JP2020521637A - 電磁金属鋳造法 - Google Patents

電磁金属鋳造法 Download PDF

Info

Publication number
JP2020521637A
JP2020521637A JP2019564943A JP2019564943A JP2020521637A JP 2020521637 A JP2020521637 A JP 2020521637A JP 2019564943 A JP2019564943 A JP 2019564943A JP 2019564943 A JP2019564943 A JP 2019564943A JP 2020521637 A JP2020521637 A JP 2020521637A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
casting
metal
coil
electromagnetic field
current
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2019564943A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2020521637A5 (ja
Inventor
ロバート フリッチュ
ロバート フリッチュ
Original Assignee
パイロテック インコーポレイテッド
パイロテック インコーポレイテッド
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by パイロテック インコーポレイテッド, パイロテック インコーポレイテッド filed Critical パイロテック インコーポレイテッド
Publication of JP2020521637A publication Critical patent/JP2020521637A/ja
Publication of JP2020521637A5 publication Critical patent/JP2020521637A5/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B22CASTING; POWDER METALLURGY
    • B22DCASTING OF METALS; CASTING OF OTHER SUBSTANCES BY THE SAME PROCESSES OR DEVICES
    • B22D11/00Continuous casting of metals, i.e. casting in indefinite lengths
    • B22D11/10Supplying or treating molten metal
    • B22D11/11Treating the molten metal
    • B22D11/114Treating the molten metal by using agitating or vibrating means
    • B22D11/115Treating the molten metal by using agitating or vibrating means by using magnetic fields
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B22CASTING; POWDER METALLURGY
    • B22DCASTING OF METALS; CASTING OF OTHER SUBSTANCES BY THE SAME PROCESSES OR DEVICES
    • B22D11/00Continuous casting of metals, i.e. casting in indefinite lengths
    • B22D11/001Continuous casting of metals, i.e. casting in indefinite lengths of specific alloys
    • B22D11/003Aluminium alloys
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B22CASTING; POWDER METALLURGY
    • B22DCASTING OF METALS; CASTING OF OTHER SUBSTANCES BY THE SAME PROCESSES OR DEVICES
    • B22D11/00Continuous casting of metals, i.e. casting in indefinite lengths
    • B22D11/16Controlling or regulating processes or operations
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B22CASTING; POWDER METALLURGY
    • B22DCASTING OF METALS; CASTING OF OTHER SUBSTANCES BY THE SAME PROCESSES OR DEVICES
    • B22D27/00Treating the metal in the mould while it is molten or ductile ; Pressure or vacuum casting
    • B22D27/02Use of electric or magnetic effects

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Continuous Casting (AREA)
  • Manufacture And Refinement Of Metals (AREA)
  • General Induction Heating (AREA)

