JP2020146408A - 磁場検出装置、生体磁場計測システム - Google Patents

磁場検出装置、生体磁場計測システム Download PDF

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稔浩 石井
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博庸 三船
究 工藤
Kiwamu Kudo
究 工藤
博史 森瀬
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博史 森瀬
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Abstract

【課題】生体の活動を高精度に推定する生体磁場検出システムに用いると好適な磁場検出装置を提供する。【解決手段】磁場検出装置10Bは、被検者200の頭部に装着される筐体31と、被検者の頭部から発する磁場ベクトルを検出する複数の常温磁気センサ30と、各々の常温磁気センサに対して設けられた、常温磁気センサの位置情報の検出に利用される位置情報検出部と、各々の常温磁気センサを筐体と機械的に連結し、各々の常温磁気センサを被検者の頭部の表面に対し一定方向に独立に移動可能とする可動機構50と、を有する。【選択図】図20

Description

本発明は、磁場検出装置及び生体磁場計測システムに関する。
脳の神経細胞は、電気信号の発生(発火)とのその伝達によって、脳機能を発現させる。その発火状態を観測することで、脳機能の研究、疾患の診断等が可能になると考えられている。てんかん等の異常な発火を起こす神経細胞がある場合、その神経細胞がどの位置に存在するかを非侵襲で観察することで、異常な神経細胞を摘出する手術が可能となる。
又、てんかんを起こす細胞をできるだけ正確に位置検出できれば、それ以外の神経細胞を無駄に摘出することがなくなり、患者にとってメリットが大きい。そのため、脳磁計を使い、できるだけ精度よく、信号源を推定することが望まれている。
又、てんかんの薬を飲むことによって、薬効がある場合には、その発火状態が変化することが知られている。それには個体差があることから、薬効判断に利用可能となる。
例えば、頭部全体にセンサを配置し、脳磁信号を取得してグラフ化し、薬効が起こる箇所が局在している領域を捉える検討が行われている。この局在している領域を正確に捉えることで、より精度のよい薬効判断ができる。つまりは、脳磁信号の高精度な位置推定が、薬効判断の精度を上げることになる(例えば、非特許文献1参照)。
そのため、生体の活動を高精度に推定する生体磁場検出システムに用いる磁場検出装置には、磁気センサの位置情報を高精度に検出可能な構造を備えることが求められている。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、生体の活動を高精度に推定する生体磁場検出システムに用いると好適な磁場検出装置を提供することを目的とする。
本磁場検出装置は、被検者の頭部に装着される筐体と、前記被検者の頭部から発する磁場ベクトルを検出する複数の常温磁気センサと、各々の前記常温磁気センサに対して設けられた、前記常温磁気センサの位置情報の検出に利用される位置情報検出部と、各々の前記常温磁気センサを前記筐体と機械的に連結し、各々の前記常温磁気センサを前記被検者の頭部の表面に対し一定方向に独立に移動可能とする可動機構と、を有する。
開示の技術によれば、生体の活動を高精度に推定する生体磁場検出システムに用いると好適な磁場検出装置を提供できる。
生体磁場計測システムの全体構成を例示する図である。 情報処理装置のハードウェア構成を例示する図である。 磁気シールドボックスについて例示する図である。 磁気シールドルームについて例示する図(その1)である。 磁気シールドルームについて例示する図(その2)である。 頭部用の磁気シールドボックスについて説明する図である。 補助部材を例示する斜視図である。 加工前の補助部材を例示する図である。 補助部材の変形例を示す斜視図である。 磁気シールドボックスの側壁の構造を例示する図である。 ヘッドギヤ型の磁場検出装置の第1の例を示す側面図である。 ヘッドギヤ型の磁場検出装置の第1の例を示す上面図である。 ヘッドギヤ型の磁場検出装置の第2の例を示す側面図である。 OPMセンサの概略構成を例示する図である。 1つのセンサ固定部の近傍を拡大した模式図である。 マーカーとシールドと配線の位置関係を例示する図である。 マーカーについて説明する図である。 第1実施形態に係るヘッドギヤ3次元計測の手順を例示するフローチャートである。 常温磁気センサの位置の3次元計測について説明する図である。 ヘッドギヤ型の磁場検出装置の第3の例を示す側面図である。 図20の可動機構近傍の拡大図である。 第2実施形態に係るヘッドギヤ3次元計測の手順を例示するフローチャートである。 ヘッドギヤ型の磁場検出装置の第4の例を示す側面図である。 図23の可動機構近傍の拡大図である。 位置センサの検出システムについて説明する図である。 可動機構の他の例を示す図である。 可動機構の更に他の例を示す図である。 第3実施形態に係るヘッドギヤ3次元計測の手順を例示するフローチャートである。
以下、図面を参照して発明を実施するための形態について説明する。各図面において、同一構成部分には同一符号を付し、重複した説明を省略する場合がある。
各実施形態では、ヘッドギヤを用いた生体磁場の3次元計測について説明するが、まず、各実施形態に共通する部分について説明する。
[生体磁場計測システムの全体構成]
まず、生体磁場計測システムの全体構成について説明する。図1は、生体磁場計測システムの全体構成を例示する図である。
図1に示すように、生体磁場計測システム400は、磁場検出装置10と、情報処理装置410と、MRI(Magnetic Resonance Imaging)撮像部420と、3次元計測部430と、表示装置480とを有する。
なお、生体磁場計測システム400は、表示装置480を必要に応じて有すればよい。又、生体磁場計測システム400は、必要に応じ、被検者の所定の部位に刺激を与える刺激装置を有してもよい。
情報処理装置410は、信号処理部411と、表示制御部412と、データ格納部413とを有する。
MRI撮像部420は、被検者の頭部を撮像し、脳の3次元の構造形状のMRI画像データを生成する。MRI撮像部420は、生成したMRI画像データを情報処理装置410に送信する。
MRIは一般的に人間ドックなどで利用されている1.5Tレベルのもので良く、解像度は1mm程度あればよい。T1やT2画像を利用することで、コントラストの明瞭なものを採用する。特に、脳の溝構造が明瞭に観察できればよく、脳の血管の構造は今回の目的には不要である。これにより、標準脳との比較や一般的な脳機能の脳地図との照らし合わせができる。
被検者の頭部を撮像する際に、耳や目等の位置マーカーになる部分も計測する。又、MRIの計測の際にマーカーとなるビタミン材等を被検者の顔面に配置する。磁場検出装置10による計測の際には、被検者の顔面のビタミン材等のマーカー位置と同一位置に、磁気を発生させる磁気マーカーを設置する。これにより、MRI画像と磁場検出装置10の計測データの頭部座標とを一致させることができる。そのために、ビタミン材を添付する位置には、事前にペンなどで皮膚にマーキングしておく。
3次元計測部430は、被検者の頭部に装着されたヘッドギヤ型(頭部装着型)の磁場検出装置10に設置された複数の常温磁気センサの位置を測定する。3次元計測部430は、センサ位置データを情報処理装置410に送信する。
磁場検出装置10は、磁気マーカーの発する磁場を計測し、計測結果を情報処理装置410に送信する。又、磁場検出装置10は、脳磁計測を実行し、計測結果を情報処理装置410に送信する。脳磁計測の際には、必要に応じて、刺激装置による刺激が被検者に与えられる。磁場検出装置10の詳細については後述する。
情報処理装置410の信号処理部411は、様々な信号処理が可能である。信号処理部411は、例えば、磁場検出装置10による磁気マーカーの発する磁場の計測結果に基づいて、磁気マーカーの位置を逆問題推定等により検出し、検出結果をデータ格納部413に格納する。
又、信号処理部411は、例えば、MRI撮像部420から送信されたMRI画像データ、3次元計測部430から送信されたセンサ位置データ、磁気マーカーの位置の検出結果等に基づいて、磁場検出装置10の常温磁気センサの頭部座標とMRI画像の頭部座標とを整合させ、整合結果をデータ格納部413に格納する。
又、信号処理部411は、例えば、磁場検出装置10による脳磁計測の計測結果をデータ格納部413に格納する。
