以下、発明の実施形態を図面に基づいて詳述する。図1〜図30は本発明をパチンコ機に採用した第1の実施形態を例示している。図1及び図2において、遊技機本体1は、外枠2と、この外枠2の前側に配置された前枠3とを備えている。前枠3は、左右方向一端側、例えば左端側に配置された上下方向の第1ヒンジ4を介して外枠2に開閉自在及び着脱自在に枢着されており、左右方向における第1ヒンジ4と反対側、例えば右端側に設けられた施錠手段5によって外枠2に対して閉状態で施錠可能となっている。
前枠3は、中枠6と、その中枠6の前側に配置されたガラス扉7とを備えている。ガラス扉7は、左右方向一端側、例えば左端側に配置された上下方向の第2ヒンジ8を介して中枠6に開閉自在及び着脱自在に枢着されており、施錠手段5によって中枠6に対して閉状態で施錠可能となっている。
外枠2は、図2に示すように左右一対の縦枠材2a,2bと上下一対の横枠材2c,2dとで矩形状に形成されている。外枠2の前側下部には、例えば合成樹脂製の前カバー部材9が、下横枠材2dの前縁に沿って左右の縦枠材2a,2bの前側下部を連結するように装着されている。前カバー部材9は、左右の縦枠材2a,2bよりも前側に突出しており、その上側に中枠6が配置されている。また外枠2には、第1ヒンジ4を構成する外枠上ヒンジ金具11が例えば左上部に、同じく外枠下ヒンジ金具12が左下部における前カバー部材9の上側に夫々配置されている。
中枠6は合成樹脂製で、前カバー部材9の上側で外枠2の前縁側に略当接可能な矩形状の枠部13と、この枠部13内の上部側に設けられた遊技盤装着部14と、枠部13内の下部側に設けられた下部装着部15とを例えば一体に備えている。遊技盤装着部14には、遊技盤16が例えば前側から着脱自在に装着され、下部装着部15には、その前側に発射手段17、下部スピーカ18等が配置されている。また中枠6には、第1ヒンジ4を構成する本体枠上ヒンジ金具19と第2ヒンジ8を構成する本体枠上ヒンジ金具20とが例えば左上部に、第1,第2ヒンジ4,8を構成する本体枠下ヒンジ金具21が例えば左下部に夫々配置されている。
ガラス扉7は、中枠6の前面側に対応する矩形状に形成された樹脂製の扉ベース22を備えている。この扉ベース22には、遊技盤16に形成された遊技領域23の前側に対応してガラス窓24の窓孔24aが形成されると共に、例えば窓孔24aの周囲に複数(ここでは4つ)の上部スピーカ25、枠第1可動演出手段26、枠第2可動演出手段27、送風手段28等の各種演出手段が配置されている。
扉ベース22の上部前側には、窓孔24aの外周の少なくとも一部、例えば窓孔24aの上側と右側とに対応する略L字型の部分にサイドユニット29が装着され、その他の一部、例えば窓孔24aの左側には上装飾カバー30が装着されている。サイドユニット29は、図2,図3等に示すように、例えば前枠3を開いた状態で、特殊な工具を使用することなく、前枠3の裏側の固定ネジ29a、固定レバー29b等を操作することにより容易に着脱が可能となっている。通常、前枠3は複数の機種で共通に用いられ、機種毎に異なる遊技盤16をこの前枠3に装着することでその機種に特有の遊技性やデザインを実現しているが、本パチンコ機では、前枠3の前側の一部を、その他の部品に比べて容易に着脱可能なサイドユニット29とし、このサイドユニット29に、遊技盤16と一体感のあるデザインや特有の機能を持たせることにより、前枠3の大部分を共通化しつつも、機種毎のデザインや機能の自由度を高めることを可能としている。
本実施形態のサイドユニット29には、枠第1可動演出手段26、枠第2可動演出手段27、送風手段28、LED(図示省略)等が搭載されている。枠第1可動演出手段26は枠第1可動体26aを備え、図外の駆動手段の駆動による枠第1可動体26aの略前後方向へのスライド移動が可能となっている。枠第2可動演出手段27は枠第2可動体27aを備え、図外の駆動手段の駆動による枠第2可動体27aの略前後方向へのスライド移動と、枠第2可動体27aの前端側の把持部27b内に配置された図外の振動手段による振動動作とが可能であり、また遊技者による把持部27bの押し込み操作が可能となっている。送風手段28は、遊技者が把持部27bを把持するタイミングで、遊技者の手に向けて風を送ることが可能となっている。
扉ベース22の下部前側には、中枠6の後側に配置された払い出し手段31から払い出された遊技球を貯留して発射手段17に供給する上皿32、その上皿32が満杯のときの余剰球等を貯留する下皿33、発射手段17を作動させるために操作する発射ハンドル34等が配置され、更に上皿32、下皿33等を前側から略覆う下装飾カバー35が装着されている。下装飾カバー35は、例えば前向きの膨出状に形成されており、例えばその上部側に、遊技者が押下操作可能な演出ボタン36、十字操作手段37、音量調整操作手段38、光量調整操作手段39等の所定操作手段が設けられている(図4)。
扉ベース22の背面側には、窓孔24aを後側から略塞ぐようにガラスユニット40が着脱自在に装着されると共に、第1,第2ヒンジ4,8側の縁部に沿って配置される上下方向のヒンジ端側補強板金41aと、開閉端側の縁部に沿って配置される上下方向の開閉端側補強板金41bと、窓孔24aの下側に配置される左右方向の下部補強板金41cとがねじ止め等により着脱自在に固定されている。また扉ベース22には、第2ヒンジ8を構成するガラス扉上ヒンジ金具42aが例えば左上部に、同じくガラス扉下ヒンジ金具42bが例えば左下部に夫々配置されている。
また、例えば下部補強板金41cの背面側には、球送りユニット43a、下皿案内ユニット43b等が装着されている。球送りユニット43aは、上皿32内の遊技球を1個ずつ発射手段17に供給するためのもので、発射手段17の前側に対応して配置されている。下皿案内ユニット43bは、上皿32が満杯となったときの余剰球、及び発射手段17により発射されたにも拘わらず遊技領域23に達することなく戻ってきたファール球を下皿33に案内するためのもので、例えば球送りユニット43aに隣接してその第1,第2ヒンジ4,8側に配置されている。
また、中枠6の例えば上部側には、前枠3が外枠2に対して開放しているか否かを検出可能な扉開放スイッチ44が設けられている。この扉開放スイッチ44は、例えば前枠3が外枠2に対して前側に開放したときにON、閉鎖したときにOFFとなるように構成されている。
遊技盤16は、図5に示すように例えばベニヤ板等のベース板45を備え、そのベース板45の前側に、発射手段17から発射された遊技球を案内するガイドレール46が環状に配置されると共に、そのガイドレール46の内側の遊技領域23に、中央表示枠ユニット47、始動入賞ユニット48、普通入賞ユニット49等のユニット部品の他、多数の遊技釘(図示省略)が配置され、また遊技領域23の外側の例えば下部側には遊技情報表示手段50が配置されている。もちろん、遊技情報表示手段50は遊技領域23内に配置してもよい。
遊技情報表示手段50は、図6に示すように、例えば8個のLED60で構成されるLEDグループを4つ備えており、それら計32個のLED60が普通図柄表示手段51、普通保留個数表示手段52、第1特別図柄表示手段53、第2特別図柄表示手段54、第1特別保留個数表示手段55、第2特別保留個数表示手段56、変動短縮報知手段57、右打ち報知手段58及びラウンド数報知手段59に所定個数ずつ割り当てられている。即ち、第1,第2LEDグループ50a,50bに属する各8個のLED60は夫々第1,第2特別図柄表示手段53,54を構成し、第3LEDグループ50cに属する8個のLED60は、2個ずつに分けられて夫々第1特別保留個数表示手段55、第2特別保留個数表示手段56、普通保留個数表示手段52、変動短縮報知手段57を構成し、第4LEDグループ50dに属する8個のLED60は、そのうちの2個が普通図柄表示手段51を、他の2個が右打ち報知手段58を、残りの4個がラウンド数報知手段59を夫々構成している。
遊技盤16の複数のユニット部品47〜49上には、普通図柄始動手段61、第1特別図柄始動手段62、第2特別図柄始動手段63、大入賞手段64、複数の普通入賞手段65等が設けられている。またベース板45の後側には、液晶表示手段(画像表示手段)66の他、液晶表示手段66の前側を移動可能な盤可動体67aを備えた盤可動演出手段67等が配置されている。
中央表示枠ユニット47は、液晶表示手段66の表示枠を構成するもので、ベース板45に形成された前後方向貫通状の装着孔(図示省略)に対して前側から着脱自在に装着されている。この中央表示枠ユニット47は、図5に示すように、ベース板45の前面に沿って装着孔の外側に配置され且つその前側を遊技球が通過可能な前面装着板71と、液晶表示手段66の前側における左右両側から上部側にわたる正面視略門形状に配置され且つ前面装着板71の内周側で前向きに突設された装飾枠72と、その装飾枠72の左右の下端部間に配置されるステージ73とを備えている。発射手段17により発射され、遊技領域23の上部側に進入した遊技球は、装飾枠72の頂部で左右に振り分けられ、中央表示枠ユニット47の左側の左流下経路74aと右側の右流下経路74bとの何れかを流下する。
中央表示枠ユニット47には、左流下経路74a側と右流下経路74b側との少なくとも一方側、例えば左流下経路74a側に、遊技球が流入可能なワープ入口75が設けられている。左流下経路74aを流下中にワープ入口75に流入した遊技球は、ステージ73上で左右方向に自由に転動した後、遊技領域23の左右方向中央に対応して設けられた中央落下部76とそれ以外の部分との何れかから前側に落下する。またステージ73の上側には、跳ね返り等による後側への遊技球の侵入を阻止するための侵入防止手段77が設けられている。
始動入賞ユニット48は、中央表示枠ユニット47の下側に配置され、ベース板45に対して前側から着脱自在に装着されている。普通入賞ユニット49は、中央表示枠ユニット47の下側で始動入賞ユニット48の左側に配置され、ベース板45に対して前側から着脱自在に装着されている。
普通図柄始動手段61は、普通図柄表示手段51による普通図柄の変動表示を開始させるためのもので、遊技球が通過可能な通過ゲート等により構成され、遊技球の通過を検出する通過検出手段(図示省略)を備えている。この普通図柄始動手段61は、例えば中央表示枠ユニット47の右部における前面装着板71の前側に設けられており、右流下経路74bを流下する遊技球が通過可能となっている。
普通図柄表示手段51は、普通図柄を変動表示するためのもので、図6に示すように遊技情報表示手段50における例えば2個のLED60で構成されており、普通図柄始動手段61が遊技球を検出することに基づいて、普通図柄を構成するそれら2個のLED60が普通変動中発光パターンで発光した後、普通図柄始動手段61による遊技球検出時に取得された普通乱数情報に含まれる当り判定乱数値が予め定められた当り判定値と一致する場合には当り態様で、それ以外の場合にははずれ態様で変動を停止する。なお、普通図柄を構成する2個のLED60は、それらの発光態様(例えば点灯/消灯)の組み合わせにより一又は複数の当り態様と一又は複数のはずれ態様とを表示可能であり、また普通変動中発光パターンは、例えば特定の複数種類(ここでは2種類)の発光態様を所定時間(例えば128ms)毎に切り替えるようになっている。
また、普通図柄表示手段51の図柄変動中と普通利益状態中とを含む普通保留期間中に普通図柄始動手段61が遊技球を検出した場合には、それによって取得された普通乱数情報が予め定められた上限保留個数、例えば4個を限度として保留記憶され、普通保留期間が終了する毎に1個ずつ消化されて普通図柄の変動が行われる。普通乱数情報の記憶個数(普通保留個数)は、普通保留個数表示手段52等によって遊技者に報知される。普通保留個数表示手段52は、図6に示すように遊技情報表示手段50における例えば2個のLED60で構成されており、それら2個のLED60の夫々の発光態様(例えば点灯/点滅/消灯)の組み合わせにより、0〜4個の5種類の普通保留個数を表示可能となっている。
第1特別図柄始動手段62は、第1特別図柄表示手段53による図柄変動を開始させるためのもので、開閉手段を有しない非開閉式入賞手段により構成され、入賞した遊技球を検出する遊技球検出手段(図示省略)を備えている。この第1特別図柄始動手段62は、例えば始動入賞ユニット48に設けられ、ステージ73の中央落下部76に対応してその下側に上向き開口状に配置されており、左流下経路74a側のワープ入口75からステージ73を経て入賞するルートが存在すること等により、右流下経路74bを流下してきた遊技球よりも左流下経路74aを流下してきた遊技球の方が高い確率で入賞可能となっている。なお、この第1特別図柄始動手段62に遊技球が入賞すると、1入賞当り所定個数の遊技球が賞球として払い出される。
第2特別図柄始動手段63は、第2特別図柄表示手段54による図柄変動を開始させるためのもので、開閉部78の作動によって遊技球が入賞可能な開状態と入賞不可能(又は開状態よりも入賞困難)な閉状態とに変化可能な開閉式入賞手段により構成され、入賞した遊技球を検出する遊技球検出手段(図示省略)を備えており、普通図柄表示手段51の変動後の停止図柄が当り態様となって普通利益状態が発生したときに、開閉部78が所定時間閉状態から開状態に変化するようになっている。
この第2特別図柄始動手段63は、例えば中央表示枠ユニット47の右部における前面装着板71上で且つ普通図柄始動手段61の下流側に配置されており、右流下経路74bを流下してきた遊技球が入賞可能となっている。なお、開閉部78は例えば下部側に設けられた左右方向の回転軸廻りに揺動可能であり、閉状態では例えば前面装着板71と略面一となって遊技球が前側を通過可能となり、開状態では前面装着板71の前側で後ろ下がりの傾斜状となって遊技球を後向きに入賞させるようになっている。なお、この第2特別図柄始動手段63に遊技球が入賞すると、1入賞当り所定個数の遊技球が賞球として払い出される。
第1特別図柄表示手段(図柄表示手段)53は、図6に示すように遊技情報表示手段50における例えば8個のLED60で構成されており、第1特別図柄始動手段62が遊技球を検出することを条件に、第1特別図柄を構成するそれら8個のLED60が特別変動中発光パターンで発光した後、第1特別図柄始動手段62による遊技球検出時に取得された第1特別乱数情報に含まれる大当り判定乱数値が予め定められた大当り判定値と一致する場合には第1大当り態様で、それ以外の場合には第1はずれ態様で変動を停止するようになっている。第1特別図柄表示手段53の変動後の停止図柄が第1大当り態様となった場合には第1特別利益状態が発生する。
第2特別図柄表示手段(図柄表示手段)54は、図6に示すように遊技情報表示手段50における例えば8個のLED60で構成されており、第2特別図柄始動手段63が遊技球を検出することを条件に、第2特別図柄を構成するそれら8個のLED60が特別変動中発光パターンで発光した後、第2特別図柄始動手段63による遊技球検出時に取得された第2特別乱数情報に含まれる大当り判定乱数値が予め定められた大当り判定値と一致する場合には第2大当り態様で、それ以外の場合には第2はずれ態様で変動を停止するようになっている。第2特別図柄表示手段54の変動後の停止図柄が第2大当り態様となった場合には第2特別利益状態が発生する。
第1,第2特別図柄表示手段53,54は、各8個のLED60の発光態様(例えば点灯/消灯)の組み合わせにより一又は複数の第1,第2大当り態様と一又は複数の第1,第2はずれ態様とを表示可能であり、また特別変動中発光パターンは、例えば特定の複数種類(ここでは2種類)の発光態様を所定時間(例えば128ms)毎に切り替えるようになっている。
また、第1特別図柄表示手段53の図柄変動中、第2特別図柄表示手段54の図柄変動中及び第1,第2特別利益状態中を含む特別保留期間中に第1,第2特別図柄始動手段62,63が遊技球を検出した場合には、それによって取得された第1,第2特別乱数情報が夫々予め定められた上限保留個数、例えば各4個を限度として保留記憶される。そして、特別保留期間が終了した時点で第2特別図柄側の保留記憶が1以上の場合にはその第2特別図柄の保留記憶を1個消化して第2特別図柄の変動を行い、第1特別図柄側の保留記憶のみが1以上の場合にはその第1特別図柄の保留記憶を1個消化して第1特別図柄の変動を行う。このように本実施形態では、第1特別図柄と第2特別図柄とが共に変動中になることはなく、また第1特別図柄側と第2特別図柄側との両方に保留記憶がある場合には、第2特別図柄の変動を優先的に行うようになっている。
なお、第1,第2特別乱数情報の記憶個数(第1,第2特別保留個数)は、第1,第2特別保留個数表示手段55,56、液晶表示手段66等によって遊技者に報知される。ここで、第1,第2特別保留個数表示手段55,56は、図6に示すように遊技情報表示手段50における各2個のLED60で構成され、それらの発光態様(例えば点灯/点滅/消灯)の組み合わせにより、0〜4個の5種類の第1,第2特別保留個数を表示可能となっている。
大入賞手段64は、遊技球が入賞可能な開状態と入賞不可能な閉状態とに切り換え可能な開閉板79を備えた開閉式入賞手段で、例えば中央表示枠ユニット47に設けられ、第2特別図柄始動手段63の下流側で且つ第1特別図柄始動手段62の上流側に配置されており、左流下経路74aを流下してきた遊技球よりも右流下経路74bを流下してきた遊技球の方が高い確率で入賞可能となっている。この大入賞手段64は、第1,第2特別図柄表示手段53,54の第1,第2特別図柄が変動後に第1,第2大当り態様で停止した場合に発生する第1,第2特別利益状態において、開閉板79が一又は複数種類の開放パターンの何れかに従って前側に開放して、その上に落下してきた遊技球を内部へと入賞させるようになっている。この大入賞手段64に遊技球が入賞すると、1入賞当り所定個数の遊技球が賞球として払い出される。なお以下の説明では、第1特別利益状態と第2特別利益状態とを合わせて「大当り遊技」という。
