JP2020205531A - ネットワーク監視装置、伝送装置、及びネットワーク監視方法 - Google Patents

ネットワーク監視装置、伝送装置、及びネットワーク監視方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ネットワークスライシングが適用される通信システムで、ネットワーク管理の負荷を低減する。【解決手段】ネットワーク監視装置は、データフローのスライス/サービスタイプと優先度情報に基づいて、前記データフローが属するグループを特定し、同じグループに含まれる複数のデータフローに同じネットワークスライスを割り当てるグルーピング制御部と、前記グルーピング制御部で生成されたグルーピング制御情報に基づいて、前記ネットワークスライスのエッジノードを制御するスライスコントローラと、を有する。【選択図】図3

Description

本発明は、ネットワーク監視装置、伝送装置、及びネットワーク監視方法に関する。
現在、第5世代(5G)移動通信システムのためのサービス提供が実現されつつある。5G方式のネットワークでは、LTEに代表される第4世代(4G)と比較して、QoS(Quality of Service)能力が強化され、新たなQoSパラメータが定義されている。5G伝送では、自動運転、ドローンやロボットの遠隔制御、IoT(Internet of Things)等の技術に対応するために、高信頼、低遅延のネットワークサービスが期待されている。
ネットワークスライシングは、5Gの主要な技術の一つである。ネットワークスライシングは、1以上のネットワーク資源から、事業者または用途に応じて論理サービス網を切り出す技術である。切り出された仮想的なネットワークのそれぞれは「スライス」と呼ばれる。
5Gでは、「拡張モバイルブロードバンド(eMBB:enhanced Mobile Broadband)」、「超高信頼・低遅延通信(URLLC:Ultra-Reliable and Low Latency Communication)」、「大規模マシンタイプ通信(MIoT:Massive IoT)」といった新しいサービス種別の導入が想定されている。今後は、これらのサービス種別の各々でスライスの数は急増すると予測される。
無線アクセスネットワークに設けられるネットワーク装置において、複数のコアネットワークスライスのそれぞれのサービス品質要件及び/又は機能に基づいて、無線端末に割り当てるリソースをコアネットワークスライスごとに管理する構成が提案されている(たとえば、特許文献1参照)。
SDN(Software-Defined Network)の各スライスが物理リンクごとに一つのパケット転送キューを共用してリンク帯域を共用するトラヒックフロー割当方法が提案されている(たとえば、特許文献2参照)。
国際公開第2017/204067号 特開2015−177235号公報
膨大な数の情報源と大量のトラフィックを考慮すると、ネットワークスライシングが適用される通信システムで、ネットワーク管理の負荷が増大すると思われる。
本発明は、ネットワークスライシングが適用される通信システムで、ネットワーク管理の負荷を低減することを目的とする。
本発明の一態様では、ネットワーク監視装置は、
データフローのスライス/サービスタイプと優先度情報に基づいて、前記データフローが属するグループを特定し、同じグループに含まれる複数のデータフローに同じネットワークスライスを割り当てるグルーピング制御部と、
前記グルーピング制御部で生成されたグルーピング制御情報に基づいて、前記ネットワークスライスのエッジノードを制御するスライスコントローラと、
を有する。
ネットワークの負荷を低減することができる。
