JP2020521562A - ロボット手術システム用ハンドルアセンブリ - Google Patents
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Abstract
ロボット手術システムは、ロボットアームと、ユーザインターフェースと、を備える。ロボットアームは、間に顎角度を画定する対向する顎部材を含む顎アセンブリを支持する。ユーザインターフェースは、ハンドルアセンブリを含み、ハンドルアセンブリは、本体部分と、本体部分内に配置されたハンドルコントローラと、本体部分に対して移動可能な第1のアクチュエータの開放角度を変更する第1のアクチュエータと、を有する。第1のアクチュエータは、開放角度の関数としての第1のアクチュエータを移動させるために必要とされる力である力プロファイルを有し、顎アセンブリは、開放角度の関数としての顎角度である顎角度プロファイルを有する。【選択図】図4
Description
ロボット手術システムは、低侵襲医療処置で使用されている。そのような医療処置の間、ロボット手術システムは、ユーザインターフェースとインターフェースする外科医によって制御される。ユーザインターフェースは、外科医が、患者に作用するロボットシステムのエンドエフェクタを操作することを可能にする。ユーザインターフェースは、外科医がロボット手術システムを制御するために移動可能なハンドルアセンブリを有する制御アームアセンブリを含む。
ロボットシステムのエンドエフェクタを制御するための改善されたハンドルアセンブリに対する必要性が存在する。
本開示は、概して、臨床医が外科処置中にロボット手術システムのロボットシステムのエンドエフェクタを制御することを可能にするように構成された指コントローラアクチュエータを含むロボット手術システムのユーザインターフェースのハンドルアセンブリに関する。
本開示の一態様では、ロボット手術システムは、ロボットアームと、ユーザインターフェースと、を含む。ロボットアームは、間に顎角度を画定する対向する顎部材を含む顎アセンブリを支持する。ユーザインターフェースは、ハンドルアセンブリを含み、ハンドルアセンブリは、本体部分と、本体部分内に配置されたハンドルコントローラと、本体部分に対して移動可能な第1のアクチュエータの開放角度を変更する第1のアクチュエータと、を有する。第1のアクチュエータは、開放角度の関数としての第1のアクチュエータを移動させるために必要とされる力である力プロファイルを有し、顎アセンブリは、開放角度の関数としての顎角度である顎角度プロファイルを有する。
態様において、顎角度プロファイルは、顎角度曲線を画定し、ハンドルコントローラのマイクロコントローラは、第1のアクチュエータの開放角度をロボットアームに送信して、顎角度曲線に基づいて、顎部材の顎角度における変更をもたらすように構成されている。顎角度曲線は、例えば、第1のアクチュエータの開放角度が減少するにつれて、顎部材の顎角度は減少するように、線形であってもよい。
態様において、力プロファイルは、力曲線を画定し、ハンドルコントローラのマイクロコントローラは、第1のアクチュエータの開放角度を記録し、ハンドルコントローラのモータの動作パラメータを調節して、力曲線に基づいて第1のアクチュエータを作動させるために必要とされる力における変更をもたらすように構成されている。いくつかの態様において、力曲線の一部は、開放角度が減少するにつれて力が増加する負の勾配を有する。ある特定の態様において、力曲線の一部は、第1のアクチュエータの所定の開放角度で正から負の勾配遷移点を有し、これによって、モータは、所定の開放角度で第1のアクチュエータを維持するためのトルクを生成する。
第1のアクチュエータは、開放角度が第1の開放角度である開放位置と、開放角度が第1の開放角度よりも小さい第2の開放角度である閉鎖位置とを有してもよい。いくつかの態様において、力プロファイルは、第1の開放角度と、第1の開放角度よりも小さく、かつ第2の開放角度よりも大きい第3の開放角度との間に画定された第1の領域を有する。顎部材は、完全開放位置および完全閉鎖位置を有してもよい。顎部材は、第1のアクチュエータの開放角度が第1の開放角度にあるときに完全開放位置に配置され、第1のアクチュエータの開放角度が第3の開放角度にあるときに完全閉鎖位置に配置されてもよい。
ある特定の態様において、力プロファイルは、第2の開放角度と第3の開放角度との間に画定された第2の領域を有し、顎部材は、第1のアクチュエータの開放角度が第2の開放角度と第3の開放角度との間にあるときに過閉鎖位置に配置される。特定の態様において、力プロファイルは、第1のアクチュエータの開放角度が第1の開放角度よりも大きい第3の領域を有し、顎部材は、第1のアクチュエータの開放角度が第1の開放角度よりも大きいときに過開放位置に配置される。