表示制御部412は、データ格納部413に格納された所定データを読み出し、表示装置480に表示用の信号を送信する。表示装置480は、表示制御部412の信号に基づいて、例えば、脳磁計測の結果を表示する。表示装置480は、例えば、液晶ディスプレイ等である。
データ格納部413は、各種プログラムや、各種プログラムが実行されることで取得される情報を格納する記憶デバイスである。
図2は、情報処理装置のハードウェア構成を例示する図である。図2に示すように、情報処理装置410は、主要な構成要素として、CPU(Central Processing Unit)1501と、ROM(Read Only Memory)1502と、RAM(Random Access Memory)1503と、I/F(Interface)1504と、バスライン1505とを有している。CPU1501、ROM1502、RAM1503、及びI/F1504は、バスライン1505を介して相互に接続されている。情報処理装置410は、各種制御対象や各種センサ等と接続されている。情報処理装置410は、必要に応じ、他のハードウェアブロックを有しても構わない。
CPU1501は、情報処理装置410の各機能を制御する。記憶手段であるROM1502は、CPU1501が情報処理装置410の各機能を制御するために実行するプログラムや、各種情報を記憶している。記憶手段であるRAM1503は、CPU1501のワークエリア等として使用される。又、RAM1503は、所定の情報を一時的に記憶できる。I/F1504は、他の機器等と接続するためのインターフェイスであり、例えば、外部ネットワーク等と接続される。
情報処理装置410は、電子回路により実装されるプロセッサのようにソフトウェアによって各機能を実行するようプログラミングされたプロセッサや、所定の機能を実行するよう設計されたASIC(Application Specific Integrated Circuit)、DSP(digital signal processor)、FPGA(field programmable gate array)、SOC(System on a chip)、又はGPU(Graphics Processing Unit)であってもよい。又、情報処理装置410は、回路モジュール等であってもよい。
[磁気シールド]
次に、磁場検出装置10を用いた生体磁場計測に用いる磁気シールドボックス、磁気シールドルームについて説明する。
脳の電気信号は、頭皮表面でも数pTと、非常に微弱である。地磁気で数十μT、商業電源のノイズでも数100nTは存在する。そこで、これらのノイズを低減するために、磁場検出装置10を用いた生体磁場計測は、下記のような磁気シールドボックス内や磁気シールドルーム内で行われる。
図3は、磁気シールドボックスについて例示する図である。図3に示すように、磁気シールドボックス100は、可搬型であり、被検者200の頭部のみを囲う形状である。磁気シールドボックス100は、被検者200が座位で生体磁場計測を行うものであり、椅子115を含めて可搬性を持たせるために、車輪117を備えている。磁気シールドボックス100に加え、被検者200の体部を囲う磁気シールドボックス110を配置してもよい。図3の例では、体部の磁気シールドボックス110は椅子115を含めてシールドを行う構造としている。
図4は、磁気シールドルームについて例示する図(その1)である。図4に示すように、磁気シールドルーム120内に被検者200の体全体を入れて生体磁場計測を行ってもよい。なお、図4では被検者200が座った状態であるが、この状態で、磁場検出装置10の筐体を上部支柱125によって上方に吊り上げることができる。
このように、生体磁場計測システム400は、被検者200を座った状態に保持する保持部となる椅子や支柱等を有し、磁場検出装置10の筐体は、保持部に設けられた上部支柱125等によって吊り上げられてもよい。
磁場検出装置10の重さを被検者200が全て支えると、頭部に荷重がかかることで、首等の筋肉が緊張し、ノイズの発生要因となる。磁場検出装置10を上部支柱125で支えることで、被検者200には荷重がかからない。又、被検者200の頭部の重さも支持できるため、被検者200は自身の頭部の重さを支持することなく、首の筋肉を緊張させることはない。その結果、ノイズの発生要因を除去できる。
図5は、磁気シールドルームについて例示する図(その2)である。図5に示すように、磁気シールドルーム130内に被検者200の体全体を入れて、かつ磁気シールドルーム130内に配置されたベッド135に被検者200が横になった状態で生体磁場計測を行うことができる。
このように、生体磁場計測システム400は、被検者200を仰向けに寝た状態に保持する保持部となるベッド135等を有してもよい。
座った状態では、てんかんや脳卒中等の重篤な患者の計測が困難である。重篤な患者が無理をして座った場合、頭部を安定して静止させることが困難であるため安静状態とはならず、正しい計測ができない。又、大量の筋肉信号ノイズが発生する。
筋肉の信号は、骨格筋等を筋細胞が発生させる磁場であり、一般的に数pTを超える大きなものとなる。脳神経の磁場信号は100fT程度であるため、ノイズとしては除去が難しい。
特に、眼球や首等の頭部に設置した常温磁気センサに近い部分の筋肉の信号が、最も大きなノイズとなる。又、頭皮にも筋肉が存在しており、その筋肉は、常温磁気センサと脳の神経細胞の間に存在することから、ノイズとしても大きい。
頭皮に存在する筋肉細胞は、繊維状であり、その繊維方向に向けて、電流が流れることが推定される。これは一般的な太ももなどの骨格筋では知られている。常温磁気センサは、頭部に配置されており、その繊維状に発生する信号を検出できる。そのため、その信号は、通常の脳神経のとは異なることを検出して除去可能ではあるが、計算コストが大きくなりできるだけ低減する方法を選択することが望まれる。
生体磁場計測システム400では、被検者が仰向けに寝た状態でも容易に磁場計測ができるため、このような問題を解消し、重篤な患者の磁場計測が可能である。
以下では、頭部用の磁気シールドボックスについて、更に詳しく説明する。
図6は、頭部用の磁気シールドボックスについて説明する図である。図6に示すように、頭部用の磁気シールドボックス100は、略円筒状であり、被検者200の頭部を出し入れするための開閉部101を有する開閉式の構造である。被検者200の首が通る部分には略円形状の開口部102が設けられており、開口部102の近傍にはキャンセルコイル103を設置している。
キャンセルコイル103は、地磁気レベルの数μTに対抗する磁場を発生させるために、例えば、10ターンとして、数10mAで電流が流せるような配線とする。磁気シールドボックス100は、被検者200の頭部を囲える程度の大きさであればよく、例えば、直径が300mm、長さ(高さ)が400mm程度である。開口部102は、できるだけ狭い方が残留磁場を低減できる。そのため、被検者200に合わせて、被検者200の首周りに取り付けるための、磁気シールドの補助部材を準備することが好ましい。
図7は、補助部材を例示する斜視図である。図7(a)に示す補助部材650は、中央に首を挿入する挿入穴651が設けられたドーナッツ状の部材である。補助部材650は、柔軟な材料から形成されている。挿入穴651の直径はφ1である。図7(b)に示す補助部材650は、図7(a)と同様の構造であるが、挿入穴651の直径φ2が直径φ1よりも小さく形成されている。
このように、挿入穴651の直径が異なる複数の補助部材650を準備することで、被検者200の首と挿入穴651の内壁との隙間を小さくできるため、外界から磁気シールドボックス100の内部に入り込むノイズを大幅に低減できる。その結果、磁気シールドボックス100のシールド性能を向上できる。もちろん、3種類以上の補助部材650を準備してもよい。
図8は、加工前の補助部材を例示する図である。補助部材650は、例えば、図8に示すような可撓性のアモルファス金属箔653の短冊と弾性体655の短冊とを積層した積層物を円環状に変形させた構造である。
アモルファス金属箔653は、例えば、数10μm程度の厚さである。アモルファス金属箔653としては、例えば、日立金属製のファインメット(商標)を用いることができる。弾性体655は、例えば、化学繊維を織り込んだ布のようなものや、ゴムのようなものや、発泡スチロールのような軽量なもの等、様々な選択肢があるが、被検者の首に接触することもあり、弾力性のある布を選択することが好ましい。アモルファス金属箔653と弾性体655を順次積層することで、基材となる弾性体655の間にアモルファス金属箔653が保持された柔軟な構造を形成できる。
