JP2020533504A - 鉄道用ジオエンジニアリング構造物 - Google Patents

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Abstract

高速列車での使用に適した鉄道ジオグリッド構造物であって、軌道平面に位置する軌道を画定する道床と、軌道平面の下に位置する層を形成する粒子状物質の塊と、軌道平面に実質的に平行な平面において粒子塊内及び/又は粒子塊の下に位置するジオグリッドとを備え、軌道平面とジオグリッド平面との間の、両方に対して垂直に測定された平均距離が0.65メートルより大きい構造物。

Description

本発明は、メッシュ構造体の形態のポリマー材料を含むジオグリッドの使用に関するものであり、このポリマーは、鉄道軌道基礎用の粒子状物質、例えば、骨材、土壌及び/又はバラストの層を安定させるために所望の特性(強度及び/又は剛性など)をジオグリッドに提供するように分子配向されている。本発明はまた、ジオグリッドでそのように安定させた鉄道軌道基礎などのジオエンジニアリング構造物に関するものであり、この構造物は、高速で運転される列車が使用するように設計された軌道を敷設することができる土台として特に適している。
ジオグリッドは、1980年代から鉄道の道床を安定させるために使われてきた。鉄道ジオグリッドの使用に関する最近のレビュー記事は、「周期的負荷を受ける鉄道の路床バラストシステムにおけるメンテナンス削減のためのジオグリッドの使用」、B M Das、カリフォルニア州立大学、2013年(本明細書では「Das」と呼ぶ)である。Dasは、この分野における最新技術の有用な要約を提供し、現在、ジオグリッドが鉄道の道床を支えるために2つの異なる方法で使用されていることを確認している。
第一に、ジオグリッドは、軌道レールの直下に隣接して配置されるバラスト層(及び/又は他の粒子層)を機械的に安定させることができ、バラストの沈降する傾向に起因するバラストの変形を低減する。これにより、レールの垂直方向と水平方向の両方の位置合わせを維持し、軌道の定期メンテナンスの間の頻度をより長く減少させることができる。第二に、ジオグリッドは、特に道床が軟弱な路盤材の上に置かれる場合に、道床の耐荷重性を増加させるために、道床を支えるサブバラスト層を補強し、安定させるために使用される。これはまた、所与の軌道に必要なサブバラスト層の厚さを減少させることができ、資本コスト及び環境コストの節約をもたらす。
ジオグリッドがバラスト、サブバラスト及び/又は他の粒子層を安定させるために鉄道用途に使用されるかどうかにかかわらず、ジオグリッドは道床に対して比較的浅い深さに配置される。これは、車軸荷重下の最小変形量について、軌道枕木の底面より下のジオグリッドの深さ(この深さをDrと表す)の最適値は50〜100mmである必要があると述べる研究が記載される、Das(3.1節参照)によって確認されている。他の実用的な理由から、主にジオグリッドを保護し、メンテナンスを最小限に抑える必要性に関連して、この最適範囲外でジオグリッドを少し深く200mmに配置することは、許容可能な妥協案であることがわかった。これは、ジオグリッドによる支持は、深度が深くなると効果がなくなるだけでなく、建設コストが高くなるという暗黙の教示である。Dasは、実際に使用される典型的な深さを裏付ける、250mm及び200mmの深さ(Dr)にジオグリッドを有する鉄道軌道について記述したさらなる研究(3.2節参照)を引用している。Dasの6節は、バラスト内のジオグリッドの深さを計算するためのネットワークレール2005ガイドラインを参照し、図30に、予め設定された枕木を支えるのに必要な剛性の最小値を満たすために、(様々な弾性率の路盤材について)枕木基礎の下に設ける必要がある路床層の深さを示すプロットを提供している。これらのプロットの1つは、ジオグリッドによって補強された路盤(K=30kN/mm/枕木端)のものであり、プロットの最端の最大深さは0.6mをわずかに超えている。Dasは、「ジオグリッド補強層を配置できる枕木の下の実際的な最小深さは約200mmである。この深さでも、補強効果は依然として非常に重要である」と結論付けている(7節)。これは、この「最小」深さが、他の考慮事項によって定められた実用的な理由から妥協案として選択されたものであり、ジオグリッドによる最大の安定化のために選択されたものではないというさらなる教示である。
Dasはまた、例えば、時速385キロ(約105ms-1又は約240mph)で走行した韓国のHSTについて、高速軌道を支えるためのジオグリッドの使用にも言及している(3.3節参照)。しかしながら、従来の軌道に比べて高速軌道に対してジオグリッドを異なる方法で使用する必要があるという提案はない。Guleraらによるさらに最近の論文は、2017年5月17〜19日にロシアのサンクトペテルブルクで開催されたTransportation Geotechnics and Geoecology(TGG 2017)において発表され、「鉄道路床におけるジオシンセティック補強の評価」と題されたProcedia Engineering 189(2017)721−728である。Guleraは、高速鉄道列車の軌道で使用するジオグリッドを具体的に評価した。Guleraには、従来の既知の鉄道用の方法以外でジオグリッドを使用する必要があることを示唆する教示はない。実際、Guleraは、ジオグリッドの深さが軌道枕木の下200mmであることを教示しており、これは従来の軌道についてDasに記載されているのと同じである。GuleraもDasも、以下に記載する高速列車用の軌道が直面する具体的な問題については特に言及していない。
この分野における技術常識(例えば、Das及びGuleraによって示されている)は、当業者がジオグリッドを鉄道の道床の下に必要以上に深く配置しないように動機付けられ、最大有効深さは極端な場合には約0.6mであり、200〜250mmの深さが強く推奨されることである。実際に、ジオグリッドを使用してサブバラスト層を機械的に安定させることにより、層の厚さは、無補強のサブバラスト層に比べて約3分の1に減らすことができる。これはさらに、ジオグリッドを使用してはるかに深いところで鉄道軌道を支えることは、コストのかかる地面の深い掘削を必要とし、ジオグリッドを使用することの重要な利点がなくなるため、その反対のことを当業者に教示している。このように、軌道が高速列車で使用するために設計されているか従来の列車用に設計されているかにかかわらず、深く埋設されたジオグリッドを鉄道軌道に使用することに対して、現在の及び継続的な技術的偏見がある。
P(一次、圧力、又は「プッシュ」)波とS(二次又はせん断)波は、連続体を通る2種類の弾性波である。P波は、連続体を通る方向又は伝播における交互の圧縮と希薄から形成される。S波は、連続体の運動が波の伝播方向に垂直であるせん断波又は横波として移動する。P波がより高い速度を有するため、S波の前に記録される。
最近、特に望ましくない可能性がある地上振動をもたらす波を伝播する高速列車(HST)で使用するために設計された軌道が直面する追加の問題があることが分かった。レイリー波として知られるこれらの波の1つは、表面近くの地層におけるP波とS波の相互作用から形成される。レイリー波にさらされた層内の粒子は、波の伝播方向に平行な楕円で地表面に垂直な平面内を移動する。表面及び浅い深度では、粒子の動きは逆方向であり(すなわち、観察者の左から右に通過する波では反時計回りの方向に起動し)、楕円の長軸は垂直である。レイリー波は地震の際に「グラウンドロール」波と呼ばれることがあり、非常に破壊的である。海洋における波の動きも、レイリー波に関連するタイプの動きの一例である。
列車の速度が軌道下材料内で発生したレイリー波の速度に近づくと、列車の車輪と地表波の運動の一致により、軌道が急速に過度に変形する可能性がある。これはしばしばレイリー波の問題と呼ばれ、音の障壁を超えて自身の音波に追いつく超音速航空機に見られるタイプの影響に匹敵することもある。その結果、軌道の安全性の問題、費用のかかる長期メンテナンス、隣接構造物への損傷の可能性が生じる。レイリー波速度(本明細書でVr又はVrとも表記される)の値は、レイリー波が伝播する材料の固有の特性に(少なくとも部分的に、好ましくは実質的に完全に、より好ましくは完全に)由来する。しかしながら、いかなる理論に縛られることも望まないが、レイリー波速度は、波を発生する列車の速度ではなく、地盤の材料の弾性定数に依存すると考えられる。したがって、レイリー波の影響は、比較的低い固有レイリー波速度(Vr)を有する軟らかい低密度の形成材料で最も顕著である。
この影響は、Krylovらの機械工学会の論文集、パートF:Journal of Rail and Rapid Transit 214 p107−116、2000に記載されている。Krylovは、スウェーデンのGothenburgとMalmoの間に1997〜98年に建設された高速鉄道線のいくつかの場所における軌道の挙動の特性を明らかにした。非常に軟弱な地盤条件の場所では、45ms-1という低いレイリー波速度が観測された。この地表波速度では、165km/h程度の低速度で走行する列車は、乗り心地の悪さや軌道の整列不良の急速な進展などのレイリー波の影響をもたらした。(利便性のために、列車速度は、本明細書でVt又はVtとも表記される)。このように、十分に軟弱な地盤では、高速列車の走行に関連する速度だけでなく、通常の列車速度でレイリー波の影響を観測することが可能であることが分かる。レイリー波の影響は、硬い岩などの高密度の又は固い路床ではほとんど問題にならない。そのような路床内では、レイリー波はどの列車の最大速度よりもはるかに速く走行する(VrはVtよりはるかに大きくなる)からである。しかしながら、最大列車速度が増加すると、レイリー波の問題がより重要になる。例えば、英国の高速鉄道「HS2」の最大列車速度は400km/h(≒250mph又は≒110ms-1)までと提案されており、これらの速度では、ルート上で遭遇する可能性のあるすべての路床ではないにしても、ほとんどの場合、VtはVrに近づくか又はVrより大きくなる。レイリー波の問題は、HS2を検討する英国議会委員会に提出された2011年5月15日付けのDavid Rayneyの書面による証拠で強調されている。
高速鉄道で使用する道床を建設する際に考慮しなければならないさらなる影響がある。軌道臨界速度(Vc又はVcと表記)は、列車が所与の軌道上を安全に走行できる最大速度である。Vcは、レールの質量及び柔軟性、レールが連続溶接されているか、レール間にギャップがあるか、枕木間の距離など、軌道自体の特性によって主に定義される。これらのレールの特性は、レールに垂直振動を引き起こす軌道上の車軸荷重による力を受けたときにレールが曲がる自由度及び度合いに影響を及ぼす。しかしながら、Vcは、下層の支持層又はサブバラスト層の弾性率など、軌道が敷設されている地盤の特性にもある程度影響される。列車速度(Vt)がこの軌道臨界速度(Vc)よりも大きい場合、列車による車軸荷重がレール軌道の過度の垂直変位、振動の増大、さらには列車の脱線を引き起こす。最近の高速列車では、低速度で走行する列車では問題にならない多くの種類の普通に存在する基板上に軌道が敷設されている場合に、VtがVcに近づくか又はVcを超える可能性がはるかに高くなる。
上記の影響は、従来の列車に比べてはるかに高いHSTの速度から本質的に生じ、HST用の道床を敷設することができる未処理の路盤材のタイプの選択を著しく制限する。これは、道床を安定させ、Vr及び/又はVcをHSTの典型的な及び/又は望ましいVt値よりも高くする手段が見つからない限り、硬い岩に限定される可能性がある高速軌道を建設するために利用できる潜在的なルートを大幅に制限する。
