JP2020190271A - Seal device - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、密封装置に関する。 The present invention relates to a sealing device.
自動車などの車両では、耐ダスト性、耐泥水性が求められる駆動系や足回りに、サイドリップを設けた密封装置が用いられることがある。 In vehicles such as automobiles, a sealing device provided with side lips may be used for the drive system and suspension that are required to have dust resistance and mud resistance.
例えば特許文献1には、ディファレンシャル機構の車軸にシールリップとダストリップとを接触させてシールする密封装置にサイドリップも設け、出力軸に設けたデフレクタにサイドリップを接触させるようにした密封構造が開示されている。サイドリップはダストリップのさらに機外側でデフレクタに接触し(図3、図11参照)、機内側へのダストや泥水の浸入を防止する。 For example, Patent Document 1 provides a sealing structure in which a side lip is also provided in a sealing device that seals the axle of the differential mechanism by contacting the seal lip and dust strip, and the side lip is brought into contact with a deflector provided on the output shaft. It is disclosed. The side lip contacts the deflector further outside the dust strip (see FIGS. 3 and 11) to prevent dust and muddy water from entering the inside of the aircraft.
同種の密封装置は、例えば特許文献2にも記載されている。 The same type of sealing device is also described in, for example, Patent Document 2.
特許文献1、2に記載されているように、サイドリップは、先端に向かうにしたがい大径になる形状を有している。このため密封装置に対する車軸の挿入時、サイドリップは本来、フランジに押し付けられて外径側に拡がるように変形するはずである。ところが反対に、サイドリップの先端が内径側にすぼまるように変形するいわゆる「めくれ現象」が発生することがある。 As described in Patent Documents 1 and 2, the side lip has a shape in which the diameter increases toward the tip. Therefore, when the axle is inserted into the sealing device, the side lip should be originally pressed against the flange and deformed so as to expand to the outer diameter side. However, on the contrary, a so-called "turning phenomenon" may occur in which the tip of the side lip is deformed so as to shrink toward the inner diameter side.
このようなめくれ現象は、先端の拡がり具合が比較的大きいサイドリップを用いることで解消する(特許文献3〜5参照)。軸に対する傾斜角度が大きなサイドリップである。ところが軸に対する傾斜角度を大きくするほどサイドリップには変形のしやすさが求められるため、リップ先端の面圧が小さくなって耐ダスト性、耐泥水性が低下してしまう。 Such a turning phenomenon can be eliminated by using a side lip having a relatively large tip spread (see Patent Documents 3 to 5). A side lip with a large tilt angle with respect to the axis. However, as the inclination angle with respect to the shaft is increased, the side lip is required to be easily deformed, so that the surface pressure at the tip of the lip is reduced and the dust resistance and mud resistance are lowered.
特許文献1、2に記載されているサイドリップは、特許文献3〜5に記載されているサイドリップに比べて先端の拡がり具合が小さい。このためリップ先端に比較的大きな面圧が得られやすく、優れた耐ダスト性、耐泥水性を期待することができる。その一方で前述しためくれ現象を生じさせてしまう可能性があり、改善が求められる。 The side lips described in Patent Documents 1 and 2 have a smaller tip spread than the side lips described in Patent Documents 3 to 5. Therefore, a relatively large surface pressure can be easily obtained at the tip of the lip, and excellent dust resistance and mud resistance can be expected. On the other hand, there is a possibility that the above-mentioned swelling phenomenon may occur, and improvement is required.
本発明の課題は、フランジとの押し当て時に、サイドリップに生ずることがあるめくれ現象を防止することである。 An object of the present invention is to prevent a turning phenomenon that may occur on the side lip when pressed against the flange.
本発明の密封装置の一態様は、環状の補強環と、前記補強環に固定され、前記補強環を貫通する軸に接触するシールリップと、前記補強環に固定され、先端に向かうにしたがい大径になる形状で前記シールリップよりも機外側に延び、前記軸に固定された環状のフランジに接触するサイドリップと、前記サイドリップの初期形状として、前記サイドリップの軸方向上最も先端側の位置に設けられ、前記フランジに最初に接触する頂点を前記サイドリップの外径側に偏らせた突起とを備える。 One aspect of the sealing device of the present invention is an annular reinforcing ring, a seal lip fixed to the reinforcing ring and in contact with a shaft penetrating the reinforcing ring, and fixed to the reinforcing ring and increasing toward the tip. A side lip that extends outward from the seal lip in a shape that has a diameter and contacts an annular flange fixed to the shaft, and an initial shape of the side lip that is the most tip side in the axial direction of the side lip. It is provided at a position and includes a protrusion whose apex that first contacts the flange is biased toward the outer diameter side of the side lip.