Abstract

鋳造中の軽金属の電磁微細化方法が提供される。この方法は、凝固中、低周波誘導コイルで単相の弱い定常場を金属にかけるステップを含む。

Description

例示の本実施形態は、金属鋳物、例えば、アルミニウム、マグネシウムおよびチタンならびにこれらの合金を含む軽金属で形成された金属鋳物のミクロ構造を微細化する方法に関する。本明細書において詳細に説明する電磁鋳造法は、主として、軽金属を含む鋳物向きに設計されていることを特徴とする。
〔関連出願の参照〕
本願は、2017年5月24日に出願された米国特許仮出願第62/510,472号の権益主張出願であり、この米国特許仮出願を参照により引用し、その開示内容を本明細書の一部とする。
金属の鋳物は、最も古い製造方法のうちの1つであり、この場合、液体金属が部品を製造するためにモールド(鋳型)中に注ぎ込まれる。伝統的な鋳造では、金属を永続的なまたは非永続的なモールド中に注ぎ込み、このモールドは、閉じ込められたガスが逃げるとともに液体金属がモールドを完全に満たすのに十分な圧力を計算に入れたランナまたはゲート動作システムおよびライザを含む。
成形された金属のミクロ構造および物理的性質に種々の処理法を用いて凝固プロセス中に影響を及ぼすことができる。普及している手法は、鋳造用モールドを冷却システム、例えば、熱エネルギーをモールドから奪って凝固プロセスの速度を増大させるために直接チル(Direct Chill:DC)鋳造方式、永続的な能動的/受動的冷却モールドその他で冷却することである。凝固速度は、結晶化速度を増大させることによってミクロ構造に影響を及ぼし、結晶化速度は、結晶粒が成長する時間を制限し、それにより良好な物理的性質を備えたより微細なミクロ構造を生じさせる。
ミクロ構造を促進する別の手法は、結晶成長抑制剤(grain refiners)を鋳造に先立って金属に添加することである。結晶成長抑制剤は、核形成結晶粒として働くことができ、核の数を増大させるとともに凝固中、多数の結晶を形成し、かかる多数の結晶は、成長するためのスペースを狭くする。このように、より微細な結晶粒構造を完成鋳物中に達成することができる。残念ながら、結晶成長抑制剤は、ある特定の用途では有害である場合がある。
鋳造技術はまた、鋳造中の金属の塊を封入するための電磁場の使用を想定している。仏国特許第1509962号明細書から、鋼またはアルミニウムインゴットを電磁鋳造法によって製造することができるということが知られており、この仏国特許を参照により引用し、その記載内容を本明細書の一部とする。開示された手順は、アンギュラーインダクタ(angular inductor)によって交流電磁場を溶融状態にある金属柱周りに生じさせるステップを含む。磁場は、溶融金属が広がるのを阻止するよう主要鋳造領域内に電磁圧力を生じさせる手段となり、かくして、ある特定の幾何学的形状を金属に与える。このように閉じ込められた金属が適当な冷却剤による冷却効果を受けると、この金属は、凝固し、磁場によって与えられた形態を取る。従来型鋳造法とは異なり、凝固は、モールドの壁と接触した状態では起こらず、固体材料との接触部があればこの外側で起こる。かかる周囲環境下において、製造された物品は、一般に、良好な表面状態を有するとともに幾つかの場合においては特定の表面処理、例えば、スカルピング(scalping)作業に頼る必要なく、寸法変換作業で直接使用できるインゴットである。有利には、低温るつぼおよび/または無接触凝固システムが高純度金属検査および製造用に適した優れた化学的清浄さをもたらすことができる。当然のことながら、これには、極めて高いエネルギープロセスが必要である。例えば、液体金属は、一般に500〜5000Hzの周波数で交流電流が供給される環状インダクタによって生じる電磁場をかけることによって閉じ込め状態に保持される。これらプロセスには、これらプロセスが一般的には大規模工業用途に適してはいないバッチプロセスであるという欠点がある。
米国特許第3,985,179号明細書(この米国特許を参照により引用し、その開示内容を本明細書の一部とする)において、グッドリッチ等(Goodrich et al. )は、電磁鋳造装置を用いた方法を開示しており、この方法では、リング形インダクタが軽金属用のインダクタ内の溶融金属の形状を効果的に制御するためにインダクタの頂部に向かって強度が減少した磁束密度を有する電磁場を生じさせる。米国特許第4,004,631号明細書(この米国特許を参照により引用し、その開示内容を本明細書の一部とする)では、冷却ジャケットが追加された。グッドリッチは、この技術を用いて電磁力によって凝固中の金属の形状を制御して耐火材に対する摩耗を減少させ、それゆえにこれらの寿命を延ばしている。溶融金属がインダクタの内周領域に供給されると、電磁場と溶融金属中に誘起される渦電流の相互作用により、電磁力が生じ、かかる電磁力は、凝固中の金属の断面形状をインダクトと同一の全体的形状に合わせて制御する。電磁場によって生じる半径方向力成分は、溶融金属の相当大きな側方運動を阻止し、かくして溶融金属とインダクタとの無接触を可能にする。
電磁場を用いてアルミニウム合金の鋳造中にビレットまたはスラブの形状を制御することが米国特許第4,307,772号明細書(この米国特許を参照により引用し、その開示内容を本明細書の一部とする)および米国再発行特許第32,529号明細書(この再発行特許を参照により引用し、その開示内容を本明細書の一部とする)に示されている。ハル等(Hull et al. )は、米国特許第4,741,383号明細書(この米国特許を参照により引用し、その開示内容を本明細書の一部とする)に記載されているように、電磁空中浮揚法を用いて、薄板の水平鋳造の可能性を示している。これらの技術の各々は、渦電流およびローレンツ力の誘導によって鋳物の形状を維持するためにハイパワー交流電磁場を用いている。
凝固中における電磁撹拌を1980年代後期にチャールズ・ヴィヴェス(Charles Vives)により開発されたCREM(鋳造、微細化、電磁)プロセスによって展伸用直接チル(DC)鋳造に展伸用合金の鋳物に利用した。米国特許第4,530,404号明細書(この米国特許を参照により引用し、その開示内容を本明細書の一部とする)において、ヴィヴェスは、金属の構造に対する電磁場の作用効果を説明している。この特許文献の記載の開示内において、ヴィヴェスは、ミクロ構造に対する交流電流周波数の作用効果および液体金属の撹拌効果を説明している。ヴィヴェスは、攪拌器への電力入力を増大させると、インゴット中のその後の結晶粒度が減少したことを教示している。幾つかの合金では、結晶粒微細化母合金の使用と関連した結晶粒度よりも小さい結晶粒度が得られた。
ラジャイ等(Radjai et al.)は、DC磁石およびAC電流を用いてMg、Alおよびねずみ鋳鉄を首尾良く微細化した。ミズタニ等(Mizutani et al.)は、Al合金およびバルク金属ガラスの結晶粒微細化のための類似の方法を採用した。グリニッジ大学およびヴァルディス・ボハルビッチ(Valdis Bojarevics)(2015〜2016)論文は、高周波および浸漬コイルを用いてEM振動による超音波微細化を記載している。
米国特許第3,985,179号明細書 米国特許第4,004,631号明細書 米国特許第4,307,772号明細書 米国再発行特許第32,529号明細書 米国特許第4,741,383号明細書 米国特許第4,530,404号明細書
グリニッジ大学およびヴァルディス・ボハルビッチ(Valdis Bojarevics)(2015〜2016)論文
しかしながら、これら特許文献は全て、極めて高い磁場強度で多相方式および少なくとも50Hzの周波数を用いた大きな力による方式を教示している。したがって、諸研究の関心は全て、EM場の方向に集まっている。本開示内容、すなわち本発明は、これに代えて、単相の比較的低い可変力および可変低周波方式を想定している。さらに、微少運動、共鳴効果を用い、運動エネルギーを増大させ、核形成結晶粒の限界半径を変更し、そして相当な誘導加熱による大規模なバルクフローを誘導するのではなく、成長中のDAS構造の擾乱を起こすことが予期せぬ利益をもたらすことが判明した。
