JP2020200218A - 建築材料及び建築材料の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】優れたホルムアルデヒド吸着能を有する建築材料と、この建築材料の製造方法の提供。【解決手段】石膏と、卵殻膜と、を含む。本開示の建築材料の製造方法は、石膏と、卵殻膜と、水とを含むスラリーを形成する工程と、前記スラリーを成形して成形体を作製する工程と、前記成形体を乾燥する工程と、を含む。好ましくは、石膏に対する卵殻の割合は、5重量%以上、70重量%以下であり、更に好ましくは、10重量%以下である。【選択図】なし

Description

本開示は、一般には、建築材料と、この建築材料の製造方法とに関する。本開示は、詳細には、石膏を含む建築材料と、この建築材料の製造方法に関する。
石膏製の建築材料(石膏ボード)は、優れた耐火性を有するため、建築物の壁の下地として用いられる。近年、建築物の接着剤等に含まれるホルムアルデヒド等によるシックハウス症候群が問題となっていることから、石膏ボードにホルムアルデヒド吸着能を付与することが行われている。
例えば特許文献1には、石膏芯材の表裏面にボード用原紙を配してなる石膏ボードが開示され、ボード用原紙の内面側にホルムアルデヒド吸着剤を含有し、このホルムアルデヒド吸着剤として、アジピン酸ジヒドラジン等のヒドラジド化合物を使用することが開示されている。
特開2003−26204号公報
ヒドラジド化合物は、ホルムアルデヒドと効率良く反応できるものの、ヒドラジンを解離することがあり、このヒドラジンの影響も不明である。そのため、ヒドラジド化合物を使用することなく、ホルムアルデヒドを吸着することが求められている。
本開示は、上記の点に鑑みてなされたものであり、優れたホルムアルデヒド吸着能を有する建築材料と、この建築材料の製造方法とを提供することを目的とする。
本開示の一態様に係る建築材料は、石膏と、卵殻膜とを含む。
本開示の一態様に係る建築材料の製造方法は、石膏と、卵殻膜と、水とを含むスラリーを形成する工程と、前記スラリーを成形して成形体を作製する工程と、前記成形体を乾燥させる工程と、を含む。
本開示の一態様に係る建築材料は、優れたホルムアルデヒド吸着能を有するという利点がある。本開示の一態様に係る建築材料の製造方法によれば、優れたホルムアルデヒド吸着性能を有する建築材料が得られるという利点がある。
図1A〜図1Dは、卵殻を含む試験体の表面及び裏面に炎を放射した結果を示す写真である。図1Eは、卵殻を含まない比較試験体の表面及び裏面に炎を放射した結果を示す写真である。 図2は、卵殻を含む試験体から形成された試料箱と、卵殻を含まない比較試験体から形成された試料箱と、における内部の煙の変化の様子を示す写真である。 図3は、卵殻を含む試験体が導入された箱と、卵殻を含まない試験体が導入された箱と、試験体及び比較試験体が導入されていない箱と、における内部の煙の変化の様子を示す写真である。 図4は、図3に示す箱内に導入された試験体及び比較試験体を示す写真である。
1.概要
本開示の一実施形態に係る建築材料は、石膏と、卵殻膜とを含む。また本実施形態の建築材料の製造方法は、石膏と、卵殻膜と、水とを含むスラリーを形成する工程と、前記スラリーを成形して成形体を作製する工程と、前記成形体を乾燥させる工程と、を含む。
本実施形態の建築材料は、その原料に卵殻膜が含まれるため、優れたホルムアルデヒド吸着能を有する。これは、卵殻膜が微細な網目構造を有すると共に、卵殻膜の主成分がタンパク質であることが理由と考えられる。具体的には、タンパク質が有する側鎖の種々の官能基とホルムアルデヒドとで化学結合が形成されること、又はタンパク質を主成分とするコラーゲンにホルムアルデヒドが吸着されることによって、卵殻膜の微細な網目構造内にホルムアルデヒドが取り込まれることが考えられる。
