以下、実施の形態を図面を参照して説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係る給電装置10を備える保冷システム1の構成を示すブロック図である。図1における保冷システム1は、複数の保冷庫を管理する物流システムのある管理拠点の1つに構築されたシステムを例示したものである。
保冷システム1は、複数の保冷庫42〜46及び給電装置10を備える。図1においては、複数の保冷庫42〜46のうち、2つの保冷庫42、46のみ図示している。なお、本発明において、保冷システム1が備える保冷庫の数はこれに限定されない。
保冷庫42〜46は、内部に蓄冷体を有し、蓄冷体の蓄えた冷熱によって庫内の温度を低温に保つことができる。そのため、保冷庫内に物品を収容することで該物品を保冷することができる。
保冷庫42〜46は、低温で配送すべき物品(要冷蔵物や要冷凍物等)を庫内に収容して配送するために用いられる。保冷庫42〜46は、管理拠点において物品を庫内に収容した後、例えばトラック等の輸送機器に搭載されて配送先へ輸送される。
保冷庫42〜46は、それぞれが保冷能力を有する。保冷能力とは、保冷庫が備える蓄冷体の蓄えた冷熱量(蓄冷量)に基づいて算出される能力であって、保冷庫が庫内を保冷することが可能な残り時間である蓄冷残時間で示される。
なお、保冷庫42〜46が有することができる最大の蓄冷残時間は、互いに同じとは限らない。以下の説明では、保冷庫42は、最大で9時間分の保冷能力を有することができる保冷庫(9時間機)、保冷庫46は、最大で12時間分の保冷能力を有することができる保冷庫(12時間機)であるとして説明する。
保冷庫42〜46は、計測部42a〜46a、庫内温度制御部42b〜46b、履歴保持部42c〜46c、識別情報保持部42d〜46d、通信部42e〜46e、入力部42f〜46f、及び電源プラグ42g〜46gを有している。
計測部42a〜46aは、保冷庫42〜46内の温度を計測する第1の温度センサ、及び保冷庫42〜46内の蓄冷体の温度を計測する第2の温度センサを含む。
第1の温度センサは、保冷庫42〜46内の所定の位置に設けられている。計測部42a〜46aは、第1の温度センサによって計測された庫内温度を示す情報を庫内温度制御部42b〜46bに出力する。
第2の温度センサは、保冷庫42〜46内の蓄冷体に取り付けられている。計測部42a〜46aは、第2の温度センサで計測した蓄冷体の温度に基づいて、保冷庫42〜46の蓄冷残時間を算出する。計測部42a〜46aは、算出した蓄冷残時間を履歴保持部42c〜46cに送信する。
庫内温度制御部42b〜46bは、庫内温度及び温度帯を保冷庫42〜46の図示せぬ状態表示部に表示する。ここで、温度帯とは、例えば、冷蔵/冷凍/チルドなどがあり、保冷庫42〜46に予め設定された、もしくは、ユーザーによって設定された保冷庫42〜46内を保冷する温度帯である。
履歴保持部42c〜46cは、保冷庫42〜46の履歴情報を記憶している。履歴情報には、保冷庫42〜46の蓄冷残時間、保冷庫42〜46の必要保冷時間、及び冷蔵/冷凍/チルドの情報などの情報が含まれる。
必要保冷時間は、保冷庫42〜46が保冷する必要がある時間である。必要保冷時間は、ユーザーによって指定される。冷蔵/冷凍/チルドの情報は、保冷庫42〜46が冷蔵用として使用されるか、冷凍用として使用されるか、又はチルドとして使用されるかを示す情報である。保冷庫42〜46が冷蔵用として使用されるか、冷凍用として使用されるか、またはチルドとして使用されるかは、予め保冷庫42〜46に設定されているもの、もしくはユーザーによって指定されるものである。以下、保冷庫の用途(冷蔵/冷凍/チルド)は、ユーザーによって設定されることを例に説明する。
履歴保持部42c〜46cは、計測部42a〜46aから定期的に送られてくる蓄冷残時間を時刻情報と対応付けて順次蓄積する。また、履歴保持部42c〜46cは、ユーザーによって指定された必要保冷時間及び冷蔵/冷凍/チルドの情報を蓄積している。また、履歴保持部42c〜46cは、蓄冷残時間、必要保冷時間及び冷蔵/冷凍/チルドの情報を給電装置10に送信する。履歴保持部42c〜46cは、メモリやハードディスクなどの記憶媒体により構成される。
なお、計測部42a〜46aは、蓄冷残時間だけでなく、蓄冷残時間を算出する過程で得られたすべてのデータ(計測データ、その他の算出データ)も含めて履歴保持部42c〜46cに送信してもよい。さらに、履歴保持部42c〜46cは、該すべてのデータも蓄積することにしてもよい。
識別情報保持部42d〜46dは、保冷庫42〜46に予め付与された保冷庫識別情報を保持する。保冷庫識別情報は、保冷庫42〜46を他の保冷庫と識別するための固有の情報である。そして、識別情報保持部42d〜46dは、保冷庫識別情報を給電装置10に送信する。識別情報保持部42d〜46dは、メモリやハードディスクなどの記憶媒体により構成される。
通信部42e〜46eは、給電装置10と通信を行う。具体的には、通信部42e〜46eは、上述した履歴情報や保冷庫識別情報を給電装置10に送信する。通信部42e〜46eが行う通信の形態については特に限定されず、無線通信であってもよいし、有線通信であってもよい。
入力部42f〜46fは、例えばタッチパネルであり、ユーザーは入力部42f〜46fを操作することで保冷庫42〜46の必要保冷時間、及び用途(冷蔵/冷凍/チルド)を設定する。例えば、ユーザーが8時間保冷できる冷蔵用の保冷庫を求めている場合、ユーザーは、入力部42f〜46fを操作して必要保冷時間を8時間、用途(冷蔵/冷凍/チルド)を冷蔵と設定する。
電源プラグ42g〜46gは、電源ケーブルで保冷庫42〜46に接続されている。保冷庫42〜46は、電源プラグ42g〜46gを介して給電装置10に接続される。
給電装置10は、保冷庫42〜46の予冷のための給電を行う装置である。なお、予冷とは、ユーザーが保冷庫42〜46を使用する前に、保冷庫42〜46の庫内を冷却し、蓄冷体に冷熱を蓄えることを意味する。
保冷庫42〜46が給電装置10に接続されると、各保冷庫42〜46内の図示せぬ冷却装置によって各保冷庫42〜46の蓄冷体が冷却され、冷熱が蓄えられる。冷却装置は、例えば蒸発器、圧縮器、凝縮器、膨張弁等によって構成されており、熱交換によって蓄冷体に冷熱を蓄える。
