JP2020192249A - デンタル・ドラッグ・デリバリー・システム器具及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】歯及び歯茎の少なくとも一方にンタル・ドラッグ・デリバリー・システム剤を供給可能なデンタル・ドラッグ・デリバリー・システム器具を提供する。【解決手段】歯列面の少なくとも一部及び歯茎の一部を覆う被覆部を備え、前記被覆部は、器具100が装着者に装着された際に処置部位の近傍に位置するように設けられた、デンタル・ドラッグ・デリバリー・システム剤を保持可能な保持部2A、3A、5A、8A、14A、15A、2B、3B、4B、8B、14B、15Bを歯列面側に備え、前記保持部に保持された前記デンタル・ドラッグ・デリバリー・システム剤が前記処置部位に供給されるデンタル・ドラッグ・デリバリー・システム器具。【選択図】図3
Description
本開示は、デンタル・ドラッグ・デリバリー・システム器具及びその製造方法に関する。
ヒトの口腔内における疾患としてさまざまな疾患が知られている。中でも、S.mutans(ミュータンス)やS.sobrinus(ソブリヌス)などの7菌種の総称であるミュータンス連鎖球菌等を原因菌とする歯のう蝕が知られている。
また、主にP. gingivalisやA. actinomycetemcomitansを原因菌とする歯周病が知られている。歯周病への罹患は、様々な全身の病気(脳梗塞、糖尿病、低体重児出産、誤嚥性肺炎、細菌性心内膜炎、狭心症、心筋梗塞等)の原因になり得ると考えられている。
また、主にP. gingivalisやA. actinomycetemcomitansを原因菌とする歯周病が知られている。歯周病への罹患は、様々な全身の病気(脳梗塞、糖尿病、低体重児出産、誤嚥性肺炎、細菌性心内膜炎、狭心症、心筋梗塞等)の原因になり得ると考えられている。
う蝕及び歯周病は、口腔内における原因菌の存在が発症の大きな要因の一つである。従って、これらの口腔疾患を予防する目的で、原因菌を除去する手段が用いられている。
例えば、新たなう蝕予防方法として、デンタル・ドラッグ・デリバリー・システム(以下、「3DS」と略す。)がしばしば用いられる。3DSは、例えば以下のように実施される。
1.ミュータンスで形成されたプラーク(以下、「バイオフィルム」と称する。)を物理的に除去する。以下、この行程を「PMTC」(Professional Mechanical Tooth Cleaning)という。
2.ドラッグリテーナーを用いて、歯面をクロルヘキシジンで殺菌し、歯面から可及的にミュータンス除去を行う。このとき、歯面から全ての細菌を除去する。
3.ドラッグリテーナーを用いて、歯面をフッ素薬剤処理する。これによって、歯面が強化されるとともに、歯面に再付着しようとするミュータンスの付着活性が阻害され、殺菌作用が期待できる。
上記1〜3の処置後、歯面上にはミュータンス以外の菌が棲息するバイオフィルムが形成される。このようにして獲得されたバイオフィルムは、ミュータンス以外の菌が優勢な間は、歯面でミュータンスの繁殖が阻害され、う蝕リスクを極めて低減することができる。
2.ドラッグリテーナーを用いて、歯面をクロルヘキシジンで殺菌し、歯面から可及的にミュータンス除去を行う。このとき、歯面から全ての細菌を除去する。
3.ドラッグリテーナーを用いて、歯面をフッ素薬剤処理する。これによって、歯面が強化されるとともに、歯面に再付着しようとするミュータンスの付着活性が阻害され、殺菌作用が期待できる。
上記1〜3の処置後、歯面上にはミュータンス以外の菌が棲息するバイオフィルムが形成される。このようにして獲得されたバイオフィルムは、ミュータンス以外の菌が優勢な間は、歯面でミュータンスの繁殖が阻害され、う蝕リスクを極めて低減することができる。
上記3DSに関する技術としては、例えば、特許文献1には、ハイドロキシアパタイトの含有量が1重量%以上である3DSホームケア剤が開示されている。
特許文献2には、歯牙表面からバイオフィルムを物理的に除去した後に歯牙表面の口腔内細菌を除去する目的で、ハイドロキシアパタイトを有効成分とする改良3DSホームケア除菌剤が開示されている。これによって、クロルヘキシジンによる殺菌の代わりに歯牙表面の口腔内細菌を除去することが可能になるとされている。
例えば、特許文献1及び2に記載されているような3DSホームケア剤を用いる場合、歯及び歯茎の少なくとも一方にデンタル・ドラッグ・デリバリー・システム剤を供給可能なデンタル・ドラッグ・デリバリー・システム器具が求められている。
本開示の実施形態が解決しようとする課題は、歯及び歯茎の少なくとも一方にデンタル・ドラッグ・デリバリー・システム剤を供給可能なデンタル・ドラッグ・デリバリー・システム器具並びにその製造方法を提供することである。
上記課題を解決する手段には、以下の態様が含まれる。
<1> 歯列面の少なくとも一部及び歯茎の一部を覆う被覆部を備え、前記被覆部は、器具が装着者に装着された際に処置部位の近傍に位置するように設けられた、デンタル・ドラッグ・デリバリー・システム剤を保持可能な保持部を歯列面側に備え、前記保持部に保持された前記デンタル・ドラッグ・デリバリー・システム剤は前記処置部位に供給されるデンタル・ドラッグ・デリバリー・システム器具。
<2> 前記保持部の位置及び形状の少なくとも一方は、前記装着者の歯及び歯茎の少なくとも一方に対する歯周組織検査の重症度に基づいて設計されており、器具が前記装着者に装着された際に、特定の重症度に基づき設計されて設けられた前記保持部が、前記装着者の歯及び歯茎の少なくとも一方における前記特定の重症度を有する領域に前記デンタル・ドラッグ・デリバリー・システム剤を供給する<1>に記載のデンタル・ドラッグ・デリバリー・システム器具。
<3> 器具が前記装着者に装着された際に、前記特定の重症度に基づき設計されて設けられた前記保持部は、前記装着者の歯及び歯茎の少なくとも一方における前記特定の重症度以外の重症度を有する領域とは対面しない<2>に記載のデンタル・ドラッグ・デリバリー・システム器具。
<4> 前記保持部は、前記被覆部の歯列面側に設けられた、前記デンタル・ドラッグ・デリバリー・システム剤を保持可能な凹部を有する<1>〜<3>のいずれか1つに記載のデンタル・ドラッグ・デリバリー・システム器具。
<5> 歯周組織検査の重症度に基づいて形状の異なる前記保持部を複数備え、複数の前記保持部は、前記被覆部の歯列面側に設けられた、前記デンタル・ドラッグ・デリバリー・システム剤を保持可能な凹部をそれぞれ有し、前記重症度が重度である程、前記凹部の幅が大きい<1>〜<3>のいずれか1つに記載のデンタル・ドラッグ・デリバリー・システム器具。
