JP2020202976A - 生体情報測定装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】発光部及び受光部を生体に近づけることができる生体情報測定装置を提供する。【解決手段】生体情報測定装置1は腕12に照射される照射光31を射出する発光部5と、照射光31が腕12で反射された反射光32を受光する受光部6と、照射光31及び反射光32が通過する通過部4と、を備え、通過部4は腕12と接触する外面部4a及び外面部4aとは表裏の関係にある内面部4bを備え、外面部4aは発光部5から通過部4に向かう第1方向17に沿って突出し腕12と接触する凸曲面4cを備え、内面部4bは第1方向17に沿って凸曲面4c側にへこむ凹曲面4dを備え、第1方向17からの平面視において、凸曲面4cの頂点4gは発光部5の中心5dと受光部6の中心6dとを結ぶ第1直線28の中点28aと重なる。【選択図】図7
Description
本発明は、生体情報測定装置に関するものである。
従来、生体情報の1つである脈拍を測定する生体情報測定装置が知られている。この生体情報測定装置が特許文献1に開示されている。それによると、生体情報測定装置はセンサー部及び拍動情報演算部を備える。センサー部は、発光部、受光部及び通過部としての透光部を備える。発光部はLED(Light Emitting Diode)を備え、受光部はPD(Photo Diode)を備える。発光部は通過部を通して生体に照射光を射出する。受光部は、通過部を通って入射した反射光を電気信号である検出信号に変換する。拍動情報演算部は、検出信号を用いて被検者の脈拍を算出する。
生体には血液が流動する血管がある。血管の脈動は心臓の動きと連動する。血液は発光部が射出する光の一部を吸収するので、受光部は血管の脈動を反映した反射光を受光する。つまり、受光部が受光する反射光の強度は血管の脈動を反映する。そして、脈波信号は血管の脈動を反映した信号になっている。
発光部が射出する照射光は通過部を通過して生体を照射する。生体で反射した反射光の一部は通過部を通過して受光部に入射する。発光部が射出する照射光は進行に伴って広がる。このため、発光部と生体との距離が短い程、生体に照射される照射光の強度が強くなる。また、生体で反射した反射光も進行に伴って広がる。このため、生体と受光部との距離が短い程、受光部が受光する反射光の強度が強くなる。
発光部及び受光部と生体との距離が短い程、受光部が受光する反射光の強度を強くすることができる。そして、受光部が受光する反射光の強度が強い程、ノイズに対する脈波信号の比率を高くすることができる。発光部と受光部との間には遮光部が配置され、発光部が射出する光が直接受光部を照射することを遮光部が抑制する。
野川雅道ほか著、生体医工学 49巻 6号、公益社団法人 日本生体医工学会発行、2011年12月、P.968−976
生体の脈を精度良く検出するためには発光部及び受光部を生体に近づける必要がある。特許文献1の生体情報測定装置では発光部及び受光部側の通過部の面が平面であった。また、光が通過する部分の通過部が厚くなっていた。通過部を薄くすることで、生体情報測定装置は発光部及び受光部を生体に近づけられる。通過部を薄くすることに加えて、発光部及び受光部を生体に近づけることができる構造が求められていた。
生体情報測定装置は、生体に照射される照射光を射出する発光部と、前記照射光が前記生体で反射される反射光を受光する受光部と、前記照射光及び前記反射光が通過する通過部と、を備え、前記通過部は前記生体と接触する外面部及び前記外面部とは表裏の関係にある内面部を備え、前記外面部は前記発光部から前記通過部に向かう第1方向に沿って突出し前記生体と接触する凸曲面を備え、前記内面部は前記第1方向に沿って前記凸曲面側にへこむ凹曲面を備え、前記第1方向からの平面視において、前記凸曲面の頂点は前記発光部の中心と前記受光部の中心とを結ぶ第1直線の中点と重なることを特徴とする。
上記の生体情報測定装置は、前記受光部から出力される電気信号を入力するAFE素子を備え、前記第1方向からの平面視において、前記発光部の中心と前記受光部の中心と前記AFE素子の中心とが前記第1直線の延長線上に配置されることが好ましい。
上記の生体情報測定装置は、前記通過部を支持する裏蓋と、前記第1方向からの平面視において、前記裏蓋を挟む第1ベルトと、第2ベルトと、を備え、前記第1ベルトは幅方向に位置する第1側面と、前記第1側面と逆側の第2側面と、を備え、前記第1側面の延長線が前記裏蓋の外形と交差する点を第1交差点とし、前記第2側面の延長線が前記裏蓋の外形と交差する点を第2交差点とし、前記第2ベルトは幅方向に位置する第3側面と、前記第3側面と逆側の第4側面と、を備え、前記第3側面の延長線が前記裏蓋の外形と交差する点を第3交差点とし、前記第4側面の延長線が前記裏蓋の外形と交差する点を第4交差点とし、前記第1方向からの平面視において、前記第1交差点及び前記第4交差点を通る第3直線と前記第2交差点及び前記第3交差点を通る第4直線との交点が前記凸曲面の頂点と重なることが好ましい。
上記の生体情報測定装置では、前記第1方向からの平面視において、前記裏蓋の重心と前記凸曲面の頂点とが重なることが好ましい。
第1の実施形態
本実施形態では、血管の脈動を検出する生体情報測定装置の特徴的な例について、図1〜図15、図18〜図21に従って説明する。図1は、生体情報測定装置の構成を示す概略斜視図である。図1に示すように、生体情報測定装置1は所定の厚みを有する箱状のケース2を備えている。ケース2の厚み方向の一方には裏蓋3が設置されている。裏蓋3には光が通過可能な通過部4が配置されている。通過部4の材質は光透過性があれば良く特に限定されず、例えば、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ガラス等を用いることができる。ケース2の内部には発光部5及び受光部6を備えるセンサー部7等が配置されている。発光部5は生体に照射される照射光を射出する。照射光が生体内で反射した反射光を受光部6が受光する。
本実施形態では、血管の脈動を検出する生体情報測定装置の特徴的な例について、図1〜図15、図18〜図21に従って説明する。図1は、生体情報測定装置の構成を示す概略斜視図である。図1に示すように、生体情報測定装置1は所定の厚みを有する箱状のケース2を備えている。ケース2の厚み方向の一方には裏蓋3が設置されている。裏蓋3には光が通過可能な通過部4が配置されている。通過部4の材質は光透過性があれば良く特に限定されず、例えば、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ガラス等を用いることができる。ケース2の内部には発光部5及び受光部6を備えるセンサー部7等が配置されている。発光部5は生体に照射される照射光を射出する。照射光が生体内で反射した反射光を受光部6が受光する。
