JP2020165920A - 飛跡検出装置、飛跡検出方法、及び飛跡検出プログラム - Google Patents

飛跡検出装置、飛跡検出方法、及び飛跡検出プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】検出精度を低下させることなく、飛跡を検出するための演算量を削減することができる飛跡検出装置、飛跡検出方法、及び飛跡検出プログラムを提供する。【解決手段】飛跡検出装置12は、乳剤層51における深さ方向が異なる複数の断面の各々を撮像して得られた潜像に応じた黒点が含まれ、各々複数の画素58が配置された複数の断層画像57を取得する断層画像取得部20を備える。また、飛跡検出装置12は、予め定められた数の隣接する断層画像57同士を組み合わせて得られた複数の合成断層画像59に含まれる潜像に応じた黒点像に基づいて、複数の飛跡候補線Cから飛跡を検出する検出部26を備える。【選択図】図5

Description

本開示は、飛跡検出装置、飛跡検出方法、及び飛跡検出プログラムに関する。
従来、非破壊検査等において、荷電粒子の飛跡を潜像として記録する荷電粒子飛跡記録層を含む原子核乾板を用いて、宇宙線に含まれるミュー粒子等の荷電粒子の飛跡を検出することが行われている(特許文献1参照)。
特許文献1に記載の技術では、原子核乾板を現像後、焦点面の深さを変えながら原子核乾板の荷電粒子飛跡記録層を連続的に撮像して、複数の断層画像を取得する。そして、特許文献1に記載の技術では、複数の断層画像を飛跡の角度に応じたシフト量でシフトさせるいわゆるシフト法により、断層画像を重ね合わせて得られた飛跡の存在を示す指標の分布に基づいて、飛跡を検出する。
特開2010−101676号公報
上述のシフト法では、荷電粒子の飛跡として想定される飛跡の飛跡角度に応じたシフト量で各断層画像をずらし、該当する飛跡角度を有する飛跡が、各断層画像上のほぼ同じx、y座標に位置する状態として、各断層画像の同一座標における黒点の有無に基づいて、飛跡を検出する。
しかしながら、想定される飛跡の飛跡角度全てに対して、上述のシフト法を適用した場合、演算量が膨大となる場合があった。一方、単純に想定される飛跡の飛跡角度を削減した場合、飛跡検出精度が低下する懸念があった。
本開示は、以上の事情を鑑みてなされたものであり、検出精度を低下させることなく、飛跡を検出するための演算量を削減することができる飛跡検出装置、飛跡検出方法、及び飛跡検出プログラムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本開示の第1の態様の飛跡検出装置は、入射された荷電粒子が透過することにより、荷電粒子の飛跡を潜像として記録する荷電粒子飛跡記録層における、飛跡を検出する飛跡検出装置であって、荷電粒子飛跡記録層における深さ方向が異なる複数の断面の各々を撮像して得られた潜像に応じた飛跡像が含まれ、各々複数の画素が配置された複数の断層画像を取得する断層画像取得部と、予め定められた数の隣接する断層画像同士を組み合わせて得られた複数の合成断層画像に含まれる潜像に応じた飛跡像に基づいて、複数の飛跡候補線から飛跡を検出する検出部と、を備える。
第1の態様の飛跡検出装置によれば、検出精度を低下させることなく、飛跡を検出するための演算量を削減することができる。
なお、本開示の第2の態様の飛跡検出装置は、第1の態様の飛跡検出装置において、合成断層画像は、飛跡候補線が荷電粒子飛跡記録層に入射する方向に応じて、隣接する断層画像同士の位置をずらして合成した画像である。
第2の態様の飛跡検出装置によれば、飛跡の検出精度を向上させることができる。
また、本開示の第3の態様の飛跡検出装置は、第1の態様または第2の態様の飛跡検出装置において、合成断層画像は、隣接する断層画像同士の画素の画素値を加算して得られた画像である。
第3の態様の飛跡検出装置によれば、飛跡を検出し易くすることができる。
また、本開示の第4の態様の飛跡検出装置は、第1の態様または第2の態様の飛跡検出装置において、合成断層画像の画素の画素値は、隣接する断層画像同士の画素のうち、暗い方の画素の画素値である。
第4の態様の飛跡検出装置によれば、飛跡を検出し易くすることができる。
また、本開示の第5の態様の飛跡検出装置は、第1の態様から第4の態様のいずれか1態様の飛跡検出装置において、検出部は、複数の合成断層画像の各々を縮小した複数の縮小画像の各々に含まれる飛跡像に応じて、飛跡を検出する。
第5の態様の飛跡検出装置によれば、検出精度を低下させることなく、飛跡を検出するための演算量をより削減することができる。
また、本開示の第6の態様の飛跡検出装置は、第5の態様の飛跡検出装置において、複数の縮小画像は、複数の合成断層画像の各々について、隣接する一群の画素を1つの画素とした画像である。
第6の態様の飛跡検出装置によれば、飛跡を検出するための演算量を削減することができ、かつ飛跡を検出し易くすることができる。
また、本開示の第7の態様の飛跡検出装置は、第6の態様の飛跡検出装置において、1つの画素の画素値は、一群の画素に含まれる画素の画素値のうち最も暗い画素の画素値である。
第7の態様の飛跡検出装置によれば、飛跡をより検出し易くすることができる。
また、本開示の第8の態様の飛跡検出装置は、第1の態様から第7の態様のいずれか1態様の飛跡検出装置において、断層画像取得部が取得する複数の断層画像は、荷電粒子の入射側に最も近い荷電粒子飛跡記録層の断面によって得られた第1断層画像と、荷電粒子の入射側に最も遠い荷電粒子飛跡記録層の断面によって得られた第2断層画像とを含み、第1断層画像の基準点を通る方向が各々異なり、かつ各々が第2断層画像の異なる画素を通る複数の飛跡候補線を特定する飛跡候補線特定部をさらに備え、検出部は、飛跡候補線特定部が特定した複数の飛跡候補線から飛跡を検出する。
第8の態様の飛跡検出装置によれば、検出精度を低下させることなく、飛跡を検出するための演算量をさらに削減することができる。
また、本開示の第9の態様の飛跡検出装置は、第1の態様から第7の態様のいずれか1態様の飛跡検出装置において、断層画像と成す角度が、予め定められた天頂角、及び断層画像の面に平行な予め定められた面内角の組み合わせで表される線を、基準の飛跡候補とし、基準の飛跡候補線と天頂角を同一として、直前に定めた飛跡候補線と成す角度が予め定められた角度となる想定飛跡候補線を飛跡候補線として順次定め、想定飛跡候補線と基準の飛跡候補線とのなす角度が予め定められた角度未満となった場合、想定飛跡候補線に代えて、基準の飛跡候補線、及び直前に定めた飛跡候補線の各々と予め定められた角度をなす想定飛跡候補線を飛跡候補線として定め、さらに、直前に定めた飛跡候補線、及び直前より前に定めた飛跡候補線の各々と予め定められた角度をなす想定飛跡候補線を飛跡候補線として、直前に定めた飛跡候補線、及び直前より前に定めた飛跡候補線の各々と予め定められた角度をなす想定飛跡候補線が得られなくなるまで、順次定めることで、複数の飛跡候補線を特定する飛跡候補線特定部をさらに備え、検出部は、飛跡候補線特定部が特定した複数の飛跡候補線から飛跡を検出する。
第9の態様の飛跡検出装置によれば、検出精度を低下させることなく、飛跡を検出するための演算量をさらに削減することができる。
また、本開示の第10の態様の飛跡検出方法は、入射された荷電粒子が透過することにより、荷電粒子の飛跡を潜像として記録する荷電粒子飛跡記録層における、飛跡を検出する飛跡検出方法であって、荷電粒子飛跡記録層における深さ方向が異なる複数の断面の各々を撮像して得られた潜像に応じた飛跡像が含まれ、各々複数の画素が配置された複数の断層画像を取得し、予め定められた数の隣接する断層画像同士を組み合わせて得られた複数の合成断層画像に含まれる潜像に応じた飛跡像に基づいて、複数の飛跡候補線から飛跡を検出する処理を含む。
また、本開示の第11の態様の飛跡検出プログラムは、入射された荷電粒子が透過することにより、荷電粒子の飛跡を潜像として記録する荷電粒子飛跡記録層における、飛跡を検出するコンピュータに、荷電粒子飛跡記録層における深さ方向が異なる複数の断面の各々を撮像して得られた潜像に応じた飛跡像が含まれ、各々複数の画素が配置された複数の断層画像を取得し、予め定められた数の隣接する断層画像同士を組み合わせて得られた複数の合成断層画像に含まれる潜像に応じた飛跡像に基づいて、複数の飛跡候補線から飛跡を検出する処理を実行させるためのものである。
また、本開示の飛跡検出装置は、プロセッサ及びメモリを有し、入射された荷電粒子が透過することにより、荷電粒子の飛跡を潜像として記録する荷電粒子飛跡記録層における、飛跡を検出する飛跡検出装置であって、プロセッサが、入射された荷電粒子が透過することにより、荷電粒子の飛跡を潜像として記録する荷電粒子飛跡記録層における、飛跡を検出する飛跡検出方法であって、荷電粒子飛跡記録層における深さ方向が異なる複数の断面の各々を撮像して得られた潜像に応じた飛跡像が含まれ、各々複数の画素が配置された複数の断層画像を取得し、予め定められた数の隣接する断層画像同士を組み合わせて得られた複数の合成断層画像に含まれる潜像に応じた飛跡像に基づいて、複数の飛跡候補線から飛跡を検出する。
本開示によれば、検出精度を低下させることなく、飛跡を検出するための演算量を削減することができる。