以下、給電装置10の構成について、図1から図5を参照して説明する。図2は、本発明の第1実施形態に係る給電装置10の外観を示す斜視図である。図3は、本発明の第1実施形態に係る給電装置10で管理されている給電リストを示す図である。図4は、本発明の第1実施形態に係る給電装置10で管理されている最大給電コンセント数リストを示す図である。図5は、本発明の第1実施形態に係る給電装置10で管理されている給電モードリストを示す図である。
給電装置10は、複数のコンセント131〜136、記憶部140、状態表示部150、及び制御部160を備える。図1では、複数のコンセント131〜136のうち、3つのコンセント131、132、136のみ図示している。なお、給電装置10が備えるコンセントの数はこれに限定されない。
給電装置10は、コンセント131〜136及びそれに挿入された電源プラグ42g〜46gを通じて保冷庫42〜46に給電を行う。例えば、保冷庫42の電源プラグ42gがコンセント132に挿入された場合、給電装置10は、コンセント132及び電源プラグ42gを通じて保冷庫42に給電を行う。
なお、本願明細書において、保冷庫42〜46に給電を行うことと、保冷庫42〜46の電源プラグ42g〜46gが挿入されたコンセントに給電を行うこととは同じ意味で使用される。
図1に示すように、コンセント131〜136は、挿抜検出部131a〜136a、及び通信部131b〜136bを有している。挿抜検出部131a〜136aは、コンセント131〜136に対する保冷庫42〜46の電源プラグ42g〜46gの挿入/抜去を検出する。
通信部131b〜136bは、コンセント131〜136に挿入された電源プラグ42g〜46gを有する保冷庫42〜46との通信を担う。具体的に説明すると、通信部131b〜136bは、電源プラグ42g〜46gがコンセント131〜136に挿入された際に、保冷庫42〜46から保冷庫42〜46の情報を取得する。保冷庫42〜46の情報には、保冷庫識別情報、及び履歴情報が含まれる。
図2では、コンセント132〜136にそれぞれ、保冷庫42〜46の電源プラグ42g〜46gが挿入されている。
記憶部140には、給電装置10の制御プログラムを格納したROM(Read Only Memory)、作業用メモリとして用いられるRAM(Random Access Memory)等の記憶デバイスが含まれる。
記憶部140は、図3に示すように、電源プラグ42g〜46gを有する保冷庫42〜46の情報と、電源プラグ42g〜46gの挿入が検出されたコンセント131〜136の情報とが対応づけられた対応情報を給電リストとして記憶している。
また、記憶部140は、図4に示されている最大給電コンセント数リスト、及び図5に示されている給電モードリスト等を記憶している。
給電リストには、コンセント131〜136に挿入された電源プラグ42g〜46gを有する保冷庫42〜46に関する情報がコンセント識別情報と関連付けられて登録されている。
コンセント識別情報は、給電装置10が備えるコンセント131〜136に予め付与された他のコンセントと識別するための固有の情報である。図3に示すように、コンセント131〜136には、それぞれ識別情報としてそれぞれ1〜6が付与されている。
保冷庫42〜46に関する情報には、保冷庫識別情報、冷蔵/冷凍/チルドの情報、蓄冷残時間、必要保冷時間、給電状態、及び接続順位が含まれている。
保冷庫識別情報、冷蔵/冷凍/チルドの情報、蓄冷残時間、及び必要保冷時間は、保冷庫42〜46から取得された情報である。
図3に示すように、保冷庫42〜46には、保冷庫識別情報としてそれぞれb〜fが付与されている。給電状態とは、コンセント131〜136に挿入された電源プラグ42g〜46gを有する保冷庫42〜46の状態を示しており、「給電待ち」、「給電中」、及び「給電完了」の各状態がある。なお、本願明細書において、保冷庫の給電状態と、コンセントの給電状態とは同じ意味で使用されている。
「給電待ち」状態とは、対象の保冷庫42〜46の電源プラグ42g〜46gはコンセント131〜136に挿入されたものの、保冷庫42〜46が給電を受けていない状態を意味する。
「給電中」状態とは、対象の保冷庫42〜46の蓄冷残時間が必要保冷時間に達しておらず、保冷庫42〜46が給電を受けている状態を意味する。
「給電完了」状態とは、対象の保冷庫42〜46に必要な分の給電が完了した状態を意味する。言い換えると、対象の保冷庫42〜46の蓄冷残時間が必要保冷時間に達している状態を意味する。
接続順位とは、電源プラグ42g〜46gが挿入されているコンセント131〜136の中で、電源プラグ42g〜46gの挿入が検出された時刻が早いほうから付与された順位を示す。
例えば、図3には、保冷庫識別情報が「f」である保冷庫46は、コンセント131〜136に挿入された電源プラグ42g〜46gを有する保冷庫42〜46の中で最も早くコンセント131〜136に挿入された電源プラグ42g〜46gを有する保冷庫42〜46であることが示されている。
図4に示す最大給電コンセント数リストには、時期及び時間帯毎に最大給電コンセント数が登録されている。最大給電コンセント数とは、給電装置10が同時に給電可能な最大のコンセント131〜136の数である。なお、最大給電コンセントリストは、必ずしも最大給電コンセント数が時期及び時間帯の両方に対応付けてられて登録されていなくてもよく、時期のみに対応付けられて登録されていてもよい。また、最大給電コンセントリストは、最大給電コンセント数が時間帯のみに対応付けられて登録されていてもよい。
最大給電コンセント数は、保冷庫42〜46に同時に給電を行ってもブレーカーが遮断せず、且つ、電力ピークが発生しない最大のコンセント数を示す値である。また、最大給電コンセント数は、保冷庫42〜461台当たりの電力使用量と、給電装置10が設けられている管理拠点におけるブレーカー容量、及び電力ピーク等を考慮して算出される。
給電装置10で消費できる電力量は、給電装置10が設けられている管理拠点での給電装置10以外の機器の消費電力量によって変化する。このため、最大給電コンセント数は、時期や時間帯によって変化する。
