことが求められている。ところで、従来のようにサブ側の制御のもとでナビを行う場合には、ナビは演出としての意味合いがあり、サブ側のナビ内容は、メイン側のナビ内容と一致しないことがあった。一例として、第1停止操作のみを要求する3択の押し順役と、第1停止操作及び第2停止操作を要求する6択の押し順役を有する仕様において、3択の押し順役の当籤時に、メイン側では3択の押し順に応じたナビを行う一方で、サブ側では、6択の押し順役であるか3択の押し順役であるかを分からなくするために、敢えて6択の押し順に応じたナビを行うことがあった。このような制御では、サブ側のナビにより演出的に多様なナビが可能であるものの、メイン側のナビ内容とサブ側のナビ内容とが一致しないため、好ましくなかった。
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、メイン側のナビ内容とサブ側のナビ内容とを一致させつつも、演出的に多様なナビが可能な遊技機を提供することを目的とする。
本発明に係る遊技機は、複数の図柄が表示された複数のリール(例えば、リール3L,3C,3R及び表示窓)と、開始操作を検出すると、前記リールを回転させることにより前記図柄を変動表示させるとともに、停止操作を検出すると、複数の役の中から決定された当籤役に応じて前記リールの回転を停止させることにより前記図柄を停止表示させることで、前記リールを用いた遊技の進行を制御する遊技制御手段(例えば、主制御回路91)と、前記遊技に関する演出を制御可能な演出制御手段(例えば、副制御回路101)と、を備える遊技機であって、前記複数の役には、M番目に停止する前記リールに対する停止操作である第M停止操作(例えば、第1停止操作)の態様が適切である場合に所定の図柄の組合せを停止表示可能であり、前記第M停止操作の態様が適切でない場合に前記所定の図柄の組合せを停止表示不可能な複数の第1択数役(例えば、3択の押し順役)と、前記第M停止操作の態様が適切、かつ、前記第M停止操作よりも後の第N停止操作(例えば、第2停止操作)の態様が適切である場合に特定の図柄の組合せを停止表示可能であり、前記第M停止操作の態様又は前記第N停止操作の態様が適切でない場合に前記特定の図柄の組合せを停止表示不可能な複数の第2択数役(例えば、6択の押し順役)と、が含まれ、前記複数の第1択数役には、前記第M停止操作が第1の態様である、第1停止態様(例えば、右1st)である場合に、前記所定の図柄の組合せを停止表示可能であり、停止操作の態様が前記第1停止態様とは異なる態様である場合に、前記所定の図柄の組合せを停止表示不可能な特定第1択数役(例えば、右1stが正解の3択の押し順役)が含まれ、前記複数の第2択数役には、前記第M停止操作が第1の態様であり、かつ、前記第N停止操作が第2の態様である、第2停止態様(例えば、右左中の押し順)である場合に、前記特定の図柄の組合せを停止表示可能であり、停止操作の態様が前記第2停止態様とは異なる態様である場合に、前記特定の図柄の組合せを停止表示不可能な特定第2択数役(例えば、右左中が正解の6択の押し順役)と、前記第M停止操作が第1の態様であり、かつ、前記第N停止操作が第3の態様である、第3停止態様(例えば、右中左)である場合に、前記特定の図柄の組合せを停止表示可能であり、停止操作の態様が前記第3停止態様とは異なる態様である場合に、前記特定の図柄の組合せを停止表示不可能な所定第2択数役(例えば、右中左が正解の6択の押し順役)と、が含まれ、前記遊技制御手段により制御され、報知状態において前記第1択数役又は前記第2択数役が当籤役として決定された場合に、遊技者に対して停止操作の態様を報知可能なメイン側報知手段(例えば、主制御回路91、指示モニタ)と、前記演出制御手段により制御され、前記報知状態において前記第1択数役又は前記第2択数役が当籤役として決定された場合に、遊技者に対して停止操作の態様を報知可能なサブ側報知手段(例えば、副制御回路101、表示ユニット100)と、を更に備え、前記報知状態において前記特定第1択数役が当籤役として決定されると、前記メイン側報知手段は、前記第2停止態様又は前記第3停止態様(例えば、指示モニタにおいて「5」又は「6」)を報知し、前記サブ側報知手段は、前記メイン側報知手段が前記第2停止態様を報知した場合には前記第2停止態様(例えば、右左中)を報知し、前記メイン側報知手段が前記第3停止態様を報知した場合には前記第3停止態様(例えば、右中左)を報知し、前記報知状態において前記特定第2択数役が当籤役として決定されると、前記メイン側報知手段及び前記サブ側報知手段は、前記第2停止態様(例えば、指示モニタに「5」、表示ユニット100に右左中)を報知し、前記報知状態において前記所定第2択数役が当籤役として決定されると、前記メイン側報知手段及び前記サブ側報知手段は、前記第3停止態様(例えば、指示モニタに「6」、表示ユニット100に右中左)を報知することを特徴とする遊技機。
このような遊技機によれば、第2択数役が当籤役として決定された場合には、メイン側報知手段もサブ側報知手段も、当籤した第2択数役に適切な停止操作の態様を報知する。一方で、第1択数役が当籤役として決定された場合には、メイン側報知手段において、第1択数役では要求されることのない第N停止操作の態様も報知し、サブ側報知手段は、メイン側報知手段に対応する内容を報知する。これにより、本発明に係る遊技機によれば、メイン側のナビ内容とサブ側のナビ内容とを一致させるつつも、演出的に多様なナビを行うことができる。
[付記29]
付記29の遊技機は、以下の通りである。
特開2010−057732号公報には、内部当籤役に決定された役を取りこぼすことがないように、内部当籤役を成立させるための情報など遊技者にとって有利な情報を、遊技者に対して報知する遊技機が開示されている。なお、このように遊技者が有利となるような情報を報知することを、一般にナビする(ナビを行う)などといい、ナビが行われる期間をAT(assist time)という。
ところで、このようなAT機能を有する遊技機として、所定の条件を満たしたときにAT期間を延長する確率が高い上乗せ区間に移行可能にした遊技機も知られているが、従来の遊技機では、上乗せ区間もAT中であるため、上乗せ区間中も遊技者にとって有利な情報を報知していた。しかしながら、このような遊技機では、上乗せ区間中に、AT期間を延長する確率を高くするという特典に加えて、更に遊技者にとって有利な情報を報知するという特典を与えてしまうため、遊技者に与える特典が大きくなりすぎてしまい好ましくなかった。
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、上乗せ区間の遊技性を損なうことなく、上乗せ区間中に遊技者に与える特典を適切な範囲に収めることが可能な遊技機を提供することを目的とする。
本発明に係る遊技機は、複数の識別表示を変動表示可能な可変表示手段(例えば、リール3L,3C,3R及び表示窓)と、複数の役の中から決定された当籤役に応じて前記可変表示手段を用いた遊技の進行を制御する遊技制御手段(例えば、主制御回路91)と、を備える遊技機であって、遊技を行う遊技状態として、所定の遊技状態(例えば、AT中以外の遊技状態)と、前記所定の遊技状態とは異なる特定の遊技状態(例えば、AT)と、を含む複数の遊技状態を有するとともに、前記特定の遊技状態として、通常区間(例えば、AT)と前記通常区間よりも前記特定の遊技状態の遊技期間を延長する期待度が高い上乗せ区間(例えば、AT中CZ)とを有し、前記複数の役には、特定の操作態様で停止操作が行われたときに付与される遊技価値量が、前記特定の操作態様とは異なる操作態様で停止操作が行われたときに付与される遊技価値量と異なる特定役(例えば、打順ベル)が含まれ、前記特定の遊技状態において前記特定役が当籤役として決定されると、前記特定の操作態様を報知可能な報知手段(例えば、主制御回路91)と、前記特定の遊技状態の前記通常区間において開始条件を満たすと、前記特定の遊技状態の前記上乗せ区間を開始可能であり、前記特定の遊技状態の前記上乗せ区間において終了条件を満たすと、当該上乗せ区間を終了可能な上乗せ区間制御手段(例えば、主制御回路91)と、を更に備え、前記報知手段は、前記特定の遊技状態の前記通常区間において前記特定役が当籤役として決定された場合には、所定の確率で前記特定の操作態様を報知する一方で、前記特定の遊技状態の前記上乗せ区間において前記特定役が当籤役として決定された場合には、前記所定の確率よりも低い確率で前記特定の操作態様を報知することを特徴とする。
このような遊技機によれば、特定の遊技状態の通常区間から上乗せ区間に移行すると、特定の遊技状態の遊技期間を延長する期待度が高くなる一方で、特定役が当籤したときの報知頻度が低くなる。これにより、遊技期間の延長という上乗せ区間の遊技性を損なうことなく、上乗せ区間中に遊技者に与える特典を適切な範囲に収めることができる。また、本発明に係る遊技機のように、上乗せ区間中の報知頻度を低くすることで、その分の割合を他の部分に回すことができ、例えば、上乗せ区間中も報知頻度が高い遊技機と比べて、上乗せ区間への移行頻度を高くすることや、上乗せ区間中の上乗せ期待度を高くすることなどもできる。
また、本発明に係る遊技機において、前記特定の遊技状態において当籤役として決定された役に応じて、前記特定の遊技状態の遊技期間を延長可能な上乗せ制御手段(例えば、主制御回路91)を更に備え、前記上乗せ制御手段は、前記特定の遊技状態の前記通常区間において前記特定役が当籤役として決定された場合、前記特定の遊技状態の遊技期間を延長しない一方で、前記特定の遊技状態の前記上乗せ区間において前記特定役が当籤役として決定された場合、前記特定の遊技状態の遊技期間を延長可能であることを特徴とする。
上述したように本発明に係る遊技機では、上乗せ区間において特定役に当籤した場合の報知頻度が低くなるため、上乗せ区間に特定役に当籤してしまうことは、遊技者にとって好ましくない。この点、本発明に係る遊技機では、特定の遊技状態の通常区間において特定役が当籤しても遊技期間を延長しないが、特定の遊技状態の上乗せ区間では、特定役が当籤すると遊技期間を延長することがある。これにより、上乗せ区間中に特定役に当籤した場合であっても、遊技者は不満を感じることがなくなるため、上乗せ区間中の遊技の興趣が向上する。
[付記30]
付記30の遊技機は、以下の通りである。
また、従来、過去の遊技結果の履歴を参照して特典を付与する遊技機も知られており、例えば、特開2013−252312号公報には、5ゲーム分の入賞履歴を所定の条件に従って表示するとともに、入賞履歴データを保持して、入賞履歴が条件コードデータに該当する入賞履歴となってことに基づいてARTの抽籤を行う遊技機が開示されている。
このような遊技機によれば、今回の遊技だけでなく、過去の遊技の履歴も加味して制御が行われるため、多彩な遊技性を実現することができるが、今回の遊技の結果に応じて満たされる条件コードデータは、1つだけであり更なる改善の余地があった。
本発明はこのような要望に鑑みてなされたものであり、従来にない履歴制御が可能な遊技機を提供することを目的とする。
本発明に係る遊技機は、複数の識別表示を変動表示可能な可変表示手段(例えば、リール3L,3C,3R及び表示窓)と、複数の役の中から決定された当籤役に応じて前記可変表示手段を用いた遊技の進行を制御する遊技制御手段(例えば、主制御回路91)と、を備える遊技機であって、前記複数の役には、第1グループ(例えば、リプレイ群)に属する役(例えば、「F_通常リプ1」など)と第2グループ(例えば、レア役群)に属する役(例えば、「F_弱チャンス」など)と第1グループ及び第2グループの双方に属する特定役(例えば、「F_チャンスリプ」)とが含まれ、所定遊技間(例えば、5ゲーム間)に当籤役として決定された役に関する当籤役情報を管理可能な履歴管理手段(例えば、主制御回路91)と、前記所定遊技間に前記第1グループに属する役が当籤役として決定された場合に満たし得る第1履歴条件(例えば、リプ3連以上で行う履歴抽籤に当籤)を満たすと第1の特典(例えば、CZ)を付与可能であるとともに、前記所定遊技間に前記第2グループに属する役が当籤役として決定された場合に満たし得る第2履歴条件(例えば、レア役3個以上で行う履歴抽籤に当籤)を満たすと第2の特典(例えば、AT)を付与可能な特典付与手段(例えば、主制御回路91)と、を更に備え、前記特典付与手段は、前記特定役が当籤役として決定されたことを契機に、前記第1履歴条件及び前記第2履歴条件の双方を満たした場合、前記第1の特典及び前記第2の特典の双方を付与可能であることを特徴とする。
このような遊技機によれば、第1の特典の付与契機となる第1グループと、第2の特典の付与契機となる第2グループとの双方に属する特定役を有し、この特定役の当籤に伴い、所定遊技間の当籤役の履歴が、第1の特典の付与条件(第1履歴条件)と第2の特典の付与条件(第2履歴条件)との双方を満たした場合に、第1の特典及び第2の特典の双方を付与する。このように本発明に係る遊技機によれば、特定役の当籤という1つのことを契機として、複数の特典を付与することができるため、従来の履歴制御にはない新たな履歴制御が可能になる。
また、本発明に係る遊技機では、前記特典付与手段は、前記所定遊技間に前記第1グループに属する役が当籤役として決定された回数が第1回数に達すると前記第1の特典を付与可能であるとともに、前記所定遊技間に前記第2グループに属する役が当籤役として決定された回数が第2回数に達すると前記第2の特典を付与可能であり、前記履歴管理手段は、前記所定遊技間において前記特定役が当籤役として決定された場合、前記第1グループに属する役が当籤役として決定された回数と前記第2グループに属する役が当籤役として決定された回数との双方を加算可能であることを特徴とする。
このような遊技機によれば、特定役が当籤すると、第1グループに属する役の当籤回数と第2グループに属する役の当籤回数との双方が加算されるため、その後の遊技において第1の特典の付与条件又は第2の特典の付与条件が満たされる可能性が高まり、遊技者は、その後の遊技に関して期待を持つことができる。
また、本発明に係る遊技機では、前記履歴管理手段が管理する前記所定遊技間分の前記当籤役情報を表示可能な履歴表示手段(例えば、副制御回路101、表示ユニット100)を更に備えることを特徴とする。
このような遊技機によれば、遊技者は、所定遊技間分の当籤役情報を把握することができるため、遊技の興趣が向上する。
[付記31]
付記31の遊技機は、以下の通りである。
特開2010−057732号公報には、内部当籤役に決定された役を取りこぼすことがないように、内部当籤役を成立させるための情報など遊技者にとって有利な情報を、遊技者に対して報知する遊技機が開示されている。なお、このように遊技者が有利となるような情報を報知することを、一般にナビする(ナビを行う)などといい、ナビが行われる期間をAT(assist time)という。
このようなAT機能を備える遊技機では、通常の状態から特定の遊技状態(AT)に移行させるまでの制御に様々な工夫がなされており、例えば、特定の遊技状態への移行確率を定めるモードを複数備え、現在のモード毎に移行期待度を異ならせる制御も知られている。しかしながら、このような制御は多くの遊技機において採用されており、単にモードを設けるだけでは遊技が単調になり、特定の遊技状態への移行に関して更なる改善が求められている。
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、特定の遊技状態への移行に関して従来にない新たな制御が可能な遊技機を提供することを目的とする。
本発明に係る遊技機は、複数の識別表示を変動表示可能な可変表示手段(例えば、リール3L,3C,3R及び表示窓)と、複数の役の中から決定された当籤役に応じて前記可変表示手段を用いた遊技の進行を制御する遊技制御手段(例えば、主制御回路91)と、を備える遊技機であって、遊技を行う遊技状態として、所定の遊技状態(例えば、CZ)と、特定の遊技状態(例えば、初回ボーナスや連ボーナス)とを含む複数の遊技状態を有するとともに、前記特定の遊技状態は、第1区間(例えば、小役ゲーム)と第2区間(例えば、JACゲーム)とを有し、前記特定の遊技状態の前記第1区間において第1条件(例えば、リプレイに当籤)を満たすと、前記特定の遊技状態の前記第2区間に遊技状態を移行可能であり、前記特定の遊技状態の前記第2区間において第2条件(例えば、4ゲーム経過すると)を満たすと、前記特定の遊技状態の前記第1区間に遊技状態を移行可能な特定遊技中移行制御手段(例えば、主制御回路91)と、前記特定の遊技状態において終了条件(例えば、小役ゲームが25ゲーム経過すると)を満たすと、前記特定の遊技状態を終了して前記所定の遊技状態を開始可能な終了制御手段(例えば、主制御回路91)と、前記特定の遊技状態において当籤役として決定された役に応じて数値情報(例えば、獲得ポイント)を付与可能な数値付与手段と、前記特定の遊技状態において前記数値付与手段が付与した前記数値情報の合計を計数可能な計数手段(例えば、主制御回路91)と、を更に備え、前記特定の遊技状態への移行期待度が異なる複数のモード情報(例えば、得点ランク)を有し、前記特定の遊技状態の終了時に前記計数手段が計数している前記数値情報を合計した値に応じて、前記複数のモード情報の中から一のモード情報を決定可能なモード決定手段(例えば、主制御回路91)と、前記所定の遊技状態において、前記一のモード情報に応じて前記特定の遊技状態に移行するか否かを決定する特定遊技開始決定手段(例えば、主制御回路91)と、前記特定遊技開始決定手段が前記特定の遊技状態に移行すると決定すると、前記特定の遊技状態を開始可能な開始制御手段(例えば、主制御回路91)と、を更に備え、前記数値付与手段は、前記特定の遊技状態の前記第2区間では、前記特定の遊技状態の前記第1区間よりも多い前記数値情報を付与可能であることを特徴とする。
このような遊技機によれば、特定の遊技状態では数値情報が付与され、特定の遊技状態の終了時に、獲得した数値情報に応じて、特定の遊技状態への移行期待度を定めるモード情報が決定される。特定の遊技状態が終了した後の所定の遊技状態では、特定の遊技状態への移行するか否かを決定しており、移行すると決定した場合には、終了した特定の遊技状態に再度移行する。これにより、本発明に係る遊技機では、特定の遊技状態中は、特定の遊技状態に再度移行するための数値情報の獲得遊技という遊技性を有し、特定の遊技状態中の遊技の結果に応じて、再度、特定の遊技状態に戻ることの期待度が変わる。遊技者にとってみれば、特定の遊技状態に移行しただけでは終わらず、特定の遊技状態中の遊技にも集中することになるため、特定の遊技状態への移行に関して従来にない新たな遊技性を実現することができる。
また、本発明において、特定の遊技状態は、第1区間と第2区間とにより構成され、第2区間では第1区間よりも多い数値情報が付与される。遊技者にとってみれば、第1区間であるか第2区間であるかに応じてその後の遊技の流れが異なるため、遊技性がより多様化し、遊技の興趣が向上する。
また、本発明に係る遊技機において、前記特定の遊技状態として、第1特定の遊技状態(例えば、SBIG)と第2特定の遊技状態(例えば、WBIG)とを有し、前記特定遊技開始決定手段が前記特定の遊技状態に移行すると決定すると、開始する前記特定の遊技状態の種類を決定可能な種類決定手段(例えば、主制御回路91)を更に備え、前記開始制御手段は、前記種類決定手段が前記第1特定の遊技状態を開始すると決定すると前記第1特定の遊技状態を開始し、前記種類決定手段が前記第2特定の遊技状態を開始すると決定すると前記第2特定の遊技状態を開始し、前記数値付与手段は、前記第2特定の遊技状態では、前記第1特定の遊技状態よりも多い前記数値情報を付与可能であることを特徴とする。
このような遊技機によれば、第2特定の遊技状態では第1特定の遊技状態よりも多い数値情報が付与される。遊技者にとってみれば、第1特定の遊技状態であるか第2特定の遊技状態であるかに応じてその後の遊技の流れが異なるため、遊技性がより多様化し、遊技の興趣が向上する。
また、本発明に係る遊技機において、前記特定遊技中移行制御手段は、前記特定の遊技状態の前記第1区間において所定役(例えば、リプレイ)が当籤役として決定されると前記第1条件を満たしたとして、前記特定の遊技状態の前記第2区間に遊技状態を移行可能であり、前記特定の遊技状態の前記第2区間において行われた遊技の回数が所定回数(例えば、4ゲーム)に達すると前記第2条件を満たしたとして、前記特定の遊技状態の前記第1区間に遊技状態を移行可能であり、前記終了制御手段は、前記特定の遊技状態のうちの前記第2区間において行われた遊技の回数を除く前記第1区間において行われた遊技の回数が特定回数に達すると(例えば、JACゲームを除く小役ゲームが25ゲーム経過すると)前記終了条件を満たしたとして、前記特定の遊技状態を終了して前記所定の遊技状態を開始可能であることを特徴とする。
このような遊技機によれば、特定の遊技状態は、第2区間において行われた遊技の回数に関わらず第1区間において行われた遊技の回数が特定回数に達すると終了する。そのため、特定の遊技状態において第2区間に移行できた場合には、第2区間の間は特定の遊技状態が終了することなく、また、第2区間は多くの数値情報を獲得することができるため、第2区間への移行回数が増えるほど終了後に再び特定の遊技状態に戻ることについての期待を持つことができる。
[付記32]
付記32の遊技機は、以下の通りである。
特開2010−057732号公報には、内部当籤役に決定された役を取りこぼすことがないように、内部当籤役を成立させるための情報など遊技者にとって有利な情報を、遊技者に対して報知する遊技機が開示されている。なお、このように遊技者が有利となるような情報を報知することを、一般にナビする(ナビを行う)などといい、ナビが行われる期間をAT(assist time)という。
ところで、AT機能を有する従来の遊技機では、AT(特別区間)への移行当否を報せる演出(例えば、成功するとATへの移行に当籤、失敗すると非当籤)を行うこともあるが、従来の遊技機では、このような演出が途中でキャンセルされてしまうことがあった。演出がキャンセルされてしまうと、せっかくの演出の演出効果が低下し、興趣が低下してしまうため、更なる改善の余地があった。
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、特別区間への移行当否に報せる演出の演出効果を低下させてしまうことを軽減可能な遊技機を提供することを目的とする。
本発明に係る遊技機は、複数の識別表示を変動表示可能な可変表示手段(例えば、リール3L,3C,3R及び表示窓)と、複数の役の中から決定された当籤役に応じて前記可変表示手段を用いた遊技の進行を制御する遊技制御手段(例えば、主制御回路91)と、を備える遊技機であって、遊技を行う遊技状態として、所定の遊技状態(例えば、通常区間)と、特定の遊技状態(例えば、有利区間)とを含む複数の遊技状態を有するとともに、前記特定の遊技状態は、所定回数の遊技が行われる演出区間(例えば、前兆)より構成される第1特定の遊技状態(例えば、ガセ前兆)と、前記所定回数の遊技が行われる前記演出区間とその後の遊技者にとって有利な特別区間(例えば、疑似ボーナスとCZとの連荘)とにより構成される第2特定の遊技状態(例えば、本前兆及び疑似ボーナスとCZとの連荘)と、を有し、前記所定の遊技状態において所定役(例えば、レア役)が当籤役として決定されると、前記特定の遊技状態の種類を決定可能な種類決定手段(例えば、主制御回路91)と、前記種類決定手段が前記第1特定の遊技状態を開始すると決定すると前記第1特定の遊技状態を開始し、前記第1特定の遊技状態において前記所定回数の遊技が行われて前記演出区間が終了すると、前記第1特定の遊技状態を終了して前記所定の遊技状態に移行可能な第1遊技状態制御手段(例えば、主制御回路91)と、前記種類決定手段が前記第2特定の遊技状態を開始すると決定すると前記第2特定の遊技状態を開始し、前記第2特定の遊技状態において前記所定回数の遊技が行われて前記演出区間が終了すると、その後、前記特別区間を開始するとともに、当該特別区間の終了条件を満たすと、前記第2特定の遊技状態を終了して前記所定の遊技状態に移行可能な第2遊技状態制御手段(例えば、主制御回路91)と、前記演出区間において、その後、前記特別区間が開始されるか否かの成否に関する所定演出を実行可能な演出実行手段(例えば、副制御回路101、表示ユニット100)と、前記第1特定の遊技状態の終了時に遊技の進行を停止するロック状態を発生可能なロック制御手段(例えば、主制御回路91)と、を更に備え、前記演出実行手段は、前記種類決定手段が前記第1特定の遊技状態を開始すると決定している場合、前記演出区間及びその後の前記ロック状態を用いて前記所定演出を実行可能であることを特徴とする遊技機。
このような遊技機によれば、所定の遊技状態から特定の遊技状態に移行した場合、特定の遊技状態の種類(第1特定の遊技状態又は第2特定の遊技状態)に関わらず、まず、所定回数の遊技が行われる演出区間に移行する。この演出区間では、その後、特別区間が開始されるか否かの成否に関する所定演出が行われるため、特定の遊技状態の種類として第1特定の遊技状態が決定されている場合には、失敗演出が行われ、特定の遊技状態の種類として第2特定の遊技状態が決定されている場合には、成功演出が行われる。また、本発明に係る遊技機では、第1特定の遊技状態の終了時にロック状態を発生させるが、第1特定の遊技状態では、演出区間の終了時が特定の遊技状態の終了時と一致するため、第1特定の遊技状態に移行した場合には、演出区間及びその後のロック状態を用いて所定演出を実行することができ、所定演出がキャンセルされてしまうことがなく、特別区間への移行当否に報せる所定演出の演出効果を低下させてしまうことを軽減することができる。
また、本発明に係る遊技機において、前記ロック制御手段は、前記第2特定の遊技状態の終了時に遊技の進行を停止するロック状態を発生可能であり、前記演出実行手段は、前記種類決定手段が前記第2特定の遊技状態を開始すると決定している場合、前記ロック状態を用いて前記特別区間の遊技結果に関する特定演出を実行可能であることを特徴とする。
このような遊技機によれば、第2特定の遊技状態は、特別区間の終了時が特定の遊技状態の終了時と一致するため、ロック状態を用いて特定演出を実行することで、例えば、特別区間中のメダルの獲得枚数などの特別区間中の遊技結果を遊技者に対して報せることができる。すなわち、本発明に係る遊技機では、特定の遊技状態の終了時のロック状態用いることで、特別区間への移行当否を報せる所定演出及び特別区間中の遊技結果を報せる特定演出を適切に行うことができる。
[付記33]
付記33の遊技機は、以下の通りである。
このリール停止制御に関して、特開2012−200497号公報には、内部当籤役として決定された役に対応する図柄の組合せを構成する図柄最大滑り駒数の範囲内で最大限に引き込むようにした遊技機(いわゆる5号機)が開示されている。このような遊技機によれば、従来の遊技機(いわゆる4号機)で可能であった、内部当籤しているにも関わらず停止制御しない制御が廃され、対応する図柄の組合せを狙えば、内部当籤している役に応じた図柄の組合せを必ずそろえることができるため、公平な遊技を実現することができる。
また、このような停止制御を行う遊技機として、近年、ベルなどの当籤確率の高い小役とスイカなどの当籤確率の低いレア役とが、第2停止時にテンパイしており、第3停止時に何れの役の入賞もなかったときにリーチ目となってボーナスなどの特典が確定する遊技機も知られている。しかしながら、小役とレア役とがテンパイする従来の制御では、遊技者の停止操作が煩雑になり煩わしいという問題があった。すなわち、小役とレア役とがテンパイした場合、遊技者は、レア役を取りこぼすことがないように停止操作を行うことになるが、ベルなどの小役は、レア役やボーナス役に比べて当籤確率が高いため、小役とレア役とがテンパイした場合には基本的にベルが入賞し、レア役の入賞やリーチ目が表示される可能性は少ない。従来の制御では、このような場合にまでレア役を取りこぼすことがない停止操作を行う必要があり、遊技者は煩わしさを感じてしまっていた。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、遊技者の停止操作を簡易にしつつも、停止出目に応じて遊技者が期待感を持つことの可能な遊技機を提供することを目的とする。
本発明に係る遊技機は、複数の図柄が表示された所定数のリールのリール(例えば、リール3L,3C,3R)を備え、複数の役の中から決定された当籤役に応じて前記リールの回転を停止させることにより前記図柄を停止表示させることで、前記リールを用いた遊技を進行する遊技機であって、前記複数の役には、各リールの一つの図柄を表示する単位図柄表示領域を夫々結ぶ直線状のライン(例えば、センターライン、トップライン、ボトムライン、クロスアップライ、クロスダウンライン)に沿って第1の図柄(例えば、ベル)が並んで表示され得る特定役(例えば、「F_打順2ベルA1」「F_打順2ベルA2」「F_打順2ベルB1」「F_打順2ベルB2」)と、前記ラインに沿って第2の図柄(例えば、スイカ)が並んで表示され得る所定役(例えば、「F_スイカ1」「F_スイカ2」)と、が含まれるとともに、前記特定役には、第1特定役(例えば、「F_打順2ベルA1」「F_打順2ベルA2」)と第2特定役(例えば、「F_打順2ベルB1」「F_打順2ベルB2」)と、が含まれ、前記特定役が当籤役として決定された場合には第1の確率で特典(例えば、初回ボーナスの当籤)を付与可能であり、前記所定役が当籤役として決定された場合に前記第1の確率よりも高い第2の確率で前記特典を付与可能な特典付与手段(例えば、主制御回路91)と、停止操作を検出すると、複数の役の中から決定された当籤役に応じて、前記停止操作に対応するリールの回転を停止可能な停止制御手段(例えば、主制御回路91)と、を更に備え、前記停止制御手段は、前記第1特定役が当籤役として決定されている場合、所定数の前記リールのうちの特定数の前記リールを停止した時点において、前記ラインに沿って前記第1の図柄がテンパイし、前記第2の図柄がテンパイしないように前記リールの回転を停止し、前記第2特定役が当籤役として決定されている場合、所定数の前記リールのうちの特定数の前記リールを停止した時点において、前記ラインに沿って前記第1の図柄及び前記第2の図柄の双方がテンパイするように前記リールの回転を停止し、前記所定役が当籤役として決定されている場合、所定数の前記リールのうちの特定数の前記リールを停止した時点において、前記ラインに沿って前記第1の図柄及び前記第2の図柄の双方がテンパイするように前記リールの回転を停止し、前記特定役が当籤役として決定される確率は、前記所定役が当籤役として決定される確率よりも高いことを特徴とする。
このような遊技機によれば、特定役は、当籤役として決定される確率が高いものの、特典付与の期待度が低く、所定役は、当籤役として決定される確率は低いものの、特典付与の期待度が高い。これら特定役と所定役とは、第2停止時に双方がテンパイすることもあるが、特定役のうち第1特定役が当籤役として決定されている場合には、所定役はテンパイすることなく特定役のみがテンパイする。遊技者にとってみれば、当籤確率が高く特典付与が期待し難い第1特定役の当籤時にまで所定役の取りこぼしを気にして停止操作を行う必要がないため、停止操作に対する煩わしさを軽減することができる。
ここで、特定役の当籤時には所定役をテンパイさせずに、所定役の当籤時にのみ所定役をテンパイさせる停止制御も考えられ、このような停止制御にすることで、遊技者の停止操作を最も簡易にすることができる。しかしながら、このような停止制御は、停止操作を簡易にするという観点からは好ましいものの、テンパイした停止出目の形から当籤役が把握できてしまい、遊技が単調になってしまうため、遊技性の観点から好ましくない。すなわち、遊技性を考えた場合、停止出目の形から所定役かもしれないといった期待感を抱くことができる程度が好ましい。
この点、本発明に係る遊技機では、特定役のうち第2特定役が当籤役として決定されている場合には、特定役と所定役との双方がテンパイするため、双方がテンパイする停止出目の出現頻度を第2特定役の当籤確率分高めることができる。このように本発明に係る遊技機では、第1特定役という特定役のみがテンパイする役と、第2特定役という特定役と所定役の双方がテンパイする役とを有することで、遊技者の停止操作を簡易にしつつも、停止出目に応じて遊技者が期待感を持つことができる。
また、本発明に係る遊技機において、前記複数の役には、所定数の前記リールのうちの特定数の前記リールを停止した時点において、前記ラインに沿って前記第1の図柄及び前記第2の図柄の双方がテンパイ可能、かつ、前記特定役及び前記所定役の何れも入賞しない特別役(例えば、「F_リーチ目リプA1」)が更に含まれ、前記特典付与手段は、前記特別役が当籤役として決定されると、前記第2の確率よりも高い確率で前記特典を付与することを特徴とする。
このような遊技機によれば、特定役と所定役の双方がテンパイした遊技において何れも入賞しない場合には、特別役に基づく特典が付与されるため、遊技者は、双方がテンパイした場合に期待感を持って遊技を行うことができる。
また、本発明に係る遊技機において、前記第1特定役が当籤役として決定される確率と、前記第2特定役が当籤役として決定される確率とは、異なる確率であることを特徴とする。
このような遊技機によれば、特定役のみがテンパイする停止出目と、特定役と所定役の双方がテンパイする停止出目との出現頻度を、夫々の当籤確率に応じて調整することができる。
[付記34]
付記34の遊技機は、以下の通りである。
AT機能を有する遊技機として、特開2017−169968号公報には、遊技者が有利となるような情報を報知可能な有利区間と、当該情報を報知しない非有利区間(通常区間)とを設け、有利区間が長期間にわたり継続した場合に(例えば、1500ゲーム経過した場合に)、残りのゲーム数に関わらず強制的に有利区間を終了させるリミット処理を行う遊技機が開示されている。
上述の遊技機によれば、有利区間中に遊技者が得る利益を一定の範囲に収めることができるため、遊技の射幸性が徒に高まってしまうことを抑制することができる。しかしながら、有利区間が連続して複数回実行されてしまうと、1回の有利区間で得られる利益は抑えることができるが、複数回の総合で得られる利益が過大になってしまう可能性があり、このような場合には、遊技の射幸性が徒に高まってしまう。
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、射幸性を適切に抑制可能な遊技機を提供することを目的とする。
本発明に係る遊技機は、複数の識別表示を変動表示可能な可変表示手段(例えば、リール3L,3C,3R及び表示窓)と、複数の役の中から決定された当籤役に応じて前記可変表示手段を用いた遊技の進行を制御する遊技制御手段(例えば、主制御回路91)と、を備える遊技機であって、遊技の結果として付与された遊技価値量から遊技に用いられた遊技価値量を減算した獲得差数(例えば、差枚数)を計数可能な計数手段(例えば、打ち止め用カウンタ)と、前記計数手段が計数する前記獲得差数が閾値(例えば、14500枚)を超えたか否かを判定可能な判定手段(例えば、主制御回路91)と、前記判定手段が前記獲得差数が前記閾値を超えたと判定すると、継続して遊技を行うことが不可能な打ち止め状態とする打止制御手段(例えば、主制御回路91)と、所定の解除条件を満たすと、前記打ち止め状態を解除して遊技を継続可能にする打止解除手段(例えば、主制御回路91)と、を更に備えることを特徴とする。
このような遊技機によれば、電源が投入された後の遊技価値の獲得差数が閾値を超えると、継続して遊技を行うことが不可能な打ち止め状態となる。これにより、1回当たりでは適切な範囲であっても、総合で過大な利益(遊技価値)を与えてしまった場合に、強制的に遊技が不可能な打ち止め状態とすることができるため、遊技者に与える利益が過大になってしまうことがなく、射幸性を適切に抑制することができる。
また、本発明に係る遊技機において、前記計数手段は、単位遊技終了時の前記獲得差数がマイナスの値である場合に、当該獲得差数を0にクリアすることを特徴とする。
このような遊技機によれば、獲得差数がマイナスの場合には、マイナスの時点を基準として打ち止め状態の判定を行うことができるため、遊技者に与える利益が過大になってしまうことがなく、射幸性を適切に抑制することができる。
また、本発明に係る遊技機において、遊技を行う遊技状態として、ボーナスが作動しているボーナス状態と、ボーナスが作動していない非ボーナス状態とを有し、前記判定手段は、前記ボーナス状態においては、単位遊技の終了時に前記判定を行うことなく、前記ボーナス状態の終了時に前記判定を行うことを特徴とする。
このような遊技機によれば、ボーナス状態中は打ち止め状態となることがないため、遊技者が感じる不満を軽減することができる。
また、本発明に係る遊技機において、ボーナスが作動していない非ボーナス状態として、通常状態と、前記通常状態よりも遊技者にとって有利な有利状態(例えば、AT)とを有し、前記判定手段は、前記非ボーナス状態においては、前記通常状態であるか前記有利状態であるかに関わらず、単位遊技の終了時に前記判定を行うことを特徴とする。
このような遊技機によれば、ボーナス状態ではない有利状態中は、打ち止め状態とすることができる。このような有利状態は、継続期間が固定的ではないことがあり、いつまで継続することが分からないため、有利状態中であっても打ち止め状態とすることで、遊技者に与える利益が過大になってしまうことがなく、射幸性を適切に抑制することができる。
[付記35]
付記35の遊技機は、以下の通りである。
特開2004−181226号公報には、リールの外周面に沿って装着されたリール帯の外周側をリール前面に対向する位置(前方)から照明光で照射する遊技機が開示されている。このような遊技機によれば、遊技者は、照明光によりリール帯に配されている複数の図柄のうち、表示領域に対向する図柄を視認することができる。
しかしながら、従来の遊技機では、リールの前方から照射される照明光の光量は遊技状態に関わらず一定であるため、遊技が単調なものとなっていた。
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、リールの前方から照射する照明光を用いて、抑揚のある遊技機を提供することを目的とする。
本発明に係る遊技機は、複数の図柄が表示された複数のリール(例えば、リール3L,3C,3R)を備え、複数の役の中から決定された当籤役に応じて前記リールの回転を停止させることにより前記図柄を停止表示させることで、前記リールを用いた遊技を進行する遊技機であって、遊技を行う遊技状態として、所定の遊技状態(例えば、通常遊技)と、特定の遊技状態(例えば、ボーナス状態)とを含む複数の遊技状態を有し、前記所定の遊技状態において開始条件を満たすと前記特定の遊技状態を開始可能であり、前記特定の遊技状態において終了条件を満たすと前記特定の遊技状態を終了して前記所定の遊技状態に遊技状態を移行可能な遊技状態制御手段(例えば、主制御回路91)と、前記リールの外周面を前記リールの前面から照射可能な照明手段(例えば、上部ランプ)と、前記照明手段の点灯状態を制御可能な照明制御手段(例えば、主制御回路91)と、を更に備え、前記照明制御手段は、前記所定の遊技状態においては、前記照明手段を消灯したまま保持する一方で、前記特定の遊技状態においては、前記照明手段を点灯したまま保持することを特徴とする。
このような遊技機によれば、特定の遊技状態においては、リールの前面が照明手段により照らされ続けるのに対して、所定の遊技状態においては、リールの前面が照明手段により照らされないまま保持される。これにより、リールの照明光の光量が遊技状態に応じて変化することになるため、抑揚のある遊技機を提供することができる。
また、本発明に係る遊技機において、前記特定の遊技状態の終了時に遊技の進行を停止するロック状態を発生可能なロック制御手段(例えば、主制御回路91)を更に備え、前記照明制御手段は、前記特定の遊技状態の開始時に前記照明手段を消灯状態から点灯状態に切り替え、前記特定の遊技状態の終了に伴う前記ロック状態の解除時に前記照明手段を点灯状態から消灯状態に切り替えることを特徴とする。
このような遊技機によれば、遊技状態の移行に合わせたタイミングで適切に照明手段の点灯状態を切り換えることができるため、抑揚のある遊技機を提供することができる。
[付記36]
付記36の遊技機は、以下の通りである。
このような遊技機に対する不正行為として、遊技機外部に設けられている外部部材を強制的に取り外し、その際に露呈するケーシングされていない末端の基板に不正器具、例えば針金を挿入し、電源を不正操作するといったゴト行為が知られており、遊技機メーカーは、このような不正行為に対する様々な工夫を行っている。例えば、特開2018−114328号公報には、前扉の設計変更を必要とせずに、簡易かつ安価な構造で電源ゴトによる不正行為の防止を図った遊技機が開示されている。
ところで、近年では、電源を不正操作するだけではなく、遊技機の利益度合いを定める設定値を不正に操作するゴト行為も発生しており、このような不正な設定変更に対する対策も求められている。
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、不正な設定変更を検知可能な遊技機を提供することを目的とする。
本発明に係る遊技機は、遊技機本体(キャビネット61)と前記本体に取り付けられた扉体部(前扉)とを備え、複数の識別表示を変動又は停止表示することで遊技を進行可能な遊技機であって、電断時の前記扉体部の開閉状態を保持可能な開閉状態保持手段(例えば、副制御回路101)と、設定変更を受け付けた場合に、前記開閉状態保持手段が保持している、電断時の前記扉体部の前記開閉状態を参照して、当該電断時において前記扉体部が閉じていたか否かを判定する開閉判定手段(例えば、副制御回路101)と、前記開閉判定手段が前記設定変更に伴う前記電断時において前記扉体部が閉じていたと判定した回数を集計可能な回数集計手段(例えば、副制御回路101)と、を備えることを特徴とする。
このような遊技機によれば、設定変更に伴う電断時に扉体部が閉じていた設定変更の回数を集計する。ここで、パチスロ機では、電源がOFFの状態で設定キー(設定用鍵型スイッチ)がONになった時に設定変更が可能であり、電源がONの状態で設定キーがONになると単に現在の設定値を確認できるだけで、設定変更を行うことはできない。すなわち、パチスロ機では、設定変更を行う場合には、電源を必ずOFFにする必要がある。遊技店の店員などが正規に設定変更を行う場合、通常、扉体部を開けた状態で電源をOFFにするため、正規の設定変更操作では、設定変更に伴う電断時に扉体部は開いている。一方で、ゴト師などが不正に設定変更を行う場合には、扉体部を開けることができないため、設定変更に伴う電断時に扉体部が閉じている。そのため、本発明に係る遊技機のように、設定変更に伴う電断時に扉体部が閉じていた設定変更の回数を集計することで、不正な設定変更を検知することができる。
また、本発明に係る遊技機は、遊技機本体(キャビネット61)と前記本体に取り付けられた扉体部(前扉)とを備え、複数の識別表示を変動又は停止表示することで遊技を進行可能な遊技機であって、電断時の前記扉体部の開閉状態を保持可能な開閉状態保持手段(例えば、副制御回路101)と、設定変更を受け付けた場合に、前記開閉状態保持手段が保持している、電断時の前記扉体部の前記開閉状態を参照して、当該電断時において前記扉体部が閉じていたか否かを判定する開閉判定手段(例えば、副制御回路101)と、前記開閉判定手段が前記設定変更に伴う前記電断時において前記扉体部が閉じていたと判定すると、所定の警告情報を外部に出力可能な警告出力手段(例えば、副制御回路101)と、を備えることを特徴とする。
このような遊技機によれば、設定変更に伴う電断時に扉体部が閉じていた場合に所定の警告情報を外部に出力するため、不正な設定変更を検知することができる。
[付記37]
付記37の遊技機は、以下の通りである。
このような遊技機においては、MAXベットボタンや1ベットボタンなどの遊技者により操作されるベットボタンを設け、ベットボタンが操作されることで、操作されたボタンに対応する枚数のメダルが今回の遊技に用いる枚数(ベット数)として設定される。ここで、近年、ベットボタンにベット数を設定するための機能に加えて他の機能を持たせる遊技機が知られており、例えば、特開2017−170211公報には、MAXベットボタンのようなベットボタンとして機能するボタンを演出用のボタンとしても機能可能にした遊技機が開示されている。
ところで、上述の遊技機であっても、ベットボタンとしての機能は1つに過ぎず、MAXベットボタンはMAXベットに用いられ、1ベットボタンは1ベットに用いられるだけであった。遊技者にとってみれば、ベット数を異ならせることが好ましい場合もあるため、上述の遊技機のように他の機能を追加しただけでは不十分であり、更なる改善の余地があった。
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、1つのベットボタンを用いて従来にないベット制御が可能な遊技機を提供することを目的とする。
本発明に係る遊技機は、複数の識別表示を変動表示可能な可変表示手段(例えば、リール3L,3C,3R)と、複数の役の中から決定された当籤役に応じて前記可変表示手段を用いた遊技の進行を制御する遊技制御手段(例えば、主制御回路91)と、を備える遊技機であって、遊技を行う遊技状態として、第1ベット数(例えば、2BET)及び前記第1ベット数よりも多い第2ベット数(例えば、3BET)の遊技が可能な所定の遊技状態(例えば、非報知状態)を有し、遊技者によるベット操作を受け付け可能なベット操作手段(例えば、MAXベットボタン11)と、前記ベット操作手段が前記ベット操作を受け付けると、今回の遊技のベット数を決定可能なベット制御手段(例えば、主制御回路91)と、を更に備え、前記ベット制御手段は、前記第2ベット数よりも多くの遊技価値を貯留している前記所定の遊技状態において前記ベット操作手段が前記ベット操作を受け付けると、前記第1ベット数を今回の遊技のベット数として決定可能であることを特徴とする。
このような遊技機によれば、第1ベット数及び第2ベット数の何れにおいても遊技可能な所定の遊技状態において、ベット操作手段が操作されると、第1ベット数及び第2ベット数の何れか一方を、今回の遊技のベット数として決定することができる。このように1つのベット操作手段を用いて複数のベット数を決定可能であるため、本発明に係る遊技機によれば、1つのベット操作手段を用いて従来にないベット制御が可能になる。
また、本発明に係る遊技機において、前記所定の遊技状態は、第1区間(第1抽籤状態)及び第2区間(第2抽籤状態)により構成され、前記ベット制御手段は、前記第2ベット数よりも多くの遊技価値を貯留している前記所定の遊技状態の前記第1区間において前記ベット操作手段が前記ベット操作を受け付けると、今回の遊技のベット数として前記第2ベット数を決定可能であり、前記第2ベット数よりも多くの遊技価値を貯留している前記所定の遊技状態の前記第2区間において前記ベット操作手段が前記ベット操作を受け付けると、今回の遊技のベット数として前記第1ベット数を決定可能であることを特徴とする。
このような遊技機によれば、上述の遊技機と同様に1つのベット操作手段を用いて従来にないベット制御が可能になる。
また、本発明に係る遊技機において、遊技を行う遊技状態として、前記所定の遊技状態よりも遊技者にとって有利な特定の遊技状態(例えば、報知状態)を更に有し、前記所定の遊技状態の前記第1区間において、前記特定の遊技状態に遊技状態を移行するか否かを決定可能な移行決定手段(例えば、主制御回路91)と、前記移行決定手段が前記特定の遊技状態に移行すると決定すると、前記所定の遊技状態の前記第1区間から前記第2区間を経由して、前記特定の遊技状態に遊技状態を移行可能な遊技状態制御手段(例えば、主制御回路91)と、を更に備えることを特徴とする。
このような遊技機によれば、遊技者にとって有利な特定の遊技状態への移行が決定されるまでは、第2ベット数の遊技が行われ、特定の遊技状態への移行が決定された後、当該特定の遊技状態に移行するまでの待機区間(第2区間)では、第2ベット数よりも少ない第1ベット数の遊技が行われるため、上述の遊技機と同様に1つのベット操作手段を用いて従来にないベット制御が可能になる。
[付記38〜付記44]
付記38〜付記44の遊技機は、以下の通りである。
遊技機では、遊技者にとっての有利度が異なる複数の設定値を設け、設定値に応じて出玉の波を作り出すこととしている。ところで、従来の遊技機では、このような設定値として6段階の設定値を設けていたが、設定値が多いとデータ容量の増加及び設計開発の負担増加に繋がることから、近年では、設置値の数を減らした遊技機も知られている。例えば、特開2017−064539号公報には、「1」、「4」、「6」及び「H」の4段階の設定値を設けた遊技機が開示されている。
しかしながら、このような遊技機においても出玉の波は、相変わらず設定値に応じて作り出されるものであり、設定値によらずとも出玉の波を作り出すことが可能な遊技機が求められている。
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、設定値によらずとも出玉の波を作り出すことが可能な遊技機を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本実施形態の遊技機によれば、以下のような構成の付記38の遊技機を提供することができる。
本発明に係る遊技機は、複数の識別表示を変動表示可能な可変表示手段(例えば、第1リール3−1〜第4リール3−4、表示窓4)と、複数の役の中から決定された当籤役に応じて前記可変表示手段を用いた遊技の進行を制御する遊技制御手段(例えば、主制御回路91)と、を備える遊技機であって、前記複数の役が当籤役として決定される当籤確率を定める設定値として1つの設定値のみを有するとともに、当該1つの設定値により定まる前記複数の役の当籤確率のうちの再遊技役が当籤役として決定される当籤確率を変動可能な複数のRT状態を有し、移行条件を満たした場合に、現在のRT状態を他のRT状態に移行可能なRT制御手段(例えば、主制御回路91)と、遊技者に対して特典(例えば、AT)を付与可能な特典付与手段(例えば、主制御回路91)と、を更に備え、前記特典付与手段は、現在のRT状態に応じた確率で前記特典を付与することを特徴とする。
このような遊技機によれば、設定値としては1段階の設定値しか有さないが、特典の付与確率をRT状態に応じて異ならせるため、RT状態に応じて遊技者の有利度合い(出玉の波)を異ならせることができる。言い換えると、RT状態を疑似的な設定値として用いることができる。そのため、本発明に係る遊技機では、設定値によらずとも出玉の波を作り出すことができる。
また、本発明に係る遊技機において、前記複数のRT状態は、再遊技役が当籤役として決定される当籤確率が略同一であることを特徴とする。
複数のRT状態において再遊技役が当籤役として決定される当籤確率に大きな差が設けられる場合、再遊技が作動する頻度も大きく変わるため、再遊技の作動という観点から出玉の波が異なることになる。このような場合には、遊技者は、再遊技が作動する頻度から有利度合いを推測できてしまい、有利不利が簡単に分かってしまう結果、稼働の偏りが顕著になってしまい好ましくない。これに対して、本発明に係る遊技機では、複数のRT状態において再遊技役が当籤役として決定される当籤確率を略同一としているため、再遊技が作動する頻度からは有利度合いを推測することが困難になる。その結果、RT状態に応じて定まる疑似的な設定値を、従来の遊技機における設定値のように見た目(再遊技の作動)から分かり難くすることができ、従来の複数段階の設定値を有する遊技機と同様の遊技性を遊技者に対して感じさせることができる。
また、本発明に係る遊技機において、前記複数のRT状態として、特定RT状態(例えば、非RT状態)と所定数の所定RT状態(例えば、RT1状態〜RT7状態)とを有し、前記RT状態の移行契機となる結果表示として、前記所定数の所定RT状態のそれぞれに対応する前記所定数のRT移行結果表示(例えば、RT2移行図柄〜RT7移行図柄)を有し、前記RT制御手段は、前記RT移行結果表示が導出された場合に、導出された当該RT移行結果表示に対応する種別の前記所定RT状態にRT状態を移行可能であり、前記遊技制御手段は、前記複数のRT状態のそれぞれにおいて、前記所定数のRT移行結果表示の全てを導出可能であることを特徴とする。
疑似的な設定値とRT状態とが対応する遊技機では、現在のRT状態が特定されてしまうことは、疑似的な設定値が特定されることであるため、好ましくない。この点、本発明に係る遊技機では、所定数のRT移行結果表示の全てが、複数のRT状態のそれぞれにおいて導出可能であるため、現在のRT状態を特定され難くすることができ、結果、疑似的な設定値(現在のRT状態)を遊技者に特定され難くすることができる。
また、本発明に係る遊技機において、前記RT制御手段は、前記特定RT状態において前記RT移行結果表示が導出された場合に、導出された当該RT移行結果表示に対応する種別の前記所定RT状態にRT状態を移行する一方で、前記所定RT状態では前記RT移行結果表示が導出された場合であっても、RT状態を他のRT状態に移行することなく現在のRT状態のまま維持することを特徴とする。
このような遊技機によれば、RT状態は基本的には移行契機となる結果表示が導出されることで移行するものの、所定RT状態中は、この結果表示が導出可能である一方で、この結果表示が導出されたとしてもRT状態を移行することなく現在のRT状態のまま維持する。その結果、移行契機となる結果表示の導出が、現在のRT状態に対して一致するわけではないため、疑似的な設定値(現在のRT状態)が遊技者に特定されてしまうことを防止できる。
また、本発明に係る遊技機は、複数の識別表示を変動表示可能な可変表示手段(例えば、第1リール3−1〜第4リール3−4、表示窓4)と、複数の役の中から決定された当籤役に応じて前記可変表示手段を用いた遊技の進行を制御する遊技制御手段(例えば、主制御回路91)と、を備える遊技機であって、前記複数の役として、再遊技の作動に係る再遊技役と遊技価値の付与に係る小役とボーナス状態の作動に係るボーナス役とを有するとともに、前記複数の役のうち前記再遊技役が当籤役として決定される当籤確率を変動可能な複数のRT状態を有し、移行条件を満たした場合に、現在のRT状態を他のRT状態に移行可能なRT制御手段(例えば、主制御回路91)と、遊技者に対して特典(例えば、AT)を付与可能な特典付与手段(例えば、主制御回路91)と、前記複数の役のうち前記小役が当籤役として決定される当籤確率を変動可能な小役確率変動手段(例えば、主制御回路91)と、を更に備え、前記特典付与手段は、現在のRT状態に応じた確率で前記特典を付与し、前記小役確率変動手段は、前記ボーナス状態が作動した場合に限り、前記小役が当籤役として決定される当籤確率を変動可能であることを特徴とする。
遊技機では、役物(ボーナス)が作動した場合や設定値が変更された場合などの限られた条件でしか、遊技価値の付与に係る小役の当籤確率を変動させることができない。この点、本発明に係る遊技機では、ボーナス状態が作動した場合にしか小役の当籤確率を変動しないため、上述と同様にRT状態を疑似的な設定値として用いることができる。
また、上記目的を達成するために、本実施形態の遊技機によれば、以下のような構成の付記39の遊技機を提供することができる。
本発明に係る遊技機は、複数の識別表示を変動表示可能な可変表示手段(例えば、第1リール3−1〜第4リール3−4、表示窓4)と、複数の役の中から決定された当籤役に応じて前記可変表示手段を用いた遊技の進行を制御する遊技制御手段(例えば、主制御回路91)と、を備える遊技機であって、遊技者にとって有利な停止操作の態様を遊技者に対して報知可能な報知状態(例えば、疑似ボーナス(AT))を実行可能な特定状態(例えば、有利区間)を有するとともに、前記複数の役のうちの再遊技役が当籤役として決定される当籤確率を変動可能なRT状態として、特定RT状態(例えば、非RT状態)と複数の所定RT状態(例えば、RT1〜RT7状態)とを有し、移行条件を満たした場合に、現在のRT状態を他のRT状態に移行可能なRT制御手段(例えば、主制御回路91)と、前記報知状態に関する特典を、現在のRT状態に応じた確率で付与可能な特典付与手段(例えば、主制御回路91)と、前記特定状態において実行された遊技回数がリミット閾値(例えば、1500回)に達すると、前記報知状態を継続可能な残り期間に関わらず前記特定状態を終了することで、前記報知状態を終了するリミット制御手段(例えば、主制御回路91)と、を更に備え、前記RT制御手段は、前記特定RT状態において、RT状態の移行契機となる結果表示が導出されると、導出された結果表示に応じた種別の所定RT状態にRT状態を移行するとともに、前記複数の所定RT状態において実行された遊技回数が終了閾値に達すると、当該所定RT状態から前記特定RT状態にRT状態を移行し、前記所定RT状態の終了閾値に応じた遊技回数は、前記特定状態のリミット閾値に応じた遊技回数よりも多いことを特徴とする。
このような遊技機によれば、報知状態に関する特典の付与確率をRT状態に応じて異ならせるため、RT状態に応じて報知状態の頻度が異なる。これにより、RT状態に応じて遊技者の有利度合い(出玉の波)が異なることになり、RT状態を疑似的な設定値として用いることができる。そのため、本発明に係る遊技機では、設定値によらずとも出玉の波を作り出すことができる。
ここで、近年の遊技機では、報知状態が長期間にわたり継続しないように、報知状態を実行可能な期間(有利区間)に上限(リミッタ)を設けることとしている。この点、本発明に係る遊技機では、疑似設定値として用いるRT状態の継続期間を、特定状態(有利区間)の上限よりも長く設定する。これによりRT状態に応じて定まる出玉の波を、十分な長さの期間にわたり維持することができるため、RT状態を疑似的な設定値として用いることができる。
また、本発明に係る遊技機において、前記複数の所定RT状態の終了閾値は、それぞれの所定RT状態毎に異なることを特徴とする。
このような遊技機によれば、所定RT状態の期間が所定RT状態毎に異なるため、疑似的な設定値が維持される期間を、疑似的な設定値に応じて異ならせることができる。例えば、遊技者にとって有利な疑似的な設定値は、短くなるように設定することで、遊技者に与える利益が過大にならないように制御することができる。
また、本発明に係る遊技機において、RT状態の移行契機となる前記結果表示は、前記特定RT状態だけでなく、前記複数の所定RT状態のうちの少なくとも一部において導出可能な結果表示であり、前記RT制御手段は、前記複数の所定RT状態において、RT状態の移行契機となる前記結果表示が導出された場合であっても、RT状態を他のRT状態に移行することなく現在のRT状態のまま維持することを特徴とする。
このような遊技機によれば、RT状態は基本的には移行契機となる結果表示が導出されることで移行するものの、所定RT状態中は、この結果表示が導出可能である一方で、この結果表示が導出されたとしてもRT状態を移行することなく現在のRT状態のまま維持する。ここで、疑似的な設定値とRT状態とが対応する遊技機では、現在のRT状態が特定されてしまうことは、疑似的な設定値が特定されることであるため、好ましくない。この点、本発明に係る遊技機では、移行契機となる結果表示の導出が、現在のRT状態に対して一致するわけではないため、疑似的な設定値(現在のRT状態)が遊技者に特定されてしまうことを防止できる。
また、本発明に係る遊技機において、前記RT制御手段は、前記複数の所定RT状態では、所定の初期化処理が実行されない限り、当該所定RT状態において実行された遊技回数が終了閾値に達するまで他のRT状態に移行することなく現在のRT状態のまま維持することを特徴とする。
このような遊技機によれば、所定RT状態は、遊技回数が終了閾値に達するまでは維持されるため、RT状態に応じて定まる出玉の波を、十分な長さの期間にわたり維持することができるため、RT状態を疑似的な設定値として用いることができる。
また、本発明に係る遊技機において、現在のRT状態は、遊技者に対して報知されることがないことを特徴とする。
このような遊技機によれば、RT状態は一切報知されることがないため、疑似的な設定値(現在のRT状態)が遊技者に特定されてしまうことを防止できる。
また、上記目的を達成するために、本実施形態の遊技機によれば、以下のような構成の付記40の遊技機を提供することができる。
本発明に係る遊技機は、複数の識別表示を変動表示可能な可変表示手段(例えば、第1リール3−1〜第4リール3−4、表示窓4)と、複数の役の中から決定された当籤役に応じて前記可変表示手段を用いた遊技の進行を制御する遊技制御手段(例えば、主制御回路91)と、を備える遊技機であって、前記複数の役のうちの再遊技役が当籤役として決定される当籤確率を変動可能な複数のRT状態を有し、移行条件を満たした場合に、現在のRT状態を他のRT状態に移行可能なRT制御手段(例えば、主制御回路91)と、他のRT状態に移行することなく同一のRT状態のまま実行された遊技回数に応じた特定数値情報を計数可能な計数手段(例えば、主制御回路91)と、特典付与の期待度が異なる複数の付与状態(例えば、ゾーン)の中から一の付与状態を決定可能な第1決定手段(例えば、主制御回路91)と、前記第1決定手段が決定した前記一の付与状態に応じて特典(例えば、AT)を付与するか否かを決定するとともに、付与すると決定した場合に遊技者に対して特典を付与可能な特典付与手段(例えば、主制御回路91)と、を更に備え、前記特定数値情報に対応付けて前記付与状態を規定する付与状態決定情報(例えば、MAP)であって、当該規定内容がそれぞれ異なる複数の付与状態決定情報を更に有し、現在のRT状態に応じて前記複数の付与状態決定情報の中から一の付与状態決定情報を決定可能な第2決定手段(例えば、主制御回路91)を更に備え、前記第1決定手段は、前記一の付与状態決定情報において、前記計数手段が計数する前記特定数値情報に対応付けられた前記付与状態を前記一の付与状態として決定することを特徴とする。
このような遊技機によれば、特典の付与は付与状態に応じて行われ、この付与状態は、現在のRT状態に応じて決定される付与状態決定情報に応じて決定される。そのため、特典の付与確率は、(付与状態を決定する付与状態決定情報を決定するための)RT状態に応じて異なることになるため、RT状態に応じて遊技者の有利度合い(出玉の波)を異ならせることができる。言い換えると、RT状態を疑似的な設定値として用いることができる。そのため、本発明に係る遊技機では、設定値によらずとも出玉の波を作り出すことができる。
また、本発明に係る遊技機において、滞在している場合に特典付与の期待度を変動不可能な通常区間(例えば、通常区間)と、滞在している場合に特典付与の期待度を変動可能な有利区間(例えば、有利区間)とを有し、前記通常区間から所定の確率(例えば、1/100)で前記有利区間に移行可能であるとともに、前記有利区間において終了条件を満たすと前記通常区間に移行可能な状態制御手段(例えば、主制御回路91)を更に備え、前記第1決定手段は、前記通常区間と前記有利区間とのうち前記有利区間においてのみ前記複数の付与状態の中から一の付与状態を決定可能であり、前記複数の付与状態決定手段のそれぞれは、所定範囲の前記特定数値情報(例えば、400ゲーム)毎に前記付与状態を規定し、前記所定範囲は、前記通常区間から前記有利区間への移行確率である前記所定の確率の逆数よりも大きいことを特徴とする。
このような遊技機によれば、特典付与の期待度を定める付与状態の間隔(遊技回数)は、通常区間から有利区間への移行間隔(移行確率の逆数)よりも長い。そのため、通常区間に滞在している場合であっても、付与状態が切り替わるまでの間に一度は有利区間に移行することが期待できる。
また、本発明に係る遊技機において、前記複数の役が当籤役として決定される当籤確率を定める設定値として1つの設定値のみを有することを特徴とする。
このような遊技機によれば、実際の設定値としては1段階の設定値のみしか有さないものの、RT状態を用いることで疑似的に多段階の設定値を有する挙動を持たせることができる。
また、本発明に係る遊技機において、遊技に関する状態として、前記特典付与手段により特典が付与されていない場合に滞在する所定遊技状態(例えば、非報知状態)と、前記特典付与手段により特典が付与されている場合に滞在可能な特定遊技状態(例えば、報知状態(疑似ボーナス))とを有し、前記計数手段は、前記特定遊技状態に移行することなく前記所定遊技状態のまま実行された遊技回数に応じた所定数値情報を計数可能であり、前記計数手段が計数する前記所定数値情報は遊技者に対して報知可能であるが、前記計数手段が計数する前記特定数値情報は遊技者に対して報知することがないことを特徴とする。
特典付与の期待度を定める付与状態は、特定数値情報に対応付けられているため、特定数値情報が報知された場合、遊技者は有利な状況であるか否かを推測可能になってしまう。そのため、本発明に係る遊技機では、特定数値情報については遊技者に対して報知せずに、所定数値情報を報知する。これにより、遊技者は、前回の特典が付与されてからの遊技回数(ハマりゲーム数)を把握することができるため、疑似的な設定値(RT状態)が有利なRT状態であるか推測することができ、緩やかな推測要素を設けることができる。
また、本発明に係る遊技機において、前記RT制御手段は、所定の初期化処理が実行されない限り、現在のRT状態において実行された遊技回数が終了閾値に達するまで他のRT状態に移行することなく現在のRT状態のまま維持することを特徴とする。
このような遊技機によれば、RT状態は、遊技回数が終了閾値に達するまでは維持されるため、RT状態に応じて定まる出玉の波を、十分な長さの期間にわたり維持することができるため、RT状態を疑似的な設定値として用いることができる。
また、上記目的を達成するために、本実施形態の遊技機によれば、以下のような構成の付記41の遊技機を提供することができる。
本発明に係る遊技機は、複数の識別表示を変動表示可能な可変表示手段(例えば、第1リール3−1〜第4リール3−4、表示窓4)と、複数の役の中から決定された当籤役に応じて前記可変表示手段を用いた遊技の進行を制御する遊技制御手段(例えば、主制御回路91)と、を備える遊技機であって、遊技者にとって有利な停止操作の態様を遊技者に対して報知可能な報知状態(例えば、疑似ボーナス(AT))を有するとともに、前記複数の役のうちの再遊技役が当籤役として決定される当籤確率を変動可能なRT状態として、特定RT状態(例えば、非RT状態)と複数の所定RT状態(例えば、RT1〜RT7状態)とを有し、移行条件を満たした場合に、現在のRT状態を他のRT状態に移行可能なRT制御手段(例えば、主制御回路91)と、前記報知状態に関する特典を、現在のRT状態に応じた確率で付与可能な特典付与手段(例えば、主制御回路91)と、持越役(例えば、「F_BB」)が当籤役として決定された単位遊技において、当該持越役に対応する特定の結果表示が導出されない場合に、前記特定の結果表示が導出されるまで、前記持越役を当籤役として持ち越し可能な持越手段(例えば、主制御回路91)と、前記特定の結果表示が導出された場合に、遊技者にとって不利な状態となる非許可状態と、前記特定の結果表示が導出された場合に、前記不利な状態とはならない許可状態とを制御可能(例えば、特化に当籤していない場合は不利、当籤している場合は有利)な許可状態制御手段(例えば、主制御回路91)と、を更に備え、前記RT制御手段は、前記持越役を当籤役として持ち越していない非持越状態の前記特定RT状態において、RT状態の移行契機となる結果表示が導出された場合には、導出された結果表示に応じた種別の所定RT状態にRT状態を移行する一方で、前記持越役を当籤役として持ち越している持越状態の前記特定RT状態、前記持越状態の前記所定RT状態及び前記非持越状態の前記所定RT状態において、RT状態の移行契機となる結果表示が導出された場合には、RT状態を他のRT状態に移行することなく現在のRT状態のまま維持し、また、前記所定RT状態において実行された遊技回数が終了閾値に達すると、前記持越状態であるか非持越状態であるかに関係なく、当該所定RT状態から前記特定RT状態にRT状態を移行し、前記許可状態制御手段は、前記非持越状態において前記持越役が当籤役として決定されると、前記非許可状態をセットし、前記持越状態の前記特定RT状態において特定条件を満たすと、前記非許可状態を前記許可状態に更新し、また、前記持越状態の前記所定RT状態において所定条件を満たすと、前記非許可状態を前記許可状態に更新することを特徴とする。
このような遊技機によれば、特典の付与確率をRT状態に応じて異ならせるため、RT状態に応じて遊技者の有利度合い(出玉の波)を異ならせることができる。言い換えると、RT状態を疑似的な設定値として用いることができる。そのため、本発明に係る遊技機では、設定値によらずとも出玉の波を作り出すことができる。
また、本発明に係る遊技機では、特定RT状態から所定RT状態への移行は、導出された結果表示に応じて行うが、この移行は、持越役を当籤役として持ち越していない非持越状態においてのみ可能であり、持越役を当籤役として持ち越している持越状態においては行うことができない。そのため、RT状態の移行のためには、持越状態中は、持越役に応じた特定の結果表示を導出して非持越状態にする必要があるが、持越役が当籤役として決定された場合、基本的には非許可状態がセットされ、特定の結果表示の導出が不利に制御される。その結果、基本的には持越状態が維持され、RT状態の移行も制限される。一方で、非許可状態から許可状態になると、特定の結果表示の導出が不利にならない結果、持越状態の解除が可能になり、RT状態の移行も可能になる。ここで、上述のようにRT状態を疑似的な設定値として用いる場合、RT状態の移行は、疑似的な設定値の変更に相当することになるが、持越状態が解除されて非持越状態になることがRT状態の移行の許可となる場合、持越状態を解除した後に導出されたRT状態の移行契機となる結果表示を把握することで、疑似的な設定値(移行先のRT状態)も把握できてしまう。
そこで、本発明に係る遊技機では、所定RT状態では、持越状態であるか非持越状態であるかに関係なく、RT状態の移行契機となる結果表示が導出された場合であっても、RT状態を移行することなく維持する。そして、RT状態の移行契機となる結果表示が導出された場合にRT状態を移行可能な特定RT状態だけでなく、当該結果表示が導出された場合にRT状態を移行せずに維持する所定RT状態においても、非許可状態から許可状態に制御して持越状態を解除可能にする。これにより、持越状態が解除されて非持越状態になり、その後、RT状態の移行契機となる結果表示が導出された場合であっても、当該遊技におけるRT状態が特定RT状態である場合は、当該結果表示に応じた所定RT状態に移行することになるが、当該遊技におけるRT状態が所定RT状態である場合は、現在のRT状態のまま維持されるため、導出された結果表示からRT状態が把握されてしまうことがない。その結果、RT状態を疑似的な設定値として用いつつ、疑似的な設定値が遊技者に把握されてしまうことを防止することができる。
また、本発明に係る遊技機は、前記許可状態制御手段により前記非許可状態から前記許可状態に更新されると、遊技者に対して前記特定の結果表示の導出を促すことが可能な演出実行手段(例えば、表示ユニット100)を更に備えることを特徴とする。
このような遊技機によれば、非許可状態から許可状態に更新されると、特定の結果表示の導出が促されるため、持越状態が解除されて非持越状態とすることができ、結果、その後の(特定RT状態における)RT状態の移行が可能になる。
また、本発明に係る遊技機において、前記特定RT状態は、前記報知状態に関する特典を付与する確率が低いRT状態であることを特徴とする。
持越状態は、特定の結果表示が導出されない限り解除されず、持越状態が解除されない限り特定RT状態も維持されるため、特定RT状態が遊技者にとって有利なRT状態である場合には、特定の結果表示の導出を回避し続けることで遊技者にとって有利な状態が維持されてしまう。この点、本発明に係る遊技機では、特定RT状態を遊技者にとって不利なRT状態とすることで、遊技者は、非許可状態から許可状態に更新された後は直ぐに特定の結果表示を導出することになり、RT状態を用いた疑似的な設定値という遊技性を適切に用いることができる。
また、上記目的を達成するために、本実施形態の遊技機によれば、以下のような構成の付記42の遊技機を提供することができる。
本発明に係る遊技機は、複数の識別表示を変動表示可能な可変表示手段(例えば、リール3L,3C,3R、表示窓4)と、複数の役の中から決定された当籤役に応じて前記可変表示手段を用いた遊技の進行を制御する遊技制御手段(例えば、主制御回路91)と、を備える遊技機であって、前記複数の役のうちの再遊技役が当籤役として決定される当籤確率を変動可能なRT状態として、特定RT状態(例えば、設定用のRT7状態)と複数の所定RT状態(例えば、RT1〜RT6状態)とを有し、当籤役として決定された場合に導出可能な結果表示として複数の結果表示(例えば、RT1移行リプ〜RT6移行リプ)が対応付けられ、また、当籤役として決定された場合に停止操作の態様に応じてこれら複数の結果表示の何れかの結果表示を導出可能な特定役(例えば、「F_6択リプレイ」)を有し、前記特定役に対応付けられた複数の結果表示のうちの少なくとも2つ以上の結果表示は、それぞれの結果表示が前記特定RT状態において導出された場合に、それぞれ異なる前記所定RT状態に移行し得る複数のRT移行結果表示であり、前記特定RT状態において前記RT移行結果表示が導出された場合に、前記特定RT状態から導出された前記RT移行結果表示に対応する前記所定RT状態に移行可能なRT制御手段(例えば、主制御回路91)を更に備え、複数の前記所定RT状態では、単位遊技当たりの遊技価値の収支の期待値が異なることを特徴とする。
このような遊技機によれば、所定RT状態に応じて単位遊技当たりの遊技価値の収支の期待値を異ならせるため、所定RT状態に応じて遊技者の有利度合い(出玉の波)を異ならせることができる。言い換えると、所定RT状態を疑似的な設定値として用いることができる。そのため、本発明に係る遊技機では、設定値によらずとも出玉の波を作り出すことができる。
また、所定RT状態へは、RT移行結果表示が導出されることで移行し、RT移行結果表示は、特定役が当籤役として決定された遊技における停止操作の態様に応じて導出されるため、遊技店の店員は、特定役の当籤時の停止操作の態様により疑似的な設定値をセットすることができる。
また、本発明に係る遊技機は、複数の識別表示を変動表示可能な可変表示手段(例えば、リール3L,3C,3R、表示窓4)と、複数の役の中から決定された当籤役に応じて前記可変表示手段を用いた遊技の進行を制御する遊技制御手段(例えば、主制御回路91)と、を備える遊技機であって、前記複数の役のうちの再遊技役が当籤役として決定される当籤確率を変動可能なRT状態として、特定RT状態(例えば、設定用のRT7状態)と複数の所定RT状態(例えば、RT1〜RT6状態)とを有し、当籤役として決定された場合に導出可能な結果表示として複数の結果表示(例えば、RT1移行リプ〜RT6移行リプ)が対応付けられ、また、当籤役として決定された場合に停止操作の態様に応じてこれら複数の結果表示の何れかの結果表示を導出可能な特定役(例えば、「F_6択リプレイ」)を有し、前記特定役に対応付けられた複数の結果表示のうちの少なくとも2つ以上の結果表示は、それぞれの結果表示が前記特定RT状態において導出された場合に、それぞれ異なる前記所定RT状態に移行し得る複数のRT移行結果表示であり、前記特定RT状態において前記RT移行結果表示が導出された場合に、前記特定RT状態から導出された前記RT移行結果表示に対応する前記所定RT状態に移行可能なRT制御手段(例えば、主制御回路91)と、遊技者にとって有利な停止操作の態様を遊技者に対して報知可能な報知状態(例えば、AT)に関する特典を付与可能な特典付与手段(例えば、主制御回路91)と、を更に備え、複数の前記所定RT状態では、前記特典付与手段が前記報知状態に関する特典を付与する確率が異なることを特徴とする。
このような遊技機によれば、所定RT状態に応じて報知状態に関する特典付与の確率が異なるため、上述の遊技機と同様に、所定RT状態に応じて遊技者の有利度合い(出玉の波)を異ならせることができる。言い換えると、所定RT状態を疑似的な設定値として用いることができる。そのため、本発明に係る遊技機では、設定値によらずとも出玉の波を作り出すことができる。また、この疑似的な設定値を特定役の当籤時の停止操作の態様によりセットすることができる。
また、本発明に係る遊技機において、持越役(例えば、ボーナス役)が当籤役として決定された単位遊技において、当該持越役に対応する特定の結果表示が導出されない場合に、前記特定の結果表示が導出されるまで、前記持越役を当籤役として持ち越し可能な持越手段(例えば、主制御回路91)を更に備え、前記RT制御手段は、前記持越役を当籤役として持ち越している持越状態では、前記RT移行結果表示が導出された場合であっても、RT状態を他のRT状態に移行することなく現在のRT状態のまま維持することを特徴とする。
このような遊技機によれば、RT移行結果表示に基づくRT状態の移行は、持越役を当籤役として持ち越している持越状態においては行うことができない。そのため、例えば、持越役に対応する特定の結果表示の導出を回避するように遊技させることで、RT状態を維持することができ、疑似的な設定値が短い期間において頻繁に更新されてしまうことを防止することができる。
また、上記目的を達成するために、本実施形態の遊技機によれば、以下のような構成の付記43の遊技機を提供することができる。
本発明に係る遊技機は、複数の識別表示を変動表示可能な可変表示手段(例えば、リール3L,3C,3R、表示窓4)と、複数の役の中から決定された当籤役に応じて前記可変表示手段を用いた遊技の進行を制御する遊技制御手段(例えば、主制御回路91)と、を備える遊技機であって、前記複数の役には、複数のボーナス役(例えば、BB1〜BB6)が含まれ、前記ボーナス役に対応する結果表示が導出された場合に、ボーナス状態を開始可能であり、当該ボーナス状態において終了条件を満たした場合に、当該ボーナス状態を終了可能なボーナス制御手段(例えば、主制御回路91)と、前記ボーナス役が当籤役として決定された単位遊技において、当該ボーナス役に対応する結果表示が導出されない場合に、当該結果表示が導出されるまで、前記ボーナス役を当籤役として持ち越し可能な持越手段(例えば、主制御回路91)と、を更に備え、単位遊技当たりの遊技価値の収支の期待値は、前記持越手段により当籤役として持ち越されている前記ボーナス役の種類に応じて異なり、前記複数の役が当籤役として決定される当籤確率を定める設定値として1つの設定値のみを有することを特徴とする。
このような遊技機によれば、設定値としては1段階の設定値しか有さないが、当籤役として持ち越しているボーナス役の種類に応じて単位遊技当たりの遊技価値の収支の期待値が異なる。そのため、持越状態において持ち越している持越役の種類に応じて遊技者の有利度合い(出玉の波)を異ならせることができ、持越状態の種別を疑似的な設定値として用いることができる。そのため、本発明に係る遊技機では、設定値によらずとも出玉の波を作り出すことができる。
また、本発明に係る遊技機において、前記持越手段により前記ボーナス役が当籤役として持ち越されている持越状態において、持ち越されている当該ボーナス役に応じたボーナス状態の開始を不可能に制御するボーナス封込手段を更に備えることを特徴とする。
このような遊技機によれば、ボーナス役を持ち越し持越状態になると、持ち越されているボーナス役に対応する結果表示の導出が不可能になるため、その持越状態が維持される。これにより、持越状態の種別を疑似的な設定値として用いる遊技機において、その疑似的な設定値を維持したまま遊技を継続させることができる。
また、本発明に係る遊技機において、所定の操作を受け付けた場合に、前記持越手段が当籤役として持ち越している前記ボーナス役をクリアし、当該ボーナス役を持ち越していない非持越状態に制御可能な初期化手段(例えば、主制御回路91)を更に備えることを特徴とする。
このような遊技機によれば、持ち越しているボーナス役をクリアすることで、疑似的な設定値もクリアすることができ、新たな疑似的な設定値をセットすることができる。
また、本発明に係る遊技機において、複数の前記ボーナス役のそれぞれは、前記ボーナス役を持ち越していない非持越状態において、略同一の確率で当籤役として決定されることを特徴とする。
このような遊技機によれば、疑似的な複数の設定値を略同一の確率でセットすることができる。
また、上記目的を達成するために、本実施形態の遊技機によれば、以下のような構成の付記44の遊技機を提供することができる。
本発明に係る遊技機は、複数の識別表示を変動表示可能な可変表示手段(例えば、リール3L,3C,3R、表示窓4)と、複数の役の中から決定された当籤役に応じて前記可変表示手段を用いた遊技の進行を制御する遊技制御手段(例えば、主制御回路91)と、を備える遊技機であって、前記複数の役には、当籤役として決定された場合に、特定の態様で停止操作が行われると特定の結果表示(例えば、先の段階へのRT移行図柄)が導出可能であり、前記特定の態様とは異なる態様で停止操作が行われると前記特定の結果表示とは異なる結果表示が導出可能である複数の特定役(例えば、「F_RT1中リプ_123」〜「F_RT4中リプ_321」)が含まれ、再遊技役が当籤役として決定される確率が異なるRT状態として特定RT状態(例えば、RT5状態)を含む複数段階のRT状態を有するとともに、前記特定の結果表示が導出されると、RT状態を現在のRT状態よりも先の段階のRT状態に移行可能なRT制御手段(例えば、主制御回路91)と、遊技者にとって有利な停止操作の態様を遊技者に対して報知可能な報知状態(例えば、AT)に関する特典を付与可能な特典付与手段(例えば、主制御回路91)と、を更に備え、前記特典付与手段は、前記特定RT状態よりも前の段階では前記特典の付与に関する期待度が第1期待度となるように前記特典の付与を制御し、前記特定RT状態では、前記第1期待度とは異なる第2期待度となるように前記特典の付与を制御することを特徴とする。