本発明によれば、フランジとの押し当て時に、サイドリップにめくれ現象が発生することを防止することができる。 According to the present invention, it is possible to prevent the side lip from being turned over when pressed against the flange.
密封装置の一実施の形態を図面に基づいて説明する。本実施の形態の密封装置は、自動車などの車両の駆動系や足回り、例えばディファレンシャル装置に用いられる。 An embodiment of the sealing device will be described with reference to the drawings. The sealing device of the present embodiment is used for a drive system and a suspension of a vehicle such as an automobile, for example, a differential device.
図1中、符号11はディファレンシャルケース(以下「デフケース」という)である。デフケース11は軸孔12に車軸31を貫通させている。車軸31は軸であり、外周面にフランジとしてのダストカバー32を固定している。ダストカバー32は、車軸31の軸心Aと直交する方向に延びる平面をフランジ面として備えている。ダストカバー32の外部は機外Oである。図1中、車軸31及びダストカバー32は二点鎖線で示し、車軸31の軸心Aは一点鎖線で示している。
In FIG. 1,
密封装置101は、デフケース11の軸孔12に嵌め込まれて固定され、車軸31を貫通させている。密封装置101の構造的な基礎をなすのは円環状の補強環111であり、この補強環111には弾性部材131が固定されている。弾性部材131には、後述する嵌合部132、シールリップ133、ダストリップ134、及びサイドリップ151が一体に成形されている。シールリップ133及びダストリップ134は車軸31に接触し、サイドリップ151はダストカバー32に接触する。シールリップ133の内側は機内Iである。
The
補強環111は、金属製の環状部材である。この環状部材は、軸孔12よりもやや小径の円筒状の側壁112を有し、側壁112の一端側を内方に向けて直角に屈曲させた断面L字形状を備えている。説明の便宜上、内方に向けて直角に屈曲し、車軸31を貫通させる部分を支持壁113と呼ぶ。支持壁113は側壁112のうちダストカバー32の側の端部に設けられており、内周縁113aをダストカバー32から離れる方向に段状に屈曲させている。
The reinforcing
弾性部材131は、各種のゴムを材料とするゴム状弾性部材であり、例えば加硫接着によって補強環111に固定されている。補強環111における弾性部材131の固定部位は、側壁112の内周面112aと外周面112b、支持壁113のダストカバー32に対面する側の一面113b、及び支持壁113の内周縁113aである。側壁112の外周面112bから支持壁113の一面113bを経て内周縁113aに至る領域には、弾性部材131が連続的に一体に成形されている。
The
嵌合部132は、側壁112の外周面112bに固定された弾性部材131によって一体に成形されている。嵌合部132の外径は、デフケース11の軸孔12の内径よりも大径であり、その差分が軸孔12に対する嵌合部132の嵌合代になっている。嵌合部132を軸孔12に嵌合させた状態で、図示しない抜け止め構造によって、密封装置101は軸方向に抜け止めされている。
The
シールリップ133及びダストリップ134は、支持壁113の内周縁113aに固定された弾性部材131によって一体に成形されている。シールリップ133は機内Iに向けて斜めに延びる環状形状を有し、ダストリップ134は機外Oに向けて斜めに延びる環状形状を有している。シールリップ133もダストリップ134も、それぞれのリップ端133a,134aを車軸31に接触させている。
The
サイドリップ151は、支持壁113の一面113bと内周縁113aとの間に固定された弾性部材131によって一体に成形され、ダストカバー32に向けて延びる円環形状を有している。径という側面から見ると、サイドリップ151は三箇所の領域を有している。
The
一つ目は、基端側の領域151Aである。この領域151Aは、径を変化させないストレートな形状を有している。
The first is the
二つ目は、基端側の領域151Aから先端に向けて延びる中間の領域151Bである。この領域151Bは、先端に向かうにしたがい大径になる形状を有している。
The second is an
三つ目は、中間の領域151Bから先端に向けて延びる先端の領域151Cである。この領域151Cも中間の領域151Bと同様に、先端に向かうにしたがい大径になる形状を有している。ただし軸(軸心A)に対する傾斜角度は、中間の領域151Bよりも先端の領域151Cの方が小さい。
The third is the
図2に示すように、サイドリップ151の先端の領域151Cの端部、つまりサイドリップ151の先端面には、突起152が設けられている。
As shown in FIG. 2, a