そのため、時期及び時間帯毎に最大給電コンセント数を算出しておき、算出した最大給電コンセント数を時期及び時間帯と対応付けて、最大給電コンセント数リストとして記憶部140に記憶しておくことが望ましい。
例えば、7−9月(夏期)は、給電装置10が設けられている管理拠点において他の機器(エアコン等)の電力使用量が増えるため、最大給電コンセント数は他の時期に比べて小さい値に設定されている。
また、管理拠点において、昼の時間帯に作動している機器が多いため、給電装置10以外の機器の消費電力量が多く、夜の時間帯に作動している機器が少ないため、給電装置10以外の機器の消費電力量が少ない傾向があるとする。
その場合、昼の時間帯の最大給電コンセント数が他の時間帯に比べて小さい値に設定され、夜の時間帯の最大給電コンセント数が他の時間帯に比べて大きい値に設定される。
また、給電モードリストには、時間帯毎に給電モードの情報が登録されている。給電モードには、モード1、モード2、及びモード3がある。
モード1は、給電装置10が給電リストに保冷庫識別情報及び履歴情報が先に登録された保冷庫42〜46から順に給電を行うための給電モードである。モード2は、給電装置10が蓄冷残時間と必要保冷時間との差が小さい保冷庫42〜46から順に給電を行うための給電モードである。モード3は、蓄冷残時間と必要保冷時間との差が大きい保冷庫42〜46から順に給電を行うための給電モードである。
なお、最大給電コンセント数リスト、及び給電モードリストにおける「朝」、「昼」、「夕方」、「夜」の各時間帯は、例えば「4:00〜10:00」、「10:00〜16:00」、「16:00〜20:00」、「20:00〜4:00」等と設定されている。
状態表示部150は、コンセント131〜136に対する給電状況をコンセント毎に表示する。
図2に示されているように、状態表示部150は、コンセント131〜136に対応した給電待ちランプ101〜106を有する。また、状態表示部150は、コンセント131〜136に対応した給電中ランプ111〜116を有する。さらに、状態表示部150は、コンセント131〜136に対応した給電完了ランプ121〜126を有する。
制御部160は、CPU(Central Processing Unit)などの制御装置であり。制御部160は、ROMに記憶されている給電装置10の制御プログラムを読みだして、RAMに展開し、展開したプログラムを実行することで、情報取得部161、情報管理部162、給電制御部163、及び表示制御部164として機能する。
情報取得部161は、複数のコンセント131〜136の通信部131b〜136bが取得した保冷庫42〜46の情報を取得する。
情報管理部162は、給電リストを管理しており、情報取得部161が取得した保冷庫42〜46の情報を給電リストに登録する。
給電制御部163は、給電リスト、最大給電コンセント数リスト、及び給電モードリストに基づいてコンセント131〜136に対する給電制御を行う。給電制御については、後に詳細に説明する。
表示制御部164は、各コンセント131〜136の給電状況に基づいて状態表示部150の表示を制御する。具体的には、表示制御部164は、状態表示部150に含まれる各ランプの点灯及び消灯を制御する。
次に、給電装置10の動作について図3、図4、図5及び図6を参照して説明する。図6は、本発明の第1実施形態に係る給電装置10によって実行される動作を示すフローチャートである。
情報管理部162は、各コンセント131〜136に対する電源プラグ42g〜46gの挿抜状態をチェックし(ステップS11)、コンセント131〜136の中に、新たに保冷庫42〜46の電源プラグ42g〜46gが挿入されたコンセント131〜136があるか否かを判定する(ステップS12)。
具体的には、挿抜検出部131a〜136aは、それぞれ電源プラグ42g〜46gがコンセント131〜136に挿入されたことを検出した場合、挿入検出信号を情報管理部162に送信する。
挿入検出信号には、挿抜検出部131a〜136aを有するコンセント131〜136のコンセント識別情報が含まれる。情報管理部162は、挿入検出信号の有無に基づいて新たに保冷庫42〜46の電源プラグ42g〜46gが挿入されたコンセント131〜136の有無を判定する。
新たに保冷庫42〜46の電源プラグ42g〜46gが挿入されたコンセント131〜136がない場合(ステップS12のNO)、ステップS16の処理に移る。
新たに保冷庫42〜46の電源プラグ42g〜46gが挿入されたコンセント131〜136があった場合(ステップS12のYES)、表示制御部164は、該コンセント131〜136に対応する給電待ちランプを点灯させる(ステップS13)。
ここで、表示制御部164は、挿入検出信号及び給電リストに基づいて、新たに保冷庫42〜46の電源プラグ42g〜46gが挿入されたコンセント131〜136を特定する。そして、表示制御部164は、特定したコンセント131〜136に対応する給電待ちランプを点灯させる。
続いて、情報取得部161は、挿入が検出された電源プラグ42g〜46gを有する保冷庫42〜46の情報(保冷庫識別情報及び履歴情報)を取得する(ステップS14)。
保冷庫42〜46の情報は、電源プラグ42g〜46gがコンセント131〜136に挿入された際に通信部131b〜136bにより保冷庫42〜46から取得されており、情報取得部161は、通信部131b〜136bから保冷庫42〜46の情報を取得する。
そして、情報管理部162は、情報取得部161が取得した保冷庫42〜46の情報を給電リストに追加登録する(ステップS15)。
このとき、情報管理部162は、挿抜検出部131a〜136aからの挿入検出信号に含まれるコンセント識別情報と保冷庫42〜46の情報とその他の情報とを対応付けて、その対応付けられた情報を給電リストに追加登録する。
その他の情報には、コンセント131〜136の給電状態、及び電源プラグ42g〜46gが挿入されているコンセント131〜136の中で該電源プラグ42g〜46gの挿入が検出された順位である接続順位が含まれる。