このような遊技機によれば、特定役の当籤時に特定の態様で停止操作を行うことができた場合には、RT状態が先の段階のRT状態に進行する。そして、報知状態に関する特典の付与に関する期待度は、特定RT状態よりも前の段階のRT状態と特定RT状態とで異なるため、特定RT状態まで到達できた場合には、それまでとは異なる出玉の波を作り出すことができる。
また、本発明に係る遊技機において、前記報知状態を実行可能な特定状態(例えば、有利区間)を有するとともに、前記特定状態において実行された遊技回数がリミット閾値(例えば、1500回)に達すると、前記報知状態を継続可能な残り期間に関わらず前記特定状態を終了することで、前記報知状態を終了するリミット制御手段(例えば、主制御回路91)を更に備え、前記RT制御手段は、前記特定RT状態においては、前記特定RT状態において実行された遊技回数が終了閾値に達すると、前記特定RT状態から、前記特定RT状態よりも前の段階のRT状態にRT状態を移行し、前記特定RT状態の終了閾値に応じた遊技回数は、前記特定状態のリミット閾値に応じた遊技回数よりも多いことを特徴とする。
近年の遊技機では、報知状態が長期間にわたり継続しないように、報知状態を実行可能な期間(有利区間)に上限(リミッタ)を設けることとしている。この点、本発明に係る遊技機では、出玉の波が他の設定値に応じた波となる特定RT状態の継続期間を、特定状態(有利区間)の上限よりも長く設定する。これにより特定RT状態を十分な長さの期間にわたり維持することができるため、特定RT状態を疑似的な設定値として用いることができる。
また、本発明に係る遊技機において、遊技者にとっての有利度が異なる複数の設定値の中から、いずれかの設定値を設定可能な設定手段(例えば、主制御回路91)を更に備え、前記特典付与手段は、前記特定RT状態よりも前の段階のRT状態では、前記設定手段により設定された設定値に応じて前記特典を付与し、前記特定RT状態では、前記設定手段により設定された設定値とは異なる設定値に応じて前記特典を付与することを特徴とする。
このような遊技機によれば、報知状態に関する特典は、基本的には設定値に応じて付与されるため、出玉の波は設定値に応じて作られることになる。この点、本発明に係る遊技機では、RT状態が特定RT状態まで到達できた場合には、設定された設定値とは異なる設定値に応じて報知状態に関する特典が付与されることになるため、特定RT状態まで到達できた場合には、設定されている設定値とは異なる出玉の波を作り出すことができる。そのため、本発明に係る遊技機によれば、特定RT状態を疑似的な設定値として用いることができ、特定RT状態を用いて現在の設定値とは関係のない出玉の波を作り出すことができる。
また、本発明に係る遊技機において、非特別状態(例えば、非ボーナス状態)において特別役(例えば、SB)に対応する結果表示が導出された場合に、特別状態(例えば、ボーナス状態(SB))を開始可能であり、前記特別状態において1回の単位遊技が行われた場合に、前記特別状態を終了して前記非特別状態を開始可能な状態制御手段(例えば、主制御回路91)を更に備え、前記特別状態における単位遊技当たりの遊技価値の収支の期待値は、前記非特別状態における単位遊技当たりの遊技価値の収支の期待値よりも低く、前記特別役は、当籤役として決定された遊技において前記対応する結果表示が導出されない場合に、次遊技以降に当籤役として持ち越されることのない役であることを特徴とする。
一般的にAT機能を有する遊技機では、遊技者にとって不利なボーナス状態を有し、このボーナス状態を作動するためのボーナス役を持ち越した持越状態(フラグ間)中に基本的な遊技を行わせることとしている。ところで、フラグ間中はRT状態の移行に制限がかかるため、従来の遊技機では、RT状態の移行を前提とする遊技性にとっては好ましくない。この点、本発明に係る遊技機では、遊技者にとって不利な特別状態を、当籤役として持ち越されることのない特別役(SB(シングルボーナス))により実現する。これにより、RT状態の移行を前提とする遊技性においても、従来の遊技機のようにAT機能を実現することができる。
また、本発明に係る遊技機において、前記特典の有無に応じて前記報知状態と非報知状態とを制御可能な報知状態制御手段(例えば、主制御回路91)と、前記報知状態において報知対象役(例えば、押し順ベル)が当籤役として決定された場合に、遊技者にとって有利な停止操作の態様を遊技者に対して報知可能な報知手段(例えば、主制御回路91)と、を更に備え、前記報知状態制御手段は、前記複数段階のRT状態の何れにおいても前記報知状態と前記非報知状態とに制御可能であり、前記報知対象役は、前記複数段階のRT状態の全てにおいて同一の役であることを特徴とする。
上述したように特定RT状態まで到達できた場合にはそれまでとは出玉の波が異なることになるが、本発明に係る遊技機では、複数段階のRT状態の何れにおいても報知状態に制御可能であり、また、報知対象役は、複数段階のRT状態の全てにおいて同一の役であるため、遊技者は、現在のRT状態を意識することなく遊技を進行することができる。また、特定RT状態中は、特定RT状態のまま報知状態を行うことができるため、出玉の波が異なる状態を継続させることができる。
[付記45]
付記45の遊技機は、以下の通りである。
このような遊技機では、遊技者にとっての有利度が異なる複数の設定値を設け、設定値に応じて出玉の波を作り出すこととしている。ところで、従来の遊技機では、このような設定値として6段階の設定値を設けていたが、設定値が多いとデータ容量の増加及び設計開発の負担増加に繋がることから、近年では、設置値の数を減らした遊技機も知られている。例えば、特開2017−064539号公報には、「1」、「4」、「6」及び「H」の4段階の設定値を設けた遊技機が開示されている。
ところで、データ容量や設計開発の負担を抑えるためには、設定値を1段階にすることが好ましいが、設定値を1段階にした場合、設定値を変更する処理が不要になる。ここで、従来の遊技機では設定値を変更するための操作部が設けられているが、設定値の変更が不要な遊技機においては、この操作部も不要になる。しかしながら、遊技機において、この操作部を取り外してしまうことは、製造方法も変更しなければならず、かえって負担増加に繋がってしまう。
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、不要となった処理を有効に活用することが可能な遊技機を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本実施形態の遊技機によれば、以下のような構成の付記45の遊技機を提供することができる。
本発明に係る遊技機は、複数の識別表示を変動表示可能な可変表示手段(例えば、第1リール3−1〜第4リール3−4、表示窓4)を用いて遊技を進行する遊技機であって、遊技者にとっての有利度合いを規定する設定値に関する操作を受け付け可能な設定操作受付手段(例えば、設定用鍵型スイッチ430)と、前記設定操作受付手段が前記操作を受け付けたことに応じて、所定の処理を実行可能な処理制御手段(例えば、主制御回路91)と、を備え、前記処理制御手段は、前記設定操作受付手段が前記操作を受け付けると、前記設定値を変更することなく、遊技に関する遊技情報に対して所定の初期化処理を実行することを特徴とする。
このような遊技機によれば、設定値に関する操作を受け付け可能な設定操作受付手段を有するが、この設定操作受付手段が操作を受け付けた場合には、設定値を変更することなく所定の初期化処理を実行する。これにより、設定操作受付手段を取り外す必要がなく、また、設定変更処理の代わりに所定の初期化処理を実行するため、不要となった処理を有効に活用することができる。
また、本発明に係る遊技機では、前記設定値として1つの設定値のみを有することを特徴とする。
このような遊技機によれば、不要となった設定変更処理の代わりに所定の初期化処理を実行するため、不要となった処理を有効に活用することができる。
また、本発明に係る遊技機は、複数の役の中から決定された当籤役に応じて前記可変表示手段を用いた遊技を進行する遊技機であって、前記複数の役のうちの再遊技役が当籤役として決定される当籤確率を変動可能な複数のRT状態を有し、移行条件を満たした場合に、現在のRT状態を他のRT状態に移行可能なRT制御手段(例えば、主制御回路91)と、現在のRT状態に応じた確率で遊技者に対して特典を付与可能な特典付与手段(例えば、主制御回路91)と、を更に備えることを特徴とする。
このような遊技機によれば、特典の付与確率をRT状態に応じて異ならせるため、RT状態に応じて遊技者の有利度合い(出玉の波)を異ならせることができる。言い換えると、RT状態を疑似的な設定値として用いることができる。そのため、本発明に係る遊技機では、設定値によらずとも出玉の波を作り出すことができる。
また、本発明に係る遊技機において、前記複数のRT状態として、初期RT状態と、複数の所定RT状態とを有し、前記RT制御手段は、前記初期RT状態において、RT状態の移行契機となる結果表示が導出されると、導出された結果表示に応じた種別の所定RT状態にRT状態を移行し、また、前記複数の所定RT状態において実行された遊技回数が、前記複数の所定RT状態のそれぞれに対して定められた終了閾値に達すると、前記所定RT状態から前記初期RT状態にRT状態を移行する一方で、前記複数の所定RT状態では、RT状態の移行契機となる前記結果表示が導出された場合であっても、RT状態を他のRT状態に移行することなく現在のRT状態のまま維持し、また、前記処理制御手段により前記初期化処理が実行された場合、RT状態として初期RT状態を決定することを特徴とする。
上述のようにRT状態を疑似的な設定値として用いる場合、RT状態の移行は、疑似的な設定値の変更に相当することになるが、本発明に係る遊技機のように初期RT状態から複数の所定RT状態に移行する遊技機では、初期RT状態が疑似的な設定値を設定するための設定用のRT状態として機能する。そして、所定の初期化処理においてRT状態として初期RT状態を決定することで、設定操作受付手段が操作を受け付けた場合に、設定用のRT状態をセットすることができ、その後、疑似的な設定値を設定することができる。
また、本発明に係る遊技機において、前記RT制御手段は、前記処理制御手段により前記初期化処理が実行された場合であっても、RT状態を他のRT状態に移行することなく現在のRT状態のまま維持することを特徴とする。
このような遊技機によれば、RT状態を疑似的な設定値として用いる遊技機において、疑似的な設定値を維持したまま(据え置き)とする制御も可能になる。
[付記46]
付記46の遊技機は、以下の通りである。
近年、内部当籤役に決定された役を取りこぼすことがないように、内部当籤役を成立させるための情報など遊技者にとって有利な情報を、遊技者に対して報知する遊技機が知られている。なお、このように遊技者が有利となるような情報を報知することを、一般にナビする(ナビを行う)などといい、ナビが行われる期間をAT(assist time)という。
AT機能を有する遊技機としては、いわゆるART機とAT機とが知られており、AT機では、例えば、ボーナスを内部当籤役として持ち越している持越状態(フラグ間状態)中にボーナスの入賞を回避し続けることで非報知状態と報知状態との双方において持越状態を維持するとともに、持越状態中に報知の有無を切り替えることで、報知状態と非報知状態とを切り替えている。このようなAT機として、例えば、特開2014−083245号公報には、ボーナスを入賞させ難くし、非報知状態(通常遊技)も報知状態(AT遊技)も全て持越状態において行わせる遊技機が開示されている。
ところで、従来のAT機では、通常遊技やAT遊技において、ボーナスが入賞しないように封じ込められており、ボーナスを遊技性や演出に利用することができていなかった。
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、専らボーナス持越状態で遊技を行う仕様において、ボーナスを有意義に利用することが可能な遊技機を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本実施形態の遊技機によれば、以下のような構成の付記46の遊技機を提供することができる。
本発明に係る遊技機は、複数の識別表示を変動表示可能な可変表示手段(例えば、第1リール3−1〜第4リール3−4、表示窓4)と、複数の役の中から決定された当籤役に応じて前記可変表示手段を用いた遊技の進行を制御する遊技制御手段(例えば、主制御回路91)と、を備える遊技機であって、報知に関する状態として、遊技者にとって有利な停止操作の態様を報知可能な報知状態(例えば、疑似ボーナス(AT))と、前記報知状態に比べて前記報知の頻度が低い通常状態(例えば、一般(非AT))とを有し、ボーナス役に対応する結果表示が導出された場合に、ボーナス状態を開始可能であり、当該ボーナス状態において終了条件を満たした場合に、当該ボーナス状態を終了可能なボーナス制御手段(例えば、主制御回路91)と、ボーナス役が当籤役として決定された単位遊技において、当該ボーナス役に対応する結果表示が導出されない場合に、当該結果表示が導出されるまで、前記ボーナス役を当籤役として持ち越し可能な持越手段(例えば、主制御回路91)と、前記報知状態に関する特典を付与可能な特典付与手段(例えば、主制御回路91)と、前記特典付与手段により前記特典が付与されている場合に、特定ボーナス役(例えば、「F_BB」)を当籤役として持ち越している特定持越状態(例えば、BBフラグ間)において前記報知状態を実行可能であり、前記特典が付与されていない場合に、前記特定持越状態において前記通常状態を実行可能な報知状態制御手段(例えば、主制御回路91)と、前記特定持越状態において特定の条件(例えば、特化当籤)を満たした場合に、当籤役として持ち越している前記特定ボーナス役に応じた特定の結果表示の導出を促すとともに、少なくとも当該特定の結果表示の導出に伴い開始するボーナス状態の開始から、前記特定ボーナス役が再び当籤役として決定されるまでの期間を特別状態(例えば、特化)として制御可能な特別状態制御手段(例えば、主制御回路91)と、を更に備え、前記特典付与手段は、前記特別状態中の期間は、前記通常状態及び前記報知状態中の期間よりも遊技者にとって有利になるように前記報知状態に関する前記特典の付与を制御することを特徴とする。
このような遊技機によれば、通常状態及び報知状態の双方は、特定ボーナス役を当籤役として持ち越している特定持越状態において実行可能であるため、専ら特定持越状態において遊技が行われる。そして、特定持越状態において特定の条件を満たした場合には、特定ボーナス役に応じた特定の結果表示の導出を促すとともに、当該特定の結果表示の導出に伴い開始するボーナス状態の開始から、特定ボーナス役が再び当籤役として決定されるまでの期間を特別状態として制御する。このとき、この特別状態中は、報知状態に関する特典の付与が遊技者にとって有利となるため、基本的な遊技期間である特定持越状態において持ち越している特定ボーナス役を有意義に利用することができる。
また、本発明に係る遊技機において、前記ボーナス役として、前記特定ボーナス役とは異なる所定ボーナス役(例えば、「F_RB」)を更に有し、特別状態制御手段は、前記特別状態において、前記特定ボーナス役よりも前に前記所定ボーナス役が当籤役として決定された場合、前記所定ボーナス役に対応する所定の結果表示の導出に伴い開始するボーナス状態(例えば、1種RB)中も、前記特別状態として制御することを特徴とする。
このような遊技機によれば、基本的な遊技期間である特定持越状態を解除し非持越状態になった後、再び特定持越状態になる前に所定ボーナス役に当籤した場合には、この所定ボーナス役に応じたボーナス状態中も特別状態となる。これにより、基本的な遊技期間である特定持越状態の契機となる特定ボーナス役だけでなく、所定ボーナス役についても有意義に利用することができる。
また、本発明に係る遊技機において、前記特別状態中の期間における単位遊技当たりの遊技価値の収支の期待値は、前記報知状態中の期間における単位遊技当たりの遊技価値の収支の期待値よりも低いことを特徴とする。
このような遊技機によれば、特定状態中の期間は、報知状態に関する特典付与の期待度は報知状態中よりも高いものの、単位遊技当たりの遊技価値の収支の期待値は報知状態中よりも低いため、遊技者に対して過度な利益を付与してしまうことがない。
[付記47]
付記47の遊技機は、以下の通りである。
リール停止制御に関して、特開2012−200497号公報には、内部当籤役として決定された役に対応する図柄の組合せを構成する図柄最大滑り駒数の範囲内で最大限に引き込むようにした遊技機が開示されている。このような遊技機によれば、対応する図柄の組合せを狙えば、内部当籤している役に応じた図柄の組合せを必ず揃えることができるため、公平な遊技を実現することができる。
ところで、停止操作の技量(所謂、目押し力)は、遊技者に応じて異なり、対応する図柄の組合せを狙うことができない初心者であっても、著しく不利にならないように制御することが好ましい。より具体的には、入賞するまで内部当籤役として持ち越されるボーナス役に当籤している場合、ボーナス役を直ちに揃えることができる熟練者と、ボーナス役をなかなか揃えることができない初心者とでは、技量の差によって出玉に大きな影響が出てしまうおそれがある。
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、停止操作の技量の低い遊技者であっても著しく不利にならない遊技機を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本実施形態の遊技機によれば、以下のような構成の付記47の遊技機を提供することができる。
本発明に係る遊技機は、複数の図柄を変動表示可能な複数のリール(例えば、第1リール3−1〜第4リール3−4、表示窓4)と、複数の役の中から決定された当籤役に応じて前記複数のリールを制御することで遊技を進行する遊技制御手段(例えば、主制御回路91)と、を備える遊技機であって、ボーナス役に対応する図柄組合せが停止表示された場合に、ボーナス状態を開始可能であり、当該ボーナス状態において終了条件を満たした場合に、当該ボーナス状態を終了可能なボーナス制御手段(例えば、主制御回路91)と、ボーナス役が当籤役として決定された単位遊技において、当該ボーナス役に対応する図柄組合せが停止表示されない場合に、当該図柄組合せが停止表示されるまで、前記ボーナス役を当籤役として持ち越し可能な持越手段(例えば、主制御回路91)と、を有し、前記ボーナス役には、第1ボーナス役(例えば、「F_RB」)と第2ボーナス役(例えば、「F_BB」)とが含まれ、前記持越手段により前記第1ボーナス役が当籤役として持ち越されている第1持越状態における単位遊技当たりの遊技価値の収支の期待値は、前記持越手段により前記第2ボーナス役が当籤役として持ち越されている第2持越状態及び前記持越手段によりボーナス役が当籤役として持ち越されていない非持越状態における単位遊技当たりの遊技価値の収支の期待値よりも高いことを特徴とする。
このような遊技機によれば、第1ボーナス役が当籤役として持ち越されている第1持越状態では、第2ボーナス役が当籤役として持ち越されている第2持越状態及びボーナス役が当籤役として持ち越されていない非持越状態に比べて、単位遊技当たりの遊技価値の収支の期待値が高い。これにより、第1持越状態では、第1ボーナス役に対応する図柄組合せが停止表示できない場合であっても、遊技者が受ける損失を軽減することができ、停止操作の技量の低い遊技者が著しく不利になってしまうことを防止することができる。
また、本発明に係る遊技機において、前記第1ボーナス役に対応する第1図柄組合せを停止表示可能な遊技において遊技者が無作為に停止操作を行った場合に当該第1図柄組合せが停止表示される割合は、前記第2ボーナス役に対応する第2図柄組合せを停止表示可能な遊技において遊技者が無作為に停止操作を行った場合に当該第2図柄組合せが停止表示される割合よりも低いことを特徴とする。
このような遊技機によれば、対応する図柄組合せを停止表示するための停止操作が難しいボーナス役(第1ボーナス役)ほど、当該ボーナス役の持越状態中における単位遊技当たりの遊技価値の収支の期待値が高くなる。初心者と熟練者との停止操作の技量の差による影響は、停止操作が難しいほど大きくなるため、停止操作が難しい第1ボーナス役に対して、持越状態中における単位遊技当たりの遊技価値の収支の期待値を高くすることで、停止操作の技量の低い遊技者が著しく不利になってしまうことを防止することができる。
また、本発明に係る遊技機において、前記第1ボーナス役に対応する第1図柄組合せを構成する図柄と、前記第2ボーナス役に対応する第2図柄組合せを構成する図柄とは、前記複数のリールのうちの特定リールを除くリール(例えば、第1リール3−1、第2リール3−2、第3リール3−3)においては共通し、前記複数のリールのうちの特定リール(例えば、第4リール3−4)においては異なるものの、当該特定リールにおける互いの図柄の配置間隔は最大滑り駒数以内の間隔であり、第1図柄組合せを停止表示可能な遊技又は第2図柄組合せを停止表示可能な遊技において、前記第2図柄組合せを停止表示させることを促す演出を実行可能な演出実行手段(例えば、表示ユニット100)を更に備えることを特徴とする。
第2ボーナス役を持ち越している第2持越状態は、第1ボーナス役を持ち越している第1持越状態よりも単位遊技当たりの遊技価値の収支の期待値が低いため、遊技者にとって不利な期間であり、反対に、第1持越状態は、遊技者にとって有利(不利ではない)期間である。このような遊技性において、第1図柄組合せの停止表示を促す演出と、第2図柄組合せの停止表示を促す演出とを個別に行った場合、遊技者によっては(特に熟練者であるほど)遊技者にとって有利な第1持越状態が終了してしまう第1図柄組合せの停止表示は避けて、遊技者にとって不利な第2持越状態を終了する第2図柄組合せの停止表示のみを行うように停止操作を行うおそれがある。
そこで、本発明に係る遊技機では、第1ボーナス役に対応する第1図柄組合せを停止表示可能な遊技、及び第2ボーナス役に対応する第2図柄組合せを停止表示可能な遊技の双方において、第2図柄組合せを停止表示させることを促す演出を実行する。このとき、第1図柄組合せを構成する図柄と、第2図柄組合せを構成する図柄とは、特定リール以外のリールでは共通し、特定リールにおいても最大滑り駒数以内の間隔で配置されているため、第2図柄組合せを狙って停止操作を行った場合、第1図柄組合せも狙うことになってしまう。その結果、遊技者にとって不利な第2持越状態は終了させつつも、遊技者にとって有利な第1持越状態の終了は回避し続ける状況を防止することができ、遊技者の技量によって利益に過大な差が出てしまうことを防止することができる。
[付記48]
付記48の遊技機は、以下の通りである。
近年、内部当籤役に決定された役を取りこぼすことがないように、内部当籤役を成立させるための情報など遊技者にとって有利な情報を、遊技者に対して報知する遊技機が知られている。なお、このように遊技者が有利となるような情報を報知することを、一般にナビする(ナビを行う)などといい、ナビが行われる期間をAT(assist time)という。
このようなAT機能を有する遊技機では、遊技者は、ATに関する特典が付与されるか否かに強い関心を抱くことになるため、近年では、ATに関する特典の付与に関して様々な観点から工夫がなされている。例えば、特開2015−039431号公報には、ATに関する特典の付与が行われる確率が低い低確率状態(通常)と、当該確率が高い高確率状態(CZ)とを設けることで、特典付与の確率に高低差を持たせた遊技機が開示されている。
上述の遊技機のように特典付与の確率が異なる状態を設けることで、遊技性は多様化するものの、このような状態を設けるためには、複数の状態を管理するためのフラグやそれぞれの状態において用いる抽籤テーブルなどに多くのデータ容量が必要となり、更なる改善の余地があった。
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、データ容量を抑えつつも多様な遊技性を実現可能な遊技機を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本実施形態の遊技機によれば、以下のような構成の付記48の遊技機を提供することができる。
本発明に係る遊技機は、複数の識別表示を変動表示可能な可変表示手段(例えば、第1リール3−1〜第4リール3−4、表示窓4)と、複数の役の中から決定された当籤役に応じて前記可変表示手段を用いた遊技の進行を制御する遊技制御手段(例えば、主制御回路91)と、を備える遊技機であって、前記複数の役のうちの再遊技役が当籤役として決定される当籤確率を変動可能なRT状態を有し、同一のRT状態のまま実行された遊技回数に応じた数値情報を計数可能な計数手段(例えば、主制御回路91)と、遊技者に対して特典を付与可能な第1特典付与手段(例えば、主制御回路91)と、を更に備え、前記第1特典付与手段は、前記計数手段が計数した前記数値情報に対する所定の演算(例えば、500で割る)の結果が所定条件(例えば、余りが131以上)を満たした場合に、所定の確率で特典を付与可能であることを特徴とする。
このような遊技機によれば、同一のRT状態のまま実行された遊技回数に応じた数値情報に対する所定の演算の結果が所定条件を満たした場合に、特典を付与可能であるため、特典の付与に関して一定の法則性を持たせることができる。例えば、当該数値情報を所定値で割った余りの値を所定条件として用いることで、所定値に応じた遊技回数毎に特典が付与され易い状態を設けることができ、特典付与の高確率ゾーンのような状態を設けることができる。また、数値情報に対する所定の演算の結果が所定条件を満たさない限り特典が付与されないため、確率分母の小さい(例えば、1/256)抽籤であっても、実質確率を小さくすることができる。ここで、確率分母が小さければ、抽籤に用いる乱数値を格納する領域や、抽籤係数を格納する領域が小さくて済むため、データ容量を抑えることができる。そのため、データ容量を抑えつつも多様な遊技性を実現することができる。
また、本発明に係る遊技機において、単位遊技毎に特定の確率で特典を付与可能な第2特典付与手段(例えば、主制御回路91)を更に備え、前記第1特典付与手段は、前記第2特典付与手段による特典付与が行われない場合に、前記数値情報に対する所定の演算の結果が所定条件を満たすと、所定の確率で特典を付与可能であり、前記第2特典付与手段による特典付与が行われた場合には、前記数値情報に関わらず特典を付与しないことを特徴とする。
このような遊技機によれば、数値情報に対する所定の演算の結果が所定条件を満たさない場合であっても、特典が付与される確率があるため、遊技が単調になってしまうことを防止することができる。また、数値情報に対する所定の演算の結果が所定条件を満たしている場合であっても、毎遊技行われる抽籤において特典の付与が行われた場合には、特典を付与しないため、遊技者に対して与える利益が過大になってしまうことを防止することができる。
また、本発明に係る遊技機において、前記RT状態として複数のRT状態を有し、前記所定の演算の演算内容は、前記複数のRT状態毎に異なることを特徴とする。また、本発明に係る遊技機において、前記RT状態として複数のRT状態を有し、前記所定条件は、前記複数のRT状態毎に異なることを特徴とする。
このような遊技機によれば、RT状態毎に演算内容や所定条件が異なるため、多様な遊技性を実現することができる。
[付記49]
付記49の遊技機は、以下の通りである。
従来の多くの遊技機では、3つのリールを用いて遊技を行っていたが、近年では、リールの数を異ならせた遊技機も知られており、例えば、特開2007−167357号公報には、4つのリールを用いて遊技を行う遊技機が開示されている。
4つのリールを用いる遊技機によれば、従来にない出目パターンを設けることができ、遊技性が多様化するものの、出目の多様化という観点からは更なる改善の余地があった。
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、出目(停止表示された図柄の組合せ)のパターンを多彩にすることができる遊技機を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本実施形態の遊技機によれば、以下のような構成の付記49の遊技機を提供することができる。
本発明に係る遊技機は、複数の図柄が表示された複数のリール(例えば、第1リール3−1、第2リール3−2、第3リール3−3、第4リール3−4)と、前記リールに表示された複数の図柄の一部を表示する図柄表示手段(例えば、表示窓4)と、前記図柄表示手段において各リールの一つの図柄を表示する単位図柄表示領域を夫々結ぶことにより形成される有効ライン(例えば、センターライン)と、前記リールを回転及び停止させることで、前記図柄表示手段に表示される図柄を変動表示及び停止表示するリール制御手段(例えば、主制御回路91)と、前記リール制御手段による前記リールの停止に伴い前記図柄表示手段において図柄が停止表示されたときに、有効ラインに沿って表示された図柄の組合せが入賞に係るものであるか否かを判定する入賞判定手段(例えば、主制御回路91)と、を備える遊技機であって、前記複数のリールは、水平方向に並んで設けられる4つ以上のリールであり、前記図柄表示手段には、前記複数のリールのそれぞれ毎に複数の単位図柄表示領域が設けられ、遊技に関する複数の遊技状態を制御可能な状態制御手段(例えば、主制御回路91)と、前記図柄表示手段に設けられた複数の単位図柄表示領域のうちの一部の単位図柄表示領域に表示される図柄の視認性を、他の単位図柄表示領域に表示される図柄の視認性よりも低下可能な表示領域制御手段(例えば、主制御回路91、副制御回路101)と、を更に備え、前記表示領域制御手段は、特定遊技状態においては、特定リール(例えば、第1リール3−1)の図柄を表示する複数の単位図柄表示領域のうちの前記有効ラインが結ぶ単位図柄表示領域を除く単位図柄表示領域の視認性を低下させ、前記特定遊技状態とは異なる所定遊技状態においては、前記特定リールとは異なる所定リール(例えば、第4リール3−4)の図柄を表示する複数の単位図柄表示領域のうちの前記有効ラインが結ぶ単位図柄表示領域を除く単位図柄表示領域の視認性を低下させることを特徴とする。
このような遊技機によれば、4つ以上のリールを有するが、特定遊技状態では、これら4つのリールのうちの特定リールにおいて、有効ラインが通る単位図柄表示領域以外の単位図柄表示領域が見えにくくなり、所定遊技状態では、特定リールとは異なる所定リールにおいて、有効ラインが通る単位図柄表示領域以外の単位図柄表示領域が見えにくくなる。すなわち、本発明に係る遊技機では、遊技に用いるリール(全ての単位図柄表示領域が見えるリール)を遊技状態に応じて異ならせる。これにより、遊技状態に応じて出目のパターンが大きく異なるため、出目のパターンを多彩にすることができる。
また、本発明に係る遊技機において、前記複数のリールのうちの前記特定リールを除くリール、及び、前記複数のリールのうちの前記所定リールを除くリールは、隣接する3つのリールであることを特徴とする。
このような遊技機によれば、遊技に用いるリール(全ての単位図柄表示領域が見えるリール)は、隣接する3つのリールであるため、遊技者が慣れ親しんだ3リールの遊技機のような出目のパターンを作り出すことができる。
また、本発明に係る遊技機において、前記複数のリールは、左側から順に第1リール、第2リール、第3リール及び第4リールとする4つのリールであり、水平方向に並んで設けられ、停止操作を受け付け可能な3つの停止ボタン(例えば、ストップボタン7L,7C,7R)を更に備え、前記リール制御手段は、前記3つの停止ボタンのうちの左の停止ボタンが停止操作を受け付けた場合、前記4つのリールのうちの前記第1リール及び前記第2リールの回転を停止可能であり、前記3つの停止ボタンのうちの中の停止ボタンが停止操作を受け付けた場合、前記4つのリールのうちの前記第2リール及び前記第3リールの回転を停止可能であり、前記3つの停止ボタンのうちの右の停止ボタンが停止操作を受け付けた場合、前記4つのリールのうちの前記第3リール及び前記第4リールの回転を停止可能であり、前記表示領域制御手段は、特定遊技状態においては、前記第1リールの図柄を表示する複数の単位図柄表示領域のうちの前記有効ラインが結ぶ単位図柄表示領域を除く単位図柄表示領域の視認性を低下させ、前記所定遊技状態においては、前記第4リールの図柄を表示する複数の単位図柄表示領域のうちの前記有効ラインが結ぶ単位図柄表示領域を除く単位図柄表示領域の視認性を低下させ、また、前記リール制御手段は、前記特定遊技状態では、前記左の停止ボタンが停止操作を受け付けた場合には、前記第1リール及び前記第2リールの回転を停止し、前記中の停止ボタンが停止操作を受け付けた場合には、前記第3リールの回転を停止する一方で前記第2リールの回転は停止せず、前記右の停止ボタンが停止操作を受け付けた場合には、前記第4リールの回転を停止する一方で前記第3リールの回転は停止せず、前記所定遊技状態では、前記左の停止ボタンが停止操作を受け付けた場合には、前記第1リールの回転を停止する一方で前記第2リールの回転は停止せず、前記中の停止ボタンが停止操作を受け付けた場合には、前記第2リールの回転を停止する一方で前記第3リールの回転は停止せず、前記右の停止ボタンが停止操作を受け付けた場合には、前記第3リール及び前記第4リールの回転を停止することを特徴とする。
このような遊技機によれば、3つの停止ボタンを用いて4つのリールを停止することができるとともに、3つの停止ボタンにより停止する4つのリールの対応関係を、遊技状態に応じて切り替えることで、遊技者は、慣れ親しんだ3リールの遊技機と同様の感覚で遊技(停止操作)を行うことができる。
[付記50]
付記50の遊技機は、以下の通りである。
近年、内部当籤役に決定された役を取りこぼすことがないように、内部当籤役を成立させるための情報など遊技者にとって有利な情報を、遊技者に対して報知する遊技機が知られている。なお、このように遊技者が有利となるような情報を報知することを、一般にナビする(ナビを行う)などといい、ナビが行われる期間をAT(assist time)という。
こうしたAT機能を搭載した遊技機によれば、ナビを行うか否かを制御することで遊技者に払い出す遊技媒体の数が制御されるため、遊技者は、ATを継続するATゲーム数(ナビゲーム数)が増加することを望むことになる。ATゲーム数を増加させるための工夫はこれまで様々な観点からなされてきており、例えば、特開2010−057732号公報には、内部当籤役としてスイカやチェリーなどの特定の役が決定されるとATゲーム数を増加させる(ATゲーム数を上乗せさせる)遊技機が開示されている。
しかしながら、上述の遊技機では、AT期間に関する特典が付与されるか否か、及び付与される特典の大きさが、予め役毎に対応付けられているため、遊技者からすると当籤役として決定された役の種別から、特典が付与されるか否か、及び付与される特典の大きさを把握できてしまい、遊技が単調になってしまう可能性があった。
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、特典付与の決定結果に関して従来にない遊技性を有する遊技機を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本実施形態の遊技機によれば、以下のような構成の付記50の遊技機を提供することができる。
本発明に係る遊技機は、複数の識別表示を変動表示可能な可変表示手段(例えば、第1リール3−1〜第4リール3−4、表示窓4)と、複数の役の中から決定された当籤役に応じて前記可変表示手段を用いた遊技の進行を制御する遊技制御手段(例えば、主制御回路91)と、を備える遊技機であって、前記複数の役には、対応する結果表示を導出可能な遊技において前記複数の識別表示が停止操作に伴い停止表示されると、停止操作の態様に関わらず必ず前記対応する結果表示が導出される特別役(例えば、RB)が含まれ、前記特別役に対応する結果表示が導出された場合に、特別状態(例えば、ボーナス状態(RB))を開始可能であり、前記特別状態において終了条件を満たした場合に、前記特別状態を終了可能な状態制御手段(例えば、主制御回路91)と、前記特別役が当籤役として決定された遊技において、前記特別役に対応する結果表示が導出されない場合に、前記結果表示が導出されるまで、前記特別役を当籤役として持ち越し可能な持越手段(例えば、主制御回路91)と、前記持越手段により前記特別役が当籤役として持ち越されていない非持越状態において、前記特別役が当籤役として決定された場合には、前記特別役に対応する結果表示の導出を可能に制御する一方で、前記特別役を当籤役として持ち越している持越状態においては前記特別役に対応する結果表示の導出を不可能に制御する封込手段(例えば、主制御回路91)と、受け付けた操作に応じて所定の初期化処理を実行可能な初期化手段(例えば、主制御回路91)と、遊技者にとって有利な停止操作の態様を遊技者に対して報知可能な報知状態(例えば、AT)に関する特典を付与可能な特典付与手段(例えば、主制御回路91)と、を更に備え、前記初期化手段は、前記特別役が当籤役として決定された遊技において、前記特別役に対応する結果表示が導出されるまでの当該遊技の最中に所定の操作を受け付けると、前記特別役を当籤役として持ち越したまま当該遊技を終了する初期化処理を実行可能であり、前記特典付与手段は、前記非持越状態と前記持越状態とでは異なる確率で前記特典を付与可能である一方で、前記特典を付与する場合、前記非持越状態と前記持越状態とのうち前記特典を付与する確率が低い状態に対しては、前記特典を付与する確率が高い状態よりも大きな前記特典を付与可能であることを特徴とする。
このような遊技機によれば、非持越状態と持越状態とでは、特典を付与する確率と、特典を付与する場合の特典の大きさとがクロスする。これにより、特典が付与され易いが小さな特典しか付与されない状態と、特典が付与され難いが大きな特典が付与される状態という出玉性能の異なる遊技状態を設けることができ、特典付与の決定結果に関して新たな遊技性を実現することができる。
ここで、特別役は、対応する結果表示を導出可能な遊技では停止操作の態様に関わらず必ず対応する結果表示が導出されるため、通常は、持越状態に移行させることができない。この点、本発明に係る遊技機では、特別役が当籤役として決定された遊技において、特別役に対応する結果表示が導出されるまでの当該遊技の最中に所定の操作を行うことで、特別役を持ち越したまま遊技を終了させることができ、このような方法により通常は移行できない持越状態に移行させることができる。また、持越状態では、対応する結果表示の導出が不可能に制御されるため、持越状態に移行した場合には非持越状態に移行させることができない。これにより、通常の遊技を行っている限りは、持越状態及び非持越状態は、維持される。そのため、遊技店の店員が非持越状態と持越状態とを選択して設定することで、1つの遊技機のみで遊技者に対して出玉性能の異なる遊技性を提供することができる。
また、本発明に係る遊技機において、前記初期化手段は、前記所定の操作とは異なる特定の操作を受け付けると、持ち越している前記特別役をクリアし、当該特別役を持ち越していない非持越状態とする初期化処理を実行可能であることを特徴とする。
このような遊技機によれば、特定の操作により持越状態を解除して非持越状態とすることができるため、遊技店の店員は、非持越状態と持越状態とを選択して設定することができ、1つの遊技機のみで出玉性能の異なる遊技性を実現することができる。
<第7実施形態>
まず、本発明の第7実施形態に係る遊技用表示装置1001を含む遊技システムの基本概要について、図303を用いて説明する。同図に示すように、本実施形態に係る遊技システムは、いわゆるパチンコ店といった遊技場に構築されるものであり、遊技用表示装置1001と、遊技機1002と、遊技媒体貸出装置1003と、サーバ装置1004とを有して構成され、各々が同図に示すように接続されている。
なお、本実施形態においては、「記憶媒体」の例としてカードを用いて説明しているが、これに限られるものではなく、ICチップ等が搭載されたコイン、トークン等、本実施形態に係る発明に適用できるもの全てを含むものとする。
また、本実施形態においては、「貨幣」の例として紙幣を用いて説明しているが、これに限られるものではなく、紙幣、硬貨、コイン等、本実施形態に係る発明に適用できるもの全てを含むものとする。
また、本実施形態において、単に「カード」と記載した場合には、遊技店の会員となった遊技者に貸与される会員カード、及び一時的に遊技店により貸与される計数カード(ビジターカード)の双方を含むものとする。
また、本実施形態において、単に「持玉」と記載した場合には、会員カードに対応付けて記憶される貯玉、及び計数カードに対応付けて記憶される計数持玉の双方を含むものとし、単に「持玉情報」と記載した場合には、貯玉を示す持玉情報(以下、「貯玉情報」とする。)、及び計数持玉を示す持玉情報(以下、「計数持玉情報」とする。)の双方を含むものとする。また、遊技者により投入された貨幣額を示す情報を「貨幣情報」(あるいは、「残額情報」ともいう。)とし、特に示す場合には、「持玉情報」に「貨幣情報」が含まれる場合があるものとする。また、会員カードは、貯玉情報、計数持玉情報、及び貨幣情報を別箇に記憶可能であるものとする。さらに、説明の便宜上、通常は遊技者が保有する遊技球に関する情報を示す「持玉」という表現を用いているが、これに限られるものではなく、当該「持玉」には、遊技者が保有するメダルに関する情報、遊技者が電磁的方法により保有する遊技価値に関する情報であって、その他これに類する情報の全てを含むものとする。
[遊技用表示装置]
図303を参照して遊技用表示装置1001について簡単に説明する。なお、遊技用表示装置1001の詳細な構成については後述する。
本実施形態の遊技用表示装置1001は、透過型のプロジェクタ装置により各種の遊技情報を投影像として表示するものであり、例えば遊技機1002ごとにその上方に位置するように設置される。遊技情報としては、遊技媒体の獲得数(獲得枚数あるいは獲得球数)、各種のゲーム数、遊技履歴などがグラフや数値で表示される(図307参照)。遊技用表示装置1001には、遊技者が操作するための後述する複数のボタン1014A〜1014Fが設けられている(図307参照)。遊技用表示装置1001は、遊技機1002、遊技媒体貸出装置1003、及びサーバ装置1004と接続されており、入力された信号や受信した信号に基づき、あるいは遊技者の操作に基づいて各種の遊技情報を後述のスクリーン(被投影部)110Aに表示する。なお、遊技用表示装置1001は、いわゆる遊技島単位に設置されるものでもよい。
遊技用表示装置1001は、電気的あるいは光学的な構成要素として、後述するプロジェクタ本体1012や、これを制御するための制御ユニット(図示略)などを備える。制御ユニットは、プロジェクタ本体1012の制御や、遊技機1002、遊技媒体貸出装置1003、及びサーバ装置1004との間で通信制御を行う。また、制御ユニットは、ボタン1014A〜1014Fの操作がセンサにより検知されると、その操作に応じてスクリーン1110A上の表示を制御する。なお、本実施形態では、物理的なボタン1014A〜1014Fを設けているが、例えばスクリーン1110Aをタッチパネルにより構成し、制御ユニットは、タッチパネルに対する操作を検知するようにしてもよい。
遊技用表示装置1001は、特に図示しないが、遊技機1002、遊技媒体貸出装置1003、及びサーバ装置1004との通信を行うためのインターフェース部を備える。このインターフェース部と遊技機1002における後述の外部接続端子板との間は、接点入力方式で接続され、遊技機1002から遊技用表示装置1001への一方向に通信が可能である。インターフェース部と遊技媒体貸出装置1003との間は、例えばハーネスにより接点出入力方式で接続され、双方向通信が可能である。また、インターフェース部とサーバ装置1004との間は、例えば同軸ケーブルにより有線LAN方式で接続されるとともに、ハーネスにより接点出力方式で接続され、双方向通信が可能である。なお、接続方法はこれらの方式に限られるものではなく、例えば各々の接続において、無線LAN方式を用いてもよく、また、光ケーブルによる光通信方式を用いてもよい。さらに、これらの組み合わせた方式を用いてもよい。
[遊技機]
図303を参照して遊技機1002について簡単に説明する。遊技機1002としては、例えばパチンコ遊技機1002aやパチスロ遊技機1002bが適用される。以下の説明においては、特に断らない限り、パチンコ遊技機1002a、及びパチスロ遊技機1002bをまとめて遊技機1002と称する。
パチンコ遊技機1002aは、盤面上に遊技球(遊技媒体)を弾き出し、釘に当って不規則に流下する遊技球が特定の入賞口に入ると、賞球の払い出しあるいは得点の加算を行うといった遊技を主として行うものである。パチンコ遊技機1002aは、主たる遊技装置を制御するための主制御ユニット、表示や音声出力などに係る演出動作を制御するための副制御ユニット、賞球としての遊技球の払出動作を制御する払出制御ユニット等を備える。払出制御ユニットは、外部接続端子板を介して遊技用表示装置1001と接続されており、1回の遊技毎に、又は内部状態に変化があった場合に、遊技情報信号やエラー信号等を遊技用表示装置1001に出力する。また、この払出制御ユニットは、外部接続端子板を介して遊技球貸出装置3aと接続されており、遊技者の操作に基づいて貸出要求信号や返却要求信号を出力する。
パチスロ遊技機1002bは、コイン(遊技媒体)を投入してスタートレバーを操作することで複数の図柄が描かれた複数のリールを回転させ、各リールに対応するストップボタンを押下することでリールを順次停止させることにより、所定役に対応する図柄が有効ライン上に揃うと、コインの払い出しを行うといった遊技を主として行うものである。パチスロ遊技機1002bも、パチンコ遊技機1002aと同様に、主たる遊技装置を制御するための主制御ユニット、表示や音声出力などに係る演出動作を制御するための副制御ユニット、コインの払出動作を制御する払出制御ユニット等を備える。払出制御ユニットは、外部接続端子板を介して遊技用表示装置1001と接続されており、1回の遊技毎に、又は内部状態に変化があった場合に、遊技情報信号やエラー信号等を遊技用表示装置1001に出力する。また、この払出制御ユニットは、外部接続端子板を介してメダル貸出装置3bと接続されており、遊技者の操作に基づいて貸出要求信号や返却要求信号を出力する。
[遊技媒体貸出装置]
図303を参照して遊技媒体貸出装置1003について簡単に説明する。遊技媒体貸出装置1003としては、パチンコ遊技機1002aに隣接して設置される遊技球貸出装置3aと、パチスロ遊技機1002bに隣接して設置されるメダル貸出装置3bとがある。以下の説明においては、特に断らない限り、遊技球貸出装置3a、及びメダル貸出装置3bをまとめて遊技媒体貸出装置1003と称する。
遊技媒体貸出装置1003は、例えば図示しないスイッチングハブやコントローラ等を介してサーバ装置1004と接続される。遊技媒体貸出装置1003は、遊技者によりカードが挿入されると、当該カードのICチップ等に付加されたカードIDや会員ID等の識別情報(以下、単に「識別情報」という。)をサーバ装置1004に送信する。サーバ装置1004は、受信した識別情報に対応付けて記憶されたその遊技者の持玉情報を遊技媒体貸出装置1003に送信する。そして、遊技者からの払出指示がある場合には、サーバ装置1004は、持玉情報を更新し、遊技媒体貸出装置1003は、図示しない払出装置を駆動させ、遊技媒体の払出制御を実行する。また、遊技者により紙幣が投入されると、その紙幣の額(投入金額)に応じた残額情報をサーバ装置1004に送信する。そして、遊技者からの払出指示がある場合、サーバ装置1004は、残額情報を更新し、遊技媒体貸出装置1003は、同様に遊技媒体の払出制御を実行する。
また、遊技媒体貸出装置1003は、遊技者の操作により、又は遊技機1002から直接的に、遊技媒体が図示しない計数装置に投入されると、投入された遊技媒体数を計数し、計数結果を遊技者の計数持玉情報としてサーバ装置1004に送信し、サーバ装置1004は、受信した計数持玉情報をカードに付加された識別情報と対応付けて記憶する。また、カードが挿入されていない場合には、遊技媒体貸出装置1003に貯留されている計数カードに予め付加されている識別情報と対応付けて受信した計数持玉情報を記憶する。
なお、本実施形態においては、遊技者の持玉情報、及び残額情報をサーバ装置1004が管理するが、これらの情報を遊技媒体貸出装置1003が管理することとしてもよい。また、カードに識別情報を付加するだけでなく記憶領域をも設け、当該記憶領域にこれらの情報を記憶させ、これらの情報の管理を行うこととしてもよい。そして、これらの情報の更新については、サーバ装置1004が行うこととしても、遊技媒体貸出装置1003が行うこととしてもよい。さらには、持玉情報については、遊技媒体貸出装置1003、又はサーバ装置1004が管理し、残額情報については、カードの記憶領域に直接記憶されることとしてもよい。
加えて、本実施形態において、カードが挿入されていない場合には、遊技媒体貸出装置1003に貯留されている計数カードに予め付加されている識別情報と対応付けて計数持玉情報、及び残額情報が記憶されるが、カードの返却要求があった場合に、遊技媒体貸出装置1003、又はサーバ装置1004が、遊技媒体貸出装置1003に貯留されている計数カードに識別情報を新たに付加することとし、この新たに付加された識別情報と計数持玉情報、又は残額情報とを対応付けて記憶することとしてもよい。
また、遊技媒体貸出装置1003は、遊技機1002に遊技球等貸出装置接続端子板(以下、「貸出端子板」という。)が設けられている場合に、この貸出端子板にも接続され、当該貸出端子板から出力される貸出要求信号や返却要求信号等を受信したことに基づいて、遊技機1002への払出要求信号の送信やカードの返却等を行う。
また、遊技媒体貸出装置1003は、コンバータ等を介して遊技用表示装置1001とも接続されており、遊技機1002に設けられている外部接続端子板から出力される遊技情報信号やエラー信号等を受信するとともに、遊技者の持玉情報を遊技用表示装置1001に送信する。
[サーバ装置]
図303を参照してサーバ装置1004について簡単に説明する。サーバ装置1004は、いわゆるホールコンピュータとして用いられるものであり、遊技用表示装置1001と接続されるほか、遊技媒体貸出装置1003とも接続される。サーバ装置1004は、管理する遊技結果管理情報(例えば、過去数日分を含めた出玉履歴情報や不正検知情報等)や遊技店に関する情報(例えば、新台情報や空き台情報等)を遊技用表示装置1001に送信する。
また、サーバ装置1004は、遊技店以外の第三者であるセンター事業者が管理する外部管理装置(図示せず)にも接続され、カードの識別情報や会員情報、遊技者の持玉情報を定期的(例えば、1日に1回毎)に送信する。外部管理装置は、送信された各情報をバックアップする。サーバ装置1004は、外部管理装置との接続が所定日数(例えば、15日)途絶した場合、遊技者の持玉情報の更新を停止する。
以上のような遊技システムにおいて、遊技者は、遊技店(遊技場)に入ると、まず、遊技用表示装置1001に表示される各種の情報を見ながら、所望の遊技機1002に着席する。次に、その遊技者がその遊技店の会員である場合は、会員カードを遊技媒体貸出装置1003に挿入し、本人確認(例えば、登録されている暗証番号の入力等)の後、サーバ装置1004に持玉情報が記憶されている場合にはその持玉を使用し、持玉情報が記憶されていないか、持玉情報がその遊技機1002で貸し出し不能な持玉数である場合には紙幣を投入し、貸出要求を行って遊技媒体の貸し出しを受け、遊技媒体を遊技機1002に投入することで遊技を開始する。又は、その遊技者がその遊技店の会員でない場合は、紙幣を投入し、貸出要求を行って遊技媒体の貸し出しを受け、遊技媒体を遊技機1002に投入することで遊技を開始する。このとき、サーバ装置1004に記憶されている持玉情報や残額情報が、貸し出された分だけ更新(減算)される。
そして、その遊技機1002から遊技媒体の払い出しを受けることができずに、遊技を継続する場合には、貸出要求が行われる度に、サーバ装置1004に記憶されている持玉情報や残額情報が、貸し出された分だけ順次更新(減算)されることとなる。一方、その遊技機1002から遊技媒体の払い出しを受けることができた場合には、払い出された遊技媒体を遊技媒体貸出装置1003に投入すると、投入された遊技媒体数を計数し、計数結果に基づいてサーバ装置1004に記憶されている持玉情報が更新(加算)される。
その後、その遊技機1002における遊技を終了する場合には、遊技者はカードの返却要求を行う。ここで、会員カードが遊技媒体貸出装置1003に挿入されている場合には、本人確認(例えば、登録されている暗証番号の入力等)の後、そのまま会員カードを返却する。会員カードが遊技媒体貸出装置1003に挿入されていない場合には、サーバ装置1004に計数持玉情報が記憶されている場合、若しくは残額情報がある場合に、遊技媒体貸出装置1003に貯留されている計数カードを返却(発行)する。サーバ装置1004に計数持玉情報が記憶されておらず、かつ投入金額の残額もない場合には、計数カードは返却(発行)されない。
計数カードが返却(発行)された場合であって、かつ他の遊技機1002で遊技を行いたい場合には、他の遊技機1002に対応して設けられた遊技媒体貸出装置1003にその計数カードを挿入することにより、会員カードと同様の手順(本人確認を除く)で遊技を開始(再プレイ)することができる。なお、上記の場合に、貯玉情報に基づく再プレイを「貯玉再プレイ」といい、計数持玉情報に基づく再プレイを「持玉再プレイ」という。
[遊技用表示装置の構成]
次に、遊技用表示装置1001の構成について、図304〜図307を参照して説明する。
図305に示すように、遊技用表示装置1001は、基本的な構成要素として、筐体1010、スクリーンユニット1011A、プロジェクタ本体(投射手段)1012、リフレクタ1013、操作ユニット1014を備えている。筐体1010は、プロジェクタ本体1012、リフレクタ1013、及び操作ユニット1014のほか、遊技用表示装置1001の全体の動作を制御するための図示しない制御ユニットを収容している。スクリーンユニット1011Aは、筐体1010の前面側に設けられた開口面1010Aを覆うように取り付けられる。図304〜図306は、標準タイプのスクリーンユニット1011Aを示しており、特に断らない限り、このスクリーンユニット1011Aを基本的に用いて説明するが、いずれのスクリーンユニットを用いてもよい。
筐体1010は、図305に示すように、底面1010a、左右両側の側面1010b,10c、背面1010d、上面1010e、及び前面側の開口面1010Aを有するように矩形箱状に形成されている。底面1010aの後部には、プロジェクタ本体1012が設置され、底面1010aの前部には、操作ユニット1014が設置される。背面1010dの上部には、リフレクタ1013が設置される。
スクリーンユニット1011Aは、筐体1010の開口面1010Aを覆う正面部1011aと、筐体1010の側面1010b、1010cに着脱自在に固定される左右両側の側部1011b、1011cとを有するように形成されている。スクリーンユニット1011Aは、正面部1011aの開口1011aaに設けられるスクリーン(被投影部)1110Aと、図306に示すように、正面部1011aの後面において左右両側に設けられるLED基板1111とを有する。
正面部1011aには、スクリーン1110Aを配置するための開口1011aaのほか、スクリーン1110Aの左右側方において発光する発光面1111aと、操作ユニット1014のボタン1014A〜1014Fを前方に露出させるための開口部112とが設けられている。
スクリーン1110Aは、後方から投影像が投影されることで表示される透過式のものであり、例えば透光性を有するガラス板、アクリル板、樹脂製フィルムを主たる素材として形成され、非投影時に乳白色、半透明、あるいはグレー色を呈する。スクリーンユニット1011Aのスクリーン1110Aは、全面にわたって均等な厚みをもつように形成されている。このようなスクリーン1110Aは、プロジェクタ本体1012から投射された光が入射する一様に平坦な背面側の入射面1100(図306)と、この入射面1100に入射した光が透過することで投影像が投影される前面側の表示面1101(図305)とを有する。
発光面1111aは、図305、図306に示すように、透光性を有する板状部材により構成され、その背面側にLED基板1111が設けられる。LED基板1111は、特に図示しないが複数のLEDを搭載しており、コネクタ111A、及びケーブル111Bを介して筐体1010側の制御ユニットに接続される。なお、図306には、一方のLED基板1111に対応するコネクタ111A、及びケーブル111Bが示されているが、他方のLED基板1111にもコネクタ、及びケーブルが設けられており、他方のLED基板1111もコネクタ、及びケーブルを介して制御ユニットに接続される。
この制御ユニットにより、LED基板1111における複数のLEDが点灯あるいは点滅させられ、これらLEDの光は、発光面1111aを通って前方に照射される。
発光面1111aは、透光性を有する板状部材により構成されるが、これに限らず、少なくとも一部が透光性を有して部分的に透光性を有さない部材で構成されるようにしてもよい。
また、透光性を有する部分においては、装飾性を有するシートをLED基板と板状部材との間に配置したり、板状部材そのものに透光性を有する有色の装飾などを施してもよい。このような場合は、LED基板が光源を有する発光手段として機能する一方、板状部材が発光手段により装飾される装飾部材として機能することとなり、装飾部材としては、光学的に透光、拡散、偏光、屈折、反射などといった特性を有するものが適用される。
プロジェクタ本体1012は、遊技に関する情報を投影像としてスクリーンに表示するための光を投射するものであり、例えば液晶パネルを用いた液晶方式のもの、あるいはDMD(Digital Micromirror Device)素子を用いたDLP(登録商標:Digital Light Processing)方式のものが適用される。
プロジェクタ本体(投射手段)12は、図示しない制御ユニットに接続されており、この制御ユニットにより動作が制御される。プロジェクタ本体1012は、液晶パネルあるいはDMD素子のほか、光源としてのLEDあるいはランプ、ダイクロイックミラーや投影レンズなどを有する。投影レンズは、光軸方向に調整可能である。
このようなプロジェクタ本体1012は、投影レンズから出射した光がリフレクタ1013へと直接向かうように配置されている。スクリーンユニット1011Aの取り付け時には、プロジェクタ本体1012の投影レンズを光軸方向に微調整することでフォーカス調整を行うことができる。これにより、スクリーンユニット1011Aのスクリーン1110Aに対しても、正確にピントが合った鮮明な投影像を映し出すことができる。
リフレクタ1013は、光を反射する部材で構成されており、プロジェクタ本体1012から入射した光を、筐体1010の開口面1010A(スクリーン1110Aの入射面1100)に向けて反射するように、その開口面1010Aに対して傾斜した姿勢で背面10dに設置されている。
操作ユニット1014は、遊技者などが操作可能な複数のボタン1014A〜1014Fを横並びに有するものである。具体的には、図307に示すように、操作ユニット1014には、左側から順に、切替ボタン1014A、履歴ボタン1014B、呼出ボタン1014C、設定ボタン1014D、確認ボタン1014E、及び十字ボタン1014Fが設けられている。操作ユニット1014は、図示しない制御ユニットに接続されており、各ボタン1014A〜1014Fの操作が図示しないスイッチに検知されると、スイッチから制御ユニットに検知信号が供給され、制御ユニットは、検知信号に応じた表示制御を行う。
切替ボタン1014Aは、後述するグラフ表示や数値表示などを切り替えるためのボタンである。履歴ボタン1014Bは、本日の遊技履歴を表示するためのボタンである。呼出ボタン1014Cは、遊技場の店員を呼び出すためのボタンである。設定ボタン1014Dは、表示設定などを変更するためのボタンである。確認ボタン1014Eは、各種の設定を確認するためのボタンである。十字ボタン1014Fは、数値変更やスクロール操作を行うためのボタンである。
図307に例示するように、スクリーン1110A上の投影像V1としては、遊技開始から獲得したメダルの枚数を折れ線グラフで示すチャート画像が表示される。投影像V2としては、本日実行されたボーナス回数や累積ゲーム数を示すテキスト画像が表示される。
投影像V3としては、過去のボーナス回数や累積ゲーム数を履歴として示すテキスト画像が表示される。なお、光が入射する面については、入射面1100としたが、光が投影される面(表示面)としては、LED基板1111の背面領域や入射面1100の上下の領域(正面部1011aなど)、さらには左右の領域(側部1011b、1011c)も含むようにしてもよい。
このように光が投影される面は、スクリーンユニットの内側に含まれるものとしても、プロジェクタ本体1012より前方あるいはリフレクタ1013より前方の領域において投影像を投影可能であればよい。
<第8実施形態>
次に、本発明の第8実施形態に係る遊技用表示装置について、図308〜図309を用いて説明する。なお、先述した実施形態によるものと同一、又は類似の構成要素については、同一符号を付して説明を省略する。
第8実施形態に係る遊技用表示装置1001は、図308、及び図309に示すように、スクリーンユニット1011Dの前面全体が凹面状のスクリーン1110Dにより構成され、スクリーン1110Dの前面側全域が緩やかな傾斜をもつ凹面状の表示面1101となっている。この遊技用表示装置1001には、発光面やボタンが省かれている。
また、図308に示すように、リフレクタ1013の背面側となる筐体1010の背面1010dの外側には、LED基板1060と反射板1061とが設けられている。LED基板1060には、背面1010dに対して環状に位置するように複数のLED1060Aが搭載されており、LED1060Aは、反射板1061に向けて光が照射可能となるように配置されている。このようなLED1060Aの光は、反射板1061で反射されることにより、遊技用表示装置1001の周囲やスクリーン1110Aの周縁部を後方から照らし出す。
このような遊技用表示装置1001によれば、スクリーン1110Dの表示面1101全体に投影像を投影することができ、LED1060Aによる後方からの光によって装飾効果を高めることができる。
また、第8実施形態では、スクリーン1110Dが凹面状に形成されているため、奥行きがある立体的な画像を表示することができる。これにより視覚的効果、及び装飾効果をさらに高めることができる。
<第9実施形態>
次に、本発明の第9実施形態に係る遊技用表示装置について、図310〜図312を用いて説明する。なお、上記実施形態によるものと同一、又は類似の構成要素については、同一符号を付して説明を省略する。
第9実施形態は、例えば図308に示す凹面状のスクリーン1110Dの上縁部を発光させることで、視覚的効果、及び装飾性を向上させる構成としている。
第9実施形態に係る遊技用表示装置1001は、図310に示すように、スクリーン1110Dは所定厚みを有し光を透過する入射面1100(導光部)と、所定厚みを有し投影画像を表示する表示面1101(表示部)から構成される。また、スクリーン1110Dの下縁部の近傍で筐体1010の底面1010a上に少なくとも一つの基盤(LED基盤)70を設置し、スクリーン1110Dの入射面(導光部)1100の上縁部に光を乱反射させる凹凸部等からなる乱反射部1072を設けている。
乱反射部1072は、スクリーン1110Dの上縁部全体に亘って設けられる。また、基盤1070はスクリーン1110Dの下縁部全体に亘って設けてもよいが、適宜分割して設けてもよい。また、1、又は複数の発光素子1071の配置位置、及び出射角度は、発光素子からの光が乱反射部1072全体に均一に到達するように適宜調整される。
これにより、スクリーン1110Dの上縁部を縁取るような横長の反射光が形成され、視覚的効果、及び装飾効果を向上させることができる。なお、図310に示す図では、リフレクタ1013の背面にLED基板1060と反射板1061が設けられているが、これらは適宜省略することができる。
また、発光素子1071からの光が基盤1070と底面1010aとの間隙部から漏洩するのを防ぐため、間隙部に遮光部材1073を設置し、筐体1010への光の漏洩を防止する。
さらに、発光素子1071からの光がスクリーン1110Dの表示面1101に向かわないように、発光素子1071の周囲に適宜遮光部材を設けてもよい。
第9実施形態によれば、スクリーン1110Dの下縁部近傍に設けた基盤1070の発光素子1071からの光により、スクリーン1110Dの上縁部を縁取るように発光させることで、遊技用表示装置1001の視覚的効果、及び装飾性を向上させることができる。しかも、発光素子1071から筐体1010内部への漏洩光の発生を防止することで、照射効率を高めるとともに、スクリーン1110Dへの投影画像に影響を及ぼすことがない。また、基盤1070を、スクリーン1110Dの上縁部、左縁部、及び/又は右縁部の近傍に設け、それぞれに対向して乱反射部1072を入射面(導光部)1100の下縁部、右縁部、及び/又は左縁部に設けてもよい。これにより、スクリーン1110Dの各縁部(上縁部、下縁部、右縁部、及び/又は左縁部)を適宜発光させることができる。
(変形例1)
変形例1では、図311に示すように、発光素子1071からの光が基盤1070と底面1010aとの間隙部から筐体1010内へ漏洩するのを防ぐため、遮光機能を有する底面1010aを、間隙部を塞ぐように変形する。これにより、上記第9実施形態と同様な作用効果を奏するとともに、部品点数の削減を図ることができる。
(変形例2)
変形例2では、図312に示すように、遮光機能を有する基盤1070を縦方向に配置し、基盤1070自体により発光素子からの光が筐体1010の内部に漏洩するのを防止する。これにより、上記第9実施形態と同様な作用効果を奏することができるとともに、部品点数の削減を図ることができる。
なお、本変形例1、及び2においてもLED基板1060、及び反射板1061を適宜省略することができる。
<第10実施形態>
次に、本発明の第10実施形態に係る遊技用装置について、図313〜図319を用いて説明する。なお、上記実施形態によるものと同一、又は類似の構成要素については、同一符号を付して説明を省略する。
図313は、第10実施形態に係る遊技用装置G1の斜視図である。図313に示すように、遊技用装置G1は、筐体G10と、前面全体が凹面状のスクリーンG110により構成されたスクリーンユニットG11とを有している。筐体G10は、基体G101と、プロジェクタ収容体G102とを有している。
図314は、遊技用装置G1の分解斜視図である。図314に示すように、基体G101は、平板状の背面部G101aと底面部G101bとを有し、それぞれ筐体G10の背面壁、及び底面壁を構成する。底面部G101bには、プロジェクタ本体1012が載置されるように取り付けられる。また、背面部G101aの内壁に沿うようにリフレクタ1013が配置される。
プロジェクタ収容体G102は、プロジェクタ本体1012を覆うように底面部G101bに取り付けられることで、内部空間にプロジェクタ本体1012を収容する。当該内部空間は上方が開放され、プロジェクタ本体1012から出射された映像光が背面部G101aに配置されたリフレクタ1013へ到達可能にされている。スクリーンユニットG11は、リフレクタ1013を覆うように取り付けられ、リフレクタ1013が反射した映像光がスクリーンG110に照射されるように構成される。
このように、第10実施形態の遊技用装置G1は、上述した実施形態と同様に、透過型のプロジェクタ装置として機能する遊技用表示装置であるがこれに限定されない。例えば、遊技用装置は、液晶ディスプレイや有機EL(Electro Luminescence)が内蔵された遊技用表示装置であってもよい。また、遊技用装置は、遊技用表示装置に限定されず、例えば、遊技媒体貸出装置であってもよいし、遊技機に設ける遊技機装飾用のユニット等であってもよい。
第10実施形態における以後の説明において、便宜上、背面部G101aの主面に垂直な方向を前後方向と称する場合がある。前後方向において背面部G101aのスクリーンユニットG11側を遊技用装置G1の前側(前方向)と称し、前側とは逆側を後側(後方向、奥行方向)と称す場合がある。また、前側から見て右側、及び左側を遊技用装置G1の右側(右方向)、及び左側(左方向)とそれぞれ称し、右側、及び左側を含む方向を左右方向と称する場合がある。さらに、前後方向、及び左右方向に直交する方向を上下方向、又は高さ方向と称する場合がある。
図315は、遊技用装置G1を背面側から示す斜視図である。図313〜図315に示すように、基体G101における背面部G101aの後側には、背面部G101aと平行となるように導光板G61が配置されている。即ち、導光板G61は、上下方向、及び左右方向に平行に配置される。導光板G61は、透光性を有し、入射された光が導光可能にされている。第10実施形態において導光板G61は、略矩形状の平板に形成されているがこれに限定されず、円形等どのような形状であってもよい。図315に示すように、導光板G61は、背面基板カバーG62によって、基体G101に固定される。
遊技用装置G1は、一般的に、遊技機1002の上方に配置されると共に、スクリーンG110を前方向から下方向へ傾斜する方向へ向けて、スクリーンG110が遊技者の顔へ対向するように配置される。このとき、遊技者から、スクリーンG110の上方に導光板G61が望めるような位置、及び/また、大きさで導光板G61が構成されることが好ましい。
図316は、遊技用装置G1を背面側から示す分解斜視図である。図316に示すように、導光板G61は、厚み方向に貫通するように形成された円環状の開口G61aを有している。即ち、導光板G61は、開口G61a側に、円環状の端面(開口側端面G61b)を有している。換言すれば、開口側端面G61bは、導光板G61の開口G61aを形成する。なお、第10実施形態では、開口G61aは、円環状に形成されているがこれに限定されず、方形状等であってもよい。また、開口G61aは、その周縁の一部が、導光板G61の周縁に一致していてもよい。即ち、導光板G61に切欠が設けられて開口G61aが形成されてもよい。
導光板G61と基体G101との間に挟持されるように、LED基板G60が配置されている。即ち、複数のLEDG60Aは、導光板G61とは別体のLED基板G60に設けられる。LED基板G60は、導光板G61側の開口側端面G61bと対向する位置に、複数のLEDG60Aを搭載している。より具体的に、複数のLEDG60Aは、LED基板G60において、開口側端面G61bに沿って開口G61aを囲うように等間隔で並設されている。なお、開口G61aが切欠によって形成されている場合には、複数のLEDG60Aは、当該切欠に沿って円弧状に配列されることになる。各LEDG60Aは、開口側端面G61bとの対向方向に出射口を有している。したがって、LED基板G60は、複数のLEDG60Aから、導光板G61の開口側端面G61bに向けて放射状に光を照射する。また、複数のLEDG60Aから照射される光の光軸は、導光板G61と平行にされており、導光板G61に入射された光が導光板G61内を進行し、導光板G61の周縁を構成する外側端面G61cまで到達可能にされている。なお、導光板G61の厚みは、LEDG60Aの前後方向の長さよりも長く設定されている。これにより、導光板G61を固定する背面基板カバーG62が、導光板G61の開口G61aに位置するLEDG60Aに接触することを防止している。
このように、導光板G61の開口G61a内に配置された複数のLEDG60Aからの光は、導光板G61の開口側端面G61bから入射された後に導光板G61内を導光され、導光板G61の外側端面G61cの領域全体を覆うように照明する。これにより、複数のLEDG60Aから出射される光は、導光板G61内において放射状に広がって外側端面G61cに到達することで導光板G61の周囲全体を環状に照明することが可能となり遊技用装置G1のいずれの方向からでも照明されている導光板G61が視認可能となり遊技用装置G1が取り付けられる遊技機等の識別性を向上させることができる。
LED基板G60は、複数のLEDG60Aを個別に点灯制御することが可能にされている。LED基板G60は、複数の点灯パターンが記憶されたメモリ(図示せず)を有し、外部信号等に応じた点灯パターンで、複数のLEDG60Aを制御する。例えば、LED基板G60は、遊技機から送信される遊技状態を示す信号や、遊技用装置G1が有する入力装置(図示せず)に対して行われた操作に応じた点灯パターンを選択し、当該点灯パターンに基づいて複数のLEDG60Aを制御する。例えば、複数のLEDG60Aを配置順に順次点灯させる点灯パターンで制御することで、導光板G61の周縁を光が流れるようなドライブ演出が可能となる。また、複数のLEDG60AにフルカラーLEDを選択することで、後述するタッチセンサの操作等により遊技者からの呼出入力が行われた場合には赤点灯、遊技機に異常が生じた場合には黄色点滅等の種々の報知を行うことが可能となる。
導光板G61には、導光板G61内をLEDG60Aからの光の一部を、基体G101側の厚み方向へ反射させる反射加工が複数個所に施されている。導光板G61において、デザイン性を有する形状を構成するように反射加工が施されることで、導光板G61の主面に当該形状の照明が浮かび上がることになる。以下、具体的に、導光板G61の反射加工について、導光板G61内を進行する光の光路パターンを図示して説明する。
図317A、及び図317Bは、導光板G61を進行するLEDG60Aからの光の光路パターンの一例を示す説明図である。図317Aに示すように、LEDG60Aからの光の光路に反射加工が施されていない場合、LEDG60Aから出射された光は、開口側端面G61bから導光板G61に入射し、導光板G61内を面方向(上下方向)に進行して外側端面G61cに到達する。これにより、導光板G61の周囲全体が環状に照明される。
一方、図317Bに示すように、導光板G61は、導光板G61の面方向(上下方向)に進行する光を、反射する反射部G61dを有している。第10実施形態では、反射部G61dは、導光板G61のLED基板G60とは逆側の主面に形成された窪みである。反射部G61dは、LEDG60Aからの光の光路に対し、法線が厚み方向(前方向)に45度傾斜した反射面を有し、反射部G61dに到達する光を導光板G61の厚み方向(前方向)のLED基板G60側へ反射させるようになっている。なお、反射部G61dはレーザー加工等の加工により導光板内部に設けられたものであってもよい。
図318は、導光板G61の照明態様の一例を示す説明図である。図318に示すように、開口G61aに配置されたLEDG60A(図316参照)から光が放射状に出射され、外側端面G61cに到達し、導光板G61の周縁を照明する。また、LEDG60A(図316参照)からの光の一部は、反射部G61dにおいて前方向に反射し、導光板G61の主面に輝点を形成する。反射部G61dがデザインを形成するように集合して設けられることで、反射部G61dが反射して形成する輝点が当該デザインを点描する。
図319は、遊技用装置G1を背面側から示す分解斜視図である。図319に示すように、複数のLEDG60Aは、導光板G61とは別体のLED基板G60に設けられる。LED基板G60、及び導光板G61には、複数のLEDG60Aが、導光板G61の開口側端面G61bとそれぞれ対向する位置に配置されるように、位置合わせするための位置合わせ部G60e、及び位置合わせ部G61eがそれぞれ設けられている。
具体的に、位置合わせ部G60eは、導光板G61の4つの隅角部に設けられた前後方向に貫通する4つの貫通孔である。位置合わせ部G61eは、4つの位置合わせ部G60eに対応して貫通する4つの貫通孔である。なお、LED基板G60とで導光板G61を挟持する背面基板カバーG62にも同様に位置合わせ部G62eが形成されている。
基体G101の背面部G101aには、LED基板G60、及び導光板G61の位置合わせ部G60e、G61eと連携して位置合わせを行うための位置合わせ部材G101eが設けられている。位置合わせ部材G101eは、位置合わせ部G60e、G61e、G62eに係合する断面を有した円柱形状を有し、LED基板G60、導光板G61、及び、背面基板カバーG62を合わせた厚みよりも長く、基体G101から後ろ方向に突出して設けられている。
このように、基体G101に対し、LED基板G60、導光板G61、及び、背面基板カバーG62が、着脱自在に配置されることになる。LED基板G60、導光板G61、及び、背面基板カバーG62の位置合わせ部G60e、G61e、G62eを、順次基体G101の位置合わせ部材G101eに挿通させて位置合わせがなされる。
導光板G61が位置合わせされる際、まず、導光板G61の位置合わせ部G61eが基体G101の位置合わせ部材G101eの突出端部に位置合わせされ挿通される。そして、導光板G61は、位置合わせ部材G101eによって上下方向、及び左右方向への移動が規制されながら前方向に移動され、LED基板G60に載置されるように配置される。このように、導光板G61は、位置合わせ部材G101eによって前後方向への移動のみに規制される。これにより、位置合わせに際して、導光板G61が、LED基板G60上に載置するように設けられたLEDG60Aに対して接触してしまうことを防止することが可能となっている。
(第10実施形態の概要)
このように、第10実施形態の遊技用装置G1は、基体G101に着脱自在に配置され、所定形状の開口側端面G61bが厚み方向に貫通するように形成された透光性を有する導光板G61と、当該導光板G61の開口G61aを形成する開口側端面G61bと対向する位置に、それぞれ配置された複数のLEDG60Aと、を有し、複数のLEDG60Aは、開口側端面G61bに沿って並設するように配置され、導光板G61には、複数のLEDG60Aから開口側端面G61bを介して導光板G61内に導光される光の一部を、当該導光板G61の厚み方向に反射させる反射加工を施した反射部G61dが形成されている。
上記の構成によれば、導光板G61の開口内に配置された複数のLEDG60Aからの光は、導光板G61の開口側端面G61bから入射された後に導光板G61内を導光され、導光板G61の外側端面G61cの領域全体を覆うように照明する。一方、導光板G61に施された反射加工により導光板G61内を導光される光の一部は反射加工が施された反射部G61dにより導光板G61の表面から出射される。これにより、複数のLEDG60Aから出射される光は、導光板G61内において放射状に広がって外側端面G61cに到達することで導光板G61の周囲全体を環状に照明することが可能となり遊技用装置G1のいずれの方向からでも照明されている導光板G61が視認可能となり遊技用装置G1が取り付けられる遊技機の識別性を向上させることができる。さらに、導光板G61の表面から出射される光によってデザイン性を向上させることができ、なお且つ導光板G61は基体G101から着脱自在であるので異なるデザインの反射加工が施された導光板G61に取り換え可能であるため遊技用装置G1を様々な種類の遊技機に適用することが可能となる。
また、第10実施形態の遊技用装置G1において、複数のLEDG60Aは、導光板G61とは別体のLED基板G60に設けられ、LED基板G60、及び導光板G61は、複数のLEDG60Aが、当該導光板G61の開口側端面G61bとそれぞれ対向する位置に配置されるように、位置合わせする位置合わせ部G60e、G61eが設けられている。
上記の構成によれば、着脱自在に配置される導光板G61は、位置合わせ部G60e、G61eによって、複数のLEDG60Aが導光板G61の開口側端面G61bに対向する位置となるように配置が決定される。これにより、位置合わせ部G60e、G61eによって正確に位置合わせが行われるため、位置ずれによる視覚的効果の低下を防止することが可能となる。
また、第10実施形態の遊技用装置G1において、基体G101には、LED基板G60、及び当該導光板G61の位置合わせ部G60e、G61eと連携して、位置合わせを行う位置合わせ部材G101eが設けられている。
上記構成によれば、基体G101に設けられた位置合わせ部材G101eに対して、LED基板G60、及び導光板G61の位置合わせ部G60e、G61eが連携し、位置合わせが行われる。これにより、LED基板G60、及び導光板G61が位置合わせされるとともに、基体G101に対しても位置合わせされるため、より位置ずれによる視覚的効果の低下を防止することが可能となる。
