JP2020155065A - Liquid pressure system control device - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、サーボモータの制御によってポンプから送り出される作動液の圧力を用いて機械負荷を動作させる液圧システム制御装置に関する。 The present invention relates to a hydraulic system control device that operates a mechanical load by using the pressure of a hydraulic fluid sent from a pump under the control of a servomotor.
各種成形機あるいはプレス機といった産業機械において、作動液の圧力によって機械負荷を動作させる液圧式のアクチュエータが使用されることがある。また、液圧式のアクチュエータを動作させるシステムである液圧システムには、作動液を送り出すポンプの動力源にサーボモータが使用されることがある。 In industrial machines such as various molding machines or press machines, hydraulic actuators that operate the mechanical load by the pressure of the hydraulic fluid may be used. Further, in a hydraulic system which is a system for operating a hydraulic actuator, a servomotor may be used as a power source of a pump for delivering a hydraulic fluid.
特許文献1には、油圧ポンプの動作源であるサーボモータを有する液圧システムにおいて、サーボモータの回転速度を制御することによって油圧ポンプの吐出圧力を制御することが開示されている。
上記特許文献1に開示されるような液圧システムを制御する従来の制御装置は、アクチュエータに対する位置指令にアクチュエータの位置を追従させるために、位置指令と、アクチュエータの位置の検出値と、制御ゲインとに基づいて圧力指令を生成することがある。しかしながら、従来の制御装置では、液圧システムのオペレータによる経験に基づいて制御ゲインが決定されることがあるため、高い精度でのアクチュエータの位置制御が困難となる場合があった。また、アクチュエータの動作の態様は個々の産業機械によって異なることから、従来の制御装置では、液圧システムごとの制御に合わせて制御ゲインを調整することが困難であった。このため、従来の制御装置による液圧システムの制御によると、機械負荷の高精度かつ安定した位置制御が困難であるという課題があった。
In a conventional control device that controls a hydraulic system as disclosed in
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、作動液の圧力によって機械負荷を動作させる液圧システムにおいて、機械負荷の高精度かつ安定した位置制御を可能とする液圧システム制御装置を得ることを目的とする。 The present invention has been made in view of the above, and in a hydraulic system in which a mechanical load is operated by the pressure of a hydraulic fluid, a hydraulic system control device capable of highly accurate and stable position control of a mechanical load is provided. The purpose is to get.
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかる液圧システム制御装置は、サーボモータの制御によってポンプを駆動してポンプから送り出される作動液の圧力によりアクチュエータを動作させ、アクチュエータから伝えられた動力によって機械負荷を動作させる。本発明にかかる液圧システム制御装置は、アクチュエータに対する位置指令とアクチュエータの位置の検出結果である位置検出値と制御ゲインとに基づいて圧力の調節のための圧力指令を生成することにより位置指令に位置検出値を追従させる制御を行う位置制御部と、圧力指令からアクチュエータの動作速度への伝達特性を、伝達特性の同定のための動作における圧力の指令値とアクチュエータの動作速度の速度値とを基に同定し、伝達特性に基づいて制御ゲインを調整するゲイン調整部と、を備える。 In order to solve the above-mentioned problems and achieve the object, the hydraulic system control device according to the present invention drives the pump by the control of the servomotor and operates the actuator by the pressure of the hydraulic fluid sent from the pump. The mechanical load is operated by the power transmitted from. The hydraulic pressure system control device according to the present invention generates a position command for adjusting the pressure based on the position command for the actuator, the position detection value which is the detection result of the position of the actuator, and the control gain. The position control unit that controls to follow the position detection value, the transmission characteristic from the pressure command to the operating speed of the actuator, the command value of the pressure in the operation for identifying the transmission characteristic, and the speed value of the operating speed of the actuator. It is provided with a gain adjusting unit that identifies the group and adjusts the control gain based on the transmission characteristics.
本発明によれば、作動液の圧力によって機械負荷を動作させる液圧システムにおいて、機械負荷の高精度かつ安定した位置制御が可能となるという効果を奏する。 According to the present invention, in a hydraulic system in which a mechanical load is operated by the pressure of a hydraulic fluid, there is an effect that highly accurate and stable position control of the mechanical load becomes possible.
以下に、本発明の実施の形態にかかる液圧システム制御装置を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。 Hereinafter, the hydraulic system control device according to the embodiment of the present invention will be described in detail with reference to the drawings. The present invention is not limited to this embodiment.
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1にかかる液圧システム制御装置100と、液圧システム制御装置100によって制御される液圧システム200とを示す図である。液圧システム200は、作動液である油の圧力を受けて動作するアクチュエータを有する。図示していないが、産業機械において、通常、アクチュエータには機械負荷が取り付けられている。機械負荷は、アクチュエータから伝えられた動力を受けて動作する。例を挙げると、産業機械の1つである成形機において、機械負荷は、金型へ材料を圧入する機構である。液圧システム200からの動力を受けて動作する機械負荷は、成形機およびプレス機といった産業機械が有する機械負荷のほか、昇降機などの機械が有する機械負荷であっても良い。