突起152は、サイドリップ151の初期形状、つまりダストカバー32に押し当てられることによって変形する前の形状として、サイドリップ151の軸方向上最も先端側の位置に設けられている。このため密封装置101に対する車軸31の挿入時(以下「軸挿入時」ともいう)、サイドリップ151は、ダストカバー32に対して突起152を最初に接触させる。
The
サイドリップ151はさらに、ダストカバー32に最初に接触する点を頂点Tとしている。製造誤差のない理想的な状態からすると、ダストカバー32に対するサイドリップ151の最初の接触は線接触、つまり突起152の最も先端側に位置づけられている円周線上で行われるはずである。頂点Tは、そのような線上に点在する無数の点である。
The
サイドリップ151は、頂点Tを外径側に偏らせる形状を有している。一例として、サイドリップ151の肉厚方向上の中央位置を基準とし、サイドリップ151は、頂点Tをサイドリップ151の外径側に偏らせた形状を突起152に与えている。
The
整理すると、サイドリップ151の初期形状として、突起152はつぎの二つの条件を備えている。
(1)サイドリップ151の軸方向上最も先端側に位置づけられている
(2)頂点Tをサイドリップ151の外径側に偏らせている
In summary, the
(1) Positioned on the most tip side in the axial direction of the side lip 151 (2) The apex T is biased toward the outer diameter side of the
図2に示すように、サイドリップ151の先端には、突起152の他にリップ端153も成形されている。リップ端153は、サイドリップ151の先端中、突起152と反対側の端縁である。
As shown in FIG. 2, the tip of the
突起152及びリップ端153を有するサイドリップ151の先端形状としては、突起152に関する上記二つの条件が満たされる限り、各種の実施の形態が許容される。図3(A)〜(F)、図4、及び図5(A)〜(F)は、サイドリップ151の先端形状に関する各種の実施の形態を示している。
As the tip shape of the
図3(A)に示すサイドリップ151は、突起152が上記(1)(2)の条件を満足するように、サイドリップ151の軸方向上最も先端側に突起152を位置づけ、頂点Tをサイドリップ151の外径側に偏らせた断面曲面形状を突起152に与えている。
In the
上記(2)の条件について突起152は、サイドリップ151の外周面と一体の形状を有しており、サイドリップ151の外周面との接続部分に曲面形状の頂点Tを配置している。このため突起152は、サイドリップ151の外周面の延長線上に限りなく近い位置に頂点Tを位置付け、頂点Tよりも内側の領域も曲面形状にしている。
Regarding the condition (2) above, the
図3(B)に示すサイドリップ151は、突起152が上記(1)(2)の条件を満足するように、サイドリップ151の軸方向上最も先端側に突起152を位置づけ、頂点Tをサイドリップ151の外径側に偏らせた断面三角形形状を突起152に与えている。
In the
上記(2)の条件について突起152は、サイドリップ151の外周面と一体の形状を有しており、サイドリップ151の外周面との接続部分に頂点Tを配置している。このため突起152は、サイドリップ151の外周面の延長線上に頂点Tを位置付け、頂点Tよりも内側の領域を傾斜面にしている。
Regarding the condition (2) above, the
図3(C)に示すサイドリップ151は、突起152が上記(1)(2)の条件を満足するように、サイドリップ151の軸方向上最も先端側に突起152を位置づけ、頂点Tをサイドリップ151の外径側に偏らせた平面の先端形状を突起152に与えている。
In the
上記(2)の条件について突起152は、サイドリップ151の外周面と一体の形状を有しており、サイドリップ151の外周面との接続部分に頂点Tを配置している。このため突起152は、サイドリップ151の外周面の延長線上に頂点Tを位置付け、頂点Tよりも内側の領域を平面、さらに内側の領域を傾斜面にしている。
Regarding the condition (2) above, the
図3(D)に示すサイドリップ151は、図3(A)に示すサイドリップ151と基本的な形状を共通にしている。相違するのは先端面の形状である。
The
図3(A)に示すサイドリップ151の先端の領域151Cは、先端面と内周面との交点に位置するリップ端153の角度を90度にしている。これに対して図3(D)に示すサイドリップ151の先端の領域151Cは、先端面をテーパー形状にしている。内方ほど高さを低くするテーパー形状である。このためリップ端153の角度は90度よりも大きい鈍角をなす。
In the
図3(E)に示す突起152は、図3(B)に示すサイドリップ151と基本的な形状を共通にしている。相違するのは先端面の形状である。
The
図3(B)に示すサイドリップ151の先端の領域151Cは、先端面と内周面との交点に位置するリップ端153の角度を90度にしている。これに対して図3(E)に示すサイドリップ151の先端の領域151Cは、先端面をテーパー形状にしている。内方ほど高さを低くするテーパー形状である。このためリップ端153の角度は90度よりも大きい鈍角をなす。