このように本実施形態の建築材料は、優れたホルムアルデヒド吸着能を有することから、建築材料を建物の壁の下地として使用することにより、シックハウス症候群の原因物質の一つであるホルムアルデヒドを吸着することができる。
2.詳細
2−1.建築材料について
まず、本実施形態の建築材料の構成を、より詳細に説明する。
本実施形態の建築材料は、建物の建造に使用される材料である。建築材料の形状は、特に限定されないが、例えば、板状である。
上述の通り、本実施形態の建築材料は、石膏と、卵殻膜とを含む。本実施形態の建築材料は、卵殻の粉砕物を含むことが好ましい。この卵殻は、卵殻膜と、卵殻膜の外側に設けられた卵殻部と、を有する。そのため本実施形態の建築材料は、卵殻膜の粉砕物と、卵殻部の粉砕物とを含むことも好ましい。以下、建築材料に含まれる各成分について詳細に説明する。
(1)石膏
石膏としては、石膏ボードの製造に使用される一般的な石膏を、特に制限なく含むことができる。石膏は、例えば二水石膏である。
(2)卵殻
卵殻としては、例えば、鶏の卵殻、ウズラの卵殻、ダチョウの卵殻、アヒルの卵殻、ガチョウの卵殻等が挙げられるが、入手の容易さ等の観点から、鶏の卵殻であることが好ましい。
本実施形態の卵殻は、卵殻膜と、卵殻部と、を含む。卵殻膜は、卵の卵黄及び卵白を包む膜であり、その主成分はたんぱく質である。卵殻膜は、上述の通り、微細な網目構造を有している。卵殻部は、卵の外側を構成しており、卵殻膜の外側に設けられ、その主成分は炭酸カルシウムである。また卵殻部は、多数の微細な細孔(気孔)を有する。
このように卵殻が、たんぱく質を主成分とする卵殻膜だけでなく、炭酸カルシウムを主成分とする卵殻部を含むため、建築材料の強度及び耐火性を確保しやすい。
本実施形態の建築材料は、卵殻の粉砕物を含むことが好ましい。この卵殻は、卵殻膜と卵殻部とを含むことから、本実施形態の建築材料は、卵殻膜の粉砕物と、卵殻の粉砕物とを含むことも好ましい。この場合、建築材料に優れたホルムアルデヒド吸着能を付与できると共に、建築材料の強度を確保しやすい。卵殻の粉砕物は、卵殻を粉砕することによって形成することができる。卵殻を粉砕する方法は、特に限定されにないが、例えば、乾燥した卵殻を、フードプロセッサー等の一般的な粉砕機を使用することができる。
卵殻の粉砕物の大きさは、卵殻膜が備える網目構造や、卵殻部が備える微細な細孔が維持される程度に調整することが好ましい。具体的には、卵殻の粉砕物の大きさは、0.5mm以上であることが好ましく、7mm以上であることが好ましく、15mm以上であることがより好ましい。この場合、卵殻膜の粉砕物の分散性を向上させることができると共に、卵殻膜の粉砕物によるホルムアルデヒド吸着能を効率よく発揮させることができる。また卵殻膜の網目構造及び卵殻の細孔が破壊されることによる建築材料の密度の増加を抑制することができる。なお、卵殻の粉砕物の大きさは、上記の範囲に限定されない。例えば卵殻の粉砕物の大きさが微細であってもよく、卵殻の粉砕物が粉末状であってもよい。
本実施形態の建築材料では、石膏に対する卵殻の割合が、5重量%以上であることが好ましい。この場合、卵殻によるホルムアルデヒド吸着能を向上させることができる。
また石膏に対する卵殻の割合が多い程、ホルムアルデヒド吸着能を向上させることができるが、石膏に対する卵殻の割合が多すぎると、建築材料の耐火性が低下することがある。そのため、石膏に対する卵殻の割合は、70重量%以下であることが好ましい。この場合、建築材料の耐火性を十分に確保しやすい。
