JP2020142311A - 把持装置及び把持システム - Google Patents

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Abstract

【課題】形状や軟弱性に応じて柔軟にワークを把持する技術を提供すること。【解決手段】把持装置は、ワークを把持する複数の可動部材と、前記可動部材が設置され、前記ワークに向けて進退可能なベース部材と、前記可動部材の把持動作における位置に関する情報を取得する可動部材位置取得手段と、前記可動部材の前記ワークに接する部分に設置され、前記ベース部材の進退方向に沿って移動可能なベルト部材と、前記ベルト部材の移動における位置に関する情報を取得するベルト部材位置取得手段と、前記可動部材の把持動作を、当該可動部材の把持動作における位置に関する情報に基づいて制御する可動部材制御手段と、前記ベルト部材の移動を、当該ベルト部材の移動における位置に関する情報に基づいて制御するベルト部材制御手段と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、物品を把持する把持装置及び把持システムに関する。
従来、農産物や食品等のワークを把持する把持装置に関する技術が知られている。
このような把持装置としては、例えば、フィンガーを有するロボットハンドによってワークを把持するもの等が実用化されている。
なお、特許文献1には、農産物等を把持する把持装置に関する技術が開示されている。
特開2017−036113公報
しかしながら、農産物や食品等の場合、ワークの形状が不定形で、軟弱なものも多いことから、工業製品等に比べて機械によって把持することが容易ではない。
そのため、このようなワークを従来の把持装置によって把持した場合、ワークを把持することができない、あるいは、把持したワークを損傷するといった事態を招くこととなる。また、このようなワークの場合、移送先等においてワークを適切に解放することも困難である。
このように、従来の技術においては、形状や軟弱性に応じて柔軟にワークを把持することが困難であった。
本発明の課題は、形状や軟弱性に応じて柔軟にワークを把持する技術を提供することである。
上記課題を解決するため、本発明の一態様に係る把持装置は、
ワークを把持する複数の可動部材と、
前記可動部材が設置され、前記ワークに向けて進退可能なベース部材と、
前記可動部材の把持動作における位置に関する情報を取得する可動部材位置取得手段と、
前記可動部材の前記ワークに接する部分に設置され、前記ベース部材の進退方向に沿って移動可能なベルト部材と、
前記ベルト部材の移動における位置に関する情報を取得するベルト部材位置取得手段と、
前記可動部材の把持動作を、当該可動部材の把持動作における位置に関する情報に基づいて制御する可動部材制御手段と、
前記ベルト部材の移動を、当該ベルト部材の移動における位置に関する情報に基づいて制御するベルト部材制御手段と、
を備える。
また、第2の発明は、前記請求項1に記載した発明において、前記可動部材制御手段及び前記ベルト部材制御手段は、前記ワークの把持動作の種類に対応して設定された、制御エネルギーを位置または速度のエネルギーと力のエネルギーとに割り当てる変換を行うことにより、前記可動部材及び前記ベルト部材を制御することを特徴とするものである。
さらに、第3の発明は、前記請求項2に記載した発明において、前記可動部材制御手段は、前記可動部材の把持動作における位置に関する情報と、位置または速度の目標値及び力の目標値の少なくともいずれかとを入力として前記変換を行うことにより、前記可動部材を制御することを特徴とするものである。
さらに、第4の発明は、前記請求項2または請求項3に記載した発明において、前記ベルト部材制御手段は、前記ベルト部材の移動における位置に関する情報と、位置または速度の目標値及び力の目標値の少なくともいずれかとを入力として前記変換を行うことにより、前記可動部材を制御することを特徴とするものである。
さらに、第5の発明は、前記請求項2ないし請求項4に記載した発明において、前記可動部材制御手段は、設定された反力を力の目標値として入力し、前記変換による位置の制御量を抑制して、前記ワークに対して設定された把持力を加える力の制御を行うことを特徴とするものである。
さらに、第6の発明は、前記請求項2ないし5に記載した発明において、前記ベルト部材制御手段は、前記ベース部材の進退速度に対応する逆向きの速度を位置または速度の目標値として入力し、前記変換による力の制御量を抑制して、前記ワーク表面における前記ベルト部材の相対速度を進退速度に対して低下させる位置の制御を行うことを特徴とするものである。
さらに、第7の発明は、前記請求項2ないし5に記載した発明において、前記可動部材制御手段は、力の目標値としてゼロを入力し、前記変換による位置の制御量を抑制して、前記ワークに対する把持力をゼロとする力の制御を行い、
前記ベルト部材制御手段は、力の目標値としてゼロを入力し、前記変換による位置の制御量を抑制して、前記ワークに対する摩擦力をゼロとする力の制御を行うことを特徴とするものである。
さらに、第8の発明は、前記請求項2ないし5に記載した発明において、前記可動部材制御手段は、設定された反力を力の目標値として入力し、前記変換による位置の制御量を抑制して、前記ワークに対して設定された把持力を加える力の制御を行い、
前記ベルト部材制御手段は、前記ワークを昇降させるために設定された速度を位置または速度の目標値として入力し、力の制御量を抑制して、ワークを昇降させる位置の制御を行うことを特徴とするものである。
さらに、第9の発明は、前記請求項1ないし8に記載した発明において、前記可動部材に前記ワークが把持された状態で、前記ベルト部材を移動させることにより、前記ワークの姿勢を補正することを特徴とするものである。
さらに、第10の発明は、前記請求項1ないし9に記載した発明において、前記可動部材は、前記ベルト部材が巻回されるプーリーを先端に備え、
前記ベルト部材を移動させながら前記プーリーを把持対象の前記ワークに接触させることにより、把持対象の前記ワークの姿勢を補正することを特徴とするものである。
さらに、第11の発明は、把持システムであって、ワークを認識する認識手段と、
前記ワークを把持する把持装置と、
前記認識手段によって認識されたワークに対応する位置に前記把持装置を移動させる移動手段と、
を備え、
前記把持装置は、
前記ワークを把持する複数の可動部材と、
前記可動部材が設置され、前記ワークに向けて進退可能なベース部材と、
前記可動部材の把持動作における位置に関する情報を取得する可動部材位置取得手段と、
前記可動部材の前記ワークに接する部分に設置され、前記ベース部材の進退方向に沿って移動可能なベルト部材と、
前記ベルト部材の移動における位置に関する情報を取得するベルト部材位置取得手段と、
前記可動部材の把持動作を、当該可動部材の把持動作における位置に関する情報に基づいて制御する可動部材制御手段と、
前記ベルト部材の移動を、当該ベルト部材の移動における位置に関する情報に基づいて制御するベルト部材制御手段と、
を備えることを特徴とするものである。
本発明によれば、形状や軟弱性に応じて柔軟にワークを把持する技術を提供することができる。
また、請求項2の発明では、前記請求項1の発明において、把持動作の種類に対応して設定された変換によって、位置または速度の制御と、力の制御とを独立して行うことが可能となり、より正確で高速な制御を行うことが可能となる。
さらに、請求項3の発明では、位置または速度の目標値及び力の目標値の少なくともいずれかを前記変換の入力とすることで、可動部材の位置または速度あるいは力を容易に目標値に制御することが可能となる。
さらに、請求項4の発明では、位置または速度の目標値及び力の目標値の少なくともいずれかを前記変換の入力とすることで、ベルト部材の位置または速度あるいは力を容易に目標値に制御することが可能となる。
さらに、請求項5の発明では、可動部材において、把持力を目標値に制御する力の制御を位置または速度の制御に優先して、把持動作を行うことができる。
さらに、請求項6の発明では、把持動作においてベルト部材とワーク表面との相対速度がゼロに近づくため、ベルト部材によってワークの表面が傷つけられることを抑制できる。
さらに、請求項7の発明では、可動部材及びベルト部材を接触したワークに対して従動的に移動させて、適応的にワークを把持することができる。