力プロファイルの第1の領域は、線形であってもよく、開放角度が第1の領域において減少するにつれて力が増加するような第1の負の勾配を有してもよい。いくつかの態様において、力プロファイルの第2の領域は、線形であり、第1の領域の第1の負の勾配よりも大きい第2の負の勾配を有する。ある特定の態様において、力プロファイルの第3の領域は、線形であり、第1の領域の第1の負の勾配よりも大きい第3の負の勾配を有し、力が第1のアクチュエータに加えられないとき、第1のアクチュエータは、第1の開放角度に向かって付勢される。
第1のアクチュエータが所定の開放角度に移動されるとき、ハンドルコントローラのモータがトルクを生成して、第1のアクチュエータを所定の開放角度で維持するように、第2の領域は、第1のアクチュエータの所定の開放角度におけるトルク遷移点を含んでもよい。
力プロファイルの第1の領域は、非線形であってもよい。いくつかの態様において、第1のアクチュエータが所定の開放角度に移動されるとき、ハンドルコントローラのモータがトルクを生成して、第1のアクチュエータを所定の開放角度で維持するように、力プロファイルの第1の領域は、第1のアクチュエータの所定の開放角度における正から負のトルク遷移点を含む。
他の態様、特徴、および利点は、本明細書、図面、および特許請求の範囲から明らかになるであろう。
本開示の様々な態様を、本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を構成する図面を参照して本明細書において以下に説明する。
ここで本開示の実施形態が図面を参照して詳細に記載され、図面の中で同様の参照番号は、いくつかの図の各々において同一のまたは対応する要素を示す。本明細書に使用される場合、「臨床医」という用語は、医師(例えば、外科医)、看護師、または任意の他の医療提供者を指し、援助要員を含み得る。この説明全体を通して、「近位」という用語は、臨床医により近いシステム、装置、またはその構成要素の一部を指し、「遠位」という用語は、臨床医からより遠いシステム、装置、またはその構成要素の一部を指す。
ここで図1を参照すると、本開示によるロボット手術システム1が示されている。ロボット手術システム1は、ロボットシステム10と、処理ユニット30と、操作コンソールまたはユーザインターフェース40と、を含む。ロボットシステム10は、概して、リンク機構12と、ロボットベース18と、を含む。リンク機構12は、手術部位「S」において患者「P」の組織に作用するように構成されているエンドエフェクタまたはツール20を移動可能に支持する。リンク機構12は、アームを形成してもよく、各アーム12は、ツール20を支持する端部14を有する。加えて、各アーム12の端部14は、手術部位「S」を撮像するための撮像装置16、および/またはアーム12の端部14に支持されるかもしくは取り付けられたツール20(例えば、手術器具の一種)を識別するツール検出システム(図示せず)を含んでもよい。
処理ユニット30は、ロボットシステム10とユーザインターフェース40とを電気的に相互接続して、以下で更に詳細に説明されるように、ユーザインターフェース40とロボットシステム10との間で送信および/もしくは受信された信号を処理ならびに/または発信する。
ユーザインターフェース40は、3次元画像を表示するように構成されている表示装置44を含む。表示装置44は、手術部位「S」の三次元画像を表示し、三次元画像は、アーム12の端部14に位置付けられた撮像装置16によって捕捉されたデータを含み得、および/または手術現場の周りに位置付けられた撮像装置(例えば、手術部位「S」内に位置付けられた撮像装置、患者「P」に隣接して位置付けられた撮像装置、撮像アーム52の遠位端に位置付けられた撮像装置56)によって捕捉されたデータを含み得る。撮像装置(例えば、撮像装置16、56)は、手術部位「S」の視覚画像、赤外線画像、超音波画像、X線画像、熱画像、および/または任意の他の既知のリアルタイム画像を捕捉してもよい。撮像装置16、56は、捕捉し撮像データを処理ユニット30に送信し、処理ユニット30は、撮像データからリアルタイムで手術部位「S」の3次元画像を作成し、表示のための表示装置44に3次元画像を送信する。