ケース2の側面にはケース2を挟むように第1ベルト8及び第2ベルト9が配置されている。第1ベルト8の一端には第1ベルト8と第2ベルト9とを連結する図示しない連結部が配置されている。図中発光部5から受光部6に向かう方向をX方向とする。第2ベルト9から第1ベルト8に向かう方向をY方向とする。ケース2から裏蓋3に向かう方向をZ方向とする。X方向、Y方向、Z方向はそれぞれ直交する方向になっている。X方向と逆の方向を−X方向とする。Y方向と逆の方向を−Y方向とする。Z方向と逆の方向を−Z方向とする。
生体情報測定装置1は無線通信を行う機能を備えている。そして、生体情報測定装置1は測定した脈拍データをスマートフォン11等の電子機器に無線通信にて送信する。そして、生体情報測定装置1が測定した脈拍データをスマートフォン11が表示する。
図2は生体情報測定装置の装着状態を説明するための概略斜視図である。図2に示すように、人体の生体としての腕12に生体情報測定装置1が装着される。第1ベルト8及び第2ベルト9は腕12に巻かれて連結部にて第1ベルト8及び第2ベルト9が連結される。このように、生体情報測定装置1は腕12に装着されて人体の生体情報を測定するウエアラブル機器である。生体情報測定装置1は脈波信号を検出し、脈拍数を演算する。尚、脈波信号は血管の脈動の圧変化または容積変化を観測したものである。脈拍数は1分間に含まれる脈波信号のピークの数である。
裏蓋3が腕12と接触するように生体情報測定装置1が装着される。このとき、裏蓋3及び通過部4が腕12と接触する。ケース2の側面にはUSB(Universal Serial Bus)の外部コネクター13が配置されている。生体情報測定装置1は外部コネクター13を通じて充電される。
図3は生体情報測定装置の構造を示す模式平面図であり、生体情報測定装置1を裏蓋3側から見た図である。図3において、発光部5から通過部4に向かう方向を第1方向17とする。第1方向17はZ方向と同じ方向である。第1方向17からの平面視において、第1ベルト8及び第2ベルト9は裏蓋3を挟む。第1ベルト8は幅方向10に位置する第1側面8a及び第1側面8aと逆側の第2側面8bとを備える。第1側面8aの延長線が裏蓋3の外形と交差する点を第1交差点3cとする。第2側面8bの延長線が裏蓋3の外形と交差する点を第2交差点3dとする。
第2ベルト9は幅方向10に位置する第3側面9a及び第3側面9aと逆側の第4側面9bを備える。第3側面9aの延長線が裏蓋3の外形と交差する点を第3交差点3eとする。第4側面9bの延長線が裏蓋3の外形と交差する点を第4交差点3fとする。第1方向17からの平面視において、第1交差点3c及び第4交差点3fを通る直線を第3直線3gとする。第2交差点3d及び第3交差点3eを通る直線を第4直線3hとする。第3直線3gと第4直線3hとの交点を交点としての裏蓋張力点3jとする。第1ベルト8及び第2ベルト9から裏蓋3に張力が加えられる。裏蓋張力点3jを通るX方向の線上において張力の分布は裏蓋張力点3jに対して対称になる。
第1方向17からの平面視において、裏蓋張力点3jは凸曲面4cの頂点4gと重なる。第1方向17からの平面視において、裏蓋3の重心3kと凸曲面4cの頂点4gとが重なる。
図4は生体情報測定装置の構造を示す模式側断面図であり、図3のA−A線に沿う断面側から見た図である。図5はセンサー部の構造を示す概略斜視図である。図3から図5に示すように、第1方向17からの平面視において、通過部4の外形は円形である。通過部4はZ方向側の面がZ方向側に突出している。通過部4は−Z方向側の面がZ方向側にへこんでいる。従って、通過部4は板状になっている。通過部4は裏蓋3に接着固定されている。裏蓋3は通過部4を−Z方向側から支持する。裏蓋3は不透明である。裏蓋3には発光部5及び受光部6のZ方向側に穴3bが配置されている。穴3bは通過部4に塞がれている。通過部4は透明であり、穴3bを通して発光部5、受光部6及び遮光部15の一部が見えるので、図3では発光部5、受光部6及び遮光部15の一部が実線で示されている。
ケース2、裏蓋3及び通過部4にて囲まれた内部の通過部4側にセンサー部7が配置されている。センサー部7は裏蓋3に支持されたセンサー基板14を備えている。センサー基板14はリジッド基板である。センサー基板14の通過部4側には発光部5、受光部6、遮光部15及びAFE(Analog Front End)素子としての駆動部16が配置されている。
発光部5は腕12に照射される照射光を射出する。発光部5は発光体5aとレンズ体5b等により構成されている。発光体5aはLED(Light Emitting Diode)等の発光素子が樹脂によって封止されたLEDチップである。発光体5aは、発光素子が封止樹脂によって封止されていないベアチップであってもよい。発光体5aが射出する光は緑色光である。緑色光は肌の浅い部分で反射するので、細動脈を照射できる。尚、発光体5aが射出する光は緑色光以外の光であってもよい。センサー基板14から通過部4に向かう方向において発光部5は受光部6及び駆動部16より長い部品である。
レンズ体5bは照射光を腕12の所定の深さに集光させる。この所定の深さとは細動脈が存在する深さである。レンズ体5bの材質は光透過性があれば良く特に限定されず、例えば、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ガラス等を用いることができる。
受光部6は照射光が腕12で反射される反射光を受光する。そして、反射光の受光光量を示す検出信号を受光部6が出力する。この検出信号が脈波信号である。受光部6は、PD(Photodiode)である受光素子が封止樹脂によって封止されたPDチップである。受光部6は、受光素子が樹脂によって封止されていないベアチップであってもよい。
受光素子はシリコン基板側のn型半導体領域と、受光面側のp型半導体領域とを有する。p型半導体領域に十分に大きなエネルギーを持つ光が入射されると、光起電力効果によって電流を出力する。受光部6には反射光と略同じ波長の光を通過させて、反射光以外の光を通過させない波長制限フィルターが設けられている。
遮光部15は発光部5と受光部6との間に配置されている。第1方向17からの平面視において、遮光部15は発光部5と受光部6との間に配置されている金属板である。遮光部15は発光部5から受光部6に向かって進行する照射光を遮蔽する。発光部5から射出された照射光が腕12を介さずに受光部6に直接入射されてしまうことを遮光部15が抑制する。他にも、遮光部15は腕12で反射した反射光以外の迷光が受光部6に入射することを抑制する。