実施形態の原子核乾板の一例の側面断面図である。 実施形態の非破壊検査システムの構成の一例を表すブロック図である。 実施形態の原子核乾板から生成される断層画像を説明する図である。 第1実施形態の飛跡検出装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。 実施形態の飛跡検出装置の機能的な構成の一例を示すブロック図である。 飛跡の飛跡角度を説明するための図である。 断層画像の合成について説明するための図である。 断層画像の合成について説明するための図である。 第1実施形態の飛跡検出装置で実行される飛跡検出処理の一例を示すフローチャートである。 飛跡検出処理において実行される検出処理の一例を示すフローチャートである。 断層画像を合成して得られる合成断層画像を説明するための図である。 実施形態の飛跡検出処理におけるシフト法による飛跡の検出について説明するための図である。 実施形態の飛跡検出処理におけるシフト法による飛跡の検出について説明するための図である。 第2実施形態の飛跡検出処理において実行される検出処理の一例を示すフローチャートである。 第2実施形態における縮小画像について説明する図である。 第2実施形態における黒点の拡大について説明する図である。 第2実施形態の飛跡検出装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。 乳剤層によって得られる断層画像群に含まれる、複数の断層画像を通る飛跡を説明するための図である。 基準点を通る仮想飛跡候補線の例を説明するための図である。 基準点を通る飛跡候補線の例を説明するための図である。 第3実施形態の飛跡検出処理にて実行される飛跡候補線特定処理の一例を示すフローチャートである。 図20に示した飛跡候補線特定処理にて実行される飛跡候補角度導出処理の一例を示すフローチャートである。 図21に示した飛跡候補角度導出処理にて用いられる一覧表の一例を表す図である。 図21に示した飛跡候補角度導出処理にて用いられるID配列表の一例を表す図である。 第4の実施形態で特定される飛跡候補線が配置される領域の一例を説明する側面図である。 第4の実施形態で特定される飛跡候補線が配置される領域の一例を説明する平面図である。 第3の実施形態の飛跡候補角度導出処理の一例を示すフローチャートである。 飛跡候補角度導出処理における飛跡候補線の特定方法を説明する図である。 飛跡候補角度導出処理における飛跡候補線の特定方法を説明する図である。 飛跡候補角度導出処理における飛跡候補線の特定方法を説明する図である。 飛跡候補角度導出処理における飛跡候補線の特定方法を説明する図である。 飛跡候補角度導出処理における飛跡候補線の特定方法を説明する図である。 飛跡候補角度導出処理における飛跡候補線の特定方法を説明する図である。
以下、図面を参照して、本開示の技術を実施するための形態例を詳細に説明する。
[第1実施形態]
原子核乾板50を用いた非破壊検査では、検査対象物の周辺に原子核乾板50を設置し、設置中に原子核乾板50に記録されたμ粒子の飛跡Tを検出し、検出した飛跡Tを解析することによって検査対象物の密度等が得られる。
図1には、本実施形態の原子核乾板50の一例の側面断面図を示す。図1に示すように、本実施形態の原子核乾板50は、2つの乳剤層51A及び51B、及び1つのフィルムベース52を備え、フィルムベース52の両面に、乳剤層51A及び51Bが塗布されている。フィルムベース52は、例えば、プラスチック製であり、厚さが300μmとされる。乳剤層51A及び51Bの各々は、例えば、ハロゲン化銀を含み、厚さが60μmとされる。本実施形態の乳剤層51A及び51Bが、本開示における、入射された荷電粒子が透過することにより、荷電粒子の飛跡を潜像として記録する荷電粒子飛跡記録層の一例である。なお、飛跡記録層に含まれるハロゲン化銀以外の飛跡記録材料として、例えば、シュウ酸第二鉄塩を含む鉄塩感光材料、又は芳香族ジアゾニウム塩を含むジアゾ感光材を用いることも可能である。なお、本実施形態では、乳剤層51A及び51Bの各々を区別せずに総称する場合、「乳剤層51」という。
宇宙線に含まれるμ粒子が原子核乾板50を透過すると、乳剤層51内での電離作用によって発生した電子により、乳剤層51内にμ粒子の飛跡Tに沿った潜像が記録される。図1の例では、乳剤層51A側からμ粒子が入射され、入射されたμ粒子によって飛跡Tが形成される。なお、図1の例では、飛跡Tのうち、乳剤層51内に潜像として記録される部分を実線で示し、乳剤層51内に潜像として記録される部分以外の部分を破線で示している。本実施形態のμ粒子が開示の技術に係る荷電粒子の一例である。なお、荷電粒子は、μ粒子に限定されない。例えば、荷電粒子は、γ線又は中性子線等から2次的に発生した電子又は陽子でもよい。また、荷電粒子は、原子核乾板50を直接感光させるものに限定されず、例えば、原子核乾板50の飛跡記録材料中の陽子と衝突し、散乱させることにより陽子が検出されることで飛跡が形成されるものでもよい。
まず、原子核乾板50を用いた、本実施形態の非破壊検査システム1の構成について説明する。図2には、本実施形態の非破壊検査システム1の構成の一例を表すブロック図を示す。図2に示すように非破壊検査システム1は、断層画像生成装置10、飛跡検出装置12、及び解析装置14を備える。断層画像生成装置10、飛跡検出装置12、及び解析装置14は、それぞれネットワークNに接続され、ネットワークNを介して互いに通信が可能とされる。なお、本実施形態では、断層画像生成装置10、飛跡検出装置12、及び解析装置14の各々を別個の装置とした形態について示したが、これらのうち、2つまたは全部を組み合わせて1つの装置とした形態であってもよいことはいうまでもない。
断層画像生成装置10は、μ粒子によって、潜像が形成された原子核乾板50の乳剤層51の断層画像を生成する装置である。上述のようにして潜像が形成された原子核乾板50の現像処理を行うことで、潜像が、1μm程度の大きさの銀粒子(黒点)として原子核乾板50中に残留する。原子核乾板50を通過したμ粒子の飛跡Tは、銀粒子(黒点)の立体的な並びとして記録される。この銀粒子(黒点)の立体的な並びは、光学顕微鏡を用いた観察により抽出される。本実施形態の黒点が、本開示の飛跡像の一例である。
断層画像生成装置10は、光学顕微鏡及び撮像装置(いずれも図示省略)を備える。光学顕微鏡の対物レンズは、乳剤層51Aのμ粒子が入射される面側に配置される。断層画像生成装置10は、乳剤層51の面内方向に、原子核乾板50を移動させながら連続的に撮像を行うことで、乳剤層51のμ粒子が入射される面全体の画像を撮像する。また、原子核乾板50は、対物レンズを原子核乾板50における、乳剤層51及びフィルムベース52の積層方向(図1では縦方向、以下、「深さ方向」という)に移動させることで、対物レンズの焦点位置を変化させて、乳剤層51の深さが異なる複数の画像を撮像する。
このようにして断層画像生成装置10により、図3に示すように、乳剤層51Aからは、深さ方向が異なり、複数の画素58(図8参照)を各々含む、n(nは2以上の整数)枚の断層画像57〜57を含む断層画像群56Aが生成される。また、乳剤層51Bからは、深さ方向が異なる、n枚の断層画像57〜57を含む断層画像群56Bが生成される。断層画像57及び断層画像57のうち断層画像57側が、飛跡Tの入射側に最も近い断面であり、一例として、断層画像群56の最上層に対応する。また、断層画像57及び断層画像57のうち断層画像57側が、飛跡Tの入射側に最も遠い断面であり、一例として、断層画像群56の最下層に対応する。本実施形態の断層画像57が本開示の第1断層画像の一例に対応し、本実施形態の断層画像57が本開示の第2断層画像の一例に対応する。なお、以下では、断層画像群56A及び断層画像群56B各々の断層画像57〜57を区別せずに総称する場合、「断層画像57」という。また、断層画像群56A及び断層画像群56Bを区別せずに総称する場合、「断層画像群56」という。断層画像生成装置10により生成された複数の断層画像57の画像データは、飛跡検出装置12に送信される。
飛跡検出装置12は、断層画像生成装置10により生成された断層画像57の画像データを取得し、取得した断層画像57に基づいて、原子核乾板50の乳剤層51における、飛跡Tを検出する装置である。飛跡検出装置12による飛跡Tの検出結果は、解析装置14に送信される。
解析装置14は、飛跡検出装置12による飛跡Tの検出結果を取得し、飛跡Tを解析することによって検査対象物の密度等を導出する装置である。
次に、図4を参照して、本実施形態の飛跡検出装置12のハードウェア構成を説明する。図4に示すように、飛跡検出装置12は、CPU(Central Processing Unit)30、一時記憶領域としてのメモリ31、及び不揮発性の記憶部32を含む。また、飛跡検出装置12は、液晶ディスプレイ等の表示部33、キーボードとマウス等の入力部34、及びネットワークNに接続されるネットワークI/F(InterFace)36を含む。CPU30、メモリ31、記憶部32、表示部33、入力部34、及びネットワークI/F36は、バス39に接続される。解析装置14の例としては、サーバコンピュータが挙げられる。
記憶部32は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、及びフラッシュメモリ等によって実現される。記憶媒体としての記憶部32には、飛跡検出プログラム37が記憶される。CPU30は、記憶部32から飛跡検出プログラム37を読み出してからメモリ31に展開し、展開した飛跡検出プログラム37を実行する。
上述のように、CPU30が飛跡検出プログラム37を実行することにより、図5に示す、断層画像取得部20、前処理部22、飛跡候補線特定部24、検出部26、及び出力部28の各々として機能する。図5には、本実施形態の飛跡検出装置12の機能的な構成の一例を表すブロック図が示されている。
断層画像取得部20は、断層画像生成装置10から送信された断層画像57の画像データを取得し、取得した断層画像57の画像データを前処理部22に出力する。
前処理部22は、入力された断層画像57の画像データに対して、前処理となる画像処理を行う。前処理とは、後段の飛跡候補線特定部24において断層画像57から飛跡Tを検出し易くするための処理であり、断層画像57から飛跡Tを表す黒点を検出し易くするための処理である。前処理としては、例えば、オフセット補正、ゲイン補正、及び画像ムラの等の各種補正が挙げられる。前処理後の断層画像57の画像データは、飛跡候補線特定部24に出力される。