大当り遊技における大入賞手段64の開放パターンは、例えば4R,6R,10R等の複数種類設けられている。4R,6R,10R等の各開放パターンは、いわゆる出玉ありのラウンドを夫々4回,6回,10回行うように構成されている。ここで、出玉ありのラウンドは、大入賞手段64の開放後、その大入賞手段64への入賞個数が所定個数(例えば9個)に達するか、所定時間(例えば28秒)経過した時点で大入賞手段64を閉じるように設定されており、遊技者が右流下経路74b側の大入賞手段64を狙って右打ちをすれば最大個数の遊技球を容易に入賞させて大量の賞球を獲得できる。なお、出玉ありのラウンドに加えて、大入賞手段64が極短時間(例えば0.2秒)だけ開放する出玉なしのラウンドを有する開放パターンを設けてもよいし、出玉なしのラウンドのみの開放パターンを設けてもよい。
また液晶表示手段66には、例えば第1,第2特別図柄表示手段53,54による第1,第2特別図柄の変動表示と並行して演出図柄80を変動表示可能である他、第1,第2特別保留個数を示す第1,第2保留画像X1〜X4,Y1〜Y4,変動中保留画像Z等の各種画像を表示可能となっている。
ここで演出図柄80は、数字図柄その他の複数個の図柄で構成される図柄列を複数(ここでは3つ)備えており、またそれら各図柄列を構成する各図柄は、図5に示すように、例えば1〜8等の数字、その他で構成される図柄本体部80aと、この図柄本体部80aに付随するキャラクタその他の装飾部80bとの結合で構成されている。演出図柄80は、例えば第1,第2特別図柄の変動開始と略同時に所定の変動パターンに従って図柄列毎に縦スクロール等による変動を開始すると共に、所定の有効ライン上の停止図柄が所定態様となるように例えば第1,第2特別図柄の変動停止と略同時に最終停止するようになっている。なお演出図柄80では、例えば有効ライン上の全ての停止図柄が同じ場合が大当り演出態様、それ以外が外れ演出態様となっており、第1,第2特別図柄が第1,第2大当り態様となる場合には演出図柄80は大当り演出態様となり、第1,第2特別図柄が第1,第2外れ態様となる場合には演出図柄80は外れ演出態様となる。
また第1,第2保留画像X1〜X4,Y1〜Y4,変動中保留画像Zに関しては、第1,第2特別図柄始動手段62,63が遊技球を検出することに基づいて第1,第2特別保留個数が増加した場合に、第1,第2保留画像X1〜,Y1〜を液晶表示手段66上に1個追加表示し、また第1,第2特別図柄表示手段53,54による第1,第2特別図柄の新たな変動が開始することに基づいて第1,第2特別保留個数が減少した場合に、例えば変動中保留画像Zを消去し、第1,第2保留画像X1〜,Y1〜を待ち行列の前側(例えば画面右側)に向けて1個分ずつシフトすると共に、押し出された先頭の第1,第2保留画像X1,Y1を例えば所定位置まで移動させて新たな変動中保留画像Zに変化させるようになっている。
また遊技盤16の裏側には、図7に示すように、液晶表示手段66を遊技盤16の後側で支持するための裏ケース81が装着され、この裏ケース81の背面側に、主制御基板82aが格納された主基板ケース82、サブ制御基板83aが格納されたサブ基板ケース83等が着脱自在に装着されている。
また、前枠3の裏側には、遊技盤16の裏側を開閉自在に覆う裏カバー85が着脱自在に装着されると共に、その上側に遊技球タンク86aとタンクレール86bとが、左右一側に払い出し手段31と払い出し通路87とが夫々装着されており、遊技球が大入賞手段64等の入賞口に入賞したとき、又は図外の自動球貸し機から球貸し指令があったときに、遊技球タンク86a内の遊技球をタンクレール86bを経て払い出し手段31により払い出し、その遊技球を払い出し通路87を経て上皿32に案内するようになっている。なお、裏カバー85は、サブ基板ケース83の略全体と主基板ケース82の上部側の一部分とを後側から覆うように配置されている。
また、前枠3の裏側下部には、基板装着台88が着脱自在に装着されており、この基板装着台88の背面側に、電源基板89aが格納された電源基板ケース89、払出制御基板90aが格納された払出基板ケース90が夫々着脱自在に装着されている。なお、例えば電源基板89aには、電源基板ケース89の外側からON/OFF操作が可能な電源スイッチ98が設けられている。
図8(a)は本パチンコ機の制御系の概略ブロック図である。図8(a)において、主制御基板(主制御手段)82aは遊技動作を統括的に制御するもので、遊技盤16上の遊技情報表示手段50、普通図柄始動手段61、第1特別図柄始動手段62、第2特別図柄始動手段63、大入賞手段64、普通入賞手段65等が例えば図示しない中継基板等を経由して接続され、またその下位には、主制御基板82aからの制御コマンドに基づいて画像表示、音声出力、電飾発光、可動体駆動等の演出制御を行うサブ制御基板(サブ制御手段)83a、主制御基板82aからの制御コマンドに基づいて払い出し手段31を制御する払出制御基板90a、この払出制御基板90aからの発射制御信号等に基づいて発射手段17を制御する発射制御基板91等が接続されている。
また主制御基板82aには、RAMクリアスイッチ92、設定キースイッチ93等の操作手段と、性能情報表示手段97等の表示手段とが接続されている。図7に示すように、RAMクリアスイッチ92と設定キースイッチ93とは何れも主基板ケース82の外側から操作可能な状態で、また性能情報表示手段97は主基板ケース82の外側から視認可能な状態で、夫々主制御基板82aに装着されている。なお本実施形態では、RAMクリアスイッチ92、設定キースイッチ93、性能情報表示手段97は、何れも裏カバー85で覆われない位置に配置されている。
RAMクリアスイッチ92は、電源投入時にRAMクリアを行う場合等に操作するもので、主基板ケース82の外側から例えば押圧操作可能であり、非操作時にOFF、押圧操作時にONとなるように構成されている。また設定キースイッチ93は、設定変更を行う場合等に操作するもので、主基板ケース82の外側から例えば専用の設定キーを鍵穴部に差し込んで回転操作することによりON/OFFの切り替えが可能となっている。なお本実施形態では、この設定キースイッチ93等を操作することにより、大当り確率、即ち第1,第2特別図柄が大当り態様となる確率(乱数抽選で当選する確率)に対応する設定値を複数段階(ここでは設定1〜6の6段階)に変更可能となっている。この設定変更等の詳細については後述する。
性能情報表示手段97は、設定表示手段94と性能表示手段95とを構成するもので、例えば4桁の7セグ表示部97a〜97dを備え、透明な主基板ケース82を通して視認可能となるように例えば主基板ケース82内で主制御基板82aに装着されており、第1期間中は設定表示手段94として機能し、第1期間とは異なる第2期間中は性能表示手段95として機能するようになっている。
設定表示手段94は、設定値(ここでは設定1〜6の何れか)を示す設定情報を、例えばその設定値が確定前であるか否かに応じて異なる表示態様で表示するもので、例えば設定1〜6に対応して「1」〜「6」、「1.」〜「6.」の何れかを性能情報表示手段97の少なくとも一部に表示可能であり、設定変更期間中は確定前の設定値に対応する設定情報を例えばドットなしの「1」〜「6」で、設定変更期間終了後の所定期間及び設定確認期間中は確定された設定値に対応する設定情報を例えばドット付きの「1.」〜「6.」で夫々表示可能となっている。もちろん、設定値が確定前であるか否かを、ドットの有無以外の表示態様の違い(例えば点灯/点滅)で表現してもよいし、確定前後の設定値に対応する設定情報を同じ表示態様で表示してもよい。
なお本実施形態では、性能情報表示手段97の4桁の7セグ表示部97a〜97dのうち、前枠3を開いたときに前側から最も近くに見える背面視左端側の7セグ表示部97dを設定表示手段94として使用するが、7セグ表示部97d以外の例えば7セグ表示部97aを設定表示手段94として使用してもよいし、7セグ表示部97c〜97d、7セグ表示部97b〜97d等の2桁以上の7セグ表示部を設定表示手段94として使用してもよい。
性能表示手段95は、いわゆるベース値を、性能情報表示手段97の少なくとも一部、例えば7セグ表示部97a〜97dに表示するものである。ベース値は、遊技実績に基づいて得られる特定情報の一例であり、例えば「(低確率状態でのセーフ数)÷(低確率状態でのアウト数)×100」の計算式により算出される。なお本実施形態の性能表示手段95は、複数種類のベース値、例えばリアルタイムベース値、第1累計ベース値、第2累計ベース値、第3累計ベース値の4種類を切り替え表示可能となっている。リアルタイムベース値は、アウト数が所定個数(例えば60000個)に達するまでを単位計測期間としてその単位計測期間中におけるリアルタイムでのベース値である。第1〜第3累計ベース値は、夫々1〜3回前の単位計測期間における累計のベース値である。もちろん、リアルタイムでのベース値のみを表示してもよいし、1種類、2種類又は4種類以上の累計ベース値を表示可能としてもよい。
以上のように、RAMクリアスイッチ92、設定キースイッチ93、性能情報表示手段97(設定表示手段94及び性能表示手段95)は、何れも遊技機本体1の後側に配置されており、それらにアクセスするためには解錠して前枠3を開放する必要があるため、ホール関係者等以外はRAMクリアスイッチ92、設定キースイッチ93を操作することができず、また性能情報表示手段97(設定表示手段94、性能表示手段95)の表示内容を見ることもできない。
また本実施形態では、遊技情報表示手段50と性能情報表示手段97とについて主にダイナミック点灯方式により駆動制御を行うようになっている。図9に示すように、主制御基板82aのLEDコモンポートからは1バイトのダイナミック点灯コモンC0〜C7の走査信号を出力可能であり、それらのうち、ダイナミック点灯コモンC0〜C3のラインが遊技情報表示手段50のLEDグループ50a〜50dに、ダイナミック点灯コモンC4〜C7のラインが性能情報表示手段97の7セグ表示部97a〜97dに夫々接続されている。
また、主制御基板82aのLEDデータポート0,1からは夫々1バイトのダイナミック点灯データD10〜D17,D20〜D27を出力可能であり、LEDデータポート0のダイナミック点灯データD10〜D17のラインが遊技情報表示手段50のLEDグループ50a〜50dに、LEDデータポート1のダイナミック点灯データD20〜D27のラインが性能情報表示手段97の7セグ表示部97a〜97dに夫々接続されている。
また、サブ制御基板83aには、その制御対象である各種演出手段、例えば液晶表示手段66、スピーカ18,25、枠第1可動演出手段26、枠第2可動演出手段27、送風手段28、電飾手段96、盤可動演出手段67等の他、遊技者が操作可能な演出ボタン36、十字操作手段37、音量調整操作手段38、光量調整操作手段39等の各種操作手段、サイドユニット接続検出手段99等が接続されている。電飾手段96は、サイドユニット29内、上装飾カバー30内、下装飾カバー35内、遊技盤16上等に配置された多数のLED(図示省略)により構成されている。またサイドユニット接続検出手段99は、サイドユニット29の接続状態を検出するもので、サイドユニット29が前枠3に対して適切に装着、接続された場合にON、そうでない場合にOFFとなるように構成されている。
続いて、電源投入時に主制御基板82aにおいて実行される電源投入処理(図11,図12)について説明する。この電源投入処理(図11,図12)では、まずタイマ割込み等の割込み処理が実行されないように割込み禁止とし(S1)、領域内スタックポインタを設定し(S2)、内蔵WDT(Watchdog Timer)を起動する(S3)とともに、発射制御信号出力ポートをクリアする(S4)。
次に、サブ制御基板83aの起動待ち処理(S5〜S8)を実行する。即ち、サブ基板起動待ち時間(例えば2秒)に対応する値を所定のレジスタにセットし(S5)、その値が0になるまで、即ちサブ基板起動待ち時間が経過するまで、減算処理(S6)とWDTクリア処理(S7)とを繰り返し実行する。
サブ基板起動待ち時間が経過すると(S8:=0)、電源異常信号がOFFになるまで待機する電源異常信号監視処理(S9〜S11)を実行する。即ち、電源基板89aから出力される電源異常信号を2回読み込み(S9)、それら2回の電源異常信号のレベルが一致するか否かを判定する(S10)。そして、それらのレベルが一致しない場合(S10:No)にはS9に戻り、一致する場合(S10:Yes)であっても、その電源異常信号がON(S11:Yes)であればS9に戻る(S11)。
電源異常信号がOFFになると(S11:No)、RAMのプロテクト及び禁止領域を無効とし(S12)、作業領域の初期設定(S13)を実行する。ここでは、例えば電源異常確認カウンタをクリアし、システム動作ステータスに初期値である01Hをセットする。また、サブ制御基板83aに対して待機画面表示コマンド(BA08H)を送信する(S14)。サブ制御基板83aが待機画面表示コマンド(BA08H)を受信すると、例えば液晶表示手段66には「Please Wait」等の表示が行われる。そして、払出制御基板90aが正常に起動し、その払出制御基板90aからの電源投入信号がONになるまで、WDTをクリアしつつ待機する(S15,S16)。
続いて、S17〜S44の処理に移行する。このS17〜S44の処理は、設定変更処理(S20)及びRAMクリア処理(S21〜S24)を実行する「設定変更」、設定変更処理(S20)を実行することなくRAMクリア処理(S21〜S24)を実行する「RAMクリア」、設定確認処理(S33〜S40)及びバックアップ復帰処理(S41)を実行する「設定確認」、設定確認処理(S33〜S40)を実行することなくバックアップ復帰処理(S41)を実行する「バックアップ復帰」、電源再投入待ち処理(S27〜S29)を実行する「RAM異常」の5種類の処理態様の何れかで行われる。
また、これら5種類の処理態様のうち、「RAM異常」を除く4種類については、設定キースイッチ93のON/OFF状態、RAMクリアスイッチ92のON/OFF状態、扉(前枠3)の開放/閉鎖状態の組み合わせに応じて選択される。
本実施形態では、図10に示すように、RAMクリアスイッチ92と設定キースイッチ93とが共にONの場合には原則として「設定変更」が選択され、RAMクリアスイッチ92がON、設定キースイッチ93がOFFの場合には「RAMクリア」が選択されるが、設定キースイッチ93とRAMクリアスイッチ92とが共にONであっても、扉閉鎖の場合には「設定変更」ではなく「RAMクリア」が選択されるようになっている。また同様に、RAMクリアスイッチ92がOFF、設定キースイッチ93がONの場合には原則として「設定確認」が選択され、RAMクリアスイッチ92と設定キースイッチ93とが共にOFFの場合には「バックアップ復帰」が選択されるが、RAMクリアスイッチ92がOFF、設定キースイッチ93がONであっても、扉閉鎖の場合には「設定確認」ではなく「バックアップ復帰」が選択されるようになっている。
このように本実施形態では、扉(前枠3)が開放していないにも拘わらずRAMクリアスイッチ92や設定キースイッチ93がONであるという状況は不正行為が疑われることから、設定変更機能に関する「設定変更」及び「設定確認」については扉開放を条件とし、扉閉鎖の場合には、設定変更処理(S20)を実行しない「RAMクリア」、設定確認処理(S33〜S40)を実行しない「バックアップ復帰」を選択するようになっている。なお、設定変更機能に関係しない「RAMクリア」、「バックアップ復帰」については、RAMクリアスイッチ92及び設定キースイッチ93のON/OFF状態のみを条件とし、扉の開放/閉鎖状態は条件としていない。
S17,S18では、RAMクリアスイッチ92、設定キースイッチ93の各信号に関するレベルデータを取得してワークエリアに退避し(S17)、扉開放スイッチ44、RAMクリアスイッチ92、設定キースイッチ93の各信号(以下、扉開放信号、RAMクリアスイッチ信号、設定キースイッチ信号という)を取得する(S18)。
そして、それら3つの信号に基づいて、処理態様として「設定変更」を選択するか否かを判定する(S19)。即ち、扉開放信号、RAMクリアスイッチ信号及び設定キースイッチ信号が全てONであれば(S19:Yes)、設定変更処理(S20)に移行する(図10参照)。
設定変更処理(S20)では、図13に示すように、まず設定変更期間が開始したことを示す設定変更開始コマンド(BA76H)を送信する(S51)。サブ制御基板83aが設定変更開始コマンド(BA76H)を受信すると、例えば液晶表示手段66には「設定変更中」等の表示が行われる。
次に、バックアップフラグをクリアする(S52)。これは、設定変更期間中に電断が発生した場合、次回電源投入時に後述するS26でバックアップ異常と判定されるようにするためである。また、システム動作ステータスに02Hをセットする(S53)。なお、システム動作ステータスの初期値は01H(図11のS13参照)である。
続いて、RAMの設定値ワーク領域から設定値データを読み出し、設定作業値として例えばWレジスタにセットする(S54)。本実施形態では、設定値として設定1〜6の何れかを選択可能であり、RAM上の設定値ワーク領域には、設定値(設定1〜6の何れか)に応じて0〜5の何れかの設定値データが格納されている。従って、設定値ワーク領域の値が正常であれば、Wレジスタの設定作業値は0〜5の何れかとなる。
次に、Wレジスタの設定作業値を設定最大値(ここでは5)と比較し(S55)、設定作業値が設定最大値よりも大であれば(S56:Yes)、Wレジスタの設定作業値に0をセットする(S57)。これにより、設定値データに異常がある場合、設定作業値に設定1に対応する0を強制的にセットすることができる。
続いて、外部出力端子から出力されるセキュリティ信号をONに設定し(S58)、またLEDコモンポートへの出力をクリアする(S59)。そして、その時点の設定作業値(Wレジスタの値)に対応する表示パターンデータをLEDデータポート1(図9参照)に出力する(S60)とともに、7セグ表示部97d(設定表示手段94)に対応するLEDコモンポートをONに設定する(S61)。これにより、7セグ表示部97dに、その時点の設定作業値(0〜5)に応じて「1」〜「6」の何れかが表示される。
