JP2020183910A - 磁気センサ及び磁気センサモジュール - Google Patents

磁気センサ及び磁気センサモジュール Download PDF

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Abstract

【課題】S/Nの高い信号を得ることができ、かつ三軸方向の磁場測定を行うことの可能な磁気センサを提供する。【解決手段】磁気センサ1は、感磁部12と、感磁部12に設けられ、少なくとも一つの三角形が形成されるように配置された複数の電極と、複数の電極を複数の接続パターンで切り替えて、駆動部22、検出部23a及び23bに接続するスイッチ部21と、を備え、前記接続パターンの各々は、3つの電極13a〜13cに対して設定されており、かつ、前記接続パターンの各々は、感磁部12が電極13a〜13cを含む平面に対して垂直な方向の磁場成分及び前記平面に対して平行な方向の磁場成分の両方に感度を有するように設定されており、前記検出部23a及び23bに入力される感磁部12からの出力信号の組を接続パターン毎に取得し、前記平行な方向の磁場成分を含む磁気信号を出力する。【選択図】図1

Description

本発明は、磁気センサ及び磁気センサモジュールに関する。
従来から、複数の軸成分を有する磁気を検知可能な磁気センサとして、半導体基板に設けられたホール素子に対して、ホール素子上に設けられた磁気収束板を用いて磁場の方向を変換する手法(例えば、特許文献1参照。)や基板上に形成した斜面に感磁部を形成し、多軸成分の磁場を検出する手法(例えば、特許文献2)が知られている。
特許第3928775号明細書 米国特許出願公開第2017/0345997号明細書
上記従来のように、半導体基板に設けられたホール素子に対して、磁気収束板を用いて磁場の方向を変換する手法を用いた場合、端子数が多くなるため配線の引き回しに制限がある。
また、基板上に斜面を形成する手法では、用いる材料によって該斜面の角度が決まってしまうため、磁気センサの感度方向を自由に設定することができない。その結果、感度を磁場の変化が大きい方向に向けることができなくなってしまい、S/Nの高い信号を得ることが困難となる場合がある。
本発明は、従来の未解決の問題に着目してなされたものであり、S/Nの高い信号を得ることができ、かつ三軸方向の磁場測定を行うことの可能な磁気センサ及び磁気センサモジュールを提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明の一態様に係る磁気センサは、感磁部と、前記感磁部に設けられ、少なくとも1つの三角形が形成されるように配置された複数の電極と、複数の接続端子を有する演算部と、前記複数の電極を複数の接続パターンで切り替えて前記接続端子に接続するスイッチ部と、を備え、前記複数の接続パターンの各々は、前記複数の電極のうち3つの電極に対して設定されており、かつ、前記複数の接続パターンの各々は、前記感磁部が前記3つの電極を含む平面に対して垂直な方向の磁場成分及び前記平面に対して平行な方向の磁場成分の両方に感度を有するように設定されており、前記演算部は、前記感磁部からの出力信号の組を前記複数の接続パターン毎に取得し、前記平行な方向の磁場成分を含む磁気信号を出力することを特徴としている。
また、本発明の他の態様に係る磁気センサモジュールは、上記態様の磁気センサと、参照磁場を発生する参照磁場発生部と、を有し、前記演算部は、前記平行な方向の磁場成分を含む磁気信号と、当該磁気信号が含む軸成分とは互いに独立な軸成分を含む前記参照磁場に基づく参照磁場信号とを出力するようになっており、前記参照磁場信号を用いて前記磁気信号を補正する補正部を、備えることを特徴としている。
本発明の一態様によれば、S/Nの高い信号を得ることができ、かつ三軸方向の磁場測定を行うことの可能な磁気センサを実現することができる。
本発明の一実施形態に係る磁気センサの一例を示す概略構成図である。 4つの電極を回転対称形に配置した一例を示す平面図である。 磁気センサの駆動方法を説明するための模式的な等価回路である。 磁気センサの駆動方法を説明するための模式的な等価回路である。 磁気センサの駆動方法を説明するための模式的な等価回路である。 磁気センサの駆動方法を説明するための模式的な等価回路である。 磁気センサの駆動方法を説明するための模式的な等価回路である。 磁気センサの駆動方法を説明するための模式的な等価回路である。 磁気センサの駆動方法を説明するための模式的な等価回路である。 三軸方向の磁場強度の演算方法を説明するための説明図である。 三軸方向の磁場強度の演算方法を説明するための説明図である。 オフセット成分の除去方法を説明するための模式的な等価回路である。 オフセット成分の除去方法を説明するための模式的な等価回路である。 従来のチョッピング動作方法を説明するための説明図である。 従来のチョッピング動作方法を説明するための説明図である。 第二実施形態に係る磁気センサの電極の配置位置及びチョッピング動作方法を説明するための説明図である。 第二実施形態に係る磁気センサのチョッピング動作方法を説明するための説明図である。 第二実施形態に係る磁気センサのチョッピング動作を説明するための説明図である。 第二実施形態に係る磁気センサのチョッピング動作を説明するための説明図である。 磁気センサの温度補正の必要性を説明するための説明図である。 三軸方向の検出信号の三軸それぞれのセンサ感度と周囲温度との関係を説明するための説明図である。 三軸方向の検出信号のうちの二つの軸方向のセンサ感度比と周囲温度との関係を説明するための説明図である。 磁気センサの温度補正方法を説明するための説明図である。 第三実施形態に係る磁気センサの温度補正方法を説明するための説明図である。 温度補正方法を説明するための説明図である。 温度補正方法を説明するための説明図である。
以下の詳細な説明では、本発明の実施形態の完全な理解を提供するように多くの特定の具体的な構成について記載されている。しかしながら、このような特定の具体的な構成に限定されることなく他の実施態様が実施できることは明らかである。また、以下の実施形態は、特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、実施形態で説明されている特徴的な構成の組み合わせの全てを含むものである。
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態を説明する。以下の図面の記載において、同一部分には同一符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、厚みと平面寸法との関係、各層の厚みの比率等は現実のものとは異なる。
〔第一実施形態〕
まず、本発明の第一実施形態を説明する。
〔磁気センサの構成〕
図1は、本発明の一実施形態に係る三軸方向の磁場強度を検出する磁気センサ1の一例であり、概略構成を示すブロック図である。
磁気センサ1は、検出子としてのホール素子2と、ホール素子2の出力信号を入力し信号処理を行って三軸磁場測定信号Bx、By、Bzを出力する信号処理部3とを備える。
ホール素子2は、従来のホール素子と同様に、基板11と、基板11の一方の面に形成された感磁部12と、基板11の一方の面に形成され、感磁部12と電気的に接続される3つの電極13a〜13cと、を備えるが、本実施形態におけるホール素子2は、感磁部12の膜厚が従来のホール素子よりも厚い。感磁部12は、面直磁場及び面内磁場の両方に感度を有する厚みに形成される。具体的には、感磁部12は、例えば三角柱状に形成され、平面視で三角柱の上面の、三角形の頂点となる位置近傍に各電極13a〜13cが配置される。三角柱状に形成された感磁部12は、アスペクト比(感磁部12の厚み/電極13a〜13cの電極間の最小距離)が0.01以上1以下を満足する厚みを有する。
なお、本明細書において感磁部の厚みとは、不純物濃度が基板に対して高い半導体領域の厚みを示し、例えばホール素子2の厚み方向の二次イオン質量分析法(SIMS)によって測定できる。
感磁部12のアスペクト比としては、0.02以上でもよく、0.05以上でもよい。感磁部12のアスペクト比がこの範囲にあると、面内磁場の感度が大きくなる点で好ましい。
感磁部12のアスペクト比としては、特に上限はないが、製造の容易性から0.5以下でもよく、0.1以下でもよい。
また、感磁部12の厚みは、面内磁場の感度を大きくする点で0.5μm以上であることが好ましい。また、特に上限はないが、感磁部12の厚みは、製造の容易性から10μm以下が好ましい。
なお、ホール素子2の製造方法は、従来の、感磁部が薄膜からなるホール素子と同等の工程で形成されるが、感磁部12の膜厚を形成する工程において、感磁部12は「アスペクト比(感磁部の厚み/電極間の最小距離)が0.01以上1以下」を満足する膜厚に形成される。
また、感磁部12の形状は三角柱状に限るものではなく、直方体形状等、面直磁場及び面内磁場の両方に感度を有する厚みを有していればどのような形状であってもよい。
ホール素子2において、3つの電極13a〜13cのうち、1つの電極がホール素子2の駆動端子となり、残りの2つの電極がホール素子2の出力端子となる。なお、ここでは3つの電極13a〜13cを備える場合について説明するが、電極の数は、3つに限らず4つ以上であってもよい。
