以下、本発明の実施形態について説明する。なお、以下に説明される実施形態は本発明の一例にすぎず、本発明の要旨を変更しない範囲で、本発明の実施形態を適宜変更できることは言うまでもない。
本実施形態では、図1に示されるプリンタ10を説明する。プリンタ10は、有線LANや無線LANであるLAN15と接続されて使用される。プリンタ10の他、管理コンピュータ13や、パーソナルコンピュータなどの端末装置や、ルータ12などがLAN15に接続されている。管理コンピュータ13、端末装置、ルータ12、及びLAN15からなる通信システムは、システム管理者によって管理される。すなわち、本実施形態のプリンタ10は、システム管理者によって、他の端末装置と一緒に管理される。LAN15を用いて構成されるローカルネットワークは、通信ネットワークの一例である。なお、通信ネットワークは、LAN15で用いられるTCP/IPなどの通信プロトコルの他、独自規格の通信プロトコルを使用したものであってもよい。すなわち、通信ネットワークの種類はLANに限定されない。また、通信ネットワークは、複数のローカルネットワークを接続したWAN(Wide Area Networkの略)などであってもよい。
ルータ12は、インターネット14と接続されている。すなわち、通信システムは、ルータ12を介して、外部ネットワークと接続されている。ルータ12は、ゲートウェイ装置の一例である。
システム管理者は、管理コンピュータ13を用いて、通信システムの管理を行う。具体的には、システム管理者は、管理コンピュータ13を用いて、総通信設定をルータ12に登録する。ルータ12は、登録された総通信設定に基づいて、LAN15に接続された端末装置やプリンタ10とインターネット14上の外部機器との間の通信を仲介する。
システム管理者が所有する、或いは使用権限を有する情報処理装置11がインターネット14に接続されている。プリンタ10は、消耗品の残量などに関する情報を、ルータ12及びインターネット14を通じて情報処理装置11に送信する。情報処理装置11は、プリンタ10が送信した情報を管理する。システム管理者は、プリンタ10が送信した情報に基づいて、プリンタ10における消耗品の残量などを監視し、消耗品をユーザに対して発送するなどのサービスをユーザに提供する。すなわち、システム管理者は、プリンタ10を用いてユーザにサービスを提供するサービス提供者でもある。
プリンタ10は、ルータ12に登録された上述の総通信設定に応じた通信設定を、後述のカートリッジ16(図2)から取得して、自己の通信設定を行う機能を有する。プリンタ10は、当該機能により、システム管理者が通信設定をプリンタ10に手入力するなどの手間を低減する。以下、詳しく説明する。なお、図1では、1台のプリンタ10のみが接続された例を示しているが、プリンタ10は、複数であってもよい。
管理コンピュータ13は、パーソナルコンピュータやサーバである。管理コンピュータ13は、コントローラ71と、不図示のディスプレイ、ユーザI/F、通信I/Fと、を備える。「I/F」は、インタフェースの略である。ユーザI/Fは、キーボードやマウスである。通信I/Fは、LAN15において規定された通信プロトコルにしたがって情報やデータを送受信するインタフェースである。コントローラ71は、CPU72と、メモリ73と備える。メモリ73は、例えば、ROMやRAMやハードディスクである。メモリ73は、オペレーティングシステムである不図示のOS及び管理プログラム74を記憶する。管理プログラム74は、ルータ12に総通信設定を登録して通信システムの管理を行うプログラムである。また、メモリ73は、ルータ12に登録される総通信設定を管理する通信管理データベースを記憶する。システム管理者は、ユーザI/Fを通じて種々の設定を通信管理データベースに登録する。
図5(A)は、通信管理データベースの一例を示す。通信管理データベースは、種々の項目と、複数のレコードと、を有する。一のノードに対して、一のレコードが生成される。ノードは、パーソナルコンピュータなどの端末装置や、プリンタ10である。複数の項目は、「ノードID」、「種別」、「IPアドレス」、「ロケーション情報」、「グループ」などである。項目「ノードID」は、MACアドレスやシリアル番号など、ノードを個々に識別可能な情報である。ノードIDは、システム管理者が個々のノードにそれぞれ付与したプライベートなIDであってもよい。項目「種別」は、ノードの種別を示す。図示例における「管理PC」は、管理コンピュータ13を示す。「PC」は、パーソナルコンピュータを示す。「プリンタ」は、プリンタ10を示す。
項目「IPアドレス」は、LAN15において、各ノードに対して設定されたプライベートIPアドレスを示す。一のノードに対して、一のIPアドレスが付与されている。図示例では、ノードID「ACD038」のパーソナルコンピュータに対して、IPアドレス「192.168.1.3」が付与されている。また、ノードID「ADK083」のプリンタ10に対して、IPアドレス「192.168.1.4」が付与されている。ノードID「ACD038」のパーソナルコンピュータにIPアドレス「192.168.1.3」を入力することにより、当該パーソナルコンピュータは、ルータ12に認識される。すなわち、当該パーソナルコンピュータは、LAN15に接続された他のノードやインターネット14と接続された外部機器と通信可能となる。同様に、ノードID「ADK083」のプリンタ10にIPアドレス「192.168.1.4」を入力することにより、プリンタ10は、ルータ12に認識され、LAN15に接続された他のノードや外部機器と通信可能となる。なお、IPアドレス「192.168.1.20」、「192.168.1.38」は、ノードと対応付けられていないアドレスである。当該IPアドレスは、例えば、ノードが追加された場合や、ノードに一時的に使用させる場合に使用される。通信管理データベースにおいて、プリンタ10を示すノードIDと対応付けて登録された「192.168.1.4」は、既登録アドレスの一例である。
項目「ロケーション情報」は、ノードが設置される「1階」や「2階」などの場所や、ノードが所属する「システム管理部」や「開発部」や「企画部」などの部署名等である。項目「グループ」は、各ノードが所属するグループを示す。図示例では、プリンタ10は、グループ「D」に所属している。ただし、ロケーション情報「システム管理部」に属する全てのノードが同一のグループに属し、ロケーション情報「開発部」に属する全てのノードが他の同一のグループに属するように、部署ごとにグループ分けされていてもよい。
図5(B)は、通信管理データベースのサブデータベースを示す。サブデータベースは、複数の項目と、複数のレコードとを有する。一のグループに対して、一のレコードが生成される。項目「情報処理装置」は、システム管理者の情報処理装置11との通信を許可するか許可しないかを示す。項目「サーバA」は、外部機器であるサーバAとの通信を許可するか許可しないかを示す。項目「フリー接続」は、外部機器との通信を制限するか制限しないかを示す。フリー接続「許可」は、外部機器との通信を制限しないことを示す。項目「許可時間帯」は、外部機器との通信が許可される時間帯を示す。項目「許可通信量」は、外部機器にデータを送信する通信量或いは外部機器からデータを受信する通信量の上限を示す。例えば、システム管理部に所属するパーソナルコンピュータは、グループ「A」に属し、時間帯や通信量が制限されることなく、かつ外部機器と制限なく通信を許可されている。また、全てのプリンタ10は、グループ「D」に属し、消耗品の残量等を送信するために情報処理装置11との通信が許可される一方で、サーバAなどの他の外部機器との通信を制限されている。また、プリンタ10は、故障などが生じたときに情報処理装置11に即座に情報を送信可能なように、通信時間帯を制限されていない。また、プリンタ10は、残量を示す残量値等を情報処理装置11に送信可能であれば十分であるので、他のノードよりも、許可通信量の上限が低く設定されている。サブデータベースにおける項目「サーバA」、「フリー接続」、「許可時間帯」、「許可通信量」が示す情報は、ノードの通信を制限或いは許可する制限情報或いは許可情報である。
次に、システム管理者が使用する情報処理装置11について説明する。情報処理装置11は、例えば、インターネット14上にURLを公開するウェブサーバである。情報処理装置11は、コントローラ61と、不図示のディスプレイ、ユーザI/F、通信I/Fと、を備える。ディスプレイ、ユーザI/F、通信I/Fの構成は、管理コンピュータと同じである。コントローラ61は、CPU62と、メモリ63とを備える。メモリ63は、例えば、ROMやRAMやハードディスクである。メモリ63は、オペレーティングシステムである不図示のOS及び収集管理プログラム64を記憶する。収集管理プログラム64は、プリンタ10が送信した情報を管理するプログラムである。また、メモリ63は、プリンタ10が送信した情報を管理するプリンタ管理データベースを記憶する。
図4を参照して、プリンタ管理データベースについて説明する。プリンタ管理データベースは、複数の項目と、複数のレコードとを有する。一のプリンタ10に対して、一のレコードが生成される。複数の項目は、項目「識別情報」、「印刷条件」、「送信種別情報」、「管理情報」などである。項目「識別情報」は、2つのサブ項目を有する。サブ項目「ユーザ識別情報」は、ユーザを識別する情報であって、例えば、システム管理者がユーザに付与したユーザIDなどである。サブ項目「ノードID」は、通信管理データベースで説明した「ノードID」と同じである。
項目「印刷条件」は、プリンタ10に許可する印刷条件を示す。項目「印刷条件」は、複数のサブ項目を有する。サブ項目「用紙サイズ」は、プリンタ10に許可する用紙サイズを示す。図示例では、識別情報「AAA ADK083」で識別されるプリンタ10は、A4の用紙サイズの印刷のみを許可されている。サブ項目「印刷枚数(日)」は、1日に印刷が許可される用紙の枚数を示す。図示例では、識別情報「AAA ADK083」で識別されるプリンタ10は、1日に100枚までの印刷を許可されている。サブ項目「カラー/モノクロ」は、モノクロ印刷のみ、カラー印刷のみ、或いは両方の印刷を許可するか否かを示す。図示例では、識別情報「AAA ADK083」で識別されるプリンタ10は、モノクロ印刷のみを許可されている。なお、項目「印刷条件」は、図示例以外のサブ項目をさらに有していてもよい。