また、4msの待ち時間を設けるための4msウェイト処理(S62)を実行する。後述するS64でRAMクリアスイッチ信号、設定キースイッチ信号のエッジデータを作成するべく、ここで4msの待ち時間を設け、各信号の変化があったか否かを見るためである。
続いて電源異常チェック処理(S63)を実行する。この電源異常チェック処理(S63)では、図14に示すように、まず電源基板89aから送信される電源異常信号を2回読み込む(S71)。そして、その2回読み込んだ電源異常信号のレベルが一致するか否かを判定し(S72)、それらのレベルが一致しない場合(S72:No)にはS71に戻り、一致する場合(S72:Yes)にはその電源異常信号がONであるか否かを判定する(S73)。
電源異常信号がONでない場合(正常時)には(S73:No)、電源異常確認カウンタの値をクリアし(S74)、電源異常チェック処理を終了する。
一方、電源異常信号がONである場合には(S73:Yes)、電源異常確認カウンタの値をインクリメントする(S75)と共に、インクリメント後の電源異常確認カウンタの値が例えば2に達しているか否かを判定する(S76)。そして電源異常確認カウンタの値が2未満であれば(S76:No)、そのまま電源異常チェック処理を終了する。
S76で電源異常確認カウンタの値が2に達している場合には(S76:Yes)、電源異常と判断し、電源断コマンド(BA33H,BA55H)を送信する(S77)と共に、設定変更処理中でないことを条件に、バックアップフラグをON(=AA55H)に設定する(S78,S79)。これにより、設定変更処理中に電断が発生した場合にはバックアップフラグはOFF(=0000H)のままとなる。なお、設定変更処理中であるか否かはシステム動作ステータスによって判定可能である。
そして、RAMのプロテクトを有効にすると共に禁止領域を無効とする(S80)。これにより、以降の処理においてRAMへのデータ書込みが禁止される。また、外部端子ポート、サブポート、ソレノイドポート、LEDコモンポート、LEDデータポート等の出力ポートをクリアし(S81)、タイマ割込みを禁止した後(S82)、WDTをクリアしつつ無限ループ処理を繰り返し、電源電圧が降下してCPUが非動作状態になるのを待つ(S83)。
図13の設定変更処理に戻って説明を続ける。電源異常チェック処理(S63)に続いては、RAMクリアスイッチ信号と設定キースイッチ信号のエッジデータを作成し(S64)、設定変更終了条件が満たされたか否か、即ち設定キースイッチ信号のOFFエッジが検出されたか否かを判定し(S65)、設定キースイッチ信号のOFFエッジが検出されない場合には(S65:No)、設定変更操作が行われたか否か、即ちRAMクリアスイッチ信号のONエッジが検出されたか否かを判定する(S66)。このように本実施形態では、RAMクリアスイッチ92を設定変更操作用にも利用しており、S66では、RAMクリアスイッチ信号のONエッジを検出した場合に設定変更操作が行われたものと判定している。
S66でRAMクリアスイッチ信号のONエッジが検出された場合には(S66:Yes)、Wレジスタの設定作業値をインクリメントする(S67)とともにS55に移行する。S55〜S57では、インクリメント後の設定作業値が設定最大値である5よりも大であれば、設定作業値を0に更新する。このように本実施形態では、設定変更期間中に設定変更操作(RAMクリアスイッチ92の操作)が行われる毎にS55〜S57の設定作業値変更処理を実行することにより、設定変更操作に応じて設定作業値を0〜5の範囲で循環的に変更するようになっている。
S55〜S57の処理に続いてはS58以降の処理が行われる。また、S66でRAMクリアスイッチ信号のONエッジが検出されない場合(S66:No)にはS58以降の処理が行われる。S58〜S64の処理については既に説明したのでここでは説明を省略するが、この処理により、設定作業値の変化に応じて設定表示手段94の表示も変化する。
以上のように、図13に示す設定変更処理では、設定キースイッチ93がONである限り、RAMクリアスイッチ92による設定変更操作が行われた場合にはS55〜S64の処理が、設定変更操作が行われない場合にはS58〜S64の処理が繰り返し実行される。そして、設定キースイッチ93がONからOFFに切り替えられて設定変更終了条件が満たされると(S65:Yes)、設定変更期間を終了し、Wレジスタの設定作業値を、設定値ワーク領域に格納する(S68)。これにより、設定変更期間中にRAMクリアスイッチ92の操作により変更された暫定的な設定作業値が設定値データとして確定する。
続いて、7セグ表示部97d(設定表示手段94)に、設定値の確定を示す設定確定表示を行う(S69)。この設定確定表示では、確定した設定値データ(0〜5の何れか)に対応して「1.」〜「6.」の何れかが表示される。即ち、それまで表示されていたドットなしの「1」〜「6」に対して「.(ドット)」が付加されることにより、設定値が確定したことを報知するようになっている。なお、7セグ表示部97d(設定表示手段94)への設定確定表示は、7セグ表示部97dに対応するLEDコモンポートをONにするとともに、確定した設定値に応じて「1.」〜「6.」の何れかを示す表示パターンデータをLEDデータポート1(図9参照)に出力することにより行われる。
また、設定変更期間が終了したことを示す設定変更終了コマンドを送信し(S70)、設定変更処理を終了する。この設定変更終了コマンドには確定した設定値データが反映されており、設定値データに応じてBA70H〜BA75Hの何れかの設定変更終了コマンドが送信されるようになっている。
図11,図12の電源投入処理に戻って説明を続ける。設定変更処理(S20)が終了すると、RAMクリア処理(S21〜S24)に移行する。即ち、まず領域内のワークエリア(領域内RAM)の特定範囲を初期化し(S21)、RAMクリア報知タイマ、セキュリティ信号用タイマに夫々初期値(30秒)を設定する(S22,S23)とともに、RAMの一部に初期値を設定する(S24)。
以上のRAMクリア処理(S21〜S24)が終了すると、「RAM異常」を除く4種類の処理態様で共通に行われる共通処理(S42〜S44)に移行する。この共通処理では、各種コマンドの送信処理(S42)、遊技状態報知情報更新処理(S43)、内部レジスタの初期設定処理(S44)等が行われる。S42のコマンド送信処理では、まずイニシャライズコマンド(BA01H)を送信し、「設定変更」又は「RAMクリア」の場合にはRAMクリアコマンド(BA02H)等を送信し、「設定確認」又は「バックアップ復帰」の場合には第1,第2特別保留個数の値に基づく第1,第2特別保留個数指定コマンド(B0xxH,B1xxH)、設定値データに基づく設定値コマンド(F6xxH)、遊技状態に基づく状態指定コマンド(FAxxH〜FDxxH)等を送信する。
また、内部レジスタの初期設定処理(S44)では、例えばシステム動作ステータスに00Hをセットし、発射制御信号をONに設定する。これにより、発射手段17により遊技球を発射可能な状態となる。
図11のS19に戻って説明を続ける。S19で扉開放信号、RAMクリアスイッチ信号及び設定キースイッチ信号の少なくとも1つがONでなければ(S19:No)、RAM異常判定処理(S25)に移行する。このRAM異常判定処理(S25)では、領域内RAMの設定値ワーク領域から設定値データを取得し、その設定値データと設定最大値(ここでは設定6に対応する5)とを比較する。そして、設定値データが設定最大値よりも大であれば(S25:No)、RAM異常と判断して電源再投入待ち処理(S27〜S29)に移行する。
またRAM異常でない場合には(S25:Yes)、バックアップ異常判定処理(S26)に移行する。このバックアップ異常判定処理(S26)では、バックアップフラグが正常(ON)であるか否かを判定し、正常でなければ(S26:No)、バックアップ異常と判断して電源再投入待ち処理(S27〜S29)に移行する。
なお上述したように、設定変更処理(図13)でバックアップフラグをクリアし(S52)、電源異常チェック処理(図14)で電源異常を検出した場合には設定変更処理中でない場合にのみバックアップフラグがON(=AA55H)に設定されるようになっているため、設定変更期間中に電断が発生した場合には、次の電源投入時にはこのバックアップ異常判定処理(S26)でバックアップ異常と判定され、電源再投入待ち処理(S27〜S29)が実行される。
電源再投入待ち処理(S27〜S29)では、まずRAMエラーコマンド(BA7FH)を送信する(S27)。サブ制御基板83aがRAMエラーコマンド(BA7FH)を受信すると、例えば液晶表示手段66には「RAMエラー 電源再投入して設定を1に決定してください」等の表示が行われる。
そして、7セグ表示部97d(設定表示手段94)へのエラー表示(S28)と、電源異常チェック処理(S29)とを無限に繰り返す電源再投入待ち状態となる。なお、S28のエラー表示は、7セグ表示部97dに対応するLEDコモンポートをONにするとともに、「E」に対応する表示パターンデータをLEDデータポート1(図9参照)に出力することにより行われる。
このように本実施形態では、RAM異常又はバックアップ異常の場合には、電源再投入待ち状態に移行することにより、強制的に電源を再投入させるように構成されている。なお、RAM異常により電源再投入待ち処理(S27〜S29)が実行された場合、次の電源再投入時のS19で扉開放信号、RAMクリアスイッチ信号及び設定キースイッチ信号の少なくとも1つがONでない場合には再びRAM異常又はバックアップ異常と判定され、電源再投入待ち処理(S27〜S29)が行われる。よって、電源再投入待ちとなって電源を再投入する際には、扉(前枠3)を開放し、RAMクリアスイッチ92と設定キースイッチ93とを共にONにすることによって設定変更処理(S20)を実行させ、設定値を設定1〜6のうちの任意の値に設定する必要がある。もちろんこの場合、RAMクリアスイッチ92の操作により設定値を設定1〜6のうちの任意の値に設定しなくても、設定値が異常であればS55〜S57にて設定作業値に設定1に対応する0が強制的にセットされるため、設定変更処理を実行させた後、設定値を設定1〜6のうちの任意の値に設定することなく、設定キースイッチ93をONからOFFに切り替えることで、設定変更終了条件を満たし(S65:Yes)、設定変更期間を終了し、Wレジスタの設定作業値を、設定値ワーク領域に格納することで、RAM異常状態から復帰することができる。
S25,S26に戻って説明を続ける。S25,S26でRAM異常でもバックアップ異常でもないと判定された場合には、RAMクリア分岐判定処理(S30)に移行する。このRAMクリア分岐判定処理(S30)は、「RAMクリア」の処理態様を選択するか否かを判定するもので、RAMクリアスイッチ信号がONであれば(S30:Yes)、「RAMクリア」の処理態様が選択されてRAMクリア処理(S21〜S24)に移行し(図10参照)、RAMクリアスイッチ信号がONでなければ(S30:No)、設定確認分岐判定処理(S31,S32)に移行する。RAMクリア処理(S21〜S24)については既に説明した通りである。
設定確認分岐判定処理(S31,S32)は、「設定確認」と「バックアップ復帰」の何れの処理態様を選択するかを判定するもので、扉開放信号と設定キースイッチ信号とを取得し(S31)、それらの信号が共にONであれば(S32:Yes)、「設定確認」の処理態様が選択されて設定確認処理(S33〜S40)に移行し、そうでなければ(S32:No)、「バックアップ復帰」の処理態様が選択されて設定確認処理(S33〜S40)をスキップし、バックアップ復帰処理(S41)に移行する(図10参照)。
設定確認処理(S33〜S40)では、まず設定確認期間が開始したことを示す設定値コマンドを送信する(S33)。この設定値コマンドには設定値データが反映されており、設定値データに応じてBA60H〜BA65Hの何れかの設定値コマンドが送信されるようになっている。サブ制御基板83aが設定値コマンド(BA6xH)を受信すると、例えば液晶表示手段66には「設定確認中」等の表示が行われる。
また、セキュリティ信号用タイマに初期値(30秒)を設定し(S34)、外部出力端子から出力されるセキュリティ信号をONに設定する(S35)。ここで、セキュリティ信号用タイマの減算は4msタイマ割込み処理のタイマ管理処理(S93)にて実行される。つまり設定確認処理中は、セキュリティ信号が常にONで外部出力端子から出力され、設定確認処理が終了した後も30秒間セキュリティ信号が外部出力端子から出力されることになる。そして、7セグ表示部97d(設定表示手段94)に設定値を表示する設定値表示処理(S36)を実行する。この設定値表示処理(S36)は、7セグ表示部97dに対応するLEDコモンポートをONにするとともに、設定値に応じて「1.」〜「6.」の何れかを示す表示パターンデータをLEDデータポート1(図9参照)に出力することにより行われる。
また、4msの待ち時間を設けるための4msウェイト処理(S37)を実行し、続いて電源異常チェック処理(S38)を実行する。これら4msウェイト処理(S37)及び電源異常チェック処理(S38)については、既に説明した設定変更処理(図13)の4msウェイト処理(S62)及び電源異常チェック処理(S63)と同様である。
続いて、設定キースイッチ信号のエッジデータを作成し(S39)、設定確認終了条件が満たされたか否か、即ち設定キースイッチ信号のOFFエッジが検出されたか否かを判定する(S40)。そして、このS40で設定キースイッチ信号のOFFエッジが検出されるまで、S35〜S39の処理を繰り返し実行する。
S40で設定キースイッチ信号のOFFエッジが検出された場合には(S40:Yes)、設定確認期間を終了し、バックアップ復帰処理(S41)に移行する。バックアップ復帰処理(S41)では、領域内RAMの一部の領域、例えばバックアップフラグワーク領域やエラー関連のワーク領域が初期化される。そして、バックアップ復帰処理(S41)の後は、上述した共通処理(S42〜S44)に移行する。
以上のS17〜S44の処理が終了すると、メインループ処理(S45〜S48)に移行する。このメインループ処理では、割込みを禁止し(S45)、各種乱数を更新し(S46)、性能表示モニタ用処理(S47)を実行した後、割込みを許可する(S48)という一連の処理を繰り返し実行する。これにより、例えば4ms周期でタイマ割込み処理が呼び出され、実行される。
ここで、性能表示モニタ用処理(S47)は、性能表示手段95に表示するベース値を算出するもので、アウト数が所定個数(例えば60000個)に達するまでの単位計測期間中に、その単位計測期間中における「低確率状態でのセーフ数」と「低確率状態でのアウト数」とをカウントし、前者を後者で除算することによりリアルタイムベース値を算出する。なお、「低確率状態でのセーフ数」と「低確率状態でのアウト数」のカウント処理は常に行う必要があるが、それらの値に基づいてベース値を算出する処理については表示のタイミングに応じて行えばよい。また、単位計測期間が終了するとき、その時点のリアルタイムベース値が新たな第1累計ベース値となり、それまでの第1,第2累計ベース値が夫々新たな第2,第3累計ベース値となる。
続いて、主制御基板82aのタイマ割込み処理(図15)について説明する。このタイマ割込み処理(図15)では、まず電源異常チェック処理(S91)を実行する。この電源異常チェック処理(S91)は、既に説明した図14に示す電源異常チェック処理と共通である。
電源異常チェック処理(S91)に続いては、入力管理処理(S92)、タイマ管理処理(S93)、タイマ割込内乱数管理処理(S94)、エラー管理処理(S95)、賞球管理処理(S96)を実行する。
入力管理処理(S92)は、各入賞手段に設けた遊技球検出手段や操作手段等の各種センサによる検出情報を管理するもので、各種センサからの検出情報に基づいて入力データを作成し、記憶する。またここでは、入賞検出情報に関する入力データに基づいて遊技球が入賞した入賞手段を把握し、各入賞手段に対応する入賞カウンタの値を更新するようになっている。
またタイマ管理処理(S93)は、遊技制御に用いられるタイマを管理するもので、各種タイマの値を、夫々0になるまで1ずつデクリメントするようになっている。なお、このタイマ管理処理で取り扱うタイマの種類は、既出のRAMクリア報知タイマやセキュリティ信号用タイマの他、普通図柄用タイマ、普通電動役物用タイマ、特別図柄用タイマ、特別電動役物用タイマ、磁気エラー報知タイマ、電波エラー報知タイマ、入賞口得たー報知タイマ、普通電動役物入賞有効タイマ、試験信号用普通電動役物作動中タイマ等がある。
またタイマ割込内乱数管理処理(S94)は、各図柄変動に係る乱数を管理するもので、各乱数カウンタの更新処理(1加算)と、乱数カウンタのスタート値を1周期毎に変更する処理とを行う。
またエラー管理処理(S95)は、各種エラーを管理するもので、各種センサからの入力データや払出制御基板90aからの状態信号等に基づいてエラーの発生を監視し、エラーが発生した場合には、演出制御基板83aへのエラーコマンドの送信、その他のエラー処理を実行するようになっている。
また賞球管理処理(S96)は、賞球の管理を行うもので、入力管理処理(S92)で管理されている入賞カウンタの確認を行い、入賞がある場合には、賞球数を指定する払出制御コマンドを払出制御基板90aに送信するようになっている。払出制御コマンドを受信した払出制御基板90aは、その払出制御コマンドに含まれる賞球数情報に基づき、払い出し手段31を制御して指定された賞球数分の払い出し動作を実行させる。
賞球管理処理(S96)に続いては、普通図柄管理処理(S97)、普通電動役物管理処理(S98)、特別図柄管理処理(S99)、特別電動役物管理処理(S100)を実行する。