飛跡候補線特定部24は、入力された画像データが表す断層画像57に基づいて、想定される飛跡Tの飛跡角度に応じて、断層画像57を通る飛跡Tを表す飛跡線の候補となる、飛跡線候補を特定し、特定結果を表す情報を検出部26に出力する。なお、「飛跡角度」とは、乳剤層51Aにμ粒子が入射する入射角度であり、本実施形態では、図6に示すように、天頂角θ、及び乳剤層51(断層画像57)の面に平行な面内角ωの組み合わせで表される角度であり、μ粒子が入射する方向ともいう。なお、図6に示すように、面内角ωは、面内方向のうち予め定められた方向をω=0度とし、天頂角θ=0度の軸に対して、半時計回りの方向を正とした角度で表され、ω=0度以上、ω=360度未満で定義される。
なお、一般的にμ粒子は、天頂から降り注ぐため、原子核乾板50を、法線方向が天頂角θ=0度となる状態に配置した場合、原子核乾板50に到達するμ粒子の量は、天頂角θ=90度未満の範囲内が多く、天頂角θ=45度以下の範囲内が特に多い。そこで、本実施形態の飛跡候補線特定部24は、天頂角θが0度以上、45度以下、かつ面内角ωが0度以上、360度未満の範囲で1度ごとに網羅的に飛跡候補線の飛跡角度(以下、「飛跡候補角度」という)(θ,ω)を定めている。本実施例では、計算効率を高めるために天頂角θは45度以下としているが、無論、天頂角θは、45度以下に限定されるものではなく、90度未満であればよい。
検出部26は、飛跡候補線特定部24が特定した複数の飛跡候補線から、飛跡Tを検出する。飛跡Tの飛跡角度(θ,ω)が(0,0)以外の場合、換言すると、飛跡Tが断層画像57に斜めに入射した場合、一例として図7に示すように、断層画像群56の各断層画像57を通る飛跡Tの各断層画像57内における位置が異なる。一例として図7では、断層画像群56が5枚の断層画像57(n=5)を含み、断層画像57の基準点63を飛跡Tが通る場合を示している。図7では、以降の説明のために、飛跡Tが断層画像573と断層画像575を通る位置が、断層画像573と断層画像575の中心になるように図示しているので、断層画像群56の断層画像57と断層画像57、断層画像573、断層画像574、断層画像575の互いの間隔が、一見等しくないように見えるが、これらは等間隔である。
図8には、図7の断層画像群56における、断層画像57及び断層画像57を矢印Aの方向からみた場合の、基準点63を中心にした9つの画素58の一例が示されている。図8には、飛跡Tの飛跡角度(θ,ω)において、天頂角θを最大値とし、面内角ωを0度〜360度とした場合の、飛跡Tが断層画像57を通る位置が点線64で示されている。図8に示すように、従って、断層画像57の基準点63を通る飛跡Tが、断層画像57を通る位置は、飛跡角度(θ,ω)によらず、点線64で示される円の内側となる。これと同様のことが、図7の断層画像群56における、断層画像57及び断層画像57についても成り立つ。
このように、隣接する断層画像57同士の間隔が比較的短い場合、隣接する断層画像57同士において、飛跡Tが通過する位置のずれ量は、±1画素の範囲内となり、断層画像57全体としてみれば、非常に小さなずれ量となる。
そこで、本実施形態の検出部26は、隣接する2つの断層画像57を組み合わせて得られた合成断層画像に含まれる黒点、より具体的には、合成断層画像の画素58の画素値に基づいて飛跡Tを検出する。
一例として、本実施形態の検出部26は、いわゆる、シフト法を用いて飛跡Tを検出する。具体的には検出部26は、隣接する2つの断層画像57を組み合わせて合成した複数の合成断層画像(詳細後述)を生成し、飛跡Tの飛跡角度(θ,ω)に応じたシフト量で合成断層画像をずらし、該当する飛跡角度(θ,ω)を有する飛跡Tが、各合成断層画像上のほぼ同じx、y座標に位置する状態として、各合成断層画像の同一座標における黒点の有無に基づいて、飛跡Tを検出し、検出結果を表す情報を出力部28に出力する。
なお、本実施形態に限定されず、検出部26が飛跡候補線特定部24の機能を有していてもよい。
出力部28は、検出部26の検出結果を表す情報、すなわち、飛跡Tを表す情報を、ネットワークI/F36により、ネットワークNを介して解析装置14へ出力する。
次に、本実施形態の飛跡検出装置12の作用を説明する。まず、CPU30が飛跡検出プログラム37を実行することによって、図9に示す飛跡検出処理が実行される。図9に示す飛跡検出処理は、例えば、飛跡検出装置12のユーザによる飛跡検出の指示が入力部34により入力されたタイミング等で実行される。
図9のステップS100で断層画像取得部20は、上述したように、断層画像生成装置10から断層画像57の画像データを取得する。断層画像取得部20により取得された断層画像57の画像データは、上述したように、前処理部22により前処理が行われる。
次のステップS102で飛跡候補線特定部24は、上述したように、前処理が行われた断層画像57に基づいて、飛跡Tを表す飛跡線の候補となる、飛跡候補角度(θ,ω)における天頂角θ及び面内角ωを1度ずつ網羅的に刻むことで、複数の飛跡候補線Cを特定する。
次のステップS104で検出部26は、詳細を後述する、図10に一例を示した検出処理を行い、上述したように、上記ステップS102で特定された飛跡候補線Cから飛跡Tを検出した後、本飛跡検出処理を終了する。
上述した飛跡検出処理(図9参照)のステップS104で実行される、検出処理について図10を参照して詳細に説明する。
図10に示すように、ステップS140で検出部26は、隣接する2つの断層画像57を組み合わせて合成した、上述の合成断層画像を生成する。上述したように、本実施形態では、隣接する2つの断層画像57同士における、飛跡Tが通過する位置のずれ量は、±1画素の範囲内である。そのため、本実施形態では、図11に示すように、隣接する2つの断層画像57のうち、上側の断層画像57(mは1以上、n以下の奇数)に対して下側の断層画像57m+1をずらすことなくそのまま重畳した合成断層画像59E、及び±1画素、断層画像57の面内におけるx方向及びy方向にずらして重畳した合成断層画像59A〜59D、59F〜59Iを生成する。以下では、合成断層画像59A〜59Iの個々を区別せずに総称する場合、単に合成断層画像59という。なお、検出部26は、断層画像57及び断層画像57m+1が重畳する領域の画像のみを合成断層画像59としており、「重畳」とは、重畳する断層画像57同士の画素58の画素値を加算することをいう。
このように、本実施形態では、隣接する2つの断層画像57から、9つの合成断層画像59が生成される。
なお、断層画像群56に含まれる断層画像57の数(n)が奇数の場合、最下層の断層画像57は、他の断層画像57と合成せずに、そのまま用いる。
また、本実施形態では、合成断層画像59の画素58の画素値として、重畳する断層画像57同士の画素58の画素値を加算した値を用いているが、合成断層画像59の画素58の画素値は、本実施形態に限定されない。例えば、断層画像57を黒点と背景が分離できる所定の閾値で2値化して、黒点を0とし、背景を1として、合成断層画像59の画素58の画素の値として、2値化した断層画像57同士の画素58の値を加算した値を用いてもよい。この方法では、2つの断層画像57の同じ位置の画素58に黒点が存在すれば、合成断層画像59の画素58の値は0であり、1つの断層画像57のみ画素58の位置に黒点が存在すれば、合成断層画像59の画素58の値は1であり、いずれの断層画像57の画素58の位置にも黒点が存在しなければ、合成断層画像59の画素58の値は2になる。さらに、他の方法として、例えば、合成断層画像59の画素58の画素値は、重畳する断層画像57同士のうち、最も暗い画素58の画素値、本実施形態では、最小の画素値としてもよい。画素58が黒点である場合、画素58が暗く、画素値が小さくなるため、このように、最小の画素値を合成断層画像59の画素58の画素値に適用することで、飛跡Tを検出し易くすることができる。
次のステップS142で検出部26は、上記ステップS102で特定された複数の飛跡候補線Cのうちから、ある飛跡候補角度(θ,ω)に応じたシフト量で、各合成断層画像59、または合成断層画像59及び最下層の断層画像57をシフトさせる。具体的には、検出部26は、図12Aに示す、飛跡候補角度(θ,ω)を有する飛跡候補線Cが、2枚の合成断層画像59(59及び59)と断層画像57(n=5)を通る場合を具体例として説明する。合成断層画像59は断層画像57と断層画像57を重畳した断層画像であり、合成断層画像59は断層画像57と断層画像57を重畳した断層画像である。この場合、検出部26は、図12Bに示すように、合成断層画像59及び断層画像57の各々を飛跡候補角度(θ,ω)に応じたシフト量でずらして各画素58の座標を変換することより、飛跡候補線Cを、合成断層画像59及び断層画像57に対して垂直、換言すると飛跡候補線Cを合成断層画像59及び断層画像57における法線に一致させた状態とする。
なお、合成断層画像59A〜59Iのうち、いずれの合成断層画像59を用いるかは、飛跡候補角度(θ,ω)に応じて定められる。例えば、飛跡候補角度(θ,ω)における天頂角θが比較的小さい場合、合成断層画像59Eが用いられる。
次のステップS144で検出部26は、各合成断層画像59、または合成断層画像59及び断層画像57の各々の、ある座標における画素58の画素値を加算する。具体的には、検出部26は、図12Bに示すように、合成断層画像59及び断層画像57の各々を、飛跡候補角度(θ,ω)に応じたシフト量でずらした状態において、合成断層画像59及び断層画像57の全てが重なる領域を飛跡Tの検出対象とする。また、検出部26は、検出対象の領域における、合成断層画像59及び断層画像57の画素58の画素値を加算する。