一実施形態によれば、金属の電磁鋳造方法が提供される。この方法は、凝固中における溶融金属に対する閉じ込め電磁場を採用している。この方法は、単相定常場をかけるステップをさらに含み、この定常場は、金属の一方の側部にのみまたは2つの側部に配置された低周波誘導コイルによってかけられる。
低周波誘導コイルがほぼ0.1Hzから240Hzまでの範囲、または0.1Hzから120Hzの範囲で動作することが想定される。さらに、本方法は、関連の鋳造テーブルの垂直の向きと整列した垂直軸線を有するコイルを使用する場合のあることが想定される。関連の電磁場が鋳物の全ての区分に浸透してこれら全ての区分中に電流を生じさせることができるように形作られるとともに寸法決めされたコイルを提供することが望ましい場合がある。単一コイルだけを使用することが望ましい場合がある。
また、電磁場が(a)2テスラ未満もしくは1テスラ未満もしくは0.5テスラ未満、および(b)6〜60Hzのうちの少なくとも一方を満たすことが望ましい。ある特定の実施形態では、コイルは、500アンペア未満もしくは250アンペア未満もしくは0.8kA未満の電力で動作する。例えば、100ミリテスラの電磁場(フィールド)で500アンペア未満で動作するシングルプレート30ターンコイルが適当な場合がある。
本発明は、凝固プロセス中(オプションとして、金属相に依存する)電力、電流および/または周波数の調整をさらに想定している。
第1の代表的な電磁ダイカスト形態の略図である。 第2の代表的な電磁ダイカスト形態の略図である。 第3の代表的な電磁ダイカスト形態の略図である。 図3の形態の断面平面図である。 図3の形態の断面側面図である。 第4の代表的な電磁ダイカスト形態の略図である。 丸形単一コイルの斜視図である。 丸形二重コイルの平面図である。 パンケーキ形コイル検査セットアップの略図である。 丸形コイル検査セットアップの略図である。 代表的なEM振動モデルの略図である。 代表的なEM連続鋳造振動モデルの略図である。 代表的な強力EM振動モデルの略図である。 代表的な強力EM振動連続鋳造モデルの略図である。 EM圧力モデルの略図である。
本明細書で用いられる「電磁凝固」という用語は、交流または静磁場への暴露中に凝固温度でまたはこれ以下の温度での金属または金属合金の凝固を意味している。
本明細書で用いられる「電磁微細化」という用語は、運動エネルギーおよび熱エネルギーを導入して鋳物のミクロ構造を微細化することによって、凝固プロセスに対する電磁場の作用効果を意味している。
本発明の一目的は、アルミニウムの鋳造および凝固中に電磁場をかけてミクロ構造を微細化し、鋳物の機械的安定性の直接的な向上を得ることにある。これを達成するため、関連の影響付与変数および独立入力変数の作用効果を評価した。
一実施形態では、単相を用いると、誘導されたローレンツ力および渦電流の制御具合が向上することが判明した。このように、本方法は、金属中に相当高い速度を生じさせない(撹拌の限定)。単相は、巨大なコイルパックを備えず、取り扱うべき磁場および強力な流れ場を移動しないで関心のある部分/体積のところにEM束の実現を可能にする。また、単相は、可変周波数によるコイル、モールドおよび凝固速度の設計を可能にし、可変周波数による凝固フロントのところの大電流密度を与え、そしてそれほどの混合なしに凝固フロントのところの大電流密度を与える。可変性は、固体および液体アルミニウムの導電率がかなり異なるので有利である。
本発明の重要な設計パラメータとしては、電力、電磁場および幾何学的形状が挙げられる。速度または振動が凝固中の金属のミクロ構造に影響を及ぼすという証拠が存在するので、この影響を変更するパラメータは、次の3つのグループに分けられる。
・電力:これは、電流、電圧、力率、キャパシタ要件、コイルのインダクタンスおよび抵抗、冷却要件、コイル形状および幾何学的配置ならびに遮蔽材を含む。
・電磁場:これは、周波数、相アーキテクチャ、コイルの位置、るつぼの幾何学的形状および素材、使用される合金、コイル形状および幾何学的配置ならびに遮蔽材を含む。
・幾何学的配置:これは、るつぼの幾何学的配置および素材、壁厚、鋳物形状、制御冷却のための被膜(高いまたは低い熱伝導率を有する)を含む。
積極的な副次的作用効果として、ポロシティの減少、マクロセグリゲーションの減少、化学的組成の均一性、および微細化されたミクロ構造を見込むことができる。
アルミニウムおよびその合金は、自動車部品の製造について第1選択肢である。互いに異なる製造業者は、種々の鋳造方法を用いて鋳造物、例えば、エンジンブロックおよびシリンダヘッドを製作している。最も一般的な方法は、ダイカスト、精密サンド鋳造、ロストフォーム鋳造、およびインベストメント鋳造である。これら鋳造法を直接チル(DC)鋳造、加圧鋳造(低圧および高圧鋳造としての逆圧鋳造PCP)および改良型鋳造として実施できる。鋳造ハウス内の一般的に用いられている1つのアルミニウム合金は、アルミニウム‐珪素合金であり、これは、良好な流動性、強度、延性、良好な耐摩耗性、および良好な耐腐食性を提供する。
本発明は、アルミニウム合金に特に有用である。特に、アルミニウム合金は、「マッシー(mushy )」なゾーンが凝固フロントに沿って起こる凝固プロセスに用いられる。本発明の低電力単相システムは、凝固フロントに沿う大きな樹枝状晶(デンドライト)の局所化振動および破断を生じさせるのにちょうど足るほどのEM束を生じさせる。この点に関し、しかも固体金属がEMエネルギーの良好な導体であることを認識して、インダクタコイルへの電力を鋳造装置内の任意の場所に位置する金属がその凝固温度(例えば、アルミニウム合金については550℃〜660℃)に達したときに減少させることができる。さらに、コイルへの電力を鋳物中の凝固金属の量に見合って連続的に減少させることが想定される。
アルミニウム合金の耐疲労性および信頼性は、鋳造方法によって直接的に影響を受ける。疲労を変える欠陥は、収縮または気体に起因した第1の細孔、第2の外成含有物および/または第二相粒子、例えば、中間含有物および沈澱物である。これら障害物/欠陥/沈澱物の分布状態およびサイズは、化学的組成、鋳物の幾何学的形状によってもたらされ、この場合、伝統的な鋳造は、凝固速度および鋳造圧力を変更することによってこれらの効果を変える。
疲れ亀裂が既存の欠陥から核形成して成長する。鋳物のミクロ構造の微細化、例えば、二次樹枝状晶アームスペーシング(枝間隔とも言う)は、伝統的に、金属内および凝固段階中におけるモールド内の熱伝達率に依存している。
ミクロ構造の微細化はまた、外力によっても生じる場合がある。アルミニウムの凝固中における流体流れの役割は、複雑でありかつ重要な主題である。ミクロ構造とマクロ構造の両方およびミクロセグリゲーションとマクロセグリゲーションの両方が影響を受ける。流体流の源は、自然対流と強制対流のいずれであっても良い。自然対流は、温度および/または化学的組成の差に起因して凝固プロセス中に生じる密度および熱エネルギーの変化によって駆動され、他方、強制対流は、機械的または電磁的撹拌に起因して生じる場合がある。流体流は、半固体金属のバルク液体と液体部分の両方中に生じる場合がある。
電磁気力は、自然に存在する4つの基本的な相互作用のうちの1つである。電磁気力の着目点は、粒子と電荷の相互作用に基づいている。システムが電流の変化にさらされると、磁束が誘起される。磁束と電流は、比例関係にある。これは、アンペア回路の法則によって定められている。
磁束内に位置する反力を定めることができるようにするために、ファラデーの法則を利用することができ、このファラデーの法則は、磁場の変化の速度に等しい電場のカールとして定められる。磁束は、印加される電流の周波数および大きさならびに用いられる誘導装置の種類で決まる。電流密度Jおよび磁束Bを知ると、単純な方程式、すなわちFL=J×Bを用いることによって反力Fを求めることができる。反力FLは、ローレンツ力と呼ばれ、これは、流体に作用する体積力である。