例えば、情報管理部162は、保冷庫42の電源プラグ42gが新たにコンセント132に挿入された場合、コンセント識別情報「2」、保冷庫識別情報「b」、「冷蔵」を示す情報、蓄冷残時間「4」(時間)、必要保冷時間「8」(時間)、コンセント132の給電状態を示す情報「給電中」、接続順位「5」(位)を給電リストに追加登録する。
次に、情報管理部162は、コンセント131〜136の中に、電源プラグ42g〜46gが抜去されたコンセント131〜136があるか否かを判定する(ステップS16)。
具体的には、挿抜検出部131a〜136aは、電源プラグ42g〜46gがコンセント131〜136から抜去されたことを検出した場合、抜去検出信号を情報管理部162に送信する。
抜去検出信号には、抜去を検出した挿抜検出部131a〜136aを有するコンセント131〜136のコンセント識別情報が含まれる。情報管理部162は、抜去検出信号の有無に基づいて新たに電源プラグ42g〜46gが抜去されたコンセント131〜136の有無を判定する。
新たに電源プラグ42g〜46gが抜去されたコンセント131〜136がない場合(ステップS16のNO)、ステップS18の処理に移る。
新たに電源プラグ42g〜46gが抜去されたコンセント131〜136がある場合(ステップS16のYES)、情報管理部162は、抜去された電源プラグ42g〜46gを有する保冷庫42〜46の登録情報を給電リストから削除する(ステップS17)。
続いて、情報管理部162は、すべてのコンセント131〜136から電源プラグ42g〜46gが抜去されたか否かを判定する(ステップS18)。このとき、情報管理部162は、コンセント131〜136からの抜去検出信号の有無に基づいて判定する。
コンセント131〜136の中の少なくとも一つに電源プラグ42g〜46gが挿入されていると判定された場合(ステップS18のNO)、情報取得部161は、コンセント131〜136に挿入されている電源プラグ42g〜46gを有するすべての保冷庫42〜46からそれぞれの保冷庫42〜46の履歴情報を取得する(ステップS19)。
実際には、電源プラグ42g〜46gが挿入されているコンセント131〜136の通信部131b〜136bが該電源プラグ42g〜46gを有する保冷庫42〜46から履歴情報を取得しており、情報取得部161は、電源プラグ42g〜46gが挿入されているコンセント131〜136の通信部131b〜136bから履歴情報を取得している。
なお、ステップS19において、情報取得部161は、給電中ではない保冷庫42〜46からは履歴データを取得しなくてもよい。
なお、保冷庫42〜46は給電を受けることで蓄冷残時間が増えていく。また、コンセント131〜136に電源プラグ42g〜46gが挿入されているものの、給電を受けていない保冷庫42〜46の蓄冷残時間は次第に減少していく。
ステップS19は、情報管理部162が逐一、コンセント131〜136に挿入された電源プラグ42g〜46gを有する保冷庫42〜46の現在の蓄冷残時間を把握するための処理である。
続いて、情報管理部162は、ステップS19で情報取得部161によって取得された履歴情報を給電リストに登録し、給電リストの情報を更新する(ステップS20)。このとき、給電リストに登録されている情報の中の蓄冷残時間が更新される。
図3を用いて説明すると、給電中状態にある保冷庫識別情報が「c」、「d」である保冷庫の蓄冷残時間「5」、「6」が、例えば、「6」、「7」に更新される。
また、給電待ち状態にある保冷庫識別情報が「b」、「e」である保冷庫、及び、給電完了状態にある保冷庫識別情報が「f」である保冷庫の蓄冷残時間が減少した場合、それぞれの蓄冷残時間「4」、「6」、「11」が、例えば、「3」、「5」、「10」に更新される。
さらに、給電リストの給電状態が更新されることもある。もし、ステップS19で情報取得部161が取得した保冷庫識別情報が「f」である保冷庫の蓄冷残時間が必要保冷時間と同じである場合、情報管理部162は、給電リストの保冷庫識別情報が「f」である保冷庫46の給電状態が、給電中から給電完了に更新される。
次に、給電制御部163は、現在時刻及び給電モードリストを参照して、給電モードの切替が必要か否かを判定する(ステップS21)。
ここで、給電制御部163は、給電装置10に内蔵されている図示せぬ時計から現在時刻の情報を取得し、現在時刻が該当する時間帯に対応する給電モードを検索する。そして、給電制御部163は、検索結果の給電モードと現在の給電モードとを比較する。
給電制御部163は、現在の給電モードが、検索結果の給電モードと異なっている場合、給電モードの切替が必要であると判定し、現在の給電モードが、検索結果の給電モードと同じ場合、給電モードの切替は不要であると判定する。
給電モードの切替が不要である場合(ステップS21のNO)、給電制御部163は、現在の給電モードでコンセント131〜136への給電制御を行う(ステップS23)。
給電モードの切替が必要である場合(ステップS21のYES)、給電制御部163は、給電モードを切り替える(ステップS22)。そして、給電制御部163は、切り替え後の給電モードでコンセント131〜136への給電制御を行う(ステップS23)。その後、ステップS11の処理に移る。
給電装置10が備えるすべてのコンセント131〜136から電源プラグ42g〜46gが抜去されたと判定された場合(ステップS18のYES)、制御部160は、処理終了の指示の有無を判定する(ステップS24)。処理終了の指示とは、例えば、給電装置10の電源をオフするための入力指示である。
処理終了の指示があった場合(ステップS24のYES)、図6に示す給電装置10の動作が終了する。処理終了の指示がない場合(ステップS24のNO)、ステップS11の処理に移る。
次に、給電装置10の給電制御について図3、図5及び図7を参照して説明する。図7は、本発明の第1実施形態に係る給電装置10によって実行される動作の中で給電制御に関する動作を示すフローチャートである。具体的には、図7のフローチャートは、図6のステップS23の動作を詳細に示したものである。
情報管理部162は、給電リストを参照して、給電待ちのコンセント131〜136があるか否かを判定する(ステップS31)。