さらに、請求項8の発明では、力の目標値でワークを把持しながら、ベルト部材によってワークを昇降させて、少ないスペースでワークの把持または解放を行うことができる。
さらに、請求項9の発明では、把持されたワークの姿勢を補正し、より適切に保持することが可能となる。
さらに、請求項10の発明では、把持対象のワークを把持し易い状態に調整することができる。
さらに、請求項11の発明では、形状や軟弱性に応じて柔軟にワークを把持する技術を提供することができる。
本発明の一実施形態に係る把持システム1の構成を示す模式図である。 制御装置30の機能的構成を示すブロック図である。 把持システム1がワークWを把持するための把持処理の流れを示すフローチャートである。 ロボットハンド14がワークWに接触した状態を示す模式図である。 ロボットハンド14がワークWの把持を開始した状態を示す模式図である。 ロボットハンド14がワークWの把持を完了した状態を示す模式図である。 把持システム1がワークWを解放するための解放処理の流れを示すフローチャートである。 ロボットハンド14がベルト部材15c,15hを移動させてワークWを下降させている状態を示す模式図である。 ロボットハンド14がワークWを下降させ、ワークWが載置面に接触した状態を示す模式図である。 密集したワーク群におけるワークWの状態の一例を示す模式図である。 ワークWの接点数と把持方針との関係を示す模式図である。 把持したワークWの姿勢を変化させる状態を示す模式図である。 可動部材を3つ備えるロボットハンド14の構成例を示す模式図である。 可動部材の先端が開閉する構成としたロボットハンド14の構成例を示す図である。
以下、本発明を把持システムに応用した実施形態について、図面を参照して説明する。
本発明に係る把持システム及び把持装置は、ワークをフィンガーによって把持するロボットハンドを備え、フィンガーにおけるワークと接触する面にベルトが設置されている。
そして、フィンガーの開閉、ベルトの回転及びロボットハンドの移動(ワークに対する進退)等を、力触覚の伝達に利用可能な位置及び力の制御を応用した制御則に基づいて制御する。
力触覚の伝達に利用可能な位置及び力の制御としては、特許第6382203号に記載された位置・力制御方法等を用いることができる。本発明においては、当該特許に記載された位置・力制御方法を応用して、ワークを把持する各工程を、力制御を主体とする工程あるいは位置制御を主体とする工程として実行する。
これにより、形状が不定形で軟弱なワークを、個々の形状に応じて、柔らかく把持することが可能となる。
即ち、本発明を適用した把持システム及び把持装置によれば、形状や軟弱性に応じて柔軟にワークを把持することができる。
以下、本発明を適用した把持システム及び把持装置の具体的な実施形態について説明する。
[第1実施形態]
初めに、本発明で用いる位置・力制御方法について説明する。
本発明で用いる位置・力制御方法の基本となる座標変換として、制御対象システムの機能の基準となる値(基準値)と、制御されるアクチュエータの現在位置とを入力とする座標変換を定義することができる。この座標変換は、一般に、基準値及び現在速度(位置)を要素とする入力ベクトルを速度(位置)の制御目標値を算出するための速度(位置)からなる出力ベクトルに変換すると共に、基準値及び現在の力を要素とする入力ベクトルを力の制御目標値を算出するための力からなる出力ベクトルに変換するものである。
このような座標変換は、例えば、次式(1)及び(2)のように一般化して表される。
Figure 2020142311
ただし、式(1)において、x’1〜x’n(nは1以上の整数)は速度の状態値を導出するための速度ベクトルであり、x’a〜x’m(mは1以上の整数)は、基準値及びアクチュエータの作用に基づく速度(アクチュエータの移動子の速度またはアクチュエータが移動させる対象物の速度)を要素とするベクトル、h1a〜hnmは機能を表す変換行列の要素である。また、式(2)において、f’’1〜f’’n(nは1以上の整数)は力の状態値を導出するための力ベクトルであり、f’’a〜f’’m(mは1以上の整数)は、基準値及びアクチュエータの作用に基づく力(アクチュエータの移動子の力またはアクチュエータが移動させる対象物の力)を要素とするベクトルである。
式(1)及び(2)で表される座標変換は、アクチュエータの現在位置を入力として、位置(または速度)あるいは力の少なくとも一方の領域における演算を行うことにより、アクチュエータの動作を決定するものである。
さらに、式(1)及び(2)で表される位置・力制御のための座標変換をマスタ・スレーブ間のバイラテラル制御に用いる場合、次式(3)及び(4)のように表すことができる。
Figure 2020142311
ただし、式(3)において、x’pは速度(位置)の状態値を導出するための速度、x’fは力の状態値に関する速度である。また、x’mは基準値(マスタ装置からの入力)の速度(マスタ装置の現在位置の微分値)、x’sはスレーブ装置の現在の速度(現在位置の微分値)である。また、式(4)において、fpは速度(位置)の状態値に関する力、ffは力の状態値を導出するための力である。また、fmは基準値(マスタ装置からの入力)の力、fsはスレーブ装置の現在の力である。
ここで、本実施形態における把持システムは、マスタ・スレーブシステムとして構成されるものではないことから、式(3)及び(4)において、マスタ装置及びスレーブ装置としてのパラメータは存在しない。
そこで、本実施形態における把持システムは、把持動作の各工程において、位置及び力の制御における位置の目標値及び力の目標値を基準値として入力する。そして、この基準値及び制御されるアクチュエータの現在位置に対して、式(3)及び(4)に基づく演算を行うことにより、把持システムの動作を制御する。
より具体的には、本実施形態における把持システムは、式(3)及び(4)によって、位置の目標値あるいは力の目標値及びアクチュエータの動作を表す変数(実空間上の変数)を、本発明の把持機能(力触覚の伝達に利用可能な位置・力制御を応用した把持機能)を表すシステムの変数群(仮想空間上の変数)に“変換”し、速度(位置)の制御エネルギーと力の制御エネルギーとに制御エネルギーを割り当てる。この仮想空間においては、速度(位置)の制御エネルギーと力の制御エネルギーとを独立に与えることが可能となっている。
また、このような制御過程において、本実施形態における把持システムは、アクチュエータを制御するための指令値を算出する際に、位置の領域の演算結果及び力の領域の演算結果に所定の重み付けを行うことで、位置の制御を優先させたり、力の制御を優先させたりする。重み付けを行う場合、位置の領域の演算結果及び力の領域の演算結果が0から1の範囲で重み付けされる。
より具体的には、把持動作における各工程で、速度(位置)の制御エネルギーと力の制御エネルギーとの割り当て結果に所定の重み付けを行うことで、位置の制御あるいは力の制御を優先して実行する。本実施形態においては、把持動作の種類に応じて、位置(速度)の目標値、あるいは、力の目標値が設定され、位置(速度)あるいは力の一方において、特定の目標値が設定された場合には、式(3)及び(4)による他方の制御量が抑制(0以上1未満で重み付け)される。
これにより、本実施形態における把持システムでは、把持対象のワークの形状に応じた幅にフィンガーを広げたり、把持対象のワークの軟弱性に応じて把持する力を変更したりすることが可能となる。
このような位置・力制御方法により、形状や軟弱性に応じて柔軟にワークを把持することが可能となる。
なお、位置と速度(または加速度)あるいは角度と角速度(または角加速度)は、微積分演算により置換可能なパラメータであるため、位置あるいは角度に関する処理を行う場合、適宜、速度あるいは角速度等に置換することが可能である。
[構成]
図1は、本発明の一実施形態に係る把持システム1の構成を示す模式図である。
図1に示すように、把持システム1は、ロボットアーム10と、カメラ20と、制御装置30と、ガイドレール40と、を備えている。
ロボットアーム10は、ガイドレール40に沿って移動しながら、対象となるワークWを把持したり、把持したワークWを目的とする場所に移動して載置したりする。
具体的には、ロボットアーム10は、筐体11と、アーム移動用アクチュエータ12と、ハンド移動用アクチュエータ13と、ロボットハンド14と、フィンガー部15と、を備えている。