また石膏に対する卵殻の割合が多すぎると、建築材料の強度が低下することがある。そのため、石膏に対する卵殻の割合は、10重量%以下であることが好ましい。この場合、建築材料の強度を十分に確保しやすい。
また本実施形態では、石膏に対する卵殻の割合が、5重量%以上10重量%以上であることが特に好ましい。この場合、建築材料のホルムアルデヒド吸着能を確保しながら、建築材料の耐火性を確保することができ、さらに建築材料の強度も確保することができる。
(3)石膏及び卵殻以外の成分
上述の通り、本実施形態の建築材料は、石膏及び卵殻以外の成分(以下、他の成分ともいう)を含むことができる。他の成分としては、石膏ボードの製造に使用される添加剤を、特に制限なく使用することができる。
他の成分は、例えば、減水剤、発泡剤、硬化促進剤、硬化遅延剤、及び吸着剤等を含むことができる。他の成分は、これら以外の成分を含んでいてもよい。
石膏に対する他の成分の割合は、特に限定されず、耐火性、強度等の建築材料の性能、及びホルムアルデヒド吸着能を確保できる範囲で、適宜設定される。
2−2.建築材料の製造方法について
本実施形態の建築材料の製造方法には、石膏と、卵殻膜と、水とを含むスラリーを形成する工程(以下、スラリー形成工程ともいう)と、このスラリーを成形して成形体を作製する工程(以下、成形工程ともいう)と、この成形体を乾燥する工程(以下、乾燥工程ともいう)と、を含む。以下、これらの工程について説明する。
(1)スラリー形成工程
スラリー形成工程では、上述の石膏と、卵殻と、水とを混錬することによって、スラリーを形成する。本実施形態では、石膏と、卵殻の粉砕物と、水とを混錬することによってスラリーを形成することが好ましい。このように卵殻の粉砕物をスラリーに配合することによって、卵殻膜の粉砕物と、卵殻部の粉砕物とを含むスラリーを形成することができる。混錬の方法は、特に限定されない。スラリー中の石膏は例えば焼石膏である。スラリーは、石膏、卵殻膜、及び水以外の成分を適宜含んでいてもよい。
(2)成形工程
成形工程では、上記スラリーを任意の形状に成形して成形体を作製する。成形する方法は、特に限定されない。例えば、石膏ボード用の原紙上にスラリーを流し込み、このスラリー上に石膏ボード用の原紙を配置して挟むことにより、成形体を作製することができる。
(3)乾燥工程
乾燥工程では、上記成形体を乾燥させることにより、成形体に含まれる余剰水分を除去する。成形体を乾燥する方法は、特に限定されず、石膏ボードを製造する際の一般的な乾燥方法を採用することができる。成形体の乾燥条件は、一般的な石膏ボードを製造する際の乾燥条件を適用することができ、成形体の寸法、含水率等に応じて適宜設定される。例えば乾燥温度は、25℃以上60℃未満が好ましく、30℃以上55℃以下がより好ましい。例えば乾燥時間は、1時間以上120時間以下が好ましく、20時間以上80時間以下がより好ましい。乾燥温度及び乾燥時間の一例として、50℃24時間以上が挙げられる。乾燥時間は例えば3日であることも好ましい。なお、成形体の乾燥条件は、上記範囲に限定されない。また成形体の乾燥後には、成形体を任意の大きさに切断してもよい。
以上の工程により、本実施形態の建築材料を製造することができる。
2−3.建築材料の物性について