<6> 前記凹部は、開口した部分に押し出し部を備え、前記押し出し部は、器具が前記装着者に装着された際に前記装着者の歯茎表面の一部に接触することで歯茎表面側とは反対側に押し込まれ、前記保持部に保持された前記デンタル・ドラッグ・デリバリー・システム剤を前記装着者の歯茎表面側に供給する<4>又は<5>に記載のデンタル・ドラッグ・デリバリー・システム器具。
<7> 前記保持部は、前記被覆部の少なくとも歯列面側に設けられた、前記デンタル・ドラッグ・デリバリー・システム剤を保持可能なメッシュ部を有する<1>〜<6>のいずれか1つに記載のデンタル・ドラッグ・デリバリー・システム器具。
<8> 前記保持部と、器具が前記装着者に装着された際における歯の先端側とは反対側の器具縁部との間には前記被覆部が存在し、前記保持部と前記器具縁部との間に存在する前記被覆部が前記装着者の歯茎と接触する<1>〜<6>のいずれか1つに記載のデンタル・ドラッグ・デリバリー・システム器具。
<1> 歯列面の少なくとも一部及び歯茎の一部を覆う被覆部を備え、前記被覆部は、器具が装着者に装着された際に処置部位の近傍に位置するように設けられた、デンタル・ドラッグ・デリバリー・システム剤を保持可能な保持部を歯列面側に備え、前記保持部に保持された前記デンタル・ドラッグ・デリバリー・システム剤は前記処置部位に供給されるデンタル・ドラッグ・デリバリー・システム器具。
<2> 前記保持部の位置及び形状の少なくとも一方は、前記装着者の歯及び歯茎の少なくとも一方に対する歯周組織検査の重症度に基づいて設計されており、器具が前記装着者に装着された際に、特定の重症度に基づき設計されて設けられた前記保持部が、前記装着者の歯及び歯茎の少なくとも一方における前記特定の重症度を有する領域に前記デンタル・ドラッグ・デリバリー・システム剤を供給する<1>に記載のデンタル・ドラッグ・デリバリー・システム器具。
<3> 器具が前記装着者に装着された際に、前記特定の重症度に基づき設計されて設けられた前記保持部は、前記装着者の歯及び歯茎の少なくとも一方における前記特定の重症度以外の重症度を有する領域とは対面しない<2>に記載のデンタル・ドラッグ・デリバリー・システム器具。
<4> 前記保持部は、前記被覆部の歯列面側に設けられた、前記デンタル・ドラッグ・デリバリー・システム剤を保持可能な凹部を有する<1>〜<3>のいずれか1つに記載のデンタル・ドラッグ・デリバリー・システム器具。
<5> 歯周組織検査の重症度に基づいて形状の異なる前記保持部を複数備え、複数の前記保持部は、前記被覆部の歯列面側に設けられた、前記デンタル・ドラッグ・デリバリー・システム剤を保持可能な凹部をそれぞれ有し、前記重症度が重度である程、前記凹部の幅が大きい<1>〜<3>のいずれか1つに記載のデンタル・ドラッグ・デリバリー・システム器具。
<6> 前記凹部は、開口した部分に押し出し部を備え、前記押し出し部は、器具が前記装着者に装着された際に前記装着者の歯茎表面の一部に接触することで歯茎表面側とは反対側に押し込まれ、前記保持部に保持された前記デンタル・ドラッグ・デリバリー・システム剤を前記装着者の歯茎表面側に供給する<4>又は<5>に記載のデンタル・ドラッグ・デリバリー・システム器具。
<7> 前記保持部は、前記被覆部の少なくとも歯列面側に設けられた、前記デンタル・ドラッグ・デリバリー・システム剤を保持可能なメッシュ部を有する<1>〜<6>のいずれか1つに記載のデンタル・ドラッグ・デリバリー・システム器具。
<8> 前記保持部と、器具が前記装着者に装着された際における歯の先端側とは反対側の器具縁部との間には前記被覆部が存在し、前記保持部と前記器具縁部との間に存在する前記被覆部が前記装着者の歯茎と接触する<1>〜<6>のいずれか1つに記載のデンタル・ドラッグ・デリバリー・システム器具。
<9> 装着者の歯列面の少なくとも一部及び歯茎の一部の三次元画像データを得る工程と、前記装着者の歯及び歯茎の少なくとも一方に対する歯周組織検査の重症度に関するデータに基づき、得られた前記三次元画像データに前記重症度に対応する凸部データを追加して加工後三次元画像データを得る工程と、前記加工後三次元画像データに対応する歯列模型を成形する工程と、前記歯列模型の表面にシート状の材料を追従させることにより、前記三次元画像データに追加された前記凸部データに対応する、デンタル・ドラッグ・デリバリー・システム剤を保持可能な凹部を備えるデンタル・ドラッグ・デリバリー・システム器具を製造する工程と、を含むデンタル・ドラッグ・デリバリー・システム器具の製造方法。
本開示の実施形態によれば、歯及び歯茎の少なくとも一方にデンタル・ドラッグ・デリバリー・システム剤を供給可能なデンタル・ドラッグ・デリバリー・システム器具並びにその製造方法を提供することができる。
以下、本開示の3DS器具及びその製造方法について、詳細に説明するが、本開示は、以下の実施形態に何ら限定されるものではなく、本開示の目的の範囲内において、適宜変更を加えて実施することができる。
本開示において、「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。本開示に段階的に記載されている数値範囲において、ある数値範囲で記載された上限値又は下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。また、本開示に記載されている数値範囲において、ある数値範囲で記載された上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
本開示において、組成物中の各成分の量について言及する場合、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合には、特に断らない限り、組成物中に存在する複数の物質の合計量を意味する。
本開示において、組成物中の各成分の量について言及する場合、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合には、特に断らない限り、組成物中に存在する複数の物質の合計量を意味する。
[デンタル・ドラッグ・デリバリー・システム器具]
本開示のデンタル・ドラッグ・デリバリー・システム器具(3DS器具)は、歯列面の少なくとも一部及び歯茎の一部を覆う被覆部を備え、前記被覆部は、器具が装着者に装着された際に処置部位の近傍に位置するように設けられた、デンタル・ドラッグ・デリバリー・システム剤(以下、「3DS剤」とも称する。)を保持可能な保持部を歯列面側に備え、前記保持部に保持された前記デンタル・ドラッグ・デリバリー・システム剤は前記処置部位に供給される。本開示の3DS器具における保持部に3DS剤を保持させた状態にて3DS器具を装着者が装着することで、歯及び歯茎の少なくとも一方である処置部位にデンタル・ドラッグ・デリバリー・システム剤を供給することができる。