筐体11は、ガイドレール40に案内される直動機構を備え、アーム移動用アクチュエータ12の駆動力により、ガイドレール40に沿って移動する。また、筐体11は、ロボットハンド14に連結されたロッド14aを鉛直方向に移動可能に保持し、ハンド移動用アクチュエータ13の駆動力により、ロボットハンド14を鉛直方向に移動させる。
アーム移動用アクチュエータ12は、電動モータ等のアクチュエータによって構成され、制御装置30の指示に従って、ロボットアーム10をガイドレール40に沿って移動させる。
アーム移動用アクチュエータ12には、アーム移動用アクチュエータ12の回転角度(回転位置)を検出するロータリーエンコーダ12aが備えられている。ロータリーエンコーダ12aの検出結果は、制御装置30に出力される。
ハンド移動用アクチュエータ13は、電動モータ等のアクチュエータによって構成され、制御装置30の指示に従って、ロボットハンド14に連結されたロッド14aを鉛直方向に移動させる。
ハンド移動用アクチュエータ13には、ハンド移動用アクチュエータ13の回転角度(回転位置)を検出するロータリーエンコーダ13aが備えられている。ロータリーエンコーダ13aの検出結果は、制御装置30に出力される。
ロボットハンド14は、鉛直方向に移動(進退)し、下端に設置されたフィンガー部15によってワークWを把持する。
具体的には、ロボットハンド14は、ロッド14aと、ハンド回転用アクチュエータ14bと、ロータリーエンコーダ14c,14eと、フィンガー開閉用アクチュエータ14dと、フィンガーベース部材14fと、を備えている。
ロッド14aは、筐体11に鉛直方向に移動可能に保持され、ハンド移動用アクチュエータ13によって鉛直方向に移動される。ロッド14aの下端側には、ハンド回転用アクチュエータ14b、ロータリーエンコーダ14c,14e、フィンガー開閉用アクチュエータ14d、フィンガーベース部材14fが設置されている。
ハンド回転用アクチュエータ14bは、電動モータ等のアクチュエータによって構成され、制御装置30の指示に従って、フィンガーベース部材14fをロッド14aに対して水平方向に回転させる。
ハンド回転用アクチュエータ14bには、ハンド回転用アクチュエータ14bの回転角度(回転位置)を検出するロータリーエンコーダ14cが備えられている。ロータリーエンコーダ14cの検出結果は、制御装置30に出力される。
フィンガー開閉用アクチュエータ14dは、電動モータ等のアクチュエータによって構成され、制御装置30の指示に従って、フィンガー部15を開閉させる。フィンガー開閉用アクチュエータ14dは、フィンガーベース部材14fに設置され、ハンド回転用アクチュエータ14bによって、フィンガーベース部材14fと共に回転される。フィンガー部15を開閉させる機構としては、フィンガー開閉用アクチュエータ14dの出力軸にピニオンギアを備え、フィンガー部15の可動部にラックギアを備えることにより、回転運動を直動運動に変換する機構(ラックアンドピニオン機構)等を用いることができる。ただし、フィンガー部15を開閉させる機構として、ヒンジによって可動部材を連結し、可動部材の後端側をフィンガー開閉用アクチュエータ14dによって開閉することにより、可動部材の先端側を開閉させる機構等、種々の機構を用いることができる。
フィンガー開閉用アクチュエータ14dには、フィンガー開閉用アクチュエータ14dの回転角度(回転位置)を検出するロータリーエンコーダ14eが備えられている。ロータリーエンコーダ14eの検出結果は、制御装置30に出力される。
フィンガーベース部材14fは、ハンド回転用アクチュエータ14bを介してロッド14aの下端に設置され、フィンガー部15の可動部材を開閉可能に支持する。
フィンガー部15は、開閉可能な可動部によってワークWを把持したり、把持したワークWを解放したりする。
具体的には、フィンガー部15は、一対の可動部材15A,15Bを備えている。なお、本実施形態において、ロボットハンド14の進退方向は、図1に示すように、可動部材15A,15Bの長手方向に沿う方向となっている。
可動部材15Aは、ベルト駆動用アクチュエータ15aと、ロータリーエンコーダ15bと、ベルト部材15cと、プーリー15d,15eと、を備えている。
ベルト駆動用アクチュエータ15aは、プーリー15dを回転させることにより、プーリー15d,15eに巻き掛けられたベルト部材15cを駆動する。
ベルト駆動用アクチュエータ15aには、ベルト駆動用アクチュエータ15aの回転角度(回転位置)を検出するロータリーエンコーダ15bが備えられている。ロータリーエンコーダ15bの検出結果は、制御装置30に出力される。
ベルト部材15cは、プーリー15d,15eに巻き掛けられ、可動部材15Bのベルト部材15hと対向する面において、ワークWを把持する。また、ベルト部材15cは、可動部材15Bのベルト部材15hと逆方向に回転(即ち、ベルト部材15c,15hの対向する面を同方向に移動)することにより、ワークWを把持した状態でワークWを昇降させる。
プーリー15d,15eには、ベルト部材15cが巻き掛けられ、プーリー15dはベルト駆動用アクチュエータ15aによって回転され、プーリー15eはベルト部材15cの回転によって従動的に回転する。
また、可動部材15Bは、可動部材15Aと左右対称な同様の構成を有し、ベルト駆動用アクチュエータ15fと、ロータリーエンコーダ15gと、ベルト部材15hと、プーリー15i,15jと、を備えている。
ベルト駆動用アクチュエータ15fは、プーリー15iを回転させることにより、プーリー15i,15jに巻き掛けられたベルト部材15hを駆動する。
ベルト駆動用アクチュエータ15fには、ベルト駆動用アクチュエータ15fの回転角度(回転位置)を検出するロータリーエンコーダ15gが備えられている。ロータリーエンコーダ15gの検出結果は、制御装置30に出力される。
ベルト部材15hは、プーリー15i,15jに巻き掛けられ、可動部材15Aのベルト部材15cと対向する面において、ワークWを把持する。また、ベルト部材15hは、上述したように、可動部材15Aのベルト部材15cと逆方向に回転(即ち、ベルト部材15c,15hの対向する面を同方向に移動)することにより、ワークWを把持した状態でワークWを昇降させる。
プーリー15i,15jには、ベルト部材15hが巻き掛けられ、プーリー15iはベルト駆動用アクチュエータ15fによって回転され、プーリー15jはベルト部材15hの回転によって従動的に回転する。
カメラ20は、把持システム1の把持対象となる複数のワークW(ワーク群)を撮影し、撮影した画像(ここでは静止画像とする)のデータを制御装置30に出力する。
制御装置30は、把持システム1全体を制御すると共に、各種演算を行うことにより、把持システム1において取得される各種物理量(重量あるいは硬さ等)を算出する。
図2は、制御装置30の機能的構成を示すブロック図である。
図2に示すように、制御装置30は、演算処理部100と、記憶部200とを備えている。
記憶部200は、ハードディスクあるいは半導体メモリ等の記憶装置によって構成され、記憶部200の一領域には、把持システム1の制御において生成されたデータを格納するための制御データ記憶部201が形成される。
演算処理部100は、CPU(Central Processing Unit)等の演算処理装置によって構成され、把持システム1の制御のためのプログラムを実行することにより、演算処理部100には、パラメータ設定部101と、画像取得部102と、画像解析部103と、把持対象特定部104と、位置情報取得部105と、アーム移動制御部106と、ハンド移動制御部107と、ハンド回転制御部108と、フィンガー開閉制御部109と、ベルト駆動制御部110と、状態判定部111と、が形成される。
パラメータ設定部101は、把持システム1の制御において用いられる各種パラメータを設定する。例えば、パラメータ設定部101は、オペレータの入力に応じて、アーム移動用アクチュエータ12、フィンガー開閉用アクチュエータ14d、ベルト駆動用アクチュエータ15a,15fの制御における位置の目標値あるいは力の目標値を設定したり、位置の領域の演算結果及び力の領域の演算結果に対する重みを設定したりする。
なお、これらの設定値は、オペレータが入力して設定する他、設定値を予め設定ファイルに記録しておき、この設定ファイルを読み込むことによって設定することとしてもよい。