印加される電流が時間につれて変化するので、周波数によって与えられるサイクルの数で振動すると、ローレンツ力もまた、電流の周波数と同じほど多くその方向を2回変化させる。
EM撹拌は、直線誘導機(LM)撹拌に分類されるのが良く、電流の第二〜第三相は、液体内の強力な方向づけられた推進力を生じさせる移動磁場を誘起する。弱い撹拌が単相電流を液体金属の近くでインダクタに印加した場合に生じ、それにより磁束が液体金属を貫通して移動することができる。磁束は、影響を受けた領域内で金属を循環させる主要な流れ場を依然として誘起し、低い速度は、主として、強い電気機械的振動を発生させる。一般に、影響を受けた領域中のEM束のパワーは、金属鋳物中の抗力によりバルク流れを生じさせるレベル未満であるはずである。
電磁場の作用効果は、凝固の初期の段階中にかけられた場合に最も効率が高いと言える。理論に束縛されるわけではないが、金属柱の追加の運動エネルギーは、高い核形成速度および結晶成長抑制を招く核形成のための臨界半径を減少させることによって核形成を助けるが、凝固中、構造的な樹枝状晶アームスペーシング(DAS)成長を形成する成長中の樹枝状晶を乱すと考えられる。これにより、凝固フロントの近傍内での追加の核形成結晶粒が生じる。二次DASは、EM振動および凝固フロントのところの誘起された速度勾配によって部分的に抑制されると見込まれる。
電磁改造型鋳造(EMC)および電磁改造型微細化(EMR)の概念は、EM撹拌効果の利用を具体化するだけでなく、凝固中におけるアルミニウムの誘起バルク流れ、電気機械的振動、電磁圧力および導電率の変化の組み合わせ効果に基づいている。凝固したアルミニウムは、高い導電率を有するので、電流は、凝固フロントの固体フラクションおよびすでに凝固した金属に沿って伝わる方を好む。電流は、次に、凝固中の金属の固体フラクション内にEM場を誘起させる。これらのEM場は、ローレンツ力、およびそれゆえに凝固フロントのところに振動を誘起させ、かかるローレンツ力および振動は、EM圧力を誘起させて樹枝状晶を乱してこれを破断させ(切れぎれのデンドライトが核形成部位として働く場合がある)、それにより転位を形成する成長中の結晶粒および結晶粒境界部内のエネルギーを増大させ、核形成部位を生じさせ、その結果、結晶粒度、樹枝状晶アームスペーシング(DAS)を減少させるとともに二次樹枝状晶アームスペーシング(SDAS)を抑制する。加うるに、樹枝状晶構造を凝固中の結晶粒から外すとともにこれらをメルト内で希釈することにより、核形成部位/結晶粒として働く粒子が生じる可能性がある。
AC電流の単相を用いることによって、定常状態条件が印加されるあらゆる周波数について現れることができる。相を変化させるとともに/あるいはインダクタの設計/最適化を行うことにより、振動および流れパターンを変更することができる。凝固段階中における凝固中のかつマッシーな金属との相互作用は、鋳物内の凝固の段階に応じて周波数および電流を増減することによって調節できる。この点に関し、周波数が金属凝固中に(減少する)プロセスは、有益な場合がある。同様に、電流が凝固中に(増大する)プロセスは、有益な場合がある。
導電率は、金属の状態に強く依存している。液体アルミニウムの導電率は、用いられる金属の純度および合金要素の量に応じて、固体アルミニウムの導電率よりも約30%低い。換言すると、電流は、最小抵抗経路を選択し、そして主としてアルミニウムの凝固区分内を流れる。純Alは、25℃で36.9マイクロSi/mの導電率を有し、この導電率は、650℃で9.4マイクロSi/mまで減少し、液体であるとき、この導電率は、4.1マイクロSi/mまで劇的に減少する。これは、固体時に対して約44%の導電率である。
既存の技術文献は、DASおよびSDASを減少させるために凝固時間の短縮に焦点を当てている。微細な樹枝状晶構造および減少したDASは、ミクロセグリゲーションの短い周期性をもたらす。超音波振動および電磁振動がDASおよびSDASを細かい構造に向かって変更するという説得力のある証拠が存在する。
電磁束により誘起される起電力を強力な振動および速度勾配として経験することができる。起電力は、インダクタ幾何学的形状および電流の相に応じて一方向に勝ることによって抗力を生じさせる。電流の分極の印加周波数によって定められる浸透深さは、EF束が金属内で相互作用する深さを定め、振動および速度を体積内に誘起させる。
本発明は、一般に1〜2テスラのマックスBフィールドをもたらすACフィールド設計を想定している。AC電流のためのコネクタは、互いに異なる導電性形式の金属、例えば、鋼または銅から選択されるのが良い。この設計は、AC電流供給源のための指定されたモールド区分および/またはコネクタとしての銅フィンガを含むのが良い。単相AC電流方式の単一または二重プレート型インダクタコイルが採用されることが想定される。例示の電流は、約400Aの範囲内にあるのが良い。例示のDC場は、約0.5テスラのオーダーであるのが良い。
誘導装置を用いることによってEMCを達成することができ、この誘導装置は、液体金属柱に浸透する交流電流(AC)EM束を用いる。印加される周波数および印加される電流の場強度を変更することによって浸透深さを調節することができる。束が浸透すると、束は、導電性媒体と相互作用して反作用電流(抵抗力)を誘起し、この反作用電流は、ローレンツ力を誘起させて抗力を生じさせる。EM束があらゆる相に関して常時閉ループであることを想起すると、ローレンツ力は、互いに交互の方向に2回誘起される。起電力は、金属内に速度および振動を開始させる。
一実施形態では、コイルは、有利には、ローレンツ力を生じさせるために位置決めされ、かかるローレンツ力は、印加される周波数および電流につれて変化する凝固中の金属が微細化作用を促進するように作用する。いったん凝固すると、鋳物のミクロ構造は、コイルに及ぼされた物理的性質に応じて微細化される。鋳造では、電磁鋳造後に必要な事後処理が少なく、それにより明らかな経済的利点が得られる。
鋳物周りに空間が欠乏していること、水が液体アルミニウムに近接して位置している場合の安全性の問題および同一のコイルを用いている間に鋳造を変化させることができることに起因して、磁束が「トップダウン」または「ボトムアップ」に進むコイルの幾何学的形状が実行可能なオプションである。鋳造テーブルの蓋内に位置するコイルは、コイルの幾何学的形状および遮蔽材が空間内において制限されるが鋳物の近くに位置する別の実行可能な例である。
詳細なコイル設計に関する検討事項を参照すると、思い出されるべきこととして、同一の相で同一の電流を流し、例えば、パンケーキ形コイル内で起こる互いに平行な電線は、互いに対して強力な引き付け力を生じさせる一方で、相および幾何学的形状に応じてパンケーキの形状に垂直な磁束を生じさせる。しかしながら、パンケーキ形状がこの段落で言及されているが、本発明はまた、例えば、丸形コイル、プレート状コイル、およびソレノイドコイルを想定している。
ことによると、本発明の最も簡単な形態では、低周波誘導コイル(0.1〜120Hz)が鋳物の一方の側に配置され、その軸線は、鋳造るつぼの垂直方向に整列する。コイルは、EM場が凝固プロセスに関して最も低い想定された周波数を用いた場合に鋳物の全ての区分内に浸透して電流をこれら全ての区分内に誘起させることができるような仕方で形作られるとともに位置決めされるのが良い。
変形例として、任意の幾何学的形状のソレノイドまたはインダクタに印加された直流(DC)をターンオンしたりターンオフしたりすることによって、この直流電流は、ACシミュレーションと同様に、インダクタを荷電している間、電流の変化中に磁場を発生させる。これは、パルス幅変調(PWM)と呼ばれている。一例として、DCコイルを単相使用のために利用可能なAC/ACインバータまたはDC/ACインバータからのパルス電流で用いることができるが、さらに例えば、制御可能な速度でパルス化できる標準型DC駆動装置によっても用いることができる。これにより、変化する電流の周波数が課され、他方、分極は、常時同一方向のままであり、それゆえ、コイルは、DC電流を受け、帯電中に磁束を生じさせる。