本開示において、「処置部位」とは、3DS器具の装着者における歯及び歯茎の少なくとも一方であり、治療、予防、手入れ等を目的として3DS剤が供給される部位を意味する。処置部位としては、例えば、歯周病部位、虫歯部位、歯肉病変、歯周炎、壊死性歯周疾患、歯周組織膿瘍、歯周−歯肉病変、歯肉退縮、咬合性外相等を含む部位などが挙げられる。
本開示のデンタル・ドラッグ・デリバリー・システム器具(3DS器具)は、歯列面の少なくとも一部及び歯茎の一部を覆う被覆部を備え、前記被覆部は、器具が装着者に装着された際に処置部位の近傍に位置するように設けられた、デンタル・ドラッグ・デリバリー・システム剤(以下、「3DS剤」とも称する。)を保持可能な保持部を歯列面側に備え、前記保持部に保持された前記デンタル・ドラッグ・デリバリー・システム剤は前記処置部位に供給される。本開示の3DS器具における保持部に3DS剤を保持させた状態にて3DS器具を装着者が装着することで、歯及び歯茎の少なくとも一方である処置部位にデンタル・ドラッグ・デリバリー・システム剤を供給することができる。
本開示において、「処置部位」とは、3DS器具の装着者における歯及び歯茎の少なくとも一方であり、治療、予防、手入れ等を目的として3DS剤が供給される部位を意味する。処置部位としては、例えば、歯周病部位、虫歯部位、歯肉病変、歯周炎、壊死性歯周疾患、歯周組織膿瘍、歯周−歯肉病変、歯肉退縮、咬合性外相等を含む部位などが挙げられる。
本開示の3DS器具の一例を図3及び図4に示す。図3に示すように、3DS器具100は、被覆部を備え、被覆部は、保持部を歯列面側に備える。より具体的には、3DS器具100は、保持部2A、3A、5A、8A、14A、15A、2B、3B、4B、8B、14B及び15Bを備える。図4は、図3に示す3DS器具100を反転させた図である。
例えば、図1に示すように、正中40を境に正中右側70と正中左側80で区切り、上顎50において正中右側70の奥側に位置する歯から正中左側80の奥側に位置する歯まで順番に番号を付した場合に歯1〜歯16を有する、すなわち上顎側に歯を16本有する装着者を想定する。この装着者の上顎に対し、歯2が保持部2Aと対応し、かつ歯15が保持部15Aと対応するように3DS器具100を装着させた場合、歯2、3、5、8、14及び15の頬側における処置部位の近傍に保持部2A、3A、5A、8A、14A及び15Aがそれぞれ位置し、歯2、3、4、8、14及び15の舌側における処置部位の近傍に保持部2B、3B、4B、8B、14B及び15Bがそれぞれ位置する。これにより、保持部2A、3A、5A、8A、14A及び15Aに保持される3DS剤は、歯2、3、5、8、14及び15の頬側における処置部位に供給され、保持部2B、3B、4B、8B、14B及び15Bに保持される3DS剤は、歯2、3、4、8、14及び15の舌側における処置部位に供給される。図3において、各保持部は、後述の歯肉炎指数(GI)の歯肉の状態に基づいて設計されたものであり、歯肉の状態の評価が1に対応する保持部はその領域を斜線で表しており、歯肉の状態の評価が2に対応する保持部はその領域を格子で表しており、歯肉の評価が3に対応する保持部はその領域をドットで表している。
(被覆部)
本開示の被覆部は、歯列面の少なくとも一部及び歯茎の一部を覆う部位であり、歯列面の少なくとも一部及び歯茎の一部を被覆部で覆うことで3DS器具を装着者に装着可能な形状であれば特に限定されない。また、被覆部としては、上顎側又は下顎側の歯列面の少なくとも一部及び歯茎の一部を覆う部位であればよい。被覆部としては、上顎側又は下顎側の歯列面の全体を覆う構成に限定されず、歯列面における1本以上の歯、好ましくは複数本の歯を覆う構成であればよい。
本開示の被覆部は、歯列面の少なくとも一部及び歯茎の一部を覆う部位であり、歯列面の少なくとも一部及び歯茎の一部を被覆部で覆うことで3DS器具を装着者に装着可能な形状であれば特に限定されない。また、被覆部としては、上顎側又は下顎側の歯列面の少なくとも一部及び歯茎の一部を覆う部位であればよい。被覆部としては、上顎側又は下顎側の歯列面の全体を覆う構成に限定されず、歯列面における1本以上の歯、好ましくは複数本の歯を覆う構成であればよい。
本開示の被覆部の最大厚さとしては、3DS器具の用途、被覆部の材質に応じて適宜定めればよく、例えば、0.25mm〜4mmであればよく、0.5mm〜2mmであってもよい。
被覆部の材質としては、特に限定されず、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン・α−オレフィン共重合体、プロピレン・α−オレフィン共重合体、1−ブテン・α−オレフィン共重合体、シリコーンゴム、酢酸ビニル樹脂、アクリル樹脂等の有機系高分子材料、上記の共重合体やこれらのポリマーアロイ等が挙げられる。α−オレフィンとしては、4−メチル−1−ペンテン、エチレン、プロピレン、ブテン等が挙げられる。
また、被覆部の材質としては、歯科咬合スプリント用材料、マウスガード用材料の他、特許第6438787号にて用いられる材料が挙げられる。また、被覆部はこれらの材料の積層体であってもよく、被覆部を形成する際に後述のシート状の材料を用いる場合、このシート材料は、これらの材質を含む材料を複数層備える積層フィルムであってもよい。
また、被覆部の材質としては、歯科咬合スプリント用材料、マウスガード用材料の他、特許第6438787号にて用いられる材料が挙げられる。また、被覆部はこれらの材料の積層体であってもよく、被覆部を形成する際に後述のシート状の材料を用いる場合、このシート材料は、これらの材質を含む材料を複数層備える積層フィルムであってもよい。
(保持部)
被覆部は、器具が装着者に装着された際に処置部位の近傍に位置するように設けられた、3DS剤を保持可能な保持部を歯列面側に備える。保持部に保持された3DS剤は処置部位に供給される。
被覆部は、器具が装着者に装着された際に処置部位の近傍に位置するように設けられた、3DS剤を保持可能な保持部を歯列面側に備える。保持部に保持された3DS剤は処置部位に供給される。
保持部は被覆部に複数設けられていてもよく、この場合、歯の一本ずつ、処置部位ずつ等に対応して保持部が別々に複数設けられていてもよい。これにより、特定の歯、処置部位等に選択的に3DS剤を供給することができ、特定の歯、処置部位以外に3DS剤が供給されることが抑制される。あるいは、処置が必要となる歯が連続して存在している場合には、連続している複数の歯の近傍、複数の処置部位の近傍等に保持部が設けられ、この保持部に保持される3DS剤が複数の歯、複数の処置部位に供給される構成であってもよい。