本実施形態の建築材料は、卵殻膜を含むため、優れたホルムアルデヒド吸着能を有する。具体的には、建築材料から形成した直径85mm、厚さ8.5mmの試験片を、体積24L、かつ、ホルムアルデヒド濃度が0.20ppmである密閉容器中に配置し、24時間静置した後のこの密閉容器内のホルムアルデヒド濃度が0.08ppm以下であることが好ましい。この場合、建築材料によってホルムアルデヒドを効率良く吸着することができる。特に建築材料において、石膏に対する卵殻の割合が5重量%以上であることにより、上記ホルムアルデヒド吸着能を達成しやすい。また本実施形態の建築材料は、卵殻膜を含むことから、ホルムアルデヒドだけでなく、ホルムアルデヒド以外の成分の吸着能も有する。例えば、線香、蚊取り線香等の煙に含まれる成分等を吸着することができる。そのため、本実施形態の建築材料を、建物の壁の下地となる石膏ボードとして使用することにより、シックハウス症候群の原因の一つであるホルムアルデヒドや、ホルムアルデヒド以外の成分を吸着することができる。
また本実施形態の建築材料は、石膏を含むと共に、主成分が炭酸カルシウムである卵殻部を含むことにより、優れた耐火性を有する。具体的には、建築材料から形成した直径85mm、厚さ8.5mmの試験片に対して、片面ずつ炎を放射した後に、この試験片に破損が生じないことが好ましい。この場合、建築材料の耐火性を十分に確保することができる。特に建築材料において、石膏に対する卵殻の割合が70重量%以下であることにより、上記耐火性を達成しやすい。
また本実施形態の建築材料は、石膏ボードとして用いるのに十分な強度を有する。具体的には、建築材料から形成した700mm×200mm×9.5mmの試験片を、JIS A 6901:2014で規定される曲げ破壊荷重試験において、試験片の中央上部から1mm/minの加圧加速条件に対する強度が、80N以上であることが好ましく、100N以上であることが好ましい。この場合、建築材料の強度を十分確保することができ、建築材料を石膏ボードとして使用しやすい。特に建築材料において、石膏に対する卵殻の割合が、10重量%以下であることにより、上記強度を達成しやすい。これは、高純度の炭酸カルシウム結晶で構成される卵殻部と、たんぱく質が主成分の卵殻膜とが、石膏のスラリーと混ざりやすいことによって、卵殻を含まない建築材料と同程度の強度を確保できたためと考えられる。
このように、本実施形態の建築材料は、優れた耐火性と、十分な強度とを有するため、建築物の壁に使用される石膏ボードとして使用することができる。すなわち本実施形態の建築材料は、石膏ボードであることが好ましい。
なお、上記実施形態では、卵殻膜と卵殻部とを含む卵殻の粉砕物を、建築材料に配合しているが、これに限定されない。例えば建築材料が、粉砕物でない卵殻を含んでいてもよい。また例えば建築材料が、卵殻膜の粉砕物と、卵殻部との粉砕物とを含んでいてもよい。また例えば建築材料が、卵殻膜の粉砕物と、粉砕物でない卵殻部とを含んでいてもよい。また例えば建築材料が、粉砕物でない卵殻膜と、卵殻部の粉砕物とを含んでいてもよい。また例えば建築材料が、卵殻膜の粉砕物を含み、卵殻部を含んでいなくてもよい。また例えば建築材料が、粉砕物でない卵殻膜を含み、卵殻部を含んでいなくてもよい。また例えば建築材料が、卵殻膜の粉砕物と、粉砕物でない卵殻膜とを含んでいてもよい。これらの場合においても、建築材料に優れたホルムアルデヒド吸着能を付与することができる。
(耐火性試験)
まず、卵殻500gを、水2L及び市販の除菌剤(ユニリーバ製、商品名ドメスト)50mlの混合液に浸漬した後に、乾燥機を用いて110℃で2日間乾燥させた。次に、乾燥した卵殻をフードプロセッサー(品番SKF−G100、TIGER製)で粉砕して、直径5mm程度の卵殻の粉砕物を得た。次に、石膏(高級工作石こう、家庭化学工業株式会社製)と水とを混合して精製したスラリーに、卵殻の粉砕物を下記表1の割合で混合した。次に、直径85mmの円形のシリコン容器に上記スラリーを流し込み、厚さ8.5mmの成形体を作製した。この成形体を、恒温乾燥器(品番HTO−300S、アズワン株式会社製)によって、50℃で3日間乾燥させることにより、建築材料の試験体1〜5及び比較試験体を作製した。