駆動部16は発光部5及び受光部6を駆動する回路である。駆動部16は発光部5に供給する電力を制御する。駆動部16は電力の供給の開始及び停止を制御する。さらに、駆動部16はAFE(Analog Front End)素子として機能する。AFE素子は受光部6とデジタル信号処理デバイスを結ぶアナログ回路を備える電気素子である。駆動部16は受光部6から出力される電気信号を入力する。受光部6が出力する電気信号を駆動部16が増幅する。そして、駆動部16はフィルターを備え、フィルターは増幅した電気信号に含まれるノイズを除去する。さらに、駆動部16はADC(Analog Digtal converter)を備えており、ADCはアナログの電気信号をデジタルデータの電気信号に変換して出力する。
センサー基板14のケース2側の面には第1コネクター18が配置されている。センサー基板14のケース2側にはメイン基板19が配置されている。メイン基板19のセンサー基板14側の面には第2コネクター21が配置されている。第2コネクター21と第1コネクター18とが電気的に接続されている。
メイン基板19の両面にはCPU、メモリー、チップ抵抗、チップコンデンサー、アンテナ等の電気素子22が実装されている。メイン基板19はセンサー基板14から反射光の受光光量を示す検出信号を入力する。そして、メイン基板19は脈拍数を演算する。メイン基板19は脈拍数のデータを無線通信にて送信する。
メイン基板19のケース2側には2次電池23が配置されている。2次電池23は外部コネクター13から供給される電力を蓄電する。そして、2次電池23はセンサー基板14及びメイン基板19に電力を供給する。2次電池23にはリチウム電池が用いられている。
通過部4は光透過性を有する。発光部5が射出する照射光は通過部4を通過する。そして、腕12にて反射する反射光も通過部4を通過する。通過部4は第1方向17側に腕12と接触する外面部4aを備える。外面部4aは第1方向17に沿って突出する凸曲面4cを備える。凸曲面4cは腕12と接触する。裏蓋3が腕12と接触する面を接触面3aとする。外面部4aは接触面3aより第1方向17に突出する凸面である。
通過部4において外面部4aとは表裏の関係にある部分を内面部4bとする。第1方向17と直交する方向の1つを第2方向25とする。第2方向25は発光部5から受光部6に向かう方向とする。第2方向25はX方向と同じ方向である。第2方向25から見た断面視において内面部4bは第1方向17に沿って凸曲面4c側にへこむ凹曲面4dを備える。
裏蓋3は通過部4の−Z方向側に穴3bを備える。発光部5及び受光部6は裏蓋3の穴3bに収納される。発光部5の一部は接触面3aより第1方向17に突出する。発光部5の第1方向17側は外面部4aとの距離が短いので、発光部5と腕12との間の距離が短くなっている。このため、腕12は強い照射光を受けることができる。
図6及び図7は光の進路を説明するための要部模式側断面図である。図6は図3のB−B線に沿う断面側から見た図である。図7は図3のA−A線に沿う断面側から見た図である。図6及び図7に示すように、第1方向17からの平面視における発光部5の中心5dを通る中心線を発光部中心線5cとする。発光部5の中心5dは第1方向17からの平面視における発光部5の重心である。第1方向17からの平面視において、受光部6の中心6dを通る中心線を受光部中心線6cとする。受光部6の中心6dは第1方向17からの平面視における受光部6の重心である。さらに、第1方向17からの平面視において、凸曲面4cの頂点4gを通り第1方向17に延びる線を頂点指示線4fとする。凸曲面4cの頂点4gは外面部4aのうち最も第1方向17に突出する点を示す。
図6に示すように、X方向からの平面視において発光部中心線5c、受光部中心線6c及び頂点指示線4fとは重なっている。図7において、発光部中心線5cと頂点指示線4fとの間の距離を第1距離26とする。受光部中心線6cと頂点指示線4fとの間の距離を第2距離27とする。このとき、第1距離26と第2距離27とは同じ距離になっている。図3に示すように、第1方向17からの平面視において、凸曲面4cの頂点4gは発光部5の中心5dと受光部6の中心6dとを結ぶ第1直線28の中点28aと重なる。
外面部4aの頂点4gは腕12を強く加圧する。加圧された場所では血管の脈動の変化が大きくなる。従って、腕12の頂点指示線4f上の部分で血管の脈動の変化が大きくなる。発光部5の発光部中心線5cと受光部6の受光部中心線6cの中間を通る第1方向17の線を中間線28bとする。中間線28bは頂点指示線4f及び第1直線28の中点28aと重なる。頂点指示線4fの第1方向17における腕12の内部を被測定部29とする。
発光部5が射出する照射光31が腕12の内部に進行する。そして、腕12の内部で反射した反射光32の一部が受光部6に向かって進行する。発光部5から被測定部29までの距離と被測定部29から受光部6までの距離を加算した距離を第3距離とする。第1方向17から見た平面視で、被測定部29以外の任意の部分を参照部とする。そして、発光部5から参照部までの距離と参照部から受光部6までの距離を加算した距離を第4距離とする。このとき、第3距離はほとんどの参照部における第4距離より短い。発光部5から受光部6の間で光の進行する距離が短い程、受光部6は強い光を受光する。受光部6が受光する反射光32の強度が強い方が弱いときより脈拍の検出精度が高い。
被測定部29は生体情報測定装置1が血管の脈動の変化を感度良く測定できる場所である。外面部4aの頂点4gは被測定部29を加圧するので、生体情報測定装置1は血管の脈動の変化が大きい場所を感度良く測定できる。そして、運動中等において腕12の表面に沿って生体情報測定装置1の外面部4aが移動するときにも、センサー部7は外面部4aが押圧する被測定部29の血管の脈動を測定する。つまり、生体情報測定装置1は血管の脈動の変化が大きい場所を感度良く測定する。従って、生体情報測定装置1は血管の脈動を安定して測定できる。
照射光31の強度変化は脈拍を反映していないので、受光部6が照射光31を受光してもノイズ成分になる。受光部6が照射光31を受光しないときの方が脈拍の検出精度が良くなる。照射光31の一部は腕12を通過せずに受光部6に向かって進行する。遮光部15は発光部5と受光部6との間に配置されている。受光部6に向かって進行する照射光31を遮光部15が遮る。遮光部15は照射光31が受光部6に受光されることを抑制する。