FIG. 1 is a diagram showing a hydraulic
液圧システム200は、作動液を送り出すポンプ20と、作動液を貯留するタンク21と、作動液が流動する配管22と、アクチュエータであるシリンダ23とを有する。配管22は、ポンプ20とタンク21とシリンダ23とを接続する。ポンプ20と、タンク21と、配管22と、シリンダ23とは、作動液が流動する回路である液圧回路を構成する。
The
シリンダ23は、作動液の圧力を受けて動作するピストン23aを有する。ポンプ20は、シリンダ23内へ作動液を流入させる向きへの作動液の流動と、当該向きとは逆の向きであってシリンダ23内から作動液を流出させる向きへの作動液の流動とを切り換え可能な両回転式のポンプである。位置検出器27は、ピストン23aの位置を検出し、検出結果である位置検出値10を液圧システム制御装置100へ出力する。
The
液圧システム200は、ポンプ20の動力源であるサーボモータ24と、圧力指令9にしたがってサーボモータ24を動作させるサーボアンプ25とを有する。圧力検出器26は、配管22を流動する作動液の圧力を検出し、検出結果である圧力検出値28をサーボアンプ25へ出力する。サーボアンプ25は、圧力指令9である圧力の指令値に圧力検出値28が追従するように、サーボモータ24へ供給される電流29の電流値を調整する。サーボモータ24は、電流29を受けて駆動することによってトルク30を発生させ、ポンプ20へトルク30を印加する。
The
液圧システム200は、サーボモータ24を用いてポンプ20を動作させ、ポンプ20から送り出される作動液の圧力をフィードバックしてポンプ20の回転速度を変化させることによって、作動液の圧力を制御する。かかる制御方式は、サーボポンプ方式と称される。液圧システム200は、サーボポンプ方式の採用により、アクチュエータを停止させているときにポンプ20とサーボモータ24とを停止させることができる。このため、液圧システム200は、常時油圧ポンプを最大回転させて作動液を最大流量で流しておき、油圧バルブを通して流量を制御する方式を採用するシステムと比較して、消費エネルギーの低減と騒音の低減とが可能となる。また、液圧システム200は、サーボモータ24をポンプ20の動力源とすることによって、サーボポンプ方式以外の制御方式を採用するシステムと比較して、位置制御の応答性が高いという特徴もある。
The
液圧システム制御装置100は、ポンプ20から送り出される作動液の圧力を調節することによって機械負荷の位置制御を行う。図1には、液圧システム制御装置100が有する機能構成を示している。液圧システム制御装置100は、位置指令7を生成する位置指令生成部1と、圧力指令8を生成する位置制御部2と、同定用圧力指令13を生成する同定用圧力指令生成部4とを有する。また、液圧システム制御装置100は、圧力指令8の出力と同定用圧力指令13の出力とを切り換える切り換え部3と、ピストン23aの動作速度を検出する速度検出部5と、制御ゲイン12を調整するゲイン調整部6とを有する。
The hydraulic
位置指令生成部1は、機械負荷またはシリンダ23が動作すべき位置の参照信号となる位置指令7を出力する。位置指令7の具体例としては、機械負荷およびシリンダ23を動作させたい時刻における現在の位置から所望の位置への動作の間にステップ的、ランプ的あるいはS字的に位置が変化する位置指令7が挙げられる。ステップ的に位置が変化するとは、あるタイミングにおいて現在の位置から離散的に位置が変化することによって、現在の位置から所望の位置に到達するまで階段状に位置が推移して所望の位置に留まることを指す。ランプ的に位置が変化するとは、現在の位置から所望の位置に到達するまで、ある傾きを持って位置が推移して所望の位置に留まることを指す。S字的に位置が変化するとは、現在の位置から所望の位置に到達するまでS字曲線状に位置が推移して所望の位置に留まることを表す。なお、位置が推移するとは、時間と位置との関係をグラフにより表した場合における位置の推移を表すものとする。位置制御部2は、位置指令7と位置検出値10とを、時々刻々、例えばあらかじめ決められた制御サンプリング周期ごとに比較し、制御ゲイン12に基づき、時々刻々、圧力指令8を出力する。
The position
図2は、図1に示す液圧システム制御装置100が有する位置制御部2の一例を示す図である。位置制御部2は、位置指令7と位置検出値10との差に制御ゲイン12の値であるKpを乗算することによって、圧力の指令値である圧力指令8を求める。位置制御部2は、位置指令7に位置検出値10を追従可能とするための圧力指令8を生成する。位置制御部2は、求めた圧力指令8を出力する。
FIG. 2 is a diagram showing an example of the
図1に示す速度検出部5には、位置検出値10が入力される。速度検出部5は、位置検出値10の微分処理または差分処理によって、ピストン23aの動作速度を算出する。速度検出部5は、算出結果である速度値11をゲイン調整部6へ出力する。
A
ゲイン調整部6には、速度値11と、切り換え部3による出力である圧力指令9とが入力される。ゲイン調整部6は、圧力指令8からピストン23aの動作速度への伝達特性に基づいて制御ゲイン12を調整する。
A
同定用圧力指令生成部4は、伝達特性の同定のための圧力指令である同定用圧力指令13を生成して、生成された同定用圧力指令13を切り換え部3へ出力する。同定用圧力指令13は、液圧システム制御装置100が伝達特性の同定のための動作を行う際における圧力の指令値である。切り換え部3には、圧力指令8と同定用圧力指令13とが入力される。切り換え部3は、圧力指令8と同定用圧力指令13とのうちの一方を出力する。また、切り換え部3は、圧力指令8の出力と同定用圧力指令13の出力とを切り換える。切り換え部3は、同定のための動作の際に、同定用圧力指令13を出力する。切り換え部3は、同定のための動作以外の動作の際に、圧力指令8を出力する。圧力指令9は、切り換え部3から出力される指令であって、圧力指令8と同定用圧力指令13とのうちの一方とする。切り換え部3は、サーボアンプ25へ圧力指令9を出力する。
The identification pressure
なお、液圧システム200には、配管22にチェックバルブが設けられることがある。かかる液圧システム200では、長時間において機械負荷の位置を保持する場合、特に、機械負荷に対して外力が加わる状態において機械負荷の位置を保持したい場合に、チェックバルブを閉じるのが一般的である。チェックバルブを閉じると、配管22が閉塞されることによって作動液の流れが遮断される。この場合、液圧システム200は、外力に抗するためのトルクをサーボモータ24において発生させることなく、シリンダ23の位置を保持することができる。チェックバルブが閉じられている状態では、配管22において作動液が循環できない。実施の形態1にかかる液圧システム制御装置100は、液圧システム200にチェックバルブが設けられている場合、チェックバルブを開いた状態においてシリンダ23の位置制御を行う。また、液圧システム制御装置100は、チェックバルブを開いた状態において伝達特性の同定のための動作を行う。すなわち、ゲイン調整部6は、作動液の流れが遮断されていない状態において伝達特性の同定のための動作を行う。これにより、液圧システム制御装置100は、配管22において作動液が流動可能なときであって伝達特性の同定のための動作が可能なときに、伝達特性の同定を行う。
The
液圧システム制御装置100において制御ゲイン12の調整が適切に行われない場合、アクチュエータにおける振動あるいはオーバーシュートの発生によって、機械負荷の位置制御の精度に影響が及ぶことがある。位置制御の精度低下は、産業機械によって生産される製品における品質の劣化の要因、および、産業機械の生産効率の悪化の要因となる。液圧システム制御装置100は、ゲイン調整部6において、伝達特性を同定するとともに伝達特性に基づいて制御ゲイン12を調整することによって、制御ゲイン12の適切な調整を行うことができる。
If the
次に、伝達特性の同定と制御ゲイン12の調整とについて説明する。図3は、図1に示す液圧システム制御装置100による伝達特性の同定と制御ゲイン12の調整とについて説明するフローチャートである。
Next, identification of the transmission characteristic and adjustment of the
液圧システム制御装置100が通常の圧力制御を行う場合、切り換え部3は、圧力指令8を出力する状態とされる。これにより、液圧システム制御装置100は、位置制御部2の働きが有効とされた閉ループにて作動液の圧力調節を行う。液圧システム制御装置100が伝達特性の同定のための動作を行う場合、切り換え部3は、圧力指令8を出力する状態から同定用圧力指令13を出力する状態へ切り換わる。切り換え部3の切り換えにより、液圧システム制御装置100は、一時的に位置制御ループを無効にした状態、すなわち位置制御部2の働きを無効にした開ループ状態にて作動液の圧力調節を行う。
When the hydraulic