低せん断レイリー波速度(Vr)を緩和するため及び/又は臨界軌道速度(Vc)を増加させるために使用される現在の方法は、これらの問題に対処することに成功する可能性があるが、他の問題を招くため、満足のいくものではない。例えば、それらは費用がかかり、時間がかかり、又は化学的安定化の場合、環境に悪影響を及ぼす可能性がある。軌道の下にある軟質材料(粘土など)を掘り出し、これを、切り出した材料のような人工的なより硬い盛土材料に置き換えることが提案されている。しかしながら、高速列車を支えるのに適した地盤を得るためには、大量の材料を掘削する必要があるだろう(例えば、深さ5mまでの粘土を、粒状材料で置き換える必要があるだろう)。Vrを増加させる別の方法は、道床の下にある軟質材料をセメント、石灰及び/又は他の化学安定剤で安定させて、その場所で材料の剛性を高めることである。これらの方法を組み合わせることもできる。しかしながら、それらのコストにより、レイリー波を緩和するのに使用される既知の方法はいずれも、そのような軟弱地盤の上に新しい高速鉄道を敷設することを非常に高価な事業にするため、商業的に魅力的ではない。
鉄道軌道で発生するレイリー波の問題に対処するためのジオグリッドの使用は、2つの文献に簡単に記載されている。GSSが「Ground Stiffness News、第3号、2017年夏、2頁(GSS 2)として発行したニュースレターは、以下のように述べている。
「Tensarの試験築堤:GSSは、Coffey Geotechnicsと協力して、サマセットにあるジオグリッドの試験築堤現場でTensar InternationalのCSW試験を実施した。CSW試験を用いて、築堤内のジオグリッド設置の範囲にわたる形成物剛性の改善を評価し、モデル化した。CSW試験の使用は、高速鉄道軌道形成の重要な懸念事項であるレイリー波速度の直接測定も提供する。」
同じ試験の同様の報告が、GSSにより2017年2月15日付けのウェブサイト(GSS1)で提供され、以下のように述べている。
「GSSはCoffeyと共同で、Tensar Internationalの形成物剛性に対するジオグリッド構造の影響について試験を実施した。CSWは、高速列車の道床にとって重要な懸念事項であるレイリー波速度を直接測定する。この高度な測定技術を用いて、形成物設計におけるジオグリッドの利点を設計最適化のために正しく確認することができる。
GSS1及びGSS2のいずれの文書も、この試験で用いられたジオグリッド構造のさらなる詳細を開示しておらず、それらの文書は、地盤特性を評価するために用いられた測定技術により重点を置いている。いずれの文献にも、当業者が、鉄道軌道を支えるのにジオグリッドをどこにどのように使用すべきかについて前述した技術的偏見を克服するためにいずれかの文献を読む動機となるようなものはない。GSS1及び/又はGSS2の読者は、過去25年間行われてきたようにジオグリッドが鉄道道床の下に通常の浅い深さ(0.6メートル以下)で配置されると単純に想定し、特に、レイリー波は比較的軟弱な地盤上で通常の速度で運転される列車において懸念事項であり、したがって「HS2」などの非常に高速の列車にのみ関連している訳ではないことを示したKrylovの研究に注目するであろう。
本発明の目的は、従来技術の安定化方法による上記の欠点を除去又は緩和することである。
驚くべきことに、当業者が従来技術から予測したものとは反対に、出願人は、ジオグリッドの最適位置を決定することができる、任意選択で従来技術のジオグリッド安定化軌道よりもはるかに深く配置され得るジオグリッドの最適位置を決定することができる、安定化されたジオエンジニアリング鉄道建設の新規な形態を発見した。これは、例えば、安定化層の固有レイリー波速度(Vr)及び/又は安定化層上に敷設された軌道の軌道臨界速度(Vc)を、これまで可能であったより広範な種類の地盤上に高速軌道を敷設することを可能にする費用対効果の高い方法で上昇させることによって、高速列車に関連する本明細書に記載の問題に対処するために有利に使用することができる。
したがって、概ね本発明によれば、鉄道用ジオグリッドエンジニアリング構造物(鉄道ジオグリッド構造物)が提供され、この構造物は、
軌道平面に位置する軌道を画定する道床(任意選択でレールを含む道床)と、
軌道平面の下に位置する層を形成する粒子状物質の塊と、
粒子層内及び/又は粒子層の下に位置する少なくとも1つのジオグリッドと
を備え、
少なくとも1つのジオグリッドは、軌道平面に実質的に平行な平面(ジオグリッド平面)に位置し、軌道平面と少なくとも1つのジオグリッド平面との間の、両方の平面に対して垂直に測定されかつ本明細書でDrと表記される平均距離は、0.65メートルよりも大きい。
本発明の鉄道ジオグリッド構造物は、1つ又は複数のジオグリッド(例えば、2つ又は3つのジオグリッド)を備えることができ、その又はそれぞれのジオグリッドは、軌道平面に実質的に平行な1つ以上の平面(ジオグリッド平面)に位置し、距離が測定される平面に対して垂直に測定される、軌道平面とそれぞれのジオグリッド平面との間のそれぞれの平均距離は、本明細書でDrnと表記され(ここで、nはそれぞれのジオグリッドに割り当てられた連続番号である)、少なくとも1つのジオグリッド平面の少なくとも1つのDrnの距離は、0.65メートルより大きいことが認識されるであろう。有益には、鉄道ジオグリッド構造物が複数のジオグリッド(例えば、2つ又は3つのジオグリッド)を備える場合、ジオグリッドはそれぞれ、軌道平面の下の異なる平均距離(Drn)にある異なるジオグリッド平面に位置する。また、2つ以上のジオグリッドがある場合、少なくとも1つのジオグリッドが少なくとも軌道の下0.65mに位置していれば、少なくとも1つのジオグリッドは軌道の下0.65m又はそれよりも浅い深さに位置してもよいが、本発明の好ましい鉄道ジオグリッド構造物では、それぞれのジオグリッドは0.65mよりも大きいDrnを有する。
任意選択で、本発明の鉄道ジオグリッド構造物では、ジオグリッドによって安定化された粒子層は、道床の直下に位置することができ、安定化された粒子層は、Dr以下の平均層厚(Tp又はTpで示される)を有することがでる。好ましくは、Tpは0.5m未満、より好ましくは0.4m未満、最も好ましくは0.1m〜0.35mである。TpはDrより大きいことはできないが、軌道とジオグリッドとの間のすべての材料がジオグリッドによって安定化される粒子層の一部を形成しない場合、Drより小さいことができ、この粒子層は、本明細書では、ジオグリッド安定化層又はGSLとも呼ばれることが認識されるであろう。GSLの安定化が、粒子とジオグリッドのメッシュとの機械的インターロックによる場合、GSLは、本明細書では、機械的に安定化された層又はMSLとも呼ばれる。本発明で使用されるGSLの好ましい動作モードは、MSLとしてのものである。
Drは、好ましくは0.7メートル以上、より好ましくは0.8メートル以上、さらに好ましくは0.9メートル以上、最も好ましくは1メートル以上である。
Drは、有益には5m以下、より有益には4m以下、さらに有益には3m以下、最も有益には2m以下である。
Drは、0.65〜5メートル、好都合には0.7〜5メートル、より好都合には0.8〜4メートル、さらに好都合には0.9〜3メートル、最も好都合には1〜2メートルであることができる。
有益には、本発明の鉄道ジオグリッド構造物は、その軌道上を走行する列車の影響を受けたとき、粒子層(例えば、軌道下の骨材、土壌、バラスト及び/又はサブバラスト)に生じるレイリー波速度が少なくとも140ms-1(≒500kph又は≒310mph)であり、より有益には少なくとも150ms-1(≒540kph又は≒335mph)、さらに有利には少なくとも160ms-1(≒575kph又は≒360mph)、例えば167ms-1(≒600kph又は≒375mph)以上、最も有益には少なくとも170ms-1(≒610kph又は≒380mph)、例えば少なくとも180ms-1(≒600kph又は≒375mph)、例えば185ms-1(≒665kph又は≒415mph)以上、有利には200ms-1(≒720kph又は≒450mph)以上、より有利には220ms-1(≒790kph又は≒490mph)以上、さらに有利には250ms-1(≒900kph又は≒560mph)以上、最も有利には280ms-1(≒1000kph又は≒620mph)以上である。
利便性のため、本明細書での速度単位の変換(例えば、ms-1、kph及び/又はmphの間での)は概算に過ぎず、「約」及び/又はニアリーイコール記号「≒」によって示されるように、通常、最も近い5単位に丸められている。また、キロメートル毎時又はkm/時の速度は本明細書でkphと表記され、マイル毎時はmphと表記される。
好都合には、本発明の鉄道ジオグリッド構造物は、その軌道上を走行する列車の影響を受けたとき、その軌道における臨界軌道速度が少なくとも140ms-1(≒500kph又は≒310mph)であり、より好都合には少なくとも150ms-1(≒540kph又は≒335mph)、さらに好都合には少なくとも160ms-1(≒575kph又は≒360mph)、例えば167ms-1(≒600kph又は≒375mph)以上、最も好都合には少なくとも170ms-1(≒610kph又は≒380mph)、例えば少なくとも180ms-1(≒600kph又は≒375mph)、例えば185ms-1(≒665kph又は≒415mph)以上、有利には200ms-1(≒720kph又は≒450mph)以上、より有利には220ms-1(≒790kph又は≒490mph)以上、さらに有利には250ms-1(≒900kph又は≒560mph)以上、最も有利には280ms-1(≒1000kph又は≒620mph)以上である。
有利には、本発明の鉄道ジオグリッド構造物は、その軌道に沿って走行する列車によって生じるレイリー波速度が、列車が軌道に沿って走行することができる最高速度(本明細書で軌道制限速度(TSL)と表記される)を少なくとも10%上回り、より好ましくは少なくとも15%上回り、さらに好ましくは少なくとも20%上回り、最も好ましくは少なくとも25%上回り、例えば少なくとも33%上回る。
本発明の軌道、本発明のジオグリッド及び/又は本明細書に記載のジオグリッドを備える軌道、及び/又は本発明の方法に従って作られる軌道は、TSLが有益には少なくとも55ms-1(≒125mph又は≒200kph)、より有益には69ms-1(≒155mph又は≒250kph)であることができ、任意選択で、TSLの上限が200ms-1(≒720kph又は≒450mph)以下であることができる。本発明のさらなる実施形態において、TSLは、好ましくは140ms-1(≒500kph又は≒310mph)以下、より好ましくは150ms-1(≒540kph又は≒335mph)以下、さらに好ましくは160ms-1(≒575kph又は≒360mph)以下、例えば167ms-1(≒600kph又は≒375mph)以下、最も好ましくは170ms-1(≒610kph又は≒380mph)以下、例えば180ms-1(≒600kph又は≒375mph)以下、例えば185ms-1(≒665kph又は≒415mph)以下である。
好都合には、本発明の鉄道ジオグリッド構造物は、臨界軌道速度が軌道制限速度を少なくとも10%上回り、より好ましくは少なくとも15%上回り、さらに好ましくは少なくとも20%上回り、最も好ましくは少なくとも25%上回り、例えば少なくとも33%上回る。
有利には、本発明の鉄道ジオグリッド構造物は、提供するレイリー波速度及び/又は限界軌道速度の増加が、同じ路盤材上に敷設されたジオグリッドのない同じ鉄道構造物(本明細書では、比較軌道と表記される)と比較して、比較軌道上を同一速度で走行する列車により生じるレイリー波速度よりも少なくとも10%高く、より好ましくは少なくとも15%高く、さらに好ましくは少なくとも20%高く、最も好ましくは少なくとも25%高く、例えば少なくとも33%高い。
本発明のさらに別の態様は、その中のレイリー波の速度を増加させかつ/又はその上に敷設される軌道の臨界軌道速度を最大許容軌道速度(本明細書で軌道制限速度(TSL)とも表記される)よりも増大させるためのジオグリッド及び/又はその構成要素の使用を広く提供し、最大許容軌道速度は、少なくとも55ms-1(≒125mph又は≒200kph)、好ましくは69ms-1(≒155mph又は≒250kph)以上、より好ましくは正確な値か近似変換値かにかかわらず、高速列車に望ましい及び/又は適した、本明細書に記載の値及び/又は範囲のいずれかである。