受光部6が受光する反射光32の強度が強い方が弱いときより脈拍の検出精度が高い。発光部5と被測定部29との距離が短い程、被測定部29に強い強度の照射光31が照射される。受光部6と被測定部29との距離が短い程、強い強度の反射光32が受光部6に受光される。
図7において、第1方向17におけるレンズ体5bと凹曲面4dとの距離を第5距離33とする。第5距離33はレンズ体5bと凹曲面4dとが干渉しないために設定された距離である。第1方向17におけるレンズ体5bと対向する場所の凹曲面4dと頂点4gとの距離を第6距離34とする。第5距離33と第6距離34とを加算した距離を第7距離35とする。第7距離35は第1方向17におけるレンズ体5bと頂点4gとの距離である。
内面部4bに接近させて発光部5及び受光部6を配置することにより、発光部5及び受光部6と腕12との距離が短くなる。第1方向17からの平面視で凸曲面4cの頂点4gは発光部5の中心5dと受光部6の中心6dとを結ぶ第1直線28の中点28aと重なる。凹曲面4dは凸曲面4c側にへこんでいるので、凹曲面4dの最もへこんでいる場所は凸曲面4cの頂点4gと対向する。そして、第1方向17から見たとき、凹曲面4dの最もへこんでいる場所が発光部5の中心5dと受光部6の中心6dとを結ぶ第1直線28の中点28aになっている。このとき、発光部5及び受光部6を凹曲面4dに近づけることができるので、発光部5及び受光部6を腕12に近づけることができる。受光部6は被測定部29で反射した強い強度の反射光32を受光できる。
図18は比較例におけるレンズ体と頂点との距離を説明するための模式図である。図18の配置では、頂点指示線4fと中間線28bとがX方向に第8距離36だけ離れている。第1方向17におけるレンズ体5bと対向する場所の凹曲面4dと頂点4gとの距離を第9距離37とする。第5距離33と第9距離37とを加算した距離を第10距離38とする。
頂点指示線4fと中間線28bとが離れることにより、第9距離37が第6距離34より長くなる。そして、第10距離38が第7距離35より長くなる。第1方向17からの平面視で発光部5と被測定部29との距離が長くなる。被測定部29を照射する照射光31が弱くなる。第3距離も長くなるので、受光部6が受光する反射光32が弱くなる。
図19は比較例におけるレンズ体と頂点との距離を説明するための模式図である。図19の配置では、頂点指示線4fと発光部中心線5cとが重なっている。第1方向17におけるレンズ体5bと対向する場所の凹曲面4dと頂点4gとの距離を第11距離39とする。第11距離39は通過部4の厚みと近い長さである。第5距離33と第11距離39とを加算した距離を第12距離41とする。
頂点指示線4fと発光部中心線5cとが重なるとき、第11距離39は第6距離34より短い。第12距離41は第7距離35より短い。しかし、第1方向17からの平面視で受光部6と被測定部29との距離が長くなる。第3距離も長くなるので、受光部6が受光する反射光32が弱くなる。
図8は発光部、受光部、遮光部及び駆動部の配置を説明するための模式平面図である。図8では図3と同様に通過部4を通して見える発光部5、遮光部15及び受光部6が実線で示されている。図8において、第1方向17からの平面視における駆動部16の重心を駆動部16の中心16dとする。第1直線28の延長線を第2直線42とする。第1方向17からの平面視において、発光部5の中心5dと受光部6の中心6dと駆動部16の中心16dとが第2直線42上に配置される。
第1方向17からの平面視において発光部5、受光部6及び駆動部16の中で凸曲面4cの頂点4gと最も離れた場所は駆動部16の角16aである。頂点4gと最も離れた駆動部16の角16aと凸曲面4cの頂点4gとの間の距離を第13距離43とする。そして、駆動部16の中心16dが第2直線42上にないときに比べて駆動部16の中心16dが第2直線42上にあるときの方が第13距離43が短くなる。従って、発光部5、受光部6及び駆動部16を凸曲面4cの頂点4gに近い場所に配置することができる。図7に示すように、通過部4は内面部4bが第1方向17に突出する。角16aを頂点4gに近い配置にすることにより、センサー基板14及びセンサー部7を通過部4に近い配置にできる。
図20は比較例における発光部、受光部、遮光部及び駆動部の配置を説明するための模式平面図である。図20では駆動部16の中心16dが第2直線42の−Y方向に配置されている。頂点4gと最も離れた駆動部16の角16aと凸曲面4cの頂点4gとの間の距離を第14距離44とする。第14距離44は第13距離43より長い。
図21は比較例におけるセンサー部、通過部及び裏蓋の構成を示す要部模式側断面図である。図21は図20のC−C線に沿う断面側から見た図である。駆動部16において頂点4gから離れている場所の角16aと内面部4bとの距離を第15距離45とする。角16aが内面部4bと干渉しないように第15距離45は所定の距離になっている。Y方向から見た平面視で内面部4bが円弧状であり、比較例では角16aが頂点4gから離れているので、頂点4gとセンサー基板14との距離が本実施形態より長い距離に設定される。そのため、第5距離33及び第7距離35が長くなる。つまり、第1方向17において発光部5は頂点4gから離れた場所に配置される。
図9及び図10はケースに外力が作用したときの影響を説明するための模式側断面図である。図9に示すように、ケース2に第1方向17の外力46が作用するときの影響を説明する。外力46が作用する場所は第2方向25におけるケース2の中央である。裏蓋3及び通過部4は腕12から反力を受ける。裏蓋3及び通過部4は腕12と接する場所の全面で略同じ大きさの反力を受けるので、生体情報測定装置1は腕12に沈み難い。また、外力46が裏蓋張力点3jに近いとき、外力46はX方向及びY方向の中央に近いので生体情報測定装置1は傾き難い。このため、センサー部7と被測定部29との相対位置は外力46の影響を受け難い。
図10に示すように、ケース2に第1方向17の外力46が作用するときの影響を説明する。外力46が作用する場所は第2方向25におけるケース2の端に近い場所である。生体情報測定装置1が腕12に装着されるとき、第1ベルト8及び第2ベルト9に張力が作用する。第1方向17の平面視で張力が作用する直線上に裏蓋張力点3j及び凸曲面4cの頂点4gが位置する。第1ベルト8及び第2ベルト9に作用する張力は裏蓋張力点3jから凸曲面4cの頂点4gを押圧する。これにより、凸曲面4cの頂点4gでは腕12との間の摩擦力が大きくなる。生体情報測定装置1に回転する外力46が作用するときにも、凸曲面4cの頂点4gは回転し難い。従って、凸曲面4cの頂点4gは安定して腕12を押圧する為、生体情報測定装置1は安定して押圧のかかる場所で脈拍を計測できる。