保持部は、器具が装着者に装着された際に処置部位の近傍、かつ、保持部に保持された3DS剤をこの処置部位に供給可能な位置に配置されていればよく、例えば、保持部は処置部位に対面又は対向する位置に配置されていてもよい。
保持部は、被覆部の歯列面側に設けられた、3DS剤を保持可能な凹部を有していてもよい。保持部が被覆部に複数設けられている場合、複数の保持部はそれぞれ凹部を有していてもよく、複数の凹部の幅、深さ等の大きさ、形状などは同じであってもよく、異なっていてもよい。
凹部は、開口した部分に押し出し部を備え、押し出し部は、器具が装着者に装着された際に装着者の歯茎表面の一部に接触することで歯茎表面側とは反対側に押し込まれ、保持部に保持された3DS剤を装着者の歯茎表面側に供給する。これにより、3DS器具を装着者に装着された後に、装着者の歯茎表面の一部に押し出し部が接触することで歯茎表面側とは反対側に押し込まれるため、保持部から装着者の歯茎表面側への3DS剤の供給が促進される。
図5に押し出し部の具体例を示す。図5は、図4におけるA−A線断面図である。図5では、保持部5Aを含むように図4に示す3DS器具を切断したときの断面図を示している。
図5に示すように、保持部5Aに3DS剤120が保持されている場合にて3DS器具を装着者が装着した際、保持部の開口した部分に設けられた押し出し部110が歯茎表面側とは反対側(矢印B側)に押し込まれ、その結果、保持部5Aに保持された3DS剤120が装着者の歯茎表面側(矢印C側)に供給される。
保持部は、凹部を有する構成に限定されず、例えば、被覆部の少なくとも歯列面側に設けられた、3DS剤を保持可能なメッシュ部を有していてもよい。保持部が3DS剤を保持可能なメッシュ部を備えることにより、メッシュ部から少量の3DS剤を長時間にわたって処置部位に供給できる傾向にある。メッシュ部の形状、材質は、3DS剤の種類、3DS剤の処置部位への供給時間、保持させる3DS剤の量等によって適宜調整すればよい。
本開示の3DS器具は、保持部と、保持部と対面する歯の先端側とは反対側の器具縁部との間には被覆部が存在し、器具が装着者に装着された際に、保持部と器具縁部との間に存在する被覆部が装着者の歯茎と接触することが好ましい。これにより、3DS器具と歯茎との間から3DS剤が漏出することを抑制でき、特に、3DS器具を下顎に装着した際に3DS器具と歯茎との間から3DS剤が漏出することを抑制できる。
保持部と器具縁部との最短距離は、被覆部を装着者の歯茎と充分に接触させることで3DS器具と歯茎との間から3DS剤を漏出することを抑制する観点から、1mm〜8mmであってもよい。
本開示の3DS器具では、保持部の位置及び形状の少なくとも一方は、装着者の歯及び歯茎の少なくとも一方に対する歯周組織検査の重症度に基づいて設計されていてもよく、器具が装着者に装着された際に、特定の重症度に基づき設計されて設けられた保持部が、装着者の歯及び歯茎の少なくとも一方における特定の重症度を有する領域に3DS剤を供給する構成であってもよい。なお、歯周組織検査の重症度については、後述の製造方法にて説明する。
例えば、本開示の3DS器具は、歯周組織検査の重症度に基づいて形状の異なる保持部を複数備える構成であってもよく、より具体的には歯周組織検査の重症度が重度である程、形状のより大きい保持部を備えていてもよく、具体的には、幅、深さ等のより大きい凹部、体積のより大きいメッシュ部を備えていてもよい。また、3DS器具の保持部周辺の厚さを確保することにより3DS器具の強度を確保する点から、歯周組織検査の重症度が重度である程、幅のより大きい凹部を備えることが好ましい。
本開示の3DS器具では、器具が装着者に装着された際に、特定の重症度に基づき設計されて設けられた保持部は、装着者の歯及び歯茎の少なくとも一方における特定の重症度以外の重症度を有する領域とは対面しないことが好ましい。これにより、特定の重症度に基づき設計されて設けられた保持部に保持される3DS剤は、装着者の歯及び歯茎の少なくとも一方における特定の重症度を有する領域に優先的に供給され、前述の領域以外には供給されにくい。したがって、3DS剤を供給する必要性の低い箇所に3DS剤が供給されにくい。
本開示の3DS器具では、器具が装着者に装着された際に、歯列面又は歯茎と、保持部の表面(例えば、保持部が凹部である場合には開口部分、保持部がメッシュ部である場合にはメッシュ部の表面)との間には空間が存在していてもよく、処置部位以外に3DS剤が供給されることを抑制する観点から、その空間の幅は0mm越え0.5mm以下であることが好ましく、0.05mm〜0.4mmであることがより好ましい。
本開示の3DS剤は、殺菌、除菌、消毒、歯の漂白等を目的とする薬剤として、成分Aを含むことができる。
成分Aとしては、公知の成分を用いることができる。例えば、グルコン酸クロルヘキシジン等の消毒薬、過酸化物等の漂白剤、リン酸カルシウム系セラミックス(例えば、ハイドロキシアパタイト)等の除菌剤が挙げられる。
成分Aとしては、公知の成分を用いることができる。例えば、グルコン酸クロルヘキシジン等の消毒薬、過酸化物等の漂白剤、リン酸カルシウム系セラミックス(例えば、ハイドロキシアパタイト)等の除菌剤が挙げられる。
成分Aとしては、市販品を用いることができる。例えば、過酸化水素(富士フィルム和光純薬株式会社製)、過酸化尿素(Alfa Aesar社製)等が挙げられる。
本開示の3DS剤は、3DS剤100質量部に対して、成分Aを1質量部以上含むことが好ましく、1質量部〜30質量部含むことがより好ましい。
3DS剤100質量部に対して、成分Bを1質量部以上含むことで、殺菌、除菌、消毒等の治療効果を得ることができる。
3DS剤100質量部に対して、成分Bを1質量部以上含むことで、殺菌、除菌、消毒等の治療効果を得ることができる。
<成分B>
本開示の3DS剤は、粘度及びチキソトロピー指数を調節とする目的で、成分Bを含んでいてもよい。
成分Bとしては、ポリエチレングリコール、トリグリセリン、ポリエチレンオキサイド−ポリプロピレンオキサイド、アクリル酸、アクリル酸共重合体、ポリビニルピロピリドン、ヒドロキシプロピルセルロース、カラギーナン、キサンタンガム、ペクチン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、タラガントガム、グアガム、ローカストビーンガム、ヒドロキシエチルセルロース、ゼラチン、寒天等が挙げられる。