ネットワークスライシングが適用されるネットワークの一般的な負荷制御を示す図である。 実施形態のネットワーク監視装置による負荷制御の図である。 実施形態のシステム構成図である。 実施形態のネットワーク監視装置の構成例を示す図である。 スライス/サービスタイプの一例を示す図である。 サービス品質の一例を示す図である。 送信側の伝送装置の構成例を示す図である。 受信側の伝送装置の構成例を示す図である。 送信側の伝送装置で行われるヘッダ処理のフローチャートである。 受信側の伝送装置で行われるヘッダ処理のフローチャートである。 トリミング前とトリミング後のヘッダの構成例を示す図である。 ネットワーク監視装置で行われるネットワーク監視方法のフローチャートである。
図1は、ネットワークスライシングが適用される伝送網の一般的な負荷制御を示す。通信事業者、設備事業者、サービス提供者等のネットワーク資源は仮想的に分割され、用途に応じた仮想的なネットワーク(スライス)が形成される。たとえば、スライス1は高速大容量の通信に用いられ、スライス2は高信頼・低遅延のサービスに用いられる。
ネットワーク監視装置(図中、「NMS」(Network Management System)と標記されている)は、生成されたスライスごとにデータフローを管理するスライスコントローラを備える。各スライスコントローラは、そのスライスに用いられるネットワーク資源をネットワークセグメントごとに制御し、管理する。そのため、ネットワークの負荷が増大する。
図2は、実施形態のネットワーク監視装置5による負荷制御の図である。ネットワーク監視装置5は、グルーピング制御部511を有し、少なくともスライス/サービスタイプ(SST)とサービスの優先度とに基づいて、データフローをグルーピングする。同じグループに分類されるデータフローは、発生場所、発生タイミング、宛先等が異なっても、同じスライスに載せられる。
たとえば、SSTの種別が1、プライオリティレベルを表わす「TOS(Type of Service)」値が4、遅延バジェットが100msのデータフローは、高速大容量に適したスライス1に割り当てられる。データフローがどの端末からのものであろうと、このデータフローと同じグループに分類されるパケットには、スライス1が用いられる。
SSTの種別が2、TOS値が4、遅延バジェットが100msのデータフローは、超高信頼かつ低遅延通信に適したスライス2に割り当てられる。データフローがどの端末からのものであろうと、このデータフローと同じグループに分類されるパケットには、スライス2が用いられる。
このグルーピング制御により、同じサービス種別かつ同じ優先度のデータフローは同一のスライスで管理されるので、ネットワークネットワーク監視装置5内のスライスコントローラの数自体が低減する。
ネットワーク監視装置5の各スライスコントローラは、対応するスライスのエッジネットワークにだけ直接的に接続されて、エッジノードを制御する。ネットワークセグメントのすべてを制御する必要がないので、ネットワーク制御の負荷が低減し、要求される品質に応じたパケット伝送が円滑に行われる。これらを実現する具体的な手法と効果は、以下で詳細に説明する。
図3は、実施形態のシステム構成図である。通信システム1は、送信側の伝送装置2Aと、受信側の伝送装置2Bと、ネットワーク監視装置5を有する。ネットワーク監視装置5は、無線アクセスネットワーク、光トランスポートネットワーク、コアネットワークのそれぞれを監視し、制御するが、ここでは特に、光トランスポートネットワークの監視に着目して説明する。
ネットワーク監視装置5は、ネットワークの状態と性能、ネットワークを通るデータフロー、障害の発生等を監視し、伝送装置2A、及び2Bを制御して、ネットワークの品質を維持する。
伝送装置2Aと伝送装置2Bは、仮想的なネットワークスライスのエッジに位置する。用いられるネットワークスライスによって、エッジに位置する伝送装置2Aと伝送装置2Bが変わることもある。図示と説明を簡単にするために、伝送装置2Aでは送信側の構成だけが描かれ、伝送装置2Bでは受信側の構成だけが描かれているが、実際は、伝送装置2Aと伝送装置2Bは、それぞれ送受信の機能を有し、双方向の通信が可能である。
各端末4−1、4−2、4−3(以下、適宜「端末4」と総称する)は、パケットを送出する。端末4はクライアント側の装置であり、ユーザ端末であってもよいし、プロバイダのサーバであってもよい。各端末4から送信されるパケットの要求条件は必ずしも同じではなく、目的と用途に応じて要求される通信条件が異なる場合が多い。また、同じ端末4から、異なる要求条件のパケットが送信され得る。