本発明の別の態様は、鉄道用ジオグリッドエンジニアリング構造物(鉄道ジオグリッド構造物)を建設する方法を広く提供し、この方法は、
軌道平面に位置する軌道を画定する道床(任意選択でレールを備える道床)を提供するステップと、
軌道平面の下にある粒子層に、粒子層内に及び/又は粒子層に隣接して配置されるジオグリッドを提供するステップと
を含み、
ジオグリッドは軌道平面に実質的に平行な平面(ジオグリッド平面)内に位置し、軌道平面とジオグリッド平面との間の、両方に対して垂直に測定されかつ本明細書でDrと表記される平均距離は0.65メートルより大きい。
好ましくは、鉄道ジオグリッド構造物を建設するための本発明の方法において、鉄道ジオグリッド構造物は、本発明のものであり、かつ/又は本明細書に記載されるものである。
本発明のさらなる態様は、本発明の方法で使用するためのジオグリッド安定化粒子塊(例えば、骨材、土壌、バラスト及び/又はサブバラスト層)と、このような方法によって得られかつ/又は得ることができるジオグリッド安定化粒子塊(例えば、骨材、土壌、バラスト及び/又はサブバラスト層)とを建設することを提供する。本発明に従って安定化される粒子塊は、鉄道軌道を支えることができ、本明細書に記載されるように安定化されることができる任意の好適な粒子塊であることができ、使用され得る材料の種類の非限定的な例としての上記の1つ以上の骨材、土壌、バラスト及び/又はサブバラスト層に限定されないことが、当業者に認識及び理解されるであろう。また、(本明細書に記載されるように安定化される)粒子塊は、鉄道軌道が敷設、改良、及び/又は交換される場所の下に前に配置されていた材料の全体又は一部を置換することができる新規及び/又は現地外の材料を含むことができ、かつ/又は軌道の場所の下から掘削された土壌(任意選択で再利用できる)などの現地の材料及び/又は任意の好適な材料の組合せ及び/又は混合物を含むことができることが認識されるであろう。
本発明のさらに他の態様は、粒子塊(例えば、骨材土壌バラスト及び/又はサブバラスト層)及び/又はその構成要素を安定化するのに適したジオグリッドを広く提供し、ジオグリッド及び/又は成分は、以下の部分に記載される特性(i)〜(vi)の少なくとも1つなど、本明細書に記載される所望のジオグリッド特性の少なくとも1つを有し、好ましくは以下の特性i)〜vi)(本明細書にさらに説明され、かつ/又は本明細書に記載されるように測定される)のいずれか1つ以上、好ましくは2つ以上、より好ましくは3つ以上、さらに好ましくは4つ以上、最も好ましくは5つ以上、例えば6つ全てを含む。
i)少なくとも100kN/m、好ましくは200〜800kN/m、より好ましくは220〜700kN/m、最も好ましくは250〜600kN/mの0.5%ひずみでの半径方向の割線剛性、さらに任意選択でいずれの場合にもマイナス(−)60〜マイナス(−)100の許容差。
ii)少なくとも80kN/m、好ましくは150〜600kN/m、より好ましくは170〜500kN/m、最も好ましくは200〜450kN/mの2%ひずみでの半径方向の割線剛性(kN/m)、さらに任意選択でいずれの場合にもマイナス(−)60〜マイナス(−)100の許容差。
iii)少なくとも0.5、好ましくは0.6〜0.9、最も好ましくは0.70〜0.85、最も好ましくは0.75〜0.80の半径方向の割線剛性比(無次元)、さらに任意選択でいずれの場合にもマイナス(−)0.10〜マイナス(−)0.20、より任意選択でマイナス(−)0.15の許容差。
iv)少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%、より好ましくは少なくとも97%、最も好ましくは少なくとも99%、例えば100%の接合効率、さらに任意選択でいずれの場合にも少なくともマイナス(−)10の許容差。
v)少なくとも30mm、好ましくは40〜150mm、より好ましくは50〜140mm、最も好ましくは65〜125mmのピッチ(好ましくは六角形ピッチ)、さらに任意選択でいずれの場合にもマイナス(−)60〜マイナス(−)100の許容差。
vi)少なくとも0.100kg/m2、好ましくは0.120〜0.400kg/m2、より好ましくは0.150〜0.350kg/m2、最も好ましくは0.170〜0.310kg/m2、例えば0.180〜0.300kg/m2の製品重量、さらに任意選択でいずれの場合にもマイナス(−)0.025〜マイナス(−)0.040、より任意選択でマイナス(−)0.030〜0.035の許容差。
本発明で使用されるジオグリッド安定化層の性能に寄与し得る特性のさらなる詳細は、本明細書の実施例において提供される。
本発明のさらなる任意選択の態様では、本発明のジオグリッド及び/又は本発明で使用されるジオグリッドは、4〜9のpH値を有する自然土壌におけるジオグリッドについて、安定化される粒子塊が15℃未満の平均温度を有する場合には少なくとも100年の最小使用寿命及び/又は安定化される粒子塊が25℃未満の平均温度を有する場合には少なくとも50年の最小使用寿命を有するのに十分な耐久性を有する。
本発明のジオグリッド及び/又は本発明で使用されるジオグリッドのさらなる任意選択の利点は、本明細書に記載されている使用に関して、ジオグリッドは通常一定のひずみを受けず、動作ひずみレベルは通常約0.5%であり、通常、ジオグリッドに大きなクリープを与えないレベルであるため、ジオグリッドが特に高いクリープ低減係数を有する必要がないことである。これにより、当業者が本明細書に記載される本発明での使用に適したジオグリッドを製造するためのより多くの選択肢が可能になる。
任意選択で、本発明のジオグリッド及び/又は本発明で使用されるジオグリッドは、開口要素を画定するメッシュ画定要素によって画定される一体化されたメッシュ構造体を備える。任意選択で、メッシュ画定要素の厚さは均一である。任意選択で、メッシュ画定要素は、メッシュ構造体内の接合部(ノード)によって相互接続された細長い引張要素(リブ)を備える。好都合には、メッシュ画定要素は、機械横断方向(TD)に延びる複数の概ね平行なリブ構造物(リブなど)、及び/又はTDに対してある角度(メッシュ角度)で延びる複数の離間した概ね平行なリブ構造物(コネクタなど)を備えることができる。リブ構造物がリブ構造物に対して実質的に垂直である(すなわち、メッシュ角度は約90°である)場合、リブ構造物は、ジオグリッドの概ね横方向(TD)にある。ジオグリッドの実施形態はまた、開口要素を形成するために30°〜90°の1つ以上のメッシュ角度を含み、開口要素は、好ましくは3辺から8辺、より好ましくは3辺又は4辺の(ジオグリッドの平面の上から見た)三角形の形状、最も好ましくは実質的に矩形ポリゴン(例えば、メッシュ角度が約90°の長方形)及び/又は実質的に三角ポリゴン(例えば、メッシュ角度が約60°の実質的に正三角形)を有する。開口要素は、複数のメッシュ要素が直接交わる鋭い頂点によって画定され、又は好ましくは、鋭い頂点によって形成され得る過度の応力の領域を避けるために、例えばメッシュ要素が接合部を介して交わる湾曲部分によって部分的に画定され得ることが認識されるであろう。有益には、メッシュ画定要素は、1つ以上のリブ構造物、接合部及び/又は細長い引張要素を備え、より有益には1つ以上のリブ構造物、接合部及び/又は細長い引張要素から構成される。
本発明の鉄道ジオグリッド構造物に使用される好ましいジオグリッドでは、ポリマージオグリッドを構成する分子配向ポリマーは、ポリマーグリッド(及び/又はグリッドがそれから形成されるポリマーウェブ)が少なくとも2:1、より好ましくは少なくとも3:1の伸張比で少なくとも1つの方向に引き伸ばされたことによって配向されていることができる。有益には、一実施形態において、伸張比は、2:1〜12:1、より有益には2:1〜10:1、最も有益には3:1〜6:1であることができる。一般に、伸張比は12:1を超えないであろうし、より好ましくは10:1を超えないであろうし、最も好ましくは6:1を超えないであろう。伸張比は「実際の線」を用いて決定されることができ、「実際の線」は、通常は2つの垂直な方向で、出発材料に(通常は印刷又は描画によって)与えられる線である。特定の場所における配向は、2つの基準点間の伸張比として決定されることができ、基準点の1つは、配向が測定される場所のそれぞれの側に配置された2つの実際の線の上にあり、前記基準点は前記場所に近接している。実際の線は、一般に実験的な作業にのみ使用され、生産工程では使用されない。
ジオグリッド内のポリマーの分子配向(均一な分子配向など)は、当技術分野では周知の多くの技術によって決定されることができる。当業者は、ポリマーの分子配向が、非晶質ポリマーが配向方向に伸ばされるときのポリマー鎖の配向に関係なく、かつ/又は半結晶性又は結晶性ポリマーが配向方向に伸ばされるときのポリマー鎖及び/又はポリマー結晶領域の配列に起因する、ポリマー材料の配列の増大から生じる本来備わっている固有の特性であることを理解するであろう。したがって、任意の方向で測定されるが(例えば、延伸比又は伸張比によって)画定されるポリマーの配向の程度は、ポリマー材料の固有の測定可能な特性であるため、ポリマーが製造されるプロセスの知識を必要としない。ポリマー配向を測定するための好適な技術は、これらに限定されないが、以下のいずれか、X線回折、フーリエ変換赤外(FT−IR)分光法による減衰全反射(ATR)、複屈折、ソニックモジュール、偏光蛍光、ブロードラインNMR、UV及び赤外二色性、偏光分光法、及び/又は収縮復帰を含むことができる。XRD及び/又は収縮復帰は、ジオグリッドが他の用途のために調製された多くのポリマーフィルムよりも厚く、カーボンブラックのようなUV吸収剤を分散させたある種の放射線に対して典型的に不透明である場合、ジオグリッド中のポリマーの分子配向を決定するのに特に適している。本発明のジオグリッドのポリマー配向を決定するための特に好ましい実用的な試験の非限定的な例は、収縮復帰試験である。
本発明の鉄道ジオグリッド構造物に使用されるジオグリッドのいくつかは、少なくとも15kN/m、好ましくは少なくとも25kN/mの引張強度を有することができるが、いかなる理論に縛られることも望まず、出願人は、これらの値の引張強度を有することが、本発明のジオグリッド及び/又は本発明での使用に適したジオグリッドの必須要件ではないと考える。本明細書で示されるジオグリッドの引張強度は、BS EN ISO 10319:2015に従って決定され、この試験は、ジオシンセティックの引張強度を、kN/mの単位で表される、試験片を破断まで伸長させる試験中に観察される単位幅当たりの最大力として定義する。利便性と簡略化のために、ジオグリッドの引張強度はkNの単位で表すこともでき、この場合、引張強度の値は、ISO 10319:2015で試験された1m幅のジオグリッドについて得られた値に対応すると想定される。引張強度の変化は、多くの方法で、例えば、ジオグリッドの厚さ、それが製造されるポリマー、又はリブ引張要素の横方向の間隔及び/又は幅を変化させることによって達成され得る。
本発明の鉄道ジオグリッド構造物に使用されるジオグリッドのいくつかは、少なくとも400kN/m、好ましくは少なくとも450kN/mの割線剛性(任意選択でTD及びMDによって画定されるジオグリッドの平面で0.5%のひずみで測定される)を有することができるが、いかなる理論に縛られることも望まず、出願人は、これらの値の剛性を有することは、本発明のジオグリッド及び/又は本発明での使用に適したジオグリッドの必須要件ではないと考える。好都合には、剛性は割線剛性であり、特に明記されない限り0.5%のひずみで測定されるが、割線剛性はまた、2%のひずみで測定されることもでき、その場合、剛性は、0.5%ひずみで測定された割線剛性に比べて値が約100kN/m低くなる。