給電待ちのコンセント131〜136がある場合(ステップS31のYES)、情報管理部162は、給電リストを参照して、給電完了のコンセント131〜136があるか否かを判定する(ステップS32)。給電完了のコンセント131〜136がない場合(ステップS32のNO)、ステップS35の処理に移る。
給電完了のコンセント131〜136がある場合(ステップS32のYES)、給電制御部163は、給電完了のコンセント131〜136への給電を停止する(ステップS33)。
例えば、図3の例では、情報管理部162は、給電完了のコンセントとしてコンセント識別情報が「6」であるコンセントを検出する。そして、給電制御部163は、コンセント識別情報が「6」であるコンセントへの給電を停止する。
次に、表示制御部164は、給電完了のコンセント131〜136に対応する給電中ランプ111〜116を消灯して給電完了ランプ121〜126を点灯させ、情報管理部162は給電リストを更新する(ステップS34)。
例えば、図2において、コンセント136への給電が停止したとき、表示制御部164は、給電中ランプ116を消灯し、給電完了ランプ126を点灯させる。また、情報管理部162は、給電リストに登録されている情報の中のコンセント136の給電状態の情報を給電中から給電完了に更新する。その後、ステップS35に移る。
ステップS35では、給電制御部163は、優先順位に基づいて給電対象の保冷庫42〜46を決定する。ここで、優先順位は、現在の給電モードに応じて決定される。
例えば、図3に示されているように、保冷庫識別情報が「b」、「e」である保冷庫が給電待ち状態にある場合、給電制御部163は、保冷庫識別情報が「b」、「e」である保冷庫に対して優先順位を決める。
現在の給電モードがモード1である場合、給電制御部163は、給電リストの接続順位を参照し、接続順位が高い保冷庫識別情報が「e」である保冷庫(接続順位4位)を優先順位1位、保冷庫識別情報が「b」である保冷庫(接続順位5)を優先順位2位に決定する。
現在の給電モードがモード2である場合、給電制御部163は、給電リストを参照し、蓄冷残時間と必要保冷時間との差がより小さい保冷庫識別情報が「b」である保冷庫(差は「4」)を優先順位1位、保冷庫識別情報が「e」である保冷庫(差は「5」)を優先順位2位に決定する。
このように、優先順位を決めることで、管理拠点において短時間で使用可能な保冷庫42〜46の数を増やしやすくすることができる。
現在の給電モードがモード3である場合、給電制御部163は、給電リストの接続順位を参照し、蓄冷残時間と必要保冷時間との差がより大きい保冷庫識別情報が「e」である保冷庫(差は「5」)を優先順位1位、保冷庫識別情報が「b」である保冷庫(差は「4」)を優先順位2位に決定する。
このように、優先順位を決めることで、管理拠点において、使用可能な保冷庫42〜46がすぐには必要とならない時間帯において、使用可能になるまでに時間がかかる保冷庫42〜46に優先的に給電することができる。よって、使用可能になるまでに時間がかかる保冷庫42〜46を使用可能な状態にしやすくすることができる。
また、給電制御部163は、現在の給電モードに応じて保冷庫42〜46の優先順位を決定した後、給電待ちのコンセント131〜136の中で優先順位が最も高いコンセント131〜136を最優先コンセントに決定する。
次に、給電制御部163は、現在給電中のコンセントの総数が、最大給電コンセント数よりも小さいか否かを判定する(ステップS36)。
言い換えると、給電対象のコンセント131〜136を介して保冷庫42〜46を給電した際に、給電中となるコンセント131〜136の総数が最大給電コンセント数以下となるか否かを判定する。ステップS36は、同時に給電するコンセント数が最大給電コンセント数を超えないようにするための判定処理である。
ここで、給電制御部163は、給電装置10内の図示せぬ時計から現在の日付及び現在時刻の情報を取得し、取得した情報に基づいて最大給電コンセント数リストを参照し、最大給電コンセント数の情報を取得する。
また、給電制御部163は、給電リストを参照して、現在給電中のコンセント数をカウントする。そして、給電制御部163は、現在給電中のコンセント数と、取得した最大給電コンセント数の値とを比較する。
給電中のコンセント数が最大給電コンセント数以上となる場合(ステップS36のNO)、給電制御部163は、最優先コンセントを介した保冷庫42〜46の給電を行わない。また、給電制御部163は、最大給電コンセント数を超える分の給電中コンセントへの給電を停止する(ステップS40)。このとき、給電制御部163は、最大給電コンセント数を超える分の給電中コンセントを検出し、検出されたコンセントに対して給電を停止する。
例えば、時刻が7月10日の朝の時間帯から昼の時間帯になった場合、最大給電コンセント数は「4」から「3」に減少する。そして、給電中のコンセント数が「4」であった場合、給電中のコンセントの中の1つに対して給電を停止する。
このとき、給電制御部163は、蓄冷残時間が必要保冷時間に達している保冷庫42〜46がある場合は、その保冷庫42〜46の電源プラグ42g〜46gが接続するコンセント131〜136を優先的に給電停止対象のコンセントとして決定する。そのようなコンセント以外にも給電を停止するコンセントを選択する必要がある場合には、給電制御部163は、給電モードにしたがって、給電停止対象のコンセントを決定する。
具体的には、給電制御部163は、現在の給電モードを確認する。例えば、給電モードがモード1である場合、給電制御部163は、給電リストに保冷庫識別情報及び履歴情報が登録されたタイミングが遅い保冷庫42〜46の電源プラグ42g〜46gが接続するコンセント131〜136から順に給電停止対象のコンセントとして決定していく。
給電モードがモード2である場合、給電制御部163は、蓄冷残時間と必要保冷時間との差が大きい保冷庫42〜46の電源プラグ42g〜46gが挿入されているコンセント131〜136から順に給電停止対象のコンセントとして決定していく。
給電モードがモード3である場合、給電制御部163は、蓄冷残時間と必要保冷時間との差が小さい保冷庫42〜46の電源プラグ42g〜46gが挿入されているコンセント131〜136から順に給電停止対象のコンセントとして決定していく。