項目「送信種別情報」は、プリンタ10に送信させる情報の種別を示す。項目「送信種別情報」は、複数のサブ項目を有する。サブ項目「残量」の「ON」は、残量値をプリンタ10に送信させることを示す。サブ項目「インクロー」の「ON」は、プリンタ10に装着された後述のカートリッジ16が貯留するインクの残量が少なくなったことを示す情報をプリンタ10に送信させることを示す。サブ項目「インクエンプティ」の「ON」は、前記のカートリッジ16が貯留するインクが使い切られたことを示す情報をプリンタ10に送信させることを示す情報である。サブ項目「紙詰まり」の「ON」は、プリンタ10において紙詰まりが発生した場合に、紙詰まりを示す情報をプリンタ10に送信させることを示す。なお、項目「送信種別情報」は、図示例以外のサブ項目をさらに有していてもよい。
項目「管理情報」は、プリンタ10が送信した情報を示す。すなわち、プリンタ10が送信した情報は、項目「管理情報」に登録される。詳しくは後述するが、収集管理プログラム64は、プリンタ10が送信したリクエストに含まれる識別情報と一致する識別情報を有するレコードを特定し、特定したレコードの項目「管理情報」に、受信したリクエストに含まれる情報を登録する。項目「管理情報」は、複数のサブ項目を有する。サブ項目「現在残量」は、プリンタ10が送信した最新の残量値が登録される。サブ項目「現在残量」は、さらに4つのサブ項目を有する。4つのサブ項目は、それぞれ前記のカートリッジ16が貯留するインクの色を示す。サブ項目「M」、「C」、「Y」、「Bk」は、それぞれ、マゼンタ、シアン、イエロー、ブラックの色を示す。サブ項目「印刷枚数累計」は、プリンタ10がこれまでに印刷した用紙の枚数の総数を登録される。サブ項目「カートリッジ交換回数」は、プリンタ10において前記のカートリッジ16が交換された回数を登録される。サブ項目「カートリッジ交換回数」は、さらに複数のサブ項目「M」、「C」、「Y」、「Bk」を有する。サブ項目「クリーニング回数」は、プリンタ10においてクリーニングが実行された回数を登録される。クリーニングとは、プリンタ10が有する後述のヘッド34のノズルからインクを吸引してヘッド34のノズルをクリーニングすることを意味する。サブ項目「クリーニング回数」は、さらに複数のサブ項目を有する。サブ項目「CMY」は、プリンタ10において、マゼンタ、シアン、イエローの色のインクについてクリーニングが行われた回数を登録される。サブ項目「Bk」は、プリンタ10において、ブラックの色のインクについてクリーニングが行われた回数を登録される。サブ項目「全」は、プリンタ10において、全ての色のインクについてのクリーニングが行われた回数を登録される。なお、プリンタ10は、マゼンタ、シアン、イエローの色のインクを吐出するノズルからのみインクを吸引する機能と、ブラックの色のインクを吐出するノズルからのみインクを吸引する機能と、全てのノズルからインクを吸引する機能とを有するプリンタである。すなわち、プリンタ10は、マゼンタ、シアン、イエローの色のインクと、ブラックの色のインクとを分けて吸引することもできるし、全ての色のインクをまとめて吸引することもできる。項目「紙詰まり回数」は、プリンタ10において紙詰まりが発生した回数を登録される。項目「カートリッジ発送情報」は、カートリッジ16が発送されたか否か、及び発送された発送日を登録される。項目「カートリッジ発送情報」は、例えば、システム管理者がカートリッジ16の発送を手配したことに応じて、システム管理者によって登録される。項目「カートリッジ発送情報」は、さらに複数のサブ項目「M」、「C」、「Y」、「Bk」を有する。なお、項目「カートリッジ発送情報」に登録された発送日は、プリンタ10が送信したリクエストに、前記のカートリッジ16が交換されたことを示す交換情報が含まれることに応じて、リセットされる。図における「−」は、リセットされた状態を示している。なお、項目「管理情報」は、図示例以外のサブ項目をさらに有していてもよい。
また、プリンタ管理データベースは、項目「印刷条件」や、項目「送信種別情報」や、項目「管理情報」以外の項目をさらに有していてもよい。例えば、プリンタ管理データベースは、項目「送信タイミング」をさらに有していてもよい。項目「送信タイミング」は、サブ項目「通常」、「インクロー」、「インクエンプティ」、「紙詰まり」などを有する。サブ項目「通常」には、インクローやインクエンプティや紙詰まりが生じていない場合に、プリンタが残量値などを送信する送信タイミングが登録される。例えば、「12時間」や「24時間」や「2日」などの期間が、システム管理者によって、サブ項目「通常」に登録される。サブ項目「インクロー」には、インクローが生じた場合に、プリンタ10が残量値などを送信する送信タイミングが登録される。サブ項目「インクエンプティ」には、インクエンプティが生じた場合に、プリンタ10においてカートリッジ16が交換されたことなどを示す情報を送信する送信タイミングが登録される。サブ項目「紙詰まり」には、プリンタ10において、紙詰まりが解消したことなどを示す情報を送信する送信タイミングが登録される。
次に、図1から図3を参照して、プリンタ10について説明する。プリンタ10は、ユーザがシステム管理者と契約を締結して使用する態様でのみ用いられる専用仕様のプリンタであってもよいし、ユーザとシステム管理者との契約の有無に拘わらず使用される汎用のプリンタであってもよい。以下では、プリンタ10が、汎用のプリンタである例を説明する。また、以下では、ユーザがシステム管理者と契約を締結して使用する態様を契約使用態様と記載し、ユーザがシステム管理者と契約を締結せずに使用する態様を通常使用態様と記載して説明する。プリンタ10は、画像記録装置の一例である。
プリンタ10は、図2に示されるように、筐体20と、筐体20に保持されるパネルユニット21、カバー22、給紙トレイ23、及び排紙トレイ24と、を備える。
パネルユニット21は、パネル本体41と、パネル本体41に保持されたタッチパネル42及び複数の操作スイッチ45とを備える。パネル本体41は、矩形板状であり、筐体20の一面に取り付けられている。以下では、プリンタ10が水平面に載置された状態において、パネル本体41が位置する筐体20の一面を前面として前後方向8を定義し、鉛直方向に沿う方向を上下方向7として説明する。また、プリンタ10を前方から見た場合の左右を左右方向9として定義して説明する。前後方向8及び左右方向9は、水平面と平行であって、かつ上下方向7とそれぞれ直交しており、さらにかつ、互いに直交している。
タッチパネル42は、図1に示されるように、画像を表示する表示パネル43と、表示パネル43に重畳された透明な膜状のタッチセンサ44と、を有する。タッチセンサ44は、ユーザがタッチした表示パネル43における位置を示す位置情報を出力する。位置情報は、例えば、表示パネル43の左上端を原点とし、右向きをx軸の正の向き、下向きをy軸の正の向きとした場合のx−y平面上の座標(x,y)である。
タッチパネル42の表示パネル43及びタッチセンサ44は、ケーブルなどによって、後述のコントローラ51と接続されている。コントローラ51は、表示パネル43に画像データを出力して表示パネル43に画像を表示させる。また、コントローラ51は、タッチセンサ44が出力した位置情報を受け付ける。コントローラ51は、タッチセンサ44から入力された位置情報が示す位置に表示させているアイコンなどのオブジェクトを、ユーザが選択したオブジェクトと判断する。
操作スイッチ45は、ユーザ操作に応じて開閉される接点を有する。操作スイッチ45は、接点が開かれた場合と、閉じられた場合とで、異なる電圧値を出力する。操作スイッチ45は、ケーブルなどによって、コントローラ51と接続されている。コントローラ51は、操作スイッチ45から入力された電圧値によって、操作スイッチ45がユーザによって操作されたか否かを判断する。タッチセンサ44及び操作スイッチ45は、ユーザインタフェースの一例である。なお、タッチセンサ44と操作スイッチ45との一方のみがパネルユニット21に設けられていてもよい。
給紙トレイ23は、図2に示されるように筐体20の下部に位置しており、着脱可能に筐体20に保持されている。排紙トレイ24は、筐体20の下部であって、給紙トレイ23の上に位置しており、給紙トレイ23或いは筐体20に保持されている。カバー22は、筐体20の前面の右部に位置しており、回動可能に筐体20に保持されている。カバー22は、筐体20の右部に設けられた開口30を閉塞する閉塞位置と、開口30を開放する開放位置との間で回動する。装着ケース32が、開口30の奥に配置されており、筐体20に保持されている。装着ケース32は、カートリッジ16を着脱可能に保持する構成を有する。当該構成は周知であるので、詳しい説明は省略する。装着ケース32は、装着部の一例である。
装着ケース32は、複数のカートリッジ16を着脱可能に保持する。図示例では、装着ケース32は、4つのカートリッジ16を着脱可能に保持している。4つのカートリッジ16は、例えば、マゼンタ、シアン、イエロー、ブラックの色のインクのうちの1つの色のインクをそれぞれ貯留する。すなわち、プリンタ10は、いわゆるインクジェットプリンタ、かつ、カラープリンタである。ただし、装着ケース32は、ブラックの色のインクを貯留する1つのカートリッジ16のみを着脱可能に保持してもよい。すなわち、プリンタ10は、いわゆるモノクロプリンタであってもよい。また、装着ケース32は、インクではなく、トナーを収容する一乃至複数のカートリッジ16を着脱可能に保持してもよい。すなわち、プリンタ10は、いわゆるレーザプリンタであってもよい。
装着ケース32は、図2に示されるカートリッジI/F49を有する。カートリッジI/F49は、例えば端子である。カートリッジI/F49は、装着ケース32に装着されたカートリッジ16が有するICチップ17(図1)の不図示の電極と当接する位置に位置する。カートリッジI/F49は、不図示のケーブルによって、後述のコントローラ51と接続されている。カートリッジI/F49は、カートリッジインタフェース及び情報入力インタフェースの一例である。
なお、カートリッジI/F49は、アンテナであってもよい。例えば、カートリッジI/F49として、パターンアンテナを有する基板が装着ケース32に位置する。ICチップ17は、同様のアンテナを有する。カートリッジI/F49は、ICチップ17のアンテナに受信される電波を出力し、ICチップ17のアンテナが出力した電波を受信する。すなわち、カートリッジI/F49は、電波によって、ICチップ17から情報やデータを受信し、ICチップ17に対して情報やデータを送信する。