また、パラメータ設定部101は、把持システム1がワークWを把持する際のモードを設定する。本実施形態において、ワークWを把持(または解放)する際のモード(以下、「把持モード」と称する。)として、摩擦軽減モードと、従動動作モードとが設定可能となっている。
摩擦軽減モードは、ロボットハンド14を鉛直方向に移動させながらベルト部材15c,15hをロボットハンド14の移動速度と対応させて回転させることにより、ベルト部材15c,15hの接触面とワークWの表面との相対速度をほぼゼロとしつつワークWを把持(または解放)するモードである。摩擦軽減モードによれば、ワークWが密集した状態で、可動部材15A,15BをワークWの表面に接触させながら間隔を調整し、ロボットハンド14を降下させてワークWを把持する場合等に、ベルト部材15c,15hによってワークWの表面が傷つけられることを抑制できる。
従動動作モードは、ロボットハンド14を鉛直方向に移動させながら、可動部材15A,15B及びベルト部材15c,15hを脱力した状態に制御し、外力に応じて変位させながら可動部材15A,15Bの間にワークWを位置させた後、ワークWを把持するモードである。従動動作モードによれば、ワークWの形状や大きさに応じて、可動部材15A,15B及びベルト部材15c、15hを接触したワークWに対して従動的に移動させて、適応的にワークWを把持することができる。
これらの把持モードについては、把持対象のワークWが構成するワーク群の状態に応じて、把持されるワークW毎に異なる把持モードを設定したり、ワーク群全体に同一の把持モードを設定したりすることができる。
画像取得部102は、カメラ20によって撮像された画像のデータを取得する。
画像解析部103は、画像取得部102によって取得された画像のデータを解析し、ワークWの位置、大きさ及び形状等の属性を取得する。
把持対象特定部104は、画像解析部103の解析結果に基づいて、把持システム1によって把持対象とするワークWを特定する。
位置情報取得部105は、把持システム1の可動部における現在位置に関する情報(位置情報)を取得する。例えば、位置情報取得部105は、ロータリーエンコーダ12a,13a,14c,14e,15b,15gの検出結果である各アクチュエータの回転角度(回転位置)を取得する。
なお、各アクチュエータの回転角度(回転位置)を位置情報として取得する他、各アクチュエータの作用に基づいて移動する部材の位置を位置情報として取得することとしてもよい。
アーム移動制御部106は、所定の位置(または速度)制御に従って、アーム移動用アクチュエータ12を位置(または速度)の目標値に追従させる制御を行い、ロボットアーム10を目的とする位置に移動させる。アーム移動制御部106の制御には、既存の各種制御アルゴリズムを用いることができる。ただし、ハンド移動制御部107あるいはフィンガー開閉制御部109等と同様に、上述の式(3)及び(4)に従って、位置(または速度)あるいは力の目標値を基準値、ロータリーエンコーダ12aの検出結果(回転位置)を現在位置とする制御を行うこととしてもよい。
ハンド移動制御部107は、上述の式(3)及び(4)に従って、ハンド移動用アクチュエータ13の位置(または速度)の目標値を基準値、ロータリーエンコーダ13aの検出結果(回転位置)を現在位置とする演算を逐次行い、ハンド移動用アクチュエータ13に対する電流指令値を算出する。そして、ハンド移動制御部107は、算出した電流指令値でハンド移動用アクチュエータ13を駆動するための駆動信号をハンド移動用アクチュエータ13に出力する。なお、このとき、力の制御量は抑制される。
ハンド回転制御部108は、所定の位置(または速度)制御に従って、ハンド回転用アクチュエータ14bを位置(または速度)の目標値に追従させて回転させる。ハンド回転制御部108の制御には、既存の各種制御アルゴリズムを用いることができる。ただし、ハンド移動制御部107あるいはフィンガー開閉制御部109等と同様に、上述の式(3)及び(4)に従って、位置(または速度)あるいは力の目標値を基準値、ロータリーエンコーダ13aの検出結果(回転位置)を現在位置とする制御を行うこととしてもよい。
フィンガー開閉制御部109は、上述の式(3)及び(4)に従って、フィンガー開閉用アクチュエータ14dの位置(または速度)及び力の目標値を基準値、ロータリーエンコーダ14eの検出結果(回転位置)を現在位置とする演算を逐次行い、フィンガー開閉用アクチュエータ14dに対する電流指令値を算出する。そして、フィンガー開閉制御部109は、算出した電流指令値でフィンガー開閉用アクチュエータ14dを駆動するための駆動信号をフィンガー開閉用アクチュエータ14dに出力する。
なお、フィンガー開閉制御部109は、ワークWを把持する各工程において、位置(または速度)の制御、力の制御を切り替えて実行する。例えば、フィンガー開閉制御部109は、フィンガー部15がワークWの把持を行う前は、フィンガー開閉用アクチュエータ14dをワークWの幅よりも狭い位置の目標値に位置制御する。このとき、力の制御量は抑制される。また、フィンガー開閉制御部109は、フィンガー部15がワークWに接近し、ワークWを可動部材15A,15Bの間に挟むまでは、フィンガー開閉用アクチュエータ14dに入力する反力を力の目標値(ここではゼロ)に力制御する。このとき、位置の制御量は抑制される。また、フィンガー開閉制御部109は、フィンガー部15がワークWを可動部材15A,15Bの間に挟んだ後は、フィンガー開閉用アクチュエータ14dに入力する反力を力の目標値(ここでは設定された把持力)に力制御する。このとき、位置の制御量は抑制される。さらに、フィンガー開閉制御部109は、フィンガー部15が可動部材15A,15Bの間に挟んだワークWを解放する(ベルト部材15c,15hにより下降させる)際には、フィンガー開閉用アクチュエータ14dに入力する反力を力の目標値(ここでは設定された把持力)に力制御する。このとき、位置の制御量は抑制される。
ベルト駆動制御部110は、上述の式(3)及び(4)に従って、ベルト駆動用アクチュエータ15a,15fの位置(または速度)あるいは力の目標値を基準値、ロータリーエンコーダ15b,15gの検出結果(回転位置)を現在位置とする演算を逐次行い、ベルト駆動用アクチュエータ15a,15fに対する電流指令値を算出する。そして、ベルト駆動制御部110は、算出した電流指令値でベルト駆動用アクチュエータ15a,15fを駆動するための駆動信号をベルト駆動用アクチュエータ15a,15fに出力する。
なお、ベルト駆動制御部110は、摩擦軽減モード及び従動動作モードそれぞれのワークWを把持する各工程において、位置(または速度)の制御、力の制御を切り替えて実行する。例えば、ベルト駆動制御部110は、摩擦軽減モードにおいて、フィンガー部15がワークWに接近し、ワークWを可動部材15A,15Bの間に挟むまでは、ベルト部材15c,15hの回転速度を速度の目標値(ここでは設定された移動速度)に速度制御する。このとき、力の制御量は抑制される。また、ベルト駆動制御部110は、従動動作モードにおいて、フィンガー部15がワークWに接近し、ワークWを可動部材15A,15Bの間に挟むまでは、ベルト部材15c,15hに入力する反力(鉛直方向の力)を力の目標値(ここではゼロ)に力制御する。このとき、位置の制御量は抑制される。また、ベルト駆動制御部110は、摩擦軽減モード及び従動動作モードにおいて、フィンガー部15がワークWを可動部材15A,15Bの間に挟んだ後は、ベルト部材15c,15hの回転速度を速度の目標値(ここではゼロ)に速度制御する。このとき、位置の制御量は抑制される。さらに、ベルト駆動制御部110は、摩擦軽減モード及び従動動作モードにおいて、フィンガー部15が可動部材15A,15Bの間に挟んだワークWを解放する際には、ベルト部材15c,15hの回転速度を速度の目標値(ここでは設定された下降速度)に速度制御する。このとき、力の制御量は抑制される。
状態判定部111は、把持システム1におけるワークWの把持動作の状態を判定する。
例えば、状態判定部111は、ロボットハンド14を把持対象のワークWに接近させた場合に、ロボットハンド14がワークWに接触したか否かを判定する。このとき、状態判定部111は、フィンガー部15における可動部材15A,15Bの位置変化あるいはベルト部材15c,15hに加わる力変化を検出することにより、ロボットハンド14がワークWに接触したことを判定する。