The
図3(F)に示す突起152は、図3(C)に示すサイドリップ151と基本的な形状を共通にしている。相違するのは先端面の形状である。
The
図3(C)に示すサイドリップ151の先端の領域151Cは、先端面と内周面との交点に位置するリップ端153の角度を90度にしている。これに対して図3(F)に示すサイドリップ151の先端の領域151Cは、先端面をテーパー形状にしている。内方ほど高さを低くするテーパー形状である。このためリップ端153の角度は90度よりも大きい鈍角をなす。
In the
図4に示すサイドリップ151は、先端面の全面にテーパー形状を与えている。内方ほど高さを低くするテーパー形状である。このような形状上、突起152はサイドリップ151の先端面から盛り上がるような形状ではなく、先端面と一体化したような形状を有している。このようなサイドリップ151の先端形状は、サイドリップ151の軸方向上最も先端側に突起152を位置づけ、頂点Tをサイドリップ151の外径側に偏らせた形状を突起152に与えている。したがって突起152は、上記(1)(2)の条件を満足する。
The
上記(2)の条件について突起152は、サイドリップ151の外周面と一体の形状を有しており、サイドリップ151の外周面との接続部分に頂点Tを配置している。このため突起152は、サイドリップ151の外周面の延長線上に頂点Tを位置付け、頂点Tよりも内側の領域を傾斜面にしている。
Regarding the condition (2) above, the
図5(A)に示すサイドリップ151は、図3(A)に示すサイドリップ151と基本的な形状を共通にしている。相違するのは、突起152がサイドリップ151の先端周上で複数に分割されていることである。複数に分割された突起152は、均等な間隔で配列されている。
The
図5(B)に示すサイドリップ151は、図3(B)に示すサイドリップ151と基本的な形状を共通にしている。相違するのは、突起152がサイドリップ151の先端周上で複数に分割されていることである。複数に分割された突起152は、均等な間隔で配列されている。
The
図5(C)に示すサイドリップ151は、図3(C)に示すサイドリップ151と基本的な形状を共通にしている。相違するのは、突起152がサイドリップ151の先端周上で複数に分割されていることである。複数に分割された突起152は、均等な間隔で配列されている。
The
図5(D)に示すサイドリップ151は、図3(D)に示すサイドリップ151と基本的な形状を共通にしている。相違するのは、突起152がサイドリップ151の先端周上で複数に分割されていることである。複数に分割された突起152は、均等な間隔で配列されている。
The
図5(E)に示すサイドリップ151は、図3(E)に示すサイドリップ151と基本的な形状を共通にしている。相違するのは、突起152がサイドリップ151の先端周上で複数に分割されていることである。複数に分割された突起152は、均等な間隔で配列されている。
The
図5(F)に示すサイドリップ151は、図3(F)に示すサイドリップ151と基本的な形状を共通にしている。相違するのは、突起152がサイドリップ151の先端周上で複数に分割されていることである。複数に分割された突起152は、均等な間隔で配列されている。
The
このような構成において、車軸31に接触させたシールリップ133によって機内Iからのオイル漏れを防止する密封装置101は、車軸31に接触するダストリップ134とダストカバー32に接触するサイドリップ151という二重のシール構造によって、機内Iへのダストや泥水の浸入を防止する。この二重のシール構造によって、高い耐ダスト性と耐泥水性とが得られる。
In such a configuration, the
密封装置101は軸挿入時、つまり密封装置101に対する車軸31の挿入時に、めくれ現象の発生を防止することができる。
The
めくれ現象は、サイドリップ151の先端が内径側にすぼまるように変形する軸挿入時に発生する現象である。軸挿入時、サイドリップ151の先端は、外径側に拡がるように変形しなければならない。内径側にすぼまるように変形すると組立不良になり、サイドリップ151は本来持っている機能を発揮することができない。めくれ現象は、本実施の形態のように先端の拡がり具合が比較的小さなサイドリップ151において生じやすく、防止対策が必要である。
The turning phenomenon is a phenomenon that occurs when the shaft is inserted so that the tip of the
図6(A)は、比較例として挙げるサイドリップ251がダストカバー32に接触している状態を示す模式図である。同図中、符号253はサイドリップ251のリップ端であり、リップ端153はサイドリップ251の頂点Tと一致している。頂点Tは、軸挿入時にサイドリップ251がダストカバー32に最初に接触する点である。
FIG. 6A is a schematic view showing a state in which the
図6(A)に示す状態からダストカバー32とサイドリップ251とをさらに近接させると(白抜き矢印参照)、サイドリップ251には頂点Tを中心に回転するモーメントが発生する。モーメントの方向は、図6(A)中、反時計方向である。このためサイドリップ251では、先端が内径側にすぼまるめくれ現象が生じやすい。