ステップS1において、同定用圧力指令生成部4は、開ループ状態にて同定用圧力指令13を出力する。液圧システム制御装置100は、同定用圧力指令13である圧力指令9をサーボアンプ25へ出力する。
In step S1, the identification pressure
液圧システム制御装置100は、同定用圧力指令13の出力によってポンプ20を動作させ、ポンプ20の動作に応じた位置検出値10を得る。ゲイン調整部6は、位置検出値10に応じた速度値11と同定用圧力指令13とに基づいて伝達特性の同定を行う。同定用圧力指令13である信号は、一定の時間の開始時と終了時においてゼロであって、かつ、その一定の時間においてゼロ以外となる。伝達特性の同定のための動作における圧力の指令値は、一定の時間の開始時と終了時においてゼロであって、かつ一定の時間においてゼロ以外の値となる。
The hydraulic
ここで、同定用圧力指令13の具体例について説明する。図4は、図1に示す液圧システム制御装置100において生成される同定用圧力指令13の第1の例を示す図である。図5は、図1に示す液圧システム制御装置100において生成される同定用圧力指令13の第2の例を示す図である。図4では、同定用圧力指令13である信号の推移を時間軸に表したものである。
Here, a specific example of the
図4に示す第1の例の場合、同定用圧力指令13は、時間Tの開始時に初期値であるゼロからある値に変化し、時間Tにおいてが一定の値にて維持される。同定用圧力指令13は、時間Tの終了時に、初期値であるゼロに戻る。第1の例では、信号波形は矩形となる。第1の例では、同定用圧力指令13による圧力の指令値は、時間Tの開始時と終了時においてゼロであって、かつ、時間Tにおいて一定の値となる。
In the case of the first example shown in FIG. 4, the
図5に示す第2の例の場合、同定用圧力指令13は、時間Tの開始によって初期値であるゼロから増加する。同定用圧力指令13は、ある値に到達したときから後は減少して、時間Tの終了時に初期値であるゼロに戻る。第2の例では、信号波形は三角形となる。第2の例では、同定用圧力指令13は、ゼロから連続的に漸増して、ピークに達してからゼロまで連続的に漸減する。同定用圧力指令13による圧力の指令値は、ゼロから連続的に漸増して、ピークに達してからゼロまで連続的に漸減する。
In the case of the second example shown in FIG. 5, the
液圧システム200は、同定用圧力指令13である圧力指令9にしたがったサーボモータ24の駆動によってピストン23aを動作させる。速度検出部5は、位置検出値10に基づいた速度値11をゲイン調整部6へ出力する。ゲイン調整部6には、速度検出部5からの速度値11と、切り換え部3からの圧力指令9とが入力される。
The
ステップS2において、ゲイン調整部6は、圧力の指令値である圧力指令9と速度値11とを記憶する。ゲイン調整部6は、圧力指令9と速度値11との時系列データを時間同期して記憶する。
In step S2, the gain adjusting unit 6 stores the
ステップS3において、ゲイン調整部6は、記憶された圧力指令9および速度値11に基づいて、伝達特性を同定する。伝達特性を表す伝達関数は、ゲインと遅れ要素とから構成される。圧力指令9であるPからピストン23aの速度であるVへの伝達特性を表す伝達関数は、次の式(1)により表される。
V=K・exp(−L・s)・P ・・・(1)
In step S3, the gain adjusting unit 6 identifies the transmission characteristic based on the stored
V = K ・ exp (−L ・ s) ・ P ・ ・ ・ (1)
式(1)において、Kは伝達特性におけるゲイン要素を示すパラメータであって、Lは伝達特性における遅れ要素を示すパラメータである。sはラプラス演算子である。式(1)は、exp(−L・s)によって、Lに相当する時間の分、信号を遅らせることを意味する。ゲイン調整部6は、KとLとを決定することによって、伝達特性を一意に同定することができる。ステップS3では、ゲイン調整部6は、記憶された圧力指令9および速度値11に基づいてKおよびLを算出する。
In the equation (1), K is a parameter indicating a gain element in the transmission characteristic, and L is a parameter indicating a delay element in the transmission characteristic. s is a Laplace operator. The formula (1) means that the signal is delayed by the time corresponding to L by exp (−L · s). The gain adjusting unit 6 can uniquely identify the transmission characteristics by determining K and L. In step S3, the gain adjusting unit 6 calculates K and L based on the stored
ここで、ゲイン調整部6によりKとLとを算出する方法について説明する。指令された圧力とピストン23aの速度との間には、概ね比例関係が成り立つ。また、ピストン23aの速度の推移を時間軸において表した場合に、速度の推移を示す波形は、圧力指令9の信号波形に対して遅れを持つ波形となる。
Here, a method of calculating K and L by the gain adjusting unit 6 will be described. A roughly proportional relationship holds between the commanded pressure and the speed of the
図6は、図4に示す同定用圧力指令13とアクチュエータの動作速度の推移とを示す図である。ピストン23aの速度が初期値であるゼロから立ち上がるタイミングは、圧力指令9の信号の立ち上がりから遅れたタイミングとなる。ゲイン調整部6は、記憶された圧力指令9および速度値11を基に、圧力指令9の信号の立ち上がりからのピストン23aの速度の立ち上がりの遅れ時間であるLを求める。
FIG. 6 is a diagram showing the transition of the
圧力指令9の立ち上がりから立ち下がりまでにおける同定用圧力指令13の値をA、ピストン23aの速度の立ち上がりから立ち下がりまでにおける速度の値をBとすると、上記する比例関係によりK=B/Aの関係が成り立つ。ゲイン調整部6は、記憶された圧力指令9および速度値11からAおよびBを得て、BをAで割ることによってKを求める。
Assuming that the value of the
図7は、図5に示す同定用圧力指令13とアクチュエータの動作速度の推移とを示す図である。ピストン23aの速度がピークとなるタイミングは、同定用圧力指令13である圧力指令9のピークから遅れたタイミングとなる。ゲイン調整部6は、記憶された圧力指令9および速度値11を基に、圧力指令9のピークからのピストン23aの速度のピークの遅れ時間であるLを求める。
FIG. 7 is a diagram showing the transition of the
圧力指令9のピークにおける値をA、ピストン23aの速度のピークにおける値をBとすると、上記する比例関係によりK=B/Aの関係が成り立つ。ゲイン調整部6は、記憶された圧力指令9および速度値11からAおよびBを得て、BをAで割ることによってKを求める。このようにして、ゲイン調整部6は、同定用圧力指令13である圧力指令9の推移と、かかる圧力指令9にしたがったピストン23aの動作速度の推移とを基に、KとLとを算出する。
Assuming that the value at the peak of the
ステップS4において、ゲイン調整部6は、ステップS3において同定された伝達特性に基づいて制御ゲイン12を算出する。ゲイン調整部6は、指令位置の値とアクチュエータの位置を示す値との差分から、アクチュエータの位置を示す値への開ループ伝達関数を基に、制御ゲイン12を求める。 In step S4, the gain adjusting unit 6 calculates the control gain 12 based on the transmission characteristics identified in step S3. The gain adjusting unit 6 obtains the control gain 12 from the difference between the value of the command position and the value indicating the position of the actuator based on the open-loop transfer function to the value indicating the position of the actuator.