また、状態判定部111は、把持対象のワークWを可動部材15A,15Bの間に位置させる過程において、可動部材15A,15Bの位置変化が大きい(設定された閾値よりも変化量が大きい)か否かを判定する。即ち、可動部材15A,15BがワークWによって大きく押し広げられる状態であるか否かが判定される。この場合、摩擦軽減モードでは、可動部材15A,15Bの把持力が動作の妨げになることがあるため、把持力が弱められる。
さらに、状態判定部111は、可動部材15A,15BがワークWを把持した場合に、ベルト部材15c,15hに加わる力に変化があるか否かを判定する。ベルト部材15c,15hに加わる力に一定以上の変化がある場合、ワークWがベルト部材15c,15hに対して滑り落ち、ワークWを適切に把持できていないと考えられるため、把持力が強められる。
ガイドレール40は、ワークWの把持を行う領域と、ワークWを解放する領域とを繋ぐレールであり、これらの領域間におけるロボットアーム10の移動を案内する。
[動作]
次に、把持システム1の動作を説明する。
[把持処理]
図3は、把持システム1がワークWを把持するための把持処理の流れを示すフローチャートである。
また、図4〜6は、把持処理におけるロボットハンド14の状態を示す模式図である。
以下、図4〜6を適宜参照しながら、把持処理の流れを説明する。
把持処理の実行に先立ち、パラメータ設定部101によって、動作に必要な各種パラメータが予め設定される。
図3に示すように、ステップS1において、画像取得部102は、カメラ20によって撮像された画像のデータを取得し、画像解析部103は、画像のデータを解析して、ワークWの位置、大きさ及び形状等の属性を取得する。そして、把持対象特定部104は、今回の把持対象とするワークWを特定する。このとき、把持対象とするワークWの状態(周囲に空間の余裕があるか否か等)が判定され、ワークWの状態に適した把持モードが設定される。
ステップS2において、アーム移動制御部106は、所定の位置(または速度)制御に従って、アーム移動用アクチュエータ12を制御し、ワークWの上方にロボットアーム10を移動させる。また、ハンド回転制御部108は、所定の位置(または速度)制御に従って、ハンド回転用アクチュエータ14bを制御し、ワークW周囲の隙間の位置と可動部材15A,15Bとを合わせるように、ロボットハンド14を回転させる。
ステップS3において、フィンガー開閉制御部109は、式(3)及び(4)に従ってフィンガー開閉用アクチュエータ14dを制御し、可動部材15A,15BをワークWの幅よりも狭い間隔に開かせる。このとき、フィンガー開閉制御部109は、上述の式(3)及び(4)に従って、フィンガー開閉用アクチュエータ14dの位置(可動部材15A,15Bの目標位置に対応する位置)を基準値、ロータリーエンコーダ14eの検出結果(回転位置)を現在位置とする演算によって、フィンガー開閉用アクチュエータ14dに対する電流指令値を算出し、フィンガー開閉用アクチュエータ14dを駆動するための駆動信号を出力する。
ステップS4において、ベルト駆動制御部110は、設定されている把持モードに応じて、ベルト部材15c,15hの動作を制御する。このとき、ベルト駆動制御部110は、上述の式(3)及び(4)に従って、ベルト駆動用アクチュエータ15a,15fの位置(または速度)の目標値を基準値、ロータリーエンコーダ15b,15gの検出結果(回転位置)を現在位置とする演算によって、ベルト駆動用アクチュエータ15a,15fに対する電流指令値を算出し、ベルト駆動用アクチュエータ15a,15fを駆動するための駆動信号を出力する。なお、把持モードが摩擦軽減モードに設定されている場合、ベルト駆動制御部110は、ベルト部材15c,15hをロボットハンド14の移動速度と対応させて回転させるように、ベルト駆動用アクチュエータ15a,15fの位置(または速度)の目標値(ロボットハンド14の下降速度と等速で逆向きの速度)を設定して制御を行う。また、把持モードが従動動作モードに設定されている場合、ベルト駆動制御部110は、ベルト部材15c,15hが脱力した状態となるように、ベルト駆動用アクチュエータ15a,15fの力の目標値(反力がゼロ)を設定して制御を行う。
ステップS5において、フィンガー開閉制御部109は、可動部材15A,15Bに入力する反力がゼロとなるようにフィンガー開閉用アクチュエータ14dを制御する。このとき、フィンガー開閉制御部109は、上述の式(3)及び(4)に従って、フィンガー開閉用アクチュエータ14dの力の目標値(反力がゼロ)を基準値、ロータリーエンコーダ14eの検出結果(回転位置)を現在位置とする演算によって、フィンガー開閉用アクチュエータ14dに対する電流指令値を算出し、フィンガー開閉用アクチュエータ14dを駆動するための駆動信号を出力する。
ステップS6において、ハンド移動制御部107は、ロボットハンド14を把持対象のワークWに向けて下降させる。このとき、ハンド移動制御部107は、上述の式(3)及び(4)に従って、ハンド移動用アクチュエータ13の位置(または速度)の目標値(設定された速度)を基準値、ロータリーエンコーダ13aの検出結果(回転位置)を現在位置とする演算によって、ハンド移動用アクチュエータ13に対する電流指令値を算出し、ハンド移動用アクチュエータ13を駆動するための駆動信号を出力する。
ステップS7において、状態判定部111は、ロボットハンド14がワークWに接触したか否かを判定する。
図4は、ロボットハンド14がワークWに接触した状態を示す模式図である。
図4に示す状態において、状態判定部111は、可動部材15A,15Bの位置変化あるいはベルト部材15c,15hに加わる力変化を検出することにより、ロボットハンド14がワークWに接触したことを判定する。なお、可動部材15A,15Bの位置変化あるいはベルト部材15c,15hに加わる力変化は、上述の式(3)及び(4)に従って制御を行う過程で算出されるパラメータの状態から判定することができる。
ロボットハンド14がワークWに接触していない場合、ステップS7においてNOと判定されて、処理はステップS6に移行する。
一方、ロボットハンド14がワークWに接触した場合、ステップS7においてYESと判定されて、処理はステップS8に移行する。
ステップS8において、把持システム1は、設定されている把持モードに応じて、ロボットハンド14及びフィンガー部15の制御を行う。
図5は、ロボットハンド14がワークWの把持を開始した状態を示す模式図である。
図5に示す状態において、把持モードが摩擦軽減モードに設定されている場合、ハンド移動制御部107は、上述の式(3)及び(4)に従って、ハンド移動用アクチュエータ13の位置(または速度)の目標値(設定されたロボットハンド14の下端位置に対応する位置)を基準値、ロータリーエンコーダ13aの検出結果(回転位置)を現在位置とする演算によって、ハンド移動用アクチュエータ13に対する電流指令値を算出し、ハンド移動用アクチュエータ13を駆動するための駆動信号を出力する。また、ベルト駆動制御部110は、上述の式(3)及び(4)に従って、ベルト駆動用アクチュエータ15a,15fの位置(または速度)の目標値(ロボットハンド14の下降速度と等速で逆向きの速度)を基準値、ロータリーエンコーダ15b,15gの検出結果(回転位置)を現在位置とする演算によって、ベルト駆動用アクチュエータ15a,15fに対する電流指令値を算出し、ベルト駆動用アクチュエータ15a,15fを駆動するための駆動信号を出力する。また、フィンガー開閉制御部109は、上述の式(3)及び(4)に従って、フィンガー開閉用アクチュエータ14dの力の目標値(反力がゼロ)を基準値、ロータリーエンコーダ14eの検出結果(回転位置)を現在位置とする演算によって、フィンガー開閉用アクチュエータ14dに対する電流指令値を算出し、フィンガー開閉用アクチュエータ14dを駆動するための駆動信号を出力する。