また、第10実施形態の遊技用装置G1において、開口G61aの形状は環状となっており、複数のLEDG60Aは、この環状の開口G61aにおける開口側端面G61bに沿って環状に配置されている。
上記構成によれば、環状に形成された開口G61aにおける開口側端面G61bに沿って、複数のLEDG60Aが環状に配置されている。これにより、導光板G61の開口側端面G61bに沿うように複数のLEDG60Aが環状に配置されることで、LEDG60Aの数を最小限とし、さらに複数のLEDG60Aの光を導光板G61に対してより効率的に入射させ導光板G61の外側端面G61cをより効果的に光らせることが可能となる。
<第11実施形態>
次に、本発明の第11実施形態に係る遊技用装置について、図320〜図323を用いて説明する。なお、上記実施形態によるものと同一、又は類似の構成要素については、同一符号を付して説明を省略する。第11実施形態では、第10実施形態において説明したプロジェクタ収容体G102(図314、及び図315参照)の異なる態様について説明し、その他の構成等は第10実施形態と同様であるため説明を省略する。
図320は、第11実施形態に係る遊技用装置F1が有するプロジェクタ収容体F102の斜視図である。図320に示すように、プロジェクタ収容体F102は、スクリーンユニットG11の下方において、プロジェクタ本体1012(図314参照)を覆うように基体G101に取り付けられることで、内部空間にプロジェクタ本体1012を収容する。第10実施形態と同様に、当該内部空間は上方が開放され、プロジェクタ本体1012から出射された映像光が背面部G101aに配置されたリフレクタ1013へ到達可能にされている。さらに、第11実施形態のプロジェクタ収容体F102は、遊技者の入力を受け付ける入力装置の機能、及び、遊技者に対して報知を行う機能を有している。以下、具体的に、プロジェクタ収容体F102について説明する。
プロジェクタ収容体F102は、プロジェクタ収容体F102の前面外形を形成する外装パネルF1021を有している。外装パネルF1021は、タッチ領域F1021aと、スピーカ部F1021cと、受光部F1021dとを有している。
タッチ領域F1021aは、後述するタッチセンサF1022(図321参照)の形状に応じて設定された矩形状の入力領域である。タッチ領域F1021aには、透光性を有する透光部F1021bが設けられており、裏側から照射される光が透過可能にされている。第11実施形態において、透光部F1021bは、タッチ領域F1021aを示す矩形デザインと、矩形デザイン内に配置される「手」を示す絵柄、及び「CALL」を示すテキストと、により構成されるがこれに限定されない。また、第11実施形態において、外装パネルF1021は透光性の素材で形成された上で、透光部F1021bを残すように非透過性のインクを印刷したものであるがこれに限定されない。例えば、外装パネルF1021と面一になるように透光性の素材が設けられて形成されてもよいし、単に外装パネルF1021を貫通する貫通孔であってもよい。また、透光部F1021bは、外装パネルF1021を貫通する貫通孔を形成した上で、裏側に光を乱反射させるための光学シート(光学フィルム)を設けるものであってもよい。
スピーカ部F1021cは、後述のスピーカF10253(図321、図322参照)からの音声を外部へ出力するための貫通孔である。また、受光部F1021dは、外部からの赤外線等による信号を受信するための入力装置である。
図321は、プロジェクタ収容体F102の分解斜視図である。図321に示すように、プロジェクタ収容体F102は、上述した外装パネルF1021と、タッチセンサF1022と、導光板F1023と、導光板F1023の上縁に設けられたLEDアレイF1024と、基板F1025と、枠体F1026と、収容基体F1027と、を有している。
収容基体F1027は、外装パネルF1021とでプロジェクタ収容体F102の外形状を形成すると共に、外装パネルF1021との間に、タッチセンサF1022、導光板F1023、LEDアレイF1024、及び、基板F1025を収容する。また、収容基体F1027には、上述したスピーカや受光部F1021dが外部からの光信号を受信するための受光素子が設けられる。なお、収容基体F1027の外装パネルF1021とは逆側にプロジェクタ本体1012(図314参照)が収容される。また、収容基体F1027は、前面側の左上部に、スピーカ部F1021cから音声を出力するためのスピーカF10253が設けられている。
基板F1025は、タッチセンサF1022や受光部F1021dからの入力を受け付ける機能、及びLEDアレイF1024の点灯を制御する機能を有している。
LEDアレイF1024は、複数のフルカラーLEDが並列配置されたLEDユニットであり、導光板F1023の上縁から導光板F1023に向けて面状に光を出射する。導光板F1023は、タッチセンサF1022の裏側に設けられ、LEDアレイF1024からの光を、導光板F1023の後面側に設けられた反射シートにより反射しながら進行させると共に、導光板F1023の前面側に設けられた拡散シートから面発光させる。即ち、導光板F1023は、LEDアレイF1024からの光を、前面側に設けられた外装パネルF1021の透光部F1021bの方向へ、タッチセンサF1022を介して導く機能を有している。これにより、透光性を有する透光部F1021bが照明されることになる。
タッチセンサF1022は、透光性を有し、外装パネルF1021の裏側においてタッチ領域F1021aに対応付けて配置される。これにより、タッチセンサF1022は、遊技者によるタッチ領域F1021aへのタッチ入力を検出することが可能となっている。
タッチセンサF1022、LEDアレイF1024が配置された導光板F1023、及び、基板F1025は、枠体F1026に取付られた上、収容基体F1027の外装パネルF1021側中央部に取り付けられる。
(第11実施形態の構成)
図322は、プロジェクタ収容体F102の電気的構成を示すブロック図である。図322に示すように、基板F1025は、制御回路F10250と、ROMF10251と、RAMF10252と、通信インターフェースF10254と、を有している。制御回路F10250は、CPU、及び、LEDアレイF1024や、スピーカF10253を制御するための回路を有する。ROMF10251は、LEDアレイを点灯制御するための点灯パターン等を記憶する。RAMF10252は、外部からの入力情報等を一時的に記憶する。通信インターフェースF10254は、遊技機1002(図303参照)の他、例えばLED基板G60(図316参照)との通信を行うためのものである。なお、遊技機1002からの通信は、LED基板G60、又はLED基板G60を制御する制御基板(図示せず)を介して行うものであってもよい。また、遊技機から直接信号を受けるのではなく、他の装置、例えば遊技場内のサーバやコントローラ等から間接的に受信するものであってもよい。
このように、基板F1025は、タッチセンサF1022や遊技機1002からの情報に基づいて透光部F1021bの照明を変更することが可能な構成にされている。また、遊技用装置G1の背面に配置される導光板G61を照明するためのLED基板G60と接続されているため、例えば、透光部F1021bの照明と、導光板G61の照明とが同期するような演出や報知を行うことが可能になっている。
図323は、制御回路F10250が実行する制御処理のフローチャートである。図323を参照して制御回路F10250の動作を説明する。
図323に示すように、先ず、制御回路F10250は、入力があるか否かを判定する(ステップS1001)。入力とは、遊技者によるタッチセンサF1022への入力、遊技機1002からの遊技状態を示す信号の入力、を含む。入力が無い場合(ステップS1001:NO)、ステップS1001を再度実行する。なお、入力がない場合の制御処理があってもよい。例えば、タッチセンサF1022への入力が無い限り透光部F1021b(LEDアレイF1024)を所定の態様で照明することを継続してもよい。
入力があった場合(ステップS1001:YES)、制御回路F10250は、入力種別を判定する(ステップS1002)。その後、制御回路F10250は、制御対象を決定する(ステップS1003)。即ち、制御回路F10250は、入力種別に応じて制御すべきアクチュエータを選択する。アクチュエータとは、LEDアレイF1024、スピーカF10253、及び、LED基板G60の複数のLEDG60Aを含む。即ち、ROMF10251は、入力種別に応じて制御すべきアクチュエータが対応付けられたデータテーブルを記憶しており、制御回路F10250は当該データテーブルを参照して入力種別に応じたアクチュエータを取得する。
そして、制御回路F10250は、アクチュエータをどのように制御するかを予め定めた制御パターンを選択する(ステップS1004)。即ち、ROMF10251は、入力種別に応じたアクチュエータの制御パターンが対応付けられたデータテーブルを記憶しており、制御回路F10250は当該データテーブルを参照してアクチュエータごとの制御パターンを取得する。
その後、制御回路F10250は、選択した制御パターンで、アクチュエータを制御して(ステップS1005)、処理を終了する。具体的には、遊技者からのタッチセンサF1022への入力があった場合、透光部F1021b(LEDアレイF1024)の照明態様を予め定められたパターンに変化させる制御を行う。なお、タッチセンサF1022への入力等に応じて、複数のLEDG60Aを制御する場合には、制御回路F10250は、LED基板G60、又は、LED基板G60を制御する制御基板へ制御信号を送信し、複数のLEDG60Aを制御させる。
また、遊技者によってタッチ操作されたときに、制御回路F10250は、前述したLED基板G60、及び/又はプロジェクタ制御手段に対し所定の態様でLEDG60Aを発光、及び/又は、スクリーンG110に所定の画像を表示させるように指示してもよい。制御回路F10250がLED基板G60に対し発光指示を行う場合、遊技者正面のタッチ領域F1021aの透光部F1021bやスクリーンG110だけでなく、遊技機の側方から視認可能な本体よりも大きい導光板G61が所定の態様(例えば赤点灯)で点灯するため、呼び出されている遊技機(遊技者によって呼出入力が行われた遊技用装置G1が取り付けられた遊技機)を遊技場の管理者が特定しやすくなる。また、遊技場管理者は通常呼び出された遊技機に到着したときにはタッチセンサF1022(タッチ領域F1021a)を操作し消灯させるものであるが、LED基板F1025側でタッチ操作からの時間に応じてLEDG60Aの点灯態様を変化させるようにしてもよい。例えば、制御回路F10250は、LEDG60Aを、遊技者の操作が行われたタイミングで赤点灯させ、遊技者の操作タイミングから30秒経過後は赤点滅に変化させ、遊技者の操作タイミングから1分経過以降はそれまでよりも高速な赤点滅に変化させる等に制御してもよい。それにより、遊技者が操作したタイミングからの時間を遊技場管理者が遊技機から離れた位置であっても一目で判別可能となり、呼び出されている遊技機が複数あった場合でも対応の優先順位を付けることが可能となることで、遊技者に対し適切なサービスを行うことが可能となる。
このように、制御回路F10250は、タッチ領域F1021aへのタッチ入力があった場合に、導光板G61用の複数の光源であるLEDG60Aの点灯態様を変更させる制御を行う。また、制御回路F10250は、タッチ領域F1021aへのタッチ入力があったタイミングからの経過時間に応じて、複数のLEDG60Aの点灯態様を変化させる制御を行う。ここで、点灯態様の変更とは、無灯状態から点灯状態の変更や、ある点灯状態から特定の点灯状態への変更を含む。また、LEDG60Aの点灯態様の変化は、前述のように予め定められたタイミング毎に断続的に変化するものであってもよいし、経過時間に応じて連続的に変化(徐々に色が変化、徐々に点滅間隔が変化)するものであってもよい。また、タッチ領域F1021aへのタッチ入力に基づく複数のLEDG60Aの制御は、前述のように、制御回路F10250からLED基板G60、及び/又はプロジェクタ制御手段に対して指示信号を送ることによって行われることに限定されない。例えば、制御回路F10250に複数のLEDG60Aが接続されるように遊技用装置F1を構成することによって、制御回路F10250が直接的に複数のLEDG60Aを制御してもよい。
(第11実施形態の概要)
第11実施形態の遊技用装置F1は、遊技者がタッチするタッチ領域に透光性を有する透光部F1021bが設けられた外装パネルF1021と、透光性を有し、外装パネルF1021の裏側においてタッチ領域F1021aに対応付けて設けられ、タッチ領域F1021aへのタッチ入力を検出するタッチセンサF1022と、LEDアレイF1024と、タッチセンサF1022の裏側に設けられ、LEDアレイF1024からの光を外装パネルF1021の透光部F1021bの方向へ導く導光板F1023と、LEDアレイF1024の点灯制御を行う制御回路F10250と、を有している。
上記の構成によれば、タッチ領域F1021aに遊技者からのタッチ入力があった場合、タッチセンサF1022がタッチ入力を検出する。一方、制御回路F10250は、LEDアレイF1024の点灯制御によって点灯し、LEDアレイF1024からの光が透光部F1021bへ導光されて、遊技者は透光部F1021bからの光を視認することが可能となる。このような構成により、外装パネルF1021のタッチ領域F1021aにおける透光部F1021bがLEDアレイF1024からの光によって照射されるので、遊技者はタッチすべき場所を認識しやすくなり、さらに従来の呼出ボタンのように可動式ではなく、入力は平面的に形成されたタッチ領域F1021aに対して行われるため、稼働箇所にホコリ等が入ることによる故障や、可動部の疲労による故障を防止することが可能となる。
第11実施形態の遊技用装置F1において、制御回路F10250は、タッチ領域F1021aへのタッチ入力があった場合に、LEDアレイF1024の点灯態様を変更させる制御を行う。
上記の構成によれば、遊技者は、自身のタッチが入力されたことを、透光部F1021bを照明するLEDアレイF1024の点灯態様が変更されることによって認識することができる。これにより、係員が呼び出されるまで遊技者がタッチ領域F1021aを何度もタッチし、タッチ領域の表面が劣化してしまうことを防止することができる。
第11実施形態の遊技用装置F1において、基体G101に着脱自在に配置され、所定形状の開口側端面G61bが厚み方向に貫通するように形成された透光性を有する導光板G61と、当該導光板G61の開口G61aを形成する開口側端面G61bと対向する位置に、それぞれ配置された複数のLEDG60Aと、を有し、複数のLEDG60Aは、開口側端面G61bに沿って並設するように配置され、導光板G61には、複数のLEDG60Aから開口側端面G61bを介して導光板G61内に導光される光の一部を、当該導光板G61の厚み方向に反射させる反射加工を施した反射部G61dが形成されており、制御回路F10250は、タッチ領域F1021aへのタッチ入力があった場合に、複数のLEDG60Aを特定の点灯態様に変更させる制御を行ってもよい。
上記構成によれば、遊技者のタッチ入力に応じて、複数のLEDG60Aから出射される光は、特定の点灯態様となり、導光板G61内において放射状に広がって外側端面に到達することで導光板G61の周囲全体を環状に照明することが可能となり遊技用装置F1のいずれの方向からでも特定の点灯態様に照明されている導光板G61が視認可能となり、遊技場の管理者は、タッチ入力が行われた遊技用装置F1が取り付けられる遊技機を特定しやすくなる。さらに、導光板G61の表面から出射される光によってデザイン性を向上させることができ、なお且つ導光板G61は基体から着脱自在であるので異なるデザインの反射加工が施された導光板G61に取り換え可能であるため遊技用装置F1を様々な種類の遊技機に適用することが可能となる。
第11実施形態の遊技用装置F1において、制御回路F10250は、タッチ領域F1021aへのタッチ入力があったタイミングからの経過時間に応じて、複数のLEDG60Aの点灯態様を変化させる制御を行ってもよい。
上記構成によれば、遊技場の管理者は、遊技者がタッチ入力したタイミングからの時間を導光板G61の点灯態様を視認することで遊技機から離れた位置であっても一目で判別可能となり、タッチ入力が行われた遊技用装置F1が複数あった場合でも対応の優先順位を付けることが可能となることで、遊技者に対し適切なサービスを行うことが可能となる。
<第12実施形態>
次に、本発明の第12実施形態に係る遊技用装置について、図324〜図337を用いて説明する。なお、上記実施形態によるものと同一、又は類似の構成要素については、同一符号を付して説明を省略する。また、第12実施形態の遊技用装置は、上述した実施形態と同様に、透過型のプロジェクタ装置として機能する遊技用表示装置であるがこれに限定されない。例えば、遊技用装置は、液晶ディスプレイや有機EL(Electro Luminescence)が内蔵された遊技用表示装置であってもよい。また、本実施形態において、遊技用装置はデータ表示機であるが、これに限定されず、例えば、遊技媒体貸出装置であってもよいし、遊技機に設ける遊技機装飾用のユニット等であってもよい。
(第12実施形態の構成)
図324は、第12実施形態に係るデータ表示機H1、及び遊技機H2の斜視図である。図325は、第12実施形態に係るデータ表示機H1の斜視図である。
図324に示すように、データ表示機H1は、遊技場において遊技機H2の上方に個別に設置される。本発明において、遊技機H2は、遊技状態に応じて演出態様が異なるように構成され、データ表示機H1は、遊技機H2の演出態様に応じた態様の演出を実行するように構成される。即ち、データ表示機H1は、遊技機H2の演出態様に基づいて遊技機H2の遊技状態を検出可能に構成される。
具体的に、図324に示すように、遊技機H2は、本体H32と、本体H32に開閉自在に軸着されたベースドアH33とを有している。ベースドアH33の上端領域を構成するようにトップランプH60が配置される。トップランプH60は、フルカラーLEDを有し、ベースドアH33の筐体の一部を構成する透光部材にフルカラーLEDからの光を投射して発光させる電飾装置である。このようにトップランプH60はベースドアH33の上端領域を構成するように設けられていることにより、トップランプH60の発光態様が、遊技機H2の前面側、側面側、及び、上面側から視認可能となっている。トップランプH60は、遊技状態に応じて点灯態様を異ならせる演出用の発光手段として機能するように遊技機H2において制御される。また、データ表示機H1は、上述の実施形態のプロジェクタ収容体G102と同様の機能を有する収容体H102を有しており、スクリーンユニットH11を支持している。なお、図324には、遊技機H2としてパチンコ遊技機にデータ表示機H1を設けた例を示しているがこれに限定されず、パチスロ遊技機であってもよい。
図324、及び図325に示すように、収容体H102は、上述の実施形態のプロジェクタ収容体G102と同様の構成に加え、カメラユニットH12を内蔵する。カメラユニットH12は、CMOSイメージセンサ、及び当該センサを制御する制御装置を有している。カメラユニットH12は、トップランプH60の少なくとも一部を撮像可能なように、収容体H102の下部に配置される。即ち、データ表示機H1は、カメラユニットH12の撮像範囲にトップランプH60が含まれるように、遊技機H2の上部に配置される。例えば、データ表示機H1は、遊技機H2とは別の筐体として構成され、遊技機H2の上部に所定の保持手段で保持される。
これにより、カメラユニットH12は、トップランプH60を撮像してトップランプH60の点灯態様を含む画像を取得する画像取得手段として機能する。したがって、データ表示機H1は、カメラユニットH12によって連続的な画像を取得し、これにより遊技機H2の点灯態様を判定し、遊技機H2の遊技状態を判定する機能を有することが可能となる。即ち、カメラユニットH12は、トップランプH60による点灯態様を検出する点灯態様検出手段として機能する。なお、点灯態様検出手段としてカメラユニットH12を例に挙げたが、これに限らず、例えば、センサ等、光の点灯状態を検出できるものであればよい。
このように、データ表示機H1は、遊技機H2の遊技状態を、遊技機H2のトップランプH60による点灯態様を検出することによって把握できるように構成される。これにより、データ表示機H1は、カメラユニットH12が検出したトップランプH60による点灯態様に基づき遊技機H2の遊技状態を判定可能となる。したがって、データ表示機H1は、カメラユニットH12が検出したトップランプH60による点灯態様に応じた態様の演出を実行する機能を有することが可能となる。
なお、本発明の遊技用装置は、遊技機の遊技状態を検出する状態検出機能を有し、遊技機が遊技用装置に遊技状態を検出させるために遊技状態に応じて演出態様を異ならせる演出装置を有していれば、上記のような構成に限定されない。例えば、遊技機に、遊技用装置が設置される方向(自機の上部)を指向する指向性スピーカを設け、遊技状態に応じて異なるパターンの演出音声を出力させてもよい。これにより、遊技用装置は、マイク(集音装置)を有することで、検出した音声による遊技機の遊技状態を検出可能となる。また、マイクで検出した音声の大きさに基づいて自機の音声であるか否かを判定してもよい。また、指向性スピーカを用いることで、遊技用装置が対応する遊技機からの音声であるか否かの判別についての精度を向上させることが可能となる。また、精度向上のため、遊技用装置に遊技機のスピーカの方向を指向する指向性マイクを設けてもよい。これにより、有線や無線等によるデータ通信経路の有無によらず、遊技用装置が遊技機の遊技状態を判定することが可能となる。
(電気構成:遊技機)
図326は、パチンコ機としての遊技機H2の構成を示すブロック図である。遊技機H2は、メインデバイス群H303aを制御する主制御部H301aと、サブデバイス群H304aを制御する副制御部H302aと、払出デバイス群H306を制御する払出制御部H305とを備え、主制御部H301aから副制御部H302aへは一方向通信で接続され、主制御部H301aと払出制御部H305とは双方向通信可能に接続されている。また、払出制御部H305には、外部端子板H308aが一方向通信で接続されている。なお、主制御部H301a、及び副制御部H302aは、各々、CPU、プログラム等が記憶されるROM、及び遊技や演出に関する情報が記憶されるRWM(Read Write Memory)を備える。
メインデバイス群H303aは、例えば、始動口スイッチ、カウントスイッチ、入賞口スイッチ、普通電動役物ソレノイド、入賞口ソレノイド等から構成されており、主制御部H301aは、これらのデバイスを制御することにより、遊技機1002における遊技の進行を制御する。また、主制御部H301aは、遊技状態の変化等に応じたコマンドを副制御部H302a、及び払出制御部H305に送信する。
サブデバイス群H304aは、トップランプH60と、トップランプH60やその他のランプを制御する電飾制御回路H61とを有している。また、サブデバイス群H304aは、その他に、例えば、液晶モジュール、演出ボタンセンサ、役物制御回路、電飾制御回路、スピーカ制御回路等を有している。副制御部H302aは、主制御部H301aから送信されたコマンドに基づいて、これらのデバイスを制御することにより、遊技機1002における演出を制御する。
払出デバイス群H306は、例えば、払出制御回路、払出球検知スイッチ、発射制御回路、タッチスイッチ等から構成されており、払出制御部H305は、主制御部H301aから送信されたコマンドに基づいて、これらのデバイスを制御し、あるいは自動的にこれらのデバイスを制御することにより、遊技機H2における遊技球の発射、及び払出を制御する。
また、図示しないが、遊技機H2は、払出制御部H305に接続される貸出端子板を有している。遊技機H2は、貸出端子板を介して遊技媒体貸出装置1003(図303参照)と接続されており、遊技者の操作に基づいて貸出要求信号や返却要求信号を出力する。
また、払出制御部H305は、外部端子板H308aを介してデータ表示機H1と接続されており、1回の遊技毎に、又は内部状態に変化があった場合に、遊技情報信号やエラー信号等を出力する。
なお、図327を参照して、パチスロ機としての遊技機H2の構成を示すブロック図を例示する。遊技機H2は、メインデバイス群H303bを制御する主制御部H301bと、サブデバイス群H304bを制御する副制御部H302bとを備え、主制御部H301bから副制御部H302bへは一方向通信で接続されている。また、主制御部H301bには、外部端子板H308bが一方向通信で接続されている。なお、主制御部H301b、及び副制御部H302bは、各々、CPU、プログラム等が記憶されるROM、及び遊技や演出に関する情報が記憶されるRWMを備える。
メインデバイス群H303bは、例えば、リール制御回路、メダルセンサ、スタートレバーセンサ、停止ボタンセンサ、ホッパー制御回路等から構成されており、主制御部H301bは、これらのデバイスを制御することにより、遊技機H2における遊技の進行を制御する。また、主制御部H301aは、遊技状態の変化等に応じたコマンドを副制御部H302bに送信する。
サブデバイス群H304bは、トップランプH60と、トップランプH60やその他のランプを制御する電飾制御回路H61とを有している。また、サブデバイス群H304bは、例えば、液晶モジュール、演出ボタンセンサ、役物制御回路、電飾制御回路、スピーカ制御回路等から構成されており、副制御部H302bは、主制御部H301bから送信されたコマンドに基づいて、これらのデバイスを制御することにより、遊技機H2における演出を制御する。
主制御部H301bは、外部端子板H308bを介してデータ表示機H1と接続されており、1回の遊技毎に、又は内部状態に変化があった場合に、遊技情報信号やエラー信号等を出力する。
なお、パチスロ機としての遊技機H2においても、主制御部H301bが、貸出端子板を介して遊技媒体貸出装置1003と接続されており、遊技者の操作に基づいて貸出要求信号や返却要求信号を出力するように構成してもよい。
(電気構成:データ表示機)
図328は、データ表示機H1の構成を示すブロック図である。データ表示機H1は、カメラユニットH12と、プロジェクタ本体1012、及びスクリーンユニットG11等に例示される映像表示部H405と、LEDG60A等に例示される電飾部H406と、スピーカF10253等に例示される音声出力部H407と、センサ群H404と、制御部H401と、ROMH402と、RAMH403とを備える。制御部H401は、CPUやこれが設けられた制御回路基板等からなり、接続されるデバイスを駆動制御する。
ROMH402は、データ表示機H1が有する機能を実現するための制御プログラムが格納される。制御部H401は、ROMH402に格納された制御ブログラムを読み出し、実行することにより、各構成部品を制御し、遊技機H2の遊技状態を判定する機能、及び、遊技機H2の遊技状態(点灯態様)に応じた態様の演出を実行する機能等を実現する。また、制御部H401は、サーバ装置H4、及び遊技機H2との通信制御を行う。
センサ群H404は、上述した実施形態のタッチセンサF1022(図321参照)等を含み、外装パネルF1021のタッチ領域F1021a(図321参照)等への外部からの操作を検知するための複数のセンサである。制御部H401は、これらのセンサにより操作が検知されると、操作に応じて、映像表示部H405における表示内容、電飾部H406における発光態様、及び、音声出力部H407における音声出力態様を制御する。なお、映像表示部H405の表示画面をタッチパネルとして機能させる場合、センサ群H404は、このタッチパネルへのタッチ操作を検知するためのセンサを含む。
通信インターフェースH410は、サーバ装置H4、及び遊技機H2との通信を行うためのインターフェースであり、また、入力された情報を出力する際に、最適な方式に変換する変換モジュールでもある。なお、図示しないが、通信インターフェースH410は、遊技媒体貸出装置1003(図303参照)と、ハーネスにより接点出入力方式で接続されており、双方向通信が可能となっている。また、通信インターフェースH410とサーバ装置H4とは、同軸ケーブルにより有線LAN方式で接続されるとともに、ハーネスにより接点出力方式で接続されており、双方向通信が可能となっている。通信インターフェースH410と遊技機H2における外部端子板H308との間は、接点入力方式で接続されており、遊技機H2からデータ表示機H1の一方向通信となっている。なお、接続方法はこれらの方式に限られるものではなく、各々の接続において、無線LAN方式を用いてもよく、また、光ケーブルによる光通信方式を用いてもよい。さらに、これらの組み合わせた方式を用いてもよい。
RAMH403は、各種データを記憶する記憶手段として機能する。例えば、制御部H401は、接続される各構成部品の制御結果をRAMH403に記憶させる。また、RAMH403は、遊技機H2の遊技状態を判定するためのデータテーブルや、遊技状態に応じた演出を実行するためのデータテーブルを格納する。本実施形態では、データ表示機H1は、これらデータテーブルや演出に用いる映像データ、及び音声データ等をサーバ装置H4からダウンロード可能にされている。即ち、制御部H401は、遊技機H2の遊技状態を判定するためのデータテーブルや、遊技状態に応じた演出を実行するためのデータテーブルを、通信インターフェースH410を介して、サーバ装置H4からダウンロードする機能を有する。即ち、サーバ装置H4は、遊技機H2の遊技状態を判定するためのデータテーブルや、遊技状態に応じた演出を実行するためのデータテーブルを、データ表示機H1に配信する機能を有する。なお、これに限定されず、例えば、データ表示機H1は、通信インターフェースH410が、USB接続端子を有し、外部記憶装置等からRAMH403へデータテーブルを転送可能に構成されていてもよい。また、データ表示機H1は、センサ群H404が赤外線センサを有し、リモコン等を用いてデータテーブルの設定等が可能に構成されていてもよい。
カメラユニットH12は、上述したように、遊技機H2のトップランプH60を撮像するために設けられる。制御部H401は、カメラユニットH12により遊技機H2のトップランプH60を含む画像が取得されると、当該画像に基づいて遊技状態を判定し、遊技状態に応じた演出を実行する。制御部H401は、映像表示部H405、電飾部H406、及び、音声出力部H407を制御して演出を実行する。
(電気構成:データ表示機:データテーブル)
図329、及び図330を参照して、データ表示機H1のRAMH403に記憶されるデータテーブルについて説明する。図329は遊技状態を判定するための遊技状態判定テーブルである。図330は遊技状態に応じた演出を実行するため演出パターンテーブルである。
図329に示すように、遊技状態判定テーブルは、点灯態様欄と、遊技状態欄とを有する。点灯態様欄には、トップランプH60の点灯態様が格納される。遊技状態欄には、点灯パターンに応じた遊技状態が格納される。データ表示機H1の制御部H401は、カメラユニットH12が取得した画像に基づいてトップランプH60の点灯態様を判定し、遊技状態判定テーブルを参照して、判定した点灯態様に対応する遊技状態を取得する。
ここで、遊技機H2の副制御部H302bが制御するトップランプH60の点灯態様について説明する。本実施形態では、副制御部H302bは、人に認識困難な範囲でトップランプH60の点滅周期を異ならせる制御を行うことで、トップランプH60を遊技状態に応じた点灯態様とする。本実施形態では、人に認識困難な点滅周期の範囲を50Hz以上としているがこれに限定されない。
例えば、トップランプH60の点滅周期が50Hzである場合、トップランプH60は1/50秒ごとに点灯、及び消灯のセットを繰り返す。即ち、トップランプH60は、1/100秒点灯した後、1/100秒消灯し、これらを繰り返すことになる。このような点灯態様のトップランプH60に対して、カメラユニットH12のフレームレートが100fps(Frames Per Second)である場合、フレーム単位で点灯と消灯とが交互に繰り返される画像を取得することになる。この場合、制御部H401は、トップランプH60の点灯態様が50Hz(1/100秒点灯、1/100秒消灯の繰り返し)と判定する。このように、制御部H401は、画像認識プログラムによりトップランプH60の点灯と消灯とのパターンを判定し、トップランプH60の点灯態様(点滅周期)を識別する。即ち、本実施形態において、遊技状態判定テーブルの点灯態様欄には、トップランプH60の点滅周期が格納される。
また、トップランプH60の点滅周期を変化させつつ、点滅における1回の点灯時間を変化させないことで、所定期間に撮像した画像の数に対する点灯状態の画像の数の割合で点滅周期を判定するようにしてもよい。
なお、遊技状態に応じた点灯態様をトップランプH60の人に認識困難な範囲での点滅周期で異ならせることに限定されない。例えば、トップランプH60の点灯態様は、点滅周期がどのようなもの(例えば、50Hz未満の点滅)であってもよいし、発光色を異ならせることで遊技状態を示してもよいし、これらの組み合わせで遊技状態を示してもよい。
また、本実施形態では、遊技状態判定テーブルで遊技状態を判定してから、遊技状態に応じた演出パターンを選択するものであるがこれに限定されない。遊技機H2のトップランプH60の点灯態様に対応付けて演出パターンを設定するものであってもよい。即ち、データ表示機H1において、遊技状態に応じた演出を実行可能な構成であればよい。
なお、遊技機H2についても、遊技状態判定テーブルと同様のデータテーブルを図示しない記憶部に備える。遊技機H2は、自身の遊技状態に対応する点灯態様欄の点灯パターンを参照し、当該点灯パターンにてトップランプH60を制御する。
図330に示すように、演出パターンテーブルは、遊技状態欄と、映像表示欄と、音声出力欄と、電飾欄と、終了条件欄とを有する。遊技状態欄には、遊技機H2の移行し得る遊技状態が格納される。即ち、トップランプH60の点灯態様に基づいて判定される遊技状態だけでなく、外部端子板H308を介して遊技機H2から直接送信される遊技状態についても格納される。映像表示欄には、遊技状態に対応して映像表示部H405が表示する映像パターンが格納される。例えば、映像パターンは、データ表示機H1がRAMH403に格納する映像データや映像データの組み合わせを示すものである。音声出力欄には、遊技状態に対応して音声出力部H407が出力する音声パターンが格納される。例えば、音声パターンは、データ表示機H1がRAMH403に格納する音声データや音声データの組み合わせを示すものである。電飾欄には、遊技状態に対応して電飾部H406が発光する電飾パターンが格納される。例えば、電飾パターンは、遊技機H2に設けられた各電飾の点灯パターンを示すものである。
終了条件欄には、遊技状態に対応した演出の終了条件が格納される。例えば、この終了条件は、データ表示機H1における演出の開始後、遊技者の手や荷物等により遮られるなどトップランプH60の点灯態様が検出できないようなエラー状態において参照され、終了条件が満足される場合には当該演出を強制終了させる。なお、データ表示機H1による演出が、外部端子板H308から送信された情報に基づいて判別可能な遊技状態に対応するものである場合には、終了条件をなしとしてもよい。
終了条件欄に格納する終了条件の具体例を説明する。例えば、遊技状態が後述のBB遊技状態である場合について説明する。一般的に、遊技機状態がBB遊技状態である期間中、外部端子板H308においてON状態が維持される。そして、遊技機H2側でBB遊技状態の終了状態(例えば、遊技機H2が300枚を超える払出を実行したとき)が充足されたときに当該専用端子がOFF状態となる。即ち、データ表示機H1は、外部端子板H308からBB遊技状態の開始から終了までを認識することが可能となっている。したがって、データ表示機H1は、信号がOFF状態となったことを契機としてBB遊技状態に対応する演出を停止すればよく、エラーによる強制終了条件を設定する必要はない。
また、例えば、遊技状態が後述の特別ART遊技状態である場合、ART遊技状態で開始されたゲームの直後から、後述の上乗せ特化ゾーンが開始される可能性がある。上乗せ特化ゾーンは1G以上継続することが確定しているため、特別ART遊技状態の開始を検出できた場合における特別ART遊技状態の演出の強制終了条件は、最低継続ゲーム数である1ゲーム分の演出時間を終了条件とする。本実施例におけるパチスロ機は1ゲーム間が4.1秒に設定されているため、トップランプH60の点灯態様が検出できないようなエラー状態が発生した場合には、カウントを開始し、前回のIN(投入)信号を外部端子板H308から受信してから4.1秒経過するまでに検出することができない場合には演出の終了条件とする。なお、OUT(払出)信号から4.1秒と設定してもいいし、特別ART遊技状態の開始を検出できたタイミングから4.1秒としてもいい、さらに対応する遊技機によって適宜変更してもよい。実際の動作としては、遊技機側において、ベット後スタート操作を行ったことに基づいてIN(投入)信号を外部端子板H308から送信し、上乗せ特化ゾーンがスタートする。表示機側ではIN信号を受信してからカウントを開始し、その間点灯態様が検出できない状態が発生しなかった場合には所定ゲーム数(例えば特化ゾーンが5G継続)後に点灯態様が特化ゾーン以外のものとなったときに表示機側の演出を変更する。対して1G目のカウント後1秒経過時に検出できないエラーが発生した場合には、発生時は演出を継続し、カウント開始から累計4.1秒経過してもエラーが解消されなかった場合には表示機側の演出を変更する。4.1秒経過前にエラーが解消された場合には特化ゾーンに関する演出をそのまま継続する。
このように、終了条件としては、トップランプH60の点灯態様が検出できないようなエラー状態が発生したとしても確実に実行される期間を設定することが好ましい。即ち、遊技状態の最低保証ゲーム数が確定している場合には、そのゲーム数に規定時間を乗算した時間を終了条件とし、また、遊技状態が所定額の払い出しで終了される場合には、当該所定額を1ゲームにおける最大払出枚数で除算し剰余を除いた商を確定ゲーム数とし、これに規定時間を乗算した時間を終了時間とすることが好ましい。
(電気構成:データ表示機:外部端子板)
図331は、パチンコ機としての遊技機H2、及びデータ表示機H1間の接続において、遊技機H2の外部端子板H308aから送信される端子毎の信号の詳細の一例を示す図である。なお、図331においては、遊技機H2、及びデータ表示機H1の接続のみ図示し、その他の遊技媒体貸出装置1003に対する接続等については図示を省略している。
図331に示すように、遊技機H2における外部端子板H308aからデータ表示機H1における通信インターフェースH410へは、遊技者に対して払い出された遊技球数を示す「賞球信号」、遊技機H2において大当りとなったこと、あるいは大当り中であること示す「外部情報1」信号、遊技機H2において確変となったこと、あるいは確変中であることを示す「外部情報2」信号、遊技機H2において特別図柄ゲームが開始したことを示す「外部情報3」信号、遊技機H2において発射された遊技球が始動口に入賞したことを示す「外部情報4」信号、遊技機H2において何らかのエラー(異常)が発生したことを示す「セキュリティー信号」、遊技機H2においてベースドアH33、又はガラスドア(不図示)が開放状態であることを示す「扉・枠開放信号」が入力される。なお、「外部情報1」信号〜「外部情報7」信号は、送信側である遊技機H2の仕様、受信側であるデータ表示機H1の仕様に応じて、適宜出力する内容を変更することができる。
また、遊技機H2において発射された遊技球がいずれの入賞口にも入賞せず、アウト口(図示せず)に入球したことを示す「アウト球情報」信号は、図示しない別装置におけるアウト球センサの検知結果に基づいて、別の信号線から入力されるが、そのアウト球センサを遊技機H2の制御により制御を行う場合には、遊技機H2における外部端子板H308aから出力することとしてもよい。
また、データ表示機H1における通信インターフェースH410からサーバ装置H4へは、前述した、「アウト球情報」信号に基づく「アウト情報」、「賞球信号」に基づく「セーフ情報」、「外部情報1」信号に基づく「大当り情報」、「外部情報2」信号に基づく「確変情報」、「外部情報3」信号に基づく「スタート信号」、「外部情報4」信号に基づく「始動口情報」、「扉・枠開放信号」に基づく「扉開放情報」、「セキュリティー信号」に基づく「異常1情報」が入力される。なお、「セキュリティー信号」について、その出力時間からエラー(異常)の種別が判別可能である場合には、エラー(異常)の種類に応じて、「異常1情報」、「異常2情報」、又は「異常3情報」に変換してサーバ装置H4に出力することとしてもよい。また、後述するように、制御部H401の制御により所定の情報を付加して、サーバ装置H4に出力することとしてもよい。加えて、通信インターフェースH410が、外部端子板H308aから入力された各信号を、自らも受信するとともに、入力された各信号をそのままサーバ装置H4に出力する(スルー信号)こととしてもよい。
なお、遊技機H2における、「セキュリティー信号」が示すエラー(異常)の種類としては、始動口スイッチが、不正の手段、又はその他の要因により、遊技球が入球していないにもかかわらずオンとなったことを示す始動口スイッチエラー、カウントスイッチが、不正の手段、又はその他の要因により、入賞口ソレノイドが駆動(入賞口が開放)されていないにもかかわらずカウントされたことを示すカウントスイッチエラー、不正防止のために遊技機H2に設けられた各種のセンサ(例えば、磁気センサ)が検知状態となったことを示すセンサ検知エラー(例えば、磁気センサエラー)等を一例として挙げることができる。
図332を参照して、パチスロ機としての遊技機H2、及びデータ表示機H1の接続において、遊技機H2の外部端子板H308bから送信される端子毎の信号の詳細を例示する。なお、図332においては、遊技機H2、及びデータ表示機H1の接続のみ図示し、その他の遊技媒体貸出装置1003に対する接続等については図示を省略している。
遊技機H2における外部端子板H308bからデータ表示機H1における通信インターフェースH410へは、遊技者が投入したメダル数を示す「メダル投入信号」、遊技者に対して払い出されたメダル数を示す「メダル払出信号」、遊技機H2においてBBが発生したこと、あるいはBB中であることを示す「外部信号2」、遊技機H2においてRBが発生したこと、あるいはRB中であることを示す「外部信号1」、遊技機H2においてARTとなったこと、あるいはART中であることを示す「外部信号3」、遊技機H2において何らかのエラー(異常)が発生したことを示す「セキュリティー信号」が入力される。なお、遊技機H2において、フロントドア(不図示)が開放状態であることは、「セキュリティー信号」によりデータ表示機H1へ入力されることとなるが、上述のパチンコ機としての遊技機H2と同様に、例えば、「外部信号4」を「セキュリティー信号」とは別途で出力することにより、フロントドアが開放状態であることを示す信号を出力することとしてもよい。なお、「外部信号1」〜「外部信号4」は、送信側である遊技機H2の仕様、受信側であるデータ表示機H1の仕様に応じて、適宜出力する内容を変更することができる。
また、データ表示機H1における通信インターフェースH410からサーバ装置H4における通信インターフェースH410へは、前述した、「メダル投入信号」に基づく「IN情報」、「メダル払出信号」に基づく「OUT情報」、「外部信号2」に基づく「BB情報」、「外部信号1」に基づく「RB情報」、「外部信号3」に基づく「ART情報」、「セキュリティー信号」に基づく「エラー情報」が入力される。なお、「セキュリティー信号」について、その出力時間からエラー(異常)の種別が判別可能である場合には、エラー(異常)の種類に応じて、「エラー情報」、「異常1情報」、「異常2情報」、又は「異常3情報」に変換してサーバ装置2に出力することとしてもよい。また、後述するように、制御部H401の制御により所定の情報を付加して、サーバ装置H4に出力することとしてもよい。加えて、通信インターフェースH410が、外部端子板H308bから入力された各信号を、自らも受信するとともに、入力された各信号をそのままサーバ装置H4に出力する(スルー信号)こととしてもよい。
なお、遊技機H2における、「セキュリティー信号」が示すエラー(異常)の種類としては、フロントドアが開放状態であることを示すドア開放エラー、RWMの読み書きが正常に行われなかったことを示すRWMエラー、セレクタにおいて、不正の手段、又はその他の要因(例えば、メダル詰まり)により、正常な検知が行われなくなったことを示すセレクタエラー、ホッパーにおいて、不正の手段、又はその他の要因(例えば、メダルエンプティ)により、正常な払出が行われなくなったことを示すホッパーエラー、ホッパーに収容しきれなかった余剰分のメダルを収容するメダル補助庫において、さらにそのメダル補助庫に収容されたメダルが満杯になったことを示すメダル補助庫エラー等を一例として挙げることができる。
このように、外部端子板H308(外部端子板H308a、H308b)は、一般的に、端子毎に1種類の信号を送るパラレル転送方式を採用しているため、外部端子板H308の端子数の上限により送信可能な信号数が制限される。したがって、遊技機H2が移行し得る遊技状態の全てをデータ表示機H1へ送信することが不可である。即ち、遊技機H2は、遊技機H2が移行し得る遊技状態のうち制限された遊技状態(上記例の場合、パチンコ機であれば大当り、確変情報、パチスロ機であればBB、RB、ART情報)のみを送信可能に構成されることになる。
以下、このような外部端子板H308を介して送信されることで取得して判別した遊技状態を「第1遊技状態」と称す場合がある。また、遊技機H2が移行し得る遊技状態のうち、遊技機H2がトップランプH60の点灯態様で示し、且つ、データ表示機H1がカメラユニットH12によりトップランプH60の点灯態様を検出して判別する遊技状態を「第2遊技状態」と称す場合がある。なお、本実施形態では「第2遊技状態」に「第1遊技状態」を含めないものとするが、「第2遊技状態」に「第1遊技状態」の一部、又は全てを含めてもよい。
(遊技状態)
図333を参照して、遊技機H2が移行し得る遊技状態について説明する。図333は、遊技機H2の遊技状態の状態遷移図の一例を示す図である。なお、以下、主に遊技機H2がパチスロ機である場合について説明する。
本実施形態における遊技状態は、主に、遊技機H2の主制御部H301(主制御部H301a、主制御部H301b)によって移行が制御される。主制御部H301は、内部当選役の抽選等に基づいて移行先が決定される。例えば、所定の内部当選役に当選すること、特定の内部当選役に所定回数当選すること、所定の内部当選役に入賞すること、遊技機H2において所定のゲーム回数が実行されること、所定の遊技状態へ移行するための抽選に当選する、又は所定の遊技状態へ移行することが予め定められている図柄が表示されること等である。
また、遊技状態の終了条件としては、所定の内部当選役に当選すること、所定の内部当選役に入賞すること、現在の遊技状態において所定額の払い出しが行われること、現在の遊技状態において所定回数のゲームが行われること、所定の遊技状態へ移行するための抽選に当選する、又は他の遊技状態へ移行することが予め定められている図柄が表示されること等である。
図333に示すように、遊技機H2は、通常区間、一般遊技状態、RT(リプレイタイム)遊技状態、BB(ビッグボーナス)遊技状態、有利区間1、AT(アシストタイム)遊技状態、CZ(チャンスゾーン)遊技状態、ART(アシストリプレイタイム)1遊技状態、有利区間2、プレミアムBB(ビッグボーナス)遊技状態、及び、ART2遊技状態を、移行し得る遊技状態として有する。
(遊技状態:通常区間)
通常区間には、一般遊技状態、RT遊技状態、及び、BB遊技状態が区分される。即ち、通常区間は、一般遊技状態、RT遊技状態、及び、BB遊技状態を有した遊技状態である。
一般遊技状態は、他の遊技状態と比較して有利となっていない遊技状態である。例えば、一般遊技状態は、RT遊技状態と比べて、内部当選役としてリプレイが当選する確率が低い(リプレイ低確率)遊技状態である。一般遊技状態は、ボーナスが内部当選役として決定され、持越しがされた場合、RT遊技状態へ移行する。即ち、一般遊技状態は、ボーナスが内部当選役として決定されたことを終了条件に含む。
RT遊技状態は、一般遊技状態において、ボーナスが内部当籤役として決定され、持ち越しされたことを条件に開始される。RT遊技状態は、一般遊技状態と比較し、内部当選役としてリプレイが当選する確率が高い(リプレイ高確率)遊技状態である。RT遊技状態においてボーナスに入賞した場合、BB遊技状態へ移行する。即ち、RT遊技状態は、ボーナスが入賞したことを終了条件とする。
BB遊技状態は、ボーナスに入賞することで開始される。BB遊技状態において、RB遊技状態(図示せず)を所定回数繰り返し、所定数の払い出しに至った場合に一般遊技状態へ移行する。即ち、BB遊技状態は、所定数の払い出しに至ったことを終了条件として有する。なお、RB遊技状態では、いずれかの小役の入賞確率が高くなるように設定された状態である。
(有利区間)
遊技機H2は、有利区間として、有利区間1、及び有利区間2を有している。有利区間とは、指示機能に係る性能を有することができる区間である。指示機能とは、内部当選役が所謂押し順役である場合に、遊技者にとって有利となる停止操作の手順を報知する機能であり、AT遊技状態、及び、ART遊技状態において作動される。
有利区間1には、AT遊技状態、CZ遊技状態、及び、ART遊技状態が区分される。即ち、有利区間1は、CZ遊技状態、及び、ART遊技状態を有した遊技状態である。
AT遊技状態は、一般遊技状態において、所定役の入賞時に行われるAT遊技移行抽選の結果、当選した場合に移行される。即ち、一般遊技状態は、AT遊技移行抽選で当選することを終了条件に含む。なお、AT遊技移行抽選の当選確率は、すべての設定値で共通である。AT遊技状態は、所定回数のゲームが実行された後、CZ遊技状態へ移行される。即ち、AT遊技状態は、所定回数のゲームが実行されることを終了条件とする。
CZ遊技状態は、ART遊技状態へ移行し得る遊技状態である。CZ遊技状態は、ゲーム回数の上限が定められており、その回数期間内に特定役に入賞するとART遊技状態へ移行する。なお、特定役に入賞せずに上限回数のゲームを消化した場合、CZ遊技状態とともに有利区間1が終了し、通常区間の一般遊技状態へ移行する。即ち、CZ遊技状態は、特定役に入賞すること、及び、上限回数のゲームを消化すること、を終了条件とする。
ART遊技状態は、AT遊技状態と同様に指示機能が有効となると共に、AT遊技状態と比較し、内部当選役としてリプレイが当選する確率が高い遊技状態である。ART遊技状態は、所定回数のゲームが実行されることを終了条件とし、終了後は一般遊技状態へ移行する。
有利区間2には、プレミアムBB遊技状態、及び、特別ART遊技状態が区分される。即ち、有利区間1は、プレミアムBB遊技状態、及び、特別ART遊技状態を有した遊技状態である。
プレミアムBB遊技状態は、一般遊技状態において、プレミアムボーナスに入賞することで開始される。なお、プレミアムボーナスの当選確率は、すべての設定値で共通である。また、図示しないが、プレミアムボーナスの内部当選役が持ち越される場合、プレミアムボーナスに入賞するまで待機区間という遊技状態となり、有利区間2への移行が待機される。プレミアムBB遊技状態において、RB遊技状態(図示せず)を所定回数繰り返し、所定数の払い出しに至った場合に特別ART遊技状態へ移行する。即ち、プレミアムBB遊技状態は、所定数の払い出しに至ったことを終了条件として有する。
特別ART遊技状態は、ART遊技状態と同様であるが、ゲーム回数が加算可能にされた上乗せ特化ゾーンを有している点で相違する。特別ART遊技状態において、特定の内部当選役となった場合、上乗せ特化ゾーンに突入し、デフォルトのゲーム回数に所定数が加算される抽選がゲーム毎に行われる。上乗せ特化ゾーンにおいて加算されたゲーム回数を含むすべてのゲームが実行されると、特別ART遊技状態とともに有利区間2が終了し、通常区間の一般遊技状態へ移行する。即ち、特別ART遊技状態は、加算された回数を含むすべてのゲームを消化すること、を終了条件とする。
なお、上記の遊技状態に関し、移行元の遊技状態、移行先の遊技状態、開始条件、及び、終了条件は、これに限定されない。例えば、以下に記載するようなものでもよい。
RT遊技状態を複数備え、上述したRT状態の他に、複数種類からなる所定のリプレイ役のいずれかが当選し且つ当選したリプレイ図柄に応じて予め定められた押し順に沿って停止操作がされた場合にのみ表示される特定のリプレイ図柄の組み合わせが表示されたときにRT遊技状態に移行するものとしてもよい。その場合、ボーナス持越しのRT状態をRT1とし、上記したRT状態をRT2としてもよい。そしてRT2への移行条件を、RT1でない場合、BB遊技状態ではない場合であって、特定のリプレイ図柄の組み合わせが表示されることとすればよい。
有利区間として、有利区間中通常状態、有利区間中AT遊技状態、有利区間中AT+RT遊技状態(ART遊技状態)を備え、有利区間の開始条件を、通常区間において予め定められた設定差のない、又は設定差のある確率により有利区間に当選すること、又は予め定められたボーナスの開始とし、当該有利区間において入賞役に係る指示機能を1回のみ行うか、又はいずれかのボーナスの当選、あるいは指示機能による遊技を規定ゲーム数消化などの終了条件を充足するまで行うかを予め決定するようにしてもよい。その場合、有利区間に当選し入賞役に係る指示機能を1回のみ行うことが決定された場合にはAT状態には移行するものの、入賞役に係る指示機能を1回(例えば押し順ベルの停止操作ナビ)を行った場合に通常区間に自動的に移行する。対して有利区間に当選し入賞役に係る指示機能規定ゲーム数消化など終了条件を充足するまで行うことが決定された場合にはAT状態に移行し、その後特定のリプレイ図柄の組み合わせが表示される指示を行い特定のリプレイ図柄の組み合わせが表示されたときからART遊技状態を開始させ例えば50ゲーム行われるまで指示機能を行うこととしてもよい。
50ゲーム行われるまでの間に設定差のない、又は設定差のある抽選に当選すること、あるいは予め定められたボーナスの開始により、上乗せ特化ゾーンに突入し、ゲーム数上乗せや50ゲームのセットを上乗せするセット上乗せを行うこととしてもよい。なお、単にARTゲーム数を上乗せするようにしてもよい。
上記上乗せ特化ゾーンは外部端子板H308から何ら信号を送出しないものであるが、ART状態と異なるトップランプH60の点灯態様とすることでデータ表示機H1側で上乗せ特化ゾーンが開始されたことを認識可能となり、その回数を集計するなどデータを収集することが可能となる。
また、有利区間に当選し入賞役に係る指示機能を1回のみ行うことが決定されたAT状態と、有利区間に当選し入賞役に係る指示機能規定ゲーム数消化など終了条件を充足するまで行うことが決定されたAT状態(ART状態)とで遊技機の液晶等表示装置においては同一の表示とし、トップランプH60において点灯態様を異ならせるようにすることで遊技者に対しては1回で終了するのか複数回実行するのか不明としつつもデータ表示機H1側ではいずれの状態か判別できるようにする。
さらに本例では、有利区間に当選し入賞役に係る指示機能規定ゲーム数消化など終了条件を充足するまで行うことが決定されたAT状態では所定のリプレイ役が当選したときに指示機能により特定のリプレイ図柄の組み合わせが表示される停止順序が報知されることとする。その停止順序に従い遊技することで有利区間においてART状態に移行することとなる。外部端子板H308は特定のリプレイ図柄の組み合わせが表示されたときデータ表示機H1側に対しARTの開始を検出させるために外部信号をONすることとするが、遊技者の操作態様によっては指示が行われていないにも関わらず特定のリプレイ図柄の組み合わせが表示され外部端子板H308から信号が送られてしまう場合が想定される。そのような場合においてもトップランプH60において、有利区間に当選し入賞役に係る指示機能規定ゲーム数消化など終了条件を充足するまで行うことが決定された場合であって、且つ特定のリプレイ図柄の組み合わせが表示されたときを検出可能な点灯態様で点灯させることで、偶然特定のリプレイ図柄の組み合わせが表示されたのか、指示にしたがって特定のリプレイ図柄の組み合わせが表示されたのかを判別することができ、偶然特定のリプレイ図柄の組み合わせが表示された場合にはART回数を加算しないこととすれば、データ表示機H1側において正確なART回数を計測することが可能となる。
このように、遊技機H2が移行し得る遊技状態は、外部端子板H308から送信可能な「第1遊技状態」の数を越える。したがって、遊技機H2は、「第1遊技状態(本実施形態では、BB遊技状態の開始、RB遊技状態の開始、ART遊技状態)」を除く、CZ遊技状態、特別ART遊技状態、特別ART遊技状態における上乗せ特化ゾーン、及び、有利区間等を第2遊技状態としてトップランプH60の点灯態様で示し、データ表示機H1に第2遊技状態を把握させることが可能となっている。
なお、第2遊技状態は、主制御部H301によって決定される遊技状態に限定されず、例えば、主制御部H301によって実行が制御されるメインデバイス群H303や、副制御部H302によって実行が制御されるサブデバイス群H304の状態を示すものであってもよい。例えば、同じ遊技状態であっても、ゲーム回数が進むにつれて連続的な異なる演出を行う場合には、これらの演出を異なる第2遊技状態としてトップランプH60の点灯態様で示すことにより、遊技機H2における各演出に連動した演出をデータ表示機H1において行うことが可能となる。
また、パチンコ機としての遊技機H2の場合、例えば、保留ランプに、大当りの信頼度が高い発光色が含まれた場合や予め定められた変動時間決定テーブルにおいて他の変動よりも比較的長い変動時間が始動入賞時に選択されたとき、この時点から当該保留ランプの大当り判定を行うまでを先読み特化ゾーンの第2遊技状態として、トップランプH60の点灯態様で示してもよい。これにより、遊技機H2における先読み特化ゾーンの特別な演出に連動した演出をデータ表示機H1において行うことが可能となる。同様に特別図柄ゲームにおける特別図柄変動中のプレミアリーチなどの特定演出実行中を、第2遊技状態として、トップランプH60の点灯態様で示してもよい。
また、例えば、第2種(所謂、羽根物)に区分される遊技機は、遊技球が転動する遊技盤面の中央に設けられた役物の内部において、常時回動して大当りとなるV入賞口の位置が変動されている。センサにより取得したこの役物内部への進入通路に遊技球が入ったタイミングと、このタイミングにおけるV入賞口の位置との関係が、大当りとなる可能性が高いことを示す場合、これを第2遊技状態として、トップランプH60の点灯態様で示してもよい。
(データ表示機の演出表示の例)
図334は、データ表示機H1がトップランプH60の点灯態様を検出して遊技機H2の遊技状態がCZ遊技状態であると判定した場合の映像表示部H405による遊技機H2の演出に連動した演出表示の一例を示す図である。図334に示すように、遊技機H2がART遊技状態へ移行可能なCZ遊技状態において、データ表示機H1は、ART遊技状態へ移行可能であることを示す映像を映像表示部H405に表示して、遊技機H2において実行されるCZ遊技状態における演出(不図示)に連動した演出を行っている。そのときに遊技機側ではART状態とCZ状態とで液晶演出を同等のものとし、トップランプH60の点灯態様も遊技者から認識しづらい相互に異なる点灯態様である場合には表示機側を見ることの意義を創出できる。
また、図示しないが、上記した上乗せ特化ゾーンとART状態や、AT状態とART状態とで異なる表示態様とすることで遊技機側の演出態様では判別困難な状態をデータ表示機H1の表示態様を見ることで遊技者が判別できるようにすることが望ましい。なお、対比する状態はこれに限らず、遊技者が遊技機側の演出態様で判別困難な2以上の遊技状態であれば何でもよい。
また、有利区間としてATのみで終了する有利区間、ARTまで移行することが確定している有利区間を遊技機側に持たせ、遊技機側からは判別困難な状態を第2遊技状態の信号によりデータ表示機側で判別させることも可能である。さらに、遊技機側では判別困難な所定ゲーム数に渡り有利な状態への移行を期待させるいわゆる前兆状態についても有利な状態に移行することが前提の前兆(本前兆)、有利な状態へ移行することが確定していない前兆(ガセ前兆)についても第2遊技状態の信号によりデータ表示機側で判別させることも可能である。
このように、本発明に係るデータ表示機H1は、遊技機H2により遊技状態に応じて行われる特定の演出に対して、データ表示機H1が当該特定の演出に連動する特定の態様により、連動して演出を行う機能を備えることが可能に構成される。
(動作)
図335を参照してデータ表示機H1の制御部H401が実行する演出実行処理について説明する。先ず、制御部H401は、遊技機H2の外部端子板H308から遊技状態を示す信号を受信しているか否かを判定する(ステップS1010)。遊技状態を示す信号を受信している場合(ステップS1010:YES)、制御部H401は、演出パターンテーブル(図330参照)を参照して受信信号が示す遊技状態に応じた演出に変更し、演出に応じてカウントを開始する(ステップS1011)。
ステップS1011の終了後、又は、ステップS1010において遊技状態を示す信号を受信していない場合(ステップS1010:NO)、制御部H401は、カメラユニットH12が遊技機H2のトップランプH60を撮像した画像から点灯態様を検出したか否かを判定する(ステップS1012)。点灯態様が検出された場合(ステップS1012:YES)、制御部H401は、その点灯態様が前回から変化しているか否かを判定する(ステップS1013)。点灯態様が変化している場合(ステップS1013:YES)、制御部H401は、点灯態様に応じて演出を変更し(ステップS1014)、ステップS1010へ処理を戻す。一方、点灯態様が変化していない場合(ステップS1013:NO)、制御部H401は、現在の演出を継続し(ステップS1015)、ステップS1010へ処理を戻す。
ステップS1012において、点灯態様が検出されない場合(ステップS1012:NO)、制御部H401は、特定の点灯態様を検出中であるか否かを判定する(ステップS1016)。特定の点灯態様を検出中でない場合(ステップS1016:NO)、制御部H401は、ステップS1010へ処理を戻す。特定の点灯態様を検出中である場合(ステップS1016:YES)、制御部H401は、エラー状態の検出を行う(ステップS1017)。そして、制御部H401は、ステップS1011にてカウントを開始したカウント値が終了条件を充足するか否かを判定する(ステップS1018)。カウント値が終了条件を充足する場合(ステップS1018:YES)、制御部H401は、実行中の演出を停止し(ステップS1019)、ステップS1010へ処理を戻す。一方、制御部H401は、カウント値が終了条件を充足しない場合(ステップS1018:NO)、ステップS1010へ処理を戻す。
(変形例1)
第12実施形態の変形例1では、トップランプH60の点灯態様として、人に認識困難な点滅周期を設定するだけでなく、1つの遊技状態において遊技機H2が複数段階からなる連続演出を実行する場合に、この遊技状態に対応する点灯態様において、複数段階の夫々に異なる点滅周期を対応付けて設定する。
具体的に、図336を参照して、トップランプH60の点灯態様について説明する。本変形例において、トップランプH60の点滅周期は50Hzから75Hzに2段階に変化される。即ち、遊技機H2は、この遊技状態において、2段階に変更される連続演出の夫々に応じて、トップランプH60の点滅周期を50Hzから75Hzに変化させる。このように、1つの遊技状態において、演出を複数ブロックに構成し、ブロック毎に点滅周期が設定されることで、たとえ遊技状態の途中で点灯態様が何らかの障害(遊技者の手や持ち物がトップランプH60に置かれた等)によりカメラユニットH12がトップランプH60の点灯態様を検出できない期間があったとしても、データ表示機H1は再度点灯態様を検出した際に、対応するブロックの演出に応じた連動演出に復帰可能となる。
例えば、遊技機H2においてBB中に音声として歌を出力し映像として歌に合わせたキャラクタを表示し、データ表示機H1において歌に合わせた歌詞を表示する場合、遊技機H2は、歌を複数ブロック(例えば、Aメロ、Bメロ〜)に分けて、各ブロックに異なる周波数の点滅パターンを対応付けてトップランプH60の点灯態様を制御する。これにより、データ表示機H1は各ブロックの点滅パターンに応じた歌詞画像を選択して表示することが可能であり、トップランプH60の点灯態様を遊技者の手や荷物等により遮られるなどにより検出できない期間があったとしても、再度検出できるような状態となったときに遊技機H2における音声に応じた適切な歌詞を表示して、再度連動演出を行うことが可能となる。
BB遊技状態である場合に遊技機H2が曲を出力する演出を行う場合に、データ表示機H1において遊技機H2が出力する曲に合わせて歌詞を表示する演出の一例を挙げる。BB遊技状態における遊技機側の演出、及びデータ表示側の演出は、複数段階からなる一連の演出ブロックから構成される。ここでは、第1演出ブロック〜第3演出ブロックの3段階からなる演出の例について説明する。
遊技機H2は、一連の第1演出ブロック〜第3演出ブロックを、曲の経過時間に対応付ける。例えば、第1演出ブロックが1秒目〜30秒目に対応付けられ、第2演出ブロックが31秒目〜70秒目に対応付けられ、第3演出ブロックが71秒目〜130秒目に対応付けられている。そして、遊技機H2は、曲の経過時間(各演出ブロック)に応じてトップランプH60の点滅周期を異ならせるように制御する。例えば、曲が第1演出ブロックの経過時間である場合は50Hzの点滅周期で点灯させ、第2演出ブロックの経過時間である場合は75Hzの点滅周期で点灯させ、第3演出ブロック経過時間である場合は80Hzの点滅周期で点灯させる。即ち、遊技機H2は、各演出ブロックに経過時間と点滅周期とが対応付けられたパターンテーブルを記憶している。データ表示機H1は、遊技機H2が出力した曲の各演出ブロックごとに、時間経過に応じて歌詞が順次示される映像を表示する。例えば、データ表示機H1は、第1演出ブロックがAメロの場合には第1演出ブロックにおいてAメロの歌詞を表示し、第2演出ブロックがBメロの場合には第2演出ブロックにおいてBメロの歌詞を表示し、第3演出ブロックがサビの場合には第3演出ブロックにおいてサビの歌詞を表示する。即ち、データ表示機H1は、各演出ブロックに点滅周期と表示する画像とが対応付けられたパターンテーブルを記憶している。
遊技機H2は、BB遊技状態において曲の出力を開始すると、曲の経過時間に基づいてどの段階の演出ブロックであるかを判定し、演出ブロックに応じた点滅周期でトップランプH60の点灯を制御する。具体的に、曲が開始されて1秒目〜30秒目には50HzでトップランプH60を点灯させ、31秒目〜70秒目には75HzでトップランプH60を点灯させ、71秒目〜130秒目には80HzでトップランプH60を点灯させる。一方、データ表示機H1は、外部端子板H308からBB遊技状態のON信号を受けている状態において、遊技機H2のトップランプH60が50Hzで点滅していることを検出すると第1演出ブロックに対応したAメロの歌詞を表示し、50Hzの点滅を検出している間はAメロの歌詞の表示を継続する。また、データ表示機H1は、50Hzから75Hzへの点滅周期の変更を検出すると遊技機H2においてBメロが開始されたとみなして第2演出ブロックに対応したBメロの歌詞を表示し、75Hzの点滅を検出している間はBメロの歌詞の表示を継続する。また、75Hzから80Hzへの点滅周期の変更を検出すると遊技機H2においてサビが開始されたとみなして第3演出ブロックに対応したサビの歌詞を表示し、80Hzの点滅を検出している間はサビの歌詞の表示を継続する。このように、データ表示機H1は、点滅周期の変更を検出することにより演出ブロックの切り替わりを判定し、それを契機に次の演出ブロックに対応する演出を行う。
例えば、データ表示機H1が第2演出ブロックの歌詞を表示している期間に、何らかの障害発生によりランプ点灯態様が認識できない状況が開始された場合、データ表示機H1はその時点で歌詞の表示を中止する。その後演出ブロック中にその障害が取り除かれて、データ表示機H1が75Hzの点灯態様で再度検出できた場合であってもその時点ではBメロの歌詞の表示は行わず、次に点灯周期が変更されたことを検出できたときに対応する歌詞を表示する。これにより、Bメロの歌詞を再開した場合に実際に遊技機H2で流れている歌詞と、データ表示機H1で表示している歌詞とにずれが生じてしまうことを防止することが可能となる。具体的に、Bメロに6行の歌詞がある場合、データ表示機H1が75HZの点灯態様で再度検出できたタイミングにおいて、データ表示機H1が遊技機H2でどの行の歌詞の音声が出力されているかを判断することは困難であり、Bメロの歌詞を最初から順次表示させたとしても実際の曲とはずれが生じる可能性が高い。したがって、データ表示機H1は、点滅周期の変更を検出したタイミングで歌詞の表示を再開することにより、遊技機で出力される曲と、表示する歌詞とのずれを防止し、遊技機H2との正確な連動演出を実行することが可能となる。なお、カメラによるランプ点灯態様の検出が復帰する前にBB信号がOFFとなった場合には歌詞表示もその後復帰することを中止する。
なお、上記の例では、遊技機H2での一連の演出ブロックは、経過時間に対応するものとしたが、遊技の進行に応じて変化し、それに応じて点滅周期が変化するようにしてもよい、例えば最初の5G間はAメロを流し、6G目が開始されたときにBメロを開始させ、Aメロの歌詞が6G目開始前までに終了している場合にはループ、又はイントロを流すようにしてもよい。
(変形例2)
第12実施形態の変形例2では、トップランプH60の点灯態様として、人に認識困難な点滅周期を設定するだけでなく、複数の発光色(虹色)を段階的に変化させる点灯態様を採用している。
具体的に、図337を参照して、遊技状態1〜3に対応するトップランプH60の点灯態様について説明する。遊技状態1には、トップランプH60の点滅周期が50Hzであり、発光色が単色である点灯態様が設定される。これに対し、100fpsのフレームレートで作動するカメラユニットH12がフレーム単位で画像を取得する場合、単色の点灯と消灯とが交互に繰り返される画像を取得することになる。また、遊技状態2には、トップランプH60の点滅周期が50Hzであり、発光色が点灯する毎に順次5色に変化するように設定される。これに対し、100fpsのフレームレートで作動するカメラユニットH12がフレーム単位で画像を取得する場合、5色に変化する点灯と消灯とが交互に繰り返される画像を取得することになる。即ち、データ表示機H1の制御部H401は、トップランプH60の点滅周期に加え、トップランプH60の発光色が特定数以上であるかを判定して遊技状態を判定することになる。このように、発光色の変化を点灯態様に加えることにより、同じ点滅パターンでも異なる遊技状態に対応した演出を設定することが可能となり、さらに演出パターンを増加させることが可能となる。
また、図337には、色変化態様を、「赤→橙→緑→青→紫→赤→…」の1パターンのみ示しているがこれに限定されない。例えば、これを第1色変化態様とし、これ以外に第2色変化態様(例えば、「赤→橙→緑→青→紫→白→赤→…」)、及び、第3色変化態様(例えば、「赤→橙→青→紫→緑→赤→…」)の演出パターンを備えていてもよい。これにより、遊技機H2を視認する遊技者にとっては同じような虹色点灯態様であった場合でも、データ表示機H1は異なる演出パターンとして認識可能となる。例えば、遊技機H2が3種類のBB(それぞれ異なるフラグである赤7BB、青7BB、白7BB)を有している場合、これら3種類を第1色変化態様、第2色変化態様、及び第3色変化態様に対応付けることが可能となる。遊技者は、遊技機H2の虹色に点灯態様が変化するトップランプH60を視認して、BBが成立したことを認識することができるが、赤7BB、青7BB、白7BBのいずれが成立しているかを判別することは困難である。しかしながら、データ表示機H1は、トップランプH60の色変化態様がいずれのBBの成立を示すものであるかを判定し、成立しているBBの種別を特定することが可能となる。そして、データ表示機H1が、判定したBBの種別に基づいて「BB確定!今回は赤7BBです」のようなBBの種別の表示を行うことにより遊技者に適切な報知を行うことができ、遊技者のメダルロスを軽減することが可能となる。このように、通常のデータ表示機では判別不可能なBBフラグの成立、及びその種別を判別可能とすることにより他のデータ表示機に対して優位性を持たせることができ、ホール経営者に導入促進効果を持たせることが可能となる。また、BBの種別報知について実行するか否か等のさまざまな条件を設定可能としてもよい。例えばサンドやデータ表示機に挿入される会員カードを認識し、遊技者が会員である場合には必ず報知を行い、ビジター遊技者に対しては所定確率でしか報知しないなど差別化することにより導入ホールの会員勧誘を促進できる。また、ART中のBBは必ず報知し、通常中のBBは所定確率で報知するなどが設定できることは言うまでもない。また、虹色で検出するのはBBに限られず、内部的に有利段階が複数あるARTや、当選時は出玉量を報知しないパチンコの大当りなどにおいて設定してもよい。また、上記例では色成分の順序を変えてパターンを識別するものであるが、例えば5色のうち点灯させない色に応じてパターンを識別するものであってもよい。具体的に、橙を含めないパターン(例えば赤→緑→青→紫→赤→…)、緑を含めないパターン(例えば赤→橙→青→紫→赤→…)、及び、青を含めないパターン(例えば赤→橙→緑→紫→赤→…)等のパターンを設けてもよい。
(変形例3)
遊技状態に応じて点灯態様を異ならせる発光手段等についての変形例について説明する。例えば、遊技機の上面に1以上のLEDランプを設け、これをデータ表示機に検出させてもよい。この場合、第12実施形態と同様に点滅パターンにて遊技状態を判定してもよいし、複数のLEDランプの点灯、又は消灯の組み合わせにより遊技状態を判定してもよい。即ち、X個のLEDランプを設け、それらを点灯、又は消灯させることで、2のX乗の遊技状態を判定できることになる。
遊技機H2に予め定めた1つのLEDを設け、データ表示機H1が当該LEDにより第2遊技状態を受信する場合、データ表示機H1は当該LEDのみを撮像できればよく、検出する撮影範囲が狭くても問題ない。また、遊技機H2に予め定めた複数のLEDを設け、データ表示機H1が当該複数のLEDにより第2遊技状態を受信する場合、上記のとおり、データ表示機H1はLEDが点灯しているか否かの組み合わせを検出するのみで第2遊技状態を判定することが可能となる。このように、遊技機H2において、演出とは別に駆動する第2遊技状態を通信するためのLEDを設けてもよい。なお、特定のLEDに定めず、トップランプの何れかのLEDとしてもよい。この場合、遊技機H2側での処理負荷を軽減することが可能となり、トップランプさえ撮像範囲に入っていればよいのでデータ表示機H1の配置の自由度が高まる。
また、外乱光の影響を防止すべく、発光手段を遊技機上面の背面側に設けるとともに、点灯態様検出手段をデータ表示機の背面側に設けてもよい。また、遊技状態に応じて異なる演出を実行させるのは発光手段のみに限定されず、例えば、パチスロ機におけるリールの態様を組み合わせて遊技状態を示してもよい。この場合、撮像範囲にリールが含まれるようにカメラユニットを遊技機の前方に配置する。この構成により、例えば、変形例2において発光手段が虹色であり、且つ、リールがフリーズ演出を行っている場合にのみ連動演出を行う等、データ表示機における演出のパターンをさらに増加させることが可能となる。なお、データ表示機は、カメラで検出したリールの停止状態が、演出によるものであるか否かを、外部端子板からのIN信号を受信したことを条件として判定する。即ち、データ表示機は、IN信号を受信して所定時間内にカメラでリールの停止状態を検出した場合、リールフリーズ演出の連動演出を実行する。
また、遊技機が起動したとき、発光手段を所定の態様で点灯させるとともに、所定の態様で点灯する発光手段をカメラユニットで撮像、及び解析して、撮像範囲における発光手段の位置を特定し、遊技状態の判定精度を向上させるものであってもよい。
<第13実施形態>
次に、本発明の第13実施形態に係る遊技用装置について、図338〜図340を用いて説明する。なお、上記実施形態によるものと同一、又は類似の構成要素については、同一符号を付して説明を省略する。
(電気構成:データ表示機:データテーブル)
図338は遊技状態に応じた演出を実行するため演出パターンテーブルである。本実施形態の演出パターンテーブルは、各演出パターン毎に優先順位が設定されるで、第12実施形態の演出パターンテーブルと相違する。
図338に示すように、本実施形態の演出パターンテーブルは、第12実施形態の演出パターンテーブル(図330参照)と同様の項目に加え、優先順位欄を有している。本実施形態では、優先順位欄にすべての演出に対して優先順位が設定される。例えば、外部端子板H308からの信号、及び、トップランプH60の点灯態様の検出に基づき、それぞれから同様の遊技状態を得て、さらにそれらに異なる演出パターンが設定されている場合、設定される優先順位に応じていずれの演出パターンを実行するのかが決定される。具体的に、外部端子板H308からはBB遊技状態が送信され、トップランプH60からはプレミアムBB遊技状態を検出した場合、プレミアムBB遊技状態が優先される。
なお、これに限定されず、第2遊技状態は、第1遊技状態と異なる遊技状態であってもよい。即ち、外部端子板H308からは制限された第1遊技状態の信号が送信され、トップランプH60は第1遊技状態を除く第2遊技状態を示すものであってもよい。この場合、例えば、第1遊技状態として一般遊技状態が判断され(外部端子板H308からの信号無し)、第2遊技状態として有利区間が送信された際には、第2遊技状態の有利区間が優先されるように演出パターンテーブルに設定されていてもよい。また、例えば、第1遊技状態としてBB遊技状態が送信され、第2遊技状態として有利区間が送信された際には、第1遊技状態のBB遊技状態が優先されるように演出パターンテーブルに設定されていてもよい。
また、上記例の変形例について説明する。外部端子板H308からの第1遊技状態の信号に基づく演出態様、及び、トップランプH60の点灯態様を検出して判別する第2遊技状態に基づく演出態様、において、一部重複するような演出パターンを記憶しておいてもよい。なお、「重複する」とは、演出を構成する要素において、同じ要素に対して設定されていることを示す。演出を構成する要素とは、例えば、ランプの色、液晶画面に表示するテキストの内容、液晶画面におけるキャラクタの有無、スピーカからの出力内容等である。例えば、ある演出パターンにおいてキャラクタが表示されて液晶画面に「A」とうテキストが表示され、他の演出パターンにおいて液晶画面に「B」というテキストが表示される場合、液晶画面に表示するテキストの内容が重複し、液晶画面におけるキャラクタの有無は重複していないことになる。
ここで、同じタイミングで第1遊技状態の信号と第2遊技状態の信号とが遊技機H2から出力される場合、両者の演出パターンにおいて重複する要素については第1遊技状態に基づく演出態様を優先し、重複しない部分は第2遊技状態に基づく演出態様を実行するようにしてもよい。例えば、BB遊技状態に関する第1遊技状態の信号には、液晶画像に「キャラクタ」を表示する、という要素と、液晶画像に「BB中!」というテキストを表示する、という要素と、を有した演出パターンが対応付けられている。また、通常BB遊技状態に関する第2遊技状態の信号には、液晶画像に「BB中!」というテキストを表示する、という要素と、データ表示機H1の外周のランプ(例えば、図318に示す導光板G61による照明)を「赤」に点灯させる、という要素とを有した演出パターンが対応付けられている。したがって、遊技機H2において通常BB遊技状態に移行した際にデータ表示機H1が第1遊技状態の信号と第2遊技状態の信号とをいずれも正常に受信した場合、先ずは、第1遊技状態の信号に基づく演出が優先され、液晶画像に「キャラクタ」と、「BB中!」というテキストとが表示される。ただし、第1遊技状態に基づく演出パターンと重複しない、データ表示機H1の外周のランプを「赤」に点灯させる、という要素が有効となり、第1遊技状態に基づく演出パターンに加えて当該演出が実行されることになる。このように、同条件、同タイミングで実行され得る演出パターンにおいて、優先度が高い演出パターンに設定されていない要素が優先度が低い演出パターンで設定されている場合には当該要素に限定して優先度が低い演出パターンの演出を実行してもよい。
なお、第1遊技状態の信号のみを取得できなかった場合には、第2遊技状態の信号に対応付けられた演出パターン(液晶画像の演出「BB!」に加え外周のランプを「赤」に点灯させる演出)が実行される。また、第2遊技状態の信号のみを取得できなかった場合には第2遊技状態の信号に対応付けられた演出パターン(液晶画像に「キャラクタ+BB中!」を表示する演出)のみを実行し、外周のランプによる演出は行わない。第1遊技状態の信号、及び第2遊技状態の信号の両方を取得できなかった場合には当然データ表示機での演出は通常中のと同じとなり、特別な演出を行わない。
