JP2020148214A - スラスト玉軸受用保持器 - Google Patents
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Abstract
【課題】スラスト玉軸受の長寿命化、高負荷容量化を図る。【解決手段】円環部16aと、この円環部16aの外径側周面に等間隔で突き出す柱部16bとを備え、周方向に隣り合う柱部16bの対向面に、転動体である玉15を保持するポケット17を設けた構成としたスラスト玉軸受の保持器16であり、前記柱部16bを、中央部が空洞で前記円環部に対して直交する方向の断面がC形形状とされ、周方向に隣り合う柱部16b間に設けたポケット17の入口径を前記玉15の径よりも小さく設定したことを特徴とする。【選択図】図3
Description
この発明は、例えば、油圧式無段変速機に用いられるスラスト玉軸受の保持器に関する。
農業機械や小型建設機械に搭載されている油圧式無段変速機には、軸の回転力を油圧に変換させる際、あるいは油圧を軸の回転力に変換させる際のピストン圧力を受ける斜板として、スラスト玉軸受が使用されている。
この斜板として使用されるスラスト玉軸受は、ピストンからの集中荷重として複合荷重(アキシアル荷重とラジアル荷重)および偏心荷重が作用する厳しい条件下での使用となる。
ところで、スラスト玉軸受の内輪の破損防止を目的として、溝底肉厚や保持器厚さを規定したものが特許文献1に開示されている。
また、スラスト玉軸受の軌道盤の形状、すなわち、軌道溝の肩の形状に合わせて転動体を確実に保持することができる冠型保持器を用いたスラスト玉軸受が特許文献2に開示されている。
近年、油圧式無段変速機は、同一サイズで高出力化が求められるため、スラスト玉軸受の長寿命化、高負荷容量化が必要である。
ところが、特許文献1の技術は、内輪の最適な寸法諸元を適用することで割損などの破損を防止するものであるが、スラスト玉軸受の転動疲労寿命の向上を狙ったものではない。
また、特許文献2の冠型保持器を適用したものも高負荷容量化を目的としたものではない。
そこで、この発明は、例えば、同一サイズで高出力化が求められる油圧式無段変速機に適用するスラスト玉軸受の長寿命化、高負荷容量化を図ることを課題とするものである。
前記の課題を解決するために、この発明は、円環部と、この円環部の外径側周面に等間隔で突き出す柱部とを備え、周方向に隣り合う柱部の対向面に、転動体である玉を保持するポケットを設けた構成のスラスト玉軸受の保持器において、前記柱部を、中央部が空洞で前記円環部に対して直交する方向の断面がC形形状とし、周方向に隣り合う柱部間に設けたポケットの入口径が前記玉の径よりも小さく設定したものである。
前記スラスト玉軸受の保持器は、樹脂材料によって形成され、前記ポケットの内面形状を、周方向が長軸の楕円形状に形成されている。
以上のように、この発明に係るスラスト玉軸受の保持器は、前記のように、円環部の外径側周面に柱部を突き出した冠形とし、円環部を内周側にしか設けていないので、玉をより外径側に配置することができる。これにより、玉のピッチ円直径を大きくすることができ、かつ、玉もより大きな直径のものを使用することができるので、負荷容量を増加させることができる。
また、大きな直径の玉を使用した場合、隣り合う柱部の中央部分の肉厚が薄くなり、射出成型によって保持器を形成する際に、薄肉部分に樹脂が到達しないことが予測されるが、この発明に係る保持器は、柱部を、中央部が空洞で前記円環部に対して直交する方向の断面をC形形状としているので、柱部の中央部に薄肉部を形成する必要がなく、成形不良という問題を回避できる。
また、周方向に隣り合う柱部間に設けられるポケットの内面形状を、周方向が長軸の楕円形状に形成することにより、合成樹脂製の保持器が弾性変形しても、隣接する玉同士の距離が保たれるため、玉同士の接触を回避できる。
以下、この発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
この発明の実施形態に係る図1のスラスト玉軸受10は、図1に示すように、内輪軌道面11を有する内輪12と、外輪軌道面13を有する外輪14とを対向配置し、内輪軌道面11と外輪軌道面13との間に、転動体である複数の玉15を転動自在に配置したものである。