従来のシールド部材は例えばパーマロイのように金属を結晶化した材料を利用しており、非常に硬い。それに対し、アモルファス金属箔653は、薄くとも透磁率は非常に高く、そのシールド性能が高い。アモルファス金属箔653は、アモルファス化した高温状態から急激に冷やすことで、結晶化することなくアモルファス状態を維持したまま硬化する。急激に冷やすために、数10μm程度の薄いものが形成できる。
図9は、補助部材の変形例を示す斜視図である。図9に示すような蛇腹状の補助部材650Aを用いてもよい。磁気シールドボックス100の開口部102近傍に蛇腹状の補助部材650Aを設けることで、挿入穴651に首を挿入する際に、補助部材650Aが首に習う形で変形できる。これにより、被検者の肉体的ストレスが低減できると共に、被検者の個体差を吸収できる。
なお、蛇腹状の補助部材650Aは、例えば、アモルファス金属箔653と弾性体655との積層物を複数組作製し、各組の積層物の一方側のみを固定し、他方側をフリーにすることで形成できる。
磁気シールドボックス100の側壁は、可搬性をできるだけ上げるため、又、重量をできるだけ低減するために、一般的な高透磁率のパーマロイを使うことなく、アモルファス金属箔をPETフィルム基盤材料で挟み込んだファインメット(商標)を利用することが好ましい。
具体的には、図10に示すように、厚さが10mm程度の発泡スチロール657にアモルファス金属箔658(ファインメット)を1層接着したペアを複数ペア積層した構造が挙げられる。隣接するアモルファス金属箔658の間隔Lは、例えば、1mmである。
図10のような構造により、単純にファインメットを積層した場合に比べ、軽量で、かつ高いシールド性能を発揮できる。なお、図10の例では発泡スチロール657とアモルファス金属箔658が6ペアであるが、これには限定されない。
〈第1実施形態〉
(ヘッドギヤ型の磁場検出装置_短冊型)
まず、第1実施形態に係る磁場検出装置について説明する。第1実施形態に係る磁場検出装置10は、被検者の頭部に装着するヘッドギヤ型の磁場検出装置である。
ヘッドギヤは、子供用から大人用まで、例えば、10種類程度を頭囲の大きさ別に準備することが好ましい。例えば、大人用には、帽子の種類と同様に、小さい方から、S、M、L、2L、及び3Lの5種類を準備する。具体的には、例えば、被検者の頭部の形状を考慮し、頭囲2cm刻みで作り分ける。
ヘッドギヤの素材は、例えば、ポリエステル等の化学繊維である。ヘッドギヤ及びセンサ固定部等の全ての部材には、反射光が小さくなるように、3次元カメラに映る可能性がある部分に、つや消し処理を施すことが好ましい。これにより、3次元カメラに映りにくくなり、ノイズ成分を低減できる。
ヘッドギヤは、柔軟性があり、接触面には起毛させた柔らかな繊維が触れるように工夫されている。又、ヘッドギヤは、センサがしっかり固定されるように、センサ固定部がポリカーボネイト等の樹脂で成形されている。センサの位置が計測中に移動しないように、ヘッドギヤには適切な硬さがあり、かつ、設置する際には柔軟にある程度、個体差がある人の頭部形状に倣うような機能を有している。
図11は、ヘッドギヤ型の磁場検出装置の第1の例を示す側面図である。図12は、ヘッドギヤ型の磁場検出装置の第1の例を示す上面図である。図11及び図12を参照しながら、ヘッドギヤ型の磁場検出装置10について、より具体的に説明する。
図11及び図12を参照すると、磁場検出装置10は、頭頂部11と、複数の経線短冊12と、複数の緯線リング13と、ベルト14と、複数の軸15とを有する短冊型である。複数の経線短冊12と複数の緯線リング13とが互いに交差するように配置されて、磁場検出装置10の骨組みがなされている。経線短冊12及び緯線リング13のそれぞれの素材は、例えば、厚さ1mm程度、幅10mm程度のポリカーボネイトである。なお、経線短冊12及び緯線リング13の個数は、必要に応じ、任意に決定できる。
各経線短冊12は、一端が略円形の頭頂部11の外周付近に固定されており、他方は頭頂部11から下方に垂らして全体として半球体の一部を形成するように放射状に配置されている。各経線短冊12は、経線短冊12自体が、例えば、直径20cm程度の曲率を持っており、この曲率は応力をかけることによって10%程度の変形が可能である。
経線短冊12の剛体によって、磁場検出装置10は、多少の振動があっても、形状が変形することがない。又、首にかけるベルト14によって、経線短冊12の他端側が下方に引き下げられる。この応力によって、経線短冊12の曲率は10%程度変形し、被検者200の頭部の形状にしっかりフィットできる。
円形のリング状である各緯線リング13は、経線短冊12を横断するように所定間隔で配置され、それぞれの経線短冊12と固定されている。固定部分は可動できる機構となっている。具体的には、略縦方向に配置された経線短冊12と略横方向に配置された緯線リング13の交差する部分の中央部に互いが回転できるような軸15を有し、約10°程度の回転が可能である。
磁場検出装置10の左右は、耳の付近に先端(下端)が位置するように作製されている。磁場検出装置10の前後は、眉の付近に先端(下端)が位置するように作製されている。磁場検出装置10には、複数のセンサ固定部(後述)が設置されている。センサ固定部は、例えば、隣接する軸15の間に配置できる。センサ固定部の個数は、特に限定されないが、例えば、50〜80個程度設けることができる。以降、一例として、センサ固定部の個数は64個とする。
(ヘッドギヤ型の磁場検出装置_水泳キャップ型)
図13は、ヘッドギヤ型の磁場検出装置の第2の例を示す側面図である。図13を参照すると、磁場検出装置10Aは、被検者の頭部に装着する磁場検出装置であって、メッシュ状のベース21の表面にセンサ固定部22を設置した水泳キャップ型である。センサ固定部22は、例えば、ほぼ等間隔に、約30mmピッチで縦横に配置される。各々のセンサ固定部22には、常温磁気センサ30が固定されている。
磁場検出装置10Aにおいて、ベース21は、例えば、細いゴム繊維をベースに編まれており、1.5倍近く伸び縮みするゴム弾性を有している。これによって、被検者200の頭部の形状にしっかりフィットできる。又、磁場検出装置10Aにも、例えば、10タイプの大きさを準備し、利用の際に被検者が適切なサイズを選択する。
(常温磁気センサ)
常温磁気センサ30は、被検者の頭部から発する磁場ベクトルを検出するセンサである。常温磁気センサ30において、樹脂製の筐体及び配線は黒である。これは3次元計測の際の反射光を少なくするためである。常温磁気センサ30としては、例えば、光ポンピング原子磁気センサ(OPM:Optically Pumped atomic Magnetometer)を使用できる。以下、光ポンピング原子磁気センサをOPMセンサと称する場合がある。
OPMセンサとしては、例えば、Quspin社製のGen2.0を使用できる。Gen2.0の外形寸法は、12mm×16mm×24mmの直方体であり、この上面から約10mm幅の配線が出されている。
ここで、OPMセンサについて、より詳しく説明する。図14は、OPMセンサの概略構成を例示する図である。図14に示すように、OPMセンサは、ルビジウム原子のガスセルに、レーザビームを入射し、ガスセルを透過したレーザビームを、光検出器で検出する。ガスセルを透過するレーザビームは、Y軸方向又はZ軸方向に発生した磁場の大きさに応じて、吸収されるため、Y軸方向又はZ軸方向に磁場が発生すると、光検出器で検出されるレーザビームの強度は低下する。
このため磁場が発生していない状態で、光検出器で検出されたレーザビームの強度と、磁場が発生している状態で、光検出器で検出されたレーザビームの強度とを対比することで、磁場の大きさを算出できる。なお、ガスセルの周囲には、コイルが巻かれており、適切な交流電流が印加される。
このように、OPMセンサは、レーザビームの入射方向(光伝播方向)と略直交する方向の磁場を検出できる。本実施形態では、レーザビームの入射方向と略平行な方向を、X軸方向とし、レーザビームの入射方向と略直交する方向を、それぞれ、Y軸方向、Z軸方向とおく。
ガスセルは、例えば、筐体表面から約6mmの位置に配置されており、この箇所の磁場を検出する。以下、ガスセルと記した場合、検出位置としての意味合いを持つ。
常温磁気センサ30としてOPMセンサを用いることで、高感度な磁場検出が可能となる。すなわち、MI(Magneto-Impedance element)センサやTMR(Tunnel Magneto Resistance)センサ等では実現できない神経の磁場信号を検出できる。
(センサ固定部)
図15は、1つのセンサ固定部の近傍を拡大した模式図である。図15に示すように、センサ固定部22は、筒状部221と、ヘッドギヤ固定部222と、センサ固定ピン223とを有している。センサ固定部22の筒状部221、ヘッドギヤ固定部222、及びセンサ固定ピン223は、例えば、ポリカーボネイト等の樹脂によって成形加工されたものである。