この試験体1〜5及び比較試験体の表面及び裏面に対して、ガストーチで炎を2分間放射して、試験体の変化を観察し、以下の基準で評価した。その結果を下記の表1に示す。また参考として、炎を照射した後の試験体1〜5の写真を図1A〜1Dに示し、比較試験体の写真を図1Eに示す。
〇:試験体に破損が生じていない。
△:試験体に破損が確認された。
試験体1〜4及び比較試験体の評価結果によれば、石膏に対する卵殻の割合が5〜66重量%である試験体1〜4は、卵殻が含まれていない比較試験体と同様に優れた耐火性を有する。また試験体5は、卵殻が含まれない比較試験体よりも耐火性が低下した。これは、試験体5の石膏に対する卵殻の割合が80重量%であって、卵殻の割合が多すぎることにより、十分な耐火性が得られなかったためと考えられる。
(強度測定)
石膏と水とを混合して精製したスラリーに、卵殻の粉砕物を下記表1の割合で混合した。次に、このスラリーを型枠内に流し込み、矩形の成形体を作製した。この成形体を、50℃で3日環乾燥させることにより、700mm×200mm×9.5mmの試験体1〜7及び比較試験体1を作製した。さらに、卵殻の粉砕物の代わりに、蟹の甲羅の粉砕物、ホタテ貝の貝殻の粉砕物、紙の粉砕物を使用した比較試験体2〜4を作製した。
この試験体1〜7及び比較試験体1〜4について、JIS A 6901:2014で規定される曲げ破壊荷重試験を行った。加圧加速条件は、試験体の中央状に対して1mm/minとした。その結果を下記の表2に示す。
上記試験体1〜7及び比較試験体1〜4によれば、石膏に対する卵殻の割合が5〜10重量%である試験体1〜5は、卵殻が含まれていない比較試験体1と同様に、十分な曲げ強度を有する。卵殻を6重量%含む試験体3は、同量の蟹の甲羅を含む比較試験体2及びホタテの貝殻を含む比較試験体3と比べて、優れた曲げ強度を有する。これは、卵殻部の高純度の炭酸カルシウム結晶と、卵殻膜のたんぱく質と、が石膏スラリーと混ざりあうため、試験体3が優れた曲げ強度を有すると考えられる。これに対して、蟹の甲羅を含む比較試験体2では、蟹の甲羅に含まれるキチン繊維質と石膏との親和性が低いため、試験体3よりも曲げ強度が低くなると考えられる。また、ホタテの貝殻を含む比較試験体3では、ホタテの貝殻が炭酸カルシウム結晶とたんぱく質(コンキオリン)で繋がって形成されているが、この繋がりに石膏スラリーが浸透しにくいためと考えられる。また紙を含む比較試験体4は、比較試験体2、3と比べて曲げ強度が優れているが、これは紙の主成分であるセルロースと硫酸カルシウムとの相性がよく、またセルロース自体の柔軟性が高く、引張方向の耐久性が高いためと考えられる。そして、卵殻を含む試験体3は、曲げ強度に優れる比較試験体4と同程度の曲げ強度を有する。
(ホルムアルデヒド吸着能)
(試験1)
石膏と水とを混合して精製したスラリーに、卵殻の粉砕物を下記表3の割合で混合した。次に、直径85mmの円形のシリコン容器に上記スラリーを流し込み、成形体を作製した。この成形体を、50℃で3日間乾燥させることにより、建築材料の試験体1〜3及び比較試験体を作製した。次に、30cm角のガラス水槽内に、ホルムアルデヒド標準溶液を導入して密閉し、30分間静置した。次に、このガラス水槽内に同一の試験板四枚を配置して密閉し、24時間静置した。次に、ガラス水槽内のホルムアルデヒド濃度を、ホルムアルデヒド濃度検知器(測定レンジ0−1ppm。測定時間900秒)を用いて測定した。測定は3回行い、それらの平均値を測定値とした。その結果を、以下の表3に示す。