先に明確に説明したようにEM場の源とは無関係に、本発明の一特徴は、比較的低い電力への凝固中の鋳物の暴露である。これは、本明細書中の幾つかの場所で、凝固中の溶融金属内にバルク流れを生じさせないシステムとして表されている。所望の低電力EM結晶粒微細化プロセスの別の効果が制限されるに過ぎず、もしあったとしても、凝固中における金属鋳物への誘導熱の追加である。さらに、印加される周波数に応じて、システムの要素に供給されるとともに誘電力を発生させるために用いられる電力の10%未満または5%未満または1%未満または1/2%未満がシステムに電力供給して凝固している鋳物中の結晶粒構造を微細化しているときに、熱に変換されることが望ましい場合がある。
本発明の幾つかの概念的アイデアがACおよびDCシステムについて図1〜図4に示されている。
図1では、DC・EMダイカスト装置の略図が金属中に直接印加されるAC電流を用いた状態で示されている。当該技術分野において知られている任意の仕方で封入可能な鋳造用金属、例えば、サンドモールドがDCコイルによって半径方向に境界づけられている(一方の側部または2つの側部に設けられたパンケーキ形インダクタコイルもまた実行可能である)。AC接続部がモールドの各端部のところに設けられている。図2では、DCコイルに代えて1対のDCヘルムホルツコイルが用いられている。
図3〜図5では、鋳造用モールドの一端のところに位置決めされた単一のACプレート形インダクトコイルの略図が示されている。12ターンパンケーキ形コイルは、例えば、1mm壁および14cm0を備えた長方形の6.5mm銅管で形作られている。このコイルを包囲した磁気シールドが設けられるのが良い。ある特定の場合、個々のコイルの周りにスリーブ、例えば、(SiO2)を設けることが望ましい場合がある。
同様な概念が図6に示されており、この概念では、1対のACプレート形インダクタコイルは、軟らかい磁気鉄コアシールド内に互いに対してオフセットしている。これにより、2つの相を備えたAC場が得られる(ラミネーションレッグ上に2つのコイル)。コイルは、2本のレッグの各々上にオーバーラップしており、中心のレッグは、両方のコイルによって包囲されている。これにより、相が印加されると、移動する磁気波が生じる。この概念は、低周波誘起マイナー速度流を含む2つの互いに異なるAC相を提供し、電磁力から結果として生じる結晶粒生成と凝固中、加えられた鋳造合金の分離を減少させるマイナーな撹拌作用(バルク流れ未満)を組み合わせている。
実施例
図7に示されているようなSiO2スリーブを備えた丸形単一コイルを用いて溶融アルミニウムの凝固中に弱い直線EM場を検査した。図7は、16ターンを備えた丸形単一コイルを示している。ある特定の検査では、強力なEM場が図8に示されているようなSiO2を備えた二重丸形コイル(31ターン)を用いて評価された。鋳造用モールドに対するパンケーキ形コイル(例えば、図4および図5)の相対的位置決め状態が図9に示されている。図10は、二重丸形コイル(図示されている)および単一丸形コイルに用いられた検査セットアップの略図である。
コイルの電気絶縁および物理的健全性がガラス繊維スリーブ(SiO2)および耐熱ガラス繊維テープによって提供された。繊維テープ、エポキシ樹脂、Si‐ポリマーゴム、または他の補助的材料の利用もまた想定される。コイルは、熱を渦電流から奪い去るとともにコイルの抵抗熱および放射熱を高温金属から奪い去るために水冷方式であった(本発明はまた、グリコール、二相油およびフォグコーティングまたは冷却のための代替手段を想定している)。
単一コイル、二重コイルおよびパンケーキ形コイルの例示の寸法が以下の表に提供されている。
るつぼの外側半径は、頂部の直径のところで10cmあり、容量が約0.8Lであった。金属を空気雰囲気を用いる抵抗炉で加熱して溶融させた。凝固を強制せず、るつぼを予熱した。金属温度を抵抗炉内で800℃であるように設定し、そしてコイルに電流供給する前に測定した。
所要の温度に達したとき、るつぼを予熱状態の砂床上に配置した。丸形コイルを用いた試行によりるつぼをコイル内に配置することができ、他方、パンケーキ形コイルをるつぼの頂部上に配置した。
40Vで最高400Aまで与える50Hz単相可変電力供給源によりコイルに電力供給した。純アルミニウムを用いて各コイルを3回評価した。
実験結果の立証するところによれば、7ターンパンケーキ形コイルは、鋳物の中心部中に強力な磁場を発生させることができ、EM束は、振動を発生させるとともにコイルの下で金属を撹拌するのに十分なマイナーな流れ場を誘起させた。サンプル中のピーク速度を壁領域のところで3.4cm/sであると計算した。上方区分内にカールが存在し、このカールは、約2.5cm/sで壁に向かって液体アルミニウムを加速させた。中心部中のカールは、下から上方に動いていた。50Hzという用いられた周波数は、ローレンツ力がるつぼの全深さにわたって及ぶよう約30mmの浸透深さの実現を可能にした。速度を駆動するための磁束密度は、るつぼ内の金属表面のところにほぼ11mTピーク値を有するようモデル化された。
金属の表面上の束に関して種々の遮蔽材料を評価し、その結果は、以下のグラフ図に示されている。
このグラフ図は、右側に向いた矢印に続いて画像の右側に位置する小さなスケッチで示されているようにるつぼの金属レベルの表面のところに磁束密度のr分布状態を示している。互いに異なる線は、互いに異なる材料特性およびEM束密度に対する磁気シールドの作用効果を表している。
金属るつぼの中心のところの磁束強度に対する遮蔽材料の作用効果(z軸は、下に向いた矢印に続いている)が以下のグラフ図に示されている。50Hzの周波数は、約30mmの浸透深さを許容し、ローレンツ力を最初の3つの浸透深さ内でかつるつぼの100mmの全深さのところでのフロッシングのところに生じさせることができるということを証拠づけている。
このグラフ図は、画像の右側のところに位置する小さなスケッチで示されているように、るつぼ内の金属の中心(r=0)のところの磁束密度のz軸分布状態を示しており、この分布状態は、パンケーキ形コイルセットアップを用いて下に向いた矢印がるつぼ磁束密度の中心を反映することによって指示されている。互いに異なる線は互いに異なる材料特性およびz軸のところのEM束に対する磁気シールドの作用効果を表している。
遮蔽材は、束中の有益な増加をもたらすことが判明した。シリコン鋼、例えば、GO(結晶粒配向)3重量%Si、積層または(FM‐B)Si‐Feは、るつぼの中心のところにほぼ250%以上の束を与えた。軟質磁気フェライト系鉄シールドは、180%の余剰の場強度を与え、残りの束は、遮蔽金属の誘導加熱により消散された。
実験例のピーク速度は、壁領域のところで5.9cm/sであると計算された。上方区分中には液体アルミニウムを約4.5cm/sで壁に向かって加速するカールが存在する。中心のカールは、ほぼ同じ速度で下から上方に移動している。定常状態では、るつぼ内の速度は、互いに対向した2つのカールに合わせて均一化し、中心に下向きの流れを誘起するとともに壁領域中に上方の流れを誘起させている。速度を駆動するための磁束密度のピーク値は、るつぼの金属表面のところでほぼ22mTである。
結晶粒構造に対する磁束の衝撃を評価するための別の1組の実験例によれば、100Aで電力供給されたとき、15mTのピーク磁束密度を提供する単一コイル(図7参照)および28mTのピーク磁束密度を提供する二重丸形コイル(図8参照)が図10の形態で評価された。パンケーキ形コイルを電気的に検査した。電気的データが表2に示されている。