基板11は、直接又は絶縁層等を介して感磁部12が形成されるものであり、半導体基板又は絶縁基板等であってよい。半導体基板は、シリコン基板又は化合物半導体基板等であり、絶縁基板は例えばセラミック基板等であってよい。基板11は、基板11内又は基板11上に電気回路が形成されたものであってもよい。
感磁部12は、基板11の一方の面に形成され、駆動端子となる例えば電極13aと一方の出力端子となる例えば電極13bとの間で駆動電流を流す第1導電路、駆動端子となる電極13aと他方の出力端子となる例えば電極13cとの間で駆動電流を流す第2導電路が一体に形成されている。感磁部12は磁場が印加される部分であり、感磁部12内の第1導電路及び第2導電路に対して、印加された磁場に応じたローレンツ力による抵抗変化が生じる。
図1では、電極13a〜13cを、平面視で三角柱状の感磁部12の三角形の頂点となる位置近傍に配置しているが、これに限るものではなく、電極13a〜13cは、これら電極13a〜13cを頂点とする少なくとも一つの三角形が形成されるように配置されていればよい。なお、電極を4つ以上設ける場合は、複数の電極のうちのいずれか3つが、少なくとも一つの三角形を形成するように配置されていればよい。
このような3つの電極で形成される三角形としては、正三角形が好ましい。正三角形を形成することで、後述する接続パターンとして、後述する感度ベクトルにおいて、互いに独立かつ絶対値が等しい感度ベクトルが得られるパターンを設定することができる。
また、電極を頂点とする二等辺三角形を形成してもよい。二等辺三角形を形成することにより、後述する接続パターンとして、駆動端子から2つの出力端子までの距離が等しくなることで、オフセット成分のより少ない信号を得ることができるパターンを設定することができる。
特に、電極を4つ以上設ける場合は、このような二等辺三角形が複数形成されるようにしてもよく、この場合、二等辺三角形が少なくとも二つ形成されることが好ましく、少なくとも三つ形成されることがさらに好ましい。電極がこのように配置されていることで、オフセット成分のより少ない信号を得ることができるパターンを複数設定することができる。
さらに、電極は、平面視で回転対称となる位置に配置されていてもよい。電極が回転対称となる位置に配置されていることで、二等辺三角形が複数形成されオフセット成分のより少ない信号が得られるパターンを複数設定することができる。さらに、後述の演算部20における計算量を少なくすることができ、演算部20での演算負荷を低減することができる。この場合、n個の電極が平面視でm回回転対称となる位置に配置されていてもよい(ただし、n≧3を満たす整数であり、mは3≦m≦nを満たす整数である。)。
例えば、電極13a〜13cは、三回回転対称となる位置(すなわち、正三角形を形成する位置)(以下、三回回転対称形ともいう。)に配置されていてもよい。
4つ以上の電極を備える場合には、三回回転対称となる位置に配置されていてもよく、四回回転対称となる位置に配置されていてもよい。つまり、図2(a)に示すように4つの電極のうち3つの電極が三角形を形成する位置に配置され、残りの1つの電極が三角形の中に配置されていてもよい。また、図2(b)に示すように、正方形の頂点となる位置に4つの電極がそれぞれ配置されていてもよい。
なお、電極を平面視でm回回転対称となる位置に配置する場合、感磁部12も平面視でm回回転対称となる形状を有し、且つ、感磁部12の回転対称の中心と、m回回転対称となる位置に配置された複数の電極の回転対称の中心とが一致していることが好ましい。感磁部12の形状をこのように構成することによって、後述するように、予めオフセット電圧による動作点を想定して信号を取得することによって検出精度が向上し、また、オフセットが低減された三軸方向の検出信号をより短時間で取得することができる。
なお、ここでは、平面視で上面が平面である感磁部12上に電極13a〜13cを配置する場合について説明したが、これに限るものではない。例えば、感磁部12を段差のある形状に形成し、3つ又は4つ以上の電極を異なる高さの位置に配置してもよい。また、例えば三角柱状に形成された感磁部12において、三角柱のいずれか三つの面それぞれに電極13a〜13cが配置されていてもよい。
信号処理部3は、スイッチ部21と、駆動部22と、演算部20とを備え、演算部20は、検出部23a及び23bと、出力部24と、演算処理部25と、を備える。
スイッチ部21は、電極13a〜13cと、駆動部22、検出部23a及び23bとの接続パターンの切り替えを行い、駆動部22、検出部23a及び23bのそれぞれと接続される電極13a〜13cを切り替える。つまり、スイッチ部21は、電極13a〜13cと、駆動部22、検出部23a及び23bとの接続を、接続先が異なる3つの接続パターンに切り替える。なお、駆動部22、検出部23a及び23bのそれぞれは接続端子を有し、スイッチ部21では、電極13a〜13cと、駆動部22、検出部23a及び23bのそれぞれの接続端子とを接続する。また、接続パターンのそれぞれは、感磁部12が3つの電極13a〜13cを含む平面に対して垂直な方向の磁場成分及びこの平面に対して平行な方向の磁場成分の両方に感度を有するように設定される。なお、スイッチ部21は、例えば、演算処理装置を含んで構成され、所定の記憶領域に予め格納された接続パターンにしたがって接続を切り替えるようになっている。
駆動部22は、ホール素子(検出子)2を駆動する。検出部23a及び23bは、スイッチ部21を介して電極13a〜13cのうちのいずれか二つの電極から検出子出力を取り出し、出力部24に出力する。
出力部24は、検出部23a及び23bから入力される入力信号に基づき、検出部23a、23bと接続される二つの電極の端子間の電位差又は二つの電極を流れる電流差からなる信号を取得し、電位差又は電流差を表す信号を差分信号Si(i=1〜3 iは各接続パターンを表す変数。)として演算処理部25に出力する。
演算処理部25は、出力部24から入力される差分信号Siを、例えば演算処理部25に設けられた記憶領域25aに記憶し、電極13a〜13cと、駆動部22、検出部23a及び23bとの接続先が異なる3つの接続パターンそれぞれにおいて差分信号Siを取得したならば、記憶領域25aに記憶している3つの接続パターンにおける差分信号Siをもとに、三軸方向の磁場強度を表す三軸磁場測定信号Bx〜Bzを演算し出力する。
〔ホール素子の駆動方法〕
次に、ホール素子(検出子)2の駆動方法を説明する。
ここでは、電極13a〜13cが、三回回転対称形に配置されている場合について説明する。
(第一の駆動方法)
まず、第一の駆動方法を説明する。
図3は、ホール素子2を定電流駆動する場合の駆動方法を説明するための、ホール素子2部分の模式的な等価回路である。
図3において、T1は駆動端子、T2及びT3は出力端子である。電極13a〜13cのうち、スイッチ部21によって、駆動部22と接続される電極が駆動端子T1となり、検出部23aと接続される電極が出力端子T2となり、検出部23bと接続される電極が出力端子T3となる。
第一の駆動方法では、図3に示すように、駆動端子T1を電源に接続し、出力端子T2を定電流源31aを介してシグナル・グラウンド電位に接続し、同様に、出力端子T3を定電流源31bを介してシグナル・グラウンド電位に接続する。そして、二つの出力端子T2及びT3から同一の定電流Icをそれぞれ引く。このときに出力端子T2及びT3間に発生する電位差を差分信号Siとして取得する。つまり、電圧検出器32により出力端子T2と出力端子T3との間の電位差ΔVを検出し、電圧検出器32の出力を、図3に示す接続パターンでホール素子2を駆動した場合に得られる差分信号Siとして取得する。
電極13a〜13cが三回回転対称形に配置されている場合、感磁部12に磁場がかかっていない状態では、図3において、駆動端子T1から出力端子T2への導電路における抵抗r1+r2と、駆動端子T1から出力端子T3への導電路における抵抗r1+r3とは略同一となる。そのため、出力端子T2及び出力端子T3間の電位差ΔVは略零となる。
一方、感磁部12に磁場が印加されている場合には、駆動端子T1から出力端子T2への導電路における抵抗r1+r2と、駆動端子T1から出力端子T3への導電路における抵抗r1+r3との間に、印加された磁場の大きさに応じた差が生じる。そのため、出力端子T2及びT3間に電位差が生じ、この差分が電位差ΔVつまり差分信号Siとなる。
ここで、図3において、出力端子T2及びT3間の電位差ΔVは、次式(1)で表すことができる。
ΔV=(Gsi/(n・e・t))・I・B ……(1)
式(1)中のGsiは感磁部12の形状によって決まる予め設定された係数である幾何形状因子、nはキャリア密度、eは電気素量、tは感磁部12の膜厚、Iは入力電流、Bは磁束密度である。
図1に示す磁気センサ1において、スイッチ部21により、駆動部22、検出部23a及び23bと、電極13a〜13cとの接続を順に切り替える。そして、異なる3つの接続パターンそれぞれにおける電位差ΔVを、検出部23a及び23bと出力部24によって検出する。これにより異なる3つの接続パターンにおける差分信号Siを取得することができる。図1に示す検出部23a及び23bと出力部24とが、図3に示す電圧検出器32に対応している。
(第二の駆動方法)
次に、第二の駆動方法を説明する。
図4は、ホール素子2を定電圧駆動する場合の駆動方法を説明するための、ホール素子2部分の模式的な等価回路である。
図4において、T1は駆動端子、T2及びT3は出力端子である。