また、カートリッジI/F49は、発光ダイオード及びフォトダイオードであってもよい。例えば、カートリッジI/F49として、発光ダイオード及びフォトダイオードを有する基板が装着ケース32に位置する。ICチップ17は、同様の発光ダイオード及びフォトダイオードを有する。カートリッジI/F49は、ICチップ17のフォトダイオードに受光される光を出射し、ICチップ17の発光ダイオードが出射した光を受信する。すなわち、カートリッジI/F49は、光によって、ICチップ17から情報やデータを受信し、ICチップ17に対して情報やデータを送信してもよい。
液面センサ38が、装着ケース32に設けられている。液面センサ38は、例えば、発光ダイオードとフォトダイオードとを有するフォトインタラプタである。液面センサ38は、発光ダイオードとフォトダイオードとの光路上に、装着ケース32に装着されたカートリッジ16が位置するように設けられている。カートリッジ16は、上述の光路上に位置する部分において、透光性を有する。例えば、カートリッジ16は、透光性を有する樹脂成型品を少なくとも一部に用いて製造される。
液面センサ38は、その上記光路が上下方向7におけるカートリッジ16の上端と下端との間となるように位置している。図示例では、液面センサ38の光路は、上下方向7におけるカートリッジ16の上端と下端との中間となる位置よりも下方に位置している。液面センサ38は、上述の光路上にインクが有る場合に第1検出信号を出力し、光路上にインクがない場合に、第1検出信号とは異なる第2検出信号を出力する。なお、以下では、液面センサ38の光路の位置を「検出位置」と記載して説明する。
液面センサ38は、不図示のケーブルなどを用いて、コントローラ51と接続されている。すなわち、液面センサ38が出力する第1検出信号及び第2検出信号は、コントローラ51に入力される。コントローラ51は、液面センサ38から入力された信号が第1検出信号と第2検出信号のいずれかによって、装着ケース32に装着されたカートリッジ16が貯留するインクの液面が検出位置に到達したか否かを判断する。詳しくは後述する。
カートリッジ16は、インクを貯留する内部空間を有する箱状である。カートリッジ16の基本的な構成は周知であるので、詳しい説明は省略する。カートリッジ16は、ICチップ17を備える。図示例では、ICチップ17は、カートリッジ16の上面に取り付けられている。ICチップ17は、端子であるカートリッジI/F49と当接する不図示の電極と、当該電極と電気的に接続されたICメモリ18と、を有する。或いは、ICチップ17は、電極に代えて、パターンアンテナなどのアンテナ、或いは発光ダイオード及びフォトダイオードを有する。ICメモリ18は、カートリッジメモリの一例である。ICメモリ18は、種々の情報を記憶する。具体的には、ICメモリ18は、型番、種別情報、初期貯留量値、CTGシリアル番号、ユーザ識別情報、送信アドレス、特定IPアドレス、印刷条件情報、及び送信種別情報を記憶する。印刷条件情報及び送信種別情報は、装置設定情報の一例である。
型番は、カートリッジ16が貯留するインクの色や、染料や顔料などのインクの種別に応じてカートリッジ16に付与される識別情報である。種別情報は、カートリッジ16が契約使用態様で使用されるカートリッジであるか、通常使用態様で使用されるカートリッジであるかを示す情報である。例えば、種別情報は、ICメモリ18の所定のアドレスに記憶された「0」又は「1」を示す1ビットのデータである。例えば、「1」は、契約使用態様で使用されるカートリッジであることを示し、「0」は、通常使用態様で使用されるカートリッジであることを示す。ただし、種別情報は、型番に含まれていてもよい。すなわち、一の型番は、一のインクの色及び種別と、通常使用態様で使用されるか契約使用態様で使用されるかを示していてもよい。なお、プリンタ10が、契約使用態様でのみ使用される専用仕様である場合、種別情報は、ICメモリ18に記憶されない。種別情報は、適正認証情報の一例である。また、型番が、契約使用態様或いは通常使用態様を示す場合、型番は、適正認証情報の一例である。
初期貯留量値は、カートリッジ16が貯留する初期のインクの量を示す。初期貯留量値は、コントローラ51におけるカートリッジ16内のインクの残量の算出等に使用される。CTGシリアル番号は、カートリッジ16を個々に識別する番号である。また、CTGシリアル番号は、コントローラ51が、カートリッジ16が交換されたか否かの判断をするために用いられる。例えば、後述のコントローラ51は、ICメモリ18から取得したCTGシリアル番号が、メモリ53に記憶されたCTGシリアル番号と一致しないことに応じて、カートリッジ16が交換されたと判断する。詳しくは後述する。
ユーザ識別情報は、システム管理者がユーザに設定した情報であり、上述のプリンタ管理データベースにおける「ユーザ識別情報」と同じである。送信アドレスは、情報処理装置11が公開するURL或いは情報処理装置のIPアドレスである。特定IPアドレスは、通信管理データベースにおいて、プリンタ10に設定されたIPアドレスである。例えば、IPアドレス「192.168.1.4」が特定IPアドレスとしてICメモリ18に記憶される。IPアドレス「192.168.1.4」を記憶するICメモリ18を有するカートリッジ16は、通信管理データベース(図5)においてIPアドレス「192.168.1.4」と対応付けられたノードID「ADK083」で示されるプリンタ10に装着される。特定IPアドレスは、通信設定情報の一例である。
印刷条件情報は、プリンタ管理データベース(図4)の項目「印刷条件」に対応する情報である。印刷条件情報は、プリンタ10に許可する印刷条件を示す。例えば、ノードID「ADK083」で示されるプリンタ10の装着ケース32に装着されるカートリッジ16のICメモリ18は、用紙サイズ「A4」、印刷枚数「100」、「モノクロ」を示す印刷条件情報を記憶する。送信種別情報は、プリンタ管理データベース(図4)の項目「送信種別情報」に対応する情報である。送信種別情報は、プリンタ10に送信させる情報を示す。例えば、ノードID「ADK083」で示されるプリンタ10の装着ケース32に装着されるカートリッジ16のICメモリ18は、残量「ON」、インクロー「ON」、インクエンプティ「ON」、紙詰まり「ON」を示す送信種別情報を記憶する。
カートリッジ16のICメモリ18が記憶する送信アドレス、特定IPアドレス、印刷条件情報、及び送信種別情報は、プリンタ10の後述のメモリ53のEEPROM57に記憶される。プリンタ10の後述のコントローラ51は、EEPROM57に記憶された印刷条件にしたがって印刷を実行し、送信種別情報が示す残量値などの情報を、送信アドレスが示す情報処理装置11に、特定IPアドレスを用いて送信する。詳しくは後述する。なお、送信アドレス及び特定IPアドレスは、ICメモリ18に情報やデータを記憶させることが可能な端末装置を用いてICメモリ18に記憶される。当該端末装置は、プリンタ10であってもよい。すなわち、システム管理者は、ユーザに提供するプリンタ10と同様の仕様のプリンタ10を所持し、所持するプリンタ10を用いて、送信アドレス及び特定IPアドレスをカートリッジ16のICメモリ18に記憶させる。
筐体20は、印刷エンジン40を内部に保持する。印刷エンジン40は、給紙ローラ25、搬送ローラ26、排紙ローラ27、プラテン28、及び記録ユニット29を主に備える。印刷エンジン40は、印刷部の一例であり、当該印刷部は、少なくとも記録ユニット29を備える。給紙ローラ25は、給紙トレイ23に載置された用紙6に当接可能に、筐体20内に設けられた不図示のフレームに保持されている。給紙ローラ25は、不図示のモータによって回転される。回転する給紙ローラ25は、用紙6を搬送路37に送り出す。搬送路37は、不図示のガイド部材によって区画された空間である。図示例では、搬送路37は、給紙トレイ23の後端から給紙トレイ23の上方となる位置まで湾曲して延びており、次いで、前方に向かって延びている。
搬送ローラ26は、用紙6の搬送向きにおける給紙トレイ23の下流に位置している。搬送ローラ26は、従動ローラ35とともに、ローラ対を構成している。搬送ローラ26は、不図示のモータによって回転される。回転する搬送ローラ26及び従動ローラ35は、給紙ローラ25によって搬送路37に送り出された用紙6を挟持しつつ搬送する。排紙ローラ27は、用紙6の搬送向きにおける搬送ローラ26の下流に位置している。排紙ローラ27は、従動ローラ36とともに、ローラ対を構成している。排紙ローラ27は、不図示のモータによって回転される。回転する排紙ローラ27及び従動ローラ36は、用紙6を挟持しつつ搬送し、排紙トレイ24に排出する。プラテン28は、前後方向8における搬送ローラ26と排紙ローラ27との間であって、用紙6の搬送向きにおける搬送ローラ26の下流、かつ排紙ローラ27の上流に位置している。
記録ユニット29は、プラテン28の上方に位置している。記録ユニット29は、フレームの一部であるガイドレールによって左右方向9(図2)に移動可能に保持されていてもよいし、フレームに固定されていてもよい。すなわち、プリンタは、いわゆるシリアルプリンタであってもよいし、いわゆるラインプリンタであってもよい。記録ユニット29は、ヘッド34を有する。ヘッド34は、インクが流通する流路を内部に有する。当該流路は、チューブ31によって、装着ケース32に装着されたカートリッジ16の内部空間と連通されている。すなわち、チューブ31を通じて、カートリッジ16が貯留するインクがヘッド34に供給される。
ヘッド34は、図1に示されるように、駆動素子50を有している。駆動素子50の一部は、ヘッド34内の流路を構成する。駆動素子50は、不図示のケーブルなどによってコントローラ51と電気的に接続されている。駆動素子50は、圧電素子やヒータである。圧電素子である駆動素子50は、直流電圧を供給されることによって変形し、流路内のインクに圧力を加え、流路の開口であるノズルからインク滴を吐出させる。ヒータである駆動素子50は、直流電圧を供給されることによって発熱し、流路内のインクを突沸させて、ノズルからインク滴を吐出させる。
駆動素子50への直流電圧又は直流電流の供給回数から、ノズルから吐出されたインクの滴数が特定可能である。すなわち、コントローラ51は、上記供給回数をカウントすることで、インク滴の吐出回数のカウント値として算出する。カウント値は、インクの残量の算出などに使用される。詳しくは後述する。
プリンタ10は、図1に示されるコントローラ51と、通信I/F47と、をさらに備える。通信I/F47は、LAN15と接続される。コントローラ51は、中央演算処理装置であるCPU52と、メモリ53と、通信バス54と、を有する。CPU52、メモリ53、タッチパネル42、操作スイッチ45、通信I/F47、及びカートリッジI/F49は、通信バス54と接続されている。すなわち、CPU52は、通信バス54を通じて、メモリ53、タッチパネル42、操作スイッチ45、通信I/F47、及びカートリッジI/F49と情報やデータを受け渡し可能に接続されている。