有益には、本発明の任意のジオグリッド及び/又は本発明で使用される任意のジオグリッドにおけるメッシュ画定要素(細長い引張要素など)の幅は、2〜100mmであることができ、一実施形態において、好ましくは2〜50mm、より好ましくは5〜40mm、最も好ましくは10〜20mmであることができ、又は別の実施形態において、任意選択的に2〜20mmであることができる。
有利には、本発明の任意のジオグリッド及び/又は本発明で使用される任意のジオグリッドにおけるリブ構造物の幅は、2〜50mmであることができ、一実施形態において、より好ましくは5〜40mm、最も好ましくは10〜20mmであることができ、又は別の実施形態において、任意選択的に2〜20mm、より任意選択的に6〜18mm、最も任意選択的に10〜15mmであることができる。
好都合には、本発明の任意のジオグリッド及び/又は本発明で使用される任意のジオグリッドにおけるメッシュ画定要素の深さ(厚さ)は、0.1〜10mm、より好ましくは0.2〜5mm、さらに好ましくは0.2〜2mm、最も好ましくは0.4〜2mmであることができる。
有益には、本発明の任意のジオグリッド及び/又は本発明で使用される任意のジオグリッドにおける開口要素の長さ(便宜上、開口が実質的に多角形である場合は最も長い辺の寸法であり得る)は、5〜400mmであり、より有益には40〜300mm、さらに有益には40〜250mm、最も有益には50〜200mmであることができる。
好都合には、本発明の任意のジオグリッド及び/又は本発明で使用される任意のジオグリッドにおける開口要素のピッチ(通常、開口が実質的に多角形である場合はMDにおける1つの繰り返し単位の寸法であり得る)は、3〜420mmであり、より好都合には30〜310mm、さらに好都合には35〜260mm、最も好都合には40〜210mmであることができる。繰り返し単位は、切りばめ細工で覆う場合に繰り返しの同一メッシュが形成されるように、グリッドの平面の各寸法に開口の寸法と1つのリブを含む。
有利には、本発明の任意のジオグリッド及び/又は本発明で使用される任意のジオグリッドにおける開口要素の幅は、特に開口が対称的(例えば、正方形又は円)である場合、長さと同じであることができる。いくつかの有用な実施形態において、開口の長さは開口の幅よりも大きい。好ましくは、開口要素の幅は、5〜80mmであり、一実施形態において、より好ましくは10〜80mm、さらに好ましくは20〜75mm、最も好ましくは25〜70mmであり、別の実施形態において任意に5〜50mmである。
本発明の好ましいジオグリッド及び/又は本発明で使用される好ましいジオグリッドは、平均厚さが0.1〜10mm、より好ましくは0.2〜5mm、さらに好ましくは0.2〜2mm、最も好ましくは0.4〜2mmである。
本発明の鉄道ジオグリッド構造物の一実施形態において、2〜100mmの幅を有するメッシュ画定要素及び/又は5〜400mmの平均長さ及び/又は平均幅を有するメッシュ開口(任意選択で同じサイズ及び/又は形状であることができるメッシュ開口)を画定するメッシュ画定要素を有するジオグリッド及び/又は0.1m〜10mmの(任意選択で均一の)平均厚さを有するジオグリッドを含む。
本発明のさらに別の態様は、ジオグリッドを用いて安定化層を調製する方法であって、本発明の(及び/又は本明細書に記載される)1つ以上の構成要素及び/又は組成物を提供することを含む方法を広く提供する。
任意選択で、いかなる理論に縛られることも望まないが、出願人はさらに、本発明の他の任意の態様において、本願明細書に記載されるように式1(又は式1A)を用いてレイリー波速度を計算するために剪断波速度を使用することができることを見出した。
Figure 2020533504
ここで、Vr(又はVr)は、弾性を有する材料(鉄道軌道の下の地盤など)(弾性材料)を通過するレイリー波速度を示し、
s(又はVs)は、弾性材料を通過するせん断波の速度を示し、
νは、ポアソン比(無次元の軸ひずみに対する横ひずみの符号付きの比率)を示し、好ましくは0.1〜0.5、より好ましくは0.2〜0.4、さらに好ましくは0.2〜0.35、最も好ましは0.22〜0.30、例えば0.26であり、
A及びBは、無次元定数を表し、
Aは、0.8〜1.0、好ましくは0.85〜0.90、より好ましくは0.87〜0.88、最も好ましくは0.872〜0.876、例えば0.874(小数点以下3桁まで)であり、
Bは、1.0〜1.2、好ましくは1.05〜1.20、より好ましくは1.10〜1.15、最も好ましくは1.112〜1.120、例えば1.117(小数点以下3桁まで)である。
式1A(本明細書の実施例の部分に記載される)は、定数A及びBに対して特定の値を有する式1のサブセットであり、A=0.874及びB=1.117である。
ポアソン比は、安定化される粒子塊中に存在する材料によっても変化し得る。したがって、例えば、粒子状物質が飽和粘土を含む本発明の一実施形態において、νの好ましい値は0.4〜0.5であり得る。粒子状物質が不飽和又は部分的に飽和した粘土を含む本発明の別の実施形態において、νの好ましい値は0.1〜0.3である。
式1(又は式1A)から導出されるせん断波速度は、下記の式2で定義される地盤密度との単純な関係を用いて、微小ひずみせん断弾性率(G0)に変換することができる。地盤密度との関係の性質及び地盤密度の分散が限られていること(例えば、地盤が土壌を含むか、土壌で構成されている場合)を考えると、G0の値は、弾性材料(例えば、地盤)の密度が不明な場合の弾性材料の想定密度に比較的影響されないと仮定することができる。
Figure 2020533504
ここで、G0は微小ひずみ剛性であり、
ρは弾性材料の密度である。
式1及び式2を用いて、鉄道軌道が敷設されている下層で生じるレイリー波の速度を、下層の特性のみから、すなわち、式3を用いて、予測することができる。
Figure 2020533504
最大列車速度(Vtmax又はVtmaxと表記され、軌道速度制限又はTSLとも呼ばれる)は、過度の損傷を回避又は軽減するためにVrより低くなければならないため、望ましい下層の特性はまた、以下の式4で与えられる関係を用いて所望の最大列車速度を用いて計算することができる。
Figure 2020533504
高速列車の場合、Vtmaxは少なくとも55ms-1(≒125mph又は≒200kph)、好ましくは69ms-1(≒155mph又は≒250kph)以下であり、したがって、本発明の鉄道ジオグリッド構造物は、有益には、式4を満たす下層の特性を有することができ、ここで、Vtmaxは少なくとも55ms-1、好ましくは69ms-1以下であり、より好ましくは、Vtmaxは、高速列車に望ましい及び/又は適切であるとして本明細書に記載されている値及び/又は範囲のいずれかを有しかつ/又はその中にある。
概ね上記に従って、本発明のさらに別の態様は、鉄道用ジオグリッドエンジニアリング構造物(鉄道ジオグリッド構造物)を提供し、この構造物は、
軌道平面に位置する軌道を画定する道床(任意選択でレールを含む道床)と、
軌道平面の下にある粒子層と、
粒子層内に及び/又は粒子層に隣接して配置されるジオグリッドと
を備え、
ジオグリッドは、粒子層の特性が式4Aを満たすように、ジオグリッドが粒子層を安定化するように、軌道平面に実質的に平行な平面(ジオグリッド平面)内に配置される。
Figure 2020533504
ここで、
νは、好ましくは0.1〜0.5、より好ましくは0.2〜0.4、最も好ましくは0.2〜0.35である、粒子層のポアソン比を示し、
0は粒子層の微小ひずみ剛性であり、
ρは粒子層の密度であり、
任意選択で、軌道平面とジオグリッド平面との間の、両方に対して垂直に測定されかつ本明細書でDrと表記される平均距離は、0.65メートルよりも大きく、より好ましくは、Drは、本明細書に記載される本発明に望ましい及び/又は好適な値及び/又は範囲のいずれかを有しかつ/又はその中にある。
本発明のさらに別の態様は、鉄道用ジオグリッドエンジニアリング構造物(鉄道ジオグリッド構造物)を建設する方法を提供し、その建設方法は、
道床(任意選択でレールを含む道床)が配置される道床平面を画定することと、
軌道平面の下の粒子層に、粒子層内に及び/又は粒子層に隣接して配置されるジオグリッドを提供することと
を含み、
ジオグリッドは、粒子層の特性が式4Aを満たすようにジオグリッドが粒子層を安定化するように、軌道平面に実質的に平行な平面(ジオグリッド平面)内に配置される。
Figure 2020533504
ここで、
νは、好ましくは0.1〜0.5、より好ましくは0.2〜0.4、最も好ましくは0.2〜0.35である、粒子層のポアソン比を示し、
0は粒子層の微小ひずみ剛性であり、
ρは粒子層の密度であり、
任意選択で、軌道平面とジオグリッド平面との間の、両方に対して垂直に測定されかつ本明細書でDrと表記される平均距離は0.65メートルよりも大きく、より好ましくは、Drは、本明細書に記載される本発明に望ましい及び/又は好適な値及び/又は範囲のいずれかを有しかつ/又はその中にある。
本発明のこの態様では、レイリー波の悪影響を最小限に抑えかつ/又は軌道臨界速度を上昇させるためのジオグリッドの最適配置を決定する手段が提供される。いくつかの種類の粒子状物質について、最適な深さは、本明細書の他の箇所に記載されている構造における好ましい深さ0.65mよりも浅いことが分かるであろう。
本発明のさらに別の態様では、鉄道用ジオグリッドエンジニアリング構造物(鉄道ジオグリッド構造物)を建設する方法におけるジオグリッドの使用法を提供し、この使用法は、
道床(任意選択でレールを含む道床)が配置される道床平面を画定することと、
粒子層内に及び/又は粒子層に隣接して配置されるジオグリッドを有する軌道平面の下にある粒子層を画定することと
を含み、
ジオグリッドは、軌道平面に実質的に平行な面(ジオグリッド平面)に配置され、このような平面は、粒子層の特性が式4Aを満たすようにジオグリッドが粒子層を安定させるように計算されるように定義される。
Figure 2020533504
ここで、
νは、好ましくは0.1〜0.5、より好ましくは0.2〜0.4、最も好ましくは0.2〜0.35である、粒子層のポアソン比を示し、
0は粒子層の微小ひずみ剛性であり、
ρは粒子層の密度であり、
任意選択で、軌道平面とジオグリッド平面との間の、両方に対して垂直に測定されかつ本明細書でDrと表記される平均距離は0.65メートルよりも大きく、より好ましくは、Drは、本明細書に記載される本発明に望ましい及び/又は好適な値及び/又は範囲のいずれかを有しかつ/又はその中にある。
本発明の様々な態様の多くの他の変形及び実施形態が、当業者には明らかであり、このような変形は、広い本発明の範囲内で意図されている。したがって、明確さのために別個の実施形態との関連で説明されている本発明の特定の特徴も、単一の実施形態において組み合わせて提供し得ることが理解されるであろう。逆に、簡潔さのために単一の実施形態との関連で説明されている本発明の様々な特徴も、別個に又は任意の好適なサブコンビネーションで提供することができる。
本発明の態様及びその好ましい特徴は、本明細書の特許請求の範囲に記載されており、特許請求の範囲は、かかる特許請求の範囲が本明細書の記載の一部に直接対応するか否かにかかわらず、本発明の開示の不可欠な部分を形成する。当然のことながら、本明細書の特許請求の範囲から推論され得る文言上の意味は、適用される現地の法律に従って、その文言外の範囲の侵害に関して、補正された特許請求の範囲によって提供され得る適切な保護範囲を限定しない。したがって、本出願に記載されている実施形態、実施例及び/又は好ましい特徴がそのような保護範囲から除外されていることを、特許請求の範囲の文言上の意味に関連し得る明細書の記載から推論すべきではない。
本明細書で使用される特定の用語は、文脈からそれらの意味がそうでないことを明確に示さない限り、以下に定義及び説明される。
別段の定義がない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語及び科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されているものと同じ意味を有し、かつ同じ意味を与えられるべきである。