図3の例では、端末4−1は、SSTの種別が1、TOS値が4、遅延バジェットが100msのパケットを送信する。端末4−2は、SSTの種別が2、TOS値が82、遅延バジェットが50msのパケットを送信する。端末4−3は、SSTの種別が3、TOS値が8、遅延バジェットが300msのパケットを送信する。
ネットワーク監視装置5は、発生するデータフローを監視しており、各データフローを少なくともSSTと優先度情報に基づいてグルーピングし、グループごとに適したネットワークスライス(以下、「スライス」と略称する)を割り当てる。各スライスは、1以上のネットワークの少なくとも一部の資源を用いて仮想的に形成された論理ネットワークである。ネットワーク監視装置5は、スライスのエッジに位置する伝送装置2Aと伝送装置2Bを制御して、後述するように、ネットワーク全体の負荷を低減する。
伝送装置2Aは、光デバイス10Aと、WDM(Wavelength Division Multiplexing:波長分割多重)デバイス13を有する。光デバイス10Aは、レイヤ2(L2)スイッチ11Aと、トランスポンダ12を有する。L2スイッチ11Aは、各パケットに含まれているMAC(Media Access Control)アドレスから中継先を判断して、たとえば10Gbpsの信号を出力する。
L2スイッチ11Aは、パケットの中継時に、ネットワーク監視装置5からのグルーピング制御情報に基づいて、パケットを処理する。パケットのスライス/サービスタイプと優先度に応じて、パケットのヘッダを縮小する、または、優先度を表わすパラメータを追加する等の処理を行う。これらの処理については、後述する。
トランスポンダ12は、クライアント側ネットワークのフレームフォーマットを、OTN(Optical Transport Network)規格のフォーマットに変換し、波長多重のための特定波長(たとえばλ1)の光信号に変換する。WMDデバイス13は、複数のトランスポンダで生成された複数の波長の光信号を合波して、光伝送路に出力する。
伝送装置2Bは、WDMデバイス13と光デバイス10Bを有する。伝送装置2Bは、伝送装置2Aと逆方向の処理を行う。光デバイス10Bは、一例として、トランスポンダ12と、L2スイッチ11Bを有する。WDMデバイス13は、光伝送路から受信した波長多重信号を波長ごとに分波し、個々の波長の光信号をトランスポンダ12に出力する。トランスポンダ12は、OTNフォーマットの光信号をクライアント側のネットワークの信号フォーマットに変換して、L2スイッチ11Bに出力する。
L2スイッチ11Bは、各パケットを転送先のネットワークへ転送する。このとき、ネットワーク監視装置5から取得しているグルーピング制御情報に基づいて、各パケットのトリミングされた情報を回復し、または、挿入された優先度種別パラメータを除去して、転送先へ出力する。
転送先の各ネットワークでは、セッション管理は、セッション管理機能(SMF)によってスライスごとに行われる。モビリティ管理は、アクセス・モビリティ管理機能(AMF)によって一元的に管理されてもよい。
図4は、ネットワーク監視装置5の構成例を示す。ネットワーク監視装置5は、ハードウエア資源として、プロセッサ51とメモリ52を少なくとも有する。メモリ52には、主記憶装置も補助記憶装置も含まれるものとする。
機能構成として、ネットワーク監視装置5は、グルーピング制御部511、スライスコントローラ512、SST情報保持部521、優先度情報保持部522、及びグルーピング情報保持部523を有する。
グルーピング制御部511は、各データフローのスライス/サービスタイプ(SST)と優先度とに基づいて、そのデータフローがどのグループに属するかを判定する。判定結果は、グルーピング制御情報として、スライスのエッジに位置する伝送装置2Aと伝送装置2Bに通知される。グルーピング制御情報は、たとえば、グループIDまたはスライスIDを示す値であり、ビット数は小さい。グルーピング制御情報として、仮想L2セグメントを識別するVLAN−IDが用いられてもよい。