ユーザインターフェース40は、臨床医がロボットシステム10を操作する(例えば、アーム12、アーム12の端部14、および/またはツール20を移動させる)ことを可能にする制御アームアセンブリ46を支持する制御アーム42を含む。制御アームアセンブリ46は、処理ユニット30と通信して、処理ユニット30に制御信号を送信し、処理ユニット30からフィードバック信号を受信し、次いで、ロボットシステム10に制御信号を送信し、ロボットシステム10からフィードバック信号を受信して、ロボットシステム10の所望の移動を実行する。
各制御アームアセンブリ46は、制御アーム42に動作可能に結合されたジンバル100と、ジンバル100に動作可能に結合された入力装置またはハンドルアセンブリ200と、を含む。例示的なジンバルの構造および機能の詳細な説明については、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる、2016年6月3日に出願された「CONTROL ARM ASSEMBLIES FOR ROBOTIC SURGICAL SYSTEMS」と題された、共同所有される米国仮特許出願第62/345,505号(「‘505出願」)を参照することができる。
ハンドルアセンブリ200の各々は、「X」、「Y」、および「Z」軸を有する座標系内の所定の作業空間を通じて移動可能であり、ツール20、アーム12、および/またはアーム12の端部14を手術部位「S」内で移動させる。表示装置44上の3次元画像は、ハンドルアセンブリ200の移動の結果としてのジンバル100の移動が、表示装置44上で見られるようにアーム12の端部14を移動させるように配向される。表示装置44上の3次元画像の配向は、患者「P」の上方からの視界に対して鏡映または回転させることができることが理解されよう。加えて、表示装置44上の3次元画像のサイズは、臨床医が手術部位「S」内の構造をより良好に見えるようにするために、手術部位「S」の実際の構造よりも大きくまたは小さくスケール変更され得ることが理解されよう。ハンドルアセンブリの移動のスケール変更の詳細な考察については、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる、2016年12月8日に出願された共同所有される国際出願番号PCT/US16/65588を参照することができる。
ロボット手術システム1の構成および動作の詳細な考察については、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる米国特許第8,828,023号を参照することができる。
ここで図2を参照すると、各制御アームアセンブリ46(図1)のハンドルアセンブリ200は、本体部分210およびグリップ部分220を含む。本体部分210は、ロボットシステム10のツール20(図1)の様々な機能を制御するための複数のアクチュエータ214、216、218を支持するハウジング212を含む。図2に示され、配向されるように、第1のアクチュエータ214は、ハウジング212の外側表面212aに配置され、第2のアクチュエータ216は、ハウジング212の上面212bに配置され、第3のアクチュエータ218は、ハウジング212の底面212cから延在して、トリガーを形成する。アクチュエータ214、216、218が、任意の適切な構成(例えば、パドル、ボタン、ノブ、トグル、スライド、ロッカーなど)を有することができ、かつハンドルアセンブリ200の周りのアクチュエータ214、216、218の配置が、変動し得ることを理解されたい。第1のアクチュエータ214は、指掛け部222と、指掛け部222の上方に延在する(臨床医の手「H」(想像線で示される)の指(例えば、人差し指「I」)を第1のアクチュエータ214に固定するために)ストラップ224とを含むパドルの形態で示される。
各ハンドルアセンブリ200は、臨床医が、ロボットシステム10のアーム12の端部14において支持されたそれぞれのツール20(図1)を操作(例えば、クランプ、把持、発射、開放、閉鎖、回転、スラスト、スライスなど)することを可能にする。例えば、図3に示されるように、ツール20は、ツールシャフト26から延在する対向する顎部材22、24を含む顎アセンブリを有し得る。第1のアクチュエータ214(図2)は、以下で更に詳細に説明されるように、開放構成と閉鎖構成との間でツール20の顎部材22、24を作動させるように構成され得る。第2のアクチュエータ216および第3のアクチュエータ218(図2)は、当業者の範囲内である他の機能の中でも、顎部材22、24の構成を互いに固定し、顎部材22、24をツールシャフト26に対して回転させ、顎部材22、24のうちの1つから締結具(図示せず)を発射し、顎部材22、24のうちの1つの内部に配置されたナイフ(図示せず)を作動させ、電気外科エネルギーが顎部材22、24を介して組織に送出されるように電気外科エネルギー源を作動させるなどのツール20の他の機能をもたらすことができる。