筒状部221は、常温磁気センサ30の形状に合わせて形成された筒状の部分であり、常温磁気センサ30が挿入される。筒状部221の長手方向の一方の側には、筒状部221の外周側に突出するヘッドギヤ固定部222が設けられている。なお、筒状部221の外周面を囲むように、シールド25を設けることが好ましい。
ヘッドギヤ固定部222には、ビス挿入用の貫通孔224が形成されている。センサ固定部22は、例えば、貫通孔224に挿入された2本のプラスチック製のビス23A及び23Bにより、回転による変動がないように磁場検出装置10Aのベース21に固定できる。
センサ固定部22は、常温磁気センサ30を固定できるように設計されている。常温磁気センサ30は、例えば、センサ固定ピン223によってセンサ固定部22に固定できる。なお、常温磁気センサ30には、配線35が接続されている。
例えば、センサ固定部22に常温磁気センサ30を押し込み、ある程度挿入されたところで、センサ固定ピン223が自動的に常温磁気センサ30に引っかかる機構を採用できる。この場合、センサ固定部22に単に常温磁気センサ30を押し込むだけで、設置作業が完了する。
なお、常温磁気センサ30の数が64個と多いため、磁場検出装置10Aをマネキン等の設置場所に固定して各センサ固定部22に常温磁気センサ30を取り付け、その後に、常温磁気センサ30が固定された磁場検出装置10Aのベース21を被検者200の頭部に装着する手順が好ましい。
実際の計測の際には、呼吸や心拍等を含めて、体動が最も大きなアーチファクトとなる。アーチファクトは除去できないが、その影響ができるだけ小さくなるように、被検者200の頭部、ベース21、及びセンサ固定部22が1つの剛体となるように、センサ固定部22を磁場検出装置10Aのベース21に固定することが好ましい。
体動等の影響によって、磁場検出装置10Aがずれないように、磁場検出装置10Aのゴム弾性による締め付けはある程度強くする必要がある。しかし、あまり強すぎると、頭皮への圧迫があり、被検者200に不快な思いをさせると同時に、皮膚表面の筋肉繊維からの筋電がノイズとなる問題も起きる。適切な締め付けが重要なファクターである。
なお、各々の常温磁気センサ30の上面側(ベース21から遠い方の側)には、常温磁気センサ30の位置測定に用いるマーカー40が設置されている。マーカー40は、各々の常温磁気センサ30に2個以上設置されていることが好ましく、3個以上設置されていることがより好ましい。
図16は、マーカーとシールドと配線の位置関係を例示する図である。なお、図16では、センサ固定部22の図示は省略されている。図16に示すように、マーカー40は、3次元計測の際に3次元カメラによる観察を可能とするために、最も上の面に配置される必要がある。ここでは、マーカー40は、常温磁気センサ30の上面に配置されている。
又、配線35は、電気信号が流れることよって、ノイズを発生させる。そのため、頭皮及び常温磁気センサ30からできるだけ離すことが望ましい。常温磁気センサ30がOPMセンサである場合、ガスセル301を有するため、配線35をガスセル301からできるだけ離すことが望ましい。
配線35は、64個の常温磁気センサ30の各々に接続されているため本数が多く、又、シールドルームの外まで出すために、数mと非常に長い。配線35は、例えば、図16のように常温磁気センサ30の上端面に合わせて這わせることができる。配線35と常温磁気センサ30との間には、シールド25を設けることが好ましい。シールド25としては、例えば、ファインメット等を用いることができる。
(常温磁気センサの位置検出)
図17は、マーカーについて説明する図である。ここでは、各々の常温磁気センサ30に3点のマーカー40を設置する例を示す。
図17に示すように、各々の常温磁気センサ30の筐体の上面30aには、3点のマーカー40が、上面30aの法線方向から視たときに(すなわち、被検者の頭部の表面の法線方向から視たときに)、3角を形成するように配置されている。1つの常温磁気センサ30に4点以上のマーカー40を設置してもよい。
マーカー40は、どちらからの光も散乱させる完全散乱体であることが好ましい。マーカー40は、先端側(常温磁気センサ30の上面30aから離れる側)に、例えば直径4mmの半球部分を有する。
1つの常温磁気センサ30の筐体の上面30aに3点のマーカー40を設置することで、3か所のx、y、zの位置座標のデータから、筐体の6軸(x、y、z、Θx、Θy、Θz)のデータへ変換できる。3か所のマーカー40の位置座標を(x1、y1、z1)、(x2、y2、z2)、(x3、y3、z3)とすると、この3点によって形成される3角面40Tを定義できる。又、3角面40Tの法線ベクトルVが定義でき、これが(Θx、Θy、Θz)となる。
又、3角面40Tの重心が定義できるために、(x、y、z)の位置座標を得ることができる。3つマーカー40の位置座標からセンサの6次元データ(x、y、z、Θx、Θy、Θz)を得る方法は、データの数が最小ですむため計算コストを最小限にできる。但し、常温磁気センサ30の位置(x、y、z、Θx、Θy、Θz)は、常温磁気センサ30の筐体の下面30bの重心位置である。
なお、マーカーとは、常温磁気センサ30の位置を示す部材であり、3次元計測部430が常温磁気センサ30の位置を測定する際に、常温磁気センサ30のセンサ位置データを取得するために使用する。このような目的で使用可能であれば、マーカーという名称でない部材であっても、本実施形態に係るマーカーに含まれる。又、他の機能を有する部材あっても、3次元計測部430が常温磁気センサ30の位置を測定する際に、常温磁気センサ30のセンサ位置データを取得するために使用可能であれば、名称の如何を問わず本実施形態に係るマーカーに含まれる。
例えば、図17において、上面30aに突起物があり、それに2つのマーカー40を追加して実質的に3つのマーカーとして使用可能であれば、この突起物もマーカーである。
(ヘッドギヤ3次元計測)
次に、ヘッドギヤを用いた3次元計測の手順について説明する。図18は、第1実施形態に係るヘッドギヤ3次元計測の手順を例示するフローチャートである。
まず、ステップS1では、医師等は、マーカーとなるビタミン材等を被検者の顔面に配置する。その後、医師等がMRI撮像部420を操作し、MRI撮像部420は、被検者の頭部を撮像して脳の3次元の構造形状のMRI画像データを生成する。MRI撮像部420は、生成したMRI画像データを情報処理装置410に送信する。なお、MRI撮像部420は、被検者の耳や目等の位置マーカーになる部分も撮像する。又、MRI撮像部420は、計測の前に配置したマーカーとなるビタミン材等も撮像する。なお、ビタミン材等を配置する位置には、事前にペン等で皮膚にマーキングしておく。
次に、ステップS2では、医師等は、被検者に磁気マーカーを設置する。具体的には、ステップS1で配置したマーカーとなるビタミン材等と同じ位置(事前にペン等で皮膚にマーキングした位置)に、磁気を発生させる磁気マーカーを設置する。
次に、ステップS3では、医師等は、被検者の頭囲を計測し、適切な大きさのヘッドギヤ型の磁場検出装置10又は10Aを選択する。ここでは、磁場検出装置10Aを選択したものとする。なお、この時点では、磁場検出装置10Aの各センサ固定部22に常温磁気センサ30は設置されていない。
次に、ステップS4では、医師等は、選択した磁場検出装置10Aを被検者の頭部に装着し、磁場検出装置10Aの中央部に設置しているマーカーが眉間中央になること目視で確認する。次に、ステップS5では、磁場検出装置10Aの各センサ固定部22に常温磁気センサ30を設置する。
但し、上記のステップS4及びS5に代えて、磁場検出装置10Aの各センサ固定部22に常温磁気センサ30を取り付け、その後に、常温磁気センサ30が固定された磁場検出装置10Aを被検者200の頭部に装着してもよい。
次に、ステップS6では、医師等が3次元計測部430を操作し、3次元計測部430は、被検者の頭部に装着された磁場検出装置10Aに設置された複数の常温磁気センサ30の位置を測定する。3次元計測部430は、各常温磁気センサ30に設置された複数のマーカー40を撮像することで常温磁気センサ30の位置を測定する。3次元計測部430は、センサ位置データを情報処理装置410に送信する。
常温磁気センサ30の位置(マーカー40の位置)の3次元計測には、モーションキャプチャ用の複数台の3次元カメラを用いる手法や、静止形状用のハンディーなステレオカメラタイプを用いる手法等、いくつもの手法が存在する。例えば、ハンディーなステレオカメラタイプを用いる手法であるArtec社製のEvaを選択できる。Evaは、解像度が0.5mmで角度範囲30°×21°であり、重量が0.85kgと軽い。