粘度及びチキソトロピー指数を好適に調節とする観点から、上記の中でも、本開示の3DS剤は、成分Bとして、ポリエチレングリコール、トリグリセリン、ポリエチレンオキサイド−ポリプロピレンオキサイド、アクリル酸、アクリル酸共重合体、ポリビニルピロピリドン、ヒドロキシプロピルセルロース、カラギーナン、キサンタンガム及びペクチンからなる群から選ばれる1種を含むことが好ましく、ポリエチレングリコール、トリグリセリンからなる群から選ばれる1種を含むことがより好ましく、ポリエチレングリコール及びトリグリセリンからなる群から選ばれる1種を含むことがさらに好ましい。
本開示の3DS剤は、粘度及びチキソトロピー指数を調節とする目的で、成分Bを含んでいてもよい。
成分Bとしては、ポリエチレングリコール、トリグリセリン、ポリエチレンオキサイド−ポリプロピレンオキサイド、アクリル酸、アクリル酸共重合体、ポリビニルピロピリドン、ヒドロキシプロピルセルロース、カラギーナン、キサンタンガム、ペクチン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、タラガントガム、グアガム、ローカストビーンガム、ヒドロキシエチルセルロース、ゼラチン、寒天等が挙げられる。
粘度及びチキソトロピー指数を好適に調節とする観点から、上記の中でも、本開示の3DS剤は、成分Bとして、ポリエチレングリコール、トリグリセリン、ポリエチレンオキサイド−ポリプロピレンオキサイド、アクリル酸、アクリル酸共重合体、ポリビニルピロピリドン、ヒドロキシプロピルセルロース、カラギーナン、キサンタンガム及びペクチンからなる群から選ばれる1種を含むことが好ましく、ポリエチレングリコール、トリグリセリンからなる群から選ばれる1種を含むことがより好ましく、ポリエチレングリコール及びトリグリセリンからなる群から選ばれる1種を含むことがさらに好ましい。
成分Bとしては、市販品を用いることができる。例えば、ポリエチレングリコール200(富士フィルム和光純薬株式会社製)、ポリエチレングリコール20000(富士フィルム和光純薬株式会社製)、トリグリセリン(シグマアルドリッチ社製)、Nisso HPC H grade(ヒドロキシプロピルセルロース、日本曹達株式会社製)、ポリエチレンオキサイド1,000,000(ポリエチレンオキサイド−ポリプロピレンオキサイド、AlfaAesar株式会社製)、アクリル酸(富士フィルム和光純薬株式会社製)、ポリビニルピロリドンK30(富士フィルム和光純薬株式会社製)、λカラギーナン(東京化成工業株式会社製)、キサンタンガム(有限会社ファンタジー製)、ペクチンかんきつ類由来(富士フィルム和光純薬株式会社製)等が挙げられる。
成分Bの含有量としては、3DS剤100質量部に対して、成分Bを70質量部以上含んでいてもよく、70質量部〜99質量部含んでいてもよい。
<他の成分>
上記成分A及び成分B以外の他の成分としては、本開示の3DS剤の効果を妨げない範囲でかつ薬学的に許容できる範囲で、公知のものを用いることができる。例えば、ソルビトール、キシリトール、エリスリトール、マルチトール、ラクチトール、アスパルテーム、サッカリンナトリウム、ステビオサイド、ステビアエキス等の甘味料、メントール、スペアミント油等の香料、アラントイン、酢酸トコフェロール、イソプロピルフェノール、トラネキサム酸等の薬効成分、大豆蛋白質、カゼインフォスフォペプタイド(CPP)等の再石灰化促進タンパク質、デキストラナーゼ、ムタナーゼ等の歯垢分解酵素、ストレプトコッカス・サーモフィルス、ラクトバチルス・アシドフィルスやサプスピーシース・ブルガリカス等の乳酸菌、前述記載乳酸等の培養ロ液、カラメル、ベニノキ、コチノール、ベニバナ、クチナシ色素等の天然色素化合物、赤色2号、赤色3号、赤色226号、黄色4号、黄色5号、青色1号、青色2号、緑色3号、青色201号、青色204号、雲母チタン等の色素、着色剤等を薬学的に許容できる範囲で適宜使用される。
上記成分A及び成分B以外の他の成分としては、本開示の3DS剤の効果を妨げない範囲でかつ薬学的に許容できる範囲で、公知のものを用いることができる。例えば、ソルビトール、キシリトール、エリスリトール、マルチトール、ラクチトール、アスパルテーム、サッカリンナトリウム、ステビオサイド、ステビアエキス等の甘味料、メントール、スペアミント油等の香料、アラントイン、酢酸トコフェロール、イソプロピルフェノール、トラネキサム酸等の薬効成分、大豆蛋白質、カゼインフォスフォペプタイド(CPP)等の再石灰化促進タンパク質、デキストラナーゼ、ムタナーゼ等の歯垢分解酵素、ストレプトコッカス・サーモフィルス、ラクトバチルス・アシドフィルスやサプスピーシース・ブルガリカス等の乳酸菌、前述記載乳酸等の培養ロ液、カラメル、ベニノキ、コチノール、ベニバナ、クチナシ色素等の天然色素化合物、赤色2号、赤色3号、赤色226号、黄色4号、黄色5号、青色1号、青色2号、緑色3号、青色201号、青色204号、雲母チタン等の色素、着色剤等を薬学的に許容できる範囲で適宜使用される。
また、本開示の3DS剤は、増白剤、研磨剤、歯石抑制薬、保湿剤、界面活性剤、増粘剤、ゲル化剤、抗齲食薬、知覚鈍麻薬、粘度調節剤、希釈剤、界面活性剤、乳化剤、起泡調節剤、pH調節剤、口当たり改善剤、甘味剤、着香剤、着色剤、保存剤、酸化防止剤、唾液分泌促進薬、唾液刺激薬、歯垢抑制薬、抗炎症薬、充填剤、溶媒、水などを含んでいてもよい。
(3DS剤の製造方法)
本開示の3DS剤は、各成分(上述の成分A、成分B等)をホモジナイザー(例えば、ARV−310、シンキ―株式会社製)などを用いて十分混合することで製造することができる。
本開示の3DS剤は、各成分(上述の成分A、成分B等)をホモジナイザー(例えば、ARV−310、シンキ―株式会社製)などを用いて十分混合することで製造することができる。
[3DS器具の製造方法]
以下、本開示の3DS器具の製造方法として製造方法1〜3を説明する。なお、本開示の3DS器具の製造方法は、以下に記載する製造方法1〜3に限定されない。また、製造方法1〜3のいずれかで説明した好ましい構成については、他の製造方法に適用してもよい。
以下、本開示の3DS器具の製造方法として製造方法1〜3を説明する。なお、本開示の3DS器具の製造方法は、以下に記載する製造方法1〜3に限定されない。また、製造方法1〜3のいずれかで説明した好ましい構成については、他の製造方法に適用してもよい。
<製造方法1>