一部の合成断層画像59が重ならない各合成断層画像59及び断層画像57の端部の領域は、飛跡Tの検出対象外とする。なお、このように飛跡Tの検出において除外される各合成断層画像59及び断層画像57の端部の領域は、合成断層画像59から断層画像57までの厚みに対し、合成断層画像59から断層画像57の大きさが比較的大きいため、相対的に面積が小さくなるので、端部の領域を検出対象から除外することによる影響は抑制される。
そのため、検出部26は、飛跡Tの検出対象内のある座標の画素58について、各合成断層画像59及び断層画像57の画素値を加算する。換言すると、検出部26は、飛跡候補線Cが通る各合成断層画像59及び断層画像57の画素58の画素値を加算する。
次のステップS146で検出部26は、上記ステップS144で得られた加算値が、予め定められた閾値以下(加算値≦閾値)であるか否かを判定する。本実施形態では、画素値が小さいほど、画像が暗く、画素値が大きいほど、画像が明るくなる。換言すると、画素値が小さいほど画像が黒く、黒点となり、画素値が大きいほど画像が白く、白点となる。従って、飛跡Tにより断層画像57に黒点が形成されている場合、黒点となった画素58の画素値は小さくなる。本実施形態では、全ての断層画像57が黒点であった場合の画素の加算値に基づいて、飛跡Tにより断層画像群56に黒点が形成されていることを判別するための閾値を予め定めておく。全ての断層画像57が黒点であった場合の画素の加算値と閾値の関係は、使用する乳剤の特性により変わる。これは、μ粒子が、通過した乳剤をどれだけの割合で感光させるか、つまりは何個の黒点が発生するかが、乳剤の感度に依存するためである。さらに、天頂角θが大きくなるとμ粒子の通過距離が長くなるので発生する黒点の数が増える。実験では、天頂角θが0度の場合に、全ての断層画像57が黒点であった場合の画素の加算値に対して、80%の断層画像57が黒点であった場合の画素の加算値を閾値にすることで良好な結果を得た。
加算値が閾値以下ではない場合、換言すると、加算値が閾値を超える場合、ステップS146の判定が否定判定となり、ステップS150へ移行する。一方、加算値が閾値以下の場合、ステップS146の判定が肯定判定となり、ステップS148へ移行する。
ステップS148で検出部26は、上記ステップS140における飛跡候補角度(θ,ω)を有し、上記ステップS142における座標を有する飛跡候補線Cを飛跡Tとして特定する。
次のステップS150で検出部26は、飛跡Tの検出対象内の全ての座標(画素58)について、上記ステップS144〜S148の処理を行ったか否かを判定する。未だ、上記ステップS144〜S148の処理を行っていない座標(画素58)が存在する場合、ステップS150の判定が否定判定となり、ステップS152へ移行する。ステップS152で検出部26が、飛跡Tの検出対象となる座標(画素58)を変更した後、ステップS144に戻り、上記ステップS144〜S148の処理を繰り返す。
一方、飛跡Tの検出対象となる全ての座標(画素58)について、上記ステップS144〜S148の処理を行った場合、ステップS150の判定が肯定判定となり、ステップS154へ移行する。
ステップS154で検出部26は、上記ステップS102で特定された複数の飛跡候補線Cの全てについて上記ステップS142〜S152の処理を行ったか否かを判定する。未だ、上記ステップS142〜S152の処理を行っていない、飛跡候補線Cがある場合、ステップS154の判定が否定判定となり、ステップS156へ移行する。次のステップS156で検出部26が、飛跡Tの検出対象となる飛跡候補線Cを変更した後、ステップS142に戻り、変更した飛跡候補線Cの飛跡候補角度(θ,ω)に基づき、上記ステップS142〜S154の処理を繰り返す。
一方、上記ステップS102で特定された複数の飛跡候補線Cの全てについて上記ステップS142〜S152の処理を行った場合、ステップS154の判定が肯定判定となり、ステップS158へ移行する。
ステップS158で検出部26は、上記ステップS148で飛跡Tとして特定した全ての飛跡Tを表す情報を、検出結果として出力部28に出力した後、本検出処理を終了する。本検出処理が終了することにより、飛跡検出処理(図9参照)のステップS104が終了し、本飛跡検出処理が終了する。本願では図示していないが、この処理の後に、重複飛跡のまとめ処理を行う。黒点は、合成断層画像59や断層画像57上で、複数の画素58を占める大きさを持っている場合、原子核乾板50の一つの飛跡Tが、複数の飛跡Tとして検出される場合がある。ただし、これらの検出された複数の飛跡Tは、隣り合った画素58など極めて近い位置を通過しており、かつ、飛跡Tの方向がほぼ同じであるという特徴をもっているので、重複して検出された飛跡Tとして抽出できる。重複して検出された飛跡Tは、それらの飛跡Tの平均的な通過位置、飛翔方向を持った一つの飛跡Tとしてまとめる処理を行っている。
このように本実施形態の飛跡検出装置12では、検出部26が、予め定められた数の隣接する断層画像57を組み合わせて得られた複数の合成断層画像59に含まれる黒点に基づいて、飛跡Tを検出する。飛跡Tの検出に合成断層画像59を用いるため、断層画像57のみを用いる場合に比べて、画像の数を約半数にすることがでる。
従って、本実施形態の飛跡検出装置12によれば、検出精度を低下させることなく、飛跡を検出するための演算量を削減することができる。
なお、本実施形態では、隣接する2つの断層画像57を合成して合成断層画像59とする形態について説明したが、合成する断層画像57の数は、2つに限定されない。なお、合成する断層画像57の数が多くなるほど、合成する断層画像57のうちの最上層の断層画像57と最下層の断層画像57における、飛跡Tが通過する位置のずれ量が大きくなる。飛跡Tの通過する位置のずれ量が大きくなるほど、合成断層画像59の数は、多くなり、例えば、演算のためのメモリに必要な量が多くなる。また、隣接する断層画像57同士の間隔に応じても、合成する断層画像57のうちの最上層の断層画像57と最下層の断層画像57における、飛跡Tが通過する位置のずれ量は変化し、隣接する断層画像57の間隔が広くなるほど、ずれ量は大きくなる。
従って、いくつの断層画像57を合成して合成断層画像59とするかは、断層画像群56に含まれる断層画像57の数、隣接する断層画像57同士の間隔、及びメモリの容量等に応じて選択することが好ましい。
また、飛跡検出装置12の検出部26が実行する飛跡検出処理(図9参照)における飛跡候補線Cが飛跡Tであるか否かの判定方法について、飛跡候補線Cが通る各合成断層画像59の画素58の画素値の加算値と、予め定められた閾値とを比較した比較結果に基づく方法について説明したが、上記方法に限定されない。例えば、以下の方法を採用してもよい。まず、検出部26は、飛跡候補線Cが通る各合成断層画像59の画素58毎に、画素58に黒点が形成されているか否かを判定するための閾値と比較し、黒点が形成されているか否かを判定する。さらに、検出部26は、黒点であると判定した画素58(合成断層画像59)の数が飛跡候補線Cが飛跡Tであるか否かを判定する閾値以上の場合に、飛跡候補線Cが飛跡Tであると判定する方法を用いてもよい。
[第2実施形態]
以下、第2実施形態について詳細に説明する。なお、本実施形態では、上記第1実施形態で説明した構成及び作用と同一の構成及び作用については同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。
本実施形態の非破壊検査システム1の全体の構成、及び飛跡検出装置12の構成は、第1実施形態の非破壊検査システム1及び飛跡検出装置12の構成(図2、図4、及び図5参照)と同様であるため、説明を省略する。
本実施形態は、飛跡検出装置12の作用の一部が異なるため、本実施形態の飛跡検出装置12の作用について説明する。本実施形態の飛跡検出装置12では、第1実施形態の飛跡検出処理(図9参照)のステップS104で実行される検出処理(図10参照)の一部が異なるため、本実施形態の飛跡検出装置12が実行する検出処理について説明する。なお、以下では、上記ステップS140の処理の結果得られた合成断層画像59及び断層画像57について、単に「合成断層画像59」と総称する。
図13には、本実施形態の飛跡検出装置12が実行する検出処理の一例を表すフローチャートが示されている。本実施形態の検出処理は、ステップS140とステップS142との間に、ステップS141A及びS141Bの処理を行う点で第1実施形態の検出処理(図10参照)と異なっている。
ステップS140で合成断層画像59を合成すると、次のステップS141Aで検出部26は、図14に示すように、各合成断層画像59を縮小した縮小画像80を生成する。図14には、2つの黒点81が含まれている。本実施形態の検出部26は、各合成断層画像59について、隣接する複数の一群の画素58を、1つの画素82として、各合成断層画像59に比べて面積を縮小した縮小画像80を生成する。具体例として本実施形態では、図14に示すように、合成断層画像59の4つ(2×2)の画素58を、縮小画像80の1つの画素82としており、例えば、画素58A、58B、58C、及び58Dの4つの画素58により、縮小画像80の画素82Aとしている。
なお、縮小画像80の画素82の画素値は、一群の画素58のうち、最も暗い画素58の画素値とする。上述したように、本実施形態では、画素値が小さいほど画像が暗く、黒色となるため、検出部26は、一群の画素58の画素値のうちの最小値を、縮小画像80の画素82の画素値とする。
このように、合成断層画像59を縮小した縮小画像80により、飛跡Tの検出を行うことで、演算量を削減することができる。例えば、上述のように合成断層画像59の4つの画素58を、縮小画像80の1画素82として、面積を1/4にした場合、演算量は、約1/4になる。