メモリ53は、ROM55と、RAM56と、EEPROM57と、を有する。ROM55は、オペレーティングシステムであるOS58と、制御プログラム59と、を予め記憶する。OS58及び制御プログラム59に記述された命令は、CPU52によって実行される。すなわち、OS58及び制御プログラム59は、CPU52によって実行される。CPU52によって実行されるOS58及び制御プログラム59は、表示パネル43に画像を表示させ、タッチセンサ44や操作スイッチ45を通じてユーザの入力を受け付ける。また、CPU52によって実行されるOS58及び制御プログラム59は、通信I/F47やカートリッジI/F49を通じて情報やデータを送受信し、受信した情報やデータをメモリ53に記憶させる。
制御プログラム59は、単一のプログラムであってもよいし、複数のモジュールからなるプログラムであってもよい。制御プログラム59は、例えば、UIモジュール、通信モジュール、及び印刷制御モジュールを有する。各モジュールは、いわゆるマルチタスク処理により、疑似的に並行して実行される。
UIモジュールは、画像データを表示パネル43に入力して、アイコンなどのオブジェクトを含む画像を表示パネル43に表示させ、タッチセンサ44や操作スイッチ45が出力する信号を受け付けるプログラムである。通信モジュールは、通信I/F47が接続されるLAN15の通信プロトコルにしたがって情報やデータを送受信するプログラムである。印刷制御モジュールは、印刷データに基づいて、上述のモータの駆動回路やヘッド34が有する駆動素子50の駆動回路に入力する駆動信号を生成して出力するプログラムである。
RAM56は、OS58及び制御プログラム59の実行に用いられ、また、OS58及び制御プログラム59の実行において、情報やデータを一時的に記憶する。EEPROM57は、上述のノードID、CTGシリアル番号、ユーザ識別情報、送信アドレス、印刷条件情報、及び送信種別情報と、第1閾値及び第2閾値と、を記憶する。ノードIDは、プリンタ10のシリアル番号やMACアドレスなどである。CTGシリアル番号、ユーザ識別情報、送信アドレス、印刷条件情報、及び送信種別情報は、コントローラ51によって上述のICメモリ18から読み出され、EEPROM57に記憶される。第1閾値は、装着ケース32に装着されたカートリッジ16が貯留するインクの量が少なくなったか否かを判断する閾値である。すなわち、第1閾値は、インクローであるか否かを判断する閾値である。第2閾値は、装着ケース32に装着されたカートリッジ16が貯留するインクが使い切られたか否かを判断する閾値である。すなわち、第2閾値は、インクエンプティであるか否かを判断する閾値である。詳しくは後述する。インクロー及びインクエンプティは、イベントの一例である。
以下、プリンタ10に通信設定がされ、通信設定がされたプリンタ10が、残量値などを情報処理装置11に送信する場合に、プリンタ10の制御プログラム59が実行する処理について説明する。なお、以下では、プリンタ10の制御プログラム59、情報処理装置11の収集管理プログラム64、管理コンピュータ13の管理プログラム74が実行する処理は、プリンタ10のコントローラ51(特にCPU52)、情報処理装置11のコントローラ61、管理コンピュータのコントローラ71が実行する処理として記載する。
プリンタ10は、作業者によって設置される。そして、作業者は、プリンタ10の装着ケース32に、システム管理者が提供するカートリッジ16を装着する。プリンタ10のコントローラ51は、通常使用態様で使用されるか、契約使用態様で使用されるかを判断して動作モードを決定する動作モード決定処理を実行する。図6を参照して、動作モード決定処理について詳しく説明する。コントローラ51は、例えば、動作モード決定処理を定期的に実行する。或いは、コントローラ51は、プリンタ10に電源が投入されたことに応じて動作モード決定処理を実行する。或いは、コントローラ51は、タッチセンサ44や操作スイッチ45や通信I/F47を通じて所定の入力がされたと判断したことに応じて、動作モード決定処理を実行する。
まず、コントローラ51は、装着ケース32にカートリッジ16が装着されているか否かの判断に相当する処理を実行する(S11)。具体的には、コントローラ51は、カートリッジI/F49を通じてICチップ17と通信可能か否かを判断する。コントローラ51は、カートリッジI/F49を通じてICチップ17と通信可能であることにより、カートリッジ16が装着ケース32に装着されていると判断する(S11:Yes)。コントローラ51は、カートリッジI/F49を通じてICチップ17と通信できないことにより、カートリッジ16が装着ケース32に装着されていないと判断する(S11:No)。なお、装着ケース32にカートリッジ16が装着されているか否かの判断に相当する処理であれば、コントローラ51は、上述の処理以外の処理を実行してもよい。
コントローラ51は、ステップS11の判断を、装着ケース32に装着された全てのカートリッジ16に対して実行する。コントローラ51は、1つでもカートリッジ16が装着ケース32に装着されていないと判断すると(S11:No)、カートリッジ装着指示画面を表示パネル43に表示させる(S12)。具体的には、コントローラ51は、メモリ53のROM55に予め記憶されたカートリッジ装着指示画面を示す画像データを読み出して、表示パネル43に対して出力する。カートリッジ装着指示画面は、例えば、カバー22を開いてカートリッジ16を装着ケース32に装着することを示す文字を含む画面である。
コントローラ51は、全てのカートリッジ16が装着ケース32に装着されたと判断するまで、カートリッジ装着指示画面を表示パネル43に表示させる。コントローラ51は、全てのカートリッジ16が装着ケース32に装着されていると判断すると(S11:Yes)、カートリッジI/F49を通じてICメモリ18から上述の種別情報を取得する(S13)。そして、コントローラ51は、装着ケース32に装着された全てのカートリッジ16のICメモリ18から取得した種別情報が、全て通常使用態様を示すか、全て契約使用態様を示すか、或いは通用使用態様と契約使用態様とが混在するかを判断する(S14)。具体的には、コントローラ51は、取得した種別情報が、全て通常使用態様を示す「0」であるか、全て契約使用態様を示す「1」であるか、通常使用態様を示す「0」と契約使用態様を示す「1」とが混在するか、を判断する。なお、カートリッジ16の型番が使用態様を示す場合、コントローラ51は、当該型番をICメモリ18から取得する。そして、コントローラ51は、取得した型番が通常使用態様を示す型番としてメモリ53に予め記憶されている型番と一致するか否か、及び取得した型番が契約使用態様を示す型番としてメモリ53に予め記憶されている型番と一致するか否かを判断する。
コントローラ51は、取得した種別情報が、全て通常使用態様を示すと判断すると(S14:全て通常使用態様)、メモリ53に記憶された動作モード情報が、第1モードを示すか、第2モードを示すか、動作モードを示さないかを判断する(S15)。動作モード情報は、コントローラ51が、動作モードを決定したことに応じてメモリ53のEEPROM57に記憶させる情報である。動作モード情報は、例えば、EEPROM57に記憶された第1モードフラグ及び第2モードフラグである。「ON」の値の第1モードフラグは、第1モードを示す。「ON」の値の第2モードフラグは、第2モードを示す。「OFF」の値の第1モードフラグ及び第2モードフラグは、動作モードが決定されていないことを示す。第1モードフラグ及び第2モードフラグの初期値はともに「OFF」である。第1モードは、通常使用態様を示すモードである。第2モードは、契約使用態様を示すモードである。
コントローラ51は、「OFF」の値の第1モードフラグ及び「OFF」の値の第2モードフラグがEEPROM57に記憶されていることに応じて、動作モード情報が動作モードを示さないと判断する(S15:なし)。コントローラ51は、動作モード情報が動作モードを示さないと判断すると(S15:なし)、動作モードを第1モードに決定し(S16)、動作モード決定処理を終了する。具体的には、「ON」の値の第1モードフラグをEEPROM57に記憶させる。すなわち、動作モードが決定されていないプリンタ10の装着ケース32に、全て通常使用形態であるカートリッジ16が装着されると、動作モードは、第1モードに決定される。コントローラ51は、「ON」の値の第1モードフラグ及び「OFF」の値の第2モードフラグがEEPROM57に記憶されていることに応じて、動作モード情報が第1モードを示すと判断する(S15:第1モード)。コントローラ51は、動作モード情報が第1モードを示すと判断すると(S15:第1モード)、動作モード決定処理を終了する。すなわち、動作モードが第1モードに決定されているプリンタ10の装着ケース32に、全て通常使用形態であるカートリッジ16が装着されると、動作モードは、第1モードに維持される。コントローラ51は、「OFF」の値の第1モードフラグ及び「ON」の値の第2モードフラグがEEPROM57に記憶されていることに応じて、動作モード情報が第2モードを示すと判断する(S15:第2モード)。コントローラ51は、動作モード情報が第2モードを示すと判断すると(S15:第2モード)、エラー報知を行う(S17)。具体的には、コントローラ51は、メモリ53のROM55に予め記憶されたエラー表示画面を示す画像データを読み出し、読み出した画像データを表示パネル43に入力する。すなわち、動作モードが第2モードに決定されているプリンタ10の装着ケース32に、全て通常使用形態であるカートリッジ16が装着されると、エラー表示画面が表示パネル43に表示される。エラー表示画面は、例えば、「適切なカートリッジが装着されていません。適切なカートリッジを装着してください」の文字と、「OK」アイコンと、「キャンセル」アイコンとを含む。フローチャートには示されていないが、コントローラ51は、エラー表示画面において「OK」アイコンが選択されたことに応じて、ステップS11以降の処理を再度実行する。例えば、ユーザは、適正なカートリッジ16である契約使用態様のカートリッジ16を装着ケース32に装着し直した後、エラー表示画面において「OK」アイコンを選択する。コントローラ51は、エラー表示画面において「キャンセル」アイコンが選択されたと判断すると、動作モードを第1モードに変更し(S18)、動作モード決定処理を終了する。具体的には、コントローラ51は、「ON」の値の第1モードフラグをEEPROM57に記憶させ、「OFF」の値の第2モードフラグをEEPROM57に記憶させる。