普通図柄管理処理(S97)は、普通図柄表示手段51による普通図柄の変動を管理するもので、普通図柄始動手段61が遊技球を検出することに基づいて、当り判定乱数値等の普通乱数情報を取得すると共にその普通乱数情報を予め定められた上限保留個数(例えば4個)を限度として先入れ先出し式の記憶領域に記憶し、普通図柄表示手段51が変動表示可能な状態となり且つ1個以上の普通乱数情報が記憶されていること(普通保留個数が1以上であること)を条件に、普通乱数情報の待ち行列からその先頭の当り判定乱数値を取り出し、その当り判定乱数値が予め定められた当り判定値と一致するか否かに応じて当り/はずれの判定(当り判定)を行うと共に、その当り判定結果に基づいて普通図柄の変動後の停止図柄及び変動時間を選択し、普通図柄表示手段51による普通図柄の変動を行うようになっている。
また、普通電動役物管理処理(S98)は、第2特別図柄始動手段63を開放する普通利益状態を管理するもので、S97の当り判定結果が当りとなることに基づいて普通図柄表示手段51の変動後の停止図柄が当り態様となった場合に、第2特別図柄始動手段63の開閉部78を所定の開閉パターンに従って開状態に変化させるように、開閉部78を駆動する普通電動役物ソレノイドに対するソレノイド制御用データの設定処理を行うようになっている。
特別図柄管理処理(S99)は、第1,第2特別図柄表示手段53,54による第1,第2特別図柄の変動を管理するもので、第1,第2特別図柄始動手段62,63が遊技球を検出することに基づいて、大当り判定乱数値、大当り図柄乱数値、その他の乱数値よりなる第1,第2特別乱数情報を取得すると共にその第1,第2特別乱数情報を予め定められた上限保留個数(例えば各4個)を限度として先入れ先出し式の記憶領域に記憶し、第1,第2特別図柄表示手段53,54が変動表示可能な状態となったときに、第2特別保留個数が1以上であれば第2特別乱数情報の待ち行列から、第1特別保留個数のみが1以上であれば第1特別乱数情報の待ち行列から、その先頭の大当り判定乱数値を取り出し、その大当り判定乱数値を用いた乱数抽選により大当り/はずれの判定を行う大当り判定処理(遊技者に有利な第1,第2特別利益状態(利益状態)を発生させるか否かに関する乱数抽選処理)を実行すると共に、その大当り判定結果に応じて、第1,第2特別図柄の停止図柄態様、演出図柄の変動パターン等を決定し、第1,第2特別図柄表示手段53,54による第1,第2特別図柄の変動を行うようになっている。
また、特別図柄管理処理では先読み判定処理を実行可能である。この先読み判定処理は、第1,第2特別図柄始動手段62,63に遊技球が入賞したときに取得する第1,第2特別乱数情報について、図柄変動に供されるよりも前の所定のタイミング、例えば第1,第2特別乱数情報の取得時に、その第1,第2特別乱数情報に含まれる大当り判定乱数値等について先読み判定を行う。なお、主制御基板82aは、この先読み判定処理を実行することにより先読み判定手段として機能する。
例えば第1,第2特別保留個数が増加した場合には、先読み判定結果に応じた保留加算コマンドをサブ制御基板83aに送信し、また第1,第2特別図柄の変動を開始する際には、保留減算コマンド、変動パターンに対応する変動パターンコマンド、停止図柄に対応する停止図柄コマンドをサブ制御基板83aに送信し、また第1,第2特別図柄の変動開始から変動パターンに対応する変動時間が経過して第1,第2特別図柄の変動を停止する際には変動停止コマンドをサブ制御基板83aに送信する。また、第1,第2特別図柄の変動が終了し且つその時点で第1,第2特別保留個数が共に0である場合には客待ち中コマンド(BA04H)をサブ制御基板83aに送信する。
ここで、大当り確率には低確率と高確率の2種類があり、後述する特別遊技状態のうちの確変状態中は高確率に、それ以外は低確率に夫々設定される。また本実施形態では、設定値を設定1〜6の6段階に変更可能であり、その設定値に応じて大当り確率(低確率及び高確率)が6段階に変化する。大当り確率は、例えば設定値が大きいほど高くなっている。
また、演出図柄80の変動パターンには、リーチ状態が成立することなくはずれ演出態様となる通常変動パターン、リーチ状態を経てはずれ演出態様又は大当り演出態様となるリーチはずれ/大当り変動パターン等がある。またリーチはずれ/大当り変動パターンには、リーチ成立後のリーチ演出が例えばノーマルリーチ演出で終了するノーマルリーチはずれ/大当り変動パターン、ノーマルリーチ演出後にSPリーチ演出に移行するSPリーチはずれ/大当り変動パターン等の種類があり、更にそれら各リーチ変動パターン毎に、後述する疑似連演出を実行するか否か、及び実行する場合の疑似回数に応じて、疑似なし、疑似2回、疑似3回等の種類が設けられている。なお、本実施形態の特別図柄管理処理(S99)で選択される変動パターンは、図24−1に示す11種類とする。
また、特別図柄管理処理では、大当り判定結果が大当りとなった場合には、大当り図柄乱数値等に基づいて大当りを通常4R,確変6R等の複数種類の中から選択するようになっている。大当りの種類は、例えば大当り遊技の種類(開放パターンの種類)と、大当り遊技の終了後に発生する特別遊技状態の種類等に応じて複数設けられている。例えば「通常4R」は、4Rの開放パターンによる大当り遊技の終了後に時短状態を発生させることとなる大当りで、大当り遊技中は例えば出玉ありのラウンドを4ラウンド行うようになっている。また例えば「確変6R」は、6Rの開放パターンによる大当り遊技の終了後に確変状態を発生させることとなる大当りで、大当り遊技中は例えば出玉ありのラウンドを6ラウンド行うようになっている。
時短状態中は、例えば第1,第2特別図柄に関して第1,第2特別図柄表示手段53,54の変動時間が通常変動時間よりも短い短縮変動時間に切り換えられる他、普通図柄に関して、当たり確率が通常確率から高確率へ、変動時間が通常変動時間から短縮変動時間へ、普通利益状態における第2特別図柄始動手段63の開閉パターンが通常開閉パターン(例えば0.2秒×1回開放)から特別開閉パターン(例えば2秒×3回開放)へ、夫々切り換えられるようになっている。なお、時短状態は大当り遊技が終了した時点で開始し、例えば第1,第2特別図柄が所定回数(例えば50回)変動するか、それまでに次の大当り遊技が発生した時点で終了する。
また、確変状態中は、例えば時短状態と同様の切り換えに加えて、大当り確率が低確率から高確率に切り換えられるようになっている。なお、確変状態は大当り遊技が終了した時点で開始し、例えば次の大当り遊技が発生した時点で終了する。
続いて、特別図柄管理処理(S99)における大当り判定処理の具体的処理手順を、図16に示すフローチャートと図17(a)に示す大当り判定テーブルとに基づいて説明する。この大当り判定処理では、取得した大当り判定乱数値が、大当り判定テーブルで規定された所定範囲内にある場合に当選となる。なお、主制御基板82aは、この大当り判定処理を実行することにより、利益状態を発生させるか否かの判定を行う判定手段として機能する。
大当り判定処理(図16)では、まず大当り判定乱数を取得し(S111)、変動を開始する特別図柄が第1/第2特別図柄の何れであるかに応じて、その特別図柄に対応する大当り判定テーブルのアドレスを取得する(S112)。ここで、大当り確率は第1特別図柄と第2特別図柄とで同一であるため、小当りがない場合や、第1特別図柄と第2特別図柄とで小当り確率が同一である場合には、第1特別図柄と第2特別図柄とで共通の大当り判定テーブルを用いてもよい。なお、本実施形態では小当りのないパチンコ機を例示しているが、この大当り判定処理に関しては、図17(a)に示す小当りがある場合の大当り判定テーブルを用いて説明する。
図17(a)に示す大当り判定テーブルは、「大当り判定値の下限値」(下限値情報)、「低確時大当り判定値の上限値」(上限値情報)、「高確時大当り判定値の上限値」(上限値情報)、「小当り判定値の下限値」(下限値情報)、「小当り判定値の上限値」(上限値情報)、「大当り判定乱数の上限値」の6種類の範囲規定情報を規定するための第1〜第6情報群で構成されている。なお、小当りのないパチンコ機の場合には、小当り判定値に関する第4,第5情報群を省略すればよい。
また、それら各情報群は、図17(a),(b)に示すように、設定値(設定1〜6の何れか)毎に判定値が異なるか否かを示す第1情報と、範囲規定情報を示す第2情報と、大当りフラグ(低確時/高確時)及び小当りフラグの値を示す第3情報とで構成されている。
第1情報には、設定値毎に判定値が異なる場合には01Hが、そうでない場合には00Hがセットされる。また第2情報には、上述した範囲規定情報の値がセットされるが、この第2情報の数は例えば第1情報に応じて異なっており、例えば第1情報が00Hであれば第2情報(範囲規定情報)は1つであり、第1情報が01Hであれば第2情報は設定値の種類数(ここでは6種類)だけ設けられる。また第3情報には、低確時大当りフラグ、高確時大当りフラグ及び小当りフラグに対して夫々00H/5AHの何れかがセットされる。
なお、「大当り判定値の下限値」を規定する第1情報群における第2情報(下限値情報)は、大当り判定値の下限値そのままの値ではなく、その値から1減算した値が設定されている。同様に「小当り判定値の下限値」を規定する第4情報群における第2情報(下限値情報)は、小当り判定値の下限値そのままの値ではなく、その値から1減算した値が設定されている。
図18は、図17(a)に示す大当り判定テーブルにおける判定値の分布を示したもので、図18(a)が設定1の場合を、図18(b)が設定6の場合を例示している。設定1の場合と設定6の場合とで異なるのは低確時大当りの上限値と高確時大当りの上限値のみであり、何れも設定1よりも設定6の場合の方が大きくなっている。
S112に続いては、大当り判定テーブルから、設定値毎に判定値が異なるか否かの第1情報を取得し(S113)、アドレスを次の判定値が格納された第2情報の先頭アドレスに変更する(S114)。そして、取得した第1情報が00Hであるか否かを判定し(S115)、第1情報が00Hであれば(S115:=0)、現在のアドレスから範囲規定情報(第2情報)を取得するが(S118)、第1情報が00Hでなければ(S115:≠0)、設定値データ(0〜5の何れか)を取得し(S116)、その設定値データをオフセットしてアドレスを変更した上で(S117)、そのアドレスから範囲規定情報(第2情報)を取得する(S118)。
図17(a)に示す大当り判定テーブルの第1情報群の場合、第1情報が00Hで、第2情報は全ての設定値に共通の1つのみであるため、S116,S117はスキップしてS118でこの1つの第2情報(大当り判定値の下限値−1)を取得する。また第2情報群の場合、第1情報が01Hで、第2情報(上限値情報)は設定1〜設定6に対応して6種類設けられているため(特定範囲規定情報)、S116で取得した設定値データ(0〜5)をオフセットして、例えば設定1であればオフセット=0で1番目の第2情報を、設定6であればオフセット=5で6番目の第2情報を取得する(S117,S118)。
S118で第2情報(範囲規定情報)を取得すると、その第2情報の値と、S111で取得した大当り判定乱数値とを比較する(S119,S120)。そして、S120で大当り判定乱数値が第2情報の値以下であると判定されるまで(S120:Yes)、上述したS113〜S120の処理を、大当り判定テーブルの各情報群を対象として順次実行する。
S113〜S120の処理を繰り返す中で、S120において大当り判定乱数値が第2情報の値以下であると判定されると(S120:Yes)、その情報群における第3情報、即ち低確時大当りフラグ、高確時大当りフラグ及び小当りフラグの各値を取得し(S121)、大当り判定処理を終了する。
図17(a)に示す大当り判定テーブルを用いる場合、例えば大当り判定乱数値が9000であれば、第1情報群を対象とするS120において大当り判定乱数値(9000)は第2情報(ここでは10000)以下であると判定される。即ち、大当り判定乱数値は大当り判定値の下限値よりも小であるから、大当り判定結果ははずれとなり(図18(a),(b)参照)、S121において低確時大当りフラグ、高確時大当りフラグ及び小当りフラグの全てに00Hがセットされる。
また、例えば大当り判定乱数値が11700で、設定値が6(設定6)であれば、第3情報群を対象とするS120において大当り判定乱数値(11700)は第2情報(ここでは設定6に対応する12000)以下であると判定される。即ち、大当り判定乱数値は大当り判定値の下限値よりも大で高確時上限値以下であるから、大当り判定結果は高確時大当りとなり(図18(b)参照)、S121において高確時大当りフラグに5AHが、低確時大当りフラグ及び小当りフラグに00Hが夫々セットされる。
また、例えば大当り判定乱数値が19000であれば、第4情報群を対象とするS120において大当り判定乱数値(19000)は第2情報(ここでは20000)以下であると判定される。即ち、大当り判定乱数値は大当り判定値の高確時上限値よりも大で小当り判定値の下限値よりも小であるから、大当り判定結果ははずれとなり(図18(a),(b)参照)、S121において低確時大当りフラグ、高確時大当りフラグ及び小当りフラグの全てに00Hがセットされる。
以上のように、本実施形態の大当り判定テーブル(図17(a))では、複数の範囲規定情報のうちの特定範囲規定情報(低確時大当り判定値の上限値、高確時大当り判定値の上限値)が、設定値に対応して複数設けられており、大当り判定処理(図16)では、設定値に応じたオフセットに基づいて、大当り判定テーブルから特定範囲規定情報を取得するように構成されている。
ところで、本実施形態では設定値を6段階に変更可能なパチンコ機を例示しているが、図16に示す大当り判定処理は、設定値が1段階のみのパチンコ機にも対応可能である。即ち本実施形態では、設定値を複数段階に変更可能な(設定値が複数段階存在する)機種と、設定値を変更できない(設定値が1段階のみの)機種とで、大当り判定処理のプログラムを共通にすることができる。
設定値が1段階のみの機種で図16に示す大当り判定処理を実行する場合には、大当り判定テーブルを例えば図19に示すように構成する。図19に示す大当り判定テーブル(設定1段階用)が図17(a)に示す大当り判定テーブル(設定6段階用)と異なるのは、第2,第3情報群の内容と、第6情報群の後ろにダミーデータ群を設けている点のみである(図19の網掛け部分)。
即ち、図19に示す大当り判定テーブル(設定1段階用)の第2,第3情報群では、第1情報に01H(設定値毎に判定値が異なる)がセットされているにも拘わらず、第2情報(特定範囲規定情報)は夫々1つのみセットされている。本実施形態の大当り判定処理(図16)では、第1情報が01Hの場合(S115:≠0)、設定値データ(0〜5の何れか)を取得し(S116)、その設定値データをオフセットとしてアドレスを変更した上で(S117)、そのアドレスから第2情報(特定範囲規定情報)を取得する(S118)ようになっているが、設定値が1段階のみのパチンコ機の場合、設定値データには0がセットされているため、第2,第3情報群を対象とするS113〜S120の繰り返し処理においては、オフセット=0で1番目の(即ち唯一の)第2情報(特定範囲規定情報)が取得されるから(S117,S118)、大当り判定処理を正常に実行することが可能である。
また、図19に示す大当り判定テーブル(設定1段階用)では、図17(a)に示す大当り判定テーブル(設定6段階用)とデータサイズを同じにするため、最後の第6情報群の後ろに、第2,第3情報群で省略した設定2〜6に対応する第2情報に相当するデータ量(2バイト×5×2)のダミーデータ群を設けている。
なお、図19に示す大当り判定テーブルについては、第2,第3情報群の第1情報を00Hに変更しても、大当り判定処理(図16)は正常に実行され、また判定結果も変わらない。しかしながらこの場合、大当り判定処理(図16)のS116,S117が全く実行されない(未使用プログラムが存在する)という問題がある。即ちこの場合、設定値を複数段階に変更可能な機種と、設定値が1段階のみの機種とで共通の大当り判定処理プログラムを使用しているように見えても、設定値が1段階のみの機種で使用する場合には未使用プログラムが存在するから、実質的には両機種で使用している大当り判定処理プログラムは共通であるとは言えない。
また、上述した設定値が1段階のみの機種では、RAMの設定値ワーク領域に格納される設定値データは0等の1つのみであるが、設定値を表示する設定表示手段94(7セグ表示部97d)には、設定値データに対応する設定情報の表示だけでなく「E」等のエラー表示が行われる。このように、設定表示手段94には設定情報以外の情報を表示可能であるため、設定表示手段94が正常に作動しているか否かを確認することが可能である。
特別電動役物管理処理(S100)は、大入賞手段64を開放する大当り遊技を管理するもので、大当り判定の結果が大当りとなり、第1,第2特別図柄表示手段53,54の変動後の停止図柄が大当り態様(特定態様)となった場合に、大入賞手段64の開閉板79を所定の開放パターンに従って開状態に変化させるように、開閉板79を駆動する大入賞口ソレノイドに対するソレノイド制御用データの設定処理を行うようになっている。なお、主制御基板82aは、この特別電動役物管理処理(S100)を実行することにより、大当り遊技(利益状態)を発生させる利益状態発生手段として機能する。
特別電動役物管理処理(S100)に続いては、右打ち報知情報管理処理(S101)により、右打ち報知等を行うために必要な処理を行う。右打ち報知は、いわゆる右打ちが遊技者にとって有利となる右打ち有利期間(例えば大当り遊技中及び特別遊技状態中)であることを報知するものである。もちろん、右打ち報知だけでなく、左打ちが遊技者にとって有利となる左打ち有利期間であることを報知する左打ち報知を実行可能としてもよい。
次に、LED管理処理(S102)を行う。このLED管理処理(S102)は、遊技情報表示手段50、性能表示手段95(性能情報表示手段97)等を構成するLEDの発光管理を行うもので、図20に示すように、まずLEDコモンポートとLEDデータポートをクリアし(S131)、LED出力カウンタを更新(インクリメント)する(S132)。そして、LEDコモン出力選択テーブル(図21)から、LED出力カウンタの値に対応するコモンデータを選択し(S133)、そのコモンデータをLEDコモンポートに出力する(S134)。