ここで、ゲイン調整部6により制御ゲイン12を算出する方法について説明する。図8は、図1に示す液圧システム制御装置100が有するゲイン調整部6による制御ゲイン12の算出の一例について説明する図である。図8には、位置指令7の値とピストン23aの位置を示す値との差分31から、ピストン23aの位置を示す値32への開ループ伝達関数について、開ループ伝達関数の構成要素であるブロックを示している。開ループ伝達関数は、制御ゲイン12であるKpと、ステップS3にて求めた伝達関数と、積分器である1/sとの積から構成される。積分器である1/sは、ピストン23aの動作速度からピストン23aの位置への伝達関数である。
Here, a method of calculating the
ゲイン調整部6は、開ループ伝達関数のゲイン余裕を、自動制御の理論上妥当とされるゲイン余裕、例えば10dB以上のゲイン余裕とするKpを算出したり、あるいは、開ループ伝達関数の位相余裕が、自動制御の理論上妥当とされる位相余裕、例えば30度以上の位相余裕とするKpを算出する。 The gain adjusting unit 6 calculates Kp for which the gain margin of the open-loop transfer function is a gain margin that is theoretically valid for automatic control, for example, a gain margin of 10 dB or more, or the phase margin of the open-loop transfer function. However, a phase margin that is theoretically valid for automatic control, for example, Kp with a phase margin of 30 degrees or more is calculated.
ステップS5において、ゲイン調整部6は、ステップS4において算出された制御ゲイン12を位置制御部2へ出力する。切り換え部3は、同定用圧力指令13を出力する状態から圧力指令8を出力する状態へ切り換わる。切り換え部3の切り換えにより、液圧システム制御装置100は、位置制御部2の働きが有効とされた閉ループにて位置制御が行える状態になる。以上により、液圧システム制御装置100は、図3に示す動作を終了する。
In step S5, the gain adjusting unit 6 outputs the control gain 12 calculated in step S4 to the
ここで、実施の形態1において、ゲイン要素と遅れ要素とを含めた伝達特性を同定することによる効果について説明する。サーボアンプ25は、与えられた圧力指令9に追従するようにサーボモータ24へ電流29を供給する。サーボモータ24によるトルク30の印加によって、ポンプ20は、液圧回路の作動液に圧力を印加する。液圧回路では、パスカルの原理により、作動液が受けた圧力とピストン23aの断面積に応じて、シリンダ23からピストン23aを動作させる力が生じる。この力によって、ピストン23aの動作が加速される。
Here, in the first embodiment, the effect of identifying the transmission characteristics including the gain element and the delay element will be described. The
ピストン23aは作動液の圧力により加速するが、無限に速度が大きくなるわけではない。作動液が液圧回路を流動する際に、ピストン23aは、作動液の流動抵抗である摩擦を受ける。ある大きさの力によってピストン23aを停止状態から加速させると、シャットバルブが閉じられて配管22が閉塞されるなど作動液の流れが遮断されているとき以外は、ピストン23aがある速度となったときにピストン23aを動作させる力と作動液の摩擦力とが釣り合う。かかる力によるピストン23aの加速は、摩擦力とピストン23aに生じる力とが釣り合う速度になるまでの加速とされる。このように、ピストン23aの速度は、ポンプ20が発生させた圧力に応じて決まる。
The
液圧回路の流動抵抗の大半は、ピストン23aが作動液中を通過する際に発生する、動作速度に比例する粘性摩擦である。よって、ピストン23aの動作速度と作動液の圧力との間には概ね比例関係が成立する。この比例定数が、伝達特性中の定数であるKに相当する。液圧システム200は、サーボアンプ25が圧力指令9を受けたときから、ピストン23aの動作速度が圧力指令9にしたがった速度となるまでに、ある程度の遅れを生じる。かかる遅れは、フィードバックの処理による遅れと、作動液への圧力印加を開始してから押圧力と摩擦力とが釣り合うまでの時間とに起因する。この遅れが、伝達特性中のLに相当する。
Most of the flow resistance of the hydraulic circuit is viscous friction proportional to the operating speed generated when the
以上の説明から、サーボポンプ方式を採用する液圧システム200は、圧力指令9を受けたときから遅れ時間の後に圧力指令9に比例してピストン23aの動作速度が推移するという物理的な性質を有する。ゲイン調整部6は、上記の式(1)に示すようにゲイン要素と遅れ要素とを含めた伝達特性を用いることで、シャットバルブが閉じられて作動液の流れが遮断されているとき以外において、液圧システム200の物理的な性質に適した伝達特性を同定することが可能となる。
From the above description, the
伝達特性の同定において使用される一般的なモデルの1つであるARX(Auto Regressive eXogenous)モデルは、上記の式(1)に示すモデルと比較して、多数のパラメータを持つ。ゲイン調整部6は、物理的な性質に基づくゲイン要素と遅れ要素とのみをパラメータとするモデルを用いることにより、上記のARXモデルを用いる場合と比べて、同定の精度の向上が可能となる。また、ゲイン調整部6は、上記のARXモデルを用いる場合と比べて、パラメータの数が少ないことにより制御ゲイン12を算出する際の演算処理の負荷を低減できる。
The ARX (Auto Regressive eXogenous) model, which is one of the common models used in the identification of transfer characteristics, has a large number of parameters as compared with the model shown in the above equation (1). By using a model in which only the gain element and the delay element based on the physical properties are used as parameters, the gain adjusting unit 6 can improve the accuracy of identification as compared with the case of using the above ARX model. Further, the gain adjusting unit 6 can reduce the load of arithmetic processing when calculating the
実施の形態1において伝達特性に含めた遅れ要素は、フィードバック制御において、周波数特性のうちの位相特性を遅らせる要因となる。高周波帯域においては、遅れ要素は、位相特性を180度以上変化させる。位相特性が180度回る伝達特性に対し、フィードバック制御を考えるとき、制御ゲイン12を大きくしすぎると、位置制御ループの安定性が劣化し、振動またはオーバーシュートが発生する。遅れ要素を含む伝達特性を採用することで、振動およびオーバーシュートの発生を考慮して制御ゲイン12の調整を実現することができる。逆に、位相特性の変化が180度未満の変化である伝達特性、例えば一次遅れ要素の伝達特性である場合、もともと位置制御ループが不安定にならない伝達特性なので、振動あるいはオーバーシュートを防止するといった適切な制御ゲイン12を得ることはできない。