文脈がそうでないことを明確に示さない限り、本明細書で使用される場合、本明細書の用語の複数形は、単数形を含むものと解釈されるべきであり、逆もまた同様である。
ジオグリッド
ジオグリッドは、ジオエンジニアリング構造物における粒子状物質(例えば、土壌又は粒子)を安定化又は補強するために使用される、高張力メッシュ構造体である。より詳細には、ジオグリッドは、粒子状物質がジオグリッドの開いたメッシュ内に嵌まり込むことができるように、構造物の粒子状物質内に埋め込まれる。ジオグリッドは、多くの異なる方法で、例えば、ポリマーフィラメントから作られたファブリックをスティッチボンディングし、PVC又はビチューメンのような可撓性コーティングを施すことによって、又は織ること又は編むことによって、又は配向されたプラスチックストランドを互いに結合することによっても製造されることができる。ジオグリッドは、メッシュを土木工学での使用、特に本明細書に記載される高速列車で使用する鉄道軌道の安定化での使用に適したものにするための固有の構造的な制限を有する。本明細書に記載される使用に好ましいジオグリッドは、分子配向ポリマーを含む一体化されたメッシュ構造体の形態であり、ジオグリッドは一軸配向又は二軸配向されている。一実施形態において、本明細書に記載される使用のためのジオグリッドは、細長い引張要素を含む相互に接続するメッシュ画定要素から形成される、一体化され、分子配向されたプラスチックメッシュ構造体の形態であることができる。
ジオグリッドは、(例えば、長方形格子又は他の好適な格子パターンで)多くの穴が(例えば、パンチングによって)設けられているプラスチックシートの出発材料を引き伸ばすことによって製造できることが知られている。プラスチックシートの出発材料の伸張により、細長い引張要素と接合部とを含み、引張要素が少なくとも部分的に接合部によって相互接続される、メッシュ画定要素で構成されるメッシュ構造体の形態のジオグリッドが製造される。このようなジオグリッドは、しばしば「パンチアンドストレッチ」ジオグリッドと呼ばれる。このプロセスによるジオグリッドの製造では、伸張作業がポリマーを伸張方向に「引き伸ばし」て細長い引張要素の形にし、元のシート出発材料の穴を結果的に拡大し、最終的なメッシュ構造体(すなわち、ジオグリッド)を製造する。伸張作業は、細長い引張要素内及び(少ない程度ではあるが)接合部内の(伸張方向の)ポリマーの分子配向を提供する。配向度は、ジオグリッドの表面上の2点間の距離とシート出発材料の(すなわち、ストレッチ前の)対応する2点間の距離との比である「伸張比」で表すことができる。ジオグリッドに必要な強度特性を提供するのは分子配向である(分子配向ポリマーは、非配向ポリマーよりも伸張方向の強度がかなり高いため)。分子配向は、ジオグリッドがその製造後に、例えば保管、輸送及び使用中にさらされる通常の温度条件下では不可逆である。
開口部を備えたプラスチックシートの出発材料を引き伸ばすことによって製造されるジオグリッドは、一軸配向又は二軸配向されることができる。一軸配向(「一軸」)ジオグリッドの場合、伸張は一方向のみで行われるのに対し、二軸配向(「二軸」)ジオグリッドは、シート出発材料の平面内で互いに横方向の2つの伸張作業を使用することによって製造されており、これらの作業は、通常は互いに垂直であり、一般に順次行われる(ただし、業界で知られている適切な装置で同時に行うこともできる)。開口部を備えたプラスチックシートの出発材料を一方向(一軸製品の場合)又は二方向(二軸製品の場合)に引き伸ばすことにより、一軸及び二軸メッシュ構造体を製造するこのような技術は、例えば、英国特許第2035191号明細書(米国特許第4374798号明細書及び欧州特許第0374365号明細書と同等)に開示されている。ジオグリッドのさらなる例は、国際公開第2004/003303号及び国際公開第2013/061049号に示されている。
ジオグリッド(例えば、本明細書に記載されているグリッド及び/又はメッシュ)は主に、層内及び/又は層間の粒子のインターロックを支援することにより非結合層を安定させるために使用され、この安定化機能は、例えば、欧州技術評価機構(EOTA)の欧州評価文書(EAD)080002−00−0102によって定義されており、ヨーロッパではジオグリッドはこの安定化について欧州技術評価(ETA)の認定を受けており、ジオグリッドは、好ましくはBS EN ISO 9001:2008の要件に準拠した管理システムに従って製造される。本発明のより好ましいジオグリッド及び/又は本発明で使用されるより好ましいジオグリッドは、パンチングされかつ引き伸ばされたポリプロピレンシートから製造される、三角形の開口部を有する六角形構造体を備え、ポリプロピレンシートは、結果として得られる概ね矩形断面のリブが一体化された節又は接合部の塊を通って続く高度の分子配向を有するように3方向に配向されている。典型的なジオグリッドは、ジオグリッドの総重量を100%として、微細に分割されたカーボンブラックの場合、重量で2%の最小含有量を有する。
鉄道軌道
本明細書で使用される鉄道又は鉄道軌道(同義語である「鉄道線路」とも呼ばれる)は、列車、路面電車又は他の同様の搬送車両がそれに沿って走行する経路を画定する軌道であって、車両が軌道をたどるのを支援する方向ガイド手段も提供される軌道を意味する。列車とは、鉄道線路に沿って走行することができ、方向ガイド手段により案内されることができる車両を意味する。好ましくは、本発明の一態様では、方向ガイド手段は、一定の距離(この距離はゲージを示す)だけ離れて設定された平行なレール(鋼又は他の適当な材料で作られる)を含む。列車の車軸は、同じ一定のゲージを有するため、レールに沿って走るときに列車を支えかつ線路に沿って案内されることができる。一般的に使用されているゲージは、標準ゲージ、幅広ゲージ又は幅狭ゲージであり、1435mmの標準ゲージは、世界の鉄道の55%を占めている。通常、任意の好適な材料、一般に木材又はコンクリートの枕木が、レールを一定のゲージで離しておくために縦方向に軌道を横切って軌道方向に等間隔に配置される。しかしながら、レールのない他の軌道構成も、本発明の範囲内であると想定される。これらは、例えば、レールが鉄筋コンクリートスラブに取り付けられているスラブ軌道、レールは車両を機械的に支えるために任意選択で必要とされるだけであり、車両は代わりに又は同様に列車と軌道との間の摩擦を低減又は実質的に排除するために磁気又は他の場の能動的又は受動的制御によって支えられることができる磁気浮上(マグレブ)軌道を含む。列車がこのような軌道に沿って高速で走行する場合、列車の高速運動は、列車がレールに支持されているか否かにかかわらず、軌道を支える地盤にレイリー波を発生させる可能性がある。したがって、本発明のジオグリッドエンジニアリング構造物は、レールがなくてもレイリー波の影響が防止されないので、レールを有さない鉄道軌道を建設するのに依然として有用であることが理解されるであろう。したがって、本明細書で使用される鉄道の定義は、ガイド手段を含むが、それ自体ではレールを含まない、いくつかの軌道を包含することを当業者は理解するであろう。
高速列車
高速列車(HST)は、本明細書では、高速用に設計又は改良された軌道を使用することにより従来の列車よりも高速で走行できる列車を指す。欧州指令96/48/ECは、高速鉄道を、高速用に特別に建設された軌道での少なくとも時速250km(kph)(約時速155マイル(mph)又は約69ms-1)、及び既存の軌道から改良された軌道での少なくとも時速200km(約124mph又は約55ms-1)の最低速度と定義している。これらよりもはるかに高い速度が、本発明の軌道を走行する列車に対して可能であり、本発明の範囲内であると想定される。典型的なHSTは、200〜500kph(約124〜約310mph又は約55〜139ms-1)の速度で走ることができる。高速鉄道用の軌道(本明細書では高速軌道とも呼ばれる)は、本明細書で定義されるようにHSTが高速で走行するのに適した軌道を意味する。好ましい高速軌道は、従来の鉄道軌道よりも浅い勾配及び緩いカーブを有するように特別に設計される。
粒子状物質
本発明の鉄道ジオエンジニアリング構造物の鉄道軌道及び/又は本発明の鉄道ジオエンジニアリング構造物で使用される鉄道軌道は、1つ以上のジオグリッドによって安定化され、任意選択で機械的に安定化され得る粒子状物質の1つ以上の層(粒子層)に(直接的又は間接的に)敷設されることができる。「粒状盛土材料」という用語は、本明細書においては、粒子状物質と同義で使用される。本発明の構造物において使用されるジオグリッドは、主に本明細書に記載されるレイリー波及び/又は臨界軌道速度の問題に対処するために使用され、任意選択で上記道床を支えることもできることが認識されるであろう。このため、道床のための支持体は、Vr及び/又はVcを増加させるためにはるかに深く配置されるジオグリッドに加えて機械的に安定化された層(MSL)を形成するために従来技術の鉄道構造物のジオグリッドで一般に使用される浅い深さ(例えば、200〜300mm)に敷設された1つ以上のさらなるジオグリッドによって、代わりに及び/又は付加的に提供されることができる。
本発明の鉄道ジオエンジニアリング構造物を建設するためにジオグリッドと共に使用することができる粒子状物質は、盛土材料(骨材など)として敷地に導入することができ、かつ/又は鉄道軌道が敷設される敷地に自然に存在する粒子状物質、例えば、ジオグリッドが敷設されるトレンチを形成するために一時的に掘削され、次いで掘削されたトレンチに再導入され得る現場の土壌を含むか又はそれから成ることができる。平均粒子サイズは、好ましくは、機械的安定性を高めるために開口内の粒子のインターロックを促進するのに使用されるジオグリッドのメッシュ開口の平均サイズに匹敵するサイズであることができる。粒子状物質のサイズは、利用可能なジオグリッドメッシュサイズでの使用のために選択されることができ、かつ/又はその逆も可能である。
本明細書に記載される粒子状物質の粒度値は、BS 5930に従う材料の粒度分布(PSD)を決定するためにふるい分けによって測定されることができる。粒度幅が広い材料の均等係数(C u =D60/D10)は4より大きい。しかしながら、他のPSD(例えば、単峰性又は二峰性などの多峰性)を有する粒子塊は本発明から除外されない。
プラスチック材料
プラスチック材料は、好ましくは、本明細書に記載される用途で使用するジオグリッドに所望の特性を提供するのに十分な高分子量を有するが、加えられる熱、圧力、及び/又は機械的作用によって処理されて本明細書に記載されるように配向されることもできる、1つ以上のポリマーを任意選択で含む材料を意味する。様々なポリマー材料が、プラスチックシートの出発材料(したがって、ジオグリッド前駆体要素)に使用されることができ、ポリマーが熱可塑性であり得る好適なポリマーの非限定的な例が本明細書に記載されている。
有益には、本発明のジオグリッド及び/又は本発明で使用されるジオグリッドは、ポリオレフィン(例えば、ポリプロピレン及び/又はポリエチレン)、ポリウレタン、ポリビニルハライド(例えば、ポリ塩化ビニル(PVC))、ポリエステル(例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET))、ポリアミド(例えば、ナイロン)及び/又は非炭化水素ポリマーの非限定的なリストからの1つ以上のポリマーを含み、より有益には、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリプロピレン(PP)、及び/又はポリエチレンテレフタレート(PET)から選択される1つ以上のポリマーを含むことができ、最も有益にはPPを含み、例えばPPで構成される。
ジオグリッド及び/又はジオグリッドの層(ジオグリッドが積層物である場合)の構成ポリマーは、配向、ブロー、縮小、伸張、鋳造、押し出し成形、同時押し出し成形され、かつ/又は任意の好適な混合物及び/又はそれらの組み合わせを含むことができる。ジオグリッドを構成するポリマーは、必要に応じて好適な添加剤を用いて、電子ビーム(EB)又はUV架橋などの任意の好適な手段によって任意選択で架橋されることができる。