図4に示されるように、モータ232およびマイクロコントローラ234を含むハンドルコントローラ230は、ハンドルアセンブリ200の本体部分210内に配置される。ハンドルコントローラ230は、第1のアクチュエータ214、第2のアクチュエータ216、および/または第3のアクチュエータ218(図2)の作動により起動される。ハンドルコントローラ230は、第1のアクチュエータ214、第2のアクチュエータ216、および/または第3のアクチュエータ218の機械的移動を電気信号に変換し、電気信号は、マイクロコントローラ234に発信され、マイクロコントローラ234は、次いで、第1のアクチュエータ214、第2のアクチュエータ216、および/または第3のアクチュエータ218の位置移動(例えば、角度位置)を記録する。マイクロコントローラ234は、記録された位置移動を処理ユニット30(図1)に送信し、処理ユニット30は、次いで、ロボットシステム10(図1)に電気制御信号を送信して、アーム12および/またはツール20(図1)の機能を作動させる。処理ユニット30はまた、電気信号をハンドルコントローラ230に送信し返して、モータ232の動作パラメータ(複数可)(例えば、電力、速度、および/またはトルク)を調節し得るか、あるいは、マイクロコントローラ234は、第1のアクチュエータ214、第2のアクチュエータ216、および/または第3のアクチュエータ218の位置移動における変化に応答して、モータ232の動作パラメータ(複数可)を調節し得る。ロボットシステム10が、信号を処理ユニット30に、したがってハンドルコントローラ230に発信して、ハンドルアセンブリ200を操作する臨床医にフィードバックを提供し得ることを理解されたい。
第1のアクチュエータ214は、リンク機構アセンブリ240、例えば四節リンク機構によってハンドルコントローラ230に機械的に結合されている。例示的なアクチュエータおよび四節リンク機構の構造ならびに機能の詳細な考察については、その全内容が参照により以前に組み込まれる‘505出願を参照することができる。第1のアクチュエータ214は、近位部分214aと、指掛け部222を含む遠位部分214bと、を含む。図4に示されるように、第1のアクチュエータ214は、第1のアクチュエータ214に力が加えられないときに付勢位置を有し、遠位部分214bは、ハンドルアセンブリ200のハウジング212の外側表面212aから横方向に延在し、近位部分214aは、外側表面212aと面一であるか、または外側表面212a内に配置される。
再び図2を参照すると、臨床医の手「H」の人差し指「I」(想像線で示される)が、第1のアクチュエータ214上に載り、臨床医の手「H」の手のひら(図示せず)が、ハンドルアセンブリ200のグリップ部分220上に載り、臨床医の手「H」の親指「T」および中指「M」が、それぞれ第2のアクチュエータ216および第3のアクチュエータ218を自由に作動させるように、臨床医は、ハンドルアセンブリ200を把持する。臨床医が第1のアクチュエータ214の指掛け部222を押して指掛け部222に力を加えると、第1のアクチュエータ214は、閉鎖位置(第1のアクチュエータ214の遠位部分214b(図4)がハンドルアセンブリ200の本体部分210に向かって移動する)に向かって移動して、ハンドルアセンブリ200により、第1のアクチュエータ214の近位部分214a(図4)が本体部分210から横方向に離れて移動し、上で考察されるように、ハンドルコントローラ230によって電子信号に変換されるリンク機構アセンブリ240の対応する機械的移動が生じる。臨床医が第1のアクチュエータ214から指の力を解放し、かつ/または人差し指「I」を第1のアクチュエータ214から引き離すと、第1のアクチュエータ21は付勢された開放位置に戻る。
臨床医によって第1のアクチュエータ214に加えられる指の力の量は、付勢された開放位置から閉鎖位置に向かって第1のアクチュエータ214を移動させて、互いに対して顎部材22、24(図3)の位置に影響を及ぼす。実施形態では、第1のアクチュエータ214は、付勢位置において、顎部材22、24が完全開放位置にあり、かつハンドルコントローラ230によって測定される際、第1のアクチュエータ214の角度位置または開放角度が約20°であるように構成されている。力が第1のアクチュエータ214に加えられるとき、顎部材22、24は、互いに向かって移動して、完全閉鎖位置に到達する。完全閉鎖位置では、第1のアクチュエータ214の開放角度は、約5°である。