第1方向17からの平面視において、裏蓋3の重心3kと凸曲面4cの頂点4gとが重なっている。生体情報測定装置1が腕12に取り付けられるとき、裏蓋3及び凸曲面4cが腕12に接触する。生体情報測定装置1にモーメントが作用して裏蓋3が腕12の表面に対して傾くとき、裏蓋3は裏蓋3の重心3kを通る線を軸にして回転する。このとき、重心3kを通る線は腕12に押圧されている為、凸曲面4cの頂点4gも腕12に押圧される。従って、凸曲面4cの頂点4gは安定して腕12を押圧することができる為、生体情報測定装置1は安定して押圧のかかる場所で脈拍を計測できる。
図11は受光部の構造を示す模式側断面図である。図11に示すように、受光部6はシリコン基板47を備えている。シリコン基板47はP型基板である。シリコン基板47の内部には第1方向17側にN型拡散層48とP型拡散層49とが平面方向に交互に配置されている。そして、N型拡散層48とシリコン基板47との間のpn接合によりフォトダイオード51が形成される。さらに、N型拡散層48とP型拡散層49との間のpn接合によりフォトダイオード51が形成される。N型拡散層48がフォトダイオード51のカソードになり、P型拡散層49及びシリコン基板47がアノードになる。
シリコン基板47の第1方向17側には角度制限フィルター52が配置されている。角度制限フィルター52には第2方向25に遮光物53が等間隔に配置されている。遮光物53は第2方向25が薄い膜である。遮光物53の材質にはアルミニウムやタングステン等が用いられる。遮光物53の間には透光物54が配置されている。透光物54の材質はフォトダイオード51が受光する波長の反射光32を通過できれば良い。本実施形態では、例えば、透光物54の材質に2酸化シリコンを用いている。
角度制限フィルター52にはN型拡散層48と電気的に接続する第1配線55が配置されている。さらに、P型拡散層49と電気的に接続する第2配線56が配置されている。第1配線55及び第2配線56において第1方向17に長い部分にはタングステンが用いられている。第1配線55及び第2配線56において第2方向25に長い部分にはアルミニウムが用いられている。
遮光物53に到達する反射光32は光の強さが減衰するので、強い強度の反射光32がフォトダイオード51に到達する角度は制限角度59内に制限される。透光物54の第1方向17の長さを第1長さ57とする。透光物54の第2方向25の長さを第2長さ58とする。そして、反射光32を制限する制限角度59はarctan(第2長さ58/第1長さ57)になる。第1長さ57及び第2長さ58を設定することにより制限角度59が設定される。本実施形態では、例えば、第1長さ57が5μmであり、第2長さ58が3μmである。このとき、制限角度59は31°である。
角度制限フィルター52の第1方向17側には保護膜61が配置されている。保護膜61の材質には透光物54と同じ2酸化シリコンが用いられる。
保護膜61の第1方向17側にはバンドパスフィルター62が配置されている。バンドパスフィルター62は、保護膜61の上に形成されたロングパスフィルター63と、ロングパスフィルター63の上に形成されたショートパスフィルター64により構成される。ロングパスフィルター63は長波長側の光を通過して短波長側の光を減衰する機能を持ったフィルターである。ショートパスフィルター64は短波長側の光を通過して長波長側の光を減衰する機能を持ったフィルターである。本実施形態では、例えば、波長が500nm〜600nmの光をバンドパスフィルター62が通過させている。ロングパスフィルター63とショートパスフィルター64は薄膜が積層された薄膜フィルターである。尚、ロングパスフィルター63とショートパスフィルター64の第1方向17の位置は入れ替わってもよい。
受光部6の概略の製造方法を説明する。まずフォトダイオード51が形成される。フォトダイオード51ではP型基板であるシリコン基板47上にN型拡散層48及びP型拡散層49が形成される。N型拡散層48はシリコン基板47の所定のパターンにリンやヒ素等のV族の元素を注入して形成される。P型拡散層49はシリコン基板47の所定のパターンにボロン等のIII族の元素が注入されて形成される。
次に、角度制限フィルター52が形成される。まず、ステップ1にて2酸化シリコンの膜がスパッタリング法にて成膜される。次に、ステップ2にてフォトリソグラフィ法及びエッチング法を用いて穴が形成される。次に、ステップ3にて、この穴の中及び2酸化シリコンの膜上に、スパッタリング法を用いてアルミニウムまたはタングステンの金属膜が配置される。そして、ステップ4にてCMP(chemical mechanical polishing)により2酸化シリコンの膜が平坦にされる。
以上のステップ1からステップ4を繰り返して遮光物53及び透光物54が形成される。第1配線55及び第2配線56においてシリコン基板47の平面方向の配線が形成されるときにはステップ3で形成した金属膜がフォトリソグラフィ法及びエッチング法を用いて形成される。そして、ステップ1に移行する。このようにして、角度制限フィルター52が形成される。角度制限フィルター52に重ねて保護膜61が形成される。保護膜61は2酸化シリコンの膜をスパッタリング法にて成膜する。
次に、保護膜61に重ねてバンドパスフィルター62が形成される。そして、保護膜61に異方性ドライエッチング及びCMPによる研磨を行い傾斜構造体の傾斜面が形成される。次に、チタン酸化膜のスパッタリングと2酸化シリコン膜のスパッタリングとが交互に行われ、傾斜面に多層薄膜が形成される。チタン酸化膜は高屈折率の薄膜であり、2酸化シリコン膜は低屈折率の薄膜である。ロングパスフィルター63及びショートパスフィルター64の光学特性に合わせてチタン酸化膜の膜厚及び2酸化シリコン膜の膜厚が調整される。以上の工程により受光部6が完成する。
図12は血管の脈動を検出する方法を説明するための模式図である。図12に示すように、腕12の内部に細動脈の血管65が配置されている。血管65の内部には血液66が流れている。血液66の拍出により血管65の膨らみが伝播する。所定の長さの血管65内の血液66の体積を血管内容積とする。血管内容積は血管65において血液66が流れる領域の断面積と比例する。血管65が膨らむとき血管内容積が大きくなり、血管65が縮むとき血管内容積が小さくなる。心臓の動きと同期して血管内容積が変動する。心臓の動きは血管65の脈動と連動するので、血管内容積の変動は血管65の脈動と連動する。