例えば、図19に示すように、被検者200の頭部の周囲に複数のステレオカメラ250を配置し、常温磁気センサ30の位置の3次元計測を行う。常温磁気センサ30に3か所のマーカー40を設置する場合、常温磁気センサ30が64個あると、マーカー40は192個となる。ステレオカメラ250で複数個所から計測することで、配線35等が邪魔で計測できないマーカー40はなくなる。
次に、ステップS7では、医師等は、磁気マーカーのコイルに特定周波数の電流を流す。そして、磁場検出装置10Aは、磁気マーカーの発する磁場を計測し、計測結果を情報処理装置410に送信する。
次に、ステップS8では、信号処理部411は、磁場検出装置10Aによる磁気マーカーの発する磁場の計測結果に基づいて、磁気マーカーの位置を逆問題推定等により検出し、検出結果をデータ格納部413に格納する。
次に、ステップS9では、信号処理部411は、MRI撮像部420から送信されたMRI画像データに含まれるビタミン材等の位置と、3次元計測部430から送信されたセンサ位置データと、磁気マーカーの位置の検出結果とに基づいて、磁場検出装置10Aの常温磁気センサ30の頭部座標とMRI画像の頭部座標とを整合させ、整合結果をデータ格納部413に格納する。
次に、ステップS10では、目的である磁場検出装置10Aによる脳磁計測を実施する。計測の合間に、磁場検出装置10Aは磁気マーカーの位置を検出し、被検者の頭部と常温磁気センサ30との位置がずれていないことを確認する。
(脳波計と脳磁計)
従来の脳波計は、白灰質の表面近傍のトポグラフ的な情報を得ることを主目的としているため、センサ部(電極)の電位のスカラー量だけを検出している。つまり、従来の脳波計で計測される電場はベクトル情報がなく、強度情報のみであった。
これに対し、脳磁計ではダイポールの位置を3次元的に推定することが主目的である。つまり、脳波計と脳磁計とは目的が異なるため、脳磁計ではセンサ部の磁場のベクトル量を検出することが望まれる。但し、ここで、磁場ベクトルとは、磁場の強度及びその方向の情報を検出することを意味している。
本実施形態に係る磁場検出装置は、磁場のベクトル情報を検出する常温磁気センサ30を有している。そして、常温磁気センサ30に、例えば3つのマーカー40が設置されている。そのため、マーカー40を3次元計測することで、それぞれの3次元位置情報を得ることができる。この相対値より3つのマーカー40によって形成される3角面40Tを定義でき、更に3角面40Tの法線ベクトルVが定義できる。これにより、常温磁気センサ30の6次元情報(x、y、z、Θx、Θy、Θz)を得ることが可能となる。その結果、逆問題推定(後述)における推定精度を飛躍的に向上できる。
(マーカーの個数について)
以上のように、1つの常温磁気センサ30には3つ以上のマーカー40を設置することが好ましい。しかし、1つの常温磁気センサ30に2つのマーカー40を設置する場合にも、以下に示すような一定の効果が得られる。
すなわち、1つの常温磁気センサ30に2つのマーカー40が設置されていることにより、軸と位置とが定義できる。
例えば、常温磁気センサ30を支柱等により被検者の頭部の頭皮と略垂直方向に移動可能に構成し、常温磁気センサ30が移動する軸上に2つのマーカー40を設置することが考えられる。この2つのマーカーと設計図により、既知の距離に常温磁気センサ30の計測部を定義できる。例えば、常温磁気センサ30がOPMセンサであれば、レーザ光の光軸でアルカリ金属が封入されているガスセルの中央点が計測部である。
つまり、マーカー40が2点あれば、計測点が定義できる。又、マーカーが2か所設置されていることにより、常温磁気センサ30が移動できる方向軸を定義できる。この方向軸に対し、垂直に移動できるようにスライドのガイドが付いた筐体を頭部に装着することで、そのスライド方向に移動する常温磁気センサ30の位置を特定できる。
汎用性を持たせるように、筐体は頭部の大きい人に合わせて作り、常温磁気センサ30をスライドさせることで、被検者200の頭部に合わせる。これにより、常に、被検者200の頭部にフィットした位置に常温磁気センサ30を配置できる。また、2つのマーカー40の位置を3次元カメラで検出することで、常温磁気センサ30の位置も正確に測長可能となる。正確な常温磁気センサ30の位置が分かることで、常温磁気センサ30が検出した脳磁信号から、その信号源がどの位置にあるのかを正確に推定できる。
〈第2実施形態〉
第2実施形態では、第1実施形態とは異なるヘッドギヤ型の磁場検出装置の例を示す。なお、第2実施形態において、既に説明した実施形態と同一構成部についての説明は省略する場合がある。
(ヘッドギヤ型の磁場検出装置_筐体型)
図20は、ヘッドギヤ型の磁場検出装置の第3の例を示す側面図である。図20を参照すると、磁場検出装置10Bは、被検者の頭部に装着する磁場検出装置であって、筐体31と、常温磁気センサ30と、可動機構50と、マーカー41とを有している。筐体31は、例えば、厚さ10mm程度の樹脂製の変形しない剛体で形成されている。筐体31の内側は、被検者の頭部全体を覆う形になっている。マーカー41は、常温磁気センサ30の位置情報の検出に利用される位置情報検出部の代表的な一例である。
図21は、図20の可動機構近傍の拡大図である。図20及び図21を参照すると、筐体31には、1つの常温磁気センサ30に1つの割合で可動機構50(シリンダー)が設けられている。可動機構50は、固定部501と、支柱502と、支柱受け503と、ゴムパッキン504とを有するシリンダーである。
可動機構50において、円筒形の固定部501が筐体31の外面に固定されている。固定部501は、圧力調整弁505を介して圧縮空気が導入される内部空間を有している。固定部501の内部空間の長手方向の略中央部には、可動部である細長状の支柱502が挿入されている。
支柱502は、固定部501の内部空間の筐体31側に設けられた支柱受け503、及び内部空間の略中央に設けられたゴムパッキン504に支持されている。支柱受け503は、摺動性が良い非磁性体の材料によりに成形されいる。例えば、支柱502及び支柱受け503は、チタン等の非磁性体の金属等で作製され、グリース等を適切に添加することで摺動性を得ている。
支柱502の一端は、固定部501の上面から筐体31の外側に突出し、突出部の先端には、常温磁気センサ30の位置測定に用いるマーカー41が設置されている。支柱502の他端は、筐体31を貫通して、筐体31の内面から突出し、突出部の先端には常温磁気センサ30が固定されている。なお、筐体31の外面にも複数のマーカー41が設置されており、筐体31の位置及び回転角の6次元のデータを取得可能である。
各々の常温磁気センサ30は、筐体31の内側(すなわち、被検者の頭部と対向する側)に配置されている。常温磁気センサ30及びマーカー41は、支柱502と共に筐体31の外面に対して垂直な方向に移動する。つまり、支柱502及び常温磁気センサ30の筐体31に対する相対位置を反映して、マーカー41の位置が決まる。又、支柱受け503の存在により、支柱502は1軸方向にしか移動しない。
筐体31、常温磁気センサ30、マーカー41、及び支柱502等の3次元の設計図データは、情報処理装置410のデータ格納部413に記録されている。支柱502の1軸のベクトル方向も、筐体31の設計図データの一部として、情報処理装置410のデータ格納部413に記録されている。
圧力調整弁505を介して固定部501の内部空間に圧縮空気が導入されると、支柱502は被検者の頭部側に押し出される。これにより、押し出された支柱502の先端に設けられた常温磁気センサ30が被検者の頭部に密着する。
このとき、常温磁気センサ30は、被検者の頭部から抗力を受ける。この抗力によって被検者の頭部に痛みが出ない程度に、かつ、頭部を支えられる程度に、圧縮空気の空気圧を圧力調整弁505で微調整する。各々の常温磁気センサ30は、被検者の頭部に略同一圧力で接触可能である。ここで、略同一圧力とは、被検者の頭部に痛みが出ずに頭部を支えられる状態を維持できる程度であれば、各々の常温磁気センサの圧力がばらつく場合も含む意図である。
(ヘッドギヤ3次元計測)
図22は、第2実施形態に係るヘッドギヤ3次元計測の手順を例示するフローチャートである。図22に示すように、磁場検出装置10Bを用いた3次元計測の手順については、磁場検出装置10Aの場合(図18参照)とほぼ同一である。但し、磁場検出装置10Bでは、1つの常温磁気センサ30に対し、1つのマーカー41が設けられた点が異なる。又、常温磁気センサ30は予め磁場検出装置10Bに装着されているため、図18に示すステップS5は存在しない。