第1のアクチュエータ214の移動は、上述のように臨床医の指の力、ならびにハンドルコントローラ230のモータ232によって生成されたトルクによって制御される。モータトルクは、臨床医の指に対して第1のアクチュエータ214を押すか、または臨床医の指から第1のアクチュエータ214を引き抜き、臨床医が、第1のアクチュエータ214を逆駆動し、入力装置として使用することを可能にする。具体的には、正のトルクは、第1のアクチュエータ214を臨床医の指に向かって押し開き、負のトルクは、第1のアクチュエータ214を閉鎖して臨床医の指から引き離す。
図5を特に参照すると、図2および図3と併せて、第1のアクチュエータの開放角度θの関数としての顎アセンブリ20の顎角度αのグラフが示されている。上で考察され、かつ図5に示されるように、第1のアクチュエータ214が約20°の開放角度θを有するとき、顎部材22、24は完全開放し(例えば、互いに対して0°よりも大きい所定の開放角度で配置され)、第1のアクチュエータ214が約5°の開放角度θを有するとき、顎部材22、24は完全閉鎖される(例えば、互いに対して約0°の角度で配置される)。顎角度曲線は線形であり、これによって、第1のアクチュエータ214の開放角度θにおける変更(例えば、臨床医による第1のアクチュエータ214の移動に起因する)は、顎アセンブリ20の顎角度αにおける対応する正比例の変更を生じる。
ただし、顎角度曲線は、原点で横軸と交差しない。むしろ、第1のアクチュエータ214の開放角度θが約5°であり、かつ顎部材22、24が完全閉鎖位置に配置されている場合、顎角度曲線は横軸と交差する。このような構成は、第1のアクチュエータ214が完全に押される前に、顎部材22、24が完全閉鎖されることを可能にし、例えば、使用中の臨床医の指の少ない疲労をもたらし、また、開放角度θが0°に近づくにつれて、顎部材22、24が過閉鎖することを可能にする(例えば、第1のアクチュエータ214が完全に押される)。顎部材22、24を過閉鎖することは、例えば、硬い組織の収縮または針の駆動などの堅固な保持を必要とする外科的作業を実行するために所望される顎アセンブリ20の把持力を増加させる。同様に、開放角度θが20°超にされるとき、顎部材22、24は過開放する場合がある。顎部材22、24を過開放することは、例えば、組織切開などの顎部材22、24を開放するための追加のトルクを必要とする外科的作業を実行するために所望される顎アセンブリ20の開放力を増大させる。
第1のアクチュエータ214の開放角度θにおける変更に応答して、顎部材22、24の異なる挙動を達成するために、顎角度曲線を修正することができることを理解されたい。例えば、顎角度曲線は、例えば、顎部材22、24が完全閉鎖位置に近づくにつれて顎部材22、24のより良い位置制御を提供するための、第1のアクチュエータ214のより小さい開放角度θで1つ以上の浅い勾配と、顎部材22、24の開放速度を完全開放位置に向けて増加させるための、第1のアクチュエータ214のより大きな開放角度θでの1つ以上のより急な勾配と、を有する非線形曲線であってもよい。別の例として、顎角度曲線は、顎部材22、24を完全開放と完全閉鎖との間にある中間位置に保つ保持領域または戻り止めとして作用する1つ以上の平坦領域を含んでもよい。このような顎角度プロファイルは、例えば、臨床医がクリップを保持してクリップを落とすことを回避したい場合のクリップアプライヤーなどのいくつかのツールタイプに有用である。したがって、顎角度曲線の形状は、ロボット手術システム1と共に利用される異なるツールタイプまたは制御モードに対して異なる場合があると考えられる。
引き続き図5を参照すると、第1のアクチュエータ214の開放角度θの関数としての第1のアクチュエータ214の力Fプロファイルも示されている。上で考察されるように、モータ232によって生成されたトルクは、力Fを発生させ、これに対して、第1のアクチュエータ214は、臨床医によって押し付けられて、第1のアクチュエータ214の開放角度θ、したがって顎部材22、24の間の顎角度αにおける変更をもたらす。力曲線は、それぞれ異なる勾配「S1」、「S2」、および「S3」を有する3つの線形領域「R1」、「R2」、および「R3」を含む。領域「R1」は、顎部材22、24が完全開放位置と完全閉鎖位置との間に配置されている力曲線の一部において画定される。領域「R1」の勾配「S1」は負であり、これにより、第1のアクチュエータ214を閉鎖するために必要とされる力Fが、開放角度θが減少するにつれて増加する。第1のアクチュエータ214の開放角度θが約20°であり、かつ顎部材22、24が完全開放位置に配置されている場合、力曲線は横軸と交差する。このような構成は、臨床医の指が第1のアクチュエータ214から取り除かれるときに、顎部材22、24が、上で詳述した第1のアクチュエータ214の付勢位置に対応する完全開放位置まで開放することは可能にするが、過開放することは可能にしない。