また、上述した例では、第1遊技状態の信号と同条件同タイミングで発生する第2遊技状態の信号が1対1であったがこれに限定されない。例えば、BB遊技状態に関する第2遊技状態の信号として、2種類以上の点滅パターンに対応する複数の演出を記憶していてもよい。具体的に、BB遊技状態としての第1遊技状態の信号は1種類のみであるが、遊技機H2において、BB遊技状態の種類として通常BB遊技状態と有利区間中BB遊技状態の2種類がある場合には、第2遊技状態の信号としてそれぞれを区別してもよい。即ち、遊技機H2において通常BB遊技状態が発生した場合には、データ表示機H1において第1遊技状態の信号に対応付けられた演出パターンが実行されると共に、当該演出パターンで設定されていない要素において、通常BB遊技状態の第2遊技状態の信号に対応付けられた演出パターンの演出が実行される。また、遊技機H2において有利区間中BB遊技状態が発生した場合には、データ表示機H1において第1遊技状態の信号に対応付けられた演出パターンが実行されると共に、当該演出パターンで設定されていない要素において、有利区間中BB遊技状態の第2遊技状態の信号に対応付けられた演出パターンの演出が実行される。
具体的に、上述した例に加え、有利区間中BB遊技状態の第2遊技状態の信号には、液晶画像に「有利区間中BB!」というテキストを表示する、という要素と、データ表示機H1の外周のランプを「青」に点灯させる、という要素とを有した演出パターンが対応付けられているものとする。そして、遊技機H2において有利区間中BB遊技状態に移行した際にデータ表示機H1が第1遊技状態の信号と第2遊技状態の信号とをいずれも正常に受信した場合、先ずは、第1遊技状態の信号に基づく演出が優先され、液晶画像に「キャラクタ」と、「BB中!」というテキストとが表示される。ただし、第1遊技状態に基づく演出パターンと重複しない、データ表示機H1の外周のランプを「青」に点灯させる、という要素が有効となり、第1遊技状態に基づく演出パターンに加えて当該演出が実行されることになる。
なお、第1遊技状態の信号のみを取得できなかった場合には、第2遊技状態の信号に対応付けられた演出パターン(液晶画像の演出「有利区間中BB!」に加え外周のランプを「青」に点灯させる演出)が実行される。また、第2遊技状態の信号のみを取得できなかった場合には第2遊技状態の信号に対応付けられた演出パターン(液晶画像に「キャラクタ+BB中!」を表示する演出)のみを実行し、外周のランプによる演出は行わない。第1遊技状態の信号、及び第2遊技状態の信号の両方を取得できなかった場合には当然データ表示機での演出は通常中のと同じとなり、特別な演出を行わない。
また、有利区間中BB遊技状態に関する第2遊技状態の信号は例外的に第1遊技状態の信号に優先するようにしてもよい。その場合、第1遊技状態の信号、及び有利区間中BB遊技状態に関する第2遊技状態の信号の両方を正常に取得できた場合には、第2遊技状態の信号に基づく演出が優先され、液晶画像に「有利区間中BB中!」というテキストとが表示されると共に、データ表示機H1の外周のランプが「青」に点灯される。ただし、有利区間中BB遊技状態に関する第2遊技状態に基づく演出パターンと重複しない、データ表示機H1の液晶画面に「キャラクタ」を表示する、という要素が有効となり、第2遊技状態に基づく演出パターンに加えて当該演出が実行されることになる。
このように第2遊技状態に関する信号を一律に優先順位を低くするものだけでなく、遊技者にとって有益となる情報については第1遊技状態に関する信号よりも優先順位を高くすることとしてもよい。なお、このような優先順位は、データ表示機H1を外部から設定するサーバ装置H4やデータ表示機H1本体で設定可能とする。なお、上記例では、BB遊技状態を2種類としたが、これにBBのうち有利なプレミアムBBのようなものを加えて、第2遊技状態では3種類を区別して優先順位を設定してもよいし、それ以上の種類を区別して優先順位を設定してもよい。
また、本実施形態の演出パターンテーブルには、他のデータ表示機H1と同期した演出(以下、同期演出と称す場合がある)が設定可能にされる。同期演出は、他の遊技状態(第1遊技状態、及び第2遊技状態)に基づく演出よりも優先順位が低く設定される。なお、同期演出は、複数のデータ表示機H1により実行される演出であり、サーバや本体等により予め定められた範囲(例えば並列配置、島配置など)でグループ設定された複数の遊技機の各データ表示機H1の映像表示部H405を1つの共通画面に見立てて実行する演出であり、例えば、右端の映像表示部H405から左端の映像表示部H405に向けてキャラクタ画像やテキスト画像が移動されるような演出である。なお、同期演出と他の遊技状態に基づく演出の優先順位は適宜決定可能である。また、同期演出を複数備え、それらの中で優先順位を設定可能としてもよい。例えば優先順位として、第1遊技状態>同期演出1>第2遊技状態>同期演出2など。
また、図339は、遊技状態の移行可能先を示す遊技状態移行テーブルの一例である。遊技状態移行テーブルは、設置される遊技機の種別に基づいてサーバ経由やその旨が記憶された着脱可能なROMによりデータ表示機H1のRAMH403に記憶されたり専用ROMにアクセス可能となることで実現される。なお記憶される態様はこれに限られるものではなく種々の方法が適用可能である。図339に示すように、縦軸が移行元の遊技状態であり、横軸が移行先の遊技状態であり、移行先として移行可能な遊技状態には丸印が格納される。データ表示機H1は、遊技状態の移行を検出した場合、遊技状態移行テーブルを参照し、行われた遊技状態の移行が正しいものであるかを確認する。
(動作)
図340を参照して、本実施形態のデータ表示機H1の制御部H401が実行する演出実行処理について説明する。先ず、制御部H401は、遊技機H2の外部端子板H308から遊技状態を示す信号を受信しているか否かを判定する(ステップS1020)。遊技状態を示す信号を受信している場合(ステップS1020:YES)、制御部H401は、演出パターンテーブル(図330参照)を参照して受信信号が示す遊技状態に応じた演出に変更し、演出に応じてカウントを開始する(ステップS1021)。
ステップS1021の終了後、又は、ステップS1020において遊技状態を示す信号を受信していない場合(ステップS1020:NO)、制御部H401は、カメラユニットH12が遊技機H2のトップランプH60を撮像した画像から点灯態様を検出したか否かを判定する(ステップS1022)。点灯態様が検出された場合(ステップS1022:YES)、制御部H401は、その点灯態様が前回から変化しているか否かを判定する(ステップS1023)。点灯態様が変化している場合(ステップS1023:YES)、制御部H401は、遊技状態の移行先が異常であるか否かを判定する(ステップS1024)。即ち、制御部H401は、遊技状態移行テーブル(図339参照)を参照して、変更後の演出に対応する遊技状態が、現在の遊技状態からの移行先として異常であるか否かを判定する。遊技状態の移行先が異常である場合には、制御部H401は、エラーとして検出する(ステップS1025)。ここで、エラーとして検出した場合、制御部H401は、サーバ装置H4へエラーを報知するための信号を送信したり、データ表示機H1において映像表示や音声出力を用いてエラーを報知してもよい。その後、制御部H401は、ステップS1020へ処理を戻す。
移行先が異常でない場合(ステップS1024:NO)、制御部H401は、同期演出も含め、演出タイミングが重複するか否かを判定する(ステップS1026)。演出タイミングが重複する場合(ステップS1026:YES)、制御部H401は、優先する演出を選択する(ステップS1027)。選択方法は、演出同士を比較するものであってもよいし、演出に関連する遊技状態を比較するものであってもよい。ステップS1026において演出タイミングが重複しないと判定した場合、又は、ステップS1027の後、点灯態様に応じて演出を変更し(ステップS1028)、ステップS1020へ処理を戻す。一方、ステップS1023において点灯態様が変化していない場合(ステップS1023:NO)、制御部H401は、現在の演出を継続し(ステップS1029)、ステップS1020へ処理を戻す。
ステップS1022において、点灯態様が検出されない場合(ステップS1022:NO)、制御部H401は、特定の点灯態様を検出中であるか否かを判定する(ステップS1030)。特定の点灯態様を検出中でない場合(ステップS1030:NO)、制御部H401は、ステップS1020へ処理を戻す。特定の点灯態様を検出中である場合(ステップS1030:YES)、制御部H401は、エラー状態の検出を行う(ステップS1031)。そして、制御部H401は、ステップS1021にてカウントを開始したカウント値が終了条件を充足するか否かを判定する(ステップS1032)。カウント値が終了条件を充足する場合(ステップS1032:YES)、制御部H401は、実行中の演出を停止し(ステップS1033)、ステップS1020へ処理を戻す。一方、制御部H401は、カウント値が終了条件を充足しない場合(ステップS1032:NO)、ステップS1020へ処理を戻す。
(変形例1)
第13実施形態に係る変形例について説明する。例えば、データ表示機H1が複数回(又は所定時間以上)、トップランプH60の点灯態様を読み取ることができない場合には、データ表示機H1の映像表示、音声出力、及び、電飾をデモ用の演出パターンに変更してもよい。
また、遊技機H2が有する発光手段は、可視光に制限されず、例えば赤外線によるものであってもよい。これにより、例えば、データ表示機H1は、センサ群H404が有する赤外線センサで発光手段の点灯態様を検出することが可能となり、演出パターンを直接指定することも可能となる。
また、優先順位の設定は、演出に限定されず、例えば、データ表示機H1を遊技者が操作することにより表示されるデータ画面表示(図307参照)についても優先順位を設定できるものであってもよい。例えば、データ画面表示は他の演出表示よりも優先させるのが好ましい。
また、トップランプH60の点滅タイミングと、カメラユニットH12の画像取得タイミングとによって、画像に点灯時のトップランプH60の映像が含まれず、データ表示機H1が正確に第2遊技状態を受信できない場合があるため、以下の方法によりこれを回避してもよい。即ち、遊技機H2が、トップランプH60を点滅制御する際に、所定期間点滅させた後に、点滅タイミングがずれる程度の期間(例えば、点滅間隔よりも短い時間)待機して点滅を再開させてもよい。例えば、1秒間の点滅パターンを4回繰り返したのち、数ミリ秒待機させてから同じパターンを繰り返してもよい。また、同様に、データ表示機H1側でカメラの画像取得タイミングがずれるように、所定時間ごとに撮像を待機してもよい。また、データ表示機H1でのカメラユニットH12による撮像のタイミングを、外部端子板H308からの信号に基づいて決定してもよい。
なお、上述した各実施形態では、遊技用装置としてデータ表示機を例にしてあげたが、遊技機に個別に設けられるカメラユニット等を備えた演出を実行可能な遊技用装置であれば、遊技機の上部に設置されたデータ表示機に限られるものではない、例えば遊技機に併設される貸出装置や、台間に設置される台間データ表示機等の種々の遊技用装置に適用可能である。
<第14実施形態>
次に、図341〜図357を参照して、本発明の第14実施形態に係る遊技システムについて説明する。
(遊技機と遊技用装置の構成)
本発明の遊技システム5001は、図341に示すように、遊技機3001と、遊技機3001の上部に配置されたデータ表示機2001を含むものである。遊技機3001は、その上部に、演出パターン等のデータを送信するためのランプ3305を備え、データ表示機2001は、遊技機3001のランプ3305からの光を受信することによって、遊技機3001から、遊技状態や演出パターン等のデータを受信する。このように、遊技機3001のランプ3305からの光が、データ表示機2001で受信されることによって遊技状態や演出パターン等のデータが、遊技機3001からデータ表示機2001に送信されることになるので、多くの情報を効率的かつ高精度に伝達することができる。なお、このような通信は、データ表示機2001にとっては外部装置である遊技機3001から、データ表示機2001への、一方向の非接触通信ということができる。
ここで、遊技機3001は、例えば、上述した遊技機1002、H2といった遊技機であり、これには、パチンコ遊技機1002aやパチスロ遊技機1002bが含まれる。また、データ表示機2001は、例えば、上述した遊技用表示装置1001に類するものであるが、遊技媒体貸出装置や、遊技機に設ける遊技機装飾用のユニット等を含む様々な遊技用装置とすることができる。
図341に示すデータ表示機2001は、例えば、サイネージと呼ばれるデータ表示機である。このデータ表示機2001は、液晶ディスプレイ2002、LED2003、スピーカ2004、コールボタン2005、及びイメージセンサユニット2311を備える。なお、コールボタン2005は、遊技場のスタッフを呼び出すためのボタンであり、コールボタン2005の押下をタッチセンサが検知すると、液晶ディスプレイ2002、LED2003、スピーカ2004等に対して、当該検知に応じた出力が行われるよう制御される。
データ表示機2001は、遊技機3001のランプ3305からの光をイメージセンサユニット2311で検知し、検知結果に基づいて、遊技機3001の演出パターン等を把握し、把握された演出パターンに応じて、液晶ディスプレイ2002に、対応する画像を表示するよう制御する。また、必要に応じて、スピーカーから演出パターンに対応する音声を出力したり、LED2003を点灯させたりするよう制御する。
イメージセンサユニット2311は、例えば、所定の時間間隔で遊技機3001のランプ3305を含む映像を撮像するCMOSイメージセンサを備える。このCMOSイメージセンサは、例えば、220fps、又は440fpsでランプ3305の撮像を行うように構成される。
また、このCMOSイメージセンサは、所定の画角(例えば、30°以下の画角)と光源距離(即ち、CMOSイメージセンサとランプ3305との距離であって、例えば、30mm〜300mm)により、遊技機3001のランプ3305とその周辺の画像を撮影するようになっている。そのため、CMOSイメージセンサにより取得された撮影画像には、遊技機3001のランプ3305だけでなく、遊技機3001の演出用ランプ(例えば、遊技機H2のトップランプH60のようなランプ)や、隣の遊技機3001からの光、遊技場の照明器具からの光、それらの光の反射光などが含まれることになる。
なお、本実施形態では、遊技機3001のランプ3305は、1つ、又は複数のLEDといった光出力装置から構成されるが、このような構成に限定されない。また、遊技機3001のランプ3305は、遊技機3001の演出パターン等のデータを送信するための専用の光出力装置として機能することも、遊技機3001の演出表現を実施するとともに、遊技状態や演出パターン等のデータを送信する、兼用の光出力装置として機能することもできる。上述した遊技機H2のトップランプH60は、後者の兼用の光出力装置である。
次に、図342を参照して、パチスロ機としての遊技機3001の構成について説明する。遊技機3001は、メインデバイス群3303を制御する主制御部3301と、サブデバイス群3304を制御する副制御部3302とを備え、主制御部3301から副制御部3302へは一方向通信で接続されている。また、主制御部3301には、外部端子板3308が一方向通信で接続されている。なお、主制御部3301、及び副制御部3302は、各々、CPU、プログラム等が記憶されるROM、及び遊技や演出に関する情報が記憶されるRWMを備える。
メインデバイス群3303は、例えば、リール制御回路、メダルセンサ、スタートレバーセンサ、停止ボタンセンサ、ホッパー制御回路等から構成されており、主制御部3301は、これらのデバイスを制御することにより、遊技機3001における遊技の進行を制御する。また、主制御部3301は、遊技状態の変化等に応じたコマンドを副制御部3302に送信する。
サブデバイス群3304は、ランプ3305と、ランプ3305やその他のランプを制御するランプ制御回路3306とを有している。また、サブデバイス群3304は、例えば、液晶モジュール、演出ボタンセンサ、役物制御回路、電飾制御回路、スピーカ制御回路等から構成されており、副制御部3302は、主制御部3301から送信されたコマンドに基づいて、これらのデバイスを制御することにより、遊技機3001における演出を制御する。
主制御部3301は、外部端子板3308を介してデータ表示機2001と接続されており、1回の遊技毎に、又は内部状態に変化があった場合に、遊技情報信号やエラー信号等を出力する。外部端子板3308から入力される情報は、例えば、図332に示したような、外部信号1〜4を含む情報である。
副制御部3302は、ランプ制御回路3306によってランプ3305による光の出力を制御し、これによって、遊技状態や演出パターン等のデータをデータ表示機2001に(非接触通信により)送信する。ランプ3305が、演出用のランプとしても機能する場合、副制御部3302は、ランプ制御回路3306によって、演出にあわせてランプ3305を所定の色で点灯させるよう制御する。
なお、図342では、遊技機3001をパチスロ機であるものとして説明したが、パチンコ機についても同様に、データ表示機2001が、外部端子板(図331参照)と、サブデバイス群のランプから、それぞれ情報を入力するように構成される。
次に、図343を参照して、データ表示機2001の構成について説明する。データ表示機2001は、液晶ディスプレイ2002のような映像表示部2305、LED2003のような電飾部2306、スピーカ2004のような音声出力部2307を備える(図341参照)。また、データ表示機2001は、センサ群2304、制御部2301、ROM2302、及びRAM2303を備える。制御部2301は、CPUや、これが設けられた制御回路基板等からなり、接続されるデバイスを制御する。
ROM2302には、データ表示機2001が有する機能を実現するための制御プログラムが格納される。制御部2301は、ROM2302に格納された制御ブログラムを読み出し、実行することにより、各構成部品を制御し、遊技機3001の遊技状態や演出パターン等に応じた態様の演出を実行する機能等を実現する。
また、制御部2301は、遊技機3001との通信制御、及びサーバ装置1004001との通信制御を行う。サーバ装置1004001は、上述したサーバ装置H4と同様の機能を有するものである。
センサ群2304は、図341に示したコールボタン2005の押下を判定するタッチセンサ等を含むセンサ群である。制御部2301は、これらのセンサにより操作が検知されると、操作に応じて、映像表示部2305における表示内容、電飾部2306における発光態様、及び、音声出力部2307における音声出力態様を制御する。なお、映像表示部2305の表示画面をタッチパネルとして機能させる場合、センサ群2304は、このタッチパネルへのタッチ操作を検知するためのセンサを含む。
通信インターフェース2310は、遊技機3001、及びサーバ装置1004001との通信を行うためのインターフェースであり、また、入力された情報を出力する際に、最適な方式に変換する変換モジュールでもある。
通信インターフェース2310は、遊技機3001からの情報を、2つの通信態様で受信する。1つは、上述した、光を介した非接触通信であり、他の通信態様は、通信インターフェース2310が、遊技機3001の外部端子板3308と、接点入力方式で接続されており、遊技機3001からデータ表示機2001の一方向通信となっている。
なお、図示しないが、通信インターフェース2310は、遊技媒体貸出装置1003(図303参照)と、ハーネスにより接点出入力方式で接続されており、双方向通信が可能となっている。また、通信インターフェース2310とサーバ装置1004001とは、同軸ケーブルにより有線LAN方式で接続されるとともに、ハーネスにより接点出力方式で接続されており、双方向通信が可能となっている。
RAM2303は、各種データを記憶する記憶手段として機能する。例えば、制御部2301は、接続される各構成部品の制御結果をRAM2303に記憶させる。また、RAM2303は、遊技機3001の遊技状態や演出パターン等を判定するためのデータテーブル(遊技状態判定テーブル)や、遊技状態や演出パターン等に応じた演出を実行するためのデータテーブル(演出パターンテーブル)を格納する。
本実施形態では、データ表示機2001は、遊技状態判定テーブルや、演出パターンテーブル(演出に用いる映像データ、及び音声データ等を含む)を、通信インターフェース2310を介して、サーバ装置1004001からダウンロードすることができる。
なお、遊技機3001の遊技状態や演出パターン等を判定するためのデータテーブルや、遊技状態や演出パターン等に応じた演出を実行するためのデータテーブルは、通信インターフェース2310のUSB接続端子を経由して、外部記憶装置等からRAM2303に転送されてもよく、その他、様々な方法・ルートにより、上記データテーブルを転送することができる。
イメージセンサユニット2311は、上述したように、遊技機3001のランプ3305を撮像するために設けられる。また、イメージセンサユニット2311は、遊技機3001のランプ3305を含む画像を取得すると、当該画像に基づいて遊技状態や演出パターン等のデータをデータ表示機2001の制御部2301に送信し、そこで、制御部2301は、そのデータに応じた演出を実行する。制御部2301は、映像表示部2305、電飾部2306、及び、音声出力部2307を制御して演出を実行する。
次に、図344を参照して、イメージセンサユニット2311の構成について説明する。図344は、イメージセンサユニット2311に含まれる、CMOSイメージセンサ2432と制御LSI2434の回路構成例を示すブロック図である。
CMOSイメージセンサ2432は、例えば、解像度が640×240ピクセルであり、フレームレートが220fps、又は440fpsのCMOSイメージセンサである。なお、本実施形態では、遊技機3001のランプ3305を撮像し、画像データを取得する撮像装置として、CMOSイメージセンサ2432を用いているが、CCDイメージセンサ等、他の撮像装置を用いるようにすることもできる。
制御LSI2434は、ホストコントローラ2441、DSP(digital signal processor)回路2442、バックアップ電源(不図示)が接続されたSRAM(Static Random Access Memory)2443、フラッシュメモリ2444、ISP(Image Signal Processing)回路2445、及びUART(Universal Asynchronous Receiver Transmitter)2452を備えている。これら制御LSI2434を構成するデバイスは、バスを介して相互に接続されおり、本実施形態の制御LSI2434では、バスのプロトコルとしてAXI(Advanced eXtensible Interface)が採用されている。
また、制御LSI2434は、ISI(Image Sensor Interface)回路2451を備えている。ISI回路2451は、CMOSイメージセンサ2432とISP回路に電気的に接続されている。ISI回路2451は、CMOSイメージセンサ2432からLVDS(Low voltage differential signaling)方式で送信された画像データをRGBベイヤ画像に変換して出力する。このとき、ISI回路2451から出力されるRGB画像には固有の画像IDが付される。この画像IDによって、時間経過に伴って順次取得される各画像を識別することができる。
ISP回路2445は、ISI回路2451からRGBベイヤ画像を入力する。ここで、ISP回路2445は、レンズ歪み処理を行うようにすることができる。レンズ歪み補正処理は、後述する処理の精度を高めるため、CMOSイメージセンサ2432が撮像した画像データ上の、レンズの特性に起因して発生する歪みを補正する処理である。
次に、ISP回路2445は、RGBベイヤ画像(レンズ補正処理がされている場合は、当該処理後の画像)を各種フォーマットに変換する色変換処理を行う。色変換処理において、ISP回路2445は、RGBベイヤ画像を、YUV色空間に対応する画像データ(YUV画像データ)に変換し、このYUV画像データをSRAM2443に記憶させる。なお、SRAM2443には、所定数のYUV画像データが記憶可能な記憶領域が設けられている。SRAM2443に記憶されているYUV画像データの数が上限数に達した場合、記憶された順序が古いYUV画像データから上書きされる。
また、ISP回路2445は、YUV画像データをSRAM2443に記憶する場合、VSYNC(Vertical Synchronization)割込信号を、ホストコントローラ2441に出力する。
また、色変換処理において、ISP回路2445は、必要に応じて、RGBベイヤ画像を、三つの成分(H:色相、S:彩度、V:明度)からなる色空間(HSV色空間)に対応する画像データ(HSV画像データ)に変換し、このHSV画像データをSRAM2443に記憶させることもできる。
なお、ISP回路2445は、RGB画像データのみが利用される場合は、RGB画像データをそのままSRAM2443に記憶させるようにする。
DSP回路2442は、ホストコントローラ2441の制御にしたがって、本実施形態におけるデータ受信処理(例えば、光源探査処理、ノイズ除去処理、復号処理等の処理)を行い、CMOSイメージセンサ2432が撮像した入力画像データ(YUV画像データ)から、遊技機3001により送信された、遊技状態や演出パターン等のデータを取得する。
また、DSP回路2442は、ホストコントローラ2441の制御に従い、ノイズ除去処理において、後述するようなフーリエ変換、及びフーリエ逆変換等を行うが、これらの処理を、イメージセンサユニット2311に設けた専用回路を用いて実施するよう構成することもできる。また、復号処理において、誤り訂正符号、CDMA符号、PSM符号等の復号を行う場合にも、イメージセンサユニット2311に設けた専用回路を用いて、これらの処理を実施するよう構成することができる。
UART2452は、イメージセンサユニット2311により生成されたデータ(例えば、遊技機3001により送信された、遊技状態や演出パターン等のデータ)を、通信インターフェース2310を介して、データ表示機2001の制御部2301に送信するためのシリアル通信用デバイスである。
ホストコントローラ2441は、制御LSI2434を構成する各デバイス、例えば、DSP回路2442、UART2452等の制御を行う。
また、ホストコントローラ2441は、ISP回路2445からVSYNC割込信号を受信すると(YUV画像データがSRAM2443に記憶されると)、後述するデータ受信処理を行うため、必要に応じて、各種処理を行うよう、DSP回路2442に指示する。
フラッシュメモリ2444には、制御LSI2434を構成する各種デバイス、例えば、ホストコントローラ2441、DSP回路2442等が各種処理に用いるパラメータや各種処理に必要なデータが記憶されている。また、イメージセンサユニット2311のデータ受信処理で扱う符号化方式を記憶する。
なお、本実施形態において、CMOSイメージセンサ2432が撮像した画像データをYUV色空間に対応する画像データ(YUV画像データ)に変換し、入力画像データ(入力情報)としてSRAM2443に記憶させるISP回路2445は、入力情報生成手段を構成する。
(データ表示機における演出実行処理)
次に、図345を参照して、データ表示機2001の制御部2301が実行する演出実行処理について説明する。なお、この処理は、基本的に、データ表示機2001に電源が投入された際に起動し、電源オフとなるまで所定間隔で周期的に実行される。
最初に、制御部2301は、遊技機3001の外部端子板3308から出力される出力信号を入力する(ステップS1050)。次に、ステップS1051において、外部信号1〜4のいずれかに変化があるか否かを判定する。外部信号1〜4は、遊技機3001とデータ表示機2001との間で適宜調整可能な内容であり、例えば、図332に示すように、「外部信号1」を、遊技機3001においてRBが発生したこと、あるいはRB中であることを示す信号とし、「外部信号2」を、遊技機3001においてBBが発生したこと、あるいはBB中であることを示す信号とし、「外部信号3」を、遊技機3001においてARTとなったこと、あるいはART中であることを示す信号とし、「外部信号4」を、遊技機3001のフロントドアが開放状態であることを示す信号とすることができる。
外部信号1〜4のいずれかに変化がある場合(ステップS1051:YES)、制御部2301は、例えば、図330に示すような演出パターンテーブルを参照し、外部信号1〜4の状態に応じて演出を変更し、当該演出に応じてカウントを開始する(ステップS1052)。
ステップS1052の終了後、又は、ステップS1051において、外部信号1〜4のいずれにも変化がない場合(ステップS1051:NO)、制御部2301は、イメージセンサユニット2311から、(遊技機3001が送信した)通信データを取得する(ステップS1053)。この通信データは、イメージセンサユニット2311が、遊技機3001のランプ3305を撮像した画像から、後述するデータ受信処理によって生成したデータであり、復号が成功した場合に、RAM2303の通信データ格納領域に記憶される。
次に、ステップS1054において、制御部2301が、遊技機3001からの通信データを取得できたか否かが判定される。通信データを取得できた場合(ステップS1054:YES)、制御部2301は、取得したデータが、演出パターンを含む演出指示コマンドか否かを判定する(ステップS1055)。取得したデータが演出指示コマンドである場合(ステップS1055:YES)、制御部2301は、演出パターンテーブルを参照し、その演出指示コマンドに応じた演出に変更して(ステップS1056)、ステップS1050へ処理を戻す。一方、取得したデータが演出指示コマンドでない場合(ステップS1055:NO)、制御部2301は、現在の演出を継続し(ステップS1057)、ステップS1050へ処理を戻す。
ステップS1054において、遊技機3001からの通信データを取得していない場合(ステップS1054:NO)、制御部2301は、エラー状態の検出を行う(ステップS1058)。次に、ステップS1052においてカウントを開始したカウント値が終了条件を充足するか否かを判定する(ステップS1059)。カウント値が終了条件を充足する場合(ステップS1059:YES)、制御部2301は、実行中の演出を停止し(ステップS1060)、ステップS1050へ処理を戻す。一方、制御部2301は、カウント値が終了条件を充足しない場合(ステップS1059:NO)、ステップS1050へ処理を戻す。
(遊技機におけるLED制御処理(データ送信処理))
次に、図346を参照して、遊技機3001の副制御部3302が実行するLED制御処理について説明する。なお、この処理は、基本的に、遊技機3001に電源が投入された際に起動し、電源オフとなるまで所定間隔で周期的に実行される。
最初に、副制御部3302は、遊技状態等の変化により、データ表示機2001に送信すべき送信データがあるか否かを判定する(ステップS1080)。送信データがないと判定された場合(ステップS1080:NO)、処理を終了する。
送信データがあると判定された場合(ステップS1080:YES)、ステップS1081において、副制御部3302は、誤り符号化処理を行う。この誤り符号化処理は、例えば、元データの8ビットを、16ビット長の誤り訂正符号(誤り訂正符号(16,8))に変換する処理である。
次に、ステップS1082において、符号化をCDMA(符号分割多元接続:Code Division Multiple Access)とするか否かが判定される。この処理は、例えば、副制御部3302のRWMに記憶されている符号化方式を参照することによって判定する。通信データの送信側である(遊技機3001の)副制御部3302のRWMに記憶されている符号化方式と、通信データの受信側である(データ表示機2001の)イメージセンサユニット2311のフラッシュメモリ2444に記憶されている符号化方式は一致していることが前提である。本実施形態では、この符号化方式は、CDMA、又はPSM(マンチェスター符号:Manchester coding)による符号化である。
符号化がCDMAであると判定された場合(ステップS1082:YES)、ステップS1083において、CDMA符号化処理が行われる。この処理は、ステップS1081で、誤り訂正符号に変換された変換後の送信データを、CDMAにより符号化する。このCDMA符号化については、図358を参照して後で詳細に説明する。
一方、符号化がCDMAでないと判定された場合(ステップS1082:NO)、ステップS1084において、PSM符号化処理が行われる。この処理は、ステップS1081で、誤り訂正符号に変換された変換後の送信データを、PSMにより符号化する。このPSM符号化については、図359を参照して後で詳細に説明する。
ステップS1083の終了後、又はステップS1084の終了後、ステップS1085において、実行中、又は、これから実行するLED演出パターンを取得する。この処理は、例えば、図330に示す演出パターンテーブルに基づいて決定された、実行中、又は、これから実行する演出パターンにおける電飾パターン(即ち、LED(ランプ3305)の発光パターン)を抽出する処理である。このようにして抽出された発光パターンは、例えば、副制御部3302のRWMに展開されている。
次に、ステップS1086において、CDMA、又はPSMにより符号化された送信データに基づいたLEDの発光パターンと、ステップS1085において取得された、演出パターンに基づくLEDの発光パターンとを合成する。その後、このように合成されたLEDの発光パターンを、実行中の演出パターンに登録し(ステップS1087)、処理を終了する。この登録処理は、例えば、副制御部3302のRWMに展開されているLEDの発光パターンを、合成された発光パターンに書き換えることによって実現される。そして、副制御部3302は、この登録された演出パターンに基づいて、ランプ制御回路3306を制御し、ランプ制御回路3306は、これに基づいてランプ3305の点灯(輝度や発光色)を制御する。
実行中の演出パターンにおけるLEDの発光パターンに、符号化された送信データに基づくLEDの発光パターンを合成する場合、例えば、送信データのビットが「1」である場合に、LEDの発光を少し明るくし、送信データのビットが「0」である場合に、LEDの発光を少し暗くすることで、送信データに関するパルスが表現される。このような合成によって、遊技者は、演出により発光しているLED(ランプ3305)が、符号化された送信データを含むものであると認識することなく、自然なランプの演出として視認し、その結果、遊技者に意識させることなく、当該送信データをデータ表示機2001に送信することができる。
なお、図346に示す例では、遊技機3001のランプ3305が、遊技機3001の演出表現を実施するとともに、遊技状態や演出パターン等のデータを送信する、兼用の光出力装置として機能するように構成されるが、遊技状態や演出パターン等のデータを送信するだけの専用の光出力装置として構成することもできる。
遊技機3001のランプ3305を、専用の光出力装置として構成する場合、ステップS1085〜ステップS1087の処理に代えて、CDMA、又はPSMにより符号化された送信データと、基準となる一定の輝度値に基づいたLEDの発光パターンに基づいて、ランプ3305の発光態様が制御される。これは、送信データ自体による輝度が微弱である場合は、光量が小さくて撮影できないという問題と、輝度が0の状態では、マイナス方向の発光データが生成できないという問題に対応するためである。
また、図346の例では、遊技状態や演出パターン等のデータを送信する際に、例えば、誤り訂正符号化により、誤り訂正情報が付加され、元データの8ビットが、16ビット長の誤り訂正符号に変換されるが、このような符号化によって、2ビットのランダム誤りが訂正可能となり、さらに、3ビットのバースト誤りが訂正可能となる。本実施形態における誤り訂正符号は、例えば、巡回符号の一種であるBCH符号であり、以下の式1で示す生成多項式により、送信データの符号化が行われる。
G(x)=x8+x7+x6+x4+x2+x+1 ・・・ (式1)
また、図346の例では、符号化として、CDMA符号化とPSM符号化が選択的に用いられるが、他の符号化を用いるように構成することもできる。
なお、本実施形態において、LED制御処理を実行する副制御部3302は、送信データ生成手段、及び、情報付輝度生成手段を構成する。
(データ表示機のイメージセンサユニットにおけるデータ受信処理)
次に、図347を参照して、イメージセンサユニット2311のホストコントローラ2441によって制御されるデータ受信処理について説明する。なお、この処理は、基本的に、データ表示機2001に電源が投入された際に起動し、電源オフとなるまで所定間隔で周期的に実行される。
最初に、ホストコントローラ2441は、ISP回路2445により取得された、遊技機3001のランプ3305を撮像した画像データ(YUV画像データ)を複数受信し、その画像データから光源、即ち、ランプ3305の画像における位置(領域)を特定する光源探査処理を行う(ステップS1100)。なお、光源探査処理の詳細については、図348を参照して、後で説明する。
次に、ステップS1101において、光源が特定できたか否かを判定する。光源が特定できなかった場合(ステップS1101:NO)、ステップS1100の処理に戻る。一方、光源が特定できた場合(ステップS1101:YES)、ステップS1102において、画像データ取込処理を行う。この処理は、ISP回路2445により取得された、遊技機3001のランプ3305を撮像した画像データ(YUV画像データ)を順次取得する処理である。
次に、ステップS1100で決定された光源の位置と、ステップS1102で取得した画像データに基づいて把握された受信データについて、ノイズ除去処理を行う(ステップS1103)。なお、ノイズ除去処理の詳細については、図353を参照して、後で説明する。
ここで、復号処理が可能となる程度の受信データが蓄積されていない、即ち、遅延中か否かが判定される(ステップS1104)。具体的には、ステップS1103のノイズ除去処理において、ノイズ除去処理遅延カウンタとフリッカ除去遅延カウンタが、規定値に達していない場合に、復号処理の準備ができていないとして、遅延中であると判定される。
遅延中であると判定された場合(ステップS1104:YES)、ステップS1102の画像データ取込処理をさらに実行する。遅延中でないと判定された場合(ステップS1104:NO)、復号処理を行う(ステップS1105)。なお、復号処理の詳細については、図357を参照して、後で説明する。
復号処理の後、ステップS1106において、復号が成功したか否かが判定される。復号が成功であった場合(ステップS1106:YES)、誤り訂正符号を元のデータに変換する誤り訂正処理を行う(ステップS1107)。次に、ステップS1108において、誤り訂正符号処理における誤り訂正が成功か否かが判定される。
誤り訂正が成功であった場合(ステップS1108:YES)、ステップS1109において、復号後のデータ(遊技機3001から受信した受信データ)を、データ表示機2001のRAM2303の通信データ格納領域に格納する。次に、ステップS1110において、受信エラーカウンタをクリアし、ステップS1102の画像データ取込処理に戻る。
ステップS1106において、復号が成功したと判定されなかった場合(ステップS1106:NO)、又は、ステップS1108において、誤り訂正符号処理における誤り訂正が成功したと判定されなかった場合(ステップS1108:NO)、ステップS1111において、SRAM2443に記憶される受信エラーカウンタを1更新する(即ち、1加算する)。
次に、ステップS1112において、受信エラーカウンタがERROR_MAXより大きいか否かを判定する。受信エラーカウンタがERROR_MAXより大きくないと判定された場合(ステップS1112:NO)、ステップS1102の画像データ取込処理に戻る。一方、受信エラーカウンタがERROR_MAXより大きいと判定された場合(ステップS1112:YES)、ステップS1113において、受信エラーカウンタをクリアし、ステップS1114において、ノイズ除去カウンタ=0、フリッカ除去カウンタ=0とする。その後、ステップS1102の画像データ取込処理に戻る。
なお、本実施形態において、CMOSイメージセンサ2432が撮像した画像データから受信データの抽出を実行するホストコントローラ2441、DSP回路2442、及び、ISP回路2445は、情報抽出手段、及び、受光制御手段を構成する。
(データ表示機のイメージセンサユニットにおける光源探査処理)
次に、図348ないし図352を参照して、イメージセンサユニット2311のホストコントローラ2441によって制御される光源探査処理について説明する。光源探査処理は、LED光源の点滅制御特性を利用して、イメージセンサユニット2311により撮像された画像において、LED光源の位置を特定する。なお、本実施形態では、LED光源を、光源の明るさ、周期性、色、大きさの4つの特徴から分析し、特定する。
最初に、ホストコントローラ2441は、上述したISP回路2445からVSYNC割込信号を受信するまで待機する(ステップS1170)。その後、ステップS1171において、時間フィルタ中か否かが判定される。時間フィルタ中であると判定された場合(ステップS1171:YES)、ステップS1170に戻り、VSYNC割込信号の発生を待機する。一方、時間フィルタ中でないと判定された場合(ステップS1171:NO)、ステップS1172の処理に進む。
このような時間フィルタは、例えば、220fpsや440fpsで得られるYUV画像データを間引くためのものであり、例えば、VSYNC割込信号3〜8回に1回の割合で、YUV画像データを取得する時間間引きフィルタである。本実施形態の時間フィルタは、上述のように、YUV画像データを単純に間引くものであるが、他の様々な時間方向LPF(Low-pass filter)を適用することが可能である。
時間フィルタ中でないと判定された場合(ステップS1171:NO)、ステップS1172において、入力画像データの取得を行う。この処理は、SRAM2443に記憶されたYUV画像データを取得する処理である。
図349には、取得された入力画像データが例示されている。入力画像データは、YUV画像データであり、それぞれ、Y成分、U成分、V成分からなる2次元配列で表される。2次元配列の各要素は、撮像画像の各ピクセルに対応しており、図349では、便宜的に12×12のピクセルにおける各成分の値が示されている。本実施形態のイメージセンサユニット2311では、例えば、640×240ピクセルで撮像されたYUV画像データが提供される。
YUV画像データにおける各成分(即ち、Y成分、U成分、V成分)はそれぞれ、1ピクセルについて8ビットの値をとることができ、この場合、各成分の解像度は、0〜255の256(階調)となる。なお、成分に応じて異なる解像度を採用することもでき、例えば、Y成分を8ビットとし、U成分、V成分をそれぞれ4ビットとすることができる。また、本実施形態では、入力画像データとして、YUV画像データを用いているが、RGB画像データや、HSV画像データを用いることもできる。
次に、ホストコントローラ2441は、ステップS1173において、DSP回路2442に指示して、平均画像生成処理を行う。平均画像生成処理は、前回までに入力された入力画像データであるYUV画像データに基づいて生成された平均画像データと、今回入力された入力画像データであるYUV画像データとから、今回の平均画像データを生成する処理である。
図349には、今回の平均画像データが例示されている。平均画像データも、入力画像データと同様に、YUV画像データであり、それぞれ、Y成分、U成分、V成分からなる2次元配列で表される。2次元配列の各要素は、入力画像データと同様に、撮像画像の各ピクセルに対応している。
平均画像データは、成分ごと、ピクセルごとに、下記の式2で求められる。なお、平均画像データの初期値は、その監視時間における最初の入力画像データである。
平均画像データ(x,y)=前回の平均画像データ(x,y)+差分*学習係数 ・・・(式2)
「前回の平均画像データ」は、過去に入力された入力画像データから、入力画像データが取得されるたびに更新されてきた平均画像データである。「差分」は、今回の入力画像データ(x,y)−前回の平均画像データ(x,y)であり、また、「学習係数」は、例えば、「0.91」といった定数である。
ここで、「学習係数」を0.91とすると、上記式2は下記の式3に書き換えることができる。
平均画像データ(x,y)=前回の平均画像データ(x,y)*0.09+今回の入力画像データ(x,y)*0.91・・・(式3)
即ち、この平均画像データは、式3から明らかなように、前回までの平均画像データと今回の入力画像データとの加重平均によって求められ、最新の入力画像データの要素の91%に、過去の入力画像データの要素が9%反映されるものである。
次に、ホストコントローラ2441は、ステップS1174において、DSP回路2442に指示して、差分画像生成処理を行う。差分画像生成処理は、入力画像データのY成分と平均画像データのY成分との差を同じ位置のピクセルについてそれぞれ計算し、差分画像データとして求める処理である。
図349には、差分画像データが例示されている。この差分画像データには、図349に示されている入力画像データ(Y成分)と、平均画像データ(Y成分)との差が示されている。図349の例では、太線で囲まれた3つのピクセルについて差が生じており、(左上のピクセルの位置を(0,0)で表すと)、ピクセル(1,7)とピクセル(4,6)にそれぞれ「1」の値、ピクセル(7,6)に「2」の値が配置されている。
次に、ホストコントローラ2441は、ステップS1175において、DSP回路2442に指示して、累積値算出処理を行う。累積値算出処理は、差分画像データにおいて「0」以外の値となったピクセルに関する値が、所定の条件を満たす場合に、一定時間、その対応する位置のピクセルについて「1」を加算し、これを累積画像データとして求める処理である。本実施形態では、光源を効率良く探査するために、変動成分だけでなく、色成分にも着目して累積画像データを求めるようにしている。
例えば、差分画像データにおいて「0」以外の値となった各ピクセルについて、以下の条件1と条件2をともに満たす場合に、累積画像データの対応するピクセルの位置に「1」を加算する。
<条件1>
しきい値1a≦差分画像データ(Y成分)(x,y)≦しきい値1b・・・(式4)
<条件2>
(しきい値3≦平均画像データ1(x,y)≦しきい値4)&(しきい値5≦平均画像データ2(x,y)≦しきい値6)・・・(式5)
条件1の式4は、変動成分(振動成分)が所定の範囲内(例えば、0.5〜3.0)にあることを条件としており、差分画像データ(x,y)の値がこの変動成分を表す値となり、これは、入力画像データのY成分と、平均画像データのY成分との差分である。また、変動成分は小さいため、差分画像データ(x,y)の値を2乗した値など、差分画像データ(x,y)の値に基づいて求められる他の値を用いて、条件1の判定を行うこともできる。
条件2の式5は、色成分が所定の範囲内にあることを条件としており、ここで、「平均画像データ1(x,y)」は、図349に示す平均画像データの(U成分)の、対応するピクセルの値であり、「平均画像データ2(x,y)」は、図349に示す平均画像データの(V成分)の、対応するピクセルの値である。なお、平均画像データの色成分を表す他の値を用いて、色成分に関する条件を判定することもできる。
図349には、図349の平均画像データと差分画像データを含むデータに基づいて、所定期間、上記の累積値算出処理を行った結果、得られた累積画像データが例示されている。
ステップS1175において、累積画像データが求められると、ホストコントローラ2441は、ステップS1176において、光源特定処理を行う。光源特定処理は、累積画像データに基づいて、一定面積以上の面積を有する領域であって、累積値(累積画像データにおける当該領域のピクセルに配置された値)の合計が最大となる領域をLED光源とみなすものである。
本実施形態の光源特定処理では、累積画像データにおいて、累積値が1以上となるピクセルが隣接して配置されているピクセル集合を矩形の領域で囲んだ場合に、x座標で3ピクセル以上、かつ、y座標で2ピクセル以上の領域(即ち、3×2(ピクセル)以上の領域)となる場合に、この領域(ピクセル領域)が光源候補となる。この例では、累積値が1以上となる2つのピクセルが、斜めの位置関係(即ち、斜め左上、斜め右上、斜め左下、斜め右下)であっても、これらのピクセルを、隣接するものとみなすが、こうした斜めの位置関係を、隣接するものとみなさないようにすることもできる。
ここで、図350ないし図352を参照して、光源候補となるピクセル領域を特定する光源特定処理について説明する。なお、本実施形態で説明する光源特定処理は一例に過ぎず、様々な方法によって上記のピクセル領域を特定することができる。
本発明に係る光源特定処理の一例を説明するため、図350ないし図352には、2次元配列により累積値が配置される累積画像データの例が示されている。これは、図349に示した累積画像データと同様のものである。ここでは、ピクセル(0,0)ないしピクセル(8,4)からなる、9×5ピクセルの2次元配列が例示されている。
この2次元配列において、累積値を探査する探査点が順に検出され、そのピクセルの累積値に応じて、ラベリングと連結が行われ、最終的に、上述した一定面積(ここでは、3×2ピクセル)以上の面積を有するピクセル領域が、光源候補として特定される。ラベリングは、光源候補として特定される可能性のあるピクセル領域のピクセルを、仮にマークすることである。なお、これ以降、図350ないし図352に示された累積画像データの各ピクセルを「セル」と呼ぶことにする。このセルは、イメージセンサユニット2311で遊技機3001のランプ3305を撮像した結果得られた撮像データの画素位置に対応するものである。
なお、図350ないし図352では、その時点の探査点(探査の対象となっているセル)を縦線のハッチングで示し、前回以前の探査点を横線のハッチングで示し、ラベリングがされたセルを斜線のハッチングで示している。
また、図350ないし図352では、P1−1ないしP1−8としてそれぞれ太線で示されている検索領域を示しており、これは、探査点と、探査点の左、左上、上、右上に位置する4つの検査点を含む領域である。検索領域は、探査によって順次その範囲が移動されるように制御されるが、少なくともこの検索領域の累積値は、探査時において、セルの位置情報とともにSRAM2443に読み込まれている。
ここで、図350ないし図352に示す累積画像データにおいて、順に探査点検出を行い、最終的に光源候補の領域が特定されるまでの処理の流れを説明する。
最初に、セル(0,0)から探査点検出が開始される。探査点検出は、まず、セル(0,0)から右方向に進んで累積画像データの第1行を探査し、次に、その下段の第2行を探査していく。即ち、図350において、セル(0,0)−>セル(8,0)、セル(0,1)−>セル(4,1)まで順に探査する。そして、ここまでは、各セルの累積値がそれぞれ「0」であり、これらのセルは光源特定に寄与しないので、スキップする。
探査点が、セル(5,1)に進むと、このセル(5,1)の累積値は「67」であり、この状況が、図350Aに示されている。上記のように、探査点であるセル(5,1)と、この探査点の左、左上、上、右上に位置する4つの検査点を含む検索領域P1−1が示されている。
次に、図350Bに示すように、探査点がセル(6,1)に進み、このセル(6,1)の累積値は「57」である。このとき、セル(5,1)は、前回以前の探査点として把握される。
ここで、前回以前の探査点として把握されるセル(5,1)は検索領域P1−2に含まれることになるため、セル(5,1)は、図350Cに示すように、ラベリングされる。
次に、図350Dに示すように、探査点がセル(7,1)に進み、このセル(7,1)の累積値は「39」である。このとき、セル(6,1)は、前回以前の探査点として把握される。
ここで、前回以前の探査点として把握されるセル(6,1)は検索領域P1−3に含まれることになり、セル(6,1)は、図350Eに示すように、ラベリングされる。また、セル(6,1)は、既にラベリングされているセル(5,1)と隣接しているため、これらのセルは連結して把握される。
次に、セル(8,1)、セル(0,2)、セル(1,2)と探査を続け、これらのセルの累積値が「0」であるため、スキップされる。その後、図351Aに示すように、探査点がセル(2,2)に進み、このセル(2,2)の累積値は「76」である。このとき、セル(7,1)は、前回以前の探査点として把握される。
ここで、前回以前の探査点として把握されるセル(7,1)は検索領域P1−4に含まれないので、セル(7,1)は、この時点では、ラベリングされない。
次に、図351Bに示すように、探査点がセル(3,2)に進み、このセル(3,2)の累積値は「103」である。このとき、セル(2,2)は、前回以前の探査点として把握される。
ここで、前回以前の探査点として把握されるセル(7,1)は、依然として検索領域P1−5に含まれないので、セル(7,1)は、この時点では、ラベリングされない。そのため、セル(7,1)とセル(2,2)が、前回以前の探査点として把握されることになる。
ここで、図351Cに示すように、前回以前の探査点として把握されるセル(2,2)は検索領域P1−5に含まれることになり、セル(2,2)がラベリングされる。
次に、図351Dに示すように、探査点がセル(4,2)に進み、このセル(4,2)の累積値は「141」である。このとき、セル(3,2)は、前回以前の探査点として把握される。
ここで、図351Eに示すように、前回以前の探査点として把握されるセル(3,2)は検索領域P1−6に含まれることになるので、ラベリングされる。また、セル(3,2)は、既にラベリングされているセル(2,2)と隣接しているため、これらのセルが連結して把握される。
また、前回以前の探査点として把握されるセル(7,1)は、検索領域P1−6に含まれることになったセル(5,1)に結合されるセル(6,1)に隣接するため、ここで、ラベリングされ、セル(5,1)、セル(6,1)、セル(7,1)が連結して把握される。
次に、セル(5,2)ないしセル(8,2)、セル(0,3)と探査を続け、これらのセルの累積値が「0」であるため、スキップされる。その後、図352Aに示すように、探査点がセル(1,3)に進み、このセル(1,3)の累積値は「49」である。このとき、セル(4,2)は、前回以前の探査点として把握される。
ここで、図352Bに示すように、前回以前の探査点として把握されるセル(4,2)は、検索領域P1−7に含まれることになったセル(2,2)に連結されるセル(3,2)に隣接するため、ここで、ラベリングされる。また、セル(4,2)は、既にラベリングされているセル(3,2)と隣接するため、セル(2,2)、セル(3,2)、セル(4,2)が連結して把握される。さらに、この連結されたセル(2,2)、セル(3,2)、セル(4,2)は、連結されたセル(5,1)、セル(6,1)、セル(7,1)と斜め方向に隣接する関係となるため、セル(2,2)、セル(3,2)、セル(4,2)、セル(5,1)、セル(6,1)、セル(7,1)が連結して把握される。
次に、図352Cに示すように、探査点がセル(2,3)に進み、このセル(2,3)の累積値は「4」である。このとき、セル(1,3)は、前回以前の探査点として把握される。
ここで、図352Dに示すように、前回以前の探査点として把握されるセル(1,3)は、検索領域P1−8に含まれることになるため、ラベリングされる。また、セル(1,3)は、既にラベリングされているセル(2,2)と隣接するため、このセル(2,2)に連結して把握され、さらに、探査点のセル(2,3)も、累積値が「4」であって、セル(2,2)に隣接するため、セル(2,3)も、セル(2,2)に連結して把握され、最終的に、セル(1,3)、セル(2,3)、セル(2,2)、セル(3,2)、セル(4,2)、セル(5,1)、セル(6,1)、セル(7,1)がすべて連結して把握される。
次に、セル(3,3)ないしセル(8,3)、セル(0,4)ないしセル(8,4)と探査を続け、これらのセルの累積値が「0」であるため、スキップされ、すべての探査が終了する。その結果、図352Eに示すように、結合して把握されたセル(即ち、セル(1,3)、セル(2,3)、セル(2,2)、セル(3,2)、セル(4,2)、セル(5,1)、セル(6,1)、セル(7,1))を含む矩形のセルからなるピクセル領域P2が求められ、このピクセル領域P2が一定面積(ここでは、3×2ピクセル)以上の領域であるため、最終的に光源候補として特定される。
上記で説明した処理を、累積画像データの全体に施すことにより、累積値がゼロでないセルの集合からなるピクセル領域を光源候補として特定することができ、このような集合が、複数あれば、複数の光源候補が特定される。
なお、本実施形態では、光源候補として特定するピクセル領域を、累積値がゼロでないセルの集合を含んだ矩形の領域としたが、累積値がゼロでないセルの集合そのものや、当該集合に基づいて得られる領域をピクセル領域として特定することもできる。
また、本実施形態では、各セルの探査において、累積値がゼロであるセルをスキップして、このような、累積値ゼロのセルが、光源候補となるピクセル領域の特定に関与しないように制御しているが、累積値が所定の値(例えば、ゼロより大きな5、10といった値)より小さなセルをスキップして、これらのセルが、光源候補となるピクセル領域の特定に関与しないようにすることもできる。
上記の光源特定処理により、光源候補のピクセル領域が複数現れると判定された場合、そのピクセル領域内における累積値の総和が最も大きい領域が、LED光源の位置として特定される。なお、本実施形態では、LED光源を1カ所とし、これに対応する1つのピクセル領域がLED光源の位置として特定される。
例えば、図349に示す累積画像データを例にとると、太線で囲まれたピクセル領域R1は、累積値が1以上であるピクセルが2×2(ピクセル)の領域に配置されているが、上述したように、3×2(ピクセル)以上の領域ではないので、光源候補になり得ない。
また、太線で囲まれたピクセル領域R2、R3は、どちらも、累積値が1以上である、3×2(ピクセル)以上の領域であり、これらが光源候補となるが、領域R2に含まれる累積値の合計は「469」であり、領域R3に含まれる累積値の合計は「162」であるため、最終的に、累積値の総和(合計)が大きい、領域R2が、LED光源の位置として特定される。
次に、ステップS1176の光源特定処理において、LED光源の位置が特定されたか否かが判定される(ステップS1177)。LED光源の位置が特定された場合(ステップS1177:NO)、処理を終了する。このように、本実施形態では、図349に示した入力画像データ、及び平均画像データが、フレームごと(間引きされたフレームごと)に更新され、それに伴って更新される差分画像データ、及び累積画像データに基づいてLED光源の位置が特定されるように構成される。
LED光源の位置が特定されない場合(ステップS1177:YES)、ステップS1178において、監視時間内か否かが判定される。本実施形態では、監視時間は、2〜7秒である。監視時間内である場合(ステップS1178:YES)、ステップS1170に戻り、VSYNC割込信号の発生を待機する。監視時間内でない場合(ステップS1178:NO)、初期化処理を行う(ステップS1179)。この初期化処理は、Y、U、V成分のそれぞれの平均画像データを、ピクセルごとにそれぞれ対応する入力画像データとし、差分画像データと累積画像データをそれぞれクリアする。ステップS1179の後、ステップS1170に戻り、VSYNC割込信号の発生を待機する。
以上のような光源探査処理によって、LED光源を効果的に求めることができる。LED光源の送信信号は、周波数、振幅に特徴を有しており、外乱成分を抑制して、色、振幅、周期成分の閾値フィルタを通過させると、LED光源付近に特徴が出現する。また、送信データのパルスは広帯域に拡散しているが、背景差分(平均画像との差分)を取ると、高原付近が抽出し易くなる。またさらに、外乱成分については、時間フィルタによってある程度抑制することができる。本発明の光源探査処理は、このような原理に基づいて構築されたものであり、これによって、効果的な光源探査を実現することができる。
なお、本実施形態において、光源探査処理を実行するホストコントローラ2441、DSP回路2442、及びISP回路2445は、光出力特定手段を構成し、DSP回路2442に指示して、平均画像生成処理を実行し、平均画像データ(平均情報)を生成するホストコントローラ2441は、平均情報生成手段を構成し、DSP回路2442に指示して、差分画像生成処理を実行し、差分画像データ(差分情報)を生成するホストコントローラ2441は、差分情報生成手段を構成し、DSP回路2442に指示して、累積値算出処理を実行して累積画像データ(累積情報)を生成するホストコントローラ2441は、累積情報生成手段を構成する。
(データ表示機のイメージセンサユニットにおけるノイズ除去処理)
次に、図353ないし図356を参照して、イメージセンサユニット2311のホストコントローラ2441によって制御される除去処理について説明する。ノイズ除去処理は、演出のためのLED光源の点滅やフリッカ等のノイズを除去する処理である。
最初に、ホストコントローラ2441は、ノイズ除去遅延カウンタが10以上であるか否かを判定する(ステップS1130)。ノイズ除去遅延カウンタが10以上である場合(ステップS1130:YES)、ステップS1132において、光源画像データ取得処理を行い、時系列の観測値を求める。
この光源画像データ取得処理は、光源探査処理の光源特定処理(図348参照)で特定したピクセル領域(YUV画像データにおけるLED光源の位置)から、Y成分の値を抽出し、その平均を算出する。図349の例では、ピクセル領域R2(8×2(ピクセル))がLED光源として特定されているので、順次得られる入力画像データ(Y成分)において、この領域に対応するピクセルのそれぞれのY成分の値が合計され、その合計値が、ピクセル領域R2のピクセル数16で除算される。なお、ここでは、ピクセル領域R2に対応するY成分の値の平均値を観測値として把握するが、他の方法によって観測値を求めるようにしてもよい。例えば、ピクセル領域R2における各ピクセルの累積値等に基づいてY成分の値を重み付けをしたり、ピクセル領域R2のなかの特定のピクセルに対応するY成分の値やそれらの平均値、又は、ピクセル領域R2のなかで最も大きい値を中心として一定の領域(例えば、3×2(ピクセル))の平均値を、観測値とすることもできる。
次に、ステップS1133において、エッジ保持平滑化フィルタ処理を行い、演出に係るLED発光パターンの演出値を推定する。エッジ保持平滑化フィルタは、ドメイントランスフォームフィルタとも呼ばれ、大きなエッジの信号を保持しつつ、小さなエッジをスムージングするフィルタである。当該フィルタによって、遊技機3001から送信される送信データ(遊技状態や演出パターン等のデータ)が重畳された観測値から、演出に係るLED発光パターンを推定し、取り出すことができる。
図354は、遊技機3001から送信される送信データ(遊技状態や演出パターン等のデータ)が重畳された観測値を、概念的に示す図である。図354に示すように、YUV画像データから抽出された特定位置のY成分の値は、最大輝度値(例えば、MAX=255)から最小輝度値(例えば、MIN=0)の間で変動し、太線で表された演出に係るLED発光パターンに、送信データが重畳される。即ち、送信データに基づくLEDの発光パターンを演出に係るLED発光パターンに重畳(合成)する場合に、例えば、送信データのビットが「1」である場合は、演出に係るLEDの発光から少し明るい発光とし、送信データのビットが「0」である場合は、演出に係るLEDの発光から少し暗い発光とする。
例えば、演出に係るLED発光パターンでLEDの輝度が「128」の場合、送信データのビットがON(即ち、「1」)であれば、合成後のLED発光パターンでLEDの輝度が「130」に調整され、一方、送信データのビットがOFF(即ち、「0」)であれば、合成後のLED発光パターンでLEDの輝度が「126」に調整される。このように、送信データによって重畳される輝度値の変動幅は「2」であり、図354に示すような、最大輝度値と最小輝度値の幅に比べて極めて小さく、また、図354の太線で表された演出に係るLED発光パターンの変動幅に比べてもかなり小さいものである。
また、図354には、観測値の左端部分と右端部分がそれぞれ拡大表示されているが、これらの表示が示すように、送信データによって重畳される輝度値の変動周期は、図354の太線で表された演出に係るLED発光パターンの変動タイミング(演出によるLED発光の基本的な変動タイミング)に比べて、かなり短いものであることが分かる。
図355Aは、送信データが重畳された観測値を、より具体的な態様で示している。図355Aでは、連続的に撮像されるYUV画像データのそれぞれをフレームとして表している。そうすると、時間の経過にともなって、演出に係るLED発光パターンとして、大きなY成分の変動が存在し、それに加えて、送信データに係る、小さなY成分の変動が重畳されていることが分かる。
次に、ステップS1134において、演出発光除去処理を行う。この演出発光除去処理は、ステップS1132で取得した観測値(演出に係るLED発光パターンと遊技機3001から送信される送信データとが重畳された値)から、ステップS1133で取り出した演出値(演出に係るLED発光パターンに対応する値)を減算して、信号値を求める。
図355Bには、観測値から演出値が減算された結果求められた信号値の例が示されている。
なお、遊技機3001のランプ3305が、遊技状態や演出パターン等のデータを送信するだけの専用の光出力装置として構成される場合は、演出値が含まれないので、基準となる一定の輝度値を減算すればよい。
次に、ホストコントローラ2441は、フリッカ除去遅延カウンタが64以上であるか否かを判定する(ステップS1135)。フリッカ除去遅延カウンタが64以上である場合(ステップS1135:YES)、ステップS1137において、フリッカ除去処理を行い、フリッカ成分の除去を行う。
図356には、上記のフリッカ除去処理の様子が示されている。図356Aには、図355Bに示した演出値減算後の信号値が、点線により示されている。このように表されるデータをフーリエ変換した結果が、図356Bに示されている。このときに、例えば、蛍光灯などの外乱による100Hzや120Hzといった周波数の周期雑音のなかから信号(フリッカ成分)を抽出して抑制する。抑制されたフリッカ成分は、図356Bの点線として表されている。
次に、ホストコントローラ2441は、DSP回路2442に指示して、フーリエ逆変換を行って、フリッカが除去された信号値を生成する。図356Aに示された実線部分が、フーリエ逆変換によって生成されたパルス系列を示している。このように、フリッカ除去処理では、フーリエ変換とフーリエ逆変換を用いて、図356Aに示されるように、フリッカ成分が除去された信号値が生成される。なお、本実施形態において行われているフーリエ変換では、離散フーリエ変換(Discrete Fourier Transform:DFT)が採用されているが、これは、光源やイメージセンサに使用しているレンズ等の特性に応じて、他のフーリエ変換を採用することもできる。
ノイズ除去遅延カウンタが10以上でない場合(ステップS1130:NO)、ステップS1131において、ノイズ除去遅延カウンタに1加算する。また、フリッカ除去遅延カウンタが64以上でない場合(ステップS1135:NO)、フリッカ除去遅延カウンタに1加算する。図347に示したデータ受信処理で説明した通り、ノイズ除去処理遅延カウンタとフリッカ除去遅延カウンタが、規定値に達していない場合に、復号処理を行わないように制御されるが、本実施形態では、ステップS1132〜ステップS1134におけるノイズ除去処理のために、10フレーム分遅延させるように制御し、ステップS1137における、フーリエ変換を用いたフリッカ除去処理のために、64フレーム分遅延させるように制御している。
ステップS1137、ステップS1131、ステップS1136の処理後、ノイズ除去処理を終了する。
(データ表示機のイメージセンサユニットにおける復号処理)
次に、図357を参照して、イメージセンサユニット2311のホストコントローラ2441によって制御される復号処理について説明する。復号処理は、ノイズ除去処理の結果得られた信号値(パルス波)に基づいて、遊技機3001から送信された送信データ(遊技状態や演出パターン等のデータ)を求める処理である。
最初に、ホストコントローラ2441は、ステップS1150において、符号化がCDMAであるか否かが判定される。この処理は、例えば、イメージセンサユニット2311のフラッシュメモリ2444に記憶されているデータに基づいて判定される。
符号化がCDMAであると判定された場合(ステップS1150:YES)、ステップS1151において、CDMA復号化処理が行われる。この処理は、ノイズ除去処理の結果得られた信号値を、CDMAにより復号化する。符号化がCDMAであるということは、図346に示す、遊技機3001におけるLED制御処理で、送信データの符号化として、CDMA符号化が利用されたということを示している。このCDMA復号化については、図358を参照して後で詳細に説明する。
一方、符号化がCDMAでないと判定された場合(ステップS1150:NO)、ステップS1152において、PSM復号化処理が行われる。この処理は、ノイズ除去処理の結果得られた信号値を、PSMにより復号化する。符号化がPSMであるということは、図346に示す、遊技機3001におけるLED制御処理で、送信データの符号化として、PSM符号化が利用されたということを示している。このPSM復号化については、図359を参照して後で詳細に説明する。
また、図357の例では、図346に示す、遊技機3001におけるLED制御処理における符号化の選択に応じて、CDMA復号化、又はPSM復号化が用いられるが、遊技機3001におけるLED制御処理において、それ以外の符号化が用いられる場合は、それに合わせて、対応する方式の復号化を用いるように構成することができる。
(符号化方式、及び復号化方式)
上述したように、本実施形態では、遊技機3001において、遊技状態や演出パターン等のデータからなる送信データを1ビット単位で符号化し、LEDの発光を介してパルス波でデータ表示機2001に送信する。また、LEDの発光を撮像した画像に基づいて受信したデータ表示機2001は、受信したパルス波から、符号との相関値を計算し、相関値が閾値以上のパルス波を、遊技機3001から受信した送信データとして認識する。
例えば、送信データが4ビットのデータ「0011」である場合に、ビット「1」に符号ビット「0101」を割り当て、ビット「0」に、ビット「1」に対応する符号ビットを反転させた符号ビット「1010」を割り当てると、符号化後の送信データは、ビット列「1010,1010,0101,0101」となる(なお、ビット中のコンマは、送信データの4ビットを分かり易く区切るため、便宜上挿入されたものである)。
このような符号化後のビット列は、符号の開始位置が不明瞭であり、さらに、4ビットのウインドウサイズで処理を行うためにビット列のデータをスライドさせると、ウインドウに同じ符号が出現し、符号との相関値が高くなってしまうという、復号時の問題点を含んでいる。
そこで、本実施形態では、符号の開始位置が分かり易い(即ち、同期を取り易い)符号であって、自己相関、及び相互相関が低くなる符号を選択することが重要となる。なお、自己相関とは、信号が、その信号自体を時間シフトした場合の信号とどれだけ良く整合するかを測る尺度であり、相互相関は、2つの信号の類似性を表す尺度である。
上述した復号時の問題を解決するため、本実施形態では、CDMA符号化において、独自の拡散符号を採用する。CDMA符号化は、同一の周波数帯域内で2つ以上の通信(多元接続)を行うために用いる方式である。
ここで、CDMA符号を以下のような観点により設定する。
A.自己相関、及び相互相関の低いCDMA符号を選択する。即ち、反転させた際の自己相関、相互相関がともに小さくなるような拡散符号であって、ウインドウ(処理単位等に基づく区切り窓)をスライドさせた場合の相関値が小さくなる拡散符号を採用する。
B.16ビット拡散符号を2種類用意する。即ち、ウインドウをスライドさせた場合の相関値が低くなるように2つの拡散符号を配置する。
C.送信データの先端の1ビットのみ32ビット拡散符号を対応付け、残りのビットには16ビット拡散符号を対応付ける。このように構成することで、送信データの開始位置を明確に把握することができる。
図358には、上記の拡散符号を用いたCDMA符号化の例が示されている。図358Aには、送信データのビットに応じて設定された先端32ビット符号、及び2つの16ビット符号(16ビット符号(1)と16ビット符号(2))が(16進数で)それぞれ示されている。送信データの先端ビットが「1」の場合、これに対応付けられる先端32ビット符号は、「36553cca」であり、「0」の場合は「c9aac335」である。また、送信データの先端ビット以外のビットが「1」の場合、これに対応付けられる16ビット符号(1)は、「3c35」であり、16ビット符号(2)は、「91da」である。また、送信データの先端ビット以外のビットが「0」の場合、これに対応付けられる16ビット符号(1)は、「c3ca」であり、16ビット符号(2)は、「6e25」である。
ここで、送信データのビットが「1」である場合の先端32ビット符号、16ビット符号(1)、及び16ビット符号(2)はそれぞれ、送信データのビットが「0」である場合には、ビット「0」とビット「1」を反転した値となっている。
例えば、送信データの対応ビットが「1」の場合の16ビット符号(1)は、図358Aで示されているように、「3c35」であり、2進数では「0011110000110101」と表される。一方、送信データの対応ビットが「0」の場合の16ビット符号(1)は、図358Aで示されているように、「c3ca」であり、2進数では「1100001111001010」と表され、両者の2進数表現を比較すると、対応する各桁で、ビット「1」とビット「0」が反転する関係になっていることがわかる。
図358Bは、送信データに、どのような符号の並びが対応付けられるかを示したものである。先端32ビット符号、16ビット符号(1)、16ビット符号(2)はそれぞれ、「先端」、「(1)」、「(2)」との表記で示されている。ここでは、送信データが2バイトのデータとして示されている。送信データの最初のビット(第1ビット)には、先端32ビット符号が配置され、そのビットが「1」であれば、図358Aで示した、ビット「1」に対応する先端32ビット符号「36553cca」が対応付けられ、そのビットが「0」であれば、図358Aで示した、ビット「0」に対応する先端32ビット符号「c9aac335」が対応付けられる。
送信データの第2ビットには、16ビット符号(1)が配置され、そのビットが「1」であれば、図358Aで示した、ビット「1」に対応する16ビット符号(1)「3c35」が対応付けられ、そのビットが「0」であれば、図358Aで示した、ビット「0」に対応する16ビット符号(1)「c3ca」が対応付けられる。さらに、送信データの第3ビットには、16ビット符号(2)が配置され、そのビットが「1」であれば、図358Aで示した、ビット「1」に対応する16ビット符号(2)「91da」が対応付けられ、そのビットが「0」であれば、図358Aで示した、ビット「0」に対応する16ビット符号(2)「6e25」が対応付けられる。以降、同様に、図358Bに示す符号の並びと、対応するビットの内容にしたがって、送信データの符号化が行われる。
上記のような方式によって符号化を行った結果が、図358Cに示されている。図358Cの例1では、送信データ(誤り符号化処理が行われた2バイトの誤り訂正符号「c53a」(16進数))を上述の符号化により変換し、最下行に示すCDMA符号化データが得られる。なお、このCDMA符号化データは、16進数で表記されており、最終的には、34バイト(272ビット)長のデータとなる。
例えば、例1の場合、第1ビット(B0)は、「1」であるため、ビット「1」に対応する先端32ビット符号「36553cca」が対応付けられ、第2ビット(B1)は、「1」であるため、ビット「1」に対応する16ビット符号(1)「3c35」が対応付けられ、第3ビット(B2)は、「0」であるため、ビット「0」に対応する16ビット符号(2)「6e25」が対応付けられ、以降、同様の方式で対応付けが行われる。
図358Cの例2では、異なる送信データに関する符号化の例が示されている。ここでは、誤り符号化処理が行われた2バイトの誤り訂正符号「453a」(16進数)を上述の符号化により変換し、最下行に示すCDMA符号化データが得られる。なお、このCDMA符号化データは、16進数で表記されており、最終的には、34バイト(272ビット)長のデータとなる。
例2の送信データ(誤り訂正符号「453a」)は、例1の送信データ(誤り訂正符号「c53a」)とビットの並びを比べると、第1ビットのみが異なるデータとなっている。そのため、第1ビット(B0)は、ビット「0」に対応する先端32ビット符号「c9aac335」が対応付けられ、残りのビットについては、例1と同様の符号化が行われる。
なお、本実施形態では、図358Aに示すように、先端32ビット符号、及び2つの16ビット符号(16ビット符号(1)、16ビット符号(2))を、送信データのビットの内容に応じてそれぞれ定義しているが、このような各符号の値に限定されるものではなく、他の値で構成される符号の組合せを用いて本願の効果を奏するようにすることができる。
また、図358Bに示す符号の並びについても、他の様々なパターンを用いて、本願の効果を奏するようにすることができる。また、図358Cに示すような、CDMA符号化データを生成するための符号化処理において、送信データ(誤り訂正符号)の並びをビット単位、又はその他の単位で並び替えてから、当該符号化処理を行うようにしてもよい。
このような、CDMA符号化データを用いることにより、符号の開始位置が明りょうになり、区切り窓をスライドさせた場合の相関値が小さくなるという、好ましい符号化が実現される。
CDMA復号化は、上記のような符号化のプロセスを逆に実行することにより、好適に、元の送信データを把握することができる。
次に、PSM符号化において、上述した復号時の問題を解決するための本実施形態での対応について説明する。PSM符号化は、マンチェスタ符号を用いるものであり、このマンチェスタ符号は、ビット「0」、ビット「1」がそれぞれ、低レベルから高レベルへの遷移、高レベルから低レベルへの遷移で表される(逆の対応関係で設定される場合もある)。
ここで、マンチェスタ符号を以下のような観点により設定する。
A.送信データの1ビットを2ビットで表現する。このように構成することで、符号が単調になるのを回避し、ノイズを符号として認識してしまうことを抑止する。
B.プリアンブル(同期信号)を導入する。即ち、1つの送信データに、32ビット長のプリアンブルを導入し、そのプリアンブルを複雑なものとする。このように構成することで、信号の開始位置が明りょうになり、復号化の際の識別率を向上させることができる。
本実施形態では、送信データのビット「1」を2ビットの「01」に符号化し、送信データのビット「0」を2ビットの「10」に符号化したマンチェスタ符号が使用される。
図359は、上記のマンチェスタ符号を用いたPSM符号化の例を示している。図359Aには、送信データ(誤り訂正符号)の例が示されている。この送信データは、図358Cで示した誤り訂正符号と同じ、2バイトのデータ「c53a」(16進数)である。
図359Bは、図359Aに示した送信データ「c53a」を符号化した例を示している。符号化処理の結果、得られたデータの先頭には、プリアンブルとして、2ビットの「10」が15回繰り返された後、2ビットの「01」が1回付加されたビット列が配置されている。その後に、送信データの各ビットに対応したマンチェスタ符号が配置される。その結果得られる、PSM符号化データは、8バイト(64ビット)長のデータとなる。
このような符号化により、符号化データを複雑なものとし、ノイズが符号として認識されてしまうことを抑止するとともに、プリアンブルにより、信号の開始が明りょうとなり、復号化の際の識別率を向上させることができる。
PSM復号化は、上記のような符号化のプロセスを逆に実行することにより、好適に、元の送信データを把握することができる。