すなわち、図22のステップS9では、信号処理部411は、MRI撮像部420から送信されたMRI画像データに含まれるビタミン材等の位置と、3次元計測部430から送信されたマーカー41の位置データと、データ格納部413に記録されている筐体31、常温磁気センサ30、及びマーカー41の3次元の設計図データと、磁気マーカーの位置の検出結果とに基づいて、磁場検出装置10Bの常温磁気センサ30の頭部座標とMRI画像の頭部座標とを整合させ、整合結果をデータ格納部413に格納する。図22に示す手法では、図18に示す手法と比べて計測の誤差を大幅に低減できる。
つまり、図22に示す手法では、データ格納部413に、マーカー41の位置の3次元情報、筐体31の6次元情報があれば、設計図データより、常温磁気センサ30の6次元情報を得ることができる。これは筐体31に設置された全ての常温磁気センサ30について当てはまる。
このように、本実施の形態に係る磁場検出装置10Bは、被検者の頭部に装着される筐体31と、被検者の頭部から発する磁場ベクトルを検出する複数の常温磁気センサ30と、常温磁気センサ30の位置測定に用いるマーカー41と、各々の常温磁気センサ30を筐体31と機械的に連結し、各々の常温磁気センサ30を被検者の頭部の表面に対し一定方向に独立に移動可能な可動機構50とを有している。そして、マーカー41は、可動機構50に取り付けられ、常温磁気センサ30との相対位置を変えずに常温磁気センサ30と共に一定方向に移動可能である。
そして、情報処理装置410の信号処理部411は、磁場検出装置10Bの筐体31とマーカー41と常温磁気センサ30との相対位置が分かる設計図をデータ格納部413に収録している。そして、信号処理部411は、マーカー41から得られる情報に基づいた常温磁気センサ30と筐体31と被検者との相対位置と、データ格納部413に収録している設計図とに基づいて、常温磁気センサ30の回転軸方向を含む6次元のデータを計算する。
すなわち、本実施の形態では、剛体によって形成され変化しない筐体31を利用して、筐体31によって複数の常温磁気センサ30の移動方向を規定し、移動する軸を1軸に変換している。具体的には、筐体31の3次元設計データをデータ格納部413に記録しておく。又、筐体31の形状のみならず、各常温磁気センサ30の移動軸のベクトル情報を全てデータ格納部413に記録しておく。つまり、筐体31の位置が決まれば、各常温磁気センサ30の移動ベクトルが決定される。
これにより、常温磁気センサ30は1つのマーカー41のみを備えていれば良く、そのマーカー41の3次元の位置情報だけで、常温磁気センサ30の回転軸を含む6次元情報を取得可能となる。
常温磁気センサ30に3つのマーカー40を設置する手法では、3つのマーカー40の3次元位置情報、合計で9つのデータを誤差なく検出する必要がある。1つでも誤差が生じると、常温磁気センサ30の6次元データの全てに誤差が影響し、ロバストの弱い計測手法となる。本実施の形態に係る手法では、このような問題を解消できる。
(解析方法(逆問題推定))
次に、常温磁気センサ30がOPMセンサであり、計測した結果から、賦活エリアを推定する手法について説明する。順問題計算として、ダイポールを任意箇所に設置した磁場分布の電磁場シミュレーションを行うことができる。電磁場シミュレーションは、ビオサバールの方程式を電流の位置に合わせて計算すればよい。この際に、頭部の形状をMRIによって計測して、頭皮、頭蓋骨、脳髄液、灰白質、白質のそれぞれの部位に透磁率をパラメターとして導入し、頭部モデルの透磁率分布を設定する。これによって、神経に電流が流れた際に発生する磁界分布をシミュレーションできる。このシミュレーションの結果、順問題計算結果から感度分布を求める。
位置rsに生成されたダイポールによって形成されるrs位置での磁場をφ(rs)とする。この時、ダイポールはその方向性をもつことによって、生成されるため、φ(rs)は方向のベクトル情報を持つ。φ(rs)はベクトル値である。また、例えば、OPMセンサが配置されている位置rdにおける、観測値をφ(rd)とすると、これも磁場の方向成分をもつベクトル値となる。
この2つの変数を結びつける以下の式(1)を定義する。又、式(1)を変形すると式(2)が得られる。
ここで、A(r)は感度であり、rの位置依存性を含めた分布として記述できる。A(r)は、ベクトル情報を持つものである。
一般的な脳磁計の感度分布はスカラーで定義されており、これをベクトルに変換したことが、常温磁気センサ30としてOPMセンサを用いた利点であり、情報量が膨大になるために、逆問題推定の精度が向上する。この感度分布が決定されれば、発生したダイポールとOPMセンサが検出される観測値(磁場ベクトル)が計算できる。このことを簡単に記述すると、以下の式(3)となる。
ここで、Xはダイポールの位置と方向によって定義付けられる磁場ベクトルであり、A(r)が感度分布、そのときの磁場計測結果がYである。Yは位置と磁場ベクトルの関数であり、OPMセンサの位置での磁界観測値を意味する。
逆問題推定では、この逆を行い、つまりは観測値Yを利用してダイポールの位置及び方向であるXを推定する。一般的には、L2ノルム正則化という逆問題の推定手法を利用する。この手法では、以下に示す式(4)のコスト関数Cを最小にするXを算出する。
ここで、Yは観測値、Aは感度分布、λは正則化係数である。これにより、観測値(磁場分布)が計測できれば、その時の電流分布を推測できる。詳細な逆問題推定方法は、例えば、特許第3730646号等に記載されている。
〈第3実施形態〉
第3実施形態では、第1実施形態とは異なるヘッドギヤ型の磁場検出装置の他の例を示す。なお、第3実施形態において、既に説明した実施形態と同一構成部についての説明は省略する場合がある。
(ヘッドギヤ型の磁場検出装置_エアシリンダ式)
図23は、ヘッドギヤ型の磁場検出装置の第4の例を示す側面図である。図23を参照すると、磁場検出装置10Cは、被検者の頭部に装着する磁場検出装置であって、筐体32と、常温磁気センサ30と、位置センサ43と、可動機構60とを有している。筐体32は、例えば、厚さ10mm程度の樹脂製の変形しない剛体で形成されている。筐体32の内側は、被検者の頭部全体を覆う形になっている。位置センサ43は、常温磁気センサ30の位置情報の検出に利用される位置情報検出部の代表的な一例である。
図24は、図23の可動機構近傍の拡大図である。図23及び図24を参照すると、筐体32には、1つの常温磁気センサ30に1つの割合で可動機構60が設けられている。
可動機構60において、円筒形等の固定部601の略中央部には、可動部である細長状の支柱602が挿入されている。固定部601及び支柱602により、1軸の圧空シリンダーを構成している。
固定部601と筐体32との間には、支柱602が挿通された位置センサ43が設置されている。位置センサ43は、常温磁気センサ30と筐体32との相対位置を検出するセンサである。
支柱602の一端は固定部601の上面から突出している。支柱602の他端は、筐体32を貫通して、筐体32の内面から突出し、突出部の先端には常温磁気センサ30及び断熱シート65が順次固定されている。但し、断熱シート65は、必要に応じて設ければよい。
各々の常温磁気センサ30は、筐体32の内側(すなわち、被検者の頭部と対向する側)に配置されている。常温磁気センサ30は、支柱602と共に筐体32の外面に対して垂直な方向に移動する。支柱602は、筐体32の外面に対して垂直な1軸方向にしか移動しない。固定部601及び支柱602を含む1軸の圧空シリンダーの圧力によって、常温磁気センサ30を常に頭部に接触させることができる。各々の常温磁気センサ30は、被検者の頭部に略同一圧力で接触可能である。
ここで、常温磁気センサ30、支柱602、位置センサ43、可動機構60のセットを、センサセットと呼ぶ。センサセットは、例えば、頭部に64か所設置する。センサセット間の距離は、例えば、約30mmに、ほぼ等間隔にする。筐体32と頭部の距離は50mm程度の空間を作るように設計できる。この50mmの空間の間で、常温磁気センサ30の位置が可動する。
被検者の頭部の大きさによって異なるが、子供のような小さな頭部にも適応できるように、支柱602のストロークは50mm程度、最大で筐体32から100mm程度まで届くように設計することが好ましい。
可動できる支柱602がどの程度の移動をしたかを定量化するために位置センサ43を配置しており、例えば、0.5mm単位で移動量を数値化する。筐体32は、被検者の体重を支えることができるように、頑強な構造物によって形成されている。ベースとなる部分は、例えば、ポリカーボネイトである。
計測の際には、例えば、被検者が座椅子に座り、その背もたれと筐体32とを接続して一体化する。被検者は、自分の体重を背もたれに預けつつ、頭部は、筐体32内の常温磁気センサ30に預ける体勢となる。そのため、後頭部に当たる常温磁気センサ30の圧力は、頭部にかかるの重力を支えるだけの抗力が必要となる。この抗力の調整をしないと、常温磁気センサ30が押し込まれてしまい、柔軟に変化できなくなる。