When the
図6(B)は、本実施の形態のサイドリップ151がダストカバー32に接触している状態を示す模式図である。サイドリップ151に設けられている突起152は、サイドリップ151の軸方向上最も先端側に位置づけられているため(上記条件(1)参照)、軸挿入時、ダストカバー32に最初に接触する。
FIG. 6B is a schematic view showing a state in which the
このとき突起152は、頂点Tをサイドリップ151の外径側に偏らせている(上記条件(2)参照)。より詳しくは、突起152は、サイドリップ151の外周面と一体の形状を有しており、サイドリップ151の外周面との接続部分に頂点Tを配置している。このため突起152は、サイドリップ151の外周面の延長線上に限りなく近い位置に頂点Tを位置付けているか、あるいはサイドリップ151の外周面の延長線上に頂点Tを位置付けている。「外周面の延長線上に限りなく近い位置」については図3(A)(D)、図5(A)(D)を参照のこと。「外周面の延長線上」については図3(B)(C)(E)(F)、図4、図5(B)(C)(E)(F)を参照のこと。以下同様である。
At this time, the
図6(B)に示す状態からダストカバー32とサイドリップ151とをさらに近接させると(白抜き矢印参照)、サイドリップ151には頂点Tを中心に回転しようとするモーメントが発生する。突起152の頂点Tは、サイドリップ151の外径側に偏った位置に配置されている(上記条件(2)参照)。このためモーメントの方向は、図6(B)中、時計方向になる。これによってサイドリップ151の先端は、外径側に拡がるように変形する。その結果めくれ現象の発生が防止され、サイドリップ151のリップ端153をダストカバー32に接触させる正しい組立状態を得ることができる。
When the
サイドリップ151の頂点Tとめくれ現象との関係について、さらに考察を進める。
Further consideration will be given to the relationship between the apex T of the
突起152は、サイドリップ151の外周面と一体の形状を有しており、サイドリップ151の外周面との接続部分に頂点Tを配置している。このため突起152の頂点Tは、サイドリップ151の外周面の延長線上に限りなく近い位置に位置付けられ、あるいはサイドリップ151の外周面の延長線上に位置付けられる。このような頂点Tの位置は、ダストカバー32とサイドリップ151との間に相対的な押圧力が発生したとき(例えば図6(B)中の白抜き矢印参照)、内周側に向けて回転するモーメントをサイドリップ151に生じさせる(例えば図6(B)中の時計方向の矢印参照)。このモーメントは、めくれ現象を防止する上で大きな原動力になっている。
The
ではめくれ現象を防止するためには、図3(A)〜(F)、図4、図5(A)〜(F)に示すように、サイドリップ151の外周面の延長線上に限りなく近い位置に頂点Tが位置付けられ、あるいはサイドリップ151の外周面の延長線上に頂点Tが位置付けられることが必須なのだろうか。答えは否である。サイドリップ151の外径側に偏らせた位置に頂点Tが位置づけられてさえいれば(上記条件(2)参照)、内周側に向けて回転するモーメントをサイドリップ151に生じさせ、めくれ現象を防止することができる。
In order to prevent the flipping phenomenon, as shown in FIGS. 3 (A) to (F), 4 and 5 (A) to (F), it is as close as possible to the extension line of the outer peripheral surface of the
モデルを単純化して説明する。ダストカバー32に対してサイドリップ151の先端が直交する場合を想定する。本想定モデルで、ダストカバー32とサイドリップ151との間に相対的な押圧力が発生したとき、サイドリップ151に生ずるモーメントの方向は、サイドリップ151の肉厚方向における突起152の頂点Tの位置によって変動する。サイドリップ151の肉厚方向中央位置を基準として、サイドリップ151の内径側に頂点Tが位置すれば、サイドリップ151は外周側に向けて回転する。反対に、外径側に頂点Tが位置すれば、サイドリップ151は内周側に向けて回転する。したがってサイドリップ151の肉厚方向中央位置よりも外径側に頂点Tが位置してさえいれば、内周側に向けて回転するモーメントをサイドリップ151に生じさせ、めくれ現象の発生を防止することができるわけである。
The model will be simplified and explained. It is assumed that the tip of the
もっとも本実施の形態のように、サイドリップ151の外周面と一体の形状を突起152に与え、サイドリップ151の外周面との接続部分に頂点Tを配置するようにすれば、内周側に向けて回転するモーメントをサイドリップ151に生じさせる確度を高めることができる。その結果めくれ現象をより確実に防止することができる。