領域「R2」は、顎部材22、24が過閉鎖している力曲線の一部において画定され、領域「R3」は、顎部材22、24が過開放している力曲線の一部において画定される。領域「R2」の勾配「S2」は、領域「R1」の勾配「S1」よりも急であるか、または大きい。したがって、臨床医が第1のアクチュエータ214を押して顎部材22、24を閉鎖するとき、第1のアクチュエータ214が領域「R2」に近づくにつれて、第1のアクチュエータ214を閉鎖するために必要とされる必要な力Fは増加し、次いで、第1のアクチュエータ214における剛性が増加させ、顎部材22、24が過閉鎖領域に入っているか、または入ったという触覚表示を臨床医に提供する。同様に、領域「R3」の勾配「S3」は、領域「R1」の勾配「S1」よりも急であり、顎部材22、24が過開放領域に入っている、または入ったという指示を臨床医に提供する。力Fのすべての値は、領域「R1〜R3」の各々において負であり、そのため、臨床医の指が第1のアクチュエータ214から離れて移動する場合、顎部材22、24は、完全開放位置に移動する。
第1のアクチュエータ214の開放角度θにおける変更に応答して第1のアクチュエータ214の異なる挙動を達成するために、ならびに/または第1のアクチュエータ214、および、次いで、顎部材22、24の異なる所望の特徴を実装するために、力曲線が修正され得ることを理解されたい。したがって、力曲線の形状は、異なるツールタイプまたは制御モードに対して異なる場合があると考えられる。
例えば、図6に示されるように、力曲線は、それぞれ異なる勾配「S1」、「S4」、および「S3」を有する3つの領域「R1」、「R4」、および「R3」を含む。領域「R4」は、非線形であり、第1のアクチュエータ214の開放角度θが0°に近づくにつれて負である勾配「S4」を含む。したがって、臨床医が第1のアクチュエータ214を押して顎部材22、24を過閉鎖し、第1のアクチュエータ214の開放角度θに関連付けられたトルク遷移点「T」に近づくとき、モータ232からの負のトルクは、第1のアクチュエータ214の開放角度θを閉鎖し、次いで、これは、臨床医の指が第1のアクチュエータ214から取り除かれた場合でも、顎部材22、24をスナップさせて過閉鎖位置に留まらせる。このような構成は、臨床医が第1のアクチュエータ214、したがって顎部材22、24を過閉鎖位置に保持するのを補助するために、第1のアクチュエータ214を閉鎖位置に保つ。この挙動は、例えば、縫合などの外科的作業を実行する際に臨床医を補助するものであり、これは、ハンドルアセンブリ200(図1)で複雑かつ器用な操作を実行しながら、顎部材22、24の間に針を堅固に保持することを必要とする。臨床医は、人間工学を改善し、疲労を軽減し、ならびに/またはツール20(図1)の位置および配向の制御を増大することができるこれらの作業中に、第1のアクチュエータ214のグリップを緩めることができる。
顎部材22、24を開放するために、臨床医は、トルクが正の値に切り替わるまで、モータ232の負のトルクに必要以上の動力を与え、かつ第1のアクチュエータ214を開放する。これは、例えば、ストラップなどを使用して第1のアクチュエータを引き離すことによって行われ得る。
第1のアクチュエータ214の力プロファイルFは、領域「R1」および「R3」において図5に示されるように挙動する。例えば、第1のアクチュエータ214の開放角度θが約5°〜20°であり、顎部材22、24が完全開放位置と完全閉鎖位置の間にあるとき、臨床医は、必要に応じて、中間位置(複数可)に顎部材22、24を開閉することができる。
別の例として、図7に示されるように、力曲線またはプロファイルは、3つの領域「R5」、「R2」、および「R3」を含む。第1のアクチュエータ214の力プロファイルFは、領域「R2」および「R3」において図5に示されるように挙動する。領域「R5」(例えば、顎部材22、24が完全開放位置と完全閉鎖位置の間に配置される力曲線の一部)は、第1のアクチュエータ214の対応する開放角度θを保持および維持するように構成されている第1のアクチュエータ214の所定の開放角度θ(したがって、顎アセンブリ20の所定の顎角度α)で画定された複数のトルクウェル「W」を含む非線形領域である。