コントローラ51は、ステップS14において、取得した種別情報が全て契約使用態様を示すと判断すると(S14:全て契約使用態様)、ステップS15と同様の処理であるステップS19の処理を実行する。コントローラ51は、EEPROM57に記憶された動作モード情報が動作モードを示さないと判断すると(S19:なし)、契約確認画面を表示パネル43に表示させる(S25)。具体的には、コントローラ51は、メモリ53のROM55に記憶された契約確認画面を示す画像データを読み出し、読み出した画像データを表示パネル43に入力する。すなわち、動作モードが決定されていないプリンタ10の装着ケース32に、全て契約使用態様であるカートリッジ16が装着されると、契約確認画面が表示パネル43に表示される。図11(C)は、契約確認画面を示す。契約確認画面は、「管理契約を行いますか?」の文字と、「OK」アイコン81と、「キャンセル」アイコン82と、を含む。「管理契約を行いますか?」の文字及び「OK」アイコン81は、許可オブジェクトの一例である。
コントローラ51は、「OK」アイコン81或いは「キャンセル」アイコン82が選択されるまで、契約確認画面を表示パネル43に表示させる。そして、コントローラ51は、契約確認画面において、「OK」アイコン81が選択されたか、「キャンセル」アイコン82が選択されたかを判断する(S26)。具体的には、コントローラ51は、タッチセンサ44から、「OK」アイコン81を示す位置情報が入力したか、「キャンセル」アイコン82を示す位置情報が入力したかを判断する(S26)。以下では、アイコンを示す位置情報がコントローラ51に入力されたことを、単に、「アイコンが選択された」と記載して説明する。コントローラ51は、「キャンセル」アイコン82が選択されたと判断すると(S26:キャンセル)、動作モードを第1モードに決定する(S16)。具体的には、コントローラ51は、「ON」の値の第1モードフラグをEEPROM57に記憶させる。コントローラ51は、「OK」アイコン81が選択されたと判断すると(S26:OK)、動作モードを第2モードに決定する(S27)。具体的には、コントローラ51は、「ON」の値の第2モードフラグをEEPROM57に記憶させる。そして、コントローラ51は、通信設定処理を実行する(S28)。図7を参照して、通信設定処理について詳しく説明する。
まず、プリンタ10のコントローラ51は、通信I/F47を通じて、装着ケース32に装着されたカートリッジ16のICメモリ18から、ユーザ識別情報、送信アドレス、特定IPアドレス、印刷条件情報、及び送信種別情報を読み出す(S31)。そして、コントローラ51は、読み出したユーザ識別情報をEEPROM57に記憶させる。また、コントローラ51は、読み出した送信アドレス及び特定IPアドレスを、通信設定として規定されたEEPROM57の所定の記憶領域である第1記憶領域に記憶させる(S32)。また、コントローラ51は、読み出した特定IPアドレスを、元特定IPアドレスとして、EEPROM57の所定の記憶領域である第2記憶領域に記憶させる(S33)。さらに、コントローラ51は、ICメモリ18から読み出した印刷条件情報及び送信種別情報を、EEPROM57に記憶させる(S34)。次に、コントローラ51は、送信データを生成する(S35)。送信データは、EEPROM57に記憶されたユーザ識別情報及びノードIDと、通信設定を行ったことを示す初回通知情報と、を含む。コントローラ51は、生成した送信データを含むリクエストを、通信I/F47を通じて、EEPROM57に記憶された送信アドレスが示す情報処理装置11に送信する(S36)。コントローラ51が送信するリクエストは、TCP/IPの通信プロトコルに準拠する。コントローラ51は、当該リクエストの送信元として、EEPROM57の第1記憶領域に記憶あされた特定IPアドレスを用いる。
フローチャートには示されていないが、プリンタ10が送信したリクエストは、LAN15を通じて、ルータ12によって受信される。リクエストを受信したルータ12は、リクエストの送信元を示す特定IPアドレスを取得する。そして、ルータ12は、通信管理データベース(図5(A))において、取得した特定IPアドレスと一致するIPアドレスを有するレコードを特定する。そして、ルータ12は、特定したレコードが有する上述の制限情報及び許可情報(図5(B))を取得する。ルータ12は、取得した制限情報及び許可情報に基づいて、受信したリクエストをインターネット14に対して送信することを許可するか拒否するかを判断する。例えば、リクエストを受信した時刻が、制限情報或いは許可情報である項目「許可時間帯」が示す時間帯の範囲内にあるか否かや、情報処理装置11との通信が許可されているか否かなどを判断する。ルータ12は、許可しないと判断したことに応じて、許可しないことを示す情報を、特定IPアドレスが示すプリンタ10に対して返信する。ルータ12は、許可すると判断したことに応じて、HTTPやHTTPsの通信プロトコルに準拠したリクエストを、送信アドレス宛てに、インターネット14に対して送信する。
情報処理装置11のコントローラ61は、ルータ12を通じてプリンタ10が送信したリクエストを受信する(S36)。コントローラ61は、プリンタ管理データベースにおいて、受信したリクエストに含まれるユーザ識別情報及びノードIDと一致するユーザ識別情報及びノードIDを有するレコードを特定する。なお、以下では、ユーザ識別情報及びノードIDを識別情報と記載して説明する。なお、コントローラ61がノードIDのみでレコードを特定可能であれば、識別情報は、ノードIDのみであってもよい。すなわち、プリンタ10が送信するリクエストは、ユーザ識別情報を含まなくてもよい。
コントローラ61は、受信したリクエストに初回通知情報が含まれることに応じて、特定したレコードが示すプリンタ10の管理を開始する。例えば、コントローラ61は、プリンタ管理データベースが有する不図示の項目「管理開始」に「ON」を登録する。すなわち、項目「管理開始」に「ON」が登録されたレコードが示すプリンタ10は、通信設定及びユーザとの契約が行われて管理が開始されたプリンタであることを示す。次に、コントローラ61は、特定したレコードの不図示の項目「送信タイミング」のサブ項目「通常」に登録された送信タイミングを取得する。送信タイミングは、上述したように、「12時間」や「24時間」などである。そして、コントローラ61は、取得した送信タイミングを含む返信データを生成し(S37)、生成した返信データを含むレスポンスを、通信I/F及びインターネット14を通じて返信する(S38)。
プリンタ10のコントローラ51は、ルータ12及びLAN15を通じて、情報処理装置11が送信したレスポンスを受信する(S38)。そして、コントローラ51は、受信したレスポンスに含まれる第1タイマ値を取得する。コントローラ51は、取得した第1タイマ値を初期値として、不図示のタイマカウンタにカウントダウンを開始させ(S39)、通信設定処理を終了させる。そして、コントローラ51は、図6に示されるように、動作モード決定処理を終了させる。なお、フローチャートには示されていないが、コントローラ51は、リクエストを送信してから所定の時間内に、情報処理装置11が送信したレスポンスを受信しない場合、リクエストを再送するリトライを実行する。
コントローラ51は、ステップS19において、EEPROM57に記憶された動作モード情報が第2モードを示すと判断すると(S19:第2モード)、動作モード決定処理を終了する。すなわち、動作モードが第2モードに決定されているプリンタ10の装着ケース32に、全て契約使用形態であるカートリッジ16が装着されると、動作モードは、第2モードに維持される。コントローラ51は、EEPROM57に記憶された動作モード情報が第1モードを示すと判断すると(S19:第1モード)、ステップS17と同様の処理であるエラー報知を行う(S21)。すなわち、動作モードが第1モードに決定されているプリンタ10の装着ケース32に、全て契約使用形態であるカートリッジ16が装着されると、動作モードは、第1モードに維持される。なお、フローチャートには示されていないが、コントローラ51は、エラー表示画面において「OK」アイコンが選択されたことに応じて、ステップS11以降の処理を再度実行する。例えば、ユーザは、全て適正なカートリッジ16である通常使用態様のカートリッジ16を装着ケース32に装着し直した後、エラー表示画面において「OK」アイコンを選択する。コントローラ51は、エラー表示画面において「キャンセル」アイコンが選択されたと判断すると、動作モード決定処理を終了する。
コントローラ51は、ステップS14において、取得した種別情報が、通常使用態様と契約使用態様とが混在すると判断すると(S14:混在)、ステップS15と同様の処理であるステップS22の処理を実行する。コントローラ51は、EEPROM57に記憶された動作モード情報が第1モードを示すと判断すると(S22:第1モード)、上述のステップS21の処理を行う。すなわち、動作モードが第1モードに決定されているプリンタ10の装着ケース32に、通常使用態様のカートリッジ16と契約使用形態であるカートリッジ16とが装着されると、エラー表示画面が表示された後、第1モードに維持される。コントローラ51は、EEPROM57に記憶された動作モード情報が第2モードを示すと判断すると、或いは動作モード情報が動作モードを示さないと判断すると(S22:第2モード/なし)、上述のステップS17、S18の処理と同様のステップ23、S24の処理を行う。すなわち、動作モードが第2モードに決定されているプリンタ10の装着ケース32に、通常使用態様のカートリッジ16と契約使用形態であるカートリッジ16とが装着されると、エラー表示画面が表示された後、動作モードが第1モードに変更される。具体的には、「ON」の値の第1モードフラグがEEPROM57に記憶され、「OFF」の値の第2モードフラグがEEPROM57に記憶される。また、動作モードが決定されていないプリンタ10の装着ケース32に、通常使用態様のカートリッジ16と契約使用形態であるカートリッジ16とが装着されると、エラー表示画面が表示された後、動作モードが第1モードに決定される。具体的には、「ON」の値の第1モードフラグがEEPROM57に記憶される。