The delay element included in the transmission characteristic in the first embodiment becomes a factor that delays the phase characteristic among the frequency characteristics in the feedback control. In the high frequency band, the lag element changes the phase characteristic by 180 degrees or more. When considering feedback control with respect to the transmission characteristic in which the phase characteristic rotates 180 degrees, if the
実施の形態1にかかる液圧システム制御装置100は、上記の式(1)に示すように遅れ要素を含めた伝達特性を用いて制御ゲイン12を調整することによって、制御ループを安定化させるとともに振動およびオーバーシュートの発生を低減可能とする制御ゲイン12を得ることが可能となる。
The hydraulic
次に、実施の形態1において図4および図5に示すような信号を同定用圧力指令13とすることによる効果について説明する。図4および図5に示す同定用圧力指令13は、一定の時間Tにおいてがゼロ以外の値であって、かつ、かかる時間Tの開始時と終了時においてゼロである信号である。
Next, the effect of using the signal as shown in FIGS. 4 and 5 as the
上記するように、液圧システム200は、圧力指令9を受けたときから遅れ時間の後に圧力指令9に比例してピストン23aの動作速度が推移するという物理的な性質を有する。ピストン23aの速度の推移は、初期値がゼロであって、一定の時間においてゼロ以外の値となった後に再びゼロに戻るという推移となる。ピストン23aの位置を示す値は、このような推移の速度を積分した結果であることから、無限に大きくなるということはなく特定の位置を示す値となる。ピストン23aの移動は、かかる特定の位置までの移動となる。これにより、液圧システム200は、伝達特性の同定のための動作において、ピストン23aが許容範囲を超えて動き続ける事態を回避することができる。また、機械負荷についても許容範囲を超えて動き続けることがないため、液圧システム200は、機構がストロークエンドに接触するといった事態を回避することができる。
As described above, the
なお、同定用圧力指令13は、図4および図5に示される信号に限られない。図5に示す同定用圧力指令13は、ゼロから直線に沿って連続的に漸増して、ピークに達してからゼロまで直線に沿って連続的に漸減する。同定用圧力指令13は、曲線に沿って連続的に漸増し、その後連続的に漸減するものであっても良い。曲線には、三角関数グラフの曲線あるいは指数関数グラフの曲線といった曲線を用いることができる。
The
液圧システム200では、上記の式(1)でも示されるように、指令される圧力とピストン23aの動作速度との間に比例関係が成り立つ。同定用圧力指令13に、ゼロから連続的に漸増しその後連続的に漸減する信号が用いられることによって、ピストン23aの動作速度も、同定用圧力指令13と同様に変化する。これにより、液圧システム200は、伝達特性の同定のための動作において、アクチュエータの急激な動作を生じさせないようにすることができる。液圧システム200は、同定用圧力指令13が直線に沿って変化する場合と、同定用圧力指令13が曲線に沿って変化する場合との双方において、アクチュエータの急激な動作を生じさせないようにすることができる。
In the
位置制御部2は、位置指令7と位置検出値10との差に制御ゲイン12を乗算することによって圧力指令8を生成する。液圧システム制御装置100は、比例制御であるP(Proportional)制御による制御方式を採用するものである。液圧システム制御装置100が採用する制御方式は、比例制御以外の制御方式であっても良い。制御方式は、比例および積分制御であるPI(Proportional Integral)制御と、比例、積分および微分制御であるPID(Proportional Integral Differential)制御と、積分および比例制御であるI−P(Integral Proportional)制御とのいずれかであっても良い。
The
液圧システム制御装置100は、切り換え部3によって圧力指令8の出力と同定用圧力指令13の出力とを切り換えるものに限られない。液圧システム制御装置100は、切り換え部3を設けず、伝達特性の同定の際も位置制御部2の動作を有効にしたままとしても良い。この場合、液圧システム制御装置100は、位置指令生成部1によって生成される位置指令7を位置制御部2に印加して、位置制御動作の際における圧力指令8とシリンダ23の速度とを時間同期して記憶しておき、これらを用いて圧力指令8からシリンダ23の動作速度への伝達特性を同定する。このとき、位置制御部2に入力される制御ゲイン12の値は、ごく小さい値とする。これにより、応答性はかなり低くなるが、振動またはオーバーシュートの発生を生じさせずに伝達特性を同定できる。位置指令生成部1から位置制御部2へ位置指令7を与えて、このときに発生する圧力指令8とシリンダ23の動作速度とを時間同期して記憶し、記憶したデータを基に圧力指令8からシリンダ23の動作速度への伝達特性を同定し、その結果を基に、位置制御部2へ出力される制御ゲイン12を調整しても良い。
The hydraulic
次に、液圧システム制御装置100が有するハードウェア構成について説明する。液圧システム制御装置100が有する機能は、処理回路を使用して実現される。処理回路は、液圧システム制御装置100に搭載される専用のハードウェアである。処理回路は、メモリに格納されるプログラムを実行するプロセッサであっても良い。
Next, the hardware configuration of the hydraulic
図9は、実施の形態1にかかる液圧システム制御装置100のハードウェア構成の一例を示す第1の図である。図9には、液圧システム制御装置100の機能が専用のハードウェアを使用して実現される場合におけるハードウェア構成を示している。液圧システム制御装置100は、各種処理を実行する処理回路61と、各種情報を記憶する外部記憶装置62と、液圧システム制御装置100の外部の機器との接続インタフェースである入出力インタフェース63とを備える。入出力インタフェース63は、キーボードあるいはポインティングデバイスといった情報入力のための入力デバイス、または、ディスプレイといった情報出力のための出力デバイスを有しても良い。図9に示す液圧システム制御装置100の各部は、バスを介して相互に接続されている。
FIG. 9 is a first diagram showing an example of the hardware configuration of the hydraulic
専用のハードウェアである処理回路61は、単一回路、複合回路、プログラム化されたプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、又はこれらの組み合わせである。図1に示す位置指令生成部1、位置制御部2、切り換え部3、同定用圧力指令生成部4、速度検出部5およびゲイン調整部6の各機能は、処理回路61を用いて実現される。外部記憶装置62は、HDD(Hard Disk Drive)あるいはSSD(Solid State Drive)である。
The processing circuit 61, which is dedicated hardware, is a single circuit, a composite circuit, a programmed processor, a parallel programmed processor, an ASIC (Application Specific Integrated Circuit), an FPGA (Field-Programmable Gate Array), or these. It is a combination. Each function of the position
図10は、実施の形態1にかかる液圧システム制御装置100のハードウェア構成の他の例を示す第2の図である。図10には、液圧システム制御装置100の機能がプログラムを実行するハードウェアを用いて実現される場合におけるハードウェア構成を示している。プロセッサ64およびメモリ65は、外部記憶装置62および入出力インタフェース63と相互に接続されている。
FIG. 10 is a second diagram showing another example of the hardware configuration of the hydraulic