トルクウェル「W」は、正から負のトルク遷移点「P」を画定し、これにより、ハンドルコントローラ230のモータ232は、第1のアクチュエータ214の対応する開放角度θにスナップしてその開放角度θを維持し、これにより、臨床医の指が第1のアクチュエータ214から取り除かれたとしても、顎部材22、24の対応する顎角度αを維持する。使用中、第1のアクチュエータ214は、顎部材22、24が所定の顎角度αで保持されていることを臨床医に警告するための触覚指示(例えば、スナップ)を提供する。アクチュエータ214を移動させるために、臨床医は、第1のアクチュエータ214をトルクウェル「W」に押し込むまたは第1のアクチュエータ214をトルクウェル「W」から引き抜き、顎部材22、24をそれらの全可動域を通して移動させる。
トルクウェル「W」は、ツール20の重要な使用場所に対応し得る。例えば、第1のアクチュエータ214の運動は、ステープラーブレードの前進にマッピングされ得、トルクウェル「W」は、移動の所定の増分(例えば、1cm)を指示する。別の例として、トルクウェル「W」は、臨床医が把持器を用いて把持力をより正確に制御および維持できるように、把持器に対する様々な開放角度を設定するために使用されてもよい。
上記の実施形態が、パドルの形態の第1のアクチュエータの作動による顎アセンブリの顎角度の制御(例えば、第1のアクチュエータの開放角度の関数としての第1のアクチュエータの力プロファイルを調節すること)に関して説明されている一方で、様々なツールおよび/または他のアクチュエータ構成を利用することができることを理解されたい。例えば、アクチュエータは、マイクロコントローラによって測定された位置移動がアクチュエータの並進位置になるように、(例えば、ボタンまたはスライドの形態で)長手方向に並進可能であってもよい。顎角度および力は、アクチュエータの並進位置における変化に基づいて変化するであろう。別の例として、顎角度以外の関数は、アクチュエータの作動(例えば、ブレードの移動)に応答して、変更されてもよい。処理ユニットおよび/またはハンドルコントローラは、ハンドルアセンブリに関連付けられたツールを識別して、ツールとの使用に所望される顎角度および力曲線プロファイルを実装するように構成され得ることを更に理解されたい。
上記で詳述し、図1に示されるように、ユーザインターフェース40は、患者「P」に対して外科処置を実行するためにロボットシステム10と動作可能に通信している。しかしながら、ユーザインターフェース40は、シミュレートされた環境でロボットシステムおよび/またはツールを仮想的に作動させるために手術シミュレータ(図示せず)と動作可能に通信し得ることが想定される。例えば、手術ロボットシステム1は、ユーザインターフェース40がロボットシステム10を作動させるために連結される第1のモードと、ユーザインターフェース40がロボットシステムを仮想的に作動させるために手術シミュレータに連結される第2のモードと、を有し得る。手術シミュレータは、スタンドアロンユニットであっても、または処理ユニット30内に組み込まれてもよい。手術シミュレータは、ユーザインターフェース40を介して、視覚、聴覚、力、および/または触覚フィードバックを臨床医に提供することにより、ユーザインターフェース40とインターフェースする臨床医に仮想的に応答する。例えば、臨床医がハンドルアセンブリ200とインターフェースするとき、手術シミュレータは、シミュレートされた手術部位の組織に仮想的に作用する代表的なツールを移動させる。
本開示のいくつかの実施形態が図面に示されているが、本開示は当該技術分野が許容する広い範囲として捉えられるべきであり、本明細書も同様に読み取られるべきと考えられるので、本開示はこれらの実施形態に限定されるものではないことが意図される。上記の実施形態の任意の組み合わせもまた想定され、これらは、本開示および添付の特許請求の範囲内にある。したがって、上記の説明は、限定として解釈されるべきではなく、特定の実施形態の単なる例示として解釈されるべきである。当業者は、本明細書に添付される特許請求の範囲の範囲内での他の修正を想定するであろう。
Claims (17)
- ロボット手術システムであって、
顎アセンブリを支持するロボットアームであって、前記顎アセンブリが、間に顎角度を画定する対向する顎部材を含む、ロボットアームと、
ハンドルアセンブリを含むユーザインターフェースとを備え、前記ハンドルアセンブリが、
本体部分、
前記本体部分内に配置されたハンドルコントローラ、および