本開示の3DS器具を製造する製造方法1は、装着者の歯列面の少なくとも一部及び歯茎の一部の三次元画像データを得る工程と、前記装着者の歯及び歯茎の少なくとも一方に対する歯周組織検査の重症度に関するデータに基づき、得られた前記三次元画像データに前記重症度に対応する凸部データを追加して加工後三次元画像データを得る工程と、前記加工後三次元画像データに対応する歯列模型を成形する工程と、前記歯列模型の表面にシート状の材料を追従させることにより、前記三次元画像データに追加された前記凸部データに対応する、デンタル・ドラッグ・デリバリー・システム剤を保持可能な凹部を備えるデンタル・ドラッグ・デリバリー・システム器具を製造する工程と、を含む。
本開示の3DS器具を製造する製造方法1は、装着者の歯列面の少なくとも一部及び歯茎の一部の三次元画像データを得る工程と、前記装着者の歯及び歯茎の少なくとも一方に対する歯周組織検査の重症度に関するデータに基づき、得られた前記三次元画像データに前記重症度に対応する凸部データを追加して加工後三次元画像データを得る工程と、前記加工後三次元画像データに対応する歯列模型を成形する工程と、前記歯列模型の表面にシート状の材料を追従させることにより、前記三次元画像データに追加された前記凸部データに対応する、デンタル・ドラッグ・デリバリー・システム剤を保持可能な凹部を備えるデンタル・ドラッグ・デリバリー・システム器具を製造する工程と、を含む。
まず、製造方法1では、装着者の歯列面の少なくとも一部及び歯茎の一部の三次元画像データを得る。三次元画像データを得る方法としては、例えば、オーラルスキャナを用いて装着者の口腔内をスキャンする方法、印象材を用いて口腔内形状を採取し当該印象材に転写された口腔内形状をスキャンする方法等が挙げられる。
オーラルスキャナとしては市販品を用いることができ、例えば、3Shape社製のTRIOS3等を用いてもよい。
オーラルスキャナとしては市販品を用いることができ、例えば、3Shape社製のTRIOS3等を用いてもよい。
次に、装着者の歯及び歯茎の少なくとも一方に対する歯周組織検査の重症度に関するデータに基づき、得られた三次元画像データに重症度に対応する凸部データを追加する。これにより、重症度に対応する凸部データが追加された三次元画像データ(以下、「加工後三次元画像データ」とも称する。)が得られる。以下、加工後三次元画像データを得る手順について説明する。
装着者の歯及び歯茎の少なくとも一方に対する歯周組織検査を行う。歯周組織検査としては、例えば、歯肉炎指数(GI:Gingiva Index)、歯周炎指数(PI:Periodontal Index)、PMA指数(P:乳頭部歯肉、M:辺縁歯肉、A:付着歯肉)等の歯周病評価、Millerの分類による歯の動揺度などが挙げられる。以下、歯肉炎指数(GI)に基づいて歯周病評価を行った例について図2を用いて説明する。
まず、装着者の上顎側の歯及び下顎側の歯のそれぞれについて、近心側(Mesial)、遠心側(Distal)、頬側(Buccal)及び舌側(Lingual)の歯肉の状態を以下の基準に従い評価する。
−評価−
評価0 正常な歯肉である。
評価1 歯肉に炎症が存在する。プローブで触診しても出血しない。
評価2 歯肉に炎症が存在する。プローブで触診すると出血する。
評価3 潰瘍形成されており、自然出血する。
−評価−
評価0 正常な歯肉である。
評価1 歯肉に炎症が存在する。プローブで触診しても出血しない。
評価2 歯肉に炎症が存在する。プローブで触診すると出血する。
評価3 潰瘍形成されており、自然出血する。
上顎側の歯及び下顎側の歯をそれぞれ16本有する装着者について数か所に歯肉炎が生じていることを想定した場合において、歯肉炎指数(GI)に基づく歯周病評価を行う方法について図1及び図2を用いて説明する。
図1では、正中40を境に正中右側70と正中左側80で区切り、上顎50において正中右側70の奥側に位置する歯から正中左側80の奥側に位置する歯まで順番に番号を付し、歯1〜歯16としている。同様に、下顎60において正中左側80の奥側に位置する歯から正中右側70の奥側に位置する歯まで順番に番号を付し、歯17〜歯32としている。
図2の(a)は、上顎50の歯1から順番に下顎60の歯32まで歯肉の状態を前述の基準に従い評価することを示している。なお、歯肉の状態を評価する順番は図2の(a)に示す順番に限定されない。
図2の(b)は、図2の(c)におけるGIの数値と歯の位置との関係を示す図であり、図2の(c)は、歯1〜歯32におけるGIの数値を示す図である。なお、図2の(c)では、歯肉の状態の評価が0であった場合の数値を省略している。
図2の(c)では、歯2の頬側及び舌側、歯3の頬側及び舌側、歯4の舌側、歯5の頬側、歯8の頬側及び舌側、歯14の頬側及び下側、並びに、歯15の頬側及び下側にて、歯肉の状態の評価が1以上となっている。
次に、歯1〜32における歯肉炎指数(GI)のデータに基づき、得られた三次元画像データにおける歯列面及び歯茎の画像データに歯肉の状態に対応する凸部データを追加する。この凸部データは3DS器具の3DS剤を保持可能な凹部の形状に対応するため、3DS器具にて歯肉の状態に応じた凹部の形状となるように、凸部データは歯肉の状態に応じて異なる形状であることが好ましい。
例えば、3DS器具を装着する装着者について、特定の歯における歯肉の状態が良好である場合、この特定の歯の付近には3DS剤を供給する必要性が低いため、3DS器具を装着した際にこの特定の歯の近傍に凹部が位置する3DS器具を形成する必要性は低く、また、3DS器具を装着した際にこの特定の歯の近傍に凹部が位置する場合であっても、この凹部の深さ、幅等は比較的小さくてもよい。
一方、3DS器具を装着する装着者について、特定の歯における歯肉の状態が不良である場合、この特定の歯の付近には3DS剤を供給する必要性が高いため、3DS器具を装着した際にこの特定の歯の近傍に凹部が位置する3DS器具を形成することが好ましく、この凹部の深さ、幅等は比較的大きいことが好ましい。また、特定の歯における歯肉の状態が悪いほど前述の凹部の深さ、幅等は大きいことが好ましく、3DS器具の保持部周辺の厚さを確保することにより3DS器具の強度を確保する点から、特定の歯における歯肉の状態が悪いほど前述の凹部の幅は大きいことが好ましい。
したがって、歯肉の状態に対応する凸部データを三次元画像データに設けて加工後三次元画像データを得る際、歯肉の状態が不良である箇所に対応する、三次元画像データの歯画像に比較的大きい凸部データを追加することが好ましく、歯肉の状態が良好である箇所に対応する、三次元画像データの歯画像に、比較的小さい凸部データを追加する、あるいは凸部データを追加しないことが好ましい。さらに、歯肉の状態が悪いほど、歯肉の状態が不良である箇所に対応する、三次元画像データの歯画像により大きい凸部データ、例えば、凸部データの幅、高さ等を大きくした体積のより大きい凸部データを追加することが好ましい。なお、加工後三次元画像データは、CAD(コンピュータ支援設計)により三次元画像データを加工することで得られる。