発光部5から射出された照射光31の一部は血液66内のヘモグロビンに吸収される。ヘモグロビンに吸収されない照射光31の一部が反射光32として受光部6に受光される。血管内容積が大きくなると、射出される照射光31に対するヘモグロビンに吸収される照射光31の比率が大きくなる。血管内容積が大きくなると、受光部6に受光される反射光32が小さくなる。従って、受光部6が受光する反射光32の光強度は血管内容積の変動と連動する。
非特許文献1には血管65に加える圧力と血管内容積の変動の関係の情報が開示されている。それによると、血管65に対して血圧に近い圧力を印加すると血管内容積の変動が大きくなる。図13は血管内外圧差と血管内容積の関係を説明するための図である。図13において、横軸は血管内外圧差を示す。血管内外圧差は血管内部の平均圧力から血管に外側から加えられる圧力を減算したものである。横軸の図中左側は右側より血管65に外側から加える圧力が高くなっている。通過部4の外面部4aが腕12から離れているとき、血管内外圧差は横軸の図中右側の状態になる。通過部4の外面部4aが腕12を押圧するとき、血管内外圧差は横軸の“0”に近い状態になる。血管内外圧差は横軸の“0”の状態は、血管65内の血圧の平均値と通過部4の外面部4aが血管65に加える圧力とが同じ状態である。
縦軸は血管内容積を示し、図中上側は下側より血管内容積が大きくなっている。圧容積曲線67は血管内外圧差と血管内容積との関係を示す。圧容積曲線67の変化率は圧容積曲線67の傾きを示す。圧容積曲線67の傾きが大きいとき血管内容積の変化率が大きく、圧容積曲線67の傾きが小さいとき血管内容積の変化率が小さい。血管内外圧差が“0”のとき血管内容積の変化率が大きく、血管内外圧差が“0”から離れるに従い血管内容積の変化率が小さくなっている。
接触面3aが腕12と接触し通過部4の外面部4aが腕12を押圧するときの血管内外圧差の変動を第1圧力変動68とする。第1圧力変動68の幅は拍出により変化する血管内外圧差を示す。第1圧力変動68は血管内外圧差が“0”の付近で変動する。そして、第1圧力変動68に対応する血管内容積を第1容積変動69とする。
接触面3aが腕12と離れたときの血管内外圧差の変動を第2圧力変動71とする。第1圧力変動68と第2圧力変動71との変動圧差の幅は同じである。第2圧力変動71では血管65が通過部4の外面部4aに押圧されていないので、第2圧力変動71は第1圧力変動68より図中右側になっている。そして、第2圧力変動71に対応する血管内容積を第2容積変動72とする。
第1圧力変動68における圧容積曲線67の傾きは第2圧力変動71における圧容積曲線67の傾きより急になっている。つまり、圧容積曲線67の変化率が大きくなっている。このため、第1容積変動69の変動幅は第2容積変動72の変動幅より大きくなる。
図14は血管内容積の経時変化を示す図である。図14の横軸は時間の経過を示し、時間は図中左側から右側へ推移する。縦軸は血管内容積を示し、図中上側は下側より血管内容積が大きくなっている。第1波形73は第1容積変動69に対応する波形であり、第2波形74は第2容積変動72に対応する波形である。第1波形73と第2波形74との波形は相似形である。そして、血管内容積のピークは第1波形73が第2波形74より大きくなっている。従って、通過部4の外面部4aが腕12を押圧して血管65に適正が圧力を加えることにより、変化する血管内容積の振幅が大きくなる。このとき、センサー部7は血管65の脈動を検出し易くなる。
図15は生体情報測定装置の電気制御ブロック図である。図15において、生体情報測定装置1は生体情報測定装置1の動作を制御する制御部75を備えている。そして、制御部75は各種の演算処理を行う信号処理部76と、各種情報を記憶する記憶部77を備えている。信号処理部76にはセンサー部7及び通信部78が接続されている。
通信部78は無線通信を行うための変調回路や復調回路を備えている。そして、通信部78にはアンテナ79が接続されている。通信部78はスマートフォン11等の端末装置との間で、例えば、ブルートゥース(登録商標)等の近距離無線通信の通信処理を行う。具体的には通信部78はアンテナ79からの信号の受信処理やアンテナ79への信号の送信処理を行う。通信部78の機能は通信用のプロセッサー或いはASIC(application specific integrated circuit)等の論理回路により実現できる。信号処理部76が演算した脈拍数等の脈拍情報を通信部78がアンテナ79からスマートフォン11へ無線通信する。
操作者はスマートフォン11を操作して生体情報測定装置1の動作の設定や指示を行う。そして、スマートフォン11は生体情報測定装置1に指示情報を送信する。通信部78はスマートフォン11から指示情報を受信する。従って、生体情報測定装置1への動作指示や生体情報測定装置1が検出した脈波や脈拍数のデータの表示をスマートフォン11が行う。
記憶部77は、RAM、ROM等といった半導体メモリーで構成される。記憶部77は生体情報測定装置1の動作の制御手順や脈波の演算手順が記述されたプログラムを記憶する。他にも、記憶部77はセンサー部7が出力する脈波信号のデータを記憶する。他にも、信号処理部76が動作するためのワークエリアやテンポラリーファイル等として機能する記憶領域やその他各種の記憶領域を備える。
信号処理部76は、例えば、記憶部77の一部をワークエリアとして、各種の信号処理や制御処理を行うものである。例えばCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサー或いはASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の論理回路により信号処理部76が実現される。
信号処理部76は脈波演算部81を有する。脈波演算部81はセンサー部7から脈波信号のデータを入力して脈拍情報の演算処理を行う。脈拍情報は例えば脈拍数等の情報である。具体的には、脈波演算部81は脈波信号に対してFFT(fast Fourier transform)等の周波数解析処理を行って脈波信号のスペクトルを求める。求めたスペクトルにおいて強度が大きい周波数を60倍にして脈拍数を算出する。尚、脈拍情報は脈拍数そのものには限定されず、例えば、脈波の周波数や周期等でもよい。他にも、脈拍情報は脈拍数の経時変化のデータを含んでも良い。
第2の実施形態
図16は生体情報測定装置の装着状態を説明するための模式図である。図17は、生体情報測定装置の構成を示す概略斜視図である。本実施形態が第1の実施形態と異なるところは、生体情報測定装置が表示部を備えている点にある。尚、第1の実施形態と同じ点については説明を省略する。