However, as in the present embodiment, if the
このような突起152の形状は、図3(A)(D)、図5(A)(D)に示す断面曲面形状、図3(B)(E)、図5(B)(E)に示す断面三角形形状、図3(C)(F)、図5(C)(F)に示す先端が平面の形状、図4に示す内方ほど高さを低くするテーパー形状によって容易に実現可能である。
The shapes of
本実施の形態では、周方向上で複数に分割された突起152を備えるいくつかの実施の形態を紹介した(図5(A)〜(F)参照)。これらの実施の形態によれば、突起152が撓みやすくなり、外径側に拡がるようなサイドリップ151の変形を促進することができる。しかも複数に分割された突起152は均等な間隔で配列されているので、サイドリップ151の先端を全周上均等に撓ませることができる。したがってより確実なめくれ現象の防止効果を得ることができる。
In the present embodiment, some embodiments including the
本実施の形態のサイドリップ151のように、軸(軸心A)に対する傾斜角度が先端の領域151Cで小さい場合、めくれ現象が発生しやすくなる。密封装置101は、このような形状を持つサイドリップ151であっても、めくれ現象の発生を確実に防止することができる。
When the inclination angle with respect to the axis (axis center A) is small in the
本実施の形態の密封装置101は、サイドリップ151の先端に突起152を設けることで、グリースの塗布領域GA(GA1、GA2)を拡大することができるという副次的な効果を有している。
The
図7(A)は、比較例として挙げるサイドリップ251の先端を示す模式図である。サイドリップ251の先端にはグリースが塗布される。図7(A)は、グリースの塗布領域GAをハッチングで示している。
FIG. 7A is a schematic view showing the tip of the
図7(B)は、本実施の形態のサイドリップ151の先端を示す模式図である。サイドリップ151は、比較例のサイドリップ251に確保されているグリースの塗布領域GAに相当する領域GA1の加えて、サイドリップ151の先端面と突起152との間の領域もグリースの塗布領域GA2として利用することができる。これによってサイドリップ151の先端の潤滑性が向上し、めくれ現象に対するより一層強い抑止効果を得ることができる。
FIG. 7B is a schematic view showing the tip of the
以上、サイドリップ151の先端についての複数のバリエーションを含む実施の形態を説明した。実施に際しては各種の変形や変更が可能である。
The embodiment including a plurality of variations of the tip of the
11 デフケース
12 軸孔
31 車軸(軸)
32 ダストカバー(フランジ)
101 密封装置
111 補強環
112 側壁
112a 内周面
112b 外周面
113 支持壁
113a 内周縁
113b 一面
131 弾性部材
132 嵌合部
133 シールリップ
133a リップ端
134 ダストリップ
134a リップ端
251 サイドリップ
253 リップ端
151 サイドリップ
151A 基端側の領域
151B 中間の領域
151C 先端の領域
152 突起
153 リップ端
A 軸心
GA(GA1、GA2) 塗布領域
I 機内
O 機外
T 頂点
11
32 Dust cover (flange)
101
Claims (10)
前記補強環に固定され、前記補強環を貫通する軸に接触するシールリップと、
前記補強環に固定され、先端に向かうにしたがい大径になる形状で前記シールリップよりも機外側に延び、前記軸に固定された環状のフランジに接触するサイドリップと、
前記サイドリップの初期形状として、前記サイドリップの軸方向上最も先端側の位置に設けられ、前記フランジに最初に接触する頂点を前記サイドリップの外径側に偏らせた突起と、
を備える密封装置。 An annular reinforcing ring and
A seal lip fixed to the reinforcing ring and in contact with a shaft penetrating the reinforcing ring,
A side lip fixed to the reinforcing ring, extending outward from the seal lip in a shape having a larger diameter toward the tip, and contacting an annular flange fixed to the shaft.
As the initial shape of the side lip, a protrusion provided at the position on the most tip side in the axial direction of the side lip, and the apex that first contacts the flange is biased toward the outer diameter side of the side lip.