スライスコントローラ512は、スライスごとにデータフローを管理する。実施形態では、同じサービスタイプ、かつ同じ優先度のデータフローはすべて同じスライスで管理されるので、図1の構成と比較して、管理すべきスライスの数が少ない。さらに、各スライスの制御情報は、スライスのエッジに位置するノードにだけ直接的に通知されるので、スライス管理のためのネットワーク負荷が小さい。
図5は、SST情報保持部521に保持されるSST情報の一例である。eMBB、URLLC、MIoTといった各スライス/サービスタイプにSST値が与えられている。eMBBは広い帯域を用いた大容量の高速通信に適したスライスである。たとえば、スマートフォン等で高精細な映像をストリーミングで受信する場合に用いられる。
URLLCは、リアルタイムで高度の信頼性を要する自動運転制御や交通制御に用いられる。MIoTは、交通インフラと各自動車の通信、広域センサネットワーク等、個々のデータ量は小さいが多数の機器が同時にデータの送受信を行う場合に用いられる。
グルーピング制御部511は、データフローが発生するごとに、SSTの種類を特定する。SSTの種類は上記に限定されず、将来的に新しいSSTが提供される場合も、グルーピングの基礎に用いられる。
図6は、優先度情報保持部522に保持される優先度情報の一例である。5GのQoSインジケータ(QI)ごとに、リソースタイプ、デフォルトのプライオリティレベル(TOS値)、パケット遅延バジェット、パケットエラーレート、アベレージングウィンド等が規定されている。
リソースタイプには、帯域保証されるGBR(Guaranteed Bit Rate)、帯域保証されないnon−GBR、ディレイクリティカルGBRがある。
QoSインジケータ(5QI)とプライオリティレベル(TOS)は、値が小さいほど優先度が高い。パケット遅延バジェットは、値が小さいほど遅延許容時間が短い。パケットエラーレートは値が小さいほど高い受信品質が求められる。ネットワーク制御を行うIMSシグナリングは帯域保証されないが、プライオリティレベルが非常に高い。
グルーピング制御部511は、データフローが発生するごとに、優先度情報を参照してそのデータフローの優先度を特定する。優先度は、主としてTOS値に基づいて判断されてもよい。TOS値に替えて、あるいはTOS値とともに、5QI値、リソースタイプ、遅延バジェット等のその他の情報が用いられてもよい。
グルーピング情報保持部521に保持されるグルーピング情報は、たとえば、SST値と優先度情報の組み合わせごとに、対応するスライスIDまたはグループIDが対応付けられている。異なる情報源から送信されたデータフローでも、SSTと優先度情報で決まるグループが同じ場合は、同じスライスに割り当てられる。
ネットワーク監視装置5によって生成されたグルーピング情報の少なくとも一部は、グルーピング制御情報として、伝送装置2A及び2Bに通知されてもよい。そのようなグルーピング制御情報には、ネットワークによって各データフローに一意に与えられる識別情報が含まれていてもよい。
図7は、送信側の伝送装置2Aの構成例を示す図である。伝送装置2AのL2スイッチ11Aは、ヘッダチェッカー111と、ヘッダトリム/リカバリ部112と、マーキング/デマーキング部113と、プライオリティ制御部114を有する。ヘッダトリム/リカバリ部112と、マーキング/デマーキング部113は、ヘッダ処理部の一例である。L2スイッチ11Aは、ネットワークプロセッサ、ASIC(Application Specified Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、その他の論理回路で実現され得る。
ヘッダチェッカー111は、クライアント側から受信する各パケットのヘッダをチェックする。たとえば、サービス種別がeMBB(SST値が1)のビデオストリーム、サービス種別がURLLC(SST値が2)の自動運転の制御信号、サービス種別がMIoT(SST値が3)のコンテンツデータ等が伝送装置2Aに入力される。