本発明のジオグリッド及び/又は本発明で使用されるジオグリッドを製造するのに使用されるポリマー樹脂は、一般にペレットの形で市販されており、溶融ブレンド又はタンブラー、ミキサー及び/又はブレンダーを含む市販の機器を用いて、当技術分野で知られている周知の方法によって溶融混合又は機械的に混合されることができる。ポリマー樹脂は、加工助剤及び/又は着色剤などの周知の添加剤と共に混合される他の付加的な樹脂を有することができる。ポリマーシートを製造する方法はよく知られており、例えば、ジオグリッドメッシュを製造することができるポリマーシートを製造するために、ポリマー樹脂及び任意の添加剤を押出機に導入することができ、押出機においてポリマー樹脂は加熱によって溶融可塑化され、次いでシートに成形するために押出ダイに移されることができる。押出温度及びダイ温度は、一般に、処理される特定の樹脂によって決まり、好適な温度範囲は、当技術分野において一般に知られているか又は樹脂製造業者により入手可能にされた技術公報で提供される。処理温度は、選択したプロセスパラメータに応じて異なる場合がある。
本発明のジオグリッド及び/又は本発明で使用されるジオグリッドを製造するのに使用されるポリマーシートは、好適な温度で引き延ばすことによって配向させることができる。得られる配向シートは、大幅に改善された特性を示し得る。配向は、シートが1つの方向(一軸又は短軸)にのみ引き延ばされる場合は1つの軸に沿っていることができ、シートがシートの平面内の互いに垂直な2つの方向のそれぞれに引き延ばされる場合は二軸(双軸)であることができる。二軸配向シートは、均衡又は不均衡であることができ、不均衡なシートは好ましい方向により高い配向度を有する。従来、縦方向(LD)は、シートが機械を通過する方向(機械方向又はMDとしても知られる)であり、横方向(TD)は、MDに垂直である。好ましい二軸シートは、MDとTDの両方に配向される。
「有効」、「許容可能」、「能動的」及び/又は「適切」という用語は(例えば、本明細書に記載される、本発明の及び/又は本発明で適宜使用される任意のプロセス、使用、方法、用途、製品、材料、構造、構造物、組成物、構成要素、成分、及び/又はポリマーのうちの1つ以上に関して)、本発明の特徴であって、正しい方法で使用された場合に本明細書に記載されるように有用性があるように追加されかつ/又は組み込まれたものに必要な特性を提供する特徴を指すものと理解される。そのような有用性は、例えば、ある部分が上記使用のために必要な特性を有する場合には直接的であり、かつ/又は、例えば、ある部分が直接的な効用がある別の部分を作成する際の中間体及び/又は他のツールとしての使用を有する場合には間接的であることができる。本明細書で使用される場合、これらの用語はまた、全体のサブエンティティ(構成要素及び/又は成分など)が、本明細書に記載される有効、許容可能、能動的かつ/又は好適な最終ジオグリッド及び/又は構造物を製造することに適合していることを意味する。
本発明の好ましい有用性は、軌道用の鉄道ジオエンジニアリング構造物(有益には、本発明の鉄道ジオエンジニアリング構造物)を製造するためのジオグリッドの使用を含み、この構造物は、その中にジオグリッドを含まない同じ構造物と比較して、レイリー波速度及び/又は臨界軌道速度を、列車が軌道に沿って走行できる最高速度(TSL又はVtmax)よりも少なくとも10%上回り、より好ましくは少なくとも15%上回り、さらに好ましくは少なくとも20%上回り、最も好ましくは少なくとも25%上回り、例えば少なくとも33%上回るように増加させる。
好都合には、本発明の他の有用性は、軌道用の鉄道ジオエンジニアリング構造物(有益には、本発明の鉄道ジオエンジニアリング構造物)を製造するためのジオグリッドの使用を含み、この構造物は、その中にジオグリッドを含まない同じ構造物と比較して、レイリー波速度及び/又は臨界軌道速度を少なくとも140ms-1(≒310mph又は≒500kph)、より好ましくは少なくとも150ms-1(≒335mph又は≒540kph)、さらに好ましくは少なくとも160ms-1(≒360mph又は≒570kph)、(例えば、167ms-1(≒375mph又は≒600kph)以上)、最も好ましくは少なくとも170ms-1(≒380mph又は≒610kph)、例えば少なくとも180ms-1(≒400mph又は≒650kph)(例えば、185ms-1(≒410mph又は≒660kph)以上)に増加させる。
文脈がそうでないことを明確に示さない限り、本明細書で使用される場合、本明細書の用語の複数形は、単数形を含むものと解釈されるべきであり、逆もまた同様である。
本明細書で使用される「含む」という用語は、以下のリストが非包括的であり、任意の他の追加の好適なアイテム、例えば、1つ以上のさらなる特徴、構成要素、成分及び/又は置換基を適宜含んでも、含まなくてもよいことを意味すると理解されるであろう。
本明細書における本発明の説明では、反対に述べられていない限り、あるパラメータの許容範囲の上限及び下限の代替値の開示は、前記値の一方が他方より好ましいことが示されていること相まって前記代替値のより好ましいものとあまり好ましくないものとの間にある前記パラメータの各中間値がそれ自体、前記あまり好ましくない値よりも好ましく、またそれぞれあまり好ましくない値及び前記中間値よりも好ましいことを示す暗黙の記載として解釈されるべきである。
本明細書で与えられた任意のパラメータのすべての上限及び/又は下限について、境界値は各パラメータの値に含まれる。また、本発明の様々な実施形態で本明細書に記載されたパラメータの好ましい及び/又は中間の最小及び最大境界値の全ての組み合わせは、このような値の組み合わせが本明細書に具体的に開示されているか否かにかかわらず、本発明の様々な他の実施形態及び/又はより好まれるもののための各パラメータの代替範囲を定めるために使用され得ることが理解されるであろう。
本明細書でパーセンテージとして表される数量の合計は、(丸め誤差を考慮して)100%を超えることができないことが理解されるであろう。例えば、本発明の組成物(又はその部分)が含む全ての成分の合計は、組成物(又はその同じ部分)の重量(又は他の)パーセンテージで表すと、丸め誤差を考慮して合計100%であり得る。しかしながら、構成要素のリストが包括的でない場合、このような構成要素の各々についてのパーセンテージの合計は、本明細書に明示的に記載されていない可能性のある任意の追加の構成要素の追加の量についての特定のパーセンテージを可能にするために100%未満であり得る。
本明細書で使用される「実質的に」という用語は、その大量又は大部分を意味する量又は実体を指すことができる。それが使用される文脈において関連する場合、「実質的に」は、量的に(明細書の文脈においてそれが言及するいかなる量又は実体に関して)関連する全体の少なくとも80%、好ましくは少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、最も好ましくは少なくとも95%、特に少なくとも98%、例えば約100%の割合を含むことを意味すると理解されることができる。類推により、「実質的に含まない」という用語は、同様に、それが言及する量又は実体が関連する全体の20%以下、好ましくは15%以下、より好ましくは10%以下、最も好ましくは5%以下、特に2%以下、例えば約0%を含むことを意味することができる。
本発明の及び/又は本発明で使用されるジオグリッド及び/又は構造物(及び/又はその構成要素)はまた、同様に使用される既知のジオグリッドに対して改善された特性を示すことができる。このような改善された特性は、好ましいものとして及び/又は同様の用語で本明細書に記載されている特性の少なくとも1つ、好ましくは複数、より好ましくは3つ以上にあることができる。本発明の及び/又は本発明で使用される好ましいジオグリッド及び/又は構造物は、好ましいもの又は同様のものとして本明細書に記載されているこれらの特性の2つ以上、好ましくは3つ以上、最も好ましくはこれらの特性の残りで(既知の組成物及び/又はその成分と比較して)同等の特性を示すことができる。
本明細書で使用される改善された特性は、本発明の及び/又は本発明で使用される構成要素、ジオグリッド及び/又は構造物の値が、本明細書に記載されているかもしれない既知の参考の構成要素、ジオグリッド及び/又は構造物の値の+8%より大きく、より好ましくは+10%より大きく、さらに好ましくは+12%より大きく、最も好ましくは+15%より大きいことを意味する。
本明細書で使用される同等の特性は、本発明の及び/又は本発明で使用される構成要素、ジオグリッド及び/又は構造物の値が、本明細書に記載されているかもしれない既知の参考の構成要素、ジオグリッド及び/又は構造物の値の+/−6%以内、より好ましくは+/−5%以内、最も好ましくは+/4%以内であることを意味する。
本明細書の改善された特性と同等の特性とのパーセンテージの違いは、特性が同じ方法で同じ単位で測定される場合、本発明の及び/又は本発明において使用される構成要素、ジオグリッド及び/又は構造物と、本明細書に記載されているかもしれない既知の参考の構成要素、ジオグリッド及び/又は構造物との間のわずかな違いを指す(すなわち、比較される値がパーセンテージとしても測定される場合、それは絶対差を示さない)。
特に明記しない限り、本明細書における全ての試験は、本明細書にも定められている標準条件下で行われる。
本明細書で使用される場合、文脈が他のことを示さない限り、標準条件は、大気圧、50%±5%の相対湿度、周囲温度(22℃±2℃)、及び0.1m/s以下の気流を意味する。特に明記しない限り、本明細書における全ての試験は、本明細書で定められている標準条件下で行われる。
本発明は、以下の非限定的な図1〜5によって示される。
未処理地盤の上の鉄道軌道構造物(構成Aと表示)を示す。 現在提案されている高速鉄道線路の建設工法である、深さ5mまで下層材料の粒状代替品を用いる鉄道軌道構造物(構成Bと表示)を示す。 層形成を用いて、ジオグリッドの機械的に安定化された層(MSL)と粒状盛土材料を使用した鉄道軌道構造物(本明細書に記載の試験例1〜4で使用)を示す。図3に示される構造物を3D数値モデルに使用して、図4及び5に示される構造物の所与の剛性及び深さについて地盤を通過するせん断波の速度を計算した。 縦方向(築堤長さと平行)のCSW試験の0.002%ひずみにおけるせん断速度を示す(接尾辞2は、第2テストでの試験を示す)。 横方向(築堤長さに対して垂直)のCSW試験の0.002%ひずみにおけるせん断速度を示す(接尾辞2は、第2テストでの試験を示す)。
本発明の態様又は実施形態の1つとの関連で記載される実施形態及び特徴は、そのような特徴が好ましい又は同様の用語として記載されるか否かにかかわらず、本発明の他の態様にも適用されることに留意されたい。特定の実施例を参照して説明において実施形態を開示したが、本発明はこれらの実施形態に限定されないことが認識されるであろう。したがって、本明細書に記載されている本発明の最も広い範囲と本明細書に記載されている実施形態及び/又は実施例のそれぞれとの間のすべての中間的な一般化は、本発明を構成するものと想定される。本発明の一実施形態で記載される任意の特徴の組合せ及び/又は混合物は、類推によるか否かにかかわらず、本発明の任意の他の実施形態に適用されることができ、本発明を構成するものと想定される。様々な変更が当業者に明らかになり、本発明の実施から得ることができ、このような変更例は、たとえその変更例が特許請求の範囲の文字通りの意味の外にあっても、適用可能な現地の法律の下で許容されるように、本発明の広範な保護範囲内であると考えられる。使用される材料及び詳細は、本発明によって開示及び教示される方法及び組成物から逸脱することなく、説明とわずかに異なるか又は変更され得ることが理解されるであろう。
本発明のさらなる態様及びその好ましい特徴は、本明細書の特許請求の範囲に示されている。
実施例1(TX150)、2(TX130S)、3(TX170)及び4(TX190L)並びに構成A〜C