次に、図8を参照して、プリンタ10のコントローラ51が、残量値などの情報を情報処理装置11に送信するために実行するカウント処理、残量値算出処理、及び故障判断処理について説明する。カウント処理は、ヘッド34から流出したインクの量を示す総カウント値を算出してメモリ53に記憶させる処理である。残量値算出処理は、装着ケース32に装着されたカートリッジ16が貯留するインクの量を示す残量値を、総カウント値に基づいて算出する処理である。故障判断処理は、故障が生じた場合に実行される処理である。故障は、イベントの一例である。
まず、図8(A)に示されるカウント処理について説明する。カウント処理は、ヘッド34からインクが流出したことに応じて実行される。例えば、コントローラ51は、印刷エンジン40に印刷データを入力して印刷エンジン40に印刷の実行を指示したことに応じて、カウント処理を実行する。或いは、コントローラ51は、不図示のメンテナンス機構が有するポンプを駆動させたことに応じて、カウント処理を実行する。さらに或いは、コントローラ51は、ヘッド34のメンテナンスのために駆動素子50を駆動させたことに応じて、カウント処理を実行する。
まず、コントローラ51は、駆動素子50が駆動した回数をカウントし、カウント値を取得する(S41)。カウント値は、ヘッド34のノズルからインク滴が吐出された回数、すなわち、ヘッド34から流出したインクの量を示す。また、コントローラ51は、上述のポンプを駆動させた場合、ポンプによってヘッド34から吸引されたインクの量を、インク滴の吐出の回数に換算してカウント値を決定する(S41)。
次に、コントローラ51は、ヘッド34からインクが流出する前と、インクが流出した後とにおいて、液面センサ38から入力する信号が第1検出信号から第2検出信号に変化したか否かを判断する(S42)。すなわち、ステップS42では、ヘッド34からのインクの流出によって、装着ケース32に装着されたカートリッジ16が貯留するインクの液面が検出位置未満になったか否かが判断される。コントローラ51は、液面センサ38から入力する信号が第1検出信号から第2検出信号に変化したと判断すると(S42:第2検出信号)、「ON」の値のセンサフラグをメモリ53のEEPROM57に記憶させる(S43)。センサフラグの値の初期値は「OFF」である。また、コントローラ51は、総カウント値をリセットする(S44)。総カウント値は、ヘッド34から流出したインクの総量を示す値である。すなわち、装着ケース32に装着されたカートリッジ16が貯留するインクの液面が検出位置に達すると、総カウント値が一度リセットされる。一方、コントローラ51は、液面センサ38から入力する信号が第1検出信号から第2検出信号に変化していないと判断すると(S42:第1検出信号)、ステップS43、S44の処理をスキップする。
コントローラ51は、ステップS41で決定したカウント値を、EEPROM57に記憶された総カウント値に加え、新たな総カウント値としてEEPROM57に記憶させる(S45)。総カウント値は、センサフラグが「OFF」の場合、装着ケース32に装着されたカートリッジ16が貯留するインクの初期貯留量からの消費量を示す。センサフラグが「OFF」の場合、総カウント値は、装着ケース32に装着されたカートリッジ16が貯留するインクの液面が検出位置にある状態からの消費量を示す。なお、当該状態においてカートリッジ16が貯留するインクの量を示す固定貯留値が、ROM55或いはEEPROM57に予め記憶される。後述の残量値算出処理では、センサフラグが「OFF」の場合の総カウント値を第1総カウント値と記載し、センサフラグが「ON」の場合の総カウント値を第2総カウント値と記載して説明する。なお、ステップS44において総カウント値がリセットされずに、第1総カウント値と第2総カウント値とが別個にEEPROM57に記憶されてもよい。
次に、コントローラ51は、カートリッジ16が交換されたか否かの判断に相当する処理を実行する(S46)。カートリッジ16の交換の判断の一例について説明する。コントローラ51は、カートリッジ16が装着ケース32に装着されると、カートリッジI/F49を通じてCTGシリアル番号をICメモリ18から取得する。そして、コントローラ51は、メモリ53のEEPROM57に記憶されたCTGシリアル番号と、ICメモリ18から取得したCTGシリアル番号とが一致するか否かを判断する。コントローラ51は、メモリ53のEEPROM57に記憶されたCTGシリアル番号と、ICメモリ18から取得したCTGシリアル番号とが一致しないと判断したことに応じて、カートリッジ16が交換されたと判断する。また、コントローラ51は、カートリッジ16が交換されたと判断したことに応じて、メモリ53のEEPROM57に記憶されたCTGシリアル番号を、ICメモリ18から取得したCTGシリアル番号で上書きする。
コントローラ51は、カートリッジ16が交換されたと判断すると(S46:Yes)、EEPROM57に記憶された総カウント値をリセットし(S47)、カウント処理を終了する。一方、コントローラ51は、カートリッジ16が交換されていないと判断すると(S46:No)、「OFF」の値のセンサフラグをEEPROM57に記憶させ(S48)、カウント処理を終了する。
次に、図8(B)を参照して、残量値算出処理について説明する。コントローラ51は、例えば、表示パネル43にインクの残量を表示すると決定したことに応じて、或いは、情報処理装置11にインクの残量を送信すると決定したことに応じて、残量値算出処理を実行する。まず、コントローラ51は、EEPROM57に記憶されたセンサフラグの値が「ON」であるか「OFF」であるかを判断する(S51)。すなわち、ステップS51では、EEPROM57に記憶された総カウント値が第1総カウント値であるか第2総カウント値であるかが判断される。コントローラ51は、EEPROM57に記憶されたセンサフラグの値が「OFF」であると判断すると(S51:OFF)、初期貯留値をEEPROM57、或いは、カートリッジI/F49を通じてICメモリ18から読み出す(S52)。また、コントローラ51は、第1総カウント値をEEPROM57から読み出す(S53)。そして、コントローラ51は、読み出した初期貯留値から、読み出した第1総カウント値を減じて残量値を算出する(S54)。
一方、コントローラ51は、EEPROM57に記憶されたセンサフラグの値が「ON」であると判断すると(S51:ON)、固定貯留値をROM55或いはEEPROM57から読み出す(S55)。また、コントローラ51は、第2総カウント値をEEPROM57から読み出す(S56)。そして、コントローラ51は、読み出した固定貯留値から、読み出した第2総カウント値を減じて残量値を算出する(S57)。コントローラ51は、ステップS54或いはステップS57で算出した残量値をRAM56或いはEEPROM57に記憶させて(S58)、残量値算出処理を終了する。
なお、図8(A)に示されるカウント処理及び図8(B)に示される残量算出処理は、装着ケース32に装着された全てのカートリッジ16に対して実行される。すなわち、マゼンタ、シアン、イエロー、ブラックの各色のインクについて、カウント処理及び残量算出処理が実行される。そして、ステップS58において、各色の残量値がメモリ53にそれぞれ記憶される。
次に、図8(C)を参照して、故障判断処理について説明する。コントローラ51は、例えば、故障判断処理を定期的に実行する。まず、コントローラ51は、故障が発生したか否かを判断する(S61)。故障は、印刷エンジン40における故障の他、プリンタ10がスキャナ等を備える場合は、スキャナ等における故障も含む。故障は、紙詰まりなどである。コントローラ51が、故障が発生したか否かを判断する処理は、周知であるので、詳しい説明は省略する。コントローラ51は、故障が発生していないと判断すると(S61:No)、故障判断処理を終了する。一方、コントローラ51は、故障が発生していると判断すると(S61:Yes)、故障種別を特定する(S62)。そして、コントローラ51は、故障を示す情報をメモリ53のEEPROM57に記憶させる(S63)。例えば、コントローラ51は、紙詰まりが発生したと判断したことに応じて(61:Yes、S62)、「ON」の値の紙詰まりフラグをEEPROM57に記憶させる(S63)。なお、紙詰まりフラグの初期値は「OFF」である。コントローラ51は、紙詰まりが解消したと判断したことに応じて、「OFF」の値の紙詰まりフラグをEEPROM57に記憶させる。コントローラ51は、ステップS63の処理の実行後、故障判断処理を終了する。故障を示す情報は、イベント情報の一例である。
次に、図9を参照して、残量値などの情報を情報処理装置11に送信するデータ送信処理について説明する。コントローラ51は、例えば、印刷やメンテナンスを実行して、ヘッド34からインクを流出させたことに応じて、データ送信処理を実行する。また、コントローラ51は、ステップS39でカウントダウンを開始したタイマカウンタがタイムアップしたと判断したことに応じて、データ送信処理を実行する。また、コントローラ51は、故障が発生したと判断したことに応じて、データ送信処理を実行する。また、コントローラ51は、装着ケース32に装着されたカートリッジ16が交換されたと判断したことに応じて、データ送信処理を実行する。なお、図9に示す例では、カートリッジ16が交換されたことに応じて送信データを生成する処理は、省略されている。
まず、コントローラ51は、故障が発生したことに応じてデータ送信処理を実行したか否かを判断する(S71)。具体的には、コントローラ51は、紙詰まりフラグなどの故障を示すフラグが「ON」であるか否かを判断する。コントローラ51は、故障を示すフラグが「ON」であることに応じて、故障が発生したことに応じてデータ送信処理を実行したと判断する(S71:Yes)。コントローラ51は、故障を示すフラグが「OFF」であることに応じて、故障以外の条件でデータ送信処理を実行したと判断する(S71:No)。故障が発生したことは(S71:Yes)、第3条件の一例である。コントローラ51は、故障が発生したことによってデータ送信処理を実行したと判断すると(S71:Yes)、故障の種別を取得する。具体的には、コントローラ51は、故障を示すフラグのうち、いずれのフラグが「ON」であるかを判断する。例えば、コントローラ51は、紙詰まりフラグの値が「ON」であることにより、故障の種別「紙詰まり」を取得する。そして、コントローラ51は、EEPROM57に記憶された送信種別情報において、取得した故障の種別と「ON」が対応付けられているか「OFF」が対応付けられているかを判断する(S72)。すなわち、ステップS72では、故障したことを情報処理装置11に送信するか否かが判断される。例えば、プリンタ10において紙詰まりが生じた場合であって、送信種別情報において「紙詰まり」に「ON」が対応付けられている場合、コントローラ51は、「紙詰まり」を情報処理装置11に送信すると判断する(S72:ON)。