単一丸形コイルおよび二重丸形コイルの各々を800℃まで加熱された鋳造用純アルミニウムと関連して検査し、炉から取り出し、砂床内で凝固させた。
結果として得られた鋳物を区分化し、研磨し、エッチングし、そして視覚検査した。未処理のサンプルのアルミニウム結晶粒を裸眼で見つけることができ、と言うのは、結晶粒は、直径が数mmだからである。凝固フロントは、温度勾配を辿って外側シェルから金属サンプルの中心に向かって開始した。樹枝状晶成長構造がサンプルの底部内のガス空所(収縮およびアルミニウムの金属中の水素および他のガスの互いに異なる可溶性から結果として生じる)内で視認可能であった。DASの3D構造を観察し、中空スペース中に成長する対称ピラミッド形組織を表している。
エッチング後の視覚検査により明らかになったこととして、実験プロトコルは、弱い場を凝固中、アルミニウムに印加することによって鋳造アルミニウムミクロ構造を変化させた。丸形単一コイルに100Aで電流共有し、0.48kVarが金属るつぼインターフェースのところに15mTの最大交流磁場を与え、るつぼの中心に向かって指数的に崩壊した。結晶粒構造は、結晶粒構造変化およびEM処置なしの純アルミニウム合金の通常の凝固構造をなくした。DASを中断させたが依然として成長し、他方、小さな結晶粒が観察された。加うるに、ガス空所は、小さくなり、底部から金属サンプルの中心まで動かされたが、このガス空所は、弱い誘導速度場に相関させることができる。空所の表面は、平滑であったが、DASの3D構造は、弱いEM処置なしの同等なサンプルと比較して小さい。
検査された最も強い磁場を二重コイルによって発生させた。800℃高温金属充填るつぼをコイル内に配置した後に丸形二重コイルに電力供給した。励起電流は、1.1kVarで100Aであったが、これは、金属るつぼインターフェースのところに28mTの最大交流磁場を与えた。鋳造アルミニウムの視覚検査は、特に鋳物の下側区分のところに微細化された結晶粒構造を示した。ガス空所は、金属鋳物の底部から頂部まで動き、表面と結合し、そしてガスを凝固および収縮中、除去することができた。
検査の示唆することによれば、0.8Lサイズのるつぼに関して15mTから28mTまでの範囲内で単相AC誘導コイルにより生じた可変磁場は、非常に有益である。さらに、浸透深さは、EM振動が凝固構造に寄与することができるのに十分であるように思われる。一般的に言えば、テスラで表される磁場は、鋳造中の金属と印加されるEM場との間で可能な相対相互作用を表し、他方、印加中の周波数は、影響を受ける鋳造中の金属の体積を表している。広義に言えば、代表的な鋳物、例えば、エンジンブロックに関し、15mTから1Tまでの範囲にあり、例えば、200mTの可変磁場は、有益であると言え、鋳物、例えば、ホイールに関し、5mTから250mTまでの範囲にあり、例えば、60mTとしての可変磁場が有益であると言える。
本実験例は、マイナーな誘起速度が有益であり、それにより金属が凝固温度を著しく下げることなく凝固することができるということをさらに実証している。800℃の鋳物内のかつ約0cm/s以上から12cm/sまでの範囲にあるアルミニウム合金の下に位置する速度は、用いられる幾何学的形状および合金に応じて望ましいと言える。単一コイルは、るつぼ表面のところに約4cm/sの最大速度を実証した。二重コイルは、8cm/sから10cm/sまでの範囲にあるるつぼ表面速度を提供した。
1つの単一誘導システムを見たときおよび周波数を減少させたとき、磁場強度もまた減少し、と言うのは、時間当たりの電流の変化が少ないからである。それにもかかわらず、EM浸透深さは、増大し、それにより磁束と金属の相互作用が起こることができる体積を増大させる。それゆえ、低周波は、体積を増大させ、他方、低周波は、この体積に全体にわたって力の分布を減少させる。本発明の1つの興味観点は、導電率のばらつき、凝固中、電流が最も低い抵抗経路を流れる浸透深さの変化および渦電流の発生の変化が存在することにある。理論によって束縛されるわけではないが、エネルギーを興味のある領域に集中させるために凝固全体を通じて電力および/または周波数を変化させることによって、EM相互作用は、バルク流れなしでミクロ構造の微細化を支持することができると考えられる。
本発明は、幾つかのEM鋳造形態を想定している。開示するシステムは、EM振動を単独でまたはEM圧力速度の組み合わせで提供するようになっている。これらシステムは、凝固プロセス全体を通じて可変周波数を提供する能力を有するのが良く、その結果、周波数および/または強度を金属導電率および合金組成に基づいて変更するようになっている。これにより、システムをEM振動および主として凝固フロントのところのEM圧力を誘起させるよう個別調整することができる。本発明は、凝固中、鋳物内の関心のある領域、例えば、移動中の凝固フロントのところにローレンツ力をもたらすために互いに異なるコイルに印加されるACおよびDC電流の組み合わせ使用をさらに想定している。
次に図11を参照すると、EM振動鋳造モデルが示されている。この形態では、AC/DCコイルが鋳物の頂部領域と底部領域のところに設けられている。電流出口が鋳物の頂面に設けられ、電流入口が鋳物の底面に設けられている。この実施形態は、コイルが極めて低い周波数またはDCの状態にあるのが良いので、大きな利用幾何学的形状の利点をもたらし、最大浸透深さ(B)を与え、他方、AC電流は、鋳物(J)に直接印加され、最も大きな電流が通過する領域のところに公式FL=J×Bによってローレンツ力を発生させる。電流は、液体から固体までの金属内の導電率の差に起因して、磁界と同一の金属の固体フラクションを好む。これは、成長中のDASおよびSDAS内にローレンツ力を誘起させるが、凝固フロントのインターフェースのところにもローレンツ力を誘起させる。引き続き図12を参照すると、同様な形態を、例えば、ワイヤ、ロッドおよび/またはチクソ鋳物で採用される連続鋳造法と関連して使用可能である。
次に図13を参照すると、強いEM振動モデルが示されている。この形態では、DC低周波ACコイルが鋳物の頂面および底面に隣接して配置され、AC/DCコイルがDC/低周波ACコイルの中間に配置されている。このモデルは、図11および図12の設計とほぼ同じ利点を提供する。このモデルは、AC場の無接触誘導の追加の利点をもたらし、電流コネクタの摩耗および/または相互作用をさらに減少させる。引き続き図14を参照すると、結晶粒微細化段階として比較的高い生産速度でワイヤおよび/またはロッドの押し出し物、ワイヤ、ロッドは、無接触であり、したがって、摩耗がない。注目されるべきこととして、3つで1組のコイルが示されているが、商用実施形態は、製造に適した設計を作る類似の構成を用いて形成できる数個以上(例えば、10個までのコイルまたはそれ以上)および/またはチクソ鋳物を含むのが良い。事実、注目されるべきこととして、本明細書において開示するコイル形態のうちの任意のものは、単一モールドと連続鋳造法の両方に適していると考えられる。
次に図15を参照すると、EM圧力モデルが示されている。特に、逆加圧モールドが第1のDCまたは低周波ACコイルおよびACコイルと組み合わせて採用されている。これは、自動車用リム、ピストン、半鍛造高品質部品、または他の高品質の要求の多い製品向きに使用される標準型CPC(逆圧鋳造)またはPCP(加圧鋳造法)の略図である。圧力は、通常、金属浴内の機械式ポンプによってかつ/あるいはモールド内の真空(逆圧鋳造)によって作られる。誘導コイルは、結晶粒構造、マクロセグリゲーションおよび均一性を高めることができ、他方、加圧鋳造は、収縮度およびポロシティを一段と減少させている。
好ましい実施形態を参照して例示の実施形態を説明した。明らかなこととして、先の詳細な説明を読んで理解すると、改造および変形が他者に想到されよう。例示の実施形態は、かかる全ての改造および変形が特許請求の範囲に記載された本発明の範囲またはその均等範囲に属する限り、かかる全ての変形および改造を含むものとして解されるべきである。