以上、本発明の第14実施形態に係る遊技システムについて説明したが、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではない。また、第7実施形態〜第13実施形態に記載された実施形態、及び変形例に対して適用することができるものである。また、データ表示機2001は、第7実施形態〜第13実施形態において示された遊技用装置や遊技用表示装置であってもよく、さらに、遊技媒体貸出装置や、遊技機に設ける遊技機装飾用のユニット等を含む様々な遊技用装置とすることができる。
また、遊技用表示装置に関しては、遊技機ごとに異なるスクリーンユニットを適用してもよいし、いわゆる島単位に同種のスクリーンユニットを適用するようにしてもよい。
また、遊技用表示装置としては、透過型のプロジェクタ装置として構成されるとともに、スクリーンの形態が異なるスクリーンユニットに取り替え可能な構成であればよく、例えば筐体の上面あるいは側面にプロジェクタ本体を設置するようにしてもよい。また、例えばリフレクタを用いずにプロジェクタ本体から投射された光がスクリーンの背面側の入射面に直接入射するようにしてもよい。
スクリーンユニットの取り替え可能な種類は、上記実施形態の3種類に限らず、スクリーンの形態が異なるものであれば2種類でも4種類以上でもよい。また、スクリーンの形態に限らず、スクリーンの素材が異なるようにしてもよい。
発光面の位置は、前面の左右両端部に限らず、例えば前面の上部や下部、あるいは側面であってもよい。
第2表示面は、先述した形状に限らず、第1表示面より前方に厚みをもつものであれば、例えば平行四辺形、ひし形、あるいは円形の形状であってもよい。
ボタンを含む操作ユニットは、スクリーンユニットに一体的に設けるようにしてもよい。
スクリーンユニットを取り替える際には、スクリーンの形態や特性が異なることから投影像に対応する投影データの変更や投影像の光学補正が必要な場合がある。このような場合に対処すべく、遊技用表示装置の制御ユニットには、各スクリーンの形態等に応じた投影像データや光学補正データに係る設定情報を予め記憶しておき、スクリーンごとに対応する設定情報を呼び出して適用するようにしてもよい。
また、スクリーンユニットの取り替えに際して対応する設定情報を適用可能な構成を実現するためには、(1)LED基板(ケーブル)の接続有無を制御ユニットで判定する処理を設けたり、(2)スクリーンユニットに別途制御装置を設け、スクリーンユニットの取り替え後で筐体の制御ユニットの起動時、その制御装置から制御ユニットに特定のコマンドを送信し、いずれのスクリーンユニットにおける制御装置が接続されたかを制御ユニットにおいて判定する処理を設けたり、(3)操作ユニットのボタンを操作することで設定画面を表示させ、この設定画面において管理者が取り替え後のスクリーンユニットの種類を設定情報として入力可能とすればよい。
このような設定情報は、一の画像データをどのような投影方式(方法)で投影するのかを決定付ける情報といえる。また、設定情報は、ホールコンピュータとしてのサーバ装置から変更可能としてもよいし、マスタースレーブ方式によって一の遊技用表示装置において変更された場合に他の遊技用表示装置でも同様に変更されるようにしてもよい。
[遊技機の拡張性]
第7実施形態〜第14実施形態の遊技機では、遊技者のメダルの投入操作(即ち、手持ちのメダルをメダル投入口に対して投入する操作、あるいは、クレジットされたメダルをMAXベットボタン、若しくは1ベットボタンを操作して投入する操作)により遊技が開始され、遊技が終了したときにメダルの払い出しがある場合には、ホッパー装置が駆動してメダル払出口からメダルが払い出され、あるいは、クレジットされる形態について説明したが、これに限られるものではない。
例えば、遊技者によって遊技に必要な遊技媒体が投入され、それに基づいて遊技が行われ、その遊技の結果に基づいて特典が付与(例えば、メダルが払い出される)形態全てについて、本発明を適用することができる。即ち、物理的な遊技者の動作によって遊技媒体が投入され(掛けられ)、遊技媒体が払い出される形態のみならず、主制御回路(主制御基板)自体が、遊技者が保有する遊技媒体を電磁的に管理し、メダルレスで遊技を可能とするものであってもよい。また、遊技者が保有する遊技媒体を電磁的に管理するのは、主制御回路(主制御基板)に装着され(接続され)、遊技媒体を管理する遊技媒体管理装置であってもよい。
この場合、遊技媒体管理装置は、ROM、及びRWM(あるいは、RAM)を有して、遊技機に設けられる装置であって、図示しない外部の遊技媒体取扱装置と所定のインターフェースを介して双方向通信可能に接続されるものであり、遊技媒体の貸出動作(即ち、遊技者が遊技媒体の投入操作を行う上で、必要な遊技媒体を提供する動作)若しくは遊技媒体の払出に係る役に入賞(当該役が成立)した場合の、遊技媒体の払出動作(即ち、遊技者に対して遊技媒体の払出を行う上で、必要な遊技媒体を獲得させる動作)、又は遊技の用に供する遊技媒体を電磁的に記録する動作を行い得るものとすればよい。また、遊技媒体管理装置は、これら実際の遊技媒体数の管理のみならず、例えば、その遊技媒体数の管理結果に基づいて、遊技機の前面に、保有する遊技媒体数を表示する保有遊技媒体数表示装置(不図示)を設けることとし、この保有遊技媒体数表示装置に表示される遊技媒体数を管理するものであってもよい。即ち、遊技媒体管理装置は、遊技者が遊技の用に供することができる遊技媒体の総数を電磁的方法により記録し、表示することができるものとすればよい。
また、この場合、遊技媒体管理装置は、遊技者が、記録された遊技媒体数を示す信号を、外部の遊技媒体取扱装置に対して自由に送信させることできる性能を有し、また、遊技者が直接操作する場合のほか、記録された遊技媒体数を減ずることができない性能を有し、また、外部の遊技媒体取扱装置との間に外部接続端子板(不図示)が設けられる場合には、その外部接続端子板を介してでなければ、遊技者が、記録された遊技媒体数を示す信号を送信できない性能を有することが望ましい。
遊技機には上記の他、遊技者が操作可能な貸出操作手段、返却(精算)操作手段、外部接続端子板が設けられ、遊技媒体取扱装置には紙幣等の有価価値の投入口、記録媒体(例えばICカード)の挿入口、携帯端末から電子マネー等の入金を行うための非接触通信アンテナ等、その他貸出操作手段、返却操作手段等各種操作手段、遊技媒体取扱装置側外部接続端子板が設けられるようにしてもよい(いずれも不図示)。
その際の遊技の流れとしては、例えば、遊技者が遊技媒体取扱装置に対しいずれかの方法で有価価値を入金し、上記いずれかの貸出操作手段の操作に基づいて所定数の有価価値を減算し、遊技媒体取扱装置から遊技媒体管理装置に対し減算した有価価値に対応する遊技媒体を増加させる。そして遊技者は遊技を行い、さらに遊技媒体が必要な場合には上記操作を繰り返し行う。その後遊技の結果所定数の遊技媒体を獲得し、遊技を終了する際にはいずれかの返却操作手段を操作することにより遊技媒体管理装置から遊技媒体取扱装置に対し遊技媒体数を送信し、遊技媒体取扱装置はその遊技媒体数を記録した記録媒体を排出する。遊技媒体管理装置は遊技媒体数を送信したときに自身が記憶する遊技媒体数をクリアする。遊技者は排出された記録媒体を景品交換するために景品カウンター等に持っていくか、又は他の台で記録された遊技媒体に基づいて遊技を行うために遊技台を移動する。
なお、上記例では全遊技媒体を遊技媒体取扱装置に対して送信したが、遊技機、又は遊技媒体取扱装置側で遊技者が所望する遊技媒体数のみを送信し、遊技者が所持する遊技媒体を分割して処理することとしてもよい。また、記録媒体を排出するだけに限らず、現金、又は現金等価物を排出するようにしてもよいし、携帯端末等に記憶させるようにしもよい。また、遊技媒体取扱装置は遊技場の会員記録媒体を挿入可能とし、会員記録媒体に貯留して後日再遊技可能とするようにしてもよい。
また、遊技機、又は遊技媒体取扱装置において、図示しない所定の操作手段を操作することにより遊技媒体取扱装置、又は遊技媒体管理装置に対し遊技媒体、又は有価価値のデータ通信をロックするロック操作を実行可能としてもよい。その際にはワンタイムパスワード等遊技者にしか知りえない情報を設定することや遊技機、又は遊技媒体取扱装置に設けられた撮像手段により遊技者を記憶するようにしてもよい。
なお、この遊技媒体管理装置は、上述のように、メダルレスでのみ遊技を可能とするものであってもよいし、物理的な遊技者の動作によって遊技媒体が投入され(掛けられ)、遊技媒体が払い出される形態、及びメダルレスで遊技を可能とする形態、双方の形態で遊技を可能とするものであってもよい。この場合には、遊技媒体管理装置が、上述のセレクタ66やホッパー装置51を直接的に制御する方式を採用することもできるし、これらが主制御回路(主制御基板)によって制御され、その制御結果が送信されること基づいて、遊技者が遊技の用に供することができる遊技媒体の総数を電磁的方法により記録し、表示する制御を行い得る制御を可能とする方式を採用することもできる。
また、上記では、遊技媒体管理装置を、パチスロ遊技機に適用する場合について説明しているが、上述した遊技球を用いるスロットマシンや封入式遊技機においても同様に遊技媒体管理装置を設け、遊技者の遊技媒体が管理されるようにすることもできる。
このように、上述した遊技媒体管理装置を設けることにより、遊技媒体が物理的に遊技に供される場合と比べて、遊技機内部のセレクタやホッパー装置等を減らすことができ、遊技機の原価、及び製造コストを削減できるのみならず、遊技者が直接遊技媒体に接触しないようにすることもでき、遊技環境が改善し、騒音も減らすことができるとともに、装置を減らしたことにより遊技機の消費電力を減らすことにもなる。また、遊技媒体や遊技媒体の投入口や払出口を介した不正行為を防止することができる。即ち、遊技機をとりまく種々の環境を改善することができる遊技機を提供することが可能となる。
なお、本発明の実施形態に係る遊技用装置、光通信装置、遊技機、及び遊技システムは、基本的に、以下の特徴及び作用効果を有することを付記として開示する。
[付記1A1]
[背景技術]
従来の遊技機には種々の遊技用装置が接続され、この遊技用装置は、遊技機から送信される情報に基づいて、表示装置での表示を制御するように構成される。
例えば、遊技機が、大当たり情報や遊技結果を含む情報を遊技用表示装置(いわゆる、データ表示機)に送信すると、遊技用表示装置は、ボーナスゲーム等の当り回数、前回当り遊技状態終了後からのゲーム数、当り遊技状態中のメダルの獲得枚数といった遊技情報の表示や、こうした遊技情報に基づく演出を実行することができるように構成される。
特許文献1には、遊技機に設置され、遊技機からの大当たり情報等を受信し、当該受信した情報を液晶表示装置に表示する台表示機が開示されている。また、特許文献2には、送信信号を光信号に変換して発光し、発光する光信号を受信して受信信号を出力する非接触通信装置が開示されている。
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1]特開2016−087321号公報
[特許文献2]特開2012−209747号公報
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
しかしながら、特許文献1のような遊技機では、遊技機で送信できる情報が少なく、台表示機の液晶表示装置で様々な演出を行うことが難しいため、遊技機から台表示機に対して、LEDによるLED通信を行って情報を送信することが提案されている。
また、特許文献2のような非接触通信を行う場合、遊技機と台表示機が設置される遊技機店内では、店内照明や、隣接する遊技機からの光(例えば、演出のために出力される光)が外乱光となり、通信の精度が低下してしまう。
さらに、遊技機と台表示機の設置位置は、遊技店のレイアウトや設置業者によりずれることが多いため、非接触通信ができなくなったり、精度が低下したりすることがある。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、外乱光を除去して、データ通信のためのLED光源を効率的、かつ、高精度で特定することが可能な遊技用装置、光通信装置、及び遊技システムを提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段]
本発明は、以下のような遊技用装置、光通信装置、及び遊技システムを提供する。
本発明の第1の実施態様に係る発明は、下記の構成を有する。
非接触受信装置(例えば、イメージセンサユニット2311)を備え、
前記非接触受信装置は、
外部装置(例えば、遊技機3001)が備える光出力手段(例えば、ランプ3305)からの光信号を入力する光入力手段(例えば、CMOSイメージセンサ2432)と、
前記光入力手段が入力した光信号に基づいて、前記光出力手段の出力を特定する光出力特定手段(例えば、ホストコントローラ2441、DSP回路2442、ISP回路2445)と、を有し、
前記光出力特定手段は、
前記光入力手段が入力した光信号に基づいて、入力した光信号の入力情報(例えば、入力画像データ)を生成する入力情報生成手段(例えば、ISP回路2445)と、
前記光入力手段が入力した光信号に基づいて、入力した光信号の平均情報(例えば、平均画像データ)を生成する平均情報生成手段(例えば、ホストコントローラ2441、DSP回路2442)と、
前記入力情報と前記平均情報との差分情報(例えば、差分画像データ)を生成する差分情報生成手段(例えば、ホストコントローラ2441、DSP回路2442)と、
前記差分情報に基づいて累積情報(例えば、累積画像データ)を生成する累積情報生成手段(例えば、ホストコントローラ2441、DSP回路2442)と、を備え、
前記累積情報に基づいて前記光出力手段の出力を特定する遊技用装置(例えば、データ表示機2001)。
本発明のこのような構成により、外乱光を除去して、データ通信のためのLED光源を効率的、かつ、高精度で特定することができる。
本発明の第2の実施態様に係る発明は、下記の構成を有する。
外部装置が備える光出力手段からの光信号を入力する光入力手段と、
前記光入力手段が入力した光信号に基づいて、前記光出力手段の出力を特定する光出力特定手段と、を有し、
前記光出力特定手段は、
前記光入力手段が入力した光信号に基づいて、入力した光信号の入力情報を生成する入力情報生成手段と、
前記光入力手段が入力した光信号に基づいて、入力した光信号の平均情報を生成する平均情報生成手段と、
前記入力情報と前記平均情報との差分情報を生成する差分情報生成手段と、
前記差分情報に基づいて累積情報を生成する累積情報生成手段と、を備え、
前記累積情報に基づいて前記光出力手段の出力を特定する光通信装置(例えば、イメージセンサユニット2311)。
本発明のこのような構成により、外乱光を除去して、データ通信のためのLED光源を効率的、かつ、高精度で特定することができる。
本発明の第3の実施態様に係る発明は、下記の構成を有する。
非接触送信装置(例えば、遊技機3001)と、
非接触受信装置(例えば、データ表示機2001)と、を備え、
前記非接触送信装置は、
送信データを生成する送信データ生成手段(例えば、副制御部3302)と、
前記送信データ生成手段が生成した送信データを光信号に変換して出力する光出力手段(例えば、ランプ3305)と、を有し、
前記非接触受信装置は、
前記非接触送信装置の前記光出力手段からの光信号を入力する光入力手段と、
前記光入力手段が入力した光信号に基づいて、前記光出力手段の出力を特定する光出力特定手段と、を有し、
前記光出力特定手段は、
前記光入力手段が入力した光信号に基づいて、入力した光信号の入力情報を生成する入力情報生成手段と、
前記光入力手段が入力した光信号に基づいて、入力した光信号の平均情報を生成する平均情報生成手段と、
前記入力情報と前記平均情報との差分情報を生成する差分情報生成手段と、
前記差分情報に基づいて累積情報を生成する累積情報生成手段と、を備え、
前記累積情報に基づいて前記光出力手段の出力を特定する遊技システム(例えば、遊技システム5001)。
本発明のこのような構成により、外乱光を除去して、データ通信のためのLED光源を効率的、かつ、高精度で特定することができる。
[発明の効果]
本発明によれば、外乱光を除去して、データ通信のためのLED光源を効率的、かつ、高精度で特定することが可能である。
[付記1A2]
[背景技術]
従来の遊技機には種々の遊技用装置が接続され、この遊技用装置は、遊技機から送信される情報に基づいて、表示装置での表示を制御するように構成される。
例えば、遊技機が、大当たり情報や遊技結果を含む情報を遊技用表示装置(いわゆる、データ表示機)に送信すると、遊技用表示装置は、ボーナスゲーム等の当り回数、前回当り遊技状態終了後からのゲーム数、当り遊技状態中のメダルの獲得枚数といった遊技情報の表示や、こうした遊技情報に基づく演出を実行することができるように構成される。
特許文献1には、遊技機に設置され、遊技機からの大当たり情報等を受信し、当該受信した情報を液晶表示装置に表示する台表示機が開示されている。また、特許文献2には、送信信号を光信号に変換して発光し、発光する光信号を受信して受信信号を出力する非接触通信装置が開示されている。
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1]特開2016−087321号公報
[特許文献2]特開2012−209747号公報
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
しかしながら、特許文献1のような遊技機では、遊技機で送信できる情報が少なく、台表示機の液晶表示装置で様々な演出を行うことが難しいため、遊技機から台表示機に対して、LEDによるLED通信を行って情報を送信することが提案されている。
また、特許文献2のような非接触通信を行う場合、遊技機と台表示機が設置される遊技機店内では、店内照明や、隣接する遊技機からの光(例えば、演出のために出力される光)が外乱光となり、通信の精度が低下してしまう。
さらに、遊技機と台表示機の設置位置は、遊技店のレイアウトや設置業者によりずれることが多いため、非接触通信ができなくなったり、精度が低下したりすることがある。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、外乱光を除去して、データ通信のためのLED光源を効率的、かつ、高精度で特定することが可能な遊技用装置、光通信装置、及び遊技システムを提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段]
本発明は、以下のような遊技用装置、光通信装置、及び遊技システムを提供する。
本発明の第1の実施態様に係る発明は、下記の構成を有する。
非接触受信装置(例えば、イメージセンサユニット2311)を備え、
前記非接触受信装置は、
外部装置(例えば、遊技機3001)が備える光出力手段(例えば、ランプ3305)からの光信号を入力する光入力手段(例えば、CMOSイメージセンサ2432)と、
前記光入力手段が入力した光信号に基づいて、前記光出力手段の出力を特定する光出力特定手段(例えば、ホストコントローラ2441、DSP回路2442、ISP回路2445)と、を有し、
前記光出力特定手段は、
前記光入力手段が入力した光信号に基づいて、入力した光信号の入力情報(例えば、入力画像データ)をフレーム単位で生成する入力情報生成手段(例えば、ISP回路2445)と、
前記光入力手段が入力した光信号に基づいて、入力した光信号の平均情報(例えば、平均画像データ)を生成する平均情報生成手段(例えば、ホストコントローラ2441、DSP回路2442)と、を備え、
前記入力情報と前記平均情報との差分情報(例えば、差分画像データ)に基づいて前記光出力手段の出力を特定し、
前記平均情報生成手段は、
生成されたフレームの入力情報と、当該フレームより前のフレームに係る平均情報との差分情報、及び所定の係数(例えば、0.91といった学習係数)に基づいて、順次、平均情報を更新する(例えば、後述する式1により平均画像データを更新する)ことにより、平均情報を生成する遊技用装置(例えば、データ表示機2001)。
本発明のこのような構成により、外乱光を除去して、データ通信のためのLED光源を効率的、かつ、高精度で特定することができる。
本発明の第2の実施態様に係る発明は、下記の構成を有する。
外部装置が備える光出力手段からの光信号を入力する光入力手段と、
前記光入力手段が入力した光信号に基づいて、前記光出力手段の出力を特定する光出力特定手段と、を有し、
前記光出力特定手段は、
前記光入力手段が入力した光信号に基づいて、入力した光信号の入力情報をフレーム単位で生成する入力情報生成手段と、
前記光入力手段が入力した光信号に基づいて、入力した光信号の平均情報を生成する平均情報生成手段と、を備え、
前記入力情報と前記平均情報との差分情報に基づいて前記光出力手段の出力を特定し、
前記平均情報生成手段は、
生成されたフレームの入力情報と、当該フレームより前のフレームに係る平均情報との差分情報、及び所定の係数に基づいて、順次、平均情報を更新することにより、平均情報を生成する光通信装置(例えば、イメージセンサユニット2311)。
本発明のこのような構成により、外乱光を除去して、データ通信のためのLED光源を効率的、かつ、高精度で特定することができる。
本発明の第3の実施態様に係る発明は、下記の構成を有する。
非接触送信装置(例えば、遊技機3001)と、
非接触受信装置(例えば、データ表示機2001)と、を備え、
前記非接触送信装置は、
送信データを生成する送信データ生成手段(例えば、副制御部3302)と、
前記送信データ生成手段が生成した送信データを光信号に変換して出力する光出力手段(例えば、ランプ3305)と、を有し、
前記非接触受信装置は、
前記非接触送信装置の前記光出力手段からの光信号を入力する光入力手段と、
前記光入力手段が入力した光信号に基づいて、前記光出力手段の出力を特定する光出力特定手段と、を有し、
前記光出力特定手段は、
前記光入力手段が入力した光信号に基づいて、入力した光信号の入力情報をフレーム単位で生成する入力情報生成手段と、
前記光入力手段が入力した光信号に基づいて、入力した光信号の平均情報を生成する平均情報生成手段と、を備え、
前記入力情報と前記平均情報との差分情報に基づいて前記光出力手段の出力を特定し、
前記平均情報生成手段は、
生成されたフレームの入力情報と、当該フレームより前のフレームに係る平均情報との差分情報、及び所定の係数に基づいて、順次、平均情報を更新することにより、平均情報を生成する遊技システム(例えば、遊技システム5001)。
本発明のこのような構成により、外乱光を除去して、データ通信のためのLED光源を効率的、かつ、高精度で特定することができる。
[発明の効果]
本発明によれば、外乱光を除去して、データ通信のためのLED光源を効率的、かつ、高精度で特定することが可能である。
[付記1B1]
[背景技術]
従来の遊技機には種々の遊技用装置が接続され、この遊技用装置は、遊技機から送信される情報に基づいて、表示装置での表示を制御するように構成される。
例えば、遊技機が、大当たり情報や遊技結果を含む情報を遊技用表示装置(いわゆる、データ表示機)に送信すると、遊技用表示装置は、ボーナスゲーム等の当り回数、前回当り遊技状態終了後からのゲーム数、当り遊技状態中のメダルの獲得枚数といった遊技情報の表示や、こうした遊技情報に基づく演出を実行することができるように構成される。
特許文献1には、遊技機に設置され、遊技機からの大当たり情報等を受信し、当該受信した情報を液晶表示装置に表示する台表示機が開示されている。また、特許文献2には、送信信号を光信号に変換して発光し、発光する光信号を受信して受信信号を出力する非接触通信装置が開示されている。
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1]特開2016−087321号公報
[特許文献2]特開2012−209747号公報
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
しかしながら、特許文献1のような遊技機では、遊技機で送信できる情報が少なく、台表示機の液晶表示装置で様々な演出を行うことが難しいため、遊技機から台表示機に対して、LEDによるLED通信を行って情報を送信することが提案されている。
また、特許文献2のような非接触通信を行う場合、遊技機と台表示機が設置される遊技機店内では、店内照明や、隣接する遊技機からの光(例えば、演出のために出力される光)が外乱光となり、通信の精度が低下してしまう。
さらに、遊技機と台表示機の設置位置は、遊技店のレイアウトや設置業者によりずれることが多いため、非接触通信ができなくなったり、精度が低下したりすることがある。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、外乱光を除去して、データ通信のためのLED光源を効率的、かつ、高精度で特定することが可能な遊技用装置、光通信装置、及び遊技システムを提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段]
本発明は、以下のような遊技用装置、光通信装置、及び遊技システムを提供する。
本発明の第1の実施態様に係る発明は、下記の構成を有する。
非接触受信装置(例えば、イメージセンサユニット2311)を備え、
前記非接触受信装置は、
外部装置(例えば、遊技機3001)が備える光出力手段(例えば、ランプ3305)からの光信号を入力する光入力手段(例えば、CMOSイメージセンサ2432)と、
前記光入力手段が入力した光信号に基づいて、前記光出力手段の出力を特定する光出力特定手段(例えば、ホストコントローラ2441、DSP回路2442、ISP回路2445)と、を有し、
前記光出力特定手段は、
前記光入力手段が入力した光信号に基づいて、入力した光信号の入力情報(例えば、入力画像データ)を生成する入力情報生成手段(例えば、ISP回路2445)と、
前記光入力手段が入力した光信号に基づいて、入力した光信号の平均情報(例えば、平均画像データ)を生成する平均情報生成手段(例えば、ホストコントローラ2441、DSP回路2442)と、
前記入力情報と前記平均情報との差分情報(例えば、差分画像データ)を生成する差分情報生成手段(例えば、ホストコントローラ2441、DSP回路2442)と、
前記差分情報に基づいて、累積値の配列からなる累積情報(例えば、累積画像データ)を生成する累積情報生成手段(例えば、ホストコントローラ2441、DSP回路2442)と、を備え、
前記累積情報に基づいて、前記累積情報の配列の判定範囲(例えば、図349の累積画像データに示すピクセル領域R1ないしR3)を検出し、検出した前記判定範囲が複数の場合は、前記判定範囲における累積値の総和が最も大きい判定範囲(例えば、図349の累積画像データに示すピクセル領域R2)を前記光出力手段の出力と特定する遊技用装置(例えば、データ表示機2001)。
本発明のこのような構成により、外乱光を除去して、データ通信のためのLED光源を効率的、かつ、高精度で特定することができる。
本発明の第2の実施態様に係る発明は、下記の構成を有する。
外部装置が備える光出力手段からの光信号を入力する光入力手段と、
前記光入力手段が入力した光信号に基づいて、前記光出力手段の出力を特定する光出力特定手段と、を有し、
前記光出力特定手段は、
前記光入力手段が入力した光信号に基づいて、入力した光信号の入力情報を生成する入力情報生成手段と、
前記光入力手段が入力した光信号に基づいて、入力した光信号の平均情報を生成する平均情報生成手段と、
前記入力情報と前記平均情報との差分情報を生成する差分情報生成手段と、
前記差分情報に基づいて、累積値の配列からなる累積情報を生成する累積情報生成手段と、を備え、
前記累積情報に基づいて、前記累積情報の配列の判定範囲を検出し、検出した前記判定範囲が複数の場合は、前記判定範囲における累積値の総和が最も大きい判定範囲を前記光出力手段の出力と特定する光通信装置(例えば、イメージセンサユニット2311)。
本発明のこのような構成により、外乱光を除去して、データ通信のためのLED光源を効率的、かつ、高精度で特定することができる。
本発明の第3の実施態様に係る発明は、下記の構成を有する。
非接触送信装置(例えば、遊技機3001)と、
非接触受信装置(例えば、データ表示機2001)と、を備え、
前記非接触送信装置は、
送信データを生成する送信データ生成手段と、
前記送信データ生成手段が生成した送信データを光信号に変換して出力する光出力手段と、を有し、
前記非接触受信装置は、
前記非接触送信装置の前記光出力手段からの光信号を入力する光入力手段と、
前記光入力手段が入力した光信号に基づいて、前記光出力手段の出力を特定する光出力特定手段と、を有し、
前記光出力特定手段は、
前記光入力手段が入力した光信号に基づいて、入力した光信号の入力情報を生成する入力情報生成手段と、
前記光入力手段が入力した光信号に基づいて、入力した光信号の平均情報を生成する平均情報生成手段と、
前記入力情報と前記平均情報との差分情報を生成する差分情報生成手段と、
前記差分情報に基づいて、累積値の配列からなる累積情報を生成する累積情報生成手段と、を備え、
前記累積情報に基づいて、前記累積情報の配列の判定範囲を検出し、検出した前記判定範囲が複数の場合は、前記判定範囲における累積値の総和が最も大きい判定範囲を前記光出力手段の出力と特定する遊技システム(例えば、遊技システム5001)。
本発明のこのような構成により、外乱光を除去して、データ通信のためのLED光源を効率的、かつ、高精度で特定することができる。
[発明の効果]
本発明によれば、外乱光を除去して、データ通信のためのLED光源を効率的、かつ、高精度で特定することが可能である。
[付記1B2]
[背景技術]
従来の遊技機には種々の遊技用装置が接続され、この遊技用装置は、遊技機から送信される情報に基づいて、表示装置での表示を制御するように構成される。
例えば、遊技機が、大当たり情報や遊技結果を含む情報を遊技用表示装置(いわゆる、データ表示機)に送信すると、遊技用表示装置は、ボーナスゲーム等の当り回数、前回当り遊技状態終了後からのゲーム数、当り遊技状態中のメダルの獲得枚数といった遊技情報の表示や、こうした遊技情報に基づく演出を実行することができるように構成される。
特許文献1には、遊技機に設置され、遊技機からの大当たり情報等を受信し、当該受信した情報を液晶表示装置に表示する台表示機が開示されている。また、特許文献2には、送信信号を光信号に変換して発光し、発光する光信号を受信して受信信号を出力する非接触通信装置が開示されている。
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1]特開2016−087321号公報
[特許文献2]特開2012−209747号公報
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
しかしながら、特許文献1のような遊技機では、遊技機で送信できる情報が少なく、台表示機の液晶表示装置で様々な演出を行うことが難しいため、遊技機から台表示機に対して、LEDによるLED通信を行って情報を送信することが提案されている。
また、特許文献2のような非接触通信を行う場合、遊技機と台表示機が設置される遊技機店内では、店内照明や、隣接する遊技機からの光(例えば、演出のために出力される光)が外乱光となり、通信の精度が低下してしまう。
さらに、遊技機と台表示機の設置位置は、遊技店のレイアウトや設置業者によりずれることが多いため、非接触通信ができなくなったり、精度が低下したりすることがある。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、外乱光を除去して、データ通信のためのLED光源を効率的、かつ、高精度で特定することが可能な遊技用装置、光通信装置、及び遊技システムを提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段]
本発明は、以下のような遊技用装置、光通信装置、及び遊技システムを提供する。
本発明の第1の実施態様に係る発明は、下記の構成を有する。
非接触受信装置(例えば、イメージセンサユニット2311)を備え、
前記非接触受信装置は、
外部装置(例えば、遊技機3001)が備える光出力手段(例えば、ランプ3305)からの光信号を入力する光入力手段(例えば、CMOSイメージセンサ2432)と、
前記光入力手段が入力した光信号に基づいて、前記光出力手段の出力を特定する光出力特定手段(例えば、ホストコントローラ2441、DSP回路2442、ISP回路2445)と、を有し、
前記光出力特定手段は、
前記光入力手段が入力した光信号に基づいて、入力した光信号の入力情報(例えば、入力画像データ)を生成する入力情報生成手段(例えば、ISP回路2445)と、
前記光入力手段が入力した光信号に基づいて、入力した光信号の平均情報(例えば、平均画像データ)を生成する平均情報生成手段(例えば、ホストコントローラ2441、DSP回路2442)と、
前記入力情報と前記平均情報との差分情報(例えば、差分画像データ)を生成する差分情報生成手段(例えば、ホストコントローラ2441、DSP回路2442)と、
前記差分情報に基づいて、累積値の配列からなる累積情報(例えば、累積画像データ)を生成する累積情報生成手段(例えば、ホストコントローラ2441、DSP回路2442)と、
前記累積情報に基づいて、前記累積情報の配列の判定範囲を検出する判定範囲検出手段(例えば、ホストコントローラ2441)と、を備え、
前記判定範囲検出手段は、
前記累積情報の累積値を検索し、
所定値以上の累積値が配置される配列に隣接した配列において、前記所定値以上の累積値が配置される場合(例えば、1以上の累積値を持つ複数の配列が隣接して配置される場合)であって、それらの累積値を含む配列の範囲が所定の条件を満たす場合(例えば、1以上の累積値を持つ複数の配列が隣接して配置される配列群を含む矩形の領域が3×2以上の領域である場合)に、当該配列の範囲を前記判定範囲(例えば、図349の累積画像データに示すピクセル領域R1ないしR3)として検出する遊技用装置(例えば、データ表示機2001)。
本発明のこのような構成により、外乱光を除去して、データ通信のためのLED光源を効率的、かつ、高精度で特定することができる。
本発明の第2の実施態様に係る発明は、下記の構成を有する。
外部装置が備える光出力手段からの光信号を入力する光入力手段と、
前記光入力手段が入力した光信号に基づいて、前記光出力手段の出力を特定する光出力特定手段と、を有し、
前記光出力特定手段は、
前記光入力手段が入力した光信号に基づいて、入力した光信号の入力情報を生成する入力情報生成手段と、
前記光入力手段が入力した光信号に基づいて、入力した光信号の平均情報を生成する平均情報生成手段と、
前記入力情報と前記平均情報との差分情報を生成する差分情報生成手段と、
前記差分情報に基づいて、累積値の配列からなる累積情報を生成する累積情報生成手段と、
前記累積情報に基づいて、前記累積情報の配列の判定範囲を検出する判定範囲検出手段と、を備え、
前記判定範囲検出手段は、
前記累積情報の累積値を検索し、
所定値以上の累積値が配置される配列に隣接した配列において、前記所定値以上の累積値が配置される場合であって、それらの累積値を含む配列の範囲が所定の条件を満たす場合に、当該配列の範囲を前記判定範囲として検出する光通信装置(例えば、イメージセンサユニット2311)。
本発明のこのような構成により、外乱光を除去して、データ通信のためのLED光源を効率的、かつ、高精度で特定することができる。
本発明の第3の実施態様に係る発明は、下記の構成を有する。
非接触送信装置(例えば、遊技機3001)と、
非接触受信装置(例えば、データ表示機2001)と、を備え、
前記非接触送信装置は、
送信データを生成する送信データ生成手段と、
前記送信データ生成手段が生成した送信データを光信号に変換して出力する光出力手段と、を有し、
前記非接触受信装置は、
前記非接触送信装置の前記光出力手段からの光信号を入力する光入力手段と、
前記光入力手段が入力した光信号に基づいて、前記光出力手段の出力を特定する光出力特定手段と、を有し、
前記光出力特定手段は、
前記光入力手段が入力した光信号に基づいて、入力した光信号の入力情報を生成する入力情報生成手段と、
前記光入力手段が入力した光信号に基づいて、入力した光信号の平均情報を生成する平均情報生成手段と、
前記入力情報と前記平均情報との差分情報を生成する差分情報生成手段と、
前記差分情報に基づいて、累積値の配列からなる累積情報を生成する累積情報生成手段と、
前記累積情報に基づいて、前記累積情報の配列の判定範囲を検出する判定範囲検出手段と、を備え、
前記判定範囲検出手段は、
前記累積情報の累積値を検索し、
所定値以上の累積値が配置される配列に隣接した配列において、前記所定値以上の累積値が配置される場合であって、それらの累積値を含む配列の範囲が所定の条件を満たす場合に、当該配列の範囲を前記判定範囲として検出する遊技システム(例えば、遊技システム5001)。
本発明のこのような構成により、外乱光を除去して、データ通信のためのLED光源を効率的、かつ、高精度で特定することができる。
[発明の効果]
本発明によれば、外乱光を除去して、データ通信のためのLED光源を効率的、かつ、高精度で特定することが可能である。
[付記1C]
[背景技術]
従来の遊技機には種々の遊技用装置が接続され、この遊技用装置は、遊技機から送信される情報に基づいて、表示装置での表示を制御するように構成される。
例えば、遊技機が、大当たり情報や遊技結果を含む情報を遊技用表示装置(いわゆる、データ表示機)に送信すると、遊技用表示装置は、ボーナスゲーム等の当り回数、前回当り遊技状態終了後からのゲーム数、当り遊技状態中のメダルの獲得枚数といった遊技情報の表示や、こうした遊技情報に基づく演出を実行することができるように構成される。
特許文献1には、遊技機に設置され、遊技機からの大当たり情報等を受信し、当該受信した情報を液晶表示装置に表示する台表示機が開示されている。また、特許文献2には、送信信号を光信号に変換して発光し、発光する光信号を受信して受信信号を出力する非接触通信装置が開示されている。
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1]特開2016−087321号公報
[特許文献2]特開2012−209747号公報
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
しかしながら、特許文献1のような遊技機では、遊技機で送信できる情報が少なく、台表示機の液晶表示装置で様々な演出を行うことが難しいため、遊技機から台表示機に対して、LEDによるLED通信を行って情報を送信することが提案されている。
また、特許文献2のような非接触通信を行う場合、遊技機と台表示機が設置される遊技機店内では、店内照明や、隣接する遊技機からの光(例えば、演出のために出力される光)が外乱光となり、通信の精度が低下してしまう。
さらに、遊技機と台表示機の設置位置は、遊技店のレイアウトや設置業者によりずれることが多いため、非接触通信ができなくなったり、精度が低下したりすることがある。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、演出用LEDを通信用LEDと兼用するように構成し、これにより、部品コストの上昇を抑え、かつ、LEDにより送信される情報を、遊技者に認識されないようにすることが可能な遊技機、及び遊技システムを提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段]
本発明は、以下のような遊技機、及び遊技システムを提供する。
本発明の第1の実施態様に係る発明は、下記の構成を有する。
光の輝度を調整可能な発光部(例えば、ランプ3305)と、
前記発光部の輝度の制御を行う発光制御部(例えば、副制御部3302とランプ制御回路3306)と、を備え、
前記発光制御部は、
演出に対応した発光パターンから前記発光部の輝度値を生成する輝度生成手段と、
前記輝度生成手段が生成した前記輝度値に情報(例えば、技状態や演出パターン等のデータ)を付加して情報付輝度値を生成する情報付輝度生成手段と、を有し、
前記情報付輝度値に基づいて、前記発光部の輝度を制御し、
前記輝度値に付加する前記情報は、記輝度値よりも小さい変化量であり、かつ、前記発光パターンにおける変動タイミングよりも短い周期である(図354参照)遊技機(例えば、遊技機3001)。
本発明のこのような構成により、演出用LEDを通信用LEDと兼用するように構成することができ、これにより、部品コストの上昇を抑え、かつ、LEDにより送信される情報を、遊技者に認識されないようにすることができる。
本発明の第2の実施態様に係る発明は、第1の実施態様において下記の構成を有する。
さらに、前記情報付輝度値に対して、第1の符号化と、前記第1の符号化とは異なる第2の符号化を行って符号化データを生成する符号化手段を有し、
前記発光制御部は、前記符号化データに基づいて、前記発光部の輝度を制御するように構成される。
本発明のこのような構成により、演出用LEDを通信用LEDと兼用するように構成することができ、これにより、部品コストの上昇を抑え、かつ、LEDにより送信される情報を、遊技者に認識されないようにすることができる。また、第1の符号化、及び第2の符号化により、より高い精度で送信データを復号することができる。
本発明の第3の実施態様に係る発明は、下記の構成を有する。
非接触送信装置(例えば、遊技機3001)と、
非接触受信装置(例えば、データ表示機2001)と、を備え、
前記非接触送信装置は、
光の輝度を調整可能な発光部と、
前記発光部の輝度の制御を行う発光制御部と、を有し、
前記非接触受信装置は、
前記非接触送信装置の前記発光部からの光信号を入力する光入力手段と、
前記光入力手段が入力した光信号に基づいて、前記発光部の出力を特定する光出力特定手段と、を有し、
前記発光制御部は、
演出に対応した発光パターンから前記発光部の輝度値を生成する輝度生成手段と、
前記輝度生成手段が生成した前記輝度値に情報を付加して情報付輝度値を生成する情報付輝度生成手段と、を有し、
前記情報付輝度値に基づいて、前記発光部の輝度を制御し、
前記輝度値に付加する前記情報は、記輝度値よりも小さい変化量であり、かつ、前記発光パターンにおける変動タイミングよりも短い周期である遊技システム(例えば、遊技システム5001)。
本発明のこのような構成により、演出用LEDを通信用LEDと兼用するように構成することができ、これにより、部品コストの上昇を抑え、かつ、LEDにより送信される情報を、遊技者に認識されないようにすることができる。
[発明の効果]
本発明によれば、演出用LEDを通信用LEDと兼用することで部品コストの上昇が抑えられ、(メダル投入信号やメダル払出信号などの)確定情報以外の演出に関する情報をLEDによって送信する場合、当該情報を、遊技者が発光パターンによって認識することができないので、遊技の興趣を損なうことがない。
[付記1D1]
[背景技術]
従来の遊技機には種々の遊技用装置が接続され、この遊技用装置は、遊技機から送信される情報に基づいて、表示装置での表示を制御するように構成される。
例えば、遊技機が、大当たり情報や遊技結果を含む情報を遊技用表示装置(いわゆる、データ表示機)に送信すると、遊技用表示装置は、ボーナスゲーム等の当り回数、前回当り遊技状態終了後からのゲーム数、当り遊技状態中のメダルの獲得枚数といった遊技情報の表示や、こうした遊技情報に基づく演出を実行することができるように構成される。
特許文献1には、遊技機に設置され、遊技機からの大当たり情報等を受信し、当該受信した情報を液晶表示装置に表示する台表示機が開示されている。また、特許文献2には、送信信号を光信号に変換して発光し、発光する光信号を受信して受信信号を出力する非接触通信装置が開示されている。
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1]特開2016−087321号公報
[特許文献2]特開2012−209747号公報
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
しかしながら、特許文献1のような遊技機では、遊技機で送信できる情報が少なく、台表示機の液晶表示装置で様々な演出を行うことが難しいため、遊技機から台表示機に対して、LEDによるLED通信を行って情報を送信することが提案されている。
また、特許文献2のような非接触通信を行う場合、遊技機と台表示機が設置される遊技機店内では、店内照明や、隣接する遊技機からの光(例えば、演出のために出力される光)が外乱光となり、通信の精度が低下してしまう。
さらに、遊技機と台表示機の設置位置は、遊技店のレイアウトや設置業者によりずれることが多いため、非接触通信ができなくなったり、精度が低下したりすることがある。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、LEDにより送信される送信データを、誤り訂正符号により符号化することによって、高い精度で受信できるように、送信データを送信することができる遊技用装置、光通信装置、遊技機、及び遊技システムを提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段]
本発明は、以下のような遊技用装置、光通信装置、遊技機、及び遊技システムを提供する。
本発明の第1の実施態様に係る発明は、下記の構成を有する。
光を発光させる外部装置(例えば、遊技機3001)の発光部(例えば、ランプ3305)から、特定の情報(例えば、送信データに基づくLEDの発光パターンを演出に係るLED発光パターンに重畳したデータ)を含んだ光を受光する受光部(例えば、CMOSイメージセンサ2432)と、
前記受光部が受光した光から前記特定の情報を抽出する情報抽出手段(例えば、ホストコントローラ2441、DSP回路2442、ISP回路2445)と、を備え、
前記特定の情報は、基となる基情報に誤り訂正情報(例えば、BCH符号のような誤り訂正符号)が付加された情報であり、
前記情報抽出手段は、前記受光部が受光した光から前記特定の情報を抽出し、抽出した前記特定の情報から前記基情報を取得する遊技用装置(例えば、データ表示機2001)。
本発明のこのような構成により、LEDにより送信される送信データが、誤り訂正符号により符号化され、高い精度で受信できるように、送信データを送信することができる。
本発明の第2の実施態様に係る発明は、下記の構成を有する。
光を発光させる外部装置の発光部から、特定の情報を含んだ光を受光する受光部と、
前記受光部が受光した光から前記特定の情報を抽出する情報抽出手段と、を備え、
前記特定の情報は、基となる基情報に誤り訂正情報が付加された情報であり、
前記情報抽出手段は、前記受光部が受光した光から前記特定の情報を抽出し、抽出した前記特定の情報から前記基情報を取得する光通信装置(例えば、イメージセンサユニット2311)。
本発明のこのような構成により、LEDにより送信される送信データが、誤り訂正符号により符号化され、高い精度で受信できるように、送信データを送信することができる。
本発明の第3の実施態様に係る発明は、下記の構成を有する。
光を発光させる発光部(例えば、ランプ3305)と、
前記発光部が発光させる光に特定の情報(例えば、送信データに基づくLEDの発光パターンを演出に係るLED発光パターンに重畳したデータ)を含ませて、外部装置(例えば、データ表示機2001)の受光部(例えば、CMOSイメージセンサ2432)が前記発光部からの光を受光できるように、前記発光部を制御する発光制御部(例えば、遊技機3001の副制御部3302とランプ制御回路3306)と、を備え、
前記特定の情報は、基となる基情報に誤り訂正情報が付加された情報であり、
前記発光制御部は、前記特定の情報に基づいて、前記発光部から光を発光させることで、前記特定の情報を送信する遊技機(例えば、遊技機3001)。
本発明のこのような構成により、LEDにより送信される送信データが、誤り訂正符号により符号化され、高い精度で受信できるように、送信データを送信することができる。
本発明の第4の実施態様に係る発明は、下記の構成を有する。
光を発光させる発光部(例えば、遊技機3001のランプ3305)と、
前記発光部が発光させる光に特定の情報(例えば、送信データに基づくLEDの発光パターンを演出に係るLED発光パターンに重畳したデータ)を含ませて、前記発光部を制御する発光制御部(例えば、遊技機3001の副制御部3302とランプ制御回路3306)と、
前記発光部が発光する光を受光する受光部(例えば、データ表示機2001のCMOSイメージセンサ2432)と、
前記受光部が受光した光から前記特定の情報を抽出する情報抽出手段(例えば、データ表示機2001のホストコントローラ2441、ISP回路2445)と、を備え、
前記特定の情報は、基となる基情報に誤り訂正情報が付加された情報であり、
前記情報抽出手段は、前記受光部が受光した光から前記特定の情報を抽出し、抽出した前記特定の情報から前記基情報を取得する遊技システム(例えば、遊技システム5001)。
本発明のこのような構成により、LEDにより送信される送信データが、誤り訂正符号により符号化され、高い精度で受信できるように、送信データを送信することができる。
[発明の効果]
本発明によれば、LEDにより送信される送信データを、誤り訂正符号により符号化することによって、例えば、2ビットまでのランダム誤り、及び3ビット長のバースト誤りを訂正可能とすることができ、高い精度で受信できるように、送信データを送信することができる。
[付記1D2]
[背景技術]
従来の遊技機には種々の遊技用装置が接続され、この遊技用装置は、遊技機から送信される情報に基づいて、表示装置での表示を制御するように構成される。
例えば、遊技機が、大当たり情報や遊技結果を含む情報を遊技用表示装置(いわゆる、データ表示機)に送信すると、遊技用表示装置は、ボーナスゲーム等の当り回数、前回当り遊技状態終了後からのゲーム数、当り遊技状態中のメダルの獲得枚数といった遊技情報の表示や、こうした遊技情報に基づく演出を実行することができるように構成される。
特許文献1には、遊技機に設置され、遊技機からの大当たり情報等を受信し、当該受信した情報を液晶表示装置に表示する台表示機が開示されている。また、特許文献2には、送信信号を光信号に変換して発光し、発光する光信号を受信して受信信号を出力する非接触通信装置が開示されている。
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1]特開2016−087321号公報
[特許文献2]特開2012−209747号公報
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
しかしながら、特許文献1のような遊技機では、遊技機で送信できる情報が少なく、台表示機の液晶表示装置で様々な演出を行うことが難しいため、遊技機から台表示機に対して、LEDによるLED通信を行って情報を送信することが提案されている。
また、特許文献2のような非接触通信を行う場合、遊技機と台表示機が設置される遊技機店内では、店内照明や、隣接する遊技機からの光(例えば、演出のために出力される光)が外乱光となり、通信の精度が低下してしまう。
さらに、遊技機と台表示機の設置位置は、遊技店のレイアウトや設置業者によりずれることが多いため、非接触通信ができなくなったり、精度が低下したりすることがある。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、LEDにより送信される送信データを、誤り訂正符号による第1の符号化と、第2の符号化によって符号化することにより、高い精度で受信できるように、送信データを送信することができる遊技用装置、光通信装置、遊技機、及び遊技システムを提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段]
本発明は、以下のような遊技用装置、光通信装置、遊技機、及び遊技システムを提供する。
本発明の第1の実施態様に係る発明は、下記の構成を有する。
光を発光させる外部装置(例えば、遊技機3001)の発光部(例えば、ランプ3305)から、特定の情報(例えば、送信データに基づくLEDの発光パターンを演出に係るLED発光パターンに重畳したデータ)を含んだ光を受光する受光部(例えば、CMOSイメージセンサ2432)と、
前記受光部が受光した光から前記特定の情報を抽出する情報抽出手段(例えば、ホストコントローラ2441、DSP回路2442、ISP回路2445)と、を備え、
前記特定の情報は、基となる基情報に誤り訂正情報(例えば、BCH符号のような誤り訂正符号)による第1の符号化(例えば、誤り訂正符号化)と、前記第1の符号化とは異なる第2の符号化が施された情報であり、
前記第2の符号化は、
CDMA符号化であって、
先頭の1ビットに、残りのビットに対応付けられる第1拡散符号よりも長い第2拡散符号を対応付け、
前記第1拡散符号として、それぞれ自己相関が低く、かつ、相互相関の低い2つの符号の組を使用し、
前記情報抽出手段は、前記受光部が受光した光から前記特定の情報を抽出し、抽出した前記特定の情報を復号化することで、前記基情報を取得する遊技用装置(例えば、データ表示機2001)。
本発明のこのような構成により、LEDにより送信される送信データが、LEDにより送信される送信データを、誤り訂正符号による第1の符号化と、第2の符号化によって符号化することにより、高い精度で受信できるように、送信データを送信することができる。
本発明の第2の実施態様に係る発明は、下記の構成を有する。
光を発光させる外部装置の発光部から、特定の情報を含んだ光を受光する受光部と、
前記受光部が受光した光から前記特定の情報を抽出する情報抽出手段と、を備え、
前記特定の情報は、基となる基情報に誤り訂正情報による第1の符号化と、前記第1の符号化とは異なる第2の符号化が施された情報であり、
前記第2の符号化は、
CDMA符号化であって、
先頭の1ビットに、残りのビットに対応付けられる第1拡散符号よりも長い第2拡散符号を対応付け、
前記第1拡散符号として、それぞれ自己相関が低く、かつ、相互相関の低い2つの符号の組を使用し、
前記情報抽出手段は、前記受光部が受光した光から前記特定の情報を抽出し、抽出した前記特定の情報を復号化することで、前記基情報を取得する光通信装置(例えば、イメージセンサユニット2311)。
本発明のこのような構成により、LEDにより送信される送信データが、LEDにより送信される送信データを、誤り訂正符号による第1の符号化と、第2の符号化によって符号化することにより、高い精度で受信できるように、送信データを送信することができる。
本発明の第3の実施態様に係る発明は、下記の構成を有する。
光を発光させる発光部(例えば、ランプ3305)と、
前記発光部が発光させる光に特定の情報(例えば、送信データに基づくLEDの発光パターンを演出に係るLED発光パターンに重畳したデータ)を含ませて、外部装置(例えば、データ表示機2001)の受光部(例えば、CMOSイメージセンサ2432)が前記発光部からの光を受光できるように、前記発光部を制御する発光制御部(例えば、遊技機3001の副制御部3302とランプ制御回路3306)と、を備え、
前記特定の情報は、基となる基情報に誤り訂正情報による第1の符号化と、前記第1の符号化とは異なる第2の符号化が施された情報であり、
前記第2の符号化は、
CDMA符号化であって、
先頭の1ビットに、残りのビットに対応付けられる第1拡散符号よりも長い第2拡散符号を対応付け、
前記第1拡散符号として、それぞれ自己相関が低く、かつ、相互相関の低い2つの符号の組を使用し、
前記発光制御部は、前記特定の情報に基づいて、前記発光部から光を発光させることで、前記特定の情報を送信する遊技機(例えば、遊技機3001)。
本発明のこのような構成により、LEDにより送信される送信データが、LEDにより送信される送信データを、誤り訂正符号による第1の符号化と、第2の符号化によって符号化することにより、高い精度で受信できるように、送信データを送信することができる。
本発明の第4の実施態様に係る発明は、下記の構成を有する。
光を発光させる発光部(例えば、遊技機3001のランプ3305)と、
前記発光部が発光させる光に特定の情報(例えば、送信データに基づくLEDの発光パターンを演出に係るLED発光パターンに重畳したデータ)を含ませて、前記発光部を制御する発光制御部(例えば、遊技機3001の副制御部3302とランプ制御回路3306)と、
前記発光部が発光する光を受光する受光部(例えば、データ表示機2001のCMOSイメージセンサ2432)と、
前記受光部が受光した光から前記特定の情報を抽出する情報抽出手段(例えば、データ表示機2001のホストコントローラ2441、ISP回路2445)と、を備え、
前記特定の情報は、基となる基情報に誤り訂正情報による第1の符号化と、前記第1の符号化とは異なる第2の符号化が施された情報であり、
前記第2の符号化は、
CDMA符号化であって、
先頭の1ビットに、残りのビットに対応付けられる第1拡散符号よりも長い第2拡散符号を対応付け、
前記第1拡散符号として、それぞれ自己相関が低く、かつ、相互相関の低い2つの符号の組を使用し、
前記情報抽出手段は、前記受光部が受光した光から前記特定の情報を抽出し、抽出した前記特定の情報を復号化することで、前記基情報を取得する遊技システム(例えば、遊技システム5001)。
本発明のこのような構成により、LEDにより送信される送信データが、LEDにより送信される送信データを、誤り訂正符号による第1の符号化と、第2の符号化によって符号化することにより、高い精度で受信できるように、送信データを送信することができる。
[発明の効果]
本発明によれば、LEDにより送信される送信データを、誤り訂正符号による第1の符号化と、第2の符号化によって符号化することにより、信頼性の高いデータ受信が実現される。
[付記1D3]
[背景技術]
従来の遊技機には種々の遊技用装置が接続され、この遊技用装置は、遊技機から送信される情報に基づいて、表示装置での表示を制御するように構成される。
例えば、遊技機が、大当たり情報や遊技結果を含む情報を遊技用表示装置(いわゆる、データ表示機)に送信すると、遊技用表示装置は、ボーナスゲーム等の当り回数、前回当り遊技状態終了後からのゲーム数、当り遊技状態中のメダルの獲得枚数といった遊技情報の表示や、こうした遊技情報に基づく演出を実行することができるように構成される。
特許文献1には、遊技機に設置され、遊技機からの大当たり情報等を受信し、当該受信した情報を液晶表示装置に表示する台表示機が開示されている。また、特許文献2には、送信信号を光信号に変換して発光し、発光する光信号を受信して受信信号を出力する非接触通信装置が開示されている。
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1]特開2016−087321号公報
[特許文献2]特開2012−209747号公報
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
しかしながら、特許文献1のような遊技機では、遊技機で送信できる情報が少なく、台表示機の液晶表示装置で様々な演出を行うことが難しいため、遊技機から台表示機に対して、LEDによるLED通信を行って情報を送信することが提案されている。
また、特許文献2のような非接触通信を行う場合、遊技機と台表示機が設置される遊技機店内では、店内照明や、隣接する遊技機からの光(例えば、演出のために出力される光)が外乱光となり、通信の精度が低下してしまう。
さらに、遊技機と台表示機の設置位置は、遊技店のレイアウトや設置業者によりずれることが多いため、非接触通信ができなくなったり、精度が低下したりすることがある。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、LEDにより送信される送信データを、誤り訂正符号による第1の符号化と、第2の符号化によって符号化することにより、高い精度で受信できるように、送信データを送信することができる遊技用装置、光通信装置、遊技機、及び遊技システムを提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段]
本発明は、以下のような遊技用装置、光通信装置、遊技機、及び遊技システムを提供する。
本発明の第1の実施態様に係る発明は、下記の構成を有する。
光を発光させる外部装置(例えば、遊技機3001)の発光部(例えば、ランプ3305)から、特定の情報(例えば、送信データに基づくLEDの発光パターンを演出に係るLED発光パターンに重畳したデータ)を含んだ光を受光する受光部(例えば、CMOSイメージセンサ2432)と、
前記受光部が受光した光から前記特定の情報を抽出する情報抽出手段(例えば、ホストコントローラ2441、DSP回路2442、ISP回路2445)と、を備え、
前記特定の情報は、基となる基情報に誤り訂正情報(例えば、BCH符号のような誤り訂正符号)による第1の符号化(例えば、誤り訂正符号化)と、前記第1の符号化とは異なる第2の符号化が施された情報であり、
前記第2の符号化は、
マンチェスター符号化であって、
先頭に所定の同期信号を含み、
前記情報抽出手段は、前記受光部が受光した光から前記特定の情報を抽出し、抽出した前記特定の情報を復号化することで、前記基情報を取得する遊技用装置(例えば、データ表示機2001)。
本発明のこのような構成により、LEDにより送信される送信データが、LEDにより送信される送信データを、誤り訂正符号による第1の符号化と、第2の符号化によって符号化することにより、高い精度で受信できるように、送信データを送信することができる。
本発明の第2の実施態様に係る発明は、下記の構成を有する。
光を発光させる外部装置の発光部から、特定の情報を含んだ光を受光する受光部と、
前記受光部が受光した光から前記特定の情報を抽出する情報抽出手段と、を備え、
前記特定の情報は、基となる基情報に誤り訂正情報による第1の符号化と、前記第1の符号化とは異なる第2の符号化が施された情報であり、
前記第2の符号化は、
マンチェスター符号化であって、
先頭に所定の同期信号を含み、
前記情報抽出手段は、前記受光部が受光した光から前記特定の情報を抽出し、抽出した前記特定の情報を復号化することで、前記基情報を取得する光通信装置(例えば、イメージセンサユニット2311)。
本発明のこのような構成により、LEDにより送信される送信データが、LEDにより送信される送信データを、誤り訂正符号による第1の符号化と、第2の符号化によって符号化することにより、高い精度で受信できるように、送信データを送信することができる。
本発明の第3の実施態様に係る発明は、下記の構成を有する。
光を発光させる発光部(例えば、ランプ3305)と、
前記発光部が発光させる光に特定の情報(例えば、送信データに基づくLEDの発光パターンを演出に係るLED発光パターンに重畳したデータ)を含ませて、外部装置(例えば、データ表示機2001)の受光部(例えば、CMOSイメージセンサ2432)が前記発光部からの光を受光できるように、前記発光部を制御する発光制御部(例えば、遊技機3001の副制御部3302とランプ制御回路3306)と、を備え、
前記特定の情報は、基となる基情報に誤り訂正情報による第1の符号化と、前記第1の符号化とは異なる第2の符号化が施された情報であり、
前記第2の符号化は、
マンチェスター符号化であって、
先頭に所定の同期信号を含み、
前記発光制御部は、前記特定の情報に基づいて、前記発光部から光を発光させることで、前記特定の情報を送信する遊技機(例えば、遊技機3001)。
本発明のこのような構成により、LEDにより送信される送信データが、LEDにより送信される送信データを、誤り訂正符号による第1の符号化と、第2の符号化によって符号化することにより、高い精度で受信できるように、送信データを送信することができる。
本発明の第4の実施態様に係る発明は、下記の構成を有する。
光を発光させる発光部(例えば、遊技機3001のランプ3305)と、
前記発光部が発光させる光に特定の情報(例えば、送信データに基づくLEDの発光パターンを演出に係るLED発光パターンに重畳したデータ)を含ませて、前記発光部を制御する発光制御部(例えば、遊技機3001の副制御部3302とランプ制御回路3306)と、
前記発光部が発光する光を受光する受光部(例えば、データ表示機2001のCMOSイメージセンサ2432)と、
前記受光部が受光した光から前記特定の情報を抽出する情報抽出手段(例えば、データ表示機2001のホストコントローラ2441、ISP回路2445)と、を備え、
前記特定の情報は、基となる基情報に誤り訂正情報による第1の符号化と、前記第1の符号化とは異なる第2の符号化が施された情報であり、
前記第2の符号化は、
マンチェスター符号化であって、
先頭に所定の同期信号を含み、
前記情報抽出手段は、前記受光部が受光した光から前記特定の情報を抽出し、抽出した前記特定の情報を復号化することで、前記基情報を取得する遊技システム(例えば、遊技システム5001)。
本発明のこのような構成により、LEDにより送信される送信データが、LEDにより送信される送信データを、誤り訂正符号による第1の符号化と、第2の符号化によって符号化することにより、高い精度で受信できるように、送信データを送信することができる。
[発明の効果]
本発明によれば、LEDにより送信される送信データを、誤り訂正符号による第1の符号化と、第2の符号化によって符号化することにより、信頼性の高いデータ受信が実現される。
[付記1E]
[背景技術]
従来の遊技機には種々の遊技用装置が接続され、この遊技用装置は、遊技機から送信される情報に基づいて、表示装置での表示を制御するように構成される。
例えば、遊技機が、大当たり情報や遊技結果を含む情報を遊技用表示装置(いわゆる、データ表示機)に送信すると、遊技用表示装置は、ボーナスゲーム等の当り回数、前回当り遊技状態終了後からのゲーム数、当り遊技状態中のメダルの獲得枚数といった遊技情報の表示や、こうした遊技情報に基づく演出を実行することができるように構成される。
特許文献1には、遊技機に設置され、遊技機からの大当たり情報等を受信し、当該受信した情報を液晶表示装置に表示する台表示機が開示されている。また、特許文献2には、送信信号を光信号に変換して発光し、発光する光信号を受信して受信信号を出力する非接触通信装置が開示されている。
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1]特開2016−087321号公報
[特許文献2]特開2012−209747号公報
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
しかしながら、特許文献1のような遊技機では、遊技機で送信できる情報が少なく、台表示機の液晶表示装置で様々な演出を行うことが難しいため、遊技機から台表示機に対して、LEDによるLED通信を行って情報を送信することが提案されている。
また、特許文献2のような非接触通信を行う場合、遊技機と台表示機が設置される遊技機店内では、店内照明や、隣接する遊技機からの光(例えば、演出のために出力される光)が外乱光となり、通信の精度が低下してしまう。
さらに、遊技機と台表示機の設置位置は、遊技店のレイアウトや設置業者によりずれることが多いため、非接触通信ができなくなったり、精度が低下したりすることがある。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、演出パターンに基づく発光パターンと、遊技状態や演出パターン等の送信データに基づいてLEDの点灯制御が行われた場合に、当該演出パターンに基づく発光パターンの成分を排除して、遊技状態や演出パターン等の送信データに係る成分を取り出すことができる遊技用装置、光通信装置、及び遊技システムを提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段]
本発明は、以下のような遊技用装置、光通信装置、及び遊技システムを提供する。
本発明の第1の実施態様に係る発明は、下記の構成を有する。
外部装置(例えば、遊技機3001)の発光部(例えば、ランプ3305)からの光を受光する受光部(例えば、CMOSイメージセンサ2432)と、
前記受光部で受光した光に基づいて光情報を取得する受光制御手段(例えば、ホストコントローラ2441、DSP回路2442、ISP回路2445)と、を備え、
前記発光部からの光は、演出用の発光パターンと特定の情報(例えば、遊技状態や演出パターン等のデータ)を含むように発光制御されたものであり、
前記受光制御手段は、
前記光情報に基づいて演出用の前記発光パターンを検出し(例えば、図355Aに示すように、エッジ保持平滑化フィルタ処理を行い、演出に係るLED発光パターンの演出値を推定する)、
前記光情報から検出した演出用の前記発光パターンを前記光情報から除く(例えば、図355Bに示すように、観測値から、推定演出値が減算される)ことによって、前記特定の情報を取得する遊技用装置(例えば、データ表示機2001)。
本発明のこのような構成により、演出パターンに基づく発光パターンと、遊技状態や演出パターン等の送信データに基づいてLEDの点灯制御が行われた場合でも、受信側において、当該演出パターンに基づく発光パターンの成分を排除して、遊技状態や演出パターン等の送信データに係る成分を取り出すことができる。
本発明の第2の実施態様に係る発明は、下記の構成を有する。
外部装置の発光部からの光を受光する受光部と、
前記受光部で受光した光に基づいて光情報を取得する受光制御手段と、を備え、
前記発光部からの光は、演出用の発光パターンと特定の情報を含むように発光制御されたものであり、
前記受光制御手段は、
前記光情報に基づいて演出用の前記発光パターンを検出し、
前記光情報から検出した演出用の前記発光パターンを前記光情報から除くことによって、前記特定の情報を取得する光通信装置(例えば、イメージセンサユニット2311)。
本発明のこのような構成により、演出パターンに基づく発光パターンと、遊技状態や演出パターン等の送信データに基づいてLEDの点灯制御が行われた場合でも、受信側において、当該演出パターンに基づく発光パターンの成分を排除して、遊技状態や演出パターン等の送信データに係る成分を取り出すことができる。
本発明の第3の実施態様に係る発明は、下記の構成を有する。
光を発光させる発光部(例えば、遊技機3001のランプ3305)と、
前記発光部を制御する発光制御部(例えば、遊技機3001の副制御部3302とランプ制御回路3306)と、
前記発光部が発光する光を受光する受光部(例えば、データ表示機2001のCMOSイメージセンサ2432)と、
前記受光部で受光した光に基づいて光情報を取得する受光制御手段(例えば、データ表示機2001のホストコントローラ2441、ISP回路2445)と、を備え、
前記発光制御部は、演出用の発光パターンに特定の情報を含めて発光制御を行い、
前記受光制御手段は、
前記光情報に基づいて演出用の前記発光パターンを検出し、
前記光情報から検出した演出用の前記発光パターンを前記光情報から除くことによって、前記特定の情報を取得する遊技システム(例えば、遊技システム5001)。
本発明のこのような構成により、演出パターンに基づく発光パターンと、遊技状態や演出パターン等の送信データに基づいてLEDの点灯制御が行われた場合でも、受信側において、当該演出パターンに基づく発光パターンの成分を排除して、遊技状態や演出パターン等の送信データに係る成分を取り出すことができる。
[発明の効果]
本発明によれば、演出パターンに基づく発光パターンと遊技状態や演出パターン等の送信データに基づいてLEDの点灯制御が行われた場合であっても、受信側において当該演出パターンに基づく発光パターンの成分を排除することができるので、演出パターンに基づく発光パターンと、遊技状態等に係る送信データとを重畳させて、LED通信を行うことができる。
[付記1F]
[背景技術]
従来の遊技機には種々の遊技用装置が接続され、この遊技用装置は、遊技機から送信される情報に基づいて、表示装置での表示を制御するように構成される。
例えば、遊技機が、大当たり情報や遊技結果を含む情報を遊技用表示装置(いわゆる、データ表示機)に送信すると、遊技用表示装置は、ボーナスゲーム等の当り回数、前回当り遊技状態終了後からのゲーム数、当り遊技状態中のメダルの獲得枚数といった遊技情報の表示や、こうした遊技情報に基づく演出を実行することができるように構成される。
特許文献1には、遊技機に設置され、遊技機からの大当たり情報等を受信し、当該受信した情報を液晶表示装置に表示する台表示機が開示されている。また、特許文献2には、送信信号を光信号に変換して発光し、発光する光信号を受信して受信信号を出力する非接触通信装置が開示されている。
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1]特開2016−087321号公報
[特許文献2]特開2012−209747号公報
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
しかしながら、特許文献1のような遊技機では、遊技機で送信できる情報が少なく、台表示機の液晶表示装置で様々な演出を行うことが難しいため、遊技機から台表示機に対して、LEDによるLED通信を行って情報を送信することが提案されている。
また、特許文献2のような非接触通信を行う場合、遊技機と台表示機が設置される遊技機店内では、店内照明や、隣接する遊技機からの光(例えば、演出のために出力される光)が外乱光となり、通信の精度が低下してしまう。
さらに、遊技機と台表示機の設置位置は、遊技店のレイアウトや設置業者によりずれることが多いため、非接触通信ができなくなったり、精度が低下したりすることがある。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、LED通信を使用した場合の弱点の1つである、遊技店内の蛍光灯などの外乱光によるノイズを抑制することができる遊技用装置、光通信装置、及び遊技システムを提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段]
本発明は、以下のような遊技用装置、光通信装置、及び遊技システムを提供する。
本発明の第1の実施態様に係る発明は、下記の構成を有する。
外部装置(例えば、遊技機3001)の発光部(例えば、ランプ3305)からの光を受光する受光部(例えば、CMOSイメージセンサ2432)と、
前記受光部で受光した光に基づいて光情報を取得する受光制御手段(例えば、ホストコントローラ2441、DSP回路2442、ISP回路2445)と、を備え、
前記発光部からの光は、演出用の発光パターンと特定の情報(例えば、遊技状態や演出パターン等のデータ)を含むように発光制御されたものであり、
前記受光制御手段は、
取得した前記光情報をフーリエ変換して変換後情報(例えば、図356Bに示すような変換後の情報)を取得し、
前記変換後情報に含まれるフリッカ成分を抑制して抑制後情報(例えば、図356Bに示す点線部分を除去した後の情報)を取得し、
前記抑制後情報をさらにフーリエ逆変換して、前記特定の情報(例えば、図356Aに示す実線部分で表される成分に基づく情報)を取得する遊技用装置(例えば、データ表示機2001)。
本発明のこのような構成により、受光部において取得された光情報について、遊技店内の蛍光灯などの外乱光によるノイズを抑制することができる。
本発明の第2の実施態様に係る発明は、下記の構成を有する。
外部装置の発光部からの光を受光する受光部と、
前記受光部で受光した光に基づいて光情報を取得する受光制御手段と、を備え、
前記発光部からの光は、演出用の発光パターンと特定の情報を含むように発光制御されたものであり、
前記受光制御手段は、
取得した前記光情報をフーリエ変換して変換後情報を取得し、
前記変換後情報に含まれるフリッカ成分を抑制して抑制後情報を取得し、
前記抑制後情報をさらにフーリエ逆変換して、前記特定の情報を取得する光通信装置(例えば、イメージセンサユニット2311)。
本発明のこのような構成により、受光部において取得された光情報について、遊技店内の蛍光灯などの外乱光によるノイズを抑制することができる。
本発明の第3の実施態様に係る発明は、下記の構成を有する。
光を発光させる発光部(例えば、遊技機3001のランプ3305)と、
前記発光部を制御する発光制御部(例えば、遊技機3001の副制御部3302とランプ制御回路3306)と、
前記発光部が発光する光を受光する受光部(例えば、データ表示機2001のCMOSイメージセンサ2432)と、
前記受光部で受光した光に基づいて光情報を取得する受光制御手段(例えば、データ表示機2001のホストコントローラ2441、ISP回路2445)と、を備え、
前記発光制御部は、演出用の発光パターンに特定の情報を含めて発光制御を行い、
前記受光制御手段は、
取得した前記光情報をフーリエ変換して変換後情報を取得し、
前記変換後情報に含まれるフリッカ成分を抑制して抑制後情報を取得し、
前記抑制後情報をさらにフーリエ逆変換して、前記特定の情報を取得する遊技システム(例えば、遊技システム5001)。
本発明のこのような構成により、受光部において取得された光情報について、遊技店内の蛍光灯などの外乱光によるノイズを抑制することができる。
[発明の効果]
本発明によれば、LED通信を使用した場合の弱点の1つである、遊技店内の蛍光灯などの外乱光によるノイズを抑制することができる。
[付記2A]
従来の遊技機には、筐体の下方に設けられた投射手段から上方に向けて光を投射するとともに、筐体の内部に設けられた反射面で前方に向けて光を反射することにより、前方のスクリーン(被投影部)に映像を投影する、いわゆる透過型のプロジェクタ装置を表示装置として備えたものがある(例えば、特開2005−99743号公報参照)。
また、この種の表示装置としては、遊技機に対応して遊技に関する各種の情報を表示する遊技用表示装置があり、このような遊技用表示装置をプロジェクタ装置により構成することが提案されている。
しかしながら、近年においては、遊技場のレイアウトや視覚的効果、さらには対応する遊技機のデザインなどにも応じた遊技用表示装置の表示形態が望まれるところ、プロジェクタ装置を遊技用表示装置に適用するだけでは、そのような表示形態を自由に変更することができず、表示形態のデザイン性や多様性において改善すべき余地があった。
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、例えば遊技場や遊技機に応じて表示形態を自由に変更することができ、表示形態のデザイン性や多様性を高めることができる遊技用表示装置を提供することを目的とする。
(付記2A1)
本発明の一側面に係る遊技用表示装置(例えば、遊技用表示装置1001)は、遊技に関する情報を投影像として表示するための光を投射する投射手段(例えば、プロジェクタ本体1012)と、前記投射手段から投射された光が通過する光通過面(例えば、開口面1010A)と、前記光通過面を通過した光が透過することで投影像が投影される被投影部(例えば、スクリーン1110A)と、を備え、前記被投影部は、投影像が投影される表示面(例えば、(第1)表示面1101)を有し、前記光通過面に対して取り替え可能に配置され、前記表示面は、前記被投影部の取り替えに応じて投影像の視覚的印象を変化可能に構成されていることを特徴とする。
このような構成によれば、被投影部を取り替えることで表示面における投影像の視覚的印象を変化させることができるので、例えば遊技場のレイアウトや遊技機のデザインに応じて被投影部を取り替えるだけで表示形態を自由に変更することができ、表示形態のデザイン性や多様性を高めることができる。
(付記2A2)
本発明の好ましい実施の形態は、前記表示面とは異なる他の表示面(例えば、発光面1111a)を少なくとも有し、前記他の表示面は、投影像の表示とは別方式による表示が可能であることを特徴とする。
このような構成によれば、投影像を表示する表示面と他の表示面とに分けて遊技に関する情報を表示することができ、さらに、例えば他の表示面においては、投影像の表示とは別方式による表示が可能であるので、表示形態のデザイン性や多様性をより一層高めることができる。
[付記2B]
従来の遊技機には、筐体の下方に設けられた投射手段から上方に向けて光を投射するとともに、筐体の内部に設けられた反射面で前方に向けて光を反射することにより、前方のスクリーン(被投影部)に映像を投影する、いわゆる透過型のプロジェクタ装置を表示装置として備えたものがある(例えば、特開2005−99743号公報参照)。
また、この種の表示装置としては、遊技機に対応して遊技に関する各種の情報を表示する遊技用表示装置があり、このような遊技用表示装置をプロジェクタ装置により構成することが提案されている。このようなプロジェクタ装置には、スクリーンを凹凸状に変形することにより、視覚的効果を高めたものもある(例えば、特開2012−147828号公報参照)。
しかしながら、上記特開2012−147828号公報に記載のものでは、スクリーンの表裏全体が凹凸状となるため、投射手段からスクリーンまでの投影距離が凹凸に応じて著しく不均等となり、このような凹凸状のスクリーンを透過型のプロジェクタ装置に適用した場合は、投射レンズや反射面などといった光学系の調整や配置が複雑になるという難点があった。
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、投影用の光学系を複雑化することなく簡素な構成としつつも視覚的効果を容易に高めることができる遊技用表示装置を提供することを目的とする。
(付記2B1)