本実施形態のLEDコモン出力選択テーブルでは、図21及び図9に示すように、コモンC0とコモンC4とをONにする第1コモンデータと、コモンC1とコモンC5とをONにする第2コモンデータと、コモンC2とコモンC6とをONにする第3コモンデータと、コモンC3とコモンC7とをONにする第4コモンデータの4種類のコモンデータが設定されており、それら第1〜第4コモンデータが、LED出力カウンタの増加に応じてその順序で循環的に選択される。
これにより、1割込み毎(ここでは4ms毎)に、遊技情報表示手段50の点灯対象はLEDグループ50a→50b→50c→50d→50a→…のように順次変化し、同様に性能表示手段95(性能情報表示手段97)の点灯対象は7セグ表示部97a→97b→97c→97d→97a→…のように順次変化する。このように本実施形態では、遊技情報表示手段50用のコモンC0〜C3と、性能表示手段95用のコモンC4〜C7とに対して同時にコモンデータを出力するようになっている。但し、性能表示手段95に関しては、このLED管理処理ではコモンデータの出力を行うだけで、性能表示手段95に接続されるLEDデータポート1へのLEDデータの出力は後の使用領域外処理(S105)で行う。
続いて、選択されたLEDコモンに対応する遊技情報表示手段50のLEDデータを作成する(S135)。即ち、コモンC0〜C3の何れかに対応して、遊技情報表示手段50のLEDグループ50a〜50dの何れかに対するLEDデータを作成する(図21)。そして、そのLEDデータを、選択されたLEDデータポート(ここでは遊技情報表示手段50に接続されるLEDデータポート0)に出力し(S136)、LED管理処理を終了する。これにより、遊技情報表示手段50の4つのLEDグループ50a〜50dを4ms毎に順次切り替えつつ点灯させることができる。
以上のLED管理処理(S102)に続いては、外部端子管理処理(S103)、ソレノイド管理処理(S104)を行う。外部端子管理処理(S103)では、前枠3の裏側に設けられた外部出力端子を介して、当該パチンコ機の動作状態情報をホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する。また、ソレノイド管理処理(S104)では、普通電動役物管理処理(S98)、特別電動役物管理処理(S100)で設定されたソレノイド制御データに基づき、普通電動役物ソレノイドや大入賞口ソレノイドに対する励磁信号の出力制御を行う。
続いて、使用領域外処理(S105)を行う。使用領域外処理(S105)では、図22に示すように、まず全レジスタをスタックへ退避させ(S141)、通常処理時のスタックポインタを退避させる(S142)とともに、スタックポインタへ使用領域外用のスタックポインタアドレスをセットする(S143)。
そして、表示内容更新処理(S144)により、性能表示手段95の表示内容を更新し、性能表示手段95を構成する4つの7セグ表示部97a〜97dに対応するLEDデータを作成する。性能表示手段95では、まず全点灯と全消灯とを繰り返す動作確認表示が所定の動作確認時間(例えば約5秒間)行われた後、性能表示モニタ用処理(図12のS47)で算出される複数種類のベース値(ここではリアルタイムベース値、第1〜第3累計ベース値の4種類)が所定時間(例えば4.8秒)毎に循環的に表示される。
性能表示手段95を構成する4つの7セグ表示部97a〜97d(図7,図9)は、例えば上位2桁の7セグ表示部97d,97cがベース値の種類(リアルタイムベース値、第1〜第3累計ベース値の別)等を示す識別表示部、下位2桁の7セグ表示部97b,97aがベース値の数値等を表示する数値表示部となっている。
ベース値は、アウト個数が所定個数(ここでは60000個)に達するまでを単位計測期間としてその単位計測期間毎に計測されるが、初回電源投入後の1回目の単位計測期間は、電源投入時から開始するのではなく、所定の計測前期間の経過後(例えばアウト個数が所定個数(ここでは300個)に達したとき)に開始する。
リアルタイムベース値表示期間中、識別表示部には例えばリアルタイムベース値を示す「bL.」と表示し、数値表示部には例えばそのリアルタイムベース値表示期間の開始時又はその直前のリアルタイムベース値を表示するが、その時点の単位計測期間におけるアウト個数が所定閾値(例えば6000個)に達しているか否かに応じて、識別表示部の「bL.」の表示態様を例えば点灯と点滅とで異ならせるようになっている。なお、ベース値は例えば小数第一位を四捨五入した上で数値表示部に表示するが、四捨五入後の値が3桁以上の場合には、数値表示部にオーバーフローを示す「99.」等を表示する。
また、第1〜第3累計ベース値表示期間中は、識別表示部には例えば第1〜第3累計ベース値を示す「b1.」〜「b3.」を表示し、数値表示部にはその時点の第1〜第3累計ベース値を表示するが、未だ第1〜第3累計ベース値が得られていない場合には、例えば識別表示部の「b1.」〜「b3.」を点滅表示すると共に数値表示部には「−−」を表示する。例えば初回電源投入後の1回目の単位計測期間が終了するまでは、第1〜第3累計ベース値は何れも得られていないため、第1〜第3累計ベース値表示期間中の性能表示手段95の表示は「b1.−−」〜「b3.−−」となる。
なお、1回目の単位計測期間が始まる前の計測前期間中(アウト個数が300個未満)については、識別表示部には「bL.」,「b1.」〜「b3.」を例えば点滅表示し、数値表示部には例えば「−−」を点灯表示する。
表示内容更新処理(S144)に続いては、使用領域外LED更新処理(S145)を行う。この使用領域外LED更新処理(S145)では、図23に示すように、まずLED出力カウンタの値を取得する(S151)。このLED出力カウンタは、図20のLED管理処理においてコモンデータの選択に用いたものである。そして、そのLED出力カウンタの値に基づいて、表示内容更新処理(S144)で作成された7セグ表示部97a〜97dに対応するLEDデータから、LED管理処理(図20)で選択されたコモンに対応するLEDデータを選択する(S152)。
例えば、LED管理処理においてコモンC4がONになった場合には、7セグ表示部97aに対応するLEDデータが選択され、LED管理処理においてコモンC7がONになった場合には、7セグ表示部97dに対応するLEDデータが選択される。このように、LED管理処理におけるコモンC4〜C7の選択と、この使用領域外LED更新処理におけるLEDデータの選択とで共通のLED出力カウンタを用いているため、選択されたコモンに対応するLEDデータを容易且つ確実に選択できるとともに、プログラム容量の削減が可能である。
そして、S152で選択されたLEDデータを、性能表示手段95に接続されるLEDデータポート1に出力し(S153)、使用領域外LED更新処理を終了する。
以上の使用領域外LED更新処理(S145)に続いては、領域外SW検出情報格納処理(S146)、試射試験信号更新処理(S147)を実行した後、通常処理時のスタックポインタを復帰させ(S148)、全レジスタをスタックから復帰させて(S149)、使用領域外処理を終了する。
図15のタイマ割込み処理に戻って説明を続ける。以上説明した使用領域外処理(S105)が終了すると、WDTをクリアして(S106)、タイマ割込み処理を終了する。
続いて、サブ制御基板83aの制御動作について説明する。サブ制御基板83aは、液晶表示手段66、電飾手段96、スピーカ18,25、枠第1可動演出手段26、枠第2可動演出手段27、送風手段28、盤可動演出手段67等の各種演出手段による演出を制御するもので、図8(b)に示すように、特別保留個数表示制御手段101、先読み予告演出制御手段102、図柄変動演出制御手段103、通常予告演出制御手段104等を備えている。
特別保留個数表示制御手段101は、液晶表示手段66への第1,第2特別保留個数の表示制御を行うもので、第1,第2特別保留個数の増減に対応して、第1特別保留個数分(最大4個)の第1保留画像X1〜X4と、第2特別保留個数分(最大4個)の第2保留画像Y1〜Y4と、変動中の第1,第2特別図柄に対応する変動中保留画像Zとを液晶表示手段66に表示するように構成されている。
本実施形態では、第1特別図柄の保留記憶よりも第2特別図柄の保留記憶を優先的に消化するため、保留表示に関しても第2特別図柄側を優先し、図5に示すように第1保留画像X1〜X4の前側に第2保留画像Y1〜Y4を夫々一部重ねて表示している。主制御基板82aから第1,第2特別保留個数に関する保留加算コマンドを受信した場合には、第1,第2保留画像X1〜,Y1〜を待ち行列の最後尾に1個追加表示する。また、主制御基板82aから第1,第2特別保留個数に関する保留減算コマンドを受信した場合には、第1,第2保留画像X1〜,Y1〜を待ち行列の前側に向けて1個分ずつシフトすると共に、押し出された先頭の第1,第2保留画像X1,Y1を例えば所定位置まで移動させて変動中保留画像Zに変化させるようになっている。なお本実施形態では、第1,第2保留画像X1〜,Y1〜、変動中保留画像Zの表示色(表示態様)については例えば「白」をデフォルトとし、後述する保留変化予告を実行する場合には先読み予告演出制御手段102で選択されたシナリオに従って変化させるようになっている。
先読み予告演出制御手段102は、先読み予告演出を制御するものである。先読み予告演出は、主制御基板82aによる先読み判定結果に基づいて、第1,第2特別図柄の変動後の停止図柄が第1,第2大当り態様となって大当り遊技が発生するか否か等を予告するもので、先読み判定結果に基づいて、その先読み判定の対象となった特別乱数情報に対応する図柄変動(ターゲット変動)までの複数回の図柄変動(先読みゾーン中)において例えば同一態様の演出を実行する「連続予告」、先読み判定結果に基づいて第1,第2保留画像X1〜,Y1〜の表示態様を異ならせる(変化させる)「保留変化予告」等がある。
図柄変動演出制御手段103は、演出図柄80の表示制御及びそれに伴う音声出力、電飾発光等の制御を行うもので、主制御基板82aから変動パターンコマンドを受信した場合に、指定された変動パターンに対応する変動パターンシナリオと、通常予告演出制御手段104によって選択された予告演出シナリオとに基づいて演出図柄80の変動及びそれに伴う音声出力、電飾発光を開始させると共に、変動停止コマンドを受信したときに、停止図柄コマンドと変動パターンコマンドとに基づいて選択された停止図柄で演出図柄80の変動を停止させ、またそれに伴う音声出力、電飾発光を停止させるようになっている。
通常予告演出制御手段104は、通常予告演出を制御するものである。通常予告演出は、主制御基板82a側の大当り判定処理による大当り判定結果等に基づいて、当該図柄変動中にその図柄変動後の停止図柄が第1,第2大当り態様となるか否かを予告するもので、いわゆる「SU予告」、「タイマ予告」、「復活演出」、「プレミア予告」、「疑似連演出」等がある。
「SU予告」は、第1,第2特別図柄の変動中に、液晶表示手段66への演出図柄80の表示を含む所定の演出ステップを、大当り期待度に応じて複数段階(例えばSU1〜SU5の5段階)のうちの所定段階まで実行する演出であり、演出ステップの段階が進むほど大当り期待度が高くなるように設定されている。「タイマ予告」は、例えば液晶表示手段66上に所定のタイミングでタイマ画像を表示して計時(例えばカウントダウン)を行う演出であり、その計時時間が長いほど大当り期待度が高くなるように設定されている。また「復活演出」ははずれ等を表示した状態から復活して例えば大当り態様となる演出、「プレミア予告」とは出現率が極めて低く、出現したときには例えば確変大当りが確定する演出である。
また「疑似連演出」とは、第1,第2特別図柄が1回変動する間に演出図柄80による疑似図柄変動を複数回実行する演出で、演出図柄80が所定の疑似連図柄(図25(B)の例では「@」の記号よりなる疑似連図柄113)で仮停止した場合(疑似連表示が出現した場合)に新たな疑似図柄変動が開始されるようになっており、疑似図柄変動の回数(疑似回数)が多いほど大当り期待度が高くなるように設定される。この「疑似連演出」では、遊技者の期待感を喚起すべく、疑似回数に対応する期待度(即ち大当り期待度)を任意の態様で段階的に表示するようになっている場合もある。
ところで、この疑似連演出を実行する場合、通常は疑似回数が多いほど変動時間も長くなる。例えば、通常変動部分の変動時間を12秒、リーチ変動部分の変動時間を60秒と仮定すると、疑似3回の場合の変動時間は96秒(=12×3+60)となるのに対し(図24(a)参照)、疑似2回の場合の変動時間は84秒(=12×2+60)となる(図24(b)参照)。従って、従来の疑似連演出では、例えば疑似2回の変動時間しか確保されていない図柄変動で、疑似回数を3回に増やして期待度を3まで上昇させることはできなかった。これでは、疑似回数が少ないにも拘わらずリーチ演出がある程度進行し、新たな疑似図柄変動が開始される可能性が低くなったような場合には、その時点で早々に遊技者による期待感が低下してしまう。そこで本パチンコ機では、疑似図柄変動の実行だけでなく、それ以外の特定演出の出現によっても期待度が上昇するように構成した「期待度表示演出」を実行可能としている。
なお、本実施形態で用いる11種類の変動パターン(図24−1等)については、夫々の変動時間は明示していないが、同種の変動パターンにおいては疑似回数が多いほど変動時間が長くなっている。例えばSPリーチはずれ変動パターンにおいては、疑似なしよりも疑似2回の方が、また疑似2回よりも疑似3回の方が変動時間が長くなっている。
また、それら11種類の変動パターンは、主制御基板82a側の特別図柄管理処理(図15のS99)において、図24−1に示すような変動パターン振り分けテーブルに基づいて何れか1つが選択される。図24−1に示す変動パターン振り分けテーブルでは、はずれ1、はずれ2、小当り、大当り(確変)、大当り(非確変)の5種類の判定結果に対して、11種類の変動パターンに対する振分率が設定されている。なお、はずれ1/はずれ2は、大当り判定結果がはずれの場合に、図柄振り分けによって何れかが選択されるものとする。図24−1では、例えばはずれ1の場合には、リーチなし通常はずれ変動パターン、疑似なしノーマルリーチはずれ変動パターンの何れかが250:1の割合で選択され、例えば小当りの場合には、疑似なし、疑似2回、疑似3回の各SPリーチはずれ変動パターンの何れかが200:40:11の割合で選択される。
また、図24−1の変動パターン振り分けテーブルでは、同種の変動パターンにおいては、大当りの場合は疑似回数が多いほど(即ち変動時間が長いほど)選択率が高く、はずれの場合は疑似回数が少ないほど(即ち変動時間が短いほど)選択率が高くなっている。例えば、3種類のSPリーチ大当り変動パターンについては疑似なし、疑似2回、疑似3回の順に選択率が高くなり、3種類のSPリーチはずれ変動パターンについては疑似なし、疑似2回、疑似3回の順に選択率が低くなっている。
以下、「期待度表示演出」について詳しく説明する。
<期待度表示手段>
本実施形態の期待度表示演出では、期待度の範囲を1〜3の3段階としている。もちろん、期待度は複数段階であればよく、2段階でも4段階以上でもよい。そして、その期待度については、期待度表示手段による期待度表示によって遊技者に報知可能となっている。本実施形態の期待度表示手段は、色の異なるエフェクトによる期待度表示111a〜111cと、数値による期待度表示112a〜112cの2種類の期待度表示を液晶表示手段66に表示可能である。
色の異なるエフェクトによる期待度表示111a〜111cは、図25等に示すように液晶表示手段66の画面上の所定部位、例えば上側周辺部に表示され、例えば青エフェクトの期待度表示111aが期待度1を、緑エフェクトの期待度表示111bが期待度2を、赤エフェクトの期待度表示111cが期待度3を夫々示している。
また、数値による期待度表示112a〜112cは、図25等に示すように液晶表示手段66の画面上の所定部位、例えば下側右部に表示され、例えば「@1」の期待度表示112aが期待度1を、「@2」の期待度表示112bが期待度2を、「@3」の期待度表示112cが期待度3を夫々示している。期待度表示112a〜112cは、例えばその表示色も期待度に応じて異ならせており、その色分けは例えば期待度表示111a〜111cと共通である。
なお、図25の例では期待度1の場合も期待度表示を行っているが(図25(A),(B))、期待度1では期待度表示を行わず、期待度2以上で期待度表示を行うようにしてもよい。
<特定演出>
期待度表示演出では、疑似図柄変動が開始される場合だけでなく、それ以外の特定演出が出現した場合にも、期待度を上昇させる期待度上昇処理を実行するようになっているが、この特定演出は大きく分けて2種類存在する。1つ目の第1特定演出は、期待度を例えば1段階ずつ上昇させるもので、例えばリーチ変動中に出現可能となっており、本実施形態では、演出図柄80が所定図柄で仮停止する「図柄仮停止特定演出」、所定のキャラクタが表示される「キャラクタ特定演出」、盤可動体67aが動作(例えば下降)する「可動体特定演出」の3種類の第1特定演出が設けられている。
「図柄仮停止特定演出」は、例えばリーチ変動中に演出図柄80の中図柄が所定図柄で仮停止する演出であって、本実施形態では、その所定図柄として疑似連図柄を用いている。なお、疑似連演出の場合には、演出図柄80の中図柄が疑似連図柄で仮停止(疑似連表示が出現)すると、新たな疑似図柄変動が開始されて演出図柄80の全ての図柄が再び変動するが、図柄仮停止特定演出の場合には、演出図柄80の中図柄が疑似連図柄で仮停止しても新たな疑似図柄変動が開始するわけではなく、リーチ状態を維持したままで中図柄のみが変動を再開するようになっている。なお、疑似連図柄とは別の図柄を所定図柄としてもよい。
図25は、疑似2回に対応するリーチ大当り変動パターンが選択された場合に、そのリーチ変動中に第1特定演出を実行する場合の例を示しており、図柄仮停止特定演出の場合は(E),(E′),(E″)のうちの(E)を経由するようになっている。この変動パターンの変動時間では疑似図柄変動は2回までしか実行できないため、従来の疑似連演出であれば期待度は2までしか上昇させることができない。なお、図25の表示画面では、表示を簡潔にするため、演出図柄80を図柄本体部80aのみで表示している(以下同様)。