ヘッダチェッカー111は、各パケットのヘッダから転送先を判断する。また、各パケットの優先度情報に応じて、パケットをヘッダトリム/リカバリ部112とマーキング/デマーキング部113に振り分ける。上述のように、優先度情報には、プライオリティレベル(TOS値)、QI値、遅延バジェット、リソースタイプ等が含まれる。
遅延要件や信頼性の要件が比較的緩やかなパケットについては、ヘッダをトリミングしてネットワーク負荷を低減する。遅延要件や信頼性の要件が厳しいパケットについては、QoSパラメータを追加する。
ヘッダトリム/リカバリ部112は、ヘッダチェッカー111から供給されるパケットのヘッダをトリミングして新たなヘッダを生成し、パケットサイズを低減する。マーキング/デマーキング部113は、ヘッダチェッカー111から供給されるパケットのヘッダにQoSパラメータを追加する。
ヘッダ処理された各パケットは、プライオリティ制御部114で決定された優先順序にしたがってトランスポンダ12に出力される。各パケットは、トランスポンダ12で所定の波長の光信号に変換され、WDMデバイス13で他の波長の光信号と多重されて、光トランスポートネットワークへ出力される。
L2スイッチ11Aとトランスポンダ12は、ネットワーク監視装置5によって監視されており、ネットワーク監視装置5は、上位装置であるオーケストレータ6の制御下にある。オーケストレータ6は、ネットワーク機能の仮想化を管理し統合する。
図8は、受信側の伝送装置2Bの構成例を示す図である。伝送装置2BのL2スイッチ11Bは、ヘッダチェッカー111と、ヘッダトリム/リカバリ部112と、マーキング/デマーキング部113と、プライオリティ制御部114を有する。ヘッダトリム/リカバリ部112と、マーキング/デマーキング部113は、ヘッダ処理部の一例である。L2スイッチ11Bは、ネットワークプロセッサ、ASIC(Application Specified Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、その他の論理回路で実現され得る。
ヘッダチェッカー111は、トランスポンダ12でクライアント側のフォーマットの電気信号に変換されたパケットのヘッダをチェックする。ヘッダがトリムされて縮小されたヘッダがついている場合は、パケットをヘッダトリム/リカバリ部112に振り分ける。ヘッダにQoSパラメータが追加されている場合は、パケットをマーキング/デマーキング部113に振り分ける。
ヘッダトリム/リカバリ部112は、たとえば、ネットワーク監視装置5から通知されたグルーピング制御情報に含まれているIPアドレス等を用いて、本来のヘッダを回復する。マーキング/デマーキング部113は、QoSパラメータを消去する。
ヘッダ処理されたパケットは、プライオリティ制御部114によって決定された順序にしたがって出力され、クライアント側L2スイッチ14で転送先のネットワークへ送出される。
図9は、送信側の伝送装置2AのL2スイッチ11Aで行われるヘッダ処理のフローチャートである。L2スイッチ11Aは、各パケットのヘッダをチェックして転送先を特定し(S11)、かつ、優先度を判定する。優先度は、ネットワーク監視装置5から通知されたグルーピング制御情報を用いて判定されてもよい。一例として、リソースタイプがディレイクリティカルGBRか否かを判断する(S12)。ディレイクリティカルGBRの場合(S12でYES)、遅延要件が厳しいのでヘッダを縮小せずに、優先度を表わすQoSパラメータを追加する(S15)。QoSパラメータとして、たとえば5QI値、TOS値などを用いることができる。
リソースタイプがディレイクリティカルGBRでない場合(S12でNO)、すなわち帯域保証されたBGR、または帯域保証されないnon−GBRの場合は、遅延バジェットが100msよりも小さいか否かが判断される(S13)。遅延バジェットが100msよりも小さい場合は(S13でYES)、遅延許容時間が少ないので、ヘッダを縮小せずにQoSパラメータを追加する(S15)。