次のステップS141Bで検出部26は、縮小画像80における黒点81を拡大する。上記ステップS141Aにより、画像が縮小されたため、黒点81も縮小された状態となり、黒点81が検出し難くなる。特に、黒点81が変形していたり、乳剤層での黒点粒子発生位置の揺らぎを含む状態だったりする場合、黒点81がぼやけた画像となったり、黒点81の像の大きさが小さくなったりする。このような画像で、本来、一つの飛跡Tの黒点群が、合成断層画像59、断層画像57内にあっても、シフト法で図12Bの状態にした場合、同じ位置で重ならず、各層の画素値を加算しても、検出し難くなる場合がある。
そこで、本実施形態では、黒点81を検出し易くするために、黒点81であると判定される画素82を、図15に示すように、拡大する。図15に示した例では、図14に示した縮小画像80の4つの画素82については、黒点81であると判定されるため、各画素82が、4つ(2×2)となる状態に拡大した例を示している。例えば、図14に示した縮小画像80の画素82Aは、図15に示した画素82B、82C、82D、82Eの4つの画素に拡大される。
なお、検出部26は、所定の閾値と比較して黒点81であると判定される画素82のみを拡大し、その他の画素82は拡大せず、縮小画像80全体の大きさは、拡大しない。よって、図15では黒点81は大きくなるが、黒点81間の距離は変わらない。なお、各画素82が、4つ(2×2)となる状態に拡大した例では、黒点81の中心位置が、図14の元の位置から最大で1画素ずれる場合があるが、図15の各黒点81を同じ方向に拡大することで、検出する飛跡Tの方向のずれを少なくしている。なお、各画素82が、9つ(3×3)となる状態に拡大する場合は、このような誤差が、より抑制される。
ステップS142以降の、ステップS144〜S158の処理は、検出対象を合成断層画像59から縮小画像80に代えた他は、第1実施形態の検出処理におけると同様であるため、説明を省略する。
このように本実施形態では、合成断層画像59に代えて、合成断層画像59を縮小した縮小画像80を用いて、飛跡Tの検出を行うため、飛跡を検出するための演算量をより削減することができる
[第3実施形態]
以下、第3実施形態について詳細に説明する。なお、本実施形態では、上記第1実施形態で説明した構成及び作用と同一の構成及び作用については同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。
本実施形態の非破壊検査システム1の全体の構成、及び飛跡検出装置12の構成は、第1実施形態の非破壊検査システム1及び飛跡検出装置12の構成(図2、図4、及び図5参照)と同様であるため、説明を省略する。なお、飛跡検出装置12の記憶部32に記憶されているデータが、本実施形態の飛跡検出装置12は、第1実施形態の飛跡検出装置12の記憶部32(図4参照)に記憶されているデータと異なる。図16に示すように、本実施形態の飛跡検出装置12の記憶部32には、さらに飛跡角度データ38が記憶されている。
本実施形態は、飛跡検出装置12の作用の一部が異なるため、本実施形態の飛跡検出装置12の作用について説明する。本実施形態の飛跡検出装置12では、第1実施形態の飛跡検出処理(図9参照)のステップS102で実行される飛跡候補線特定処理の一部が異なるため、本実施形態の飛跡検出装置12が実行する飛跡候補線特定処理について説明する。
飛跡Tの飛跡角度(θ,ω)が(0,0)以外の場合、換言すると、飛跡Tが断層画像57に斜めに入射した場合、一例として図17に示すように、断層画像群56の各断層画像57を通る飛跡Tの各断層画像57内における位置が異なる。一例として図17では、断層画像群56が4枚の断層画像57(n=4)を含む場合を示している。図17に示す例では、断層画像57の画素58(x1,y1)の基準点60を通る飛跡Tは、断層画像57、断層画像57、及び断層画像57の各々における基準点60に対応する位置と異なる位置であり、かつ各断層画像57で異なる位置を通る。なお、本実施形態では、一例として基準点60を、画素58の中心点としている。
想定される飛跡Tの飛跡角度として、天頂角θ、及び面内角ωを網羅的に定めた場合の仮想的な飛跡Tによる飛跡線を、仮想飛跡候補線とする。この場合、図18に示す例のように、最上層である断層画像57の画素58(x1,y1)の基準点60を通り、最下層である断層画像57の同一の画素58(xn,yn)を通る、複数(図18では5本)の仮想飛跡候補線VCが存在する。
上述したように、後段の検出部26では、断層画像57に形成された飛跡Tに応じた黒点に基づいて、断層画像57の画素単位で演算を行い、飛跡候補線特定部24で特定した飛跡候補線から、飛跡Tによる飛跡線を検出する。そのため、最下層である断層画像57の同一の画素58を通る、複数の仮想飛跡候補線VCの各々を用いて演算を行うと、同一の黒点に対応する演算を行う、換言すると同等の演算を繰り返し行うことになる。そこで、本実施形態の飛跡候補線特定部24は、図19に示すように、最上層である断層画像57の画素58(x1,y1)の基準点60を通る複数の仮想飛跡候補線VCのうちから、最下層である断層画像57の同一の画素58を通る1本の飛跡候補線Cを特定することで、後段の検出部26における、同等の演算を繰り返すことによる演算量の増加を抑制する。
一例として、本実施形態の飛跡候補線特定部24では、断層画像57を通る複数の仮想飛跡候補線VCのうち、各画素58の中心点61に近い1本の仮想飛跡候補線VCを、飛跡候補線Cとして特定する。図19に示した例では、飛跡候補線特定部24が、断層画像57の9つの画素58の各々を通る飛跡候補線Cを、仮想飛跡候補線VCから特定した例を示している。
従って、本実施形態では、飛跡候補線の飛跡候補角度(θ,ω)は、断層画像57における画素58の大きさと、断層画像57から断層画像57までの距離と、天頂角θ及び面内角ωの刻みと、に応じて定まる。本実施形態の飛跡候補線特定部24は、飛跡角度(θ,ω)を、断層画像57における画素58の大きさと、断層画像57から断層画像57までの距離と、天頂角θ及び面内角ωの刻みとの3つの条件に対応付けた情報を飛跡角度データ38として記憶部32に記憶している。
図20に、本実施形態の飛跡候補線特定処理の流れの一例を表すフローチャートを示す。
図20のステップS120で飛跡候補線特定部24は、飛跡候補角度(θ,ω)を導出するか否か判定する。本実施形態では、飛跡候補線Cの特定に、記憶部32に記憶されている飛跡角度データ38による飛跡候補角度(θ,ω)を用いる場合と、新たに導出した飛跡候補角度(θ,ω)を用いる場合とがある。一例として本実施形態の飛跡候補線特定部24では、ユーザから入力部34により、飛跡候補角度(θ,ω)の導出を指示された場合、及び飛跡角度データ38に記憶されている情報と、上記の条件が一致しない場合、飛跡候補角度(θ,ω)を導出すると判定する。上記の条件が一致しない場合の例としては、飛跡角度データ38において、飛跡候補角度(θ,ω)が対応付けられている画素58の大きさと、上記ステップS100で取得した断層画像57の画素58の大きさとが異なり、その画素58の大きさの差が許容範囲を越えている場合が挙げられる。
飛跡候補角度(θ,ω)を導出する場合、ステップS120の判定が肯定判定となり、ステップS122へ移行する。ステップS122で飛跡候補線特定部24は、詳細を後述する、図21に一例を示した飛跡候補角度導出処理を実行した後、本飛跡候補線特定処理を終了し、図9に示した飛跡検出処理のステップS104へ移行する。
一方、飛跡候補角度(θ,ω)を導出しない場合、換言すると、飛跡角度データ38を用いる場合、飛跡候補線特定処理のステップS120の判定が否定判定となり、ステップS124へ移行する。
ステップS124で飛跡候補線特定部24は、飛跡角度データ38から、飛跡候補角度(θ,ω)を特定する。具体的には、飛跡候補線特定部24は、断層画像取得部20が取得した断層画像57に応じた、断層画像57における画素58の大きさと、断層画像57から断層画像57までの距離と、天頂角θ及び面内角ωの刻みとに対応付けられている飛跡候補角度(θ,ω)を飛跡角度データ38から取得する。ステップS124を終了することにより、本飛跡候補線特定処理が終了し、図9に示した飛跡検出処理のステップS104へ移行する。
上述した飛跡候補線特定処理(図20参照)のステップS122で実行される、飛跡候線角度導出処理について図21を参照して詳細に説明する。
図21のステップS200で飛跡候補線特定部24は、飛跡候補角度(θ,ω)として想定される、天頂角θ、及び面内角ωの全ての組み合わせに応じた一覧表を生成する。換言すると、全ての仮想飛跡候補線VCの飛跡角度(以下、「仮想飛跡候補角度」という)(θ,ω)の天頂角θ、及び面内角ωに応じた一覧表を生成する。図22には、一覧表70の一例を示す。ステップS200では、図22に示した一覧表70における、「線ID」、「θ」、及び「ω」の欄に、データが入力された状態の一覧表70が生成される。
なお、一般的にμ粒子は、天頂から降り注ぐため、原子核乾板50を、法線方向が天頂角θ=0度となる状態に配置した場合、原子核乾板50に到達するμ粒子の量は、天頂角θ=90度未満の範囲内が多く、天頂角θ=45度以下の範囲内が特に多い。そこで、本実施形態の飛跡候補線特定部24は、天頂角θが0度以上、45度以下、かつ面内角ωが0度以上、360度未満の範囲で1度ごとに網羅的に仮想飛跡候補角度(θ,ω)を定めている。なお、天頂角θが0度の場合、面内角ωの角度にかかわらず、得られる飛跡候補線Cが、同一となる。そのため、本実施形態の飛跡候補線特定部24では、天頂角θが0度の場合、面内角ωが0度の場合のみを仮想飛跡候補角度(θ,ω)に含める。従って、仮想飛跡候補角度(θ,ω)は、16201(45×360+1=16201)通りとなり、組み合わせ毎に、図22に示すように、線ID1〜ID16201が順次、対応付けされている。