前記スラスト玉軸受10は、複数の玉15を円周方向に亘って等間隔に保持する保持器16を備えている。
保持器16は、図2〜図4に示すように、円環部16aと、この円環部16aの外径側周面に等間隔で突き出す柱部16bとを備えた冠型形状であり、周方向に隣り合う柱部16bの対向面に、転動体である玉15を保持するポケット17を設けている。
前記柱部16bは、中央部が空洞で前記円環部に対して直交する方向の断面がC形形状であり、円環部16aがC形形状の柱部16bを2分する位置に設けられている。
周方向に隣り合う柱部16b間に設けられるポケット17の入口径d(図3および図4)は、玉15の直径Dよりも小さく設定されており、玉15をポケット17に挿入した後に、玉15がポケット17から脱落することなく、保持器16と玉15とを一体で取り扱えるようにして、相手部品への組込み性を維持している。
転動体としての玉15の遅れや進みによりポケット17の面に衝撃が加わり、その衝撃によって保持器16が破損しないように、保持器16としては合成樹脂製のものを用いる。その中でも、耐久性と弾性等を考慮して、例えば、ポリアミド66を用いることができる。また、合成樹脂製の保持器16には、補強用にガラス繊維を含有させてもよい。
前記保持器16は、前記のように、円環部16aの外径側周面に柱部16bを突き出した冠形であり、円環部16aを内周側にしか設けない構成にしているので、玉15をより外径側に配置することができる。これにより、玉15のピッチ円直径を大きくすることができ、かつ、玉15もより大きな直径のものを使用することができるので、負荷容量を増加させることができ、スラスト玉軸受10の長寿命化をはかることができる。
また、大きな直径の玉15を使用した場合、隣り合う柱部16bの中央部分の肉厚が薄くなり、この薄肉部分に射出成型の際に樹脂が到達しないことが予測されるが、この発明の柱部16bは、中央部が空洞で前記円環部に対して直交する方向の断面がC形形状であるため、柱部16bの中央部に薄肉部を形成する必要がない。したがって、保持器16の成形不良という問題を回避することができる。
周方向に隣り合う柱部16b間に設けられるポケット17の内面形状は、図3に一点鎖線で示すように、周方向が長軸の楕円形状に形成することが好ましい。ポケット17を楕円形状に形成することにより、保持器16が弾性変形しても、隣接する玉15同士の距離が保たれ、玉15同士の接触を回避することができる。
次に、図5に示す実施形態のスラスト玉軸受100は、玉15と、内輪12および外輪14との接触点を結ぶ直線αが、ラジアル方向に対して角度(接触角)θをもち、ラジアル荷重のほかに一方向からのアキシアル荷重を負荷することができるアンギュラ型のものである。
このアンギュラ型のスラスト玉軸受100に使用する保持器16は、図6に示すように、円環部16aが内輪12側に偏り、C形形状の柱部16bが外輪14に向かって上を向く形状をしている点を除き、図1〜図4に示す保持器16と共通するので、重複する説明は省略する。
この発明に係るスラスト玉軸受10、100は、例えば、図7に示すような、農業機械や小型建設機械に搭載されている油圧式無段変速機30に使用されている。
図7に示す油圧式無段変速機30は、図示しないエンジンから入力軸31に伝達された回転駆動力を油圧力に変換する可変容量ポンプ32と、油圧力を回転駆動力に戻して出力軸40に伝達する可変容量モータ42とを備えている。
可変容量ポンプ32は、入力軸31と一体回動するシリンダブロック33と、シリンダブロック33の周方向複数箇所に配置され、ピストン室34内を往復動するノーズピストン35と、ガイドブロック36のガイド面に沿って回動する斜板37とを備え、斜板37が回動操作することにより、ノーズピストン35の往復動ストロークが変化し、ピストン室34が吐出する油量を変化させている。斜板37には、スラスト玉軸受10、100がノーズピストン35の先端部と接触する位置に配置されており、スラスト玉軸受10、100は斜板37と共に回動する。
一方、可変容量モータ42は、出力軸41と一体回動するシリンダブロック43と、シリンダブロック43の周方向複数箇所に配置され、ピストン室44内を往復動するノーズピストン45と、斜板47とを備えている。斜板47には、スラスト玉軸受10、100がノーズピストン45の先端部と接触する位置に配置されている。