演出図柄80の図柄変動が開始されると(図25(A))、期待度1に対応する青エフェクトの期待度表示111aと、同じく期待度1に対応する「@1」の期待度表示112aとが液晶表示手段66に表示される。なお、期待度1に対応する期待度表示111a,112aは表示しなくてもよいが、その場合には期待度が2に変化するまで、遊技者は期待度表示演出中であることを認識することはできない。
その後、演出図柄80が例えば左図柄、右図柄の順に仮停止し、中図柄が例えば「@」の記号よりなる疑似連図柄113で仮停止すると(図25(B))、その仮停止中の全ての演出図柄80が再び高速変動に移行して新たな疑似図柄変動(2回目)が開始される(図25(C))。また、2回目の疑似図柄変動が開始されると、期待度は1から2に上昇し、緑エフェクトの期待度表示111bと、「@2」の期待度表示112bとが液晶表示手段66に表示される。
2回目の疑似図柄変動において「1・↓・1」等のリーチが成立し(図25(D))、その後のリーチ変動中に中図柄が疑似連図柄113で仮停止(図柄仮停止特定演出が出現)すると(図25(E))、期待度が2から3に上昇し、緑エフェクトの期待度表示111bは赤エフェクトの期待度表示111cに、「@2」の期待度表示112bは「@3」の期待度表示112cに夫々変化する(図25(F))。また、演出図柄80については、疑似連図柄113で仮停止した中図柄が再び変動を開始してリーチ変動を継続した後、「1・1・1」等の大当り演出態様で最終停止する(図25(G))。
このように、例えばリーチ変動中に中図柄が疑似連図柄113で仮停止(図柄仮停止特定演出が出現)した場合に期待度を上昇させることにより、疑似図柄変動をN回しか実行できない変動時間の場合でも期待度をNよりも大きな値まで上昇させることが可能である。
「キャラクタ特定演出」は、例えばリーチ変動中に所定のキャラクタが登場する演出であって、本実施形態では、変動中保留画像Zがキャラクタ画像114に変化するようになっている。もちろん、変動中保留画像Z等がキャラクタ画像114に変化するものに限られるものではなく、単にキャラクタ画像114が画面上に現れるものであってもよい。
図25の例では、キャラクタ特定演出の場合は(E),(E′),(E″)のうちの(E′)を経由するようになっている。即ち、2回目の疑似図柄変動において「1・↓・1」等のリーチが成立し(図25(D))、その後のリーチ変動中に変動中保留画像Zがキャラクタ画像114に変化すると(図25(E′))、期待度が2から3に上昇し、緑エフェクトの期待度表示111bは赤エフェクトの期待度表示111cに、「@2」の期待度表示112bは「@3」の期待度表示112cに夫々変化する(図25(F))。
このように、例えばリーチ変動中に所定のキャラクタが登場した場合に期待度を上昇させることにより、疑似図柄変動をN回しか実行できない変動時間の場合でも期待度をNよりも大きな値まで上昇させることが可能である。
「可動体特定演出」は、例えばリーチ変動中に可動体が動作する演出であって、本実施形態では、盤可動体67aが液晶表示手段66の前側を降下するようになっている。もちろん、盤可動体67a以外の可動体、例えば枠第1可動体26a、枠第2可動体27a等が動作する演出であってもよい。
図25の例では、可動体特定演出の場合は(E),(E′),(E″)のうちの(E″)を経由するようになっている。即ち、2回目の疑似図柄変動において「1・↓・1」等のリーチが成立し(図25(D))、その後のリーチ変動中に盤可動体67aが液晶表示手段66の前側を降下すると(図25(E″))、期待度が2から3に上昇し、緑エフェクトの期待度表示111bは赤エフェクトの期待度表示111cに、「@2」の期待度表示112bは「@3」の期待度表示112cに夫々変化する(図25(F))。
このように、例えばリーチ変動中に可動体演出が行われた場合に期待度を上昇させることにより、疑似図柄変動をN回しか実行できない変動時間の場合でも期待度をNよりも大きな値まで上昇させることが可能である。
また、図26に示すように、1回の図柄変動中に第1特定演出を複数回実行することも可能である。図26は、疑似なしのリーチ大当り変動パターンが選択された場合に、そのリーチ変動中に第1特定演出を2回(ここでは図柄仮停止特定演出と可動体特定演出)実行する場合の例を示している。
演出図柄80の図柄変動が開始された後(図26(A))、「1・↓・1」等のリーチが成立し(図26(B))、その後のリーチ変動中(例えばノーマルリーチ中)に中図柄が疑似連図柄113で仮停止(図柄仮停止特定演出が出現)すると(図26(C))、期待度が1から2に上昇し、緑エフェクトの期待度表示111bと、「@2」の期待度表示112bとが液晶表示手段66に表示される(図26(D))。また、演出図柄80については、疑似連図柄113で仮停止した中図柄が再び変動を開始してリーチ変動を継続する。なお、図26の例では期待度1に対応する期待度表示111a,112aは表示されていない(図26(A)〜(C))。
その後に例えばノーマルリーチからSPリーチに昇格した後、盤可動体67aが液晶表示手段66の前側を降下すると(図26(E))、期待度が2から3に上昇し、緑エフェクトの期待度表示111bは赤エフェクトの期待度表示111cに、「@2」の期待度表示112bは「@3」の期待度表示112cに夫々変化する(図26(F))。また、演出図柄80についてはそのままリーチ変動を継続した後、「1・1・1」等の大当り演出態様で最終停止する(図26(G))。
このように、1回の図柄変動中に第1特定演出を複数回実行することで、変動時間が短い場合でも期待度を例えば最高段階まで上昇させることも可能である。
なお、第1特定演出は、以上説明した図柄仮停止特定演出、キャラクタ特定演出、可動体特定演出に限られるものではなく、任意の演出を採用可能である。また、1回の第1特定演出の出現によって期待度を複数段階上昇させる場合があってもよい。
2つめの第2特定演出は、期待度を例えば一気に複数段階上昇させるもので、本実施形態では、第2特定演出の例として、変動開始からリーチ成立までの間に行われるチャレンジ演出を実行可能としている。このチャレンジ演出には成功演出と失敗演出の2種類があり、成功演出の場合には期待度上昇処理により期待度を例えば2段階上昇させ、失敗演出の場合には期待度上昇処理を実行しないようになっている。なお、成功演出と失敗演出の他に例えば引き分け演出等を設けてもよい。
図27(a)は、疑似なしのSPリーチ大当り変動パターンによる図柄変動中にチャレンジ演出を実行して成功する場合の例を、また図27(b)は、疑似なしのノーマルリーチはずれ変動パターンによる図柄変動中にチャレンジ演出を実行して失敗する場合の例を夫々示している。
チャレンジ演出成功の場合の図27(a)では、演出図柄80の変動開始後、チャレンジ演出が開始され、このチャレンジ演出の内容を示す演出内容報知画像114が液晶表示手段66に表示される(図27(A1))。この演出内容報知画像114は、例えばすまし顔をしたキャラクタ画像114aと、「キャラを笑わせたら「@3」獲得だ!」等の文字画像114bとで構成されている。なおこのとき、高速変動中の演出図柄80は縮小されて画面の周辺部に表示される。
続いて、遊技者に演出ボタン36の操作を促すための操作誘導画像115を液晶表示手段66に表示して、所定時間を上限とする操作有効期間を開始する(図27(B1))。そして、その操作有効期間中に遊技者が演出ボタン36を押下操作すると、笑顔のキャラクタ等よりなる成功報知画像116を液晶表示手段66に表示する等の成功演出を実行した後(図27(C1))、例えばリーチ成立とともに期待度が1から3に上昇し、赤エフェクトの期待度表示111cと、「@3」の期待度表示112cとが液晶表示手段66に表示される(図27(D1))。その後、演出図柄80は「1・1・1」等の大当り演出態様で最終停止する(図27(E1))。
またチャレンジ演出失敗の場合の図27(b)では、図27(a)と同様、演出図柄80の変動開始後にチャレンジ演出が開始され、液晶表示手段66に演出内容報知画像114、操作誘導画像115が順次表示されて操作有効期間が開始される(図27(A2),(B2))。そして、その操作有効期間中に遊技者が演出ボタン36を押下操作すると、泣き顔のキャラクタ等よりなる失敗報知画像117を液晶表示手段66に表示する等の失敗演出を実行した後(図27(C2))、演出図柄80はリーチを経ることなく「1・2・3」等のはずれ演出態様で最終停止する(図27(D2))。
このように、主制御基板82a側で選択された変動パターンがリーチ変動パターンであっても、チャレンジ演出失敗が選択された場合には、そのリーチ変動の変動時間を使って失敗演出等を実行し、演出図柄80はリーチとならないように構成されている。
なお、本実施形態のチャレンジ演出では遊技者に所定操作を要求するように構成したが、遊技者に所定操作を要求しないチャレンジ演出を実行してもよい。また、チャレンジ演出における操作有効期間中に遊技者による所定操作が検出されなかった場合でも、遊技者による所定操作が行われた場合と同様の演出、即ち予め決定された成功演出又は失敗演出を実行してもよい。この場合、操作有効期間の終了時に、演出ボタン36が操作される場面を示すアニメーション等を液晶表示手段66に表示することにより、演出の不自然さを解消できる。また、チャレンジ演出における操作有効期間中に遊技者による所定操作が検出されなかった場合には、例えば成功演出が選択されている場合でも失敗演出を実行するように構成してもよい。
また、チャレンジ演出成功によって上昇する期待度(例えば@3)よりも期待度の上限(例えば@5)を大としてもよい。この場合、チャレンジ演出の実行前に疑似図柄変動の実行等により期待度を1又は複数段階上昇させてもよいし、チャレンジ演出の実行後に更に期待度を1又は複数段階上昇させてもよい。チャレンジ演出の実行タイミングは、図柄変動の開始後、リーチ成立までの期間、例えば図柄変動の開始直後が望ましいが、それ以外の例えばリーチ成立後に実行してもよい。また、チャレンジ演出成功による期待度の上昇幅を複数設け、何れかを選択するようにしてもよい。チャレンジ演出による期待度の上昇幅は1段階でもよい。
<隠れ疑似図柄変動>
本実施形態の期待度表示演出では、上述したように、疑似図柄変動が開始される場合だけでなく、特定演出が出現した場合にも期待度が上昇するようになっているため、例えば疑似2回に対応する変動時間であっても期待度を最高段階まで上昇させることができるなど、短い変動時間でもそれに見合った段階以上に期待度を上昇させることができる。
一方で、本実施形態の期待度表示演出では、疑似連図柄を出現させない疑似図柄変動(以下、隠れ疑似図柄変動という)を図柄変動の最初に1又は複数回実行し、その隠れ疑似図柄変動では期待度を上昇させないように構成することで、隠れ疑似図柄変動を通常のはずれ図柄変動のように見せ、それによって期待度を変動時間に見合った段階よりも低く抑えることが可能となっている。
図28は、疑似3回のリーチ大当り変動パターンが選択された場合に、3回の疑似図柄変動のうちの最初の1回を隠れ疑似図柄変動とすることにより、最終的な期待度を2に抑えた例を示している。
図28の例では、まず1回目の疑似図柄変動が開始されるが(図28(A))、この疑似図柄変動は隠れ疑似図柄変動であり、演出図柄80は疑似連図柄113を表示することなく「1・2・3」等の通常のはずれ演出態様で仮停止し、揺れ変動状態となる(図28(B))。そして、その揺れ変動状態から演出図柄80の全図柄が高速変動に移行して2回目(見た目上は1回目)の疑似図柄変動が開始されるが(図28(C))、期待度は1のまま変化しない。なお、この2回目の疑似図柄変動において、期待度1に対応する期待度表示を行ってもよい。図28(C)では、エフェクトによる期待度表示111aと、数値による期待度表示112aのうち、期待度表示111aのみを表示している。
2回目の疑似図柄変動が開始された後(図28(C))、例えば左図柄、右図柄の順に仮停止し、中図柄が疑似連図柄113で仮停止すると(図28(D))、その仮停止中の演出図柄80の全図柄が高速変動に移行して3回目(見た目上は2回目)の疑似図柄変動が開始される(図28(E))。また、3回目の疑似図柄変動が開始されると、期待度は1から2に上昇し、緑エフェクトの期待度表示111bと、「@2」の期待度表示112bとが液晶表示手段66に表示される。その後、演出図柄80は「1・↓・1」等のリーチとなり(図28(F))、「1・1・1」等の大当り演出態様で最終停止する(図28(G))。
このように、図柄変動の最初の1又は複数回の疑似図柄変動を、疑似連図柄を出現させない隠れ疑似図柄変動とすることにより、期待度を変動時間に見合った段階よりも低く抑えることが可能である。
<期待度表示演出に関する抽選>
続いて、通常予告演出制御手段104によって行われる期待度表示演出に関する抽選処理について説明する。この抽選処理は、例えば主制御基板82aから変動パターンコマンドを受信した場合に、その変動パターンコマンドから取得される変動パターンの種類と、図29,図30に示すような各種抽選テーブルとに基づいて行われる。なお、サブ制御基板83a側で制御する液晶表示手段66上での図柄変動演出は、主制御基板82a側で選択される変動パターンと完全に合致する必要はなく、最低限、変動時間と大当り/はずれの変動結果とが整合すればよい。従って、例えば主制御基板82a側で疑似3回の変動パターンが選択された場合であっても、変動時間と変動結果さえ整合させれば、サブ制御基板83a側で疑似なしの図柄変動演出を実行することは可能である。
期待度表示演出に関する抽選処理では、まず図29(a)に示すチャレンジ演出抽選テーブルに基づくチャレンジ演出抽選処理を実行する。このチャレンジ演出抽選処理は、チャレンジ演出を実行するか否か、及び実行する場合には成功/失敗の何れかを選択するものである。図29(a)に示すチャレンジ演出抽選テーブルには、「チャレンジ演出実行せず」、「チャレンジ演出実行→失敗」、「チャレンジ演出実行→成功」の3つの選択肢に対する選択率が変動パターン毎に設定されている。
図29(a)のチャレンジ演出抽選テーブルでは、全ての変動パターンにおいて、「チャレンジ演出実行せず」の選択率がその他の選択率に比べて格段に大きくなっており、リーチなし通常はずれ、ノーマルリーチ大当りの各変動パターンの場合は「チャレンジ演出実行せず」の選択率が100%となっている。また、「チャレンジ演出実行→失敗」が選択される可能性があるのはノーマルリーチはずれ変動パターンの場合のみであり、「チャレンジ演出実行→成功」が選択される可能性があるのはSPリーチはずれ、SPリーチ大当りの各変動パターンの場合のみとなっている。
また、「チャレンジ演出実行→失敗」、「チャレンジ演出実行→成功」の何れについても、疑似なしの変動パターンが最も選択されやすくなっている。なお、図29(a)の例では疑似なし以外の変動パターンの場合でも「チャレンジ演出実行」が選択される可能性があるが、「チャレンジ演出実行」は疑似なしの変動パターンの場合にのみ選択されるようにしてもよい。
チャレンジ演出抽選処理で「チャレンジ演出実行→失敗」が選択された場合には、図27(b)で説明したようなチャレンジ演出が行われ、「チャレンジ演出実行→成功」が選択された場合には、図27(a)で説明したようなチャレンジ演出が行われる。なお、図29(a)の例では、「チャレンジ演出実行→失敗」が選択されるのはノーマルリーチはずれ変動パターンの場合のみであるが、本実施形態では、チャレンジ演出が失敗する場合の演出図柄変動ではリーチは成立せず、通常はずれ態様で停止するようになっている(図27(b))。
また本実施形態では、チャレンジ演出の結果が成功/失敗の何れであっても、そのチャレンジ演出の終了後は期待度は変化しないものとしているが、例えばチャレンジ演出が失敗した場合であっても、その後に疑似図柄変動の実行、第1特定演出(図柄仮停止特定演出、キャラクタ特定演出、可動体特定演出)の出現等によって期待度が上昇する場合があってもよい。また、チャレンジ演出が成功した場合であっても、その後に疑似図柄変動の実行、第1特定演出(図柄仮停止特定演出、キャラクタ特定演出、可動体特定演出)の出現等によって期待度が更に上昇する場合があってもよい。
以上のチャレンジ演出抽選処理において「チャレンジ演出実行せず」が選択された場合は、図29(b)に示す期待度抽選テーブルに基づく期待度抽選処理を実行する。この期待度抽選処理は、期待度表示を実行するか否か、及び実行する場合には最終の期待度表示を選択するものである。図29(b)に示す期待度抽選テーブルには、「期待度表示なし」、「最終期待度表示:@1」、「最終期待度表示:@2」、「最終期待度表示:@3」の4つの選択肢に対する選択率が変動パターン毎に設定されている。
図29(b)の期待度抽選テーブルでは、リーチなし通常はずれ変動パターンの場合は「期待度表示なし」の選択率が100%となっている。また、ノーマルリーチはずれ/大当りの各変動パターンの場合は、夫々の疑似回数に対応する期待度表示(例えば疑似なしの場合は期待度表示:@1、疑似2回の場合は期待度表示:@2)が上限となるように選択され、また「期待度表示なし」も選択可能となっており、疑似回数2回の場合には「最終期待度表示:@2」の選択率が最も高く、疑似なしの場合には「期待度表示なし」の選択率が最も高くなっている。
また、SPリーチはずれ/大当りの各変動パターンの場合は、夫々の疑似回数に拘わらず、「最終期待度表示:@1」、「最終期待度表示:@2」、「最終期待度表示:@3」の何れも選択可能となっているが、「期待度表示なし」については疑似3回のSPリーチはずれ/大当りの各変動パターンのみ選択率が0%となっている。また、疑似回数3回の場合には「最終期待度表示:@3」の選択率が最も高く、疑似回数2回の場合には「最終期待度表示:@2」の選択率が最も高く、疑似なしの場合には「期待度表示なし」の選択率が最も高く、続いて「最終期待度表示:@1」の選択率が高くなっている。