遅延バジェットが100ms以上の場合(S13でNO)、SST値が3であるか否か、すなわちサービス種別がMIoTか否かが判断される(S14)。SST値が3の場合(S14でYES)、遅延要件が他のサービス種別と比較してそれほど厳しくないので、ヘッダをトリミングして新しいヘッダを設ける(S16)。MIoTは、個々のパケットサイズは小さいが、多量のパケットが同時に送信されるため、全体としてある程度の帯域幅が必要になる。ヘッダのサイズを小さくすることで、個々のパケットに割り当てられる帯域幅を低減して、全体の帯域効率を向上する。
SST値が3でない場合(S14でNO)、高速大容量通信、または超高信頼かつ低遅延の通信が要求されるので、ヘッダを縮小せずにQoSパラメータを追加する(S15)。QoSパラメータは、後続する優先順位の制御に用いられてもよい。
これらのヘッダ処理の後に優先順位が制御され(S17)、パケットはWDMネットワークに送出される(S18)。
図9の例では、ヘッダ処理の判定の基礎にリソースタイプ、遅延バジェット、及びSSTを用いているが、5QI値、TOS値、セキュリティレベルなどを用いて閾値判断してもよい。判断の順序は図9の例に限定されず、S12〜S14を、どの順序で判断してもよい。
L2スイッチ11Aが、ネットワーク監視装置5から通知されたグルーピング制御情報に基づいてSST、優先度等を判定するかわりに、ネットワーク監視装置5が判定してもよい。この場合、ネットワーク監視装置5がヘッダのトリミングの可否と、追加すべきQoSパラメータ値を判断し、L2スイッチに、ヘッダのトリミングまたはQoSパラメータの追加を指示する。L2スイッチ11Aは、指示に従ってヘッダ処理を行う。
図10は、受信側の伝送装置2BのL2スイッチ11Bで行われるヘッダ処理のフローチャートである。L2スイッチ11Bは、各パケットのヘッダをチェックし(S21)、QoSパラメータが追加されているか否かを判断する(S22)。QoSパラメータがある場合は(S22でYES)、そのQoSパラメータを消去する(S23)。QoSパラメータが無い場合は(S22でNO)、現在のヘッダを削除して、送信元と宛先のIPアドレスを含む本来のヘッダを回復する(S24)。
ヘッダ処理されたパケットについて優先順位が判断(S25)され、優先順位にしたがって、パケットを転送先へ送出する(S26)。
図11は、ヘッダをトリミングする前と後のパケットフォーマットを示す。図11の(A)で、トリミング前は、32バイトのペイロードに28バイトのヘッダが付加されている。ヘッダには、波長情報L0、送信元のMACアドレス(MAC SA)、宛先のMACアドレス(MAC DA)、送信元と宛先のIPアドレス、TOS等が記述されている。
図11の(B)で、波長情報L0を除くヘッダ部分がトリミングされて、4バイトの新しいヘッダが追加される。この新しいヘッダには、たとえば、ネットワークによって一意に与えられる識別情報が含まれる。
トリミング前と比較して、トリミング後のパケットのサイズは36/60、すなわち60%に低減され、パケット当たりの帯域幅を3/5に低減することができる。帯域幅の利用効率は、約1.7倍(100/60)に向上することができる。
図12は、ネットワーク監視装置5で行われるネットワーク監視方法のフローチャートである。ネットワーク監視装置5は、データフローごとに、SSTと優先度情報を特定する(S31)。SSTは、eMBB、URLLC、MIoTといったサービス種別である。優先度情報は、たとえば標準5QI値にマップされた5GのQoS特性値である。
SSTとサービス品質の優先度に基づいて、データフローに適したスライスを決定するグルーピング制御を行う(S32)。これにより、同じSSTと優先度をもつデータフローは、情報源がどこであろうと同じスライスを用いて伝送される。
決定したスライスのエッジノードにグルーピング制御情報を通知する(S33)。グルーピング制御情報には、データフローのSST、優先度情報が含まれている。これらの情報とともに、ヘッダトリムの可否または追加すべきQoSパラメータが通知されてもよい。