試験体1〜3及び比較試験体によれば、卵殻を含む試験体1〜3が、卵殻を含まない比較試験体よりも、優れたアルデヒド吸着能を有する。特に試験体1〜3によれば、石膏に対する卵殻の割合が多いほどアルデヒド吸着能を向上させることができる。具体的には、石膏に対する卵殻の割合が5重量%である試験体1及び10重量%である試験体2が、検出限界以上導入されたホルムアルデヒドを吸着した結果、ホルムアルデヒド濃度が六分の一以下となった。
(試験2)
石膏と水とを混合して精製したスラリーに、卵殻の粉砕物を下記表4の割合で混合した。次に、このスラリーを型枠内に流し込み、矩形の成形体を作製した。この成形体を、50℃で3日環乾燥させることにより、700mm×200mm×9.5mmの試験体1〜10及び比較試験体を作製した。次に、30cm角のガラス水槽内に、ホルムアルデヒド標準溶液を導入して密閉し30分間静置することで、ガラス水槽内のホルムアルデヒド濃度を0.20ppmとした。次に、このガラス水槽内に、試験体を配置して密閉し、24時間静置した。次に、ガラス水槽内のホルムアルデヒド濃度を、ホルムアルデヒド濃度検知器(測定レンジ0−1ppm。測定時間900秒)を用いて測定した。測定は3回行い、それらの平均値を測定値とした。また試験体をガラス水槽内に、直接配置する場合と、ガラス皿に載せて浮かせた状態で配置する場合とで比較も行った。その結果を下記の表4に示す。
試験体1〜10及び比較試験体によれば、卵殻を含む試験体1〜10が、卵殻を含まない比較試験体よりも優れたホルムアルデヒド吸着能を有する。また試験体1〜10によれば、石膏に対する卵殻の割合が多い方が、優れたホルムアルデヒド吸着能を有する。特に試験体1〜10によれば、石膏に対する卵殻の割合が多いほどアルデヒド吸着能を向上させることができる。また試験体を、ガラス水槽内に直接配置する場合と、浮かせた状態で配置する場合とでは大きな差は確認されない。特に、石膏に対する卵殻の割合が10重量%である試験体10では、24時間後のホルムアルデヒド濃度が初期値の六分の一以下となった。
(揮発性有機成分吸着能)
(試験A)
石膏と水とを混合して精製したスラリーに、卵殻の粉砕物を5重量%混合した。次に、このスラリーを型枠内に流し込み、矩形の成形体を作製した。この成形体を、50℃で3日環乾燥させることにより、700mm×200mm×9.5mmの試験体を作製した。また卵殻の粉砕物を混合しないこと以外は同様の方法により、比較試験体を作製した。この試験体4枚を石膏スラリーで接合させてロ字型の筒を作製し、また比較試験体4枚を石膏スラリーで接合させてロ字型の筒を作製した。試験体の筒及び比較試験体の筒の上下をそれぞれガラス板で塞ぐことにより、試験体の試料箱と、比較試験体の試料箱とを作製した。試験体の試料箱及び比較試験体の試料箱に、それぞれ文字を記載した紙を配置した。さらに、試験体の試料箱及び比較試験体の試料箱に、それぞれ線香の煙を2分間導入した後、密閉した。そして、試験体の試料箱及び比較試験体の試料箱内の煙の様子を、2分毎に10分間目視で観察した。その結果を、図2に示す。
図2によれば、5重量%の卵殻の粉砕物が含まれる試験体の試料箱では、徐々に煙が薄まり、試料箱内の文字が徐々に見えやすくなることが確認される。これに対して、卵殻の粉砕物が含まれない比較試験体の試料箱では、煙が薄まらず、10分後も試料箱内の文字が見えずらい。これは、試験体の試料箱では、卵殻によって煙に含まれる揮発性有機成分が吸着されることで煙が薄くなるが、比較試験体の試料箱では、卵殻が存在しなため、煙が薄くなりにくいためと考えられる。