一方、図5に示す状態において、把持モードが従動動作モードに設定されている場合、ハンド移動制御部107は、上述の式(3)及び(4)に従って、ハンド移動用アクチュエータ13の位置(または速度)の目標値(設定されたロボットハンド14の下端位置に対応する位置)を基準値、ロータリーエンコーダ13aの検出結果(回転位置)を現在位置とする演算によって、ハンド移動用アクチュエータ13に対する電流指令値を算出し、ハンド移動用アクチュエータ13を駆動するための駆動信号を出力する。また、ベルト駆動制御部110は、上述の式(3)及び(4)に従って、ベルト駆動用アクチュエータ15a,15fの力の目標値(反力がゼロ)を基準値、ロータリーエンコーダ15b,15gの検出結果(回転位置)を現在位置とする演算によって、ベルト駆動用アクチュエータ15a,15fに対する電流指令値を算出し、ベルト駆動用アクチュエータ15a,15fを駆動するための駆動信号を出力する。また、フィンガー開閉制御部109は、上述の式(3)及び(4)に従って、フィンガー開閉用アクチュエータ14dの力の目標値(反力がゼロ)を基準値、ロータリーエンコーダ14eの検出結果(回転位置)を現在位置とする演算によって、フィンガー開閉用アクチュエータ14dに対する電流指令値を算出し、フィンガー開閉用アクチュエータ14dを駆動するための駆動信号を出力する。
ステップS9において、状態判定部111は、把持モードが摩擦軽減モードに設定され、かつ、可動部材15A,15Bの位置変化が大きい(設定された閾値よりも変化量が大きい)か否かを判定する。即ち、摩擦軽減モードにおいて、可動部材15A,15BがワークWによって大きく押し広げられる状態であるか否かが判定される。
把持モードが摩擦軽減モードに設定されておらず、または、可動部材15A,15Bの位置変化が大きくない場合、ステップS9においてNOと判定されて、処理はステップS13に移行する。
一方、把持モードが摩擦軽減モードに設定され、かつ、可動部材15A,15Bの位置変化が大きい場合、ステップS9においてYESと判定されて、処理はステップS10に移行する。
ステップS10において、フィンガー開閉制御部109は、フィンガー開閉用アクチュエータ14dの力の目標値を減少させる(即ち、把持力を弱める)。
ステップS11において、状態判定部111は、可動部材15A,15Bの位置変化が収束した(変化量が一定範囲内となった)か否かを判定する。
可動部材15A,15Bの位置変化が収束していない(変化量が一定範囲内となっていない)場合、ステップS11においてNOと判定されて、処理はステップS10に移行する。
一方、可動部材15A,15Bの位置変化が収束した(変化量が一定範囲内となった)場合、ステップS11においてYESと判定されて、処理はステップS12に移行する。
ステップS12において、フィンガー開閉制御部109は、フィンガー開閉用アクチュエータ14dの力の目標値を元に戻す(即ち、ステップS8における把持力とする)。
ステップS13において、把持システム1は、ロボットハンド14が設定された下端位置に到達することに対応して、ワークWを可動部材15A,15Bで挟み込む。具体的には、ベルト駆動制御部110は、ベルト部材15c,15hを停止させるようベルト駆動用アクチュエータ15a,15fを制御する(速度の目標値をゼロとする)と共に、フィンガー開閉制御部109は、ワークWを持ち上げるために設定された把持力とするようフィンガー開閉用アクチュエータ14dを制御する(力の目標値を設定された把持力とする)。
ステップS14において、ハンド移動制御部107は、ロボットハンド14を所定高さ(ワークWが載置面から離れる高さ)まで持ち上げ、状態判定部111は、ベルト部材15c,15hに加わる力(鉛直方向の力)を算出する。
ステップS15において、状態判定部111は、ベルト部材15c,15hに加わる力に一定以上の変化があるか否かの判定を行う。
ベルト部材15c,15hに加わる力に一定以上の変化がある場合、ステップS15においてYESと判定されて、処理はステップS16に移行する。
一方、ベルト部材15c,15hに加わる力に一定以上の変化がない場合、ステップS15においてNOと判定されて、処理はステップS17に移行する。
ステップS16において、フィンガー開閉制御部109は、フィンガー開閉用アクチュエータ14dの力の目標値を増加させる(即ち、把持力を強める)。
ステップS16の後、処理はステップS8に移行する。
ステップS17において、フィンガー開閉制御部109は、フィンガー開閉用アクチュエータ14dの力の目標値を維持し、ハンド移動制御部107はワークWを設定された高さ(搬送のための高さ)に持ち上げて、把持動作を完了させる。ステップS17において把持されたワークWは、目的とする解放領域(移送先)において解放される。
図6は、ロボットハンド14がワークWの把持を完了した状態を示す模式図である。
図6に示す状態において、フィンガー開閉制御部109は、フィンガー開閉用アクチュエータ14dの力の目標値を維持し、ベルト駆動制御部110は、ベルト駆動用アクチュエータ15a,15fの速度の目標値を維持してワークWの把持を継続している。
ステップS17の後、把持処理は終了となる。
なお、複数のワークWが把持対象となっている場合、把持処理が適宜繰り返される。
[解放処理]
図7は、把持システム1がワークWを解放するための解放処理の流れを示すフローチャートである。
また、図8,9は、解放処理におけるロボットハンド14の状態を示す模式図である。
以下、図8,9を適宜参照しながら、解放処理の流れを説明する。
解放処理の実行に先立ち、パラメータ設定部101によって、動作に必要な各種パラメータが予め設定される。また、解放処理が実行される場合、初期状態においては、把持処理によってワークWを把持した状態(把持力等)が維持されている(図6参照)。
図7に示すように、ステップS21において、アーム移動制御部106は、所定の位置(または速度)制御に従って、アーム移動用アクチュエータ12を制御し、ワークWの移送先の上方(設定された高さ)にロボットアーム10を移動させる。また、ハンド回転制御部108は、所定の位置(または速度)制御に従って、ハンド回転用アクチュエータ14bを制御し、ワークWが目標とする向きになるように、ロボットハンド14を回転させる。
ステップS22において、フィンガー開閉制御部109は、把持力を維持するようにフィンガー開閉用アクチュエータ14dを制御し、ベルト駆動制御部110は、ベルト部材15c,15hを巻き下ろし方向に回転させる。このとき、フィンガー開閉制御部109は、上述の式(3)及び(4)に従って、フィンガー開閉用アクチュエータ14dの力の目標値(設定された把持力)を基準値、ロータリーエンコーダ14eの検出結果(回転位置)を現在位置とする演算によって、フィンガー開閉用アクチュエータ14dに対する電流指令値を算出し、フィンガー開閉用アクチュエータ14dを駆動するための駆動信号を出力する。また、ベルト駆動制御部110は、上述の式(3)及び(4)に従って、ベルト駆動用アクチュエータ15a,15fの速度の目標値(設定された下降速度)を基準値、ロータリーエンコーダ15b,15gの検出結果(回転位置)を現在位置とする演算によって、ベルト駆動用アクチュエータ15a,15fに対する電流指令値を算出し、ベルト駆動用アクチュエータ15a,15fを駆動するための駆動信号を出力する。
図8は、ロボットハンド14がベルト部材15c,15hを移動させてワークWを下降させている状態を示す模式図である。
図8に示す状態において、フィンガー開閉制御部109は、フィンガー開閉用アクチュエータ14dの力の目標値を設定された把持力とし、ベルト駆動制御部110は、ベルト駆動用アクチュエータ15a,15fの速度の目標値を設定された下降速度としてワークWを下降させている。
ステップS23において、状態判定部111は、ワークWが載置面に接触したか否かを判定する。
図9は、ロボットハンド14がワークWを下降させ、ワークWが載置面に接触した状態を示す模式図である。
図9に示す状態において、状態判定部111は、ベルト部材15c,15hに加わる力変化を検出することにより、ワークWが載置面に接触したことを判定する。なお、ベルト部材15c,15hに加わる力変化は、上述の式(3)及び(4)に従って制御を行う過程で算出されるパラメータの状態から判定することができる。
ワークWが載置面に接触していない場合、ステップS23においてNOと判定されて、処理はステップS22に移行する。
一方、ワークWが載置面に接触した場合、ステップS23においてYESと判定されて、処理はステップS24に移行する。
ステップS24において、フィンガー開閉制御部109は、上述の式(3)及び(4)に従って、フィンガー開閉用アクチュエータ14dの位置(または速度)の目標値(現在位置から設定された距離だけ可動部材15A,15Bを開いた位置)を基準値、ロータリーエンコーダ14eの検出結果(回転位置)を現在位置とする演算によって、フィンガー開閉用アクチュエータ14dに対する電流指令値を算出し、フィンガー開閉用アクチュエータ14dを駆動するための駆動信号を出力する。これにより、可動部材15A,15Bが開き、ワークWが載置面に載置される。