この方法により、光トランスポートネットワークの負荷が低減され、帯域利用効率を向上することができる。
以上、特定の構成例に基づいて本発明を説明したが、本発明は上記の実施例に限定されない。たとえば、データフローをグルーピングするときに用いられる優先度情報は、TOS値と遅延バジェットに限定されず、リソースタイプ、QoS値、パケットエラーレート等を用いてもよい。ヘッダトリミングの可否の判断に用いられるパラメータは、リソースタイプ、遅延バジェット、SST値に限定されず、TOS値やQoS値が用いられてもよい。いずれの場合も、レイテンシと信頼性の要件を保ちつつ、光トランスポートネットワークの負荷を低減することができる。またMIoTのパケットのヘッダサイズを低減することで、帯域利用効率を向上することができる。
実施形態では、パケットのヘッダ処理をL2スイッチで行っているが、他の中継デバイスで行ってもよい。
本発明の構成と手法は、標準化された5G方式のネットワークに限定されず、異なる要求条件のデータフローが生成され、ネットワークの仮想化が適用される任意のネットワークに適用可能である。
以上の説明に対し、以下の付記を提示する。
(付記1)
データフローのスライス/サービスタイプと優先度情報に基づいて、前記データフローが属するグループを特定し、同じグループに含まれる複数のデータフローに同じネットワークスライスを割り当てるグルーピング制御部と、
前記グルーピング制御部で生成されたグルーピング制御情報に基づいて、前記ネットワークスライスのエッジノードを制御するスライスコントローラと、
を有するネットワーク監視装置。
(付記2)
前記スライスコントローラは、前記エッジノードに、前記ネットワークスライスについての前記グルーピング制御情報の少なくとも一部を通知する、
付記1に記載のネットワーク監視装置。
(付記3)
前記優先度情報は、QoS値、リソースタイプ、プライオリティレベル、遅延バジェット、及びパケットエラーレートの中の1または複数を含む、
付記1または2に記載のネットワーク監視装置。
(付記4)
前記エッジノードに通知される前記グルーピング制御情報には、前記優先度情報と、前記データフローのヘッダ情報が含まれる付記2に記載のネットワーク監視装置。
(付記5)
入力されたパケットのヘッダから転送先を特定するヘッダチェッカーと、
ネットワーク監視装置から供給される制御情報に基づいて、前記ヘッダのサイズを縮小、または前記ヘッダに優先度情報を追加するヘッダ処理部と、
を有する伝送装置。
(付記6)
前記ヘッダ処理部は、前記制御情報で示される前記パケットの遅延要求が所定のレベルよりも低いときに、前記ヘッダのサイズを縮小する付記5に記載の伝送装置。
(付記7)
前記ヘッダ処理部は、前記ヘッダを除去して、前記ヘッダよりもサイズの小さい新たなヘッダを付加する付記6に記載の伝送装置。
(付記8)
前記ヘッダ処理部は、前記制御情報で示される前記パケットの遅延要求が所定のレベル以上のときに前記ヘッダに前記優先度情報を追加する付記5に記載の伝送装置。
(付記9)
前記ヘッダが処理された前記パケットを所定波長の光信号に変換して出力するトランスポンダ、
をさらに有する付記5〜8のいずれかに記載の伝送装置。
(付記10)
入力されたパケットのヘッダをチェックして転送先を特定するヘッダチェッカーと、
前記ヘッダのサイズ、または前記ヘッダに付加された優先度情報の有無に応じて、ネットワーク監視装置から供給される制御情報に基づいて本来のヘッダを復元するヘッダ処理部と、
を有する伝送装置。
(付記11)
前記ヘッダ処理部は、前記ヘッダのサイズが所定値よりも小さいときに、前記ヘッダを除去して前記制御情報で示される本来のヘッダ情報を追加する、付記10に記載の伝送装置。
(付記12)
前記ヘッダ処理部は、前記ヘッダに前記優先度情報が付加されているときに、前記優先度情報を削除する、付記10に記載の伝送装置。
(付記13)
ネットワーク監視装置で、データフローのスライス/サービスタイプと優先度情報に基づいて、前記データフローが属するグループを特定し、同じグループに含まれる複数のデータフローに同じネットワークスライスを割り当て、