本発明の一側面に係る遊技用表示装置(例えば、遊技用表示装置1001)は、遊技に関する情報を投影像として表示するための光を投射する投射手段(例えば、プロジェクタ本体1012)と、前記投射手段から投射された光により投影像が投影される被投影部(例えば、スクリーン1110A)と、を備え、前記被投影部は、前記投射手段から投射された光が入射する入射面(例えば、入射面1100)と、前記入射面に入射した光が透過することで投影像が投影される表示面(例えば、(第1)表示面1101)と、を有し、前記入射面は、一様な面で構成され、前記表示面は、第1領域と、当該第1領域とは異なる厚みを設けて区画された第2領域とを少なくとも有することを特徴とする。
このような構成によれば、被投影部の入射面が一様な面で構成され、投射手段から入射面までの距離が一定になるので、投射手段から入射面までの投影用の光学系を簡素に構成することができる一方、表示面の第1領域と第2領域とで厚みが異なるようにするだけで、投影像の視覚的印象を変化させることで視覚的効果を容易に高めることができる。
(付記2B2)
本発明の好ましい実施の形態は、前記投射手段から投射された光が通過する光通過面(例えば、開口面1010A)を備え、前記被投影部は、前記光通過面に対して取り替え可能に配置されることを特徴とする。
このような構成によれば、光通過面に配置される被投影部を取り替えるだけで表示面における投影像の視覚的印象を変化させることができるので、表示形態を自由に変更することができるとともに、表示形態のデザイン性や多様性を高めることができる。
[付記2C]
従来の遊技機には、シート部材(装飾シート)を備え、このシート部材の裏面に光を照射してシート部材に描かれた絵柄(画像)を表面側から視認可能とすることにより、視覚的効果を高めたものがある(例えば、特開2013−165868号公報参照)。
また、遊技機に対応して遊技に関する各種の情報を表示する遊技用表示装置があり、このような遊技用表示装置にも、シート部材を適用することが提案されている。
しかしながら、上記特開2013−165868号公報に記載のものでは、比較的薄いシート部材の特性上、光の明暗を調節し難いため、シート部材上に表示される画像のコントラストを変化させることが難しいという難点があった。
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、シート部材に表示される画像のコントラストを簡単に変化させることができ、ひいては視覚的効果を容易に高めることができる遊技用表示装置、及び遊技機を提供することを目的とする。
(付記2C1)
本発明の一側面に係る遊技用表示装置(例えば、遊技用表示装置1001)は、光を発する発光手段と、前記発光手段からの光を裏面側から表面側へと導くための複数の導光部を有し、互いに対向するように配置される複数のシート部材と、前記複数のシート部材のうち少なくとも一方のシート部材を他方のシート部材に対して相対的に変位可能として第1位置と第2位置との間で移動させる駆動手段と、を備え、前記一方のシート部材が前記第1位置にある場合、当該一方のシート部材の前記複数の導光部は、前記他方のシート部材の前記複数の導光部と部分的あるいは全体的に重なり、前記一方のシート部材が前記第1位置から前記第2位置へと移動した場合、当該一方のシート部材の前記複数の導光部は、前記他方のシート部材の前記複数の導光部に対して位置ずれした状態になることを特徴とする。
このような構成によれば、例えば一方のシート部材が第1位置から第2位置へと移動するのに従い、双方のシート部材における導光部どうしの重なった部分が徐々に小さくなり、これらの導光部を通じて裏面側の発光手段から表面側へと導かれる光が次第に減少する。即ち、一方のシート部材を他方のシート部材に対して適宜変位させるようにし、双方の導光部どうしの重なり具合に応じて照度を変化させることができるので、互いに対向した複数のシート部材によって表示される画像のコントラストを照度調整によって簡単に変化させることができ、ひいては視覚的効果を容易に高めることができる。
(付記2C2)
本発明の好ましい実施の形態は、遊技に関する情報を投影像として表示するための光を投射する投射手段(例えば、プロジェクタ本体1012)と、前記投射手段を収容する本体部(例えば、筐体1010)と、前記投射手段から投射された光により投影像が投影される被投影部(例えば、スクリーン1110A)と、前記被投影部を保持しつつ前記本体部を外装するカバー部(例えば、スクリーンユニット1011A)と、を備え、前記一方のシート部材は、前記本体部に設けられ、前記他方のシート部材は、前記カバー部に設けられ、前記カバー部は、前記本体部に対して取り替え可能であることを特徴とする。
このような構成によれば、被投影部と一体にカバー部を取り替えることで投影部における投影像の視覚的印象を変化させることができるので、例えば遊技場のレイアウトや遊技機のデザインに応じてカバー部を取り替えるだけで投影像の表示形態を自由に変更することができ、表示形態のデザイン性や多様性を高めることができる。
(付記2C3)
本発明の他の側面に係る遊技機(例えば、パチンコ遊技機1002a、パチスロ遊技機1002b)は、光を発する発光手段と、前記発光手段からの光を裏面側から表面側へと導くための複数の導光部を有し、互いに対向するように配置される複数のシート部材と、前記複数のシート部材のうち少なくとも一方のシート部材を他方のシート部材に対して相対的に変位可能として第1位置と第2位置との間で移動させる駆動手段と、を備え、前記一方のシート部材が前記第1位置にある場合、当該一方のシート部材の前記複数の導光部は、前記他方のシート部材の前記複数の導光部と部分的あるいは全体的に重なり、前記一方のシート部材が前記第1位置から前記第2位置へと移動した場合、当該一方のシート部材の前記複数の導光部は、前記他方のシート部材の前記複数の導光部に対して位置ずれした状態になることを特徴とする。
このような構成によれば、本発明の一側面に係る遊技用表示装置と同様の作用効果を奏する遊技機を実現することができる。
[付記2D]
遊技用表示装置、及び遊技機を含む遊技システムとしては、例えば特開2015−96100公報に記載されたものが知られている。しかしながら、この遊技システムでは、本発明のような遊技用表示装置や遊技機としての構成や機能を有さないことから、興趣の向上を図ることができなかった。本発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、興趣の向上を図ることができる遊技用表示装置、及び遊技機を提供することを目的とする。
(付記2D1)
本発明の一側面に係る遊技用表示装置は、遊技に関する情報を投影像として表示するための光を投射する投射手段と、前記投射手段から投射された光が通過する光通過面と、前記光通過面を通過した光が透過することで投影像が投影される被投影部と、を備え、前記被投影部は、投影像が投影される表示面を有し、前記光通過面に対して取り替え可能に配置され、前記表示面は、前記被投影部の取り替えに応じて投影像の視覚的印象を変化可能に構成されていることを特徴とする。
このような構成によれば、被投影部を取り替えることで表示面における投影像の視覚的印象を変化させることができるので、例えば遊技場のレイアウトや遊技機のデザインに応じて被投影部を取り替えるだけで表示形態を自由に変更することができ、表示形態のデザイン性や多様性を高めることができる。
(付記2D2)
本発明の好ましい実施の形態は、前記表示面とは異なる他の表示面を少なくとも有し、前記他の表示面は、投影像の表示とは別方式による表示が可能であることを特徴とする。
このような構成によれば、投影像を表示する表示面と他の表示面とに分けて遊技に関する情報を表示することができ、さらに、例えば他の表示面においては、投影像の表示とは別方式による表示が可能であるので、表示形態のデザイン性や多様性をより一層高めることができる。
[付記2E]
また、本発明は、例えばパチンコ機やパチスロ機といった遊技機に対応する遊技用表示装置に関する。
従来の遊技機には、筐体の下方に設けられた投射手段から上方に向けて光を投射するとともに、筐体の内部に設けられた反射面で前方に向けて光を反射することにより、前方のスクリーン(被投影部)に映像を投影する、いわゆる透過型のプロジェクタ装置を表示装置として備えたものがある(例えば、特開2005−99743号公報参照)。
また、この種の表示装置としては、遊技機に対応して遊技に関する各種の情報を表示する遊技用表示装置があり、このような遊技用表示装置をプロジェクタ装置により構成することが提案されている。
しかしながら、近年においては、遊技場のレイアウトや視覚的効果、さらには対応する遊技機のデザインなどにも応じた遊技用表示装置の表示形態が望まれるところ、プロジェクタ装置を遊技用表示装置に適用するだけでは、そのような表示形態を自由に変更することができず、表示形態のデザイン性や多様性において改善すべき余地があった。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、表示形態のデザイン性や多様性、及び視覚的効果を高めることができる遊技用表示装置を提供することを目的とする。
(付記2E1)
上記の目的を達成するために、本発明に係る遊技用表示装置は、遊技用表示装置の筐体(10)内に設けられ遊技に関する情報を投影像として表示するための光を投射する投射手段(プロジェクタ本体1012)と、前記投影像が投影される被投影部(スクリーン1110A)と、を有する遊技用表示装置において、前記被投影部の少なくとも1つの縁部(例えば、被投影部の下縁部)の近傍に設けられ、少なくとも1つの発光素子が搭載された基盤(70)と、前記被投影部の前記縁部に対向する縁部(例えば、被投影部の上縁部)に設けられた乱反射部(72)と、前記基盤と前記筐体との間に形成された間隙部に設けられた遮光部材(73)と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、投射手段による投影像に加え、投影画面の少なくとも一つの縁部を縁取るような発光手段を備えることで、表示形態の視覚的効果、及び装飾効果を高めることができる。
また、発光素子から筐体内部への漏洩光の発生を防止することで、照射効率を高めるとともに、被投影部へ投影される投影画像の明度や解像度に影響を及ぼすことがない。
(付記2E2)
また、本発明に係る遊技用表示装置は、前記被投影部はそれぞれ所定厚みを有する導光部(入射面1100)と表示部(表示面1101)からなり、前記導光部は前記発光素子からの光を前記乱反射部に導くことを特徴とする。本発明によれば、発光素子からの光を効率的に乱反射部に導くことができる。
本発明によれば、表示形態のデザイン性や多様性、及び視覚的効果を高めることができる遊技用表示装置を提供することができる。
[付記2F、2G]
また、本発明は、例えばパチンコ機やパチスロ機といった遊技機に対応する遊技用装置に関する。
従来の遊技機には、種々の遊技用装置が接続され、遊技機から送信される情報に基づく制御が行われる。例えば、遊技機には、遊技結果等の統計情報を表示する遊技用表示装置(所謂、データ表示機)が接続可能となっている。遊技用表示装置では、ボーナスゲーム等の当り回数や前回当り遊技状態終了後からのゲーム数、さらには当り遊技状態中のメダルの獲得枚数等といった遊技情報が表示可能である(特開2005−99743号公報参照)。
一般的に、遊技用表示装置には呼出ボタンが設けられ、遊技機にトラブルが発生した場合等には、遊技者によって呼出ボタンが押下されることで、遊技用表示装置に設けられたランプや島のコーナーに設けられたコーナーランプが点灯され、係員の注意を引くことが可能となっている。
ところで、一般的な呼出ボタンは遊技者による押下により押下方向に移動する可動式であり、その移動を検出するセンサからの信号に基づきランプの点灯制御が行われる。このような可動式の呼出ボタンは、構造的に移動部分に隙間が存在するため水分やホコリ等が入り込み易く、さらには遊技機にトラブルが発生した場合には遊技を早く継続したい遊技者が呼出ボタンを連打し稼働箇所が疲労する可能性があり、これらを要因とする故障が発生し易いという問題があった。また、遊技者は、通常時は主に遊技を行うことに対して注意を払うため、このような呼出ボタンの配置態様には注意を払うことが少なく、何らかのトラブルが発生した際に、初めて呼出ボタンがどこに配置されているかを探すことが多い。したがって、呼出ボタンが遊技者にとって分かりやすい位置に配置されていることが好ましい。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、故障の可能性を軽減することが可能であり、また遊技者にとって操作箇所が分かりやすい遊技用装置を提供することを目的とする。
(付記2F1)
上記の目的を達成するために、本発明に係る遊技用装置(遊技用装置F1)は、遊技者がタッチするタッチ領域(タッチ領域F1021a)に透光性を有するデザイン部(デザイン部)が設けられた外装パネル(外装パネルF1021)と、透光性を有し、前記外装パネルの裏側において前記タッチ領域に対応付けて設けられ、前記タッチ領域へのタッチ入力を検出するタッチセンサ(タッチセンサF1022)と、光源(LEDアレイF1024)と、前記タッチセンサの裏側に設けられ、前記光源からの光を前記外装パネルの前記デザイン部の方向へ導く導光板(導光板F1023)と、前記光源の点灯制御を行う制御手段(制御回路F10250)と、を有していることを特徴とする。
上記の構成によれば、タッチ領域に遊技者からのタッチ入力があった場合、タッチセンサがタッチ入力を検出する。一方、制御手段は、光源の点灯制御によって点灯し、光源からの光がデザイン部へ導光されて、遊技者はデザイン部からの光を視認することが可能となる。このような構成により、外装パネルのタッチ領域におけるデザイン部が光源からの光によって照射されるので、遊技者はタッチすべき場所を認識しやすくなり、さらに従来の呼出ボタンのように可動式ではなく、入力は平面的に形成されたタッチ領域に対して行われるため、稼働箇所にホコリ等が入ることによる故障や、可動部の疲労による故障を防止することが可能となる。
(付記2F2)
また、本発明に係る遊技用装置において、前記制御手段は、前記タッチ領域へのタッチ入力があった場合に、前記光源の点灯態様を変更させる制御を行ってもよい。
上記の構成によれば、遊技者は、自身のタッチが入力されたことを、デザイン部を照明する光源の点灯態様が変更されることによって認識することができる。これにより、係員が呼び出されるまで遊技者がタッチ領域を何度もタッチし、タッチ領域の表面が劣化してしまうことを防止することができる。
(付記2F3)
また、本発明に係る遊技用装置において、基体(基体G101)に着脱自在に配置され、所定形状の開口(開口G61a)が厚み方向に貫通するように形成された透光性を有する導光板(導光板G61)と、当該導光板の前記開口を形成する開口側端面(開口側端面G61b)と対向する位置に、それぞれ配置された複数の導光板用光源(LEDG60A)と、を有し、前記複数の導光板用光源は、前記開口側端面に沿って並設するように配置され、前記導光板には、前記複数の導光板用光源から前記開口側端面を介して前記導光板内に導光される光の一部を、当該導光板の厚み方向に反射させる反射加工を施した反射部(反射部G61d)が形成されており、前記制御手段は、前記タッチ領域へのタッチ入力があった場合に、前記複数の導光板用光源を特定の点灯態様に変更させる制御を行ってもよい。
上記構成によれば、遊技者のタッチ入力に応じて、複数の光源から出射される光は、特定の点灯態様となり、導光板内において放射状に広がって外側端面に到達することで導光板の周囲全体を環状に照明することが可能となり遊技用装置のいずれの方向からでも特定の点灯態様に照明されている導光板が視認可能となり、遊技場の管理者は、タッチ入力が行われた遊技用装置が取り付けられる遊技機を特定しやすくなる。さらに、導光板の表面から出射される光によってデザイン性を向上させることができ、なお且つ導光板は基体から着脱自在であるので異なるデザインの反射加工が施された導光板に取り換え可能であるため遊技用装置を様々な種類の遊技機に適用することが可能となる。
(付記2F4)
また、本発明に係る遊技用装置において、前記制御手段は、前記タッチ領域へのタッチ入力があったタイミングからの経過時間に応じて、前記複数の導光板用光源の点灯態様を変化させる制御を行ってもよい。
上記構成によれば、遊技場の管理者は、遊技者がタッチ入力したタイミングからの時間を導光板の点灯態様を視認することで遊技機から離れた位置であっても一目で判別可能となり、タッチ入力が行われた遊技用装置が複数あった場合でも対応の優先順位を付けることが可能となることで、遊技者に対し適切なサービスを行うことが可能となる。
本発明によれば、故障の可能性を軽減することが可能であり、また遊技者にとって操作箇所が分かりやすい遊技用装置を提供することができる。
(付記2G1)
本発明に係る遊技用装置(データ表示機H1)は、遊技状態に応じて点灯態様を異ならせる発光手段(トップランプH60)を有した遊技機(遊技機H2)に個別に設けられる遊技用装置(データ表示機H1)であって、前記発光手段(トップランプH60)による点灯態様を検出する点灯態様検出手段(カメラユニットH12)と、前記点灯態様検出手段(カメラユニットH12)が検出した前記点灯態様に応じた態様の演出を実行する演出実行手段(制御部H401、映像表示部H405、電飾部H406、音声出力部H407等)と、を有する。
本発明に係る遊技システムは、遊技機(遊技機H2)と、前記遊技機(遊技機H2)に遊技機(遊技機H2)に個別に設けられる遊技用装置(データ表示機H1)とを有する遊技システムであって、遊技状態に応じて点灯態様を異ならせる発光手段(トップランプH60)と、前記発光手段(トップランプH60)による点灯態様を検出する点灯態様検出手段(カメラユニットH12)と、前記点灯態様検出手段(カメラユニットH12)が検出した前記点灯態様に応じた態様の演出を実行する演出実行手段(制御部H401、映像表示部H405、電飾部H406、音声出力部H407等)と、を有する。
上記構成によれば、遊技用装置は、遊技機の遊技状態を、遊技機の発光手段に基づいて判定し、遊技機の遊技状態に応じた演出を実行する。一般的に遊技機の外部端子板から送信される信号の種類には制限があったが、遊技用装置は、遊技機の遊技状態毎に異なる点灯態様の発光手段で判定するため、遊技機の遊技状態を制限されることなく判定することができる。その結果、遊技用装置は、遊技機の遊技状態に基づく演出パターンを増加させることが可能となる。
(付記2G2)
本発明に係る遊技用装置(データ表示機H1)は、遊技状態に応じて点灯態様を異ならせる発光手段(トップランプH60)と外部に信号を送信可能な端子板とを有する遊技機(遊技機H2)に個別に設けられ、前記遊技機(遊技機H2)の前記端子板を介して前記遊技機(遊技機H2)が移行し得る前記遊技状態のうち所定種類の遊技状態に関する信号を受信可能にされた遊技用装置(データ表示機H1)であって、前記発光手段(トップランプH60)による点灯態様を検出する点灯態様検出手段(カメラユニットH12)と、前記点灯態様検出手段(カメラユニットH12)が検出した前記点灯態様に基づいて前記所定種類の遊技状態とは異なる遊技状態を判定可能な遊技状態判定手段(制御部H401)と、前記遊技状態判定手段(制御部H401)が判定した遊技状態に応じた態様の演出を実行する演出実行手段(制御部H401、映像表示部H405、電飾部H406、音声出力部H407等)と、を有する。
本発明に係る遊技システムは、外部に信号を送信可能な端子板を有する遊技機(遊技機H2)と、前記遊技機(遊技機H2)に個別に設けられ前記遊技機(遊技機H2)の前記端子板を介して前記遊技機(遊技機H2)が移行し得る前記遊技状態のうち所定種類の遊技状態に関する信号を受信可能にされた遊技用装置(データ表示機H1)とを有する遊技システムであって、遊技状態に応じて点灯態様を異ならせる発光手段(トップランプH60)と、前記発光手段(トップランプH60)による点灯態様を検出する点灯態様検出手段(カメラユニットH12)と、前記点灯態様検出手段(カメラユニットH12)が検出した前記点灯態様に基づいて前記所定種類の遊技状態とは異なる遊技状態を判定可能な遊技状態判定手段(制御部H401)と、前記遊技状態判定手段(制御部H401)が判定した遊技状態に応じた態様の演出を実行する演出実行手段(制御部H401、映像表示部H405、電飾部H406、音声出力部H407等)と、を有する。
上記構成によれば、遊技用装置は、外部に信号を送信可能な端子板から所定種類の遊技状態に関する信号を受信するほかに、所定種類の遊技状態とは異なる遊技状態を、遊技機の発光手段に基づいて判定し、遊技機の遊技状態に応じた演出を実行する。一般的に遊技機の端子板から送信される信号の種類には制限があったが、遊技用装置は、遊技機の遊技状態毎に異なる点灯態様の発光手段で判定するため、遊技機の遊技状態を制限されることなく判定することができる。その結果、遊技用装置は、遊技機の遊技状態に基づく演出パターンを増加させることが可能となる。
(付記2G3)
本発明に係る遊技用装置(データ表示機H1)は、遊技側の演出に用いられ遊技状態に応じて点灯態様を異ならせる発光手段(トップランプH60)を有した遊技機(遊技機H2)に個別に設けられる遊技用装置(データ表示機H1)であって、前記発光手段(トップランプH60)による点灯態様を検出する点灯態様検出手段(カメラユニットH12)と、前記点灯態様検出手段(カメラユニットH12)が前記発光手段(トップランプH60)の点灯態様を検出した場合、前記点灯態様が示す遊技状態を判定する遊技状態判定手段(制御部H401)と、前記遊技状態判定手段(制御部H401)が判定した前記遊技状態において前記遊技機(遊技機H2)が実行する前記遊技機(遊技機H2)側の演出に連動した演出を実行可能な演出実行手段(制御部H401、映像表示部H405、電飾部H406、音声出力部H407等)と、を有する。
本発明に係る遊技システムは、遊技機(遊技機H2)と、前記遊技機(遊技機H2)に個別に設けられる遊技用装置(データ表示機H1)とを有する遊技システムであって、前記遊技機(遊技機H2)に配置され遊技側の演出に用いられ遊技状態に応じて点灯態様を異ならせる発光手段(トップランプH60)と、前記発光手段(トップランプH60)による点灯態様を検出する点灯態様検出手段(カメラユニットH12)と、前記点灯態様検出手段(カメラユニットH12)が前記発光手段(トップランプH60)の点灯態様を検出した場合、前記点灯態様が示す遊技状態を判定する遊技状態判定手段(制御部H401)と、前記遊技状態判定手段(制御部H401)が判定した前記遊技状態において前記遊技機(遊技機H2)が実行する前記遊技機(遊技機H2)側の演出に連動した演出を実行可能な演出実行手段(制御部H401、映像表示部H405、電飾部H406、音声出力部H407等)と、を有する。
上記構成によれば、遊技用装置は、遊技機の遊技状態を、遊技機に配置された発光手段に基づいて判定し、遊技機の遊技状態に応じた演出を実行する。一般的に遊技機から遊技用装置に送信される信号の種類には制限があったが、遊技用装置は、遊技機の遊技状態毎に異なる点灯態様の発光手段で判定するため、遊技機の遊技状態を制限されることなく判定することができる。その結果、遊技用装置は、遊技機の遊技状態に基づく演出パターンを増加させることが可能となる。
(付記2G4)
本発明に係る遊技用装置(データ表示機H1)は、遊技側の演出に用いられ遊技状態に応じて点灯態様を異ならせる発光手段(トップランプH60)を有した遊技機(遊技機H2)に個別に設けられる遊技用装置(データ表示機H1)であって、前記発光手段(トップランプH60)による点灯態様を検出する点灯態様検出手段(カメラユニットH12)と、前記点灯態様検出手段(カメラユニットH12)が前記発光手段(トップランプH60)の点灯態様を検出した場合、前記点灯態様が示す遊技状態を判定する遊技状態判定手段(制御部H401)と、前記点灯態様が継続されている期間、前記遊技状態判定手段(制御部H401)が判定した前記遊技状態において前記遊技機(遊技機H2)が実行する前記遊技機(遊技機H2)側の演出に連動した演出の実行を継続する演出実行手段(制御部H401、映像表示部H405、電飾部H406、音声出力部H407等)と、有する。
本発明に係る遊技システムは、遊技機(遊技機H2)と、前記遊技機(遊技機H2)に個別に設けられる遊技用装置(データ表示機H1)とを有する遊技システムであって、遊技側の演出に用いられ遊技状態に応じて点灯態様を異ならせる発光手段(トップランプH60)と、前記発光手段(トップランプH60)による点灯態様を検出する点灯態様検出手段(カメラユニットH12)と、前記点灯態様検出手段(カメラユニットH12)が前記発光手段(トップランプH60)の点灯態様を検出した場合、前記点灯態様が示す遊技状態を判定する遊技状態判定手段(制御部H401)と、前記点灯態様が継続されている期間、前記遊技状態判定手段(制御部H401)が判定した前記遊技状態において前記遊技機(遊技機H2)が実行する前記遊技機(遊技機H2)側の演出に連動した演出の実行を継続する演出実行手段(制御部H401、映像表示部H405、電飾部H406、音声出力部H407等)と、有する。
上記構成によれば、遊技用装置は、遊技機の遊技状態を、遊技機の発光手段に基づいて判定し、遊技機の遊技状態に応じた演出を実行する。一般的に遊技機から送信される信号の種類には制限があったが、遊技用装置は、遊技機の遊技状態毎に異なる点灯態様の発光手段で判定するため、遊技機の遊技状態を制限されることなく判定することができる。その結果、遊技用装置は、遊技機の遊技状態に基づく演出パターンを増加させることが可能となる。また、遊技用装置は、遊技機において点灯態様が継続されている期間、対応する演出の実行を継続する。これにより、点灯態様があれば同じ期間演出を行うという単純な処理で実行可能となり、リソースを軽減し演出パターンの増加に寄与することが可能となる。
(付記2G5)
本発明に係る遊技用装置(データ表示機H1)は、遊技側の演出に用いられ遊技状態に応じて認識困難な範囲で点滅周期を異ならせる発光手段(トップランプH60)を有した遊技機(遊技機H2)に個別に設けられる遊技用装置(データ表示機H1)であって、前記発光手段(トップランプH60)を撮像して画像を取得する画像取得手段と、前記画像に基づいて点滅周期を検出する点灯態様検出手段(カメラユニットH12)と、前記点灯態様検出手段(カメラユニットH12)が前記点滅周期を検出した場合、前記点滅周期が示す遊技状態を判定する遊技状態判定手段(制御部H401)と、前記遊技状態判定手段(制御部H401)が判定した前記遊技状態に対応する演出を実行する演出実行手段(制御部H401、映像表示部H405、電飾部H406、音声出力部H407等)と、を有する。
上記構成によれば、遊技用装置(データ表示機H1)は、遊技機(遊技機H2)の遊技状態を、遊技機(遊技機H2)の発光手段(トップランプH60)の点滅周期に基づいて判定し、遊技機(遊技機H2)H2の遊技状態に応じた演出を実行する。一般的に遊技機(遊技機H2)から送信される信号の種類には制限があったが、データ表示機(データ表示機H1)H1は、遊技機(遊技機H2)H2の遊技状態毎に異なる点灯態様のトップランプH60の点滅周期で判定するため、遊技機(遊技機H2)H2の遊技状態を制限されることなく判定することができる。その結果、データ表示機(データ表示機H1)H1は、遊技機(遊技機H2)H2の遊技状態に基づく演出パターンを増加させることが可能となる。
本発明に係る遊技システムは、遊技機(遊技機H2)と、前記遊技機(遊技機H2)に個別に設けられる遊技用装置(データ表示機H1)とを有する遊技システムであって、遊技側の演出に用いられ遊技状態に応じて認識困難な範囲で点滅周期を異ならせる発光手段(トップランプH60)と、前記発光手段(トップランプH60)を撮像して画像を取得する画像取得手段と、前記画像に基づいて点滅周期を検出する点灯態様検出手段(カメラユニットH12)と、前記点灯態様検出手段(カメラユニットH12)が前記点滅周期を検出した場合、前記点滅周期が示す遊技状態を判定する遊技状態判定手段(制御部H401)と、前記遊技状態判定手段(制御部H401)が判定した前記遊技状態に対応する演出を実行する演出実行手段(制御部H401、映像表示部H405、電飾部H406、音声出力部H407等)と、を有する。
上記構成によれば、遊技用装置は、遊技機の遊技状態を、遊技機の発光手段の点滅周期に基づいて判定し、遊技機の遊技状態に応じた演出を実行する。一般的に遊技機から送信される信号の種類には制限があったが、遊技用装置は、遊技機の遊技状態毎に異なる点滅周期の発光手段の点滅周期で判定するため、遊技機の遊技状態を制限されることなく判定することができる。その結果、遊技用装置は、遊技機の遊技状態に基づく演出パターンを増加させることが可能となる。
(付記2G6)
本発明に係る遊技用装置(データ表示機H1)は、複数段階からなる一連の遊技側の演出に用いられ前記段階毎に認識困難な範囲で点滅周期を異ならせる発光手段(トップランプH60)を有した遊技機(遊技機H2)に個別に設けられる遊技用装置(データ表示機H1)であって、前記発光手段(トップランプH60)を撮像して画像を取得する画像取得手段と、前記画像に基づいて点滅周期を検出する点灯態様検出手段(カメラユニットH12)と、前記点灯態様検出手段(カメラユニットH12)が前記発光手段(トップランプH60)の点滅周期を検出した場合、前記点滅周期に基づいて前記遊技側の演出の何れの段階であるかを判定する遊技状態判定手段(制御部H401)と、前記遊技状態判定手段(制御部H401)が判定した前記段階に対応する演出を実行する演出実行手段(制御部H401、映像表示部H405、電飾部H406、音声出力部H407等)と、を有する。
本発明に係る遊技システムは、遊技機(遊技機H2)と、前記遊技機(遊技機H2)に個別に設けられる遊技用装置(データ表示機H1)とを有する遊技システムであって、複数段階からなる一連の遊技側の演出に用いられ前記段階毎に認識困難な範囲で点滅周期を異ならせる発光手段(トップランプH60)と、前記発光手段(トップランプH60)を撮像して画像を取得する画像取得手段と、前記画像に基づいて点滅周期を検出する点灯態様検出手段(カメラユニットH12)と、前記点灯態様検出手段(カメラユニットH12)が前記発光手段(トップランプH60)の点滅周期を検出した場合、前記点滅周期に基づいて前記遊技側の演出の何れの段階であるかを判定する遊技状態判定手段(制御部H401)と、前記遊技状態判定手段(制御部H401)が判定した前記段階に対応する演出を実行する演出実行手段(制御部H401、映像表示部H405、電飾部H406、音声出力部H407等)と、を有する。
上記構成によれば、遊技用装置は、遊技機の遊技状態を、遊技機の発光手段に基づいて判定し、遊技機の遊技状態に応じた複数段階からなる演出を実行する。一般的に遊技機から送信される信号の種類には制限があったが、遊技用装置は、遊技機の遊技状態の複数段階からなる一連の演出の各段階を異なる点滅態様の発光手段で判定するため、一時的に発光手段の判定が不可能であっても、復旧時にはいずれの段階の演出が実行されているのかが容易に判定することができる。その結果、遊技用装置は、遊技機の複雑な演出にも、これに連動する演出を行うことができ、遊技機の遊技状態に基づく演出パターンを増加させることが可能となる。
(付記2G7)
本発明に係る遊技用装置(データ表示機H1)は、遊技側の演出に用いられ遊技状態に応じて点灯態様を異ならせる発光手段(トップランプH60)を有した遊技機(遊技機H2)に個別に設けられる遊技用装置(データ表示機H1)であって、前記発光手段(トップランプH60)による点灯態様を検出する点灯態様検出手段(カメラユニットH12)と、前記点灯態様検出手段(カメラユニットH12)が前記発光手段(トップランプH60)の点灯態様を検出した場合、前記点灯態様が示す遊技状態を判定する遊技状態判定手段(制御部H401)と、前記遊技状態判定手段(制御部H401)が判定した前記遊技状態に対応する演出を選択して当該演出を実行する演出実行手段(制御部H401、映像表示部H405、電飾部H406、音声出力部H407等)と、予め、前記遊技状態毎の終了条件を対応付けて記憶する終了条件記憶手段と、実行中の前記演出の前記遊技状態に対応する前記終了条件が満足する場合、当該演出を終了させる演出終了手段と、を有する。
本発明に係る遊技システムは、遊技機(遊技機H2)と、前記遊技機(遊技機H2)に個別に設けられる遊技用装置(データ表示機H1)とを有する遊技システムであって、遊技側の演出に用いられ遊技状態に応じて点灯態様を異ならせる発光手段(トップランプH60)と、前記発光手段(トップランプH60)による点灯態様を検出する点灯態様検出手段(カメラユニットH12)と、前記点灯態様検出手段(カメラユニットH12)が前記発光手段(トップランプH60)の点灯態様を検出した場合、前記点灯態様が示す遊技状態を判定する遊技状態判定手段(制御部H401)と、前記遊技状態判定手段(制御部H401)が判定した前記遊技状態に対応する演出を選択して当該演出を実行する演出実行手段(制御部H401、映像表示部H405、電飾部H406、音声出力部H407等)と、予め、前記遊技状態毎の終了条件を対応付けて記憶する終了条件記憶手段と、実行中の前記演出の前記遊技状態に対応する前記終了条件が満足する場合、当該演出を終了させる演出終了手段と、を有する。
上記構成によれば、遊技用装置は、遊技機の遊技状態を、遊技機の発光手段に基づいて判定し、遊技機の遊技状態に応じた演出を実行する。そして、当該演出の終了条件が成立する場合には、当該演出を終了させる。一般的に遊技機から送信される信号の種類には制限があったが、遊技用装置は、遊技機の遊技状態毎に異なる点灯態様の発光手段で判定するため、遊技機の遊技状態を制限されることなく判定することができる。その結果、遊技用装置は、遊技機の遊技状態に基づく演出パターンを増加させることが可能となる。また、終了条件が設定されることで、たとえ発光手段の点灯態様が検出できない事態になっても遊技用装置において可能な限りの演出を実行することが可能となる。
(付記2G8)
本発明に係る遊技用装置(データ表示機H1)は、遊技の演出に用いられる複数色で発光可能な発光手段(トップランプH60)を有した遊技機(遊技機H2)に個別に設けられる遊技用装置(データ表示機H1)であって、前記発光手段(トップランプH60)を撮像して画像をフレーム単位で取得する画像取得手段と、前記画像取得手段が所定期間内において取得した複数の画像において、前記発光手段(トップランプH60)の発光色が特定数以上である場合、特定の演出を実行する演出実行手段(制御部H401、映像表示部H405、電飾部H406、音声出力部H407等)と、を有する。
本発明に係る遊技システムは、遊技機(遊技機H2)と、前記遊技機(遊技機H2)に個別に設けられる遊技用装置(データ表示機H1)とを有する遊技システムであって、遊技の演出に用いられる複数色で発光可能な発光手段(トップランプH60)と、前記発光手段(トップランプH60)を撮像して画像をフレーム単位で取得する画像取得手段と、前記画像取得手段が所定期間内において取得した複数の画像において、前記発光手段(トップランプH60)の発光色が特定数以上である場合、特定の演出を実行する演出実行手段(制御部H401、映像表示部H405、電飾部H406、音声出力部H407等)と、を有する。
上記構成によれば、遊技用装置は、遊技機の遊技状態を、遊技機の発光手段に基づいて判定し、遊技機の遊技状態に応じた演出を実行する。一般的に遊技機から送信される信号の種類には制限があったが、遊技用装置は、遊技機の遊技状態毎に異なる点灯態様(点滅態様、及び発光色)の発光手段で判定するため、遊技機の遊技状態を制限されることなく判定することができる。その結果、遊技用装置は、遊技機の遊技状態に基づく演出パターンを増加させることが可能となる。
(付記2G9)
本発明に係る遊技用装置(データ表示機H1)は、サーバと通信可能に接続され、遊技の演出に用いられ遊技状態に応じて点灯態様を異ならせる発光手段(トップランプH60)を有した遊技機(遊技機H2)に個別に設けられる遊技用装置(データ表示機H1)であって、前記サーバから前記遊技機(遊技機H2)の機種ごとに設定され前記点灯態様と遊技状態とが対応付けられた演出パターンをダウンロード可能な演出取得手段と、前記演出取得手段により取得した演出パターンを記憶する記憶手段と、前記発光手段による点灯態様を検出する点灯態様検出手段(カメラユニットH12)と、前記点灯態様検出手段が検出した前記点灯態様に応じて、前記記憶手段に記憶した前記演出パターンによる演出を実行する演出実行手段(制御部H401、映像表示部H405、電飾部H406、音声出力部H407等)と、を有する。
本発明に係る遊技システムは、サーバと、遊技機(遊技機H2)と、前記サーバと通信可能に接続され前記遊技機(遊技機H2)に個別に設けられる遊技用装置(データ表示機H1)と、を有する遊技システムであって、遊技の演出に用いられ遊技状態に応じて点灯態様を異ならせる発光手段(トップランプH60)と、前記サーバから前記遊技機(遊技機H2)の機種ごとに設定され前記点灯態様と遊技状態とが対応付けられた演出パターンをダウンロード可能な演出取得手段と、前記演出取得手段により取得した演出パターンを記憶する記憶手段と、前記発光手段による点灯態様を検出する点灯態様検出手段(カメラユニットH12)と、前記点灯態様検出手段が検出した前記点灯態様に応じて、前記記憶手段に記憶した前記演出パターンによる演出を選択して実行する演出実行手段(制御部H401、映像表示部H405、電飾部H406、音声出力部H407等)と、を有する。
上記構成によれば、遊技用装置は、遊技機の遊技状態を、遊技機の発光手段に基づいて判定し、遊技機の遊技状態に応じた演出を実行する。一般的に遊技機の外部端子板から送信される信号の種類には制限があったが、遊技用装置は、遊技機の遊技状態毎に異なる点灯態様の発光手段をあらかじめサーバからダウンロードした演出パターンで判定するため、遊技機の遊技状態を制限されることなく判定することができる。その結果、データ表示機は、遊技機の遊技状態に基づく演出パターンを増加させることが可能となる。
(付記2G10)
本発明に係る遊技用装置(データ表示機H1)は、遊技状態に応じて点灯態様を異ならせる発光手段(トップランプH60)を有した遊技機(遊技機H2)に通信可能に個別に設けられる遊技用装置(データ表示機H1)であって、前記通信によって前記遊技機(遊技機H2)から送信された信号に基づいた演出を実行する信号連動演出実行手段(制御部H401、映像表示部H405、電飾部H406、音声出力部H407等)と、前記発光手段(トップランプH60)による点灯態様を検出する点灯態様検出手段(カメラユニットH12)と、前記点灯態様検出手段(カメラユニットH12)が検出した前記点灯状態に応じた態様の演出を実行する点灯連動演出実行手段(制御部H401、映像表示部H405、電飾部H406、音声出力部H407等)と、前記信号連動演出実行手段(制御部H401、映像表示部H405、電飾部H406、音声出力部H407等)による演出と、前記点灯連動演出実行手段(制御部H401、映像表示部H405、電飾部H406、音声出力部H407等)による演出との優先順位を設定可能な優先順位設定手段(図338に示す演出パターンテーブル等)と、設定された前記優先順位にしたがって実行する演出を選択する演出選択手段(制御部H401)と、を有する。
本発明に係る遊技システムは、遊技機(遊技機H2)と、前記遊技機(遊技機H2)に通信可能に個別に設けられる遊技用装置(データ表示機H1)と、を有する遊技システムであって、遊技状態に応じて点灯態様を異ならせる発光手段(トップランプH60)と、前記通信によって前記遊技機(遊技機H2)から送信された信号に基づいた演出を実行する信号連動演出実行手段(制御部H401、映像表示部H405、電飾部H406、音声出力部H407等)と、前記発光手段(トップランプH60)による点灯態様を検出する点灯態様検出手段(カメラユニットH12)と、前記点灯態様検出手段(カメラユニットH12)が検出した前記点灯状態に応じた態様の演出を実行する点灯連動演出実行手段(制御部H401、映像表示部H405、電飾部H406、音声出力部H407等)と、前記信号連動演出実行手段(制御部H401、映像表示部H405、電飾部H406、音声出力部H407等)による演出と、前記点灯連動演出実行手段(制御部H401、映像表示部H405、電飾部H406、音声出力部H407等)による演出との優先順位を設定可能な優先順位設定手段(図338に示す演出パターンテーブル等)と、設定された前記優先順位にしたがって実行する演出を選択する演出選択手段(制御部H401)と、を有する。
上記構成によれば、データ表示機は、遊技機の遊技状態を、遊技機の発光手段に基づいて判定し、遊技機の遊技状態に応じた演出を実行する。一般的に遊技機の外部端子板から送信される信号の種類には制限があったが、データ表示機は、遊技機の遊技状態毎に異なる点灯態様の発光手段で判定するため、遊技機の遊技状態を制限されることなく判定することができる。その結果、遊技用装置は、遊技機の遊技状態に基づく演出パターンを増加させることが可能となる。また、演出に対応して優先順位が設定されるため、遊技用装置は、遊技機の遊技状態に基づく演出パターンを増加させることによる管理の負荷を軽減することが可能となる。
(付記2G11)
本発明に係る遊技用装置(データ表示機H1)は、遊技状態に応じて点灯態様を異ならせる発光手段(トップランプH60)と外部に信号を送信可能な端子板とを有する遊技機(遊技機H2)に個別に設けられ、前記遊技機(遊技機H2)の前記端子板を介して前記遊技機(遊技機H2)が移行し得る前記遊技状態のうち所定種類の遊技状態に関する信号を受信可能にされた遊技用装置(データ表示機H1)であって、前記通信によって前記遊技機(遊技機H2)から送信された信号に基づいて前記所定種類の遊技状態を特定する端子板信号遊技状態判定手段(制御部H401)と、前記発光手段(トップランプH60)による点灯態様を検出する点灯態様検出手段(カメラユニットH12)と、前記点灯態様検出手段(カメラユニットH12)が検出した前記点灯態様に基づいて前記所定種類の遊技状態とは異なる遊技状態を判定可能な遊技状態判定手段(制御部H401)と、前記所定種類の遊技状態と、前記所定種類の遊技状態とは異なる遊技状態との優先順位を設定可能な優先順位設定手段(図338に示す演出パターンテーブル等)と、設定された前記優先順位にしたがって演出を実行する遊技状態を選択する演出選択手段(制御部H401)と、を有する。
本発明に係る遊技システムは、外部に信号を送信可能な端子板を有する遊技機(遊技機H2)と、前記遊技機(遊技機H2)に個別に設けられ前記遊技機(遊技機H2)の前記端子板を介して前記遊技機(遊技機H2)が移行し得る前記遊技状態のうち所定種類の遊技状態に関する信号を受信可能にされた遊技用装置(データ表示機H1)とを有する遊技システムであって、遊技状態に応じて点灯態様を異ならせる発光手段(トップランプH60)と、前記通信によって前記遊技機(遊技機H2)から送信された信号に基づいて前記所定種類の遊技状態を特定する外部端子板信号遊技状態判定手段(制御部H401)と、前記発光手段(トップランプH60)による点灯態様を検出する点灯態様検出手段(カメラユニットH12)と、前記点灯態様検出手段(カメラユニットH12)が検出した前記点灯態様に基づいて前記所定種類の遊技状態とは異なる遊技状態を判定可能な遊技状態判定手段(制御部H401)と、前記所定種類の遊技状態と、前記所定種類の遊技状態とは異なる遊技状態との優先順位を設定可能な優先順位設定手段(図338に示す演出パターンテーブル等)と、設定された前記優先順位にしたがって演出を実行する遊技状態を選択する演出選択手段(制御部H401)と、を有する。
上記構成によれば、遊技用装置は、外部に信号を送信可能な端子板から所定種類の遊技状態が送信されるほかに、所定種類の遊技状態所定種類の遊技状態を、遊技機の発光手段に基づいて判定し、遊技機の遊技状態に応じた演出を実行する。一般的に遊技機の外部端子板から送信される信号の種類には制限があったが、遊技用装置は、遊技機の遊技状態毎に異なる点灯態様の発光手段で判定するため、遊技機の遊技状態を制限されることなく判定することができる。また、遊技状態ごとに優先順位が設定されるため、遊技状態を判定して、優先度の高い遊技状態を選択してこれに対応する演出をおこなえばよく、遊技用装置は、遊技機の遊技状態に基づく演出パターンを増加させることによる管理の負荷を軽減することが可能となる。
(付記2G12)
本発明に係る遊技用装置(データ表示機H1)は、抽選に基づいて遊技状態を移行させ、前記遊技状態に応じて点灯態様を異ならせる発光手段(トップランプH60)を有した遊技機(遊技機H2)に通信可能に個別に設けられる遊技用装置(データ表示機H1)であって、前記通信によって前記遊技機(遊技機H2)から送信された信号に基づいた演出を実行する信号連動演出実行手段(制御部H401、映像表示部H405、電飾部H406、音声出力部H407等)と、前記発光手段(トップランプH60)による点灯態様を検出する点灯態様検出手段(カメラユニットH12)と、前記点灯態様検出手段(カメラユニットH12)が検出した前記点灯状態に応じた態様の演出を実行する点灯連動演出実行手段(制御部H401、映像表示部H405、電飾部H406、音声出力部H407等)と、前記信号連動演出実行手段(制御部H401、映像表示部H405、電飾部H406、音声出力部H407等)による演出と、前記点灯連動演出実行手段(制御部H401、映像表示部H405、電飾部H406、音声出力部H407等)による演出との優先順位を設定可能な優先順位設定手段(図338に示す演出パターンテーブル等)と、設定された前記優先順位にしたがって実行する演出を選択する演出選択手段(制御部H401)と、前記遊技状態の移行パターンを記憶する移行記憶手段と、前記演出が実行される毎に前記移行パターンとの照合を行い、前記移行パターンに合致しない場合に、エラーとして検出するエラー検出手段と、を有する。
本発明に係る遊技システムは、抽選に基づいて遊技状態を移行させる遊技機(遊技機H2)と、前記遊技機(遊技機H2)に通信可能に個別に設けられる遊技用装置(データ表示機H1)と、を有する遊技システムであって、前記遊技状態に応じて点灯態様を異ならせる発光手段(トップランプH60)と、前記通信によって前記遊技機(遊技機H2)から送信された信号に基づいた演出を実行する信号連動演出実行手段(制御部H401、映像表示部H405、電飾部H406、音声出力部H407等)と、前記発光手段(トップランプH60)による点灯態様を検出する点灯態様検出手段(カメラユニットH12)と、前記点灯態様検出手段(カメラユニットH12)が検出した前記点灯状態に応じた態様の演出を実行する点灯連動演出実行手段(制御部H401、映像表示部H405、電飾部H406、音声出力部H407等)と、前記信号連動演出実行手段(制御部H401、映像表示部H405、電飾部H406、音声出力部H407等)による演出と、前記点灯連動演出実行手段(制御部H401、映像表示部H405、電飾部H406、音声出力部H407等)による演出との優先順位を設定可能な優先順位設定手段(図338に示す演出パターンテーブル等)と、設定された前記優先順位にしたがって実行する演出を選択する演出選択手段(制御部H401)と、前記遊技状態の移行パターンを記憶する移行記憶手段と、前記演出が実行される毎に前記移行パターンとの照合を行い、前記移行パターンに合致しない場合に、エラーとして検出するエラー検出手段と、を有する。
上記構成によれば、遊技用装置は、遊技機の遊技状態を、遊技機の発光手段に基づいて判定し、遊技機の遊技状態に応じた演出を実行する。一般的に遊技機から送信される信号の種類には制限があったが、データ表示機は、遊技機の遊技状態毎に異なる点灯態様の発光手段で判定するため、遊技機の遊技状態を制限されることなく判定することができる。その結果、遊技用装置は、遊技機の遊技状態に基づく演出パターンを増加させることが可能となる。また、演出に対応して優先順位が設定されるため、遊技用装置は、遊技機の遊技状態に基づく演出パターンを増加させることによる管理の負荷を軽減することが可能となる。さらに、遊技状態の移行パターンを記憶しておき、実際の移行がこれに沿わない場合には、エラーを検出することができ、セキュリティー性を向上させることが可能となる。
(付記2G13)
本発明に係る遊技用装置(データ表示機H1)は、遊技状態に応じて点灯態様を異ならせる発光手段(トップランプH60)を有した遊技機(遊技機H2)に通信可能に個別に設けられる遊技用装置(データ表示機H1)であって、他の遊技用装置(データ表示機H1)と同期した演出を実行可能な同期演出実行手段(制御部H401、映像表示部H405、電飾部H406、音声出力部H407等)と、前記通信によって前記遊技機(遊技機H2)から送信された信号に基づいた演出を実行する信号連動演出実行手段(制御部H401、映像表示部H405、電飾部H406、音声出力部H407等)と、前記発光手段(トップランプH60)による点灯態様を検出する点灯態様検出手段(カメラユニットH12)と、前記点灯態様検出手段(カメラユニットH12)が検出した前記点灯状態に応じた態様の演出を実行する点灯連動演出実行手段(制御部H401、映像表示部H405、電飾部H406、音声出力部H407等)と、前記信号連動演出実行手段(制御部H401、映像表示部H405、電飾部H406、音声出力部H407等)による演出と、前記点灯連動演出実行手段(制御部H401、映像表示部H405、電飾部H406、音声出力部H407等)による演出と、前記同期した演出との優先順位を設定可能な優先順位設定手段(図338に示す演出パターンテーブル等)と、設定された前記優先順位にしたがって実行する演出を選択する演出選択手段(制御部H401)と、を有する。
本発明に係る遊技システムは、遊技機(遊技機H2)と、前記遊技機(遊技機H2)に通信可能に個別に設けられる遊技用装置(データ表示機H1)とを有する遊技システムであって、遊技状態に応じて点灯態様を異ならせる発光手段(トップランプH60)と、他の遊技用装置(データ表示機H1)と同期した演出を実行可能な同期演出実行手段(制御部H401、映像表示部H405、電飾部H406、音声出力部H407等)と、前記通信によって前記遊技機(遊技機H2)から送信された信号に基づいた演出を実行する信号連動演出実行手段(制御部H401、映像表示部H405、電飾部H406、音声出力部H407等)と、前記発光手段(トップランプH60)による点灯態様を検出する点灯態様検出手段(カメラユニットH12)と、前記点灯態様検出手段(カメラユニットH12)が検出した前記点灯状態に応じた態様の演出を実行する点灯連動演出実行手段(制御部H401、映像表示部H405、電飾部H406、音声出力部H407等)と、前記信号連動演出実行手段(制御部H401、映像表示部H405、電飾部H406、音声出力部H407等)による演出と、前記点灯連動演出実行手段(制御部H401、映像表示部H405、電飾部H406、音声出力部H407等)による演出と、前記同期した演出との優先順位を設定する優先順位設定手段(図338に示す演出パターンテーブル等)と、設定された前記優先順位にしたがって実行する演出を選択する演出選択手段(制御部H401)と、を有する。
上記構成によれば、遊技用装置は、遊技機の遊技状態を、遊技機の発光手段に基づいて判定し、遊技機の遊技状態に応じた演出を実行する。そして、当該演出の終了条件が成立する場合には、当該演出を終了させる。一般的に遊技機の外部端子板から送信される信号の種類には制限があったが、遊技用装置は、遊技機の遊技状態毎に異なる点灯態様の発光手段で判定するため、遊技機の遊技状態を制限されることなく判定することができる。その結果、遊技用装置は、遊技機の遊技状態に基づく演出パターンを増加させることが可能となる。また、複数の遊技用装置が参加する同期演出を含む演出の優先順位が設定されるため、遊技用装置は、遊技機の遊技状態に基づく演出パターンを増加させることによる管理の負荷を軽減することが可能となる。
[第15実施形態]
以上、第1実施形態〜第14実施形態について説明した。以下、第15実施形態について説明する。第15実施形態に係る遊技システム5001の基本的な構成は、第14実施形態に係る遊技システム5001と同じである。以下においては、第14実施形態に係る遊技システム5001の構成要素と同一の構成要素には、同一の符号を付して説明することとする。また、第1実施形態〜第14実施形態における説明が第15実施形態においても当てはまる部分については、説明を省略することとする。
<遊技システム5001>
図360は、第15実施形態に係る遊技システムを示す図である。
遊技システム5001は、遊技機3001とデータ表示機2001と管理サーバ4001とを備える。第14実施形態と同様に、データ表示機2001は、遊技機3001の上側に配置されている。また、データ表示機2001は、管理サーバ4001と通信可能なように構成されている。
第14実施形態では、遊技機3001がその上部にランプ3305を備えていることとして説明した(図341参照)。これに対し、図360に示すように、本実施形態において、遊技機3001は、その上部に、ランプ3305として、ランプ3305a及びランプ3305bを備えている。
第14実施形態と同様に、本実施形態においても、データ表示機2001は、イメージセンサユニット2311を備えている。イメージセンサユニット2311は、CMOSイメージセンサを備えており、ランプ3305a及びランプ3305bを含む画像を所定の時間間隔で撮像することができるようになっている。
ランプ3305a及びランプ3305bは、それぞれ、フルカラーLEDを有して構成されており、白色、赤色、黄色、黄緑色、緑色、青緑色、青色、紫色、赤紫色、及び、桃色を含む複数種類の色を発することが可能である。
本実施形態において、遊技機3001は、ランプ3305a及びランプ3305bをそれぞれ、遊技機3001の状態に応じた色で点灯させることが可能なように構成されている。すなわち、ランプ3305aの発光色とランプ3305bの発光色との組合せが遊技機3001の状態と対応することとなる(図361参照)。本明細書では、「ランプ3305aの発光色とランプ3305bの発光色との組合せ」をランプ3305の点灯パターンとも表記する。
データ表示機2001は、CMOSイメージセンサでランプ3305a及びランプ3305bを撮像することにより、ランプ3305aの発光色及びランプ3305bの発光色を認識することができる。これにより、データ表示機2001は、遊技機3001におけるランプ3305の点灯パターン(遊技機3001の状態)に応じた態様で、液晶ディスプレイ2002、LED2003、スピーカ2004等を制御したり、管理サーバ4001と通信を行ったりする。
<ランプ3305の点灯パターン>
図361は、ランプの点灯パターンについて説明するための図である。
ランプ3305の点灯パターンとしては、多数の点灯パターンが設けられているが、図361では、一部の点灯パターンについて示している。図中、「LED左」は、ランプ3305aを示し、「LED右」は、ランプ3305bを示している。
「パターン1」においては、ランプ3305aが赤色に発光し、ランプ3305bが青緑色に発光する。「パターン1」は、電源がOFFとなっている状態で前扉が開けられたことが検知された場合に出現する点灯パターンである。本実施形態に係る遊技機3001としては、第1実施形態に係るパチスロ機1と同様の構成を採用することが可能であり、この場合、前扉は、上ドア62a又は下ドア62b(図2参照)である。なお、電源がOFFのときにはランプ3305a及びランプ3305bを点灯させることができないところ、電源が投入されたときに常時監視の(ドアの開閉状態を常時監視している)ドア監視ユニットにより上記検知が行われた旨の情報を受けた場合に、電源投入後の所定のタイミングにて、ランプ3305a及びランプ3305bが当該パターンにより点灯することとなる。
「パターン2」においては、ランプ3305aが赤色に発光し、ランプ3305bが緑色に発光する。「パターン2」は、前扉が閉じられた状態で設定変更又は設定確認が行われた可能性が検知された場合に出現する点灯パターンである。設定変更及び設定確認は、例えば、図246を用いて説明した方法により行うことができる。
「パターン3」においては、ランプ3305aが赤色に発光し、ランプ3305bが赤紫色に発光する。「パターン3」は、ホッパーエンプティが発生したことが検知された場合に出現する点灯パターンである。第2実施形態で説明したように、ホッパーエンプティは、ホッパー装置のメダルが底をつくことを指す。
「パターン4」においては、ランプ3305aが赤色に発光し、ランプ3305bが黄緑色に発光する。「パターン4」は、メダルオーバーフローが発生したことが検知された場合に出現する点灯パターンである。第2実施形態で説明したように、メダルオーバーフローは、メダル補助収納庫が一杯になることを指す。
「パターン1」〜「パターン4」は、それぞれ、「エラー用パターン」の一例である。エラー用パターンは、遊技機3001において異常(エラー)が検知された場合に出現する点灯パターンである。
「パターン10」においては、ランプ3305aが黄色に発光し、ランプ3305bが赤色に発光する。「パターン10」は、キャラクタAによるカスタム遊技が開始された場合に出現する点灯パターンである。「パターン11」においては、ランプ3305aが黄色に発光し、ランプ3305bが黄緑色に発光する。「パターン11」は、キャラクタBによるカスタム遊技が開始された場合に出現する点灯パターンである。「パターン12」においては、ランプ3305aが黄色に発光し、ランプ3305bが緑色に発光する。「パターン12」は、キャラクタCによるカスタム遊技が開始された場合に出現する点灯パターンである。
「パターン10」〜「パターン12」は、それぞれ、「カスタム開始用パターン」の一例である。カスタム開始用パターンは、カスタム遊技が開始された(カスタム開始操作が行われた)場合に出現する点灯パターンである。カスタム遊技(キャラクタのカスタマイズ)については、後に図363及び図364を用いて説明する。
「パターン20」においては、ランプ3305aが黄色に発光し、ランプ3305bが桃色に発光する。「パターン20」は、カスタム遊技が終了された(カスタム終了操作が行われた)場合に出現する点灯パターン(カスタム終了用パターン)である。
「パターン30」においては、ランプ3305aが黄緑色に発光し、ランプ3305bが桃色に発光する。「パターン30」は、AT中且つカスタム遊技が行われていない状態において出現する点灯パターンである。「パターン31」においては、ランプ3305aが黄緑色に発光し、ランプ3305bが緑色に発光する。「パターン31」は、AT中且つキャラクタAによるカスタム遊技が行われている状態において出現する点灯パターンである。「パターン32」においては、ランプ3305aが黄緑色に発光し、ランプ3305bが青緑色に発光する。「パターン32」は、AT中且つキャラクタBによるカスタム遊技が行われている状態において出現する点灯パターンである。「パターン33」においては、ランプ3305aが黄緑色に発光し、ランプ3305bが青色に発光する。「パターン33」は、AT中且つキャラクタCによるカスタム遊技が行われている状態において出現する点灯パターンである。
「パターン30」〜「パターン33」は、それぞれ、「AT中用パターン」の一例である。AT中用パターンは、AT中に出現する点灯パターンである。AT中用パターンは、遊技中演出用パターン(遊技中に行われる演出に応じた点灯パターン)の一例である。なお、AT中には、液晶表示装置やスピーカ等により所定の演出が行われるため、AT中用パターンは、該所定の演出が行われるときに出現する点灯パターンであると言うこともできる。
「パターン40」においては、ランプ3305aが緑色に発光し、ランプ3305bが桃色に発光する。「パターン40」は、カスタム遊技が行われていない状態でATが開始されるときに出現する点灯パターンである。「パターン41」においては、ランプ3305aが緑色に発光し、ランプ3305bが赤色に発光する。「パターン41」は、キャラクタAによるカスタム遊技が行われている状態でATが開始されるときに出現する点灯パターンである。「パターン42」においては、ランプ3305aが緑色に発光し、ランプ3305bが黄色に発光する。「パターン42」は、キャラクタBによるカスタム遊技が行われている状態でATが開始されるときに出現する点灯パターンである。「パターン43」においては、ランプ3305aが緑色に発光し、ランプ3305bが黄緑色に発光する。「パターン43」は、キャラクタCによるカスタム遊技が行われている状態でATが開始されるときに出現する点灯パターンである。
「パターン40」〜「パターン43」は、それぞれ、「AT開始用パターン」の一例である。AT開始用パターンは、ATが開始される(ATに突入する)ときに出現する点灯パターンである。AT開始用パターンは、遊技中演出用パターンの一例である。なお、ATが開始されるときには、液晶表示装置やスピーカ等により所定の演出が行われるため、AT開始用パターンは、該所定の演出が行われるときに出現する点灯パターンであると言うこともできる。
「パターン50」においては、ランプ3305aが赤紫色に発光し、ランプ3305bが赤色に発光する。「パターン50」は、演出Aが行われるときに出現する点灯パターンである。「パターン51」においては、ランプ3305aが赤紫色に発光し、ランプ3305bが黄色に発光する。「パターン51」は、演出Bが行われるときに出現する点灯パターンである。「パターン52」においては、ランプ3305aが赤紫色に発光し、ランプ3305bが黄緑色に発光する。「パターン52」は、演出Cが行われるときに出現する点灯パターンである。
「パターン50」〜「パターン52」は、それぞれ、「遊技中演出用パターン」の一例である。演出A〜Cは、スタートレバーが操作されたときに内部当籤役の種別に基づいて行われる演出である。演出A〜Cとしては、例えば、ATへの移行が確定する役やレア役、ボーナス役等が内部当籤役として決定されたときに行われる演出を採用することができる。
以上で説明したように、遊技中演出用パターンとしては、所定の遊技状態(例えば、AT、ART、BB等)中に出現する点灯パターン、所定の遊技状態(例えば、AT、ART、BB等)が開始するときに出現する点灯パターン、スタートレバーが操作されたときに出現する点灯パターンの他、所定の遊技状態(例えば、AT、ART、BB等)が終了するときに出現する点灯パターンや、有効ラインに沿って図柄の組合せが停止表示されたときに出現する点灯パターン等が設けられている。
また、遊技中演出用パターンには、ランプ3305a及びランプ3305bが所定の色で点灯した状態が1回の単位遊技のなかで発生する(当該状態が次回の単位遊技に持ち越されない)点灯パターン、及び、ランプ3305a及びランプ3305bが所定の色で点灯した状態が複数の単位遊技に亘って継続する点灯パターンが含まれる。例えば、「パターン50」〜「パターン52」は、ランプ3305a及びランプ3305bが所定の色で点灯した状態が1回の単位遊技のなかで発生する点灯パターンであり、「パターン50」においては、スタートレバーが操作されたことを契機としてランプ3305aが赤紫色に発光しランプ3305bが赤色に発光した後、当該単位遊技が終了するまでに、ランプ3305aの赤紫色での発光及びランプ3305bの赤色での発光は終了する。また、「パターン30」〜「パターン33」は、ランプ3305a及びランプ3305bが所定の色で点灯した状態が複数回の単位遊技に亘って継続する点灯パターンであり、「パターン30」においては、ランプ3305aの黄緑色での発光及びランプ3305bの桃色での発光が、ATが終了するまで継続する。
なお、図示しないが、デモ画面の表示中や、非カスタム時の通常中(キャラクタのカスタマイズが行われておらず、且つ、特定の演出が発生しない場合)には、ランプ3305a及びランプ3305bがともに白色に発光する。特定の演出は、図361に示すようなパターンでランプ3305a及びランプ3305bを点灯させる契機(点灯パターンの変更要因)となる演出である。すなわち、カスタム遊技が行われていない状態においては、基本的に、ランプ3305a及びランプ3305bがともに白色に点灯することとなる。
<機種識別用パターン>
図362は、機種識別用パターンについて説明するための図である。
ランプ3305の点灯パターンとしては、図361を用いて説明した点灯パターン以外に、図362に示す機種識別用パターンが設けられている。機種識別用パターンは、遊技機3001の属する機種に応じた点灯パターンであり、データ表示機2001又は管理サーバ4001に当該機種を認識させるために用いられる。
遊技機3001において電源が投入され、所定の初期化処理が実行された後、図362に示すパターンでランプ3305a及びランプ3305bが点灯することとなる。通常、ホール(遊技店)においては、島単位で遊技機及び周辺機器を一斉に立ち上げる方法を採るのが一般的である。これにより、周辺機器(データ表示機2001)側の初期化処理は、遊技機(遊技機3001)側の初期化処理よりも先に完了し、ランプ3305a及びランプ3305bが点灯する時点で、データ表示機2001のカメラ(CMOSイメージセンサ)は、立ち上がった状態となっている。従って、データ表示機2001は、図362に示す機種識別用パターンを取りこぼすことなく認識することができる。
具体的に、機種識別用パターンにおいては、まず、第1ステップとして、ランプ3305aが白色に発光するとともにランプ3305bが白色に発光し、その状態が10秒間継続する。続いて、第2ステップとして、ランプ3305aが青緑色に発光するとともにランプ3305bが青緑色に発光した状態が1秒間継続し、同様に、第3ステップとして、ランプ3305aが桃色に発光するとともにランプ3305bが桃色に発光した状態が1秒間継続し、第4ステップとして、ランプ3305aが緑色に発光するとともにランプ3305bが緑色に発光した状態が1秒間継続し、第5ステップとして、ランプ3305aが赤紫色に発光するとともにランプ3305bが赤紫色に発光した状態が1秒間継続し、第6ステップとして、ランプ3305aが黄緑色に発光するとともにランプ3305bが黄緑色に発光した状態が1秒間継続し、第7ステップとして、ランプ3305aが紫色に発光するとともにランプ3305bが紫色に発光した状態が1秒間継続し、第8ステップとして、ランプ3305aが黄色に発光するとともにランプ3305bが黄色に発光した状態が1秒間継続し、第9ステップとして、ランプ3305aが青色に発光するとともにランプ3305bが青色に発光した状態が1秒間継続し、第10ステップとして、ランプ3305aが赤色に発光するとともにランプ3305bが赤色に発光した状態が1秒間継続する。
続いて、第11ステップとして、ランプ3305aが青色に発光するとともにランプ3305bが青色に発光した状態が1秒間継続し、第12ステップとして、ランプ3305aが赤色に発光するとともにランプ3305bが青色に発光した状態が1秒間継続し、第13ステップとして、ランプ3305aが青色に発光するとともにランプ3305bが赤色に発光した状態が1秒間継続する。
第11ステップにおける点灯パターンは、遊技機3001を製造したメーカー(メーカー情報)に対応しており、例えば、第11ステップとしてランプ3305aが青色に発光するとともにランプ3305bが青色に発光することは、遊技機3001が遊技機メーカーX社の製品であることを示している。また、第12ステップ及び第13ステップにおける点灯パターンは、遊技機3001の属する機種(機種情報)に対応しており、例えば、第12ステップとしてランプ3305aが赤色に発光するとともにランプ3305bが青色に発光し、第13ステップとしてランプ3305aが青色に発光するとともにランプ3305bが赤色に発光することは、遊技機3001が機種Aに属することを示している。
なお、ランプ3305a及びランプ3305bは、第11ステップ〜第13ステップにおいてメーカー情報及び機種情報に応じたパターンで点灯する前に、第1ステップ〜第10ステップにおいて所定のパターン(学習用パターン)で点灯するように構成されている。
<キャラクタのカスタマイズ>
図363(A)は、液晶表示装置に表示されるメニュー画面の概要を示す図である。図363(B)は、メニュー画面の構成例を示す図である。図364は、キャラクタのカスタマイズを行うためのキャラクタカスタマイズ画面を示す図である。
副制御部3302(図342参照)は、遊技が行われていない状況で操作ボタンの決定ボタンが操作されると、図363(A)に示すメニュー画面を呼び出し、液晶表示装置に表示する。図示しないが、操作ボタンは、十字キー及び決定ボタンを含み、遊技者が十字キーを操作すると、選択カーソルが操作された方向に移動し、遊技者が決定ボタンを操作すると、選択カーソルが指し示している項目が選択(決定)される。液晶表示装置は、サブデバイス群3304(図342参照)に含まれる。なお、図363及び図364に示す画面(キャラクタカスタマイズ画面を含む)は、液晶表示装置とは別途設けられた専用のタッチパネル液晶に表示することとしてもよい。
図363(B)に示すように、メニュー画面には、メインメニューとして「カスタム遊技」「音量調整」「遊技データ」「配当・配列」「専用サイト」が設けられ、一部のメインメニューには更に詳細なサブメニューが設けられている。例えば、メインメニュー「カスタム遊技」には、サブメニュー「キャラ選択」「かんたんスタート」「パスワードを入力」「途中記録を見る」「記録して終了」「会員登録」が設けられる。
サブメニュー「キャラ選択」は、液晶表示装置上で行う演出に用いるキャラクタのカスタマイズ(カスタム)を行うメニューである。
サブメニュー「かんたんスタート」〜「会員登録」は、遊技者の登録遊技に関して用いられるメニューである。近年のパチスロ機では、遊技を行う遊技者の登録を行うことで、登録を行わない遊技者に比べて出玉には影響のない特典を付与することがある。具体的には、副制御部3302は、遊技者の登録を行った場合には、登録を行った後の遊技の履歴(例えば、ボーナス回数や小役の当籤確率といった遊技履歴に加え、実行した演出の演出履歴なども含む)を管理し、この履歴に基づいて一定の特典を付与する。この遊技の履歴は、今回の遊技に関するものだけでなく、前回行った遊技に関するものも含めることが可能である。具体的には、遊技者毎の遊技の履歴をサーバ上で管理しておき、遊技を行う際に携帯電話などを介してサーバから遊技機に遊技の履歴を通知することで、前回の遊技の履歴を引き継いで遊技を行うことができる。
サブメニュー「かんたんスタート」は、前回の遊技の履歴は引き継ぐことなく今回の遊技の履歴の蓄積のみを行う場合、すなわち簡易的なログインを行うために操作されるメニューである。また、サブメニュー「パスワードを入力」は、前回の遊技の履歴を引き継ぎつつ今回の遊技の履歴を更に蓄積する場合、すなわち正式なログインを行うために操作されるメニューである。ここで、簡易的なログインは、サブメニュー「かんたんスタート」が操作されるだけで完了する一方で、正式なログインは、会員登録を行ったうえで、遊技機3001にパスワードを入力することで行われる。そのため、簡易的なログインと正式なログインとを比較すると、簡易的なログインは正式なログインよりも簡易な登録手順であるといえ、反対に、正式なログインは簡易的なログインよりも煩雑な登録手順であるといえる。
サブメニュー「途中記録を見る」は、ログイン(簡易又は正式)を行っている場合に、それまでに蓄積した遊技の履歴の途中記録を確認する場合に操作されるメニューである。サブメニュー「記録して終了」は、ログイン(簡易又は正式)を行っている場合に、それまでに蓄積した遊技の履歴をサーバ上に記録する場合に操作されるメニューである。これらサブメニュー「途中記録を見る」「記録して終了」が操作されると、蓄積した遊技の履歴が遊技機3001から遊技者の携帯電話やサーバ上に読み出される。また、サブメニュー「会員登録」は、サーバ上に遊技者の初期登録を行うために操作されるメニューである。
図364に示すキャラクタカスタマイズ画面では、「キャラクタ」選択欄と「コスチューム」選択欄と「ポーズ」選択欄と「アクセサリー」選択欄とが設けられ、それぞれの選択欄には選択可能な複数のアイコンが設けられる。遊技機3001では、決定アイコンが操作されたタイミングでそれぞれの選択欄において選択されていたアイコン内容に基づいて、キャラクタがカスタマイズされる。
「キャラクタ」選択欄は、キャラクタを選択するために用いられ、副制御部3302は、複数種類のキャラクタの中から「キャラクタ」選択欄において選択された一のキャラクタを決定する。また、「コスチューム」選択欄は、キャラクタのコスチュームを選択するために用いられ、「ポーズ」選択欄は、キャラクタのポーズを選択するために用いられ、「アクセサリー」選択欄は、キャラクタのアクセサリーを選択するために用いられる。「コスチューム」選択欄〜「アクセサリー」選択欄は、それぞれキャラクタの表示態様(コスチューム、ポーズ、アクセサリー)に関するカスタマイズを行うために用いられる。副制御部3302は、対応する選択欄に応じた複数の表示態様の中から、当該選択欄において選択された一の表示態様を決定する。
このキャラクタカスタマイズ画面において、遊技者は、液晶表示装置の全面に設けられたタッチパネルに対するタッチ操作、又は、操作ボタンを用いたボタン操作を行うことにより、キャラクタのカスタマイズを行うことができる。キャラクタのカスタマイズが行われると、副制御部3302は、「コスチューム」選択欄において選択したコスチューム、及び「アクセサリー」選択欄において選択したアクセサリーを身に着けた「キャラクタ」選択欄において選択したキャラクタを、「ポーズ」選択欄において選択したポーズで、液晶表示装置に表示する。
カスタム遊技では、カスタマイズの内容に応じたキャラクタを用いた演出が行われる。カスタム遊技は、決定アイコンが操作される(カスタム開始操作が行われる)ことにより開始し、終了アイコン(図示せず)が操作される(カスタム終了操作が行われる)ことにより終了する。
なお、キャラクタのカスタマイズは、遊技者の所有する携帯端末機(例えば、図370に示す携帯端末機6001)を操作することにより行うことができるようにしてもよい。例えば、所定の方法で会員登録を行った遊技者が、携帯端末機において所定のアプリケーションを起動させた状態で、キャラクタカスタマイズ画面(図364と同様の画面)を携帯端末機に表示させ、当該キャラクタカスタマイズ画面上にて、携帯端末機に対してタッチ操作又はボタン操作を行うことにより、キャラクタのカスタマイズを行うことができるように構成してもよい。この場合、カスタマイズの内容は、管理サーバ4001を介して遊技機3001に送信可能なように構成してもよいし、非接触式短距離通信(NFC通信)等により携帯端末機から遊技機3001に直接送信可能なように構成してもよい。
<ランプ制御処理(電源投入時)>
図365は、遊技機において行われるランプ制御処理(電源投入時)を示すフローチャートである。
図365に示すランプ制御処理(電源投入時)は、遊技機3001に電源が投入されたときに副制御部3302において行われる処理である。
ランプ制御処理(電源投入時)において、まず、副制御部3302は、電源がOFFとなっている状態で(電断中に)前扉(上ドア62a又は下ドア62b)が開けられたか否かを判断する(ステップS1001)。本実施形態に係る遊技機3001としては、第2実施形態に係るパチスロ機1と同様の構成を採用することが可能であり、主制御部3301(図342参照)には、ドア中継端子板460を介してドア開閉監視スイッチ462(図69参照)が接続されている。ドア開閉監視スイッチ462は、電源がOFFとなっている状態における前扉の開閉状態を監視することが可能な24Hドア監視ユニットを構成しており、前扉が開放された場合には、その旨が記憶される。前扉の開閉状態を示す情報は、主制御部3301から副制御部3302へコマンドとして送信され、副制御部3302は、電源がOFFとなっている状態における前扉の開閉状態を認識することができる。
電源がOFFとなっている状態で前扉が開けられたと判断した場合、副制御部3302は、図361に示す「パターン1」によりランプ3305a及びランプ3305bを発光させるようにランプ制御回路3306(図342参照)を制御する(ステップS1002)。これにより、ランプ3305aが赤色に発光し、ランプ3305bが青緑色に発光する。ステップS1002の処理を実行した後、副制御部3302は、本サブルーチンを終了する。
なお、電源がOFFとなっている状態で前扉が開けられた場合には、ゴト行為(例えば、不正な設定変更操作)が行われた可能性がある。ここで、電源がOFFとなっている状態における前扉の開閉状態は、所定の操作を行うことにより、ホールメニューにおいて液晶表示装置に表示させることが可能であり、これにより、遊技店の店員は、電源がOFFとなっている状態で前扉が開けられたか否かを確認することができる。これに対し、「パターン1」によるランプ3305a及びランプ3305bの発光制御は、特段の操作を要することなく、電源が投入されると自動的に行われる。従って、より確実且つ早期に、ゴト行為が行われた事実を発見することが可能であり、セキュリティを強化することができる。
ここで、ステップS1001では、電源がOFFとなっている状態で前扉が(少なくとも1回)開けられたか否かを判断することとしているが、前扉の開放回数(監視回数)は、適宜設計することが可能であり、電源がOFFとなっている状態で前扉が所定回数(2回)以上開けられたか否かを判断することとしてもよい。また、当該所定回数(監視回数)を遊技店側が設定可能なように構成してもよい。電源を手動で立ち上げるような遊技店においては、電源がOFFとなっている状態で前扉が1回は必ず開けられるところ、当該構成を採用することにより、このような遊技店の事情にも適合させることができる。なお、ステップS1002の処理を実行することによりランプ3305a及びランプ3305bを所定時間に亘ってパターン1で点灯させた後、他の処理(ステップS1003〜ステップS1007の処理)を実行することとしてもよい。
ステップS1001において電源がOFFとなっている状態で前扉が開けられていないと判断した場合、副制御部3302は、前扉が閉じられた状態で設定用鍵型スイッチ430(図69参照)がONにセットされたか否かを判断する(ステップS1003)。設定用鍵型スイッチ430は、主制御部3301に接続されており、設定用鍵型スイッチ430がONにセットされた場合には、その旨を示す情報が主制御部3301から副制御部3302へコマンドとして送信される。これにより、副制御部3302は、設定用鍵型スイッチ430がONにセットされたか否かを認識することができる。
前扉が閉じられた状態で設定用鍵型スイッチ430がONにセットされたと判断した場合、副制御部3302は、図361に示す「パターン2」によりランプ3305a及びランプ3305bを発光させるようにランプ制御回路3306を制御する(ステップS1004)。これにより、ランプ3305aが赤色に発光し、ランプ3305bが緑色に発光する。ステップS1004の処理を実行した後、副制御部3302は、本サブルーチンを終了する。
ここで、図246を用いて説明したように、設定変更操作及び設定確認操作を行うためには、設定用鍵型スイッチ430をONにセットする必要があるところ、設定用鍵型スイッチ430はキャビネット61(図2参照)の内部に設けられているため、設定用鍵型スイッチ430をONにセットするためには、前扉を開ける必要がある。前扉が閉じられた状態で設定用鍵型スイッチ430がONにセットされた場合には、不正な設定変更操作が行われた可能性がある。本実施形態では、ステップS1003の処理を実行することにより、不正な設定変更操作が行われた可能性を検知することができる。なお、不正な設定変更操作が行われた可能性を検知する方法は、この例に限定されず、例えば、図246(B)を用いて説明した方法により、不正な設定変更操作が行われた可能性を検知することとしてもよい。
また、パチンコ遊技機においては、本体の裏側(背面側)に設定変更スイッチが設けられるところ、基本的に島内に人が立ち入ることはできないため、本体の裏面(裏面に配設された基板ケース等に収容された設定変更スイッチ)を操作するためには、鍵を用いて枠を回動させる必要がある。このような枠回動を検出可能に構成するとともに、枠非回動(枠回動が検出されていない状態)で設定変更スイッチがONにセットされた場合に、ステップS1003においてYESと判断することとしてもよい。
ステップS1003において前扉が閉じられた状態で設定用鍵型スイッチ430がONにセットされていないと判断した場合、副制御部3302は、その他の(電源がOFFとなっている状態で前扉が開けられたこと、及び、前扉が閉じられた状態で設定用鍵型スイッチ430がONにセットされたこと以外の)エラーが発生しているか否かを判断する(ステップS1005)。
エラーとしては、第2実施形態で説明した「不正行為の疑いが強い異常」(例えば、RAMクリア検知、RAMの読み書き不能、RAMのソフト的異常、磁気検知、電波検知、通信異常、内部電圧の異常、内部当籤していない役に係る図柄が有効ライン上に表示されるという入賞異常、本来払出のできないタイミングでの払出を検知した場合、設定値が6段階以外の値を示した場合等)、及び、「通常遊技で発生する異常」(例えば、ホッパー装置のメダルが底をつくホッパーエンプティ、ホッパー装置の払出口のメダル詰まり検出、メダル補助収納庫が一杯になってしまうメダルオーバーフロー、メダル投入時のメダル詰まり又はメダル逆流検出や、メダル投入枚数を4枚など異常な枚数で検出した場合、ホール店員がメダル補給などでフロントドア(上ドア62a又は下ドア62b)を開けたことによるドア開放エラーや、メダル補給などの際にホッパーの配線が外れたことを検知した場合等)を挙げることができる。ステップS1005においては、これらのエラーのうち電源投入時に発生し得るエラーが判断対象となる。