なお、図29(b)の期待度抽選テーブルを見ると、例えば疑似2回のSPリーチはずれ/大当り変動パターンについては、疑似2回の変動パターンであるにも拘わらず「最終期待度表示:@3」が選択される場合があり得る。このような場合には、少なくとも1回は、上述した第1特定演出(図柄仮停止特定演出、キャラクタ特定演出、可動体特定演出)を出現させることにより、疑似回数に対応する段階よりも期待度を上昇させればよい。また同変動パターンについては、疑似2回の変動パターンであるにも拘わらず「最終期待度表示:@1」が選択される場合があり得る。このような場合には、上述した隠れ疑似図柄変動を実行し、例えば実際には2回の疑似図柄変動を実行しつつ、疑似なしのように見せることで最終の期待度表示を@1に抑えることができる。
また、図29(b)の期待度抽選テーブルでは、同種の変動パターンで且つ最終の期待度表示が同じであっても、変動時間が第1変動時間の場合とそれよりも長い第2変動時間の場合とでは実際の大当り期待度が異なっている。例えば、最終の期待度表示が@3の場合、変動時間が最も短い疑似なしのSPリーチ変動パターンにおけるはずれ、大当りの場合の選択率は1/100、5/100、変動時間が次に短い疑似2回のSPリーチ変動パターンにおけるはずれ、大当りの場合の選択率は5/100、15/100、変動時間が最も長い疑似3回のSPリーチ変動パターンにおけるはずれ、大当りの場合の選択率は90/100、90/100となっており、変動時間が短いほど、実際の大当り期待度は高くなっている。
以上の期待度抽選処理において期待度表示を実行する旨の抽選結果、即ち「最終期待度表示:@1」、「最終期待度表示:@2」、「最終期待度表示:@3」の何れかが選択された場合は、期待度表示の具体的態様に関する抽選を行う。図30は、期待度抽選処理において「最終期待度表示:@2」、「最終期待度表示:@3」の何れかが選択された場合に使用する抽選テーブルの一例を示している。
図30(a)は、最終期待度表示として@2,@3の何れかが選択された場合の@1の表示に関する抽選テーブルであり、期待度表示@1を表示するか否かの選択率が変動パターン毎に設定されている。図30(b)は、最終期待度表示として@2,@3の何れかが選択された場合の@2の表示に関する抽選テーブルであり、期待度表示@2を表示するか否か、及び表示する場合にはそのタイミング、即ち疑似図柄変動の実行時、リーチ中における図柄仮停止特定演出の出現時、リーチ中におけるキャラクタ特定演出の出現時、リーチ中における可動体特定演出の出現時の何れかの選択率が変動パターン毎に設定されている。図30(c)は、最終期待度表示として@3が選択された場合の@3の表示に関する抽選テーブルであり、期待度表示@3を表示するか否か、及び表示する場合にはそのタイミング、即ち疑似図柄変動の実行時、リーチ中における図柄仮停止特定演出の出現時、リーチ中におけるキャラクタ特定演出の出現時、リーチ中における可動体特定演出の出現時の何れかの選択率が変動パターン毎に設定されている。
なお、図29(b)の期待度抽選テーブルでは、リーチなし通常はずれ、疑似なしノーマルリーチはずれ/大当りの各変動パターンの場合には最終期待度表示@2,@3の選択率は何れも0%であるため、図30(a),(b)の各抽選テーブルでは、それらの変動パターンに対しては「@1表示なし」、「@2表示なし」の選択率が100%に設定されている。同様に、図29(b)の期待度抽選テーブルでは、リーチなし通常はずれ、疑似なしノーマルリーチはずれ/大当り、疑似2回ノーマルリーチはずれ/大当りの各変動パターンの場合には最終期待度表示@3の選択率は0%であるため、図30(c)の抽選テーブルでは、それらの変動パターンに対しては「@3表示なし」の選択率が100%に設定されている。
また図30(a)の抽選テーブルでは、同種の変動パターンの場合には疑似回数が多い(変動時間が長い)ほど「@1表示なし」の選択率が低くなっている。また、図30(b)の抽選テーブルでは、疑似3回の変動パターンの場合には、期待度表示@2の表示開始は必ず疑似図柄変動の実行時に行うようになっており、疑似2回の変動パターンの場合には、期待度表示@2の表示開始は第1特定演出の出現時に行う場合もあるが疑似図柄変動の実行時に行う確率が最も高くなっており、疑似なしの変動パターンの場合には、期待度表示@2の表示開始は当然ながら疑似図柄変動の実行時に行うことはなく、必ず第1特定演出の出現時に行うようになっている。
また図30(c)の抽選テーブルでは、疑似3回の変動パターンの場合には、期待度表示@3の表示開始は第1特定演出の出現時に行う場合もあるが疑似図柄変動の実行時に行う確率が最も高くなっており、疑似2回及び疑似なしの各変動パターンの場合には、期待度表示@3の表示開始は当然ながら疑似図柄変動の実行時に行うことはなく、必ず第1特定演出の出現時に行うようになっている。
以上説明したように、本実施形態のパチンコ機では、大当り判定処理(乱数抽選処理)で当選する確率に対応する設定値を1又は複数設け、大当り判定テーブルでは、所定範囲を規定する下限値情報と上限値情報(複数の範囲規定情報)のうちの上限値情報(特定範囲規定情報)が、設定値に対応して1又は複数設けられており、大当り判定処理(乱数抽選処理)では、設定値に応じたオフセットに基づいて、大当り判定テーブルから特定範囲規定情報を取得するように構成されているため、設定値を複数段階に変更可能な機種と、設定値が1段階のみの機種とで乱数抽選に関するプログラムを共通化して開発工数を削減することが可能である。
また、図柄表示手段による図柄変動中に特定演出が出現した場合に、新たに疑似図柄変動を開始することなく期待度表示手段による期待度の段階を上昇させることが可能であるため、疑似図柄変動の回数が少なくても遊技者による期待感を十分に喚起することが可能である。
また、期待度表示手段による期待度の段階が最終的に同じであっても、図柄表示手段による変動時間が第1変動時間の場合と第1変動時間よりも長い第2変動時間の場合とでは実際の大当り期待度が異なっている。
また、図柄表示手段による図柄変動中、成功演出と失敗演出とを含むチャレンジ演出(第2特定演出)を実行可能であり、成功演出を実行した場合には期待度上昇処理を行うことにより期待度を1又は複数段階上昇させ、失敗演出を実行した場合には期待度上昇処理を行うことなく停止図柄を非特定態様として図柄変動を停止させるように構成されているため、疑似図柄変動の回数が少なくても遊技者による期待感を十分に喚起することが可能である。
図31は本発明の第2の実施形態を例示し、第1の実施形態を一部変更して、期待度抽選処理で用いる期待度抽選テーブルを複数種類設け、各種条件に応じてそれらの何れかを選択するように構成した例を示している。
本実施形態では、先読み予告演出が行われている先読みゾーン中については図31(a)に示す期待度抽選テーブルを、前回のリーチ変動が疑似2回変動であった場合には図31(b)に示す期待度抽選テーブルを、前回のリーチ変動が疑似3回変動であった場合には図31(c)に示す期待度抽選テーブルを夫々使用し、それ以外の通常時は第1の実施形態と同じ図29(b)に示す期待度抽選テーブルを使用するようになっている。
図31(a)に示す期待度抽選テーブル(先読みゾーン中)では、図29(b)に示す通常時の期待度抽選テーブルに比べて、各変動パターンの疑似回数に見合った期待度表示の選択率がより高くなるように設定されている。例えば疑似2回のリーチ変動パターンの場合には、100%又はそれに近い確率で期待度表示@2が選択され、疑似3回のリーチ変動パターンの場合には、100%の確率で期待度表示@3が選択されるようになっている。
また、図31(b)に示す期待度抽選テーブル(前回のリーチ変動が疑似2回変動であった場合)では、図29(b)に示す通常時の期待度抽選テーブルに比べて、疑似2回のはずれ変動パターンの場合に期待度表示@2が選択される確率が低く、同じく期待度表示@3は選択されないように設定されている。また、図31(c)に示す期待度抽選テーブル(前回のリーチ変動が疑似3回変動であった場合)では、図29(b)に示す通常時の期待度抽選テーブルに比べて、疑似3回のはずれ変動パターンの場合に期待度表示@3が選択される確率が低くなるように設定されている。
このように、期待度抽選処理で用いる期待度抽選テーブルを複数種類設け、各種条件に応じてそれらの何れかを選択するように構成してもよい。また、このように複数種類設けて使い分ける抽選テーブルは期待度抽選テーブルに限られるものではなく、図29(a)に示すチャレンジ演出抽選テーブルや図30に示す各種抽選テーブルなどを複数種類設けてもよい。
図32は本発明の第3の実施形態を例示し、第1,第2の実施形態で示した1回の図柄変動中に完結する期待度表示演出に加えて、複数回の図柄変動にわたって行われる期待度表示演出を実行可能とした例を示している。
図32の例では、先読み判定の対象であるターゲット変動(特定図柄変動)までの3回の図柄変動にわたって期待度をクリアすることなく引き継ぐように構成されている。そして、ターゲット変動よりも前の2回の変動(以下、先読み変動という)で夫々期待度表示を@1,@2とし(図32(A)〜(F))、ターゲット変動は期待度表示@2の状態から開始するようになっている(図32(G))。なお先読み変動では、期待度表示を変更(開始)する際には特定演出(ここでは変動中保留画像Zがキャラクタ画像114に変化するキャラクタ特定演出)が出現するようになっている(図32(B),(E))。なお、期待度表示を変更しない先読み変動があってもよい。
また図32では、ターゲット変動における期待度表示の変化については省略しているが、上述の実施形態で示したように、疑似図柄変動の実行、第1特定演出の出現等により期待度表示を@3に変化させてもよいし、期待度表示を@2のまま変化させなくてもよい。
なお、このようなターゲット変動までの複数回の図柄変動にわたる期待度表示演出を行う場合、先読み判定によって取得されたターゲット変動の変動パターンに基づいて、ターゲット変動とそれまでの先読み変動とで期待度表示を夫々何段階まで上昇させるかを決定する必要がある。
図33は本発明の第4の実施形態を例示し、期待度表示手段による期待度表示のその他の例を示している。
図33(a)は、メータ画像による期待度表示121を例示しており、液晶表示手段66の所定位置、例えば右端側に上下方向に表示されている。期待度表示121は、所定方向(ここでは上下方向)に一列状に配列された複数の表示ブロック121a〜121cで構成されており、期待度が上昇するに従って、表示ブロック121a〜121cを1個ずつデフォルト色(例えば背景色と同色)から所定の表示色に変更することにより期待度を表示するようになっている。表示ブロック121a〜121cの表示色は、夫々異なる色(例えば青、緑、赤)とすることが望ましい。また、各表示ブロック121a〜121cに、期待度を示す数値等(例えば@1〜@3)を表示してもよい。
また図33(b)は、アイコンの表示数による期待度表示122を例示しており、液晶表示手段66の所定位置、例えば下側に表示されている。期待度表示122は、複数のアイコン122a〜122cで構成されており、期待度が上昇するに従ってアイコン122a〜122cの表示数を増加させることにより期待度を表示するようになっている。各アイコン122a〜122cは表示態様(例えば色、大きさ等)を異ならせてもよい。各アイコン122a〜122cの大きさを異ならせる場合には、期待度が上昇するに従って新たに表示されるアイコンが大きくなるようにすることが望ましい。
図34〜図36は本発明の第5の実施形態を例示し、第1の実施形態の大当り判定処理(図16〜図19)の内容を変更した例を示している。
第1の実施形態の大当り判定処理では、1つの大当り判定テーブルの中で、大当り判定値の下限値、低確時大当り判定値の上限値、高確時大当り判定値の上限値、小当り判定値の下限値、小当り判定値の上限値、大当り判定乱数の上限値を夫々規定したが、本実施形態の大当り判定処理では、低確時大当り判定値、高確時大当り判定値、小当り判定値の各範囲を夫々個別の判定テーブルで規定するようになっている。
即ち、本実施形態の大当り判定処理では、図35に示す低確時大当り判定テーブル、高確時大当り判定テーブル、小当り判定テーブルを使用する。それら各判定テーブルは、各判定値の下限値を規定するための下限値情報と、上限値を規定するための上限値情報とで構成されている。なお、本実施形態における低確時大当り判定値、高確時大当り判定値、小当り判定値の各範囲は、第1の実施形態と全く同一(図18参照)であるとする。
低確時大当り判定テーブルは、低確時における大当り判定値の範囲を規定するもので、下限値情報には低確時大当り判定値の下限値−1が、上限値情報には低確時大当り判定値の上限値が夫々セットされている。また、低確時大当り判定値の範囲は設定値(設定1〜6)毎に異なっているが、本実施形態では下限値は設定値に拘わらす一定で、上限値が設定値毎に異なっている。従って、低確時大当り判定テーブルでは、下限値情報と上限値情報とのうちの上限値情報のみが、設定1〜6に対応する6種類の値で構成されている。
高確時大当り判定テーブルは、高確時における大当り判定値の範囲を規定するもので、下限値情報には高確時大当り判定値の下限値−1が、上限値情報には高確時大当り判定値の上限値が夫々セットされている。また、高確時大当り判定値の範囲は設定値(設定1〜6)毎に異なっているが、本実施形態では下限値は設定値に拘わらす一定で、上限値が設定値毎に異なっている。従って、高確時大当り判定テーブルでは、下限値情報と上限値情報とのうちの上限値情報のみが、設定1〜6に対応する6種類の値で構成されている。
なお、本実施形態では低確時大当り判定値の下限値と高確時大当り判定値の下限値とは同じ値(10000)であるが(図18)、低確時大当り判定テーブルと高確時大当り判定テーブルとで別々に規定している。
小当り判定テーブルは、小当り判定値の範囲を規定するもので、下限値情報には小当り判定値の下限値−1が、上限値情報には小当り判定値の上限値が夫々セットされている。なお、小当り判定値の範囲は全ての設定値(設定1〜6)で共通であるため、小当り判定テーブルでは下限値情報と上限値情報の何れも1つの値で構成されている。
続いて、図34に示す大当り判定処理の処理手順について説明する。大当り判定処理(図34)では、まず大当り判定乱数を取得する(S161)。また、その時点の確率状態(低確中/高確中)に応じた大当り判定テーブルのアドレスを取得し(S162)、そのアドレスから下限値情報を取得する(S163)。例えば、低確中であれば低確時大当り判定テーブルのアドレスを取得し、低確時大当り判定値の下限値−1を下限値情報として取得する。
次に、その下限値情報と、S161で取得した大当り判定乱数値とを比較する(S164)。そして、大当り判定乱数値が下限値情報よりも大であれば(S165:Yes)、大当り判定乱数値が大当り判定値の範囲内にある可能性があるため、引き続き大当り判定値における上限値情報との比較に関するS166以降の処理を実行する。即ち、設定値データ(0〜5の何れか)を取得し(S166)、その設定値データをオフセットしてアドレスを変更した上で(S167)、そのアドレスから上限値情報、即ち低確時又は高確時の大当り判定値の上限値を取得する(S168)。
図35に示す低確時/高確時大当り判定テーブルの場合、上限値情報は設定1〜設定6に対応して6種類設けられているため、S166で取得した設定値データ(0〜5)をオフセットして、例えば設定1であればオフセット=0で1番目の上限値情報を、設定6であればオフセット=5で6番目の上限値情報を取得する(S167,S168)。
S168で上限値情報を取得すると、その上限値情報の値と、S161で取得した大当り判定乱数値とを比較する(S169)。そして、大当り判定乱数値が上限値情報(低確時又は高確時の大当り判定値の上限値)以下であれば(S170:Yes)、大当り判定乱数値は大当り判定値の範囲内であることが確定するから、大当り判定結果は低確時大当り又は高確時大当りとなり(図18)、その大当り判定結果に応じた大当り判定フラグをセットし(S171)、大当り判定処理を終了する。例えば、大当り判定結果が低確時大当りであれば、低確時大当りフラグ及び高確時大当りフラグに5AHがセットされ、大当り判定結果が高確時大当りであれば、高確時大当りフラグにのみ5AHがセットされる。
S165で大当り判定乱数値が下限値情報以下であると判定された場合(S165:No)、及びS170で大当り判定乱数値が上限値情報よりも大であると判定された場合(S170:No)は、大当り判定乱数値が大当り判定値の範囲内にはないことが確定するから、小当り判定に関するS172以降の処理を実行する。即ち、まず小当り判定テーブルのアドレスを取得し(S172)、そのアドレスから下限値情報(小当り判定値の下限値−1)を取得する(S173)。
次に、その下限値情報と、S161で取得した大当り判定乱数値とを比較する(S174)。そして、大当り判定乱数値が下限値情報以下であれば(S175:No)、大当り判定乱数値は大当り判定値と小当り判定値の何れの範囲内にもないことが確定するから、大当り判定結果ははずれとなり、そのまま大当り判定処理を終了する。
一方、大当り判定乱数値が下限値情報よりも大であれば(S175:Yes)、大当り判定乱数値が小当り判定値の範囲内にある可能性があるため、次のアドレスから上限値情報(小当り判定値の上限値)を取得し(S176)、その上限値情報の値と、S161で取得した大当り判定乱数値とを比較する(S177)。
そして、大当り判定乱数値が上限値情報(小当り判定値の上限値)以下であれば(S178:Yes)、大当り判定乱数値は小当り判定値の範囲内であることが確定するから、大当り判定結果は小当りとなり(図18)、例えば小当り判定フラグに5AHをセットして大当り判定処理を終了するが、大当り判定乱数値が上限値情報(小当り判定値の上限値)よりも大であれば(S178:No)、大当り判定乱数値は大当り判定値と小当り判定値の何れの範囲内にもないことが確定するから、大当り判定結果ははずれとなり、そのまま大当り判定処理を終了する。