Claims (24)

  1. 鋳造中の金属の電磁微細化方法であって、電磁閉じ込め場が溶融金属に対して凝固中に作用し、前記方法が、単相磁場を前記金属にかけるステップを含み、前記単相磁場は、前記金属の一方の側にのみ配置された低周波誘導コイルによってかけられる、方法。
  2. 前記低周波は、0.1〜120Hzである、請求項1記載の方法。
  3. 前記低周波は、準正弦波(quasi-sinusoidal)である、請求項2記載の方法。
  4. 前記低周波は、パルスDCである、請求項1記載の方法。
  5. 前記誘導コイルは、関連の前記電磁場が前記鋳物の全ての区分に浸透して該区分中に電流を誘起するよう形作られるとともに位置決めされている、請求項1記載の方法。
  6. 前記電磁場は、2テスラ未満および6〜60Hzのうちの少なくとも一方を満たす、請求項1記載の方法。
  7. 前記誘導コイルは、800アンペア未満の電力で動作する、請求項1記載の方法。
  8. 軽金属の電磁鋳造方法であって、電磁場が溶融金属に対して凝固中に作用し、前記電磁場は、誘導コイルによって提供され、前記誘導コイルは、前記凝固中、約2テスラ未満の電磁場をもたらす、方法。
  9. 印加される電流は、単相の交流電流である、請求項8記載の方法。
  10. 前記誘導コイルは、単層コイルまたは多層コイルである、請求項8記載の方法。
  11. 周波数および/または電力および/または電流は、凝固プロセス中に変更される、請求項8記載の方法。
  12. 印加される周波数は、0.1〜120Hz或いは240Hzである、請求項8記載の方法。
  13. 前記誘導コイルは、関連の前記電磁場が加えられる最も低い周波数について最初の2つの浸透深さ内で前記鋳物の全ての区分中に浸透して該区分中に電流を誘起することができるよう形作られるとともに位置決めされている、請求項8記載の方法。
  14. 前記誘導コイルは、800A未満の電流で動作する、請求項8記載の方法。
  15. 凝固中の前記溶融金属の表面速度は、前記方法の少なくとも一部分の間、約0〜12cm/sである、請求項8記載の方法。
  16. 前記方法は、連続鋳造法である、請求項8記載の方法。
  17. 鋳造中の前記軽金属は、合金から成り、前記電磁場は、前記凝固プロセス中、維持されるが弱められる、請求項8記載の方法。
  18. 前記電磁場は、少なくとも実質的に静止している、請求項8記載の方法。
  19. 前記電磁場は、正弦波または準正弦波である、請求項8記載の方法。
  20. 前記電磁場は、パルスDCである、請求項8記載の方法。
  21. インバータが用いられる、請求項8記載の方法。
  22. 電磁場を生じさせるシステムに供給される電力は、鋳造中の前記金属の温度について10%未満の増大分を生じさせる、請求項8記載の方法。
  23. 前記誘導コイルへの周波数は、凝固中、維持されるが低くされる、請求項8記載の方法。
  24. 前記誘導コイルへの電流は、凝固中、高くされる、請求項8記載の方法。
JP2019564943A 2017-05-24 2018-05-24 電磁金属鋳造法 Pending JP2020521637A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US201762510472P 2017-05-24 2017-05-24
US62/510,472 2017-05-24
PCT/US2018/034389 WO2018218022A1 (en) 2017-05-24 2018-05-24 Electromagnetic modified metal casting process