又、抗力が強すぎると、後頭葉の部分に置かれている常温磁気センサ30の支柱602が沈まないために、後頭葉の逆の位置にある前頭部に反発力がかかり、前頭部の支柱602が押し込まれてしまい、柔軟な変化ができなくなる可能性がある。これは左右でも同様で、対称に抗力を発生させないと、バランスが崩れることになる。
つまりは、後頭部、前頭部ともに同等の抗力で押し込まないと、全体のバランスが取れなくなる。特に、前頭部と後頭部には、頭部の体重の重力がかかるため、バランスをとるのが難しいが、調整は可能である。
(断熱シート)
常温磁気センサ30がOPMセンサである場合、一般的にガスセルを150℃程度に加熱していることから、常温磁気センサ30の表面は45℃程度と高温である。そのため、常温磁気センサ30の表面は頭部に接触させないことが好ましい。
磁場検出装置10Cにおいて、常温磁気センサ30の被検者の頭部側に断熱シート65を配置してもよい。この場合、磁場検出装置10Cを被検者の頭部に装着すると、常温磁気センサ30と頭部との間に断熱シート65が配置される。
断熱シート65は、例えば、グラスファイバーを芯材とした「ビクラス」(クラボウ製)を採用できる。この材料は、0.0025W/m・K〜0.0060W/m・Kの熱伝導率を実現している。これは、空気の約10倍、硬質ウレタン断熱材の約8倍、グラスウールの約15倍の断熱性能に相当する。
常温磁気センサ30の表面温度を低下させるような冷却機構を作るとガスセルの温度が低下してしまい、高感度の磁場検出ができなくなる。一方、常温磁気センサ30をできるだけ頭部に接触させ一定圧力を加えることで、高精度な磁場検出及び頭部形状検出が可能となるため、頭部と常温磁気センサ30との距離を広げることは好ましくない。
上記の断熱シート65を用いることで、常温磁気センサ30の表面が50℃だとしたとき、1mmの厚さで、面積が10mm角であっても、常温磁気センサ30が10Wの熱源であれば、全く影響がない。これによって、被検者は熱い思いをすることなく、快適に計測が可能となる。又、一定圧力を頭部に与えることも可能となる。すなわち、一定圧力を頭部に与えつつ、熱による不具合を低減できる。
(ヘッドギヤのセンサ位置計測)
次に位置センサ43について説明する。位置センサ43は、支柱602の移動量を0.1mm程度の精度で検出することを目的に配置されている。支柱602の移動を検出することは、すなわち常温磁気センサ30の位置を検出することである。常温磁気センサ30の位置を64個全て検出することで、MRI画像と、頭皮の面情報で位置を合わせこむことができる。
又、筐体32にあけられている支柱602を通す支柱穴は支柱受けとして機能するが、支柱受けは摺動性をよくするために、適当な硬度の組み合わせで設計することが好ましい。但し、磁場ノイズが発生するために、金属製のものは極力避けるが、チタン等の非磁性体であれば硬度も高い金属製品を素材として選択できる。又、樹脂の硬度を適切に選ぶことで摺動性を確保できる。又、筐体32における支柱穴の位置は、設計時に記録しておき、筐体32に対してその相対位置は不変である。
常温磁気センサ30の位置は、その支柱穴の対して垂直に線形に移動することを定義することで、支柱602の移動距離すなわち、1次元のデータで常温磁気センサ30の位置の3次元及び回転軸の3次元、計6次元のデータを組み込むことができる。
今まで、3次元画像から常温磁気センサ30の位置及び回転軸の6軸データを取得する際に、膨大なデータから変換していた。これによって、計測及び計算に費やす時間が多かった。これに対し、本実施形態では、計測するのは1次元であるが、それを6次元に拡張できるため、計測及び計算のコストを大幅に低減できる。又、例えば、計測中の体動等で、多少の移動があっても、短時間で計測し直しができる。
位置センサ43としては、例えば、磁気式エンコーダーや光学式エンコーダーが挙げられる。磁気式エンコーダーは、低コストに実装でき、精度が0.1mm程度あり、大きさも10mm程度と小さい。又、位置センサ43として、光学式エンコーダーを使用してもよい。光学式エンコーダーは、IC等の通信によってマイコン等からの制御が容易である。
例えば、図25に示すように、複数の位置センサを1つのMUX(マルチプレクサ)によって情報処理装置410に切り替えて出力し、制御及び記録を行うことができる。図25では、一例として、MUX151が10個の位置センサ(位置センサ43〜4310)を切り替えて情報処理装置410に出力する。同様に、MUX152〜157の各々が10個の位置センサを切り替えて情報処理装置410に出力する。MUX151〜157は情報処理装置410によって制御され、全ての位置センサのデータを情報処理装置410に集約できる。
情報処理装置410は、全ての位置センサに供給する電源を制御してもよい。これにより、位置センサが発生させるノイズを低減できる。すなわち、常温磁気センサ30は数十fTを検出する精度である。常温磁気センサ30の近傍に、位置センサ43が駆動していると、それだけでノイズとなる。不要なときに位置センサの電源を切る方法を採用することで、位置センサの発するノイズを低減できる。なお、位置センサによる検出は、常温磁気センサ30が計測を行わないタイミングで実施する。
図26は、可動機構の他の例を示す図である。図26に示すように、可動機構70は、固定部701と、支柱702と、支柱受け703と、ゴム製Oリング704とを有するゴム式の可動機構である。
固定部701と筐体32との間には、支柱702が挿通された位置センサ43が設けられている。支柱702の一端には横方向両側に延伸するゴム固定部702aが設けられており、固定部701の下方(筐体31側)には横方向両側に延伸するゴム固定部702bが設けられており、両者の間にゴム製Oリング704が引っかけられている。支柱702の他端は、筐体32を貫通して、筐体32の内面から突出し、突出部の先端には常温磁気センサ30が固定されている。
ゴムは非磁性での可動機構として有効である。ゴム製Oリング704として、市販のOリングを利用し、その硬さ、強度を様々選別して利用できる。又、頭部の後頭部や前頭部等の圧力のバランスを調整できる。後頭部には重力がかかるため、例えば、10%程度強度を上げる等の調整が可能である。各々の常温磁気センサ30は、被検者の頭部に略同一圧力で接触可能である。
図27は、可動機構の更に他の例を示す図である。図27に示すように、可動機構50Aは、図21に示す可動機構50を変形した構造であり、支柱502の一端はゴムパッキン504よりも上側には突出していない。そして、可動機構50とは異なり、マーカー41を備えていなく、代わりに位置センサ43を備えている。又、支柱502の他端は、筐体32を貫通して、筐体32の内面から突出し、突出部の先端には常温磁気センサ30が固定されている。
可動機構50Aは、圧空式の一般的なエアシリンダであり、汎用品として低コストなものが市販されている。磁場ノイズが少ない樹脂製のエアシリンダを選定することが好ましい。エアシリンダの抗力は、圧力空気によって微調整可能である。
又、図21の可動機構50と同様に、それぞれのセンサセットに圧力調整弁505が設置されている。これにより、それぞれのセンサセットの抗力を個別に調整可能である。例えば、前頭部と後頭部では頭部の重力にかかる力が異なるため、個別に調整することが望まれる。これを統制することで、各々の常温磁気センサ30は、被検者の頭部に略同一圧力で接触可能である。
(ヘッドギヤ3次元計測)
図28は、第3実施形態に係るヘッドギヤ3次元計測の手順を例示するフローチャートである。図28に示すように、磁場検出装置10Cを用いた3次元計測の手順については、磁場検出装置10Bの場合(図22参照)とほぼ同一である。但し、図22に示すステップS6がステップS11に置換されている。
ステップS11では、信号処理部411は、磁場検出装置10Cの位置センサ43からの情報を収集する。次に、図22と同様にステップS7及びS8を実行する。
次に、ステップS9では、信号処理部411は、MRI撮像部420から送信されたMRI画像データに含まれるビタミン材等の位置と、ステップS11で収集した位置センサ43からの情報と、磁気マーカーの位置の検出結果とに基づいて、磁場検出装置10Cの常温磁気センサ30の頭部座標とMRI画像の頭部座標とを整合させ、整合結果をデータ格納部413に格納する。
次に、ステップS10では、目的である磁場検出装置10Cによる脳磁計測を実施する。計測の合間に、磁場検出装置10Cは磁気マーカーの位置を検出し、被検者の頭部と常温磁気センサ30との位置がずれていないことを確認する。