(試験B)
石膏と水とを混合して精製したスラリーに、卵殻の粉砕物を5重量%混合した。次に、このスラリーを型枠内に流し込み、矩形の成形体を作製した。この成形体を、50℃で3日環乾燥させることにより、700mm×200mm×9.5mmの試験体を作製した。また卵殻の粉砕物を混合しないこと以外は同様の方法により、比較試験体を作製した。次に、100mm×100m×200mmのポリエチレン製の箱を3つ用意し、試験体及び両端に火をつけた蚊取り線香と、比較試験体及び両端に火をつけた蚊取り線香と、両端に火をつけた蚊取り線香とを、それぞれ導入して、蚊取り線香の火が消えるまで静置した。そして、試験体を導入した箱と、比較試験体を導入した箱と、試験体及び比較試験体を導入しなかった箱とについて、内部の煙の様子を観察した。その結果を、図3に示す。なお、図3の左側の写真は箱内に試験体を導入した直後の写真であり、図3の右側の写真は試験体導入後10分経過時の写真である。
図3によれば、卵殻が含まれない比較試験体を導入した箱及び試験体を導入しなかった箱では、内部の煙が大きく変化しなかったのに対して、卵殻が含まれる試験体を導入した箱では、内部の煙が薄くなったことが確認できた。これは、試験体に含まれる卵殻によって、蚊取り線香の煙に含まれる揮発性有機成分が吸着されたためと考えられる。
またこの試験で用いた試験体及び比較試験体の写真を図4に示す。図4によれば、卵殻が含まれない比較試験体では変色が確認されたが、卵殻を含む試験体では、変色に加えて、点状の着色が確認された。この試験体に生じた点状の着色は、蚊取り線香の煙に含まれる揮発性有機成分を、卵殻が吸着したことによって生じたと考えられる。
特開2003−262034号公報
本開示の一態様に係る建築材料は、石膏と、卵殻の粉砕物と、を含む。前記卵殻は、卵殻膜と、前記卵殻膜の外側に設けられた卵殻部と、を有する
本開示の一態様に係る建築材料の製造方法は、石膏と、卵殻膜と前記卵殻膜の外側に設けられた卵殻部とを有する卵殻の粉砕物と、水とを含むスラリーを形成する工程と、前記スラリーを成形して成形体を作製する工程と、前記成形体を乾燥させる工程と、を含む。

Claims (7)

  1. 石膏と、
    卵殻膜と、を含む、
    建築材料。
  2. 卵殻の粉砕物を含み、
    前記卵殻は、前記卵殻膜と、前記卵殻膜の外側に設けられた卵殻部と、を有する
    請求項1に記載の建築材料。
  3. 前記石膏に対する前記卵殻の割合が、5重量%以上である、
    請求項2に記載の建築材料。
  4. 前記石膏に対する前記卵殻の割合が、70重量%以下である、
    請求項2又は3に記載の建築材料。
  5. 前記石膏に対する前記卵殻の割合が、10重量%以下である、
    請求項2又は3に記載の建築材料。
  6. 前記建築材料から形成した直径85mm厚さ8.5mmの試験片を、体積27L、かつ、ホルムアルデヒド濃度が0.20ppmである密閉容器中に配置して、24時間静置した後の前記密閉容器内のホルムアルデヒド濃度が0.08ppm以下である、
    請求項1〜5のいずれか一項に記載の建築材料。
  7. 石膏と、卵殻膜と、水とを含むスラリーを形成する工程と、
    前記スラリーを成形して成形体を作製する工程と、
    前記成形体を乾燥する工程と、を含む、
    建築材料の製造方法。
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