可変容量ポンプ32の各ピストン室34から油が吐出されると、シリンダブロック43の各ピストン室44に油が供給される。そして、各ノーズピストン45がピストン室44に対して出入りするように往復駆動され、これにより、前進側又は後進側の駆動方向に、可変容量ポンプ32の吐出油量で決まる速度で出力軸41が回転する。
スラスト玉軸受10、100の内輪12は回転可能であり、内輪軌道面11が形成された面とは反対側の端面21にノーズピストン35(45)の先端部が接触する。一方、外輪14は、斜板37に固定される。そのため、スラスト玉軸受10、100はノーズピストン35(45)から受ける高荷重を内輪12で受け、玉15を介して、斜板37(47)に固定された外輪14側へ逃がしている。
この発明は前述した実施形態に何ら限定されるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲において、さらに種々の形態で実施し得ることは勿論のことであり、本発明の範囲は、特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲に記載の均等の意味、および範囲内の全ての変更を含む。
10 :スラスト玉軸受
11 :内輪軌道面
12 :内輪
13 :外輪軌道面
14 :外輪
15 :玉
16 :保持器
16a :円環部
16b :柱部
17 :ポケット
11 :内輪軌道面
12 :内輪
13 :外輪軌道面
14 :外輪
15 :玉
16 :保持器
16a :円環部
16b :柱部
17 :ポケット
Claims (4)
- 円環部と、この円環部の外径側周面に等間隔で突き出す柱部とを備え、周方向に隣り合う柱部の対向面に、転動体である玉を保持するポケットを設けたスラスト玉軸受用保持器であって、前記柱部は、中央部が空洞で前記円環部に対して直交する方向の断面がC形形状とされ、周方向に隣り合う柱部間に設けたポケットの入口径を、前記玉の径よりも小さく設定しているスラスト玉軸受用保持器。
- 前記円環部と柱部が樹脂材料によって形成されている請求項1記載のスラスト玉軸受用保持器。
- 前記ポケットの内面形状が、周方向が長軸の楕円形状に形成されている請求項1又は2記載のスラスト玉軸受用保持器。
- 内輪軌道面を有する内輪と、外輪軌道面を有する外輪とを対向配置し、内輪軌道面と外輪軌道面との間に、転動体である複数の玉を転動自在に配置し、前記複数の玉を、請求項1〜3のいずれかの保持器によって円周方向に亘って等間隔に保持していることを特徴とするスラスト玉軸受。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2019043621A JP2020148214A (ja) | 2019-03-11 | 2019-03-11 | スラスト玉軸受用保持器 |
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JP2019043621A JP2020148214A (ja) | 2019-03-11 | 2019-03-11 | スラスト玉軸受用保持器 |
Publications (1)
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2023048046A1 (ja) * | 2021-09-21 | 2023-03-30 | Ntn株式会社 | 転がり軸受 |
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2019
- 2019-03-11 JP JP2019043621A patent/JP2020148214A/ja active Pending
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WO2023048046A1 (ja) * | 2021-09-21 | 2023-03-30 | Ntn株式会社 | 転がり軸受 |
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