図16は生体情報測定装置の装着状態を説明するための模式図である。図17は、生体情報測定装置の構成を示す概略斜視図である。本実施形態が第1の実施形態と異なるところは、生体情報測定装置が表示部を備えている点にある。尚、第1の実施形態と同じ点については説明を省略する。
図16に示すように、生体情報測定装置85の外観は時計と類似する。生体情報測定装置85はユーザーの腕12に装着され、脈波情報等の生体情報を検出する。生体情報測定装置85はケース86、第1バンド87及び第2バンド88を有する。第1バンド87及び第2バンド88はケース86をユーザーに装着する。尚、生体情報測定装置85が腕12に装着する時計タイプの脈拍計である場合を例にとり説明する。尚、生体情報測定装置85は指、上腕、胸等に装着されて生体情報を検出するものであってもよい。生体情報測定装置85は脈波以外の、血液中の酸素飽和度、体温、心拍、血圧等を検出する装置であってもよい。
ケース86にはLCD(Liquid Crystal Display)等の第1表示部89が設けられている。第1表示部89には脈拍数や消費カロリーや時間等の各種情報が表示される。生体情報測定装置85はスマートフォン11と通信接続され、データのやり取りが行われる。スマートフォン11はLCD等の第2表示部11aを備える。スマートフォン11の第2表示部11aに、脈拍数や消費カロリー等の各種の情報が表示されきる。尚脈拍数や消費カロリー等の情報の演算処理を生体情報測定装置85が実行してもよいし、少なくとも一部の演算処理をスマートフォン11が実行してもよい。
図17に示すように、第1表示部89と反対側のケース86には裏蓋90が設置されている。裏蓋90の中央には光が通過可能な通過部91が配置されている。ケース86の内部には発光部5、受光部6及び遮光部15を備えるセンサー部7等が配置されている。裏蓋90には発光部5及び受光部6と対向する場所に穴90bが配置されている。穴90bは通過部91に塞がれている。通過部91が透明であり穴90bを通して発光部5、受光部6及び遮光部15が見えるので、図中では発光部5、受光部6及び遮光部15が実線で示されている。
第1方向17からの平面視において、通過部91の凸曲面91cの頂点91gは発光部5の中心5dと受光部6の中心6dとを結ぶ第1直線28の中点28aと重なる。凸曲面91cと表裏の関係にある曲面を凹曲面91dとする。生体情報測定装置85においても、第1方向17から見たとき、凹曲面91dの最も凹んでいる場所が発光部5の中心5dと受光部6の中心6dとを結ぶ第1直線28の中点28aになっている。このとき、発光部5及び受光部6を凹曲面91dに近づけることができるので、発光部5及び受光部6を腕12に近づけることができる。
変形例
前記第1の実施形態では、生体情報測定装置1が人体の腕12に装着された。生体情報測定装置1は腕12以外に装着されても良い。例えば、生体情報測定装置85は指、上腕、胸等に装着されて生体情報を検出するものであってもよい。人体以外の動物に生体情報測定装置1が装着されても良い。また、生体情報測定装置1の検出対象となる生体情報も、脈波には限定されない。例えば、生体情報測定装置1は脈波以外の、血液中の酸素飽和度、体温、心拍、血圧等を検出する装置であってもよい。
前記第1の実施形態では、生体情報測定装置1が人体の腕12に装着された。生体情報測定装置1は腕12以外に装着されても良い。例えば、生体情報測定装置85は指、上腕、胸等に装着されて生体情報を検出するものであってもよい。人体以外の動物に生体情報測定装置1が装着されても良い。また、生体情報測定装置1の検出対象となる生体情報も、脈波には限定されない。例えば、生体情報測定装置1は脈波以外の、血液中の酸素飽和度、体温、心拍、血圧等を検出する装置であってもよい。
以下に、実施形態から導きだされる内容を記載する。
生体情報測定装置は、生体に照射される照射光を射出する発光部と、前記照射光が前記生体で反射される反射光を受光する受光部と、前記照射光及び前記反射光が通過する通過部と、を備え、前記通過部は前記生体と接触する外面部及び前記外面部とは表裏の関係にある内面部を備え、前記外面部は前記発光部から前記通過部に向かう第1方向に沿って突出し前記生体と接触する凸曲面を備え、前記内面部は前記第1方向に沿って前記凸曲面側にへこむ凹曲面を備え、前記第1方向からの平面視において、前記凸曲面の頂点は前記発光部の中心と前記受光部の中心とを結ぶ第1直線の中点と重なることを特徴とする。
この構成によれば、生体情報測定装置は発光部及び受光部を備えている。発光部は生体に向けて照射光を射出する。発光部と生体との間には通過部が配置されている。照射光は通過部を通過して生体に向かって進行する。生体に向かって進行する照射光は生体で反射する。生体で反射する反射光の一部は受光部に向かって進行する。受光部と生体との間には通過部が配置されている。反射光は通過部を通過して受光部に向かって進行する。受光部は反射光を受光する。
生体の血管では血液が照射光の一部を吸収する。血管では血液が脈流になっているので反射光は血液の脈流を反映した強度の経時変化を有する。生体情報測定装置は反射光を測定することにより血管の脈動を検出する。通過部において生体と接触する部位を外面部とする。外面部は凸曲面を有する。発光部から通過部に向かう方向を第1方向とする。凸曲面は第1方向に沿って突出し生体の血管を押圧する。押圧された血管は脈流の強弱が大きくなる。
血管の脈動を測定して得られる信号を脈波信号とする。発光部や受光部と生体との距離が短いときは発光部や受光部と生体との距離が長いときに比べて、強い脈波信号を検出する。発光部や受光部と生体との距離が短いとき、受光部は強い脈波信号を検出する。
通過部において外面部と表裏の関係にある部位を内面部とする。内面部は凸曲面側にへこむ凹曲面を有する。この凹曲面に接近させて発光部及び受光部を配置することにより、内面部が平面のときに比べて、発光部及び受光部と生体との距離が短くなる。
第1方向からの平面視で凸曲面の頂点は発光部の中心と受光部の中心とを結ぶ第1直線の中点と重なる。凹曲面は凸曲面側に凹んでいるので、凹曲面の最も凹んでいる場所は凸曲面の頂点と対向する。そして、第1方向から見たとき、凹曲面の最も凹んでいる場所が発光部の中心と受光部の中心とを結ぶ第1直線の中点になっている。このとき、発光部及び受光部を凹曲面に近づけることができるので、発光部及び受光部を生体に近づけることができる。
上記の生体情報測定装置は、前記受光部から出力される電気信号を入力するAFE素子を備え、前記第1方向からの平面視において、前記発光部の中心と前記受光部の中心と前記AFE素子の中心とが前記第1直線の延長線上に配置されることが好ましい。