また、歯肉の状態が不良である歯が連続している場合、好ましくは歯肉の状態が同じ程度に不良である歯が連続している場合、歯肉の状態が不良である箇所に対応する、三次元画像データの歯画像に凸部データを孤立させて連続的に追加してもよく、歯肉の状態が不良である歯が連続した箇所に対応する、三次元画像データの複数の歯画像に1つの凸部データを追加してもよい。凸部データを連続的に孤立させて設けた場合、凹部が連続し、連続した凹部に保持される3DS剤を別々の歯周病部位等の処置部位に供給可能な3DS器具を製造できる。1つの凸部データを追加した場合、1つの凹部に保持される3DS剤を別々の歯周病部位等の処置部位に供給可能な3DS器具を製造できる。
一例として、歯肉の状態に応じて以下に示す深さ又は幅の凹部が3DS器具の所定の位置に形成されるように凹部の深さ又は幅に対応する高さ又は幅の凸部データを三次元画像データの対応箇所に追加してもよい。なお、凹部の深さ又は幅、及びこれらに対応する凸部データの高さ又は幅は、シート状の材料の材質、大きさ、形状、物性等に応じて適宜調整してもよい。
−歯肉の状態 凹部の深さ又は幅−
評価0 0mm(凹部が存在しない)
評価1 0.2mm
評価2 0.4mm
評価3 0.6mm
−歯肉の状態 凹部の深さ又は幅−
評価0 0mm(凹部が存在しない)
評価1 0.2mm
評価2 0.4mm
評価3 0.6mm
三次元画像データの一例及び加工後三次元画像データの一例である歯型モデルを図6及び図7に示す。図7の加工後三次元画像データ300は、図2の(c)の結果に基づいて図6の三次元画像データ200に凸部データを追加したものに該当する。三次元画像データ200及び加工後三次元画像データ300は、装着者の歯1〜18にそれぞれ対応する歯の画像データを有する。加工後三次元画像データ300では、歯2、3、5、8、14及び15にそれぞれ対応する歯の画像データである歯画像2α、3α、5α、8α、14α及び15αの部位に凸部データ2β、3β、5β、8β、14β及び15βが追加されている。
次に、加工後三次元画像データ、すなわち凸部データが追加された三次元画像データに対応する歯列模型を成形する。歯列模型を成形する方法としては、特に限定されず、3Dプリンタを用いて出力する方法、ミリング加工を行う方法等が挙げられる。歯型模型の材質としては、石膏、樹脂等が挙げられる。歯型模型としては、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂等の硬化性樹脂を硬化させたものであってもよい。
前述のようにして得られた歯列模型の表面にシート状の材料を追従させる。このとき、バキュームフォーマー等を用いて歯列模型の表面に前述のシート状の材料を追従させてもよく、前述のシートを加圧、加熱等して歯列模型の表面に前述のシート状の材料を追従させてもよい。また、シートを加熱して歯列模型の表面に前述のシート状の材料を追従させる場合、シート状の材料の材質としては、熱可塑性樹脂であることが好ましい。また、シート状の材料の材質としては、前述の被覆部の材質と同様である。
以上により、三次元画像データに追加された凸部データに対応し、3DS剤を保持可能な凹部を備える3DS器具、例えば図3に示す3DS器具を製造することができる。
<製造方法2>
本開示の3DS器具を製造する製造方法2としては、例えば以下の通りである。まず、装着者の歯列面の少なくとも一部及び歯茎の一部の三次元画像データに基づいて、石膏、樹脂等で構成される歯列模型を成形する。成形された歯列模型の少なくとも一部にシート状の材料をバキュームフォーマー等を用いて追従させることで歯列模型を型取りして成形物を得る。その後、前述の歯周組織検査の重症度に関するデータに基づき、得られた成形物における被覆部の歯列面側を削る等の手段で一部除去して凹部を形成する。これにより、3DS剤を保持可能な凹部を備える3DS器具が製造できる。
本開示の3DS器具を製造する製造方法2としては、例えば以下の通りである。まず、装着者の歯列面の少なくとも一部及び歯茎の一部の三次元画像データに基づいて、石膏、樹脂等で構成される歯列模型を成形する。成形された歯列模型の少なくとも一部にシート状の材料をバキュームフォーマー等を用いて追従させることで歯列模型を型取りして成形物を得る。その後、前述の歯周組織検査の重症度に関するデータに基づき、得られた成形物における被覆部の歯列面側を削る等の手段で一部除去して凹部を形成する。これにより、3DS剤を保持可能な凹部を備える3DS器具が製造できる。
<製造方法3>
本開示の3DS器具を製造する製造方法3としては、例えば以下の通りである。まず、製造方法3では、装着者の歯列面の少なくとも一部及び歯茎の一部の三次元画像データを得る。三次元画像データを得る方法としては、前述の製造方法1と同様に、例えば、オーラルスキャナを用いて装着者の口腔内をスキャンする方法、印象材を用いて口腔内形状を採取し当該印象材に転写された口腔内形状をスキャンする方法等が挙げられる。
本開示の3DS器具を製造する製造方法3としては、例えば以下の通りである。まず、製造方法3では、装着者の歯列面の少なくとも一部及び歯茎の一部の三次元画像データを得る。三次元画像データを得る方法としては、前述の製造方法1と同様に、例えば、オーラルスキャナを用いて装着者の口腔内をスキャンする方法、印象材を用いて口腔内形状を採取し当該印象材に転写された口腔内形状をスキャンする方法等が挙げられる。
次に得られた三次元画像データからCAD等を用いて保持部形成前の3DS器具データを設計する。装着者の歯及び歯茎の少なくとも一方に対する歯周組織検査の重症度に関するデータに基づき、データの出力後に3DS器具の凹部となる特定の重症度に対応する凹部データを保持部形成前の3DS器具データに追加する。そして、特定の重症度に対応する凹部データが追加された3DS器具のデータを3Dプリンタを用いて出力することにより、3DS剤を保持可能な凹部を備える3DS器具が製造できる。
前述の製造方法1〜3等を用いて、凹部に押し出し部が設けられた3DS器具を製造してもよく、3DS剤を保持可能なメッシュ部を有する3DS器具を製造してもよい。
例えば、製造方法1において、押し出し部が設けられていない3DS器具を製造した後に、凹部の開口した部分に押し出し部を別途形成してもよく、製造方法3において、3DS器具のデータに押し出し部のデータを追加し、その後に3Dプリンタを用いて3DS器具を出力してもよい。