A sealing device equipped with.
請求項1に記載の密封装置。 The protrusion has a shape integrated with the outer peripheral surface of the side lip.
The sealing device according to claim 1.
請求項2に記載の密封装置。 The apex of the protrusion is arranged at the connection portion with the outer peripheral surface of the side lip.
The sealing device according to claim 2.
請求項3に記載の密封装置。 The protrusion has a curved cross-sectional shape.
The sealing device according to claim 3.
請求項3に記載の密封装置。 The protrusion has a triangular cross section.
The sealing device according to claim 3.
請求項3に記載の密封装置。 The protrusion has a flat tip.
The sealing device according to claim 3.
請求項3に記載の密封装置。 The protrusion is provided on the outer diameter side edge of the tip surface of the side lip having a tapered shape whose height is lowered toward the inside.
The sealing device according to claim 3.
請求項1ないし7のいずれか一に記載の密封装置。 The protrusion is divided into a plurality of parts on the circumference of the tip of the side lip.
The sealing device according to any one of claims 1 to 7.
請求項8に記載の密封装置。 The plurality of divided protrusions are arranged at equal intervals.
The sealing device according to claim 8.
請求項1ないし9のいずれか一に記載の密封装置。 The side lip reduces the tilt angle with respect to the axis on the tip side.
The sealing device according to any one of claims 1 to 9.
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019095009A JP2020190271A (en) | 2019-05-21 | 2019-05-21 | Seal device |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2019095009A JP2020190271A (en) | 2019-05-21 | 2019-05-21 | Seal device |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2020190271A true JP2020190271A (en) | 2020-11-26 |
Family
ID=73453504
Family Applications (1)
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JP2019095009A Pending JP2020190271A (en) | 2019-05-21 | 2019-05-21 | Seal device |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2020190271A (en) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP7407526B2 (en) | 2019-07-04 | 2024-01-04 | Nok株式会社 | sealing device |
-
2019
- 2019-05-21 JP JP2019095009A patent/JP2020190271A/en active Pending
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JP7407526B2 (en) | 2019-07-04 | 2024-01-04 | Nok株式会社 | sealing device |
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