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2020521637A true JP2020521637A (ja) 2020-07-27
JP2020521637A5 JP2020521637A5 (ja) 2021-07-26

Family

ID=64397057

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019564943A Pending JP2020521637A (ja) 2017-05-24 2018-05-24 電磁金属鋳造法

Country Status (8)

Country Link
US (1) US20210162491A1 (ja)
EP (1) EP3630388A4 (ja)
JP (1) JP2020521637A (ja)
KR (1) KR20200000848A (ja)
CN (1) CN110944769A (ja)
CA (1) CA3064757A1 (ja)
RU (1) RU2019141258A (ja)
WO (1) WO2018218022A1 (ja)

Family Cites Families (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB910900A (en) * 1958-11-24 1962-11-21 Salzgitter Huettenwerk Ag Improvements in or relating to the vacuum degassing of fluid metals
FR2530511B1 (fr) * 1982-07-23 1985-07-05 Cegedur Procede de coulee de metaux dans lequel on fait agir des champs magnetiques
SE470435B (sv) * 1992-08-07 1994-03-07 Asea Brown Boveri Sätt och anordning att omröra en metallsmälta
SE9503898D0 (sv) * 1995-11-06 1995-11-06 Asea Brown Boveri Sätt och anordning vid gjutning av metall
SE512692C2 (sv) * 1998-03-02 2000-05-02 Abb Ab Metod och anordning för kontinuerlig gjutning
CA2325808C (en) * 2000-07-10 2010-01-26 Kawasaki Steel Corporation Method and apparatus for continuous casting of metals
CN1425519A (zh) * 2002-10-25 2003-06-25 东北大学 铝合金低频电磁振荡半连续铸造晶粒细化方法及装置
CN100357047C (zh) * 2005-11-25 2007-12-26 上海大学 钢铸坯电磁振荡细化晶粒的装置
CN101391291B (zh) * 2008-11-05 2010-12-08 江苏大学 一种组合电磁场下原位合成金属基复合材料的方法
CN101391290B (zh) * 2008-11-05 2010-12-08 江苏大学 一种磁场与超声场耦合作用下熔体反应合成金属基复合材料的方法

Also Published As

Publication number Publication date
WO2018218022A1 (en) 2018-11-29
EP3630388A1 (en) 2020-04-08
CA3064757A1 (en) 2018-11-29
KR20200000848A (ko) 2020-01-03
US20210162491A1 (en) 2021-06-03
EP3630388A4 (en) 2020-12-09
RU2019141258A3 (ja) 2021-09-16
CN110944769A (zh) 2020-03-31
RU2019141258A (ru) 2021-06-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Vivès Effects of electromagnetic vibrations on the microstructure of continuously cast aluminium alloys
Guo et al. Microstructural refinement of DC cast AZ80 Mg billets by low frequency electromagnetic vibration
CN107150116B (zh) 一种电磁调控自孕育处理制造大型铸锭的方法
US4523628A (en) Process for casting metals in which magnetic fields are employed
CN104439203B (zh) 磁热复合控制复杂精密或薄壁铸件细晶铸造方法及装置
AU778670B2 (en) Method for vertical continuous casting of metals using electromagnetic fields and casting installation therefor
Tang et al. New method of direct chill casting of Al-6Si-3Cu-Mg semisolid billet by annulus electromagnetic stirring
WO1998030346B1 (en) Process for refining the microstructure of metals
TW372203B (en) Process for refining, by an electromagnetic cavitation effect, the microstructure of metals and alloys charge cast by the "HOT TOP" technique
JP2020521637A (ja) 電磁金属鋳造法
Yan et al. Study on horizontal electromagnetic continuous casting of CuNi10Fe1Mn alloy hollow billets
WO2022181286A1 (ja) 一方向凝固装置及び一方向凝固方法及び一方向凝固鋳物及び一方向凝固インゴット
Musaeva et al. Experimental investigation of Al-alloy directional solidification in pulsed electromagnetic field
CN115026250A (zh) 一种连铸大圆坯末端近液相线电磁搅拌工艺控制方法
JPS58119445A (ja) 銅または銅合金の連続的鋳造方法
Yu et al. A new method of continuous casting of copper billets by a combination of AC current and magnetic fields
Nasresfahani et al. Effects of applied electric current on the tip radius and the universal amplitude coefficient of a single growing dendrite
JP7157295B2 (ja) 一方向凝固装置及び方法
Prodhan Semi-solid processing by electric current during sand casting of aluminium alloys
JP2004042068A (ja) 溶融金属の連続鋳造方法及び連続鋳造装置
Zhao et al. Grain Size and Macrosegregation Control of Large-Sized AA2219 Billets by Internal Electromagnetic Stirring in DC Casting
Cui et al. Electromagnetic stirring and low-frequency electromagnetic vibration
JPH0515949A (ja) 金属の連続鋳造装置および鋳造方法
Bojarevičs et al. Direct chill casting of aluminium alloys under electromagnetic interaction
CN115647335A (zh) 一种多物理场耦合作用的金属凝固装置及方法

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210519

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20210519

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20220513

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220525

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20221219