コントローラ51は、送信種別情報において、取得した故障の種別と「ON」とが対応付けられていると判断すると(S72:ON)、第1送信データを生成する(S73)。第1送信データは、故障の種別を示す情報と、EEPROM57に記憶されたノードIDと、を含む。一方、コントローラ51は、送信種別情報において、取得した故障の種別と「OFF」とが対応付けられていると判断すると(S72:OFF)、ステップS73の処理をスキップする。すなわち、コントローラ51は、故障を情報処理装置11に通知しない。
コントローラ51は、ステップS71において、故障以外の条件でデータ送信処理を実行したと判断すると(S71:No)、EEPROM57に記憶されたカウント値を取得する(S74)。カウント値はカウント処理(図8(A))でEEPROM57に記憶された値である。コントローラ51は取得したカウント値が第2総カウント値であって、かつ第2総カウント値が、EEPROM57に記憶された上述の第2閾値以上であるか否かを判断する(S75)。すなわち、ステップS75では、インクエンプティになったか否かが判断される。コントローラ51は、第2総カウント値が第2閾値以上であると判断すると(S75:Yes)、EEPROM57に記憶された送信種別情報において、「インクエンプティ」が「ON」と対応付けられているか、「OFF」と対応付けられているかを判断する(S76)。すなわち、ステップS76では、インクエンプティを示す情報を情報処理装置11に送信するか否かが判断される。コントローラ51は、送信種別情報において、「インクエンプティ」と「ON」とが対応付けられていると判断すると(S76:ON)、第2送信データを生成する(S77)。第2送信データは、インクエンプティを示す情報と、EEPROM57に記憶されたユーザ識別情報及びノードIDと、を含む。コントローラ51は、送信種別情報において、「インクエンプティ」と「OFF」とが対応付けられていると判断すると(S76:OFF)、ステップS77の処理をスキップする。すなわち、インクエンプティを示す情報は、情報処理装置11に通知されない。インクエンプティを示す情報は、イベント情報の一例である。第2総カウント値が第2閾値以上であることは、第3条件の一例である。
コントローラ51は、ステップS75において、コントローラ51は、第2総カウント値が第2閾値以上でないと判断すると(S75:No)、第2総カウント値が第1閾値以上であるか否かを判断する(S78)。すなわち、ステップS78では、インクローになったか否かが判断される。コントローラ51は、第2総カウント値が第1閾値以上であると判断すると(S78:Yes)、EEPROM57に記憶された送信種別情報において、「インクロー」が「ON」と対応付けられているか、「OFF」と対応付けられているかを判断する(S79)。すなわち、ステップS79では、インクローを示す情報を情報処理装置11に送信するか否かが判断される。コントローラ51は、送信種別情報において、「インクロー」と「ON」とが対応付けられていると判断すると(S79:ON)、第3送信データを生成する(S80)。第3送信データは、インクローになったことを示す情報と、EEPROM57に記憶されたノードIDと、を含む。コントローラ51は、送信種別情報において、「インクロー」と「OFF」とが対応付けられていると判断すると(S79:OFF)、ステップS80の処理をスキップする。すなわち、インクローを示す情報は、情報処理装置11に通知されない。インクローを示す情報は、イベント情報の一例である。第2総カウント値が第1閾値以上であることは、第3条件の一例である。
コントローラ51は、ステップS78において、コントローラ51は、第2総カウント値が第1閾値以上でないと判断すると(S78:No)、タイマカウンタがタイムアップしたことに応じてデータ送信処理を実行したか否かを判断する(S81)。コントローラ51は、タイマカウンタがタイムアップしたことに応じてデータ送信処理を実行したと判断すると(S81:Yes)、残量値算出処理(図8(B))を実行する(S82)。なお、コントローラ51は、残量値算出処理で算出した残量値がRAM56に記憶されていると判断すると、ステップS82において、残量値をRAM56から読み出して取得する。そして、コントローラ51は、第4送信データを生成する(S82)。第4送信データは、残量値等を含む情報と、EEPROM57に記憶されたユーザ識別情報及びノードIDと、を含む。コントローラ51は、カウントダウンタイマがタイムアップした以外の条件でデータ送信処理を実行したと判断すると(S81:No)、ステップS82、S83の処理をスキップする。タイマカウンタがタイムアップしたことは(S81:Yes)、送信タイミングが到来したこと、及び第4条件の一例である。
コントローラ51は、ステップS72、S73、S76、S77、S79、S80、S81、S83の処理の実行後、送信データを生成したか否かを判断する(S84)。コントローラ51は、送信データを生成していないと判断すると(S84:No)、データ送信処理を終了する。コントローラ51は、送信データを生成したと判断すると(S84:Yes)、特定IPアドレスなどの通信設定が変更されているか否かを判断する(S85)。具体的には、コントローラ51は、通信設定を記憶する記憶領域として決められたEEPROM57の第1記憶領域に記憶されたIPアドレスと、EEPROM57の第2記憶領域に記憶された元特定IPアドレスとが一致するか否かを判断する。コントローラ51は、第1記憶領域に記憶されたIPアドレスと、第2記憶領域に記憶された元特定IPアドレスとが一致することにより、通信設定情報が変更されていないと判断する(S85:No)。コントローラ51は、第1記憶領域に記憶されたIPアドレスと、第2記憶領域に記憶された元特定IPアドレスとが一致しないことにより、通信設定情報が変更されたと判断する(S85:Yes)。通信設定は、ユーザにより、変更されることがある。例えば、インターネット14上に公開されたウェブページから画像をプリンタ10にダウンロードさせて、当該画像をプリンタ10に印刷させたい場合、プリンタ10に付された制限では、プリンタ10が当該画像を印刷できないことがある。詳しく説明すると、通信管理データベースにおいて、プリンタ10に設定されたIPアドレスは、項目「通信量」に「100」を登録されている。したがって、当該画像のデータ量が「100」を超える場合、プリンタ10は、当該画像をダウンロードできない。また、プリンタ10に設定されたIPアドレスは、通信管理データベースにおいて、項目「フリー接続」に「OFF」を登録されている。したがって、プリンタ10は、当該画像をダウンロードできないことがある。ユーザは、プリンタ10が当該画像をダウンロードできるように、プリンタ10に設定されたIPアドレスを変更する。例えば、ユーザは、ノードが設定されていない「192.168.1.20」などのIPアドレスをプリンタ10に設定する。図10(A)及び図11(A)、(B)を参照して、IPアドレスの変更を受け付ける通信設定変更処理について説明する。
プリンタ10のコントローラ51は、表示パネル43に表示させた待機画面(図11(A))において、「設定」アイコン83が選択されたか否かを判断する(S91)。コントローラ51は、「設定」アイコンが選択されていないと判断すると(S91:No)、通信設定変更処理を終了する。コントローラ51は、「設定」アイコンが選択されたと判断すると(S91:Yes)、例えば、所定のアイコンの選択を受け付けた後、IPアドレス入力画面(図11(B))を表示パネル43に表示させる(S92)。IPアドレス選択画面は、「IPアドレスを入力してください。」の文字と、テキストボックスと、「OK」アイコン84と、「キャンセル」アイコン85と、を含む。ユーザは、タッチセンサ44や操作スイッチ45を用いて、テキストボックスにIPアドレスを入力した後、「OK」アイコン84を選択する。コントローラ51は、IPアドレス入力画面において、「OK」アイコン84が選択されたか、「キャンセル」アイコン85が選択されたかを判断する(S93)。コントローラ51は、「キャンセル」アイコン85が選択されたと判断すると(S93)、通信設定変更処理を終了する。コントローラ51は、「OK」アイコン84が選択されたと判断すると(S93:OK)、テキストボックスに入力されたIPアドレスで、EEPROM57の第1記憶領域に記憶された特定IPアドレスを上書きし(S94)、通信設定変更処理を終了する。なお、図に破線で示されたステップS95の処理については、変形例において説明する。「OK」アイコン84の選択は、変更指示の一例である。ユーザがテキストボックスに入力したIPアドレスは、変更通信設定情報の一例である。ユーザがテキストボックスに入力したIPアドレスで上書きされる特定IPアドレスは、元通信設定情報の一例である。
プリンタ10のコントローラ51は、図9に示されるデータ送信処理のステップS85において、EEPROM57の第1記憶領域に記憶された特定IPアドレスが変更されていると判断すると(S85:Yes)、IPアドレスを元に戻す(S86)。具体的には、コントローラ51は、EEPROM57の第2記憶領域に記憶された元特定IPアドレスで、第1記憶領域に記憶されたIPアドレスを上書きする。すなわち、ユーザが変更したIPアドレスが、通信管理データベースにおいてプリンタ10に設定されているIPアドレスに戻される。例えば、ユーザがIPアドレスを変更した後、IPアドレスを元に戻すことを忘れると、変更されたIPアドレスに付された制限によっては、プリンタ10が情報処理装置11に情報を送信できなくなることがある。例えば、「192.168.1.38」のIPアドレスがプリンタ10に設定されたとする。当該IPアドレスは、図5に示されるように、項目グループ「B」と対応付けられている。グループ「B」は、項目「情報処理装置」の「不許可」と対応付けられている。すなわち、IPアドレス「192.168.1.38」を設定されたプリンタ10は、情報処理装置11に情報を送信できなくなる。或いは、プリンタ10が情報処理装置11に情報を送信する送信タイミングが、プリンタ10に設定されたIPアドレスに対応付けられた制限情報が示す許可時間帯に含まれない場合、プリンタ10は、情報処理装置11に情報を送信できなくなる。また、IPアドレスが変更されたままであると、プリンタ10が、制限なく外部機器と通信を行うことができる状態で維持されることがある。そうすると、通信システムにおけるセキュリティの安全性が低下する。プリンタ10のコントローラ51は、送信データを生成したことに応じて、変更されたIPアドレスを、元の適正なIPアドレスである元特定IPアドレスに戻す(S86)。したがって、プリンタ10は、情報処理装置11に情報を送信可能になり、また、通信システムにおけるセキュリティの安全性が確保される。