また、製造方法2において、シート状の材料として、被覆部となるシート状の材料上の少なくとも一部にメッシュ部となるシート状の材料を積層した積層フィルムを歯列模型の少なくとも一部にバキュームフォーマー等を用いて追従させることで歯列模型を型取りすれば、メッシュ部を有する3DS器具が得られる。このとき、被覆部となるシート状の材料上のメッシュ部となるシート状の材料を積層する位置は、前述の歯周組織検査の重症度に関するデータに基づき、適宜調整すればよい。
例えば、製造方法1において、押し出し部が設けられていない3DS器具を製造した後に、凹部の開口した部分に押し出し部を別途形成してもよく、製造方法3において、3DS器具のデータに押し出し部のデータを追加し、その後に3Dプリンタを用いて3DS器具を出力してもよい。
また、製造方法2において、シート状の材料として、被覆部となるシート状の材料上の少なくとも一部にメッシュ部となるシート状の材料を積層した積層フィルムを歯列模型の少なくとも一部にバキュームフォーマー等を用いて追従させることで歯列模型を型取りすれば、メッシュ部を有する3DS器具が得られる。このとき、被覆部となるシート状の材料上のメッシュ部となるシート状の材料を積層する位置は、前述の歯周組織検査の重症度に関するデータに基づき、適宜調整すればよい。
Claims (9)
- 歯列面の少なくとも一部及び歯茎の一部を覆う被覆部を備え、
前記被覆部は、器具が装着者に装着された際に処置部位の近傍に位置するように設けられた、デンタル・ドラッグ・デリバリー・システム剤を保持可能な保持部を歯列面側に備え、
前記保持部に保持された前記デンタル・ドラッグ・デリバリー・システム剤は前記処置部位に供給されるデンタル・ドラッグ・デリバリー・システム器具。 - 前記保持部の位置及び形状の少なくとも一方は、前記装着者の歯及び歯茎の少なくとも一方に対する歯周組織検査の重症度に基づいて設計されており、器具が前記装着者に装着された際に、特定の重症度に基づき設計されて設けられた前記保持部が、前記装着者の歯及び歯茎の少なくとも一方における前記特定の重症度を有する領域に前記デンタル・ドラッグ・デリバリー・システム剤を供給する請求項1に記載のデンタル・ドラッグ・デリバリー・システム器具。
- 器具が前記装着者に装着された際に、
前記特定の重症度に基づき設計されて設けられた前記保持部は、前記装着者の歯及び歯茎の少なくとも一方における前記特定の重症度以外の重症度を有する領域とは対面しない請求項2に記載のデンタル・ドラッグ・デリバリー・システム器具。 - 前記保持部は、前記被覆部の歯列面側に設けられた、前記デンタル・ドラッグ・デリバリー・システム剤を保持可能な凹部を有する請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のデンタル・ドラッグ・デリバリー・システム器具。
- 歯周組織検査の重症度に基づいて形状の異なる前記保持部を複数備え、
複数の前記保持部は、前記被覆部の歯列面側に設けられた、前記デンタル・ドラッグ・デリバリー・システム剤を保持可能な凹部をそれぞれ有し、前記重症度が重度である程、前記凹部の幅が大きい請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のデンタル・ドラッグ・デリバリー・システム器具。 - 前記凹部は、開口した部分に押し出し部を備え、
前記押し出し部は、器具が前記装着者に装着された際に前記装着者の歯茎表面の一部に接触することで歯茎表面側とは反対側に押し込まれ、前記保持部に保持された前記デンタル・ドラッグ・デリバリー・システム剤を前記装着者の歯茎表面側に供給する請求項4又は請求項5に記載のデンタル・ドラッグ・デリバリー・システム器具。 - 前記保持部は、前記被覆部の少なくとも歯列面側に設けられた、前記デンタル・ドラッグ・デリバリー・システム剤を保持可能なメッシュ部を有する請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載のデンタル・ドラッグ・デリバリー・システム器具。
- 前記保持部と、器具が前記装着者に装着された際における歯の先端側とは反対側の器具縁部との間には前記被覆部が存在し、前記保持部と前記器具縁部との間に存在する前記被覆部が前記装着者の歯茎と接触する請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載のデンタル・ドラッグ・デリバリー・システム器具。
- 装着者の歯列面の少なくとも一部及び歯茎の一部の三次元画像データを得る工程と、
前記装着者の歯及び歯茎の少なくとも一方に対する歯周組織検査の重症度に関するデータに基づき、得られた前記三次元画像データに前記重症度に対応する凸部データを追加して加工後三次元画像データを得る工程と、
前記加工後三次元画像データに対応する歯列模型を成形する工程と、
前記歯列模型の表面にシート状の材料を追従させることにより、前記三次元画像データに追加された前記凸部データに対応する、デンタル・ドラッグ・デリバリー・システム剤を保持可能な凹部を備えるデンタル・ドラッグ・デリバリー・システム器具を製造する工程と、を含むデンタル・ドラッグ・デリバリー・システム器具の製造方法。
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JP2019101251A JP2020192249A (ja) | 2019-05-30 | 2019-05-30 | デンタル・ドラッグ・デリバリー・システム器具及びその製造方法 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2022259141A1 (en) * | 2021-06-09 | 2022-12-15 | Airnivol S.P.A. | Dental appliance designed to fit over a dental arch and related systems and methods |
-
2019
- 2019-05-30 JP JP2019101251A patent/JP2020192249A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2022259141A1 (en) * | 2021-06-09 | 2022-12-15 | Airnivol S.P.A. | Dental appliance designed to fit over a dental arch and related systems and methods |
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