その他のエラーが発生していると判断した場合、副制御部3302は、エラーの種別に応じた点灯パターンによりランプ3305a及びランプ3305bを発光させるようにランプ制御回路3306を制御する(ステップS1006)。例えば、ホッパーエンプティが発生していると判断した場合、副制御部3302は、図361に示す「パターン3」によりランプ3305a及びランプ3305bを発光させるようにランプ制御回路3306を制御する。これにより、ランプ3305aが赤色に発光し、ランプ3305bが赤紫色に発光する。また、メダルオーバーフローが発生していると判断した場合、副制御部3302は、図361に示す「パターン4」によりランプ3305a及びランプ3305bを発光させるようにランプ制御回路3306を制御する。これにより、ランプ3305aが赤色に発光し、ランプ3305bが黄緑色に発光する。ステップS1006の処理を実行した後、副制御部3302は、本サブルーチンを終了する。
このようなエラー用パターンに相当する点灯パターン(図361参照)でランプ3305a及びランプ3305bが点灯し、当該点灯パターンがデータ表示機2001において検出されると、例えば、エラーの種別に応じた画像が液晶ディスプレイ2002に表示される(図368のステップS1107参照)。また、第17実施形態で説明するように、エラーの種別に応じた態様でLED2003を点灯(点滅)させることも可能である(図377のステップS1312参照)。これにより、例えば、通常遊技において通常のエラー(上述した「通常遊技で発生する異常」等)として発生する頻度の高いホッパーエンプティエラーや後述するセレクタエラーが発生した場合(図366のステップS1012参照)に、外部から視認容易な液晶ディスプレイ2002(液晶表示)やLED2003(電飾表示)を通じて、発生したエラーの種別を特定可能とすることで、遊技店の店員(遊技場の管理者)に対してエラーの種別を報知することが可能であり、店員等が当該遊技機3001まで来なくとも、エラーの発生状況に応じて適切且つ迅速な対応をさせることができる。
なお、複数のエラーが重複して発生している場合、ランプ3305a及びランプ3305bを発光させるに当たり、何れのエラーに対応する点灯パターンを優先するのかが予め定められている。具体的に、電源がOFFとなっている状態で前扉が開けられたことに対応する点灯パターン(パターン1)が最も優先され、前扉が閉じられた状態で設定用鍵型スイッチ430がONにセットされたことに対応する点灯パターン(パターン2)が次に優先される。また、基本的に、「不正行為の疑いが強い異常」に対応する点灯パターンの方が、「通常遊技で発生する異常」に対応する点灯パターンよりも優先される。一のエラーが発生している場合であっても、より優先度の高いエラーが同時に発生している場合、該一のエラーに対応する点灯パターンは、直ちに出現しない(該優先度の高いエラーが解消した後に出現する)。
ステップS1005においてその他のエラーが発生していないと判断した場合、副制御部3302は、機種識別用パターンによりランプ3305a及びランプ3305bを発光させるようにランプ制御回路3306を制御する(ステップS1007)。これにより、ランプ3305a及びランプ3305bが図362に示すパターンで発光する。ステップS1007の処理を実行した後、副制御部3302は、本サブルーチンを終了する。
なお、「機種識別用パターン」においては、図362に示す第1ステップ〜第13ステップにおけるランプ3305a及びランプ3305bの発光制御が繰り返し行われる。すなわち、第1ステップ〜第13ステップにおけるランプ3305a及びランプ3305bの発光制御が完了すると、再度、第1ステップ〜第13ステップにおけるランプ3305a及びランプ3305bの発光制御が行われる。本明細書では、第1ステップ〜第13ステップにおけるランプ3305a及びランプ3305bの発光制御が一巡することを、1回の「ループ」とも呼ぶ。「ループ」は、点灯パターンの変更要因(例えば、スタートレバーの操作やカスタム開始操作)が発生するまで継続する。
あるいは、第1ステップ〜第13ステップにおけるランプ3305a及びランプ3305bの発光制御は、1回のみ行われる(「ループ」は行わない)こととしてもよい。この場合、第1ステップ〜第13ステップにおけるランプ3305a及びランプ3305bの発光制御が1回行われた後は、ランプ3305a及びランプ3305bの双方を白色に発光させることとしてもよい。そして、ランプ3305a及びランプ3305bを白色に発光させた状態を、次に点灯パターンの変更要因が発生する(ランプ3305の発光色変更条件が成立する)まで継続することとしてもよい。また、「機種識別用パターン」によるランプ3305a及びランプ3305bの発光制御(ステップS1007の処理)は、ステップS1001の処理の前に行い、当該発光制御(第1ステップ〜第13ステップ)が完了した後、ステップS1001の処理を実行することとしてもよい。
また、エラーが発生している場合には、エラーに対応する点灯パターンが優先され、「機種識別用パターン」によるランプ3305a及びランプ3305bの発光制御は、エラーが解消された後に行われる。エラーが解消された後は、上記と同様に、点灯パターンの変更要因が発生するまで、「ループ」が継続する。あるいは、エラーが解消されて、第1ステップ〜第13ステップにおけるランプ3305a及びランプ3305bの発光制御が1回行われた後は、ランプ3305a及びランプ3305bを白色に発光させた状態で、点灯パターンの変更要因が発生するのを待機することとしてもよい。
<ランプ制御処理>
図366は、遊技機において行われるランプ制御処理を示すフローチャートである。
図366に示すランプ制御処理は、図365のステップS1001〜ステップS1007の処理が完了した後、副制御部3302において所定のタイミングで繰り返し行われる処理である。
ランプ制御処理において、まず、副制御部3302は、エラーが発生しているか否かを判断する(ステップS1011)。エラーとしては、上述した「不正行為の疑いが強い異常」及び「通常遊技で発生する異常」を挙げることができる。ステップS1011においては、「前扉が閉じられた状態で設定用鍵型スイッチ430がONにセットされたか否か」の判断(図365のステップS1003と同様の判断)も行われる。
エラーが発生していると判断した場合、副制御部3302は、エラーの種別に応じた点灯パターンによりランプ3305a及びランプ3305bを発光させるようにランプ制御回路3306を制御する(ステップS1012)。その後、副制御部3302は、本サブルーチンを終了する。
一方、エラーが発生していないと判断した場合、副制御部3302は、遊技が行われている状況であるか否かを判断する(ステップS1013)。ここで、「遊技が行われている状況」とは、主制御部3301側で遊技処理が行われていない(すなわち、1遊技が終了し、BET操作やスタートレバー操作を待っている)状態ではない状態を指す。遊技処理は、例えば、BET操作(スタートレバー操作)が行われた後メダルの払出が行われるまでの間に行われる遊技に係る処理である。「遊技が行われている状況」は、液晶表示装置にデモ画面が表示されていない状況を指すこととしてもよい。デモ画面は、遊技が行われていない(客待ち状態である)と判断される場合に移行される画面である。デモ画面への移行条件としては、従来公知の条件を適宜採用することが可能であり、例えば、メダルの払出が行われた後BETが行われないまま所定時間(例えば、10秒)が経過したときにデモ画面を表示させるように構成することができる。例えば、メダルの払出が行われた後BETが行われないまま所定時間(例えば、10秒)が経過したときに、主制御部3301から副制御部3302へデモ移行コマンドを送信するように構成すればよい。これにより、副制御部3302は、デモ画面への移行条件が成立したことを認識することができる。
遊技が行われている状況であると判断した場合、副制御部3302は、機種識別用パターンによるランプ3305a及びランプ3305bの発光制御として、少なくとも1回の「ループ」が終了したか否かを判断する(ステップS1014)。
少なくとも1回の「ループ」が終了したと判断した場合、副制御部3302は、遊技中に行われる演出に応じた点灯パターンによりランプ3305a及びランプ3305bを発光させるようにランプ制御回路3306を制御する(ステップS1015)。「遊技中に行われる演出に応じた点灯パターン」は、上述した「遊技中演出用パターン」(図361参照)である。「遊技中に行われる演出」は、遊技の状況に応じて液晶表示装置やスピーカ等により行われる演出(パチスロ機において一般的に行われる演出)である。副制御部3302は、スタートコマンドデータ(図49のステップS10参照)に含まれる内部当籤役の種別や遊技状態に対応する情報や、入賞作動コマンドデータ(図49のステップS14参照)に含まれるコンビネーション(有効ラインに沿って停止表示された図柄の組合せ)に対応する情報に基づいて、「遊技中に行われる演出」を決定する。
このような「遊技中に行われる演出」(例えば、図361に示す演出A〜C)と「点灯パターン」とが対応付けられたデータテーブル(図361に対応するテーブル)がROM等の記憶装置に格納されており、ステップS1015の処理において、副制御部3302は、当該テーブルを参照することにより、「遊技中に行われる演出」に応じた「点灯パターン」でランプ3305a及びランプ3305bを発光させる。ステップS1015の処理を実行した後、副制御部3302は、本サブルーチンを終了する。
なお、「遊技中に行われる演出」として、BET操作を契機に行われる演出を設け、当該演出に基づいてランプ3305a及びランプ3305bの点灯パターンを変更することとしてもよい。例えば、一のゲーム(単位遊技)における演出として勝利演出が行われることに伴い、ランプ3305a及びランプ3305bが所定のパターンで点灯している状態において、次回のゲーム(単位遊技)を開始させるためのBET操作が行われたことを契機として確定演出が行われる場合に、ランプ3305a及びランプ3305bの点灯パターンを該確定演出に対応する点灯パターンに変更するような状況を挙げることができる。
ステップS1013において遊技が行われている状況ではないと判断した場合、又は、ステップS1014において1回の「ループ」がまだ終了していないと判断した場合、副制御部3302は、機種識別用パターンによりランプ3305a及びランプ3305bを発光させるようにランプ制御回路3306を制御する(ステップS1016)。これにより、機種識別用パターンによるランプ3305a及びランプ3305bの発光制御が行われている途中状況であれば、副制御部3302は、当該発光制御を継続させる(第1ステップ〜第13ステップのうち進行中のステップを継続させる)。一方、機種識別用パターンによるランプ3305a及びランプ3305bの発光制御が行われていない状況であれば、副制御部3302は、当該発光制御を第1ステップから開始させる。ステップS1016の処理を実行した後、副制御部3302は、本サブルーチンを終了する。
以上のように構成されていることにより、例えば、電源が投入された後、機種識別用パターンによるランプ3305a及びランプ3305bの発光制御として1回の「ループ」が終了するまでに、スタートレバーが操作されたような場合には、当該「ループ」が継続されることになる。すなわち、当該スタートレバーが操作されることにより行われる演出に対応する点灯パターンによる発光制御は行われない(当該点灯パターンは破棄される)。なお、上述したように、遊技中演出用パターンには、ランプ3305a及びランプ3305bが所定の色で点灯した状態が1回の単位遊技のなかで発生する点灯パターン、及び、ランプ3305a及びランプ3305bが所定の色で点灯した状態が複数の単位遊技に亘って継続する点灯パターンが存在する。機種識別用パターンによるランプ3305a及びランプ3305bの発光制御として1回の「ループ」が終了するまでに、前者の点灯パターンに対応する演出が発生した場合には、当該点灯パターンを破棄する一方、後者の点灯パターンに対応する演出が発生した場合には、1回の「ループ」が終了した後に、当該点灯パターンによりランプ3305a及びランプ3305bを発光させることとしてもよい。また、機種識別用パターンによるランプ3305a及びランプ3305bの発光制御として1回の「ループ」が終了するまでに、前者の点灯パターンに対応する演出が発生した場合であっても、当該単位遊技が終了するまでに当該1回の「ループ」が終了した場合には、続けてステップS1015の処理を行うこととしてもよい。これにより、当該単位遊技における演出を取りこぼすことなく、当該演出に対応するパターンでランプ3305a及びランプ3305bを点灯させることができる。
<ランプ制御処理(カスタム開始時)>
図367は、遊技機において行われるランプ制御処理(カスタム開始時)を示すフローチャートである。
図367に示すランプ制御処理(カスタム開始時)は、カスタム開始操作が行われたことを契機として副制御部3302において行われる処理である。
ランプ制御処理(カスタム開始時)において、まず、副制御部3302は、機種識別用パターンによるランプ3305a及びランプ3305bの発光制御として、少なくとも1回の「ループ」が終了したか否かを判断する(ステップS1021)。
少なくとも1回の「ループ」が終了したと判断した場合、副制御部3302は、カスタマイズの内容に応じた点灯パターンによりランプ3305a及びランプ3305bを発光させるようにランプ制御回路3306を制御する(ステップS1022)。当該点灯パターンは、上述した「カスタム開始用パターン」(図361参照)であり、カスタム開始操作により選択されたキャラクタの種類に応じた点灯パターンである。これにより、例えば、カスタム開始操作によりキャラクタAが選択された場合には、図361に示す「パターン10」による発光制御が行われ、カスタム開始操作によりキャラクタBが選択された場合には、「パターン11」による発光制御が行われ、カスタム開始操作によりキャラクタCが選択された場合には、「パターン12」による発光制御が行われる。
ステップS1022の処理を実行した後、副制御部3302は、本サブルーチンを終了する。
ステップS1021において1回の「ループ」がまだ終了していないと判断した場合、副制御部3302は、機種識別用パターンによりランプ3305a及びランプ3305bを発光させるようにランプ制御回路3306を制御する(ステップS1023)。これにより、機種識別用パターンによるランプ3305a及びランプ3305bの発光制御が行われている途中状況であれば、副制御部3302は、当該発光制御を継続させる(第1ステップ〜第13ステップのうち進行中のステップを継続させる)。
次に、副制御部3302は、カスタム用点灯待機中フラグをオンにセットする(ステップS1024)。カスタム用点灯待機中フラグは、カスタム開始用パターンによるランプ3305a及びランプ3305bの発光制御が保留されていることを示すフラグである。機種識別用パターンによるランプ3305a及びランプ3305bの発光制御として1回の「ループ」が終了したとき、カスタム用点灯待機中フラグがオンにセットされていれば、副制御部3302は、カスタム開始操作により選択されたキャラクタの種類に応じた点灯パターンにより、ランプ3305a及びランプ3305bを発光させる。
ステップS1024の処理を実行した後、副制御部3302は、本サブルーチンを終了する。
<点灯パターン検出処理>
図368は、データ表示機において行われる点灯パターン検出処理を示すフローチャートである。図369は、機種識別テーブルを示す図である。
図368に示す点灯パターン検出処理は、データ表示機2001の制御部2301(図343参照)において所定のタイミングで繰り返し行われる処理である。第13実施形態で説明したように、イメージセンサユニット2311(図344参照)は、外乱光の影響を除去しつつ、光源(ランプ3305a及びランプ3305bの位置)を探査することが可能であり、これにより、制御部2301は、ランプ3305aの発光色及びランプ3305bの発光色を特定する(ランプ3305の点灯パターンを検出する)ことができる。
点灯パターン検出処理において、まず、制御部2301は、ランプ3305aの発光色とランプ3305bの発光色との組合せが機種識別用パターンに相当する点灯パターン(図365のステップS1007及び図366のステップS1016参照)であるか否かを判断する(ステップS1101)。具体的に、制御部2301は、ランプ3305aの発光色とランプ3305bの発光色との組合せとして、図362に示す第11ステップ〜第13ステップにおける点灯パターンが検出されたか否かを判断する。
機種識別用パターンのうち第11ステップ〜第13ステップにおける点灯パターンが検出されたと判断した場合、制御部2301は、ランプ3305aの発光色とランプ3305bの発光色との組合せとして、学習用パターンに相当する点灯パターンが検出されたか否かを判断する(ステップS1102)。上述したように、学習用パターンは、ランプ3305a及びランプ3305bがメーカー情報及び機種情報に応じたパターンで点灯する前に出現する点灯パターン(図362に示す第1ステップ〜第10ステップにおける点灯パターン)である。ステップS1102の処理において、制御部2301は、第11ステップにおける点灯パターンが検出される前の所定時間(19秒間)に亘って第1ステップ〜第10ステップにおける点灯パターンが検出されたか否かを判断する。なお、機種識別用パターン(第1ステップ〜第13ステップにおける各点灯パターン)におけるランプ3305aの発光色とランプ3305bの発光色との組合せは、図361に示す点灯パターンのうちの何れかの点灯パターンにおけるランプ3305aの発光色とランプ3305bの発光色との組合せと同じであってもよい。これらの組合せが同じであったとしても、点灯時間を異ならせることにより、制御部2301は、発光色の組合せと点灯時間とを検出することによって、点灯パターンの種別を判別し、機種識別用パターンを認識することができる。
学習用パターンに相当する点灯パターンが検出されていないと判断した場合、制御部2301は、本サブルーチンを終了する。
一方、学習用パターンに相当する点灯パターンが検出されたと判断した場合、制御部2301は、第11ステップ〜第13ステップにおける点灯パターンに対応する機種用のデータが記憶されているか否かを判断する(ステップS1103)。
ステップS1103の処理を行うのに先立ち、制御部2301は、第11ステップ〜第13ステップにおける点灯パターンを検出している。制御部2301は、ROM2302(図343参照)等の記憶装置に記憶されている機種識別テーブル(図369参照)を参照することにより、第11ステップ〜第13ステップにおける点灯パターンに対応する機種を特定する。
図369に示す機種識別テーブルにおいては、3つの点灯パターン(図中、「11」、「12」、及び、「13」)に対して、1つの機種及び1つのメーカーが対応付けて規定されている。「11」、「12」、及び、「13」は、それぞれ、機種識別用パターンにおける第11ステップ、第12ステップ、及び、第13ステップを示している。制御部2301は、検出された3つの点灯パターン(第11ステップ〜第13ステップ)と、機種識別テーブルとに基づいて、当該3つの点灯パターンに対応する機種を特定する。例えば、制御部2301は、直近で検出された3つの点灯パターンが、ランプ3305aが青色に発光するとともにランプ3305bが青色に発光するパターン、ランプ3305aが赤色に発光するとともにランプ3305bが青色に発光するパターン、及び、ランプ3305aが青色に発光するとともにランプ3305bが赤色に発光するパターンである場合、機種Aを特定する。
ステップS1103の処理において、制御部2301は、特定された機種(第11ステップ〜第13ステップにおける点灯パターンに対応する機種)用のデータがRAM2303(図343参照)等の記憶装置に記憶されているか否かを判断する。「機種用のデータ」とは、特定された機種に応じた演出を行うための演出データである。後述するように、当該演出データは、管理サーバ4001からダウンロードされるように構成されているため、ステップS1103の処理は、特定された機種に応じた演出データがダウンロード済みであるか否かを判断する処理と言い換えることもできる。
特定された機種に応じた演出データがダウンロード済みであると判断した場合、制御部2301は、本サブルーチンを終了する。
一方、特定された機種に応じた演出データがダウンロード済みではないと判断した場合、制御部2301は、当該機種に応じた演出データの送信を管理サーバ4001に対して要求する(ステップS1104)。そして、制御部2301は、当該機種に応じた演出データを管理サーバ4001から受信する(ステップS1105)。
ステップS1104の処理において、制御部2301は、特定された機種を示す情報(機種情報)を含む演出データ要求信号を管理サーバ4001に送信する。管理サーバ4001においては、図369に示す機種A〜機種Fを含む複数の機種に応じた演出データが、ハードディスクドライブ等の記憶装置に記憶されている。演出データ要求信号を受信すると、管理サーバ4001は、演出データ要求信号に含まれる機種情報によって示される一の機種に応じた演出データをデータ表示機2001に送信する。これにより、データ表示機2001は、遊技機3001の属する機種に応じた演出データを管理サーバ4001からダウンロードすることができる。ステップS1105の処理において、制御部2301は、ダウンロードした演出データをRAM2303等の記憶装置に記憶させる。
ステップS1105の処理を実行した後、制御部2301は、本サブルーチンを終了する。
なお、本実施形態では、データ表示機2001により機種の特定が行われることとして説明したが、機種の特定は、管理サーバ4001により行われることとしてもよい。この場合には、例えば、管理サーバ4001に機種識別テーブルを記憶させておき、データ表示機2001で検出された機種識別用パターンを示す情報を管理サーバ4001に送信するように構成するとよい。
また、機種に応じた演出データは、管理サーバ4001に記憶されていることとして説明したが、当該演出データは、管理サーバ4001に記憶しないこととしてもよい。この場合、演出データ要求信号を受信する毎に管理サーバ4001が外部から演出データをダウンロードし、ダウンロードした演出データをデータ表示機2001に送信するように構成してもよい。また、データ表示機2001においては、管理サーバ4001から演出データをダウンロードする毎に、記憶装置に記憶される演出データとして、古い演出データを削除して新しい演出データに入れ替えることとしてもよいし、所定数の機種に対応する演出データ(例えば、直近にダウンロードした3機種分の演出データ)を記憶することとしてもよい。
ステップS1101において第11ステップ〜第13ステップにおける点灯パターンが検出されていないと判断した場合、制御部2301は、ランプ3305aの発光色とランプ3305bの発光色との組合せとして、エラー用パターンに相当する点灯パターン(図365のステップS1002、ステップS1004、及び、ステップS1006、並びに、図366のステップS1012参照)が検出されたか否かを判断する(ステップS1106)。上述したように、エラー用パターンは、遊技機3001において異常(エラー)が検知された場合に出現する点灯パターンである(図361参照)。なお、点灯パターンとパターン種別(エラー用パターン、カスタム開始用パターン、カスタム終了用パターン、遊技中演出用パターン等)とが対応付けられたデータテーブル(図361に対応するテーブル)がROM2302等の記憶装置に格納されており、制御部2301は、当該データテーブルを参照することにより、パターン種別を認識することができる。
エラー用パターンに相当する点灯パターンが検出されたと判断した場合、制御部2301は、エラーが発生したことを報知する(ステップS1107)。具体的に、制御部2301は、映像表示部2305や音声出力部2307(図343参照)を制御することにより、エラーが発生したことを報知する画像を液晶ディスプレイ2002に表示させたり、エラーが発生したことを報知する音をスピーカ2004から出力させたりする。その際、制御部2301は、検出されたエラー用パターンに対応するエラーの種別に応じて、報知態様を異ならせる。
そして、制御部2301は、エラーが発生したことを示すエラー信号を管理サーバ4001(ホールコンピュータ)に対して送信する(ステップS1108)。エラー信号には、エラーの種別を示す情報が含まれる。ステップS1108の処理を実行した後、制御部2301は、本サブルーチンを終了する。
ステップS1106においてエラー用パターンに相当する点灯パターンが検出されていないと判断した場合、制御部2301は、ランプ3305aの発光色とランプ3305bの発光色との組合せとして、カスタム開始用パターンに相当する点灯パターン(図367のステップS1022参照)が検出されたか否かを判断する(ステップS1109)。上述したように、カスタム開始用パターンは、カスタム遊技が開始された(カスタム開始操作が行われた)場合に出現する点灯パターンである(図361参照)。
カスタム開始用パターンに相当する点灯パターンが検出されたと判断した場合、制御部2301は、カスタム開始用演出を実行する(ステップS1110)。カスタム開始用演出は、カスタム遊技が開始することを示す演出であり、検出されたカスタム開始用パターンに対応するキャラクタの種別に応じた演出である。これにより、カスタム開始操作により選択されたキャラクタに対応する画像が液晶ディスプレイ2002に表示されたり、当該キャラクタに対応する音声がスピーカ2004から出力されたりする。ステップS1110の処理を実行した後、制御部2301は、本サブルーチンを終了する。
ステップS1109においてカスタム開始用パターンに相当する点灯パターンが検出されていないと判断した場合、制御部2301は、ランプ3305aの発光色とランプ3305bの発光色との組合せとして、カスタム終了用パターンに相当する点灯パターンが検出されたか否かを判断する(ステップS1111)。上述したように、カスタム終了用パターンは、カスタム遊技が終了された(カスタム終了操作が行われた)場合に出現する点灯パターンである(図361参照)。すなわち、カスタム終了操作が行われたことを契機として、ランプ3305a及びランプ3305bは、図361に示す点灯パターン20(カスタム終了用パターン)により発光する。
カスタム終了用パターンに相当する点灯パターンが検出されたと判断した場合、制御部2301は、カスタム終了用演出を実行する(ステップS1112)。カスタム終了用演出は、カスタム遊技が終了することを示す演出であり、カスタムにより選択されていたキャラクタに対応する画像が液晶ディスプレイ2002に表示されたり、当該キャラクタに対応する音声がスピーカ2004から出力されたりする。ステップS1112の処理を実行した後、制御部2301は、本サブルーチンを終了する。
ステップS1111においてカスタム終了用パターンに相当する点灯パターンが検出されていないと判断した場合、制御部2301は、ランプ3305aの発光色とランプ3305bの発光色との組合せとして、遊技中演出用パターンに相当する点灯パターン(図366のステップS1015参照)が検出されたか否かを判断する(ステップS1113)。上述したように、遊技中演出用パターンは、遊技中に行われる演出(パチスロ機において一般的に行われる演出)に応じた点灯パターンである(図361参照)。
遊技中演出用パターンに相当する点灯パターンが検出されたと判断した場合、制御部2301は、遊技中演出を実行する(ステップS1114)。遊技中演出は、検出された遊技中演出用パターンの種別に応じた演出(遊技機3001において遊技中に行われる演出に対応する演出)であり、遊技の状況に応じた画像が液晶ディスプレイ2002に表示されたり、遊技の状況に応じた音声がスピーカ2004から出力されたりする。これにより、遊技機3001で行われる演出とデータ表示機2001で行われる演出とを連動させることができる。また、カスタム遊技が行われている期間中(カスタム開始操作が行われてからカスタム終了操作が行われるまでの間)であれば、カスタマイズの内容及び遊技の状況に応じた演出が行われることもある。
ステップS1113において遊技中演出用パターンに相当する点灯パターンが検出されていないと判断した場合、又は、ステップS1114の処理を実行した後、制御部2301は、本サブルーチンを終了する。
以上、本発明の一実施形態として、第15実施形態に係る遊技システム5001、遊技機3001、及び、データ表示機2001について説明した。
<付記H>
従来の遊技機には、種々の遊技用装置が接続され、遊技機から送信される情報に基づく制御が行われる。例えば、遊技機には、遊技結果等の統計情報を表示する遊技用表示装置(所謂、データ表示機)が接続可能となっている。遊技用表示装置は、ボーナスゲーム等の当り回数や前回当り遊技状態終了後からのゲーム数、さらには当り遊技状態中のメダルの獲得枚数等といった遊技情報が表示や遊技情報に基づく演出が可能に構成される。
一般的に、データ表示機は、遊技機が有する外部端子板を介して、遊技機からの情報を受信するように構成され、遊技機からの情報に基づいて遊技情報の表示や演出等を行う。例えば、特開2016−036585号公報では、データ表示機は、遊技機からの情報に基づいて、遊技機における演出と連動した演出を行うように構成されている。
ところで、一般的な外部端子板がデータ表示機への信号の送信に用いることができる端子数には制限があり、信号の種類ごとに端子を用いる必要があるため、遊技機からデータ表示機へ送ることが可能な遊技情報の種類は限られたものであった。従って、データ表示機が遊技情報に基づく演出パターンを増加させることは困難であった。
本発明者は、遊技機及びデータ表示機を含む遊技システムに関して鋭意検討を重ねる過程において、遊技機における情報の表現方法に関して工夫を凝らすことにより、データ表示機等の外部装置に効率良く当該情報を伝達することができるのではないかという考えに至った。
本発明は、上記のような点に鑑みてなされたものであり、遊技機の外部に情報を効率良く伝達することが可能な遊技システム、遊技機、及び、遊技用装置を提供することを目的とする。
この点、第15実施形態に係る遊技システム5001、遊技機3001、及び、データ表示機2001は、以下の特徴を備えている。
(H1−1) 所定の機種に属する遊技機(遊技機3001)と、
前記遊技機に対して設けられた遊技用装置(データ表示機2001)と、
前記遊技用装置と通信可能であり、前記所定の機種に関するデータを記憶するサーバ(管理サーバ4001)と、を備え、
前記遊技機は、
光を発することが可能な発光手段(ランプ3305a及びランプ3305b)と、
前記発光手段を前記所定の機種に応じた態様(機種識別用パターン)で発光させることが可能な発光制御手段(図365のステップS1007及び図366のステップS1016の処理を実行する副制御部3302)と、を備え、
前記遊技用装置は、
前記発光手段における発光態様を検出することが可能な発光態様検出手段(ランプ3305aの発光色及びランプ3305bの発光色を特定する処理を実行する制御部2301)と、
前記発光態様検出手段により検出された発光態様に応じた機種に関するデータの送信を前記サーバに対して要求し、前記所定の機種に関するデータを前記サーバから取得することが可能なデータ取得手段(図368のステップS1104及びステップS1105の処理を実行する制御部2301)と、を備える、
ことを特徴とする遊技システム。
第15実施形態に係る遊技システム5001によれば、遊技機(遊技機3001)は、所定の機種に属しており、該所定の機種に応じた態様(機種識別用パターン)で発光手段(ランプ3305a及びランプ3305b)を発光させることが可能である。一方、遊技用装置(データ表示機2001)は、遊技機(遊技機3001)の備える発光手段(ランプ3305a及びランプ3305b)における発光態様を検出することが可能であるとともに、検出された発光態様に応じた機種に関するデータの送信をサーバ(管理サーバ4001)に対して要求することが可能なように構成されている。これにより、該遊技機(遊技機3001)が所定の機種に属するという情報を、遊技用装置(データ表示機2001)を経由してサーバ(管理サーバ4001)に伝達することができるようになっている。そして、当該情報の伝達を通じて、遊技用装置(データ表示機2001)は、該所定の機種に関するデータをサーバ(管理サーバ4001)から取得することが可能である。これにより、遊技用装置(データ表示機2001)において、遊技機(遊技機3001)の機種に対応させた演出等の出力を実現することができる。
なお、サーバ(管理サーバ4001)は、ホールコンピュータであってもよいし、島コンピュータであってもよい。島コンピュータは、所謂遊技島と呼ばれるグループを構成する十数台の遊技機(遊技機3001)に対して設置された十数台の遊技用装置(データ表示機2001)を一括管理するように構成されている。
(H1−2) 所定の機種に属する遊技機(遊技機3001)であって、
外部から認識可能な態様で光を発することが可能な発光手段(ランプ3305a及びランプ3305b)と、
前記発光手段を発光させることが可能な発光制御手段(図365のステップS1007及び図366のステップS1016の処理を実行する副制御部3302)と、を備え、
前記発光制御手段は、
遊技の行われていない所定のタイミングで(電断からの復帰時)、前記発光手段を前記所定の機種に応じた態様(機種識別用パターン)で発光させることが可能である、
ことを特徴とする遊技機。
第15実施形態に係る遊技機3001によれば、遊技機(遊技機3001)は、所定の機種に属しており、遊技の行われていない所定のタイミングで(電断からの復帰時)、該所定の機種に応じた態様(機種識別用パターン)且つ外部から認識可能な態様で、発光手段(ランプ3305a及びランプ3305b)を発光させることが可能なように構成されている。これにより、発光手段(ランプ3305a及びランプ3305b)における発光態様を通じて、該遊技機(遊技機3001)が所定の機種に属するという情報を外部から認識することが可能であり、遊技機(遊技機3001)の外部に当該情報を効率良く伝達することができる。
第15実施形態では、遊技の行われていない所定のタイミングで(電断からの復帰時)、該所定の機種に応じた態様(機種識別用パターン)且つ外部から認識可能な態様で、発光手段(ランプ3305a及びランプ3305b)を発光させることとして説明した。本発明において、遊技の行われていない所定のタイミングは、電断からの復帰時に限定されず、デモ画面が表示されているときであってもよいし、設定変更操作が行われているとき(設定用鍵型スイッチ430がONにセットされているとき)であってもよい。
第15実施形態では、本発明をパチスロ遊技機に適用した例について説明したが、本発明は、パチンコ遊技機に適用することも可能である。デモ画面への移行条件として、パチスロ遊技機においては、第15実施形態で説明した条件の他に、再遊技による自動投入の後スタートレバーが操作されないまま所定時間が経過すること、C/Pボタンが操作されクレジットされているメダルが全て払い出されること、電源が投入されること(BETが行われるまでの間)、といった条件を挙げることができる。また、パチンコ遊技機においては、図柄の変動が停止した後ハンドルの操作が検出されないまま所定時間が経過すること、図柄の変動が停止した後始動口への入賞が発生しないまま所定時間が経過すること、保留がなく図柄の変動が行われない状態が所定時間継続すること、といった条件を、デモ画面への移行条件として挙げることができる。
また、第15実施形態では、電源が投入された後、機種識別用パターンによるランプ3305a及びランプ3305bの発光制御として1回の「ループ」が終了するまでに、スタートレバーが操作されたような場合には、当該「ループ」が継続されることとして説明した。同様に、リールが回転している状態で電断が発生したような場合においても、電断からの復帰時、ランプ3305a及びランプ3305bの発光制御として、当該リールの回転に応じた点灯は行われず、機種識別用パターンの「ループ」が優先される。
(H1−3) 前記(H1−2)の遊技機であって、
前記発光制御手段は、
前記発光手段を前記所定の機種に応じた態様で発光させる前に、前記発光手段を所定のパターン(学習用パターン)で発光させることが可能である、
ことを特徴とする。
第15実施形態に係る遊技機3001によれば、発光手段(ランプ3305a及びランプ3305b)を所定の機種に応じた態様で発光させる前に、発光手段(ランプ3305a及びランプ3305b)を所定のパターン(学習用パターン)で発光させることが可能なように構成されている。これにより、発光手段(ランプ3305a及びランプ3305b)が所定の機種に応じた態様で発光するのに先立ち、発光手段(ランプ3305a及びランプ3305b)が所定のパターン(学習用パターン)で発光するため、所定のパターン(学習用パターン)を目印として、発光手段(ランプ3305a及びランプ3305b)が所定の機種に応じた態様で発光するタイミングを把握しやすくなっている。従って、遊技機(遊技機3001)が所定の機種に属するという情報を、遊技機(遊技機3001)の外部に対してより適切に伝達することができる。
(H1−4) 遊技機(遊技機3001)の備える発光手段(ランプ3305a及びランプ3305b)における発光態様を検出することが可能な発光態様検出手段(ランプ3305aの発光色及びランプ3305bの発光色を特定する処理を実行する制御部2301)と、
前記発光態様検出手段により検出された発光態様に基づいてデータの送信をサーバに対して要求することにより、前記遊技機の機種に関するデータ(特定された機種に応じた演出データ)を前記サーバから取得することが可能なデータ取得手段(図368のステップS1104及びステップS1105の処理を実行する制御部2301)と、を備える、
ことを特徴とする遊技用装置。
第15実施形態に係るデータ表示機2001によれば、遊技用装置(データ表示機2001)は、遊技機(遊技機3001)の備える発光手段(ランプ3305a及びランプ3305b)における発光態様を検出することが可能であるとともに、検出された発光態様に基づいてデータ(特定された機種に応じた演出データ)の送信をサーバ(管理サーバ4001)に対して要求することが可能なように構成されている。これにより、発光態様によって示される遊技機(遊技機3001)の情報を、遊技用装置(データ表示機2001)を経由してサーバ(管理サーバ4001)に伝達することができるようになっている。そして、当該情報の伝達を通じて、遊技用装置(データ表示機2001)は、該遊技機(遊技機3001)の機種に関するデータ(特定された機種に応じた演出データ)をサーバ(管理サーバ4001)から取得することが可能である。これにより、遊技用装置(データ表示機2001)において、遊技機(遊技機3001)の機種に対応させた演出等の出力を実現することができる。
(H2−1) 遊技機(遊技機3001)と、
前記遊技機に対して設けられた遊技用装置(データ表示機2001)と、を備え、
前記遊技機は、
光を発することが可能な発光手段(ランプ3305a及びランプ3305b)と、
不正が行われた可能性を検知することが可能な不正検知手段(図365のステップS1001及びステップS1003の処理を実行する副制御部3302)と、
前記不正検知手段により不正が行われた可能性が検知された場合に、前記発光手段を所定の態様で発光させることが可能な発光制御手段(図365のステップS1002及びステップS1004の処理を実行する副制御部3302)と、を備え、
前記遊技用装置は、
前記発光手段における発光態様を検出することが可能な発光態様検出手段(ランプ3305aの発光色及びランプ3305bの発光色を特定する処理を実行する制御部2301)と、
前記発光態様検出手段により検出された発光態様が前記所定の態様である場合に、所定の出力を行うことが可能な出力手段(図368のステップS1107及びステップS1108の処理を実行する制御部2301)と、を備える、
ことを特徴とする遊技システム。
第15実施形態に係る遊技システム5001によれば、遊技機(遊技機3001)は、不正が行われた可能性を検知することが可能であるとともに、不正が行われた可能性が検知された場合に、発光手段(ランプ3305a及びランプ3305b)を所定の態様で発光させることが可能である。一方、遊技用装置(データ表示機2001)は、遊技機(遊技機3001)の備える発光手段(ランプ3305a及びランプ3305b)における発光態様を検出することが可能であるとともに、検出された発光態様が該所定の態様である場合に、所定の出力を行うことが可能なように構成されている。これにより、発光手段(ランプ3305a及びランプ3305b)における発光態様を通じて、不正が行われた可能性を示す情報を遊技機(遊技機3001)から遊技用装置(データ表示機2001)に伝達することが可能であり、所定の出力を通じて、不正が行われた可能性を報知することができる。
(H2−2) 外部から認識可能な態様で光を発することが可能な発光手段(ランプ3305a及びランプ3305b)と、
不正が行われた可能性を検知することが可能な不正検知手段(図365のステップS1001及びステップS1003の処理を実行する副制御部3302)と、
前記不正検知手段により不正が行われた可能性が検知された場合に、前記発光手段を所定の態様で発光させることが可能な発光制御手段(図365のステップS1002及びステップS1004の処理を実行する副制御部3302)と、を備える、
ことを特徴とする遊技機。
第15実施形態に係る遊技機3001によれば、遊技機(遊技機3001)は、不正が行われた可能性を検知することが可能であるとともに、不正が行われた可能性が検知された場合に、所定の態様且つ外部から認識可能な態様で、発光手段(ランプ3305a及びランプ3305b)を発光させることが可能なように構成されている。これにより、発光手段(ランプ3305a及びランプ3305b)における発光態様を通じて、不正が行われた可能性を示す情報を外部から認識することが可能であり、遊技機(遊技機3001)の外部に当該情報を効率良く伝達することができる。
(H2−3) 前記(H2−2)の遊技機であって、
回動開閉部(上ドア62a又は下ドア62b)を備え、
前記不正検知手段(図365のステップS1001の処理を実行する副制御部3302)は、
電源が投入されていない状態で前記回動開閉部が開放されたことを検知することが可能であり、
前記発光制御手段(図365のステップS1002の処理を実行する副制御部3302)は、
前記不正検知手段により、電源が投入されていない状態で前記回動開閉部が開放されたことが検知された場合、電源が投入されたときに、前記発光手段を前記所定の態様で発光させることが可能である、
ことを特徴とする。
第15実施形態に係る遊技機3001によれば、遊技機(遊技機3001)は、電源が投入されていない状態で回動開閉部(上ドア62a又は下ドア62b)が開放されたことを検知することが可能であるとともに、電源が投入されていない状態で回動開閉部(上ドア62a又は下ドア62b)が開放されたことが検知された場合、電源が投入されたときに、所定の態様且つ外部から認識可能な態様で、発光手段(ランプ3305a及びランプ3305b)を発光させることが可能なように構成されている。これにより、発光手段(ランプ3305a及びランプ3305b)における発光態様を通じて、電源が投入されていない状態で回動開閉部(上ドア62a又は下ドア62b)が開放されたことを示す情報を外部から認識することが可能であり、遊技機(遊技機3001)の外部に当該情報を効率良く伝達することができる。
なお、電源が投入されていない状態で回動開閉部(上ドア62a又は下ドア62b)が開放されたこと(不正が行われた可能性)が検知された場合には、学習用パターンによる発光手段(ランプ3305a及びランプ3305b)の発光制御が行われている途中であっても、割り込んで、当該エラーに対応するパターン(例えば、パターン1)で発光手段(ランプ3305a及びランプ3305b)を発光させることとしてもよい。この場合、当該エラーが解消した(遊技機3001においてエラー画面が解除された)後、学習用パターンによる発光手段(ランプ3305a及びランプ3305b)の発光制御に戻ることとしてもよい。その際、学習用パターンによる発光手段(ランプ3305a及びランプ3305b)の発光制御は、中断されたステップから再開してもよいし、第1ステップから再度行うこととしてもよい。
また、遊技機3001においてエラーが解消した(エラー画面が解除された)後も、データ表示機2001におけるエラー報知は継続することとしてもよい。
(H2−4) 前記(H2−2)の遊技機であって、
回動開閉部(上ドア62a又は下ドア62b)と、
複数の設定値のうちの一の設定値に基づいて遊技の実行に関する制御を行うことが可能な遊技制御手段と、
前記複数の設定値のなかから一の設定値を設定するための設定操作(設定変更操作)を行うことが可能な設定操作手段と、を備え、
前記不正検知手段(図365のステップS1003の処理を実行する副制御部3302)は、
前記回動開閉部が開放されていない状態で前記設定操作が行われた可能性を検知することが可能であり、
前記発光制御手段(図365のステップS1004の処理を実行する副制御部3302)は、
前記不正検知手段により、前記回動開閉部が開放されていない状態で前記設定操作が行われた可能性が検知された場合、前記発光手段を前記所定の態様で発光させることが可能である、
ことを特徴とする。
第15実施形態に係る遊技機3001によれば、遊技機(遊技機3001)は、回動開閉部(上ドア62a又は下ドア62b)が開放されていない状態で設定操作(設定変更操作)が行われた可能性を検知することが可能であるとともに、回動開閉部(上ドア62a又は下ドア62b)が開放されていない状態で設定操作(設定変更操作)が行われた可能性が検知された場合に、所定の態様且つ外部から認識可能な態様で、発光手段(ランプ3305a及びランプ3305b)を発光させることが可能なように構成されている。これにより、発光手段(ランプ3305a及びランプ3305b)における発光態様を通じて、回動開閉部(上ドア62a又は下ドア62b)が開放されていない状態で設定操作(設定変更操作)が行われた可能性を示す情報を外部から認識することが可能であり、遊技機(遊技機3001)の外部に当該情報を効率良く伝達することができる。
なお、回動開閉部(上ドア62a又は下ドア62b)が開放されていない状態であることを検知するための手段は、特に限定されず、例えば、前扉の開閉状態を物理的に検知可能なドア開閉検知センサを前扉(例えば、ドア開閉監視スイッチ462の近傍)に設けることとしてもよい。ドア開閉検知センサは、前扉が開けられたこと(閉まっている状態から開いている状態に変化したこと)及び閉められたこと(開いている状態から閉まっている状態に変化したこと)を検知する。その上で、前扉の状態(開状態又は閉状態)が変化したことを示す情報が主制御部3301から副制御部3302に送信されるように構成することが可能である。
また、回動開閉部は、パチスロ遊技機における前扉に限定されず、パチンコ遊技機における本体枠(外枠に対して回動可能な部分)であってもよい。
(H2−5) 遊技機(遊技機3001)の備える発光手段(ランプ3305a及びランプ3305b)における発光態様を検出することが可能な発光態様検出手段(ランプ3305aの発光色及びランプ3305bの発光色を特定する処理を実行する制御部2301)と、
前記発光態様検出手段により所定の発光態様が検出された場合に、前記所定の発光態様に対応する遊技機の状態を示唆し得る所定の出力(エラー報知)を行うことが可能な出力手段(図368のステップS1107の処理を実行する制御部2301)と、
前記発光態様検出手段により前記所定の発光態様が検出された場合に、前記所定の発光態様が検出されたことに対応する信号(エラー信号)をサーバ(管理サーバ4001)に送信することが可能な信号送信手段(図368のステップS1108の処理を実行する制御部2301)と、を備える、
ことを特徴とする遊技用装置。
第15実施形態に係るデータ表示機2001によれば、遊技用装置(データ表示機2001)は、遊技機(遊技機3001)の備える発光手段(ランプ3305a及びランプ3305b)における発光態様を検出することが可能であり、所定の発光態様が検出された場合には、該所定の発光態様に対応する遊技機の状態を示唆し得る所定の出力(エラー報知)を行うことが可能であるとともに、該所定の発光態様が検出されたことに対応する信号(エラー信号)をサーバ(管理サーバ4001)に送信することが可能なように構成されている。これにより、所定の発光態様に対応する遊技機(遊技機3001)の状態を示唆し得る情報を、遊技用装置(データ表示機2001)及びサーバ(管理サーバ4001)に伝達することができるようになっている。そして、遊技用装置(データ表示機2001)における所定の出力(エラー報知)乃至サーバ(管理サーバ4001)における出力を通じて、所定の発光態様に対応する遊技機(遊技機3001)の状態について遊技店の店員等に報知することができる。
本明細書において、エラーとは、遊技が通常に行われている限り起こり得ない(起こる可能性が非常に低い)現象や、遊技の進行の妨げになるような現象を指し、遊技者や遊技店の店員に対して報知すべき状況が発生したことを言う。第15実施形態では、エラーの例として、主としてパチスロ遊技機において想定されるエラーについて説明した。本発明をパチンコ遊技機に適用する場合、エラーとしては、パチンコ遊技機においてよく知られたエラーを採用してもよい。具体的に、遊技が通常に行われている限り起こり得ない(起こる可能性が非常に低い)現象としては、不正行為が行われている際に発生する現象を想定することができ、例えば、磁気検出エラー(磁石が遊技機の近傍に存在すること)、振動検出エラー(所定の閾値以上の強さの振動が発生すること)、電波検出エラー(所定の電波が遊技機に到達すること)、異常入賞エラー(大入賞口や始動口が開放していないにもかかわらず、これらへの入賞が検知されること)等を挙げることができる。遊技の進行の妨げになるような現象としては、例えば、皿満タンエラー(遊技球が皿から溢れること)、球無しエラー(払出機構に遊技球が無いこと)等を挙げることができる。このようなエラーは、従来公知の手段(例えば、センサ、スイッチ、回路等)により検出することが可能である。
(H3−1) 遊技機(遊技機3001)と、
前記遊技機に対して設けられた遊技用装置(データ表示機2001)と、を備え、
前記遊技機は、
光を発することが可能な発光手段(ランプ3305a及びランプ3305b)と、
複数の演出カスタム(キャラクタカスタマイズ)のなかから一の演出カスタムを選択することが可能な演出カスタム選択手段と、
前記演出カスタム選択手段により選択された演出カスタムに応じた態様(図361に示すパターン10〜12、パターン31〜33、パターン41〜43)で、前記発光手段を発光させることが可能な発光制御手段と、を備え、
前記遊技用装置は、
前記発光手段における発光態様を検出することが可能な発光態様検出手段(ランプ3305aの発光色及びランプ3305bの発光色を特定する処理を実行する制御部2301)と、
前記発光態様検出手段により検出された発光態様に応じた演出カスタムに関する出力を行うことが可能な出力手段(図368のステップS1110及びステップS1114の処理を実行する制御部2301)と、を備える、
ことを特徴とする遊技システム。
第15実施形態に係る遊技システム5001によれば、遊技機(遊技機3001)は、複数の演出カスタム(キャラクタカスタマイズ)のなかから一の演出カスタム(キャラクタカスタマイズ)を選択することが可能であるとともに、選択された演出カスタム(キャラクタカスタマイズ)に応じた態様で発光手段(ランプ3305a及びランプ3305b)を発光させることが可能である。一方、遊技用装置(データ表示機2001)は、遊技機(遊技機3001)の備える発光手段(ランプ3305a及びランプ3305b)における発光態様を検出することが可能であるとともに、検出された発光態様に応じた演出カスタム(キャラクタカスタマイズ)に関する出力を行うことが可能なように構成されている。これにより、発光手段(ランプ3305a及びランプ3305b)における発光態様を通じて、選択された演出カスタム(キャラクタカスタマイズ)を示す情報を遊技機(遊技機3001)から遊技用装置(データ表示機2001)に伝達することが可能であり、遊技用装置(データ表示機2001)において、該演出カスタム(キャラクタカスタマイズ)に対応させた演出等の出力を実現することができる。
(H3−2) 遊技者が操作を行うことが可能な操作手段と、
外部から認識可能な態様で光を発することが可能な発光手段(ランプ3305a及びランプ3305b)と、
前記発光手段を発光させることが可能な発光制御手段と、
演出を行うことが可能な演出実行手段と、を備え、
前記操作手段は、複数の演出カスタム(キャラクタカスタマイズ)のなかから選択された一の演出カスタムに応じた演出カスタム選択モード(カスタム遊技)を開始させるための開始操作(カスタム開始操作)を行うことが可能であり、
前記演出実行手段は、前記演出カスタム選択モードに応じた演出を行うことが可能であり、
前記発光制御手段は、前記演出カスタム選択モードに応じた態様(図361に示すパターン10〜12、パターン31〜33、パターン41〜43)で、前記発光手段を発光させることが可能である、
ことを特徴とする遊技機。
第15実施形態に係る遊技機3001によれば、遊技機(遊技機3001)は、複数の演出カスタム(キャラクタカスタマイズ)のなかから選択された一の演出カスタム(キャラクタカスタマイズ)に応じた演出カスタム選択モード(カスタム遊技)を開始させるための開始操作(カスタム開始操作)を行うことが可能であり、一の演出カスタム選択モード(カスタム遊技)に応じた演出を行うことが可能であり、該演出カスタム選択モード(カスタム遊技)に応じた態様(図361に示すパターン10〜12、パターン31〜33、パターン41〜43)且つ外部から認識可能な態様で、発光手段(ランプ3305a及びランプ3305b)を発光させることが可能なように構成されている。これにより、発光手段(ランプ3305a及びランプ3305b)における発光態様を通じて、選択された演出カスタム(キャラクタカスタマイズ)を示す情報を外部から認識することが可能であり、遊技機(遊技機3001)の外部に当該情報を効率良く伝達することができる。
(H3−3) 前記(H3−2)の遊技機であって、
前記操作手段は、前記演出カスタム選択モードを終了させるための終了操作(カスタム終了操作)を行うことが可能であり、
前記発光制御手段は、前記終了操作が行われた場合に、前記発光手段を所定の態様(図361に示すパターン20)で発光させることが可能である、
ことを特徴とする。
第15実施形態に係る遊技機3001によれば、遊技機(遊技機3001)は、一の演出カスタム選択モード(カスタム遊技)を終了させるための終了操作(カスタム終了操作)を行うことが可能であり、終了操作(カスタム終了操作)が行われた場合に、所定の態様(図361に示すパターン20)且つ外部から認識可能な態様で、発光手段(ランプ3305a及びランプ3305b)を発光させることが可能なように構成されている。これにより、発光手段(ランプ3305a及びランプ3305b)における発光態様を通じて、該演出カスタム選択モード(カスタム遊技)が終了したことを示す情報を外部から認識することが可能であり、該演出カスタム選択モード(カスタム遊技)の終了タイミングを適切に報知することができる。
(H3−4) 遊技機(遊技機3001)の備える発光手段(ランプ3305a及びランプ3305b)における発光態様を検出することが可能な発光態様検出手段(ランプ3305aの発光色及びランプ3305bの発光色を特定する処理を実行する制御部2301)と、
前記発光態様検出手段により第1所定の発光態様(カスタム開始用パターン)が検出されてから第2所定の発光態様(カスタム終了用パターン)が検出されるまでの間、前記発光態様検出手段により検出された発光態様に応じた演出カスタム(キャラクタカスタマイズ)に関する出力を行うことが可能な出力手段(図368のステップS1114の処理を実行する制御部2301)と、を備える、
ことを特徴とする遊技用装置。
第15実施形態に係るデータ表示機2001によれば、遊技用装置(データ表示機2001)は、遊技機(遊技機3001)の備える発光手段(ランプ3305a及びランプ3305b)における発光態様を検出することが可能であり、第1所定の発光態様(カスタム開始用パターン)が検出されてから第2所定の発光態様(カスタム終了用パターン)が検出されるまでの間、検出された発光態様に応じた演出カスタム(キャラクタカスタマイズ)に関する出力を行うことが可能なように構成されている。これにより、第1所定の発光態様(カスタム開始用パターン)は、演出カスタム(キャラクタカスタマイズ)に関する出力を開始するタイミングを示す情報を含む一方、第2所定の発光態様(カスタム終了用パターン)は、演出カスタム(キャラクタカスタマイズ)に関する出力を終了するタイミングを示す情報を含むことになる。そして、該発光態様を通じて、これらのタイミングを示す情報を遊技機(遊技機3001)から遊技用装置(データ表示機2001)に伝達することが可能であり、遊技機(遊技機3001)と遊技用装置(データ表示機2001)とで、該演出カスタム(キャラクタカスタマイズ)に関する出力が行われる期間を合致させつつ、該演出カスタム(キャラクタカスタマイズ)に応じた演出を連動させるといったことを実現することができる。
演出カスタムとしては、キャラクタのカスタムに限定されず、演出に関するカスタムを適宜採用することが可能である。例えば、演出モードを遊技者が選択可能なように構成することが可能であり、このような演出モードとしては、例えば、プレミアム演出の出現率をアップさせるモード等を挙げることができる。
演出カスタム(キャラクタカスタマイズ)に応じた演出としては、キャラクタを用いた演出を行うことが可能である。キャラクタを用いた演出としては、例えば、複数の単位遊技に亘って期待度を示唆するような連続演出を採用することができる。そのような連続演出としては、例えば、遊技者にとって有利な遊技状態(例えば、AT)が発生することを示唆する前兆演出を挙げることができる。例えば、キャラクタAが選択されているカスタム遊技において、ATが発生することを示唆する前兆演出として、キャラクタAを用いた前兆演出及びキャラクタBを用いた前兆演出が設けられており、キャラクタAを用いた前兆演出の方がキャラクタBを用いた前兆演出よりも期待度が高いものとする。このような形態において、遊技機3001においてキャラクタAを用いた前兆演出が行われている場合とキャラクタBを用いた前兆演出が行われている場合とで、ランプ3305a及びランプ3305bにおける発光態様を異ならせる一方、データ表示機2001において、ランプ3305a及びランプ3305bにおける発光態様に応じた演出を行うように構成することが可能である。これにより、遊技機3001においてキャラクタAを用いた前兆演出が行われている場合には、データ表示機2001においてもキャラクタAを用いた演出を行うことが可能であり、遊技機3001においてキャラクタBを用いた前兆演出が行われている場合には、データ表示機2001においてもキャラクタBを用いた演出を行うことが可能であり、データ表示機2001においても期待度の示唆を行うことができる。
なお、第14実施形態と同様に、第15実施形態では、遊技機3001の主制御部3301に外部端子板3308が接続されている(図342参照)。外部端子板3308は、通信インターフェース2310(図343参照)を介して、データ表示機2001の制御部2301に接続されている。これにより、外部端子板3308を介して、遊技機3001からデータ表示機2001へと情報を送信することができるようになっている。しかし、キャラクタのカスタマイズに関する情報(カスタマイズの内容を示す情報やカスタム開始操作乃至カスタム終了操作が行われたことを示す情報)は、外部端子板3308を介してデータ表示機2001に送信されることはない。
また、遊技者にとって有利な遊技状態として複数の特定遊技状態が設けられている場合において、該複数の特定遊技状態のうちの何れかが発生したとき、該複数の特定遊技状態を区別せずに、該複数の特定遊技状態のうちの何れかが発生したことを示す情報を、外部端子板3308を介してデータ表示機2001に送信する一方、ランプ3305a及びランプ3305bにおける発光態様を、発生した特定遊技状態の種別に応じて異ならせることとしてもよい。例えば、BBとして、赤BB、青BB、及び、白BBが設けられている場合において、何れかのBBが発生(又は、内部当籤)したとき、これらのBBを区別せずに、BBが発生(又は、内部当籤)したことを示す情報を、外部端子板3308を介してデータ表示機2001に送信する一方、ランプ3305a及びランプ3305bにおける発光態様を、発生(又は、内部当籤)したBBの種別に応じて異ならせることとしてもよい。これにより、データ表示機2001に対して、発生する特定遊技状態(当り)の種別を認識させることが可能であり、発生する特定遊技状態(当り)の種別に応じた演出を、データ表示機2001において実行することができる。また、遊技機3001とデータ表示機2001とで、当該演出を連動させることもできる。
[第16実施形態]
以上、第1実施形態〜第15実施形態について説明した。以下、第16実施形態について説明する。第16実施形態に係る遊技システム5001の基本的な構成は、第15実施形態に係る遊技システム5001と同じである。以下においては、第15実施形態に係る遊技システム5001の構成要素と同一の構成要素には、同一の符号を付して説明することとする。また、第1実施形態〜第15実施形態における説明が第16実施形態においても当てはまる部分については、説明を省略することとする。
<遊技システム5001>
図370は、第16実施形態に係る遊技システムを示す図である。
遊技システム5001は、遊技機3001とデータ表示機2001と管理サーバ4501と携帯端末機6001とを備える。携帯端末機6001と管理サーバ4501とは、インターネットを介した通信により、互いにデータのやり取りを行うことができる。なお、図示しないが、遊技システム5001は、第15実施形態で説明した管理サーバ4001も備えている。
遊技を開始するのに先立ち、遊技者は、自身の所有する携帯端末機6001において所定のアプリケーションを起動させた状態で、管理サーバ4501からパスワードの発行を受ける。パスワードは、前回までに行った遊技の履歴を暗号化したものである。管理サーバ4501には、前回までに行った遊技の履歴を示す遊技履歴情報が記憶されており、管理サーバ4501は、当該遊技履歴を、複数の記号(文字及び数字を含む)から構成される記号列に変換する。パスワードは、このような遊技履歴に対応する記号列である。遊技者は、所定の操作を行うことにより、パスワードを携帯端末機6001に表示させることができる。
その後、遊技を開始するに当たり、遊技者は、遊技機3001において操作ボタンを操作することにより、メニュー画面(図363(A)参照)を液晶表示装置に表示させ、メニュー画面においてメインメニュー「カスタム遊技」を選択する。これにより、サブメニュー画面として、「キャラ選択」、「かんたんスタート」、「パスワードを入力」、「途中記録を見る」、「記録して終了」、及び、「会員登録」のうちの何れかを選択するための画面(図363(B)参照)が液晶表示装置に表示される。
そして、遊技者は、サブメニュー画面においてサブメニュー「パスワードを入力」を選択する。これにより、パスワードを入力するための画面(パスワード入力画面)が液晶表示装置に表示される。遊技者は、パスワード入力画面において、タッチパネルに対するタッチ操作、又は、操作ボタンを用いたボタン操作を行って、管理サーバ4501から発行されたパスワードを入力することにより、正式なログインを行うことができる。これにより、前回までに行った遊技の履歴を引き継ぎつつ、今回行われた遊技の履歴が蓄積される。
遊技の履歴(遊技履歴)には、総遊技回数、遊技者にとって有利な遊技状態(特定遊技状態)の発生回数(例えば、ボーナス回数やART回数等)、各役の当籤回数や当籤確率、遊技媒体の投入枚数及び払出枚数の他、実行された演出の履歴(演出履歴)が含まれる。演出履歴には、各種演出の発生回数の他、カスタム遊技(キャラクタのカスタマイズ)に関する履歴が含まれる。カスタム遊技に関する履歴としては、各種キャラクタが選択された回数や、カスタム遊技の種別(選択されたキャラクタの種別)ごとの遊技履歴が挙げられる。選択されたキャラクタの種別ごとの遊技履歴としては、各種キャラクタのカスタマイズが行われた状態で行われた遊技の回数(例えば、キャラクタAが選択された状態で行われた遊技の回数、及び、キャラクタBが選択された状態で行われた遊技の回数)や、各種キャラクタのカスタマイズが行われた状態で特定遊技状態(例えば、ボーナスやART等)が発生した回数(例えば、キャラクタAが選択された状態で特定遊技状態が発生した回数、及び、キャラクタBが選択された状態で特定遊技状態が発生した回数)等が挙げられる。
管理サーバ4501では、このような遊技履歴が、会員登録を行っている遊技者毎に割り当てられる会員IDと対応付けて管理されている。例えば、管理サーバ4501には、一の遊技者がキャラクタAを選択した状態で行った遊技の回数及びキャラクタBを選択した状態で行った遊技の回数がそれぞれ記憶されるとともに、他の遊技者がキャラクタAを選択した状態で行った遊技の回数及びキャラクタBを選択した状態で行った遊技の回数もそれぞれ記憶されている。これにより、管理サーバ4501は、各遊技者の遊技履歴を比較することができるようになっている。
パスワードには、このような各遊技者の遊技履歴の比較結果(所定の方法により決定された順位)も暗号化されて含まれている。なお、遊技機3001は、パスワードにより暗号化された情報を特定するためのテーブル等の構成を有しており、当該情報を解読することが可能である。パスワードの解読に係る技術は、遊技機分野における従来周知の技術であるため(例えば、特開2013−081521号公報参照)、詳細な説明は省略する。
遊技を終了するに当たり、遊技者は、サブメニュー画面においてサブメニュー「記録して終了」を選択する。これにより、液晶表示装置に2次元コードが表示される。当該2次元コードは、管理サーバ4501のアドレス情報及び遊技機3001において蓄積された遊技履歴情報をコード化したものである。遊技者は、携帯端末機6001が備えるカメラにより、2次元コードを撮像することができる。携帯端末機6001は、カメラが2次元コードを撮像した際に得られる画像データから2次元コードを認識し、この認識した2次元コードから、管理サーバ4501のアドレス情報を生成する。その結果、管理サーバ4501にアクセスすることが可能となる。また、携帯端末機6001から管理サーバ4501に遊技履歴情報が送信される。これにより、当該遊技履歴は、管理サーバ4501において管理されることになる。
<ランプ3305の点灯パターン>
図371は、ランプの点灯パターンについて説明するための図である。
図371では、ランプ3305の点灯パターンのうち「パスワード用パターン」について示している。パスワード用パターンは、パスワード入力画面においてパスワードが入力された場合に出現する点灯パターンである。図361と同様、図中、「LED左」は、ランプ3305aを示し、「LED右」は、ランプ3305bを示している。
「パターン50」においては、ランプ3305aが青色に発光し、ランプ3305bが緑色に発光する。「パターン50」は、歴代総遊技数が全国1位であることを示す情報がパスワードに含まれる場合に出現する点灯パターンである。「パターン51」においては、ランプ3305aが青色に発光し、ランプ3305bが青緑色に発光する。「パターン51」は、歴代総遊技数が全国2位であることを示す情報がパスワードに含まれる場合に出現する点灯パターンである。「パターン52」においては、ランプ3305aが青色に発光し、ランプ3305bが紫色に発光する。「パターン52」は、歴代総遊技数が全国3位であることを示す情報がパスワードに含まれる場合に出現する点灯パターンである。
「パターン53」においては、ランプ3305aが青色に発光し、ランプ3305bが赤紫色に発光する。「パターン53」は、前日の総遊技数が全国1位であることを示す情報がパスワードに含まれる場合に出現する点灯パターンである。「パターン54」においては、ランプ3305aが青色に発光し、ランプ3305bが桃色に発光する。「パターン54」は、週間の総遊技数が全国1位であることを示す情報がパスワードに含まれる場合に出現する点灯パターンである。「パターン55」においては、ランプ3305aが紫色に発光し、ランプ3305bが赤色に発光する。「パターン55」は、月間の総遊技数が全国1位であることを示す情報がパスワードに含まれる場合に出現する点灯パターンである。
「パターン60」においては、ランプ3305aが黄色に発光し、ランプ3305bが黄緑色に発光する。「パターン60」は、キャラクタAが選択された状態で行われた遊技の回数が歴代全国1位であることを示す情報がパスワードに含まれる場合に出現する点灯パターンである。「パターン61」においては、ランプ3305aが黄色に発光し、ランプ3305bが緑色に発光する。「パターン61」は、キャラクタAが選択された状態で行われた遊技の回数が歴代全国2位であることを示す情報がパスワードに含まれる場合に出現する点灯パターンである。「パターン62」においては、ランプ3305aが黄色に発光し、ランプ3305bが青緑色に発光する。「パターン62」は、キャラクタAが選択された状態で行われた遊技の回数が歴代全国3位であることを示す情報がパスワードに含まれる場合に出現する点灯パターンである。
「パターン63」においては、ランプ3305aが黄色に発光し、ランプ3305bが青色に発光する。「パターン63」は、キャラクタAが選択された状態で行われた遊技の回数が前日全国1位であることを示す情報がパスワードに含まれる場合に出現する点灯パターンである。「パターン64」においては、ランプ3305aが黄色に発光し、ランプ3305bが紫色に発光する。「パターン64」は、キャラクタAが選択された状態で行われた遊技の回数が週間全国1位であることを示す情報がパスワードに含まれる場合に出現する点灯パターンである。「パターン65」においては、ランプ3305aが黄色に発光し、ランプ3305bが赤紫色に発光する。「パターン65」は、キャラクタAが選択された状態で行われた遊技の回数が月間全国1位であることを示す情報がパスワードに含まれる場合に出現する点灯パターンである。
同様に、「パターン70」〜「パターン75」は、キャラクタBが選択された状態で行われた遊技の回数に関する順位を示す情報がパスワードに含まれる場合に出現する点灯パターンである。また、「パターン80」〜「パターン85」は、キャラクタCが選択された状態で行われた遊技の回数に関する順位を示す情報がパスワードに含まれる場合に出現する点灯パターンである。
なお、管理サーバ4501は、所定のタイミングで、以上のような順位(各遊技者の遊技履歴の比較結果)を更新するように構成されている。所定のタイミングとしては、任意のタイミングを採用することが可能であり、1日1回(例えば、所定の時刻)であってもよいし、週1回(例えば、所定の曜日(月曜日等))であってもよいし、リアルタイム(例えば、所定秒乃至分ごと)に上記順位が更新されることとしてもよい。
<ランプ制御処理(パスワード入力時)>
図372は、遊技機において行われるランプ制御処理(パスワード入力時)を示すフローチャートである。
図372に示すランプ制御処理(パスワード入力時)は、パスワードの入力操作が完了したことを契機として副制御部3302において行われる処理である。
ランプ制御処理(パスワード入力時)において、まず、副制御部3302は、機種識別用パターン(図362参照)によるランプ3305a及びランプ3305bの発光制御として、少なくとも1回の「ループ」が終了したか否かを判断する(ステップS1201)。
少なくとも1回の「ループ」が終了したと判断した場合、副制御部3302は、遊技履歴に応じた点灯パターンによりランプ3305a及びランプ3305bを発光させるようにランプ制御回路3306を制御する(ステップS1202)。当該点灯パターンは、上述した「パスワード用パターン」(図371参照)であり、パスワードに含まれる遊技履歴情報に応じた点灯パターンである。これにより、例えば、歴代総遊技数が全国1位であることを示す情報がパスワードに含まれる場合には、図371に示す「パターン50」による発光制御が行われ、キャラクタAが選択された状態で行われた遊技の回数が歴代全国1位であることを示す情報がパスワードに含まれる場合には、「パターン60」による発光制御が行われる。
ステップS1202の処理を実行した後、副制御部3302は、本サブルーチンを終了する。
ステップS1201において1回の「ループ」がまだ終了していないと判断した場合、副制御部3302は、機種識別用パターンによりランプ3305a及びランプ3305bを発光させるようにランプ制御回路3306を制御する(ステップS1023)。これにより、機種識別用パターンによるランプ3305a及びランプ3305bの発光制御が行われている途中状況であれば、副制御部3302は、当該発光制御を継続させる(第1ステップ〜第13ステップのうち進行中のステップを継続させる)。
次に、副制御部3302は、パスワード用点灯待機中フラグをオンにセットする(ステップS1204)。パスワード用点灯待機中フラグは、パスワード用パターンによるランプ3305a及びランプ3305bの発光制御が保留されていることを示すフラグである。機種識別用パターンによるランプ3305a及びランプ3305bの発光制御として1回の「ループ」が終了したとき、パスワード用点灯待機中フラグがオンにセットされていれば、副制御部3302は、パスワードに含まれる遊技履歴情報に応じた点灯パターンにより、ランプ3305a及びランプ3305bを発光させる。
ステップS1204の処理を実行した後、副制御部3302は、本サブルーチンを終了する。
<点灯パターン検出処理>
図373は、データ表示機において行われる点灯パターン検出処理を示すフローチャートである。
図373に示す点灯パターン検出処理は、データ表示機2001の制御部2301(図343参照)において所定のタイミングで繰り返し行われる処理である。第15実施形態と同様に、イメージセンサユニット2311(図344参照)は、外乱光の影響を除去しつつ、光源(ランプ3305a及びランプ3305bの位置)を探査することが可能であり、これにより、制御部2301は、ランプ3305aの発光色及びランプ3305bの発光色を特定する(ランプ3305の点灯パターンを検出する)ことができる。
点灯パターン検出処理において、制御部2301は、ステップS1251〜ステップS1264の処理を実行するが、これらの処理は、図368のステップS1101〜ステップS1114の処理と同様の処理であるため、ここでの説明は省略する。
ステップS1263において遊技中演出用パターンに相当する点灯パターンが検出されていないと判断した場合、制御部2301は、ランプ3305aの発光色とランプ3305bの発光色との組合せとして、パスワード用パターンに相当する点灯パターン(図372のステップS1202参照)が検出されたか否かを判断する(ステップS1265)。上述したように、パスワード用パターンは、パスワード入力画面においてパスワードが入力された場合に出現する点灯パターンである(図371参照)。
パスワード用パターンに相当する点灯パターンが検出されたと判断した場合、制御部2301は、検出されたパスワード用パターンに応じた遊技履歴に関する表示を行う(ステップS1266)。具体的に、制御部2301は、映像表示部2305(図343参照)を制御することにより、検出されたパスワード用パターンに対応する遊技履歴に関する画像を液晶ディスプレイ2002に表示させる。これにより、例えば、検出されたパスワード用パターンが図371に示すパターン50である場合には、「歴代総遊技数 全国1位」という内容に対応する文字画像が液晶ディスプレイ2002に表示され、検出されたパスワード用パターンが図371に示すパターン60である場合には、「キャラクタA遊技数 全国1位」という内容に対応する文字画像が液晶ディスプレイ2002に表示される。
ステップS1265においてパスワード用パターンに相当する点灯パターンが検出されていないと判断した場合、又は、ステップS1266の処理を実行した後、制御部2301は、本サブルーチンを終了する。
以上、本発明の一実施形態として、第16実施形態に係る遊技システム5001、遊技機3001、及び、データ表示機2001について説明した。第16実施形態に係る遊技システム5001、遊技機3001、及び、データ表示機2001は、以下の特徴を備えている。
(H4−1) 遊技機(遊技機3001)と、
前記遊技機に対して設けられた遊技用装置(データ表示機2001)と、を備え、
前記遊技機は、
光を発することが可能な発光手段(ランプ3305a及びランプ3305b)と、
遊技の履歴に関する情報が暗号化された情報(パスワード)を入力することが可能な入力手段と、
前記入力手段において前記情報が入力された場合、該情報から特定される情報に応じた態様で、前記発光手段を発光させることが可能な発光制御手段(図372のステップS1202の処理を実行する副制御部3302)と、を備え、
前記遊技用装置は、
前記発光手段における発光態様を検出することが可能な発光態様検出手段(ランプ3305aの発光色及びランプ3305bの発光色を特定する処理を実行する制御部2301)と、
前記発光態様検出手段により検出された発光態様に応じた遊技の履歴に関する出力を行うことが可能な出力手段(図373のステップS1266の処理を実行する制御部2301)と、を備える、
ことを特徴とする遊技システム。
第16実施形態に係る遊技システム5001によれば、遊技機(遊技機3001)は、遊技の履歴に関する情報(遊技履歴関連情報)が暗号化された情報(パスワード)を入力することが可能であるとともに、情報(パスワード)が入力された場合、該情報(パスワード)から特定される情報に応じた態様で、発光手段(ランプ3305a及びランプ3305b)を発光させることが可能である。一方、遊技用装置(データ表示機2001)は、遊技機(遊技機3001)の備える発光手段(ランプ3305a及びランプ3305b)における発光態様を検出することが可能であるとともに、検出された発光態様に応じた遊技の履歴に関する出力を行うことが可能なように構成されている。これにより、発光手段(ランプ3305a及びランプ3305b)における発光態様を通じて、情報(パスワード)に含まれる遊技履歴関連情報を遊技機(遊技機3001)から遊技用装置(データ表示機2001)に伝達することが可能であり、遊技用装置(データ表示機2001)において、該遊技履歴関連情報に対応させた出力を実現することができる。
(H4−2) 外部から認識可能な態様で光を発することが可能な発光手段(ランプ3305a及びランプ3305b)と、
遊技の履歴に関する情報が暗号化された情報(パスワード)を入力することが可能な入力手段と、
前記入力手段において前記情報が入力された場合、該情報から特定される情報に応じた態様で、前記発光手段を発光させることが可能な発光制御手段(図372のステップS1202の処理を実行する副制御部3302)と、を備える、
ことを特徴とする遊技機。
第16実施形態に係る遊技機3001によれば、遊技機(遊技機3001)は、遊技の履歴に関する情報(遊技履歴関連情報)が暗号化された情報(パスワード)を入力することが可能であるとともに、情報(パスワード)が入力された場合、該情報(パスワード)から特定される情報に応じた態様且つ外部から認識可能な態様で、発光手段(ランプ3305a及びランプ3305b)を発光させることが可能なように構成されている。これにより、発光手段(ランプ3305a及びランプ3305b)における発光態様を通じて、情報(パスワード)に含まれる遊技履歴関連情報を外部から認識することが可能であり、遊技機(遊技機3001)の外部に当該情報を効率良く伝達することができる。
(H4−3) 前記(H4−2)の遊技機であって、
複数の演出カスタム(キャラクタカスタマイズ)のなかから選択された一の演出カスタムに応じた演出カスタム選択モード(カスタム遊技)による演出を行うことが可能な演出実行手段を備え、
前記情報は、前記一の演出カスタムに応じた演出カスタム選択モードで行われた遊技の履歴に関する演出カスタム選択モード履歴情報を含み、
前記発光制御手段は、
前記入力手段において前記情報が入力された場合、該情報から特定される前記演出カスタム選択モード履歴情報に応じた態様で、前記発光手段を発光させることが可能である、
ことを特徴とする。