ステップS25において、把持システム1は、ロボットアーム10を退避位置に移動させる。
具体的には、ハンド移動制御部107は、上述の式(3)及び(4)に従って、ハンド移動用アクチュエータ13の位置(または速度)の目標値(設定されたロボットハンド14の高さに対応する位置)を基準値、ロータリーエンコーダ13aの検出結果(回転位置)を現在位置とする演算によって、ハンド移動用アクチュエータ13に対する電流指令値を算出し、ハンド移動用アクチュエータ13を駆動するための駆動信号を出力する。また、アーム移動制御部106は、所定の位置(または速度)制御に従って、アーム移動用アクチュエータ12を制御し、退避位置にロボットアーム10を移動させる。
ステップS25の後、解放処理は終了となる。
以上のように、本実施形態に係る把持システム1は、フィンガー部15の可動部材15A,15Bの開閉、ベルト部材15c,15hの回転及びロボットハンド14の移動(ワークWに対する進退)等を、力触覚の伝達に利用可能な位置及び力の制御を応用した制御則(式(3)及び(4)等)に基づいて制御する。
これにより、形状が不定形で軟弱なワークWを、個々の形状に応じて、柔らかく把持することが可能となる。
即ち、本発明を適用した把持システム1によれば、形状や軟弱性に応じて柔軟にワークWを把持することができる。
[変形例1]
上述の実施形態において、把持システム1がワークWを把持する際のモードとして、摩擦軽減モード及び従動動作モードのいずれかに設定するものとして説明したが、これに限られない。
例えば、ベルト部材15c,15hを停止させ、可動部材15A,15Bを単純なフィンガーとして用いるモード(標準モード)や可動部材15A,15Bの間に挟んだワークWをベルト部材15c,15hを駆動して昇降させるモード(昇降モード)等を設定することができる。
具体的には、標準モードは、ベルト部材15c,15hを停止させ、ワークWの幅よりも外側の空間で可動部材15A,15Bを開閉することにより、可動部材15A,15Bの間にあるワークWを把持(または解放)するモードである。標準モードによれば、ワークWの周囲に空間的な余裕がある場合に、ワークWへの接触量を低減しつつワークWを把持することができる。
また、昇降モードは、ロボットハンド14を停止させ、可動部材15A,15Bの間にワークWの少なくとも一部を挟んだ状態で、ベルト部材15c,15hを回転させ、ベルト部材15c,15hの搬送力によりワークWを昇降させて把持(または解放)するモードである。昇降モードによれば、ワークWが密集した状態で、可動部材15A,15Bの間にワークWの一部のみを進入させることができる場合等に、ロボットハンド14自体の昇降を行うことなく、少ないスペースでワークWの把持動作を行うことができる。
[変形例2]
上述の実施形態及び変形例において説明した把持モードを、ワークWが置かれた状況に応じて、適応的に選択することが可能である。
図10は、密集したワーク群におけるワークWの状態の一例を示す模式図である。
また、図11は、ワークWの接点数と把持方針との関係を示す模式図である。
図10に示すワークWの状態において、例えば、変形例2の標準モードと昇降モードを選択する場合、以下のような把持方針(図11参照)とすることができる。
この場合、初めに、3Dカメラ等を使用して、対象となるワークWと周囲のワーク間の隙間、ワーク同士の接点数を検出する。
そして、以下の把持方針に従って、制御装置30が把持システム1を制御し、順次、ワークWを取り出す。
(1)可動部材15A,15Bが挿入できる十分な隙間があるワークWから取り出す。
即ち、接点数=0の場合(可動部材15A,15Bを挿入する隙間がある場合)、標準モードでワークWを把持する。
(2)隣接するワーク同士の接点数が少ない物から取り出す。
即ち、接点数=1の場合(可動部材15A,15Bを挿入する隙間がある場合)、標準モードでワークWを把持する。
また、接点数=2の場合、かつ、可動部材15A,15Bを挿入する隙間がある場合、標準モードでワークWを把持する。
また、接点数=2の場合、かつ、可動部材15A,15Bを挿入する隙間がない場合、昇降モードでワークWを把持する。
また、接点数=3の場合、昇降モードでワークWを把持する。
なお、上述の把持方針に対し、ワークWの軟弱性やワークWの密集度合いに応じて、さらに、摩擦軽減モード、従動動作モードを加えた4つの把持モードを適応的に選択することとしてもよい。
例えば、ワークWが軟弱である場合、摩擦軽減モードを選択し、ワークWが密集していない場合、標準モードを選択し、ワークWの密集度合いが中程度の場合、従動動作モードを選択し、ワークWの密集度合いが高い場合、昇降モードを選択するといったことが可能である。
これにより、ワークWの状態に応じて、より適切にワークWを把持することができる。
[変形例3]
上述の実施形態において、ベルト部材15c,15hは、ワークWの把持動作において用いるものとして説明したが、これに限られない。
例えば、ベルト部材15c,15hの回転を利用して、ワークWを姿勢変化させることができる。
ワークWが密集している場合、把持対象のワークWに可動部材15A,15Bを接触させ、ベルト部材15c,15hを回転させることで、載置面に置かれたワークWの姿勢を転回させる(例えば、90度回転させて起立させる)こと等が可能である。
これにより、ワークWが密集している場合等に、把持対象のワークWを把持し易い状態に調整することができる。
また、可動部材15A,15BにワークWを把持した状態で、ベルト部材15c,15hを同方向に回転(即ち、ベルト部材15c,15hの対向する面を逆方向に移動)させることにより、把持したワークWの姿勢を変化させることができる。
図12は、把持したワークWの姿勢を変化させる状態を示す模式図である。
図12に示すように、ワークWが可動部材15A,15Bに把持された際に傾いていた場合、ベルト部材15c,15hに加わる力を検出し、ベルト部材15c,15hに加わる力が均等となるようにベルト部材15c,15hを回転させ、ワークWの姿勢を安定させることができる。このとき、重心位置を可動部材15A,15B間の中央に位置させるように制御することが望ましい。
この場合、例えば、上述の式(3)及び(4)に従って、フィンガー開閉用アクチュエータ14dの力の目標値(設定された把持力)を基準値、ロータリーエンコーダ14eの検出結果(回転位置)を現在位置とする制御を行うことができる。
これにより、把持されたワークWの姿勢を安定させることができ、より適切にワークWを把持することができる。
なお、ベルト部材15c,15hに加わる力を検出することの他、カメラ等を用いてワークWの傾きを検出し、ベルト部材15c,15hを回転させて、姿勢を補正することとしてもよい。
[変形例4]
上述の実施形態において、ロボットハンド14のフィンガー部15は、2つの可動部材15A,15Bを備えるものとして説明したが、可動部材を3つ以上備えることとしてもよい。
図13は、可動部材を3つ備えるロボットハンド14の構成例を示す模式図である。
図13に示すように、可動部材を3つ備える場合、把持したワークWをロボットハンド14に把持したまま、ベルト部材を回転させて姿勢を補正することがより容易となり、ワークWをより適切に把持することができる。
[変形例5]
上述の実施形態において、フィンガー部15の構成は種々の形態とすることが可能であり、例えば、内側に屈曲した可動部材の一部をヒンジによって回転可能に保持し、取り付け元の一端をアクチュエータによって進退させること等により、可動部材の先端が開閉する構成とすることが可能である。
図14は、可動部材の先端が開閉する構成としたロボットハンド14の構成例を示す図である。
ここで、図14に示す構成においては、可動部材を開閉するアクチュエータの制御を行わない場合、可動部材の自重がワークWに加わることとなる。
そこで、可動部材を開閉するアクチュエータにより、可動部材の自重を支える力を常時出力する(自重をキャンセルする)制御を行うことで、ワークWに無用な力が加わることを抑制する。
これにより、ワークWに加わる力をより適切なものとすることができる。