次のステップS202で飛跡候補線特定部24は、最上段の断層画像57の基準点60を通り、仮想飛跡候補角度(θ,ω)を有する全ての仮想飛跡候補線VCが通る、最下段の断層画像57の画素58の、断層画像57における位置を導出し、一覧表70の「画素座標x」及び「画素座標y」の欄の各々に入力する。なお、本実施形態では、断層画像57における画素58の位置として、画素単位で表される座標を用いている。図22に示した一覧表70では、線IDが「3」で仮想飛跡候補角度(1,1)である仮想飛跡候補線VCは、最下段の断層画像57における画素座標(5,0)の位置にある画素58を通ることを示している。
次のステップS204で飛跡候補線特定部24は、全ての仮想飛跡候補線VCについて、仮想飛跡候補線VCが通る、最下段の断層画像57の画素58における中心点61と、通過位置との距離を導出し、一覧表70の「Δd」の欄に入力する。Δdは、仮想飛跡候補角度(θ,ω)、断層画像57における画素58の大きさ、及び断層画像57から断層画像57までの距離から導出される。
次のステップS206で飛跡候補線特定部24は、図23に一例を示したID配列表72の各値を「0」にリセットする。図23に一例を示したID配列表72は、最下層の断層画像57における画素58の座標(位置)を項目に採用した表である。本実施形態のID配列表72は、画素58を通る仮想飛跡候補線VCが存在しない場合、「0」が入力されている。また、詳細は後述するが、ID配列表72は、画素58を通る1本の仮想飛跡候補線VCが存在する場合、その画素58を通る仮想飛跡候補線VCの線IDが入力される。さらに、ID配列表72には、画素58を通る複数の仮想飛跡候補線VCがある場合、その画素58を通る複数の仮想飛跡候補線VCのうち、中心点61に最も近い位置を通る1本の仮想飛跡候補線VCの線IDが入力される。
次のステップS208で飛跡候補線特定部24は、注目IDを1(注目ID=1)とする。
次のステップS210で飛跡候補線特定部24は、一覧表70から、注目IDに対応する画素座標(x,y)を取得する。図22に示した例では、注目IDが「1」の場合、一覧表70から画素座標(0,0)を取得し、注目IDが「3」の場合、画素座標(5,0)を一覧表70から取得する。
次のステップS212で飛跡候補線特定部24は、注目IDに対応するID配列表72の画素座標(x,y)の値が0((x,y)=0)であるか否かを判定する。画素座標(x,y)の値が0の場合、ステップS212の判定が肯定判定となり、ステップS214へ移行する。すなわち、注目IDに対応する仮想飛跡候補線VCの他に、上記ステップS210で取得した画素座標(x,y)の画素58を通る仮想飛跡候補線VCが存在しない場合、ステップS212の判定が肯定判定となり、ステップS214へ移行する。
ステップS214で飛跡候補線特定部24は、一覧表70の注目IDに対応する「有効/無効」の欄に、有効を表す「1」を入力した後、ステップS228へ移行する。また、飛跡候補線特定部24は、上記ステップS210で取得した画素座標(x,y)に対応する、ID配列表72の(x,y)の値に、注目IDの番号を入力する。なお、一覧表70に表される「有効/無効」とは、その仮想飛跡候補線VCが、飛跡候補線Cとして有効であるか無効であるかを表しており、「有効」の場合、上述のように「1」が入力され、無効の場合「0」が入力される。
一方、画素座標(x、y)の値が0ではない場合、ステップS212の判定が否定判定となり、ステップS216へ移行する。すなわち、注目IDに対応する仮想飛跡候補線VCの他に、上記ステップS210で取得した画素座標(x,y)の画素58を通る仮想飛跡候補線VCが存在する場合、ステップS212の判定が否定判定となり、ステップS216へ移行する。
ステップS216で飛跡候補線特定部24は、一覧表70の注目IDに対応するΔdの値と、ID配列表72における注目IDの画素座標(x,y)に入力されている線IDを有する仮想飛跡候補線VCのΔdとを比較する。次のステップS218で飛跡候補線特定部24は、注目IDのΔdが、上記ステップS216で比較した線IDのΔdよりも小さいか否かを判定する。
注目IDのΔdが、上記ステップS216で比較した線IDのΔdよりも小さい場合、ステップS218の判定が肯定判定となり、ステップS222へ移行する。このようにステップS218が肯定判定となる場合とは、注目IDに対応する仮想飛跡候補線VCの方が、上記ステップS216で比較した線IDに対応する仮想飛跡候補線VCよりも、画素58の中心点61に近い位置を通る場合である。
ステップS222で飛跡候補線特定部24は、一覧表70の注目IDに対応する「有効/無効」の欄に、有効を表す「1」を入力する。次のステップS224で飛跡候補線特定部24は、一覧表70の、上記ステップS216で比較した線IDに対応する「有効/無効」の欄に入力されている値を、有効を表す「1」から、無効を表す「0」にする。
次のステップS226で飛跡候補線特定部24は、注目IDの画素座標(x,y)に対応する、ID配列表72の(x,y)の値に、注目IDの番号を入力した後、ステップS228へ移行する。
一方、注目IDのΔdが、上記ステップS216で比較した線IDのΔdよりも小さくない場合、換言すると、注目IDのΔdが、上記ステップS216で比較した線IDのΔd以上の場合、ステップS218の判定が否定判定となり、ステップS220へ移行する。このようにステップS218が否定判定となる場合とは、注目IDに対応する仮想飛跡候補線VCの方が、上記ステップS216で比較した線IDに対応する仮想飛跡候補線VCよりも、画素58の中心点61から遠い位置を通る場合、または注目IDに対応する仮想飛跡候補線VCと、上記ステップS216で比較した線IDに対応する仮想飛跡候補線VCとが同じ位置を通る場合である。
ステップS220で飛跡候補線特定部24は、一覧表70の注目IDに対応する「有効/無効」の欄に、無効を表す「0」を入力した後、ステップS228へ移行する。
例えば、注目IDが「3」の場合、一覧表70によれば、注目IDの画素座標(x,y)は、「(5,0)」であり、Δdは、「0.080」である。ID配列表72によれば、画素座標(5,0)に入力されている線IDは、「2」である。一覧表70によれば、線IDが「2」に対応する、Δdの値は「0.078」であり、上記注目IDに対応する仮想飛跡候補線VCよりも中心点61に近い距離を通るため、ステップS218の判定が否定判定となる。次のステップS220で飛跡候補線特定部24は、注目ID=線IDが「3」に対応する「有効/無効」の欄に、無効を表す「0」を入力する。
なお、本実施形態では、上記ステップS218において、注目IDのΔdと、上記ステップS216で比較した線IDのΔdとが等しい場合、否定判定となりステップS220へ移行することで、先に入力されている線IDに対応する仮想飛跡候補線VCを飛跡候補線Cとして採用する形態について説明した。しかしながら、注目IDのΔdと、上記ステップS216で比較した線IDのΔdとが等しい場合、いずれの仮想飛跡候補線VCを、飛跡候補線Cとして採用するかは、本実施形態に限定されない。例えば、天頂角θの大小、または面内角ωの大小に応じて何れを採用するかを定めておいてもよい。
ステップS228で飛跡候補線特定部24は、注目IDが線IDの最大値未満(注目ID<最大値)か否かを判定する。上述したように、本実施形態では、線IDの最大値が「16201」であるため、注目IDの値が「16201」未満の場合、ステップS228の判定が肯定判定となり、ステップS230へ移行する。ステップS230で飛跡候補線特定部24は、注目IDに1を加算した値を新たな注目IDとした(注目ID=注目ID+1)後、ステップS210に戻り、上記ステップS210〜S228の処理を繰り返す。
一方、注目IDが線IDの最大値未満ではない場合、換言すると、注目IDが線IDの最大値に達した場合、ステップS228の判定が否定判定となり、ステップS232へ移行する。ステップS232で飛跡候補線特定部24は、一覧表70の、「有効/無効」の欄の値が有効を表す「1」である、線IDに対応する仮想飛跡候補角度(θ,ω)を、飛跡候補線Cの飛跡候補角度(θ,ω)として特定した後、本飛跡候補角度導出処理を終了する。本飛跡角度導出処理を終了することにより、図20に示した飛跡候補線特定処理も終了し、図9に示した飛跡検出処理のステップS104へ移行する。
なお、上記飛跡候補角度導出処理により導出された飛跡候補角度(θ,ω)のデータを、断層画像57における画素58の大きさと、断層画像57から断層画像57までの距離と、天頂角θ及び面内角ωの刻みとの3つの条件に対応付けて飛跡角度データ38として記憶部32に記憶させてもよい。このように飛跡角度データ38を記憶させることにより、次回以降、飛跡検出処理を行う場合、上記3つの条件を満たせば、飛跡候補線特定部24は、飛跡角度データ38を利用して飛跡候補線Cを特定することができるため、飛跡候補線Cを特性するための演算量を削減することができる。
このように本実施形態の飛跡検出装置12では、飛跡候補線特定部24が、断層画像群56の最上層である断層画像57の基準点60を通る方向が各々異なり、かつ各々が断層画像群56の最下層である断層画像57の異なる画素58を通る複数の飛跡候補線Cを特定する。本実施形態によれば、想定される天頂角θ、及び面内角ωを網羅的に定めて飛跡候補角度(θ,ω)として定めた飛跡候補線Cを用いて飛跡Tを検出する場合に比べて、飛跡Tの検出に用いる飛跡候補線Cの数を減少させることができる。
従って、本実施形態の飛跡検出装置12によれば、検出精度を低下させることなく、飛跡を検出するための演算量をより削減することができる。
[第4実施形態]
以下、第4実施形態について詳細に説明する。なお、本実施形態では、上記各実施形態で説明した構成及び作用と同一の構成及び作用については同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。