第1のアクチュエータの開放角度を変更するために前記本体部分に対して移動可能な第1のアクチュエータを含み、前記第1のアクチュエータが、前記開放角度の関数としての前記第1のアクチュエータを移動させるために必要とされる力である力プロファイルを有し、前記顎アセンブリが、前記開放角度の関数としての前記顎角度である顎角度プロファイルを有する、ロボット手術システム。 - 前記顎角度プロファイルが、顎角度曲線を画定し、前記ハンドルコントローラのマイクロコントローラが、前記第1のアクチュエータの前記開放角度を前記ロボットアームに送信して、前記顎角度曲線に基づいて、前記顎部材の前記顎角度における変更をもたらすように構成されている、請求項1に記載のロボット手術システム。
- 前記顎角度曲線が、線形である、請求項2に記載のロボット手術システム。
- 前記第1のアクチュエータの前記開放角度が減少するにつれて、前記顎部材の前記顎角度が減少する、請求項3に記載のロボット手術システム。
- 前記力プロファイルが、力曲線を画定し、前記ハンドルコントローラのマイクロコントローラが、前記第1のアクチュエータの前記開放角度を記録し、前記ハンドルコントローラのモータの動作パラメータを調節して、前記力曲線に基づいて、前記第1のアクチュエータを作動させるために必要とされる前記力における変更をもたらすように構成されている、請求項1に記載のロボット手術システム。
- 前記力曲線の一部は、前記開放角度が減少するにつれて前記力が増加する負の勾配を有する、請求項5に記載のロボット手術システム。
- 前記力曲線の一部が、前記第1のアクチュエータの所定の開放角度で正から負の勾配遷移点を有し、前記モータが、前記所定の開放角度で前記第1のアクチュエータを維持するためのトルクを生成する、請求項5に記載のロボット手術システム。
- 前記第1のアクチュエータは、前記開放角度が第1の開放角度である開放位置と、前記開放角度が前記第1の開放角度よりも小さい第2の開放角度である閉鎖位置と、を有し、前記力プロファイルが、第1の開放角度と、前記第1の開放角度よりも小さく、かつ前記第2の開放角度よりも大きい第3の開放角度との間に画定された第1の領域を有する、請求項1に記載のロボット手術システム。
- 前記顎部材が、完全開放位置および完全閉鎖位置を有し、前記顎部材は、前記第1のアクチュエータの前記開放角度が前記第1の開放角度にあるときに前記完全開放位置に配置され、前記第1のアクチュエータの前記開放角度が前記第3の開放角度にあるときに前記完全閉鎖位置に配置される、請求項8に記載のロボット手術システム。
- 前記力プロファイルが、前記第2の開放角度と前記第3の開放角度との間に画定された第2の領域を有し、前記顎部材は、前記第1のアクチュエータの前記開放角度が前記第2の開放角度と前記第3の開放角度との間にあるときに過閉鎖位置に配置される、請求項9に記載のロボット手術システム。
- 前記力プロファイルは、前記第1のアクチュエータの前記開放角度が前記第1の開放角度よりも大きい第3の領域を有し、前記顎部材は、前記第1のアクチュエータの前記開放角度が前記第1の開放角度よりも大きいときに過開放位置に配置される、請求項10に記載のロボット手術システム。
- 前記力プロファイルの前記第1の領域は、線形であり、前記開放角度が前記第1の領域において減少するにつれて前記力が増加するような第1の負の勾配を有する、請求項11に記載のロボット手術システム。
- 前記力プロファイルの前記第2の領域が、線形であり、前記第1の負の勾配よりも大きい第2の負の勾配を有する、請求項12に記載のロボット手術システム。
- 前記力プロファイルの前記第3の領域は、線形であり、前記第1の負の勾配よりも大きい第3の負の勾配を有し、力が前記第1のアクチュエータに加えられないとき、前記第1のアクチュエータは、前記第1の開放角度に向かって付勢される、請求項13に記載のロボット手術システム。
- 前記第1のアクチュエータが所定の開放角度に移動されるとき、前記ハンドルコントローラの前記モータがトルクを生成して、前記第1のアクチュエータを前記所定の開放角度で維持するように、前記第2の領域は、前記第1のアクチュエータの前記所定の開放角度におけるトルク遷移点を含む、請求項13に記載のロボット手術システム。
- 前記力プロファイルの前記第1の領域が、非線形である、請求項11に記載のロボット手術システム。
- 前記第1のアクチュエータが所定の開放角度に移動されるとき、前記ハンドルコントローラの前記モータがトルクを生成して、前記第1のアクチュエータを前記所定の開放角度で維持するように、前記力プロファイルの前記第1の領域は、前記第1のアクチュエータの前記所定の開放角度における正から負のトルク遷移点を含む、請求項16に記載のロボット手術システム。
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