ところで、本実施形態の大当り判定処理(図34)は、第1の実施形態の大当り判定処理(図16)と同様、設定変更機能を搭載しない(即ち設定値が1段階のみの)パチンコ機にも対応可能である。即ち本実施形態では、設定値を複数段階に変更可能な(設定値が複数段階存在する)機種と、設定変更機能を搭載しない(設定値が1段階の)機種とで、大当り判定処理のプログラムを共通にすることができる。
設定変更機能を搭載しない機種で図34に示す大当り判定処理を実行する場合には、大当り判定テーブルを図36に示すように構成する。図36に示す低確時/高確時大当り判定テーブル(設定1段階用)が図35に示す低確時/高確時大当り判定テーブル(設定6段階用)と異なるのは、設定1〜6に対応する6種類の上限値情報のうち、設定1の場合の上限値情報に低確時/高確時大当り判定値の上限値をセットし、その他の設定2〜6の場合の上限値情報にはダミーデータをセットしている点のみである(図36の網掛け部分)。
本実施形態の大当り判定処理(図34)では、設定値データ(0〜5の何れか)を取得し(S166)、その設定値データをオフセットとしてアドレスを変更した上で(S167)、そのアドレスから上限値情報を取得する(S168)ようになっているが、設定値が1段階のみのパチンコ機の場合、設定値データには0がセットされているため、S168ではオフセット=0で1番目の上限値情報が取得されるから、大当り判定処理を正常に実行することが可能である。
また、図36に示す大当り判定テーブル(設定1段階用)では、設定2〜6の場合の上限値情報にダミーデータがセットされているから、データサイズは図35に示す大当り判定テーブル(設定6段階用)と同じである。
図37〜図41は本発明の第6の実施形態を例示し、第1〜第5の実施形態を一部変更して、設定変更処理及び設定確認処理をタイマ割込みで実行するように構成した例を示している。
まず、本実施形態の電源投入処理(図37)について、第1〜第5の実施形態の電源投入処理(図11,図12)との相違点を中心に説明する。本実施形態の電源投入処理(図37)が第1〜第5の実施形態の電源投入処理(図11,図12)と異なるのは、S13の初期設定処理がS13aに変更された点、S20の設定変更処理がS20a,S20bの設定変更準備処理に変更された点、S33〜S40の設定確認処理がS33aの設定確認準備処理に変更された点のみである。このように、本実施形態の電源投入処理では設定変更処理、設定確認処理を実行せず、それらをタイマ割込みで実行するための設定変更準備処理、設定確認準備処理を実行するようになっている。
本実施形態の電源投入処理(図37)では、S13aで電源異常確認カウンタをクリアするなどの作業領域の初期設定を行うが、第1〜第5の実施形態の電源投入処理(図11,図12)とは異なり、システム動作ステータスはクリアされ、01Hはセットされない。
また、S19で扉開放信号、RAMクリアスイッチ信号、設定キースイッチ信号が全てONであれば(S19:Yes)、設定変更準備処理(S20a,S20b)を実行した後、RAMクリア処理(S21〜S24)に移行する。設定変更準備処理(S20a,S20b)では、バックアップフラグをクリアし(S20a)、システム動作ステータスに、処理態様として「設定変更」が選択されたことを示す02Hをセットする。
また、S32で扉開放信号と設定キースイッチ信号が共にONであれば(S32:Yes)、設定確認準備処理(S33a)を実行した後、バックアップ復帰処理(S41)に移行する。設定確認準備処理(S33a)では、システム動作ステータスに、処理態様として「設定確認」が選択されたことを示す01Hをセットする。
続いて、本実施形態のタイマ割込み処理(図39)について、第1〜第5の実施形態のタイマ割込み処理(図15)との相違点を中心に説明する。本実施形態のタイマ割込み処理(図39)が第1〜第5の実施形態のタイマ割込み処理(図15)と異なるのは、システム動作ステータスに応じて(S200)、設定変更処理(S201〜S213,S102a)、設定確認処理(S221〜S225,S102a)を実行する点、及びS102のLED管理処理がS102aに変更された点である。
本実施形態のタイマ割込み処理(図39)では、例えば電源異常チェック処理(S91)、入力管理処理(S92)に続いて、システム動作ステータスを判定し(S200)、その値が00Hであれば、第1〜第5の実施形態のタイマ割込み処理(図15)と同じくタイマ管理処理(S93)に移行するが、システム動作ステータスが02Hであれば設定変更処理(S201〜S213,S102a)に、01Hであれば設定確認処理(S221〜S225,S102a)に夫々移行する。
システム動作ステータスの値が00Hの場合に実行するS93以降の処理については、第1〜第5の実施形態のタイマ割込み処理(図15)と略同じであるが、LED管理処理(S102a)が若干異なっている。このLED管理処理(図40)が第1〜第5の実施形態のLED管理処理(図20)と異なるのは、システム動作ステータスの値に応じてLEDコモン出力選択テーブル及びLEDデータポートを選択する点である。即ち、本実施形態のLED管理処理(図40)では、システム動作ステータスが00Hであれば(S230:=00H)、LEDコモン出力選択テーブル0及びLEDデータポート0が(S231a,S232a)、システム動作ステータスが01H又は02Hであれば(S230:=01H,02H)、LEDコモン出力選択テーブル1及びLEDデータポート1が選択され(S231b,S232b)、その後のS133〜S136で用いられるようになっている。
なお、システム動作ステータスが00Hの場合に選択されるLEDコモン出力選択テーブル0は、第1〜第5の実施形態のタイマ割込み処理(図15)で用いられるLEDコモン出力選択テーブル(図21)と同一であり、使用されるLEDデータポート0も第1〜第5の実施形態のタイマ割込み処理(図15)と同じである。即ち、システム動作ステータスが00Hの場合のLED管理処理(図40)の処理内容は、第1〜第5の実施形態のタイマ割込み処理(図15)と全く同じであるため、ここでは説明を省略する。また、システム動作ステータスが01H又は02Hの場合の処理については後述する。
図39のタイマ割込み処理に戻って説明を続ける。システム動作ステータスの値が02Hの場合に実行する設定変更処理(S201〜S213,S102a)では、まず設定変更期間が開始したことを示す設定変更開始コマンド(BA76H)を送信する(S201)。サブ制御基板83aが設定変更開始コマンド(BA76H)を受信すると、例えば液晶表示手段66には「設定変更中」等の表示が行われる。
次に、RAMの設定値ワーク領域から設定値データを読み出し、設定作業値として例えばWレジスタにセットする(S202)。RAM上の設定値ワーク領域には、設定値(設定1〜6の何れか)に応じて0〜5の何れかの設定値データが格納されている。従って、設定値ワーク領域の値が正常であれば、Wレジスタの設定作業値は0〜5の何れかとなる。
次に、Wレジスタの設定作業値を設定最大値(ここでは5)と比較し(S203)、設定作業値が設定最大値よりも大であれば(S204:Yes)、Wレジスタの設定作業値に0をセットする(S205)。これにより、設定値データに異常がある場合、設定作業値に設定1に対応する0を強制的にセットすることができる。
続いて、外部出力端子から出力されるセキュリティ信号をONに設定し(S206)、Wレジスタの設定作業値を、設定値ワーク領域に格納する(S207)。そして、設定変更終了条件が満たされたか否か、即ち設定キースイッチ信号のOFFエッジが検出されたか否かを判定し(S208)、設定キースイッチ信号のOFFエッジが検出されない場合には(S208:No)、設定変更操作が行われたか否か、即ちRAMクリアスイッチ信号のONエッジが検出されたか否かを判定する(S209)。このように本実施形態では、RAMクリアスイッチ92を設定変更操作用にも利用しており、S209では、RAMクリアスイッチ信号のONエッジを検出した場合に設定変更操作が行われたものと判定している。
S209でRAMクリアスイッチ信号のONエッジが検出された場合には(S209:Yes)、Wレジスタの設定作業値をインクリメントした上で(S210)、S203〜S209の処理を再び実行する。この2回目のS203〜S207により、設定値データは0〜4であれば1〜5へ、また5であれば0へと1段階変更される。
1回目のS209でRAMクリアスイッチ信号のONエッジが検出されない場合には(S209:No)、LED管理処理(S102a)を実行し、S106に移行する。また、1回目のS209でRAMクリアスイッチ信号のONエッジが検出された場合(S209:Yes)、2回目のS209ではRAMクリアスイッチ信号のONエッジは検出されないから(S209:No)、この場合もLED管理処理(S102a)を実行し、S106に移行する。
この場合、システム動作ステータスは02Hであるから、LED管理処理(S102a)では、図40に示すように、LED出力カウンタが更新された後(S132)、LEDコモン出力選択テーブル1(図41(b))及びLEDデータポート1を選択する(S230,S231b,S232b)。そして、そのLEDコモン出力選択テーブル1(図41(b))から、LED出力カウンタの値に対応するコモンデータを選択し(S133)、そのコモンデータをLEDコモンポートに出力する(S134)。
本実施形態のLEDコモン出力選択テーブル1では、図41(b)及び図9に示すように、コモンC4をONにする第1コモンデータと、コモンC5をONにする第2コモンデータと、コモンC6をONにする第3コモンデータと、コモンC7をONにする第4コモンデータの4種類のコモンデータが設定されており、それら第1〜第4コモンデータが、LED出力カウンタの増加に応じてその順序で循環的に選択される。これにより、1割込み毎(ここでは4ms毎)に、性能情報表示手段97の点灯対象は7セグ表示部97a→97b→97c→97d→97a→…のように順次変化する。
続いて、選択されたLEDコモンに対応する性能情報表示手段97のLEDデータを作成する(S135)。即ち、コモンC4〜C7の何れかに対応して、7セグ表示部97a〜97dの何れかに対するLEDデータを作成する(図41(b))。本実施形態では、性能情報表示手段97を構成する7セグ表示部97a〜97dのうち、7セグ表示部97dのみを、設定情報を表示する設定表示手段94として利用するため、図41(b)に示すように、設定表示手段94として使用しない7セグ表示部97a〜97cに対応するLEDデータは全て0データがセットされている。
そして、そのLEDデータを、選択されたLEDデータポート(ここでは性能情報表示手段97に接続されるLEDデータポート1)に出力し(S136)、LED管理処理を終了する。これにより、設定変更処理中の設定表示手段94(7セグ表示部97d)には、その時点の設定値データ(0〜5)に応じて「1」〜「6」の何れかが表示される。
また、S208で設定キースイッチ信号のOFFエッジが検出された場合(S208:Yes)、即ち設定変更終了条件が満たされた場合には、設定変更期間を終了し、設定表示手段94(7セグ表示部97d)に、設定値の確定を示す設定確定表示を行う(S211)。この設定確定表示では、設定値データ(0〜5の何れか)に対応して「1.」〜「6.」の何れかが表示される。即ち、それまで表示されていたドットなしの「1」〜「6」に対して「.(ドット)」が付加されることにより、設定値が確定したことを報知するようになっている。
そして、設定変更期間が終了したことを示す設定変更終了コマンド(BA7xH)を送信し、システム動作ステータスに00Hをセットして(S213)、LED管理処理(S102a)を実行し、S106に移行する。この場合のLED管理処理(S102a)は、システム動作ステータスが00Hの状態で行われるため、その処理内容は既に説明した通りである。なお、外端のセキュリティ信号用タイマについては、RAMクリア処理(図38)のS23において既に初期値である30秒に設定されているから、システム動作ステータスが00Hになった後、30秒経過したときに外端のセキュリティ信号はOFFになる。
続いて、システム動作ステータスの値が01Hの場合に実行する設定確認処理(S221〜S225,S102a)について説明する。この場合、まず設定確認期間が開始したことを示す設定値コマンド(BA6xH)を送信する(S221)。そして、外部出力端子から出力されるセキュリティ信号をONに設定し(S222)、設定確認終了条件が満たされたか否か、即ち設定キースイッチ信号のOFFエッジが検出されたか否かを判定する(S223)。
S223で設定キースイッチ信号のOFFエッジが検出されない場合には(S223:No)、そのままLED管理処理(S102a)を実行し、S106に移行する。この場合、システム動作ステータスは01Hであるから、LED管理処理(S102a)では、システム動作ステータスが02Hの場合と同様の処理が行われる。これにより、設定表示手段94(7セグ表示部97d)には、その時点の設定値データ(0〜5)に応じて例えば「1.」〜「6.」の何れかが表示される。
S223で設定キースイッチ信号のOFFエッジが検出された場合には(S223:Yes)、設定確認期間を終了し、システム動作ステータスに00Hをセットして(S224)、セキュリティ信号用タイマに初期値(30秒)を設定する(S225)。そして、LED管理処理(S102a)を実行し、S106に移行する。この場合のLED管理処理(S102a)は、システム動作ステータスが00Hの状態で行われるため、その処理内容は既に説明した通りである。
図42は本発明の第7の実施形態を例示し、第1〜第6の実施形態を一部変更して、期待度表示手段による期待度の段階が最終的に同じであっても、図柄の変動時間が第1変動時間の場合とそれよりも長い第2変動時間の場合とでは、大当り判定の場合に選択される割合が異なるように構成した例を示している。なお、本実施形態が第1〜第6の実施形態と異なるのは、図29(b)の期待度抽選テーブルを図42のように変更した点のみである。
図42に示す期待度抽選テーブルは、図29(b)に示す期待度抽選テーブルと同様、チャレンジ演出抽選テーブル(図29(a))に基づくチャレンジ演出抽選処理において「チャレンジ演出実行せず」が選択された場合に行われる期待度抽選処理で用いられるもので、「期待度表示なし」、「最終期待度表示:@1」、「最終期待度表示:@2」、「最終期待度表示:@3」の4つの選択肢に対する選択率が変動パターン毎に設定されている。
この期待度抽選テーブル(図42)では、例えばSPリーチ変動パターンにおいては、最終期待度表示が同じであれば、疑似回数に拘わらず大当り期待度は同じとなっている。例えば、最終期待度表示として@3が選択される確率は、SPリーチはずれ変動パターンの場合は疑似回数に拘わらず40/100、SPリーチ大当り変動パターンの場合は疑似回数に拘わらず80/100で、大当り期待度は何れも66.6%(=80/(40+80))となる。
一方、主制御基板82a側での各変動パターンの選択割合に関しては、図24−1に示す変動パターン振り分けテーブルより明らかなように、同種の変動パターンにおいては、大当りの場合は疑似回数が多いほど(即ち変動時間が長いほど)選択率が高く、はずれの場合は疑似回数が少ないほど(即ち変動時間が短いほど)選択率が高くなっている。例えば、3種類のSPリーチ大当り変動パターンについては疑似なし、疑似2回、疑似3回の順に選択率が高くなり、3種類のSPリーチはずれ変動パターンについては疑似なし、疑似2回、疑似3回の順に選択率が低くなっている。
このように本実施形態では、期待度表示手段による期待度の段階が最終的に同じであっても、大当り判定の場合に選択される確率は、図柄の変動時間が長いほど(即ち疑似回数が多いほど)高くなっており、疑似回数が多い方が大当りしやすいという疑似連演出の基本的な特徴を保つことができる。またこれにより、変動パターンと期待度表示の段階との組み合わせによって遊技者の期待感を変化させることができ、遊技性の更なる向上が期待できる。なお本実施形態では、説明を簡単にするため、図42のように最終期待度表示が同じ場合の各変動パターンにおける大当り期待度を全く同じにしたが、疑似回数に応じて大当り期待度を異ならせつつ、大当り判定の場合に選択される確率を、図柄の変動時間が長いほど(即ち疑似回数が多いほど)高くしてもよい。
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、実施形態で例示した期待度表示手段は、何れも液晶表示手段66に対して期待度表示を行うように構成したが、これに代えて或いは加えて、液晶表示手段66以外の画像表示手段やLED等のランプ表示による期待度表示を実行可能としてもよい。また、音声出力による期待度報知を実行可能としてもよい。
期待度表示に応じてランプ演出(LED等による発光演出)を実行してもよい。この場合、期待度表示用のランプレイヤを設け、予告等の他の演出で用いるランプレイヤより優先度を高くすることが望ましい。これにより、期待度表示に応じたランプ演出を他の演出におけるランプ演出と並行して実行することができ、且つ他の演出におけるランプ演出に紛れることなく期待度表示のランプ演出を優先して実行することが可能である。
期待度表示が上限値(例えば@3)に達した場合に、その旨を報知する上限値達成演出(例えば画面に「MAX」の表示を行う)を実行してもよい。また、この上限値達成演出に続いて、リーチ成立、ノーマルリーチからSPリーチへの昇格、その他の特定リーチ演出を実行するように構成してもよい。これにより、遊技者による期待感を更に喚起することが可能となる。
実施形態では、大当り判定乱数の範囲を規定する下限値情報と上限値情報について、設定値毎に上限値情報を異ならせ、下限値情報を共通とした例を示したが、設定値毎に下限値情報を異ならせ、上限値情報を共通としてもよいし、下限値情報と上限値情報の両方を設定値毎に異ならせてもよい。
また本発明は、アレンジボール機、雀球遊技機等の各種弾球遊技機の他、スロットマシン等の弾球遊技機以外の遊技機においても同様に実施することが可能である。