次に、例示のみを目的とする以下の非限定的な実施例を参照して本発明を詳細に説明する。
いかなる理論に縛られることも望まないが、出願人は、軌道の下層で発生する波の速度は軌道の下にある下層材料(すなわち、地盤、通常は土壌)の剛性に関連する可能性があり、波の侵入の深さは周波数の減少及び波長(λ)の増大に伴って増大すると考えている。高周波の波は浅い層でのみ伝わる。低周波の波は浅い層と深い層の両方で伝わる。したがって、地面を通過する波の速度は、一般に幾何学的分散として知られている現象である周波数と深さによって変化する。固有のレイリー波速度(Vr)に対するP波成分の寄与は、S波成分による寄与に比べて小さいと考えられる。したがって、S波速度(Vs)は、特に地盤が実質的に弾性的な挙動を示す場合に、地盤の剛性を決定するために使用できる。本発明の一実施形態において、出願人は、Vrは、例えば、式1Aを第1近似に使用して、Vsから導出することができることを見出した。
Figure 2020533504
ここで、
Vrは地面を通過するレイリー波の速度であり、
Vsは地面を通るS波の速度であり、
νはポアソン比(軸ひずみに対する横ひずみの符号付きの比率)である。
S波の速度プロファイルは、式2で定義される地盤密度との単純な関係を使用して、微小ひずみせん断弾性率(G0)に変換することができる。地盤密度(例えば、土壌の場合)との関係の性質及び地盤密度の分散が限られていることを考えると、G0の導出は、不明な場合の想定地盤密度に比較的影響されない。
Figure 2020533504
ここで、G0は微小ひずみ剛性であり、
ρは地盤の密度である。
剛性は、特定の地盤の深さのおおよその平均剛性を表す。地盤が土壌である場合、土壌密度は一般にほとんどの地盤条件で1.6Mg/m3から2.1Mg/m3の間で異なるため(24%のばらつき)、G0の導出は、(不明な場合の)想定土壌密度に比較的影響されず、控えめな土壌密度(すなわち、下限)が想定される。
0は、E=G(2(1+ν))の関係を用いてヤング率(E)に変換することができる。せん断剛性とは異なり、Eはポアソン比が0.2(完全に排水されている)から0.5(排水されていない飽和土の場合)の間で変化する土壌間隙水の剛性の影響を受ける。したがって、適切なポアソン比の値の選択は、一般的な排水条件の代表的なE値を決定する上で重要である。排水状態の場合、ポアソン比は一般に0.2〜0.35の範囲にあり、計算されるE値の32%の範囲になる。ポアソン比が不明な場合は、控えめな(低い)値が選択され、剛性の値が低くなる。1.80Mg/m3の既定の標準的な下限土壌密度と0.26の標準的な排水ポアソン比は、敷地特有の情報が提供されていない場合に使用できる。これらの値は、敷地特有の値が決定されている場合、又は飽和土における非排水の排水条件を反映するように調整することができる。
本願明細書に記載される実施例における試験により得られた剛性値は、概ね0.002%未満のひずみレベルに関連する微小ひずみ剛性値である。実施例において、以下の震源とアレイ受振器を用いて現地試験を実施した。標準振動機 GSS標準80kg振動機 10〜91Hz、EM振動機 GSS電磁振動機 50〜400Hz。試験は、高さ2.0m、長さ40mの試験築堤で行った。築堤は、採石場の備蓄から取り出されたイギリスの道路工事仕様書(SHW)6F1に準拠する粒状石灰石を盛土材料として使用した。築堤は、下の表1に示すように、幅6m、深さ2mの5つのゾーンに分割された。
Figure 2020533504
構成A及び構成Bは、それぞれ図1及び図2に示され、ジオグリッドなし(構成A)及びジオグリッドあり(構成B)の従来技術の鉄道ジオエンジニアリング構造物を表す。
これらの試験で使用された表1の実施例1〜4及び構成Cは、図3に示すように建設され、ジオグリッドは、MSLと表示された層のすぐ下で粒状盛土材料と表示された層の上の水平面に配置された。使用されたジオグリッドは、ジオグリッドのない同じ構造物を使用した構成Cを除き、表1に示される取引上の表示と共にTriAx(登録商標)の登録商標でTensar International社から市販されているそれぞれのジオグリッド製品であった。
築堤の試験区間で同様の締固め度が達成されたことを検証するために、盛土材料の較正試験と共に(使用した特定の盛土に対して較正された)核密度計(NDM)試験を築堤で実施した。NDM試験は、試験築堤の上部200mmのみで実施され、これらの試験から得られた現場密度が表2にまとめられている。
Figure 2020533504
(a)ゾーンごとに実施した6つのテストの平均。
(b)採取したバルク試料について実験室で行った含水率。
試験築堤の下の地盤は、様々なサイズの粒子状物質(細粒土から礫粒まで)を有する採石場廃棄物を含み、緩く締固められていることが観察された。試験は、同じ試験築堤に2回、数か月間隔で異なる時期に実施した。1回目の試験は雨で湿気の多い状態で行われ、2回目の試験は強風で晴れて乾燥した状態で行われた。対照標準ゾーン(構成C)と実施例1のゾーンの下の土は、1回目の試験中、築堤の残りの部分と比較して特に湿潤であった。各試験ゾーンでの測定は、縦方向(図4参照)と築堤を横切る横方向(図5参照)の両方で行われ、逆方向の測定も行われた。
図4〜5に、築堤の縦軸に沿ったせん断波速度(Vs)(図4)と、築堤の幅に沿ったせん断波速度(Vs)(図5)の分散曲線をプロットした。これらの曲線は、築堤材料のポアソン比(ν)を0.26と仮定して、上記の式1Aを用いて試験データから計算したものである。これらの試験で使用した2つの震源の結合周波数の範囲は、10Hz〜400Hzであった。侵入深さは、震源周波数の特性によって、主に築堤媒質内のS波(Vs)の速度によって直接決まる。例えば、試験築堤で発生したS波の平均速度が約200m/sである場合、この築堤で発生した対応するレイリー波の10Hz成分は、地表面から約7〜約10mの深さまで侵入し、対応するレイリー波の400Hz成分は、地表面から約0.2〜約0.3mの深さまで築堤に侵入する。
対応するレイリー波は、築堤で(例えば、軌道に沿った列車の移動によって)発生した場合、前述した震源によりこれらの試験で築堤に誘発され(かつアレイ受振器によって記録され)るS波と同等のS波成分を含むレイリー波を意味する。完全性のために、Vsのプロファイルは、本明細書に記載されているモデルの試験データを用いて地下15mの深さまで計算された。しかしながら、試験築堤の深さは地下2.0mしかなかったため、図4及び図5に示されるVs値は、上部2mについてのみ計算したものである。
結果
2回目の試験から得られた結果は、1回目の試験の結果に比べて表面付近(約0.4〜0.5m)のせん断速度(Vs)が減少していることを示した。これは、2つの試験の間の約2ヶ月の合間にひずみ軟化を引き起こす風化によるものと考えられるが、実際には、この粒子状物質は使用中の約600mmの構造物で覆われ、このようなに露出されることはないであろう。対照標準築堤と試験築堤の両方に対する縦剛性(図4から)は、横剛性(図5から)よりも約25%大きかった。これは、試験築堤の幅方向の拘束が長さ方向に比べて小さいためと考えられる。これらの影響はいずれも試験の人為結果であり、実際の使用のために建設された現実世界の鉄道軌道では遭遇する可能性が低いため、これらの違いは特に実際的な意味があると考えられない。
実施例1(TX150)は、両方の試験で、低いが、許容できる築堤の剛性の増加をもたらした。
実施例2(TX130S)は、層の上部で実施例3(TX170)と同様の効果があった。
実施例3(TX170)は、築堤の縦剛性を20%〜60%増加させた。
使用したジオグリッドのうち最も剛性の高いものを使用した実施例4(TX190L)は、縦剛性が30%から70%の間で最も改善したことを示した。
実施例1の僅かに厚いバージョンである実施例5(TX150L)も、築堤の剛性の許容可能な増加をもたらし、本明細書に記載される試験における実施例1〜4について本明細書に示されるものと同様の結果を生じる。
安定化機能に必要な認証はETA 12/0530である。
Figure 2020533504
Figure 2020533504
Figure 2020533504
表3a、3b及び4(実施例1〜5)の注記
(1)EOTAテクニカルレポートTR41 B.1に従って測定。
(2)EOTAテクニカルレポートTR41 B.2に従って測定。
(3)EOTAテクニカルレポートTR41 B.4に従って測定。
(4)EOTAテクニカルレポートTR41 B.3に従って測定。
耐久性評価(5、6及び7) pH値が4〜9の自然土壌におけるジオグリッドの最小耐用年数は、30日以内に覆われた場合、15℃未満の土壌温度では100年、25℃未満の土壌温度では50年と推定される。
(5)EN 12224に従って評価されたジオグリッドの耐候性。保持強度は80%を超えており、設置後1か月の最大曝露時間が得られる。
(6)耐酸化性はEN ISO 13438に従って決定される。推定される50年の耐用年数については、EN ISO 12438の方法A2の原理に従っているが、曝露温度は120℃、曝露時間は28日である。その根拠はETA Certificate 12/0530に記載されている。
(7)酸性液体及びアルカリ性液体に対する耐性は、EN 14030に従って決定される。

Claims (28)

  1. 鉄道用ジオグリッドエンジニアリング構造物(鉄道ジオグリッド構造物)であって、
    軌道平面に位置する軌道を画定する道床(任意選択でレールを含む道床)と、
    前記軌道平面の下に位置する層を形成する粒子状物質の塊、と、
    前記粒子層内及び/又は前記粒子層の下に位置する少なくとも1つのジオグリッドと
    を備え、
    前記少なくとも1つのジオグリッドは、前記軌道平面に実質的に平行な平面(ジオグリッド平面)に位置し、前記軌道平面と前記ジオグリッド平面との間の、両方の平面に対して垂直に測定されかつ本明細書でDrと表記される平均距離は、0.65メートルよりも大きい、鉄道ジオグリッド構造物。
  2. 前記粒子層が前記道床の直下に位置する、請求項1に記載の鉄道ジオグリッド構造物。
  3. 前記粒子層の平均厚さがDr未満、好ましくは0.5m未満、より好ましくは0.4m未満、最も好ましくは0.1m〜0.35mである、請求項1又は2に記載の鉄道ジオグリッド構造物。
  4. Drは0.7メートル以上、より好ましくは0.8メートル以上、さらに好ましくは0.9メートル以上、最も好ましくは1メートル以上である、請求項1から3のいずれか一項に記載の鉄道ジオグリッド構造物。
  5. Drは5m以下、より有益には4m以下、さらに有益には3m以下、最も有益には2m以下である、請求項1から4のいずれか一項に記載の鉄道ジオグリッド構造物。
  6. Drは0.65〜5m、好都合には0.7〜5m、よち好都合には0.8〜4m、さらに好都合には0.9〜3m、最も好都合には1〜2mである、請求項1から5のいずれか一項に記載の鉄道ジオグリッド構造物。
  7. 前記粒子層は少なくとも1つの他の機械的に安定化された層及び/又は化学的に安定化された層によって追加的に安定化されている、請求項1から6のいずれか一項に記載の鉄道ジオグリッド構造物。
  8. 前記ジオグリッドは、実質的に少なくとも1つの方向に分子配向されているポリマーを含む、一体化され、分子配向されたメッシュの形態である、請求項1から7のいずれか一項に記載の鉄道ジオグリッド構造物。
  9. 前記ジオグリッドのポリマーは少なくとも2つの実質的に垂直な方向に分子配向(二軸配向)されている、請求項1から8のいずれか一項に記載の鉄道ジオグリッド構造物。
  10. 前記ジオグリッドは、細長い引張要素を含む、相互接続するメッシュ画定要素を備える、請求項1から9のいずれか一項に記載の鉄道ジオグリッド構造物。
  11. 前記ジオグリッドは、実質的に直線的に配向されたストランドによって相互接続された横棒を備え、前記ストランドの少なくともいくつかが、前記横棒に対して直角の方向への実質的な角度で1つの横棒から次の横棒まで延び、このように角度を付けられた交互のストランドが、前記ジオグリッドの幅を横切って前記方向に対して等しい角度及び反対の角度で角度を付けられている、請求項1から10のいずれか一項に記載の鉄道ジオグリッド構造物。