プロセッサ64は、CPU(Central Processing Unit)、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、又はDSP(Digital Signal Processor)である。図1に示す位置指令生成部1、位置制御部2、切り換え部3、同定用圧力指令生成部4、速度検出部5およびゲイン調整部6の各機能は、プロセッサ64と、ソフトウェア、ファームウェア、またはソフトウェアとファームウェアとの組み合わせによって実現される。ソフトウェアまたはファームウェアは、プログラムとして記述され、内蔵メモリであるメモリ65に格納される。メモリ65は、不揮発性もしくは揮発性の半導体メモリであって、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)またはEEPROM(登録商標)(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)である。
The
実施の形態1によると、液圧システム制御装置100は、作動液の圧力の調節のための制御ゲイン12をゲイン調整部6によって調整する。ゲイン調整部6は、アクチュエータの動作速度と同定用圧力指令13である圧力指令9との関係を表す伝達特性に基づいて制御ゲイン12を調整することにより、制御ループを安定化させるとともに振動およびオーバーシュートの発生を低減可能とする制御ゲイン12を得ることができる。これにより、液圧システム制御装置100は、作動液の圧力によって機械負荷を動作させる液圧システム200において、機械負荷の高精度かつ安定した位置制御が可能となるという効果を奏する。
According to the first embodiment, the hydraulic
実施の形態2.
図11は、本発明の実施の形態2にかかる液圧システム制御装置101と、液圧システム制御装置101によって制御される液圧システム200とを示す図である。実施の形態2では、ゲイン調整部6は、作動液の温度に関連付けられた伝達特性を同定する。実施の形態2では、上記の実施の形態1と同一の構成要素には同一の符号を付し、実施の形態1とは異なる構成について主に説明する。
FIG. 11 is a diagram showing a hydraulic
液圧システム制御装置101は、ゲイン調整部6により調整された制御ゲイン12を記憶する記憶部40を有する。温度検出器41は、配管22を流動する作動液の温度を検出する。伝達特性の同定の際に、温度検出器41は、検出結果である温度値42を記憶部40へ出力する。ゲイン調整部6は、制御ゲイン12を記憶部40へ出力する。記憶部40は、温度値42と制御ゲイン12とを互いに関連付けて記憶する。これにより、記憶部40は、作動液の温度と制御ゲイン12とが互いに関連付けられたテーブルを記憶する。
The hydraulic
圧力指令8による作動液の圧力調節が行われる際、温度検出器41は、位置制御部2へ温度値42を出力する。位置制御部2は、入力された温度値42に対応する制御ゲイン12を記憶部40から読み出す。位置制御部2は、位置指令7と読み出された制御ゲイン12とに基づいて圧力指令8を生成する。
When the pressure of the hydraulic fluid is adjusted by the
次に、作動液の温度と制御ゲイン12との関係を示すテーブルの記憶について説明する。図12は、図11に示す液圧システム制御装置101において作動液の温度と制御ゲイン12との関係を示すテーブルを記憶する動作の手順を説明するフローチャートである。
Next, the memory of the table showing the relationship between the temperature of the hydraulic fluid and the
ステップS11では、ゲイン調整部6は、テーブルを記憶する動作の開始時である現在の作動液の温度における伝達特性を同定し、制御ゲイン12を算出する。制御ゲイン12を算出する手法は、実施の形態1と同様である。ステップS12において、記憶部40は、作動液の温度値42と制御ゲイン12とを関連付けて記憶する。ステップS13において、位置制御部2は、ステップS12において記憶部40に記憶された制御ゲイン12を読み出す。
In step S11, the gain adjusting unit 6 identifies the transmission characteristic at the temperature of the current hydraulic fluid at the start of the operation of storing the table, and calculates the
ステップS14では、液圧システム制御装置101は、作動液の温度を上昇させて、ピストン23aの位置制御を実行する。作動液の温度を上昇させる手法には、液圧システム200のエージング運転を行うことが挙げられる。具体的には、液圧システム制御装置101は、位置制御を連続して実行することによって、液圧システム200をエージング運転させる。エージング運転が継続されると、液圧回路における作動液の摩擦によって、作動液の温度は徐々に上昇する。
In step S14, the hydraulic
ステップS15において、位置制御部2は、エージング運転での位置制御における位置制御特性の測定結果を基に、位置制御特性が劣化したか否かを判断する。位置制御におけるピストン23aあるいは機械負荷の状態波形測定などによって、位置制御特性が測定される。位置制御部2は、オーバーシュートあるいは振動があらかじめ定められた制御スペックを満たすか否かにより、位置制御特性が劣化したか否かを判断する。
In step S15, the
位置制御特性が劣化したと判断した場合(ステップS15,Yes)、液圧システム制御装置101は、ステップS11からの手順を繰り返す。ステップS11にて、ゲイン調整部6は、エージング運転時の現在の作動液の温度における伝達特性を同定し、制御ゲイン12を算出する。
When it is determined that the position control characteristics have deteriorated (steps S15, Yes), the hydraulic
位置制御特性が劣化していないと判断した場合(ステップS15,No)、ステップS16において、位置制御部2は、作動液の温度があらかじめ設定された上限に達したか否かを判断する。温度の上限とは、作動液を使用可能な温度の上限である。温度の上限とは、機械負荷を動作させ得る作動液の温度の上限であっても良い。
When it is determined that the position control characteristics have not deteriorated (steps S15 and No), in step S16, the
作動液の温度が上限に達していないと判断した場合(ステップS16,No)、液圧システム制御装置101は、ステップS14からの手順を繰り返す。作動液の温度が上限に達したと判断した場合(ステップS16,Yes)、液圧システム制御装置101は、図12に示す手順による動作を終了する。これにより、液圧システム制御装置101は、作動液の温度と、位置制御特性の劣化を抑制可能な制御ゲイン12との関係を表すテーブルを作成する。
When it is determined that the temperature of the hydraulic fluid has not reached the upper limit (steps S16, No), the hydraulic
図13は、図11に示す液圧システム制御装置101が有する記憶部40に記憶されるテーブルの一例を示す図である。テーブルには、作動液の温度と、位置制御特性の劣化を抑制可能な制御ゲイン12とが関連付けられている。
FIG. 13 is a diagram showing an example of a table stored in the
液圧システム制御装置101は、機械負荷の製造または立ち上げ時に、テーブルを作成する。位置制御部2は、圧力指令8による作動液の圧力調節を行う際に、作動液の温度と制御ゲイン12との関係を記憶部40から読み出して、入力された温度値42に対応する制御ゲイン12を求める。位置制御部2は、記憶されている温度値42と制御ゲイン12との線形補間により得られた関係を基に、入力された温度値42に対応する制御ゲイン12を決定しても良い。
The hydraulic
なお、テーブルは、図13に示すようなテーブルに限られない。テーブルは、あらかじめ設定された温度ごと、例えば1度ごとに、作動液の温度と制御ゲイン12とが関連付けられたものであっても良い。図12に示す手順によると、テーブルは、作動液の温度を徐々に上昇させて、位置精度特性が劣化した場合において制御ゲイン12を算出することによって得られる。この場合、設定された温度ごとの関連付けを有するテーブルを作成する場合と比べて、テーブルの作成に要する時間を短縮することができ、かつ、テーブルの容量を小さくすることができる。