なお、本発明は、本発明の効果を奏する範囲で変形、改良等を適宜行うことができ、上述の実施形態に限定されない。
例えば、上述の実施形態において、ワークWを移送する目的の他、ワークWの物理量を検出するためにワークWを把持することとしてもよい。即ち、ベルト部材15c,15hに加わる力を検出することで、ワークWの重量を計測することができる。また、可動部材15A,15BがワークWを把持した位置からワークWの大きさを計測することができる。さらに、可動部材15A,15BがワークWを把持する力からワークWの硬さ(反力)を計測することができる。
なお、これらの物理量は、上述の式(3)及び(4)に従って制御を行う過程で算出されるパラメータの状態から算出することができる。
また、上述の実施形態において、カメラ20によってワークWを撮影し、ワークWの位置、大きさ及び形状等の属性を認識する場合を例に挙げて説明したが、これに限られない。即ち、ワークWの位置、大きさ及び形状等の属性を認識できる方法であれば、例えば、レーザー光を照射することにより、ワークWの属性を表すデータを取得する等、各種方法を用いることが可能である。
さらに、上述の実施形態において、ロボットアーム10は、ワークWを把持可能な各種形態のものとすることが可能である。例えば、ロボットアーム10として、6軸等の垂直多関節ロボットや、パラレルリンク型ロボット等を用いることが可能である。
また、上述の実施形態に記載された例を適宜組み合わせて、本発明を実施することが可能である。
上述の実施形態における制御のための処理は、ハードウェア及びソフトウェアのいずれにより実行させることも可能である。
即ち、上述の処理を実行できる機能が把持システム1に備えられていればよく、この機能を実現するためにどのような機能構成及びハードウェア構成とするかは上述の例に限定されない。
なお、上記実施形態は、本発明を適用した一例を示しており、本発明の技術的範囲を限定するものではない。即ち、本発明は、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、省略や置換等種々の変更を行うことができ、上記実施形態以外の各種実施形態を取ることが可能である。本発明が取ることができる各種実施形態及びその変形は、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1 把持システム、10 ロボットアーム、11 筐体、12 アーム移動用アクチュエータ、12a,13a,14c,14e,15b,15g ロータリーエンコーダ、13 ハンド移動用アクチュエータ、14 ロボットハンド、14a ロッド、14b ハンド回転用アクチュエータ、14d フィンガー開閉用アクチュエータ、14f フィンガーベース部材、15 フィンガー部、15A,15B 可動部材、15a,15f ベルト駆動用アクチュエータ、15c,15h ベルト部材、15d,15e,15i,15j プーリー、20 カメラ、30 制御装置、40 ガイドレール、100 演算処理部、101 パラメータ設定部、102 画像取得部、103 画像解析部、104 把持対象特定部、105 位置情報取得部、106 アーム移動制御部、107 ハンド移動制御部、108 ハンド回転制御部、109 フィンガー開閉制御部、110 ベルト駆動制御部、111 状態判定部、200 記憶部、201 制御データ記憶部

Claims (11)

  1. ワークを把持する複数の可動部材と、
    前記可動部材が設置され、前記ワークに向けて進退可能なベース部材と、
    前記可動部材の把持動作における位置に関する情報を取得する可動部材位置取得手段と、
    前記可動部材の前記ワークに接する部分に設置され、前記ベース部材の進退方向に沿って移動可能なベルト部材と、
    前記ベルト部材の移動における位置に関する情報を取得するベルト部材位置取得手段と、
    前記可動部材の把持動作を、当該可動部材の把持動作における位置に関する情報に基づいて制御する可動部材制御手段と、
    前記ベルト部材の移動を、当該ベルト部材の移動における位置に関する情報に基づいて制御するベルト部材制御手段と、
    を備えることを特徴とする把持装置。
  2. 前記可動部材制御手段及び前記ベルト部材制御手段は、前記ワークの把持動作の種類に対応して設定された、制御エネルギーを位置または速度のエネルギーと力のエネルギーとに割り当てる変換を行うことにより、前記可動部材及び前記ベルト部材を制御することを特徴とする請求項1に記載の把持装置。
  3. 前記可動部材制御手段は、前記可動部材の把持動作における位置に関する情報と、位置または速度の目標値及び力の目標値の少なくともいずれかとを入力として前記変換を行うことにより、前記可動部材を制御することを特徴とする請求項2に記載の把持装置。
  4. 前記ベルト部材制御手段は、前記ベルト部材の移動における位置に関する情報と、位置または速度の目標値及び力の目標値の少なくともいずれかとを入力として前記変換を行うことにより、前記可動部材を制御することを特徴とする請求項2または3に記載の把持装置。
  5. 前記可動部材制御手段は、設定された反力を力の目標値として入力し、前記変換による位置の制御量を抑制して、前記ワークに対して設定された把持力を加える力の制御を行うことを特徴とする請求項2から4のいずれか1項に記載の把持装置。
  6. 前記ベルト部材制御手段は、前記ベース部材の進退速度に対応する逆向きの速度を位置または速度の目標値として入力し、前記変換による力の制御量を抑制して、前記ワーク表面における前記ベルト部材の相対速度を進退速度に対して低下させる位置の制御を行う請求項2から5のいずれか1項に記載の把持装置。
  7. 前記可動部材制御手段は、力の目標値としてゼロを入力し、前記変換による位置の制御量を抑制して、前記ワークに対する把持力をゼロとする力の制御を行い、
    前記ベルト部材制御手段は、力の目標値としてゼロを入力し、前記変換による位置の制御量を抑制して、前記ワークに対する摩擦力をゼロとする力の制御を行うことを特徴とする請求項2から5のいずれか1項に記載の把持装置。
  8. 前記可動部材制御手段は、設定された反力を力の目標値として入力し、前記変換による位置の制御量を抑制して、前記ワークに対して設定された把持力を加える力の制御を行い、
    前記ベルト部材制御手段は、前記ワークを昇降させるために設定された速度を位置または速度の目標値として入力し、力の制御量を抑制して、ワークを昇降させる位置の制御を行うことを特徴とする請求項2から5のいずれか1項に記載の把持装置。
  9. 前記可動部材に前記ワークが把持された状態で、前記ベルト部材を移動させることにより、前記ワークの姿勢を補正することを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の把持装置。
  10. 前記可動部材は、前記ベルト部材が巻回されるプーリーを先端に備え、
    前記ベルト部材を移動させながら前記プーリーを把持対象の前記ワークに接触させることにより、把持対象の前記ワークの姿勢を補正することを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載の把持装置。
  11. ワークを認識する認識手段と、
    前記ワークを把持する把持装置と、
    前記認識手段によって認識されたワークに対応する位置に前記把持装置を移動させる移動手段と、
    を備え、
    前記把持装置は、
    前記ワークを把持する複数の可動部材と、
    前記可動部材が設置され、前記ワークに向けて進退可能なベース部材と、
    前記可動部材の把持動作における位置に関する情報を取得する可動部材位置取得手段と、
    前記可動部材の前記ワークに接する部分に設置され、前記ベース部材の進退方向に沿って移動可能なベルト部材と、
    前記ベルト部材の移動における位置に関する情報を取得するベルト部材位置取得手段と、
    前記可動部材の把持動作を、当該可動部材の把持動作における位置に関する情報に基づいて制御する可動部材制御手段と、
    前記ベルト部材の移動を、当該ベルト部材の移動における位置に関する情報に基づいて制御するベルト部材制御手段と、
    を備えることを特徴とする把持システム。
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