図4に示すように、駆動端子T1を電圧源41に接続し、出力端子T2をシグナル・グラウンド電位に接続し、出力端子T3をシグナル・グラウンド電位に接続する。そして、電圧源41により、駆動端子T1に定電圧Vcを入力し、このときに駆動端子T1から出力端子T2に流れる電流を電流検出器42で検出し、駆動端子T1から出力端子T3に流れる電流を電流検出器43で検出し、これら電流検出器42及び43で検出される各電流の差分(以後、出力電流差という。)ΔIを取得する。この出力電流差ΔIが差分信号Siとなる。なお、図4中の、r12は、駆動端子T1から出力端子T2への導電路における抵抗を表し、r31は駆動端子T1から出力端子T3への導電路における抵抗を表し、r23は出力端子T2と出力端子T3との間の導電路における抵抗を表す。
電極13a〜13cが三回回転対称形に配置されている場合、感磁部12に磁場がかかっていない状態では、図4において、駆動端子T1から出力端子T2への導電路に流れる電流と、駆動端子T1から出力端子T3への導電路に流れる電流とは略同一となり、出力電流差ΔIは略零となる。
一方、感磁部12に磁場が印加された状態では、駆動端子T1から出力端子T2への導電路における抵抗r12と、駆動端子T1から出力端子T3への導電路における抵抗r31との間に、印加された磁場の大きさに応じた差が生じる。このため、駆動端子T1から出力端子T2への導電路に流れる電流と、駆動端子T1から出力端子T3への導電路に流れる電流とに差が生じることから、この差分が出力電流差ΔIとして検出され、この出力電流差ΔIが差分信号Siとなる。
図4において、出力端子T2を流れる電流と出力端子T3を流れる電流との間の電流差、つまり、出力電流差ΔIは、次式(2)で表すことができる。
ΔI=Gsv・μ・n・e・t・B・V ……(2)
式(2)中のGsvは幾何形状因子、μは移動度、nはキャリア密度、eは電気素量、tは感磁部12の膜厚、Bは磁束密度、Vは電圧源41による駆動端子T1への入力電圧である。
図1に示す磁気センサ1では、第一の駆動方法と同様に、スイッチ部21により、駆動部22、検出部23a及び23bに接続される電極13a〜13cを順に切り替える。そして、異なる3つの接続パターンにおける、出力電流差ΔIを、図1に示す検出部23a及び23bと出力部24によって検出する。これにより異なる3つの接続パターンにおける差分信号Siを取得することができる。
(第三の駆動方法)
次に、第三の駆動方法を説明する。
図5は、第三の駆動方法を説明するための、ホール素子2部分の模式的な等価回路である。
図5に示す等価回路は、図4に示すホール素子2を定電圧駆動する場合の等価回路において、電圧源41に代えて、定電流回路51を設けたものである。駆動端子T1に定電流Icを入力し、駆動端子T1から出力端子T2に流れる電流と、駆動端子T1から出力端子T3に流れる電流との差分を出力電流差ΔIとして検出する。
この場合も感磁部12に磁場がかかっていない状態では、駆動端子T1から出力端子T2に流れる電流と、駆動端子T1から出力端子T3に流れる電流とは略同一となる。一方、感磁部12に磁場が印加された状態では、駆動端子T1から出力端子T2に流れる電流と、駆動端子T1から出力端子T3に流れる電流とに、印加された磁場の大きさに応じた差が生じる。この出力電流差ΔIを、差分信号Siとして取得する。
図1に示す磁気センサ1では、図4に示す第二の駆動方法と同様に、スイッチ部21により、電極13a〜13cの接続先を順に切り替え、異なる3つの接続パターンそれぞれにおける、出力電流差ΔIを、図1に示す検出部23a及び23bと出力部24によって検出する。これにより接続パターンの異なる3パターンにおける差分信号Siを取得することができる。
(第四の駆動方法)
次に、第四の駆動方法を説明する。
図6は、第四の駆動方法を説明するための、ホール素子2部分の模式的な等価回路である。
図6に示す等価回路は、図5に示す第三の駆動方法における等価回路において、さらに、出力端子T2とシグナル・グラウンド電位間に可変電圧源52を設け、出力端子T3とシグナル・グラウンド電位間に可変電圧源53を設けたものである。駆動端子T1に定電流Icを入力し、駆動端子T1から出力端子T2に流れる電流と、駆動端子T1から出力端子T3に流れる電流との差分を出力電流差ΔIとして検出する。この出力電流差ΔIが零となるように、可変電圧源52及び可変電圧源53による印加電圧を調整する。
この場合も感磁部12に磁場がかかっていない状態では、駆動端子T1から出力端子T2に流れる電流と、駆動端子T1から出力端子T3に流れる電流とは略同一となる。一方、磁場が印加された状態では、駆動端子T1から出力端子T2に流れる電流と、駆動端子T1から出力端子T3に流れる電流とに、印加された磁場の大きさに応じた差が生じる。図6に示す等価回路では、駆動端子T1から出力端子T2に流れる電流と、駆動端子T1から出力端子T3に流れる電流との出力電流差ΔIを打ち消す電圧を、可変電圧源52及び53により出力端子T2及びT3に印加し、このときの可変電圧源52による印加電圧と可変電圧源53による印加電圧との電圧差を、差分信号Siとして取得する。
図1に示す磁気センサ1では、図4に示す第二の駆動方法と同様に、スイッチ部21により、電極13a〜13cの接続先を順に切り替える。そして、各接続パターンにおいて、駆動端子T1から出力端子T2に流れる電流と、駆動端子T1から出力端子T3に流れる電流との出力電流差ΔIを検出部23a、23b及び出力部24で検出する。さらに出力部24では、出力部24で検出した出力電流差ΔIを打ち消すように可変電圧源52及び53による印加電圧を調整し、調整した可変電圧源52及び53による印加電圧の差分を、差分信号Siとして取得すればよい。なお、この差分信号Siを取得するための処理は、出力部24で実行してもよいし、演算処理部25で実行してもよく、また別途、可変電圧源52及び53による印加電圧を調整する処理及び、可変電圧源52及び53による印加電圧の差分を差分信号Siとして出力する処理を行う処理部を設けてもよい。これにより、異なる3つの接続パターンにおける差分信号Siを取得することができる。
(第五の駆動方法)
次に、第五の駆動方法を説明する。
図7は、第五の駆動方法を説明するための、ホール素子2部分の模式的な等価回路である。
図7に示す等価回路は、図6に示す第四の駆動方法における等価回路において、定電流回路51に代えて電圧源55を設けたものである。電圧源55により駆動端子T1に定電圧Vcを入力し、駆動端子T1から出力端子T2に流れる電流と、駆動端子T1から出力端子T3に流れる電流との差分を出力電流差ΔIとして検出する。この出力電流差ΔIが零となるように、可変電圧源52及び可変電圧源53による印加電圧を調整する。
この場合も感磁部12に磁場がかかっていない状態では、駆動端子T1から出力端子T2に流れる電流と、駆動端子T1から出力端子T3に流れる電流とは略同一となる。一方、磁場が印加されている場合には、駆動端子T1から出力端子T2に流れる電流と、駆動端子T1から出力端子T3に流れる電流とに、印加された磁場の大きさに応じた差が生じる。図7に示す等価回路では、駆動端子T1から出力端子T2に流れる電流と、駆動端子T1から出力端子T3に流れる電流との出力電流差ΔIを打ち消す電圧を、可変電圧源52及び53により出力端子T2及びT3に印加し、このときの可変電圧源52による印加電圧と可変電圧源53による印加電圧との電圧差を、差分信号Siとして取得する。
図1に示す磁気センサ1では、第四の駆動方法と同様に、スイッチ部21により、電極13a〜13cの接続先を順に切り替える。そして、各接続パターンにおいて、駆動端子T1から出力端子T2に流れる電流と、駆動端子T1から出力端子T3に流れる電流との出力電流差ΔIを検出部23a、23b及び出力部24で検出する。さらに、出力部24又は演算処理部25又は、別途、可変電圧源52及び53による印加電圧を調整する処理及び、可変電圧源52及び53による印加電圧の差分を差分信号Siとして出力する処理を行う処理部によって、異なる3つの接続パターンにおける差分信号Siを取得すればよい。
(第六の駆動方法)
次に、第六の駆動方法を説明する。
図8は、第六の駆動方法を説明するための、ホール素子2部分の模式的な等価回路である。
第六の駆動方法は、図8の等価回路に示すように、定電圧を入力した時の中点電位の変動を出力として取得するようにしたものである。
図8に示すように、駆動端子T1を電圧源61に接続し、出力端子T2をシグナル・グラウンド電位に接続し、出力端子T3をシグナル・グラウンド電位に接続する。そして、駆動端子T1に定電圧Vcを入力し、出力端子T3の電位を電圧検出器62で検出する。この出力端子T3の電位の磁場印加による変動が、差分信号Siとなる。
電極13a〜13cが三回回転対称形に配置されている場合、磁場が印加されていない場合には、図8において、駆動端子T1と出力端子T3間の導電路における抵抗r31と、出力端子T3及び出力端子T2間の導電路における抵抗r23とは略同一となり、出力端子T3の電位は中点電位と略同一となる。ここでいう、中点電位とは、感磁部12に磁場がかかっていないときの駆動端子T1及び出力端子T2間の電位差が、抵抗r31及びr23によって分圧された電位をいう。この中点電位は、例えば接続パターン毎に予め検出し記憶領域25aに記憶しておく。
一方、磁場が印加されている場合には、抵抗r31と抵抗r23との間に、印加された磁場の強さに応じた差が生じ、出力端子T3の電位が生じた抵抗差に応じて変動する。すなわち、出力端子T3の電位が中点電位とは一致しない。この出力端子T3と中点電位との電位差を、差分信号Siとして取得する。