本実施形態の非破壊検査システム1の全体の構成、及び飛跡検出装置12の構成は、上記各実施形態の非破壊検査システム1及び飛跡検出装置12の構成(図2、図4、及び図5参照)と同様であるため、説明を省略する。なお、飛跡検出装置12は、第3実施形態の飛跡検出装置12(図16参照)と同様に、記憶部32に、さらに飛跡角度データ38が記憶されている状態である。
本実施形態は、飛跡検出装置12の作用の一部が異なるため、本実施形態の飛跡検出装置12の作用について説明する。本実施形態の飛跡検出装置12では、第1実施形態の飛跡検出処理(図9参照)のステップS102で実行される飛跡候補線特定処理の一部が異なる。具体的には、第3実施形態の飛跡検出装置12が実行する飛跡候補線特定処理(図20参照)のステップS122で実行される飛跡候補角度導出処理が異なるため、本実施形態の飛跡検出装置12が実行する飛跡候補角度導出処理について説明する。
本実施形態の飛跡候補線特定部24により特定される複数の飛跡候補線Cは、各飛跡候補線Cの長さを同一とした場合、図24及び図25に示すように、天頂角θが45度以下の範囲の領域90内に配置される。なお、図24は、断層画像57を側面からみた側面図であり、図25は、断層画像57を、μ粒子が入射される側(図24における上側)からみた平面図である。
本実施形態の飛跡候補線特定部24は、領域90内において、飛跡候補線C同士の成す角度が所定角度となる間隔で配置された複数の飛跡候補線Cを特定する。
従って、本実施形態では、飛跡候補線Cの飛跡候補角度(θ,ω)は、飛跡候補線C同士が成す所定角度に応じて定まる。飛跡候補線C同士が成す所定角度は、例えば、断層画像57から断層画像57までの距離、及び非破壊検査システムにおける検出精度等に応じて定まる。本実施形態の飛跡検出装置12は、飛跡角度(θ,ω)を、飛跡候補線C同士が成す所定角度を飛跡候補線Cの特定条件として対応付けた情報を飛跡角度データ38として記憶部32に記憶している。
図26に、本実施形態の飛跡候補角度導出処理の流れの一例を表すフローチャートを示す。なお、以下では、飛跡候補線C及び想定飛跡候補線(詳細後述)各々の線長さを全て同一とした場合について説明する。
図26のステップS200で飛跡候補線特定部24は、基準の飛跡候補線C(以下、「基準飛跡候補線CS」という)を特定する。一例として本実施形態では、図27に示すように、飛跡候補角度(θ,ω)における天頂角θが最大値である45度、及び面内角ωが0度である飛跡候補線Cを、基準飛跡候補線CSとして特定する。なお、基準飛跡候補線CSは、飛跡候補角度(θ,ω)における天頂角θが最大値であればよく、面内角ωは特に限定されない。
次のステップS202で飛跡候補線特定部24は、基準飛跡候補線CSと天頂角θが同一とし、直前に定めた飛跡候補線Cと成す角度が所定角度の想定飛跡候補線を特定する。図28には、上記ステップS200の直後に、本ステップS202を実行した場合に、特定される想定飛跡候補線Vの一例を示す。図28に示した想定飛跡候補線Vは、飛跡候補線Cと天頂角θが同一(45度)であり、かつ直前に、飛跡候補線Cとして特定した基準飛跡候補線CSと成す角度が所定角度αである。
次のステップS204で飛跡候補線特定部24は、想定飛跡候補線Vと、基準飛跡候補線CSとの成す角度が所定角度α未満であるか否かを判定する。所定角度未満ではない場合、換言すると、想定飛跡候補線Vと、基準飛跡候補線CSとの成す角度が所定角度α以上の場合、ステップS204の判定が否定判定となり、ステップS206へ移行する。
ステップS206で飛跡候補線特定部24は、上記ステップS202で特定した想定飛跡候補線Vを、飛跡候補線Cとして特定した後、ステップS202に戻り、ステップS202及びS204の処理を繰り返す。
一方、基準飛跡候補線CSとの成す角度が所定角度α未満の場合、ステップS204の判定が肯定判定となり、ステップS208へ移行する。上記ステップS202〜S206の処理を繰り返すことにより、図29に示すように、一端が天頂角θの位置にあり、他端が天頂角が0度の軸を中心とした天頂角θが45度に応じた円周上に位置する、複数の飛跡候補線Cが得られる。
しかしながら、本実施形態では、基準飛跡候補線CSに近付くと、上記ステップS202で特定した想定飛跡候補線Vが、図30に示すように、直前に特定した飛跡候補線Cと成す角度は所定角度αであるが、基準飛跡候補線CSと成す角度βが、所定角度α未満となる。この場合、ステップS204の判定が肯定判定となる。
なお、本実施形態と異なり、想定飛跡候補線Vについて、直前に特定した飛跡候補線Cと成す角度は所定角度αであるが、基準飛跡候補線CSと成す角度βが、所定角度α未満とならない場合、上記ステップS202〜S206の処理の繰り返し後、基準飛跡候補線CSと成す角度が所定角度αとなった想定飛跡候補線Vがあるか否かを判定する形態とすればよい。
ステップS208で飛跡候補線特定部24は、基準飛跡候補線CS及び直前に定めた飛跡候補線Cの各々と成す角度が所定角度αである想定飛跡候補線Vを飛跡候補線Cとして特定する。具体的には、飛跡候補線特定部24は、上記ステップS202で特定した図30に一例を示した想定飛跡候補線Vに代えて、基準飛跡候補線CS及び直前に定めた飛跡候補線Cの各々と成す角度が所定角度αである、図31に一例を示した想定飛跡候補線Vを飛跡候補線Cとして特定する。図31に示すように、飛跡候補線Cとして特定される想定飛跡候補線Vの想定飛跡候補角度(θ,ω)における天頂角θは、基準飛跡候補線CSの飛跡候補角度(θ,ω)における天頂角θである45度よりも小さくなる。また、図31に示すように、直前に定めた飛跡候補線Cの端部と想定飛跡候補線Vの端部との距離C−V、及び基準飛跡候補線CSの端部と想定飛跡候補線Vの端部との距離CS−Vは同一となる。
次のステップS210で飛跡候補線特定部24は、直前に定めた飛跡候補線C及びそれ以前(直前よりも前)に定めた飛跡候補線Cと所定角度αを成す想定飛跡候補線Vを決定する。図32を参照して、想定飛跡候補線Vの決定方法の一例を説明する。図32に示すように、飛跡候補線特定部24は、直前に定めた飛跡候補線CPを回転軸とし、頂角が所定角度αの2倍となる円錐92を仮定する。円錐92の底面である円の円周上に端部を有する想定飛跡候補線Vは、飛跡候補線CPと成す角度が所定角度αとなる想定飛跡候補線Vである。
飛跡候補線特定部24は、円錐92の底面である円の円周上に端部と、断層画像57上の、天頂角θが0度かつ面内角ωが0度の位置とを結ぶ軸を回転軸とし、頂角が所定角度αの2倍となる円錐93を仮定する。円錐93の底面である円の円周上に端部を有する飛跡候補線Cは、想定飛跡候補線Vと成す角度が所定角度αとなる飛跡候補線Cである。
そこで、飛跡候補線特定部24は、円錐92の底面である円の円周上に端部を有し、かつ、円錐93の円周上に、以前に定めた飛跡候補線Cの端部が有するという条件を満たす想定飛跡候補線Vを検出する。
なお、後述するように、本ステップS210の処理を繰り返し、飛跡候補線Cを特定していくと、天頂角θが次第に小さくなり、0度に近付くと、基準飛跡候補線CS及び直前に定めた飛跡候補線Cの各々と成す角度が所定角度αである想定飛跡候補線Vが存在しなくなる。この場合、飛跡候補線特定部24は、想定飛跡候補線Vを決定でないとして、ステップS212へ移行する。
次のステップS212で飛跡候補線特定部24は、上記ステップS210において、想定飛跡候補線Vが決定できたか否かを判定する。想定飛跡候補線Vが決定できた場合、ステップS212の判定が肯定判定となり、ステップS214へ移行する。
ステップS214で飛跡候補線特定部24は、上記ステップS210で決定した想定飛跡候補線Vを、飛跡候補線Cとして特定した後、ステップS210に戻り、ステップS210及びS212の処理を繰り返す。
一方、想定飛跡候補線Vが決定できなかった場合、ステップS212の判定が否定判定となり、本飛跡候補角度導出処理を終了する。本飛跡角度導出処理を終了することにより、図20に示した飛跡候補線特定処理も終了し、図9に示した飛跡検出処理のステップS104へ移行する。
なお、上記飛跡候補角度導出処理により導出された飛跡候補角度(θ,ω)のデータに、所定角度αを特定条件として対応付けて飛跡角度データ38として記憶部32に記憶させてもよい。このように飛跡角度データ38を記憶させることにより、次回以降、飛跡検出処理を行う場合、天頂角θの最大値と所定角度αの条件を満たせば、飛跡候補線特定部24は、飛跡角度データ38を利用して飛跡候補線Cを特定することができるため、飛跡候補線Cを特性するための演算量を削減することができる。
このように本実施形態の飛跡検出装置12では、飛跡候補線特定部24が、飛跡候補線C同士の成す角度が所定角度となる間隔で配置された複数の飛跡候補線Cを特定する。本実施形態によれば、想定される天頂角θ、及び面内角ωを1度刻み等で、網羅的に定めて飛跡候補角度(θ,ω)として定めた飛跡候補線Cを用いて飛跡Tを検出する場合に比べて、飛跡Tの検出に用いる飛跡候補線Cの数を減少させることができる。また、複数の飛跡候補線C同士がほぼ等間隔で配置されるため、例えば、想定される天頂角θ、及び面内角ωの刻みを大きくして、網羅的に飛跡候補線Cを定める場合に比べて、検出精度が低下しない。
従って、本実施形態の飛跡検出装置12によれば、検出精度を低下させることなく、飛跡を検出するための演算量を削減することができる。
以上説明したように、各実施形態の飛跡検出装置12は、入射されたμ粒子が透過することにより、μ粒子の飛跡Tを潜像として記録する乳剤層51における、飛跡Tを検出する飛跡検出装置12である。飛跡検出装置12は、乳剤層51における深さ方向が異なる複数の断面の各々を撮像して得られた潜像に応じた黒点が含まれ、各々複数の画素58が配置された複数の断層画像57を取得する断層画像取得部20を備える。また、飛跡検出装置12は、予め定められた数の隣接する断層画像57同士を組み合わせて得られた複数の合成断層画像59に含まれる潜像に応じた黒点像に基づいて、複数の飛跡候補線Cから飛跡を検出する検出部26を備える。