給電制御部163が、最大給電コンセント数を超える分の給電中コンセントへの給電を停止すると給電制御処理が終了する。このとき、表示制御部164が、給電を停止したコンセント131〜136に対応する給電中ランプ111〜116を消灯して給電待ちランプ101〜106を点灯させ、情報管理部162が給電リストを更新してから、給電制御処理が終了する。
なお、ステップS40において、給電中のコンセント数と最大給電コンセント数が等しければ、給電停止対象のコンセントはないため、給電制御部163は、給電の停止を行わない。
給電中となるコンセント数が最大給電コンセント数よりも小さい場合(ステップS36のYES)、給電制御部163は、最優先コンセントを介した保冷庫42〜46の給電を開始する(ステップS37)。
例えば、図5において、時期が7〜9月(夏期)、時間帯が昼である場合、給電装置10の給電モードはモード2となる。また、図3において、給電中のコンセントはコンセント識別情報が「3」、「4」であるコンセントとなる。
この場合、図4より、最大給電コンセント数は「3」であるので、給電中のコンセント数(「2」)は、最大給電コンセント数(「3」)よりも小さくなる。したがって、給電制御部163は、最優先コンセントを介して保冷庫42〜46に給電を開始する。
その後、表示制御部164は、給電を開始したコンセント131〜136に対応する給電待ちランプ101〜106を消灯して給電中ランプ111〜116を点灯させ、さらに情報管理部162は、給電リストを更新する(ステップS38)。このとき、給電リストに登録されている情報の中の給電状態の情報が更新される。このとき、情報管理部162は、給電を開始した保冷庫42〜46の給電状態を給電待ちから給電中に更新する。
次に、給電制御部163は、給電リストを参照して給電待ちのコンセント131〜136があるか否かを判定する(ステップS39)。給電待ちのコンセント131〜136がない場合(ステップS39のNO)、給電制御処理は終了する。
給電待ちのコンセント131〜136がある場合(ステップS39のYES)、ステップS35の処理に移る。
例えば、図3の例において、コンセント識別情報が「2」であるコンセント131〜136には給電されて給電中の状態となったが、いまだに給電待ちの状態のコンセント識別情報が「5」であるコンセントがある場合、ステップS35の処理に移る。
この場合、給電制御部163は、優先順位が2位に決定されたコンセント識別情報が「5」であるコンセントを最優先コンセントに決定する(ステップS35)。そして、給電制御部163は、現在給電中のコンセント数が最大給電コンセント数よりも小さいか否かを判定する(ステップS36)。
ここで、給電中のコンセントはコンセント識別情報が「2」、「3」、「4」である3つのコンセントであるので、給電中のコンセント数(「3」)は最大給電コンセント数(「3」)と同じである(ステップS36のNO)。このため、給電制御部163は、給電対象のコンセント(コンセント識別情報が「5」であるコンセント)を介した保冷庫の給電を行わない。
また、給電中のコンセント数(「3」)は最大給電コンセント数(「3」)と同じであるので、最大給電コンセント数を超える分の給電中のコンセントはない。よって、ステップS40において、給電が停止されるコンセントはなく、給電制御処理が終了する。
なお、給電制御部163は、原則として、給電対象のコンセント131〜136を介して保冷庫42〜46に蓄冷残時間が必要保冷時間に達したら給電を停止する。
これは、保冷庫42〜46が必要な保冷時間を有するようになった場合、給電待ちのコンセント131〜136を介して別の保冷庫42〜46の給電を行うことで、無駄な給電を行うことなく短時間で効率的よく、多くの保冷庫42〜46を給電できるようにするためである。
しかし、保冷庫42〜46は給電を停止して放置しておくと、少しずつ蓄冷残時間が減少する。そのため、給電待ちのコンセント131〜136がない場合、給電が完了した保冷庫42〜46に対し給電を継続することにより、蓄冷残時間の減少を防止することができる。以下に説明するステップS41〜S45は、この状況を想定した処理である。
給電待ちのコンセント131〜136がない場合(ステップS31のNO)、情報管理部162は、給電完了のコンセント131〜136があるか否かを判定する(ステップS41)。給電完了のコンセント131〜136がない場合(ステップS41のNO)、給電制御部163は、最大給電コンセント数を超える分のコンセント131〜136への給電を停止する(ステップS40)。その後、給電制御処理は終了する。
給電完了のコンセント131〜136がある場合(ステップS41のYES)、表示制御部164は、給電中ランプ111〜116を消灯して給電完了ランプ121〜126を点灯させ、情報管理部162は給電リストを更新する(ステップS42)。ステップS42の詳細はステップS34と同様である。
その後、給電制御部163は、給電中のコンセント数が最大給電コンセント数以下であるか否かを判定する(ステップS43)。ステップS43は、給電完了のコンセントに対して給電を継続した場合、最大給電コンセント数を超えることになるか否かを判定するためのステップである。ここで、給電完了のコンセントに対して給電は停止されていないため、給電完了コンセントも給電中コンセントの数に含まれる。
給電中のコンセント数が最大給電コンセント数よりも多い場合(ステップS43のNO)、給電制御部163は、給電完了のコンセント131〜136への給電を停止する(ステップS44)。なお、給電中のコンセント数が最大給電コンセント数よりも多くなる場合としては、最大給電コンセント数が時間帯や時期によって変化したことが想定される。
ここで、給電完了のコンセント131〜136が複数ある場合、給電制御部163は、必ずしもすべての給電完了のコンセント131〜136に対して、給電を停止しなくてもよい。
例えば、給電完了のコンセントが2つあり、かつ、給電中のコンセント数が最大給電コンセント数より1つ多い場合、給電制御部163は、2つの給電完了のコンセント131〜136の一つに対して、給電を停止する。このときに給電制御部163が給電を停止するコンセント131〜136を決定するルールにはどんなルールが採用されてもよい。