図1に示す磁気センサ1では、スイッチ部21により、駆動端子T1、出力端子T2、出力端子T3に接続される電極13a〜13cを順に切り替える。そして、検出部23a及び23bと出力部24とにより、各接続パターンにおいて、出力端子T3の電圧を検出し、出力端子T3の電位と中点電位との差分を差分信号Siとして出力する。これにより異なる3つの接続パターンそれぞれにおける差分信号Siを取得することができる。
(第七の駆動方法)
次に、第七の駆動方法を説明する。
図9は、第七の駆動方法を説明するための、ホール素子2部分の模式的な等価回路である。
第七の駆動方法は、図9の等価回路に示すように、定電流Icを入力した時の中点電位の変動を出力として取得するようにしたものである。
図9に示すように、駆動端子T1を電流源63に接続し、出力端子T2をシグナル・グラウンド電位に接続し、出力端子T3をシグナル・グラウンド電位に接続する。そして、駆動端子T1に定電流Icを入力し、出力端子T3の電位を電圧検出器64で検出する。この出力端子T3の電位の磁場印加による変動が、差分信号Siとなる。
電極13a〜13cが三回回転対称形に配置されている場合、磁場が印加されていない場合には、図9において、駆動端子T1と出力端子T2間の導電路における抵抗r1と抵抗r2とは略同一となり、出力端子T3の電位は中点電位と略同一となる。ここでいう、中点電位とは、感磁部12に磁場がかかっていないときの駆動端子T1と出力端子T2との間の電位差の、抵抗r1と抵抗r2とによって分圧された電位をいう。この中点電位は、例えば各接続パターン毎に予め検出し記憶領域25aに記憶しておく。
一方、磁場が印加されている場合には、抵抗r1と抵抗r2との間に、印加された磁場の強さに応じた差が生じ、出力端子T3の電位が、抵抗r1及びr2間に生じた抵抗差に応じて変動する。すなわち、出力端子T3の電位が中点電位とは一致しない。この出力端子T3と中点電位との電位差を、差分信号Siとして取得する。
図1に示す磁気センサ1では、スイッチ部21により、駆動端子T1、出力端子T2、出力端子T3に接続される電極13a〜13cを順に切り替える。そして、検出部23a及び23bと出力部24とにより、各接続パターンにおいて、出力端子T3の電圧を検出し、出力端子T3の電位と中点電位との差分を差分信号Siとして出力する。これにより異なる3つの接続パターンそれぞれにおける差分信号Siを取得することができる。
〔三軸方向の磁場強度の演算方法〕
次に、異なる3つの接続パターンにおける差分信号Siから、三軸方向の磁場強度を取得するための取得方法を説明する。なお、この三軸方向の磁場強度を取得するための演算は演算処理部25で実行される。
図10は、ホール素子2に含まれる感磁部12の感度ベクトルを説明するための説明図であって、図10(a)は感磁部を薄膜半導体で形成した場合、図10(b)は感磁部を厚膜半導体で形成した場合の一例を示す。また、図10は、感磁部に3つの電極が形成されている場合を示す。
図10(a)に示すように、感磁部を薄膜半導体で形成した場合、つまり、二次元薄膜で形成した場合、感磁部は、面直磁場にのみ感度を有する。そのため、図10(c)に示すベクトルを有する磁場が感磁部に印加されたとしても、図10(a)に示す感磁部では、面直方向の磁場強度しか検出することができない。
図10(b)に示すように、感磁部を厚膜半導体で形成した場合、感磁部は、面直方向に感度を有すると共に、厚膜半導体の面内磁場(横磁場)に感度を有する。つまり、図10(b)に示すように、面直方向の感度を表すベクトルを面直感度ベクトルMmαとし、面内磁場に対する感度を表すベクトルを面内感度ベクトルMmβとしたとき、感磁部は、面直感度ベクトルMmαと面内感度ベクトルMmβとを合成した方向のベクトル、つまり合成感度ベクトルMmを検出することができ、斜磁場に対する感度を有することになる。すなわち、図10(c)に示す磁場のベクトル方向に感度を有することになる。
図11は、電極13a〜13cが三回回転対称形に配置されている場合、つまり、120度の角度間隔で配置されている場合の、三軸方向の磁場強度の演算方法を説明するための説明図である。例えば、図11(a)に示すように、電極13aを駆動端子T1、電極13b及び電極13cをそれぞれ出力端子T2、T3としたとき(第1相)、感磁部12は、図11(a)中にMi(i=1)で示す方向に感度ベクトルを有する。図11(b)は図11(a)を平面視したときの感度ベクトルを表す。また、図11(c)は、図11(a)において、電極13bを駆動端子T1とした場合(第2相)、図11(d)は、図11(a)において、電極13cを駆動端子T1とした場合(第3相)の、平面視における感度ベクトルM2、M3を表す。
ここで、i相における感度ベクトルMiは、次式(3)で表すことができる。なお、i=第i相目を表す。つまり、各接続パターンを表す変数である。ここではi=1〜3である。また、式中のMiαは第i相目の面直感度ベクトルを表し、Miβは第i相目の面内感度ベクトルを表す。
Mi=Miα+Miβ ……(3)
つまり、図11(e)に示す磁場ベクトルBが、感磁部12に印加された場合の、第1相〜第3相における感度ベクトルMiは、次式(4)で表すことができる。
M1=M1α+M1β
M2=M2α+M2β
M3=M3α+M3β ……(4)
(4)式で表される3つの式を合成して得られる感度ベクトルが、3軸のうちのいずれか一つの方向成分のみとなるように、ベクトル演算する。
ここで、電極13a〜13cが三回回転対称形に配置されている場合、感度ベクトルM1〜M3には、次式(5)で表される関係がある。
ΣMiβ=0(i=1〜3)
M1α=M2α=M2α ……(5)
したがって、各軸方向成分の感度ベクトルは次式(6)で表すことができる。なお、MxはX軸方向成分の感度ベクトル、MyはY軸方向成分の感度ベクトル、MzはZ軸方向成分の感度ベクトルを表す。
Mx=2M1−M2−M3=2M1β−M2β−M3β
My=M2−M3=M2β−M3β
Mz=M1+M2+M3=M1α+M2α+M3α ……(6)
つまり、X軸方向成分Mxは、第1相〜第3相における面内感度ベクトルM1β〜M3βのみから演算することができる。Y軸方向成分Myは、第1相〜第3相における面内感度ベクトルM2β及びM3βのみから演算することができる。さらに、Z軸方向成分Mzは、第1相〜第3相における面直感度ベクトルM1α〜M3αのみから演算することができる。
ここで、第i相においてホール素子2から出力される差分信号Siは、次式(7)で表すことができる。なお、(7)式中のMijは、第i相目におけるj方向成分の感度を表し、Bjは、感磁部12に印加される磁場のj方向成分であることを表す。j=X軸、Y軸、Z軸である。
Si=MixBx+MiyBy+MizBz ……(7)
(7)式で表される差分信号Siを、i=1〜nとして行列で表すと、次式(8)で表すことができ、(8)式から、三軸方向の各成分の磁場は式(9)から得られることがわかる。
三軸方向の各成分の磁場を演算するための演算行列を一般形で表すと、次式(10)で表すことができる。なお、以下、(10)式で表す行列Mを、三軸磁場演算行列(一般形)という。
Figure 2020183910
なお、(9)式中の「†」は、一般逆行列であることを表す。
(9)式から、三軸方向の各磁場成分は、三軸磁場演算行列(一般形)Mの逆行列M†が存在すること(detM≠0)が、三軸磁場測定が可能な条件であることがわかる。例えば、3つの電極13a〜13cが同一直線上に配置されている場合には逆行列M†は存在しない。つまり、逆行列M†が存在するためには、3つの電極13a〜13cが三角形を形成する位置に配置されている必要がある。
〔オフセット成分の除去方法〕
次に、ホール素子2のオフセット成分の除去方法を説明する。
(定電流駆動法により駆動する場合)
電極13a〜13cが、図12に示すように三回回転対称形に配置されているホール素子2を、図3に示す定電流駆動法により駆動した場合、感磁部12の内部抵抗は図12(a)に示す等価回路で表すことができる。感磁部12に磁場が印加されていない場合には、駆動端子T1としての電極から出力端子T2への導電路における抵抗と、駆動端子T1から出力端子T3への導電路における抵抗は略同一となり、感磁部12の僅かな非対称性によって生じる抵抗r2と抵抗r3との差に応じた電位差のみがオフセット成分Vuとして出力される。感磁部12に磁場が印加されている場合には、駆動端子T1から出力端子T2への導電路における抵抗と、駆動端子T1から出力端子T3への導電路における抵抗との間に、印加される磁場に応じた差が生じ、出力端子T2及びT3間には抵抗差に応じた磁電変換成分Vhの電位差が出力される。
感磁部12に磁場が印加されているときの、出力端子T2及びT3間の電位差V23は、次式(11)で表すことができる。
V23=V2−V3=Vu+Vh ……(11)