The table is not limited to the table shown in FIG. The table may be one in which the temperature of the hydraulic fluid and the
液圧システム制御装置101は、実施の形態1に係る液圧システム制御装置100と同様のハードウェア構成を有する。記憶部40は、図9および図10に示す外部記憶装置62を用いて実現される。
The hydraulic
実施の形態2によると、液圧システム制御装置101は、実施の形態1にかかる液圧システム制御装置101と同様の構成を有することにより、機械負荷の高精度かつ安定した位置制御が可能となる。また、液圧システム制御装置101は、ゲイン調整部6において、作動液の温度ごとにおける伝達特性を同定する。位置制御部2は、温度値42を基に、位置制御特性の劣化を抑制可能な制御ゲイン12を得て、圧力指令8を生成することができる。これにより、液圧システム制御装置101は、作動液の温度が変化した場合においても、機械負荷の高精度かつ安定した位置制御を行うことができる。
According to the second embodiment, the hydraulic
実施の形態3.
図14は、本発明の実施の形態3にかかる液圧システム制御装置102と、液圧システム制御装置102によって制御される液圧システム200とを示す図である。実施の形態3では、ゲイン調整部6は、機械負荷における負荷量に関連付けられた伝達特性を同定する。実施の形態3では、上記の実施の形態1および2と同一の構成要素には同一の符号を付し、実施の形態1および2とは異なる構成について主に説明する。
Embodiment 3.
FIG. 14 is a diagram showing a hydraulic
液圧システム制御装置102は、ゲイン調整部6により調整された制御ゲイン12を記憶する記憶部50と、機械負荷における負荷量を示す負荷値52を取得するデータ取得部51とを有する。データ取得部51には、オペレータの操作によって、負荷量の情報が入力される。負荷量は、例えばワークの重量である。これにより、データ取得部51は、負荷値52を取得する。
The hydraulic
伝達特性の同定の際に、データ取得部51は、取得された負荷値52を記憶部50へ出力する。ゲイン調整部6は、制御ゲイン12を記憶部50へ出力する。記憶部50は、負荷値52と制御ゲイン12とを互いに関連付けて記憶する。これにより、記憶部50は、負荷量と制御ゲイン12との関係を表すテーブルを記憶する。
At the time of identification of the transmission characteristic, the
圧力指令8による作動液の圧力調節が行われる際、データ取得部51は、負荷値52を取得し、位置制御部2へ負荷値52を出力する。位置制御部2は、入力された負荷値52に対応する制御ゲイン12を記憶部50から読み出す。位置制御部2は、位置指令7と読み出された制御ゲイン12とに基づいて圧力指令8を生成する。
When the pressure of the hydraulic fluid is adjusted by the
次に、負荷量と制御ゲイン12との関係を示すテーブルの記憶について説明する。図15は、図14に示す液圧システム制御装置102において負荷量と制御ゲイン12との関係を示すテーブルを記憶する動作の手順を説明するフローチャートである。
Next, the memory of the table showing the relationship between the load amount and the
データ取得部51には、テーブルを記憶する動作の開始時における負荷量の情報が入力される。ステップS21において、液圧システム制御装置102は、かかる入力を基に、負荷値52の初期値である初期負荷を設定する。初期負荷は、機械負荷における最小の負荷とする。
Information on the load amount at the start of the operation of storing the table is input to the
ステップS22において、ゲイン調整部6は、テーブルを記憶する動作の開始時である現在の負荷、すなわち初期負荷における伝達特性を同定し、制御ゲイン12を算出する。制御ゲイン12を算出する手法は、実施の形態1と同様である。ステップS23において、記憶部50は、負荷値52と制御ゲイン12とを関連付けて記憶する。ステップS24において、位置制御部2は、ステップS23において記憶部50に記憶された制御ゲイン12を読み出す。
In step S22, the gain adjusting unit 6 identifies the transmission characteristic at the current load, that is, the initial load, which is the start of the operation of storing the table, and calculates the
次に、ステップS25では、液圧システム制御装置102は、負荷を増加させて、ピストン23aの位置制御を実行する。ステップS25では、機械負荷の負荷が増加されて、増加後の負荷量の情報がデータ取得部51に入力される。
Next, in step S25, the hydraulic
ステップS26において、位置制御部2は、負荷が増加された状態での位置制御における位置制御特性の測定結果を基に、位置制御特性が劣化したか否かを判断する。位置制御におけるピストン23aあるいは機械負荷の状態波形測定などによって、位置制御特性が測定される。位置制御部2は、オーバーシュートあるいは振動があらかじめ定められた制御スペックを満たすか否かにより、位置制御特性が劣化したか否かを判断する。
In step S26, the
位置制御特性が劣化したと判断した場合(ステップS26,Yes)、液圧システム制御装置102は、ステップS22からの手順を繰り返す。ステップS22にて、ゲイン調整部6は、現在の負荷値52での伝達特性を同定し、制御ゲイン12を算出する。
When it is determined that the position control characteristic has deteriorated (step S26, Yes), the hydraulic
位置制御特性が劣化していないと判断した場合(ステップS26,No)、ステップS27において、位置制御部2は、負荷があらかじめ設定された上限に達したか否かを判断する。負荷の上限とは、機械負荷に許容される最大の負荷である。
When it is determined that the position control characteristics have not deteriorated (steps S26 and No), in step S27, the
負荷が上限に達していないと判断した場合(ステップS27,No)、液圧システム制御装置102は、ステップS25からの手順を繰り返す。負荷が上限に達したと判断した場合(ステップS27,Yes)、液圧システム制御装置102は、図15に示す手順による動作を終了する。これにより、液圧システム制御装置102は、負荷量と、位置制御特性の劣化を抑制可能な制御ゲイン12との関係を表すテーブルを作成する。
If it is determined that the load has not reached the upper limit (steps S27, No), the hydraulic
位置制御部2は、圧力指令8による作動液の圧力調節を行う際に、負荷量と制御ゲイン12との関係を記憶部50から読み出して、入力された負荷値52に対応する制御ゲイン12を求める。位置制御部2は、記憶されている負荷値52と制御ゲイン12との線形補間により得られた関係を基に、入力された負荷値52に対応する制御ゲイン12を決定しても良い。
When the
液圧システム制御装置102は、実施の形態1に係る液圧システム制御装置100と同様のハードウェア構成を有する。データ取得部51は、図9および図10に示す入出力インタフェース63を用いて実現される。記憶部50は、図9および図10に示す外部記憶装置62を用いて実現される。
The hydraulic
実施の形態3によると、液圧システム制御装置102は、実施の形態1にかかる液圧システム制御装置100と同様の構成を有することにより、機械負荷の高精度かつ安定した位置制御が可能となる。また、液圧システム制御装置102は、ゲイン調整部6において、負荷量に対応する伝達特性を同定する。位置制御部2は、負荷値52を基に、位置制御特性の劣化を抑制可能な制御ゲイン12を得て、圧力指令8を生成することができる。これにより、液圧システム制御装置102は、負荷量が変化した場合においても、機械負荷の高精度かつ安定した位置制御が可能となるという効果を奏する。