給電制御部163が、給電完了のコンセント131〜136への給電を停止すると、給電制御処理は終了する。
給電中のコンセント数が最大給電コンセント数以下である場合(ステップS43のYES)、給電制御部163は、給電完了のコンセント131〜136の給電を停止することなく、給電を継続する(ステップS45)。
このように、給電中のコンセント131〜136を介して給電を受けていた保冷庫の蓄冷残時間が必要保冷時間に達したとしても、給電待ちのコンセント131〜136がなければ、引き続き給電していてもよい。
給電待ちのコンセント131〜136がない場合に、必要な給電が完了した保冷庫42〜46に対して給電を継続することで、蓄冷残時間の減少を防止することができる。
以上、説明したように、給電装置10は、新たに電源プラグ42g〜46gが挿入されたコンセント131〜136を介して給電した際に、給電中となるコンセント131〜136の総数が所定のコンセント数以下となる場合に、該電源プラグ42g〜46gが挿入されたコンセント131〜136を介して給電を行う。
他方、新たに電源プラグ42g〜46gが挿入されたコンセント131〜136を介して給電した際に、給電中となるコンセント131〜136の数が所定のコンセント数以下とならない場合には、給電装置10は、電源プラグ42g〜46gが挿入されたコンセント131〜136を介した保冷庫42〜46の給電を行わない。
これにより、給電装置10は、電力ピークの発生を防止し、ブレーカーが作動による給電の停止を防止できる。このため、給電装置10は、ブレーカーが作動することによる給電の停止によって、保冷庫42〜46への給電が妨げられなくなる。
以上、まとめると、給電装置10は、電力ピークの発生やブレーカーの作動による給電の停止を防止し、且つ効果的に保冷庫42〜46に給電することができる。
また、給電装置10は、電源プラグ42g〜46gを有する保冷庫42〜46の情報と、該電源プラグ42g〜46gの挿入が検出されたコンセント131〜136の情報とを対応付けた対応情報が登録されている給電リストを記憶している。したがって、保冷庫42〜46毎に適した給電を行うことができる。
また、給電装置10は、電源プラグ42g〜46gがコンセント131〜136に挿入された際に、該電源プラグ42g〜46gを有する保冷庫の情報を、該保冷庫から直接取得する。よって、保冷システム1は保冷庫42〜46の情報を管理するサーバ装置を別途備えずに済むため、保冷システム1が簡略化でき、保冷システム1の導入コストを低減できる。
また、給電装置10が取得する保冷庫42〜46の情報には、蓄冷残時間と、必要保冷時間とが含まれ、給電装置10は、給電中の保冷庫42〜46の蓄冷残時間が必要保冷時間に達するまで行う。
言い換えると、給電装置10は、給電中の保冷庫42〜46の蓄冷残時間が必要保冷時間に達すると、該保冷庫42〜46に対する給電を停止する。これにより、短時間で多数の使用可能な保冷庫42〜46を供給することができる。
また、給電装置10は、給電モードリストを記憶しているため、時間帯に応じて給電モードを切り替えることができる。したがって、給電装置10は、各時間帯に適した給電制御を行うことができる。
また、給電装置10は、最大給電コンセント数リストを記憶している。このため、時期及び時間帯によって変化する管理拠点の他の機器の電力使用量を考慮した最大給電コンセント数に基づいて、給電待ちのコンセント131〜136に給電を行うか否かを判定できる。
よって、管理拠点のブレーカー容量を超える給電をより確実に防ぐことができるばかりでなく、必要以上に給電を行う保冷庫42〜46の台数を減らしてしまうことを防ぐことができる。よって、給電装置10は、時期及び時間帯の変化に対応して効果的な給電制御を行うことができる。
給電装置10は、複数のコンセント131〜136に対する給電状況をコンセント毎に表示する状態表示部150を有するため、ユーザーは、コンセント131〜136に挿入してある電源プラグ42g〜46gを有する保冷庫42〜46の給電状態を把握しやすくなる。
また、ユーザーは、保冷庫42〜46の給電状態を見て、順次保冷庫42〜46の電源プラグ42g〜46gの繋ぎ変えを行うことができる。したがって、多数の使用可能な保冷庫42〜46が必要な時間帯において、給電装置10が保冷庫42〜46に給電していない時間を減らし、次々と保冷庫42〜46を給電していくことができる。
ここで、状態表示部150は、コンセント毎に各給電状態を表示できればどんな形式で給電状態を表示する構成であってもよい。例えば、LCD(Liquid Crystal Display)で構成される状態表示部150が、コンセント識別情報と各給電状態を対応付けた画像を表示してもよい。
給電制御部163は、上述したように保冷庫42〜46に所定の条件を満たすまで給電を行うように設定されている。所定の条件とは、上述した、保冷庫42〜46の蓄冷残時間が保冷庫42〜46の必要保冷時間に達することである。
ここで、所定の条件は、必ずしも保冷庫42〜46の蓄冷残時間が保冷庫42〜46の必要保冷時間に達するということには限られない。所定の条件は、蓄冷残時間の長さで設定されていなくてもよく、蓄冷量や、蓄冷量を蓄冷残時間以外の物理量に換算したものであってもよい。
また、所定の条件を満たした保冷庫42〜46において、ユーザーに使用されるまでの時間が所定の時間以上ある場合、所定の条件を満たした後、必ずしも給電が停止されなくてもよい。
給電制御部163は、保冷庫42〜46が所定の条件を満たし、使用されるまでの時間が所定の時間以上ある場合には、保冷庫42〜46に対して給電を継続する。
ただし、このとき、他に給電待ちの保冷庫42〜46がある場合、その保冷庫42〜46への給電を優先させる必要があるため、給電制御部163は、所定の条件を満たした保冷庫に対して給電を継続しない。
さらに、給電制御部163は、所定の条件を満たした保冷庫42〜46に対して順番に給電を行ってもよい。例えば、コンセント131〜136に挿入されている電源プラグ42g〜46gを有する保冷庫42〜46すべてが必要保冷時間となるまで給電された場合、給電制御部163は、それらの保冷庫42〜46に対して、順番に所定の時間ごとに給電を行ってもよい(タイムシェアリング方式による給電)。これにより、保冷庫42〜46の蓄冷残時間の自然減を防止することができる。