次に、図12(b)に示すように、出力端子T2から出力端子T3に、定電流Icを流す。このとき図12(b)に示すように、感磁部12には、出力端子T2から出力端子T3への導電路が形成される。すなわち、図12(a)に示した場合とは抵抗r2に流れる電流が逆向きになる。感磁部12に磁場が印加されていない場合には、出力端子T2及びT3間の抵抗r2及びr3は略同一となり、駆動端子T1の電位は出力端子T2及びT3間に生じる電位差V23cの中間値(以後、電位差中間値という。)、つまりV23c/2となる。ここで、電位差V23cとは定電流Icを出力端子T2及びT3間に流した際に両端に生じる電位差である。感磁部12の僅かな非対称性によって抵抗r2と抵抗r3との間に抵抗差が生じ、駆動端子T1の電位と電位差中間値V23c/2との間に抵抗差に応じたオフセット成分Vuの半分に相当する電位差が生じる。感磁部12に磁場が印加されている場合には、出力端子T2及びT3間の抵抗r2と抵抗r3との間に、印加される磁場に応じた差が生じ、駆動端子T1の電位と電位差中間値V23c/2との間に抵抗差に応じた磁電変換成分Vhの半分に相当する電位差が現れ、これが符号反転した電圧値として電圧検出器で検出される。
このときの、駆動端子T1の電位と電位差中間値V23c/2との間の電位差V23′は次式(12)で表すことができる。
V′23=V1−V23c/2=(Vu−Vh)/2 ……(12)
したがって、図12(a)に示す等価回路において検出した「V23」(出力端子T2及びT3間の電位差)から、図12(b)に示す等価回路において検出した「V′23」(駆動端子T1の電位と電位差中間値V23c/2間の電位差)を2倍して減算することにより、ホール素子2のオフセット成分を含まない、印加された磁場の強さに応じた、出力端子T2及びT3間の抵抗差相当の電位差からなる差分信号Siを得ることができる。
上述の手順で各接続パターンにおいて、ホール素子2のオフセット成分を含まない、出力端子T2及びT3間の抵抗差相当の電圧からなる差分信号Siを取得し、これらに基づいて磁場を演算することによって、ホール素子2のオフセット成分による影響を低減した磁場強度を取得することができる。
具体的には、3つの接続パターン毎に、図12(a)に示すように駆動端子T1から駆動電流を供給して出力端子T2及びT3間の電圧からオフセット成分Vuと磁電変換成分Vhを含む信号「V23」を取得する動作と、図12(b)に示すように出力端子T2から出力端子T3へ定電流Icを流して駆動端子T1の電位と電位差中間値V23c/2間の電位差からオフセット成分Vuと符号反転した磁電変換成分Vhを含む信号「V′23」を取得する動作とを行う。つまり、3つの接続パターンに対応した差分信号Siを取得する際には、各接続パターンについて二フェーズずつ、計六フェーズにおいて、所定の信号を取得する。
なお、このオフセット成分を除去した差分信号Siを取得する処理は、例えば、出力部24において行われる。また、図12(a)に示す導電路と図12(b)に示す導電路とを形成する処理は、例えばスイッチ部21で行われる。すなわち、スイッチ部21では、例えば、まず電極13a(駆動端子T1)と駆動部22、電極13b(出力端子T2)及び電極13c(出力端子T3)それぞれと検出部23a及び検出部23bそれぞれとを接続し、この状態で差分信号Siを取得する。次に、電極13aと駆動部22とを遮断状態にし、電極13bを定電流源31cに接続し、電極13cをシグナル・グラウンド電位に接続して、電極13bから電極13cに電流を流す。
(定電圧駆動法により駆動する場合)
電極13a〜13cが、図13に示すように三回回転対称形に配置されているホール素子2を、図4に示す定電圧駆動法により駆動した場合、感磁部12の内部抵抗は図13(a)に示す等価回路で表すことができる。
感磁部12に磁場が印加されていない場合には、駆動端子T1としての電極から出力端子T2及びT3に略同一電流が流れる。そのため、出力端子T2及び出力端子T3間の出力電流差は略零となり、感磁部12の僅かな非対称性によって生じる駆動端子T1から出力端子T2への導電路における抵抗r12と駆動端子T1から出力端子T3への導電路における抵抗r31との差に応じた電流差、つまりオフセット成分Iuのみが、出力端子T2及び出力端子T3間の出力電流差となる。磁場が印加されている場合には、抵抗r12と抵抗r23との間に、印加される磁場に応じた差が生じ、出力端子T2及び出力端子T3間の出力電流差に、抵抗r12と抵抗r23との間の抵抗差に応じた磁電変換成分Ihの電流差が現れる。磁場が印加されているときの、出力端子T2及びT3間の電流差I23は、次式(13)で表すことができる。
I23=I2−I3=Iu+Ih ……(13)
次に、図13(b)に示すように、出力端子T2に定電圧Vcを印加し、出力端子T3をシグナル・グラウンド電位に接続することにより、出力端子T2及び出力端子T3間に、定電圧Vcをかける。すなわち、図13(a)に示した場合とは抵抗r12に印可される電圧が逆向きになる。また、定電圧Vc/2を出力する電圧源を接続し、駆動端子T1とこの定電圧源とを通る経路に流れる電流を電流検出器で検出する。図13(b)において、抵抗r23の両端には定電圧Vcがかかり、直列に接続された抵抗r12及びr31の両端には定電圧Vcがかかる。感磁部12に磁場が印加されていない場合には、抵抗r12と抵抗r31とは略同一となり、駆動端子T1と定電圧Vc/2を出力する電圧源とを通る経路に流れる電流は略零となる。つまり感磁部12の僅かな非対称性によって生じる抵抗r12と抵抗r31との間の抵抗差に応じたオフセット成分Iuの半分に相当する電流が駆動端子T1と定電圧Vc/2を出力する電圧源とを通る経路を流れる。この電流が電流検出器で検出される。磁場が印加されている場合には、抵抗r12及びr31間に、印加される磁場に応じた差が生じ、駆動端子T1には抵抗差に応じた磁電変換成分Ihの半分に相当する電流が流れ、これが符号反転した電流値として電流検出器で検出される。
磁場が印加されているときの、駆動端子T1と定電圧Vc/2を出力する電圧源とを通る経路に流れる電流I′23は、次式(14)で表すことができる。
I′23=(Iu−Ih)/2 ……(14)
したがって、図13(a)に示す等価回路において検出した「I23」(出力端子T2及びT3間の電流差)から、図13(b)に示す等価回路において検出した「I′23」(駆動端子T1に流れる電流)を2倍して減算することにより、ホール素子2のオフセット成分を含まない、印加された磁場の強さに応じた、出力端子T2及びT3間の電流差からなる差分信号Siを得ることができる。
上述の手順で各接続パターンにおいて、ホール素子2のオフセット成分を含まない、出力端子T2及びT3間の電流差からなる差分信号Siを取得し、これらに基づいて磁場を演算することによって、ホール素子2のオフセット成分による影響を低減した磁場強度を取得することができる。
具体的には、3つの接続パターン毎に、図13(a)に示す等価回路を形成して、出力端子T2及びT3間の電流差からオフセット成分Iuと磁電変換成分Ihを含む信号「I23」を取得する動作と、図13(b)に示す等価回路を形成してオフセット成分Iuと符号反転した磁電変換成分Vhを含む信号「I′23」を電流検出器により取得する動作とを行う。つまり、3つの接続パターンに対応した差分信号Siを取得する際には、各接続パターンについて二フェーズずつ、計六フェーズにおいて、所定の信号を取得する。
なお、このオフセット電圧を除去した差分信号Siを取得する処理も、例えば、出力部24において行われる。また、図13(a)に示す導電路と図13(b)に示す導電路とを形成する処理は、例えばスイッチ部21で行われる。
このように、本発明の一実施形態に係る磁気センサ1は、一つのホール素子2において3つの電極13a〜13cを設けることによって、三軸方向の磁場強度を検出することができ、かつ、前記アスペクト比を調整することにより感度を磁場の変化が大きい方向に向けることができ、S/Nの高い信号を得ることができる。したがって、従来に比較してより少ない端子数で、S/Nの高い三軸方向の磁場強度を得ることができる。
なお、図1に示す一実施形態に係る磁気センサ1において、4つ以上の電極を備える場合には、4つ以上の電極のうち、三角形を形成する3つの電極を選び、いずれか一つの電極を駆動端子とし、他の二つの電極を出力端子とし、この三角形を形成する3つの電極について、上記実施形態で説明したように接続先を切り替えて接続パターンの異なる少なくとも3つの差分信号Siを取得するようにすればよい。ここで、一つの三角形を選び、当該三角形から少なくとも3つの差分信号Siを取得してもよいし、複数の三角形を選び、これらの三角形から少なくとも3つの差分信号Siを取得してもよい。
また、上記実施形態においては、3つの電極13a〜13cを備えた磁気センサ1において、1つの接続パターンで一度ずつ、合計3つの接続パターンについて差分信号Siを取得するようにしているが、1つの接続パターンで複数回ずつ、3つの接続パターンそれぞれについて複数の差分信号Siを取得し、取得した複数の差分信号Siに基づき、例えば同一の接続パターンの差分信号Siの平均を用いること等によって、三軸磁場測定信号を取得するようにしてもよい。
また、4つ以上の電極を備える場合にも、組み合わせの異なる3つ以上の接続パターンで差分信号Siを取得し、そのうちの組み合わせの異なる3つの接続パターンで取得した差分信号Siを用いて上記と同様の手順で三軸磁場測定信号を取得するようにしてもよく、また、組み合わせの異なる全ての接続パターンで取得した差分信号Si全てを用いて三軸磁場測定信号を取得するようにしてもよい。さらに、この場合も、1つの接続パターンで一度ずつ差分信号Siを取得し、接続パターン毎に1つ取得した、複数の差分信号Siを用いて三軸測定信号を取得するようにしてもよく、また、1つの接続パターンで複数回ずつ差分信号Siを取得し、例えば同一の接続パターンの差分信号Siの平均を用いること等によって、三軸磁場測定信号を取得するようにしてもよい。