According to the third embodiment, the hydraulic
以上の実施の形態に示した構成は、本発明の内容の一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略、変更することも可能である。 The configuration shown in the above-described embodiment shows an example of the content of the present invention, can be combined with another known technique, and is one of the configurations without departing from the gist of the present invention. It is also possible to omit or change the part.
1 位置指令生成部、2 位置制御部、3 切り換え部、4 同定用圧力指令生成部、5 速度検出部、6 ゲイン調整部、7 位置指令、8,9 圧力指令、10 位置検出値、11 速度値、12 制御ゲイン、13 同定用圧力指令、20 ポンプ、21 タンク、22 配管、23 シリンダ、23a ピストン、24 サーボモータ、25 サーボアンプ、26 圧力検出器、27 位置検出器、28 圧力検出値、29 電流、30 トルク、31 差分、32 値、40,50 記憶部、41 温度検出器、42 温度値、51 データ取得部、52 負荷値、61 処理回路、62 外部記憶装置、63 入出力インタフェース、64 プロセッサ、65 メモリ、100,101,102 液圧システム制御装置、200 液圧システム。 1 Position command generator, 2 Position control unit, 3 Switching unit, 4 Identification pressure command generator, 5 Speed detection unit, 6 Gain adjustment unit, 7 Position command, 8, 9 Pressure command, 10 Position detection value, 11 Speed Value, 12 control gain, 13 pressure command for identification, 20 pump, 21 tank, 22 piping, 23 cylinder, 23a piston, 24 servo motor, 25 servo amplifier, 26 pressure detector, 27 position detector, 28 pressure detection value, 29 Current, 30 Torque, 31 Difference, 32 Value, 40, 50 Storage Unit, 41 Temperature Detector, 42 Temperature Value, 51 Data Acquisition Unit, 52 Load Value, 61 Processing Circuit, 62 External Storage Device, 63 I / O Interface, 64 processors, 65 memories, 100, 101, 102 hydraulic system controllers, 200 hydraulic systems.
Claims (6)
前記アクチュエータに対する位置指令と前記アクチュエータの位置の検出結果である位置検出値と制御ゲインとに基づいて前記圧力の調節のための圧力指令を生成することにより位置指令に位置検出値を追従させる制御を行う位置制御部と、
前記圧力指令から前記アクチュエータの動作速度への伝達特性を、前記伝達特性の同定のための動作における前記圧力の指令値と前記アクチュエータの動作速度の速度値とを基に同定し、前記伝達特性に基づいて前記制御ゲインを調整するゲイン調整部と、
を備えることを特徴とする液圧システム制御装置。 A hydraulic system control device that drives a pump under the control of a servomotor, operates an actuator by the pressure of a hydraulic fluid sent from the pump, and operates a mechanical load by the power transmitted from the actuator.
Control that causes the position command to follow the position detection value by generating a pressure command for adjusting the pressure based on the position command for the actuator, the position detection value that is the detection result of the position of the actuator, and the control gain. Position control unit to perform and
The transmission characteristic from the pressure command to the operating speed of the actuator is identified based on the command value of the pressure in the operation for identifying the transmission characteristic and the speed value of the operating speed of the actuator, and the transmission characteristic is obtained. A gain adjustment unit that adjusts the control gain based on
A hydraulic system control device characterized by comprising.
前記位置制御部は、前記記憶部から読み出された前記制御ゲインに基づいて前記圧力指令を生成することを特徴とする請求項1から4のいずれか1つに記載の液圧システム制御装置。 A storage unit for storing the temperature of the working fluid and the control gain in association with each other is provided.
The hydraulic system control device according to any one of claims 1 to 4, wherein the position control unit generates the pressure command based on the control gain read from the storage unit.
前記位置制御部は、前記記憶部から読み出された前記制御ゲインに基づいて前記圧力指令を生成することを特徴とする請求項1から4のいずれか1つに記載の液圧システム制御装置。 A storage unit for storing the load amount of the mechanical load and the control gain in association with each other is provided.
The hydraulic system control device according to any one of claims 1 to 4, wherein the position control unit generates the pressure command based on the control gain read from the storage unit.
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- 2019-03-22 JP JP2019055561A patent/JP7122994B2/en active Active
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