  12. 前記ジオグリッドは、一体化され、分子配向されたプラスチックメッシュ構造体の形態である、請求項1から11のいずれか一項に記載の鉄道ジオグリッド構造物。
  13. 前記ジオグリッドの厚さが0.1m〜5mm、好ましくは0.2mm〜2mmである、請求項1から12のいずれか一項に記載の鉄道ジオグリッド構造物。
  14. 前記ポリマージオグリッドを構成する分子配向ポリマーは、前記ポリマーグリッド(及び/又はグリッドがそれから形成されるポリマーウェブ)が少なくとも2:1、好ましくは少なくとも2:1〜12:1、より好ましくは2:1〜6:1の伸張比で少なくとも1つの方向に引き延ばされたことによって配向されている、請求項1から13のいずれか一項に記載の鉄道ジオグリッド構造物。
  15. 前記ジオグリッドは少なくとも10kN/mの引張強度を有する、請求項1から14のいずれか一項に記載の鉄道ジオグリッド構造物。
  16. 前記ジオグリッドは、2〜100mmの幅を有するメッシュ画定要素を有し、前記メッシュ画定要素は、5〜400mmの平均長さ及び/又は平均幅を有するメッシュ開口(任意選択で同じサイズ及び/又は形状であることができるメッシュ開口)を画定する、請求項1から15のいずれか一項に記載の鉄道ジオグリッド構造物。
  17. 少なくとも55ms-1(≒125mph又は≒200kph)、より好ましくは69ms-1(≒155mph又は≒250kph)以上のレイリー波速度(Vr)を内部に有する、請求項1から16のいずれか一項に記載の鉄道ジオグリッド構造物。
  18. レールを有する鉄道軌道をさらに備え、前記レールは、少なくとも140ms-1(≒310mph又は≒500kph)、より好ましくは少なくとも150ms-1(≒335mph又は≒540kph)の臨界軌道速度を有する、請求項1から17のいずれか一項に記載の鉄道ジオグリッド構造物。
  19. 請求項1から18のいずれか一項に記載の鉄道ジオグリッド構造物であって、以下の(i)〜(vi)から選択される特性、
    i)少なくとも100kN/m、好ましくは200〜800kN/m、より好ましくは220〜700kN/m、最も好ましくは250〜600kN/mの0.5%ひずみでの半径方向の割線剛性、さらに任意選択でいずれの場合にもマイナス(−)60〜マイナス(−)100の許容差と、
    ii)少なくとも80kN/m、好ましくは150〜600kN/m、より好ましくは170〜500kN/m、最も好ましくは200〜450kN/mの2%ひずみでの半径方向の割線剛性(kN/m)、さらに任意選択でいずれの場合にもマイナス(−)60〜マイナス(−)100の許容差と、
    iii)少なくとも0.5、好ましくは0.6〜0.9、最も好ましくは0.70〜0.85、最も好ましくは0.75〜0.80の半径方向の割線剛性比(無次元)、さらに任意選択でいずれの場合にもマイナス(−)0.10〜マイナス(−)0.20、より任意選択でマイナス(−)0.15の許容差と、
    iv)少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%、より好ましくは少なくとも97%、最も好ましくは少なくとも99%、例えば100%の接合効率、さらに任意選択でいずれの場合にも少なくともマイナス(−)10の許容差と、
    v)少なくとも30mm、好ましくは40〜150mm、より好ましくは50〜140mm、最も好ましくは65〜125mmのピッチ(好ましくは六角形ピッチ)、さらに任意選択でいずれの場合にもマイナス(−)60〜マイナス(−)100の許容差と、
    vi)少なくとも0.100kg/m2、好ましくは0.120〜0.400kg/m2、より好ましくは0.150〜0.350kg/m2、最も好ましくは0.170〜0.310kg/m2、例えば0.180〜0.300kg/m2の製品重量、さらに任意選択でいずれの場合にもマイナス(−)0.025〜マイナス(−)0.040、より任意選択でマイナス(−)0.030〜0.035の許容差と
    のいずれかのうち、1つ以上、好ましくは2つ以上、より好ましくは3つ以上、さらに好ましくは4つ以上、最も好ましくは5つ以上、例えば6つ全てを有する、鉄道ジオグリッド構造物。
  20. 鉄道用ジオグリッドエンジニアリング構造物(鉄道ジオグリッド構造物)、任意選択で請求項1から19のいずれか一項に記載の鉄道ジオグリッド構造物を建設する方法であって、
    軌道平面に位置する軌道を画定する道床(任意選択でレールを含む道床)を提供するステップと、
    前記軌道平面の下にある粒子層に、前記粒子層内に及び/又は粒子層に隣接して配置されたジオグリッドを提供するステップと
    を含み、
    前記ジオグリッドは、前記軌道平面に実質的に平行な平面(ジオグリッド平面)内に位置し、両方に対して垂直に測定されかつ本明細書でDrと表記される、前記軌道平面と前記ジオグリッド平面との間の平均距離は0.65メートルより大きい、方法。
  21. 請求項1から19のいずれか一項に記載の鉄道ジオエンジニアリング構造物及び/又は請求項20に記載の方法で使用するのに適したジオグリッドであって、以下の(i)〜(vi)から選択される特性、
    i)少なくとも100kN/m、好ましくは200から800kN/m、より好ましくは220から700kN/m、最も好ましくは250から600kN/mの0.5%ひずみでの半径方向の割線剛性、さらに任意に各ケースでマイナス(−)60〜マイナス(−)100の許容差と、
    ii)少なくとも80kN/m、好ましくは150〜600kN/m、より好ましくは170〜500kN/m、最も好ましくは200〜450kN/mの2%ひずみでの半径方向の割線剛性(kN/m)、さらに任意選択でいずれの場合にもマイナス(−)60〜マイナス(−)100の許容差と、
    iii)少なくとも0.5、好ましくは0.6〜0.9、最も好ましくは0.70〜0.85、最も好ましくは0.75〜0.80の半径方向の割線剛性比(無次元)、さらに任意選択でいずれの場合にもマイナス(−)0.10〜マイナス(−)0.20、より任意選択でマイナス(−)0.15の許容差と、
    iv)少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%、より好ましくは少なくとも97%、最も好ましくは少なくとも99%、例えば100%の接合効率、さらに任意選択でいずれの場合にも少なくともマイナス(−)10の許容差と、
    v)少なくとも30mm、好ましくは40〜150mm、より好ましくは50〜140mm、最も好ましくは65〜125mmのピッチ(好ましくは六角形ピッチ)、さらに任意選択でいずれの場合にもマイナス(−)60〜マイナス(−)100の許容差と、
    vi)少なくとも0.100kg/m2、好ましくは0.120〜0.400kg/m2、より好ましくは0.150〜0.350kg/m2、最も好ましくは0.170〜0.310kg/m2、例えば0.180〜0.300kg/m2の製品重量、さらに任意選択でいずれの場合にもマイナス(−)0.025〜マイナス(−)0.040、より任意選択でマイナス(−)0.030〜0.035の許容差と
    のいずれかのうち、1つ以上、好ましくは2つ以上、より好ましくは3つ以上、さらに好ましくは4つ以上、最も好ましくは5つ以上、例えば6つ全てを有する、鉄道ジオグリッド構造物。
  22. 請求項1から19のいずれか一項に記載の鉄道ジオエンジニアリング構造物及び/又は請求項20に記載の方法で使用するのに適したジオグリッド安定化粒子層であって、請求項21に記載のジオグリッドを使用して得られた及び/又は得られる、ジオグリッド安定化粒子層。
  23. その中のレイリー波の速度(Vr)を増大させかつ/又はその上に敷設される軌道のレールに沿った臨界軌道速度(Vc)を、少なくとも55ms-1、好ましくは69ms-1以上であるVtで表記される最大許容列車速度よりも増大させるためのジオグリッド及び/又はその構成要素の使用。
  24. 鉄道用ジオグリッドエンジニアリング構造物(鉄道ジオグリッド構造物)あって、
    軌道平面に位置する軌道を画定する道床(任意選択でレールを含む道床)と、
    前記軌道平面の下にある粒子層と、
    前記粒子層内に及び/又は粒子層に隣接して配置されたジオグリッドと
    を備え、
    前記ジオグリッドは、前記粒子層の特性が式4Aを満たすように、前記ジオグリッドが前記粒子層を安定化するように、前記軌道平面に実質的に平行な平面(ジオグリッド平面)内に配置され、
    Figure 2020533504
    ここで、
    νは、好ましくは0.1〜0.5、より好ましくは0.2〜0.4、最も好ましくは0.2〜0.35である、前記粒子層のポアソン比を示し、
    0は前記粒子層の微小ひずみ剛性であり、
    ρは前記粒子層の密度であり、
    任意選択で、前記軌道平面と前記ジオグリッド平面との間の、両方に対して垂直に測定されかつ本明細書でDrと表記される平均距離は0.65メートルより大きい、構造物。
  25. 鉄道用ジオグリッドエンジニアリング構造物(鉄道ジオグリッド構造物)を建設する方法であって、
    道床(任意選択でレールを含む道床)が配置される道床平面を画定することと、
    前記軌道平面の下の粒子層に、前記粒子層内に及び/又は前記粒子層に隣接して配置されるジオグリッドを提供することと
    を含み、
    前記ジオグリッドは、前記粒子層の特性が式4Aを満たすように、前記ジオグリッドが前記粒子層を安定化するように、前記軌道平面に実質的に平行な平面(ジオグリッド平面)に配置され、
    Figure 2020533504
    ここで、
    νは、好ましくは0.1〜0.5、より好ましくは0.2〜0.4、最も好ましくは0.2〜0.35である、前記粒子層のポアソン比を示し、
    0は前記粒子層の微小ひずみ剛性であり、
    ρは前記粒子層の密度であり、
    任意選択で、前記軌道平面と前記ジオグリッド平面との間の、両方に対して垂直に測定されかつ本明細書でDrと表記される平均距離は0.65メートルより大きい、方法。
  26. 鉄道用ジオグリッドエンジニアリング構造物(鉄道ジオグリッド構造物)を建設する方法におけるジオグリッドの使用法であって、
    道床(任意選択でレールを含む道床)が配置される道床平面を画定することと、
    前記軌道平面の下にある粒子層を画定することと
    を含み、
    前記粒子層内に及び/又は前記粒子層に隣接してジオグリッドが配置され、
    前記ジオグリッドは、前記軌道平面に実質的に平行な面(ジオグリッド平面)に配置され、このような平面は、前記粒子層の特性が式4Aを満たすように、前記ジオグリッドが前記粒子層を安定させるように計算されるように画定され、
    Figure 2020533504
    ここで、
    νは、好ましくは0.1〜0.5、より好ましくは0.2〜0.4、最も好ましくは0.2〜0.35である、前記粒子層のポアソン比を示し、
    0は前記粒子層の微小ひずみ剛性であり、
    ρは前記粒子層の密度であり、
    任意選択で、前記軌道平面と前記ジオグリッド平面との間の、両方に対して垂直に測定されかつ本明細書でDrと表記される平均距離は0.65メートルよりも大きく、より好ましくは、Drは、本明細書に記載される本発明に望ましい及び/又は好適な値及び/又は範囲のいずれかを有しかつ/又はその中にある、使用法。
  27. 請求項20又は25に記載の方法によって硬化及び/又は強化された粒子状物質。
  28. 請求項1から27のいずれかに記載されたジオグリッドを埋め込むことによって強化された粒子状物質の塊を含む鉄道ジオエンジニアリング構造物。
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