いずれの場合においても、感度ベクトルMiからなる行列Mが、一般逆行列M†を持つように接続先を切り替えることで、三軸磁場測定信号を取得することができる。
また、上記実施形態においては、三軸方向の磁場成分を取得するようにした場合について説明したがこれに限るものではなく、一軸方向の磁場成分のみを取得するようにしてもよい。
〔第二実施形態〕
次に、本発明の第二実施形態を説明する。
第二実施形態は、第一実施形態における磁気センサ1において、4つ以上の電極を備えたものであり、オフセット成分の除去方法が異なる。なお、第一実施形態における磁気センサ1において、電極数が異なること以外は、機器構成は同一であるので、同一部の詳細な説明は省略する。ここでは、4つの電極を備える場合について説明する。
第二実施形態における磁気センサ1において、4つの電極は感磁部に設けられ、例えば、図2(a)に示すように、平面上において正三角形の頂点となる位置と正三角形の重心となる位置とに計4つの電極が配置されている。なお、電極の配置位置は、図2(a)に示す配置に限るものではない。例えば、図2(b)に示すように、平面上において正方形の頂点となる位置に4つの電極が配置されていてもよい。感磁部上における4つの電極の配置位置はこれら配置位置に限定されるものではない。
〔オフセット成分の除去方法1〕
次に、ホール素子2のオフセット成分の除去方法を説明する。
ここで、従来、図14に示すように、4つの電極を平面上の十字型に形成された感磁部の端点となる位置に配置したホール素子のオフセット成分の除去方法として、電流を流す方向を90°ずつ切り替える方法が知られている。この方法は、電流を流す方向を90°ずつ切り替え、360°まで切り替えて得られる4つの検出信号を加算し、その平均値を得ることで、オフセット成分を除去した一軸の出力信号を得るようにしている。
同様に、図15に示すように、3つの電極を平面上の三叉型に形成された感磁部の端点となる位置に配置した場合にも、電流を流す方向を120°ずつ切り替え、360°まで切り替えて得られる3つの検出信号を加算し、その平均値を得ることで、オフセット成分を除去した一軸の出力信号を得ることができる。これらのオフセット成分の除去方法は感磁部が面直磁場にのみ感度を有することを前提としている。
一方、第二実施形態に係る磁気センサ1は、図1に示すように、面直磁場及び面内磁場の両方に感度を有する厚みに感磁部12が形成されており、かつ、図2に示すように、4つ以上の電極を備える。
オフセット成分の除去方法1は、面直磁場及び面内磁場の両方に感度を有する感磁部に、図2に示すように、4つ以上の電極が配置される場合のオフセット成分の除去方法を示す。
第二実施形態に係る磁気センサ1は、図16に示すように、電流を流す方向を3回切り替えてオフセット成分を除去する動作を複数回行うことによって、オフセット成分を除去した三軸方向の検出信号を得るようにしている。
例えば図16(a)に示すように、正三角形の頂点と重心とに配置された電極からなる3つの三角形f1〜f3それぞれについて、この三角形の頂点となる位置に配置された3つの電極に対し、電流を流す方向を切り替えて3つの検出信号を取得し、この3つの検出信号を用いて三軸方向の検出信号に分離し、取得した三角形毎の三軸方向の検出信号の平均値を得ることで、オフセット成分を除去した三軸方向の検出信号を得ることが考えられる。
つまり、正三角形の重心と頂点となる位置とに配置された4つの電極に対し、接続パターンを9回切り替えて9つの検出信号を取得し、これら9つの検出信号からオフセット成分が除去された三軸方向の検出信号を得る。
具体的には、まず図16(a)の第一の三角形f1の頂点となる位置に配置された電極p11〜p13について、接続パターンを反時計回りに切り替えて3つの検出信号を取得する。そしてこれら3つの検出信号の平均値を得ることで、オフセット成分が除去された検出信号S1を取得する。すなわち、図16(b)のフェーズPh.1に示すように、電流の流れる方向を、電極p11から電極p12、p13に向かう方向(Ph.1−1)と、電極p12から電極p11、p13に向かう方向(Ph.1−2)と、電極p13から電極p11、p12に向かう方向(Ph.1−3)と、のそれぞれに順に切り替えることによって得られる3つの検出信号の平均値を検出信号S1とする。
次に、第二の三角形f2の頂点となる位置に配置された電極p11、p12、p14について、接続パターンを反時計回りに切り替えて3つの検出信号を取得する。そして、これら3つの検出信号の平均値を得ることで、オフセット成分が除去された検出信号S2を取得する。すなわち、図16(b)のフェーズPh.2に示すように、電流の流れる方向を、電極p11から電極p12、p14に向かう方向(Ph.2−1)、電極p14から電極p11、p12に向かう方向(Ph.2−2)、電極p12から電極p11、p14に向かう方向(Ph.2−3)のそれぞれに順に切り替えることによって得られる3つの検出信号の平均値を検出信号S2とする。
さらに、第三の三角形f3の頂点となる位置に配置された電極p11、p13、p14について、接続パターンを反時計回りに切り替えて3つの検出信号を取得し、これら3つの検出信号の平均値を得ることで、オフセット成分が除去された検出信号S3を取得する。すなわち、図16(b)のフェーズPh.3に示すように、電流の流れる方向を、電極p11から電極p13、p14に向かう方向(Ph.3−1)、電極p13から電極p11、p14に向かう方向(Ph.3−2)、電極p14から電極p11、p13に向かう方向(Ph.3−3)のそれぞれに順に切り替えることによって得られる3つの検出信号の平均値を検出信号S3とする。
ここで、各フェーズPh.1〜Ph.3のそれぞれで取得した、検出信号S1〜S3は、前述のように、オフセット成分は除去されているが、面直磁場感度及び面内磁場感度の両方からなる混成信号となっている。そのため、検出信号S1〜S3を用いて、前記(9)式から三軸方向の検出信号を求める。これにより、オフセット成分が除去された三軸方向の検出信号を得ることができる。
また、このように、接続パターンの切替と演算によって、オフセット成分を除去した三軸方向の検出信号を得ることができるため、駆動回路とチョッピング回路とを共通化することができ、回路面積を削減することができる。
〔オフセット成分の除去方法2〕
オフセット成分の除去方法2では、図1に示すように、面直磁場及び面内磁場の両方に感度を有する厚みに感磁部12が形成されており、かつ、図2に示すように、回転対称に配置された4つ以上の電極を備える場合に、検出精度の向上と測定時間の短縮を図る。
具体的には、オフセット成分の除去方法2では、図16に示す方法と同様に、正三角形の重心と頂点となる位置に配置された4つの電極に対し、接続パターンを9回切り替えて9つの検出信号を取得し、これら9つの検出信号から三軸方向の検出信号を得ているが、9つの検出信号の取得手順が異なる。
すなわち、オフセット成分の除去方法1では、図16に示すように、9つの接続パターンを、Ph.1からPh.3の順に切り替え且つ、各フェーズPh.1〜Ph.3では、電流の流れる方向を、正三角形の重心に位置する電極p11から他の電極に流れる方向、続いて、正三角形の各頂点に位置する二つの電極のうちの一方の電極から他の電極に流れる方向、最後に、正三角形の各頂点に位置する二つの電極のうちの他方の電極から他の電極に流れる方向、に切り替えている。
これに対し、オフセット成分の除去方法2では、図17に示すように、図16(b)に示す9つの接続パターンを、正三角形の重心に位置する電極p11から他の二つの電極に流れる方向(Ph.11)、正三角形の頂点に位置する3つの電極のうちの一つの電極から右隣の電極と正三角形の重心に位置する電極p11とに流れる方向(Ph.12)、正三角形の頂点に位置する3つの電極のうちの他の一つの電極から左隣の電極と正三角形の重心に位置する電極p11とに流れる方向(Ph.13)の順に、各電極から他の電極に電流が流れるように切り替えている。
具体的には、図17に示すように、4つの電極を回転対称に配置することによって得られる合同な三角形の対応する(重なり合う)頂点を入力端子とした接続パターン毎に信号を取得する。すなわち、Ph.11では、正三角形の重心P11からP12、P13に電流が流れる方向(Ph.11−1)、電極P11からP12、P14に電流が流れる方向(Ph.11−2)、電極P11からP13、P14に電流が流れる方向(Ph.11−3)に、切り替える。同様に、Ph.12では、正三角形の頂点に位置する電極P12から重心の電極P11、正三角形の頂点に位置する他の電極P13に電流が流れる方向(Ph.12−1)、正三角形の頂点に位置する残りの電極P14からP11、P12に電流が流れる方向(Ph.12−2)、正三角形の頂点に位置する他の電極P13からP11、P14に電流が流れる方向(Ph.12−3)に、切り替える。さらに、Ph.13では、正三角形の頂点に位置する電極P13から電極P11、電極P12に電流が流れる方向(Ph.13−1)、電極P12からP11、P14に電流が流れる方向(Ph.13−2)、電極P14からP11、P13に電流が流れる方向(Ph.13−3)に、切り替える。なお、フェーズPh.11、Ph.12、Ph.13のそれぞれが、特許請求の範囲に記載の頂点共通接続パターン群に対応している。
ここで、図16(b)に示すようにPh.1〜Ph.3の順に接続パターンを切り替えた場合、各接続パターンにより形成される電流回路の動作点は、図18に示すように、接続パターン毎に変動する。