なお、所定の条件を満たし、コンセント131〜136に挿入されている電源プラグ42g〜46gを有する保冷庫42〜46がいくつかあれば、給電制御部163は、それらの保冷庫42〜46に対してタイムシェアリング方式で給電を行ってもよい。ただし、給電制御部163は、他に給電待ちの保冷庫42〜46がある場合、その保冷庫42〜46への給電を優先させる。
また、上述した第1実施形態の保冷システム1では、保冷庫42〜46が、ユーザーが該保冷庫42〜46の必要保冷時間を指定するための入力部42f〜46fを備えるとしたが、給電装置10が入力部をコンセント131〜136毎に備えていてもよい。
また、給電装置10に、コンセント131〜136に挿入された電源プラグ42g〜46gを有する保冷庫42〜46の必要保冷時間をコンセント131〜136と対応付けて指定可能な一つの入力部が設けられていてもよい。
また、情報取得部161が取得する保冷庫42〜46の履歴情報には、必ずしも冷蔵/冷凍/チルドの情報が含まれなくてもよく、少なくとも蓄冷残時間及び必要保冷時間が含まれていればよい。
なお、給電モードが変更されていた場合、優先順位の決定方法が変更されることになる。つまり、給電待ちのコンセント131〜136の中で、一度優先順位が決定されたとしても、給電モードが変更された場合、給電制御部163は、再度優先順位を決定する。このとき、給電待ちのコンセント131〜136の優先順位が切り替わることになる。
また、本実施形態では、必要保冷時間は、ユーザーによって指定されるとしたが、ユーザーによって指定されない場合には、保冷庫42〜46に予め設定されている時間が、必要保冷時間として、給電装置10に送信される。
ここで、予め設定されている時間とは、例えば、9時間機の保冷庫42〜46では、該保冷庫42〜46が有することができる最大の蓄冷時間である「9時間」であり、12時間機の保冷庫42〜46では、該保冷庫42〜46が有することができる最大の蓄冷時間である「12時間」である。
(第2実施形態)
以下、図8を参照して本発明の第2実施形態を説明する。以下の説明では第1実施形態と異なる点について主に説明する。
図8は、本発明の第2実施形態に係る保冷システム1の構成を示すブロック図である。本実施形態の保冷システム1は、保冷庫42〜46、給電装置10に加えて、データ管理サーバ装置200を備える。
第1実施形態の保冷庫42〜46と比較すると、本実施形態の保冷庫42〜46は、通信部42e〜46eに替えて通信部42h〜46hを備え、且つ、識別情報通知部42i〜46iを新たに備える。
通信部42h〜46hは、データ管理サーバ装置200と通信を行い、履歴保持部42c〜46cは、通信部42h〜46hを介してデータ管理サーバ装置200に保冷庫42〜46の履歴情報を定期的に送信する。
また、識別情報保持部42d〜46dは、通信部42h〜46hを介して保冷庫42〜46の保冷庫識別情報をデータ管理サーバ装置200に送信する。
識別情報通知部42i〜46iは、給電装置10と通信を行い、識別情報保持部42d〜46dは、保冷庫識別情報を識別情報通知部42i〜46iを介して給電装置10に送信する。
データ管理サーバ装置200は、各保冷庫42〜46の履歴情報を取得し、管理する。データ管理サーバ装置200は、通信部200a及び履歴データベース200bを有する。
通信部200aは、各保冷庫42〜46と通信を行い、保冷庫42〜46から保冷庫42〜46の情報(保冷庫識別情報及び履歴情報)を取得する。
なお、通信部200aは、給電装置10のコンセント131〜136に挿入された電源プラグ42g〜46gを有さない保冷庫42〜46からも保冷庫42〜46の情報を取得する。履歴データベース200bには、通信部200aによって取得された保冷庫42〜46の情報が記憶されている。
給電装置10のコンセント131〜136は、通信部131b〜136bに替えて識別情報取得部131c〜136cを有する。識別情報取得部131c〜136cは、電源プラグ42g〜46gがコンセント131〜136に挿入され、それが挿抜検出部131a〜136aによって検出された場合、保冷庫42〜46から保冷庫識別情報を取得する。
給電装置10は、通信部210を新たに有する。通信部210は、データ管理サーバ装置200と通信を行い、データ管理サーバ装置200から保冷庫42〜46の情報を取得する。
以下、本実施形態における給電装置10の動作と第1実施形態の給電装置10の動作との相違点を説明する。本実施形態における給電装置10の動作は、図6のステップS14及びS19を除き、第1実施形態の給電装置10の動作と同様である。
図6のステップS14において、情報取得部161は、保冷庫42〜46の情報をデータ管理サーバ装置200から取得する。このとき、情報取得部161は、挿入された電源プラグ42g〜46gを有する保冷庫42〜46の保冷庫識別情報を通信部210を介してデータ管理サーバ装置200に送信する。
データ管理サーバ装置200は、送られてきた保冷庫識別情報に対応する保冷庫42〜46の情報を給電装置10に送信する。情報取得部161は、データ管理サーバ装置200から保冷庫識別情報に対応する保冷庫42〜46の情報を通信部210を介して受信する。
また、図6のステップS19においても同様に、給電リストに登録されている保冷庫識別情報をデータ管理サーバ装置200に送信することで、保冷庫識別情報に対応した保冷庫42〜46の情報を取得する。
以上説明したように、本実施形態の給電装置10は、保冷庫42〜46の情報を管理しているデータ管理サーバ装置200から必要な保冷庫42〜46の情報を取得して、取得した情報に基づいて保冷庫42〜46の給電を制御する。よって、第2実施形態においても、第1実施形態と同様の作用効果を奏する。
その他、上記各実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその要旨、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。