前記ネットワーク監視装置で生成されたグルーピング制御情報に基づいて、前記ネットワークスライスのエッジノードを制御する、
ネットワーク監視方法。
(付記14)
前記ネットワークスライスの第1エッジノードで、前記グルーピング制御情報の少なくとも一部に基づいて、前記データフローに含まれるパケットのヘッダのサイズを縮小、または前記ヘッダに前記優先度情報を追加する、付記13に記載のネットワーク監視方法。
(付記15)
前記ネットワークスライスの第2エッジノードで、前記グルーピング制御情報の少なくとも一部に基づいて、前記処理される前のヘッダを復元する、付記14に記載のネットワーク監視方法。
1 通信システム
2A、2B 伝送装置
5 ネットワーク監視装置
51 プロセッサ
52 メモリ
511 グルーピング制御部
512 スライスコントローラ
521 SST情報保持部
521 優先度情報保持部
523 グルーピング情報保持部
10,10A,10B 光デバイス
11A、11B L2スイッチ(スイッチ)
111 ヘッダチェッカー
112 ヘッダトリム/リカバリ部(ヘッダ処理部)
113 マーキング/デマーキング部(ヘッダ処理部)
12 トランスポンダ
13 WDMデバイス

Claims (9)

  1. データフローのスライス/サービスタイプと優先度情報に基づいて、前記データフローが属するグループを特定し、同じグループに含まれる複数のデータフローに同じネットワークスライスを割り当てるグルーピング制御部と、
    前記グルーピング制御部で生成されたグルーピング制御情報に基づいて、前記ネットワークスライスのエッジノードを制御するスライスコントローラと、
    を有するネットワーク監視装置。
  2. 前記スライスコントローラは、前記エッジノードに、前記ネットワークスライスについての前記グルーピング制御情報の少なくとも一部を通知する、請求項1に記載のネットワーク監視装置。
  3. 入力されたパケットのヘッダから転送先を特定するヘッダチェッカーと、
    ネットワーク監視装置から供給される制御情報に基づいて、前記ヘッダのサイズを縮小、または前記ヘッダに優先度情報を追加するヘッダ処理部と、
    を有する伝送装置。
  4. 前記ヘッダ処理部は、前記制御情報で示される前記パケットの遅延要求が所定のレベルよりも低いときに前記ヘッダのサイズを縮小する、請求項3に記載の伝送装置。
  5. 入力されたパケットのヘッダをチェックして転送先を特定するヘッダチェッカーと、
    前記ヘッダのサイズ、または前記ヘッダに付加された優先度情報の有無に応じて、ネットワーク監視装置から供給される制御情報に基づいて本来のヘッダを復元するヘッダ処理部と、
    を有する伝送装置。
  6. 前記ヘッダ処理部は、前記ヘッダのサイズが所定値よりも小さいときに、前記ヘッダを除去して前記制御情報で示される本来のヘッダ情報を追加する、請求項5に記載の伝送装置。
  7. ネットワーク監視装置で、データフローのスライス/サービスタイプと優先度情報に基づいて、前記データフローが属するグループを特定し、同じグループに含まれる複数のデータフローに同じネットワークスライスを割り当て、
    前記ネットワーク監視装置で生成されたグルーピング制御情報に基づいて、前記ネットワークスライスのエッジノードを制御する、
    ネットワーク監視方法。
  8. 前記ネットワークスライスの第1エッジノードで、前記グルーピング制御情報の少なくとも一部に基づいて、前記データフローに含まれるパケットのヘッダのサイズを縮小、または前記ヘッダに前記優先度情報を追加する、
    請求項7に記載のネットワーク監視方法。
  9. 前記ネットワークスライスの第2エッジノードで、前記グルーピング制御情報の少なくとも一部に基づいて、処理される前のヘッダを復元する、
    請求項8に記載のネットワーク監視方法。
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