例えば、図16(a)に示すように、電極が正三角形の重心と頂点の位置とに配置されている場合、重心に位置する電極p11から他の二つの電極の方向に電流が流れる場合には、重心に位置する電極p11から他の電極への経路は同等となるため、電極の配置位置に起因するオフセットは小さい。
一方、他の電極のうちの一方から、他方の電極及び電極p11に電流が流れる場合、一方の電極から他方の電極への電流経路と、一方の電極から電極p11への電流経路とは電極間の距離が異なり抵抗値が異なるため、オフセットが生じる。つまり、フェーズPh.1で接続パターンを切り替えた場合、オフセットにより、動作点は、接続パターンを切り替える毎に大きく変動する。
例えば図16(b)のPh.1に示すように、正三角形の重心の位置に配置された電極p11から他の電極に向かう方向に電流が流れる場合(Ph.1−1)には、二つの電流経路の距離は同等程度となるが、Ph.1−2のように、正三角形の頂点の位置に配置されている電極から、同じく頂点の位置に配置されている電極への電流経路と、電極p11への電流経路とは距離が異なり抵抗値が異なる。さらに、例えば、信号処理部3の検出部23a、23bに対して、出力電極として接続される電極の組を(pa、pb)と表し、paが検出部23aに接続され、pbが検出部23bに接続されるものとすると、フェーズPh.1において、検出部23a、23bに対して(p13、p12)、(p11、p13)、(p12、p11)の順に接続を切り替え、同様にフェーズPh.2では(p12、p14)、(p11、p12)、(p14、p11)の順に接続を切り替え、同様にフェーズPh.3では(p14、p13)、(p11、p14)、(p13、p11)の順に接続を切り替えるものとする。
このように接続を切り替える場合、フェーズPh.1では、検出部23a、23bに対して(p13、p12)を接続すると、電流経路の距離は同等程度であるため、オフセット値は略零となり、図18に示すように、動作点は略零となる。続いて接続パターンを切り替え、(p11、p13)、(p12、p11)を検出部23a、23bに順に接続すると、上述のように、二つの電流経路の距離が異なることから、互いに逆方向のオフセット値が生じ、動作点が零を挟んで、大きく変動することになる。同様にフェーズPh.2、Ph.3でも、図18に示すように、オフセット値は大きく変動する。つまり、図18に示すように、電流回路の動作点が、零、プラス側の点、マイナス側の点、の順に繰り返し変動することになる。
ここで、接続パターンを切り替えた場合、電流回路の状態が安定してから、電流回路の検出信号を取得する必要がある。
つまり、図18に示すように、電流回路の動作点が変動するたびに、電流回路のノードの充放電が必要であるため、電流回路の動作点の変動幅が大きいほど、電流回路が安定するまでに時間がかかり、すなわち、三軸方向の検出信号を得るまでに時間がかかることになる。
これに対し、本実施形態では、図17に示すように、フェーズPh.11〜Ph.13のパターンで接続パターンを切り替えている。
ここで、図19に示すように、フェーズPh.11は、図18において、オフセット値が略零となり動作点が略零となる接続パターンの組(Ph.1−1、Ph.2−1、Ph.3−1)であり、フェーズPh.12は、動作点がプラス方向の値をとる接続パターンの組(Ph.1−2、Ph.2−2、Ph.3−2)、フェーズPh.13は、動作点がマイナス方向の値をとる接続パターンの組(Ph.1−3、Ph.2−3、Ph.3−3)である。つまり、動作点が近い接続パターンどうしが続くように接続パターンを切り替えている。そのため、同じフェーズ内では、動作点が近いため、接続パターンを切り替えたとしても、電流回路が安定するまでの所要時間は比較的短時間ですむ。一方、フェーズを切り替えたときには、動作点が比較的大きく変動するため、電流回路が安定するまでの所要時間は比較的長くなるが、フェーズの切り替えは、フェーズPh.11からフェーズPh.12と、フェーズPh.12からフェーズPh.13との2回である。そのため、総合的に見れば、接続パターンの切り替えに伴う、電流回路が安定するための所要時間を低減することができ、結果的に、三軸方向の検出信号を得るまでの所要時間を短縮することができる。
なお、フェーズPh.11〜Ph.13の順で接続パターンを切り替える場合には、各フェーズ毎に、得られた3つの検出信号をもとに三軸方向の検出信号を演算する。この三軸方向の検出信号はまだオフセットを含んでいる。そして、得られたフェーズ毎の三軸方向の検出信号を各軸毎に平均化することで、オフセットの除去が図られ、オフセットが低減された三軸方向の検出信号が得られる。
このように、オフセット成分の除去方法2では、接続パターンを切り替える順番を考慮して、接続パターンを切り替え、すなわち、予め動作点を想定して信号を取得することによって、検出精度が向上し、また、オフセットが低減された三軸方向の検出信号をより短時間で取得することができる。
なお、上記オフセット成分の除去方法1では、図16に示すようにフェーズPh.1〜Ph.3の順に接続パターンを切り替え、さらに各フェーズにおいて、Ph.1−1、Ph.1−2、Ph.1−3というように、図16に示す並び順に接続パターンを切り替えているが、これに限るものではない。三つのフェーズPh.1〜Ph.3の切り替え順は任意に設定することができ、同様に、各フェーズPh.1〜Ph.3それぞれにおいて、フェーズ内での接続パターンの切り替え順も任意に設定することができる。また、前述のように各フェーズで平均化することによりオフセットが除去された信号を取得し、三軸方向の検出信号を演算しても良く、一方で、各フェーズで三軸方向の検出信号を演算し、各軸の検出信号の平均値を取得しても良い。
同様に、図17の場合も、フェーズPh.11〜Ph.13の順に接続パターンを切り替え、さらに各フェーズにおいて、Ph.11−1、Ph.11−2、Ph.11−3というように、図17に示す並び順に接続パターンを切り替える場合に限らず任意に設定することができ、三つのフェーズPh.11〜Ph.13の切り替え順は任意に設定することができ、同様に、各フェーズPh.11〜Ph.13それぞれにおいて、フェーズ内での接続パターンの切り替え順も任意に設定することができる。また、前述のように各フェーズで三軸方向の検出信号を演算し、各軸の検出信号の平均値を取得しても良い。また、各フェーズで平均化によりオフセットが除去された信号を取得し、三軸方向の検出信号を演算しても良い。
また、第二実施形態では、正三角形の重心と頂点に電極が配置された場合について説明したが、これに限るものではなく、正四角形の重心及び頂点等、正多角形の重心及び頂点に電極が配置された場合であっても適用することができ、四つ以上の電極が設けられていれば、上記の手法を用いることによって、効率的に三軸方向の検出信号を得ることができる。
〔第三実施形態〕
次に、本発明の第三実施形態を説明する。
第三実施形態は、第一実施形態における磁気センサ1において、温度補正を行うようにしたものである。なお、第一実施形態における磁気センサ1と機器構成は同一であるので、同一部の詳細な説明は省略する。
ホール素子は、図20に示すように、ホール素子への入力磁場Bが大きくなるとこれに比例して、センサ出力値も大きくなるが、センサ出力値は、周囲温度に応じて変動し、例えば、周囲温度が高くなるほど、センサ出力値は小さくなる。つまり、周囲温度が変動したことによるセンサ出力値の変化と入力磁場Bが変化したことセンサ出力値の変化は、そのままでは見分けることはできず、誤差となる。この誤差を除去するためには、周囲温度を測定する温度センサが必要となる。
ここで、図1に示す磁気センサ1は、一つの感磁部12で、三軸方向の磁場を同時に検出することができる。そのため、得られた三軸方向の検出信号の感度を、それぞれX軸感度、Y軸感度、Z軸感度とすると、これらX軸感度、Y軸感度、Z軸感度の、周囲温度の変化に対するセンサ感度の変化率は、同一となる。
そのため、図21に示すようにこれらX軸感度、Y軸感度、Z軸感度は周囲温度の変化に伴って変化するものの、図22に示すように、X軸感度、Y軸感度、Z軸感度の感度比、すなわちZ/Y感度比、Z/X感度比、X/Y感度比は、周囲温度に関係なくそれぞれ一定となる。
したがって、検出対象の磁場が変化したときでもセンサ出力値が変化しない感度軸(以後、参照軸ともいう。)におけるセンサ出力値を得ることができれば、参照軸を除く他の軸方向の磁場の検出信号として、周囲温度の変化による影響を受けていない検出信号を得ることができる。
具体的には、検出対象の磁場を磁気センサ1で計測することにより得られた三軸方向の検出信号のうちの参照軸の検出信号(参照磁場信号)Vrefと、得られた三軸方向の検出信号のうち、参照軸を除く他の軸(検出軸ともいう。)の検出信号(磁気信号)Vsenとを用いて、VsenとVrefとの比を演算することで、周囲温度の変化の影響を受けていない、検出軸の検出信号を演算する。なお、各軸の検出信号の和信号、差信号等を上記のVsenまたはVrefとして用いてもよい。
つまり、図23に示すように、周囲温度の変化に関係なく、入力磁場Bに応じたセンサ出力値を得ることができる。なお、検出軸の検出信号を補正する補正処理は、例えば、演算処理部25に補正処理を行う補正部を設け、補正部において補正処理を行うようにすればよい。
(参照磁場発生用のコイルを備える磁気センサモジュールの構成例)