この構成によれば、生体情報測定装置はAFE素子を備えている。AFE素子は増幅回路、フィルター回路、アナログデジタル変換回路を備えている。そして、AFE素子は受光部が受光した反射光の強度変化を電気信号に変換して出力する。第1方向からの平面視において、発光部の中心と受光部の中心とAFE素子の中心とが第1直線の延長線上に配置されている。この配置のとき、発光部、受光部及びAFE素子の中で凸曲面の頂点と最も離れた場所はAFE素子の角である。そして、AFE素子の中心が第1直線の延長線上にないときに比べてAFE素子の中心が第1直線の延長線上にあるときの方が凸曲面の頂点とAFE素子の角との距離が短くなる。通過部の内面部が凹曲面のとき、凸曲面の頂点とAFE素子の角との距離が短い方が長いときより発光部、受光部及びAFE素子を凸曲面の頂点に近い場所に配置することができる。
上記の生体情報測定装置は、前記通過部を支持する裏蓋と、前記第1方向からの平面視において、前記裏蓋を挟む第1ベルトと、第2ベルトと、を備え、前記第1ベルトは幅方向に位置する第1側面と、前記第1側面と逆側の第2側面と、を備え、前記第1側面の延長線が前記裏蓋の外形と交差する点を第1交差点とし、前記第2側面の延長線が前記裏蓋の外形と交差する点を第2交差点とし、前記第2ベルトは幅方向に位置する第3側面と、前記第3側面と逆側の第4側面と、を備え、前記第3側面の延長線が前記裏蓋の外形と交差する点を第3交差点とし、前記第4側面の延長線が前記裏蓋の外形と交差する点を第4交差点とし、前記第1方向からの平面視において、前記第1交差点及び前記第4交差点を通る第3直線と前記第2交差点及び前記第3交差点を通る第4直線との交点が前記凸曲面の頂点と重なることが好ましい。
この構成によれば、裏蓋は第1ベルト及び第2ベルトに挟まれている。第1ベルト及び第2ベルトを繋いで輪を作り生体の手首等に生体情報測定装置が装着される。第1ベルトの幅方向の側面が第1側面及び第2側面である。第2ベルトの幅方向の側面が第3側面及び第4側面である。第1方向からの平面視において、第1側面の延長線は裏蓋の外形と第1交差点で交差する。第2側面の延長線は裏蓋の外形と第2交差点で交差する。第3側面の延長線は裏蓋の外形と第3交差点で交差する。第4側面の延長線は裏蓋の外形と第4交差点で交差する。
第1交差点及び第4交差点を通る直線を第3直線とする。第2交差点及び第3交差点を通る直線を第4直線とする。第1方向からの平面視において、第3直線と第4直線との交点が凸曲面の頂点と重なっている。第1ベルト及び第2ベルトに張力が作用するとき、張力が作用する直線上に第3直線と第4直線との交点及び凸曲面の頂点が位置する。第1ベルト及び第2ベルトに作用する張力は第3直線と第4直線との交点から凸曲面の頂点を押圧する。これにより、凸曲面の頂点では生体との間の摩擦力が大きくなる。生体情報測定装置に回転する外力が作用するときにも、凸曲面の頂点は回転し難い。従って、凸曲面の頂点は安定して生体を押圧することができる為、生体情報測定装置は安定して押圧のかかる場所で脈拍を計測できる。
上記の生体情報測定装置では、前記第1方向からの平面視において、前記裏蓋の重心と前記凸曲面の頂点とが重なることが好ましい。
この構成によれば、第1方向からの平面視において、裏蓋の重心と凸曲面の頂点とが重なる。生体情報測定装置が生体に取り付けられるとき、裏蓋及び凸曲面が生体に接触する。生体情報測定装置にモーメントが作用して裏蓋が生体の表面に対して傾くとき、裏蓋は裏蓋の重心を通る線を軸にして回転する。裏蓋が傾くとき、重心を通る線は生体に押圧されている為、凸曲面の頂点も生体に押圧される。従って、凸曲面の頂点は安定して生体を押圧することができる為、生体情報測定装置は安定して押圧のかかる場所で脈拍を計測できる。
1…生体情報測定装置、3…裏蓋、3c…第1交差点、3d…第2交差点、3e…第3交差点、3f…第4交差点、3g…第3直線、3h…第4直線、3j…交点としての裏蓋張力点、3k…重心、4…通過部、4a…外面部、4b…内面部、4c…凸曲面、4g…頂点、5…発光部、5d,6d,16d…中心、6…受光部、8…第1ベルト、8a…第1側面、8b…第2側面、9…第2ベルト、9a…第3側面、9b…第4側面、10…幅方向、12…生体としての腕、16…AFE素子としての駆動部、17…第1方向、28…第1直線、28a…中点、31…照射光、32…反射光、42…第1直線の延長線としての第2直線。
Claims (4)
- 生体に照射される照射光を射出する発光部と、
前記照射光が前記生体で反射される反射光を受光する受光部と、
前記照射光及び前記反射光が通過する通過部と、を備え、
前記通過部は前記生体と接触する外面部及び前記外面部とは表裏の関係にある内面部を備え、
前記外面部は前記発光部から前記通過部に向かう第1方向に沿って突出し前記生体と接触する凸曲面を備え、
前記内面部は前記第1方向に沿って前記凸曲面側にへこむ凹曲面を備え、
前記第1方向からの平面視において、前記凸曲面の頂点は前記発光部の中心と前記受光部の中心とを結ぶ第1直線の中点と重なることを特徴とする生体情報測定装置。 - 請求項1に記載の生体情報測定装置であって、
前記受光部から出力される電気信号を入力するAFE素子を備え、
前記第1方向からの平面視において、前記発光部の中心と前記受光部の中心と前記AFE素子の中心とが前記第1直線の延長線上に配置されることを特徴とする生体情報測定装置。 - 請求項1または2に記載の生体情報測定装置であって、
前記通過部を支持する裏蓋と、
前記第1方向からの平面視において、前記裏蓋を挟む第1ベルトと、第2ベルトと、を備え、
前記第1ベルトは幅方向に位置する第1側面と、前記第1側面と逆側の第2側面と、を備え、
前記第1側面の延長線が前記裏蓋の外形と交差する点を第1交差点とし、
前記第2側面の延長線が前記裏蓋の外形と交差する点を第2交差点とし、
前記第2ベルトは幅方向に位置する第3側面と、前記第3側面と逆側の第4側面と、を備え、
前記第3側面の延長線が前記裏蓋の外形と交差する点を第3交差点とし、
前記第4側面の延長線が前記裏蓋の外形と交差する点を第4交差点とし、
前記第1方向からの平面視において、前記第1交差点及び前記第4交差点を通る第3直線と前記第2交差点及び前記第3交差点を通る第4直線との交点が前記凸曲面の頂点と重なることを特徴とする生体情報測定装置。 - 請求項3に記載の生体情報測定装置であって、
前記第1方向からの平面視において、前記裏蓋の重心と前記凸曲面の頂点とが重なることを特徴とする生体情報測定装置。
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