プリンタ10のコントローラ51は、EEPROM57の第1記憶領域に記憶された特定IPアドレスが変更されていないと判断すると(S85:No)、ステップS86の処理をスキップする。そして、コントローラ51は、送信データを含むリクエストを生成し、生成したリクエストを、ステップS36と同様にして送信する(S87)。
フローチャートには示されていないが、プリンタ10が送信したリクエストは、情報処理装置11によって受信される。情報処理装置11のコントローラ61は、プリンタ管理データベースにおいて、受信したリクエストに含まれるユーザユーザ識別情報及びノードIDで構成される識別情報と一致する識別情報を有するレコードを特定する。そして、コントローラ61は、リクエストに含まれる「紙詰まり」や「インクロー」や「インクエンプティ」や「残量値」などの情報をプリンタ管理データベースの各項目に登録する。また、コントローラ61は、プリンタ管理データベースから送信タイミングを取得する。例えば、コントローラ61は、項目「管理情報」の不図示のサブ項目「インクロー」に「ON」を登録したことに応じて、不図示の項目「送信タイミング」のサブ項目「インクロー」に登録された送信タイミングを取得する。或いは、コントローラ51は、項目「管理情報」の不図示のサブ項目「インクロー」や「インクエンプティ」などに「OFF」が登録されていることに応じて、項目「送信タイミング」のサブ項目「通常」に登録された送信タイミングを取得する。そして、コントローラ61は、取得した送信タイミングを含むレスポンスを生成し、生成したレスポンスを、インターネット14及びルータ12を通じてプリンタ10に送信する。プリンタ10のコントローラ51は、受信したレスポンスに含まれる送信タイミングを初期値として、タイマカウンタのカウントダウンを開始させる。
[実施形態の作用効果]
プリンタ10のコントローラ51は、装着ケース32に装着されたカートリッジ16のICメモリ18から、情報処理装置11の送信アドレスと、通信管理データベースにおいてプリンタ10に設定されたIPアドレスを取得する。そして、コントローラ51は、取得した送信アドレス及びIPアドレスを、EEPROM57の所定の記憶領域に記憶させて、通信設定を行う。すなわち、プリンタを設置する作業者は、設置するプリンタ10の装着ケース32に、システム管理者が提供したカートリッジ16を装着するだけで、適正な送信アドレス及びIPアドレスをプリンタ10に入力して、プリンタ10の通信設定を行うことができる。したがって、作業者は、プリンタ10のタッチセンサ44や操作スイッチ45を用いてプリンタ10に送信アドレスやIPアドレスを入力する必要がない。また、作業者が、適正でない送信アドレスやIPアドレスをプリンタ10に誤って入力することもない。その結果、プリンタ10は、プリンタ10を設置する際に作業者が行う作業の手間を低減することができる。
また、プリンタ10のコントローラ51は、装着ケース32に装着されたカートリッジ16のICメモリ18から、印刷条件情報及び送信種別情報を取得する。そして、コントローラ51は、取得した印刷条件情報及び送信種別情報を、EEPROM57に記憶させる。したがって、作業者は、プリンタ10のタッチセンサ44や操作スイッチ45を用いてプリンタ10に印刷条件情報や送信種別情報を入力する必要がない。また、作業者が、適正でない印刷条件情報や送信種別情報送信をプリンタ10に誤って入力することもない。その結果、プリンタ10は、プリンタ10を設置する際に作業者が行う作業の手間を、さらに低減することができる。
また、プリンタ10のコントローラ51は、ユーザが変更したIPアドレスを、元の適正なIPアドレスに戻す。したがって、プリンタ10は、情報処理装置11に情報を送信できなくなることを防止することができる。また、通信システムにおけるセキュリティの安全性を高めることができる。さらにまた、プリンタ10は、ユーザがIPアドレスを元に戻す手間を低減することができる。
また、プリンタ10のコントローラ51は、ユーザによって変更されないEEPROM57の第2記憶領域に特定IPアドレスを記憶させ、第2記憶領域に記憶された元特定IPアドレスを用いて、ユーザが変更したIPアドレスを元の適正なIPアドレスに戻す。したがって、システム管理者の手間を低減することができる。詳しく説明すると、コントローラ51が、元の適正なIPアドレスを、装着ケース32に装着されたカートリッジ16のICメモリ18から取得する場合、交換される全てのカートリッジ16のICメモリ18に、IPアドレスが記憶される必要が生じる。コントローラ51は、元の適正なIPアドレスを、EEPROM57の第2領域に記憶させるので、交換されるカートリッジ16のICメモリ18に、IPアドレスを記憶させる必要はない。その結果、ユーザに提供する全てのカートリッジ16のICメモリ18にIPアドレスを記憶させるシステム管理者の手間をなくすことができる。
また、プリンタ10のコントローラ51は、契約確認画面を表示パネル43に表示させ、ユーザが「OK」アイコン81を選択したことに応じて、初回通知情報を情報処理装置11に送信し、プリンタ10の管理を情報処理装置11に開始させる。したがって、プリンタ10は、契約の意思をユーザに確認した上で、プリンタ10の管理を情報処理装置11に開始させることができる。
[変形例1]
上述の実施形態では、プリンタ10のコントローラ51が、装着ケース32に装着されたカートリッジ16のICメモリ18から、印刷条件情報及び送信種別情報を取得する例を説明した。しかしながら、コントローラ51は、情報処理装置11から、印刷条件情報及び送信種別情報を取得してもよい。詳しく説明すると、情報処理装置11のコントローラ61は、図7のステップS36において、初回通知情報を含むリクエストを受信する。コントローラ61は、受信したリクエストに含まれるユーザ識別情報及びノードIDと一致する識別情報を有するレコードを、プリンタ管理データベースにおいて特定する。そして、コントローラ61は、受信したリクエストに初回通知情報が含まれることに応じて、特定したレコードに登録された印刷条件情報及び送信種別情報を含むレスポンスをプリンタ10に返信する。プリンタ10のコントローラ51は、情報処理装置11が返信したレスポンスを受信する。コントローラ51は、受信したレスポンスに含まれる印刷条件情報及び送信種別情報を、EEPROM57に記憶させる。なお、この場合、カートリッジ16のICメモリ18は、印刷条件情報及び送信種別情報を記憶しない。すなわち、システム管理者は、印刷条件情報及び送信種別情報を、カートリッジ16のICメモリ18に記憶させる必要はない。プリンタ10が情報処理装置11に送信するリクエストは、返信指示の一例である。
本変形例でも、プリンタ10は、タッチセンサ44や操作スイッチ45を用いて作業者がプリンタ10に印刷条件情報及び送信種別情報を入力する手間をなくすことができる。また、本変形例では、プリンタ10は、印刷条件情報及び送信種別情報をシステム管理者がカートリッジ16のICメモリ18に記憶させる手間をなくすことができる。
[変形例2]
上述の実施形態では、プリンタ10のコントローラ51は、故障などが生じた場合(S71:Yes)や、送信タイミングとなった場合(S81:Yes)などに、変更されたIPアドレスを、元の適正なIPアドレスに戻す(S86)例を説明した。本変形例では、コントローラ51が、IPアドレスの変更指示を受け付けてからの経過時間、或いは特定IPアドレスを変更してからの経過時間が閾値時間に達したことに応じて、変更されたIPアドレスを元に戻す(S86)例を説明する。
プリンタ10のコントローラ51は、IPアドレス入力画面において「OK」アイコン84の選択を受け付けたことに応じて(S93:OK)、不図示のタイマカウンタのカウントダウンを開始させる(S95)。或いは、コントローラ51は、テキストボックスに入力されたIPアドレスで、EEPROM57の第1記憶領域に記憶された特定IPアドレスを上書きしたことに応じて(S94)、タイマカウンタのカウントダウンを開始させる(S95)。カウントダウンタイマの初期値は、メモリ53のROM55やEEPROM57に予め記憶されたタイマ値である。当該タイマ値は、閾値時間の一例である。
そして、プリンタ10のコントローラ51は、データ送信処理(図9)のステップS85の処理に代えて、或いはステップS85の処理とともに、図10(B)に示される通信設定復元処理を実行する。コントローラ51は、例えば、通信設定復元処理を定期的に実行する。コントローラ51は、まず、ステップS95でカウントダウンを開始したタイマカウンタがタイムアップしたか否かを判断する(S96)。コントローラ51は、タイマカウンタがタイムアップしていないと判断すると、通信設定復元処理を終了する。コントローラ51は、タイマカウンタがタイムアップしたと判断すると(S96:Yes)、実施形態のステップS86と同様にして、EEPROM57の第2記憶領域に記憶された元特定IPアドレスで、第1記憶領域に記憶されたIPアドレスを上書きする(S97)。ステップS93の処理の実行後にカウントダウンを開始したタイマカウンタがタイムアップしたことは(S96:Yes)、第1条件の一例である。ステップS94の処理の実行後にカウントダウンを開始したタイマカウンタがタイムアップしたことは(S96:Yes)、第2条件の一例である。
本変形例では、ユーザがIPアドレスを変更した後、タイマ値で決まる一定の時間が経過すると、変更されたIPアドレスが、元の適正なIPアドレスに戻される。したがって、長時間の間、IPアドレスが変更されたままで維持されることが抑制される。その結果、本変形例のプリンタ10は、通信システムにおけるセキュリティの安全性を、さらに高めることができる。
[その他の変形例]
上述の実施形態や変形例では、タイマカウンタがカウントダウンを行う例を説明した。しかしながら、タイマカウンタは、カウントアップを行ってもよい。その場合、プリンタ10のコントローラ51は、タイマカウンタのカウント値が、送信タイミングが示す期間に到達したことに応じて、或いは閾値時間に到達したことに応じて、タイムアップしたと判断する。
上述の実施形態では、通信ネットワークがLAN15であり、通信設定情報がIPアドレスである例を説明した。しかしながら、通信設定情報は、通信ネットワークの種類、すなわち、通信ネットワークで用いられる通信プロトコルに通信設定として規定される情報であればよい。