上記参照軸として、検出軸成分を有さない磁場を発生させるコイルを用いてもよい。例えば、磁気センサモジュールは、図1に示す磁気センサ1を備えると共に、図24に示すように、さらに、参照磁場発生用のコイル101を備える。
ここで、図24において、検出対象の磁場は、X軸成分及びY軸成分のみを有するものとする。
図24に示すように、参照軸として上記検出対象の磁場(X軸及びY軸)に直交する方向(つまりZ軸方向)のみに磁場を発生させるコイル(参照磁場発生部)101を設ける。コイル101は、例えば図示しない駆動回路によって駆動される。
そして、コイル101により参照磁場を発生させた状態で、検出対象の磁場及び参照磁場を含む磁場を、磁気センサ1によって検出する。
図24に示すようにコイル101を配置した場合、検出対象の磁場は、X軸成分及びY軸成分のみを有するため、ホール素子2の検出信号から得られる三軸方向の検出信号において、Z軸方向の検出信号は検出対象の磁場の影響は受けず、周囲温度の影響のみを受ける。
つまり、図25に示すように、得られたX軸方向の検出信号及びY軸方向の検出信号は、検出対象の磁場と周囲温度の影響とを受けた値(特性線L1)となるが、Z軸方向の検出信号は、周囲温度の影響のみを受けた値(特性線L2)となる。
そこで、磁気センサ1の検出信号から得た三軸方向の検出信号のうちの参照軸(Z軸)の検出信号Vrefと、得られた三軸方向の検出信号のうち検出軸(X軸及びY軸)の検出信号Vsenとを用いて、VsenとVrefとの比を演算することで、周囲温度の変化の影響を受けていない、検出軸(X軸及びY軸)の検出信号を演算する。
このように、周囲温度を測定するための温度センサを必要とすることなく、温度補正を行うことができるため、磁気センサ1全体の大型化を伴うことなく、精度向上を図ることができる。
(磁石と磁気センサとの相対位置の変化を検出する磁気センサモジュールの構成例)
磁気センサモジュールは、図1に示す磁気センサ1を備えると共に、図26に示すように、さらに、磁石を備える。
ここで、図26に示すように、図26に向かって右方向をY軸の正方向、上方向をZ軸の正方向、図26に向かう方向をX軸の正方向とする。このXYZ座標系において、例えば原点を通るZ軸方向に延びる線分上に磁石102を配置する。例えば、Z軸の値が大きくなる側をN極、小さくなる側をS極とする。
磁気センサ1は、磁石102を通るZ軸方向の延長線上に配置する。また、磁気センサ1の移動方向はZ軸方向の位置は一定のX−Y平面内とする。
この状態で、磁石102による磁場を、磁気センサ1によって検出する。
図26に示すように磁石102と磁気センサ1とを配置し、磁気センサ1をZ軸方向の位置は一定のX−Y平面内で移動させた場合、磁気センサ1と磁石102との間のZ軸方向の磁場強度が略不変な移動範囲において、Z軸方向の検出信号は、磁気センサ1の位置に関係なく一定であり、周囲温度の変化のみにより変動する。一方、磁気センサ1と磁石102との相対位置に応じて、X軸方向及びY軸方向の磁場強度は変動するため、X軸方向及びY軸方向の検出信号は、それぞれ磁気センサ1と磁石102との相対位置に応じて変化すると共に、周囲温度の変化によっても変動する。
つまり、図26に示すように磁石102と磁気センサ1とを配置した場合も、磁気センサ1の出力信号から得られたセンサ出力から得たX軸方向の検出信号及びY軸方向の検出信号は、図25に示すように、検出対象の磁場と周囲温度の影響とを受けた値(特性線L1)となる。一方、Z軸方向の検出信号は検出対象の磁場と周囲温度の影響のみを受けた値となる(特性線L2)。
そのため、この場合も上記と同様に、磁気センサ1の検出信号から得た三軸方向の検出信号のうちの参照軸(Z軸)の検出信号Vrefと、得られた三軸方向の検出信号のうち検出軸(X軸及びY軸)の検出信号Vsenとを用いて、VsenとVrefとの比を演算することで、周囲温度の変化の影響を受けていない、検出軸(X軸及びY軸)の検出信号を得ることができる。
また、周囲温度を測定するための温度センサを必要とすることなく、温度補正を行うことができるため、磁気センサ1全体の大型化を伴うことなく、精度向上を図ることができる。
なお、磁石102が、特許請求の範囲に記載の参照磁場発生部に対応している。つまり、磁石102は、磁気センサ1と磁石102との相対位置を検出するための検出対象の磁場を発生する発生部と、参照磁場発生部とを兼ねている。
なお、ここでは、第一実施形態に係る磁気センサ1において温度補正を行う場合について説明したが、これに限るものではなく、第二実施形態に係る磁気センサ1において温度補正を行うようにすることも可能である。この場合には、3つのフェーズから得られた9個のセンサ検出値を用いて三軸方向の検出信号を得たときに、温度補正を行うようにすればよい。
以上、本発明の実施形態を説明したが、上記実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造、配置等を特定するものでない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
1 磁気センサ
2 ホール素子
3 信号処理部
11 基板
12 感磁部
13a〜13c 電極
20 演算部
21 スイッチ部
22 駆動部
23a、23b 検出部
24 出力部
25 演算処理部
101 コイル
102 磁石

Claims (15)

  1. 感磁部と、
    前記感磁部に設けられ、少なくとも1つの三角形が形成されるように配置された複数の電極と、
    複数の接続端子を有する演算部と、
    前記複数の電極を複数の接続パターンで切り替えて前記接続端子に接続するスイッチ部と、を備え、
    前記複数の接続パターンの各々は、前記複数の電極のうち3つの電極に対して設定されており、かつ、前記複数の接続パターンの各々は、前記感磁部が前記3つの電極を含む平面に対して垂直な方向の磁場成分及び前記平面に対して平行な方向の磁場成分の両方に感度を有するように設定されており、
    前記演算部は、前記感磁部からの出力信号の組を前記複数の接続パターン毎に取得し、
    前記平行な方向の磁場成分を含む磁気信号を出力する磁気センサ。
  2. 前記複数の電極は、前記三角形が少なくとも3つ形成されるように配置され、
    前記複数の接続パターンは、前記出力信号の組を、前記三角形の内、少なくとも3つの三角形それぞれに付き少なくとも3組ずつ取得するように設定されている請求項1に記載の磁気センサ。
  3. 前記複数の電極は、平面視でn回回転対称(nは3以上の整数)となる位置に、前記三角形として互いに合同な三角形が少なくとも3つ形成されるように配置され、
    前記複数の接続パターンは、前記出力信号の組を、前記合同な三角形の内、少なくとも3つの三角形それぞれに付き少なくとも3組ずつ取得するように設定されている請求項1に記載の磁気センサ。
  4. 前記感磁部は、平面視で前記n回回転対称となる形状を有し、
    前記感磁部の回転対称の中心と、前記複数の電極の回転対称の中心とが一致している請求項3に記載の磁気センサ。
  5. 前記複数の接続パターンのうち、複数の前記合同な三角形において互いに対応する頂点となる位置に配置された3つの電極に対する接続パターンが前記合同な三角形間で同一となる接続パターンを頂点共通接続パターン群とし、
    前記演算部は、複数のフェーズ毎に前記出力信号の組を複数取得し、
    前記スイッチ部は、前記フェーズ毎に異なる前記頂点共通接続パターン群に切り替え、前記複数の電極を、前記頂点共通接続パターン群に含まれる前記接続パターンで切り替えて前記接続端子に接続する請求項3又は請求項4に記載の磁気センサ。
  6. 前記感磁部は前記電極を3つ備え、かつ前記電極は正三角形が形成されるように配置された請求項1に記載の磁気センサ。
  7. 前記複数の電極が、前記感磁部に少なくとも1つの二等辺三角形が形成されるように配置された請求項1に記載の磁気センサ。
  8. 前記複数の電極が、前記感磁部に少なくとも2つの二等辺三角形が形成されるように配置された請求項1に記載の磁気センサ。
  9. 前記複数の電極が、前記感磁部に少なくとも3つの二等辺三角形が形成されるように配置された請求項1に記載の磁気センサ。
  10. 前記複数の電極が、平面視で回転対称となる位置に配置された請求項7から請求項9のいずれか一項に記載の磁気センサ。
  11. 前記感磁部は、4つの前記電極を備える請求項7から請求項10のいずれか一項に記載の磁気センサ。
  12. 前記接続パターンが、前記二等辺三角形を形成する電極に対して設定されている請求項7から請求項11のいずれか一項に記載の磁気センサ。
  13. 前記感磁部のアスペクト比(感磁部の厚み/前記電極間の最小距離)は、0.01以上1以下である請求項1から請求項12のいずれか一項に記載の磁気センサ。
  14. 請求項1に記載の磁気センサと、
    参照磁場を発生する参照磁場発生部と、を有し、
    前記演算部は、
    前記平行な方向の磁場成分を含む磁気信号と、当該磁気信号が含む軸成分とは互いに独立な軸成分を含む前記参照磁場に基づく参照磁場信号とを出力するようになっており、
    前記参照磁場信号を用いて前記磁気信号を補正する補正部を、備える磁気センサモジュール。
  15. 前記参照磁場発生部は、コイル又は磁石を含む請求項14に記載の磁気センサモジュール。
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