第16実施形態に係る遊技機3001によれば、情報(パスワード)は、一の演出カスタム(キャラクタカスタマイズ)に応じた演出カスタム選択モード(カスタム遊技)で行われた遊技の履歴に関する演出カスタム選択モード履歴情報を含んでおり、遊技機(遊技機3001)は、情報(パスワード)が入力された場合、該情報(パスワード)から特定される演出カスタム選択モード履歴情報に応じた態様で、発光手段(ランプ3305a及びランプ3305b)を発光させることが可能なように構成されている。これにより、発光手段(ランプ3305a及びランプ3305b)における発光態様を通じて、情報(パスワード)に含まれる演出カスタム選択モード履歴情報を外部から認識することが可能であり、該一の演出カスタム選択モード(カスタム遊技)で行われた遊技の履歴に関して報知することができる。
(H4−4) 遊技機(遊技機3001)の備える発光手段(ランプ3305a及びランプ3305b)における発光態様を検出することが可能な発光態様検出手段と、
前記遊技機において遊技の履歴に関する情報が暗号化された情報(パスワード)が入力された場合に、前記発光態様検出手段により検出された発光態様に応じた遊技の履歴に関する出力を行うことが可能な出力手段(図373のステップS1266の処理を実行する制御部2301)と、を備える、
ことを特徴とする遊技用装置。
第16実施形態に係るデータ表示機2001によれば、遊技用装置(データ表示機2001)は、遊技機(遊技機3001)の備える発光手段(ランプ3305a及びランプ3305b)における発光態様を検出することが可能であり、遊技機(遊技機3001)において遊技の履歴に関する情報(遊技履歴関連情報)が暗号化された情報(パスワード)が入力された場合に、検出された発光態様に応じた遊技の履歴に関する出力を行うことが可能なように構成されている。これにより、発光手段(ランプ3305a及びランプ3305b)における発光態様を通じて、情報(パスワード)に含まれる遊技履歴関連情報を遊技機(遊技機3001)から遊技用装置(データ表示機2001)に伝達することが可能であり、遊技用装置(データ表示機2001)において、該遊技履歴関連情報に対応させた出力を実現することができる。
第16実施形態では、パスワードに含まれる遊技履歴関連情報として、各遊技者の遊技履歴の比較結果(所定の方法により決定された順位)を示す情報を採用した場合について説明したが、パスワードに含まれる遊技履歴関連情報は、この例に限定されない。パスワードに含まれる遊技履歴関連情報としては、上述した遊技履歴(演出履歴を含む)に関連する情報を適宜採用することが可能である。例えば、遊技履歴関連情報として総遊技回数(又は、各種キャラクタのカスタマイズが行われた状態で行われた遊技の回数)を示す情報がパスワードに含まれるような形態において、当該遊技回数が第1所定数未満である場合と、当該遊技回数が第1所定数以上第2所定数未満である場合と、当該遊技回数が第2所定数以上である場合とで、それぞれ異なる態様で発光手段(ランプ3305a及びランプ3305b)を発光させるように構成してもよい。これにより、遊技用装置(データ表示機2001)において、当該遊技回数の多寡を認識することが可能となり、これに応じてそれぞれ異なる表示(演出)を行うといったことも実現することができる。
なお、入力手段により入力される暗号化情報(パスワード)には、カスタマイズの内容を示す情報が含まれていてもよい。例えば、キャラクタのコスチューム、ポーズ、アクセサリー等の種類をそれぞれアルファベット等の文字に変換し、これらの組合せを文字列としてパスワードに含めることとしてもよい。これにより、遊技機3001において当該パスワードが入力されることにより、当該パスワードに対応するカスタマイズの内容を、遊技機3001において表示されるキャラクタ画像の表示態様に反映させることができる。また、この場合、カスタマイズの内容に応じて、発光手段(ランプ3305a及びランプ3305b)の発光態様を異ならせることとしてもよい。例えば、図371では、キャラクタAが選択された状態で行われた遊技の回数が歴代全国1位であることを示す情報がパスワードに含まれる場合(「パターン60」参照)、キャラクタAのカスタマイズ内容にかかわらず、ランプ3305a及びランプ3305bの発光態様が一定であることとしているが、当該情報がパスワードに含まれる場合において、キャラクタAのカスタマイズ内容に応じてランプ3305a及びランプ3305bの発光態様を異ならせることとしてもよい。これにより、遊技用装置(データ表示機2001)において、パスワードに含まれる遊技履歴関連情報に対応する画像(「キャラクタA遊技数 全国1位」という内容に対応する文字画像)とともに、カスタマイズの内容に対応するキャラクタ画像を表示するといったことも可能となる。また、遊技履歴関連情報に加えて、カスタマイズの内容を示す情報がパスワードに含まれる場合、パスワードの入力操作は、カスタム開始操作を兼ねることになるが、この場合には、カスタム開始用パターン(図361参照)よりもパスワード用パターンを優先して、発光手段(ランプ3305a及びランプ3305b)を発光させることとしてもよい。
また、このような暗号化情報を遊技機に入力する方法としては、タッチパネルやボタン等の操作手段を用いてパスワードを入力する方法に限定されない。例えば、遊技機にカメラを設けるとともに、当該暗号化情報として携帯端末機に表示された2次元コードを当該カメラにより読み取らせることとしてもよい。
[第17実施形態]
以上、第1実施形態〜第16実施形態について説明した。以下、第17実施形態について説明する。第17実施形態に係る遊技システム5001の基本的な構成は、第16実施形態に係る遊技システム5001と同じである。以下においては、第16実施形態に係る遊技システム5001の構成要素と同一の構成要素には、同一の符号を付して説明することとする。また、第1実施形態〜第16実施形態における説明が第17実施形態においても当てはまる部分については、説明を省略することとする。
<ランプ3305の点灯パターン>
図374は、ランプの点灯パターンについて説明するための図である。
図361を用いて説明したように、ランプ3305の点灯パターンとしては、多数の点灯パターンが設けられているが、図374では、一部の点灯パターンについて示している。図中、「LED左」は、ランプ3305aを示し、「LED右」は、ランプ3305bを示している。図374に示す点灯パターンのうち「パターン1」〜「パターン52」は、図361に示す「パターン1」〜「パターン52」と同じである。
「パターン90」においては、ランプ3305aが紫色に発光し、ランプ3305bが黄色に発光する。「パターン90」は、設定示唆演出Iが発生した場合に出現する点灯パターンである。「パターン91」においては、ランプ3305aが紫色に発光し、ランプ3305bが緑色に発光する。「パターン91」は、設定示唆演出IIが発生した場合に出現する点灯パターンである。「パターン92」においては、ランプ3305aが紫色に発光し、ランプ3305bが青色に発光する。「パターン92」は、設定示唆演出IIIが発生した場合に出現する点灯パターンである。
「パターン93」においては、ランプ3305aが紫色に発光し、ランプ3305bが赤紫色に発光する。「パターン93」は、設定示唆演出IVが発生した場合に出現する点灯パターンである。「パターン94」においては、ランプ3305aが紫色に発光し、ランプ3305bが桃色に発光する。「パターン94」は、設定示唆演出Vが発生した場合に出現する点灯パターンである。「パターン99」においては、ランプ3305aが桃色に発光し、ランプ3305bが紫色に発光する。「パターン99」は、予約ロックが成立した場合に出現する点灯パターンである。
「パターン90」〜「パターン94」は、それぞれ、「設定示唆演出用パターン」の一例である。設定示唆演出用パターンは、遊技中演出用パターン(遊技中に行われる演出に応じた点灯パターン)の一例であり、設定示唆演出が発生した場合に出現する点灯パターンである。設定示唆演出については、図375を用いて説明する。
「パターン99」は、「予約ロック用パターン」の一例である。予約ロック用パターンは、予約ロックが成立した場合に出現する点灯パターンである。予約ロックについては、第18実施形態で説明する。
<設定示唆演出>
図375は、設定示唆演出抽籤テーブルを示す図である。
図375に示す設定示唆演出抽籤テーブルにおいては、設定示唆演出I、設定示唆演出II、設定示唆演出III、設定示唆演出IV、及び、設定示唆演出Vのそれぞれに対して、設定値ごとに抽籤値が対応付けられている。これにより、図375では、各設定値に対する設定示唆演出I〜Vの選択確率を規定している。
具体的に、設定値が1である場合には、設定示唆演出IVが256/256の確率で選択される。設定値が2である場合には、設定示唆演出IIIが128/256の確率で選択され、設定示唆演出Vが128/256の確率で選択される。設定値が3である場合には、設定示唆演出IIIが96/256の確率で選択され、設定示唆演出IVが160/256の確率で選択される。設定値が4である場合には、設定示唆演出IIが32/256の確率で選択され、設定示唆演出IIIが96/256の確率で選択され、設定示唆演出Vが128/256の確率で選択される。設定値が5である場合には、設定示唆演出IIが32/256の確率で選択され、設定示唆演出IIIが96/256の確率で選択され、設定示唆演出IVが128/256の確率で選択される。設定値が6である場合には、設定示唆演出Iが8/256の確率で選択され、設定示唆演出IIが24/256の確率で選択され、設定示唆演出IIIが96/256の確率で選択され、設定示唆演出Vが128/256の確率で選択される。
以上より、設定示唆演出Iは、設定値が6である場合にのみ選択され得る演出となっている。図374に示す「パターン90」における「6確定」は、このことを示している。設定示唆演出IIは、設定値が4〜6の何れかである場合にのみ選択され得る演出となっている。図374に示す「パターン91」における「4〜6確定」は、このことを示している。設定示唆演出IIIは、設定値が1である場合には選択され得ない演出となっている。図374に示す「パターン92」における「1否定」は、このことを示している。設定示唆演出IVは、設定値が奇数(1、3、又は、5)である場合にのみ選択され得る演出となっている。図374に示す「パターン93」における「奇数確定」は、このことを示している。設定示唆演出Vは、設定値が偶数(2、4、又は、6)である場合にのみ選択され得る演出となっている。図374に示す「パターン94」における「偶数確定」は、このことを示している。
本実施形態では、設定示唆演出I〜Vを用いて、設定値について示唆することができるようになっている。具体的に、各設定示唆演出においては、設定値を示唆するための画像(設定示唆画像)が液晶表示装置に表示される。例えば、設定示唆演出Iにおいては、「666」に対応する数字を含む画像(例えば、「敵を666匹倒しました」というような文字画像)が液晶表示装置に表示され、これにより、設定値が6であることが示唆される。また、設定示唆演出IIにおいては、「456」に対応する数字を含む画像(例えば、「敵を456匹倒しました」というような文字画像)が液晶表示装置に表示され、これにより、設定値が4〜6の何れかであることが示唆される。同様に、設定示唆演出IIIにおいては、設定値が1ではないことを示唆するような画像が液晶表示装置に表示され、設定示唆演出IVにおいては、設定値が奇数であることを示唆するような画像が液晶表示装置に表示され、設定示唆演出Vにおいては、設定値が偶数であることを示唆するような画像が液晶表示装置に表示される。
遊技機3001の副制御部3302は、設定示唆演出を行うための所定の条件が成立した場合に、設定示唆演出抽籤テーブルを参照し、抽出した乱数値と現在設定されている設定値とに基づいて、設定示唆演出I、設定示唆演出II、設定示唆演出III、設定示唆演出IV、及び、設定示唆演出Vのなかから、一の設定示唆演出を選択する。これにより、選択された一の設定示唆演出(設定示唆演出I〜Vの何れか)に応じた設定示唆画像が液晶表示装置に表示される。遊技者は、当該設定示唆画像を視認することにより、設定値に関する情報を得ることができる。なお、設定示唆演出(設定示唆画像の表示)は、ごく短い時間だけ(例えば、1秒以内)行われるものであり、一の単位遊技において設定示唆演出が開始された場合、当該設定示唆演出は、当該一の単位遊技が終わるまでに完了する(設定示唆画像が表示された状態は、すぐに終了し、次の単位遊技に持ち越されない)。あるいは、当該設定示唆演出は、次の単位遊技を開始させるためのスタートレバー操作が行われたことを契機として終了する。
設定示唆演出を行うための所定の条件としては、特に限定されないが、例えば、所定の役が内部当籤役として決定されることという条件、所定の図柄組合せが有効ラインに沿って停止表示されることという条件、現在の遊技状態が所定の遊技状態であることという条件等を適宜採用することができる。これらの条件は、単独で採用してもよいし、複数の条件を併用してもよい。設定示唆演出を行うための所定の条件として、複数の条件を併用する場合、各条件に応じて設定示唆演出I〜Vの選択される確率を異ならせる(各条件に応じた設定示唆演出抽籤テーブルを設ける)こととしてもよい。例えば、所定の役が内部当籤役として決定されたことを条件として設定示唆演出を行う場合であって、且つ、所定の役として複数種類の役が設けられている場合、内部当籤役として決定された役の種類に応じて設定示唆演出I〜Vの選択される確率が異なるような設定示唆演出抽籤テーブルを設けることとしてもよい。
なお、各設定示唆演出は、所定の設定値である場合にのみ発生する(所定の設定値であることが確定する)演出であってもよいし、所定の設定値である可能性が高いことを示唆する演出であってもよい。例えば、図375とは異なり、設定示唆演出Iに対して、設定値が5である場合に抽籤値「2」が対応付けられている(他の設定値に対しては、図375と同じ抽籤値が対応付けられている)こととする。このような例において、設定示唆演出Iは、設定値が6であることを80%の確率で示唆する演出である(当該演出が出現した際に、設定値が6である確率が80%である)と言える。
副制御部3302は、スタートコマンドデータ(図49のステップS10参照)に含まれる内部当籤役の種別や遊技状態に対応する情報や、入賞作動コマンドデータ(図49のステップS14参照)に含まれるコンビネーション(有効ラインに沿って停止表示された図柄の組合せ)に対応する情報に基づいて、設定示唆演出抽籤テーブルを参照することにより、一の設定示唆演出を選択する。その際、所定の条件が成立したとしても、設定示唆演出が行われない場合があることとしてもよい。なお、設定示唆演出抽籤テーブルは、ROM等の記憶装置に記憶されている。
以上のようにして設定示唆演出が選択(実行)されると、副制御部3302は、当該設定示唆演出に応じた点灯パターンによりランプ3305a及びランプ3305bを発光させるようにランプ制御回路3306(図342参照)を制御する。当該点灯パターンは、上述した「設定示唆演出用パターン」(図374参照)である。これにより、例えば、設定示唆演出Iが選択された場合には、図374に示す「パターン90」による発光制御が行われ、設定示唆演出IIが選択された場合には、「パターン91」による発光制御が行われ、設定示唆演出IIIが選択された場合には、「パターン92」による発光制御が行われ、設定示唆演出IVが選択された場合には、「パターン93」による発光制御が行われ、設定示唆演出Vが選択された場合には、「パターン94」による発光制御が行われる。
設定示唆演出用パターンによるランプ3305a及びランプ3305bの発光は、所定期間に亘って行われる。発光の開始タイミングは、設定示唆演出が開始するときであってもよいし、設定示唆演出が行われている途中であってもよいし、設定示唆演出が終了した後(例えば、次の単位遊技を開始させるためのスタートレバー操作が行われたとき)であってもよいし、設定示唆演出が開始する前であってもよい。発光の終了タイミングとしては、ランプ3305a及びランプ3305bにおける点灯パターンの変更要因が発生したときを適宜採用することが可能である。例えば、設定示唆演出の開始とともに、設定示唆演出用パターンによるランプ3305a及びランプ3305bの発光が開始し、次の単位遊技を開始させるためのスタートレバー操作が行われたときに当該発光が終了することとしてもよい。また、次の単位遊技を開始させるためのスタートレバー操作が行われたときに、設定示唆演出用パターンによるランプ3305a及びランプ3305bの発光が開始し、点灯パターンの変更要因(図374に示す「遊技機の状態」のうちの何れか)が発生したときに当該発光が終了することとしてもよい。
<遊技中演出用パターン検出時処理>
図376は、データ表示機において行われる遊技中演出用パターン検出時処理を示すフローチャートである。
図376に示す遊技中演出用パターン検出時処理は、データ表示機2001の制御部2301(図343参照)が図373のステップS1263において遊技中演出用パターンに相当する点灯パターンが検出されたと判断した場合に行われる処理である。
遊技中演出用パターン検出時処理において、まず、制御部2301は、検出された遊技中演出用パターンが設定示唆演出用パターンであるか否かを判断する(ステップS1301)。上述したように、設定示唆演出用パターンは、設定示唆演出が発生した場合に出現する点灯パターンである(図374参照)。
検出された遊技中演出用パターンが設定示唆演出用パターンであると判断した場合、制御部2301は、設定示唆演出を実行する(ステップS1302)。この処理において、制御部2301は、映像表示部2305や音声出力部2307や電飾部2306(図343参照)を制御することにより、設定値を示唆するための画像を液晶ディスプレイ2002に表示させたり、設定値を示唆するための音をスピーカ2004から出力させたり、設定値を示唆するための光をLED2003(図341参照)から出力させたりする。その際、制御部2301は、検出された設定示唆演出用パターンに対応する設定示唆演出の種別に応じて、画像や音や光の出力態様を異ならせる。これにより、例えば、図374に示すパターン90が検出された場合と、パターン91が検出された場合と、パターン92が検出された場合と、パターン93が検出された場合と、パターン94が検出された場合とで、異なる画像(例えば、設定示唆演出I〜Vにおいて遊技機3001で表示される画像と同様の画像)が液晶ディスプレイ2002に表示されたり、異なる態様でLED2003が点灯したりする。
ここで、LED2003は、複数のフルカラーLEDを有して構成されており、赤色、青色、及び、緑色を含む複数種類の色を発することが可能である。これにより、例えば、パターン90が検出された場合にLED2003を虹色に(赤、橙、黄、緑、青、藍、及び、紫の7色を含む態様で)点灯させ、パターン91が検出された場合にLED2003を橙色に点灯させ、パターン92が検出された場合にLED2003を黄色に点灯させ、パターン93が検出された場合にLED2003を藍色に点灯させ、パターン94が検出された場合にLED2003を紫色に点灯させたりすることが可能である。
ステップS1302の処理を実行した後、制御部2301は、設定示唆フラグをオンにセットする(ステップS1303)。設定示唆フラグは、設定値を示唆し得る態様でLED2003を点灯させるための条件が成立したことを示すフラグである(図377のステップS1313参照)。ステップS1303の処理を実行した後、制御部2301は、本サブルーチンを終了する。
なお、ステップS1302及びステップS1303の処理は、複数の設定示唆演出用パターン(パターン90〜94)のうちの一部の点灯パターン(例えば、パターン90及び91)が検出された場合にのみ実行されるように構成してもよい。この場合、例えば、設定示唆演出Iが選択された場合及び設定示唆演出IIが選択された場合には、遊技機3001及びデータ表示機2001の双方で設定値を示唆するための演出が行われる一方、設定示唆演出III〜Vのうちの何れかの設定示唆演出が選択された場合には、遊技機3001でのみ設定値を示唆するための演出が行われる(データ表示機2001では設定値を示唆するための演出が行われない)ことになる。
また、データ表示機2001側で発生する設定示唆演出(ステップS1302参照)が、遊技機3001側で発生する設定示唆演出(図375参照)よりも長い時間に亘って実行されるように構成してもよい。例えば、遊技機3001側で行われる設定示唆演出においては、設定示唆画像が1秒間のみ表示される(当該単位遊技が終了するまでに当該画像が消える)一方、データ表示機2001側で行われる設定示唆演出においては、次回の単位遊技が開始されるまで設定示唆画像の表示を継続することとしてもよい。これにより、データ表示機2001が設置された遊技機3001と、データ表示機2001が設置されない遊技機3001とを比較したときに、データ表示機2001が設置された遊技機3001の優位性を向上させることができる。
また、設定示唆フラグがオンにセットされた場合(ステップS1303参照)には、後述するように、遊技機3001側で行われる設定示唆演出(設定示唆演出I〜V)の種別に応じたLED2003の点灯(設定示唆LED表示)を、データ表示機2001の電源がOFFとなるまで継続させることが可能である(図377参照)。このような設定示唆LED表示は、データ表示機2001において所定の操作が行われた場合にのみ実行することとしてもよい。また、設定示唆フラグがオンにセットされた場合(設定示唆演出用パターンが検出された場合)に、データ表示機2001側で抽籤を行い、当該抽籤に当籤した場合にのみ設定示唆LED表示を継続させることとしてもよい。このような設定示唆LED表示を行う(継続する)か否かは、遊技店側又は遊技者側が任意に設定可能なように構成してもよい。
ステップS1301において、検出された遊技中演出用パターンが設定示唆演出用パターンではないと判断した場合、制御部2301は、遊技中演出を実行する(ステップS1304)。遊技中演出は、検出された遊技中演出用パターンの種別に応じた演出(遊技機3001において遊技中に行われる演出に対応する演出)であり、遊技の状況に応じた画像が液晶ディスプレイ2002に表示されたり、遊技の状況に応じた音声がスピーカ2004から出力されたりする。この遊技中演出は、図368のステップS1114で説明した遊技中演出と同じである。ステップS1304の処理を実行した後、制御部2301は、本サブルーチンを終了する。
<電飾部制御処理>
図377は、データ表示機において行われる電飾部制御処理を示すフローチャートである。
図377に示す電飾部制御処理は、制御部2301において所定のタイミングで繰り返し行われる処理である。
電飾部制御処理において、まず、制御部2301は、エラーフラグがオンにセットされているか否かを判断する(ステップS1311)。図示しないが、エラーフラグは、遊技機3001においてエラーが発生した場合にオンにセットされ、遊技機3001においてエラーが解消した場合にオフにセットされる。制御部2301は、エラー用パターンに相当する点灯パターンを検出することにより(図373のステップS1256参照)、遊技機3001においてエラーが発生したことを認識することができる。また、図示しないが、遊技機3001においてエラーが解消した場合、遊技機3001の副制御部3302(図342参照)は、エラー解消用パターンによりランプ3305a及びランプ3305bを発光させる(例えば、ランプ3305aを赤色に発光させ、ランプ3305bを桃色に発光させる)ようにランプ制御回路3306を制御する。制御部2301は、ランプ3305aの発光色とランプ3305bの発光色との組合せとして、エラー解消用パターンに相当する点灯パターンを検出することにより、遊技機3001においてエラーが解消したことを認識することができる。
エラーフラグがオンにセットされていると判断した場合、制御部2301は、エラーの種別に応じた態様でLED2003を点灯(点滅)させるように電飾部2306を制御する(ステップS1312)。エラーフラグは、図373のステップS1256において検出されたエラー用パターンに対応するエラーの種別と対応付けて管理されており、制御部2301は、エラーの種別を認識することができる。これにより、例えば、ホッパーエンプティが発生した場合には、LED2003が青色に点灯(点滅)し、他のエラー(例えば、適正であると判定されたメダルをホッパーに案内するセレクタにおいて正常な検知が行われなくなるセレクタエラー)が発生した場合には、LED2003が赤色に点灯(点滅)する。エラーの種別に応じたLED2003の点灯(点滅)は、当該エラーが解消するまで継続する。また、上述したように、エラーが発生した場合には、エラーの種別に応じた画像(エラーが発生したことを報知する画像)が液晶ディスプレイ2002に表示されるところ(図368のステップS1107参照)、本実施形態では、このような液晶ディスプレイ2002でのエラー報知も、当該エラーが解消するまで継続する。
なお、第14実施形態で説明したように、遊技機3001の主制御部3301には外部端子板3308が接続されている(図342参照)。遊技機3001においてエラーが発生した場合には、外部端子板3308を介して、エラーが発生したことを示す情報が、遊技機3001からデータ表示機2001へと送信される。しかし、発生したエラーの種別を示す情報は、外部端子板3308を介してデータ表示機2001に送信されない。この点、データ表示機2001は、ランプ3305a及びランプ3305bの発光態様を通じて、エラーの種別を認識し、エラーの種別に応じた態様でLED2003を点灯(点滅)させる(液晶ディスプレイ2002に画像を表示させる)ことが可能である。従って、LED2003の点灯(点滅)態様(液晶ディスプレイ2002における画像の表示態様)を通じて、遊技店の店員に対してエラーの種別を報知することが可能であり、エラーの発生状況に応じて適切且つ迅速な対応をさせることができる。
ステップS1312の処理を実行した後、制御部2301は、本サブルーチンを終了する。
ステップS1311においてエラーフラグがオンにセットされていないと判断した場合、制御部2301は、設定示唆フラグ(図376のステップS1303参照)がオンにセットされているか否かを判断する(ステップS1313)。
設定示唆フラグがオンにセットされていると判断した場合、制御部2301は、設定示唆演出の種別に応じた態様でLED2003を点灯させるように電飾部2306を制御する(ステップS1314)。設定示唆フラグは、図376のステップS1301において検出された設定示唆演出用パターンの種別(設定示唆演出の種別)と対応付けて管理されている。これにより、例えば、図374に示すパターン90が検出された場合(設定示唆演出Iが発生した場合)にはLED2003が虹色に(赤、橙、黄、緑、青、藍、及び、紫の7色を含む態様で)点灯し、パターン91が検出された場合(設定示唆演出IIが発生した場合)にはLED2003が橙色に点灯し、パターン92が検出された場合(設定示唆演出IIIが発生した場合)にはLED2003が黄色に点灯し、パターン93が検出された場合(設定示唆演出IVが発生した場合)にはLED2003が藍色に点灯し、パターン94が検出された場合(設定示唆演出Vが発生した場合)にはLED2003が紫色に点灯する。
設定示唆演出(設定示唆演出I〜V)の種別に応じたLED2003の点灯は、基本的にデータ表示機2001の電源がOFFとなるまで継続する。しかし、エラーが発生した場合には、エラーが解消するまでの間、エラーの種別に応じた態様でLED2003が点灯(点滅)し(ステップS1312参照)、その間、設定示唆演出(設定示唆演出I〜V)の種別に応じたLED2003の点灯は中断される。エラーが解消した後、設定示唆演出(設定示唆演出I〜V)の種別に応じたLED2003の点灯が再開される。これに対し、エラー以外の点灯パターンの変更要因(図374に示す「遊技機の状態」のうちの何れか)が発生した場合、設定示唆演出(設定示唆演出I〜V)の種別に応じたLED2003の点灯は、中断されずに継続する。
なお、一の設定示唆演出(例えば、設定示唆演出II)が発生したことにより該設定示唆演出に応じた態様でLED2003が点灯している状態において、該設定示唆演出と比較して遊技者にとって有利な情報を示唆し得る設定示唆演出(例えば、設定示唆演出I)が発生した場合には、LED2003の点灯態様を、該有利な情報を示唆し得る設定示唆演出(例えば、設定示唆演出I)に応じた態様に切り替えることとしてもよい。一方、一の設定示唆演出(例えば、設定示唆演出II)が発生したことにより該設定示唆演出に応じた態様でLED2003が点灯している状態において、該設定示唆演出と比較して遊技者にとって有利な情報を示唆し得ない設定示唆演出(例えば、設定示唆演出III)が発生した場合には、LED2003の点灯態様を切り替えないこととしてもよい。
ステップS1313において設定示唆フラグがオンにセットされていないと判断した場合、又は、ステップS1314の処理を実行した後、制御部2301は、本サブルーチンを終了する。
以上、本発明の一実施形態として、第17実施形態に係る遊技システム5001、遊技機3001、及び、データ表示機2001について説明した。第17実施形態に係る遊技システム5001、遊技機3001、及び、データ表示機2001は、以下の特徴を備えている。
(H5−1) 遊技機(遊技機3001)と、
前記遊技機に対して設けられた遊技用装置(データ表示機2001)と、を備え、
前記遊技機は、
光を発することが可能な発光手段(ランプ3305a及びランプ3305b)と、
複数の設定値のうちの一の設定値に基づいて遊技の実行に関する制御を行うことが可能な遊技制御手段と、
前記設定値に関して示唆し得る示唆演出(設定示唆演出I〜V)を実行することが可能な示唆演出実行手段と、
前記示唆演出実行手段により前記示唆演出が実行される場合に、前記発光手段を所定の態様(図374に示すパターン90〜94)で発光させることが可能な発光制御手段と、を備え、
前記遊技用装置は、
前記発光手段における発光態様を検出することが可能な発光態様検出手段(ランプ3305aの発光色及びランプ3305bの発光色を特定する処理を実行する制御部2301)と、
前記発光態様検出手段により検出された発光態様が前記所定の態様である場合に、所定の出力を行うことが可能な出力手段(図376のステップS1302及び図377のステップS1314の処理を実行する制御部2301)と、を備える、
ことを特徴とする遊技システム。
第17実施形態に係る遊技システム5001によれば、遊技機(遊技機3001)は、設定値に関して示唆し得る示唆演出(設定示唆演出I〜V)を実行することが可能であるとともに、示唆演出(設定示唆演出I〜V)が実行される場合に、発光手段(ランプ3305a及びランプ3305b)を所定の態様(図374に示すパターン90〜94)で発光させることが可能である。一方、遊技用装置(データ表示機2001)は、遊技機(遊技機3001)の備える発光手段(ランプ3305a及びランプ3305b)における発光態様を検出することが可能であるとともに、検出された発光態様が所定の態様(図374に示すパターン90〜94)である場合に、所定の出力を行うことが可能なように構成されている。これにより、発光手段(ランプ3305a及びランプ3305b)における発光態様を通じて、設定値の示唆に関する情報を遊技機(遊技機3001)から遊技用装置(データ表示機2001)に伝達することが可能であり、所定の出力を通じて、設定値に関して示唆することができる。
(H5−2) 外部から認識可能な態様で光を発することが可能な発光手段(ランプ3305a及びランプ3305b)と、
前記発光手段を発光させることが可能な発光制御手段と、
複数の設定値のうちの一の設定値に基づいて遊技の実行に関する制御を行うことが可能な遊技制御手段と、
前記設定値に関して示唆し得る示唆演出(設定示唆演出I〜V)を実行することが可能な示唆演出実行手段と、を備え、
前記発光制御手段は、
前記示唆演出実行手段により前記示唆演出が実行される場合に、前記発光手段を所定の態様(図374に示すパターン90〜94)で発光させることが可能である、
ことを特徴とする遊技機。
第17実施形態に係る遊技機3001によれば、遊技機(遊技機3001)は、設定値に関して示唆し得る示唆演出(設定示唆演出I〜V)を実行することが可能であるとともに、示唆演出(設定示唆演出I〜V)が実行される場合に、発光手段(ランプ3305a及びランプ3305b)を所定の態様(図374に示すパターン90〜94)且つ外部から認識可能な態様で発光させることが可能なように構成されている。これにより、発光手段(ランプ3305a及びランプ3305b)における発光態様を通じて、設定値の示唆に関する情報を外部から認識することが可能であり、遊技機(遊技機3001)の外部に当該情報を効率良く伝達することができる。
(H5−3) 前記(H5−2)の遊技機であって、
識別情報の変動表示を行うことが可能な可変表示手段(リール)と、
所定の条件(スタートレバーの操作)が成立した場合に、識別情報の変動表示を開始することが可能な変動表示開始手段と、を備え、
前記発光制御手段は、
前記示唆演出実行手段により前記示唆演出が実行された後、前記所定の条件が成立したときに、前記発光手段を前記所定の態様で発光させるのを終了させることが可能である、
ことを特徴とする。
第17実施形態に係る遊技機3001によれば、所定の条件(スタートレバーの操作)が成立した場合に識別情報の変動表示を開始することが可能である一方、示唆演出(設定示唆演出I〜V)が実行された後該所定の条件(スタートレバーの操作)が成立したときに、発光手段(ランプ3305a及びランプ3305b)を所定の態様(図374に示すパターン90〜94)で発光させるのを終了させることが可能なように構成されている。これにより、所定の条件(スタートレバーの操作)が成立したことに伴って発光手段(ランプ3305a及びランプ3305b)を別態様で発光させることが可能な状況を創出することができる。
本発明において、発光手段(ランプ3305a及びランプ3305b)における所定の態様(図374に示すパターン90〜94)での発光が開始するタイミングは、識別情報が変動表示されているときであってもよいし、識別情報が停止表示されているときであってもよい。本発明をパチスロ遊技機に適用する場合、例えば、リールに描かれた図柄が識別情報に相当する。また、本発明をパチンコ遊技機に適用する場合、例えば、液晶表示装置に表示される装飾図柄が識別情報に相当し、始動口に遊技球が入球することを上記所定の条件として採用することができる。
(H5−4) 遊技機(遊技機3001)の備える発光手段(ランプ3305a及びランプ3305b)における発光態様を検出することが可能な発光態様検出手段(ランプ3305aの発光色及びランプ3305bの発光色を特定する処理を実行する制御部2301)と、
前記発光態様検出手段により所定の発光態様(図374に示すパターン90〜94)が検出された場合に、所定の出力を電断が発生するまで継続的に行うことが可能な出力手段(図377のステップS1314の処理を実行する制御部2301)と、を備える、
ことを特徴とする遊技用装置。
第17実施形態に係るデータ表示機2001によれば、遊技用装置(データ表示機2001)は、遊技機(遊技機3001)の備える発光手段(ランプ3305a及びランプ3305b)における発光態様を検出することが可能であり、所定の発光態様(図374に示すパターン90〜94)が検出された場合には、所定の出力を電断が発生するまで継続的に行うことが可能なように構成されている。これにより、所定の発光態様(図374に示すパターン90〜94)に対応する遊技機(遊技機3001)の状態を示唆し得る情報を、遊技機(遊技機3001)から遊技用装置(データ表示機2001)に伝達することができるようになっている。そして、遊技用装置(データ表示機2001)における所定の出力を通じて、所定の発光態様(図374に示すパターン90〜94)に対応する遊技機(遊技機3001)の状態について、電断が発生するまで遊技者等に対して継続的に報知することができる。
本発明における所定の出力としては、画像の表示、音の出力、及び、光の出力の何れか、又は、これらの任意の組合せを適宜採用することが可能である。
[第18実施形態]
以上、第1実施形態〜第17実施形態について説明した。以下、第18実施形態について説明する。第18実施形態に係る遊技システム5001の基本的な構成は、第17実施形態に係る遊技システム5001と同じである。以下においては、第17実施形態に係る遊技システム5001の構成要素と同一の構成要素には、同一の符号を付して説明することとする。また、第1実施形態〜第17実施形態における説明が第18実施形態においても当てはまる部分については、説明を省略することとする。
<遊技システム5001>
図378は、第18実施形態に係る遊技システムを示す図である。
第15実施形態で説明したように、遊技システム5001は、遊技機3001とデータ表示機2001と管理サーバ4001とを備える。図378に示すように、本実施形態に係る遊技システム5001は、複数の遊技機3001(遊技機3001a、遊技機3001b、遊技機3001c、及び、遊技機3001d)と、複数のデータ表示機2001(データ表示機2001a、データ表示機2001b、データ表示機2001c、及び、データ表示機2001d)と、を備えている。
複数の遊技機3001と複数のデータ表示機2001とは、それぞれ一対一に対応しており、各データ表示機2001(データ表示機2001a、データ表示機2001b、データ表示機2001c、及び、データ表示機2001d)は、各遊技機3001(遊技機3001a、遊技機3001b、遊技機3001c、及び、遊技機3001d)の上側に配置されている。
各遊技機3001(遊技機3001a、遊技機3001b、遊技機3001c、及び、遊技機3001d)、及び、各データ表示機2001(データ表示機2001a、データ表示機2001b、データ表示機2001c、及び、データ表示機2001d)は、それぞれ、上述した実施形態における遊技機3001及びデータ表示機2001と同様の構成を有している。また、各データ表示機2001(データ表示機2001a、データ表示機2001b、データ表示機2001c、及び、データ表示機2001d)は、それぞれ、管理サーバ4001と通信を行うことが可能となっている。各データ表示機2001と管理サーバ4001との通信は、直接的に行われることとしてもよいし、島コンピュータを介して間接的に行われることとしてもよい。
これにより、各データ表示機2001(データ表示機2001a、データ表示機2001b、データ表示機2001c、及び、データ表示機2001d)は、対応する遊技機3001(遊技機3001a、遊技機3001b、遊技機3001c、及び、遊技機3001d)の備えるランプ3305a及びランプ3305bをCMOSイメージセンサで撮像することにより、ランプ3305aの発光色及びランプ3305bの発光色を認識することができる。そして、各データ表示機2001(データ表示機2001a、データ表示機2001b、データ表示機2001c、及び、データ表示機2001d)は、対応する遊技機3001(遊技機3001a、遊技機3001b、遊技機3001c、及び、遊技機3001d)におけるランプ3305の点灯パターン(遊技機3001の状態)に応じた態様で、液晶ディスプレイ2002、LED2003、スピーカ2004等を制御したり、管理サーバ4001と通信を行ったりする。
<ロック関連処理>
図379は、遊技機において行われるロック関連処理を示すフローチャートである。
図379に示すロック関連処理は、図49のステップS4の処理(内部抽籤処理)が実行された後に、遊技機3001の主制御部3301(図342参照)において行われる処理である。なお、第15実施形態と同様に、本実施形態に係る遊技機3001としては、第1実施形態に係るパチスロ機1と同様の構成を採用することが可能であり、遊技機3001は、図2〜図5等に示す構成を備えている。主制御部3301及び副制御部3302(図342参照)は、それぞれ、図4及び図5に示す主制御基板71(主制御回路)及び副制御基板72(副制御回路)に対応している。
ロック関連処理において、まず、主制御部3301は、予約ロックフラグがオンにセットされているか否かを判断する(ステップS1401)。予約ロックフラグは、遊技ロックが予約されていることを示すフラグであり(ステップS1410参照)、所定数(3回)の単位遊技が行われた後(予約ゲーム数経過後)に遊技ロックを行うために用いられる。
遊技ロックは、遊技者による操作を所定時間無効化する演出である。本実施形態では、各リール3L、3C、3R(図3参照)に対する停止操作として第1停止操作が行われる前に遊技ロック(フリーズ)が行われる場合がある。当該フリーズが行われると、全てのリール3L、3C、3Rがロック(全回胴ロック)され、スタートレバー6(図2参照)が操作された後所定時間(例えば、5秒)が経過するまで、遊技者による操作(例えば、ストップボタン7L、7C、7Rの操作)が無効化される。なお、遊技者による操作を無効化するとともに、所定のリールアクション(例えば、スロー回転、高速回転、逆回転等)を行うこととしてもよい。また、本実施形態と異なり、遊技ロックは、全部又は一部のリール3L、3C、3Rの回転が停止した後に行うこととしてもよい。
フリーズは、特定の役(ステップS1406参照)が内部当籤役として決定された場合にのみ発生し得るロック演出であり、フリーズが発生した場合には、特定の役が内部当籤したことが遊技者に対して確定的に報知される。なお、後述するように、フリーズが発生している間は、液晶表示装置においても演出(フリーズ演出)が行われる。特定の役としては、遊技者にとって有利な役(例えば、ATへの移行が確定する役やレア役、ボーナス役等)を採用することができる。本実施形態では、所定数(3回)の単位遊技が行われた後(前兆ゲームの消化後)にATが開始することが確定する役として複数の所定役が設けられており、当該複数の所定役のうちの一部の役が上記特定の役として採用されている。すなわち、一部の所定役が内部当籤役として決定された場合に予約ロックフラグがオンにセットされる可能性がある。
予約ロックフラグがオンにセットされていると判断した場合、主制御部3301は、予約ロックゲーム数カウンタの値を1減算する(ステップS1402)。予約ロックゲーム数カウンタの値は、遊技ロック(フリーズ)が行われるまでに行われる単位遊技の残り回数を示し、メインRAM33(図4参照)に記憶されている。
次に、主制御部3301は、予約ロックゲーム数カウンタの値が0であるか否かを判断する(ステップS1403)。予約ロックゲーム数カウンタの値が0ではないと判断した場合、主制御部3301は、本サブルーチンを終了する。
一方、予約ロックゲーム数カウンタの値が0であると判断した場合、主制御部3301は、ロック発動フラグをオンにセットする(ステップS1404)。ロック発動フラグは、遊技ロックを発動可能な状態になったことを示すフラグであり、これにより、遊技ロック(フリーズ)が行われることになる(図380参照)。
なお、本実施形態では、予約ロック抽籤に当籤しなかった場合、所定数(3回)の単位遊技が行われるのを待つことなく(特定の役が内部当籤役として決定された当該単位遊技において)、遊技ロック(フリーズ)が行われることとしている(ステップS1409参照)。しかし、予約ロック抽籤に当籤しなかった場合には、当該単位遊技において遊技ロック(フリーズ)を行わず、所定数(3回)の単位遊技が行われた後に(遊技ロック以外の演出(液晶演出等)により)ATに当籤した(ATが開始する)ことを報知することとしてもよい。
そして、主制御部3301は、予約ロックフラグをオフにセットし(ステップS1405)、本サブルーチンを終了する。
ステップS1401において予約ロックフラグがオンにセットされていないと判断した場合、主制御部3301は、特定の役が内部当籤役として決定されたか否かを判断する(ステップS1406)。特定の役が内部当籤役として決定されていないと判断した場合、主制御部3301は、本サブルーチンを終了する。
一方、特定の役が内部当籤役として決定されたと判断した場合、主制御部3301は、予約ロック抽籤を実行する(ステップS1407)。この処理において、主制御部3301は、乱数値に基づく抽籤を行うことにより、当籤又は非当籤を決定する。例えば、主制御部3301は、10%の確率で当籤に決定し、90%の確率で非当籤に決定する。
次に、主制御部3301は、予約ロック抽籤に当籤したか否かを判断する(ステップS1408)。予約ロック抽籤に当籤していないと判断した場合、主制御部3301は、ロック発動フラグをオンにセットする(ステップS1409)。これにより、予約ロック抽籤に当籤しなかった場合には、所定数(3回)の単位遊技が行われるのを待つことなく(特定の役が内部当籤役として決定された当該単位遊技において)、遊技ロック(フリーズ)が行われることになる(図380参照)。
ステップS1409の処理を実行した後、主制御部3301は、本サブルーチンを終了する。
ステップS1408において予約ロック抽籤に当籤したと判断した場合、主制御部3301は、予約ロックフラグをオンにセットし(ステップS1410)、予約ロックゲーム数カウンタに「3」をセットする(ステップS1411)。
次に、主制御部3301は、予約ロックコマンドデータを生成し、生成した予約ロックコマンドデータを副制御部3302へ送信する(ステップS1412)。これにより、副制御部3302では、予約ゲーム数経過後に遊技ロックが発生する(予約ロックが成立した)ことを認識することができるようになる。そして、予約ロックコマンドデータを受信したことを契機として、副制御部3302は、「予約ロック用パターン」(図374参照)に相当する点灯パターンによりランプ3305a及びランプ3305bを発光させるようにランプ制御回路3306(図342参照)を制御する。これにより、図374に示す「パターン99」による発光制御が行われる。上述したように、予約ロック用パターンは、予約ロックが成立した場合に出現する点灯パターンである。
ステップS1412の処理を実行した後、主制御部3301は、本サブルーチンを終了する。
<リール回転開始処理>
図380は、遊技機において行われるリール回転開始処理を示すフローチャートである。
図380に示すリール回転開始処理は、主制御部3301において図49のステップS11で行われる処理である。
リール回転開始処理において、まず、主制御部3301は、ロック発動フラグ(図379のステップS1404及びステップS1409参照)がオンにセットされているか否かを判断する(ステップS1421)。
ロック発動フラグがオンにセットされていると判断した場合、主制御部3301は、所定時間(例えば、5秒)に対応する値をロックタイマにセットする(ステップS1422)。図示しないが、ロックタイマは、割込処理において実行されるタイマ更新処理により更新される。割込処理は、一定の周期(1.1172msec)で実行される。
次に、主制御部3301は、ロックタイマが0であるか否かを判断する(ステップS1423)。ロックタイマが0ではないと判断した場合、主制御部3301は、ステップS1423に処理を戻す。一方、ロックタイマが0であると判断した場合、主制御部3301は、ロック発動フラグをオフにセットする(ステップS1424)。
これにより、遊技ロック(フリーズ)が行われ、全てのリール3L、3C、3Rがロック(全回胴ロック)され、スタートレバー6が操作された後所定時間(例えば、5秒)が経過するまで、遊技者による操作(例えば、ストップボタン7L、7C、7Rの操作)が無効化される。
なお、図示しないが、主制御部3301は、ステップS1422の処理を実行した後、ロックコマンドデータを生成し、生成したロックコマンドデータを副制御部3302へ送信する。これにより、副制御部3302では、遊技ロック(フリーズ)が発生したことを認識することができるようになる。そして、ロックコマンドデータを受信したことを契機として、副制御部3302では、フリーズが発生している間に行われる演出(フリーズ演出)に対応する演出データがセットされる。これにより、フリーズ演出として、液晶表示装置の画面が暗転するような演出が行われることになる。
ステップS1421においてロック発動フラグがオンにセットされていないと判断した場合、又は、ステップS1424の処理を実行した後、主制御部3301は、通常時加速処理を実行する(ステップS1425)。この処理において、主制御部3301は、リール3L、3C、3Rの回転の開始を要求する。リール3L、3C、3Rの回転開始が要求されると、上述した割込処理によってステッピングモータ49L、49C、49R(図4参照)の駆動が制御され、各リール3L、3C、3Rの回転が開始される。そして、各リール3L、3C、3Rは、その回転が定速に達するまで加速が行われ、その後、定速が維持されるように制御される。
ステップS1425の処理を実行した後、主制御部3301は、本サブルーチンを終了する。
<予約ロック演出関連処理>
図381は、データ表示機において行われる予約ロック演出関連処理を示すフローチャートである。
図381に示す予約ロック演出関連処理は、データ表示機2001の制御部2301(図343参照)において所定のタイミングで繰り返し行われる処理である。
予約ロック演出関連処理において、まず、制御部2301は、ランプ3305aの発光色とランプ3305bの発光色との組合せとして、予約ロック用パターンに相当する点灯パターン(図379のステップS1412参照)が検出されたか否かを判断する(ステップS1451)。上述したように、予約ロック用パターンは、予約ロックが成立した場合に出現する点灯パターンである(図374参照)。
予約ロック用パターンに相当する点灯パターンが検出されたと判断した場合、制御部2301は、予約ロック検出信号を管理サーバ4001に対して送信する(ステップS1452)。予約ロック検出信号は、当該信号の送信元のデータ表示機2001と対応付けられた遊技機3001において予約ロックが成立したことを示す信号である。
ここで、本実施形態において、遊技店に設置されている複数のデータ表示機2001は、複数のグループ(グループI、グループII、グループIII・・・)に分類され、管理サーバ4001によってグループ単位で管理されている。具体的に、各データ表示機2001には、グループ識別番号(I、II、III・・・)が対応付けられており、例えば、一のデータ表示機2001にグループ識別番号Iが対応付けられていれば、当該データ表示機2001はグループIに属しており、一のデータ表示機2001にグループ識別番号IIが対応付けられていれば、当該データ表示機2001はグループIIに属している、と言うことができる。
管理サーバ4001は、一のデータ表示機2001と他のデータ表示機2001とにそれぞれ対応付けられたグループ識別番号が互いに同一である場合、これらのデータ表示機2001が同一のグループに属するものとして扱うことが可能となっている。図378に示すデータ表示機2001a、データ表示機2001b、データ表示機2001c、及び、データ表示機2001dは、何れも同一のグループ識別番号(I)が対応付けられており、これらのデータ表示機2001は、同一のグループ(グループI)に属している。なお、同一のグループに属する複数のデータ表示機2001は、同じ島に設置されている。
ステップS1452においてデータ表示機2001から送信される予約ロック検出信号を受信すると、管理サーバ4001は、当該予約ロック検出信号の送信元のデータ表示機2001(例えば、データ表示機2001a)と同一のグループに属する全てのデータ表示機2001(例えば、データ表示機2001a、データ表示機2001b、データ表示機2001c、及び、データ表示機2001d)に対して、予約ロック演出実行信号を送信する。予約ロック検出信号には、当該信号の送信元のデータ表示機2001に対応付けられたグループ識別番号を示す情報が含まれているため、管理サーバ4001は、当該データ表示機2001の属するグループを認識することができる。予約ロック演出実行信号は、当該信号の送信先のデータ表示機2001と同一のグループに属する一のデータ表示機2001(例えば、データ表示機2001a)と対応付けられた一の遊技機3001(例えば、遊技機3001a)において予約ロックが成立したことを示す信号である。
なお、ステップS1452においてデータ表示機2001から送信される予約ロック検出信号を受信すると、管理サーバ4001は、当該予約ロック検出信号の送信元のデータ表示機2001(例えば、データ表示機2001a)と同一のグループに属するデータ表示機2001(例えば、データ表示機2001a、データ表示機2001b、データ表示機2001c、及び、データ表示機2001d)のうち、当該予約ロック検出信号の送信元のデータ表示機2001以外の全てのデータ表示機2001(例えば、データ表示機2001b、データ表示機2001c、及び、データ表示機2001d)に対して、予約ロック演出実行信号を送信することとしてもよい。すなわち、当該予約ロック検出信号の送信元のデータ表示機2001(例えば、データ表示機2001a)においては、当該データ表示機2001と対応付けられた遊技機3001(例えば、遊技機3001a)において予約ロックが成立したことを認識することが可能であるため(ステップS1451参照)、当該データ表示機2001に対しては予約ロック演出実行信号を送信しないこととしてもよい。
ステップS1451において予約ロック用パターンに相当する点灯パターンが検出されていないと判断した場合、制御部2301は、予約ロック演出実行信号を管理サーバ4001から受信したか否かを判断する(ステップS1453)。
ステップS1452の処理を実行した後、又は、ステップS1453において予約ロック演出実行信号を受信したと判断した場合、制御部2301は、予約ロック演出を実行する(ステップS1454)。予約ロック演出は、予約ロックが成立したことを示唆するような演出であり、映像、音、光等を用いて盛大に行われ、これにより、遊技者の期待感を高めることができるようになっている。ステップS1454の処理において、制御部2301は、映像表示部2305や音声出力部2307や電飾部2306(図343参照)を制御することにより、遊技者の気分を高揚させるような映像、音、及び、光を、それぞれ、液晶ディスプレイ2002、スピーカ2004、及び、LED2003から出力させる。なお、LED2003が設定値を示唆し得る態様で点灯している場合(図377のステップS1314参照)、制御部2301は、予約ロック演出を優先して実行する。
このような予約ロック演出は、一のグループに属する全てのデータ表示機2001において同時に実行される。これにより、各データ表示機2001において実行される予約ロック演出を連動させることが可能であり、当該グループにおいて魅力的な演出を実現することができる。そして、予約ロック演出が実行されることは、当該グループに属する一のデータ表示機2001と対応付けられた一の遊技機3001において予約ロックが成立したことを意味するところ、予約ゲーム数経過後に自身が遊技を行っている遊技機3001において遊技ロック(フリーズ)が発生する可能性に対して、遊技者の期待感を高めることができる。このことを通じて、予約期間中(予約ゲーム数が経過するまで)遊技者に胸を高鳴らせながら遊技を行ってもらうことが可能であり、当該期間を遊技システム5001における大きな醍醐味とすることができる。
ステップS1453において予約ロック演出実行信号を受信していないと判断した場合、又は、ステップS1454の処理を実行した後、制御部2301は、本サブルーチンを終了する。
以上、本発明の一実施形態として、第18実施形態に係る遊技システム5001、遊技機3001、及び、データ表示機2001について説明した。第18実施形態に係る遊技システム5001、遊技機3001、及び、データ表示機2001は、以下の特徴を備えている。
(H6−1) 複数の遊技機(遊技機3001)と、
前記複数の遊技機の各々に対して設けられた複数の遊技用装置(データ表示機2001)と、を備え、
前記複数の遊技用装置のうちの一の前記遊技用装置と他の前記遊技用装置とは、直接的又は間接的に通信を行うことが可能であり、
前記複数の遊技機は、それぞれ、
光を発することが可能な発光手段(ランプ3305a及びランプ3305b)と、
遊技者にとって有利な特典を付与することが可能な特典付与手段と、
前記特典付与手段により前記特典が付与され得ることを示唆する示唆演出(フリーズ)を実行することが可能な示唆演出実行手段(図380のステップS1421〜ステップS1423の処理を実行する副制御部3302)と、
前記示唆演出実行手段により前記示唆演出が実行されることが決定された場合に、前記発光手段を所定の態様(図374に示すパターン99)で発光させることが可能な発光制御手段と、を備え、
前記複数の遊技用装置は、それぞれ、
前記発光手段における発光態様を検出することが可能な発光態様検出手段(ランプ3305aの発光色及びランプ3305bの発光色を特定する処理を実行する制御部2301)と、
前記示唆演出実行手段により前記示唆演出が実行されることが決定された場合に、前記示唆演出が実行されるよりも前に、前記示唆演出が実行されることが決定されたことを示唆し得る特定演出(予約ロック演出)を実行することが可能な特定演出実行手段(図381のステップS1454の処理を実行する制御部2301)と、を備え、
前記一の遊技用装置において前記発光態様検出手段により前記所定の態様が検出された場合に、該一の遊技用装置において前記特定演出を実行するとともに、前記他の遊技用装置においても前記特定演出を実行することが可能である、
ことを特徴とする遊技システム。
第18実施形態に係る遊技システム5001によれば、遊技機(遊技機3001)は、遊技者にとって有利な特典が付与され得ることを示唆する示唆演出(フリーズ)を実行することが可能であるとともに、示唆演出(フリーズ)が実行されることが決定された場合に、発光手段(ランプ3305a及びランプ3305b)を所定の態様(図374に示すパターン99)で発光させることが可能である。一方、遊技用装置(データ表示機2001)は、遊技機(遊技機3001)の備える発光手段(ランプ3305a及びランプ3305b)における発光態様を検出することが可能であるとともに、示唆演出(フリーズ)が実行されることが決定された場合に、示唆演出(フリーズ)が実行されるよりも前に、示唆演出(フリーズ)が実行されることが決定されたことを示唆し得る特定演出(予約ロック演出)を実行することが可能である。そして、一の遊技用装置(データ表示機2001)において所定の態様(図374に示すパターン99)が検出された場合に、該一の遊技用装置(データ表示機2001)において特定演出(予約ロック演出)を実行するとともに、他の遊技用装置(データ表示機2001)においても特定演出(予約ロック演出)を実行することが可能なように構成されている。これにより、発光手段(ランプ3305a及びランプ3305b)における発光態様を通じて、示唆演出(フリーズ)が実行されることが決定されたことに対応する情報を遊技機(遊技機3001)から遊技用装置(データ表示機2001)に伝達することができる。そして、一の遊技機(遊技機3001)において示唆演出(フリーズ)が実行されることが決定された場合には、該一の遊技機(遊技機3001)に対して設けられた一の遊技用装置(データ表示機2001)だけでなく、他の遊技用装置(データ表示機2001)においても特定演出(予約ロック演出)を実行することができるようになっている。従って、該一の遊技用装置(データ表示機2001)と対応付けられた遊技機(遊技機3001)において遊技を行っている遊技者だけでなく、該他の遊技用装置(データ表示機2001)と対応付けられた遊技機(遊技機3001)において遊技を行っている遊技者に対しても、特定演出(予約ロック演出)を享受させることが可能である。これにより、双方の遊技者に対して、自身が遊技を行っている遊技機(遊技機3001)において示唆演出(フリーズ)が実行されることに期待感を抱かせることができる。
(H6−2) 外部から認識可能な態様で光を発することが可能な発光手段(ランプ3305a及びランプ3305b)と、
前記発光手段を発光させることが可能な発光制御手段と、
遊技者にとって有利な特定遊技(フリーズ)を発生させることが可能な特定遊技発生手段(図380のステップS1421〜ステップS1423の処理を実行する副制御部3302)と、を備え、
前記発光制御手段は、
前記特定遊技を発生させることが決定された場合に、前記特定遊技を発生させるよりも前に、前記発光手段を所定の態様(図374に示すパターン99)で発光させることが可能である、
ことを特徴とする遊技機。
第18実施形態に係る遊技機3001によれば、遊技機(遊技機3001)は、遊技者にとって有利な特定遊技(フリーズ)を発生させることが可能であるとともに、特定遊技(フリーズ)を発生させることが決定された場合に、特定遊技(フリーズ)を発生させるよりも前に、発光手段(ランプ3305a及びランプ3305b)を所定の態様(図374に示すパターン99)且つ外部から認識可能な態様で発光させることが可能なように構成されている。これにより、発光手段(ランプ3305a及びランプ3305b)における発光態様を通じて、特定遊技(フリーズ)を発生させることが決定されたことに対応する情報を外部から認識することが可能であり、遊技機(遊技機3001)の外部に当該情報を効率良く伝達することができる。
(H6−3) 外部から認識可能な態様で光を発することが可能な発光手段(ランプ3305a及びランプ3305b)と、
前記発光手段を発光させることが可能な発光制御手段と、
遊技者による操作が所定時間無効化されるロックが実行されることを決定することが可能なロック決定手段(図379の処理を実行する副制御部3302)と、を備え、
前記発光制御手段は、
前記ロック決定手段により前記ロックが実行されることが決定された場合、前記ロックが実行されるよりも前に、前記発光手段を所定の態様で発光させることが可能である、
ことを特徴とする遊技機。
第18実施形態に係る遊技機3001によれば、遊技機(遊技機3001)は、遊技者による操作が所定時間無効化されるロックが実行されることを決定することが可能であるとともに、ロックが実行されることが決定された場合、ロックが実行されるよりも前に、発光手段(ランプ3305a及びランプ3305b)を所定の態様(図374に示すパターン99)且つ外部から認識可能な態様で発光させることが可能なように構成されている。これにより、発光手段(ランプ3305a及びランプ3305b)における発光態様を通じて、ロックが実行されることが決定されたことに対応する情報を外部から認識することが可能であり、遊技機(遊技機3001)の外部に当該情報を効率良く伝達することができる。
(H6−4) 前記(H6−3)の遊技機であって、
前記ロック決定手段は、
前記ロックが第1のタイミングで(当該単位遊技において)実行されることを決定することが可能な第1ロック決定手段と、
前記ロックが前記第1のタイミングよりも遅い第2のタイミングで(所定数の単位遊技が行われた後に)実行されることを決定することが可能な第2ロック決定手段と、を備え、
前記発光制御手段は、
前記第2ロック決定手段により前記ロックが実行されることが決定された場合、前記ロックが実行されるよりも前に、前記発光手段を前記所定の態様で発光させることが可能である、
ことを特徴とする。
第18実施形態に係る遊技機3001によれば、ロックは、第1のタイミング(当該単位遊技において)、又は、第1のタイミングよりも遅い第2のタイミング(所定数の単位遊技が行われた後に)で実行することが可能であり、第2のタイミングで(所定数の単位遊技が行われた後に)ロックが実行されることが決定された場合、ロックが実行されるよりも前に、発光手段(ランプ3305a及びランプ3305b)を所定の態様(図374に示すパターン99)で発光させることが可能なように構成されている。これにより、第2のタイミングで(所定数の単位遊技が行われた後に)ロックが実行されることが決定された場合には、第1のタイミングで(当該単位遊技において)ロックが実行されることが決定された場合と比較して、ロックが実行されるまでの時間が長くなっているところ、このような状況において、ロックが実行されることが決定されたことに対応する情報を遊技機(遊技機3001)の外部に早めに伝達することができる。
以上の例では、一の遊技機(遊技機3001)においてロックが実行されることが決定された場合、該一の遊技機(遊技機3001)に対して設けられた一の遊技用装置(データ表示機2001)が、サーバ(管理サーバ4001)に対して予約ロック検出信号を送信し、予約ロック検出信号を受信すると、サーバ(管理サーバ4001)は、他の遊技用装置(データ表示機2001)に対して予約ロック演出実行信号を送信することとして説明した(図381のステップS1452参照)。すなわち、一の遊技用装置(データ表示機2001)がサーバ(管理サーバ4001)を介して間接的に他の遊技用装置(データ表示機2001)と通信を行うこととして説明した。これに対し、一の遊技用装置(データ表示機2001)は、他の遊技用装置(データ表示機2001)と直接的に通信を行うこととしてもよい。例えば、第18実施形態に係るデータ表示機2001は、以下のように構成されていてもよい。
(H6−5) 他の遊技用装置と通信可能な遊技用装置(データ表示機2001)であって、
遊技機(遊技機3001)の備える発光手段(ランプ3305a及びランプ3305b)における発光態様を検出することが可能な発光態様検出手段(ランプ3305aの発光色及びランプ3305bの発光色を特定する処理を実行する制御部2301)と、
前記発光態様検出手段により所定の態様(図374に示すパターン99)が検出された場合に、特定演出(予約ロック演出)を実行することが可能な特定演出実行手段と、
前記発光態様検出手段により前記所定の態様が検出された場合に、前記他の遊技用装置に対して前記特定演出と関連する演出を実行させるための信号を送信することが可能な信号送信手段と、を備える、
ことを特徴とする遊技用装置。
第18実施形態に係るデータ表示機2001によれば、遊技用装置(データ表示機2001)は、他の遊技用装置(データ表示機2001)と通信可能であり、また、遊技機(遊技機3001)の備える発光手段(ランプ3305a及びランプ3305b)における発光態様を検出することが可能であり、所定の態様(図374に示すパターン99)が検出された場合には、特定演出(予約ロック演出)を実行することが可能であるとともに、他の遊技用装置(データ表示機2001)に対して該特定演出(予約ロック演出)と関連する演出を実行させるための信号を送信することが可能なように構成されている。これにより、所定の態様(図374に示すパターン99)に対応する遊技機(遊技機3001)の状態を示唆し得る情報を、遊技機(遊技機3001)から遊技用装置(データ表示機2001)に伝達することができるようになっている。そして、所定の態様(図374に示すパターン99)が検出された場合には、他の遊技用装置(データ表示機2001)との間で、特定演出(予約ロック演出)乃至これと関連する演出を連動させることが可能であり、魅力的な演出状況を創出することができる。
例えば、遊技用装置(データ表示機2001)は、「他の遊技用装置(データ表示機2001)に対して該特定演出(予約ロック演出)と関連する演出を実行させるための信号」として、上述した予約ロック演出実行信号を送信するように構成することが可能である。「特定演出(予約ロック演出)と関連する演出」は、特定演出(予約ロック演出)と何らかの関連性を有している演出であれば、特に限定されない。例えば、特定演出(予約ロック演出)と関連する演出は、特定演出(予約ロック演出)と同じ演出であってもよいし、特定演出(予約ロック演出)と連動乃至同期するような出力が行われる演出であってもよいし、特定演出(予約ロック演出)において表示される画像と観念的に関連性を有するような画像が表示される演出であってもよい。
第18実施形態では、特定の役が内部当籤役として決定された場合に必ず示唆演出(フリーズ)が実行されることとして説明した。しかし、特定の役が内部当籤役として決定された場合においても、示唆演出(フリーズ)が実行されない可能性があることとしてもよい。例えば、特定の役が内部当籤役として決定された場合に、ロック抽籤(フリーズ抽籤)を実行することとし、ロック抽籤(フリーズ抽籤)に当籤した場合に図379のステップS1407〜ステップS1412の処理を実行することとしてもよい。また、第18実施形態では、予約ロック抽籤に当籤した場合にのみ、発光手段(ランプ3305a及びランプ3305b)を所定の態様(図374に示すパターン99)で発光させることとして説明した。しかし、予約ロック抽籤に当籤しなかった場合にも、発光手段(ランプ3305a及びランプ3305b)を所定の態様(図374に示すパターン99)で発光させることとしてもよい。なお、特定の役が内部当籤役として決定されたことを示す情報は、外部端子板3308を介してデータ表示機2001に送信されない。
本発明において、示唆演出(フリーズ)は、遊技者にとって有利な特典が付与され得ることを示唆する演出である。示唆演出(フリーズ)は、期待度の高い演出であるが、特典が付与されることを確定的に報知するものでなくてもよい。すなわち、示唆演出(フリーズ)が実行された場合には、高い確率(例えば、80%以上)で特典が付与されるが、低い確率(例えば、20%以下)で特典が付与されないことがあってもよい。示唆演出としては、フリーズに限定されず、画像や音や光を用いた任意の演出を適宜採用することが可能である。遊技者にとって有利な特典は、遊技者にとって有利な特定遊技状態(遊技者に対して相対的に多くの遊技価値が付与され得る遊技状態)であってもよいし、遊技価値(メダル等の遊技媒体)自体であってもよいし、遊技者にとって有利な情報であってもよい。特定遊技状態としては、パチスロ遊技機におけるボーナス遊技状態(BB遊技状態やMB遊技状態等)、RT遊技状態、AT遊技状態(ART遊技状態)、パチンコ遊技機における大当り遊技状態、確変遊技状態、時短遊技状態等の遊技状態を適宜採用することができる。また、本発明における特定遊技は、上記示唆演出であってもよいし、上記特定遊技状態であってもよい。第18実施形態では、特定遊技としてフリーズを採用した場合について説明した。フリーズは、それ自体が遊技者に対して何らかの利益をもたらすものではないが、遊技者にとって有利な状況を示唆する現象である。特定遊技は、このような遊技者が有利性を察知可能な現象全般を包含する概念である。
また、第18実施形態では、一の単位遊技において予約ロックが成立した場合、所定数(3回)の単位遊技が行われた後に示唆演出(フリーズ)が実行されることとして説明した。本発明において、示唆演出が実行されるタイミングは、特に限定されず、示唆演出が実行されることが決定された後所定回数のゲームが行われたときに示唆演出が実行されることとしてもよいし、示唆演出が実行されることが決定された後所定時間が経過したときに示唆演出が実行されることとしてもよい。上記ゲームとしては、図柄の変動表示が開始されてから図柄が停止表示されるまでのゲーム(パチスロ遊技機における単位遊技及びパチンコ遊技機における特別図柄ゲームを含む)を採用することができる。示唆演出が実行されることが決定された後所定時間が経過したときに示唆演出が実行されるような形態としては、液晶表示装置に表示された数字(タイマ)が所定数(例えば、60)から漸次減っていき、当該数字が0になったときに成功演出又は失敗演出が行われるような例を挙げることができる。この例においては、当該成功演出が上記示唆演出に相当する。また、この場合、遊技用装置(データ表示機2001)において行われる特定演出として、表示された数字(タイマ)が所定数(例えば、60)から漸次減っていくような演出を採用することとしてもよい。
また、第18実施形態では、一の遊技機(遊技機3001)において示唆演出(フリーズ)が実行されることが決定された場合、該一の遊技機(遊技機3001)に対して設けられた一の遊技用装置(データ表示機2001)と同一のグループに属する全ての遊技用装置(データ表示機2001)において特定演出(予約ロック演出)が実行されることとして説明した。本発明においては、当該同一のグループに属する全ての遊技用装置(データ表示機2001)のうちの一部の遊技用装置(データ表示機2001)においてのみ、特定演出(予約ロック演出)を実行することとしてもよい。当該一部の遊技用装置(データ表示機2001)は、抽籤により選択することとしてもよいし、遊技履歴に応じて選択することとしてもよい。例えば、ゲーム回数(例えば、上述したログインの後に行われた本日ゲーム回数、又は、前回までの履歴を含む総ゲーム回数)が所定数以上となっている遊技機(遊技機3001)に対して設けられた遊技用装置(データ表示機2001)においてのみ、特定演出(予約ロック演出)を実行することとしてもよい。
また、本発明においては、一の遊技機(遊技機3001)において示唆演出(フリーズ)が実行されることが決定された場合であっても、何れの遊技用装置(データ表示機2001)においても特定演出(予約ロック演出)が実行されないことがあってもよい。例えば、一の遊技機(遊技機3001)において示唆演出(フリーズ)が実行されることが決定された場合、該一の遊技機(遊技機3001)に対して設けられた一の遊技用装置(データ表示機2001)と同一のグループに属する遊技用装置(データ表示機2001)と対応付けられた遊技機(遊技機3001)の稼働状況に応じて特定演出(予約ロック演出)を実行するか否かを決定することとしてもよい。例えば、当該同一のグループに属する遊技用装置(データ表示機2001)と対応付けられた遊技機(遊技機3001)のなかに、遊技が行われている状況にある遊技機(遊技機3001)が所定数以上(例えば、1台以上)存在することを条件として、特定演出(予約ロック演出)を実行することとしてもよい。この場合、遊技が行われている状況にある遊技機(遊技機3001)に対して設けられた遊技用装置(データ表示機2001)においてのみ、特定演出(予約ロック演出)を実行することとしてもよい。なお、「遊技が行われている状況」とは、液晶表示装置にデモ画面が表示されていない状況を指す。デモ画面への移行条件については、上述した通りであるため、ここでの説明は省略する。
また、本発明において、発光手段(ランプ3305)の個数及び設置箇所は、発光手段(ランプ3305)における発光態様を遊技用装置(データ表示機2001)が検出することが可能な範囲で、特に限定されず、任意の個数の発光手段(ランプ3305)を任意の箇所に設置することが可能である。上述した実施形態では、ランプ3305a及びランプ3305bを遊技機3001の上部に設けることとして説明した。これにより、遊技用装置(データ表示機2001)によってランプ3305a及びランプ3305bを撮像しやすく、また、遊技店の天井に設けられた防犯カメラによってもランプ3305a及びランプ3305bを撮像しやすくなっている。また、遊技店の店員も、ランプ3305a及びランプ3305bの発光態様を視認しやすくなっている。発光手段(ランプ3305)を遊技機(遊技機3001)の上部に設ける場合、ベースドア(例えば、図324に示すベースドアH33)の上端領域から発光手段(ランプ3305)が上側に突出するように設置することとしてもよいし、ベースドアの上端に凹部を形成しつつ当該凹部の中に発光手段(ランプ3305)を埋設することとしてもよい。このように発光手段(ランプ3305)を凹部に埋設すれば、遊技者は、遊技機(遊技機3001)に着座している状態で、発光手段(ランプ3305)の発光態様を視認し難くなる。ここで、例えば、発光手段(ランプ3305a及びランプ3305b)が所定の態様(図374に示すパターン99)で発光しているのを遊技者が見てしまうと、これにより、示唆演出(フリーズ)が実行されることが決定されたことを遊技者に知られてしまう可能性がある。そうすると、特定演出(予約ロック演出)を行うことにより遊技者の期待感を高めようとした意義が没却されてしまいかねない。この点、上記のように、発光手段(ランプ3305)の発光態様を遊技者が視認し難い構成を採用すれば、このような事態が発生してしまうことを防止することができる。
また、上述した実施形態では、ランプ3305aの発光色とランプ3305bの発光色との組合せが遊技機3001の状態(図361、図371、及び、図374参照)と対応することとして説明した。本発明において、遊技機(遊技機3001)の状態と対応する発光手段(ランプ3305)の発光態様は、この例に限定されない。例えば、発光色の他、第12実施形態で説明したような発光手段の点滅周期、発光時間、これらの組合せ等による発光態様を、遊技機(遊技機3001)の状態と対応させることが可能である。あるいは、発光手段の発光色や点滅周期等を経時的に変化させることとし、当該経時的変化のバリエーションを遊技機(遊技機3001)の状態と対応させることとしてもよい。これにより、遊技機(遊技機3001)の状態を発光手段(ランプ3305)の発光態様により表現することが可能であり、当該遊技機(遊技機3001)の状態を外部(例えば、遊技用装置(データ表示機2001)やサーバ(管理サーバ4001)、遊技店の店員等)に伝達することができる。
<付記(その他)>
従来、複数の図柄がそれぞれの表面に配された複数のリールと、遊技メダルやコイン等(「メダル等」)が投入され、遊技者によりスタートレバーが操作されたことを検出し、複数のリールの回転の開始を要求するスタートスイッチと、複数のリールのそれぞれに対応して設けられたストップボタンが遊技者により押されたことを検出し、該当するリールの回転の停止を要求する信号を出力するストップスイッチと、複数のリールのそれぞれに対応して設けられ、それぞれの駆動力を各リールに伝達するステッピングモータと、スタートスイッチおよびストップスイッチにより出力された信号に基づいて、ステッピングモータの動作を制御し、各リールの回転およびその停止を行うリール制御部とを備え、スタートレバーが操作されたことを検出すると、乱数値に基づいて抽籤を行い、この抽籤の結果(「内部当籤役」)とストップボタンが操作されたことを検出したタイミングとに基づいてリールの回転の停止を行う、いわゆるパチスロと称される遊技機が知られている。
また、従来、発射された遊技球が転動可能な遊技領域に設けられた始動領域を遊技球が通過したことなど、所定の可変表示開始条件の成立により、可変表示装置の表示領域上に識別情報を変動表示する制御を行い、変動表示が行われている識別情報を導出表示する制御を行う可変表示制御手段が備えられ、導出表示された識別情報が所定の組合せとなった場合に遊技者に有利な大当り遊技状態(所謂「大当り」)に移行するようにしたパチンコ遊技機が知られている。
しかしながら、従来のパチスロ遊技機やパチンコ遊技機では、本発明のような遊技機としての構成や機能を有さないことから、興趣の向上を効果的に図ることができなかった。本発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、遊技の興趣を向上させることが可能な遊技機を提供することを目的とする。
以上、第1実施形態〜第18実施形態について説明した。上述した実施形態では、本発明をパチスロ遊技機に適用した場合について説明したが、本発明は、他の遊技機(例えば、パチンコ遊技機やスロットマシン等)に適用することも可能である。
以上、本発明の第1実施形態〜第18実施形態を説明したが、具体例を例示したに過ぎず、特に本発明を限定するものではなく、各手段等の具体的構成は、適宜設計変更可能である。また、本発明の実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施形態に記載されたものに限定されるものではない。
また、上述した詳細な説明では、本発明をより容易に理解できるように、特徴的部分を中心に説明した。本発明は、上述した詳細な説明に記載する実施形態に限定されず、その他の実施形態にも適用することができ、その適用範囲は多様である。また、本明細書において用いた用語及び語法は、本発明を的確に説明するために用いたものであり、本発明の解釈を制限するために用いたものではない。また、当業者であれば、本明細書に記載された発明の概念から、本発明の概念に含まれる他の構成、システム、方法等を推考することは容易であると思われる。従って、請求の範囲の記載は、本発明の技術的思想の範囲を逸脱しない範囲で均等な構成を含むものであるとみなされなければならない。また、要約書の目的は、特許庁及び一般的公共機関や、特許、法律用語又は専門用語に精通していない本技術分野に属する技術者等が本出願の技術的な内容及びその本質を簡易な調査で速やかに判定し得るようにするものである。従って、要約書は、請求の範囲の記載により評価されるべき発明の範囲を限定することを意図したものではない。また、本発明の目的及び本発明の特有の効果を十分に理解するために、すでに開示されている文献等を充分に参酌して解釈されることが望まれる。
上述した詳細な説明は、コンピュータで実行される処理を含むものである。以上での説明及び表現は、当業者が最も効率的に理解することを目的として記載している。本明細書では、1の結果を導き出すために用いられる各処理は、自己矛盾がない処理として理解されるべきである。また、各処理では、電気的又は磁気的な信号の送受信、記録等が行われる。各処理における処理では、このような信号を、ビット、値、シンボル、文字、用語、数字等で表現しているが、これらは単に説明上便利であるために用いたものであることに留意する必要がある。また、各処理における処理は、人間の行動と共通する表現で記載される場合があるが、本明細書で説明する処理は、原則的に各種の装置により実行されるものである。また、各処理を行うために要求されるその他の構成は、以上の説明から自明になるものである。