従って、上記構成を有する各実施形態の飛跡検出装置12によれば、検出精度を低下させることなく、飛跡を検出するための演算量を削減することができる。
また、上記実施形態において、例えば、断層画像取得部20、前処理部22、飛跡候補線特定部24、検出部26、及び出力部28といった各種の処理を実行する処理部(processing unit)のハードウェア的な構造としては、次に示す各種のプロセッサ(processor)を用いることができる。上記各種のプロセッサには、前述したように、ソフトウェア(プログラム)を実行して各種の処理部として機能する汎用的なプロセッサであるCPUに加えて、FPGA(Fieid Programmable Gate Array)等の製造後に回路構成を変更可能なプロセッサであるプログラマブルロジックデバイス(Programmable Logic Device:PLD)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の特定の処理を実行させるために専用に設計された回路構成を有するプロセッサである専用電気回路等が含まれる。
1つの処理部は、これらの各種のプロセッサのうちの1つで構成されてもよいし、同種又は異種の2つ以上のプロセッサの組み合わせ(例えば、複数のFPGAの組み合わせや、CPUとFPGAとの組み合わせ)で構成されてもよい。また、複数の処理部を1つのプロセッサで構成してもよい。
複数の処理部を1つのプロセッサで構成する例としては、第1に、クライアント及びサーバ等のコンピュータに代表されるように、1つ以上のCPUとソフトウェアの組み合わせで1つのプロセッサを構成し、このプロセッサが複数の処理部として機能する形態がある。第2に、システムオンチップ(System On Chip:SoC)等に代表されるように、複数の処理部を含むシステム全体の機能を1つのIC(Integrated Circuit)チップで実現するプロセッサを使用する形態がある。このように、各種の処理部は、ハードウェア的な構造として、上記各種のプロセッサの1つ以上を用いて構成される。
更に、これらの各種のプロセッサのハードウェア的な構造としては、より具体的には、半導体素子などの回路素子を組み合わせた電気回路(circuitry)を用いることができる。
また、上記実施形態では、飛跡検出プログラム37が記憶部32に予め記憶(インストール)されている態様を説明したが、これに限定されない。飛跡検出プログラム37は、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)、DVD−ROM(Digital Versatile Disc Read Only Memory)、及びUSB(Universal Serial Bus)メモリ等の記録媒体に記録された形態で提供されてもよい。また、飛跡検出プログラム37は、ネットワークを介して外部装置からダウンロードされる形態としてもよい。
1 非破壊検査システム
10 断層画像生成装置
12 飛跡検出装置
14 解析装置
20 断層画像取得部
22 前処理部
24 飛跡候補線特定部
26 検出部
28 出力部
30 CPU
31 メモリ
32 記憶部
33 表示部
34 入力部
36 ネットワークI/F
37 飛跡検出プログラム
38 飛跡角度データ
39 バス
50 原子核乾板
51、51A、51B 乳剤層
52 フィルムベース
56、56A、56B 断層画像群
57、57〜57、57、57m+1 断層画像
58、58A〜58D、58(x1,y1)、58(xn,yn)、82、82A〜82E 画素
59,59A〜59I、59、59 合成断層画像
60、63 基準点
61 中心点
64 点線
70 一覧表
72 ID配列表
80 縮小画像
81 黒点
90 領域
92、93 円錐
A 矢印
C 飛跡候補線、CS 基準飛跡候補線
N ネットワーク
T 飛跡
VC 仮想飛跡候補線
V 想定飛跡候補線
θ 天頂角
ω 面内角
α 所定角度
β 角度
C−V、CS−V 距離

Claims (11)

  1. 入射された荷電粒子が透過することにより、前記荷電粒子の飛跡を潜像として記録する荷電粒子飛跡記録層における、前記飛跡を検出する飛跡検出装置であって、
    前記荷電粒子飛跡記録層における深さ方向が異なる複数の断面の各々を撮像して得られた前記潜像に応じた飛跡像が含まれ、各々複数の画素が配置された複数の断層画像を取得する断層画像取得部と、
    予め定められた数の隣接する断層画像同士を組み合わせて得られた複数の合成断層画像に含まれる前記潜像に応じた飛跡像に基づいて、複数の飛跡候補線から前記飛跡を検出する検出部と、
    を備えた飛跡検出装置。
  2. 前記合成断層画像は、前記飛跡候補線が前記荷電粒子飛跡記録層に入射する方向に応じて、前記隣接する断層画像同士の位置をずらして合成した画像である、
    請求項1に記載の飛跡検出装置。
  3. 前記合成断層画像は、前記隣接する断層画像同士の画素の画素値を加算して得られた画像である、
    請求項1または請求項2に記載の飛跡検出装置。
  4. 前記合成断層画像の画素の画素値は、前記隣接する断層画像同士の画素のうち、暗い方の画素の画素値である、
    請求項1または請求項2に記載の飛跡検出装置。
  5. 前記検出部は、前記複数の合成断層画像の各々を縮小した複数の縮小画像の各々に含まれる前記飛跡像に応じて、前記飛跡を検出する、
    請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の飛跡検出装置。
  6. 前記複数の縮小画像は、前記複数の合成断層画像の各々について、隣接する一群の画素を1つの画素とした画像である、
    請求項5に記載の飛跡検出装置。
  7. 前記1つの画素の画素値は、前記一群の画素に含まれる画素の画素値のうち最も暗い画素の画素値である、
    請求項6に記載の飛跡検出装置。
  8. 前記断層画像取得部が取得する前記複数の断層画像は、前記荷電粒子の入射側に最も近い前記荷電粒子飛跡記録層の断面によって得られた第1断層画像と、前記荷電粒子の入射側に最も遠い前記荷電粒子飛跡記録層の断面によって得られた第2断層画像とを含み、
    前記第1断層画像の基準点を通る方向が各々異なり、かつ各々が前記第2断層画像の異なる画素を通る複数の飛跡候補線を特定する飛跡候補線特定部をさらに備え、
    前記検出部は、前記飛跡候補線特定部が特定した前記複数の飛跡候補線から前記飛跡を検出する、
    請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の飛跡検出装置。
  9. 前記断層画像と成す角度が、予め定められた天頂角、及び前記断層画像の面に平行な予め定められた面内角の組み合わせで表される線を、基準の飛跡候補とし、
    前記基準の飛跡候補線と天頂角を同一として、直前に定めた飛跡候補線と成す角度が予め定められた角度となる想定飛跡候補線を飛跡候補線として順次定め、
    想定飛跡候補線と前記基準の飛跡候補線とのなす角度が前記予め定められた角度未満となった場合、前記想定飛跡候補線に代えて、前記基準の飛跡候補線、及び直前に定めた飛跡候補線の各々と前記予め定められた角度をなす想定飛跡候補線を飛跡候補線として定め、
    さらに、直前に定めた飛跡候補線、及び直前より前に定めた飛跡候補線の各々と前記予め定められた角度をなす想定飛跡候補線を飛跡候補線として、直前に定めた飛跡候補線、及び直前より前に定めた飛跡候補線の各々と前記予め定められた角度をなす想定飛跡候補線が得られなくなるまで、順次定めることで、
    複数の飛跡候補線を特定する飛跡候補線特定部をさらに備え、
    前記検出部は、前記飛跡候補線特定部が特定した前記複数の飛跡候補線から前記飛跡を検出する、
    請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の飛跡検出装置。
  10. 入射された荷電粒子が透過することにより、前記荷電粒子の飛跡を潜像として記録する荷電粒子飛跡記録層における、前記飛跡を検出する飛跡検出方法であって、
    前記荷電粒子飛跡記録層における深さ方向が異なる複数の断面の各々を撮像して得られた前記潜像に応じた飛跡像が含まれ、各々複数の画素が配置された複数の断層画像を取得し、
    予め定められた数の隣接する断層画像同士を組み合わせて得られた複数の合成断層画像に含まれる前記潜像に応じた飛跡像に基づいて、複数の飛跡候補線から前記飛跡を検出する、
    処理を含む飛跡検出方法。
  11. 入射された荷電粒子が透過することにより、前記荷電粒子の飛跡を潜像として記録する荷電粒子飛跡記録層における、前記飛跡を検出するコンピュータに、
    前記荷電粒子飛跡記録層における深さ方向が異なる複数の断面の各々を撮像して得られた前記潜像に応じた飛跡像が含まれ、各々複数の画素が配置された複数の断層画像を取得し、
    予め定められた数の隣接する断層画像同士を組み合わせて得られた複数の合成断層画像に含まれる前記潜像に応じた飛跡像に基づいて、複数の飛跡候補線から前記飛跡を検出する、
    処理を実行させるための飛跡検出プログラム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113418940A (zh) * 2021-06-24 2021-09-21 电子科技大学 一种基于x射线示踪颗粒的检测方法及检测装置

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