このように、本実施の形態に係る磁場検出装置10Cは、被検者の頭部に装着される筐体32と、被検者の頭部から発する磁場ベクトルを検出する複数の常温磁気センサ30と、常温磁気センサ30と筐体32との相対位置を検出する位置センサ43と、各々の常温磁気センサ30を筐体32と機械的に連結し、各々の常温磁気センサ30を被検者の頭部の表面に対し一定方向に独立に移動可能な可動機構50A、60、又は70とを有している。
磁場検出装置10Cでは、各々の常温磁気センサ30が被検者に略同一圧力で接触可能である。磁場検出装置10Cを被検者の頭部に装着した際に、常温磁気センサ30がしっかり頭部を押し付けることにより、頭皮近傍に常温磁気センサ30を安定して設置できる。毛髪などの柔らかいものはしっかり押し込め、髪の毛がカメラ計測等の邪魔にもならない。
又、一般的な脳磁計の場合、脳内の微小な電磁場をとらえるため、皮膚の筋肉信号や、眼球の筋肉、首の筋肉等の収縮によっておきる信号がノイズとなる。一定の力で頭皮に接触していることによって、頭部の皮膚の下層に存在している筋肉が緊張をしない。一般に一部だけがセンサに接して、頭部の重力を一部のエリアにだけ集中させると、その部分にはうっ血が起き、筋肉の緊張が起きる。これによって、筋肉の電気信号が発生し、計測時のノイズになることがある。特に、首にかかる緊張がないので、首の筋肉におけるノイズを低減できる。
なお、例えば、磁場の計測にSQUIDセンサを用いる場合、液体Heでの冷却が必要で、大きなデュアの内部にセンサが配置されており、被検者に接触することは難しかった。又、脳波計等では、頭部に水泳帽のような形で、センサを設置している場合には、そのセンサの重みや皮膚の筋肉の動きによって、センサ位置がずれてしまう課題がある。
特に、センサ間の距離などが変化してしまうと脳の神経細胞のどの部分で発火したか、又は、どの部分に賦活エリアが存在するか、を検出する「ダイポール推定」に誤差が生じる。
従来の脳波計では電気的なインピーダンスが、頭皮や頭蓋骨等によって大きく異なることから、精度の良いダイポール推定は不可能であった。しかし、常温磁気センサの場合には、磁気的インピーダンスや透磁率が、空気や頭部の皮膚、頭蓋骨等とほぼ同一なので、ダイポール推定が高精度にできる。
そのために、常温磁気センサにおいて、頭部における位置やセンサ間の相対位置等が正確に配置されていることが重要となる。又、脳波計は電場を検出するため、皮膚と界面のインピーダンスを低減するために、クリーム等を塗る必要があり、頭皮との密着させる必要があった。
しかし、脳磁計が検出する磁場は、インピーダンスが上がらないため、毛髪の上に設置可能である。この方法では、ゴムの圧力は不均一であり、しっかり圧力のかかる位置と、かからない位置とが発生してしまう。特に側頭部には圧力がかからない。しっかり、頭髪を一定圧力で押し込まないと、髪の毛が間に入り込み、頭部の形状と異なる位置に常温磁気センサが設置される可能性がある。
又、3次元計測の場合も、マーカーに髪の毛がかかり、計測不良が起き、精度よくセンサの位置が検出できないという不具合があった。又、頭部の筋肉の影響は、SQUIDセンサよりも、OPMセンサの方が頭皮に近く影響が大きい。筋肉は緊張すると筋電を発生し大きなノイズとなる。筋肉を緊張させない計測が望まれていた。本実施形態に係る磁場検出装置により、このような問題を解決できる。
又、磁場検出装置10Cは、位置センサ43を備えている。頭部が移動する時には首等に大きな筋力の収縮が存在し、その筋肉の収縮は筋電を発生して磁場ノイズとなるが、位置センサ43によって、磁場ノイズが発生したタイミングを知ることができる。これにより、磁場ノイズの発生したデータを部分的に排除する等、アーチファクトの除去が可能となる。
頭部における常温磁気センサ30の位置及び常温磁気センサ30間の相対位置が正確に検知されていることが、正確なダイポール推定には必須である。常温磁気センサ30と筐体32との相対位置を常にモニタリングすることで、正確なダイポール推定が可能となる。
SQUIDセンサとは異なり、常温磁気センサ30は被検者の頭部の任意の箇所に配置できるが、逆に、常温磁気センサ30の位置は被検者によってバラバラになる。これは常温磁気センサ30の長所であり弱点でもある。磁場検出装置10Cが位置センサ43を備えることで、この問題を解消できる。
以上、好ましい実施形態等について詳説したが、上述した実施形態等に制限されることはなく、特許請求の範囲に記載された範囲を逸脱することなく、上述した実施形態等に種々の変形及び置換を加えることができる。
10、10A、10B、10C 磁場検出装置
11 頭頂部
12 経線短冊
13 緯線リング
14 ベルト
15 軸
21 ベース
22 センサ固定部
23A ビス
25 シールド
30 常温磁気センサ
31、32 筐体
35 配線
40、41 マーカー
43 位置センサ
50、50A、60、70 可動機構
65 断熱シート
221 筒状部
222 ヘッドギヤ固定部
223 センサ固定ピン
224 貫通孔
250 ステレオカメラ
301 ガスセル
400 生体磁場計測システム
410 情報処理装置
411 信号処理部
412 表示制御部
413 データ格納部
420 MRI撮像部
430 3次元計測部
480 表示装置
501 固定部
502 支柱
503 支柱受け
504 ゴムパッキン
505 圧力調整弁
601、701 固定部
602、702 支柱
702a、702b ゴム固定部
703 支柱受け
704 ゴム製Oリング
NeuroImage 179 (2018) 582-595

Claims (13)

  1. 被検者の頭部に装着される筐体と、
    前記被検者の頭部から発する磁場ベクトルを検出する複数の常温磁気センサと、
    各々の前記常温磁気センサに対して設けられた、前記常温磁気センサの位置情報の検出に利用される位置情報検出部と、
    各々の前記常温磁気センサを前記筐体と機械的に連結し、各々の前記常温磁気センサを前記被検者の頭部の表面に対し一定方向に独立に移動可能とする可動機構と、を有する磁場検出装置。
  2. 各々の前記常温磁気センサは、前記筐体の前記被検者の頭部と対向する側に配置されている請求項1に記載の磁場検出装置。
  3. 前記位置情報検出部は、前記常温磁気センサの位置を示すマーカーであり、
    前記マーカーは、1つの前記常温磁気センサに対して1つ設けられ、前記常温磁気センサとの相対位置を変えずに前記常温磁気センサと共に前記一定方向に移動可能である請求項1又は2に記載の磁場検出装置。
  4. 前記位置情報検出部は、前記常温磁気センサと前記筐体との相対位置を検出する位置センサである請求項1又は2に記載の磁場検出装置。
  5. 前記常温磁気センサの前記被検者の頭部側に断熱シートを配置した請求項1乃至4の何れか一項に記載の磁場検出装置。
  6. 被検者の頭部に装着する磁場検出装置であって、
    前記被検者の頭部から発する磁場ベクトルを検出する複数の常温磁気センサと、
    前記常温磁気センサの位置を示すマーカーと、を有し、
    各々の前記常温磁気センサに2個以上の前記マーカーが設置されている磁場検出装置。
  7. 各々の前記常温磁気センサに3個以上の前記マーカーが設置されている請求項6に記載の磁場検出装置。
  8. 3個の前記マーカーが前記被検者の頭部の表面の法線方向から視たときに3角を形成するように配置されている請求項7に記載の磁場検出装置。
  9. 被検者の頭部に装着する磁場検出装置であって、
    前記被検者の頭部から発する磁場ベクトルを検出する複数の常温磁気センサと、
    前記常温磁気センサの位置を示すマーカーと、を有し、
    各々の常温磁気センサが前記被検者の頭部に略同一圧力で接触可能である磁場検出装置。
  10. 前記常温磁気センサが光ポンピング原子磁気センサである請求項1乃至9の何れか一項に記載の磁場検出装置。
  11. 請求項1乃至5の何れか一項に記載の磁場検出装置と、情報処理装置と、を含む生体磁場計測システムであって、
    前記情報処理装置は、
    前記磁場検出装置の前記筐体と前記位置情報検出部と前記常温磁気センサとの相対位置が分かる設計図を収録するデータ格納部と、
    前記位置情報検出部から得られる情報に基づいた前記常温磁気センサと前記筐体との相対位置と、前記設計図とに基づいて、前記常温磁気センサの回転軸方向を含む6次元のデータを計算する信号処理部と、を有する生体磁場計測システム。
  12. 前記被検者を仰向けに寝た状態に保持する保持部を有する請求項11に記載の生体磁場計測システム。
  13. 前記被検者を座った状態に保持する保持部を有し、
    前記筐体は、前記保持部に設けられた支柱によって吊り上げられている請求項11に記載の生体磁場計測システム。
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